決算委員会 第5号
- 発言数
- 311 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2014/04/21
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 去る十八日までに、松田公太君、岩井茂樹君、吉田忠智君、新妻秀規君、石橋通宏君、真山勇一君、倉林明子君、難波奨二君及び江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として若林健太君、小西洋之君、相原久美子君、柴田巧君、矢倉克夫君、福島みずほ君、紙智子君、徳永エリ君及び和田政宗君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及び裁判所の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○吉川ゆうみ君 おはようございます。自由民主党、吉川ゆうみでございます。 私はこれまで農林水産分野に長年携わってまいりましたので、本日この決算委員会にて農林水産分野で御質問をさせていただきますことを有り難く思っております。 さて、林大臣が御就任以来、我が国の農政、これは大変大きく変わったというふうに認識をいたしております。昨年末には農地中間管理機構の創設、そして経営所得安定対策の見直し、また水田フル活用と米政策の見直し、そして日本型直接支払の創設など、大変ドラスティックな農業政策の改革を行われてまいりました。このような状況の中で、農業者の方々が意欲を持って経営を続けられる、そのような農業競争力の強化が急務であります。 ただ一方で、日本における農業者の高齢化、大変進んでおり、今の平均年齢は六十六・一歳という、大変高齢化ということになっております。私は、経営マインドを持った大規模農業を志す農業者、そして農業法人が早急に育成、そして確保されていくことが急務であるというふうに考えておりますけれども、私の地元三重県におきましても、なかなか中山間地域も多いということで大規模な農地の確保が難しい。 そのような中で、農業者の方々を日々回っておりますと、今回の農業政策によって自分たちは一体これからどうなってしまうのだろうかというような心配する声が数多く聞かれるというのが現状でございます。この不安の声、これはひとえに小規模農業者、中山間地域の農業者に限らず、大規模な農業者、そして付加価値を追求している大規模な農業者もそうですし、業態、何を作っているか、作目にも限らず、心配の声は、昨今のTPPのことなどもございますし、増えているということが現状でございます。 小規模農業者は放っておいてもいいのではないかというような論もございますけれども、私自身は、農業、農村の多面的機能の維持、そして農地を農地として維持することの食料安保の確保、そしてこの地域コミュニティーを守っているという意味におきましても、我が国にとって小規模農業者というのは非常に重要かつ不可欠なものであるというふうに以前より思っております。 そこで、大規模な農業者、またこれから大規模化を目指す農業者、また付加価値化を追求する農業者はもちろんでございますけれども、今後農業に参入しようという意識のある人たち、そしてこれから、まだまだ小さいけれども何とか大きくしていきたいという人や小規模な農業者、条件不利地域の農業者にも配慮した形で今後の農政を推進していただくことが大変重要だと考えておりますけれども、この大臣のドラスティックな農政改革の日本型直接支払もそのための一つではあるとは思いますが、改めまして大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 吉川委員は議員になられる前から農業問題ずっと取り組んでおられて、そういう専門家ならではの御質問ではなかったかと、こういうふうに思っておりますが、まさに今回の農政改革は、経営感覚のあふれる農業経営体の育成、そして自らの経営判断に基づいて需要に対応して作物を選択していただけるような環境の整備、こういうものに変えていこうと、こういうことでございます。 したがって、経営規模が大きいか小さいか、これにかかわらず、やはり地域の実態に応じて意欲のある農業者の取組を支援する、これが大事であると、こういうふうに思っておりまして、小さい規模の方が例えば集落営農、これを組織して、そしてそこから地域農業を担う経営体へ発展できるようにその法人化を進めていく、これは今までも起こってきていることですが、こういうことを更にやっていく。それから六次産業化、それから新品種、新技術の導入、こういうことを進めることによって、その人でなくては作れないようなもの、こういったような農産物の高付加価値化、こういうものを取り組む、こういうことを多様な農業経営の方法としてそれぞれ応援していきたいと、こういうふうに思っております。 まだ、全般的に大きく変わった農政改革でございますので、やはり説明を丁寧にすることが必要だと、そして、そういうことによって安心して、それなら私はこういう形でやっていこうと、こういうふうに思っていただくことが大事でございますので、地域の実態に応じた丁寧な説明を行ってきたところであります。ブロック、都道府県、市町村別説明会を四千回既に行っておりまして、延べ十七万人説明会に来ていただいておりますが、今後とも、そこで出た現場の声等も踏まえて運用改善を行うなど、常に現場とキャッチボールをしながらきめ細かな政策運営を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 集落営農など、条件不利地域でも頑張っているところを応援していただけるという話でございましたが、現状では集落営農すら組織することもできない、ただ一生懸命そこの農地を守る、あるいは食料の確保のために頑張っているという農業者もいらっしゃいますので、是非ともいろいろなところにきめ細やかな目を向けていただいて農政の展開をしていただければというふうに思います。 次に、農業は国民に食料を提供する生命産業、国の基たる産業でございます。若者たちが安心感を持って、希望を持って農業に携わることができる環境を整え、農業の成長戦略を図っていくことが重要であると考えております。これこそ農業、農村の所得倍増を実現する道であるというふうに思っております。私は、そのためには六次産業の推進や輸出の拡大、農産物の高付加価値化、そして国内市場の拡大といった出口戦略を追求していくことが非常に重要かつ不可欠であると考えております。 大臣は、御就任以来、需要フロンティアの拡大、そして需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築ということに積極的にお取り組みでいらっしゃいますし、私も前職時代から、他産業とのマッチング、そして出口戦略、また六次産業の推進ということを行ってまいりましたので、大臣のお考えには全面的に賛同をいたしているところでございます。 この出口戦略進めるに当たってはマーケティング、戦略的な、食品メーカーや量販店にも、そして海外にも太刀打ちできるような戦略的なマーケティング、そしてブランディングというものの構築が重要であると思っております。農水省では六次産業の市場拡大のために、現在の一兆円から二〇年までに十兆円、そして輸出拡大ということで、今の五千億から一兆という非常に積極的な目標を挙げていらっしゃいますけれども、この目標の達成にはマーケティング、そしてブランディングなくして難しいのではないかというふうに正直思っている次第でございます。 実際、私の地元三重県、松阪牛や伊賀牛、そして真珠やイセエビというものございますけれども、実はお茶の生産、これは静岡、鹿児島に次いで全国第三位、これは栽培面積、生産量とも第三位、そして日本で最初にお茶の栽培を始めたというところでございます。伊勢茶として地域の団体商標登録しておりますけれども、静岡茶や宇治茶に比べてなかなかブランディング、そして知名度が上がらないというのが現状でございます。なかなか、そういったすばらしい技術を持っている農業者にしっかりとそれを拡大していくためにはやはりブランディングの力必要でございますけれども、そういった人材、ブランディングあるいはマーケティングを本当の意味で支援できる人材というのはいないのではないかと思います。 私、農業高等学校の農業の教諭の資格、そして農林漁業金融公庫の農業経営アドバイザーの資格を持っておりますけれども、残念ながら、その資格の取得の講義の中でもマーケティング、ブランディングというものはなかったというふうに思っております。この出口戦略を進めていくためには、戦略的マーケティングやブランディングのできる人材の確保、そしてすばらしい技術力を持った農業者を支援していくということが重要だと思いますけれども、今は、正直を申し上げて、そういったブランディング、マーケティングができる人は農業界にはほとんどいないというのが現状であると思います。 今それをしなければ積極的な目標達成というのは難しいかと思いますので、この人材育成、あるいは人材育成をするための人材を育成するということについて、大臣、どのようにお考えかをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事なポイントだと、こういうふうに思っております。 三重県でもお茶が有名だということですが、私の地元の下関でもフグが大変有名でございまして、フグをそのまま築地へ出荷するよりも加工して刺身にして宅配便で出す、これ二次加工までやるわけですね、製造業も、それをまた地元の有名なフグ料理屋で出すと。どれが一番地元に金が落ちるかと考えれば、最後のオプションが一番落ちるわけでございまして、やはり六次産業化の取組というのはそういう意味でも大変重要であると、こういうふうに思っております。 需要サイドをやはり重視するというのは、かつて我々が生まれた頃、食料が足りない時代、それよりも以前は増産増産ということであった時代から、そういう時代ではなくて、やはりより付加価値を付けたものに対して消費者が財布のひもを緩くすると、こういう時代になってきておりますので、そういうマーケティング、ブランディングというのが大変大事であると、こういうふうに思っております。 六次産業化サポートセンター、全国に設置しまして、千六百人、六次産業化プランナーが案件の発掘、事業計画の策定、販売戦略など、そういう支援を行う体制をやっておりますが、委員が今おっしゃったように、ちょっと歴史が浅いものですから必ずしも十分に機能していないと、こういう指摘も実際あるところでございます。平成二十五年度からA—FIVEに六次産業化中央サポートセンター、まさに教える人を教えると、こういうことをやるために、この六次産業化プランナーのレベルの向上のためのマーケティング、ブランディングなどについて高度な専門性を有する人を派遣できるようにしようと、こういうことをやっております。 また、将来六次産業化に取り組もうと、そういうふうな考えを持っていらっしゃる方にマーケティングやブランディングの教育をすると、こういうことも大事でございますので、アグリフューチャージャパンというのが農業界、産業界の連携で設立されておりますが、道府県の農業大学校の学生、それからそこの指導者、こういう人たちを対象に産業界のトップ経営者を含めた講師陣によって経営力を高めるためのセミナー、こういうものを開催しておりまして、こういう取組を通じて、農業者のマーケティング等の能力の向上、これを図っていかなければならないと思っております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。是非とも長期的な目線に立った、しっかりとした、小手先ではない施策をお願いできればと思います。 先ほど大臣がおっしゃっていただきましたA—FIVEに関してでございますけれども、これは六次産業のための資金需要の創出ということで、農業ファンドをつくるということで非常に有効な仕組みでございますけれども、現在八百件の申請に対して十二件しか採択がされていないということがございまして、せっかく民間が農業にお金を付けてみようと思って入れてもなかなか採択されないということで、かなり今どうなっているのだということで、民間の金融機関あるいは投資をした方々、あるいは申請した農業者からの失望の声ということが出ておりますので、是非ともそちらも積極的な活用をお願いできればと思います。 最後に、六次産業化や輸出を推進していくためには食料の安全確保ということは非常に重要だと思っております。そして、これは日本の農産物の付加価値というものを海外に出していくためにも重要な部分でございます。その中で、今、鳥インフルエンザやPED、蔓延が問題となっております。 PEDに関しましては、私どもの三重県でも十農場で四千五百頭が発症し、千二百頭がもう死亡していると。これ四月の初めの段階でございますので、今、更に増えているだろうというふうに思います。 生後二十日未満の哺乳豚、これは家畜共済の対象外ということもございまして、畜産農家の被害、甚大でございます。国として、このPEDの蔓延など、食料安全確保のためにどのような万全な措置をとっていただけるのかということを大臣にお伺いできればと思います。
○国務大臣(林芳正君) この豚流行性下痢、PEDですが、昨年十月に我が国で七年ぶりにこの発生が確認されて以降、現在、三十二道県で発生しております。お地元の三重県は、三月二十九日に初発事例が確認されて今十三件、六千百八十五頭に発症し、死亡が千八百二十四、これが四月十三日現在でございますが、こういう状況になっておりますので、その飼養衛生管理の徹底を都道府県に対してまず指導をすると、それから、本病を周知して発生拡大の防止を図ってきたところであります。 なかなか終息しないものですから、より一層の防疫対策の強化のために、四月八日に、消費・安全対策交付金の活用によって、畜産農家、屠畜場等の出入口での消毒機器の設置、消毒の実施に必要となる経費、こういうものの支援をすること、それから、農林水産省からの依頼等も踏まえて本年度は昨年度の倍の量が供給される予定となっているワクチンについて、需要の見込みを把握してメーカーに伝達するなど円滑な供給を図る、こういう対応を追加的に行うことにいたしたわけでございます。また、経営状況が悪化した場合は農林漁業セーフティネットの資金の活用が可能となっております。 蔓延防止にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 是非とも、頑張っている農林漁業従事者が報われる農政をお願いし、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選挙区の滝波でございます。 本日は、三・一一東日本大震災を踏まえた国土強靱化について、短時間ながら密な議論をさせていただければと思っております。 さて、公共事業につきましては、特に九〇年代以降、無駄だというふうなレッテル貼りがマスコミ等からありまして、その極みが民主党政権におけるコンクリートから人へというスローガンであると思います。しかし、今我が国は、三・一一を経験し、笹子トンネル等の崩壊もある中で、自公政権が国土強靱化を掲げて国民の支持を得て復帰いたしました。いつ起こるか分からない南海トラフ巨大地震や首都直下型地震、また地球温暖化のせいとも言われておりますが、最近頻発する集中豪雨、台風、豪雪、そういった災害対策、そしてまた、いざというときのための原発安全対策も含め、国土強靱化をしっかり進めていく必要があると思います。 このような観点からの今日の質問ですが、三・一一の際には、太平洋側が使えない中、日本海側からの物資輸送、そういった形で代替ルートの必要性が認識されたと思います。南海トラフ巨大地震等に備えるためにも高速交通網の整備が必要ではないでしょうか。例えば、福井県を通る中部縦貫自動車道、これは太平洋側で何かあったときに日本海側に抜ける最短ルートの一つとして重要であり、また逆に、福井の方の原発がいざというときに、原発避難道という意味でも国道四百十七号線とともに非常に重要なものだと考えております。 このようなバックアップ道路の整備が急務だと考えておりますが、まずこの点について国土交通省の意気込みを伺います。
○政府参考人(徳山日出男君) ただいま委員から御指摘がありましたとおり、東日本大震災のときにも、被災した太平洋側の代替といたしまして日本海側の港に陸揚げをされた物資を被災地に運ぶために、横断方向の道路が大変な大きな役割を果たしたわけでございます。 お尋ねの中部縦貫自動車道につきましても、まさにこのような機能を持った道路であると認識をいたしております。もちろん平時におきましても、観光アクセスあるいは物流といったような大きな効果を持った道路でございますし、万が一の際にも、豪雨や豪雪によって長時間の通行止めが発生しやすい北陸自動車道や国道八号の代替路となりますし、原発避難路としての機能も発揮をする重要な道路であると考えております。 現在、北陸自動車道の福井北ジャンクションから東海北陸自動車道の白鳥ジャンクションに至る区間のうち約四割が開通しておりますけれども、平成二十八年度までには北陸自動車道から大野インターチェンジまでがつながる予定でございます。残る区間につきましても、引き続き地域の皆様の御協力を得ながら、一日も早い開通に向けて全力で取り組んでまいります。
○滝波宏文君 ありがとうございました。国土強靱化そして成長戦略にも資する公共工事は決して無駄ではない、そういう強い意思を持って進めていただきたいと思います。 さて、災害時の物資輸送には港湾も重要な役割を果たします。三・一一のときは、太平洋側の東北の港が使えない中で秋田港が重要な陸揚げの場所になったというふうに聞いております。南海トラフ巨大地震等が起こった場合にも、太平洋側が重大な被害が起きて敦賀港を始めとする日本海側が機能する、そういうふうなことが想定されるかと思います。 平時における対岸諸国との経済交流ということだけではなくて、こうした危機時においての我が国が、国民が安心、安全に生き残っていく、そのためのバックアップ機能、リスク分散、そういう意味で日本海側の港湾整備が重要だと考えておりますが、どのように取り進めていくのか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。 東日本大震災に際しましては、地震や津波で壊滅状態となった太平洋側の港湾の代替といたしまして日本海側の港湾が重要な役割を果たしております。例えば緊急支援物資に関しましては、水、食料、毛布などが敦賀、新潟、秋田などの日本海側の港湾を経由して被災地に届けられております。また、石油に関しましては、太平洋側の製油所等が被災をいたしまして燃料供給能力が激減したことから、西日本の製油所で増産されました石油が秋田港や酒田港を経由して被災地にも輸送されてございます。このように、被災地の港湾の代替として日本海側の港湾が重要な役割を果たしてございます。 今後予想されます首都直下地震あるいは南海トラフ巨大地震など巨大災害の発生に備えまして、災害時物流機能の確保を進めていく必要がございます。このため、港湾におきましては、大規模災害発生時の代替輸送ルートの想定、代替港湾の利用のための体制構築、港湾間の災害協定の締結について検討を進めておりまして、災害に強い物流ネットワークの構築を図ってまいりたいと考えてございます。 今後とも、日本海側の港湾は、災害時の物資輸送の観点のみならず、先生御指摘のような対岸諸国の活力を取り込む観点からも重要だというふうに考えてございまして、国として真に必要な港湾整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。国の備えとしての日本海側という観点をしっかり政策に反映していただきたいと思います。 高速交通網としては、道路だけでなく鉄道、飛行機等もあります。このうち整備新幹線については、与党のプロジェクトチーム、私もメンバーの一人になっておりますが、プロジェクトチームの方から、成長戦略、大規模災害へのリスク分散、そういった観点から早期開業の申入れがなされております。 このような中、先月、参議院予算委員会の質疑の中で、西田委員への答弁において、総理及び財務大臣の方から、整備新幹線については、極めて投資効果の大きいもの、大量に一度に短時間で輸送することが可能で、環境に対する負荷も非常に少ない、いざというときのための大切な交通手段、日本全体のためにもなっていると、異例とも思える積極的なたくさんの評価、お言葉をいただきました。 北海道新幹線、長崎への九州新幹線は航空路への代替性もありますし、特に北陸新幹線は南海トラフ巨大地震等の際の東海道新幹線に対するバックアップ機能も持ちます。その際、麻生大臣も御指摘されておりましたが、国土強靱化の観点からは、現在認可されている敦賀までではなく、早急に大阪、関西につなぐ必要があります。そのためにも、与党のプロジェクトチームが示しているスケジュールに沿って、今年末には必ず既認可の敦賀、札幌、長崎までの早期開業を決定していただきたい、そして、それにより、その先に続く北陸新幹線の一日も早い完成、すなわち大阪、関西までの整備につなげなければなりません。 この点、総理、財務大臣の積極的答弁に沿った国土交通省の見解を伺います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 整備新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、特に問題となっておりますもの、これ整備新幹線の部分でございますが、昭和四十七年に基本計画が、さらに四十八年に整備計画が決定されましたが、その後、国鉄の再建問題あるいは国鉄改革といったようなこともございまして、長期間にわたりその整備が進んでこなかったという経緯がございます。その後、様々な財源を確保しながら、整備計画に基づく路線につきまして順次着工を行ってきているところでございます。 委員御指摘の北海道新幹線の新函館—札幌間、それから北陸新幹線の金沢—敦賀間、そしてまた九州新幹線のいわゆる長崎ルートにつきましては平成二十四年六月に新たに着工に至ったところでございますが、これまで整備が進んでこなかったということもございまして、沿線自治体からは一刻も早い開業を求めるという強い声があるということについては十分承知をいたしております。 先ほど委員御指摘の参議院予算委員会の場でございますが、私も実はその場に居合わせておりまして、委員御指摘のようなお話については承知をいたしております。 新規着工三区間の工期短縮につきましては、現在、委員御指摘の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム、与党PTが開催され、検討が行われておりますが、先日行われました沿線道県からのヒアリングにおいても、工期短縮について非常に強い御要望が出たということでございます。私ども国土交通省といたしましても、与党PTの検討状況に対応いたしましてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。 この関連ですが、先般、残念ながら鉄運機構による不正入札事件がありました。本件については、既に機構内の処分だけでなく刑事告発も行い、国交省からの改善命令そして国交省の監督責任に対する処分も行われて、当座のしかるべき対応はなされたのかなと思ってございます。 ただ、新幹線のPTでも申し上げておりますが、組織に対する失われた信頼、これを回復するためには真面目に仕事をする、これしかありません。そして、鉄運機構の仕事とは早く新幹線を造る、これに限ります。 調べたところ、公取委に不正入札と認定された案件の平均落札率は、認定されなかったものの一五%高止まりをしてございました。この高止まり分の解消に加えて、さらに仕事で返す努力による効率化効果、これを発揮しなければいけない。すなわち、同じ予算で多くの仕事あるいは少ない予算で同じ仕事、こういったことをやっていかないと組織の存在にも関わります。この点、まず機構の見解、決意を伺います。
○参考人(石川裕己君) 今般、北陸新幹線の消融雪装置の入札に関しまして入札情報を教示したとして機構職員が起訴をされまして、公正取引委員会から改善措置要求及び申入れを受けたこと、それから国土交通大臣から厳重注意も受けました。大変申し訳なく、深くおわび申し上げます。 二度とこのようなことを起こさないで適正な競争が行われるよう、外部有識者による第三者委員会において、事実関係の検証や再発防止策の検討を行っているところでございます。例えば、入札監視委員会の審議対象に高落札率の全契約を追加して監視機能の強化を進めるなど、着手できる対策は既に実施しております。 そういう中で、公共事業費や地方の負担金などの公的資金が投入されている整備新幹線、この建設に当たりましては、関係法令などのルールを守るとともに、機構の有する技術力を活用したコスト縮減などの努力を重ねて、皆様から期待されている整備新幹線をしっかり建設することが、信頼の回復に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(金子原二郎君) 滝波君、あと質問時間は一分間です。
○滝波宏文君 はい。 時間もございますので、鉄道局には、夏のしかるべき概算要求と、それから政府・与党のワーキンググループ設置、そして年末の早期開業決定、その際にしっかりと今話のあった鉄運機構の効率化効果、また落札率の高止まり分を外す、これをしっかり盛り込んでいただきたいことをお願いします。 時間がございますので、最後に、以上を踏まえて、我が国が今後とも力強く成長していくとともに、国土の強靱化を図るための日本海側、太平洋側の連携を含めた高速交通網の整備について、国交大臣の決意を問います。よろしくお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 太平洋側と日本海側、二面活用型の開発ということについて、我々は今、鋭意研究をしております。 世界の物流が来年、パナマ運河が拡張されて大きく変わる、あるいは日本海側とロシア、非常に北極海航路が動き始めたということもありまして、相当世界の物流が変わってくることを前にして、リダンダンシーということや災害対応ということも考えまして、日本海側というのは非常に重要なところだと思いますし、太平洋側との連携という、高速道路を始めとしてしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。終わります。よろしくお願いします。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。 本日は、我が国の司法制度、また、それは最高裁そして司法行政をつかさどっていらっしゃる法務省でございますけれども、それぞれについて、我が国の法の支配の在り方、それを決める司法権の在り方について質疑をさせていただきます。 我が国の司法というのは、国民審査によって信任を受けている十五名の最高裁の判事によって担われているところでございます。そして、その司法権の作用というのは、一点、全てその十五名の判事が出す判決文等によって担われているところでございます。 私が本日この委員会で御議論をお願いさせていただきますのは、私自身、実は戦後司法最大の改革であると思っております、戦後司法に名立たる改革といえば、国民が司法制度のプロセスに参画をするようになった裁判員制度といったものが挙げられると思いますけれども、私がこれから御議論をお願いさせていただく論点につきましては、その司法制度が本来の憲法が定める司法権の趣旨、そうしたものをちゃんと果たしているのかどうかというその根源を問うものでございます。 これにつきまして、実は私、最高裁と二年余りにわたりまして議論をさせていただいておりました。実は、最高裁判事を退官された元最高裁判事の方に複数名、私の考えが正しいのかどうかについてヒアリングに伺わせていただきました。基本的には皆様、私の考え、全面的に賛成してくださった方、また実務の問題はあるにしてもその趣旨については理解をくださった方ばかりでございました。また、我が参議院の誇る議会法制局の皆さんにもしっかりとサポートをいただいておりました。 しかし、実は、最高裁の今の事務総長、大谷さんとおっしゃる事務総長なんですけれども、その方がどうしても私の主張というものを、見解というものをお認めにならないと、司法権の独立に抵触することであるというふうにおっしゃり、私の今から申し上げる話は、実は最高裁の判決文の書き方がある意味問題を持っているのではないかという論点なんですけれども、その肝腎の判決文を出される最高裁判事に私のこの問題の指摘というものを全く伝える気がないと、二年前にも伝えないし、今回もどうしても絶対伝えないと、自分のところで止めてしまうというようなことをどうしてもおっしゃいますので、そのままでは司法権が救う国民の命、あるいは自由や人権といったものが守れない、すなわち司法権の究極の趣旨が達成できないという私は判断に至りまして、本来はこうしたある意味司法権の問題をこういう平場の場で、また立法権の場で議論するということは私は不本意なんですけれども、そのことは再三最高裁の方にも申し上げていたんですけれども、今申し上げました司法権が国民の命、人権等に持つ重みに鑑みまして議論をさせていただきます。 まず、幾つか資料をお配りさせていただいておりますけれども、法の支配の全う等のための裁判所法の改正についてという紙を、これをベースに御説明をさせていただきます。 実は、今から申し上げます最高裁の判決文の書き方を変えていただくべきではないかという提案なんですけれども、憲法によって最高裁が作れることになっております最高裁判所規則でも規律できますし、また、議会法制局とともに議論させていただいた結論では、裁判所法、我々国会の、立法府の行う裁判所法の改正でもできるという私なりの結論に達しているところでございます。 ちょっと、今既に五分余りしゃべらせていただいておりますけれども、これから十分ほど、ちょっと少し長めの御説明をさせていただきます。論点は実は本当にシンプルでございます。 今、我が国の司法の頂点に立つ最高裁でございますけれども、十五人の裁判官から成る大法廷、また五人の裁判官から成る小法廷によって成り立っております。それぞれの案件について評議というもの、つまり真剣なる議論というものを行いまして、ただ、その結果については裁判所法の規定によって多数決で、それぞれ大法廷、小法廷、すなわち八名以上あるいは三名以上の多数決によって決するというふうにされております。 そして、多数決によっていわゆる勝ち組となったその判決を多数意見と言うのでございますけれども、多数意見に反して敗れ去ってしまった意見、これは一般に少数意見と言われております。その少数意見の中でも、この一番上に書かせていただいておりますけれども、その多数意見と考え方、すなわち理由あるいはその結論からもう全て、全て全く違う、全く違うその憲法の解釈の在り方、あるいは事実の当てはめ、そしてそこから導き出される結論、考え方、理由あるいは結論、結論も両方とも違う、真っ向から対立するものを反対意見というふうに言っております。 ここに、一ページ目に書かせていただいておることでございますけれども、反対意見は、これは当たり前のことなんですけれども、判決文の中にそれを記すときに、もう論理を振るって、自分たちのその憲法解釈、あるいは自分たちのその事実の認定、当てはめといったものが正しい、よってこの結論が正しくて、多数意見、つまり勝ち組となった判決などは間違っているということを論理を尽くして論駁をしております。しかし、それに対して実は多数意見は、その反対意見についてほとんど反論あるいはその言及を行っていない例がこれはほとんどでございます。 谷垣大臣は法律の専門家で、法曹の専門家でございますのでよく御存じだと思いますけれども、実は私もかつてロースクールを受けて合格したことがあったんですけれども、そのときに、勉強しているときに、ちょっとこれについて違和感を持ちました。そして、国会議員になって、二年前にこれが憲法論点ではないかということを気付いて、先ほど申し上げたような研究をさせていただいていたところでございます。 つまり、簡単に申し上げれば、勝ち組となった多数意見と、いや、それとは全く違う結論にならなければいけない、反対意見というものが判決文上で擦れ違っているという問題でございます。 じゃ、この擦れ違いが一体どういう問題を生むのかということでございますけれども、今日、時間が限られておりますので、皆様、全てのこれ裁判の事案に関わる問題なんですけれども、あえて非常に重たい案件をお持ちさせていただきました。この横紙の裁判例という紙でございますけれども、これは犯罪事件を起こして死刑が最高裁で争われたケースでございます。二つのケースを御用意させていただいております。 一つ目のこの裁判例一というものは、これ実は、その下の方に事案の名前が書いてありますので、これは社会的にも大きな問題意識を持たれた殺人事件でございますけれども、これは結論は最高裁は死刑でございました。実は、最高裁で死刑判決を出すときは、今まで慣例というふうに言われておりますけれども、最高裁に今回聞きましたけれども、最高裁も、私の知る限り、戦後、実は最高裁の死刑判決で反対意見が付いた、つまり死刑ではなくて高裁に差し戻すべきだという反対意見が付いたのはこれ一件だけでございます。 後で少し御説明申し上げさせていただきますけれども、この多数意見は、これ一ページおめくりいただきますと、右側の方でございますけれども、被告人が犯行時少年であった、少年であったんだけれども、このことは、残念ながら、死刑を回避するために酌むべき事情というふうには、法的なものとはならないという判断でございました。 反対意見、つまりこの少年は、当時少年は、この被告を死刑にするべきでないという反対意見が、そこから次のページをめくっていただきまして、左側のこのぐるぐる巻きのところでございます。実は、最高裁の判決文というのはとても読みにくいんですけれども、ぐるぐる巻きの、反対意見というふうに書かせていただいているところでございますけれども、この反対意見の趣旨を私なりに簡潔に申し上げさせていただければ、確かにこの被告人は、その犯罪、殺人事件を起こした当時は十八歳と僅かではあったわけでございますけれども、実はこの少年は、世間一般でいうところの十八歳と同じレベルの精神的な成熟に達していなかったのではないか、すなわち死刑の選択を回避するに足りる特別の酌量をする事情というものがこの少年にはあって、それに即してこの少年が行ったその犯罪の経緯、内容等、犯罪の計画性等々を分析してみたならば、もう一回審理してみたならば、この少年に対する刑法の当てはめの、刑法基準の量刑の当てはめが変わる可能性があったのではないかということでございます。 つまり、今申し上げましたように、勝ち組となった多数意見は、たった一言、被告人が犯行時少年であったということを言っているだけでございます。それが酌むべきものにはならないと。しかし、反対意見というのは、それは問題は、少年であったか、十八歳であったかということではなくて、通常の十八歳に足りるような精神的な成熟度があったのかどうか、そこから説き起こしているわけでございます。つまり、全然観点が擦れ違っているわけでございます。 そして、先ほど言いましたように、多数意見というのはたった一言、少年であったことというふうにしか書いていませんから、この反対意見がこの後何ページにもわたってるる自らの主張をしていることについては何も答えていないわけでございます。 もう一つの裁判例二というのは、これは今申し上げたのと逆のケースでございまして、ある殺人事件についてこれは三対二で無期懲役になったものでございます。これについて二つの反対意見が付いておりまして、無期懲役に対する反対意見ですので、つまり死刑に処するべきだという反対意見でございます。 これ、少しページをおめくりいただきまして、先に一番最後のページを、裏返していただければ見れるんですけれども、御覧いただけますでしょうか。一番最後の裏返しでございます、十一ページでございますけれども、反対意見を書いた裁判官、二重線のところでございますけれども、私が裁判官として関与した死刑事件の刑の量定との比較において著しく公平、均衡を失するものである。つまり、この方は職業裁判官というふうに私承知しておりますけれども、今まで自分が関わってきた死刑、自分が出してきた死刑判決の量刑基準に照らしても、無期懲役とする考え方はどう考えてもおかしいということを言っているわけでございます。この反対意見は二人付いているんですけれども、その前の方もそれと同じようなことを言っております。 時間があれですので詳しくは御説明させてはいただけませんけれども、これは無期懲役で相当だというその理由について、それはそれぞれ幾つか無期懲役にすべきだという理由を、勝ち組の多数意見を挙げているんです、多数意見、勝ち組というのはこういうケース、穏当ではありませんけれども、挙げているんですけれども、それぞれが法的な理由にならないということを反対意見は論理を尽くして論駁をしているわけでございます。ただ、結果、その多数意見はこの反対意見の主張について具体的な論理的な反論あるいは言及を何もしていないというケースでございます。 つまり、申し上げたいこと、多数意見と反対意見の擦れ違いというのは、一つは、裁判当事者にとってこういう判決を受けて納得ができるかどうか。あるいは、先ほどの無期懲役になったケースですと、その残された遺族、そして何よりも無残に殺されてしまった被害者が、この殺人事件を起こした犯人はどう考えても今までの裁判の運用、自分がやってきた運用に照らしてどう考えても死刑だと論理を尽くして言っていて、それに対して何の具体的な反論もないのに、結果、無期懲役になっている。そうしたことで、その亡くなった被害者や遺族の方は果たして御納得がいただけるのかということでございます。 私、今日の質疑で個別の事案の当否について一切申し上げるつもりはございません。この事案が死刑であるべきか無期懲役であるべきか、そういうことを私は一切申し上げるつもりはありません。私がこの機会で論じさせていただきたいのは、司法権の独立には抵触しない判決文の書き方というシステム論そのものでございます。 では、ちょっと先ほどの縦の紙にお戻りいただきまして、これの二ページ目をめくっていただきたいと思うんですけれども、ここから私なりに、さっき申し上げました多数意見と反対意見の擦れ違いについて九つ余りの憲法論点を含めた重要な深刻な問題があるという理解に今達しております。 真ん中下の一つ目でございますけれども、一つは司法権のもう存在意義そのもの、司法権の存在意義。すなわち、我々国会やあるいは内閣といったそういう国家権力から国民のかけがえのない権利、自由を守る最後のとりで、この最後のとりでを果たす機能というものがこうした擦れ違い判決の上では十分に果たせないのではないかということでございます。 これはどういうことかといいますと、我が国の最高裁の判事というのは全て国民審査によって信任を得ているところでございます。つまり、我々国民は、主権者は、各判事に対して、国民のかけがえのない自由や権利を国家権力あるいは行政権力、国家権力といったものから守ってほしいと、そういう守護神として信託をしているところでございます。 ところが、ある裁判のケースがあった際に、これが国民に対する人権侵害の裁判だとします。結果、国民が負けたとします。つまり、小法廷で四人の多数派は、いや、これは人権侵害には当たらないというふうに言ったとします。しかし、たった一人のその反対意見を付けた裁判官が、いや、これは憲法違反だと、この被告の人の思想、良心の自由といったものを侵害するという反対意見を付けていたとします。ところが、先ほど申し上げましたように、多数意見と反対意見というのは往々にして擦れ違っておりますので、それが擦れ違っている場合には、判決文を幾ら読んでも、この反対意見を付けた最高裁判事の主張、この国民の人権、侵害されている人権というのは憲法に照らして守られなければいけない、その守護神たる意見というものが、実は、結果的には、その判決文を幾ら読んでもなぜその守護神の意見が葬り去られたか理解できないわけでございます。 つまり、こうした一人一人の判事が国民審査制によって担っている国民の究極の自由と権利を守る守護神としての機能が、こういう擦れ違いの判決では守ることができない、つまり司法権としての本来趣旨を果たすことはできないというのが私の第一の問題意識でございます。 次のページをおめくりいただけますでしょうか。二つ目でございますけれども、適正な裁判を受ける権利の十全なる保障と書かせていただいております。 先ほど申し上げました、元最高裁判事の方々をヒアリングで伺わせていただく中で、これはまたびっくりするようなことではあるんですけれども、判決を出すに当たって評議という議論を裁判官はやることになっているんですけれども、非常に難しいケースでは、元々もう反対意見というのが十分議論できないような、そういうことも実はあるというようなことをおっしゃっている方もおりました。すなわち、かけがえのない国民の自由や権利が懸かった司法権の最高裁の裁判の議論の場で、評議の場で、それが十分できていないというような話もあるところでございます。 であるならば、その反対意見がなぜ間違っているのか、多数意見に判決文の中でしっかりとその論理を展開させる、論駁をさせる。そのことによって、しっかりとした評議、判決に至るまでの評議の過程を確保するとともに、その反対意見が守ろうとした国民の自由や権利というものを最大限実質的に守るようなプロセスというものが担保できるのではないかということでございます。 三つ目でございますけれども、公正かつ公平な裁判を受ける権利の十全なる保障という、ちょっと難しい、恐縮でございますけれども、申し上げさせていただきました。 これは、端的に申し上げれば、先ほど申し上げた殺人事件の判決のようなケースでございます。つまり、判決文を受け取った当事者、原告であれ被告であれ、多数意見と反対意見が分かれているときに、反対意見がなぜ多数意見で採用されなかったか、そのことは、多数意見が反対意見について何にも論理を展開していなければ、判決文を受け取った原告であれ被告であれ納得が私はできないと思うわけでございます。そういう国民が納得ができないような裁判というのは公正かつ公平な裁判の前提を欠くわけでございますので、ここはやはり問題であるということでございます。 さらに、その二つ目でございますけれども、特に刑事事件についての裁判について重要だと思うんですけれども、刑法罰というのはもう究極の、ここに書いておりますけれども、人の生命すら奪うことのある強大な国権の行使というふうに最高裁自ら言っているわけでございますけれども、それをある人に出すのに、両方とも反対意見が付いていた二つのケースがあった場合に、一つの判決についてはその被告を守ろうとする、被告の刑を軽いものにしようとする反対意見が付いていた場合に、あるケースについては多数意見がそれを無視している、あるケースについては多数意見が、なぜその被告の刑を減じようという反対意見が間違っているのか、正しくないのかということについて一生懸命論じている、こういう二つのアンバランスな判決がそれぞれ国民に対して出るということでございます、現行の運用では。