財政金融委員会 第9号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/05/15
会議録
○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、堀内恒夫君、西田昌司君、礒崎哲史君及び長峯誠君が委員を辞任され、その補欠として山本一太君、古川俊治君、前川清成君及び酒井庸行君が選任されました。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に古川俊治君及び中山恭子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官杉原茂君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事雨宮正佳君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○片山さつき君 ありがとうございます。この財政金融委員会ではほぼ四年ぶりに質問をさせていただくので。片山さつきでございます。 黒田東彦日銀総裁に質問させていただけて大変光栄です。私が一九八二年に大蔵省に入ったときの同じ主税局の総務課の企画官でいらっしゃいまして、大体、五時四十五分に終業のベルが鳴りますと、六時ぐらいになるとこういうポーズでいらっしゃって、おっ、調査課はまだ水割り作っていないのかなと、あの朗らかな声が今でも忘れられません。私は本当に安倍総理が黒田総裁にしていただいて、絶対にこれで世の中は明るくなると確信いたしまして、本当になっているので、今日はその辺を更に補強する質問をさせていただきたいと思います。 まず、消費税転嫁の問題から入ります。 四月の東京都区部の消費者物価のデータがこの間の日銀のレポートで出たんですね。四月は二・七%なんですが、消費税引上げ分が一・七%ポイントだと日銀から説明を受けました。で、あれっ、五から八になったんだから三じゃないのと思われる方も多いかもしれませんが、非課税のものも対象の品目に入っておりますので、これは一・七で、ほぼフル転嫁だという報告を受けたんですが。 私は全国区で日本津々浦々、商店街とか中小零細を非常に多く回っておりまして、はっきり言って、片山さん、なかなか付け替えられないよというところも多いんですね。だけど、マクロ的にはきれいに上がっちゃったと。この辺について日銀総裁としてどのように観察しておられるかということから一問目伺いたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、四月の東京の生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、消費税引上げ分が完全転嫁されたと仮定してその直接的な影響を機械的に除いてみますとプラス一・〇%ということで、これは三月のプラス幅と同じでございます。このように、消費税の影響を除いたベースで見て三月から四月にかけて何か段差が生ずるということが起こっておりませんので、全体として見れば消費税の引上げ分の価格転嫁は進んでいるというふうに思われます。 ただ、委員御指摘のとおり、これはマクロ的なことでございますので、具体的な転嫁の状況というのは業種とか企業によって異なると思いますし、またこれは東京の単月分だけでございますので、全国ベースの計数を含めて今後の物価動向を見極めていきたいというふうに思っております。
○片山さつき君 単位切上げ等で上げざるを得ない、上がってしまう、上がるというようなところはきっちりできているんですよね。これは我々政治の責任で立法もお願いして転嫁を確実にするようにとやったわけですから、これは総裁にお願いするよりも我々が頑張ることじゃないかと思いますが、引き続きしっかり御観測、御指導をお願いいたします。 ここから本題に入りますが、この間、日銀も訪問させていただいて、展望レポートがこの間出ましたので、その内容を中心にお伺いさせていただきたいと思いますが、展望レポートで日銀は、見通し期間の中盤頃、これ二〇一五年度じゃないかということですが、ここで物価安定目標である二%程度に達する可能性が高いというふうに言っていただいて、これ、前の一月のときよりもちょっと後ろ倒しになったかなと見る方もいるんですが、私はそれはマージナルな問題だなと思っておりますし、以下の理由で私は二%達成はできると思っておるんですが。 ただ、強気の見通しをしているのが企業経営者で、弱気なのはエコノミストというのがこの国の景気回復期ではよくあることなんですね。財務大臣、笑っていらっしゃいますが、よくあるパターンですが。これ企業の方が、それでも一年後は一・五%で、三年後で一・七ぐらいかなと、そんなものなんですが、エコノミストの方はもっとひどいんですね。一・〇がいいところじゃないのと。しかも、政策審議委員もエコノミスト系の方が多いわけですが、二%程度に達する可能性が高いとまで行くのは大丈夫かなという方が二名、それから、見通し期間の終盤まで持っていった方がいいんじゃないですかという方が一名という中で、総裁、会見でも、二%は絶対できると、できなかったらそのためには何でもやるとおっしゃっているんですが、まずその強気の理由をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の展望レポートでもそうなっておりますけれども、しばらくの間は現在のような一%台前半で推移した後で、本年度の後半から再び上昇傾向をたどって、二〇一六年度までの見通し期間の中盤頃、二〇一五年度を中心とした期間に物価安定の目標である二%に達する可能性が高いと見ているわけでございます。 その背景として二つございまして、第一に、雇用誘発効果の大きい内需が堅調に推移する下で、労働需給が引き締まってきておりまして、この傾向は先行きも更に強まっていくと考えられます。実際、失業率は御案内のとおり三%台に、三%台が我々、構造的失業率、三%の半ばぐらいだと思っておるんですけれども、それに近づきつつあるわけでありまして、有効求人倍率も一・〇七倍まで上昇してきております。 第二に、中長期的な予想物価上昇率が高まってきておりまして、これが実際の賃金、物価の形成に影響を与え始めているのではないかというふうに思っております。具体的には、このところ企業において、従来の低価格戦略から付加価値を高めつつ販売価格を引き上げるという戦略へ切り替える動きが見られますし、春闘のベアに見られますように、労使間の賃金交渉において物価上昇率の高まりが意識されてきているというふうに見ておるわけでございます。 以上申し上げた二つの点から、見通し期間の中盤頃に二%の物価安定目標に達するというふうに見ているわけでございます。
○片山さつき君 全くそういう経済的な温度というか空気を私も日本中回っていて感じるわけでございまして、被災地なんかでは、募集を掛けると月額五十万円とかいうブルーカラーなんですよ。日曜日のダンプ運転者が五万三千円になったというのは結構いろんなところで私も使っている慣用句ですが、そうしたらもっと上があったという話もあるんですが。 ただ、そこに問題があって、多重下請構造がそういう労働需給が逼迫しているところだと必ずひどくなっちゃうのがこの国の労働慣行で、支払のところは五万幾らでも最後に回ってくる人のところでは低いんですよ。そうすると、何だこんなものかといってまた首都圏に戻っちゃったりするということが本当にあるんですよね。 だから、建設事業の場合は長年の問題があったので、構造的に是正するために下請にもある程度元請が責任を持って労働基準とかやらせますが、そのほかのブルーカラーはそこまでの法制がありません。だから、そろそろ労働需給逼迫期を上手に、賃金上昇から、それが家計の手取りになって、それが消費に回って、それで消費が投資に回ってという、いいスパイラルに結び付けるためには、その構造問題をきちっと進めていかなければいけないということを日本銀行にも是非言っていただきたいんです。 また、エコノミストの議論では、こういう復興需要とかそういうものについてのボトルネックが物価を押し上げるような状況は健全じゃないとか言い出す人がいるんですよね。ただ、二十年間デフレで十数年間給与が下がっていて、経営マインドが縮み志向で全部ダウンサイジングしちゃった国が、広げようと思ったらほかに一体どういう方法があるのということですよね。 だから、ここの産みの苦しみを、諮問会議や戦略会議でも立派な委員がそろっておられますが、時々出てくるのは、短期の単純労働者をどばっと入れて、その間だけ賃金下げちゃえばいいじゃないかと。私はこれはやるべきじゃないと思いますよ。それは日本が移民を完全に受け入れる国だという選択をするなら別ですが、入ってこられるのは物ではなくて人ですから、大変な社会的コストその他の問題があって、そこで一時的に下げてもその循環は決していいところに行かないと思いますので、むしろ失業率三%台、構造的失業率三%半ばだと今総裁が非常にはっきりおっしゃっていただいたことは、金融市場にも今日プラスだと思います。というのは、日銀はやはり雇用にも責任を持って、失業率についてもある程度ターゲットを設けたらいいんじゃないかという金融積極論者が多いんですね。 そういったことも含めて、日本国民の、日本のレジデントの就業者の失業率を構造的な失業率のところで抑えて、かつ賃金は緩やかにきっちりと上がって、いい方向の回転を目指すような政策で、安易なそれだけのための単純労働者輸入はいかがなものかということを是非総裁からもおっしゃっていただきたいんですが。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のいわゆる好循環、生産、所得、支出の好循環の下でバランスよく成長する、そこで賃金や物価が上がっていくということが一番望ましいわけでございます。現に、このところ、潜在成長率を上回る成長が続いているために労働需給が非常に引き締まっておりまして、名目賃金の上昇圧力は着実に高まっていると。その結果、所定外あるいは特別給与の改善が続くだけでなくて、パートの時給もはっきり上昇するとか、それから、今次の春闘の中でベースアップがかなり広く認められるわけですが、こうしたことで所定内給与も今後緩やかに上昇していくのではないかというふうに見られております。 外国人労働者の問題等につきましては、私から何か具体的なことを申し上げる立場にはございませんが、労働需給がかなり引き締まってきておりますので、いわゆるアベノミクスの第三の矢、成長戦略、規制緩和、あるいは投資の促進等々によって、生産性、潜在成長率を引き上げていくということの重要性が高まっているということは申し上げられると思います。
○片山さつき君 その潜在的な、構造的な潜在的な成長率の引上げにスキルのない外国人労働者を入れることがどのぐらい有効なのかというのはむしろ逆なような気もいたしますけれども、いずれにしても、三%台半ばの構造的な失業率まで近づけるという方向でおやりいただければと思います。 次に、ここからがよりマネタリーなお話になるんですが、これは私、持論でございまして、もう何年間も金融関係の専門誌とかに書いたり、発言したりもしておりますが、マネタリーベースと銀行貸出しの関係なんですね。マネーストックの増加速度がどのぐらいかというお話と同じですけれども、量的・質的金融緩和でマネタリーベースを大幅に増加させて、総裁自身も年に六十兆から七十兆とおっしゃっていると。だから、もう今二百兆になったわけですよね。ただ、その大半が、金融機関から、国債を買って、そのお金を金融機関がどうしているかというと、貸出しに回っているのは、伸びたのはこの一年で企業向けが五兆円のみ、そのうち中小企業向けは三兆円というデータで、大体そんな感じかなと思いますよ。残りの大半は当座預金の、日銀の当座勘定に残っているという現実です。 これは、ある程度致し方もないことがありまして、つまり、潜在的な成長率が、幾つと見るかといっても三や四ある国じゃないわけですよ。一、まあ頑張って二になれれば本当にうれしいけど、一%台という国の中で、かつては、いわゆる信用乗数というのはバブルの頃は十二倍ぐらいあったんですよね。今はマネーストックが千二百兆ぐらい行きました、行ってないですかね、まだ。千二百兆行ったかな。去年の十月で千百六十三兆だから今千二百あると思いますが、それでマネタリーベースが二百二十ですから、やっぱり七行ってないというか六行ってないというか、金融再生の頃、私が銀行局にいた頃より低いんですよね。 ただ、これを無理に上げるためだけに全部貸し出すのも難しいですが、それにしてもこの信用乗数が余りにも低くないのということで、上げるためにいろんな努力を金融庁も日銀もやっていただいているのは分かっておりますが、やはり経済政策は結果ですから、余り出てないんですね。 ですから、まずその当座預金に銀行が預けちゃっている、そして貸しているお金、それを差し引いたものはどのように使われていると見ていらっしゃって、そのところについては日銀総裁としての評価はいかがですか、外債投資とか言われている話もありますが。
○参考人(黒田東彦君) 昨年四月に量的・質的金融緩和を導入いたしました際に申し上げたわけですが、こうした異次元とも言われる金融緩和によって三つの効果を期待していると。一つは長期金利を低位に抑制する、二つ目はいわゆるポートフォリオ・リバランスを促進する、三つ目には期待の抜本的な転換を図るということで、これらを通じて貸出しも増加するということを期待してきたわけでございます。 現に、確かにマネタリーベースは前年比で五割程度の高い伸びをしているのに対して金融機関の貸出しは二%台前半の伸びですので、かなり伸び率には違いがありますし、金額でも委員指摘のような違いがあるわけですが、その中でも最近は中小企業向けの貸出しも含めてプラスの方に転じておりまして、貸出し自体が全く経済の状況にそぐわないほど伸びていないということではなくて、ある程度貸出しは伸びてはいるわけです。 今後の見通しとしては、御指摘の信用乗数といいますか、マネタリーベースとマネーサプライ、マネーストックとの関係は、基本的には貸出し等が増えていかないとマネーストックは増えていかないわけでございまして、そういう意味で貸出しの増加ということに今後とも十分配意していきたいというふうに思っております。 貸出しが全然増えていないというのではなくて、かなり今の経済状況と見合った形で増えておりますし、中小企業あるいは地域を含めて広がりを伴いつつ徐々に増えてきているという状況だと思います。
○片山さつき君 これ、特に信用金庫や信用組合においては非常に深刻で、預貸率が五〇%とかいう状況の中で、中小企業向け貸出しにもバーゼル規制のリスクウエートが硬直的に掛かっちゃっているんですね。 それで、中小企業向けの貸出しでがちがちに担保も取っていて保証も取っているような日本の企業の融資実態から見ると、七五%というのはちょっと余りにも硬直的過ぎるので、これを二〇、二五から七五で、その信用度合いに応じてとか、そういうふうに緩和をしていただくと。つまり、ここでも今までの延長線じゃなくて異次元の緩和が必要なんですよ。つまり、日銀は異次元の緩和でバズーカ砲を撃ったんですが、それをもらった金融機関の方はそれと同じ緩和していないんですよ。それをさせるには、これを緩めるということが大きなマインドのリセットになります。それは、金融機関の経営者ってそういう人種だからなんですよ。 だから、そこを変えない限りは絶対に変わらないので、そこを是非、日銀も考査を見ていらっしゃるので変えていただきたいというのと、あと、あわせまして、金融庁、やはり今年の一月から非常に心配されて、地域の小規模金融機関の業界再編を促進しておられるというニュースを聞いております。これは心配する訳は分かるので、つまり、金融機関の中でもこういう中小というのは、企業の給与振り込みとか、ほとんど預金金利のゼロのお金をがばっと取れないんですよね。どうしても預金を定期とかで集めることになるからコストが高いわけですよ。そのコストである程度利ざやを取って貸せる先がないと、もうこれは当然経営悪化になります。それで何が起きているかというと、今一番危ないことが起きていて、貸せる先がないから長さの長い国債に走っているんですよ。 ですから、八年ぐらいの残存の国債を、経営的に非常に相対的に弱い中小地域金融機関が持っちゃっていて、メガバンクの方はいいんですよ、だって簡単に預金が集められるから。メガバンクの方はもう三年以下ですよ。景気が良くなり、インフレになって金利が上がるという循環を我々は目指しているわけですから、国債金利も今の状況でいつまでも行くわけじゃなくて、上がるわけですよね。そうなったときの国債価格リスクをメガはもうかなりヘッジしちゃっていて、こういう弱いところはヘッジできないし、だから、どうしても貸出しの先を空けてやらないと、じゃ、もうそれもできないならくっつけるかという発想になるけど、これは地域の中小零細にとって非常に悪いです。 ですから、むしろ、これは金融担当大臣にお伺いしますが、できればバーゼル規制のリスクウエートを変えていただきたいと。それがすぐにできないんだったら、これは小規模事業基本法でお願いしているんですけど、第二マル経融資をつくるとか、信用保証協会の更に機能強化をするとか、政策金融公庫関係の強化をするとか、リスクが取り切れない部分を少し押してやって貸せるようにしてやらないと出口がないんですが、何とか対応をお願いできないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、片山先生、これは統廃合の話というのは、これはあくまでも個々の金融機関に任せておかないと、これは自主的な経営判断をさせぬと、強制的に合併してとかなんとか言ったってなかなか難しいのが一点。 もう一点は、この間出ていましたけれども、二〇四〇年には日本中の一千六百あります市が約八百幾つまで減少しますという話になって、これは人口移動が起きますと、これは地方の信用金庫等々は、貸出先の人口がなくなるわけですから、これは当然そういったことはやっていけなくなるということもこれは考えておかないと、で、中長期的な経営戦略を五年、十年見据えたところでやっていかないかぬというのはもう確かなんだと思いますので、そういった意味では、これは業務提携とか経営統合とかいろんなことを考えていくのは当然なんだということも考えておりますが、いずれにしても、これは、ちょっとこちらから強制的にする話じゃなくて、ここらは基本的に経営者が考えていかなきゃならぬところなんだと思いますが、私どもとしては、担保の問題やら何やら、いろいろこれまで自由化というか緩めてきておりますので、これから先はかなりリスクは自分で取ってやっていかないかぬということになってくるんだと思いますが。 もう一つ、貸出しが伸びない大きな理由というのは、やっぱり内部留保三百四兆円という金があったら金借りませんよ、自分で持っているんだから。借りなくたって自分であるからという企業も多いわけですから、そういった意味では、なかなかこういったところは、二十年近く掛かってデフレをやり、自己資本比率がこれだけ上がった中ではなかなかマネーサプライというものの方に金が回っていかないという状況にあるというのは、ある程度時間を持って見ておかないかぬかなという感じはしますけど、いずれにしても、おっしゃる点はよく分かりますので、この点は積極的な姿勢というものを、私どもとしても、いろんな信用金庫協会やら何やらいろいろよく話をするときにはそういった姿勢で臨ませていただいております。
○片山さつき君 ありがとうございます。 本当にきめ細やかな対応をお願いしたいと思います。地域コミュニティーを守るという意味の政策もアベノミクスの中心でございまして、人がいなくなることを前提にしても、やはり地域活性化では元気が出ないので、踏みとどまれるというところがやっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、この黒田バズーカマネーの貴重なマネーが生きるお金になるためには、本当に中小金融機関に、そして中小企業、小規模事業に流していただきたいんですが、やはり大きなロットのプロジェクトが要ると思います。 リニアの問題についても、今、特命委員会の私、座長代理として取り組んでおりますが、安倍総理も対外輸出促進したいということで、東京から名古屋まで、さらに名古屋から大阪までをできるだけ早くするためには、今九兆円と言われている資金が、今のところ全部民間でJR東海が借りてくれるんですね。ただ、その借入れのレベルを五兆円に、対外格付なんかの維持のためにしたいというので、その間の維持をさせるために金利の部分をこちらで公的に持ってやろうかというスキームを今考えて、来週総理のところにも御説明に伺うんですが、この是非ということだけではなくて、国土軸の形成とかあるいは防災・減災、さらには水素発電所とか未来のエネルギー源とか、大型のプロジェクトを民活でやって、それをある程度資金吸収に使う形でないと、生産性の低いところにお金が回る傾向にあります。 私は被災地にも本当に六十回ぐらい入っていますが、最初のうち、被災地のプロジェクトってほとんど査定しないんじゃないのと言われていたんですが、この間主計局に聞いたら、次長は、いや、ちゃんとBバイCは見ますと言っていましたが、もちろん言ってきたものをそのまま認めてあげたいんですが、総理もこの間答弁されたように、もう全部高台移転しちゃって下流に人がいないところに百億単位のものを造って、片や人口密集地域の防災プロジェクトが手付かずです。これは、この財政危機の国においてもうおよそ賢いやり方ではないので、これ財務大臣に伺いますが、こういった成長戦略になるような大型プロジェクトに黒田バズーカ、大胆な金融緩和マネーを有効に使われるような誘導を、是非財務大臣として、金融担当大臣も兼ねていらっしゃるのでやっていただけないかということで、これ私の最後の質問でございます。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、リニアの新幹線の話でしたけれども、これは間違いなく波及効果が極めて大きい、私はそう思いますので、そういった意味では、これはJR東海が全額自己負担で整備されるということを葛西さんやら何やらみんなそう言っておられますので、建設主体として指名された経緯であると承知をしておりますので、その意味では、これはまずは建設主体であるJR東海と所管官庁、ここは国土交通省で話をされるべきところなんだと考えているんですが、金利というのは、これ三・五兆とか六兆とか言っていましたので、約二%で計算しても結構な、年間七百億ぐらいの金利が出ることになりますので、そういった意味では、ちょっとそんな簡単に、はい大丈夫ですよなんていうほど、それほど私ども財政が余っているわけじゃありませんので、そんな簡単な話ではないということだと思っております。 今、二つ目のお話でしたけど、これは海岸の管理者である県というのと話をすると、あの起きた三年前と今とじゃ大分、興奮状態というか異常事態、非常事態から平時に少しずつなってきていますので、意識としては随分変わってきておられると。これは県知事に限らず町長ぐらいのところでも、間違いなく、現場に行ってみて、こんな高いものここへ造ってどうするのと言いたくなって、これ以上また来ないという保証はありませんよというような話もこれいっぱい出ますので。 そういった意味では、これは一回造っちゃったら、分かっているんでしょうけど、元セメント屋が言うのもなんですけど、これメンテナンス要りますよと、メンテナンスの金はそっちが払うのよと、国は払いませんからねというような話やら何やらいろいろしていますと、こういったようなものはやっぱり重点化したり、いろいろ優先順位をきちんとやっていかないと、限られた国家財政の中でもありますので、そういったものは、地域の利用等々は、これはもう一回よく考えて、かつ住民というか、その被災地の住民の納得も得ていただかないけませんので、もう引っ越した方々、もう関係ないわよという方もこの間一人いらっしゃいましたので、誠にごもっともで、麻生さん、でき上がる頃は私はもうこの世にはいないからと、孫も子供も全部いませんのでとか、もう非常にリアルですよ、言うことが。非常に現実的に言われますので、そういった話は私どもとしては十分に配慮した上で対応していかねばならぬと思っております。
○片山さつき君 ありがとうございました。以上です。
