決算委員会 第3号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2014/04/07
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 去る四日までに、岩井茂樹君、安井美沙子君、斎藤嘉隆君、尾立源幸君、川田龍平君、紙智子君、舞立昇治君、山田太郎君及び山口和之君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君、江崎孝君、小西洋之君、相原久美子君、柴田巧君、辰已孝太郎君、三木亨君、松沢成文君及び薬師寺みちよ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に弁護士(日本弁護士連合会子どもの権利委員会幹事・いじめ問題対策PT座長)村山裕君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、文部科学省及び厚生労働省の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馬場成志君 おはようございます。自由民主党の馬場成志でございます。決算委員会デビュー戦でございますので、下村大臣、まだ私のことは御認識でないかというふうに思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 まずは、公立学校、私立学校の耐震化についてお尋ねをしたいというふうに思います。 公立学校施設は、児童や生徒が一日の大半を過ごす学習、生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難場所となるなど、重要な役割を担っております。 平成二十五年八月、昨年の八月でありますが、公表されました公立小中学校施設の耐震改修状況調査では、八八・九%と大分進んできたように思いますが、まだ耐震化が確保されていない公立の小中学校が約一万三千棟、耐震化率五〇%未満の地方公共団体も一部見受けられるなど、もう一踏ん張りしなくてはならないと思っております。 平成二十四年度補正予算、平成二十五年度予算において耐震化予算の確保とともに、文部科学大臣より地方公共団体宛てに耐震化加速の書簡を通知していると聞いておりますけれども、公立小中学校においては平成二十七年度のできるだけ早い時期に耐震化を完了させる方針と伺っております。 現在の見通しはどうなっているのか、執行部にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(関靖直君) 御指摘のように、学校は子供たちの学習、生活の場であると同時に、地域の防災拠点の役割も果たすため、その耐震化は極めて重要でございます。公立学校について、文部科学省としては、平成二十七年度までのできるだけ早い時期に完了させることを目標としているところでございまして、平成二十六年度予算執行後の公立小中学校の耐震化率は約九六%となる見込みでございます。 一方で、まだ耐震性のない建物を多数保有している地方公共団体や耐震化率五〇%未満の地方公共団体も一部見受けられるなど、地方公共団体による進捗に差が付いている状況でございます。 文部科学省としては、今後とも必要な予算の確保に努めるとともに、耐震化の進捗が遅れている地方公共団体に働きかけを行い、平成二十七年度までの耐震化完了に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○馬場成志君 ありがとうございました。 今、必要な予算は確保するというようなお話でありましたけれども、平成二十六年度の予算が、今年度の予算が千二百七十億円であります。それで、あと来年度が二十七年度でありますが、完了させることが可能なのでしょうか。
○政府参考人(関靖直君) 文部科学省では、地方公共団体の計画を踏まえまして、平成二十六年度当初予算では公立小中学校の耐震対策を中心に一千二百七十一億円を計上しております。また、平成二十六年度当初予算と一体で執行される平成二十五年度補正予算におきましても一千五百六億円を計上することによりまして耐震化に必要な予算を確保したところでございます。 目標達成に向けまして今後相当の予算が必要となると考えられますことから、引き続き地方公共団体に対し耐震化を働きかけるとともに、地方公共団体の計画を踏まえ必要な予算額の確保に努め、耐震化を推進してまいりたいと考えております。
○馬場成志君 あわせて、取組が遅れている地方公共団体への指導等、今も話があったかもしれませんが、更に何か御指導についてお考えがあるか、お尋ねします。
○政府参考人(関靖直君) これまでも耐震化の遅れている地方公共団体に対しましては、文部科学大臣からの書簡の送付、あるいは様々な会議における説明、また個別に文部科学省の職員が直接市町村を訪問いたしまして働きかけをするなど、あらゆる機会を捉えて耐震化の推進について取り組んでいるところでございます。 今後とも、各市町村に対しまして耐震化の必要性について理解を求め、地震防災対策特別措置法や地方財政措置などの財政的な仕組み、あるいは他の地方公共団体の取組を紹介いたしまして助言を行うなど、働きかけを強化してまいりたいと考えております。
○馬場成志君 どこの団体も同じ立場でやっておられますので、どこだけ厚くするということは難しいかもしれませんけれども、やっぱり財政的な問題に関わっておる部分があろうかというふうに思います。また、統廃合の部分でまだ結論が出ていない、決着が付いていないというようなところもあるのかもしれませんが、何しろ地震がいつ来るかということは本当に誰も分かりませんので、その辺しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 また、今お尋ねしたのは公立の小中学校だけでありますけれども、ほかに、幼稚園、高等学校あるいは特別支援学校についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(関靖直君) 平成二十五年四月一日現在の耐震化率は、幼稚園が七九・四%、高等学校が八六・二%、特別支援学校が九四・六%となっております。 これらの学校につきましても、小中学校と同様に耐震化を進め、安全性を確保していることが重要であると考えておりまして、引き続き各地方公共団体に対しまして、特に耐震化が遅れている地方公共団体を職員が訪問して助言するなど働きかけを強化をいたしまして、予算の確保を進めるなど、この取組に努めてまいりたいと考えております。
○馬場成志君 さらに、私立学校のことについてもお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 国公立の学校と比較いたしまして、耐震化は遅れていると思っております。それだけでなく、耐震診断の実施率も低いわけでありますが、これについては今後どのように耐震化を進めていくのか、伺わせていただきます。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 私立学校の施設の耐震診断でございますけれども、幼稚園から高等学校等については、平成二十五年四月現在の耐震診断率六五・六%でございます。大学等につきましては、二十五年五月現在、耐震診断率七二・二%でございます。その向上を図るということが重要な課題であるというふうに認識をしております。 また、耐震化につきましては、国公立学校施設の耐震化が平成二十七年度に完了する予定であることを踏まえまして、私立学校施設についても可能な限り早期に耐震化を完了することが必要だと考えております。このため、文部科学省といたしましては、早期に耐震化完了を目指しまして各学校の耐震化が積極的に取り組まれるよう、補助要件の緩和、長期低利融資制度の創設等を行うなど集中的に支援強化を行ってきておりまして、さらに平成二十六年度予算におきましては新たに耐震改築事業の制度、これを創設をしたところでございます。
○馬場成志君 ありがとうございました。 今お話がありました二十六年度からの新規事業として、私立学校施設の耐震改築事業、これはいわゆる建て替えについても補助をするということを入れていただきました。これは大変有り難いことだというふうに思いますし、これがあればこれから対策はしっかりと進んでいくものだというふうに思っております。高く評価をさせていただきたいというふうに思います。 ただ、気掛かりなのは、本年度の予算というのが約六十億というところであります。これは、全国の私学の耐震改修には約四千億から五千億掛かるとの試算もあるやに聞いておるわけであります。改修あるいは改築、三分の一の補助あるいは二分の一の補助としても、桁が違い過ぎるのではないかというふうに思っております。 大臣、これは何とかならぬのでしょうかね。あるいは、必要な予算は補正で追加していくということであるか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私立学校施設の耐震化については、補強、改修で行えるものと建て替え、改築が必要なものがありまして、正確な予算の所要額を示すことは困難でありますが、学校法人が必要とする総事業費ベースで数千億円に上ると考えられるということから、早期に完了させるためには今後相当の予算が必要となると考えられます。 一方、私立学校施設の耐震関連予算については、平成二十五年度補正予算で三十億円、平成二十六年度当初予算では新たに創設した耐震改築、建て替えに対する補助も含めまして百二十三億円、合計百五十三億円を確保しております。 厳しい国の財政事情の下ではありますが、文科省では引き続き私立学校施設の耐震化の推進に最大限努めてまいりたいと思います。
○馬場成志君 ありがとうございました。 私学は自力でやれとおっしゃる方もいらっしゃるというふうに思うわけでありますが、十分な財力を持った私学もそれはあると思います。しかし、私学といっても、これはもう都会でもそれぞれあると思いますけれども、都会と地方で事情が違うことは今更説明するまでもないというふうに思っておりますが、そういったことから、傾向としても地方の私学の方が耐震化についても遅れているんじゃないかなというふうに思っております。そして、当然、地震は私学も襲うわけでありまして、大きな災害でも起きれば果たすべき役割は公立だとか私立だとかは関係ないわけであります。そういったことからも是非とも一層の支援強化を図っていただきますようにお願いを申し上げて、次の質問に入らせていただきます。 東京オリンピックに絡んでスポーツ庁の設置でありますとかいろいろとお伺いしたいというふうに思っておりましたけれども、時間が厳しいかなというふうに思っていますので、その中で一部聞かせていただきたいというふうに思います。 二〇二〇年に本当に東京オリンピック・パラリンピック、この体制を整えるために、また大臣始めそれぞれの立場の皆様方は休む間もない御苦労があるかというふうに思っております。心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。 その東京のこともお伺いしたい、スポーツ庁の話もお伺いしたいというふうに思っておりましたけれども、それに関連してというか、地方のことをお尋ねしたいと思います。 今回の開催は、日本国民にとっても、東京都民以外にとっても大きな喜びであるし、あるいはこれから成長していく子供たちにとっては大きく夢を膨らませる舞台であります。六年後に向けて地方でも夢の舞台を目指して選手、指導者も必死に努力していくわけであります。それが日本の活気を高めていくということにもつながるというふうに思います。そして、国内の多くの地域でキャンプを張ったりすることになれば、これは相当な盛り上がりになると期待をいたしております。しかし、地方の様々な競技施設はどんな状況であるかということであります。 先週の決算委員会でも交通インフラの老朽化問題が取り上げておられましたが、スポーツ施設についても同じことが言えるのではないかということです。事前にいろいろとお尋ねをいたしましたが、スポーツに関連する所管もばらばらで、状況を把握しにくいという感覚を持ちました。競技によっては、ルールの変更やあるいは規格の変更によって、今のままの施設では地方の選手たちが同じ土俵に立って練習ができなかったり、あるいは参加国のキャンプ招致にしても、それが原因で選ばれないというような残念なことも予想されるわけです。是非とも地方の施設の点検、改修にも力を入れていただきたいというふうに思います。それについてお答えいただきたいと思います。大臣にお答えいただきたいと思いますが。
○委員長(金子原二郎君) 時間がないので、大臣の方で。下村大臣、お願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) オリンピック・パラリンピック競技そのものは、これは東京都の主催でございますから、これはやるわけですが、ただ、馬場委員御指摘のように、事前合宿とか、それから各国に対するサポート等は、四十七都道府県がそれぞれ既存の施設等を生かしながら、まさにオールジャパン体制で取組をしていくことを是非国としてもバックアップしていきたいと思います。 その中で、御指摘のように、国際基準にのっとっていないということの中で、あるいは老朽化したスポーツ施設の整備を進めていくということは大変重要なことであります。地方自治体においても、二〇二〇年東京大会を契機としてスポーツの振興等を図るため、老朽化したスポーツ施設に対して文科省のあるいは各省の国庫補助やくじ助成等各種助成制度も活用していただいて、各種スポーツ施設の整備に努めていただくことを期待をしたいと思いますし、国の方も必要に応じた支援をしてまいりたいと思います。
○馬場成志君 お尋ねしておったことが飛んで申し訳ありませんね。また、国土交通省の方にも来ていただいておりましたけれども、時間の都合ではしょってしまいました。本当に申し訳ありません。 まずは、東京に集中しなければならないということは十分承知しております。そういった中でも、今申し上げたことをしっかりとお受け止めいただきながら、これから進めていただきたいということをお願いして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○島村大君 自由民主党の島村大でございます。本日は、このような機会をつくっていただき、ありがとうございます。 私は、ちょっと地元のことからお話しさせていただきたいと思います。私の地元は神奈川県なんですけれども、神奈川県には三十三の市町村がございます。横浜、川崎、相模原、政令都市、大きな都市と、それからそれ以外に十の市、それから十九の町、そして一つの村まであります。このように、神奈川県は大都市から緑豊かな町まで、このような県が神奈川県でございます。 この神奈川県、健康寿命は残念ながら、一位と言いたいところなんですけど、男性が十二位、女性が十三位、このようなところでございます。ですから、私は昨年の選挙で公約として、健康寿命を日本一にするということを私は公約とさせていただきました。 大臣に、健康寿命と平均寿命、これは世界一位でございますよね、今。WHOも認めていますこの一位になった一つの理由として、国民皆保険制度、世界に冠たる日本の国民皆保険制度が一つの理由だと言われております。この国民皆保険制度を守るために診療報酬というのがありますよね。この診療報酬に関しまして何点かお話をお聞きしたいと思います。 この診療報酬というのは国民の受ける医療の質を担保するものだと言われております。この診療報酬というのは二年に一度改定されております。昨年の十二月に診療報酬改定の考え方が決まりまして、今年の四月から診療報酬改定の実施がされております。特にこの診療報酬に関しましては、薬価差益に関して今までいろんな御議論をいただいています。そもそもこの薬価差益のお話が出てきましたのは、昭和四十七年の中医協で建議文として、前文はちょっと長いので省かせていただきますけど、この薬価差益については、薬価については実勢価格を常時把握することが必要であり、この薬価の適正化を図るべきである、そして、薬価基準の引下げによって生じる余裕は技術料を中心に上積みするという建議文がございます。 このように、昭和四十七年にこのような建議文がありまして、それ以降は薬価差益に関しましては話合いは特に出ていないと思いますけど、これに含めまして、大臣はこの薬価差益を含めて今回の診療報酬に関してどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) おはようございます。 今の御質問でありますけれども、おっしゃられますとおり、日本の国は平均寿命、健康寿命とも非常に高いわけでありますが、その差が十歳前後あるわけでありますので、これをどう見ていくかは大きな課題であろうというふうに思います。 今、診療報酬改定のお話がございました。診療報酬改定自体の考え方というのはその時々いろいろあるわけでありますが、財政状況というものも勘案しておるわけでありますし、時の医療の課題、政策的課題という問題もあります。あわせて、医療機関の状況、こういうものを勘案するわけであります。今のお話は、昭和四十七年、このときには中医協の建議の中で、時の医療の政策的課題というものもいろいろあったんでありましょう。その中において薬価差益分を、これをマイナス分に関してしっかりと本体の方にプラスにするような形で上乗せしていくというような考え方であったんだというふうに思います。 見てみますと、やはり平成十四年、十八年の改定は、実は本体自体がマイナスですから、薬価差益ももちろん取られた、取られたという言い方は良くないんでしょうけれども、更に本体マイナスと、こういうときもあるわけでありまして、必ずしも薬価の引下げ分が、それを上乗せの財源にしておったというわけでもないようであります。 今般に関しましては、私、まずこれ秋の時点で、やはりいろいろと今回の医療提供体制の見直し等々でこれは大変な財源が要るということでございまして、この薬価の引下げ分も含めて財源として使いたいと、こういう要望を出しました。 その後、予算編成、この基本方針の中において、一つは、これは本体もそれから薬価もやはり必要なものに適正に付けると、重点配分すると、こういう考え方。それからもう一つは、国民の負担のことも考えなければならないということがございますので、そういう意味では、特に本体に関しては、今までの改定、この影響も勘案しながら、言うなればどのような形で考えていくかというようなことであったわけでございまして、私はそのときも、そうは言うけれども、がん対策もやらなきゃいけませんし、それから精神科医療も重要でございます。さらには認知症、この対策もやっていかなきゃならぬということで、もうできる限りやはり薬価の引下げ分に関してこれを何とか診療報酬の方の財源にできないか、こういう要望もさせていただきましたが、最終的にはやはり国民負担という問題、これがございます。 特に、消費税充当部分一・三六、これをそのまま確保しましたので、そういう意味では国民負担という部分もあったんでありましょう。実態は本体〇・一プラスということでございまして、残りは基金というような形で九百四億円、これにおいて政策的ないろんな医療課題に関して対応するというような、そのような決着になったわけでございます。 これからも必要に応じて、薬価が引き下げられる部分はこれは診療報酬のプラス部分に持っていくようにこれからも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○島村大君 力強い御答弁ありがとうございます。 この薬価差益は、ある意味、医療界が自分たちで自分たちの財源をしっかりと確保して、その分を診療報酬本体の方に持っていこうという考えですので、是非この考え方は継続していただき、昭和四十七年にこういう建議文が出ているわけですから、これは引き続きこれを基にして、二年後のまた診療報酬改定に関しましても、引き続き、そのときに是非とも田村大臣に大臣を続けていただき、しっかりとやっていただきたいと思います。 それから、時間もあれなので次に行かせていただきたいと思います。 二番目には、今の診療報酬に関しまして、消費税に関わる問題で、いわゆる控除対象外消費税、これに関しまして、三%、五%、今回八%となったときには、この診療報酬改定というのは非課税です。消費税というのは最終消費者の方が税金を国に負担していただくということで、そのようなものが消費税と言われていますけど、非課税ですと、医療機関は機械とか材料とか薬品を買う場合にはもちろん消費税を払うわけですけど、残念ながら、保険診療の中では患者さんからその分を残念ながら負担してもらうということはできませんので、医療機関がこれを全部かぶっているということで、ただ、今回も、八%に上がったときに診療報酬の中でその分を補填するということで今大臣からもお話がありましたように、補填はしていただいています。ただ、これは、補填が、しっかりと補填される医療機関と、残念ながらちょっとしっかりとされない医療機関、また少し得してしまう医療機関も出てくると思うんですね。 このようにちょっと不公平性があると思うんですけど、その辺を、今度の一〇%を、もし一〇%に上がることがあれば、このときまでにしっかりと国の方は考えていただけるということになっていますけれども、その辺はいかがですか、是非ともお聞きしたいと思います。
○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。 先生御指摘いただいた部分なんですけれども、消費税が非課税とされている社会保険診療においては、医療機関等が医薬品を仕入れる際に支払う消費税分は診療報酬により手当てされているところであります。御指摘のとおりであります。また、社会保険診療については、本年四月からの消費税率の引上げにおいても、医療機関等の実態調査、これを行い、それに基づき、診療報酬において必要財源を確保するとともに、できるだけ多くの医療機関等に手当てされるように対応しているものと承知をしております。 いずれにしても、今後なのでありますが、税制抜本改革法において医療に係る課税の在り方については引き続き検討することとされておりまして、これは引き続き与党の議論の状況を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
○島村大君 ありがとうございます。 この非課税のままでもし行くのであれば、多分それほど時間は掛からないと思います。もし課税方式とか違う方式にした場合には、これ事務的な問題とか、やはり世の中に周知徹底する時間が必要だと思いますので、そういう意味では、与党を始め厚労省と早めに議論を始めていただき、しっかりとその周知徹底する時間が必要だと思いますので、これは是非とも、あしたにでもとは言えないかもしれないですけど、早めに議論を始めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、時間があれなので、三番目に、今日お配りした資料があるんですけど、皆様方のお手元に、読売新聞の一月十九日日曜版で一面に、「地球を読む」というところなんですけど、そこに垣添日本対がん協会会長がこのような文章を書いていただいています。 これは、歯科医療の課題ということで、定期的な口腔ケアが必要だと、また、かむ力をしっかりと維持していただければ健康寿命が延伸するということが書かれております。これは大臣にも何回かお話しさせていただいているんですけど、この最後に、読んでいただきますと、こういう改革を進めることで、生活習慣病や認知症、そして誤嚥性肺炎など予防につながり、健康寿命延伸を実現し、ひいてはこれによって医療費を削減することができると書かれております。 このように、がんセンターの元総長が今このようなことをお話ししていますけど、大臣はこれに関しましてどのようにお考えか、一言よろしくお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 例えば口腔ケアのような歯科保健というものが、例えば誤嚥性肺炎に対して、この予防に対して効果があるということは我々もしっかり認識しておりますし、健康寿命の延伸という意味では意味があると思います。 歯科健診という話になってきますと、これ、例えば特定健診の中に入れていくという話になれば、それは科学的知見でありますとかデータ、この収集も必要でありますし、あわせてその費用対効果ということも検討しなきゃならぬわけでありまして、やっぱり保険者の理解を得られる、そういうことが必要であろうというふうに思います。 そのような意味で、これからもデータ収集しっかりやりながら、効果があるということがエビデンスとして出てくれば、これは当然そういう方向性になってくるわけでございますので、そのような事業を努力してまいりたいというふうに思っております。
