憲法審査会 第3号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 11
- 開催日
- 2014/05/21
会議録
○会長(小坂憲次君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 本法律案の審査に当たって一言申し上げます。 本審査会におきましては、設置以来、着席のまま御発言をいただいておりましたが、本日の幹事会協議により、本法律案の審査においては、参考人に対する質疑を除き、起立で御発言いただくこととなりましたので、御承知願います。 なお、本日の質疑につきましては、時間が経過した際にベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。日本国憲法の改正手続に関する法律の改正につきまして御質問申し上げます。 まず、一つ目にございますのは、日本国憲法の立憲主義について御質問申し上げます。 我が民主主義国家の憲法は、主権者である国民が国家権力であります政府を縛る国の最高法規でございます。そして、国民投票は、憲法改正に関し主権者の意思を見定める法の手続であります。 しかしながら、今、国民投票法を整備し、国民投票の対象をどうするか議論されているこの状況の中で、従来、明確に国民投票を要すると理解されてきました憲法の基本原理に関わる問題について、国民投票を回避するために憲法解釈で対応しようという企てが政府で行われつつあります。これは明らかに国民主権の否定、また立憲主義の否定でありますが、この国民投票法を整備する意味が今失われつつあるんではないかと、ゆゆしき事態と考えますが、この点につきましていかがでございましょうか。お願いします。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 大変難しい問題から始まりましたけれども、一般論として申し上げれば、それが法令の解釈である以上、憲法でありましてもその解釈には一定の枠があると考えられます。変更される解釈がその枠内にとどまるものであれば、憲法の基本原則に関わるか否かにかかわらず当該解釈の変更が認められる余地はあるというのが私の考えであります。 なお、この憲法解釈の枠内にあるか否かを判断する場合に特に注意をしなければいけない点を、ちょっと幾つか申し上げてみたいと思います。 一つは、憲法というのは国家の基本法であり、他の全ての法令の基本的な土台となるものでありますので、憲法解釈の変更は国民の生活や他の法令にも大きな影響をもたらすものでありまして、特に強い法的な安定性が求められるのではないかということ。 また、二つ目には、このような国家の基本法としての強い法的安定性が求められるがゆえに、憲法の解釈については、文理的には解釈の枠内に複数の解釈の選択肢があり得る場合であっても、そのうち一つの解釈が長い時間掛けて積み重ねられてきた場合においてはその解釈の選択の余地が狭まるということも併せて考えなければいけないのではないかと思っています。 三つ目に、さらに、国家の基本法としての強い法的安定性の要請は、新しい解釈が文理解釈の枠内にあり、かつ法的安定性を満たす解釈変更が考えられる場合であっても、従来の解釈との論理的な整合性を担保した形でなされなければならない、こういうふうに考えております。 今回の集団的自衛権の行使に関わる憲法解釈というのは、もちろんこれが解釈である範囲内においては、これは憲法改正の必要はにわかには認められないと思いますけれども、しかし、憲法の特に平和主義と言われている重要な根幹に関わる部分の解釈の変更ということになるわけでありますので、この点については慎重にも慎重を期して議論をしていくことが必要であると、このように個人的には思っております。
○藤末健三君 船田発議者にお聞きしたいんですが、これは新聞記事でございますけれども、船田発議者は十九日に、これは党の会議だと思いますが、憲法改正、いわゆる国民投票で民意を問う手段は現在取れない、代替案として衆議院解散で民意を問うべきだという意見も選択肢の一つであるというふうに述べられましたが、これは事実でしょうか。そして、これについての考え方をお聞かせください。お願いします。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 今、藤末先生から御指摘をいただいた点はそのとおりでございます。私が申し上げたかったのは、もちろん今回の政府における憲法解釈の変更、集団的自衛権に関わる部分でございますが、それにつきましては、やはり憲法そのものの改正というのがかなり先の話になるだろうと、こういうことを考えれば、やはりここは解釈という形で、これからの現状と将来における我が国の安全保障をより全うたらしめるためには、これはやむを得ず解釈の変更によって対応せざるを得ない、そういう私は基本的な考え方にあります。 しかし、問題はやはり手続であるというふうに思っております。平和主義という非常に我が国の憲法の根幹に関わる部分において解釈の変更を行う、解釈の範囲内であればこれは民意を問う必要はないという、そういう考え方もあると思いますけれども、私は、やはりここは重大なことでございますので、憲法改正という民意を問う最高の手続ではないけれども、次善の策ということで衆議院の解散を行って民意を問うという、その手続も一つの選択肢として考えておいていいのではないかと、こういうことを申し上げた次第でございます。
○藤末健三君 まさしく、船田発議者がおっしゃるとおり、私はもう民主主義の基盤は手続だと思います。手続を無視した様々な政策の決定、それはあり得ないということを是非審査会の皆さんにも御理解いただきたいと思っています。 続きまして、具体的な国民投票の手続について、幾つか論点を定めまして議論させていただきたいと思います。 まず一つ目にございますのが国民投票における過半数、この問題でございます。 賛成票と反対票の合計をして総得票とし、そして無効票を除く有効投票総数の過半数をこれは意味しているわけでございますが、この場合、有権者総数の例えば一割、二割、三割とかしか賛成していないにもかかわらず憲法が改正される事態が起こる可能性がございます。実際にほかの国の事例を調べますと、イタリアで三割ぐらいの投票率で憲法を改正されたという事例がございましたが、このような点につきましてどのように考えるか、発議者の考えをお聞かせください。お願いします。
○衆議院議員(船田元君) 最低投票率の問題につきましては、この今回の法律、既に施行されておりますけれども、七年前、八年前にそれを議論していたときにもこの問題は大変議論になりました。参議院における憲法特別委員会におきましても相当な議論があって、附帯決議にも付いているということは承知をしていることでございます。 ただ、この最低投票率を設けることによる幾つかの問題点が指摘をされているわけでございまして、一つは数字のパラドックス、あるいは民意のパラドックスというものがありまして、最低投票率を設けた途端に、最低投票率を満たした方が満たしていない場合よりも民意を反映しないという、そういうケースが当然考えられる、こういう問題があります。 それから、この最低投票率を設けることにより、やはりこの成立を阻もうということでボイコット運動が全国的に発生をする、そういう危険性もあるのではないかと、そういうふうに思っております。 また、本来、投票に行かないということの、その自由といいますか、選択をした投票権者の意思、これを賛成又は反対のいずれかの投票の意思の表明だとみなすのは、これは行き過ぎではないかと、こんなことを考えております。 以上のような理由、ほかにも幾つかありますけれども、そういうことで、我々としては最低投票率は設けないという、そういうことで前回の七年前、八年前の議論は一旦結論を出したと、こういうことでございます。 ただ、諸外国の例、いろいろ先生も今イタリアの例も申し上げられましたけれども、そういう例を見ますと、この最低投票率についても、やはりこれから実際に施行されてからも、これは永久に議論をする、あるいはできる限り議論をしていくことはこれは必要ではないかと、このように思っております。
○藤末健三君 船田発議者、私、実はその八年前の審議でこの最低投票率の問題をずっとやった張本人なんですよ。それで、きちんと附帯決議を残し、議論を進めるようにと書いたわけでございますが、その問題を提起した張本人として申し上げたいのは、今回の議論、まだ全然煮詰まっていないのではないかと私は思っております。様々な論点があることはもう存じ上げているんですが、じゃ、その様々な論点を提起したものが今までに塗り潰されているかというと、それは正直申し上げて残っていると私は思いますので、それだけは申し上げさせていただきたいと思います。 そして、次にございますのは運動期間でございますけれど、国会が憲法改正案を発議して六十日以後百八十日以内とされていますその期間についても、最短の例えば六十日となれば、国民、最後に決める国民が憲法改正案を熟慮する時間が足りないのではないかと考えます。ですから、私は、何らかの意味でより長い期間を担保することが必要だと考えますが、その点いかがでございましょうか。
○衆議院議員(船田元君) いわゆる国会の発議から投票の間でございます。実際に国民投票運動が行われる期間と考えてもよろしいのかと思っておりますが、その期間につきましては、この法律によって我々が決めたのは、最低六十日、最大で百八十日ということでございました。 また後ほど申し上げる機会もあると思いますが、国民投票というのは一回だけで全て終わってしまうというものではなくて、何回かに分けて投票が行われる、発議も行われると。その発議の内容によりましてやはりその長短というのは考えられるべきものである、これは国会において決めると、こういうことになりますので、これはこれからの話合いだろうというふうに思っております。 比較的簡便なと言ったら恐縮ですが、比較的形式的な改正というものにとどまる、そういう問題であれば六十日程度で済むのではないかという場合もあるかもしれません。逆に、今議論となっております九条の改正などというときにはやはり相当長い時間が必要である、百八十日は当然必要ではないだろうかと。そういう内容により、やはりその長短というものは国会によって決めていくんだろうというふうに思っております。 ただ、じゃ、百八十日でも短いじゃないかという御議論も当然あると思いますけれども、それにつきましては、その発議がなされるまでの間に国会の中で大変な議論が当然あるわけであります。また、様々な広報の手段も予定をされております。したがって、百八十日というのは、私は、どのような問題であろうとも、これは国民の皆様に熟慮をいただく期間としては私は適当であると、そういうふうに思っております。
○藤末健三君 まさしく発議者がおっしゃるとおり、百八十日というのは最適だと思うんですが、私は、例えば国会から発議するときに、非常な大きな問題であっても、例えばこれを無理やり通そうとしよう、じゃ六十日でやりましょうということは決定できるわけじゃないですか、三分の二で出すわけですから。ですから、何かそういう暴走を止めるような仕組みをどこかでビルトインする仕組みがあるのではないかということは、これはちょっと問題点の提案だけはさせていただきたいと思います。必ず、憲法改正という大きな議論があるときに、その歯止めを掛けるというのは、我々、この法律の本質だと思いますので、その点を是非問題提起をさせていただきたいと思います。 次にございますのは、これはもうある程度衆議院の議論でも明らかになってございますけれども、憲法改正案に対する投票の方式について。改正事項が非常に複数にわたり多い場合に、そのときに一括に投票するか個別に投票するかということを基本的には国会で決めましょうという話にはなってございますけれども、ただ、この運用をこの審査会である程度明確な方向性を定めておかなければ、やはりいろんな運用の暴走があると思いますので、その点につきまして発議者の御意見をお願いいたします。
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘の点でございますが、私どもとしては、現行法にも明記をされておりますが、内容において関連する事項ごとに区分して行う、こういうことで、個別発議という原則を私たちは採用することといたしました。そういう中で、じゃ、何が内容において関連をするものかということでございますが、これも私は、基本的には国会においてそれを決めていくということが第一義的にあると思っております。 もちろん、第三者あるいは有識者という方々に一定の意見を聞いて、それを参考にするということは、これはやってもよろしいのではないか、むしろやるべきであるというふうに思いますが、その有識者に委ねてしまう、あるいはその有識者の意見に拘束力を持たせるということは、ちょっとこれは適当ではないのではないかというふうに思っております。あくまで国会の意思によって、国会の良識によって決めるべきもの、このように思っております。
○藤末健三君 最後に、投票年齢についてお話しさせていただきたいと思います。 公職選挙法の選挙権の年齢と民法上の成年の年齢をこの国民投票法に合わせて十八歳に引き下げるという方向は、政府内、各省一致していると思います。しかし、実際にいろんなことを、各省庁の話を聞いていますと、その具体的な方策については意見が全然違うなと、考え方が違うなと思いますし、実際に政府内で成案を得るには至っていない状況でございます。 これはやはり国民投票法の投票権の年齢、公選法上の選挙権の年齢、そして民法上の成年の年齢が、それぞれ基本的な理念、性格が違うからではないかというふうに考えますが、その基本的な性格が異なる前提で、いま一つ考えを整理することが必要ではないかと考えております。そうでなければ、四年後に法律全体の整備をするということは決まっているわけでございますが、整備がされなくても国民投票法の投票年齢が自動的に十八歳になるということの整合性が取れないんではないかと。 ですから、私はこれ、国民投票法とほかの公選法とか民法との整合性が取れなくなる危険を感じているわけでございますが、その点いかがでございましょうか。
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘の点でございますけれども、我々、まずは国民投票年齢、十八以上にするということにいたしましたのは、できる限り多くの人々が参加できる、これが憲法という国の基本法を決めるときの私は原則であるというふうに思っております。そこで、二十歳から十八に下げるということが政策的に要請されたものというふうに理解をいたしました。 同時に、同じ参政権グループということで、公職選挙法における選挙権がございます。この選挙権においては、同じ投票行為を、あるものについては十八、あるものについては二十歳、こういう状態が生じますとやはり様々な混乱を生じかねないということで、これをそろえるということは、これは我々八党で合意をしたときにも皆さんそうすべきだということで、二年以内をめどに、プロジェクトチームを発足をした後、二年以内をめどに公職選挙法における選挙権年齢を十八に下げると、こういう作業をしようということで合意をいたしております。 そしてもう一つ、民法でございますけれども、民法における成年年齢につきましても、私は、やはり大人としての行為、これを考えた場合に、選挙をする、投票をするという行為、大人であるとしての行為でありますので、そこはやはり整合性を取る必要性はあるというふうに思っております。 ただ、しかしながら、民法の中におきましても、やはりそのよって立つ法律の目的というものがそれぞれ違っております。民法における成年年齢を十八に下げるということで自動的に下がるものもあるかもしれません。しかし、例えば酒、たばこの問題であるとか、あるいは馬券を買う年齢の問題であるとか、そういった様々な、法を施行する上においての様々な目的、あるいはその法の趣旨、そういうものからして、これは成年年齢を十八にしてもこれは十八に下ろしてはいけないというものも当然あると思っている、そのことについてはかなり役所の間で相当今研究をしてもらっております。 二百幾つかあるこの関連法律の中で、大体ほとんどが十八に下げる、あるいは二十歳のままという整理ができていると聞いております。十幾つかの法律についてはまだその判断ができていない、こういうふうに聞いておりますけれども、これも時間の問題ではないかなと、そういうふうに思っております。 全体としては、それぞれの法律の目的はありますけれども、やはり大人の年齢、それから投票するという大人としての行為の年齢、これはできるだけそろえておくのが私は妥当ではないかと、こういうことで今後とも議論を進めていきたいと思っております。