そうしたものは甚だ国民において公平な裁判とは言い難いのではないかということでございます。 次のページでございますけれども、冤罪の危険性でございます。 今回、袴田事件の再審が実現等いたしましたけれども、袴田事件の一審で無罪の心証を得ていた当時の裁判官が、評議の秘密という裁判所法の規定をあえて破って、人間としての良心に懸けて袴田さんは無罪だと私は心証を持っていたというような言論をしていたところでございます。それが最高裁の法廷であったというふうに想像いただけたらと思います。この人は無罪であるというような反対意見が付いているのに、それについて真摯な論理的な多数意見からの論駁がなければ、私は冤罪の危険というものは防げない、冤罪の危険というものは生じるものだと思います。 五つ目でございますけれども、これは実はとても分かりやすい例でございます。 先ほど申し上げました、全ての最高裁判事は国民審査によって信任を得ているところでございます。ところが、国民が最高裁の判事を審査する唯一の道具というのは判決文しかございません。国民が判決文を読むのかということはあろうかと思いますけれども、私は、この国民審査制度というのは、司法権を国民主権の下に置くという極めて重要な私は憲法の仕組みであるというふうに考えております。 そうすると、国民が多数意見と反対意見でそれぞれ擦れ違っている判決文を見たときに、ある国民の人は、いや、自分はどうしてもこの反対意見の方が正しいと思うんだけれども、それがなぜ採用されなかったのか多数意見を読んでもさっぱり分からない。これでは、多数意見を書いている裁判官の方が自分は適格性があると思うのか、あるいは反対意見を書いている裁判官の方が適格性があると思うのか、つまり、国民審査を行う国民が、その裁判官の資質について、適格性について主権者としての審査を適切に行うことができないわけでございます。こうした問題からも、擦れ違い判決というのはなくしていく必要があろうかと思います。 六つ目の三権分立及び違憲立法審査権でございますけれども、これは実は我々立法府、同僚の議員の皆様は深く賛同していただけると思うんですけれども、最高裁は、違憲立法審査権によって我々が立法した法律を違憲、無効、つまり葬り去ることができます。ところが、過去のこの擦れ違いの判決の例を見ておりますと、最高裁の判決によって違憲、無効となったその裁判において、実は国会が作った法律は合憲だと、国会が作った法律は残しておいてもいいんだという反対意見が付いているものがございます。ところが、判決を見てみると、国会が作った法律はこのケースでも合憲だと言っている反対意見に対して、多数意見、つまり違憲である、無効であると言っている多数意見は、何ら反対意見の合憲性というその主張について論理を展開していないわけでございます。 つまり、違憲立法審査権を振るって、我々国民の代表である立法府の法律を違憲、無効にするに当たっても、やはり最高裁は国会に対する説明責任というものを全うしなければいけないと思います。その判決において国会が作った法律が合憲であるという反対意見が付いてあるんであれば、それを論理的にしっかりと論駁するような多数意見がなければ国会に対する説明責任が全うされないというふうに考える次第でございます。これは行政処分についても同じことが言えるわけでございます。 七つ目、次のページでございますけれども、裁判員制度の適正かつ円滑な運用確保に係る問題という点でございます。 これは、先ほどの例を申し上げました。殺人事件において、無期懲役にするか死刑にするか、プロの裁判官ですら反対意見、多数意見によって真っ二つに分かれるわけでございます。それを国民に裁判員制度によってその審判をお願いするのであれば、どういう場合が死刑になるのか、あるいは無期懲役なのか、その量刑の基準をきっちりと、反対意見について多数意見が論駁していくことにより、最高裁は示す責務があるというふうに考えます。 これは、先ほどの裁判例二の後ろから二ページの十ページでこの反対意見を書いている裁判官がまさに言っていることでございます。これは裁判員制度が始まる前のケースだったんですけれども、裁判員制度の実施を目前にして死刑と無期懲役の量刑基準を可能な限り明確にする必要がある、これも最高裁の使命であると。しかし、このときの多数意見は、この反対意見について何ら実質的な論駁を行わずに判決を下しているところでございます。 次、八つ目でございますけれども、今申し上げたこと、つまり国民から見て自分たちの自由や権利を守るその守護神がちゃんと役割を果たしていると実感できるような判決、あるいは国民から見てちゃんと理解が、納得ができるような判決、あるいは裁判員制度に参画する国民がしっかりとした基準を持てるような判決、あるいは、我々立法府あるいは行政といったものが司法からちゃんと説明責任を全うしてもらえるような判決、そうした司法権というものは、国民その他の社会の構成員に対して説明責任を果たす、つまり、そのことによって国民の理解、信頼を確保する、これがこの擦れ違い判決ではできていないという問題でございます。 最後、ようやくたどり着きましたけれども、九つ目、我が国の法の発展に係る問題ということでございます。つまり、多数意見と反対意見があった場合に、今のように擦れ違いではなくて、反対意見がなぜ間違っているか多数意見が論議を尽くして論駁をしていれば、そこから様々な豊かな法律の議論が生まれるわけでございます。下級審の判決も生まれるでしょう。あるいは弁護士あるいは学者の議論、あるいは我々立法府の議論も生まれるかと思います。 皆様も御案内のとおり、過去違憲や合憲と言われた判決が、後に判例変更によって、その当時付いていた反対意見が後の多数意見になって判例がひっくり返ったケースがございます。こちらの資料に付けさせていただいておりますけれども。そうしたことを考えると、その判決を出した当時、この擦れ違いというものを徹底的になくしておくということが我が国の法の発展のために必要だというふうに考えるところでございます。 次のページをめくっていただきまして、つまり、こういう仕組みを、判決が擦れ違わないような仕組みを裁判所法の改正あるいは最高裁規則の改正によってできるわけでございますけれども、私が申し上げるまでもなく、これは司法権の作用に関わる問題でございますので、我々立法府が、今申し上げたような問題に鑑みて、立法権を行使する前に、我々立法府は憲法の至高の価値であります国民の自由や権利を何が何でも守る国権の最高機関でございますので、最高裁がどうしてもこうした取組を取り組まない場合は、私は、我々立法府が立法権を行使して裁判所法の改正を行うべきだと考えておりますけれども、まずは、申し上げるまでもなく、最高裁判所において、司法権の独立の名において、裁判所事務処理規則によって改正をしていただきたいというふうに考えるところでございます。 以上、大変御説明が長くなってしまいましたけれども、ここで最高裁に伺わせていただきます。最高裁判所規則を変えて、今申し上げたような深刻な多々の問題を生んでいるこの擦れ違い判決の問題というものをどうにか、何らかの対処をするというお考えはありますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 最高裁の判決の作成に当たりましては、事件を担当する裁判体におきまして必要な審議を重ね、できる限り全員一致ということを目指すわけでございますが、その中でもなかなか全員一致に至らないという場合には、多数意見が形成され、その内容を踏まえまして反対意見が作られ、その反対意見がどのようなものかということも踏まえた上で、裁判官の判断で必要に応じて多数意見に修正が加えられたり、あるいは補足意見を作成されたりした上で、最終的な審議等を経て、これを一通の判決として、関与した裁判官が全員署名押印して判決が作成されるというふうなのが一般的なプロセスというふうに承知しております。 最高裁判決は司法としての最終的判断でございまして、その重大性に鑑みますと、先生御指摘のとおり、事案の最終的解決としての適切さや判例としての説得力というのは極めて重要なことであるというふうに考えております。ただ、各裁判官がさきに申し上げましたプロセスの中で、当該個別事件の内容に即しまして、反対意見、多数意見を問わず、その内容を吟味して作成しているところでございます。 このように、反対意見の内容を踏まえて多数意見をどのようなものにするかというのは、裁判官の裁判事項そのものでございます。それぞれの意見の説示内容や対立する意見への反論の程度を一般的に議論することは極めて困難でございまして、結局のところ、個別の事件で裁判官がその理由としてどのように何を書くのかということに尽きるということでございまして、まさに裁判事項ということでございます。 我々事務総局というのは司法行政部門でございまして、これは裁判部門とは完全に独立したという形で、裁判部門に影響を与えることというのは万が一でもあってはならないということで行動しているところでございます。 委員は、事務総局が国民の声を踏まえてそのような規則を作るよう働きかけて実現すべきということをおっしゃっていられると思いますが、司法行政部門が、判決に記載する裁判官の意見における理由の内容や書き方について、御指摘のような形で不足があるということを前提といたしまして、一定の方向性が相当であるという意見を述べることは、最高裁の裁判官が現に行っている現状のプロセスに対して独立して職権を行使すべき判断作用に対する影響を与えるおそれがあるということで、合理性自体見出せないものと考えておりますし、そのような司法行政上の措置は裁判官の職権行使の独立を侵すおそれがあり、相当でないと考えているところでございます。
○小西洋之君 今おっしゃられたようなことをいろいろおっしゃっていたんですけれども、この司法権の本来趣旨というものが理解されていないと思います。 一々繰り返しませんけれども、我々国会やあるいは行政が過って国民の自由や権利を侵害したときに、それを守る、わらをもすがる思いで頼る、それが司法権です。そして、最後、唯一それを救うことができるのが司法権です。その重みというものが分かっていらっしゃらない。また、その司法権というのは、自分の唯我独尊の独立があるわけではなくて、司法権の独立というのは、今申し上げた国民の自由や権利を守る最後のとりでとして機能するためにその独立性があるわけでございます。そして、それは国民審査制度によって担保されているわけでございます。 そうしたもろもろのことを考えると、私は、司法権の独立というよりは、どちらかというと独善的なことだと思うんですけれども、その証拠に、この資料の一、これは議会法制局と一緒に過去の最高裁の判決の何百件というケースを調査をいたしまして、擦れ違いの判決の例などを集めたものでございます。これは学術的にも物すごく大きな価値があるものだと思いますけれども、資料一が擦れ違っているものなんですけれども、資料二を御覧いただけますでしょうか。三ページめくっていただきましたら、四ページですか、出てまいるんですけれども、これ実は、今私が申し上げました資料二というものでございますけれども、右上にクレジットが付いている、これは多数意見が、判決文の中で多数意見が反対意見を明示に取り上げて、反対意見が間違っているということを論駁している例でございます。つまり、もちろん個別の事案によって複雑性等々いろんな問題はあるでしょう。ただ、やろうと思えばできているわけでございます。 そして、何よりも裁判を受ける当事者からすれば、あの裁判については反対意見についてちゃんと多数意見が論駁してくれているのに、自分が受けた裁判については、自分を救えと言ってくれた反対意見について多数意見はもうほったらかしである、無視である、何にも触れていない、とても納得できない、こういうケースを国民は受けて、受けて、受けているわけでございます。そうしたことを司法権として放置していいのか。それは、先ほど繰り返し申し上げたように、司法権の本来趣旨ということを最高裁の事務当局は分かっていないということでございます。 私が冒頭申し上げました、私が申し上げていたのは、別に国会議員だからといってやっている、国会議員の私について事務総局が最高裁判事に、最高裁の行政というのは、最高裁の裁判官から構成される裁判官会議というものがあるわけでございますけれども、最高裁判事に、こういう問題意識が一有識者からあった、あるいはその裁判官会議においてこういう問題意識が一有識者から寄せられたと、その程度でもいいと。かつ、私は、そういうことを上げたかどうか、報告したかどうか、そうしたことについても報告は求めない、なぜならばそれは司法権の中の運用そのものでございますので。 ただ、私は、事務総長から、大谷事務総長からこの二年間得ていたその回答というのは、大谷事務総長のところでこの件を止めると、止めると、絶対最高裁判事には上げないと。そうすると、先ほどるる申し上げましたこの擦れ違いの深刻な問題、国民の受ける深刻な問題がいつまでたっても解決できないわけでございますので、あえて今日、こうした場で議論をさせていただいたわけでございます。 ちなみに、今、総務局長が御答弁いただきましたけれども、今日私、質問通告は当然事務総長に対して行わせていただいておりました。なぜなら、事務総長の判断で最高裁の中で上げないと、止めるということを言っておりましたので、なぜそういうことをするのですかと聞かなければいけないことと、先ほど私が申し上げましたのは、皆様御理解いただきましたように、もう司法権の在り方そのものに関する問題でございますので、こういうものについては事務総長はこれまでこの決算委員会を始め全ての委員会に出てちゃんと答弁をしているわけでございます。ところが、自分が起こした責任について出てこないというのは、なかなかやはり理解し難いと。 「あのころはフリードリヒがいた」というちょっとこの小説の後ろに、なぜ出てきていただけないのですかということに対して、総務局長が適任と判断したというふうに答えをいただきました。次のページについて、もう総務局長が適任だというこの木鼻の言葉以外、説明するものはございませんと。なぜ総務局長が適任で事務総長が不適なのか、個別具体的に普通の質問通告のやり取りではやり取りがあるわけですけれども、私はもちろん司法権の独立、それに基づいた国会法の規定も知っておりますけれども、それにしても余りに国民の代表のこの委員会の審議というものを十分尊重していただいていないと思います。 委員長、この件について、是非理事会で一度御議論をいただきたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○小西洋之君 ありがとうございました。 この「あのころはフリードリヒがいた」というのは、これ、ナチスが台頭した時代に、その状況下にあって、ある裁判官が決然とそのユダヤ人家族を救ったという、半分、ほとんど事実というふうに言われているものらしいですけれども、一番最後の言葉でございます。裁判官が救った後、その救われた子供が恐怖の余り、不安の余り泣き出してしまったということでございます。心配しなくてもいいんだよ、君たちは大丈夫だ、正しいことが通るように、そのために私がこの席にいるのだからね。 私が読んだ、読ませていただいた膨大な反対意見、本当に尊敬できる、共感できるような、これはあくまで個人の見解ですけれども、判決がございました。まさにこうしたプロフェッショナルとしてのその信念、プロフェッショナルとしての姿勢によって勇気を奮って思いを持って書かれた膨大な反対意見であったものと思います。しかし、それについて多数意見は何ら正面から答えていない、こういう司法の在り方でいいのか、そうしたことについて申し上げさせていただきたいと思います。 ちょっと大変な時間を使ってしまいましたので、次に、同じくこの法の支配に関わる問題につきまして内閣法制局にちょっと伺いたいんですけれども、内閣法制局、よろしいでしょうか。 ちょっと資料をお配りさせていただいておりまして、資料の一にありますように、我が国の憲法九条の集団的自衛権との関係でございますけれども、仮に、全く仮に、集団的自衛権の行使を憲法上認めたいという考え方があり、それを明確にしたいということであれば、憲法改正という手段を当然取らざるを得ない、したがって、そういう憲法改正という手段を取らない限りできないというのが確立した憲法解釈でございます。条文を変えない限りできない、すなわち解釈変更の余地は全くないものを、それをずっと何十年にもわたって積み上げてきたものを、解釈変更ができると言い出してやろうとしているのが今の安倍政権でございます。 内閣法制局に伺いたいんですけれども、今話題の砂川判決でございますけれども、砂川判決の内容は、今申し上げた憲法九条の、その政府の集団的自衛権の行使についての解釈、それと何か矛盾、抵触する点がありますでしょうか。ありましたら具体的にお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤正春君) 砂川事件判決と政府の解釈についてというお答えでございましたけれども、政府は、憲法第九条の解釈につきまして、例えば昭和四十七年に、十月十四日の参議院決算委員会への提出資料においてお答えしておりますけれども、憲法九条の文言は我が国として国際関係において実力の行使を行うことを一切禁じているように見えるが、政府としては、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や、憲法十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえて考えると、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されないとの趣旨の基本的な考え方を述べた上で、憲法九条の下で例外的に許容される武力の行使については、憲法が自衛のための措置を無制限に認めているとも解されず、それはあくまでも外部の武力攻撃によって国民の生命、身体、危険にさらすような場合に国民のためにやむを得ない措置として初めて容認されるものであるから、その措置はこれを排除するため必要最小限度の範囲にとどまるべきであるというような考え方を示しております。 砂川事件は、旧安保条約行政協定に基づく刑事特別法の……
○小西洋之君 簡潔にお願いします。矛盾、抵触はあるか、イエスかノーかだけで結構です。
○政府参考人(近藤正春君) そこは、今申し上げました砂川判決の中で、我が国が主権国として持つ固有の自衛権と憲法九条の関係について、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことであるという考え方を示しておりますけれども、これは、今冒頭に述べました政府の見解の基盤にある基本的考え方と軌を一にしているというふうに私どもは考えております。
○小西洋之君 今お聞きいただいたように、小松法制局長官が来る前は。最高裁判決と矛盾する政府解釈があるわけないんですよ。矛盾、抵触するものは一切ないの一言で済んだものが、あの方は、第一部長は立派な方で、私もかつていた経産省出身の方で立派な方なんで、あの方はいいんです、小松長官が来てからこうしたまともな答弁が得られなくなっていることを指摘させていただきます。 最後に、実は、法の支配において内閣法制局長官は最高裁判所の長官よりも重要な役割を担っているのでございます。あえて申し上げます。憲法違反の戦争によって国民が死んで傷つくことを体を張って止めるのが内閣法制局長官の役割でございます。その国民が憲法違反の戦争によって死んで傷ついて、それについて損害賠償請求の裁判があったときに、それについて賠償を命じる違憲判決を出すのが最高裁長官の役割でございます。 そういう意味で、我が国は極めて危険な状態にある。しかし、今、法の番人が、内閣法制局長官が我が国失われてしまった今は、もう解釈改憲を言われた後に国民を救えるのは最高裁にしかいないんです。最高裁がしっかり国家権力と闘っていただきたい。それで、闘っていただくためには、今からしっかりとした強靱な判決を出していただきたい。国民の自由や権利を守れというその反対意見についてしっかりとした反論をやるんだったらやるというような判決を出すことによって、最高裁自体が鍛えられて、国民の自由や権利を守る、そのとりでとなることを強くお願い申し上げて、私の質疑とさせていただきます。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。 大臣、あしたの農林水産委員会でもじっくり質問させていただきますので、少しだけ触れさせていただきたいと思いますけれども、日豪EPAの問題であります。 日本にとっては、農水産物の関税の撤廃あるいは段階的削減、削減、大変に厳しい合意内容だったと思います。関税をある程度維持できたことで、TPPで関税撤廃を要求している国に対してこの日豪EPAの合意内容が防波堤になるのではないかというような話もありましたが、実は、オーストラリアが日本の値切りに応じたと、TPPで関税撤廃を強く要求している米国、ニュージーランド、シンガポールはオーストラリアに対して大変に憤慨しているということが聞こえてまいりました。そういう事情があって、米国はますます交渉態度を硬化させているようであります。 日本は更に苦しい立場に追い込まれていっているという状況でありますけれども、そういう中で、恐らくTPPに関しては、米国と日本の協議、米国の要求に関してかなり日本が大幅に譲歩をしなければまとまらないというところに来ているのだと思います。そして、懸案の牛肉の関税ですけれども、どうやら一〇%で決着するのではないかということも私の情報ネットワークから入ってきております。だとすれば、これは大変なことなんですね。TPPの枠内で、そうなるとオーストラリアも更に関税削減を求めてくるのではないでしょうか。 日豪協議とTPPの関係、また日豪協議を振り返って、農林水産大臣として、御自身の評価も含めまして、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 日豪のEPAに関しましては、先週か先々週の農林水産委員会で御質問がございましたので、そのときにも申し上げたとおりでございますが、二〇〇七年の四月に交渉を開始して以来、まあ委員は御承知のとおりでありますが、農産物の大輸出国というオーストラリア、ケアンズ・グループの中心であります、最初何を言っていたかというと、全品目関税撤廃だと、こういう要求をずっとしておりましたが、一方、我々は、農林水産委員会で決議をいただいておりますので、政府一体となってこの決議を踏まえてやってまいったところでございます。 米については除外、それから麦、精製糖、一般粗糖、バター、脱粉については再協議と、こういう一定の柔軟性を豪州側から得た上に、冷蔵、冷凍の間で牛肉は四%の税率差を付けさせていただきましたと同時に、セーフガードをそれぞれ付けさせていただきました。また、冷蔵は十五年、冷凍は十八年という非常に長い期間の削減期間と、こういうことで、国内畜産業の健全な発展と両立し得る関税削減の約束となったと、こういうふうに思っておりまして、全体として一定の柔軟性を得たということで大筋合意に至ったと、こういうふうに判断しております。
○徳永エリ君 TPPとの関係についてはどのようにお考えになっておられますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これもたしかあのときにお話ししたとおりでございますが、まず、日豪EPAは、七年間やっておりまして、これはバイの交渉でございます。TPPは、全体がたしか数年前、我々は去年の三月から正式に参加を表明して交渉が始まっているということであります。それともう一つは、御案内のように、マルチでございますので十二か国が入っておると。日米も含めて、また日豪、そのほかの国それぞれが合意をすると、こういうことがTPPについては必要でございますので、全く別のものであると、こういうふうに申し上げてきたところでございます。
○徳永エリ君 大臣から、衆参の農林水産委員会の国会決議に沿ってというお話ございましたけれども、今回のこの日豪EPAの合意内容について、この国会決議を守ることができたというふうに大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これもこの間の繰り返しになって恐縮でございますが、我々としては、先ほど申し上げたように、一定の柔軟性を得ることができたと、こういうことでございますので、決議に踏まえてぎりぎりの交渉の結果であると、こういうふうに思っておるところでございます。 なお、決議につきましては、農林水産委員会で作られたものでございますので、これに最終的に当てはまるかどうかの判断というのは農林水産委員会で行われるものと、こういうふうに承知をしております。
○徳永エリ君 農産物の重要五項目だけではなくて、次々と農水産品の関税について農水省の方から情報が出てきております。そういう中で、国会決議を改めて見てみますと、一項目めに、「米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖など」と、実はこの「など」という部分が非常に重要でありまして、大臣はよく御存じだと思いますけれども、北海道では雑豆とかそういったものも入ってくるわけであります。この「など」という部分が実は守られていないのではないかと。地元を回っておりますと、大変不勉強で申し訳ないと皆さん言いながらも、タマネギに関税があったんだと、八%も関税があったんだと、これがなくなるということはどんな影響が出るんだろうかと大変心配な声も上がっているわけであります。 それから、この国会決議の中の除外の定義について私も予算委員会で御質問させていただきましたけれども、交渉の中で解釈するというような答弁が最近されておりますが、除外の定義は確定されたものだと私は思っております。即時撤廃、段階的関税撤廃、関税削減、関税割当て、再協議も含めてこれ除外だと思っておりますので、ですから、即時撤廃というものもございますし、関税削減されたものもかなりあります。そういったことを踏まえますと、決してこれは国会決議を守ったとは言えないのではないかと、むしろ国会決議をたがえたのではないかというふうに私は思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これも前回の繰り返しになってしまいますが、我が国がこれまで締結したEPAにおける物品市場アクセスの約束の中で確立した除外という定義がございませんので、政府として今回の牛肉の約束が除外かどうかという判断を示すことは難しいということでございます。 この日豪EPAの中でどういうふうになっているかという事実関係を申し上げますと、この日豪EPAにおいては、関税の撤廃、引下げに関する約束等の対象から除外されるという区分がございます。その区分がございますが、牛肉は先ほど申し上げたような関税削減を行っておりますのでこの区分には該当しないと、こういうことでございます。 牛肉については、先ほど申し上げましたように、最初は撤廃をしろと、こういうふうに豪州はずっと要求をしておりましたが、粘り強い交渉をして、先ほど申し上げたように豪州側から一定の柔軟性を得て、国内畜産業の健全な発展と両立し得る結果、これを確保したと、こういうふうな判断の下で大筋合意に至ったところでございまして、最終的なこの決議との整合性の判断と、これは、それぞれ衆議院、参議院の農林水産委員会で御判断をいただくと、こういうふうに考えております。
○徳永エリ君 本当にその整合性の判断はしっかりしなければいけないと思います。 それから、今までの経済協定の中でこの除外の定義がどういうものかということは、私も調査室にお願いをいたしましていろいろ資料を取り寄せまして研究者の方々の論文も読ませていただきましたけれども、先ほど申し上げたようなことが除外ということでございますので、唯一、一つだけごく最近になって少しこの除外の定義が変わってきたものもありましたけれども、少なくとも、この日豪EPAの決議文を衆参の農林水産委で出したときには先ほどの内容となっておりますので、私は、今回の日豪EPAの合意内容に関しては、これは国会決議違反だというふうにはっきりと申し上げたいと思っております。 〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕 それから、この日豪EPAの合意内容について、農林水産省では北海道で説明会をしてくださったということでございますが、畜産、酪農関係の方々がどんな影響があるんでしょうかというふうに再三聞いても、影響はないということの一点張りだったそうであります。しかし、この牛肉の関税が七〇%から五〇%、そして三八・五%と下がっていく間で、生産量は横ばいかもしれませんけれども、現場では、例えば家族経営の農家が吸収、淘汰されていくとか、いろいろな問題が起きてきているわけですよ。廃用牛の価格が一時的に下がったとか、ぬれ子価格が下がったとか、素牛価格が下がったとか、これ影響がないとは言えないと思うんですね。 どういう影響があるかということは、きちんと調査検討をなさったんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 説明会は北海道でもやらせていただいておるというふうに報告を受けております。 この四月の十七日の木曜日に札幌と帯広、それから十八日に釧路、これでこの説明会をやっていただきまして、意見交換をさせていただきました。そして、特に牛肉の関税の引下げが、牛肉やぬれ子、乳用廃用牛、こういうものの価格の低下を通じて、北海道の肉用牛経営、それから酪農経営に悪影響を与えるのではないかという懸念から不安を訴える声が強かったと、こういうふうに聞いております。また、チーズのアクセス改善については特段の懸念の表明はなかったということでございました。 したがって、影響がないというふうにこちらから申し上げたということは報告を受けておりませんので、これがどう影響が出るかまだ分からないと、まだ始まっておりませんし、それから為替の動向等々いろんなものが最終的には影響してくるものと、こういうふうに思っておりますので、我々の方からは、現場の不安を払拭するためにしっかりと説明をしていくと同時に、現行のセーフティーネット対策ございますので、これしっかりと対応するとともに、影響に留意をしながら必要に応じて新たな対応も検討すると、こういうふうに御説明申し上げているところでございます。
○徳永エリ君 先日、上富良野の農家の皆さんとお話をさせていただいたときに、もう素牛価格が二割下がったということであります。肥育して販売するときにどのくらいの価格になるか分からないので素牛価格をもっと下げてほしいというような声が上がってきたり、まだその日豪EPAが発効しているわけでもないのに現場ではそういうことが起きてきているということでありますから、しっかり現場の状況を注視していただきたいと思いますし。 それから、先日、この日豪EPA交渉大筋合意の詳細についてということで、五項目以外のものも出てきておりますけれども、これに関しても、北海道に説明に行っているのは畜産部長だったとたしか思います。ほかの農産物に関してもきちんと、心配をしておりますので、説明を農林水産省の方で速やかにしていただきたいと思っています。農家の方々も五品目に注目していて、タリフラインの細目を検証して削っていくということはこういうことなのかと目の当たりにして、大変に驚いております。 あとは、なるべく早く、その具体的な影響というとなかなか難しいかもしれませんけれども、影響試算を出していただきたいと。特に府県別に、どんな影響があって、どういう数字的な問題も出てくるのかということをなるべく早くお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この今月の七日に安倍総理とアボット豪州首相との首脳会談でこのEPAの大筋合意が確認をされましたので、これを受けて、まず、決議に明記をされておられます、「など」じゃない方ですね、米、小麦、牛肉、乳製品及び砂糖のいわゆる重要五品目について、その日のうちに合意内容の詳細を公表させていただきました。 それから、その他の重要五品目以外の品目でございますが、この合意内容の整理を進めてきておりまして、整理が終わった主な品目の合意内容を順次公表してきております。具体的に申し上げますと、まず畜産物関係については十七日、それから農産物及び水産物においては十八日にそれぞれ合意内容を公表したところでございます。残っておりますのが林産物それから加工食品、こういうことになろうかと、こういうふうに思いますが、これも近日中に公表をなるべく早くしたいと、こういうふうに思っております。 最終的な合意内容、条文も含めてですが、これは、日豪間でこの大筋合意を受けて、今協力して、何といいますか、法的なチェックをしておりまして、これを経て協定の案文が確定をすると、こういうことに、委員御案内のとおりの手続でございます。 したがって、この間においても、問合せ等については丁寧に説明をして、関係者の不安を払拭する努力を行っていくこととしたいと思います。先ほど御指摘があったように、その大筋合意の後値段が下がった、実はその後また元に戻っているわけでございますが。事ほどさように、まだ何も始まっていないのにそういうことが起こるということに注意をしなければいけないと、こういうふうに思っておりますので、やはりしっかりと事実関係を明快に説明をしていくと、こういうことであろうかと思っております。 〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕 影響及び影響試算でございますが、先ほど申し上げましたように、まだまだ始まっておらないということと、それから景気の動向、需給のバランス、それから為替変動、こういうものが様々に貿易に影響を及ぼすということで、この貿易額の変動の予測が非常に難しいと、こういうことであります。したがって、その影響試算というものもまた独り歩きをしまして、その試算が出たので値段が下がるということになっても元も子もありませんので、影響に留意をしながら、大事なことはやはり生産者の皆さんが引き続きやっぱり意欲を持ち続けて経営を続けられるように、しっかりと構造改革や競争力の強化、こういうものを推進していく、これに取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○徳永エリ君 まさに意欲を持って営農が継続できるような、そういった施策を具体的な形で早くお示ししていただきたいと思います。 続きまして、経営所得安定対策の見直しについてお伺いいたします。 今、衆議院で担い手経営安定化法と日本型直接払い、多面的機能法案について審議が行われております。農水では初の重要広範議案でありまして、日本の農政の大転換になるかもしれないというような審議が行われているわけであります。民主党は戸別所得補償法案とふるさと維持支払三法を対案として提出させていただき、御審議いただいているところであります。 米の農業者戸別所得補償制度、政権が替わって名前が変わり経営所得安定対策となりましたが、政権が替わった後も継続していたということで、農家の皆さんはしばらくこの制度が続くんではないかと実は考えていたんですね。ですから、水田を新たに買ったりとか借りたり、それから新しい機械を購入したり、中長期的な計画を立てて意欲的に生産に取り組んでいたわけであります。それが、昨年末、突然、米の所得補償交付金、十アール一万五千円を平成二十六年度から半額に、さらに平成三十年には廃止が決まりました。自民党に政権が替わってもこの制度は継続したわけですから、水稲農家の方々は本当にこの突然の制度が変わるということで驚いたということであります。しかも生産調整まで見直し、先が見えない、将来が不安だという声が現場から上がっています。 現場から強く継続が望まれていたのにもかかわらず、この制度を見直すに至った理由を改めて御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) これはまさに今衆議院の農林水産委員会の方で御議論をいただいているところでございまして、まず、やはり我々が考えましたのは現場重視ということでございますので、政権交代したのが十二月でございましたから、我々が掲げた公約に基づいて最初から変えるということは、農業、特に米のシーズンからして大変な現場に混乱を与えるだろうと。したがって、名称を変えて、マイナーなやり替えみたいなのは少しありましたけれども、大枠を維持するということは、現場に配慮して、改革を検討を十分して、そして次のときからやりますと、こういうことを申し上げていたわけでございます。 公約にも書いてありましたように、農地を農地として維持することに着目したいわゆる多面的機能払いと、それから経営所得安定対策、この二本柱でやっていこうと、こういう公約を作ってきたわけでございます。 御案内のように、残念ながらと言っていいと思いますけれども、この五十年間で米の需要が減っております。昭和三十七年に百十六キロ年間消費をしておりましたのが、今五十四キロまで足下減ってきておると。それでは、その分、全部水田もやめてしまうかということになれば、多面的機能や集落の維持等で重要な生産装置でございますので、どうやって水田を守りながら、この減ってきた、そして、残念ながらこれからも高齢化等によって主食用の米の消費というのは大体毎年平均八万トンずつ減っていくと、こういう状況に対応していくのかということを考えたときに、一つはやはり農地を集積していただいて経営コストを下げていくということと、もう一つはやはり水田のフル活用をしながら需要に対応する。 したがって、主食用の米以外に、例えば餌米ですとか米粉用米、そしてあるいは麦、大豆、これは自給率が一割を切っておりますので、こういうものをしっかりと水田を使ってフル活用しながら需要に応じた作物を作っていくと、このことを基本的な考え方として政府・与党内で議論をしていただいた結果、この今回の農政改革になったというところが基本的な考え方でございます。 産業競争力会議等からは、当初、一年で変えなさいと、こういうようなお話もあったところでございますが、今委員がおっしゃったように、やはり旧制度、四年続いております。実はその前はなかったわけでございますが、四年続いたということもありまして、その前提でいろんな投資をされておられる方もいらっしゃるということと、やはり農業は一年一作であるということに鑑みまして、やはり五年間半額にした上で、経過期間を置いて、しっかりとその中で新しい五年という目標をみんなで共有しながら、需要に応じた生産をそれぞれ経営主体がやっていただけるという仕組みに持っていこうと、こういうふうになったところでございます。
○徳永エリ君 そもそも農業者戸別所得補償制度の目的は、恒常的にコスト割れしている作物を対象に、生産費と販売価格の差額を交付して農業経営の安定と国内生産力の確保を図ることでした。米の所得補償交付金、いわゆる岩盤部分の十アール一万五千円は、標準的な販売価格から標準的な生産費を引いた恒常的なコスト割れを補填するものであります。生産費の内訳というのは、家族労働費、雇用労働費、地代、肥料、農薬、物財費、農機具、光熱動力費などであります。この生産費の削減というのはそう簡単でないということはすぐ分かると思います。しかも、私はタイミングが非常に悪かったなと思っていて、円安の影響、それから消費税の問題、それからもう本当に多額の投資をしたばっかりだということもあって、五年というスパンがあっても現場は大変に厳しい状況だと思います。 実は、この赤字の補填によって米農家の所得は向上し、また、大規模農家ほどメリットが大きいということで、農地の集積、規模拡大、集落営農や法人化が進んでいます。また、所得が増えたことによって将来に希望が持てるようになって、担い手不足ということもよく言われていますけれども、都会に出ていった若い人たちが帰ってきてお父さんの跡を継ぐよという、そういう声が現場に行くとよく聞かれていたんですね。それが、本当に継がせていいのだろうか、あるいは、このまま水稲を作り続けていいのだろうかということを大変に現場では今悩んでおられるということが実態であると思います。 そして、お手元に資料もありますけれども、二枚目の資料を見ていただくと分かるんですけれども、今お話ししたように、法人それから集落営農というのが、この平成二十二年度に戸別所得補償モデル対策が始まってから非常に増えているということでもよく分かっていただけると思います。 あと、先ほど飼料米等の話もありましたけれども、水田で麦や大豆、米粉用米、それから飼料用米等の戦略作物を生産する農業者に対して、主食用米並みの収入を確保し得る水準の交付金を面積払いで直接交付をいたしました。麦、大豆、飼料作物は十アール三・五万円、米粉用米、飼料用米、ホールクロップサイレージ用米は十アール八万円、ソバ、菜種、加工用米は十アール二万円。水田利活用に関する二十三年度、二十四年度の当初予算は二千二百八十四億三千百万円ということでしたけれども、この支払額と取組の成果を恐らくお話しいただいても、戸別所得補償制度によってこういった米粉とかあるいは飼料用米が生産が増えたということも分かるのではないかと思いますけれども、その支払額と取組の成果についても具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 米の直接支払交付金のこれまでの実績でございます。 規模別にちょっと御説明したいと思いますけれども、二十四年度に交付した米の所得補償交付金は全体で九十八万一千件の販売農家に交付をされておりまして、総額が千五百五十二億円でございます。これを規模別に見てみますと、〇・五ヘクタール未満の販売農家、これが四十九万八千件でございますが、これに対しまして百三十六億円。それから、〇・五ヘクタール以上一ヘクタール未満の販売農家、これは二十四万五千件でございますが、これは二百二十億円。それから、一ヘクタール以上二ヘクタール未満の販売農家は十三万五千件に対しまして二百五十九億円でございます。二ヘクタール以上三ヘクタール未満、この販売農家三万九千件に対しまして百三十六億円。それから、三ヘクタール以上五ヘクタール未満の販売農家は二万九千件に対しまして百六十三億円でございます。五ヘクタール以上の販売農家、これはトータルでございますが、三万四千件に対しまして六百三十八億円が交付されているということでございます。
