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186回国会参議院2014/06/09

決算委員会 第10号

発言数
307
登壇者
36
会派数
7
開催日
2014/06/09

会議録

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る六日までに、渡辺美知太郎君、新妻秀規君、森屋宏君、仁比聡平君、大沼みずほ君、三木亨君、宮本周司君、田村智子君、藤巻健史君及び柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君、平木大作君、古川俊治君、柳本卓治君、山谷えり子君、中西祐介君、辰已孝太郎君、井上哲士君、儀間光男君及び真山勇一君が選任されました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題とし、本日は締めくくり総括質疑を行います。  まず、私が決算委員長として若干の質疑をいたします。  冒頭、この場をお借りいたしまして、昨日薨去された桂宮宜仁親王殿下に対し、謹んで哀悼の意を表します。  国の債務残高は、ついに一千兆円の大台を超え、本年三月末時点で一千二十四兆円にまで膨らんでおります。リーマン・ショック後の大規模な経済対策や震災復興に伴う大量の国債発行という事情はあるにせよ、僅か五年で百八十兆円も増加しており、その急増ぶりが顕著となっています。また、国債の償還や利払い費に充てる国債費は、二十四年度決算で二十一兆円と一般会計歳出決算額の二割に達しており、金利が大きく上昇した場合の利払い費の急増も懸念されています。  政府は、財政健全化に向けた取組として、昨年八月の中期財政計画の中で、三十二年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げていますが、内閣府の名目経済成長率三%のシナリオであっても、三十二年度の黒字化は困難と試算されており、更なる収支改善努力が求められています。  このような厳しい財政状況の下、本委員会における決算審査を来年度予算に反映させ、無駄な支出を減らし、効率的な予算執行を行うことが求められますが、総理の御所見を伺います。また、財政健全化への取組について、国民への説明責任を果たした上で、国民の理解を得る努力をする必要があると考えますが、総理の御所見をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問にお答えをする前に、政府として、桂宮様の御逝去について一言申し上げさせていただきたいと思います。  桂宮宜仁親王殿下の御訃報に接し、悲しみの念を禁じ得ません。  殿下は皇族として皇室の諸行事に御参列になられるほか、農業及び林業の振興、伝統工芸の支援等、様々な分野にわたり幅広い貢献をしてこられました。  殿下が御自身リハビリにお努めになる中、皇族としての役割を果たされるお姿に、国民は敬愛の念を抱き、御回復を祈っておりましたところ、思いもむなしく御薨去されましたことは、誠に哀惜に堪えません。  皇室を始め、御近親の方々の深いお悲しみを拝察申し上げ、ここに国民とともに謹んで心から哀悼の意を表します。  それでは、委員長の御質問にお答えをいたします。  国会における決算の審議は、施行された予算が所期の目的を果たしているかなどについて御審議いただき、その後の予算編成へと反映させていくものであり、極めて重要なものであると認識をしております。政府としては、従来より国会での審議内容や決算結果等を踏まえて予算編成を行ってきたところでございますが、引き続き、翌年度の予算に適切に反映するとともに、予算の効率的な執行に努めてまいりたいと思います。  また、我が国の財政については、GDPの二倍程度という巨額の公的債務が累積するなど、厳しい状況であります。  政府としては、デフレからの脱却と経済再生に取り組むとともに、財政健全化のため、国、地方の基礎的財政収支について、二〇一五年度までに赤字の対GDP比の半減、二〇二〇年度までに黒字化との目標の実現を目指しています。  引き続き、厳しい財政状況や財政健全化への取組について国民の皆様に丁寧に御説明しながら、歳出歳入両面の取組を強化していく考えであります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 次に、東日本大震災の発生から既に三年が経過し、被災者が従前の生活に一刻も早く戻れるよう復興を更に加速させることが急務となっています。  しかし、本委員会の質疑等において、その妨げとなる課題が浮き彫りになりました。例えば、被災地における建築資材の不足や人件費高騰に伴う入札不調に加え、被災地で復興事業の実務を担う自治体職員の慢性的な不足が要因となり、復興予算が円滑に執行されず、復興事業が遅れていることなどが取り上げられました。また、被災地における災害公営住宅の整備状況は、本年三月末時点で計画の一割程度にとどまっており、被災者の住環境の改善が進んでいない点も指摘されております。  今後、被災者の意向に沿った復興事業が一層推進されるよう、また、入札不調、職員不足等の課題を解決するため、物的かつ人的側面から国の強力な支援が必要不可欠であると考えます。この点につき、総理の御所見をお伺いします。また、安倍総理が進める財政政策により、全国規模での公共事業が展開される中、被災地での復興事業をどのように優先させていくのか、その具体的な方策についてお示しを願います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災からの復興は、安倍内閣の最重要課題であります。政府としては、被災地の課題や事業の隘路などを丁寧に把握し、五度にわたる加速化策を打ち出してきました。  この中で、復興事業を優先的に進めるため、資材の不足への対応として生コンクリートプラントの増設などを行うとともに、被災地の人件費の上昇傾向や入札の状況などを踏まえ、被災地における労務単価や間接工事費を引き上げてきたところでございます。また、職員不足に対応するため、全国の自治体からの派遣体制の強化や公務員OB等の活用など、物的側面、人的側面から多岐にわたる対策を講じているところであります。  こうした中、現在、高台移転や災害公営住宅の建設が進み、福島県で避難指示解除の動きが始まるなど、復興は着実に進んでいると考えておりますが、なお二十六万人の方々が避難生活をされているなど、復興はいまだ道半ばであります。  今後とも、復興のステージが上がるたびに見えてくる課題について、現場の声を丁寧に伺いながらきめ細やかに解決を進めていくなど、被災地の方々が一日も早く普通の暮らしに戻れるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 最後に、社会保障予算をめぐっては、平成二十四年度決算におきまして一般会計歳出決算額の三割を占めるまでに増加したほか、本年四月には、社会保障の安定財源を確保するために、消費税率の引上げが行われるなど、国民の関心が極めて高くなっています。  こうした中、施設整備交付金により整備された地域密着型介護施設について、その約八割の施設で利用が低調となっており、四十三億円の国費を投じた施設整備の効果が十分上がっていないことなどが明らかとなりました。また、子育て支援策として保育所の整備が急ピッチで進み、保育の量が先行して拡充される一方で、来年度から開始される子ども・子育て支援新制度につきましては、四千億円程度の財源が不足するとされており、保育の現場を担う保育士の処遇改善など、保育の質の向上が後手に回るおそれがあります。  少子高齢化の急速な進展と財政の厳しい現状に鑑みれば、介護施設整備などの社会保障予算については、適正かつ効果的な執行が強く求められておりますが、総理の御所見をお伺いします。また、子育て支援につきましては、とりわけ保育の質の向上をさせていくため、必要な財源を確保することが求められておりますが、総理の御所見をお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 急速な少子高齢化の下、年々増えていく介護や医療などの費用を賄うとともに、子ども・子育て支援を充実していくことは重要な課題であります。このような中で、国費を投じて整備した介護施設の利用が低調であるとの指摘を受けたことは重く受け止めております。  政府としては、これらの施設の活用促進を図るとともに、今後はサービス需要の把握を徹底した上で必要な介護基盤の整備を進めるなど、社会保障予算の適正かつ効果的な執行に努めていく考えであります。  また、政府としては、平成二十七年度から施行予定の子ども・子育て支援新制度に基づき、子育て支援の質と量を充実することとしております。このための財源の確保については、消費税増収分はもとより、それ以外のものも含め、しっかりと対応していく考えでございます。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 以上で私の質疑を終わります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 おはようございます。自由民主党の熊谷大でございます。  桂宮様の御逝去に対して哀悼の誠をささげながら、質問に入らせていただきたいと思います。  本日は、民主党政権下で編成された二十三年度、二十四年度予算の決算の締めくくり総括の日であります。三月三十一日から毎週月曜日、朝の十時から時に夕方十八時過ぎまで審議してまいりました。省庁別審査の答弁に立たれた閣僚の皆様に感謝すること大でございます。特に、愛知治郎復興そして財務副大臣におかれましては、腰痛を抱えながらも毎回御出席いただきまして、本当にありがとうございます。  三年三か月前に東日本大震災で被災した東北の代表の一人として、昨年の十一月二十五日の決算委員会では、二十四年度決算で明らかになった復興予算の不用額について指摘いたしました。また、再度確認ではありますが、参議院は決算重視でありまして、ここで過去の予算執行について審議をいたしまして、有効に税金が使用されていたのか否かを確認し、もし無駄や違和感がある予算であれば、大いに議論いたしまして次の予算編成に役立てていくというのが役割でございます。  本日は、二十三年度、二十四年度決算で表れた復興予算分野での数字の指摘を行いつつ、東北の未来に投資していこうという趣旨で質疑を行いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  では、資料とパネルを用意させていただきました。(資料提示)  平成二十三年度、二十四年度の二年間で二兆円強の不用額がまた出ております。不用額とは一体何ですか、その定義を教えてください。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  定義、通告いただければ正確な定義をお話しさせていただいたんですが、単純に、その年に使わなかった予算と考えております。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 不用額、結局は使わなかったと。繰越しもして予算編成してその年度内では使えなくて繰越しした、でも、その繰越しした分も除いても、結局は使わなかった予算でございます。それが二十三年度、二十四年度で二兆円を超えるということをパネルでもお示ししております。  不用額がこれだけ出た中で、三年三か月前、最初の五年間で、民主党政権下では、少なくとも十九兆円程度の、復興予算としてその額が見込まれるということを試算いたしまして、その十九兆円という枠の中で、二十三年度決算、そこで使われた額は九兆円、二十四年度決算で表れた数字は六・三兆円、これ、合計十五・四兆円です。復興期間は十年と考えられ、最初の五年を集中復興期間と位置付けて予算の多くを投入しております。しかし、予算不足が見え隠れいたしまして、自公政権に替わって二十五兆円に拡幅いたしました。  しかしながら、これはちょっと飛び越えるんですが、二十五年度の予算と補正、その決算で五・二兆円という額が出てきて、二十六年度の当初予算では三・六兆円が計上されました。これを合計すると九兆円でございます。  二十三年度から一連の額を足していきますと、二十五兆円中二十四兆円が復興期間十年の最初の四年で費やされております。前半五年の集中期間が終了しても財源はしっかり確保されるのか、被災自治体にとっては最大の心配で、そして懸案事項であります。  御存じのとおり、被災地では、先ほど委員長の質疑からもありましたが、資材の高騰、人手不足、用地収用、買収の困難さ、入札不調が相次ぎ、思うように復旧ですら進んでいない部分が多々あります。  平成二十三年度における復興予算の執行率は六〇・六%にとどまり、二十四年度については六四・八%であります。公共事業を例に取れば、平成二十三年度で予算の額は三兆円、それに対して執行額は五千億円、執行率は一六・八%。この執行未遂額のうち一・八兆円が翌年へ繰越し、八千億円が不用額であって、二十四年度はやや執行率が上昇したものの、執行率は三九・五%にとどまっております。  例えば、私は宮城県出身ですので宮城県の例を引きますと、防災集団移転は九〇%着手いたしました。しかし、九%しか完成を見ておりません。土地区画整理事業は七九%認可をいただきましたが、着手はまだ三%のみであります。こうした状況下で、もし財源が枯渇するようなことがあったらと心配が尽きません。そういった分野は基金化しているということで指摘されるんですけれども、不安は払拭できないような状況です。  もう一つ例えれば、被災した病院の再建についてであります。石巻市立病院は、基本設計段階で概算約七十億円と見積もっていましたが、実施設計段階の積算では約百四十億円、中身は何もグレードを上げておりません。南三陸町の志津川病院も、南三陸病院総合ケアセンターと名称を変えての再建でありますが、同じ状況です。気仙沼市立病院も場所を安全な場所に移転して建て替えを計画しておりますが、もろもろの労務費、資材費などの高騰で入札が不調に終わっております。  復興集中期間後のこの財源について、東日本大震災復興特別交付税など地方財政措置について、又は東日本大震災復興交付金、これが、復興事業がしっかり完成するまで、総理からしっかりした答弁をいただいて、被災地の自治体、そして被災者を安心させていただきたいと思います。財務大臣、総務大臣、そして復興大臣にもお尋ねしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 復興予算については、第二次安倍政権発足直後の二十五年度予算編成においては全体の復興事業費が復興財源を超える見込みでありました。そのため、復興財源に関する不安を払拭する観点から、平成二十七年度までの集中復興期間における復興財源フレームを十九兆円から二十五兆円に拡大をしたところであります。  そして、平成二十七年度においても復興予算においては必要額を措置するとともに、更なる財源確保の必要が生じた場合には、平成二十七年度予算編成において適切に対応してまいります。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御心配のところは二十七年度のところなんだと思いますが、東日本大震災からの復興というんで、東日本大震災からの復興の基本方針におきまして、復興期間というものを平成三十二年度までの十年間ということにした上で、復興財源というか、復興の需要が高まります当初の五年間を集中期間ということで、二十三から二十七年度と位置付けておりますが、事業の進捗などを踏まえて、集中復興期間後、平成二十八年から三十二年度の施策の在り方を定めていくということにいたしております。  現在、震災から三年が経過をいたしておりますが、震災、津波からの復興につきましては住宅再建などの土木工事が本格化をいたしているところであります。また、福島の復興再生では、早期の帰還、長期避難者の生活拠点の整備に向けた各種事業が本格化するなど、復興は今新たなステージに移行しつつあると考えております。こうした復興の動きを更に加速をし、集中復興期間におきまして被災地の一刻も早い復興を目指すということがこれは最も重要と考えております。  その上で、集中復興期間後の平成二十八年度以降の復興事業というものにつきましては、進捗状況なども踏まえて、その財源を含め、その在り方について検討することになろうと存じますが、被災地の復興に真に必要な事業というものについては、しっかり実施できるように取り組んでまいりたいと考えております。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) この復興基金につきましては、単年度予算の枠に縛られずに弾力的かつ細やかに対処できる資金ということで用意しているわけであります。  これまで千九百六十億円を措置しておりますが、まだ残金もございます。それは、仮に平成二十七年度までの集中復興期間後にまだ残余があるとするならば、それは引き続き使えると、こういうことで、財源の不足のないようにしっかりと対応したいというふうに考えております。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 財務大臣が丁寧に答えていただきました。私も復興大臣ですから、復興加速、しっかり取り組みたいと思いますし、財源についても、要は復興に真に必要な事業がしっかりと執行できるように対応していきたいとは思います。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 ありがとうございます。  被災自治体は本当に心配、不安を持っておりますので、是非内閣の取組をこの後も、二十七年度以降も示していただけたらと思います。  続いて、二番目の質問でございます。  自民党は、震災時、三・一一の頃は、三年三か月前は野に下っていました。その期間でも大変多くの仕事をさせていただいていたと思います。その一つが、二年前、自民党青年局が始めたチーム・イレブンであります。当時、青年局長でチーム・イレブンを始められた小泉政務官の被災地に懸ける思い、これは御自身でもライフワークと捉えていると思います。是非、政務官の思う、なぜチーム・イレブンを始めたのか、そのチーム・イレブンの意義は何か、そのチーム・イレブンの意義が今政府に入られてどのように生かされているのかを教えてください。

小泉進次郎自由民主党内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(小泉進次郎君) 熊谷委員におかれましては、私が自民党の青年局長時代に青年局長代理という形で大変力強く支えていただきまして、また地元の宮城の現状についていろいろ洞察の深い御意見を私に対して常に与えてくれました。お礼を申し上げます。  私がチーム・イレブンを始めたのは、難しい理由は何もありません。単純に、あの震災、原発事故、これは私たちの世代にとっては戦争と匹敵するような、日本の歴史が変わるような、そういったターニングポイントだと、そういった思いがありましたので、今何かをしなくていつやるんだと、そういった思いでチーム・イレブンという、毎月十一日に被災地を訪問して現場の声を吸い上げて、野党であってもこれを与党に対して実現に向けて働きかけていこうと、そういった思いで立ち上げた動きであります。  今、熊谷先生の右手首、そして私の右手首にシリコンバンドがありますが、その刻まれた言葉にあるように、継続は絆なり、これからも継続して、今、私の後任の松本洋平青年局長は、引き続きこの毎月十一日の事業を継続していただいておりますので、これからも松本チーム・イレブンの活躍に期待をしております。  ありがとうございました。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 小泉政務官、本当にありがとうございます。  小泉政務官とともにチーム・イレブンで被災地を回っているとき、私は常に小泉進次郎さんが被災地の太陽のような存在であるということを言い続けておりましたし、今でもその気持ちは変わっておりません。というのは、被災地は、被災者はみんな暗い顔をしているんですね。それを、小泉政務官が現れた瞬間にぱっと笑顔になる、まるで本当に太陽を浴びたかのように笑顔に変わっていくということで、私は小泉さんは被災地の太陽というふうに呼んでおりました。また、その思いで、政府に入られても頑張っていただきたいと思います。  今、小泉政務官からあったように、チーム・イレブンの活動、今は松本洋平局長に替わりまして、様変わりもいたしました。というのは、チーム・イレブンの活動、震災から三年三か月になって、大変、被災地そして被災者のフェーズも、様相も変わってきたということがございます。  そこで、チーム・イレブンは、復旧復興、その現場の状況をヒアリングするのみならず、今回はテーマとして自立を盛り込んでいこうというふうに私は考えて行動しております。  御存じのとおり、被災地は人口減少、高齢化、産業の空洞化が深刻で、復興の足かせとなっております。被災地はどこでも、病気で例えれば、大けがをして又は大病を患って、何とか一命を取り留め、徐々に回復して、車椅子生活であったり松葉づえをついている状態であります。そこにリハビリを施し、日常に戻っていくには、目標を示して、そこにみんなで全力で向かっていく、それが最も今の被災地に必要であるとチーム・イレブンを通して実感しております。  その考えの下に、チーム・イレブンのテーマに自立を入れました。なぜなら、本当に批判を恐れずに言えば、被災地を訪問すると、国や政府や周囲からの介添えも必要であることは確かなんですけれども、だんだんとその介添えしてくれる者に対しておんぶにだっこになってきつつあるんじゃないかな、復興を担うに当たって何やらやや受け身になりがちになっていないかなというふうに感じるところがあります。また、若い世代が被災地を訪問させていただけば、どのように対応していけばいいのかということで、経験もないこともございます。  そうしたヒアリングを続ける中、そうだと。我が国は別名災害大国でありまして、過去に災害で大きな打撃を受けながらも、何とか歯を食いしばり復興を成し遂げた場所がたくさんございます。その復興を成し遂げた場所に訪れて、政策決定者に会い、どのような経験をされたのか、政策的課題とその背景、またそこから引き出される教訓を学び、それを東日本大震災の復旧そして復興、自立に役立てていこうと今活動しております。  自立をテーマとしたチーム・イレブンの第一弾は、十九年前に起こった阪神・淡路大震災の経験を学びに神戸へ足を運び、当時陣頭指揮を執られた貝原前知事に話をお伺いいたしました。また、意見交換をさせていただきました。  貝原前知事との意見交換会で最も印象的であったのが、創造的復興とは何だったのかというくだりでございます。当時、兵庫県は何をつくり上げ、これは大変失礼な質問だったんですけれども、何を失ったのかということを問うてまいりました。貝原前知事がおっしゃっていて、やり残したと思うことはこうだと、当時ずっと神戸を経済特区に指定してほしいと国に依頼していた。どんな内容の特区かと聞いたところ、ポートアイランドをオフショアのようにドル決済ができるようにするとか、又は外資系企業を誘致しやすいように規制緩和するとか、ちょうど中国の深センが行っていたような経済特区を神戸に導入したかったという話でございました。  当時の自社さ政権は、一国二制度は認められないと却下いたしました。理由は、神戸は震災に遭っても他の地域より充実した町であり、震災前に戻すことはするが、震災前以上に発展することは協力できないとされたと言われております。  頭の体操でございますが、もしそれが当時の政策決定者に却下されず受け入れられていたら、今の日本、十九年後の兵庫県はどのようになっていたのかなと知的興奮を抑えられないような状況でした。  例えばですが、神戸の発展は海の時代を背景に重厚長大型の産業で近代的発展を成し遂げてきました。では、今は、海から空の時代、又は空から宇宙の又は海洋の時代に移っているのかもしれません。そうした時代認識を見据えた復興こそ創造的復興なんだなと改めて実感した次第でございます。創造的復興とは、まさに二十年後、三十年後を見据えながら捉えていかなければならないというふうにその話から感じた次第でございます。  被災地の自立や東北の未来を考えたときに、今リハビリ的な試みをまさにしているところでございます。その一つがバイオマス事業の研究であります。その少し先の未来を見せてくれるオーランチオキトリウム、藻類バイオマスと言われている研究でございますが、それは何か、端的に分かりやすく説明、そして、予算、決算を含めて御説明ください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今年の四月に閣議決定したエネルギー基本計画にあるとおり、バイオマスを含めた再生可能エネルギーの研究開発の推進は重要であるというふうに認識しております。特に、藻類によるエネルギー生産については、オイルの生産能力が高いことなどから国際的に注目をされております。  文科省としては、本分野における基礎的な研究を進めておりますが、そのほかにも、被災地を藻類エネルギー生産の実証の場所というふうに位置付けまして、被災地が新たな環境先進地域として発展することを目指し、御指摘の研究開発を推進をしているところであります。具体的には、仙台市の下水処理場におきまして、オイルを生産する複数の藻類を下水処理プロセスに組み込み、効率的なシステムを構築する取組を、東北大学、筑波大学、仙台市が協力して行っております。  このような取組は我が国独自のものでありまして、この分野において国際的な競争力を高めていく上で重要なものであるというふうに考えております。文部科学省としても、本研究開発が期待どおりの成果が上げられるよう、今後もしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 ありがとうございます。  大変夢のある被災地発の研究になると予測されて、皆頑張っております。しかしながら、頑張っているんですが、予算が、これ平成二十七年度まで研究予算が付いているんですけれども、筑波大学、東北大学、仙台市が研究を行っているこの予算が何と一・七億円なんですね。将来、天然資源のない我が国が、そこからバイオマスをつくって石油を生成できるかもしれないという壮大な研究にもかかわらず、なかなか予算の拡充がないのかなと非常に残念がっております。  また、一番の競争相手はアメリカなんですね。アメリカは、国防省が担当して、将来このバイオマスをジェットエンジンに使えるようにするということで研究をしておりまして、バイオマス自体を二〇一六年から二〇二〇年にかけて燃料全体の半数を占めるようにしようという計画を立てております。  競争に遅れが出ないように、負けないように、つまり、実用化、二〇二〇年の実用化に向けて日本は頑張っておりますが、これ、この日本で行われている研究のスケールも五倍から十倍にする必要があると指摘されております。来年開催される国連の防災会議でも目玉になる復興のシンボリックなチャレンジだと捉えておりますが、この研究の予算、二兆円という不用額を鑑みても、こうした先進的なそして競争的な分野を、予算拡充に奔走すべきではないかと思いますが、文科大臣の御見解をお伺いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 復興集中期間後の平成二十八年度以降につきまして、東日本震災からの復興基本方針におきまして、事業の進捗等を踏まえて施策の在り方を定めるということにしておりますが、文科省としては、今、熊谷議員から御指摘があったように、本研究開発、期待どおりの成果が得られるよう積極的に取り組んでいきたいと考えておりますが、これについては関係省庁と連携しながらできるだけ御要望に沿えるように文部科学省としては努力をしてまいりたいと思います。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 ありがとうございます。  本当に天然資源のない我が国が、藻類、いわゆる藻の一種から、皆さんから出る、トイレから出るもので、それを食べてそれを石油に変えていく、ほかのオイルに変えていくという非常に壮大な夢のある事業ですので、それを何とか実用化に向けて頑張っていきたいと、取り組んでいくという姿勢を示していただきたいと思います。  次の質問に移ります。  先日、かなり衝撃を与えました日本創成会議の調査結果がございます。一般に増田ショックと言われておりますが、日本の三分の一の自治体が二〇四〇年には消滅可能性があると指摘されました。一千七百九十九自治体中八百九十六市町村で二十歳から三十九歳の女性の数が三十年間で半分以下になってしまうと。人口減少どころか消滅する町や市がわんさかとあります。私の母の出身地は秋田県なんですけれども、秋田県は九八%が消滅する、大潟村しか残らないというふうに試算、ここで示されました。  こうした極点社会のような未来予測を出されますと、冒頭で言及した沿岸部の被災自治体は、これ以上復興に税金を投入しても将来町が消滅するとされているんだから予算を投じる意義がないんじゃないかと言われかねません。そして、座して自然に身を任せるのか、アグレッシブにこの人口減少を止める努力をするのか、私は政府は後者であることを期待したいと思っております。  二十年後の東北地方の青写真を描いた場合、インターナショナル・リニアコライダーという言葉が出てきます。ILCと呼ばれておりますが、このILCとは何か、是非解説してください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 国際リニアコライダー、ILC計画は、全長約三十キロメートルの線形加速器を用いて電子と陽電子を高速に近い速度まで加速をし、衝突させる実験を行う学術研究計画でありまして、宇宙創成の謎の解明を目指すものであります。  ILCは、昨年発見をされましたノーベル物理学賞受賞のきっかけとなったヒッグス粒子の詳細測定を行い、現在の一般的な物理法則である標準理論の検証を行うことが期待されるなど、非常に夢のある計画と認識しておりまして、本計画に関しては、私としても、米国のエネルギー省長官とお会いした際、これまで三度意見、情報交換も行ってまいりました。  一方、巨額の経費を要する計画であること等も踏まえた検討をしっかり行うべきということを日本学術会議から指摘されておりまして、これを受けて、文部科学省内に有識者から構成する検討会を設け、実施の可否判断に向けた諸課題の検討に着手したところでございます。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 ありがとうございます。  建設国内候補地について、昨年の八月に、研究者によるILCの立地評価会議によって北上高地に一本化されたところであります。国は、日本学術会議の提言を受け、二年から三年掛けて調査検討いたしまして誘致の是非を判断するというふうにあります。  これ、ILC、リニアコライダー、よくリニアというとリニア新幹線が皆さん想像されるんですけれども、リニアコライダーって、その加速器という実験機の中の電子と陽電子をぶつけて宇宙の生誕、創成を探るという、非常にこれもドラスチックでアグレッシブな研究でございます。  エネルギー半島と呼ばれる下北半島から一番人口の東北で多い宮城県仙台市の中間地点にちょうどその国際学術都市がILCが決まれば形成されるかもしれない。これは、新しいグローバル都市をつくる、一つつくるということであります。加速器という実験施設に伴い研究者コミュニティーをつくります。その研究から派生する研究施設も数多く造られます。物つくりとイノベーションが同時並行で同じ都市の中で確立されると予想されます。  これは、ポスト東京オリンピック・パラリンピックの日本の成長戦略の柱の一つであります。なぜならば、アジア初の大型研究拠点であること、また東京以外に、地方にグローバル都市をつくるということ、もう一つは、イノベーションから物つくりへ、新しい産業へどんどんどんどん転化されていく、アイデア、企画、設計図から裾野の広い組立て分野まで一連の流れを都市内でつくれる、そうした利点が数多くあります。  しかしながら、こうした巨大プロジェクトを考えますと、今から準備をしておかなければならないことがあります。それは、もちろん教育であります。教育が行き渡ること、つまり教育の底上げでございます。  しかし、ここでも課題が残ります。国際学術コミュニティーに受け入れられるような教育環境が果たして、じゃ東北に今あるかと問われれば、これは自信がありません。これらの人材を育てていかなければならないし、また世界から優秀な人材に集まってもらうような町をつくっていかなければならないと思っております。  この二つの課題を同時に解決する方策が先日総理の口から出たと僕は思っています。それは何かというと、東北に新しい医学部を設置するということでございます。この総理の英断は、東北地方に根強くある深刻な医師不足とか過疎地域における無医村の解消とか地域医療の課題を解決するだけではありません。関係ないように聞こえますが、その新医学部の設置が決まってから、事児童生徒、学生の学習意欲、勉強に対するモチベーションというのは非常に高まっております。  ちょっと遠回しでまた例を挙げますが、最近の例では、例えばトヨタ自動車東日本株式会社が二〇一二年に設立されました。設立されてから、同地域、宮城の内陸部になったんですけれども、そこら辺の周辺の高校とか中学校の遅刻率が減ったり欠席者数が減ったり、又は学習意欲、勉強に対するモチベーションが上がったりしております。これはなぜかというと、子供たちはみんな憧れのトヨタで働きたい、憧れのトヨタに就職したいという目標ができたからであります。  しかし、教育環境の説明をもう一つさせていただきますと、今の教育環境で今までどおりと同じ、生徒のモチベーションとかに任せたままでありますと、これ従来の教育環境と変わりなくなると。変わりないということはどういうことかというと、例えば医学部を設置しても、受験エリートと呼ばれている関東圏やまた関西圏の子供たちがそこを受けてきて、そのまま籍を有して、また研修が終わったりカリキュラムが終わったりしたら自分の故郷に帰ってしまうと。この悪循環は恐らく解消できないんではないかと予測されます。つまり、医師不足を解消するには、そこにいかに残留してもらうか、残ってもらうか。その残留率はどういうところが基になっているかというと、地元の高校からその医学部に入るということが大きな残留要因になっておりますので、そこの教育の底上げもしていかなければならない。  例えば、これもう非常に学力格差が、じゃ、どのくらいあるかということをここで指摘していきたいんですけれども、例えば、東北地方の進学校全部合わせても、最高学府に入る人数は七十人程度なんですね。でも、関西の進学校、これ一校で最高学府に入るのは三桁であります。この教育又は学力格差をどのように解消していくのか。医学部、そうした目標を設定すること、本当に教育の底上げを成し遂げていかなければいけないなと私も思っております。  教育といえば、東北に限った話ではございませんが、我が国の教育投資がいかに他の先進国と比較して劣位であるかは論をまちません。私も自民党の教育再生実行本部の事務局長として、遠藤利明本部長を先頭に様々な提言を作るのに参画させていただいております。  文部科学大臣、この文教科学分野で復興をボトムアップ、そしてトップダウンの組合せで成し遂げていくことの意気込みを是非聞かせてください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ありがとうございます。  ただ、熊谷委員がおっしゃっていたことでちょっと幾つか事実関係だけ申し上げたいと思うんですが、まず国際リニアコライダーについては、これは九州の方の脊振山地も手を挙げておりますので、北上山地に確定しているわけではなくて、これは専門家から提言を受けましたが、今後、日本学術会議等でどちらがより適切なのかということと、それからこれは日本だけの単独予算ではとても賄い切れないほどの膨大な人的あるいは資金も必要でございますので、国際協力も得る必要があると考えておりますので、日本でというふうには思っていますが、必ずしも国際協力の中でまだ日本に確定しているわけでもなく、いろんな要因がまだたくさんあるということをまず申し上げておきたいと思います。  それから、東北医学部の設置は、これは総理からの指示で一校開設することを決定をいたしましたが、このILCと東北の医学部というのはこれ関連性があることではございません。それぞれ別の問題として、やっぱり被災地の医師不足を解消するために更に東北地区に医学部をということで、今、熊谷委員の地元の宮城県から二か所、それから福島県から一か所、三か所手を挙げられておりまして、そのうちの一つに絞る予定でございます。  そして、おっしゃるとおり、これは被災地だけ、東北だけでなく、日本全体がやはり教育によってこの日本を科学技術イノベーションの人材育成しながら大きく発展をしていくということは大変重要なことであるというふうに思いますし、自民党の中で、教育再生実行本部で熊谷事務局長、遠藤本部長の中でいろいろと提案をしていただいておりまして、政府として受け止めて、関係省庁の理解を得ながら、是非若い人たちにチャンス、可能性を提供し、そして日本が一番それが世界の中で若い人たちに提供できる国だと言われるような、そういう国づくりのために教育の部分からしっかり頑張っていきたいと考えております。

熊谷大自由民主党

○熊谷大君 大臣、ここで、もう北上に決めたと、日本で絶対やると、こういう意気込みを是非聞かせていただきたかったんですけれども、これはこれからも取り上げさせていただきたいと思います。ありがとうございました。  本当に二十年後の東北の姿を考えたときに、この国際リニアコライダーという研究を一つの目標に掲げて、そこへ向かって道をつくっていくと。これは総理が道しるべとなって、東京オリンピック・パラリンピックの後のフロンティアとして、成長戦略の柱として、是非東北の被災地をしっかりと守り立てていくという姿勢を僕は示していただきたいというふうに思います。  未来に向かって歩み始めるとき、人口減少、高齢化、産業の空洞化だけでは捉え切れない、これは戊辰戦争以降、近代以降、我々東北が抱えている解決まだし切れていない深くて根強い課題の数々であります。東日本大震災を経験して、新しい未来を切り開く目標、目的、乗り越えていかなければならない諸課題は明らかになりました。  これから様々な形で被災地、被災者は自立を懸けて闘っていかなければなりません。それは、二十年後、三十年後を見据えた地域の在り方、日本の在り方を考えながら進めていくということにほかなりません。それは、イノベーションを物づくりにつなげる、そして、そのモデルをしっかりと世界に広げていく。  東北地方は、震災を受けて、人材はこれは絶対に育っていきます。楽天のゴールデンイーグルス又は羽生結弦君ではございませんが、私も数多く被災地の卒業式なんかに出席させていただきますが、みんな、十代の小学生とか中学生が卒業式の答辞やそういった挨拶で、復興は私たちが担っていきますと、意志を、決意を込めて皆巣立っていく姿を見ると、この人材をいい方向に、いかに政治が道しるべとして示していくかということであります。そうした子供たちとともに、政治が一緒になって良い未来をつくっていけたらという思いをここで披露させていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  本日は誠にありがとうございました。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。江島潔君。

江島潔自由民主党

○江島潔君 自由民主党の江島潔でございます。  私は、前職は下関市長を務めておりましたのですが、ここは安倍総理の地元中の地元でもございますし、また当時、私が在職中に第一次安倍政権が誕生して、私も当時、市長として安倍先生にはいろいろと町づくりの御指導をいただいたわけでありますが、こうして安倍総理が再び内閣総理大臣としてのお立場に立たれまして、そして私も決算委員会で質問をさせていただきますことを大変に光栄に思い、質問に入らせていただきます。  私は、参議院の国土交通委員会に現在所属しておりますが、先般、JR東海が建設を進めております山梨県にあるリニア新幹線の試乗をさせていただきました。営業運転時の最高速度が五百キロと、これはもうまさに飛ぶと言う方がふさわしい、鉄道より飛行機に近い乗り物ではないかと思っております。  報道で安倍総理もケネディ米国大使とともに試乗されたということをお伺いをしましたが、是非総理のリニアに乗られたときの御感想をお聞かせいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) リニアモーターカーには今から十年ぐらい前にも一度試乗したことがあるわけでありますが、先般、ケネディ大使とともにリニアモーターカーに試乗いたしまして、十年前よりも相当進歩したなというのが実感でございました。大変揺れも少なくなっておりましたし、そして加速も非常にスムーズな加速であったと、このように思います。ちょうどお天気も良くて、山梨ですからまだ桜がちょうど散る頃であって、富士山も、車窓から運が良ければ見えるという富士山が〇・一秒ぐらいでありますが見えまして、まさにこれは世界遺産も見れてよかったなと。  そして、ケネディ大使がなぜ同乗したかといえば、今このリニアモーターカーを米国において、将来はワシントン—ニューヨーク、まずはワシントン—ボルティモアということで導入を検討していただいている、これは首脳会談でも申し上げたわけでありますが、というところでございまして、日本よりも米国の方が早くならないように、我々もしっかりとこのリニアモーターカー、進めていきたいなと、このように思っております。

江島潔自由民主党

○江島潔君 このリニアのすばらしさ、恐らく総理も本当に感銘を受けられたのではないかと思いますが、私は、父親が国鉄職員でありましたので、ちょうど今年から五十年前の一九六四年に、当時完成をした東海道新幹線に試乗する機会がありました。当時のこの最高速度というのは二百キロを少し超えるところでありましたが、今から比べると本当にもう随分と最高速度の差もあるわけでありますけれども、本当に子供心に日本の鉄道技術のすばらしさ、そしてひいては、そのときはまだそういう実感はありませんでしたが、やはり技術立国日本なんだなということを体で体感をした記憶がございます。  この技術立国日本こそ私はこれからも日本があるべき姿であり、あるいはこれ以外の生きる道はないと思っているわけでありますけれども、昨今の電力供給の不安定という大きな問題が今、日本にのしかかっているところであります。このリニア新幹線にしても、もちろん電力が安定をして供給されない限りこれは走行が不可能なわけでありまして、まさにこの電力の安定供給がなされない今日というものは日本の危機と言っても間違いないというふうに思います。  今年の四月十一日に新たなエネルギー基本計画が閣議決定をされて、その中でも原子力発電は重要なベースロード電源と位置付けられたことは私は本当に安心をしたところであります。ところが、現実的、そして持続可能なエネルギーのベストミックスというものが現時点ではまだ発表されておりません。そして、このベストミックスが発表されていないことが、今まで長年、日本のエネルギー政策を支えてきた原子力発電所立地自治体等にも大変に不安感やあるいは無力感を与えているところであります。  私の地元は山口県でありまして、ここは中国電力が電力を供給しているわけでありますけれども、中国電力は現在、島根に原子力発電所が一号機、二号機、三号機という形で設置をされてあります。もちろん、いずれも今止まったままでありまして、しかし、この三号機というのは最新型の改良型沸騰水型原子力発電所で、言ってみれば、現時点で世界で最も安全な発電システムであるというふうに私は思っておりますが、これも、いずれもやはり福島での原子力発電所の事故の影響を受けて止まったままであります。  ちなみに、中国電力管内では、この島根原子力発電所に続いて山口県の上関というところに発電所の計画がございまして、これは、遡りますと、昭和五十七年に上関町が誘致を表明をして、それからずっと着実にこの計画を進めてきたところでございます。実にこの間、もちろん民主的に民意を諮りながらこの原子力発電所の計画実現に向けて地元自治体も取り組んできているわけでありますけれども、町長選は九回、そして町議選も八回行われておりまして、いずれも発電所設置に向けての多数派が勝っておりますし、しかもだんだんとその割合は高くなっているところであります。  そういう中にありまして、今なかなかその一歩、次の一歩を踏み出せないというのは、ひとえにこのエネルギーミックスがまだ決まっていないので将来的な原子力発電所の必要数等が定まらないというところに私は全て今集約しているのではないかと思います。  この原子力発電でありますけれども、原子力のエネルギーというのは言わば第三の火とも昔から言われておりますけれども、まさにこれは人類の技術と英知の結晶であろうというふうに思っておりますし、これを今、日本がこの研究そのものを手放すということはもう全く私は考えられない。日本としても考えられません。もちろん、人類が原子力エネルギーの利用を手放すということは絶対にこれはあり得ないわけでありますから、日本が言わばこの研究の最前線から離脱をするということにほかならないと思います。  しかしながら、今の状態が続くと、研究者もだんだんとこの不安、あるいは違う方向への模索ということもありますので、いろんな意味でこのエネルギーのベストミックスというものを早く決定をしなければいけないなと感じております。  そこで、是非、経産大臣にお伺いします。早期にエネルギーのベストミックスを決定をするということに対しまして、政府のお考えを聞かせてくださいませんか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 御地元の中国地方には島根原発一号機から三号機、存在をしておりまして、同時に、昭和五十七年から上関原発の計画も着実に進められている。  そういった中で、今後の原子力、さらにはエネルギーをどうしていくかという御質問でありますが、エネルギー、考えてみますと幾つか大切な要素がありまして、先生おっしゃるように、安定供給を図らなきゃならない、そしてコストが安い方がいい、環境負荷は少ない方がいい、安全性は高い方がいいと。ところが、残念ながら全てのこういった要件を満たすエネルギーはないわけでありますから、現実的にバランスよくこのエネルギーを組み合わせていく必要があると思っております。  四月に決定をいたしました政府のエネルギー基本計画におきましては、こういった考え方に基づきまして、いわゆるエネルギーの特性、さらにそれを電源として利用する場合の特徴というのを考えてエネルギー源を大きく三つに、一つは、原子力も含めて、石炭、一般水力、地熱といったベースロード電源、さらにはLNG等のミドル電源、そして、石油のように出力の変動が比較的容易でピーク時に主に活用するピーク電源に区分をしたところでありまして、将来のエネルギーミックスに関しては、この新しいエネルギー基本計画の考え方を踏まえて、省エネの取組がどこまで進むか、再生可能エネルギーがどこまで導入できるか、そして今、十一原発十八基について適合審査というのが行われているところでありまして、その稼働がどこまで進むか、さらには石炭火力に関する研究開発等々、様々な要素を踏まえながら、まずはできるだけ早くエネルギーのベストミックスの目標というものを構築をしていきたい、こんなふうに考えております。  様々な要因が関わってまいりますので、この時点でいつまでに具体的にエネルギーベストミックスの目標を作るということをなかなか言うのは難しいわけでありますけれども、まさにできるだけ早く、何年も掛ける問題ではないと、こういう思いで取組をしたいと思っております。