○藤末健三君 国民投票法の投票権年齢は、前にこの法律を作るときにも議論がされておりまして、そのときに附帯決議、我々の参議院の附帯決議に明確に検討するということを書いてございますが、二百近い法律があるということが分かっております。そしてまた、年齢を下げるということも分かっていますけれど、各省庁の検討はやっぱり遅いと思いますし、そしてもう一つ申し上げたいのは、我々がしなきゃいけないんですけれど、全体的な法律のやっぱり俯瞰的な整合性は取らなきゃいけないというふうに考えますので、それだけ問題提起をさせていただきたいと思います。 最後になりますが、私が一つ冒頭で申し上げましたけれど、我々が今、憲法の改正を国民に問うという日本国憲法の改正手続に関する法律を議論している中で、先週でございますけれど、総理の私的諮問機関、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会が報告書を出し、そして解釈改憲ありきのような議論をしているということについては、本当に国会をないがしろにするものであるということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず、安倍政権が進める集団的自衛権行使容認への解釈改憲と憲法九十六条の関係について、特に発議者の船田議員にお尋ねをしたいと思います。 船田議員は、この間、時間が掛かるから解釈改憲でやむを得ないと、そういった趣旨の御発言をしてこられたと思います。つまり、憲法改正の手続を九十六条に沿って行うということが時間が掛かると、先ほどは将来になるというような御発言でありましたけれども、だから解釈改憲がやむを得ないというのは、これ、どういうお考えになるのか。つまり、時間が掛かったら、なぜ解釈改憲なのか。これ、どういうお考えなんでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘をいただいた点でございますが、時間が掛かるというのは、ちょっと言葉に語弊があったかもしれません。 ただ、民主主義の手続として、そして特に憲法改正の手続、今まさに手続法を動かせるようにしようということで議論しているわけでございますが、実際にそれが仕上がりまして、そして具体的に憲法の中身の議論をしていく、そして衆議院、参議院両方で三分の二以上の議員の賛成により国会が発議をする、その発議の内容につきましても、いきなり憲法九条の改正のことが発議できるのか、そういう問題を考えますと、やはりそこには一定の時間を掛けざるを得ないというふうに思っております。掛かるというのは客観的な他人事みたいなものですが、やはり主観的に考えても、どうしても掛けざるを得ないのではないかというふうに思っております。 しかし、一方で、やはり我が国を取り巻く国際環境、とりわけ安全保障の環境が極めて厳しい状況になってきております。不測の事態も生じかねないということが言われている状況でございます。そういう中において、やはり我々は、今できること、憲法の改正ができれば、これはそれが一番良いのでございますけれども、憲法の解釈を変更することによって、集団的自衛権の行使についても一定程度、これは相当な制限を加えるべきだと私は思っておりますけれども、そういうことについてやはり行使のできる環境をつくる、これが大事である。そのことによって不測の事態を防ぐ、抑止力を高めるという意味では、極めてこれは重要なことであると、このように思っております。 私自身、憲法の自民党の責任者として仕事をしております。そういう中で、今この憲法改正によってこのような事態が前に進められないということは大変残念に思っておりますが、しかし現状においてはそのような解釈の変更を行うことによって対応せざるを得ない、そういう認識、国際情勢、そういったものを総合的に勘案をするとそうならざるを得ないというふうに私自身は考えた次第でございます。
○仁比聡平君 時間が掛かるからにせよ、一定の時間を掛けざるを得ないにせよ、そうした内閣ないし政治家の判断を憲法の上に置くのかということがこの解釈改憲の是非をめぐって問われているわけです、鋭く。つまり、憲法改正手続を厳格に定めた憲法九十六条を無視するのかという議論なわけですね。 船田議員に確認をしたいと思いますけれども、そもそもこの厳格な改正手続を定めた憲法九十六条の意味、憲法の最高法規性や、あるいは硬性憲法というふうに我が国の憲法が性格付けられている、このことの中での改正の意義についてはどのようにお考えですか。
○衆議院議員(船田元君) 九十六条の意義、極めて私も大きいと、重大であるというふうに思っております。やはり、憲法改正の手続として国民投票というのは、これは我々が発議する以上に、国民の主権、とりわけ憲法に関する主権の行使であります。したがって、それを尊重する、これを最大限のものに考えるということは当然のことであると思っております。 だからこそ、私は、先日の会合におきましても、この憲法解釈でやっていくということがもし国会の中だけで、国会もこれは民意の一つの反映としてあるわけでございます。民意を集約をするという点での機能を強く持っている国権の最高機関であります。そこでの議論はもちろん大事なことでありますけれども、やはり憲法解釈の、しかもとりわけ平和主義に関わる重大な事項において大きな変更があるというときに、果たして国会の中だけで議論してそれでよろしいのかどうかという点においてはやはり私はある程度の疑問を感じている。だからこそ、この憲法改正という手続はすぐにできないのだとしたら、衆議院の解散を行うことによって国民の信を問うということも選択肢の一つとして考えておくべきではないかということを自民党内の会合で申し上げた次第でございます。 九十六条そのものに従ったものではございませんけれども、国民に信を問うというその手続というのが大事であるということを私は強調したかったので、そのような発言になりました。
○仁比聡平君 船田議員がお一人の政治家としてそのような認識をお持ちになろうがなるまいが、総選挙と憲法九十六条に言う改正手続、中でも国民投票というのは全く別物でございます。それを同じように扱うなど、これ、できるはずもありません。この背理は、解釈改憲において私は乗り越えようがないと思うんですね。 政治権力の暴走が最も危惧され、政府の手を、政治権力の手を縛るという立憲主義の働きが最も鋭く問われるのが私は戦争だと思います。軍事力、武力の行使、その武力の行使及び武力による威嚇を禁じ、更に進んで戦力の不保持、交戦権の否認という国際社会において先駆的な我が国憲法九条は、そうした意味で、これを是とする人も、非とする方があるのかもしれませんが、これは日本国憲法の根幹でしょう。現行憲法の根幹ですね。その九条を、時間が掛かるからとか、あるいは一定の時間が掛けざるを得ないからとか、そういった形で九十六条の改正手続さえ行わずに変えようとなれば、もはや何でも解釈改憲できるということになるんですか。
○衆議院議員(船田元君) 今の御質問に直接お答えすることにならないと思いますけれども、先ほどの私の、民意を問う方法というのを申し上げました。確かに、国政選挙、とりわけ衆議院選挙、参議院選挙も同じでございますけれども、これは間接民主制ということでその政権を選ぶということにつながっていくわけであります。そのときには、各政党がアジェンダあるいはマニフェスト、公約を出して、幾つかの観点において選挙を行うと、こういうことにもなると思いますが、例えば、ちょっと例としては余り良くないのかもしれませんが、小泉総理のときのあの郵政解散ですね、あれはワンイシューということでかなり議論が集中されて選挙が行われました。 今回、今回といいますか、今度私どもが、私自身としてもしやるのであればということを考えた場合には、例えば、集団的自衛権行使における憲法改正ではなく、憲法の解釈によってそれをやるということについてのその是非を問うという点では、ワンイシューとしてこれを国民投票に代わる形として採用するということは決して荒唐無稽なことではないというふうに思っております。そういうこともあるということを指摘をしておきたいと思います。
○仁比聡平君 今の御発言は、国民が今、政権あるいは政治に対して期待をするもの、求めるものという例えば世論調査を行ったときに、憲法改定という問題というのは全く下位に置かれている。そうした民意そのものを国会の側、あるいは政治の側、あるいは改憲の立場から踏みにじるものですよね。 国民投票というのは、憲法九十六条における国民投票というのは、国会が発議をして、それをテーマに賛成か反対か、そうした形で行われるのであって、あらゆる政策分野についての国民的審判が問われる総選挙とはまるで意味が違うでしょう。それはそうでしょう。
○衆議院議員(船田元君) 今の私の発言もちょっと行き過ぎた部分があったかと思いますが、これにつきましては、やはり国政選挙というものとそれから国民投票というものは問題の提起の仕方も全く違うものでございますので、それを同一視するというわけにはいかないと思っております。 ただ、気持ちとして、やはりそのような、国民に信を問うという、そういうことまで考えながら真剣な議論を行うということが大事であると、そういった心構えの問題、姿勢の問題、そういうことで私としては提起をしたものと、こう考えておりますので、その点は誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
○仁比聡平君 今回の改定案の与党、最大与党の発議者が、気持ちとしてとおっしゃりながら、民意を問わずにこんなことやっていいのかということを心苦しく思わざるを得ないようなところにこの解釈改憲という手法の暴走ぶりが表れているわけですよ。こうしたやり方を許せば、もはや何でも解釈改憲できるというのかと、何でも解釈で変えられるというのかと。この国民的な怒りの一つは、私、皆さんに刺さっていると思うんですね。そうした暴走に世論は急速に反対の声を高めているわけです。 五月の一日に、そうした下で、あるいはその前夜にと申し上げてもいいですけれど、新憲法制定推進の大会が開かれて、議員も参加されたのではないかと思いますが、この大会決議を拝見しますと、集団的自衛権の問題を憲法解釈の変更で認める方向であることは、憲法改正に要する時間の問題からやむを得ないと認めるとしても、このことによって憲法改正の動きにブレーキが掛かってはならないことは強調する必要がある、こういうふうにおっしゃっていて、これはつまり、解釈改憲で時間が掛かるから仕方がないと、根幹である憲法九条についてのこうした解釈改憲の暴挙を認めながら、それでは明文改憲の芽がなくなってしまうから、だからそうならないようにしようと、そんなような言わば焦りというのが感じられるんですけれども。 先ほど手続法を整えるということをおっしゃいましたけれども、今回皆さんが発議をして、こうして改憲手続法の改定をやろうとしているのは、結局、ともかくも投票年齢を二十歳にするということで、これ動かせるようにしようと、それが目的なんじゃないんですか。
○衆議院議員(船田元君) 幾つかの宿題、三つの宿題と言われておりますが、我々は七年前の国民投票制度を決めたときにどうしても残ってしまった問題がある、それを今回解こうということでそれぞれ努力をしてきたわけでございます。 そういう中で、十八歳、二十歳の問題がどうしてもあるおかげで、今何歳で投票できるのかというのが非常に曖昧になっている。それをやはりきちんと交通整理をしようというのが一つの目的でございまして、結果として、いつ何どきにおいても何歳で投票できるかがはっきり分かるようにするというのが一つの方向として出されております。 もう一つは、やはり公務員の運動規制の在り方でございまして、これも、国家公務員においても地方公務員においても、要するに純粋な勧誘、そういうものについては、これはできる限り自由であるべきである、こういう切り分けもさせていただいて、公務員の運動規制についても一定の方向性を示すことができたと、こういうことで国民投票が実際に行われ得るという状況をつくった。この点では宿題の一応の解決、もちろん残っているものはありますが、大筋において解決をしたと、こういうことになると思います。そういうことで、今回この法案の提出をし、そして議論していただいている、こういう状況にあります。
○仁比聡平君 私はそうは到底思えない。そもそも、この改憲手続法は、戦後レジームからの脱却、時代に最もそぐわないのは憲法九条と唱えた第一次安倍政権の改憲スケジュールの一里塚として、二〇〇七年の五月に国民の反対を押し切って強行成立されたものです。その内容自体に、国民主権と憲法に照らしたときに数々の根本的欠陥がある。それがあの二〇〇七年、私も当時の憲法調査特別委員会で、船田議員始めとした議員の皆さんと議論をさせていただきましたけれども、国会を多くの国民の皆さんが包囲をして廃案へという大きな声を上げる中でのそうした審議の中でも次々と明らかになったと思うんですね、根本的欠陥が。 当時先送りされた投票権年齢や公務員などの運動規制、そして国民投票の対象という三つの宿題も、また我々参議院においては異例の十八項目に及ぶ附帯決議が付されましたけれども、これもそうした重大問題、当時の法案それ自体の重大問題に発したものだと思います。 こうした根本的欠陥が、先ほど最低投票率は結局問題は解決されていないじゃないかという指摘がありましたけれども、その点も含めて、結局根本的欠陥をそのままにして動かすというだけでいいのか、動かすということが許されるのか。私は徹底した審議が必要だと思うんですね。 今日は参議院における初めての質疑ですから、ちょっと主要な点について幾つか発議者の皆さんの認識を伺いたいと思っています。 まず、その宿題を解いたというふうにおっしゃる投票権年齢に関わる話なんですが、今回の改定案は、つまるところ、現行法が義務付けた選挙権年齢などの十八歳への引下げを棚上げして、これ先送りしてと申し上げてもいいですが、国民投票権の年齢だけを確定するものです。しかも、すぐにではなくて、四年間は二十歳ということにするわけですよね。 現行法の制定時に発議者は、選挙権年齢そして成年年齢を投票権年齢とともに十八歳とする、つまりつながった形で、そろえた形で十八歳とするということは大前提である、あるいは最低限の条件であると、そういう答弁を繰り返しなされておられました。まず、現行法がそうした問題についてどういう形で規定されているのか、その趣旨についてお聞かせください。
○衆議院議員(船田元君) 様々な経緯がありました。それで、私どもとしては、七年前、八年前にこの年齢の問題を解こうとしたときに、三年間、要するに憲法原案の発議ができない準備期間ということを置かせていただきました。その準備期間の三年間の間に選挙権年齢を十八に下げる努力をする、それが下げられるまでは国民投票の年齢は二十歳にする、こういうことで制度設計をいたしましたが、その三年というのを優に超えてしまったという状況が生じてしまいました。そのことで、結局、何歳から投票ができるのかということが非常に曖昧になってしまった、このことに対して今回一応の結論を出そうとしたわけでございます。 各政党の皆さんの中には、もう直ちに十八歳からに下ろすべきであると、こういうお考えの方もいらっしゃったわけでありますが、やはり我々としては選挙権年齢と国民投票年齢がそろっていることが望ましい、同じ参政権グループでありますので、ということで、それをそろえるということを主眼に置いた。しかしながら、やはり実際に選挙権年齢を下げる、これは議員立法になるんだろうと思いますけれども、一定の期間が必要になります。 また、民法の成年年齢につきましてもその延長線上にある話でございまして、これも先ほど答弁しましたように、そろえていくというのが大変重要であろうということで、一応四年間の、これは法整備期間ということで位置付けをいたしました。 そして、さらに、八党の合意によって二年以内にこの選挙権年齢は十八に下げる、そのためのプロジェクトチームをつくるということで合意をしたところでございます。これによりまして、もちろん四年間というその期間はございますけれども、それを二年以内に国民投票年齢も下げる、そういう努力はしていこうということを国会の意思として宣言をさせていただいたと、こういうふうに理解をしております。 なお、そのような状況において、八年前のあるいは七年前の非常に強行的な採決ということについて御指摘もいただきました。これは、自民、公明、当時の民主、この三党で合意を得ながら議論をしてきたわけでございますけれども、最終的に民主党さんが離脱をされて、そのことでちょっと状況が厳しい状況になりました。その中で採決をしたわけでございますが、その影響がやはりずっと続いておりました。 この憲法審査会、衆議院、参議院におきましてもなかなかそれが発足できなかったと、こういう問題にもなりましたし、また、三年間の準備期間の間に選挙権年齢を十八に下げる、こういうことも結果としてできなかった。非常に反省をしているわけでございまして、今回はやはりできるだけ多くの政党の皆さんに賛成をしていただいて、そして成案を得て国会に出すのがこれが大事であると、こういう大前提に立ちまして、結果として八党合意によって、衆議院では七党の共同提案になったと、こういう事態でありますので、その辺の経緯というものをしっかり考えながら、皆様にも真剣に御議論いただければ有り難いと、こう考えております。
○仁比聡平君 今、七年前に強行的状況になった背景について何だか弁明のようなお話がありましたけれども、それは安倍政権、第一次安倍政権が憲法九条を口にして、改憲への暴走を強行したからですよ。そうした状況について何の反省もないのかと。まして、解釈改憲でその九条を壊すという、私は憲法破壊だと思いますけれども、その大問題について全くごまかしたお話ですね。 話をちょっと戻しますけれども、そうした今弁明のあったような、言わば政治の側の都合ですね、あるいは政権党の都合ですね、そういうようなことを事情にして、いざ国民投票だと、あるいは公職選挙の投票権という主権者の側の政治参加の権利を左右してしまう、そんなことは余りにも身勝手だと私は思います。 改定案、ちょっと確認したいんですが、現行法と違って、結局、国民投票権年齢と選挙権年齢と成年年齢、これについてのリンクですね、これは法律上は切り離されるということになり、二つ目に、いつまでにという法律上の期限、これは現行法では施行までにという、つまり三年間の間にという、こういう期限があったわけですが、このいつまでにという法律上の期限はなくなる、法律上はそうであると、それはそうですか。
