憲法審査会 第8号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2014/06/11
会議録
○会長(小坂憲次君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 本日の質疑につきましては、時間が経過した際にベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。 まず、船田発議者にお聞きいたしますけれども、最近の報道によりますと、安倍政権は、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の変更につきまして、船田議員は、本来憲法改正を行うべきであって、解散・総選挙で国民の信を問うものだというのが選択肢なんだという御発言をされております。 さらに、今回の解釈の変更については、この審査会において、こうおっしゃっているんですね。今この憲法改正によってこのような事態が前に進められないということは大変残念に思っておりますが、しかし現状においてはそのような解釈の変更を行うことによって対応せざるを得ない、そういう認識、国際情勢、そういったものを総合的に勘案するとそうならざるを得ないというふうに私自身は考えた次第であります、こう議事録で書いてあるわけなんですけれども。 つまり、船田発議者の考えは、本来は憲法改正しなければならないけれども、事態が風雲急を告げているから解釈の変更でしようがないという意味だというふうに思うんですけれども、でも、そうだとしても、二十日の閣議決定ってマスコミ報道あるんですよね、これ目指している。憲法に関しては、私は、国民の意見を一回も聞かないままの閣議決定というのはどういうものなんだろうか、もう少し時間を掛けて丁寧に議論をすべきなのではないかというふうに思うんですけれども、船田発議者、いかがでございますか。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 私の過去における発言につきまして白先生からいろいろと引用をいただきまして、ありがとうございました。 一般論をちょっと申し上げて少し議論を整理をしたいと思いますが、憲法も法令の一つでありますので、法令の文言の枠内において、かつ合理性がある限りにおいては、その解釈の変更は許されないわけではない、一定の幅があるというふうに私自身考えております。 ただ、その幅といいましても、やはり論理的な整合性、それから解釈の選択の余地の狭まり、あるいは解釈変更後の当該条文の規範性、そういうものを考えますと、その枠内というものが慎重に判断されなければいけないと思っております。私が申し上げていることは、この集団的自衛権も含めた憲法解釈の変更、これは解釈の枠内に収まるものであると、こういう前提で議論をいたしておるわけでございます。 ただ、この問題につきましては、やはりこれまでの積み上げというものがございますので、そういう観点からはかなりそれは大きな、そして根幹に触れる問題である、そう考えた場合には、解釈変更が許されるとしても、そこは慎重に議論をしなければいけないし、そしてその変更の幅もできるだけ狭める、限定的であるべきであるということを申し上げたかったわけであります。 そもそも解釈の限界を超えるものについては改正が必要でありますが、今回の事案につきましてはその解釈の変更の範囲内にある、このように理解をしておりますので、これはそのような対応でいいのではないかと思っております。 ただ、私は、やはり何らかの形で国民の皆様に大きく議論をしていただく、そういう機会はどこかで設けてもよろしいのではないか。その選択肢の一つが、これはやっぱり衆議院の解散という選択肢もあり得るということを申し上げたかったわけであります。 以上です。
○白眞勲君 であるならば、二十日に閣議決定といったら、全くそういう部分においては国民の意見を聞く時間がないということで、じゃ衆議院の解散を早くしろということなんでしょうか。船田発議者、どうなんですか。
○衆議院議員(船田元君) そのような慎重な対応、態度というものは政府においてあるいは与党においても認められるわけではありますが、閣議決定と、その国民に信を問うなりあるいは国民の議論を沸き上がらせるということが必ずしも順番としてそのようになければいけないということではないと私は理解をしております。 これは閣議決定の後でも、これが閣議決定されたものについていずれ法律改正という形になっていくと思いますので、法律改正のときには当然国会での議論もあり、そしてその延長に国民全体の議論もある、このように思っております。
○白眞勲君 北側発議者にお聞きしたいと思います。 この件に関しては、安倍政権の強引とも言えるやり方について批判が高まってきていると私は思っておりますけれども、片や、この憲法審査会においては集団的自衛権を憲法解釈の変更によってできるというのは立憲主義に反するのではないかとの指摘も相次いでいるという中で、北側発議者御自身も当審査会で論理的な整合性ということをよく御発言をされております。これ、北側発議者がお話しされた内容ですけれども、そもそも憲法九条そのものの規範性が大きく失われてしまうことになりかねない、こういうふうな御発言をされております。 風雲急を告げるんだから解釈改憲でいいというのはちょっとずれていると私は思うんですよ。この辺について北側発議者はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) 今おっしゃったように、特に憲法九条に関しての政府解釈の変更をしようとするわけですから、もちろん一般論として法の解釈には幅があり、ただ一方で限界がある。ただ、憲法九条という長年国会の論議で積み重ねられてきたそういう政府見解を変えるというならば、そこには過去の政府見解との論理的な整合性というものがこれはしっかり確保されないといけないと。そうでないと、先ほどおっしゃった憲法の規範性についても大きく損なわれることになりはしないのかと、そういう心配をいたしております。
○白眞勲君 いや、全くそのとおりですよ。今、北側発議者がおっしゃったとおりでございまして、今日の朝日新聞の社説だと思うんですけれども、結果は、どうも何か昨日出して、何か事例を基にすぐに意見交換始めようじゃないかと、大分乱暴な議論なんじゃないかというようなことが書いてあるわけですね。そういう中で、もう自民党は結論の文案を出したいと言っているというふうにも言っているわけでして、朝日新聞の社説によると、公明党が席を蹴らなかったのが不思議なくらいだと、こう言っているわけですね。 どうでしょう、北側発議者、与党の連立、そろそろ解消する気はないんでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) 今、与党協議をやっている真っ最中でございます。 先ほど申し上げました、仮に政府解釈の見直しをやろうというならば、これまでの長年積み重ねられた政府見解との論理的な整合性、これをしっかり確保されなければ私はそれは認められないというふうに私は考えております。
○白眞勲君 いや、だから、与党でそういう状況だったら、そろそろやっぱりそういった連立離脱ということも考えるべきなんじゃないかと私は質問しているんですけれども、その辺についてはどうなんでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) いや、今まさしく与党協議をやっている最中でございまして、与党協議をしているというのは、決して、絶対これは平行線だということで与党協議をやっているわけではありません。何らかの一致点を見出せないかということで今双方とも苦労しているというところでございます。
○白眞勲君 船田発議者にお聞きいたしますけれども、議員は五月二十八日の都内の講演でこうおっしゃっているんですね。国民の皆様や国会の中でも同意を得やすいであろう環境権や私学助成であるとか、裁判官の給与が下げられないということが規定されている条文、つまり、どちらかというと形式的な問題についての御提案をし、国民投票にかけるというのがいいのではないかと思いますと御発言されています。 とすると、形式的な問題は国民投票で改正をして、憲法の基本理念に関することは解釈で変更すると。これはおかしいんじゃないですか。
○衆議院議員(船田元君) 私のまた過去の発言について御指摘をいただきましてありがとうございます。 今の件につきましては、多分、これからの憲法改正の道行きというんでしょうか、憲法改正がこれから何回かに分けて行われるとすれば一番最初にはどういう問題があるでしょうかと、こういう質問であったと思いますので、私としては、もちろん九条の問題もあるでしょう、それからいろいろな統治機構の問題もあると思いますけれども、やはり国民の皆様が割合理解をしやすい、また方向性がかなり出ているようなそういう問題について、これはなるべく早くやった方がよろしいんではないかということを申し上げました。 形式的という言葉がちょっと語弊があったかもしれませんが、これもやはり改正としては大きな中身を持つものでございますので、そういったことについては当然広報もし、あるいは、もちろん国会での原案を出すときの議論も慎重に行う、こういうことが必要であると思っております。
○白眞勲君 今、船田発議者はおっしゃっているんですけれども、憲法九条の根幹部分を改正しないまま解釈で集団的自衛権まで容認させてしまったら、憲法九条を改正する意味合いというのはなくなっちゃうんですよ。それでも九条を改正するんだったら、どのように改正すべきなんですか、その集団的自衛権までオープンにしておいてですよ。それだけ最後にお答えください。