江島潔自由民主党

○江島潔君 この電力の安定供給というのは、まさに国民生活にもそして日本の企業活動にも必要不可欠のものでありますので、是非とも早期の安定したベストミックスの在り方というものをお示しをいただければと思います。  続けて、また鉄道の話題に少し戻らせていただきます。  一方で、世界最高の技術水準を誇る日本の鉄道でありますけれども、国内のローカル線に目を転じてみますと、地方都市は高齢化そして過疎化が確実に進んでおりまして、その影響のあおりを受けて赤字路線というものが非常に多くなってきております。特に今、全国各地で懸念されておりますのが、一旦災害等が起きて路線が不通になった場合に、一旦不通になるともう二度と営業再開されないというような場合も出てくるわけでありまして、非常にこれが沿線の課題となっております。  私の地元であります山口県でも、昨年、集中豪雨がございまして、山口線それから山陰本線が、鉄橋が倒壊をしたり、あるいはトンネルが埋まってしまったりということで大変大きな被害を受けましたが、これは、安倍総理に速やかに災害後に現地に御視察をいただきまして的確な御指示をいただいた結果、今年の夏に運転再開の運びになりました。この点に関しましては、総理に厚く御礼を申し上げます。  大変に、これはJR西日本のエリアでありますけれども、やはり大きな国としての意思あるいは地元としての営業再開に向けての熱意というものを示すことによって、赤字路線でももう一度復活を必ずできると私は信じておりますが、一方で、国内にはまだまだ災害により止まったままというところもたくさんございます。  一例を挙げますと、福島県にありますJR只見線でありますが、これは平成二十三年の七月の新潟・福島豪雨によって路線が被害を受けて不通になっておりますけれども、残念ながら現在もまだ復旧の見通しというものは立っておりません。  ほかにも東日本大震災で不通になったまま、まだ再開をできていないものもあるんですが、一つの原因として、現在、鉄道軌道整備法というものの中で、路線を運営する会社が黒字会社の場合には国は一切補助をしないという、そういうルールが書いてございますので、なかなか、全体として黒字会社でも特定の赤字路線を再び運行するというものに対してどうしても事業者が二の足を踏んでしまうという点がございます。  やはり道路に関して言えば、これは国や市町村が整備をして公共インフラとしてきちんと責任を持って国民に提供するわけでありますので、同じ公共インフラという点ではこれはもう鉄道も全く同じだろうと思いますし、決して国民は、鉄道は、あれは民間事業者の所有物であって、全責任を持って事業者がやる、あるいは運営するのもやめるのも事業者だけで決められるというふうには決して思っておりません。是非、鉄道も道路に準じて公共インフラという観点から、上下分離方式等の国あるいは地方自治体が路線の管理というものをしっかりするということに対しまして私は質問をさせていただきたいと思っております。  昨年来、JR北海道が大変に厳しい幾つかの事件を受けての再建に今取り組んでいるところでありますけれども、これも元をただすと、やはり北海道という厳しい自然の中で保線等に非常に多額な費用が掛かるということが背景にあって、なかなか営業利益が十分に出ない中でこの保線の管理等がだんだんと弱くなっていた結果が幾つかの脱線事故等につながっているわけでありますので、やはり線路というものを維持管理するというのをただただ民間事業者だけに任せるというのではない在り方があるのではないかと思います。是非、国土交通大臣にお考えをお聞かせいただければと思います。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 人口減少社会になる、そしてなかなか地域の公共交通が大変苦戦をすることになってくる、しかも高齢化が進んでいく、災害を始めとしてそこで何らかの、バスもそうでありますけれども、鉄道はもちろんのこと、非常に大事な立場になると。  先般も私は三陸鉄道が三年ぶりに全線開通ということで行ってきましたけれども、大変な喜びがもう「あまちゃん」の場面そのまま広がっている、鉄道というものに対する喜びというものは他とまた違うものがあるんだなということを実感をしました。  江島先生おっしゃるとおり、もう一度この地域全体の町づくりと交通網というものをどうするかという少し幅広い観点で物を考えて支援をするということが大事だというふうに思っておりまして、コンパクトシティー・プラス・ネットワーク、町づくりの観点での支援、そして沿線の観光資源や観光ビジネスとの関連の下で支援をする、そして、今先生おっしゃいました上下分離という形で、地方自治体また国が何らかの支援をしていくという方式を探るということが大事だというふうに思っています。  先般、地域公共交通の関係の法律も作りまして、上下分離ができるということを積極的に進めるということをやらさせていただいているところでありますけれども、予算措置やあるいは税制等を含めて、この地域公共交通、鉄道が維持運営できるようにということにしっかりバックアップしていきたいというふうに考えているところであります。

江島潔自由民主党

○江島潔君 ありがとうございました。上下分離方式についても前向きに御検討をいただけるということで、大変心強く思っております。  ここで一つ、先ほど厳しい状況での今企業経営が強いられているJR北海道について触れさせていただいたんですけれども、JR北海道が持つすばらしい技術も是非一つ御紹介をさせていただきたいと思います。(資料提示)  今お配りをさせていただいておりますのは、これはデュアル・モード・ビークルといいまして、いわゆる水陸両用ならぬ鉄陸両用車でありまして、鉄道と陸路を自由に行き来することができるJR北海道が開発をした車両でございます。真っ先に私これのメリットとして感じましたのは、例えば山陰線が不通になった場合でも、不通になる箇所が何か所かありますが、この不通になってしまった鉄道以外のところは普通に、この写真でいうと、この上の写真のように鉄道軌道を走って、そして線路が遮断されているところは道路に出て、そばにもちろん道路が並行して走っていればでありますけれども、そしてその陸路を通って再び鉄道に戻るというような使い方もございます。また、例えば過疎化をしてまいりますと、なかなか駅周辺に人口が集積しなくなると。むしろこのデュアル・モード・ビークルの方から、線路からぐるりと町内を一回りをして集客をしてまた鉄道に戻るというような使い方もあるんではないかと思います。  時間の関係で今日はこのデュアル・モード・ビークルというものを御紹介をさせていただいた上で、是非これは、今北海道はなかなかほかのことに手いっぱいで、これを営業運転するまでのあと一歩の力が及んでおりませんので、是非国家プロジェクトとしての、これを日本の過疎化等の問題を抱える路線にも適用するその応援をしていただければということをお願いをさせていただきながら、次の質問に入らせていただきます。  次は、捕鯨について質問をさせていただきます。  日本は、もちろん鯨の肉を食べるという長い長い歴史を持っている国でございます。そして、私の出身の山口県は、全国各地にある沿岸の伝統捕鯨の歴史を有する町ももちろんあるんですけれども、もう一つの、もりを付けてどんと鯨を捕るといういわゆる近代商業捕鯨と言われる捕鯨方式を日本で初めてノルウェーから技術導入をして会社を立ち上げたところでございます。したがいまして、古式伝統捕鯨から近代商業捕鯨まで様々な鯨に関する歴史、食文化を持っている国でございます。  今この商業捕鯨が禁止となっている中で何とか再開を目指して日本政府も長年取り組んできたところでありますけれども、先般、南氷洋における調査捕鯨が大変残念なことに国際司法裁判所で違法だという判断が出て、南氷洋での調査捕鯨というのがしばらくできないという状況に立たされております。  ところが、これはあくまで南氷洋の調査捕鯨に関する国際司法裁判所の判断なんですが、この判断を受けまして、日本のネット通販の最大手であります楽天が今年の四月一日付けで、楽天の上で鯨肉販売というもの一切まかりならぬという、そういう通達を出しました。これはもちろんその運営会社が出すわけですから、もうそれに参加をしている企業は鯨の肉を出店できることはかないません。あたかも鯨肉を扱うということが何かもう犯罪的行為であるかのような、そういう位置付けに今なってしまっているわけであります。  日本政府が必死になって長年この鯨の肉というものを、捕る方法も含めて正当性を訴えてきたのに、一方で日本の企業がこういうような処置をとるということは、こんな会社が日本のネット通販の最大手であるということは本当に私は残念でならないわけでありますけれども、食文化のまさに担当をしていらっしゃる林農水大臣に、この楽天が今回の国際司法裁判所の判決を受けて鯨類を扱うことを禁止したということに対して是非御感想を聞かせていただければと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 今、江島先生からお話がありましたように、インターネットで通販事業を行っております楽天でございますが、本年四月一日付けで、楽天市場の出店業者に対しまして全ての鯨、イルカの部位を用いた製品の販売を禁止することを通知したと、これは承知をしております。  これは新聞報道でございますが、アメリカとイギリスに拠点を置く国際環境NGOが、今年の三月十八日に、楽天はオンラインで鯨肉を取引する世界最大の会社と、こういう批判をしたこと、こういうのが背景にあるのかなと、こういうふうに考えておるところでございますが、しかしながら、現在、我が国において流通している鯨肉を取り扱うことは、国際法それから国内法上何ら違法な行為ではなくて、正当な行為であるということを申し上げておきたいと思います。  今回の楽天の通知はあくまで民間事業者の商品の取扱いに関する経営上の判断ではあるものの、このように鯨肉販売を自粛する事業者が増えていくということは誠に残念であると、こういうふうに考えております。今後とも、捕鯨あるいは鯨食、我が国の重要な伝統文化であると、これは今、江島委員から指摘のあったとおりでございますので、そのことを広く国民に向けて積極的に情報発信して、捕鯨問題に対する理解を一層深めていくよう取り組んでまいりたいと思っております。  今日から農水省の消費者の部屋でそういう発信もすることになっておりますので、是非、農水省の食堂にもいらしていただいて鯨の肉を楽しんでいただければと、こういうふうに思っておるところでございます。

江島潔自由民主党

○江島潔君 ありがとうございます。  今、林大臣からも力強い反撃ののろしを上げる旨お考えを聞かせていただきましたが、是非、安倍総理に、日本の商業捕鯨再開に向けた御決意を聞かせていただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員がおっしゃったように、山口県においては古くから沿岸捕鯨を行ってきたわけでありまして、商業捕鯨においては、下関にはかつてマルハ、大洋が本拠地を置いていたのでございます。沿岸捕鯨の時代から、鯨のシーズンが終わると鯨供養を行ったわけでありますし、また、鯨塚も作って、感謝をしながらその肉を食料として活用していたところでございますが、その日本の文化の一部がなかなか理解されていないのは残念なことであります。  そこで、先ほど御指摘の国際司法裁判所の判決において、第二期南極海鯨類捕獲調査が国際捕鯨取締条約の認める範囲に収まらないとされ、その理由として、同調査の計画及び実施がその目的を達成するために合理的であると証明されていないと指摘されたところでありまして、今後、こうした判決における指摘を踏まえた上で、国際法及び科学的根拠に基づき、鯨類資源管理に不可欠な科学的情報を収集するための鯨類捕獲調査を実施をし、商業捕鯨の再開を目指してまいりたいと考えております。また、そのため、国際社会の理解が深められるための努力を一層強めていく考えでございます。

江島潔自由民主党

○江島潔君 ありがとうございました。  日本は、近年は毎年内閣が替わるという不安定な時代がありました。そしてさらに、三年三か月に及びました民主党政権では非常に大きな戸惑いがこの国の中に広がったわけでありますけれども、ようやく第二次安倍政権がスタートして安定をした国家運営ができ始めているのではないかなというふうに思っておりますけれども、同時に、まだ今たくさんの宿題がまさに日本の前には山積をしている状態ではないかと思います。これは、決してここ数年間だけでたまったものではない、長い間の日本の抱えている課題が一気に今目の前に山積をしているんではないかと思います。これを解決をしていくためには、やはりじっくりと腰を据えた国家運営、政権運営というものが、私は日本にはもうまさに今こそそういう対応が必要だなと思います。  日本は、もちろん大統領制じゃないので、四年、八年というようなまとまった任期が日本のトップに与えられるわけではありませんが、やはりここは安倍総理にしっかりと決意を固めていただきまして、じっくりと長期にわたって国政を担っていただく御決意、大変に多分激務の連続であろうと思います。国会の間に外国に出張されて、そしてまた戻ってきてという、そういう繰り返しは本当にお大変だろうと思いますが、是非とも御決意を固めていただければと思います。  これは、日本が安定をするために必要な安倍政権の安定した期間ということで考えますと、やはり二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、この日も安倍政権の下で安倍総理がオリンピックの開会のボタンを押すという、それぐらいの御決意を持って、体調管理も含めて、政権を担っていただかなければいけないと私は信じているところであります。  長期政権を運営をしていただくことに対する、総理に質問をするというのは大変これは僣越でありますので、この点に関しましては、是非これは私だけではなくて多くの国民の声として安倍総理に長期政権を望んでいるということをお伝えをいたしまして、私の締めくくりとさせていただきます。  ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。中西祐介君。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 締めくくり総括の自民党の最後を務めさせていただきます中西祐介です。本日はよろしくお願い申し上げます。  安倍総理を始め閣僚の皆様におかれましては、日々の御政務、本当にお疲れさまでございます。先ほどの質疑の中で被災地の太陽の話がございましたが、私は、安倍総理、安倍政権こそ世界の太陽になっていただくべく、これからますます御努力をお願い申し上げたいと思います。  総理は、日本を取り戻す、こうしたフレーズを常々おっしゃっていただきます。我々は何を取り戻すのか。私が立候補いたしました四年前、政治に本当に失望感があふれておりました。政治なんか誰がやっても同じや、自民党から何で出るんやと、こんな話をたくさん伺ったところでございますが、私は、政治を諦めてはいけないと、こう思っております。政治の良しあしこそが国の将来の良しあしを決定する、こういう思いは、数少ない野党時代を自民党一回生として経験をした私の根底でございます。まさに、日本を取り戻す、これは、落日の日本から夢あふれる希望の日本、これを取り戻すことでありまして、着実に今、それを実行と変え、そしてまた実感も伴いつつあると認識をいたしております。  今日は、被災地からの復興、そして経済の立て直し、外交の立て直し、二〇一二年の総選挙のときに我々がお訴えをしたこの三点につきまして、野党時代であった決算を、現状との比較を交えて質問をさせていただきたいと思います。  まず、復興でございます。  今、私は大きな、復興、節目にあると考えております。被災地、特に福島県の皆様との大きな約束、それは何か。仮置場にある袋詰めされた大量の汚染された土壌、これを撤去して新たに設置をする中間貯蔵施設へと運び込む作業であります。その約束の期限は平成二十七年の一月、つまり来年の一月でございます。まさに期限が差し迫っている仮置場からの早期搬出を行うために、まずは中間貯蔵施設の供用の開始、そして、貯蔵後三十年、供用開始後三十年以内での県外での最終処分、そしてそれにまつわる補償の在り方、まずは所管大臣である石原環境大臣から御所見を伺います。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 中西委員がおっしゃられたとおりで、除染を進めれば進めるほど汚染された土壌、枯れ木、枯れ草、様々なものが発生し、現在は仮置場、フレコンバッグに貯蔵をして管理していただいているというのが現状でございます。その一方で、中間貯蔵施設の建設を予定している双葉町、大熊町の方々にとりましては、先祖伝来の土地、自分たちはもう戻れないのか、こういう思いのあることも間違いないところだと思っております。  そんな中で、五月三十一日からではございますけれども、両町の御協力をいただきまして住民説明会が開かれております。昨晩もNHKのニュースでやっておりました。  どんな意見が出ているかと申しますと、若干御説明をさせていただきたいんですけれども、施設の必要性や安全性について本当にそこで置くのかといったような疑問、さらには、今委員が御指摘されましたとおり、中間貯蔵施設であるということを法律に明記をさせていただくわけでございますけれども、最終処分場になってしまうんじゃないかといったような御懸念、また、子供さんが小さく町には帰れないので、受入れには賛成だけれども、その代わりにこの子供たちの面倒を見てくれよ、いわゆる補償の問題、さらには、いろいろな忌憚のない意見、賛否両論が渦巻いているというのが現状だと思っております。  これを強引に進めるということも、これまた、あれだけの大きな事故を発生し、また地域の方々が自分の住んだところに戻ることができないという現状を考えますと、これもまたやってはならない。やはり丁寧に説明をして住民の皆様方の声をできる限り吸い取った補償というものを行っていく形の中で、円満に、委員が御指摘されたように中間貯蔵施設を建設し、二十七年一月からの搬入開始を目指す。  ですから、住民の皆様方に、これは大変恐縮なんでございますけれども、先祖伝来の土地を離れてくださいという話でございますのでありますが、是非近々御判断をいただきたいと。そのために、復興庁とともに、また関係省庁とも協力をいたしまして、努力を進めて頑張ってまいりたいと考えております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 大臣、ありがとうございます。  先週、環境委員会、私、筆頭理事を務めさせていただきますが、委員の皆さんと被災地福島に伺ってまいりました。一番の懸念は、中間貯蔵施設、三十年で県外に移せるかどうか。前政権のときに期限を切ってできなかったことはたくさんあります。いろんなことも含めて、三十年でこの中間貯蔵施設を最終処分場に移せるかどうか、これを是非御明言をいただきたいと思いますが、もう一言だけ突っ込んでお願いします。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) この点は、地元の皆様方のお気持ちを考えますと、科学的にもできるかできないかということはやはり検証をさせていただいております。放射線に汚染をされた土壌であっても、この三十年という期間によりましてかなりの部分が減衰をしていく、減衰をしていって放射線量の下がった土砂というものは公共事業等々の事業に供することができると。  しっかりと法律に明記をさせていただきまして、中間貯蔵施設の受入れが決まりましたら、速やかに法律を提出して、今、中西委員またお地元の方々からの最大の御懸念の一つであります、中間貯蔵施設について、最終処分を県外でするということを法律として提出をさせていただきたい、こんなふうに考えております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 大臣、御明言をありがとうございました。  まさに、今回作る法律の中身、そして、その期限を今度はまさに我々の若い世代が、あるいは、これから福島を、東北を担っていく我々世代がしっかりそれを完了させる、こういう意気込みで取り組んでまいりたいと思います。  パネルをよろしくお願いします。(資料提示)  今回パネルを準備させていただきましたのは、福島の放射線の被災の状況でございます。現地に行ってみますと、まさに事故発災直後から除染作業を十分に進めていただいております。もちろん自然の減量もございますが、これが直近の、昨年十一月十九日の時点での放射能の発散の状況でございます。自然で減量していくのと比べて、しっかり除染が進んでいるということも手に取るように分かるというふうに思います。  そして、加えて、もう一枚でございますが、この表に小さくですが表していただいた、まさに五万か所を超えるところに仮置場、そして現場保管、袋に入ったものを各地に置かれているものが除染をされた部分、今度それを中間貯蔵施設に移動しなければ、まだまだ二十七万人以上の方々が仮設やプレハブで生活をしていただいている、その土地を収用するにもなかなか進捗が進まない、こういうことでございます。  そこで、根本復興大臣に伺いたいと思っておりますが、これからまさにリスクコミュニケーションの在り方が本当に重要だろうというふうに思っております。平成二十三年の十一月十一日、野田内閣によって閣議決定された基本方針の中で、長期的目標として一ミリシーベルト以下となることを目標と明記をいたしました。実は、日常生活の中で自然線量水準から比較しても、あるいはIAEAからの指針からの論拠にも薄いこの一ミリシーベルトの明言によって、実際のところ除染は非常に手間取っておりまして、改めて下がらないから再除染をする、そうしたことで大変手間が掛かっておるところであります。現地に除染活動を見てみますと、自宅の除染はぬれ雑巾で壁一つ一つ本当に作業員が除染をしている、こうした状況を考えますと、住民の方々がより安心してこれからお暮らしをいただける、あるいは戻っていただける道筋をつくるためのリスクコミュニケーションの重要性が増していると思っておりますが、その点につきまして、人材確保の点も含めてお答えいただきたいと思います。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 私も、委員がおっしゃられるとおり、リスクコミュニケーションが本当に大事だと思います。先日も田村市の避難指示解除が行われました。早期帰還の実現に向けた新たな段階に入っております。ただ一方で、依然として放射線による健康影響に対する不安を抱えている住民の方がおられる、個々人の不安に対したきめ細かなリスクコミュニケーション、これを推進しなければなりません。  我々、今年の二月に帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージ、これを、リスクコミュニケーションが大事だということで、先駆けて取りまとめました。そして、施策パッケージでは、帰還に向けたリスクコミュニケーションの実例として、川内村における取組の紹介、あるいは各省庁の具体的な政策ツール、これをお示しして、さらに、福島県内だけではなくて全国を対象とする各省の施策についても盛り込んでおります。そして、今これに従って推進しております。  具体的には、何点か申し上げたいと思いますが、住民の方々を身近で支える相談員、これを配置して、放射線などへの不安にきめ細かく応える体制を整備する、これは福島再生加速化交付金、これで支援できるようにしています。また、今人材のお話がありました。福島県内外において住民の皆様との接点が多い保健師さんや学校の先生など向けの研修会、これをしっかり充実して、専門人材の育成の強化を図っております。さらに、リスコミで大事なのは、大きな会場で説明する、これもいいんですが、やはり大事なのは、我々のこれまでの知見からしても、できれば一対一、あるいは車座の対話、そして丁寧に少人数によってリスクコミュニケーションを図っていく、これが大事だと思います。  委員も川内村で訪問されて様々な御意見をお伺いしてきたと思います。私は、川内村の成功例は、長崎大学の大学院の保健師さん、この専門人材の方が、長崎大学と川内村が協定をして、保健師さんが常駐して、住民の方々に丁寧に応える、そして、専門的な問題は専門の先生に、例えば低線量の健康影響、こういうものは専門の先生にお伺いして、そして住民の皆様に丁寧に応える、私はこの取組は非常に効果があると思っております。  いずれにしても、このような取組、これを、関係省庁一丸となってしっかりと地元のニーズに応じたリスクコミュニケーション、丁寧なリスクコミュニケーション、これに取り組んでいきたいと思います。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 大臣、ありがとうございます。是非、多角的に取組をお願いを申し上げたいと思います。  まさに、川内村の遠藤村長と対話をさせていただきました。住民の方に寄り添うこのリスクコミュニケーションの在り方こそ、これからまさに重要であろうと思っております。  最後に、総理にお伺いをさせていただきたいと思います。  まさに、福島の闘いは見えないものへの闘いであります。見えない放射線、見えない将来ビジョン、こうしたことを、やはり政治がビジョンを見せることこそ何よりも希望を与えることだというふうに考えますので、これからの復興について総理から御決意をいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この福島の復興については、平成二十四年度の復興関連予算の段階においては、その年度の予算の執行に際して、町づくりや除染実施の計画策定について地元との調整がなかなか付かなかったんですね。しかも、相当の時間を要しながら結局結果を出していなかったために予算も残ってしまったという中で、特にこれは、地元の皆さんは復興進んでいかないんではないかという大きな不安を持たれたんだろうと、このように思います。  そこで、先ほど根本大臣がお話をさせていただきましたように、我々が政権に復帰して以降、まず復興庁の体制を強化をすると。まず現場に持っていく、現場主義を徹底する、そして縦割りを排する、このことによって徹底的に復興の加速化を進めたところであります。用地取得については、財産管理制度を活用して通常半年以上掛かる手続を最短三週間程度で可能とする措置を講じるなど、加速化策を打ち出しました。また、被災自治体における職員不足については、全国の自治体から職員派遣に加え公務員及び民間実務経験者、青年海外協力隊帰国隊員等を活用しているところでありまして、そうして人的なパワーを集めたわけでございます。  また、御指摘のとおり、被災地の復興を進めるに当たっては、これはやはり複数年度を見据えた計画に基づいて事業を行っていくことも大変重要であります。そのことによってまさに計画が見えていく、住民の皆さんにとって、こうやって進んでいくんだなということが予算の裏付けとともに見えていくことにつながっていくんだろうと思います。このため、復興まちづくりにおいて中心的な役割を果たす復興交付金について複数年度にわたる執行を可能とする基金を設置するなど、被災自治体が策定した長期的な復興計画に基づいて計画的かつ柔軟に事業を進めているところでございます。  こうした中、現在、高台移転や災害公営住宅の建設が進み、また福島県におきまして避難指示解除の動きが始まるなど、復興は着実に進んでいるわけでございますが、今後とも、きめ細かな対応をしながら、そしてかつ復興関連予算の執行が円滑に進んでいくように努力をしながら、特にこの住まい、なりわい、中心的に復興を進めていきたいと、このように思っております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 総理、ありがとうございます。まさにこれから大切な時期、そしてこの決算の反省に基づいてこれから計画的に進めるためにも、お取組をよろしくお願い申し上げます。  続きまして、我々が訴えさせていただいた二つ目の大きな柱、これは経済再生でございます。  今、世界の国々が日本の経済政策に本当に注目をされております。激動する外交環境の中で各国首脳との緊密なコンタクトを総理自らお取りでございますけれども、その合間に、日本の総理で初めて世界経済フォーラム、ダボス会議で基調講演をなさるなど、世界の国々がこのアベノミクスに学びを得、また日本の経済再生を期待をされているところでございます。  そこで、まず総理に伺いたいと思いますが、通告がなくて大変恐縮なんですけれども、実はこの週末、G7の中で、終わった後、記者会見で来年度から法人税減税ということを御明言をされたと伺っております。報道で大きく取り上げられました。世界でも大きなトピックとなるはずでございまして、世界で一番企業が活躍しやすい国になると決意される総理でございますが、記者会見の中身についてお話を伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般ブラッセルで行われましたG7におきまして、国際情勢、ウクライナを中心とした国際情勢を議論した次の日は世界経済についての議論に移ったわけでございますが、私が一番最初にしゃべるように司会役のキャメロン首相から促されたわけでございまして、私たちが進めている三本の矢の政策の、昨年はロック・アーン・サミットでは紹介をしたわけでありますが、今回はその結果、実績、進捗具合についてお話をさせていただいたところでございます。  現在、言わば新興国がなかなか状況が不透明であるという中において、やはりG7こそが経済を引っ張っていく責任があるわけでありまして、日本はその中におきまして六四半期連続経済は成長をしている、プラス成長になっていると。一—三月第二次速報によりますとプラス六・七、もう最近聞いたことのないような数字の成長を果たすことができたわけでございます。  そこで、この成長を維持し続ける、デフレからしっかりと脱却をしていく上においても成長戦略が大切でありますが、世界が注視をしているのは、この法人税の実効税率がどうなっていくであろうかということが注目されているのは事実でございます。  そこで、サミットの場におきましても、この法人税の改革を、言わば成長志向の改革を行っていく、その視点を重視をして改革を行っていくということを申し上げたわけでございます。もちろん、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化を進めていく、財政健全化は進めていくけれども、経済の成長をしっかりと進めていく上においてこの法人税改革も行っていくということをお話をいたしました。そして、来年度からこの法人税の引下げに着手をしていくという方向について、記者会見でもお話をさせていただいたとおりでございます。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 総理、ありがとうございます。  まさに総理が現地の記者会見でおっしゃったと伺っておりますが、税の構造を成長志向型に変えていくということが何よりも重要だと思っておりまして、つまりは、経済成長を持続をしながら税収が安定的に増えてプライマリーバランスを修正していく、これこそが何よりも重要だと思っておりますので、これからの成長戦略がいかに大切かということを痛感するわけであります。  先に、経済政策の中で成長分野への投資について伺いたいと思っております。  今まさに原子力発電所が停止をしている中で、日本は、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックの年に二〇〇五年度比マイナス三・八%の温室効果ガスの排出削減目標を国際公約をしているところであります。  パネルをお願いします。  現在、私が部会長代理を務めさせていただいております自民党の環境部会でございますが、現在、座長とさせていただいて、低炭素施設あるいは設備の普及促進プロジェクトチームを結成をさせていただいて、エネルギーの多極化を実現させるべく取組をさせていただいております。  実は、これ、見ていただいたら分かりますが、非常に大きなポテンシャルを秘めているのがこの表でございます。この縦軸に再生可能エネルギーの欄がありまして、直近の二〇一〇年から比較して二〇二〇年には、例えば、バイオマス発電については一・五倍、風力発電、洋上の部分については十二倍、あるいは熱利用の部分でいうと地中熱利用は二十倍、これぐらいの可能性がある。これは、技術革新を伴わずにしっかりと普及させるとこれぐらい導入が展開をされ、そしてまた、再生可能エネルギーが広く普及される可能性があるということをこの地球環境部会の中でまとめられたものでございます。  これからのポテンシャル、まさにこうしたことを見据えながら環境分野の成長力をしっかりとバックアップをしていくことが何より重要だと考えておりますが、石原大臣の御答弁をいただきたいと思います。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 私も中西委員の御指摘のとおりだと思います。  御同僚の熊谷委員も先ほど藻類のバイオマスについて御言及がありましたとおり、省エネあるいは再エネの低炭素関連分野は、日本各地で行うことのできる私は成長分野の一つだと思っております。そしてまた、党におかれましては、中西委員が座長となりまして、低炭素社会をつくっていくための設備の普及ですか、これに関する御検討をいただいているということも大変心強く思っているところでございます。  これはいつも経産大臣がおっしゃられておりますが、今原発が停止していることによりまして、海外への国富の流出は三・六兆円。すなわち、化石燃料を輸入すれば、その分、国が貧しくなっていくわけでございます。これに代わりまして、今言われたようなものが日本各地で、もうどんなことでもいいと思います、ごみ発電でもいいですし、バイオマスでもいいですし、風力でもいいです、地熱でも何でもいいと思うんですけれども、産業や雇用を生み出すことによって地球環境の負荷というものを大変和らげていくことができる。あわせて、やっぱり私は地域の活性化につながるんじゃないか、ここが一つポイントだと思っております。  今、中西委員が党の方で御提言を取りまとめ中だということでございますが、提言がまとまりましたら、しっかりとそれを受け止めまして、この低炭素社会の町づくり、また普及に努めてまいりたいと考えております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 大臣、前向きな御答弁をありがとうございます。  間もなくこの提言書も作成できる見込みでございますので、完成し次第、是非お持ちをさせていただきたいと思います。  地方の経済活性化について伺いたいと思います。  我々は、地方こそ原点、こうしたことをポスターでも大きくうたってまいりました。日本経済全体の景気回復が途上の中で、まさに地方経済の活性化、つまりは地方で経済回復の実感を持ってもらうことこそが日本経済全体の底堅い経済成長にとって必要不可欠であろうと、このように考えております。地方経済の個人レベルまで豊かさを実感していただくために、手取りが増える、あるいは格差が縮まる、そして将来不安が軽減される、こうしたことが重要だと考えております。  将来不安については社保・税の改革の中で解消していくものだと思いますので、そのほかの二点について伺いたいと思いますが、まず、甘利大臣に伺いたいと思います。  この手取りが増える、つまり基本給の引上げとともに、物価変動を加味した実質賃金の上昇が不可欠だと考えておりますが、政府の取組を伺いたいと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 連合が先日、四日でありますけれども、公表しました春闘集計結果によりますと、月例賃金について一人当たりの平均賃上げ額が五千九百八十一円、賃上げ率が二・〇八%、これは過去十年の最高水準であるところであります。それから、中小企業におきましては、四千二百五十八円、賃上げ率一・七八%、これも十年比で見て最高の水準であります。  大事なことは、好循環を回すということです。逆に言えば、今までは悪循環が回っていたと。つまり、デフレ下で賃金が下がると物が売れなくて、そして物価が下がると。生産が落ちて、賃金はもっと下がると。そうすると、もっと売れなくて、またもっと物価が下がると。これを好循環に回していくということであります。  政府として、いろいろお叱りもいただきましたけれども、環境整備、例えば復興特別、復興増税を一年前倒しで廃止すると。お叱りも受けました。しかし、政府も環境整備をするから、経営側もそれなりの覚悟を持って賃上げをしてほしいと、それは好循環を回すために必要なんだということで迫りました。結果として、こういう大幅賃上げが実現したわけであります。  それぞれ何ができるかということをしっかり見詰めながら好循環を回していって、デフレの脱却、それが生産の向上、賃上げの向上、消費の向上という循環に回っていくようにしていきたいと思っておりますし、それが地方に津々浦々進展していきますように、今地域における競争力協議会の出てきた地域なりの案件もしっかり取り上げながら、この好循環が中央だけにとどまらないで、大企業から中小企業、都市部から地方へと進展していくように取り組んでいきたいというふうに思っております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 ありがとうございます。  続いて、格差拡大への対処について伺いたいと思いますが、実は、三年に一度の所得再分配調査報告書によりますと、平成二十年から平成二十三年、前政権時代にはジニ係数が拡大をしていると、つまり格差が大きくなっているということであります。都市部と地方部の格差の分析を行いますと実は構造的な問題も大きくございまして、例えば、地方の方はリタイアに伴って高齢者は必然的に低所得になりがち、あるいはその格差を年金で給付をしていくんですが、現在の社会保障の状況を考えると、この方法にも限界があるんじゃないかというふうに思います。  中小零細企業の多い地方部では、また若い世代も物価に合わせてなかなか賃金が上がっていかない、こういう現状がある中で、例えば労働の問題で、定年制の見直し、あるいは給与所得者にも幅広く復帰を認めさせて退職後も所得を持たせるような工夫も必要かと考えておりますが、この労働の観点について田村大臣から伺いたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 足下の雇用情勢でありますけれども、一部地域に厳しさは見られるものの、雇用の方は改善が進んでおるわけであります。有効求人倍率一・〇八倍、委員の徳島県は一・一三倍ということで比較的いい数字が出ておるわけであります。  地域の格差等々もあるわけでありますが、例えば新卒者の方々、今エントリーシート等々で大企業等の要望が非常に多いわけでありますが、新卒応援ハローワークというもの、これを進める中において、これ全国の求人情報が出てまいりますので、中小も含めてしっかりとマッチングをする中において、新卒者の方々の就業、こういうものを進めていく。それから、キャリアアップ助成金でありますとかトライアル雇用でありますとか、また、わかものハローワークでありますとか、いろんなものを進めながらこれを進めていく。  高齢者も、改正高齢法、これを進める中において、給料下がった方にもこれ給付する、そういう仕組みも含めております。そのほかにも、ハローワークにそういうふうな特設の窓口をつくったりでありますとか、いろんなことをする中において、とにかく高齢者の方々も含めて所得というものをしっかりと確保できる、生涯現役社会、これに向かってこれからも施策を進めてまいりたい、このように考えております。