○徳永エリ君 そして、今御説明いただきましたけれども、あわせて、三枚目の資料を御覧いただきたいと思うんですけれども、二十二年以降を御覧いただきますと、この飼料用米の生産が非常に増えている、作付面積の推移、大きくなっているということが御理解いただけると思います。 時間がなくなりましたので、もうまとめに入らせていただきたいと思いますけれども、安倍政権の下で日本再興戦略が去年の六月に策定される直前に公表された農業者戸別所得補償制度の実績等に関する農水省の文書、農業者戸別所得補償制度は、二ヘクタール以上で経営費も家族労働費も賄え、利潤が発生し、五ヘクタール以上では十アール当たりの利潤が二千百六十円にも達し、大規模経営の優位性が遺憾なく発揮されるとしています。 戸別所得補償の下での構造改革は、直接払いによる大規模経営の有利性を発揮し、一定の効果を上げていることを農林水産省も認識していたということがこの文書から分かると思います。円安や消費税の増税によって生産コストも増えている中で水稲農家が経営を維持していくためには、米の所得補償交付金は私は維持するべきなのではないかというふうに思うんです。 そこで、廃止ということでありますけれども、廃止する前にしっかりと現場の調査をしていただいて検討していただいた上で、必要であるならば、半減はしましたけれども十アール七千五百円、維持することも必要なのではないかということもお考えいただきたいと思います。 大臣のお考えを最後にお伺いいたしまして、時間でございますので、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど昭和三十七年の数字を百十六キロと申し上げましたが、正確には百十八キロでございましたので、訂正させていただきます。 今のお話でございますが、やはり我々としては、この主食用の米の需要、残念ながらと申し上げなければいけませんが、減ってきているということで、やはり水田のフル活用ということをしていただくためには、主食用の米だけに支払われるこのお金を振替拡充することによって農地の集積に資する施策に取り組む。また、ここのところは余り変わっていないと思うんですが、転換をしていただく餌米等に、これは更に数量払いも入れさせていただきました。 こういうことをすることによって、そしてもう一つ多面的機能払いと、こういうふうに入れましたので、主食用の米以外のものを作っていただいている方にも多面的機能は行くと。それから、耕作を行われなくなった方も集落を維持するために活動していただければこの多面的機能払いは払われるということで、こういうことで構造改革を後押ししていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○徳永エリ君 ありがとうございました。 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 日本経済の国際競争力強化のため、そしてまたTPPやEPAなどの進展によってますます国際貿易が活性していくと見込まれることも踏まえ、日本の港湾のプレゼンスの向上が必須となってまいります。全国六十港を超えるコンテナ港への分散投資がアジアにおける日本の港湾の弱体化を招いたと言われております。その反省に基づいて、港湾政策を選択と集中に向けて転換し、京浜港と阪神港が国際コンテナ戦略港湾に指定されたという経緯がございます。 昨年の五月十四日に、予算委員会において、安倍首相に、現在、東京港でさえ国際ランキング二十九位という惨状ですが、何位に上げたいとお考えですかと私が質問しましたら、総理は、目指すからには一位を目指したいとはっきりおっしゃられてくださったんですね。非常に心強いと思いましたし、本当に有り難いと思いました。そして、ハブ港の推進についても、ハブ港としての機能を日本がしっかりとアジアで持っていく、それは成長戦略においても重要な柱となろうというふうにおっしゃってくださったんです。 ところで、そのような心強い総理の答弁でしたけれども、その後十一か月がたっております。戦略港湾政策を担当する国土交通省において、政策実現に向けて具体的にどのように取り組まれ、そして二十六年度予算も含めどのような施策を打ち出しておられるのでしょうか。
○副大臣(野上浩太郎君) 今先生から御指摘のありました去年の五月の予算委員会の後でありますが、国交省では、昨年七月に国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会を設置をいたしまして、本年の一月に最終取りまとめ案を発表いたしました。その最終取りまとめ案では、集貨、創貨、そして港の競争力強化ということを三本柱としておりまして、具体的には、平成二十六年度予算において、港湾運営会社に対する新たな集貨支援制度の創設などによる集貨、それから戦略港湾の近傍に位置する倉庫の整備に対する無利子貸付制度の創設などによる創貨、それから大水深岸壁の整備ですとか、港湾運営会社への国の出資制度の創設などによる競争力強化等の新規施策に取り組んでいるところでありまして、そして、これらのうち無利子貸付けと国出資制度については、併せて今、港湾法の改正を今国会にお願いをして御審議をいただいておるところでございまして、厳しい国際競争力を勝ち抜くために、国が前面に立って頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、今年の二月七日に港湾法の改正案が閣議決定され、国会に提出されました。これまでの港湾の運営は原則として地方自治体が担ってきました。一方で、港湾法改正案では、国際戦略港湾、すなわち京浜、阪神両港において、経営統合後の港湾運営会社に対して政府が出資できるようになっております。港湾法改正案によって国際競争力の強化が図られるのは好ましいと考えております。以前の港湾法の趣旨である民間の活力や視点を生かしながら、必要な場合には国の指導で力強く政策を進めていくことは必要かと感じております。 港湾管理者である各地方自治体の考えもおありかと思いますけれども、国として、国策である戦略港湾政策を推進するために不可欠な国の出資についてどのようにお考えでしょうか。出資の方針について御説明いただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 世界の物流が大きく変わってきて、特にこれから、来年はパナマ運河の拡張という、シェールガス革命がそのまま太平洋を渡るということになります。北極海航路、今四か月ぐらいしか動かないんですが、しかし、これは相当物流の流れを変えていくということにもなります。そういう意味では、日本海側と対岸貿易というのは非常に盛んだというように思います。 ところが、先生がおっしゃったように、釜山や上海やシンガポールや香港、こういうところに比べまして、もうどんどんどんどんそこに物流の拠点が移っていくということがありまして、国が前面に立って、そして地元自治体とも協力をし、民間とも協力をし、総力を挙げて京浜港、そして阪神港、この二つをもう一度前面に打ち出すということが大事だというふうに思っています。 各県におきましても、その危機感とそして物流を多くするということについては全く同じ考え方でございますものですから、その中で国の政策的な意図を港湾運営に反映させるという必要があるということで、このコンテナターミナルの運営を一元的に行う港湾運営会社に国が出資するということをもって、岸壁を整備したりいろんなことをやりますし、それがそのままポートセールスやコンテナターミナルのリース料金の低減などという形に還元されていけば、相当競争力を強化するということになると思います。 そういう意味で、国が出資するということを決めさせていただいて、今、その点について国会で論議途上でございます。早く成立することを期待をしているところでございます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 国家を代表する玄関口とも言える京浜港と阪神港について、国際戦略港湾政策を着実に推進し、そして競争力を向上させるためには、やはり民間活力を生かしつつも、国家の責任ある関与が必須だと感じております。真に国家戦略としての港湾政策が必要だと思うんですね。 私も視察に行ってまいりましたけれども、京浜港の競争相手となる、先ほどのお話にもありましたシンガポール港ですとか韓国の釜山港、こちらにも行ってまいりましたけれども、主要港湾やそのコンテナターミナルの運営主体は国自体が、こういったところでは国が一〇〇%出資した法人により担われております。 改正港湾法成立後に港湾管理者である各地方自治体との間で本格的な話合いが行われることを期待したいと思いますけれども、一部の自治体では国の出資受入れに消極的な姿勢もあるかと聞いております。話合いで理解を求めるのは地方分権の見地からも重要だと思います。 しかし、国際物流ビジネスという各国が激しく競い合う状況下で、何年も何か月もの時間をこれに費やしている場合ではないと思うんですね。私の地元の横浜港では、釜山港との大変激しい競争の現状から、この国際コンテナ戦略港湾政策に港の浮き沈みが懸かっているんです。一日も早い国の出資、そして一刻も早い真の国家戦略港湾政策、これの開始を待ち望んでおります。大臣の断固たる決意と優先的な取組を是非お願いしたいと思います。 続いて、港湾関係の今年度予算について話題を移したいと思います。 平成二十六年度予算においては、前年度と比べて一一一%の四百四十六億円、これを港を核とした国際コンテナ物流網の強化に充てております。今後、一層重要度が増していく京浜港などの設備投資に重点的に配分することは重要だと私も考えております。その一方で、重点的に配分された予算が円滑に執行できるかどうか、非常に心配しております。建設業の有効求人倍率が三倍を超える人手不足が深刻な状況となっていることは新聞等でも御存じかと思いますが、公共事業の入札不調が発生しているのが実態でございます。 この厳しい状況の中で、どのように円滑に港湾の整備ができるか、どうやって進めていくのかというお考えをお聞かせいただければと思います。
○副大臣(野上浩太郎君) まず、状況を申し上げますと、直轄工事として発注した港湾土木工事、港湾等しゅんせつ工事及び港湾等鋼構造物工事の発注案件におきまして、平成二十五年度の四月から十二月までの期間に五百五十一件中五十三件の入札不調が生じております。約一割ということでありますが、特に東日本大震災で被災した港湾の工事ですとか、工事規模の小さい工事においてこういう傾向があります。 そういう状況に対して、関連業界にヒアリング等々を行いましたが、業界の方からは、やはり参加要件の緩和ですとか余裕を持った工期設定、あるいは市場実態に即した単価設定等に関する意見をいただきまして、これらの工事につきましては、入札参加要件、工期あるいは積算単価の見直しを行った上で、再発注を行った上で、現在ほぼ契約に至っているというところであります。 国交省におきましては、設計労務単価の見直し等によります市場実態を的確に把握した予定価格の設定などの対策も行っているところでありまして、港湾事業の円滑な施行に努めてまいりたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 震災の復興にしても、予算はあっても実行の方がなかなかという、そういった状況なんですね。特に、緊急の取組の必要性が高い港湾関係について、これについては、予算を付けるだけではなくて執行まで含め確実な取組を是非お願いしたいと思います。 港湾関連の予算は、平成十九年度までは港湾整備特別会計、平成二十年度から二十五年度は社会資本整備事業特別会計の港湾勘定において区分経理されていたんですね。それが昨年の特別会計法の改正によって、平成二十六年度以降は社会資本整備事業特別会計がこれが廃止された結果、港湾関連の予算は一般会計の方で経理処理されるようになりました。 民主党政権時に進めたこの特別会計改革を継承して進めたことは大いに評価できますけれども、一般会計になっても、やはりTPPやFTAなど国際貿易がますます活発化する中で国際競争力、この強化のための港湾予算の確保は重要だと思います。しっかりと確保していただけるよう、当局に要望させていただきたいと思います。 さて、世界における日本の港湾のプレゼンスは少しずつ低下しているんです。コンテナ取扱量では一九九九年から二〇一〇年にかけて、日本は何と一・四倍にとどまっているんです。これに対し、その一方で、アジア全体では二・六倍、二・六倍の伸びになっているんです。また、日本に寄港する欧州航路が三年前は週に四便だったのが、何とこの半分の週二便に減少している。これが現状なんですね。これは、海外の船会社同士の連携の進展などによって欧米基幹航路が寄港地を絞り込んでいることなどが背景としてございます。 以上のように、世界における日本の港湾の影響力は低下しているんです。まさに危機的な状況にあります。 去年の六月に閣議決定された日本再興戦略、この中で港湾政策について触れられています。 例えば、港湾における大型船舶への対応力強化、それから稼働時間延長などのニーズへの対応、そして港湾、空港への輸送アクセスを向上させる、このようなことなどへの施策がこれに記載されているわけです。しかし、再興戦略に記載されたこういった諸施策に関する現在の進捗状況については詳しく公表されていないわけです。 そこで、日本再興戦略が閣議決定されてから十か月たちました。現在の港湾施策の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(野上浩太郎君) 今先生からお話のありました日本再興戦略、これ昨年の六月に決定をされたわけでありますが、この中でもハード面、ソフト面、両面において様々な施策が盛り込まれておりまして、まずハード面におきましては、昨年、平成二十五年度に、先生の地元であります横浜港南本牧埠頭地区を始め東京港中央防波堤外側地区、大阪港北港南地区、それから神戸港六甲アイランド地区におきまして新たに大水深コンテナターミナルの整備に着手をしたところでありまして、これは鋭意整備を進めてまいりたいと思っております。 それから、ソフト面におきましては、大阪港、神戸港、横浜港に続きまして、本年一月に東京港、川崎港において特例港湾運営会社の指定を行ったところでありまして、現在、京浜港、阪神港のそれぞれにおきまして経営統合に向けた検討が進められております。 また、先ほども申し上げましたが、昨年七月に設置をしました国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会において、本年一月に最終取りまとめを行って、今予算面の取組を進めておりますし、港湾法改正を今、国会に御審議をいただいておると、こういう状況でございます。
○牧山ひろえ君 港湾をめぐる国際競争は非常に熾烈な状況だということは御承知のとおりだと思います。是非、危機感を持ってスピーディーな取組を是非お願いしたいと思います。 日本再興戦略において、港湾政策を推進し、京浜港など国際コンテナ戦略港湾における大水深コンテナターミナルの整備についても数値目標を掲げている、このことについて私は評価しております。加えて、世界の港湾別コンテナ取扱個数のランキングについても再興戦略の中に明確な数値目標を是非私は定めるべきだと考えているんですね。 総理も昨年に御答弁されたように、目指すならばやっぱり世界一、これを目指さなければいけないと私も強く感じております。そして、安倍総理は年頭の記者会見でこういうふうにおっしゃっております。今年半ばに成長戦略の改定を目指すとはっきり述べられております。 間もなく行われるこの成長戦略の改定の際に、コンテナ取扱個数のランキングで一位を目指すことを明記することを私は是非強く提案したいと思っております。いかがでしょうか。また、それを含めて成長戦略の改定において港湾施策に関しどのような方向性が盛り込まれる見込みなのか、併せて教えていただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) まだこれから、何を盛り込むかというのはこれからの話ではあります。 そして一方、今港湾法の改正を国会で提案をし、そして参議院でこれから論議をされるという状況にございます。まずは、ここが通るということが期待されているという状況だと思います。 ただ、危機感は物すごく私自身持っておりまして、もう長年、神戸は一九七〇年代は一位だったんですね。ほかの港も十位前後というようなときがあったにもかかわらず、もう本当に口を出せないほどの非常に劣化をしているという状況にございます。 何位を目指すのかということを明記しろということは、確かにそういう手法もあると思います。何位を目指すんですかと聞かれれば、それは一位を目指しますと、こう言うんですが、私は性格もおとなしいせいかもしれませんが、現実には車は動いてからハンドルを切れというのを、私は昔からいろんな運動を展開してきた人間でありますものですから、まず動いて、反転攻勢への動きが始まって初めてそこに目標ができるという観点を、私は立っています。 目標を掲げるということも当然大事で、それは一位を目指すというのは大事なことなんでしょうが、私は、まずは、車はまず動いて、本当にランクを一つでも二つでも上げていくということに動きが始まったということに、今ダッシュに力を入れておるというのが私の偽らざるそういう気持ちでございます。 御理解をいただければと思います。
○牧山ひろえ君 車をまず動かすということも非常に大事だと思いますけれども、やはり一位というふうにおっしゃった以上は、その一位を目指して頑張っていただきたいと思います。 時間となりましたので、終わらせていただきたいと思います。
○風間直樹君 法務大臣、風間でございます。今日はよろしくお願いいたします。 今日は、瀕死の重傷を今負っている法科大学院の制度の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 御案内のように、この法科大学院制度、今崩壊寸前といった有様を呈しておりまして、これまで国から国費も相当この制度に投じられてきたわけでありますが、まず民主社会を正常に機能させるためには何よりも憲法と法律が誠実に執行される、これが重要であるわけでありますが、そのために当然司法制度が正常に機能しなければならない、それを支える法曹人材の育成は極めて重要だと、このように思うわけであります。法科大学院制度の導入が国の重要施策として行われたのもそのためでありますけれども、今日、この制度は崩壊の危機に瀕しています。 背景には、法科大学院の乱立、それから弁護士需要の減少、この二点があるかと思います。法科大学院の数と弁護士の需要については当初から不安があったんですけれども、失敗すれば、膨大な税金が無駄になるということに加えて、司法試験不合格者の増大という社会的な不公正の発生が当然予想されたわけであります。 そこでお尋ねをしてまいりますが、今年に入ってから、報道を見ておりますと、合計五校の法科大学院の廃止が決定をされたようであります。私、選挙区が新潟なんですが、新潟大学の法科大学院、それからお隣の長野県の信州大学の法科大学院も廃止という決定がなされました。信州大学が二月十二日、新潟大学が三月十七日の決定であります。 この二校、募集の停止に至った事情については、学長それから法科大学院長の声明によれば、若干異なるところはありますが、最近における法科大学院を取り巻く状況の激変、とりわけ全国的な法曹志願者の減少という要因が大きいようであります。 法科大学院制度は、平成十三年六月の十二日に公表されました司法制度改革審議会の意見、つまり司法制度改革においては法曹人口の大幅な増加を図ることが急務であると、こういった基本認識に基づいて導入されました。したがいまして、全国的な法曹志願者の減少はこの法科大学院制度の存続上致命的な問題ではないかと思うんですが、この点、政府としていかが認識をされていますでしょうか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(大塲亮太郎君) 法曹志願者が減少していることにつきましては、昨年六月の法曹養成制度検討会議取りまとめにおきまして、司法試験の合格状況における法科大学院間のばらつきが大きくて、全体としての司法試験合格率が高くなっておらず、また、司法修習終了後の就職状況が厳しい一方で、法科大学院において一定の時間的、経済的負担を要することから、法曹を志願して法科大学院に入学することにリスクがあると捉えていることが原因であると、このように分析されております。 これを踏まえまして、昨年七月十六日の法曹養成制度関係閣僚会議決定におきましては、現状の課題を改善するために政府が講ずべき措置が決定されまして、現在、法曹養成制度改革推進会議の下で、内閣官房法曹養成制度改革推進室及び関係省庁等におきまして各施策の検討、実施を進めているところであります。 具体的には、大きく言ったら三つございます。 まず、法曹人口の在り方につきましてですが、法曹養成制度改革推進室におきまして、あるべき法曹人口について提言するべく、法曹人口についての必要な調査を実施しております。 二番目に、法科大学院教育の質を確保するための組織見直しを促進する観点から、文部科学省におきまして公的支援の見直しの更なる強化策を公表しております。また、法曹養成制度改革推進会議におきましては、先週の四月十八日、法科大学院に対する裁判官、検察官等の教員派遣の見直し方策について決定したところであります。さらに、文部科学省におきましては、共通到達度確認試験の制度設計など法科大学院教育の質の向上に向けまして取り組んでいるところと承知しております。 三番目に、法務省の下に法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会を設けまして、分野別の分科会を置いて、法曹有資格者の活動領域を拡大するための実践的な取組を行っているところであります。 これらの施策を通じまして、法曹養成制度の課題を改善し、多くの有為な人材が法曹を志すような制度となっていくよう取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○風間直樹君 私は今まで余りこの法曹制度には御縁がなかった人間でございますが、ある専門家からこの問題の指摘を聞きまして、じゃ、ちなみに、法科大学院で学んで修了して、司法試験三回受験して合格できなくて、今就職できず社会的に職業を持っていない方がどれぐらいいるんですかと聞きましたところ、この配付資料の二ページ目にその数字が出ているんですけれども、平成二十四年三月三十一日現在ですが、この二ページ目の真ん中の評価結果というところの一番上ですね、四千二百五十二人。おととしのちょうど年度末の時点でこの数字ですから、今それから二年たっておりますので、多分この数は五千人を超えているんだろうと思います。この日本の社会の中で、五千人を超える二十代、三十代を中心とした若い方々が行き場がなくて、それまで志してきた法曹の道を断たれて宙に浮いてしまっていると、これは大変深刻な状況だろうと思います。 今御答弁もいただきましたように、総務省の行政評価局では制度の必要性を否定する指摘をしているわけであります。この指摘が今日お配りをしている配付資料なんですけれども、総務省は、平成二十四年の四月二十日に、この資料、法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価を実施をしました。そして、御答弁いただいたとおり、法務省と文科省に対して勧告を行ったわけであります。 その勧告というのは、三千人の合格目標は未達成だけれども、国民の立場からは未達成による大きな支障はないと。三千人合格者出していないけれども、国民の中にそもそもニーズがないから、三千人合格していなくても影響は出ていないと。一方、現在の二千人規模の増員を吸収する需要の顕在化はないと。過去に比べて二千人弁護士さんを増やしたんですけれども、そもそもこの二千人を必要とする需要がないので、弁護士の供給過多により就職難が発生し、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの不足による質の低下が懸念されると、こう指摘をしているわけであります。 今日この委員会室に御参集の委員の皆さんも大臣も政府委員の皆さんも多分御覧になったことがあると思いますが、少し前に、この司法修習生に対する給付金の問題をめぐって、衆参の議員会館の前で修習生の皆さんが街頭に立ってデモをしている、そんな風景を見ました。この背景には、こういった今指摘をした問題があるわけであります。弁護士の数が増えた、二十代、三十代の若い弁護士さんの数がそれまでよりも大幅に増えたけれども、そもそも社会に彼らを必要とするニーズがないので、彼らの存在が浮いてしまって仕事がないと、こういう問題であります。 こういった状況は、法科大学院制度の必要性に対する疑念あるいは疑義、さらにはそれを否定する指摘とさえ言えるのではないかと思うんですけれども、この総務省の評価がですね、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(大塲亮太郎君) 総務省の法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価、この勧告の内容につきましては、司法試験の年間合格者数の点のみならず、法科大学院の教育の質の向上等の点も含めて、平成二十四年八月から開催された法曹養成制度関係閣僚会議の下でも検討されております。 その結果、平成二十五年七月十六日の同閣僚会議の決定におきまして、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度を維持するとした上で、質、量共に豊かな法曹を養成していくための施策について決定したところであります。 司法試験の年間合格者数につきましては、同決定において、三千人程度とすることを目指すべきとの数値目標を掲げることは現実性を欠くとした上で、今後のあるべき法曹人口について提言すべく必要な調査を行うとされたところであります。これを受けまして、現在、法曹養成制度改革推進会議の下で法曹人口に関する調査を進めているというところでございます。
○風間直樹君 これは我々としても大変身につまされる話でありまして、今日この場に集まっている参議院議員の皆さんはそれぞれ参議院選挙で当選をされてきているわけですが、恐らく最初の選挙挑戦で当選をされたという方は余り多くないんじゃないかと私は想像するんです。多分、一度、二度ならず挑戦をして何回目かの選挙で皆さん当選されて、国会議員として有権者の負託に応えていると。その中で、過去自分が浪人を重ねながらも選挙に臨んで当選をしたと、その過去の浪人期間中の様々な複雑な思いというものもあると思うんですが、それは今国会議員として活動する中でやはり自分の一つの大きな糧になっていると、これが議員に共通した思いではないかと思います。 一方で、司法試験を受けて三回受験して駄目だった、じゃ、自分がこれから社会にどういう存在として貢献していくかと、こういう思いを持った皆さんのお気持ちというのは本当にやるせないものがあると思います。私はそこに非常につらいものを感じるわけでありまして、そう考えてみると、この法科大学院制度の設計に際しては、私は二つの道徳的な犯罪と言ってもいいものがあったんじゃないかと感じています。 一つは、そもそも社会の法曹に対するニーズを見誤ったこと。三千人毎年必要だという計算をしながら、実際そのニーズが発生しなかったという。このニーズを見誤った責任というのは、やはり国会の場で、あるいは政府の場でしっかりとその責任者が誰かという追及がなされて、その反省と分析に立った施策が必要だと思います。 もう一点の道徳的犯罪は、今おっしゃいましたように、この法科大学院における教育の質、これが司法試験に合格できるかどうかという部分に見合っていない、この指摘が随分出ています。大変な授業料を納めて法科大学院に入ってみたものの、そこで日々行われる授業の内容が実は司法試験に合格できるものに見合わなかったと、これが実態でありまして、そのことに気付いた多くの方々が、後ほど出てくる予備試験というものにバイパスしていかれると、こういう現状が出ているわけであります。 このように、法科大学院制度というのは何だったのかを問うべき段階に来ていると思うんですが、今御説明いただきました総務省の主な勧告事項を列挙すると、次の六点であります。皆様には、配付資料一枚目の一番下、主な勧告事項を御覧いただければと思います。 まず一点目は、司法試験の年間合格者数に係る目標値を再検討すべきであると。三千人合格させてもそのニーズはありませんよということですね。二点目は、今申しました法科大学院における教育の質の向上。三点目が未修者対策の強化。四点目、法科大学院の入学定員の更なる削減、あるいは他校との統廃合の検討。そして五点目、法科大学院に対する公的支援の見直し。つまり、国費や他の形での様々な補助金といったものを減らすべきだということだと思います。最後に、修了者の進路の把握と就職支援の充実と。これらは、法科大学院について、量的に調整をし、質的に改善を図ることを求めたものと言えると思います。 ただ、新潟大学の実務法学研究科長が次のように述べています。予備試験の影響も見逃せません。予備試験の創設により、法曹を目指す学生のうち優秀な者は予備試験合格による司法試験受験の道を選択し、これに伴って、各法科大学院の入学試験では一部の上位校へ向かって合格者の吸い上げが加速しつつあります。昨今では、予備試験の受験者増により、法科大学院制度が掲げてきたプロセスとしての法曹養成という理念が軽視され、いかに効率的に短期間で司法試験に合格するかが重視される傾向が生じかねないとの指摘も見られ、今後の状況が大いに懸念されるところですと。 予備試験には合理性があるとの国民の認識がもしあれば、既に量的な調整で問題の解決ができる状況ではないと。そもそも法科大学院とは何だったのか、根本的な問いを発すべき段階に来ているんじゃないかと思いますけれども、政府の認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(大塲亮太郎君) お答えいたします。 法科大学院を中核といたします法曹養成制度につきましては、様々な問題が指摘されておりまして、現在、予備試験制度の在り方も含めまして、法曹養成制度の在り方全般の課題について法曹養成制度推進会議の下で検討を進めているところであります。 法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度を維持しつつ、現状の課題を克服し、質、量共に豊かな法曹を養成していくことができるよう取り組んでまいりたいと考えているところです。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、風間委員から現状について大変深刻な認識がお示しいただいたということでございます。 それで、今の対応は政府委員からお答えしたとおりなんですが、やはり過去の法曹養成制度改革の歩みを考えますと、委員は、定員三千人というのは少し犯罪的であったのではないかとおっしゃった、それから、ロースクールの講義内容が司法試験に十分対応できないのではないかということをおっしゃいました。それで、確かに、この間も、やっぱり三千人という目標は現実的ではなかったということを認めざるを得ない状況に来ているわけです。それで、今、じゃ何人が適切かということは、当時必ずしも十分な科学的調査が行われていたわけではありませんので、それをきちっと調査をして一定の目標を作らなきゃいけないという段階でございます。 その前に、ちょっと今これから目指すところに入ってしまいましたけど、そのプロセスの養成ですね。確かに、今、法科大学院に行かれた方が多額の学費を払いながらなかなか受からないという現象が生じてきています。 じゃ、それ以前はどうだったのかということでありますが、それ以前は、大体年間五百人受かるという状況が続いておりまして、二次試験でも三万五千人とか、つまり六十倍とか七十倍の試験であったと、それを一発勝負でやっていたと。そうすると、かなり実力のある者もそのときの運によって受からないという状況がしょっちゅう起こってきた。私自身がそういう時代に試験を受けたものですから、自分自身も含めて、要するに一発勝負の恐ろしさ、そういう中で本来は、その年、調べてみると一点しか違わない者がその後五年たってもまだ受からないというような状況があったことを私自身もよく認識しております。つまり、点による選抜というのは、人材の、何というんでしょうか、選抜方法としてかなり酷なものがあったという実感を古い世代の我々は持っております。 したがいまして、プロセスとしての養成というのに私どもかなり期待を持ったことは事実でございます。そして、プロセスとしての養成というのは、いまだに全く否定すべきものと私は思っているわけではございません。 ただ、幾つか問題点がございます。 その三千人というのが、日本社会の法律家に対する養成として余りにも過大なものであったのではないかと、これは深刻に反省しなければなりません。それを幾らにするか、今、これから調査をいたしますが、我が党ではもう千五百人ぐらいにしたらどうだと、それから公明党では千八百人ぐらいという議論が行われております。まだ政府としては、それがいいかどうか調査しなければ私の立場としては答えられませんが、一つの見方を示していただいていると思います。 それから、あの当時は、ロースクール、つまり五百人しか、少ない状況で法律家を数を制限していて、参入障壁をつくっていて、それが司法などが速やかに判決が出ない要因である、こういう御批判が多くて、参入障壁は設けるなというお声が特に規制改革論者から強かった。だから、ロースクールの数を制限することによって参入障壁をつくらない方がいいという議論がかなり強かったわけです。現在に至りますと、それはやっぱり失敗だったな、このことは明確に反省しなければなりません。 それで、今行われておりますことは、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、文科省におかれましては、やはりなかなか成果の上がらない法科大学院の公的助成というのは徐々に絞っていこうということを文科省はおやりになっている。それから、法務省としては、今までプロ、裁判官や検察官をロースクールの教官に送っておりましたが、やはりなかなか成績の上がらないところに必ずしも送る必要はないのではないかと、こういう議論になってきております。 なぜそういう議論が起こるかといいますと、かつて五百人の頃は、裁判所であろうと検察官だろうと、あるいは弁護士であろうと、極めて優秀な実務家が司法研修所に教官となって来ておられた。私も、そういう中で教育を受けたことは非常に有り難かったなと。指導を受けた裁判官であれ検察官であれ、これは優秀な人だなと思う方に教えていただいたのは、私は非常に幸せだったと思います。 しかし、振り返ってみまして、法務省に来ましていろいろやっぱり調べてみますと、それだけの教官を、かなり優れた実務家の中から教官を送るということは相当実務の世界も苦心に苦心を重ねて苦労をしていたと思います。それで、その機能をロースクールに代替せよ、しかも参入障壁を許すな、ばあんとあれだけロースクールができますと、今までの日本の法学教育の欠点は、学者になる方と実務家になる方の教育が分かれていたところでございます。学者になる方だけでは、なかなか実務家の教育はできません。もちろん学者にも教育していただかなきゃなりませんが、実務にも堪能で教えられる実務家というのはそんなにたくさんいたわけじゃありません。その準備がない中に、一気に、参入障壁を許すなということで多量のロースクールをつくってしまったというところにまた優秀な教育ができないという背景があると私は思っております。 ですから、今の段階で行っていることは、一度膨らましてしまったものを、シャクトリムシが縮むように、伸びるだけじゃ駄目だと、一回小さくしていこうという作業を今やっているわけでございます。 それから、もう一つ問題がありますのは、ロースクールがあって、そして司法研修所も残し、そして学部というものがあるわけでございます。これだけ法律の養成に手厚く、学部があって、ロースクールがあって、しかも司法研修所もあるというような手厚い制度をやっている国が一体どこにあるんだろうかと。 やっぱり我々はもう一回考えなければならないのは、日本には過去に法学部という相当大きな蓄積がございます。そして、これは必ずしも裁判官や検察官という意味でのプロの法律家を養成するものではなくて、やっぱり法律の知識で実務の世界に出ていく、企業でも公務員でもそれが大きな日本の人材養成の仕組みになっていたと。ロースクール制度とは違ったわけですね。そういうところがみんなやはりロースクールをつくると、こういう言葉はちょっと表現が悪うございますが、自分の学校のプレスティージという意味でも、たくさん法科大学院をおつくりになったところに問題があると。 そうすると、もう一回考えなきゃならないのは、学部の法学部教育とロースクールというのは一体どういう関係に立つのかと。このことが、やっぱりそういつまでも司法修習生やロースクールの学生でできないよという思いも、つまり、これだけ手厚くし過ぎたゆえに、予備試験制度に流れていって早く実務に就きたいという方を生んでいると思います。ですから、もう一つ考えなきゃならないものは、この四年制の大学、学部とロースクールの関係はいかにあるべきかということをこれは整理をしなければならないと思います。 それからもう一つの問題は、余り全部申し上げますと答弁が長くなり過ぎてもうやめろと言われると思います。もう一つの問題は、やっぱり三千人の目標というのが良かったか悪かったか、これは反省しなきゃなりません。しかし同時に、この間、国際司法裁判所で調査捕鯨の問題で日本は負けました。それは日本人の中にも調査捕鯨がいいかどうかいろいろお考えがあるでしょう。しかし、いろいろな国際的な交渉とか何かでやっぱり法律家がバックアップしなければいけない領域がたくさんあると思います。 それで、それをやるときに、じゃ、アメリカの法律家、イギリスの法律家だけに頼って、日本がですね、日本として頼っている状況がいいのかといえば、私はいいとは思いません。やっぱりそういう社会で活躍してくれる人は欲しい。しかし、それは、余り数が少なくては多分そういう層も生まれてこないだろうと思います。 ですから、もう一つ急がなければならないのは、法律家というものをどういうふうに使っていくのか。実は、本当はまだ、こういうところに進出してもらいたいのにまだ十分進出していけていない、あるいはそのための指針作りが十分できていない領域があるんだろうと私は思っております。 そういうことを含めて、そろそろ粗ごなしをして、相当意見の、この分野、対立がございました。なかなか結論を見出しにくいような対立がございました。そろそろ粗ごなしの段階に入っていきませんと、やっぱり若い方々というのは、あそこはいつまでも制度、試験をどうするかという議論ばっかりして、試験科目も何になるか分からないというと、なかなか、あんなところ飛び込んだってどうなるか分からないなという気持ちになってしまうと人材が逃避してしまいます。 そういうことを含めて、急ぐべきものは急がなければいけない時期に来ているのではないかと。ちょっと抽象的に申し上げましたが、私どももそういう危機感を持って臨まなければいけないと、このように考えております。
○風間直樹君 谷垣大臣、大変非常に隅々まで御配慮いただいた御答弁、ありがとうございました。感謝を申し上げます。 私、中学時代に、地元の代議士の方が国政報告、こういった紙のものでよく配っていらっしゃいまして、そこに、当時新進気鋭の代議士でいらっしゃった谷垣大臣の当時の御活動、載っていたのを昨日のことのように覚えております。その大臣から今日こうして御答弁いただきまして、大変感慨深いものがございます。 今大臣おっしゃったような現状でございますし、我々国会の役割あるいは政府の役割としては、この制度設計をいま一度見直し、改善していくことと同時に、あぶれてしまった方々の今後の就職をどうするかと、ここにやはり一定の配慮が必要かと思うわけであります。 不合格者であり、法務博士の皆さんということになるわけですが、例えば信州大学の法曹法務研究科長はこのように述べています。修了後も、法務学修生に対する司法試験受験のための支援が継続されますから、在学生及び法務学修生の皆様は、この点は心配なさらずに、勉学に励んでいただきたいと思いますと。支援の中身が問題かと思います。特に、奨学金などで数百万円から人によっては一千万円も借金を負って無職で世に放り出されると、こういう若い方が非常に多くなっている、これは異常事態と言うほかないわけでありまして、司法制度の信頼に関わる重大な問題であると思います。 私は、先ほどから選挙に臨む我々の身と対比しながらこの司法試験に臨む方々の問題を論じていますが、私どもも選挙で費用が大変掛かるわけであります。それは皆さん、それなりに御自分の努力で工面をされて、ある方は借金をされるでしょうし、ある方は自分で稼ぐでしょうし、また、ある方は資産を売るでしょうし、いろんな形で工面をするわけですが、その結果、その選挙に失敗したときには、やはりそれは借金なり何かの負債として残ると。同じような状況を多くのこの不合格者の方々が負っていると。 これに対する早急な対策、政府としては現段階でどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(吉田大輔君) 法科大学院修了者の約半数が法曹以外の分野に進んでいる現状に鑑みまして、司法試験に合格しなかった者への対応というのは非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。 法科大学院では、幅広い領域で活躍できる法曹として必要な能力の育成を目指した教育を行っているわけでございますけれども、その修了者は高い法的素養を備えた人材として多様な活躍の可能性がございます。 この法科大学院の問題につきましては、私どもの方では、中央教育審議会の法科大学院特別委員会におきましてその在り方について今も活発な御議論をいただいているところでございますけれども、中間的に出されました提言の中でも、各法科大学院において、修了者の進路状況の正確な把握と充実した就職支援策を進め、その結果として、法科大学院教育の成果でございます法務博士(専門職)というふうに位置付けておりますけれども、この存在が広く社会に認知されることを目指すべきであるということが提言をされているところでございます。 文部科学省としては、これを踏まえまして、法科大学院修了者の進路に関します継続的な調査などを行っております。また、各大学院における着実な把握といったものを強く促しをしまして、修了者全体の進路動向の把握に努めますとともに、法科大学院協会が主催をする修了生の多様な活躍状況についてのシンポジウムの開催などの支援なども行っているところでございます。 また、昨年公表いたしました公的支援の見直しの更なる強化策におきましても、企業や自治体などと組織的に連携をした就職支援など優れた取組を行います法科大学院に対しましては公的支援を加算することができる仕組みを示すなど、現在、法科大学院における取組の検討を促しているところでございます。 今後とも、法科大学院修了者が自らのキャリアパスを適切に選択していけるように、各法科大学院における就職支援の取組を促してまいりたいというふうに考えております。
