国土交通委員会 第18号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/06/03
会議録
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、風間直樹君、柳田稔君及び赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として田中直紀君、野田国義君及び堀内恒夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 海岸法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省水管理・国土保全局長森北佳昭君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 海岸法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○北村経夫君 おはようございます。自由民主党の北村経夫でございます。 自民党の方は皆さんかりゆしを着ておりますけれども、私はちょうど間に合わなかったもので、来年の今日はかりゆしで質問させていただくと、そのことをお約束して、質問に入らせていただきたいと思います。 東日本大震災の教訓として、減災、予防保全といった観点から、海岸保全施設の維持管理、修繕というのが大変重要になってきているわけでございます。今後、三十年以内に七〇%の確率で南海トラフ地震が起きる、そのほか、巨大地震の切迫性について指摘されている中で、今回、海岸法の改正案が出されたわけでございますけれども、私はこの方向性については大変適切というふうに思っているわけでございます。それを踏まえまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、港湾の整備に関連してでありますけれども、臨海コンビナート港湾の護岸対策、これについて伺いたいと思います。 製油所、化学工場などが立地する臨海コンビナートは、言うまでもなく我が国の産業競争力を支え、地域の経済、国民生活への貢献という意味で大変重要なインフラでございます。その護岸の対策というのは強靱化、これが大変重要だと思っているわけでございますけれども、石油関連施設の耐震化については、これは民間業者が資源エネルギー庁の支援を受けながら連携して進めていっているわけでありますけれども、コンビナート護岸についても同時に防災・減災というのが大変重要だと思っております。 調べますと、全国の護岸というのは大変老朽化が進んでいるようでありまして、私は山口県出身でございますけれども、岩国、周南、宇部といった三つのコンビナートを有しているわけでありますけれども、いずれも四十年以上たっている、老朽化が進み耐震性に非常に疑問が持たれている、そういう状況になっているわけでございます。 まず、国交省として、この護岸対策どのように取り組んでおられるか、伺います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 大規模地震によります石油コンビナートが損壊した場合に、エネルギー供給の途絶、火災や油流出の発生、また海上の緊急物資輸送ルートの麻痺など、甚大な被害が想定されます。このため、国土交通省は経産省等と連携いたしまして、コンビナートの強靱化に資する取組を支援しているところでございます。 具体的には、海岸管理者が管理するコンビナートの護岸の耐震対策につきましては、防災・安全交付金により支援することとしてございます。また、民間が所有、管理している護岸でございますけれども、本通常国会におきまして港湾法を改正いたしまして、特に船舶の交通を確保する必要のある航路沿いの護岸等を対象に改良費用等に係る無利子貸付制度を創設したところでございます。 コンビナート港湾の防災・減災対策につきましては、今後も関係省庁と連携をいたしまして、また地域の要望をよく聞きながら、より効果的な対策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、防潮堤の老朽化、これについて伺います。 予防保全型の維持管理、修繕を行うためには、これはデータベース化というのが大変重要だというふうに思っておりますけれども、昨年、国交省は海岸保全施設の維持管理マニュアルというものを改訂しております。その中でデータベース化の指導も行っておりますけれども、老朽化の現状と、どのような対策、さらにデータベース化についてどのように取り組んでおられるか、伺います。
○政府参考人(森北佳昭君) 防潮堤等の老朽化についてのお尋ねでございます。 海岸堤防等につきましては、建設後五十年以上経過したもの、現在約四割ございます。二〇三〇年には約七割に達するということで、更に老朽化が見込まれております。このため、本法案では、海岸管理者が適切に維持修繕するための基準を策定することといたしております。これによりまして予防保全型の維持修繕を導入いたしまして、中長期的にトータルコストの縮減、毎年の維持修繕費用の平準化を図ることといたしております。海岸保全施設の計画的、効率的な維持修繕を推進するため、平成二十六年度、今年度の予算におきましては、長寿命化計画の策定等に要する経費を交付金の対象としたところでございます。 また、先生から海岸保全施設のデータベース化についての御質問ございました。 お話しのように、昨年度、海岸保全施設維持管理マニュアル、改訂をいたしました。また、データベースのプロトタイプの作成も行ったところでございまして、今年度は、維持修繕のための技術的な基準、これを策定いたしまして、海岸管理者が速やかにデータベース化が着手できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○北村経夫君 ありがとうございます。 データベース化というのは、地理的情報の管理も含めて緻密にやっていくべきだというふうに思っております。 次に、緑の防潮堤について伺います。 今回の改正法では、海岸保全施設として緑の防潮堤などを法的に明確にしたところがポイントの一つでありますけれども、この防潮堤の整備というのは、浸水面積をできるだけ減らし、防潮堤が壊れたときに逃げる時間をできるだけ長く確保するというのが目的であろうというふうに思っておりますけれども、そもそもこの防潮堤というのはどのような構造になっているのか、そしてどのような機能や効果があるのか、その点についてお伺いいたします。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えをいたします。 東日本大震災では、防潮堤を越えた津波によりまして、陸側の防潮堤と接する地面、これ、のり尻と申しておりますけれども、そこが洗掘されたり、防潮堤を覆うコンクリート、被覆工でございますけれども、それが流出したりすることなどがきっかけとなりまして防潮堤が壊れました。これらの教訓を踏まえまして、防潮堤の整備に当たりましては、津波が防潮堤を越えた場合に防潮堤が壊れるまでの時間を遅らせて避難時間を稼ぐとともに、浸水面積を減らすなどの効果がある粘り強い構造とすることが重要であるというふうに考えております。 緑の防潮堤につきましては、コンクリートで覆われた堤防ののり面に盛土を行いまして、その盛土に樹林を設置するものでございます。この樹林が非常に意味があるものでございまして、樹林の根が盛土の中に深くしっかりと根を張りまして、盛土と一体となって津波に対して粘り強く強固な堤防となります。また、樹林が堤防を越えた津波の勢い、これを減衰させまして、津波に対する抵抗力も大きくすると、そういった効果がございます。そして、この樹林と盛土が一体となって堤防、のり尻の洗掘、コンクリート被覆工の流出を抑制することができるということでございます。 効果についてでございますが、このような緑の防潮堤によりまして、浸水までの時間を遅らせることによりまして避難のための時間を稼ぐ、そして浸水量が減ることによりまして浸水面積、浸水深が低減をする、浸水被害を軽減すると、そういった減災効果がございます。また、景観や自然環境の改善といった面からも非常に良好ということで、海岸環境の整備、保全にも資するものというふうに考えております。
○北村経夫君 ありがとうございました。詳しく答弁していただきまして、ありがとうございました。 次に、太田大臣にお伺いいたします。 今も局長の答弁でありましたけれども、この防潮堤というのは安全や景観そして地域の自然環境といった観点からも様々な意見が出されているわけでございます。太田大臣は、昨年の六月、宮城県の岩沼市で開かれました緑の防潮堤植樹式に参加されたわけでありますけれども、その際、自治体や住民の声、いろんな声をお聞きになったかと思いますけれども、この緑の防潮堤について大臣としてどのように取り組んでいかれるのか、どのように考えておられるのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 防潮堤につきましては、高さという問題とそして構造という問題があるというふうに思います。 高さにおきましてはL1、L2という二つの考え方で、数十年から百数十年に一回襲いくるものに耐え得るという、そうしたL1という対応をしようと。そして、構造の点では、横浜国大の宮脇先生などは、その中にそこのいろんな出たものをそのまま入れてというようなことも言っているわけですが、我々はそこはコンクリートで、高さで、強固なものは造らせていただくという上で、ただ、コンクリートがわあっと海岸に全部つながるなんということは、それでいいというところも結構多いんですけれども、特に東北などリアス式あるいは景観がいいというようなところについては、住民の意見を十分聞いて、高さとは別に、構造という面やあるいは景観という面で緑の防潮堤というもので、今、水局長が申し上げたような粘り強さもあり、そして景観にも配慮できるということで緑の防潮堤というものをやらせていただいているところでございます。 和田先生からも再三にわたってその辺の話があって、我々はそこの基準を示しているわけでありますけれども、その上で地元の人がよく話合いをしていただいて、低くても、水が入ってもいいという町をつくろうという決意であるならば、それはそれの考え方があると。絶対にもう千年に一回でも駄目だという考え方を取るところも実は日本にはありまして、そこは、例えば静岡県では一条工務店というところが三百億円一社でぼんと出して、高さをもっと、千年に一回のを造ってくれといって、みんなもそれは有り難い話だと合意をしているというようなところもあったりするんですけれども、まちづくりとの関連の中でどういうふうに緑の防潮堤を造っていくのか、あるいはまた高さをどういうふうに工夫していくのか、まさにまちづくりというものとの関連の下で判断をしていただく、我々としては基準を明確に示していくということで、今回、緑の防潮堤ということをこの法案でも入れさせていただいているところでございます。 かなり地域によって要望が違いますので、地域の実情、市町村の考え方というものを受け入れてやるという中の一つとして緑の防潮堤というものがあるというふうに我々は考えているところでございます。
○北村経夫君 ありがとうございます。 今大臣がおっしゃったように、やはり地域によってそれぞれまちづくりについての考えが違うかと思います。その辺を十分に踏まえながらも、一方で国としてのしっかりとした基準というものも示して進めていただきたいというふうに思っております。 次に、水門、陸閘について伺います。 東日本大震災のときに消防団員の犠牲者、行方不明を含めまして二百五十四名に上ったわけでございます。改めて弔意を表したいというふうに思います。 この亡くなられた二百五十四人の方のうち、水門や陸閘などの閉鎖あるいは確認をしに行って亡くなられた、犠牲になられた方、消防団員は五十九人となっております。本当に痛ましいことであります。 これを教訓にいたしまして、消防庁、二〇一二年、津波災害時の消防団員の安全確保対策というものをまとめ、通知されたわけでございますけれども、その中で、自動化、遠隔操作化ということを指導しているわけでございます。 現在、この自動化、遠隔操作化はどの程度進んでいるのか伺いたいわけでありますけれども、この水門、陸閘というのは全国に二万七千か所あると聞いております。そして、比較的規模の大きな施設は約七千百か所あると聞いております。これは大変膨大な数でありますけれども、今後どのように進めていくのか、どのような計画を作っておられるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 御指摘のように、水門、陸閘等約二万七千基あるわけですが、そのうち約一千四百基が自動化、遠隔操作化されております。また、約五千二百基が常時閉鎖されておりまして、残る約二万基が現在現場操作が必要な施設となってございます。 このうち約一万三千基は、幅二メーター、高さ一メーターに満たないいわゆる比較的小規模な施設でございまして、これについては統廃合や常時閉鎖を基本とした取組を進めていくのが適切だというふうに考えております。残る七千百基でございますが、比較的規模が大きいということから、利用状況等を勘案いたしまして、統廃合や常時閉鎖に加えまして、自動化あるいは遠隔操作化を総合的に検討して効果的な対策を講じることが適切だというふうに考えております。 これに関しましては、今年度より防災・安全交付金等を拡充いたしまして、海岸管理者に対しまして、水門、陸閘等の効果的、効率的な整備、運用に係る計画作成費用を支援することとしたところでございます。また、これらの検討の参考とするために、昨年度に津波・高潮対策における水門・陸閘等管理システムガイドラインというものを改訂いたしまして、海岸管理者に周知しております。 国といたしましては、引き続き海岸管理者に対しまして、効果的な管理運用体制の構築を促進するため、指導、助言をしてまいりたいと考えております。 以上です。
○北村経夫君 ありがとうございます。 こういう整備を進めていく上で、新技術というのも大変重要だと思っておりますけれども、フラップボード式防潮堤というのがあるようでございます。これは、電源が喪失しても水位によって、変化によって門が自動的に起立するといった、そういう新しい技術もあるようでございますけれども、そういったものもどんどん取り入れて整備を進めていただきたいというふうに思います。 時間の関係でちょっとはしょりますけれども、次に、この水門、陸閘など操作者がいるわけでございますけれども、どのような方に委託しているのか伺います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 水門、陸閘等の管理につきましては、約八割が海岸管理者から管理委託されてございまして、最終的な委託先である操作者は、地元市町村、それから近隣民間企業、自治会、町内会、消防団等となってございます。 以上です。