○衆議院議員(船田元君) 今お話ありましたように、七年前の決定のときには、三年間の間に選挙権年齢も十八に引き下げるということを法律上書かせていただきました。しかし、その法律に書いたことができなかった。その最大の理由というのは、やはり、採決の際に自公民の合意の枠組みが崩れてしまった、こういうことが原因としてあったと。非常にその点を反省をしているわけであります。 今回のことにつきましては、特にリンクはさせないという形で、自動的に四年たったら二十歳から十八に下げると。そして、その手前で、選挙権年齢が十八に下がった時点で、これは国民投票年齢も四年を待たずして十八に下げる、こういう制度設計とさせていただきました。 確かに法律上の明記はございませんけれども、今回の場合には、七年前とは違いまして、八党会派の皆さんの基本的な合意をいただいた上で、そして衆議院の七党の共同提案という形を取りました。しかも、合意の文書も五項目にわたりましてできているわけでございます。これは各党のその責任者の皆さんのサインも頂戴をしておりますので、これは公党間の約束ということで、非常に国会の意思としては大変強いものがある、このように思っております。 法律以上のものはないと思いますけれども、私たちのもくろみ、あるいは私たちの考え方としては、非常にこの合意に従って淡々と作業を行っていくということについては、これは相当な勢いが出るということは期待されるものでございますので、是非その点を御理解いただきたいと思います。
○仁比聡平君 公平のために枝野議員にもお尋ねしたいと思いますけれども、民主党政権で法令解釈の御担当をされておられた頃に、この今議論になっている問題を解決するという趣旨の御発言があったかと思うんです。ですが、結果として三年三か月調わなかった。この改定案についての衆議院の対政府質疑などを伺っていますと、総務省と法務省の間にはこの関係年齢のリンクの問題については随分認識に開きがあるといいますか、深刻な亀裂なり対立なりまであるのかしらという感じもあるわけですけれども、この間できなかったと。これが皆さんが合意をされたという二年を目途にできるという保障、どこにあるとお考えですか。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私どもが政権を、つまり国会の多数をお預かりをしているときに附則にあった三年以内のこの投票権年齢あるいは成人年齢に関する宿題を解決できなかったということに関しては、その結果の責任の一端を負っているということ、大変申し訳なく思っております。 震災のせいにすることは余り良くないことかもしれませんが、私自身は、官房長官を仰せ付かりましたときに、まさに総務省と法務省との意見の食い違いを調整をすることで、特に民法等については初めて進むと。それに当たっては官房長官がしっかりと指導力を発揮しなければならないということで、それに着手をしたところでございましたが、その着手した直後に東日本大震災がございまして、そちらの方に全力を注がざるを得ないという、この優先順位の付け方は国民の皆さんにも御理解いただけることだというふうに思いますが、そうしたことの中で結果的に実現をすることができませんでした。 今回、保障があるのかというお話でございますが、今回は間違いなく四年後には国民投票は十八歳になります、遅くとも四年後には十八歳になるということが法改正がなされない限りは確定をしております。投票権年齢と選挙権年齢が一緒であることが望ましいという立法府の意思が明確に示され、なおかつできるだけ早くそれを行うということについての意思も多くの皆さんの間で共有をされています。これに合わせて十八歳成人をどうするのかということについても、放っておけば四年後には投票権年齢と成人年齢とが食い違うということ、法改正なしにはそういった事態が生じることは、これは総務省、法務省含めて皆そのことに迫られるわけでありますから、私はこのことによる事実上の、何というんでしょう、担保の効果というのは、三年以内に法改正をします、法改正しなければ今のままですという前回の担保よりも、法的な意味はともかくとして、現実的な担保の意味は相当程度大きいというふうに思っております。
○仁比聡平君 今、枝野議員がおっしゃった点をちょっと私なりに別の角度でいいますと、今回の改定案は、つまり成年年齢と国民投票年齢については、これはリンクを切ったわけですよね。ですから、四年後、仮に成年年齢が引き下げられていなければ、未成年者が政治に参加するという国民投票の権利を行使することができるということになるわけです。未成年者の国民投票権が認められるという、仮に未成年であっても認められるという、そういう改定案を合意をしてお出しになられたわけですよね。 だったらば、なぜ選挙の年齢は別に扱わなきゃいけないのか。成年かどうかということと、憲法改定の国民投票の年齢は一致しなくていいんだというんだったら、政治に参加する、その公職選挙の年齢も同じく今回お下げになるという、そういうふうにしてよかったんじゃないですか。なぜ国民投票権年齢と選挙権年齢のリンクを切り離していいというのか。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私あるいは私どもは、今回の機会に選挙権年齢も投票権年齢も成人年齢も一気に十八歳にしてしまうことの方が望ましいと今も思っていますし、そのことを主張をいたしましたが、まさに広範な合意形成がなければ、幾らそれが望ましい、正しいことだと叫んでも、多数決民主主義の中ではそれが実現できません。 十八歳成人や十八歳選挙権を実現をする上では、四年後には国民投票は十八歳になる、法改正しない限りは、放っておいたら選挙権年齢がずれた状態で四年後効力を発する、そして成人年齢もずれた形で四年後効力を発するということは、これはそろえるべきである。だけど、今すぐに十八歳成人はとか、今すぐに十八歳選挙権はと言うような皆さんにとっても、四年以内には少なくともそれについて整理を付けなければ少なくともずれるという現実が生じるということで、遅くとも四年以内にはこれらについて解決をせざるを得ない相当な大きな担保、政治的な担保が取れているということで、次善の策として、我々としては、やむを得ないものであるけれども、賛成をするということであります。
○仁比聡平君 改めて船田議員にお尋ねしていきたいと思いますけれども、結局、そうやって伺っていくと、改定案を提出する会派の中に結局は十八歳選挙権は認めたくないという本音があるのではないかと疑いたくまでなるんですよ。 この改定案ですと、憲法改定が提起をされたときに国民投票は行うのに、その改定を発議する議員は選べないという事態が起こり得て、これは不条理だという若者たちの声があります。あるいは、集団的自衛権の容認は解釈改憲で進めて国民投票さえ行わない。総理は、最高責任者は私だと、選挙で審判を受けると言い放たれましたけれども、その選挙にさえ将来の国の進路に重大な関係を持つ今の若者たちは参加をできない。これは背理に背理を重ねるということになりませんか、船田さん。
○衆議院議員(船田元君) 先ほど枝野議員からも話がありましたように、各政党の間では、もうすぐに国民投票年齢と選挙権年齢を合わせるべきだと、民主党始め幾つかの政党からそういう指摘がございました。 ただ、我々とすれば、やはり総務省においての検討、それから総務省が一番懸念をしておりますのが民法との関係をどうするのかということで、まだ結論が付いていない。そういう状況を見て、やはりこれは早急に国民投票年齢にそろえる、あるいは、今度の法律の施行のときにそろえてしまうというのは大変物理的に考えても手続的にも難しいということが一つ考えられました。そしてもう一つが、これはやはり周知期間というのを一定程度置かなければいけないということがあります。そのようなことで、やはり二年以内ということを我々は念頭に入れて、それで八党の合意という形で担保しているという状況にあります。 何もやらなければ食い違いが生じるではないかと、こういった問題については、我々はそのことについて非常に大きな責任を感じなければいけないと思っております。そういうことが起こってはいけないからこそ、我々はできるだけ多くの政党の皆さんの合意をいただいて、そして成案を得て国会に出していると、こういうことでございますので、私たちのその意思を是非お酌み取りをいただきまして議論していただけると有り難い、このように思っています。
○仁比聡平君 我が党は、十八歳選挙権の実現はこの改憲手続法とは全く別に早期の実現が必要だということをかねてから申し上げてまいりました。参考人質疑も改めて受けて、徹底審議がこの点でも必要だと思います。 あと残りの時間、国民投票運動の自由に関わって伺いたいと思うんですが、改定案は私はこの点ではとんでもない逆行だと思います。象徴的なのが裁判官を始めとした特定公務員四職種に対する規制を復活するということなんですが、これ、現行法での審議のプロセスで、削除されたその理由について当時の発議者は明確にそれぞれ答弁をしておられます。要点は、国民投票運動というのは自由なものでなければならないということで、公務員、教育者の地位利用については罰則を設けないことにする、そうしたことと併せて、裁判官を始めとした四職種の運動の自由を認めないというこれは削除するんだという発言をされているわけですね。 そうした現行法のプロセスがありながら、明確に、これを復活させるというのは極めて重大だと思うんですが、憲法上極めて重要な自由であるところの国民投票運動をこの人たちに制約する憲法上の根拠は、船田議員、どこにあるんですか。
○衆議院議員(船田元君) 様々な経緯があって今回の提出に至ったわけであります。私たちは、大前提としまして、公務員のこの運動につきまして二つのポイントがある。一つは、公務員も主権者の一人でありますから、できるだけ勧誘等においては自由であるべきである。しかし一方で、公務員の政治的な中立性も保たなければいけない。この二つの命題を両立をさせる、こういうことで議論が始まった次第でございます。 確かに、八年前におきましては、経緯の中で、当初、国家公務員法、それの授権を受けました人事院規則、それから地方公務員法、その適用そのままでよろしいのではないかということを自公の間では一度考えた次第でございますが、更によく調べてみると、国家公務員法と地方公務員法の間でその規制の範囲が微妙に違っている。とりわけ地方公務員におきましては公の投票というのもこれは政治的行為の対象として存在をする、国家公務員にはそれがないということから、勧誘運動においては国家公務員は自由であり地方公務員は制限される、こういうことが、アンバランスが生じる、こういうことになったわけであります。 それで宿題という形になり、そして今回の答えとしては、他の政治的目的を持った行為であればこれは許されない、しかし、純粋な勧誘行為であれば、これは国家公務員、地方公務員はいずれも許される、こういうことにしたわけであります。 そうしますと、新たに純粋な勧誘が多くなったということによって、実は新たな問題が発生をする。その問題の一つが、やはり特定公務員の運動規制の在り方であるということでございます。 確かに、七年前においては、この国家公務員、地方公務員のアンバランスがあること、そしてそれの切り分けができないということで、この特定公務員については、これはないことが望ましいとしたわけでありますが、その後の、純粋な勧誘行為はオーケーであるという一つの結論を出したおかげで、その結果として、新たな宿題とは言い過ぎかもしれませんが、宿題が深まったということで、特定公務員についての運動規制について新たに設けるというような議論に発展をしていったと、このように理解をしております。
○仁比聡平君 今の御発言は、現行法の審議過程、とりわけ参議院における当時の委員会での審議のプロセスあるいは争点と、その中での皆さんの御答弁に逆行するものだと私は言わざるを得ないと思うんです。 そうした認識で作られたとなれば、この改定案百条の二のただし書というのは、これは極めて危険なものになるのではないか。これ、ちょっと徹底した議論が必要だと思うんですね。 私、ちょっと時間がもう迫っていますから、七年前の議論の確認ができるのかお尋ねしておきたいと思うんですけれども、御発言の中にあった国公法と地公法の関係ですが、地公法の中に公の投票という、この国民投票運動の規制根拠になりかねないような規定があるというのが問題になりました。ですが、議論の結果、皆さんの答弁として、この公の投票の中に憲法改定の国民投票は当たらないという形で物を整理するのであるという答弁が私は出されたと思うんですね。これが変わったというのか。 公務員の政治的中立性の問題について、国公法と人事院規則の御発言がありましたが、この人事院規則というのは、政治的目的についても、そして、その目的下で行われる政治的行為というこの規制対象になっている行為についても極めて限定された列挙であって、もう詳細は申し上げる時間がありませんけれども、憲法改定の際の国民投票はその中には当たらないというのが七年前の認識だったはずです。それは確認できるんですか。
○衆議院議員(船田元君) 私の記憶によりますと、先ほどの地方公務員法における公の選挙又は投票という言葉がございます。公の投票という中に、これは元々は住民投票を念頭に置いたものであるというふうに解されますけれども、言葉上、やはりこれは国民投票そのものにも適用されると、こういう仕分をして、それで制度設計をしたというふうに私は記憶をしております。
○仁比聡平君 それはもう、ちょっと全然認識が違うのかもしれません。よく精査して、次の機会に議論をさせていただきたいと思いますが。 もう一点、検討規定として置かれようとしている、組織により行われる勧誘運動、署名運動及び示威運動という文言なんですが、これ、お尋ねしたいんですけれども、衆議院の審議で、組織によりという組織というのは、これ、つまりNPOなども含むという、そうした御答弁があっているかと思います。労働組合に限らずNPOも含むとなれば、この組織というのは極めて広範な概念ですから、例えば宗教団体だとか、あらゆる市民団体、そうしたものが全部含まれて、そうすると、公務員が一人で行った行為は自由だし、団体で行っても適法なんだけれども、例えばNPOが行っても適法なんだけれども、その中にいる公務員がその中心になっているとこれが違法になると。何だかそんなことを考えるわけですか。理解として、そういうことでいいんでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) この附則に付けました組織によりという部分でございますが、この組織によりというのは、あくまで公務員がその組織の中に入っていって、そしてその運動の主宰をする、あるいは企画をする、主導する、指導する、こういう行為を行った場合というものを想定しております。その組織というものには、当然、組合の活動もありましょうし、それから町内会という場合もあるかもしれません。企業というものもありましょう。あるいは、今御指摘いただいた宗教団体というのもあるかもしれません。しかし、いずれにしても、この公務員の方がそのある組織を使って、その中で運動の主宰をする、そのような行為はやはり駄目だろうということで私たちは制度設計をしようといたしました。 しかし、この点につきましては、ほかの党の皆様からも、これはまだ熟慮が必要であるということで、これは検討課題とさせていただいたわけでありますが、やはり、その組織によりの組織がどういうものであるのか、あるいは、具体的にその企画をする、あるいは主導するという行為そのものがどういう態様をなすのかということについて、まだまだ十分な議論をしなければいけない、このように考えているところでございます。
○仁比聡平君 そのような検討課題を法律上の規定として置くこと自体が私は憲法違反なんじゃないのかと、徹底した審議が必要だということを求めて、あとは次の機会に譲りたいと思います。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 衆議院でこの法案が可決された後、安保法制懇の報告書と総理の記者会見がありました。明文改憲、解釈改憲、立憲主義をどう考えるか、極めて重要な問題です。 船田発議者にお聞きをいたします。 船田さんは、三月十三日の自民党総務会で、集団的自衛権の行使容認のために拡大解釈を自由にやるなら憲法改正は必要ないと述べ、解釈改憲で明文改憲の機運がしぼむことの懸念をされております。だったら、解釈改憲なんかやるべきじゃないですよね。どうですか。