○風間直樹君 取組の促進支援、よろしくお願いいたします。 総務省の政策評価の中にも、配付資料の二ページの評価結果の一番下ですが、法曹資格の有無にかかわらず、法的な専門知識があるため、魅力ある人材であり、採用のニーズはあると、法科大学院の修了者に対してこういった評価がなされています。 先ほど、冒頭御紹介したように、恐らく今現在で、三度の司法試験に挑戦をして合格できなかった方が五千人前後いらっしゃると。この方々、リーガルマインドを持った方々ですし、是非社会的に大いに力を発揮していただかないともったいないなというふうに感じます。 例えばですが、こういった法務博士で、国税の専門官や労働基準監督官、あるいは財務専門官又は外務省の専門職員などになる方々が出てくれば、私は公務部門における専門職の地位向上につながるのではないかなと、こんなふうに思っています。 より良い公務員制度改革を促す可能性がここに一つあるんじゃないかというふうに感じるんですが、大臣、最後若干時間がございますけれども、その点を含めて御所見ございましたら、伺えればと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 冒頭に申し上げましたが、ロースクールに行かれ法務博士の資格をお取りになったけれども、司法試験には合格されなかったと。これ五年で三回という制約を付けて、今度それはやっぱり五年で五回にしたらどうだと、受け控えなんというのはやめにしたらどうだということで制度改正をさせていただきますが、やはり今までたくさん法科大学院ができましたので、こういう方々にどういうふうにしていただくかというのはよく考えなきゃいけない問題だろうと思います。 実は、例えば震災が起きまして、東北の震災が起きまして、これは資格があるかないかということとも関係してまいりますが、やっぱり法律の実務が分かっている者の需要が、欲しいと。やっぱり、ああいう中で土地をどういうふうに整理していくかとかそういうような問題を考えても、法律実務がある程度感覚として分かる人間が欲しいというようなニーズもございます。 これは、今文科省の御答弁がございましたけれども、多角的にいろいろそれは手を打っていかないと、かつて、かつては司法試験一発勝負で、何度も司法試験浪人を重ねて就職もままならない、私なんかもその一人でございまして、いつまでもやっていると、九回の裏逆転満塁ホームランでも打たないと、もう後とても潰しが利かないなというような心境に追い込まれると。今もそういう気持ちに追い込まれている方がかなりいらっしゃるのではないかと思いますので、何とかそういう方々に道を開いていくことに我々もまた努力をしなければいけないと思います。
○風間直樹君 谷垣大臣には非常に含蓄に富む御答弁を今日いただきましたので、是非様々な施策、講じていただきたいと思います。 参議院に統治機構調査会というのが去年からつくられまして、今、私、民主党の理事を仰せ付かっておりますが、我が国の政治、行政を含めた統治機構の在り方をもう一回検討しようと、こういう調査会でありまして、私はこの法曹制度の昨今の状況もいま一度再検討すべきと考えまして、実は、四月の調査会にこの法科大学院制度の制度設計をされた大学の先生、参考人として是非お招きしたいと、このような提案をして事務方から連絡を取っていただきました。ただ、残念ながらお出ましいただけなくて、この統治機構調査会の場でのこの問題の検討という機会は得られなかったわけでありますが。 今、谷垣大臣からこの制度設計をした当時の状況について御説明をいただきました。その当時の予想した状況と今日現れた結果、どこが違い、それはなぜだったのか、その点、十分政府で分析をしていただきまして、今後の新たな制度設計に反映をしていただくようお願いを申し上げます。 これで質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題とし、法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及び裁判所の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。 まず、事前に質問通告した順序を変えさせていただきまして、先に法務大臣にお尋ねしたいと思います。午前中にも少しお話をいただきました、国際訴訟に強い法曹養成の育成の必要性についてでございます。 午前にもお話のあった調査捕鯨に対するICJの判決下されましたが、いわゆる敗訴という形になった原因の一つは、オーストラリアの訴訟団に比べまして日本の訴訟団の中にいる法曹資格者の数が少なかったということが挙げられると思います。私自身も、このような形で立場いただく前は、経済産業省に任期付公務員として出向をしてWTO等の経済紛争に関わらせていただいたんですが、その経験からも、やはりこういう分野で強い日本の法曹を育成する必要は非常に感じているところでございます。 大臣から、今後、国として、国の国際競争力強化のため、国際紛争に強い法曹、どのような形でつくって育成されるのか、御所見をいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 矢倉委員御自身が国際交渉をいろいろ経験されて感ずること、たくさんおありだったと思います。 おっしゃるように、日本の法律家、これが国際的な専門的能力を身に付けて、いろいろ日本の国際的な通商問題や交渉の過程に参画していくと。これは、日本の国際競争力を付けていく、あるいは国際社会での日本のプレゼンスを高めていくという意味でも極めて大事なことだろうと思っております。もちろん、今まで、場合によっては日本以外の法律家をそういう場合に使うという、そういう選択肢もないわけではないでしょうが、やっぱり日本人の法律家の中にそういうことを十分できる人を育てて、積極的に活躍してもらうということをもっと考える必要があると私は思います。 それで、法務省では、そういう問題意識の下で、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会、それから、その下に法曹有資格者の海外展開に関する分科会、これをつくりまして、日弁連や有識者の方々にも参加していただいて、国際分野での法曹有資格者の活動領域を拡大し、その拡大を更に促進していこうと、そういう検討を今進めているところでございます。 それから、この検討、ちょっと今の委員の問題意識と若干ずれるかもしれませんが、私、この仕事に就きまして、海外との法制度の整備を支援していくというのが非常に大事な仕事だなと改めて思っております。そのことは、例えばまだ法制度が十分できていないところに法の支配という枠組みをきちっと入れていくためにも、いろいろな法制度を支援していくということが大事でしょうし、例えば、日本とかなり、日本の法律家が関与して法制度の整備を進めていくということが、日本の経済界にとってもその国との経済関係をつくりやすいと、こういう面があるだろうと思います。 それに加えまして、結局、法制度整備支援をしていくということになりますと、単に制度、法律を作るというだけじゃなしに、その制度を担う人材をどうつくっていくかということにも関与するということになりまして、これは長い両国間の関係をつくっていく上で役立つだろうと思います。 ちょっととっぴな例を挙げますが、私ども法務省の、日本の検察とドイツの検察というのはある意味では極めて親しい関係にございます。それは日本の刑事制度がかつてドイツにたくさん学んだということがございまして、共通な発想がやっぱりあるんですね。ですから、新しい現代的な問題が起こってきてなかなか解決がうまくいかないとなると、日本でもドイツではどう考えているんだろうという発想が出てくる、ドイツでも日本ではこの問題どう片付けているんだろうかというような発想が出てきて、かなりそういう意味での法律家同士の連携がたくさんございます。そういうものをつくっていくということも私は極めて大事なことではないかと。そういった観点から、委員の問題意識に応えられるように更に議論を深めてまいりたいと、このように思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 法の支配、国際的な法の支配の分野に強い人材をつくるということは、やはり無駄な政治的摩擦を避ける意味合いでも非常に大事だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、続いて国土交通省、お尋ねをいたしたいと思います。復興事業を始めとした入札不調の増加の背景についてでございます。 報告によりますと、被災地三県での復興関連工事、入札状況を調べましたところ、平成二十三年十月から一年間における予定価格一千万以上の土木工事においては何と二割が入札不調と。これは被災地に限らず全国的なものでありまして、例えば、私の地元である埼玉、埼玉新聞の四月十日付けの一面ですが、共同通信のアンケートによると、二〇一三年四月から十二月に行った埼玉における公共工事の不調・不落率はほぼ一五%、例年の二倍以上になっているということでございます。 まず、この全国的な入札不調の背景について、端的にお答えいただければと思います。
○政府参考人(毛利信二君) 入札不調の現状を見ますと、御指摘のありました被災地では発注工事の増加に伴いまして条件の悪い工事を中心に発生をしております。しかし、こういった工事につきましても、再発注時にロットの大型化など工夫が行われることによりまして、ほぼ契約に至っている状況でございます。 また、全国では土木工事よりも建築工事で入札不調が発生しておりますけれども、特に公共団体発注の大型建築工事におきましては繰り返し不調となるものが多く見られます。こうした案件につきましても、最新単価の適用ですとか実態に合わせた適切な工期設定などで市場の状況を的確に反映して発注し直した案件につきましては契約が進んできておりまして、したがいまして、入札不調の一番の原因というのは、人や資材の不足というよりは予定価格が実勢価格に合っていないと、これが一番大きな原因だと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今、原因としては予定価格が実勢価格に合っていないというお答えでありましたが、やはりただそれだけではないかなと私は現場の感覚では思います。やはり今、厳しい工期が資材調達の不足などと相まって、結果、受注すること自体が損になっているというような事態があるかと思います。この前も、埼玉のある地方の土木建設業者二十社ほど集まる会合にお邪魔しまして、いろいろお話をお伺いしました。皆さん公共事業が増えて喜ばれているかと思ったんですが、やはりそうじゃなかったと。資材調達などの困難が工事開始の遅れを生みまして、結果、短くなった工期の下、急ピッチで作業をしなければいけない、それが人件費の高騰を招きまして、結局は現場の利益を圧迫しているという声が多かったです。皆さん、これでは怖くて今後公共事業を受けられないというようなお声もありました。言わば入札参加控えというような事態であると思います。 多くが、国が地方自治体に補助金を交付し行う公共事業の場合なんですが、例えば、予算が付いた後、地方議会で議決、了承しまして、そこから設計を始め、さらに各種ヒアリングなどを行って、大体、結局、手続開始から入札までは四か月ほど掛かると。落札、契約の締結はどうしても十一月頃になって、それから資材調達を開始するわけですが、とにかく今、資材が入らない。結局、工事開始できたのは一月半ばで、そこから年度末の三月末まで残り一か月半でやらざるを得ないと。こういうような話が幾らかございまして、短い工期で仕上げるため、職人さんを雇うにもやはり通常よりも高い労務費、例えば一万八千円だったものが三万四千円と倍近くの賃金でやることになって、費用もかさんでしまって利益も出ないと、こういうような話が複数ございました。この事態、アベノミクスの二本目の矢である公共事業を含めた財政出動、この景気波及効果という観点からもゆゆしき事態であるかと思います。お金がしっかり裾野まで回っていないと。 そこで、大臣にお尋ねいたします。地域雇用を支えているこれら地場の建設土木業者にしっかりとお金が行き渡るように、工期の柔軟性を図りやすい入札の在り方などを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見をいただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 先ほど局長からお話がありましたが、東北三県と全国というのは、これ全く様相が違います。全国で平均しますと、大体、去年の四月からいきますと、入札不調というのは七%ぐらい、その前の年は大体五%ぐらいということです。そして、東北の場合も、これは仙台市などは四八%ぐらい。これが、大体去年でいいますと若干下がってきていると。岩手がかなり上がって十数%だったのが二五%ぐらいになっているんですが、これは、去年の夏の大雨が降ったということに、かなり仕事がそちらに先に行ったというようなことがございます。 価格が合わないということを御報告しましたが、この辺は、今までの感覚に従ってやっているということであると二回、三回と。特に、地方自治体の建築部門というのは議会で決めるというようなこともありまして、なかなかそこに価格が合わないという形での入札不調現象が起きてきているということです。しかし、価格を合わせる、あるいはまた全体像を見せるということの中で、全国的に二回目ではほぼ契約がされているという状況にございます。 今、矢倉先生が指摘した問題の工期という、これは、人の問題と資材の問題と入札不調の問題というのは三つそれぞれ手を打ってきているところでありますけれども、工期ということについてはこれまでも国会では余り指摘がございませんでしたが、この工期ということは、入札不調を一つ抑えると。そこは、入札不調がありますと工期が短くなるということがありますから、入札不調をなくしていくということに努力をするということがまず必要だと思います。 それから、現場の中小の建設業者にとりましてみると、国が出してくる仕事、県が出してくる仕事、そして市町村で出す仕事というのがばらばらにあるものですから、全体像が見えると、そうすると、ここのこれを取る、次はこれを取るという目算が立つということが非常に大事だという指摘がありまして、これについては、全国的に見通しが利くようにそれぞれのところの発注ということの姿を見せるということをやらさせていただいております。 第三に、工期の設定を工夫するということも極めて大事でありまして、発注の平準化を進める、資材調達に必要な期間を見て余裕を持った工期を設定する、あるいはまた、年度を越えて工期を延長するという必要がある場合には適切に繰越手続をする、簡単にできるようにするというようなことも含めて、工期の問題ということについて言うとそういうところだというふうに思います。 全体的にいろんなことを業者の方もおっしゃるわけでありますけれども、それぞれ、資材不足にはどう手を打つ、人不足にはどう手を打つ、労務単価を引き上げたりさせていただきましたけれども、それぞれのところの隘路というものをどう打開するかということを、私はきめ細かく全国をよく見ながらやらさせていただいているというのが現状でございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございました。 今大臣おっしゃってくださいましたとおり、まず入札不調をなくしていく、不調が当然工期を短くしていたということはおっしゃるとおりであると思います。 それで、工期の面に関しては、やはり様々、個々の事情で責めがあって工期、間に合わなくなったという場合もあれば、やはり全体的な流れとして資材不足というのがある、責めに帰さない部分で工期がやはり短くなってしまったというようなこともあるかと思います。その辺りも含めて、入札の場面で、今後の事情変更に応じたやはり工期の設定変更などもしっかりできるかのような条件の設定というのもこれから大事になってくるかとは思います。 大臣もおっしゃってくださいました、後ほど、この後質問しようと実は思っていたんですが、やはり大事な部分は、その工期等の、また短くなった工期が圧迫をするというような部分含めて、これらを解消してやはり発注も含めた平準化も図っていくことであるかと思います。まさに同じように、地方の方でも、発注の平準化が図れないのが困る、三月末まで忙しくて、四月になったら急に楽になってしまうと、こういうようなのはやはり現場にとっても徒労感が非常に多くなってしまう。 次に、御質問なんですが、改めてですが、この発注の平準化についてどのように対応されるのか、答弁いただければと思います。
○政府参考人(本東信君) 発注の平準化について御質問をいただきました。 公共事業の実施に当たりましては、委員御指摘にございましたように、入札契約等に要する準備期間が必要でございます。そういったことから、例年、年度当初は工事量が比較的落ち込むという傾向がございます。しかしながら、今回、二十五年度補正予算につきましては、昨年の二十四年度補正予算に比べまして一か月程度早く成立させていただいております。このため、この補正予算を早期に執行していくことによりまして、工事の発注量が落ち込む年度当初に公共工事が実施可能となりますので、工事発注の平準化にも効果があるというふうに考えております。 政府といたしましては、今回の消費税率引上げに伴う景気の下振れリスクに対応するために、今回の二十五年度補正予算につきましては、六月末までに七割程度、九月末までに九割程度を実施するということにいたしております。国土交通省といたしましても、この目標の達成に向けまして最大限取り組んでまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今話にありました補正予算が早く成立できたという点、その部分も含めて今後の早期の執行に非常に良かった点であるかと思います。早期執行できれば、その後の工期の在り方等も含めて非常に工夫がなされるのではないかと思います。是非、財務省や総務省ともしっかり連携を組んで早期執行を実現をしていただければと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。高規格幹線道路整備、特に未開業部分、いわゆるミッシングリンクについてでございます。 二十四年度予算から二十六年度予算まで道路関係予算、毎年約一兆三千億円、このうち大部分がいわゆる高規格幹線道路の整備に利用されております。埼玉でいえば圏央道であると思います。例えば、この圏央道が全線開通いたしましたら、東北道を通じて東北全域にも物流がしっかりと広がる、さらに関越を通じて新潟まで、そしてまたさらに、その先を行けば海を越えてあるいはロシアやヨーロッパまでというような、本当に壮大な物流網の起点になるものだと私は思っております。 ただ、このミッシングリンクが存在することで物流という経済効果に関して、本来であれば百ある効果が発せられるような道路が、ぶつ切れになっている部分だけ百のある効果が十しか影響を発揮できないというようなこともあるかと思います。この部分について、このミッシングリンク解消等に当たっての現状の対策を含めて御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(徳山日出男君) 御指摘のございました圏央道でございますけれども、都心から半径四十キロから六十キロメートル圏域の環状道路ということでございまして、まずは首都圏の慢性的な渋滞緩和に大きな役割が期待をされております。 一方、先生御指摘のとおり、この圏央道の開通に合わせまして、これまでにない規模の機能の高い物流施設が今や多数立地をし始めております。これによりまして、当日の配送できるエリアが大幅に拡大するようなことが見込まれるなど、我が国の物流を変革する効果も期待をされております。 また、こういう平時の効果ばかりではなく、首都直下地震が起きた場合でも、首都圏各地への物流を迅速に輸送できるなど、災害時における緊急輸送道路の確保の観点からも重要であると認識をしております。 こうした点を踏まえることになりますが、少しでもコストを縮減しながら、きちっと評価をしながら、こうした圏央道を始めとする高規格幹線道路ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 圏央道を含め、いわゆるミッシングリンク解消、今コストのお話もありました、確かにそこは問題であるかとは思います。といいますのも、他方では老朽化対策等も待ったなし。このように新規のものを造るとはまた別に、先日も国土交通省の道路分科会で報告ありましたとおり、市区町村の九割が、橋などの老朽化対策に係る予算不足について懸念を示しております。 大臣にお尋ねいたしますが、新規着工部分、重要なものもありつつ、既存にあるものの老朽化対策、これも非常に重要であります。限られた予算でいかにバランスよく図っていくのか、御所見をいただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 公共事業全体ということからいきますと、今までは、公共事業は無駄であったり、あるいは悪玉であるというような、そうした声が随分多く聞かれたというふうに思います。無駄な公共事業は削る、必要な公共事業はやる、当たり前のことでありますけれども、そこが大事だというふうに私は強く思っています。 同時に、去年、私はメンテナンス元年というふうに銘打ちました。それは、今までほとんど注目をされてこなかった防災・減災あるいは老朽化対策。首都直下地震や南海トラフの地震に対して防災・減災という手を打つことは極めて大事です。そしてあわせて、この老朽化対策と。 高度成長時代に造った建造物が、もうこれが五十年を経過して、そして劣化を始めてきているという。一九八〇年代、一九三〇年代のいわゆるニューディール政策によってアメリカが造ったものが、五十年たちまして八〇年代、荒廃するアメリカと、こう言われて、橋梁が落ちたり様々な事象が起きました。同じようなことがこれから起きてきているということで、この公共事業予算は去年そして今年と実際は、事実上はほとんど横ばいということになっているわけでありますけれども、先ほど、入札不調がということは公共事業が増えているというふうに言う方多いんですけれども、実際は横ばいの予算組みをしておりまして、実は民間工事がアベノミクスの中で活発化しているということもまた、やる方は、建設業者は同じでありますので、同じようなことが加わっているという御認識をいただければと思います。 この老朽化対策にどう力を入れるかという、そういう意味では、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、ここのところにかなり重点的に私どもは今予算組みをさせていただいておりまして、先般成立させていただきました補正予算では約五六%、そして本予算においては五三%、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、ここに重点的にこの予算を組んだというのが実は昨年、今年の予算組みの大きな特徴でございます。 そこは相当手を入れていかなくてはいけないというふうに思っておりますが、さりとて経済戦略的な道路、ある意味では圏央道などもそうでありましょう。そうしたことからいきますと、それを、僅かのところ、残っているところを結ぶことによって、圏央道周辺には既に工場が大変多く立地している、埼玉にはですね、というような現状がありまして、これは関越とも結び、東北道とも結び、そしてまた成田の方向にも結んで、途中には国際会議ができるつくばというものも通るというような、そして東名にも間もなくつながるというようなことになりますと、相当これは経済効果ということを、利便性だけでなくて及ぼしてくるというふうに思います。 財政が制約をしています。無駄なことはやらないということについては私も強い信念を持っています。その制約のある中で、どのように防災・減災、老朽化対策、耐震化、メンテナンスというものをやりながら、そして経済の、戦略的にどこをつなげていくかということを併せて全体的に見ていって私はこれからの計画を立てていかなくてはならないということで、正直言いましてなかなか大変な作業なんですけれども、吟味をさせていただいているところでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 是非、老朽化対策、非常に待ったなし、他方で造らなければいけないものはまたしっかり造っていく、この辺り、非常に難しいバランスではありますが、よろしくお願いいたします。 それでは、ちょっと一つ先に飛ばさせていただきまして、農林水産省にお尋ねをいたします。耕作放棄地の問題であります。主に農地の再利用、利活用についてとなります。 かつては耕作放棄地、日本全国で三十八万ヘクタール、埼玉県と同じだと言われていたのが、最近は滋賀県、四十万ヘクタールほどになってきた、どんどん増えてきたというような形を言われております。 それで、農水省にお伺いをいたしますが、国はここ数年、耕作放棄地対策の補助金として年平均二十億円を計上しているという理解でおります。これにより、どのように効果が見えたか、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(三浦進君) お答えいたします。 耕作放棄地の再生につきましては、雑木の除去ですとか土壌改良など、作物の栽培に向けた再生作業に一定以上の労力と費用を要する荒廃農地につきまして再生利用を行う取組を支援しているところでございます。 具体的には、平成二十一年度から、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金によりまして、十アール当たり十万円以上に相当する再生費用を要する荒廃農地を対象といたしまして一定の助成措置を講じております。これによりまして、平成二十一年度から二十四年度までの年平均で約一千ヘクタールの荒廃農地が再生されたところでございます。 また、この対策による再生のほかに、比較的簡易な作業などによる自主的な再生等が行われておりまして、これを含めまして平成二十一年度から二十四年度までの年平均で農用地区域内では約七千四百ヘクタール、これも含めて全農地では約一万ヘクタールの荒廃農地が再生されております。 農林水産省といたしましては、引き続き、自力では再生が困難な荒廃農地の再生の取組への支援を通じまして、耕作放棄地の再生利用に努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 御答弁ありがとうございます。 今のお話ですと、国の補助金を使った上での再生部分は年平均千ヘクタールということであります。今御説明ありましたとおり、私たち、普通に耕作放棄地というと、もう荒れ放題、足の踏み場もないようなものをイメージしがちであるが、どうも耕作放棄地というものに対してはイメージが様々あって、そういうものもあれば、少し荒れていると、自力で手を加えれば何とかなるようなものもあるというような、その分類の上での御答弁であったと思います。 今の答弁は、そのうち、特にやはり国がしっかりと支援をしなければ再生できないような耕作放棄地についてしっかりと予算を付け、そして審議をしていき、またそれで再生していき、年で千ヘクタールほどできているというようなイメージがあります。逆に言うと、それ以外は多くは自力再生できるものだということが分かりました。 といたしますと、耕作放棄地対策の肝は再生の担い手探し、特に農地所有者が自ら耕作する意思がない、又はできないような場合における新たな担い手探し、これを探していくことも耕作放棄地対策にとっては重要であるかとは思います。 これについて、例えば埼玉県の深谷市の農業委員会が面白い取組を以前からしておりまして、名前としてはアグリ・ハローワークというものなんですが、深谷市内での耕作放棄地状況を全てデータベース化いたしまして、ホームページに載せて、そこをクリックすれば耕作放棄地の状況や面積等が全て一覧できるというような状態になっております。実際、それを見て、この耕作放棄地なら自分で自力で再生できるなと思った方がいろいろ申請をして、そこで新たに農地として再生をしていくというようなマッチングがなされているというようなことを聞きます。 今後の耕作放棄地対策の在り方として、このようなデータベース化、現状の状況がどうであるか、それについて、耕作放棄地についてニーズを感じる方がその情報を見て積極的に取り組もうと、そこでマッチングするための情報の在り方等も含めた対策が必要かと思いますが、この辺り、御答弁をいただければと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 委員御指摘のように、深谷市の農業委員会でのアグリ・ハローワーク、耕作放棄地解消の成果を上げているということは存じ上げております。 耕作放棄地の解消や農地の流動化を進めるためには、各地域の農地の利用状況等をデータベース化し、これを電子地図上に表示し誰でも見られる状況にすることが極めて重要と考えております。 このため、昨年秋の臨時国会で成立をいたしました農地中間管理機構関連法の中で、農地法を改正し、農業委員会が農地台帳及び電子地図を整備し、インターネットで公表することを法律上義務付けたところでございます。このシステムを活用して、耕作放棄地の解消と農地流動化を積極的に推進をしてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 深谷の例など、各耕作放棄地の写真情報なども掲載しております。将来的にはそこら辺りも含めて、しっかりとより良い情報公開等、また農地中間管理機構による農地集約化などにも是非生かしていただきたい、このように思っております。 さて、大臣にお伺いしたいと思います。 耕作放棄地再生の担い手像を含め、農地の利用については、私はもっと多様な姿を想定してもよいかと思っております。 例えば、また同じ埼玉で恐縮なんですが、NPO法人さいたま自立就労支援センターという組織がございまして、NPOですが、ホームレスの方々の力を結集して、実際に埼玉県の本庄にある耕作放棄地九千平方メートル、〇・九ヘクタール再生したというような事案がございます。また、私、埼玉の西部の飯能市にあるNPO法人たんぽぽという在宅介護支援のNPO法人にお邪魔をしたときの話が印象的だったのですが、そこは農業ソーシャルファーム事業というものを立ち上げまして、介護事業で得た収入を農業経営に回して、入所をされている障害者の方々などの、要は就業困難者の方々の雇用確保を図っております。実際、農作業を行うことで、更にそういう入所者の方々の障害の程度がどんどんどんどん下がっていっている、そういうようなお話も聞きます。やはり、こういう点では、農地というのは、また農業というものは、例えば、就労の支援も含めてそうですが、健康維持やまたコミュニティー維持、様々な分野で非常に意味のある、利活用のできるものであるかなというふうに私は思います。 そこで思い当たるのは、例えば、これもまた一例なんですが、病気や障害などで生活に困難を抱えた方々が少人数一般住宅で生活する社会介護施設、いわゆるグループホーム。グループホーム、今、全国的に不足している問題が指摘されております。例えば耕作放棄地、あるいは放棄地から再生された農地のような場所に、一部地域にこういったグループホームが建設しやすい条件等をしっかりと整えて後押しをしていく、今後の地域包括ケアシステムという形で地域でしっかりと支えていくというような体制をつくる上でも検討に値することではあるかと思います。 特に、希望がある人を受け入れるということではなく、より積極的にまた推進していくというようなことを含めて大事であるかと思いますが、大臣の御所見、いかがでございましょう。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃったように、耕作放棄地、これについては、やはり再生利用が可能なものは担い手への集積について活用する、これは基本なんですが、受け手が見付からないような場合等々で今おっしゃった福祉農園等として活用すること、大変有効な方策の一つだと考えております。農林水産省としても、耕作放棄地を再生して例えば休憩所等を備えた福祉農園として整備する取組に活用できる支援措置を講じてきたところであります。また、二十五年度から、高齢者、障害者等を対象とした福祉農園の取組の拡大に向けて、厚労省と連携をして、「農」と福祉の連携プロジェクトを推進しているところでございます。 私自身、つくばにこの独法が幾つかありますので、そこを視察したときに、現地でそういうことをやっていらっしゃるNPO法人訪れましていろいろ聞いてみますと、やはり実際作業することによって非常に、室内でずっとストレスのたまる作業をやるよりも、大地の中で作業をするということで非常にそういう方が生き生きと仕事をしていただく、場合によっては健常者の方よりも、同じ作業を何回も繰り返すというような農業がございますが、そういうことには非常に得意な方もいらっしゃると。こういうことも分かってきて、丸の内でマルシェをやっておられますが、そこにちょっと御紹介して、今、障害者の皆さんがお作りになったものが丸の内の地下街で月一回か二回ぐらいですが売っていただいている、その売り子もそういう方々がやっていらっしゃる、こういう話が出てきておりますので、我々もしっかりと後押しをしていきたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 空き家対策についても実はお伺いしたかったんですが、時間もございましたので、これで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○和田政宗君 みんなの党の和田政宗でございます。 まず、私は、宮城県気仙沼市の野々下海岸での巨大防潮堤建設について聞きます。 資料、皆様お手元にあると思いますが、コンクリートの九・八メートルの壁がこんなふうにそびえているわけです。資料を見ますと、何かとんでもないものができてしまったなと誰しも思うわけですけれども、更に一枚めくっていただいて資料二をよく見てもらえると分かるんですが、実は防潮堤の後ろに高さ十一メートルの崖があります。こうして見ますと、そもそも防潮堤を造らなくても崖で津波は防げるのではないかなと思いますし、崖沿いに防潮堤を建設せず、なぜわざわざ前に出して建設したのかという疑問が生じます。気仙沼市民からは、建設ありきの防潮堤の姿として、恥ずかしい防潮堤とも呼ばれています。 なぜこの位置での建設になったのか、崖沿いの建設との比較をコストを含めて行ったのか、お答えください。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。 林野庁が直轄で実施しております気仙沼市野々下海岸の災害復旧工事でございますけれども、海面からの防潮堤の高さが九・八メートル、延長が百三十一・八メートルでございまして、平成二十五年二月に工事着手いたしまして、現在、防潮堤の海岸側の堤体部分は完成しているものの、今後、これを支えるための盛土工事と、こういったものを行う予定となっているところでございます。 この工事の設計に当たりましては、防潮堤の高さを、宮城県が決定いたしました海岸堤防の高さ、いわゆるL1でございますけれども、こういったことで九・八メートルといたしまして、さらに地質等について技術的な検討を加えまして、直立型重力式防潮堤として盛土幅が十五メートルから二十メートルと、こういった構造にしているところでございます。 施工箇所の背後の約半分でございますけれども、いわゆる崖地となっておりますけれども、崖地の先端部分以外は風化が進んでおります。仮に崖に沿って防潮堤を建設することとした場合、いわゆる地盤支持力を確保するために大きな基礎工事が必要と考えられますとともに、掘削工事量の増加、そして防潮堤の構造の一部が、後背地に市道がございます、こういった市の道路に及ぶことによる付け替えなどの影響が予見されたところでございます。 こういったことで、現在の防潮堤の位置で復旧することが適切であるというふうに判断したものでございます。
○和田政宗君 質問は、これ、コスト比較を含めて行ったのかということですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(沼田正俊君) コスト比較を行うために詳細設計というものが必要になりますけれども、私どもとしては、後ろの崖に沿って防潮堤を造るということにつきましては、いわゆる技術的に判断いたしまして今の防潮堤の建設位置よりもかなり高くなるであろうということが当初から見込まれたということでございまして、そういった意味で、経済的な比較はやっておりますけれども、詳細なコスト分析というものはやっていないということでございます。
○和田政宗君 これ、コスト比較やってもらわないと、例えば崖沿いでもう少しコスト掛かっても住民はそちらの方がいいというふうに判断する場合もあるわけですので、ちょっとそれやっていないというのは問題だというふうに思うんですが、それも含めて、これ、崖沿いでなくわざわざこの位置で造る理由というのが分からないわけです。 これ、コスト計算もやっていないということで、それ、景観上の配慮とかも考えていない事業だと思われるんですが、農水大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今林野庁長官からお答えしたように、崖地になっているわけですね。その崖地の先端部以外がやはり風化が進んでいるということで、まずそこの基礎工事をやらないと、その上に建てても地盤が緩いということがありまして、そういう事情も含めて検討して、そしてこの合理的な工法、直立型重力式防潮堤、こういうものを採用すると。 それで、その説明会を六回やっております。地域住民の意見を聞いた上でこの工事を実施をしておりまして、例えば、この意見を踏まえて工事用の道路、これを工事中の住民生活や環境に配慮できるように設置をしたところでございますので、そういった意味で、よく地域の皆さんの御意見も聞きながら、要望を踏まえてしっかりと対応していきたいと思っております。
○和田政宗君 これ、住民説明会も、人数確認しましたら数十人しか出てきていないというふうに私はレクチャーで聞いておりますし、安倍総理がよく言われている美しい国日本ということを考えましたときに、これ景観上の問題というのも私非常に大きいというふうに思いますし、北海道の奥尻島で同じような巨大防潮堤事業をやって、その後、漁業が死に、観光が死に、人口が流出したということがありますので、しっかりとこれは学んでいただきたいというふうに私は思います。 さらに、進めていきます。気仙沼市の小泉地区の巨大防潮堤建設問題についてお聞きします。 これ、三枚目の資料になりますが、小泉では、人が高台移転して全く住まないところに、十四・七メートル、ビルの五階に相当する高さの防潮堤を造るわけですが、以前宮城県から説明を受けたときに、この十四・七メートルという高さにする理由として、上流の津谷地区を津波から守るためでもあるというふうに言っておりました。であれば、津谷地区への住民の説明や合意も必要になってくると思いますが、合意は取っているんでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) ただいまお話がございました気仙沼市小泉地区中島海岸につきましては、県は住民説明会等を通じて合意形成を進め、現時点では多くの地元住民の、事業計画に賛成しており、堤防の整備を行う小泉地区の七地区全ての地元振興会から早期の事業推進についての要望がなされております。 さらに、気仙沼市長から宮城県知事に対しましても早期の事業推進について要望があり、宮城県知事からは地元の合意形成がなされていると聞いております。私も、先週木曜日に菅原気仙沼市長とお会いをいたしまして、この事業の早期の推進の要望をいただいているところでもございます。 なお、御指摘がございました堤防の整備を行わない上流の津谷地区についても、事業の必要性を理解していただくため県は住民説明を行い、大きな異論はなかったと聞いております。 どの範囲でどのように合意形成を行うかにつきましては、海岸管理者であります県において適切に判断されるものと考えております。
○和田政宗君 これは、今の答弁にあったように、もう県が合意形成できたということで上げてきた場合に、外形上その要件が整っていればもう国は何もできないということはこれまでの答弁で明らかになってきましたので、これ、ちょっと押し問答になるのでやりませんが、安倍総理は、この巨大防潮堤事業について見直しを考える必要があるというふうに予算委員会で答弁しておりますし、事業主体である宮城県に対して必要な助言を行っていくと答弁しています。また、国土交通省など担当省庁の幹部職員を現地に派遣してアドバイスを行っているというような答弁もありましたが、具体的に、総理の巨大防潮堤見直し発言を受け、国としてどう動いたんでしょうか。どのような助言やアドバイスを具体的に行ったんでしょうか。
○大臣政務官(土井亨君) お答えをいたします。 これまでも、国土交通省といたしましては、海岸管理者であります県に対しまして幹部職員を現地に派遣し、丁寧に対応するように助言をいたしております。詳しくは、昨年の十月七日に水管理・国土保全局次長及び水産庁漁港漁場整備部長が宮城県の副知事に面会をいたしまして、堤防等の高さの設定に関する国の考え方、すなわち、高さは管理者である県が決めるものだと、しっかりと住民合意を進めていただきたいというお話をさせていただいておりますし、また、三月三十一日には、高木副大臣も宮城県気仙沼市の中島海岸など現地を視察をいたしまして、宮城県から説明を受けました。その際、気仙沼市長からも、中島海岸につきましては景観等に配慮しながら現計画で事業を進めてほしいという改めての要望をいただいたところでございます。