○北村経夫君 地方自治体の場合もあるし、民間に委託している場合もある、ケースもあるということでございますけれども。 この水門、陸閘の操作者が適切に安全に操作を行うために、協議会や自治体、どのような取組について指導しているのか伺いたいんですけれども、また、これはやっぱりハードだけではなくてソフト面での充実も重要かと考えます。安全管理マニュアルについて、現状の取組、どのようになっているのか、さらに、この実効性をどのように確保していこうとしておられるのか、併せてお伺いいたします。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 海岸法改正案におきましては、操作規則等を定めるに当たりまして、関係市町村長に意見を聴かなければならないというふうになってございまして、地域の防災施策と連携した操作の実施が図られることとなります。 また、ハード対策の推進ということだけではなくてソフト対策といたしましては、水門・陸閘等管理システムガイドラインを改訂いたしまして、操作従事者の安全を最優先とした運用を図るよう海岸管理者に指導、助言をしているところでございます。さらに、操作従事者の退避ルールや委託の在り方につきましても、海岸管理者の参考となる指針を取りまとめ、周知することとしております。 操作規則等の実効性を確保するためには訓練を実施することが極めて重要でございまして、海岸管理者により地域の特性を踏まえた訓練を実施していただくとともに、国といたしましては、水門の閉鎖操作を含めました合同防災訓練を海岸管理者等の地方公共団体や関係する民間企業と連携をして取り組んでまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○北村経夫君 ありがとうございます。 今日はなかなか時間がないということなので、最後にお伺いいたしますけれども、東北の防潮堤復旧、先ほども大臣が言及されましたけれども、東日本大震災、これによって防潮堤の復旧というものが大変大きな課題になっておりますが、もう一度、国土交通省として県民の声を聞きながらどのように進めていくか伺って、私の質問、最後とさせていただきます。
○副大臣(高木毅君) 防潮堤の計画につきましては、高さ等の基本的な考え方は国から海岸管理者に示しているところでございますけれども、具体的な防潮堤の計画につきましては、市町村によるまちづくりの議論などを踏まえて、海岸管理者である県などが適切に定めるということになっております。 どういう計画が地元にとって望ましいかにつきまして十分に話し合っていただきながら合意形成を進めていくということが大切であると考えておりまして、例えば宮城県の中島海岸におきましては、地元の実情に詳しい宮城県と気仙沼市が、防潮堤等の整備に関する要望事項について、地元の意見をできるだけ取り入れた上でより良いものを造るという観点から、住民代表及び関係機関の代表者による検討ワーキングというのを設けまして、第一回目を先月二十九日に開催したというふうに承知をしているところでございます。 このように、海岸管理者である県が地元の意見を十分に聞きながらより良いものとすることが重要だというふうに考えているところでございます。
○北村経夫君 ありがとうございました。 全国の海岸保全施設を整備するというのは巨額の国費を投じるわけでございます。しかし、それでも安全というものは確保していかなければならない。どうか無駄なく迅速に整備できるように国交省としてしっかりと取り組んでいただきたいと、そのことを申し添えて、私の質問を終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。どうぞよろしくお願いをいたします。 本日は、海岸法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 膨大な税金を投入をして整備をされる防潮堤ですからめり張りを付けて、必要なところには十分な予算を、しかし、必要でないと判断される場合は思い切って諦めてそれを必要なところにしっかりと回すというような、そういう整備の仕方が結果的には国民の皆さんの血税を有効に使うということにつながると思いますので、そういう立場で質問をさせていただきますが。 その前に、新潟における中国領事館の移転に関わる土地取得に際しての不動産会社との関係について中原国土交通大臣政務官に何点かお伺いをいたしますので、よろしくお願いをいたします。 まず、五月三十日の我が民主党の後藤祐一衆議院議員と中原政務官の質疑のやり取りの過程を総合いたしますと、後藤議員が中原政務官に対して持った認識は、一般論としては、外国による土地取得に対しては厳しい御見解であるにもかかわらず、この新潟の総領事館に関しましては進めていただきたい、そういう御見解であったというふうに認識するしかありませんと発言をしておられますが、私もこのような認識からスタートして差し支えないのでしょうか。いかがでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) 平成二十四年三月の参議院国土交通委員会での私の質問でありますが、私は、外国資本による土地取得に関しまして何らかの規制が必要ではないかとの立場で質問いたしました。 なお、当時、地方公共団体が、非常に全国各地から様々な意見が寄せられまして、対応に苦慮をしておりました。そうした中、総領事館の移転は外交上の問題であることから、国が外交上の観点からの対応を検討すべきとの考えを述べたものでございます。
○田城郁君 なぜ、新潟のその総領事館、まあいろいろな新潟の事情などもある中でですが、そこは進めてほしいというふうにこだわるのかというところがなかなかこの間の議論の中でも理解をしにくいというところであると思いますが、もう一度、なぜ、全体としては厳しい立場でありながら、新潟のこの件に関して進めるということなのか、もう少し踏み込んだ御説明などお願いできますか。
○大臣政務官(中原八一君) 今ほど委員から御質問をいただきましたけれども、委員も、またマスコミの御指摘もそうでありますけれども、この部分だけ取り上げられておりますけれども、私が大臣に質問させていただきましたのは、外国資本による土地取得の規制の必要性についての御見解をお伺いさせていただき、大臣もそのように答えさせていただいております。 繰り返しになりますけれども、新潟における総領事館の移転問題は当時大変頭を悩ませていた問題でありまして、地方公共団体ではとても対応ができないことから、国が外交上の観点から対応を検討すべきということを申し上げさせていただいたところでございます。
○田城郁君 なかなか乖離が埋まらないんですが、質問を変えます。 中原政務官は、質問をされた平成二十四年三月二十二日を中心とした上半期ですね、新潟マイホームセンターという不動産会社の社長さんあるいは重要な立場の方々と飲食をしたことはございますか。あるいはメールや電話をした、お会いして会話をしたなどということはございませんか。
○大臣政務官(中原八一君) ございません。
○田城郁君 中原政務官は、この質問当時、この中国領事館の移転する対象となっている土地約四千五百坪が新潟マイホームセンターの所有であることを当時知っておられましたか、知りませんでしたか。明確に、シンプルにお答えいただければと思います。
○大臣政務官(中原八一君) 承知してございません。
○田城郁君 そうしますと、衆議院の答弁ですと、年会費といいますかね、ということで年間十二万円を何年かにわたっていただいていたというようなことも含めて、その会社そのものは御存じだったでしょうか。
○大臣政務官(中原八一君) その会社は承知をいたしております。私の後援会に入会をしていただいておりまして、産経新聞の記事では平成二十二年から二十四年まで政治献金を受けていることになっておりますけれども、私はそれ以前の平成十六年の県議会議員の当時から献金を受けておりまして、現在もその献金を受けているところでございます。
○田城郁君 では、特にその献金とその質問に関する直接的な関係性などはないと、そのようなことでよろしいですか。
○大臣政務官(中原八一君) ございません。
○田城郁君 海岸法の質問も十五項目ほどありまして、このことをずっと続けるわけにはいきませんが、やはり、私も含めてなんですが、疑いを持たれるようなそういう状況をなるべくつくらないような、そういうことを心に置いてやはり事に当たらないといけないなというふうにも思いますが、いずれにしても、このようなことについて今後どのようなお考えでいらっしゃいますか。
○大臣政務官(中原八一君) 今、政務官としての立場をいただいているわけでございますけれども、誤解を受けることのないように、今後とも職務に専念をしていきたいと思います。
○田城郁君 それでは、海岸法の質問に移らせていただきます。 まず、民意を反映した防潮堤整備という点について御質問させていただきます。 今国会での海岸法の改正は、東日本大震災の被害を教訓として、現在も厳しい状況に置かれている被災地域の復旧復興を確かなものにすること、そして、今後高い確率で発生が予想される首都直下や南海トラフ大地震による津波、高潮に備えるために行われるものと認識をしております。しかし、被災地では計画されている堤防の高さ、構造をめぐって、行政側と住民の間の意思疎通が不十分で、議論が進まないケースも見受けられます。 確かに、海岸堤防のように目に見える公共工事を進めることで復興は見かけや数字上では進んでいくことになると思いますが、これまで国会の議論でも積み上げられてまいりましたように、被災者の皆様の生活が元に戻り、心にぽっかり空いた穴が埋められ、その営みが継続的なものとなることで初めて復興したというふうに私は言えると思います。ですから、こうした海岸堤防の整備においても住民の意見の反映が重要であると考えます。民意を反映した防潮堤整備を進めるべきと私は考えますが、太田国交大臣の御見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 各地域におきましては、津波防災地域づくり法という法律ができまして、それから二年ちょっとたっていると思いますが、そこをしっかり対応しようということで、それぞれ市町村がいろんな工夫をしているわけです。 東北の気仙沼を始めとするところの話がよく出てくるわけですが、全国、例えば南海トラフ全体の地震対策ということの防潮堤ということでいいますと、住民とのトラブルというものがあるわけでは現実にはございません。非常に市町村がよく考えて、例えば南海トラフの地震という、津波ということに対して言うならば、一番大きな三陸との違いは到達時間が数分で来るということです。 数分で来るというときに、防潮堤があるということが、逃げ場を二分、三分でも稼げるということは非常に大事で、そこで、現在私がいろんなところを回ってやっておりますと、それに基づいて防潮堤の高さを、先ほどは高いというところを地域が考えて、一条工務店などは三百億円も出すというようなところで賛同も得ているという地域もあれば、むしろ逃げるということしかもうこれはないということで、今造っております高速道路のところに階段をできるだけ多くして、高速道路にも路肩を使って避難できるという場所を造っているなどというところが三重県とかあるいは徳島県にあり、また、津波が来る前に地震が来るわけですから、地震が来たときには防潮堤自身が実は液状化現象によって一メートルぐらい陥没するということで液状化対策を施してやっているというようなところもあったり、いろいろ工夫をされてやっているという状況にございます。 当然、その地域で、仕事のこと、あるいはまた景観のこと、特に観光ということをその市が一番大事なことだと考えておれば、そこの景観ということは極めて生き死にに関わる大事なことになると思います。住民の意見を聞くということは、市全体とかそういうところの意見ということでまとめることになりますが、市の中でも、高台に住んでいる人は低いものでいいと言うでありましょうし、土地を近くに持っている人は自分の土地が奪われるということについて抵抗するというような、いろんな利害調整というものがあります。 私はそこで、基準として、L1ということのこの基準を示し、できる限り景観とかいうことも含めて緑の防潮堤という具体案を出して、そして住民との間の利害そして意見の調整を図った上で決定していただいて、一〇〇%全員の方が納得するということはこれはなかなか難しいことではありますけれども、極力そういうことをしながら、この防潮堤の高さと構造というものを、どの場所にということでも違ってくるわけでありまして、その辺について十分地元でよく話合いをしながらやっていただければということで基準を示させていただいているという状況にございます。
○田城郁君 海岸保全基本計画の変更における住民の意見の反映に関する法解釈についてということでお伺いいたしますが、海岸法では、必要があると認めるときの工事の線引きの解釈はどのようになっているんでしょうか。また、関係住民の意見を反映させるとは、住民の意見に応じて計画案を見直すということを前提としているのでしょうか、どこまで住民の意見は尊重されるのでしょうか、国交省が想定される関係住民の範囲について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(森北佳昭君) 海岸保全基本計画の変更時におけます住民意見の反映につきましては、海岸法第二条の三第五項におきまして、海岸保全施設の整備に関する事項の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないと、そういうふうにされております。 計画変更時に関係住民の意見を反映させるために、海岸保全施設の規模が極めて小さい場合、また、計画案の作成に際しあらかじめ地域の要望が出されている場合等を除き、原則として公聴会の開催等必要な措置を講ずるということといたしております。公聴会の結果等踏まえまして、海岸管理者は、関係住民の意見を必要に応じて計画案に反映させるものというふうに考えております。 なお、関係住民につきましては、主として海岸保全施設によって利益を受ける地域内の関係者と想定をいたしております。
○田城郁君 そうしますと、イメージでいいますと、これまでの河川法のときのような、そういう進め方ということでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) 基本的には、今申し上げましたように、関係住民については利害といいますか、利益を受けるその地域内の関係者ということでございまして、そういうことで河川法と同じような考え方だろうというふうに思っております。
○田城郁君 それでは、協議会の設置ということについてお伺いいたしますが、海岸保全施設やその他施設の工事の規模がどの程度のものであれば協議会が組織をされ、その構成員に学識経験者や、その他の協議会が必要と認める者が協議会に加わることになるのかについて、何か基準や目安などのようなものは想定されているのでしょうか、教えてください。
○政府参考人(森北佳昭君) 本法案で規定する協議会につきましては、海岸管理者等が、防潮堤などの海岸保全施設とその近傍にある例えば防災林等の津波等による被害の軽減に資する施設の一体的な整備、そういったものの関連する事業等について調整をする効果的な海岸の防災・減災対策について協議を行うために設置することができるということといたしております。 協議会の設置につきましては、その協議事項が海岸の防災・減災対策に関するものであることから、海岸管理者が主体的に判断するものと考えております。その運営に関して必要な事項は協議会が定めるとされておりまして、協議会の構成員等については協議会において決められるものと考えております。 このように、協議会の設置等については海岸管理者等により適切に判断されるものでございまして、基準、目安のようなものは想定をいたしておりません。
○田城郁君 では、協議会での地域住民の意見の反映の必要性についてお伺いしますが、協議会で行われる海岸保全施設とその近接地に存する海水侵入による被害を軽減する効用を有する施設の一体的な整備その他海岸の保全に関して必要な措置は、海岸基本計画に変更を加える必要のあるような内容のものであることが想定されているのか。学識経験者を構成員に加えるだけでなく、その他の構成員に自治会、町内会、あるいは地元消防団、地元企業などの関係住民を構成員に加えるか、協議会として住民の意見を反映するために何らかの措置をとられることが望ましいと思われますが、いかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 協議会の協議事項につきましては、ただいま局長から御答弁をさせていただいたとおりであります。 海岸事業と他の関連事業との調整を図ることを想定をいたしております。海岸保全施設の整備に関する事項につきましては、基本的には海岸管理者が適切に定めるものではございますが、それらも含め、海岸の防災・減災対策について協議会において議論するということも可能と考えております。 また、協議会が必要と認める者につきましてはその構成員として参画させることができるとされておりますので、住民の代表などが関連する事業等の調整を図る観点から協議会に参加し、意見を述べることも可能と考えております。
