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186回国会参議院2014/05/26

決算委員会 第9号

発言数
320
登壇者
51
会派数
7
開催日
2014/05/26

会議録

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十三日までに、安井美沙子君、宇都隆史君、寺田典城君、吉田忠智君、清水貴之君、古賀友一郎君、平木大作君、滝波宏文君、馬場成志君、舞立昇治君、江崎孝君及び吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として相原久美子君、柳本卓治君、柴田巧君、又市征治君、藤巻健史君、山谷えり子君、新妻秀規君、西田昌司君、森屋宏君、佐藤正久君、前川清成君及び仁比聡平君が選任されました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 平成二十三年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度特別会計予算総則第十七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上十件を一括して議題といたします。  まず、財務大臣から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました平成二十三年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外八件の事後承諾を求める件並びに平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の報告に関する件につきまして、その大要を御説明申し上げます。  初めに、予備費使用総調書等につきまして御説明申し上げます。  まず、平成二十三年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費の予算額五千六百五十六億円余のうち、平成二十三年八月十九日から平成二十四年二月十日までの間において使用を決定いたしました金額は四千九百九億円余であります。  平成二十三年度一般会計予備費の予算額三千五百億円のうち、平成二十三年四月十九日から平成二十四年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は七百四十八億円余であります。  平成二十三年度各特別会計予備費の予算総額一兆四百八十四億円余のうち、平成二十四年三月二十七日に使用を決定いたしました金額は十六億円であります。  平成二十三年度特別会計予算総則第十七条第一項の規定により、平成二十三年四月の十八日から平成二十四年三月二十七日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は四千九百三十八億円余であります。  第二に、平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費の予算額九千九十九億円余については、平成二十四年十月二十六日から同年十一月三十日までの間に、全額その使用を決定いたしております。  平成二十四年度一般会計予備費の予算額三千五百億円のうち、平成二十四年六月の十二日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました金額は一千百三十一億円余であります。  平成二十四年度各特別会計予備費の予算総額二兆一千六百四十九億円余のうち、平成二十四年十月の二十六日から同年十一月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は三千三百九十六億円余であります。  平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定により、平成二十四年七月の六日から平成二十五年二月二十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は一千二百五億円余であります。  以上が、予備費使用総調書等についての大要であります。  何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。  次に、国庫債務負担行為総調書につきまして御報告を申し上げます。  平成二十四年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、国が債務を負担する行為をすることができる限度額一千億円のうち、平成二十四年十月二十六日の閣議の決定をもって、総額三百四十三億円余を限度として債務負担行為をすることといたしました。  以上が、国庫債務負担行為総調書についての大要であります。  以上であります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) これより平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件並びにただいま説明を聴取いたしました予備費関係等十件を一括して議題とし、質疑を行います。  なお、本日の平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件の質疑は准総括質疑でございます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田でございます。  決算委員会、久々に質問の機会を与えていただきましたが、今日、予算委員会でも質問してまいりましたけれども、JAL再生問題について改めて質問したいと思います。  その問題に入ります前に、まず、先日、このゴールデンウイークのさなかに、ピーチ・アビエーションの飛行機が那覇空港に着陸しようとして、海面僅かもう七十五メートルまで接近してしまったという、これは事故にはなっていませんけれども、事故と言っても差し支えないような事件だと思います。  この原因は何かというと、私は、LCC、これはもう、競争して要するにできるだけコストを下げて、利用者に安い値段で、料金で提供していこうという、そういうシステムなんですけれども、そもそもこれが過当な競争になり過ぎて、コストダウンをどんどんやっていくために安全性が犠牲になっているんじゃないかということなんです。  この背景を調べますと、まさに、このパイロットはアルゼンチンの機長だというふうに聞いていますが、外国人機長なんですよ。今、日本人の機長が足らないから、外国からどんどんやってくる。そして、そのために日本人のこの安全性が損なわれているんじゃないかという問題なんです。こういうことになっているのはまさに競争政策が問題じゃないかと思うんですけれども、航空局の御回答をいただきたいと思います。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。  今御質問のありましたピーチ・アビエーションの重大インシデントの話でございますけれども、四月二十八日に石垣発那覇行きの同社二五二便が那覇空港への着陸進入において海面に異常接近し、操縦士が緊急回避操作を行う重大インシデントが発生したわけでございます。このインシデントにつきましては、現在、運輸安全委員会において発生原因等の調査が行われております。  なお、これに関与した操縦士の乗務時間等、これは監査によりまして適切に管理されていたということは判明しておりますけれども、引き続き、運輸安全委員会による調査の状況等を踏まえ、適切に指導監督を実施してまいりたいと思っております。  なお、LCCであるかにかかわらず、航空会社の運航の安全の確保のためにこれは安全監査というものを常時実施しておりまして、特にLCC等新規参入した航空会社に対しましては頻度を上げて安全監査を実施しているところでありまして、今後とも航空の安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 こういう返答を国交省は繰り返してきているわけなんです。調査する、調査はもちろんしなきゃならないんだけれども、私が言っているのはその背景なんですよ。問題意識として私が持っていますのは、要するに、この二十年間ほど、これは自民党政権の時代からですけれども、余りにも競争政策を強くやり過ぎたんじゃないのかと。規制緩和がその典型ですよね。やり過ぎた規制緩和をやると、過当競争になるんですよ。過当競争になると、値段は安くなるかもしれないけど安全性が犠牲にされるという、こういうことなんです。そのことをこれからずっと皆さん方に質問していきたいと思うんですが。  それで、その競争政策の末に破綻したのが実はJAL、日本航空なんですね。元々国交省は、いわゆるオープンスカイ、オープンスカイ政策ということで、競争政策、二社体制でお互い切磋琢磨してやっていこうと、こういう政策だったんですね。ところが、国際航空業界というのは非常に厳しい競争環境でして、この二十年ぐらいの間に各国の主要キャリアもいろんな形で政府から支援されたり事実上破綻したり、そういうことが繰り返されている厳しい競争環境なんですよ。その中で、日本も結局御多分に漏れず、二社体制でやってきたその一社、JALが破綻したわけですよ。まさにこのことのもたらす意味というのはオープンスカイ、競争政策が破綻したということじゃないのかということです。そのことをどういうふうに考えているのかと。それを理解せずに、JAL再生だけを目的にした再生というのは意味がないわけなんですね。だから、まず、JAL破綻の原因はオープンスカイじゃなかったのかと。  そして、これからの国際競争環境を考えると、JALは、例えば再生するにしても、国際部門はANAと統合させるなり、大きなこの競争に勝てるような仕組みをつくっていくと。要するに、事業の再生のイグジット路線が、ああいう上場じゃなくて、事業を再整備をしてやっていけば競争環境にも影響を与えないし、国際競争も乗り切っていけると、国内も過当競争にならないと、こういうことになったはずなんですけれども、そういうことをやっておられなかった。あくまで二社体制にこだわっていってしまったのはそのオープンスカイ政策にあったと思うんですけれども。  ですから、私はもう一度聞きたいのは、このJAL破綻が競争激化が原因で、であるからこそオープンスカイは変えるべきじゃないかと。このことについてはどういう見解を持っているのかお聞きしたいと思います。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) お答えいたします。  確かに、今先生御指摘のとおり、日本航空は年々激化していく国際競争の中で的確な対応ができずに破綻をしたということであろうかと思います。  他方で、今の国際航空市場において、アジア太平洋地域を中心に見込まれます旺盛な国際航空需要というものに的確に対応して利用者に対して質の高いサービスを提供していくためには、大手二社がそれぞれのアライアンスの中で重要な位置を占めて健全かつ活発な競争を行っていくということは重要であると、こういう考え方の下で日本航空の再生というものが行われたというふうに承知をしております。  ただ、このような二社体制をより効果的なものとするためには、今後は、やはり大手二社が限られた市場をめぐり過度な競争を展開するというのではなく、創意工夫に基づいた独自の航空ネットワークというものを展開することでより幅の広い航空需要を取り込むことが重要であるというふうに考えておりまして、私どももそのように指導をしてまいりたいというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 これから方向性として、いわゆる今様々なアライアンスでやっていますが、それを変えることも含めいろんなことが考えられるんですけれども、要は、元々やっぱりJALの再生が二社体制にこだわってしまったということは大いに反省すべき点だと思いますよ。  そこで、そのこだわった結果出てきたJALが何をもたらしているかという問題なんですけれども、要するに、今、JALは圧倒的な収益力なんですよ。今年の今出ている最新の情報でも、JALはたしか最終利益一千六百億以上、一千七百億近い最終利益上げています。対するANAは百八十億程度ですかね。九倍近い差があるんですよ、収益力にね。圧倒的な差ですよね。  そして、この中で何が行われているかというと、お互い同じ路線飛んでいると、当然、値段の、上得意先に対しては値下げ合戦が行われるわけです。私も具体的ないろんなこういう資料を持っています。それを公取にこれ実は告発したこともあるんですよ。おかしいじゃないかと、公的資金で、そしてこの圧倒的な競争力を持つJALがほかの会社の競争を、自分たちの圧倒的優位性でコストダウンでやっていくというのは完全にダンピングじゃないかと、こういうことを言ったことあるんですが、ここで公取にお聞きしますが、しかし、幾ら値下げ合戦をしても、要するにそのコスト割れしていなければ公取は取り締まれないんですよ、これ。つまり、JALは圧倒的にコストが低いですから、そのコストに付いていくまで、ほかの航空会社は絶対に付いていけないんですよ。これが実態なんです。  ですから、まず公取に聞きますが、要するにダンピングというのは原価割れしていない以上は取り締まれないと聞いていますが、それでよろしいんですね。ちょっとその仕組みを教えてください。

野口文雄公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(野口文雄君) お答えいたします。  個別具体的な事案につきましてのお答えは差し控えたいと思いますけれども、一般論で申し上げれば、独占禁止法で禁止されております不当廉売の構成要件の一つに、供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することが規定されております。これは、いわゆる原価割れ販売などの場合を指すわけでございますが、事業者が自らの費用構造に照らして原価を下回らない価格で商品や役務を販売する場合には不当廉売には該当せず、独占禁止法違反とはならないところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今、公取の方から説明いただきましたように、要するに原価割れしていなかったらオーケーなんですよ、値下げをしても。こういうことが現実に起きているんですよね。  だから、これを今国交省も全く問題意識を持たないんじゃなくて、問題意識実は持っておられるわけですよね。我々が下野している最中、自民党の部会なんかでも常にこの問題言ってきました。そのことを受けて国交省の方はペーパーを出されて、JALのこれから再生の後の様子を監視していくということをおっしゃっているんです。そのことを受けて、羽田の発着枠を拡大するときにJALとANAとの配分に差を付けてやったわけですよね。JALはこれでかなり文句言っているようですが、私はこれは文句言う資格全くないと思いますが。ところが、それだけの差を付けても、圧倒的に利益構造違いますから、差は詰まらないんですよ、これは。差は詰まらないどころか開いていくスピードがちょっと遅れる程度の話でして、根本的解決にならないわけです。  このままでは、JALが収益を上げても新しい路線をやってくれない、そして値下げ合戦やるか、その場合には値下げ合戦でやっていくか、やっていって相手の会社を潰してしまう。若しくは、その結果、JALがANAの株を買い取るとか、そういうことだってあり得るわけですよね。だから、これを、今の法律の中でJALがANAの株を買って、それを食い止めることができるかといえば、できないんですよ、これも。まさに、結局、二社体制だと言っているけれども、結果的には国内一社体制になっちゃうわけです。こういうことを放置しておいていいのかということですよ。  だから、国交省に聞きますが、JALがANAの株を買うことについて、これ何も制限できないでしょう。どうなんですか。

田村明比古国土交通省航空局長

○政府参考人(田村明比古君) 御質問の点でございますけれども、航空会社の合併、事業譲渡等につきましては、航空法上、国土交通大臣の認可に係らしめられておりまして、厳正に判断、対処してまいりたいというふうに考えております。  他方で、航空法上、航空会社による他の航空会社の株式の取得に係る規制というものはございません。そういう意味で、仮に日本航空が再生の趣旨に反するような状況というものをつくり出そうとするということであれば、先ほど先生が御指摘いただきました八月十日ペーパー、また現行法の中で何ができるかということを検討していかなければいけないというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今おっしゃいましたように、要するに合併とか譲渡する、これは航空法で止められるんですよ。ところが、それじゃなくて、株を単に取るホールディングになるんです、ホールディングカンパニーがJALの株もANAの株も取っちゃうと。阪急と阪神が一緒になったあれと同じことですよ。あれをやっちゃうと止められないんですよ、大臣。これ、とんでもない話なんですよ。  まさに、その結果何が起こるかといえば、二社体制すら事実上一社体制になるんです。しかも、競争で失敗して経営破綻した会社、それが公的資金で再生した会社が大きな大きな収益力持って、幾ら規制しようがこれを止められないと。これ、とんでもない、もう悪夢ですよ。  そこで、大臣にお聞きしたいんですね。要するに、これは誰が悪いのかといえば、あのときの政権なんですよ。まさに我々は、この決算委員会というのは、政府がやった、やるべきことじゃなくてやったことの検証をしているわけなんです。まさにあの民主党政権時代にこういうことが起きたわけですね。そのときに一番の問題は、要するにこれは企業再生支援機構なんですよ。  私も、企業再生支援機構の、この弁護士グループがやっているわけですよね、その弁護士を呼んで、その当時専務をやっていた弁護士を呼んで、あなた方は何をやっているんだと、競争環境をゆがめるし、おかしいじゃないかということを再三注意をして、指摘してきたわけです。ところが、彼らはどう言っていたかというと、いや、我々全く違法なことしていませんと、こういうことの一点張りで、無視をしてやってきたんですよ。確かに違法じゃないかもしれないけれども、全くモラルに反することがされているわけですね。  ですから、私は、ここはもう一度、政権替わって新しく太田大臣がこの所管大臣、JALの所管大臣になられたわけですから、ここでもう一度、こういったことを考えますと、企業再生がもたらした結果、羽田の発着枠では止まらないと、ダンピングも止められないし株の規制もできないんです。ここは、太田大臣、やっぱり所管大臣として新たな法整備を考えるという時期に来ているんじゃないでしょうか。お考えをお聞きしたいと思います。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 日本航空の再生について、違法ではない、そのときの政権また議会も含めてそうした方向でということをやられた。それを受けた我々としては、日本航空のいわゆる八・一〇ペーパー、上場前にそのことにある意味ではくぎを刺したということだと思いますが、そこに従って、とにかく航空会社間の競争環境が不適切にゆがめられないように、この同社における新規投資や路線開設について監視をするということにさせていただいて、現在はそれに従って、羽田の発着とかいうことも含めて対応しているという状況にございます。  航空法の関連規定の適用に当たっては、今後の日本航空の事業活動について、我が国航空会社間の競争環境が不適切にゆがめられないように厳正に判断、対処してまいりたいというふうに思っているところですが、これまでも、また本日もいただいている御意見、また、自由民主党の中でも参議院政策審議会始めとしてJAL問題について御議論をいただいているという状況でございます。  これは、二社、どちらにしましても、この激しい競争環境の中で、競争性を十分持った上で存続して、活躍をしていただかなくちゃならないということは基本的な考え方であろうというふうに思っておりますが、そうした競争環境がゆがめられないように、またそれがゆがめられるというおそれが出た場合にどのような是正措置があり得るのか、関係省庁ともよく相談をしていかなくてはいけないのではないかというふうに思っているところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 まさにこれ、関係省庁を含め法整備をしなきゃならないんですね。  そこで、稲田大臣にお聞きしたいんです。要は、私がこれ元々言っていますのは、取り締まるべき法律がないわけなんですよ。本来、こういう企業再生する場合には、そういうことがないように、イグジット、つまり、出口戦略として単に上場なんということはあり得ないんですよ。上場させてしまったのが最大の問題点なんですが、既に上場させてしまっていますから、これからどうするかというと、要は、EUのガイドライン法のように、競争環境をゆがめないように政府がちゃんとコントロールできるという、そういうやっぱりルールがなければならないんですよ。このルールがないためにJALの取締りができないわけですね。太田大臣も苦悩されるわけですよ。  そこで、担当大臣の稲田大臣に、これからやっぱり企業再生をする場合、政府が関与して、ほかの企業に悪影響を及ぼさないための法整備が必要であると。そして、再生後、それが終わってから数年間は、例えばJALのように数年間はもう一度その超過収益力は国が召し上げるなど、きちんとした方法、これは、麻生大臣、税金じゃなくていいんですよ、税金じゃなくてそういう法に基づいてゆがめた競争による超過収益力は国が召し上げると、そういう仕組みをつくるべきじゃないかと思うんですけれども、稲田大臣の御所見をお伺いします。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) このJALの問題については、野党時代、与党時代、与党になってからも委員が予算委員会等で取り上げられておられます。また、最近の委員の御著書の冒頭の章でもこの問題を取り上げられておられて、問題意識は共通をしております。  その上で、一般的に、競争関係にある事業者の中の一部の者に公的支援がなされれば、これら事業者間の競争条件をゆがめるものであると考えます。  また、議員指摘のとおり、EUにおいては、国家補助が事業の再生上必要最小限度であること、再生計画が競争を過度にゆがめていないことなどが国家補助を適当なものとするための基本的な考え方とされております。競争政策の観点から、このような考え方は我が国においても採用されるべきであって、各所管省庁等が個別企業を救済されるための公的支援を行うに際して、競争への影響について配慮した上でそれぞれの政策判断をすることが重要であると考えています。  また、御質問のような法整備の必要性については、現在、公的資金による再生事業者と競争事業者との対等な競争条件の確保に係る基本原則を定めること等を内容とする公正競争条件確保法案が国会に提出をされていることも踏まえて、必要に応じ国会での御議論を含めて検討されるべき課題であるというふうに考えております。  さらに、再生後、政府が監視をして超過収益力を国が召し上げるという仕組みについての創設については、慎重な検討を要する問題も含んでいるところでございますが、いずれにしても、国会での議論を含め検討されるべき課題の一つというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 もう一度聞きます。  今出ているのは、塩崎先生が出されている議員立法なんですよね。これももちろん大事なんですけど、私は、もちろん議員立法も大事なんですが、これをやったの誰かといえば政府ですから、やっぱり政府が、我々の国会の指摘を受けて、稲田大臣、あなた方がやっぱりリーダーシップ取ってこの法整備をやるべきだと思うんですね。国会の議論を見守っていくだけじゃなくて、国会はこうやって言っているんですから、是非、稲田大臣がそこはもう一歩突っ込んだ取組をやっていただきたいと思うんですが、どうでしょう。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) 問題意識は共通しておりまして、政府としてもしっかりと取り組んでいくべき課題だというふうに考えます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それで、このいわゆる競争政策、そして稲田大臣はいわゆる規制緩和とかも担当されているんですけど、実はちょっとこの問題で苦言を呈したいところがあるんです。  といいますのは、私も自民党の行政改革本部の役員に言われまして、この間いわゆる様々な独法改革などもやってきたんですね。その中で、航空大学校をなくしてしまおうというのが政府の方から考えられていたわけですよ。私はこれ、とんでもないと言って大反対で止めたんですね。  それは何かというと、先ほどのピーチ・アビエーションに象徴されますように、要するに今パイロット不足深刻なんですよ。世界中でパイロットが足らない、市場が大きくなっていく。その中で日本人の命を守ってくれるパイロットが、外国人に頼るんじゃなくてやっぱり日本人の優秀なパイロット欲しい、当たり前ですよ。そのためのパイロット養成機関というのは、国の機関はこの航空大学校しかありません。もちろん自社養成している会社もあるけれども、お金掛かりますからね、これはJALとかANAしかできないんですよ。LCCでは絶対できない。  じゃ、普通はどうやってパイロットを調達するかといえば、普通の国ではいわゆる空軍パイロットなんですよね、空軍のパイロットを採用するわけです。しかし、日本は防衛予算も限られていますよね。そしてまた、優秀なパイロットがどんどん民間に引き抜かれるのも困るわけですよ。そしてまた、ファイターのパイロットを養成するには物すごい金額掛かりますよ。そういうことを考えると、要するに、国の方が航空大学校等でしっかりとこの部分を需給バランスに合わせて定員を増やしたりやる方がよっぽど安上がりで、そしてよっぽど安全にできるわけなんですね。  ところが、政府の中では、いや、そんなの民間の航空大学校でもできるじゃないかというので、そっちに任せてしまえというような意見を言う方がいるんですよ。しかし、民間のそういう航空大学なんかへ行くと何千万円の授業料掛かりますよ。つまり、お金持ちしかパイロットになれないんですよ。これは、職業選択の自由をゆがめてしまうだけじゃなしに、本来のやっぱり安全性を担保することもできないと思うんですね。  そこで、行き過ぎたこういう先ほどの規制緩和始め、こういうことが空の安全を危機におとしめていると思うんです。ここで、こういった路線から、ちょっともう一度冷静に安全性ということをひとつ考えていただいて、行き過ぎた行革はやっぱり止めていくと。それが、我々、あの事業仕分でやるわけじゃないんですから、要るものは要るし、無駄なものはなくしていく、要るものはちゃんとやっていくと、ここをしっかり大臣の方から宣言をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

稲田朋美自由民主党内閣府特命担当大臣(規制改革)

○国務大臣(稲田朋美君) その点についても共通の認識をしておりまして、本来の行革は単に予算を削ったり人員を削減するというものではなくて、行政の機能を最大限に発揮をさせて、しかも国益に資するという観点は非常に重要であるというふうに思っております。  昨年末の、この航空大学校の議論についても、昨年の、委員が党内の議論に積極的に参加をいただいて、昨年末の基本方針の閣議決定は、航空大学校について、今後のパイロット需要の増大への対応として、航空会社による自社養成拡大や私立大学への技術支援等、民間におけるパイロット養成の規模、能力の拡大を図る、将来的には民間におけるパイロット養成が可能となった段階でより多くの部分を民間に委ねる、能力ある学生を引き続き募集する必要性や、負担の公平性、妥当性に留意しつつ航空会社の負担金の引上げなど適正な受益者負担を検討するという方向性を打ち出し、決して一方的に航空大学校の規模縮小を求めるものではありません。  委員が御指摘のとおり、航空大学校は、経済力に恵まれなくても真に能力のある学生を受け入れて優秀なパイロットに養成するという重要な役割を有しており、この面では引き続き十全な機能発揮が期待をされております。パイロットの自社養成や、それが難しい場合、航空大学校への負担金納入の面でより的確な受益者負担を果たしてもらう必要もございます。  引き続き航空大学校はパイロット養成の中心的役割を担うものというふうに考えておりますが、航空大学校の方向性を始め、日本人パイロットの養成の拡大について早急に具体化を進めてもらいたいというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 是非、私立大学で養成していく、受益者負担ということももちろんあるんですけれども、要するに、先ほど言いましたように、大きな全体でいうとパイロット不足というのがはっきり出ている中で、そして競争がどんどん激化している中で、受益者負担で航空会社にも負担させてやっていけという政策は、なかなか私は通らないと思いますよ。だから、そこはやっぱり見直しをしていただかなければならないと思うんです。  さて、そんな中で、最後にちょっと質問しますが、先日、私のところに日本航空の大西会長が来られたんですよ、是非会いたいと。私がそのときに言いましたのは、大西さん、私は別にJALが憎いわけでもなければANAがかわいいわけでもないと。要するに、あのときに、今のこのJAL問題をもたらしたのはJALの方々じゃないんですよ、あのときの企業再生支援機構を始め、あのときの政権なんですね。その結果、その枠組みの中で一生懸命JALもやってきている、それは私も認めているんです。しかし、その結果、一生懸命やってきても、今言いましたように、この八・一〇ペーパーも含め、自由に事業活動できない、そして新たな投資もなかなかできないと、じゃ我々どうしたらいいんだと、こういう悩みを彼らも持っているわけですよ。それはなかなかお気の毒な話なんです。  そして、最後に大西さんはこう言うわけです、私に。西田先生がいろいろ国会で言われていることは分かると、我々も税金を払わせてくださいよと、こう言うわけですよ。つまり、彼らにすると、一生懸命やってきても足かせされる、そんなぐらいだったら負担は負担で払いますから自由にさせてくださいと。これは民間企業として今成っている会社としては当然なんですよ。つまり、ある意味でいうと、JALも実は企業再生の犠牲者の一面が実はあるわけなんですね。だからこそ、これ、我々がこの問題を解決しなければならないというのはこういうことなんですよね。  そこで、私は、麻生大臣、今日は財務大臣というよりも副総理としてお聞きしたいんですよ。つまり、税の問題で取るべきだという話もしましたけど、税以前に、要するに、これは政権として、つまりJAL問題はあの民主党政権の看板としてやったんですよ。しかし、残念ながら結果的にこういう問題をもたらしてしまっていると。じゃ、それを我々が、新しいこの安倍政権の下、その副総理、麻生大臣、特にこの問題一番よく御存じだと思うんですよ。こういうでたらめ、もっと言えば行き過ぎた競争政策の結果おかしなことになってきているということも含め、やっぱり政権の顔の一人である麻生副総理が、政権としてこの問題、JAL問題について、今、稲田大臣にも問題意識は言ってもらいましたけれども、取り組んでいくということをやっぱりおっしゃっていただきたいんですよね。どうでしょう。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) まず、航空会社に関する競争上の不公平の是正という問題については、これは一義的には航空行政をつかさどられる国土交通大臣、また競争政策の問題として対応すべき問題なんだと考えているんですが、それを前提として、あえて所管する税制面一般論で申し上げさせていただければ、これは、企業の再生税制とか欠損金の例の繰越し、あれは九年に延ばしたんですかね、民主党のときだから九年延びているんだと思うんですが、企業再生に取りかかる前提となるというのは、これは一般的な制度なんですが、企業再生の結果いかんによってその前提をひっくり返して、そして企業再生計画段階では予想をし得なかったような話になったからといって税制面で負担を求めるというのは、これは簡単に言えば後出しじゃんけんみたいな話ですから、これはちょっと納税者にとっては安定性を損なうということになりかねぬということになるんだと思います。  したがって、今言われましたように、JALの大西さんが受け入れられたとしてもですよ、しても、これはやっぱり他の企業と同じように公平に扱われねばならぬところなので、JALもやったんだ、ほかのところもということになりますので、これは制度を改正して新たな納税義務をどうのこうのするというような種類の話ではないのではないかと思っております。  もう一点やっぱり考えておかないかぬのは、これは間違いなくJALもある意味では被害者だといえば被害者なのかもしれない、それはLCCの話から入って、経営能力がなかったといえば経営能力がなかったんですが。そういった意味で、特定の企業というものだけ、JALというものだけをターゲットとしてやるというような見直しというのは、これは慎まないかぬというのは当然なんですが、いわゆる過剰な公的支援を受けた企業を対象とするということに例えばなるんでしょうけれども、その支援が過剰だったかどうかというような判定というのはこれまた極めて難しいんだと思いますので、これは慎重に対応せねばいかぬというような感じがしますが。  いずれにしても、これは航空行政全般として、今いろんな意味でグローバルな時代とかLCCとかいろいろ言いますけれども、私は、一番の問題は、やっぱりさっき言われた安全、安心という点は、これは運転士さん、パイロットというものが過剰にオーバーワークになっているとか整備の手が抜けておるとか、いろんな意味でいろいろ問題点が出てくる。これは、かつてタクシーでも似たような話があったんですが、そういったような形になってくる。傍ら、JALの運転士さんになろうと思っても自衛隊の優秀な人たちはなれない、天下りだからといって止められている。そして、その人たちはどんどんほかの外国の航空会社に行っちゃっているなんという事態は、これはどう考えても国家の全体の人物経済学からいっても少々考えないかぬところではないかというような意識を持っておるということだけ申し上げておきます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 終わります。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  今日は、国境離島の問題に入る前に、二十四日に発生しました中国軍機によります自衛隊に対する異常近接事案、これについて質問をいたします。  今回の事案は、極めて危険な行為というだけではなくて、偵察機に対して戦闘機が異常接近する、中国が改めて常識が通じない国ということを世界も分かったのではないかと思いますが、まず事実関係について防衛大臣に伺います。  今回の事案は、中国が新たに設定した防空識別区、この中で起きたと。これは日本の防空識別圏ともかぶる部分だと思いますが、この中国、新たに防空識別区を設定した後、その中でのこのような異常接近というものは、あるいはスクランブルというのは今回が初めてというふうに認識してよろしいんでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省としましては、従前より警戒監視活動を行い、自衛隊航空機の周辺を中国軍機が飛行するということがあるということは認識をしております。ただ、公表を要するような特異な事象というのは今までございませんでした。今回、東シナ海防空識別区を設定を契機として中国側の対応が大きく変化したということではありません。  ただ、土曜日に発生した事案、これについては大変危険な近接事案ということでありますので、これは私どもとしては公表し、そしてまた抗議をする内容だと思って、今回は外交ルートを通じてしっかり中国側に抗議をさせていただきました。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 大臣、一方、中国は、自衛隊が中国の防空識別圏に入って中ロ海上合同演習を邪魔したからスクランブル発進したと日本を非難しております。これに対しての反論はございますでしょうか。また、自衛隊機は中国軍機から、ここは中国の防空識別圏の中だ、出ていくよう警告を受けたという事実はございますでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 今回、自衛隊が行っていた警戒監視活動は、これは通常の警戒監視活動でありますし、また国際法に従った正当な行為であります。一部報道で出ておりますような、中ロ海軍合同演習を妨害するような行為を行ったような事実は一切ございません。また、この事案に関して中国機、当該中国機から事前に無線等での警告等があった事実もございません。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 全くやっぱり常識外れですよね。スクランブルをやった場合は、お互いに無線等で警告しなければコミュニケーションができない。まさに、であれば、本当に今回偵察機の方々は無人機を相手にしているようなものです。警告も何もない、これはやっぱり極めて異常ですよ。これは、日本として世界の方にしっかり公表すると同時に、やっぱり再発防止策、これを絶対取らないといけないと思っています。  そういう意味では、海上だけではなく、航空、空においてもやっぱり中国と何らかの連絡メカニズムが必要でしょうし、また今度行われますシャングリラ等においても、大臣とか総理からこの件についてしっかり抗議をすべき、あるいは公表をすべき内容だと思いますが、いかがでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) まず、大切なのは、防衛当局はそれぞれの国を守るために様々な警戒監視活動を行う、これは日本も中国も多分同じ立場だと思います。ただ、その中で衝突事案が起きないように事前に回避すること、これも防衛当局の務めだと思っております。今回の事案は、そのような通常のルールからして相当逸脱した内容だと思っておりますので、外交ルートで抗議をさせていただきました。  ただ、大切なのは、このような事案が不測の事案にならないように、それぞれの軍関係ではホットラインを設けることが大切だと思っております。日本側は従前から中国側に対しまして海上連絡メカニズムの構築を要請しております。これは海だけではなくて空も含まれる内容でございますので、是非今後ともこのような事案が発生しないように海上連絡メカニズムの構築をしていくと同時に、今週末からシンガポールで各国の防衛大臣会合がシャングリラ・ダイアログとしてありますので、その際にも私どもとしまして関係国には日本の状況については説明をしっかりすることが大切だと思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今回の偵察機、無防備の自衛隊の偵察機に戦闘機が近づいてきた、これに対して我々の防衛態勢もやっぱり考えないといけないという時期に来ていると思いますので、この問題については引き続き対応を取っていただくと同時に、また外交防衛委員会の方でも議論を進めていきたいと思います。  続きまして、国境離島等について議論を進めていきます。  新藤大臣、離島の自治体人口は一般に減少傾向です。これは若者の働く場所とか学校、病院の問題、あるいは相続の問題等から外国の方に土地を売ってしまうというような動きも一部見られます。さらに、持ち主のいない無人島というのは自治体の管理や責任を生じてしまう。自治体の苦悩は増える一方と言われております。  特に有人の国境離島、これについては人口が減るということは領土問題にも発展しかねない。実際に尖閣諸島、いっときは九十九世帯二百四十八人の方が住んで経済活動をやっていた。いなくなったら、今度は領土問題だと。対馬においても七万人の人口がもう四万人を切っている、そういうふうになっています。  そういう観点から、やはり国境離島の保全というものは、単に保全だけではなく、多く、島の人口、人が住んでいただく、あるいは都会から多くの人が来ていただくという観点も必要だと思います。やっぱり保全と振興、両方のパッケージでこの問題は取り組むべきというふうに思いますが、総務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 国境付近に位置する外海離島を含めまして、この国境離島を形成をする、それは我が国の排他的経済水域の保全、また海洋資源の利用と、こういった意味において極めて重要であるというふうに思います。国家の基本である領土そして主権、これを確立し保全する意味において、国境の離島の問題というのはしっかり取り組まなければいけないと。委員は自民党においてそういった活動をずっとやってきていただいておりますし、私も御一緒させていただいて領土特命委員会というものをやってきました。  今お尋ねの国境離島の保全と振興に関する法律、こういったものも我々で取りまとめたわけでありまして、これをしっかりと政府の中に位置付けて、そして一刻も早く離島の保全についてこれは様々な措置を講じていくべきだというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ただ、今言われたように、国境離島のやっぱり保全と振興を一体となって行う組織が政府にはありません。事務方の説明では、領土担当大臣の所掌は領土に関する情報発信、内外への広報だけであって、こういう領土問題を考える立場にはないと、この問題については質問されても答えられないというのが今の領土担当大臣の所掌事務のようなんです。これについては、山本担当大臣、間違いありませんか。

山本一太自由民主党内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)