○衆議院議員(船田元君) 三月でございましたか、私の総務会での発言、これはあくまで一般論で申し上げたものでございます。憲法解釈が時の政府あるいは為政者によって自由に行われるということであれば、憲法改正の必要もないし、その機会も与えられなくなるという一般論を申し上げた次第でございます。これは、私自身今でもそう思っております。 しかしながら、今回の集団的自衛権の行使に係る憲法解釈の変更ということについては、これはあくまで憲法の解釈を変えるということでございまして、必ずしも憲法改正そのものの議論を、それを棚上げにしてやってしまおうということでは決してないと思っております。 ただ、私が言いたかったのは、憲法解釈の変更ではあるけれども、これは重大な変更である。だから、その意味では、国民に信を問うほどの心構え、そして覚悟、そういうものがなければこの議論というのはなかなか前に進みませんよということを申し上げたかったわけであります。それだけのことでございます。
○福島みずほ君 国民の信を問うのであれば、国民投票じゃないですか。国政選挙なんかじゃないですよね。 憲法九条に関する集団的自衛権の行使を容認するかどうかは極めて重要なテーマです。だとすれば、信を問え、国民投票でやれ、総理の解釈改憲は許せないということに論理的になりませんか。
○衆議院議員(船田元君) 先ほど来答弁をしておりますように、確かに憲法の解釈、とりわけ国の重要課題、平和主義、そういうものに密接に関連をする九条に関わる解釈の変更でございますので、これは慎重にも慎重を期さなければいけないと思っております。 ただ、憲法を自民党内で預かっております私の立場とすれば、本来はこれは憲法の解釈と併せて、自衛隊そのものの存在も現行憲法には書いてありません、これも解釈で認められているわけでありますので、そういう点からして、やはりこの解釈において議論をしていくということは、これは憲法という重要なものでありますけれども、一定の幅というものはあると、このように思っている次第でございます。 しかしながら、私自身が申し上げたのは、その心構えという点では、解釈の変更であってもそこはやはり国民の皆さんにしっかりと説明をし、そして国民の皆さんもその一定の判断ができるような、そういう状況に置くというのが望ましいのではないかということを申し上げたわけであります。国民に信を問うというのはやや政治的な言葉となってしまっておりますけれども、この点につきましては、もしそれは言い過ぎであればそれは訂正もするつもりでございますけれども、やはり国民に信を問うほどの気持ちというものが大事であるということを私は申し上げたかったので、あえて発言をさせていただいたということでありました。
○福島みずほ君 いや、船田発議者は国民の信を問うて明文改憲でやるべきだと思っているんですよ。解釈改憲なんて邪道じゃないですか。総理が閣議決定だけで重要な集団的自衛権の行使を容認することは、国民の信を問う心構えもないじゃないですか。だとしたら、許せないというふうに思います。 船田発議者は明文改憲がかなり先の話だというふうにおっしゃり、だから解釈改憲というのは論理的におかしいんじゃないですか。かなり先であっても、それは明文改憲すべきことは明文改憲すべきであって、解釈改憲できないことはできないですよね。 私も、参議院の決算委員会、五月十二日、小松長官に質問しました。最近も、横畠内閣法制局長官も集団的自衛権の行使は違憲であるという見解を維持しております。違憲がなぜ合憲になるのか。船田発議者、どうお考えですか。
○衆議院議員(船田元君) 今御指摘をいただいた小松前長官、それから横畠現長官の御発言、私はつまびらかにはしておりません。 ただ、私は、集団的自衛権の行使は解釈上認められないというふうに従来から政府の答弁が成り立っております。ですから、解釈を新たに付け加える、あるいは新たに変更する、そういうことで私は集団的自衛権は認められる状況はあると思っています。その余地はあると思っています。ただ、その余地というのは極めて狭いものであるということでありますので、その点においては様々な議論をこれからも続けていかなければいけない、このように思っております。
○福島みずほ君 余地が多かろうが少なかろうが、一般論であろうがちびっとであろうが、違憲のことを政府が認めることが問題じゃないですか。先ほど、船田発議者は、時の政府の判断で変えることがおかしいとおっしゃった。そのとおりですよ。少しだろうが、一見限定的であろうが、一般論であろうが、認めることそのものが問題じゃないですか。いかがですか。
○衆議院議員(船田元君) 少し問題を整理いたしますと、先ほど私は、憲法解釈のその変更の認められる余地について注意すべき点というのを申し上げました。 その一つは、やはり強い法的安定性が求められるということ。それから、一つの解釈が長い時間を掛けて積み重ねてきた場合においてはその解釈の選択の余地は狭まるということ。あるいは、前に出ていた憲法の解釈、それが変更される場合にも、前の解釈との論理的な整合性を担保したものでなければならない。このようなことに留意をした上で憲法の解釈を見直していくべきである。このように申しました。 今回の集団的自衛権の行使につきましては、今申し上げた枠内に、あるいはその条件になるべく沿うべく、現在与党内での協議が行われている、このように承知をしております。ですから、与党内の協議の結果として今申し上げたような条件が十分に満たされるということであれば、私はそれは憲法解釈の変更によって、この時点においては私は賛成であると、このように申し上げたいと思います。
○福島みずほ君 今、船田発議者がおっしゃった要件、まさに変えられないということじゃないですか。集団的自衛権の行使は、何百回と、ごく最近も違憲であるというのが自民党政治の確定した考え方です。これを変更するには憲法改正が必要だというのも繰り返し言ってきました。ですから、まさに船田発議者がおっしゃった基準に照らせば、集団的自衛権の行使の解釈改憲は限定的、それは限定的というのは私はうそだと、何かを容認すれば、時の政府の立場で容認していけば、もうそれは憲法破壊だと思いますのでできないと思いますが、まさに集団的自衛権の行使の解釈改憲は邪道であって、非合法であって、明文改憲は社民党は反対ですが、明文改憲よりも何億倍か憲法を破壊するひどい行為だというふうに思います。 では、ほかの発議者にお聞きをします。 解釈改憲と立憲主義について、民主党、生活の党、公明党、お考えを、短くで済みませんが、お聞かせください。
○衆議院議員(枝野幸男君) 釈迦に説法ですが、憲法に限らず法令解釈一般について、解釈を変更する場合においては、その法令の文言、そして過去の解釈との論理的整合性が求められる、これはもう法令解釈の基本中の基本であると。憲法においては、特に法治主義の基本、法令解釈の基本に加えて、公権力行使の限界を定めるルールであるという本質からして、公権力を行使する側がこの法令解釈のルールを逸脱するようなことがあれば、立憲主義という民主主義と並ぶ近代国家における基本原則を破壊することになることで許されないということであります。 問題は、過去の解釈及び文言との整合性を取った中で、今言われている集団的自衛権をめぐるような話が進み得るのか。少なくとも、集団的自衛権は憲法違反であるという明確な政府としての解釈が積み重ねられていますので、これを正面から否定することがあれば、これはもう法治国家でもなくなるし立憲主義国家でもなくなる、憲法の破壊であると。 これも、福島議員も法律家でありますから、普通に考えたら、集団的自衛権の一部あるいはそれに類するような部分を過去の解釈と整合性取れる形で説明できることはないだろうなと思いながら見ていますが、その整合性が取れる説明があり得るのかどうかは、それは変えたいと思っている政府の側の責任で御検討されることだと思いますが、先週の総理の記者会見やお友達を集めた何とか審議会のところからはそういった論理的説明は全くありませんでした。
○会長(小坂憲次君) みんなの党、生活の党さん、いかがですか。
○福島みずほ君 いや、生活の党、公明党で、済みません。
○衆議院議員(鈴木克昌君) 憲法解釈についてということでありますが、憲法九条の解釈は、戦後から現在までの長い間、国会審議において国会と政府の共同作業によって練り上げられてきたものであります。国会審議を経ることもなく、一内閣が行う閣議決定によって軽々に変更が許されるものではない、このように思っております。 このような政治姿勢は、憲法の本質である国家権力を縛るという立憲主義と民主主義を軽視するものであり、到底容認できるものではない、このように考えております。
○衆議院議員(北側一雄君) 今何を議論しているかといいますと、安全保障の問題です。我が国の安全保障環境が大きく変化している、また厳しくなっているというふうに言われております。私もそのように理解をしております。そういう中で、我が国の国民の生命、財産を守るためにどのような安全保障上の必要性があるのかと、こういう議論を、具体的、現実的な議論をしなければならないというふうに思っているんですね。具体的な事例を通してやりましょうということで、ただ、その事例も、観念的な事例ではなくて、リアリティーのある事例でこの安全保障上の必要性の問題を議論する必要があるというふうに思っております。 その議論の上で、何らかの対処の必要性があるというふうに考えた場合には何を考えるかというと、まずは今の現行法制の中で何ができるかと。安全保障法制、たくさんあるわけですね、自衛隊法以下。そういう安全保障法制の中で一体何ができるのか、何ができないのか、どこに不備があるのか、そういうことを次に議論することになるのだろうと思っています。 その上で、何らかの自衛隊法の改正なり必要だと、その具体的な対処をしていくためには自衛隊法の改正なりが必要だというふうな議論になった場合に、そこで初めて現行憲法のこれまでの、特に九条の政府解釈との整合性はどうなんだと、こういう議論の順番になってくるわけですね。 私が非常に違和感を持っておりますのは、これメディアの報道ぶりも含めてそうなんですが、集団的自衛権の行使の是非というのがもう見出しになっていて、具体的な安全保障の必要性とか対処の問題とか、そういうのがもう飛び跳ねて、飛ばしてしまって、そこだけが議論になっているというのは、非常に私は、実際今実務者として協議をしている一人として違和感がございます。仮に、これまでの政府見解、これまでの憲法に関する政府見解との関係で、従来の政府見解を見直さないとその対処すべき何らかの法制ができないという判断になった場合に、その政府見解の見直しというのはまさしく憲法解釈の見直しになってくるわけですね。 そこで、先ほど枝野委員がおっしゃったような、憲法改正しないで政府見解を見直すわけですから、そこには従来の政府見解との論理的な整合性がなければいけません。論理的な整合性なしに解釈変更してしまったならば、これはもう政権交代したらまたころころころころ変わってしまうと、法的安定性を大きく害してしまうわけでございまして、そんなことはできない。だから、論理的整合性が本当に確保されているのかということについてきちんと見ないといけませんし、また、集団的自衛権というのは、言葉は集団的自衛権なんですが、限定容認であれ、その集団的自衛権行使をすることを認めるということですね。それは、自衛権行使を認めるということはどういうことかというと、我が国が武力行使をすることが適法である、違法ではないと、自衛隊の皆さんに現実に武力行使をしてもらうことが違法でないという、そういう基準を定めるわけですね。 これは極めて重大な基準になるわけでございまして、限定であれ何であれ、その基準というものが明確な基準でなければいけない、当然の話だと思います。その明確な基準でなければ、そもそも憲法九条というのは一体何のためにあるのかと、九条そのものの規範性が大きく失われてしまうことになりかねないわけでございまして、今のような安全保障上の必要性の議論、その上で、その後に今言った憲法解釈、法論理の議論をしていかないといけないというわけでございまして、正直申し上げて、相当隙間は狭いなというのが私の率直の実感でございます。
○福島みずほ君 結いの党、いかがでしょうか。
○衆議院議員(畠中光成君) 御質問いただいた件ですが、そもそも我が国の憲法というのは立憲主義に基づいているというのが我が党の考え方でありまして、その本質というのは基本的人権の保障にあるだろうというふうに考えております。ですから、この基本的人権を守るためには当然自衛権というのは必要だと、認められるというのは皆さん方御承知のとおりだと思います。 それを前提にした上で、今行われているこの集団的自衛権の行使容認については、あくまで私の認識では、現行憲法の規範の枠内での議論なんだろうというふうに思っています。その枠内がいかに、どの程度の枠かということについてはこの国会で是非慎重に審議をしていかなくちゃならないというふうに思っておりますが、我が党としては、今認められている個別的自衛権の範囲でどの程度対応ができるのか、すなわち個別的自衛権の適正化によって今の課題というのがどの程度乗り越えれるのかということをしっかりと検討した上で、その上ででもどうしても集団的自衛権が必要だというのであれば、それは全く排除している状況ではありませんけれども、各先生方お答えいただいたように、その範囲というのは極めて狭いんだろうなというふうに考えております。
○福島みずほ君 日本の国民の命と暮らしを守るのであれば個別的自衛権で対処できるわけですし、日本の領海、領空が侵害されればそれは個別的自衛権の行使でできる。集団的自衛権の行使は、日本の国が攻められていないにもかかわらず、他国防衛を理由に売られていないけんかを買いに出ていくわけで、それはやっぱり違うものだと思います。 枝野発議者にちょっとお聞きしたいんですが、総理の記者会見で言う事例など、私はファンタジーかフィクションか教室設例だと思うんですね。あり得ない。つまり、集団的自衛権の行使を導きたいがために、何かもっともらしいというか、何か案を作っているが、例えば米軍が今まで日本人を救出したことなどありません。湾岸戦争でもいつでも民間機が本当に輸送して、米軍がやるということなどない。また、日本が米軍を守るというふうな、日本と、自衛隊と米軍はイージス艦の機能や数も全く違いますから、防護するというのも非常に非現実的であるというふうに思うんですね。 イラク特措法のときに駆け付け警護は違憲であると言われ、それはそうでしょう、あの時点で駆け付け警護で武力行使すれば日本が戦闘行為の当事者になるわけですから。だから、何かもっともらしい設例、ファンタジー、あり得ないことを言う。実際の集団的自衛権の行使は十四件、政府があると戦後言っておりますが、ベトナム戦争であり、アフガン侵攻であり、アメリカのニカラグア侵攻であり、ソビエトのチェコ侵攻、ハンガリー侵攻であり、アメリカの大統領と国防長官、そしてアメリカは戦争制限法で議会の同意を要件としている。ちょっと今助けてあげる、駆け付け警護なんていうのでは、全く集団的自衛権の行使はない、泥沼の戦争をある国が選択するかどうかというすごいことなわけですね。 総理の言う、安保法制懇の言うあの教室設例、ファンタジー、フィクション、あり得ない、非現実的だと思うんですが、ちょっと感想をお聞かせください。
○衆議院議員(枝野幸男君) 詳細に分析をまだしているわけではありませんが、あの会見を見ていて私が非常に違和感を持ちましたのは、個別的自衛権だけでは足りないから集団的自衛権と言いながら、一生懸命、日本国民の命を守るのにこれが必要なんですという説明をされていました。 集団的自衛権というのは、その日本の領土、領海以外に日本人がいようがいなかろうが、他国の防衛のために日本がどうするのかという話なのであって、そこにたまたま日本人がいるケースもあり得るかもしれないけれども、それは本質では全くないのに、そして、基本的に日本政府が日本国民の生命、財産を守るのは、まさに日本の領土、領空こそが主権の及ぶ範囲ですから、そこに、いるところについてまずしっかりと守るであって、他の主権国家の領土、領海にいる人については、相手国の承認があったときにお手伝いに行くことはあるでしょう。でも、相手国の承認があるときにお手伝いに行くときは戦争の自衛権なんですかね。警察権行使の御協力なんじゃないですか。 例えば、テロ集団からどこかが、監禁されている、助けに行くと。これ、相手が国家又は国家に準ずる団体ではないですから、これは自衛権の問題じゃない。まさに警察権行使を相手国の承認があれば他国においてもできるけれどもと、そういう話であるし、いずれにしても、私自身は、この間の会見を、会議録をざっと見させていただきましたが、集団的自衛権の行使を認めなければならない論理的説明は全くなされていない。あの大事な会見で論理的な説明が全くなされていないというのは、やはり我々が直感的に思うように、そこを論理的説明できるケースはないんだろうなと今のところ強く思っています。