○和田政宗君 その要望というのも、本当に住民の意見を反映しているのかというところがありまして、地域の振興会ですとか今もう形骸化しておりまして、じゃ、何人でその振興会内でも決を採ったのかというようなところも問題になるわけです。 住民も私も、何も防潮堤を全く造るなと言っているわけではありません。住民合意の取り方が強引でずさんだと繰り返し言っているわけです。丁寧に住民合意を行って、高さですとかそういったものも含めて住民も納得できる形にすることが重要なわけですが、総理の見直し発言を受けて、関係各省庁、宮城県の出先機関も含めて、そういった意識を浸透させていかなくてはならないと考えます。 しかし、先週、宮城県の気仙沼土木事務所の職員が防潮堤慎重派の気仙沼市の市民にこう言い放ったそうです。防潮堤建設に時間が掛かっていることについて、国会議員が遅らせているんです、和田議員とつながっているんじゃないですかというものです。防潮堤建設が遅れているのは国会議員のせいという公務員の外に向かっての発言、これは国会の国政調査権に対する冒涜であると言えると思います。こうした発言をするということは、全然宮城県の職員に総理が見直すと言った趣旨が伝わっていないわけです。 この国会審議への冒涜発言も含めて、国交大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) どの方がどういう発言をしたかということについては私、承知しておりませんものですから、それについてはお答えは避けさせていただきたいと思いますが、とにかくこの防潮堤の問題については、高さ、いわゆるL1ということについては基準を国として示しているわけでありますけれども、そこは地元の意見、あるいはまた地元といってもいろんな、賛成の方もいらっしゃるし、反対の方もいらっしゃるし、そこに住んで土地を持っていらっしゃる方もいるし、いや、観光ということに力を入れなくちゃいけないんだからということで、防潮堤の高さだけでなくて、形状とか、あるいは緑の防潮堤を造るんだとか、いろんなことがあるんだと思います。 この具体的な防潮堤の計画は、市町村によるまちづくりの議論を踏まえて海岸管理者である県が決めるということなんですが、私は丁寧に対応するようにということをこれまでも随分言ってきましたけれども、できる限り粘り強く対応ということを丁寧にされるということが大事であるという認識をしているところでございます。
○和田政宗君 これ、審議をやっておりましても、国は柔軟だということは分かるんです。ただ、宮城県がかなりかたくなだということで、これはもう国がしっかりと住民の意見も聞いていただいて、防潮堤を造るなと言っているわけではありませんので、大臣の御答弁にありましたように、高さですとか形状とかも含めて、しっかりと住民が納得できる形にしていただければというふうに思います。 では、次に、尖閣諸島周辺の領海警備についてお聞きします。 平成二十五年七月一日に中国公船が尖閣諸島の魚釣島に四百五十メートルまで接近しました。いつ上陸されてもおかしくない、これ、ゆゆしき事態だと思います。もし仮に中国公船の乗務員が武装して尖閣諸島へ上陸しようとした場合、海上保安庁は武器の使用はできるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答え申し上げます。 御指摘のような、魚釣島に著しく接近し、仮に上陸を試みているような場合につきましては、国際法上許容される範囲内で必要な措置を講じ、上陸されないよう領海警備に万全を期してまいります。 今お尋ねの武器の使用につきましては、個別具体のケースに即して総合的に判断されるべきであり、一概に申し上げることは困難ではございますが、国際法上許容される範囲内において、海上保安庁法第二十条第一項で準用する警察官職務執行法第七条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき武器を使用することは排除されないと認識しております。
○和田政宗君 細かいことについては手のうちを明かすことになるということで、そういった御答弁になろうかと思いますけれども、これはもう引き続き断固たる姿勢を取っていただければというふうに思います。 この尖閣諸島もそうですし、今、日本は中国などから様々な攻撃と呼べるものを受けているわけですけれども、次に、外国の情報機関の日本国内での情報収集活動、諜報活動についてお聞きします。 外国の情報機関に所属する人物が、研究者やジャーナリスト、留学生など民間人を装って情報収集活動をしているのではないかという懸念があります。そうした人物が各省庁の職員などから情報を盗もう、聞き出そうと接触してきた場合において、情報漏えいを防ぐための対策、どのようになっているでしょうか。
○政府参考人(北村博文君) お答えいたします。 外国情報機関の情報収集活動に対抗いたしまして政府の重要な情報を保護することを政府におきましてはカウンターインテリジェンスと称しておりますけれども、その取組の強化に努めているところでございます。 具体的に申し上げますと、平成十八年十二月、カウンターインテリジェンス推進会議を設置いたしまして、内閣官房長官を議長として、関係行政機関相互の緊密な連携を確保し、カウンターインテリジェンスの強化に向けた施策の総合的かつ効果的な推進を図っているところでございます。 また、平成二十年四月には、内閣官房に我が国政府全体のカウンターインテリジェンスの中核となるカウンターインテリジェンス・センターを設置いたしましたが、このセンターにおきましては、カウンターインテリジェンスに関する情報の収集、分析を行い、各行政機関との間でその成果物を共有いたしますとともに、各行政機関においてカウンターインテリジェンス意識の啓発をする担当者に対する研修を実施しているところでもございます。 さらに、御質問がありましたような、職員に対します外国情報機関などからの不審動向、そういうものが行われたという場合、あるいはそのおそれがあるようなことがあった場合には必ず組織的に対応することといたしましてその要領を定めているところでございますが、これらを通じまして、引き続き政府機関に対する諜報活動の防止や適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 この問題では事前に各省庁からヒアリングをしましたら、検挙件数は極めて少ないという回答でしたけれども、私が接している情報では、外国の情報機関などによる情報収集活動は激しくなっているというふうに感じております。スパイ防止法の制定など必要な方策を取るべきだと思いますので、政府においてもしっかりとした検討をお願いいたします。 次に、日本の調査捕鯨船に対する妨害活動への対応についてお聞きします。 南極海での調査捕鯨においては、シーシェパードによる妨害活動、これは妨害活動といいますか、瓶入りの酪酸や発煙筒を投げたりということで乗務員が命の危険にさらされている、攻撃を受けているという状況だというふうに思います。現在は、調査捕鯨船に乗り込んできた場合には警察権等の行使により取締りが可能だということですけれども、そもそもこうした攻撃を阻止しなければ乗務員の命も乗組員の命も守れないという状態になっております。 これに対処するために、海上保安庁の巡視船などを派遣し、阻止すべきと私は考えます。その際、派遣、阻止に当たっては、妨害船が所属する国、旗国の同意を取り付けなくてはならないはずですが、政府としては断固たる申入れを行って旗国の了承を取り付けるべきだというふうに思いますが、政府の見解、いかがでしょうか。
○政府参考人(相川一俊君) 申し上げます。 シーシェパードの妨害行為は、我が国調査船団の乗務員の生命と財産、航行の安全を脅かす危険な不法行為であることから、効果的な対応を講ずることが必要であると認識しております。 こうした認識に基づきまして、旗国を含めた関係国に対し、管轄権の行使を含めた実効的な措置をとるように一層働きかけていきたいと考えております。
○和田政宗君 これは旗国の了解を取らないといけないということですけれども、オーストラリアですとか、シーシェパードの場合はオランダですか、になろうかと思いますけれども、これはもう断固たる措置をとっていただいて、旗国の了解を取り付けて私は阻止していくべきだというふうに思います。 旗国の同意を取って海上保安庁の巡視船、派遣すべきだと申しましたけれども、こうした派遣する場合、国内法上どんな準備が必要になるでしょうか。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答え申し上げます。 旗国の同意が得られた場合ということでございますが、旗国の同意の内容の範囲というものが必ずしも明らかではありませんので、御質問に対して的確にお答えすることは困難ではございますけれども、仮に国際法上の問題が各国間で解決された場合には、その解決内容に対応した形で調査捕鯨の安全を確保するための措置に関わる国内法上の問題について関係省庁間で検討していく必要があるものと考えております。
○和田政宗君 これも、もう乗組員が何かあってからでは遅いですので、しっかりと政府部内でも検討をお願いしたいというふうに思います。 そして、四月二十六日に北西太平洋の調査捕鯨が開始されるわけですけれども、これ、頭数を減らしての調査だと聞いております。今回の国際司法裁判所の裁判では、捕鯨頭数が目標サンプル数に達していないことが論点としてあったはずです。計画頭数を減らして実際の捕獲数との乖離を少なくするという小手先のことはしないで、当初計画の三百八十頭に捕獲数を近づける努力をすべきだと思いますが、何でこんな消極姿勢を政府が取るんでしょうか。大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この三月三十一日に国際司法裁判所で南極における捕鯨裁判の判決が出ました。大変残念ながら、八条の一の範囲にとどまらないと、こういうものが出たわけでございまして、これについて慎重に精査した上で検討を行ってきました。 それで、十八日に私の方から、今後の鯨類の捕獲調査の実施方法について談話を出しまして、北西太平洋鯨類捕獲調査については、調査目的を限定するなど規模を縮小して実施することにいたしましたが、これは実は南極の判決なんでございますけれども、同時に、条約八条一の下でいかなる将来的な許可、エニー・フューチャー・パーミッツと書いてありますが、これを与える可能性を検討する際にも、本判決に含まれる理由付け及び結論を考慮することが期待されると、こういうことが書いてございますので、したがって、新たな提訴を回避する観点から、判決において示された審査基準、これを最大限考慮した内容にしまして出すことを決断したと、こういうことでございます。
○和田政宗君 政府部内でいろいろその検討をされてということだと思いますけれども、現状では調査捕鯨で足踏みをしているわけですけれども、政府の考えとしても将来的に商業捕鯨ということがあろうかというふうに思いますし、私も速やかに商業捕鯨の再開までつなげていくべきだというふうに思います。 商業捕鯨再開に向けて、政府はどのように現在取り組んでいるんでしょうか。お願いいたします。
○大臣政務官(横山信一君) お答えいたします。 我が国は、鯨類は他の水産資源と同様に重要な食料資源であり、科学的根拠に基づき持続的に利用されるべきとの基本的認識に基づき、商業捕鯨の再開を目指しております。そのために必要な科学的情報の収集を目的に鯨類捕獲調査を実施してきたところでございます。 十八日に発出をいたしました農林水産大臣談話におきましても、商業捕鯨の再開を目指すという基本方針を堅持しつつ、平成二十七年以降の南極海及び北西太平洋の鯨類捕獲調査につきましては、本年秋頃までに、判決で示された基準を反映させた新たな計画を国際捕鯨委員会科学委員会へ提出すべく、関係府省連携の下、全力で検討を進めてまいります。 平成二十六年度につきましては、南極海においては、第二期南極海鯨類捕獲調査を取りやめ、北西太平洋においては、判決に照らし、第二期北西太平洋鯨類捕獲調査の調査目的を限定するなどして規模を縮小して実施してまいるところでございます。
○和田政宗君 商業捕鯨の再開に向けての取組ということではどうでしょうか。まず調査捕鯨をしっかり再開するということでの今御答弁だったということでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まさにお尋ねのとおりでありまして、調査捕鯨の目的というのはIWCで今モラトリアムということになっております。モラトリアムというのは、なぜなったかといえば、資源の量が減っているからと。一時やめて、一時ですね、これモラトリアムですから、資源の量を調査して再開しようと。したがって、この再開のために調査捕鯨はなくてはならないと、こういうふうに考えております。
○和田政宗君 でありましたら、やはり調査捕鯨はもうしっかりとこれは遂行していただきたいというふうに思います。 最後に、農業に係るコスト削減と新しい農業モデルを導入するに当たっての支援策についてお聞きします。 被災地では、農業の復興に当たりまして、農業用ハウスや植物工場などの建設が行われておりますが、燃料についてのコストを削減したいという声が上がっております。コスト削減に当たっては、廃ペットボトル燃料やバイオマスの活用をしたいという声があります。そして、農機具についても、コストの削減を考えた場合、海外から輸入した方が安いという声が上がっております。 様々な試算によりますと、国内農業の約四割は大規模化で生き残れるというふうに考えられておりますが、それ以外の農家や中山間地域等の農業を生き残らせるためにはやはりコストの削減が必要になります。しかしながら、低コストの燃料を導入したり、農機具の輸入もそうしたものに切り替えますと、これまで買っていた農協やメーカーから圧力を受けるのではないかと危惧して踏み出せない農家も実際にお話を聞いているといます。 そこで、例えば、低コスト化を図り農業生産を実践しようとするグループや地域などへ国としてしっかり支援すべきだと考えますが、支援やサポートについての考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事なお尋ねでございます。やはりコストを下げるということは大事でありまして、規模の大小にかかわらずしっかり取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っておりまして、農家や肥料、機械等の資材業界の関係者と意見交換を行ってまいりました。 本年三月末に、これを踏まえて、まず機械については、実は輸出用については性能を絞り込んで安いものを出しております。大体二割、三割安でございますので、これを国内にも展開するということ。それから、鶏ふんの燃焼灰、これを燃やしたものなど、安価な未利用資源を肥料として活用するということで肥料価格を七%削減する、こういったいろんな取組をカタログにして、担い手農家の経営革新に資する稲作技術カタログ、取りまとめて公表したところでございます。 さらに、産学の英知を結集して補正予算又は当初予算等を使ってこれをサポートしていきたいと、こういうふうに思っております。
○和田政宗君 しっかりとサポートしていただいて、例えば被災地を優先的に活用していただくですとか、そういったことも考えていただければと思います。 終わります。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。 ─────────────
○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。 今日は、集団的自衛権の問題、それから都市計画税の課題、それから農業者年金の問題、ちょっと時間がないので最後まで行けるか分からないですけれども、やらせていただきたいと思っております。 まず最初に、集団的自衛権の問題で、谷垣法務大臣に今日来ていただいておりますので、お伺いしていきたいと思います。 法務省のいわゆる設置法を読んでみますと、第三条に、法務省の任務ということで、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持ということが挙げられています。我が国のまさに基本法制と法の秩序の頂点にあるというのは憲法でありますから、その辺り、谷垣法務大臣に憲法解釈の在り方についてお伺いする必要があるかなと思って今日考えております。 憲法の役割は、個人の自由を保護し、それから国家権力を制限すると、こういうところにあると思いますが、大臣もそうした認識だということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、法務大臣の役割ですけれども、確かに基本法は、刑法、民法、商法というのはみんな私の所管でございます。ただ、憲法は、率直に言って私は所管しているわけではございません。ただ、もちろん、私の仕事をやってまいりますときに、私の所管している法律が憲法解釈上いかなる問題があるのか、憲法に適合しているか等々を判断しながら進まなければならないわけですが、国会で一般の憲法議論のときに、政府として憲法解釈をこのように考えているというのは、私の職責ではないと思っております。 しかし、お問いかけですので、憲法の意義をどう認識しているか。今、権力を制限するとおっしゃいました。そういう要素も一つ確かにあるだろうと。近代憲法の一つの原則はそれであります。しかし、余り言われないんですけれども、私、実はもう一つの側面があると思います。それは国家統合といいますか、権力の正統性を基礎付けるという役割があると思います。今、ウクライナでいろんな事件が起こっておりまして、親ロシア派、反ロシア派がいろいろ争っている。そのときに、ウクライナの国家権力の正統性はどこにあるか、法の支配の根拠を位置付けるものは、私は憲法だろうと思います。 ですから、憲法は、その二つの役割は実は全く違うものではありません。国民統合を果たす役割、つまり、それは同時に権力の正統性の根拠を明らかにすることであり、同時に、革命を起こしたような国はいざ知らず、一般には権力も法に従う、憲法に従う、そういうような意味合いを憲法は持っているのではないかというのが私の認識でございます。
○山田太郎君 ありがとうございます。 そうであれば、国家権力、その政府の側から憲法の解釈を変えるということに関しては、まさに国家の権力の制限という観点においてはできないということになりますから、政府は憲法の解釈に関する変更は慎重に行うべきだと、こう思っております。 そんな中で、大臣の方は、三月七日の記者会見で、お手元の資料をお配りさせていただいているんですけれども、いろんなことを踏み込んで御発言されております。憲法解釈というのは極めて安定性がある必要があります。さらに、大臣は、手順、段取りを踏んで進めていくことが必要です。憲法の解釈においては、国民との対話がなければならない、その最たるものは国会での議論だろうということまで御発言しております。 こうした三月七日の会見で述べられた憲法解釈に関するお考えは、現在でも変わらないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは記者会見で記者に聞かれましてお答えしたことであります。 国会では私はできるだけ自分の職責に限定して御答弁をしようと思っておりまして、特にこの決算委員会のようにいろんな閣僚が見えるところ、法務委員会ですとほかに閣僚がお見えになりませんので時として私がお答えしなければならない場合があるかと存じますが、こういう予算委員会とか決算委員会の場で憲法解釈についてお答えするのは、それぞれの任の方があるのではないかというのが私の考え方でございます。
○山田太郎君 ただ、発言された内容を踏まえてということですので、そこはしっかり御答弁いただきたいなというふうに思っておりますが、まさに最近、安倍内閣の中で、政府内でこの集団的自衛権に関して憲法解釈を変えようという議論も実はあります。ただ、そこは、谷垣法務大臣、極めて安定性が求められる憲法解釈ということを発言しております。そうであれば、今、集団的自衛権に関する憲法解釈を変えなければいけない理由というのはどんなところにあるのかということを是非御発言いただけないでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の私の立場、閣内の一員でございます。それで、集団的自衛権に関しましては、累次、法制局長官が御答弁をなさったり、あるいは質問主意書に対して閣議決定をしてお答えをする、あるいは内閣の統一見解というのを国会にお出しした場合もあったと思います。累次積み重ねておりまして、若干それは長い目で見れば変遷はあるのかもしれませんが、基本的にそういう今までの閣議決定に縛られているというのが閣僚の私の立場でございます。
○山田太郎君 もうちょっと踏み込んで是非御答弁いただきたいなと思いますが。 もう一つ、今、政府部内の議論の方では、日本の安全に重要な影響が及ぶ場合というふうに、随分、集団的自衛権の解釈が、行使の範囲が広く取られるような議論をされているように報道等を見ていると思います。ただ、しっかり、いわゆるこの議論、我が党も党内で慎重議論をさんざんやっておりますけれども、もし政府が憲法の解釈をするのであれば、まさに国家権力を制限するという観点からもその役割を考えるのであれば、もっと具体的個別にきちっと議論をした上で検討するべきなんじゃないかなと、こんなふうに思っておりますけれども、その辺りを含めて、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私、名称はちょっと今おぼろげですが、法制懇といいましたかね、そこで今どういうことをすべきなのかというのを検討されていると思います。私は、その中身に関しては時々報道では承知しておりますが、それ以外には全く関知しておりません。 今の私の立場は、先ほどから申し上げたように、今までの歴代の法制局長官の答弁、あるいは閣議決定して答弁書をお出しした統一見解、そういうものを基本的に踏まえているというのが私の立場でございます。
○山田太郎君 法秩序の維持というのも、先ほど申し上げたように、やっぱり法務大臣、非常に重要な役割であると思います。閣内の中でしっかり、憲法の在り方を守っていくのは法制局長官だけではないというふうに認識をしておりますので、是非、谷垣大臣には期待しておりますので、しっかりした議論を政府で進めていただけるようにと思っております。 もう一つ、大臣の方は手順が大事だということもおっしゃっていまして、中でも国会審議が一番大事だというふうな発言をされています。そうであれば、政府が閣議決定をして国会に示すということではなく、まず国会の方で議論をして、それを受けて政府は行政府としてどうしていくのかと、こういう手順の方が大臣のお考えに合ったものなんではないかなと、こんなふうに思うわけですけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) それはいろんなお考えがあるだろうと思います。私の基本的な立場を申し上げますならば、先ほどお読みになったように、憲法解釈というのは安定性が必要であるからふらふらしてはいかぬと私は思っております。しかし同時に、長い間に憲法解釈が今までの憲法解釈でよかったかなということも起きてくるだろうと思います。 その場合、誰がイニシアティブを取って憲法解釈を変えていくかというのは様々だと思います。最高裁判所がそういう役割を果たされることもあると思いますね。それから、国会が立法をされるときにそういう判断をされながらやる場合もあると。それから、立法府がそういうイニシアティブを取る場合も私はないわけではないだろうと思います。 私どもも、法律を出すのに日々、自分の出す法律と憲法の適合性というのを最後は判断いたさなければなりませんので、いろいろな立場があろうかと思いますが、しかし、私どもが行政府としてその解釈を変える場合は、やっぱり国会の場でしっかり議論をしていただくというのは極めて大事ではないかと思います。
○山田太郎君 その関連で太田大臣に御質問しようと思ったんですけれども、次も実は、都市計画税、太田大臣の方に当たるんですけれども、総務大臣に最初聞きますので、じゃ、ちょっと太田大臣の質問の件は戻ってこられてから。ちょうど戻ってこられました。 今のちょっと谷垣法務大臣とやり取りを聞いていただいていて、太田大臣、同じ閣内の一員として、公明党というところからも出ておる大臣でございます。この集団的自衛権に関する憲法解釈、それから今の政府等の議論を見ていてどのような考え、御感想をお持ちなのか、是非お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 現在、安保法制懇で議論をしているということでありますから、それを見守っているということでございます。
○山田太郎君 見守った上で、是非、政治家として、それぞれ大変尊敬する政治家の先生ですので、よろしくお願いしたいと思います。 我が党も、別にこれを最初から反対だとか賛成とかというふうに言っているわけではありません。ただ、審議のプロセスというのは非常に重要でありまして、前回のような特定秘密保護法のような攻め方をしてしまえば当然国民からは受け入れられないわけでありますから、そういった意味でしっかりそのプロセスとそれから憲法との関係をきちっと議論をしていきたい、こういう思いで質疑させていただきました。 二点目は、都市計画税について質疑させていただきたいと思っております。 都市計画税を徴収する六百五十四の自治体のうち、これお手元の資料、ちょっと順番変えさせていただいておりますので、一番最後の四枚目の資料になります。総務省の調査では、平成二十四年の決算で、税収が余っている自治体が全国で十七あるということでございます。総務副大臣にお伺いしたいんですが、どうしてこのように税収が余ってしまうのか、地方税を所管する立場からお答えいただけますでしょうか。
○副大臣(関口昌一君) 都市計画税は、もう先生十分御案内のとおり、昭和三十一年に導入をされまして、都市計画事業、土地区画整理事業に要する費用に充てるため市町村が目的税として課税しているものでありまして、都市計画税を課すか否かにおいて、また税率の水準をどの程度にするかについては、事業等の実態に応じて市町村の自主判断に委ねられているところであります。 こうした中、年度における都市計画の事業量の変動や事業量そのものの減少等の影響によりまして、結果として、御指摘をいただいたとおり、都市計画税収に余剰が生じている団体もあるというのは事実であります。 二十四年度においては、都市計画税を課税している団体は全国で六百五十四団体であり、その税収は約一・二兆円となっておりますが、お尋ねの税収に余剰が生じている団体数は約十七団体であり、その合計金額は二十五億三千六百万円となっております。
○山田太郎君 こうして余った税収は、各自治体なんかでは基金の形で積み上げております。税収が余るということなんですから、できれば長期的には税率を自治体で下げていくというのが一つ筋だと思いますが、当面、積み立てた税収、これをどうすればいいのかということを各基礎自治体等を含めていろいろヒアリングをさせていただきますと、随分困っているということをお伺いいたしました。 いろんな施設の新設だけではなくて、改修とか補修といったものについても使えるのか使えないのかといったことが論点になるかと思っております。都市計画税は目的税ですので、地方税で、都市計画事業又は土地区画整理事業に要する費用に充てるとされていますから、それ以外の費用に充てられないということであります。 では、都市計画事業って何なのだろうということで、都市計画法四条十五項というのをちょっと拝見させていただきますと、都市計画施設の整備に関する事業とされています。都市計画施設というのは、公園とか病院とか広範な施設が含まれますので、要は、整備というのが、施設の新設だけが当たるのか、それとも改修、補修も含んでいいのか、その辺の解釈が実は重要になってくるということでありまして、その辺がすっきりすれば都市計画税の使い方も新たな展望が開けるというふうに思っております。 そこで、ここは所管の太田大臣にお伺いしたいと思いますが、都市計画法第四条十五項の整備に老朽化対策や耐震補強の対策のための改修、更新に使う場合も含まれるのかどうか、その解釈をお願いしたいと思います。 是非、メンテナンス元年ということもおっしゃっておりましたし、造りっ放しということも決して整備の本意ではないと思います、償却もあると思いますので、その辺り、踏み込んで是非御発言いただけますでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 整備には使えるけれども、老朽化とかそういうことに使えるのか使えないのかということでの逡巡が地方自治体にはあるのではないかということだと思います。 都市計画事業について規定するこの都市計画法第四条第十五項の解釈についてでありますけれども、条文における都市計画施設の整備ということには、典型的には都市計画施設の新設等が該当するわけでありますが、老朽化対策、耐震補強対策のための改修や更新を行う場合もこれに含まれ得るというように考えています。 なお、個々の事業が都市計画事業として実施する整備に該当するかどうかにつきましては、当該事業の実施主体や認可権者が判断することとなりますが、先ほど答弁申し上げましたように、老朽化対策、耐震補強にもこれは含まれ得るということでございます。
○山田太郎君 ありがとうございました。 今の答弁で多くの市町村、この都市計画税はっきりしたところあると思っていますので、前に進んでいけることを期待しております。ただ、そういったことが周知されるように、市町村それから都道府県からの都市計画事業の解釈に関する問合せ等があった場合には、是非前向きに、それから国土交通省、総務省、おっかながっちゃっているところもありますので、優しく対応していただきたいというふうに思っております。 さて、次に移っていきたいと思いますが、随分とんとんと行ったので、思ったより時間がありますので最後まで行けそうであります。 農業者年金の在り方について、農水大臣に伺っていきたいと思っております。 農業者年金というのは、昭和四十五年に農業者年金基本法が制定されまして、強制加入の年金制度として創設したのであります。ただ、年金の方式に積立てではなく賦課方式を採用したために、若い加入者が少なくなっちゃったということで、年金の受給者が多いという制度の構造的欠陥を生み出しまして、平成十三年に破綻しています。その破綻処理として、現役の加入は積立方式、既に年金受給者の資格ある方は一般会計の税金で年金支給をするという仕組みに抜本改正されているわけであります。まさに、これ実はほかの社会保険に関しても非常に将来を占うような重要な議論になるのかなとも思いますが。 そこで、毎年一千二百億円の年金給付費を一般会計で負担するということになったんですが、まず、お手元の資料二枚目になります。一般会計の負担の状況なんですけれども、これ、農水省さんのいわゆる資料をいただいてそのまま作ったものでありますが、数字に間違いがないか。何か訂正があるということもお伺いしているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 訂正という、正確に言うと訂正ではないかもしれませんが、それぞれの項目はそのとおりでございますが、若干申し上げますと、この年金における債務というのは、年金運営者が受給者に対して払う将来の債務という言い方もしますが、この三番目の四千百四十一億というのは、これは運営者がいわゆる借金をして、国費が毎年来ますので、それで足らない分、先に支払がたくさん出て、後でこの支払は減っていくという性格がありますので、そういう意味では四千百四十一億円というのは、いわゆる年金の給付債務ではなくて、年金を支払うために借入れを起こしたその債務という意味では、ちょっと種類が違うのかなと、こういうふうに思っております。
○山田太郎君 実は、その四千百四十一億円を質疑で取り上げようと思っておりまして、つまり、これ、国費できちっと年金費の分を負担していればその後にある三百七十一億円という利子は発生しないで済んだんですね。そういう意味で、何で利子を発生させるような形でもってこんな借入れを別途やったのかと。であれば、若干予算に積んで、この利子というのはもう戻ってこない、次につながらないものですから、そういう建設的な議論をしようと思ったんですが、実は農水省さん、何度も数字を確認したんですが、今朝になって間違えてしまいましたということで、いわゆる一兆七千六百四十二億円の中に、この内金に入っているんだということを朝になって言い出しました。この辺、大変強く抗議したいと思っておりまして、こんな状況では、決算委員会、しっかり決算の議論ができません。大臣の方からも、何でこんなになっちゃったのかということを調査して、是非報告をしていただければというふうに思っています。 ちょっと先に進みたいと思いますが、巨額の税金をこのように農業者年金については投入しているわけでありますが、結構あやふやな制度、破綻処理をした後、あやふやな制度だというふうに思っております。 しっかりとした運営をしていただきたいと思っているんですけれども、その実態を御担当者からいろいろ聞いたんですけれども、ちょっと資料も次のページ見ていただきたいんですが、被保険者数というのをちょっとお伺いしましたら、制度改正以来一貫して減り続けておりまして、平成二十四年度は五万人、新規加入者数もこの五年間減り続けまして、年間たったの三千人台ということになっております。 当時、これを処理するときの平成十三年の法改正の国会答弁で当時の農水大臣は、制度の破綻の反省を踏まえて農業者年金は加入者三十万人の制度にするんだと、こういうふうに強く決意表明をした上で、国会で、それならばということで破綻処理に応じたわけであります。こんなふうになってしまっているんですけれども、大臣、改めてこの制度を振り返って、決算でもありますから、どのようにお考えなのかと。 それから、時間がないといけませんので、もう一問併せてさせていただきます。 この農業者の加入促進、まさに加入する人が少ないということは、これをいわゆる積立方式とはいえ支えていくというのはまた大変だということになるわけでありますから、平成二十五年は、実は新規加入者を加入促進のために、農協それから各農業委員会に業務委託費として実に十八億三千万円出しているんですね。決算ということですから、平成二十三年、二十四年度も、それぞれ、十八億一千三百万、それから平成二十四年度は十七億五千四百万ということで、毎年十八億円ぐらいのお金を使っています。ただ、三千人ぐらいしか加入者がいないということでありますから、一人集めるのに六十万円も掛かっているという、本当に集める気があるのか何なのか、現場の問題というものも決算ですからあるかと思います。 よく考えてみたら答えは簡単だなと思っておりまして、これは農協がいわゆる業務委託で一部やっているわけでありますから、JA共済さんなんかはいろんなタイプの年金型商品を売っているわけなんですよね。そう考えますと、農協が新規加入者を真面目に本当に募集するのかなと、こういう疑問も出てくるわけであります。 そうなってきますと、そもそもこの農業者年金が既に存在意義を失っているんじゃないかと。新たな制度破綻に至らないように、例えば国民年金基金と統合するとか抜本改革をもうする必要があるんではないかというふうに思っておりますが、先ほどの質問と併せて是非、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) まず、新制度の加入でございますが、十三、十四年度に旧制度から七万九千人新制度に移行した後、毎年千五百人から四千人程度が新規加入していると、こういうことでございます。二十四年度末時点の加入者数は約十一万人ということでございまして、まさに今御指摘があったように、当初目指していた水準と相当開きがあると、こういうことでございます。旧制度加入者の新制度への移行、これが二十五万人と見ておったわけですが、これが七万九千にとどまったということが主な要因であろうかと、こういうふうに思っております。 今度、新しい制度ですが、今委員が御指摘いただいたように、確定拠出型に変えましたので、加入者数が減っても年金財政には影響を与えにくい仕組みに今なっているということでございます。平成十八年に講じた加入推進活動の強化で、十九年度は新規加入者が四千百七十三人と、前年の二千二百九十六人から二千人程度増えておると、こういうことでございます。 御指摘があった業務委託費は、保険料の収納、委託者への送金、それから被保険者、受給権者等からの相談に対する回答、加入対象者への制度周知、普及等に要する事務費、旅費、手当等として予算計上しておりまして、金額は先ほどお示しいただいたとおりでございまして、実績報告書をきちっと提出を求めて抽出調査を行うなど、適正に執行をしておるところでございます。 それから、最後の、国民年金と統合したらどうかと、こういうことでございます。基金とですね。これ、国民年金の二階建ては、地域型基金とそれから職能型基金、二十五の職種別ということでございまして、農業者年金基金に近いという意味ではみどり年金基金というものがございます。この農業者年金基金は独法でやっておりますのに対して、みどり年金基金は民間の発意で設立される法人であるということと、まさに財政方式が、確定拠出でやっておる農業者年金に比べて、このみどり年金は実は確定給付型でやっております。 それから、先ほど御指摘いただいた十三年度の制度改正のときに、旧制度に係る国庫負担の平準化を図るために、その不足する費用、先ほど債務の話をしましたが、これを債務保証付きの長期借入れにより補うことにいたしましたが、国民年金ではこれがちょっと難しいと、こういう課題があるということで、なかなか統合というのは難しいのかなと、こういうふうに考えております。
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っております。
○山田太郎君 時間が来ましたので、終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今日は、JR北海道の問題について質問いたします。 脱線事故や火災事故が相次いだ上にレールの検査データの改ざんなどの不正が相次いだJR北海道に対して、国土交通省は今年の一月に事業改善命令と監督命令の二つの命令を出しました。一日も早く安全優先の公共交通機関として再生してほしいというふうに思っているわけですけれども、同時に国の責任がやはり十分果たされていないというふうに思っております。 そこで、今日は幾つかの問題について質問いたします。 〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕 二〇一一年の五月に七十九名が負傷しました石勝線の特急脱線炎上事故、これを受けて運輸安全委員会が勧告を出しました。踏面擦傷、ちょっと難しい字なんですけれども、踏面擦傷、剥離の長さの範囲が使用限度を超えているということで整備不良を指摘しました。JR北海道は、安全最優先の鉄道会社に生まれ変わるんだということで、安全基本計画、安全性の向上のためにも行動計画ということで作成しましたけれども、事故はその後続いたと。 それで、昨年七月に発生しました車両事故はまだ調査中ということなんですけれども、九月のJR函館線の大沼駅構内の列車の脱線事故について運輸安全委員会が今年二月に報告書を出していますけれども、軌道変位、これについて整備が行われていなかった、過去三年間にわたり整備が行われていなかったと、またこの整備不良を指摘したわけです。 石勝線の事故が教訓にされずになぜこの整備不良が続くのか、まず大臣の御認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 事実関係について御説明申し上げます。 石勝線の脱線事故については、委員御指摘のように、運輸安全委員会の勧告で、JR北海道に対しまして、車輪の踏面、レールに接する面でございますが、この状況を把握するために適切な検査時期及び検査手法を確立し、この車輪踏面の状態の管理を徹底しろと、こういったような勧告が出ております。 これにつきましては、JR北海道は、例えば特急車両では七十二時間ごとに行うことになっております仕業検査というものがございますが、この仕業検査においても車輪踏面の状態を把握するための検査を行うことといたしました。もちろん、検査の結果、基準値を超えているような傷があったといったような場合につきましては、当然のことながら運用を止め、車輪を削ると、削正と言っておりますが、真円にするために削るといった作業を行うといったような対策を講じているところでございます。 一方、昨年九月の函館線大沼駅での列車脱線事故については、委員御指摘のように、運輸安全委員会の経過報告が出ております。ポイントは、軌道に関する検査データを正確に記録し、管理し、それに基づいた整備を確実に実施すべきといったところにございます。 これにつきましては、私ども、昨年九月十九日の大沼におきます脱線事故以降、三回の特別保安監査を実施いたしておりますが、その結果を一月二十四日に、鉄道事業法に基づく事業改善命令及びJR会社法に基づく監督命令という形で命令を出しております。その中に、記録を重視するルールの策定及びその徹底ということで、必要な措置を講ずるよう命じておるところでございます。いずれも整備ということでございますが、車輪の整備ということと、それから軌道の整備、それぞれやや異なった側面があろうかと思っております。 一方、私どものこの一月二十四日の事業改善命令、監督命令というのは、これまで過去に指摘された問題を含め、JR北海道に対し安全な輸送の確保のために求められる総合的かつ抜本的な措置を確実に実施することを求めているというものでございまして、これをしっかり実行していくようにということを指導監督してまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 お聞きしたことが、個々別々のこれについてこうだということではなくて、なぜ整備不良という指摘が繰り返されているのかということをお聞きしたわけですよね。それで、この整備不良の問題というのは、レールや車両だけではないわけです。 私、実は北海道で学習会やシンポジウムや鉄道関係者からの話を聞く機会がありまして、いろいろ訴えをお聞きしました。少し紹介したいと思うんですけれども、まず路線の現状なんですが、釧路に行ったときには、路線が草ぼうぼうだ、木の枝が路線にかぶっている、だけどなかなか処理されていないという話なんですね。それから、函館に行きますと、分割・民営化で他社に飛ばされた社員がまた退職して北海道に戻ってきて、路線の荒れを見てびっくりした、もう非常に荒れているということを言われました。それから、保線で働く方からは、排水溝が整備されていず泥で埋まるので、雨が降ると路線に水が出ると。枕木は、多くは今コンクリートに切り替えてきているんだけれども、中には一部ラワン材が使われていると言うんですね。ラワン材というのはすごく腐りやすくて、くぎを打っても抜けてしまうという話で、枕木が足りないから交換したいんだけれども、なかなか足りなくて交換できないという話なんです。なぜこういう状況になっているというふうに思われますか、局長。