○国務大臣(山本一太君) 領土担当大臣ということでいうと、今おっしゃったように、領土問題についての国内啓発、それから対外発信を担っているということで間違いありません。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 財務大臣、今聞かれたように、ないんですよ。領土担当大臣がいても実際は広報の責任しかない。要は、領土の保全と振興を併せるような、あるいは領土を考えるような組織が今の政府にないと。よって、この予算とかあるいは決算、あるいは政策の実行上非常に縦割りあるいは隙間がいっぱい生じているという状況だと思います。  領海基線についても同様です。  領海基線というのは、日本のEEZ、これを決定付ける非常に重要なものですけれども、この領海基線の所掌、あるいは保全という観点でも非常に曖昧というような状況にあるように思います。事前の役所による質問のレクチャーでは、領海基線の保全については領土担当大臣は答えることはできませんと。しばらくしたら今度もう一度説明に来て、でも一方、総合海洋本部を所掌する内閣府の特命担当大臣として山本大臣が答えられますと。よく、これは一般の人が聞いても訳分からないですよ……(発言する者あり)やじで俺も分からないという言葉ありましたけれども、非常にやっぱりここは、せっかく領土担当大臣をつくったわけですから、そこは一体的に領海基線を含めて、そういうものを所掌事務でやるというのが非常に大事だと思います。  ただ、その予算が、領海基線の予算、これ決算見ると二十三年、二十四年度も大概五千万円程度なんです。その中身は、領海基線のその近くに看板を立てたり衛星写真を買うという予算のようなものだけであって、例えば岩礁を波から守るような波消しブロックをそばに置くとか、そういうのはやっていないんですよ。一般の海岸については一生懸命お金使っても、その領海基線を規定する岩礁保全というのはやっていないんですよ。それは総合海洋本部の所掌というよりも、国交省の所掌になるような説明を受けました。  その写真の、海上保安庁がレーザーで計測したり、あるいは衛星写真を、データを民間から買っているようなんですよ、その五千万円のうちから。ところが、その買っている会社はほぼ毎年同じです、いつも同じ。しかも、その社長は日本の近くの国の方なんです、日本人じゃないんですよ。我が国の領海基線、大事なそのデータを、日本人ではない、我が国の近くの国の方が社長のところからずうっと買っているんですよ。これは改ざんされたらという懸念もどうしても持ってしまう。  こういう面について、やっぱり領海基線の保全というものについて、この五千万は私は足らないと思いますし、その写真の入手含めて、何らかの改善が私は必要ではないかと思いますが、国交大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 山本大臣かと思ったんですが。  確かに、その低潮線の保全ということについては五千万円ということです。そういう意味では、安倍内閣におきましては、非常に問題意識としては保全、また安全保障的な観点も含め、そして資源ということも含めて、極めてここは大事であるという認識で山本大臣とも私とも連携は取り合っているという状況にございます。その部分において五千万円というのは少ないということも当然感じられると思いますが、保全や低潮線の確保、そうしたことの点ではよく連携取り合って、御趣旨の保全と振興というものが極めて重要であるという観点で政府としては力を入れたいということを考えているところでございます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 非常にまだ切り分けが曖昧であって、実際、初めてなんですよ、領海基線をどうやって守っていくかという発想にだんだんなってきたのは。無人島に名前を付けるのもしかり、まさにこれからの分野がいっぱいありますので、そこは連携をしながら所掌を明確にしてやっていただきたいと思います。  沖ノ鳥島についてお伺いします。  沖ノ鳥島も領海基線の非常に大事な島で、これは国土交通省の方が中心になって、今桟橋の工事もやっていると思います。この北小島、これは満潮時十六センチ頭が出る、東小島は六センチ頭が出る、立派な島です。しかしながら、これが国連海洋法条約上、島として主張するには更なる、人が住むとか経済活動をやらないといけない。実際に中国と韓国は沖ノ鳥島を岩だと言って、島と認めておりません。この沖ノ鳥島が島か岩かによって、日本の面積を超える四十万平方キロメートルのEEZが設定されます。  そういう意味におきましては、サンゴ礁の増殖とか、あるいは桟橋、非常に大事なんですが、今日お配りした地図を見ていただきたいんですけれども、この沖ノ鳥島というのは第一列島線と第二列島線の間で、沖縄本島とグアムのちょうど中間になります。九州・パラオ海嶺のちょうど上にあるというところなんです。ここは、単に領海基線あるいは低潮線の保全というだけではなく、例えば周辺のレアアースとかあるいは海底資源という形で経済産業省ということも関わってくるでしょうし、また防衛上も、ここに今桟橋を造っておりますけれども、ここに滑走路を造れば、これは防衛上も全然変わってくるんですよ。  今の日本の防空識別圏は小笠原には掛かっておりません。でも、一方で、中国の軍事演習というのは第一列島線を越えて沖ノ鳥島の近くでもなされているという意味におきまして、今この事業というのはまさに低潮線保全の法律に基づいて事業を行ったりその基本形に基づいてやっているだけであって、防衛上の観点とかあるいはそういう資源開発の観点からではないんですよ。  防衛大臣、このような国境離島というものについては、やはり防衛上の観点からも非常に重要だと思っています。これは礼文島も、あるいは五島も壱岐も、あるいは与那国も同じだと思います。同じように、この沖ノ鳥島、これについても将来的にはしっかり国交と連携して、本当に桟橋だけでいいのか、ここにやっぱり羽田で造っているようなああいう桟橋方式の滑走路を造れば、それは防衛上も経済面ももっと効果があると私は思いますけれども、そういう観点から今後政府の中で検討していくお考えはないかどうか、国境離島に対する防衛上の重要性も併せましてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 今、海洋権益をめぐって様々、これは世界中、安全保障の問題では大きな課題が出てきております。その中で、日本の国境離島は大変重要な役割を私どもしていると思っておりますので、今後ともしっかりそこを守っていくことは大事だと思っています。例えば与那国には、おかげさまで今回、新しい警備部隊の新編がなされることになります。  今後ともしっかり対応しますし、今御指摘がありました沖ノ鳥島につきましても、これは政府全体として様々な検討が今後なされることだと思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 まさに沖ノ鳥島は日本にとっても死活的に重要な島ですから、そこを経済面あるいは防衛上の面で考えていただきたいし、総務大臣、最後、お願いだけします。  国民保護の観点から、国境離島の空港あるいは港湾、非常に脆弱です。例えば、前に言いましたように、佐渡島、人口六万いますけれども、空港は非常に小さくて、とても国民保護の観点で非常に難しいし、あるいは海上自衛隊が入れるような港というのも非常に限定された国境離島が多くあります。やっぱり国民保護の観点からも国交省あるいは防衛省と連携しながらやっていただきたいと思いますけれども、簡単に、一言だけお願いします。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) まず、有人の国境離島を形成する島々、これは併せて私どもの大切な地方でもあります。ですから、地域振興の観点からも、そこに人が定住しそこを使っていただくこと、それが最大の我が国の防衛にもつながっていくと、こういう観点から、是非各省と連携して進めていきたいと、このように考えます。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 終わります。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君が選任されました。     ─────────────

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  本日は、全ての子供の健やかな育ちと学ぶ権利を保障したい、そんな思いから、主に文科大臣、厚労大臣、それから少子化担当の森大臣においでいただいておりますけれども、質問をさせていただきたいと思います。  この決算委員会で現在審議しているのは二〇一一年度、一二年度の決算でございますけれども、これは民主党政権のときの決算でございます。当時、子供の貧困、とりわけ一人親家庭の子供の貧困、高校の中途退学、経済格差が教育格差につながる、貧困の連鎖になるのではないかというような問題が社会問題として多く取り上げられてきた時期でもございました。  民主党は、こういった社会的な要請も受けて、コンクリートから人へというのをスローガンに、社会全体で子供の育ちと教育を支援しようと、そのために子育て、教育、子供への資源配分として子ども手当の拡充や三十五人以下学級の順次推進や高校授業料実質無償化などに取り組んできました。  しかし、残念ながら、これらの政策も、その後政権が替わりまして、所得制限が掛かったり計画が中途で中断されたり、子供、子育て、教育への資源配分が果たして十分に行われているかどうかというようなことについては疑問を持たざるを得ません。  しかし、この間、国会では、東日本大震災や原発事故を受けて、子ども・被災者支援法、これは二〇一二年の六月に成立した議員立法でございます。それから、子どもの貧困対策推進法、これは昨年の六月に成立をいたしました議員立法です。また、いじめ防止対策推進法、これも昨年の六月。障害者権利条約というのが批准をされまして、それに伴って学校教育法の施行令改正も昨年九月に行われました。また、閣法でありますけれども、子ども・子育て新システム関連三法が成立しまして、来年度からの実施に向けて今順次準備が進められております。  こういった、国会における国会の意思といいますか、そういったものを鑑みてみますと、子供や子育て、教育に関わる資源配分といいますか、そういったものが今大変必要だというふうに、これは国会議員だけではなくて、政府においてもそういう認識に立っていらっしゃるのではないかと思います。  このことは、昨年六月に閣議決定されました、まさに下村文科大臣のときでございますけれども、第二期教育振興基本計画、ここでは四つの基本方針が、基本的方向性が定められていますけれども、その一つに学びのセーフティーネットの構築というのが位置付けられております。私は、これは非常に重要なことだと思います。  下村大臣も、昨年の四月に記者会見されたところで、できるだけ早くOECD並みの公教育投資を達成すべきというふうに述べられております。我が国の公財政支出に占める教育支出というものが非常にOECD平均以下であるということを意識した御発言だというふうに思いますけれども、重点的にそういう公教育への投資を配分するとすれば、私は、今申し上げたような国会の意思、それから社会的な状況を考えますと、全ての子供が健やかに成長する、そのことが、困難な状態に置かれている子供に学びと育ちのセーフティーネットとしてそこに重点的に配分すべきだと考えますけれども、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 基本的にはおっしゃるとおりだというふうに思います。  しかし、いじめ対策防止法もそれから子ども貧困対策法案も、いずれも議員立法ではありますが、これは我々の方も、政府の方も、立法府である国会と連携、相談をさせていただいて成立をさせていただいたというふうに思っておりますし、一方的に立法府が作ったということではなく、今後、政府と立法府が一体となってやっていくというふうに認識をしてやってまいりたいと思います。  また、民主党の政権のときの教育対策について私は一定の評価をさせていただきたいと思いますが、高校授業料の無償化については、今、神本委員がおっしゃったように、低所得者に対するまさに今日のお言葉ですとセーフティーネットですね、それを更に重点配分するという部分から所得制限を設けて、その部分を低所得者の子供たちがより進学できるような、そういう公私間格差とともに給付型奨学金を導入したということでもありますし、限られた財源の中で、コンセプトの方向性については、後退ではなくて、まさにその部分については我々は進めているというふうに思っているところでございます。  そして、OECD並みの公財政負担割合ということでありますが、これは、ある意味では教育というのは未来に対する先行投資であると同時に広い意味での社会保障制度と、子供のときにきちっとしたものをすることによって生涯における社会保障の軽減にもつながっていくようなそういう位置付けとして、積極的に広い意味での社会保障制度としての位置付けをこれから図っていくべきではないかというふうに思います。  特に、御指摘のように、家庭の経済状況などにかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供、若者、それから社会人が質の高い教育を受けて、一人一人の能力、可能性を最大限伸ばしてそれぞれの夢にチャレンジできる社会、これを実現することが重要であり、そのためには教育投資の充実が必要不可欠であるというふうに考えております。  このような観点から、文科省として、先般は、低所得者の教育費負担の軽減を図るため、先ほど申し上げましたが、奨学のための給付金制度の創設を含む見直しをこの四月から始めたところでありますし、またさらに四月からは、幼児教育に係る保護者負担の軽減、それから大学等奨学金事業、無利子奨学金の拡充、それから授業料減免等の充実など、教育費負担軽減のための施策を盛り込んでいるところでございます。  このような取組を更に充実してOECD諸国並みの公財政教育支出を目指すためには、やはり財源の確保が重要な課題であるというふうに考えておりまして、これを財務省に任せるということではなくて、文部科学省でも主体的にこれは考えていく必要があるということで、昨年暮れから有識者会議を立ち上げ、教育投資の意義、効果等を積極的に発信をすることを通じて、国民の理解、また国会、立法府の理解が得られるように全力で取り組んでまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 下村大臣御自身もあしなが育英会等に関わってこられて、私も野党時代から子ども・男女共同参画の担当をしておりまして、あしなが育英会の方々から、本当に交通事故で親御さんを亡くしてどれだけ苦労して学んできたかというようなお話も聞かせていただきましたので、今の御答弁の中でも、認識を共有して取り組んでいただけるというふうに受け止めさせていただきました。また、広い意味での社会保障でもあると、教育投資というのは、ということは、それも共有させていただきたいと思います。  ちょうど麻生大臣が総理のときに、教育安心社会という、教育再生懇から出されておりますが、その中でも人生前半の社会保障というような位置付けで、子供時代の育ち、教育に対して、そこに資源配分が必要だということも述べられているわけですけれども、今、文科省として取り組んでいることをお話しいただいたんですが、高校の奨学金、それから就学前の補助、それから大学というようなことがありましたが、私は今日ちょっと焦点化してお尋ねしたいのは、その間に抜けております小中学校、義務教育段階のセーフティーネットという点から、就学援助に関して質問を主にさせていただきたいと思います。  非常に細かい質問になっていくんですけれども、まず、義務教育段階の就学援助制度に対して、子供の貧困対策や教育の機会均等を確保するという意味でこれは非常に重要な制度だというふうに思いますけれども、まず文部科学省の方から、この義務教育段階の就学援助制度について概要の説明をお願いしたいと思います。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 就学援助制度は、学校教育法第十九条の規定に基づきまして、経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しまして市町村が必要な援助を与えるというものでございます。その対象者は、生活保護法第六条第二項に規定する要保護者と、市町村が要保護者に準ずる程度困窮していると認める準要保護者でございます。  要保護者に対する就学援助につきましては、就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律、学校給食法、さらに学校保健安全法に基づきまして、国が市町村の事業費の二分の一を補助しているところでございます。  一方、準要保護者に対する就学援助につきましては、三位一体の改革によりまして平成十七年度より国の補助金が廃止されまして、一般財源化され、その財源は税源移譲に回されたというところでございます。各市町村で単独で実施しているというのが現状でございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 ありがとうございます。  今資料もお手元にお配りしております。この資料に沿って御説明をいただいたわけですけれども、特に、この一番最後、四番目にあります準要保護者に係る支援というのが、これは平成十七年度より国の補助が廃止されて、税源移譲、地方財政措置を行われて市町村の単独事業になっているということをちょっと御理解いただきたいと思います。  そこで、資料二に、皆さんにもお配りしておりますけれども、これを見ていただくと分かりますが、就学援助を受給している数がずっと増え続けている。その中でも、ちょっと色が見にくいんですけれども、下に数字がありますのが、これが今説明あったうちの要保護です。その上に、非常に圧倒的に多い数になっているのが準要保護、二〇一二年度の実績で約百四十万人がこの受給対象となっております。これは、義務教育の就学人口の約一四%、およそ七人に一人がこの準要保護の就学援助を受けているということになります。一クラスで考えますと、今の例えば四十人学級のうちだったら何人になりますかね、三、四人はいるということですかね、クラスの中に。こういう就学援助の中でも準要保護という援助を受けている数が全体で百四十万人になるというような傾向になっております。  しかし、先ほどの御説明にありましたように、これは市町村の単独事業になっておりますので、国は要保護者に対しては二分の一の補助をしていますけれども、この準要保護に対しては基準財政需要額の中に算入されることになっております。これによって、自治体からは、就学援助にどれだけ措置されたのかが分かりにくい、税源移譲だけでは就学援助費が賄えない、準要保護の就学援助のためにどれだけ財源措置がなされたのか輪郭が見えなくなっているというような自治体からの声も上がっております。  そこで、この就学援助に対する地方財政措置がどうなっているのかということを私は決算から見てみたいと思って文科省にお伺いしたんですけれども、都道府県別の実施額というのはいただいたんですが、市町村単独事業ですので、各市町村がどれだけ決算したのか、この準要保護のために使ったのかということが見えないんですね。聞いても出てこなかったものですから、今度は総務省の方にお聞きしまして、一体どうなっているのかということでお聞きしたんですが、それも、それは文科省の事業だからということで、総務省としては基準財政需要額としてこういう算定で補正係数を掛けてというような、何かいろいろややこしい説明を聞いたんですが、よく分からないままでありました。  それで、総務省にお伺いしたいと思いますが、このように就学援助制度については輪郭が見えにくいというような声も上がっているんですが、こうした自治体の状況を踏まえて総務省からの交付税措置についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。これは国が基準を示す法制度でもなく、地方が自主的な判断の下、地方単独事業として就学援助をしているという、そういう現行のスキームだということなんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

佐藤文俊総務省自治財政局長

○政府参考人(佐藤文俊君) 就学援助につきましては、学校教育法第十九条において、市町村は必要な援助を与えなければならないというふうに定められておりますので、我々とすれば、これに要する経費については適切に地方財政措置を講ずる必要があるというふうに認識をしております。  具体的には、要保護児童生徒に対する就学援助については、二分の一の国庫補助がありますので、その裏負担が地方団体に生じます。それから、準要保護児童生徒に対する就学援助については、平成十七年度に国庫補助金が一般財源化されましたので、全額が地方負担となります。これらの負担の全部又は一部に対して地方交付税の算定を通じて財源措置を講じているということでございます。  準要保護児童生徒の就学援助の基準は地域の実情を踏まえながら各市町村が定めているところですが、これについてどういうふうに財政措置をするかということについては、毎年度、文部科学省の調査による決算額を踏まえて見直しを行っているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 要するに、文科省からこれだけ実施されておりますという額が総務省に送られて、総務省はその額を基に算定方式に合わせて支給されているということなんですけれども、現行のスキームではそういうことにならざるを得ないと思うんですが、果たしてそれが十分に各市町村に行っているのかという問題意識を持ってこれから文科省にお尋ねをしたいと思います。  資料の三番目にお示ししておりますけれども、今、文科省と総務省のここに資料を示しました。文科省によれば、二〇一二年に地方自治体によって行われた就学援助実施額の合計は一千三十二億円であります。総務省によれば、総務省の計算で支給されているのが、同じ二〇一二年度で地財措置は四百九十六億円ということになっております。つまり、実施されているのは千三十二億円だけれども、その中で地財措置がされているのは四百九十六億円。実に半分以下になっているわけですね。準要保護の就学援助、市町村別の実施額を要求しましたけれども、先ほど申し上げましたようにそれは出てきませんでした。  私は連休を利用して、市町村の実態をということで、ある自治体に行っていろいろ就学援助について伺ってまいりました。それが次のページの資料になります。  これは福岡県内のある市なんですけれども、上から三段目の表になりますが、交付税額、援助費決算額に占める割合というふうになっております。これを見てみますと、平成二十四年度のところ、マジックで印をしておりますが、二〇一二年度の援助実施額のうち交付税は一七%にすぎない。残りおよそ八三%は自治体が負担しているということになります。もちろん税源移譲されておりますけれども、それを含めて八三%は自治体負担になっている。二〇一三年度も同様になっております。  もう一つ、別の自治体、今日資料をお示ししておりませんけれども、調べたところでも、やはり交付税は二五%、七五%は自治体負担になっている。恐らく、ほかの自治体もこういう状況になっているのではないかと想像されますけれども、これは残念ながら資料がないということですね。  さらに、この自治体の教育委員会や市議会議員の方からいろいろお話をお聞きしてきました。新中学一年生が入学の際に、制服や体操服、ジャージ、レインコート、体育館シューズなど、いろいろ中学に入学するに当たって必要なんですけれども、それをそろえるとなると六万から八万ぐらい掛かる。これは福岡市から電車で三十分ぐらい行ったところの、ベッドタウンとして今人口が若干増えつつあるところなんですが、そういうところでそれぐらい掛かると。しかし、就学援助の入学一時金は、その次のページに示しておりますけれども、中学校の二十五年度就学援助費支給計画書、準要保護一年生というところを見ていただくと、入学準備金は二万二千九百円で約二万三千円程度にとどまっていると。全然満たしていないわけですね。  ですから、この自治体では、もう幾つかの中学校で申し合わせて、制服やヘルメット、体操服、ジャージなど、卒業生から譲り受けると。昔、恐らく下村大臣の頃もお下がりとかいう、私もそういう時代でしたけれども、お下がりをもらうというような形で取組を進めている、満たしていないので、制服が買えないお子さんのためにそういうことをやっているというようなお話も聞いてきました。また、洗濯を無料で引き受けていただくとか、地域住民一体となってそういった子供への支援が行われているというこの市のお話も聞いてきたんですけれども。  こういう財政が苦しい自治体で、就学のための援助を行うために様々な努力をしている自治体ということを是非知っていただきたいのと、次に、資料六に示しておりますが、これは財政力が低い自治体ほど就学援助率が高い傾向にあるという調査結果であります。  上の表といいますかグラフといいますか、これは本参議院の「経済のプリズム」、二〇〇九年、ちょっと古いんですけれども、当時の調査室にいらっしゃいました方がこういう調査をして、財政力が低い、左側の、そういうところほど就学援助率が高くなっているという傾向をこれで受け取れると思います。ですから、苦しい財政の中で認定基準を引き下げざるを得なかったり支給額を減額せざるを得なかったりという状況があるのではないかというふうに推察がされるところであります。  こうした市町村における、市町村の負担額と交付税の割合や市町村ごとの就学援助実施額及び就学援助の認定基準もそれぞれの市町村単独事業ですので市町村が決めているわけですね。この認定基準あるいは支給費目、支給額、こういったものについて文科省は定期的に調査、把握されているのでしょうか、お伺いいたします。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 文部科学省におきましては、地方単独事業でございます準要保護者に対する就学援助につきまして、全国的な実施状況の把握を目的といたしまして、毎年、前年度に対象となった児童生徒数の実績調査を行っているところでございます。また、認定基準などの就学援助制度の状況につきましては、平成二十一年度と平成二十五年度の状況を調査しております。  平成二十五年度の準要保護者に係る認定基準につきましては、児童扶養手当の支給、市町村民税の非課税、生活保護の基準額に一定の係数を掛けたもの、こういった基準を用いる市町村がそれぞれ約七割と多くなっております。また、周知方法といたしましては、毎年度進級時や入学時に学校で就学援助制度の書類を配付する方法、こういう方法を取っているところが約六割と多い状況になっております。  これまでの調査につきましては、全国的な就学援助の実施状況を把握することを目的としておりまして、地域の実情に応じて実施されております準要保護に係る就学援助の実施状況について、それを比較することを目的としているものではございませんことから、個別の市町村の状況については公表資料として取りまとめてはおりません。  なお、今までの調査結果についての全国的な実施状況につきましては、今後の市町村の取組の参考にしていただくよう各市町村に提供しているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 定期的に行われているかということ、定期的にということは毎年ということですが、それと、市町村ごとの今のような調査は行っていないという確認でよろしいですか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 各市町村の認定基準あるいは周知方法などにつきましては、これまで二十一年度と二十五年度にそれぞれ調査をいたしましたが、定期的に調査をするということになっているわけではございません。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 先ほど周知のことについても、何度かやった調査のことがお話にありましたけれども、これは、生活保護と違って、準要保護者への就学援助には全国共通の認定基準がなくて、多くが認定要件として生活保護基準所得が用いられております。今御説明にあったとおりであります。生活保護基準の一・〇から一・五倍など、自治体ごと多岐にわたっています。各県ごとの傾向が今答弁にありましたけれども、市町村ごとにこれは是非調べる必要があるのではないかというふうに思っております。  また、生活保護を受けている要保護者の場合でも、林間学校は教育扶助の対象になっておりますけれども、修学旅行費は教育扶助の対象にならずに就学援助の対象になっている。これ、なぜかと聞いてみましたら、林間学校は学校だから教育の対象で、修学旅行は旅行なので教育扶助の対象にならないという、いつ頃の話ですかというようなことがいまだに残っていて、これは生活保護の教育扶助に入らずに就学援助の方の予算を使ってしまっているというようなことも含めて、それから、受け取る側からすれば非常に複雑で分かりにくいというふうに思うんですね。  こういった制度が必要な児童生徒に届くには、保護者への周知、そのためには子供に日々接している教職員への周知、教職員自身がしっかりとこの制度を認識していなければいけない。私も元教員でしたけれども、よく分からないままに事務職員の先生から、要保護と準要保護があって、これを配っておいてくださいみたいなぐらいの認識しか、もうずっと昔ですが、ありませんでした。  そういった自分の経験から見ても、これは周知という、教職員自身が理解をするということは不可欠だと考えますが、これも二〇〇七年に実施された全国の市町村教育委員会のアンケート調査では、その次の資料になりますが、教職員に対する説明会又は研修を行っていますかということでは、行っていないという回答が六八%になっております。これは湯田先生という方の「知られざる就学援助」という資料の中から取ったんですけれども、文科省が作成された次のページの資料を見ていただいても、教職員向けの説明会はそこにありますように六・九%、七・一%と、これぐらいしか教職員への周知はなされていないということであります。  私は、このような教職員向けの説明会がどれだけ行われているかとか、どういう申請の仕方を、案内を出していますかというようなことは是非文科省の方で把握をして、把握をすることによって、ああこれが大事なんだなということが分かってもらえると思うんですけれども、こういう周知の方法とか、こういうことについて定期的に市町村ごとに調べるということについて、文科省としてはどのようにお考えでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 平成二十四年度就学援助実施状況等調査の結果によりますと、就学援助制度の周知方法につきましては、進級時や入学時に学校で書類を配付しているという市町村が約七五%、申請書の配付については学校で申請書を配付しているという市町村が約八〇%でございました。これらの市町村においては、教職員の一定の関与の下で就学援助制度に関する手続が行われているものと考えております。  一方で、教職員向けの説明会を実施している市町村の割合は平成二十五年度においては七%であるとの調査結果も出ておりまして、教職員が必ずしも十分に制度の趣旨や手続について理解しているとは言えない状況であるというふうに認識しております。  文部科学省といたしましては、従来も援助の必要な児童生徒の保護者に対しまして漏れなく就学援助が実施されるように都道府県を通じて市町村に対し促してきたところでございますが、今後も、会議や通知等を通じまして、教職員に対して就学援助制度の趣旨や手続についてしっかりと理解していただくことも含めまして、就学援助制度の周知方法の更なる充実を促してまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 ここで文科大臣にお伺いしたいんですけれども、今幾つか、例えば市町村のどれだけ実施しているか、毎年その中に交付税がどのぐらい比率であるのかとか、それから大事なのは認定基準だと思うんですね、認定基準がどのようになっているのか。それから、今のように教職員だけではなくて、保護者への周知にどのような努力がされているのかというようなことについて、私は、やっぱり文科省としてしっかりと調査をし、そのことを各自治体にもきちっと結果を返してあげることによって、市町村は、ああこういう工夫をすればいいというようなことも分かると思いますし、非常に重要なことだと思うんですね。  私が聞いてきたところでは、例えば市の広報で、こういうふうにしてお知らせということで、就学援助申請のお知らせというのが知らせられている。これは結構多いんですけれども、これでは目に留まらないということで市議会で問題にして、努力をして、市の広報でこれだけ大きく取るようにしたということとか、様々な工夫がされているんですけれども、この実施状況というものを是非文科省として把握していただきたい。そして、したことをデータとして、例えば文科省のホームページや各都道府県、市町村に届けるというようなことをやっていただきたいと思うんですけれども、大臣の見解をお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、神本委員が御自分で実地調査された今日はそのデータで質問していただいていることに対して評価をといいますか、大変に独自にされていることに対して感謝と、そしてそれをしっかり受け止めなければならないというふうに思います。  今までも就学援助制度の実施状況について、従来は全国的な状況の把握を目的として調査を行い、就学援助の対象となる児童生徒数については、毎年、準要保護の認定基準等について、これまで平成二十一年度と二十五年度の状況について調査して、全国的な状況を公表してきたところでございますが、御指摘がありましたが、今回、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、国及び地方公共団体は貧困対策を実施する責務を有することとされたことも踏まえ、今後は、各市町村の就学援助の実施状況を定期的に把握、そして御指摘のように公表しまして、子供の貧困対策について役立ててまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 下村大臣、ありがとうございました。  私は、今日の質問は、そういう御答弁を是非いただきたいと思いました。やはり、これは市町村単独事業とはいえ、文科省としては、国の責務として、学校教育法は、その前に、教育基本法の教育の機会均等というものを受けておりますし、この教育基本法は、憲法の子供が教育を受ける権利を保障しなければいけない。それに対しては国の責務があるわけですので、この就学援助という、まさに経済的な理由で就学が困難になっている子供に対して機会均等に学ぶ権利が保障されるためには、国の責務として非常に重要なこの準要保護の就学援助制度だと思いますので、文科省として前向きに、定期的に調査をし、そのことを公表していくという御答弁いただいて、今日はもうこれでよかったかなという気もしますが、まだまだ問題がありますので、引き続き質問させていただきたいと思います。  二〇一〇年から要保護児童生徒の援助、補助金の補助費目にクラブ活動費や生徒会費、PTA会費が追加されております。しかし、文科省の調査によると、これは、準要保護に対するこれらの費目の措置は、二〇一三年度においては自治体の二割程度にとどまっているというふうになっております。  いわゆる要保護に対しては追加費目になったけれども、それに準ずる準要保護に対しては二割程度にとどまっている。この原因はどこにあるとお考えですか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 準要保護者に対する就学援助につきましては、地方単独事業でございますので、認定基準に限らず支給費目につきましても各市町村が独自に定めているわけでございます。  一方で、各市町村は準要保護者に対しどのような費目を支給対象にするかの判断に際しまして、要保護者に対する国の補助金の対象費目を参考にして定めているという市町村が多いところでございます。  御指摘のございましたクラブ活動費、PTA会費、生徒会費の三つの支給費目につきましては、平成二十二年度から国の補助金の対象費目となったというものでございまして、これを踏まえまして市町村で検討した結果、これまでに二割の市町村で準要保護者に対する支給費目とするという措置がとられてきているものと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 クラブ活動費というのは、例えば野球部などですと、ほかのものですと共有できる道具なんかもあるんですけれども、例えばユニホームとかシューズとか、そういうものは置いておいてそれを共有して使うというわけにいかないので、そのユニホームやスパイクやグローブなど道具が買えないという理由でクラブ活動を、野球部に入れないというような声も数多く現場からは来ておりますので、準要保護の子供たちが、こういったクラブ活動費とかPTA会費、生徒会費、これも要保護と同じように受けられるように、補助費目に入るようにということを是非手だてを講じていただきたいと思います。  それから、次に参りますけれども、生活保護の基準引下げによって就学援助の支給水準が下がることがないようにということで、これは衆議院の厚労委員会などでも田村厚労大臣はいろいろ御答弁なさっておりますが、少しちょっと飛ばしまして資料の十一なんですけれども、これは、昨年の五月、九月、今年の四月と三度にわたって丁寧に厚労省の事務次官通知が出されております。その中の資料として添付されていたものですけれども、閣僚懇資料として出されております。  この中の二番に、生活扶助基準の見直しに直接影響を受け得る国の制度ということで書かれておりますが、生活扶助基準の見直しがほかの制度に影響しないように、できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的考え方とするというふうに出されております。  その中に、就学援助、保育料の免除、児童養護施設等の運営費等というふうに書かれておりますが、三番目に特出しで、地方単独事業で、今話題にしております準要保護に対する就学援助ということで、これ田村厚労大臣にお聞きしたいんですけれども、国の取組を説明の上、だから、その上のことですよね、その趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう依頼というふうに書かれておりますけれども、これはどういう意味なんでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 委員がおっしゃられましたとおり、生活扶助の見直し、これに関わって他の制度にできる限り影響を及ぼさないようにということで、昨年の二月でありますけれども、対応方針というものを各閣僚、これ閣僚全員でありますけれども、申し合わせたわけであります。  この申合せに沿って、地方単独事業の場合は、昨年の五月、九月、そして今年の四月ということで、各自治体に事務次官通知というような形でその趣旨というものをしっかりとお伝えをさせていただいて、対応していただくようにお願いをさせていただいたわけであります。  地方単独事業でありますからもちろん強制はできないわけでありますけれども、我々の考え方というものを御理解をいただいて適切に対応をいただきたいということで依頼をさせていただいたわけであります。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 地方単独事業だから強制はできないという、そのことによって、生活扶助、生活保護基準が引き下げられた、それに連動して、先ほどから話題にしているこの準要保護の認定基準も引き下げられたというようなことがこの四月にも報道で幾つか出ておりましたけれども、それがまさに影響だと私は思うんですね。生活保護基準の引下げの影響が出ている。これに対して、これは地方の取組だからそれは強制できない、じゃ、どういう影響が及ばない取組ができるんでしょうか。再度お願いします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 地方単独事業でございますので、それぞれ、準要保護といいますか、そのような形の方々、つまり就学援助の対象者になられる方々、基準が違うわけですよね。ですから、それは全国一律ではないわけでございまして、そこに向かって国がこうしなさいというのは、当然これは地方単独事業ではできないということでございますので、我々としてはしっかりとこの趣旨というものをお伝えをさせていただいてお願いをさせていただいたということでございます。  ちなみに、これによって余分に財源が増えるといいますか、使うお金が増えるというわけではないわけでありまして、今までと同じ基準であれば今までと同じような形になります。もちろん、下げればその分財源が浮くじゃないかと言われることはあるかも分かりませんが、しかし、それは地方がやはり適切に地域住民の方々のお気持ちというものをそんたくをされてお決めになられると。  併せて申し上げれば、これだけじゃなくて、子供のいろんな貧困対策というものも含めて地方は総合的にやっておられるわけでございまして、そのバランスを考えながら我々の趣旨を御理解をいただいて対応いただけるものと、このようにお願いをさせていただいたわけであります。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 まさに今、厚労大臣、これは全国一律ではないと、準要保護の基準はですね、それから、財源のやっぱり限界があるというようなこと、まさにこの準要保護の今抱えている最大の課題だと思うんです。地方単独事業ですから、そこに財政力で格差が出てきていると。  これは、文科省としては格差が出ることはとても看過できない、所管省庁として、そういうことだと思いますが、先ほど少し紹介しました、今日、麻生大臣もいらしておりますけれども、ちょうど麻生大臣のときの教育再生懇の審議のまとめでは、「「教育安心社会」の実現」ということで「「人生前半の社会保障」の充実を」と題して、小中学校の児童生徒に対する就学援助を充実し、自治体の財政力によって差が生じないよう、財政措置等の在り方を含め、就学援助の新たな仕組みを検討するというふうに明記されております。  私は、これは非常に重要なことで、先ほどから貧困対策推進法のことも申し上げてまいりましたけれども、この貧困対策推進法が求めている教育の支援ということの具体化としても、私は、この準要保護の就学援助を全国共通の例えば基準を設ける、そしてそれに必要な財源を確保するというようなことを考える時期ではないかなというふうに今思っているんですけれども、それについて、これまで麻生大臣そこでお聞きいただいておりますので、総理のときの安心社会の提言でもございますし、麻生大臣と下村大臣と厚労大臣にお伺いをしたいと思います。それから、貧困対策の担当でもあります森大臣、通告しておりませんけれども、今検討会議が行われておりますよね。その検討の概要も踏まえて、それぞれ見解をお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 質問の予定にはありませんけれども、厚労、文科で基本的にやっておられるんだと思いますんで、厚労省、文科省に詳しく御説明を求められるのが、今、現状をちょっと詳しく把握しておりませんので。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省としては、御指摘の点はもっとものことというふうに思います。特に、義務教育における機会均等を図る観点から、適切に就学援助が実施される必要があるというふうに思います。  平成二十四年度就学援助実施状況等調査の結果を見ますと、就学援助制度の周知方法について一定の充実が図れているなど、各市町村において適切な就学援助が実施されているものと考えておりますが、今の御指摘のように、これは費用負担の面から、三位一体改革における国と地方の役割分担及び国庫補助金の在り方等の観点、検討した結果現在のような状況になったわけでございまして、これを改善するためには、御指摘のように、昨年、子ども貧困対策推進法ができたわけでありまして、これを受けて、今後政府として子どもの貧困対策に関する大綱を作ることになっておりますが、この中で、引き続き、義務教育機会の均等が図られるよう、児童生徒の教育支援の充実について検討していくことによって、これは、新たな議員立法等によって、基本的に地方の格差が起きないような形での対応を考えていく必要が今出てきているのではないかと私どもとしては考えているところでございます。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 就学援助に限らず、地方単独事業という形でそれぞれの自治体がそれぞれの特色を持った事業をされておられるわけであります。  全国的に基準を仮に作ると、より良くなればいいですけれども、それから漏れるところ、つまり、より良くしているところは漏れるところも出てくるわけですよね。それをどう考えるんだということは重要なポイントだと思いますし、全国一律基準を作ったとしても、更にそれに上乗せするところは出てくるわけでありまして、そこはなかなか制度として、今言われた準要保護児者といいますか、そういう御家庭のお子さんに対して国がまた例えば何らかの財源措置をして対応するんだということがあれば、それは国はここまで、その上に上乗せして地方は単独でこうだというのはあるんだと思いますが、そもそも地方単独事業の基準みたいなものは国として作れないわけでありますが、仮に作ったとしても、それからやはりまた上乗せをされたりするところは、それぞれの自治体の議会、首長さんのお考えの中においてされることであると思いますので、一律にこの基準というのはなかなか難しいのかなと。  委員が言われている意味は分かっておりまして、国として、じゃ、財源も含めてどうなんだというのは一つの考え方であろうと思いますが、これは厚生労働省の担当ではございませんので、その担当部署においていろいろとお考えになられることになろうというふうに思います。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 検討会議では、今まさに大綱の策定に向けて検討中でございまして、生まれ育った家庭の環境によって子供の人生が左右されることがないように、子供の貧困対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 四大臣、お答えいただいたんですけれども、これを全国共通の認定基準にすると下がるところもあるというふうにおっしゃいましたけれども、これ、共通の認定基準を作るとなると、現行法のままではちょっと限界があるところがあると思うんですね。例えば、学校教育法の第十九条を変えなければいけないとか、事業主体がここでは市町村になっておりますので、それを改正しなければいけない。あるいは、就学援助に対する国の援助に関する、いわゆる就学援助法ですね、それもちょっと法律を変えなければいけないという法整備の問題が出てくると思いますので、そういったことは、田村厚労大臣の御意見も踏まえつつ、今の基準から下がらないように、しかし財政力の弱いところにもちゃんと行き届くように、しかも、今の準要保護の受給者というのは必ずしも満たしていないんですね。財政力によって費目の額が抑えられたり費目が制限されたりというようなこともありますので、そこにきちっと行き渡るようにするために、これはもう財政措置が何としても必要だと思いますので、私は、文科省が定期的にきちっと今の実施状況を見て、市町村の意見も聞いて、是非、そういう法的整備も含めて、この準要保護の充実こそ今の子どもの貧困対策の大綱の中で設けるべき非常に重要な取組になるのではないかというふうに思っております。  実際にこの支給が必要なところに行っていないために、例えば修学旅行に行けないとか、卒業アルバムのお金が出せないから卒業アルバムがもらえない、写真に写れないというような、もう具体的な話を言い出すと切りがないぐらい学校現場でこの貧困の問題が影を落としているということを是非認識をして取組を進めていただきたいなというふうに思いますが、文科大臣、もう一回、この件について。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私は、神本委員の言われていることはおっしゃるとおりだというふうに思います。  準要保護の家庭の子供に対しての今お話をされているわけでありますし、これは子どもの貧困対策法ができたわけでありますから、地方における格差は、上乗せについては、これはそれぞれの自治体の努力ということで逆に評価すべきことだと思いますが、御指摘のように、最低基準的な部分については、やはり何らかの形で国が地方公共団体に対して指導するとか、あるいは財政的な部分についても、今後検討することによって、経済的な格差によってチャンス、可能性がなくなってしまうようなことがあってはならないというふうに思いますし、そういう姿勢で文部科学省としては是非取り組んでまいりたいと思いますし、この子どもの貧困対策に関する大綱については、これは文科省だけではなく、ほかの関係省庁との連携の中のことでありますが、その辺はしっかりと主張してまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 ありがとうございます。必要であれば、議員立法としてもまた後押しをするようなことを考えたいと思いますので、是非取組をお願いをしたいと思います。  あと、残り少なくなりましたが、次にインクルーシブ教育についてお伺いをしたいと思います。  このインクルーシブ教育の就学指導の手引について、これも今年の三月の内閣委員会において、昨年九月に学校教育法施行令が改正されてインクルーシブ教育の構築に向けて動き出したわけですけれども、今、まさに今年の四月入学する子供さんの就学指導がどのように行われているのか、どのような手引によって行われているか、施行令改正がそこにどのように反映されているかということを文科省は把握されているのかという質問をいたしましたけれども、そのときには、やっていないということでございました。  そこで、これも大急ぎだったんですが、私自身が都道府県教委と政令市の教育委員会に対して照会作業を行いました。その結果がその次のページの資料に、資料十三ですけれども、結果をまとめております。教育委員会に照会したんですけれども、その中で、六十七のうちの五十の教育委員会から回答をいただきました。本当に短期間でありましたけれども、多忙な中に教育委員会は答えていただいたことにこの場で感謝もしつつ、質問をしたいと思います。  その結果を見ていただくと分かりますように、就学指導の手引を改訂済みというところが十六、作業中が十七、以前から取り組んでいるため改訂の必要がない、手引を作成していない、改訂時期について何も言及していないというような状況になっておりますが、今年度中に作業を終えるところは三四%になっておりますけれども、この状況について、文科大臣、どのようにお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 昨年八月、学校教育法施行令の一部を改正し、障害のある児童生徒の就学について、特別支援学校への就学を原則とし、例外的に小中学校への就学も可能としていた従来の仕組みを改め、新たに個々の障害の状況等を踏まえ、総合的な観点から就学先を決定する仕組みというふうにしたわけでございます。今年の四月に小中学校や特別支援学校に入学した児童生徒は、新たな制度が適用された最初の子供たちということになります。  改正の趣旨については、各自治体に対する通知や行政説明会により周知をするとともに、詳細な解説資料であります教育支援資料を全ての都道府県、市町村教育委員会に配付し、その周知徹底を図っているところでございます。文科省としては、この教育支援資料等を活用して、今般の就学相談等においては、手引書自体は改訂していないが、自治体においても新制度の理念等を踏まえた対応がなされているものと考えてはおります。  文科省としては、引き続き、新制度の理念が正確に各自治体に共有され、その趣旨を踏まえた教育相談等が実施されるよう、これからも必要な指導、支援を行ってまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 各教育委員会の手引を見てみますと、次のような表現で説明している手引が六か所あります。インクルーシブ教育システム構築のためには、可能な限り障害のある子供とない子供が共に教育を受けられるよう配慮することが大切になります。その場合にはそれぞれの、これ皆さんのお手元には、資料の最後、十四番としてお配りしております、文科省が作成されている教育支援資料でありますけれども、印をしているところを御覧いただきたいと思います。  都道府県教委あるいは政令市で六か所同じような表現をしているところがあったんですけれども、その場合にはそれぞれの子供が、授業内容が分かり、学習活動に参加している実感や達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうかが最も本質的な視点となりますというふうに表現されているんですね。  全くこの教育支援資料と同じようになっているんですけれども、この資料で印をしているところの記述について文科大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この後半部分の、子供が授業内容が分かり、学習活動に参加している実感や達成感を持つ、このことは、それができるような環境整備をして、そういう教育内容を工夫する、そういう責務は誰にあるのか。これは、私は、教育委員会や学校が、子供が授業内容が分かって、達成感や充実感を持って学ぶことができるという環境整備をする責任が教育委員会や学校にあるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の、授業内容が分かるの意味するところは、この当該児童生徒に対して提供される教育の内容が、当該児童生徒にとってその将来的な成長へと着実につながっていくようなものとなっている必要があるということを端的に表現しようとしたものでございます。  その上で、障害のある児童生徒に対して十分な教育を提供するために必要となる環境整備の程度は、個々の障害の状況等により大きく異なるものでありまして、この点については十分に留意する必要があると考えております。  なお、この点に関しては、平成二十四年度の中教審初等中等教育分科会報告におきましても、個々の子供の障害の状況や教育的ニーズ、学校や地域の実情等を十分に考慮することなく、全ての子供に対して同じ場での教育を行おうとすることは、同じ場で学ぶという意味では平等であるが、実際に学習活動に参加できていなければ、子供には健全な発達や適切な教育のための機会を平等に与えることにはならず、そのことが、将来、その子供が社会参加することを難しくする可能性があるとの指摘がなされているところでございます。  ただ、委員が今御指摘のあったように、やはりこの授業内容が分かるという意味での前提条件としての環境整備等、これは教育委員会や学校が更に努力するということが前提の中でのことでもあるというふうに思いますし、文部科学省としては、引き続き障害のある児童生徒の教育環境の充実にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 時間が参りました。  森大臣、せっかくおいでいただいておりますので、一言だけ、子ども・子育て関連に関して、消費税が上がれば一兆円超えということが少子化対策会議の中でも言われているんですけれども、それが七千億しか今確保できていないということについて、これは何としても確保するという御決意を一言だけお願いします。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 一昨年の民主党、自民党、公明党の三党合意、それから参議院の附帯決議にもございます、子ども・子育て支援の充実は未来への投資でありますので、一兆円超程度の必要な財源確保に引き続き最大限努力してまいります。