○熊谷大君 おはようございます。自民党の熊谷大です。本日は二十五分という時間をいただきまして、二問質問をさせていただきたいと思います。 一問目は消費税増税に伴う広報の在り方ということと、二問目は法人税についてお伺いしたいと思います。 一問目の消費税増税に伴う広報の在り方なんですが、先日のちょっとエピソードではないんですけれども、参議院の財政金融委員会で塚田委員長を筆頭に視察に行ってまいりました。視察先は大田区の町工場と日銀と、そしておばあちゃんの原宿と呼ばれている巣鴨の地蔵通り商店街に行ってまいりました。 それぞれ非常に勉強になったんですけれども、私は一番印象に残ったのは実は巣鴨の地蔵通り商店街でございまして、何が一番印象に残ったかというと、我々は大塚先生のグループでそれぞれ商店街を練り歩いてというか、ヒアリングをさせていただいて、消費税増税に伴ってお店の売行きはどうですかとか景気はどうですかというお話を聞くということをやったんですけれども、バッジを付けている、又は、大塚先生はもう有名人ですので、テレビに出られている方がいると、通りすがりのおばあちゃん、おじいちゃんから数々の罵声を浴びせられるんですね。政治家だけ金もうけやがってとか、年金下がっている、消費税上がったぞとか、いろいろな見ず知らずの人から声を掛けられるというか本当に罵声に近いものを浴びせられて、私は全然有名じゃないからいいんですけれども、大塚先生を見て忍びなくて、私は本当に、チームリーダーだったものですから一身にそれを浴びていただいたなというふうに思っておるんですけれども。 ただ、そのとき、政治家は全然いいと思います。中曽根先生が言われるように、政治家は歴史の法廷に立つ、それが仕事だというふうな話をされたので、罵声とか甘んじて受けたいと思うんですけれども、ただ、ちょっとそういう話をいろいろ聞いていると、誤解とか固定観念とか変なイメージに支配されて、またそれをベースにいろいろ話されている、又は話合いを通していろいろ話すんですけれどもなかなか話を分かってもらえない、通じないという現象が非常にあったなと思いました。それが一番印象に残っているんですが、本音を言わせていただくと、もう少しおばあちゃんとかおばちゃんとかおじさんたちにも政治のことを分かってもらいたいなと正直思いました。 というのは、三・一一特別授業、君たちはどう生きるかという、あの社会学者の橋爪大三郎先生が書かれた本の中に、政治と税金の関係を次のように書いているところがあります。ちょっと読ませていただきます。 日本の平成二十四年度予算案は約九十兆円(一般会計)。そのうち、税金で集める予定になっているのはおよそ四十二兆円だけ。つまり、日本国民は、政府に九十兆円の仕事をしてくださいと言いながら、自分たちは四十二兆円しか払わないのです。こんなことが長続きするはずがないと思います。九十兆円の仕事をしてもらいたいなら九十兆円の税金を払う。あるいは、四十二兆円しか払いたくないのであれば、政府には四十二兆円の仕事だけをしてくださいと頼む。そのどちらかだと思います。このことを理解していない大人が多過ぎますというふうに本の中では書かれております。 もちろん、税金をいただくので、政治家とか国会議員、そして政府、その信頼が一番大切だということは大前提なんですけれども、しかし、そういう巣鴨の商店街とか、私も政治家ですのでミニ集会を数多く重ねておるんですけれども、かなりの部分で先ほど申し上げたように大きな誤解とか誤ったイメージでむやみやたらに憎しみを、憎しみに近いような観念を持たれている方が非常に多いなと思います。世間一般の人々のそういったなぜとか誤解を少しでも解消する努力は絶えずやっていかなければならないと常日頃から感じております。 なので、ここで何が言いたいかというと、出前授業などをしっかりと財務省側からもう出て、積極的に広報としてやっていかなきゃいけない時期なんじゃないかなと思っております。例えば、なぜ消費税を上げるのか、上げる必要があるのかということも現場レベルで理解していただかないといけないし、そういうことをやっていますかと財務省の皆さんに聞いたら、経産省、厚労省、財務省共同で各地方に広報活動を行っていて、週一回程度、その頻度で四か月間しているということでした。また、依頼されれば地方の財務局が大学などに行って講義をするし、ホームページやそういった窓口もありますということです。 しかし、どれほど浸透しているかというのはやっぱり未知数で、とげぬき地蔵辺りにバッジを付けて行くと、恐らくいつ行っても同じことが繰り返されると思います。なので、なぜ国家財政が厳しいのか、なぜ厳しくなったのか、そうした対応策としてなぜ消費税を選んだのか。本来なら、これを説明して選挙をしたので、もう皆さんは理解されているはずなんですけれども、残念ながら、こちら側も善意でやっている、でも、善意と善意が何かねじれ状態になっているんじゃないかなと。そして、要は、SNSの時代ですので、非常にそのねじれが変な誤解を生み、又は情報が広がるどころかもう拡散されて、また変に誤解されて憎悪が本当に増幅されて、今SNS等々で主権国家の政権が簡単に崩されるような時代ですので、非常に危ういんではないかという懸念を抱いております。 最近、金融関係の分野で高校生を対象に金融教育というのが進められていると新聞に掲載されておりました。そういった、高校を卒業するとすぐ社会人になって直面する問題がお金の問題ですので、早い時期から出前授業、金融関係者が出前授業をして授業を行うということをやって理解を深めている。 これから参議院でも国民投票法案が審議されます。十八歳から選挙権を持つかもしれないということで、大きな時代の節目になって、国家財政というのは何だ、どういう仕組みで動いているのか、どういう意味で税金を我々はいただいているのかということを初等中等教育のレベルから教育をして、それは何を目的にしているかというと、後々にもつながってくると思うんですけれども、良き納税者というものを育てるということを早い段階からやっていかないといけないんではないかなと感じております。 それをベースに、今まで言ったようなことをずっと考えておったんですけれども、政府の取組は今どういった状況なのかということをお聞かせください。
○副大臣(古川禎久君) お答え申し上げます。 この四月からの消費税の税率引上げ、これは、世界に冠たる日本の社会保障、これをしっかり次の世代にも受け継いでいくということ、そして国の信認を維持するという、そういう目的で行うものでございます。 このような消費税率の引上げを含む税と社会保障の一体改革の趣旨や内容について、御指摘のように、国民の皆さんの御理解をしっかりいただくようにそのための周知を徹底すると、その必要があるというふうに考えております。 今御紹介をいただきましたように、政府は関係省庁連携を取りまして、政府広報によるテレビCM、それから新聞広告等による広報に加えまして政府広報オンライン、関係府省のホームページによる周知、それから関係省庁共催の地方説明会を開催するなど、幅広く周知、広報を実施してきておるところでございます。 例えば、私も先般大分市の方にお伺いしまして、そういう意見交換の場で参加者の皆さんと消費税について意見交換をさせていただいてまいりましたし、葉梨大臣政務官も大阪の方に伺ったり、このような形で適宜その周知のために力を尽くしたいと考えております。また、地方の財務局におきましても、この消費税の税率アップの前後に分かれまして特にこの消費税に関しての皆さんの受け止め方等々、ヒアリングに注力しておりますし、またいろんな影響等についても見ながら、適宜説明を徹底するようにということで努めておるところでございます。 おっしゃるように、国民の皆さんの御理解というのが大変大事なものですから、引き続き努力をしてまいりたいと、こう考えております。
○熊谷大君 ありがとうございます。 是非、初等中等教育、いわゆる小学校、中学校、高等学校の現場にも積極的に入っていただきたいなと思います。 というのは、私もいろいろな学校現場に、いろいろな政治の現場の在り方を、どういうふうな動き方、政治家って東京で何をやっているのかと、国会議員って日常的な業務って何なのかということを本当に教育現場でお話ししようといろいろなところで働きかけるんですけれども、これ一切入れてもらえません。教育的な中立、教育現場は政治的中立ということで全部そういうことを排除されるので、政治家はなかなか入れないので、行政府に入っている方、又は行政マンがそういったことを本当に懇切丁寧に説明していかないと、十八歳の人たちがもし投票権を得て、すぐ、じゃ何に投票すれば、何を基準に投票したらいいのかというのが余り不明なまま投票所に行くというのは非常に私は国家的な損だというふうに思いますので、是非御一考いただけたらなと思います。 続きまして、消費税増税に伴いまして、やっぱり消費税というのは、三歳、四歳とか、幼児から支払い、まあ支払能力があるというとおかしいんですけれども、お店に支払えば消費税を納める、それが社会保障につながるということでございますので、今度は、それを前提に、税の公平、公正な在り方ということをちょっと考えてみたいと思います。 今、ここに来て法人税の議論、これは引下げの議論がクローズアップされております。今の状況下で、来年度から三年から五年程度掛けて段階的に二〇%まで法人税を引き下げるなどと、そういった議論が出てきております。このトピック、法人税を下げるということに収れんされております。先日も、法人税を下げた際の代替財源候補が政府税調から出されたわけです。安倍総理も、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指して法人税改革を進めるという意欲を示しておるところです。 ただ、本当に外資系企業を呼び込む、海外から投資を呼び込むという目的で法人実効税率のみを議論のたたき台にして、それだけに収れんさせてよいのだろうかというふうな疑問を抱いております。恐らく政府の狙いは、外資とかの投資の呼び込みというよりも、国内企業向けにデフレ脱却のために法人税を引き下げて、引き下がった分を給料に回してほしいというふうに想定されているのかもしれません。実際、総理も有言実行で行動されていると思います。 一方、私は被災地選出でありますので、今般、復興法人税が解除されて、復興所得税は逆に始まります。復興法人税八千億円と言われておりますが、その行方をじっくりと観察、どこに回るのかというのは観察していかなければならないなと思っております。復興法人税をやめて、その分、企業は政府の思惑どおり給料や設備投資に回ったのか、あるいは、先ほど財務大臣が言及された内部留保に回るのかというのは見守っていかないとならないと思います。 なので、ちょっと広く捉えて、法人税を下げた後のキャッシュフローはどのように想定されているのかというのをお聞かせいただけたらと思います。
○副大臣(古川禎久君) 法人税を引き下げた後のキャッシュフローということですけれども、この法人税の議論に関しましては、現在、御案内のとおり、政府税調におきまして今まさに議論がなされておる最中でありまして、まだその結果を待たないと何とも申し上げようがないということでございます。
○熊谷大君 済みません。ありがとうございます。 法人税引下げということをまず考える前に、ビジネス環境を整えなきゃいけないんじゃないかということを申し上げさせていただきたいなと思っております。 私も法人税引下げを考える際に、よく他国とか隣国と比較して考えられますが、最近のトレンドはシンガポールでしょうか。 昨年の九月、私も、参議院の重要調査事項ということで調査団の派遣団員としてシンガポールに派遣していただきました。その際に、よく法人税が安い国とか所得税が安い国という感覚で私も行ったんですけれども、第一印象は、非常にシンガポールというのは小さい国だなと思いました。日本のような大きな国が、経済第三位の大国が見習うところがどのくらいあるのかなというのが最初の印象だったんですけれども、その中でも、ああ、でもこれはすごくいいんじゃないかなと思ったのは、シンガポール政府が持つ、外資系企業とか外資を誘致する際に、EDB、経済開発局というところがありまして、その役割が非常に大きいなと思いました。ここは、外資系企業の誘致専門部署で、税制優遇など何がメリットか、全て窓口を一つにして、しかもフェース・ツー・フェースで、一対一で話し合って、外資系企業の誘致なら何でもするという部署であって、二十代から三十代の若手エリートが担当しております。そして、つまり、言わば外資系企業のための御用掛とか御用聞きが省庁としてあると。 そういったいわゆるビジネス環境に適したということを考えると、こういったマンツーマンで何か世話してくれるとか、いろいろと教えてくれるという親切、懇切丁寧にやってくれるという省庁みたいなのがあった方が、むしろ環境ということを考えると、法人税引下げというよりは日本にとって適しているんじゃないかなと思います。 又は、シンガポールで活躍されている日系企業の方たちとも話したんですけれども、いろいろなことをやるにしても、競争するには日本はイコールフッティングにかなりなっていないと。例えば、今もう御承知のとおり、空港は二十四時間開いていますかと。そういったところで競争をもしするんであったら、まずそういったところから直していった方が法人税とかの議論よりも早いんではないかという話もされます。 こうした、本当にビジネス環境を整えるということを法人税の引下げの議論よりも早くやっていった方が、私は国際競争力という観点からいうと、より重要視していった方がいいんではないかというふうに考えますが、お考えをお聞かせいただければと思います。
○副大臣(古川禎久君) もうおっしゃるとおりですね。外資をいかにして呼び込むかと。ビジネス環境の在り方、これは法人税の在り方がどうあるべきかということと同じように、幅広くやっぱり見ていかなきゃいけない。そのためにも関係省庁とよく協議しながらやっていくべきことだと、このように考えております。
○熊谷大君 ありがとうございました。 本当に、各地方自治体、港を持っている地方自治体なんかで、例えば、釜山港にそこからコンテナを出すときに補助金を出していたり、何かもうちょっと日本ということをもっと考えたらいいんじゃないかなと。そういったことも、どこに政策誘導とか補助金を出すのかということでも環境は大きく変わってくるんではないかなと思っておりますので、是非御考慮いただければなということを質問させていただきまして、また、先ほどいろいろな、こういった税のことを考えるということは、ひいては、やはり良き納税者というのを我々はつくっていかなければいけないということで、広報、教育の現場でしっかりとした国家財政を考えられるような出前授業を是非実現させていただきたいなと、そういった要望をしながら、質問を終わらせていただきます。 以上です。
○前川清成君 おはようございます。前川清成でございます。 久しぶりにこの財政金融委員会で質問に立たせていただきます。御配慮いただいた皆様方には感謝申し上げたいと思います。 今日は、経営者保証に関するガイドライン、この点について議論をさせていただきたいと思いますが、この経営者保証に関するガイドラインは、差押禁止財産、一定の例外を除いて保証人の全財産を責任財産とするというこの民法の前近代的な原則を現代の価値観、倫理観に照らして制限を加えようというものでありまして、融資を受けたい、そのためには金融機関の言いなりにならざるを得ない、だから本人保証だけではなく第三者保証も提供してきた、そういう金融慣行を変更しようとするものであって、大変画期的な成果ではないかと、そう思っています。 その上で、このガイドラインの趣旨が正しく徹底されるのか、実務に定着するのか、ガイドラインが定着することで、たとえ一旦つまずいたとしても再びチャレンジ可能な社会を真実構築することができるのか、大きな期待を私は抱いております。 ただ、この画期的な取組を始めたばかりですから、金融実務が戸惑ったり、現場が混乱することもあろうかと思います。初めてのことですから、いろいろあるかもしれません。そのいろいろをガイドラインを応援する気持ち満載で議論をさせていただきたいと思います。 まずは最初に、本人保証を求めない要件に関してですけれども、このガイドラインの四ページに書かれておりまして、一つ目は法人と経営者の関係の明確な区分・分離、二つ目は財務基盤の強化、三つ目は財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性の確保と、こう書かれてあります。このこと自体、当然なことなんですけれども、しかし、中身が一義的には表現されておりません。 そこでお尋ねいたします。①には、法人と経営者との間の資金のやり取りが社会通念上適切な範囲を超えないものとすると、こういうふうにあるんですが、ここでいう社会通念上適切な範囲を超えないというのはどういう趣旨でしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) 法人と経営者の間の資金のやり取りにつきまして、委員御質問の社会通念上適切な範囲を超えないものということでございますが、これにつきましては、例えば事業上の必要が認められない法人から経営者への貸付けを行わないといったこととか、個人として消費した費用、例えば飲食代等でございますが、について法人の経理処理としないと、などが考えられております。 ただ、この社会通念上適切な範囲ということにつきましては、法人の規模、事業内容、それから収益力等によって異なってくるものと考えられますので、最終的には個別に判断されることになろうかと思っております。
○前川清成君 今、細溝局長の御答弁にありましたとおり、会社の規模あるいは営業成績、当該経営者の働き方、様々な違いがありますので、一律に給料は幾ら幾らというふうに数字で表現できないことは当然だろうと私も思います。 しかしながら、ただ社会通念上適切な範囲とだけ決めておいてあとは丸投げされても地域の金融機関が判断できるのか。ここで、外部専門家、公認会計士や税理士の判断を仰げと、こう書いてあるわけですけれども、公認会計士や税理士も判断基準を持ち合わせていないのではないかと。もう少し明確な判断基準を定立できるようにするべきではないかと、そういうふうに考えております。 二つ目には、今の点に戻るんですが、社会通念上適切な範囲を超えないではなくて、超えないものとする体制を整備と、こういうふうに書かれています。体制の整備というのはどのように考えればよろしいでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) 体制の整備とは、例えば取締役会の適切な牽制機能の発揮、あるいは会計参与を設置する、あるいは外部を含めた監査体制の確立、それから役員報酬の決定プロセスのルール化などによる社内管理体制の整備が想定されていると聞いております。
○前川清成君 私も、会計参与、これは御案内のとおり二〇〇五年の会社法改正で導入をされました。この会計参与を適切に活用していくというのは重要なポイントだというふうに思っています。 そこで、法務省にお聞きしますけれども、今、会計参与、どの程度の会社で採用されているんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。 当省におきましては会計参与が採用されている会社についてその正確な数字を直ちに確認することができる手段は有しておりませんので、会計参与がどの程度採用されているかという点につきまして、私どもといたしましては把握しておらない状況でございます。
○前川清成君 会社法の所管は金融庁じゃなくて法務省ですので、その程度の調査は私は当然のことだろうと思います。 その上で細溝局長にお尋ねしたいんですが、この本人保証を求めない要件、ガイドラインの四ページの①、②、③、これは今何点か議論させていただきました。例えば体制、会計参与を設けたらそれだけでいいというふうには理解できないだろうと。あるいは、取締役会を設置すればそれだけでいいのかといえばそうでもないだろうと。かといって、社外取締役、社外監査役を求める、そこまでも要求しないでしょうし、当然のことでしょうけど、委員会設置会社、その水準までは中小零細企業に要求できないと思います。体制の整備と言われても、やっぱり当該中小零細企業や地域の金融機関においては判断基準に困るところもあろうかと思います。 そこで、もう少し具体的な判断基準、先ほどの点も含めて、資金のやり取りも含めてもう少し具体的な基準を検討できないのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(細溝清史君) 体制整備などを求めておりまして、などの中にも、例えば中小会計要領というものがございますが、それにのっとった信頼性のある計算書類の作成あるいは債権者に対する財務状況の定期的な報告が想定されております。 それで、今後、これは委員御指摘のとおり、始まったばかりの制度でございまして、今後いろんな実務が出てまいると思います。そういった実務の進展を見ながら、例えばQアンドAで適宜追加していくなどといったようなことも検討させていただきたいと思っております。
○前川清成君 今おっしゃったとおり、始まったばかりの制度ですので、問題点をあげへつらうのではなくて、より実務に定着させるようにそれぞれの立場で御努力をいただけたらと思います。 次、二番目が、この保証契約の内容の説明についてお伺いしたいと思います。 保証契約に先立って、その内容、どのような義務を負うのかと、保証人が。これを正直に説明することは当然のことだろうと思います。義務が軽微であるかのように説明して、判こを押させて、一旦判こを押させたならば苛斂誅求に及ぶというふうな商工ファンドや日栄のような取立てをやってはならないことは当然なんですけれども、ただ、このガイドラインの六ページ、ここを見ますと、保証人に説明すると、こういうふうに書かれてありまして、保証人予定者に説明するとは書かれておりません。保証内容、どういう義務を負うかですから、保証契約に先立って説明するのが私は当然だと思うんですけれども、説明の時期に関して局長にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) ガイドラインの立て付け上、対象債権者は、まずは経営者保証を求めない可能性について検討することになっております。その結果、やむを得ず、経営者保証を求めることがやむを得ないと判断をされた場合に、その保証契約を締結するに先立ちまして、主たる債務者と保証人に対して説明を行うということになっております。
○前川清成君 ただ、ガイドラインもQアンドAも目を通させていただいたんですが、契約に先立ってとは書いていないんです。今申し上げたように、保証人に説明すると書いてあって、保証人予定者に説明すると書かれていないんです。 この点で、各金融機関に、今の細溝局長の御答弁のとおり、保証契約に先立って説明しなさいよということを周知徹底する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) ガイドラインの書き方として、経営者と保証契約を締結する場合と書いてありまして、したがいまして保証契約という言葉がそこに出てくるわけでございます。誤解のないように、もしそれが誤解されるおそれがあるということであるならば、そうしたことを周知したいと思っております。
○前川清成君 次に、保証の説明の文言に関して議論をさせていただきたいんですが、先ほど申し上げたように、保証契約に先立って正直に、場合によっては厳しいことになりますよと、つまりは、あなたが全額立替払しなければなりませんよということも説明するのは当然だと思うんですが、ガイドラインの六ページを読みますと、5の(1)のロのところですけれども、原則として、保証履行時の履行請求は、一律に保証金額全額に対して行うものではなく、保証履行時の保証人の資産状況等を勘案した上で、履行の範囲が定められること、これを契約に先立って説明するというふうな記載内容になっています。しかし、ガイドラインが適用されるので金融機関は常に全額の請求をしないのかといえばそうではなくて、このガイドラインの後の方にありますけれども、一定の要件を満たした場合にのみ一部弁済で免責をされると。 民法の原則は、保証債務額全額、つまりは主債務額全額を弁済しなければ免責されないわけでありますので、ここに言うガイドライン六ページのロに書かれている説明というのは、私は不適切ではないのかというふうに考えております。この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) このガイドライン上、今委員が読み上げられたように、原則として、保証履行時の履行請求は、一律に保証金額全額に対して行うものではなく、保証履行時の保証人の資産状況等を勘案した上で、履行の範囲が定められると、こうされております。 これを受けまして、金融機関が債権者になることが多うございますので、監督指針におきましては、個人保証契約については、例えば、保証契約の形式的な内容にとどまらずに、保証の法的効果とリスクについて最悪のシナリオを想定した説明、すなわち保証人の資産状況等によって場合によっては全額の履行が求められることがあるといった事態を想定した説明を行うといったこととしております。 議員御指摘の点について、金融機関において保証人に対して適切に説明していくということが求められるものと思っております。
○前川清成君 誤解のないよう申し上げておきますと、実際に保証債務を履行する段階、この段階には、様々な事情を勘案して一部弁済で免責してあげようというのは当然だと思います。しかし、保証契約を締結する前の説明に当たっては、やはり厳しい状況になるかもしれませんよと、ここを誠実に説明しなければならないということも是非金融機関に徹底をしていただけたらと、そういうふうに思っております。 次に、このガイドラインの六ページの一番最後の方にあります支援専門家に関して議論をさせていただきたいんですが、実際に保証債務を履行するに当たって弁護士や公認会計士や税理士が関与する場合には、金融機関が、ここに書かれている対象債権者が弁護士や公認会計士や税理士の適格性を承認した場合でないと関与できないというふうに書かれています。 どうして弁護士や公認会計士、税理士の適格性を金融機関が判断をすることになるんでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) このガイドライン、そもそも御案内のとおり、経営者保証における合理的な保証契約の在り方を示すことと、整理局面における保証債務の整理を公正かつ迅速に行うための準則でございまして、主たる債務者と保証人と債権者によって自発的に尊重され遵守されることが期待されております。 それで、整理の段階にありましては、一般的には、債務者と保証人が支援専門家を選定し、一方当事者である金融機関は保証債務の免除を行う立場でその適格性を判断し、債務者、保証人サイドと金融機関サイド、両者が合意した支援専門家の関与の下で保証債務の整理が行われるものというふうに承知しておりまして、対象債権者が支援専門家の適格性を判断するということとされていると承知しております。