○島村大君 ありがとうございます。 今回、厚労省は、歯科に関しまして、口腔ケアの必要性、また今お話ありました歯周病と糖尿病に関しましてもデータを収集するということで今やっていただいていますので、これがしっかり出ましたら是非とも特定健診に入れていただきたいんですけど、その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今年度の事業の中で、おっしゃられますとおり、例えばいろんなデータを集める、これはレセプトデータでありますとか特定健診データ、こういうものを集めて、それを活用して保険者等々でいろいろと保健事業等をやっていくと。今までも効果のあるそういう事業をやってきた保険者があられますので、そういうところを参考にしながら、この歯科健診というもの、これを推進を図りつつ、一方で、今言われたように、糖尿病とそれから口腔ケア、これに関しての予防効果があるか、また予防といっても発症予防もあれば重症化予防もございますから、こういうものをしっかり検証しながら、必要な有効なスクリーニングでありますとか、歯科特定指導みたいな、このような形の実施方法、これを検討するという事業をやっておりますので、これでしっかり効果が出てまいりますれば、当然のごとく必要なものは健診の項目の中に入れさせていただきたいと、このように考えております。
○島村大君 実はまだ質問あったんですけど、時間ですので、ここで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○風間直樹君 田村大臣、どうも初めまして。参議院議員の風間でございます。今日はよろしくお願いします。 今日は、厚労省の不正入札問題を取り上げます。私、長年この委員で質疑をしていますが、今日の質疑はこれまでの私の質疑の中でも最も怒りを感じる案件についての質疑であります。理由は、田村大臣もよく御承知のとおりと思います。 今回の職業訓練事業をめぐる厚生労働省の不正入札問題でありますが、今日は高齢・障害・求職者の雇用支援機構の理事長、お越しいただいていますか。小林理事長、どこですか。──はい、ありがとうございます。この機構が会計検査院に指摘されただけでも、平成二十年、二十二年、そして今回の平成二十六年度、これはまだ指摘されていませんが、不正・不当行為を繰り返し行っています。 大臣はこれ御案内のように、この機構、非常に悪質です。今の小林理事長は三年前御就任をされました。小林さんの前は戸苅さんという理事長、この方は労働省に入って、厚労省の事務次官を務めて、言ってみれば労働局のドンだった方でありますが、この戸苅さんが牛耳っていたのがこの機構なんです。 今から三年前に不祥事を起こした。で、私がこの決算委員会で徹底的に追及をして、結果、引責辞任をされました。その後就任されたのが、今日お越しの小林さんです。ですから、私は、戸苅理事長時代までのこの機構というのは、本当にもう腐敗し切った組織だと思っていました。で、小林さんが新たに民間から就任をされた。ところが、新しい民間出身の理事長の下でも、また今回、不祥事を起こしたわけであります。 調べてみますと、平成十一年から毎年なんですね、毎年毎年です、この機構の不正・不当行為。今回は、今日この委員会で徹底的に質疑をいたしますが、これだけ国会と検査院から毎回繰り返し厳しい指摘を受けて、戸苅さんのように責任者が更迭されてもなお不正・不当行為を行うというこの組織、私はもう自浄作用が働かないと、こう判断しています。 機構がこうした不正・不当行為を繰り返す背景には、労働局の人事、組織をめぐる構造的な欠陥があります。それは、後ほど触れる平成十九年のいわゆる都道府県労働局不正経理事件で表面化をした問題でもあります。 そこで、以下、質問をしてまいります。 略して高障機構と申し上げますが、高障機構の小林理事長、今日は事前に平成二十二年五月十七日の当決算委員会の議事録を読んでこの質疑に臨まれるよう要請をいたしました。配付資料の六枚目に当時の議事録があります。 今回の不正入札問題に関して、まず理事長の反省の認識を伺います。
○参考人(小林利治君) 短期集中特別訓練事業の入札手続で今回は問題が生じたわけでございますけれども、その事実関係につきましては、現在、弁護士等の外部委員が参画する厚労省の監察本部におきまして調査中でございますが、私の認識の限りでお答えをさせていただきます。 本件は、公示の前日に発注者である国から仕様書の案を示され、それについて私どもの職員が説明をお聞きし、その後、飲食を共にする等の一連の行為によりまして、国民の皆様の大きな不信を招いてしまったものであるということで、大変申し訳なく思っております。 私どもの通常の契約業務におきましては、私ども機構は発注側、つまり買う側でございまして、受注側、つまり売る側ですね、物やサービスを売る側に立つということはほとんどございません。そういった事情もあって、受注側に立った、売る側に立ったコンプライアンスあるいはリスクマネジメントに大きな抜かりがあったと言わざるを得ず、深く反省をしているところでございます。 つまり、受注側、売る側に立った場合には、直ちに頭と行動を百八十度切り替えなければならないわけでございますけれども、それがなされずに、厚労省と機構の通常業務の延長線上でやり取りがなされてしまったと、こういうことだと思います。 今後は、買う側のみならず、売る側に回った場合のコンプライアンスあるいはリスクマネジメントをしっかりとやってまいりたいと考えております。
○風間直樹君 小林さん、今の御答弁、そういう答弁では国会の理解は得られませんよ。 私、あなた民間の御出身ですから余り今日厳しいことは言いたくないんです。ただ、今回の機構が起こした問題の根の深さをしっかり御認識をいただいて、その事実に基づいて答弁をされなければこの機構の再生はあり得ません。そのことを申し上げておきたい。 今日は、配付資料で付けてありますが、この二十二年五月十七日の議事録、ここに記されている経緯は、あなたが就任されたときにあなたの機構の部下たちから御説明を受けられましたか。
○参考人(小林利治君) 概要は説明を受けたと記憶しております。
○風間直樹君 後ほどまた理事長に伺います。 この問題に関して、安倍総理は三月十四日の予算委員会で蓮舫議員の問いに対して答弁されています。配付資料の①を御覧ください。ここで総理は、入札の不適正さを認めて、事実関係の調査と厳正な対処の必要性を表明されました。そして、厚労省の予算執行体制の再点検を明確に約束されています。この総理の指示に各省庁そして機関がどう対応したのか、今日は質問をしてまいります。 さて、質問に先立って、労働局の不正・不当行為を生む構造が端的に表れた平成十九年の都道府県労働局不正経理事件の審議を簡単に振り返っておきたいと思います。 この事件は、四十七の全都道府県で不適正な経理、公文書偽造などの犯罪行為が長年にわたって組織的、恒常的に行われてきたというものでありまして、第百六十六回国会参議院決算委員会で、当時の泉決算委員長の安倍総理に対する質疑が行われています。配付資料の②であります。また、内閣に対する警告決議も配付資料③のとおり行われています。この問題に関しては、実に警告決議が合計三回行われています。 ところで、このとき審議を行った山下栄一参議院議員は、「新たな行政監視システムの構築に向けて」という冊子を平成十九年九月にまとめています。配付資料の四ページにその表紙を紹介いたしました。 山下議員は報告書をまとめた動機を当時、次のように記しています。この質疑を通じ、行政機関の組織ぐるみの不正行為に対し、現行の是正システム、所管省庁、会計検査院、人事院、検察庁などが著しい機能不全に陥っていることが明らかとなった。そもそも我が国の公務員制度は何が問題なのか、本質に及ぶ議論をする必要がある。また、参議院は行政監視機能の強化を図らなければならないと。 冊子には次のような記述があります。配付資料の④を御覧ください。傍線部のみを読みます。 厚生労働省による内部調査は全く不十分であり、刑事告発と懲戒処分も極めて不徹底だった。憲法機関である会計検査院は、犯罪を検察庁に通告せず、関係者の懲戒処分の要求もしていなかった。人事院は、公正な人事行政維持のため独自の懲戒権を持ちながら、過去一度も行使したことがなく、さびついた伝家の宝刀と化してしまっている。総務省は行政監視をしておらず、国庫の適正な管理を任務とする財務省は現行法制度で十分に対応可能という現状認識であった。また、関係省庁は事件対応において、検察庁に対して積極的な働きかけを行っていなかった。このような状況は、国民の誰が見ても、日本の統治機構は完全に機能不全に陥っていると思うに違いないと。 今回の不正入札事件を見ると、決算委員会における先達議員の指摘が生かされていない。厚労大臣、私、このことを大変残念に思うわけであります。特に、事件が氷山の一角にすぎず、統治機構は完全に機能不全に陥っているという指摘は重要だと思います。今回の不正入札問題に真正面から取り組んで成果を上げることがもしできないならば、決算委員会の存在意義が問われることになります。 そこで、以下、質問を進めてまいります。 まず、法務省と警察庁にお尋ねをします。この問題は官製談合の疑いが濃厚であります。官製談合防止法違反の可能性がありますので、当然捜査が求められることになると思いますが、どのように対応されていますか。
○政府参考人(上冨敏伸君) お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。 なお、一般論として申し上げれば、検察当局においては、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと考えております。
○政府参考人(荻野徹君) お答えいたします。 警察といたしましては、個別の事案に関しましては、捜査しているかどうかも含め、その対応につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。 なお、一般論として申し上げますと、警察は、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき、厳正に対処していく所存でございます。
○風間直樹君 模範答弁でありまして、通常、国会ではこのような答弁を捜査機関としてはされるわけであります。しかし、冒頭申し上げたとおり、今回の不正入札は、繰り返し行われている不正・不当行為の再発であります。これをもし捜査当局が今回も見逃すとすれば、もはや厚生労働省のこの労働局の行政に関しては私は十分なチェックが捜査機関からは働かないものと、こう断ぜざるを得ません。官製談合防止法第八条、職員による入札等の妨害について刑事罰を定めております。この観点からしっかりとした捜査を期待いたします。 次に、検査院長にお尋ねをいたします。 談合とは、すなわち税金の無駄遣いであります。検査院の立場からも決して許されない行為でありますが、検査院は今回の事案についてどのように対応されていますか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、従来から、厚生労働省におきまして契約事務が適正に実施されているかなどにつきまして会計検査を行い、不適切な事態につきましては検査報告に掲記するなどしてまいりました。 今回の事態につきましても、厚生労働省に対しまして事実関係を確認するなどしまして、適切に対処してまいりたいと考えております。
○風間直樹君 検査院のチェックの権限をめぐっては、この決算委員会で審議をしておりますが、これまで歴史的に繰り返し検査院に対して様々なチェックの要請がこの場で行われました。ただ、残念ながら、それが十分に実施されたとは私自身感じられないのであります。今日の質疑を通して、検査院の法的権限、そしてそのチェックの体制、法的な根拠の弱さというものを浮き彫りにしたいと思いますが、この点はまた後日の決算委員会でも取り上げたいと思っています。検査院法の三十一条には、国に損害を与えたとき、懲戒処分の要求を検査院はできるというふうに記されているわけであります。 次に、総務省に伺います。 総務省の行政評価局は、行政評価・監視の観点から、今回どのように対応されていますか。
○副大臣(上川陽子君) 御指摘の問題についてでございますが、現在、総理の御指示によりまして、厚生労働省が徹底的な事実関係の調査を行うとともに、同省の予算執行のガバナンス体制の再点検を行っているものというふうに思っております。 総務省行政評価局の行政評価・監視は、個別の事件に着目をいたしましてその事件の問題点を明らかにすることを本務とすることではないために、既に厚生労働省における取組が開始されている現状におきましては、御指摘の個別の事案に着目して直ちに調査をすることは考えておりません。 ただ、今後、厚生労働省自身の調査を始めとする動向を注視いたしまして、個別の事案への対処にとどまらず、行政の制度、仕組みそのものを改善する必要があるのではないかと認められるような場合には、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
○風間直樹君 上川副大臣、今日、部下の方が書かれた答弁原稿をそのままお読みになっていると思います。ただ、ここで指摘をしておきますが、総務省の行政評価局の意義、役割というのは、今の答弁原稿に書かれた内容ではないんです。このことをいま一度本省にお帰りになって御確認をいただきたい。 この行政評価局、どういう経緯で設立されたか、副大臣、御存じですか。
○副大臣(上川陽子君) 様々な行政活動におきまして、それぞれの省庁が所管をする案件についてはそれぞれの省庁でしっかりと政策を評価をし、また、質を向上するとともに最適な行政サービスをしていくということでございますが、そうした個別の省庁における問題というものを超えて、総務省として全体としての政策評価あるいは行政評価を徹底していくということで、二段階構えのそうした評価制度ということによって行政のガバナンス全体を向上させると、こういう趣旨でつくられたものと承知をしております。
○風間直樹君 副大臣、それでは不十分なんです。 この総務省の行政評価局は、平成十一年だったと記憶をしていますが、参議院の行政監視委員会の要請によってその役割を規定されています。当時、警察の不祥事等々、いわゆる公務員の様々な問題が噴出をしました。これに対して、国会として取り組むことを世論から求められたわけです。それを受けて、参議院に行政監視委員会が設置をされまして、この委員会の決議として、委員会が公務員の不祥事、不正・不当行為をしっかり調査し、監視し、是正するために、その手足となる部隊、部局が必要であると。その部局として実は求められ設置をされたのがこの総務省に今置かれている行政評価局なんです。 ですから、本来この局は、参議院の行政監視委員会と連動して、今回のような様々な中央省庁によるあるいは独法による不正・不当行為が行われたときに、それを実際に視察に行く、検査に行く。執拗にそれを毎年繰り返す。今回の機構のように同じようなことを繰り返す機構があれば、そのことを行政監視委員会に報告をしつつ、参議院の行政監視委員会が行政の監視と是正を行うというのが実はあなたの下にある局に求められている機能、権能なんです。 そのことを是非御理解をいただいて、そして、あなたの部下たちにこの問題に関する監視を指示していただきたい。そのことをお約束いただけますか。
○副大臣(上川陽子君) ただいま厚生労働省の中でガバナンスを発揮しながら徹底的な調査をしているということでございますので、その動向をしっかりと見極めた上で対応してまいりたいと思っております。
○風間直樹君 厚労省のガバナンスはガバナンスで、上川副大臣、それはもっともなことなんです。当然必要です。ただし、総務省の評価局の役割はそれとはまた別なんですよ。安倍総理の御指示は確かにあるでしょう。その下で田村大臣が様々な指示をされていると思います。しかし、チェックの機関として総務省の評価局が仕事をしなきゃいけない。このことを再度この場で強く指摘をしておきます。 次、人事院にお尋ねをいたします。 公務員不祥事の観点から、人事院は今回どのように対応されていますか。
○政府参考人(井上利君) お答えいたします。 職員が非違行為を起こした場合の懲戒処分につきましては、部内の事情に通暁し、事実関係を十分把握できる立場にある各府省の任命権者が懲戒権者として動機、態様及び結果等を考慮して責任を持って決定すべきこととされております。 人事院では、懲戒処分の指針を発出し、代表的な事例について標準的な懲戒処分の種類を示すなど、各府省に対し服務規律違反行為に対する厳正な対処を求めているところでございますが、この懲戒処分の指針におきまして、平成十九年に入札談合等関与行為防止法の規制が強化されたことを踏まえ、翌平成二十年に入札談合等に関与する行為に関する標準例を新たに追加する改正を行っておりまして、入札談合等に関与する行為につきましては、この指針において、国が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とすることとしております。 国民の公務に寄せる期待と信頼に応え、行政の円滑な運営を図っていくためには、職員が国民全体の奉仕者としての使命を自覚し、厳正な規律と高い倫理観を保持しつつ、その職務に精励することが何より肝要であり、このような国家公務員の本分にもかかわらず服務規律違反行為が発生した場合には、各府省において厳正な対応を行うとともに、必要な再発防止策が徹底されることが重要であると考えております。 人事院といたしましては、服務規律が保持され、服務義務違反行為に対して厳正な対応が行われるよう、今後とも各府省に対する指導等に努めてまいりたいというふうに考えております。
○風間直樹君 さて、配付資料の②を御覧いただきたいと思います。労働局不正経理事件の審議の際の泉決算委員長の対安倍総理質疑であります。資料二ページ目の一番下の部分で、安倍総理が、関係機関が十分連携を図って対処すべきものである、再発防止に万全を期してまいるとの答弁を行っています。平成十九年の答弁です。 こうして前回再発防止を確約しているだけに、今回再び総理を務める安倍総理の責任は極めて重いわけであります。関係機関の連絡のために具体的にどのようなリーダーシップを総理が発揮されているのか。今、こうして関係機関に質問をしましてもどうも連携の様子が希薄でありますが、世耕官房副長官、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今回の事態に関しては、安倍総理はまさにリーダーシップを発揮をされて、厚生労働大臣に対して、事実関係をまず徹底的に調べろということ、そして厚生労働省の中のガバナンスをしっかりチェックしろということを指示をされています。 まずは、厚生労働省内におけるそういった調査をまずやっていただいて、その調査の結果を踏まえて、今御指摘のような、各府省間連携した対応が必要であるかどうか、それがどういったものであるかどうかということを判断をしてまいられるというふうに思っております。
○風間直樹君 田村大臣から官邸に対して当然途中経過の報告が入っているんだと思いますが、世耕副長官、どのような報告が入り、それをどのように受け止めていらっしゃいますか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) まだ調査中だと思いますので、私自身はまだ中間的な報告は受けておりません。総理その他の人に対してどういう報告が入っているかは、ちょっとまだ承知をしておりません。
○風間直樹君 皆様には、配付資料の⑤、傍線部を御覧いただきたいと思います。山下議員の資料であります。このように書かれています。本当にしなければならないことは、これまで幾度となく不祥事が繰り返されながら、なぜ省を挙げた、つまり厚生労働省を挙げた組織、人事の抜本的見直しが行われてこなかったという本質的原因の究明である。 これが今日に至るまで結局なかったから、また再発しているのではないかと思います。 厚労大臣に伺います。今回の問題に関しても、この行政の組織、人事の在り方という観点からの問題の解明が必要ですが、この点、どのようにお考えですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今般の事案でございますけれども、とにかく問題が報道されたときに、これはもう幾つかその時点で本来あってはいけない、そのような行政行為が行われておったと。例えば、省内で決裁がないにもかかわらず公示をしている、そして、公示をしたものをその後数時間で取り下げて、その後、若干時間たってからでありますけれども、違う内容を出しておるということでございました。即座に、これは再入札ということで指示を出したわけであります。 調査を省内でいたしました。しかし、大臣官房での調査で幾つかのことが分かってきたんですが、これ不適切だということもありますので、監察本部というのがございます。これは、コンタクトレンズの不祥事があったときに、民主党政権のときにおつくりをいただいた監察本部でございまして、民間から有識者の方々を入っていただいて、これはもう本当に外部の目でしっかりと調査をしていただける、そういう機関でございますので、我々、今その下で調査をしっかりとさせていただいております。 この公務員の不祥事に関してどう考えるかという話なんですが、これはあくまでもまだ調査の結果が出てこないと分かりませんが、私が今何となくつかんでおる感じといいますのは、元々この職業訓練、能力開発というのは国がやっておった仕事であります。それを特殊法人にして、更にスリムな政府にしなきゃいけないということで独立行政法人にした。今もなお多くの現役出向がおります。これはなぜかというと、まだ人が育っていないということがある。それは元々国がやっておった仕事なものでありますから、それを外に出したときにやはりなかなかやれる人たちがいない中において現役出向がいる。その中においてのいろんなやはり交流といいますか、なあなあの部分があったんであろうというふうに思います。 ただ、今般の事案は、入札ではありますが、これは一般競争入札ではないわけでありまして、これは随意契約の中におく企画競争入札というやつであります。金額を争うものではなくて、中身の企画を争うというようなものでございます。一者応札というものが比較的多いんですね、厚生労働省は。入札掛けても一者しか来ないと。これもそのような、それに近い案件であったんであろうなと。その中において、なあなあの中においてやってはいけないような行為が行われたんであろうなと、このような部分がかいま見えるわけでありまして、この一者入札も実は、元々随契を企画競争入札にしたのは、これは民主党政権でチャレンジをいただいたんです、なるべく民間にということで。その中において、本当に一者入札しかないようなものを民間に任せる、民間といいますか、企画競争入札する方がいいのか、いや、それでもした方がいいという部分もあると思います。そこはこれから総点検をさせていただく中において、本来、これは随意契約で、特命でというものがあるのならばそれは戻さざるを得ないでありましょうし、いや、それもできるんだというのならばこれは広く民間に広げていく、こういうことも含めて全面的な総点検をさせていただきたいと、このように思っております。 いずれにいたしましても、今、世耕副長官からもお話がありましたけれども、予算執行全般に関しましてこのガバナンス体制の総チェック、総点検をさせていただいて、再発防止しっかりとさせていただきたいというふうに思います。