○衆議院議員(船田元君) 憲法九条の改正の中身については、これはまた様々各政党の御議論もあると思います。 我々は、二年前に出しました自民党の日本国憲法草案、そこには、九条の第一項はほぼ残しまして、第二項につきましては自衛権の行使を許可をするといいますか認めると、こういうことで、集団的自衛権、個別的自衛権については特に言及をしておりません。これはあくまで自衛権ということで、それは二つの概念を含むものということで解釈されるものだと思っておりますが、そういう方向で行きたいと思っております。 元々、現在の憲法をそのまま読みますと、自衛隊の存在すら認められない、個別的な自衛権ですら認められないという状況がありますので、そういった事態を解消するために、今申し上げたような九条の改正ということを私自身は考えている、こういう状況でございます。
○白眞勲君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず、国民投票権年齢と選挙権年齢が不一致になるという、このことについて法的な担保がこの改正案によってなくなってしまうという点について、改めて発議者に伺いたいと思います。 五月二十一日の質疑で、今度の改定案は投票権年齢と選挙権年齢、成年年齢とのリンクを切り離して、いつまでにという法律上の期限はもう定めないというものであることははっきりしたと思います。そうなると、国民投票は行うのに発議に関わる議員を選べない、これは極めて不条理だと、こうした現実の声が十八歳、十九歳の若者たちから上がっている、これどう思うのかという認識をただしました。 発議者からは、そろっていることが望ましいとか、立法上は一致すべきであるなどというお答えがあっているわけですけれども、けれども、この法的担保を切り離せば、例えば小澤参考人の指摘によれば、両者の不一致が長期間継続する蓋然性がある、そのことを法的に遮断できていない立法措置である、この批判がまさに当たるわけですね。小澤参考人は、これは憲法十五条に違反する法状態を生み出す蓋然性であると指摘をされました。 憲法の保障する普通選挙には、選挙権の平等原則が当然に内包されるのであって、この原理は政治的事項について判断能力を有するとされる者に対して平等に参政の権利を付与することを求めるものであって、憲法改正の是非について判断能力があるとされた十八歳、十九歳の者に対して国政選挙などでの選挙権を認めないのは、その部分について権利を侵害していることになる、許容できる範囲内の時限的な範囲を超えて、これが長期間継続するということになれば、選挙権の平等原則の違反になるのであると、つまり憲法違反になるのであるという重大な指摘がされたわけですね。 この投票権年齢と選挙権年齢を一致させないことが許容される憲法上の根拠があるのか、船田発議者はどうお考えなんですか。
○衆議院議員(船田元君) 投票権年齢と選挙権年齢の問題でございますけれども、一般論としましては、やはりこの二つの年齢がそろっているべきであるというのは、これはもう先生御指摘のとおりであります。 しかしながら、例えば、憲法九十六条におきまして、投票権年齢と選挙権年齢の一致が憲法上要請されているという、参考人の質疑にもあったようでございますけれども、このことにつきましては、一般的に言えば選挙権の行使というのは国民主権の発動そのものではなく、いわゆる選挙人団、団、固まりでございますね、選挙人団に組織される国民の行為と理解されております。そして、九十六条に言う国民というのは、選挙人団とは別個の国民投票人団に組織される国民と理解されるのが一般的であると、このように思います。 すなわち、国民投票法制定時において、かつて参考人でお話をいただいた高見参考人が述べているとおり、憲法九十六条はいわゆる選挙人団と国民投票人団とが同一であるべしとの命題を含むものではないと解するのが憲法学説上一般的と考えられておりまして、投票権年齢と選挙権年齢の一致は立法政策上の問題であって憲法上の問題ではない、このように整理をされると考えています。 しかしながら、やはりこの二つの年齢が異なっている、こういう状況が長い間放置をされるということになりますと、それはやはり立法政策上の問題としても私はゆゆしき問題であり、これがひいては憲法上の問題になり得る可能性もあると考えておりますので、その期間はできる限り短くすべきであるというふうに考えた次第であります。 そして、私ども八党合意の中では、プロジェクトチームを編成をいたしまして、この改正法施行後二年以内に選挙権年齢を十八に引き下げる、こういうことをやろうと、こういう八党の合意がございますので、これはもちろん法律上の担保ではございませんけれども、政治的には極めて重い決定であると、このように理解しております。
○仁比聡平君 高見参考人の御意見を一般的な憲法学説であるかのようにおっしゃったのは、この当審査会での参考人質疑を通じて、これは違うんじゃないのかということなんですね。 その選挙人団あるいは投票権者団というのは、つまりが間接民主制における、代表民主制における主権の行使であるところの選挙、そして憲法制定権力の行使である国民投票という、まさに主権の行使の場面においての概念であって、何かその名簿がこうなっているからなんという、そんな選挙実務上の理由で議論されるべき筋ではないのはもうはっきりしていると思います。 この問題について、この審査会においでいただいた小林参考人は、憲法九十六条の国民と十五条一項の国民が主権者として政治に参加する者という点では一致していると考えることができるので、国民投票への投票権が十八歳に引き下げられるのであれば、同じ立法趣旨に基づく選挙権も十八歳に引き下げるのが適当であると考えるし、主権者としての平等性、選挙権の平等性から出てくる当然の要請になると考えておりますと、そう述べておられまして、私はもっともな考え方だと思うんです。 前回も申し上げましたが、民主党の小西幹事から、憲法前文が、代表民主制とそして直接民主制、これをしっかり両立させるようにということを求めている、そのことからも要請されるではないかという御意見も傾聴に値するものだと思うんですね。 まず、先ほども御発言のあった、立法政策上は当然一致すべきであるというふうにおっしゃるんですが、この立法政策上はというのは、国会が自由勝手に憲法とは離れて国民投票やあるいは選挙権年齢を定めることができるのであると、そういうお考えなんですか。
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘の点でございますが、確かに小林良彰参考人は、九十六条の国民それから十五条一項の国民が主権者として政治に参加する者という点では一致をしているということでございますが、この時点においても、いわゆる直接民主制の場合と間接民主制の場合とやはり選挙人団が異なるということが現実問題としてあります。ですから、この解釈として、この九十六条そして十五条の一項における国民が全く年齢が一致しなければいけないというふうに憲法上読み取るのは、これは読み過ぎではないのかと思っております。 しかし、先ほど言いましたように、立法政策上の問題として、これはできるだけそろえるべきである、しかもその立法政策上の問題というものを憲法から離れて何でも自由にできるということを言っているつもりはございません。できる限り九十六条、十五条に則した形で立法政策の問題として議論するというのは言うまでもないことだと思います。
○仁比聡平君 できるだけ則してというのは、こうした重大な権利と主権行使に当たって、これはそんな曖昧な議論にはしてはならないと思うんですよ。 先ほど船田発議者の御答弁の中で、不一致が長くなれば憲法上の問題になることもあると、そう御答弁されたんですね。これ、不一致が長期間になるとどんな憲法上の問題になるということなんですか。
○衆議院議員(船田元君) 先ほど私が申し上げましたのは、やはり時間が長くなってこの年齢の違いが放置されるということについては、九十六条、十五条における、立法政策上の問題とはいえ、年齢が違っているということを放置をすることによって、このことが九十六条、十五条の趣旨というものから類推される年齢の一致というものに抵触をしかねないという状況になると思います。時間の長さというのは主観的な問題があると思いますけれども、私としては、やはりこの二年以内に年齢をそろえるということであれば、それはそういった問題もクリアされていくだろうと、このように思っています。
○仁比聡平君 今の御答弁は、この投票権年齢と選挙権年齢の一致が九十六条、十五条の類推される言わば憲法上の要請、憲法九十六条、十五条から類推される要請であると、そういう意味なんですか。
○衆議院議員(船田元君) 九十六条、そして十五条における国民というのが、同じ国民という言葉は使っておりますが、それぞれの条項におけるその国民の定義あるいは背景、そういったものを考えると、そこで必ず一致をしなければいけないと憲法が要請しているところまでは行っていないと、こういう意味で解釈をしております。
○仁比聡平君 いや、分からない。類推という言葉、さっきお使いになったじゃないですか。 その九十六条と十五条は、そのものとしては、今、船田さんはそういうふうに解釈すると言うんだけれども、ここの要請があるということですか、憲法上の要請が、一致について。
○衆議院議員(船田元君) この九十六条と十五条の解釈においては、これは常に一致をしていなければいけないということを、この文章が、あるいはこの憲法全体としてそう述べている、あるいは規定をしているというふうに解釈をするのは、少しこれは行き過ぎではないだろうか。しかしながら、やはり同じ投票をするといういわゆる参政権グループに入っているわけでありますので、これをそろえるということは、これは立法上あるいは立法政策上当然そろえるべきであると、こういう考え方になるわけでありますので、それを二年間という期間を限ることによってこのような問題をクリアすることが可能である、クリアできると、そのように思っております。