神本美恵子民主党・新緑風会

○神本美恵子君 終わります。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐藤正久君が委員を辞任され、その補欠として舞立昇治君が選任されました。     ─────────────

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。  今日、初めて決算委員会での質問の場を与えていただきまして、心から感謝をすると同時に、いつもはなかなかお目に掛かっても質問する機会がございませんでしたので、今日の私の三十七分間は麻生財務大臣だけにお尋ねをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。と同時に、たくさんの質問通告をいたしましたが、どんなに早口で話しても全部というわけにいかないと思いますので、途中割愛することがあるかもしれないということをまずお許しいただきたいと思います。  まず最初に、御縁がありまして同じ地元となりました麻生大臣にお尋ねいたしますが、平成二十一年、所得税法の一部改正法、特にこの附則の第百四条についてお尋ねをいたしたいと思いますが、二〇一三年の十月十五日の日経新聞の記事、ここに、当時の麻生総理大臣と与謝野経済財政担当大臣との話の中で、閣議決定では駄目だと、税制改革中期プログラム法案で後の政権を縛らなければならないと、この場面は二〇〇九年の初頭に遡って、当時の首相麻生太郎と経済財政相の与謝野薫はこのように税制改革の推進を確認し合ったと、そう掲載されています。  現在も二回の政権交代を挟みながら着々と進んでいる社会保障と税の一体改革のスタートは、まさにこの六年前の麻生総理大臣の頃だったのかということが一点でありますが、私としては閣議決定というものは非常に重いものと認識しておりましたので、後の政権を、それだけでは無理だと、もっと縛ることを何とかしていかなければならないと判断された本意を是非最初にお聞かせいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 何新聞だか知りませんけど、新聞に書いた話は大体信用されぬ方がいいと、自分で記事になるたびにそう思いますので、人の記事も多分そうだと思ってほとんど信用して読まぬので、今の話がどの程度だったかちょっと正式には記憶はないんですが。  あのときに私が一番記憶があるのが、リーマン・ショックというものが大きく出ましたものですから、西村先生、あのときは、短期の改革は大胆にやる、そして中期は極めて責任を持ってやらねばならぬということを申し上げたんだと思うんですが、そうした中で、政府・与党において議論をいただいたのが、平成二十一年度の与党税制改正大綱というのが出てくるんですが、その中で、読み直してみますと、改革の道筋を立法上明らかにすることなどをもって、我々が直面する経済金融面の危機のみならず、社会保障の安定財源確保、格差の是正や経済の成長力の強化という中期的な課題にも応えた財政を構築するという責任を担う姿勢を示していかねばならぬという考え方が共有をされたんだと、あのときはそう思っておりました。    〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕  これを受けて、所得税法の附則百四条という形で、段階的に消費税を含む税制改正というか、抜本改正を行うためのルール、スケジュールというものが道を定められたと認識をしております。この附則第百四条に沿った立法というのは、そのスケジュールにつきましては、政権の交代があるなしに関係なく、これは時の政権が最終的にはそれをやるかやらないかは定められたとしても、それを最終的に判断するのはその担当するときの政権の判断になろうと思いますが、ただ、そういう政権の判断であろうとも、附則第百四条を改正するという義務が必要になるんだと思っております。  したがって、国会の中において、閣議決定と違って法律ということになりますと、一応国会の中においてきちっとしたやり取りというものをやっていかねばならぬので、立法府と行政府がそれぞれ責任を分担し合うということになろうと思いますので、責任を分かち合うという意味で、私どもとしてはそういったものをきちんと求めないと、この種の話は非常に危機的な状況と思っておりましたので、そういった対応をさせていただいたと記憶をいたします。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。  私も、新聞の報道が必ずしも正しいというわけではないことはつい最近の我々業界に対する新聞報道でもよく理解しておりますので、大臣の今の御答弁が本心、本音であったんだろうと、そう推測をさせていただきます。  続きまして、附則の百四条についてなんですが、この進捗状況について、これは財務省にお尋ねしたいんですが、この記事は、当初は消費税増税は素通りしていた民主党政権、後から首相になった菅直人や野田佳彦が路線転換の大義名分に使ったのがこの附則百四条というプログラム法だった、野田は一二年三月末までに増税関連法案を国会に出さないと法律違反になるという論法で、大荒れの党内世論を押し切って成立へ突っ走ったという経緯が載っているんです。  私もその場にいた人間の一人としては本当に思い出されるなと思うんですが、この百四条では、不断の行政改革推進とか歳出の無駄排除の徹底とかがあり、三項には、一号から八号にわたりまして、並びで、例えば個人所得課税や法人課税、税制のグリーン化とか、税の種類ごとに書いてあるんですが、今現在の、この四月からは消費税が八%、三%増税されましたので、それ以外のところにおいての現時点での進捗状況をお尋ねをしたいと思います。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  先生、本日財務大臣のみということだったんですが、個別具体的な話もございますので、私からお答えをさせていただきたいと存じます。  附則百四条に示された検討課題については、平成二十二年度以降の年度改正法や税制抜本改革法により措置を講じてきたところであります。  具体的に申し上げますと、例えば個人所得課税については、平成二十四年度及び平成二十六年度改正において給与所得控除の見直し、平成二十五年度改正において最高税率の引上げ等の措置を講じてきたところでございます。そのほかにも、平成二十二年度改正において年少扶養控除の廃止、特定扶養控除縮減、二十三年度改正においては金融・証券税制に係る税率の二〇%本則税率化の実施及びNISAを創設するなどを行っております。  また、法人課税については、平成二十三年度改正において欠損金の繰越控除制度の見直し等の課税ベースの拡大を行いつつ、法人実効税率五%の引下げを行ったところであります。なお、現在でありますが、政府税制調査会において更なる法人税改革の議論を行っているところであります。  そのほかにも、自動車関係諸税、資産課税等、附則百四条三項に規定された各項目について累次所要の措置を講じてきたところであります。  まだ個別具体的にありますけれども、ちょっと長くなるのでこれぐらいでよろしければお答えとさせていただきます。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございました。  今、様々、もう本当に私も調べると、細かいことを聞くと、とてもとても時間が足りないということで、大変貴重なところだけ教えていただいたと思っています。  この第一項に書いてある中に、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うためには、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとするとありますが、やっぱりどうしてもそれぞれ税というものに対して国民は非常に敏感だと思います。ですから、その進捗状況というものは、そのときそのときの状況、もちろん、先ほど大臣おっしゃいましたが、スケジュールとか計画にのっとってやっていかなきゃいけないところであることは十分承知はいたしますが、大変敏感なところであるし、生活に割と直結するところの大きな部分も占めますので、是非とも慎重に、なるべく格差がないように進めていただきたいと思います。  それで、ちょっと問い三は飛ばしまして、プログラム法案についてお尋ねしたいんですが、先ほど来の新聞記事についてはもう省きますが、まず、麻生総理時代に平成二十一年の所得税法等の一部を改正する法律案。そして、民自公三党合意によって、自民党の強い要求でございました社会保障制度改革推進法とその第四条規定に基づく法制上の措置の骨子について。そして、三番目としては、昨年の秋の臨時国会で強行された持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律。そして四番目、今衆議院では大変短い審議時間の中で強行採決をされました十九本もの大きな法律が一束になって、いまだ参議院では審議されておりませんが、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案。そしてさらには、これから出てくるであろう、来年の通常国会で法案提出が予想されているという国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律などの医療保険の関連各法の改正と、来年以降も続くわけですが。  このプログラム法、六年前の誕生から、麻生大臣が総理のときからずっと進められているんですが、私は、先ほども申し上げましたように、プログラム、計画を実行していかなければならないことは十分認識しますが、やはり余りにも急ぐとなかなか国民の理解を得られないままにどんどんどんどん進んでしまうと思うんです。  その辺につきまして、麻生大臣、このプログラム法というものに対してどういう御見解をお持ちか、お聞かせください。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、西村先生、大事なところだと思いますが、まず、プログラム法というのは厳密な定義というものがあるわけではないので、例えば今言われた附則第百四条のように、将来行うべき立法とかそのスケジュール等々につきまして定める法律を全体的に指している程度の話だとまずちょっとそう思っていただいた上で、いわゆるプログラム法に書かれた施策を実際に移すかどうかというのは、先ほど申し上げたように、そのときの政権の判断ということになるんですが、ただ、先ほど申し上げましたように、それを変更しようと思った場合は、仮にも国会で法律を通しておりますと、一定の議論を尽くして改正をするということになりますので、政策課題を進めるための手法としては、私は、中期的に取り組むためには一定の枠組みが決められますので、一定の意義があると思っております。  ただ、今、百四条についていえば、法制上の措置を講ずるということが法律上明記されておりましたので、政権交代がありました後、民主党政権においてもこの法律を変えない限りその義務を負うことになるんじゃないかという話になって、これが一つの契機になって平成二十四年度の通常国会で社会保障と税の一体改革というものが提出されて、自公民の三者の三党協議を経て法律として成立をしたと思っておりますので、プログラム法としてはそういった効果があった、大きなものの一つの、意義があったものの一つの例としてはそういうものが考えられると思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 ありがとうございました。    〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕  どうしても私、専門が医療、大臣御承知かどうか、私も歯科医師でございますから、医療とか国民の、偏ったところでプログラム法というものを捉えがちだったんですが、電事法なんかもこれやはりプログラム法だと思っています。ですから、様々なところで是非中期目標を立ててそれに向かってやっていく、そしてその中で、その時々の状況は時の政権がしっかり判断するという中で、議論はやはりどういう立場でもしっかりしていかなきゃいけないということで、何か今後あったときにはそのときそのときの対応を大臣には是非今の思いと同時にお願いをしたいと思います。  次に、社会保障の抑制路線についてお尋ねします。  先ほど申しました、私は歯科の開業医であります。医療の関係者の一人として今回の診療報酬改定、非常に圧倒的な財務省主導で行われたような気がしてなりませんし、例えば今回の予算編成に当たっても、平成二十五年の十一月二十九日に答申された財政審の中でも、平成二十六年度の予算編成等に関する建議でも社会保障補論をわざわざ起こして、医療費の自然増、本体と薬価のそれぞれの診療報酬改定についての合理化とか、例えば効率化とかいうことを十ページにわたって論評されているんです。例えば、この財政審六十八ページに書いておるのは、「医療経済実態調査の結果が公表され、医療機関等の経営状況は、全体的には「増収・増益」であり、給与も含め改善傾向にあることが明らかになった。」と書いてあるんです。  私は、実際に携わっている者として、必ずしもそうなのかなと。ただし、この実態調査というのは間違いないことでしょうし、そういったところも平均して全体的に見ればあるんだということは十分に理解します。  しかし、どうしても心配でならないのが、後でもちょっと触れますが、小泉総理時代の診療報酬の本体のマイナスの一・三六%、薬価等の改定で更にマイナス一・八、合計でマイナス三・一六%と、過去最大のマイナス改定を行った二〇〇六年の診療報酬改定を含む一連の医療費抑制の集大成が、二〇〇六年医療制度改革の影響でいわゆる地域医療の崩壊につながったというふうに私は思っています。  その後、様々な、政権交代やいろんなことがありました。二回の、前回と前々回、そしてその前の福田内閣のときの診療報酬改定では、僅かでも、大変状況が厳しい中でもプラス改定を行っています。その過去のマイナス分がまだ全体的に取り戻せていないんですが、三回にわたってちょっとずつプラス改定にしていったところで、どん底から比べれば若干の増収とか増益があるんだというようなのが今回の実態調査の結果なんだと思っているんです。例えば、私たちで言わせてもらうと、介護士とか歯科衛生士とかコメディカルスタッフは非常に不足していて、特に競争力の激しい都心とまた地方とはいろいろな問題でいろんな意味で差があります。  今回、四月から消費税の三%引上げとデフレ脱却の政府目標から、賃金の引上げということ、これは総理も各方面でおっしゃっていました。ですから、私は、この今回の診療報酬改定は、消費税が三%上がる分、これは医療機関にとって損税と言われている仕入れですとか、例えば技工代とか、様々なところで損税となっている部分の補填をきちっとしてもらうということ、これは診療報酬の中でやりますと言っていたわけですから、きちっとその分は基本診療料と言われている初診とか再診でやってほしいと。それからもう一点は、総理が各方面で言っている賃金を上げるということを、我々も、診療室に勤務している、病院に勤務している人たちに対してやるためには、きちっとそこで手当てをしてもらわなきゃいけないということ。もう一方で、二年ごとの改定で、今までどん底からやっと上がってきたんだから、今だからこそマイナスにしないで、続けて地域医療の崩壊につながらないようにしていくことが必要だという、その三点でお願いをしたんです。  ところが、なかなか現状そうはいかない、大変厳しい中で今回の診療報酬改定がありました。  私は、自分が開業をしている東京中野区、そして大臣の地元であり私の地元にもなりました飯塚市の歯科医療機関にちょっと尋ねてみました。独自の調査ですから、これが全てというわけではありませんが、ちょっと大臣の頭の中に是非入れておいていただきたいのは、この四月から定期昇給を除く賃金アップを行うことができたかできないかということをお尋ねしました。私のクリニックがある中野区では、四二%は何とかやりくりでアップしたが、非常に厳しいと。五八%はできていないと。これは、先ほど申しました都心部では、求人、人手が足りないので、賃金をアップして確保するということもあるということが後ろにあると思います。それから、飯塚では賃金アップできたのは何と一八%で、八二%の診療所ではやはりできていないと。これが今の開業医である診療所の実態なんだと思います。  何とかこの辺のところを御理解いただきまして、大臣におかれましては、自然増を含めた増加というもの、これは一義的には診療報酬のコストというものはいろいろなもので言われています。例えば、診療報酬が上がれば、医療機関の収入は増加しても必ずしも患者である国民のメリットにはならないとか、むしろ医療費が増加することによって現役世代の税の負担とか将来世代への負担のツケ回しを増加させるんじゃないかと、いろいろなことをやっぱり心配されていらっしゃるわけです。これは、私たち医療に携わる者だけではなくて、多くの国民が、病気になったとき、それから介護が必要になったとき、どこに視点を持ってしっかりやっていかなきゃいけないかということが大きな問題だと思っています。  それで、先ほど言いましたように、今回の診療報酬改定というものが、小泉政権のときの社会保障の抑制路線がもう一度再燃するのではないかと。あのときは、平成十八年七月の閣議決定の骨太の方針二〇〇六で、五年間で一・一兆円ずつ、年間二千二百億円ずつカットするということを行いました。その結果が、先ほど来申し上げているような医療の崩壊ということ、特にこれは全国的に、都心とか地方とか関係なく、産科とか小児科、救急医療では医療機関も足りない、医師も足りない、そして全国の小さな診療室は閉院せざるを得ないということで、一番身近なところで医療にかかることができないということを招いたのだと思っています。  是非、当時から総務大臣や外務大臣として支えていらっしゃいました麻生大臣としては、今回の診療報酬改定等、含めていただいてももちろん結構なんですが、社会保障政策というものをどのように評価されて、今後はどのようにしていかなければいけないという御見解がもしありましたら教えていただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 社会保障制度というのは、これは先生よく御存じなんだと思いますが、これは皆保険だという話をよく胸高らかに言っておられる厚生省の方もおられますが、現実問題、保険は今回で半分ですよね、五割は税金でやるんですから。保険保険って、皆保険って、どこが皆保険だ、半分じゃないかと言われて反論したお役人はいらっしゃいませんから、自分たちで分かっておられるんだと思うんです。  私どもは、この保険を悪いなんて言っているんじゃなくて、皆保険という世界に冠たる保険制度であることは、私もあちこちに住んでおりましたので、ちょっと虫歯治しただけで五十万も取られるアメリカへなんかに行かされたらとてもじゃないなんという感じしますので、そういった意味では、私どもはそういったところは誇らにゃいかぬところだとは思っておりますけれども、いずれにしても、保険料だけで給付を賄い切れないという状況にあることは間違いないと思っておりますし、加えて、年間の社会保障関係等がもうどんどん毎年一兆円ずつ伸びていくという状況にもありますので、これを全て税金で賄っているんじゃなくて、特例公債という名の借金で賄っているという部分が平成二十六年度で四三%ぐらいになっていると思います。  したがいまして、今後ともこの社会保障制度というものを持続可能なものにし続けていくというためには、これはどう考えても、これは給付を抑えるということと同時に、いわゆる取組方として、それだけで抑えられるかといえば、これはなかなか難しいのであって、小泉内閣のときには毎年二千二百億円というものを削減するという手法を取って、これは財政悪化を抑制するという意味では一定の成果があったとは思いますよ。しかし、何といっても、初めに数字ありきじゃないかと、一兆一千億だ何だという話になったので。  ちょっとそういった面で、給付はもちろん抑制は大事なんですけれども、その公的給付の範囲を見直すということも必要なんじゃないかとか、それから、医療、介護のサービスというものの医療体制という中で、例えばジェネリックを使うとか、そういった意味のものの使用を促進していって下げるとか、また診療報酬とか介護報酬を抑制すること、いろんな方法があるんだと思いますけれども、具体的に一つずつ積み上げていかなきゃいかぬと思っておりますが。  同時に、今度は負担する側の方につきましては、これは今、生産現役という言葉が最近よく使われるようになりまして、健康な方で、私、七十三だか四だかになりますけれども、長期に入院したこと一回もありませんので、そういった意味では、俺が納めている税金でぐうたらな生活をしている人の医療費を全部俺が賄っているのは公平じゃないんじゃないかという気が正直しないわけじゃありませんよ、毎朝歩いてやらされたりしている方にしてみれば。しかし、体が元々弱かった方なんという方も、いろいろ人それぞれなんで、やっぱりこういったのは千差万別なんだとは思いますけれども。  今後、やっぱり予防とか介護とかいうものを考えないと、福岡県だったら、御存じかと思いますが、長野県と福岡県では高齢者医療の一人頭に掛かる経費が倍違う、長野県の方が半分。知事が有能とか有能じゃないとか関係なく、これはないんだということはもうはっきりしているんだと僕はいつも前から言い続けてきたんですけれども、いろいろ理由を挙げれば、それだけでまた別に時間をいただかないとならぬぐらいの話なんですけれども。  そういった意味で、やっぱり今後ともそういったもので予防とかいうものを考えにゃいかぬでしょうし、女性のいわゆる就業率とか出生率とか、全てこういったもの全部関係して出てくることがありますので、給付の話と負担の話と両方から考えていかないと、この社会保障の話というのは、どこだけ抑えりゃいいという話の種類ほど単純な話ではないのではないかと、私はよくよく田村大臣、今日おられませんけれども、田村大臣とその話をさせていただくんですけれども。これは西村先生、長期的にこれは最も大きな部分で、国家予算に占める三割以上がこれということになりますと、これは物すごく大きな問題なんだと、私はそう思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、ありがとうございました。  私も健康なんです。だから、もう保険料はきちっと納めていますが、ほとんど自分がそれを使うことない。でも、それがまさに社会保障の在り方です。基本だと思っています。  ですから、生まれたときから難病や小児の慢性疾患にかかっている方もいらっしゃるでしょうし、途中で事故に遭われた方とか病を癒やす医療が必要のある方というものを健康である我々が支えていくという大きな観点の中から、今大臣がおっしゃったみたいに、これから確かに給付の抑制、言葉が給付の抑制と言うとちょっと違和感があるんですが、途中でおっしゃった予防とか、ここにシフトしていくというか、新しい分野というか、今の国民皆保険制度は当然守らなければいけない疾病保険です。  ただ、その疾病保険を抑制することを考えるのでなく、抑制するためにはどういうことを新たにやっていかなきゃいけないかといったときに、やはりここは予防というもの、ここにもう少し目を向けて、全て予防は保険ではできませんというのではなくて、違った話をこれから一生懸命やっていくことが、これは日本は世界に誇る平均寿命を持っていて、しかし残念ながら、健康寿命、誰の手も借りずに一人で生きていくことができるというのと平均寿命との差が十年とも十二年とも言われているわけです。  ということは、その十何年かの間は必ず何がしかの介護保険なり医療保険なりを使うわけですから、そういう方がより少なくなり、大臣のようにいつまでも御健康で楽しく過ごせるようにしていくような方をつくっていくこと、これもやはり若いうちから、ある程度の年齢になってから予防予防と言ったってこれはなかなか難しいので、これも教育だと思いますが、若いとき、子供の頃からしっかりと、自分の健康を守るのは自分なんだということも含めてやはりきちっとやっていくことがあると思います。  特に今回、二〇〇六年の労働力調査、産業別調査と今回の調査と比べたりすると、一番大きいのは、今まで建設業というのが五百六十万人と非常に多かった。ところが、今回の二〇〇三年から二〇一三年の十年間の労働力調査をしてみると、男女共に労働力は非常に下がっている、就労者数は下がっていても、医療、福祉の分野に限っては二百三十三万人も増えている。女性が百万人増えて、男性でも六十四万人増えている。これはまさにこれから医療や介護の現場で働く皆さん必要となってくるんですが、そこで問題となっているのは、残念ながら処遇の改善というものが行われていないと。大変ニーズはあるのにもかかわらず、長く勤め上げることができない。  私は厚生労働委員会に所属しておりますので大臣にも厚生労働委員会でお尋ねしましたが、昔は寿退社というものは、女性が結婚して家庭に入るときに今まで勤めた会社を辞めるときに寿退社という言葉がありました。しかし、今は男性の皆さんで介護施設、介護関連施設で働いている人が結婚してこれから世帯を持つときに、残念ながら今の職業、今の仕事では家庭を養うということができないんだということで辞めていくこと、これを寿退社というように使われるんだそうです。大変残念なことですし、若い人がせっかく思いを持って介護に従事しようと、これからの超高齢社会の日本を支えていくためには、介護が必要になった人たちに我々の力を男性も女性も同じようにしていきたいというのができなくなってしまっているということ、これは大変大きなことだと思っています。  私たちの国はこれからどのように行くか。もうどこの国よりも先に超高齢社会であり、超人口減少社会であり、そして子供たちが少なくなっているところで、まさにこういったところで我が国の雇用政策というものもしっかり中核的な産業として、特に地方ではこれが根幹の一つになるべく、中核産業として医療、福祉産業を明確に位置付けてその健全育成を図っていかなければならないと思うんですが、麻生財務大臣はどのような御見解をお持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 介護の話と看護の話とを皆混線しておられる方が世の中にいっぱいいらっしゃいますけれども、看護婦と介護士とは職場としては実質やっていることは似たような立場で医療法人に勤めておられるんですけれども、御存じのように、介護の対象者の数は年々増えておるというのが実態でして、今、そこにおけます就業者数を見ましても、医療分野における就業者数がもう爆発的に増えていっている中の大きな部分は介護による部分が非常に多いんですが。  いずれにしても、その介護の方は看護師とか看護婦に比べて、これは明らかに介護の場合は給与の面でかなり低いというのが実態であろうと思っておりますので、今後、医療、福祉分野というものが産業としていわゆる健全に発展していくということを考えるなら、これは雇用の担い手となるという意味においては、これは介護というものは物すごく大きな担い手になるシェアが、シェアってパーセントが大きいんだと、私どもはそう思っておりますので、是非社会保障と税の一体改革の中でもこの財源の確保と給付の一層の重点化、効率化ということを取り組んでいきたいという話で、あのときは清家先生でしたか、社会保障と税の一体改革を担当しておられたんですが、あのときにも話をさせていただいたと記憶をいたしますけれども。  その部分を考えないと、何となく、介護に行く人が絶対量が不足しているために、結果として老老介護になるとか、家庭でやろうと思ってもなかなかこれはできないというのが実態ですから、そういった意味では、これは情があるとかないとかそういう話ではなくて、物理的にできないんだから、できないんだったらそういった施設というものにお願いをするということになっていく。そういったものを、現実問題というものを見ておかないと、私どものように、地方にいて病院、若しくは生活している場所と介護施設、住んでいる場所と病院との距離が極めて遠い、東京とは全然違うところ等々のところでは、これは物理的にそれはなかなかできるだけの、搬送するだけの人もいませんし、家庭にいないということにもなっておりますので。  そういったことを考えると、今いろんなことを考えて、スマートシティーとかスモールシティーとかいろんな表現が出てきましたけれども、そういったものを含めてこのものを考えていかないと、この介護に要する介護士という部分の評価というものはもっと高く評価されてしかるべきものだと、私はそう思います。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 大臣、今大臣の御答弁の中で看護婦とおっしゃいましたが、今は看護師ですので、婦じゃなくて師ということで是非よろしくお願いしたいと思います。  おっしゃること、そのとおりでして、やっぱり介護の必要となっている方は、例えば家だけではなくて施設に入ったりする。そこで働く人がなかなか長く勤め上げることができないというところに大きな問題があると思いますので、そこは共通の認識をさせていただいていると思いますから、是非ともそこのところは政党とかそういうこと関係なくしっかりと取り組んで、どういう状況になっても我が国の中で安心して最期を送れるというような社会づくりというものを是非ともやっていかなければいけないということで、その話は、もっとしたいところはやまやまですが、ちょっと終わらせていただきまして。  一つ、私は思っているのは、先ほどから言っているように、本当に世界史上例を見ない、人口が大変少なくなり、高齢社会であり、子供が少なくなっている中で、国民が支え合うという気持ちが非常に大事だと思っています。だからこそ、先ほど来申し上げているように、安心、安定の社会保障制度というものをしっかりと確立していかなければならない。そのための今回、今これから審議、参議院でまたされるであろう医療と介護の一括法があったりするのだと思います。ですから、そういった中で国民の一定理解を得るためにも、何としても税の説明というものはきちっと分かりやすくしていかなければならない。今回の消費税だって、決して国民の皆さんが、皆さんいいよと言ったわけではない。ただ、本当に厳しくなっている社会保障費、全部社会保障費に充てるんですよということで御理解をいただき、大変な御負担をお願いしたんです。  ところが、今現状では、東日本の震災の復興の特別復興法人税の前倒し廃止とか、例えば法人税率の引下げなんかも間もなくだと言われていると、これは国民としてはなかなか、何か自分たちは消費税が上がったのに企業とかはどうもそうではないような気がしてならないと思うんですが、最後に大臣に、今回の東日本大震災復興における復興特別法人税の前倒しで、政策目的としてどのぐらい賃金アップがあった、どの程度達成されたとお考えかをお知らせください。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 政府として、これは全部が、御指摘でありました復興特別法人税というものの二・四%を一年前倒しの廃止というもの等々の分がその分だけが幾らになったかというのはちょっとそれができるわけではないんですが、やっぱり十二月二十日の政労使会議というもので、少なくとも労働組合、それから経営者、それから政治というか行政という三者で、これは政労使会議において賃上げをするという共通認識を得たというのは、私はこれは非常に大きな、環境整備というものをやるに当たっては大きかったかなと。あれが、正直言って、最初のうちから、この年初め頃から申し上げてきた中では一番大きかったかなと思っております。なぜなら、少なくとも給料を上げるとか上げないとかいう話は、これは間違いなく政の関与するところじゃなくて労使間の話なのであって、我々が介入すればそれは全体主義だか社会主義になっちゃいますので、それは普通じゃ考えられない。しかし、それはどうしてもお願いしたいということで、まげてお願いをさせていただいたんですが。  それは、先ほど申し上げましたように、前倒しやら何やらして税金が安くなった分だけ企業は内部留保が増えるわけですから、その内部留保を給料に充てていただきますということをしていただかないと私は駄目なんだと思っておりましたのでやらせていただいたんですが、結果として、連合の方からいただいた資料によると、平均賃上げ額はベアと定期昇給と足して六千円を超えております。それから、賃上げ率を見ても二%を超えております。それから、過去十年間の同時期の集計に比べて最高という水準になっておりますので、ボーナスにつきましても前年同時期の集計に比べて平均で九万円以上増加しておりますので、近年にない賃上げが実現しつつあるんだと、私はそう認識しているんですが、まだまだ、六割五分ぐらいが今妥結しておると思いますけれども、更にいろいろな賃上げ上昇の動きが広がっていくことを期待しておりますけれども。  いずれにいたしましても、消費税が上がった分が賃上げというような形である程度カバー、カバーというか補足されないと、上がった分だけ、その分だけ給料がどんと減ることになりますので可処分所得が減ると、難しい言葉で言えばそういうことになりますが、そういったものがきちんと対応できるようなものまでしていかないと、いろいろ前倒していただいたり消費税を払っていただいたりしていただいた分のあれに合わぬと思っておりますので、きちんとさせていただきたいと思っております。

西村まさみ民主党・新緑風会

○西村まさみ君 じゃ、是非きちんとお願いしたいと思います。  時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 前川清成でございます。久しぶりに私も決算委員会で質問に立たせていただきます。  個人的には身内の問題を取り上げたくはありませんが、現場で働いておられる職員の皆さん方の目線で、少し参議院の職員定数に関連して幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず、国会の中に裁判官弾劾裁判所という組織がありまして、ここには十一名の職員が配置されており、年間予算は約一億円、そしてその大半は人件費ということでよろしいでしょうか。

阿部芳郎裁判官弾劾裁判所事務局長

○裁判官弾劾裁判所参事(阿部芳郎君) お答えいたします。  そのとおりでございます。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 時間の都合がありますので、数字に関してちょっと私の方から紹介させていただきますけれども、今の憲法に基づいて裁判官弾劾裁判所というのも産声を上げました。戦後、係属した訴追事件というのは合計で九件、平均すると七年三か月に一件の割合でございます。訴追事件が係属していないときに、この十一名の職員が何をしておられるのかと。  最近で言いますと、平成二十四年の十一月十三日に、電車の中で女性のスカートを盗撮した大阪地裁の判事補が訴追をされまして、翌二十五年四月十日に罷免されています。その後、訴追事件はありません。したがいまして、二十五年四月十一日以降、弾劾裁判所の職員は何をしておられるのか。  この盗撮の前は、平成二十年九月九日、ストーカーをした裁判官が訴追をされました。このとき私も弾劾裁判所の裁判員をさせていただいておりました。そして、その年の十二月二十四日に罷免されておるんですけれども、したがいまして、二十年の十二月二十四日から二十四年十一月十三日までは、約四年間、弾劾裁判所の職員の皆さん方は仕事がなかったということになります。  さらに、その前の事件はといいますと、平成十三年の十一月二十八日に訴追事件がありましたので、これは、十八歳に満たない児童であることを知りながら児童買春をした東京地裁の裁判官が訴追された事件ですけれども、十三年十一月二十八日から二十年の九月九日まで、約七年間仕事がなかったと。昭和三十二年の九月三十日から五十二年二月二日まで、二十年間訴追事件が係属しなかった時期もございます。  この弾劾裁判所というのは憲法の要求する機関ですので、日頃仕事がないから、もちろん、これをなくせと、無駄だからなくせと言っているつもりは全くありません。しかし、国権の最高機関で働きたい、そんな高い志を持って難しい試験を通って優秀な職員の皆さん方が就職してこられます。その方々が、たまたま弾劾裁判所に配属されたばっかりに七年間仕事がない、あるいは二十年間仕事がないということであれば、余りにもその方にとって私はお気の毒ではないかと、こういうふうに思います。  そこで、例えばですけれども、日常は別の仕事をしながら、訴追事件が係属したら弾劾裁判所の職員として働くなどなどの人事の工夫、私はできるんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。