○風間直樹君 これ、厚労省は本当、根が深いんですよ、大臣。御案内のとおりだと思いますが。特にこの機構、もうむちゃくちゃです。むちゃくちゃです。私は、大臣、この機構はもうこれだけ問題、不正・不当行為を繰り返して、国会で追及されてもやめない、検査院に言われてもやめない。もう役割を終えたと思います、機構自体が。ですから、この機構の廃止を私は求めたい。そもそも存在意義が低い組織は必然的にモラルが低下します。恐らく機構がやっている職能訓練等の事業の存在意義が低いんでしょう。だから、これだけ様々問題を起こすんだと私は考えています。機構の廃止を検討されるように求めたいと思います。 時間の関係がありますので、最後に幾つかを指摘をさせていただきたいと思います。 今大臣もおっしゃいましたが、今回のこの不公正行政、不正・不当行為ですね、組織、人事が公正で能率的に機能しないところに本質的な問題があると思います。問題の解決を今関係大臣から御答弁いただきましたけれども、私はこれは民主党政権の頃から見ていて思うんですが、政府の自助努力だけで解決をするということはもはや困難でありますし、不適切です。私、前の戸苅利和理事長の引責辞任を求めた質疑をやったのは民主党政権のときでしたが、あのときも非常に苦労しました。今回も同じ問題がまた起きている。行政の組織、人事の在り方について国会が強い関心を持って常時監視を行うこと、そして法律を誠実に執行するという内閣の憲法上の義務の履行を確保する必要があると、このように考えています。 もう一点、これは決算委員会ですから申し上げますが、予算審議というものには当然決算の視点が必要です。それがないと省庁割拠主義による分捕り合戦になりかねません。公共の利益の実現につながりません。これは復興予算の流用でも明らかだと思っています。この際、予算委員会と決算委員会を統合して財政委員会といったようなものをつくるべきではないかなというのが私の問題意識であります。 それから、検査院に申し上げたいんですが、私、会計検査院の法的な位置付けについて再検討すべきだと思っています。私も今回、この委員会に所属させていただくのはたしか四回目ですが、毎年同じことを質疑し、チェックをしながら、繰り返し不正・不当行為が起こるというのは一体どういうことなんでしょうか。それは、やはり検査院の法的な権限が弱いということなんだと思います。内閣から独立した組織といいつつ、各省庁に対する調査権限は弱いものであります。国会附属の組織として強力で継続的な調査を担保すべきと私は考えています。後日の質疑でこの点また取り上げたいと思います。 検査院長、この高障機構、今私は大臣に廃止を求めましたが、廃止されるまでの間、同機構への会計検査を毎年、繰り返し執拗に行ってください。毎年の検査報告書を内閣に提出された後、私は大小を含めて機構に関する内容を検査院に毎回、毎年しつこく確認をさせてもらいます。問題があれば、国会で取り上げ追及をします。それぐらいやらないと、この機構に限らず、私は独立行政法人や様々な機関の不正・不当行為というのはなくならないと思います。 我々国会議員が委員会の場で追及をし、問題として取り上げても、それが一過性に終わってしまうことが多い。大事なことは、議員が取り上げた問題を常設の組織が、毎年、中期的、長期的に繰り返し調査をして、問題のある機関に対し実際に入って、そして、それが改善されたかどうかを確認していく、このことではないかということを今日強く感じています。 最後に、小林理事長、今日の質疑をお聞きになって、あなたの今後の不正・不当行為防止への決意をお聞かせください。
○参考人(小林利治君) これまでもコンプライアンス、私は民間企業出身ということもありまして、コンプライアンスに関しましてはやれることはやってまいったつもりでございますけれども、残念ながら今回、先ほど申し上げました背景があったとはいえ、このようなことが起きたということは誠に残念であります。 まずは、繰り返しになりますけれども、我々売る側として、ほとんどないわけですけれども、まれにあるわけで、その売る側に立った場合のコンプライアンス、これを徹底をする。それから、さらにはコンプライアンス全般につきまして、これまでも様々な施策をやってまいりましたけれども、それを更に徹底をさせると。こういうことで気持ちを新たに取り組んでまいりたいというふうに思います。
○風間直樹君 最後に、委員長に要請を申し上げます。 先ほど申しました、会計検査院がこの機構に毎年繰り返し検査に入ること、このことを後日理事会で御協議いただきたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 理事会で協議をいたします。
○風間直樹君 ありがとうございました。終わります。
○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。本日はよろしくお願いいたします。 まず、若者の雇用安定に向けた施策について伺いたいと思います。 厚生労働委員会でも、先日、私、質問をさせていただきましたけれども、直近の数字が出ました。二〇一四年の二月現在、全雇用労働者に占める非正規の割合が三八・二%、本当に過去最高レベルを、私はこの直近が出る前に、前の数字も過去最高と言ったんですが、それを上回ってしまった。こういう状況にありまして、特に懸念されるのは若者の非正規、この割合だろうと思います。この間、政府として非正規から正規への施策というのを幾つかやってきたわけですけれども、実は先日、雇用保険法の改正でも新たな形の施策をという形で成立いたしました。 そこで伺いたいのですが、現政権はこの非正規が増えていくという状況を好ましくないと考えていると捉えてよろしいのでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、全労働者の中に占める非正規雇用の割合が三八・二%と、これ二月の数字であります。中身は分析しなきゃいけないと思います。 といいますのは、やはり昨年見ていますと、総務省の労働力調査でありますけれども、どちらかといいますと、今まで働いておられなかった方々、景気が良くなってこられまして働き出してきておられると、こういう傾向があります。非労働力の割合が下がってきておるという形があります。ですから、そういう方々が非正規、つまり、自分が働ける時間を働きたいというような形で例えばパート労働というような形で働き出した。そういう方々は望まれて働いておられるわけでございますので、それが増えること自体は悪いことではありませんし、働けば所得が増えますからその分だけ家計は豊かになるんだと思います。 ただ、今委員がおっしゃられましたとおり、若年層となるとちょっと話は別でございまして、これが十五から二十四、それから二十五から三十四、ここら辺のところがやっぱり増えてきておる。特に、二十五から三十四のところは他の世代と比べても割合が高いわけであります。 これに関してはいろんなことが理由としてはあるんだと思いますが、例えばずっと景気が悪い中において新卒の方々が正規の職が就けなかった、これはいろんな理由があります。大企業を目指されて挫折されたということもございます。そういう意味に関しましては、例えば中小企業とのマッチングなんかをいろいろと今させていただいておりますが、いずれにいたしましても、不本意で非正規でおられるという方々に対しては、これは正規に向かって我々も一生懸命環境を整備をしていかなきゃならぬということでございまして、今委員がおっしゃられました雇用保険の改正で、中長期的なキャリア形成支援でありますとか、それからキャリアアップ助成金でありますとかトライアル雇用でありますとか、さらに、わかものハローワーク、新卒応援ハローワーク、このような形で応援をさせていただく中において、もう若い方々中心に何とか正規に向かってキャリアアップをしていただきたい、このようなことを我々も施策として盛り込んでおるような次第であります。
○相原久美子君 基本的には、若者の非正規の増加というのは好ましくないと捉えているということでよろしいですね。 その上で、今お話しいただきましたように、本当に、多様な働き方そのものを否定するわけではないのですけれども、望まないで非正規になっている、いわゆる不本意非正規ですよね、今大臣がお答えいただきましたように本当に多くなっているんです。以前は、大臣もおっしゃっていました多様な働き方、これが選択できるというのはよいじゃないかと、私も否定はしません。ただ、本当に問題なのは、この国の将来を考えたときに、この不本意非正規をどうしていくかということが私どものこの国にとって非常に大きな課題だと思うんです。 その上で、今幾つか、この不本意非正規、これを改善していくための施策として取られているということを御紹介いただきましたけれども、課題は何なのだというところをもしポイントとして挙げていただくんであれば、どういうことがやっぱりこの不本意非正規の課題なのだというふうに捉えていらっしゃるのか、もしお答えがあればお願いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 非正規雇用という働き方、特に不本意な方々に関しては、一つは、やはり職業が安定しないわけでありますし、賃金も低い、さらには自ら能力開発する機会がないわけでありまして、正規につなげていくためにはやはり御本人の能力開発というものがないことにはなかなか難しい。若年で非正規の方々、これもうそういうような方々の世代が四十五そこそこまで来ているわけでございますので、そういう方々、もう若年ではなくなりつつあるわけであります。そういう方々も含めて、やはりしっかりと職業能力、能力開発ができるような、そんな施策が必要であろうということでございまして、そういう意味で、先ほど言いました雇用保険制度の改正でありますとか、またキャリアアップ助成でありますとかトライアルというようなものも組み込まさせていただいておるわけであります。 まず入口で、学校を卒業して、新卒者も今ちょっと幅を広めにしておりますけど、そこでまずちゃんと正規の雇用に望まれる方が行っていただく、こういう施策を一つしっかり打つこと。それからもう一つは、今申し上げたような、一度非正規の方には入られたんですけれども、そこから正規に行っていただくためのいろんな我々道具を準備をさせていただくということ。あわせて、正規で入っても、今ブラックというような働き方がございます。事実上、あれは正規で入っても中で正規としてほとんど扱われないような働き方でございます。このような若者を使い捨てにする企業に対しましてもしっかりと我々はチェックを入れていく、これも大変重要なポイントであろうというふうに考えております。
○相原久美子君 そうなんですよね。今御指摘いただいたように、確かに、非正規から正規へ行きたい、それから正規であっても非正規に近い形というのがある。で、いろいろな施策を打ってきたかと思います。でも、この基本がちょっと違うのではないかなというのが私自身の考え方なんです。 それはなぜかというと、こういう立場になったのは若者の問題なのだというふうに捉えているんですね。キャリアアップをしなきゃならない、だからいろんな職業訓練をさせていこう、転換をできるようにしていこうと。でも、側面が、私は企業の資質の問題もあると思うんです。確かに、職業訓練をさせたりとか様々なキャリアアップの訓練をさせていって転換していくということは必要だと思います。でも、もう一つ、今御指摘いただいたように、ブラック企業と言われる企業が出てきたとか、まさに、何というんでしょうね、賃金とか労働条件の劣悪な状況で収益を上げていこうとかという企業の姿勢も、これまた出てきたのではないかと。私たちが働き始めた世代のときと、やはり企業の質が私は変わってきておるのではないかと思うんです。 グローバル社会になりました。ですから、競争は非常に厳しい競争になっているとは思います。でも、教育訓練という若者に対するそういう訓練も必要ですけれども、若者に責任転嫁をするだけではなくて、企業の育成ということもある意味国の施策として必要なのではないかと思うんです。その意味で、なかなか企業の育成というのは国としてすることは難しいでしょうけれども、そこをつくっていくやはり施策、これが必要なのではないかと思うのですが、これはちょっと質問通告しておりませんけれども、大臣として、ちょっと姿勢というか方向性、決意も含めて、よろしくお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 大前提は法令をしっかり守っていただく。これは労働基準法も含めて、時間外労働に関しましてちゃんと賃金を払うでありますとか、それからちゃんとした労働時間でありますとか、そういうものをやっていただくというのは大前提でありますが、今委員がおっしゃられた側面からすれば、多分バブル崩壊後の日本の経済と密接につながっておるところがあると思います。 一つは、円高傾向の中で競争力という問題がございました。対外的に、輸出産業に関しては競争力のことがありますので、なるべくコストを抑えないと勝てないと、人件費等々も高いということがございます。いっときは輸出産業空洞化なんということを製造業は言われて、事実今空洞化になりつつございますけれども、これは、難しいのは、正規社員はなかなか、御承知のとおり、給料を落とせません、上げなくても落とせない。すると、非正規という働き方の賃金を抑える中において平均の賃金が下がっていくというのがここ数年来、もう十年以上でありましょうか、そういう流れであったと思います。 内需産業に関しては、デフレであります。物の価格がどんどん下がります。下がると、原材料費はどうしたって外からのものが多いわけでありますから下げられない、すると、賃金を下げざるを得ない。すると、ここも同じ話で、正規は下げられない、すると、非正規という方々の割合を増やして全体として落としていくというようなことがあったんだと思います。 そのような意味からいたしますと、一つは、やはりちゃんと輸出に関しては競争力付けられるような国内の市場といいますか環境をつくること、それからもう一つ、内需型では、やはりデフレを脱却して、ちゃんと企業が利益を乗せて物が売れる、だから賃金上げられるというこの好循環をつくっていくことがやはり重要であろうということでございまして、安倍内閣において今そのような政策をさせていただく中において、若い方々が、我々が勤めた頃は勤めれば来年は月給どれだけ上がるということがもう必ず見えていたわけでありますけれども、そういうような状況じゃ今なっておりませんから、どうしてもローンが組めないので家が買えない、車が買えないというような状況でもございます。それを好循環に戻していって、働く方々が将来に向かって人生設計が立てられるような、そのような環境を我々はつくってまいりたい、このような思いの中で、今現在、政策を進めさせていただいております。
○相原久美子君 経済政策が必要だということは私も十分理解できます。そして、状況を好転させていく、そういう施策を打っていくということも私は必要だと思います。しかしながら、ここで、働く人間が将来に展望がなくなっていった、そして疲弊していったときのこの国の先をやはり私たちはしっかりと見詰めていかなければ、国のやはりあずかる人間として我々の役目はそれではならないのではないかと、そういう思いを是非共有化していただくということでの次の政策に伺いたいと思います。 ずっとこの間、雇用安定ですとか、それからキャリアの転換、そういうことで予算を付けてまいりました。二十四年度の補正予算で六百億、そして二十五年度予算で三百五十五億。しかしながら、先ほど大臣がおっしゃいましたように、非正規が研修の機会等々もないんだからということでこういう補正等々で私は機会をつくってきたんだと思うんですけれども、これを取り組んできた結果、どういう状況であったのか、効果が現れたのか、若しくは効果が現れていないとするなら今後どうしていこうとしているのか、それについて伺いたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 若者の安定雇用の確保に関する予算について御説明申し上げます。 平成二十四年度補正予算におきましては、非正規雇用の若者に訓練を行い、訓練終了後に正社員として雇用する事業主を支援します若者チャレンジ奨励金の創設及びニートの若者等の職業的自立を支援する地域若者サポートステーション事業の拡充を行ったところでございます。 若者チャレンジ奨励金につきましては、本年二月末時点の訓練受講予定者数三万三千百四人ということで、予算が想定した人数を上回る形でなっておりますが、これは、この事業の奨励金は時限措置となっておりまして、本年の三月末で受付を終了したところでございます。今後、実績等の分析を行い、その成果を今後の対策に反映させてまいりたいと考えております。 また、地域若者サポートステーション事業におきましては、平成二十四年度におきまして約一万五千人が進路を決定したところでございます。また、新卒の方々に対する新卒応援ハローワーク事業につきましては、ジョブサポーターによるきめ細かな職業相談、職業紹介ということで、平成二十四年度におきましては、その利用者数約七十一万人、就職者数約九万四千人、ジョブサポーターの支援による就職者数約十九万四千人となっているところでございます。 加えまして、フリーター等に対しましては、わかものハローワークなどにおきまして正規雇用化に向けた支援の実施ということで、平成二十四年度におきましては約三十・二万人の正規雇用化を実現したところでございます。 これらの成果につきましては、個別担当制によるきめ細かな職業相談、職業紹介、あるいは大学への出張相談による個別学生の取り込みの強化ということで、ハローワークにおきます様々な努力がこういう就職という成果に、実現することに寄与したものではなかろうかと考えているところでございます。
○相原久美子君 一定の成果は上げてきているということだと思います。ただしかし、この今の状況でいうと、残念ながら出てきている数字でいうと負の部分の方が多いわけですから、追いかけっこになっちゃいます。是非これを逆転させるような形でこれからの取組をお願いしたいと思います。 そこで、もう一点お伺いしたいのですが、様々なところでこの施策を遂行するのにキャリアコンサルタント、要するに対面式でいろいろな相談を受けながらということをされて、そして結果に結び付けてきているんだと思うんですが、このキャリアコンサルタント、これ予算の部分でいうとなかなか難しいのだろうと思うんですけれども、ここをしっかりとやはり育成体制を整えていかなければならないのではないかと思うんですね。 地方の声を聞きましても、就職したいんですということでハローワークに行くというよりは、自分自身の先を考えて、そこのもう入口からの相談という方の方が多いようなんです。自分が何をしたいのかとか、どういうところに仕事があるのか、それが、キャリアコンサルタントがそこの間に入ることによって、やはりその方の行くべき道というのが割にスムーズに見付けられるということになるんだろうと思うので、このキャリアコンサルタントの育成体制の強化、これについて厚生労働省として検討していらっしゃるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(杉浦信平君) お答えいたします。 キャリアコンサルタントの養成につきましても、私どもとしまして、若者等の就職に結び付くための施策として大変重要なことだと考えております。 このため、公共職業訓練、それから委託訓練、それから求職者訓練等、公的な職業訓練の前後におきましてその都度キャリアコンサルティングを行うような体制を整備しつつありますし、それから、先ほど出てまいりました地域若者サポートステーション事業におきましても、キャリアコンサルタントを始め若者の就労支援の相談ができる体制を持ったNPO法人等を選定をしているというようなことで、若者等の就職、職業訓練の際にこういったキャリアコンサルタントを活用したキャリアコンサルティングを進めてきておるところでございまして、今後もその養成にしっかりと努めてまいりたいと思っております。
○相原久美子君 是非よろしくお願いしたいと思います。 若い方たちと、学校を卒業するような方たちとお話ししていますと、なかなか自分の先行き、まあ通常はなかなか考えない、早くからこの仕事に就きたいとか、こういうスキルをつかむんだとかと思っていらっしゃる方って割に少なくて、もうこの先をどうしていくかというやはり若者たちが多い。そこにしっかりとやはり相談体制というものをつくりながら就業に結び付けていく、その手だてをお願いしたいと思います。 ちょっと時間がなくなりそうなものですから、申し訳ないのですが、ちょっと飛ばさせていただきまして、精神医療についてお伺いしたいと思います。 我が国の精神病床数というのは今三十四万床、入院患者数が三十二万人。諸外国では、ここ数十年で病床削減ですとか地域生活への移行というような形で比較的減少してきているんですけれども、日本はまだまだ何となく横ばい状態というような状況なんだろうと思うんですね。 そこで、調べてみますと、入院期間が国内の病院全体でいっても三十四・三日、非常に長期にわたっている方もいらっしゃる。そして、その方たちが高齢化してきているというような現状がございます。これを打開するためにということで、審議会ですとか厚生労働省内でいろいろ検討はされてきたと思います。しかしながら、まだ実際に結果を出していない。 この間、退院支援策の補助事業などが行われてきているようですけれども、二〇一〇年から精神障害者地域移行・地域定着支援事業、これらも行ってきているようです。予算額、これを見ますと、額面はどんどん削減されてきているんですね。結果が出ていないのに額面は削減されてきている。確かに、精神の場合の退院促進事業というのは、なかなか費用対効果で表れないし、難しい問題があるかと思うんですけれども、この間のこの予算の執行の実績そして評価、これからどのように進めていこうとされているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 委員御指摘の地域移行の関係の特別対策事業でございますけれども、平成二十年度から二十二年度まで、予算約十七億円ということで推移してきたところでございますが、その後、平成二十三年度から二十六年度までの間、徐々に減少しているということでございます。ただ、これは、これまでの間の事業を評価した上で、例えば新しく給付体系をつくるだとか、そういうことを併せて実施をしているということでございます。 少し具体的に申し上げますと、一つは、障害者総合支援法に基づきまして地域相談支援という形で個別の給付、これは恒常的な財源でやる形であります。あるいは、地域定着をより推進するために精神障害者アウトリーチ推進事業、こういったものを創設しているということで、全体として支援の充実を図ってきていると、こういう状況でございます。