○仁比聡平君 私の聞いたことに答えないじゃないですか。 先ほどの、二つ三つ前の答弁で、その不一致が長くなれば憲法上の問題になることもあるとおっしゃったじゃないですか。憲法上の問題になるというのは、つまり立法政策で自由に国会がその裁量で決めていいことではなくて、船田さんは、不一致が長期間になればという条件付だけれども、そのときには憲法上の問題になることもあると言うんでしょう。つまり、参政権の平等ないし選挙権の平等などの、あるいは九十六条の趣旨などの、そこに触れることがある、反することがあるということを意味している発言じゃないですか。 〔会長退席、幹事中川雅治君着席〕 だから、その含意を私は確認をしているんですよ。どういう意味でそうした御答弁されたんですか。
○衆議院議員(船田元君) 九十六条と十五条の問題がございますけれども、これにつきまして、あるいは国民投票権年齢、そして選挙権年齢、この二つを比較した場合に、もちろん技術的に選挙人名簿、投票人名簿を別々にそろえなければいけないという実際の法施行上の様々な制約の問題があると思います。 そういったことも考えると、それは当然憲法においてもその程度の違いということについては許されるものと思っておりますが、これが長く放置をされるということは、そういった、そろえなければいけない、そろえるべきである、そういう要請について怠っていると、その要請を長い時間掛けてもやらない、怠ってしまっているということから憲法上の問題につながっていくと、このように申し上げたわけであります。 〔幹事中川雅治君退席、会長着席〕
○仁比聡平君 そうしますと、長く怠ると憲法上の問題が起こるというのは、つまり、九十六条や十五条に反するそうした問題が起こるという意味ですね。
○衆議院議員(船田元君) 今申し上げたようなことで、私としては、長く放置をするとやはり憲法上の問題になり得るかもしれないと、そういうふうに考えております。ただ、かといいまして、その期間をどのぐらい設定すればいいのかということについては、そのときそのときの外的な条件、あるいは国政上の様々な条件があるかと思います。 しかし、今申し上げたことについては、やはり憲法上の問題、長い時間掛けるとそういうことにもなりかねないと、そう私は思っております。
○仁比聡平君 小澤参考人は、投票権年齢と選挙権年齢を変動させるのであれば同時に実施すべきであり、万が一タイムラグが生じる場合でも、許容できる範囲内の時限的なものでなければならない、そうおっしゃっているんですよ。 同じ日の参考人質疑で井口秀作参考人は、今、船田さんがおっしゃっているのと同じことでしょうか、憲法改正を発議する機関である国会議員の選挙についてもこれ国民は参加するわけだから、国民投票だけ十八歳、だけど選挙の方は二十歳でもしようがないということにはならない、憲法でこれは一致している、それを十八歳としてまず国民投票法で書いて、当初三年間で整備するというのは立法者の意思だったのだから、遅れているということ自体がおかしい、まさに立法不作為であると。 ここに言う立法不作為というのは、国会の自由裁量ではなくて、憲法上の縛りがあって、これを超えれば、その範囲を超えれば、これは憲法違反の問題が生ずると、そういう意味ですよね。これ、船田さんが今、長い時間、長い期間になれば憲法上の問題が起こるというのは、つまり立法不作為であると、そういう意味ですか。
○衆議院議員(船田元君) 七年前の、今回の国民投票法につきまして、七年間今日まで掛かりました。その間の最初の三年間の間にこの国民投票年齢と選挙権年齢をそろえる、こういうことで政策上決定をし、法律事項にもしたわけでございます。しかし、それができなかったということは、やはり一つは立法の不作為である、このように感じ、その反省の下から、今回の改正案を作る際に、八党合意ということでできる限り多くの政党の賛成を得てこのような方法を取るということにいたしたわけでございます。 私が、先ほど来、憲法上の問題になり得るということでありますが、憲法上の疑義があるという言葉で本来は言うべきものであったと思います。憲法上そのものの問題というよりは、憲法上疑義があるというような状況になり得るかもしれない、それが三年だからいい、二年だからいいという問題ではなくて、やはりできる限り早くそれをそろえるということが憲法から要請されている一つであると、このように思っております。
○仁比聡平君 幾ら船田さんが言い換えようとしたって、憲法違反の蓋然性があるということなんですよ、つまり。 立法政策上は一致が望ましいとか適切であるなどと言いながら、だったら、なぜ法的なリンク、法的な担保をこの国民投票権年齢と選挙権年齢について外してしまったんですか。成年年齢や少年法の適用の問題は、これ、立法趣旨それぞれに従ってという議論が当然あると思います。ですが、この主権の行使に関わる二つについては法的なリンクを続けておいてよかったじゃないですか。これを何だか、皆さんの中での合意ができたからなんて、そういう政党間の合意に委ねてしまうと。こんなやり方で違憲の蓋然性が起こるそうした法案を通そうとするというのは、結局何が何だって動かそうとするという話なんじゃないんですか。 法的なリンクをつくるということについて、何か皆さんの中で、これ、やるべきじゃないという議論があるんですか。
○衆議院議員(船田元君) 法律上のリンクを掛けなかったことにつきましては、これも様々な議論が間にございました。しかし、私どもとしては、七年前あるいは七年前から数えて三年間、このような状況を考えた場合に、非常にまれな例になるかもしれません、万が一ということを考えた場合には、やはりそこは一定のリンクを掛けないで、どの状況においても何歳で投票できるかということがはっきり分かる、そういうことがまず一番大事であるというふうに思いました。 それとまた、もう一つは、法律によらなければ、あるいは法律上のリンクにしなければ何もやれないのかということではありませんで、やはり八党の合意というものは非常に大きな意味を私は持つ、重い意味を持つと思います。もちろん、法律以上に重いとは言いませんけれども、しかし八党の合意とはそれに近いものを我々は目指そうとしている、こういう状況であります。 この採決がもし行われるのであれば、その後、私どもは直ちに年齢におけるプロジェクトチームを立ち上げまして、そして合意をした政党の間で鋭意努力をしようということにおいては各党が合意をしているわけでございますので、是非そのことに御信頼を置いていただきまして見守っていただければ有り難いと思っています。
○仁比聡平君 八党合意に重い意味があるってしきりにおっしゃるけれども、皆さん方は、七年前の現行法制定強行したときに、投票権年齢とともに選挙権年齢、加えて成年年齢なども十八歳にするということは大前提である、最低限の条件であると口をそろえておっしゃっていたじゃないですか。しかも、附則によって、そのリンクについては法的な担保があったわけでしょう。それができなかったわけでしょう。 この間、対政府の質疑を行いましたけれども、今私が申し上げている二者について一致させるのが適当であるということについては両大臣も認識は同じような御答弁をされましたが、だったら何でこれができないわけですか。なぜ法的担保を切るわけですか。 結局、その一致、あるいは十八歳選挙制の実現について、皆さん方の中でいろんな、これはやるべきでないなんという議論があってまとまらないということなんだったらば、結局これから先、二年たっても四年たってもできないと。そうなれば、憲法違反の指摘がされている重大な障害がこの国民投票に起こる、重大な瑕疵が起こるということじゃありませんか。そんな法案をこのままこの参議院が通していいはずがないと、厳しく指摘をしたいと思います。 もう一点、確認をしておきたいと思うんですが、国民投票運動の自由に関してです。 船田発議者が、衆議院の段階での当初の議論ですが、四月十七日に平沢衆議院議員からの質問に対して、公務員の国民投票運動の自由について、許容できない、そうした場合として、現在の政権あるいは内閣に対して、それを良い、悪いということを明確に言うことという例示をされているんですよ。良い、悪いと言うことと、国公法、人事院規則で禁止行為として限定列挙されている支持、不支持というのは、これは違いますよね。前回も議論させていただきましたが、例えば、政権が進める特定の政策について、これの良しあしということを表明することは、これは現行国公法、人事院規則で何ら禁止対象ではありません。それは前回船田さんも確認をされました。 ですから、良い、悪いと言うことを何だか国民投票の際には禁じられるというような答弁というのは、これは間違いなんじゃないんですか。
○衆議院議員(船田元君) ただいまのお話でございますが、国家公務員法、地方公務員法、国家公務員の方は人事院規則に委ねている部分がほとんどでございますけれども、そこにおいては、特に地方公務員は、政党、内閣、首長の支持、不支持、それから国家公務員法におきましても、特定の政党、個人、内閣の支持、不支持、こういうことでございます。 良い、悪いということの表明については、これは勧誘行為といいましょうか、意見の表明という段階に収まるものであればそれは問題はないと思いますけれども、支持、不支持につながるような、そういう良しあしというものを強調するということは、これはやはり問題があるのではないかと。 いずれにしても、これはグレーゾーンであると思いますので、これまでの判例、それからこれから出るであろう判例というものに従って対応せざるを得ないと思いますが、これについては、私が新たな解釈を出すとか新たな解釈をそこに入れるというつもりは全くございません。