中西祐介自由民主党

○中西祐介君 今日は、経済あるいは金融の問題、そして、例えばLED産業である日亜化学工業というのが私の地元の阿南市にございます。まさに地場産業を育て、そしてそれが経済の活力の根幹となることが何よりも日本経済の力強さの源だと考えておりますので、これからの安倍政権の経済政策、そして何よりも復興の在り方、これからもしっかりとバックアップしてまいりたいと思いますので、よろしくお取組をお願い申し上げます。  ありがとうございました。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 おはようございます。民主党・新緑風会の江崎でございます。  まず、安倍総理の悲願、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使をできるようにすること、集団的自衛権の行使は我が国の国防の在り方を大きく変えるものだと、私はそう承知をしております。集団的自衛権行使をすることになれば、当然軍備は拡大するでしょうし、今後の国防費の増加も覚悟しなければなりません。  しかし、先ほど来議論があっていますとおり、もう一つの安倍内閣の悲願はデフレ脱却ですよね。そのために、二十四年度予算では十兆円を超える巨額な補正予算を組み、景気対策等をいたしました。今後、百兆円という国土強靱化の計画もあります。巨額過ぎていまだ明らかにならない原発事故の復旧や復興、廃炉費用もある。人口減少社会となり税収増も期待できない中で、これらに加えて新たな防衛負担を国民に求められるのか。  冒頭、金子委員長もおっしゃったとおり、決算審査は次年度以降の予算編成に反映させる大変重要なものだと思います。私は、決算委員会というのは国家のバランスシートについて論ずる場であり、国民、国家に最大の負債をもたらすものこそ戦争であり、戦争の被害であります。集団的自衛権の行使は、間違いなく我が国の国家財政に大きな影響を与える。その意味でも、私は集団的自衛権行使の総理の考えにはくみできない、そのことを冒頭申し上げておきます。しかも、安倍内閣は、この国家の根幹に関わるこの問題を閣議決定で済ませようとしている。これは大変ゆゆしき問題です。  私は、質問通告をしてからしばらく時間もたっていますので、若干内容を割愛をさせていただきました。後から若干入れた質問もございます。ただ、政治家としての思いを尋ねる、そういう思いで質問いたしますので、できる限りお答えいただきますように心からお願いを申し上げます。  さて、先週ですけれども、六月の六日、ノルマンディーの上陸作戦が開始された七十周年式典がフランスで行われました。米英仏等の戦勝国と併せてドイツ、イタリアの敗戦国も、敵味方の各首脳が一堂に参加したわけです。かつての敵同士が席を同席したのは偶然ではない、長年の和解を進める努力のたまものだというふうに評価をされています。  私が四月に訪米をしたときに米国の議員や政府高官の皆さんとお話をしたとき、日本がヨーロッパにおけるドイツのようになってもらえないか、あるいは中国、韓国にもフランスやポーランドのようになってほしいというふうに、こういうふうにはっきり実は言われる方がたくさんいらっしゃいました。  総理、東アジアでは来年戦後七十年ですね、一年遅れますから。どうでしょう、ヨーロッパと同様に、戦後七十周年ということで今年の六月六日、ノルマンディーの式典が行われたように、東アジアの国々の首脳が一堂に会してあの式典のような会合を開くことはできないでしょうか。これは重要な視点だと思いますし、総理は恐らくそういう思いもあるんじゃないかな。これは質問通告していませんけれども、今の率直な思いをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの江崎議員の御提案は一つの御見識だと思います。  しかし、一方、ヨーロッパの情勢とアジアの情勢には違いもございまして、特にヨーロッパにおいては、かつてソビエト連邦が存在をした時代は、そのソビエト連邦に対抗する形でNATOという存在があり、その中での一体化というのがある種進んでいったわけでございます。  そして、ソビエト連邦が崩壊をした後においては、ロシアにおいても民主的な選挙が行われるようになった中にあって、今回七十周年を迎え、ロシアのプーチン大統領も呼ばれたわけでございますが、ただ、今回の七十周年においては、クリミアへの対応、あるいはウクライナへの対応というのが非常に大きな焦点になったのも事実でありまして、そこでポロシェンコ新大統領とプーチン大統領が果たして会談を行うのかどうか、あるいはプーチン大統領と他のフランス、イギリス、そしてドイツが首脳会談を行うのかどうかというのも大きなこれは一つの注目点であったんだろうと、このように思うわけであります。  それについてはそれぞれ相当の議論がG7であったのも事実でございまして、なかなかこのノルマンディーでみんなが集ってみんな仲よくというところまでは行っていないわけでありますが、しかし、そこでみんなが一つの場に集って、歴史的な場に集って顔を合わせ話ができるという状況は私は大切なことではないかということであります。  残念ながら、このアジアにおいてはそういう状況にはなっていないわけでございますし、また、北朝鮮まで含めれば残念ながらまだ冷戦の残滓はアジアには残っているという点もあるわけでございますが、将来そういう日が来るように我々も努力をしていきたいと、このように思っております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 もう少し積極的な実は御意見をお持ちかなと思ったんですけれども。  私は、今総理が言われた一つの大きな原因、できない原因には、隣国である中国、韓国との日本の首脳同士での話し合うことすらできないという今の現状があるわけですから、これを何とか打開しなきゃいけない。しかし、その大きな原因の一端は、総理の歴史修正主義の考えや昨年末の靖国参拝であったと、私はそう思うんですね。そんなさなかに集団的自衛権の行使を決めれば、両国との関係は更に悪化するのは火を見るより明らかではないですか。事実、五月十五日の記者会見以降は相当厳しい反応が両国から起きました。  そこで、ノルマンディー上陸から三十年前、何があったか覚えていますか。一九一四年六月です。ちょうど百年前です、ぴったり百年前、サラエボで一発の銃声が響きました。それをきっかけに第一次世界大戦が実は始まるわけです。その年には実は終わると言われていました、この大戦。しかし、四年も掛かった。戦闘員と民間の犠牲者は実に三千七百万人ですよ。これ、世界で初めての世界大戦、歴史上初めてです。  これ、なぜ起きたか。これは、ヨーロッパ各国が集団的自衛権で結ばれていたからです。つまり、攻守同盟、攻撃と守るということをお互いが組んでいた。だから、連鎖的に世界が、その国々が世界大戦に参加をしていった。集団的自衛権というのはそういうものなんです。  安倍総理は、集団的自衛権行使と併せて対中包囲網の性格を持つアジア版NATOを思い描いているようですけれども、これでは地域の対立と緊張を高めるだけ。国際社会は尖閣諸島をめぐる日中対立を警戒をしています。  世界で最大の成長地域である東アジアでの平和と協調、交易と人的交流を豊かにすることが、経済を活性化をし税収を増やす道、まさにデフレに苦しむ日本が進む道ではないでしょうか。そのための知恵と構想力こそが私は問われていると思うんですね。その構想力は何か。参考にすべきは一九七五年に発足した全欧安全保障協力会議、今の欧州安全保障協力機構、OSCEではないでしょうか。  機構は欧州全体の安全保障について東西陣営に関係なく話し合うために設立されたものであって、実はこういう努力がさきのノルマンディーの七十周年の式典に結び付いていく、これらの努力が結び付いたものなんです。OSCEの議長であるスイスのブルカルテル大統領は二月に来日されました。そして、アジア版OSCEのようなものをつくるという提言をされました。  防衛大臣、昨年夏の拡大ASEAN国防相会議において、アジア版OSCEの創設を提案をされたというふうに聞いております。小野寺防衛大臣、どのような考えの下、その内容はいかなるものだったのでしょうか、お聞きします。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 昨年、ドイツの陸軍のトップが私の防衛大臣室に来まして懇談をする機会があったんですが、そのとき、冷戦期に八千両あったドイツ陸軍の戦車が今は三百両しかないという話を聞きました。これはやはりヨーロッパではかなり安全保障環境が整備されているんだなという印象がありました。  その中で、実際私もウィーンに行きまして、現地で話を聞き、そしてそこで分かったことは、実は五十七か国が加盟していますこの欧州安全保障機構であります。ここでは、定期的に毎週のように実は各国の代表が集まりまして、そしてそれぞれの国の軍事費の透明度、これを様々言い合う。もし相手の国にこれは不安があれば、査察をすることもできる。今回のウクライナの査察も実はこのOSCEが行いました。このような機構であります。  翻って、アジアで見ますと、私ども、隣国中国に関して、あるいは北朝鮮もそうでありますが、一番不安なのがやはり透明性がないということ、このような機構がこのアジアであればいいんではないかということを、昨年の八月ですが拡大ASEAN防衛大臣会合がありまして、その席で、初めてだと思いますが、日本側から、是非そのような機構も常設にこの機関で置いて、そして相手国の様々な防衛の問題について透明度を高めること、この努力は重要ではないかと思っております。  ただ、いずれにしても、この案に関しては、当時集まった会議の中でコンセンサスはなかなか得にくい状況ではありました。大切なのはやはり各国の信頼関係をつくっていくこと、これも一つ大事なことだと思っております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 今、防衛大臣おっしゃったとおり、各国との信頼関係を築くのが一番大事、そういう意味でアジア版OSCEの一つのきっかけをつくられたんだと思います。是非、これ進めていただきたいと思います。  その安全保障を考えるとき、現代のそれぞれの国家、これは兵器庫と例えたらいいんでしょうか、ミサイルや爆弾だけではなくて、それ以上に技術や貿易や資源、金融、文化交流など、あらゆる手段が備蓄されている、そういう時代になっているわけですよ。こんな時代に政治力の不足を軍事に逃げ込んでカバーするようなことは絶対にすべきではないと思いますし、今この時期に集団的自衛権行使の容認は現実的に求められていない、私はそう思います。  せんだって、先ほど訪米したと言いましたけれども、そこでの政府高官の専門家は、集団的自衛権の行使容認を今頃やる、ロストオポチュニティーだと言われました。時機を失しているというふうに指摘されたんですよ。  政治の課題は政治、外交で決着すること。このことを、先ほど言った、百年前、第一次世界大戦の勃発からちょうど百年です、私たち政治家は深く認識すべきだということをまず冒頭申し上げておきます。  そこで、総理の、今もお話を察して目をつぶっていらっしゃいますけれども、参議院の立法府の議員としてまず私が総理に指摘をしておきたいのは、国会審議での総理の答弁時の態度、語り口です。  一言で言えば、言論の府であり、憲法第四十一条にある「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」ということに対する認識が欠けておられるのではないか。国会議員をばかにしたような言論、ポーズが往々にして見られたことです。  僕は野党だからこう思うのかなというふうに思っていました。ところが、同じように思っていらっしゃる方がいらっしゃった。それは、官房長官もされた総理の大先輩、河野洋平さんです。  河野さんは、雑誌「世界」の五月号に「平和への決意を再確認せよ」という論文を掲載されています。お読みになりましたでしょうか。その中にこのように書かれている。現在の安倍政権の姿勢には大きな危惧の念を抱かざるを得ない。そして、第一に指摘されたのが国会議員に対する安倍総理の姿勢です。答弁などを聞いていても、国会議員に対して上からの目線で接していることが少なくありません。国会議員の後ろには何万人というその議員を支持している国民がいることを忘れてはいけません。特に野党の議員への答弁は、その背後にいる国民に対して著しく礼を失しています。このような態度は行政の責任者として非常に不適切なものだと思いますと指摘されています。  総理、大先輩のこの指摘に対して、答えにくいんでしょうけれども、今どのように思っていらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の不徳の致すところでありまして、我が党の大先輩からも厳しい御指摘をいろいろな場でいただいておりまして、私もしっかりと受け止めていき、また拳々服膺していく必要もあるだろうなと、このように思っております。  河野洋平元議長といえば、もう今や知らない人はいない存在だろうと思います。しかし、あえて申し上げれば、自分のそれぞれ信念を持って政治家になっているわけでありますが、様々な議論を行う際に、その信念を少し丸めてその場を取り繕ったとしても、後々大きな禍根を残すことになることもあるわけでありまして、それは、私は政治家としては不誠実ではないかというのが私の考えであります。それはそれぞれ政治家が持っている信念でございますから、みんなが自分と同じ信念を持てという気持ちは私は毛頭ないわけであります。このような御批判も時には恐れずに、私は自分の信念を述べていくつもりであります。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 立派な最初の方は反省かなと思いましたけれども、そう言われると、私もちょっと反論したくなるんですが。  一月の二十九日の総理の施政方針演説に対する代表質問のときです。総理、覚えていらっしゃいますか。まさしく総理に対する質問が行われていたんです。今日と同じように隣の席が、まあ今日は左隣ですけれども、右隣が麻生財務大臣です。よくしゃべっていらっしゃいます、この二人。そのときもしゃべっていらっしゃいました、質問があっているときに。ところが、そのときは突然、ちょっと僕、態度でやりましょうか、総理、座っていて、いきなり手を後ろにこうやって回して大きく背伸びされるんです。質問されているときですよ、あなたが。そして、その手を大きく背伸びをして、私はまるであくびをされるのかと思った。  私は目の前でそれを見ていたから、何ですか、その態度はというふうにやじったというか、そのとき私の声聞こえたはずです。しかし、残念ながら、そのときの新聞、これだけ写真撮られているのに、そのときの新聞、写真は一枚も流れませんでした。新聞報道もされませんでした。驚くべきことです。それで……(発言する者あり)いや、質問をされているときですよ、代表質問をされているそのさなかに、いかにも聞いていないようなそぶりをされたんです。  その後の質問者への答弁です、そのときの。靖国参拝への質問に対して、聞こえないほど小さな声で早口、原稿をただ読み飛ばされた。これは新聞やテレビで報道されたので国民の皆さんにも記憶があると思います。その答弁には、中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは全くなく、両国に対しては、これからも謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って説明をしてまいりますという、その表現があったんです。だけど、それが全く聞こえなかった。  これほど、中国、韓国の両国民、立法府、そして何より質問者に対して誠実ではなく傲慢、礼儀正しくではなく無礼、誠意はなく全くの不誠実。そのときの実は代表質問者の当事者がここにいらっしゃる決算委員会の筆頭理事の神本参議院議員です。  先ほど総理は、しっかり受け止める、反省すべきときは反省しなきゃいけないとおっしゃった。だったら、まだ遅くはありません、神本議員にこの場で謝罪すべきじゃありませんか。どうですか。どうぞ、先ほどの質問のこれ続きですよ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今大切なこの決算の時間に、かつてのやり取り、私も多少、人間ですから疲れているときもありますよ、当時は海外出張が重なっていましたから。そういう行為があれば、もしかしたら、申し訳ないと思いますよ。(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) でも、一々それをここで取り上げて、もっともっと政策の議論をしましょうよ。それを国民が求めているんじゃないですか。私は厳しく反論する場合もあります。厳しく反論されれば不愉快かもしれませんが、それがこの委員会における議論なんですよ。  私は、これからも私の述べるべき点はしっかりと述べていきたいと、このように思います。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 その開き直りが、私はいかがなものか。まさしくそれが河野さんが指摘されていることじゃないんですか。(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 私は、ただ単に、ただ単にそのポーズの話をしたわけじゃありません。国会の、参議院の本会議場ですよ。その中で、まるであくびをするような態度が本当にいいんですか。それをあえて言わせていただいたのは、そういう態度が今の国会運営にすごく一貫して流れている、そのことを指摘したいから、あえて言わせていただきました。  憲法の意義について質問させていただきますけど、総理が今進められていらっしゃる集団的自衛権の問題も含めてそうなんですけれども、この一貫した流れの中に、余りにも国会、本院をばかにしている、あるいは国民を余りにミスリードする、そういうのが多過ぎるから、あえて質問させて先ほどいただきました。そういう態度を取る、過去、総理大臣がいたでしょうか。  改めて、五月八日のニューヨーク・タイムズの社説に、今の集団的自衛権に関して、安倍氏は力ずくで押しており、日本は民主主義の重大な試練に直面しているという、海外の有力紙が社説で述べています。  総理は国会で、立憲主義とは王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方だと説明をされています。私はとんでもないと思うんですが。今生きている私たちの社会にとって最も基礎に置かなければならないもの、それが立憲主義です。これは皆さん当たり前だと思っていらっしゃる、そうだと思います。  社会には様々な意見や立場があり、対立もある。それを認めた上で、その時々の政治、政治多数派の意見だけでは変えることのできない中長期の原則が、それが憲法です。つまり、憲法が必要なのは、為政者、権力者の判断をいつも信用することはできない、つまり、まさに安倍総理、あなたのような時の為政者を信用することができないからこそ立憲主義という思想があるんです。  ところが、今、与党は、たった十九人の政治家で構成される閣議の決定によって憲法の解釈変更をしてしまおうとしている、そういうわけですよね。もし憲法の解釈を仮にその時々の政府の判断で変更できるというのであれば、次の政権で、仮に次の政権でもう一度集団的自衛権の行使はできないという見解に逆戻りすることだってこれはあり得るわけですよ。そんなことを繰り返していると、日本の政府の憲法解釈の信用は地に落ちてしまいます。我が国自体が他国から信頼されなくなります。  このようなことを避けるシステムとして、実は内閣法制局がある。内閣法制局長官は国務大臣ではありませんよね。なぜでしょうか。それは……(発言する者あり)そんなことありませんよじゃない。内閣法制局による憲法の解釈がその時々の党派の見解から独立した客観的なものでなければならないからです。長官が国務大臣として国会に対して連帯責任を負う立場であれば、たまたまその時点で国会の多数を占める党派からの見解から自由ではあり得ません。政府・与党の党派的見解から独立した客観的解釈であるからこそ、逆に政府の政策が憲法違反ではないとの結論を支え、正当化する役割を果たせるわけですよ。安倍総理が集団的自衛権を行使したいと言うから、それは合憲だなどと内閣法制局が言い出したら、内閣法制局の存在意義が失われることになります。  法制局長官、お見えになっていると思います。私の言っていることは間違いありませんか、お答えください。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣法制局は、内閣法制局設置法に基づきまして、内閣に付される法律案、政令案及び条約案を審査し、これに意見を付し、及び所要の修正を加えて内閣に上申すること、法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べることなどを所掌事務とする内閣の補佐機関でございます。  その職務がとりわけ専門的かつ実務的なものであることなどから、内閣法制局長官は内閣が任命する特別職の国家公務員とされておりますが、国務大臣をもって充てることとはされていないものと理解しております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 そのとおりなんですよ。それで……(発言する者あり)いやいやいやいや、違う。なぜ国務大臣でないかということなんです。  それで、私、ちょっと通告していませんけれども、林農水大臣にお伺いいたします。  これ、二〇一〇年の二月号の「月刊自由民主」に対してですけれども、立憲主義に関してなんですが、政治主導の在り方に関する緊急提言というのを座長で出されていますね。そのこと、記憶になくても結構です。ただ、その中の文章です。これは民主党が、我々が、民主党の政権運営に対して、政府の私物化の動きを見せる民主党を監視しながら、そういう意味で座長になっていたんですね。その中の考え方なんです。  憲法は主権者である国民が政府、国会の権限を制限するための法であるという性格を持ち、その解釈が政治的恣意によって安易に変更されることは国民主権の基本原則の観点から許されない、憲法解釈に関する答弁に関わることの多い内閣法制局長官には、他の官僚とは異なり、準司法的な性格が求められる、このように書いていらっしゃいます。  林大臣、この見解は今も変わっていらっしゃいませんか、あるいは変わっているとすれば、いつ、そしてどのような見解に変わられたのか、もしお答えできればお聞きしたいと思います。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 党でそういういろんな検討をしたときの座長を務めていたという記憶はございますが、ちょっと御通告がなかったので、中身については改めて御答弁の機会があればさせていただきたいというふうに思います。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 それでは、今からもう一度読みますので、この考え方でどうかということだけよろしいですか。その次質問しますので、総理、よろしくお願いします。  憲法は主権者である国民が政府の、国会の権限を制限するための法であることという性格を持つ、これはいいですね。その解釈が政治的恣意によって安易に変更されることは国民主権の基本原則の観点から許されないということなんですけれども、ここはどうですか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっと申し上げましたように、詳細については、まだ手元にも文章もございませんし、そのときの経緯等も正確に把握してからお答えをした方がいいと思っております。  当時、我々野党でございましたが、一つ今思い出したことは、たしか、法制局長官は国会で答弁をせずに、担当の大臣を置かれてそれが答えるんだと、こういうことをされておられたのは記憶にございますが、詳細については、またしっかりと読み込ませていただいて、答弁させていただきたいと思います。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 でも、これは一番大事なことで、我々民主党が政権を取っていた頃ですから、我々も参考にしなければならないんですけれども、全くこのときの提言と同じようなこと、危機感を持っていたことが、今、安倍内閣でやられようとしているということなんですね。憲法解釈を閣議決定で行おうとすることは、まさしくそういうことなんです。  それで、総理いらっしゃらないので次の質問に移りますけれども、立憲主義をないがしろにしてまで……(発言する者あり)もういいです、大体内容は、今のやり取りの中で総理の答弁内容も大体把握しましたので。  改めて、立憲主義の問題について議論に進みまして、立憲主義をこれだけないがしろにしてまで集団的自衛権行使容認を急ぐ理由なんですけれども、安保法制懇や安倍総理は我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさだと言われていますね、急ぐ理由として。しかし、第一次安保法制懇の初回、平成十九年の五月十八日です、安倍総理は、我が国を取り巻く安全保障環境はむしろ格段に厳しさを増している、こうおっしゃっています。六年後、第二次安保法制懇の初回、平成二十五年の二月八日、総理は同じように、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している。むしろ格段にが一層に変わっただけなんです。六年たっても、総理自身が説明される提案理由は全く変わっていません。  第一次安保法制懇では報告書を取りまとめましたけれども、提出をしましたけれども、その後の福田政権では全く無視されました。麻生総理大臣も、解散後の選挙公約に米国艦艇の防護等に触れたのみですよね、これは後は総選挙で負けられたわけで。その後、鳩山、菅、野田の各政権でも議論になりませんでした。ということは、集団的自衛権の行使容認の緊急性などはないということではないですか。  そして、安倍政権になるや否や、対中、対韓などアジア近隣諸国とのあつれきは一気に増大します。関係が悪化して、その原因はあなたの歴史修正主義の考えや昨年末の靖国参拝であることは、これは間違いない。そんな中に、先ほど言ったとおり、集団的自衛権行使を決めれば両国との関係は更に悪化するのは火を見るより明らかです。事実、先ほど言ったように、これも両国の反応は大変厳しいものでした。自らが安全保障環境を厳しくしておいて、それを理由に集団的自衛権行使が必要だと叫んでいるんですね。火を付けておいて、水持ってこいと叫んでいるようなものです。これを世間ではマッチポンプと言いますね。余り政治家がやることではない。結局、安倍総理にとっては集団的自衛権の行使そのものが目的であると言わざるを得ないんです。  今から十年前……(発言する者あり)失礼ですか。先ほどのこのポーズは失礼じゃなかったんですか。今から十年前の著作、「この国を守る決意」ですよ、本書かれましたね。軍事同盟というのは血の同盟です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、軍事同盟というのは血の同盟です。血の同盟です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。しかし、今の憲法解釈の下では、日本の自衛隊は少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけです。日米安保をより持続可能なものとして双務性を高めるということは、具体的には集団的自衛権の行使だと思いますねというふうに書かれていますよね。  韓国は、双務性を持った条約をアメリカと結んでいます。米韓相互防衛条約、一九五三年です。韓国は、双務性を持ったこの条約に従ってベトナム戦争に参戦をいたしました。ここにパネルを持ってきました。(資料提示)これは韓国国防部のウエブサイトから引っ張り出してきたんですけれども、ベトナム戦争への参戦者数が三十二万五千五百十七人、延べ人数です、一九六四年から七三年まで。うち戦死者が四千六百一名、戦傷者が八千三百八十名です。  仮に、今、日米の双務性を高める、そういうことをやるとすれば、アメリカのために日本の若者が血を流す、そしてこれが集団的自衛権だとあなたはおっしゃっている。過去、集団的自衛権の行使を認めていたとすればですよ、認めていたとすれば、当然日本もこのときベトナム戦争に参戦した可能性が非常に高いじゃないですか。韓国の……(発言する者あり)いや、集団的自衛権の行使を認めていたらですよ。あなたたちはそういうことをやろうとしている。笑い飛ばしちゃ駄目なんですよ。  そして、韓国の若者と同じように日本の若者の犠牲者もひょっとしたらこれ以上出ていたかもしれない。そんなことを国民は覚悟しなければならないのが実は集団的自衛権の行使なんです。自分の子や孫が戦場に行くことを覚悟しなければならないんですよ、国民の皆さん。それが集団的自衛権を認めた場合の我が国の国防の在り方なんです。だから変えようとしているわけでしょう。  そのような重要なことを国民の意見も聞かずに閣議決定で本当に決めてしまうおつもりですか。そのことをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど委員は私が国民をミスリードしているというふうにおっしゃったけれども、まさに委員がミスリードされているんですね。  まず、先ほど委員の発言の中で、私はアジアのNATOを目指していると言った、言っているけどと。私は、言ったことありますか。もし私がアジアのNATOを目指しているということを言ったのであれば、その証拠を示していただきたい。これ、テレビ付きの委員会の場ですよ。もしそれで私が反論しなければ、どこかがそれを孫引きするかもしれないじゃないですか。これ、じゃ、責任持って私がそれを言った証拠を出していただきたいと思います。よろしいですね。もしこれ出せなかったら重大なことですよ。よろしいですね。  それが一点と、そして集団的自衛権の行使に関して……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に、答弁中です。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行使に関して、安倍政権が防衛費をそれに合わせてどんどん増やしていこうとしているとおっしゃった。それも違います。もう既に五年間、中期防で私たち示しているんですよ、〇・八%ずつ示している、これを変える予定はないということはもう既に私は国会で述べているわけであります。  さらに、その例として挙げられていますね、今我々が議論している集団的自衛権、あの安保法制懇から答申が出されました。これについては、もう国会で再三私答弁をしております……(発言する者あり)しております。その中において、例えばイラク戦争あるいは湾岸戦争で、自衛隊が戦闘を目的として、戦闘を目的としてですね、言わば部隊を派遣をするということはないということは明確に申し上げたとおりであります。  そして、憲法において、個別的自衛権においても海外に自衛隊を戦闘を目的として派遣をすることは一般に許されていないというのが今までの解釈であります。そして、それは当然、個別的自衛権にも関わるわけでありますから、集団的自衛権にも関わるということを私は何回も申し上げております。  そして、その中におきまして、もしたとえベトナム戦争のときに同じような今の制限的な集団的自衛権の行使の中で参戦することがあるかと言われれば、それはないということを申し上げているわけであります。私がないと言ったことを、まるであるかのごとく書いておられる。アジア版NATOと言ったこともないにもかかわらず、あったと言っておられる。ですが、そういう議論では駄目なんですよ。やっぱりお互いに、お互いがちゃんと事実に基づいて、お互いの発言に基づいた議論をしていこうではありませんか。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 総理、私は言ったと言っていません。アジア版NATOを思い描いておられるようですがというふうに言ったんですよ。  それともう一つ、予算を増やそうとしていると言っていません。今後、軍備が拡大される、これは私の私見です、今後の国防費の増加も覚悟しなければならない、そう言ったんです。あなたが増やそうと云々という話じゃないんです。そのことをちゃんと聞いてくださいよ。  これは、私が言ったのは、集団的自衛権の行使というのは、限定容認とかはあり得ないと私は思っているんですよ。そうなんですよ。それで、仮に集団的自衛権の行使を容認するということを考えれば、当然、双務性を持った防衛条約と言っていらっしゃるわけだから、総理は、双務性を持った日米安保条約、そして、アメリカの若者と一緒のように日本の血も流さなきゃいけないと言っているわけですから、当然こういうことを考えるじゃないですか。そういうことですよ、双務性を持ったということは……(発言する者あり)いやいや、違うと言っているんじゃなくて、やっていらっしゃることがそうなんですよ、やっていらっしゃることが。こんなことで、こんなことで、こういう大事なことを閣議決定で……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 閣議決定、許していいものじゃないんですよ。世の中のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、もっと怒ってもらわなきゃ駄目なんですよ。こんなことで許されていいんですか。  続いて、もう一つパネル上げます、もう一つ。ちゃんと聞いてくださいよ、総理。  日米安保を持続可能にするには、双務性は高めるべしというふうにおっしゃっていますよね。これはもう何回もおっしゃっていますから、本にも書いていらっしゃいますから、これは総理の持論ですよね。しかし、この認識は根本から間違っている、私はそう今から指摘をさせていただきます。  なぜなら、日米安保の条約名称は、ここに書いているとおり、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約なんです。これをさきに挙げた米韓相互防衛条約と比較すると明らかに違います。  そして、これは三条を抜き出してきました。ここの中には、締約国は、個別的に及び相互に協力をして、継続的かつ効果的な自助及び相互援助、ちょっと黒くしていますけど、相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うということを条件として、維持発展させると書いてありますね。これは皆さん御存じのとおりだと思います。  その下、実は外務省がこの条文を説明をしています。第三条です、第三条の説明。ただし、我が国の場合には、相互援助といっても、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内のものに限られることを明確にするために、憲法上の規定に従うことを条件としているんだと。これ、いまだに外務省の中の、当たり前なんですけれどもね、はっきり外務省の中でこう言っている。つまり、憲法上の規定に従うことを条件とするということは、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内、これ外務省が説明している。このことから見ても、集団的自衛権行使はできないという考えは、これは日米同盟の基本であり、アメリカも承知しています。戦後七十年近い歴史の中で、ある面では国民の権利として普遍化していると私は思っています。  韓国やフィリピンは相互防衛条約です、先ほど言いましたとおり。日米安保は集団的自衛権を否認した個別自衛権の方に立っています。その条件の下に、御承知のとおり、安保条約の五条があるわけですね。  ここの中で、条約区域を、各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃というふうに限定しています。日本の領域内のいずれか一方とは、もう御承知のとおり、在日米軍基地か日本への武力攻撃。つまり、日本の領域外である米国領域への防衛義務は日本は負っていない、こういうことになっています。なっていますね。これに対して米韓相互防衛条約は、いずれの当事国に対する太平洋地域における武力攻撃ですから、もう明らかに違います。  確かに、三条そして五条、今言ったこのままであれば、日米安保条約は片務条約です。アメリカだけが損をします。総理が言うように、アメリカの若者と一緒に日本の若者が血を流さなくてよいのかと、こういう理論になってしまうんです。しかし、現実はそうではない。この五条が持つ日米の不均衡、日米の不均衡の見返りとして、第六条で基地の供与が設けられています。これが日米の安保条約の基本です。  米軍の基地があるということは、東アジアの有事の場合は真っ先に攻撃されるかもしれない、そういうリスクを我が国は負っています。そういうことも含めて日米安保条約が組み立てられている。他の国の相互防衛条約にはこのような規定はありません。国内にこれだけの基地を無料で提供しているのも、在日米軍駐留経費負担、いわゆる思いやり予算のようなものを駐留米軍に払っているのも日本だけです。二十四年度の思いやり予算を含む在日米軍関係費用の決算額は約二千三百億円です。このほかに、地代とか様々な経費を米軍に肩代わりしている。このように、日米安保条約は極めて例外的ですけれども、十分に双務性を持った条約なんです。  集団的自衛権の行使を容認をされるとすれば、総理、安保条約の基本が変更されることを意味しますよね。その場合は、我が国の方が在日米軍基地の分だけ負担が重くなりませんか。片務性となるためには、少なくとも基地の提供を認める第六条を削除すべきじゃないですか。そのような覚悟はおありですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどから、先生はずっとミスリードしておられるんですよ、私の先ほどの指摘に対して苦しい苦しい答弁をしておられましたけれどもね。アジア版NATOについては、私はそれは全く現実的にあり得ないということをはっきりと書いておりますよ。書いているんですから、そういうものをしっかりと読んだ上で御発言をいただきたいと、このことをまず申し上げておきたいと思います。  そして、条約を私は変えるという考え方は毛頭ないわけであります。この安保条約には、前文に両国は個別的、集団的自衛権を保有するということが書いてあります、前文にですね。その上において言わば五条、六条があるわけでありますが、これを六〇年にこの安保条約を改正した。旧安保条約は一条から五条までしかなくて、米側には言わば日本防衛義務に相当するものは書かれていなかったわけでございますが、五条において、新しい安保条約において初めてこれは防衛義務に近いものが、共同対処するということが書かれたわけであります。そして、この共同対処に対して、六条において、日本の言わば施設等々を基地として言わば極東の平和と安定のために使用することができると。  この五条と六条によって双務性が担保されているということは、我々はずっとそう申し上げてきたわけでありますが、私がそう申し上げて、もちろんそれは法律上担保されるというふうに申し上げてきたわけでありますが、しかし、条約がですね、条約が果たしてしっかりと機能していく上においては、これはきずなが必要なんですよ。条約をただかざしても、信頼のない条約は紙になってしまう。これは世界の常識と言っても私はいいんだろうと思いますよ。  つまりですね、つまり五条において、五条において米国が共同対処をするというのは、共同対処をするということは、言わば両国の国民の信頼関係が決定的に必要になるわけであります。つまり、この信頼関係が毀損されてはならないということであります。(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後ろがうるさいものですからね。あなたの同僚が応援に駆け付けているようで……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。  また最初から言いますと、つまり、これは信頼関係がなければ、信頼関係がなければ言わば条約というのは本当に機能はしないんです。ですから、信頼関係を大切にしていくということで私は申し上げているわけであります。  そして、私たちがやろうとしていることは、この前、例示で示したように、近隣諸国において有事が発生した場合、その有事においてその国から逃れようとしている日本人を米国の艦艇が輸送している場合、この船を防護できなくていいのかということについても申し上げているわけでありまして、こういう例について真面目に真剣に向き合っていくことは私は政治家の責任なんだろうと、このように思いますし、委員が米国に行ってこの必要性を全く誰も感じていなかったというのは大きな間違いですよ。  それは、我が党の議員が米国に行って上院議員、下院議員、また政府関係者と会って、こうしたことの、言わば集団的自衛権の解釈変更を含めて、解釈変更を含めてしっかりと今研究していることにおいて大きな評価がなされているわけでありますし、事実、オバマ大統領が来日をされた際、しっかりと支持し、評価したじゃないですか。ですから、委員が、委員が言っておられることこそまさに大変なミスリードのオンパレードと言わざるを私は得ないと思いますよ。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 総理、私、冒頭、十年前の著作の話をしましたでしょう。軍事同盟というのは血の同盟ですとおっしゃっているんですよ。日本がもし外敵から攻撃を受ければアメリカの若者が血を流しますと、しかし今の憲法解釈の下では日本の自衛隊は少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけですといった、これをもって片務性と思われているんじゃないんでしょうか。  だけど、私は、五条があってその日米不均衡を担保するために六条の基地の供与がある、これで双務性は保たれている、バランス取れている、だからあえて血を流すような集団的自衛権の行使を今この時期にやる必要があるのかという、そういう論理なんです。  先ほど総理が、もう質問飛ばしますけれども、今パネルの話というか、されました。そこで、じゃその話に行きますけれども、またこれミスリードと言われるかもしれませんが、あえて言わせていただきますが、ミスリードのお互いやり通しみたいな世界になっていますが……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 静粛に。静粛に。静粛に。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 集団的自衛権の行使に条件を付けて制限すればよいということがにわかに語られていました。また、安保法制懇の報告では、集団的自衛権は権利であって義務ではないのだから行使しないことももちろんあると。  総理は最近まで限定容認や必要最小限度と言っていたんですけれども、さきのG7辺りから少し考え方を変えられたようですね。私はそれは正しい判断だと思います。なぜなら、戦争は相手があるものです。戦争になって私たちは一発しか殴りませんとかという論理は通用しないんですよ。必要最小限の限度を超えたから自衛隊だけが引き揚げることができますか。同盟国や敵国との関係のいずれを考慮しても現実的ではないんです。一旦集団的自衛権の行使で我が国の自衛隊が動いていけば、同盟国や敵国との関係を考慮しても、そう簡単に引き揚げることはできない。必要最小限という言いぶりはごまかしであって、歯止めにはならないんです。集団的自衛権は質的問題です、量的問題ではありません。だから、必要最小限度などの理論は成り立たないんです。今、そういうふうに総理は思われつつあるから私はそれは正しい判断ではないかなと、このように思ったわけですが。  そこで質問です。一九九三年にアメリカから行われた具体的要請についてお聞きします。  この年、北朝鮮はNPT、核兵器不拡散条約を脱退をしまして、独自の核開発の姿勢を明確にしましたね。アメリカは北朝鮮への攻撃を実行に移そうとした。第二次朝鮮戦争の危機が最も高まったときです。このとき、日本に千五十九項目もの支援要請を行っています、アメリカは。しかし、当時の日本政府は、集団的自衛権の行使が禁止されていることを理由にこれを拒否しています。米軍に当然多数の犠牲者が出ると見込まれたこともありますけれども、最終的に攻撃を断念しているんです。つまり、これで朝鮮半島有事は回避された。戦争を回避させた理由の一つ、これは日本の対応にもあったわけです。  総理、お聞きします。今集団的自衛権行使を容認すれば、今後こうした要請を拒むことは不可能になると思いますが、どう思いますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は誤解されているんだと思うんですが、条約と今度の憲法解釈についての研究、検討は別です。条約は変えれば義務が生じます。条約に書き込まれたことは義務として我が国に課せられるわけでありますが、今我々は、議論していることは、集団的自衛権の解釈変更についても、制限的な解釈の変更をしているわけでありますが、これは権利として生じるものでありまして、これは条約上の義務には全く関係がないわけでありまして、つまり、その後、それを政策的選択肢として、言わばそのための法律ができて、できるかどうかということが決まっていくわけでありまして、今まさに、先ほど挙げましたような例、近隣諸国において戦闘が発生し紛争が起こって、そこから逃れようとする日本人を乗せている米国の船が言わば襲われたときにこの船を助けることができない。  しかし、それは果たして憲法が要求していることだろうかということで検討しているわけでありまして、法制局の見解でも、これはできないというのが明確な法制局の立場であります。そのままで果たしていいのかどうかということを検討しているわけでありますし、それは様々な事態において、そのための我々は立法をまずしなければいけない。法律を作った後、果たしてそれを行うかどうかについては、これは政策的な選択肢において判断するということになるわけであります。  ですから、今委員が言われているような、いきなり何か日本が大きな戦争をするかのごとくのこの御質問は全くの誤りだし、そんな義務が私たちに生じるわけではもちろん全くないということは申し上げておきたいと、このように思う次第でございます。  それと、先ほど来、日中関係、日韓関係について指摘をされておられますが、言わば尖閣の問題について日本が何か譲歩をしなければ首脳会談をやらないということであれば、私はそれはできないということを申し上げているわけでありまして、そうしたことではなくて、首脳間がまず胸襟を開いて話し合うべきだと、対話のドアは常にオープンだということは、これは昨年の初旬からずっと申し上げているわけでありまして、中国側にも同じ態度を取っていただきたいと、こういうことでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 質問の趣旨をよく理解されていない。  私は、憲法の解釈変更がする前は集団的自衛権行使できなかった。これは憲法に違反するから駄目だという大前提があったわけです。それを、解釈変更を一旦してしまえば、可能性として様々なところに、憲法の枠組みを取っ払うわけですから、これは大変なことですよ。(発言する者あり)いやいやいやいや、集団的自衛権の行使を、集団的自衛権の行使を容認するということですから、これは大変なことですよ。  パネル出してください。  今、個別の事例の話をしましたけれども、改めてもう一度指摘しますと、中央公論の二〇一三年の七月号に田原総一朗さんとの対談で、総理、こういうことを述べられている。公海上で、日本の船を警護するために、米艦船に対してミサイルが飛んできた。近くにいた日本のイージス艦がそれを察知した。撃ち落とす能力も持っていた。見過ごせば何百人もの米兵が死ぬ。さて、どうするか。当然撃ち落とすべきでしょうと多くの人が答えます。でも、それが集団的自衛権の行使そのものであり許されないと話せば、そうなんですかということになる。ちゃんと説明すれば分かってくれるんですよ、集団的行使やらなきゃいけないという、こういう論法だったんですね。これは書かれていますから。  しかし、これなんて、むちゃくちゃな議論の吹っかけ方なんですよ。このパネルが安保法制懇の報告書の九番目の事例です。これに酷似しています。法制懇の図をそのままパネルにしました。我が国近隣で武力攻撃が発生をして、公海上でアメリカの艦船が攻撃されるという想定です。  実は、第二次世界大戦後、公海上で米艦船が攻撃を受けた事例は、一九六四年のトンキン湾事件だけなんです。しかし、これはニューヨーク・タイムズが、アメリカが自ら仕組んだ謀略と後日報道しています。つまり、米艦船は攻撃を戦後一度も受けたことがない。強大な軍事力を持つアメリカに対して攻撃を仕掛ける国などあり得ないのが現実なんです。そんなあり得ないことを事例を持ち出して集団的自衛権行使を声高に叫ぶ、これはまさしく、国民を愚弄するにも程がありますよ、様々に示す具体例を詭弁としか言いようがない。  仮にですよ、仮に、総理、総理、仮に事例が現実のものとなった場合、アメリカの艦船が攻撃される状況はもはや戦争ですよ。アメリカはすぐ報復をします。当然、日本の米軍基地や、自衛隊も、米軍の基地から出動していきます。その国を徹底してたたくはずです、そういうことをすれば。ですから、世界最強のアメリカに挑むのですから、当然、艦船にミサイルを撃ち込むその国は、自分がやられる前にやれることは全部する、全部実行に移す。アメリカの艦船どころか、米軍による報復の拠点となる在日米軍基地や自衛隊基地を同時攻撃する。これは別に私が言ったわけじゃありません。あらゆる軍事評論家がそう言っています。防衛庁長官の官房長であった、あるいは防衛研究所所長も務められた柳澤協二さんも全く同じことを言っている。  そこで、日本は、現行法下で戦争に突入して、仮にこういう状況になれば、ちょっとこれ、いろいろ考えたんです。これ、めくったらこういうのが出てくるんです。考えたんです。これ、ミサイルが飛んでくるんですよ。日本は、アメリカの艦船が攻撃を受けたということは、同時に日本も攻撃される可能性が非常に高い、現実的にはそういう状況になります。そうすると、これは、日本は現行法下で戦争に突入できます。個別的自衛権で対応可能なんです。軍事の専門家に聞けば、これは誰でもそう言います。まさに、検討されていることは、これは詭弁としかしようがないんです。こんなことはあり得ないんですよ。  ただ、そうなったらどうなるか。沖縄を中心に、国内米軍基地に加えて、様々なところにミサイルが飛んできます。当然、原発へも飛んでくるでしょう。全て撃ち落とすことは不可能。これによって日本は壊滅的な状態、いえ、原発だけではなくて、この東京だって非常に危険な状態になるかもしれない。押し寄せる難民も来るでしょう。  安倍総理、あなたが想定したということは、つまりこういうことなんですよ。米艦船へのミサイル攻撃の事例というのは、そういう状況を意味するわけです。仮に米艦船に攻撃をされたということは、こういう状況を意味するんですよ。そうしたら、全て個別的自衛権で対応可能です。しかし、安保法制懇は、なぜそれを、日本への攻撃がなされていない状況というのをわざわざあぶり出したんでしょうか。それは、どうしても集団的自衛権行使に結び付けたいからですよ。状況としては個別的自衛権で対応可能なんだけれども、それを集団的自衛権にするためには、わざわざ、攻撃をされていない、日本は有事ではないということを前提にしなかったら集団的自衛権行使容認にならないからです。そうですよね。  仮に、総理が言うように、勇ましく集団的自衛権を行使するぞと言ったとしますよ。まあまあ、勇ましく。米国と戦っているこの国に対して宣戦布告することになりますね、当然。そうすると、その近隣に、その国は直ちに日本攻撃を開始する。恐らくこういう状況が、ミサイルを防護した瞬間にこういう状況が起きる。  実は、事例はここまで説明しなければ意味がないんです。ここまで説明をして、あなたのように、撃ち落とさないでいいんですか、それだけで言ったって国民を全くミスリードしているのと同じじゃないですか。ここまで、現実はここまで発展をするということを、集団的自衛権の行使容認はここまでやるんだということを改めてはっきり言わない限りは駄目なんです。これは意図的に隠しているとしか言えないじゃないですか。  安倍総理、改めて聞きますけれども、最後は自衛隊の皆さんのパネルを出したかったんですけれども、ちょっと出してください、服務の宣誓があります。この中に、自衛隊の宣誓の特徴的な一文は、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、」というふうにあります。そして、その冒頭、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、」というふうにあります。つまり、ここの前提が壊れてくる。集団的自衛権を容認し、行使するとなれば、命を懸ける前提が違ってくる。この宣誓を実は変更する必要があると思います。  集団的自衛権は他国のために戦うことでありますから、安倍総理は、この宣誓に触れて、セルフイコール自衛隊、ナショナルイコール国防軍にしたいと言っている。二十五万の自衛隊員に対して、従来と全く違った任務を与えようとしている。集団的自衛権の行使とはそういうことです。  最後にお聞きしますけれども、この宣誓をして、そして集団的自衛権の行使容認というのは、先ほどの事例等あったとおり、極めて日本の国の国防の方向を変えることなんです。それを、最後に言いますけれども、本当に閣議決定で決定されるおつもりですか。そして、それも今国会中までというふうに最近おっしゃっている。こんなむちゃくちゃな議論で、国民を危険な防衛体制の中に、本当に大変な状況までに送り込んでいいんですか。これは改めて自民党の皆さんにお聞きしたいと思う。本当に閣議決定で済ませるつもりなんですか、これを。本当にそうですか、もう一度お聞きします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が行っておられる議論は、我々が行っている議論とは全く別なんですよ。  つまり、こういう議論というのは、こういう安全保障の議論というのは、安全保障の議論は緻密に議論していく必要があると思うんですよ。まさにそうしなければミスリード……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御静粛に、答弁中です。答弁中ですから、お静かに。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。  つまり、私たちが行っている議論というのは、例として挙げましたね、近隣諸国において紛争が起こったとき、それから逃れようとしている邦人を輸送している米国の船を、これを警護することができなくていいのか。これは事実できないわけでありますから、そして、それが絶対にそんなことが起こらないんだということを今委員が言っておられるわけであります。  しかし、今委員が言っておられる議論を聞いておりますと、いろんな条件が付くんですね。これは相手があることですから、国際社会で起こることを今全て私は分かると言っている人なんかは、これはそんな傲慢な人はとてもとてもそれは信用できないわけでありまして……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) お静かに。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が出している事例は、そういうことがあったとしても、権利としてですね、権利として行使できるようにしておけば、あらかじめ様々な、様々なこれは対応を可能とする、そしてそういう選択肢を持つことができるということを申し上げているわけであります。そして、その選択肢を持っていなくてもいいんだ、そんなことは全く必要がないんだというのは、まさに委員の議論であります。  ですから、どちらが私は国民の命を守るということにおいて誠実な態度かといえば、これは私たちの態度こそ、国民の命を守らなければいけない、平和な暮らしを守らなければいけないという責任ある姿勢だと思いますよ。はなからそんなことは起こらないんだというのは、言わば危機が迫っても砂の中に頭を突っ込むダチョウと同じなんですよ。そうすれば、見ないようにすれば事態は起こらないんだと思ってしまうという私は考え方ではないかと思いますよ。  そこで……(発言する者あり)