○田城郁君 住民とのトラブルなどはないという経過が御説明でありましたが、いろいろ、トラブルはないにしても、なかなか思うようにいっていないなと思っている住民の方々は多いのではないかと思いますが、例えば、これは考え方ですけれども、公聴会を開きますよと言われて突然行って、資料を渡されて、ぱっと見て、これでいいですか、駄目ですか。そういう素人の、素人というか、余り予備知識のない方々にそういうものを突然見せることで、そこで意見がなかなか出ないと。しかし、公聴会で民意は聞きましたというようなことの中でずれが生じてきているのではないかというふうにも思いますので、是非、例えば複数案を出して一か月ぐらい前に資料配付をして、なかなか土木に関して知識のない中でも、一か月ぐらい自分なりにイメージの湧く状態で公聴会が開かれ、自分なりの意見を主張し、その中で、僕はこの案がいい、私はこの案がいい、そういう決定までの過程が充実していてこそ納得性のある防潮堤なり、ほかの構造物も含めて、そういうものが造られていくのではないかと。 やはり過程が大事ではないかというふうに思いますが、この間、その過程がなかなか充実していなかったのではないか、そういう中でなかなか納得性が得られていないのではないかと、私はそのようにも見ておりますので、是非今後ともいろいろ過程を重視して進めていっていただければと、そのように思います。 それでは、景観配慮手引書についてお尋ねをいたします。 平成二十三年十一月に国土交通省は河川・海岸構造物の復旧における景観の手引を策定いたしました。これは、実務担当者等が活用することで復旧後の景観の維持向上を目的としたものとされております。 被災地においては、いわゆる視覚的インパクトが強くて、地域性に配慮したデザインもなく、生態系にも配慮しているようには思えない巨大防潮堤が提案、建設されようとしておりますが、この手引書によって整備をされた事例はあるのでしょうか、また、あるとすればこの手引書がその中でどのように生かされているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(森北佳昭君) 御指摘の河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引きでございますが、これは、被災した海岸堤防等を復旧する際に景観や環境に配慮するための手引でございます。 具体的に東北地方で東北地方整備局が行っている仙台湾南部海岸の復旧工事におきましての例でございますが、例えば堤防位置につきまして、被災前の浜の幅、浜幅でございますが、それを確保することで海岸の防護及び海岸環境の保全と復元を行う、また、その堤防のコンクリートののり面、それの縦リブでございますが、それを二十メーター間隔で設置するということで安定感を表現をする、さらに、堤防天端でコンクリートの洗い出し処理を行いまして、明るさを落として柔らかいような印象、雰囲気を与えるというふうなこと、さらに、ハマボウフウという植物でございますが、そういったものを植生、移植をいたしましてエコトーンの保全とか復元に配慮する、こういった取組をこの手引に基づいて行っておるところでございます。
○田城郁君 是非、この手引書に書いてある、書き込まれていることを生かして、今後の整備に是非役立てていただきたいと、そのように思います。 次に、堤防設置位置と海岸保全区域の柔軟な指定ということについてお伺いをいたします。 この景観配慮の手引書には、堤防設置位置による生態系への影響の比較例が掲載されておりまして、海岸の後浜にある湿地背後に堤防を設置すると、砂浜と湿地の連続性が保たれ、それらが一体となった海岸生態系の保全が可能となるとされております。より陸側に堤防を設置するほど生態系への影響が少ないことが書き込まれております。 海岸管理者が津波対策のために防潮堤を整備するに当たりまして、必要であれば環境のため海岸保全区域を柔軟に見直すべきと考えますけれども、政府の御見解をお伺いをいたします。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えをいたします。 この景観配慮の手引きでございますが、堤防については防護機能を十分に確保した上で、地形の特性、自然の生態系、そして背後の土地利用等を考慮して、周辺環境になじんだ位置でありますとか線形、設定することが望ましいというふうにいたしております。 したがいまして、防潮堤の位置につきましては市町村によるまちづくりなどの議論を踏まえまして海岸管理者である県などが適切に定めるものでございまして、例えば宮城県の中島海岸では、地元のまちづくりの議論などを踏まえまして、砂浜を確保するために防潮堤の位置を陸側に二百メーター移動させる、セットバックする計画といたしております。そういうふうな取組を実際に行っておるところでございます。
○田城郁君 それでは、ハワイ州のセットバック方式についてお伺いをいたします。 海岸保全区域を柔軟に指定することの延長線上にある諸外国の例といたしまして、アメリカのハワイ州のセットバック方式について考えてみたいと思います。 ハワイ州ではかつて、我が国と同様に構造物による海岸管理がされておりましたが、構造物周辺の洗掘が進みまして、それを食い止めるために構造物を増やさなければならないという悪循環に陥りました。海岸に構造物をなくして町を海岸から離す海岸線セットバックルールを導入したと、それを教訓にですね。悪循環を教訓にして、今度は構造物を取っ払ってしまったということで、海岸線セットバックルールを導入したとされております。 ハワイ州は観光が中心ですので、漁業や水産加工業に頼る被災地の実情とは異なる部分があるかもしれませんが、例えばほとんど人が居住しないところに巨大防潮堤を建設する場合などは、こうした事例を参考にしてみる意義はあるのではないかと思われます。町を後ろの方にセットバックする、まあ同じ考え方ですが、そして、もう防潮堤は設置しないという中で自然な環境をつくると。もしものときは十分な避難勧告やあらかじめの注意喚起をした上で、その地域に入って海水浴なり自然の環境を探索するなりと、そういう状況を前提としながら自然豊かな海岸線を保つというような考え方もあるということでハワイ州の例を出しましたが、このようなことについていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) 今委員から御指摘がございました米国ハワイ州のセットバック方式でございますが、このセットバック方式は、海岸線の防護と美しい景観、環境を保全するという観点から、海岸線付近の土地に構造物、例えば建物とか道路とか水路等を設置する際に、海岸線から最低二十フィート、六メーター、標準で四十フィート、十二メーターほど陸側に後退した土地で構造物等の設置が許可されるというふうな内容でございます。 先ほど申し上げましたけれども、景観配慮の手引きにおきましても、堤防については、防護機能を十分に確保した上で、地形特性、自然生態系、そして背後の土地利用等を考慮して、周辺環境になじんだ位置、線形を設定することが望ましいとしておりまして、具体の例として、先ほども申し上げました、宮城県の中島海岸では二百メーター陸側に防潮堤をセットバックするというふうにいたしております。 このように、実際、海岸管理者である県におきまして、地形特性とか自然生態系、背後の土地利用等を踏まえまして、堤防をセットバックするというふうなことは行われているところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。 次に、海岸保全施設の組合せによる津波低減ということについてお尋ねをいたします。 費用面での削減につながるかどうかは分かりませんが、海岸管理のあり方検討会の資料によりますと、釜石港では、設計津波に対して、海岸保全施設を組み合わせ、まず防波堤によって港内に侵入する津波のエネルギーを低減した上で、防潮堤で背後地が浸水しないように防護する方式を採用しております。また、東日本大震災では、防波堤は、設計津波を超える津波に対してもエネルギーを七、八割低減をし、津波高も四割低減し、背後地の浸水までの時間を遅らせ、浸水面積も四割、遡上高も五割の低減に寄与したというふうに報告をされております。 そうであれば、防波堤との組合せで海岸堤防の高さを低くできるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。住民との合意形成が困難な地域では、釜石港のような取組により、堤防の高さを低くしていくような取組も展開していくべきではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 御指摘のとおり、東日本大震災時に釜石港湾口防波堤では、施設の一部が倒壊したものの、津波の高さを四割低減をして、防潮堤を津波が越えるまでの時間を六分遅延をさせるとともに、浸水面積も四割低減して、海岸から内陸へ津波が駆け上がる高さも、これは五割低減をさせる効果があったと推計をされております。 また、防波堤と海岸堤防を組み合わせて整備することによって防潮堤の高さを抑えることができる場合があるということでありまして、具体的には久慈港ですとか釜石港等におきまして、防波堤と併せて整備することによって海岸堤防等の高さを抑えた事例があります。 一方、この効果は、来襲する津波は周辺の地形等々によって、その条件によって異なるものでありますので、今後とも地域の条件に応じてその取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
○田城郁君 是非、いろいろなケースあると思いますが、予算を、諦めるところは諦める、集中するところは集中するというところで、しっかりと備えていければと思っております。 緑の防潮堤についてお伺いをいたします。 今回導入される緑の防潮堤については、コンクリートと樹林を一体的に整備をするとのことであります。コンクリートの上に三メートル以上の盛土をすると衆議院で政府は答弁をされております。一方、東日本大震災の津波で流されなかったタブノキの根っこは五メートル、六メートルと地下に根を張っていたという宮脇名誉教授のお話もございます。本当に津波が襲来してきたときに三メートルの盛土で持ちこたえられるのでしょうか。津波の高さと盛土の洗掘の関係は科学的に導かれているのでしょうか。 また、国交省の方では緑の防潮堤につきましては水槽実験もされたとのことですが、実際の津波襲来時の堤防は地震で揺さぶられた後の状態であるということです。地震で既に盛土が表層雪崩などを起こして減災機能に役立たないようなことはないのでしょうか、水槽実験については地震動も加味した上で実施されているのか、以上、お伺いをいたします。
○政府参考人(森北佳昭君) 緑の防潮堤、コンクリートの堤防ののり面に盛土を行いまして、その盛土に樹林を配置する、設置するというものでございます。 この樹林が非常に意味があるものでございまして、盛土だけではなく樹林と一体的な構造となって粘り強い構造になるというものでございまして、具体的には、この樹林によりましてその根が盛土の中深くしっかりと張ります。盛土と一体となって津波に対して粘り強く強固になるということと、堤防を津波が越えてきた場合の勢い、それを減衰させて津波に対する抵抗力を大きくすると、そういった効果がございます。このように、樹林と盛土が一体となって、堤防のり尻の洗掘、さらにはコンクリート被覆工の流出を抑制することはできるものでございます。 この効果といたしましては、先ほども述べましたけれども、浸水までの時間を遅らせることによりまして避難のための時間を稼ぐ、浸水量は減りますので、浸水面積、浸水深が低減をして被害を軽減するなどの減災効果がございます。 この効果につきましては、委員御指摘のとおり、国土技術政策総合研究所によりまして水理実験を行い、確認をいたしております。具体的には、越流水深六メーターの場合、盛土のみを設置した堤防では盛土が〇・五メーター洗掘されるまでに十五秒程度であったと、それに対しまして盛土に樹林を設置した堤防では九十秒、約六倍時間が掛かるということを確認をいたしておりまして、樹林が盛土の洗掘を抑制し、堤防を強固にすることを確認をいたしております。 また、地震についてのお尋ねございました。 堤防本体、そして盛土の地震に対する安定性につきましては、基礎地盤対策や押さえ盛土等の対策を実施することによりまして確保していくということにいたしております。
○田城郁君 宮脇教授の指導によって南相馬市がコンクリートを伴わない緑の防潮堤造りなどを行っておりまして、その規模は、たしか高さ十メートルの盛土、そこから樹林を植える、そして幅が二百メートル、長さが十四キロと、そういうたしか規模だったと思います、記憶によればですが。 ですから、一定の幅がないと津波を減衰するという効果はなかなか得られないのではないか。これはなかなか、実際に実験するということができ得ない中ではなかなか予想しにくいことだと思うんですけれども、国交省のあの緑の防潮堤の絵などを見ますと、三メーターでコンクリートの面と土が、あの絵でいけばですよ、ぽっと乗った感じで、そこに木が生えているというようなもので、必ずあの絵のようなものを造るということではないとは思いますが、タブノキが直根性で根を物すごい下まで伸ばし、横にも生える、あるいは瓦れきなどを活用するとよいと宮脇教授が言っているのは、そこに巻き付いてより粘り強さが出てくる、このようなものを総合して粘り強い防潮堤造りということが成立するというふうに先生は言っておられます。 ですから、コンクリートの後にどのぐらい陸側に盛土を延ばすか、あるいは、下がコンクリートであっては根が下に伸びていきませんから、そういうことも、タブノキの特性などをしっかり考慮した上で、どのぐらいの盛土の幅にするのかとか、そういうことも含めて、減衰効果がなければ、それは見栄えは良くなりますけれども、なかなか減衰効果を期待できるまでの構造にはならないとも思いますし、洗掘など、あるいは雪崩、液状化のようなことにならないのかというようなことなども十分考慮した上で進めていかないといけないのではないかと、そのように思っているところです。是非そういうものも考慮して進めていただければと思います。 次に、これは考え方をまずはお話をさせていただき、その上で質問に入らせていただきますが、L1津波対策とL2津波対策の優先順位について少し考え方を述べさせていただきますと、L2津波とL1津波についてその対策をそれぞれ考えてみますと、L1津波は、粘り強い構造の海岸堤防による防護とハード対策中心であると。被災地では、七千七百億円の海岸堤防復旧費が見込まれております。また、南海トラフ対策の海岸堤防整備では、例えば静岡県では十年間で二千二百億の計画を作成しておりますが、平成二十六年度は七十六億円しか計上をできていないと、予算不足に陥っているというわけであります。 一方、L2津波対策は、ハード対策では現実的にはない高さの津波であるために、避難などのソフト対策が中心となっており、予算も時間もそれほど掛からないと思われます。例えば、防災行政無線や避難路の整備費あるいは防災訓練の実施費と海岸堤防の整備費等を比べれば、後者の方がはるかに予算規模としては大きいということになります。 ですから、そういうことを考えると、南海トラフの対策として、進んでいるところと進んでいないところも含めてありますが、あるいは予算がなかなか付けられないという中で、構造物がなかなか進まない中では避難とかそういうところのソフト対策をまずは先行して充実させていくという考え方が一つあるのではないかと私は思っております。 