○相原久美子君 ということは、少なくとも地域移行は進んでいるという評価をしていられるということでよろしいですか。 その上でちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、今回、基金事業で医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度ということで、各都道府県に基金をつくるとしておりますね。それの、基金の事業の対象として病床の機能分化、連携、このような形でやっていくんだと。 もちろん、これは精神だけの問題ではないと思いますけれども、ここで精神科の長期療養者の地域移行、これを進めていって医療機関の病床削減に資すると、それで、そのためには、精神科医療機関の病床のデイケア施設や地域生活支援のための事業への移行を促進するための施設・設備整備という項目があるのですけれども、これは具体的に何を想定しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 御指摘の新たな財政支援制度でございますけれども、平成二十六年度は三つの柱でございまして、一つは病床の機能分化、連携のために必要な事業、二つ目が在宅医療を推進する事業、三番目が医療従事者等の確保、養成のための事業ということで、都道府県において官民を問わない幅広い地域の関係者と十分に協議を行った上で地域の実情に応じて実施をすると、こういうことになっております。 精神医療につきましては、先ほど話が出ましたけれども、本年三月に精神医療についての言わば今後の医療の確保の指針というのを作りまして、この中で、入院医療中心の精神医療から精神障害者の方の地域生活を支えるための精神医療へ改革を実現するということで示しているところでございます。 こうした中で、委員御指摘の先ほどの事例のところでございますけれども、精神科医療機関における精神病床を、例えば一つはデイケアという形の施設整備に変える、あるいはアウトリーチ、これは多職種による訪問支援でございますけれども、こうしたアウトリーチを行うための施設整備に変えていくと、そういう施設整備を整備するといったことは先ほど申した指針に沿っているものでございますので、こうしたものを新たな財政支援制度の対象事業として御指摘の文言の下に例示をしたということでございます。
○相原久美子君 地域移行というのは私も進めるべきだと思います。結果として、ずうっと課題であった病床の削減ということにもつながっていくわけです。ただ、地域移行というときに非常に問題なのは、かなり長期に入院していらっしゃって、なおかつ高齢化しているということが非常に課題なんですね。 ですから、今回、長期入院患者の意向を最大限尊重するのだというふうに言われていて、この支援の在り方、何か六項目検討というようなことをちょっと見たのですけれども、ちょっと首をかしげていらっしゃるので、それはないのかな。この長期入院患者本人の意向を最大限尊重し、退院意欲を喚起させる具体的な支援の在り方、これが検討されるというふうに聞いているのですね。そのときに、六項目、ごめんなさい、六項目じゃない、六月頃。六月頃でした、済みません。 この検討会における議論の方向性、ちょっと今の段階でお分かりのところについて、あれば教えていただきたいのです。
○政府参考人(蒲原基道君) 委員から御質問ありましたとおり、これまでも地域移行あるいはそれに伴って結果としての病床削減ということを目指してやってきたわけでございますけれども、今般、とりわけ一年以上長期の方々というのが、については更に地域移行を進めるとともに、あわせて地域の受皿をきちっとつくっていくといったことが大事だということで、三月二十八日に検討会を開催したということでございまして、これから一応六月末頃を目途に中身を詰めていきたいと思っています。 今、話がございましたとおり、長期入院患者本人の意向を最大限尊重するということをまず第一にしますし、あわせて地域移行に直接移行することが主な非常に重要な視点でございますけれども、新たな選択肢も含めて地域移行を一層促進するための取組を幅広い観点から検討するということにしているところでございます。 いろんな意見がこれの委員会で出てくると思いますので、そうした意見をよく聞いた上で具体的な方策というのを今の基本的な方向に沿って検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○相原久美子君 是非、御本人の意向、それと比較的高齢化しているということのやはり地域移行への問題点、それをしっかりと明らかにしながら、その方たちが地域でどういう形で生活していけるかということについてしっかりと取組をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 そして、大臣、本当に行き場がなくなってしまったということがないように、もう長年精神病院で暮らしていらっしゃった、多分私自身も、五年十年一般の社会の中からちょっと別な形でということになると、今のIT社会の中には付いていけません、もう炊飯器一つ使えないだろう、テレビ一つつけれないだろうというような状況になりかねないわけですから、そこのフォローは是非省として全体で取り組んでいただくようにお願いしたいと思います。 時間がなくなりましたので、最後になります。ちょっと申し訳ないのですが、関係の皆さんにお越しいただきましたけれども、一点だけお伺いしたいと思います。 生活保護の受給者の就業支援のところ、これ、端的にお伺いいたします。なかなか、会計検査院からも指摘されたかなりの項目があろうかと思うんですけれども、そこの中の一つ、やはり、就業がきちっとその方の自立に結び付いていっていない、これが一旦は職に就いたけれどもまたすぐに生活保護へとかという形になっているということをお伺いしておりますけれども、この部分について、厚生労働省として何が課題であって今後どういう形でそれに対応していこうとしているのか、会計検査院の指摘も含めてちょっと検討されたことがあればお伺いしたいと思います。
○副大臣(佐藤茂樹君) 相原委員の御質問にお答えをいたします。 今委員御質問のとおり、生活保護制度において支給されている技能修得費につきまして、会計検査院報告では、就労に結び付いていないケースがあることなどから、これ大体三割程度結び付いていないという、そういう御指摘も受けまして、被保護者の自立に向けた目標を明確にするなど、就労支援がより効果的に行われるよう、そういう指摘を受けたところでございます。 厚生労働省としても、そういう指摘を受けましてもう一度チェックをいたしまして、やはり厚生労働省として大事なのは、就労支援を行う際にはやはり本人の意欲や能力、環境に応じて寄り添って計画的に細かく支援することが重要であるということから、平成二十五年度から、もう少しその辺を明確にしようということで、地域の福祉事務所と本人が協議をして、本人の納得を得た上で支援を円滑に行うことができるように自立活動確認書というのを本人の納得の上で作らせていただいて、それに基づいてお一人お一人しっかり支援をしていこうと、そういうことにさせていただいております。 具体的に、さらに福祉事務所の体制も拡充していかないといけないということで、平成二十一年度以降毎年度、ケースワーカーの地方交付税の算定上の人数を増やすことにしてきておりまして、これは着実に増やしてきております。もう一つは、福祉事務所に就労支援員を増員するということについても着実に増やしてきておりまして、平成二十六年の三月現在では二千百七十八人就労支援員を配置しております。さらに、ハローワークが福祉事務所と連携してチーム支援を行うなどによって、就労支援に向けてお一人お一人きめ細かなそういう支援を行うことなどによって生活保護者に対する就労支援を円滑に進めてまいりたいと考えております。
○相原久美子君 質問を終わりますけれども、会計検査院からの指摘しっかりと受け止めて、本当に実効性のある体制をつくっていただくようお願い申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。 本日は、平成二十三年、二〇一一年十月に滋賀県大津市で生じました中学二年生の男子生徒のいじめ自死事件を契機に昨年国会で立法されたいじめ防止対策推進法、今日、下村大臣の下で国の基本方針を十月に制定をいただきました、その法制度全体のその取組の状況、国会で立法させていただき、また下村大臣の下でお作りいただいた国の基本方針、その制度の趣旨、内容と現実、学校の現場あるいは教育委員会のその取組、その乖離について質問をさせていただきます。端的に申し上げれば、今なお残念ながら自殺が止まっていないということでございます。それを止める方策について議論をさせていただきたいと思います。 この法律でございますけれども、本委員会の筆頭理事であります神本先生を始めとする民主党同僚議員のもの、私、民主党案について、それから後に民主、社民、生活の三党案となりまして、自公案の与野党協議をさせていただきました。山谷先生、また柴田先生共々、超党派で立法させていただいたものでございます。また、私、立法活動とともに、十月の基本方針の策定に当たりましては、立法を頑張らせていただいた立場として、文科省の皆さんに様々な助言などをさせていただきまして、結果、今大臣のお手元に置いてくださっておりますけれども、法律と国の基本方針の逐条解説を出版もさせていただきました。全国の各地域で、大臣が作っていただいた、また国会が立法した法制度を正しくきちんと実行していただきたいという願いでございます。 本日、こうした取組をずっと御一緒に頑張らさせていただいてまいりました、先ほど申し上げました大津市の自死事件の御遺族の方と、また、同じくお嬢様をいじめによる自死で失われたジェントルハート・プロジェクト、NPO法人でございますけれども、小森美登里様御夫妻を始めとするその法人の方々にお越しいただいております。 この法律でございますけれども、今申し上げました、かけがえのない、絶対失われてはいけない命がいじめによって失われてしまった、そしてそれだけではなくて、その残された遺族の方々が、残念ながら教育委員会や学校の不適切な隠蔽等の対応によるいわゆる二次被害で苦しめられた、この二点をもう解決する、二度と起こさないようにする、そうした思いで超党派で立法させていただいたものでございます。 内容について少しお時間をいただいて御説明をさせていただきます。 ポンチ絵の資料をお配りさせていただいておりますけれども、この法律の目的でございますけれども、今までなぜ何十年にもわたって我が国でいじめが学校で続いてきたのか。残念ながら、人間のコミュニティーである限りいじめというものはなくならないものであろうと、ただ、それがなかなか抑えられないできた。その中では、決してあってはならない自殺事件というものが繰り返されてきた。その根本的な問題、学校や地域にあるその構造的な問題を、立法によって、ある仕組み、様々な仕組みを講じることによって解決する、そうした立法でございました。 学校の中においての要になる仕組みが二つございます。右の学校という欄を御覧いただきたいんですけれども、下のいじめ対策委員会でございます。これは、もう全ての学校でこの第二十二条の委員会を義務的に設置をしていただくことになっております。つまり、学校の中で生じたあるいは疑われたいじめというのは、個々の担任の教師が担当するのではなくて、全てチームで担当する。その個々の学級担任の方の中にはいじめについて理解が乏しい、あるいは対応能力が十分でないというようなことも過去の例、事件の中にはあったということでございまして、チームで対応するということでございます。やることは、いじめ対策の三要素でございます。いじめを最大限に防止し、最大限に早期発見し、起きてしまったときに適切に解決する、この三つをやり切るということでございます。 さらに、もう一つの要の仕組みは、その上にございます学校いじめ防止基本方針でございます。これは、いじめが起きにくい、いじめが起こさないような、そうした起こしにくいような学級、学校に文化自体を、組織自体を変えていく。単に年に一度いじめは駄目だといったようなスローガンをみんなでやるのではなくて、全ての学校教育活動を通じた体系的な、また計画的な年間のいじめの防止プログラムというものを作っていただいて、そうした環境をつくっていくという、こうした取組でございます。さらに、あってはならないことですけれども、自死事件のような重大事態が起きたときの適切な対応、そうしたものなどについても定めさせていただいているところでございます。 それで、まず、この二十二条の学校のいじめ対策委員会でございますけれども、実は私、この二十二条の条文を一言一句書かせていただいた、立法をやらせていただいた者なんですけれども、この二十二条のいじめ対策委員会というのは、先ほど申し上げました三つの、防止と早期発見、事案対処、それを条文で実効的に行うという条件を付けさせていただいておりますけれども、こうした対策委員会の在り方、趣旨を踏まえたときに、もう論理必然的に、こういう要件でこういう機能を発揮していただかなければいけない、こういう組織をつくっていただいてこういう活動をしていただかなければならないということがもう法的な義務として実は定まっていることでございます。 具体的には、この学校の対策委員会というものは、いわゆる教頭先生やあるいは生徒指導担当といったような一部の限られた管理職的な方々だけの組織ではなくて、生徒、子供たちにとって一番身近な学級担任あるいは教科担任、音楽の先生ですとかそうした教科担任の方々が必ず参加をしていただく。そういう方々が参加していただくことによって初めて学校全体の組織になり、かつ子供たちから見て、この学校の教職員がもう総力を挙げていじめに向かっている、さらにこの組織というのは、子供たちから見て安心、信頼の、必ずいじめを止めて助け出してくれるという、そういう確信を持った組織でなければいけませんので、そうしたときに、一部の先生ではなくて自分のクラス担任が今年は対策委員会にいると、次の年になったら隣の学級担任の先生がなっているというような、子供たちから見てもう本当に学校の先生たち全てがいじめを許さないと、そしていじめから子供たちを救うんだと、そうした意思、存在あるいは行動への信頼を持つと、そうした機能が求められているところでございます。 さらに、このいじめ対策委員会に全ての学級担任、また音楽の先生などの教科担任の方が入っていただくことは、下村大臣のお作りいただいています国の基本方針、それをまさに実現するためにも死活的な意味を有しているところでございます。 それはどういうことかといいますと、このいじめというものは全ての教職員が組織的に対応しなければいけないわけでございますけれども、先ほど御紹介申し上げました大津市の自死事件の、尾木直樹先生などが作られました第三者委員会の報告書を私も拝読をさせていただいて立法の参考にさせていただいたんでございますけれども、それを読んでおりますと、今日御遺族の方がいらっしゃる前で私も本当につらい思いでございますけれども、そこに書かれてありましたことは、その当時の学級担任の先生はいじめだと思ってはいなかったと、悪ふざけだと思っていたと。ところが、その周りの同僚の先生方は、何人かの方は、あれはいじめだと思っていたという先生方がいらっしゃったわけでございます。 すなわち、問題が二点あるわけでございます。一つは、いじめについての残念ながら対処能力が十分でない先生がいらっしゃること。もう一つは、その担任以外の別の先生が学校内で起きたいじめに気付いていても、どうやら学校の中には、自分の担当クラスでないクラスの中の問題についてはなかなか口出しができないという、いわゆる縦割りのような問題があるということでございまして、そうしたものを排除する豊かな同僚性、学校の教職員が一丸となって子供たちを徹底的に守る、そうした同僚性を皆さんで培っていただく。そのためには、全ての学校の先生が、みんながいきなり入るわけではございません、何らかのキャリアパスのタイミングでこのいじめ対策の委員会に入っていただいて、いじめの本質の理解、あと、いじめの対応のスキルまた豊かな同僚性の培い、そうしたものをしていただく必要があるという、そうした立法でございます。 今申し上げましたこの第二十二条の組織の在り方につきまして、昨年の十月、下村大臣がお作りいただきましたいじめの国の基本方針というものがございます。ちょっと資料がたくさんで申し訳ございませんけれども、資料一と下に書いたものを御覧いただけますでしょうか。資料一の右下の方でございます。これが二十二条の条文の解説なんですけれども、このページを一ページおめくりいただきまして、今度は左下の文章を御覧いただきたいんですけれども、二重線を引かせていただいております。ここに、二十二条のメンバーとして、学級担任という言葉を大臣の基本方針によって入れてくださっているところでございます。 ただ、ここからが問題なんですけれども、今申し上げましたように、学級担任はもう法律の解釈として、条文を書かせていただいた私の立法意思として絶対入っていただかなければいけないんですけれども、実は各学校でつくられている委員会組織を見ると、学級担任の皆さんが入っていない例が実は今多々あるということでございます。 必ず委員会組織に学級担任や教科担任が入っていただくように、次のページをおめくりいただきますと資料二というものが出てまいるんでございますけれども、申し訳ございません、大臣、上から三枚目でございます。 この資料でございますけれども、これは、大臣の下のこの国の基本方針を作るに当たって文科省に置かれた協議会で、今日お越しの大津市の御遺族と、あとジェントルハートの小森美登里様が連名で出された意見書、意見書というのは、この二十二条の組織に全ての学級担任や教科担任が必ず参加して、そしてその先生方のキャリアパスの中で必ず参加を経験するようにしてほしいという意見書でございます。それについて、その協議会座長の見解でございます。これは、こうした内容は基本方針の中にかなりかみ砕いて入っていると思うんだけれども、現状の記載ではなかなかまだ不十分であると。したがって、次でございますけれども、文科省の方でこうした趣旨が各学校や地域での取組で実現されるようにしっかりと説明をしてほしい。それに対して、文科省の事務方が各種の説明会等で説明をしていただくというふうになっております。つまり、法律の条件であり、また大臣の下の協議会の結論としても、必ず学級担任などの先生が入っていただくということでございます。 ここから具体例を、入らせていただきたいんですけれども、三つ目の資料でございます。この表のチャートになっているいじめ防止等のための基本的な方針の策定以降のいじめの存在が報道等されている自殺事件の例という表を御覧いただけますでしょうか。こちらのものでございます。これは、今申し上げました昨年の十月に策定されました文科省の国の基本方針、その策定以後に私が調べまして全国の報道等でいじめの存在が指摘等されている自殺事件についてまとめたものでございます。 一つ目は、山形県の例でございますけれども、中学一年生の女子生徒が始業式の当日に新幹線に飛び込んではねられたということでございます。これは全校アンケートがなされておりまして、十三人が、直接いじめを見聞きしたという子供たちが回答し、かつ、いじめがあるというようなうわさを含めると、全校生徒の四分の一以上、百名以上が回答したということでございます。下の鹿児島県の例でございますけれども、これは、幸い命は助かったんですけれども、集合住宅の四階から飛び降りて重傷を負ったという例でございまして、御本人がもう限界であると、また、いじめがあったと訴えをなさっているという例でございます。 この二つなんでございますけれども、実は法律で設置が義務付けられております学校のいじめ対策委員会、これが設置されていないということでございます。議会調査室と、あと私の事務局で直接現地の教育委員会等に確認をさせていただきました。 ちょっと詳細を十分申し上げる時間はないんでございますけれども、この山形県の例でございますけれども、多くの教職員はいじめだとは気付かなかったんだけれども女子生徒が孤独でいることは気付いていたと。しかも、この女子生徒は担任の先生には相談をしていたわけでございます。つまり、学校のいじめ対策委員会があれば、こうした教職員、あの子がおかしいんじゃないかという教職員からの通報や、あるいは担任の先生からの直接の通報によって、組織的な対処でこの子の自殺を防ぐための最大限の取組が、少なくとも取組は絶対にできていたということでございます。鹿児島の件も、学校の担任には相談していたんだけれども、それが生かされていなかったという点でございます。 今の二つは対策委員会が設置されていなかった例なんでございますけれども、その下の二つを御覧いただけますでしょうか。これは、実はそれぞれ両方とも自殺事件なんですけれども、対策委員会は設置されていたんでございます。設置されていたんですけれども、先ほど申し上げました対策委員会の実際の構成員がごく一部の、いわゆる学校の管理職的な方々だけで構成をされておりまして、いわゆる学級担任や教科担任という方々は入っていなかった。つまり、学校全体を挙げた取組、もっと言えば、子供たちから見て、いじめの防止に効果的ではない、かつ、子供たちから見ていじめの早期発見のための安心、信頼の確信の相談窓口にたり得ていたのかというと、非常に疑問がある、そうした組織形態であったということでございます。 つまり、申し上げたいことは、法律を作らせていただき、また、大臣の下で立派な基本方針を作っていただきました。ただ、残念ながら、まだ各地域でこうした現状が続いているところでございます。 そこで、下村大臣に伺わさせていただきます。 法律の規定のとおり、そして大臣の基本方針でも学級担任ということを書いてくださっております。そして、先ほどの基本方針の二十二条のところにあるんですけれども、仮に既存の学校管理部会あるいは生徒指導部会といった管理職的な方々を中心とする組織を活用する場合であっても、それを実効的に行うように機能させる限りでなければ法律の要件を満たさないというふうなことも基本方針にちゃんと書いていただいていることでございます。 大臣の御見解として、第二十二条の学校の対策委員会に学級担任、教科担任の方がしっかり入っていただいて、かつ、それぞれの先生方がキャリアパスのどこかでこの委員会に参画をしていくと、そうした運用でなければいけないというお考えだということを答弁をお願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) まず、冒頭、さきの通常国会で、いじめ防止対策推進法、超党派の議員立法で作っていただきましたことを感謝申し上げたいと思います。 これは、政府が本来作るべきことでありましたが、その直前の衆議院選挙で各党が選挙公約に既に掲げていたということもありましたので、是非超党派で議員立法として作っていただくということが国会上早く成立するのではないかということも考えて、各党にお願いをしたところでございます。相当タイトな中で、しかし成立をさせていただいたこと、本当に感謝申し上げたいと思います。さらに、その上、委員が、「いじめ防止対策推進法の解説と具体策」ということで、何か政府が作るべきことを本として出していただいたということは本当に有り難いことでございまして、重ねてお礼を申し上げたいと思います。 これは御指摘ありましたが、大津の事件がきっかけとなってこのようないじめ防止対策推進法を国会で作っていただいたわけでありますが、同時に、この大津の事件等をきっかけとして、教育委員会制度の抜本改革案もやはりすべきであるということで、これは政府の方で中教審に諮問し、答申を受けて与党で協議をしていただき、今国会で是非教育委員会の抜本改革案も作ることによって、大津のような事件が二度と起きないような仕組みをいろんな形で今つくっていくということを進めてまいりたいと思います。 そして、御質問の第二十二条の件でございますけれども、このいじめ防止対策推進法第十一条に基づきまして文科省が昨年十月に策定したいじめ防止基本方針において、学校におけるいじめ防止等の対策のための組織は、一つは、いじめの防止等の中核組織として、的確にいじめの疑いに関する情報が共有でき、当該情報を基に組織的に対応できるような体制とすることが必要であるということ、そして、このための構成員となる当該学校の複数の構成員については、学校の管理職や主幹教諭、生徒指導担当教諭、学年主任、養護教諭、学級担任や部活動指導に関わる教職員などから、組織的対応の中核となる機能とする体制を学校の実情に応じて決定するということになったわけでございます。 したがって、各学校においては、学級担任や教科担任などを含む教職員の中から組織的対応の中核として機能する体制を十二分に検討し、当該学校の実情に即して、的確にいじめの情報が共有でき、組織的に対応できるよう、最もふさわしい体制を工夫し設置していただきたいと考えておりまして、当然、一番子供に接する教科担任、学級担任、そういう先生に入ってもらうことは重要なことだというふうに思います。