○仁比聡平君 何でグレーゾーンなんですか。特定の政権、内閣が何らかの政策を進めようとする、それについて意見を言うということ自体は何ら禁じられていないでしょう。禁じられる政治目的というのは、例えば民主主義を転覆してしまうみたいな、そうしたことであり、特定の政策の良しあしについて意見を表明する、運動するということ自体は政治的行為に当たらないと、前回も確認したとおりじゃないですか。なぜ、良い、悪いということを言うだけで国民投票の際にはこれが禁じられるとか、百条の二ただし書の、改正案、伴うとかですね、何かそんなように評価をされちゃうわけですか。 実際に国民投票が行われる、つまり国民投票運動が行われる場面がどんな場面かといいますと、先ほど来挙げられています例えば憲法九条の改悪、九条をなきものにしようとする、こうした改憲案を国会多数派が発議をしようとすれば、これに対する大闘争が起こる。これは当然のことです。この発議を推進する政党やあるいは政権に対する大きな批判の声が沸き起こり、許さないとする運動やあるいは政党の活動ももちろん沸騰するでしょう。そうした中で発議されたなら、その改憲案についてどんな理由でどういう立場を自分は取ろうとすると言うのが意見表明であり、その立場と一緒に立ってほしいという思いで行われるのが勧誘運動だと思いますけれども、そういう極めて沸騰した政治状況の下で行われるのが憲法改定の国民投票ですよね。 そのときに、こうした発議を進めた政権あるいは政党に対して、支持だとか不支持だとかということではなくて、何らかの態度表明、こうした国会審議の在り方はおかしいとか、そういう声が上がるのはこれは当然であって、船田議員はそれも国民投票運動としては抑圧すべきだと、やめさせるべきだということになるんですか。
○衆議院議員(船田元君) 良い、悪いという話がありましたけれども、純粋な意見表明である限りはこれは法に触れるものではない、従来の解釈と変わっておりません。
○仁比聡平君 今の点について愛敬参考人は、熟議民主主義の理念という言葉で私が申し上げようとしていることを語られました。つまり、切り分け論は疑問であるということなんですね。憲法改正の賛否の勧誘や意見表明は、前提となっている政治認識の表明を含まざるを得ないのであって、本来、賛成、反対は理由を示して行われるべきことなんだから、理由を示さずに賛成、反対というのは熟議民主主義の理念に反すると。 私は、枝野発議者に最後お尋ねしたいんですが、七年前当時に民主党がお出しになった修正案というのは、私は、この国民投票の際には公務員に対するこうした政治的行為の禁止などの法は適用しないということを前提にしておられたように思うんですが、今回の百条の二、特にただし書や、あるいは附則で検討条項とする組織的活動の検討というようなことについては、民主党としては七年前とは考えが変わったということなんですか。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私どもは七年前と考え方は全く変わっておりませんし、今回提出された法案も私どもの七年前の考え方とそごはないというふうに考えておりまして、公務員の政治活動の自由を新たに制約するものでもなく、また、国民投票運動については、必要最小限の規制を除いて原則的に自由であるというものは今回の改正案では徹底されていると考えております。
○仁比聡平君 これで審議を打ち切るというのは私はもう絶対やるべきじゃないということを強く申し上げて、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 特定公務員の国民投票運動の禁止についてお聞きをいたします。 公務員の国民投票運動に政治的行為禁止規定を適用しないとする百条の二では、特定公務員を除外することとなっております。その結果、政治的行為禁止規定が特定公務員にはそのまま適用されることになるのではないか。仮に特定公務員には政治的行為禁止規定がそのまま適用されるということであれば、現行法上生じている国家公務員と地方公務員との間のアンバランスがこれらの者については残ることとなります。 具体的には、特定公務員が国民投票運動を行った場合、国民投票法違反により処罰をされますが、それに加えて、国家公務員であれば国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合として懲戒の対象となるかもしれませんが、政治的行為を行ったことを理由に懲戒を受けることはありません。それに対して、地方公務員であれば国民投票運動が政治的行為となり、それについての懲戒処分も受ける可能性があります。例えば、警察官の場合、県警本部長クラスであれば国家公務員なので刑罰を受けるほかに一重の懲戒処分であるが、交番の巡査であれば地方公務員なので刑罰のほかに二重の懲戒対象となります。 明らかなアンバランスですが、この点を措置する必要はないんでしょうか。枝野発議者、いかがでしょうか。
○衆議院議員(枝野幸男君) 特定公務員について、百条の二の規定が適用されないために現行の国家公務員法、地方公務員法の規定がそのまま適用されてしまうことから、解消されたはずの不均衡が再び起きてしまうのではないかという趣旨だと理解をいたしますが、それは私は誤解であると思っております。 すなわち、特定公務員については、現行の公職選挙法において、国家公務員法、地方公務員法の規定による政治的行為の禁止の特例として一切の選挙運動が罰則をもって禁止されているのと同様に、本法においても、国家公務員法、地方公務員法の特例として一切の国民投票運動が罰則をもって禁止されているものでございます。その意味においては、特定公務員については厳しく規制するという方向で不均衡は解消されていると考えております。
○福島みずほ君 一昨年に出された国公法二事件最高裁判決では、公務員の政治的行為について、一方の事件は無罪となりました。特定公務員の国民投票運動の禁止は政治的行為の禁止とは趣旨は異なりますが、例えば、非管理職である警察官が私服で休日に勤務地から離れた場所で投票運動を行ったような場合等、禁止の趣旨には該当しないような行為が想定できるのではないでしょうか。 それらを定型的に規定するのは難しいですけれど、発議者は結果的に刑罰が科されないこととなる場合があり得ることを容認しているんでしょうか。参考人の小澤参考人などからも裁判官についていかがかという意見が出ましたが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(枝野幸男君) ここは立法判断としていろんな意見はあり得るのかなというふうには思いますが、今御指摘をされたような、警察官の方が私服で自分の所轄の範囲内でもないようなところでというようなことが公務員の特に警察行為、これは特になぜ警察が規制の対象になるかといえば、国民投票運動の公正を担保するという役割を担っているがゆえに、その中立公正に疑義があるということはいけないということで対象になっているというふうに理解していますが、それの信頼を損なうおそれというものが、公務員の運動が自由であるという原則との比較考量上、より大きいかどうかということについての判断だと思います。 一般の公務員と違いまして、やはり警察が、あるいは裁判官が、特に今回規制の対象に、我々からすれば入れざるを得ないというよりは入れても違憲ではないだろうというふうに判断しましたのは、それは、そのときには私服で所轄の外で警察官であるかどうかということも分からずに活動をしても、その時点で信頼を損なうことはないかもしれませんが、事後的に例えば国民投票運動についての様々な取締りがもし行われて、それが例えば警察あるいは裁判等のプロセスにあるときに、いや、実は警察官の方もこういうところでこんなことしていたんですねとか、裁判官の方がこんなところでこういうことをしていたんですねというようなことが明らかになったときに、例えば賛成だという運動を違法に行った者が取り締まられて裁判になっている、あるいは逮捕されたりしているというようなときに、警察の中に反対だと運動していた人がいたんだとか、裁判官の中に反対だという運動をしていた人がいたんだということだと、いや、それは何かアンフェアに判断されるのではないかという信頼を損なうおそれが生じ得るという意味で、その場で公務員とかということが余りよく分からない状態で、公務員としての地位が結果的に利用されるような形でない形であれば、その後問題のない一般の公務員とは違うだろうと。 そういったことで、憲法の保障する公務員の運動原則自由というものに対する制約としてぎりぎり許容の範囲内だろうというふうに判断しました。
○福島みずほ君 この憲法審査会の中で、個人の中立性ではなく公務の中立性で判断すべきだという意見が出ました。是非また御検討をいただきたいと思います。 組織的に行われる公務員の国民投票運動の規制の検討についてお聞きをいたします。 組織的に行われる公務員の国民投票運動の規制の趣旨は、本法案附則第四項によると、公務員の政治的中立性、公務の公正性の確保とされております。そうであるのなら、公務員の国民投票運動自体は適法行為であるのに、それが組織的に行われるとどうして公務員の政治的中立性、公務の公正性に反することとなるのか理解しにくいというふうに思います。 二人以上でも組織なのか、どのように説明されるのでしょうか。枝野発議者にお聞きします。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私どもは、そういった運動について規制をする必要があるのではないかという視点と同時に、公務員の運動は政治活動は原則自由であるということと、双方をしっかりと検討、考慮しなければならない。そして、私どもは、今、福島委員がおっしゃられたように、一人でオーケーなことが、なぜ二人でやったら、三人でやったら駄目になるのかということについて合理的な説明はどなたからも一度も聞いたことがない、したがって規制をする必要はないと思っています。
