国土交通委員会 第13号
- 発言数
- 186 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/05/13
会議録
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省都市局長石井喜三郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤本祐司君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○江島潔君 おはようございます。自由民主党の江島潔でございます。 今日は、コンパクトシティーという、これからの高齢化、そして人口が縮小していく日本の中で非常に避けて通ることができない重要な両法律に関する質疑をするということで、私も、言わば衰退、人口的に減少していく地方自治体の首長を務めていた者として大変に関心を持ってこの審議に参加をしているところでございます。 少し私が担当していました下関市についてお話しさせていただきますと、本州の一番西の端で、かつては交通の要衝として非常にその役割も大きかったわけでありますけれども、当然時代の流れとともに役割というものは変化をしてまいります。やはり飛行機の時代になりますとどうしても、また新幹線も併せまして、下関というのは現在は通過都市になりがちでありまして、これは山口県全体の課題かもしれません。今、山口県も非常にハイペースで人口が減少しているところでございます。 下関でいいますと、平成十七年に三十万都市として中核市としての再スタートを切っているところでありますが、現在は二十八万人台と。大体年間千五百人ぐらいのペースで出生とそれから死亡と、それから移転と流入と、この合算が、これぐらいのペースで今人口減少しているところでございます。 したがいまして、このコンパクトシティーというのはもう本当に大変重要な課題でありますが、今日は、その両法案の中で特に公共交通機関に関する質問を集中して取り上げさせていただこうというふうに思っております。 まず、公共交通機関というと、鉄道それからバス事業、そしてタクシー事業というものが主として挙げられるかと思いますんですが、うまく使い分けるということが、一人一台、自家用車で移動しなければいけないということを避けるための最適な手段かと思うんですけれども、どうしても今までの位置付けでいうと、タクシー事業というのは一番、もちろんコストも高いですし、どちらかというと高級な公共交通機関というような位置付けでございました。 例えばバスに乗れる、あるいは鉄道があるのであれば、家のドアからドアまで行けるタクシーというのは一番ぜいたくな乗り物だったわけでありますけれども、地方都市では今、現在、鉄道を新しくするというような話なんというのは全くもうございませんし、むしろ毎日がバス路線をどう維持していくかということの闘いでございます。これはもう既にバス事業だけでは成立しない、営利事業として成り立たないところがたくさんありますので、地方自治体が国と、いろんなまたバックアップももらいながら、何人以上の利用者がある路線は維持しようとか、そこを割ったら、しようがないけれども、もう地域の皆様に断念してもらおうというようなことをずっと取り組んできたところであります。 そういう中にあって、私も市長在職中ににわかに、改めてその役割というものを大変に重要性を感じたのがタクシー事業でございます。タクシーというのはもう本当に言わば大半が地元密着型の小さな企業でありまして、むしろそこに根付いた会社、そして事業形態でありますので、そう簡単にお客さんが少なくなったからやめようとかいうようなことにはならないのが多くのタクシー事業者の今の形態ではないかと思っております。もちろん、その中で運転士さんを増やしたりとかあるいは減らしたりとかしてこの経営にそれぞれ努力をしているところでありますけれども。 例えばもうバス路線がなくなってしまったようなところでは、今、コミュニティータクシーというような言わばバスに代わる新しい公共交通手段の道を模索している地区がたくさんございます。山口県の中にもあるんですが、これがまだまだ、これからのタクシー事業というものはもっと、少子高齢化、そして分散型になってしまった町、このコンパクトシティーに、ゴールとするものに到達するまでの間に相当な役割を担っていくのではないかな、あるいは担っていくべきではないかなというふうに考えておりますが、まず御省が、今後のこのタクシー事業に対する考え方、取組方、応援の仕方、その辺をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(田端浩君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、大都市圏に比べ高齢化の進展が著しい一方、公共交通サービスネットワークが十分と言えない地方部におきましては、高齢者を始めとするいわゆる交通弱者につきまして移動や外出の機会をいかに確保していくかということが大変重要な課題となっているものと認識をしております。このような方々の移動ニーズに的確に対応していくためには、住民福祉を担う地方公共団体と地域の運送事業者が密接に連携をすることによりまして、地域の実情に応じまして、タクシーによるドア・ツー・ドアの輸送サービスが適時適切に提供される仕組みを整えることが大変重要になるものと考えております。 このため、今回の改正法案におきましては、地域公共交通再編事業における持続可能な地域公共交通ネットワークサービスの担い手といたしましてタクシーを明確に位置付けるということとともに、地方公共団体がこの計画の中でこれらをどのように活用するかを具体的に盛り込むことができることといたしました。この枠組みを活用すれば、市町村等が住民の外出や移動ニーズをきめ細かく把握した上で、それらに対応して、タクシー事業者によります乗り合いタクシーの実施、また、タクシー利用に対します運賃補助の実施などの施策に総合的に取り組むことができるようになります。地域が主体となってこの高齢者等の外出や移動を支えることが可能になるものと考えているところでございます。
○江島潔君 ありがとうございました。 タクシー事業者というのは、大半が非常に零細な企業が多いというふうに認識をしております。ですから、しっかりとしたタクシー事業というものを、この公共交通機関の中の役割というものが明確にしておかないと、ともするとどんどんと消えてなくなっていく会社もこれから出てくるんではないかと思います。是非、鉄道、バスと並んで地域公共交通機関の重要な担い手という認識を引き続き御省に持ち続けていただければというふうに思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 公共交通機関を利用しなければいけないというのは、コンパクトシティー化もそうなんですが、例えば移動に掛かる消費、炭素、言わばどれだけ効率よく移動できるかという観点からも、これはもう当然公共交通機関の方に軍配が上がるのは自明の理でありまして、だからこそ、鉄道とかバスとかあるいは船というような、長距離に関しては移動手段ももっと取り組んでいかなければいけないわけでありますけれども、利用者の側からすると、例えば地球環境に優しいから鉄道に乗ろうとか車を置いてバスに乗ろうというのは、これは頭では分かっていても、実際に我が身として行動するとなるとなかなかハードルが高いというのが事実でありまして、利用者、消費者の側から見ると、やっぱりどうしてもその移動に掛かる費用というものを計算をしてみて、ああ、一人で移動するんならこれはなかなかガソリン代と高速料金の方が高いなとか、あるいは三人そろうと自動車で移動する方が安いなとか、こういう観点でこの移動手段というのを決定するというのが多くの一般的な場合ではないかなというふうに思います。これは長距離にしてもそうですし、比較的短距離の場合でも、この鉄道運賃あるいはバス料金にしても、例えば家族が、そうですね、四、五人まとまって移動するとなると、どうしてもこれは自家用車で移動した方が多分コスト的には安くなってしまうんではないかなというふうに思います。 車ももちろん、五人ぐらいまとまって移動すればそんなにガソリンをまき散らすということにはならないので、そのぐらい密集して乗ってもらうようなことになればいいんですが、ついつい自動車利用というのが多くなると、今度は公共交通機関に乗るということがおっくうになってくると。それで、公共交通機関の乗客が減って更に乗りにくくなるという、何か地方都市では悪循環に陥っているような気がしてなりません。 そこで、今、運賃というものに着目をした場合に、公共交通機関でもある程度人数がまとまっていたら少し安くなるというようなことがもっとこの利用促進につながるんではないかなというふうに考えるんですが、これはもちろん、各、今、事業者がそれぞれの取組の中で、あくまで自分の経営体力の中で団体割引とか家族割引というような制度を導入をしているところもあるかと思いますけれども、なかなかこれはそれぞれの体力に任せるとなると、体力が脆弱な企業、組織ではこの導入が難しいと。ただただ運賃減少のマイナス面ばかりが強調をされる、あるいはどうしても目に付いてしまって導入に踏み切れないというところもあるのではないかと思います。 そこで、いわゆる移動というものに対しての環境負荷を小さくするという観点から、もっと積極的に国として少し家族割引制度というようなものを各種公共交通機関に取り入れるというようなことが、公共交通機関全体の利用を促進するという観点から必要ではないかと思うのですが、御所見を是非聞かせていただければと思います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、例えばマイカーから鉄道などのような公共交通機関への利用転換を促進することは、交通における環境負荷の低減を図る観点から重要だというふうに考えているところでございます。 一方で、交通政策基本法でございますが、第五条に、交通手段の選択に係る競争及び国民等の自由な選好を踏まえつつそれぞれの特性に応じて適切に役割を分担をするといった趣旨のことが書かれているところでございます。 このため、民間事業者が経営いたします例えば鉄道事業でございますけれども、事業者の判断で提供される運賃であるとか、あるいはダイヤ設定などのサービスを利用者が選択をするという、いわゆる市場機能というものを通じまして交通における環境負荷の低減を図っていく、こういったような政策目的を達成していくというのが肝要なんだろうというふうに考えているところでございます。 こうした観点から、制度的な問題といたしまして、鉄道運賃の割引につきましては、認可を受けた上限運賃の範囲内であれば、届出によりまして鉄道事業者が自らの判断で自由に設定できるということになっております。委員御提案のような家族あるいは団体といったような割引制度の導入につきましても、鉄道事業者の経営判断に基づきまして、市場の状況だとか、あるいは利用者ニーズに応じまして適切に対応すべき問題であるというふうに考えております。 なお、現状でございますが、委員御指摘のような家族割引制度については既に一部の鉄道事業者では導入されているところでございます。例えばJR北海道では親子きっぷという制度がございまして、本来の運賃から見ますと半分に近いような割引をするとか、そういったような制度が導入されております。また、JR東海などでは、親子で行く修学旅行といったような企画切符といいますか、これは旅行業者とタイアップしておりまして、施設拝観料、宿泊料などとセットにして割安な、そういったような商品も販売されております。 国土交通省といたしましては、事業者の創意工夫による利用者ニーズに対応した運賃の導入のみならず、例えば鉄道の場合では、バスなどの他の交通モードとの連携ということも必要だろうと考えております。あるいは、バリアフリー施策の推進ということも必要だろうと考えております。まちづくりの連携も必要だろうというふうに考えております。こういったことを通じまして、公共交通の利用促進に励んでまいりたいと思っております。
○江島潔君 現状ではそれぞれそういう家族割引制度を各事業者が取り組んでいるということだと思うんですけれども、今このコンパクトシティーに取り組もうというのは、これは住民の自然に任せようとか自治体に任せようということではなくて、むしろ法律を作って政策的にそういう町をつくっていこうという国の意思の表れなわけですから、公共交通機関に関しても、もう少し強い意思を持って公共交通機関に乗らせるというか誘導する、そういう仕組みが必要じゃないかということを申し上げております。 ですから、今のような、そういう積極的に取り組んでいるところもある、北海道とか東海というのはもちろんそれはそれですばらしいことだと思うんですけれども、そうすると、そういうところには何かインセンティブが与えられるとか、あるいは、まずベースとして家族割引制度というものをもっと積極的に導入するように、もっとお尻をたたくような、そういうことができないかと。逆に、そういうところに、もしかしたら事業者によっては、そんなことしなくてももううちはたくさん乗るから必要ないよとあぐらをかいている事業者もあるかもしれません。又は、何かもうちょっと後押しがあればそういうことを取り組めるんだけどなと思っている事業者もあるかもしれません。そういうところに対してのいま一歩の、コンパクトシティーという公共交通機関の利用促進と切っても切り離せないこの法律を展開するに当たって、何かそういうもう一押し、この策が講じられないかなという観点から質問させていただきました。 是非とも、引き続き、今の局長の御答弁ですと、何となくやっているところもあって、これはいいことだということなんですけれども、是非そこを、やっているところにはもっと奨励するような、あるいは、やっていないところには、こういうやり方があるんじゃないかといってハッパを掛けるような、そんな何か手段、さらに、やったことによる何かインセンティブが事業者にも与えられるような、そういうことを是非講じていただければと思います。(発言する者あり)今、答弁も必要ございません。 それでは、続けて質問させていただきます。 この地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の中で、今後様々な、従来の公共交通機関あるいは乗り物に加えて新しい新交通体系もどんどんと取り入れていくというような大変に前向きな、新しい日本を予感させるようなところが読み取れます。 そういう中の一つに、新旅客運送事業の一つとしてJR北海道が現在取り組んでいるデュアル・モード・ビークル、DMVという、鉄道と道路を自由に行き来できる車両のことも記述がございまして、大変私は、今厳しい経営状況の中で必死になって再生に取り組んでいるJR北海道の新規技術というものにも国交省としても大いに着目をしていることにうれしく感じたところでありますけれども、このDMVは、現状は、車両としては現在完成しているんですが、あと最終段階の安全運行に関わるもう少しテストをクリアをしなければいけないという段階だということでございます。 私も先般、北海道に視察に行きましたときにこのDMVに試乗する機会がありましたのですけれども、なるほどこれは思っていた以上にすいすいと鉄道と一般道路とを行き来をできるというのに大変に驚きまして、ああ、これは大変便利な乗り物だなと感じたところでありますけれども、一方で、そのときの説明を聞いて幾つか気になったところがありまして、一つは、まず鉄道を運行するという免許とそれからバスを運転するという免許は、もちろんこれは全く現在では別問題でありますので、例えばこれを通常運行するときに、そのたびに二人乗せたのでは恐らく全然採算は合わないだろうと思います。これをどういうふうに、一人で運行するために、一人のスーパー運転手の、両方とも免許を持っているスーパー運転手みたいなものを事業者側が育てなければいけないのか、あるいは何か新しい取組でそれを解決、クリアできるのかという点も一つあるかと思います。 それからもう一点が、先ほどの実際に運行させる、あるいはもうビジネスとして、これを完成車両としていろいろ他社にまた販売をするまでにもう少し幾つかの研究をしなければいけないという点が、現在のJR北海道は、御案内の事故とかあるいは安全対策等のトラブルの解決のためにほぼ全ての勢力をそちらに注いでいるということで、事実上、今そのDMVに関しては次の段階に進めないという、そういう段階であるということで、ちょっと私、その点に関しては残念でございました。ここまで開発されているもの、本当にあと一押しでこの新旅客輸送事業というものが完成するのになと思いながら、非常に、現状のJR北海道の置かれた厳しさを考えるとやむを得ないのかなと思っているんですが。 そこで、このDMVをあと世に送り出すというのは、これはもうむしろJR北海道マターではなくて、もう少し国土交通省マターとして何らかの形で人的サポートあるいは物的サポートというものができないだろうかと。それは恐らく北海道だけの問題ではなくて、全国でこのようなものがあったらいろいろなことで助かるなという地域というのは私はあると思うんですね。例えば、これはもう山口県でも多分たくさんあります。従来の駅の周りにはもう誰も住んでいないけれども、鉄道で走ってきたのが、そこからひょいと降りて、この集落をくるっと一回りして、また鉄道に戻ってくれれば公共交通機関に乗れるのになと思っているような地域たくさんあると思いますし、恐らくこれは今後の日本には、本当に大事な鉄道を生かしたまま、廃線にすることなく過疎化地域にも対応できる乗り物だと思うんですが、DMVの、世に送り出すために国交省としてはどういうような後押しをしていただけるか、御見解を聞かせてください。
○政府参考人(瀧口敬二君) DMVの魅力につきましては今委員御指摘のとおりでございまして、生活交通機関として、またあるいは観光資源としても魅力のあるものだと考えております。 このDMVの開発はJR北海道が中心となりまして、国も支援をいたしまして技術開発が行われてきております。車両側の問題といたしましては、現時点では、DMVのみが走行する専用線区において、複数の車両を連結しないで一車両のみが走行するということであれば安全性等の技術基盤は問題なしと、このような評価を得ております。一方で、今お話のございましたように、踏切警報機との連動性などの運転保安システムの性能確認を始めとする実用化に向けた課題というのがまだ残っているということで、JR北海道では昨年度もいろいろな試験などを行って、その評価を行っているところでございます。 DMVにつきましては、できるだけ専用線区だけだとかいうような制約はなく、全国的に展開してほしいという要望があることについては承知をいたしておりますが、まず、今技術基盤が構築されております専用線区における一車両のみの運行というもので、できるだけ早く実用化できないかというふうに考えているところでございます。 こういったノウハウは実はJR北海道が持っているわけでございますが、今委員御指摘のように、JR北海道は言うまでもなく、利用者の信頼を取り戻し、安心して利用できる鉄道に一日も早く再生する必要があるという状況でございます。このような状況の下、JR北海道は、これまで蓄積してきましたDMVのノウハウを再生に取り組む中でどのように生かしていくのか、JR北海道自身も実はこれ生かせるという可能性があるわけでございますので、どのように生かしていくのかということが問題になろうかと思っております。 この点につきまして、現下の情勢の下でJR北海道はどのように考えているのかということについて、考え方を聞いてまいりたいと思っております。その上で、国土交通省として何ができるのかということを考えてまいりたいというふうに思っております。
○江島潔君 ありがとうございました。 DMVについて大変に前向きに評価していただいているということを聞いて、私も安心をしました。 それでは、四番目の質問にさせていただきます。 地方赤字路線であります。鉄道の路線は、かつては例えば重要な役割を担っていた線路でも、やはりこの時代の変わり目とともにどんどんと利用客が減っていく、ましてや地方都市が人口減少する中にあれば、もう当然利用客も減ってくるわけでありますけれども、現行では、常に路線の廃止と戦いながら存続を要望している自治体というのはたくさんあります。 もちろん、第三セクターへの、運行形態を変えたりとか、今いろんな取組をして行っているわけでありますけれども、やはり事業として採算が取れるかどうかという観点だけから見ると、なかなかこれは厳しいものが想定をされます。 かつて国鉄時代は、これは例えばドル箱路線でもうかったところを地方の赤字路線に補填をする、総合的に、トータル、オールジャパンで考えられたんでまた違ったんだろうと思いますけれども、今日のように、このJR東海のような非常に密集をした地域、あるいはJR東日本でもそうですけれども、非常にたくさん密集した地域と、北海道もそうですし、四国もそうですし、九州もそうかもしれません、この三島会社のような密集して集中的にもうかるという路線を元々持たない会社ということでは、相当この赤字路線に関する取組方というものも違ってくるんではないかと思います。 ただ、日本全体を考えてみた場合に、もう路線がなくなるということは、確実にその地域の人口が減少していくということに直結をしておりますので、やはりこの赤字路線というのは各社だけに任せる問題ではないんではないかなと常日頃から私は考えております。 これは、先ほどのファミリー割引というような考え方をもっと積極的に国に後押しできないかということとも併せて是非大臣にお答えいただければと思うんですが、この赤字路線に対する今後の国の取組方、それからそのようなファミリー割引制度を言ってみればむしろ強制的にもっと導入をする、させるということに対する国交省としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 私は、ありとあらゆる施策を総動員をするということが大事だというふうに思います。先ほど団体割引のことがありまして、田中先生からも大臣答弁という声が掛かりましたが、こうしたいろんなところで工夫しているということを国が本当に頑張れと、いいことだという応援をするということは非常に大事なことだというふうに思いますし、今のJR北海道のDMVと、もう大変な非難を浴びてずっと来ている中で何とかという技術革新したところを、光を与えるという意味でもうこれを押し出してあげるというようなことを一つ一つやっていかなくてはならないというふうに思っています。 地域の鉄道事業は現在のところ非常に厳しくて、経営状況から申し上げますと、九十社のうちの約四分の三が経常赤字を出しているという状況にありまして、そこも、大都市周辺のところでは大変利益を生んでいるけれども、そうではない、実はそこが生活であったり、あるいは観光という点でも非常に大事だというところがあります。そこをどういうふうに応援していくかという、全体的では、まちづくりとか都市づくり、あるいは観光ということを考えて、列車自体もどう変えていくかということ自体が大事で、その意味では、交通政策基本法に基づいての基本計画、また各地域においてもそうした戦略性を持つということの今回の法案審議の下でスタートを切っていかなくてはならないのではないかというふうに思っているところです。 具体的に、今回は、上下分離というのは今までできていたわけですが、これがなかなか実行されないというところもございます。そうした公設民営というようなことにシフトする、あるいは上下分離というものをして、一部を地方公共団体が負担をするというようなこと。 しかし、これはまた公共団体自体が負担になるということもありますので、そこは地域の交通網を守るということでバックアップしていかなくてはいけない、税制面におきましても補助率のかさ上げという点においても応援をしていくという必要があろうというふうに思います。 今回の法案におきまして、鉄道を含めて、より広域での交通ネットワークを生かすという観点から、従来は市町村でありました地域公共交通活性化・再生法ということでありましたが、都道府県におきましても持続可能な地域交通のネットワークの形成のための計画を主体的に作るということが可能になるという改正が含まれています。 これ、かなり総合的に総力を挙げてバックアップしなければならないという課題であろうというふうに思っておりますので、この法律審議の機会に、そうしたことにバックアップするという体制をしっかり取っていきたいというふうに思っているところです。
○江島潔君 これで終わります。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。 まず、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に関連しまして、土佐電鉄と高知県交通の統合問題についてお伺いをいたします。 太田大臣は、本法案の提案理由説明で次のように述べております。我が国においては、人口減少、少子高齢化が加速度的に進展することにより、公共交通事業を取り巻く環境は年々厳しさを増しております。特に地方部においては、公共交通機関の輸送人員の減少により、公共交通ネットワークの縮小やサービス水準の一層の低下が懸念されております。一方で、人口減少社会において地域の活力を維持し、強化するためには、コンパクトなまちづくりと連携して、地域公共交通ネットワークを確保することが喫緊の課題となっております。私自身、この提案理由説明、全くの同感であります。同じ認識でございます。 以上のことを踏まえまして、本法案なんですけれども、これは昨年成立しました交通政策基本法のこの理念にのっとりまして、これまで、先ほども江島議員の方からも御指摘もございましたが、民間事業者の運営が主体であった公共交通について、従来の枠組みから脱却し、地方公共団体が前面に立って持続可能な地域公共交通ネットワークサービスの再構築を図ること、これが重要との考え方に基づいて提案をされたものというふうに理解をしておりますが、まず、改めて今回の法改正の意義についてお伺いをいたします。
○副大臣(高木毅君) 言うまでもありませんけれども、人口減少、そして高齢化、少子化というのが加速度的に進展するわけでありますけれども、その中にありましても、特に地方部におきましては公共交通ネットワークの縮小、あるいはサービス水準の一層の低下というのが問題になっているところでございます。特に、自動車を運転できない学生さん、あるいはまた生徒、高齢者、障害者にとって地域公共交通は欠くべからざる存在でありまして、その維持確保を図ることが必要だということは、これはもう論をまたないことだというふうに思います。 また、人口減少下において都市や地域の活力を維持するためにはコンパクトな拠点の形成とこれを結ぶ地域公共交通のネットワークの再構築が必要なわけでありますけれども、今委員御指摘のとおり、公共交通事業、経営悪化が進行しておりまして、民間事業者だけではなかなかこれらの社会的要請に応えることは困難だというような現状でございます。 このような状況に対応するため、本改正案におきましては、一つには、地方公共団体によるまちづくりと連携した地域の公共交通ネットワーク全体を形成するための地域公共交通網形成計画の作成の仕組み、二つ目には、地域公共交通の再編を進めるための地域公共交通再編実施計画を国が認定する制度、そして予算措置、法律の特例措置等をパッケージで講じることによりまして計画の実現を全面的に後押しする仕組みなどの措置を盛り込んでいるところでございまして、これらの措置によりまして、地方公共団体が先頭に立って、地域の関係者が知恵を出し合い、その合意の下に、まちづくりと一体で持続可能な地域公共交通ネットワーク、そして交通サービスを実現していくというのが本法案改正の意義と考えているところでございます。