そういう中で質問をさせていただきますが、大規模災害時における交通事業者と地方公共団体との連携ということについてお伺いをいたします。 本年の三月、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域、重点的対策推進地域が指定をされました。その中には、神奈川県の横浜、平塚、藤沢など、鉄道事業者の津波避難対策に関して私も踏査をしてきましたが、京浜東北線、東海道線、横須賀線の沿線地域も含まれております。こうした地域では、鉄道事業者には津波防災のため対策計画を作成することが義務付けられていることになりますが、昨年十一月の交通政策基本法の質疑の際にも指摘をさせていただきましたが、こうした地域では、大地震や津波を想定した避難路や避難場所において、高台が近い駅であっても自治体の避難所が海に近い低い方に誘導するような、そういうようなミスマッチも生じておりまして、そういうものを一つ一つ整備をしていかなければいけないのではないかというふうにも思います。 前の質問から半年がたちまして、南海トラフ地震対策特別措置法による措置もなされつつあります。もちろん、鉄道事業者は津波避難のための対策計画を作成することになるのでしょうが、大切なのはこうした避難所などのミスマッチを解消するため、行政として具体的に取組を進展させているかということであります。具体的に、鉄道事業者が対策計画を作成する際に沿線自治体と十分に連携協力が図られている状況なのでしょうか、その現状について具体的にお伺いをいたします。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、津波発生に対応いたしまして、例えば災害対策基本法であるとか、あるいはいわゆる南海トラフ特別措置法であるとか、こういったものに基づきまして鉄道事業者も旅客などの避難誘導のための計画を策定するということになっているところでございます。 一方で、そうした計画の中にどのような対策を盛り込んでいくのかということにつきましては、二十五年の二月に私どもと鉄道事業者集まりまして検討を進めてまいりました。二月にその結果が取りまとめられておりますが、素早い避難が最も有効かつ重要な対策であるといったような基本的な考え方及び具体的な対応について取りまとめております。また、この報告書におきましては、各鉄道事業者におきまして、沿線の避難場所、避難経路の選定などを行っておくことが必要であり、このため自治体や地域と連携しておくことが重要であるということもまとめられております。 鉄道事業者においては、これを踏まえまして自治体と連携をいたしまして、お客さんが降りる台、降車台や避難階段を設けたといったような事例が報告されております。また、津波が来たということを想定いたしまして避難訓練を行っていると、このような事例も報告されております。 一方で、今委員御指摘のようなハザードマップとの関係で不整合があるのではないかという問題については私どもも認識をいたしておりまして、特に、御案内のように、中央防災会議の方から二十四年に最新の推計に基づく津波高あるいは浸水域といったものについて公表がなされております。現在、自治体におきましてはこれに基づいてハザードマップの見直しなどが実は行われておりますので、こういった最新の状況に応じて適切な避難場所あるいは避難経路が確保できるように、自治体などとの連携をしっかり取っていくように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○田城郁君 ありがとうございます。 交通事業者と地方公共団体との連携を推進するための体制づくりということについてお伺いをいたします。 避難所のミスマッチの解消や多数の人を乗せて運ぶ列車への災害時の対応については、鉄道事業者が対策計画を単独で作成するのではなく、沿線の地方公共団体と十分に連携協力の下、作成していくことが必要と思われます。 特に京浜東北など、満員の場合、三千人の乗客が乗車をしております。また、これらを避難誘導した場合には、避難してきた地域住民に加え、避難所に三千人の乗客が新たにやってくる事態となるわけです。列車四本で一万人を超えるわけであります。時間帯ごとに乗客数や本数など電車の状況は変わります。あるいは、鎌倉などは観光客がたくさんいる、外国人の観光客も含めてたくさんいる状況もございます。そのような電車の乗客が避難してくることやその対応までも市町村は自らの責任と捉えて地域防災計画を練り上げているのか、鉄道事業者と市町村に対して国が強力に働きかけていかないと、そうした事態を前提とした防災、避難体制に関して協議の場すら用意されないのではないかと危惧をしております。 対策計画を真に実効性あるものとするために、内閣府や国土交通省が連携、主導して、鉄道事業者と沿線自治体の連携強化に取り組んでいく体制づくりが必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(佐々木克樹君) 南海トラフ法を受けまして、この三月に基本計画を策定させていただきました。その基本計画におきまして、先ほどもございましたけれども、指定機関に指定されている交通機関の場合、この場合JRが該当しますが、JRにつきましては元々防災業務計画を策定するということになっておりまして、この中で、乗客や駅に滞在する者の避難誘導計画を見直すということを是非してほしいということをこの基本計画の中で位置付けております。 また、それ以外の鉄道事業者につきましても、これは対策計画というものを別途策定することになっておりまして、同じようにそういった計画を策定すると。これは国交省の方からいろいろ指導もいただいているところでございます。 その基本になる今御指摘の自治体の防災計画でございますが、これも南海トラフ法の基本計画も受けまして、地域防災計画を一部を改定するということになっております。特に避難場所につきましては、この四月から災害対策基本法の改正が施行されまして、津波のときに緊急に避難する場所、避難所ではなくて、一定期間住居に戻れないまま滞在する避難所ではなくて、津波の危険から逃げるための緊急避難場所、これをこの四月から、自治体はきちっとその津波の特性に応じて指定をしてくださいという規定が施行になりましたので、今現在、自治体におきまして、こういったことも踏まえて防災会議の場で検討を進めているというふうに承知をいたしております。 こういったことと併せまして、鉄道事業者、今御指摘のいろんな状況も踏まえて、本当に真の有効な津波に対する避難計画が策定されるよう、私どもとしても国交省と十分連携を図りながら、自治体の方にも御助言を申し上げていきたいと思っております。
○田城郁君 ありがとうございます。 いたずらに危機をあおるわけではありませんが、東日本大震災から三年二か月がたち、あした南海トラフ地震が来てもおかしくないという状況の中で、最終的には現場が動いてお客様などを誘導するということも含めて、スピーディーに全体が意思統一され、腹を決めればお金は掛けずにできることでありますから、これをまず最初に進めて、そして構造物は民意を反映しながらしっかりと納得性のあるものとして進めると、こういうことが必要ではないかと思います。 質問を終わります。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、堀内恒夫君が委員を辞任され、その補欠として赤池誠章君が選任されました。 ─────────────
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。 まず、太田大臣に、これまでの海岸保全行政に対する評価と今後の基本方針について伺います。 我が国の海岸保全に関する行政は、昭和二十五年の海岸保全事業財政措置により開始されまして、昭和二十八年九月の台風十三号の大規模被害を経て、昭和三十一年に海岸法が制定されました。以来、平成十一年の改正や関連法案の整備を経て今日に至ったわけでありますが、これまでの評価と今後の基本方針について大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 今、概略御指摘のように、変遷がございます。 昭和二十五年に始まったわけでありますけれども、台風十三号を契機にして、昭和三十一年に、特に海岸を津波、高潮等の災害から防護して国土の保全を図るということで、私も台風十三号というのは思い出があって、作文を書いたという記憶がありますけれども、そうしたことでまず行きました。それから、その後に、昭和三十四年に伊勢湾台風がありまして、この伊勢湾台風は台風と高潮が一緒になるというようなことで、六千人ほどだったと思いますが亡くなると。私の学校でも三軒ほど倒れて、全国からいろんなものを、支援物資をいただいたことも記憶をしておりますが、そこで本格的に海岸保全施設の老朽化対応ということも含めてやっていかなくてはならないと、老朽化じゃありません、そうした高潮対策を進めていかなくてはならない。 したがって、その頃に一番この防潮堤とかそういうものが三十四年を契機にしてでき上がってきましたから、ちょうどこれで五十年を超えるというような防潮堤とかそういうものが多くなって、ちょうどそういう時期に今差しかかってきているというような状況でございます。 その後、この海岸は極めて、海水浴であるとかあるいはレジャーとか、様々なことで大事だという、そうした時代の流れと、あるいは景観というようなこともありまして、平成十一年には、この防護ということに加えて、環境の保全と適正な利用を法目的にして、平成十一年、十五年前でありますけれども、これが改正がされてきたという経過がございます。 海岸法に基づきまして防潮堤や離岸堤などの施設整備を着実に進めてきているわけでありますが、現在の海岸保全施設の延長が九千六百キロメーター、全部でいいますと三万五千キロありまして、防護の必要がある海岸一万四千五百キロの約七割が整備をされてきているという状況にございます。 問題は、一つ目は、切迫する大地震、南海トラフや巨大津波に、あるいはまた昨年のフィリピンにおけるスーパータイフーンのようなことにどう耐え得るかという課題が一つ。もう一つは、老朽化対策が一つ。同時に、あわせて、景観とかレジャーということも含めた海岸というのは大事だという観点が一つ。 こうした課題というものに備えて今海岸の保全ということについてやっているという状況にございまして、非常に今、ある意味では、大地震といい、そしてまたスーパータイフーンの現象といい、そして老朽化といい、重要なときに来ているというふうに思っているところでございます。
○河野義博君 施設の整備が国土の保全に役に立ってきたという御答弁でございました。私もそのとおりだと考えておりまして、関連して質問をいたします。 東日本大震災発生時に果たした海岸保全政策の役割について、当局に伺います。 私は、東日本大震災発生時に、これまで海岸保全政策が果たした役割は非常に大きかったと評価をしております。実際、私ども公明党は、国会議員全員が東北各県の担当になりまして定期的に被災地を訪問しております。先日、私も釜石を訪問した際、さっきの田城委員の御質問にも関連をいたしますけれども、釜石の湾口防波堤が津波の到来時間を遅らせて非常に多くの命を救ってくれたと、非常に多くの、数多いお声を聞かせていただきました。一方で、残念なことに、公共工事悪玉論を唱えられる方々は、この事業の金額の大きさだけに焦点を当てて無理解な批判をされる方もいらっしゃいますけれども、この状況を鑑みれば、さきの大震災で果たしたその効果というのを積極的に広報していくべきと考えております。 したがいまして、これまでの政策が果たしたさきの震災時における定性的、定量的な役割、どのような役割を果たしたのか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 東日本大震災では津波が防波堤や防潮堤を越えまして、その結果、多くの被害が発生しております。一方、それまでに整備された防波堤あるいは防潮堤は、被害を受けたものの、施設により津波の流入が抑制されたために、津波の高さを低減するなど減災の効果も発揮いたしました。 例えば今先生御指摘のような釜石の例ですけれども、釜石港の湾口防波堤では、施設の一部が倒壊したものの、津波の高さを四割低減し、防潮堤を津波が越えるまでの時間を六分遅延させ、海岸から内陸へ津波が駆け上がる高さを五割低減させた効果が推計されております。 これらの効果につきましては、今後高い確率で発生することが想定されております南海トラフの地震等においても発揮されることから、引き続き防波堤や防潮堤の効果を検証いたしまして、地域における理解が深まるように取り組んでまいりたいと思っております。 以上です。
○河野義博君 限られた財源であることは言うまでもありませんので、選択と集中を行いながら、しっかりと命を守る海岸保全政策を引き続きお願いしたいと思っております。 続きまして、緑の防潮堤に関しまして伺います。 北村委員、田城委員からも御質問がありましたので、簡潔に論点を絞って、一部割愛しながら質問させていただきたいと思います。 太田大臣の御決断によりまして、防災に植生を活用するという森の防潮堤の考え方を取り入れた緑の防潮堤、整備が進められることとなりまして、昨年六月に宮城県岩沼市でモデル的に整備を開始をされまして、大臣自ら植樹式に参加をされたことは委員の御記憶にも新しいものと思います。 そこで、三点伺います。 森の防潮堤、そして緑の防潮堤、この二つの用語、改めて整理をしておきたいと思いますので、簡潔に双方の説明を求めます。そして、今回新たに海岸保全施設に防災樹林を追加したこの理由を伺いたいと思っております。そして、最後に、緑の防潮堤の整備によって期待されるその効果、簡潔に御説明をいただければと思います。
○政府参考人(森北佳昭君) 緑の防潮堤について三点御質問ございました。 まず、森の防潮堤についてでございますが、これは、先ほど来ございますが、横浜国立大学宮脇先生が提唱されているものでございまして、先生の本によりますと、震災瓦れきの処理の一環として、震災瓦れきと土砂を混ぜて植樹地、マウンドを形成して、そこに潜在自然植生を植樹するものでございまして、盛土と樹林合わせて四十から五十メーターぐらいの高さになるというふうにされております。その効果は、森の防潮堤が津波のエネルギーを波砕効果で減殺させ、そして水位を低下させる、そして引き波のときにはフェンスとして海への人命の流出を防ぐ効果があるというふうにされております。 一方、緑の防潮堤についてでございますが、これはL1の高さのコンクリートの防潮堤、それののり面、コンクリートののり面に盛土を行って樹林を配置するというものでございまして、その樹林と盛土が一体となって堤防ののり尻の洗掘、コンクリート被覆工の流出を抑制するということができるものでございます。これによりまして、先ほど来申し上げております効果といたしまして、浸水までの時間を遅らせるということで避難の時間を稼ぐ、浸水量が減ることによっての浸水被害を軽減するなどの減災効果があるものでございます。さらに、景観や自然環境といった面でも良好なものだというふうに認識しております。 この法案におきまして、こういった緑の防潮堤、海岸保全施設として位置付けまして、整備を推進していきたいということでございます。