○政府参考人(瀧口敬二君) 軌道の問題につきましては、今回の九月十九日の大沼の脱線事故以降、私どもの特別保安監査の一つの大きな問題意識を持って対応してきたところでございます。 今回の私どもの改善命令の中にございますが、一つには、現場が、特に保線関係の現場ということでございますけれども、やるべきことをやっていなかったといった面があろうと思います。これには安全を確保するという、そういった意識が乏しいといったような面も一方ございますが、現場においてやるべきことが社内のルールで明確に決められていない、基準であるとかマニュアルであるとか幾つかのレベルのそういったような規程などがあるわけでございますが、そういったところできちんとまとめられていないといったような面もございました。 例えば、委員御指摘の木の枕木については、老朽化いたしますと当然替えるという必要があるわけでございますが、その木の枕木につきましてどういったような、現在の状況についてどのように判定をするのか、そしてこういった場合には交換をするといったような、その辺りの社内のルールというのが明確でなかったというような問題がございます。ある意味では現場任せになっていたということでございます。こういったことを、今回の改善命令の中でも社内ルールを徹底をするようにということを命じているところでございます。 一方、木の枕木が多いという問題がございます。これについては、例えば函館の大沼辺りに砂原線というところがございますが、これについては今年度中に全てPCというコンクリートの枕木に替えるということで、JR北海道、精力的に取り組んでいるところでございます。
○紙智子君 現場においてやられていなかったという、現場が悪かったという話になるんだけれども、私はやっぱりその原因についてどうだと思うかということをお聞きしているのであって、これははっきりしているんですよね。 現場に行っていろいろ聞くと、やっぱりマスコミも指摘していますけれども、出てくることは資金不足だと、替えなきゃいけないことは百も承知だけど、そこにお金がないために替えられないんだということが出てくるわけですよ。 それで、外注化についてもお聞きしたいと思うんですけれども、以前は直営で行っていた作業が、業務量が増えたときは外注企業、協力会社に仕事を出していたということなんですけれども、今は外注が主流になっているわけですよね。それで、改善命令のJR北海道が講ずるべき措置というのがありますが、その中に、業務の外注に係るメリット、デメリットを整理した上で外注の活用について検討するというふうにあります。コスト削減をするために外注化を進めているんじゃないんですかね。違いますか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 三回にわたりますJR北海道に対します特別保安監査を通じて、現場の業務実施体制、特に軌道などの場合の業務実施体制というのがどのようになっているかということについて監査を行ったところでございます。その結果、特に軌道部門において工事施工能力が不足しているのではないかといったことが確認されております。いわゆる業務実施体制が不十分ではないかといったような問題でございます。 このような背景の一因といたしまして、JR北海道においては、職員全体に占める四十代の割合というのが非常に低くなっております。こういったような、いびつないわゆる年齢構成ということが言われておりますけれども、このいびつな年齢構成のために世代間の技術の伝承というものがうまくいっていないといったような問題があるのではないかというふうに考えておるところでございます。 このような問題のある業務実施体制を改善するための方策といたしましては、言うまでもなく、社内における技術習得のための教育体制というものをしっかり見直していくという必要があるわけでございますが、一方で、業務を外注をするということも有効な手段ではないかというふうに考えているところでございます。このため、今回の改善命令等につきましては、先ほど委員御指摘のように、外注をした場合にどのようなメリット、デメリットがあるかということを検討の上、必要な対策を講ずるようにということを命じたところでございます。
○紙智子君 今お聞きしたのは、やっぱりコスト削減のために今やもう外注が主流になっているんじゃないかというふうにお聞きしたんですけど、それに答えられていませんよね。
○政府参考人(瀧口敬二君) 現在のところ、いわゆる国鉄分割・民営化によってできましたJR北海道、四国、九州という三島会社の外注状況を見ますと、JR北海道の軌道部門における外注状況というのは他の二社と比べて決して高くないというふうに考えております。
○紙智子君 ちょっと質問したことに答えられていないんですけれども、要するに外注化がどんどん増えていると、最初は一部だったんだけれどもどんどん増えていると、それは結局コスト削減のためにこういう形になったんじゃないかということを聞いたんですよ。
○政府参考人(瀧口敬二君) 一つのやり方といたしまして、社内にない技術を、社内にないといいますか、技術伝承がうまくいっていないために現場においてその業務が的確に行うことができないといったような問題については、外部にそのような技術がある場合にはこれを活用するというのは一つのやり方だろうというふうに考えております。全てコストのためというよりは、社内の中に必要な技術がない場合の対応として外注ということも十分考えられるというふうに考えております。 〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕
○紙智子君 非常によく分からない答弁なんですね。 それで、本当に技術を伝承しなきゃいけないということになったら、やっぱり直営でやるのが一番いいわけですよ。もちろん外部に委託するということも必要だけれども、それだってちゃんと伝承できているかどうかということは必要なわけですよね。 それで、外注でどんなことが起こっているかということを紹介したいと思うんですけれども、保線の業務というのは、JR北海道が発注をしますと、今、札建工業と北海道軌道施設工業が請け負うと。それが更に孫請に出されるわけですね。どこに行っても出てくる話としては、例えば札建工業がピンはねをしているという話が出てくるわけですよ。例えば、レールは一本八万円が五万円前後になるとか、それからレール交換費用が一メートル五千円が二千五百円前後になるとか、それから枕木の交換費用が一本六千五百円が半分以下になる、砂利交換は一メートル四万三千円についても半分以下になると。孫請に出されているという話を聞いたわけですね、こういうふうに下げて。 こういう実態については、私も聞いてびっくりしたんですけれども、御存じですか。つかんでいますか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 外注に出した場合に、全て当該業務はまず一次的に外注をした当該企業において行われているというわけではないということについては承知をいたしております。一方、JR北海道が外注をする場合の単価などについてJR北海道に実は確認をしたことがございますが、それぞれの単価について、他のJRの三島会社二社と比べて特段高い価格を設定するということはないというふうに承知をいたしております。
○紙智子君 今私が紹介したようなことというのはつかんでいないわけですか、御存じないんですか。それもほかと同じような、大して違いはないということをおっしゃりたいんですか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 外注を受注した企業からそれを実行するためにどのような体制で行うのかということにつきましては、発注をしたときの基本的な要件に合致しておけばそれは認められることでございます。したがって、それから更に孫請に出すということも実は否定はされておりませんので、したがって、そういったこと、実態があるということについては承知しておりますが、それぞれの具体的な孫請に出す単価等については承知をいたしておりません。
○紙智子君 要するに、細かくつかんでいないということですよね、国は。 それで、コストを削減したために孫請で働く労働者がどんな状態で働いているかということを御存じかどうかというふうに思うんですけれども、線路の修理は、昼間というのは列車が通るので、危ないのでなかなかできないわけですよね。それで夜間になるわけです。労働時間は夜の十時から朝方の五時と七時間。その後、後片付けも含めると大体朝の十時近くになることもあるということなんです。それで、会社は夜間の手当を付けたくないということで、コスト削減ですから付けたくないということで、時間契約にその部分だけするという現状があるわけです。十二時間働いて一万二千円程度だということなんですよ。 ちょっと大臣に伺うんですけれども、これが夜間、夜中の仕事ですけれども、夜中の仕事で重労働ですよね、全部取り替える作業ですから。この重労働で働く労働者の現状なんですけれども、人間として正常だというふうに思いますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 保線の作業が夜中に行われるということについては、私は実は、昭和四十年代から労働組合の全施労という全国施設労組、公明党は当時、黄害ということを、対応するということをやりまして、私は担当しました。いわゆるふん尿公害と。そして、夜働いているということについても私はよく分かっていて、今回のことについても、ただ現場が悪いんだとか、そうじゃなくて、零下二十度のところで夜中に働いている人ということの気持ちが分かって、しようがないじゃないかと、しようがないというのは、JR北海道は現場も現場だし経営者も経営者だというような話じゃないよと。零下二十度のところで働いている人の、夜中に、気持ちが分かった上で言うべきことは言うということでないと、ぬくぬくしたところで、東京であれこれ言うということはならないと、私はこのように言ってきました、また感じてきました。 今も大変な寒さの中で、いよいよ雪が終わってということ、私は、その人たちがこうしてほしい、ああしてほしいということの要求が経営陣に伝わっていなくて、全体の経営ということの中での力の入れ方というんですが、特に安全、そして現場、現場の意見を本当に聞いて対応していかなくちゃいけないぞという最優先の予算というものの執行というのは大事だぞということを昨年から半年間にわたって私自身が言い続けてきたことでございます。
○紙智子君 今、大変重要な大臣の答弁があったと思います。外注の活用を検討するということがやるべきことの中に入っているんですけれども、検討するのであれば、やっぱり経営実態や雇用実態も含めてちゃんとつかんで検討すべきだというふうに申し上げておきたいと思います。 人員が不足しているのに、この保線の整備が順調に進むかどうかということがあるわけです。JR北海道は、経営を維持するために経費を削減してきました。まずは人件費を削減するために社員の採用を抑制してきました。採用しても、優先されるのは運転手というふうになっていたそうですけれども、保線で社員の採用が進まないためにどんどん外注化が進んだと。一方、年齢構成もいびつになって、先ほど話がありましたけれども、技術の継承が困難になっていると。 今度、国の対策の中で六百億円の設備投資資金の活用を前倒しするというふうにあるんですけれども、二点お聞きしたいと思うんです。これで本当に社員が増えるのかどうかということと、国土交通省は路線を整備し切る目標を持っているのかと、これについていかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○政府参考人(瀧口敬二君) この六百億円を使ってどのような安全な鉄道事業を実現するのかというのは、まず一義的にはJR北海道が考えるべき問題だろうと思っております。今、老朽化した施設が多いわけでございますので、先ほどお話をしたPC枕木化であるとか、あるいは老朽化したディーゼル機関車であるとか、そういったような施設整備が中心になって対応がなされるものだというふうに考えております。 それから、一応私どもといたしましては、当面五年間ぐらいの間にこの現在の安全計画というものを見直す必要があるだろうというふうに考えておりまして、こういった中でしかるべき、これは必ずしも老朽化の問題のみならずいろいろな問題が含まれるわけでございますが、そういったようなことが検討されるだろうというふうに考えております。
○紙智子君 一義的にはJR北海道だという言い方をされるんですけれども、今質問したこととの関係でいうと、現場の労働者は人が増えるというふうに思っていないわけですよ。先ほども紹介しましたけれども、単価が安くて仕事をする人が実際にはいないと、募集するけれども応じる人が少なくなっているという話があるわけです。それから、現場工事をする外注企業も、今は新幹線の建設に取られているということも指摘をしておきたいと思います。 車両の外注化なんですけれども、北海道の気温は冬場はマイナス三十度になるときもあるし、夏は逆に三十度を超えるときもあると。昭和五十六年までは北海道で試作車両の試運転をやって、安全を確認してから走らせたんだけれども、その後そういうことは余りやらなくなったということがありました。 北海道新聞の一月二十四日付けで、日常的な車両整備も全て外部委託となって、この整備士も委託先の会社に出向するということが書かれております。JR北海道は日々の車輪の状況を見ているわけですけれども、車輪の取替え業務はしていない。JR北海道は直接はその作業はしていないわけです、見ているけれども。修理しても、修理済みの印鑑というのは押すけれども、検査はしていないわけです。この状態でどうなっているかというと、工場で修理を終えた車両が走らなかったという話もあるわけですよ。 車両部門の外注化の企業もこれ監査すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもの監査は、安全に関わる外注先まで監査の対象とすることができるようになっております。現に私ども特別保安監査でも、あるいは今後の常設監査体制でも、そういったような監査をやっていこうというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 私は、立ち入ってもっと国が掌握をして、丁寧にやる必要があるんだと思いますよ。誰が監督するのかというと、もちろんJR北海道がやるんだけれども、それを更に国が含めてやる必要があるし、やっぱり業者任せにしないということが本当の安全を確保する上では絶対必要だということを申し上げておきたいと思うんです。 時間になりますのでちょっと飛ばしまして、国の責任の問題について最後申し上げたいと思うんですけれども、保線それから車両の外注化、各種規程の実態を紹介をしているわけですけれども、この改善命令、監督命令で国の責任がやはり掘り下げられていないと私は思うわけです。前任のJR北海道の小池代表取締役会長が今年年頭の挨拶の中で、現状を物語っているんですけれども、赤字を回避するためには合理化を推進し、新規の採用を極力抑制し、経費を圧縮せざるを得なかった、安全性を維持し向上させるための投資や修繕費用を十分確保し切れず、現在起きているいろんな問題を招くことになったのは否めないというふうに言っているわけです。 合理化、効率化というのは常にこれ国が求めてきたものですよ。国の言うとおりにやってきたことが、今回の事態を招いたというふうに思うんですね。株主である国の責任をもっとやっぱり掘り下げる必要があるというふうに思うんですけれども、大臣にお聞きします、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 安全を守るということについては国は責任を持つということだと思います。 私は、新年冒頭の小池会長のお話はそのとおりだというふうに思います。なかなか、もう様々な、今日指摘されたようなことも含めて、外注の問題もあり、現場の技術力の問題もあり、人の問題もあり、賃金の問題もあり、会社全体の赤字体質という問題もあり、現場と経営陣との交流というものが本当にないという場合もあり、もっともっと私としては踏み込んで、話なんかを聞いている場合じゃないと、聞いたってしようがないんだ、自分で突然行ったり、様々なことをしてやらなくては駄目なんだということを言い続けて、相当厳しく私はJR北海道の幹部の皆さんにも申し上げて、半年間を経過して今日に至りました。 国には、安全で、私はJR北海道がしっかりして初めて北海道が発展するというふうに思っておりますから、このJR北海道が安全と、安心して乗っていただいて、ポテンシャルを持っている北海道発展ということに大きく寄与するというところまでしっかり目を届かせていきたいというふうに思っているところです。
○紙智子君 是非、大臣の答弁を国土交通省としてもしっかり踏まえて、この後の対応をやっていただきたいと思うんです。 何かというと、JR北海道がという形で、国がやっぱり更にそれに含めて責任があるわけで、JR北海道はまさに国が進めてきた方向だったわけで、やっぱり国の責任を掘り下げなきゃいけないと。そうでなければ、また同じ問題が発生するかもしれないと思うわけです。 JR北海道は、国鉄の分割・民営化の当初から、利益を見込める路線が少なくて経営は困難だと言われていたんですよ、分かっていたんですよ。既に分割・民営化から二十年以上たっていて、そのことを含めてしっかり検証すべきだということを強く求めて、何よりも、今大臣がおっしゃったように、一日も早く安全が最優先される公共交通機関ということで再生することができるように強く願って、私の質問といたします。 ありがとうございました。
○田村智子君 高規格堤防整備事業、いわゆるスーパー堤防について質問をいたします。 この事業は、民主党政権時の事業仕分で廃止と宣言をされましたが、国土交通省は有識者による検討会などを経て、整備区間を六河川八百七十三キロメートルから五河川百二十キロメートルに絞り込むこととして事業を延命させ、昨年度から新規事業も始まっています。事業仕分では、進捗率からの単純計算で完成までに四百年、総事業費は十二兆円にも及ぶと指摘され、国民的な批判も高まりました。 それでは、絞り込んだという百二十キロメートルの完成時期、総事業費の見込みはどうなっているでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) お答え申し上げます。 今先生お話ございましたように、高規格堤防は越流、越水に加えまして、浸透、浸食に対して強化する堤防でございまして、整備した箇所の治水に対する安全性、確実に向上し、そして整備箇所が増えることによりまして整備区間全体の災害率が低下するというものでございます。 お話ございましたように、平成二十二年十月の行政刷新会議の事業仕分を受けまして、二十三年の十二月に整備区間を約八百七十三キロからゼロメーター地帯等の約百二十キロに限ることといたしました。 お尋ねの点についてでございますけれども、高規格堤防の整備に当たりましては、沿川のまちづくりや土地利用の転換に合わせまして、関係者の合意形成が図られた箇所において地区別の事業計画書を策定し、そういうものでございまして、整備区間全体について完成予定、事業費をお示しできるものではございません。
○田村智子君 いつ完成するか、事業費が幾らかは分からないということです。 では、百二十キロメートルのうち整備済みは何キロメートルで、進捗率、整備率は何%になるんでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えいたします。 平成二十六年三月末現在でございますけれども、整備を行った延長は約十二キロメートルでございまして、率として約一〇%になります。また、現在整備中のところも含めた延長でございますが、約十六・四キロメートルになりまして、率として約一四%になるということでございます。
○田村智子君 このスーパー堤防については、会計検査院が二〇一二年一月に本院に報告書を提出しています。この中で、国交省が整備済みの算出に暫定完成及び事業中を含めていることを厳しく批判をして、暫定完成や事業中の状態においては、破堤しないという効果は発現しないという意見を付しています。 スーパー堤防は、資料一でお示ししましたとおり、越水をした場合に決壊を防ぐためとして、通常堤防と高さは同じです。堤防の幅を高さの三十倍、三十Hといいますが、の緩やかな傾斜地にするというものです。 ところが、整備済みと算出されているが幅三十Hに達していないものが各地に見られます。このスーパー堤防の完成形である幅三十Hで整備されたものは百二十キロのうちどのくらいなんでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) お答え申し上げます。 堤防の高さの約三十倍の幅が確保されている延長、それにつきましては約三・四キロメートルでございまして、率といたしましては約二・八%になります。整備中も含めました延長は約六・六キロメーター、率といたしましては約五・六%でございます。
○田村智子君 スーパー堤防として完成をしているのは僅か三キロメートル余りということです。事業規模を当初計画の一四%に絞り込んでもなお進捗率は三%にも達していません。事業開始は一九八七年でしたから、二十七年が経過してこの整備率では、百二十キロメートル造るのに単純計算で九百年以上掛かることとなります。 この暫定完成の一つ、江戸川の平井七丁目地区を資料二の上の写真でお示しをしました。黄色い線がスーパー堤防の部分で、赤い線は国家公務員宿舎です。財務省は宿舎を一度取り壊して盛土の上に建て直すということに同意をしなかったため、次のページ、資料三のように、盛土が途中で終わっていて住宅地に断崖絶壁が造られています。ここをスーパー堤防にするのはいつになるのでしょうか。財務省との協議はどうなっているか、お答えください。
○政府参考人(森北佳昭君) お答え申し上げます。 御指摘の平井七丁目地区の公務員宿舎についてでございますが、ここにつきましては、宿舎が廃止される機会を捉まえまして高規格堤防を整備すると、そういうことで管理者と相談してきたところでございますが、平成二十三年十二月一日に発表されました国家公務員宿舎の削減計画におきまして、当該宿舎、廃止されずに引き続き使用されるということが決定をされました。 今後とも、管理者と連絡を密にしながら、機会を捉えて高規格堤防の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 国有地と国の施設でさえも暫定完成の状態がいつまで続くのか分からないという状態です。これ、断崖絶壁ですから、上に住んでいる方はつづら折りの階段を下りながら下に下りなければならないという状態です。 国交省は、三十Hでなくても堤防の幅が拡幅されているので堤防強化の効果があるという説明もしているんですけれども、会計検査院の報告では次のような指摘があります。段階的な施工となっている地区等の中には盛土が通常堤防と接していないため断面の拡幅が行われておらず、堤防強化効果を有していないと認められる地区等が見受けられたと。その事例として挙げられましたのが、次のページ、資料四の江戸川、千葉県市川市の妙典地区です。整備済みとされる延長一千百メートルのうち七百メートルは、通常堤防と盛土でかさ上げした部分がつながっていません。 国交大臣にお聞きします。会計検査院は、破堤しない効果が発現しないだけでなく、堤防強化効果を有していないとまで指摘をしていますが、どう受け止められますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 江戸川の妙典地区は、御指摘のように一千百メートルでありますけれども、四百メートルが堤防につながっているために高規格堤防としての機能を発揮しますが、七百メートルのところはいまだ低いままということです。低いところでは当然これは効果は発揮しません。 そこで、既存堤防とつながっていない、これ車両基地部分ということになろうかと思いますが、今後隣接する下流側で計画されている市川市の公園整備及び千葉県の下水処理場建設に合わせた高規格堤防の整備を検討して、関係者と協議を進めるということになっております。
○田村智子君 ここは車両基地ですからね、通常堤防があって、車両基地で途切れて、その後ろに盛土があって何の意味があるのかということなんですよ。そのことを会計検査院は厳しく指摘をしているわけです。このような事業が果たして堤防事業と言えるのかということだと思うんです。 更に事例を見てみたいと思います。 江戸川区平井四丁目、これ資料二に戻っていただいて、その下の写真なんですけれども、赤い線で囲まれた地区、ここが、東京電力の土地を住友不動産が取得をいたしまして、十四階建てのマンション建設の予定地となっています。ここは、その百二十キロ高規格堤防の対象区域ということで国交省と荒川下流河川事務所が住友不動産と協議をしたというふうに聞いていますが、いつから協議が始められて、どういう結果になったのでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えを申し上げます。 当該地区につきましては、平成二十五年七月でございますけれども、東京電力から民間事業者に土地の引渡しがなされまして、荒川下流河川事務所におきまして引渡しを受けた民間事業者と高規格堤防整備のための調整を行いました。民間事業者が事業工程そして事業採算等への影響、そういったものを懸念をいたしまして、結果として調整が調わなかったということでございます。
○田村智子君 調整が調わなかったと。新しいマンションですからね、一度建てたら建て直すというのは百年とか掛かるんじゃないかと思うんですが。そうすると、この東電跡地でのスーパー堤防事業は断念するということなんでしょうか、それとも住友不動産は将来盛土にするということを了承しているのでしょうか、もう一度お答えください。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えを申し上げます。 高規格堤防につきましては、先ほども申し上げましたが、平成二十二年の行政刷新会議の事業仕分受けまして、二十三年十二月に整備区間八百七十三キロから百二十キロに限ることとしたわけでございます。さらに、その後でございますが、今後の整備方針等を検討しておりまして、その結果、平成二十五年度、昨年からでございますけれども、約百二十キロの整備区間のうち、地元から強い要望があり、まちづくりとの連携スムーズにでき、そして広域避難場所として活用できるなど、地域の防災力向上に資するところなどにおいて整備を進めることといたしました。 当該地区につきましては、まちづくりの主体となる民間事業者との連携困難でございまして、広域避難場所等の地域防災力の向上に資する場所でもないというふうなことから、当面整備する予定はございませんが、今後とも、当該箇所を含めまして、この地域でまちづくりが計画されるそういった機会を捉えて高規格堤防を整備してまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 不動産会社もこんな形で盛土する必要はないと考えたということなんですよ。こんな事業が必要なのかと判断をされたということなんです。 会計検査院にお聞きをいたします。 二〇一二年一月提出の検査報告書では、まちづくりと一体でという事業スキームそのものについてどのような指摘を行ったでしょうか。
○説明員(堀部貢君) お答えいたします。 会計検査院は、参議院からの検査要請を受けました大規模な治水事業に関しまして、その会計検査の結果を平成二十四年一月に報告しているところでございます。 その中で、高規格堤防整備事業につきましては、その実施状況につきまして検査いたしましたところ、土地区画整理事業、市街地再開発等のまちづくり事業との共同事業により実施するという事業スキームは十分に機能していない状況が見受けられましたことから、今後、高規格堤防整備事業を廃止しない場合には、実現可能性のある事業スキームを構築することに留意して、事業を適切かつ効率的、効果的に実施するよう努める必要があるとの所見を述べているところでございます。
○田村智子君 まちづくりと一体の事業は機能していないと、事業を廃止しない場合は実現可能性ある事業スキームを構築することと。これは、言い換えれば、実現は不可能に等しいと言っているに、同じなんですよ。これだけの指摘を受けながら、まして人口密集地の百二十キロメートルでまちづくりと一体でスーパー堤防を造ろうとしがみつく、これが今何を引き起こしているか。まちづくりどころじゃありません、町壊しを引き起こしています。 江戸川区北小岩一丁目東部地区、地元では十八班地区と言われています。昨年五月、国は江戸川区との共同事業でスーパー堤防事業とするという協定を結びました。江戸川区がここの場所を、スーパー堤防事業を進めるんだということで、十八班地区だけを対象にしたまちづくりニュースを発行し始めたのは二〇〇六年のことです。そして、二〇〇九年十一月には区画整理事業を都市計画決定したんですけれども、住民の皆さん御自身で行ったアンケートでは、実に九二%がこの計画の白紙撤回を求めるという回答をいたしました。先ほど局長は地元からの強い要望があった地区と言いましたけど、強い要望は全くなかった、むしろ強い反対があったということです。 ところが、区の職員が夜討ち朝駆けで執拗に戸別訪問を繰り返して用地先行買収まで行う中で、くしの歯が抜けるように住民は十八班地区から移転をしていきました。区は、買収した土地をすぐに更地にして、住民に圧力を掛け続けました。江戸川区は、移転する住民に対しても建物を自分で除去するようにと求めまして、昨年十二月には、居住を続ける世帯、既に移転しているが建物が残っている世帯、計二十四軒に対して、一月三十一日までに建物の除去を行うように求める催告書まで突き付けています。北小岩地区については国会でも繰り返し取り上げられてきました。住民が江戸川区を訴える裁判まで行っています。大臣もこうした経緯は、東京で御活動、選出されている衆議院議員でもいらっしゃいますので、十分御存じのことだと思います。 私、先ほど来紹介してきましたけれども、平井地区、財務省や住友不動産が、必要ない、ノー、今事業は嫌だと言えば、スーパー堤防はこれ事業化しないんです。それは地権者としての意向を尊重する当然のことだと思います。ところが、個々の住民がどんなに反対しても、裁判までやっても、それでも国が共同事業として事業化してしまう。何でこういった事業が進んでしまうんでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(太田昭宏君) 非常にゼロメートル地帯が多くて、フィリピンでのこの間の大変な九十メートルのそうしたことが起きる、そして、二十二年のキャサリン台風以来、地下の構造物が多いというようなこともある。だから、本当にまず前提として考えていかなくちゃならないのは、首都直下地震ということも対応して、どういうふうに東京の下町を守っていくのかということが前提としてあるんだと思います。そういう中で、スーパー堤防は極めて有効であるという認識はこれは変わりはないわけで、ゼロメートル地帯を中心にして百二十キロということを再度、これは民主党政権のときに事業仕分をして、民主党政権のときに決めたことでありますけれども、そういうことで再びスタートを切るということにしたところです。 それぞれの区についてはそれぞれの調整という、強制力がありませんので話合いということが行われて、なかなか進まないということは事実ではあります。事実ではありますけれども、粘り強くそこは、この東京の町を守るということの中での努力というものはしていくということが大事だろうというふうに思います。 今御指摘のところは、これは、その中でも江戸川区から強い整備の要望があり、全員反対だとおっしゃっておりますが、決してそうではなくて、江戸川区から強い整備の要望があって、土地区画整理事業としてこの地域が指定をされていると。その土地区画整理事業という中で今一人一人に対して説得が行われているという状況だと承知しております。
○田村智子君 それだけ急がれる事業だったら何で財務省のところがスーパー堤防にならないんですか。おかしいじゃありませんか。住民合意ができてもいない地区なんですよ、今も住み続けているんですから。江戸川区が要望したらそれでいいのかと。江戸川区は今、篠崎公園地区でもどんどん家潰して、先行買収やって更地にしちゃっているんですよ。更地に囲まれて取り残される家がどんどん増えているんですよ。 私は、これまで国交大臣や国交省は、私たちが国会でスーパー堤防の問題取り上げるたびに、住民の意向を尊重すると、住民が嫌と言えばやりませんと言ってきた。住民が七年、八年と合意できないと言い続けているのに、その声を聞かずに事業が開始される。こういうやり方は断じて認めるわけにいきません。 江戸川区は今、十八班地区に今も居住している方々に対して、住宅を強制的に取り壊す直接施行の準備に入ると、こういう表明をしています。国交大臣が繰り返し住民の意向の尊重と言ってきたスーパー堤防事業で、こういう脅し、現に人が住んでいる住居の取壊しの強行、あってはならないと思いますが、大臣いかがですか。大臣です。時間ないので大臣です。
○国務大臣(太田昭宏君) まず、江戸川区が当該土地区画整理事業について施行者であるということです。そこの施行者の判断というものが極めて大事だということは、全部同じように言ったり、あるいは江戸川区がそういうふうに決めても、全員の人が反対だということではなくて、現実には、ここは土地区画整理事業をやりましょうということを江戸川区が、施行者である江戸川区が決めて、そして是非ともやりたいということを言っているという、そういう意味でのこの事業であるというふうに承知をしています。 追い出しに掛けるということをおっしゃっておりますが、二十三年にこれが決まりまして、そして全体九十三軒のうちに八十七軒についてこれまで契約が完了して、六軒が契約ができていないという状況です。この六軒についてどうしようということで、まさに江戸川区の土地区画整理事業の中でこれをどう考えるかという、この状況を踏まえて、施行者である江戸川区において残る六軒の方々との対応を検討しているものだと承知をしているところであります。
○田村智子君 これは江戸川区の事業ではないんですよ、もう共同事業なんですよ。 じゃ、国交大臣、住んでいる方がいらっしゃるのに目の前で取壊しやってもいいよと言っちゃうんですか。共同事業なんですから、これちゃんと住民の皆さんともう一度話合いをやるべきだと思いますけど、いかがですか。
○国務大臣(太田昭宏君) これは、施行者は、江戸川区が決めて土地整理事業でやっているんですから、そこが地元としての合意した、そこには議会も当然あろうと思います。多くの方々に話を聞いて、九十三軒のうち八十七軒のところまで現在行っているという事実というのは見ていく必要が私はあろうと思いますが、なお、その六軒について、単なる強引に出ていけというのではない、いろんな説得の対応をしているというふうに承知をしています。
○田村智子君 七年も八年も区から嫌がらせを受けていたら、嫌でも出ていく人は増えていくんですよ。当たり前のことなんですよ。泣く泣く出ていった方が何人いると思っているんですか。 私は、二〇〇七年からこの北小岩十八班地区のスーパー堤防の問題に何度も関わってきました。何度も足運びました。住民の皆さんは、なぜこの地域にスーパー堤防を造る必要があるのか分からないと、こういう問題提起をずっとし続けてきたんです。 これは国土交通省にお聞きしますが、端的にお答えください。北小岩のこの地区は、過去に江戸川の氾濫による水害が繰り返された地域なんでしょうか。江戸川の堤防として、スーパー堤防をやる場所は弱い箇所だということなんでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) お答えいたします。 当該地区につきましては、堤防決壊等による氾濫被害発生したという記録はなく、また通常堤防としてのおおむね必要な断面はある状況ではございますけれども、先ほど大臣からもお話ございました、洪水というのは自然現象でございまして、昨今の異常気象の中で計画を上回る規模の洪水、頻発をしている中で、仮に計画を上回る規模の洪水が発生し、江戸川の堤防を越流をして堤防が決壊すれば、ゼロメーター地帯の地域に壊滅的な被害をもたらすことになります。 したがって、計画を上回る規模の洪水に対しても決壊しない高規格堤防を整備を行っていくこと、極めて重要だと考えております。
○田村智子君 江戸川河川事務所が想定破堤点というのを二十五か所挙げているんですが、当該地区はその中にも含まれていません。 会計検査院の報告では、所見として次のように記されています。高規格堤防整備事業が、その整備に相当程度の期間と費用を要する事業である一方で、通常堤防の整備や堤防強化対策は、治水上、早期の完成が望まれることから、通常堤防の整備や堤防強化対策の優先的な実施を検討することと。 この江戸川でいえば、冒頭で示しました妙典地区、ここでは通常堤防とスーパー堤防がつながっていないというだけでなく、その通常堤防が暫定完成のままです。にもかかわらず、その通常堤防の脆弱さはそのままに盛土の事業が進められています。会計検査院の報告書でも、当時のスーパー堤防の対象六河川で、通常堤防の完成割合は六四・四%と指摘をされています。 今やこのスーパー堤防事業は、造られている場所を見ても、盛土点在事業なんですよ。それに成り果てているんです。こういうスーパー堤防事業、これ抜本的な見直し、もう私は廃止をしてでも本当に必要な堤防強化を計画的に進めることこそ求められていると思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(太田昭宏君) 東京の下町、ゼロメートル地帯の状況からいい、今の気象状況からいい、また首都直下地震が切迫しておるということからいい、そして荒川と利根川とそして江戸川、こうしたところの河川と地域性ということから申し上げますと、二十二年のキャサリン台風ということを申し上げたんですが、私は、極めて脆弱性を持っている、ここは守っていかなくてはならない。 そのときの堤防の在り方、河川のコントロールの在り方。堤防を高くするというやり方もある、スーパー堤防というやり方もある、そして川底を掘るというやり方もある、そしてまた遊水地を造るということもある、そしてダムを造るという河川の制御の仕方もある。様々なものをよく考えて一番的確な堤防というものを建設していく。そのときに住民の話は当然聞いていかなくちゃいけないということを私は考えながらこの問題には当たりたいというふうに思っているところです。
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っております。
○田村智子君 会計検査院の検査というのは本委員会の要請によって行われたものです。報告書を本委員会が重く受け止めて、政府に対して意見を述べることを強く求めまして、質問を終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。 先日、自民党の塩崎衆議院議員のメールマガジンを読んでいたら、こういう文章があったんですね。松山市北土居町の町内の各種集まりの際に必ず出る話題がある、平成三年に都市計画決定され二十年余り、大きな道路が住民街を抜けることが決まっているのに一向に具体化しないが、高齢化も進む中、住居の移転等をどうしたらいいのか決めかね困っているというお叱りだ、こういう文章だったんです。それに対して塩崎衆議院議員が、それよりも何よりも重要な問題は、二、三十年間もの長きにわたり生活拠点である住宅の転居問題が不透明なまま放置され、その不安や不都合の緩和や解決を図ろうとの姿勢が政治や行政に欠如してきたことだというふうにお書きになっていらっしゃるわけですね。 要するに、道路の計画決定をしたらもうこっちのものだ、そのままほっておこうという、そういう住民の不安や不都合の緩和の解消を図ろうとしない行政に対して、まずいんではないかと塩崎先生は御指摘しているわけですが、私も確かにこれは私有財産権の一種の侵害だと思っています。 このメールを読んで、私、ふっと気が付いたことがありまして、これ実は、もう私がかなり若いときから同じような問題、これはこういうところであれなんですけれども、実は私の親族に起こっていた問題で、若い頃はかなりかっかきていたんですが、全く取り付く島も行政がなく、かつ長い間かっかしていてもしようがないんで忘れていたところを、このメールを読んであっと思い出して、そういえば今度国交大臣にお聞きする機会があるということで今日この問題をちょっとお聞きしたいなと思ったんですが、それはやっぱり多くの人間が同じような問題を抱えているということ、そして若いときに思っていたのは、これは憲法違反じゃないかなと思ったんですよね。 そういうことでちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、まず、憲法第二十九条には、財産権に対して、まず第一項で、「財産権は、これを侵してはならない。」、これは当たり前の話だと思うんです。第二項で、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」、第三項として、「私有財産は、」、正当な補償の下にですよ、「正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と、こう書いてあるわけです。 集団的自衛権ではないですけれども、憲法というのは非常に重いものでございまして、当然守らなくちゃいけない。それにもかかわらず、何かこの第二十九条に関しては極めて軽く扱われているんじゃないかなと、こういう印象を持ったわけなんで、今日、計画道路について質問させていただきたいというふうに思っています。 まず、基礎的な質問なんですけれども、計画道路を敷くとかそれから又は道路を拡幅する場合に、どういう手続で、そしてまたどういう部署が決定しているのか、これは基礎的な質問ですけれども、国道に関して、それから、若しくは県道、都道に関して、どういうところがどういう手続で決定しているのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答えをいたします。 国道も含め、都道あるいは県道等の都市計画道路、新設の場合も広げるような改築の場合も、これを都市計画で定める場合は各県の都市計画担当部局、具体的には通常都市計画課と言われますが、そこが当該道路を造るところ、例えば国道ですと国、地方整備局等の道路部局、道路計画課というところが計画を作りますが、また県等の道路整備担当部局、通常道路建設課と言われるところがございます、ここと事前に、どういう位置を通すか等、事前に協議をしながら都市計画の案を作成します。必要がある場合には公聴会というものを開催をして、住民の意見を聴く等の措置、これは法律にも書かれておりますが、その上で、その案を公告縦覧、官報等に載せた上で一定期間見ることができるようにいたします。その上で、第三者機関である都市計画審議会、各県設けられておりますが、有識者等が入った都市計画審議会の議を経て都市計画を決定すると。かような手続が法定されているところでございます。