○前川清成君 是非、この委員会室にいらっしゃる委員の皆さん方も考えていただきたいんですが、例えば、弁護士を例に挙げますと、保証人の債務整理をする弁護士は、弁護士の当然の職務としてできるだけ保証人の責任を限定しようとする。つまりは、金融機関に対する支払を少なくしようとするわけです。しかし、金融機関は逆に少しでも払ってもらった方がうれしいわけです。これも、金融機関は債権を保全する義務がありますので当然のことだと思います。 ですから、弁護士とここで言う支援専門家と金融機関とは、言わば敵と味方なんです。ですから、金融機関とすれば、敵が頼りなければ頼りないほど有り難い。手ごわい弁護士だったらその適格性を否定したい。その結果、保証人の利益にかなう支援専門家は金融機関によって適格性を否定されると。頼りない弁護士や公認会計士や税理士だったら金融機関は歓迎してその適格性を認めると。私は、これはフェアではないというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) ガイドラインにおきましては、保証債務の整理に当たりまして、対象債権者は合理的な不同意事由がない限り、当該債務整理手続の成立に向けて誠実に対応するという旨が明記されております。そうしたことで、私どもは金融機関に対して監督指針の中でも、保証債務の整理に当たりましてはガイドラインの趣旨を尊重して関係する他の金融機関、支援専門家、外部機関と十分連携、協力をするよう努めるということを求めておるところでございます。
○前川清成君 今の合理的な理由がなければ債務整理を拒否できないというのはガイドラインに書かれてありますけれども、合理的な理由がないと支援専門家の適格性を否定することができないというふうな記述はガイドラインにもQアンドAにも明記されていないと思います。もしも明記されていないのであれば、合理的な理由がなければ支援専門家の適格性について否定することができないという条項を書き加えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) この経営者保証ガイドラインそのものは、まさに民間の主たる債務者、保証人、対象債権者によって合意を取るところの準則になるというものでございます。 したがいまして、今後いろんな事例が出てまいると思いますが、仮に不当な事例等があるということであればそういうことも検討したいと思っておりますが、取りあえずはまだこれは始まったばかりでございますので、状況を注視してまいりたいと思います。
○前川清成君 細溝局長と私の合い言葉のように、始まったばかりというのが出ておりますけれども、始まったばかりはそのとおりだと思います。 ただ一点だけ、今の金融機関と支援専門家が利害相反関係に立つということ、頼りない弁護士の方が金融機関は有り難いけれども、しかしそれを認めるとフェアではないということ、この一点だけは御確認いただけますよね。
○政府参考人(細溝清史君) そうした専門家についての選定自体は、まずは債務者ないし保証人が選定してきて、それに対して一方当事者である金融機関が同意をするといった手続になろうかと思いますので、イニシアチブとしてはまずは債務者、保証人のサイドにあるというふうに思っております。
○前川清成君 それと、私は国会へ送っていただくまでは弁護士をしていたんですが、そのギルドの利益を主張する趣旨は全くありません。全くありませんが、現行弁護士法を前提にお尋ねしたいことがございまして、その支援専門家、今申し上げたとおり弁護士、公認会計士、税理士が例示されているわけですけれども、ガイドラインの九ページによりますと、取立ての一時停止要請、これは債務者と保証人と支援専門家が連名した書面によって行うと、こういうふうに書かれております。そうであれば、保証債務の権利義務に関する事務を支援専門家、公認会計士や税理士も取り扱うということになります。 加えて、公認会計士や税理士というプロフェッショナルが関与して無報酬というわけにはいかないと思います。その結果として、弁護士法七十二条違反の問題が生じてしまう。七十二条違反の効果としては二年以下の懲役等も書かれておりますので、少し慎重にこの辺は確定しておく必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) ガイドラインにおきます支援専門家の役割といたしまして、今委員御指摘のように、保証債務に関する一時停止や返済猶予の要請を始め、いろんな業務が書かれておるところでございます。ただ、その支援専門家がこうした役割を担う際には、このガイドラインのQアンドAにも明記されておりますが、支援専門家が弁護士でない場合には、支援内容が非弁行為とならないように留意する必要があるということでございます。
○前川清成君 その辺りのところも、始まったばかりですので必要に応じてガイドラインの改定あるいはQアンドAの加筆等をお願いしたいと思います。 最後に、麻生大臣と久しぶりにこのように議論をさせていただくんですけれども、私は日本経済が成長していくためにも、本人保証を制限する必要があるというふうに考えています。といいますのも、中国には月給三万円で働く十億人の労働者がいます。中国やインドでも日本製品とほぼ遜色のないものを作ることができるようになりました。したがって、中国やインドと同じようなものを日本国内で作っていたならば、日本は今の豊かさを維持することができないのではないかと考えています。 日本が豊かであり続けるためには、日本でしか作れないもの、オンリーワンのものを開発していくことが必須ですけれども、その場合には、頑張ったけれどもうまくいかなかったというリスクが当然にあります。頑張ったけれどもうまくいかなかった、その結果として自宅や当面の生活資金、あるいは再チャレンジのための元金、全部取り上げられてしまう、丸裸になるというのでは、誰もリスクに挑戦してオンリーワンに挑戦できないのではないのか。例えばですが、本田宗一郎さんや松下幸之助さんのようにリスクに挑戦してオンリーワンのものを開発した。そうしたら、その人と一緒に多くの日本人もまた豊かになることができる。 その意味において、私はリスクに挑戦できる法制度というのが必要だと考えておりますが、麻生大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは前川先生、基本的に、経営者やって、金借りて、自分の個人保証を入れて銀行から金を借りた経験者でないとなかなか理解できない話ですから、正直言って、国会議員にはほとんどいませんから、そういう人は。自分で経営やって、自分で個人保証やった人ってそんなにいないんですから。それは今言っておられることは一般的な話として言われるのは分からぬわけじゃありませんけれども、まずそういったものを考えるときに、二つ是非考えておいていただかなきゃならぬものがあると思っております。 まず一つは、何といってもこれまでは、金融庁に限らず、金融関係は個人の持っております債権、なかんずく不動産という債権の資産に関して担保を掛けているんですよ。だから、会社で金を借りようにも会社に土地がなければ金は借りられなかった、事実でしょう。したがって、大将、済まぬけど、あんたの個人保証をと、その個人保証の裏に付いている本人の持っている不動産というところに融資しているんですよ。本人の能力やら事業計画に融資するような、そんな融資能力のあるような金融機関の融資職員がいましたか、真面目な話。私はそうやって交渉をしてきましたからよく分かりますけれども、土地に付くんです。 私はそれがこの国のいろんな意味でのゆがんだものになったと思いますので、今言われましたように始まったばかり、今年の二月から始まった話ですから、そういったものとして、私どもとしては、こういったものは厳しくやり過ぎると、これは信用補完として全然金が借りられないということになりかねませんので、町金に行っちゃったりなんかするようなことになりかねませんから、そういったようなことにならないようにするためにも、ある程度のものは必要なんだと思いますが、いずれにしても、このガイドラインというものをうまく、始まったばかりと先ほど言われましたけれども、二月からですから、実際は。融資慣行として浸透していくように図っていきたいと、私どももそう思っておるんですが。 いずれにしても、経営者保証に、経営者保証って簡単には個人保証ですけれども、個人保証に依存しない融資というものが促進されるような目利きがきちんと金融機関にも育つ、それがないとなかなかできませんので。土地は必ず上がっていくという神話があったから楽だったんですが、だけどそれが、土地が下がるということになったから、ちっとは痛い目に遭った金融機関もいっぱいいますから、それでこの点は随分磨かれつつあるんだと思ってはいるんですけれども。 是非、そういった意味で今回のこれがどういう波及効果を与えるかというのは、それはもう前川先生も何となく大丈夫かなと思っている、私らもそう思って見ているところなきにしもあらずなんですが、是非こういったものを見ていきながら、また現状に合わせて私どもはいろいろこの問題については修正をさせていただいたり何かせにゃいかぬ場面は出てくるかとは思っておりますが、当面これでやってどれぐらいのいい結果を得るかというのを期待していきたいと思っております。
○前川清成君 これで終わります。ありがとうございました。
○風間直樹君 民主党の風間直樹です。よろしくお願いいたします。 日銀が異次元緩和を始めて一年がたとうとしておりますけれども、この緩和の結果、最近、国債市場に異変が起きているように感じております。私は、この異次元緩和の下での国債市場の動向というのは昨年から非常に気にしてきておりまして、今日はまずこの点から質疑に入りたいと思います。 黒田総裁には初めて質疑させていただきますが、よろしくお願いします。 債券市場でどうも流動性の枯渇が生じているようです。新発十年物国債の取引が先日不成立になる事態が発生しましたが、まず、この状況についての認識を黒田総裁と麻生大臣より伺いたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、先月、日本相互証券での新発十年物国債の取引において出合いがなかった日があったということは事実でございます。 ただ、その他の日には相応の取引が行われておりまして、債券市場の流動性が極度に低下しているというふうには私どもは認識しておりません。
○副大臣(古川禎久君) 国債市場の動向につきましては、経済財政の状況それから海外の市場動向等、様々な要因が背景になって決まるものでございまして、その動向についてコメントすることは、市場に無用の混乱を生じかねないことから差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、委員御指摘になりましたとおり、四月十四日の日本相互証券のそういう事例はございました。しかし、それも極めて特定な理由のあるイレギュラーなことでありまして、この日も、証券会社と投資家等の間での取引、これが国債の流通取引の大部分を占めているわけですけれども、これは通常どおり行われておるというふうに承知しております。
○風間直樹君 四月中旬のこの出来事というのはあくまで限定的、例外的なものだという認識ということですね。 続いて、国債の空売りというものをファンドがするケースもあるわけですが、この空売りしているファンドが売り先に渡すべき国債を手当てできないという事態も頻発をしています。さらに、いわゆる債券貸借取引、これレポ取引と言うそうでありますけれども、この取引ではマイナス金利が発生して国債の貸し渋りが起きています。 この状況についてはどういう認識でしょうか、これは日銀総裁にお伺いします。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、レポ市場において、個別の特定銘柄について、品貸料の高まりから取引金利がマイナスになるという例も見られているのはそのとおりでございます。 ただ、債券市場全体として見ますと、市場の流動性が極度に低下しているといった状況にあるわけではないと考えております。 日本銀行では、巨額の国債買入れの市場取引への影響については、昨年四月に量的・質的金融緩和を導入した当初から問題意識を有しておりまして、決定会合の公表文においても市場参加者との対話を強化するという方針を示し、具体的にも何度も必要に応じて市場参加者との対話を行ってきております。 また、そういった対話の中で出てきた意見を十分踏まえまして、オペのやり方であるとか、さらには、日本銀行が保有する国債を市場参加者に一時的に貸し出すいわゆる国債補完供給制度の実施要件の緩和なども行ってまいってきたところでございます。
○風間直樹君 私は、若干、今の黒田総裁の御認識と市場関係者の間の皮膚感覚にギャップがあるんじゃないかと感じております。 私はかつて商社で財務を担当しておりました。マーケットにおけるこういった非常事態、不測の事態が担当者ベースで生じた場合の恐怖というのは非常に大きなものがあります。特に、自分が空売りを仕掛けているときに決済日を迎えてその現物がないと、この恐怖たるや夜も眠れぬほどのものでありまして、恐らく今回生じたこのレポ取引でのマイナス金利の発生というのはそこから来ているわけでありますけれども、市場の取引参加者にしてみると総裁がおっしゃったこととは随分違った緊張感があったんだろうと思いますので、今日はその点を指摘しておきたいと思います。是非、今後、市場との対話において、この点を踏まえて十分な対話をお願いしたいと思います。 若干、ちょっと全般的な話に入っていきますが、その前に、ちょうど去年の三月十五日に、黒田総裁、参議院で日銀の総裁、副総裁の同意人事の下、同意を得て総裁に就任されました。実は、私はそのとき総裁の同意に反対をした数少ない参議院議員の一人であります。なぜ反対をしたかというと、別にこれは黒田総裁のお人柄に懸念を持っているわけでも何でもありません。将来この異次元緩和を収束するときに様々な政策上の困難が伴うだろうと私も考えております。そのとき果たして日本の財政というものが維持できるのかどうか、その点について大きな懸念を持っておりましたので、昨年の三月十五日にはそのような採決を私自身はいたしました。 去年、私は参議院議員として二期目の改選の選挙でありまして、その直前の総裁同意人事でありましたので、選挙でも実は大変な思いをしたんですが、改めて六年ぶりに自分の選挙をやって思ったことがあります。多分今日御参集の委員の皆さんも同じだと思うんですが、やはり、日本の選挙において、特に国政選挙において、有権者の社会保障制度の維持に対する要請の強さというのは非常に大きいものがあるということです。例えば年金、あるいは医療。とりわけ年金の財源をしっかり維持していくために、いかに我々が日本の財政を規律の下で維持し持続させていくか、これは非常に大きな課題だと思っておりまして、そのことを去年の選挙で痛感をいたしました。そんな問題意識からこれからの質問をいたします。 量的・質的金融緩和と財政の関係でありますが、金利が万一急騰した場合に利払い費が急増するという当然可能性が出てくるわけでありますが、その点についてお尋ねをします。 金利がこれから下がっていくケースも想定されるわけですが、そうした場合、国債の管理コストが賄えなくなるという市場関係者にとっての場面も出てくるおそれがあると思います。そうすると、国債の購入を断念する投資家も出てくる可能性があると考えます。また、市場の厚みがなくなりますと、需給の動きによって金利が突然大きく上昇あるいは低下するといった事態も起こり得るという指摘がございます。例えば、財務省の試算では、来年度、平成二十七年度以降に金利が一%仮に上昇した場合、平成二十九年度には国債費が四・一兆円増加するとしています。 そこでお尋ねですが、御案内のように、我が国の国債残高、巨額に上っております。金利の上昇に対して非常に脆弱な財政構造となっておりますけれども、この日銀の現在の異次元緩和が債券市場の流動性を損なって、その結果、我が国財政の金利変動リスクを高めてしまっている、こういう状況とも言えるんだろうと思います。日銀の金融政策が政府の利払い費の急増リスクを高めてしまっていると言うこともできるかと思いますが、この点について日銀総裁と財務大臣から御認識を伺いたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行が量的・質的金融緩和の下で大量の国債買入れを行っているわけですが、その実施に当たりましては、当然のことながら、市場流動性への影響も含めて債券市場の動きを丹念に点検をしております。また、先ほど申し上げたとおり、市場参加者との密接な意見交換を行って、オペ運営面での工夫を行ったりして市場の安定に努めております。 そうした下で、債券市場の流動性が極度に低下しているというふうには私どもは考えておりませんが、しかし、今後とも債券市場の動向につきましては注意深く点検し、引き続き市場の安定に努めてまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる大胆な金融政策、一の矢、二の矢含めまして三本の矢に関して、これは基本的に政府と日銀と一体になってやっていくというのが昨年の一月の二十二日の日本銀行との共同声明、これが一番大きな文書、昨年の金融関係の文書としてあれが一番大きかったかなと思っておりますけれども。 いずれにしても、長引くデフレ不況からの脱却、経済再生を図るためにこれは推進してきたんですが、結果として、この取組によって、物価を見ますと、三月の生鮮食品を除く消費者物価はコアで一・三%ということになっておりますから、デフレとはなかなか言いにくくなってきつつあることははっきりしていると思っております。また、リーマン・ショック後、有効求人倍率は〇・五切って〇・四幾つまで落ちたと思いますが、今は一・〇七まで上がってきたりしておりますので、デフレ不況からの脱却、経済再生に向けては着実に前進しつつあると認識をいたしております。 引き続き、日本銀行において、経済とか物価の情勢については、これは上に上がったり下に下がったりする、上下双方のリスク要因というのを点検をしているのは当然なんですが、量的とか質的金融緩和というものを引き続き実施していかれるので、できるだけ早期に、早期の二%目標という物価安定目標を達成されることを我々としては期待をいたしておるのが率直なところです。 なお、金利変動リスクを高めるということになるのではないかという御指摘なんだと思いますが、これは、金利は内外の経済や財政状況など様々な状況によって決められるものであって、金融政策との関係のみだけで決まるということはなかなか違うのではないかと。ただ、一般論として申し上げれば、日本銀行があの大量の国債を購入ということによりまして国債市場に影響が生じることから、日本銀行としては、市場との対話という言葉がよく使われておりますが、国債市場の安定のためのいろいろな努力をしておられるのだと承知をいたしております。 政府としても、これは当然のことですが、国債の安定的な消化というのを我々は考えておかないけませんので、この国債の管理政策というのを努めていくのは当然のことですが、同時に、共同声明の中にも、中期的に持続可能な財政構造を確立し、市場の信認を得るためにということを申し上げて、中期財政計画ということを申し上げておりますので、これに沿って財政健全化の取組というのは同時に着実に進めていかないと、経済の再生と財政の再生というもの、両方というものを達成していくということを国際的にも、国際的というか世界的にも我々は発信し続けていく、そういった裏付けをきちんとしておかねばならぬと思っております。
○風間直樹君 次に、債券市場での国債枯渇への対応について、ちょっと前に戻ってお尋ねをいたします。 去る四月十四日ですが、日銀は保有する国債を一時的に金融機関に貸し出す国債補完供給オペの運用を一部見直しました。これは、異次元緩和を受けて制度の拡充を求める声が高まっていたものを受け、市場で流動性が低下した銘柄の国債を日銀が貸し出す制度を拡充しようとするものであります。また、財務省は、同じ国債の銘柄を市場の需要に応じて再発行できる流動性供給入札を去る四月から拡充し、最初に発行してから最短で一か月後に再発行ができることとしたわけであります。 そこで、お尋ねですが、政府が巨額の国債を発行する一方で、日銀の異次元緩和の結果、市場の国債が不足し、政府や日銀が流動性を供給する必要に迫られているわけであります。つまり、現在、日銀と政府は、このゆがんだ市場の是正という課題と金融緩和効果という、この二つの課題に同時に取り組まざるを得ない状況になっていると思うんですけれども、これに対して抜本的な対策をどのようにお考えなのか、日銀総裁と財務大臣に伺います。
○参考人(黒田東彦君) 現在実施しております量的・質的金融緩和という下では、二%の物価安定の目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現すると明確なコミットメントを行って、それを裏打ちするような量、質共に従来とは次元の異なる金融緩和を行っているわけでございます。具体的には、マネタリーベースを年間約六十から七十兆円に相当するペースで増加させると、その下で、長期国債保有残高が年間約五十兆円に相当するペースで増加するように今国債買入れを進めております。 一方で、繰り返しになりますけれども、このような巨額の国債買入れを円滑に行っていくためには、債券市場の動きを点検し、オペ運営面での工夫を行うなど、市場の安定に努めていくことが重要であるというふうに考えております。こうした観点から、今御指摘のありましたような国債補完供給の実務運用の変更、例えば受付を一日二回する、その他様々の改善を行い、市場の安定に努めているわけでございますが、今後とも、市場との対話を続けつつ、必要に応じて適切な対応を取っていきたいというふうに思っております。
○副大臣(古川禎久君) 委員御案内のとおり、政府と日本銀行は政策連携を強化してきておるところでございますけれども、具体的な金融政策の手法につきましては、これは日本銀行に委ねることが適当だというふうに思いますので、御質問について直接コメントをさせていただくことは控えたいというふうに思っております。 その上で、この国債市場への影響ということにつきましては、日本銀行が多額の国債を買い入れることによって市場に影響が生じるということから、今総裁からもお話ありましたとおり、市場との対話を日銀はしっかり行っておられて、そして、国債補完供給オペの柔軟化など国債市場の安定のために適切な対応を取っておられるというふうに私どもは認識をしております。 なお、国債の安定消化のためには高い流動性を国債市場が持っておるということが大変重要だというふうに考えておりますので、政府としましても、従来から、市場関係者の声なども踏まえつつ、流動性供給入札の規模、対象の拡大を行いました。 このように、国債の発行方法等を工夫することによってこの流動性の確保に努めてきたところでございます。今後とも、この国債市場の動向を注視しまして、市場のニーズ、それから動向を踏まえた国債管理政策を適切に進めていきたいと、こう考えております。 大臣からもありましたとおり、中長期的に持続可能な財政構造を確立する、そして市場の信認を得るんだということのために、中期財政計画に沿って財政健全化の取組に着実に努めてまいりたいと、このように考えております。
○風間直樹君 今、古川副大臣の御答弁を聞きながら、ちょっと去年のことを思い出していたんですが、去年の四月、春頃だったと思いますが、私、この問題で旧知の財務大臣経験者の下に参りまして、この日銀の異次元金融緩和についていろいろ御所見を伺いました。 この元財務大臣がおっしゃるには、歴史的にこういうインフレ誘導政策を政府が取ったときにどうなるかと。かつて日本では二回それがあったと、これは非常にインフレが高じた局面が二回あったと、それは終戦直後と七〇年代のオイルショックの後だというお話だったと思います。今回の日銀による異次元緩和の結果、これからインフレが進んでいくんでしょうけれども、その元財務大臣の方は、恐らく悪性インフレになるんじゃないかという見通しをおっしゃっていました。その言葉は今でも非常に私の胸に深く残っております。 今回の日銀の措置、政策が、将来そういった国民生活にとっての惨禍を是非招かないように我々としては国会の場からチェックをしたいと思っているんですけれども、最後の時間で、今、米国のFRBがやっている緩和の縮小、これ米国ではテーパリングと呼ばれていますが、この状況と日本の状況を比較をしてみたいと思います。 いろいろ資料を探したんですが、これちょっと日銀にお尋ねをしたいと思うんですが、このFRBが実施した金融緩和では、米国政府が発行する国債のうちどの程度の割合に相当する国債をFRBは買い入れたのか、これがまずお尋ねの一点。二点目として、またそれはピーク時で米国GDPの何%に相当したのか、これが二点目。三点目なんですが、今現在、米国の国債発行残高、債務残高というのは米国のGDPのおよそどれぐらいに相当するのか。この三点、ちょっとお伺いできますでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 米国のFRBが昨年十二月に資産買入れの減額を決定するまで、国債発行額、フローですけれども、の約二五%に相当する国債を買い入れておりました。また、FRBの国債保有残高は、名目GDP対比で見てピーク時で約一三%に相当する水準となっております。最後に、米国の政府債務残高は、二〇一三年末時点で名目GDPの約一〇〇%程度というふうになっております。
○風間直樹君 ありがとうございます。 最後の、債務残高が名目GDPのおよそ一〇〇%と。日本の場合、これから先、日銀が国債をまた一層買い増していくわけですが、そうしますと、この比率というのは日本のGDP対比でどれぐらいになるという見通しを持っていらっしゃいますでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 現時点で日本銀行が保有しております国債の残高のGDPに対する比率でいいますと、三〇%近くなっているということでございます。
○風間直樹君 将来的にはいかがですか。最も買い増した時点では。
○参考人(黒田東彦君) これは、現在の量的・質的金融緩和というものが、二%の物価安定目標を達成し、これを安定的に持続できるまで続けるということになっておりますので、今後、何年何月まで続けるというふうに時期をカレンダーで切っているわけではございませんので具体的な数字は申し上げられませんが、御案内のとおり、毎年国債保有残高を五十兆円増加させるというペースがこの量的・質的緩和でございますので、年に一〇%程度ということに増加幅はなっていくと思いますが、先ほど申し上げたように、現在の量的・質的金融緩和というのは、二%の目標を達成し安定的に持続するまで継続するということですので、何月何日までということではありませんので、どこまで行くということを数字で今申し上げることは難しいと思います。