○広田一君 今、高木副大臣の方から御答弁を頂戴しました。 今の地域公共交通の取り巻く環境、厳しさ、問題点、共有をしたところであり、そのための具体的な施策について本法案に盛り込まれていること、これを改めて確認をしたところでございます。 その上で、地域公共交通のこの危機的な状況を如実に示しているのが、残念ながら私の地元でございますけれども、土佐電鉄と高知県交通が置かれている状況でございます。 以下、これまでの経緯、私自身の思いも含めまして、お時間をいただき、お話をさせていただきたいと思います。 土佐電鉄は明治三十六年、一九〇三年の設立であります。高知県交通は昭和十九年、一九四四年の設立、共に伝統を有し高知県民の足を支える、なくてはならない存在でございます。現場の職員の皆さんも日々誇りを持って安全運行に取り組んでおります。しかし、この公共交通を取り巻く状況厳しく、例えば路線バス、一九九五年には年間一千四百十三万人だった利用者が、二〇一〇年には五百八十九万人に減少、何と三分の一近く、激減をいたしております。当然、将来見通しも厳しく、高知県の資料によりますと、二〇三五年にはバス利用者は二〇一〇年実績から二三%減り、路面電車も一五%減ると予想されているところでございます。 こういった中、去る四月三日に高知の方で開催しました中央地域公共交通再構築検討会におきまして両社の社長から、共に厳しい事業収支の見通し、また財務状況といったものを踏まえて、もうこれ以上公共交通事業を単独で維持していくことは難しいという表明があったところでございます。 その後、両社の累積債務が約七十五億円にも上ることが判明し、また、両社のバランスシートは実質的に債務超過の状態にあることが明らかになったところでございます。 言うまでもなく、これまでも金融機関による支援とか行政からの補助金による支援、こういったものがなされておりましたけれども、このような従来からのスキームでは、もはやもう公共交通は維持困難であるというふうに判断をせざるを得ない状況であります。つまり、もう金融機関からの支援は限界でありますし、行政からの補助金、たとえ増額をしてもこれは対症療法しかならないというふうなことでありまして、抜本的な改革が求められているところでございます。 この抜本的な改革をすることによって、先ほど高木副大臣の方からもお話がございましたように、将来にわたり持続可能な公共交通スキームの再構築、これを図っていかなければならないというふうに思います。そのためには、当面は債務超過の解消、そして事業の黒字化、有利子負債の適正化、こういったことを実現していかなければならないわけであります。 その手法といたしまして、もはやこの私的整理をした上で経営全体の統合を図っていく。具体的には、六月中に、もう六月中ということであれば時間がほとんどありません、この両社を特別清算をいたしまして、十月を目途に県や沿線自治体が十億円を出資して第三セクターを設立する、こういうことが決まったところでございます。 非常に残念なことでありますし、しかしながら、やらなければなりません。今までの経営者の皆さんの責任、大変重いものがございます。原則、役員の皆さんは退任せざるを得ません。株主責任もあって、特別清算により株が紙切れになってしまいます。さらには、金融機関も二十六億から二十八億円の債権放棄というものが求められております。更なる人員整理もこれは不可避でありますし、県民は、先ほど言いましたように十億円の出資という血税を投入することになります。多大な痛みを伴うわけでございまして、こういった今回の事例というものは、いみじくも先ほど確認をしましたように本法案の改正目的が目指しているところであると同時に、この事例というものは全国でも前例がない、日本で初めての挑戦になります。 無論、大前提といたしましては、県民の皆さんの理解、協力、そしてこれからの利用者の皆さんの視点に立つこと、このことが求められているわけでございますけれども、こういったことを踏まえて、この度の土佐電鉄と高知県交通との経営統合問題について、まず国交省としてどう認識されているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(田端浩君) 委員御指摘のとおり、二社の統合の問題でございますが、県の検討会の結論に基づき、本年秋に経営統合するという計画で検討を進めていると承知をいたしております。 御指摘がありましたように、利用者減少によります経営悪化、双方とも実質的に債務超過に陥っているという厳しい現状を踏まえまして、産業競争力強化法の枠組みも活用して地域公共交通を中心とする事業の再生、また基盤の強化を図ろうと、こういう取組であると認識をいたしております。経営統合していく新会社では、県、市町村からの出資、金融機関の債権放棄、既存株主の権利放棄のほか、県民や来県者が利用しやすくする路線再編なども検討されていると伺っております。 私ども、引き続き、県や事業者からよくこの統合に向けた検討状況をお聞きし、適切に対応してまいりたいと考えております。
○広田一君 今、田端局長の方からも御答弁がございました。危機的な状況についても御認識をしていただいているというふうに理解をしたところでございます。 今後、新会社などから様々な要請が出てくるだろうと思います。現時点でも、例えば十月からの新会社のスタートというふうにすれば、逆算すると、軌道事業とか一般旅客自動車運送事業などの許認可承継に関する手続、これは七月初旬には開始をしなければなりませんし、九月下旬にはこの手続完了しなければ十月一日には間に合わない、こういう状態であります。 また、先ほど田端局長の方からも御紹介がございました産業競争力強化法に基づく事業再編計画の認定制度、この活用も予定をしているわけでございますし、さらには、本法案にございます地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画が策定された場合の支援、つまり、これは附帯決議案の方にも書かさせていただいているところでございますけれども、計画の作成に当たっての地域公共交通に関する知見、ノウハウの提供であるとか人材の確保及び育成、有識者の紹介、何よりも財政的支援など、いろいろあるわけでございます。 これらも含めて国交省としての全面支援をお願いをしたいわけでありますけれども、この点についての太田大臣の御所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 非常に重大な局面になり、これを応援をし、十月一日、新しい会社がスタートを切るということについてのスケジュールということも、一つ一つするには相当手続的にも迅速に対応していかなくてはならないというふうに思っています。 今回の法案の一番の主眼であることがもう既にここに表れているというふうに思いますが、私も高知行った場合に、あの路面電車もそうですね、これ、ごめん、ごめんという、謝って言っているようなという、それでもう観光客にも、ああ、これがあの路面電車かということでよく知られているところでもありますから、まず第一に、この軌道事業、バスなどの一般旅客自動車運送事業を新会社に承継するというこの認可手続が円滑に進められるよう密接に対応していきたいというふうに思います。 次に、また、御指摘のありました産業競争力強化法に基づく事業再編計画認定制度の活用をされるというふうに聞いておりますが、この計画の認定に当たりましては生産性の向上など法律上の要件を満たす必要がありますが、よくこの辺を検討しているというふうに聞いております。今後、関係者からの相談があればというか相談をむしろ受けて、これを一緒に考えて対応していきたいというふうに思っているところです。また、発足後には現在の二社による競合路線の整理など、この法案にも基づきますけれども、こうしたことも検討しているというふうに聞いているところでございます。 国交省として、まちづくりと連携した持続可能な地域公共交通ネットワークの構築に向けまして、人材の紹介であるとか、あるいは本省における都市と交通の合同プロジェクトチームの設置であるとか、あるいは地方整備局、運輸局との間の連携を取り、ワンストップ相談窓口の設置をすることだとか、あるいは計画策定に対する新たな予算支援等を総動員してという構えをしたいというふうに思っているところです。御指摘のことは非常に大事な局面でもありますので、スピードも要るというふうに思いますので、連携をしっかり取っていきたいというふうに思っているところです。
○広田一君 太田大臣の方から本当に力強い御支援の言葉があったところでございます。今回の、日本初の試みになりますし、何としても再生を図っていかなければなりません。これに対する国交省、国の全面支援を本当に要請し、また、大臣の方からもそのようなお話があったところでございます。 こういった場合に、確かに二つの伝統ある会社が特別清算をされます、新しい第三セクターの会社が誕生するわけでございますけれども、単に第三セクターの会社ができるということじゃなくて、先ほど大臣の方からもお話がございましたように、これからのまちづくり、コンパクトシティー、そういった観点に立ってこの再編事業というものを進めていかなければならないというふうに思いますので、そういった意味での国交省の支援もよろしくまたお願いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、続きまして、都市再生特別措置法に関連して質問をさせていただきます。 これは、第八十一条に立地適正化計画、二項の二に居住誘導区域を設定をいたしております。こういった誘導区域が設けられること、これについては大いに期待をするところでございます。その一方で、その際に、居住誘導区域を設定しコンパクト化を推進することに伴って、既存の優良住宅が単に空き家になるのではなくて、例えば子育て世代に利用されるなど有効活用されることによって、住み続けることによって価値が出てくる。つまり、住宅がこれまでの消耗品から真の資産となって、中古住宅市場の活性化であるとかリフォーム市場の活性化をもたらす私は起爆剤になることが期待をされているというふうに思いますが、これに関しての国交省としての見解と支援策についてお伺いをいたします。
○大臣政務官(坂井学君) 居住誘導区域の外では住宅の開発等に関しまして届出が必要となりますけれども、これは開発業者による団地や集合住宅の新改築等を対象としたものであって、一応個人が自宅を新改築する場合には対象とはしておりませんので、空き家が急増するということまでは想定しておりませんが、しかし優良な住宅に多少とも空き家が生じる可能性があるというのは御指摘のとおりだと思います。 一方、居住誘導区域の外においては、家庭菜園のある住まいとか敷地の広い住まいのように、居住環境を向上させるようなこともできるようになると考えておりまして、本法案では都市再生推進法人等が子育て世代へのこういった物件の紹介等を円滑に行うことができるよう支援策を設け、豊かな居住環境を備えた優良住宅が子育て世代等に活用されるように措置してまいりたいと思っております。
○広田一君 先般の参考人の質疑におきましても、確かにコンパクトシティーといったときには高齢者の皆様方に対する視点、これは非常に重要でありますけれども、一方で、子育て世代、若者、こういった世代にも共感ができるように、そういうことを考えたときに、やはり居住誘導区域を設定し、そこに住まいを誘導していくということに伴って出てくる様々な課題、問題、これを逆に利用する、活用していく施策、これは非常に重要な観点だというふうに思いますので、更なる御支援をいただきますようによろしくお願いを申し上げます。 その一方で、第八十八条で居住誘導区域外における居住の制限規定を設けて、一定規模以上の住宅開発についての届出、勧告制度を設けているわけであります。それに加えて第八十九条では、市街化区域内に宅地化を抑制すべき区域として居住調整地域を定めることができると規定をいたしております。 このような居住調整地域の指定制度を設けた理由は一体何なんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答えいたします。 居住調整地域を設定をした趣旨でございますが、例えば工場等が移転をした跡地がありますと、そこに対してぽつぽつと住宅が建つと今後貴重なこのような工業的な土地が産業的に利用しづらくなるといった場合に、是非ともここでは住宅については重ねての立地は避けたいといった場合に、この地域を居住調整地域というふうに定めて規制をすることができるようにいたした次第でございます。 このように、地域の実情に応じて誘導とそれから規制とを組み合わせて柔軟に対応するようにしたいというのが法制度立案の趣旨でございます。
○広田一君 今、工場跡地等々を想定しているというふうなお話でございましたが、一点確認なんですけれども、例えば用途地域の関係でいえば、第一種低層住居専用地域、この一部も居住調整地域に指定される、こういった場合もあるんでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 今御指摘のような場合は大変レアなケースではないかと思っておりますが、現在の市街化区域の中に、例えば里山といったものが含まれているような例がございます。横浜等では非常にゲリマンダー状に市街化調整区域を里山等に張って市街化区域から外しておりますのでそういうことはないんですが、地方においては一体でくるっと入れたりしておる場合があります。こういうような場合については、そこが一種住専等に指定をされている場合には、この里山はほとんど開発が今までされてこなかったし、今後ともそれは残していきたいといった場合にこのような地域設定をすることもあり得るというふうに考えております。
○広田一君 今答弁にありましたように、確かにレアなケース、里山等々のことについてのお話がございましたけれども、しかしながら、結果として市街化区域の中に住宅というものに特化をいたしました市街化調整区域、これが混在、点在をすることになってしまうというふうに思うわけであります。 こういったまず理解でいいのかどうか、この点について再度確認をしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 御指摘のとおりでございまして、今回の居住調整区域は、言わば住宅を念頭に置いた調整区域的なものを市街化区域の中に設けるということでございます。 これによって今後きめ細やかに、住宅あるいは条例によっては企業の寮とか老人ホームとか、今後様々な需要が起きてきますが、これらについてもきめ細やかに見ながらコンパクトシティー化を進めていく、このような必要性が出てくるものというふうに承知をしております。
○広田一君 きめ細やかな対応というふうな御答弁がありました。確かに、コンパクトシティーの形成のために様々な政策のツールを持つこと自体、否定をするものではありません。しかし、市街化区域の中に特例的にではあっても市街化調整区域を設定する、私はこれは本筋なのかなというふうに疑問を持ってしまいます。 これも附帯決議案の方にも書かさせていただいたわけでありますけれども、本来はまず郊外に拡散した市街化区域、これの縮小を通じて住居の集約化を進めていく、これが本来、都市計画との関係でいえば私は王道ではないかなというふうに思いますけれども、これとの関連について御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 委員御指摘のとおり、本筋は都市計画の線引きを、いわゆる逆線と申しますが、線引きを縮小していくということが主要であろうかと思います。 しかしながら、この逆線引きというのは、全ての開発を抑制するということから、大変逆線引きは強い制度でございます。したがって、これがなかなか使われていないという現状も踏まえまして、今回居住に設定をしたものを設けたと。さらに、その利用に当たっては、都市計画の厳格な手続を踏むということを通じまして、権利を侵害しないように調整をいたしているところでございます。
○広田一君 これは最後の質問したいと思いますけれども、現行のそのような手法というものが今余り使われていないので居住調整地域といったものを設定したというふうなお話でありますが、私は今の現時点で各自治体でこれに対するニーズがあるのかどうか、これは甚だ疑問な点があります。これを、地域を設定されることによって相対的に地価が下がってしまうんじゃないか、こういった懸念も出てくるわけでありますし、住民の皆さんとの関係を考えたときに、なかなかこれ利用されないのではないかなというふうに思ってしまうわけでございます。 しかし、一方で、この地域の設定をするということは非常に英断、決断だろうというふうに思うところでございます。自治体の長を含めて相当な覚悟を持ってこれは臨まれるんだろうということが予想されるわけでございますので、これも附帯決議の方にも書かさせていただいたんですけれども、そのような自治体から要請等々があった場合には国としても積極的に支援すべきだというふうに考えるところでございますが、この点についての御所見をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 先生御指摘のとおり、今般の制度の、誘導を中心とした制度の中では大変特異的な制度として本制度を組み込んでおります。また、地域によってその制度を発動するというのは大変インパクトが大きい、住民の合意が必要ということで運用が難しいというふうに考えておりますので、制度の実施に当たって御相談がある場合には、今までの逆線引き等々の実例等も踏まえながら、積極的に御相談に乗りながらうまく運用を成功裏に導いてまいりたいというふうに考えております。
○広田一君 終わります。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。どうぞよろしくお願いをいたします。 都市再生特別措置法と地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正案について質問をさせていただきます。 この二法案は、まさに交通政策基本法を具現化するツールとして非常に重要な法律であると同時に、成立した暁には何としても実効性を持たせなければならないと考えております。予算措置も含めて厳しい面もあると思いますけれども、少子高齢化社会に向かう中で、お年寄りの健康寿命が延びて、あるいは学生や障害をお持ちの方が生き生きと生活できるまちづくり、交通網づくりを実現をして、更に言えば、目標である二千万人の外国人観光客の方々に日本の地方都市は美しくて移動しやすい町が多いねと言われるようなまちづくり、地域づくりを実現しなければならないと考えております。そういう立場で質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。 まず、市町村における交通分野の人材不足の克服についてということについてお尋ねいたします。 今回の法改正では、持続可能な地域公共交通網を形成するとして、市町村や都道府県がこれまでの地域公共交通総合連携計画に代わって地域公共交通網形成計画を作成することができる仕組みが整備されました。また、地域公共交通網形成計画において地域公共交通再編事業に関する事項が定められたときは、市町村はその地域公共交通網形成計画に即して地域公共交通再編事業を実施する地域公共交通再編実施計画を作成することとなります。 法案の趣旨としては、民間事業者の事業運営に任せきりであった従来の枠組みから脱却して、地域の総合行政を担う地方公共団体が先頭に立って、関係者との合意の下で、まちづくり等と一体で持続可能な地域公共交通ネットワークサービスを形成するとしております。 国土交通総合政策局が平成二十四年十月に公表した地方自治体への地域公共交通に関するアンケート調査結果によると、約八割の市町村では地域公共交通の専任担当者が不在であると。また、残りの二割のうち一割が一名しかおりません。その一名についても、交通とは関係のない様々な分野との業務を兼務している場合が多く見受けられます。こうした状況では、まず市町村の体制づくりを先に行わなければ、行政が主導して民間事業者との合意形成を図っていくという法の趣旨を達成することは困難ではないかと思われますが、いかがでしょうか。 また、それではこのような法改正を行っても多くの地域で活用できない懸念があるため、国としては市町村の体制づくりに対して是非とも支援を行っていただきたいと思いますが、どのような支援を行うことを考えていらっしゃるのか、実効性を上げていくための太田国交大臣の御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 人の問題は大変重要な問題だと思いますが、今回、まちづくりあるいは交通網、これを整備するという両方をもって、どういう町にし、どういう交通網をしていくか、そして、公共交通ということと民間のものをどう組み合わせていくのか、いろんなことで、構想力ということや、あるいは現実の、今まではどちらかといいますと地域公共交通については交通事業者の事業運営に任せている、そして安全というものを役所の方が管理するというか監督するというような立場であったと思いますが、もっとこれを活性化していったり、あるいはまたコミュニティーバスにしていったりディマンドバスに変えていく、いろんなことを考えていくというような意味での担当者というのは間違いなく不足をしているというふうに思います。 そういう意味では、今回の趣旨をよく踏まえた人材を各都市にどう配置するかということは極めて重要なことなんですが、なかなか人を増やすとかそういう、人はなかなか簡単にはおりませんので、成功した事例とかそういうことを、事例集を、それを提供するシステムをつくるだとか、あるいは、研修やセミナーや、そうしたことの説明会等を各地で実施して、こういうところに意識を持つ人材の育成ということに努めなくてはならないというふうに思っています。 そういう点では、今回、改正の効果が日本各地で現れるように、本省も、そして運輸局も、地方整備局、一体となってそこのノウハウをどう提供していったらいいかということに注力をしていかなくてはいけないというふうに思っているところでございます。
○田城郁君 その太田大臣の今の御決意、実効性を上げるというところで是非実践をしていただければと思います。 交通政策基本計画等における地域公共交通の役割と在り方の明確化ということについてお尋ねをいたします。 高齢化と人口減少が進む我が国にあっては、特に高齢化により自分が運転できなくなったり、公共交通機関の衰退など自ら移動する手段がなくなった場合の国民の移動をどのように確保するのかということが非常に大きな問題となることは言わずもがなのことであります。今回の法改正では地方行政と地域公共交通との関わりが大きくなるわけでございまして、様々な交通モードとの連携や、自らの地域の立ち位置を把握しておく必要があると思われますが、先ほど述べたように、地方公共団体のうち市町村では交通担当者について全くの人手不足の状況にあります。こうしたことから、市町村が地域公共交通網形成計画を作成するに当たっては、まずは国の方で地域公共交通の在り方や役割を明確化しておくことが肝腎ではないかと思われます。 これから策定される新たな国土のグランドデザインや交通政策基本計画において、我が国の総合的な交通体系の中における地域公共交通の在り方や役割について是非とも明確にしておいていただきたいというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 地域公共交通には、高齢者の通院であるとか子供の通学であるとか、あるいは観光客をどう誘客するかというようないろんな角度があろうというふうに思います。なかなか地方においては、輸送人員の減少によりましてネットワークの縮小やサービス水準の低下ということが逆に予想されたりするという危機にあるというふうに思っています。 国土のグランドデザインということにおいては三月に骨子を発表しまして、実は今、有識者から意見をということや、いろんなことをやっているんですが、各地に、地方に行きまして、グランドデザインを、地方の意見をずっと聞くために今歩かせています。そういう中に、当然そこに公共交通との兼ね合いとかいうことが出てきます。グランドデザインと、そして去年成立させていただきました公共交通の交通政策基本法ということの両面相まって、現場を我々が今歩いて、そして具体的な打合せをしながらグランドデザインを作成するということにもなっておりますものですから、その辺も含めて、国民の日常生活などを担っていく地域公共交通の役割や在り方をしっかり盛り込んで更に詰めていきたいというふうに思っています。 とにかく現場に行って、グランドデザインなんて東京にいて上から見ているんじゃないということで、ずっと現場今歩かせているという状況にございます。
○田城郁君 さすが、現場第一主義の大臣の御指導の下に着々とグランドデザインが具体的に描かれようとしているということを理解させていただきました。是非よろしくお願いしたいと思います。 地域公共交通総合連携計画の策定状況とその認識についてお伺いをいたします。 これまでの地域公共交通活性化・再生法の枠組みにおいて、地域の公共交通の活性化、再生に関する多種多様な取組を推進するための地域公共交通総合連携計画が市町村によって作成されてきましたが、五百十にとどまっております。平成二十六年四月における市町村数は一千七百十八であり、一千以上の市町村では作成すらされていないという状況がございます。 政府は、本法改正に併せて、地域公共交通網形成計画の作成について一件当たり上限二千万円の補助金を地域公共交通確保維持改善事業に盛り込んでおります。当然にそうしたインセンティブを与えることは必要であると思われますけれども、どのくらいの市町村で地域公共交通網形成計画が作成されることを目標にしているのでしょうか。 また、地域公共交通網形成計画の作成のための補助金の申請は、特に制度が立ち上がる当初ほど集中する可能性がございます。しかし、一方、地域公共交通確保維持改善事業の補助金額については、他の様々な交通の運行経費の補填やバリアフリー促進事業などに対するものも含まれております。全体予算は、被災地向けのものを除くと、平成二十三年から三百六億から三百七億円程度の予算となっておりまして、ほとんど変わっておりません。そのため、地域公共交通網形成計画の作成によって他の補助額の査定などへの影響が懸念されますが、いかがお考えでしょうか。地域公共交通網形成計画の作成支援分については増額をされるべきではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 今御指摘のように、現行法の連携計画は五百強ということでございます。それで、今の新しい改正に基づきます地域公共交通網形成計画の策定については、制度的には地方公共団体の一応自主性に委ねられているということで、国が策定件数の目標を立てるというところはそぐわないとは思っておりますが、一方で、この計画は公共交通ネットワークの再編の前提となる非常に重要なものでございます。中身もまさに実効性のあるいいものにしていただきたいと思っておりますので、こうした制度の内容を十分に周知して、できる限り計画の策定は促進してまいりたいと考えております。 また、地域公共交通確保維持改善事業、御指摘のように、計画策定費の補助のほかに、路線バス等の運行費補助、それからバリアフリー化施設の整備補助など多様なメニューがございます。具体的なニーズも踏まえながら、これ、まさに一体としての事業になっておりますのは、メニュー間での予算をなるべく弾力的、効率的に運用するということでございますので、そうした対応を図ってまいりたいと思っております。 厳しい財政事情でございますが、こうした枠組みを活用いたしまして、なるべく計画策定支援のために他の支援がおろそかにならないように、地域公共交通確保維持改善事業の予算の有効活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○田城郁君 具体的な数値目標とか、何とか半分はとかそんな、具体的なというか、ただ頑張りますというと何か分かりにくいと思うんですが、そこら辺は明確にならない、明確までいかなくてもイメージできるような答弁ってできませんか。