○河野義博君 太田大臣も現地に入っていただきまして、地元の皆様と協議をしながら進めていただいておりますので、引き続き、地元の気持ちに寄り添って、耳を傾けていただいて進めていただければと思います。 次に、水門、陸閘の操作体制に関しまして伺います。 さきの大震災で、水門、陸閘の操作に作業員が多くの命を奪われたということは非常に残念であります。公明党の同僚議員、地元の議員も何名かこの操作に携わる方がおられまして、自ら被災をしながら、危険を冒しながらその操作に携わってまいりました。強い使命感で水門を閉鎖したというお話を伺いました。その後、命からがら逃げてきたという実体験も何件か聞かせていただきました。 今後は、水門、陸閘の自動化などハードの整備は、重要性、これは言うまでもございませんけれども、その操作や、また訓練といったソフトの整備にも重点を置かなければなりません。その上で、今回の改正でソフト面の整備がなされるということは、私、評価をしております。 改めて、今回の改正によって何ができるようになって、どう変わっていくのか、また、それを机上の空論で終わらせないためにどのように訓練を行っていくのか、簡単に御説明をいただければと思います。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 水門、陸閘等は全部で約二万七千基ございまして、既に常時閉鎖や自動化等によりまして現場の操作が必要ないものを除きましても約二万基ありますから、全ての施設を直ちに自動化、遠隔操作化等を行うことは困難でございます。 そこで、海岸法の改正法ではソフトの整備にも重点を置いておりまして、水門、陸閘等の管理者に操作規則等の策定を義務付けることとしております。この操作規則の内容といたしましては、操作の方法や訓練等について定めるとともに、従事する者の安全の確保が図られるよう配慮されたものでなければならないというふうにしております。また、操作規則等を定めるに当たりましては、地元の関係市町村に意見を聴かなければならないということにしてございまして、地域における関連する防災施策との連携が図られることとなります。 さらに、委員御指摘のような操作規則等の実効性を確保するという観点では、操作の訓練を実施することが重要でございまして、海岸管理者によりまして地域の特性を踏まえた訓練を実施するように促してまいりたいと思っております。 また、水門の閉鎖操作を含めました合同防災訓練を海岸管理者等の地方公共団体あるいは関係する民間企業と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。
○河野義博君 先ほど御紹介をしました自らも被災しながら水門閉鎖業務に当たった私どもの同僚議員は、助けることができなくて目の前で犠牲になっていった方々のことを、今でも夢に出てきますというふうにおっしゃっておられました。切実な訴えでございましたけれども、こうした方々を今後つくらないためにもしっかりとしたルール作りが必要だと、操作員の安全を確保していくということを明確化していただくということが非常に大切であると考えておりますので、しっかりとフォローをお願いできればと思います。 続きまして、法案第二十三条の災害時における緊急措置に関しまして伺います。 今回の改正におきまして、災害時における緊急措置として、海岸管理者がその付近の居住者又は現場にある者を当該業務に従事させることができるとするとともに、万が一そうした方々が死亡、負傷された場合には損害補償の規定が整備されるということになりました。 しかし、平成二十五年四月にまとめられた提言、水門・陸閘等の整備・管理のあり方によりますと、東日本大震災で多くの消防団員の方が水門閉鎖等に関連して殉職された、しかし、水門、陸閘等の現場操作員に占める消防団員の割合は一三%にすぎず、消防団員以外の方々の活動状況は一部を除き不明であると指摘をされております。 そこで、伺います。 こうした規定が整備されていても、実際に作業に従事した人々が把握できていない、そういうことがあれば損害賠償規定が有効に機能しないおそれがあります。そのため、法施行とともに、こうした命懸けの業務に従事される方々を明確に把握しておく必要があると考えておりますけれども、当局の見解をお聞かせください。また、従事される方々の安全の確保に向けて政府はどのように取り組まれるのか、併せてお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 海岸法改正の第二十三条でございますけれども、緊急時の措置に従事した者につきましては、負傷したなどの損害を受けた場合には法の規定に基づく補償がなされます。 一方で、御指摘のとおり、東日本大震災では、消防団員以外の操作の実態については明らかではなく、民間企業や自治体の方々の被災状況については不明となってございます。また、水門、陸閘等につきましては約八割が管理委託されておりまして、最終操作者といたしましては、海岸管理者、地元市町村及び消防団以外にも、民間企業、自治体、町内会等が操作者となってございまして、その比率は施設全体の約五割となっております。 このような水門、陸閘等につきましては、操作における責任関係や損害を受けた場合の補償を含めまして、管理委託の内容を書面等により明確に定めるとともに、操作規則等において操作従事者の安全性を十分に確保することが重要でございます。このため、国におきましては、操作に従事される方々の安全の確保に向けまして、今般の法改正及び昨年取りまとめました津波・高潮対策におけます水門・陸閘等管理システムガイドラインの内容の徹底に加えまして、今年度、退避ルールの明確化や管理委託の在り方につきまして指針を取りまとめ、周知を図るなどの取組を進めてまいりたいと考えております。 以上です。
○河野義博君 操作員の安全確保、是非ともよろしくお願いいたします。 最後に、離島地域の海岸保全措置に関して伺います。 昨年の十月に発生しました台風二十四号、鹿児島県、沖縄県にとても大きな被害をもたらしました。私も、直後、与論島と沖永良部島に視察に参りました。沖永良部島では、離岸堤や漁港の護岸施設が倒壊しておりました。コンクリートが倒れ込んで、海の方からテトラポッドが流れ込んでいる、そういう状況もありました。 常に水際の危険にさらされている離島地域では、海岸保全は生活に直結する大きな問題なわけですが、当局として、離島地域の海岸保全状況をどのように把握しておられるのか、また、もし喫緊の課題が残されていれば、その点に関してもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘の離島は、四方を海に囲まれているということで、非常に厳しい自然条件下にございます。一たび災害発生した際には孤立化するということで、離島の海岸防災、極めて重要と認識をいたしております。 例えば今お話にあった奄美大島や沖永良部島では、本土から四、五百キロ離れている地理的条件、そして、風速五十メーター以上の台風が年に数回も来襲するというふうな自然条件、非常に厳しいものがございます。 また、我が国を構成している約六千の島々により、国土の約十二倍に及ぶ領海と排他的経済水域、いわゆるEEZでございますが、こういった管轄海域を有しております。さらに、離島は海洋における様々な活動の拠点となるものでございまして、管轄海域の保全、海洋資源、観光等の観点からも重要な役割を担っております。 このようなことから、島民の安全、安心な生活を確保するということとともに、我が国の海洋権益を確保するためにも、委員御指摘のとおり、離島の海岸防災を推進することは重要と考えております。
○河野義博君 両島、大変大きな被害でございました。全壊六十五棟、半壊が百五十軒以上だったと思いますが、死者が出なかったのは本当に奇跡的だなと思いましたけれども、住民の方々に聞いてみますと、台風は皆さんもう慣れていらっしゃいますので、避難体制が非常に確立されておりました。 皆さん、本当に早急に、早めに避難をしたおかげで死者が出なかったということもございますので、海岸行政におきましても、しっかりとしたハードの整備とともに、こういったソフトの面の整備も引き続きお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会・結いの党の室井でございます。よろしくお願いいたします。 ほとんどと言っていいぐらい私の質問も各先生方の質問に対して重複をしておりまして、その点は御理解をいただきまして御答弁をお願いをしたいと思います。 まず最初に、東日本大震災においては、想定外の巨大な地震、津波により甚大な被害を受けることになったということでありますが、また、この近年の異常気象の一つとして巨大台風の発生が増加をしております。地球温暖化による水面上昇等による海岸侵食、海岸保全施設の危険性が指摘をされております。様々な課題が顕在化している中、そのような課題を踏まえ、海岸管理のあり方検討委員会として取りまとめた意見に基づき今回の海岸法の一部が見直しが行われるということになったと、このように認識をしております。しっかりと、四方を海に囲まれた国でありますから、対応していただきたい、このように感じております。 早速、減災対策についての質問をさせていただきます。 防潮堤、防波堤等による津波や高潮等の防御に対して、自然が猛威を振るい、時として我々の予測や予知をはるかに超えることがあります。近年、大規模な自然災害とそれによる甚大な被害の発生状況を踏まえ、ハード整備に依存した防災対策には限界がある、このような反省に立ち、ハード、ソフトの施策を有効に組み合わせ、被害を最小化させる減災の考え方が明確になってきております。そのような中で、海岸保全施設に、津波、高潮等による被害を軽減するため根固め工又は樹林が含まれると法案に明記をされております。 そこで、海岸管理においては減災の考え方を明確化させ、減災対策を推進する必要があると思います。国はどのように実効性を持たせ、取り組んでいこうとされているのか、お考えをお聞かせをください。
○国務大臣(太田昭宏君) 東日本大震災を経験しまして、三陸の津波というのはL1と高さのことで言いますけれども、数十年から百数十年に一回と、こう言うんですけれども、余りにも数十年から百数十年に一回というのは幅が広過ぎるんです。 三陸の場合の特徴は、この数十年というのは、明治二十九年の津波と昭和の初めの津波と三十五年のチリ地震の津波と、そして今回の津波ということで、頻度が五十年弱というようなところに大きな特徴があります。そこで、どういうふうにするかということで、ある程度の高さは必要だということでL1という基準は示させていただいたところです。 ただ、東日本大震災の教訓からいいますと、ソフトの、逃げるとか日頃の教育とかいうことが物すごく大事だということが改めて認識をされ、そして、防災ということの中では減災ということがソフトとともに大事になるということの認識を新たにしたのが、今、日本の状況だというふうに思っています。 南海トラフの地震の特徴は巨大であるとともに、津波ということからいきますと、東日本大震災のときには三十分以上の幅があるんですが、近い、数分で到達するということに耐えなくちゃいけない。そうすると、まずは逃げるということが大事だということで、三十四メーター、一番高いというところの高知県の黒潮では、三十四メートルも来たらもう駄目だと、みんなこのまま死んだらいい、死ぬしかないというふうに思ったそうでありますが、町長さんが駆け巡りまして、一万数千の人口なんですけれども、延べ人員にしますともう二万人ぐらいと対話をして、とにかくこの地域はここに逃げよう、この地域はこうすればいいんだ、命の山とかあるいは逃げ場をつくるとか、あるいは津波タワーとか、いろんなことをして、あっ、逃げられるんだという意識をまず持った上で、私が行きましたら、その上でハードというものもやっぱり必要だという、先にハードがあるんじゃなくて、まず逃げるって、この地域にいるということが大事だという認識をした上で、逃げ場を確保した上でハードというものになったというお話をしておりました。 いろんな地域がそうした工夫をしているわけでありまして、そういう意味では教育やあるいはソフト面、逃げるということ、階段を造るということや、あるいは高速道路やそういったこと、あるいは命の山、そして、静岡県におきましては道路の上の、歩道橋の上で高さが確保できるということで、道路の上の構造物はなかったんですが、道路の上の、先般、構造物を許可して、そこに広い歩道橋を造って、そこで逃げる。日頃からでもそこは盆踊り等でも使わせていただくという塔を造ったりということで、各地域は必死になって、どうやって津波から守っていくかという、そこのところを共有しながら、お互いにその情報を交換して、我が地域はどうすれば守れるのかという、そういう角度で今具体的なことで進んでいます。 私は、できるだけ現場を回って、そうしたことで思い切ってやってくださいと、そして、規制緩和するところは規制緩和するというようなことで協力をさせていただくという姿勢を出しているところでございます。
○室井邦彦君 大臣、ありがとうございます。そして、各全国を回っておられるということをお聞きしまして、本当に頭の下がる思いであります。 この黒潮町の町長さんも立派な、百八十、九十センチぐらいで体重百三十キロぐらいの大きな男でありますから、ただ、あそこもすぐがもう岩になっておりますので、なかなか逃げ道というのがないようで、そこに何かボートみたいな沈まない、そういうものを据え付けるとか、彼らなりにいろいろと考えておるようであります。 世界一日本の国は海岸線が長いところであります。いろんな対応をしなくちゃいけないと思いますけれども、どうかひとつ国民が安心して安全に暮らせるような是非環境づくりを整えていっていただきたい、このように心からお願いを申し上げます。 続きまして、この減災、少し大臣への質問とまた重複すると思いますけれども、この減災対策の整備の推進についてお伺いをいたします。 平成二十三年七月、政府の中央防災会議において、農林水産省及び国土交通省が、国の基本的な考え方に基づき復興計画策定の基礎となる海岸堤防の高さ決定基準を海岸管理部局に通達をしました。その後、平成二十三年十月までに岩手、宮城、福島の被災三県は、海岸堤防高の設定をそれぞれ発表をしております。さらに、平成二十三年十一月、海岸堤防等のこれは天端を越流した場合であっても、施設が破壊、倒壊するまでの時間を少しでも長くする、長く取るというんですか、あるいは施設、完全に流失した状態、完全に破壊に至る可能性を少しでも減らすといった減災効果を目指した構造上の工夫を施すことであるとして、海岸堤防の復旧に関する基本的な考え方を示しております。 ところが、平成二十六年三月末時点における海岸インフラの復旧復興状況について、本格復旧工事が完了した海岸数は八十六地区、被災した海岸数四百七十一地区のうちの一八%、復旧工事に着工した海岸を含めても六八%の進捗率と、東北の復旧復興なくして日本の再生はない、このような考えの下で復旧復興の加速化が図られてきたと思っておりますが、未着工の海岸における復旧の見通しについてお聞きをしたいと思います。あわせて、首都直下地震、南海トラフ地震等の巨大地震の切迫性が報告をされております。太平洋沿岸にある海岸保全施設の防災・減災対策の設備をどのように推進していくのか、お聞きをいたします。