阿部芳郎裁判官弾劾裁判所事務局長

○裁判官弾劾裁判所参事(阿部芳郎君) お答えいたします。  訴追事件が係属しないときの裁判官弾劾裁判所事務局の業務についてお答えいたします。  事務局には総務課と訟務課がございますが、まず総務課の業務について御説明いたしますと……

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 もうそんなのいいから。工夫できるかどうか。

阿部芳郎裁判官弾劾裁判所事務局長

○裁判官弾劾裁判所参事(阿部芳郎君) それは、現在も十一名のうち一名が参議院事務局と兼務、一名が参議院法制局と兼務いたしております。よって、工夫次第ではもう一、二名は兼務ができると思います。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 これは、阿部さんがなかなかお答えできないんです、だって弾劾裁判所だけで組織しているわけじゃありませんので。  私が言いたいのは、ちょっと時間の都合ではしょりましたけど、今弾劾裁判所の職員の皆さん方が何をしておられるかというと、弾劾裁判所法廷に見学の申込みがあったときにそれを案内する程度というふうにお聞きをしています。その件数が月二、三件なんです。余りにも十一名の方々が、これは申し訳ないけれども宝の持ち腐れ。  そこで、私は、阿部さんに聞くんじゃなくて、例えば中村事務総長にお答えいただきたいんですが、参議院と弾劾裁判所との間の垣根を低くするなどして、弾劾裁判所の中で工夫をしても所詮知れていますから、参議院と弾劾裁判所との間で人事の工夫ができないかと、こういう質問でございます。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) 先生にほとんどお答えをしていただいたようなものでございまして、参議院事務局と弾劾裁判所事務局で協力をしながら、例えば兼務の件数を増やす等、人事のより効率的な発揮を目指して努力していきたいと思っております。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 是非お願いをしたいと思います。  その次に、同じ調査室でどれほどの繁忙度の違いがあるのかということを議論させていただきたいと思います。  今、余りにも忙しくない部署の例として弾劾裁判所を挙げさせていただいたんですけれども、参議院の中に厚生労働委員会調査室というのがありまして、そこには十三名の職員が配置されています。行政監視委員会調査室、ここには八名の職員が配置されております。職員数はさほど大差はないんですが、今国会、厚生労働委員会は何回開会されましたでしょうか。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) 今国会における両委員会の開会回数ですが、厚生労働委員会は十五回、行政監視委員会は二回であります。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 事務総長、まだ行政監視委員会はお尋ねしていなかったんですが、時間の省略に御協力いただいてありがとうございます。  調査室の仕事も様々かと思いますけれども、係属する法案に関して資料を作るという仕事、これも大きな仕事かと思います。  そこで、今国会、厚生労働委員会には何本の法案が係属する予定か、既に付託されたものだけではなくて、厚労省、内閣から国会に提出済みでいずれ審議される可能性のあるものも含めて厚生労働委員会には何本の法案が、行政監視委員会には同様の条件で何本の法案があるのか、お尋ねをいたします。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) お答えいたします。  今国会において既に提出された法律案のうち、厚生労働委員会に付託及び付託予定のものは十八件でございます。行政監視委員会に関しましては付託及び付託予定の法律案はございません。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 調査室の仕事の一つに、議員などから問合せを受けてそれに対応することがあります。  昨年度、厚生労働委員会調査室のレファレンス件数が六百一件、行政監視委員会調査室の件数は十九件ということで間違いはないでしょうか。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) そのとおりです。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 時間を省略させていただく都合で、私の方で表を作らせていただきました。各委員のお手元にもお配りしておりますので御覧をいただけたらと思いますけれども、事務局から提出していただいた資料に基づいて、各調査室の職員の数、過去八年間の年平均のレファレンス件数、職員一人当たりの年平均のレファレンス件数を表にいたしました。  これを御覧いただきますと、例年たくさんの法案が係属して、委員会も多数回開催される厚生労働委員会を担当する厚生労働委員会調査室は年平均で千七百二十五件のレファレンスに対応しており、職員一人当たりは百三十三件になるということでございます。片や、行政監視委員会調査室は一人当たりでいうと十四件、およそ十分の一になるわけでございます。  請願というのもございます。これも、国会が受け取ればそれでおしまいになるのではなくて、調査室の方で審査参考資料などなどをお作りになります。レファレンスと同様に、事務局から提出された資料に基づいて、過去八年間の平均請願件数、職員一人当たりの処理件数を表にいたしました。厚生労働委員会は百八件で、行政監視委員会調査室はゼロ件であります。  言うまでもありませんが、私、別に厚生労働委員会調査室の肩を持っているとか、行政監視委員会調査室に何か恨みを持っているとか、そういうことは一切ありません。ただ、私たちのレベルで職員の皆さん方の繁忙度を比較する客観的な資料として請願であるとかレファレンスの件数とかを調べさせていただきましたら、先ほども申し上げましたけれども、厚生労働委員会調査室においては議員からの問合せだけでも出勤日は毎日のように対応しなければならないと。他方、通常は法案も係属しない行政監視委員会に対応する行政監視委員会調査室においては問合せさえ月一件程度と。部署ごとの繁忙度というのは私は極めて大きいというふうに思います。  一方で、忙し過ぎる部署にあっては、職員の方のワーク・ライフ・バランスであったりディーセントワークを損ないます。余暇を自己研修に充てることもできませんし、職員の専門性を高めることもできないだろうと。他方で、そうではない部署に配属された職員におかれては、先ほど弾劾裁判所でも申し上げましたけれども、高い志を持って難関の試験に合格された職員の方々にとっては、その志や能力に応じた仕事を与えられない、御本人の自己実現を阻むのではないか、その意味において国家としての損失ではないかと、こういうふうに思います。  そこで、中村事務総長にお尋ねしたいんですが、この部署ごとの繁忙度、これについてどうお考えで、どのように対応されるでしょうか。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) 各委員会は、必要に応じて設置されていると存じ上げております。  私の方から、どの委員会が忙しくてどの委員会が暇であるというようなことは申し上げることはできませんけれども、そこに配属された職員は、その使命をよく自覚し、最低限、専門性を高めるために自己研さんを積んでいただきたいと思っております。  先生おっしゃるように、余りにも忙し過ぎて、まさにディーセントワークを損なっているではないかという点は心が痛むところでありますから、先ほども申し上げた答えと同じですけれども、例えば兼務体制を柔軟に施行するなどして、人事配置に工夫をして効率的な運営に努めてまいりたいと思っております。  甚だ一般論的で申し訳ございませんが、以上です。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 専門性ということで感想めいたことを申し上げますと、例えば速記部の方々の私は専門性というのはすばらしいと思っていまして、例えばこのような委員会で法律の条文を引用するときに、第何条第何号と言うべきところを第何条第何項と言えば、それだけで間違いの訂正ということで連絡をしていただきます。私、国会に来る前、弁護士をしておりましたので、裁判所でも、書記官が作る要約調書、速記官が作る逐語調書、もちろん、国会の議事録とはその作成の性質、目的が違いますので一律には比較できません。裁判所での証言というのは、間違った証言自体、間違った発言したこと自体が証拠的な価値を持つ場合がありますけれども、ただ、そういった点を差し引いてでも、速記官の専門性というのはすばらしいというふうに思います。ただ、今ディーセントワークというお話ありましたけれども、速記官も余りにも山のような仕事を抱えてみると、そういうふうな丁寧な仕事はできないだろう、こういうふうに思います。  専門性ということでいえば、私は、どこの委員会とは言いませんが、国会議員になってずっと同じ委員会なんです。法案のたびに参考資料をいただきますが、その参考資料で、ああ、役に立ったな、ためになったな、私の不勉強ゆえかもしれませんが、一度もありません。  今、会社法という法案で、麻生大臣も株をいっぱいお持ちと思いますけれども、十分の九の株を持っている株主は、残り十分の一の株を、その少数株主の意向にかかわらず、一方的に買い取ることができると。しかも、その買い取る値段は十分の九の株主が自分で勝手に決めることができると。しかも、十分の九の株主が決めた日に移転すると。代金が払われていなくても移転をするということが、今、委員会の審議で大問題になっているんですが、これも、調査室もあるいは役所の方の資料にも一切書かれていなかったと。条文をお読みになればよかったのになというふうにも思います。  しかし、他方で、例えば先日も、この参議院の外交防衛委員会の職員の方が自衛隊の活動についての単行本をお出しになりました。今どうしておられるのか知りませんが、何年前かまでは、財政金融委員会の調査室の方で日本の財政に関する専門書も刊行しておられました。専門性ということにおいても、私は様々な差があるのではないかと思います。  事務総長のお立場としては、確かにどこの職場は暇でどこは忙しいというふうには言えないのかもしれませんが、客観的に表に出る資料だけでもやはり繁忙度の違いというのは私は明らかだと思います。ここは、職員のためにも、是非見直すということだけはこの場でお約束いただけませんでしょうか。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) せんだって、五月九日の議運の理事会で同様の問題を協議していただきました。その際に出た先生方の御意見も踏まえまして、結論から申し上げれば、協議いたします。検討いたします。  以上でございます。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 残り時間が十分ほどになってまいりましたので、事務総長にとっても嫌な話をさせていただかなければならないと思います。  衆参共に、新議員会館がスタートいたしました。参議院の新議員会館は平成二十二年の七月、つまり、私にとっては二回目の選挙の直後に完成をいたしまして、新会館につきましてはPFI事業者によって管理運営されております。これに伴ってPFI事業者から新会館に合計八十九名の職員が配属されておりますけれども、翌平成二十三年から二十五年までの間に参議院の職員定数の削減は合計五名、五人しか削減されておりません。PFI事業者から八十九名の職員が配置されました。八十九名来たんだから八十九名丸々減らせとまでは言いませんけれども、何のためのPFI事業の導入だったのか。この八十九名に見合うだけの大幅な職員定数の削減、私は必要だと考えますが、いかがでしょうか。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) PFI事業が導入決定されましたのが平成の十六年です。事業者とPFI事業契約を結んだのが平成の十八年でありました。その平成十八年に内閣側からの要望で、行政の定数削減に協力していただきたい、国会としても協力していただきたいという要請を受けました。この平成十八年からPFIの事業計画で本格化したPFI事業でありますけれども、その十八年の六月に議院運営委員会で定員削減のスキームを提出することを求められました。その中に、PFI事業によってたしか十七名の削減をするのだというスキームを入れました。合計七十数名の定員削減でありますけれども、そのスキームの中にPFI事業の定員削減の部分が入っていたということでございます。  ただ、先生おっしゃるとおり、じゃ、例えば全施設ほとんどでき上がってから何か具体的な成果があったかといえば、平成二十五年度までたった五名だということは、数字としてはそのとおりでございます。  以上です。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 今、事務総長の方から平成十八年にPFIの契約をして、平成十九年以降、職員定数を減らしたというお答えがありました。確かに、平成十九年には十六名、平成二十年にも十六名、平成二十一年にも十六名の削減をしております。  しかし、これは区別をして考えないといけないのは、PFIの事業の契約をしたから平成十九年に十六名減らしたのではありません。国家の財政が大変厳しい、そこで行政部門の職員定数を減らすということになりました。  最近でいいますと、私が手元に入手した最近でいいますと、平成二十一年の七月一日にも内閣官房長官の方から、最高裁、衆参、そして国会図書館に、行政の方もこれだけ職員定数を減らすんだから是非国会の方も協力してほしいと。こういう要望があって、それに応じる形で参議院も、今事務総長がおっしゃった平成十八年、十九年、二十年の職員定数が減らされているわけであります。  最高裁は、平成二十六年三月二十七日の国会答弁において次のように答弁しております。政府における定員削減計画ということで御指摘もありました。国の財政状況が非常に厳しいという状況も含めて、裁判所としても国家機関の一つとしてそれを考慮しないわけにはいかないんだということで、最高裁も定数を減らすということを認めているわけであります。  ですから、私が今議論しているのは、PFIという特別なことがあったんだから、それに見合った職員定数も減らさなければならないのではないですかと、こういうことなんです。行政が減らします、それにお付き合いする形で、協力する形で衆議院も参議院も最高裁も国会図書館も減らしました。それとはまた別でしょうという話が今のPFIに関する議論です。これについては区別をしてもう一度お答えいただきたいと思いますが、時間の都合もありますので、併せてもう一点申し上げておきたいと思います。  このPFI事業の導入に伴って職員が減らされていないという点をある場所で議論させていただきましたところ、四月八日に参議院事務局から「今後の事務局体制の整備について」という文書が出ました。それによりますと、「新議員会館完成後の運用状況を踏まえながら、さらに効率的な事務局体制の整備に努めることとする。」と、こういうふうに書かれております。  先ほど申し上げましたように、新議員会館がスタートしたのは平成二十二年の七月です。二十六年の四月に新議員会館完成後の運用状況を踏まえながら検討するという文書が出ています。四年間もあったにもかかわらず、新議員会館の運用状況をこれまで検討してこなかったのかと、もし検討してこなかったのであれば、担当者というのはこれまでサボっていたのかと、こういうふうに言わざるを得ないと思います。  この二点について、お尋ねをいたします。

中村剛参議院事務総長

○事務総長(中村剛君) 先生のおっしゃっていることは、平成十八年にその定員削減スキームを作ったときにでありますけれども、もう少し踏み込んで定員削減ができたのではないかというお話だと思います。  実は、当時もその話はありました。ありましたが、いろいろ議運理事会の場で協議する過程で、総勢七十二名ですか、の削減が決まったといういきさつがございます。  それから、最近に至るまでPFI事業について見直しを行っていなかったかというお話でありますけれども、PFI事業に限らず、平素からどの業務においても簡素で効率的な業務見直しを行うことは当然のことだと私は思っておりますので、おっしゃっている意味は本当によく分かるんですけれども、そこは、定員削減については各会派それから各先生いろいろ御意見がありますので、それを踏まえながら議運理事会、委員会、本会議で決定を受けていきたいと思っております。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 後ろの方の質問は、少し意地悪な質問だったと思います。  ただ、今事務総長が答弁されたのは平成十八年以降の削減のことをおっしゃるわけですが、私が申し上げているのはそうじゃなくて、二十二年に新会館が導入されて八十五名が来ているわけですよ。だから、二十二年の時点からすると八十五名職員が増えているわけです、外部の業者の数が。そうであれば、二十三年以降、八十五名丸々という厳しいことは言わないけれども、八十五名に見合うような形で削減ができないのかと、こういうお尋ねでございます。これについてもまた御検討いただきたいと思います。  今日は衆議院の事務総長にもお越しいただいています。参議院にお越しいただきましたけれども、これは税金の使い道ということですので、お尋ねを申し上げたいと思います。  衆議院も第一、第二、それぞれ新議員会館がございます。これは参議院同様にPFIによって管理をされているのか、PFIの事業者からどの程度の人数の職員が配置されているのか、また、平成二十二年以降、PFIの導入以降、それに見合った衆議院の職員定数の見直しが行われているのか行われていないのか、この三点をお尋ねいたします。

鬼塚誠衆議院事務総長

○衆議院事務総長(鬼塚誠君) お答えいたします。  PFI事業者の下で働いております従業員の一日当たりの人数は、本年四月時点で合計百九十三名でございます。内訳は、サービスセンターの業務が四十八名、清掃業務が五十五名、建築関係が十六名、警備、駐車場関係が七十四名ということになっております。  これに対しまして、平成十八年度から二十二年度までの定員純減計画に基づきまして、同じようですが、合計九十五名の純減を行いました。そのうち新議員会館のPFI事業導入に関連する定員削減につきましては、新議員会館の供用が開始されました平成二十二年度までに第一議員会館と第二議員会館を統合する等の措置を行いまして、合計で二十名の純減を行っております。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 今の確認ですけれども、衆議院もやはりPFIによって管理されていて、そのPFI事業者から百九十三名の職員が配置されていると。しかし、そのPFIに関連する部分に対する削減は二十人と、こういうことでよろしいですか。

鬼塚誠衆議院事務総長

○衆議院事務総長(鬼塚誠君) お答えいたします。  そのとおりでございます。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 時間の関係もありますのでこの辺にしますけれども、今日はあえて定員の削減という厳しいことも申し上げました。きっと職員の皆さん方はいろんなお気持ちをお持ちかと思いますが、財務大臣も御存じのとおり、国が一千兆円もの借金を抱えていると。毎年毎年四十兆円以上の借金を抱えなければこの国が回らないという中で、私は、定数の削減、これは国会議員も含めて避けて通れないことですし、国会議員の定数削減については当時の安倍総裁と野田総理との約束事でありますので、必ず与党においても実現されることと思います。あわせて、繁忙度に関しても、実際に参議院で働きたいという夢を持っておられた方々がその生きがいを実現できるような働き方を実現していただくようにお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午後一時六分休憩      ─────・─────    午後二時開会

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、古川俊治君、柳本卓治君及び前川清成君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君、三木亨君及び江崎孝君が選任されました。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 休憩前に引き続き、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件並びに予備費関係等十件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。

杉久武公明党

○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は、決算委員会の准総括質疑ということで、通告に従いまして順次質問をしたいと思います。  今日は、会計検査院の報告の在り方を中心に、関連する質問を行いたいと思います。  私は、三月三十一日の全般的質疑の際に、会計検査院の指摘項目の中から、厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理ができていない件を取り上げまして質問をいたしました。また、その質疑の際には、会計検査院の検査計画につきまして、事後でもよいのでもっと具体的に公表すべきであるということを指摘をしたところでございます。  本日の質疑におきましては、前回のこの全般的質疑で行われましたこれらの質問を更に深掘りをしたいと思いまして、まずはこの厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理ができていない件が会計検査院の検査対象となりました経緯、そして会計検査院の報告の仕方に焦点を当てて質問をしたいと思います。  まず、会計検査院にお伺いいたします。  厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理ができていない件がなぜ会計検査院の検査対象となったのか、検査計画の検討過程につきまして説明をお願いいたします。

山本泉会計検査院事務総局第二局長

○説明員(山本泉君) お答えいたします。  今回の重要物品の管理等についての指摘でございますけれども、国立感染症研究所におきまして、一部の重要物品の所在が確認できなかったことなどについて、厚生労働省の方で調査を行うなどして、重要物品の不適正な管理についての報告等として公表をされております。これを受けまして、本院が当該調査結果の内容や他の施設等機関における重要物品の管理等について検査を行ったものでございます。  検査計画時の検討過程でございますが、一般的に、検査対象機関が公表した不適切な事態についても、更に本院が検査を行う必要があるかどうかについて検討を行っているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 ただいま検査院からお答えいただきましたが、端的に言いますと、今回の指摘事項については厚生労働省の内部検査で発見され、それがプレスリリースにも上げられていたということで、それを検査すべきということで対象になったという趣旨の答弁であったと思います。  では、続けて会計検査院に伺いたいと思いますが、会計検査院は、このような各省庁が発出する不祥事等のプレスリリースについては、全て把握に努められ、検査院の検査対象としておられるのでしょうか。また、もしプレスリリースの中から取捨選択をしておられるのであれば、検査院はどのような判断基準を持って取捨選択を行っていられるか、会計検査院に伺います。

山本泉会計検査院事務総局第二局長

○説明員(山本泉君) お答えいたします。  会計検査院法によりますと、「会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」こととされてございます。  この使命を果たすために、会計検査院におきましては、各府省からのプレスリリースあるいは各府省等からの報告、新聞報道、情報提供等、こういったもろもろのものにつきまして、事態の広がり、重大性、事実関係等を総合的に勘案して検査に活用しているというところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今のお話ですと、一定の判断基準を持たれて、全ては当然検査はできないので、ある程度絞り込みをしながら検査をしているということになりますが、今の答弁ですと、なかなか、本当にどういうふうにそのリスク評価をしたのか、検査項目をどのように絞り込んでいるのかというのが、いまいちよく分からないなというのが正直な感想であります。  会計検査院の人的資源は限られておりますので、当然全てを検査することは不可能であるということは理解ができますが、私はやはり、だからこそ、しっかりと不当行為が存在するリスクの高いところはどういったところなのかと、そういったところに資源を集中すべきと、それが私は国民の期待ではないかというように考えます。もちろん、公にできる範囲が限られているのかもしれませんが、今の御説明ですと、検査の本当に対象の絞り込みがどのようになっているのか、やはり検査の対象の絞り込みのアプローチを私はもっと詳細に公表をして、国民に対して説明すべきではないかというように考えているところであります。  前回の全般的質疑でも申し上げましたが、会計検査院の検査計画につきましては、事後でも構いませんので、やはりもっと具体的に、例えば今おっしゃられたそういった影響範囲とか重要度とか、そういった面についてどういうふうに判断をしてきたのかについて、やはり会計検査院に改めてその辺りについての改善を要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  続いて、厚生労働省に確認をいたします。  厚生労働省は、この検査対象となりました施設等機関における重要物品の管理ができていないことについて、まず、平成二十四年九月十四日に、国立感染症研究所における重要物品管理に関する適正に欠ける事案及びその対応をプレスリリースされました。そして、同年十二月十七日に、追加調査を踏まえた国の試験研究機関の重要物品の管理状況についての報告というものを公表されています。  このプレスリリース自体、私も拝見いたしましたが、一応、管理ができてこなかった原因については様々記載をされておりました。例えば、組織体制が途中で変わったときに、重要物品台帳の整備ができていなかったとか、本来取るべき承認手続が取られないままに物品の廃棄処分がなされていたなど、いろいろ指摘がされています。  しかし、このような原因分析だけですと、では、なぜこの問題がこれまで発見されてこなかったのかという単純な疑問が湧いてくるところであります。例えば組織の見直しに関して言いますと、国立感染症研究所の場合は平成四年の話になります。そうすると、もう過去二十年余りの間、物品管理ができていなかったのではないかという、そういう可能性があるわけであります。  ここで確認いたしますが、この問題がこれまで発見されることがなかった原因について、厚生労働省に伺います。

三浦公嗣厚生労働大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(三浦公嗣君) 国立感染症研究所での重要物品の不適正な管理につきましては、平成二十三年一月に厚生労働省が実施いたしました会計事務監査指導により判明したものでございます。その後、会計検査院からも同様の指摘を受けております。  判明後、国立感染症研究所では、全ての重要物品の所在の有無を詳細に確認いたしました。その結果、重要物品四千七十三件のうち、所在が確認できなかったものは九百五十二件でございまして、その物品を取得した年度は、最も古いもので昭和三十七年度、新しいものは平成十八年度であったということでございます。  重要物品の管理につきましては、研究所内の職員に対しまして、重要物品の適正な管理手続が十分に周知されていなかったこと、研究所に置かれた検査員による定期検査等で物品と台帳との突合が不十分であったことなどによりまして、それまで発見に至らなかったものであると考えております。  今回の問題を受けまして、国立感染症研究所を始めとした試験研究機関に対しまして、新たに作成しました物品管理マニュアルに基づく事務手続の徹底、職員に対する継続的な研修の実施、重要物品を廃棄する際には所要の事務手続が行われているのかどうか確認をすることの徹底、定期的に物品と台帳とを突合することなどの再発防止策を徹底するよう指示しているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 そうしますと、厚生労働省に確認をいたしますが、私の質問はなぜこれまで発見されてこなかったかということになりますので、そういった意味では、一定期間、これが検査対象にちゃんとなってこなかった、内部検査の不備も一つの、不備がやはりこの長年見付けてこられなかった要因という理解でよろしいでしょうか。

三浦公嗣厚生労働大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(三浦公嗣君) まず、研究所内でそのような重要な物品の取扱いについての管理手続ということが徹底されてこなかった、そこがやはり第一の原因であって、やはりそこに大きな課題があったと。それを是正するという観点から、先ほど申し上げました幾つかの対策を取り始めているというところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 ちょっと今の答弁ですと、なぜそういった問題が起きたかというところはあるんですが、私のポイントは、なぜ起きたかではなくて、なぜ長年にわたり発見されてこなかったかというところが私の質問の意図でありまして、時間がないので先に進めさせていただきますが、私の今の理解ですと、やはりそういった現場での問題は当然あった上で、やはり内部検査がしっかり行われてこなかったということは、私は長年発見されなかった原因として挙げられるんではないかなと思います。  プレスリリースに掲載されている再発防止策は、今答弁いただいたような周知徹底、研修制度、また実際廃棄するときの確認制度、そういったことが書かれておりますが、私は、やはりこういったものに加えて、この検査制度のちゃんと、例えば一定期間でローテーションをするとか、そういったやはり内部検査自体にも不備があったんではないかと、そういった点についてもやはり原因分析の一つとして私は当然文章として記載されるべきではないかなというように考えているところであります。  続いて、会計検査院の報告の仕方について伺います。  全般的質疑の際、私に限らず多くの委員の方が、平成二十四年度の会計検査院による決算検査の結果として、件数で六百三十件、指摘金額の合計が四千九百七億円ということに触れられておりました。この金額は、会計検査院が指摘をした会計検査院の成果であると恐らく委員の皆様が理解されている数値ではないかと思います。  この中には、今お話ししました厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理ができていなかった件も当然含まれております。その指摘金額は五十四億二千六百十一万円になっております。しかし、この五十四億円余りの中身を私、詳細に確認してみたところ、この五十四億円余りの内訳は、まず平成二十三年度だけでなくて二十二年度の金額も含まれて、合算されております。また、今一連で答弁いたしました厚生労働省の内部検査で発見された金額も含められている形になっております。具体的に言いますと、五十四億の指摘のうち三十四億は厚生労働省の内部検査でまず指摘をされた金額になっているというのが私が読み解いた状況であります。  そこで、会計検査院に伺いますが、なぜ複数年度の金額をまとめて報告をしているのか、また、省庁での内部調査で発見された金額も会計検査報告の指摘金額に含められているのか、その理由について御説明をお願いします。

山本泉会計検査院事務総局第二局長

○説明員(山本泉君) お答えいたします。  今回の指摘は、厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理等につきまして、複数年度を対象といたしまして検査を実施したものでございます。そのため、指摘金額につきましても必要に応じて年度別の内訳を示すとともに、複数年度にわたる分をまとめて記載をしているところでございます。  また、今回の検査におきましては、厚生労働省による調査結果のこの内容が妥当であるかどうかの確認、これを行うとともに、厚生労働省が調査の対象としていなかった施設等機関、これについて検査を実施をいたしました。そして、事態の全容、それからその発生原因を明らかにし、さらに、これらの検査結果に基づきまして厚生労働省に対して重要物品の適正な管理等を行うよう是正改善の処置を要求するなどしたものでございます。このため、本院が新たに発見した事態のほかに、厚生労働省による調査で明らかになっていた事態につきましても指摘金額に含めたところでございます。  なお、補足いたしますと、検査報告の中の指摘金額でございますが、今回の指摘のように、検査対象機関による調査で明らかになったものが一部含まれているものはございますけれども、検査報告全体で見ますと、検査院の検査により初めて明らかになった事態というのが圧倒的な多数を占めているというところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたが、今の説明ですと、私、やはり国民に対してちょっと少しミスリードになるんではないかと。指摘金額という言葉を単純に考えると、誰かが指摘をしたということで、会計検査院の指摘金額という言い方をすると、やはり会計検査院が見付けたものというふうに捉えるのが私は一般的な解釈であると思います。  全般的質疑の際にも申し上げましたが、私は、国民の会計検査院に対する期待というものは、指摘事項を山のように挙げるということではなくて、指摘事項が少しでも減っていって行政の無駄が確実になくなっていく、そのために必要なことを会計検査院に確認し、行政を正してほしいということであると思います。会計検査院にはこの点を十分踏まえていただき、事に当たっていただきたいと、このように思うわけであります。  さて、この厚生労働省の施設等機関における重要物品の管理ができていない件については、過去二十年余り、資産の管理がちゃんとできていなかった可能性があるということは先ほど触れました。それは言い換えますと、国会に提出されております決算書類の一つである物品増減及び現在額総報告書が、過去二十年余りの間、誤っていた可能性があるということになるのではないかと思います。  そこで、厚生労働省に質問いたしますが、私のこの理解は正しいでしょうか。もし正しいのであれば、今回会計検査で指摘された存在しない重要物品に関しては物品増減及び現在額報告書においてどのように修正をされたのか、厚生労働省に伺います。

生田正之厚生労働大臣官房総括審議官

○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  取得価格が五十万円以上の重要物品につきましては、毎年度その増減等、それから年度末の価格を物品増減及び現在額報告書として財務大臣に送付をいたしております。  物品の亡失の扱いにつきましては、その亡失の日時が判然としない場合につきましては、亡失を発見した日時をもって亡失の日時として整理をするということといたしております。そのために、亡失を発見した日の属する年度で物品管理簿を訂正いたしまして、これに基づきまして物品増減及び現在額報告書を作成いたしまして、財務大臣に送付させていただいております。  物品増減及び現在額総計算書につきましては、各省各庁から送付される現在額報告書に基づきまして国会へ報告されるものでございますので、平成二十四年度末までに亡失が判明したものを反映いたしました物品増減及び現在額報告書に基づきまして、平成二十四年度までの物品増減及び現在額総計算書につきましては適切に作成されているものと認識をいたしております。  なお、具体的に、平成二十五年度に入ってから亡失が見付かった、確認できたものが三件ございまして、これらにつきましては、平成二十五年度からの物品増減及び現在額の報告書それから総計算書に反映させるということといたしております。  厚生労働省といたしましては、重要物品の不適正な管理についての検査院の御指摘を重く受け止めまして、事務処理マニュアルの作成それから関係職員に対する研修の実施などによりまして、再発防止を徹底しているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今答弁いただいたとおり、端的に言いますと、物品増減及び現在額報告書、これについて、それが分かったときに年度の増減というところに全部修正を掛けるという形になっていると思います。しかしながら、こういった事実については会計検査院の報告では全く出てまいりません。私は、会計検査院の報告においては、国会に提出される決算書類に影響を与える指摘であったかどうか、また、先ほど厚生労働省と質疑をさせていただく中で出てきた、やはり内部検査の不備によって長年見付かってこなかったとか、そういった問題発生に至る原因の一つ一つを、やはりもう少し指摘、記載があるべきではないかというように思います。  そこで、会計検査院に伺いますが、なぜ問題の所在をもっと具体的に明確に改善提案をしないのか。例えば、省庁の統制環境や、また業務のプロセス上どこか不備がなかったのか、また内部検査自体がちゃんと行われていたのか、不備の箇所を個別具体的に、やはりもう少し突っ込んだ提案型な報告をすべきだと思いますが、会計検査院に見解を求めます。

山本泉会計検査院事務総局第二局長

○説明員(山本泉君) お答えいたします。  会計検査院では、従来から、検査対象機関における問題点の把握、事態の原因の究明、改善の方策等の検討等に十分留意しながら検査を行っておりまして、必要に応じてその内容を検査報告に掲記するなどいたしまして、事態の改善を求めるなどしているところでございます。  今回の指摘でございますけれども、重要物品の適正な管理等が行われていない事態を指摘したものでございます。その結果、発生原因として、国の物品を適正に管理することなどの重要性に対する認識が欠けていること、検査員による物品管理官に対する定期検査等が適切に行われていないこと、また、購入した設備備品を国に寄附しなければならないことについての周知徹底が十分でないことなどを指摘したところでございます。  なお、検査院といたしましても、今後ともその問題点の把握等につきましては十分に留意をしながら検査を実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 是非よろしくお願いしたいと思います。  では続いて、少し視点を変えまして、今度は特定検査対象に関する検査状況という項目について伺いたいと思います。  会計検査院の報告のうち、指摘事項についてはその内容が不当事項や処置要求などに区分けをされております。指摘事項は、検査の過程で受検庁側に事態の問題点と改善すべき策を十分納得させているケースがほとんどだと思います。そして、そのような指摘事項は網羅的に改善されるまでフォローされ、その状況は会計検査院によって毎年報告をされております。これは、指摘事項が最終的に改善されるまで監視をするという意味では当然の取組であると考えます。  一方で、この指摘事項というものに区分されない特定検査対象に関する検査状況というものが会計検査院から報告されておりますが、これは意外とその位置付けがまだまだ知られていないのではないかと思います。  そこで、会計検査院に確認をいたします。特定検査対象に関する検査状況とは何か、御説明をお願いいたします。

田代政司会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代政司君) お答えいたします。  検査報告の掲記区分の一つであります特定検査対象に関する検査状況、特定検査状況と呼んでおりますけれども、これは、国民の会計検査に対するより一層の理解と信頼を得るために、国民の関心が高い問題などにつきまして、これについての検査活動の状況を記述しているものでございます。  近年、行財政の現状に関する情報提供の必要性はますます高まっているということを考えておりまして、会計検査院といたしましても、国会を始めとします各方面の政策立案の議論に資する情報を提供するということは重要であると認識しております。  今後とも、行財政に関する情報提供、問題提起を行う項目としまして、この特定検査対象に関する検査状況というものを十分に活用していきたいと考えている次第でございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今御答弁いただいたとおり、不適切な事態が確証を持って指摘をするには至っていないと、また改善するかどうかは政策価値判断が入るようなケース、また具体的にこれという改善策が見当たらないけれども何とかしなければならないと、そういった事項については、指摘事項とまではいかないものの、会計検査院としては、改善すべきと考える状況として、特定検査対象に関する検査状況として報告し、会計検査院としての所見が述べられているというように私は理解をしているところであります。  この特定検査対象に関する検査状況は、平成二十三年度及び平成二十四年度の決算検査報告ではそれぞれ六件及び七件が指摘をされております。その中で一例を挙げてみますと、平成二十四年度においては、高額の不動産等の売買等を行う特別目的会社に係る消費税の取扱い、こういったものがございます。  まず、会計検査院に確認をいたしますが、これはどういった内容の指摘でしょうか。御説明をお願いいたします。

田代政司会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代政司君) お答えいたします。  今御質問のございました高額の不動産等の売買等を行う特別目的会社に係る消費税の取扱いについてでございますけれども、消費税に関する国民の関心が高い中で、小規模事業者の事務処理能力などを勘案して設けられた事業者免税点制度、さらには、中小事業者の事務負担に配慮して設けられた簡易課税制度につきまして、高額の不動産の賃貸、売却等を行う特別目的会社における適用の状況などについて検査をいたした次第でございます。  検査したところ、高額の不動産を取得して、当該不動産の賃貸、売却により課税売上高が多額であるのに、事業者免税点制度や簡易課税制度を適用していた法人が相当数見受けられたところでございます。そして、これらの法人におきましては、売上高、資産の状況から判断しますと、事務処理能力等を配慮する必要がないと思料される法人であるのに多額の消費税の差額が生じているということが判明した次第であります。  このような、以上の検査結果を特定検査対象に関する検査状況といたしまして平成二十四年度決算検査報告に掲記した次第でございます。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたが、繰り返しになりますが、要は、消費税の事業者免税点制度や簡易課税制度等をうまく利用して、多額の課税売上高を有する課税期間に事業者免税点制度や簡易課税制度を適用して、多額の端的に言うと益税が発生しているという指摘であります。  まず、この消費税の事業者免税点制度や簡易課税制度につきましては、今御答弁いただきましたように、小規模事業者の事務処理能力を勘案するというものの規定でありまして、現在、こういった益税の問題については様々議論のあるところではありますが、私は、小規模事業者に配慮をする、その事務能力に配慮をするという点で、制度そのものは一定の役割を果たしているというように考えております。  しかし、今回の会計検査院の検査のこの指摘の結果をつぶさに確認をいたしますと、検査対象とした特別目的会社二百三十六法人、全部でありますが、あくまで推計ではありますけれども、推計される益税額というのは約四十五億円にも上っております。課税売上高はどれぐらいであったかといいますと、事業者免税点制度を適用していた三十六法人については総額で二百五十七億円、一法人当たりにしますと平均推定課税売上高は七億円にもなります。また、簡易課税制度を適用していた二百十四法人の総額は二千八百八十六億円で、一法人当たりの平均推定課税売上げは十三億円にも上っております。  また、これら二百三十六法人のうち、事業者免税点制度や簡易課税制度を利用していた課税期間の直前の期末、課税期間末の資産規模はどれくらいかといいますと、把握可能であった百九十一法人の資産を見ただけでも総額で二兆八千百一億円、一法人当たりで換算いたしますと百四十七億円という、もう相当な規模の会社であるということになると思います。  今答弁でもありましたが、そもそも一般的に考えて、このような会社の規模に税務や会計に係る事務処理能力がないということは、誰もそうとは思いませんので、やっぱり事業者免税点制度や簡易課税制度といった小規模事業者のための諸制度を言わばこれら事業者が悪用していると、そういった事業者がいるのではないかという実態が今回のこの検査院の指摘によって私は明らかにされたというように考えているわけであります。  その上で、改めて会計検査院に判断をお伺いしたいんですが、会計検査院としては、この消費税の益税の問題を今後どのように対処をすべきか、どのようにお考えか、見解を求めます。