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) お静かに。お静かに。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこでですね、そこで、閣議決定についてでありますが、閣議決定については、先ほど申し上げましたように、今与党において議論をしているところでありまして、議論が調えば閣議決定を行う。しかし、直ちに自衛隊がそのもし解釈変更になったとしても行動ができるわけではありませんから、そのための法律を作る必要があります。当然、それは立法という形で国会で審議をいただき、そして国会、衆参それぞれの多数を得なければそれは成立をしないという運びになっていくわけでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 もう時間が来ましたので終わらせてもらいますけれども、私は、我が国を本当に民主主義国家として、総理、我が国を本当に民主主義国家としてもっと進化させたいというふうに思うのだったら、やっぱり堂々と憲法を改正すべきですよ。堂々と憲法改正の道を求めるべきです。あなたはその力をみんな持っているじゃないですか。可能性がある力を持っているわけですから、それが歴史に名を残す政治家の私は大きなポイントだと思いますよ。  是非……(発言する者あり)ひきょうなって、済みません、そんな閣議決定で済ませるような問題じゃない。民主党は、安倍総理が進める閣議決定での憲法解釈変更を絶対に認めません。そのことを訴えて、私の質問を終わります。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として馬場成志君が選任されました。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  本日、辰已孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君が選任されました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 休憩前に引き続き、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。  江崎孝君の関連質疑を許します。西村まさみ君。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。  午前中とはちょっと違ったスタンスから、総理始め大臣の皆様に大変国民にとって必要なことを質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  昨年の臨時国会の総理の所信表明演説に対する代表質問のときに、私は申し上げました、世界に類を見ないスピードで我が国日本は超高齢社会に突入していますと。何よりも健康が第一、そして健康寿命の延伸ということは、総理も日本再興戦略、健康・医療戦略の目標と、様々言及されていると承知しています。  日本人の平均寿命は、今、男性が七十九・九四歳、そして女性が八十六・四一歳。ところが、健康寿命との差は、男性は実は九・二二歳、女性は十二歳を超えると。非常に、十年近くは何らかの介護や介助や、そして医療の手助けが必要となっています。まさに、ここを縮めること、いつまでもお元気で人生を全うするということが、これは我が国日本の今非常に大きな課題だと思っています。そのため、経産省と厚生労働省では健康寿命延伸産業の創出というものも検討されていると聞いています。  今、日本の医療費は、二〇一三年で三十八兆五千八百五十億円。前年度比で三・一%増。そして、一九九〇年、約二十年近く前と比べると二倍近く増えているんです、そのときが二十兆六千七十四億ですから。何よりも、国民の皆様が御自身の健康に自分で気付き、そしてその状態を、健康であるという状態を長く保持するということが、これはつまり非常に大きな役割を示すと思っています。  ここで、総理に一つお尋ねしたいと思います。  私は、代表質問のときも申し上げました、歯科医師です。この歯科医師という職業に誇りを持ってやってまいりました。総理は、今現在、大変激務の中、たくさんのスケジュールをこなしていらっしゃいますが、歯科検診をこの一年の中でお受けになられたことはありますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えをいたします。  歯の健康を保つことは、子供から高齢者まで、健康で充実した生活を送るためにも重要であります。歯科疾患の早期発見、治療のために歯科検診の果たす役割は大きいと考えておりますが、私は、現在、歯科検診は受けておりませんが、歯医者さんには二か月に一回ぐらい、歯が痛くなったりとかして行っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 総理、ありがとうございます。  やはり痛くなってから行くと、結局回数を通わなきゃならないし、国民の皆様も、歯医者のイメージは痛いとか時間が掛かるとなるのは多分そういうことなんだろうと思います。  総理は、日本歯科医師会の百十周年記念式典のときに、モスクワ、たしかロシアに行かれたときに急に歯が痛くなって救急的にフランスの先生に診てもらった経緯があるとおっしゃっていたこともありますので、是非とも痛いとき、お忙しいことは十分承知をしていますが、健康を保持するためにも、是非歯科検診は定期的にお受けになることを総理自らお願いを申し上げたいと思います。  そこで、今実は六月四日から六月十日までは歯と口の健康週間というものをやっています。昔は虫歯予防デーですとかいろいろな言い方がありましたが、今は歯と口の健康週間。これはありとあらゆるところでこの週末、日本全国で様々な取組がされました。例えば、無料の歯科検診ですとか、歯科の相談ですとか、例えばブラッシング指導、それからフッ素塗布、あとは例えばかむ力のチェックですとか、本当に多くのことを日本全国で行われ、そして国民の皆様にも大変多くの皆様に御出席いただき、御参加いただけたと思っています。  そこで、私は、一番必要なのは、私たち歯科医師は平成元年から八〇二〇運動というものを展開してまいりました。これは、八十歳になって二十本のかめる歯が残っていれば、食べることは大方、大体満足できる、若いときと同じようなものがきちっと食べることができるという意味です。生涯自分の口から食べたいものをおいしく食べるということ、この観点からやってまいりまして、実は二〇一〇年の二〇%目標をかなり大幅にプラスにする、展開することができました。しかしながら、まだまだ七割近くの方は歯を失っている状態のままだったりするわけです。  歯科医療は、昔は虫歯の治療や歯周病の治療、また入れ歯を入れるだけと思われがちでしたが、今現在は、食べること、そして会話すること、日常の生活を送る上で欠かせない営みを守る、治し、支える生活の医療へとの転換をしています。  パネルを御覧ください。(資料提示)  これ、兵庫県の香美町というところの小さな区なんですが、そこで八十歳の方の口腔保健調査をしました。何と、八十歳になられて二十本以上の歯を持っている方は自動車の運転を自分でなさって外出をするんです。そして、例えば携帯電話を持っているのも、歯が一本もない方と比べると明らかに多く、さらにはメールもできる方もいると。八十歳になって歯があることは非常に大事ということが分かっています。  また、八〇二〇達成者の楽しいときはいつですかとお尋ねすると、八十歳で二十本の歯がある方は、まずは趣味、そしてスポーツをしているとき、旅行、孫と過ごすときと、外向きの回答が戻ってくるのに対して、八十歳で残念ながら歯が少ない方は、テレビを見ているときが一番楽しいと、やはり内にこもる生活状況の変化もあるわけです。  そこで、テレビやインターネット中継、そしてここにいらっしゃる皆様に是非とも御覧になっていただきたい、お知らせしたいことを具体的に申し上げますと、例えば歯を失ってもきちっと入れ歯を入れていること、これはかめると言えると思っています。  千九百二十九名、大変、まだまだ、歯科ですから、ちょっと数が少ないことが、なかなか信憑性というものとすると薄いと言われがちなんですが、六年間の調査で、例えば歯を入れている方、歯がある方と入れていない方とでは、大きく違いがあるのがまず認知症だと言われ始めています。  厚生労働省の研究班で愛知県の調査、六十五歳以上の方を対象に認知症の状況を追跡調査したんですが、これは年齢とか病気のあるなしとか生活習慣にかかわらず、歯がほとんどなく入れ歯を入れていない人、歯があってもぐらぐらしたり、先ほど総理おっしゃいました、痛かったりしてちょっと上手にかめなかったりする人、また、かかりつけ歯科医を持っていない人の認知症になるリスク、歯がある方との差は最大一・九倍と言われています。また、健康な歯を残すこと、入れ歯を入れることで認知症の発症を約四割抑制することができるということも分かってまいりました。  また、今糖尿病と歯周病の関係というものも分かってまいりまして、糖尿病は歯周病の治療をきちっとすることで血糖値のコントロールの改善が見受けられます。そして、何よりも日本人の死因の第三位となりました肺炎、この肺炎の予防というものもしっかりと専門的な口腔ケアをしていくことで、これは十分補っていくことができるというようなことも分かってまいりました。  ここで厚生労働大臣にお尋ねしたいんですが、二十三年度と二十四年度の歯科保健関連予算額と決算額を教えてください。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 私も、先般、厚生労働委員会で委員から検診の話をいただきました。検診、やっていなかったものでありますから、今歯科医院に通っておるということでございまして、国民の皆様方には歯科検診をお勧めをさせていただきたいというふうに思います。  今のお話でございますが、二十三年度予算額二十三億円、決算額二十二・二億円、二十四年度が予算額二十三・二億円、決算額二十一億円でございます。なお、二十五年度より口腔保健推進事業というものを新設をいたしまして九千二百万円、そして、二十六年度はこれを拡大いたしまして一億六百万円という形で新しい事業を立ち上げさせていただいております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございます。  これは、まさに民主党政権下の平成二十三年八月に歯科口腔保健の推進に関する法律が成立いたしました。この法律を実効あるものにすべく、今大臣おっしゃいました保健推進室が設置され、二十五年度、二十六年度と予算が少しでありますが増えています。しかし、残念ながら、これ、なかなか増えていても推進室の動きというものが余り見えてこないということも毎回厚生労働委員会で質問させていただいています。  例えば、今るる歯科の重要性をお話をさせていただきました。人間が健康である、それは、歯を失ってから歯を入れること、これも大事ですが、もちろん生まれたときから、乳歯が生えてくるのは大体生後六か月から七か月で下の歯がぽっと生えてきます。そして、六歳ぐらいで乳歯列が完成して、それから永久歯に替わって二十八本の歯を持つのが、親知らずを抜いてですが、と言われています。  この歯をきちっと守り抜いていくことというものがまさに大事だからこそ、この歯科口腔保健法の目的の中には、口腔の健康が国民の健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしていることというふうに目的規定されておりますし、また国民の責務としては、生涯にわたって定期的に歯科に係る検診を受けとなっております。また、国や自治体の責務、責務というか勧奨としてもしっかりそれを周知させる、徹底させる、その促進を拡充していくということもうたわれています。  しかし、このパネルを見ていただくと分かるように、歯科の検診は実は、おなかの中に赤ちゃんがいるときの妊産婦健診は各自治体によってあったりなかったりします。そして、一歳半健診と三歳児健診は法律で決まっているから各自治体でやっています。その後は、小学校に上がる前の健診、そして学校での学校歯科健診、実はそれ以外、歯周疾患までは全くないと言っていいんです。各自治体や各企業に任せている。そのため、一番歯が必要になるとき、また歯を使うとき、それなのにもかかわらず、仕事が忙しくなるとなかなか歯科検診を受けることができなく、仕事が激務となることにより、先ほど総理がおっしゃっていたみたいに、痛いときしかなかなか行けない、これが現実だと思うんです。だからこそ、私はこの歯科検診を、この歯科口腔保健法、推進室ができたのだからこそ、きちっと法制化の徹底をしていってほしいということをお願いをしているわけであります。  国民の健康寿命を延伸するためにもこの切れ目のない歯科検診の推進は欠かせないと思うんですが、今推進室の予算は九千何がしから一億六百万円までと増えました、二十五年度、二十六年度。ですが、まだまだ歯科保健課全体の予算というものが足りていないのではないかということが一つと、また、それをするためには、この推進室、皆さん兼任です。専従が一人もいないので、なかなか、会議を開いていますかとお尋ねしても、いいえ、開いていませんというお答えです。是非とも国民の皆様の健康寿命を延伸するためにも、ここのところの予算というものをしっかり確保していただきたいと思いますし、人員の拡充、専任も含めましてお願いしたいと思うのですが、田村厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 歯の健康、口腔ケア、これはまさに健康的な生活を行う、また、生活の質、これを向上するためにも大変重要なことであろうと考えております。  今委員おっしゃられましたとおり、誤嚥性肺炎と口腔ケア、この関係というものは大変深いということがもう分かってきております。糖尿病と歯周病に関しましては、二十六年度で研究事業、これモデル事業で行って、今エビデンスがあるかどうかということをしっかりと研究をさせていただくわけであります。  今言われました歯科口腔保健推進法、これにのっとって、たしか、三条だったと思いますが、八条でしたかね、国や地方公共団体は定期的に歯科検診、これを勧奨をしていくと、受ける勧奨をしていくということが書かれているわけでありまして、これ、その後、一年後に作られました歯科口腔保健推進に関する基本的事項、この中においても目標値というものが定められておるわけであります。その意味では、今言われましたとおり、この八〇二〇運動、これの推進特別事業でありますとか口腔保健推進事業、こういうものを通じて歯科検診しっかり進められるように我々も努力しておるわけでありますが、歯科口腔保健室、これに関しましては、今週全体会議を開かさせていただきます。  予算の方は、先ほども申し上げましたけれども、口腔保健推進事業ということで、これを二十五年度新設して、二十六年度は増額をさせていただいております。委員のおっしゃられる意味も十分我々理解をさせていただいておるわけでございまして、しっかりとこの歯科検診も進んでいけるように、この歯科口腔保健推進室、ここに対してしっかりと私の方からも事業を進めるようにこれから申し渡していきたい、このように考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。  非常に重要なことですので、これは本当に取組を強化していただきまして、もちろん検診というものは歯科だけではありません。医科も歯科も、全て体の健康というものに関わるところの検診事業の徹底ということは、これはしっかりしていただくことを心からお願いをしたいと思います。  そして、安倍総理、済みません、ちょっとお尋ねしたいことがあるんですが、総理、その式典のときに総理は、日本に帰ってきてから大変高額な請求が来たんですとおっしゃいました。だから日本の国民皆保険制度というものは非常に大事だというふうにもおっしゃったと私記憶しているので、もし違ったら大変失礼かと思いますが、ただ、国民皆保険制度は総理は堅持するとおっしゃってくださっています。これは間違いございませんよね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 式典の御挨拶でロシアに行ったときに、急に歯をかぶせているものが取れまして、首脳会談に備えてこれは入れておいた方がいいだろうということで歯科医に行ったところでございますが、そのしかし歯医者さんがロシア人かと思ったらフランス人でありまして、連れていった通訳がロシア語だったものですからいろいろとあったんですが。  結果として、これは全く自由診療に、ロシアでございますので自由診療で請求が来たわけでございますが、そうした額を見るにつけ、やはり国民皆保険というのは立派な制度だと、このように認識をしたところでございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ということであるならば、是非ともここで、私たち医療関係者も国民の皆様も多分心配なのが、規制改革会議のいわゆる選択療養制度の導入、政府の経済財政諮問会議での麻生財務大臣の御提案でもある医療費抑制に数値目標、例えば年金だと年金の支給年齢の引上げとか、受診時定額負担、一回一回病院に行くたびに例えば百円の負担を国民の皆さんがするということ、そして六月六日朝日新聞の報道には、成長戦略に混合診療の拡大を早ければ二〇一六年から盛り込むというような内容もありました。  私は、やはり国民皆保険制度、これが事実かどうか、これから検討なさることだということは十分認識はしていますが、やはり国民皆保険制度を守る、そして国民の健康を守り続けること、これがまさに日本の将来を担う大きな役割ということを改めて申し上げて、どうしても、今申し上げたようなことは断固反対をし、そして国民の皆様の健康をお守りいただくために国民皆保険制度がほんの少しでも揺らぐことがないように引き続きお願いをしたいと。  なぜかというと、目標を達成すれば例えば負担減にするインセンティブを付けるとか、例えば不正な受診や重複受診、頻回受診を、これを規制すること、これは大事だとしても、病気は好きで皆さんなるわけではありません。幾ら気を付けていても、例えば遺伝的なものであったり、小さいときからの病気であったり、防ぐことができない中で、病気の人が、軽いから重い人を支えるというようなふうになっては、これは私は筋が違うと思うし、これはやっぱりそぐわないと思っています。  二〇二五年には団塊の世代が全員が七十五歳を迎える。そのときまでしっかりとした保険、社会保障関係を構築していただくことを心からお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。  次は、子供の貧困対策についてお尋ねします。  子供の貧困対策、大変大きな社会問題となっています。これは皆さんも疑いの余地がないと思います。経済的な困難の家庭に育つこと、そして子供の生活基盤を脅かしたり、学力や健康に影響し、児童虐待、非行、不登校などのリスクを高めている。私は、ここには何としても、今を生きる私たち大人が、そして国を守っている我々政治家がしっかりと対処していかなければ、対応していかなければならないと思います。なぜなら、子供は親を選ぶことができません。今置かれた環境の中で、子供たちはその環境の中で生きていかなければならない。OECDの二〇一四年の推計では、日本の子供の貧困率は一五・七%、三十四か国の中で下から十番目でありますし、さらに、一人親世帯の貧困率は五〇%を超えて五〇・八%と最悪です。  私たち民主党が主張してきました子ども手当や高校無償化の一つには、そういった背景で子供たちの貧困への危機感があったため、政権交代した後、二〇〇九年の十月、厚生労働省も国内統計を発表して、政府として子供の貧富の容認を認めることにもつながったと思います。  その後、やはり、ばらまきと言われてまいりましたが、私は子を持つ一人の母親として、決して子供に対する政策はばらまきではなく、これを必ずどの子も同じように受けることができるようにしていくこと、これが国の必要な役割だと、そう感じています。  そこでお尋ねします。平成二十三年と二十四年度の一人親家庭への支援と社会的養護に関連する予算と決算を教えてください。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 平成二十三年度、これは母子家庭等対策費でありますけれども、平成二十三年度の予算額が一千八百五十五億円、決算額が一千七百七十四億円です。平成二十四年度が、予算額一千八百五十六億円、決算額が一千七百八十億円です。  また、児童入所施設措置費ということでございまして、こちら、社会的養護に関する予算ということでございます。平成二十三年度予算額八百三十五億円、決算額が八百二十七億円であります。平成二十四年度が予算額八百九十三億円、決算額が八百七十八億円でございます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、私は、ここはこれじゃ幾ら何でも足りないのじゃないかなと思わざるを得ないんです。  というのは、一人親家庭、これは上昇傾向にあることは、これはもう大臣も御承知だと思いますし、児童養護施設で社会的養護が必要な子供たち、これは実は、数は子供の数が減っていますから少なくなっていたとしても、いわゆる率としては上がってきているわけです。というのは、今まで、例えば児童養護施設は昔は孤児院と言われて孤児の子供たちが入ると言われていましたが、今はほとんど孤児ではなくて虐待から逃れてきた、虐待を受けていた親から児童養護施設へ入る子供が増えてきている中で、やはり手厚い支援というものをしていくこと。これ、先ほども言いました、子供は親を選べないんです。だからこそ、社会全体で公平に育て上げていくことが大変重要だと思っています。  子供の貧困率は一九九〇年代半ばから上昇傾向にあるんですが、この上昇の原因は大臣としてはどのようにお考えになっているか、分析をされているようでしたら、是非お伺いしたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 子供の貧困率、今委員がおっしゃられましたとおり、平成二十一年で一五・七、平成十八年が一四・二ですから、やはり上がっております。平成十八年からこの三年間でこれだけ上がっておると。  いろんな理由がありますので、一概にどれだというのはなかなか申しづらいんですが、例えば、やはり非正規雇用で働く方々が増えておられます、母子家庭も増えておられます。もう少し申し上げれば、母子家庭の就労構造というので非正規雇用で働いている方々が多いというのもあります。何よりも子育て世帯の方々の所得自体がやっぱり落ちておると。いろんな理由があるわけでありまして、複合的に重なっておると思いますが、いずれにいたしましても、子供の将来がその生まれ育った環境、これに左右されるという社会は余り望ましい社会ではございませんので、どのような環境で育ったお子さんに関しましても貧困の連鎖が続かないようないろんな施策が必要ということでございまして、先般から会議の中でいろんな御議論をさせていただき、大綱をまとめて、これを予算に反映をさせていきたい、このように考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 是非ともしっかりとやっていただきたいということを心からお願いをしたいと思います。  何度も言うんです、子供は今ある環境の中で、その中で健やかに成長させていかなければならない、これは社会の大人、我々の責任です。是非ともお願いしたいと思いますし、今大臣おっしゃったように、貧困の要因というのは本当にいろんなことがあります。例えば子供本人の要因である、でも、それ以上に親が経済的に育て上げることが難しかったり、例えば親の健康状態だったり、例えば一人親家庭だったり、精神状況の問題等、いろいろあるんです。でも、やっぱりここはどこに視点を持っていくかといったときには、子供に向けて視点を置いていかなければ違った方向の施策を取ってしまうということにもなりかねませんし、予算の配分ももちろんそうだと思っています。  特に今回、大臣も一つの成果と言っていらっしゃる居住実態の把握ができていない児童。ありました、大変悲しい事件。これはテレビを見ていらっしゃる皆様もみんな共通の認識だと。神奈川県の厚木で白骨化した男の子の遺体。本来であれば今年中学一年生に四月からなる、私事で恐縮ですが、まさに私の娘と同じです。その子の御遺体は僅か百センチ。ということは、小学校に上がる前後ぐらいでもう既に息絶えているわけです。しかも、父親はその間もずっとアパートを借り続ける。こういったことが後を絶たない。そのために、この居住実態が分からない子供たちのために、この二十六年の四月十一日付けで何とかその子たちを見付けるための調査実施を依頼されたところであり、この取組の一つからこれが分かった、こういうことが発見されたということも理解をしています。  しかし、やはりこれは、例えばこれは厚木の教育委員会も言っています。小学校に入るときもアパートを訪ねてみたと、しかし保護者に連絡を取ろうと思っても取れなかった、アパートへ行っても留守だから、もうここにはいないんだと思ってしまってそれっきり。中学へ入るときも、本来なら住民票としてあるわけですから、中学へ上がるときに教育委員会なり市の人が見に行った、でもやはり同じような状況で気が付かなかった。  私は、やっぱりここのところは大変な時間と労力を必要とします。中には大変いい取組をして、例えば東京北区の児童相談所は長い間の取組によって、残念ながらお一人は亡くなって発見されましたが、女の子二人は、元気とは言えませんが、児童相談所から養護施設に送ることができたという好事例もあるんです。  でもそれは、長い間の取組をそれぞれの自治体がしっかりできるということ。そのためには、やはりここに対する取組強化のためには、他省庁の連携はもちろんですが、しっかりと予算付けをしていって、何よりも子供たちの命というものを助けていくことをしていくこと。これもやはり、田村厚生労働大臣、子供の福祉の主務大臣でありますから必要だとお感じだと思うんですが、いかがお考えでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) あの厚木の事件は本当に悲しい事件でございます。そんな中において、今この検証委員会を神奈川県でお立ち上げをいただいておりますので、これをしっかり我々、どのような検証結果が出るかを踏まえて対応していきたいと思います。  一般的に、乳児家庭全戸訪問事業というのをやっております。その中で、いろいろと問題の可能性があるようなところに関しましては養育支援訪問事業というような形で対応させていただいておりますが、今言われましたとおり、乳幼児健診、それから学校に入学するとき、こういうときに受けていない方々若しくは入学されてこない方々、また更に言いますと、住民登録をしているのと居住実態が違うような居所不明のお子さん、児童、このような問題は非常にリスクが高い可能性があるということでございますので、これは二十四年の十一月であったと思いますけれども、それぞれ、例えば母子保健でありますとか、また児童福祉部門でありますとか教育委員会、さらには児相、こういうところに連携していただきながらいろいろと対応していただきたいというようなお願いを通知いたしました。  去年の六月にも再度お願いをさせていただきましたが、今年四月に、一月から四月までで居所不明のお子さん方がおられるかどうかを確認していただいた上で、その後どのようなアプローチで対応していただいたか、つまり、どこにおられるかということも含めて調査をしてくださいということを秋までに結論を出してくださいと。これは、調査結果を我々厚生労働省に上げていただくようにお願いをさせていただいた結果、今回のこの事件が分かってきたわけであります。  そういうような意味からいたしますと、やはりこういうことが二度と起こらないような対応をしていかなきゃなりません。要保護児童の地域対策協議会というものもございまして、こういうものでは、いろんな関連するような組織が協力しながら意見交換をして、今回のような問題が起こらないようないろんな対応をしていただくわけでありますが、いずれにいたしましても、今回の調査並びに検証委員会、こういう内容を踏まえた上で、しっかり各所協力しながら、今委員がおっしゃられたような問題意識を持って対応してまいりたい、このように考えております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、これは各所にお願いということではなく、強制的にでも、大臣の強い意思を持って必ずやってくれと。今この瞬間瞬間でもおなかをすかせている子供がいるかもしれない、親から虐待を受けているかもしれない。そういったことを考えたときに、お願いレベルだとなかなか、先ほどから言っているように、人が足りないとか予算の配分が足りないとかいうことで後回しになっていってしまう。間違いなく、公立の小学校に上がる年齢と中学に上がる年齢には各市町村、自治体から連絡が来るわけです。違う学校へ、例えば越境するとか親が住んでいるところに行くとか海外へ行くとか、そういった理由がある子はそれなりの届出をするわけですから、返事がない子、そして健診を受けない子、学校に来ない子というのはまさによく分かるはずです、年度年度で。  それを利用していなかった、若しくは利用してはいたものの、たかだか一度や二度の訪問で諦めてしまったということ、これは大いに反省しなければならないということだということで、是非とも、お願いレベルではなくて、積極的に厚生労働省として、田村大臣としてしっかりと取組を強化しているんだということを発信をしてほしいと思います。  そして、もう一方、社会的養護に委ねられている子供たち、これも今います。  先ほどから言っているように、養護施設で生活をしている子供たち、一時テレビ番組で取り上げられて、これも私、委員会で言いましたが、社会的養護が必要な子供たちの番組、少しドラマの中の展開の仕方がおかしなところもあったということでありますが、一つの社会問題になったことは間違いがないと思っています。  しかし、今の状況は、先ほど言ったみたいに、前は孤児院という扱いから今養護施設となりましたので、非常に態様、いわゆる必要としている内容が変わってきていて、今ほとんど使われているほぼ五〇%が大規模なんですね。でも、あの子たち、今入っている子供、入所している子供たちに必要なものは、大きな施設の中で過ごすことではなくて、家庭的な雰囲気をもう一度味わわせてあげること、今まで経験ができなかったこと。それでも、あの子供たちは自分の親が好きなわけです。どんなに虐待を受けても、子供ってお母さん、お父さんと言うんです。だからこそ、それに代わる小規模のグループホームだとか、またファミリーホーム、そして何よりも里親というものをもう少し周知すること、これも必要じゃないかと思うんですが、里親の委託率、実はまだ一四・八%と日本は諸外国と比べて非常に少ないんです。  そして、その子供たちに温かい雰囲気で過ごさせることができるようにすることと、もう一方で進学の問題もあります。  あの子たちが、将来、また自分が社会に出て新しい家庭を持ったときに、また持つためには、学校に行きたいと思ってもなかなか経済的な理由や施設に入っているから難しいという子供たちに対して、今、児童養護施設の高卒時の大学進学率は一二・三%、専修学校への進学率は一〇・三%。いわゆる普通高校、普通の子供たちと比べると大学では四分の一以下、専修学校でも二分の一、大変大きな差があります。  この社会的養護を必要としている子供たちが、できる限りほかの子供たちと同じようなスタートを切って、社会で活躍ができ、新しい家族をアットホームな中でつくっていくためには、やはり希望する子供たち全てに進学や就職の機会を支援する奨学金の充実というものが必要だと思うんですが、下村文科大臣にお尋ねします。  社会的養護に頼らなければいけない子供たちの未来を考える中で、是非とも学費支援、もちろん今やっていることは知っているんです。私が一つお願いしたいのは、今、私の地元のお子さん、お子さんというかもう大人ですが、御夫婦共に奨学金を受けて大学若しくは高等専門学校へ行って今御夫婦になっています。ところが、返済をしているんです、二人とも。そうすると、残念ながら、一生懸命お仕事をしても、そこで子供を一人、二人というところに実は至らないので、もう少し税制の優遇措置だとか、返済期間をもう少し延長するとか、そういったことも含めまして、何とか文科大臣にお願いをしたいということで御質問をさせていただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のとおりだと思いまして、認識は全く同じであります。  私も、昨年、福島県に行ったときに児童養護施設に行ってまいりました。親御さんはいるんですけれども、児童養護施設に預けられていると、そういうパターンが今多いわけですね。御指摘のように、進学率も、大学が一二・三%、専修学校等への進学率は一〇・三%、大変低いわけであります。是非、経済的な理由によって子供が進学を断念することがないような経済的支援、充実をするために対応してまいりたいと思います。  取りあえず、平成二十六年度は、授業料減免の充実、それから無利子奨学金の貸与人員の増員を行い、また年収三百万以下においては返還猶予期間、十年間、更に延ばすというようなことを含めて考えておりますが、これから、高校授業料無償化、これは一律的なことでばらまきというふうに申し上げたわけですが、真に必要な子供にはこれはきちっとした手当てをすべきだというふうに思いますし、そのために、それを使って今年の四月から高校における給付型奨学金をスタートいたしました。大学における給付型奨学金についても是非検討してまいりたいと思います。  そして、今、森大臣の下で、昨年国会で通していただいた子ども貧困対策推進法、これの大綱案について議論している最中でありますが、児童養護施設に入所している生徒等への検討も併せて行っていただいているところでございます。  経済的な困難で進学を断念することがないよう、児童養護施設の子供たちに対しても手厚いフォローアップについて検討してまいりたいと思います。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 もうまさにここに書いてあるとおりなんです。子供の数、十七歳まででは二千六十二万人。これ、上の方ではあっても、本当に貧困状況にある子とか児童養護施設に入っている子、生活保護世帯の子供たち、この子供たちを何とか誰もが同じようになる、これはもう本当に、何度も言いますが、私たち大人の責務ということで是非ともお願いしたいと思います。  そしてその次に、今回の生活保護基準の見直しというものをされました。一昨年です。そこで、生活保護見直しとともに就学援助支援金もカットしたところも出てきています。受けている子供、必要としている子供たちは、平成二十四年で就学援助制度を受けている子は百五十五万人、援助率は十年間で上昇しています。  今回の、生活保護費の切捨てと言ってはいけないですね、生活保護費の見直し、基準の見直し、そして就学援助制度との関係についてお尋ねをしたいんですが、下村文科大臣、これ影響はなかったと言えるでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 生活扶助基準の見直しに伴うほかの制度への影響については、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応することが基本的考え方としており、地方単独事業である準要保護者に対する就学援助制度への影響については、政府の対応方針に基づき適切に御判断いただくよう依頼をしてきたところでございます。  文科省が従来実施している就学援助実施状況調査の内容の一部を前倒しして千七百六十八教育委員会等に調査を実施し、政府の対応方針を踏まえた各自治体における対応等を確認をしましたところ、千六百九十七自治体、九六%の自治体でこの生活扶助基準の見直しによる影響は生じていないという結果が出ております。  しかし、残りの七十一自治体、四%でありますが、ここは、経済的に困窮している児童生徒に対する取組などの様々な対応を行っているとの回答はいただいてはおりますが、生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響についての政府の対応方針に基づき各自治体において適切な御判断をいただくことが必要だと思いまして、この自治体の公表もいたします。  改めて、文科省として、引き続き二十六年度については減額しない予算相当額は総務省にお願いしていっているわけでありますから、是非、引下げに伴うマイナス影響が出ないように自治体に対してもお願い申し上げたいと思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございました。  私たちは本当に、ばらまきと言われましたが、チルドレンファーストだと、子供が一番だということでいろんな取組をしました。今文科大臣もおっしゃってくださいましたが、名前を変えたりちょっと制度を変えたりして今も続けてくださっていることがたくさんあることもこれは感謝しなければならないと思いますし、何よりも、どうしても高齢者とか成人とか大人の人の方に向かって目が行きがちなところを、是非子供の方にもしっかりと目を向けていただくことを強くお願いをいたしまして、女性についてお尋ねをしたいと思います。  安倍総理は、昨年九月の国連総会の一般討論演説の中で、半分以上を女性の人権、社会参加ということの言及されました。もう私自身も働く女性の一人としては大変有り難く、そのような総理の下で日本国は大きく変わっていってほしいなと期待をしたところであります。  しかし、この四月四日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議の中で、女性の活躍推進の観点から外国人材の活用についても検討してもらいたいとの、女性の、私たちが働く機会を増やすために、家事や介護分野でも外国人労働者の受入れを検討するように指示されたと聞いています。子供の問題で触れましたけれども、それは家事をしてくださる外国人を上手に使えるような働く女性もいることは確かです。しかし、一人親世帯、特に母子家庭は非常に生活そのものが厳しい中で、果たして女性が輝ける社会とこの家事の労働、外国人労働者がイコールになるのかということ、大変大きな疑問を持っています。  外国人の技能実習制度とか、様々今言われています。でも、本来、今、日本がやるべきことは、介護の分野でも看護の分野でも育児の分野でも、働く女性の社会進出に関して、ほとんどのところで今それに携わっている皆さんの労働環境が悪い、非正規が多い、そして何よりも処遇が低い、そんな中でやっているからなかなか若者が現場で働き続けることができない。厚生労働委員会でも何度も言いましたが、今男性でも介護の職に就いている方たくさんいらっしゃいます。しかし、結婚を機に、そのままでは生活ができないから残念ながら介護職を辞めて違う職種に移っていく、これを寿退社と呼んでいる。大変有り難い、おめでたい言葉だったはずの言葉が残念な悲しい言葉に変わっています。私は、やはり処遇の改善も含めた介護現場、そして女性が働くのであれば、関わる育児、保育の現場では処遇の改善や様々な取組をもっと強化していくことが必要だと思うんです。  特に、この外国人技能実習制度は、平成五年の発足以来長い歴史があります。ただ、様々な問題点が取り上げられている。例えば、技能実習制度を使っている企業の八割に何らかの不正があったり、ピンはねやパスポートを取り上げて行動の制限をしたり、深刻な人権問題ということも指摘されているわけです。  そもそもこの制度の改善なくして次のステップに進むということはあり得ないと思うんですが、谷垣法務大臣にお尋ねします。外国人技能実習制度の議論を始める前に、この制度が抱える大きな問題点をいかに把握して改善しなければいけないか、また介護や家事の支援人材に外国人の方を迎え入れることに対して法務大臣としてはどうお考えでしょうか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 技能実習制度は、本来、技能、技術を海外、発展途上国等に移転する国際貢献の制度としてスタートしたんですが、残念ながら、今指摘されましたように、一部に不適正な受入れを行う監理団体あるいは実習実施機関等が存在するのも事実でございまして、制度の趣旨に沿った運用とは言い難い例がかなり出てきて御批判もいただいている面があります。  そこで、法務省、去年の十一月から、私の私的懇談会である出入国管理政策懇談会、ありますが、その分科会で制度の見直しについて検討をいただいているんですが、今御指摘いただいたように、まず、不適正な受入れの原因となっている点を洗い出してこれを防止するための措置をきちっと講ずるということが必要であると。国際貢献という制度本来の目的に一致した受入れとなるように、まずそこを立て直すということが必要だと思います。  それを前提とした上で、例えば中には優良な受入れ機関があることも事実です。ですから、そういうところに限っては、従来よりより一段高い技能等を修得するために、実習期間を延長するとか、あるいは再技能実習を認めることの可否等についても検討をいただいてきました。議論はそういう順序でなければいけないと思います。  それで、今般、その報告書が取りまとめられまして、実はあした、この懇談会から私に報告をいただく予定になっております。そこで、この報告書の内容を十分に踏まえて、関係省庁とも協議しながら制度の見直しに向けた議論をきちっと展開して、議論というか取組をですね、展開していきたいと思います。  それから、介護分野における外国人材の受入れについては、現在は経済連携協定以外の形では入国、在留を認めておりません。そこで、今後はこの経済連携協定に基づく介護福祉士の就労状況等も踏まえながら検討を進めなければならないんですが、それと、これに関連した御提言はいろんな政府関係の機関の中でもされております。  それで、日本人の家事支援を目的とした外国人材の活用については、おっしゃるように、そういうのを必要としてうまく使われる方もいらっしゃると思うんですが、どういう具体的なニーズ、実際的なニーズはどういうところにあるのか、それから、ニーズはあるとしましても、生活環境であるとか、あるいは雇用条件、就労条件、こういうものをきちっと適正にできるかどうか、そういった検討が必要だろうと思いまして、そういう考え方の下で検討を進めたいと思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございました。  今おっしゃいました、まだ確かに議論始まっていないんでしょうけれども、介護の現場にこれは外国人が入ってくること、これは到底認めにくいと思います。介護を必要とする人、例えば認知症の方でも大きな病気で寝たきりになられた方でも、これは意思の疎通ができないだけで、実際はコミュニケーションは取れる。ただ、それがうまくできていないということ。ここのところをよく御理解いただきまして、介護福祉士の処遇もしっかりと改善してもらって、そして、何よりも私は、外国人ではなく我が国日本人でしっかりとケアができるような、そのシステムをつくることをお願いしたいと思います。  たくさんの質問を準備してまいったんですが、時間の関係でもうほとんどなくなりましたので、一つお願いです。  環境大臣、今回の委員会の人事、ガイドラインはもう考慮していないということで、原子力委員会の人事、衆議院の環境委員会で人事はガイドラインを考慮していないと言いましたが、私はやはりこここそきっちりとやっていかなければならないと思います。今、日本を元気にするためには東日本大震災からの復興が何よりも急務と総理はおっしゃったんです。ですから、もう一度この人事についてしっかり考えていただきたいと思いますし、総理に最後言いたかったんですが、最後にお願いだけさせていただきます。  二〇二〇年のオリンピックの前に、二〇一九年にワールドカップのラグビーの日本大会が開催されます。二〇一九を目標にしっかりと日本を元気にしていただくことをお願いいたしまして、質問を終えたいと思います。  ありがとうございました。