○政府参考人(西脇隆俊君) 今数字的な目標というのは持ち合わせておりませんが、一方で、連携計画に比べまして、今回は形成計画の後に次いでできます実施計画も含めて、極めて実効性の高い、なおかつ関係者の合意に基づく非常に高度な内容になるような計画だと思っておりますので、私どもといたしましては、なるべくこれを計画策定支援ということで、いいものを作っていただきたいということもございますので、今の段階で幾つということで数値的なものというよりも、どちらかというと、まさにまちづくりと連携した本当に中身のあるものにしていただきたいという思いが非常に強うございますので、いずれ基本方針なり、また、運用が進んでまいりますので、そうした段階におきましてはそれも踏まえまして、そうした目標の設定につきましても前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。
○田城郁君 是非、促進されるような、あるいは、平成二十六はもう作成段階でしょうから、平成二十七年度に向けては意欲的な予算編成なども含めて、是非よろしくお願いしたいと思います。 国主導によるモデル事業の推進についてお尋ねをいたします。 法律が制定されて補助金が給付されても、千以上の地方公共団体で地域公共交通総合連携計画が作成されなかったことの背景には、地方公共団体にそもそも地域公共交通の政策を担当する職員がいなかったり、たとえいたとしてもその職員に計画作成のノウハウがなかったということが考えられます。そうなると、今回の法案を改正したとしても、実際問題として地方公共団体の中では担当者の知識やノウハウ不足で何も具体的に進まないようなことも懸念をされます。 そこで、国土交通省本省に専門プロジェクトチームをつくるとか、今回の二つの法案によって形成されたコンパクトシティーと公共交通網のモデル的な事業を先行的かつ集中的に実施し、そこで培われたノウハウや具体的な方法を全国の地方公共団体に伝授していくような、そういう取組をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。 申し訳ありません、時間の関係でもう一つ連続して。 また、これを実施するに当たっては様々な有識者からアドバイスを受けられるような体制も構築すべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(西脇隆俊君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、市町村が抱えている課題というのは人材の割には非常に多岐にわたっておりまして、市町村ごとに人口とか規模とか地理的条件が違います。また、交通問題も抱えているものが様々でございますので、その解決方法も多岐にわたると思っておりますので、今まさに委員御指摘のとおり、まず成功事例をつくり上げて、その上で、同じような地域特性とか課題を持っている他の市町村にその成功事例を参考に提供するということが極めて重要だと思っております。国の方が机上の空論でいろんなモデル等を作るというよりも、まず、そういう地に足の付いた成功事例を積み上げていくということが何といっても普及のための最も重要な手法だと思っております。 その中で、今御指摘がございましたように、専門のプロジェクトチームにつきましては本省で、まちづくりと一体ということで都市の部局と交通の部局でのプロジェクトチーム、それから、何といっても現場ということでございますので、出先についてのワンストップの相談窓口をつくっております。 それから、専門家につきましては、これは既に取組も進めておるんですけれども、市町村ではなかなか人を増やすことができないということもございます。地域には学識経験者でございますとか、それから、実は市町村でも先進的な市町村というところでのアドバイスも受けられますので、そうした人材の紹介ということも国の方で積極的に対応して支援してまいりたいというふうに考えております。
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。 次に、法定協議会の活動についてお尋ねをいたします。 地域公共交通網形成計画の策定に当たっては、地方公共団体は協議会を組織することができることとなっております。本法律案では、この構成員として、地方公共団体、公共交通事業者、道路管理者などのほかに、地域公共交通の利用者、学識経験者その他の当該地方公共団体が必要と認める者が挙げられております。 一方、公共交通事業者だけではなく、その従事者も、公共交通事業者の実施する事業の内容についてはより現場に近い立場で熟知しているわけでありまして、持続可能な地域公共交通は労使一体となって形成していくものであることから、従事者である組織される労働団体も参画する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。当然、労働団体も構成員に含まれていると解釈して間違いないと考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 先生から御指摘がございましたように、本法案に基づく協議会の構成員といたしましては、計画を作成しようとする地方公共団体、当該計画に定める事業を実施する公共交通事業者等に加えまして、今回、地方公共団体が必要と認める者を追加をいたしているところでございます。 地域におきましては、利用者のニーズに的確に対応し、かつ効率的な地域公共交通ネットワークを形成するためには、御指摘のように、交通の現場に精通した交通従事者の意見は大変有益なものだと考えております。このことから、現行法の下でも、多くの協議会に労働組合の代表が地方公共団体が必要と認める者として参画をいたしているところでもございます。 今後とも、地域の実情に応じて協議会の構成員が適切に選定され、地域公共交通網形成計画の作成及び実施に関する協議が効果的に行われますよう、協議会の運営に関しても配慮してまいりたいと思っております。
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。 次に、地域公共交通網形成計画の達成状況の評価の方法及び結果の公表についてお尋ねをいたします。 地域公共交通網形成計画において定められる事項としては、地域公共交通総合連携計画とは異なり、計画の達成状況の評価に関する事項が定められております。今回、計画の達成状況の評価に関する事項を新たに盛り込んだ理由をお伺いするとともに、この評価の方法についてはどのように行っていかれるのでしょうか。 先日の参考人質疑の中で、宇都宮参考人からは、地域公共交通については、事業の収支という短期的な視点からだけではなく、地域公共交通が存在することにより高齢者の外出の機会が増えて健康な高齢者が増加することによる医療費、社会保障費の抑制、町のにぎわいの創出や観光振興による地域経済の活性化など、町全体の収支という中長期的な視点からも評価するべきだとのお話がございました。 地域公共交通網形成計画の達成状況の評価に関しては、こうした中長期的な視点、あるいは数値化しにくい地域公共交通の無形の価値についても社会に理解されるよう広めていって評価に反映できるようにしていくべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。また、その内容は利用者である地域住民に分かりやすく公表されるべきであると考えますが、国としては、計画の達成状況の評価に関してガイドラインなどを整備されていくとか、そのような予定はあるのでしょうか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(土井亨君) 計画の達成状況を的確に把握し、利用者の動向やまちづくりの進展を踏まえ適時適切に計画の見直しを行っていくことが求められているというふうに思っております。 このことも踏まえながら、この度の新たに導入する地域公共交通網形成計画に記載すべき事項として、新たに計画の達成状況の評価に関する事項を追加したところでもございます。 評価の方法につきましては、計画に達成すべき目標を分かりやすく設定した上で、一定期間後に協議会などの場を活用して検討し、計画の見直しに反映いたしていくことを考えております。 また、御指摘の地域経済への活性化などの中期的な視点や数値化しにくい地域公共交通の無形の価値などにつきましては、できる限り評価の中に盛り込まれるよう今後検討してまいりたいと思っております。 このような評価の運用の方針につきましては、今後、本法に基づく基本方針の中で示してまいりますし、目標設定やモニタリングのためのガイドラインも含め、法の具体的な運用方針の整備を検討してまいります。
○田城郁君 是非よろしくお願いします。 評価方法の確立は、更にこの二法案を通じたまちづくり、交通網づくりを促進するということに間違いなく寄与するというふうにも考えますので、是非よろしくお願いをいたします。 次に、補助スキームの合理化についてお尋ねをいたします。 現在の地域公共交通に関する主な予算等の支援内容としては、地域公共交通確保維持改善事業によって経費の補助やバリアフリー化が図られております。また、社会資本総合交付金の都市・地域交通戦略推進事業では、都市交通の円滑化を図るために、都市施設整備や土地利用の再編による都市再生を推進するため、徒歩、自転車、自動車、公共交通など多様なモードの連携が図られた、自由通路、地下街、駐車場等の公共空間や公共交通から成る都市の交通システムの整備に対して支援が行われております。 さらに、地方交付税交付金では、地方バス路線の運行維持の経費、地域鉄道の投資に対する補助、スクールバスの維持運営費等に対しても措置がされております。 このほかにも、過疎対策事業債によるコミュニティーバスやデマンド交通の赤字補填、鉄道事業再構築事業、軌道運送高度化事業など様々ございますが、このように似たような分野を扱う補助金一つを取ってみても、省庁の垣根が存在して、申請手続も異なるなど、補助の申請の判断も含めて事務的な負担が非常に大きくなっております。 地方公共団体では、国によるノウハウや情報提供の活用状況についてホームページを多く活用していることもあり、地域公共交通やそれに関連するまちづくりの補助制度については、地方公共団体の現場に対して、補助制度の活用のイメージを分かりやすく、ホームページを始めとして情報を入手しやすい場での情報提供を一層充実させるとともに、地域公共交通に関する補助金については、省庁の枠組みを超えた申請手続の統合化、簡素化についても検討していくべきではないかというふうに考えますが、いかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 御指摘いただきましたように、地域公共交通に関する支援制度は多様でありまして、どのような場合にどのような措置が受けられるか分かりやすく情報提供することや、手続の簡素化などによる申請者の負担軽減は大変重要な課題であると承知をいたしております。 国交省といたしましては、地方公共団体への情報提供について、ホームページなどでの支援メニューの紹介、地方公共団体職員向けの研修セミナーによる説明、活用できる支援メニューについて、地方運輸局による各地方公共団体からの相談への対応など、各種の対応を行っております。今後、地域公共交通に係る支援方策全体の紹介など、更なる充実に努めてまいりたいと考えております。 御指摘がございました各省庁の所管する支援制度は、それぞれの趣旨、内容が異なることから、国交省のみの判断でその申請手続の統合化、簡素化を行うことは困難ではありますけれども、今回の改正法に基づく地域公共ネットワークの再構築を進める上で、地方公共団体が関連する支援制度を最大限有効に活用ができるよう、引き続き関係省庁とも連携し、情報提供の充実や有効な支援を図ってまいりたいと考えております。
○田城郁君 是非、省庁の枠組みを超えてというのは限界性もあるのかもしれませんが、できるだけ利用しやすいような状況をつくるよう努力をお願いをいたします。 次に、スーパー、百貨店等の無料の送迎バスと地域公共交通網形成計画との整合性についてお伺いをいたします。 路線バス等の地域公共交通の衰退に伴って、スーパーや病院などでは無料の送迎バスを走らせるところが出てきております。こうした無料の送迎バスは地域公共交通網形成計画に掲載の対象とはならないように思われますが、いかがお考えでしょうか。 また、認定された地域公共交通再編実施計画に基づき地域公共交通再編事業を実施する地域においては、道路運送法の特例が定められております。そこでは一般乗合旅客自動車の参入について審査が行われ、地域公共交通再編実施計画の維持が困難となることなどが認められた場合、当該事業者の実施方法の変更を命ずることができると定められておりますが、そういう場合でも、こうした無料送迎バスは対象とならないのでしょうか。 先日の参考人質疑においても、三人の先生方が同様にこういうケースについては規制すべきであるというふうに主張をなさいました。対象とならない場合、地域公共交通再編実施計画の維持に向けてどのような調整を行うことが可能なのでしょうか、御見解をお願いいたします。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 まず、制度的な面で二点ございました。 御指摘の無料送迎バスについては、公共交通機関には該当しませんけれども、路線バス等に影響を与える可能性がありますことから、法律の改正後の五条二項四号でございますけれども、地域公共交通網形成計画の目標を達成するために行う事業ということで扱いを受けて、無料送迎バスにつきましても計画に位置付けることは可能だというふうに考えております。 一方、無料送迎バスは一般乗合旅客自動車運送事業に該当しませんので、御指摘がございました事業の実施方法の変更命令の対象とはこれはならないというふうに考えております。 そして、このような場合に地域公共交通網形成計画の作成に当たって開催されます地域協議会の中に、例えば御指摘がございましたスーパーや病院等の施設が参画された上で、例えば路線バス事業者によって無料送迎バスの運行委託ができないかでございますとか、施設の利用者に対する路線バスの運賃割引券の付与ができないかとか、そういうメニューにつきまして、いずれにしてもこれは路線バス事業者の利用者の確保と施設利用者の利便性を、これを両立しないと地域にとってプラスにならないと思っておりますので、そうした方策について公共団体を中心になって調整していただくということになろうかと思います。現行法におきましても、地域協議会には多様な主体の参画と調整を奨励しているところでございますので、引き続き協議会の有効活用を通じて努力してまいりたいというふうに考えております。
○田城郁君 事実、この前の参考人質疑のときもお話ししましたが、既に大きな売上減の影響を受けてバス路線を廃止しようかというふうに具体的に検討に入っている事例も東北の方ではございますので、御承知かと思いますが、是非いろいろな知恵を絞って、百貨店やスーパーのためにもなり、そして路線バスも維持できるような、そのような状況をつくっていきたいと、そのように思っておりますので、是非よろしくお願いをいたします。 次に、地域公共交通再編事業とコミュニティーバスということについてお伺いをいたします。 各地方公共団体でコミュニティーバスが運行されておりますが、コミュニティーバスについては各地方公共団体をまたがって運行されるものはほとんどなく、運行ダイヤについても総合的に接続や乗り継ぎを考えられているものはほとんどありません。また、それぞれの地方自治体ごとに発行している回数券につきましても、精算の関係で共通利用がほとんどできないのが現状でございます。 この法改正では、地域公共交通網形成計画について地方公共団体同士で共同して作成できることとなっておりますが、その中で定められた地域公共交通再編事業についても連携して作成すれば、コミュニティーバスを使って各地方公共団体にまたがって運行され、接続性の高い運行ダイヤが整備されるとともに、自治体ごとに発行しているバス回数券の共通化などは実施できることとなるか確認したいと、そのように思いますが、国交省としていかがお考えでしょうか。
○副大臣(高木毅君) 委員御指摘のとおりでございまして、地域公共交通網形成計画というのは、市町村が単独で作成するのみならず、市町村が共同して作成する、あるいはまた都道府県が市町村と共同して作成するということができることとしているところでございます。 このように複数の地方公共団体が共同して地域公共交通網形成計画を作成した場合には、それらの地方公共団体が共同して地域公共交通再編事業を実施することが可能となります。これによりまして、市町村の区域を越える複数の地方公共団体の区域にまたがるバスや鉄道等につきまして、旅客の利便性向上のためのダイヤ調整だとか、あるいはバス回数券の共通化、都市機能の配置に合わせた新規路線の設定や集約等が実施されまして、広域的な公共交通ネットワークの再編が図られるということが期待されているというふうに考えております。
○田城郁君 ありがとうございます。是非、この際ですからとことん利便性追求というところでいっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 高齢者あるいは若者、障害をお持ちの方の移動の確保と健康ということについてお聞きをいたします。 高齢者が歩行や公共交通機関などを利用して外出の機会を有することで認知症を防止するなど、高齢者の外出と健康や寿命との関係が様々なところで研究をされております。高齢者の居住施設を駅の近くに造り、その移動が可能となることによって健康の維持が行えるとなれば、ひいては社会保障費の抑制につながることも考えられます。また、マイカーを持っていない学生や体にハンディをお持ちの方々が思うように移動し、あるいは生き生きと活動できる状況が更に町を活性化させるということにもつながると考えております。そういう意味で、まちづくりと交通の融合というものは人の人生にも大きく関わるものであるとさえ言えるというふうに思います。 今回の法改正によって、高齢者や障害をお持ちの方々が歩いて移動できるコンパクトなまちづくりとともに、持続的な地域公共交通網が形成されることによって更なる移動が確保されることが期待されますが、高齢者の健康維持や増進という観点を始め、マイカーを持たない層の移動の確保という観点からも今回の法改正が意義のあるものかどうかについてお尋ねをいたします。
○副大臣(高木毅君) 地域公共交通の利用を促進するということは一日の歩行量を増加させる効果があるというふうに考えられます。そして、毎日の歩行量と健康維持増進の間には相関関係があると言われておりまして、歩いて暮らせるまちづくりを推進することは医療費削減に寄与するという研究結果が報告されているところでございます。 本法案は、地方公共団体が先頭に立ってまちづくりと一体で地域公共交通ネットワークの活性化を実現しようとするものでありまして、地域公共交通の利用促進やいわゆる歩いて暮らせるまちづくりの実現を通じて高齢者の健康維持や増進に寄与するものであると考えております。 現在全国で、住民の健康づくりをまちづくりの基本に据えた新しい都市モデル、スマートウエルネスシティーの構築を目指す取組が広がっておりまして、本法案に基づく施策とこうした取組をより連携させていきたいというふうに考えております。
○田城郁君 是非よろしくお願いいたします。 この前の参考人質疑でも、高齢者の方々の健康維持というところではいろいろと議論、研究もされているということでしたが、岡本先生でしたかね、富山高専の先生、若者が意外と置き去りにされているというようなこともお話しされておりました。是非、若者が移動しやすく、そして町で生き生きと活動できるような、そういう町がやはり地方都市を更に活性化することにもつながるのではないかと思いますから、是非その視点も含めてよろしくお願いをいたします。 次に、地域公共交通関連施設の耐震化等の促進についてお伺いをいたします。 持続可能な地域公共交通網の形成は、平時だけでなく災害時にも当てはまらなければならないと考えております。交通政策基本法では、東日本大震災の教訓を法の理念に盛り込み、第三条第二項では、交通の機能の確保及び向上を図るに当たっては、大規模な災害が発生した場合においても交通の機能が維持されるとともに、当該災害からの避難のための移動が円滑に行われることの重要性に鑑み、できる限り、当該災害による交通機能の低下の抑制及びその迅速な回復に資するとともに、当該災害の発生時における避難のための移動に的確に対応し得るものとなるように配慮しなければならないとされております。 このように災害時における交通の機能を維持するためには、本来であれば公共交通事業者が自らの責任において耐震化等を実施すべきと考えます。しかし、地方の公共交通事業者はほとんどが運行経費を補助されているほど経営環境も厳しいために、一時的に大きな資金が必要となる老朽化した駅舎、待合所、車庫、営業所などの建て替えや耐震補強がままならない状況にございます。 駅などは防災拠点ともなることから、例えば鉄道駅耐震補強事業では、一日一万人以上の高架駅であって、かつ折り返し運転が可能な駅又は複数路線が接続する駅が対象とされておりますが、この補助の対象になり得る総駅数に対して現在何駅の耐震化が完了しているのでしょうか。今後、防災・減災の観点から、公共交通事業者が有する公共交通に関連する施設に関して、災害時には著しく交通の機能を低下させ、その迅速な回復を妨げるようなものについては、公共交通事業者が自力で対応するのが困難な施設があれば、財政制約の厳しいところではありますが、既存の耐震化の支援制度に加えてその対象施設の範囲や種類を拡大していくことについて是非御検討いただきたいと考えますが、いかがお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。
○副大臣(高木毅君) 鉄道駅というのは災害時におきまして利用者の安全を確保するために、また一時避難場所ともなることから、その耐震化を図ることが重要であると考えております。 鉄道駅の耐震補強につきましては、従来より、今委員御指摘のとおりでございますけれども、乗降客数の多い駅であって複数路線が接続する駅など、いわゆるターミナル駅に限定するなどして補助金による助成や税制上の優遇措置を講じてきました。その結果、最新のデータといたしまして、平成二十四年度末時点ではありますけれども、乗降客一日一万人以上のターミナル駅につきましては約千百駅のうち約九〇%の耐震化が完了しているところでございます。 しかし、東日本大震災を踏まえまして、喫緊の課題となっております大規模地震に備えるために、首都直下地震あるいは南海トラフ地震で震度六強以上が想定される地域におきましては、ターミナル駅に、これまではターミナル駅に限定していたわけでありますけれども、これからはターミナル駅に限定せずに、平成二十六年度予算では乗降客一日一万人以上の高架駅等を助成対象にして、あるいはまた平成二十五年度の税制改正では乗降客一日一万人以上の全ての駅を固定資産税の減免措置の対象にそれぞれ拡充を図ってきたところでございますけれども、今後とも引き続き着実に鉄道駅の耐震対策を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○田城郁君 今朝も、八時三十五分頃ですが、どんと突き上げるような地震がございまして、いよいよ首都直下かというふうにも頭を、脳裏をかすめたわけでありますが、迫っている大地震に備えて万全な状況をつくり出していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 続きまして、都市再生特別措置法についてお伺いをいたします。 市街地拡大の抑制策についてということでお伺いをいたします。 地方都市の市街地は既に相当広がっておりまして、駅を中心とした限られた中心街だけに再び人口を集中させることは目指すところではありますが、簡単に進むものではないというふうにも思われます。人口減少時代においては、市街地をこれ以上拡大することを抑制させることがむしろその時代における都市政策の目指すところではないかとも思えますが、いかがお考えでしょうか。また、これまでも都市計画法の改正に際して同様な議論があったもののスプロールが進んでいる現実がありますが、いかなる理由によるものでしょうか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 市街地、駅前を中心にして、駅でも表と裏というようなものがそれぞれのところであったと思いますが、そうした市街地がどんどんどんどんスプロール化していったと、モータリゼーションということがあったと思います。大型店舗ということがかなりあったというふうにも思います。 そこで、一九九八年頃だったと思いますが、まちづくり三法というのを作り、そして、二〇〇六年だったと思いますけれども、再びのまちづくり三法ということで対応していったと思います。 そこでは大店の立地をどういうふうにしていくかという規制をやったりということがあったと思いますけれども、今までは、都市計画全体にしましたら線引き制度などで都市の拡大を抑制するという考え方であったと思います。 最近の状況を見ますと、一つは新たな交通網というようなことの中で拡散するというか、従来の市の中心から離れたところに町が形成されたりするということ、そしてまた、合併浄化槽とかその辺がかなり影響あるみたいで、案外安価でできるということで、そこに住んでいこうというような動きはあるというようなことで、何か大きなうねりじゃありませんけれども、スプロールはあるということだというふうに思います。 二〇〇六年の都市計画法等の改正では、大規模店舗等の郊外立地の抑制には一定の効果があったというふうに認識をしておりますが、もはやもうそういうようなものでは対応できない、町全体をどういうふうにしていくのかということを考えなければこれは対応できないということから、個性を持った我が町をどうつくり直すのかという観点でいかないとこれからは成り立たないということの中から、拡大した都市を積極的にコンパクト化していくという作業に入ったというのが今回の状況でございます。 都市全体を見回して市町村が居住や福祉などの民間の施設等の誘導をするという、今回の趣旨はそういうところでありまして、本格的にこれから未来に向けて、どうやって我が町、我が都市は生き抜いていけるのかということを積極的に踏み込んでいくというのが今回の法案の趣旨であるというふうに思っておりまして、是非ともそうしたことに力を注いで、地方自治体が実効性ある制度の下で次を展望できるという措置をとるということに力を注ぎたいというふうに思っているところです。