○副大臣(高木毅君) 東日本大震災の被災地におきましては、海岸管理者でございます県等が説明会などを重ねて、地元住民の理解を得ながら、背後のまちづくり計画等と調整を図りつつ、順次防潮堤等の工事に着手しているところでございまして、委員御指摘のとおり、今年の三月末時点では六八%、四百七十一の海岸が被災したわけでありますけれども、六八%、すなわち三百十八海岸において着工したということであります。 それから、そのうち完了した地区海岸というのが、御指摘でございましたけれども、一八%の八十六ということでございますけれども、今後の見通しにつきましては、平成二十六年度の目標といたしまして、着工は約九割を目指しておりますし、また、完了させる地区海岸といたしましては約三割、百四十海岸について完了させようということで目指しているところでございます。 また、まさに切迫性が報告されておりますけれども、南海トラフ、あるいはまた首都直下型地震、それに対する防災・減災対策の整備、どのように推進していくのかという御質問でございますけれども、まずは東日本大震災の教訓というものをしっかりこの南海トラフ、あるいはまた首都直下型地震に生かしていくことが重要だというふうに考えております。 このため、昨年七月に国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部を設けまして、この四月には、重点的に取り組むべきテーマや、あるいは重点対策箇所等の対策計画を取りまとめたところでございます。 あわせて、各地方ブロックごとに関係機関と連携して、より具体的かつ実践的な地域対策計画を策定をいたしました。例えば四国地方におきましては、南海トラフ巨大地震の津波による浸水が五十三市町村、約三万六千ヘクタールにも及ぶという想定を踏まえまして、津波対策や耐震対策等を進めることといたしております。具体的には、高知海岸におきましては防潮堤の耐震・液状化対策や、あるいは徳島県におきましては撫養港海岸の堤防のかさ上げなどを進めておるところでございます。 このように、地域における被害想定等を踏まえまして、そして防潮堤の耐震・液状化対策、かさ上げ等、海岸保全施設の防災・減災対策をしっかりと推進してまいりたい、このように考えているところでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 次は、山縣局長がお答えいただけるようでありまして、三番と四番併せていきます、時間がありませんので、ひとつ。 北村先生とかなり重複しておりまして、私もこれ、平成二十三年七月二十一日の予算委員会で三年前に私も質問いたしまして、水門の自動化のことについて、あの当時は大畠国土交通大臣でありましたけれども、また三年後に同じような質問をするとは思ってもいませんでしたが、状況が変わっておりますので、しっかりと三番、四番併せて、局長、よろしくお願いいたします。 東日本大震災における死亡又は行方不明となった消防団員二百五十四人であり、そのうち殉職した百九十八名の消防団員の活動状況は、五十九人の二九・九%、水門閉鎖等に従事していたと見られます。 平成二十四年八月の消防庁の検討会報告によると、東日本大震災時に水門等の閉鎖や閉鎖確認作業を任務としていた消防団員が担当することになっていた水門等の数は平均四・五か所、実際に対応できた水門等の数は二・九か所だったと聞いております。
○委員長(藤本祐司君) 申合せの時間が来ておりますのでまとめてください、お願いします。
○室井邦彦君 はい。 ということで、この水門の自動化、このために、手動の水門が多かったということで大きな犠牲を払いました。是非自動化についての対策をお聞かせいただきたいことと、もう一点は、現場の、要するに操作する担い手が非常に問題であると、少ない。また、そういう中で自治体とか漁協とか、あらゆる方々が協力、このようなことをされておりますが、そこの要するに公務災害の対象になっていない、こういうところもございます。その辺のところをお聞かせいただければ有り難く思う次第であります。
○委員長(藤本祐司君) 山縣港湾局長、手短にお願いいたします。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 まず、自動化、遠隔化でございますけれども、これにつきましては、防災・安全交付金等によりまして、その計画策定も含めてしっかりと支援をさせていただきたいと思ってございます。 それから、担い手を含めた操作の内容でございますが、これにつきましては、今年度、水門、陸閘等の委託の在り方について検討いたしまして、管理者の参考となるような指針を取りまとめて周知をさせていただいて、しっかりと対応させていただきたいと思っております。 以上です。
○室井邦彦君 終わります。
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗です。 私は、宮城県などで進める巨大防潮堤の建設問題について聞いていきます。 この巨大防潮堤については、費用対効果が全く算出されていないというのはこれまでの答弁でも明らかになっています。研究者などの試算によれば、気仙沼市の中島海岸、小泉地区では、防潮堤の建設費が約二百三十億円であるのに対し、防潮堤が守る国道や農地等の価値は高く見積もっても三十七億円です。全く建設費に見合わないものとなっています。 そして、ほかの地区においても、守るべき民家が一戸しかないところに防潮堤を数億円掛けて建設する計画など、守るべきものの価値と巨大防潮堤の建設費用のバランスが全く取れていないと言えます。これは、ある程度バランスが取れているのであれば許容はできると思うんですが、全く取れていないという状況であるというふうに捉えております。 そこで、財務省にお聞きしますが、こうした予算を付けることを財務省は認めるんでしょうか。厳しい査定をする財務省がまさかこうした事業にじゃぶじゃぶと予算を付けるとは思いませんが、見解を聞きます。
○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。 あくまでもこれは一般論でお答えさせていただきたいんですが、被災地における防潮堤の建設については、現地において比較的発生頻度の高い津波を想定しつつ、地元の市町村によるまちづくりの議論などを踏まえ、海岸管理者である県などが適切に定めるものであると承知をしております。 ただし、その海岸管理者においては、まちづくりの将来を見据え、真に必要な投資としていただくとともに、将来のメンテナンス費用についても十分検討していただく必要があると考えております。したがって、主に国土交通省など関係省庁からも必要な助言や支援を行っていくことが重要であると考えております。 なお、個別箇所の費用対効果や予算執行状況については、事業を所管している国土交通省に御確認をいただければと思います。 以上です。
○和田政宗君 これも国交省ですとか財務省の方で現地で査定をしてということですけれども、これ、原則、どうも調べてみますと、宮城県の希望したものがそのまま宮城県においては付いてしまっているんじゃないかというような形でありますので、この後、もし大災害が起きたときに、復旧事業だから取れるだけ予算取っておけというような先例にならないように、果たしてこれでよいのかということをちょっと疑問として強く呈しておきたいというふうに思います。 次に、環境に関連する各種法律との整合性について聞いていきます。 こうした巨大防潮堤の建設と生物多様性基本法などとの整合性は取れているんでしょうか。私は真っ向から対立するものだと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(牧原秀樹君) 例えば自然の風景地の保護を目的とした自然公園法では、工作物の設置や土地の形状を変更させる行為等については、国立公園の特別地域内で行う場合には環境大臣、国定公園の特別地域で行う場合には都道府県知事の許可等を求めております。 また、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律では、工作物の設置や水面の埋立て等の行為について、国指定鳥獣保護区の特別保護地区内においては環境大臣、都道府県指定鳥獣保護区の特別保護地区内におきましては都道府県知事の許可を求めております。 このように、防潮堤の建設におきましては、各環境法令の規定に基づき、事業の公益上の必要性、景観や自然環境への配慮等を判断基準とした上で、個別の事業ごとに調整を行い、実施の可否について判断を行っております。 なお、先生御指摘の生物多様性基本法の第五条は、地方公共団体に対して、国が定める基本原則を踏まえつつ、それぞれの地域の自然的社会的状況に応じた施策を策定、実施する責務を定めてはおりますけれども、生物多様性保全のための基本原則や施策の方向性を定めた基本法でございまして、個別の事業に対して許可を求めるものではございません。
○和田政宗君 先ほど紹介がありました手引ですとか、こういった環境の各種法制度がありますので、やはり政府としても英知を結集して、果たしてあの巨大なコンクリートの防潮堤をむき出しでそのまま造るのかどうかも含めて、しっかりと見ていかなくてはならないというふうに思っております。 お手元に資料あると思うんですけれども、こうした巨大防潮堤事業に比べまして、宮城県岩沼市で行われている千年希望の丘ですとか緑の防潮堤の事業、これは防潮堤を緑で覆って森を造って津波を防いでいこうという理にかなった事業であると考えます。理にかなっているというのは、稲むらの火でも有名な和歌山県の広村堤防に見られるように、土塁を築いて木を植えて、未来永劫、地域を守っていこうというものだからです。コンクリートで防潮堤を造っても百年もたないわけです。 先週土曜日に行われた植樹祭には私も行ってきまして何本もの木を植えてきましたけれども、現場には小泉復興政務官、来られておりました。この岩沼市の千年希望の丘や緑の防潮堤については復興庁の予算で行われているということですが、小泉政務官、参加されての感想はいかがであったかということと、また、こうした事業を私は被災地各地で推進していくべきだと考えますが、復興庁としての考え、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 当日、先生も現場にいらっしゃって、私も一番驚いたのはその人出です。五千人を超えて七千人近くの方々が日本全国から集まって、一緒になってみんなで希望の丘を植樹をしながら造り上げるという光景はやはり壮観なものがありましたし、多くの方々がこういった形で次に来るかもしれない災害に備え、また東日本大震災のあの教訓を忘れることがないようにという、そういった思いの表れだと思います。 ですので、これから、コンクリートのむき出しか、それとも緑の防潮堤のような形が、どっちがいいのかと問われれば、それはやはり誰もが緑あふれる姿のものを望むと思います。 ただ、そういった中で、いずれにしても大事なことは、決してそういったものに過度に依存することがなく、ソフトの対策も含めて、何かあったら逃げるんだと、津波が来たら逃げろと、こういったことをどこまで伝承し続けることができるのかというのが一番大切なことだと思いますので、地元の状況、そして、様々そういったソフトとハードを組み合わせた、こういったことで最善の形を模索していくというのがこれからのあるべき姿だと考えております。
○和田政宗君 力強いお言葉をいただいたというふうに思っておりますが、関連して本法案について聞きます。 本法案では、防潮堤について、陸側を樹林などで覆う緑の防潮堤にすることを原則取り入れていこうという考えであると思いますけれども、陸側だけではなく海側も緑で覆うべきではないかと考えますが、太田大臣の考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 基本的には、まちづくりをどうするかということがまずなければ本当の復興ということにならないと思うんです。そのまちづくりをどうするかという基本的な哲学と考え方の下で、例えば防潮堤をどうするのか、そして、例えばこの千年希望の丘というのも、海岸のところに緑の防潮堤があり、そして、先ほど、もっと田城先生の方から広いということがありましたが、ここの場合は、そこで三メーターとか四メーターというのを造った上で、林野庁管轄になるんですけれども、林があり、そしてその中のところにこんもりした千年希望の丘という、まちづくり全体の中に考えられているということが大事だというふうに思います。 そういう意味では、私は緑ということ、また、宮脇先生によれば森、森よりももっと、宮脇先生が考えているよりもっと近いところで、狭いところにはコンクリートが必要だということで私たちは緑の防潮堤ということをやっているわけですが、当然、全部覆うということはあっていいと思います。しかし、非常に海岸に近いところなものですから、潮風というものがある。そして、侵食ということも日常的にある、こういうようなことがありまして、そのことも踏まえて、全部それは内側だけということでは全くなくて、そうした厳しい自然状況の中でできるということであれば両面にということもあり得るというふうに私は思っているところでございます。
○和田政宗君 この後、造られる防潮堤というのは、今大臣の御答弁にもありましたように、そういった考え方で進んでいくんだろうというふうに思いますけれども、既に宮城県の南部では、国の直轄事業で造られた高さ七・二メートルのコンクリートの防潮堤が延々延びているという状況です。 地元の方に聞きますと、まさかこんなコンクリートむき出しの殺風景なものができるとは思わなかったと話す方が多くいます。ある程度の高さで守らなくてはならないということは分かっていたにしても、余りに殺風景過ぎるということをおっしゃっております。 既にできているコンクリートの防潮堤につきまして、景観に配慮するとともに、津波の減衰効果も考えて全体を緑で覆っていくということも考えるべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 既に完成をいたしております防潮堤につきましても、用地や地形などの制約がございますが、極力、地元の意向や整備効果などを踏まえながら緑の防潮堤を整備してまいりたいと考えております。 今御指摘いただきました仙台の南部海岸等々につきましても、昨年実施をいたしましたモデル整備に続き、緑の防潮堤を進めてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 ありがとうございます。 では次に、協議会について聞いていきたいというふうに思います。 本法案にあります、関係者が防潮堤など海岸の防災・減災対策を協議するための協議会ですけれども、これは地域の住民などが設置を求めた場合は設置されるべきでありますし、もし海岸管理者が拒否した場合であっても、国が協議会の設置が必要であると判断すれば設置すべきではないかと考えますが、太田大臣はどのように考えますでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 先ほども御答弁をさせていただきましたが、本協議会につきましては、関連する事業等について調整し、効果的な海岸の防災・減災対策について協議を行うために設置をいたすものでございます。また、この協議会の設置につきましては海岸管理者が主体的に判断するものと考えておりますが、住民の皆さんが協議会の設置を要望するような場合には、そのようなことも踏まえながら海岸管理者が適切に判断するものと考えております。 なお、国がということではございますが、海岸管理者から御相談があれば、国としても助言を行うなど適切に対応してまいります。
○和田政宗君 もうこれはさんざん御答弁いただいているように、国は極めて柔軟で、現地の状況なども把握しようというふうに思っていらっしゃると思うんですけれども、なかなかこれ宮城県が動かないというような状況がございまして、かたくなに当初の計画で推進しようとする地域が多くあるというようなことがございます。 これ、もう住民から、すがるのは国というような状況になっているところがございまして、海岸管理者が、それでも、協議会の要望を求めても、もう設置しないんだと言ってしまったら元も子もないということでは、これは余りに住民悲し過ぎると思うんですね。 何も、造るなということではなくて、みんなでもう少し話し合って相談しましょうというようなことなんですけれども、この協議会というのは。これについてちょっと太田大臣、お答えいただけないかと思うんですけれども。
○国務大臣(太田昭宏君) 土井大臣政務官が答弁したとおりでありますけれども、助言というか、その実情というものはよく聞いて、助言できることが適切だと判断すれば、私としては助言をするということにやぶさかではないという状況でございます。