○小西洋之君 大臣、ありがとうございました。 子供たちに一番身近な先生方が入っていただくことが重要、御説明申し上げましたように、法律上の要件でもあり、大臣の基本方針の考え方でもございますので、そうしたことを徹底していただきたいと思います。 先ほどのこの自殺の事件をまとめた表の次のページでございますけれども、実は、各学校で今つくっているいじめ対策委員会をグーグルで検索をさせていただいて上から出てきたものを見てみたんですけれども、もうほとんどが学級担任、教科担任が明示の構成員として指定されていないものでございます。これはまさに先ほどお示しした自殺が起きた学校と同じ状況の組織構成ということでございます。端的に、立法者として申し上げれば、法律違反でございます。是非、大臣の下でこれを直す取組をしていただきたいと思います。 済みません、ちょっと時間が随分押してしまいまして、もう一つ重要な論点がございます。 今は、いじめを防ぐ、子供たちを救う話でございましたけれども、残念ながらいじめが起きてしまって子供たちにおいて重大事態が生じてしまった場合、その教育委員会や学校などの対処が、実はそれを改めさせるのが、改めてもらうのが重要な立法事実だったんですけれども、それについても実は今なお同じような問題が続いているところでございます。 お手元にお配りをさせていただきました資料でございますけれども、資料の三番、これはまず、今の学校の先生方の問題についてジェントルハートの小森様が出していただいた報告書でございますけれども、ちょっと済みません、時間がございませんで。 その次の、二枚めくっていただいて、資料の五という縦の紙が出てまいりますけれども、これも今日お越しの大津の御遺族の方が、この大津の御遺族の方なんですけれども、今、全国の学校を走り回られておられまして、御自分が経験されたような教育委員会などの不適切な対応について、それを支援、解決する取組を実はされております。実は私もそれを一緒にお手伝いをさせていただいておりまして、そのほとんどのケースについて実は文科省の事務方に私の方から御報告をして、文科省の方でしっかりとした指導や助言などを現場にしてほしいということをお願いして、取組などをしていただいております。 この資料の五に書いていただいていることでございますけれども、今なお、自殺事件等があった場合に、教育委員会などがアンケート調査の開示を拒み、あるいは遺族の意向を無視して、遺族の方に何も意見を聞かずに、あるいは意見交換をさせてほしいということについて何も応えずに第三者委員会の設置をしてしまっている、そうした例などが端的に言えば頻発していることでございます。 このいじめの防止対策推進法におきまして、遺族の方々にいじめの事件についての調査内容、それはアンケートの調査も含むんですけれども、それについては遺族の方々に説明をしなければいけない、最大限にその説明責任を全うしなければいけないという法的な説明責任の条文を二十八条の二項として書かせていただき、かつ、これは法案制定の国会審議の中でもしっかりと確認されていることでございます。そうしたことが現場で今ちゃんと行われていないということでございます。 また、その調査の第三者委員会を設置するに当たりましても、やはり遺族の方から見た公平公正、公平公正な第三者委員会でなければいけないのは当たり前なんですけれども、その公平公正あるいはその中立性というものは遺族の方から見てしっかりと納得できるものでなければならない、これも法制定の国会審議でも確立しているものでございます。また、そうした趣旨は大臣の基本方針にも書いていただいているところでございます。 ただ、こうした重大事態に対する取組がまだ十分行われていない。これは大津の御遺族のこの資料五の中に書かれていることでございますけれども、先ほどの学校の対策委員会の話と同じでございまして、学校現場やあるいは教育委員会が法律や法制度の趣旨をきちんと理解していないわけでございます。つまり、大臣の作っていただいた基本方針だけではなお理解が及ばないということがございまして、大臣に質問でございますけれども、この重大事態の問題について、まず教育委員会や学校が大臣の基本方針あるいは法律に従ってしっかりときちんと適正に対処をしていただきたいというそのお考えの確認と、もう一つは、それを徹底するために、是非、行政通知を私は出していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ガイドライン、この運用のガイドラインを作っていただくことは国の基本方針で実は書かれております。ただ、それがまだ、方針が、十月に基本方針ができてもう半年がたとうとするのに、まだそのガイドラインが、取組の協議会も置かれていないというふうに私は理解しているんですけれども。そのガイドラインを作ることは、包括的なガイドラインを作ることは当然基本方針に書いてあるのでやらなきゃいけないんですけれども、それを待っていると、また自殺が止まらない、あるいはまた二次被害が止まりませんので、今申し上げました第二十二条やあるいは二十八条、その他十三条の学校のいじめの防止プログラムですとか様々な重要な制度がございますけれども、その重要な制度の基本的な考え方とその運用のポイントについての行政通知をすぐこの四月中にも発出していただけないでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省は、これまで、法律の成立を周知する通知や基本方針の内容を周知する通知を発出してきたところでありますが、法が求める組織の設置や基本方針の策定などについてできる限り分かりやすく周知徹底することが重要であるというふうに考えます。 このため、文科省として、通知の発出にとどまらず、各地域の取組状況を調査、公表することを通じて更なる取組を促進するとともに、学校関係者や教育委員会担当者等を集めた説明会や研修会を実施したり、また、各地の教育委員会等が開催する説明会において文科省職員を講師として派遣するといった取組を現在実施しているところでございます。 また、自殺予防の観点から、自殺予防教育の実施が重要だというふうに考えておりまして、現在、有識者会議において、児童生徒に対する自殺予防教育の在り方について調査研究を行っているところでございます。 今は、できるだけ全ての自治体でやはりこの基本方針にのっとった条例等を作っていただきたいと思いますし、また、この法律にのっとった対処についてきちっとやるということについて引き続き文科省として周知徹底を図っていきたいというふうに思いますが、学校現場の取組を促進する工夫、方策等、この法律や基本方針の周知徹底にまずしっかり取り組むところから対処し、また、状況に応じて、委員の御指摘のことも踏まえまして検討させていただきたいと思います。
○小西洋之君 今、現場の状況でございますけど、先ほどお示ししましたように、第二十二条の組織は法律や基本方針の求める要件になっていない、また、十三条の基本プログラムについても、防止プログラムについても本来あるべき形になっていないということでございます。全国に国公私立含めて三万九千余りの学校がございますので、もうそこに子供たち一人一人がいて、かけがえのない命、尊厳があるわけでございます。是非、行政通知の発出をお願いしたいと思います。 もう一つ、最後に、今日、お忙しい中、日弁連の村山裕先生にお越しをいただいております。このいじめ対策、学校のことを今議論申し上げましたけれども、重大事態の対処の取組など、教育委員会が中心になることがございます。その教育委員会の中においても、教育委員会においてしっかりとした学校に対する指導やあるいは助言の力、あるいは教育委員会自体がそのいじめ問題について対応できるよう、そうした力を持っていただくために、十四条三項で教育委員会の附属機関を設けていただくことを法律で求めさせていただいております。そこに是非地域の弁護士の先生方が参画していただきたいと願うわけでございますけれども、村山先生の方から、今の各地域の弁護士会の取組などについて御説明をお願いいたします。
○参考人(村山裕君) 子どもの権利委員会幹事、いじめ問題対策PTの座長をしている者でありますが、組織としてはではなく弁護士として、取組の現状について御説明申し上げたいと思います。 いじめ防止対策推進法が施行されて、十四条一項のいじめ対策連絡協議会や、あるいは今御指摘のあった十四条三項の教育委員会に設置される附属機関、これについて、あるいは重大事態の場合に対応する組織に法律の専門家としての参画を求められることがあり、これについて、国の基本方針で、専門家の参画を求めるときは職能団体に推薦を求めて、公平性、中立性を確保するよう努めることとされていることとの関係で弁護士会に推薦依頼が来るであろうということについて、法の趣旨や国の基本方針の内容の解説を添えて、全国の各弁護士会にそのための体制を整えておくよう要請しているところでございます。 あわせて、このような様々な組織への参画の要請を受けた際には、いじめ問題について社会から期待されている専門性をもって応える必要性があることから、その研さんのための経験交流などの素材を提供すべく準備を始めているところでございます。 また、従来から、いじめ問題に関する取組についてはこれまでも子どもの権利委員会での実践例の経験交流などを通しての研さんの機会を設けてきたりその蓄積をまとめて参考に供したりしているところでございますが、いじめの予防の関係では、近時、要請が各地に寄せられてきていることなども背景に、いじめ予防授業の取組についても、講師のための研修などを行ったり情報交換を行って専門性の質の確保に取り組んでいるところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 弁護士会はまさにそうした取組をしてくださっているということでございますので、文科省の方でそうした取組を受けれるように是非御指導をお願いを申し上げます。 申し訳ございませんが、質問をできませんでしたけれども、警察庁、あと法務省、あと厚生労働省も、いじめは複合問題でございますので、文科大臣と、文科省と協力して総力を挙げてお願いいたします。 最後に一言だけ。大臣、実は、この法律は、各地域の条例がなくても子供たちを守れるように実は設計されております。条例を否定はいたしません。いい取組、深掘りの取組、やっていただきたい。ただ、今の課題は、法律で義務付けられている標準的な仕組みが全国の学校でほとんど、ほとんど、あえて申し上げます、できていないということでございます。このままでは子供たちの命が助からないわけでございます。 いじめは、五月、ゴールデンウイーク明けに人間関係が深まる頃に増えて、また事態も深刻化すると言われております。是非、四月中に簡単な通知は出せるはずでございますので、大臣のお力で子供たちの命を救っていただきたい、そのことを強くお願いを申し上げさせていただきます。 ありがとうございました。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 田村大臣には初めて質問をさせていただきます。 私は、この決算委員会、二〇〇一年の初当選以来ずっと、ここ二、三年ちょっと離れておりましたけれども、委員として議論に参加してまいりました。 会計検査院が検査をしてその検査報告を出す、その中には、もちろん例えば不正経理であるとか不当な使われ方をした、私的流用がされたというような不当事項の指摘と、もう一つは、政策の有効性という観点から、検査をした結果、改善を要求されるものという、大きく分けるとその二つがあると思います。 私のこれまでの経験では、例えば警察庁、各都道府県警で裏金が存在したというようなこと、本当にずっとやったことがございますけれども、今日は、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等ということで、会計検査院の二十四年度の決算報告の中に、改善を要求するということで地域密着型施設についての指摘事項がございました。 これについてちょっと目に止まりました。介護、私は、自分自身の親の介護の問題等で関心はもちろんありますし、これからは自分も、まあこれからと、既に一号被保険者の年齢になっておりますので自分の問題でもあるんですけれども、見まして、本当にこの政策は有効なのかということで疑問を持ちましたので、まずその点についてお伺いしたいと思います。 会計検査院が今回検査をされて報告に掲記されているこの事業、これの利用が非常に低調となったということで提起されているんですけれども、その理由と発生原因、また検査の概要、改善要求内容、概略で結構ですので、まず会計検査院の方から御報告をお願いしたいと思います。
○説明員(山本泉君) お答えいたします。 厚生労働省では、市町村又は民間事業者が整備をする地域密着型施設の整備事業に対しまして、都道府県又は市町村に対しまして、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金等を交付してございます。 これらの整備交付金により整備された地域密着型施設の利用状況について検査をいたしましたところ、二十五都道府県の百五十三市区町村等に所在する二百五十五事業所におきまして、地域密着型施設が全く利用されていなかったり、利用が低調となっていたりして、整備交付金の事業効果が十分発現していないといった事態が見受けられたところでございます。 そこで、整備交付金の事業効果が十分発現するように、第一として、サービスの需要を的確に把握することの必要性につきまして市町村に周知をするとともに、交付申請の審査等に当たっては、需要の有無等の把握を的確に行ったかについて十分に確認するよう都道府県等に周知すること、第二として、市町村に対しまして、当該施設の整備後の利用状況を的確に把握をいたしまして、事業効果の発現のための取組について事業所を指導するとともに、地域密着型施設が提供するサービスの機能、特徴等につきまして要介護者等に対する周知等を十分行うよう指導を行うことにつきまして、厚生労働大臣に対して改善の処置を要求したものでございます。
○神本美恵子君 今報告ございましたけれども、調査された三百二十六事業所に約五十七億円を交付されているわけですけれども、その中で、二百五十五の事業所で、利用者がゼロ、六年間ですよ、利用者がゼロのところが八事業所、それから利用率が五〇%を下回るのが二百四十七事業所というふうな報告になっております。つまり、この利用者ゼロの事業所への交付金は一億二千四百八十七万円、利用が低調となった事業所への交付金は四十三億三千七百五万円、交付額全体の七八%を占めていることになります。 〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕 その発生要因についても今御説明がありましたが、この事業所を、施設を整備するに当たって需要がどのぐらいあるのかということが的確に把握されていない、あるいは利用状況の把握をちゃんとしなさいという都道府県からの指導助言もない、また、要介護者、そこを必要としている人への周知も不十分というようなことも報告書の中で指摘されているんですけれども、まず、この交付の手続とその決定の基準というのはどうなっているんでしょうか。これは厚労省の方でお示しいただけますか。
○政府参考人(原勝則君) 今検査院の方から指摘を受けておりますのは、いわゆる地域密着型サービスというものでございます。 これは、市町村がニーズを把握して、そして介護保険事業計画の中で必要な整備計画を作り、それに対して公募をして事業者を決めていくと。こういう手続の中で、市町村の判断の中で適正な整備計画の策定と実施が行われている、そういうものでございます。
○神本美恵子君 市町村が交付申請を出して、そしてそれを都道府県が審査をして、そして都道府県から厚労省の方に上がってきて交付額が総額が決定される、大まかにそういうことだろうというふうに私は検査報告書、検査院の報告書を読んで理解をしたんですけれども、年度ごとの利用状況チェックあるいはそのチェックの仕方等についての指導助言等は厚労省としてはどのようにされているんでしょうか。
○政府参考人(原勝則君) 御指摘の交付金でございますけれども、手続的には、先ほど言いましたように、市町村が計画を作って、そしてその整備費について国に直接交付申請をしてくる、で、国の方で内容について審査をいたしまして補助決定をすると、こういう手続でございます。 私どもとしては、そうした手続が適正に行われるように、あるいは、先ほど言いましたように、きちんとニーズを把握して必要な整備計画を作ると、そういったことも含めまして、日頃から市町村に対しては通知等で適正な実施をするように指導をしているところでございます。
○神本美恵子君 適正な指導が行われていれば、この六年間こういった利用がゼロというようなことはあり得ないと思うんですけれども、今日、委員の皆さんにも資料をお配りしていますが、これは二十四年度の交付金の決定状況、都道府県別で出していただいております。二十四年度は三十四億、合計で出ておりますが、これをこの六年間、各年度ごとに都道府県別のこういった資料を提出してほしいというふうにお願いしたんですが、それはないということで、二十四年度しか出てこなかったんですね。 もし、これについて指導されているのであれば、当然、これだけの額を各都道府県に交付をした、その結果、利用状況はどなっているかというふうなことを、当然、指導するのであればそういうデータが必要だと思うんですけれども、なぜ、平成でいえば十八年、二〇〇六年から平成二十三年度までの分のこういった資料が出てこないんでしょうか。 〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕
○政府参考人(原勝則君) 実際に市町村から交付金の申請がありますと、国、厚生労働省といいましても地方厚生局の方で、地方の出先機関でございますけれども、地方厚生局で具体的な審査を行っております。したがって、当然これ実績はあるわけでございますけれども、議員からお尋ねのあった時点ではちょっと本省の方で過去の分まで全部手元になかったものですからそのようにお答えをしたということでございまして、ちゃんと実績はございます。
○神本美恵子君 一週間ぐらい前に私はこの要求を出したと思うんです。ですから、当然、国会で要求しているわけですので出てしかるべき。それがないから私も、なぜこういうふうになったのかという原因を私なりの分析ができずにここに今立っているんですよね。 ですから、これからもまたこの地域密着型施設の整備について交付金が毎年出されていくとすれば、これは政策の有効性から改善要求が会計検査院からも出されているわけですので、これについてはこれから議論をまたしていきたいと思います。 この需要と供給のミスマッチということが実際に介護を必要としている人たちにどのように影響しているのかということをこれから議論していきたいと思いますが、まず、大臣、この会計検査院からの改善要求について、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(田村憲久君) この地域介護・福祉空間整備施設整備交付金というやつでありますが、いろんな介護、福祉関係の施設整備等々に行くわけでありまして、今委員がおっしゃられました認知症対応型の通所介護、さらには小規模多機能の居宅介護、こういうものに対して利用率が非常に悪いではないかというような、そのような会計検査院からの御指摘をいただきました。 理由はいろいろあると思います。例えば、認知症対応型に関しますと、やはり普通の通所介護と比べると割高になっております。それから、認知症と名前が付いているものですから、なかなか、行かれると認知症が重いというふうなイメージがあって、行かれる方も行きづらいみたいなところもあるのかも分かりません。何よりも、これは、言うなれば小規模多機能もそうなんですけれども、ケアマネジャーの方々に十分に御理解いただいていないという部分もあるわけでございまして、そういうところもしっかりとPRをしていく必要があると思います。 何よりも、今委員がおっしゃられましたように、整備費の審査、この段階で、やはりサービスの需要見込み、これが本当に利用をするのかどうかというところをちゃんとチェックをしながら、一方で、もう既にできておる既存の施設がありますから、既存のものが今利用度がどうなっておるのか、こういうこともいろいろと調査しながら、やはりこの需要見込みというものをしっかりと我々見積もっていかなきゃならぬというふうに思いますし、それから、何よりもフォローアップをちゃんとやらなきゃいけない、今言われたとおりでございまして、既存、できておるものが今どうなっているか、こういうフォローアップをしっかりやりたいと思います。 ただ、これ地域包括ケアシステムの中においては、やっぱり認知症対策とそれから小規模多機能のこの居宅介護というのは核、本来核であるわけでございますので、これがないことにはやはりこの地域包括ケアシステムというのはうまく動かないという中に位置付けさせていただいておりますので、必要なものはやっぱりしっかりPRしていくと。これから多分いろんな意味で地域で介護、医療等々を受けられて生活される方々増えてまいります。それに対する一つの大きな役割といたしまして、我々PRをさせていただきながら、これは自治体もそうでありますし、ケアマネもそうであります。いろんな方々にPRさせていただいて、利用者の方々にもPRさせていただいて利用率が上がっていくように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○神本美恵子君 全体的に大臣の方から今御答弁いただいたんですが、お聞きしていて、私も専門ではありませんけれども、実際に小規模多機能の事業所に訪ねていって、そこでやっている方々というのは、本当にいろんな御苦労をしながら、介護を必要としている認知症のある方の介護はどのようにあるべきかというふうなことを議論しながら、抜け目のない支援ができるようにという努力をされているわけですよね。そういう努力の一方で、せっかくそういう事業所を整備したのにそこの利用がゼロというのは、このギャップは何なのかと。単なる需要量の見込みをどうするかとか、利用が少ないから増やすためにどうするか、PRするとかいうことで事が済むのかなということを、ちょっと大臣の御答弁でありましたけれども、感じました。 そこで、具体的にこの地域密着型サービスの実態についてお伺いをしたいと思います。 介護保険創設当時、全てのサービスの提供事業所は都道府県に指定、指導権がありましたけれども、二〇〇六年の改正以降、市区町村に指定権限が移って、移ってというか、そういうものもできて、それが地域密着型サービスというふうに言われているわけですけれども。 皆さんのお手元に新聞記事を、ちょっと大きいですが、資料四としてお配りをしております。これがその二〇〇六年、変わるときの新聞記事なんですけれども、左側を御覧ください。そこに書いてあるように、「「在宅」復帰を支援」ということで、本人や家族が安心して自宅で生活できる体制づくりを目指すということで、夜間対応型訪問介護とか、定期巡回をする、随時巡回ができるヘルパーを置くとか、要するに、在宅を増やしたいけれども、在宅復帰させたい、しかし家族の介護が負担になるということ、それを応援したいという、非常にこれ、多分私もその当時読んでいたら、ああ、これはいいなと、私自身も、もし最期は家族にみとられたいなというふうに思いますので、そう思うんですけれども。 じゃ、実態はどうなっているのかといいますと、地域密着型サービスとして二〇〇六年度に創設された夜間ホームヘルプサービス、これは二〇一三年十二月現在で全国に事業所が百六十五か所、利用者は八千人というふうに報告されています。また、二〇一二年度に創設された定期巡回・随時対応サービス、これは二〇一三年の十二月現在で事業所は八十三か所、利用者は五千六百人という実態になっております。 二〇一三年、昨年末、十二月現在で、在宅サービス利用者は全国に四百八十二万人もいらっしゃいます。これは資料三に、介護保険の主なサービスということで全体像を、私自身が素人ですので皆さんにもお配りをしているんですけれども、いわゆる居宅、在宅サービスと言われる自宅で利用するサービス、それから住み替えて利用するサービス、施設サービスと、全体こうあるんですけれども、その中の自宅で利用するサービスを利用している人が四百八十二万人ということであります。 介護保険のサービスが必要と認定を受けた人のうち要介護一から五の人がこの夜間ホームヘルプサービス、ここでいう地域密着型、右側ですね、そこにあります夜間ホームヘルプサービスと定期巡回・随時対応サービスを受けることができるわけですけれども、要介護一から五の利用者は合計三百六十一万人ですけれども、その中の、この二つのサービスを受けられている方は、夜間ホームヘルプサービスで八千人、定期巡回・随時対応サービスで五千六百人。二つ合わせても利用者の三百六十一万のうちの〇・四%にしかならないというような状況になっているわけであります。 これだけ交付金を、私、これまでの交付金の累積が分からないんですけれども、二十四年度で先ほどお示ししましたように三十四億ですよね。こういうふうにして交付金を出して施設を整備してきているんですけれども、本当に必要とする人の〇・四%しかこれが利用できていない。まさに、大臣さっきおっしゃったその需要と供給のミスマッチが起きている。会計検査院も指摘しています。 こういう地域密着型サービスを充実しようとしてきたんだけれども、この六年間、こういう現状になっているということについて、この現状をどのように受け止めていらっしゃいますか、大臣。