田代政司会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代政司君) お答えいたします。  本院の検査結果を踏まえまして、財務省におきまして、小規模事業者の事務処理能力等を勘案しまして設けられた事業者免税点制度や中小事業者の事務負担に配慮をして設けられました簡易課税制度、これらの制度の在り方について引き続き様々な観点から有効性及び公平性を高めるよう検討していただくということが重要であると考えているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 では続けて、この指摘を、指摘というか、これはあくまで、先ほど申しましたように、不当事項ではない、違法なことではないということで、会計検査院の指摘の中では特定検査項目の状況という形で報告を受けているものではありますが、その報告を受けられた受検省庁であります財務大臣にお伺いをしたいと思います。  会計検査院からこのような指摘を受けた結果、財務省として、どのような検討をなされ、どういうふうに対応をなされたのか、またこういった指摘を受けて改善をしていくというプロセスについて御感想をいただければと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これも杉先生御存じのように、一千万円以下だとか五千万円以下って、いろいろ、事業者免税点制度と簡易課税制度というのが大きく分けて二つありますけれども、いわゆる小さなところでは事務負担が極めて煩雑になりますので、そういった意味では、みなしというか、ある程度の事務負担等々を配慮して設けられた制度なんだと思って、最初のときからこれ随分出ておりましたので、租税回避を目的としてこれを恣意的に悪用するというようなことに対しては、これは対応をせにゃいかぬということになるんだと思っておりますが、これまでも累次の見直しを行ってきたところではありますけれども、今般の会計検査院の報告書にあるような事例につきましては既に手当て済みにいたしております。  いずれにいたしましても、この特例の在り方というのは、これは中小零細事業者にとりましては、これは事務負担を与える影響というのは、これ一部の人によってほか全部影響が出るという、非常に大きな影響が出ますものですから、そういったものを考えますときに、引き続き我々としてはきちんと対応がなされるように見守っていくと同時に、検討を行ってまいりたい、さように考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 麻生大臣、ありがとうございます。  今検査院と財務省からそれぞれ答弁をいただきましたが、こういった、不当行為ではないので指摘事項までには至らないという項目でありますが、消費税という国民目線の視点から関心の高い項目として会計検査院が指摘をされました。そして、その指摘を受けて受検庁側であります財務省がしっかりと受け止められ、すぐに適切な対応を講じて、税制改正の中でこの問題が二度と起きないような仕組みを講じられたというふうに私は理解をしております。  こういったものこそが、私は、やはり会計検査院がやっていく、果たしていくべきことなんではないかと、国民から期待されていることなんではないかと思います。要は、不正ではない、ただ、やはりこの今の仕組みはおかしいんじゃないかという検査の中からの指摘、それを受けて現行の制度を改正していく中で、こういった悪用、言葉を悪く言うと悪用事例というものを撲滅したという、これは私はすばらしい成果であり、高く評価をしたいというように考えております。  逆に言えば、最初に述べましたような重要物品の管理ができていないとかいうような、やはりこういった不当行為については、本来、会計検査院から指摘を受けるというよりは、各省庁の内部検査等でやはり自浄作用によって発見をされ、そういった省庁でのチェック機能が適切に機能しているかどうか、そういったことを会計検査院が確認をすると。  そして、私自身は、やはり会計検査院が本来、国民の皆様から期待されているのは、そういった当然各受検庁でチェックをすべきことではなくて、今例示で挙げさせていただきましたこの消費税の問題のように、そもそも不当ではない、違法ではないけれども現状の仕組みの中で様々課題があるのではないかというものをやはり逆にここは数多く会計検査院に挙げていただいて、こういった決算委員会の場等で議論をしながら一つ一つ解決をしていくことが私は国民の期待に沿ったものではないかと思います。  申し上げましたが、残念ながら、今そういった特定検査項目というのは、挙げられているのは六件とか七件とか、非常に限られた件数でありますし、しかも、これは不当行為でない以上はフォローアップの対象には基本なっていないと。要は、次の年度の会計検査報告にそれがどうなったかということは原則記載をされないという形になりますので、そうすると、一番恐れるのは、やはり会計検査院がしっかり指摘をしたにもかかわらず指摘しっ放しでそのまま終わってしまうということは、私は逆に会計検査院の資源の無駄遣いになってしまうのではないかというように考えております。  そういった意味で、やはり国民からの期待にしっかり会計検査院に応えていただくという意味では、逆に各省庁での内部監査のそういった機能を強化をしていくとともに、会計検査院は行政全般のやはりそういった無駄の削減というところについてしっかりと対応していただきたいと思います。  今後も、会計検査院におかれましては、少数精鋭ではございますが、国家行政全般を精査し、その不備を適切に指摘いただきまして、行政の無駄をなくすという国民の切なる期待にお応えいただくことを切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 日本維新の会・結いの党、藤巻健史です。  四月の二十一日の決算委員会で計画道路についてちょっとお伺いしたわけなんですけれども、昭和二十一年、約七十年前に計画決定された道路がまだ未着工であると、事業決定されていないところがあるという話だったと思います。  計画決定をするということは、それ以後、木造二階建てぐらいの簡易な建物しか建てられないということで、これ、理由としては、そういう簡易な建物じゃない堅固な建物を建ててしまうと道路を造るときに取り壊すのも大変だということで木造二階建てというふうになったと思いますし、そういう回答を得たと思いますけれども、七十年もたってそのままほったらかしだということは、要するに税法上の減価償却があって、鉄筋コンクリートを建てたとしても五十年なわけですよ。それから、前の決算委員会だったと思いますけれども、麻生大臣も、コンクリートの寿命が六十年とかで国の資産は六十年だからということで建設国債の償還期間を六十年とするというお答えをしたと思うんですけれども、要は、鉄筋コンクリートであっても七十年もたてば朽廃しちゃうような時間、それを二階建てしか建てないでほったらかしにするのは、これ憲法違反ではないのかという質問でありました。  要するに、憲法二十九条というのは私有財産権を認めているわけで、「財産権は、これを侵してはならない。」、第三項に、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と書いてあるわけですけれども、都市計画を立てた後何にもさせないで七十年間ほっておくというのは、まさに国民の財産権を何とも思っていないのではないかというふうに思って先日お聞きしたわけです。  先日のお答えでは、これまでの裁判例では公共性に鑑みて受忍の限度内であるとされており、逸失利益も存しないという解釈から、憲法二十九条第三項に基づいて、要するに正当な補償の下に私有財産は公共のために用いることができるということですね、それには、基づいて逸失利益の補償を行った事例はないとのことでした。  それは、確かに五年とか十年間ほったらかしにされる、これは受忍の期間だということは分かるんですけれども、七十年もほったらかしにしている、それも、この前の御回答ですと、終戦直後に計画決定をされて、それでいまだに未着工なのが二千五百キロもあるというわけですね。要するに、大阪—東京二往復分ぐらいのところが七十年近くにわたってほったらかしにされていると。これは余りにも土地の保有者の受忍すべき期間を超えているのではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘のとおりでありますけれども、都市計画による制限につきましては、一般的に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものということができる場合には、憲法二十九条第三項に基づいて損失補償を行う必要があると、こういう認識です。  都市計画道路に関する判例におきましては、都市計画事業は一般的に長期間を要すると、これはそのとおりだと思います。結果的に、一部区間が長期間着手されないとしても直ちに違法となるとは言えないと、こうされています。非常に長い期間、全くそこが全部という事例というのはなかなか現実にはないわけでありまして、できるところができ始めてきているというのもまた現状であろうというふうに思います。  平成十七年の盛岡市の案件についての最高裁の判決では、必要性が見直されるべきであるのに長期間放置されているといった特別な事情がない限りは裁量の範囲内であり憲法に違反しないと、こうされておりまして、東京都においても都民の意見を聴取しながら都市計画道路の必要性の検証などを行っているという状況にございます。  なお、国交省におきましては、地方公共団体に対しまして都市計画道路の必要性についての検証を行って、その結果を踏まえて、廃止や幅員変更など適切な見直しを行うようにということを助言しているということは現状のところでございます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 今大臣が言及されました平成十七年の判例をこの前の委員会の後ちょっと見たんですけれども、あのときの判例というのは、確かに六十年たっているんですが、第一種住居地域で、容積率が二〇〇%で建蔽率六〇%ということで、確かに二階建てに制限されてもほとんど経済的な損失はないわけです。ところが、都心には商業地域で容積率が五〇〇%で建蔽率が八〇%というような地域が七十年もほったらかしにされているわけですね、あるわけです。  これ、この前の御回答によりますと、東京都の幹線道路では第一京浜が港区芝四丁目や大田区東六郷など六キロの区間、第二京浜については品川区戸越から大田区多摩川間までの七キロ、青梅街道につきましては環六と環七の間約三キロが事業未着手だと書いてあるわけです。要するに、先ほども言いましたように、十階建て高層ビルを建てられるようなところを二階までしか建てられないといって七十年もほったらかしにするのは、これは余りにもひど過ぎる。要するに、第一種住専じゃないんですから、一回ビルが建って壊れちゃうぐらいの時間をほったらかしにしているというのは余りにもひど過ぎるのではないかと。まさに、私、考えてみれば、これは私有財産権というのを認めてないんじゃないかというふうに思ってしまうわけです。  先ほど大臣は、全部ほったらかしにしないで、一部残っている地域にすぎないとおっしゃいましたけれども、一部の地域の方々はそれこそ私有財産権を私にとってみれば侵されているわけですよ。ですから、それをほったらかしにして、計画道路を決定をやめるとか、それとか、若しくはその間の補償をするとかいうことを考えないで、一度計画したら七十年、何と言おうと関係ないやというのは余りにも無責任ではないかと思います。  もし、これを大臣が私有財産権の侵害でないと言うなら、私は日本に私有財産権は存在しないと思います。まさに憲法解釈であってもそういうことになるんじゃないかと思います。正当な補償なしに幾らでも私有財産は没収できるというふうに思ってしまうんですが、いかがでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 御指摘のように、平成十七年のは、これは場所が住宅地であるということがございます。委員の御指摘の物すごい商業地とかいろんなところでは、現実には、そこをおいておいて、その背後にあるところにビルを建てるとかいうようなことをせざるを得ないというようなことで、私も感情的にはよくそこは理解をするところです。  そこで、現状では、最高裁の判例等ではそういうものがあるということを私は申し上げ、同時に、各地方公共団体について、その必要性についての検証を行ったり、廃止や幅員の変更などを適切に見直しを行うようにということを言っているわけでございまして、できる限りそこの現状というものに、官僚にもよくそこを理解して対応するようにということが大事だということを指摘をさせていただいているところでございます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 理解できるというのはいいんですけれども、日本は法治国家なんですから、やはり憲法違反の可能性があるのであればきちんと正していただきたいなというふうに思います。  それで、ちょっと方向を変えまして、財務大臣、麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、実は、私はかなりハイパーインフレを怖がっているんです。千十八兆円という借金がありますと、明日から消費税四〇%ぐらいにすれば大丈夫だと思うし、年金四分の一ぐらいにすれば大丈夫かと思いますけれども、そうじゃない限り到底財政破綻は避けられない。となると、残る手段というのはハイパーインフレしかないと思うんですよ。これは、別にハイパーインフレ政策がいいというわけじゃ決してないですよ。これは悪魔の政策なんですけれども、結果としてハイパーインフレにならないと日本の財政は破綻しちゃう、とんでもないことになっちゃうんじゃないかと思うんですが。かつ、アベノミクスというのは、正直言って、特に第一の矢の量的緩和というのは、それへ向かっての、まっしぐらだと思っているわけです。アクセルを踏み込んでいるんですけれども、ブレーキはないわけですね。  昔、戦争後にハイパーインフレを起こしておりますけれども、いろんな国で。それは、別に戦争をしたからハイパーインフレじゃなくて、戦争をするために、軍備拡張のためにお金をばらまいたから結果としてハイパーインフレになって、吸収する手段がないからいろんなことになったわけなんですけれども。日本も、今は別に戦争をしているわけではないんですけれども、お金をばらまいているという点では戦争中の多くの国々と同じわけです。  実は、日本は、昭和二年と昭和二十一年にハイパーインフレに備えて新券発行と預金封鎖をしているわけです。この前、大臣は、ハイパーインフレ、ブラジルで私は見たとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、大臣はブラジルだけじゃなくても日本でも見ているはずなんですね。なぜなら、昭和二十一年のハイパーインフレがありまして、預金封鎖がありましたから。  そのときになぜ預金封鎖、新券発行をやったかというと、それはまさにハイパーインフレを抑える穏やかな方法がなかった。今、日本の黒田日銀総裁いわく、出口が、まだ時期尚早としかおっしゃってくれないんですけれども、私は出口がないと思っているんですね、戦略がね。それは、ある、ないは別としまして、となると、やはり戦争直後と同じようにハイパーインフレのリスクはあるんじゃないか。確かに、昭和二十一年というのは戦後なんですけれども、これ、明治憲法下だった。明治憲法下で預金封鎖と新券発行をするというのは、何となく、私有財産権あったけれども、まあ明治憲法下だったらないのかなと思っちゃうんで、まあそうかなと思うんですが。  これ、今の計画道路の話を聞いていると、今の憲法下にあっても、本当に私有財産権ってあるのかなと。私有財産権がなかったらば、将来ハイパーインフレになったときにまた預金封鎖と新券発行をやっちゃうんじゃないか。まさに国民から財産持っていっちゃうことですから、非常に私は心配しているんですが、今の憲法下、私有財産権において、預金封鎖と新券発行ということはあり得るのかどうかということをちょっとお聞きしておきたいです。今はまさに時期尚早で、そこまで考える必要ないというふうにおっしゃるかもしれませんけど、まさに憲法解釈として、預金封鎖と新券発行は私有財産権を侵害しないのかどうかだけちょっとお聞きしておきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 過日も藤巻先生から同様の質問、全く同じではありませんけれども、似たような質問を頂戴したんですけれども。  この私有財産権との関係につきましては、これは基本的には条件がありまして、どのような状況下でやるかとか、どのような仕組みで実施するかとか、それにより国民経済にどのような影響が与えられるであろうかとかいうようなものによってケース・バイ・ケースで考える必要があろうというものはもう当然だと思いますが、最終的にはこれは司法の判断によるんだと思いますね。  それから、お尋ねのように、仮定の質問については、財務・金融担当の立場でうかつなことを言うのはこれは危なくてしようがないんで、これはとてもじゃないけど、また藤巻に乗せられておまえ余計なことしゃべるなと言われる話だけですから控えさせていただきますが、いずれにしても、このハイパーインフレーションというのは、私もこの間も答弁しましたが、私、まさに、あれはデルフィン・ネットが財務大臣でしたかね、あのときブラジルでハイパーインフレーションで、一三〇〇%ぐらいのハイパーインフレーションで、住んでいたことがありますので、どのようなものかというのはかなり経験者として、経営者していましたので、ハイパーインフレになるとえらい目に遭うというのは、朝の値段と夕方の値段と違いますので、いろんな意味でえらい目に遭ったというので、私どもとしては、そのような事態を招くことがないようにやっていくのが我々の仕事なんだと思っております。  いずれにしても、急速なインフレとかいうようなこと、これは、かつて日銀の、いわゆる物価安定を図るという日銀の仕事に主になっていくんだとは思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、少なくともほかの国と違って自国で、自国の国債を、数少ない、自国通貨で発行しております、世界百九十三か国で四か国ぐらいでしょうか、そういった国の一つなんで、私どもとしては、そういった財政破綻とかいうようなことが起きるというようなことを考えておるわけではありません。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 ただ、昭和二十一年のときも自国通貨でしか国債発行していなかったんじゃないかと思いますけれども、ハイパーインフレになったと思う。少なくとも、あとドイツも、一九二三年のドイツもきっと自国通貨でしか国債発行していなかったと思いますけどハイパーインフレになったので、自国通貨でしか国債発行していないから大丈夫だというのはちょっと私は納得できないんですが、今日はこの質問じゃないので、そこで終わりにしておきます。  それで次に、また先ほどに戻りまして、太田大臣にお伺いしたいんですけど、計画道路をそのままほったらかしにしているということで、かなり景観が悪い。特に第一京浜沿いというのは、これが、そこまではいかないんですけど、かなりほかの道路沿いに比べて、沿線に比べて景色が悪いんですよね、走ってみるとすぐお分かりですけど。走ったことありますでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 走ったことはあると思いますけれども、よく町並みを見るという余裕なく走ったと思います。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 一度、今度走ったときはよく見て、計画道路で事業決定しないといかに町並みがまだきれいにならないかということを理解していただければと思います。  次に、先ほどの最高裁判例、太田大臣も言及されておりましたけれども、その最高裁判例にいろいろ補足意見が付いているわけですね、あの最高裁判決には。  その補足意見というのは、まず、受忍期間かどうかというときに、内容とともに期間が重要だとこの補足意見ではおっしゃっているわけですね。受忍限度を考えるに当たっては、制限の内容と同時に、制限の及ぶ期間が問題とされなければならないと考える。これが六十年を超える長きにわたって課せられている場合に、この期間をおよそ考慮することなく、単に建築制限の程度が上記のようなものであるからということから損失補填の必要はないとする考えには大いに疑問がある。まず一つは、期間を考えろというふうに補足意見では書かれているわけです。さらにまた、補償の要否の判断に制限が課されていた期間の長短を考慮に入れることとする場合、そもそもどの時点をもって補償不要の状況から要補償の状況に移行していたと考えるのかといった問題が生じよう。これは本来、立法措置によって明確化されるべき問題であると言えると。  要するに、長くなったときに、例えば計画道路の見直しをするとか、それから補償を付けるとか、立法措置をしろという補足意見が付いているわけですけれども、それをせずにまたネグってしまうというのは、まさに立法と行政の怠慢ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

石井喜三郎国土交通省都市局長

○政府参考人(石井喜三郎君) お答えを申し上げます。  今御指摘の最高裁判例、盛岡の事例の場合でございますが、実は、この判例が出まして、その後、都市計画制度小委員会というところで、これは今のコンパクトシティーその他も含めて様々な議論をいたしました。  そこで、これらの問題について、私ども、長期未着手問題ということで、盛岡の判例、それからそれまでの判例、それと、委員からも御指摘がありましたが、制限が一律二階以下というのは大変厳しゅうございますので、自治体がそれを緩和する措置を、東京都であったり横浜市の場合には例えば商業地域では五階まで認めるといったもの、あるいは大阪の場合も三階ということなんですが、都心業務地区内については階数を四階にするといった様々な緩和措置、さらには税制の措置等を御紹介をいたしまして御意見を求めました。  その結論のところだけ申し上げますが、いわゆる長期未着手に関する都市計画の見直しにとどまらず、都市計画全体として適切であることを不断に追求すべきことについては、都市計画運用指針等において措置されたところである、まずその徹底を図るべきであると、今後の見直し状況を踏まえ、見直しが十分行われない場合には制度的な検討をする必要があると、かように御指摘を賜りまして、現時点では、先般来、私どもの方で都市計画運用指針を平成十二年から累次にわたり発出をしております。その結果として、地方公共団体において順次、最近は特に数百キロ単位で廃止等が行われておりますが、これを更に徹底をしてまいりたいというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 先にちょっと質問の順番を変えまして、いろんなことをやっていただけるとしても、地域の住民としてはいろいろ不満を持っていらっしゃる方がいると思うんですけれども、それどこに不満をぶつけたらいいのか。  要するに、今度、行政不服審査について、公権力の行使に対する不服申立てができるかを今度の法律改正で、現状六十日なものを参議院でもし通過すればたしか三か月になるという法案を考えられたと思っているんですけれども、今みたいに、計画道路を決定したときはまあ不満はないけれども、七十年もほったらかしになっているときに何とかせいというこの不満はどこに持っていけばいいんでしょう。  総務省の方にお聞きしたいんですけれども、先ほども言いましたように、行政処分があればそれは対応する方法はあるわけですけど、時間がたったがゆえに不満が出てきたというときはどういうところに文句を言いに行けばいいか、それを教えていただきたいんですが。

上村進総務省行政管理局長

○政府参考人(上村進君) お答えいたします。  私ども、取りあえず行政不服審査法所管の立場でございますのでその点につきましてお答え申し上げますけれども、まず、行政不服審査法の申立ての対象は、これは委員もう御承知のとおり、行政処分でございまして、国民の具体的な権利義務に変動を及ぼすもの、こうしたものに対して不服を申し立てることができるわけでございます。  今御指摘になりました都市計画、都市計画のような行政計画の決定でございますが、これがこの行政処分に当たるか否か、これにつきましては個々のケースごとに判断する必要があると思いますが、私ども総務省で把握している限りにおきましては、現時点で、行政不服審査法の裁決例あるいは確定判例において都市計画の決定が行政処分に当たると、そうしたものは見当たらないわけでございます。ということになりますと、都市計画の決定が行政処分に当たらないということになりますれば、これは行政不服審査法に基づく不服申立てはできないということになります。  その上で、委員のお尋ねでございますが、しからば、都市計画の決定自体についてはそういうことでございますが、仮に御指摘のようなケースで、現時点でその土地の所有者の方々が新たにこのような都市計画施設区域内で建築の許可の申請を行うと。例えば、三階建て以上のものを建てるというような申請を行って、それに対しまして何らかの処分、不許可処分とかが出た場合は、これは明確に行政処分に当たりますので、この場合は現行法に基づき六十日以内の不服申立てができると、こういうふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 ちょっと私、法学部じゃないので、私の理解が違っているのかもしらないんですけれども、行政不服審査法第一条に、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、」と書いてあるんですけれども、これ行政処分じゃなくてもできるんじゃないんですか。

上村進総務省行政管理局長

○政府参考人(上村進君) 何が行政処分に当たるかというのは、委員御指摘のとおり難しいところがございまして、私も先ほど申し上げましたように、個々にこれは判断する必要があるわけでございますが、一般的に言いますと、このような、法令を定めるような場合と同じで、一般に抽象的な権利義務を課す場合というのは行政不服審査法の対象にはならないと、こういうふうな運用をされているところでございます。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 行政処分じゃなくて、その他公権力の行使に当たる行為と書いてあるんですけれども、それはどうなんですか。

上村進総務省行政管理局長

○政府参考人(上村進君) これは例えば、何らかの理由で、例えばその対象となった人を施設内に収容するとか、そういう非常に強い権限を行使して事実上の行為を行うと、こういう場合を指すというふうに解釈されておりまして、この場合は当たらないと考えております。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 分かりました。それは私の勉強不足でした。  時間がないので、最後の質問にいたしますけれども、財務大臣にお聞きしたいんですけれども、国土交通省の方でいろいろ考えていただくとしても、改正する前に相続税で多少なりとも補填はできないのか。今、都市計画道路上の土地というのは、たしか一律二〇%の評価の減額だと思うんですけれども、それを、例えば容積率、それは地方だったらそれでいいかもしれませんけれども、さっき申し上げたような高層ビルが建つようなところで一律二〇%といっても本当にスズメの涙の補償しかないわけですよね。  そういう面でいえば、例えば容積率がどのくらい、建てられるのにどのくらいしか建たないかとかいうような基準で相続税の減免はあってもいいんじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、相続税に関しては、相続したときの財産ないし相続財産の価値というものに課税するものでして、これはもう相続時の時価によるということに、これはもう必ずそうなります。  お尋ねの都市計画のさっきの予定区域内の宅地等々につきましては、これは建築制限による宅地価格への影響を考慮してということなんだと思いますが、商業用、住宅用などいろいろ宅地の用途、また先ほどから出ております容積率、また制限を受ける宅地面積に占める割合などなど、それぞれを踏まえた補正率とよく言われるものですけれども、それによって建築制限がないものとした価格を減額評価したものを時価として取り扱うことになっておりますので、一律二〇%というわけではなくて、今随分いろいろパーセントが変わっておりますので、現行の取扱いは、相続時の財産価格に対して課税するという基本的な考えに沿ったものというのになっておりまして、これパーセントといってもいろいろありますので、お調べいただくと分かると思いますが、こういったものによって一律二〇というわけではございません。

藤巻健史日本維新の会・結いの党

○藤巻健史君 時間が来ましたので、ここで終わらせていただきます。     ─────────────

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。     ─────────────

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 日本維新の会・結いの党の柴田巧です。  今日は准総括ということですので、これまでの議論を振り返りつつ、また踏まえ、さらに関連してお聞きをしていきたいと思いますが、先般の省庁別審査でもお聞きをしましたが、科学技術の問題についてお聞きをしたいと思います。  まず最初は、いわゆる科研費等の適正な使用についてお聞きをしていきたいと思いますが、改めて言うまでもありませんが、この科学技術イノベーションを推進する上で、独創的で多様な世界トップレベルの基礎研究や研究開発を推進することは極めて重要であります。  そのためにも、科研費等が適正に使用されていくということが強く要請されておりますが、御案内のとおり、これをめぐってはこれまでもいろんな問題が起き、またこの委員会でも取り上げられてきたところであります。  確かに、文科省は、平成十九年に大学等の研究機関に対して、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインを通知するなど、不正防止に取り組んでこられたのは事実でありますが、その後も、例えば文科省の調査によっても、平成二十年から二十三年度において、十九機関四十八人が関与する、総額一億七千二百万に上るいわゆる預け金やプール金の問題なども、不適切な事案も発覚をしたところであります。  会計検査院も、平成二十三年度の決算検査報告でもこのガイドラインに基づく体制整備が適切に行われていないということを指摘をしているところでもありますが、加えて、総務省が、この平成二十四年度の二千五百六十六億の文科省の科研費となりますが、調査対象大学、国公私立六十一校に上りますが、ここでその科研費などの適正な使用を確保する観点から調査をしまして、文科省に勧告をしたところであります。  例えば、いわゆる預け金については、研究者が自ら全て発注をする、事務局が何ら関与しない発注や検収が行われているということであったり、あるいは、プール金については、非常勤雇用者の勤務条件及び勤務状況の確認が未実施だと、非常に管理等が十分に行われていないということが明らかになっているわけであって、総務省もペナルティーをやっぱりすべきではないかということなどなど、文科省に厳しくこの勧告を迫ったところであります。  そこで、大臣においては、この総務省の勧告を、研究費の管理、監査に関わる指導の徹底と制裁措置を求めるこの総務省の勧告をどのように受け止められたのか、また、前々から指摘をされているこの預け金やプール金の防止対策に、特にこの強化が必要だと思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、お聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、公的研究費の不適切な経理は、国民の信頼を揺るがしかねない重大な問題でありまして、総務大臣からの勧告、真摯に受け止めております。  文科省では、総務大臣からの勧告や文科省に設置した研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースの中間取りまとめなどを踏まえまして、平成十九年に策定した研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインを今年二月に改正をいたしました。  改正ガイドラインにおきまして、総務大臣の勧告も含め、一つは、預け金、プール金の防止策として、研究機関は物品等の発注・検収業務等について、原則として事務部門が実施すること、また、研究機関に対する制裁措置として、公的研究費の管理・監査体制に不備があった場合などに研究機関に対する間接経費を削減することなどを盛り込むなど、公的研究費の適正な使用のための対策を講ずることとしたところでございます。  文科省としては、今後、この改正ガイドラインに基づく取組が各研究機関において着実に実施されるよう促してまいりたいと考えております。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 これまでも何度も指摘をされてきたところでありますが、残念ながら、なかなか事態が改善をしないということでございます。  先般も倫理教育の必要性等々についても質問をさせていただきましたが、文科省の指導の徹底というもの、これやっぱりしっかりやっていく必要があるんだろうと思います。いろんな文科省の調査も見ておりますと、口頭だけの指摘であったり、あるいはその指摘事項に関わる改善状況の事後確認も行われなかったりと、非常にちょっと抜けているところが多々あると思いますので、是非徹底を図っていただきたいものだと思います。    〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕  また、この総務省の勧告においては、年度末に、研究期間の最終年度などにおいて使い切りがかなり見られると。例えば、その六十一大学のうち四つの大学では、年度末に高額機器や多数のパソコン等を購入をしたり、あるいは六十一のうちの十四大学では、年度末に研究費の三割がもう集中的にそこで執行されているということが明らかになっておりまして、やはり計画的、効率的な、効果的な執行にやっぱり努めるのが本来あるべき姿なんだろうと思います。  こうなるのも、使い切らないと次の科研費を申請したときに不利益を生じるんじゃないかという思いがまだ強いんだと思いますが、その面はかなり改善をしてきて、繰越制度などを活用すれば済むというふうになってきていると思っていますので、この研究期間最終年度の使い切り抑止対策がこういう具合に非常に不十分なものになっていますが、計画的な執行がなされるようにどのように取り組んでいくのか、お尋ねをしたいと思います。

小松親次郎文部科学省研究振興局長

○政府参考人(小松親次郎君) お答えを申し上げます。  研究の進展に合わせて柔軟に研究費を使用できるようにするということが一方で重要でございますけれども、研究費の計画的な執行は、それは大前提ということで、おっしゃられますように、研究の進展の状況によっては残余が出る、その場合は国にきちんと返還させるように取り組むことが重要というふうに考えております。  総務省からの勧告を受けまして、研究機関の使用ルール、それから研究者の使用ルールといったものが、私ども出しているわけでございますけれども、ここにおいて、研究費に残額が生じる場合は返還するということについては、口頭ということではなくて明記をしていくと。それから、二十六年、今年の四月の交付内定時にはこうしたルールを更に通知し、また説明会等でもそれを説明していくということを予定しております。  なお、これらとは別に、研究者用のハンドブックというのを私ども出しておりまして、最も普及版でございますが、こちらの方にも、研究費の返還を行ったことによって、その後の科研費の審査において不利益が生ずることは一切ないということを新たに明記をいたしまして、ホームページに公表するなど明確化するような形で徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。  近年、御指摘がありましたように、予算の繰越し等小規模な科研費についての年度を越えた柔軟な執行を可能とするための基金化、そういったものを進めておりますけれども、勧告も、そういったものの流れの中で更にこの辺りも徹底して、年度末の無駄遣いをなくすという趣旨であろうかと思っておりますので、それに沿ってしっかり対応してまいりたいというふうに考えます。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 今御答弁ありましたように、まだまだ使い切らないと損だという意識が強くて、必要のないものが買われている実態があります。科研費は、言うまでもなく我々の貴重な税金によって形成されているわけですから、今答弁されたことが周知されますように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  もう一つは、いわゆる間接経費の問題ですが、競争的資金の間接経費というのは、御存じのように、その資金を獲得した研究者の属する研究機関に対して、研究費である直接経費の三〇%に当たる額が配分されると言われていますが、この使途を明確にするにはその使用方針の作成などが不可欠ですけれども、この実態が十分に把握をされていなかったり評価されていなかったりしていたというのは調査結果から明らかになりましたが、この間接経費も言うまでもなく我々の貴重な税金から成り立っているわけで、しっかり実態の把握、評価をして透明性の確保を図っていくべきだと思いますが、どうか、お尋ねをしたいと思います。

小松親次郎文部科学省研究振興局長

○政府参考人(小松親次郎君) 文部科学省では、これまで競争的資金制度を所管している関係府省で策定をいたしました間接経費に関する指針に基づいて対応してきたわけでございますけれども、ここでは各研究機関における間接経費の使用金額については実態把握を行ってきたわけでございます。御指摘のように、今、総務大臣からの勧告を踏まえて更に実情をしっかり把握する必要があるという考えに立ちまして、現在関係府省において、間接経費に関する指針について、間接経費の金額だけではなくて、使途あるいは使用方針の作成状況や管理状況といったことを新たに把握することを盛り込む方向で改正するための検討を行っているところでございます。  文部科学省としては、その指針を踏まえまして、間接経費の使用方針の作成状況等の実態を把握し、間接経費の使用について透明性の確保がしっかりなされるように努めてまいりたいという考えでございます。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 先ほどから申し上げていますように、科学技術イノベーション政策、まさにこれからの我が国にとって大変重要な政策課題であります。その科研費をめぐる問題がずっと不正が後を絶たないということは、ここでやっぱりしっかりけじめを付けていく必要があると思いますので、しっかりとした対応をこれからもしていただきたいと思います。  次に、今度は優秀な科学人材の育成ということでお聞きをしていきたいと思いますが、そのイノベーションを最終的に起こしていくのは言うまでもなく人であって、それをどう優秀な人材を育成していくかというのは大変重要な問題になるわけであります。されども、近年いろいろ指摘をされておりますように、我が国の科学研究力というのは質、量共に落ちてきていると言ってもいいんだと思います。  お手元に四枚資料があって、一ページめくっていただいて、国・地域別論文数及びシェアの資料があろうかと思いますが、研究活動を定量化する上で一番代表的なのが論文の数ということになりますが、一九九九年—二〇〇一年の平均と二〇〇九年から二〇一一年の平均を比較した場合、僅かながら日本の場合も増えているんですが、中国などが桁違いにどんどん伸ばしておりますので、そこにありますように、シェアからするとそういうふうに二位から五位に落ちてくるということでございますし、次のページ行ってもらいますとお分かりのように、論文が多いかどうかというのはその論文の質の高さを示すんですが、上位一〇%に入っている論文もそこにありますように四位から七位に下がってきております。それから、注目度の高い論文といいますか、上位一%に入る、この論文でいうと、これも五位から八位に落ちてきているという具合に、世界の中で日本の研究力というのはどんどんどんどん低下をしているわけで、大変我々としてもこれは強い危機感を持たざるを得ないんだと思っております。  更に心配になりますのは、一ページ目になりますが、PISAの、これはOECDがやっている国際学習到達度調査ですが、習熟度が高い生徒の割合、いわゆるその教科で上位を占めるのがどれぐらいいるか、上位層がどれぐらいいるかという問題ですが、これは十五歳の数学的応用力、科学的応用力の調査ですが、そこにありますように、正直、日本は前回よりは伸びてはいるんですが、良くなってはいるんですけれども、上海やシンガポール、香港、韓国などに比べると数学的応用力は落ちるし、また科学的応用力についても上海、シンガポールには後塵を拝しているということであって、こういうことでは我が国だけがグローバルな競争に取り残されていく危機感を感じざるを得ないわけで、これは、これまでの科学的人材の育成あるいは理数教育の在り方をやっぱり根本的に見直すべきところに来ていると思っております。  そこで、まずこのPISAの調査の結果の要因をどのように分析をしているのか、まずお尋ねをしたいと思います。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 昨年十二月に公表されましたPISA二〇一二によりますと、我が国は、科学的リテラシーについて、調査開始以来初めてOECD諸国中のトップ、また数学的リテラシーにつきましては、経年比較可能な二〇〇三年以降で最高のOECD諸国中二位となったところでございます。この間に成績の下位層の減少と最上位層の増加は進んできているところでございますが、他のトップの国に比べまして課題があることも事実でございます。    〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕  習熟度別、レベル別の状況を見ますと、まず科学的リテラシーにつきましては、我が国の場合、習熟度が最も高いレベル六以上の生徒の割合が三・四%、これに対しまして、他の上位国と比較しますと、この数字は、韓国は上回っておりますけれども、例えばシンガポールに比べますと二・四ポイント少ないということになっているわけでございます。また、数学的リテラシーの習熟度につきまして、最もそのレベルの高い六以上の生徒の割合が我が国では七・六%でございます。これは最も低かった二〇〇六年以降着実に増加はしているわけではございますけれども、韓国やシンガポールと比較いたしますと、我が国の場合、両国に比べて五ポイントから一一ポイント程度低いという状況でございます。  これらを踏まえまして、我が国のこれまでの教育政策の取組によりまして成績が上がってきているのは事実ではございますけれども、他の上位国と比較しまして、下位層の底上げの取組は十分な成果を上げているというふうに考えられますが、最上位層を高める取組、例えば発展的な学習の機会をつくる、あるいは習熟度別指導を強化する、あるいは小学校からの理科の専科教育を行うと、こういった取組がまだ十分ではないというふうに考えているところでございます。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 そうなんですね。我が国はどうしても横並び意識が強くて、学習指導要領に沿って同じ内容を一律に教えるこの横並び教育が重要視されていると。ある意味平等が重要視されているということですが、世界のこれからの競争に打ち勝っていくためには、やっぱり上位層をどう更に引き上げていくかということがますますこれから大事になってくるんだろうと思います。  もちろん、つまずいている、あるいは理解が十分でない子供たちの指導もしっかりやっていかなきゃなりませんし、理数の面でいうと、理科や数学が嫌いな子をいかに少なくして裾野を広げていくかというのも大事なんですが、やはりグローバルな競争を勝ち抜くには技術革新を生む優秀な理系の頭脳というのは我が国にはこれからますます必要だと思いますので、出るくいを伸ばす、そうした傑出した才能を伸ばすやっぱり教育の推進というのはこれから極めて重要だろうと思っております。みんなが一緒でいいという価値観ではもう、ちょっと通用しない時代になっているのではないか。年齢よりも能力がますますこれからは、ということが問われてくるんだろうと思います。  そういう意味でも、早い段階で傑出した才能を見出して継続的にそうやって支援をしていくということが大事だと思いますが、アメリカでもそうですし、中国では、かつてから超常教育などと言われていますが、いわゆる今一種のエリート教育をしておりますし、韓国も二〇〇二年に英才教育振興法を作って国主導でいわゆる英才教育に力を入れておりますが、これまで日本ではそういったことはタブー視されてきましたけれども、そういう出るくいを伸ばす教育、これから日本には非常にますます重要になると思っております。  アメリカではきしむ車輪は油をもらえるという格言があるそうですが、日本の出るくいは打たれるの全く逆であって、やはり希有な才能を持った子を伸ばしていくと、特に理数の面では重要なことだと思いますが、そういう出るくいを育てる教育の推進、大臣はどのようにお考えになっておられるか、お聞きをします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今までの日本の教育は、横並び、画一、均一で、結果的に落ちこぼれ、それから一方では、吹きこぼしというふうに言うそうですけれども、優秀な生徒が更に伸びるような環境づくりになかったと。これは大きくやっぱり変えていく必要があると思います。  これからの次代を担う科学技術人材を育成していくために理数好きの子供たちのシェアを拡大していく、優れた素質を持った児童生徒を発掘してその才能を伸ばしていくための教育を日本は大きく方向転換をして鍛えていくと、そういうことをしていく必要があるのではないかと思います。  そのためには、学習指導要領の充実を更にしていくということと、それから今御指摘がありましたが、才能のある子供たちの力を伸ばす。そのために、今高校生等が国際化学オリンピックにいろいろチャレンジしている学校が増えておりますが、国としてもこういう支援をしていきたいと考えておりまして、昨年度はこの国際大会に参加してメダルを受賞した生徒、全ての分野において文部科学省に来ていただいて、私の方から表彰等を行って、バックアップをするような体制をつくるということを、メッセージを全国の高校生に送っております。  また、昨年は夏に全国から選抜された理科好きの中学二年生四十人、これは有馬元文科大臣が創造性の育成塾の塾長をしておりまして、ここで国際化学オリンピックにも積極的に挑戦して、世界のトップレベルの人材を目指すという塾でありまして、私もその生徒に直接講義をしたり、それから激励をしたりと、そういうことをしてまいりました。  今後とも、優れた才能を存分に伸ばして、そして我が国の科学技術を牽引する、出るくいが伸びる、そういう人材育成にもしっかり取り組んでまいりたいと思います。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 ありがとうございます。  そのためには、今もおっしゃったように、まずは早い段階で才能のある人材をどう発掘するのか、見出すのか、これが大事だと思いますが、どのように取り組むのか、お尋ねをしたいと思います。