○和田政宗君 では次に、防潮堤の構造上の問題について聞いていきたいというふうに思います。 気仙沼市の小泉地区の防潮堤を例に考えますと、巨大な防潮堤を砂地の上に造るわけですが、建設については、構造物としての重さ、地盤強度などの計算、これ十分に行っているんでしょうか。地下水などの影響で小泉地区の防潮堤沈んでしまうんではないかというおそれがあるというような土木関係者の指摘も実際に私聞いておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) 防潮堤の構造設計に当たりましては海岸保全施設の技術上の基準・同解説というのがございまして、それを踏まえた安全性の確認を行い、必要な場合に基礎地盤対策を実施することといたしております。 小泉地区中島海岸につきましては、海岸管理者である宮城県から、防潮堤の基礎地盤対策として砂を注入して締め固めながら地盤を強くするサンドコンパクション工法の検討を進めているというふうに聞いております。
○和田政宗君 土木工学の関係者ですとか専門家ですとか国立大学法人の大学の先生ですとか、私いろいろヒアリングをしました。果たしてこのままの事業予算で本当に行けるのかというようなところがあるというふうに思います、もし造る場合はですね。 これは、強度が不足している場合は追加予算を拠出することになるというふうに思うんですけれども、国交省の説明では、宮城県などの事業主体が増額が必要だと予算要求すれば原則は認めることになるということです。しかしながら、既に防潮堤事業には一兆円掛けているわけです。これに更に計画が甘かったのでもっと掛かります、済みません、予算をくださいということをどんどん認めていきますと、防潮堤の予算がこれ際限なく大幅に増える可能性があると考えますが、太田大臣、この辺りどのように考えますでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 海岸管理者であります県が検討をした結果、当初想定されなかった理由に基づき、やむを得ないと認める場合には必要な予算措置をすることになると考えております。
○和田政宗君 そのやむを得ないという基準を本来であればお聞きをしていきたいというふうに思うんですけれども、ちょっとそれに関連しまして、なぜこんな巨大防潮堤事業が進んでいったのかということを考えなくてはならないと思うんですが。 宮城県の沿岸を回って住民の方からお話を聞いてみますと、巨大防潮堤建設はやむなしと思っている人も、本心ではこんな巨大防潮堤要らないというふうに思っているわけです。別の方法があれば、そちらの方がいいと思っています。 そこでお聞きしますけれども、なぜこんな事業が進むことになったのか、国交省が意図するものと同じだったのか、その点お聞きできればと思います。
○大臣政務官(土井亨君) 先生も御承知のとおり、東日本大震災を受けまして、中央防災会議におきまして見直されました防災計画において、津波災害対策の検討が行われました。太田大臣からもいろいろ御答弁をさせていただいておりますし、先生も御承知のとおり、L1、L2、二つのレベルの津波の想定とそれぞれの対策の考え方が定められております。 国といたしましては、このような基本的な考え方に基づき、海岸管理者である県におきまして防潮堤の復旧等が進められていると認識をいたしております。 なお、国から海岸管理者に対しまして示しました考え方はあくまでも基本的なものであり、具体的な防潮堤の計画は、市町村によるまちづくりの議論などを踏まえて海岸管理者である県などが適切に定めるものと考えております。
○和田政宗君 それでは、最後の質問になりますけれども、県ですとか事業主体としっかりと住民が話し合えれば本当にそれはいいこと、妥結点が見出せるのかなと思うんですが、お手元の資料に、「蒲生に新しい公園と緑の防潮堤を」という資料がありますが、仙台市蒲生地区の中学生、高校生が、コンクリートの防潮堤ではない緑の防潮堤にしてほしいと、地域の歴史などを調べて、地域を歴史公園や自然公園にしたいと発表したすばらしい復興プランです。 これは、すなわちどういうことかといいますと、巨大防潮堤については住民合意ができたといっても、実は一部の声の大きい人たちの同意ですとか、代替プランが示されないのでやむなく同意しているわけで、地域住民が置き去りにされまして、地域住民はもっとしっかり考えて納得のいく形にしていきたいということなんです。 この巨大防潮堤の見直しについては、安倍総理も見直しを考える必要があると答弁しているわけですし、国の責任があると思います。巨大防潮堤計画全般について、見直しのための検討会を国に設置するべきだと考えますが、太田大臣、最後に、どのように考えますでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 高さと構造ということ、そして景観やまちづくりという全体像というものを考え、私も土木工学科の出身でありますものですから、全国のいろんなことについても現場の中でいろいろ判断してきました。 そういうことからいきますと、それぞれのところの地域でこれは違うんですね。高さが必要だというふうに思う人もいれば、思う地域もあれば、そうではないという地域もあって、ここはやはりそれぞれの海岸管理者が地域の合意を得て決めるということ以外に私はやりようがないというふうに思います。 そういう点でいうならば、国がこの防潮堤の建設の見直しについての検討会というのではないと。それで問題があるところは、私は水局のメンバーを、直接見て、話をよく聞いてくるようにと、地方整備局の現場の人の話を聞くだけじゃなくて、自分で本省からも行って見てくるようにということを言い、私自身もまた見させていただいたりしているところでありまして、そういう意味では、国として見直しの検討会ということには至らないと。私は、むしろ、環境保全とか様々なことを含めて、国として県などから相談があれば引き続いて助言をするという立場であるということを進めたいというふうに思っているところでございます。
○和田政宗君 大臣の御答弁のとおり、丁寧に進めていただければと思います。中島海岸のワーキンググループにつきましても、やったというアリバイづくりだけにならないように、しっかりと国としても助言、御指導いただければと思います。 終わります。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、野田国義君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君が選任されました。 ─────────────
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。 海岸保全施設の老朽化は深刻でありまして、現在、建設後五十年以上経過しているものが約四割、二〇三〇年には七割に達すると。しかし、二〇一二年三月の時点で、海岸堤防等の耐震性なし、これが約一割、調査未実施、これが五割にも上っております。速やかに調査を行って必要な耐震化対策を進めなければなりません。 こうしたことから、二〇一三年十月に農水省と国交省が共同で海岸管理のあり方検討会を設置し、今年一月に今後の海岸管理のあり方についてが取りまとめられました。ここでは、こうあります。海岸事業費は一九九七年をピークに減少し、近年は半分以下になっている、都道府県が行う海岸事業に対する補助金は二〇一〇年に交付金化されたけれども、その全体額は公共事業関係の交付金の全体額の減少率よりも大きく減少していると、こうあるんですね。 国交省にお尋ねいたしますけれども、なぜ交付金の全体額よりも海岸事業費が大きく減少をしているんでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘のとおり、公共事業費、減少する中で、海岸事業費についても減少してまいりました。平成十七年度から二十六年度まで十年間の海岸事業費を見ますと、平成二十二年度に補助事業の大半が交付金事業に移行したことによりまして大きく減少いたしております。また、社会資本整備交付金等のうち、海岸事業の執行状況について都道府県に調査した結果によりますと、平成二十二年度以降、交付金による海岸事業の執行額、減少いたしております。 なお、東日本大震災以降は、全国防災事業も併せまして、防潮堤の耐震対策等に必要な予算の確保に努めているところでございます。
○辰已孝太郎君 やはり検討会の取りまとめでは、海岸事業は国民の生命、財産を守る事業であり、国土を保全する事業である、全国約九千六百キロメートルにも及ぶ海岸保全施設を維持管理、更新しつつ、このような海岸事業の特性を踏まえ、必要な整備を進める必要があると、こう強調しているわけですから、やはり予算を、これ下げるんじゃなくて上げていくべきだというふうに思うんですね。 各都道府県が予定する事業に見合った、じゃ、交付金というのは確保をされているのかと。少し個別に見ていきたいと思うんですけれども、大阪府は、昨年、南海トラフの巨大地震の被害想定を公表いたしまして、三十年以内の地震発生率は七〇%、死者は最大で十三万人というものでありました。これ早急な対策が急がれるわけですけれども、実際は十分な予算が確保されていないということであります。 国交省に聞きますけれども、二〇一四年度の防災・安全交付金の自治体からの要望額の総計は幾らあって、そして配分した、決定した配分というのは幾らあったんでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。 まず、防災・安全交付金の予算総額に関してでございますが、平成二十六年度は、防災・安全交付金の一層の重点化を図るということで、国交省全体の公共事業関係費、これが対前年度比一・〇二倍でございましたが、これに比べまして一・〇四倍ということで、交付される交付金の総額は一兆八百四十一億円ということになっております。 一方、全国からの要望総額につきましては、熟度などによりましてその精緻な数字を算定することは困難ではございますけれども、おおむね全国からの要望のうち七割程度が予算として措置をされているということでございます。 引き続き重点的な配分に努力をしてまいりたいと思っております。
○辰已孝太郎君 要望の七割ということでありますけれども、この大阪府が発表している被害想定は津波などの浸水域を半減させるためには二千百億円の事業費が必要ということでありますし、同時に、津波の被害も甚大なんですが、その前に堤防が液状化で崩れて浸水することも指摘をされております。それだけに、老朽化した堤防施設等の対策が急務になっております。 大阪府は、二〇一四年度の予算で防潮堤液状化対策に百四十億円の予算を立てたんですね。ところが、この全国防災交付金と防災・安全交付金の府市合わせての配分国費というのは、これ、補正予算を合わせても大体四十億円ほどでありました。大阪市でも海岸事業で十九億、港湾事業で十一億円の予算を計上しておりますけれども、国の内示額というのは五億円で、これらの事業に遅れが出ているということを聞いております。 大臣にお聞きいたしますけれども、南海トラフの巨大地震など地震による被害を最小限に食い止めるために、やはり堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策の予算を十分確保するべきだと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 私は当然そう思っているわけです。しかし、国全体の財政制約、その優先の中に、私は、公共事業の中でも防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化ということをメーンストリームに置かなくてはいけないということをこの一年半もう言い続けてきまして、予算要望についてもそういうことを言わせていただいてきているところでございます。 防潮堤の耐震、液状化対策、かさ上げ等、これ命に関わる問題でありますので、国の直轄で行うとともに、地方公共団体の取組を支援するためには必要な予算の確保に努めなくてはならないと思っているところでございます。
○辰已孝太郎君 メーンストリームという話でした。大賛成なんですが、実際には、社会資本整備総合交付金には物流ネットワーク強化のための道路整備などの新規事業も盛り込まれております。私は、堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策にこそ優先的に回すべきだということを言っておきたいと思います。 続きまして、公共交通の在り方について二、三質問をさせていただきたいと思うんです。 三月十七日の当委員会で、バス運転手についての労働条件等の悪化や改善基準告示を見直すべきではないかという質問もさせていただきました。大臣も、安全は一番大事であり、委員会等を通じて検討すると答弁されました。 昨年の十二月から、バスの運転者の確保及び育成に向けた検討会が開催をされております。国交省にお聞きしますけれども、この検討会では長時間労働や低賃金の実情をどのように把握し、どのような議論になっているんでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 検討会でございますが、これまで二回の会合を開催いたしまして、バスの事業者三十五社、運転者三百四十五名、また、今仕事を探されておられる求職者四百名などからヒアリングあるいはアンケートを取って、その結果をいろいろ分析をいたしております。 また、他の業種におきます先進事例の調査結果など、さらに出席者から現場の声を基にきちっとした実情の把握などを行い、議論を行ってきているところであります。 今、この検討会の場におきましては、若年層を中心に志望者あるいは採用者が減少しているという点、あるいは離職率が上昇してきているというところから労働者不足の問題が浮き彫りになっていると、このような議論を進めているところでございます。 今後、いろいろ対策につきましては、若年層のバスの運転者の年収、これは全産業よりも高いという点がございます。こういう点をむしろアピールをしていくべき、あるいは、女性の採用拡大につきましても、いろいろ社内環境を適切に整備すれば十分に対応していくことが可能、こういうような議論を進めているところでございます。 引き続き、今月中、予定をしております検討会におきまして具体策を精査して成果をまとめていきたいと考えております。
○辰已孝太郎君 若年者の給料は全産業に比べても高いということですが、しかし、そこで止まるんですね。全産業と比べて、やっぱり九十八万円、平均でいえばですよ、バス事業者は、運転手は安いわけですよ。で、長時間労働ですから、これでは魅力はそもそもないと言わなければならないと思いますし、有給休暇の取得は二〇〇二年と比べても三日減って十三日と、こういうことですね。ですから、年収も低い、労働時間も長い、雇用の形態全てで悪化しているのがこのバス業界であります。 この検討会の趣旨には、地域の生活交通の維持や輸送の安全の確保の観点から運転者の確保及び育成は喫緊の課題となっているとしております。ところが、この安全運行に重大な支障となる動きが自治体で生まれております。 大阪市の一〇〇%出資の外郭団体である大阪シティバス株式会社は、大阪市の委託を受けて市バスの運行をしております。今年の五月、賃金、労働条件等の見直しを行い、労働条件の切下げが労働者側に提示をされました。見直しの骨格として、勤務日数を成果とする成果主義賃金に改めると、こう書いてあるんですね。 どういう成果主義賃金か。まず、自動車運転手は、現在十七万五千円の基本給から十四万五千円まで三万円減らされると。出勤日数に応じて、例えば出勤日数が二十一日ならばプラス二千五百円、二十二日だと二万円、二十三日だと三万円、二十四日だと三万二千五百円、以降一日につき二千五百円の業績給というのを支給するというものであります。つまり、休日出勤というのを奨励するようなものになっているわけであります。これでは、下げられた賃金をカバーするために休日に出勤せざるを得なくなると。また、逆に路線の縮小が続く中で出勤日数が減らされれば、たちまち収入は減り生活ができなくなる。 昨年九月、同会社は、月二回しか休んでいなかった運転手が心筋梗塞で倒れ、そして五月には別の運転手が運行中体調不良で緊急搬送されました。これも心筋梗塞でありました。乗客が大事に至らなかったのは不幸中の幸いであります。 当委員会は、五月の十三日の改正地域公共交通活性化・再生法の附帯決議の中で、地域公共交通ネットワークの充実と安全運行のため、運転者等交通手段の担い手である公共交通事業に従事する者の確保及び育成、労働条件の改善に十分配慮することと、これ全会一致で求めましたけれども、大阪シティバスの動きは、私はこれに逆行するものだと思います。 国交省に聞きますけれども、労働条件が引き下げられることで長時間労働と健康悪化がますます進むのではないでしょうか。これでは、公共交通機関の一番の使命である安全運行は確保されないのではないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 公共交通、このバスの運行に当たりましては、安全の確保というのが極めて重要で、基本でございます。安全運行がきちっと担保されるという前提で、私ども、事業の許可あるいは事業の運営につきまして指導しているところでございます。引き続きその方針で臨んでまいりたいと考えております。