○藤巻健史君 都市計画が決定された後、事業計画になり、そして予算が付くというふうに理解しておりますけれども、その際、憲法第二十九条三項の「正当な補償の下に、」の、その正当な補償というのはいつ払われるのでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答えを申し上げます。 土地を都市計画道路のために買い受ける場合、この土地の売買代金、あるいは家屋がある場合には家屋の移転補償をさせていただきます。これらについては、土地の所有者との協議を経て、土地の売買契約あるいは物件の移転補償契約を締結した時点で支払われることになります。
○藤巻健史君 契約をすることですから、公と民間とで契約するわけでしょうけれども、計画道路になった時点でその土地というのはいろんな制約があるというふうに私は理解しておりますが、どういう制約があるんでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) お答えを申し上げます。 道路の拡幅につきまして都市計画決定がされた場合は、当該道路の区域内において大変、我々の言葉で堅い建物と言いますが、しっかりとした鉄筋コンクリート等が建ちますと容易に除却をできない、あるいは除却は物理的に可能でも大変お金が掛かるということで、制約を掛けております。具体的には、法の五十四条、都市計画法五十四条で、三階以上の建築物や地階を有する建築物等の建築が制約をされるということになります。 ただ、今分かりやすく申し上げましたが、法律上では、ここで認められるものは、二階以下の建物で地下のない木造又は鉄骨造の建築物についてはこれを許可しなければならない、逆に一定以下のものは必ず許可ができると。したがいまして、それ以上、例えば三階のものを認める、あるいは四階のものを認めるかというところは自治体の判断になっております。 例えば、東京都の二十三区等では、優先的に近々整備をするような道路を除き、高さ十メートル以下の要件を満たす場合には三階まで建築が認められていると。このように、大都市等、土地利用が高度にされる都市につきましては、自治体の方で二階以上、三階まで認める、四階まで認めるというようにバリエーションがございます。
○藤巻健史君 東京都の場合には、かなり容積率の高い、若しくは高度制限のないようなところ、すなわち十階程度建てられる、マンションが建てられるような場所があると思いますが、そのところでも通常二階、場合によっては三階、四階が建てられるということでしたが、これ、やっぱり相当な逸失利益というのがありますですよね。十階建てを建てられるところがあって、それは二階まで、三階、四階と認める自治体ならいいですけれども、二階までということであるならば八階建ての逸失利益があるわけですけれども、その逸失利益というのはどのくらいだったら不動産所有者が耐えなくちゃいけないようなものだとお考えでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) ただいま逸失利益ということのお尋ねがございました。 都市計画決定をした場所での権利制限につきましては、法解釈としては、土地の権利者が公共の福祉のために受忍すべき社会的制約に基づくもので、財産権に対し一般的に加えられた内在的制約であり、特定の者の財産権の行使の自由に対する特別の制限ではない、憲法二十九条三項に基づく補償を要しないものであるというのが法律の解釈として私どもしております。 都市計画道路についても、これまでの裁判例では、この公益性に鑑みて受忍の限度内であるとされており、逸失利益も存しないという解釈から、憲法二十九条第三項に基づいて逸失利益の補償を行った事例はございません。
○藤巻健史君 憲法第二十九条の三項に「正当な補償の下に、これを公共のために用ひる」ということが書いてありますけれども、その憲法解釈として、十階建ての建物が建つところに二階建ての建物しか建てられない状況をこれは逸失利益というふうには考えないということでございますね、今の理解だと。
○政府参考人(石井喜三郎君) 今私が申し上げたのは、それは逸失利益とは考えないと、二階までに制限をしている、あるいは三階までに制限をしているところに十階建てたいとおっしゃる地主さんがいらっしゃって、その差七階分を逸失利益というふうには考えておらないということでございます。
○藤巻健史君 じゃ、現実問題としてお聞きいたしますけれども、現在の第一京浜、国道十五号線、それから第二京浜、青梅街道、甲州街道で拡幅計画が計画決定されているというふうに理解しておりますが、計画決定がされてからそのままになっているところ、要するに事業決定若しくは予算が付いていない、買収が終わっていないところ、それはどのくらいあるのか、そしてその計画決定はいつ計画決定がされたのかをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 先生御指摘のいずれの路線も終戦直後、昭和二十一年に、東京都の幹線道路はいずれもこの時期に都市計画決定がされております。 具体的に御指摘のあった路線ごとにお答え申し上げます。第一京浜については、東京都内で、港区芝四丁目や大田区東六郷など六キロの区間が事業未着手でございます。第二京浜については、東京都内、品川区戸越から大田区多摩川間の七キロが事業未着手でございます。青梅街道については、中野区、環六と環七の間約三キロが事業未着手でございます。甲州街道は、都市計画決定の幅員で整備済みの状況でございます。 これら四路線でございますが、先ほど申し上げたとおり、昭和二十一年に都市計画決定がされております。四路線の二十三区内の延長が約七十キロでございます。順次事業を実施し、これまで五十キロにつきましては都市計画の幅員でおおむね事業が完了しております。 現時点では、先ほど各区間について事業未着手のところを申し上げたところでございますが、大変都市機能が密集したところでございます。厳しい事業でございますが、引き続き事業推進に努めてまいりたいと考えております。
○藤巻健史君 お答えの中では事業決定して拡幅が行われている距離をおっしゃっていただきましたが、逆計算をしますと、第一京浜については約七・五キロ、第二京浜については七・三キロ、これが昭和二十一年ですよ、七十年前に計画決定されて、十階建ての建物が建つようなところを二階建ての建物しか建たないんですよ。それを七十年間も、まあ確かに一年間、二年間だったら逸失利益として解釈しないというのは分かりますけれども、七十年間もほったらかしにしておいて、それを逸失利益と言わないんですか。十階建てだったらマンション建つんですよ。それを七十年たっていても、これワンサイクルとして大きな投資ですよ。 その投資がゼロになるということで、これは私は明らかに私有財産権の逸失だ、に抵触していると思うんですけれども、七十年間、計画を作っておいて何にもしないでほったらかしにしておいて、それを不動産所有者の、諦めろ、我慢しろと、我慢するべき義務だとおっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 大変心苦しい答弁をさせていただいて大変恐縮でございます。 先生御指摘のとおり、減価償却期間等を勘案しますと、七十年というのは大変長い時間であるということは私どもも承知をしておりますが、都市計画制限については、従来から法解釈でこれらは受忍限度内であると、また最高裁の判例でも、公益性に鑑みて受忍の限度内であり、逸失利益は存在しないと、憲法二十九条第三項に基づいて損失補償を行う必要がないというのが判例でございます。
○藤巻健史君 憲法解釈だということなんですけれども、七十年をもって、ほったらかしにしておいて、それを受忍の限度内だというふうに行くのは余りにも横暴じゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 私も現場を回っていまして、そういうことで環七と環六の間とか、その辺いろんなことがあります。それで、もうこれをやらないなら、もうはっきりやらないという宣言をしてそこを見直していくということが大事だろうということを思いました。 ただ、また一方では、この間の虎ノ門ヒルズから環二というのが動き出したというようなことがありまして、これもいわゆる戦後六十数年ぶりで環二が通って、これが二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに役立つというような時代が突然訪れるというようなことも現実にはあります。 国交省としましては、そんなこともありましたものですから、長期未着手の検証調査というのをやらせていただきまして、その結果として見直したところ、千六百三キロメートルを廃止ということもさせていただいたりしているところでございます。ここを廃止するしないというのは、また歴史もありますものですから、今後の各都市、また国道でいえば国ということになろうかと思います。この国道も各地域との関連性ということが当然出てくる問題だと思っておりまして、調査ということを、私としてはこれまでやってきた調査という延長線上で物を考えるということだと思います。 なかなか本当に難しい、そこに住んでいる方にとって、あるいは建て替えをしたい人にとってはたまらない問題だということは承知ですが、むしろ都市計画ということのその根源的な点からのどうするかということを検討するという段階に来ているのではないかというふうに思っています。
○藤巻健史君 第一京浜に関しては、第一京浜国道に関しましては、これ一九八〇年のこういう記事があるんですけれども、このときにもう廃止をということを都議会に言って、これ全く無視されているというので、それからまた三十四年たっているわけで、まさに行政と政治の怠慢の典型ではないかと私は思っています。 少なくともその間、私の知っている限り、全く行政から状況説明何にも来ないんですよね。そんなことってあり得るのかなと。私はやっぱり七十年、まあ五年、十年ほっておけというのはこれは受忍の限度かなと思いますけど、七十年って人の一生、何にも、ほったらかしにしておいて、それで行政から、先々のめども付かないし、何か文句を言いに行くのも取り付く島もないという、幸い私は議員になったのでこういう質問を、皆さんの代表として、いろんな方が多くの問題あると思うし、余りにもひど過ぎると思うから質問させていただいていますけれども、七十年ほったらかしというのは余りにも過激過ぎる、余りにもひど過ぎると思います。 それに対する補填って何かやっていたんでしょうか、要するに都市計画で使えないということに関して。当然のことながら、補償か何かやっていたかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) まず、情報提供の点でございますが、一度も説明ない、けしからぬという厳しい御指摘を頂戴をいたしました。 特に、やはり長期にわたり未着手の都市計画道路について、先ほど七十キロのうち五十キロは逆にやってきているということで、それらの進展もお伝えをする、あるいは、見直しをした場合にはどこを見直したのかということをお伝えすることが重要であるということで、都市計画は自治事務ということで地方公共団体の権限に属するというものでございます。 そこで、国土交通省では、都市計画の運用指針ということで法律で認められた技術的助言を行っております。その中でも、都市計画に関する情報開示を促進をしていただきたいと、住民が具体に都市計画を常に確認する、理解する機会を与えられるように情報開示を積極的に進めてほしいと。特に、昨今ではホームページという、インターネットを活用して容易にその現状を確保できるようになっておりますので、これらを是非とも積極的に活用するようにというアドバイスをさせていただいております。 加えて、先ほど大臣より見直しの件を申し上げました。都市計画は、人口の状況あるいは経済社会情勢に応じて必要性が刻々変化をしてまいります。その必要性に応じて道路の見直しをしていただきたいということも、今の同じ運用指針の中で累次にわたって技術的助言をさせていただいております。 今、東京のことが事例に出ましたので、東京の例について何もやっていないかというと、具体的には、先ほど、二十一年に都市計画の大きな道路の決定がされましたが、一番早くは昭和二十五年、シャウプ勧告に基づいて計画決定をしていた幅員を大幅に縮小しております。昭和三十九年、四十一年の二年にわたっては、約千路線、千四百キロについてこれは廃止を東京都内でしております。それから、昭和五十六年と平成十五年につきましては、都市防災の観点あるいは国際化の観点等を踏まえて、広くするものあるいは廃止をするものということで、ここでも大規模な都市計画の見直しをしておりまして、これらについては東京都の方で官報あるいは都の区報あるいはホームページということで最近ではお知らせをしているところでございます。
○藤巻健史君 私が今お聞きしたのは補填があるかという、補填というのはあるかということなので、そちらを先にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(石井喜三郎君) 都市計画の権利の制限につきましては、先ほど来お答えを申し上げているように、受忍の限度内、逸失利益は生じないということで、これらについて特別に補填の制度はないものというふうに承知をしております。
○藤巻健史君 私の理解ですと、固定資産税の減免はないのかなと思って、ちょっとチェックすれば分かる話なんですけど、ないのかなと思っていますし、確かに相続の場合には計画道路に引っかかっている部分だけ二割の減免があると思うんですが、それ、逸失利益ないというふうにおっしゃいましたけれども、逸失利益に比べたら本当に微々たるもので、金額的には。これは、確かにおっしゃるように何にも、計画決定した後はもう行政の好き勝手というふうに私は理解しております。全く補填もなく、そのままほっておく。これ、百年も二百年もほっておかれたら本当に財産を持っていかれたのと同じだと思うので、受忍の限度ははるかに超していると思いますので、その辺を十分理解していただければと思います。 先ほど私、四か所しか申し上げなかったんですけど、第一京浜、第二京浜、青梅、甲州街道。東京都内、今おっしゃったのは着工したプラス面をおっしゃいましたけど、まだまだ大きい道路以外にもかなりの部分が計画決定をもう数十年前にやって、そのままほったらかしにされている場所はあると思うんですが、あるか教えていただけますか。私は幾つか認識しておりますけれども、どのくらいあるのかお教えいただけますか。
○政府参考人(石井喜三郎君) 主要道路以外ですね、先ほど申し上げた。全体としてはどういう状況かとまず申し上げますと、全国で都市計画決定された街路全体でございますが、その総延長が六万五千キロ、これは去年計画決定されたものとかそういう最近のものも全部含んでおりますが、六万五千キロございます。そのうち事業がまだ未着手のものが二万二千キロでございまして、計画延長全体の約三四%になっております。ただ、これらにつきまして平成二十年度から積極的に見直しを進めるといったことの効果もありまして、この未着手路線の割合というのは、平成二十年から二十四年度で約三ポイント減少をしております。 それから、先ほど申し上げました未着手区間でございますが、その中で特に終戦直後に計画決定をされた、これが結構多うございますが、そのものについて言いますと、二千五百キロぐらいが未着手で残っておるという状況でございます。
○藤巻健史君 数年間我慢しろというのは受忍の限度だと、これは私は分かります。でも、戦後直後に計画道路決定して二千五百キロも、財産権、私にとっていえば、私はこれは憲法に言う財産権の、公共の補償なしでの財産権の侵害だと思うんですけれども、余りにも七十年は長過ぎる。やっぱりきちんと、何もやらないでほったらかしにするというのはやっぱり行政と政治の怠慢だと思いますので、これは是非、大臣、熱心に解決を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 七十年は長過ぎるということについては同じでございます。そうしたことをよく踏まえて、どうしたらいいのかということについて考えていかなくてはいけないというふうに思います。
○藤巻健史君 十分検討を加えていただきたいということで、次に法務大臣の方にもお聞きしたいと思いますけれども。 我が国では死刑があって、死刑の次に無期懲役になるわけですね。昔から思うんですけど、やっぱり死刑廃止論もあります。でも、死刑廃止になって無期懲役になると、がくんと、何というんですかね、刑量が軽くなってしまう気がしますし、死刑を廃止するしないは別としまして、判決が死刑、じゃなかったら無期懲役というのは、がくんと刑の重さに段差があると思うんですが、終身刑というのを他国のようにつくる予定はないのでしょうか。お聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、藤巻委員が提起された終身刑の問題は今までも度々議論されてまいりました。そして、その議論の方向は、今もお触れになりましたけど、二つの方向があったと思うんです。一つは、死刑制度に疑問を持たれる方々が、いきなり死刑廃止というのは難しいかもしれないと、しかし、終身刑というものをやることによって、そっちの方に流れていって死刑廃止ということに結び付くんじゃないかというお考えの方もかなりいらっしゃると思います。他方、今の藤巻さんのお考えは、どちらかというとギャップがあり過ぎると、それで、特に無期懲役といってもかなり早く出てきてしまうので、終身刑みたいなものが必要ではないかというそういう御議論と、二通りの議論があったと思うんですね。 それで、私自身は、十数年前に当時の与党である自民党と公明党の中にプロジェクトチームをつくりまして、私が座長になりまして、最後は私、人事異動で替わってしまったので保岡興治先生に譲ったんですが、かなり熱心に十数回議論をいたしました。 そこで、議論は結局のところ、はっきりした結論にはならなかったんですが、無期ですと仮釈放というのがある、仮釈放を許さない終身刑については社会復帰の望みがなくなる、それで生涯拘禁されるという受刑者に絶望感を抱かせる、そういう意味で極めて過酷な刑罰ではないかというような御議論がありました。それから、長期間の拘禁を続けると、拘禁反応といいますか、受刑者の人格に相当支障があるのではないかというような御指摘もありまして、当時のその勉強会、最後は保岡さんがまとめられたんですが、大事な制度であるけれどももっと幅広く議論しようというようなことで終わりました。 今日の答弁書には、実は事務方の作った答弁書には書いていないんですが、私自身はなるほどなと思ったのは、刑務所の職員、矯正を担当しておられる方から、例えば無期であれば、少しでも、何というんでしょうか、ちょっと俗な表現になりますが、真面目に勤めることによって早く釈放されるというようなことがやっぱりプラスというんでしょうか、そういうことで改善、矯正の実が上がるけれども、どんなにきちっと勤めてももう生涯出られないんだというと、とても実務上やり切れませんというようなお訴えがあったのが印象に非常に残っているところでございます。 それから、藤巻委員のおっしゃった、ちょっと今日は実は数字が間に合わなかったんですが、当時は今よりもかなり無期で仮釈放になるのが短かった。それで、そういう終身刑の議論が起こって、若干、もちろん事例にもよりますから一概には言えませんが、全体としては仮釈放になるのが少し長くなったような感じを私は受けております。 いずれにせよ、かなり行刑の根本に関わります問題がありますだけに、私は今、以前のそういう勉強会の結論で、もうそこで一応私の思考はとどまっておりまして、そこから進歩はしていないんですが、かなり行刑の基礎にわたるだけに幅広い議論をしないと結論が出しにくいのかなと、このように考えております。
○藤巻健史君 ありがとうございます。 もう一つちょっとお聞きしたいんですが、自転車について、これは私の感覚論からの議論なんですけれども、確かに自転車というのは、最近、軽車両ということで、車道と歩道が分かれているところは車道を走らなくちゃいけないということになったと思います。最近どうも皆さん車道を走っているわけなんですが、私、車を運転する身としてはかなり冷やっとしたこともあるわけですね。例えば、環八の左カーブを走っているときに、坂上りながら走っていたら、向こうからママチャリで後ろに赤ん坊を乗っけた女性が反対側の方から突っ込んできまして、私、左折するので冷やっとしたことがあるんですけれども、これ本当にあの改正はよかったのかなと。 確かに歩道での高齢者と自転車の事故は減ったかと思うんですけれども、車道において車と自転車の事故は増えたんじゃないかなという感想は持つ、感覚というか、感想は持つんですが、それはいかがかということ。そして、もし自転車を車道で走らせるんだったら、もうちょっときちんと赤信号の取締りとかやっていただきたいということ。そしてもう一つ、これは質問なんですけれども、俗に言うママチャリとそしてスポーツ車とを分けて法規制をすることはできないのか。これは難しいのかもしれないですけれども、その辺をちょっとお聞きしたいなというふうに思っております。
○政府参考人(倉田潤君) お答えいたします。 自転車の車道走行に関しましては、これまで政府の交通対策本部、これが平成十九年七月十日付けの決定で自転車の安全利用の促進についてというものを決定しておりますが、これに基づきまして、自転車は車道が原則であることなどを記しました自転車安全利用五則を活用することによりまして、ルールの周知と歩行者の安全を確保する見地から広報啓発が図られているところでございます。 また、警察庁におきましても、平成二十三年十月に、良好な自転車交通秩序を実現するため通達を発出いたしまして、自転車は車両であるということを交通社会を構成する全ての方に理解してもらうことを重点に諸対策を推進しております。 この間、平成十九年中の自転車が関係する交通事故発生件数、これは十七万一千百六十九件、このうち相手当事者が自動車の事故は十四万一千三百六十七件でございました。平成二十五年中の自転車が関係する交通事故の発生件数は十二万一千四十件、このうち相手当事者が自動車の事故は十万二千百十八件でございまして、いずれについても減少をしているところでございます。死亡事故について見ましても、平成十九年中は七百五十一件で、このうち対自動車は六百六十五件でございましたが、平成二十五年中は六百三件で、このうち自動車は四百九十三件ということでございまして、減少をしているところでございます。 車道を走行する自転車の運転マナーが悪いのではないかと、これに対する対策はどうなのだという御質問でございますけれども、警察におきましても、これまで子供、高齢者等を対象に自転車教室の開催、あるいは企業に対する従業員の安全な自転車利用に向けた働きかけなどに努めております。ちなみに、平成二十五年中は全国で自転車教室を約四万六千回開催したところでございます。また、指導、警告に従わないで無灯火ですとか信号無視とかをするような悪質、危険な交通違反に対しましては交通切符を適用する等の検挙措置も講じておりまして、指導、警告は二十五年中は二百四十一万八百八件、また七千百九十三人の自転車運転者に対して検挙措置を講じたところでございます。 自転車利用者にはいろいろな方がございますが、そのそれぞれのニーズをよく踏まえながらも、しかしまた、交通ルールを守っていただくようしっかり啓発をしてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っております。
○藤巻健史君 ありがとうございました。質問を終わります。
○柴田巧君 結いの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。 さて、この委員会ではいわゆる省庁別審査が進んでおりますが、この平成二十三年度、二十四年度の省庁別審査でございますが、特にこの二十四年度の決算報告の特徴といいますか、会計検査院が調査で力点を置いたのは、いわゆる人命に関わる防災事業であったり、あるいはインフラの維持管理でございました。そして、その多くが非常にずさんなものであったという実態が浮かび上がったわけでありまして、国土強靱化といいますか、どんどん新しい公共事業をやる前に、まず既存のインフラの維持管理をしっかりやるというのが極めて重要なことではないかと思いますし、この点検、補修、更新、長寿命化、こういったところにより重きを置いていく必要があるのではないかと思いますが、こういう観点から幾つかお聞きをしていきたいと思います。 まず、土砂災害情報相互通報システムというのがございます。これは平成十二年から国交省が導入を始めた事業ですけれども、台風や集中豪雨などによる土砂災害から人命を守るためにということで整備を進めていったわけでございますが、これはその名前のとおり、行政が一方的に住民の皆さんに情報を提供するのではなくて、住民の皆さんからも災害の前兆をいろんなことを通じて行政側に伝えてもらう、そういう相互システムのものなので大変非常に意味のあるものだと思っておりますが、これが、会計検査院の調査によると、このシステムを整備した実績のある十五府県を調査したところ、その情報提供に不備がたくさんあったということでございまして、例えば情報機器のメンテナンス不良で自治体から住民へ情報提供ができなかったり、あるいはシステム機器が故障しているにもかかわらず修理が行われなくて住民から行政側に情報が伝わらなかったりと、情報提供ができないという事態が幾つもあったということでございます。 この事業はもろもろ入れると百二十億掛かっております。国費がおよそ六十億、その半分の六十億余りだと思われますが、せっかくそういういいシステムを導入をしたにもかかわらず、実際はそういう事態がたくさん起きているというのは大変ゆゆしきことだと思います。これは、住民の皆さんの命を守るために、緊急避難に役立てるためにと導入したにもかかわらず機能を果たしていないということは、やっぱり国交省としても重く受け止めなきゃならぬと思いますが。 そこで、この会計検査院の指摘を受けて、都道府県にどのように助言を行っているのか、また双方の情報提供ができるシステムを再整備する必要があると思いますが、どのような支援を行っているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(森北佳昭君) お答え申し上げます。 土砂災害情報相互通報システム整備事業でございますが、会計検査院の指摘を受けまして、名称と交付金要綱を見直しをいたしました。土砂災害情報共有システム整備事業として、土砂災害の前兆、発生等の情報を地方公共団体と住民が双方向に伝えて共有するシステム、そうすることを交付金の交付要綱といたしました。また、システムが災害時に確実に使用できるように、防災訓練等の機会を通じまして関係者が使用方法を確認するとともに、システム機器の点検さらには補修を実施する等、適切な管理を実施するように技術的な助言を行っているところでございます。 国交省といたしましては、この土砂災害情報共有システム整備事業、これによりまして、雨量等の情報に加えまして、住民から提供されます土砂災害に関する情報、これが有効に活用され、適切に警戒避難が行われますように努めてまいりたいというふうに考えております。
○柴田巧君 多額の税金を投入してつくったシステムです。ややもすれば、役所というところは、国であれ地方であれ、やったらそれっきりというところがあって、本当にそれが有効活用されているのか、機能を果たしているのか、所期の目的を達成しているのか、人命に関わることだけに国交省としても、今答弁がありましたけれども、しっかりチェックをしていただいて、支援をすべきところは支援をしていただきたいと思います。 それから、これはつい最近といいますか、この二月に会計検査院から国交省に対して指摘がありましたが、洪水ハザードマップの件でございます。 御案内のとおり、豪雨時などに浸水が想定される地域や避難場所をまとめた洪水ハザードマップ作成事業、河川の浸水想定区域などを公表して、国や都道府県がですね、それを基に各市町村がマップを作成することが水防法で定められているわけですが、これについても抽出調査をしたところ、二十三都道府県で調査をしたところ、四割に当たる百三十五市町村でマップに不備が見付かったということでございます。 例えば、県などが浸水想定区域を決めたことを通知をしていなかったり、あるいは県から通知を受けたにもかかわらず、独自に作成した防災マップがあるからということで水防法に基づくマップが作られなかったり、あるいはマップにいろんな情報を記載しなければなりませんが、浸水の深さとか洪水予報の伝達方法等、定められているものが記載されていないという不備などがございました。 これは自治体などの認識不足もあるんだろうと思いますけれども、やはり法令に基づいて洪水ハザードマップを作成するように国交省としても周知をしっかりやる必要があるんだと思いますが、この会計検査院の指摘を受けて、今どのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(森北佳昭君) 会計検査院から浸水想定区域の指定、さらには洪水ハザードマップの作成等について、先生今お話しのとおり、改善要求、この二月二十四日にございました。これを受けまして、国土交通省では、去る二月二十五日でございますが、会計検査院から指摘を受けました地方整備局、都道府県、そして市町村等に対しまして改善を図るように文書で通知をしたところでございます。またあわせまして、今回指摘を受けていない地方整備局、都道府県、市町村等に対しましても、点検を行い、そして必要に応じた改善を行うよう周知したところでございます。 今後、その改善状況について定期的に私ども調査を行いまして、洪水ハザードマップの作成等、これが適切に行われるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○柴田巧君 是非、適正にマップが作成されるようにいろんな取組していただきたいと思います。 二十四年度決算の検査報告に戻りますが、その中で指摘がありましたのは、いわゆる高速道路の跨道橋についてでございます。会計検査院の調査によれば、跨道橋の検査で、未点検が六百三十五本、点検状況不明が五百四十八本あったということでございますが、高速道路の跨道橋、多くは市町村なんだろうと思われますが、鉄道会社であったり独法であったり、いろんな管理をするところは多くあるんだろうと思いますけれども、この跨道橋がもし高速道路上に落ちてきた場合に大惨事になる可能性が高いわけですし、災害時に高速道路は緊急輸送路になるわけですが、それが機能できないということにもなりかねないわけですから、このことについてもやはり国交省としては強い関心を持ってやっていかなきゃならぬのではないかと思います。 したがって、まずこの点検体制をしっかりやっぱりこの機会に見直すということが大事なんだろうと思います。高速道路会社が遠望、遠いところから目視をしているというのが多いわけですが、実際にはほとんど補修等々がされていないというものもあるやに聞いておりますが、この点検体制をどうしていくか。また、何よりも関係者と、非常に関係者がたくさんになりますから、情報共有をどうしていくか、こういう見直しをやるべきだと思いますが、どのように取り組んでいくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(徳山日出男君) 高速道路の跨道橋でございますけれども、国管理のものが百三十四橋、そして高速道路会社自身が管理しておるものが一千百五十七橋ございます。これらについては適切に点検を実施してまいりました。一方で、地方公共団体が管理するものが約三千三百橋ございまして、こちらでは予算、人、技術面共に非常に厳しい状況にありますことから、以前は先生御指摘のとおり点検すら行われていない橋もあったと、こういう状況でございました。 御指摘の会計検査院の調査は平成二十四年度のものでございますけれども、こうした地方公共団体の点検状況、非常に不十分であるという指摘がされたわけでございます。しかしながら、笹子トンネルの天井板落下事故の後、地方公共団体の意識も随分変わってまいりました。国土交通省といたしましては、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付けまして、急遽、緊急点検、集中点検を実施をいたしました。地方公共団体が管理する跨道橋につきましてもほぼ全数につきまして点検を終了したと、このような報告を受けてはおります。また、高速道路会社におきましても、各道路管理者との情報共有の体制を構築したところでございまして、さらに必要に応じて地方公共団体から受託するなどにより跨道橋の点検を進める体制を今組もうとしております。 国土交通省といたしましても、今後、跨道橋についての定期的な点検の体制を更に強化をいたしまして、さらに必要となる地方公共団体の支援も行いまして、高速道路を安心して使っていただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 先ほどから申し上げておりますように、こういう跨道橋などは管理主体がそれこそまたがっていくというか、いろいろ多様になるわけで、ややもすると盲点になりがちなところです。チェックが働かないということが多いわけですが、だんだんとそういう高度成長期に造った跨道橋なども老朽化をして、いつ何どきどういうことになるか分からないということもあり得るわけですから、そのチェック体制、点検体制、情報共有、しっかりやっていただきたいと思います。 そういう中で、だんだん公共インフラ老朽化をしていく中で、先般、これ、国交省の有識者会議でありますが、社会資本整備審議会の道路分科会が先日、大臣に、老朽化した道路をどう維持をして利用者の安全を守るのかと、この本格的な対策の実施を求める提言書を提出をされたと思います。 先ほどから申し上げておりますように、どんどん老朽化は進んでいくわけで、そのうち特に市町村が七〇%橋梁では管理をするということですが、現時点でも通行止めや重量規制の橋梁が二千百か所余りも今あると。この五年で二倍ぐらい伸びてきていると言われておりますが、これから更にそのパーセンテージはどんどん上がっていくだろうという見通しがある中で、このインフラの崩壊というか、危機のレベルというのはだんだん高まってきていると思っております。もはやその危機が危険に、危険が崩壊に発展しかねないということで、今までは維持管理という言葉を使ってきたかと思いますが、もはやここまで来ると危機管理という観点で対処を考えていかなきゃならぬのではないかと思っております。 もう安易な想定とか安全神話で将来の危険性を過小評価することから脱却をしていかなきゃならぬと思いますし、スピード感を持ってこれからこの対応に、どうこの老朽化するインフラに向かい合っていくかと、そしていざという状況をいかに少なくしていくかということが大事だと思いますが、この提言書でも最後の警告という言葉を使っておりますように、この道路の老朽化対策の早急な取組をやはりこれからしっかりやっていかなきゃならぬと思いますが、大臣としては、この提言書をどのように受け止めて、これからそういう取組、どのように促進をしていくお考えか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 最後の警告という刺激的な提言でありました。今すぐ本格的なメンテナンスにかじを切らなければ、近い将来、致命的な事態を招くであろうと、こういうことです。私は、最後の警告はイコールまだ今なら間に合う最後のチャンスだというふうに捉えています。 コンクリートが劣化するといいますが、コンクリートは百年も二百年も強くなってもつんです。ところが、その中に鉄筋が入っていますから、鉄筋が腐食するとそこにクラックが入ると。そしてまた、橋梁でも、どの部分が大体悪いかということで一番焦点になるのは、橋桁と橋脚との間の、これ専門用語で支承といいますが、そういうところを見る。様々なそういうことをやらなくてはならない中で、いよいよこれから、造った山が、一九六五年から八〇年の間に毎年一万ぐらいできていた橋がずっと、今一千橋ぐらいになっていますが、これが再びメンテナンスの山が来ます。そのときに対応するということを私は提言を受けたんだというふうに思います。 そういう意味では、義務を課すと、一つです。点検をしっかりやらなくてはいけないと。もういつ造ったか分からなくて、データもないんですよ、今のほとんどの構造物というのは。そこを、データを作ってカルテのようにそれをしていって、定期的に点検する義務を課すと。五年に一回、近接目視をするということの義務を課しました。 もう一点は、義務だけ課すんじゃなくて支援するということです。地方自治体はなかなか人も技術もございませんものですから、そういうことで、市町村に対しまして、財政、人員、技術、こうしたことについての課題を抱えていますから、そこを支援するということをして、義務と支援と両面掛けて、本当に今なら間に合うという私は姿勢で臨みたいというふうに思っているところです。
○柴田巧君 ありがとうございました。 今ならまだ間に合うということで、義務と支援というお話もありましたが、まさに今からしっかりとこのことに取り組んでいかなきゃ取り返しの付かないことになるだろうと思っております。 大臣の今御認識をお聞きをしましたので、その下に、具体的に、じゃどうしていくかということをお聞きをしたいと思うのですが、今もお話がありましたように、とはいえ、地方自治体はなかなか予算の制約もあり、また、その技術力あるいはマンパワーの不足に直面しているのが現実でありまして、これから、市町村が管理している橋だけでも築五十年以上のものが今一〇%台でありますが、二十年後には五〇%、六〇%近くになると言われておりますから、しかも、今お話あったように、いつできたか分からないという橋とかインフラもかなりあるわけで、地方のいろんなマンパワーの養成等々、支援をしていかなきゃならぬのだと思います。 現状、橋梁の保全業務を行う土木技術職員、地方の、これはかなり不足をしておりまして、誰もいないというのは町では五割、村では七割だと言われておりますが、こういうことではなかなか点検自体も行われないということになるわけで、大臣が意気込みがあっても現場ではそれができないということになるわけですから、地方自治体への技術支援、国交省としてはどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(徳山日出男君) 先生御指摘のとおり、市町村のメンテナンスの実施体制、これは予算、人員、技術の面で大変な課題があると思います。一方で、今大臣からも申し上げましたとおり、メンテナンスはもはや待ったなしでございますから、全ての橋梁やトンネルなど、五年に一度、近接目視で点検する等、道路管理者の義務を明確にする省令を三月三十一日に公布をいたしました。そのため、全国七十万橋のうち五十万橋を管理をする市町村の役割と責任はますます大きくなったと、こういうことでございます。 これまでも国交省では、防災・安全交付金による財政的な支援や、昨年の道路法の改正によりまして修繕等の代行を国ができることになりました。こうした制度創設などの支援策を講じてまいりましたが、今回このような提言もいただきまして、さらに具体的な支援策といたしまして、都道府県ごとに道路メンテナンス会議を設置をする、そこでいろんなレベルについてお話を申し上げる、それから点検業務等の地域の一括発注、あるいは国の職員等による診断の技術的支援、こういったものを提言を踏まえて進めたいと思っております。 国土交通省といたしまして、メンテナンス元年に続く年として本格的な実行の年となりますように積極的に取り組んでまいります。
○柴田巧君 とにかく、財政、特に地方自治体も厳しい中で、いろんな形で支援が必要なんだろうと思います。 その一環としても、その点検、診断の信頼性を高めて、この点検、診断の知識や技能や実務経験を有するマンパワー、技術者の確保、マンパワーの養成は待ったなしだと思いますが、そういうインフラの維持管理の担い手を養成していくというのはこれから非常に重要なことだと思います。そのためにも、その点検・診断技術に関しての資格制度の充実というものがこれから大事だろうと思いますが、この点はどのように考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 社会資本の維持管理に関わる技術者や技能者につきましては、現在様々な内容、様々な技術レベルの民間資格が存在しております。点検や診断業務を確実に実施していく上では、技能者や技術者の能力を業務の内容に応じてあらかじめ適切に評価する必要がございます。このため、民間資格を的確に評価する資格制度を確立することが重要と考えているところでございます。 審議会からも、昨年十二月に点検や診断に関する資格制度の確立を図るよう答申を受けておりまして、今年度も審議を継続し、具体的な制度内容について検討を進めることとしております。審議会では、例えばでございますが、資格の評価認証機関を設置いたしまして、点検や診断の業務の実施に必要となる能力、技術水準を満たす民間資格の評価、認定を行うなど、資格制度の枠組みについて必要な審議を行う予定としております。 国土交通省といたしましては、審議会の審議を踏まえまして、平成二十六年度中に資格制度を確立し、二十七年度からその活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