○国務大臣(田村憲久君) 住み慣れた地域ででき得る限り生活をされたいというその思いというのは、アンケートを取るとかなりある、半分以上あるわけでありまして、そのような意味では、地域包括ケアシステムの中において、医療と介護、在宅でも受けられるようにという流れの中で、今言われた、特に定期巡回それから随時対応型サービスですね、この訪問介護看護、これは大変大きな役割があるわけであります。 これは、実は民主党政権のときに鳴り物入りで導入をしていただきました。我々ももちろん賛成であります。ただ、やはりPRが十分に足らない。特に、事業者にしてみれば、どうも夜間、深夜にしょっちゅう呼ばれるんじゃないか、またコールで呼び出されるんじゃないか、こういう心配があられるようでありますが、実態を見ますとそうでもないわけでございますので、これはやはり事業者の方々にしっかりとお伝えをさせていただく必要があろうと思いますし、それから自治体、さらには、やっぱりケアマネジャーの方々、こういう方々にもしっかり我々はPRをしていかなきゃならぬというふうに思います。 あわせて、今やっておるんですけれども、ケアコールの端末、これに対して補助をやっておるんですが、これもこれからも続けていきたいと思っておりますし、看護の方がなかなかうまくいかないというお話がございますので、次の介護報酬改定のときにはこの看護の部分に関しましても強化をしながら、是非とも、これがあるかないかによって、施設に入らなきゃいけないか在宅でできるか、この大きなポイントでございまして、先ほど来、これが要だ、要だと言いながら、要のものが余りうまく使われていないので申し訳ないんですが、これをしっかり使っていただいて、将来、いよいよこの二〇二五年に向かって団塊の世代が七十五歳以上になられるという状況の中で対応できるような、そんな環境整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 今、民主党政権のときに鳴り物入りでと言われたこの夜間、定期巡回のサービスですね、これは私もいいんじゃないのと思ったんですけれども、今事業者側からは、夜間や深夜が増えて大変じゃないかという声も聞こえてくると。 でも、逆に、その介護を支援しているNPOの方のお話を聞きますと、例えば、これは本当に必要な支援だと思っていたけれども、今、例えばおむつが非常に性能が良くなって、夜中に何度もおむつを交換、必要なくなっている現状もあるというお話とか、それから、夜間サービス、ヘルパーさんが来るにしても、コールをして来るにしても、夜中に鍵で開けられて被介護者の人のところに他人が来られるということについて家族の方が逆に不安になるというようなお話などもあるわけですね。 ですから、本当に介護を必要とする人に善かれと思ってやっていることが、本当に今それがマッチしているのかというようなことを考えますと、事業者から話を聞くだけではなくて被介護者あるいは介護を支援している家族などの声もしっかりと受け止める何かツールが必要なんではないかということを指摘をしておきたいと思います。 これは、この地域密着型サービスというのは、特に本当に必要な人のところに届くためにと今行われているものが、必要な介護が届いていないということの一つの例だと思いますので、是非、介護保険のサービスの種類あるいは施設の整備計画などの政策決定のときには当事者の声や在宅介護を担っている家族の声をしっかり反映していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、介護予防事業についてお伺いしたいと思います。 これは、資料の新聞記事の右側、資料四の右側なんですけれども、これも、二〇〇六年度から介護認定で非該当と判定された人や介護認定を受けていない高齢者を対象に市区町村が実施する地域支援事業として創設をされたものであります。この介護予防事業の創設によって、介護認定を受けていない人、つまりサービスは必要ないと判定された人にも介護保険が支払われることになる、そういう仕組みになったというふうに受け止めております。 二〇〇六年度以降の介護予防事業の各年度の費用と累計額、そして二次予防事業の対象者把握事業、通所型介護予防事業、訪問型介護予防事業、それぞれの各年度の費用合計額と累計額をというふうにお伺いをしたんです、これも事前にお願いしたんですけれども出てきませんので、今日なら答弁できるとおっしゃいましたが、これを読み上げていただく時間がございませんので、これについては後日資料をいただきたいと思います。 ここでは、この六年間の介護予防事業の合計額を示していただきたいのと、特に二次予防事業を実施した自治体の数、参加者数の累計、それから二次予防事業参加者一人当たりの費用額をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(原勝則君) まず、二次予防事業者の把握事業でございますが、ちょっと合計額、後ほどきちんと整理しまして提出させていただきたいと思います。 通告が二十三年度で取りあえずいいので答えてほしいということでございましたので、ちょっと今手元にその数字がございますので、それを申し上げさせていただきます。 これは介護予防事業報告というものに基づいて集計をしておりまして、いわゆる保険で費用を見ている部分でございますが、対象経費実支出額と呼んでおりますけれども、これが介護予防事業全体では平成二十三年度約四百四十億円でございます。このうち二次予防事業が二百八十億円でございまして、その内訳として、二次予防事業の対象者把握事業は約百五十億円、通所型介護予防事業が約百十億円、訪問型介護予防事業が約九億円でございます。 また、この通所型・訪問型介護予防事業については、参加者でございますけれども、約二十三万人、参加者一人当たりの費用は約十二万円、また、実施している保険者数は約千五百保険者でございます。
○神本美恵子君 後でまた資料を精査したいと思うんですけれども、この対象者の把握事業に掛けた費用、二次予防事業への参加者数という費用対効果を考えた場合に、介護予防事業にどれだけの効果があるのかという疑問が湧きます。 これについては、二〇〇九年十一月の事業仕分、二〇一〇年の六月の厚労省内の事業仕分でも指摘をされて改善をされてきているところだというふうに思いますけれども、この対象者が、介護が必要な被保険者も、必要な被保険者だけではなくて、介護が必要でない人も予防ということで入っているわけですね。 こういう市区町村事業よりも、私は、在宅で需要の高い、先ほどのホームヘルプサービスやデイサービスを本当に被介護者が必要とする介護にマッチしたようなサービスの充実をするべきだと思いますし、何よりも、ずっと言われているのは、その介護に従事している労働者といいますか介護労働者の処遇改善、そういったものに使われるべきだというふうに思いますし、もう一つは、先ほど言いました家族で介護をしている方の、結局、家族が担っている介護の部分というのは無償で行われているわけですね。当然、そのことに対して介護保険は家族だからといって使われていないというところがありますので、今回改正案が提出され、衆議院でもう提出されているんですかね、それに、提出される前に、当然のこととは思いますけれども、介護予防事業について総合的な検証と評価が行われて改正案が提出されていると思うんですけれども、どのようにこの予防事業、介護予防事業について検証して評価を行われたのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(原勝則君) 介護予防事業についてのお尋ねでございますけれども、これについては、市町村からの報告を求め、これまでその把握に努めてきております。 一部の市町村におきましては、二次予防事業対象者とそれ以外の高齢者を分け隔てることなく住民が主体となった介護予防活動を広く展開することによって介護認定率の伸びが抑制されたというような効果でありますとか、あるいは、これは大学の先生の研究成果でございますけれども、社会参加の割合が高い地域ほど転倒や認知症やうつのリスクが低い傾向にあるといったような成果が出ております。 全体を定量的に評価したというものは残念ながらまだございませんけれども、そういうふうに個別にはそういった取組によって成果が出てきていると。このため、先ほど議員もおっしゃいましたように、一次と二次と厳密に分けて全員にチェックリストの回答を求めるようなやり方だとどうしてもコストベネフィットみたいなものでも確かに問題は出ておりますので、私どもとしては、現行の介護予防事業の見直しを行いまして、高齢者が積極的に参加できる多様な通いの場を充実させるなど、高齢者本人を取り巻く環境のアプローチを組み合わせながら、要介護状態になっても生きがい、役割を持って生活できるような地域の実現を目指して、予防事業全体について今回見直しをしていきたいと考えております。
○神本美恵子君 四月から消費税が上がって、その分もこの年金、介護、医療、それから子育てに回るわけですけれども、そのための改正法案が、十九本もの法案が一括で今国会に提出をされていると、一括で審議されるというふうに聞いておりますけれども、本当に、先ほどから繰り返して申し上げているように、利用者のやっぱり実態把握をもっときちんとやって政策を立てていかないと有効性が疑われる。これは税金の無駄遣いとも言えると思いますので、是非ともその点を心して、またこれから新しい改正案に対しての議論が始まると思いますけれども、そのときにもまた取り上げさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(金子原二郎君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十三年度決算外二件及び平成二十四年度決算外二件を一括して議題とし、文部科学省及び厚生労働省の決算についての審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 私からは、まず科学技術研究の振興に関して文部科学省にお伺いをいたします。 平成二十三年度、二十四年度のこの両年度におきまして会計検査院から指摘されたのが研究費の不正使用についてでございます。国などから支給された研究費について、取引業者に不正に管理をさせる、いわゆる預け金問題が長年の課題となっております。昨年、総務省におきましては、この科研費を受け取った全国の大学に調査を行いまして、約四割の大学が不正使用を防止するための措置を講じていなかったと、このような調査結果も出ておりまして、大学あるいは文部科学省に対してもこの是正の勧告がなされているわけでございます。 こうした事態を受けて、平成十九年に研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン、これが設定されたわけでありますけれども、事実上、なかなかこの不正、後を絶つことができておりません。この四月より、本ガイドライン、改定をされたということでありますけれども、新たな運用に際して、これまでの不正防止策、一体何が不十分だったのか。また、今度のこの改正によって一体どんな点が強化されたのか、御答弁お願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 今回のガイドラインの改正は、昨年九月に公表された研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースの中間取りまとめを踏まえ改正したものであります。改正ガイドラインでは、特に大学等の研究機関が責任を持って不正対策に取り組むよう要請しているところであります。 改正ガイドラインにおいては、一つは、不正を事前に防止する観点から、研究者や事務職員等に対するコンプライアンス教育の受講義務化や受講管理の徹底、また不正を行った研究者に対して氏名を含む調査結果の公表の徹底をする。二つ目に、組織の管理責任の明確化の観点から、内部統制のためのコンプライアンス推進責任者の設置の義務付け、また不正事案の迅速な全容解明のための調査期限の設定、さらに体制整備の不備や調査結果の報告遅延に対する間接経費の削減措置などについて、研究機関に要請する事項等を新たに定めたところでございます。 文科省としては、今後、改正ガイドラインに基づいて取組を各組織において着実に実施されるよう促してまいりたいと思います。
○平木大作君 ありがとうございます。 これ、本当に悪質な事例ですと、研究者の方の御自身の高級腕時計を買われたりですとか、そういったものも指摘されております。この不正使用自体、本当にあってはいけないものでございますので、なかなか根絶というのは難しい、高いハードルではありますけれども、是非、今後とも御努力いただきたいというふうにお願いを申し上げます。 そして、この不正に関連してですけれども、もう一つ、今世間をにぎわしておりますのが、科学論文の捏造あるいは改ざんの不正といったものが今大きな話題となっております。 現在、理化学研究所のSTAP細胞に関する不正の真偽、これが大変注目を集めているわけですけれども、これはこれで確かにこのSTAP細胞、世紀の大発見と言われた話でありますから注目を集めるのは当然なわけですけれども、一方で、こうした論文の捏造ですとか改ざん、これ実は報道された国内事例だけでも二〇〇七年以降ほぼ毎年十件ぐらいのペースで発生しておりまして、何も今回の事件だけであるわけではないということでございます。 実際に、昨年の八月に日本分子生物学会、会員数が一万五千人を数える大変大きな学会ですけれども、ここでアンケート調査を行いましたところ、回答した千人のうち、自分の研究室で不正を見聞きしたという方が約一割、そしてうわさを聞いたまで含めると半数にわたる方がこういったものを認識しているということでございました。 文部科学省として、こうした論文不正に対してどのような対策を講じていくのか、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、昨今、研究活動の不正行為の疑いのある事案が相次いでいるということは極めて遺憾なことだというふうに思います。 現在、文科省では、本年二月に決定された有識者会議の審議のまとめを踏まえまして、研究活動の不正行為への対応のガイドラインの見直しに係る具体的な検討を進めているところであります。ガイドラインの見直しに当たっては、これまで不正行為に関する対応が個々の研究者の自己責任のみに委ねられている面が強かったことを踏まえまして、今後は研究機関も責任を持ってこの問題に取り組むよう求めていく方針であります。 具体的には、研究者が責任ある活動を推進する上でも、一定期間の研究データの保存、公開の義務付け及び各研究機関における研究倫理教育の着実な実施を求めることとしております。また、各研究機関に対しては、ガイドラインに基づく規程や体制の整備、公表を求め、体制に不備が認められた場合などについては間接的経費の削減措置を講ずること等を検討をしているところであります。 これらの取組を通じ、研究者や各研究機関、研究者コミュニティーが責任を持って不正行為への対応を行うことができるよう国も支援等を行いまして、公正な研究活動を推進してまいりたいと考えております。
○平木大作君 今御答弁の中でも、罰則の強化ですとかあるいは研究倫理のこういった教育、徹底していただきたいというふうに思っております。 当然、この罰則あるいは研究倫理、こういったものの教育大事なんですけれども、一方で、論文のコピーペーストですとかあるいは画像の加工処理、こういったものがもう自宅のパソコンでできてしまうという、こういったいわゆる情報環境の向上といったものがこの改ざんに実際につながってしまっている、容易にできるようになってしまっている、不正を助長する、こういった側面もあるというふうに思っております。 例えば海外ですと、こういった今の罰則強化、倫理教育に加えて、過去の論文と類似する部分、こういったものを数値で表すようないわゆる盗用検知ソフト、こういったものを導入するといった大学も出てきているようであります。テクノロジーを活用して、是非この実情に合った対策、こういったものも併せて御検討いただきたいと思います。 次の質問なんですけれども、現在、この若手の研究者を取り巻く環境というのが大変厳しいというふうに認識をしておりまして、博士号を取得しても若手研究者にポストがなく就職ができない、いわゆるポスドクの問題、これも長年指摘されているところでございます。結局、少ないポストをめぐって、あるいは研究予算をめぐって余りにも厳しい競争がある、このために不正に手を伸ばしてしまう、こんなことも言われているわけであります。 これも昨年の文科省の学校基本調査の中では、博士課程を修了された方の中で、結局、進路として非正規雇用、それから一時的な仕事、そして進学も就職もしないと、こういった方を合わせると実に全体の四割を占めるということで、これは大変な事態であるというふうに思っております。 今後の日本の科学技術研究の将来を担う優秀な学生の方たちが博士課程に進学して、その後研究者として活躍するための今後どのような支援策を考えられているのか、これも御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 科学技術イノベーションは安倍内閣の成長戦略の重要な柱の一つでありまして、我が国が成長を続け、新たな価値を生み出していくためには、これを担う多様な科学技術人材の育成確保が重要であるわけであります。特に、我が国の将来を担う博士課程の学生や博士課程等を修了した研究者等に対する支援を強化し育成を図っていくことは、委員御指摘のように極めて重要であるというふうに思います。 文科省においては、従来より、博士課程の学生や研究者等に対する経済的な支援や多様なキャリアパスの開拓などの取組を講じてきたところでありますが、まだまだ不十分であるというふうに思います。 今後、大学改革の状況等を踏まえつつ、さらにこれらの取組を引き続き推進するとともに、新たに平成二十六年度予算事業におきましては、研究者の流動性を高めキャリアアップを図る取組として、科学技術人材育成のコンソーシアムの構築を実施するということにしております。 今後とも、博士課程の学生や若手研究者の経済的支援やキャリアパス支援等を行い、その活躍促進に努めてまいりたいと思います。
○平木大作君 ありがとうございます。 もう大変大事な取組であると思いますし、また今後の日本を支えてくださる人材の皆さんですので、是非とも力を入れて、今の特にコンソーシアムですとかキャリアの流動化、こういったところにも取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。 結局、今後も日本が科学技術立国として成長を続けるためには、こういったいわゆる卓越した基礎研究の上にしっかりイノベーションを起こしていく、こういった研究が欠かせないわけでございます。これ、今御答弁の中にもございましたけれども、昨年策定をされました科学技術イノベーション総合戦略、これに基づいて、今後も日本が科学技術立国として成長していくためのどのような取組を行うのか、この御決意も含めて、最後、もう一言いただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 特にアベノミクスの三本目の矢をバックアップするためには、この科学技術イノベーション、これは極めて重要なものであるというふうに認識しております。文科省としても、そのような観点から、昨年六月七日に閣議決定された科学技術イノベーション総合戦略に基づきまして、科学技術イノベーションの基盤となる多様な人材の育成や基礎研究の推進をオールジャパンの観点から取り組むとともに、宇宙、海洋開発等の国家基幹技術の開発等を推進しているところであります。 引き続き、文科省としても、我が国が世界で最もイノベーションに適した国となるよう尽力してまいりたいと思います。
○平木大作君 ありがとうございます。 では続きまして、時間もあれですので、先日の本会議に引き続きまして、公的年金の運用に関して御質問させていただきたいと思います。本日は、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFの三谷理事長にも来ていただいておりますので、この運用の実態と今後の方針についてお伺いをしていきたいというふうに思っております。 現在、公的年金の財政検証が進んでおります。その検証の一環として経済前提、先日示されたわけでありますけれども、ここにおいて、GPIFの運用利回りが実質利回りで一・七%と、このように設定されましたけれども、これ達成可能な目標なのかどうか。今回のこの経済前提におきましては、標準シナリオといったものが指定されておりません。八つほどのシナリオがあって、その八つの中のどうも真ん中辺りを取って名目利回りに換算すると、これは四・二%ぐらいの運用をしないといけない目標なんじゃないかと、達成できるのか、こんな、ある意味運用を疑問視するような声も出てきているわけでございます。 この点について、過去に設定された運用目標とその達成度合い、中長期の運用実績と併せて御答弁いただけますでしょうか。