○福島みずほ君 今回の国民投票改正法案は、宿題を解決するといいながら宿題を言っている法案だと思うんですね。つまり未完成交響楽団、未完成ではないか。というのは、この附則のところで、例えば公務員の政治活動に関して、規制の在り方について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると。先ほどもありますが、十八歳、それから他の年齢についても今後四年以内に何とかしようということで、全部実はこれから検討しましょうねという改正法案にしかすぎません。 三つの宿題と言われると、参議院は違うだろうと思うんですよ。参議院は、衆議院は強行採決だったから附帯決議なかった、でも、参議院は十八個附帯決議があって、これも重大な宿題です。それに全く触れないで、今回こういうことを第一で検討しますよというのは未完成交響楽団、つまり、この法律が仮にもし成立したとしても、これで国民投票をやれるような状況ではないと思いますが、船田発議者、いかがですか。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 前回の法律の審議の際、参議院において十八の附帯決議が付きました。それにつきまして私たちも精査を今やっているところでございます。 そういう中で、事務的に対応できる問題、それから、今後の課題としてこの衆参の審査会でやるべき問題、あるいは、八党で合意をいたしましたその中でプロジェクトチームができるとすればそこで議論する問題、あるいは、なかなかこれは対応できないような問題、四つほどの範疇に分かれると思いますけれども、それらにつきましては一つ一つ、これまでも議論してきたものもございますが、多くはこれから更に議論を深めていくべき問題であると思っております。 三つの宿題というのは衆議院段階で生じたものではありますけれども、参議院のこの十八の附帯決議につきましても、この三つの宿題と同様に、これからやはり真剣に議論すべきものと理解しております。
○福島みずほ君 これから真剣に議論すべき、あるいはプロジェクトチームをつくって議論する、これから法律を作るというのであれば、これ、幾ら改正法案、仮に成立しても未完成であって、国民投票をやれるような状況ではないという理解で、船田発議者、よろしいですね。
○衆議院議員(船田元君) 十八の附帯決議の中では既に解決したものもあります。それから、実際に運用の問題としてこの国民投票制度を動かしていく中で議論していく、あるいは整えていくという問題もあります。総体とすれば、この十八の附帯決議が結論が出ない、あるいは残っているということによって未完成であるというのは、これは私は理解しにくいことでございます。これは、言葉はちょっと悪いですけれども、やりながら考えるというものも相当入っておりますので、そういう点で是非御理解いただきたいと思います。
○福島みずほ君 やりながら考えるけれども、国民投票をやる時点で問題が解決していなければ駄目じゃないですか。十八個のうち何が一体解決しているんでしょうか。 それから、今回の改正法案は、附則で、例えば四、公務員の政治活動ですが、規制の在り方について検討を加え、必要な法制度上の措置を講ずるものとする。年齢のところも、その他の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。つまり、必要な措置ではなくて必要な法制度上の措置ですから、法律改正が絶対に必要ですよね。 私は、ですから、今回の国民投票改正法案で国民投票がやれる状況ではない、別の法律改正が将来別途必要である、この理解でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) これまでも議論してまいりました。そしてこれからもこの十八項目それぞれにおいて議論も必要であり、また、運用上どうすべきかということについてもそれぞれの部署で検討していく必要があると思います。そういう中で、法律改正が必要なものが生じた場合においては、これにきちんと対応していくという点は変わりはないと思います。
○福島みずほ君 年齢は法律改正しなければ駄目じゃないですか。どうですか。
○衆議院議員(船田元君) 年齢というのはどういう意味でございますか。
○福島みずほ君 船田発議者は、前回この法律が成立したときに、十八歳にすると。つまり、「やはり公職選挙法における二十歳というこの年齢についても、これはできる限りこの三年間の間にしっかりと議論をした上で十八にすると。」、平成十九年四月十九日、参議院の委員会で発言されていますね。 つまり、船田さんは発議者として、この憲法改正のための国民投票法が成立される参議院において、ここにおいて十八歳にすると言っているんですよ。でも、国民投票は十八だけど、公職選挙法はそう全くなっていない。だとすれば、八年前のこの参議院でのきっぱりとした発言、十八歳にする、これ、法律改正しなければできないじゃないですか。
○衆議院議員(船田元君) これは、十八歳にするという点は改正をしなければできないと思っております。ただ、その過程において、我々はやはり、当時の自公民の枠組みが崩れてしまったことなど、それによって三年間の間に法整備ができなかったということに大変大きな反省を今持っております。 その反省に立った上で、今回の制度設計におきましては、四年間という若干の期間を置くということ、そしてその四年間の間に、できるだけ早く、国民投票のみならず、選挙権年齢を十八に引き下げる努力をするためのプロジェクトチームを八党でつくろうと、こういうことで決めさせていただきました。その我々の努力というものに対して是非御理解いただければと思っております。
○福島みずほ君 議論に答えていただいてなくて、私が言いたいのは、今回の改正法案が仮に成立しても、これで国民投票やれる状況ではないということではよろしいんですよね。 そして、みんなの党にお聞きします。超党派のこの議論の中で、みんなの党は、全部やはり十八歳にそろえるべきだと、とりわけ松沢成文さんなどは、国民投票のときは十八で、でもその人は二十歳の、例えば衆議院選挙では投票できないので、不一致でおかしいということをとてもおっしゃっていたんですね。だとすると、実際、国民投票をやる時点で、公職選挙法の改正や他の具体的な立法の改正がない限り国民投票できないという理解でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(三谷英弘君) 質問にお答えいたします。 松沢成文参議院議員を始めといたしまして、みんなの党といたしましては、同じ参政権グループに属するこの選挙権年齢、そして投票権年齢というものは直ちに十八に引き下げるべきだということは訴えさせていただいておりました。 しかしながら、この今回の法案を通すということになった段階で、少なくともそういった議論がこの国民投票法案の成立というものを妨げてはならない、時代に応じて憲法改正というものは進めていかなければならないというふうに考えておりますので、その議論はその議論として別途やっていくということを前提に、今回の法案には八会派のうちの一つとして乗らせていただいているということでございますから、当然ながら要請があれば憲法改正というものは議論して進めていくということになろうかと思います。
○会長(小坂憲次君) 時間が来ております。よろしいですか。
○福島みずほ君 はい。時間ですので終わります。
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。 私は、この日本国憲法の改正手続に関する法律が平成十九年五月に成立したときに参議院の憲法調査特別委員会の理事をいたしておりまして、そのときにも発議者でありました船田先生に質問をさせていただいたのであります。今回の改正法につきまして、再び船田先生ほか発議者の方々に質問させていただくことになるわけでございますが、その間に七年の歳月がたっておりまして、本改正法が成立すればいよいよ日本国憲法の改正手続が整うのかと思いますと、感慨深いものがございます。 まず、本改正案におきまして、国民投票の投票権年齢につきましては、改正法施行後四年間は二十歳以上、五年目からは十八歳以上ということで、法律上は選挙権年齢や成人年齢とのリンクは設けていないということでございますので、この改正法案が成立し、いずれ憲法改正国民投票を実施しようとするときには、この投票権年齢の方は幾つ以上ということで明確になっていると考えます。 しかし、公務員の政治的行為に係る法整備関係につきましては、公務員の純粋な国民投票運動は行うことができる、しかしながら他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合はできないとなっているわけでございますけれども、この純粋な国民投票運動、つまり賛成、反対の投票等の勧誘行為及び憲法改正に関する意見表明といいましても、なかなか判断は難しいと思います。 改正法案の中にも、組織により行われる勧誘運動等々に対する規制の在り方については、改正法施行後速やかに検討を加え、必要な措置を講ずるとありまして、何かこう見切り発車のような感じがするわけでございますが、実際に国民投票が行われるようなときになって、公務員が行う国民投票運動に対する規制で曖昧さが残り、この法律の運用に当たって困ることが起きないかどうか、この点について、船田発議者にお伺いいたしたいと思います。
○衆議院議員(船田元君) 今、中川先生から御指摘いただきました点ですが、純粋な国民投票運動とそうでないものの判断が難しいのではないか、こういう点につきましては、現行法に照らして禁止されている他の政治的行為を伴っているかどうかというところに着目をすればいいわけでありまして、そのような行為の存在が認定できれば、それは今回の改正案でも許されない行為となるということと認識をしております。現行法に照らして禁止されている他の政治的行為を伴うか否かという点のみが問題なのであれば、その判断はそれほど難しいものではないと考えています。 とりわけ、他の政治的目的あるいは政治的行為というものを例示をするとすれば、やはりそれは特定の政党、特定の候補者、個人ですね、そういった名前、あるいは内閣の支持、不支持、そういったものがこれに該当するものと考えております。したがって、外形的な問題としては相当整理はできるのではないかと思っております。 もう一つのいわゆる組織によりという勧誘運動等につきましては、これは先ほど来議論が出ておりますけれども、やはり公務員の政治的中立性あるいは公務員による政治活動の自由のバランスを考えたときに、より緻密な検討が必要である、こういう意見もありましたので、この附則第四項に検討条項として加えたところでございます。この条項に従いまして、我々としては、初回の国民投票までには何らかの結論を得たいと、このように考えておりますので、見切り発車というのは、これはそうではないということで御返事をしなければいけないと思っております。
○中川雅治君 実際には、国政選挙と国民投票が同時になったときを考えますと、その切り分けはかなり難しくなるんではないかと危惧いたします。 憲法改正に賛成するあるいは反対するということは、憲法改正に賛成している政党を支持し、あるいはその政党を支持しないということにつながってくるわけでありますし、総選挙と一緒に行う国民投票ということを考えますと、片方の候補者は憲法改正に賛成している、片方の候補者は反対をしている、ですから、賛成投票の勧誘をするということは、その特定の候補者に投票してくださいということと非常に近寄ってしまうということが考えられるわけでありまして、そこは、実際には選挙と一緒に国民投票を行う、これは法律上できるというか、当然憲法上そういうふうなことも想定されているわけですけれども、そういうことになったときにはかなりグレーゾーンが出てくると、今の国民投票法の改正案ということを前提にしますとグレーゾーンが出てくるというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) 今のような国政選挙とそれから憲法改正国民投票が同時になった場合というのは、当然想定されると思います。もちろん、七年前、あるいはその後もそうですけれども、政権を選ぶ国政選挙、それと憲法改正に関する国民投票というのを同時に行うというのは、政治的に見ると本来はそれは避けた方が望ましいんじゃないかと、このようには考えております。 ただ実際は、憲法の規定にもあるように、同時になる場合も許容しておりますので、そういうことも想定をしなければいけないと考えています。その場合も、やはり先ほど申し上げましたように、純粋な国民投票運動とそうでないものとの切り分けは、国家公務員法、人事院規則、そして地方公務員法に照らして禁止されている他の政治的行為を伴っているかどうかという部分に着目をして、その行為の存在が認定できればそれは今回の改正案でも許容できない行為となると整理をしたいと思っています。 それは、憲法改正国民投票と国政選挙が同時に行われ、そして国民投票の期間と選挙運動の期間が重なったとしても同様に切り分けられるものというふうに思っております。例えば、国民投票運動に名を借りて当該国政選挙に関する特定の候補者の名前を挙げて投票を依頼すれば、それは他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴ったと評価するべきものであって、これは駄目と、こういうことになると思います。
○中川雅治君 次に、本改正案の附則に、国は、この法律の施行後速やかに、十八歳以上二十歳未満の者が国政選挙に参加することができることとなるよう、公選法、民法、ここに民法と入っているんですけれども、その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとするとありますが、特段期限は設けていないわけですね。しかし、八党の確認書で、「選挙権年齢については、改正法施行後二年以内に十八歳に引き下げることを目指し、各党間でプロジェクトチームを設置することとする。」とありまして、ここに二年という目標の期限を設けたということでございます。 しかし、成人年齢の十八歳への引下げについては明示的に宿題にはなっていないように読めますし、八党の確認書にも成人年齢のことは触れられていないわけなんですね。 衆議院での審議で法務省の政府参考人は、民法の成年年齢と選挙権年齢とは理論的に一致する必要はなく、民法の成年年齢を引き下げなくても選挙権年齢を引き下げることが可能であることは、学説上も異論はないところですと述べておりますし、それから、諸外国においても成人年齢より選挙権年齢の方が低い例もあるようであります。成人年齢の引下げについては国民の意識あるいは環境整備ということが重要だと考えますので、ここは慎重な検討が必要だというふうに考えます。 国民投票の投票権年齢と選挙権年齢、これも別物だと考える方もいらっしゃるようですが、これは確かに一致している方が分かりやすいとは思いますが、成人年齢も一致させる必要はない、社会的に保護を続ける必要があるのは何歳までかといったことは投票権年齢や選挙権年齢とは別に考えるべきだという考え方も強くあるように思います。 船田先生は衆議院での答弁で、今の御答弁も同じような流れにあるわけですが、四年を待たずして少なくとも選挙権年齢が下がった場合には、その時点で国民投票の投票権年齢も十八に下げる、そして、四年間の間には何とか民法の十八歳年齢引下げも実現できるよう最大限の努力を各党と一緒にやりたい、このような段取りでいきたいと思っていますと述べられています。私は、今の時点でそこまで踏み込む必要はなく、結論を先取りすることなく検討すべきであると考えますが、船田先生、いかがでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) まず、事実の関係から申し上げますと、法案として提出をしております附則の第三項におきまして、年齢満十八歳以上満二十歳未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、等というのが付いておりますが、この等の中には成年年齢も入っていると、このように理解をしております。そういう前提で七会派の共同提出に至ったわけでありますので、この民法の十八歳年齢というものについてもできるだけそろえるべきである、こういう趣旨は他の政党の皆様も一定の理解、共通の認識となっているだろうということは申し上げても間違いではないと思っております。 ただ、しかし、今、中川先生がおっしゃったように、やはり民法における成年年齢につきましては様々な観点があると思っております。一概に国民投票年齢そして選挙権年齢、それが十八に下がるんであるから直ちにこの民法における成年年齢も十八にそろえなければいけないとまでは言い切れない部分もあると思っています。それはまさにこれからの検討の課題であると思います。 ただ、一般論として言えば、投票するという行為、それから大人として契約を一人でしたり、あるいは親権に服するか服さないかということとの関連を考えますと、やはりその十八にいずれは民法における成年年齢もそろえていくということが立法政策上は望ましい、そういう考え方に立っておりますので、これは、慎重に議論はいたしますけれども、やはり四年以内の間に一定の結論を出すということが政策上望ましい方向であるというふうに理解をしております。