○田城郁君 町が拡大していく一つの原因には、やはり緑を、あるいは自然を少しでも感じたいと、日々感じながら暮らしたいなどという心理も働くのではないかと思います。そういう意味では、コンパクト化する中でも充実した公園機能とかそういうもので自然を都市部でも、中心部でも感じさせるような、そういう状況もつくり出すことによって、そういう思いも満たすようなまちづくりということが求められているのではないかと思います。是非よろしくお願いいたします。 平成十八年度都市計画法改正による効果についてお伺いをいたします。 特に、平成十八年の都市計画法の改正によって、その制限対象となる大規模集客施設の建築が制限された用途地域における立地件数は、平成十八年は年間十三件であったものが、改正法施行後の五年間の平均で年一件弱というふうに減少したというふうに、国交省の二十六年四月十五日の発表ということでありますけれども、平成十八年の都市計画法の改正による効果をどのように分析しているのでしょうか。中心市街地活性化基本計画の目標に対する達成状況についてお伺いいたします。 また、同施策によって大規模集客施設の郊外への立地が抑制され、そのことによって中心市街地の商業の衰退に一定の歯止めが掛けられたのか否か、成果と課題を踏まえた対応についてお伺いをいたします。
○政府参考人(石井喜三郎君) それでは、私の方から、まず都市計画の立地制限の方の具体的な内容の方について御紹介をいたします。 平成十八年の都市計画法の改正では、スーパー等の大規模施設について、立地可能な用途地域を近隣商業、商業、準工業に限定をした上で、それ以外、立地しようとする場合に地区計画を策定するなど都市計画の手続をきちっと取りなさいということで、地域の判断を反映した適正な立地が言わば比較的裁量的にできる都市計画制度の充実を図りました。 この取組によりまして、今先生から御指摘のように、建築が制限をされた用途地域、二種住居、準住居、それから工業地域については、年間十三件だったものが、その後の五年間では平均年間一件ということで、十三分の一ということで、これは立地制限として効果があったものと思います。それから、スーパー等が一般的に立地をするべきだと、いわゆる商業の区域、商業地域及び近隣商業以外の地域では、その割合が平成十八年までは五一%でありましたものが三四%に減少しておりますので、半分だったものが三分の一に減少したという点から、一定の効果があったと。 中心市街地全体の評価については後ほど担当省庁の方からお話があろうかと思いますが、私どもとしては、平成二十二年に総人口が減少に転じたということで、状況、都市構造の面では大変な変化があったというふうに承知をしておりまして、先般来、大臣の方から申し上げておりますように、このような都市構造をめぐる変化を通じまして今般の誘導策を導入しようという経緯に至ったものでございます。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 内閣官房の方から中心市街地活性化基本計画における目標の達成状況について答弁を申し上げます。 中心市街地活性化基本計画の認定を受けました市町村は、この認定基本計画におきまして、それぞれ地域の実情に応じて設定をされました目標の達成状況、これを的確に把握できるように、例えば居住人口ですとか歩行者の通行量等、定量的な評価指標を定めるわけですけれども、このフォローアップを行うこととされております。 平成二十四年度末までに終了いたしました四十四市、四十四計画におけるそれぞれの指標に対する達成状況を申し上げますと、目標の達成は二九%、目標の達成には至らなかったものの計画の当初より改善している指標が二九%ということでございまして、目標に対して合わせて六割程度は改善が見られたというような状況となっております。 私どもといたしましては、こうした状況から見まして、基本計画に基づく各種の支援策を講じたことによりまして一定の効果はあったものという評価をしておるところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。 時間がなくなりましたので、ゆとりある自然生活圏域を維持するための工夫ということと、コンパクトシティー化における住民との合意形成の在り方について、連続して質問いたします。 本年三月に発表された新たな国土のグランドデザイン骨子では、目指すべき人と国土の姿について、地方圏域の項目として、集落が散在する地域において、日常生活に不可欠な施設、機能や地域活動を行う場を歩いて動ける範囲に集めた地域の拠点の形成や、小さな拠点は国土の細胞であり、この考え方は大都市郊外のいわゆるオールドニュータウン問題にも当てはまる等の記述がございます。これらの課題に対して、本法律案に基づく施策は十分に対応がなされておるのでしょうか。 また、同骨子では、中山間地域は規模が小さいため住民が共同して工夫すれば何とかなるものの、小都市は相対的に規模が大きく、むしろこちらの方が難しいのではないかとの指摘もございますが、特に地方都市において、農業を始めとした日本の原風景的な景観を維持させつつ、ゆとりのある自然生活圏域を維持させるためには、都市農業政策の在り方等のどのような工夫が必要であるとお考えか、お伺いをいたします。 続いて、コンパクトシティー化について、合意形成について、今後、地方都市において一定程度の人口が回帰してくると仮定する中で、受皿として駅周辺に高層マンション等が無秩序に乱立し、あるいは中心市街地におけるミニ開発が進むなど従来の町の景観が損なわれたり、ビル風の問題など、様々問題が想起をされます。この中での住民との合意形成あるいは景観維持についてどのようにお考えなのか、二点についてお伺いいたします。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。 まず、オールドタウン化等でございますが、大都市圏周辺でこれが大変深刻な課題になってまいります。例えば柏のUR団地では、住宅の戸数を減らしながら、一方で医療、介護拠点を整備しながら、地域の包括ケアシステム、あるいは高齢者の働く場を野菜工場として確保するといったような取組を進めております。 また、御指摘の今後の農業等の資源を生かした景観等の取組でございますが、特に居住誘導区域外においてはこれが重要になってまいりますので、農産物直売所や市民農園の整備など、地域の振興や観光に資する施策が講じられるよう農林水産省等と連携してまいります。
○副大臣(野上浩太郎君) コンパクトシティーを推進する上では、御指摘のとおり、住民との合意形成は極めて重要でありまして、このため、本法案におきましては、住民との協議を推進するために協議会を設置できることとしております。そのメンバーにできるだけ住民の代表等を含めていただきたいと考えております。 また、立地適正化計画を作成する際には公聴会を開催するなど、住民の意見が反映されるよう措置することといたしております。さらに、居住誘導地域においては、良好な景観、環境を有する住宅地の形成を促進するために、この景観計画の提案権を住宅開発業者に付与するということで対応しております。ほかには、町の緑化や景観形成に資する取組に対する財政支援制度も設けております。 このように、住民の意見を踏まえながら適切に立地適正化計画が作成されるよう周知してまいりたいというふうに思っております。
○田城郁君 ありがとうございます。 質問を終わります。
○委員長(藤本祐司君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(藤本祐司君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。 人口減少社会におきましてコンパクトシティーは喫緊の課題でございまして、私の地元、九州や沖縄でも、各地で中心市街地が閑散としているという状況が数多く見られます。また、世界でも類を見ない人口が急激に減っていく日本の社会の中で、世界に日本のコンパクトシティーのモデルケースといった形で示していかなければならない、まさに政治がリーダーシップを十分に発揮しながらあらゆる政策を動員していくべきと考えております。 まずは、太田国土交通大臣に伺います。 この度、二法案は、さきに太田大臣が示されました新たな国土のグランドデザインと非常に密接な関係にあることは間違いないと考えておりますけれども、この二つの法案に関しまして、国土のグランドデザインとの関係から、改めて大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 昨年に交通政策基本法を成立させていただきました。そして、基本計画を作るということ。そして、今年三月の二十八日でありましたが、国土のグランドデザインの骨子を作らせていただいて、そして今回、都市再生ということと地域公共交通の活性化という両法案を出させていただいておりますが、いずれも人口減少、高齢化、そして地域において、地方において若者に仕事があるという、この間のいわゆる増田さんの日本創成会議でも、大都市部に人が集まるけれども出生率がそこは低いから、全国的な人口減対策をしなくちゃいけないけれども、都市部に、そこに集中しているという、そこがかえってまた人口が減るということになると。地方が元気で勢いがあって若者に仕事がある、そして女性も働けるという、そうした体制を組むということが極めて重要だというふうに思っています。 そういう意味では、このグランドデザインの十の基本戦略を出させていただいた第一番目がコンパクトな拠点とネットワークの構築を図るということでありますが、そこに寄与する、まさに一体となってこの制度をつくり上げるということが大事だというふうに思っています。 福祉、商業などの生活サービス機能と居住を生活拠点とその周辺に誘導するとともに、拠点間を結ぶ公共交通を再構築して充実を図ると。まさに国土のグランドデザインの基本戦略を具体化する第一歩、このように思っておりまして、成立させていただいたならば具体的に全力を挙げたいというふうに思っているところです。
○河野義博君 ありがとうございます。 若者の仕事をつくっていく、地方を元気にしていく、まさに大臣にリーダーシップを取っていただきまして、省庁横断的な課題が多数あると思いますので、是非ともその横断的なリーダーシップもお願いしたいと思っております。 続きまして、都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に関しまして何点か質問をいたします。コンパクトシティーの目標についてまず伺いたいと思います。 現在、地方都市における土地利用の状況は、市街地が郊外にまで広がりまして、その流れに歯止めが掛かっていないという状況でございます。そして、本法律案が提出されたわけでございますけれども、これによって目指すところのコンパクトシティーとは、まずどのような都市の状況を想定しておられるのか、そして、具体的な数値目標の有無、そして、目標達成に向けた財源の支援措置は十分に担保されているのか、そして、今回の改正法案に基づいた施策によるコンパクトシティーの実現性をどのように図ろうとしているのか、当局のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(石井喜三郎君) 何点か御指摘をいただきました。 まず、目指している都市の姿でございますが、ややもすると、コンパクトシティーといいますと駅前だけに、一つの拠点に集中するようなイメージを与えがちでございますが、これは間違いでございまして、中心部のみではなくて、例えば合併前の旧市町村の中心部とか主要なバス停とか複数の生活拠点にも誘導しながら、これらの間を公共交通の充実によって生活サービスまでのアクセスを良くする、言わば多極を持ったネットワーク型のコンパクトシティーを目指したいというのがモデルでございます。 それから、数値目標でございますが、私どもとしては、都市にはそれぞれ個性がございますので、画一的な数値目標を決めるということは考えておりません。しかしながら、例えば先進事例であります富山では、公共交通が便利な地域に住んでいる市民の割合を市全体の二八%、現在、平成十七年から平成三十七年、二十年後は四二%にする、短期的には、路面電車の乗車人数、公共交通ということですが、これを六年ぐらいで一・二倍ぐらいにするといったような数値目標を立てておられます。このような事例等も御紹介しながら、数値目標を立てることが有効であるということを周知をしてまいりたいと考えております。 支援措置でございます。私どもは、国土交通省は道路とか河川とかあるいは鉄道とかというところが中心ではございますが、今後はますます病院、診療所等の医療施設あるいは福祉施設、そして学校であるとか文化教育施設等が重要になってくると考えております。社会資本整備交付金の中でこれらについても財政上の支援をしていく、あるいは民間企業ができるものについては金融上の支援をしていく。その際、なかなか地方財政が厳しい中で、市町村が学校跡地等の公的不動産を安価に民間事業者に賃貸できる場合には、予算措置なしに国が民間事業者に直接支援できるといった仕組みも取り入れたいと考えております。 最後に、実行性でございます。このような支援措置を通じて市町村による活用を進めてまいりたいわけでございますが、なかなか新しい誘導策ということで最初は取っ付きにくいのではないかと思います。 今まで全市町村に活用の見込み等をお尋ねをいたしました。皆さん、コンパクトシティーは目標に掲げておられます。中でも、具体的にコンパクトシティーを即地的に進めたいというところが、県庁所在地あるいは十万人程度の都市、あるいは大都市では郊外の都市でやりたいという希望が出ておりますので、まずは余り手を広げずに十程度の市町村で活用をし、これらを横展開をして自治体に広めていきたいと、かように考えております。
○河野義博君 十程度の自治体を想定されていると伺いました。その都市の実力も様々かと思いますので、是非国土交通省の方から地元に寄り添っていただいて、目標作成の段階から是非丁寧にフォローアップをしていただければと思います。 続きまして、既に市街地化をしております区域を居住誘導区域外とすることの困難性に関しまして質問いたします。 既に市街地化した区域を居住誘導区域外にするということ、この合意形成が非常に難しいということは衆参参考人質疑でも複数議論をされておりますけれども、当局としてはこれはどのように認識をしておられて、またどう克服しようとされているのか。また、居住誘導区域外になったその地域に関して、その地域が、誘導地域外が荒廃していくという事態は絶対に避けなければならないわけであります。衆議院でも質疑が重ねられておりますけれども、改めてその方針に関して認識をお聞かせください。
○政府参考人(石井喜三郎君) 居住誘導区域外に設定をされるということ、大変不快なのではないかと、難しいんじゃないかということは御指摘のとおりでございます。いかな誘導とは申しましても、現在住んでいるところが居住がベターではないと、むしろあちらの方がベターであるというふうに指定をされるわけでございます。 まず第一点は、これから目指していく方向が一つの点ではないと。先ほども申し上げたように、多極ネットワーク型であるということをまず住民の方に十分御理解をいただきたいと思っております。 二点目として、今回、届出、誘導で誘導をしてまいりますが、これは開発事業者による団地や集合住宅の新改築を対象としたものであって、現在お住まいいただいている個人がこれから住みにくくなるといったことではない旨をきちっと御説明をしていただくことも必要であるかと思っております。 以上御説明をいたしましても、まだまだ住民の合意形成は難しいと考えております。 このため、即地的な設定に当たっては、市町村、事業者、住民の代表も参加できる協議会を設置をして十分に議論をいただく、必要に応じて公聴会を開催する。それから、大切なことは、やはりデータをもって、今のままでは将来どんな姿になってしまうのかということを御理解いただいたりすることが重要でございますので、これらのデータを集めたりコーディネートをする補助について私どもの方から御支援をしたいと。 最後に、区域外が荒れてしまうのではないかと。この居住誘導区域外というのは、居住を今後誘導しないということであって、放っておいていいということではございません。農業を始めとする地域資源を生かした産業の立地をむしろ促進をしていくということで、例えば「農」ある暮らしづくり交付金、農水省の予算でございますが、これらによる農業の六次産業化等の振興が図れるよう各省で連携をしてまいりたいと、かように考えております。
○河野義博君 今、協議会の設置や公聴会といった御回答をいただいておりますので、関連しまして、ちょっと順番を変えまして、第三者委員会選定への取組という質問をさせていただきます。 居住誘導区域と誘導区域外の線引きに関しては、その地域の政治のリーダーシップというのが非常に重要になるというのはさきの参考人質疑でも指摘をされておりました。その決定までの過程において、谷口参考人は、短期的な利益の最大化に陥らないために長期的な最適解を導くため、都市構造確認制度の必要性を説いておられます。 そのメンバーに関しまして様々アドバイスもいただいておりますが、国交省としては、そのメンバーの構成や任期、選出方法などに関して、国としてはこの第三者委員会また協議会というものの設置をどのように捉えられておるのか、またどういう方向に導いていかれるのか、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(石井喜三郎君) 今後の立地適正化計画、まさに今後のまちづくりの基本方針について、第三者の立場からどのような形で確認をされていくかということでございます。 本法案では、計画の策定に当たって、公正かつ専門的な第三者機関として、都市計画に関する調査審議を行う都市計画審議会というものがございますが、この意見を聴かなければいけないものというふうにしております。 また、本法案では、市町村がおおむね五年ごとに施策の実施状況について調査、分析、評価を行い、その報告を審議会に行う。また、審議会は必要に応じて報告を求めることができると。また、この委員の構成でございますが、有識者、その中には、都市計画あるいは住宅、産業政策の専門家、市町村議会の議員、関係行政機関、さらには住民のうちから市町村長が任命をする方といった方々が含まれるものというふうに承知をしております。任期等の組織及び運営については条例等により市町村が定めることとなっております。
○河野義博君 政治のリーダーシップが重要であるということは非常に言わずもがなでございますけれども、一部の政治家の恣意性によってその線引きがなされてはならないと私強く思っておりますので、幅広い合意形成に向けて、是非とも引き続き御指導いただければと思っております。 続きまして、コンパクトシティーに向けた人材確保という観点から伺います。 コンパクトシティーに向けた施策の推進、その合意形成の成否は取組の主体となる人づくりであり、地域づくりを推進する担い手の育成、活動支援、地方自治体の職員のコンパクトシティーに関するノウハウの蓄積また共有化、そのコンパクトシティーによるメリットの見える化などなど、施策が欠かせないと考えておりますけれども、コンパクトシティーに資する人材確保の在り方について見解をお聞かせください。
○政府参考人(石井喜三郎君) 御指摘のとおり、今回誘導していくという全く新しい制度でございます。都市計画についての十分な知識あるいは経験というものが求められようかと思います。 このため、国土交通省といたしましては、先ほど、最初に十程度のところから始めてというふうに申し上げましたが、具体的に計画作成意欲を示した市町村に対して担当職員をまず決めまして、一緒になって指導していくといいますか、一緒にいいものをつくり上げていく。あるいは、今後ともいろいろな御相談が出てまいりますが、本省ではなかなかすぐ行けませんので、これらにつきましては、地方整備局、運輸局、いずれに行っても相談に応じられるようなワンストップの体制をつくっていく。 それから、富山市等はこれらについて先進的な経験を積まれております。都市局からは五代にわたって職員を派遣をして、今都市局にも三人が勤務をしておりますが、これらの職員等を通じながら人材紹介もしていくといったことをしたいと思います。 さらに、あわせて、地域ごとで法案の説明をする、これは施行後直ちに行いたいと思っておりますが、あわせて、ワークショップの開催であるとか専門家派遣等を行う、これについては財政上の支援等も行ってまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 冒頭の質問とも重なりますけれども、是非、地方の意見を聞いていただいて、地方の人を育てていただいて、先進的な成功事例を早くつくって、それを共有化していくといったお取組に期待をしたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、広域な視点でのコンパクトシティーへの取組という観点から伺います。 コンパクトシティーを積極的に取り組む自治体がある一方で、いまだに人口増を前提とした諸施策を掲げている自治体も多数存在しております。近隣自治体との関係においてこれまでの方針や計画が異なる場合があり、コンパクトシティー化を進めるに当たっては基礎自治体単位での取組にも限界があるといった考えもあろうかと思います。広域的な視点でのコンパクトシティー化に向けた取組について国としてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) ある市町村がコンパクトシティーにしようと思っている、ところが隣の市町村は全く違う開発をしたり、あるいは大きなショッピングモールができたりすると。これではもう何のためにやっているか分からないということになると思います。 同時にまた、例えば私のふるさとの愛知県でいきますと、豊橋という新幹線があるところがありまして、豊川というところが奥にありまして、北に行くにつれてだんだんだんだん、なかなか人が余り住まないという村があって、それで長野県に行くと。しかし、そこで今、三遠南信ということで、この浜松と豊橋と飯田を中心にして、そこを道路でつないでいくという広域的な戦略がある上に、それぞれの都市がどういうふうに個性ある町をつくっていくかという、そういう話合いが常に行われているという状況がございます。 そういうことで、今回の二つの法律は、我が町を、我が地域をどういうふうに盛り返していくかということの知恵を出しながらまちづくりを主体的にやろうと、そして交通網を主体的にやって再生させようというところに主眼があるので、それぞれの市がばらばらで勝手にやっていたのではこれは駄目だというふうに思います。 そういう意味では、昔というか、これまでは市町村が都市計画の決定や変更をするときに都道府県知事との協議を通じて行うということであったんですが、平成十八年度の都市計画法改正におきまして知事による広域調整という項目が入りまして、知事は関係市町村から意見の聴取等を行うということができるということにしました。 その上で、都市計画区域マスタープランは都道府県が広域的な観点から都市の将来像を明確化する、こういうわけですが、この法案におきましては、立地適正化計画はその都市計画区域マスタープランに即したものにするんだと、そして広域的な調整が図られるということが大事だということを入れ込んだ法案になっております。 そういう意味では、市と、そして周辺のゾーンといいますか、そういうところの我が地域をどういうふうに持っていくかということの知恵がそれぞれのところで発信されるということが一番大事な主眼であって、そういう意味では、ばらばらなそうしたことが行われることのないように、この法の趣旨を徹底をしていきたいというふうに思っているところです。
○河野義博君 是非、広域的なマスタープランに従った各地域が連携した取組というのを推進していただきたいと思っております。よろしくお願いします。 続きまして、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に関しまして質問させていただきます。時間の関係で一部割愛をさせていただきます。 都市計画のパターン化と申しますか、パターン化に関しまして伺います。 第二十七条の二におきまして、地域公共交通再編実施計画には、事業の区域、実施主体、内容、期間、そして資金調達などを定めることとなっております。地域の特性を生かした計画策定が重要であるということは論をまちませんけれども、市町村がゼロから考えていくのではなくて、幾つかのプランの中から選択できるようなことも重要ではないかと考えておりますけれども、御意見をお聞かせください。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 まず、市町村が地域公共交通網形成計画を策定するに当たりましては、市町村ごとに、人口、規模、地理的条件等地域特性が異なります。しかも、抱えております交通問題も様々でございまして、その解決方法も多岐にわたります。 今委員御指摘のように、プランを示すというところもありかとは思うんですけれども、私どもとしては、似たような特性なり課題を持っております市町村がまず成功事例をつくる、それに対して我々がその取組を支援するとともに、そうした成功事例を関係の市町村に提供して、さらにそれに基づいて支援していくというようなことが非常に有効な方法だというふうに考えておりまして、いずれにしても、市町村ではノウハウや人材が不足している面がございますので、先駆的な事例というものを収集してホームページやシンポジウムにおいて提供いたしますとともに、研修の場においてもその活用を促してまいりたいというふうに考えております。 私どもとしては、本省におけるプロジェクトチーム、それから出先によるワンストップの相談窓口の設置、それから計画策定に対する予算措置等を講ずることとしておりますので、そういうものを通じまして積極的に市町村を支援してまいりたいというふうに考えております。
○河野義博君 地域の特性を生かしてそれぞれのプランを作っていくということは非常に大事なんですけれども、事導入する設備に関しましては、ある程度国の方で誘導していただくような施策がお願いできないかなと思っております。具体的には、LRTやBRTを導入したいと言っている市町村は幾つかあるんじゃないかなと思いますが、それぞれの都市が余りに個性的なものを導入してばらばらの、隣の都市ではこういう規格、隣の都市ではこういう規格と、何年後かにパーツが壊れたときに、隣のとは、隣の市とは全く規格が違うのでまた海外から取り寄せなきゃいけません、そういった事態は是非回避するべきだと私は思っておりますので、導入するその設備に関しましてはある程度選択肢があるような形の方が市町村としても導入しやすいのではないかなと思っておりますので、これはお願いでございますが、御検討を引き続きいただければと思っております。 次に、ゾーン制の導入に関しまして伺います。 居住誘導区域から都市機能誘導区域への移動に当たりまして、今回地域公共交通が再編をされることというのが予想されますけれども、その場合、バスとバスで乗り継ぐ、また、バスと鉄軌道で乗り継ぐといった乗り継ぎが発生されることが考えられます。 初乗り運賃の重複差額というのは利用者の判断に大きく影響するところでございます。公共交通の乗り継ぎの円滑化を図るためには、ゾーン制の導入や乗り継ぎのたびに発生する初乗り運賃を共有化していく、そういった工夫も必要なんではないかなと考えますけれども、御見解をお聞かせください。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 地域公共交通ネットワークの再構築を進めるに当たりましては、今御指摘のございましたように、例えば同一ルートにおける競合を避けるとか、あと運行頻度を上げたりするために鉄道とバス、あるいは路線バスとコミュニティーバスの間の乗り継ぎを活用する場面が出てくることが想定されます。 この場合、乗り継ぎ前後の運賃につきまして割引とか通算を行うことによってトータルの運賃が割高になることをできる限り防止するための方策を講じるということが、公共交通の利便性を増して、その利用を促進する観点からも非常に効果があるものと考えております。 今回の改正におきましては、こうした方策につきまして従来は専ら交通事業者にその導入を委ねておりましたけれども、そうではなくて、地方公共団体が地域公共交通の再編実施計画を策定する中で、割引等の措置による交通事業者の減収分がございますから、こうしたものの扱いも含めまして、その実現手法を検討するということをこの制度の中で可能としているところでございますので、こうした新たな枠組みの下で、乗り継ぎに際しましては、一つは利用者の利便性の増大、それから事業者の安定的な交通サービスの提供、この二つを両立させるような運賃の導入が促進されるということを期待しているところでございます。