○辰已孝太郎君 私、やっぱり看過できないのは、事業者側が、この労働条件の切捨てがバス事業の民営化のために必要だと、こう言っていることなんです。先ほど、公共交通の機関としてバスの現状がありましたけれども、民営化ということを口実に労働条件の引下げ合戦が行われているということであります。 私は、長時間労働の改善、低過ぎる賃金の改善なくしてバスの運転者の確保はそもそもできないと思うし、乗客の安全も守られないと思っております。国交省としてこの点の改善策をこの検討会に提案するよう強く求めて、質問を終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。 海岸法改正案は、防災・減災対策の強化及び適切な海岸管理を進めるため、いわゆる緑の防潮堤等を海岸保全施設に位置付けるとともにインフラの老朽化対策等を進めるものでありまして、方向性としては賛成であります。 私は、今日は、環境保全、環境との調和という観点から何点か質問させていただきます。 海岸保全施設、いわゆる防潮堤の整備をめぐっては、東日本大震災からの復興において各地で見直しの声が上がっておりますし、先ほども御議論があったところでございます。環境への影響や住民合意の在り方から問題となっていると思っております。海域と陸域という異なる環境や生態系が接する場所をエコトーンと呼ぶそうでありますが、生物多様性の保全に極めて大きな役割を果たしています。第三次環境基本計画も、海岸は我が国の生物多様性を支える重要な環境の一つと認めています。日本の海岸線の約四七%は既に人工海岸及び半自然海岸となっており、現存する自然海岸は極めて貴重であります。 そこで、環境省にまず質問をいたしますが、環境省は海岸域の自然環境についてどのように認識されておられますか。また、環境省と海岸法はどのような関係にあるのでしょうか。そして、防潮堤など海岸保全施設の整備は、環境影響評価法、いわゆる環境アセスの対象とはなっておりませんが、どのような理由でしょうか。今後、アセスの対象事業とすべきと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(星野一昭君) 海岸は、貝類や海浜植物など多くの生物の生息、生育地として、また、陸域と海域との間をつなぐ生態系の移行帯、いわゆるエコトーンとして生物多様性の保全上重要な地域であると認識しております。さらに、入り組んだリアス式海岸や切り立った海食崖など、地形や地質の観点で重要な景観を形成していると認識しているところでございます。 環境省と海岸法との関わりにつきましては、海岸法第二条の二第二項で規定されております海岸保全基本方針は、国土交通大臣があらかじめ関係行政機関の長に協議して定めることとなっておりますが、環境大臣がこの関係行政機関の長の一つとして位置付けられているところでございます。
○政府参考人(鎌形浩史君) 引き続き、環境影響評価法との関係についての御質問でございますが、環境影響評価法では、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業であって、法律による免許等を受けて実施される事業や国の補助金を受ける事業などのように国がその事業の内容の決定に環境影響評価の結果を反映させる方途があるものを対象事業として定めてございます。この際、事業の内容、社会的要請、実効性等の観点を総合的に勘案して判断を行っているものでございます。 平成九年の環境影響評価法制定以降、海岸法で定める海岸保全施設は、こうした観点から環境影響評価法の対象事業と判断する状況に至らなかったというところでございますが、海岸保全施設については、東日本大震災以降、規模の大きい防潮堤等について様々な議論が行われているところでございまして、今後の環境影響評価法における対応につきましては、震災後の状況も踏まえて、情報、知見の収集に努めているところでございます。
○吉田忠智君 是非、アセスの対象とするべく検討していただきたいと思います。 海岸保全基本方針も、海岸保全基本計画を作成するに当たって留意すべき重要事項として、先ほど来これも議論がありますけれども、地域住民の参画と情報公開を掲げているわけであります。 第二十三条の二の協議会についても、住民等から求めがあったときには設置し、公開も図るべきではないか、同様に、住民等から求めがあったときには参加させるべきと考えます。 必要な助言をするということでありますけれども、やはり求めがあったときには参加をさせるように国土交通省の方からしっかり助言をすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(森北佳昭君) 委員会の設置につきましては、海岸管理者が主体的に判断するものと考えております。委員御指摘のありました、住民が協議会の設置を要望するような場合には、そのようなことも含めまして海岸管理者が適切に判断するものと考えております。 また、協議会が必要と認める者については構成員として参加させることができるというふうにされておりまして、住民の代表等が関連する事業等を調整する観点から、協議会に参加し、そして意見を述べることも可能というふうに考えております。
○吉田忠智君 だから、可能というだけではなくて、必要だと思いませんか。
○政府参考人(森北佳昭君) 先ほども述べましたように、あくまでも海岸管理者が主体的に判断するものでございまして、必要があれば助言を行ってまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 しっかり住民の皆さんの意向に沿った形での助言をしていただきたいと思います。 緑の防潮堤も、あくまでもコンクリート製の防潮堤に盛土と植樹を行ったものであり、環境に与える影響は通常の防潮堤と変わりません。本法案により、緑の防潮堤が免罪符となって、安易な海岸保全施設の整備と自然海岸の破壊が進むことにはならないでしょうか、伺います。
○政府参考人(森北佳昭君) 海岸保全施設の整備に当たりましては景観や環境等に配慮すること、重要だと考えております。そのため、景観、環境に配慮する手引、策定をいたしておりますし、現場におきましては、東北地整と宮城県においても、景観、環境に配慮する手引を取りまとめておるというところでございます。 今後とも、海岸保全施設の整備に当たりましては、これらの手引に沿いまして景観や環境に十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 附則の第三条に五年経過後の見直し規定がありますが、自然環境の破壊が進むようであれば、是非、五年よりも前に見直しを行っていただきたいと思いますが、その点はいかがですか。
○政府参考人(森北佳昭君) 附則の中に見直し規定がございますので、それに基づいて適切に見直してまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 是非よろしくお願いします。 法二条の二に基づく最新の海岸保全基本方針は二〇〇〇年五月に策定したものであります。一方、環境省の発足は二〇〇一年、環境基本計画も二〇〇〇年、二〇〇六年と改定され、二〇一二年に現行第四次計画が策定をされています。また、二〇一二年九月には生物多様性国家戦略も決定されています。 本法案による改正を受け、今後、海岸保全基本方針についても、海岸域の自然環境、生物多様性をより重視し、自然海岸を保全する方向で改定すべきではないかと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(森北佳昭君) 現在の海岸保全基本方針は、平成十一年の海岸法の改正を踏まえまして、自然豊かな海岸を整備、進めていくということといたしております。この方針に基づきまして、全国七十一の海岸全てにおいて海岸保全基本計画策定されて、海岸環境に配慮した海岸保全施設の整備を進めているところでございます。 また、今回のこの法案では、緑の防潮堤を海岸保全施設に位置付けて、粘り強い構造の堤防にするとともに、景観や環境の改善など、海岸環境の整備保全にも資するものというふうに考えております。 今後、本法案の趣旨を踏まえた海岸保全基本方針の見直しを予定をしております。御指摘の点については、既に現在の基本方針の中にも盛り込まれている部分ございますけれども、関係機関の意見も聞いて検討してまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 よろしくお願いします。 「新たな「国土のグランドデザイン」(骨子)」にも、生態系ネットワークの更なる充実強化による生物多様性の保全と回復が明記されました。 現行の海岸保全基本方針も、海岸は、陸域と海域とが相接する空間であり、生物にとって多様な生息・生育環境を提供しており、固有の生物も多く存在している。また、優れた自然景観の一部を形成することもある。これら海岸の環境容量は有限であることから、海岸環境に支障を及ぼす行為をできるだけ回避すべきであり、喪失した自然の復元や景観の保全も含め、自然と共生する海岸環境の保全と整備を図ると述べられております。 そこで、大臣に伺いますが、海岸保全施設の整備を含む防災・減災対策の強化に当たっては、自然海岸の保全や砂浜の再生に努めるなど、自然環境との調和を図る必要があると考えます。大臣の改めて御所見をお聞かせください。
○国務大臣(太田昭宏君) 河川法改正が九七年に行われまして、私、当時、建設委員会におりましたが、かなり物の考え方が、コンクリートとかそういうのじゃなくて、自然との共生ということがうたわれて、それで環境ということについても随分、リオの会議以降、日本で重視されるようになってきたというふうに思います。京都議定書もそのときだったと思います。 それで、日本の河川ということ、水ということについては、水の猛威に大変悩みましたけど、河川をコントロールするとか抑えるというんじゃなくて、河川をなだめる、自然と折り合うという思想性の下で、信玄の霞堤を始めとしてずっと今日まで来た伝統があります。 私は、海岸においては自然との調和というのは当然大事なことで、これは日本にとってこれから更に持ち味になるというふうに思います。日本の良さという、白砂青松というものがそのままあるということは、日本が、観光という点でも、また生きていくという点でも、ストレスの多い社会の中でそういう海を眺めるというようなことも非常に大事なことだというふうに思っておりまして、この国土交通行政という中には常に自然との調和ということを考えていかなくてはならないと。 今回、緑の防潮堤ということを法案の中に入れさせていただいたのもその一つの哲学というか、そういうものの一環であるというふうに思っておりまして、できるだけ景観とか環境面とか、むしろ生態系ということには留意した国土交通行政を行っていかなくてはならないと思っているところでございます。
○吉田忠智君 国土交通行政そのものも、各般の施策においても、環境に配慮したものにどんどんなってきたと思っています。ただ、現行の法や私は制度がまだ追い付いていないと思っています。 例えば、先ほど申し上げた環境アセスに、この整備は対象事業になっておりません、海岸保全事業。それから、住民参画についても非常に私は消極的だと思っています。先ほどから、大臣も、それから局長も、政務官の答弁を聞いてみましても、改めて、やっぱり法や制度がしっかり追い付いていくようにしていただきたいと思いますが、その点について大臣に最後に見解を伺います。
○国務大臣(太田昭宏君) 地元の人たちが自分たちの地域の個性というものを生かすということをより一層喚起するような行政でなくてはならないというふうに思っているところです。
○吉田忠智君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に赤池誠章君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 海岸法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 海岸法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田政宗君。
○和田政宗君 私は、ただいま可決されました海岸法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 海岸法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 海水が堤防等を越えて侵入した場合の被害を軽減するため、減災機能を有する粘り強い構造の堤防等の整備が促進されるよう財政的及び技術的支援に努めること。また、いわゆる「緑の防潮堤」の整備に当たっては、地域の実情を踏まえ、住民の意見の反映に努めるとともに、堤防本来の防護機能に加え減災機能が十分に発揮されるよう、技術的な基準等の整備及び普及等に努めること。さらに、景観及び生態系に配慮しつつ、防潮堤の海側への植樹なども含む粘り強い海岸保全施設の研究・開発に引き続き努めること。 二 海岸管理者、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長は本法第二十三条の二の協議会の設置の必要性について十分調整すること。特に、地域の住民や市民団体等が協議会の設置と同協議会への参加を求めた場合には、海岸管理者等はこれらについて十分に検討すること。 三 東日本大震災において水門等の操作に従事した多くの方が犠牲になったことを踏まえ、水門等を管理する全ての海岸管理者等において早期に操作規則等が策定されるよう支援及び助言するとともに、「水門・陸閘等管理システムガイドライン」の周知徹底、水門等の管理運用の実態把握及び自動化等の促進などに努め、水門等の現場操作員の安全確保が最優先に図られるよう万全を期すこと。 四 海岸保全施設の適切な維持管理を一層推進するため、海岸保全施設の維持等に関する技術的基準を早期に定めるとともに、「海岸保全施設維持管理マニュアル」の周知徹底を図り、堤防等において当該マニュアルに沿った健全度評価が実施され、予防保全の考え方に基づく長寿命化計画が早期に策定されるよう財政的及び技術的支援に努めること。また、必要となる人材の育成を支援すること。 五 「生態系ネットワークの更なる充実強化による生物多様性の保全と回復」が新たな「国土のグランドデザイン」(骨子)における基本戦略に位置付けられていることを踏まえ、海岸保全施設の整備を含む防災・減災対策の強化に当たっては、自然海岸の保全や砂浜の再生に努めるなど自然環境との調和を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤本祐司君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
○国務大臣(太田昭宏君) 海岸法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十五分散会