○中川雅治君 つい先日、ある新聞の投書欄に国民投票の投票権年齢と選挙権年齢と成人年齢について七人の方の意見が載っていました。十八から十九歳にも国民投票の権利が認められるならば、その分責任も持たせるべきだという意見。それから、成人年齢と国民投票の投票権年齢とは切り離すべきだ、日本では成人年齢を変えた場合の社会的影響は大きいという意見。さらに、今の十八歳は親から経済的支援を受けている人が多い、挨拶すらできない若者をよく目にするだけに成人年齢の引下げに抵抗を感じるとして、この方は選挙権年齢、成人年齢を二十五歳にむしろ引き上げることを主張していました。また、二十歳の大学生の方の意見として、十歳代後半の青年はまだ心身ともに未熟で成人とは言えないと感じると述べ、成人になるまでは二十年間という時間がやはり必要であると言っていますね。 こういうふうに、選挙権年齢、成人年齢の問題については、議論を始めると国民の間にも様々な意見が出てくると思いますので、先に結論ありきではなく、幅広い議論をした上で結論を出すべきだと考えます。 それから、もう一つ最後に、今回の改正法において、附則の国民投票制度に関する検討条項の規定に関し、現行法は、「国は、この規定の施行後速やかに、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し、その意義及び必要性の有無について、」、有無という言葉が入っているんですね、さらに「日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。」と規定されています。しかし、改正法では、意義及び必要性の有無という文言から有無を削除したのだから、意義や必要性について更に検討を加えるという前向きな改正にしていると、衆議院で発議者のお一人が述べられているわけです。 私は、この有無という言葉は元々、有と無ということで中立なわけですから、この有無という言葉を取ったからといって前向きになるというのは理解し難いんですけれども、そういう解釈なのかどうか、船田発議者にお伺いいたします。
○衆議院議員(船田元君) やや技術的な話になるかと思いますけれども、意義や必要性の有無についてという、その有無をなくすということの意味でございますけれども、現行法に言う有無というのは、中立を表す場合もあるかもしれませんが、私が考えるところ、有無というのは、そういう拡大をすることに必要性があるのかないのかというレベル、すなわちゼロベースから検討するということを表明していたものと思っております。 今回、その法案から有無を削除したということは、今申し上げたゼロベースからという段階は過ぎたと。そして、これに加えて、先ほど申し上げたように、更にという言葉を付け加えました。そして、検討を加えるということを明示したということで、検討を更に一歩進める、前向きに検討していくという趣旨がここには表れているというふうに私自身理解しております。 その具体的な例としまして、八党で合意をした中にも、この対象の拡大ということについては今後、これは衆議院段階の話でございましたので恐縮ですが、衆議院それから参議院両方でお願いしたいわけですが、まずは衆議院においての憲法審査会で、四回ないし五回この議論を行うときに、そのうちの一回はこの対象の拡大ということについても議論するべきではないかということで一応合意をさせていただいていると、こういう経緯があった次第でございます。
○中川雅治君 時間ですので、以上で終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 この憲法の改正手続につきましては、改憲に関して主権者の意思がどうあるかということを見定める法の手続でございます。したがって、その作成過程自体が我が国の民主主義の発展にとって極めて重要であり、国民の幸福追求のための人権保障の拡大と国民主権の徹底が憲法改正の視点であることを、この憲法改正手続を整備するに際しましても常に念頭に置いて論じるべきであるというふうに考えております。 今回の国民投票法の改正は、二〇〇七年に成立をいたしました同法が、二〇一〇年の施行までの宿題とされました投票権年齢の十八歳への引下げなど三項目が放置されたまま違法状態にあるため、是正する目的で、以下三つのポイントについて改正が行われると承知しております。 まず始めに、投票権年齢を施行から四年後に十八歳以上に引き下げるということ、二つ目に、公務員にも賛否の勧誘や意見表明を認めるけれども、法律で禁止されている政治的行為が伴う場合は行えないということ、そして三つ目には、国民投票の対象を憲法改正以外に拡大するかどうかについて更に検討を加えるということ、この三つであろうと思います。 今日は第一回目の質疑でございますので、この三つを、それぞれ基本的なことについてお聞きをしたいと思います。 今申し上げましたように、本改正案では、仮に法施行後四年が経過して、投票権年齢のみ自動的に十八歳となり、選挙権や成人年齢が二十歳のままでも構わないと、もちろん引き下げる努力をするということが前提でございますけれども、非常に簡素に申し上げるとそういう結論でございます。 憲法改正の投票権年齢については、衆議院の議論を見てまいりますと、選挙権年齢や成年年齢との整合性が非常に問題とされて、今も議論がございました。しかし、この際、そもそも憲法とは何かという原点に立ち返ってこの問題を考えなければならないと思っております。 憲法は、言うまでもなく、第九十八条にこう記されております。「憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」、このように定めております。憲法は主権者である国民が直接制定に関わる国の一番大事な規則、すなわち最高法規でありまして、選挙法や民法などの法律とは基本的性格を異にしている。憲法が小学校から教えられているのはそのためでございまして、選挙法や民法とは違う扱いになっていると承知をしております。 もう今は発行されておりませんが、かつて新制中学の教科書、文部省が発行しておりました「あたらしい憲法のはなし」にはこのように記されております。「こんどの憲法は、民主主義の憲法ですから、国民ぜんたいの考えで国を治めてゆきます。そうすると、国民ぜんたいがいちばん、えらいといわなければなりません。国を治めてゆく力のことを「主権」といいますが、この力が国民ぜんたいにあれば、これを「主権は国民にある」といいます。」。ここで留意すべきは、国民全体であって、国民一人一人とか一人の権力者とかではないことに注意をしなければならないと思っております。更に続いて、「憲法を改正するときは、国会だけできめずに、国民が、賛成か反対かを投票してきめることにしました。」。このように「あたらしい憲法のはなし」、戦後、文部省が発行いたしました教科書には書かれているわけであります。 そこで、発議者の船田発議者にお聞きしたいと思いますけれども、今私がるる申し上げましたように、憲法改正は国民全体に主権があることの具体化である、その意味から投票権者の範囲はできる限り広い方が望ましい、このように考えるわけでありますが、改めて発議者の見解をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(船田元君) 今、西田先生から御指摘をいただいた、特に戦後すぐに「あたらしい憲法のはなし」ということで、当時の文部省が発行した冊子がありました。私も、リアルタイムでは見ておりませんけれども、その後、物心付いてから、あるいは憲法の問題に関わり始めてからこれを拝見をいたしまして、当時としてはまさに画期的なものであるというふうに理解をいたしました。やはり、戦前の様々な問題点、反省、そういうものを経ましてそういった新しい憲法についての一つの方向性をしっかりと示したという点では、大きな役割を持ったものだというふうに思っております。 そういう中で、今御指摘のこの憲法改正についての国民の参加ということでありますが、これ、やはり国民としての権利の最も大事な部分であると私は思っております。やはり、国の基本に関わる、全ての法律に優先して、その上に立つものということでございますので、それに対しての国民の意思を聞くということ、国民が意思を表明するということは、これは絶対に保障されなければいけないものだというふうに思っています。 そういう中で、やはりその対象の範囲、国民投票権者の範囲ということについては、これはできるだけ多くの人々に参加していただくということが必要であり、私たちは、現行法の中でも、いわゆる収監をされている人々や、あるいは公民権停止を受けている人々にも投票権を与えるということにいたしたわけでございます。 そして、年齢ということを考えれば、それはゼロ歳からという話もなくはないと思いますけれども、ただやはり現在の成年年齢等も考えまして、高校三年生で十八を迎えるわけでありますが、十八歳以上ということで対応することがやはり大事ではなかろうかと、こういうことで、投票権年齢を十八歳以上にするということについては大方の合意をいただいているんじゃないかと理解しています。
○西田実仁君 次に、公務員の政治的行為の制限についてお聞きしたいと思います。 憲法改正は、今申し上げました、主権者である国民が直接制定に関わる国の一番大事な規則、最高法規の改正であることは決して忘れてはならないと思います。公務員も主権者である国民の構成員であり、投票権者として憲法改正に直接関わる立場にございます。さらに、人権保障の拡大と国民主権の徹底は民主主義国家の歴史の流れであることを考えますれば、公務員の市民的、政治的権利を拡大する方向で検討すべきことは議論の余地がないと思います。 ただ一方で、民主主義国家における公務員とはどのような存在なのか、その理念を明らかにすることも不可欠でございます。国民主権の下で、公務員は主権者である全国民に共通する社会一般の利益のために働かなければならない、憲法十五条には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定められているわけであります。 そこで船田発議者にお聞きしますけれども、この原理原則から、憲法改正、国民投票をめぐる問題を検討する際、本案の附則にございます、法施行後速やかに規制の在り方を検討するとされております、組織により行われる勧誘運動、署名運動、示威運動については、どのように考えるべきとお考えでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) 私ども、この公務員の運動の在り方ということについて議論いたしたわけでございますが、大前提としては、公務員もやはり国民、主権者の一人である、したがって、少なくとも意見表明それから勧誘行為についてはできる限り自由であるのが望ましいということが一つ、要請としてあると思っています。しかし同時に、公務員の皆様は、大変社会的な地位もありますけれども、その影響力というのも大変大きいというふうに思っております。だからこそ、公務員の政治的中立性の担保、確保ということが国家公務員法でも地方公務員法でも規定をされていると、こういう状況にあります。 この二つの大前提をどうやって両立をさせようかということでずっと議論をしてきたわけでありますけれども、そういう中で、やはり純粋な勧誘ということについてはよいけれども、他の政治的目的を持った行為というのは、これは禁止をしようと、こういうことで切り分けをさせていただきました。 そうなりますと、今度新たに、組織による勧誘運動というのはどうなんだろうか。やはり、組織を使いまして、しかもその組織による活動の中で、公務員自体がその指導をしたり企画をしたり、こういうことをやった場合に果たしてどういう影響が出るのかということについては、やはり大きな影響が出ることを私たちは懸念をしたわけでございます。 与党の中におきましてはこの方向性を一応決めさせていただきましたけれども、野党との話合いの中では、やはりまだ組織によりというものの、組織の態様や、あるいはその公務員が指導をしたり企画をするという、その行為というものをもう少し詳しく分析をする必要があると、こういうことで検討課題として附則に入れさせていただきましたけれども、最初に国民投票が行われるまでには一定の結論を得たいと、このように考えておる次第でございます。
○西田実仁君 次に、国民投票の対象の拡大についてお聞きしたいと思います。 国民投票の対象の拡大につきましても、人権保障の拡大と国民主権の徹底が民主主義国家の歴史の流れであることに留意をしなければならないと思います。人権保障の拡大と国民主権の徹底を図るためには国民投票の対象を拡大する必要があることは論理上当然であり、積極的に検討されてしかるべきと考えますが、発議者はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 いわゆる一般的国民投票制度の導入ということにつきましては、これはやはり憲法の持っている問題と同時に、国民投票という中で果たしてどこまでこの憲法改正以外のテーマについて議論ができるのかと。こういうことは、当然議論をこれからも続けていかなければいけないと思っております。 ただ、私どもとしては、日本国憲法の予定している間接民主制との関係、一般的国民投票は直接民主制の一つの形態であろうと思われますので、その直接民主制と間接民主制との関係がどうなるのか。あるいは、その投票の対象として何をテーマとするのか、これを誰が選ぶのかという問題もあります。それから、その国民投票の結果、これは強制するということはないと思っておりますけれども、どの程度、あるいはどういう場合にこれを尊重し、あるいはそれを国政に反映をしていくのか。その在り方についてまだまだ議論すべきものが多々あるというふうに思っております。 私どもとしては、宿題の一つでもございますので、これについて新たに、先ほど議論にもありましたように、その意義、それから必要性の有無、その有無を取ったということ、あるいは、更に検討を加えるということで、更にという言葉を付け足して、改めて附則に置き直したという形でございます。 さらに、先ほども申し上げましたように、憲法審査会が四、五回開かれるのであれば、そのうちの一回は一般的国民投票制度を検討するための審査会にすると、こういうようなことで前向きに検討していこうということも各党の間で合意をされておりますので、これを誠実に追求をしていきたいと考えております。
○西田実仁君 それに関連しまして、内閣法の第五条には、「内閣総理大臣は、内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告する。」とございます。ここには、憲法改正案の提出ということはどこにも書かれていないわけでございます。もちろん、今、その他の議案というところに憲法改正案を入れるというのは法律的な常識からしてあり得ないというふうに思うわけであります。 憲法改正案の提出については内閣には認めていないわけでございまして、憲法が持っている基本政策を変える変更というのも内閣の所管ではありませんで、本来国民が議論をすべきであるという意味から、憲法改正には他の法律とは異なって国民投票というものが課せられているものだと理解しております。 今、国民投票の対象を拡大することについて発議者から御説明がございましたけれども、一方で、国民投票にかけるべき憲法の基本原則に関わる変更について、解釈で変更できるというふうになれば国民投票法を整備する意味を失わせることにならないのか、発議者にお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 今の件につきましては、既にこれまでも議論をしてきたところでございますけれども、やはり憲法の規範というものを考えますと、これは国民投票を行うことによってまさに民意を問うという大事な過程が当然あると思っております。 ただ、そういう中で、憲法の解釈の変更、憲法もやはり一つの法律の体系を成しておりますので、一般の法律と同様に一定の解釈の幅というのは当然認められるべきであると思っております。ただ、憲法の場合には、先ほども申し上げたんですけれども、その解釈として認められる範囲というか、あるいは遊びというんですかね、そういう部分はかなり狭くしておかなければいけないと私自身は思っているわけでございます。 そういう観点からしますと、現在の憲法の解釈の変更によって一つの方向性を見出していくということについては、やはり一定の制限をしっかりと加えながら議論をしていく必要がありますし、また、そのことについては、国会の中だけでの議論ではなくて、広く国民の皆様に理解をしていただく、場合によっては国民の皆さんからの意見あるいは意思というものを確認することも、場合によっては考える必要があるんじゃないかということで私のおとといの発言につながったと、このように感じております。
○西田実仁君 最後に、本法案が成立いたしますと、いつでも国民投票にかけられることになりまして、国会で憲法改正を発議し、国民投票にかけていくことができるようになるわけでございますけれども、改めてこの意義につきまして発議者にお聞きして、終わりたいと思います。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 今回は三つの宿題を解くということで、その結果として、現在の法律では何歳から投票していいのか分からない、これを明確に表すということができます。それともう一つは、公務員の運動の規制について、これまだまだ整理されていなかったわけですが、一定の整理ができたというふうに思っております。このことによりまして憲法改正の国民投票制度が実際に動ける、動かすことができる、こういう状況になったことは大変大きな意義があると、このように思っております。 もちろん、その具体的な憲法改正の中身の議論というのは全てこれからのことでございますけれども、これからの憲法改正の原案作りにも大きな影響を与えるものと理解をしておりますので、今回の改正法律案は、それが成立をすれば憲法改正の一つの入口に到達をしたと、このようなことで大きな意義がある、こう感じております。