○福島みずほ君 船田発議者にお聞きをいたします。 船田発議者は明文改憲でやってこられた方ですが、この間、解釈改憲もやむなしとされたのかなというふうに思っておりますが、五月二十一日の北側発議者の発言どおり、やはり議論の積み重ねがあって、それがどうなのか、船田発議者にお聞きをいたします。 集団的自衛権の行使は違憲であるというのが自民党政権の戦後の考え方でした。急迫不正の侵害、やむを得ない、必要最小限度、集団的自衛権の行使はこの第一の要件、我が国に対する急迫不正の侵害がありません。集団的自衛権の行使は論理的に合憲とできる余地があるんでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) 今御質問いただきましたけれども、武力行使の三要件、三要素というのは、もう御承知のとおり、我が国に急迫不正の侵害があり、そして他の手段がないということ、そして必要最小限の武力行使にとどまること、この三つでございますが、それは今回の集団的自衛権の行使をどうそれを解釈していくかということにおいても、これは当然クリアしなければならない三条件だと思っております。 そのうちの一番目につきましては、我が国が直接攻められていないにもかかわらず、我が国と密接な関係にある他国が攻められた場合に、それが我が国に対する侵害とみなして、このみなしてというところが重要でございまして、そのことについては私は解釈の余地があると思っております。 そして、三番目の必要最小限の武力行使ということについても、これは個別自衛権だけが必要最小限なのかということを考えますと、集団的自衛権においても、それは必要最小限であるというところにとどまる集団的自衛権も私はあり得ると思っております。しかし、それは幅がかなり狭いと思っております。 しかしながら、そういうような第一項めと第三項めの解釈を丁寧に行うことによって、集団的自衛権の行使は、現在の憲法上においても、その憲法の解釈を拡大することにおいて、これは憲法改正なしでもやれる、あるいは憲法改正なしでもこの部分は許されると、このように考えた次第です。
○福島みずほ君 急迫不正の侵害、我が国に対する急迫不正の侵害を、我が国と密接な関係があるところの急迫不正の侵害と置き換えることは全く別物です。個別的自衛権の行使が少なくとも戦後合憲とされてきた、政権によって、のは、我が国に対する急迫不正の侵害は一応分かるからです。 侵略戦争は禁止されていますから、自分の国が侵略されていないのに他国防衛を理由にやるのが集団的自衛権の行使で、船田発議者、どう考えても、我が国に対する急迫不正の侵害と、密接な関係があるところの急迫不正の侵害は全く別物であって、今までの自民党政権というか、戦後の、自民党だけではないですが、政治の、三要件の一の要件を集団的自衛権の行使はどう考えても満たさないというふうに考えますが、いかがですか。
○衆議院議員(船田元君) 私の考えは、もちろん一つの方向としては、今申し上げたように、我が国が攻められていないにもかかわらず密接な関係にある他国が攻められた場合、これをみなすということにいたしましたと同時に、私はもう一つあると思っておりますのは、やはりそのまま放置をしていると、その密接な関係にある他国が攻められているときにそれを放置をしていれば、それがやがて、すぐかどうかは分かりませんが、近い将来においてそれが我が国の安全に非常に重大な影響を及ぼす、あるいは重大どころか本当に我が国の存立も危ぶまれる、こういうことは当然あり得ると思っていまして、そのような条件、そういったものを加味することは、私は決して無謀なことではないし、現実問題としてもあり得る事態であると、このように思っています。
○福島みずほ君 全く違う概念ですよね。我が国と密接な関係があるところへの武力行使に対して合憲だというのであれば、ベトナム戦争において北ベトナムから攻撃されたトンキン湾で、それでアメリカは武力行使、ベトナム戦争に踏み切るわけです。日本と密接な関係のあるアメリカが攻撃を受けたということであれば、今の船田議員の考えであれば、日本はベトナム戦争にもイラク戦争にも参戦できるということになりますが、それでよろしいですね。
○衆議院議員(船田元君) 今のような状況で我が国がアメリカと一緒になって行動するということは、私はない、ないし、やってはいけないというふうに思っております。 あくまでも、やはりそれは、そのまま放置をしていれば我が国の安全保障、あるいは我が国の平和というものに重大な危機がある、このこともやはりしっかりと加味をしなければいけない。単に、我が国と密接な関係にある国が攻められたときに必ずそれを行使してもよろしい、あるいはいつでも行使できるというものでもないと思っております。二番目の条件が非常に重要だと思っております。 ただ、これは今与党間で議論していることであり、今申し上げたのは私のあくまで個人的な見解でございますが、我が党、そして公明党との議論がこのような方向で進むと非常にいいのかなというふうに思っておる次第です。
○福島みずほ君 全く論理的ではないですよ。集団的自衛権の行使を違憲としてきた、なぜ合憲とできるのか。一の要件を拡大をして、我が国と密接な関係のある国への武力行使が日本にとっても影響がある場合はできるとなれば、ほとんどできるじゃないですか。 日本には米軍基地がある、そしてアメリカとは密接な関係がある。実際に、安倍総理の「この国を守る決意」の中には、なぜイラク戦争、アメリカの戦争を支持するのか、二つ書いてあります。大量破壊兵器の存在、日米同盟の重要性、北朝鮮の脅威、だから日本はアメリカの戦争を支持するのだと、イラク戦争を支持すると書いています。 日本の安全保障に影響があるというのは解釈によっていかようにもなって、これが区分けの区別になるとは思いませんが、いかがですか。
○衆議院議員(船田元君) 一番目の要件にある、私が先ほど申し上げました我が国の安全に重大な影響が与えられるかどうかということは、確かに主観的な問題も入ると思いますが、しかし、それは現在与党間で議論しておりまして、その要件を更に精緻に組み立てるということは可能であるというふうに思っております。 そしてもう一つが、やはり三番目の要件も、これも大事でございます。必要最小限の武力行使、その要件に当たるかどうかということもこれは大変重要な要素でございますので、特に一番目の問題と、それから三番目の要素、これをしっかりと厳格に適用するということで集団的自衛権の行使というものを限定的に行う。 しかし、それは、行使ができるといっても、常にやるということではありません。必要なときには行使をするけれども、そうでないときにはいたずらに行使すべきものではないということは言うまでもありません。
○福島みずほ君 三の必要最小限度を理由に、集団的自衛権の行使を政府は肯定してきておりません。集団的自衛権と個別的自衛権は量的概念はないと繰り返し答弁しています。 問題は、一の要件、日本に対する急迫不正の侵害があることが要件であるというのを今崩している。今の船田発議者は明確にこれを崩している。今までの政府の論理の積み上げの論理的帰結として、集団的自衛権を肯定する理由はどこからも出てこない。 しかも、今日あったとおり、密接な国にあるところへの攻撃が日本への攻撃とするというのであれば、歯止めなど全くないというふうに考えます。枝野発議者、この点についてどう思われますか。北側発議者、どう思われますか。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私はそもそも、何か十五事例というのを出されておりますが、あの十五事例、精緻に分析をすると、いずれも集団的自衛権ではない、あれを無理やり集団的自衛権だと理屈付けようとしている方がどうかしていると。 したがって、あれを全部認められることにしたとしても、いや、認めるべきだと思っているわけじゃないですよ、その中でどうしても必要なものを認めるとしても、集団的自衛権では全然ないと思っていますので、この議論は何かあさっての方向に行っていると、こう思っています。
○衆議院議員(北側一雄君) 先ほど来答弁申し上げていますとおり、仮に解釈変更というならば、従来の政府見解との論理的な整合性が確保されないといけないと思います。 ちょっと立ち入って申し上げますと、私も過去の九条に関する政府見解はかなり詳細に勉強させていただきました。恐らく、過去の政府見解の中で一番極めて論理的に詳細に論じている最初の政府見解といいますのは、昭和四十七年十月に当参議院の方に提出をされた政府見解があるんです。これは極めて明快な論理で論じられております。 なぜ、そもそも憲法九条を見れば、個別的自衛権だってあるのかという議論もあるぐらいですからね、何も書いていないわけです。なぜ自衛の措置をとり得るんだという根拠として挙げているのは、同じ憲法規定なんですね。憲法十三条、国民の生命、自由、幸福追求権、そして憲法前文にある平和的生存権、この二つを根拠にして、国民の生命、自由、幸福追求に関する権利が根底から覆されるような急迫不正の事態になったときに、国が、国家が何もしないというわけにはいかないだろうと、当然そういう場合の自衛の措置はとれるんだと、こういう論理展開しているんですね。 私は、この四十七年見解を更に詳細に検討いたしまして、そことの論理的整合性をどう図っていくのかということが一番のポイントだというふうに認識をしております。