○風間直樹君 いずれにしても、米国のテーパリングと比較しても、この日銀の異次元緩和の収束の局面というのが非常に難しいということが、今挙げていただいた数字からも推測できるんだろうと思います。 この問題、異次元緩和の開始から一年たちまして、今日、冒頭指摘したように、国債市場における変化が生じてまいりました。今後継続してこの委員会で、また質疑を通して日銀の金融緩和、チェックをさせていただきたいと思います。 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。 まず、マクロ経済情勢についてお尋ねをさせていただきます。 日銀の黒田総裁に引き続きお尋ねをさせていただきたいと思いますが、まず、先ほどの片山先生の質疑の中で、失業率を目標にした金融政策の運営をやったらどうかという御提案がございました。私も大変感銘を受けまして、大賛成でございますが、テーラー・ルール、マッカラム・ルールなどございますけれども、失業率を目安にするということになれば名目GDPルールというような形になろうと思いますが、この点について是非御検討いただけないでしょうか。通告しておりませんけれども、お願いいたします。
○参考人(黒田東彦君) 世界各国の中央銀行の政策目標を見ますと、ほとんどの先進国が二%程度の物価安定目標というのを定めております。その中にあって、FRBは、御承知のように、雇用の極大化ということも物価の安定とともに目標とされておりまして、そういった観点から、常にこの失業率について現状あるいは先行きの見通し等も示して金融政策の議論を行っております。他方、米国以外の中央銀行は、やはり物価の安定ということが最大の目標であって、雇用を目標にするということは取っておりません。 ただ、物価安定が目標であるといいましても、そこに影響する雇用であるとか、あるいは実質GDPあるいは名目GDPの状況とか、そういうことは全て勘案しつつ金融政策を行っていくという、それは、そういったものが物価に影響しますので、当然そういったものも勘案しながら金融政策を行って、各国の中央銀行はそうですし、私ども日本銀行もそういうふうにしております。ただ、雇用あるいは失業率を数値目標のような形で提示するということは、世界のほとんどの中央銀行はやっておりません。
○金子洋一君 ありがとうございます。 もちろん、どういう数字の失業率を目標にしろとか、そういうことを申し上げるつもりはございません。FRBにしても、物価の安定と雇用の最大化という二つの目標、これが時には違う方向に行ってしまうということで大変難しいと。二つのマンデート、デュアルマンデートを満たすということが大変難しいということはございますけれども、日本銀行としても、そういった世界の最先端を是非とも行っていただきたいというふうに思います。二十五分しかありませんので、この問題はもうここで終わらせていただきますが。 続きまして、展望レポートの内容と、そしてまた、潜在成長率の問題についてお尋ねをしたいと思います。 今回、四月の展望レポートでは、一月の見通しと比較をいたしまして、二〇一三年度で実質GDP、経済成長率が二・七%だったものが二・二%とマイナス〇・五%落ちている、そして二〇一四年度については、一・四%であったものが一・一%ということでマイナス〇・三%ポイント落ちているということで、二つ合わせますとマイナスの〇・八%ポイントということで、金額で申しますと約四兆円分日本の経済が小さくなるということであろうと思います。 そしてまた、実際のデータで消費者物価見てまいりますと、除く食料、エネルギーの消費者物価指数で三月の全国がプラスの〇・七%という数字であります。普通に見ればそんなに強い数字ではないと思いますが、これだけ、そんなに大きなプラスにはなっていないというところでありますけれども、依然として日本銀行としては見通し期間の中盤頃に二%程度に到達すると言っておられると。 ただ、その一方で、総裁は四月三十日の記者会見などで、日銀計算の潜在成長率に随分近づいているというふうにおっしゃっておられます。ですから、追加緩和は必要ないんだというふうに報道では受け止められているということになりますけれども、見通しが一月と四月で、二〇一四年度の一番最後の方で見ますとマイナスの〇・八%落ちていると。そして、三月の消費者物価、除く食料、エネルギーで〇・七%、これは駆け込み需要も当然入っている数字ですから、そのくらいの数字でまだ追加緩和というのは全く必要ありませんとおっしゃるのは、私としては大変違和感があります。 これは、総裁として真意はどの辺りにあるんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の二〇一三、一四年度のGDP成長率、これは輸出の回復の後ずれなどから前回の展望レポートに比べて下方修正になったわけでございます。ただ、雇用誘発効果の大きい国内需要が堅調に推移しているということを反映いたしまして、労働需給は着実に引き締まり傾向が強まっております。失業率は御案内のとおり今三・六ということで、三%台半ばと見られる構造的失業率に近づきつつありますし、有効求人倍率も先ほど申し上げたように一・〇七倍ということまで増加しております。 設備につきましても、非製造業を中心に設備の不足感というものが強まっておりまして、こういった全体の状況を見て需給ギャップがゼロに近づいているという下で、賃金あるいは物価がかつてはマイナスだったわけですが、一年前を取りますとマイナスのデフレの状況だったわけですが、今はプラスのところに来ていると。いわゆる生鮮食品を除くコアで一・三%ぐらい、それから、御指摘のように食料、エネルギーを全て除いたところのコアコアで〇・七というところでございます。 もとより、私どもの量的・質的金融緩和を昨年の四月に決定いたしました際にも申し上げたわけですが、二年程度を念頭に置いてできるだけ早期に二%の物価安定目標を達成するということで導入し、それを毎月金融政策決定会合で状況を確認しつつ進めてきておりまして、物価の動向を見ますと、おおむね、先ほど申し上げたように成長率、あるいは内需、外需の状況を見ますと、内需はやや強め、外需は弱めということでありますので、成長率は御指摘のように若干下方修正されましたが、物価につきましては労働需給のタイト化等を中心にして賃金、物価の上昇ということが起こってきておりますので、物価についての見通しは変えなかったわけでございます。
○金子洋一君 ありがとうございます。 多分、そういった総裁のお考え方というのは、まさに日銀作成の需給ギャップの発想と同一のものであろうと思っております。 もし、おっしゃるように、構造的失業率に近づいている、設備の不足感もあるということになれば、これはもう少し物価が上がってもいいはずじゃないでしょうか。逆に言えば、現時点が需給ギャップがほぼゼロに近づいている、けれども物価は余り上がりませんというのは、それは需給ギャップの定義の仕方がおかしいんじゃないかと私は思うんです。 展望レポートの図表を拝見しますと、例えば図表四十なんというのを見ますと、潜在成長率の計算で、最近のところはプラスに寄与しているものがTFP、つまり技術革新の分しかないということになっております。この潜在成長率の動きを見ても、これは計算の仕方でどうしてもこうなっちゃうんですけれども、景気がいいときには上がり景気の悪いときには下がるということになって、じゃ、この潜在成長率を基準にして景気の良しあしを測ろうにも、こう上がったり下がったりしているんだとちょっと見にくいというところもあるんだろうと思いますし、また、同じく図表四十七で見ますと、回復期に日本銀行の計算をしている需給ギャップというのは急激に回復をすると。だから、バブルのときにはぐんと上がっている。ほかの内閣府とかあるいはホドリック・プレスコット推計なんかに比べるとずっと高くなると。 もちろん、二〇〇三年から二〇〇七年の景気回復期にもやはり日銀のものは結構高い方に、少なくとも内閣府より高く出ているということで、こういうことを見てまいりますと、景気を予測する上で、日銀の計算をしている需給ギャップというのは余り役に立たないというふうにしか私には見えないんですが、総裁はどうお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 需給ギャップの計算の仕方としてはいろいろあるわけでございます。 御指摘のこの内閣府の計算の方式といいますのは、中長期的な潜在成長率というものを先に計算いたしまして、それと現在の経済動向を比較してそのギャップを需給ギャップとして示すということで、現時点でまだ一%台半ばぐらいのギャップが残っているという計算だと思います。 他方、私どもの計算は、直接的に労働市場と設備の稼働率から過去の総平均との比較でギャップが残っているかどうかという計算をしておりまして、御指摘のように、内閣府の計算と若干ずれがあるということはそのとおりでございます。ただ、傾向的には非常に合致した動きをしております。 そうした下で、需給ギャップがゼロ近傍に来ているというふうに私どもは見ておりますけれども、そういうふうになったからといって物価が急速に、不連続的にというか非線形的に上昇するということはないと思いますけれども、フィリップス・カーブ等で見られますように、やはり需給ギャップが縮んでいきますと物価上昇率は上がっていくという傾向がありまして、これまでの需給ギャップと物価上昇率の関係を見てまいりますと、最近の物価の動きが特にこの需給ギャップに比べて弱いということはなくて、むしろフィリップス・カーブ等から見ますとかなり順調にと申しますか、予想されたような方向で物価が徐々に上がってきているというふうに思います。
○金子洋一君 ありがとうございます。 ただ、例えば失業率を計算するときでも、回復期には企業からの、何でしょうね、ポストの提供というのはどんどん増えると。その一方で、景気が回復するにつれて今まで職業を探すことを諦めていた人がどんどんどんどん市場に入ってきて、そして求職者数自体が随分大きくなってくるという現象が見られます。これまでの数字で計算をしていると、そういうのが、求職者数がどんどん増えるということになれば需給がタイトになる一方だということになるんでしょうが、そういう個人の方、家計の動きというのも見ていくと必ずしもそうではないところがあると。 私も、もちろんこの日本銀行の算出方法についてもっと教えていただかなければいけないと思っておりますけれども、少なくとも景気回復期については随分と高くなり過ぎるんじゃないかという、グラフを目で見て、という気がいたしますので、是非その点、問題意識を持っていただければと思います。 そしてもう一点、追加緩和については余り前向きのことをおっしゃらないということが、恐らく去年の暮れぐらいからずっと続いている状態じゃないかと思います。私は、もう厳しい状況になればできるだけ早く追加緩和をにおわせていただくと、そのことは、におわすことによってほかにいろんないい影響があるからだと思っております。 特に株式市場の状況を見てまいりますと、恐らく去年の十二月ぐらいから傾向としてはややもう下がってくる一方だというふうに思いますけれども、これは、そういった追加緩和をなかなか日銀がしそうにもないぞということに対する市場からの落胆の声が強いのではないかと私は思っておりますが、そうはお考えにならないでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 追加緩和云々の問題につきましては、昨年の四月に量的・質的金融緩和を導入した際の文書にも明確に書いてございますけれども、毎回の金融政策決定会合で物価安定目標に向けた道筋をどのようにたどっているかというのを点検して、当然、その道筋から外れる懸念があるということであれば、ちゅうちょすることなく金融政策の調整を行うということを申し上げておりまして、その点は一貫して変わっておりません。 なお、株式相場の水準とか動きについては具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、やはり株価は短期的には様々な要因で変動し得るわけですが、基本的には中長期的に見ますと将来の企業収益の見通しを反映するものであるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、株式市場の動向については今後とも十分注意して見ていきたいというふうに思っております。
○金子洋一君 ありがとうございます。その点、言いにくいというところがあろうことはよく理解をしております。 ちょっと話題を変えさせていただきますけれども、四月一日以降の物価の動向について、これはPOSデータを集計をする東京大学消費者物価指数というのがございまして、カバレッジは余り広くないんですけれども、すぐにデータが分かるという非常に便利なものになっております。 この動きをどういうふうに評価をされているのか、これは内閣府と黒田総裁、それぞれにお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(杉原茂君) 東大日次物価指数でございますけれども、四月に入って数日間、前年比一%前後の上昇率となりまして、それまで前年比マイナス圏内であったのが、伸びが一時的に高まったというところでございます。ただ、その後は前年比ゼロ%前後で推移をしておりまして、底堅い動きというような状況かと思います。 東大日次指数につきましては、速報性が高いということはございますけれども、対象品目が今御指摘のように食料品、日用品に限られるという、カバレッジが低いというそういう問題、あるいは全ての特売を含む実売価格を調査をしていること、それから消費者物価指数と比べて伸びが低めに出る傾向があると、そういう消費者物価指数とは異なる特徴、あるいは動きも異なる動きがあるということで、その結果については幅を持って見る必要があるというふうに考えてございます。
○参考人(黒田東彦君) 今、内閣府の方から御説明ありましたように、東大日次物価指数については御指摘のような動きをしていることは承知しておりますけれども、その評価に当たりましては、カバレッジが消費者物価指数の対象品目の二割弱であるということなどを踏まえて見ていく必要があろうと思います。消費税率引上げ後の物価動向につきましては、今後公表される消費者物価指数などを詳細に点検していく必要があるというふうに考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。 その東大物価指数は税引きの価格で比較をしておりますので、プラスマイナスゼロだというような数字になるわけでありますけれども、となりますと余りプラスにはなっていないと、前年度同月比というか同日比でプラスになっていないという状況なんじゃないかと思います。依然として増税後の景気について私は非常に心配をしております。 これは財務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、今、今年度の予算についてはできるだけ早期に実施をしてくれということで指示を出しておられると思います。これは、駆け込み需要の反動減に対応するためだというふうに思っております。また、昨年度の未消化だった分を繰り越すということも、これも認めておられるということで、これまでとは随分違ったやり方なんじゃないかなと思っておりますけれども、特に早期実施、今年度の予算の早期実施ということになりますと、年度前半の景気は良くなりますが、後半は普通の年度と比べると当然、政府支出は減ってしまうということになろうと思います。 そうすると、例えば、大臣は十二月までに消費税の再引上げの決断をなさるとおっしゃっていますから、十二月ぐらいに入手できる経済データについては、前に早期実施をしているのでいいデータが出ると。その代わり、それ以降になると徐々に徐々に息切れをしてきて、実際には消費増税を迎えるといったときに、むしろもう、何というんでしょうね、何も残っていないと言うと表現はおかしいですね、息切れ状態で向かうということになりはしないかというふうに思っております。 その場合には、例えば追加的にまた経済対策を打たれるんでしょうか。いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、二十五年度の補正で、六月末までに七割程度、それから九月までに九割程度の実施をするという目標を立て、二十六年度の当初予算では、十二・〇兆円のいわゆる実施対象経費のうち、六月末までに四割、九月末までに六割以上ということを申し上げて、今実施に移しつつあるところなんですが、今言われましたように、これは消費税の反動減というのに対応しつつあるところなんですが、今日出たいわゆる四半期ごとの実質成長率を見ますと、少なくとも一―三月の民間需要というものは九・七%になっております。九・七%は当然駆け込み需要がここにあったと考えるべきなんだと思っておりますが、その中で公的需要というのは実はマイナスの一・五になっております。 そういった意味では、これは四―六をよく見ていかないと何ともこの三月まででは言えませんけれども、まず傾向値としては、二〇一三年度がこれで出たことになるんですが、二〇一三年度のいわゆるGDPはトータルでいきますと伸びたという形になりますので、そういった意味では、六四半期連続でGDPが伸びたという形には結果としてはなっているんだと思っております。 こういう傾向値が続いていきますと、私どもとしては現実問題として下期になってどういう形になってくるかというのを、今の段階でちょっとあらかじめ、いいかげんな予想をしていくわけにはいきませんけれども、こういった状態は、公的需要がこれだけ減りながら内需はこれだけ伸びていく、四月以降も同じような状況になるんであれば、それは間違いなく好循環になりつつあるという数字上の証明にはなりますので、それを見定めた上で判断をさせていただきたいと存じております。
○金子洋一君 ありがとうございます。 いい方向に景気が行ってくれると大変いいと思っておりますが、また引き続きこの問題については質疑をさせていただきたいと思います。 私は以上でございます。
○委員長(塚田一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、酒井庸行君及び前川清成君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君及び礒崎哲史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、インターネットバンキングに係る不正送金事犯につきましてお聞きしたいと思います。 昨今、以前は余りなかったと思いますけれども、最近になりまして、インターネットバンキングに係る不正送金事犯が大変に増えているということであります。最近の特徴といたしましては、個人のみならず法人被害も大変急増しているというふうに聞いております。とりわけ、地域の金融機関と取引のある中小企業に被害も多いということでございまして、こうした実態につきまして金融庁としてはどのように認識し、また対応を考えているのか、まず金融庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) インターネットバンキングの不正送金による被害、これは警察庁が発表しておりますが、平成二十三年には百六十五件、約三億八百万円、平成二十四年は六十四件、約四千八百万円と減少したものの、平成二十五年は千三百十五件、十四億六百万円と増加しておると聞いております。委員御指摘のとおり、個人顧客のみならず法人顧客も被害に遭っているということでございます。それで、平成二十五年中には、約三十二の金融機関で被害が発生しているということでございます。 これらの犯行手口がございまして、ウイルスを端末に感染させてIDやパスワードを不正取得する、あるいは、フィッシングメールによりID及びパスワードを不正取得することにより不正送金をするといった手口であろうと聞いております。 こういったことをまさに金融界に対して、こういった手口があってこういったことが起こっておるということを注意喚起を行い、各金融機関において自らのシステムのセキュリティーを高めると同時に、顧客に対して注意喚起ないしはいろんな対策、パスワードを送るやり方を工夫するとかといったことの対応策を促しておるというところでございます。
○西田実仁君 今お話がありましたように、警察庁からの報告でございますと、二十三年には三億だった被害額が昨年には十四億に増えている、中でもこれまではほとんど個人だったのが最近は法人被害も増えてきていると、こういうことでございます。 かつて、平成十八年でございましたが、私も関わりました議員立法で、預金者保護法、通称ですけれども、預金者保護法というのができました。この預金者保護法では、その補償の対象は、当時、社会問題にもなりまして、個人というふうに法の二条の二項で限定をいたしました。つまり、法人は補償の対象になっておりませんでした。また、インターネットバンキングによる不正払戻し等につきましても、その後、法律に定める二年後の見直しというか検討事項に盛り込んでおりましたが、二年後に、これは法改正ではなくて業界の自主ルールで補償を規定をしようと、こういうふうになって現在に至っているわけでございます。 しかしながら、先ほど来お話がございましたように、インターネットを通じた被害というのが急速に増えつつあるということ、かつ、法人、中でも中小企業の被害というものが増えているとすれば、果たして業界の自主規制ルールによる補償ということでよいのかどうか、法改正は必要ではないのか等々、考えなければならない検討課題というものがあろうかというふうには思っております。 そこで、金融庁、大臣にお聞きしたいと思いますけれども、まず昨今の法人被害について、金融機関がどう補償しているのか、その補償の実態についてどう認識をしておられるのか。銀行が補償する場合あるいは保険を掛けて補償する場合等々、様々あろうかと思いますけれども、その現状、金融機関によるインターネットバンキングに係る法人被害の補償についてどう認識をされているのかということについて大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはインターネットバンキングによる主に不正送金の話が主なんですけれども、法人顧客の被害の補償をどのように取り扱うかという話なんですが、これは基本的に民事上の取引の話なんでして、したがって、金融機関と顧客との間の解決が図られるというのがこれは基本的な原則であろうと思っております。 したがって、まずは金融機関等、また金融関係団体等々において主体的に検討が図られるべきものだと考えておりますけれども、今、銀行協会においても法人顧客の被害の補償の在り方について検討される予定と伺っておりますので、金融庁としてもその経過を見守ってまいりたいと、基本的にはそう思っております。
○西田実仁君 この業界による自主規制ルールということで、法人の被害についての補償も業界として近く発表するんだろうというふうには思っております。 その上で、このインターネットバンキングなんですけれども、先ほど申し上げましたように、個人に対しましても、インターネットバンキングの被害というものは自主規制によって行われております。つまり、法律ではないんですね。そこで、しかしながら、預金者保護法とほぼ同じ内容で補償するというふうに自主的に業界が決めております。 ただ、このインターネットバンキングは過去余りこの事例がなかったということで、特に預金者保護法でも問題になりましたのは、無過失な場合は一〇〇%、過失が全くなければ一〇〇%補償するというのは当然、盗難通帳であれ偽造カードであれ、そうなんですけれども、軽過失と重過失というふうに分けておりまして、軽い過失の場合には七五%補償しましょうと、しかし、重い過失、例えば暗証番号をカードに書いているとか、こういうものについては当然、余りにも注意を怠っているという重過失なので補償はできませんねと。こういうふうに、盗難通帳については預金者の過失の程度に応じた補償というのが法で定められております。 しかし、インターネットバンキングについては、先ほど来から申し上げておりますように、法律には定めておりませんで、業界のルールということで、無過失は当然一〇〇%補償でいいんですけれども、軽過失なのか重過失なのかというのは個別対応だと、こういうふうにしてまいりました。それは余り、その犯罪事例が少なかったということもありますし、なかなか盗難通帳のように、はっきり軽だ、重だということがいわく言い難いと、こういう背景があったろうと思います。 しかし、これまでもう何年もたちまして、被害を未然に防ぐという意味からも、インターネットバンキングにおける無過失、すなわち一〇〇%補償する場合はこういうケースが典型的である、あるいは軽過失、七五%の場合はこういうケース、重過失、補償できない場合はこういうケースという、ある程度のこの目安というか事例が積み重なってきたんであれば、単に個別対応ということではなくて、その業界の自主ルールであればその事例を示すということも大事ではないかというふうに私は思ってございます。 例えば、アンチウイルスソフト、最新版でない場合はこれは軽過失なのかどうか。あるいは、ウィンドウズXPのサポートが終わったといいますけれども、それをずっと使っている場合は軽なのか重なのか。危ないと言っているのに使っていたら、じゃ重なのかという、これはかなり個別、確かに個別対応なんだろうとは思いますけれども、さすがにここまで来ると、ある程度、先ほど申し上げたように、暗証番号をカードに書いてある場合はこれは重だよねとか、明らかにこういう場合は重じゃないか、あるいは軽じゃないかという、このインターネットバンキングに関わる補償についての目安を示す時期にそろそろ来ているのかなというふうにも思っておりますが、大臣としてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先生おっしゃるように、これは間違いなく全国銀行協会の申合せによってこれは補償をしておる、個人の場合はほとんどしているんですけど、今言われましたように、無過失、軽過失、重過失、いろいろ分けてやっているのが実態なんですけれども、それ個別事例ごとにもう全然、千差万別みたいな形になっておりますので、これ、なくしたと思って十五日たっているから軽過失で十六日目から重過失かとか、一体どこで切っているのかというのはなかなか難しいし、偽造されている場合はほとんどこれは無過失という形になっているんですけれども、その他、これ警察にちゃんと届けましたかとか、ちゃんと何とかしてありますかというようなことで、これは各銀行によっていろいろまた言い方が違ってきておりますので、この不正送金の被害の補償については、まずはこれは金融団体等々で主体的にやっていただかないかぬところだと思っておりますけれども、もう少し私どもとしては金融関係団体の話をよく、まだ全然話合いもしていないみたいですから、やっと話合いが始まるぐらいのところまで来ておりますので、そこらのところでどれくらいのものをきちんとやるかを見た上で私どもは対応していかねばならぬかなと思っております。