○河野義博君 乗り継ぎ、初乗り運賃とともに、江島委員からも御指摘がありました家族割というのも一つの大きな手段であろうかと思います。引き続き、積極的な推進を是非お願いできればと思っております。 最後に、離島航路に関しまして伺います。 私は、九州、沖縄を地元とさせていただいておりまして、たくさんの離島がございます。航路や航空路は生活に密着しておりまして、地方公共交通の活性化に重要な役割を果たしております。しかし、この度の改正案では、離島航路は対象とはなっておりますけれども、離島の航空路に関しては法律の対象とはなっておりません。 そもそも本改正案は、交通政策基本法の具現化と示されておりまして、今回目的に追加されている同基本法の理念を示す第五条には、交通に関する施策の推進は、徒歩、自転車、自動車、鉄道車両、船舶、航空機その他の手段による交通が、交通の手段の選択に係る競争及び国民等の自由な選好を踏まえつつそれぞれの特性に応じて適切に役割を分担し、かつ、有機的かつ効率的に連携することを旨として行われなければならないとされておりますけれども、本法律案における離島航路の位置付けについて認識をお聞かせください。
○政府参考人(西脇隆俊君) まず、離島航空路につきましては、離島の住民のみならず離島を訪れられます観光客等にとっても非常に重要な交通機関でございまして、地域の活性化のためには大きな役割を果たしております。今委員御指摘のありました交通政策基本法におきましても、当然ながらいろいろな交通機関のモードの非常に重要なものとしてその位置付けを記述したところでございます。 こうした離島航空路がその役割を十分に果たすためには、地域公共交通ネットワーク全体の中でその利便性を高めていく必要があると思っておりまして、今回の法律の中で地域公共交通網形成計画を策定することになっておりますので、この計画の中では、例えば地域の実情に応じて離島航空路を位置付けて、地方公共団体が中心となりまして、その空港におきます例えば他の交通機関との乗り継ぎをどうするかというようなアクセス改善、それを通じて利用者のサービス改善を図るというようなことで、交通網形成計画の中で航空路についてもそのネットワークの一環としての位置付けは可能だと思っております。 国としては、離島航空路補助制度などを活用いたしまして、このような地域の取組を航空路の補助という形でしっかりと後押ししてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○河野義博君 ありがとうございます。 離島、特に国境離島の存在価値というのは本当に定量化できない重要な我が国の宝でございますので、是非とも航路の方にも力を注いでいただきたいと思っております。 ありがとうございました。終わります。
○室井邦彦君 日本維新の会・結いの党の室井でございます。 この法案の提案理由、また説明に対してはしっかりと私も読ませていただきまして、全く同感でございます。時代の後追いをしないように、先取りをしながらしっかりと指導力を発揮していただきたい、このように期待をしているところであります。 もう一点は、今朝八時半に、私は麹町議員宿舎にいるわけでありますけれども、あの大きな建物が大きく揺れがありました。阪神・淡路大震災を経験しておりまして、もうトラウマになっておりまして、こんなのが直下地震がとか、また、もう一度揺り戻しが来るんじゃないかとか、揺れもしていないのに体がまだ揺れているような感じを体で覚えているとか、津波は大丈夫かとか、原発はどうだろうかと、すぐ反射的にそのように思ってしまいます。 大臣、私はくどく申し上げておりますけれども、東京一極集中はいいことかも分かりませんが、是非、また東京に大きな打撃を受けたときに、日本の経済、産業、アジア、世界が止まるようなことがないように、また副都心とかそういう方向でしっかりといろいろと御指導をしていただきたい、またお考えをしていただきたい、このように願いまして質問に入らせていただきたいと思います。 まず、まちづくり三法による地方都市の再生について少しお伺いをしたいと思います。 この地方都市における特に商店街、中小商店街の多くは、事業者の高齢化、そしてまた、地味な仕事であるせいか後継者がほとんど集まらない、このような条件がそろい、商店街は、シャッター通りというような商店街が数多く出てきております。 そういう中で、モータリゼーションの進展に伴い、病院、また行政機関などの公共施設及び大型商業地域などの都市機能が郊外に移転するなど、有効な対策が、まあ講じられていたんでしょうけれども、あえてこの場では有効な対策が講じられずに中心市街地の空洞化に歯止めが掛けることができなかった、このように思っております。また、地方においては、結果として、今申し上げましたようにシャッター通りが多く出現している。 このような状況を解決をするために、平成十年にまちづくり三法が成立をいたしました。しかし、その後、平成十八年にまちづくり三法の見直しが行われております。しかし、社会経済状況の急速な変化に十分対応できずに、有効な手だてとなっていなかったのではないか、このように思われます。 そこで、これまで都市政策における誘導策をどのように評価をし、今回の都市再生特別措置法、また改正にどのように生かしているのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 私も、最初のまちづくり三法には、当時商工委員会で所属をしておりまして、議論、相当質問とか、あるいは附帯決議を付けさせていただいたりしました。室井先生がおっしゃるとおり、医療施設が郊外にモータリゼーションの中で行く、行政施設が行く、そして更に大型の店舗等が、商業施設が郊外に出る、こういう中で空洞化して、町が壊れるということがよく言われたんですが、そこを何とか中心市街地を活性化しようと、そして都市計画法という三法の一つでは、そこを何とか一つの線引きによって守ろうというようなことであったと思います。 しかし、なかなかその線引きだけでは駄目だということもありまして、平成十八年の都市計画法等の改正におきましては、大規模店舗等の立地可能な用途地域を限定するというようなことで、かなり限定をしてきたという経緯があります。 しかし、どうしても中心市街地で、この商店街が駄目なので、どう活性化しようかとかいう、そういう個別の商店街の活性化とか、あるいはアーケードを造るとか、あるいはそういうことで終わっていたので、もう一度医療施設とかそういうものを中に入れたり、そしてそれぞれのすみ分けをどういうようにするかということをきちっとやっていかなければ、都市はばらばらになってしまったまま、しかもその中で人口減少、そして高齢化という中で機能しなくなるという状況だと思います。 したがって、まちづくり三法は十八年の改正においては間違いなく一定の効果はあったとはいいながら、時代の流れの中で、更に大きな要素で、これではとてももたない、町をつくり直すと、計画的に、戦略的にということの中で、積極的にコンパクト化する方向を考え転換をしていく、都市全体を見渡して、居住や福祉などの民間の施設等の誘導という手法で公共交通政策と連携して進めていこうというところに今回の法改正の意義があるというふうに思っているところでございます。 初めて都市政策を公共交通政策と一体的に進めるコンパクトシティー・プラス・ネットワークの考え方を具体化するために今回法案を提出させていただいたと。ある意味じゃ、私は、これ最初で最後のチャンスと、今なら間に合うという気持ちでこの法案を出させていただいているところでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。力強く感じさせていただきました。 これは通告しておりませんのでお答えしていただく必要はありませんが、今日の八時半の地震で私もいろいろと、福井県は原発銀座と言われて十三基の原発があって、琵琶湖に一番近いところが三十九キロというようなことでありまして、同じことばかり言っておるんですけれども、耳かきの三分の一か四分の一の放射能が琵琶湖にぽとっと落ちるとこれどうなるのかなと、関西人として非常に恐ろしく感じているところであります。是非、原発近くのそういうコンパクトシティーをまた始動するようなところがあれば、極力原発から離れていくような都市づくりを是非考えていただきたいなと。 三十九キロ以内に町があるというのは、これから人口減も八百近い都市が消滅するようなことも言われておりますので、その流れに即応したコンパクトシティーづくりも、特に原発にこだわるわけじゃありません、こだわるわけでありますけれども、そういうまちづくりを考えていただければなということも参考にしていかれれば有り難いなと思います。 続きまして、都市再構築戦略に向けての国としての基本的な考え方についてお伺いをしていきたいと思います。 人口が減少し高齢者が急増する中でも都市の生活を支える機能が低下することのないようにということでコンパクトシティー政策の推進というのは特に期待され、望まれていると思います。そのような課題解決のため、都市再生特別措置法と地域公共交通活性化再生法の法改正を行い、中長期的な視点に立った持続可能なまちづくりが推進されるものと大いに期待をされているところでありますが、このコンパクトシティー政策推進の鍵は地方自治体における首長、議員といった政治家の姿勢と自治体担当者一人一人が、先ほど来同じ答弁も聞いており、同じ議員の先生方も質問されておりますが、一人一人の担当者がこの政策に、導入に向けられるまずやる気が大切である。 これは先ほど行われました参考人質疑の中で、国土交通省の審議委員会など多く就かれておられる谷口守先生も、そういう意味でこういう法整備が、立派な法整備ができた、次にどういう問題点があるんでしょうかという、参考人質疑のときに私はこのように質問をいたしますと、一言で、まさに政治家にあるというふうに言われました。 非常に責任を重く痛感したわけでありますが、そういう状況の中で、この法改正に基づき、国は、都市の現状、今後の見通しや課題を明確にして、人口減少を前提とした今後の都市の将来像やそのビジョン策定に当たって地域に対する身近なデータを提示していくことも重要だと思っております。 そこで質問いたしますが、国が国家戦略として強いリーダーシップを取ることで、自治体における取組も強化される、やる気を起こす、このように考えます。コンパクトシティー政策の推進に向けた基本的な考え方をいつどのように示していくつもりなのか、具体的なスケジュールをお聞かせをいただきたい。
○大臣政務官(坂井学君) 本格的な人口減少社会が到来する我が国におきましては、町が郊外に拡大をしたまま人口が減ると低密度になり、地域の活力が低下すると、こう見込まれておりまして対策が急がれておりますが、二〇五〇年には約六割の地域で人口が半減以下、そしてそのうちの全体の約二割に当たる地域で人が住まなくなるというような見通しがございまして、大変厳しい状況であります。この状況をまず国と市町村と共有をし、また、その上で制度趣旨をしっかりと理解をしていただいて、十分な知恵と人材が育っていくということが重要だと考えております。 国土交通省としては、いつということに関しましては、法案成立後速やかに、そして本省内におきましては合同プロジェクトチーム、都市と交通の合同プロジェクトチームを組成をし、計画作成意欲を示した市町村に担当職員を指定をする。また、地域におきましては、各地域ごとの地方整備局、運輸局においてワンストップの相談窓口を構築をする。そして、ブロックごとに説明会を開催をしまして、共有と、この状況、データをお伝えをすると同時に、先進市町村職員等の人材の紹介を行うというようなことを行ってまいります。また、内閣官房におきましてはコンパクトシティーなどのモデルケースを選定し、政府一体となって総合的な支援を行うこととしていることから、このモデルケース等の取組を様々な自治体に広めていきたいとも考えております。 このように、国といたしまして市町村を積極的に支援することにより、市町村のコンパクトシティーへの取組が進むよう万全を期してまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 国そして地方自治体そして政治家、この三つがやはりしっかりと連携を取りながら、それぞれ責任を持ち、進めていかなくちゃいけない、このように思っております。よろしく御尽力を、御指導をお願い申し上げます。 続きまして、コンパクトシティー実現の戦略に対する国の指導、助言についてお伺いをしたいと思います。坂井政務官のお答えになったところと多少重複すると思いますけれども、御理解をいただきたいと思います。 このコンパクトシティー政策を円滑に推進するには、集住や都市機能の集約立地に向けたスキームや誘導策において、国が地方自治体に対しエリア設定に関する基準をまず示し、誘導策の選択肢、どのような誘導策の組合せが効果かといった指針を示すことが重要であります。国はその基準、指針作りをどのように考えておられるのか、まずお聞きをいたします。 引き続き、続いてもう一問質問させていただきたいと思います。 そして、居住の集積を図るエリアの設定、またエリア外の住宅などの建設の抑制など、具体的な処置を講ずる上で自治体と住民との合意形成が必要であります。都市機能を誘導する過程で行き過ぎた都市間競争が起こらないように、隣接する市町村間で調整、連携する仕組みが不可欠であります。先ほど大臣がお答えしていただいたとおりでございます。国は、円滑な事業を推進するための仕組みづくりに当たって、地方に対する指導、助言をどのように考えておられるのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(石井喜三郎君) まず第一にエリア設定の基準でございますが、都市にはそれぞれ個性が大変違うございますので一律の基準を設けることは考えておりませんが、一方で、そのような様々な状況に対応した典型的な例を示すことで、エリア設定が円滑に進むように御支援をしたいと。例えば、鉄道駅に近い業務、商業などが集積する地域には都市機能誘導区域をと、あるいは居住誘導区域は都市機能誘導区域の周辺あるいは交通機能との一定の幅を持ったエリアであるとか、このような典型的な例を幾つか示すことでエリア設定を円滑に進めたいというふうに考えております。 それから、支援策でございますが、様々な支援策を、社会資本整備交付金あるいは金融支援、税制等ございますので、これらについては早急にパンフレットを作りましてお示しをしたいと思います。ただ、その組合せというのは相当地域によって違ってまいりますので、先ほど来御説明をしております整備局あるいは運輸局のワンストップ窓口で御相談を受けて、じゃ、これとこれを組み合わせたらいいといった点を御報告をしたいと思います。 なお、広域調整につきましては、大臣もお答え申し上げましたが、都市計画区域のマスタープラン、これは都道府県が決める広域的なものですので、こういうものを使いながら広域的な調整が図られるように徹底してまいりたいというふうに考えております。
○室井邦彦君 引き続きまして、東京一極集中を是正するための地方都市の再構築についての質問をしたいと思います。 御承知のとおり、我が国の総人口は更に減少局面に入っておりますが、都市の人口も、大都市圏を含め、確実に減少していく傾向にあります。二〇四〇年には約一億七百万人に減少することが見込まれている、二〇八〇年には約六千六百万人、二一一〇年には四千三百万人まで減少すると推定されております。中山間地域、山村地域、そして離島地域では、過疎化、高齢化が進展していく中で、経済的、社会的な共同生活の維持が難しくなり、社会単位としての存続が危ぶまれている限界集落について、これまで問題が指摘されてきております。 最近、有識者団体、これは五月八日に日本創成会議が行われ、人口減少問題検討分科会が行われました。座長、御承知のとおり、前の総務大臣の増田寛也さんが座長をしておりますが、この推計では、八百九十六自治体を消滅可能性自治体と位置付けておられます。有効な手だてを講じなければ消滅の可能性が高いと提言をされております。自治体が消滅するという衝撃的なケースが浮き彫りになりました。 東京など大都市圏では、近年著しい成長にあるアジアの主要都市との国際競争力を強化をするため、国際競争力を備えたまちづくりの対策が講じられております。このことは、東京など大都市圏への人口流入を促進をさせるという、更に一極集中をさせるという、このような行動をあおっているように感じられます。地方都市の人口減少、地域社会の空洞化を一層加速させることにつながると懸念をしております。 地方都市の再生のためには若い世代の地方から大都市への人口流出を是正させるハード、ソフト両面による魅力ある都市づくりが大切と考えております。国土交通省として魅力あるまちづくりを創出するため、どのような対策を考えておられるのか、野上副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(野上浩太郎君) 今先生から御指摘がありましたとおり、地方は本当にこれから急激な人口減少ですとか高齢化が見込まれているわけでありますが、そういう中で地方都市が魅力あるまちづくりを進めていくために、居住や生活サービスを誘導することによって一定の人口密度ですとかあるいは都市機能の集積を維持するということが必要であります。そこで、今回の法案では居住誘導地域や都市機能誘導区域の設定をしているということであります。 そして、この一定の人口密度ですとかあるいは都市機能の集積を維持することによって、まずは民間投資や居住を誘導するための土俵づくりを行うということが必要であります。そして、それと同時に地域産業の成長ですとか雇用の維持をしていく、雇用を創出をしていくということについて、これはやはり政府一体となった取組が必要でありまして、今まさに今週ヒアリングをされているところでありますが、都市の構造や地域産業を総合的に改革するモデルケースを選定をして、関係府省の関係施策等で最大限支援するということといたしております。 こうした取組を通じまして、地域の自然や歴史、文化、町並み、あるいは農水産物、伝統技術等の地域資源を活用しつつ、国際競争力やグローバル化が進む中で地方においても魅力あるまちづくりが行われて、大都市に負けない居住や産業の受皿となることが期待をされているわけでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 続きまして、人口減少社会の下での地域公共交通の再生についてお伺いをいたします。重複しているところもあろうかと思いますけれども、御理解をお願いをしたいと思います。 モータリゼーションの進展によって地域公共交通の位置付けが相対的に低下し、輸送人員の減少に歯止めが掛からない状況にあります。一九七五年から二〇〇九年の間、バス・鉄道輸送人員は自動車と比較して六割から三割に低下している、このように聞いております。特に乗り合いバス事業の輸送人員は二〇一〇年時には四十二億、そして一九九〇年、この時代には六十五億、二〇一〇年と比べますと三五%減少しているということであります。 鉄道事業で黒字を出すということは世界ではまれな成功例であり、我が国の常識が世界の非常識であると関西大学経済学部宇都宮浄人教授が論文の中にこのように書いておられ、先日申し上げましたように、この国土交通委員会の参考人として質疑したときにもこのような御意見を御披露、また我々はお聞きをした次第であります。 平成二十五年において、民間バス、これも六九%、地域鉄道事業者の七六%が赤字ということであります。地域公共交通を担うバス・鉄道事業者の経営悪化の進行が地域の公共交通のネットワークのサービス水準に、大幅に低下させているのが実情であります。今後の急激な人口減少の下で地域公共交通の経営環境はますます更に厳しくなるものと予想をされます。制度面などにおいて、国を始めとする公共関与を拡大していかなければならない地域公共交通の維持は困難であると考えます。 そこで、質問させていただきますが、国が考えるコンパクトシティー政策を推進する上で地域公共交通の維持確保は不可欠でありますが、国はどのような仕組みで地域公共交通の経営改善を図り、サービスの維持向上を図ろうと考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘のように、民間のバス事業者では約七割、そして鉄道事業者におきましては八割弱、これが赤字という状況でありまして、公共交通というのは本当にもう存続する、これが危うくなるという大変な危機にあるというふうに思っています。この人口構成や今都市の状況を見ますと、もう一遍都市全体をつくり直してその中でどうするかと。 私はこの間北海道へ行ってきたんですが、JR北海道をどうするかというだけでなくて、北海道全体の観光のポテンシャルや農産物のポテンシャルがある中で、空港と港湾と、そして道路と、そして鉄道というのをどう組み合わせてやるかということを考えない限りJR北海道というのはなかなか成り立たないから、はらはら見ているんじゃなくて、みんなでそういうふうに北海道を持っていこうということを申し上げたんですが、こういう中でのまちづくりという、そして公共交通をどうするかという観点に立っているのが今の私たちの考えであるわけです。 具体的に、交通ということを考えましてもいろんな考え方があるわけでありますけれども、最近は、昔はバスは駅に向かって走って夕方に帰ってくるというような、そういうことでありましたが、昼間に高齢者が多いものですから、都市部でもコミュニティーバスというのが非常に多く要望されて、必ず病院に寄っていくというようなバスがつくられたり、小さな集落ですと公共交通成り立ちませんから、ディマンドバスという形で、要望を出してそれを拾っていく形でルートが変わっていくというようなものを走らせるというような、タクシーもまたそういうようなことで活用されているというような状況もございます。 何よりも今回考えておりますのは、こうした工夫をするというのと同時に、もう一つは、経営ということからいきますと、地方公共団体が出ていくという、そして国も応援をするということが大事であるということで、経営ということでいうと公有民営という、そして上下分離ということも考えたりというような支え方と、全部何でも民間の事業者に任せるという段階はもう超えたというのが今の境目の状況であるというふうに思っているところです。 地方公共団体が先頭に立つ、そして地域の関係者が知恵を出し合う、その合意の下でまちづくりと一体で公共交通を考える、こういう原則の下でこれからよく知恵を出し合って前に向けて進んでいくようにというふうに思っているところでございます。
○室井邦彦君 終わります。
○田中茂君 みんなの党の田中茂です。 今回提出されている二つの法案につきまして、人口減少、高齢化の進展等への対応を図らなければならぬという認識は私どもも共有していますし、世界の中でもほかと差別化した魅力ある都市としてプレゼンスと国際競争力を高める必要性にも賛成いたします。国の基本方針、成長戦略の一環として不可欠であることにも異論はありません。 とはいえ、本法案には幾つかの点でお尋ねしたいことがあります。 まず第一にですが、今年の二月に国交省が公表した都市再生に向けた取組についてで、地方都市で市街地が拡散し、低密度な市街地を形成していると説明があり、それが一つの問題とされています。しかし、二〇一〇年までのいわゆる平成の大合併を通じて市町村数はほぼ半数になったことを踏まえると、そのような状態は当然想定されたことであって、市町村合併を推進した結果を否定することにもつながりかねないと思うんですが、この点の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 本法案は、平成の大合併、三千の市町村を半数に、人口についても三万六千を六万九千に上昇させた大合併を否定するものではございません。平均密度が下がりましたというのは市街地の人口密度でございまして、市町村単位のものを言うものではございません。むしろ、合併をすることによりまして市町村の中に幾つかの拠点が生まれてまいります。これらの生活拠点を公共ネットワーク等で結び付ける多極ネットワーク型のコンパクトな姿を是非とも目指したいと、かように考えている次第でございます。
○田中茂君 コンパクトシティーということですので、なるべく簡素で分かりやすくしていただきたいと思いますので、その辺を踏まえてやっていただきたいと思います。 次の質問ですが、今まで外延化が進んできた都市を郊外から都心へと回帰させる措置は多くの利害関係者の調整が必要であり、この間、参考人の方もお話しされていましたが、相当な政治的リーダーシップが要求されると思います。法的要件だけではなく税制などの組合せでインセンティブを働かせる仕組みが必要で、確かに、本法律案ではコンパクトシティー化の計画を策定する市町村に対して計画内容の実現のための規制や財政、金融、税制などの支援をセットとしています。 しかし、計画策定が義務化されているわけではないので、手を挙げる市町村がいて、どのくらいいるのか、その広がりが重要だと思っております。その辺りの見込みはいかがなのか、どれくらいのスパンで、どの程度の市町村がマスタープランを計画し、コンパクトシティー化を進めているとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。 現時点で具体的な要望という形では、当面十程度ということを申し上げたところでございます。それから、これはなかなかすぐに行うということは大変難しい点がございます。富山市の場合には二十年ぐらいのタイムスパンを計画期間というふうに考えておりますが、市町村の基本構想が大体十年から二十年ということを考えますと、全体としては十年から二十年ぐらいの中のスパンで計画を実現していくといった方向になるのではないかと考えております。 いずれにしましても、早く良い例をつくって、これを横展開していくということが重要でございますので、そのための知恵を絞ってまいりたいというふうに考えております。