○福島みずほ君 日本の国が攻められれば、おっしゃるとおり、それは反撃、正当防衛として反撃するということはあるわけです。でも、戦争は、他国防衛を理由に侵略戦争をやってきた過去があり、だから日本は集団的自衛権の行使はしないんだと。結局、集団的自衛権の行使をすると言った途端に歯止めがなくなる、実は歯止めがなくなる。自分の国が攻められているというのは割とはっきりしていますが、他国防衛を理由に、密接な関係がある国の防衛が危ういとなれば、歯止めなんかないんですよ。船田さん、それはないんですよ。 そういうことをやってはいけない、だから、皆さんたちの先輩の自民党の人たちも集団的自衛権の行使は違憲であるとしてきた。ここの参議院では、よく小西さんおっしゃいますが、不戦決議、国会で何度も何度も海外で戦争をしない決議をやってきた。それは戦後の日本の本当に知恵であり、決意だというふうに思います。 これは今、明文改憲を議論しているところですが、解釈改憲で揺れ動いているような、総理が閣議決定やるんだということをメディアでどんどん発言するような中で、国会で参議院では予算委員会も開かれていません。こういう状況で、国民投票法の改正法案を議論する、そういう時期ではないというふうに思っております。課題もたくさん残っておりますし、採決には反対ということを述べ、私の質問を終わります。
○会長(小坂憲次君) この際、お諮りいたします。 委員外議員主濱了君から日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認めます。 それでは、主濱君に発言を許します。主濱了君。
○委員以外の議員(主濱了君) 生活の党の主濱了であります。 この度は、会長を始め各党の皆様には、委員外の発言をお認めいただきまして、本当にありがとうございます。感謝申し上げます。 また、発議者の皆様には、この度、法案を鋭意お取りまとめいただきました。このことに対して敬意を表するものであります。 早速質問に入ります。 選挙権年齢の引下げに向けた取組について、これは生活の党の鈴木克昌議員にお伺いをいたしたいと思います。 この改正法案では、選挙権年齢の引下げについて、速やかに法制上の措置を講ずると定められておりますけれども、八党による確認書では、選挙権年齢については、改正法施行後二年以内に十八歳に引き下げることを目指し、各党間でプロジェクトチームを設置することとされております。選挙権年齢を早期に引き下げる方向性はもうここで明確になっていると考えております。 また、憲法審査会の参考人質疑におきましても、投票権年齢と選挙権年齢とは一致させるべきであると多くの皆さんがおっしゃっている、こういうふうに承知をしているところであります。 生活の党としても選挙権年齢は早期に引き下げるべきであると考えているところですが、今後の選挙権年齢の引下げにどのように取り組んでいくのか、そして、選挙権年齢の引下げに向けた決意、これを生活の党の鈴木克昌議員にお伺いいたします。
○衆議院議員(鈴木克昌君) 本改正案の共同提出に当たっては、我が党としては、主張すべきところは主張をし、そしてまた受け入れるべきところは受け入れるということで、できる限り他党との、他会派との協調をしてきたつもりでございます。 その中の協議で、我が党は、選挙権年齢の引下げについては、改正法施行後四年以内という年限を限って必要な法制上の措置をすべきであるということを主張をいたしました。改正案においては、改正法施行後四年間は二十歳以上、五年目からは十八歳以上というふうにされておるわけでありますが、一方、選挙権年齢の引下げについては、改めて検討条項を設け速やかに法制上の措置を講ずる旨規定をしております。その年限は現在のところ限られていません。しかし、このことについては非常に残念だというふうに思っております。我が党の意見は、結果的には条文には反映をされなかったということでございます。 しかしながら、選挙権年齢については、改正法施行後二年以内に十八歳に引き下げることを目指して各党間でプロジェクトチームを設置するとともに、改正法施行後四年を待たずに選挙権年齢が十八歳に引き下げられた場合には、これと同時に投票権年齢についても十八歳に引き下げられる措置を講ずることが各提出会派の間で合意をされております。我が党の意見がここに反映をされたと、このように理解をしておるところであります。 これは、少なくとも参政権グループである投票権年齢と選挙権年齢はそろっているべきであるという問題意識を反映したものでありまして、その趣旨は、改正法施行後速やかに投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の検討条項にも表れている、このように思っております。 これらを踏まえれば、まず、各党プロジェクトチームにおいて、選挙権年齢の引下げについて二年以内を目途に結論を出すべく精力的に議論を進め、その後、成人年齢その他の年齢の引下げについても四年以内を目途に最大限の努力をすることを合意したものと理解をいたしております。 以上です。
○委員以外の議員(主濱了君) ありがとうございました。 続きまして、今度は憲法全般の考え方、そして今後の憲法議論について、やはり生活の党鈴木克昌議員にお伺いをいたします。 発議者が御答弁されているとおり、本改正案が成立をすれば実際に憲法改正の国民投票を行うことが可能になるわけであります。 そこで、改めて、憲法全般に対してどのようなお考えをお持ちなのか、確認の意味も含めて伺いたいと思います。あわせて、今後どのように憲法改正に向けた議論を進めていきたいと考えているのか、これについてもお伺いをいたします。
○衆議院議員(鈴木克昌君) 我が党は、憲法とは、国家以前の普遍的理念である基本的人権の尊重を貫徹するために統治権を制約する、いわゆる国家権力を縛るものであるという立憲主義の考え方を基本にいたしております。 基本的人権の保障は、専制政治の下では基本的人権の保障が完全なものとなり得ないことから、国民主権の原理と結び付いているとともに、人間の自由と生存は平和なくして確保されないという意味で、平和主義の原理も、また人権及び国民主権の原理も共に不可分の関係にあると、このように考えております。国際的平和を実現するため、国際協調主義も平和主義から導かれている、このように思っております。 したがって、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義、国際協調という憲法の四大原則は普遍的な価値であり、引き続き堅持すべきであると考えております。このような基本理念、原理を堅持した上で、時代の要請を踏まえ、国連の平和維持活動、国会、内閣、司法、国と地方などの統治機構の改革、また緊急事態関係で憲法の規定を一部見直して、足らざるを補う加憲をすべきであるというふうに考えております。 また、憲法九十六条の改正規定については、国民主権から発する諸原理の安易な改正を認めないという日本国憲法の趣旨から、これを堅持すべきであると考えております。 国の基本を定める規範である憲法は、通常のような、容易に改めることのできる性質のものではないということは言うまでもありません。最高法規としてその安定性が求められる性質のものであると、このように考えております。 今後の憲法改正論議においては、今申し上げたような基本的な考え方に立って我が党も積極的に議論をリードしてまいりたい、このように思っております。
○委員以外の議員(主濱了君) ありがとうございました。 先ほど白眞勲幹事からもお話がありましたけれども、私も若干この立憲主義について私の考えをちょっと述べさせていただきたいと思います。 立憲主義には様々な考え方があるわけですけれども、その立憲主義の最大公約数というのは、憲法は国家権力を制限するために存在をする、国家権力を縛るために存在をする、こういうことであろうと私は考えているのであります。 今、安倍政権が進めている憲法解釈を変えることによって憲法第九条を実質的に変えること、これは国法の最高法規であります日本国憲法の基本原則の一つ、平和主義の原則をないがしろにするものであると、このように考えております。 憲法の改正は、第九十六条、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」、まさに本法案の手続によって改正をするべきであると、このように思っております。 同時に、憲法は国家権力を縛るという立憲主義にも反するものであると、こういうふうに思っております。国家権力を縛るのが憲法、その憲法の内容を、権力を制限される側、縛られる側の国家権力そのものである安倍政権が、しかも解釈の変更などという手段でその内容を変えようとすることは、これはあってはならないことであると、このように思っております。 このような観点から、これまで長年にわたって築き上げられてきましたこの憲法第九条の解釈を、安倍政権のいとも簡単に変えようとする姿勢に、まずは傲慢さを感じます。そして、極めて大きな失望を感ずるところであります。ここは原点、基本に立ち返って、憲法とは、憲法の果たす役割とは何かをじっくり考えるべきであるというふうに思うわけであります。 安倍内閣は、一時の、ひとときの内閣であります。丸い月夜も一夜限り、満月は明日から欠けていくと、こういうことでございます。こぴっとしていただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 日本共産党を代表して、本案に反対の討論を行います。 安倍総理が何が何でも集団的自衛権の行使を容認しようと、事もあろうか、解釈改憲の閣議決定をあと僅か一週間の今会期中に迫るなどという立憲主義破壊の暴走に、国民的怒りは日を追うごとに広がっています。