○参考人(三谷隆博君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のありました実質利回り一・七%といいますのは、年金財政における経済前提と積立金のあり方に関する専門委員会の報告書の中で示された、名目賃金上昇率を上回る実質運用利回り一・七%を指しているものと理解しております。当法人としましては、今後公表されます財政検証の結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 なお、年金給付は名目賃金上昇率の増加に連動しておりまして、この名目賃金上昇率を上回るいわゆる実質運用利回りの実績を見ますと、自主運用が開始されました平成十三年度から平成二十四年度までの十二年間の平均で二・〇四%となっておりまして、年金財政上求められる運用利回りを十分上回っているものと考えております。
○平木大作君 これまでのトラックレコードから見ても十分達成可能ではないかと、そういった御回答でございました。 今回、この経済前提の中で示された運用目標、これによって、じゃ今後、現在のこの基本ポートフォリオをどれだけ見直していかなければいけないのか、どれだけ見直す必要があるのか、ここが一つ世間の注目を集めているわけでございます。不謹慎な話かと思うんですけれども、株式市場の方では、このポートフォリオを一%動かすだけで例えば一兆円以上のお金が株式市場に回ってくるんだと、こんな期待感も出てきてしまっている。 この点について、まだ財政検証は終わっておりませんけれども、現時点で一体どの程度見直す必要があるのか、また、このポートフォリオの入替えといったものが市場にもたらすインパクト、これについてどう認識されているのか、御回答いただけますでしょうか。
○参考人(三谷隆博君) 基本ポートフォリオの見直しにつきましては、今先生もお話しされましたように、今後公表されます財政検証の結果を踏まえた上で、運用委員会の意見などを伺いながら本格的に検討することになるわけでございます。したがって、現時点でこれをお答えすることはちょっと難しいというふうに考えております。 なお、市場へのインパクトにつきましては、実際の運用に当たり、できる限り影響を与えないよう様々な工夫をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 現時点で答えられないという残念な回答だったんですけれども。 私がお伺いしたかったのは、報道を見ておりますと、このGPIFの運用といったものは、これまでとにかく債券ばかりでやっていたと、何かさも一〇〇%国内債券で運用していたものを一気に、特に昨年末ですね、あの有識者会議の報告書が出ましてから、株式にがっと一気に変えるんじゃないか、こんな形でよく誤解をされているんじゃないかというふうに思っております。 実際は、現在の基本ポートフォリオでも、国内の債券というのは基本的に六〇%、国内の株式は一二%、外国債券一一%、外国株式一二%、その他短期証券五%ということで、もう既にある意味大きく株式での運用も行っておりますし、分散も利いている。この中で今回目標を変えたからといって、何かもう今までのを全て否定して株式に一辺倒にいくと、そういった話ではないということ、この御認識を伺いたかったんですけれども、現時点ではちょっと結果が出ていないということでありましたので、是非ともこういったところ、もっともっと発信をしていただきたいなというふうに思っております。 続きまして、このGPIFの運用に関しまして、本年の二月、GPIFはカナダの公的年金と共同で海外のインフラ投資を始める、このように発表されました。五年間で最大二千八百億円の投資規模、かなり大きいわけですけれども、これ具体的にどのような内容なんでしょうか。例えば、投資対象、期間、目標リターン、こういったものと併せてお答えいただきたい。特に、世界中にあまたあるインフラ投資の中でなぜこの案件選ばれたのか、また、当該インフラ投資といったものは、今述べさせていただきました基本ポートフォリオの中では一体どこに位置付けられるのか、これと併せて御回答をお願いをいたします。
○参考人(三谷隆博君) 今お尋ねの件でございますが、私どもではこれまでインフラ投資等について調査を行ってきたところでありますが、平成二十四年度には、オルタナティブ投資スキームについての調査研究という題名の下で、四つの会社に調査研究を委託したところでございます。 その中で、オルタナティブ投資は、流動性の犠牲に伴うプレミアムの獲得及び分散投資による効率性の向上が期待できること、それから第二に、インフラ投資等を目的とする投資信託に直接投資する方法が考えられること、また、インフラ投資等の運用実績を蓄積した国内外の機関投資家との連携は、その投資能力や知見の吸収の観点から検討に値することといった報告がなされまして、私ども運用委員会でも実施の必要性が議論されてきたところでございます。 こうした状況を受けまして、複数の機関投資家と共同投資について交渉を進め、インフラ投資について豊富な実績を持ちます日本政策投資銀行及びカナダ・オンタリオ州公務員年金基金、OMERSと通称呼ばれていますけれども、これらと共同で、先進国の電力発送電、ガスパイプライン、鉄道などのインフラに投資する共同投資協定を締結し、インフラ共同投資を開始することとしたものでございます。 今回の共同投資は、安定したインカムゲインが見込まれるという点で債券に類似したキャッシュフローを持っております。そうしたことから、運用委員会の意見も承った上で、基本ポートフォリオ上は外国債券に位置付け、管理することとしたところでございます。 これ、なぜOMERSかということでありますが、OMERSというのは、一九九八年にインフラ投資を開始いたしました、年金の中でもインフラ投資の草分けといったような基金でございまして、長い運用実績を有しております。また、運用資産は約六兆円でございますが、その約一五%をインフラに配分しておりまして、世界の年金基金で最大のインフラ投資家であるということ、また、欧米先進国を中心に豊富な実績を持ち、また運用利回りもかなり良好なものをこれまで実績といたしているといったことを勘案いたしまして、共同投資家としての協定を締結したものでございます。 また、OMERSもGPIFと同様、年金資金の運用について年金制度の加入者に対する受託者責任を負っており、長期的な視点から安全かつ効率的に運用することを目的とする私どもといたしまして、共同投資を行うのにふさわしい相手先であるというふうにも考えたところでございます。 運用の期間でありますけれども、これは最長二十五年間ということで考えております。 また、この投資の期待リターンにつきましては、これは具体的な投資基準に密接に関連する話でありまして、OMERS自身の投資の方針にも関連、まさに投資方針そのものでもありますので、この辺についてはお答えを控えさせていただきたいというふうに思っております。
○平木大作君 ありがとうございます。今、様々具体的にお答えいただきました。 一点だけ、あえて、ちょっと違和感を覚えましたのが、基本ポートフォリオの中でこのインフラ投資が海外債券と同じところに入っているという点。これについては、今御説明の中では債券と類似したキャッシュフロー、こういったところからも海外債券の中に入れたということでございましたけれども、やはり、これ御説明の中にも同様にありましたけれども、流動性といったものを大分犠牲にしてやる、長期にわたって行う投資がこのインフラ投資でございます。これと、例えば海外債券というと米国債のようなもの、これが同じポートフォリオに入っておりますと言われますと、大変違和感を当然覚えるわけであります。 私も、かつてデリバティブを使って商品の組成、様々させていただいたことがございます。例えば最終的にインフラに投資をしても、今の金融技術を使えば、債券の形に仕立てることもできれば投資信託にもできる、預金の形にもできます。こういった外形的なキャッシュフローですとか形、そういったものに着目して分類しても、実は取っているリスクにとっては何の意味もない現状がございます。 そういう意味では、これ、基本ポートフォリオがそもそも今後投資していく上での一つのガイドラインとして機能していくためには、しっかりまずこの基本ポートフォリオ、これを例えば今おっしゃったようなオルタナティブ投資に関しては別に切り離して運用するですとか、そういった設定が今後必要だというように思われます。 六月に実際にこの財政検証終わるわけで、この時点でもう一度基本ポートフォリオ見直しになるかと思いますけれども、ここで是非、こういったきっちりと、そもそも取っているリスクに応じた分類といったもの、その分類の仕方自体を見直していただきたいと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○参考人(三谷隆博君) お話、ごもっともでございまして、たまたま今回は最初ということで基本ポートフォリオの中に受皿がなかったということもありまして、最も類似するキャッシュフローという観点から外国債券を選んだわけでございますが、今後、基本ポートフォリオの見直しをしていく過程で御指摘の点については検討させていただきたいというふうに思います。
○平木大作君 ありがとうございます。 そして、これに関連してもう一つお伺いしたいんですけれども、現在、このGPIFの運用担当者の中でインフラ投資の専門家、具体的に何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。その他、例えば、今後、プライベートエクイティーですとか様々なもの、いわゆるオルタナティブ投資について考えていかれるんだと思うんですけれども、こういったものの専門家、組織の中にいらっしゃるんでしょうか。お答えお願いいたします。
○参考人(三谷隆博君) 私どもでは、オルタナティブ投資を進めるため、昨年十月に私どもの運用部という組織の中に専門チームを設置したところでありますが、本年二月からインフラの共同投資を開始したことなどから、今年の四月、今月でありますが、今月から当該専門チームを投資戦略課という課に格上げいたしまして、現在、課長以下四名で業務を実施しております。この投資戦略の課員は、全て過去に金融機関等に勤務していた中途採用者でありまして、この中には、長年にわたり、例えばプライベートエクイティー投資に携わっていたといった職員も含まれておるところでございます。 なお、私どもとしては、これで十分というわけでは全く考えておりませんで、現在、外部コンサルティング会社に給与体系の見直し等についての調査を委託しているところでありますが、その結果も踏まえまして、高度で専門的な人材の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今の、専門家の方ちゃんといるんだというお答えお聞きしまして、ちょっとでありますけれども安心をいたしました。と申しますのも、やはり、昨年末、有識者会議からの報告書が出てから、GPIFのこの報告書を受けて、何か慌てていろいろポートフォリオの多角化を図っているんじゃないか、あるいは、こういったインフラ投資、今まで経験のないものを体制のないままに何か進めているんじゃないかといった私も不安がありまして、こういったものをしっかり準備して、また専門家もチームもそろえた上で始められたということでありましたので、四名だけでなくて、今おっしゃっていただきましたけれども、引き続き、しっかり投資していくのであればこういった体制づくりにも全力で取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げます。 そして、運用リターンをしっかり上げていかなければいけないという議論の中で、現在、ともするとこのポートフォリオの中身を見直せばいいという話がどうしても先行しているわけでありますけれども、運用リターン、これ最大化するには、別にポートフォリオだけではございません、例えば投資先に対して企業変革やガバナンスの改善、こういったものを要求するいわゆる物言う投資家、こういった役割も今後GPIFとしても果たしていくべきじゃないかと私は考えているんですが、この点、いかがでしょうか。
○参考人(三谷隆博君) 私ども、厚生労働大臣の定めました当法人の中期目標におきましては、民間企業の経営に対して影響を及ぼさないよう配慮すること、それから、企業経営等に関する影響を考慮しつつ、長期的な株主等の利益の最大化を目指す観点から、株主議決権の行使などの適切な対応を行うことというふうにされております。 このため、当法人として、株主議決権行使のガイドラインを定めて運用受託機関に示すのではなく、運用受託機関への委託に際し、コーポレートガバナンスの重要性を認識するとともに、議決権行使の目的が長期的な株主利益の最大化を目指すということであることを十分に承知していただいております。その上で、私どもは、運用機関ごとに株主議決権行使ガイドラインの提出を求めまして、各運用受託機関の議決権行使の取組について評価を行い、その評価を通じてより適切な議決権行使の推進を図るよう努めているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 本当に今、この巨大な百兆円を超えるお金を運用するGPIFの役割が、責任がまた大きくなってきているというふうに感じております。果たすべき役割というのは、決して株価の下支えではなくて、こういうある意味日本の株式市場の健全な発展に資するような、そういった貢献といったものが求められております。引き続き御尽力いただきたいというふうにお願いを申し上げます。 この点に関して最後なんですけれども、先日、私もこの件、本会議でも取り上げさせていただきまして、結局、この運用方針あるいはポートフォリオの見直し、こういったものを行っていく上では、やはりそれに見合ったリスク管理体制、この組織自体をしっかりガバナンスも強化していかなければいけない、むしろ先にそちらをやるべきなんじゃないか、このようにも考えているわけでありまして、総理の答弁の中でも、この運用体制についてポートフォリオの見直しと併せて強化していくんだと、このような御答弁あったわけでありますけれども、これ、厚生労働省として具体的にいつまでにどのような形の運用体制を目指していくのか、最後、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今、GPIF、お話があったわけでありますが、これはポートフォリオの見直しだけではなくて、当然、リスク管理体制、さらにはガバナンスどう強化していくか、こういうことも必要なわけでありまして、有識者会議の御提言いただきました。これを踏まえて、全体の見直しと同時に、あわせて、職員数の弾力化でありますとか、それから実質的な合議制、こういうものの導入、これも閣議決定をいたしたところであります。 この閣議決定にのっとって、中期目標、これに関して、職員数それからまた賃金水準、さらには経費等々、この制約の弾力化、こういうものを踏まえていろいろとこれ議論しておるわけでありますが、現在、職員の報酬体系の見直し、これを始めております。 あわせて、運用委員会に関しましても、委員の方々の一部でありますけれども、常勤化、これも考えておるわけでありますし、あわせて、実質的な合議体制への見直しという意味からいたしますと、やはり報酬体系の見直しと併せて、さらに利益相反に関しての規定の整備、これも進めていく必要があろうと考えておりまして、このようなことを順次進めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 引き続き、大変これは大きな課題でありますけれども、昨今の報道だけ見ておりますと、私たちの年金どこへ行っちゃうんだと、そういった不安の声もございます。是非とも透明な運用、そしてGPIFにももっともっと情報発信、国民に分かりやすい形でしていただきたいとお願いをいたします。 もう一つ、少し時間がありますので、論点、続けさせていただきます。 待機児童の解消に向けた取組についてお伺いをしたいんですけれども、この待機児童解消、大変大きな問題で、取り組んでいるところによっては大分減ったんだとかゼロになったと、そんな話もあるんですけれども、やはり都市部を歩いておりますと、ここが一番実感がないというふうに言われてしまうわけであります。 やはり、これ、待機児童数というもの自体を追いかけてもしようがないのかなというところを感じておりまして、預かり先がなくて例えば育休を取った場合ですとか、あるいは家の近所の特定の保育所、これを希望した場合には統計に含まれないですとか、様々これ定義の変更ですとか行政の運用次第でも変わってきてしまう。また、一旦ゼロになっても、それで人気でまた応募者が殺到するようなこともありまして、やはりこれだけを見ていてはなかなか解消に向けて進まないのかなというふうに思っております。 そこで、今日ちょっとお伺いしたい指標として、まず一つは保育所の施設設置主体、担い手についてでございます。 待機児童問題の背景として、自治体の裁量で株式会社による認可保育所への参入といったものがなかなか認められないということが言われてまいりました。ちょっと古い数字ですけれども、昨年の段階でこの株式会社の認可保育所、全体の一・六%しかないということで、ほとんど参入が進んでいない、もう十年も前にできるようになったはずなのになかなか進まないという現状がございました。 平成二十七年度からようやく、子ども・子育て支援新制度、これによって原則認可となるわけでありますけれども、もうこの新制度の発足を待たずに、こういった新たな担い手どんどん呼び込むような、そういった政策を打っていくべきではないかなというふうに考えているんですが、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。 待機児童の解消はもう喫緊の課題でございまして、待機児童解消加速化プランに基づき、平成二十五、二十六年度の二年間で約二十万人、そして潜在ニーズを含めて保育ニーズのピークを迎えるとされる平成二十九年度末までに合わせて約四十万人分の保育の受皿を確保することといたしております。 この加速化プランの保育所整備でございますけれども、特に都市部に適した賃貸方式を活用して、株式会社を含む多様な主体でスピード感を持った施設整備を推進することといたしておりまして、この点、新制度もにらんだ形での対応をお願いしたいということで、昨年五月付けで私からも通知も出させていただいたところでございます。 平成二十五年度の補正予算、そして二十六年度の予算におきましても、必要な整備費、運営費の確保を始め、各種支援策の更なる充実を図るための経費を一体的に確保したところでございまして、これにより、財源確保策を検討していた事業も含め、予定していた全ての補助事業の支援を開始できることとなったところでございます。これらの予算なども十分活用いただきまして、引き続き地方自治体の取組を全力で支援をしていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 今御答弁の中にも触れていただきました、やっぱりこの待機児童解消加速化プラン、これで五年間で四十万人の実際の受皿を増やしていくんだということでございました。 そこで、この受皿について、さらにもう一つの担い手についてやはり見ていかなければいけないというふうに思っておりまして、それは結局、この一番の課題というのは保育士さんの確保であるかなというふうに思っております。五年間で四十万人、この受皿をつくっていくためには一体新たに何万人の保育士の方を確保していかなければいけないのか、資格を持ちながら現場を離れているいわゆる潜在保育士、この掘り起こしを具体的にどう進められていくのか、この点、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、四十万人分確保するために、平成二十九年度末までに七・四万人保育士を確保しなければならぬという状況であります。四十万人という数字は三歳未満の子供たちの大体四四%、これ、ヨーロッパで大体見ていきますと、それぐらいが施設に行かれているという数字でもございますし、大体ニーズ調査をしてもそれぐらいの数字が今のところ出てきておるということでこういう目標を掲げたわけであります。 潜在保育士の方々、保育資格を持っている方々が百万人以上おられるんですが、実際現場で働いておられる方々は四十万人前後だと思います。そういう意味では半分以上が潜在保育士ということでございますので、こういう方々を何とか掘り起こしていかなきゃならぬということで、ハローワークで保育士のマッチング強化、このプロジェクトをやっておりますし、また保育士・保育所支援センター等々を通じていろんな情報提供をしながら対応していくと。あわせて、無認可で働いている方々、保育資格を持っていない方々に対しての受講のいろんな支援でありますとか、それから幼稚園の教諭の資格を持っている方々が保育資格を受けるときの受講費の支援等々、いろんな支援をする中において何とかこの七・四万人を確保して待機児童解消に向かって努力をしてまいりたい、このように考えております。
○委員長(金子原二郎君) 平木大作君、時間が参っております。