○西田実仁君 是非そうした目線を合わせていただいて、要はそういう被害に遭わない方が大事なわけですから、未然に防ぐためにも、こういうことをやっぱりきちんと自分で備えなければ、実際にはこれは重過失になって幾ら被害に遭っても補償されないんだよということを利用者にも知らせるという意味からも、ある程度の事例を目線合わせをしていただくことも今後必要かなというふうに思って質問させていただきました。 続きまして、金融円滑化法終了後の中小企業の経営改善、また事業再生支援ということについてお聞きしたいと思います。 まず、金融庁にお聞きしたいと思いますけれども、金融円滑化法に基づいて返済猶予を受けてまいりました中小企業への再生支援について、一部報道でありますけれども、この円滑化法終了とともに転廃業を促す方針に金融庁として転換したんだと、こういうことが一部報道されておりますけれども、実際はどうなのかお聞きしたいと思っております。 実際にこうした金融円滑化法を利用してきた中小企業がどのぐらいあるのか、推定なんでしょうけれども、その中で更に再生支援が必要な中小企業はどのぐらいの規模であるのか、そこに対しましてどういう支援体制をしこうとしているのか、この辺についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) 金融庁といたしましては、昨年三月末の円滑化法の期限到来に際しまして、二つのことを方針として明確化しております。一つは、金融機関は引き続き貸付条件の変更に努めるよう努力すること、それから二つ目に、中小企業の真の意味での経営改善につながる支援に金融機関は軸足を移していくこと、この二つを方針として明確化しております。 貸付条件の変更に引き続き努めるというのもやっておるようでございますし、現在、まさに中小企業の経営改善、体質強化の支援を本格化させることが重要であるという認識の下で、金融機関に対しましては、コンサルティング機能の発揮、中小企業に対する経営再建計画の策定支援といった経営改善等の支援に関わる積極的な取組を促しているところでございます。したがいまして、最近、金融庁が中小企業等に転廃業を促す方針に転換したということはございません。 それから、利用者数でございますが、金融円滑化法を利用していた事業者数につきましては、これまでと同様の手法で民間調査機関のデータを基に推計しますと、昨年三月末時点においてもおおむね三十万から四十万先であろうと言われております。それから、抜本的な事業再生の支援等が必要な事業者数はおおむね五、六万先と思っております。一般論として申し上げますと、中小企業等の真の経営改善には一定の期間が要するということがございます。したがいまして、昨年三月末で推計しておりました五、六万先といった推計値については大きな変化はないものと思っております。 この一年間を私どもは中小企業の経営改善、事業再生支援を本格化させる重要な一年と位置付けておりまして、金融機関に対して、真の意味での経営改善につながる支援、例えば経営改善計画の策定支援、あるいは抜本的な事業再生支援にこれまで以上に積極的に取り組んでいくよう促しているところでございます。
○西田実仁君 今数字を示していただきましたが、円滑化法利用の先数が三十から四十万ぐらいと。そして、企業再生支援が必要なのは五万から六万先というお話でございました。 この五、六万先の中小企業にどう再生をするための支援をしていくのかということで、この国会には、所管は別ですけれども、地域活性化支援機構法の改正がなされまして、経営者保証の付された貸付債権等の買取り業務がこの機構ができる、REVICができるように追加されるということでございます。 保証債務を負担する経営者はもちろんですが、保証付貸付債権を有する金融機関が連名でこの債権の買取りをREVICに申し込めばそれを買い取るという、こういうスキームに今回法律改正によってなるわけでありますけれども、しかし、融資をしている金融機関が連名でREVICに対して債権の買取りを申し込むということがなければその後の支援というのが始まらないわけでありますから、これを金融機関がREVICに申し込むというインセンティブというか、その動きをいかにして起こしていくのかということが大事であろうというふうに思って、実際になかなかこれが進まないんじゃないかという声も現場では聞いたりするわけでありますけれども、こうした金融機関がREVICに申し込むインセンティブをどう金融庁として付けていくのか、これをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、西田先生の御指摘にありましたとおりに、これは保証付債権等を買い切る機能がこの度追加をされております。この機能が活用されることによって、例えば中小企業が早期に事業再生を着手する等々によって、破産に至るより前に、少なくとも破綻に至るより多くの債権回収が可能になるというように見込まれておりますことが一点。また、金融機関の債権管理コストの軽減ということにもつながっていくんだと思って期待をされておりますので、したがって、金融機関にも一定のこれはインセンティブが働きますので、それなりの効果はあろうかと私どもは期待をいたしております。 また、金融庁としては、この制度の趣旨や意義というものをいろいろ、こんなメリットがあるんだという話は、そういったことをやっておられる方は、みんな、そんな何万といるわけじゃないので、その数は限られておりますので、そういった方々に対して周知をする、徹底させるということに関しましては、私ども、金融機関の方にしてもこれはメリットのある話でもありますので、金融機関の方から積極的に活用を促すということに関しては、その点に関しましても金融機関の方にこれをもっと積極的にアピールしていく、訴えていくということを促してまいりたいと思っております。
○西田実仁君 それは例えば、金融機関に対する監督指針等にこのREVIC等を活用した企業再生支援ということが今後入ってくる可能性はあるのかどうか、金融庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) この法律、改正されたばかりでございまして、今後これを受けまして、金融機関にいろんな形をもってその活用を促してまいりたいと思っております。 委員御指摘のような監督指針あるいは監督方針で書くというのも一つの手でございますが、何よりも実効性を上げるために金融機関との意見交換会等でもこの活用を慫慂しておるというところでございます。
○西田実仁君 是非それはお願いしたいというふうに思います。 次に、経営者保証ガイドラインについて、午前中も出ておりましたけれども、私の方からもお聞きしたいと思います。 まず、この経営者保証ガイドラインの保証契約時の方の話から始めたいと思いますが、経営者による保証を外す要件というのがガイドラインによって示されております。大変以前に比べて分かりやすくなった、明文化されたという、大変いいことだというふうに思いますが、一つは、法人と経営者との関係の明確な区分・分離ということが第一番目、二つ目には財務基盤の強化、そして三つ目には財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示、こういう要件がなければなかなか経営者による保証が外せないよと、逆にいえばこれがあれば外せるよということが明文化されて非常に分かりやすくなりました。 そこで、まずお聞きしたいんですけれども、ガイドラインの適用は今年二月からでございますが、それ以前でも、経営者保証人とならずに融資を受けている企業、あるいは経営者が保証人となって融資を受けても、その後に銀行との交渉によって経営者の保証を外したケースもあるんだろうというふうに思います。 金融庁として、こうした実態をどこまで把握されているのか、また、中小企業に対する経営改善支援ということで経営者による保証を外す融資について政策的に何か中期的な目標を持って取り組んでいかれるのか、これについて金融庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) 金融庁といたしましては、まずは政策目標といたしまして、このガイドライン、これが融資慣行として浸透、定着するということを目標にしております。したがいまして、金融機関に対してまずはガイドラインの積極的な活用に向けた取組を促しているところでございます。 その一環としまして、ガイドラインの積極的な活用を促進する観点から、広く実践されることが望ましい取組、これ二月から始まったばかりでございますので、そういった取組がだんだんと出てまいりますので、そういった広く実践されることが望ましい取組を事例集として取りまとめて公表するといったことで、各金融機関から今具体的な取組事例を収集しておるところでございます。 まずはこのガイドラインが融資慣行として定着していくということを目指したいと思っております。
○西田実仁君 現場で聞きますと、銀行の方から経営者保証を外すよう勧めてくるということはまずないと、まあそうだと思うんですよね。もちろん経営者自身が経営者の保証を外したいのであれば努力をしなければならない、先ほどの要件満つるようにしなければならないわけでありますけれども、一方で、今お話もございましたが、金融当局として、金融機関に対しまして経営者保証を外す融資に積極的に取り組んでいくということも必要ではないかというふうに思います。 なぜならば、経営者保証なしの融資が断られた場合でも、例えば経営者保証に代替する融資手法、停止条件付保証契約とかあるいは解除条件付保証契約などの紹介をしたり、あるいは経営者保証がなぜ必要かということが逆に説明を受けるチャンスというか機会にも改めてなるわけでありまして、経営者保証のガイドラインについて金融機関から中小企業にも積極的に話をしていくということが逆に中小企業に対する経営改善支援ということにもつながるのではないかというふうに思ってございますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今般、金融庁としても、策定をされました経営保証ガイドラインが融資慣行として、これはこれまでと違った、いわゆる融資というか査定の仕方、融資査定の違いとなってきておりますので、そういったものが浸透していかぬとちょっとどうにもならぬと思っておりますので、そういった、まず定着させていくことが重要と考えております。 加えて、このガイドラインの適用に当たりましては監督指針というものを改正をしております。経営者保証に依存しない融資の一層の促進を監督上の着眼点ということにするということにいたしておりますので、今後、このガイドラインに基づいて、金融機関に対して経営者保証に依存しない融資への積極的な取組というものを引き続き促してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 是非積極的な促進ということをお願いしたいと思います。 この経営者保証ガイドラインの保証履行時の件で一つお聞きしたいと思います。 保証人たる経営者が早期事業再生を決断し、ガイドラインに基づき保証債務の整理を申し出た場合でありますけれども、保証債務の履行請求が限定的となり、金融機関に申し出た日以降の収入が保証債務履行請求額に含まれないなど、安定した事業継続に必要な保証人の残存資産が増加する可能性が高まるという、こういうスキームでございます。 そこでお聞きしたいんですが、経産省にお聞きしたいと思いますが、保証人たる経営者が早期事業再生を決断した場合、企業と保証人の債務を私的整理する、すなわち金融機関は一定の債権放棄ということが必要になるわけでありますが、この場合、信用保証協会の保証付債権も同様にカットされるのか。私が携わった、相談等を受けたもので、数少ない経験でございますけれども、保証人である社長が法的な手続をしない限りなかなか保証協会が債権カットに応じるケースは少ないと経験上私思っておりまして、中小企業がより多く利用しております保証協会保証付融資について、実際に、今申し上げた経営者保証ガイドラインの保証履行時の対応がどのようになっているのかということをお聞きしたいというふうに思っております。是非、保証協会保証付融資についても同様な積極的な取組をお願いしたいという趣旨でお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。 済みません、先生から事前に御通告を頂戴しておりましたものが事業再生ADRの部分でございましたので、私は直接、申し訳ございません、保証協会保証融資を担当している者ではございませんけれども、いずれにいたしましても、まさに今般定められましたいわゆる信用保証についてのガイドラインについては、信用保証協会の保証が付いているか否かにかかわらず早期事業再生が実現できるようにという趣旨だというふうに理解しておりますので、その旨、信用保証協会の保証においても円滑に進むよう検討してまいりたいと存じます。
○西田実仁君 失礼いたしました。しかし、お答えいただきまして、ありがとうございました。 次の事業再生ADRの方でお呼びしていたわけでありますのでそちらに移りたいと思いますが、二〇〇七年に導入されました事業再生ADR、その利用状況がどうなのかということについてお聞きしたいと思います。 企業の新陳代謝を促す、あるいは競争力を増していくというために、不振事業を切り離して再生しやすいようにしようと。不良債権の放棄を取引銀行に求めるルールを、ちょっと、全会一致、全員一致ではなくて多数決というような報道も一部にありましたけれども、いずれにしてもそのルールを緩和するという趣旨のお話が聞こえてまいりますけれども、この事業再生ADRの利用状況と併せまして今申し上げましたルールの規制緩和、緩和というんですか、ということについてどう取り組んでいかれるのか、経産省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西山圭太君) お答えを申し上げます。 今先生から御指摘のございました事業再生ADRでございますが、これは現時点におきましてはいわゆる産業競争力強化法に基づいて実施されている制度でございます。これ、二〇〇八年度にスタートした制度でございますけれども、昨年度暮れまで、つまり六年間の合計といたしまして五十件の手続の利用申請がありまして、そのうちの四十二件を受理し、三十件について事業再生計画についての合意が得られております。 ただし、この事業再生ADRと申しますのはそもそも、申し上げるまでもなく裁判所が関与しない形のいわゆる私的整理という形で、当事者間が合意をして和解によって紛争を処理することを仲介する制度でございますので、性格的にはあくまでも当事者全員の合意を前提としている制度でございます。 今先生御指摘のような報道があったことは承知しておりますけれども、少なくとも、今申し上げましたような私的整理の枠組みの中そのもので債権者間の多数決によって債権放棄を決定する、つまり簡単に言えば合意がないものの債権についてもカットをするといったようなことについては性格上なかなか難しいというふうに考えておりますので、そうした内容のものそのものを政府において検討が行われているというふうには承知をしておりません。 ただし、先ほど来いろいろ早期事業再生の必要性についてるる御指摘があったところでございますけれども、そういう観点からは、この事業再生ADRのみならず、法的整理を含めました企業再生に関する法制度ですとか、そもそも貸付段階でどういう条件で貸付けを行うかといったような点も含めまして、事業再生に早期に着手し、また早期に合意を得るための措置については幅広く検討してまいりたいというふうに承知しております。
○西田実仁君 この事業再生ADR、今お話しのようにまだまだ数が少ないのはいろんな難しい私的整理の部分があると思いますが、今後、企業の新陳代謝をより促していくということからも、事業再生ADRの利用を促すために、金融庁としては今後の検査指針等をどう変えていくべきとお考えでありましょうか。不採算事業を切り離すことで再生が進みやすくなる企業について、銀行が一時的に例えば不良債権と査定をしても早期に正常先に戻せるといったような、これまでとは異なる手法も考えられるのではないかというふうに思いますが、事業再生ADRの利用を促すための検査指針の今後について大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 企業の事業再生というものをいわゆる円滑かつ迅速に進めていくというのは、これは極めて重要な問題であります。 金融検査マニュアルにおきましては、既に、その適用をするに当たっては機械的、画一的な運用に陥らないようにということを指導しておるところでありまして、加えて、例えば不採算事業を切り離す等々した場合に、一時的には赤字になっても、事業再生の取組などによって短期間のうちに黒字化することが確実と見込まれる場合などというものは、これは正常先と言い得ると、扱えるということとされております。このため、現時点では、検査マニュアルが事業再生ADRの利用の制約になっているとは考えておりません。 ただし、金融機関による積極的な事業再生の取組の促進というものは、これは甚だ重要な課題でありまして、これは今後とも必要に応じて適用するように私どもとしては対応に努めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 最後に、大変大きな話で恐縮ですが、ちょっと時間なのでお聞きしたいと思いますが、日本経済の一つであります株価について、株価の短期的なものの何かコメントを求めるわけじゃありませんが、全般的に日本経済の株価が一万四千円から一万六千円といういわゆるボックス相場に入り込んで、なかなかそこから抜けられないと。日米で比較をいたしましても、リーマン・ショック前の株価のピークを日本は超えられないけどアメリカは超えているとか、企業利益についても同様であるというような、大変対照的な数値になってございます。このボックス相場を抜け切らない株価の原因について、大臣の御所見を是非お聞きしたいと思います。 ここは、やはり企業の国際競争力の問題でありますとか、これから超えていくということなのかもしれませんが、大変に、私も与党の一員として何とかやはり株価を、アベノミクスの成功とともに抜けるようにしていきたいというふうには思っておるわけでありますが、なかなかこのボックス相場を抜け切れないという状況にじくじたる思いもございます。 専門家であります大臣から、この点について御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはうかつに株価を話すと話が込み入りますので。この間もちょっと言ったら四百四十円も株価が上がったりいたしますので、うかつなことは言えぬのですが。 日経の平均株価というのは昨年末が一万六千二百九十一円ということになっておるんですが、一年間で約五六%、通期で上がったことになっておりますので。これは、今年に入ってから一万四千円から一万五千円という近辺で推移しておるというのは、もう御存じのとおりです。 他方、ニューヨークのダウの方が昨年の一年間で約二六%の上昇となっておるんですが、今年に入ってからは、少なくとも一時的な下落はあったものの大幅に上がってきておりますので、そういった意味で、株価指数の推移については、これは市場では、昨年の株価が急激にかつ大幅に上がったことに対する調整という意見があってみたり、政府に対する、成長戦略改訂の内容、まあ六月ぐらいに出るまでということまで、これずっと積極的に買いに入るんではなくて、よく模様を眺めておくというような見方など、これは実にいろいろ御意見というものが私どものところにもいっぱい入ってくるところですけれども、これは、金融担当大臣としてはこのことに関してするコメントというものは差し控えさせていただきたいと思っております。 いずれにしても、アベノミクスというもののうち、この三本目の矢の成長戦略というものの結果が非常に大きく左右をするんだと思っておりますし、少なくともデフレ不況と、正確には資産のデフレ不況から今日まで日本の経済というものを考えたときに、やっと二十年近く続いたデフレによる不況、戦後初めての経験の不況ですけれども、こういった形の不況に対する対策をずっと間違えてきたことは間違いありませんので、そういったものをきちんとやり直すということを考えて、今、アベノミクスになってからかれこれ一年で一応の成果を上げつつあるところだと思いますが、まだアベノミクスという名前のこのデフレ不況対策というものが、やっぱり二十年続いたものに対してこれは一年で簡単に脱却できるほど経済ってそんな甘いものじゃありませんので、そういった意味では引き続きこういったものを継続し続けていくという必要があろうかと思っております。
○西田実仁君 終わります。
○川田龍平君 結いの党の川田龍平です。今日は、日本維新の会・結いの党の会派を代表して質問をさせていただきます。 公益法人の課税の見直しについてまず伺います。背景説明はこちらで行いますので、簡潔な答弁をお願いいたします。 政府税制調査会の法人課税ディスカッショングループでは、公益法人等の課税の見直しについて議論が行われています。法人実効税率の引下げが最大の焦点となる中で、公益法人等に係る法人税制を見直す目的は何でしょうか。今回の見直し議論は税制上のイコールフッティングを図ることが目的なのでしょうか。あるいは、法人実効税率を引き下げるための代替財源を捻出するための見直しにすぎないのでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 政府税制調査会におきましては、法人課税の構造改革を行うとの観点から、御指摘の公益法人等に係る税制も含む現行税制の課題を幅広く御議論をいただいているところでございます。 その中で、公益法人等に係る税制につきましては、介護分野など営利企業と公益法人等が競合している分野において、経営形態間の課税の扱いに関しイコールフッティングを図るべきではないかとの意見があったものと承知いたしております。
○川田龍平君 公益法人等といっても、この現在議論となっている社会福祉法人のほかにも宗教法人、学校法人、NPO法人なども含まれるなど、範囲は大変広いものです。企業とのイコールフッティングといっても、公益法人等の社会において果たす役割から、全て企業と同じ条件にしてしまうのがいいとは言えないのではないでしょうか。拙速な見直しは公益法人等の活動に影響を与えるものであり、法人実効税率の引下げとは切り離して、法人類型や政策目的等を吟味して時間を掛けた慎重な議論が必要と考えますが、この公益法人等の課税の見直しを、いつ、どういうプロセスで行うつもりなのでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 先ほどもお答え申しましたとおり、公益法人等に係る課税を含む法人課税の在り方につきましては、現在、政府税制調査会におきまして議論を行っていただいている最中でございます。したがいまして、現時点におきまして具体的なプロセスについてお示しすることはできないということを御理解いただきたいと思います。
○川田龍平君 法人課税ディスカッショングループでは、公益法人等、協同組合等に係る法人税制の見直しの視点や、公益法人等に対する課税の考え方と題した議論のたたき台となる資料が提出をされました。この中では、公益法人等を取り巻く環境が変わり、非収益事業とされる場合であっても、一般の民間法人と競合する分野が生じているとして、公益法人等の範囲を再検討すべきと指摘しています。 そこでお尋ねしますが、社会福祉法人以外で公益法人等の非収益事業が民業圧迫として問題となっているケースはないと考えてよいでしょうか。もしあるならば、NPO法人と公益社団・財団法人のそれぞれについて、そのような問題となっているケースを具体的に教えてください。
○副大臣(古川禎久君) 五月九日の政府税制調査会におきましては、税制上、イコールフッティングを図るべき営利企業と競合している事業の一つの例としまして、社会福祉法人等によります介護事業が挙げられたというふうに承知をいたしております。 これ以外にこのような競合の事例があるかどうかということを含めて、今後ともこの公益法人等の事業の実態、これしっかり把握していくことが必要である、大事であるというふうに考えております。
○川田龍平君 現在、その今おっしゃった社会福祉法人の問題を中心に議論されていますが、社会福祉法人の問題を足掛かりにほかの公益法人等の課税を見直すことが懸念されております。ここでいう公益法人等の範囲を見直すとは、具体的には、今ある公益法人等のうちのどれかの法人を公益法人等から外すということも検討対象に含んでいるんでしょうか。範囲を見直すという言葉の意味を明確にしていただきたいと思います。