平木大作公明党

○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日、いよいよ平成二十三年度、二十四年度決算の大詰めの審議となってまいりました。私も、三月の二十八日に参議院本会議におきまして質問に立たせていただいて以来、約二か月ちょっとにわたりましてこの審議、携わらせていただきました。改めて、この二か月の審議踏まえました上で、本日は締めくくり総括ということでございます、もう一度ここで主要な論点に立ち返ってまずお伺いするところから質問を始めさせていただきたいというふうに思っております。  私が本会議におきまして質問させていただきましたその第一番目の質問、それは、平成二十四年度決算における財政赤字についてでございます。基礎的財政収支が二十九兆円の赤字となり、過去三番目の赤字額となったことを指摘させていただきました。政府は、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化、この目標を堅持しているわけでありますけれども、いまだそこに至るまでの道筋、示されておりません。これに対して、昨今、ちょうど先月末になりますけれども、財政制度審議会から報告書が提出されまして、財政健全化に向けた提言が行われました。  まず、これ、麻生財務大臣にお伺いしたいんですけれども、この提言、どのように受け止められたのか、御答弁いただけますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、平木先生、現在の日本、何というんだろうね、GDPの二倍というような一連の話というのはもう御存じのとおりなので、これはあえて言うと時間ももったいないので飛ばします。  その上で、日本の財政状況を受けまして、審議会からは、国と地方のプライマリーバランスというものが、二〇二〇年までにいわゆるなっても、これは少なくともプライマリーバランスがゼロになったということは、別にそれは増えていくんじゃなくて、これもう元金が減っていかない限りは、あるいは減っていかない、もうお分かりのとおりなので、これが基本的には二〇二〇年では、これ到着点じゃなくて、ジス・イズ・出発点というところなんだというところがよく分かっておられぬ方が多いような気がするんですけれども、これ一番の肝腎なところなので、これはもう最低ベースですから。  そういった意味で、先送りは許されないということがこの財政審議会のところに書いてあったところが、私は一番肝腎なところはきちっと押さえてあると、私らとしては大変有り難いと思ったところであります。  その上で、政府としては、この提言を受け止めまして、この黒字化目標というものを先送りするということではなくて、この中期財政計画に沿いまして歳入歳出共にこれは見直さないと、二〇二〇年まででも今既に十二兆まだこれはマイナス、足りないというのが中期財政計画ではっきり出ていますので、今後とも財政の健全化というものといわゆる経済の再生というものの両立を図ってバランスというものをきちっとしていかないと、借金をゼロにすればいいというわけじゃなくて、こちらのGDPが増えることによっていわゆる借金の額の比率が減ってくることになりますので、そこのところが一番肝腎なところだと思って、私どもとしては趣旨を踏まえて対応してまいりたいと考えております。

平木大作公明党

○平木大作君 もう一つ、実は最近出た報告書がございます。これは公的年金に関する同じように財政状況に関するものでございまして、最近、この受け手とそして支え手のバランス、大変崩れてきているということが指摘されているわけであります。  例えば、二十四年度末で申し上げますと、加入者数は六千七百三十六万人、二十三年度末に比べて支え手となる現役世代三十九万人減少している一方で、受給者数は七十六万人増えている。こういったアンバランスな状況になってきているわけでありまして、このアンバランスな状況に伴って、年金財政の収支も大変今悪化をしております。  そこで、同じようにお伺いいたしますが、先週、この年金財政の健全化をチェックするために五年に一度実施されている財政検証の結果が発表されました。この結果について、大変厳しい内容になったように思いますけれども、田村厚労大臣の方から、どのように受け止められたのか、御答弁いただけますでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これは、八つのケースを今回はお示しをさせていただきました。なぜ八つお示しさせていただいたかといいますと、やはり、重要なファクターは一体何であるか、それから議論のベース、こういうものをしっかりと国民の皆様方に御理解いただくという意味で八つのケースを示させていただいたわけでありますが、経済が再生し労働市場に参加がかなった場合、これはいずれも五つのパターン、これは所得代替率、モデルケースで五〇%を超えるということでございまして、そういう意味では、お約束を守れるというような形になったわけであります。経済がマイナス成長、そしてさらには労働参加率、これが十分じゃなかった場合には五〇%を切る、これ三つのパターンでありました。  でありますから、我々といたしましては、経済をしっかりと再生すること、さらには労働市場に参加ということは、例えばでありますけど、二〇三〇年で、六十歳から六十四歳までの方々、今七五%強が就業されているわけであります、これを九〇%強に上げること。これは一方で、改正高年齢法等々で六十五歳まで継続して継続雇用ができるようにということをもう法律を通しております。  もう一方で、M字カーブがほぼなくなること。ということは、逆に言えば、子供を育てられやすい環境、女性が働きやすいそういう両立支援ということをしっかりやっていかなきゃならぬと、こういうことが課題として分かってきたわけでございまして、このような形で是非とも五〇%、これが確保できるような環境整備をしなきゃなりません。  あわせて、三つのオプションを示しました。これ、いずれも年金財政にはプラスでございます。ただ一方で、国民の皆様方には負担を強いる部分もございますので、これは国民的な議論をいただいた上でどうすべきか検討が必要であろうと思っております。  合計特殊出生率は今、去年の数字が一・四三。実は今回の財政検証で使った数字、足下一・三九でございますから、それよりいい数字が出てきておるということも事実でございまして、いい部分はいいとして認めながら心配な部分はしっかり改善していく、このような形で年金財政安定化させていきたいと、このように考えております。

平木大作公明党

○平木大作君 今両大臣から、国の財政そして年金の財政について、改めて先送りは許されないんだということ、そしてしっかり改革に取り組んでいくんだということ、決意を述べていただきました。  この二つの報告書を私も読ませていただきましたけれども、一つ一つの指摘事項は大変厳しい、これ政治的決断を一つ一つについてしっかりしていくようにという御指摘でありますので、これは重く受け止めて、しかもこれからも大変困難を伴うわけでありますけれども、同時に二つの報告書に共通する点として、今御答弁の中にも一部ございましたけれども、これは何も、例えば年金の財政検証の場合であれば八つのシナリオが示されている、でもこの八つというのは、何かその時々の経済状況に応じてあそこに行けますよ、ここに行けますよという話ではなくて、しっかりと選び取ることができるんだということ。  どういうことかと申しますと、この八つのシナリオ、例えば所与の条件ではなくて女性の社会進出を促すということ、あるいは高齢者でもっともっとこのスキル活用していただける方には働いていただく、あるいは全要素生産性、TFPの向上をしっかり取り組む、こういった政策としてしっかり選び取っていけば経済成長が十分に可能であるということ、また、経済成長がなくしてこの国の財政及び年金の財政、共に立て直すことはできないんだということ、これが改めて示されたんじゃないかなというふうに読み取らせていただきました。  そういう意味では、改めてこのアベノミクスの経済政策、取組を開始して一年余りになるわけでありますけれども、この中において、ようやくではありますけれども、例えば本日発表された一—三月期のGDPの成長率、これに触れるまでもなく、実体経済がようやく動き出したんだ、これを至るところで感じるわけであります。  設備投資にも強い数字が出てまいりました。また、賃金も、政労使の三者会議、こういったものを通じて、大企業中心ではありますけれども、強い数字出てまいりました。この動きをより確かに、そして全国津々浦々に広げていくためにも、また新たにこの六月に改訂される日本再興戦略、これをしっかりと充実させて、また前進させていく、経済再生を最優先課題として今後も取り組んでいかなくてはいけないんじゃないか、このことが改めて確認できたというふうに思っております。  その意味で、ここからはアベノミクスの取組について、幾つかの論点に分けてお伺いをしていきたいというふうに思っております。  まず初めに、今日は日銀の方からもお越しいただいておりますので、このアベノミクス第一の矢、金融政策についてお伺いをいたしたいというふうに思っております。  昨年四月、日本銀行は、インフレ目標二%という大変高い目標、これを二年で達成するんだと掲げられまして、異次元の金融緩和にかじを切られました。当初、この数字、昨年の四月発表されたときには、民間の予測というのは、まあまず無理だろうという、そういった数字が並んでいたわけでありますけれども、一年余り経まして、何とか、もしかするとこれは達成できるんじゃないか、こんなところまでようやく歩みを進めることができたわけであります。  一方で、デフレ脱却を疑問視する声、こういったものもまだまだ根強くあります。その一つの論拠というのが、円安が一服した、このことによって物価を押し上げる力がなくなってきて、もうこれでこの来年度のインフレ目標二%達成難しいんじゃないかという、こういった指摘があるわけであります。  この点、日銀にお伺いしたいんですけれども、この来年度のインフレ目標二%、見通しについてお伺いをいたします。

岩田規久男日本銀行副総裁

○参考人(岩田規久男君) まず、足下の日本経済ですけれども、量的・質的金融緩和の所期の効果がきちんと発揮されているというふうに思っております。すなわち、実質金利が低下して、それが民間需要を刺激する下で、生産、所得、支出という前向きの循環メカニズムが働いていると思います。  御指摘の物価面ですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比はプラス幅を拡大し続けております。この四月には、消費税率引上げの直接的な効果、影響を除いても、そのベースでプラス一・五%にまで上がっております。  こうした物価上昇の高まりの背景の一つとして、御指摘の為替円安を受けたエネルギーを中心とする輸入物価の押し上げが影響していることは事実でありますが、しかし、より基調的な要因としては二つあると考えております。第一が、雇用誘発効果の大きい国内需要が堅調に推移する下で、労働需給が引き締まっているということです。第二は、中長期的な予想物価上昇率が高まっておりまして、それが実際の賃金、物価形成に影響を与え始めています。  先行きの消費者物価は、日本銀行が四月の展望レポートで示したとおり、消費税率引上げの直接的な影響を除いたベースで見て、しばらくの間、前年比一%前半で推移した後、本年度後半から再び上昇する傾向をたどって、二〇一六年度までの見通しの期間の半ば、中盤頃、具体的には二〇一五年度を中心とする期間に二%程度に達する可能性が高いと見ています。

平木大作公明党

○平木大作君 今、この国内の需給の好転、そして予想物価上昇率に関しても強い数字が出てきているというようなお答えがございました。この目標達成に向けて、今答弁の中にもありましたけれども、やっぱり一つの大きなハードルとなるのが外部要因であるというふうに思っております。  ここについて、もう少し深く詳しくお伺いしたいんですけれども、今年の四月、日銀から発表されました展望レポートにおいても、日本経済の課題として輸出の回復が遅れている、このことを指摘されまして、二〇一三年度及び二〇一四年度の経済成長率見通しを下方修正しました。  現在、世界的に債券高、いわゆる金利の低下が大変問題となっておりまして、この世界経済の鈍化といったものが懸念をされております。先週も、EUではデフレ懸念が強まったということで、マイナス金利の導入が発表されました。また、米国におきましては、雇用ですとかあるいは企業業績、こういった数字は大変強いんですけれども、にもかかわらず、十年債の利回り、これ二・五%程度ということで大変底をはっているような状況でございます。  改めて、この世界的に経済の先行き不透明感が漂う中、日銀はどのようにして外部環境に対処されていくのか、御答弁をお願いいたします。

岩田規久男日本銀行副総裁

○参考人(岩田規久男君) 議員御指摘のとおり、四月に公表しました成長率の我々の見通しは、一月時点に比べると、二〇一四年度については幾分下振れになっています。これには、我が国経済との結び付きが強いASEANなどの新興国経済がもたついているということを背景に輸出の回復が少し後ずれしているということが影響しています。  もっとも、先行きの経済、海外経済は先進国を中心に緩やかに回復していくと判断しています。すなわち、米国経済の回復ペースが雇用・所得環境の改善が明確になるにつれて徐々に高まっていくなど、先進国経済が堅調な回復を続け、その影響が新興国にも及んでいくというふうに思っています。その下で日本の輸出も増加に転じ、また内需の堅調さが推移する下で、日本経済は基調的には潜在成長率を上回る成長を続けると考えています。  日本銀行としては、二%の物価目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために、必要な時点まで量的・質的金融緩和を継続していきます。その上で、今後何らかのリスク要因によって見通しに変化が生じ、二%の物価安定の目標を実現するために、必要になれば、ちゅうちょなく調整を行う方針であります。

平木大作公明党

○平木大作君 今、まず基調的には内需、国内の需要もしっかりしているんだ、そういったお話をいただいたわけでありますけれども、ここで、先ほども少し御答弁の中にありましたけれども、目標達成に向けてもう一つ恐らく大きなハードルとなるのが、今後の、人々の間にいかにして物価上昇予想をしっかりつくっていくのか、形成していくのかという点であるかというように思っております。  資料の一をちょっと御覧いただきたいんですけれども、(資料提示)この資料は、最近大変注目を集めております東大日次物価指数、日次ベースでスーパーのPOSデータですとかそういったものを取りまして、より精緻でかつ正確、迅速な物価情報として今大変注目を集めているデータを作られております東京大学の経済学部渡辺努教授の研究でございます。  これはどういったものかと申しますと、一万五千人を超える皆様に対して、物価上昇を予想するかどうか、こういった質問、アンケート調査を行った結果でございます。これ、全体の回答が七五%というのは大変一つは大きな数字、力強い数字であるかなと思うんですけれども、これを年代別に結果を見ていったときに大変面白い示唆が得られます。  見ていただいてお分かりのとおり、これ、物価上昇を予想する人の割合が年齢が下がるにつれて低くなってしまうという、こういった傾向が見て取れるわけでございます。  この若い世代のインフレ期待、これ簡単に申しますと、インフレ期待というとちょっと難しい言い方になってしまうわけでありますけれども、先行きの景気が良くなると思うかどうか、こういった問いに置き換えられるんじゃないかと思うんですけれども、この若い世代に向けて今後日銀としてどのような取組をされていくのか、御答弁をお願いいたします。

岩田規久男日本銀行副総裁

○参考人(岩田規久男君) 議員御指摘のとおり、若年層の物価予想は他の年齢層に比べると低めを予想しているという状況であります。このことは、日本銀行の生活意識に関するアンケート調査の分析でも同様の結果が出ております。この背景を説明する一つの仮説としては、若年層は一九九〇年代までのインフレに関する実体験が乏しいということが挙げられるのではないかと思います。  日本銀行が行っています量的・質的金融緩和では、長期にわたるデフレの下ですっかり定着してしまった人々のデフレ予想あるいはデフレ期待をできるだけ早期に抜本的に転換するという観点から、まず第一に、二%の物価安定の目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早く実現することに強くコミットメントするとともに、第二に、これを裏打ちする、量、質共に従来とは次元の異なる金融緩和を行っております。このような日本銀行のコミットメントと具体的な行動によってデフレ予想あるいはデフレ期待を抜本的に転換し、人々が考える予想物価上昇を高めることができると考えております。  さらに、消費者物価の前年比はここのところずっとプラス幅を拡大してきています。この先しばらくの間、一%前半で推移すると見込まれます。こうした実際の物価が上昇しているということが経験されるにつれて、幅広い人々の予想物価上昇率も高まってくるというふうに考えております。  日本銀行では、経済・物価情勢に対する見方や金融政策の運営の考え方について、できるだけ分かりやすく情報発信を行うように努めております。私自身も、各地の経済界に加えて、大学や一般の皆さんを対象とする講座などにも説明する機会を持っておりますので、今後とも工夫を続けてまいりたいと思っております。

平木大作公明党

○平木大作君 今御答弁の中でも、若者の物価上昇予想、つまり景気が良くなると予想している人の割合が少ないのはなぜかと、一つの仮説としてというふうな形でお答えいただいたのが、実体験に乏しいからじゃないかというふうにおっしゃっていただきました。私も全く同感であります。  私、一九七四年の生まれで今年四十歳になる世代なんですけれども、七四年の生まれというのは、ちょうど大学を卒業して世に出るのが一九九七年以降であります。一九九七年というのは、大体今から賃金が一割以上高かった、日本の平均賃金のピークだった年でありまして、まさに私より下の世代というのは、年々、幾ら働いても、頑張ってみても、努力してみても賃金が上がった経験がない、あるいはビジネスに携わっている中においてもなかなか成功体験がない、こういった世代にちょうどぶつかるわけでありまして、これ、体験がないものを想起しろと言われてもやっぱりなかなか難しい。ここは本当に大きな壁であるというふうに思っております。  今御紹介いただきましたけれども、日本銀行は最近本当にいろいろな取組をされておりまして、例えば先日も黒田総裁の記者会見、インターネットで配信をされておりました。また、岩田副総裁もおっしゃっておりましたけれども、大学ですとか様々な場に出ていってこの日銀の金融政策を説明される、これ本当に重要なことであるというふうに思っております。特にこれから若い世代に向けて、ますます情報発信、分かりやすい言葉で是非金融政策を語る、ここに挑戦をしていただきたいということをお願いをしたいというふうに思っております。  そして、今のこの一つの渡辺先生の研究結果から示唆されること、これは何も金融政策だけの話ではございません。若い世代に向けてしっかりとこの成長戦略の矢を放っていくことで、やっぱり景気回復というのは主導できるんだ、リードできるんだ、これが一つ示唆として同じように得られるんじゃないかというふうに思っております。  資料二の方を御覧いただきたいんですけれども、公明党は、先月、若者が生き生きと働ける社会の実現に向けた取組として、若者の雇用の促進に関する法律、こういったものを核にする提言をまとめさせていただきました。また、これを基に、持続的経済成長のための成長戦略、これも発表させていただきました。  これまでも、とにかくこの若者の雇用、スキルアップ、また賃金上昇、こういったところにしっかり取り組んでいこうということで、公明党といたしましても様々提言させていただいたわけでありますけれども、やはりなかなか厳しい状況というのを変えることができない、そういった幾つもまた壁に当たってきたわけでございます。こうする中で、ここはひとつ、企業だけに任せておくわけではなくて、国や地方自治体、あるいは企業、また地域、様々なところでしっかりと若者を守り育てていくんだ、これを法律に制定した上で本腰を入れて政府としても取り組むべきじゃないか、このように感じているわけでございます。  さきに、実態として、今ちょうど総務省の調査、二つ紹介させていただきたいんですけれども、一つは就業構造基本調査、ここにおいては、初めて就いた仕事が非正規だった人の割合、これが近年一貫して増え続けておりまして、今や全体の四割に迫るところまで来ております。もう今や新卒で非正規は当たり前といった状況です。また、別の調査でありますけれども、同じく総務省の労働力調査、ここにおきましては、正規の職員、従業員の仕事がないから非正規の職に就いたという方の割合、これがいわゆる不本意非正規の方の割合ですけれども、これが二十五歳から三十四歳の世代で最も多い、しかもその割合が三割にも達している、このような指摘もあるわけであります。  こうした状況の中で、デフレ脱却の鍵を握って、また今後の経済成長を担う若者の就業やスキルアップ、これをしっかり支援して、生き生きと働ける社会を実現していくためにどのような取組を行うのか、安倍総理から御答弁いただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員がおっしゃったように、若い皆さんが将来に夢を持って働く場を求めていく、そういう気持ちになるように、またそういう環境をつくっていくことが大事であり、我々政治の場あるいは行政の場から彼らに対して、そういう場を私たちもしっかりつくっていくよと、応援をしていくよという発信をしていきたいと、このように思います。  状況としては、職場環境というか就職環境としては、これはだんだん経済が成長していく中において、デフレから脱却しつつある中において、有効求人倍率も十七か月連続で改善をしておりまして、今は一・〇八まで参りました。そして、その中におきましてだんだん労働市場がタイトになりますから、ユニクロを始め大手企業が、非正規から正規に大きく切り替え始めている企業も出てきているわけであります。これをまさに地殻変動にしていく必要があるんだろうと思います。  今は一時的に景気が良くなり始めていますから、取りあえずは非正規からということで、一時的には職の種類としては非正規が増えるわけでありますが、基本的な構造を我々は変えていきたいし、今変えつつあると、こう思っておりますが、その中で、今委員が御指摘になったように、就業やスキルアップ支援、これも極めて重要であります。  ハローワークと学校の連携により新卒者の就職支援を行うことや、非正規から正規へキャリアアップを支援するための助成金を活用していく、また、こういうものがあるんだよということをしっかりと若い皆さんに知らしめていく必要があるだろうし、また企業側も、こういうものが使えますよということを非正規の人たちに対してもそれを啓蒙していただきたいと、このように思います。また、雇用保険法の改正による教育訓練給付の拡充など、個々の事情に応じてきめ細かに取組をしていくこととしております。  まさに今デフレから脱却をしようとしているこのチャンスを、経済が上向きになっているこのチャンスを若い皆さんのチャンスにつなげていきたいと、このように思います。

平木大作公明党

○平木大作君 今、総理から大変力強い御答弁をいただきました。  先日の予算委員会で私が同様の質問をさせていただいたときにも、努力し、挑戦する若者を全力で応援するのが安倍政権のスタンスなんだ、このようにお答えいただきました。引き続き、この若者の雇用、そしてスキルアップについてしっかりと本腰で取り組んでいただきたいことをお願いいたします。  ここからは各論といたしまして、我が党の成長戦略の中にも一つ柱として位置付けさせていただきました創業・起業支援についてお伺いをしたいというふうに思っております。  資料三を御覧いただきたいんでありますけれども、今後の経済成長の牽引を期待されるのがベンチャー企業であります。この資料を御覧いただいて分かりますように、米国ではベンチャー企業が経済を牽引してきているということが一目瞭然であります。  左側の数字は、フォーブス二〇〇〇、いわゆる世界の上場企業の中で上位二千社、これを取ったときに、この中から銀行、保険、投資サービスを除いた企業数をまず比べたグラフであります。米国が四百六十六社、日本は百八十一社という、こういう比率があるわけでありますけれども、この中でより重要なのは中身でありまして、実に米国はこの三分の一に当たる企業、百五十四社が一九八〇年以降につくられた新興の企業でございます。同じ軸で切りますと、日本はたったの二十四社ということで、全体の日本のフォーブス二〇〇〇に占める割合でいくと八分の一にしかならないわけであります。  そして、右側のグラフでありますけれども、これは、この赤く印をしました新興企業同士を今度時価総額で比べたものでありますけれども、ここに関しても、米国が三・八兆ドル、日本は三千八百億ドルということで、実に十倍の開きがあるわけであります。  この日本の、実は内訳をしっかり見てみますと更に細かい情報ありまして、要するに日本の場合ですと、例えば大企業から分社化したり、あるいは民営化、そういったところも新興企業として数えてやっとこの数字なんですけれども、実は一九八〇年以降、全く新しい会社として誕生したのはこのうちの本当にごく一部、僅か五社にすぎないということでありまして、ここについても日本、まだまだ実は伸びる余地があるんじゃないかというふうに思っております。  こういう、ベンチャー企業がアメリカのように経済を牽引している、そういった姿があるわけでありますけれども、一方で昨年末からちょっと気になるニュースが相次いでおります。それは、昨年十二月にはグーグルが日本の人型ロボット開発のシャフトを買収したと、こういったニュースがございました。また、本年五月にはインテルが自動運転車開発のZMP、これも日本のベンチャー企業でありますけれども、ここに出資をしたと、このような報道がなされました。  最近こうした有望な技術を持つベンチャー企業が相次いで海外の企業に買収されている、こんな状況があるわけでありますけれども、この事態、どのように受け止められていらっしゃるか、安倍総理からお願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外国から、外国の投資家が日本の市場に投資をしていただくことは私はいいことだと思います。  ただ、一方、今委員が御指摘になったような非常に有力な技術を、この技術に対して何で日本の目利きや投資家はスルーしてしまうのかと、それは大変残念でもありまして、私がもしお金持っていれば私がもう投資をしたいぐらいでありますが、我が国を起業大国にしていく上において、新しい技術の芽を持ったベンチャー企業をどのように本格的な事業のステージにつなげていくかは重要な課題であります。  我が国の大企業とベンチャー企業の連携はその一つの重要な手段でありまして、そのため、大企業とベンチャー企業の仲介役となる支援人材の育成や大企業とベンチャー企業の出会いの場づくりなど、政府全体でベンチャー支援に取り組んでいきたいと思います。

平木大作公明党

○平木大作君 今、全く御答弁いただいたとおりだというふうに思っております。この二つのベンチャー企業、一つの例示として今示させていただいたわけでありますけれども、共に、これは別に日本のためにということではなくて、人類益にそれこそ貢献する、そういった高い志で起業されていると思いますので、この出資ですとか買収、こういったことによって、例えば新たな販路が開けるですとか、あるいは次の成長のステップが踏めたということであれば、これは大変喜ばしいことであるというふうに思っております。  ただ、一方で、先ほどの二足歩行でのロボットに関しましても、基本的には災害現場で働くということを想定されていると。これは災害の多い日本において、また福島第一原子力発電所の事故等を踏まえて開発されたということもございます。もう一つの自動運転車に関しましても、ITSですとか様々なところで、日本がこれまで高速のこの運転技術、磨いてきた上に成り立っているということで、日本からある意味生まれてきたのが必然的である、そんな企業がこれからいよいよ成長しようというときに、日本国内でその成長を更に支援できないというのは大変残念なことであるというふうに思っております。  特に、先ほどの二足歩行のシャフト社に関しましては、日本国内で一生懸命出資先を探したんだけれども、いい技術だねとは言ってもらえるんだけれども出資してもらえなかったと、そこで泣く泣く海外の企業の支援を仰いだという経緯もあるということでございましたので、是非こういったところ、引き続き充実した取組をお願いしたいというふうに思っております。  この起業・創業支援に関しまして、実はグローバルなデータもございます。世界銀行が行いました起業しやすさに関する調査、日本の総合順位は何と百二十位と大変先進国に比べましても遅れたところにございます。資金繰りが苦しい大変な時期のベンチャーに資金を集めるためのエンジェル税制、これに関しても、日本はあるんですけれども、利用する企業数が年間で僅か二〇一三年度でいきますと四十八社しかいなかったと、このような実態でもございます。  行政によるこの起業支援体制、今何が問題と考えるのか、茂木経済産業大臣からお答えいただけますでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 委員にお示しいただきましたそのグラフは私が作ったグラフなんですけれど、まさに日本においては起業が進んでいない、こういったところが見て取れると思っておりまして、イギリスやアメリカは開業率が年間一〇%を超えるわけでありますけれど、日本は四から五%ということでありまして、これを日本再興戦略では一〇%まで持っていくと、こういう非常にチャレンジングな目標も掲げているところでありますけど、大きな課題でいいますと三つあると思っております。  一つは、起業に対する意識の変化、再チャレンジも含めてでありますけど、そういった意識を変化をさせていく。さらには、潜在力のある事業を外に切り出すような事業再編の促進であったりとか、先ほどグーグルの例をお話をいただきましたけれど、ベンチャーにとってはMアンドAというのは出口で極めて重要でありますから、こういったことに対しても日本企業がもっと目利きを持つこと、必要だと思っております。  さらに、起業家にとって、資金であったりとか経営ノウハウを提供すると、こういったことが大きな課題だと考えておりまして、実はそういった起業を促進するために、ベンチャー企業に限定をした従来の支援策から、いわゆる日本経済全体で起業から始まりまして最終的には出口まで含めて一貫してベンチャーを支援していく、こういう政策に転換をしたいということで、昨年からベンチャー有識者会議、私の下で開催をいたしまして、初等中等教育から起業家教育を推進していく、さらにはベンチャー表彰制度の創設によって社会意識変えていくと、こういったことに加えまして、一つは、創業間もない企業に、政府の調達でできるだけそういった企業からの調達を増やしていく、同時に、産業革新機構等々を使ってリスクマネーをきちんとベンチャーに供給するような仕組みをつくっていきたい、こんなふうに考えております。  エンジェル税制、これまで使い勝手が悪かったと、確かだと思っておりまして、調べてみましたら、四十枚も書類出さなくちゃならないということであります。今度は七枚に変えました。それで、経産省のホームページ御覧いただきますと、そのガイダンスに従ってやっていく形で七ページで終わるような形になっておりまして、そういったベンチャーの皆さんが書類を書くことじゃなくて事業に集中できるような環境をしっかりとつくっていきたいと思っております。

平木大作公明党

○平木大作君 今、茂木経産大臣の方から私が後で指摘したかったことも全て含めてお答えいただいたかなというふうに思っておりますので、ちょっと時間も押しておりますので、一問飛ばしまして、次の質問に移らせていただきたいというふうに思っております。  このように、成長戦略、様々全力で取り組んでいかなくてはいけないわけでありますけれども、一つしっかり留意しておかなくてはいけないのは、例えば景気が上向いてきました、あるいは消費者物価がしっかり堅調に上がってきましたという話を聞いて、皆がみんな喜んでいるわけではないということでございます。物価が上がったといったときに、また今年の四月には消費税の増税もさせていただきました、こういう物価が上がったというときに、まさに一番心配をされておりますのは、年金を中心に生活を立てられております高齢者の皆様でございます。  こういった方たち、いわゆる実質的な可処分所得が目減りしてしまうんじゃないか、御心配されている方たちに向けた経済対策として、今年度は臨時福祉給付金の支給が決まりました。これ、一部の自治体では既に対象者に対する通知を始めたところもあるようでございますけれども、申請時期、給付方法あるいは各市町村の準備状況、今厚生労働省としてどのように把握をし、また指導されているのか、御答弁をお願いいたします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 委員がおっしゃられました臨時福祉給付金でありますが、もうおっしゃられるとおり、消費税引上げということで、所得の低い方々、皆様方の負担を緩和するという意味合いで実施するわけであります。  これ、基本的に、市町村民税の非課税の方々、それから併せて年金生活者の方々はこれに五千円プラス、つまり一万円と五千円で一万五千円という加算になるわけでありますけれども、まず申請をしていただくということが大前提でございまして、申請をしていただいた上で支給をされるという形であります。  市町村民税の算定が大体多くの自治体六月でございますので、その後、七月から順次支給が始まるであろうというふうに思っておりますが、厚生労働省といたしましては、特設のホームページ作りまして、各自治体で申請を開始するということをお決めをいただきましたら、その情報を厚生労働省の方にいただきまして、それぞれの自治体のホームページ、いろいろと手続の説明がございますので、そこにリンクをさせていただいて飛べるようにしようと、こう考えております。  あわせて、これからいろいろと広報等々もやっていくわけでありますが、今も特設コールセンターをつくっておりまして、いろんな相談に厚生労働省応じさせていただいております。同時に、チラシ、ポスター、カクニンジャというキャラクターを使いまして、これは各自治体で公序良俗に反さなければアレンジしていただいて結構であるというふうにお伝えをさせていただいております。御当地キャラクターともコラボということもあろうかというふうに思いますが、そのほかにも、テレビCMそれからあと新聞等々、こういうもので六月の中旬頃から宣伝をさせていただきたいと思っております。  各自治体にも、今まで個別に勧奨していただくためのいろんな方法等々もお示しをさせてきていただいておるところでありまして、いずれにいたしましても、まず御理解をいただく、分かっていただくということが大事でございますので、自分は権利があるといいますか申請できるんだということを御理解をいただいて御申請をいただき、支給を賜ればというふうに考えております。

平木大作公明党

○平木大作君 今御答弁にもございましたけれども、この臨時福祉給付金の一つの特徴というか最大のポイントは、本人からの申請がないとやっぱり支給ができないということであるかというふうに思っております。  これ、具体的な方法について各市町村に結局委ねられているわけでありまして、一部の報道によりますと、これどうやったら漏れがないようにできるかということで全戸に対して配布を行ったというところもあるようであります。各市町村、まだまだこのやり方、通知の仕方等について試行錯誤しておりますので、厚生労働省としても、是非、一つ一つ進捗状況ですとか実施の状況を把握していただいて、御支援いただけたらというふうに思います。  年金で主に生計を立てられていらっしゃる高齢者に対して、一つ朗報といいますか、今大変注目を集めておりますのがリバースモーゲージという制度でございます。  これ、どういうものかと申しますと、高齢者の方が自宅を担保にして借入れを行って、返済は亡くなった後にこの担保物件を処分することで行うということでありまして、実は私が銀行にいた時代から、もう十年以上前から、これ、いよいよこれから高齢化社会に向けて注目を浴びるというふうに言われてきた割に、なかなか制度として普及してこなかったという経緯がございます。ようやく今年に入りましてからメガバンクの一角も取扱いを始めるなど普及の兆しが見えてきたわけでございますけれども、一方で、現状の制度、各行取扱いはありますけれども、これ、マンションが対象にならないですとか、まだまだ使い勝手悪いというところも指摘をされております。  この点について、更なる普及に向けて国の支援も必要と考えますが、この点いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 社会福祉協議会で生活福祉金の貸付制度というのがございます。この中にも、委員がおっしゃられました、土地、建物等々を担保にして、ずっとそこにお住みになられるということが前提でありますけれども、リバースモーゲージのような形で貸付けをさせていただくという制度があります。これは一戸建てが基本でございまして、言われるとおり、マンション等々は対応しておりません。  どういう部分が問題かといいますと、基本的に土地自体は共有物、共有所有というような形になっております。建物自体は、これはやはり耐用年数等々いろいろありますし、マンションの場合は価値の維持のために管理費が結構高いということがございまして貸付けとうまくリンクできるかといういろんな問題がございまして、民間でもなかなかマンション等々のリバースモーゲージというのは難しいのと同じように、この福祉貸付金の方もなかなかそこが対応できていないわけでございます。  これから、もしいろんな金融機関等々が実施されてこられれば、我々も勉強させていただきたいというふうに思っております。

平木大作公明党

○平木大作君 以上で終わります。ありがとうございました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小西洋之君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。     ─────────────