川上伸昭文部科学省科学技術・学術政策局長

○政府参考人(川上伸昭君) お答え申し上げます。  今先生がおっしゃられた、早い段階で才能のある人材を発掘する、こういうことでございますけれども、まず文部科学省としましては、従来から学習指導要領によらないカリキュラムを開発、実践をし、そして体験的、問題解決的な学習に取り組むということで、スーパーサイエンスハイスクール事業というのを起こしてございます。現在、二百四校がそれに指定されておりまして、そういうような取組を通じまして、まずやる気のある、才能のある子供たちがこういう活動に参加をするように働きかけをしてございます。  またさらに、本年度からでございますが、卓越した意欲、能力を有する高校生を対象としまして、教育委員会と協力をして、大学等において講義をし又は研究を行わせるということで、科学的探求能力を有する傑出した科学技術人材の育成を行うプログラムを開発、実施をする大学、これを支援をする新しい枠組みとしまして、グローバルサイエンスキャンパスという名の付いた事業を開始をしたところでございます。  こういうようなことによりまして、将来グローバルに活躍し得る傑出した科学技術人材の発掘、育成に取り組んでまいりたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 これがもう時間が来ましたので最後になると思いますが、あといろいろお聞きしたいこともありましたが、そんな中で考えていかなきゃならぬのは、いわゆる飛び入学の推進をやっぱり我が国はもっと考える必要がある、来ているんではないかと思います。  京大医学部が二〇一六年度から飛び入学を始めますが、アメリカでは大体今十八万人ぐらい、十八歳未満の大学生、正規学部課程に在籍するのがいるらしいんですが、我が国の場合はまだ六大学ぐらいで年間数人程度にとどまっていますが、かつて戦前も飛び入学を我が国はやっていましたが、傑出した才能を更に伸ばしていく、将来の科学的な優秀な人材を育てるという意味でも、この大学の飛び入学をやっぱり広まっていくように支援をすべきだと思いますが、お聞きをして最後にしたいと思います。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 下村文部大臣、時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 現在、六大学で導入され、これまで百十一人の学生が入学をしており、御指摘のように平成二十八年度からは京都大学の医学部が導入を予定しております。  文科省は、今年度から新たに飛び入学を含め、入試改革、高大接続に取り組む大学への支援事業の公募を開始し、九月から事業を実施してまいります。  現在、教育再生実行会議においても、この飛び入学をする学生が高校中退扱いになっている現制度の在り方も含めて議論されているところでありますが、飛び入学の推進に関する支援方策についてしっかり検討してまいりたいと考えております。

柴田巧日本維新の会・結いの党

○柴田巧君 どうもありがとうございました。終わります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。  私、前回の決算委員会五十二分、今回の決算委員会五十二分、たくさん時間をいただいておりますので、しっかりと質問していきたいと思います。  まずは、ごめんなさい、ちょっと事前通告と順番が変わりまして、せっかく新藤大臣にもお越しいただいていて、最後にちょっと電波利用料を聞こうと思ったんですけど、余り後ろの時間を気にしてしゃべるのもあれかなと思って、最初にちょっと電波利用料について質問をしたいと思います。  私は総務委員会でこれまで度々電波利用料について質問をしてまいりました。歳入のほとんどが携帯電話事業者からであるにかかわらず、歳出の半分近くは地デジ化の費用であると、そういった受益と負担のアンバランス、それから特性係数の事実上の格差、そしてこの電波利用料、幾ら積み上がるんだ、幾ら膨れ上がるんだと、そういったことを議論させていただきました。今日は、隠れ特別会計とも言われる、そのゆえんとも言われる電波利用料の歳入と歳出の差額の累積額を中心に質問をしたいと思います。  まず、直近の判明している歳入歳出の差額、単年度分ですよ、差額の直近で把握している分、平成二十四年、分かっていますかね。ちょっとそれ、お尋ねしたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 平成二十四年度決算の電波利用料の歳入と歳出の差額は約七十一億円であります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 ありがとうございます。  大臣、何でこんなに差額が出るのでしょうか。逆に言えば、余りプラス・マイナス・ゼロにしろと言うと何とか予算消化しようとする動きもあるので余り厳しい意味で聞くわけではないんですが、七十億円を超えるその差額は何でできたのか、ちょっと、もし御存じであれば教えていただけますか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは、スマホの普及ですとか無線局の急増、これによって歳入が想定を上回ったと、こういうことでございます。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 当然、この差額の部分はどこかに積まれていきますよね。この累積額はどこに行くのでしょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは一般会計の中でカウントされると、こういうことになります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 済みません、では、これは直近の、今まで分かっている限りの差額の累積額は幾らになりますでしょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) この平成二十四年度でございますけれども、四百二十七億円と、こういう状態でございます。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 ちなみに、平成二十三年度までの累積額が三百五十六億円ですから、一年間でかなりたまるんですね。今年度の予算の段階で既に黒字が七十億円見込まれているわけであります。  つまり、予算の段階でマイナスシーリングを掛けないでこの七十億円の黒字を見込んでいるというのは、例えば万が一に備えてということなのでしょうか。ちょっと、なぜ予算の段階から差額が出るのかなと疑問に思ったので、それも質問したいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは、予測に基づいて、この需要のトレンド、そういったものを見て一応算定しているということであります。  過去においては、例えば平成二十一年度などは地デジの対策で歳出費用が膨らんだということで、このときは百七十七億円の不足が生じたということでありまして、そういったものをこれまでの累積の中から埋めると、こういう制度になっているわけであります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 この累積額というのは、これ一般の例えば国民が見て分かるものなのでしょうか、それとも総務省だけが把握をしているのでしょうか、伺いたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは決算データがずっと残っておりますから、総務省は承知しておりますし、何よりも財務省が把握していると、こういうことであります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 この電波利用料なんですけど、詳細、どの辺りまで分かるんでしょうかね。例えばどこの業者に幾ら使っているとか、例えば何とか産業会みたいな感じの天下り団体もあると思うんですけど、そういうのに幾ら電波利用料を使って事業を行っているか、ちょっともし、分かる範囲で、あれば教えていただけますか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは、行政評価レビューのシートが出ます。その中である程度、どこの社にどの程度と、こういったものが分かるわけであります。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 一応、その足りない部分、さっきの見込額など、不足が生じた場合に使われる。そして、たしか財政当局に総務大臣が要求をすれば予算が下りるということでありますが、過去に百七十七億円あったということですが、それ以外に大きな予算要求というのはございましたでしょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 平成十三年から十六年度までは、アナログの周波数変更対策業務、これで、十三年度が七十三億円、十四年度が二十二億円、十五年度が四十二億円、十六年度が二十七億円と、こういったことでありますし、平成二十一年度の補正において、地デジ対策とそれから携帯エリア整備、これで二百二十六億円使われております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 回数は結構あるということでありますが、例えば次の年度とかで予算請求をした場合に、一般会計の予算書や決算書などを見たときに電波利用料の累積額分の予算要求のものと分かる工夫、例えば勘定科目に電波利用料財源なんとかみたいな感じで、一般会計の中にそういう分かるように工夫とかってされていますかね。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは、そういうようなことは、内部の資料でそれぞれが、原庁である総務省とそれから予算の編成をしている財務省が分かると、こういうことであります。  委員が冒頭、特別会計、こういうようなお話されましたけれども、これは一般会計の中の特定財源と、こういう位置付けにしているということですね。通常は一般会計の中の一般財源ですから、枠としてそういった特定なものとして与えられている、またそういう枠を設けている、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 今日は財務大臣にもお越しいただけると思わなかったので、ちょっと質問したいなと思うんですけど。  そうやってその特定財源、一般会計の中でも一応その電波利用料を使ったなと、要は予算請求をしたなと分かるのであれば、これ特別会計要らないんじゃないかなと思うんですけど、どう思われますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問で、こういうのはあらかじめきちんと決められたルールにのってやっていただくことになっておるんですが、こういうのは度々やっているといつでもいけるように思われると困りますので、答弁は差し控えさせていただきます。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 分かりました。じゃ、今度またちゃんと通告出してしようと思います。  先ほどちょっと申し上げましたが、私は、電波利用料の歳出と歳入の適正化を余りかっちりやれと言うと、道路特定財源みたいに予算消化に躍起になっちゃう可能性があるので余り言いたくはないんですが。  大臣にちょっと伺いたいのは、受益と負担の定義の解釈で何度か御議論させていただきました。歳入のほとんどが携帯電話、歳出の半分が地デジ化というわけで、私はこれ受益と負担の関係にはなっていないんじゃないかと申し上げましたところ、大臣は電波利用料というのは電波利用全体の受益と負担だから問題ないんだとおっしゃいましたが、余ったお金は、普通であれば一般会計のその他の経費に使われていると、累積額はちょっと一般国民には分かりづらいというわけで。要は、ほかの、つまり、受益と負担と言っておきながら一般会計でも使われている、これはちょっと受益と負担にならないんじゃないかという気がするんですけれども、改善すべきではないのかなと思うんですが、その辺り、ちょっと御見解を是非。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) この電波利用料制度は、不法無線局の監視であるとか無線局全体の受益を直接の目的とする事務の費用に充てるために、言わば電波利用の共益費用として無線局の免許人に負担をしていただいている、こういう仕組みになっているわけです。したがって、それぞれの免許人の負担の大きさが必ずしも受益の大きさに直接的に結び付くものではないと。  また、特定の免許人の受益を目的として負担をしていただいているわけではありませんので、電波の監理全般について、これは、年によって、また状況によってこれは様々な場面が変わってきますけれども、いずれにしても、電波利用を享受する、その共益費としての制度としてこれまでも安定的に活用してきたと、こういうことで理解をしてもらいたいと思います。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 先ほど不正監視、電波の不正利用の監視とおっしゃいましたが、基本、そのベースの部分はもうほとんどなくて、地デジの費用とか研究開発にも使われているというのも、それはもうずっと過去の質問で何度もさせていただきましたし、そういった認識がちょっと違うのかなという気はします。  要は、差額が一般会計に行くという部分、これは確かに電波法では規定がないので、原則どおり一般会計の経費に行くということですが、やっぱりその辺り、ちょっと何か埋蔵金チックだみたいなことを言われるのはやむを得ない気がするんですが、それについてどのように思われますか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 例えば、地デジの対策であれば、デジタル放送に移行することで地上テレビの放送が使用する周波数が圧縮されますね。そうすると、そこに空いた周波数を新たに携帯電話だとかマルチメディア放送ですとか、それから様々な無線、電波を使った監理、こういったものに使われるようになるわけですね。結果として、それは電波の逼迫状況を緩和することになる、無線局全体が適正な利用環境を確保できると。それをして無線局全体の利益と言っているわけでありまして、そういう意味では、その時々の状況に応じて柔軟に運営できるということです。  今、隠れ財源とおっしゃいましたけれども、そうではなくて、これは権利として使える枠を留保しているということであって、ほかに使ってはならないんではなくて、これは無線局全般の利益に資するように、そしてそれは、一般会計の中で対応可能なものについては柔軟に対応しつつ、必要なときには元々の免許人の方々が負担をしていただいているその求めに応じて支出できると、私は非常にこれは柔軟な制度ではないかと。むしろ、変に囲ってしまえば、これはそこの中でまた別枠のものが生じます。一方で、それをなくしてしまえば、必要な、こういう電波の行政というのは一年一年で変わっていくものではなくて、ある程度大きな対策を打つときには数年にわたって関係します。  ですから、そういった短期的なものと中長期的なものを含めて、これは、全体を見通して運営していくという意味においては、うまくいろいろな柔軟な対応をしつつしっかりとした枠を確保しておくという合理的な制度ではないかと私は考えております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 確かに、私もある程度の柔軟性は残すべきだと思うんです。ただ、二十年で桁がもう十倍になっている。  それから、さっきちょっと私、研究開発と言いましたが、受益と負担の関係で、研究開発って結局、現時点の受益と負担の関係ではないわけじゃないですか。要は、将来にわたっての電波利用に係ると思うんですよ。そういった時系列を無視して、もう何でもかんでも電波利用のためになるのであらばというので、どんどん解釈が大きくなっていって、結局、七十億でスタートした、ところがもう七百億を超えていると。おまけに、どんどんどんどん増えていって、本来使うべき目的、もう基本が、基本よりもはるかに地デジの費用とか、研究開発も確かにもう二番目ぐらいに大きい、一七%ぐらいだと思うんですけど、どんどん膨らんでいくことに関して私は結構懸念をしているんですが、その辺り、とにかくもう電波に関連すればいいという解釈は私はちょっと考え直すべきではないのかと思うんですが、ちょっと大臣の御見解を伺いたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 確かに十倍になったわけであります。でも、その期間にトラフィックは十八倍になっているわけですよ。ですから、今後も、この三年間で共益費用を見積もってそれを割り振っていくわけでありますけれども、これは今後とも電波に関するものはどんどんと増えていくであろうと。しかし、共益費がどこまで増えるかというのは、地デジの対策が終了したところでこれはまたいろんな見直しがあると思います。  そういうことに関しては総務省が主体的に定めますが、有識者によるいろんな御意見も頂戴しておりますし、パブリックコメントもいただきますし、いろんなまた無線局の方々からも意見を頂戴して、そういう中で話合いをしながら決めているということですから、これは国の基幹に関わることですので、大きな流れの中で、多少の変動があってもそういった流れをしっかり捉まえて、どういう状態でも対応できるようにしつつ、できるだけそれは負担が掛からないようにした方がいいとも思いますし、今回などは、例えばこの電波利用料の見直しに当たって、ある一定量の電波利用料を納めている、それだけの電波を使っている方々に対してでありますけれども、これからのセンサーですね、センサーに掛かるような電波料はこれは実質ゼロ負担と。  これもかなりいろんな議論をいただいた中で、私は、国民にとってこのセンサーをより活用できるような、そういう呼び水となるような料金体制を検討していただきたいと、こういうお願いをいたしましたが、これは実質ゼロという、こういう体系ができるわけであります。それによって電波の利用が更に進みます。そして、無線局全体の利益は上がり、その中で、新しい体制をつくりながら負担を新たに求めずにできるというのもこういう枠の中での工夫ではないかと、このように思っております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 確かに、大臣がおっしゃったトラフィック十八倍というのは私も分かります。ですが、あくまでも電波利用料というのは元々共益費なわけであって、私は総務委員会でも申し上げましたが、マンションの住民が、例えば十八倍になった、収入も十倍になった、じゃ共益費、大体マンション老化の例えば維持管理ですよね、お金があるからエレベーター造っちゃおうとか、もうそれは共益費じゃないと思うんですよ。やはり、これはどんどんどんどん技術革新が進んでいくにもかかわらず、電波利用料という概念は二十年前とそんなに変わらないわけですよ。それで、どんどんどんどんこれを追加していったら、ちょっとやっぱり私はこれは危険なような気もします。是非これはちょっと見直しをいただければなと思いますが。  次は、じゃ話を変えまして、ちょっと特性係数に関連して伺いたいなと思っています。  今回の法改正で、テレビ局、基幹放送事業者が特性係数が四分の一と、携帯電話事業者が二分の一であって、もうこれさんざん聞かされました、格差ではなくて法律に基づいているとか、テレビはあまねく普及義務があるとか。携帯電話は確かに普及義務的なものはあるけど、地域、エリアに関しては全然テレビ局に比べるとないというわけで、そういった法律論ではなくて、政治家として、要は国民のニーズに合っているかと。特に、電波利用料というのは、携帯電話でいえば、一台今のところ二百円国民が負担しているわけですし、確かにNHKが払っている電波利用料はこれは当然国民の受信料に掛かってくるわけですから、そういった点でちょっと是非伺いたいのは、将来、テレビと携帯って役割の垣根がどんどんどんどんなくなってくると思うんですよ。  例えば、携帯というと電話で通話、私たちみたいな職業は多分通話が多いからしようがないんですけど、携帯電話といったら、最近はもうLTEを使ったタブレット端末あるいはスマートフォンといった使い道で、情報収集としても使っているわけでありますよ。タブレット端末であれば、今、録画されたテレビでオンデマンドも当然見られるわけですし、そしてインターネット配信されている番組であれば見ることができるわけですよ。例えば、これ防災の話はちょっと話が変わるかもしれないですけど、防災のときにツイッターが活躍をしたと。三・一一の時点でさえツイッターを見ている。ツイッターを何で見るかというと、パソコンで見ている人というのはもう四割ぐらいしかいないんですね。今はもっともっとあの頃よりもはるかにもうタブレット端末やスマートフォンというのは普及されていると思うんですよ。  つまり、私が言いたいのは、ハード面で判断する、ハード面で役割を判断をするというよりも何をするかと、要は何でやるかではなくて何をするかと。テレビであっても、例えば携帯電話のタブレット端末、それからスマートフォンも、要は情報収集のツールとして考えた場合に、今の時点ではテレビの方が普及義務がある、携帯電話の方が普及義務としては軽いという意味で、事実上格差が出ていると思うんですが、私はハード面で区別するのは余りよろしくないなと思うんですね。将来にわたってこれ私は垣根がなくなっていくと思うんですが、総務大臣は私のこの考えについてどのように思われますか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) まず、委員は今日全くそういったことを通告をされていないわけでありまして、財務大臣から先ほど御意見がありました。  私は対応できる範囲で対応したいと思いますが、しかし、やはりきちんとしたお答えをさせていただくためには、法律の条文であるとかそれから数字だとか、もうこういったものはまず事務的、技術的にチェックしなきゃいけないもの、これは事務方がそういったものをきちんとお答えをさせていただきます。政策の方向性であるとか見解については私どもが責任を持って対応させていただくわけでありまして、自分が承知している範囲で申し上げますが、更にこの中身を詰めたいと思うのならば、是非そこはあらかじめ我々の方に連絡をしておいていただきたいと、このように私は考えております。こちらから要望することはできませんから、これは私の考えであります。  その上で、今の話はやはりごもっともな部分もあります。国民の利用実態がこれは、それが制度になっていくという側面もあります。一方で、公平そして公正に何かの基準をもって特別な軽減をするということでありますから、そういう、どこに基準を置くかというものも必要なわけです。ですから、どちらか一方ではなくて、そうしたものを勘案しながら、結局国民の利用実態や社会状況を見て法律というのは作られるし、また制度も改善されていく、改変されていくわけですね。  だから、今回の場合は、そもそも携帯電話は軽減係数の対象になっていなかったんです。しかし、東日本大震災の際に非常にこれが有効であったと。それから、その携帯事業者は災害時の指定公共機関として法律上に指定をすることになりました。そういった法の根拠があるがゆえにそこの軽減係数を設けようと。しかし、あまねく普及については、テレビについてはそういった法律上の明文規定がありますが、携帯電話にはそこはないわけであります。そこが二分の一と四分の一の差になったと、私はこれをかつて委員会でも説明をさせていただいたと思います。  ですから、ゼロ、一〇〇でこっちよりはこっちがいいんじゃないですかではなくて、やはり全体的に総合的な検討をしながら必要なものは取り入れていけばいいし、この携帯電話の活用が更に進んでいくならば、そして、今一億たしか二千万人の国で一億四千万台ぐらいの携帯電話があると思いましたけれども、これが更に、携帯だけではなくて、MツーMですとかセンサーを含めて、無線局が増えていったときにどういうような体制をつくるのか、これはもう不断の見直しをやっている、少なくとも三年に一度はそういった見直しも入るわけですから、そういった中での検討を進めていくと、こういうことだと思います。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 私、同じことを実は委員会でちょっと述べたことがあったので、もしかしたらお答えいただけるかなとちょっと期待はしておりました。  もちろんおっしゃることはすごい分かります。法律によってというのはあります。でも、それはやっぱり官僚のしゃべることであって、我々政治家はやっぱりその実態に合わせて法制度を考えていくべきだと私は思って、違うのかな、いると思うので、そういったことをちょっとお話ししたかったなと思っております。  総務大臣に関しては以上で終わります。あしたまた質問させてください。  次は、ちょっと放射性指定廃棄物最終処分場の話をしたいと思うのですが、よろしいでしょうかね。  予算委員会、決算委員会に引き続き、今回も放射性指定廃棄物最終処分場の話をさせていただきます。今回またやるのかと、ちょっとげんなりされそうですが、実は今日から、宮城県の詳細調査地に選ばれた三市町、栗原市、加美町、大和町、それと国と宮城県のこの五者協議が始まるということで、ちょっと大きめに取り上げさせてもらいたいなと思っております。  まず、早速聞くんですけど、環境省に、今回の五者協議、これ、うまくいくと思いますかね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) 済みません、ちょっと御質問が最後よく聞こえなかったんですが。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 五者協議がうまくいくかどうか。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) 本日、夕方六時から五者協議を行う予定でございます。五者会談でございまして、協議ではございませんで、地元に三つの詳細調査のための候補地を提示させていただいてから、いろいろ御意見、お声があると承知しております。この御意見、お声を、本日は副大臣とそれから政務官、現地に向かっておりますけれども、しっかりお話を聞かせていただくというところをまず本日やらせていただきたいというふうに思っているところでございます。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 栗原と加美には水源地があるというのは、もちろんその選定プロセスには水源地からの距離というのは入っていると思うんですけど、大和町って自衛隊の演習場、王城寺原演習場というのがあるんですけど、これはその選定プロセスの中には考慮事項として入っていましたか。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) お答えいたします。  候補地の選定に当たりまして、演習場が近くにあることについては選定手法の中に評価することとはなっておりません。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 つまり、安全性という観念で抜けていたということですよね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) 指定廃棄物の最終処分場の候補地の選定に関しましては、まず有識者会議、専門家の会議で議論を重ねさせていただきまして、具体的な評価の項目、それから評価の基準、それから評価に用いるデータに関しまして基本的な案の了承を得たところでございます。  さらに、宮城県における地域の実情に配慮した選定手法となるようにするために、宮城県内の全市町村長及び宮城県知事に御参加いただきまして、これまで五回の市町村会議を開催してまいりました。その市町村会議におきまして、具体的な評価の項目、それから評価の基準、それから評価に用いるデータとして何を用いるかについても併せて説明を行いまして、議論を重ね、御理解をいただき、昨年の十一月の第四回の市町村長会議におきまして、宮城県の実情に配慮した候補地の選定方法を確定したところでございます。この中に、今先生御指摘の水源への影響を考慮した水源への近接については条件、評価項目として入っておりますけれども、候補地の近くに演習場があることについては、宮城県における選定手法において評価することとはなっておりません。  しかしながら、今回、提示をさせていただいております三か所の詳細調査をこれから行いたい土地につきまして詳細調査をこれから行っていく際に、安全性の確保について丁寧に確認してまいりたいというふうに思っているところでございます。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 五回も申し訳ないですけど会議やっておいて、その演習場が全く考慮されていなかったというのはいかがなものだと思いますよ。結局、やってみて、やっぱり演習場がありましたから、いや、ごめん、やれませんというふうになっちゃったらどうするんですかと思うんですけどね。  次に、この間の決算委員会でも質問しましたが、本年度予算に計上されたこの五十億、一県当たり十億というこの振興策について、今申し上げました各首長がコメントを出しているんです。読みますね。まず栗原市、建設はお金の問題ではない、場所の選定に難航している現段階で振興策を出すなど国に誠意が感じられない。それから続いて大和町、お金で賛成に転じたと思われたなら不本意だ、国の財政は決して潤沢ではないが、比較できない。最後に加美町、幾ら交付金を積まれても建設は認めない、一県十億円で受け入れると考えているのなら認識が甘過ぎるという、コメントをこれ、地元紙が出しているんですよ。  私、このコメントを見て今回の五者会談は大丈夫なのかなと思ったんですけれども、このコメントを受けてどう思われますかね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) お答えいたします。  五県で五十億円の予算を確保させていただいているところでございますけれども、この予算を使いまして風評被害対策あるいは地域振興を行ってまいりたい。どういうことをやる必要があるかにつきましては、地元とよく御相談をさせていただきまして、地元の御意見を聞きながら、あるいはこちらからも説明を丁寧にさせていただきながら検討させていただきたいというふうに思っておりますが、今申し上げました風評被害、これは未然防止策が肝腎でございます。起きてしまってから後手に回った手を打つのではなくて、風評被害が起きないように対策を取っていきたいというふうに思っておりまして、まずはその風評被害の未然防止対策に全力を尽くしたいというふうに思っております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 その御答弁は前と全く同じ御答弁ですね。  私、実は前の決算委員会でもこの三市町と同じようなことを指摘しました。要は、まだ決まっていないのに、国が一方的に上限はここまでですよと、振興策と言いつつもこれ上限だと思っているんですけれども、ほぼ上限を提示する姿勢と、一県当たり十億円、割ればですよ、割れば十億円という金額。この間の決算でもこの十億円何するんですかと聞いたら、これおっしゃいましたね、要は箱物と道路と、それから風評被害対策に新聞広告を出しますとおっしゃっていましたよね。  箱物って全く時代のニーズに合っていませんし、今体育館や公民館を造ったからって、最終処分場を、じゃ、うちやっていいよって、そんなことないと思いますし、そもそも新聞広告で風評被害が収まるのかと、ちょっとそこ突っ込みたいぐらいなんですけれども。そもそもこの十億円でどこまでできるのかという、すごいやっぱり懸念したことが一気に出たような気がするんですよ。  ちょっとこれ伺いたいんですけれども、大臣はもちろんこの五十億という金額は承認されたんですよね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) お答えいたします。  はい、大臣、環境省としてこの予算を確保させていただいております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 この間もちょっと自治体の財政基礎の話もしましたけれども、ちょっととてもじゃないですけれども、やっぱり十億、町の存亡が懸かったプロジェクトに十億というのはちょっとどうかと思います。  ちょっと気になったのは、同じく地元紙、河北新報という、宮城県ですか、にある地元新聞があって、そこに国のコメントが載っているんですね。環境省さんだと思うんですけれども、ちょっとおやっと思ったので聞きたいんですけれども、この国のコメントが、自由度の高い基金を想定している、風評被害をいかに発生させないか、モニタリングや情報公開に万全を期すとありますが、この間の私、福島県の中間貯蔵庫に関しての朝日新聞のコメントをちょっと思い出しまして、あのときは自由度の高い交付金に近いみたいなことを言っていたのでまあ同じようなニュアンスかなと思っているんですけれども。これ、何なんでしょうか、この基金というのは。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) お答えいたします。  この五十億の交付金を基金として置くということでございます。その使い道は、自由度が高くしたいということで、地元の自治体がどういう御要望をお持ちかということをこれからきめ細かくお聞きして御相談してまいりたいというふうに思っております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 申し上げましたように、要は、十億で箱物を造って、道路を造って、新聞広告をして、そんなにできるのかなと思うんですけれども。結局、でも、要はボーダーとしてこの一県当たり十億、それ言うと意地悪になっちゃうかもしれない。五十億という金額から大きく例えば増えるとか減るとか、あるいはサービスの中身が変わるということはないんですよね。つまり、その五十億、今回提示された五十億というのは結構かちっとした基準になるわけですよね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) 今年度、平成二十六年度の環境省予算として五十億をいただいているということでございますので、上限といえば上限でございますが、そういう予算を確保させていただいているということでございます。何に用いていくかにつきましては、地元自治体と相談をさせていただきながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 風評被害を未然に防ぐとおっしゃっていますけど、この十億で、じゃ、環境省さんのイメージとしてですよ、風評被害、どうやったら防げると思いますか。新聞広告とおっしゃっていましたけど、ほかに何が考えられますかね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) 役人の知恵なものですから余り大した知恵はないのかもしれませんけれども、まず、正攻法といいますか、正面から、この施設の安全性に始まり、この事業の安全性をPRしていくような形を取りたいと思っておりますが、まずすぐに思い付きますのは環境省のホームページを通じたPRをどしどしやっていくというようなこと、それからパンフレットも作成しよう、配布しようというようなこと、まあパンフレットですから、ポスターなども作っていく、あるいはラジオ番組に出演するといったようなこともあろうかと思いますが、いずれにしましても、国の側からその施設の安全性、こういうふうに十分に安全性を考慮した、考えた施設でございますというところから始まりまして、地域の環境に影響を及ぼすことがないというところを繰り返し繰り返しPRしていくということを考えております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 繰り返し繰り返しって、上限十億でどのぐらいできるのかと思うんですけど。風評被害というのは地元にやっても意味がないんですよ。要は、うちの町は安全ですよと、おらが村は安全だっぺと、それ言っても風評被害は防げない。防げるのは人口の流出の防止なんですよ。  風評被害というのは、前回の質問でもちょっと私させていただきましたけど、要は日本中にしっかりとした放射線の知識を広める、啓蒙活動的なものも必要だと思いますし、あるいは国民全体へのリスコミとかそういった話になってくると思うんです、ちょっとかなり難しい話ですけどね。だから、八千ベクレルを超えた放射性指定廃棄物最終処分場があっても、ここの、あるA町のリンゴは安全なんだと、そういった意識を持っていただかなければ風評被害というのは収まらないと思うんですよね。  結局、前もこれは申し上げましたけど、人口三、四万程度の町といっても、これ一般会計で百三十億円ぐらいあるわけですよ。百三十億円の規模を持つ自治体の、もう最終処分場といったら存亡が懸かっているわけですよ。それに関して十億円という金額は、ちょっと、どういうふうに見積もったのかすごい疑問であります。  我が党は、もちろんお金を積まれたからって処分場をやってもいいという立場ではありません。やっぱり県内処分ありきの姿勢から始まった選定プロセス自体を見直すべきだろうというわけなので、うちは別にお金をもらったからどうかというわけじゃないですけど。この振興策を見るだけでもやっぱり全然練られていないなというふうに思います。やっぱりうまくいかないんじゃないかなと思いますけどね。  私が懸念をしているのは、環境省さんというのは環境政策のプロフェッショナルであって、地域振興とか、そういった広報の別にプロフェッショナルじゃないわけじゃないですか。となると、やっぱり環境省さんとしては、要は、放射性指定廃棄物最終処分場が近隣地帯にどのような汚染を及ぼすのかとか、そういったことにはたけていると思うんですけど、振興策を考えるというのでは全然門外漢だと思うわけですよ。そういった、環境省に全部その振興策までこれは考えさせてしまった、これはちょっと政府のやり方が甘かったんじゃないのかなというふうに私は思っております。  結局、与党の環境部門の最終処分場の決議文にも、処分場の安全性や候補地の選定手順について丁寧に議論を重ねていると書いてありますけど、そもそも今回、その演習場のことは全然考えていないと。さらに、地元市町村の負担が非常に大きいことから、地元の要望に誠意を持って応えと書いてありますけど、そもそも地元の市町村が話し合っている段階でもう五十億という上限、ほぼ上限を決めて要は一方的に通知をしていると。さらに、風評被害対策などで地元の方々の不安払拭と負担軽減に万全を期すこと。その十億で新聞広告を出すとかパンフレットを作るとか、全然何か風評被害というのをよく分かっていないと。  これ、振興策難しいと思うんですけど、私のこの話を聞いてどう思いますかね。