○副大臣(古川禎久君) 今般の政府税制調査会の議論では、公益法人等の範囲に関しまして、一旦公益法人等として整理された法人であっても、国民の信頼を得ていくためには引き続き公益性があるかを確認していく必要があるという意見があったというふうに承知をいたしております。 これは、もう御案内のとおり、平成二十年、公益法人制度の改革におきまして公益認定の仕組みが導入されました新公益法人ではなくて、この改革の対象外でありました学校法人などのいわゆる特別法に基づく公益法人等を念頭に置いた意見であったと承知しております。 いずれにしましても、現時点におきまして、公益法人等に係る課税を含む法人課税の改革の方向性が決まっているわけではございません。引き続き、政府税制調査会において幅広い議論を深めていただくことを期待したいと思っております。
○川田龍平君 この政府税調たたき台では、収益事業課税について、限定列挙されている収益事業の範囲を拡大すべきではないかと指摘もされています。これは、現在三十四業種ある収益事業の業種を更に増やすことを意味していると理解してよろしいのでしょうか。また、増やすとしたら、具体的にどのような事業を想定して議論をしているのでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) この収益事業の範囲につきましては、先般の政府税制調査会におきまして、公益法人等の営む事業が営利企業と競合する分野について、イコールフッティングを図るため、収益事業に加えることが必要との意見があったというふうに承知をいたしております。 いずれにしましても、申し上げておりますとおり議論を行っていただいておる最中でございまして、今後の改革の方向性がまとまっているわけではありません。引き続き議論を政府税調において深めていただきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 この収益事業課税方式では、例えばNPO法人の本来事業であっても課税されることになってしまいます。収益事業の範囲を拡大するというよりも、地域活性化の重要な担い手であるNPO活動を促進するよう、アメリカやイギリスの制度にもあるように、NPO法人の本来事業を収益事業から外すなどの促進策がむしろ必要なのではないでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) NPO法人は、その設立や業務運営につきまして、公の関与からなるべく自由度を確保するという仕組みとなっております。したがいまして、第三者機関によって公益性が担保されている公益社団・財団法人や、学校法人等のように行政庁による厳格な指導等のある公益法人等と同様の取扱い、すなわちNPO法人の本来事業を収益事業から除外する取扱いを講じるということは必ずしも適当ではないと考えております。
○川田龍平君 このNPOを始め公益法人にとって、寄附金は財政基盤を強化する上でも重要な収入源です。このため、公益法人に対する寄附金に対して、寄附者に税制優遇措置が講じられるとともに、この公益法人自身においてもみなし寄附金制度が設けられているんです。しかし、この特定公益増進法人と認定NPO法人では、これらの措置が規定されている法律が異なっています。具体的には、学校法人等の特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入やみなし寄附金は法人税法で、認定NPO法人では租税特別措置法で規定されています。 租税特別措置法をゼロベースで見直すとなれば、認定NPO法人だけが見直しの対象となってしまい、公平性を欠くのではないでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 寄附金の損金算入ですとか、みなし寄附金が法人税法上認められております公益社団・財団法人につきましては、第三者機関によって公益性が担保されており、学校法人等については行政庁による厳格な指導等が行われるのに対しまして、NPO法人につきましては、その設立や業務運営について公の関与からなるべく自由度を確保するという仕組みになっております。したがって、そういう中で、このようなNPO法人の活動を政策的に支援するために、認定NPO法人に関する税制につきましては租税特別措置法において規定をしているわけでございます。 いずれにしても、政府税制調査会において、このみなし寄附金制度については、御指摘の認定NPO法人に対する政策税制のみならず、法人税法上の制度についても過度な支援となっていないかといった観点から見直すべきだと、こういう意見があったものと承知いたしております。
○川田龍平君 この認定NPO法人のみなし寄附金や認定NPO法人に対する企業の寄附金の損金算入の特例措置は期限のない措置です。これは、本来なら法人税法に規定すべき内容でもあります。この機会に法人税法に書き込むという法改正を検討すべきではないでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 申し上げておりますように、NPO法人につきましては、その設立や業務運営について公の関与からなるべく自由度を確保するという仕組みになっております。そうした中で、その活動を政策的に支援するために、認定NPO法人に関する税制については租税特別措置法において規定しているものでございます。 租税特別措置法はこうした政策的な支援などの特例措置を規定するものであって、期限の有無で租税特別措置法に規定するか法人税法に規定するかを決めているわけではないということを御理解いただきたいと思います。
○川田龍平君 この認定NPO法人のみなし寄附金については、国会に提出をされた租税特別措置の適用実態調査の結果報告の中で、適用総額が一億円、そのうち上位十法人の適用額の合計で九〇%を超えています。法人実効税率の引下げの財源確保のため租税特別措置のゼロベースでの見直しが進められるとのことですが、認定NPO法人におけるみなし寄附金は利用実績が偏っているように見られるかもしれませんが、平成二十四年に拡充されたばかりで、まだ実績を判断するには時期尚早ではないでしょうか。 このみなし寄附金については、認定NPO法人の財務基盤の強化にとって重要な制度であり、今回の見直し対象に含めるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 租税特別措置につきましては、これ一般論としましてですけれども、税制改正の影響も含めて、その適用実態を踏まえて不断の見直しを行っていくことが重要だというふうに考えております。 他方で、税制の在り方を考える上では、法人税法上の公益法人等を対象としたみなし寄附金制度の在り方を見直すとすれば、これに倣って政策税制として設けられている認定NPO法人のみなし寄附金制度も当然影響を受けることになると思います。 いずれにしましても、引き続きこれは政府税調で幅広い観点から議論を深めていただきたいと考えております。
○川田龍平君 この政府税調たたき台では、非収益事業から生じる金融資産収益について、会費や寄附金収入とは異なり、公益法人等が事業活動の中で新たに発生した所得であることなどから、一定の税負担を求めるべきではないかと指摘をしていますが、これは公益社団・財団法人も含めて非収益事業の金融資産収益の非課税の撤廃、縮小を意味していると捉えてよいのでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) 政府税調におきましては、金融資産収益については、会費や寄附金収入とは異なりまして、公益法人等が事業活動を行う中で発生した所得であるため、一定の税負担を求めるべきではないかという見直しの視点が事務局から示されているというふうに承知しております。 いずれにしましても、何度も申し上げますけれども、今議論を行っていただいている最中でございまして、現時点においてこの改革の方向性がまとまっているわけではございません。引き続き議論を深めていただくようにお願いをしたいと思っております。
○川田龍平君 いずれにしても、公益法人等の税制の拙速な見直しは公益法人等の活動に大きな影響を与えるものであり、法人実効税率の引下げとは切り分けて、法人類型や政策目的等を吟味して、時間を掛けた慎重な議論が必要です。 私は、前回の公益法人の税制検討で設置された非営利法人課税ワーキンググループのような特別委員会を設置することを大臣に提案いたします。そして、そこにNPO法人関係者にも参加していただき、法人ごとの性格等を熟慮して丁寧に議論を行うべきと考えますが、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、政府税制調査会におきましては、今、法人課税の構造改革を行うという観点から、この御指摘の公益法人に係る税制を含めまして、現行のいわゆる税制の課題を幅広く議論をいただいているところであります。 したがいまして、議論の中で公益法人に係る税制につきましていろいろ御意見がありまして、例えば、民間企業と競合する分野についてはイコールフッティングを図ることが必要といった御意見もあれば、公益法人等として整理された法人であっても、国民の信頼というものを得ていく上には、引き続き、公益性があるか否か、それが認められているか等々を確認していく必要があるのではないかと。もうでき上がったらそのままずっとというのでは、内容は変わってきますので、そういった必要など様々な意見が出されているところであります。少なくとも今の時点では、これらの種々の論点が、いろいろな方から提示をしていただいている段階でありまして、改革の具体的な方向というものが今まとまっているというわけではございません。したがいまして、検討のためのプロセスについてお示しできるものではないというのが先ほど古川の方からも御答弁を申し上げているとおりであります。 いずれにしても、政府税制調査会におきまして引き続き議論を深めていく必要があろうと思っておりますので、今年はえらい税制の話は四月からやっていますけど、こんなの大体今頃は、秋ぐらいからやっていたのが、今年はえらくみんな気合が入って四月ぐらいからやっておられますけれども、どうして今年だけこんな早いんだかよく知りませんけれども、いろいろな意味で税制の話をしていただくのは結構なことだと思っております。
○川田龍平君 質問が早く終わってしまったんですけれども、用意しておいたものが終わってしまったので、ちょっとあと通告していないんですけれども、麻生大臣には漫画について是非お聞きしたいと思っているんですが。 ビッグコミックスピリッツで今「美味しんぼ」というのが連載をされておりまして、それについて今いろんな大臣がこの話をされている中で麻生大臣の発言がないのが不自然だなと思いまして、是非、麻生大臣は「美味しんぼ」という漫画を読んでいるかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 三十年続いております。三十年読んでおります。
○川田龍平君 ありがとうございます。 それで、私も高校時代はよく読んでいたんですけれども、最近読んでいなかったんですが、最近、「闇金ウシジマくん」という漫画もスピリッツで連載されておりまして、これは財政金融委員会に関わる闇金の話で、大変リアルな話なんですけれども、本当にそういったリアルな漫画が最近多くて、やっぱりフィクションといえども大変現実に近い、もう本当に現実とほとんど変わらないんじゃないかというような話が載っております。 そんな中で、是非この漫画については、もっと背景となるいろいろな全体をやっぱり見ないと、一部分だけを取り出してそのことを議論するというのは、僕は何か余りにも、本当に少しのことだけの事実を取り上げて、それをもっていろいろ抗議をしたりとかということよりも、全体を通して見た方がいいのではないかと思いますが。 実は、この「美味しんぼ」の話というのは、鼻血が被災地の人たちの中で多く出ているということで、それが大きく、またニュースでも取り上げられたことによってそれがまたまた拡散しているということがありますが、私は、国会でもこの鼻血の件については自民党の熊谷議員もずっと取り上げられておられましたし、本当に一般的にこの因果関係というものはまだ分かっていないわけですが、実際のところ、やっぱりそういった心配、不安というものは被災地の人たちが抱えているのは現実だと思っております。 そういう意味では、本当に一部分だけを取り上げてそのことを抗議するということではなく、やっぱり全体を通して議論をするべきではないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 著者の方もこれはいろいろ取材をしたんだと思っておりますが、日本の記者と同じで、取材はしたけど裏は取ったかという話なんだと思いますが、これは裏が取れずに書いておりますなと、私はそう思いました。
○川田龍平君 私は、やっぱりこういった問題は、もちろん財政金融委員会ですけれども、本当に是非国会の中でも、熊谷議員だけではなくて、山谷えり子議員も、それから森まさこ議員もずっとこれ取り上げてきた問題です。こういった問題を本当に当時からやっぱりずっと関心を持って私は健康被害の問題などもずっと取り上げてきましたけれども、こういったことはやっぱり漫画だけではなくて本当に幅広くいろんなところで話が出ていることですので、是非こういった問題についてやっぱり本当に今後もしっかりと検討して、しっかりと調査をしなければいけないことだと思います。 事実関係ということでいえば、やっぱり本当にそうした調査をしっかりとやるということで、もちろん所管は環境省であったり厚生省ではあるんですけれども、やっぱり是非そういったものについても予算をしっかり付けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 漫画の情報を基に予算を付けろと言われる話ですか。もう一回言ってください。
○川田龍平君 そういったことじゃないです。 是非、この漫画のことで調査のための費用を付けるということではなく、やはりこういった事実関係をしっかりと広く調査をするということが大事なことだと思いますので、例えば水俣病の問題でも、悉皆調査をやってくれということをずっと環境省の方には言ってきたんですけれども、環境省はなかなか予算が幾ら掛かるか分からないのでやらないですとか、それから今回の健康調査についても、今回環境省が所管ですけれども、結局福島県に任せてしまっていると。そういったことから、国の方でしっかりとこういった調査をやるということを是非していただきたいと思います。 つい先日も、イタイイタイ病の公害の問題で、この問題もずっと長年の問題であったわけですが、ようやくその全面解決へ向けての動きがありました。それはやはりずっとこの間調査をしていた結果、様々な健康症状に対しての影響というものが分かってきたと。本当に昔からそういった健康調査というのを引き続きずっと国がやってきたこともあって、県がやってきたこともあって、そういった結果が分かってくるわけですので、やはりこの健康影響というのはそう一、二年、三年で分かる問題ではないと思いますので、こういった問題について引き続きやっぱり長期間にわたって調査をしていくということも是非やっていただきたいと思っています。 特に、これは日本がやっぱりほかの国に比べても、これだけの甚大な影響を及ぼしてしまっている問題というのは、やっぱり非常に大きな、世界にも非常に先進的な研究や調査になると思います。そういう意味では、是非この日本がほかの国に先んじてやっぱりしっかりやるべきことでもあると思いますし、何よりも被災者の人たち、被害者の人たち、当事者の人たちが本当に望んでいるのは、本当に健康に対しての影響がないのかということだけではなくて、やっぱり健康にもし影響があった場合に、そういった因果関係の問題というのは裁判でもって争わなければ認められないということでは、結局その被害者の人たちは泣き寝入りするしかないということになってしまいます。 ですので、是非、今回のケースについては、私はやっぱり調査をしっかりとやって、もうこれは長年引き続き調査をしっかりとやるということが大事なことだと思いますが、是非、漫画を受けて調査をしろということではなく、やはりこういった問題については、漫画だけじゃなくて、本当にいろんな人がいろんなところで論じている問題でもありますので、長期間にわたって調査をするということを是非国としてやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは多方面にわたっておりますので、これは関係省庁の方々とよく議論をさせていただかないと、予算付けたからさっさとやれと言える種類の話ではありません。
○川田龍平君 ほかの省庁にもわたっての問題ですので、是非、これはまた予算委員会ですとか決算委員会ですとか復興委員会ですとか、そういったところでもまた取り上げさせていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。 今日は特に地域活性化について質問をしていきたいと思うんですが、四月の一日から消費税が増税をされて、私も様々ないろんな方々、この財政金融委員会でも視察に行きましたけれども、私の地元に、タクシーの運転手さんに聞きますと、去年と余り影響はない。一方で、買い置きができる、こういう業種についてはやはり非常に四月に落ち込みがあった。様々ないろんな職種によって違いがあるというふうに思っております。 ゴールデンウイークを明けてから、少し我々の、私が住んでいる小田原、箱根、地元では、箱根というのはやはり観光の町、小田原もそうですが、ちょっと一息ついたということで人も少なくなっております。そこで、二〇二〇年にオリンピックがやってくる、このオリンピックをいかに地方の活性化に広げていくか、活用していくかということを今回取り上げていきたいと思っております。 そこで、観光庁長官に今日お越しいただいておりますけれども、オリンピックの開催を受けて、地方の経済活性化にどのようなプラン、あるいは政策を今現在持っているかということを是非お伺いしたいと思います。
○政府参考人(久保成人君) 今委員御指摘のように、オリンピック・パラリンピック東京大会の開催の効果を東京以外の地域、地方にも波及をさせて、それぞれの地域の経済活性化につなげていくということは私どもとしても大変重要であるというふうに考えております。 まず、例えば、日本国への来訪を促すという訪日プロモーションをいろいろやっておりますけれども、オリンピック・パラリンピック開催国日本という、そういう国際的注目度を生かして官民一体となってオールジャパンの体制で実施するということが重要であると考えていますけど、その際には、東京のみならず、全国各地域、地方の魅力をまず強力に発信をしていきたいと思います。 また、例えば、オリンピックの際には、オリンピックを観戦に来られる外国の方に観戦前に東京以外の空港から入ってもらう、あるいは観戦後に航空機、鉄道を利用して他の地域に行っていただくというようなプロモーションも強化していきたいと思っています。 それと、日韓のサッカーワールドカップのときに有名になりましたけれども、例えば、そのときにアフリカのカメルーン代表チームが事前合宿を大分の中津江村というところでやりました。村民との交流という形で当時大変有名になりまして、その後もいろんな出来事があったということでありますので、今回もそういった選手団の事前合宿、あるいは聖火リレーが国内で行われると思いますので聖火リレーだとか、あるいは東京大会に先立って全国で文化芸術イベント等も開催されると思いますので、そういったことを活用して各地域に国外、国内から人々を呼び込むということも取り組んでいきたいと思っています。 また、やっぱり開催国という知名度を生かしまして、スポーツイベントだとかスポーツ関係の国際会議などを各地域において誘致、開催をしたいと。それと、外国の旅行者の受入れに意欲を示されている地域、地方に対してはその取組を支援して、外国人旅行者に地域、地方を訪れて、日本のある意味田舎というようなところの魅力も体験してもらうというような取組を進める必要があると考えておりまして、そのために私どもとしては尽力をしていきたいというふうに考えております。
○井上義行君 ありがとうございます。 やはり観光立国日本にしていくためにも、こうしたオリンピックの開催をいかにアピールし、またリピーターとして日本にやってきてもらう、そして多くの方々に東京以外のすばらしい自然やあるいは文化、こうしたものをしっかりと見てもらう、このことによって新しい地域の活性化につながってくるんではないか。 そこで、私の地元の周りには御殿場線というものが走っておりまして、この御殿場線で走っている地域というのは大体人口が一万台の町なんですね。そうすると、今、先ほどリニアの話がありましたけれども、リニアができ上がって圏央道ができると、だんだんだんだん製造業が向こうの相模原の方に行ってしまうんじゃないか、そういう製造業の危機感がある。そうすると、どのような産業で生きていくのか、やはりどこの村や町もこうしたことが非常に深刻に考えていることだというふうに思います。 そこで、例えば、私は御殿場線にSLを走らせたらどうかということを、SLを走らせる会として、今会長をしているんですが、こうしたSLを走らせる協議会、あるいは自治体、各市町村で取り組んでいるところも各全国あります。しかし、その一方で、お金が出せる自治体はいいんですが、なかなかお金が出せない、そうした自治体に対して、オリンピックというこの機に、やはり地方活性化につながっていく、今後リピーターとしてどんどんどんどん観光客等を呼んでいく、こういうような政策に対しては何らかの資金というか、あるいは支援というものを国としても是非バックアップしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) ただいまSLにつきましてお話をいただきました。現在、幾つかの路線で運行されておりまして、地域の観光資源として活用されているということも十分承知をいたしております。一方で、SLを走らせるには施設面で転車台や石炭や水の供給施設等などを必要といたしますし、要員面では運転士や機関士等などについて特殊な技能を要するといった特別の問題がございます。さらに、ばい煙の問題があり、沿線住民の御理解も得るということが大変重要でございます。 何よりも、委員御指摘の御殿場線につきましては、運行するJR東海におきましてSLの走行に必要な施設や要員を有していないというのが現実でございます。そういう面を考えて、運行に消極的であるというふうに承知をいたしております。 今後、仮に進めるということになれば、事業者自身の意思とこのような課題の解決がまず必要であると認識をいたしておりますし、なお、SL運行に対し一部の自治体では支援等も行っているという例もございますが、国において支援を行うということは今のところ特段考えてはございません。
○井上義行君 やはり、確かに今答弁されたとおり支援が非常に難しい。しかし、やはりどっちが地方にとって、あるいは国にとってプラスかどうかというのを検証をしていただくということも必要なんではないかというふうに思うんですね。確かに、地方活性化補助金をぼんと出して何かやるという、市町村でやるというのもありますけれども、横断的な事業に、やはり、例えばオリンピックの開催のときに、特別な記念事業のときに、じゃ、支援をして、その後は自治体で、努力でやっていきましょうね、こういうようなやり方もあるんではないかというふうに思っております。 そこで、今日の議題の中にあります予算の複数年化というものに関連をするんですが、先ほどオリンピックの地方活性化、だったらオリンピックまで五年、六年、この間を一つの事業として考えて、国庫債務負担行為をオリンピック関連事業として認めるべきではないかなと私は考えております。先ほど銀行の貸し渋りの話も出ました。だったら、日本はこれからオリンピックに向けて、いわゆる東京の施設を建て替えるとか、そういうインフラだけじゃない、地域の活性化のためにもっと新しい観光政策についてどんとやはり力を入れていきますよということを是非考えていただきたいなと思いますが、古川副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(古川禎久君) お答えいたします。 国庫債務負担行為は、御案内のとおり予算を毎年度国会で御審議をいただくという単年度主義、この単年度主義を厳格に貫いた場合に、かえって不経済、非効率になり、実情にそぐわなくなるという場面、そういう場面があり得ますので、単年度主義の例外として認められるというものでございます。 この二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会というのは、日本の経済社会全体の再活性化の大きなチャンス、大きな好機でございまして、これをしっかりと確実に運営して成功させるということはとても大事なことであるというふうに考えております。 このオリンピック事業に関する国庫債務負担行為につきましては、予算要求を踏まえまして、予算編成過程の中で関係省庁とよく議論をしていきたいというふうに考えています。