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 日本維新の会・結いの党の真山勇一です。よろしくお願いします。  私は、大自然災害と防災という観点から、川内原発の問題、それから東北被災地のあの防潮堤の問題について質問させていただきたいというふうに思っております。  古いことわざに、天災は忘れた頃にやってくるというのがあります。まさにそうだと思うんです。あの三年前の大震災、津波、そしてその後の原発事故というのは、私たちに万一のことがあったときにどういうふうに備えたらいいのかということを考えさせられた、そういう出来事だったというふうに思っています。  総理、日本は地震と火山の国というふうに言われています。歴史を振り返ってみますと、地震あるいは火山噴火というような災害が度々日本を襲っています。福島第一原発事故をきっかけにして、原発のことについて世界で最も厳しい安全基準というのを政府は設けました。この世界で最も厳しい安全基準というものを基にして、今止まっている原発の再稼働、これの審査が行われているというふうに伺っております。  総理は御存じなんでしょうか。実は、総理のお膝元、山口県まで巻き込むような巨大な火山の噴火があったんですね。    〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕  ちょっと古いんですが、八万七千年前、九州の阿蘇山が巨大噴火を起こしたんです。いわゆる、この巨大噴火というのは破局的噴火というふうに呼ばれているわけですが、この破局的噴火、これについてこの後少しいろいろお話を伺いたいんです。  このとき流れ出した火砕流、これは非常に高温の溶岩、そしてまた高速なんですね、新幹線並みと言われています。その高速で火砕流がこのとき阿蘇山の巨大噴火で百八十キロまで流れ出したということなんです。百八十キロの距離というのは、実は総理のお膝元、山口県まで届いていたということなんです。これは地質学的に調べたら秋吉台にその痕跡があった、つまり阿蘇が巨大噴火を起こして流れた火砕流の根拠が秋吉台にあったということなんです。  これほど破局的噴火というのはすさまじいものだということなんですけれども、総理はこの破局的噴火というものについてどういうような認識をお持ちでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身、余り詳細には承知をしていないわけでございますが、今委員は八万年前の例を挙げられましたが、三万年前の巨大な噴火においても南九州一帯にその痕跡が残っているということでございますが、いずれにいたしましても、これは錦江湾ということでありますが、今おっしゃった阿蘇、八万年、その段階では下関までその被害が来るということになれば、まさに麻生総理の御自宅も、私も、林農水大臣の自宅もこれは壊滅的な被害を受けるということでありますから、これは相当の破壊力を持っているというふうに認識をいたしております。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 まさに私、総理、その辺を申し上げたかったんです。その今おっしゃられた三万年前の九州南部姶良火山、この姶良火山も破局的噴火をしているわけですね。これを、こちらちょっとパネルで説明したいと思うんです。(資料提示)  姶良火山というのはどこら辺にあるかというと、先ほど総理もおっしゃっていましたけれども、まさに鹿児島県、赤い丸です、一枚目の図ですね、真ん中にあります。北は霧島山、そしてすぐ南には桜島。本当に火山の活発な地帯です。そして、右の真ん中辺に黄色い四角があります。見てください。これが川内原発の位置なんです。  これから見ていただくパネルがあるんですが、これは当時の状況を九州電力がシミュレーションしたものなんですけれども、この火砕流というのがいかに驚異的なものであるかというのを、先ほど山口で家もなくなるということをおっしゃっていましたけれども、まさにそういう大変な状況が起きるのを今見ていただきたいというふうに思います。  二枚目のパネルをお願いいたします。  これが僅か巨大噴火から二分後なんです、二分後。二分後に火砕流が流れた図を九州電力がシミュレーションしたものなんです。もう既に鹿児島市は火砕流にのみ込まれている。  そして、この後、もう一枚見ていただきましょう、三枚目、五分後です。五分後にはもう九州南部は火砕流で真っ青、そういう状態になってしまいます。当然、川内原発のすぐ近くまで来てしまっているんです。姶良カルデラから五十キロのところにあるこの川内原発。この川内原発のところをよく見ていただくと、黄色のところが少し白い、火砕流が来ていないような状態になっていますけれども、これ実は、九州電力が最初は火砕流が川内原発に来る可能性はないという、そういうシミュレーションをしていたんですが、今はこれ認めております。  つまり、川内原発は火砕流の影響を受けるということなんですけれども、この僅か五分でこういう影響を受けるということになると、例えば、緊急で避難することはできるかもしれませんけれども、原発というのは、運転をしていれば当然その燃料棒などがあるわけですけれども、火砕流にのみ込まれるということになると、まさにもう危機的な状況になる。これは福島第一原発のときでもよくお分かりだと思うんですが、その破壊的噴火というのが起きるとこれほど重大なことになる。  川内原発はまさにそういう危機の中にあるということなんですけれども、その大火砕流にのみ込まれてしまうリスク、この川内原発が抱えているということについて、総理はどういうふうに思われるでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 規制に関わることなので、私の方からお答えさせていただきます。  先生御指摘のいわゆるカルデラ噴火ということですけれども、これにつきましては突然起こるものではなくて、やはりカルデラ噴火は、まさに先生御指摘のように、九州の半分以上も埋まってしまうようなそういうものですから、当然その前に地下からマグマの供給というのが長期間にわたって行われます。それにつきましてきちっとモニタリングをしながら、いろんな方法があると思いますが、例えばGPSとかそういうものでかなり前からその兆候を把握して、それに対して原子炉については早急に止めて、必要があれば使用済燃料等の運び出しを行うということを含めて今審査を行っているところでございます。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 つまり、予知はできるのかなという、そういうお答えだったんですけれども、ただどのぐらい前に予知ができるのか。つまり、今おっしゃったように、原子炉関係のいろんな施設を止めたり移動させるにはある程度のやっぱり時間が必要であると。そうすると、今お示ししたように、もし巨大噴火が起きれば本当に僅かな時間で火砕流が来てしまう。とてもじゃないけど、そういうことをする時間があるのかどうかということが気になるわけですけれども、事前にその予知というのは十分にできるんでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) お答え申し上げます。  現在の知見でいつ、どこで、どれぐらいという極めて正確な予知は不可能でございますけれども、カルデラ噴火といいますと、大体、姶良火山の場合ですと、そこで噴き出される土砂の量というのは山手線ぐらいの面積で高さが多分一キロから一・五キロぐらいの厚さの土砂が噴き飛ぶだろうと言われています。それだけのものを噴き飛ばすだけのマグマの蓄積というのは、かなり、まあ数年とか十年とか、そういう期間は少なくとも掛かってたまってくるだろうというふうにお聞きしております。    〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕  ですから、そういった兆候を早急に踏まえまして、原子炉ですから早めにそのモニタリングの結果を安全サイドに判断して、早急に止めてその対策を取るということが最も大事なことだということで、私たちは九州電力のシミュレーションそれからモニタリングについても含めて今審査中でございます。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 もう一回確認しますけど、そうすると、予知というのは可能と考えてよろしいんですね。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 予知というと、非常に時間的にいついつというようなことで、相当正確なところを求められるという、そういう理解がされがちですけれども、相当さきからそういった兆候を把握することは可能だというふうに思っています。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 少しやはり予知がどのぐらいのところでできるのかというのは、委員長のお話を伺っていて私は不安を感じるわけなんですけれども、総理、やはり世界で最も厳しい安全基準ということで原発再稼働を進めているわけですね。やはり火山は、その基準に基づいて火山影響評価ガイドというのがあるんですけれども、そういうものでも本当に予知ができるのかというのは、まだ私はそんなにできるというふうな印象は受けておりません、これまでの委員会での答弁などを見ましても。  やはりそういう一番厳しい安全基準というのを作っている以上は、やはり安全とは言えない、安全に不安があるというところは、原発の立地としてはこの火砕流の流れを見ても適当と言えるのかどうかというふうに思うんですけれども、やっぱり世界で最も厳しい安全基準で是非原発の再稼働はやっていただきたいというふうにこれはお願いしたいんですが、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 川内原発につきましては、現在、火山による影響も含めまして、独立した原子力規制委員会において科学的、技術的な見地から規制基準への適合審査が厳格に行われているわけでありまして、川内原発については原子力規制委員会のまさに今審査中でございまして、私から判断を予断することは控えさせていただきたいと思います。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 しかし、安全の意味では、もう是非リーダーシップを取ってやっぱり総理にはやっていただくということも必要なときがあるのではないかというふうに思っております。  次に、もう一つ、大震災、被災地の復興について取り上げたいと思います。  岩手、宮城、そして福島、この三県では、災害に対する今復興ということで災害住宅の建設などを進めている一方で、津波に対する防災対策として防潮堤建設、あるいは道路、住宅の高台移転などが進められているということで、懸命に復興への取組が行われているところでございます。  総理は、就任直後は毎月一回は被災地に入られて被災者の方たちの声を伺ってきたというふうにおっしゃっていました。最近ちょっとお忙しそうなので、実際に一か月に一回いらっしゃっているのかどうか、ちょっと私存じ上げていないんですが、現地へ行かれて復興への動きを御覧になってどういうふうなことを思われ感じられたかということを伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身は、就任以来、合計十五回、被災地を訪問してまいりました。福島七回、宮城五回、岩手四回でありますが、そうした中で絶えず現場の皆様の声に耳を傾けながら取り組んできたところでございますが、昨年春訪問した際には、用地確保が難しいという声が随分ありました。そういう切実な声を伺うことが多かったわけでありますし、また、どこにいつ何戸の住宅が再建されるのか見通しが立っていなかった。  つまり、被災者の方々にとって、仮設住宅に入っている方々にとって全く計画がないじゃないかという、それが最大の不安だったと言ってもいいと思いますが、今、全て計画は作りました。そして、高台移転や災害公営住宅の建設が進み、また福島県におきましては避難指示解除の動きが始まっておりますし、また昨年初めて福島においても作付けが行われ、そして収穫がなされているわけであります。  また、福島におきまして、例えばサクランボ、これ風評被害で随分下がったんですが、やっと、やっとまた価格が元に戻りつつあると、また戻りつつある中でいろんなことが起こってはいますが、しっかりとこういう風評対策も取り組んでいきたいと、このように思っております。  ただ、なお二十六万人の方々が避難生活を余儀なくされているのは事実でありまして、復興は道半ばでございまして、また、被災した皆様の生活再建が進み、被災地が復興していくためには暮らしを支えるなりわいの再建は重要でありまして、先般、私より産業復興の推進に関して根本大臣に早急な取りまとめと実行を指示をしたところでありまして、明日、根本大臣において産業復興に向けた戦略を取りまとめるものと承知をしております。  復興庁が司令塔機能を発揮をして関係省庁の有効な施策を総動員して、官民一丸となって産業復興を強力に推進していきたいと思いますが、今後とも、復興のステージが上がっていけば上がっていくなりに新たな課題も出てくるわけでありまして、そうした課題にしっかりと取り組んでいきたいと思います。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 そうした課題の一つだというふうに私は思うんですけれども、復興の方は進んでいますけれども、防災のことでやはり東北三県で今出てきている問題というのは防潮堤、しかもコンクリート製の巨大防潮堤と言われているものですね。三つの県で総延長が三百九十キロに及ぶということなんですけれども、高さ十数メートル、高いものはこれはビルの四階か五階ぐらいになる。  どのくらいかというふうに今思ったんですが、実はこの第一委員会室の床から天井までが五・八九メートルだそうです。私、もっとあるのかなと思ったら、五・八九メートル、約六メートル弱で、でもこれ参議院の事務局に伺ったので、それだと思うんです。そうすると、高いコンクリートの防潮堤というのは、この倍の高さがあるんですよ、倍の高さ。ちょっと想像してみてください、それが海岸ずうっと幕のように例えばできるということを。そういう場所も出てくるということなんですね。  私は、この巨大なコンクリートの壁、これは、最初は地元の方はあの津波のときはやはりこれは高い防潮堤がなければ駄目だという、そういう思いがあって、津波に耐えられる高さを、そういう気持ちは強かったと思うんですが、三年たってみて、やはり地元の方たちの思い、感じ方も変わってきていると思うんです。  やはり環境の問題ですとか、それから日々の海辺で暮らすという生活の問題ですとか、それからもちろん漁業をなりわいにしているわけですから、その漁業の問題ですとか、いろんなことを考える。あるいはまた、そんな壁に囲まれた海岸に住みたくないという若者の声もあるというふうに私は伺いました。そうすると、ますますふるさとを離れてしまうような、復興をするつもりが、やはりふるさとが寂れてしまうようなことだってあり得るという。もちろん、場所によってはこうした防潮堤が是非必要だというところもあるかもしれませんが、そうではないところもあります。  私は、防災ということを考えたら、高い防潮堤よりも、例えば避難のための道路を整備する、そしてできる限り高台移転を進める。よく言われているのは、津波というのは何よりも重要なのが一秒でも早く逃げる。その逃げるということは高台。そうしたら、やっぱり高台へ移転するということも大事。そういういろいろな今地元の要望が出てきているんですが、そういう声は総理に届いていますか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 私、防災、国土強靱化担当、多分そういう趣旨の御質問だと思いましたので、私、ちょっと手を挙げさせていただきましたが。  確かに、三年前のあの震災のときは、皆さん、もうあの津波二度と見たくないから防潮堤を造ってくれという声がすごく多かったです。しかし、意識変わってきました。確かにそのとおりです。  それで、実は六月三日に閣議決定させていただいた国土強靱化基本計画も、特に基本法九条で、地域の特性に応じて自然との共生とか環境とか調和に配慮をしなさいと、こういうことをはっきりうたわせていただいた。もう一つは、やはりふだんからしっかり活用できて、そして有事の際にはその機能を発揮をする、こういう考え方も入れている。  ですから、今委員がおっしゃったように、防潮堤というのも一つの手段ですけれども、例えば、もう一方では緑の防潮堤、広葉樹を使って何層にも分けて、そしてそういう木を植えていくことによって致命傷は絶対負いません。そして、ふだんの景観がすばらしいです。それから、一方では、例えば津波に合わせてそういう津波の、マンションですね、建物にして上の方は全部避難できるようにするとか、あるいは場合によっては津波シェルターを使って、早く津波が来るところはそういったものをふだん置いて、そこで、いざとなったらそこに逃げ込むと、しかしふだんは例えばカラオケボックス等々で地域の自治会やっている。あらゆるメニューを今考えて提言しています。  そして、それをしっかり地域の皆さん、都道府県、市町村、そして地域の皆さんが議論をしていただいて、一番皆さんが納得できるものを採用していただく、我々はそういうプログラムをたくさん用意をさせていただいている。これで多分お答えになっているんじゃないかなと思います。

真山勇一日本維新の会・結いの党

○真山勇一君 私の持分の時間がなくなったので、本当はもう一つ総理に確認をさせていただきたいことがあったんですけれども。  やはり、今いろいろなやり方で要望を聞いているということだったんですが、防潮堤をやめてしまうと大幅に復興が遅れたり、またその財政的な援助、予算が削られてしまうんではないかとか、そういうやはり防災費というところから違ってしまうということもあるんでしょうけれども、そういうことを心配している声も出ているんです。  是非、総理、柔軟で弾力的な、もう東北だけじゃなくて、これ、コンクリート製の防潮堤というのはもしかすると日本国中、全国一律にそういうのができてしまうんではないかと、そういう心配だってあるわけなので、是非それぞれの要望に応えた柔軟な運用をお願いしたいということをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、柳本卓治君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。儀間光男君。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 日本維新の会・結いの党の儀間でございます。関連質問をさせていただきます。  まず最初に、日中漁業協定の見直しについてでありますが、御承知のようにこの協定は昭和五十年、一九七五年に締結をしております。その後、同協定の改定交渉が平成八年から行われて、平成九年、一九九七年の十一月に現行の新日中漁業協定に改められておりまして、両国で署名、成立し、平成十二年の六月一日に発効をしておるのであります。平成九年の外務大臣書簡によって成立をしておりますが。  これは、新たに加わった日中ラインというのはどういうことかというと、パネルでもって御説明をさせていただきますけれども、(資料提示)北緯二十七度線といいますから、これは協定の中にある、協定の第六条で示されております。二十七度線というラインが横に引かれておりまして、それから縦に線が引かれておりますが、この北緯二十七度線というのは、総理、復帰前の沖縄の北限なんですね、沖縄の行政ラインの北限なんですよ。平成九年に外務大臣書簡でもって、この二十七度ラインから東経百二十五度五分、沖縄島がありまして、青い点線で宮古島に行きましてすぐ南に下りているラインがありますが、この以西を新日中漁業協定に加えると、こういうことでございます。  これは私、去る三月の予算委員会でも少しやりましたが、あれと今変わったのは、あの後少し変わっておりますから、変わったのを説明したいと思いますが。  左端から黄色い線で黒潮のラインが流れております。総理、回遊する魚はほとんどが南の海で産卵をし、稚魚になって、そして黒潮に乗って北上しながら成長していって、マグロなどは秋から冬にかけての大間のマグロに成長していくわけです。ところが、この日中漁業協定、さらには昨年締結しました日台漁業協定から起きた影響が、成長の緒に就く、スタートラインに着く稚魚たちが沖縄近海、南西近海に北上する頃、まだ小さくて余りおいしくもないんですよ、ところが、日中漁業協定、日台協定によって、このラインでほとんど成長のスタートの段階で捕獲をされていって、北上する魚影が少なくなっているというような研究者、学者の指摘がございますが、これはそろそろ日中漁業協定を、もう十五年になんなんとしますから、検証し見直して、北上する魚影が減らないように、あるいは資源の枯渇が起こらないように日中漁業協定の見直しが必要の時期だと思います。  そういうことで、その見直しについて総理に意思があるかないかの御返事をいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、日中漁業協定に対する沖縄県の漁業関係者の皆様方、また関係者の皆様の懸念につきましては、私自身も直接要請書をいただくなど、非常に重く受け止めております。そして、とりわけサンゴの不法採捕について強く御指摘をいただいておりますが、こうしたサンゴの不法採捕、サンゴそのもののみならず沖縄近海の漁業資源にも深刻な影響を与える、こういった点で大変重大な課題であると認識をしております。  そして、これは既に御案内のことだと思いますが、昨年八月、日中漁業共同委員会におきまして、サンゴ船を視認した場合に通報し調査する仕組み、こういった具体的な方策について一致をし、日本側がしっかり通報し、そして中国側がサンゴ船の検挙、摘発を行っている、こういった現状にあります。  しかしながら、再三委員からも御指摘いただいておりますように、これは今現状におきまして、引き続き中国のサンゴ船等につきましても活発な活動が続いております。この点は大変遺憾に思っておりますし、危機感を感じております。  そこで、今後、是非具体的な取組、更に行わなければいけない、加えなければならない、こういった認識に立っております。これは相手のある話ですので、この場で具体的な案、申し上げるわけにはいきませんが、是非関係省庁とも連携しながら具体的な案を考えていきたいと考えております。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 質問に答えていなくて、これは三月の段階で質問したことへの答弁なんですね。  私が言っているのは、今サンゴの話じゃないんですよ。回遊魚が産卵してふ化して稚魚となって、いよいよ黒潮に乗って北上していって成長して、我が国の魚類たんぱくとして国民の大好きなカツオやマグロのたんぱく源の提供がなされてきたわけでありますが、ここで中国の漁法によるおびただしいほどの成長スタートしたばかりの魚を取り上げられると。  北上して四国沖に、これはずっと黒潮を北上するわけですが、沖縄島のところで止めてありますけど、ずっと北上していって、太平洋側、日本海側を走るわけですけど、流れるわけですが、四国沖のマガツオ、アヤガツオ、こういうものが今季もう捕れなくなっているんですね。さらには、これから秋、冬と行きますけれど、大間にたどり着くマグロがどの程度おるのか。ここで先に捕られて、その網の目から抜けたものが北上するわけですよ。  ところが、中国の漁法は根こそぎ捕っていくような漁法なんですね、用いているんです。虎網とか底引きとか、あるいは定置網とかですね。対象にかかわらず、成魚か稚魚かにかかわらず全て捕っていって、それから漏れたのが北上して成魚になって、ホンガツオ、ホンマグロが成長するんですよ。  こういう資源の枯渇が、海の回遊魚の枯渇が心配されてなりませんから、その漁業方法も含めて、あるいは漁獲高も含めて見直しする時期じゃありませんかと、こういうことでありますから、それにお答えいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点も含めて、沖縄の漁業関係者の皆様方の懸念があると認識をしております。  そこで、見直しについて御質問いただきましたが、この見直しについて、新しい秩序を一から考えるということになりますと、またこの合意に時間が掛かるということになり、現場の混乱ですとか不安が続くということになります。是非、基本的にはこの大枠を維持しながら御指摘の点等にどう応えていくのか、これを考えていかなければならないと思っています。そして、そのための議論を日中漁業共同委員会においてしっかり行っていかなければならない。御指摘の点も含めて、現実的な対応をしっかり考えていきたいと考えます。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 聞いたことにお答えをいただきたいんですよ。何でマグロ、カツオのことを言わないんですか。沖縄近海、沖縄の県民の、漁民の問題じゃないんですよと、北上していけば全国の漁民に影響が大きいから、黒潮のスタート、稚魚の成長に向けてのスタートラインにある沖縄の関係者が危機感を持ってきたんです。何も、私が言うから、沖縄の県議会から、県知事から訴えがあるから、沖縄海域の問題だけじゃないんですよ。北上するのは本土なんですよ。最後は大間で捕り残された魚が今度は南下していって、日台漁業や日中漁業ラインの漁場でまた再確保されるんですね。  そういう魚の回遊を見ると、これ、沖縄海域だからといって沖縄の問題と捉えていらっしゃるようですが、そうじゃないんですよ。何か四国だかどこでしたか、今回、カツオ船がカツオを捕りに行って一航海で八匹しか捕れなかったという実態が出ているんですよ。これも、この日台、日中漁業協定の漁法に関係しないとは言えぬじゃないかと。学者たちもそれをおっしゃっている。それに危機感を持っていただきたいと思うんであります。  次の質問、たくさんありますから……

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 林農林水産大臣に答えさせましょうか。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 はい。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 日中の漁業協定については外務大臣からお話をしたとおりでございますが、マグロのお話がございました。  マグロは、御案内のように、小さいところからずっと今の黄色で書いていただいたところをたどりながらだんだん成長していくということで、今マルチの、中国も入った枠組みの中で、やはり余り子供のときに捕り過ぎると大きなものが捕れなくなるということでございまして、子供のときのものをどうやって資源管理をきちっとするのかということを呼びかけて、中国もメンバーになっていただきまして、そこで関係する国が全体となってしっかりと資源管理に取り組んでいくと、こういうことも併せてやっておりますので、御理解を賜ればというふうに思います。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 時間がありませんから、シリーズ物でまた次にしたいと思います。  ちょっと時間の関係で一つ飛ばさせていただきたいんですが、国境離島の防衛問題もやりたかったんでありますが、少し飛ばしていただいて、普天間飛行場の五年以内での運用停止あるいは返還の話、これについて質疑したいと思います。  たしか沖縄県知事から、昨年十二月十七日に、四つの項目に分けて、しかも丁寧に、普天間の五年以内の運用停止については(一)の中にも、(一)の末尾にもあるんですね、普天間飛行場の五年以内の運用停止と早期返還と。(四)にも普天間飛行場の運用停止後の県外移設。総理は、知事からその要望を受けまして、十二月の二十五日に再度知事と面談をいたしております。その中で、総理はこういうことを言っておられます。このことについては、普天間の基地問題については知事と認識を共有して、そして応えていきたいというふうにお答えをしておるのであります。  ここでお聞きしたいんですが、普天間飛行場の五年以内の運用停止について、総理は知事と確約されたものと思っていいのかどうか、これ一点です。それから、総理と仲井眞知事のやり取りについてでありますが、沖縄県内でも一部の人たちは口約束にしかすぎないといった批判的な見方もあります。私は、地方政府と中央政府が向き合って、責任者同士が向き合って話すときは、これは誠意と信頼に基づいてやっていらっしゃると思いますから、必ずしもペーパーはなくても、その誠意と信頼があれば応えていけると思っておるのであります。したがって、このことについては、運用停止については揺るぎもなく政府は全力で取り組んでいくというふうに理解してよろしいかどうかを伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の十二月に、今委員がおっしゃったように、仲井眞知事から普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む基地負担軽減に関する四項目の御要望をいただいたところでございまして、このような知事からの御要望は沖縄県民全体のこれは要望であると、このように受け止めたところでございまして、日本政府としてできることは全て行うと、このように申し上げたわけでありまして、これが安倍政権の基本的な姿勢であります。  そこで、本年四月の日米首脳会談におきましても、私から、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む知事からの要望について直接オバマ大統領に説明をいたしまして、沖縄の負担軽減について米国の更なる努力を要請したところでございまして、大統領からも、沖縄の負担軽減に引き続き取り組んでいきたいとの発言もあったわけであります。もちろん、これは相手のあることでありますから、これが難しい点もございますが、知事からの御要望については引き続き政府を挙げてその実現に取り組んでいきたいと、こう思っております。  具体的な、また日米協力で詰めていくわけでありますが、例えば普天間における飛行機の運用を減らしていくことも大切であるわけでありまして、現在、普天間飛行場に存在する空中給油機十五機でありますが、今年の、まさに今月から、今月から九月までの間に全機十五機、私の地元山口県の岩国にこれを移すことを、移駐を進めていきます。そして、オスプレイについては、まずはその訓練等の約半分を県外で行うこととしておりまして、そのために本土に訓練地を整備することとしているわけでございまして、お約束をした、全力で取り組むということをお約束した上において、しっかりと今全力で取り組んでいるところでございます。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 しっかり聞きましたから、五年以内の閉鎖、運用停止、返還を期待して待ちたいと思います。その方法についていろいろ聞きたいんですが、時間がありませんから。  ここに、タイムリーに昨日の沖縄県内の二紙から情報が来ております。朝刊の発表でございますが、見出しに、五年以内停止困難、普天間、米国務省高官が見解。どう書いてあるかというと、普天間の返還は名護市辺野古の代替施設完成後ということで日米で既に合意をしている。沖縄県の要望は理解しているが、技術的にかなり困難であり、現実的ではない。高官はこうも言っている。代替施設の完成時期を早めることが可能ならば、普天間返還の前倒しも可能である。その場合は喜んで協力したい。普天間の危険性除去のために一刻も早い運用停止を求める県民の要望は十分理解できるが、非現実的であり、可能性はかなり低い。これは日本政府にも、あるいは沖縄県にもその旨伝えてあるというような発表がありました。  そこで、今、タイムリーに下地前国務大臣も行っておって国務副次官補らと会っているようですが、彼は書面でもって右のことを……

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にまとめてください。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 書面でもって取ったということでありますが、それについて少し所見をいただきたい。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 答弁、簡潔に願います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 報道については承知をしておりますが、具体的にどなたからそのような話があったかとかは一切この内容には書いてありません。いずれにしても、日本政府として米側からそのような話が来ていることはございません。

儀間光男日本維新の会・結いの党

○儀間光男君 ありがとうございました。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。  本日は、平成二十三年、平成二十四年の決算に関する締めくくり質疑、安倍総理以下閣僚の皆さん、質疑させていただきたいと思います。  本日私が取り上げようと思っておりますのは、一つ、ODA債権の放棄の問題であります。もう一つが著作権保護とTPPの関係、それから農協・農政改革、そして集団的自衛権の問題、これを順次取り上げていきたいと思っております。まさに国の決算、密接に関わる事項でありまして、是非皆さんと一緒に次の国を考えていきたい、こういうふうに思います。我が党なんですけれども、責任野党であると同時に、それ以上に健全野党という立場で、しっかりと私も信念を持ってやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。  さて、ODA債権の話に最初は行きたいと思いますが、まず国民への説明責任の在り方という辺りから行きたいと思っております。  ODA債権と申しますのは、我が国が発展途上国にお金を低利で貸しておりまして、その国の経済、福祉の改善と向上に貢献しようとする、まさに国際協力の一つの手段であります。国際協力機構、JICAを通じまして、我が国は平成二十六年度現在で発展途上国向けのODA債権を約十一兆円も保有しておるわけであります。  一方で、経済が厳しい国にありましてはODA債権を放棄する、債権を免除するという、更なる債権救済措置と言われる国際協力も行っておりまして、平成十一年はケルン・サミットで各国が協調して行うというようなことも合意されています。  そこで、まず外務大臣に、このODA債権の放棄の趣旨とか現状の金額、念のため、簡単に手短で結構ですので、お答えいただけますでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、債務救済、累積債務問題を抱えた国について国際社会が一致して問題解決に当たる、こういったことから国際金融の安定化を図る、大変重要な手段だと認識をされています。  あわせて、近年、アフリカを始めとする低所得国において紛争ですとかあるいは自然災害等によって貧困問題が深刻化する、こうした中で、増大するこの累積債務問題が途上国の経済開発、福祉向上を妨げるのではないか、こんな問題意識から、この債務救済の重要が指摘をされてきました。一方、この債務救済、債務国側のモラルハザードを引き起こす可能性がある、こういったことから、必要かつ不可欠な場合にのみ実施されるべきである、こういった認識に立って行われております。我が国にとりましても、こうした開発途上国等が主体的にしっかりとした取組を行い、成果を示すことがこの債務救済において重要である、こういった認識において取り組んでいるところでございます。  そして、数字的な実績ですが、平成二十五年度までの円借款債権放棄実績額、約一兆一千二百九十億円ということになっております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 今外務大臣から話がありましたように、このODAの債権放棄額が実にこの十一年間で一兆一千二百九十億ということなわけであります。  この問題は、この債権免除に関して国はどういうふうに処理をしてきたのかと、この辺りをポイントに今日はしたいと思っているんですが、お聞きしましたら、この公的債権の免除に関してはJICAの会計の中で処理されているということであります。  債権免除に関しては、交換公文が相手国との間で交わされまして、交換公文が国会の承認事項としては実は取り扱われていません。巨額の免除、債権放棄があったとしても、国会や国民には何ら報告がされないままに進められていると、こういうことであったわけであります。うがった見方をすれば、実にうまいというか、国会の審議に引っかからないように、国民のチェックに掛からないような形で処理されてきたと、こういうことだと思っております。  ODA債権は、元をただせば、国民からお預かりした税金を元手に貸付けを行っているわけでありますので、言わば国民の債権であります。ODA債権を放棄して債権を免除する、まさに借金をチャラにするというような状況をしっかり国民には説明する必要があるんじゃないかと、こんなことでありまして、昨年の参議院のODA特別委員会でも、この債権放棄について、国民や国会への説明責任を私の方が強く求めてまいりました。  今般、その検討結果がまとまったということでありますので、外務大臣の方から御説明いただけますでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 債権放棄の国会への説明責任ということですが、従来、我が国においては、債権放棄を行った国及びその額については、説明責任の観点から、債権放棄の交換公文の締結のたびに外務省報道発表の発出等を通じて対外発表をし、そして外務省ホームページあるいはJICA年報において当該年度に円借款債権放棄を実施した国及び債権放棄の実績額について公表をしてきたところであります。そして、それに加えて、平成二十五年度のODA白書から、個別の国に係る円借款債権放棄の実績額、新たに掲載するということにさせていただきました。  また、今委員の御質問の中にもありましたように、この問題につきまして、委員の方から他の委員会におきましても御指摘をいただいてきました。こうした御指摘を踏まえまして、国会に対する報告の観点から、平成二十五年度のJICA決算報告書から円借款債権放棄に関する記載を行う方向で調整を行うことといたしました。  現在、具体的な記載方法について、JICAや関係省庁と調整をしているところであります。是非、調整を終えた上で記載を行っていきたいと考えます。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 ありがとうございます。  この決算委員会に毎年ODA債権の放棄額について報告していただけるということになりましたので、おかげさまで一歩前進ということであろうかと思います。ODAの債権に関しては、まだまだ放棄する可能性がある国、金額があるというふうに聞いておりますので、しっかり外務省等含めてやっていただければと思っています。  さて、ちょっと時間の関係で質問の内容を前後しますが、TPPと著作権の非親告罪の問題について少し質疑していきたいと思います。  TPPにおける著作権保護の在り方、特に著作権の非親告罪化について、大きな実は議論になっています。まず、ちょっとおさらいなんですが、日本の著作権では著作権侵害に関する刑事罰は親告罪というふうになっておりまして、著作権を侵害された権利者が告訴しないと検察官は加害者を起訴できないと、こういう仕組みになっております。  そこで、まず、我が国著作権法が親告罪という仕組みを取っているその趣旨について、文科大臣の方から御説明いただけますでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今、山田委員からお話があったとおりでありますが、基本的に我が国が著作権侵害について、これは親告罪ということで位置付けているわけでございます。これは国によって相当著作権制度の制度設計は違いがあるわけでございますが、例えば、非親告罪化について検討を行った著作権分科会報告書におきまして、米国、イギリス、フランス等は非親告罪を採用していると。一方、著作権侵害について親告罪を採用している国としては、我が国のほか、ドイツ、オーストリア及び韓国があると承知をしております。ただし、親告罪を採用している国においても、ドイツでは、その侵害行為が業として不法に行われる場合、検察当局が特別の公共の利益を理由として職権による関与を要するものと思料するときは非親告罪としているほか、韓国では、その侵害行為が営利目的で常習的に行われるものについて非親告罪としているものと承知をしております。  基本的に我が国は、親告罪というスタンスの中で今まで著作権については対応をしたというスタンスであります。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 TPPの件との絡みで少しお聞きしていきたいんですが、日本の著作権法は親告罪ですけれども、先ほど大臣がお話ししたように、非親告罪の国が実は多いと。TPP参加国は実はほとんどの国が非親告罪という仕組みになっております。そういった意味で、今回TPPに参画するということは、著作権に関して日本も非親告罪化を求められるという可能性は非常に高いんではないかなというふうに思っております。  一方で、この知財の問題、交渉が難航しているというふうにもお伺いしますが、甘利大臣の方にお伺いしたいと思うんですが、このTPP交渉における著作権侵害を非親告罪にするかどうかという問題、どのように日米交渉で間合いが詰まっているのか、この辺りを教えていただけないでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 著作権であるとかあるいは特許権、こういういわゆる知的財産権に関しましては、権利者の保護をどこまで強くするかということと、それから利用をどう促進していくか、これはどうバランスを取るかという問題であります。著作権についても、非親告罪の国が御指摘のように多うございます。そこで、どうバランスを取りながら親告罪の国と非親告罪の国に関して共通のルールを作るかということで今議論をしているところであります。  詳細な中身はなかなか言いづらいんでありますけれども、一律にみんな非親告罪にしてしまえというような議論は余りよくないなというようなところから、共通ルールにしていくかということを今交渉している最中であります。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 今、甘利大臣の方から、一律に非親告罪化というのはどうなのかというようなことで探っているという大変重要な発言をいただきましたけれども、まさに日本にはアメリカのようにこの非親告罪に関してはフェアユース、つまり裁判に対する積み上げですとか、それから著作権を法廷で勝ち取っていくというような実は習慣がありません。どちらかというと、現場も、習うより慣れろ、慣れるより盗め、いい悪いは別として、先人の考え方や技術を忠実に伝承すると、こういった日本のやり方にこれがなじむのかどうか、こういった議論、非常に重要だというふうに思っております。  一方で、例えば表現の自由の問題として、児童ポルノ規制法改正案みたいなものも今国会では取り上げられています。参議院では今週の法務委員会でも質疑が始まるんではないかというふうに思っておりますが。まさにこの問題、表現の自由、通信の自由、秘密を守ることが重要という立場で私自身も主張してまいりましたけれども、それらの観点から立っても著作権の非親告罪はそのまま日本に素直に適用するというのはちょっと見過ごすわけにはいかない問題かなと、実はこう考えております。  著作権の非親告罪に関しては、このまま適用されてしまうと、まさに児童ポルノ規制法改正案の議論同様、過度な自主規制とか萎縮効果で国内的には文化的、経済的にも混乱が生じるんではないかという懸念も考えております。今後、この著作権がどうなるのか、できるだけ内容を開示していただいて、今日、甘利大臣の方からも少し披露していただきましたけれども、現場に即した対応を急いで検討する必要もあるんではないかと、こんな問題意識を持っているわけであります。  そんな問題意識を持ちながら、では、著作権を所管する下村文部科学大臣にお伺いしたいと思いますが、このTPP交渉における著作権の取扱いについては、今、甘利大臣の方から説明が少しありましたけれども、実は下村大臣は、平成二十四年六月十九日、参議院文教科学委員会で、著作権の一部改正に関する改正案ということで発言をされています。どんな発言をされているかといいますと、TPP交渉においては、著作権侵害の非親告罪化については、これは絶対あってはならないと発言されているんですね。  当時、下村大臣は野党の議員でいらっしゃいましたが、今大臣になられております。大臣になられたからといって信念を曲げられることはないのかどうかお伺いしたいと思いますが、大臣としてのこの著作権侵害の非親告罪とTPPの関係について、所管大臣でもありますので、是非御意見と御決意を賜りたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) TPPの対応については、甘利担当大臣からお話があったとおりでございまして、今文部科学省、文化庁の中でも、著作権法の侵害罪につきまして、職権により刑事手続を可能とする非親告罪化につきましては、文化審議会著作権分科会において検討が行われてまいりました。その結果、著作権分科会報告書におきまして、著作権等の侵害が著作権者に与える影響は著作物の利用態様や規模によって多様であることなどから、一律に非親告罪化することは適当でない旨の結論が出されております。  著作権等の侵害罪の非親告化について、この文化審議会での検討結果や国内外の諸状況を踏まえて適切に対応する必要があると思いますし、TPPも今甘利大臣からのお話のとおりであるというふうに思います。  御指摘の、私が申し上げたところはその前がポイントでありまして、これは私的違法ダウンロードの処罰についての議員立法の修正案の中で述べたわけでありますが、今回の法改正は、当時の答弁ですけれども、今回の法改正はあくまでも音楽等の私的違法ダウンロードを処罰する規定を整備するものでございまして、将来的なダウンロード違法化の全著作物への拡大や非親告罪化を目指すものではありませんと。  今回のアメリカとのTPP交渉においても、これは我々の立場からとしても、このダウンロード違法化の全著作物への拡大、あるいは非親告化について云々ということでありまして、全てを反対ということでなく、非親告のその分野については精査しながら分ける必要があるということで、これは全く甘利大臣の答弁と同じ方向性であるというふうに思います。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 TPP交渉において、この非親告罪の問題、両大臣も大変御認識が深いということで安心しました。何とか日本の文化、経済の発展のために、この問題、しっかり対処していただければというふうに思っております。  次に、農協改革について少し行きたいと思っております。  国内問題、一番の安倍政権の懸案事項、農協改革もその一つだというふうに考えております。政府の規制改革会議の方では、農協改革について非常に画期的な、全中廃止、それから全農の株式会社化というような提言もまとめられているようであります。  そこで、総理にお伺いしたいんですが、全ての農協の頂点に立って司令塔の役割を果たしております全国農業協同組合中央会、略して全中でありますけれども、この対処に関して、この改革案をどのように評価されているのか、日本の農業の再生には全中の廃止や全農の株式会社化が必要だというふうにお考えかどうか、改めて改革に熱意を燃やす総理にお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 農業の競争力を高め魅力的な産業にしていく、若い皆さんにとっても自分たちの努力や情熱で新しい地平線を開いていくことができる分野にしていきたいと思います。自律的に発展をし、そして地域経済を牽引する新たな成長産業に変えていきたいと、こう決意をしているわけでありますが、そのためには、経営マインドを持つ意欲のある農業の担い手が力強い農業活動を展開をし、活躍できる環境を整備していくことが重要であります。  このため、現在、農業者、特に担い手農業者から評価され、農業の成長産業化に資するために、農協についてどのような改革が必要か、関係者で真摯な議論が行われているところであります。参議院の農林水産委員会においても、農協の事業や組織について幅広く議論されてきたものと承知をしておりますが、こうした議論も踏まえまして、農業協同組合の在り方について、地域の農協が主役となってそれぞれの独自性を発揮をして農業の成長産業化に全力投球できるように抜本的に見直しを図っていく決意であります。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 私も実は参議院の農林水産委員でもありまして、まさに自民党も幅広い党だなと、改革を言っていると思えば物すごく反対意見もあって、なかなか改革派、守旧派というのがいろいろいるんだなと思っておりますので、是非、改革なくしては農業はあり得ないと思いますから、これは、総理には強力なイニシアチブを持って頑張ってやっていってもらいたいと思います。  ただ、農協改革は何度も言われてはきたんですけれども、なかなか進まなかったというのも事実だと思います。今回こそこの改革が進むんじゃないかと期待しておるんですが、多分その大きな原因が全中の政治活動にあるのかなと、こういうふうにも思っております。  ちょっとパネルの方、一番を出してもらえますでしょうか。(資料提示)  全中は、このように農協組織の頂点に立ちまして、農協に指導監督を行う司令塔であります。ただ、農協の司令塔ということだけではなくて、全国農業者農政運動組織連盟、略称農政連というんですけれども、政治団体をつくって政治活動の司令塔も行って、まさに選挙になると票だけではなくてお金も動かしていると、こういう団体かと思います。  このパネルを見ていただきたいんですが、この農政連の平成二十二年から二十四年の政治資金収支報告書から数字を拾ったんでありますが、全中はこの三年間で農政連のパーティー券を三千四百二十万円買っているんですね。そして、全国団体の農政連には都道府県農政連という下部組織がありまして、そこからの寄附が二千四百八十万。合わせて何と五千九百万円が自民党の参議院比例区支部へ寄附されているということであります。全中という、法律でまさに税金が優遇されたり、独禁法、独占禁止法の適用外になったり、そして、全国の農協に対する指導監督権限が法律上付与されている団体が、政治団体をつくってパーティー券を三年で三千四百二十万円買っている、そして、都道府県レベルの政治団体からの寄附合わせて五千九百万円を自民党の支部に寄附しているというのが実態であります。  改革が必要なこのときにあらぬ誤解をされるんではないかな、このような政治活動は全中に止めていただいた方が改革は進みやすいんではないか、こんなふうに思いますが、総理の所見をいただけますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党総裁としては、このように農政連から御寄附をいただき、浄財を賜り、我々の政治活動を御支援をいただいていることは大変有り難いことで、日々感謝の気持ちでございますが、他方、今申し上げましたように、農業政策についてはしっかりと前に進めていかなければいけませんし、そのために必要であれば農協改革をやらなければいけないという中において、農協改革はやらなければいけないと我々は決意をしているわけでありまして、先ほど申し上げたとおりであります。  このように御支援もいただいておりますが、政策対話を進める中で、やるべきことはちゃんとやっていきたい、しっかりとやっていきたいと思っております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 今の御答弁を伺っていますと、これまでどおり全中は毎年一千万円以上のパーティー券を買い続けても問題ないと、こういうふうに思っていらっしゃるかという感じなんですが、政治資金規正法上の観点では、一回の政治資金パーティーというのは、購入できるのは一団体百五十万ということでありまして、一千万を超えるパーティー券の金額に達するために十回に分けて参加していると、こんなことにもなっているわけですね。  一方、農協の仕事というのを実は法律上ひもといていきますと、農協法の七十三条の二十二というのに六つの項目がありまして、果たしてこの政治資金パーティーに対してパーティー券を買うというのが農協の何の仕事なのかというふうにも疑いたくなるわけであります。  もちろん、こう言うと、ほかの団体も寄附はしているじゃないか、こういうふうに言いそうなんでありますが、ちょっとそういった意味で、医師会さんとか税理士会さん、調べさせていただきました。いろんな業界団体ありますけれども、実は、年間一千万円を超えるパーティー券を団体本体で購入している団体は、総務省に届けられた収支報告書をざあっとチェックしていったんですが、見付からないんですね。パーティー券は自分の、例えば医師会さんのケースだと、日本医師連盟とかの政治団体をつくって、わざわざそちらで別口で会費を集めて、そのお金でパーティー券購入などをやっているわけであります。  農協だけが特別な活動をしているというふうに取られないように、是非、農協改革を進める意味においても、この問題、しっかり自民党総裁の、あるいは総理として、何としてでも今回こそ農協改革を進めていただきたいと思いますので、是非検討していただくというふうにしてもらえればと思っております。  さらに、ちょっと次のパネルに行きたいと思うんですが、続けて伺いたいと思うんですけれども、更に調べましたところ、この都道府県レベルの政治団体の農政連は、各都道府県の衆議院の小選挙区支部、すなわち自民党の衆議院議員に献金を行っているということが分かりました、これはパネルのとおりなんでありますが。  これは愛知県のケースでありますけれども、愛知県農政連の平成二十四年度の収支報告書から拾ったものであります。調べてみて驚いたんでありますが、ほとんどの選挙区に対して、少しずつでありますが推薦料という名目でお金が配られているんですね。百万円の方も五十万円の方も三十万円の方もいらっしゃいますが、合計は五百十万ということであります。愛知県でやっているということでありますので、農協は全国組織でありますから、北は北海道から南は九州、沖縄まで全国でやっているんではないかと。ちょっと時間がなかったので調べようがなかったんでありますが、三百選挙区に配ると一億円近いお金になるということであります。  繰り返しになりますけれども、こういう農協マネー、パーティー券とか寄附をもう受け取らないとこの場で宣言していただいた方がよっぽど国民の支持も得られて農協改革が進むと思いますが、改めて、総理、御決意いただけないでしょうか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 一度委員会でもこの議論をさせていただきましたが、一般論として申し上げますと、農協中央会は先ほどちょっと御議論がありました農協の健全な発達を図ることを目的とする団体でありまして、このような目的の達成に資する限りにおいて行う政治的行為については、一般の法人と同様に、公職選挙法、政治資金規正法に抵触しない限り認められるものと、こういうふうに認識しております。したがって、パーティー券を購入するか否かについては全国農協中央会が自主的に判断すべきものと、こういうふうに考えております。  農政連はまさに政治団体でございますので、これは委員も御案内のように、農協中央会とは別の団体でございます。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 この問題をやっていても、多分、いいんだ、良くない、法律上いいんだということで平行線になっちゃうと思いますので、ゴールは改革をしっかりやっていただくということであります。  改めて総理にお伺いしたいと思いますが、今回の全中の廃止、それから全農の株式会社化、いろんな報道によりますと、全中の廃止は五年先になったとか、県レベルの中央会は存続させるんじゃないかとか、そういった意味で税制優遇措置とか一定の指導権限を残すような衣替えだというような批判もあります。そういった意味で、是非そうならないように、総理の方からもう一度この農協改革に関する決意を、こういうお金がばらまかれていたとしても、やっぱり改革はするんだ、これとあれとは違うという辺りを総理の方から力強くいただけないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、全中通じて農協から大変な浄財をいただいて、有り難く思います。しかし、他方、私たちはやるべき政策は前に進めていくわけでありまして、言うことを聞いているんであれば、TPP交渉、そもそも交渉参加に反対だったわけですから、我々は交渉に参加をし、今やこの交渉においてはリーダーシップを発揮をしているわけでありまして、我々は、支援は支援として有り難くいただきますが、他方、政策対話も行いながら、やるべきことはしっかりとやっていきたいと、このように思っております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 それでは次、集団的自衛権の話、少し行きたいと思っております。  我が党は集団的自衛権に関しては積極論も実は慎重論もありまして、まだ党内では結論を出しておりません。今鋭意、毎日真剣に議論をしている最中であります。そういった意味で、重要な問題ですので、総理始めとしていろいろお伺いしていきたいと思います。  集団的自衛権の行使に関しては、アメリカとしっかりスクラムを組めば抑止力の向上になるということは確かに一理あるのかなというふうに思います。ただし、アメリカが起こした戦争に日本が巻き込まれるという危険を指摘される方も多いということだと思っております。集団的自衛権の行使に関しては、日本人に犠牲が生じる、生身の人間が亡くなるというようなリスクも現実を踏まえた上での議論が必要なんじゃないか、こんなふうに思うわけであります。  そこで、お伺いしたいんですけれども、自衛隊員の方が他国との武力紛争で不幸にも命を落とされた結果犠牲になられたという場合、国としてどんな補償が行われるのか、それはアメリカの兵士が犠牲になった場合と比べて十分なものなのかどうか、一人当たりどれぐらいの支給がされるのか、御家族、御遺族への補償はどうなっているのか、防衛大臣、分かる限りで結構です、お答えください。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) まず、集団的自衛権の議論にかかわらず、私ども、自衛隊員は事に臨んでは危険を顧みずという、そういう服務の宣誓をして任務に務めることになります。ただ、私ども命令を出す立場の人間は、自衛官の任務が全うされるということ、全うというのは、これは我が国国民の生命、財産を守るということもありますし、自衛官自身の安全な任務の遂行ということも考慮して命令を下すべきだと思います。  ただ、その上で、万々が一、自衛官が行動中に不幸にして何らかの被害を受けて、例えば亡くなってしまった場合、死亡した場合でありますが、まず、当該隊員の御遺族に対しては遺族補償が支給されることになります。  この遺族補償については、生命、身体に対する高度の危険が予想される状況の下における特別公務災害として、通常の遺族補償の額に五割加算した額が支給されるということになります。また、隊員が一身の危険を顧みることなくその職務を遂行し、不幸にして死亡した際、その功労に報いるために賞じゅつ金が支給されるということもあります。また、退職手当につきましても、通常、最後まで全うして退職した場合と同じ金額が支給されるということになります。また、この弔慰金等に関してでありますが、所得税は非課税ということになりますし、賞じゅつ金については相続財産とされず、相続税の対象外ということになります。  いずれにしても、このような体制を取っております。  また、他国との比較でありますが、米国は大変このような亡くなった兵士に対しては様々な誇りを持った形での対応をされているというふうには承知しておりますが、事この金額等のことに関しては、決して日本のこの対応というのは他国に比して劣るものではないというふうに承知をしております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 一つ重要な問題だと思いますので、昨日、防衛省の方からいただいた資料を少し見ていきたいんですが、年収八百万で妻、子供二人の場合ということで、一・五割増し、年金で六百五十万、それから一時金で二千二百六十万ぐらいということであります。今、大臣の方がお話しした賞じゅつ金でありますが、これは幅がありますが、死亡時九百八十万から六千万円、ただし、いろんな特措法等によって活動する場合、例えばイラク特措法なんかに関する自衛隊員についての最高授与額は九千万と、こういうふうにあったわけですけれども、一応、確認のため、これ、このとおりでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 委員にお示ししたとおりでございます。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 まさに命の値段ということであります。  もう一つ確認させていただきたいんですが、集団的自衛権行使の結果、今度は民間に、民間人に犠牲が出たり、物的損害が及んだりという被害が出た場合、どんな補償措置があるのかと。例えば、今回も総理示していらっしゃいますけれども、アメリカの艦船に日本人を乗せている場合、そのアメリカ艦船が沈没して日本人も犠牲になったとか、集団的自衛権行使の結果、外国のミサイルが日本国内に撃ち込まれたといったことも想定されるのかなと。その場合、不幸にも犠牲になった民間人の方に対する補償というのはどのようになっているのか。これ、御担当は官房長官でありますでしょうか、よろしくお願いします。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まず、委員に御理解をいただきたいのは、今議論をいたしておりますことは、国民の命と平和な暮らしを守るために、抑止力を高めて我が国が武力攻撃の対象とならないようにすると、そういうことを目的といたしております。  そういう中で、国民の被害についても、様々なこれは状況があります。その補償については、個別具体的な判断が必要であることから、武力攻撃事態が終了した後の復興施策の在り方の一環として検討されるべきであるというふうに考えております。その状況下で可能な措置が考えられるというふうに思っております。  なお、国民保護法においては、国民が国の職員等から要請を受けて国民保護措置の実施の協力をしたことによって死亡、負傷等をした場合の損害を補償する旨の規定は設けられております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 済みません、今ちょっと最後語尾が聞こえなかったので、おりますでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) おります。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 おります。ありがとうございます。  次に行きたいと思いますが、集団的自衛権等、亡くなられる方ということで、ちょっとパネルをまた最後の出してもらえますでしょうか、集団的自衛権、先ほどからも議論ありましたように、やっぱり人の命がなくなる危険性を秘めたものということをしっかり、逃げて議論するわけにはいかないというふうに思っております。  湾岸戦争は、アメリカとともに戦争に加わったイギリス軍に二十四名の戦死者が出ています。アフガニスタンでは、イギリスが四百五十三名、フランス八十九名、オーストラリア三十八名ということですが、ISAF、国際治安支援部隊の調査では、ドイツ五十三、イタリア四十七、オランダ二十五、ニュージーランド十一、ノルウェーが十名、エストニアなんという国は九名、ハンガリー七名と、その他たくさんの国の方に後方支援も含めて戦死者が出ているというのは、これ事実なんですね。アメリカ軍では、このアフガニスタンの戦争において千七百二十名の戦闘要員が亡くなっているんですが、一方で四百五十一名もの非戦闘員が亡くなっているということであります。  まさに集団的自衛権の背景の議論は、人が亡くなるということを避けて通れない私は議論だと思って、真正面から議論をしなければいけないというふうに思っておりますが、まさに総理、その問題意識ですね。集団的自衛権を行使していくと、国際社会で日本が生きていくためにはこれぐらいの犠牲は覚悟しなければならないのか、そういった意味で集団的自衛権行使の容認に向かって検討されているのか、その決意のほどを聞かせていただけますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど官房長官からお話をさせていただいたように、その例示としてあるアフガン戦争あるいは湾岸戦争ですね。  アフガン戦争は、これは言わば集団安全保障、国連の決議がありましたから、これは集団的自衛権、当初は集団的自衛権の中の武力行使になったわけでありますが、集団安全保障の中の、我々、戦闘を目的として武力行使を海外に出ていって行うことはいたしませんから、こうした戦争そのものに、戦闘行為を目的として武力行使をすることはないということでございますし、そして湾岸戦争におきましてもそうでありますが、集団安全保障においても戦闘を目的として武力行使を行うことはございませんから、こうした形の戦いに我々は部隊単位で戦闘を目的として参加することはないということは今まで累次申し上げてきたとおりで、これ累次申し上げてきたとおりでございますから、そのように御理解をいただきたいと、このように思うわけでございます。  その上においてですね、その上において、しかしなおかつ近隣諸国で紛争が発生し、そしてそこから逃れてくる日本の邦人を輸送している米軍の船を護衛する自衛艦は、まさにそれは命懸けで、自衛隊の諸君が命を懸けて我々の命を守るわけでございます。それを自衛隊の諸君はまさに誇りとするところであろうし、宣誓の際に、宣誓の際にですね、言わば、危険を顧みず、任務を完遂することに務め、もって国民の信頼に応えていくと、こう宣言をする唯一の公務員でもあるわけでございます。  我々が行っていることは、今検討をしていることは、まさに今言ったような事例において果たして可能かどうか、そして一番大切なことは、こうしたことをしっかりと行っていくことによって、また同盟国との関係が強化されていくことによって抑止力は高まっていくわけであります。まさに、一九六〇年、五十年前の議論を思い出していただきたいんですが、日米安保条約、新安保条約を作れば、改定すれば戦争に巻き込まれると、盛んにこれが反対論の主流であったわけでありますから、果たしてどうなったんだということもしっかりと留意する必要があるだろうと、このように思います。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 宣誓した自衛隊が命を懸けて戦うということは分かるんですが、逆に、この集団的自衛権に基づいて出動命令を受けた自衛隊員が仮に出動を拒否した場合はどうなるのかと。防衛出動命令の拒否として、自衛隊法による禁錮とか懲役に罰せられるのかどうか、この辺りも、防衛大臣、教えていただけますでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 委員は今、集団的自衛権の議論の中でこのことに触れられております。まだこのことについては与党の中で協議をされているということだと承知をしております。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 集団的自衛権の議論がまとまった際には、この防衛出動に関するそれでは命令拒否というのは適用になる計画あるいは予定なんでしょうか。この辺りを教えていただけますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 様々な状態がありますので、一般的なことに関して、やはり具体的な事例に関しての内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 最後に、時間がありませんので、歯止めについても昨日記事が出ていましたので少しお聞きしたいと思っております。  海外派兵ができないのは今までと同じということが繰り返されているんですが、集団的自衛権を使う場合、他国の領土、領空、領海には入らず、公海上に制限すると、こういうふうな議論も出ているそうですが、この辺、総理、お考えを教えていただけますでしょうか。大変我が党にとっても集団的自衛権を議論するにはこの歯止めということが党内で議論になっておりまして、是非、その辺りきちっと、どんなお考えなのか教えていただければと思います。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 時間が限られております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歯止め議論については、正確を期して申し上げますと、言わば歯止めということについては、憲法上の制約が一つですね、憲法上の制約が一つであって、そしてその上において、立法してそれを可能にする、立法の際に制約を課していくということではないかと思います。  まず初めに申し上げますと、先ほど申し上げましたように、そもそも集団安全保障において、戦闘を目的として武力行使を海外で行うことはしないということを申し上げておりますから、言わば湾岸戦争タイプのところには行って戦うことはないということ、戦闘を目的として行くことはないということであります。そして、集団的自衛権の行使につきましても、先ほど申し上げましたように、海外派兵は一般にこれは憲法上禁じられているということでございますから、それはないということでございます。  その上において、それぞれ自衛隊が活動する場合について、この閣議決定を行った後、活動する場合においては、これは集団的自衛権あるいは駆け付け警護、集団的自衛権の行使、解釈の変更だけではなくて、駆け付け警護あるいはグレーゾーン等々がございますが、それにおいてはですね、それにおいては個々の法律をですね、個々の法律を……(発言する者あり)済みません、時間と言われても、その後に私へ質問されて答えなければいけませんから、答弁義務も一方あるわけでありますから、聞いていただきたいと思います。  そして、その中において、言わば個々の法律も作るわけでありまして、個々の法律を作る場合に、言わば自衛隊を動かす場合、国会の関与というのが当然あるんだろうと、このように思うわけでありますが、このような段階それぞれにおいて歯止めはなされていくと、こういうことではないかと、このように思うところでございます。  そして、最終的に法律ができた後は政策的な選択肢を選ぶかどうかということがあるわけでございまして、そこにおいて、日本と密接な関係があるかどうか等々、これは集団的自衛権の行使、解釈が変更ということになった場合の条件として提案がなされているところでございますが、そうしたものが当然入ってくるんだろうと、こういうことではないかと思います。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 山田君、時間が来ていますから、ちゃんと答弁も考えて質問してください。