○柴田巧君 しっかりとしたマンパワーの養成につながるような資格の充実に取り組んでいただきたいと思います。どういう資格ということになるのか注視をしていきたいと思いますが、よろしくお願いをします。 そういうマンパワーの養成ももちろん大事ですが、まず、具体的に今、日本のあるいはそれぞれの地域のインフラがどういう状態にあるのかということをまずは適切に把握を、モニタリング、監視というか、これができなければこの後の補修であるとか修繕であるとか更新というところに行かないわけで、そのためには、簡単に言ってしまえば、インフラの見える化というか、インフラのその状況の可視化ということが非常に重要なんだろうと思います。 アメリカは、先ほどもお話が出ておったかと思いますが、荒廃するアメリカと言われた時代を経て、今コンピューターやソフトウエアやセンサーの技術を活用してリアルタイムでインフラの監視、管理をする仕組みを積極的に導入をしているわけですが、これから我が国のインフラもどんどん老朽化していく中で、こういう施策、せっかく我が国においてはこういう分野においても非常に強みのある技術力を持っているわけですから、こういうことの導入を積極的に図っていく必要があるんだと考えております。 ソフトを活用して集めたデータを詳細に分析することで将来的なインフラのトラブルを減らす予防にもつながるわけですし、トラブル予防になるということですし、保全のためにどういう人員を配置をしなきゃならぬかということなどなど、トラブル防止とコストの削減につながっていくものだと思いますが、そういう意味でも、このインフラのトラブル予防とコスト削減を図るために、センサー技術やICTや、こういったものを積極的に進めて可視化を図るべきだと思いますが、どのように取り組んでいくか。じゃ、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) おっしゃるとおりです。 私、土木工学科の出身で、シビルエンジニアリングと、こういうんですけれども、この技術というものを、最先端の技術を日本は開発をして、必ず、これから発展途上国を始めとする国々がメンテナンスの山を迎える時代が必ず来る、そのときに課題先進国としての日本の、私としてはメンテナンスエンジニアリングという新しい学問が樹立されるようなところまで持っていこうということで、相当、土木学会始めとして私ハッパを掛けているという状況にございます。 ゲートブリッジは常時監視するということで、ずうっとモニタリングシステムで常時動きを監視していたりするというのが既に始まっておりますが、先ほど申し上げましたような、データ自体がないということで、そうしたカルテのようなものを作ることを始めとして、また打音という、普通の方はこんな古めかしいことの技術でやっているんだろうかと思うかもしれませんが、かなり有効ではあるんですけれども、医者の触診、こういうものと一緒なんですけれども、ICT技術やセンサー技術、そうしたものを活用したりレーザーを使うとかいうようなことで今鋭意開発をしています。 ハイテクとともにこの土木分野ではローテクというものが非常に必要で、耐震診断もまたそういうようなローテクというものが私は必要だというふうに思っておりまして、今総掛かりでそうしたインフラのトラブル防止センサー技術、あるいはICTを活用した技術開発というものを進めているところでございます。
○柴田巧君 さすが土木科御出身で、丁寧な御答弁いただきまして、ありがとうございます。 本当に、インフラの劣化状況あるいはその損傷箇所の早期発見など維持管理業務の効率化にやっぱりつながっていくと思いますし、先ほど申し上げましたように、戦略的な維持管理によってコストの標準化、総コストの抑制にもつながることだと思いますので、是非、太田大臣の下、この技術といいますか、リアルタイムにそういった可視化を図っていける、そういった技術を更に進めていただきたいものだと思います。 あわせて、我が国はロボット技術というのが大変得意分野になるわけで、日本再興戦略、科学技術イノベーション総合戦略においても、ロボット技術の開発、導入を迅速にいろんな面で集中的にやっていくということがうたわれているわけですが、国交省としても、経産省と、昨年度からでしょうか、次世代社会インフラ用ロボットの開発・導入検討会を立ち上げて、今その開発始動に向けて準備を進めていると聞いておりますが、人目がなかなか入らない、あるいは人が入っていけないというところはたくさん点検作業でもあるわけで、そういう意味でも、効率的に点検、補修を進めるためにもロボットの技術を開発、導入するということは極めてこれから重要なことだと。 そして、それは今大臣もおっしゃったように、将来的には世界にも売り込んでいけるものだと思いますが、このロボットの開発、導入に向けた今状況はどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(西脇隆俊君) お答えいたします。 社会インフラが老朽化している、その対応が喫緊の課題となる一方で、技術者不足とか財政制約がございます。委員御指摘のとおり、安全で効率的、そして確実な維持管理を行うために、インフラ用のロボット技術が求められているのは御指摘のとおりだと思います。 昨年七月に国土交通省と経済産業省とが共同で検討会を設置して、それぞれ得意なノウハウを持ち寄りましてロボットの開発から導入までの一貫性のある推進体制を構築いたしました。その後、インフラの現場ニーズと最新のロボット技術の動向を踏まえて、昨年十二月に重点分野を決定いたしました。具体的に申し上げますと、橋梁点検、トンネル点検、水中点検の三つでございます。本年四月九日より公募を開始し、今後、十月より国土交通省が管理しております道路や河川などの直轄の現場を用いて現場での検証、評価を実施し、実用性の高いロボット技術の開発、導入を進めてまいります。 次年度以降も、引き続き、直轄現場での検証を通じまして、インフラの点検、診断が可能なロボットの開発、導入を引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
○柴田巧君 今お聞きしてきたように、このロボット始め最先端技術をもって点検・診断作業を更に向上させ、それがインフラの老朽化対策の大きな役割を果たしていくように、そしてそれが世界にもいろいろ役に立つというか、世界の人々の、これから新興国も同じような局面に立っていくだろうと思われますが、そういう際にも我が国のそういった技術が役に立つように、そういうことも念頭に、また世界標準も目指しながら是非取り組んでいただきたいと思います。 時間が少なくなってまいりましたので、インフラの話はこれぐらいにさせていただいて、いわゆるURの問題をお聞きをしたいと思います。 二十三年度決算の全般質疑でも大臣にお聞きをした経緯がございますが、この二十三年度の決算検査報告では独法の保有資産等々の調査がございまして、それが有効活用されていないというのが大きな指摘でございました。特に、その中で最大のものは都市再生機構、UR、これが九百三十六億円の指摘金額であって、その多くはいわゆるニュータウン整備事業の件でございましたが、こういったことが大きく指摘をされました。また、二十四年度の決算報告においても、URが土地や建物を借りて賃貸事業を行う団地のほとんどが赤字で、その赤字額は三十億円にも上り、このままでは二〇二〇年には百億円になるだろうと言われて指摘をされたところです。 これだけではなくて、URについては、今や有利子負債が十三兆円を超えるぐらいになっている、あるいは、後でまた触れますように、民業圧迫をしているんじゃないかという指摘もあるなど、本来のといいますか、当初の役割は既に終えたのではないかと。また、多くの負債を抱え、これからもっとこれが大きくなっていくと国民負担にもつながりかねない話なわけであって、このURの改革議論がこれまでもされてきたところです。 そして、昨年末には行政改革推進会議がURの財務健全化に向けた報告書をまとめて、URの改革基本方針がそれを基に閣議決定をされました。その後、年を明けて、国交省とURの間で今この経営改善計画が策定をされたわけですが、まず、そこでお聞きをしたいのですけれども、このURのそれこそ大改革をしていく際には、やはり民間の知恵と発想とノウハウを最大限に使っていくしかないのだろうと正直思います。 そこで、この民間出身の役職員の活用拡大や、民間のノウハウを積極的に取り入れた実施体制をしっかりまず構築すべきだと思いますが、大臣に御見解をお聞きをします。
○国務大臣(太田昭宏君) 全くそう思います。昔造ったものが時代とともに変わってきましたから、相当これ、行革、そしてまた民間という意識をして、そして経営という感覚、これは国家でもそうなんですが、それをつくっていかなくてはいけないと思っています。 昨年暮れ、そうした基本方針を出させていただいて、民間のノウハウを取り入れた体制の構築ということを決めさせていただきました。URは、平成十六年設立時から民間出身の役員の選任を進めておりまして、今、理事長は民間出身でございます。そうした理事も含めて民間を多く入れる、そして民間のノウハウを最大限に活用するということもありまして、高額賃貸住宅のサブリースということもさせていただいたりしているところであります。更に民間の意識、感覚を取り入れていかなければURは本当に生きていけないと、私はこのように思っているところです。
○柴田巧君 今大臣もおっしゃったように、私らは、今度の改革案、経営改善計画案、これで本当に大丈夫かなと正直心配をしておりますが、もっともっと民間のノウハウ等を取り入れていかなきゃならぬと思いますし、特に民業圧迫と言われても仕方のない都心のタワーマンションなどの賃貸住宅の建設等々、今大臣もおっしゃいましたが、サブリース方式でやろうということですけれども、果たしてこれが、今おっしゃったように、ファミリー会社もある、またそういう不透明な関係がまだある中で、そういうことが本当に民間委託、あるいはそういったものが本当にやり切れるのかどうか大変心配をするところでありまして、この今申し上げた、サブリース契約による運営を委ねて、この高額賃貸住宅については将来的に売却もしていこうということなんですが、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、最後にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 現在、民間事業者のヒアリングや学識経験者等による委員会におきまして具体的なスキームを検討しております。平成二十六年度中には一部の団地で公募、契約を開始して、二十六年度より一万三千戸の高額賃貸住宅について経理上の区分も開始をしておりまして、経営の透明性を図ることとしております。 この高額賃貸住宅のサブリースを定着させることによって、民間を更に活用するという感覚を持って経営に臨みたいというふうに思っているところです。
○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、谷垣大臣にお聞きをいたします。 先日、法律家のパーティーの中で法の支配の貫徹ということをおっしゃいました。法の支配の貫徹、法の支配とは何でしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大変難しい御質問ですが、法の支配には幾つか要素があると思います。 余り細かく申し上げるのは差し控えますが、一つは、やっぱりプロセスの重視ですね。デュープロセスということがあると思います。それからもう一つは、私は、権力も法に服すると。細かに申し上げると切りがありませんが、私は、法の支配というときはその二つを重視したいと思っております。
○福島みずほ君 憲法九十九条がまず国務大臣に憲法尊重擁護義務を課している。これも今大臣のおっしゃる法の支配ということの一環ということでよろしいでしょうか。 〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕
○国務大臣(谷垣禎一君) 法の支配ということでいいのかどうか分かりませんが、どこか結び付く観念だろうと思います。
○福島みずほ君 日本国憲法九条はどのような行為を禁止しているとお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、度々御答弁申し上げておりますが、憲法の解釈や憲法、基本法、私の所管ではないと考えております。もちろん、私が法務大臣として仕事をしますときに、その限りにおいて、憲法との適合性を判断しなければなりません。そういう意味で、私は憲法解釈も全く関与しないとは申しませんが、今の憲法九条になりますと、内閣の中で担当の方はほかにいらっしゃると思います。
○福島みずほ君 法務省は、ミニストリー・オブ・ジャスティス、正義の役所ですし、それから法にのっとってどこよりもやるところだと思います。尊敬する大先輩、法律家としても先輩、尊敬しておりますので、九条はどのような行為を禁止しているとお考えか、教えてください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、ここで体系的に申し上げる能力はございません。私の立場は、ここでも繰り返し申し上げておりますが、憲法九条に関しては、累次、内閣法制局長官の答弁や場合によりましては質問主意書に対して閣議決定してお答えしている、あるいは、過去を見ますと内閣の統一見解を求められている場合があると。そういった見解も細かに見ますと、時代によって少しずつ推移があると私自身は感じておりますが、私は閣僚として、そういう過去の閣議決定、そういったものに縛られております。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は憲法九条の下でできない、これは現時点までにおける長年の確立された見解ですが、それでよろしいですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今までの閣議決定なり内閣法制局の長官はそういうことで整理されてきたと考えております。
○福島みずほ君 個別的自衛権と集団的自衛権は定義が違いますよね。つまり、法の支配ということは、定義によって決まる。法律はまさに定義の学問ですから、三段論法で、集団的自衛権と個別的自衛権は量的差異ではないということでよろしいですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 量的という今の意味はよく分かりませんが、その辺りは法制局長官なり、何らかが詰めておられるのじゃないかと思います。
○福島みずほ君 これは二〇〇四年一月二十六日の質問に対して秋山法制局長官が量的概念ではないと答えているんですが、それでよろしいですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 法制局長官がお答えなんだから、そうだろうと思います。
○福島みずほ君 日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできないという見解であるとおっしゃいましたが、集団的自衛権の行使は日本国憲法下でなぜできないんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは私、最近の解釈を細かに見たことがございませんので、ここで自信を持って御答弁するわけにはまいりません。ただ、私、ちょうどサダム・フセインがクウェートに侵攻した頃、防衛政務次官をやっておりまして、当時何を日本ができるかということを検討したときに、もう、ですから、今から考えると二十年ぐらい前でしょうか、検討したことはございます。 それで、何でしたっけ。つい話が脱線しちゃって。
○福島みずほ君 なぜ集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできないか。
○国務大臣(谷垣禎一君) それは論理としては、多分当時の論理は、日本国憲法九条は必要最小限の防衛力は、ラフに申し上げますと、必要最小限の自衛力は認めている。それで、必要最小限イコール個別的自衛権という組立てであったと思いますが、その細部の表現は正確には記憶しておりません。
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使は必要最小限度ではないということで、日本国憲法下では行使できないというのが、確立されてきた戦後の自民党の、あるいは政権の見解です。 私は、違憲のことは合憲にできないと考えています。安保法制懇の第一次の報告書、第二次における、まああれは議事録がありませんで資料と議事要旨ですが、全部読みました。しかし、なぜ違憲が合憲になるのかという説明はありません。必要だからとか、そういうことしかないんですね。法律家としては、必要だからではなく、定義に当てはまるか当てはまらないか、憲法にとってどうか、この議論をすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、内閣を代表して私がお答えする立場にあるとは思っておりません、今の集団的自衛権の解釈の問題ですね。一般論として申し上げますと、私は、長い間に解釈の変更を認めざるを得ない場合、あるいは認める余地が出てくる場合、そういうことは一般論としては否定できないと思っております。
○福島みずほ君 でも、これはまた度重なる質問主意書や答弁で、憲法九条の解釈については、解釈改憲では駄目で、明文改憲でやるべきだとたくさんの答弁がありますが、これは維持されるということでよろしいですか。 〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕
○国務大臣(谷垣禎一君) その辺は今いわゆる法制懇で議論しておりますので、私は過去のその閣議決定などに縛られていることは事実でございますが、これからどうしていくのか、どういう結論を出すのか、今の段階では、今までの過去の閣議決定等々に縛られているということだろうと思います。
○福島みずほ君 過去の閣議決定と過去の答弁は未来も拘束します。未来は拘束しない政府の見解などあり得ません。政治は現在と未来を拘束するものだと思います。 冒頭、法の支配を貫徹するとおっしゃいました。それが大事ですよね。デュープロセスと、それから、いかに権力者であろうが憲法に従わなければならない、法に従わなければならない。でなければ憲法は無意味になります。法の支配ということであれば、定義それからそれに基づく日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできない、これは法理論として変更できないと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この法理論の問題も、私は内閣を代表してお答えする立場にはないと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、一般論としては、長い間に憲法の解釈を変える必要が出てくる、また変えなければならない場合もないとは言えないと思っております。
○福島みずほ君 この憲法解釈については、自民党政権、ごく最近も、二〇〇〇年代も解釈改憲では駄目だという答弁書、質問主意書や、答弁を出しています。これは生きると考えますが、いかがですか。あるいは、谷垣さんの法の支配とはその程度のものなんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 最近の答弁なのかどうか、私は十分、二〇〇〇年代に入っての答弁は検討しておりません。また、検討してこの参議院の決算委員会でお答えする立場にもないと思っております。 その程度かという挑発的な御質問をなさいましたけれども、私は、解釈というのは多様にあり得ると思っております。そういう、多様にある、政府内でも、何というんでしょうかね、閣議決定が出るまでは多様な議論があり得るものだと、このように思っております。
○福島みずほ君 多様じゃないんですよ。この集団的自衛権の行使は、政府見解では、日本国憲法下で集団的自衛権の行使はできない、これは一貫して確立されたものです。しかも、これは解釈では変えられないと言ってきたわけです。いろんな解釈がありますよではない。憲法の解釈は一義的です。集団的自衛権と個別的自衛権の定義は、政府の見解で明確です。 ですから、その点についていえば、私は逆に谷垣さんに頑張ってもらいたい。谷垣さんに頑張ってもらいたい、そう思います。どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 頑張ってくれと言われると大変うれしいような気がしないでもございませんが、私は、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、憲法の解釈というのは一義的だと福島さんおっしゃったけれども、やっぱり必ずしも一義的ではないと私は考えております。
○福島みずほ君 自民党政権は、一義的にこうだと言ってきたんですよ、集団的自衛権の行使はできない。 憲法学者の中で、小林節教授のおっしゃることでいえば、二人しか集団的自衛権の行使が日本国憲法下でできると言っている人はいません。ほとんどの、ほとんどの憲法学者、たくさんいますが、ほとんど全部の憲法学者が集団的自衛権の行使は日本国憲法下でできないとしています。法律家の頭でいえば、どんなに逆立ちしても、どんな論理構成をしても、平和主義である日本国憲法下で集団的自衛権の行使、他国防衛のための武力行使はできません。だから、法の支配なんです。だから、定義です。 法律は、定義に当てはまるかどうか、三段論法でやるじゃないですか。まさに法務大臣所管の刑法だって、構成要件に当たるかどうか、それを厳密にやって裁判をやるわけです。構成要件に該当しなければ無罪じゃないですか。まさにその作業が重要であって、法の支配とは憲法に本当に合致するかどうか、その定義や解釈を法にのっとって、憲法にのっとってやらなければ、憲法が死ぬということです。 今、実は、安全保障の問題ではなく、法の支配、立憲主義ということが私たちの国で維持できるかどうかが問われている、そのときだと思っています。立憲主義とは何か、もう一度お答えください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 繰り返しになりますが、私は、今の刑法もお挙げになりました、刑法の解釈はもちろん厳密でなければなりません。しかし、刑法の解釈も長い間に解釈を変える余地はあるんだと思います。ですから、そこのところは私と福島さんで法律の見方、法律の解釈論が少し違うように思いますね。
○福島みずほ君 解釈がいろいろあるという中で、自民党政権はかつて、というか今までずっと、憲法九条、集団的自衛権の行使と、解釈改憲では認められない、憲法の安定性がこれでは壊れるというふうに言っているわけです。大臣もかつて、憲法の安定性というのは極めて重要だということを記者会見でおっしゃっています。今日質問しているのは、記者会見でいろんなことをおっしゃっているので、そのことについて質問をしたかったからです。 立憲主義とは何か。法の支配とは何か。今まさに法の支配を貫徹すべきときであり、それは個人として、法律家として、議員として、国務大臣として、私たち一人一人が、そしてまた閣僚たちもそのことが問われるというふうに考えています。 次に、袴田事件についてお聞きをいたします。 袴田さんが四十八年ぶりに釈放をされました。二〇〇〇年代、保坂さんは彼に会えたんですが、私はほかの議員と東京拘置所に行って実は会うことができませんでした。 袴田さんの事件は、ある意味本当に痛ましい。四十八年間、なぜ外に出れなかったのか。長期の勾留、代用監獄の問題と自白偏重、証拠開示されず、証拠が捏造された可能性があると裁判所で言われるような証拠の採用の問題、証拠開示がされてこなかったという問題。これについて、大臣、反省すべき点があるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 三月二十七日に静岡地裁がおっしゃったような決定を出したことは事実です。しかし、これも裁判所の判断ですから、私は個別の裁判所の判断を論評するようなことは差し控えます。
○福島みずほ君 では、東電OL殺人事件や村木さんの事件、それから、パソコンの遠隔操作で何と四人のうち二人がもう自白を、やっていないのに自白をしてしまう、あるいは布川事件、たくさんの事件が例えばある。もっと言えば、四つの死刑確定囚が死刑台から生還したことがある。たくさんの事件があって、たくさん冤罪とされて、この中でなぜ刑事司法、刑事改革はできないんですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 新しい時代の刑事司法の在り方ということで今議論を始めていることは事実でございます。
○福島みずほ君 代用監獄の問題についてお聞きをいたします。 袴田さんは、彼はずっと無実だと言い続け、当初から無実と言い続け、一日平均十二時間、最も長いときは十六時間を超えるような厳しい取調べを受けたと、場合によっては暴力を受けたのではないかとされています。袴田さんは、勾留期限の三日前、逮捕されて二十日目に、パジャマを着て犯行を行ったなどと自白をさせられています。新聞記事を出していますが、何と彼が死刑確定囚となったときには自白調書四十五通のうち四十四通もの任意性がないとして不採用になっている。こんな事件って、もうほとんどの書面が任意性がないとされたにもかかわらず、確定判決で死刑になった。 この代用監獄の問題に関して、拷問禁止委員会、それから国際人権規約B規約の勧告で代用監獄について見直せと言われていますが、これについていかがでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 平成十九年六月一日から施行されました刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律におきまして、この被勾留者等について、刑事施設に収容することに代えて、警察に設置された留置施設に留置がすることができると、このようにされているわけでございます。 この制度趣旨でございますけれども、これは代替収容と呼ばれておりますが、代替収容制度は、これまでの代用刑事施設制度というものにつきまして、これが我が国の刑事司法制度の下で現に役割を果たし、大半の被勾留者が代用刑事施設に留置されていることを踏まえまして、その存続を前提としてこれに制度的な改善を加えて、被収容者の適正な処遇を図るために整備したものとされております。 こういったことから、この新しい平成十九年の法律に基づきまして、で認められておりますこの代替収容制度というものを廃止するということについては、現実的でないと考えております。
○福島みずほ君 たくさんの冤罪事件を生んできた反省が全くないですよ。 人は、二十三日間勾留されたら、自白を本当にしてしまう可能性がある。身柄の拘束の期間が、警察の拘束の時間が長過ぎますよ。だから、例えば、パソコンの遠隔操作でも四人のうち二人が自白する。みんな自白したくてするんじゃないんですよ。もう大変で、ある意味拘禁性ノイローゼになる人もいるし、その中で自白をする。国際機関から、B規約、拷問禁止委員会から勧告が出ていることを日本政府は重く受け止めるべきだと思います。 袴田事件について一つ、済みません、ちょっと話が戻って済みませんが、一点だけ質問いたします。 袴田さんは、二〇〇〇年代、もう一歩も外へ出ないというか、精神的にもすごく良くない状況になっていて、心神喪失で刑の執行を停止すべきではないかと言われていた事案です。これ、一件も今まで死刑の執行が執行停止になっていないんですが、心神喪失の場合には死刑の執行を停止できる、これについて、大臣、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 刑事訴訟法の四百七十九条に、今委員がおっしゃったように、「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。」と、こうなっております。
○福島みずほ君 今まで一度もそれはなされていないんですよ。でも、実際、すごく重い病気になったり、袴田さんの場合は一時期、私は神であるとか東京拘置所はもうなくなったとか言っているときがあり、しかも死刑の執行を非常に恐れて、だまされるんじゃないかと。死刑の場合は日本は事前告知しませんから、朝連れていって処刑を、朝というか、その日に連れていきますから、彼は、面会者、お姉さんの秀子さんが行こうが私たちが行こうが、あるときからもう一歩も外へ出ないというか、外に出なくなっちゃったんですね。それは、私は、死刑の執行の恐怖から、部屋からやっぱり出てだまされて処刑されたくないという恐怖心があったんだと思うんです。 死刑の執行の停止、袴田事件こそ本当はやるべきだったんじゃないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、私は個別の死刑確定者の精神状況がどうであるかというようなことはコメントはしないことにしております。
○福島みずほ君 私は、警察と検察と裁判所と法務省がやっぱりこれを放置してきたと思いますよ。裁判所が、袴田事件で静岡地裁が証拠が捏造された可能性があると言ったのは物すごいことですよ。おかしいということはずっと言われ続けてきた。彼は、もし今回、裁判所が釈放という、こうならなければ処刑されていたかもしれないんですよ。本当にひどい話だと思います、四十八年間。 大臣、死刑の問題に関して、冤罪事件が、これ冤罪かどうかはまだ再審開始してから決まることですが、こんな事件がある。やっぱり日本で冤罪が起こり得る、間違った死刑の処刑が起こり得る、これについてどう思われますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、今更、福島委員に申し上げることはありませんけれども、きちっと、特に死刑判決が出るようなものは必ず必要的弁護ですね、それから三審制の下で議論をされる、こういうことでございますから、確かに人間のやることでございます、畏れを持ってやらなければいけないことは事実だと思いますが、私は制度的にはいろいろな担保ができていると考えております。
○福島みずほ君 だって、袴田さんのは、これ、地裁が証拠が捏造された可能性があると言った事案で、彼、処刑されていた可能性がある事案なんですよ。実際、冤罪あるじゃないですか。四人の人間が、四つのケースで死刑台から生還したが、本当に四つだけなのか。彼らは物すごい支援者や物すごい弁護団の頑張りで再審が認められたけれども、それがなければ処刑されていたかもしれないわけです。これはきちっとやっぱり考えなければ、それから死刑を本当に日本でやっていいのか、これ考えるべきだと思います。 私は、諸外国でいろいろ冤罪等が起きると、根本的な、イギリスであれ、根本的に制度の改革が行われるじゃないですか。日本はなぜそれがされないのかというふうに思います。 次に、証拠開示についてお聞きします。 東電OL殺人事件も、その証拠が出ていれば早く冤罪が立証されたと言われている。そして、袴田事件もDNA鑑定以前の問題です。Bというのが、これは実は寸法ではなくて、サイズではなくて色だったということが認定される、これがちゃんとその資料が証拠として出ていれば無罪が立証できたんですよ、彼、ズボン履けないから、サイズが合わないから。 こういう問題に関して、たくさんの事件でようやく証拠開示が、再審請求あるいは裁判所の裁量の中で出てきて無罪となるというのがようやくあるわけですが、証拠開示、全面証拠開示すべきではないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がおっしゃったのは、全面開示をせよとおっしゃっているわけですね。 それで、これは現行制度を導入した司法制度改革のときにも相当長時間を掛けて議論されたと記憶しております。被告人側の主張が明らかでない段階で全ての証拠を開示することは、争点及び証拠の整理が十分にされなくなるなどの弊害が当時指摘をされまして採用されなかったと。そこで、平成十六年の刑事訴訟法改正によりまして、公判前整理手続における争点及び証拠の整理と関連付けまして、一つは類型証拠ですね、検察官請求証拠の証明力を判断するために必要な一定の類型の証拠、それからもう一つは被告人側の主張に関連する証拠、これを段階的に開示する現行制度が導入されたわけでございますが、この制度下で被告人の防御の準備のために必要かつ十分な証拠は出てくることになったと私は思っております。 それで、法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会、これが昨年一月に基本構想を作りました。この中でも、現行制度の運用状況に鑑みて、段階的な証拠開示制度の枠組みは改める必要はないとされているところでございます。
○福島みずほ君 全面的証拠開示せよと拷問禁止委員会や国際人権規約B規約の勧告で言われていますよね。今だって裁判所、なかなか出てきませんよ。これはプライバシーの問題だとかいって、なかなか出てこない。 じゃ、逆にお聞きしますが、個別的な事案じゃなくても、ゴビンダさんの事件、東京電力OL殺人事件や、袴田さんのように捏造である可能性があると言われる事件や、布川事件や様々な事件、反省はないんですか。反省はないんですか、こういうのに。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、大きな意味では、新しい時代の刑事司法をどうつくっていくかという中でいろんな議論を闘わせていただいているということでございます。 それからあと、個別の今お挙げになった事件での証拠の評価等については、私は感想を申し上げるのは差し控えたいと存じます。
○福島みずほ君 いや、ちょっと残念ですよ。 法務省って、ミニストリー・オブ・ジャスティスじゃないですか。別に検察官庁じゃない。法務省で、ジャスティスを実現するところの役所であって、やはりこの冤罪、あるいは証拠が開示されなかったが理由に冤罪を立証できなかったという、証拠が捏造されたり隠されてきたということが明らかなわけじゃないですか。ゴビンダさんのケースも袴田さんの事件も、様々なケース、本当に四十八年間返してくれですよ、袴田さんからすれば。それに関して、どうしてそこで何かやっぱりこれはしなくちゃいけないというふうに法務省は思わないんですか。身を乗り出して改革しなければ駄目でしょうと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申し上げておりますように、かなり今の類型証拠や何かを出してくると、これでかなり制度は整ってきたと、証拠開示について、私は考えております。 それから、反省はないのかということでございますが、今可視化等々についても議論が進んでいる。それで、法務省というところは、個別のやはり、何というんでしょうか、捜査、個別の公判、それに法務大臣が簡単に指図をすべきものではないと私は思っております。むしろ、それは捜査なり公判の立場から証拠をそれぞれ独自に評価して運営すべきものだと私は考えております。
○福島みずほ君 私が反省すべきだと言ったのは、こういう問題があるからこそ、代用監獄の問題、自白強要の問題、証拠開示の全面開示をするという制度的なことを法務省が率先して身を乗り出すべきだということなんです。審議会でやっておりますって、安保法制懇じゃないんだから、ちょっと違いますが、審議会にということではなく、身を乗り出してほしいということなんです。 捜査の可視化についてお聞きをいたします。 今おっしゃるとおり議論しておりますが、「それでもボクはやってない」の周防正行監督、それから村木厚子さん、今厚労省の事務次官ですが、五人の委員、非法律家の皆さん五人が法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会に対して、新時代の刑事司法制度特別部会取りまとめについての意見を、三月七日、出していることは御存じのとおりだと思います。ここで、捜査の可視化に関して、全面的可視化をやってほしいと。つまり、裁判員制度だけにしたら村木さんの事件やPC遠隔操作事件も痴漢事件なども対象にならないし、それから、部分的な捜査の可視化であれば都合のいいときだけ出てくるから、全面的捜査の可視化をやってほしいと言っています。 私、村木厚子さんや周防監督の言うこと、そのとおりだと思います。これ、生かしてくださいよ。どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今のお二人も入っていただいて議論をしていただいているわけですね。私は、今答申をお待ちしている立場ですから、こういう結論を出せというような立場ではございません。私は、やはりバランスの取れた結論を出していただきたいと思っております。
○福島みずほ君 バランスの取れた結論ではなく、二度と冤罪を生まない、そんな結論を出すべきではないですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そのためにいろいろ可視化等々、何ができるか議論していただいているわけですね。
○福島みずほ君 せっかく審議会に入ってもらって、当事者のこれ悲痛な叫びじゃないですか、捜査の全面的可視化をやってくれって。呼んで、そして皆さんの意見をお聞きしますといって、いや、部分的にしかやりません。部分的になんて駄目ですよ。都合のいいとき、自白始めたときからだけ捜査の可視化をしては駄目で、全面的捜査の可視化をしなければ。その方が捜査機関にとってもいいんですよ。別に自白強要していない、拷問もしていないし、明らかになるわけだから、それはやってくださいよ。ここまで冤罪が出て、ここまで議論して、それができないというのだったら、本当にそれは残念です。 谷垣さん、是非、バランスの取れたなんて言わず、だって、この審議会、この部会そのものが村木さんの事件を踏まえて、二度と冤罪を生まないということでスタートしたわけでしょう。それだったら、それを生かしてくださいよ。入った人たちがこうやって出さなくちゃいけないというのは、物すごく危惧を持っているからです。全面的捜査の可視化、これを全件についてやってくださるように心から要望をいたします。 次に、ヘイトスピーチについて申し上げます。 これは、人種差別撤廃委員会から、ヘイトスピーチについて日本政府が対応せよというふうに言っております。これがまだ全然何もやっていないんじゃないか。ビデオで見て、実際現場でのヘイトスピーチに本当にびっくりしました。 京都の朝鮮学校に対するヘイトスピーチ、みんなが詰めかけてやったケースに関しては、刑事事件として有罪の確定判決、民事としてもこれは慰謝料がちゃんと認められるというふうになっている。にもかかわらず、ヘイトスピーチが続いているということは、これは何とかしなければならない。これはやっぱりある意味政府の責任というふうにも思いますが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) ヘイトスピーチの対応の仕方というのはいろいろだと思うんですね。一つ、今、福島さんがおっしゃったように、それが名誉毀損であったり、いろいろな不法行為に当たるものであれば、明らかに損害賠償であると、こういうことだろうと思います。 それで、今、福島さんがおっしゃったことは、何というんでしょうか、一般的なヘイトスピーチに対する立法を作れと、こういう御意見ですか。 これは、どこが刑法に値するかというのは私は十分にまだ分かっていないと思います。もちろん、今私どもは人権擁護行政というものを持っております。それで、ここの仕事は何かというと、一種のADRみたいなもので、まだその権利性とか侵害性がはっきりしていない中でどういうふうに持っていったらいいかという、今、苦労、苦労というか、それを対応している最中ですね。私は、そういう中でしっかりいろいろ議論をして方向性を見付けていく。まだ、じゃ、言論の自由とかそういう問題もありますから、どういう取締りを、立法を作ったらいいのかということもまだ余り明確に問題点は整理されていないと思っております。
○福島みずほ君 先ほどの民事は千二百二十六万円の慰謝料請求を認められたと。 しかし、裁判やるのって本当に大変じゃないですか。私は、そのヘイトスピーチもさることながら、日本に根深くある人種的な差別の問題も根本的に変えなければならないと思っています。 人種差別禁止法。例えば障害者差別禁止条約に日本は批准をして、障害者差別解消法がありますよね。女性差別撤廃条約批准して、男女共同参画社会基本法や雇用機会均等法がある。人種差別禁止条約に日本批准しているけれども、それを実現するような人種差別禁止法がない。是非そういうものを、法務省、今から検討してほしい。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今やっておりますのは、とにかくこういう問題はまず啓発活動は大事だということで、かなり啓発活動は徹底的にやっております。 私も国会で何度かこのヘイトスピーチに関して危惧を表明いたしまして、そういったものは常にホームページに上げております。それから、学校等々で相当何度も、こういう人権あるいは外国人の人権という問題で人権擁護行政と一緒になってやらせていただきました。また、そのほかいろいろやっております。 それで、どういう法的な対応が必要かというのはこれからよく見ていかなければなりませんが、私は仮に、今委員がおっしゃる障害者差別禁止法みたいなものをこの分野で考えるとなると、相当総合的な議論が必要だろうと思います。したがいまして、今どういう法的規制が必要なのかということをいろいろ探っている状況と、こういうふうに申し上げます。
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。 私は、朝鮮学校の授業料の無償化を日本政府がしないことやいろんなことが、そういうふうなことをしなくてもいいんだというふうにメッセージをやっぱり与えているんじゃないかと、逆に日本政府自身がそのヘイトスピーチや差別をつくっているんじゃないかという気もしています。是非その点もよろしくお願いします。 司法支援センター、刑務所、入管についての予算、決算を多年度にわたっていただきました。横ばいか若干微増なんですね。是非、法テラス、刑務所、入管への予算、決算、ここ充実させていただきたい。大臣、一言お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはりこの分野は人が必要なんですね。それで、最近は少し、こういう治安とか入管等々、人が必要だということで少しずつ増やしていただいたりしておりますが、なかなか今の政府全体の中で予算を確保するのも大変ですが、人を確保するというのはこれまたなかなか大変なんです。努力いたしたいと思います。
○福島みずほ君 よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(金子原二郎君) 他に御発言もないようですから、法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及び裁判所の決算についての審査はこの程度といたします。 次回は来る二十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十二分散会