○西田実仁君 終わります。
○清水貴之君 日本維新の会・結いの党の清水貴之です。 議題となっています国民投票法の改正案なんですが、我々日本維新の会は、昨年五月に、他党に先駆けましてこの国民投票法の改正案を単独で提出させていただいております。 そこでまず、日本維新の会の憲法改正に対する考え方、馬場議員にお聞きしたいんですが、国民投票法の三つの宿題に対するこれまでの取組、そして、今回は八党での合意をしてということで共同提案に至りました。ここの辺りの経緯について、馬場議員にお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(馬場伸幸君) 清水貴之議員の御質問にお答えいたします。 我々日本維新の会は、これまで誕生以来、二度の国政選挙を憲法改正を掲げて戦ってまいりました。言わば、日本維新の会の背骨が憲法改正であると言っても過言ではないと思います。 言わずもがな、日本国憲法の施行後七十年近くが経過をいたしましたが、この間、憲法は一度も改正されず、社会情勢のドラスチックな変化に適応していない、また想定されていないことが現在の日本に起こっていると考えております。例えて言いますと、子供のときの服を大人になって無理やり着ているというのが今の日本国憲法の状態ではないだろうかというふうに思います。 具体的には、東日本大震災等で議論が起こった緊急事態条項や、昨今の国家の財政をどう健全化していくかという財政健全化のための条項を憲法にどう加えていくのか、国と地方の役割を現状よりも明確化し、外交・安全保障、マクロ経済等については国が専権事項として処理をしていく、そして国民の生活に直結することは地方に完全に任せる、そういったことを、我々が掲げている次世代のために大改革をするという思いで憲法改正が必要であるというふうに考えております。この憲法改正の是非を判断する国民の権利を保障するためにも、一日も早く国民投票を整備すべきだと考えてまいりました。 その観点から、質問の中にもございましたが、我々日本維新の会は昨年五月、他党に先駆けて法案を提出し、国民投票法の改正の議論をリードしてきたという、そういう自負を持っております。私も衆議院の憲法審査会の幹事会で、嫌がられるほど毎回この問題について審議をしてくれという要望をしてまいりました。 今回、自民党、公明党の合意案が提示され、我々日本維新の会が提出していた法案と中身においてほぼ同じ内容であるという判断の下、国会の不作為とも言える状況を解消すべく、一日も早く国民投票法の改正案を成立すべきだ、そういう考えの下、この共同提案に賛成をしたわけでございます。 以上でございます。
○清水貴之君 同じ質問になりますが、結いの党、畠中議員にもお聞きしたいと思います。 憲法改正に対する考え方、そして国民投票法の三つの宿題に対するこれまでの取組など、お聞かせください。
○衆議院議員(畠中光成君) まず冒頭に、参議院での我が党との統一会派での様々なお取組に敬意を表したいと思います。 結いの党は、日本国憲法が果たしてきた役割を正当に評価しつつ、時代の要請に応じて不断の見直しを行うと基本理念にうたっております。官僚統制、中央集権といった我が国の形を変えるための、特に統治機構の改憲が必要だというのが我が党の憲法に対する考え方でございます。 三つの宿題に対しては、いずれの案件に対しても答えを提示させていただいておりましたが、これまで衆議院の憲法審査会や各党協議の場での議論を行い、とりわけ、その間、維新の会さんとも密に協議を行いながら、一定程度我が党の主張も取り入れられた形での法案となったため、今回、八党での合意に至りました。
○清水貴之君 そこで、これまでにも議論のテーマとしてここに上がっておりますけれども、三つの宿題の一つ、公務員による政治的行為の是非、これについてお聞きしていきたいと思います。 公務員の国民投票運動に関して組織により行われる勧誘活動、当初、自公案では禁止されていたと。ところが、民主党と交渉が進んだ結果、附則に盛り込まれることになったというふうに理解をしております。 我々維新の会なんですが、地方公務員の政治的中立性の確保のための地方公務員法等の一部改正案を提出するなど、やはり一定の制限は必要ではないかというふうに考えているわけなんですが、この辺りの思い、考えを、馬場議員、お聞かせください。
○衆議院議員(馬場伸幸君) 御指摘のように、憲法改正の国民投票運動については、公務員であっても特定の政治的目的を持たない賛否の勧誘は自由に行えるようにすべきと、そういった観点かから、今回、純粋な賛否の勧誘、意見表明については現行の公務員法制にかかわらず解禁としたところでございます。しかし、一方で、公務員の政治的中立性や公務の公正性、これに対する国民の信頼は確保されなければならない、こうした観点から、公務員の国民投票運動については一定の制限が必要と考えているところでございます。 なお、日本維新の会としては、地方公務員の政治的行為の実態は目に余るものと考えており、規制を強化していくことが必要だと考えているところであります。このような認識から、国民投票の場面に限ったものではなく、あくまでも公務員法制全般にわたる問題ではありますが、地方公務員の政治的行為の規制を国家公務員並みとする法案を別途提出しているところであり、これについても皆様方の御協力を賜り成立を目指していきたいと考えております。 また、公務員の組織的な勧誘運動等の企画等に対する規制の在り方については、この改正案において速やかに検討し法整備をすることとされております。ただ、この法整備については、法的には憲法改正国民投票の実施の前提条件とはされていません。しかし、日本維新の会としては、公正な国民投票の実施のためには公務員による組織的勧誘運動等の規制は必須であると考えており、各党各会派と協議し、共通認識を得た上で、初回の国民投票までに必ず成案を得て法整備を行いたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○清水貴之君 船田議員にもお聞きしたいんですけれども、この公務員による政治活動の制限、自民党の中でもかなり強く求める積極的な声も多いというふうに聞いております。ただ、今回は今後の検討課題ということになったわけなんですが、この自民党の中の声も踏まえまして、船田議員の考えをお聞かせください。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 公務員による政治的行為に関しまして、特に組織的な運動の規制ということにつきましては、我が党の中でも昨年の秋、党内でのこの改正の方向についての議論をやらせていただきました。多くの皆様から、やはりこれだけの勧誘運動等で、公務員の運動は純粋なものに限っては自由であると、こういうことにするのであれば、新たな問題としてやはりそういうことを組織的にやることはどうなのか、そういった議論が多々出されたところでございます。 そこで、我々としましては、組織によりということで、さらに公務員が企画、主宰、指導するという主導的役割を果たす場合においてこれを制限することでどうかということで、自民、公明の間で協議をし、一応の結論を得たわけであります。しかしながら、各党との協議の中で、やはり、組織によりの組織はどこまで含めるのか、あるいは勧誘、署名、示威運動、三つの行為類型に過不足はないのかどうか、あるいは企画、主宰、指導という役割で必要にして十分なのかということが問題として上がりまして、より緻密な検討が必要である、このようになった次第でございます。 私どもとしては、もちろんこれは諦めたわけではございませんで、今後できるだけ速やかに、我が党と日本維新の会の方からも御意見が強く出ておりますので、その協議を行うことはもちろんのこと、各党間の話合いの中でも何としてもこれは取り上げていきたい、このように思っている次第でございます。
○清水貴之君 今ありました各党間での話合いの中でということで、民主党さん、枝野議員にお聞きしたいんですけれども、の中にはやはりこの制限に今度逆に反対する声の方が多いというふうに聞いているんですけれども、その辺り、民主党さんの中の声、若しくはその理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○衆議院議員(枝野幸男君) まず、民主党云々という以前に、公務員の政治活動については、これはもう判例積み重なっておりまして、最高裁でも要するに必要最小限の制約にとどまるべきであると、言葉としては合理的かつやむを得ない場合に限られるべきであると。これはもう確定判決、判例ですので、これに反するような規制掛けたら、最初の国民投票のときに違憲訴訟が起こって、国民投票で賛否が多いか少ないかとかという以前に、この国民投票は有効なのかどうかという物すごい問題を生じさせてしまうと。これは憲法をより良く変えるような流れができたときであっても大変禍根を残すことであろうと。 もちろん、必要最小限の規制は受けるべきであるという観点からは、特に間違いなくこれは規制が必要なのは、公務員が地位を利用して賛成あるいは反対に他の人を巻き込む、こういったことは当然許されることではない。もう一つあり得るとすれば、公務の中立性、公平さに対する信頼、これを損なうような場合はこれは規制が許されるとされています。 憲法改正の場合は、個別の政党や政治家に対する支持、支援、これは選挙の結果で反対側の人が勝っちゃったなんていったら、その公務員はちゃんと仕事するのかななんて不安を持たれたりします。ですから、そういったことが運動規制されるのは当然だというふうに思いますけれども、憲法の場合はまさに公務員制度とか公務とは何なのかということの土台そのものをどうするのかという、その土台を決めることですので、そのことについて賛否を示したり、あるいはそのことについて、俺は賛成だから賛成してくれよということを公務員の地位を利用することなくすることについて規制をするということは、合理的かつやむを得ないという範囲を超えているのではないだろうかというふうに考えます。 ただ、もちろん、それでもこういう弊害があるんだという立法事実があれば、必要最小限度の範囲で規制をするということについて反対をするつもりはありませんが、なぜ組織によりだと中立性などについての侵害が生じるのか、なぜ主宰をしたり企画をしたりすると中立性などに対する侵害が生じるのか。 例えば、これは衆議院でも御答弁申し上げましたが、先ほど来の話のとおり、例えばNPO団体の役員の中に一人公務員が入っていましたと。NPOの役員の間ではこの人が公務員だということはほとんど誰も知らない。その人が公務員やっていること、公務員になるぐらいですから事務処理能力高いから企画書を書く仕事をやりました。でも、それ公務員が企画書を書いたなんて誰も知らない。でも、それ処罰する、全く立法事実ない。こんなもの規制してしまったら間違いなく過度に広範な規制で、これ憲法違反になると。 憲法違反の国民投票なんかやってしまったら本当に禍根を残すということで、慎重の上にも慎重な議論が必要である。特に、立法事実をしっかりと示していただいていないなというふうに思っています。
○清水貴之君 としますと、今お話聞いていますと、じゃ、今後どのように議論を進めていくのかなと、どのように一致点を見出していくのかなということで船田議員にお聞きしたいんですけれども、この政治的行為に関しては、組織的な運動の規制、検討ですね、必要な法整備を速やかに行うと、これ附則に明記がされているわけです。ですから、今後速やかにどのように議論を進めていくのか。この附則に書かれているわけなんですが、附則の重み、こういったものについても、船田議員、お話を聞かせていただけますでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 今の問題につきましては、枝野議員から答弁がありましたけれども、もちろん、ああ、そうだなと思うところもあれば、そこはちょっと考えた方がいいなと思うところもございます。今後、議論を当然しなければいけないわけですが、私たちはやはり事実関係、それから法の趣旨、そういったものをしっかり踏まえた上で、精密な、精緻な議論はすべきであると、このように考えております。決して感情論であるとかその他の理由によってというものではない、立法政策上の問題としてきちんと処理をしていきたいと考えています。 それから、附則の重みということでございますが、やはりこれは附則に書かせていただいたからには、これはきちんと、それがどういう結論になるか分かりませんけれども、その議論をして、一定の期間で、速やかにと書いてありますので、一定の期間で結論を出すというのはこれは当然やるべきことと、我々に課せられた課題である、責任であるというふうに思っております。
○清水貴之君 そして、これもこれまでの議論で出た部分ではあるんですが、純粋な国民運動、勧誘運動についても聞かせてください。 賛成、反対の投票を知人らに勧誘する行為、憲法改正に関する意見表明、これについては可能にということなんですね。先ほど船田議員が例としまして、国政選挙で特定の候補者のことを応援するとかそういったことを意思表示する、これはもう駄目だよということをおっしゃられました。もちろん、これは今回のルールには反するわけですから駄目な非常に分かりやすい例だと思うんですけれども、ただやはり分かりにくい部分というのもたくさん出てくるんじゃないかなと思うわけですね。 個人として動いていたとしても、明らかにその地元ではある組織をしょってふだん活動している方が、いや、これは個人だからと言ったところで、いやいや組織じゃないかと思われる部分もあるでしょうし、この辺り、本当にグレーな部分というのがたくさん出てくるんじゃないかなというふうに思ってしまう。だからこそしっかりと整備をしなければいけないんじゃないかと考えるわけなんですけれども、この辺り、どのように判断をしていくというふうに考えているんでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。 先ほども、中川先生からの御質問にも入っておりました。そして答弁をしたことではございますけれども、ちょっと繰り返しになるかもしれません。公務員でありましても、国民としての資格で賛否の勧誘、意見の表明を行うことは広く認めるべきだけれども、もう一方の要請として、公務の中立性、公正性、それに対する国民の信頼、こういったものはやはり確保されなければいけない。この二つの課題をどう解決をしていくのかという点で大変いろんな問題が出されました。結果として我々は、やはり純粋な国民投票運動に限ってこれを許容する、他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合は許容の範囲外としたところでございます。 その上で、御指摘のような、純粋な国民投票運動とそうでないものをどうやって切り分けていくのかということにつきましては、現行法に照らして禁止されている他の政治的行為を伴っているかどうかのみ着目をすればいいのであって、そのような行為の存在が認定できれば、それは今回の改正案でも許容できない行為となるというふうに理解をしております。 そして、純粋でないものということで例示をいたしました点は、これは国家公務員法、そして人事院規則、そして地方公務員法それぞれに書いてあるわけでございますが、やはり特定の政党、個人あるいは内閣の支持、さらには政治的な方向性に影響を与える、そういったもの、このことについてはやはり純粋ではないというふうに当然判定がされますので、それはこれまでの判例にもありますし、このものをやはりきちんと国民投票運動においても適用することは十分に可能であると思っております。
○清水貴之君 最後に馬場議員に一点お聞きしたいんですけれども、投票年齢が引き下げられるということで、今後は、そういった法律に関する、若しくは憲法に関する、政治に関する教育というものが非常に大事になってくるんではないかなというふうに考えますが、今後、投票年齢引き下げられることに伴う憲法教育の重要性についてお聞かせいただけますでしょうか。
○衆議院議員(馬場伸幸君) 今、清水議員の方から重要な御指摘をいただいたと思います。 憲法教育の重要性というものは非常に私も思っておるところでございまして、現行は、小学校の学習指導要領の社会、中学校、高校の指導要領の中に一応日本国憲法の三大原理を始めとして憲法に関して一定の記述はあるところであります。しかし、私の体験を振り返ってみても、きちっとしたそういう教育がなされていたかと、私も余り出来のいい方ではありませんでしたけれども、そういう記憶が全くございません。 要するに、大切なのは、指導要領に記述があるということではなしに、本当に実を伴った内容の憲法教育がなされているかどうかという点であると思います。これは教育全般に波及する問題と考えられますが、十八歳投票権を機として、児童生徒が日本国憲法に関する正確な知識を得、その前提として憲法に対する興味をかき立てられるよう、我々としても関係法制の整備に向けて積極的に提案していくことも含め努力していきたいと考えております。 以上でございます。