山田太郎みんなの党

○山田太郎君 時間になりましたので、これぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  総理、四月一日から消費税が八%になりました。今、国民や中小企業、お商売の皆さんから怨嗟の声が上がっております。年金暮らしの七十二歳の女性、一番安いものを買い、他の買物はしない。三十六歳の人、ワーキングプアなので、景気の回復も実感しないまま税金だけ上がって、貧富の格差がますます開いた気がする。全国を回りますと、増税を機に店を畳んだという張り紙も随分見るわけでありますが、総理、こういう事態をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 四月から消費税を引き上げさせていただいたわけでありますが、これは伸びていく社会保障費に対応し、子育て支援を拡充していくためでございます。  そして、今回のこの消費税の引上げにつきましては、やっとデフレから脱却できるかもしれないというこのチャンスをつかんだわけでございますので、慎重に状況を見ているところでございますが、四月に入ってから耐久消費財を中心に駆け込み需要の反動の影響も見られますが、他方、スーパーの飲食料品販売金額については前年比マイナス幅が縮小してきており、外食産業の売上げは前年比プラスとなっているなど、消費の落ち込みは一時的なものと考えているわけであります。  また、雇用情勢に目を転じますと、有効求人倍率は十七か月連続で上昇をしておりまして、一・〇八と七年九か月ぶりの水準まで達したところでございまして、この春から多くの企業が賃上げを決断をいたしまして、連合の調査によりましても平均で月給が二%以上上昇と直近十年間で最も高い水準になっているわけでありまして、このように、企業収益の向上が賃金に回り、消費につながっていく経済の好循環に向けた動きは途切れていないと、このように考えておりますし、この夏のボーナスにおきましても、八・八%というのは統計を取って三十年間で最高のこれはボーナスということになるわけでありまして、それが今申し上げました経済の好循環にいい影響を与えていくことを期待したいと、このように思うところでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 国民に心を寄せる言葉はありませんでした。レシートを見るとため息が出ると、もう消費税を上げないで、都内の六十八歳の女性の声であります。  今いろいろ言われましたけれども、厚労省の調査でも、従業員五人以上の事業所の四月の基本賃金は二十五か月連続でマイナスなんですね。そして一方、消費者物価は三・二%増、二十三年二か月ぶりの増額になっているんですよ。消費が落ち込み、景気の悪化が今懸念をされております。  一方、総理は、大企業や財界の要請に応えて、サミットで法人税の減税を国際公約をされました。そして、今月中に決める骨太方針に来年度から法人税減税の、実効税率を引き下げる方針を明記するとされております。庶民には消費税を増税して、大企業にはなぜ減税なのか。(資料提示)  一九八九年に消費税が増税されて以来の二十六年間、その税収の累計は二百八十二兆円、今年度分は予測であります。同じ一九八九年から法人税の減税や景気の落ち込みによって法人三税が減収をした、この累計をいたしますと二百五十二兆円になります。事実として、今まで消費税収のほとんどが法人税の減収に消えていったと、こういう実態なわけですね。  今回も、消費税の増税を実施をした途端、法人税減税が打ち出されると。結局、法人税の減税のための消費税増税になってしまうのじゃありませんか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 消費税が導入されて二十六年間で、消費税の税額、税収が総額で二百八十二兆円になるが、法人三税の減収が二百五十二兆円に上るというのが、この数字のことを書いてあるんだと思いますけれども、今御指摘のまず二百五十二兆円は、平成元年の法人税と地方税の税収と、それ以降、平成二十五年までの税収の差額を積み上げたものと考えておりますが、このうち、まず法人税、国税の減収額というのは百七十七兆円です。一九八九年、平成元年からですが、二〇一四年、平成二十六年度までに実施された制度改正によります法人税、いわゆる国税ですよ、国税の減収額の合計は約七十兆円程度でありますので、この間に法人税額が減少しておりますのは制度改正よりも景気の要因という部分の方が大きいのではないかというのが私どもとしては考えられておりますので、この税収の落ち込み含めて全て法人税減税によると考えるのはちょっと無理があると思いますね。全然違います。無理がありますよ、論理の立て方に。  消費税については、少子高齢化が進展していきますので、勤労世帯への税負担の偏りを改めて、社会保障などの公共サービスというものを安定的に維持していくというような観点から、その役割を高めてきたところだと思うんですが、今般のこの消費税率の五%、八%の話につきましても、これは皆さんの暮らしに関わりますいわゆる社会保障制度改革の安定財源を確保ということで、子供とか子育てとか、支援を充実していくために引き上げるということで、これは増収分は法律に基づいてそう決められておりますので、これ、ちょっと論理の立て方に無理があると思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 私はきちんと、景気の落ち込みと法人税減税の結果、税収が減っていると、その穴埋めになっているじゃありませんかということを申し上げたんで、違うことを言わないでいただきたいと思います。  社会保障のためと言いますけれども、今年度も消費税の税収五兆円のうち社会保障の充実に充てられるのは一割程度にすぎないわけですね。誰も、消費税上がってから、ああ、福祉良くなったなんて思っている人いませんよ。  そして、総理は、日本の法人税の実効税率は三五%だから高いと、こういうふうに言われます。しかし、実態はどうなのかと。  今、国民がびっくりしていますのは、あのトヨタ自動車が二〇〇八年度から五年間、法人税を一円も払っていなかったと、こういうことであります。トヨタ自動車の社長が五月八日の決算の記者会見で明らかにいたしました。営業利益が過去最高の二兆二千九百二十一億円になったことを発表した上で、こう述べました。一番うれしいのは納税できることだ、社長になってから国内では税金を払っていなかった、企業は税金を払って社会貢献するのが存続の一番の使命だ。五年間法人税を払っていなかった、驚くわけであります。海外子会社からの配当非課税とか研究開発減税などの様々な大企業優遇を使ったわけでありますが、その一方で、配当は行い、しかも内部留保も増やしてまいりました。  総理、そのトヨタが四月二十三日の日経に掲載した広告で、こういうふうに書いております。消費税が上がった、家計のやりくりは大変だが、これを機会に生活を見直せば、無駄は幾つも見付かるはず、節約は実は生活を豊かにするのだと気が付けば、増税もまた楽しからずやだと、こう言っているんですね。  トヨタは消費税全部価格に転嫁できるから負担していないんですよ。そして、一方では法人税は五年間払っていなかった。自分は払わないで、増税もまた楽しからずやと、私はよく言えたものだと思いますが、総理、感想はいかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) トヨタが税金を払っていなかったというのは、これ累積の欠損があったわけでありまして、しかし、それがやっと今度の利益によってそれが全部消えて、これからまさにどんとこれ税金を払っていただけるようになったということは大変良かったのかなと思います。  また、今までは海外の会社と、子会社と国内で、トヨタの場合は国内に相当程度やはり主力を置き続けたという中において何らか苦しい状況がありそれが累積欠損になったという説明を受けたことがあるわけでありますが、今回、トヨタはまさに賃上げにおいては先鞭を着ける形で、それを思い切って賃上げのリーダーシップを取っていただいたということについては、我々は感謝しているところであります。  同時に、トヨタ自動車においては関連企業にも、下請企業等々についても配慮をしていただきたいと、このように思っておりますし、事実、全てこの正社員の賃上げに回さずに、そうした関連会社、協力会社との取引の中において還元することにも留意をしたというお話も伺っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 トヨタは、今年度は過去最高益になって法人税を納めるんですが、その前の五年間、法人税を払っていなかったわけですね。そして、その五年と合わせた過去六年で法人税と住民税、事業税の合計の税金の負担率は二二・一%にすぎません。  トヨタだけなのかと、ほかの企業も調べてみました。大企業数社について、税引き前利益に対しての六年間、実際どれぐらい税負担をしたかと。各社の決算書を基に試算しますと、実効税率は三五%どころか、三菱商事で六・二%、キヤノンで二七・八%、本田技研で一八・〇%、日産自動車で一〇・九%なんですね。トヨタと同じような様々な大企業優遇を受けているわけであります。  今でも低い税負担で、しかも、増税もまた楽しからずやなんて言っているところに何で法人税率を下げる必要があるのか。国の財政も庶民の暮らしも大変なときにこれ逆行しているんじゃないですか。いかがですか。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 甘利担当大臣。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 甘利大臣、甘利さん、通告していないですよ。甘利さん、通告していない。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 経済財政担当大臣でございます。  企業は日本の税制に従って納税をしているわけであります。  トヨタのお話が出ました。国内で生産をして輸出をすればするほど赤字が増えてきました。それでも三百万台体制を維持する、つまり雇用は手を付けないということで赤字でありながら雇用を支えてきて、これも企業の立派な使命だったというふうに思います。それは、赤字だから税金を払わない、黒字になったから払うということでありまして、赤字のときにも税金を払えといったら、それは企業は倒産するし、雇用は維持できないということになります。そういう日本の税制に従って行っているわけであります。  法人税減税は、これから投資を増やしていこうということであります。日本を世界で最も魅力のある投資対象地として環境整備するために、国内外に向かって、投資を進めてくださいと、そのために環境整備をしますという宣言をしているわけです。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 トヨタが法律違反しているなんて言っていないんですよ。そういう大企業が海外で幾らもうけても国内では全然払わなくていいような、そういう仕組みでいいのかと。今盛んに、この間、競争力強化で成長する、賃金アップにもなると、こういうことを言われてきました。しかし、大企業に税金を下げても賃金に回ってこなかったというのが今までの実態であります。  これは、九八年、九九年度の法人税率引下げの直前の五年間、九三年から九七年とその後の二〇〇三年から二〇〇七年の五年間を比較をしました。引下げ後、大企業の業績回復で経常利益は引下げ前の約二倍に増えました。ところが、法人税率の引下げで法人税等の負担は一・五倍弱しか増えておりません。この結果、税引き後の当期純利益は三倍以上に増えて、株主の配当それから社内留保、これは三倍前後に増えております。一方、従業員の給料は逆に減っているんですね。  このように、法人税減税をやっても、大株主をもうけさせて、更に内部留保をため込ませるだけだった、賃金に回らなかった、これが実態ではないですか、なぜこれを繰り返すんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、特別法人税を前倒しして廃止をしたわけでございますが、その際、経営者の方々に、これを是非従業員の賃金の引上げに充当してもらいたいと、こうお願いをしたわけでありますが、多くの企業がこれに応じたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、連合の統計においても二%引き上げているわけでございますし、夏のボーナスについては、八・八%というのは三十年間統計を取っていて最高の数値になっているということでございますから、おおむね了解をいただいている。  ただ、これもやはり我々もお願いをした成果、そして組合の方々との交渉の成果もあるでしょうし、これはまた共産党もそういう主張をしていたという成果も出ているのかもしれないと、こう思うわけでありますが、今後、さらに我々、企業がやはり、法人税については、まさにこれはグローバルな中で競争している中において、日本の企業がこれは勝ち残っていかないと雇用も確保できないし、そもそも賃金が払えないということでありますから、これは国際競争に勝ち得るかどうか、グローバルな経済の中においてどうかということについて、やはりしっかりと成長していく上においては日本の企業が競争力を持って頑張っていくことが重要ではないかと、そんな観点から、成長の視点で法人税改革を行っていきたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 賃金上昇にならなければ成長になっていかないわけですね。先ほど我々も主張しました、そのことを。多くの企業がと言いますけれども、ごく一部にとどまっているんですね。最初に申し上げましたように、厚労省の調査でも、四月の基本賃金は二十五か月連続でマイナスになっているんです。  そして、私言いたいのは、トヨタは法人税を払っていないときも自民党への政治献金はきちっと払っているんですよ。二〇一〇年から三年間で、毎年五千百四十万円、計一億五千四百二十万円も献金をしております。それだけではありません。今月二日、経団連の新しい会長が政治献金のあっせんを改めて検討したいと表明しました。そしたら、その翌日に自民党の税制調査会は法人税減税を認めたわけですね。何ということなのかと。まあ、こういうのを現金な話と言うんだと思いますが。  国民の税金で政党助成金を出す代わりに企業・団体献金を廃止するはずだったんじゃないですか。総理、こういうこと、国民の納得が得られると思いますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、先ほど農協との関係についてもお話をさせていただきましたが、これは当然、法人税減税については企業献金とは全く関係のない話でありまして、まさに純粋に、これは国際競争という観点から、成長という観点から考えているところでございます。  また、大企業については、これは企業側だけではなくて、これは組合も結構これ献金をしているのではないかというふうに伺っておりますし、意外とそれは大きなお金だというふうにも承知をしているところでございますが、いずれにいたしましても、我々はそうした形、献金によって政治をねじ曲げるということは決してないということは申し上げておきたいと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 我々は労働組合も含めて企業・団体献金は禁止を主張し、いただいておりません。  今のような答弁で納得する国民がどれだけいるのかと。マスコミも、政策を金で買うのかと、こういう批判を今回いたしました。私は、こうやって大企業に応援をしながら、また消費税の一〇%増税を行うと。国民から吸い上げて大企業に減税をして、その一部のおこぼれを企業献金で懐に入れる、こういうことは絶対に許されないということを申し上げておきたいと思います。  そして、安倍内閣の成長戦略の柱は、この大企業応援とともに、原発や武器の輸出がございます。私、三月の予算委員会の質問で、総理が外遊するときにたくさん軍需産業の幹部を連れていって、そして武器輸出の条件づくりをする、これはトップセールスだと、こう申し上げました。その後、それにとどまらないわけですね。  四月に武器輸出の禁輸原則を撤廃をした。それ以降、ゴールデンウイークにかけて、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスなどと総理や防衛大臣が訪問もし、様々な声明などを上げてこられました。いずれも装備・技術協力の深化であるとか協力の強化がうたわれております。オーストラリアの場合は、潜水艦の関連技術など、この共同研究を進めていく。イギリスに関しては既に化学防護服の共同研究を進めておりますけれども、更にプロジェクトを特定していくと。フランスについても、これは無人潜水機を念頭に様々な協力を進めていくと、こういうふうになりました。  マスコミも、「武器 首相が売り込み 欧州輸出、成長戦略の一環に」と、こう報じたわけでありますが、それだけじゃありませんで、フランスでこの六月十六日から開かれる世界最大規模の兵器の国際展示会に日本の企業十四社が初めて本格的に参加をすると報道されております。先日、政府も認めました。  国際展示会への出品は、防衛装備移転三原則の運用指針で政府の許可が必要になると思いますけれども、経産省としてはこれを許可をされたんでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) まず、数字から申し上げますと、日本企業参加予定は十四社ではなくて十三社であります。世界的には、このユーロサトリに世界百か国以上から千社を超える展示者が参加する。そこの中で、主催者によりますと日本企業は十三社が出展予定でございます。  展示会への出展に当たりましては、書籍やカタログ等のみの展示にとどめ見本品の展示を伴わない場合は、外為法上の輸出許可申請は不要であります。他方、防衛装備に当たります見本品の展示を伴う場合には、輸出許可申請が必要になります。防衛装備の輸出について輸出許可申請があれば、防衛装備移転三原則及びその運用指針に沿って厳格に審査をいたします。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 今回あったかどうか、明確にお答えがありませんでした。十四社というのは先日防衛省が答えた答弁でありますから、きちんと政府で統一していただきたいと思いますが。日本企業が初めて国際的な武器ビジネスに本格的に乗り出してきていると、ここに大きな問題があるんですね。  総理、平和国家の理念は変わらないといって、武器の共同開発が必要だとかあれこれ理由を付けて武器禁輸政策を撤廃をしましたけれども、実際は軍需産業が世界中の顧客への武器ビジネスに走り出していると、総理もトップセールスをやっていると、これが実態じゃありませんか。どこに平和国家の理念があるんですか。総理、総理。総理の言葉なんだから。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) まず、先般、五月二十九日の参議院外交防衛委員会の中で、井上委員から私、質問を受けまして、十四社と言いましたが、実はその後、一社取りやめましたので、現在は十三社が正確なことであります。  また、これは防衛装備の新しい原則を作る中で、委員とも議論をさせていただきましたが、やはり今、一つの新しい防衛装備を開発するのには、多国間が共同で開発することが主流となっております。その中に日本が関わっていかないと、逆に言えば、新しい装備が、日本自体、その装備を入れ得ることができません。それが日本の安全保障にとって大変大きな問題であるという共通的な認識の下、今回、防衛装備の新しい原則を出させていただいたわけでありまして、決して日本が何かこの分野でたくさん海外にいろんなものを輸出して成長するとか、そういうような考え方というよりも、むしろ私どもとしては、防衛装備をしっかりこれからも共同開発する中で、今回新しい原則に従って厳格に審査をするということになったと承知をしております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 現実に、本格的に兵器の国際見本市に日本の企業が初めて参加をするわけですよ。私はそのことを申し上げております。  新しい基準になりまして、武器禁輸の撤廃後、すぐに輸出の要請があったのは、アメリカのレイセオン社から要撃ミサイルPAC2のライセンス製造をする三菱重工に対しての部品の提供でありました。このアメリカのレイセオンジャパンのCEOは、二〇一二年に都内のシンポジウムでこう言っているんですよ。武器輸出原則がなくなれば、日本の軍需産業と協力して、パトリオットシステムの生産に興味を示している世界中の新規顧客に納入したいと、こう言っているんですね。まさに日本の企業がアメリカと一体となって世界中に武器そのものを売りさばこうとしていると、こういう狙いはもう明らかじゃありませんか。  今、こうやってまさに政府と企業が一体になって武器輸出で成長する国になろうとしていると。その安倍内閣が今進めているのが、集団的自衛権行使へ憲法九条解釈を変えるという道であります。  総理は、集団的自衛権行使容認に関して、先日の参議院の外交防衛委員会でも、武力行使を目的として戦闘行為に参加することは検討しないと、こう述べられました。一方、与党協議の事例集には十五の事例が示されて、その一つにホルムズ海峡など海峡における機雷掃海活動が挙げられております。  法制局長官に確認いたしますが、従来、武力行使の一環として敷設されている機雷の掃海活動は武力行使に当たるとされてきたんではありませんか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 一般論として申し上げますと、従来から政府は、機雷の除去について、遺棄された機雷など武力行使の一環としての意味を有しない機雷については、我が国船舶の安全確保のために必要な場合には自衛隊法第八十四条の二に基づき除去することができるが、外国による武力行使の一環として敷設されている機雷の除去は、一般に当該外国との関係で我が国による武力の行使に当たると解され、我が国に対する武力攻撃が発生していない状況下でこれを行うことは憲法上許されないと考えているとお答えしてきているところでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 明確に、当該外国との関係で我が国による武力の行使に当たると解されると、これが従来の立場でありました。  武力行使を目的として戦闘行為に参加することは検討しないと言いながら、なぜ明確な武力行使である機雷掃海への参加が事例として挙げられるんでしょうか、総理お答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海洋国家である我が国にとって、国民生活に不可欠な資源や食料等を輸送する船舶の安全を確保することは極めて重要であります。  そして、そこで、事例集で挙げましたシーレーンにおける機雷の掃海は、戦闘の当事者にはなり得ない我が国や外国の民間船舶を機雷の脅威から防護し、安全な航行を確保する目的で行うものでございまして、そしてその中におきまして、事例集のこうした活動は、今法制局長官が答弁をいたしましたように、確かに武力の行使に当たり得る活動ではありますが、民間船舶の航行の危険による機雷を除去するという基本的に受動的かつ限定的な行為を行うものでありまして、したがって、会見で申し上げた湾岸戦争やイラク戦争での戦闘、すなわち敵を撃破するために大規模な空爆や攻撃を加えたり敵地に攻め込んでいくというような行為とは性格を異にするわけでございまして、このようなシーレーンにおける機雷の掃海といった事例については検討していく必要があるだろうと、このように考えたところでございまして、現在与党において検討がなされているところでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 先ほどの答弁でも、武力行使に当たり得るじゃなくて、当たると解されると明確にこの間言ってきているんですよ。  私が聞いていますのは、武力行使を目的としては戦闘行為に参加することは検討しないと言いながら、なぜ武力行使として認められてきたものには参加するという検討ができるのかと、そこの、総理が言っていることのその食い違いを問うているんですから、きちっと答えていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、先ほど来私が答弁をしておりますのは、自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘行為に参加するようなことはないと、つまり武力行使を目的として戦闘行為に参加することはないということを申し上げているわけでございます。これは、あるいは戦闘行為を行うことを目的として武力行使をするというふうに言ってもいいのかもしれませんが。  これ一般的には、例えばこれは、海外派兵はそれに当たるということで一般的にはそれは除かれているわけでありますが、一般的にはと申し上げたのは、しかし、この一般的にはという中において、今申し上げました、日本にとってこれは海外から入ってくる石油、ガス、あるいは食料、これは極めてバイタルなインタレストでもあるわけでありまして、それが断たれるということになれば日本の安全、存立に大きな影響があるという中において、そして、機雷を除去するというのは、言わば、先ほど申し上げましたような爆撃を行ったり陸上部隊を上陸をさせて戦闘をするという行為とはこれはやはり性格を異なるのではないかということから、今与党において検討をしていただいているということでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 いや、機雷除去は武力行使なんですよ。その機雷除去を目的として行くということは、武力行使を目的として行くということなんですよ。それがおかしいと言っているんですね。  先ほど来、性格を異にすると言っていますけれども、憲法九条はそれも含めて全て海外での武力行使はできないと、こういうふうにされてきたわけですね。ですから、総理が言っているのは、武力行使をしないんじゃなくて、従来は武力行使とされてきた活動はこれからは武力行使ではないと解釈を変えるだけでしょう。白を黒と言いくるめるような、そんなことで危険な方向に行く、こんなこと許されませんよ。  機雷掃海というのは武力行使なんです。相手はそう見て攻撃の対象にしてくるんです。そうすれば、日本が応戦して戦闘になるわけですね。日本が再び戦争する国になるというのは誤解だという総理の弁明も成り立たなくなるんじゃないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来申し上げておりますように、機雷をある国が敷設をしたとします。しかし、その敷設した機雷がこれはその後遺棄されたものであるということになれば、それは武力行使ではないということになるわけでありますが、しかし、敷設をした国が目的を維持し続けている場合は、おっしゃるように、これは武力行使に当たるわけでありますが、ただ、その中で、先ほど来、私もまた法制局においても一般に武力行使は禁止されていると、こう申し上げているわけでございまして、この一般にという中にこれが入るかどうかということも含めて今検討している。それはまさに行為としては受動的あるいは限定的な行為であると、こういうことになるのではないかと。  いずれにいたしましても、なぜ検討しているかといえば、恐らくこれは、例えばホルムズ海峡とすれば、そこから入ってくる石油、我々は石油の約八割をそのホルムズ海峡に頼っているわけでありますし、多くは日本船籍ではなくても日本に仕向地となっているというところであって、そこに専ら海外にそれは機雷の掃海活動を頼むことができるかどうかということも含めて検討していく必要があるのではないか。ただ、まだこれは結論が出ておりませんので、与党において今協議中であるということを申し上げておきたいと思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 いや、あれこれ理由を付けて、これまでの武力行使であったものを武力行使でないと言いくるめて参加するようなことは許されないんですよ。  じゃ、聞きますけど、機雷掃海に参加した場合に相手から攻撃を受けて応戦をして戦争になると、こういう可能性はないと断言できますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) どちらにしろ、今この機雷の掃海をやると決めたわけではなくて、まさに今与党において協議をしているわけでありますが、その上で、井上委員のせっかくの御質問でございますから、それを前提に、今議論をしているということを前提に答弁をさせていただきますと、資源の乏しい我が国にとっては、海洋の自由が確保され、原料や食料が輸入できることはこれ死活的な問題であることは、これは委員もお認めになるんだろうと思います。  しかし、と同時に、機雷掃海があたかも宣戦布告であるかのような議論はこれは誤りであろうと思います。国際紛争を力で解決するために国際公共財である海に機雷をまいて、そして海洋の自由を、自由な利用を妨げることこそが国際法違反であるわけでありまして、機雷の掃海は船舶の自由な航行を阻む危険物を取り除く行為であり、国際法上これは合法な行為であることは論をまたないわけでありまして、何が違法で何が合法かといった基本的な事実関係をこれしっかりと押さえた上で、国民の命を守り平和な生活を守っていくために私たちは何をなすべきかということについてしっかりと今議論を行っているところでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 全然、すり替えないでくださいよ。機雷掃海活動は武力行使に当たるんですよ。相手はそう見るんですよ。そうしたら、結局、戦闘行為、応戦を受けて戦争になっていくじゃないですかと。それをやってはならないということが憲法九条の解釈だったんですよ。それを壊すことは絶対許されません。  今、日本にとって大事だと言われましたホルムズ海峡は、実際、イランの核開発をめぐってかつて緊張が高まりました。欧米諸国によるイランの原産油の禁輸の動きに対して、イランがホルムズ海峡の機雷封鎖を言って牽制したということがありました。当時、民主党政権でありましたけれども、石油の備蓄とかそれからホルムズ海峡を迂回するパイプラインの整備などの対応を取っていると、こういう説明でありましたけれども、今この政権はそういう対応を取っていないんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) その備蓄等については経産大臣からお答えをさせていただきますが、そもそもイランにつきましては、昨年九月、私はローハニ大統領と会談を行い、そして岸田外務大臣をイランに派遣をいたしております。  つまり、日・イランの関係を、元々伝統的に友好な関係を持っておりますから、その努力をしておりますし、ダボス会議で私が講演をした際にも聴衆の一人としてローハニ大統領が私の講演を聞きに来ていただいた、そういう関係にもなっているわけでございますが、しかし、安全保障というのは先の先、これは相当、三十年、四十年先まで見据えてそれは備えをしておく必要があるんだろうということで議論をしているところでございます。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 石油の備蓄についてでありますが、我が国には国家石油備蓄が九十一日分、そして民間石油備蓄が七十一日分、合わせて国内需要百六十二日分の石油を備蓄をいたしております。  仮にホルムズ海峡が封鎖されるような事態が起こって世界的に供給不足が発生するおそれがある場合には、IEA、国際エネルギー機関、加盟国二十九か国になりますが、によります協調行動枠組みの下で、一つには民間石油備蓄の義務日数の引下げ、そして国家備蓄の放出等の措置を実施することとしておりまして、その具体的な措置の内容につきましては、個々の事態によりますので、石油需給への影響度合い等を検討した上で最終的に判断すると、こういうことになると思っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 当然対応を取っていらっしゃるわけですね。ですから、安保法制懇の言う我が国の存立を脅かすと、こういう状況にはないわけですよ。  そして、そもそもホルムズ海峡の閉鎖が懸念されるのは、イスラエルやアメリカの軍事行動への対抗としてイランが機雷を敷設するという事態でありますけれども、昨年の十一月のローハニ大統領に替わった下で様々な解決の流れが進んでおりますし、今総理も、この間、平和的な外交を求めてきたし、日本とイランは伝統的な友好関係があると説明をしてこられました。七九年のイラン革命以降、アメリカとイランは国交を断絶していますけれども、その間も日本はアメリカと一線を画して友好関係を結び、イランからの原油の調達を継続してきました。  外務大臣、こういうイランとの関係についてどう認識をされておるでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、日本とイラン、御指摘のように伝統的な友好関係を有しております。政治的な対話もずっと続けてまいりましたし、経済あるいは文化、人的交流、様々な分野で緊密な関係を有していると認識をしております。  そして、昨年八月、ローハニ新政権が誕生いたしました。それから後、イランといわゆるEU3プラス3、すなわち米、EU、英、仏、独、ロ、中、こういった国々と十一月に共同作業計画が合意され、現在この最終合意に向けて交渉が行われています。こうした動きはイランの核問題解決に向けて大きな一歩であると歓迎をしております。  我が国としましては、引き続き、この伝統的な友好関係に基づいて、イランに前向きな対応を働きかけていきたいと考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 まさにそういう友好関係がありました。ところが、今検討しているのは、欧米諸国と一体となって、機雷掃海という形でイランを想定した武力行使を検討しているわけですね。これは、この間のずっと営々としたこういう友好関係を壊して、欧米諸国にできないような、日本がこの中東地域で独自の平和外交を進める足場を崩すことになるんじゃないですか。総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに日本はイランと伝統的な関係にありますから、これを生かしていきたいと、こう思っておりますし、かつて、イラン・イラク戦争の最中に、当時外務大臣だった父に同行してイランとイラクを同時訪問したこともあるわけであります。あのときには米国はイランと、もちろん今でも国交は断絶をしておりますが、相当険悪な状況であったわけであります。  そこで、この敷設について、日本は高い掃海能力を持っておりますから、この敷設したものを掃海するということによって、機雷を敷設することがこれは無意味になっていくということにもつながっていくわけでありまして、つまり、そういう抑止力にもなるわけですね。国際的に掃海活動を行うということですから、よって、機雷を敷設するという行為、敵対的な行為を思いとどまるということにもつながっていく可能性の方が私は高いのではないかと、このように思うわけであります。  いずれにいたしましても、イランとの関係におきましては、まさに現在イランが核開発から国際的な協調にかじを切り始めている中において、その方向を確かなものにしていきたいと、国際社会と協力していきたいと、このように思っております。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 井上君、時間が来ております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本政府がやっているのは逆なんですね。イスラエルとの軍事的な関係も強化をしていると言いますけれども、これをやれば日本は中東の国々からの憎悪の対象にもなりかねないわけですよ。国民の安全のためにあらゆることに備えるのが政治の役目と言いますけれども、軍事的備えをやるということは、結局、日本が中東地域で憲法の下で営々として築いてきた信頼感を壊して独自の平和外交の土台を掘り崩すことになるわけでありまして、全くやるべきことは逆であります。もっと現実政治に即した議論を行うべきだと思います。  今政府がやるべきことは憲法九条を生かした平和外交であって、集団的自衛権の検討はそれに逆行するものだと述べまして、質問を終わります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  二〇一一年、一二年度の決算審査、精力的に進めてまいりまして、締めくくり総括ということになりました。後ほど、全会一致で政府への警告決議や措置要求決議が行われますから、本日、私は当面の問題を取り上げたいと思います。  まずは、さっきから出ていますが、法人税減税について伺います。  四月二十八日のこの場で、麻生財務大臣ともこの問題については論議をいたしました。六月の骨太方針までに法人税減税の結論を出すのかと、こういうふうに聞いたんですが、麻生大臣は、大体今頃からやっていたなんて過去に一回も例がない、税は大体十二月の押し迫ってからの話で、六月の骨太方針にその内容がどうなるかといえば、そんな段階ではございませんと、こういうふうに答弁された。そのことを一々問いませんが。  しかし、総理は、五月十五日の経済財政諮問会議で、法人税を成長志向型の構造に変革していくための方策を年末を待たずに骨太方針に示していただきたい、こういうふうに御挨拶されて、なおまた、六月五日のG7サミットでも法人税減税を表明をされて国際公約にされたと、こういうことですね。  そこで、総理に二つ伺いたいんですが、一つは、総理のおっしゃる法人税を成長志向型の構造に変革していくというこの発想についてですけれども、そもそも財務省のホームページによれば、「税金とは、年金・医療などの社会保障・福祉や、水道、道路などの社会資本整備、教育、警察、防衛といった公的サービスを運営するための費用を賄うものです。みんなが互いに支え合い、共によりよい社会を作っていくため、この費用を広く公平に分かち合うことが必要です。」、こういうふうに説明しているわけですよね。つまり、税というのは公平な負担、応能負担に基づく財源の調達です、こう言っているのだと思う。それを超えて何か経済政策の附属物のように扱うというのはこれはいかがなものかというのが、一つは聞いておきたいと思うんです。  二つ目に、この長期のデフレ不況、十五年余にわたって続いてくる中で、この脱却を目指して、一九九八年と九九年、そして二〇一二年にそれぞれ法人税減税をやったわけですね。しかし、それが本当の意味で経済成長への起爆剤になったのかどうか、全く役に立っていなかったのではないのか、こういう感じがしてなりませんが、その点についての御認識を伺いたいと思うんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法人税改革については、御指摘のとおり、財源の調達は税の重要な機能でありまして、課税は公平、中立、簡素を原則としています。こうした考え方を前提としながらも、しかし、グローバル経済の中で持続的な成長を実現していくためには、企業の稼ぐ力を高めるために法人税を成長志向型の構造に変革していく必要があるものと考えているわけであります。つまり、グローバル経済ではない時代と経済がグローバル化した時代においては当然マクロ政策も変わってくるわけでありますが、税制においてもそうした視点が必要だということを申し上げているわけでありまして、このような観点から、二〇二〇年の財政健全化目標の実現に向けてしっかりと取り組みながら、税の構造を成長志向型に変革をしていく考えであります。  このため、来年度から、法人実効税率の引上げに着手をいたします。今月中にそうした方向性を決定をいたします。骨太の方針に盛り込むよう、党税調と政府で議論を行い、調整を進めてもらいたいと考えているところであります。これまで法人税については、例えば、小渕内閣では、アジア通貨危機や金融システム不安が顕在化する中で、経済対策の一環として税率の引上げ、引下げ、引下げです、これ大切なところですね。税率の引下げ。国税を三四・五%から三〇%にしたところであります。小渕政権のときには、たしかもう株価が二万円を超えていったんだろうと、このように思います。また、小泉内閣では、デフレ克服に向けた経済活性化策等の一環として、我が国産業の競争力強化のための研究開発減税や設備投資減税を行いました。  これらの改革は、他の施策と併せて実施されていることから、法人税減税のみの効果を評価することは困難であるものの、一定程度経済を下支えしたと評価されているものと承知をしております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 このアベノミクスが順調だと、こう宣伝をなさっているんだが、だとすれば、なぜ、またここで法人税減税になるのか、どうも理解ができないと、こう思うんです。  先ほども出ましたけれども、この所得・消費・資産等の税収構造比の推移を見てみますと、昭和六十三年度の消費課税は一七・七%を占めて、法人所得課税は三四・三%だったんですね。それから二十六年目の今年度の見込額でいいますと、消費課税は約倍の三三・九%、法人所得課税は二〇・七%で、四割も落ちているわけですね。  多くの勤労者は、この間、賃金が下がる一方で、逆に消費増税や負担増、僅か上がっても保険料などで取られていく、こういうことから大変不公平感が高まっている。こういうことなんですが、この現状についてどう御認識されますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 一九九〇年度以降の話でしたので、まず、消費税については、まず少子高齢化というものが進展していきます、どんどん進みますので、これはいわゆる勤労世代というものへの負担が極めて高いものになるということ、偏るということになりますので、社会保障やまた公共サービスというものを安定的に維持していくということからその役割を高めてきたというのが消費税の一番大きなところだったと思っております。  特に、今回の消費税に関しては、社会保障制度の安定財源の確保ということをしっかり次の世代に引き継いでいくということで、きちんとした形で消費税の使い方等々も決められておりますので、増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てられて、所得の低い方を始め国民に還元されるということをしておりますのはもう御存じのとおりです。  したがいまして、私どもとしては、個人の負担の軽減策として簡素な給付措置とか住宅取得等々に関わる給付を行うことにしておりますので、家計へもそれなりに配慮をいたしておると思っております。  一方、法人税、これにつきましては、課税ベースを拡大しつつ、いわゆる税率を引き下げるという成長志向型の構造改革を行うこととしておりますが、基本的に、今、又市先生言われるように、デフレ不況が続いておりましたので、勤労者の賃金が伸び悩んできたというのは、もうこれは御指摘のとおりだと思っております。  したがいまして、第二次安倍内閣としては、デフレ脱却それから経済再生へのいわゆる取組を強力に進めて、足下の企業収益の増加が賃上げを通じていわゆる個人の所得を押し上げるという好循環というものを目指しておるというのが正直なところでありまして、法人税改革もそうした取組の一環として個人にも企業にも両方良い影響を波及させるということを狙っておりますが、これまでのようにトリクル等々上から下りてくるというものはなかなかいかなかったというのは事実じゃないかと言われるのはそれはもうそのとおりで、この問題はこの間御答弁申し上げましたんで、長くなるとまたいろいろ言われますんで、やめておきます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 先ほど井上委員からも話がありまして、グラフも示されましたが、経過的にずっと見てみると、そうはいっても消費税が法人税減税の穴埋めになったことは明白ですよ。