弥元伸也環境大臣官房審議官

○政府参考人(弥元伸也君) これまでも最終処分場の立地に当たりまして選定の基準を作成する際にも、宮城県についていいますと、宮城県の全市町村長の参加いたします市町村長会議を開いていただいていろいろ御議論をさせてきていただいております。今日も副大臣、政務官、現地に向かいまして、政治家としていろいろ地元の首長さん、知事さんから話を聞いて、どういうふうに今後していけば周辺地域の振興が図れるのか、風評被害が未然に防止できるのかということをしっかり相談させていただきまして、どういうことをやっていけばいいか、検討させていただきたいというふうに思っております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 済みません、前回に引き続きちょっと意地悪な質問が多くて、それは申し訳なかったなと思っておりますけど。これ是非、五者会談、私もしっかりと見詰めていって、やっぱり事あるごとにちょっと質問させていただきたいと思います。  やっぱり、何度も言いますが、この最終処分場はボタンの掛け違いだと思っています。前政権が突然決めちゃったということで、それはよろしくないなと思っていて、政権交代して、一応今の政権では全て白紙撤回で選定プロセスを見直しているとおっしゃいますけど、結局、一番肝腎な県内処分でやれというその大前提は変わっていないわけじゃないですか。やっぱりそういったところから話し合わなきゃいけないというの等ありますし、やっぱり誠意のある振興策が全然考えられていないなと思っているので、この問題は結局、地元処分の方が早く進むからという腹積もりかもしれないですけど、もうだって三年以上たっているわけですから、全然解決に向かっていないと思っております。またこれ質問します。  では、前回質問できなかった質問の中に、またちょっと放射線の話で恐縮なんですけど、福島県内の子供の健康調査について質問いたします。  福島県ではこれまで子供の甲状腺がんの罹患者、疑いを含むんですけど、福島県民健康調査によって七十五人が見付かっています。そして、一般的には十代の甲状腺がんの罹患者というのは大体通常十万人に数人という程度なんですが、あおるわけじゃないんですけど、福島県の場合、十万人中三十人弱ぐらいの確率なんですね。  また、これちょっと怖いなと思うのが、この健康調査というのは、まず最初一次検査します。その後、いわゆるBC判定者という方は二次検査に進むんですが、その二次検査を受ける人、BC判定者全員が二次検査を受けたわけじゃないんですよ。ちょっと古いんですが、一年前の五月二十七日の時点でそのBC判定者の人が千百四十人いるんですけど、受診者は四百二十一人しかいないんですよ。半分にも満たない。つまり、これ、またその残りの人が受けた場合に、余り考えたくないんですけど、もしかしたらもうちょっと出るかもしれないわけであって、確率的にちょっと高いなと思っています。  これについて政府の見解としては、今回のこの甲状腺がんの罹患者はスクリーニング効果であって放射線によるものではないとおっしゃっている、そういう理解でよろしいでしょうか。

塚原太郎環境省総合環境政策局環境保健部長

○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  先日、五月十九日でありますけれども、開催をされました第十五回福島県県民健康調査検討委員会におきまして、がんと診断された方が、疑いの方も含めまして、お子さんの甲状腺がんでありますが、八十九名ということが報告をされております。国内外の専門家の見解といたしましては、現在見付かっている甲状腺がんにつきまして、原発事故によるものとは考えにくいとされているところでございます。  また、その数につきましては、今回のように精度の高い検査を無症状の子供に実施した例が他にないこと、最新の機器を用いて熟練した医師、技師により丁寧な検査が行われていることから、早期の小さながんがこれまで知られている発生率以上の割合で確認された可能性があるというふうに承知をしております。また、国際的な評価も同様でございます。  甲状腺検査につきましては長期的に実施をいたします予定としておりまして、今のデータといいますのは一巡目の甲状腺検査を計画どおりに平成二十三年から平成二十五年まで三年間を掛けて実施をしました結果を御紹介いただいたということでございますが、今後も、平成二十六年及び二十七年度、二年間で二巡目の検査、三十七万人を対象とした二回目の検査を実施をいたしまして、それ以降、二十歳までは二年に一度、それ以降は五年に一度という計画で継続的に実施をすることになっております。  県民健康管理調査の結果につきましては、引き続き注視をしてまいりたいというふうに考えております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 塚原さんは前回、ちょっと余計なことを言っちゃいましたけれども。  脅すわけではないんですけれども、ふくしま共同診療所報告会とかでは、嚢胞、要は水のたまった袋が、この嚢胞が見付かった子供のうち三六%が嚢胞が蜂の巣状に広がっていたという報告が出ています。参考人の方々もよく御存じでしょうけれども、普通、嚢胞って大体大人で一センチから二センチのものが数個あるぐらいで、蜂の巣状に見付かるということは余りないんですよね。ちょっと伺いたいと思います。

塚原太郎環境省総合環境政策局環境保健部長

○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  その嚢胞、蜂の巣状というようなことが今回の検査であったのかどうかという、具体的にはちょっと承知をしておりませんので何ともお答えしかねますけれども、嚢胞の場合もがんと同じように、従来知られていたよりも精緻な検査を行うことによって頻度の高いものだということが今回分かったということでございます。  なぜかと申しますと、福島県で今御指摘されました嚢胞といったものは、A2判定という、ちょっと専門的になって恐縮ですが、そういう判定区分になります。その方が、福島県の場合ですと四割ぐらいの方がA2判定になっているということが明らかになりまして、これ多いんじゃないかというふうに、まさに御指摘があったような疑問が関係各界から寄せられたというところで、環境省といたしましては、放射線の影響がなかったと思われる地域、すなわち青森、山梨、長崎の御協力をいただきまして、数は四千三百人ぐらいでございますけれども、同じような方法で検査をさせていただきまして、この地域、平均しますと約五割ぐらいのお子さんに嚢胞あるいはしこりが見付かったということで、決して福島県だけに多いというような現象ではないということは多くの方の御理解をいただいているところだと認識をしております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 ただ、ほかの県では要はA2判定者が蜂の巣状になっていたというわけじゃないんですよね。そこがちょっと気になるなというのがあります。もちろんその蜂の巣状の嚢胞があるからってすぐにがん化するというわけじゃないですけれども、甲状腺自体に何らかの異常が生じているかもしれないわけですし、そこからがん化するリスクがないとも言い切れないので、それについては引き続き是非調査をしていただきたいと思うんですが。  海外からの専門家の意見やとありますけれども、結局その海外からの意見とかというのは、要は広島、長崎とかチェルノブイリを大体参考にしているという理解でよろしいんですよね。

塚原太郎環境省総合環境政策局環境保健部長

○政府参考人(塚原太郎君) お答えいたします。  主な過去の放射線被曝の事例といたしましては、御指摘のような長崎、広島あるいはチェルノブイリの事例が中心になっているというふうに承知をしています。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 今回の検査がすごい全然比べ物にならないぐらい精度が高いというのはあるんですけれども、結局、広島、長崎、チェルノブイリがあるから大丈夫だろうみたいなことをおっしゃる人もいるんですが、そもそもその広島、長崎と今回のF一の爆発は、少なく見積もって広島、長崎の百六十八発分の原爆の放射線汚染に匹敵すると言われる、少なく見積もってですよ。だから、全然規模が違いますし、じゃ、チェルノブイリはもっと多いからいいじゃないかと言う方がいるかもしれないですけれども、チェルノブイリというのはそもそも共産圏で全然管理ができていないと。全然、個人線量計持っていないということですし、あと、超音波検査というのが一九八〇年代に発明、発明というか広まったわけですよ。チェルノブイリ、八六年なので、共産圏ですぐにそんなに検査したかというと、検査できていないと思います。結局、四年から五年と言っていますけれども、当時の検査基準で四年で、五年で検出が可能だったわけですよ。  だから、現在であれば、要は、過去のデータは非常に重要ですよ。重要ですけれども、広島、長崎のときも、結局、チェルノブイリが起きたときに、広島、長崎では十年後に甲状腺がんの患者が見付かったから、今四年から五年で甲状腺が腫れているお子さんがいるけど、これは大丈夫だといった見解があったわけですよ。でも、結局、要は四年から五年で甲状腺のがん患者が爆発的に増えちゃったわけで、過去のデータは非常に重要ですけど、過去のデータに頼り過ぎるというのはちょっとよろしくないなと思っているんですよ。だから、今回のF一の爆発による甲状腺がんの検査というのは、私は本当に、世界で最も最初の個人の被曝線量をある程度測定した事故だと思っているので、是非これ真摯に受け止めてほしいなと思っています。  こうしたやっぱり蜂の巣状の嚢胞の発見や、チェルノブイリや広島、長崎の経験と全く違うことを考えると、やっぱり前回言った福島県外の子供の甲状腺がんの検査はやるべきなんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。これは変わらないんですかね。

塚原太郎環境省総合環境政策局環境保健部長

○政府参考人(塚原太郎君) お答えします。  県外の調査ということでのお尋ねでございますけれども、これは、やはり放射線の影響による健康の問題といいますのは、医学あるいは放射線の専門家の御意見を伺いつつ施策を企画立案していくことが重要だというふうに認識をしております。  これも前回お答えしたことかもしれませんけれども、福島県でも専門家の御意見を聞きながら検討されたこともありますし、栃木県を始め隣接県についても検討をされたという中で、福島県においては現行の県民健康管理調査をする必要があるという御判断になり、他の隣接県におきましては、被曝線量なども評価をした上で、健康調査の必要はないという結論の下に現在の施策が行われているということでございまして、これはUNSCEARでありますとかWHOといった国際機関の方々も、当時の福島県あるいはその隣接県の方々の被曝線量の推計をした上でそのような、同じような結論というものを報告書の中で提示をしていただいておりますので、そのように私ども承知をしております。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 私は放射線の関係はもう百分ぐらい質問をさせてもらっていますけど、大体放射線の話をすると、専門家、IAEA、ICRP、五ミリシーベルト、二十ミリシーベルト、これを組み立てて答えてくるんですね。結局、その国際機関というのも、もう何度も申し上げていますけど、低線量被曝については科学的な根拠はないと。結局、今はLNTモデルで仮定計算をして低線量被曝の計算をしているわけですよ。そういった海外の機関でさえまだ分からないと。専門家でさえ、要は、十ミリシーベルトの場合、もしかしたら感受性の高いお子さんがなるかもしれないというわけで……

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。

渡辺美知太郎みんなの党

○渡辺美知太郎君 ちょっと科学的な根拠は今のところないので、もっと真摯に受け止めて対応していただきたいなと思っております。  済みません、ちょっと時間がオーバーしてしまいましたけど、また質問したいと思います。どうもありがとうございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  まず、前回の委員会で自治体による滞納処分の問題を質問したんですけれども、答弁が明確でなかった点があるので、確認を一点いたします。  総務省は今年一月に、各地方団体においては滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で適正な執行に努めていただきたいこととの通知を発出していますが、この滞納者の個別具体的な実情の把握というのは、当然、原則として滞納処分の前に行われるべきだと考えますが、このことについて明確な答弁をお願いします。

米田耕一郎総務省自治税務局長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  地方団体における地方税の徴収につきまして、一般論で申し上げますと、まず、自主的な納付を慫慂し、滞納者に納付の意思を確認した後、それでもなお納付がなされない場合には、滞納者の生活維持や事業継続に与える影響等、滞納者の個別具体的な実情を十分に把握した上で、滞納処分等の適正な執行が行われるべきものと考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 上でということは、執行する前にということでよろしいわけですね、原則として。

米田耕一郎総務省自治税務局長

○政府参考人(米田耕一郎君) 原則として申し上げれば、そのとおりでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ありがとうございました。差押えの問題というのは本当に生活が懸かっていますので、確認をさせていただきました。  次に、子ども・子育て新システムについてお聞きします。  保育料の徴収については、公定価格に上乗せして徴収をすることを可能とする検討がされています。教育標準時間で三歳以上の子供を受け入れる幼稚園の場合は、そもそも公定価格は設定されませんし、私学の独自性ということから、上乗せ徴収はあり得ると思います。しかし、保育認定を受けた子供が入所する施設の場合は問題が生じてきます。    〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕  二号、三号認定の施設型保育と小規模保育への入所は自治体による利用調整が行われる、これは処分性を持つとされています。待機児童の多い自治体では、どの保育所や認定こども園あるいは小規模保育等に入所させるか、これ実態としては自治体が決めるということになります。そうすると、結果として自治体によって上乗せ徴収が保護者に強制されるということにはならないか、厚労省、お願いします。

石井淳子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長

○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。  まず、私立保育所が保育料の上乗せ徴収を行う場合には、現行制度と同様に、保護者と市町村が契約をして市町村からの委託を受けて保育を実施する施設でありますので、保育所から委託者である市町村にあらかじめ協議をして同意を得ることを求めているものでございます。それに対しまして、認定こども園については、市町村からの委託ではなくて施設と保護者が契約をして保育を提供する施設であることから、市町村に対する協議は求めておりません。ただ、当然のことながら、上乗せ徴収の有無は、これは保護者の施設選択に関わる大変重要な要素でありますので、その徴収に当たっては、保護者に対して事前に丁寧に説明をして同意を得ることを求めることといたしております。  また、市町村による利用調整でございますが、これは保護者の希望を聞いた上で実施することとしておりまして、その前提としまして、上乗せ徴収の有無、その額あるいはその徴収する理由、これを含めた施設に係る情報を行政がまとめて公表を行いまして、保護者に分かりやすく提供することにいたしております。  したがいまして、このように情報の提供を徹底していくことで、認定こども園が上乗せ徴収を実施する場合でありましても保護者に強制をすることにはなるわけではないと考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 徴収の理由をあらかじめ開示し、保護者に説明、同意を得るということなんですけれども、これは何千人という子供たちを入所決定をしていくと。そのときに一つ一つ、じゃ、ここの上乗せ徴収はこういう金額になりますがここはどうでしょうかなんという利用調整を自治体がやるなんというのは、まず不可能なことだというふうにしか思えないわけですね。納得と同意が必要だと、上乗せ徴収は。  それでは、上乗せ徴収について、払えないあるいは納得できないと、利用調整してあなたはここに行きなさいと、そこの保育施設が上乗せ徴収があると、それ納得できないというような理由で異議の申立てというのはできるのでしょうか。

石井淳子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長

○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。  保育認定を受ける子供の場合、認定こども園を含めて全て市町村が利用調整を実施することとされているため、その結果に対して保護者の異議がある場合は異議申立てを行うことは可能であると考えております。先ほど議員もおっしゃったように、利用調整は行政不服審査法の不服申立ての対象となります処分性を有しているというふうに考えられております。  ただ、利用調整は保護者の希望を聞いた上で行うものでありまして、仮に希望している施設に入所できない場合は、他に空きがあれば改めて希望を確認をした上で再度利用調整を行うことが想定されますので、実際問題としまして、この異議申立てに至るケースは通常はないのではないかなというふうに考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは実際に進んでいくと市町村に大きな混乱がもたらされかねないんですね。現在も制度上は認可保育所、上乗せ徴収できるということになっているんですけれども、これは市町村の同意が前提であって、実際には行われていないというふうに聞いています。やっぱり、市町村が絡んで入所決定する場合に、保育所によって保育料が違うということは、これは公正性の問題があるということからだと思うんです。  今、子ども・子育て会議に配付された資料を見ますと、認定こども園についてこうあるんです。教員配置の充実、高処遇を通じた教員の確保、設備更新の前倒し、平均的な水準を超えた施設整備などのため上乗せ徴収することを検討していると。認定こども園の場合、幼稚園として入る子供さんと保育として入る子供さんがいて、例えば施設費みたいなのを幼稚園の子供さんからだけ取る、教育の子供さんからだけ取るということにならなくて、これ全体、保育として利用する方についても請求することになってしまうというふうに思うんです。  この上乗せ徴収は施設の判断だと、このことを理由に保護者から異議申立てが行われ、例えば再度調整を行えということになっても、これは市町村としては、決めるのは施設の判断ですから、なかなか納得ができないということになっていくと思うんです。上乗せ分が負担できないなら、払えないなら措置制度の活用という説明も受けたんですけれども、もう一点聞きたいんですが、自由価格である上乗せ徴収について、じゃ、それを払えないからと市区町村が負担できるのでしょうか。

石井淳子厚生労働省雇用均等・児童家庭局長

○政府参考人(石井淳子君) 上乗せ徴収につきましては、保育認定を受ける子供についても、施設が徴収理由をあらかじめ開示をして保護者に説明、同意を得た場合は可能としているところでございますが、やはり低所得者世帯を始めとする地域の子供が円滑な教育、保育の提供が可能になるような提供体制の確保対策としまして、低所得者等の利用が排除されないように、例えば公立施設の活用とか、あるいは児童福祉法に基づく措置制度の活用など、制度の実施主体である市町村における運用上の対応についても検討しているところでございます。  その措置に要する費用でございますが、国が二分の一を負担することになりますが、このような市町村における運用上の対応と併せて、上乗せ徴収に係る費用の取扱いにつきましても今後検討してまいりたい、かように考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 以上のことを踏まえて大臣にお聞きしたいんですけれども、新制度の下でも市町村には保育の実施義務があると、これは大臣が野党時代にそうやって法を修正させたからそうなったんですよね。公定価格も保護者の負担も自治体が定めることになっています。ところが、この上乗せ徴収ということが入ってくると、事実上、施設の判断で保育料が自由価格になりかねないわけですよ。  今お話があったように、じゃ、上乗せ分、措置で払えるかと。払えないということになれば、上乗せ徴収のあるところの保育所というのは貧困家庭は入れない、こういう貧富の格差を保育の中に持ち込むことにもなりかねなくなっていくわけです。保育についての上乗せ徴収というのは、こう考えるとやはり本来行うべきではないというふうに私は思います。せめて今の認可保育所の制度と同じように自治体の同意が前提であると、上乗せをやる場合には、それぐらいの規制はせめてすべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) この制度の経緯は委員もよく御承知のとおりで、初めは幼保連携型認定こども園という考え方ではなくて、民主党さんがお考えになられておられたそういう制度であったわけであります。その中において、やはり保育というものは、これは直接契約ではなくて、やはり自治体とそれから利用者の契約であるというふうに我々がそれを強く申し上げて、そういうふうに保育所の方は変えさせていただきました。ですから、今も民間保育園と自治体との委託契約ということになっております。  ですからこそ、今の上乗せ徴収、これに関しましては、まず協議していただいて、同意がなければこれは認められないということになっておるわけでありますが、元々直接契約という立て付けの制度であったわけでありまして、認定こども園には直接契約、つまり施設と利用者の直接契約ということが残っておるわけであります。となれば、これに対して、自治体が上乗せ徴収に対して協議、同意というわけにはなかなかいかぬわけでございます。  ただ、一方で、御承知のとおり、徴収するときにはちゃんとその使途の目的といいますか、それからあと金額、さらには徴収の理由、こういうものを説明して御本人から、親御さんから同意をいただくと、こういうことになっておるわけでありまして、そのために都道府県等々がその追加徴収も含めて、上乗せ徴収も含めてどういうものがあるかということを情報開示をしっかりやっていただくと。その情報開示されたものを利用者の方々が御覧をいただいて、その上でどの保育所を選ぶか、認定こども園を選ぶか、それを御判断をいただいて、それを出していただくわけであります、自治体に。そして利用調整をするということでございますので、そのような形の中においてそれぞれ利用される方々が御判断をいただくと、こういうことになっておるわけであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 是非見直しを求めていきたいと思います。    〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕  最後に、認定こども園の三歳児以上は、学級編制基準三十五人学級と、職員の基準はないが一クラスを担任一人で受け持っているところが少なくありません。一方、保育所は三歳児で二十対一、四歳児以上でも三十対一という保育士配置で、例えば三歳児の年少クラスでは、三十五人ぐらいを二人の保育士で受け持つというところが多く見られるわけです。学級編制基準を保育所の配置基準に合うよう変更すべきではないかと思いますが、少なくとも公定価格の支給基準で規制を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

前川喜平文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(前川喜平君) 幼児期の教育は、義務教育段階と比較いたしまして幼児の発達の個人差が大きいということ、また幼児の状況を十分に踏まえた活動を行う必要があるという特性がございます。また、幼児教育の主要な担い手でございます私立幼稚園を含めまして、各幼稚園でその教育方針を生かした活動が行えるようにすることが求められているわけでございます。  このため、現在、幼稚園におきましては、園としての教育方針や幼児の状況に応じて、三十五人を上限といたしまして学級を編制しつつ、担任以外の教諭を活用したチーム保育でありますとか少人数学級の編制など、多様な形態で実施が行われているというところでございます。  認定こども園の三歳児以上の教育につきましても、こうした幼稚園における取扱いを踏まえまして、一学級の幼児数の上限を三十五人としつつ、各園において少人数学級やチーム保育など、幼児の状況等に応じてそれぞれ創意工夫を凝らした活動が行えるようにすることが重要であると考えております。  子ども・子育て支援新制度におきましては、こうした考え方に基づきまして、学級編制の上限は現在の三十五人学級を維持した上で、より手厚い教員配置やチーム保育等を行うことができるように、これに要する費用について、公定価格により財政措置するということとしておりまして、各園における活動を確実に支援できるものと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 終わります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私は、今や深刻な政治課題となっております諫早湾干拓事業をめぐる開門問題の解決の道はどこにあるか、今日、関係大臣と議論させていただきたいと思っております。  昨年秋から今年正月にかけてノリ養殖被害は有明海全域に及んで、二月の初頭には網を引き揚げざるを得なくなりました。二〇〇〇年大凶作以来と呼ばれています。タイラギは全く捕れずに、漁船漁業も瀕死の状態なのですが、よく知られておりますとおり、福岡高等裁判所は、二〇一〇年の十二月、こうした漁業被害、有明海異変とギロチンと呼ばれた諫早湾干拓事業、潮受け堤防閉め切りとの因果関係を認めて、三年の対策工事期間を置いた二〇一三年十二月までの開門を国に命じたわけです。  政府は、自らの上告断念によって確定したこの開門義務を誠実に履行し、有明海漁業の深刻な被害を解決する責任を負っているにもかかわらず、昨年十二月の期限が過ぎても、開門もその対策工事も行わず、国が確定判決を守らないという史上初めての事態をもたらしました。深刻化する漁業被害を放置し、拡大し続けているその責任は重大だと思います。  そうした下で、この四月十一日、佐賀地方裁判所は、国に対する強制執行として二か月以内、つまり六月十一日までの開門、それがなされないなら開門まで漁民一人当たり一日一万円の支払を命じました。ところが、国は、一方で開門の確定判決の効力を奪おうと裁判を起こし、他方で開門阻止仮処分決定の取消しを裁判上求めているわけです。開けたくないのか、開けたいのか、裁判上の態度だけを見ると、どんな解決を求めているか、よく分からないですね。  そこで、法務大臣にまず伺いたいと思うんですけれども、どう争っても確定した国の開門義務が消滅するということはないと思いますが、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 確定判決には、もう委員よく御承知ですけれども、判断された事項について、当事者を拘束する効力、既判力などの法的効力が認められるところであります。そして、この既判力を奪うためには、つまり、既判力を消滅させてしまうためには、民事判決に関しても再審の訴えがございますが、極めて限定された要件でなければ再審は認められません。したがいまして、その再審がない限りは既判力は消滅することはないということでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 伺っておきたいと思いますけれども、法務省、国が自ら上告断念をして確定した判決のいわゆる執行力を失わせようと請求異議の裁判を起こした例はないと思いますが、いかがですか。

都築政則法務大臣官房訟務総括審議官

○政府参考人(都築政則君) 法務省といたしまして、これまでにお尋ねのようなケースがあったとは承知しておりません。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 つまり、今、確定判決に対して、その執行力を奪おうという、請求異議というんですけれども、裁判を起こす、一方で開門をしてはならないという地裁の仮処分決定について取消しを求めるという、このちぐはぐといいますか、この態度というのは、我が国の、国が当事者として行われている裁判の歴史から見ても極めて異常な状況なんですね。  国の開門義務が消滅をすることはないと。それはつまり、有明漁民の開門を求める権利が消滅することはあり得ないということです。一方で、干拓営農者は、旧干拓地の昭和三十年代の入植以来、例えば農業用水の確保などの問題で、私は国に裏切られ続けてきたという声が上がるのは当然だと思っております。  今日、極めて複雑になっている裁判上の争点は争点として、それはそれとして、今や司法に対する国民の信頼を壊しかねない事態にもなっているこの社会的紛争を、国が相反する義務に板挟みになっていると、手をこまねくような、そういう姿勢でいいのか。今何より大事なことは、利害関係者が問題解決のための協議のテーブルに着くことだと私は思うんですね。  関係者が全て裁判当事者となっているのが福岡高等裁判所の裁判があります。ここで裁判所は裁判上の協議を呼びかけているわけですが、いまだに、今これはかなっておりません。これが行えるように力を尽くすのが国の、裁判を担当する法務省の役割だと思いますが、法務大臣、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、いろんな主張が入り乱れまして、いろんな訴訟が行われております。  それで、これをどうほぐしていくかというのは容易ではございません。一般論として、和解にふさわしい事件について裁判上の協議が行われるように力を尽くすべきという点は、私は委員御指摘のとおりだろうと思います。  しかしながら、今、この諫早湾の干拓事業に係る訴訟の裁判上の協議に関して言えば、いろんな訴訟がございますが、いずれの関係訴訟においても、開門に反対する方々を含めた協議でなければ全体的な問題の解決に結び付くとは思われないわけでございます。したがって、開門に反対する方々が協議に応ずる見込みに乏しい現状では、法務省としては、裁判上の協議が行われるようにすることは極めて見通しは難しいと申し上げざるを得ない現状でございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私は、それぞれの立場が深刻に対立しているからこそ、協議が開始されるためには、その協議のテーマがどのように設定をされるかということが極めて大事だと思います。もとより国が国営事業として進めた事業であり、開門は、国が上告を断念したことによって確定した義務なんですね。解決の最大の責任があるのは国であるにもかかわらず、私は、これまで解決に向けた、あるいは協議を行える環境を整える上での国のイニシアチブが示されているとは思えないんです。  確定判決の権利者である有明漁民の開門しないという選択肢はあり得ないという意思は踏まえつつ、干拓営農者の営農に関する要求、住民も含めた洪水や湛水被害解決の要求をテーブルの上にのせて、どうすればそれらの要求が解決できるのか、出される要求に国はどう応えるのかといった協議のテーマを私は国が責任を持って示すことが必要だと思います。  そうしたテーマが国から責任を持って示されるように、法務大臣としても努力をされるべきではありませんか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) この開門をめぐる紛争を解決するためには、まさに委員のおっしゃったように、対立している関係者の錯綜した利害を踏まえた上で協議により解決していくということでなければなりませんが、先ほど申し上げたように、現状では、開門に反対する方々が開門を前提とした裁判上の協議に応ずる見込みは極めて乏しいと言わざるを得ない、非常に困難な状況にあると思います。  しかしながら、法務省としては、引き続き、農水省を始めとする関係省庁とよく協議しながら、解決に向けて努力をしなければいけないと思っております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私は、そうしたテーマとしてふさわしいのではないかと思っておりますのは、調整池に頼らない利水と防災はどうすれば実現できるかという議論なのではないかと思うんです。早急にそうした協議が開始され、当事者が要求を出し合って、国が責任を持って漁業と営農、防災が共存する地域全体の再生の道を示すなら問題解決の道は開けていくと、そう考えます。  代替水源の問題について少し伺いたいと思うんですが、干拓営農を考えたときに、安定した、そして将来にわたって安心できる農業用水の確保というのは、これは要の問題だと思います。  お手元にこの地域の図面を国土交通省の資料からお配りしましたけれども、中央干拓地という新しく造られた干拓地の南側に、旧干拓地というふうに呼ばれている旧森山町の共栄干拓地や、愛野、吾妻の干拓地があります。これも国営事業として干拓をされたわけですね。  ここで伺いますと、昭和三十年代に入植をされた当時、農業用水は、小ケ倉ため池という図面の左下の方にダムがありますが、このため池や、あるいは地図の中に幾つか小さなため池があると思いますが、そうした名前も挙がっていたようですけれども、そうしたところから旧干拓地に導水するという話だったと。だが、入植をした後に、水利権の調整が調わずに、結果、入植者は水の確保のためにとてつもない苦労を強いられてきているわけですね。干拓地の売主であるはずの国は水源確保の責任を果たさずに、ですから、干ばつのときなどは入植者は水をもらうために水利権者に土下座までしたと伺いました。結局、その後、この干拓地の中の地下水をくみ上げてかんがいをするようになったわけですけれども、そのために地盤沈下がどんどん進行して、元々建っている建物の基礎部分まで地盤が沈んでしまっているという地点に私も案内もよくされます。  にもかかわらず、農水省がアセスの結論だというふうに言って地下水案を押し付ける、代替水源としてということになれば、これは猛反発されるのは当然ではありませんか。昨年来、海水を淡水化するという事業を示しておられるわけですけれども、私は、こういう海の水を淡水化して農業用水に使おうというようなやり方を提案されても、不安定ではないのかとか、将来にわたってコストの負担は一体どうなるのかとか心配の声が上がるのはよく分かるんです。  それで、林農水大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、元々この諫早湾には本明川という一級河川が流れ込んでいます。皆さんのお手元の資料で、中央干拓地、中央揚水機場というふうに印をしてある元々の川の形の河口の部分ですね。ここから今この中央干拓地の農業用水というのはくみ上げられているわけです。  この辺りに、つまり、本明川の河口域にいわゆる洗い堰を設けて、開門すれば潮の満ち引きが入りますけれども、それでも潮が上がらないように防いで、その上で川の水を取水して、中央干拓地は今の水路で回していく。そして、その中央干拓地の西側になる小野という地区には、既にこれまでの事業によってかんがいや排水のパイプラインがきちんと整備をされているわけですね。  この本明川の河口部分から取水した水を小野地区に、地下、既に埋設されているそうしたかんがいの水路に流すようにして、今はその更に南側のところに仁反田川というのがありますが、ここまででそのかんがいの水路というのは切られ、切られるというか止まっているわけですけれども、ここは川を越えて、例えば導水のパイプラインを敷くなどして、旧森山町や愛野、吾妻の方にもこれ水を回していくと、引いていくというふうにはできないんでしょうか。  もちろん、洗い堰の高さがどれぐらい必要かとか、この下流には、河口域ですからもう下流には既得の水利権者はいないわけですけれども、それでも、取水の必要量がどれぐらいなのかとか、季節ごとにどう違うのかとか、水の多い時期には不足する時期のためにため池にためるようにしてはどうかとか、パイプラインの高低差の関係でポンプで圧を掛ける必要はないかとか、そうした調査あるいは設計というのは当然必要だし、もちろん、関係者の皆さんの、長崎県やあるいは土地改良区の皆さんの同意がもちろん必要なんですよ。  ですから、これは、申し上げているのは私の全くの私案なんですけど、ですが、川から取水して、安定した、将来も安心できる、そういう水を旧干拓地にも回していくという、そういう案は、林大臣、あり得ないんでしょうか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) この福岡高裁が確定しまして、判決が、五年間の開門義務ということになりました。環境アセスメントの手続を経て、開門した場合の防災上、農業上、漁業上の影響に対して必要な対策工事を長崎県の地元関係者に提案してきたところでございますが、具体的には、今委員がおっしゃったような、この本明川、これに河口堰を設けて取水するということについては、代替水源、水を代わりにどうするかということの検討を行う初期の段階で一つの方法として検討を行った経緯がございます。  この検討過程において、五年間の開門を行うためには、本明川への治水への影響、それから、上流域への塩水遡上、要するに塩水が上っていってしまうと、こういうことの防止の観点から強固な構造の河口堰というものが必要になるために、調査、設計、それから工事の実施に大変長い期間を要するということ等が想定されましたので、結局、代替水源案としての比較検討案には採用がされなかったということでございます。  それ以外にも、近傍の中小河川とか下水処理水、地下水、海水淡水化というものの課題や適用可能性を検討しまして、特に地下水につきましては、今委員がおっしゃったように、地盤沈下等を危惧する地元自治体等の反対がございまして、最終的に海水淡水化ということになったところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 アセスの初期には一応検討したということですから、つまり、あり得るということなんだと思うんですよ。ですが、残念なことに、裁判上も、それから裁判外の協議でも、その是非についてといいますか、それの基礎資料なども開示された協議や議論というのは行われてきていないんですね。農水省が、いや、これは駄目だというふうに初期の段階で案として省いてしまった。その後は一切関係者のところでの議論というのは行われていないし、情報も開示されていないというのが経過だと思います。  私は、諫早湾干拓事業を国が進めてきて、けれども、裁判の中で開けるという、そういう義務を負うことになったと。となれば、代替水源の確保はどうしたって必要なわけで、この問題の解決と併せて、旧干拓地でいいますと、入植以来半世紀にわたる水問題を根本的に解決をできるなら、私は本当に幸いなことだと思うんですよ。  実際には、入植をされた後、離農せざるを得なくなった方々もいらっしゃいますし、中央干拓地でも、決して入植をした当時に想定をされていたような順調な経営にはいっていなくてリース料を滞納せざるを得ないと、そうした営農者の皆さんもいらっしゃる。調整池で見ますと、水質の汚濁化は閉め切り後、一向に改善されなくて、国の基準も満たさないですよね。新干拓地でも、かんがい用水を井戸を掘って地下水に求めるという農家も出てきているわけです。加えて、毎年一面に発生していくアオコ、これはミクロシスチンという毒性を持ったものではないのかという、そうした心配も広がっていると。  こうした様々な懸念や不安が閉め切られた調整池の中にある中で、本当に安心できる、安定した利水を確保できるという道があるなら、これによって代替水源を確保して地域の農業を真剣に良くしていく、本当に良くしていくという基盤をこの際つくるべきなんじゃないのか、そうした観点で現場の営農者の皆さんや地元の自治体の皆さんに本当に真剣に知恵を借りるべきなんじゃないのか、伺うべきなんじゃないのか。  そういう意味で、アセスの結論を押し付けようとするのではなくて、調整池に頼らない利水と防災はどうすれば実現できるか、その地元関係者の要求を私は、大臣、まず虚心坦懐に聞くべきではないかと思うんですが、いかがですか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、この福岡高裁の確定判決が出た後、検討をしてきた今お話のあったものについても、初期の段階で一つの方法として検討を行ったということがございます。で、いろんな経緯があって、最終的には地元の方の反対に遭った地下水案等々も落ちていってこの海水淡水化になったということで、防災上の対策等も併せてやってきたところでございます。  今後も、地元関係者の御理解と協力がいただけるように、地元関係者の御意見、御提案を反映して対策を充実強化していきたいという考えも常に申し上げておるところでございます。  現在は、先ほど法務大臣からも少しお触れになっていただきましたけれども、長崎県の方の地元の関係者の強い反発でなかなかこういう話合いというものが難しい状況でございまして、そのまま現在に至っているということでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私、開門を求める側の立場で農水省の現場の皆さんと協議に参加をすることがありますけれども、その際も農水省の中での結論を一方的に繰り返すばかりで、原告あるいは権利者の真剣な提案や声を聞く耳は実際にはお持ちになっていないということを痛感してきました。これは、半世紀も苦しみ続けてきたそうした旧干拓地の営農者の方々や、あるいはこの事業に様々な利害関係も持ってこられたそうした自治体の皆さんに、結論ありきといいますか、とりわけこの代替水源やあるいは防災というような問題で、こう決めたんだからそれをのめというようなことでは、幾ら頭を下げたって話合いに応じてもらえるはずがないと思うんですよ。  例えば湛水被害の問題でも、私、かねて、湛水被害を防ぐためには樋門をきちんと整備して排水機場をちゃんと整備するということが必要だと。何しろ海面より低い低平地なんですから、干拓地は。だから、水が入ったときには、これ強制排水しないことには、それは問題は解決しないんですよね。だけれども、例えばこの旧森山町においては、もうずっと前から、この一番出口のところにある釜ノ鼻というところでぼろぼろの排水機や樋門というのが改修されずにきた。私も国会で取り上げさせていただいて、最近、これ改修が実現をしましたけれども、こうした言わば干拓地において当たり前の対策を国がちゃんと責任を持ってやると、元々それが必要なんですけど、このように国の開門義務が消滅することはないという、そういう状況になっている下で、本当に真剣に国がその責任を果たすということが、林大臣、必要なんじゃないですか。

林芳正自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(林芳正君) 我々、まさにそういう開門義務と、それからもう一つの方の開門してはならないという義務、両方を負っているということでございますから、今委員がおっしゃったように、いろんなお話合いをするということは大変大事なことだろうと、こういうふうに思っておりますが、長崎側の皆様の御理解というものがやっぱり得られると、双方が納得できるということをやっぱり検討していくと、このことがありませんとなかなか先に進めないところがございまして、そういう意味で、先ほど申し上げましたように、いろんな御意見、御提案を反映していこうというところはあるわけでございますけれども、結果としてそれが解決策になり得るという意味では、双方の皆様の御理解を得る努力というのが欠かせないと、こういうふうに思っております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 双方の理解をしっかり整えていくためには、要求がきちんと届く、聞いてもらえる、聞かれる状況にあるということがまず大前提であって、それが全て一〇〇%かなうかどうかはいろんな議論があるでしょうけれども、その調整池によらない利水とそして防災という課題をどう進めるのか、まず関係者の要求を虚心坦懐に聞いていただきたいと思います。  そこで、国土交通省にお尋ねしますが、今私が申し上げているような河口部分に洗い堰を造るということは、河川管理上許されないということではありませんね。