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。 来年の八月十五日で戦後七十年となるわけですが、初めの焼け野原から復興が始まった頃、その後の米ソを中心としました冷戦の下で日本が高度の経済成長を成し遂げた頃、そして今の、米国の軍事力が低下しまして、日本の経済が低迷し、東アジア情勢が非常に複雑さを増しているという現在とでは、当たり前のことですけれども、国の政策や法律は大きな変化があってしかるべきだと考えております。 しかし、日本国憲法は、国家の基本を定める最高法規とはいえ、施行後六十八年、一度も改正がないというのが現状です。日本には変化のないことを一つの美学と捉える向きもありますけれども、歴史を見ても自然界を見ても、変化なしに生き延びることができたものは一つもないと私は思っております。 みんなの党は、国民の手に政治を奪還するという基本精神の下、結党以来、様々な政策を提言してまいりましたが、国の形を見直すための憲法改正もその一つだと考えております。そういう意味では、今回の国民投票法の改正は、七年もの間立ち止まっていた憲法改正に必要な法整備を進めるもので、とても重要であります。 みんなの党は、共同提出者になりまして、衆議院で賛成票を投じました。しかし、我々が提案してきたものと比較しますと、あと少し踏み込むべきではないかと思われる部分が幾つかありましたので、今日はその点を中心に、三谷英弘議員を中心に御質問をしたいと思っております。 さて、言うまでもなく、憲法改正は将来にわたって国の在り方を方向付けます。そのため、日本の未来を担う若者たちに考えてもらい、参加してもらい、可能な限り意見を取り入れる必要があると考えております。諸外国の例を見ても、国民投票の制度があるG8の六か国では、日本以外の五か国で十八歳以上に投票権を認めています。また、その他の主要先進国でも十八歳以上としている国が大半であり、世界の趨勢となっているわけです。 みんなの党としても、かねてから投票権年齢を十八歳以下に引き下げるべきだと主張してまいりました。今回の改正では、十八歳への引下げは決まったものの、四年後ということになってしまいました。この結論に至るまで発議者の間ではどのような議論が行われ、どのような経緯でその結論に達したのか、教えていただければと思います。
○衆議院議員(三谷英弘君) 松田委員の御質問にお答えさせていただきます。 おっしゃるとおり、みんなの党といたしましては、以前から国民の手に政治を奪還するということが党のポリシーとして決まっておりまして、その中で、しっかりと国民一人一人の声というものを政治の世界に反映させることを主眼として活動してまいりました。その中で、この投票権年齢、選挙権年齢、御質問のまずは投票権年齢からということになりますが、当然ながら、政治的な行為というものについて、そしてその声というものを国政そして憲法改正に反映させるべきという観点から、できるだけ早期にこの投票権年齢を認めるべきだというようなことを考えさせていただいております。 その意味では、この十八歳というものを四年後ということではなく、速やかに十八歳ということを求めてきたわけでございますが、しかしながら、今回の憲法改正国民投票法の改正案というものについては、これはできるだけ多くの会派の賛同を得たいという自民党船田議員の提案もありまして、我々としても憲法改正というものは今の現状の中では極めて重要なものであるという認識から、この点について意見が相違をするからといって、じゃ、この憲法改正国民投票法案に乗らないかというと、そういうことはなかなか難しい、むしろそのことによるデメリットというものは大きいのではないかというような判断から、我々みんなの党といたしましては、今回に関しては、投票権年齢は十八歳というものが四年後であるということであっても乗ることにしたということではございますが。 しかしながら、今回の法案の中で前回と何が違うのかというと、この投票権年齢と選挙権年齢というのはリンクをさせていないということでございます。投票権年齢、そして選挙権年齢、これは同じ参政権グループに属するというものでございますから、当然ながら一致していることが当然に望ましいわけでございますが、そのことによって進まなかったという過去の例もありますので、まずは四年後ということで、こちらとしてもある意味手を打たせていただいて、四年後には確実に少なくとも投票権年齢が十八歳に引き下がるということの中で、そのほかの議論というものも他党の皆様と議論をさせていただこうというふうに考えている次第でございます。
○松田公太君 ありがとうございます。 今の御答弁の中に選挙権年齢についての話も既に一部入っておりましたので、本日も各委員から、また発議者の皆さんからもこの点については話が出ておりますので、ちょっと二番目の質問、質問通告しておりました部分は割愛をさせていただきまして、三番目のドメイン投票制についてお聞きしたいというふうに思います。 選挙権年齢の引下げは選挙権を拡大するものなんですけれども、選挙権の拡大という意味においては、ドメイン投票制の導入という議論もしばしばこれは有識者や国民の間でも出てきているわけです。 ドメイン投票制とは、投票年齢未満の子供たちに対しても権利としては投票権を与え、それを親が代理で行使するということを認めるというものでございます。この制度は国民投票にも導入できるものであると私は考えておりまして、その場合は、今回の法改正の目的である投票権の拡大を強力に推し進めることにつながるのではないかなというふうに思っております。 国民投票法の改正に当たっては、ドメイン投票制についての議論というものは何かされたのか、教えていただければと思います。
○衆議院議員(三谷英弘君) お答えいたします。 このドメイン投票制、非常に面白い、そしてこれから検討すべきそういうテーマではないかというふうに考えております。今まではどうしても、これからの政治を考える、次世代のための政治を考えるということを言いましても、その声というものを発露する場所というのが若い、特に未成年者には与えられてこなかったという構造的な問題を解決する一つの例ではないかというふうに考えております。 その意味では、今まで発議者の中で具体的な議論というものは残念ながらすることはできませんでしたが、しかしながら、実は衆議院の方の参考人の質疑の中で、高橋参考人の方からは、赤ん坊から一票あげて、それを母親ないし父親が代理で投票する法制度というものがあってもいいのではないかという提案も既にいただいているところではございますし、私自身はこれに参加しなかったわけではございますが、昨年行われた憲法審査会のメンバーによる海外派遣の中では、ドイツでは、もう既に全ての生まれた子供たちに、ドイツ人のですけれども、選挙権を与えた上で親が代理投票するという法案、まさにこれドメイン投票制ですが、この法案が超党派で国会に提出されたというような事例もございます。 そういう議論をこれから行っていくということが極めて重要ではないかと。特に投票権そして選挙権に関しては、これは衆議院の方で私そして枝野議員の方から話をしたことでもございますけれども、例えば納税額によって投票権を認めていくということは、その納税していない人たちから選挙権を認めろという声は出しやすいわけです。また、男性にしか投票権を与えていないという状況では、女性というカテゴリーから投票権をくれという声はこれ出やすいわけです。 しかしながら、若年者にどのように投票権を与えるかということについては、それはカテゴリーとしては、投票権がないカテゴリーとしてはこれ明確なんですけれども、数年たてばみんな成年してしまうという意味では、大同団結して権利をくれ、くれということを言うことが構造的に難しいグループなんです。そういう人たちに対してどのように権利を与えていくのかというのは、まさにこれは政治の役割だというふうに考えておりますし、いろんな声があることは十分認識をしておりますけれども、しかしながら、我々みんなの党としては、そういうような声をしっかりと受け止めて、まさに国民の手に政治を奪還する、その一環として、若い方々に政治を開放するということも進めてまいりたいと、このように考えております。
○松田公太君 国民投票の権利自体は全国民が持っているという声をしっかりと受け止めて、是非発議者の間でも議論をしていただければというふうに思います。 引き続き、次の質問に移りたいと思いますが、国民投票の対象拡大の必要性についてお聞きしたいと思います。 国民投票の対象の拡大も国民投票法の宿題とされていたわけですけれども、今回の改正では先送りされまして、合意事項でも「衆参の憲法審査会の場において定期的に議論されることとなるよう、それぞれの幹事会等において協議・決定する。」という弱い内容になっております。 みんなの党では、かねてより、国民本位の政治を実現するために国民投票の対象を拡大して、国の重要政策についても民意を問うことができるようにするべきだと主張してまいりました。現在、そのようなことができないため、例えば郵政民営化のときがそうであったように、衆議院の解散・総選挙が一つの政策についての民意を問う手段とされてしまっている状況です。しかし、選挙でのワンイシューを問うというやり方は弊害を生む可能性があるということは、審査会の皆さんもよく御認識されていることだと思います。 そこで、発議者三谷英弘議員にお聞きしますが、国の未来を変えるような大きな問題については、国民にもその決定に参加していただくために国民投票を実施するべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(三谷英弘君) お答えいたします。 今御指摘いただいたとおり、そもそも、みんなの党のアジェンダ、政権公約の中に、少なくとも国民投票というものを導入するべきだということは挙げさせていただいております。様々な政治的な課題というものをどのような形で処理をしていくのか、我々みんなの党としては、国民の声をしっかりと政治の世界に反映させるという観点から、重要な政策課題についてはしっかりと国民投票というものを行うべきだということを以前から一貫して主張させていただいているわけでございます。 今回の憲法改正国民投票法案の中では、一般的な国民投票についてのその定めというものはこれは記載をしておりませんが、それはあくまでも、そういった一般的な国民投票というものを諦めているわけではありません。そうではなく、しっかりと、この八党の中で確認書という形で合意をさせていただきましたけれども、定期的に衆参の憲法審査会の場において議論するということの中でこの必要性を理解を広めていくと。 そして、先ほど船田議員からも答弁の中でお答えありましたけれども、これは以前の憲法改正国民投票法案の中での附則とは違いまして、「の有無」というものが取り除かれたというものは、一歩もう既に次元が進んでいるんだというような状況でございます。そういったものをこれからしっかりと各会派議論をして、一刻も早いそういった国民投票法案というものをその制定に向けて努力を続けてまいりたいと、このように考えております。
○松田公太君 ありがとうございます。 次の質問は、国民投票を行うべき重要政策についてお聞きしたいと思ったのですが、ちょっと時間の関係もありますので、それを後回しにさせていただきまして、次に、憲法九十六条についてお聞きしたいと思います。 本法案が通れば、憲法改正を国民に提案した後の承認手続、つまりは国民投票について実施のための具体的な道筋が固まるわけです。しかし、そこに至る手前の前段の手続、すなわち国会の発議の部分については、憲法九十六条が定めます各議院の総議員の三分の二以上の賛成という、余りにもこれは言ってしまえば厳しいハードルがあるため、実現が厳しい状況のままではないかなというふうに考えております。 国民投票の手続は、国会の発議がなされる現実的な可能性がなければ意味を持たないのではないかなというふうに思っているわけですけれども、発議者の間では、このある意味入口の部分ですね、国民投票が出口だとしましたら入口の部分の国会での発議、九十六条の定めるこの厳しい要件についての何か議論は行われたのでしょうか。
○衆議院議員(三谷英弘君) お答えいたします。 今回の憲法改正国民投票法案の議論の中では、この点についての明示的な議論というものは行われておりませんでした。しかしながら、みんなの党といたしまして、今回の憲法改正国民投票法というものをしっかりと改正をしていくというときには、当然ながら、それに引き続いて憲法改正というものが具体的な俎上に上ってくるということは理解をしております。 しかしながら、現在の九十六条というものが、各議院の三分の二以上の賛成というものは、これは余りにも要件としてハードルが高過ぎるということは、これは松田議員の御指摘のとおりではないかと考えております。その意味で、政党として、この要件の緩和というものを今訴えさせていただいているところでございます。 憲法というものは、不磨の大典、決して変わってはいけないものではない、時代に応じて変えていくというための具体的な手続論、これを進めてまいりたいというふうに考えております。
○松田公太君 ありがとうございます。 国会の発議についての九十六条の要件というものは、憲法改正に立ちはだかる大きな壁であると考えておりまして、それが国民の手からある意味憲法を遠ざけてしまっているのではないかなというふうにも考えているわけです。改正の検討は必要だと、そういう意味でも思っているわけです。 ただ、忘れてはならないのは、これは私どもも政策の中でもずっと訴えてきているわけですが、その前に、九十六条の改正の前にやるべきことがあるということなんですね。それは、選挙制度や政党を含めた政治改革でありまして、また中央集権の打破だというふうに考えているわけです。それを念頭に今後も九十六条の議論を続けていただければと、このように考えております。 引き続きまして、ネット選挙についてお聞きしたいと思います。 今回の国民投票法の改正は若者の政治参加を促すという意義があると思いますが、それは選挙においても、当たり前ですが、重要です。 少し、ちょっと話がそれてしまうんですけれども、私、選挙期間中のインターネット解禁を実現するためにつくられた各党協議会、これはインターネットを使った選挙運動解禁に関する各党協議会という名前であったんですが、そこのメンバーをさせていただいているわけです。解禁の機運を高めるために、みんなの党としては、二〇一二年に単独で議員立法、二回法案提出を行っております。こういった動きが多少なりとも、このインターネットを選挙期間中解禁するということへの道筋をつくることができたのではないかなと考えております。 ネット選挙は昨年の参議院選挙を機に解禁されたわけですけれども、公職選挙法では未成年者の政治運動が禁止されているんですね。そのため、未成年者は、候補者のメッセージ、SNS、例えばツイッター、これをリツイートすることもできないという状況が続いているわけです。それを守らなかった場合は、罰則として一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金という刑もあり得るわけです。これではなかなか若者、政治参加、逆に若者を萎縮させるだけで、なかなか参加を促すということはできないのではないかというふうに考えております。 この国民投票法とはちょっと話が違うということは重々承知の上でお聞きしたいと思っているんですが、例えばインターネットに関しては年齢制限をなくすということを考えてもよいのではないかなと思っているんですね。これについて、国民投票年齢の引下げということが発議者の間で十分議論されたというふうに思うわけですが、そういった御意見、参考までに、どのような話があったのかということをお聞かせいただければと思います。
○衆議院議員(三谷英弘君) この国民投票運動に関しては、そもそも未成年者による国民投票運動を禁止する規定はないということでございますので、この年齢の引下げというものによって、実際に投票できるかどうかというものにはかかわらず、国民投票運動として、そしてインターネットを使うということも自由にできるというような状況が憲法改正については実現できるというわけになることでございます。 一方で、公職選挙法に基づく選挙権年齢、その引下げと絡んで、どういったインターネットを使わせるか、どういったことまでさせるかということなんですが、実は、公職選挙法に基づく、未成年者に何で政治運動、選挙活動をさせないかというこの根拠ですが、これ、コンメンタールによりますと、心身未成熟な未成年の保護をするために設けられた規制だと。これ、もうちょっと具体的に言うと、か弱い子供に低頭哀願させることが児童虐待につながるということを懸念したと、そういう観点から、未成年者の選挙運動をこれはやらせないということだそうなんです。だとすれば、インターネットでリツイートするだの何だの、そういったことが児童虐待に果たしてつながるのかという、これを考えれば、そういうふうにはならないだろうとはこれはもう普通に考えられるのではないかというふうに考えておりますので、一般的な選挙運動の中でインターネットというものは別異に取り扱うことはできるんじゃないかということは、これは説明をすれば各会派から理解をいただくことはできるのではないかと、そのように考えているところでございます。
○松田公太君 ありがとうございます。 時間となりましたので、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○会長(小坂憲次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会