○井上義行君 私はなぜこのような質問をしたかというと、この日本の先行きに、やはりどのような分野で日本は本当に生きていくんだろうかということを非常に心配をしております。 昔、私が小渕内閣のとき官房副長官の秘書官をやっている時代に、自動車産業、非常に下降をしていて、アメリカでは自動車産業に代わる新しい産業を生み出さなきゃいけない、こうしてITができて、日本も、私もITを提案して、小渕内閣、そして森内閣でITが大爆発した。こうした新しい産業をつくっていかなければ、日本のブランド化といっても、やはりこのブランド化を生かして、そして今のような自動車産業、あるいは家電メーカーのような新しい企業を育てていかなければいけない重要な分岐点に来たのではないかというふうに思っております。 そこで、まず将来の新たな産業として、あるいは分野と言ってもいいのかもしれませんけれども、西村副大臣にお伺いしたいんですが、日本のこの将来の分野、あるいは産業分野と言っていいのか、あるいは新しい産業と言っていいのか分かりませんけれども、四つ挙げてほしいんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。 四つを限定するのがいいのかどうか判断しかねるところでありますけれども、成長戦略においては、まさに日本が直面し、また世界も直面するであろう、しているであろう、そうした課題を解決するという視点から戦略的な市場創造をしていこうということで、たまたま四つの分野を大きく挙げておりまして、一つが健康寿命の延伸、健康、長寿健康の分野での様々な戦略。それから二つ目に、クリーンなエネルギー需給、世界的にエネルギーや環境、こうしたものに対する対応が求められているわけでありますので、こうした分野。それから三つ目に、新しいインフラ、次世代インフラ、これはITもありますし、先ほど自動車のお話ありましたけれども、今や自動運転あるいは電気自動車、こうした分野が広がってきているわけでありまして、こうした分野。それから地域の視点でいえば、農業を始めとする地域資源を活用していこうと。こうした分野について、新たな市場を創造していくという視点で成長戦略では昨年六月に取りまとめたところでございます。
○井上義行君 私も官僚をしていて経験があるんですが、いろんな閣議決定やら何々計画という形でやっても、どうしても単年度主義ですから、次の年、やはり政権が替わったり、あるいは大臣が替わったりして方針が変更してしまうんじゃないか、こういうような不安があるというふうに思います。そこで、ここはきちんと五年をめどに、どのような部門をこういう形で日本はつくり上げますというものをやはりつくるべきではないかなというふうに思います。 私も安倍内閣のときにそういう思いでイノベーション25ということで、二五年のイノベーションというのがどういうものがあるかということでまとめさせていただきましたけれども、やはりこの中から日本の、あるいはこの中ではなくても、我々には見えない科学者の知恵というものがあるというふうに思います。あるいは、先ほど申し上げた観光に重要な分野として懸けていくんだったら、やはり日本はこれからこういうものに懸けていくということによって民間の投資、あるいは銀行の融資というものが着実に広がっていくんではないかというふうに思います。 先ほど副大臣が言った分野についての、例えば財政的裏付けはどのような形になっているんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 基本的に今、成長戦略の考え方は民間主導で成長軌道に乗せていこうということでありまして、そのための妨げとなっている規制、制度、こうしたものを改革していこうというのが我々の今主として取り組んでいるところであります。ただ、それを更に規制改革した後に民間が出ていくに当たって、税制なり予算などで後押しをするということは当然あります。 そんな中で、予算の関連で言えば、呼び水的に予算を活用するという視点からの官民ファンドをつくって、今申し上げたような分野で活用する。ベンチャーであったり、あるいは地域の資源、農業六次化のファンドであったり、あるいは地域経済活性化機構のファンドであったり、こうしたものを活用しようということにしておりますし、イノベーションを促していくという視点からは、新しくImPACTあるいはSIP、こうしたプログラムを組んで予算を重点的に配分をしていくというようなことに取り組んでおります。
○井上義行君 結局私が言わんとするところは、税金を使って何でもかんでもやるということではなくて、例えば日本は観光分野に、あるいは新たなバイオとか新しい分野にこれだけやっていきますよと、その裏付けとして、一年目はこういう形でやって、二年目はこういう形でやっていくというような思い切ったかじを切ることによって、限られた財政の中で総花的に、あれもじゃやりましょう、これもこれもやったら、結果的に分野が伸びていかないんじゃないかというすごい心配があるんですね。 やはり、こうしたことを考えると、後ほど話をしたいと思うんですけれども、先ほど副大臣が申し上げました、今、単年度主義で、単年度予算でなかなか、例外的に国庫債務負担行為を認めているということもありましたけれども、やはり公共事業以外に例外的に新しい分野について国庫債務負担行為を認めて新たな産業を育てていく、こういうような意思というものを是非内閣府が強力に推進をして財務省と協議をしていただきたいんですが、副大臣、もう一度お願いしたいんですが。
○副大臣(西村康稔君) 御案内のとおり、財政再建の道半ばでありますし、予算の一定の制約のある中でやりくりをしながら、更に言えば、不要な予算は極力削減をし、必要なところに付けていくというめり張りを付けながら予算編成にも取り組んでいるところでありまして、そういう中でも、例えば、おっしゃいましたバイオの関連でいいますと、医療分野におけるイノベーションを進めるということで、日本版NIHという言い方は最近しておりませんけれども、戦略的に集中的にそこで配分をしていこうということで新しい機構をつくって一千二百億の予算配分を行っておりますし、そういう意味では、これもバイオ分野においては、医療分野においては非常に大きなメッセージになって日本全国に伝わっておりますので、こうした分野の取組が加速をされることを期待をしておりますし、先ほど申し上げた官民ファンドも、ファンドでありますから今年中に使い切らなきゃいけないということではありませんので、ある意味、一定の枠の中でいいものが出てくれば投資をしていこうということでありますので、ここは現行の制度の中で工夫をしながら我々は取り組んでいるところでございます。
○井上義行君 最後の質問で、やはりこうした、先ほど総合的に国庫債務負担行為を公共事業以外で認めるべきではないかということを質問してきましたけれども、麻生大臣におかれましては、是非、今までの予算の仕組み、確かに毎年毎年厳密な審査をする、それも一つのやはり財政の規律としては正しい道だというふうに思います。一方で、これから公共事業以外の分野をどうやって伸ばしていくかということもやはり政治課題として重要であろうということを思っております。 そこで、財務大臣として、国庫債務負担行為、今まで公共事業的なところを認めていたけれども、新たな内閣の方針に基づいて国庫債務負担行為を認めるというような前向きな答弁を是非お願いしたいと思います。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 単年度にわたる予算というのは、単年度でたんびたんび国会で審議をするということになっているのを、五年なり五年間ということになりますと、それ一回決めたやつはもう一回やらないということになりかねぬ。決算なんて、会社だったら一番毎年やるものをここじゃやらないんだから、三年間も、考えられないでしょうが。会社いたから分かるでしょう。三年間審議しなかったんですよ、民主党のとき。そのとき、我々が今その決算をやっているんですから、私どもの内閣で。こんなふざけたところがありますかいなと私は自分ながらそう思いますよ、だってこれは現実だから。今みたいに五年決めちゃったら、五年間ずっと審議しないということだってあり得るかもしれないと思ったら、それはなかなかいかないなと。まず、これ大前提です。 その上で、繰越明許とか、また今言われたような制度の仕方って、何もこれは公共事業に限っただけではないんであって、国庫債務負担行為というものが公共事業以外にもいろいろ使えるというのも確かです。 ただ、井上先生、昔は、日本が余りまだ豊かじゃなかった頃には、国が方針を決めて、まず産業政策として通商産業省が、昔は元気が良かったから有能な人もいたんだろう、昔は。最近はいないとは言わぬけどね。少なくとも通産省の中にあって、まず昭和二十年代は石炭、その後繊維、その後鉄鋼、造船、自動車、コンピューターと、それはみんな産業政策を立案して、大蔵省が国家金融をくっつけて、それでうわっと伸ばしてきて、一九八〇年代までこれ全部当たったんですって。余り当たり過ぎて放ったんですよ、通産省が、そこから。格好良かったな、あのときは。大したものだと思いましたよ。後がざまあなかった。この三十年間全く止まっちゃったんですよ。僕はそう思いますね。 ですから、そういった意味ではもう一回やり直さないかぬのじゃないんですかということで言っている間に世の中はうわっと進んで、おまけにデフレにもなりましたものですから、非常に被害が大きかったと、私は多分、後世、歴史家はそう書くだろうと思いますけれども。 そういったことがこの一年間、少なくとも方針をもう一回変えてということになっていますけど、大事なことは、国が決めて、ばっとこれだというような時代かね、今はと言われたら、まだ何が何だか分からぬものが今いっぱい出てくる時代ですから、ここはじっと、自由にそういったものができるような、西村副大臣が言ったように規制を緩和し、構造改革をやり、いろんなものが出てきたらそれが伸びられるようにしてやるということを考えておかないと、今の時代というのは、この産業がと言えるようなものよりは、もっといろいろなものが出てくるのをなるべく応援してやるという方が正しいかなと思っております。
○井上義行君 私も、みんなの党というのは規制緩和、自由な発想で民間のやりやすいようにやる、確かにそうだというふうに思います。 しかし、やはりこの五年間というのは非常に日本の成長を、本当に何か追い抜かれていくすごい危機感が私もありまして、先ほども話のあったように、日本のやっぱり技術というものが、今は体力があるからある程度設備投資もできたりするんですが、だんだん、五年先、十年先で果たしてそこまで体力がもっていけるのかなというのがすごく心配です。 ですから、今やはり規制で撤廃をして伸びるものもあります。しかし、もっと民間も、産官学あらゆる知識、知能を集めて、やっぱりこの分野でいこうねというのも私は必要なんではないかなというふうに思います。 やはり、この五年間、オリンピックが終わってもう日本の産業が空洞化して何もなくなった、これでは何の意味がない。やはり、オリンピックがスタートで、ここから更に伸びていく、こういうような日本にしていかなければならないということを私の方から申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門実紀史でございます。 次回審議される金商法改正案の中にTIBORに関する内容があります。これは法案関連というだけではなくて、金融全体に関わる大きな問題でございますので、今日と次の法案審議のときとに分けて、このTIBOR問題を取り上げたいと思います。 平たく言いますと、TIBOR問題というのは、大銀行の金利カルテル疑惑でございます。TIBORといいますと、まずLIBORのことも触れなきゃいけないわけですので、なじみのない言葉でもありますから、まずLIBOR、TIBORとは何なのか、一応資料を配付いたしましたけれど、具体的に分かりやすくちょっと解説をしてもらえますか。
○政府参考人(細溝清史君) LIBORといいますのは、ロンドンの銀行間取引市場における指標金利でございます。これは、呈示者が金融機関でございまして、ロンドンの銀行間取引市場で自行が資金調達できると想定するレート、これは想定するレートでございますが、自行が調達できると想定するレート、これを算出機関に報告して、それに基づいてICEBAが算出、公表しているものでございます。 TIBORといいますのは、これは東京の銀行間取引市場における指標金利でございます。これも呈示者は同じく金融機関でございますが、これは東京の銀行間市場で、こちらはプライムバンクが資金調達していると想定するレートを全銀協TIBOR運営機関に報告して、それに基づいて全銀協TIBOR運営機関が算出、公表しているものでございます。 どちらの指標金利もデリバティブ取引等で参照されるほか、貸出契約の基準金利等として利用されているという実態でございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 もう少し加えますと、LIBORの方は、別にロンドンだから英国だけというわけではなくて、もう世界の国際基準になっている金利の目安であって、どうやってそれを算出するかというと、それぞれの、十八ですか、ドルだったら十八の銀行がそれぞれどれぐらいで調達したかを申告し合って、上下を、極端なところを除いて平均して目安を出すと、それがLIBORという数字でございまして、あくまで自主申告が基の、それぞれ銀行が呈示するのが基になっていますから、銀行というのは不正なことをやらない、ちゃんとした数字をそれぞれ出し合うという前提の下にあるのがこのLIBORでございますし、これは銀行間の調達金利、調達だけではなくて、これが基になって変動金利の住宅ローンだとか企業に対する貸出しの基にもなるということで、非常に大きな影響のあるものでございます。TIBORは東京市場の目安と、大まかそういうことだと思います。 問題は、まずLIBORは、一言だけ触れておかなきゃいけないんですが、一昨年、このLIBORについては不正操作事件がありまして、マスコミでも大きく取り上げられましたけれども、これも簡潔で結構です。どういう事件か説明してください。
○政府参考人(細溝清史君) LIBORの不正操作事案についてのお尋ねがございました。 LIBORにつきましては、当庁も含めまして、各国当局が複数の金融機関に対して処分を行ってきております。 その要因でございますが、二つございまして、一つは、金融機関のトレーダー等がデリバティブ取引において自己のポジションを有利にする目的で呈示担当者に不正の働きかけを行ったというもの、それからもう一つは、金融危機の前後において自行の信用力をより良く見せるために実勢よりも低い金利を呈示するといった不正行為をしていたことが指摘されているところでございます。
○大門実紀史君 このLIBORの事件は、かなりマスコミでも取り上げられた大きな問題になりました。 ただ、日本のTIBORの方も、実は不自然な動きがあるということが指摘されてきたわけでございます。 それが資料の二枚目ですけれども、日本銀行の外山さんという当時の金融市場局長が、二〇一〇年七月五日の時点ですが、ロイターのインタビューで次のように発言されております。 この東京市場のTIBORが下がってきているけれども、まだ下がり足りないんじゃないかという質問に対して、こう答えておられます。日本銀行は市場からサンプル的にユーロ円の実勢レート、このユーロ円のユーロというのは通貨のユーロとは関係ありません、日本国内以外のオフショア市場で取引される円のという意味です、その実勢レートに比べると、海外で取引されている円の実勢レートに比べると、この日本のTIBORが相応の乖離があるレートになっているのは否定できないと。その背景について、金融機関の貸出しの基準金利として対応されているといったようなことが、現在の低金利局面において、呈示レートを下げにくくしている大きな背景になっているのではないかと。 要するに、自分たちがこのTIBORを、それぞれの銀行がうちは一%ですとか一・二%ですと、調達金利がですね、申告して、全銀協がまとめて物差しを出すわけですけれど、それが下がらないのは、その物差しが自分たちが今度はお金を貸すときの基準になるから、高い金利取りたいというのが働きますから、申告も高くなっているんじゃないかというようなことをおっしゃっているわけですね。 つまり、信用リスクプレミアム、経費、収益を確保しようとするとどうしてもTIBOR自体を実勢のマーケットレートよりも高く呈示するという金融機関の判断が働くのかもしれないと。ただ、こういうことで、市場機能の観点からすると、こんなことでTIBORが決定されるといろいろ困ったことが起こってくるということでいろいろ言われているわけでございます。 これは大変な発言ではないかと、重大な発言ではないかと思うわけですね。つまり、TIBORの基になる金利データ、各銀行が呈示するデータについて、それらの銀行が意図的に高い数字を出しているんではないかと。それでTIBORを、全体の物差しになるTIBORをつり上げているんではないかという可能性を日本銀行が指摘をされているわけですね。 それが事実だとしますと、金利スワップのときとか、あるいは先ほど言いました住宅ローンの変動金利、企業への貸出し、そういうときに、実勢よりも、TIBORに基づいていますから、高い金利を払わされているんではないかということも、この外山、当時の金融市場局長は指摘をされているわけでございます。 外山さんは現在、国際局長をされているということですけれど、確認をいたしますけれど、これは、外山さんのこのときの発言は今でも日本銀行の認識なんでしょうか。
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。 御案内のとおりマーケットにはいろいろ様々な市場金利が存在いたしますので、私ども、市場モニタリングの一環として様々な市場金利をヒアリングしてございます。いろいろな金利がございますので、そうした市場金利の間ですとか、あるいはその市場金利とTIBORのような集計値の間に乖離が起きるということは起き得ることでございます。 そうしたことを前提に、当時の外山市場局長の発言でございますけれども、この指標金利への信頼性、当時はまだリーマン・ショックの影響が尾を引いていたこともありまして、指標金利の信認の確保ということは非常に重要であるという議論を展開する中で、一つの見方としてそうした発言をしたものというふうに理解しております。 ただ、この今申し上げたような市場金利間の差ですとか、市場金利と指標金利の差という背景につきましては、例えば取引ロットの大きさですとか、あるいはその含まれているプレミアムの種類ですとか、あるいはその参加者の違いということで、いろいろな要因があり得ますし、状況によっても変化し得るということだというふうに理解しております。
○大門実紀史君 ただ、この発言よく読むと、あれこれの一つの仮説といいますか、そういうことでおっしゃっていないんですね。明確に指摘されているわけですね。外山さんほどの方が、あれこれあるけれども、一つの仮説としてなんてことおっしゃるわけないと私は思っておりますし、私は、この実勢金利と、例えば円LIBORとTIBORが全くぴったり一致すべきだなんて言っているわけではありません。おっしゃったように、ロットの違いとかプレミアムの違いとか、あるいは聴取する銀行も違いますし、時間差もありますよね。だから、全く一致していないのがおかしいなんて言っているわけではなくて、そんなことは多分この外山さんだってこんなところで言われるわけなくて、やはり大きな乖離が、おっしゃったような一般的な話じゃなくて、説明の付かない大きな乖離があるからここでこういう御指摘をされているんだというふうに思うわけです。 もしもそうじゃないというなら、このときの外山さんがこう判断されて発言された基の資料を出してくださいよ、言葉じゃなくて。その資料があなたがおっしゃるようにあれこれの一つ、誤差の一つなのかね。私は違うと思うんですね。大きな乖離が続いているから発言されていて、そういう基の資料があったから発言されていると思うんですね、データがですね。だったら、その資料を出してもらえませんか。
○参考人(雨宮正佳君) 基の資料とおっしゃいました、その関連でお答え申し上げますと、私ども先ほど申し上げたとおり、マーケットのモニタリングの一環として市場金利、様々な市場金利を収集してございます。その中には、例えばインターバンクのレートですとか、あるいは銀行が定期預金、大口定期預金を発行して払う金利ですとか、大口定期金利ですとか、CD金利、様々な金利がございまして、そうした金利の中で見られる格差ということで当時の外山局長が述べたものというふうに考えますので、何か一つのバックグラウンドのデータということがあるのではなくて、全体的な市場金利の関係でこの格差ということについて発言したものというふうに理解してございます。
○大門実紀史君 あなたね、今日、黒田さん、この時間、外で講演があるというので配慮してあなたに来てもらっているのよ。ちゃんと答えてほしいんだけれど、時間の無駄にならないように。 そのときの外山さんの基になるデータを出してくれと、それだけ言っているんですよ、あれこれじゃなく。出せないんですか、出せるんですか、それだけです。
○参考人(雨宮正佳君) このときの外山局長の発言の背景にある、これ多分先生御指摘の実勢レートということでありますけれども、何かユーロ円の背後に一つの実勢レートがあるというよりは、今申し上げたとおり、例えばマーケットのCDですとか、あるいは無担保コールですとか、いろいろな市場実勢のレートを総合的に判断した結果、格差がある、乖離があるということを申し上げたということだというふうに考えております。したがって、何か一つのバックグラウンドになるデータがあるということではございません。
○大門実紀史君 あのね、資料あるんですよ。あるのを、資料も出さないで言葉でそう打ち消したり、確かに今の時点でこの外山さんの発言をそのとおりだと、今の日銀が言ったら次何しなきゃいけないかというふうになるから、ガード張られるのは分からなくはないんだけれども、資料も出せないで言葉だけで国会をごまかすというのはやめてもらいたいなというふうに思いますし、次は、それじゃ、もう駄目ですから、黒田さんとこれは議論したいと思います。 さきのLIBOR事件の方は、どちらかというとトレーダー、ブローカーが主役を演じて、銀行同士が主体的に共謀したというわけじゃなくて、トレーダー、ブローカーの方が主体的に応じて銀行の中の人間に協力させたというようなのがLIBOR事件の大体の姿なんですけれど、こちらの方は、銀行が、明らかに銀行同士のカルテルという疑いで、ある意味ではLIBOR事件よりも、これが事実とすればですよ、検証が必要だと思っておりますけれども、事実とすれば、LIBOR事件よりもこのTIBORで本当にカルテルを結んだようなことがあれば、この方が組織的には私は悪質だと思っているので、そんな簡単な問題ではないですよ、そんな言葉でごまかすようなね。 この問題を指摘しているのは日本銀行だけではございません。昨年、ここに本がありますけれど、エディ・タカタさんという方が、これはもう現場にいたトレーダーでございますけれど、「不正操作と偽りのマーケット」という本を出されて、ここに非常にリアルにそのTIBORの現場でのことが告発されております、大変勇気ある告発をされていると思いますけれども。この告発の中心が大銀行によるカルテル疑惑ということであります。 資料を出せないというふうにおっしゃると思いましたので、このタカタさんが取り上げられているのを参考にしながら私も資料を作ってみました。それが資料三でございます。これ、LIBORとTIBORの推移で、恐らく日銀の外山さんも、当時はこういうものを見て判断されて先ほどのような発言をされたことは間違いないと。あれこれあなたが言うような、そんな何かちょこちょこちょこちょこと言うわけないですよ。こういう明確なものを基に、あるから発言されたんだというふうに思います。 全体見てもらえれば、赤い方が円LIBORですね、これ両方とも三か月物ですけれども、要するに実勢に近いのは円LIBORの方であります。青い方がTIBORですね、日本の市場のものです。ずっと大体基本的に同じなんですけれども、二〇一〇年以降辺りから乖離が始まって、TIBORの方が高止まりしていると、これを先ほどから申し上げているわけであります。 下の方にはそのTIBORと円LIBORの差、スプレッドを示してありまして、波が大きく揺れているところがありますけれど、これはそれぞれ理由があります。例えば、九七年、九八年のときは、これはジャパン・プレミアムと、いわゆる日本の金融危機ですね。だからこれだけスプレッドが広がったわけですね。二つ目には二〇〇〇年問題と言われたときであります。このときもLIBORが高くなったということになるわけですね。三つ目がいわゆるサブプライムローン、リーマン・ショックのときですね。このときにがくっとこうスプレッドがなっているわけです。 その後はずっと安定的に高止まりして、スプレッドが高止まりしていて、実勢金利よりもTIBORがずっと高いまま推移しているという数字であります。この二〇一〇年以降が特に不自然だということが外山さんも指摘されて、エディ・タカタさんも指摘されているということなんですよね。これは、なぜこうなるかと考えると、談合しているんじゃないかと、カルテルじゃないかと、自然と下がらないようにやっているんじゃないかという疑問を持たれても、ほかに理由がないですからね、これだけの乖離ですから、仕方がないんではないかということで、そういう指摘をされているわけです。 もしもこれが本当にそういう、意図的に下げない、高止まりのままやっているとしたら、これ大変な被害を与えている問題でございまして、これは金利スワップなんかにも使われておりますし、先ほど言った住宅ローンの変動金利ですよね。一つの銀行で試算すると、その銀行で例えば〇・一%下げないで上げたままと。本人にとっては何千円とかかも分かりませんけど、銀行一つで集めると大変な金額になります。数百億円単位になりますね。そういうことが操作されていたんではないかと。あるいは、中小企業に対しても、今スプレッドを基に融資もありますから、いろんなところで払わなくていい金利を払わされたんではないかというのがこの問題の一番の問題点でございます。 もう一つ、四枚目に、じゃ、最近どうなっているのかということも含めて、これは独自に資料を作りました。これは二〇一三年の十二月までですね。これは外為年鑑を基に作成をいたしましたけれど、やはり同じように、若干の変化はいろいろありますが、高止まりしたままの推移が続いているということでございます。 専門家の中には、この円のTIBORですね、これは先ほど言いましたように、個々の銀行が今幾らぐらいでうちは貸しているよと、調達金利これぐらいだよということを申告し合うわけですね。それをリファレンス銀行というんですけれども、そのレートの呈示のときに不審な動きがあったということを指摘する方もいらっしゃいます。つまり、例えばAという銀行が、ある日、申告する金利を〇・〇一%引き上げたと。そうすると、翌日、BとかCとかDとかいう銀行が同じようにそれに合わせると。その翌日には全部みんな合わせるというふうな、特に何のほかの要因がないにもかかわらず、そういう呈示レートが、それぞれの銀行が呈示するレートが不自然な動きをしているという指摘もあるわけでございます。だからカルテルじゃないかと、暗黙のカルテルをやっているんじゃないかということが指摘されているという問題でございます。 この問題は、金融庁に伺いますけど、ロイターとかフィナンシャル・タイムズは取り上げましたけれど、日本のマスコミはスポンサーが大銀行というのがあるからだと思いますが、ほとんど黙殺をしてきました。しかし、これは日銀の局長も指摘されたり、金融関係者では大変話題になった話でございます。金融庁もかなり関心を持たれたんではないかと私は思うんですね。これについて金融庁は今まで調査もヒアリングも何もなさっていないんでしょうか。