○田中茂君 ありがとうございます。 横転換といいましても、それぞれ都市レベルが違うし、いろんな文化、伝統もありますから、そう簡単にはいかないと思いますが、その辺はより懇切丁寧にやっていただきたいと思います。 次に、高齢者とコンパクトシティーの在り方についてであります。 人口減少や高齢化で利便性の高い暮らしや交通手段を求める人がいる一方で、高齢化になればなるほど、これまで住み慣れ親しんだ場所からよそへ移ることへの身体的な負担や心理的抵抗感も強いと思います。 都心の成り立ちには、先ほども言いましたように、それぞれの独自の背景があり、文化や歴史があって今に至っているわけであります。そのような歴史や記憶の連続性を考慮することなく管理者目線で効率性を求める施策にすることが果たして適切なのか、それがコンパクトシティーと言えるのか。民間の開発であれば、利益が出るような、効率性を第一に求めることが当然ですが、法制化して国が支援する以上、あくまでも住民目線の施策の進め方を念頭に置くのは当然だと思います。 そこで、そのような住民感情や高齢化を考えた場合、法案にあるような都市機能誘導区域と居住誘導区域のすみ分けが果たして現実的なものなのか、御意見をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 高齢化が進展する中で、居所を変えていくというのは大変難しい作業でございます。衆議院の方の参考人で御出席をいただいた森市長は、居住誘導の区域を定めるのに市長自ら二百回の市民集会をこなされたということで、まさに政治的リーダーシップが必要であるという証左であろうかと思います。 今般のこの区域誘導は、まず一つは、届出、勧告という誘導的な手法であって、強制的なものではないと。現在、今住んでいる住宅について届出、勧告を求めるものではなく、住宅事業者による開発を対象としておるということでございます。 そうではございますが、区域の設定に当たっては、議員御指摘のとおり、地域の文化、歴史等を十分に踏まえたものとする必要がございますので、市町村、事業者、住民の代表の方が参加できる協議会を設置をして、区域の具体的設置については十分に御議論をいただきたいというふうに考えております。
○田中茂君 ありがとうございます。 確かに、都市の周辺にある自然や農地等を含めた有形、無形の資産、都市の価値になっているような資産は何かを十分に検討していただきたいと思います。 次に、質問させていただきます。将来の人口予測と地域の再生についてであります。 二〇一一年の総務省公表の将来人口の推移を時系列で見ますと、将来人口は緩やかに減少し、六十五歳以上の高齢者の比率が高くなります。一方、東京への流入人口を見ると、逆にほぼ横ばいに推移するものと考えられます。この二つを比べれば、現状のままでは地方人口は減ることはあっても増えることはないでしょう。そのような中で、都市再生特別措置法については国が主導して行うという方針が二〇〇二年の本法律策定時からの基本的な考えでありましたが、今回の両法案の改正により、都道府県や市町村の役割は高まるとされています。 先ほどから何度も質問が出ていると思いますが、大臣に是非お聞きしたいのは、地域の再生、コンパクトなまちづくりとは何をもって実現したとお考えなのか、お聞かせいただけますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 私は、今回は具体的な都市再生ということと地域公共交通の活性化というそれぞれの目標を掲げているんですが、我が町をどういうふうに再生しようということを二〇四〇年とか二〇五〇年ということを想定してつくり直すということになると、富山市を始めとしていろんなところがスタートを切っているように、コンパクトシティー・プラス・ネットワークという形を取ると。平成の大合併というのがありましたけれども、その中にも、バームクーヘン型のものに全部仕上げるというのではなくて、極が二つあったりというようなことであって当然いいんだというふうに思います。 それぞれの町がどうやって生き抜いていくかということをどの町もみんな考える、そして、お互いにこの成功例等を横に渡し合って、そして生き抜いていく道を探っていこうと。海ということで勝負できるところもあれば、観光ということで勝負するところもあれば、いろんなところがあるんですが、全部、今まで東京のミニ東京というような形で、そしてモータリゼーションの中で、個性というよりは、これは一体どういう町なんだという特性がないままこの一億二千七百万人が住んできているという状況を、ここは行政が前面に出て大きく変えていこうというところが今回のことでございます。 したがって、何をもってコンパクトかということについては、まさにコンパクトシティーとして、あっ、これなるほどなというところもあろうと思いますが、もっと大事なのは、その都市が将来にわたって生き抜いていくという形をつくり上げるという、その一つの例としてコンパクトシティー・プラス・ネットワークという大枠があるというふうに考えていただければというふうに思います。 そういう意味では、一律ではない地域の地形や人口あるいは歴史、そうした様々な、高齢化率もありますし、そういうところをどうやってつくり直していこうかということのモデルをそれぞれのところが競い合ってつくり上げていこうというスタートを是非とも切っていただかなければ、日本は二〇四〇年、二〇五〇年には大変なことになるというふうに思っているところでございます。
○田中茂君 大臣、ありがとうございます。 今の大臣の答弁を聞きながら、ちょっと、まさに一つお願いしたいことがありますので、今から申し上げたいと思います。 いわゆるコンパクトシティーを目指す町では、日本の将来を担う子供たち、いずれ日本を背負って立つ子供たちも生まれ育っていきます。私たちにとってふるさと、町は、単なる利便性や効率だけを望む場所ではなく、この間の参考人の方にも私、質問いたしましたが、我々日本人のアイデンティティーを形成する極めて重要な源泉地でもあります。町を囲む自然環境、山河や田畑、そして鎮守の森もありますし、悠久の歴史の中で先人が築き上げた伝統、文化を共同体の一環として町の中で習得していくことが、習得していく原体験こそが我々日本人のアイデンティティーでもあり、町のストック、資産でもあると思います。 だからこそ、都市計画の前に、この国の将来の姿をどう描くのか、国家のグランドデザイン、すなわち、情報通信、IT関係の総務省、さらには医療、福祉関係の厚生労働省、伝統、文化、教育関係の文科省、景観、町並み関連の環境省、各省との調整を含んだ国家戦略なくしては、どのような戦術、すなわちハード面をもってしても長期的な視野で都市再生を図ることは難しいのではないでしょうか。 一口に地域再生と言っても、先ほどからもおっしゃっていますように、それぞれの都市があり、それぞれがどこを目指しているのか、地方の中でも様々なレベル、すなわち多様なソフト面があるはずです。そこを明確にし、各省と自治体とのコンセンサスを得て動かない限り、都市再生、地域再生は掛け声倒れに終わってしまう可能性が高く、だからこそ強いリーダーシップを持つ首長の積極的で意欲的な取組が不可欠であると思われます。 そのような状況を踏まえて、国交省として具体的な成果を上げるために大臣が主導を取っていただいて、先ほどから国土のグランドデザインのお話をされていましたが、是非とも早急に国土のグランドデザインを作成していただき、そのロードマップを作成し、取組を進めていただきたいと思います。 以上、私のお願いを申し上げて、私の発言といたします。
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。 まず、地方の過疎地域などにおけるバス路線網の整備の観点からお聞きします。 高齢化社会を迎えて、車を運転できないお年寄りにとっては、町民バス、村民バスなどは頼みの綱です。ニーズもこれから確実に高まると思います。しかしながら、例えば宮城県丸森町の耕野地区を通る国道三百四十九号線などでは、道幅が狭く、大型車が向こう側から来たときには擦れ違いもままならないという状況です。大雪の際には通行できなくなったりして、町民バスも運行ができません。 全国的にもそういった場所は多々あると思いますが、特に宮城県の国道は、現在、県内全域にわたって大型の復興車両が通行する状況です。宮城県など被災地では国道の道幅を最低片側一車線確保すべきだと思いますが、国の考え方と取組はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(徳山日出男君) お答えを申し上げます。 全国で国道は約五万五千キロございます。国道という名前でございまして、国が全部管理していると考えておられる方多うございますけれども、実際には国が直轄で管理しておりますのは約四割の二万三千キロ、約六割の三万二千キロは都府県で管理をいたしております。 このうち、委員お尋ねの大型車の擦れ違いが困難な区間、これは幅員五・五メートル未満の道路はセンターラインも引けず、大型車の擦れ違いが困難だということで統計を取っております。国が管理しております国道ではさすがにほとんどございませんけれども、一方で都府県が管理している国道の延長の中の約一四%、四千三百キロメートルがこれに該当いたします。 御指摘の国道三百四十九号は、茨城、福島、宮城と三県にまたがりまして県が管理する国道でございまして、全体延長約二百六十キロのうち二〇%が大型車の擦れ違い困難な区間となっております。丸森町では六・三キロにつきまして大型車の擦れ違いが困難となっております。このうち、特に幅員が狭く急カーブ区間となっております〇・五キロについて、宮城県におきまして平成二十四年度から二車線確保のための事業を実施しておるところでございます。 このような形で今事業を進めておりまして、国土交通省といたしましては、それぞれの路線の状況に応じて、交通安全の観点、あるいは防災、地域の交通確保等の観点から必要な対策を講じていくことを応援したいと思っておりまして、引き続き社会資本整備総合交付金等により適切に支援をしてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 これは、県が国にこういうことをしたいということを上げてくるという形だというふうに思うんですけれども、国の方でも積極的にこういうニーズの把握といいますか、状況の改善を図っていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それに関連しまして、町民バスや村民バスなどへの国などによる補助について聞きます。 これからの高齢化社会の中では、過疎地域などでは町民バスや村民バスを始めとしたバス網の整備が求められますが、整備に対する国の考え方や国の補助、どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 高齢化と人口減少が加速度的に進行するということで、特に自動車を運転しない高齢者等の日常生活の交通手段として、今、町民バス、村民バス、いわゆるコミュニティーバス等が非常に重要な役割を果たすということが見込まれております。 このような状況を踏まえまして、今回の法律の改正案では、公共団体が先頭に立ちまして、コミュニティーバスとかその他、先ほど出ていましたデマンドとか、いろんな多様な公共交通サービスを組み合わせることによりまして地域の公共交通ネットワークの再構築を図る仕組みということを設けることとしております。従来から、こうした地域公共交通に対しましては、国において運行費、それから車両取得などに要する費用の一部を補助を行っているところでございます。 今回の法改正を踏まえて、さらに地域の公共交通ネットワークの再構築が実現するように、その後押しのために、支援措置の充実についての検討でございますとか、必要な予算の確保については引き続き努力してまいりたいと考えております。
○和田政宗君 そうした取組を進めていただいてということになろうかと思うんですが、コンパクトシティーや市街地や集落のまとまりをつくっていくといっても、そこにやはり公共交通網が整備されていなければそうはならないわけです。 実際、宮城県などにおいて町から離れた山里にある自宅から地方都市に通勤しようとした場合、車が圧倒的に便利です。それも、例えば通勤で公共交通を使おうとした場合に、家族に駅まで車で送ってもらう、そこからは本数の少ない電車やバスで市街地まで行く。行ったとしても、地方都市は町中のバス路線も少ないところが多いですから、駅から職場まで延々歩くと。それなら一気に家からマイカー通勤しようという気持ちになるわけです。これではマイカー依存が続いてしまって、住宅は今のままあちこちに散らばって、町をなるべく集約していこうという法案の趣旨が全く前に進まないということになります。 こう考えた場合、地方においては、バス路線網の整備だけではなく、思い切って新規の鉄路の敷設も必要であると考えます。国の考え方はどうでしょうか。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 まず、モータリゼーションの進展と人口減少ということで、公共交通のネットワークが、例えば規模が縮小するとか運行の頻度が減るというようなことでますます利用しにくい、これがまた利用者の減に通じるという悪循環に陥っていると思います。そのためには、地域公共交通の利便性を高めて、今委員御指摘のマイカーに過度に依存することのないような、地域住民が移動できる手段を確保するということが重要だと思っております。 今回の法改正、先ほど申し上げました公共団体が中心になりましてそうした持続可能なネットワークを構築する趣旨でございまして、バス路線でございますとか、先ほどから出ておりますコミュニティーバス、ディマンドバス、いろいろな多様な交通手段を組み合わせる、その中に鉄道は当然含め得るというふうには考えております。ただ、一方で地域の鉄道は約八割弱が赤字経営に陥るということで非常に厳しいところでございまして、当面、上下分離等の方策によっていかにその維持を図っていくかということが課題かなというふうに思っておりまして、当面、特に都市部を除きましては新規の計画というのがなかなか少のうございまして、しかも新規の鉄道の敷設ということになりますと、非常に膨大な資本費とか開業後の運営等の問題もございまして、そういうところにも十分に検討を加えた上で進める必要があるということについても留意しなければいけないというふうに考えております。
○和田政宗君 これは同僚議員の田中議員の方からも質問、要望としてありましたけれども、国家のグランドデザインというようなことを考えていきますと、やはり私はそういったところにも踏み込んでいいのかなというふうに思います。 私は新潟に住んでいたこともありまして、田中角栄先生の日本改造計画、これは功罪相併存するということで論じられておりますけれども、私は新潟に住んだ者としては、鉄路の充実ですとか道路の充実ということで非常に効果があったというふうに思っておりますので、やはりそういった観点からもこの法案に関連して国家のグランドデザイン、さらには、どういうふうに地域住民が暮らしていく、集約していくのかも含めて、御検討を国の方でしっかりと進めていただければと思います。 そして、その鉄路について聞きますけれども、特に町中、LRTを活用していくのがよいのではと私は考えます。町中においては、バスだと路線が重複していて分かりにくかったり、渋滞した場合などは定時運行の面で不安もあります。鉄路だと定時性も高くて安心できますし、LRTは列車のデザインなども観光面で大いに活用できるというふうに思います。 LRTに対して国がどこまで積極的な導入を考えているのか、示してください。
○政府参考人(石井喜三郎君) LRTの整備に関しては二つの課題があろうかと思います。 一つは合意形成でございます。これにつきましては、LRTの整備に関して、現在、国土交通省と、それから交通の方をつかさどる警察庁を連携いたしまして、合意形成と計画策定の円滑化を促すためLRTプロジェクト推進協議会というのを設置をいたしまして、関係者に対して技術面など総合的な支援を行っています。 もう一つの財政面の支援でございますが、従来の道路とか河川等をやっておりました社会資本整備交付金、あるいは鉄路等に対する地域公共交通確保維持改善事業等によりまして、走行路面あるいは施設、車両、ICカード等、総合的な支援ができるようにしたところでございます。 そこで、今回の法案では、都市機能の誘導や居住の集約ということによって需要をつくり出すということと併せて公共交通を便利にしていくと、この二つを活用してまちづくりと公共交通が連携をしていくというふうに進めてまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 この法案の趣旨には賛同できるんですけれども、実際に進むのかという不安があります。 そこで、今質問しましたLRTですとか新規鉄道の敷設等、これを被災地で、この法案の趣旨にのっとったモデル事業としてやってみるのもいいのではないかなと思いますが、国はどのように考えるでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) 今回の法改正は、地方公共団体が中心となりまして、まちづくりと一体となった関係者の創意工夫に富んだ取組により、地域公共交通ネットワークの活性化、再生を推進しようとするものであります。 被災地の復興を図っていくためには、新たな集落の形成などまちづくりの観点が不可欠でありますし、地域公共交通についても、まさに法改正の考え方に基づき再生を図っていくべきものだというふうに考えております。これまでも、国としては仮設住宅、病院などの復旧復興の状況に応じ、被災地の生活の足としてのバス交通の確保に全力で当たってきております。 御指摘いただきましたLRTや新規鉄道敷設等につきましては、インフラ整備を伴うため実証モデル事業等々、なじみにくい点がありますが、今回の法改正の趣旨を生かされるように、被災地においても地域公共交通ネットワークの活性化、再生をしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 被災地は失ったものが多いですけれども、その分、逆に飛躍できる環境もあると思いますので、引き続き御検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、町中のにぎわい確保の観点から聞きます。 仙台市中心部にある東北大学農学部のキャンパスが今年になってイオンモールに売却をされました。キャンパスを郊外に移して集約するためですけれども、にぎわいという観点であれば、学生が町中にいるというのは消費の面や近くにアパートを借りて住むといったことを考えても効果的です。こうした国立大学法人のキャンパスなど、学生が集う施設の町中から郊外への移転に対する考え方、国としてどうなっているでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 大学立地の一般論については私の方からお答えするわけにはまいりませんが、今般の東北大学のキャンパス移転は、議員御指摘のとおり、集約ということで行われたものと承知しております。 その一方で、この跡地の土地利用転換については、にぎわいをやはり確保していくことが極めて大切であるということで、その報告書の中では、単純にイオンモールだけではなくて、医療、福祉、商業、生活利便、居住等の機能を備えた次世代の市街地モデルにふさわしい環境、にぎわい、安全、安心を備えた複合市街地をつくっていくと。当然、大学の立地跡地というのは貴重な土地でございますので、まちづくりの観点から、所有者である大学のみならず、仙台、東北のように地方公共団体関係者で十分に議論をし、進めていただくことが大切だというふうに考えております。
○和田政宗君 まさにその考えで進めばいいというふうには思うんですけれども、実はこの東北大学の農学部の跡地、ショッピングセンターが建設されるわけですが、近くにはJRや地下鉄などの駅もなくて、大量の車が流入することが予想されます。今回のように公共交通網の整備がうまくなされていない町中で大きな商業施設が建設される場合、公共交通網の整備の考え方については国としてどうあるべきだと考えるでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) モールが設定をされますと、やはり自動車がどうしても増えるという点があろうかと思います。このため、コンパクトなまちづくりを進める上では、やはり商業施設等の誘導に際しては公共交通等の連携について十分な検討が必要であるというふうに考えております。 なお、今般の雨宮キャンパスについて私どもで調べさせていただきましたところ、地下鉄駅では北四番丁駅から二百メートル、北仙台駅から三百五十メートルという直線距離というふうに承知をしております。
○和田政宗君 直線距離ですけれども、これ、実際歩くとかなり距離あったりしますので、やはりそういった複合的な検討がなされて、公共交通網を整備してしっかりとまちづくりをしていかなくてはならないのかなと思っております。 次、最後の質問ですが、質問の最後に言うのもなんなんですけれども、実は今回の法案の分野につきましては、私、大学院の専攻が都市社会学でして、海外でのコンパクトシティーの失敗例も学んでおりますし、知っております。 そこでお聞きいたしますが、この二法案では選択と集中という観点から地域交通や都市再生の整備が図られるということになっていますが、一方で、過疎地域などの集落においては取り残されるのではないか、切り捨てられるのではないかという懸念もあります。このような懸念に対して国はどのように取り組んでいくのか、大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 単独な村ということと、それから都市の周辺に山、山地があるとかいうことで、それぞれまたこれ違うというふうに思いますが、少なくとも言えることは、そこに集落の真ん中辺りには間違いなく小さな拠点というものは不可欠だろうというふうに思います。 私も全国いろんなところで過疎の地域も回らせていただいたりして、どういうふうに生き抜いていこうと考えているんだろうということを思いますと、四国の黒潮町などでは、港の近いところは三十四メーターの津波にどうするかということで、その奥に入りますと百四十四人の集落がありまして、三つほどに分かれている。真ん中のところに昔の学校がある。そこが廃校になる。そこのところを使って皆さんが集まって、小さなデパートといいますが、デパートなんというほどじゃなく、日用品があったり、お風呂をそこにつくったり、人を呼んだり、団らんの場をつくったりというようなことで、そこに一人だけ職員が行きまして、集まってくるというようなこと、そしてディマンドバスをやっぱり使っているというようなこともあります。私は、そこのまちづくりというのは十分できるというふうに思います。それは小さな拠点を中心にしたまちづくり、道の駅ということもあるでありましょう、そうした廃校ということを利用するということもあるでありましょう。 三宅島に私、前行って、一緒に、東京に全部来たときに、しばらくたって激励に行きましたら、東京に住んでいたらもう何から何までお金が掛かってしようがない、動いても何しても全部金が要ると。考えてみると、三宅島はみんなで隣に、食べ物とかなんとかで半分自給自足みたいなところがあって、金ではないというものがありまして、そういう意味では、昨年度出ました「里山資本主義」という本を見ましても、もう自給自足なら新しい文化形態というものがつくられると。そこで葉っぱビジネスということでやったところもありますし、また、そこで特殊な農業ということで生き抜こうとしているところもありますし、そのエネルギーも、太陽光とか小水力で自分たちで補うと。支出の少ない資本主義の生き抜き方というような新しい文化創造というものを生み出すというモデルをいっぱいつくっていくということが私は大事なことだというふうに思っています。
○和田政宗君 終わります。
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。 まず最初に、リニア新幹線についてお聞きします。 先月の二十三日、JR東海から環境影響評価書が国交省に提出をされました。大臣は四月十日の本委員会でも、知事の意見が環境保全対策にどのように反映されているか含めて、また環境大臣の意見等も勘案し、関連法令にのっとって対応していくと、十分ここは注視し、見ていかなくてはならないということで答弁をされています。 あの評価書の提出、自治体の意見書がそろった後、非常に短期間のうちに提出されました。あれだけ厳しい意見が各自治体から出そろったのにもかかわらず、短期間で提出をされております。 そこで、国交省にお聞きをしますが、JR東海が各自治体の騒音や振動、水がれ、動植物また人体、環境への影響の懸念をこの短期間で提出された評価書で払拭したと考えていますでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、このリニアの環境影響評価書につきましては、七都県の知事の意見が三月の二十日から二十五日まででございました。これを踏まえて、私どもが評価書をJR東海から受け取りましたのが四月の二十三日ということで、一月弱という期間でございます。 先ほど大臣の答弁についてお話がございましたけれども、まさに環境影響評価法に基づきまして、知事の意見がどのように反映されているのかということについて精査をしているというところでございます。
○辰已孝太郎君 ある自治体の担当者は、意見を最大限評価書に反映する気があったのかと、この評価書に対して不信感を表しておりますし、私、特に大きな問題の一つは残土、発生残土ですね、この問題だと思っています。 三月の十三日の本委員会で、私の質問でもこの残土の問題を取り上げました。準備書の時点で残土の置き場所候補地が示されているのは全体の六%ということで明らかになりました。 そこで、国交省に聞きますが、この評価書の時点、今回の評価書の時点でこの発生土の行き先、処分先が決まっているのは全体の何%ですか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 今回、約一月弱ということで評価書が出されておりますが、その背景についてJR東海に確認をいたしましたところ、今回、七都県の知事からいただいた意見の大半の事項については、既にこれまで各都県での説明会や審議会などの場において示されたものであったということで、JR東海としてはそういった意見に備えて準備をしていたということであります。今回の評価書の中には、提出された知事意見については全ての事項について現時点での対応の考え方を整理をして盛り込んだということでございますが、先ほど申し上げましたように、現在、そういった点を含めて精査をしているところでございます。 委員御質問の建設残土の問題でございます。四月二十三日に国交省に送付された評価書におきましては、新たに再利用を想定している量として九百万立米が追加されております。昨年の準備書の段階の三百六十万立米と合わせて千二百六十万立米について置場あるいは再利用が今回想定されているということでございまして、全体の建設残土の想定が五千六百八十万立米ということでございますので、二二%について今回の評価書の中に盛り込まれていると、こういったことでございます。
○辰已孝太郎君 二二%が決まっていると。大半が決まっていないということでありました。 土井政務官は同日の委員会で、JR東海に対して建設発生土を含めて適切に対応するよう指導してまいりたいと思っておりますと答弁をしております。私は、やはりこの残土の行き先がまだこれ大半決まっていないにもかかわらず、私はこのリニア新幹線の着工の認可を出すべきじゃないと思いますけれども、国交省はこの建設の認可に向けて突っ走るつもりですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(太田昭宏君) そういう表現は当たらないというふうに思いますが。 私は、四月二十三日にJR東海からリニアの環境影響評価の送付がありました。国交省は、環境影響評価法に基づいて、直ちに評価書一式を環境省に送付をしたと。これは昨年九月からの準備書が出されて、三月の二十日から二十五日までの関係七都県知事からの提出された意見を踏まえて評価書として作成されたと。現在のところは、送付された評価書については、現在、法に基づいて精査をしているという状況にありまして、その際に、知事からの意見がどのように反映されているかについてもしっかり検証していくということでございます。