企業はやっぱり、税制優遇の上に、賃金は抑制するわ、非正規雇用は拡大するわで利潤は拡大したけれども、そのために個人消費が低迷をして内需が振るわない、そして結局は莫大な内部留保をためていると、こんな状況でしょう。  例えば法人企業統計によると、全産業で資本金十億円以上の企業の利益剰余金は、二〇〇〇年度で約八十八兆円だったものが、それが二〇一二年度には約百四十二兆八千億円と、デフレ経済の下でも一六〇%以上増やしているわけですよね、現実に。なぜこの上に法人税減税で企業の資金づくりに支援するのか、こういうことが国民がむしろ大変に疑念に思うということなんです。  問題はそういうことじゃなくて、企業が持っているこの潤沢な資金を、そういう意味では労働分配を始め、これは安倍さんもそのことをおっしゃってきたわけだけれども、経済の好循環にどう回させるのかというところが、総理、大事なところじゃないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、内部留保がたまっていった一つの大きな原因はやっぱりデフレだったんですね。デフレ経済下においては、キャッシュを持っていれば一番よかったわけですから、その価値がどんどん上がっていく、ですから、なかなか投資はしない、同時に、言わば人材への投資もしないということがずっと続いてきた。  しかし、やっとインフレ期待が高まってきている中においては、これは投資をしなければ、投資をしなければ経営者として失格になるかもしれないという状況ができつつある中において、我々は企業に対して更に設備投資だけではなくて人材に投資できるよう呼びかけた結果、政労使の懇談会をやった結果、これは、自由主義経済下においてはこれは珍しい出来事ではあったんですが、デフレから脱却するというのはそう簡単なことではありませんから、十五年ぶりに脱却する、これは世界でもそれは例のないことをやろうとしているわけでありますから、我々は企業に働きかけを行った結果、今度多くの企業がそれに同調していただいたと、こういうことであります。  そして、今後更に成長戦略として世界の経済の中において勝ち残っていく上において、成長型という観点からこの法人税減税、法人税改革を考えていきたいと、こういうところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 言ってみれば、設備投資が大事だ大事だと、こうおっしゃるわけですが、やはり問題なのは、本当に、内需が振るわないというのは消費が増えないからですよね。つまり、消費が増えないというのは賃金が上がらなかったと、こういうことでしょう。  先般から連合が、総理も一生懸命おっしゃっているが、六月四日付けで連合が今春闘の妥結結果というのを発表していますけれども、昨年同時期に比較をして、平均賃金方式でいうと千五十六円、〇・三六%の増ですと、こう言っているわけですね。これ、定昇込みのものでいっても二・二%ですよ。こんな程度の格好で、やはりそういう意味では、もっと消費が拡大するように、今ボーナスの話もなさったけれども、このことを持続的に労働組合はやっぱり頑張ってもらわにゃいかぬ。  そういう意味では、やっぱり消費を拡大するためにも、賃金を上げて生活を向上させる、消費に進めていく、内需が拡大をしていくということでなければ、これはそういう意味で景気の好循環というのはできないんだろうと思うんですね。  総理のところの首相官邸のホームページを見ますと、アベノミクス成果続々開花と、こう宣伝しているわけだけれども、その中に企業収益三五%と出ておりますが、今申し上げたように、労働者の賃金なんというのは残念ながら定昇込みで二・二%、微々たるものですよ。非常に落差が大きい。そういう中に、今度は逆に、賃金上げてくださいよと言ったかと思ったら、片一方で残業代不払制度云々なんて話が出てきている。これはやっぱり全く論理矛盾もいいところなので、本当にしっかりと賃金を上げる努力をやはり企業にもっと求めていく、こんなに内部留保持っているわけですから。そのことの努力をやってほしいし、そういう意味で、やはりまだまだ、最低賃金の問題であるとか、あるいはそのためにも中小企業支援策とか、政府がやるべき仕事は私は法人税減税以外にもっとあるんではないのかと、こういうふうに思っています。  時間がなくなってきますから、このことだけ申し上げて、この件は終わっておきたいと思います。  次に、原発再稼働の問題ですが、報道によれば、規制委員会は再稼働の審査について九州電力の川内原発一、二号機を優先して行うということのようですけれども、安倍総理はせんだってロンドンで講演されて、世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発を慎重な手順を踏んで再稼働させる、こういうふうに表明されています。  しかし、これ奇異に感じるのは、福島第一原発事故の原因もまだ分かっていないわけですよね、解明されていない。事故原因がはっきりしていない下で世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準といっても、それは内実はあるのかと、絵空事だと、こういう批判が強く出ています。この点についてはどのようにお答えになるでしょうか。総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力規制委員会において、国会事故調などにより明らかにされた情報を踏まえまして、米国を始め海外の規制基準も確認しながら、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案した上で、世界で最も厳しい水準の新規制基準を策定したところでございます。  新基準では、福島第一原発の事故の教訓を踏まえ、地震や津波に耐える性能の強化に加えて、巨大地震や大津波により万一過酷事故が発生した場合にも対処できる十分な対策を取り入れているところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 仮に世界一厳しい安全基準なるものを作ったとして、それでも過酷事故が起こり得るということが、そういう前提に立つことが福島原発を経験をした我々の世代の教訓なんだろうと思うんですね。  その上で、茂木大臣に三点、再稼働問題についてお伺いをいたします。できれば簡潔にお答えをいただきたい、先に申し上げておきます。  大臣は、原発の再稼働については地元の理解を得ることが極めて重要だと、こういうふうにかねがね答弁されているわけですが、これは地元の同意なしに再稼働はないということでよろしいですね。  二つ目は、この地元自治体の範囲についてですが、原子力災害対策特別措置法が改正をされて原発から三十キロ圏までは原発防災計画が義務付けられたということは、つまりこの範囲は事故が発生すれば被害を受ける可能性が想定されるということですよね。ということであれば、この再稼働に関しては三十キロ圏内の自治体の同意は当然必要だ、こういうふうに理解してよろしいですね。これが二つ目。  三つ目に、ある報道機関が今年二月から三月に再稼働の審査が行われている十原発の三十キロ圏内の自治体の避難計画の作成状況を調べたところ、終えたのは六一%で、自治体に病院、福祉施設の避難計画を聞いたところ、四四%がほとんど又は全く終えていない、三二%が把握していないという答えだったということですね。こういう状況では到底再稼働は認められる状況にない、こんなふうに私は認識しますが、この点もいかがでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 三点お尋ねいただきました。極めて重要な問題でありますので、できる限り簡潔にはしたいと思っておりますが。  十原発という話でありましたが、今十一原発十八基の適合審査が行われているところでありまして、今後、原子力規制委員会によって安全性が確認された段階で、その判断を尊重して原発の再稼働を進めてまいりたいと考えておりますが、そのためには立地自治体等関係者の理解を得ることが極めて重要でありまして、事業者が丁寧な説明を行うことはもちろんとして、国としてもしっかり説明していくことが重要だと考えております。  その説明に当たってはでありますが、各地域の事情も踏まえて対応することが極めて重要であります。地形も違います。住んでいる方も違います。理解を得る自治体の範囲や手続等については、そういった形で各地の事情が様々であることから、個々にかつ丁寧に対応することが重要でありまして、一律に機械的に何キロメートル、こういうふうに規定するのは適切でないと、このように考えているところであります。  さらに、三点目の原子力災害に係ります地域防災計画、これは災害対策基本法等に基づきまして、避難のための対策を含めて対象となる自治体が作成することになっております。これ御案内のとおり、避難ルートがどうであるとか高台がどこにあるとか公民館がどこにあるとか、さらには、この町内にはどこに独居老人が住んでいるとか、やっぱり一番御存じなのは地域の自治体でありますから、自治体が作成をする。このような避難計画を含みます地域防災計画の策定は、法令上は原発の再稼働の要件ではございませんけれど、地域住民の安全、安心の観点から極めて重要であると考えておりまして、政府としても、引き続きその充実に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 是非申し上げた点は踏まえていただきたい。とりわけ、先般の大飯原発差止め訴訟の判決で、原発の稼働は法的には電気を生み出す一手段である経済活動の自由に属し、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきである、自然災害や戦争以外でこの根源的な権利が極めて広範に奪われる事態を招く可能性があるのは原発事故以外に想定しにくい、具体的危険性が万が一でもあれば差止めが認められるのは当然だと。こういうふうに判決は言っているわけですね。やっぱり政府は、この判決の重みを是非しっかりと踏まえて努力をいただくように求めておきたいと思います。    〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕  次に、集団的自衛権問題について伺います。  安倍総理は、先ほど来から、今朝からもいろいろと出ておりますが、従来、憲法九条の下において許容される自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限の範囲にとどまるべきものであり、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって憲法上許されないとする、こうした歴代政権の憲法解釈を限定的に行使できるように変えよう、こういうふうに努力をされている、こう思います。  個別的自衛権と集団的自衛権との決定的な違いというのは、我が国が武力攻撃を受けているかどうかということですよね。集団的自衛権の行使は、我が国が攻撃されていないのに海外での戦争に参加をすることだと思います。米国からの要請など、これは、集団的自衛権の行使を我が国がそれはできるんだというふうにしたとすれば、それは要請を受ける。集団的自衛権をそのことによって行使した途端に我が国は交戦当事国となる。その結果、敵国が米軍が集中をする沖縄やあるいは全国の原発などを攻撃対象として、そういう攻撃が起こり得るということだと思うんですが、この事態についての総理の御認識をお聞きしておきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事態について言えば、私どもが例示をさせていただきましたのは十五事例でありまして、これは言わば、いわゆるグレーゾーンというもの、そしてまた集団安全保障に関わること、いわゆるPKO活動によって共に活動している国の部隊がゲリラに襲われたときにそれを救援することができるかどうかということも含めて海外での武器の使用に関わること、そして今委員のおっしゃった、指摘された点は、いわゆる集団的自衛権に関わることでありますが、それは、例えば近隣国で紛争が起こったときに、その紛争から逃れようとする邦人を輸送する米国の船を警護しなくていいのかという、そうしたことについて、我々は国民の命と平和な暮らしを守る責任がありますから、その観点から、果たしてそれは憲法が禁じているところかどうかということについて、安保法制懇の出した報告を今与党で協議をしているところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 全然答えになっていないじゃないですか。  私は、集団的自衛権の行使ということになれば、当然、相手は、我が国が敵対した国、敵国が日本の領土を攻撃することは当然起こり得るんでしょうということを聞いているわけでありまして、何か検討しておる話とは訳が違うんですよ。つまり、日本が攻撃した国にこれは限定的ですよとかそんなこと言ったって通用するわけがないわけで、日本が攻撃されないという保証はないんじゃないのかということを聞いているんです。  そこで、話進めますが、歴代政権は、我が国防衛の必要最小限の実力組織である自衛隊は憲法九条が禁止する戦力ではないというふうに説明をされてきた。もし集団的自衛権の行使ができるようになって他国のために海外で自衛隊が武力を行使するとなれば、自衛隊はこの憲法九条二項で保持を禁止した陸海空軍その他の戦力そのものに当たるんじゃないですか。    〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕  また、集団的自衛権の行使そのものが国の交戦権に当たるのではないんですか。この点、明確にお答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、政府の憲法解釈には論理的整合性や法的安定性の確保が必要であります。  このような観点から、政府としては、安保法制懇の報告書の考え方のうち、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという限定的な場合に集団的自衛権を行使することは従来の政府の憲法解釈に言う必要最小限度の中に含まれるという考え方について更に研究を進めているところでございます。  御承知のように、昭和四十七年の政府見解にあるこの必要最小限度の中においての自衛権の発動は、これ、憲法上これは許されるという考え方でありまして、この中に個別的自衛権は入るけれども集団的自衛権は丸ごと入らないということであったわけでございますが、我々はこの中において、あの四十七年の見解の大部分は踏襲するわけでありますが、しかし、集団的自衛権については果たしてそれが全て入らないのかということについて今研究をしている、先ほどの事例等におきまして研究をしているわけであります。これは、我が国の平和と安全を維持し、そして自国の存立を全うするための必要最小限度の武力の行使は許されるという従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方であります。  現在、与党協議が進められておりまして、その結果をここで予断するようなことを申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、自国の存立を全うするための必要最小限度の武力の行使として集団的自衛権の行使が認められるかどうかについて検討しているのであって、憲法が明文で禁じている戦力や交戦権を認めるようなことはあり得ないと考えているわけでありますが、憲法第九条二項が禁止する戦力とは、自衛のための必要最小限度を超える実力をいうものと解しているわけであります。また、憲法第九条第二項が認めない交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではありません。交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であるというふうに解しているわけでありまして、他方、自衛権の行使は交戦権の行使とは別のものであるというのが従来からの政府の見解であります。現在行っている検討の結果を予断することは差し控えた方がいいわけでありますが、このような従来の政府の立場を変えるものになることはあり得ないと考えているところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 何かだんだん分からなくなってきますね。私が聞いているのは、我が国が攻撃されてもいないのに同盟国と海外で武力行使することは、憲法が禁じている交戦権の行使に当たるんじゃないですか。自衛隊は我が国が攻められた場合にこれに対処するものとして、そういう意味ではそれは戦力ではないんだと言ってきたけれども、それが海外へ出ていくわけですから、それは戦力に当たるということになるんではないですか。つまり、憲法の明文規定とどんどん乖離する中身を今一生懸命検討されているんじゃありませんかと、こう申し上げているわけですよ。  そういう意味で、先般、外交防衛委員会で総理は、憲法六十五条の「行政権は、内閣に属する。」ということの規定を引いて、憲法解釈は最終的には内閣がその責任において行うという旨、つまり内閣が何か万能だと言わんばかりの、最高責任者は私ですと前にもおっしゃったが、ちょっとそれは違うんじゃないのかと。  衆参両院で、今皆さんがそうだけれども、多数を握った政権というのは極端に言えばどんな法律でも作ることができるわけでしょう、多数だから。この強大な政治権力を縛るのが憲法なんでしょう。政府も国会も憲法に反する……(発言する者あり)えっ、違うんですか。政府も国会も憲法に反する立法や行政を行うことは許さないというのが立憲主義であり、まさに近代国家の共通ルールだ。だから、憲法を守るべき政府が六十年にもわたって自分たちで言い続け、国民に共有されている集団的自衛権の行使は憲法上は許されない、こういう憲法の解釈を一内閣の政治的な思惑によって変更することが認められるとすれば、これ一体憲法は何のためにあるのか、法治国家の根幹が揺るぐことになるんじゃないのかということをお聞きしているわけですよ。  どんどんどんどん今、あなたがおっしゃるのは、何かあったら検討を今している最中だからとかとおっしゃるけれども、十五例も政府が示したんでしょうよ。この点について、まず、この立憲主義の問題、勝手にそういう意味でどんどん変えていくなんということは、政府といえども、そういう意味で解釈を変えていくのはこれはおかしいと私は申し上げているんですが、この点の御認識をもう一遍お聞きをいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの交戦権あるいは戦力の解釈については、従来から法制局の見解として述べてきたものをそのままお話をさせていただいたとおりでございまして、もし御疑問があれば従来の答弁を復習していただきたいと思います。  立憲主義の原則を始め、憲法第九十九条が公務員の憲法尊重擁護義務を定めていることなども踏まえ、行政府が日々その権限の行使を行うに当たっては、その前提として憲法を適正に解釈していくことは当然必要なことであります。もとより、憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する国家機関はいわゆる違憲立法審査権を持つ最高裁判所であります。その上で、行政府として憲法解釈について申し上げれば、憲法第六十五条に基づく行政権の帰属主体である内閣が最終的にその責任において行うものでありまして、他方、憲法改正と憲法解釈の変更とは別の事柄であるのは言うまでもないわけでありますが、自衛権そのものにつきましても、昭和二十九年に自衛隊が成立をしたとき、創立をしたときにおいても、言わば政府が、今申し上げました憲法解釈する中において、その合憲性を認めたものであるわけであります。  今回は、まさに、しかし長い間の積み重ねもありますから、これは国会における答弁ではなくて、閣議決定をもって最終的な判断をしたいと、このように考えているところでございます。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 又市征治君、時間が参っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 時間がなくなりましたから最後にいたしますが、さきの大戦以降……(発言する者あり)終わりにしますと言っているんだよ。七十年間、平和憲法に基づいて専守防衛に徹し、非軍事的手段で平和構築を図って国際貢献を行う国として日本というのは世界から尊敬と信頼を得てきた。この我が国の歩みをこの集団的自衛権問題というのは大転換することだけははっきりしていますよ。だからこそ、その問題をやるならば、やっぱり憲法の改正というものをしっかり国民に問うべきだ、このことを強く求めて、今日は終わりたいと思います。  ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。  これより平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件について討論に入ります。  各会派の討論に先立ち、この際、御報告いたします。  平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算の議決案はお手元に配付のとおりでございます。  なお、理事会において協議の結果、議決案は両年度決算を一括して作成することとし、また、内閣に対する警告及び措置要求決議案については、お手元に配付の案文のとおりにすることに意見が一致いたしました。  それでは、警告の案文を朗読いたします。     内閣に対し、次のとおり警告する。     内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。  1 平成二十三年度決算検査報告において、不当事項等の指摘件数が四百九十一件に上るとともに、指摘金額が五千二百九十六億円と二十一年度に次いで過去二番目となり、二十四年度の指摘金額も四千九百七億円と多額に上っていることは、遺憾である。    政府は、我が国の財政が極めて深刻な状況にある中、本院の再三にわたる警告等にもかかわらず、多額に上る不適正な公費支出が後を絶たない事態を重く受け止め、予算執行の適正化に向けて一層尽力するとともに、本院における決算審査の内容を十分反映させた予算編成を行うべきである。  2 政府開発援助(ODA)事業の不正をめぐって、平成二十年の贈収賄事件を契機に外務省が不正腐敗の再発防止策を講じたとしたにもかかわらず、ベトナム、インドネシア、ウズベキスタンにおけるODA事業を受注した企業による外国公務員への不正な資金提供事案が発生したことは、極めて遺憾である。    政府は、改めて、ODA事業が国民負担で実施されていることを強く認識し、真相究明を徹底的に行い、説明責任を果たすべきである。ODA事業が今後適正に執行されるよう、これまでの不正腐敗再発防止策の抜本的見直しを行った上で、新規案件の審査の厳格化、執行監視体制の強化、贈賄企業への罰則強化等の不正防止策を講ずべきである。  3 国等が補助金等を支出している大学等研究機関の公的研究費の不適正な会計経理に関し、本院は平成二十二年度決算警告決議のほか、数次にわたり是正を促してきたが、平成二十四年度決算検査報告においても、預け金やプール金等の不適正な会計経理が指摘されたことは、極めて遺憾である。    政府は、これらの不適正な会計経理が行われる背景と指摘されている公的研究費の使い切り等の無駄を排除しつつ、公的研究費制度の一層の改善を図るとともに、二十六年二月に改正された研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインが着実に実施され、不適正な会計経理が発生しないよう、万全の体制を構築すべきである。  4 厚生労働省の短期集中特別訓練事業に関し、その業務委託に係る二十億円の企画競争において、同省が独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対し、当該事業の仕様書案を公示前に提示し、説明していたこと、また、適切な修正手続を経ずにウェブサイトにおける公示内容を変更していたことなど、国民に多大な不信を抱かせたことは、極めて遺憾である。    政府は、企画競争の特性に鑑みて、契約の透明性及び公平性がより一層確保されるよう再発防止に取り組むとともに、とりわけ契約の相手方が所管の法人となる可能性が高い場合には、国民の疑念を生じさせないよう、会計法令に従った厳正な契約事務を行うべきである。  5 高速道路と立体交差する全ての跨道橋四千四百八十四橋のうち、六百三十五橋でこれまで点検が全く実施されていないこと、五百四十八橋で点検の実施状況が不明となっていることなどが会計検査院に指摘されたほか、供用期間の長い路線においてコンクリートの剥離や鉄筋の腐食が発生するなど、高速道路施設の維持管理等に関する問題が顕在化したことは、遺憾である。    政府は、全ての跨道橋等の緊急点検結果を速やかに公表し、必要な補修等を行うとともに、点検体制の抜本的な見直しを行うべきである。また、跨道橋を管理する地方公共団体に対する技術支援及び情報提供、高速道路を始めとする社会資本の老朽化対策の実施に係る優先順位の設定等を併せて行い、国民生活の安全を確保すべきである。  6 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が平成二十三年十月以降に発注した北陸新幹線の融雪・消雪設備工事において、同機構幹部が入札前に業者側に未公表の予定価格を漏えいしていたことが、公正取引委員会から入札談合等関与行為と認定され、関係者が検察庁に起訴されるに至ったことは、遺憾である。    政府は、整備新幹線の建設に対して二十三、二十四両年度に千四百十二億円の国費が投入されていることを踏まえ、本件の事実関係の検証や具体的な再発防止策を講ずるとともに、同機構に業務の見直し及びコンプライアンスの向上を図らせ、国民の信頼回復に努めるべきである。  7 北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)において、脱線事故や車両事故が相次いで発生しており、レール幅が基準値を大幅に超えても補修せず放置したこと、検査データを改ざんして国土交通省に報告したことなど、安全に対する意識が全社的に欠如していたことは、極めて遺憾である。    政府は、JR北海道に対して、安全基本計画の実効性の確保、業務実施体制の改善、コンプライアンスの向上を図るよう指導するとともに、再発防止に向けた監査業務の見直し、積極的な技術支援策の検討を行い、安全かつ安定した鉄道輸送体系を確保すべきである。  以上であります。  それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 私は、民主党・新緑風会を代表して、平成二十四年度決算の是認に反対、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度国有財産関係二件の是認に賛成、内閣に対する警告を含む決議案に賛成の立場から討論を行います。  平成二十四年度当初予算は、民主党政権野田内閣の下で編成、成立したものであります。しかし、二十四年の暮れに実施された総選挙で自民党が政権復帰したことにより、安倍内閣は、その発足直後に十兆円規模の補正予算を編成し、成立させたのであります。この補正予算は、巨額の旧来型の公共事業が盛り込まれた古い時代の自民党予算そのものでした。このような補正を行っても、我が国の経済成長力を高めることができなかったばかりでなく、資材費等の高騰を招いたことなどにより、震災復興にも負の影響を与えたのであります。このように問題のある補正予算を含む二十四年度決算を是認することはできません。  以下、平成二十四年度決算の是認に反対する具体的な理由を申し上げます。  その第一は、今ほど申し上げたとおり、経済の成長力強化に結び付かず、巨額の借金を更に積み上げることになった補正予算における公共事業の大盤振る舞いです。  この予算では、総額十兆円のうち、実質的に五・五兆円が公共事業であります。また、補正予算は年度内執行が原則という財政の原則を初めから無視した予算編成だったことも明らかでございます。この補正予算によって資材費等の高騰を招いたことは繰り返し報道されております。被災地ばかりではなく全国各地で、公共事業だけでなく民間事業でも、すなわち国民生活全体にその弊害が及んでおります。  第二に、基金の乱立による財政の放漫化への懸念であります。  二十四年度補正予算では、約五十の基金に対して総額一兆六千億円の予算が投入されました。基金は一旦国の会計から支出されるとその後の支出状況を把握しにくくなり、また、年度を越えた活用ができることから事後のチェックが掛かりにくいのも事実です。このような性格を有する基金にこれほど巨額の支出を行うことに慎重の上にも慎重を期さなければなりません。  第三に、財政に与える影響であります。  民主党政権は、財政健全化へ向けて、国と地方のプライマリーバランスについて、二十六年度までに赤字の対GDP比半減、三十二年度までに黒字化との財政健全化の目標を掲げ、震災後も懸命に目標達成に取り組んでまいりました。この目標はいかなる政権によっても継承されなければならない国家目標ですが、安倍内閣は、巨額の公共事業への財源を全て借金で賄うことによってこれを後退させました。その後、極端な金融緩和と公共事業の大盤振る舞いによって一時的に成長率の改善が見られましたが、これは実体経済から懸け離れたものであり、決して長続きするものではありません。  既にアベノミクス効果には陰りが出てきており、国土強靱化などというばらまきが許される余裕はもはやないと申し述べて、私の討論を終わります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、二〇一一年度及び二〇一二年度決算並びに二〇一一年度及び二〇一二年度国有財産増減及び現在額総計算書について是認することに反対、二〇一一年度及び二〇一二年度国有財産無償貸付状況総計算書については是認することに賛成の討論を行います。  二〇一一年度決算は民主党政権の二年目の予算を受けたもので、この予算は、新成長戦略に基づく大企業、大資産家への約二兆円もの減税、高速道路や巨大港湾など大型開発の温存を行う一方で、年金、児童扶養手当の引下げなど、自公政権と同様に社会保障を切り捨てるものでした。  東日本大震災後に四次にわたる補正予算が編成されましたが、東京電力福島第一原子力発電所事故による東電の債務超過を避けるために、原子力損害賠償支援機構への交付国債五兆円枠や、二兆円の政府保証が行われました。また、復興増税を庶民に押し付けながら、震災復興を口実に、被災地とは全く関係のない地域での道路建設等の公共事業や大企業の工場建設などへの補助が行われました。さらには、在日米軍のグアム移転経費なども含まれています。  二〇一二年度予算は、税と社会保障の一体改革による消費税増税、社会保障の切捨て路線を進めるものとなりました。基礎年金の二分の一国庫負担の引上げを消費税増税分を償還財源とする国債発行で賄う、一旦凍結した八ツ場ダムや東京外環道等の大型公共事業を復活させる、また辺野古への新基地建設やグアムの米軍基地建設経費も盛り込まれました。一方で、年金支給額の連続削減を行ったことも重大です。  政権交代後に編成された二〇一二年度補正予算は、旧来の大企業支援策と、国土強靱化の名の下で国債増発による公共事業が大規模に復活、また、軍事費は補正予算では過去最大の二千百二十四億円を計上して、周辺諸国との軍事的緊張を高め、東アジアの平和的環境づくりに逆行するものとなっています。  このような、国民の暮らし応援には背を向け、大資産家、財界とアメリカ優先の予算を執行した二〇一一年度及び二〇一二年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書には、到底賛成できません。  なお、二〇一一年度及び二〇一二年度の国有財産無償貸付状況総計算書については、国有財産を公園や緑地等に使用する目的で地方公共団体に無償で貸し付けることなど基本的に必要なものであり、賛成します。  以上で討論を終わります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇一一年度決算外二件及び二〇一二年度決算外二件について討論を行います。  まず、二〇一一年度決算についてですが、基となる二〇一一年度予算案は、参議院で否決され、両院協議会を経て、憲法の規定に基づき、衆議院の議決どおりに成立したものです。社民党は当初、予算編成に関わりましたが、以下の理由で是認に反対いたします。  第一の理由は、財政事情が厳しく、予算執行の効率化、適正化が求められている中、決算検査報告において掲記件数五百十三件、指摘金額が過去二番目に多い五千二百九十六億円となっていることです。  第二に、元気な日本復活予算と位置付けられた予算案は、国民の生活が第一の路線から乖離し、法人税五%減税、成年扶養控除の縮減、国民健康保険料の負担増、沖縄の基地関連事業などが我が党の反対にもかかわらず強行され、全体として新自由主義的回帰を志向したものでした。  第三に、東日本大震災及び原発事故を受けて、被災者の皆さんの生活再建、地域復興のために不要不急の予算を削減し、大胆に予算の組替えを行うべきであったにもかかわらず、そういう対応もされませんでした。  次に、二〇一二年度決算についてですが、基となった二〇一二年度予算案も、前年度と同様、参議院で否決され、両院協議会を経て、衆議院の議決どおりに成立した予算でした。二〇一二年度予算案は、前年度にも増して国民の生活が第一という政権の基本的理念から逸脱したものでした。  以下の理由で是認に反対をいたします。  第一に、本委員会において再三にわたり不適切な支出の根絶に向けた対策の強化を求め、その取組への決意も表明されながら、決算検査報告では掲記件数が六百三十件と前年度より百件以上増大し、指摘金額は、前年度よりも減少したとはいえ過去三番目に多い四千九百七億円に上っていることです。  第二に、二〇一二年度予算案は消費増税を前提としたものであり、所得税、法人税、資産課税に対する不公平税制は是正されませんでした。  第三に、人からコンクリートへと逆転したかのような大型公共事業の再開ラッシュ、辺野古関連予算の増、動的防衛力を構築する防衛関係費の実質増など、財界の新成長戦略や米国の要求に応えるものとなったことです。  第四に、子ども手当の変質、高校無償化や戸別所得補償の見直しは、政権交代で約束した国民への公約違反と言わざるを得ないものでした。  第五に、東日本大震災からの復興、被災者や避難者の生活再建、雇用確保、安定の分野でも、復興庁は査定庁とやゆされ、東日本大震災復興交付金が極めて使い勝手が悪いものとなっていました。復興関係予算の多くがハード分野に傾斜し、被災者や避難者の生活、雇用に着目した支援措置が少なく、原子力関係予算の大胆な見直しもされず、脱原発社会を志向するものになっていませんでした。  次に、内閣に対する警告決議案、二〇一一年度及び二〇一二年度決算審査措置要求決議案並びに会計検査の要請に関する件については賛成をいたします。  また、二〇一一年度及び二〇一二年度国有財産増減及び現在額総計算書については、既に専守防衛の域を大きく超えた自衛隊装備の増強が行われ、加えて、二〇一二年度は日中関係悪化の契機となった尖閣諸島の国有化費用が含まれていることなどから、是認に反対をいたします。  そして、二〇一一年度及び二〇一二年度国有財産無償貸付状況総計算書については是認に賛成であることを申し添え、討論を終わります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、平成二十三年度一般会計歳入歳出決算、平成二十三年度特別会計歳入歳出決算、平成二十三年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十三年度政府関係機関決算書及び平成二十四年度一般会計歳入歳出決算、平成二十四年度特別会計歳入歳出決算、平成二十四年度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十四年度政府関係機関決算書の採決を行います。  第一に、平成二十三年度決算は、これを是認することに賛成の方の起立をお願いします。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。  第二に、平成二十四年度決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。  第三に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 全会一致と認めます。よって、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算につきましては、いずれも多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。  次に、お手元に配付の平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算審査措置要求決議案につきまして、本委員会の決議とすることに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、平成二十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  次に、平成二十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  次に、平成二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  次に、平成二十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算についての内閣に対する警告並びに平成二十三年度決算及び平成二十四年度決算審査措置要求決議について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。麻生財務大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ただいまの国庫補助金等により造成された基金の見直しについての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処をいたします。  また、平成二十三年度及び二十四年度決算検査報告における多額の指摘金額等についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な処理に一層努力するとともに、決算審査の内容を予算編成に反映するよう努めてまいる所存であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 新藤総務大臣。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) ただいまの独立行政法人における保有資産の規模の見直し等について及び東日本大震災の被災市町村における職員不足の解消についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 岸田外務大臣。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) ただいまの政府開発援助事業における外国公務員への不正な資金提供についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、ODA事業の適正な実施のため、適切かつ厳正に対処してまいります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ただいまの大学等研究機関の公的研究費に係る不適正な会計経理についての警告決議及び独立行政法人日本スポーツ振興センターにおける日常スポーツ活動助成事業の不適切な運用についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 田村厚生労働大臣。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) ただいまの厚生労働省の研究機関等における重要物品の不適切な管理について、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等により整備された施設の利活用の適正化についての審査措置要求決議につきまして、適切に対処いたしますとともに、厚生労働省の短期集中特別訓練事業の業務委託に係る企画競争の不適切な手続についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 茂木経済産業大臣。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) ただいまの貿易再保険特別会計における政府開発援助の債権放棄による損失額の処理方策についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 太田国土交通大臣。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) ただいまの独立行政法人都市再生機構の組織及び業務の見直しについて、東日本大震災の復旧・復興事業に係る入札不調及び工事の遅延への対策について及び洪水ハザードマップ等の有効活用による防災・減災対策についての審査措置要求決議につきましては、適切に対処してまいります。  また、高速道路における跨道橋等の点検の不備と社会資本の老朽化について、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の北陸新幹線建設工事をめぐる入札談合について及び北海道旅客鉄道株式会社のずさんな安全管理体制についての警告決議につきましては、地方公共団体が管理する跨道橋等の点検をおおむね終えるなど既に対応を進めてきておりますが、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 小野寺防衛大臣。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) ただいまの有償援助による役務の調達に係る受領検査及び前払金の精算の速やかな実施等についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 稲田国務大臣。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) ただいまの国庫補助金等により造成された基金の見直しについての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 以上をもちまして関係国務大臣の発言は終了いたしました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。  国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、年金記録問題に関する日本年金機構等の取組について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十五分散会

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