○政府参考人(細溝清史君) まず、TIBORにつきましても、LIBORと同じような不正操作事案がございました。TIBORは先ほど申し上げましたようにプライムバンクが調達すると想定するレートですので、自行の信用力を高く見せかけようというインセンティブはないわけでございますが、デリバティブ取引において自己のポジションを有利にする目的、これはそういうインセンティブはありますので、日本でもそういった事例がないかということで私どもは調べまして、シティグループとUBSの日本拠点に対して行政処分をいたしました。それが平成二十三年十二月でございます。その後、ほかのTIBOR、LIBORの呈示行において内部管理体制がどうなっているかということについて報告徴求を求めました。 具体的には、内部管理体制についての報告とともに、LIBOR、TIBORの呈示に関して不適切な実態がなかったかについて、例えばいろんな通信記録を確認するといったような形でそういった不適切な実態があったかどうかということを報告を求めまして、平成二十四年十一月末に各行からそういった問題が確認されなかったという回答を得ております。 ただ、金融庁といたしましても、各金融機関のレート呈示の在り方につきましては、これは各金融機関の内部管理体制の問題でございますので、これらにつきましては通常の検査監督を通じて今後とも確認をしてまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 また次回、日銀にまた来てもらいますけれど、やりますけど、日銀もこの資料を見てさっきの説明はもうできないですよね。たまたま何かロットの違いとか何だとか、そういう話じゃありませんので、次回はきちっと答えられるように用意してもらいたいと思いますけれど。 最後に、麻生大臣に伺いますけれど、今局長からありましたけれど、どういいますか、やっぱり金融庁としてはきちっとウオッチングすべきテーマではないかと。本当にそういうような指摘されるようなことはあってはならないし、国民的には大変な被害を与える問題になりますので、カルテルやっていると私、決め付けているわけではありませんけれど、どうも不自然な動きになっておりますので、引き続ききちっと監視していってほしいという点で麻生大臣の最後の言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 東京インターバンク・オファード・レートとかいうのをまとめてTIBOR、余り使われている言葉じゃないんですけれども、金融業界におられる方ならLIBORとTIBORの違いぐらいは分かる方が多いと思いますが、ほとんど国会議員に聞いても何のことだか、待望久しき予算が通ったとか、とぼけたことを言っていたのがこの間いたけど、そういうのを含めて余り使われている言葉じゃないんですけど、これはこの業界においては極めて大きな指針であります。 こういったものがクレジット、信用性がなくなるということはこれは非常に大きな問題なんであって、これは怪しげなものなんじゃないかということになりますとえらいことになりますので、私どもとしてはこういったものは引き続き信頼を得るということを言い、し続けるというのが極めて大事なことだと思いますので、今御指摘がありましたように、こういった疑いを持たれないように、LIBORがもう騒ぎになって処分をされたのがつい去年、おととしか、のことでもありますので、こういったことがこの東京でも起きることのないようにきちんとしてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○平野達男君 平野達男でございます。 今日は、五月の十二日に財務省が平成二十五年度中の国際収支状況、これ速報値を出されておりまして、国際収支の中の特に経常収支に注目をいたしまして何点かお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 お手元に資料を一枚用意させていただきまして、上側が経常収支の推移、収支ということでありまして、これは二十五年度中の速報値を入れたものであります。御覧になれば分かりますように、ここ三年間で貿易収支は赤字になってきておるということでありまして、特に二〇一二年度、一三年度の貿易赤字の伸びは非常に大きいということになっています。 日本は今、純資産では世界最大の資産国でありますから、その投資の結果もありまして、所得収支という意味においてはもうずっと黒字を続けておりますから、これで全体としての経常収支は、かなり減りましたけれどもプラスの状況は保っているということでありますが、麻生大臣に率直にちょっとお伺いしたいのは、まずこの経常収支、日本はもうずっと大幅な黒字国という位置付けで、実際にもそうだったんですが、推移したのでありますけれども、ここに来てこういう状況になってきているということでありまして、これ将来どうなるかということについては、様々な意見はあるかと思いますけれども、かなり構造的な変化もあって、この経常収支については今までと違う動きがやっぱり出てくるのではないかという、そういう感じもしないではありません。 麻生大臣、まずこの経常収支、こういう状況になっているということについての御感想と、なぜこの経常収支が、特に貿易収支がこういう赤字になってきているのかということにつきまして御意見を、お考えをちょっとお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 経常収支のうちこれ一番やっぱり大きいのは貿易収支、しかもそれが三年前からばっと一挙に貿易収支だけ赤になった、マイナスになった、これが大きく響いたという形に、多分数字になっておりますので、一番大きな理由は多分原発停止、あれによって石油、ガスの輸入が三兆ぐらい真水で増えておりますので、そういったものが大きかったのは間違いないと思いますし、加えて、いわゆる構造というものが、何というの、時代が随分変わって、日本の電気代が高くなれば日本で物をつくるよりは海外でつくった方がいいと。当たり前のことであって、電気代が高かったから、何でしょうね、昔、アルミ精錬なんというものは完全に電気が高くなったから日本から全くなくなりましたから。そういったようなものを含めて海外移転ということになっていった影響は出ているんだと、これはもうはっきりしていると思いますが。 ただ、今の二十三年ですかね、これ二十三年、四年度のやっぱり輸入燃料の増加額というのは非常に大きなものになっているんだと思いますが、その後、二十五年度に更に大きなものになってきておりますのは、これは間違いなく円安もありましたでしょうから、かなりそういったものも大きくなったんだと思いますので、輸出数量が弱めになっているという動きと相まって私どもはこういった形になったんだという感じはしますけれども。 もう一個我々が考えておかないかぬのは、貿易をやる場合において、円が安くなったから車を安くして売ろうと考えない、みんな、今。これ以上数量が増えて、シェアがまた増えて、アメリカにおいて日本車のシェアがこれ以上増えるとまた別の話になりますので、輸出価格はそのまま据え置いて、パーセントは約四〇%ぐらい占めていると思いますが、占める。そのままで輸出しますと、日本に置いている利益がぼんと、利益が、その分だけコストが下がることになりますので、その分だけこっちの、国内のあれは黒字になるというのでトヨタ始め二兆何千億の経常が出たりなんかしております。そういったので、企業の行動意識とかいうのは稼ぎ方も変わっているんだと思います。 もう一点は、私どもがこれを見ても、やっぱりこの所得というところでいきますと、これがずっと、何というの、平野先生、増えてきているのは、やっぱり日本という国が、いわゆるGDPというものに代わって多分グロス・ナショナル・インカムみたいな、総収支みたいな、所得収支みたいなもので稼ぎ方が変わってきているんで、私、見ていますと、これは形が、日本の産業政策自体の構造が変わってきたという点も大きなものかなと。この数字、この表を見ただけの感じですけど、そんな感じがいたします。
○平野達男君 この貿易収支が大きく変わってきているということについては、基本的なお考え方は今大臣からお聞きしましたけれども、やはりきちっと分析をしておく必要があるんではないかと思います。 私もきっちり分析しているわけではなくて、基本的に麻生大臣の認識と一致しているんですけれども、やっぱり一つは原発の停止に伴ういわゆる鉱物燃料費の輸入の増加というのはあります。ありますが、これは二つの要因がやっぱりありまして、量が増えたということと、これは後でまた資源エネルギー庁にお聞きしますけれども、単価がべらぼうに上がっているんじゃないかという二つのちょっと要因が特に天然ガスではあるのかなという感じがします。 それからあともう一つは、やっぱり八十円から百円台になって、この間、為替レート変わっていますから、これで物が同じで単価は同じだとしても、為替レートは二五%で輸入額が増えてしまいます。これもかなりファクターとしては非常に大きいと。 それからあともう一つは、何といっても輸出が伸びないと今大臣がいろいろお話しされましたけれども、輸出が伸びないんですね。これは、この当委員会でも何回か議論されたかと思いますけれども、行き過ぎた円高は駄目だと、円安になることによって輸出が伸びるだろうというふうに言われたんですが、実際には輸出が伸びていないという中で、そのファクターとしては、やっぱり海外生産拠点が移っているだろうということで、今日ちょっとお手元に資料を添付しなかったんですが、日銀さんの資料によりますと、海外生産比率も海外設備投資比率もずっと右肩上がりで上がっているんですね。今日ちょっと資料に付けていません、付ければよかったんですけれども。 そういう中で、企業の投資行動というのが、国内の設備投資に向かうというよりは海外に向かっているというのがまだ続いていると。この背景には、円高でありましたから、これは当時、円高のことを利用して海外にどんどん投資しようじゃないかということは民主党政権のときにも言いましたし、その背景にありましたし、今回もありました。 今回、今百円ぐらいになりましたから、これどのような行動になるか分かりませんが、いずれにしても趨勢としてはまだその趨勢が続いているということなんですが、この企業の行動につきまして、私どもは一方で国内の賃金を上げよう上げようということで様々な、私どもというか、安倍内閣も奮闘していますけれども、こうやって海外の設備投資の割合が増えていくということは、私のような岩手県の中小企業が多いところにとっては、セットとして産業の空洞化が進んでいるということを意味するのかなということなんですが、この海外生産拠点への移行ということについて、これ難しい抽象的な質問になって恐縮ですけれども、大臣はどのような見解をお持ちになるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはかかって個人的な見解でしか申し上げられませんで恐縮ですけれども、基本的に、今言われているのは、日本の企業の中でやっぱり大事なものは、草木もなびく中国に行った企業がどんどん中国を出ていってベトナムに行き、ミャンマーに行き、何とかに行きという形で、ユニクロを始め一斉にずっと動いている。海外といってもその中は随分変わってきておりますので、昔と一概に言えない時代になってきた。 そういった意味では、行っている内容がかなり変わってきてはおりますが、日本の人たちが行って技術を教えて、そこそこのものが海外の、ASEANの諸国ででき上がりつつあるということは、間違いなくASEANの経済のあれが伸びているということになりますので、その意味では、ASEANに対して、逆に、そこらのところの日本からの物の輸出というものは主に耐久消費財から資本財に変わって、資本財を輸出して、その資本財はそこでつくられたものが逆にこっちに入ってきているということになってきているような形で産業構造はずっと変わっているんだと思いますが、今後ともやっぱりきちんとしたものは日本に残しておくということを考えて、物づくりの一番の核のものを日本に残しておくという政策をきちんと維持しないと、さっきのTIBORやらLIBORの話じゃありませんけれども、何となく、口先だけで、金を右から左に動かすだけで、金利差がでかいと極めて利益を簡単に生み出すことができると。今の時代というのはそういう時代ですから、インターネットで一秒で金がばっと動きますので、そういったことだけに偏り過ぎると、かつての栄耀栄華を含めたイギリスもずっと金融に振り、アメリカもUSスチールだ、ゼネラルモーターズがずっと、いつの間にかファイナンスだ、リーマン・ブラザーズだなんていう話になってきて、世界中にサブプライムローンなんて怪しげなものを売り飛ばして世界中でえらい騒ぎを起こすというようなのと同じようなことになりかねないという保証はありませんので、きちっと日本はこういった物づくりを今後ともやり続けるという意思をきちんとしておかないといかぬのじゃないかなと、私どもそう思って、少なくとも研究開発投資とか、国内における設備投資については一括償却をとか、即時償却は認めますとか、いろんなことを申し上げて予算をそういう形にしているんですけれども。 いずれにしても、日本としての国の在り方、また稼ぎ方というものにつきましては、真剣に国の経済として考えないかぬ、そういう時期に来ていると、総理ともそういう話をよくさせていただくところです。
○平野達男君 本当に、是非賃金を上げるということと併せて、大体企業の行動ですからなかなか難しいんですけれども、日本にできるだけ生産をするということも一つの大きなゴールイメージと思ってやっぱりやっていくことが大事じゃないかと思います。アメリカではもう天然ガスが非常に出てきて資源価格が安くなってきて、生産拠点が海外からアメリカに帰ってきているというような動きもあるというふうに伝えられておりますけれども、日本はなかなか資源がなくて難しいという問題がございますが、ここ本当に重要な問題ではないかなというふうに思います。 その中で、また貿易収支の話に戻りますけど、輸入額が増えている中で、やっぱり鉱物性燃料費というのがこれ二十二年度と二十五年度で比較すると約十兆円ぐらい増えています。その一方で、じゃそんなに輸入量が増えたかというと、そうでもないですね。一つの例で、これちょっと調べてみましたら、液化天然ガスというのは、二十二年度から二十五年度で輸入量は二二%増えていますが、額は二〇〇%になっているんです。足下見られて多分単価ぶっ掛けられているんじゃないかと思いますけれどもね。これ、日本は、ガスについては、ガスの今価格市場、石油のような価格市場が国際的には形成されていないということも言われておりますけれども、余り日本は天然ガスの輸入の価格については熱心ではなかったという指摘もされていて、その背景にあるのは統括原価方式じゃないかというような、まあ今日はその議論はしません。しませんが、こういう今の天然ガスの異常なというか、かなり高い価格ということについての現状とこれからの見通しについて、資源エネルギー庁さんの方でちょっとお聞かせいただけますか。
○政府参考人(井上宏司君) ただいま御指摘がございましたように、東日本大震災の前と後を比較しますと、液化天然ガスの輸入額、二〇一〇年度は三・五兆円でございましたが、二〇一三年度には七・三兆円ということで大きく拡大をしてございます。 この要因、大きく二つございまして、一つは、原子力発電所が止まっていることに伴いまして、火力発電所を動かすことで電力供給を賄ってございますが、その燃料としてLNGがかなり大きく伸びてきているということでございます。ちなみに、二〇一〇年度のLNGの輸入の量でございますけど、これは七千万トンでございましたが、二〇一三年度には約八千八百万トンということでございまして、おおむね二五%ぐらい量としてまず伸びているということがございます。 それから、御指摘がございましたように、一方で単価でございますけれども、これにつきましても、震災の前の二〇一〇年では、これLNGの場合には百万BTUという単位をよく使いますけれども、年平均で申し上げますと、二〇一〇年の百万BTUの単価が十・八ドルという水準でございましたのが、二〇一三年には十六・一ドルという水準になっておりまして、最近の年でも高止まりをしているということがございます。 この価格の話につきましては、実は日本の場合のLNGの調達の条件は、これまで原油価格に連動をする形でのLNGの価格の設定というのが大半を占めておりまして、原油価格が高騰あるいは高止まりをすることと連動してLNGの調達価格についても高い状態であったということでございます。 それで、LNGをいかに低廉に安定的に確保するかということは非常に重要な課題でございますので、いろんな取組をしておりまして、一つは供給源の多角化ということで、大きなものだけ申し上げさせていただきますと、一つはアメリカ産のシェールガスを原料としたLNGの調達ということで、二〇一七年から日本の輸入量の最終的には約二割に当たるLNGが米国産のシェールガスを原料として入ってくるということでございますが、これにつきましては、原油価格連動という価格の決定方式ではなく市場の価格に連動した形の調達が可能になると考えておりまして、今の見通しでは、従来よりは三割程度、LNGの輸入の価格をこの米国のシェールガスを原料としたものとしては下げられるのではないかというふうに見てございます。 このほかに、日本の企業による資源開発、要は海外での権益の確保といったこと、さらに加えまして、需要側の取組としまして消費国間の連携ということで、日本以外の大きなLNGの消費をしているような国との共同の調達なども含めました連携の強化ということで、いわゆるバーゲニングパワーといいますか、交渉力を強めてまいりたいと、こんな取組によりまして天然ガスの低廉な調達に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○平野達男君 日本は天然ガスについてはパイプラインの整備が遅れてきたとか、あるいは、どうしても日本の場合は海から、海というか船で輸入しなくちゃならないために、一回液化して、その後、気化をしなくちゃならない、手数料が掛かるとか様々な理由があって、どうしても高くならざるを得ないという状況にはあるかと思います。 ちなみに、余談になりますけれども、パイプラインは全くないわけじゃなくて、三・一一のときに、実は新潟県と仙台にはパイプラインができていまして、あのおかげで仙台の復興が、ガスの復旧が非常に早かったという、これちょっと余談になりますが、紹介させていただきます。 そういうことはありますが、今いろんな説があって、アメリカと日本の天然ガスのあれでは八倍ぐらい差があるんじゃないかということが言われています。今、次長がおっしゃったように、報告があったように、石油の価格と連動するという仕組みになっているために天然ガスの価格がなかなか下がらなかったということなんですが、この委員会でも私何回か、何回かって一回か、取り上げたんですけれども、世界的にはもう天然ガスの埋蔵量というのはかなりあるということで、それをきっちり掘れる技術というのは今のところアメリカにしかないということになっていますけれども、これからやっぱり天然ガスをめぐる状況というのは随分変わってくるんだろうと思いますね。 それで、この天然ガスの価格をどういうふうに設定するかということについては、これは貿易収支だけの問題じゃなくて日本全体のエネルギーの問題になってくると思います。だから、天然ガスの価格が下がって、例えばコンバインドサイクル方式、そういった発電所を入れて原発との単価を比較しますと、一気にそちらの方の単価が安くなるはずです。だから、アメリカなんかでは原発との単価を比較したときにはガスの発電の方が安いという結果になって、日本だけそういう天然ガスの高い単価を設定しているものですから、原発との単価比較をしたとしてもまだ原発の方が安いという、そういう状況もあるというのも、これも事実だろうと思います。 今日はエネルギーの問題をちょっと話をする場ではありませんから、いずれ、天然ガスの価格形成については、これは国家的な課題として是非取り組んでいってもらいたいというふうに思います。 中国が、最近のニュースでは、やっぱりシェールガス埋蔵量世界一ということもあって、そこがうまく掘り出すと地政学的にもまたいろんなインパクトが出てくるかもしれませんが、いずれこの天然ガスということについては、今まで以上に大きな関心を注いでやっぱり見ていく必要があろうと思っていますけれども、ちょっとそこのことについて、簡単でいいですから、資源エネルギー庁さんの見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(井上宏司君) まず、日本にとっての天然ガスの利用ということでございますが、これは先般閣議決定させていただきましたエネルギー基本計画の中でも示させていただきましたが、その役割は拡大するだろうというふうに見てございます。 一つは、供給元になる国が多様化しているということで、比較的リスクが低く調達できる可能性があるということと、化石燃料の中ではCO2の排出量が少ないということで電力用の燃料としても引き続き有用であるということに加えまして、来るべき水素社会ということを考えますと、家庭用の燃料電池でありますとか、燃料電池車の原料になる水素を生み出すもととしての天然ガスというようなこともございますし、今お話がございましたが、電気と熱を併給するコージェネレーションシステムというのも導入しやすい燃料ということで、役割を拡大していくと。 他方で、現在の日本の調達の価格というのは高いということで、これをいかに下げていくか。IEA、国際エネルギー機関の見通しでも、今後、放置した場合には、アメリカだけがエネルギーコストが安くなり、アジアやヨーロッパの電力多消費産業は大幅にシェアを失うのではないかというような見通しもございまして、こういう見通しも持ちながら、今後、低廉で安定的な調達に向けて、先ほども申し上げましたような対策も含めて積極的に行ってまいりたいと考えてございます。
○平野達男君 時間になりましたので、ちょっと残ったテーマとしては、人口減少社会と潜在成長率のお話についても議論したかったんですが、今日はここら辺でやめておきたいというふうに思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(塚田一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げさせていただきます。 まず、金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして御説明を申し上げます。 日本経済の再生のため、家計の金融資産を成長マネーに振り向けるための施策を始めとする日本の金融資本市場の総合的な魅力の向上策を整備し、成長戦略を金融面から加速、強化していくことが重要な課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明をさせていただきます。 第一に、新規・成長企業へのリスクマネー供給の促進等を図るため、インターネットを通じて多数の者から少額ずつ資金を集める仕組み、いわゆるクラウドファンディングを取り扱う金融商品取引業者等に係る規制の整備等を行うことといたしております。 第二に、新規上場の促進等を図るため、新規上場後三年間に限り、内部統制報告書に対する公認会計士監査の免除を選択可能とする等の見直しを行うことといたしております。 第三に、市場の信頼性を確保するため、ファンドの販売を行う金融商品取引業者に係る行為規制の強化を行うとともに、金融取引の基礎として広範に利用されております金融指標の算出者に係る規制の導入等を行うことといたしております。 その他、関連する規定の整備等を行うことといたしております。 次に、保険業法等の一部を改正する法律案につきまして御説明をさせていただきます。 近年の保険会社をめぐる経営環境の大きな変化を踏まえ、新たな環境に対応するため保険募集規制を整備することや、保険業の発展を通じて経済活性化への貢献を実現していくことが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明をさせていただきます。 第一に、保険の信頼性を確保するため、保険募集の基本的ルールとして、顧客の意向把握義務及び顧客に対する情報提供義務を導入するとともに、保険募集人に対して業務の規模、特性に応じた体制整備を義務付けることといたしております。 第二に、保険会社等の海外への積極的な業務展開を推進するなど、保険業を活性化するため、海外の金融機関等を買収した際の子会社の業務範囲の特例を拡大するほか、保険仲立人に係る規制緩和等を行うことといたしております。 その他、関連する規定の整備等を行うことといたしております。 以上が、金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。 以上です。
○委員長(塚田一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会