○辰已孝太郎君 しっかり検証していくということですが、私は、やはりこの評価書について各自治体から様々な声がもう上がっております。例えば長野の県の知事からは、表現がはっきり読み取れない部分もあると。また、静岡県では六月にユネスコエコパークの登録が迫っていますが、JR東海はユネスコエコパーク登録は阻害しないような計画というふうに示していますが、県の担当者は、それは見解の相違だと、こういうふうにも言っております。各県知事の意見が評価書に反映されていないことへの不満というのが次々に出ています。 このリニア新幹線は、その必要性、採算性、また環境、人体への影響、電力の消費等々の問題、そして都市の在り方を変えてしまうほどの大事業でありながら、ほとんど国会で審議がされていないし、JR東海は自治体や住民の声を聞く姿勢が見られません。私は、このような事業に国土交通省が着工のお墨付きを与えてはいけないということを強く求めたいと思います。 続いて、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案についての質疑に移ります。 まず、いわゆるコンパクトシティーの必要性を議論する前に、なぜ大規模商業施設等が郊外に広がってしまったのか、私はその検証と反省が必要だというふうに思っております。国交省に伺いますが、まず、なぜ商業施設が中心市街地よりも郊外に進出したのか、その認識をお答えください。
○政府参考人(石井喜三郎君) 大規模商業施設の郊外立地の要因でございますが、商業施設の大規模化と郊外立地という傾向は、やはり車を使って移動するというモータリゼーション、それから需要構造として全国ブランドの商品を消費者の方が求めるという二点が大きくございます。 また、立地という面では、市街地の中心部は地価が高い、それから、土地が細分化されておりまして土地の権利調整が難しく、このような大きな土地をまとめて確保することが難しい、したがって事業コストが割高になる。一方で、郊外部は大規模な土地が安価に供給されるなど、事業コストが割安であるということが言えると思います。 このほかにも、平成十八年の都市計画法の改正以前は、用途地域の半分に当たる六種類の地域、あるいは線引きをしていない計画区域の白地地域では、規模の制限なく大規模の商業施設の立地が可能、また、市街化調整区域においても、計画的な市街化に支障がない大規模開発は開発許可を受けることができたということがございます。これらによって郊外部に大規模商業施設が立地することになったというふうに考えております。
○辰已孝太郎君 二〇〇六年二月に、社会資本整備審議会、「新しい時代の都市計画はいかにあるべきか。」という中にも、このモータリゼーションは書かれております。また、規制緩和によって顕在化したということも同時に書かれているところでありまして、規制緩和でいいますと、一九九〇年、大店法に関する運用の規制緩和以降、大規模商業施設の出店が顕著だということであります。ところが、政府はこの大店法を廃止し、大店立地法へと更なる規制緩和を行ったわけであります。これが二〇〇〇年。私はこれに対する反省というのが本当に必要だと思っております。 二〇〇六年のまちづくり三法、これが改正となりました。そこでは、都市計画法の一部を改正する法律案が出されまして、これ中身を見てみますと、大規模集客施設の適切な立地の確保を図るとしてゾーニング規制強化というのがされております。ここでは、いわゆる店舗の面積が一万平米を超える大型小売店舗等の出店は商業地域、近隣商業地域、準工業地域に限られたということであります。 我が党は、この法律案に対して修正案を提出をいたしました。その内容は、制限される用途地域に準工業地域を加えて、また、規制対象となる大規模集客施設の規模要件を一万平米超から三千平米超に変更するべきだと、こうしたわけであります。 国交省に伺いますが、この二〇〇六年の法改正以後、実際に規制強化とされたことによって大規模集客施設の出店は抑制されたんでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。 平成十八年の都市計画法の改正によりまして、平成十八年で、従来、建築が制限された用途区域ですね、今回で制限された区域、二種住居、準住居、工業地域の立地件数は年間十三件であったものが、改正法施行後の五年間の年平均は年間一件ということで十三分の一に、それから、商業、近隣商業というのが典型的にスーパー等が立地する場所でございますが、いわゆるこれ以外の地域で立地する割合が平成十八年は半分、五一%であったものが、その後の五年間では三四%に減少しておりますので、一定の効果があったと数量的にも考えております。 また、まちづくりの主体である市区町村にアンケートを行いましたところ、全国八割の市区町村から、平成十八年改正の内容は、現行制度がよいという回答をいただいているところでございます。
○辰已孝太郎君 とはいいましても、原則禁止となったエリアにも出店は続いているわけであります。国交省の資料によっても、この二〇〇八年の改正都市計画法施行後も制限が強化されたり、原則禁止用途地域においても、店舗面積、先ほどありましたように、一万平米超の大規模集客施設の出店はあるということでありますし、また同時に、制限が強化された用途地域や市街化調整区域でも、例えば店舗面積が三千平米から一万平米未満の店舗立地数というのは、改正都市計画法施行後、これ二〇〇八年以降ですけれども、二〇一二年まで見ますと、それぞれ九十九店舗、七十九店舗、六十一店舗、五十五店舗、六十三店舗と、依然多いのが現状になっております。 やはり私たち考えますのは、本当にコンパクトなまちづくりというのであれば、ここの更なるゾーニング規制というのが私は必要だと思うんですけれども、それについては、国交省、どのようにお考えですか。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答え申し上げます。 大規模な集客施設というのは著しく多数の人々を広い地域から集めるという点に特徴があろうかと思います。そういう点で、床面積が一万平米を超えるような施設については、自動車交通量が増加をする、周辺道路にも渋滞を引き起こすということで、用途地域の制限の対象となる大規模商業施設は床面積一万平米というところにしたところでございます。この運用で、先ほど申し上げましたとおり、全国八割の市区町村は現行の制度でよいという御指摘をいただいております。 なお、もし地域の実情に応じてこれでは不十分であるというふうにお考えになる場合には、特別用途地区という都市計画の制度がございます。これは、地方公共団体が判断をすれば用途規制を強化することが適当でございます。全国一律で用途地域の制限対象となる店舗面積を引き下げる必要は現時点ではないというふうに判断をしておるところでございます。
○辰已孝太郎君 一般社団法人の日本ショッピングセンター協会の調査によりますと、二〇〇八年から二〇一二年の間に新設の店舗の立地があったのは全部で三百一件ということでありました。そのうち、中心地域での立地が五十件、つまり一七%、周辺地域での立地が八十店舗で二七%、郊外地域での立地が百七十一で五七%に上っております。やはり中心市街地への人の誘導といいながら、結局、効果的な施策にはなかなかなっていないということだと思います。 コンパクトシティーの名の下に行われている都市開発について、続けて質問をしたいと思います。 中心市街地活性化、つまり中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するため、市町村は基本計画を作成することができ、それを内閣総理大臣が認定することになっております。 そこで、中心市街地活性化基本計画の認定を受けた自治体のうち、当初の目標を達成できているのはどれぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(富屋誠一郎君) 中心市街地活性化基本計画における目標の達成状況についてお答えを申し上げます。 市町村は、先ほどおっしゃられたように、総理の認定を受けた基本計画におきまして、各地域の実情に応じて設定された目標の達成状況というのを的確に把握できるように、それぞれ定量的な評価指標を定めた上でフォローアップを行うこととされております。平成二十四年度末までに終了した四十四市、四計画における指標に対する達成状況は、目標を達成したものが二九%、目標達成には至らなかったものの当初の計画より改善しているものが二九%ございまして、合わせて六割程度は改善が見られたという状況でございます。 こうしたことから、基本計画に基づく各種の支援策によりまして一定の効果が出たものという評価をしております。
○辰已孝太郎君 私もこのフォローアップを見ましたけれども、結局、全体のうち四三%が計画当初よりも悪化しているということでありました。決して思いどおりには進んでいないと。 そして、コンパクトシティーの代表的なものが富山市だということであります。その富山市は二〇〇七年に中心市街地活性化基本計画の第一号認定を受けております。その主な内容は、中心市街地の形成、歩行者通行量を五年間で一・三倍にする、路面電車の環状線化など公共交通の利便性の向上、高層住宅などを建設し、中心市街地の居住人口を五年で一・一倍にするというものであります。当然、政府もこの取組を後押ししてきました。今日は、資料にも富山市の地図なども付けております。 政府に聞きますが、この富山市では目標を達成できているんでしょうか。
○政府参考人(富屋誠一郎君) お答えを申し上げます。 富山市につきましては、平成二十三年度末で富山市の第一期の基本計画が終了しておりますが、この第一期の計画では三つの目標を設定をしておりまして、一つとして公共交通の利便性の向上、二つ目ににぎわい拠点の創出、三つ目に町中居住の推進と。これに対してそれぞれ、路面電車市内線の一日平均乗車人数、中心商業地区の歩行者通行量、中心市街地の居住人口の三つの指標で達成状況を評価しておるところでございます。 この三つの指標のうち、路面電車市内線一日平均乗車人数と中心商業地区の歩行者通行量につきましては、目標値には至らなかったものの計画策定時の基準値を上回ったところでございまして、着実に成果を上げたところでございます。他方、中心市街地の居住人口につきましては、基準値もまた目標値も上回ることができなかったんですけれども、社会増減の部分だけで比較した場合には、この計画ができた平成十七年の十月以降の五か年というところで年平均で数字を取ってみますと、それ以前は社会減、転出超過だったのが六十六人の転入超過に転じておりまして、一定の成果はあったのではないかと考えられるところでございます。
○辰已孝太郎君 一定の評価をということですが、私、やはりそれぞれ幾つか検証してみたいと思うんですね。 先ほどの中心商業地区の歩行者の通行量ですけれども、私も、実は富山市に連休前に行ってまいりました。この地図にありますとおり、JR富山駅の南側にこういった中心市街地というのが形成されておりまして、元々は総曲輪通り商店街、中央通り商店街というのがありまして、ここは非常ににぎわっていた地域だったということであります。 この基準年の二〇〇六年、これが二万四千九百三十二人の歩行者通行量ということなんですが、総曲輪フェリオ、二番ですね、フェリオができた。これ大型の商業施設ですが、二〇〇七年には二万六千人と歩行者の通行量は増加をいたしましたが、その後は一転、下降線をたどりまして、二〇〇八年は二万五千人、二〇〇九年二万三千人、二〇一〇年は、八月二十二日、同じ月の日曜日の試算でいいますと二万人になっております。二〇一一年は二万二千七百七十三人ですから、基準年よりも二千人以上この地域での歩行者量というのは減少をしているということであります。 また、商店街が、じゃ、どうなってしまったのかということなんですが、これは資料三に付けております。中心商店街の振興組合、協同組合会員数の推移なんですが、やはりこれも年々下がっております。商店街からは生鮮産品のお店が少なくなってしまい、地域住民は、これで本当に良かったのかという声も聞かれております。先日の岡本参考人の話でも、イベントをするときは、グランドプラザ前でイベントをするわけですが、人通りは多くなるんだけれども、それ以外ではなかなか人通りは多くなっていないんじゃないかと、こういうことであります。 富山市は再開発だと、またこれコンパクトシティーだとも言っておりますが、これまで民間のマンション建設にまで補助金を投入をしてきております。これは、資料二の方に付けております。二〇〇五年以降で見ても、例えばこの期間、この地域の再開発ですね、総事業費五百八十七億円のうち、国や県、市の補助金として投入されたのが二百二十四億円であります。にもかかわらず、先ほどありましたとおり、中心市街地の通行量も、また居住の人口、自然増等々ありますけれども、これも減っているということでありました。 LRT、これが駅の北側に通っておりますが、しかし、LRTが通るまでは、実はこの中央通り商店街の東側にまで北側からバスが通っていたんですね。ですから、中央通り商店街の業者さんは、駅の北側からのお客さんもたくさんあったんだが、LRTができて以降その路線は廃止をされてしまいましたので、私、実際に見ましたけれども、やはりこの中央通り商店街辺りの方の歩行者通行量も少なくなって、業者の方々も非常に困っているということ、嘆いておられるということでありました。 私は、コンパクトシティーの名の下に、地元商店や地元住民の方々の声や生活が置き去りにされてこういう大規模開発が進められてきたんじゃないかと思うわけです。 富山市については駅前再開発というのもこの前に進めておりまして、富山駅に隣接するCiCビルというのがあるんですが、これは建設後十年で経営破綻しました。富山市が多額の税金で救済して、これ地下一階から五階までの全六フロアあるんですけれども、半分の三フロア、事実上、市のものになっているわけですね。ですから、地元住民からは、今コンパクトシティーの名の下に行われている開発についてもこのCiCビルの教訓が生かされないという声が上がっているわけです。私はこういう、住民の声を脇に置いた大型開発というのが行われている、こういう側面もきちんと見ていかなきゃいけないと思っております。 大臣に聞きます。地元住民や地元商店の意見や生活を脇に置いて、このようなコンパクトシティーという名の下に大規模開発が進められていますけれども、それについてはどう考えますか。
○副大臣(野上浩太郎君) 今、富山市の件について様々お話しいただきました。私、地元が富山市なものですから、私の方から答弁をさせていただきたいと思いますが。 まず、歩行者の話がございました。平成十九年、フェリオ開業のときからの、少しずつ減っているんじゃないかというお話がありましたが、やはりこれ見なきゃいけないのは、その前からの推移を見なきゃいけないと思うんですね。例えば平成十四年から見ますと、これ五万五千人の通行量があったんですが、フェリオ開業前まで見ますともう半分以下に減少してきている、二万四千人ぐらいまで減少してきていると。これは、フェリオが開業してから、それがもうその減少が緩やかになってきた、下げ止まってきているという見方があるというふうに思います。 それから、この中心商店街の組合数の会員の推移というものなんですが、この資料を出していただきました三番目にそれぞれ会員数の推移が書いてありますが、例えば上から二つが、これ総曲輪と書いてソウガワと読むんですけれども、総曲輪商店街、これ二つ見ますと、平成元年から例えば平成二十年まで見ますと大体七割ぐらいに減少している、確かに減少しております。ここが平成十九年にフェリオが完成をいたしまして、そしてこの平成十九年に完成した後を見ていただくと、平成二十一年五十八に対して平成二十五年は六十二、これは持ち直していると言えるのではないかと思います。 それから、その後の二つの中央通り商店街ですね。お話がありましたとおり、フェリオから少し離れている東の方の商店街でありますが、これも平成二十年以降を見ますと、持ち直しているとまでは言えませんが、平成元年から七割に減っている、あるいは西町も四割に減っていると、そこがやっぱり下げ止まってきているということは確かだろうというふうに思います。 さらに、この中央商店街と西町については、これから新たなまちづくりが予定をされております。再開発の予定をされております。例えば西町のところでは、今度、図書館とガラス美術館をコラボレーションをしたものを造ろうと。富山にはガラス工房というのがありまして、その特産品をガラス美術館にして図書館とコラボレーションさせようと。これも一つ大きなモデルになろうかと思いますが、そういうものが予定をされておりましたり、あるいは中央通り商店街の方と話しておりますと、ようやく構想がまとまってここに一つ再開発が予定されておりますが、非常に期待感が今高まっているということでありますので、中央商店街、西町はこれからまた新たな布石が打たれているということであります。 それで、全く住民の意見が無視されているのではないかという話もございましたが、そういうことではありませんで、例えば富山市における御指摘のフェリオ等々につきましては、これは地元地権者による組合施行の事業でありまして、これは地元からの強い要望によって事業化をされたものでございます。さらには、この取組を実施するに当たりましては、先ほどもお話ありましたが、森市長が二百回以上の説明会を実施をしましたり、あるいは、当然これは協議会をつくっておりますが、これは商工会議所ですとか商店街連盟、地元の商店も入った協議会で論議を行っておりまして、十分地元や商業者の意見が反映されている、踏まえられているものというふうに認識をいたしております。
○辰已孝太郎君 本法案では、住宅や都市機能増進施設を都市の中心に誘導していこうとするものでありますが、私は、今回のような無秩序な都市開発を規制するというものが何一つないと。大型店や、また不動産のデベロッパーの都合のいい開発を更に進めてしまう私は懸念を指摘しなければならないと思っています。むしろ、コンパクトシティーというのであればそのような再開発を抑制して、従来のゾーニング規制等の強化を進めていくべきだということを述べておきたいと思います。 最後に、ちょっと駅の話に移りたいと思うんですが、鉄道駅というのはまちづくりと公共交通ネットワークの拠点に位置付けられております。ところが、地域の拠点となってきた鉄道駅の無人化というのが今進んでおります。この鉄道駅の無人化の状況について、平成二十年度と平成二十四年度ではどのように推移しているのか、把握しているのか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 無人化の状況につきましては、私ども法律に基づいて報告を受けておりますが、二十年度末の状況でございます。JRが四千五百九十四駅中二千二百九十四駅、それから大手民鉄は千六百五十二駅中二百八十七駅、中小民鉄は二千百二十二駅中千百八駅が無人駅となっております。 一方、二十四年度末でございますが、同じくJRが四千五百八十四駅中二千三百六十八駅、大手民鉄は千六百三十二駅中三百十二駅、中小民鉄は二千百七駅中千百四十五駅が無人駅となっているということでございます。
○委員長(藤本祐司君) 辰已孝太郎君、申合せの時間ですので、端的にまとめてください。
○辰已孝太郎君 はい。 やはり大手の民鉄全駅の二割が無人化と。JRや中小民鉄では全駅の半分以上が無人化になっているというのが現状です。社会的インフラというのであれば、私は、このような無人駅が広がる事態に対して、やはり事業者に対して国、政府も指導を強めていく、また、国が先頭に立って財政的な援助の枠組みをつくっていくということが必要ではないかと考えております。 またこの問題はおいおいしたいと思いますので、以上をもって質問とします。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智です。 まず、都市再生特措法の改正について伺います。 いわゆる小泉構造改革を始めとする一連の容積率や用途制限の規制緩和により、大規模商業施設や都市部での高層マンションの建設が可能となりました。これにより、地元住民への日照問題やビル風などの住環境の被害や景観破壊などのいわゆるまちづくりならぬ町壊しが深刻な社会問題となり、建築紛争も多発をしています。 国交省に、こうした容積率や用途制限の緩和など規制緩和により、こうした町壊しを招いてきたことに対する反省はありますか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 容積率の緩和等につきましては、これまでその時々の政策課題に対応して、都市再生特別地区などの必要な制度が設けられてきたところでございます。 御指摘の例えば高層マンション等の建設をめぐる住民紛争、これは紛争となってから規制をするということではなく、あらかじめまちづくりの観点から住民の方々との利害を調整するルールを決めておくということが重要であるというふうに考えております。 都市計画では、容積率を緩和する、都市計画として緩和をいたします。このため、地方公共団体はあらかじめ都市計画の案を住民に縦覧し、住民は意見書を出すことができます。この意見書を踏まえて、都市計画審議会では都市計画の案を審議するということになっております。 委員の方から具体的に御指摘があった日照問題でございますが、都市再生特別地区で容積率が緩和される場合であっても、地区の外部、例えば隣の住宅地に及ぼす日影等は緩和はされず規制の対象となり、条例等を改正しない限りこれらは緩和できません。また、風害等でございますが、これらにつきましては大都市を中心にアセスメント等の評価が義務付けられており、これに基づいて住民が意見を提出し調整をするという仕組みになっております。 このほか、昨今では、地域の住民、NPO等の方からむしろ都市計画の提案をするという仕組みがつくられているところでございます。 いずれにしましても、これらの調整制度あるいは提案制度等を使いながら、規制緩和と環境との調整をうまくやっていくということに御指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 仕組みがあるのは分かっているんですけど、それがうまく機能しないからいろんな問題が起こってきたわけでございます。 今回の法改正においても都市機能誘導区域における容積率や用途制限の緩和が盛り込まれております。具体的にはどのようなものでしょうか、この改正により町壊しにつながるおそれはないのでしょうか、伺います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 本法案の特定用途誘導地区について御質問がございました。この制度は、誘導したい用途に限定をして容積率や用途規制を緩和することができる仕組みで、初めて取り入れたものでございます。 具体的なイメージということでございますので、それについて御説明をしたいと思いますが、例えば容積率でございますが、老朽化した病院を町の中で建て替えたい、しかし、病室の床面積の拡大等の理由により同じ場所で建て替えることができない、これで郊外に今まで移転する例が多かったところでございます。このような事態を防ぐため、病院をその地区における誘導施設というふうに位置付け、このような病院を含む建築物については容積率を一〇〇%上乗せするといったような仕組みで、町中で病院の建て替えがうまくいくようにする。 用途規制でございますが、例えば訪問介護施設、デイサービス等、これらは低層住宅地での整備は現在の建築基準法上認められておりません。このような低層住宅地においても、高齢者の増加でデイサービス等が必要になってきております。このような場合に、訪問介護施設を誘導施設と位置付けて用途規制を緩和するということが考えられます。 このように、今回の新しく取り入れる特定用途誘導地区は、誘導したい用途に限定をして容積率や用途規制を緩和することができる制度であり、これが町壊しにつながるものとは考えておりません。 なお、御心配の特定用途誘導地域において容積率を緩和すると、例えば高さが高くなってにょきにょきしたビルが建つのではないかという御指摘でございますが、これらは、市街地環境を確保する場合には、併せて建築物の高さの最高限度を定めることができるようにしておるところでございます。
○吉田忠智君 この間の容積率や用途制限の規制緩和の底流には、内需拡大やミニバブルの期待などの景気対策を住民が主役であるべきまちづくりに優先してきた国の都市政策があると思います。国交省にも猛省を求めたいと思います。 まちづくりの主役である住民への事前事後の十分な情報公開と住民参加の保障が重要だと考えますが、現行制度あるいは本改正において、情報公開、住民参加はどのようになっていますか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 情報公開等についてでございますが、まちづくりについては、住民自らがまちづくりを考えていただくという意味で、十分な住民公開、住民参加が大変重要でございます。現行の都市計画制度では、まず都市計画の案の段階で公聴会を開催する、公告縦覧をしてその案が十分に住民が見られるようにする、決定をした都市計画の図書については一般の閲覧に供するなど、情報公開や住民参加の手続が設けられています。 また、本法案の立地適正化計画、マスタープランでございますが、この策定に関しては、協議会の設置や公聴会の開催のほか、計画の公表など、同様に情報の公開や住民参加の手続を設けておるところでございます。
○吉田忠智君 局長から今答弁がありましたように、立地適正計画、いわゆるマスタープランについては、事前に公聴会等の手続を経る、都市計画審議会の意見を聴くなどの保障がありますが、建築物が実際に建てられる際に住民が関与できる制度とはなっておりません。問題となる事例には、民間事業者による個別の建築計画がマスタープランと整合しないにもかかわらず、民間による建築が強行されるようなケースもあると聞いております。 今回、マスタープランに強制力はなく、あくまでも任意のものにとどまるわけでありますが、これは問題はないんでしょうか。マスタープランの実効性を確保し、どのように個別の建築をマスタープランに沿ったものにするのでしょうか、伺います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 今回の立地適正化計画は、届出、勧告制度による緩やかな制限と、税財政上のインセンティブを組み合わせた誘導という手法でございます。これによって生活に必要な施設の立地を進め、コンパクトシティー化を進めようとするものでございます。 一方、これらでは不十分であるというふうに市町村が判断をする場合には、先般来御質疑がございました、例えば住宅の立地については居住調整区域という都市計画の手続を用いた制度を導入できること、あるいは施設の場合には特別用途地域や、逆に用途を制限する特定用途制限地域という極めて厳しい制度を、都市計画の手続、権利制限になりますので、都市計画の手続を通じて導入することは可能となっているところでございます。
○吉田忠智君 マスタープランに住民の意見が十分反映されているとは言えないこと、またマスタープラン自体が必ずしも個別の建築を拘束できないことから、冒頭申し上げたような多くの建築紛争が生じているわけでございます。個別の建築の際にも地元住民、周辺住民の意向がきちんと適切に反映されるべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 議員御指摘のとおり、今般の立地適正化計画は、届出、勧告を中心とした穏やかな誘導施策によって建築をコントロールしていこうとするものでございます。このような立地適正化計画の作成ではございますが、協議会や公聴会の作成など、この立地適正化計画の策定に当たっては住民の意見をできるだけ反映する手続を経る必要がございます。 しかしながら、是非とも個別の建築を拘束しようとする場合は、これは財産権の制限ということになりますので、このためには、特別用途地域や、先ほど申し上げたような特定用途制限等の都市計画を別途定めていただくということで、更に強く縛るという必要がございます。 このような仕組みを組み合わせて、住民の意向が適切に反映されるよう市町村に手続を進めていただきたいと、かように考えております。