解釈改憲であれ明文改憲であれ、我が国憲法の根幹である憲法九条をなきものにし、日本を戦争する国に変える憲法改悪は断じて許さない、それが多くの国民の声であります。 そもそも改憲手続法は、戦後レジームからの脱却、時代に最もそぐわないのは憲法九条と唱えた第一次安倍政権によって強行されました。しかも、その内容自体、改憲案に対する国民投票の最低投票率の定めがなく、投票権者の僅か一割、二割の賛成でも改憲案が通る仕組みになっているのを始め、自由闊達であるべき国民投票運動を不当に制限し、改憲案の広報や広告を改憲推進勢力に有利な仕組みにするなど、できるだけ低いハードルで改憲案を通せるようにした極めて不公正かつ反民主的なものであり、それは、国民主権と憲法九十六条の理念、趣旨に反する根本的欠陥にほかなりません。いわゆる三つの宿題も、十八項目にも及ぶ異例の参議院附帯決議も、そうした重大問題に発したものです。 ところが、本改正案は、こうした根本的欠陥をそのままにして、ともかく国民投票を動かせるようにしようというものであります。それは解釈改憲の暴走と車の両輪であり、憲法破壊と日本国憲法との相入れない矛盾を打開するための明文改憲の条件づくりにほかなりません。 法案は、現行法が義務付けたはずの選挙権年齢などの十八歳への引下げについて、国民投票権年齢と選挙権年齢の一致を求める法律上のリンクを切り離し、棚上げする、法制定時の最低限の条件との答弁にも真っ向から反するものです。これによるなら、投票権年齢と選挙権年齢の不一致が長期間継続するという事態も排除できず、当審査会における幾人もの参考人から、憲法前文や十五条、九十六条を始め、憲法の要請に反するとの指摘がなされているとおりです。 また、公務員による国民投票運動の自由が、いわゆる切り分け論によって広範に制限されかねない規定を設け、さらに、刑罰化や組織による国民投票運動の規制を検討しようとすることは、最も自由闊達であるべき憲法改正国民投票運動を抑え込み、取り返しの付かない萎縮的効果をもたらすものです。 さらに、調査、検討が強く求められてきた最低投票率制度を改正案発議に当たって検討していないなど、改憲手続法の根本的欠陥という背理に更に背理を重ねて、とにかく動かせるようにしたと強弁して動かすなら、そうした欠陥の露呈は避けられないでしょう。そうなれば、国民投票に重大な瑕疵が生まれることになります。 憲法違反の蓋然性ある法案をこのまま通していいはずがありません。どんなに法律の条文だけは整えても、憲法破壊を許さない国民的世論の広がりが立ちはだかるでしょう。欠陥だらけの改憲手続法は、改定ではなく廃止すべきことを強く求め、反対討論といたします。
○藤末健三君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の立場から討論を行います。 国民投票法は、国民主権を基本原理と掲げる我が国の憲法下において、国民が憲法改正の権限を行使する手続を定める重要な法律でもあるにもかかわらず、いわゆる三つの宿題が残された状態となっていました。今回の改正案の成立により一定の解決に至ったことは大変評価できます。 第一に、改正法施行後四年が経過すると投票権年齢が自動的に十八歳に引き下げられるとともに、八党間の合意により、二年以内の選挙権年齢の十八歳への引下げ及びこれに合わせた投票権年齢の早期引下げの道筋が付きました。これは、若い世代にも主権者として積極的に国政に参加してほしいと主張してきた民主党の立場に合致する大きな前進であります。 第二に、国民投票運動において、公務員の純粋な勧誘行為と意見表明ができることが規定されました。これは、全体の奉仕者である公務員についても一市民として政治活動は原則自由であるべきと考える民主党として、意義のあるものだと考えます。 第三に、一般的国民投票の拡大について更に検討を加えることが法制化されるとともに、憲法審査会において定期的に議論することが合意されたことも、我が国の民主主義の発展に資するものと言えます。 本改正案が成立すれば、法制上は憲法改正の国民投票が可能となります。しかし、最低投票率の問題等、更に検討すべき重要課題が残っているだけではなく、今日、国民主権を徹底していく環境整備とは正反対の民主主義に反する行為が内閣総理大臣によって行われているという極めてゆゆしき政治状況にあります。言うまでもなく、集団的自衛権の行使に関する解釈改憲です。 そこで、私は、憲法の前文及び各条文を踏まえ、根本的問題を三点指摘しておくことにいたします。 第一、国民主権の下、憲法上内閣の首長である総理大臣は、国権の最高機関である国会に対する内閣の責任を果たすため、憲法を尊重擁護し、法律を誠実に執行しなければならない、それが議院内閣制の下で総理大臣に課せられた最大の責務であり、国民投票に関しても当然そうであります。 第二、総理大臣は、主権者である国民が定めた国の最高法規である憲法に厳重に縛られて職務を遂行する法的立場にあり、憲法上疑義のある行為は一切許されません。集団的自衛権の行使は憲法上一切許されないが政府の一貫した解釈であることから、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は明らかに憲法上疑義のある行為であります。 第三、国民主権に基づく議院内閣制の下、内閣は行政権の行使について国会に対して責任を負うのでありますから、歴代の内閣が国会を通じて国民に約束してきたことについて変更しようとするのであれば、政権の変更の有無にかかわらず、国会を通じた国民の了解が不可欠であります。集団的自衛権の行使を認めるためには憲法の条文改正が必要であることは国会を通じた国民の了解事項となっており、内閣が憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を認めることは、明確な国民主権の否定となり、憲法尊重擁護義務に反する、さらには国民投票法をもないがしろにする行為であります。安倍総理の行為は、国民の主権を事実上奪うものであり、絶対に許すわけにはいきません。 民主党は、これからも、現行憲法の基本理念を具現化し、真の立憲主義を確立すべく、国民とともに憲法対話を進め、補うべき点、改めるべき点の議論を深め、未来志向の平和憲法を構想してまいります。この決意を申し上げまして、私の賛成の討論といたします。
○福島みずほ君 社民党を代表して、ただいま議題となりました憲法改正国民投票法改正案に対して反対の討論を行います。 今まさに、安倍内閣は集団的自衛権の行使に関わる憲法解釈を変更しようとしています。長年の国会論戦や国民的議論を経て確立し、定着してきた政府の憲法解釈を一内閣の判断で変更するという言語道断の企てであります。立憲主義の根本に関わるこのような憲法破壊の内閣の下で憲法改正国民投票制度の整備を進めるべきではないということをまず申し上げます。 改めて言うまでもなく、憲法第九十九条は、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員に憲法を尊重し擁護する義務を課しています。私たちは、まず憲法を尊重し擁護しなくてはなりません。その上で、もし時代の変化や社会の変化の中で不都合なことが生じているのであれば、慎重に慎重に国民の合意をつくり、国民の判断を仰ぎます。そのための手続を定めるのが憲法改正国民投票法です。 そもそも、同法は二〇〇七年五月に第一次安倍内閣の下で自公両党が強引な国会運営の末に強行成立させたものです。当時の安倍内閣が丁寧な合意形成の努力を怠った結果が、二〇一一年十月に憲法審査会が選任され活動を開始するまで四年以上を要するという異常な経過につながりました。 その内容も非常に問題の多いものでした。国民の自由な意見表明や国民投票運動が不当に制限されかねないこと、有料の意見広告の規制が十分ではないことなど、多くの問題が指摘されています。また、投票年齢や公務員の投票運動の規制、国民投票の対象の拡大など、法律の根幹に関わる問題を宿題として先送りした極めてずさんなものです。 今回の改正案は、これらの欠陥をそのままにし、いわゆる三つの宿題に対応した最低限の体裁を整えるものにほかなりません。現行法が規定している選挙権年齢や成人年齢の引下げは棚上げにされたままで、投票権年齢だけを確定しています。公務員による国民投票運動も更に広範囲に制限されかねず、新たに組織による国民投票運動への規制が検討条項に盛り込まれています。国民投票の対象拡大についても、結論は先送りしたにすぎません。 また、特に参議院においては、憲法改正国民投票法制定時に十八項目に及ぶ附帯決議が付きました。投票期日について両院の議決が一致しない場合の調整、在外投票の権利保障、有料広告規制など、この附帯決議で約束したはずの検討もほとんど行われておらず、また本改正案には全く反映しておりません。 今、国民の多数は解釈改憲も明文改憲も望んでいません。今回、このように欠陥だらけの改憲手続改正を拙速に進める必要性は全くないのです。本改正案は安倍内閣による明文改憲の条件づくりにすぎず、社民党は断固反対であることを申し上げて、反対の討論といたします。