森北佳昭国土交通省水管理・国土保全局長

○政府参考人(森北佳昭君) お答え申し上げます。  利水、治水上の観点から、河口付近に堰を設けているというのは実際上ございます。そういうことで、委員御指摘のように、許されないことではないというふうに考えておりますが、ここの本明川につきましては、平成二十二年、福岡高裁の確定判決以降、農水省から委員御指摘のような協議の求めは私どもございません。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ですから、農水省が案を作りながら、河川管理者の国土交通省ともちゃんと協議するということが僕は求められていると思うんですね。  もう一点、国土交通省、この小ケ倉川と半造川、これは国管理ですが、の合流点、あるいは埋津橋という橋があるんですが、そこの辺りで洪水被害が度々起こってきました。国直轄の部分そして県管理の部分も併せて河川整備を急いで進めていくことが住民から切望されていますし、私もそう思うんですが、今後の見通しを端的に御紹介ください。

森北佳昭国土交通省水管理・国土保全局長

○政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘のとおり、本明川の支川、半造川、小ケ倉川におきましては、これまで浸水被害、発生をいたしております。  現在、半造川の国が管理する区間におきましては、河川の拡幅とそれに伴います島原鉄道の鉄道橋の架け替え等を実施しているところでございますし、県が管理します小ケ倉川につきましては、河川改修のための用地調査等を実施しているというふうに長崎県から聞いております。  いずれにいたしましても、今後とも、長崎県、地元諫早市と調整を図りつつ、計画的に河川整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 そこで、国土交通大臣にお尋ねする一問だけのためにおいでいただいて恐縮なんですけれど、洪水被害の防止のためには、今一つのエリアについてのお話聞きましたけれども、築堤だとか河道をしっかり確保するだとか、そうした河川整備を急ぐ必要があると、これが王道だと思います。  加えて、諫早湾干拓事業をめぐる開門と代替水源の確保が重要な政治課題となる中で、既に、かつては国土交通省、本明川だけを川として管理をしておられたわけですが、この閉め切られた調整池も含めて河川指定がなされ、南側の部分は農水省が所管をしておると伺ってはいますけれども、やはりこの河川の管理という立場で問題解決の道筋をどう付けていくのか、あるいはどう知恵を貸していただくのかということが大切だと思うんですよ。  仕組み上、農水省からの協議がないと国土交通省として何か物を言うということにはなっていないのだろうとは思うんですけれども、そうした協議があった場合には本当に力を尽くしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 一級河川の防災とか地域の防災等々については、これは取り組むことが我々としては任務だというふうに思っておりますが、今お話のこれまでありました諫早湾干拓事業をめぐる代替水源の確保として、海水淡水化施設以外の具体的方策については、平成二十二年の福岡高裁での開門義務履行の確定判決以降、これまで農林水産省より協議を受けてはおらない、先ほど申し上げたとおりでございます。  国土交通省としましては、一級河川本明川を管理する立場といたしまして、農林水産省から協議の求めがあれば適切に対応してまいりたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 どうぞよろしくお願いいたします。  財務大臣、よろしいでしょうか。確定した開門義務の履行のために行われる対策工事の財源の在り方についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、これ今受け入れられていないんですが、農水省から示されている対策工事というのは、これは地元負担は発生しないという仕組みになっています。これは国が確定判決によって行う工事なんですから、そうした国に言わば責任のある工事を、そうでない場合には例えば受益者負担と、土地改良事業として受益者負担というような形が一般にはあるとしても、だけれども、この確定判決の履行として国が行う場合にはそういうふうにするのは筋が通らないということだと私は思うんですけれども。  そうした考え方、つまり地元負担はゼロと、開門の対策工事に関しては、こうした考え方というのは、今後関係者との協議の中で今農水省が提案している手法とは変わったとしても、基本的な考え方は変わらないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 開門に必要ないわゆる対策工事、また、それに関連しますいわゆる施設の管理などにつきまして、これは農林水産省からも答弁がありましたように、地元農家の負担は求めないということを聞いておりますので、二十六年度の関連予算もその前提で計上されているものと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 その御答弁は私が申し上げた趣旨ではないかというふうに今日のところは受け止めておきたいと思います。  そこで、官房長官、今日の議論を聞いていただいて、国の開門義務というのは、これは内閣の意思によって確定したものなんですね。しかしながら、訴訟を含めて問題が複雑化して重大な社会的、政治的問題となっているということはもう明らかだと思います。その解決のために、内閣として、国として、責任を持った方向性をより明確に示していくべきではないかと思うんですが、官房長官やあるいは総理のイニシアチブを私は是非求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 今回のこの干拓事業、排水門をめぐっては、国は、開門義務と開門禁止義務のこの相反する二つの義務を負っておりまして、いずれか一方の立場に立つことはできない状況になっております。  政府としては、関係訴訟において国として主張を申し述べる等、適切に対応するとともに、問題の解決に向けて、関係者に対して粘り強く話合いを呼びかけ、接点を探る努力を続けてまいりたいというふうに思っています。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 これまでこの問題について政府として御答弁があってきたとおりの、従来どおりの御答弁なんですけれど。  私、今日、関係大臣に様々御提案を申し上げました。今官房長官がお述べになったような問題解決のための話合いということが行われるためには、これまで農水省が主務庁として例えば長崎県側の皆さんに示してきた提案の中身はそのまんまでいいのかと。あるいは、裁判上の対応が、いや、相反する義務がと、なぜならば何法のこれこれによってといって分厚い書面の応酬ばかりがされている、そんなことで解決ができるのかと。だからこそ政治的な問題にもなっているのであって、ここにリーダーシップも発揮してもらいたいというのが私の願いですけれども、御感想はいかがですか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来、それぞれ所管の大臣に対して委員から質問がありました。そういう中で、国として全体を取りまとめる立場の私どもの方でも、裁判によって相反する結果が出る中で国として対応していく、それは極めて厳しいということも委員は十分承知の上だろうというふうに思います。  何回となく私のところで関係省庁から話を聞いておりますけれども、なかなかいい知恵が見出すことができないというのが現状でありますことを是非御理解をいただきたいと思います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 だからこそ、いい知恵をみんなで考えようということです。  最後になって恐縮ですが、石原環境大臣、近く韓国でCOP12が開かれます。名古屋で開催されたCOP10、生物多様性条約の締約国会議は日本が議長国で、その日本の提案で国連生物多様性の十年という決議も国連で採択をされるということになりました。  この諫早湾干拓事業は、韓国のセマングム干拓事業とともに東アジアで湿地や干潟の問題では大問題になっていたところで、ここに開門義務と併せて干潟再生あるいは有明海再生、環境再生という方向が出されるなら、私はこの国際的な目標に大きく貢献できると思うんですよ。  ちょっと時間がなくなって申し訳ないですけれども、御感想をお聞かせください。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 今、仁比委員と政府の大臣が議論をしてきたこの有明海の問題あるいは八代海の問題、そして韓国の順天湾ですか、釜山の西側のところの大変有名な干潟の再生、やはりラムサール条約にも両方とも指定されているような大変、日本だけではなくて世界全体で保全をしていかなければならない、そういうものを再生させるということで、しっかりと国連の場でも、また国際的にも協力をしていかなければならないということを、問題の解決は難しいですが、やっていかなきゃならないということを強く感じたところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  まず、予備費に関連して外務大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。  今日、東アジア情勢が非常に緊迫をしているという状況にありますが、それは昨年の安倍総理の靖国神社参拝というのも一因でしょう。アメリカからも失望したと言われるほど国際的にも批判を受けました。もう一つあるのは、やはり野田内閣当時の平成二十四年九月に尖閣諸島の結局は国有化が決定をされて、一般会計予備費で二十億五千万円が不動産購入費として支出されたことも今日の日中関係緊迫化の一因ということが言えるんだろうと思うんです。  そこで伺うんですが、双方に領有権の食い違いが明白であるのに、一方的に国有化をするこうしたやり方が適切であったというふうに岸田大臣としては思われるのかどうか、外務省としては、その当時、水面下で事前に中国側と何の話合いもしてこなかったのかどうか、そこらのところをまずお伺いしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、尖閣諸島につきましては、歴史的にもあるいは国際法的にも我が国固有の領土であり、そして現に我が国が有効に支配をしております。この尖閣諸島をめぐっては領土問題は存在しないというのが我が国の基本的な立場であります。  そして、一昨年九月の前政権におけるこの国有化についてでありますが、そもそも我が国の領土の中において所有権を移転するということ、このことは、本来、他の国あるいは地域との間に何らの問題を惹起するべきものではないという考え方、これが今、安倍内閣におけるこの問題に関する基本的な考え方であります。  前内閣の下でのやり取りですから、私自身は当時の状況をつまびらかに承知しているわけではありませんが、恐らく前内閣におきましてもこうした考え方を中国に伝えながら対応したものだと想像をしております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 当時、丹羽駐日大使が、これをやれば大変問題になるということを何度かおっしゃってきておる、こういう状況ですけれども、この領土問題は存在しないという、このかたくなな態度でまさに今問題が起きているわけですね。  無用なあつれきを防ぐというのが私は外交のもう要諦だと思うんですが、政府は当時、尖閣諸島を国有化することにより中国、台湾始め同島の領有権を主張している国々との関係に何らかの影響は生じるか、政府の見解いかんという質問主意書に対して、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している、したがって尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないと。今大臣がおっしゃったとおりなんですよね。尖閣三島の取得については、我が国の土地の所有権の移転であり、他の国や地域との間で何ら問題を惹起すべきものではないと考えている、我が国として尖閣諸島をめぐる事態が他の国や地域との関係の大局に影響を与えることは望んでいない、こういうふうに答弁されておるんですが、政府の希望と実際の外交はまさに別問題であります。  尖閣諸島の国有化で関係諸国との関係は悪化を現実問題としてしているわけでありますが、その当時、悪化しないというふうに判断をしたのが適切だったのかどうか、また、安倍政権としては、じゃ具体的に、当然のことだと、こういうお考えのようでありますけれども、どうこれを打開しようとするのか、その点をもう少し御説明いただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げましたように、尖閣諸島、我が国の固有の領土であると考えております。  ですから、前政権の対応、状況についてはつまびらかに承知をしてはおりませんが、前政権の判断の当否にかかわらず、尖閣諸島における所有権の移転、これは他の国や地域との間に問題を惹起すべきものではないと考えている次第でありますが、こうした考え方については、これからもしっかり冷静に毅然として説明をしていかなければならないと存じます。中国との間において、戦略的互恵関係の原点に基づいて、是非大局的な見地から関係を進めていきたいというふうに考えている次第であります。  是非、我が国のこうした考え方について引き続きしっかり説明していかなければならないと思っていますし、また、尖閣における事態のエスカレートにつきましては、こうした国有化の問題が出る以前から、例えば一九九二年に領海法という法律を施行して、尖閣諸島は中華人民共和国の陸地領土であるというこの法律を施行したのは中国側でありますし、尖閣諸島に対して領海侵犯を開始しましたのは、国有化の問題よりはるか先、二〇〇八年の段階で開始されたという事実もあります。  こういったこともしっかり踏まえ、そして中国側との間においてしっかりと冷静に話し合っていくこと、これが重要ではないかと考えています。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 私もというか我が党としても、尖閣が我が国の固有の領土だと、歴史的に見てそのように確信をしておりますが。  ただ、問題は、例えば一九七八年、日中平和友好条約批准書交換のために訪日をした中国のトウ小平国務院常務副総理は、当時の十月二十三日の日本記者クラブで行われた会見の席上で、確かに尖閣諸島の領有問題については中日間双方に食い違いがある、国交正常化の際、つまり七二年の国交正常化の際、両国はこれに触れないと約束した、今回、平和友好条約交渉でも同じように触れないことで一致した、中国人の知恵からしてこういう方法しか考えられない。ちょっと中身飛ばしますが、こういう問題は一時棚上げしても構わない、次の世代は我々よりもっと知恵があるだろう、みんなが受け入れられるいい解決方法が見出せるだろう。このように公然と述べられているわけですね。  つまり、七二年、七八年と二回にわたっていわゆる棚上げ論が語られて、これに日本側は明確に反論したわけでもないという格好ですね。なのに一方的に国有化したから問題になっているということなわけでして、そういう意味でいえば、この尖閣諸島周辺の情勢が日本の思惑とは異なって緊迫の度を増しているわけでありまして、例えば外務省の資料によれば、平成二十四年九月以前の中国による領海侵入は四回、八隻だったんですが、これに対して国有化以降、平成二十四年だけで領海侵入は二十回、六十八隻にもなっている。昨日は両国の戦闘機が異常接近をした、こういう問題もそういうことでしょう。  この尖閣諸島の国有化以降、先ほども述べた安倍総理の靖国参拝もありますが、日中首脳会談のめども全く立たない。双方それぞれに言い分があるにしても、尖閣諸島の国有化が日中関係を冷え込ませる直接引き金になったことは間違いのない事実であって、そこをかたくなに言っている限りはどうにもならぬということを、これどう打開をするのかということなんですね。  改めて、そういう意味では、もう少しこういう点は配慮すべきだったんではないかという問題も含めて、いや、全くこれは全て正しいんだと、こういうお考えなのかどうか、改めてお聞きします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国として御指摘のような棚上げに合意したという事実は全く存在いたしません。  そして、我が国としましては、この事態をエスカレートさせたのは日本側に責任があるという中国側の言い方を受け入れることはできないと考えております。先ほど申し上げましたこの九二年の領海法のありよう、あるいは二〇〇八年以降、領海侵犯が開始されたということを考えましても、中国のこうした一方的な主張を受け入れることはできないと考えています。  しかしながら、日本と中国、この二つの国の関係、我が国にとりまして大切な二国間関係であります。世界第二と第三の経済大国の関係が安定するということ、これは地域や国際社会の平和や繁栄にも影響するということからして、この二つの国は国際社会に大きな責任も担っていると考えています。是非、この大切な二国間関係、戦略的互恵関係の原点に戻って、大局的な見地から安定させなければならない、我々としてもそのことは強く考えている次第であります。  こうした難しい状況があるからこそ対話が重要だということを再三申し上げております。是非、こうした難しい問題があるからこそ様々な対話を積み重ね、そして高い政治のレベルでの対話を行うことによって二国間関係を是非安定させていきたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 平成二十四年度の予備費では、この尖閣諸島国有化費用だけではなくて、領海における警備体制の緊急整備に必要な経費として百七十億円が計上されて、巡視船の建造等も決定をされています。  確かに領海侵入等は放置できませんけれども、中国の動きに比例してこちらも、じゃ装備は強化しましょうということでこの緊張関係が鎮静化するわけではないことも明らかなわけでありまして、せんだってできたばかりの外務省の説明資料を見ますと、その中では、最近の日中関係と中国情勢と、こう書かれているわけですが、問題があるからこそ、今大臣が言ったことと共通するんだろうと思いますが、政治対政治、社会対社会の意思疎通が重要だ、中国側も対話のドアを開ける決断をすることを期待、歴史問題も含め言うべきことがあれば第三者に対してではなくお互いに対して率直に伝え合うことが大事だ、こう述べていますね。  これは、中国がいろんな機会を利用して安倍総理の歴史認識問題を批判していることを念頭に書かれたんだろうと思いますが、ところが、安倍総理も先日、わざわざNATOまで出向いて、アジア太平洋地域では、近年軍事費や武器輸入が大幅増加しています、特に中国の対外姿勢、軍事動向については我が国を含む国際社会の懸念事項となっていますと演説して、中国を名指しで批判しているわけですね。これでは、外務省自身が言っている第三者に対してではなくお互いに対して率直に伝え合うことが大事だというこのパンフレットというか説明資料、そんぐり安倍さんにお返しせないかぬ、こういうことになるんですよ。  おっしゃったように、経済のまさにグローバル化と相互依存の深化が進んでおって、アメリカも中国も抜かしては日本の経済発展はない、これ誰もがそんなことは分かっている。領土問題は存在しないと言い続ける限り両国の対話は成立しないし、相手側の心を傷つけるような靖国参拝を続ける限り首脳会談もできないし、そこへ中国を仮想敵国とみなすような集団的自衛権の行使容認に向かえばなおさらだ、こう言わざるを得ない。  関係改善に向けて本当に具体的に、おっしゃっていることは一般論としては分かりますが、じゃ、具体的にどういう展望をお持ちになっているのか、その点があればお聞かせいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) こうした歴史問題を始め日中間に存在する様々な課題、こうした課題はそれぞれの国民、世論もあり、どちらかが何かをすればすぐ解決できるというような単純な簡単な話ではないと存じます。だからこそ粘り強い対話が必要だということになるんだと存じます。  そして、この対話につきましては、先日も五月の連休に超党派の日中議連が訪中をし対話を行った、また、たしか貿易担当大臣会合が中国で開催をされて、茂木大臣が先方の商務大臣と会談をする、こういった機会もありました。こうした様々な分野、レベルを通じまして対話を積み上げていくことが重要だと考えております。そしてその上で、是非高い政治のレベルでの対話につなげていきたいと考えます。  特に昨今、一歩間違えば偶発的な事態になりかねない大変危険な行為も行われております。こういったことでありますので、例えばなかなか実現ができない日中間の海上連絡メカニズムでの対話、これも是非実現したいと思っておりますし、こういった偶発的な事態が発生しかねない危険な行為が行われるということを見ましても、是非両国間のトップが話し合うことが、両国の国民にとっての安心にもつながると考えます。  是非、こうしたトップ同士の会談を始め高い政治のレベルの対話を実現するべく、我が国としましても、引き続き粘り強く、また一方で毅然と対応したいと考えておりますし、中国側にも是非こうした我々の働きかけに応じていただきたいと強く願っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 いずれにしましても、東アジアの平和と安定に責任を持つ国として、しっかりと両国の関係改善、協力関係の構築に努力をしてほしい。我々も、我が党としても来月の二十三日から三日間訪中団を出して、かなりこれらの問題についても、しっかり向こうにも注文付けるところは付ける、そういう立場で何とか関係改善のために努力をしていきたいと、こう思っています。  まだ本当はお話ししたいんですが、大臣はどうしても出なきゃならぬという時間の関係があるようですから、大臣の方はこれで終わりたいと思います。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 外務大臣は退席いただいて結構です。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 それでは次に、災害時における公務員宿舎等の有効活用問題について伺ってまいりたいと思います。  会計検査院は、平成二十四年度決算報告の特定検査対象に関する検査状況の中で、東日本大震災の被災者支援のために行っている国家公務員宿舎等の提供状況について報告をされています。  それによりますと、被災者の支援のための国家公務員宿舎等の都道府県への情報提供戸数は一万三千百四十二戸で、そのうち被災者が入居したのはたった千七百二十四戸、約一三%にすぎません。復興庁の資料によりますと、公営、応急仮設、民間賃貸等の住宅等に避難されている皆さんの数は二十四万五千三百八十人、この数と比較すると余りにも少な過ぎる、こういうふうに思うんですが、まず、そこで会計検査院に伺いますが、この検査を行うに至った経緯なり問題意識をお伺いしておきたいと思います。

田代政司会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代政司君) お答えいたします。  財務省では、提供可能な国家公務員宿舎につきまして、東日本大震災の被災者の受入れのために都道府県に対して情報提供をいたしました。  これらの宿舎は被災者向けに確保されまして国家公務員に対する貸与は行われないこととされたところでありまして、また、国有財産である国家公務員宿舎を活用するということは、応急仮設住宅の建設や民間賃貸住宅の借り上げに要する国の経費の抑制にもつながるところであります。  このことから、被災者支援のための国家公務員宿舎の情報提供や利活用の状況はどのようになっているか、今後、国の災害対策において検討すべきことはないかなどにつきまして着眼して検査を行ったところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 先ほども申し上げましたが、避難されている人の数に比べて、そしてまた出された戸数に対して余りにも入居者は少ない、こういう格好ですね。  被災地あるいは被災地に隣接する地域を見た場合でも、青森で提供戸数二百十七戸に対して入居戸数三十九、岩手が六十五戸に対して二十三、宮城が二百六十五戸に対して百四十三戸、秋田が八十四戸に対して三戸、山形が百七十五戸に対して十四戸、福島はさすが地元で百九十戸に対して百二十三戸と少し高い割合ですが、しかし東北に隣接する茨城でいえば千二百四十三戸に対して僅か百三十一戸にすぎません。  検査院の報告によると、都道府県において実際に国家公務員宿舎に対する募集活動を行った都道府県は僅か十六団体で、実際に入居があった都道府県は十九団体と、このような入居状況については財務省は検査院の報告以前から掌握をされていたのかどうか、またこの数についてどのように評価をされているのか、伺います。

美並義人財務省理財局次長

○政府参考人(美並義人君) お答えいたします。  先ほどは会計検査院からも話がありましたように、東日本大震災の被災者の方の避難先として国家公務員宿舎を無償で提供する取組を行っているところでございます。  具体的には、各財務局、財務事務所から各都道府県に対しまして利用可能な国家公務員宿舎に関する情報提供を行い、都道府県からの要望に基づいて当該都道府県に対して国家公務員宿舎を無償で使用許可等をいたしまして、被災者に対して当該宿舎を貸与しているということでございます。  このような取組の中で、被災者の入居状況につきましては、各財務局、財務事務所が各都道府県から、平成二十三年の六月から同年十二月までは一週間ごと、平成二十四年一月以降は一か月ごとに報告を受け、財務本省において集計を行っております。したがいまして、被災者の入居状況については、昨年十一月の会計検査院の報告以前から把握しているところでございます。  次に、入居状況についてどのように考えていたかという点でございますけれども、財務省といたしましては、被災者の広域的な二次避難に活用いただけるように、各財務局、財務事務所から被災県のみならず全都道府県、西日本も含めまして全都道府県に対して利用可能な国家公務員宿舎に関する情報提供を最大限実施したところでございます。他方で、各都道府県が国から情報提供された国家公務員宿舎を被災者へ提供するか否かについては、各被災者のニーズなどを踏まえた各都道府県の判断によるところでございました。こうした中で、情報提供された宿舎戸数に対して入居実績のある戸数が少ないという結果になったというふうに認識しております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 大災害でしたから、それぞれの担当部署は大変御苦労されたとは思うんですが、全体の提供戸数のたった一割強の希望しかなかったという、これはどう考えても理解し難い。そういう意味では、あれだけの仮設住宅などで大変多くの問題が、それをテレビなどを通じても伝えられている中で、もっと何らかの広報の仕方やいろんなことがあってもよかったんではないか、このように思いますが、是非これは追跡して更に調べてほしい、今後の問題としても教訓にしなきゃならぬ問題だろうと思いますから。  そこで、改めて検査院に伺いますが、この国家公務員宿舎等が避難場所として被災者に開放されるようになっていたにもかかわらずこのように低い入居率であった本質的な原因、検査院としてはどこに原因があると見ているのか。それは宿舎の場所、広さ等々被災者の希望と一致しなかったということが今語られましたけれども、そういうことで片付けられるのかどうか。財務省は検査院の報告を受けてどのような改善措置をとられたのか、これについても、今現在の利用状況も含めて財務省からもう一度お答えいただきたいと思う。

田代政司会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代政司君) お答えいたします。  会計検査院では、入居の状況や、今後国の災害対策において検討すべきことはないかなどについて検査したところでありますが、検査の状況に対する本院の所見といたしましては、一時提供住宅として国家公務員宿舎を利用することに備えたスキームが都道府県において整備される状況にはなっていなかったこと、また、国家公務員宿舎に係る情報提供項目、例えば交通アクセスなどでありますけれども、このような情報が含まれていないなど、都道府県が募集している公営住宅の情報項目と比べて国の宿舎の方が少なかったことなどを挙げている次第でございます。

美並義人財務省理財局次長

○政府参考人(美並義人君) お答えいたします。  ただいま会計検査院よりありました会計検査院の報告を受け止めまして、まず内閣府の方におきまして、国家公務員宿舎が一時提供住宅の対象となる旨を明記するように復興対策マニュアル等の所要の改訂に向けた調整を行っていただいているということを承知しております。  それから、財務省の方でございますけれども、我々としましては、地方公共団体が必要とする項目を把握し情報提供するよう各財務局に対して指示するといった措置を講じているところでございます。  現在の入居状況でございますけれども、本年五月九日現在、千二百十五戸となっております。最近につきましては、会計検査院の報告時点から入居された方は三十五戸いらっしゃいますけれども、二百二戸退去されているのでこのような結果になっているという次第でございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 南海トラフ地震あるいは首都直下型地震などということが予想される中で、この東日本大震災から教訓点を導き出すということは政府の大きな課題でもあろうかと思います。被災者への住宅供給も大きな課題ですから、是非、そういう意味で、ここから導き出された教訓をしっかり生かしていただくように再度要請をしておきます。  次に、予算の繰越問題について伺ってまいります。  一部マスコミが、財務省は公共事業の予算繰越しを促す呼びかけを自治体に行い、繰越しの手続の簡素化を検討しているというふうに報道しています。これについて財務省に問合せをいたしましたところ、そういう事実はないということでありましたが、むしろ、この繰越手続の簡素化については既に平成二十二年に事務連絡しているとの回答でありました。  そこで伺うんですが、なぜ平成二十二年に繰越手続の簡素化を行ったのか、またそれはどのような内容だったのか。当然事務の簡素効率化ということなんでしょうけれども、釈迦に説法になりますが、繰越しとは歳出予算の効力を翌会計年度に移動させる特例的な制度なわけですから、特例を常態化するということは財務省としては認められないことなんだと思うんですけれども、簡素化するとどうしても安易な繰越しが横行しかねません。そうならないようにするために、簡素化をするという通知出したのならば、それに代わる何らかの措置、手だても行われたのかどうか、その点含めてお伺いをしたいと思います。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  先ほど先生が御指摘いただいた報道については承知はしております。ただ、大臣がいつも言っているように、新聞報道等、ちょっと事実と違うことがよく報道されるので、御説明をさせていただきたいと思います。  この繰越事務については、もとよりその手続に過重な負担が掛かるとして事務手続の効率化が求められていたところでございます。そのため、これまでも迅速化及び簡素合理化のための取組を行ってきたところであります。御指摘のとおり、平成二十二年一月、各府省が明許繰越しの申請を行う際の事務手続について簡素化を実施してまいりました。  具体的に申し上げますと、第一に、申請書類について、繰越理由を定型化するなど必要最低限の事項を記載する様式のみに限定をしました。申請書類に関しては、繰越計算書、箇所別調書及び理由書、審査表だけということであります。また、添付資料なんですが、事業概要、図面、工程表、契約書などこれらの添付資料については廃止をいたしました。また、財務局等による繰越理由等のヒアリング、これも廃止をいたして簡素化を実施したところであります。  繰り返しになりますが、これらの繰越事務については、その手続に過重な負担が掛かるとして各府省や地方公共団体から事務手続の効率化が求められていたところでありまして、これらの取組は現場での繰越手続等が非効率を招かないようにする観点から実施したものであります。御指摘の報道にあるような経済対策の効果減を懸念したものではありませんので、御理解いただきたいと思います。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今、愛知副大臣からの御説明によっても、相当大幅に繰越事務の簡素化が行われたという印象を持ちます。これで繰り越す正当な理由が本当に理解できるのかという別の意味での疑問が起こるわけでありまして、理解できるというなら、なぜ、じゃ今まで膨大な書類を求めていたのかという、このことにはお答えになれないわけでありまして、この点は改めてお答えいただきたいと思います。  安倍政権下の公共事業費の推移を見ますと、民主党政権下の平成二十二年度、二十三年度、二十四年度の減少傾向とは異なっていまして、平成二十四年度補正予算として安倍政権によって十兆円以上が計上されましたが、公共事業は、平成二十四年度では当初予算で四兆六千億円、補正がその五割にもなる二兆四千億円で合計七兆円、平成二十五年度は当初予算で五兆三千億円プラス補正が一兆円で合計六兆三千億円、今年度が社会資本整備事業特別会計の廃止に伴う増加分を引きますと五兆四千億円ともなっています。  元々、平成二十四年度頃から東日本大震災関係の復興事業があり、公共事業関連産業部門では需給状況が逼迫し始めていましたけれども、その後、アベノミクスによる機動的財政出動がそれに輪を掛けて事業が滞りがちになってきており、地方自治体でも入札不調、こんなことを含めて、とりわけ補正予算に関してはもう消化し切れない、こういう悲鳴も上がってきたことはもう御承知のとおりでありますが、この平成二十二年度から二十四年度の繰越額の推移そのものは一体どういうふうになっているのか、お答えいただきたいと思います。

太田充財務省主計局次長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  一般会計の翌年度への繰越額の実績につきましては、平成二十二年度の決算におきましては三兆二千百十五億円、平成二十三年度決算におきましては七兆五百六十八億円、平成二十四年度決算におきましては七兆六千百十一億円となってございます。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  今の二十三年度と四年度の前に、繰越事由の正当化についての御下問がありましたので、お答えさせていただきます。  平成二十二年度一月の繰越事務手続の簡素化は、各省庁が明許繰越しの申請を行う際の事務手続に関するものであります。この明許繰越しなんですが、繰越明許費としてあらかじめ国会の議決を受けた経費に限って行われるものであり、その想定される繰越事由についてもあらかじめ予算書に明示をされております。繰越承認を行う際にも、繰越事由が予算書に記載されている事由に沿ったものであるかどうかについて、申請書類に新たに添付させることとしたチェックリスト等により確認するなど簡素化する一方で、効率的な方法により適正に行っているところであります。したがって、繰越事由の正当性については引き続き担保されていると考えております。  また、二十三年度、二十四年度の繰越額が増えていると御指摘だったんですが、そのとおりでありますが、これらの要因としては、まず二十三年度においては、三度の補正予算によって措置された東日本大震災に係る復旧・復興関係経費について、地元の復興計画との調整や住民等との合意形成等に不測の日数を要したこと等により年度内の執行が困難となったもの、また、平成二十四年においては、日本経済再生に向けた緊急経済対策に基づく補正予算によって措置された地域経済活性化・雇用創出推進費について、地方公共団体の計画策定の遅れ等により年度内の配分計画の策定が困難となったこと等によるものなどが考えられております。  以上です。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今ほど御答弁ありましたように、平成二十二年度に比較をしますと、平成二十三年度あるいは二十四年度の翌年度繰越額は倍以上になっているわけですね。東日本大震災の復興事業費関係の影響ももちろんあるでしょうけれども、それだけでは説明ができません。  平成二十五年度の決算が出ていないわけですから確たることは言えませんけれども、公共事業費を増大させて景気を浮揚させるという対症療法が繰越額の増加を招いているのではないか、このように考えます。  財務省は、予算の繰越額の増大原因をどのように分析をなさっているのか。過度の繰越額増大は予算編成がずさんであるとの批判を招きかねません。現場で必要とされる事業が積み上がって査定され決定されるのではなくて、最初に額ありき、こうした経済対策、公共事業では財政に対するダメージだけが大きくなるだけだと、こう思うんですけれども、この点についてはどのように大臣お考えになっているでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 毎年度の補正予算というのは、もう又市先生よく御存じのように、その時々の経済情勢等々を踏まえて緊急に必要となる事業等々を積み上げて計上しておりますので、最初に額ありきというようなわけではないということははっきりしております。  例えば、平成二十五年度に計上いたしました好循環実現のための経済対策の予算規模、これは五兆五千億円でありますけれども、あのとき民間予測では一・四%のマイナス、約一・八兆円の減というような試算もされておりましたので、本年度の四—六のいわゆる消費税等々の反動減というのを大きく上回るということを念頭に置いて、私どもとしては、その後の成長率の底上げとか、また成長軌道へ早期に復帰するための事業を積み上げて決定したものであって、これまた額ありきというようなわけではないというのははっきりしておると思っております。  特に、お尋ねの公共事業について申し上げれば、二十六年度前半に需要が発現をする施策、また経済の成長力を底上げして未来につなげる投資に集中することだということで、土地を買い上げるというようなことではなくて、交通・物流ネットワークの整備とかトンネルとか橋梁のいわゆる各種の社会資本の老朽化とか、また事前の防災対策等々を考えて行わせていただいております。  加えて、財源につきましては、厳しい財政状況もありますので、新規国債の発行は行うことなく、平成二十五年度中の税収や税外収入の増、また前年度の剰余金などで賄うこととさせていただいております。  したがいまして、二十五年度の補正予算につきましても、景気の下振れというものもある程度考えておかねばならぬと思い、本年の六月末までに七割程度、九月末までに九割程度を実施済みにするという目標を掲げて早期の実施を進めているところでありまして、景気浮揚というものに是非役立てていきたいと考えております。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 又市征治君、時間が参っております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 時間が参っておりますから、本当は今大臣お話しになった問題についてもう少し議論したかったんですが、時間が参っておりますので、これで終わりたいと思います。  ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 他に御発言もないようですから、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。  予備費関係等十件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  これより予備費関係等十件を一括して討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、二〇一一年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外九件について、二〇一二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費総調書、二〇一二年度一般会計予備費使用総調書(その1)、二〇一二年度特別会計経費増額総調書及び二〇一二年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について反対、他の六件について賛成の討論を行います。  二〇一二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費は、国際競争力強化、防災を名目に、道路、河川、港湾整備を進めるなど、公共事業がほとんどです。また、通常の予備費とは別に一兆円近い社会資本整備の予備費を設け、閣議決定のみで配分を決定したことは、財政民主主義の観点から容認できません。  二〇一二年度一般会計予備費及び国庫債務負担行為総調書は、尖閣諸島をめぐる緊張を更に高めた尖閣国有化の費用や周辺海域の警備体制強化を進めるための経費が含まれており、認められません。また、巡視船の購入は、本来計画的に進めるべきもので、経済対策の一環として予備費で行ったことも問題です。  二〇一二年度特別会計経費増額総調書の大部分は、野田政権の経済対策に盛り込まれた国際競争力強化や防災・減災を名目にした道路整備、河川事業、治水事業、空港整備など、大企業奉仕の大規模開発が多数を占めています。また、これら緊急性のない公共事業の経費増は毎年度行われており、予算を上回る事業推進の常態化は財政民主主義の観点から問題です。  二〇一一年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書外五件は、グループ補助金など東日本大震災からの復旧復興、東日本大震災に伴う地震保険の支払、補選費用、災害対策、B型肝炎、水俣病など必要な支出であり、賛成であることを述べ、討論を終わります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇一一年度予備費に関する承諾を求めるの件四件及び二〇一二年度予備費に関する承諾を求めるの件六件につきまして討論を行います。  二〇一一年度予備費四件につきましては、東日本大震災の復旧復興関係及び原発事故対策、衆議院選挙の補欠選挙に必要な経費、災害救助費等負担金の不足を補うために必要な経費、B型肝炎訴訟における和解の履行に必要な経費、大雪に伴う道路事業に必要な経費、水俣病被害者の救済に必要な経費、災害廃棄物処理事業に必要な経費、大雪に伴う道路の除雪対策等であり、中には問題のある事業もないわけではありませんが、承諾することに賛成をいたします。  次に、二〇一二年度予備費六件のうち、まず経済危機対応・地域活性化予備費につきましては、内容的に私たちの要求や賛成できるものもありますが、解散を目前とした選挙向けのばらまきの様相もあり、問題が多く、承諾することには反対をいたします。経済対策として必要であれば、きちんと補正予算を編成すべきではないかと考えます。  二〇一二年度一般会計予備費使用総調書(その1)及び一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)につきましては、海上保安庁の強化、代替更新の必要性は理解できるものの、尖閣対応を理由にした増強は緊張をあおりかねないなど問題があるため、承諾することはできません。  とりわけ、尖閣諸島の魚釣島、北小島及び南小島の購入に要する費用が支出されていますが、このことに対し中国政府は激しく反発し、緊張が高まっています。尖閣諸島が沖縄県石垣市に属する我が国の領土であることは国際法上も明確であり、両国政府が問題を話合いで平和的に解決するよう一層の外交的努力が求められており、対話を重ねるためにも、中国を殊更刺激しないよう大局的観点に立って冷静に対応すべきであったし、現にそうした対応が必要だと考えております。  他の三件につきましては、東日本大震災復興対策や譲与税の機械的な増収に伴うもの等であり、承諾に賛成するものです。  最後に、特別会計予備費の使用残が一兆八千六百四十七億円にも上っており、特会予備費の算定の在り方の検討が必要なこと、また、水俣病対策については、被害者に真摯に向き合うためにもきちんと予算計上すべきことを申し添え、討論を終わります。

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、平成二十三年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十三年度特別会計予算総則第十七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成二十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上六件を一括して採決を行います。  これらの六件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、これらの六件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、平成二十四年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、平成二十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、平成二十四年度特別会計予算総則第二十二条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、平成二十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決を行います。  本件につきまして、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと議決されました。  なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党

○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時五分散会

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