○吉田忠智君 まちづくりにおける住民への事前事後の十分な情報公開と住民参加の保障について、改めて大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) これはコンパクトなまちづくり、また都市再生ということですから、住民自身がそのまちづくりに参画をしていただく、そして主体的に主張していただくということが最も大事なことだというふうに思います。その意味では、御指摘のとおり、情報公開とかあるいは住民参加というものは不可欠なものだと思います。 具体的に、マスタープランでありますこの立地適正化計画の策定を進めるときには協議会を設置するということになっておりまして、そのメンバーにはできるだけ住民の代表者等を加えるということでいきたいというふうに思っているところです。その原案につきまして、全ての住民を対象にした公聴会の開催、そうした住民の意見を反映するような措置を講ずることとしているところです。また、これができましたら遅滞なく公表するということともしております。 さらに、協議会の運営をスムーズにするために、専門家の派遣など、地域の関係者間のコーディネートに対する財政支援も設けているという様々な措置をとっておりまして、情報公開、住民参加というものは、今回の場合、仕組みとして入っているし、また、それを実行しなくてはいけないというふうに思っているところです。
○吉田忠智君 先ほど局長からも答弁がありました都市計画の問題、とりわけ都市計画の広域調整について伺います。 コンパクトシティーのモデルケースである富山市においても、先ほど来御議論がありましたけれども、隣接する高岡市や射水市との間で郊外型の大型商業施設の誘致をめぐって都市計画区域の考え方にそごがあり、問題となりました。また、鶴岡市においても、隣接する町に大型商業施設が開店して論議を呼んでいます。 地域公共交通の改正では都道府県が計画策定に関与できることとなりますが、都市再生に関する市町村計画の調整はどのような仕組みでしょうか、今後は富山や鶴岡のような事態は回避できるのでしょうか、伺います。
○政府参考人(石井喜三郎君) まず事実関係でございますが、まず鶴岡の大規模ショッピングセンターの立地は平成十三年でございまして、実はこれは平成十八年の先ほど来議論になっております都市計画法の改正前の事業でございます。さらに、山形県では平成二十年に都市計画の広域調整要綱を定めて、広域的な調整を現在は行っていると。それから、富山市でございますが、これは昨年十一月、富山県から隣接する射水市の大規模商業施設に関する意見照会を受け、富山市の方が反対の意見を述べたというふうに聞いております。その結果、計画についてはおおむね三分の一程度への縮小調整というふうに聞いております。さらに、現在も県、富山市、隣接二市における勉強会が続けられているというふうに聞いております。 現在の都市計画につきましては、都市計画は市町村が地域住民と一番密接に関係しますので、これらが市町村マスタープランを作ることはもとよりでございますが、さらに区域マスタープラン、これは数市町村をカバーする広域的なマスタープランでございまして、これに即するということになっております。 今回の法案の立地適正化計画につきましても、この広域的な区域マスタープランに即するということが法文上担保されておりまして、都道府県の広域的な観点からの将来像に即した形で市町村が立地適正化計画を策定していただくようにしていただきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 次に、地域公共交通法改正について伺います。 国の基本方針を受けて地域公共交通網形成計画や地域公共交通再編実施計画を策定するのは市町村等になるわけであります。中核市以上を除き、多くの市町村では交通担当の職員はおりません。あるいは交通担当の職員も地域振興や土木などと兼務しているのが現状であります。この間の行政改革によって現場の定員もぎりぎりまで削減をされています。市町村等が地域公共交通の活性化、再生に取り組むために必要な人材をどのように確保、育成していくのでしょうか、国としての支援はどのようなものになるのか、伺います。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 これまで地域公共交通につきましては、主に交通事業者の事業運営に任されていたということから、市町村については地域公共交通の活性化、再生についてのノウハウを有する人材の不足が懸念されております。本法案に基づきまして公共団体が先頭に立って地域公共交通の再構築を進めていくという取組が成功するかどうかというのは、まさに市町村に十分な知恵を持った人材を確保することができるかどうかに懸かっているというのは御指摘のとおりだと思います。 このため、公共団体職員を対象とした研修、セミナー、説明会等を開催するとともに、本省のプロジェクトチーム、それから地方運輸局の担当者による計画策定支援でございますとか、また地元に有識者の方とか、先進市町村の職員もおられますので、そうした方を紹介するなどの支援を講じたいと思っておりますが、私どもとしては、市町村の職員が様々な主体と一緒に計画策定に前向きに取り組んでいただく過程が人材の育成にもつながるものになるというようなことも併せて期待しているところでございまして、いずれにしても支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 是非、今後、現場の状況をよく見ていただいて、あるいは現場の意見をしっかり聞いていただいて、国交省として是非定員の確保についても積極的に進言をしていただきたいと思います。交付税の算入の基礎となる資料についてもしっかりそういうことが盛り込まれるような、きめ細やかな対応をしていただきたいと思います。 地域公共交通を取り巻く非常に厳しい現実は、ここにいる皆さんが共有されていると思います。先ほど来も御議論がございました。バスも鉄道も船もこの十年間で輸送人員を大きく減らしております。乗り合いバス事業者は現状七一%が赤字、平成十八年度から七年間で一万二千六十二キロも廃止。地方鉄道も七六%が赤字、十三年間で六百七十三キロが廃止されております。 こうした中で、特にバス事業においては運転手の人材確保と技術、技能の伝承が深刻な課題となっているわけであります。国交省として、地域公共交通、特にバス、鉄道の人材確保と技術、技能の伝承に向けどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 御指摘のとおり、公共交通をめぐる環境が厳しさを増している中で、地域の交通事業の従事者の就労環境が悪化し、人材不足が深刻化するとともに、それに伴いまして技術の継承というものが課題となっております。 このうち、人材不足につきましては、女性や高齢者の活用が喫緊の課題であると考えておりまして、バスにつきましては、昨年の十二月にバスの運転者の確保及び育成に向けた検討会を設置いたしまして、バス事業者や運転手に対するヒアリング、アンケートなどを通じまして課題の整理や対応策の検討を進めているところでございまして、本年六月を目途に検討の成果を取りまとめることとしております。 また、技術の継承につきましては、特に中小の鉄道事業者への支援が重要であると考えておりまして、国によります維持管理マニュアルや点検状況に関するデータベースの整備、講習の実施でございますとか、あと独法の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が鉄道事業者に対しまして鉄道構造物の補修や管理等についてのアドバイスを行う事業等、具体的な支援を開始したところでございます。 今後とも、これらの取組を更に充実させることによりまして、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成に必要な人材の育成、確保、それから技術の継承の支援についてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 地域公共交通が十分に確保されていない地域において、高齢者や通学する児童生徒等の移動手段を確保するため、地域公共交通再編事業において自家用有償旅客運送、いわゆるコミュニティー交通が例外的な措置として導入されているわけであります。 自家用有償旅客運送が公共交通空白地域を埋めて、国民の移動の権利を保障する重要な役割を担っていることは事実であります。しかし、当初例外的措置とされたものが今日では急増、常態化しており、タクシー事業と競合したり交通事故を起こすケースも見られます。改めて、自家用有償旅客運送についての国としての考え方、原則を確認させてください。
○政府参考人(田端浩君) 自家用有償旅客運送は、道路運送法に基づきまして、過疎地や福祉の輸送などの地域住民の生活に必要な輸送がバス・タクシー事業によっては提供されない場合に、いわゆる白ナンバー車両を使用して有償で運送できることとする制度でございます。 そのため、導入に際しましては、地域の協議会において、地方公共団体、地域のバス・タクシー事業者、住民などの関係者が、バス・タクシー事業によることが困難であり、かつ、地域住民の生活に必要な旅客運送を確保するために必要であることについて合意をしているということが要件となっております。これによりバス・タクシー事業との間で適切な役割分担が確保される仕組みとなってございまして、今後ともこれを前提として自家用有償旅客運送に関する制度を運用していくこととしております。
○吉田忠智君 今国会で成立いたします、いたしました第四次地方分権一括法により、自家用有償旅客運送についての国の登録、監査等の事務権限については、希望する市町村、都道府県に移譲することになるわけであります。自家用有償旅客運送に対する今後の国の関与はどのようになるのでしょうか、安全確保がおろそかになるおそれはないのでしょうか、伺います。
○政府参考人(田端浩君) ただいま御指摘のとおり、自家用有償旅客運送の事務権限につきましては、現在提出中のいわゆる第四次分権一括法案において、希望する市町村を基本として移譲することなどを盛り込んでございます。 しかしながら、移譲後におきましても、バス、タクシー事業による輸送が提供されない場合の補完という自家用有償旅客運送の位置付けは維持することとしております。これを担保するためのルールや基準の設定は引き続き国土交通省が担っていくこととしております。 また、自家用有償旅客運送の輸送の安全確保や利用者の利益の保護も引き続き重要でありますことから、この移譲を受けた地方公共団体においてこれらの事務が適切に遂行されるよう、地方自治法に基づく技術的助言等も活用しながら、国土交通省として適切に対応していくこととしております。 いずれにいたしましても、今後とも地域ごとに、バス、タクシー事業を中心として、必要な場合には自家用有償運送も活用できる、このベストミックスが実現するよう地方公共団体等と密接に連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 これは附帯決議の文言でも議論になったわけでありますけれども、是非国としても、助言にとどまらず、勧告、是正等、適切な自治体に対する対応をしていただきたいと思っています。 最後に、内容についての賛否は別にしまして、今回両法案が一括で審議されることは今後の地域の在り方、その中での国土交通行政を考える上で非常に有意義であったと思っております。 まちづくりも地域公共交通も、人口増加と高い経済成長を前提に、交通事業者の宅地開発と鉄道やバスなどの路線新設がセットで民間のビジネスモデルとして成立してまいりました。ところが、現在は人口減少、高齢化、経済成長も定常化が定着しておりまして、状況は大きく変化をしているわけでございます。 現時点では、経済的に正当に評価されないために採算性が期待できない事業については公が提供せざるを得ません。これは、公共サービスの大原則でありまして、この原則をきちんと踏まえないで公共サービスに独立採算制や事業性を要求することは大きな間違いであると考えます。衆議院での審議において、富山市長を始めとする参考人の皆さんも、地域公共交通への公費投入の妥当性を根拠付けること、すなわち地域公共交通を公共サービスとして理解することの重要性を訴えられました。 国交省も、現場を始め、まちづくり、地域公共交通の維持、活性化に大変尽力をいただいたと、そのように思いますけれども、ともすると事業者任せになり、公費等の支援についても財政当局に反論しづらい状況にあるようにも見受けられるわけでございます。官業とすることの弊害、デメリットは考慮すべきでありますが、それでもなおかつ、憲法で保障された人権の実現として、まちづくりはもとより地域公共交通も公共サービスとして理解すべきであると考えるわけであります。 国交省も、地域公共交通は公共サービスであるという点を広くアピールをしていただいて、国民の理解を得ていくべきではないかと考えますが、最後に大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘のように、これまでの我が国の公共交通というのは専ら交通事業者に委ねてきているという状況にありましたが、とてもそれではしのげない、耐えられないという状況にあると思います。ましてや、高齢社会ということになりますと、生きていく上に公共交通という交通手段は極めて重要だというふうに思っておりまして、今までのような民間事業者任せにするのではなくて、地域全体でこれを支えていくということは極めて重要だというふうに思います。 国交省として、今後、まちづくりと一体となった地域公共交通ネットワークの再編がもたらす地域活性化等の様々な効果について国民の理解を深めていただくとともに、地域公共交通に対する支援の一層の充実を図ってまいりたいと思っております。
○吉田忠智君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○辰已孝太郎君 私は、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 本法案は、住宅や医療・福祉・商業施設などの容積率や用途制限の緩和などを行うことにより、当該施設を都市の中心に誘導して市町村によるコンパクトなまちづくりを支援するというものです。 本法案に反対する第一の理由は、本法案には誘導の仕組みはあっても事業者の身勝手を規制する仕組みがなく、これまでの規制緩和路線への反省も、住民、商店主の生活への影響に対する配慮も不十分だからです。 いわゆるコンパクトシティーは、大店法廃止など規制緩和によって大型店などの大規模集客施設が郊外立地を加速して市街地が拡散し、中心市街地が空洞化していったことから、郊外拡散を抑制した集約型のまちづくりという意味で使われてきました。市街地の拡散を抑制するため、二〇〇六年に改正都市計画法により大型店の郊外立地を抑制するなどのゾーニング規制が強化されました。しかし、大型店の郊外立地は依然として続き、大資本の商業、不動産事業者は利益最優先で、所構わず郊外市街地に大規模施設の出店、建設を進めています。二〇〇六年の規制強化が不十分であったことは明らかです。コンパクトシティーというなら、こうした事業者の身勝手を規制する仕組みをつくることこそ必要です。 反対の第二の理由は、特定用途誘導地区において容積率緩和による立地誘導策を導入することは、高層ビル等が乱立する大規模再開発事業を促進し、無秩序な都市開発を招くおそれがあるからです。 これまでもコンパクトなまちづくりの名で都市の中心部に超高層マンションや業務ビル、大型店などを誘致した大規模再開発事業が実施されてきました。大都市部では都市再生の名による大規模再開発事業が住民不在のまま進められており、これと連動、誘発することが懸念されます。 よって、本法案に反対をいたします。 以上です。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合を代表して、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案は、住宅及び医療施設、福祉施設、商業施設その他の居住に関連する施設の立地の適正化を図るため、市町村による立地適正化計画の作成について定めるとともに、当該施設についての容積率及び用途制限の緩和等の措置を講ずるものであります。 反対理由の第一は、いわゆる小泉構造改革を始めとする一連の都市再生政策、容積率や用途制限の規制緩和により大規模商業施設や都市部での高層マンションの建設が可能となり、地元住民への日照問題やビル風などの住環境の被害、景観破壊などのいわゆる町壊しが深刻な社会問題となり、建築紛争も多発していることについて国交省の反省が不十分なことです。 理由の第二は、まちづくりの主体であるべき住民への事前事後の十分な情報公開、住民参加の保障について不十分な点です。計画について公聴会を開催したり都市計画審議会の意見を聴くなどの手続が決定されておりますが、地方議会も計画策定に関与できないなど住民参加は形骸化しており、個別の建築紛争が後を絶たない状況です。 理由の第三は、本法案による都市機能誘導区域における容積率や用途制限の緩和は、住民参加等が不十分な点と相まって更なる町壊しを招くのではないかと懸念されていることです。今求められているのは、人口減少や高齢化を見据えた持続可能な都市政策、住民主体のコンパクトなまちづくりに向けた抜本的な制度改正です。 以上申し述べ、本法案に対する反対の討論といたします。
○委員長(藤本祐司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。 私は、ただいま可決されました都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 人口減少や高齢化の進展など、我が国の地方都市を取り巻く環境が厳しさを増している状況に鑑み、本法に基づく立地適正化計画が適切に活用され、地方都市におけるコンパクトシティの形成や中心市街地の活性化が円滑に進められるよう、地方公共団体と連携しその対応に万全を期すこと。また、その際には、社会資本の維持管理費の増大や財政制約にも留意し、選択と集中によりつつ縮減・集約を促すよう地方公共団体に対し助言を行うこと。 二 コンパクトシティの形成に向け、郊外に拡散した市街化区域の段階的な縮小方策について検討を行うとともに、都市計画道路や下水道事業などについても、見直しや事業区域の縮小方策等について、地方公共団体に対し助言を行うこと。また、過疎地域や離島地域における多自然生活圏や安定定住ゾーンの形成方策等についても引き続き検討すること。 三 居住誘導区域において高齢者向けサービスと一体となった住宅の供給を促進するため必要な支援を行うとともに、高齢者等の優良な住宅資産が子育て世代に活用されるなど、その有効利用を図ることが可能となるよう、住み替えや中古住宅流通市場、リフォーム市場の活性化を推進すること。また、都市のコンパクト化に伴い、今後一層の増加が予想される空き地や空き家に関する対策の具体化を図ること。 四 地方公共団体の厳しい財政状況に鑑み、医療施設、福祉施設などの誘導施設の立地等に対して、社会資本整備総合交付金等の活用により最大限の支援を行うこと。また、都市計画部局、福祉部局、交通部局などが一体となって取り組むことのできる体制の整備、地方公共団体の人材の確保及び育成等に関し必要な支援を行うこと。あわせて、集落の中心地域における「小さな拠点」についてもその整備に向けた支援を行うこと。 五 住宅の立地の集約化を図ることが重要であることから、都市機能誘導区域における事業への支援については、居住誘導区域の設定とあいまって、市街地のコンパクト化に資する内容とすること。また、居住調整地域を設定するなど意欲的に取り組む市町村を積極的に支援するとともに市町村の要望に添った支援に努めること。 六 立地適正化計画の作成に当たっては、居住誘導区域外の住民が著しい不利益を被ることのないよう居住誘導区域外の住民の生活環境についても十分配慮するとともに、都市機能誘導区域や誘導施設についても、医療施設、福祉施設等の利用者の利便を考慮し、関係者との十分な調整を図った上でその指定がなされるよう、地方公共団体に対し助言を行うこと。また、公園、緑地等の整備により緑豊かな居住環境が創出されるよう必要な支援を行うこと。 七 居住誘導区域外における、本法第八十八条の届出を要する開発行為に対しては、ディスインセンティブ等の在り方についても検討すること。 八 建築規制の緩和が住環境被害や景観破壊などの問題を惹起することのないよう、住民への事前事後の十分な情報公開、住民参加と住民の意見反映の実質化に向けて、その方策について検討すること。 九 都市機能や居住の立地適正化による都市の再構築には、地域公共交通ネットワークの整備や中心市街地の活性化が不可欠であることを踏まえ、立地適正化計画の作成に当たっては、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律」に基づく地域公共交通網形成計画や、「中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律」に基づく基本計画との連携と調和が十分に図られるよう、地方公共団体に対し助言を行うこと。また、立地適正化計画等と「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく低炭素まちづくり計画についても、相互に適切な連携が図られるよう地方公共団体に対し助言を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
○委員長(藤本祐司君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 多数と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
○国務大臣(太田昭宏君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) 次に、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田城君から発言を求められておりますので、これを許します。田城郁君。
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。 私は、ただいま可決されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 地方公共団体、公共交通事業者等が持続可能な地域公共交通網を形成する際の指針となるよう、新たな国土のグランドデザインや交通政策基本計画の策定に当たっては、総合的な交通体系における地域公共交通の役割とその在り方を明確に示すこと。 二 地域公共交通網形成計画の作成に当たって、市町村が主体的、積極的に取り組むことができるよう、地域公共交通に関する知見・ノウハウの提供、人材の確保及び育成、有識者の紹介、財政的支援等、必要な支援を十分に行うこと。また、地方公共団体が協議会を組織する場合においては、住民、利用者、公共交通事業者その他の関係者の意見が適切に反映され、円満に合意形成が得られるよう、必要な助言・支援を行うこと。 三 地域公共交通網形成計画に基づく地域公共交通再編事業が効率的・効果的に実施されるよう、基本方針を見直すとともに、円滑な合意形成が可能となる諸施策、公共交通事業者に対する予算措置、融資制度等の支援措置の拡充について幅広く検討を行うこと。また、地域公共交通ネットワークの充実と安全運行のため、運転者等交通手段の担い手である公共交通事業に従事する者の確保及び育成、労働条件の改善に十分に配慮すること。 四 地域公共交通が十分確保されていない地域においては、高齢者等の移動手段を確保するため、バスやタクシーを活用したデマンド交通の導入・普及に向けた支援の拡充について検討すること。また、地域公共交通再編事業において同様の役割を担う自家用有償旅客運送の登録、監査等についての国の事務・権限を希望する市町村等に移譲するに当たっては、輸送の安全と利用者利便の確保に支障が生じないよう、市町村等に対し、助言等の支援を行うこと。その際、当該事務・権限を適切に遂行できる能力・体制を速やかに整えられるようにするとともに、移譲後も輸送の安全確保を担う国の責任に鑑み、市町村等と密接に連携すること。 五 コンパクトシティの形成への誘導方策及び自動車交通量の削減方策として、LRT、BRTの導入に努めるとともに、その導入の検討に当たっては、道路空間の有効活用等の措置についても十分に検討すること。また、公共交通の活用を促進し、CO2の削減等環境への負荷の低減を図るための方策について検討すること。 六 地域公共交通網形成計画の達成状況の評価に当たっては、地方公共団体が数値化しにくい公共交通の役割も含めて柔軟かつ適切に達成状況の評価を行えるよう、評価に関するガイドラインを作成するなど適切に対応すること。 七 地域公共交通の利用を促進するため、乗継ぎ時に公共交通の利用者に対し運賃の割高感を与える初乗り運賃制について検討を行い、共通乗車船券やゾーン運賃等の導入を行うことができるよう、必要な環境整備に努めること。また、情報化進展の成果を最大限に活用するとともに、新たな情報通信技術のさらなる開発・導入を、安全面での検証を前提に、積極的に進めること。 八 大規模地震発生時において地域住民の避難手段を確保し、被災地の早期の復旧・復興を図る上で、地域公共交通網の機能を維持することが極めて重要であることに鑑み、鉄道駅をはじめとする災害時において重要な役割を担う地域公共交通に関連する施設の耐震化が一層促進されるよう必要な支援を検討すること。 九 交通の機能と都市の機能とは、相互に密接に関連することを踏まえ、地域公共交通網形成計画の作成に当たっては、「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」に基づく立地適正化計画や、「中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律」に基づく基本計画との連携が十分に図られるよう、地方公共団体に対し助言を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
○委員長(藤本祐司君) ただいま田城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤本祐司君) 全会一致と認めます。よって、田城君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、太田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。太田国土交通大臣。
○国務大臣(太田昭宏君) 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(藤本祐司君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤本祐司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会