○松田公太君 みんなの党を代表して、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から討論をさせていただきます。 本改正案が成立すれば、法律制定から七年を経てようやく憲法改正国民投票が実施できるようになります。今年最初の憲法審査会が開かれた二月の段階では、国民投票法の改正についての機運は高まっていましたが、各党の考えはばらばらの状況でした。しかし、国民投票が実施できるかどうか判然としない状態は解消されなければならないという一致した見解の下、発議者の皆様が御尽力くださり、八党合意にたどり着くことができました。心より感謝申し上げます。 みんなの党は、国民の手に政治を奪還するというスローガンの下、様々な政策を提言してきました。その中には、一院制の導入や政党規定の新設など、憲法改正を前提としているものが数多くあります。本改正案は我々の考えからは決して十分とは言えないのですが、四年後には確実に投票権年齢が十八歳以上に引き下がり、憲法改正が実現可能となるものであるため、賛成いたします。 しかしながら、以下申し上げる点につきましては引き続き検討が必要です。 まず一点目が、選挙権年齢の引下げについてです。投票権年齢と選挙権年齢は同じ参政権グループであること、世界の趨勢も十八歳以上で一致していることなどから、できるだけ速やかに引き下げる措置を講じる必要があります。元々、我々の案では改正法の公布後一年以内としておりました。 二点目は、公務員の政治的行為の制限についてですが、地位利用禁止の実効性を持たせるために罰則を設けるべきだと考えております。八党合意では今後の検討課題とされていますが、憲法審査会でしっかりと議論することが必要です。 三点目は、国民投票の対象拡大についてです。 みんなの党は、国民本位の政治を目指し、憲法改正以外にも国の重要な政策については国民の意見をしっかりと反映させるべきだと考えております。例えば、原発の在り方についてです。みんなの党は今週月曜日、原発国有化法案を提出しましたが、原発に関する政策は国民の意思を確認してから取り組むべきものだと思っております。 我々は、これまでに原発国民投票法案や首相公選制法案などを提出し、国民投票の範囲の拡大を訴えてきましたが、国政の重大問題については国民投票を行えるようにするべきだと考えております。 以上の点や、政治参加教育の重要性、憲法全体を変える改正発議の可否などは、憲法審査会で審議を継続していかなければなりません。 さて、今日は、本審査会にとって初の法案採決となるわけですが、こうして話合いが進んだことを大変喜ばしく思っております。 今、最も重要な憲法問題といえば、集団的自衛権の行使容認です。総理は、今国会中の閣議決定を指示しました。しかし、残念ながら、国民に十分な理解が得られているとは言い切れません。この問題につきましては、憲法審査会の議題とし、国民の理解を得られるよう審議を行うべきだということを申し上げて、私の賛成討論とさせていただきます。
○会長(小坂憲次君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○会長(小坂憲次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、白君から発言を求められておりますので、これを許します。白眞勲君。
○白眞勲君 私は、ただいま可決されました日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・結いの党、みんなの党及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、主権者たる国民がその意思に基づき憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという日本国憲法を始めとする近代憲法の基本となる考え方である立憲主義に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと。 二、本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、日本国憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重及び恒久平和主義の基本原理に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと。 三、本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、日本国憲法の定める憲法の最高法規性並びに国民主権及び間接民主制の趣旨にのっとり、立法措置によって可能とすることができるかどうかについて、徹底的に審議を尽くすこと。 四、本法律の施行に当たり、政府にあっては、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に当該解釈を変更することができるという性質のものではなく、仮に政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねず、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであると政府自身も憲法の解釈の変更に関する審議で明らかにしているところであり、それを十分に踏まえること。 五、本法律の施行に当たり、政府においては、前項に基づき、解釈に当たっては、立憲主義及び国民主権の原理に基づき、憲法規範そのものに対する国民の信頼を保持し、かつ、日本国憲法を国の最高法規とする法秩序の維持のために、取り組むこと。 六、本法律の施行に当たっては、憲法の最高法規性及び国民代表機関たる国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、政府にあっては、憲法の解釈を変更しようとするときは、当該解釈の変更の案及び第四項における政府の憲法解釈の考え方に係る原則への適合性について、国会での審議を十分に踏まえること。 七、選挙権年齢については、民法で定める成年年齢に先行して本法律の施行後二年以内を目途に、年齢満十八年以上の者が国政選挙等に参加することができることとなるよう、必要な法制上の措置を講ずること。 八、選挙権年齢に係る法制上の措置の検討に際しては、憲法前文において国民主権と間接民主制の原理をともに人類普遍の原理として位置付けていること等を十全に踏まえて取り組むこと。 九、政府は、憲法改正国民投票の投票権を有する者の年齢、選挙権を有する者の年齢、成年年齢等が「満十八年以上」に引き下げられる場合、国民に対する憲法改正手続や国民投票制度について、より一層の周知啓発その他必要な措置を講ずるものとすること。 十、政府は、遅くとも本法律の施行の四年後には年齢満十八年以上の者が憲法改正国民投票の投票権を有することとなることに鑑み、学校教育における憲法教育等の充実及び深化を図ること。 十一、政府は、公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の規制について、表現の自由、意見表明の自由、学問の自由、教育の自由等を不当に侵害することとならないよう、ガイドラインを作成する等、禁止される行為と許容される行為を明確化するための必要な措置を講ずること。 十二、公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の禁止規定の違反に対し罰則を設けることの是非については、今後の検討課題とすること。 十三、地方公務員の政治的行為について国家公務員と同様の規制とすることについては、各党の担当部局に引き継ぐこととすること。 十四、政府は、本法律の施行に当たり、国民投票運動を行う公務員に萎縮的効果を与えることとならないよう、配慮を行うこと。 十五、本法律の附則第四項に定める組織により行われる勧誘運動等の公務員による企画等に対する規制の在り方について検討を行う際には、その規制の必要性及び合理性等について十全な検討を行うこと。 十六、国民投票運動が禁止される特定公務員の範囲については、適宜検証を行うこと。 十七、一般的国民投票制度については、本法律の附則第五項の規定を踏まえ、国会の発議手続、国民投票の手続、効力等に関し、憲法審査会において検討し、結論を得るよう努めること。 十八、最低投票率制度の意義・是非の検討については、憲法改正国民投票において国民主権を直接行使する主権者の意思を十分かつ正確に反映させる必要があること及び憲法改正の正当性に疑義が生じないようにすることを念頭に置き、速やかに結論を得るよう努めること。 十九、テレビ・ラジオの有料広告については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重しつつ、憲法改正案に対する賛成・反対の意見が公平に扱われるよう、その方策の検討を速やかに行うこと。 二十、本附帯決議で新たに付された項目を含め、日本国憲法の改正手続に関する法律制定時の附帯決議については、改めてその趣旨及び内容を十分に踏まえ、各項目を精査し、その実現のために必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○会長(小坂憲次君) ただいま白君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○会長(小坂憲次君) 多数と認めます。よって、白君提出の附帯決議案は多数をもって本審査会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、新藤総務大臣及び谷垣法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。
○国務大臣(新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○会長(小坂憲次君) 谷垣法務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま可決されました日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○会長(小坂憲次君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十九分散会