○平木大作君 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきますが、今おっしゃっていただきましたように、この保育士の確保、本当に一朝一夕でできる話ではない、また財源も今大変問題になっているということを認識しております。是非とも大臣がまず先頭に立って、旗振り役になって、この待機児童の解消、全力で取り組んでいただきたいことをお願いしまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○松沢成文君 みんなの党の松沢成文でございます。 私も文教科学委員会に所属していますので、もう大臣とは毎週質疑をさせていただいておりましてかなり辟易としているんじゃないかと思いますが、私も国会議員の務めでありますから、よろしくお願いいたします。 今日は、国際宇宙ステーション、ISSと訳しておりますけれども、この国際宇宙ステーションと日本の宇宙開発の在り方について大臣のお考えをお聞きしていきたいというふうに思います。 ISS、国際宇宙ステーションは、現在、日本、アメリカ、ロシア、カナダとヨーロッパの計十五か国で運用されているわけでありまして、日本はこれに一九八八年から参加をしております。これまでにも四人の日本人宇宙飛行士が長期滞在をして、その技術と経験を蓄積してきたということだと思います。先月の九日には若田光一さんが日本人で初めてISSの船長に就任して、活躍をしているところであります。 このISSでありますけれども、耐用年数が最大でも二〇二八年までということで残り十四年、十四年間とされている中で、ISSには日本の実験棟「きぼう」の建設費と運用経費だけでも平成二十五年度までに八千億円を超える多額の投資がされてきました。平成二十四年度だけでも決算ベースで三百七十七億円もの運用経費が支出されております。この額はその年の総額の二千九百七十二億円の宇宙関係予算の一割を優に超えている。大変大きな予算を付けて運用しているわけなんです。 ISSではいろんな実験がなされていると。特にこの「きぼう」ですね、日本の実験棟で、創薬のプロセスの加速につながるようなこういう実験、あるいは高齢者医療、福祉につながるような成果を求めた、これは宇宙飛行士の体を使った実験ですとか、文科省の方で六つぐらい、こうして、こんな実験やっていますという資料をいただきました。 そこで、まず費用対効果の面から、現在までの研究成果を大臣はどのように評価されているか。実は、この予算を付ける財務当局だけではなく、産業界の中からも、この「きぼう」での実験続けているけれども、産業的にも科学的にも巨額投資に見合った成果はなかなか出ていないという厳しい批判もあるんですね。今その意義が厳しく問われている状況だと思いますが、大臣はどう認識されているか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) この国際宇宙ステーション、ISS計画は、二度のスペースシャトル事故など様々な困難に直面したものの、そのたびに参加国が力を合わせて乗り越え、人類史上比類のない規模の平和目的の科学技術プロジェクトとして遂行されてきました。言わばISSは、国際協調を可視化した平和のシンボルとして貴重な人類全体の財産と認識しております。今年一月にワシントンで初めて三十五か国が参加いたしまして国際宇宙探査フォーラムがございまして、私も出席をしてまいりました。 確かに我が国は、松沢委員御指摘のように、今まで八千六百八億の経費を投入したわけでありますが、一方、米国はこのISSの関連経費に対しては約八兆四百五十億円投資しているわけでございまして、我が国だけが特別多いというわけではないわけでございます。 我が国は、ISS計画において、独自の実験棟、御指摘のように、「きぼう」の建設、運用、物資補給機「こうのとり」を打ち上げまして、日本人宇宙飛行士の搭乗等を通じて主要な役割を果たしてきており、米国を始めとする各国から我が国の技術と貢献は高く評価されているところでもございます。 さらに、今般、御指摘がありましたが、若田宇宙飛行士が日本人として初めて船長に就任したことは、これは御本人の人柄と努力、高い能力があったわけでありますが、同時に、我が国が関係国との中で重要なパートナーとしての地位を占めるに至ったということの表れでもあるのではないかと思います。 ISS計画は、科学的成果の獲得のほかに、有人宇宙技術の獲得、外交・安全保障、産業振興等、幅広い観点からの意義もありまして、費用対効果はこれから総合的に評価すべきものであるというふうに思います。 私としても、この日本実験棟「きぼう」の運用、利用についても、効率化等による不断のコスト削減努力を行う一方で、これまで成果が上がっている医療分野などの実験、研究を一層進めることなどによりまして、ISSの成果が実際の社会にも貢献していくことも含め、国民の皆様方からしっかり見えるような形で努力していくことが重要であるというふうに認識しております。
○松沢成文君 費用対効果の面で厳しい意見もあるけれども、それなりの成果は上げてきていると、これからもまだまだできるんじゃないかということでした。 そこで、大臣が答弁の中でも触れましたが、本年の一月にアメリカで開催されました第一回国際宇宙フォーラムの中で、アメリカから、二〇二〇年から二〇二四年までISSの運用を延長することについての提案がございました。こういう提案も受けてだと思いますが、同フォーラムの開会挨拶の中で下村大臣はこうおっしゃっているんですね。我が国としては、今後の国際宇宙探査の枠組みづくりに積極的に関わる、我が国が得意とする技術や独自技術を生かして将来の宇宙探査に対しても主体的に貢献したいと発言されていますし、続いて、何かディスカッションセッションというのが行われたらしくて、そこでは、大臣は、我が国はISS計画で得られた経験を生かし、宇宙探査における国際協力の枠組みづくりについて先導的な役割を果たすと積極的な発言をされております。 こうした大臣の発言から見ますと、このアメリカのISSの延長要請に対して、既に日本として、ISSの運用を延期する、アメリカと一緒になってやっていくんだというふうにお見受けできるんですが、そういう方向でよろしいんですか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今回、この一月、米国で開催された国際宇宙探査フォーラムにおいて、初めてホルドレン大統領補佐官より、米国政府としてISSの運用を少なくとも二〇二四年まで延長することが決定し、各国にも是非参加をしてほしいという要請がございました。 今後のこのISS運用延長と我が国の参加については、宇宙基本計画を踏まえつつ、その検討に当たっては、これまでのISSの成果を評価するとともに、科学技術イノベーションの創出、教育、人材育成、産業基盤の維持発展、そして外交・安全保障等の幅広い観点から、参加、不参加、それぞれのメリット、デメリットを検討すべきとは、政府全体としては必要だというふうに思います。 ただ、私としては、このISSは日米の強いパートナーシップによる将来の国際宇宙探査に向けた足掛かりになると、また今回初めて三十五か国が国際宇宙探査フォーラムに参加をしたと、そして第二回目は日本で二〇一六年ないし一七年に開催をするということになっております。 今後のこの運用延長とその参加の在り方については、米国の提案に対して前向きに検討すべきであるというふうに思いますし、二回目、日本が開催するということですから、そういう観点からも前向きに検討すべきだと思いますが、これは私一人で決定できることではありませんので、今後、専門家の意見を踏まえつつ、関係閣僚とも話し合って対応を決めてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 大臣としては是非とも前向きに参加する方向で考えていきたいけれども、今後政府の中でしっかりと検討して決めていきたいと、こういうことだと思うんですね。その検討が私、重要だと思うんですね。 実は、アメリカが二〇二〇年から四年間の運用延長を決定したのは、将来の有人火星探査やあるいは小惑星探査による人体への影響などの研究目的であると。アメリカはこれをやっていきたいわけですね。二〇二五年までに小惑星への有人探査を、あるいは三〇年代には火星への有人探査を国際協力で実現しようと日本も含めた各国へ提案しているわけです。これがアメリカの目的ですよね。 一方、我が国では、これまでのISSの主な利用目的は、こうした火星や小惑星への有人探査ではなくて、科学研究や科学観測にあったというふうに私は認識をしております。例えば、JAXA、これは独法の宇宙航空研究開発機構の平成二十四年度決算ベースでは、総事業費が二千百九十四億円を占める、その中で宇宙探査事業は僅か十七億円で、一%にしかすぎないんですね。 それから、先週の三日に開催された宇宙政策委員会、これは内閣府が担当している宇宙政策委員会の第二十一回目の会合でも、平成二十七年度宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針案というのが示されました。この来年度の予算配分方針案の中でも、測位衛星、リモートセンシング衛星、通信・放送衛星、宇宙輸送システムの四つの社会インフラに必要十分な資源を確保し、宇宙科学に一定規模の資金を充当した上で、宇宙科学以外の宇宙探査や有人宇宙活動等にも取り組むとしておりまして、アメリカが目指す有人宇宙探査の重要性というのは我が国ではそう高くないんですね。 ここで大臣にお伺いしたいのは、アメリカの有人探査を主な目的としてISSを利用していくということは、現在の我が国の計画と整合性が本当に取れているんでしょうか。仮に今後、我が国が方針転換するのであれば、今後の事業における費用対効果とともに、この事業そのものの目的だとか必要性というのもしっかり詰めて、国民に対して説明していく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) アメリカの大統領府科学技術政策局のホルドレン局長と、それからNASAのボールデン長官の署名による文書によりますと、ISSの運用延長の理由は、一つは、長期有人探査ミッションに向けた研究活動の実施、これは今、松沢委員が指摘された項目でございます。そして二つ目には、手術支援ロボット技術の実用化等ISSにおける医学技術研究成果の社会的利益の拡大を図りたい、そして三つ目には、ISSへの物資・人員輸送サービスを行う民間企業の機会拡大をしたい、そういう内容でございます。 私も一月にアメリカに行ったときにホルドレン大統領補佐官やあるいはNASAのボールデン長官にお会いしまして、それぞれの国の長所をうまく組み合わせながらISSについて一緒に連携するということが非常に重要ではないかという意見、一致したところでございます。 文科省としては、これまで培ってきた無人輸送やロボティクス技術、また宇宙医科学の特徴ある技術、我が国が得意とする技術等、こういうところを生かしていくと。これはアメリカも高く評価をしていまして、この部分においてはアメリカよりも日本の方がかなり進んでいる部分もございます。 そういう各国の強みを総合的に組み合わせるという、ある意味ではそれぞれの国が独自に宇宙開発等に力を入れたという時代から、もう人類共通の平和の象徴として、それぞれのいいところを一緒に組み合わせながら、より促進力の付くような宇宙開発をするという時代に移ってきたのではないかというふうに思いますし、我が国の強みを生かしながら今後参加するという方向性で関係閣僚とも話し合っていく時期に我が国も来ているのではないかというふうに認識しております。
○松沢成文君 そこで、このISS、国際宇宙ステーション、共同でやっているわけですね。もう一方の、まあ新興国というか、最近では大国と言われていますけれども、中国の動きが大変気になるわけなんですけれども、実は中国は二〇一一年の有人ドッキングを、二〇二〇年頃に中国が独自の宇宙ステーションを建設するという目的達成の前提条件と位置付けてきました。さらに、この宇宙ステーションを起点にして二〇二五年頃までに実現させようとしている月面着陸では、月にあって核融合発電の燃料となるヘリウム3の獲得をにらんでいるとも聞いています。 また、軍事的な思惑もあって、弾道ミサイル迎撃システムや現代の戦争で欠かせない衛星監視システムの整備などなど、宇宙技術の開発を中国軍が積極的にこの宇宙を使って進めているんですね。こうした宇宙開発は、中国の人民解放軍のミサイル部隊というのが主導していまして、これまで軍が主導してやってきた部分もあるということで情報開示も不十分で、欧米諸国からは軍事利用への警戒が強まっているといった報道もなされています。 まず、中国のこの宇宙開発、最近物すごい勢いでこれ進んでいるわけですね。有人宇宙飛行から始まって、ドッキングをどんどんどんどん成功させてやってきている。それで、そこは軍部がかなり主導してやってきている。そして、二〇二〇年にはこのISSがどうなっていくか。取りあえず、やっても二〇二四年までですよね。それ以降は中国の宇宙ステーションしかなくなってしまって、この宇宙開発が中国の独壇場になってしまうという可能性もあるわけですね。 大臣、この中国の宇宙開発についてはどのように認識持たれていますか。これは内閣府の方でいいですかね。
○副大臣(後藤田正純君) お答えいたします。 委員の中国の宇宙開発の御懸念でございますが、今、宇宙政策の総合調整を担当しております内閣府としてお答えいたします。 まず、宇宙条約というものがございまして、これにおきまして、宇宙空間は、専ら平和目的のために利用されるべきことが規定されております。核兵器等の大量破壊兵器を宇宙空間に配備することや月その他の天体に軍事基地を設置すること等を禁じておりまして、同条約には、我が国を含む宇宙先進国のみならず中国も加盟していると、もう委員御承知のとおりでございます。ただし、委員御懸念のように、各国間の立場の違いによりまして、適用されるべき規範の確立がまだ発展途上にあるという認識でございます。 そこで、我が国といたしましては、国家安全保障戦略を踏まえまして、宇宙空間における法の支配の実現、強化につきまして、関心を共有する国々との政策協議を進めつつ、国際規範形成や各国間の信頼醸成措置に向けた動きに積極的に関与してまいりたいと、このように考えております。
○松沢成文君 中国はかなりの予算を使って宇宙開発も進めています。その先には軍事利用もやるんじゃないかと、これ、西側諸国かなり心配しているわけですね。 大臣、最後に、今後、我が国の宇宙開発の方針をこれからしっかり議論して決めていかなければいけないと思うんです。特にISS、国際宇宙ステーションが二〇年から二四年まで延長になる。最大でも、老朽化はどんどん進みますから、二八年までなんですね。そこで、どういうふうにこのISSを使って国際連携で宇宙開発を進めていくのか。 私は、どう見てもアメリカは有人宇宙探査、これで中国に負けないようにこれをうまく利用していこうと。日本は日本で様々な目的があるわけですね。例えば、創薬だとか様々な実験をして、これを経済的にも産業的にも有効なものに使っていこうというのもあるでしょうし、あるいは日本は輸送が得意であります。ですから、ロケットの技術や輸送の技術を日本の得意分野としてやっていくのか、あるいは「はやぶさ」のように無人の探査機を造っていろんな情報を集めて宇宙開発をやっていくのか、様々なプライオリティーがあると思うんですね。 大臣として、二〇一六年、一七年に日本で国際宇宙のフォーラムが開かれる。そこはもう日本が主催するわけなんで、そこで日本がステーションから降りますとはとてもとても言えないわけですよね。大臣の今の御答弁でも、ステーションをアメリカと一緒に継続してやっていくんだという方向を出すと思いますが、どういう形で日本の長期戦略を描いていくのか。 実は、もう中国は五十年先まで描いているんですね。有人宇宙ステーションを造って、その後は月の探査をやって、そこまで計画をしっかり作っている。でも、日本は、それに比べると、予算の制約もあります、財政的な事情もあると思いますが、中期、長期の宇宙開発の戦略が全然できていなくて、アメリカから提案があると、それ、どうしようかな、右往左往しているようにも見えるんです。 是非とも、大臣、今後の宇宙開発の戦略の在り方、日本としてどうすべきなのか。これは費用対効果の面もあるでしょうし、もっと大きく言えば安全保障の面、中国に対してどういう対峙の仕方をしていくのか、あるいは協力というのもあり得るのか。その辺りちょっと、中長期の戦略をどう考えるべきか、御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず一つは、その第一回の国際宇宙探査フォーラムに中国も三十五か国の中の一つとして参加し、そして積極的な発言をしていたということで、中国も独自の軍事利用の観点からの宇宙開発だけを考えているのではないのではないかということを私は感じました。また、ホルドレン大統領補佐官や、あるいはNASA長官と話をしていて、アメリカは二〇二四年までISSについては運用を延長したいと。さらに、小惑星が地球に衝突、まあ映画の世界みたいな話ですが、地球に衝突する可能性があるときに、それを事前に回避するような共同開発を研究をしたいと。それから、その先には、火星に有人飛行するということを視野に置いた宇宙探査の国際協力を得たいという話がありました。こういう視点にのっとって我が国も一緒に考えていくことが必要であるというふうに思います。 さらに、今、松沢委員からも御指摘がございましたが、我が国の強みとして、実際、若田宇宙飛行士が自らの体を使って体験されているわけでありますが、宇宙は無重力空間ですから、非常にある意味では老化が進む部分があるそうでありまして、そういうことで、宇宙医学的な部分が現実社会における医学的な部分でたくさん活用できる部分があります。これは創薬の部分も含めてでありますし、あとは循環型の、宇宙空間の中で、水が限られている中でそれをまた循環して使うということでは日本が一番進んでいるということでもありますから、そういう特殊空間を使って現実社会における利便性を更に高めていくということにおいては相当な効果、成果が出てくるのではないかというふうに思いますし、現実社会における、いかに宇宙における体験を役に立たせるかということと同時に、中長期的な、これはアメリカとの連携の中でそのようなことを考えていくときに我が国も来ているのではないかというふうに認識しております。
○松沢成文君 日本の宇宙開発の可能性、様々あるという御答弁でありましたけれども、これは単に科学技術の追求というだけではなくて、宇宙空間をどう捉えるか、特に中国という新興国の動きもありますし、安全保障上の観点も含めて総合的に戦略を判断しなければいけないというふうに思っておりまして、文科省だけでなく内閣府と連携をして、できるだけ早くその方針を、中期の方針をしっかりと練って、それに向けてどう参加をしていくか否か、こういう結論を出して国民の皆さんにしっかりと説明をいただきたいというふうに要望しておきます。 以上です。
○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。いつも厚労委員会において田村大臣とは質疑させていただいておりますけれども、今日はせっかく文科、厚労両大臣がそろっていらっしゃいますので、両省にまたがった質疑から展開をさせていただきたいと思います。 資料にも、今配付をしていただきました、ノバルティス社の社員が臨床研究に不正に関与した問題です。 STAP細胞の不正論文、そして多発する基礎研究、臨床研究の不正事件、まさにこれは日本の研究というものの失墜を意味するものでもございます。真面目に研究をしながら、いい成果を上げている研究者も一方ではいます。しかし、研究というものはデータに基づくものであって、データが間違ってしまえば結論が間違う。しっかりとこれからの科学技術、そして、これから皆様方、政府も描かれているようなNIH、ここを支えていくためにも、しっかりとこれからの方向性についてお示しをいただきたいと思います。 不正論文、そして今までの臨床研究の不正、事件発覚後どのような措置をとられたのか、まずは厚労大臣からの御答弁をいただきたいと思っております。
○国務大臣(田村憲久君) これ、委員、全般のお話でございますか。 そうですね、我が省でいいますと、直近であったのがディオバンという薬、これはノバルティスファーマ社という会社が作られた高血圧治療薬でありますけれども、これに関しまして、これは言うなれば臨床研究といいましても国のお金が入っておるものではなかったわけでありますが、これにおいて、ノバ社、ノバルティスファーマ社の社員の方が深く関わられて、その上でデータの改ざんが疑われる、そのような事案が生じました。 これは、論文等々含めて専門誌に載せたということで、それがこの薬の売行きに大変影響があったのではないかということでございまして、各研究をした大学で調査をしていただきましたら、かなりの部分でこれはどうも改ざんに、疑わしい、改ざんに近い、若しくは改ざんであるというような結論が出てきたわけでございまして、この件に関しましては我々も調査をするのに検討会をつくりまして議論をいただきました。 この案件に関してのいろんな調査もそうでありますが、あわせて再発防止等々に関しても御議論をいただいたわけでありまして、その中においては、もちろん研究者と企業との関係もそうでありますが、研究者自身の研究における倫理、これに関しましてもやはり問題がある、これをどうしていくのか。 ちょうど今、臨床研究に関する倫理指針というものの見直しに入っております。この中で、一つは倫理審査委員会の強化、それから研究者の方々、責任者の方々のやっぱり責務の透明性と、それから教育、研修の在り方のようなもの、さらにはこのような改ざん防止策、そしてまたこのデータ等々の保管、こういうものに関しましてもどうあるべきかと、こういう御議論をいただいたわけでありまして、こういうものを含めてこの倫理指針の見直しの中にしっかりと入れてまいりたいというふうに思っております。 また、今、製薬メーカー等々のいろんな資金、これ研究に出す資金等々のいろんな流れもあります。これも今、日本製薬工業協会の中で自主的に改善をしていただいております。 我々、こういうものを見守りながら、お金の流れも透明性がないことにはやはり疑われてくるわけでございますので、全般的に日本の臨床研究の信頼性、これを取り戻すために我々しっかり取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 先ほど平木委員が基礎研究論文についてということで伺われたかと思います。しかし、今私が伺いたいのは臨床研究なんですね。臨床研究というのは、基礎研究と違いまして、人権が懸かっております。人の命が懸かっております。そういった意味で、かなり重たい研究なんですね。今大臣は、指針についてという御答弁をいただきました。しかし、本当に指針だけでいいのか、ちょっと疑問をここで投げかけさせていただきたいと思います。 二〇〇八年に厚労省は、やはり利益相反に関する指針を出していらっしゃいますが、それは研究助成を受けている研究者だけを対象としていらっしゃいますですよね。ですから、単なるこれはガイドラインにすぎません。厚生労働大臣の告示として遵守を求めているだけ、監視機関はありません。指針に違反した場合に研究者に対する罰則もない。一方で、この薬事法の範囲についての指摘も既にディオバン事件の検討会の中間報告でも行われているかと思うんですね。薬事法の対象というのは、未承認医薬品に対する臨床試験は対象外。今回のSIGN研究というものも、薬事法の規制対象となる臨床研究のいずれにも該当しないために、法令による規制も受けない臨床研究に位置付けられております。 ということは、これからこの臨床研究というものの信頼を失墜させないためにも、臨床研究に対する法令の位置付けというものをしっかりとしたものをつくっていかなければならないんじゃないんでしょうか。 アメリカは、研究の公正局又は被験者保護局、公的な監視機関や、そしてペナルティーというものをしっかり位置付けられております。これに倣うためにも、更に一歩踏み込んでお尋ねいたしますけれども、臨床研究全般を対象とする新たな法律を作る必要性というものについて、田村大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 平成十五年に今申し上げました臨床研究に関する倫理指針というものを作ったわけでありまして、この中においては、やはり被験者の人間の尊厳及び人権、これを最大限尊重するという形でございます。中身、教育や研修についても、研究者等は、臨床研究の実施に先立ち、臨床研究に関する倫理その他臨床研究の実施に必要な知識についての講習その他必要な教育を受けなければならないとされておりまして、長はこれに必要な措置、ちゃんとやっていかなきゃならないというふうになっておるわけでありますが、そんな中でいろんな案件が起こっておるわけでありまして、大変遺憾な話であります。 今、多分法的な整備のことをおっしゃられたんだというふうに思います。今回の案件は、薬事法、このノバ社の言うなればディオバンの話でありますけれども、これ薬事法の誇大広告等に関しまして刑事告発をいたしました。これはノバ社、その社員に関しましてやったわけでありますけれども、そもそも臨床研究全般を、これはあくまでも指針ですから罰則がないわけでありまして、罰則も含めるのかどうかは別にいたしまするけれども、法整備というものが必要なのではないかという御意見は、実はこの検討会の中でもいただいたんです。ただし、一方で、余り厳しくすると臨床研究が萎縮してしまう、また、その体制を整えるためにこれは大変な負担が掛かるというような御意見もあったわけであります。 それも含めて、この四月、今月からでありますけれども、法整備をするかしないか、する場合にはどういう内容であるかということも含めて検討会を立ち上げまして、この秋までに結論を得て、得た結論を基に必要があれば法整備もしてまいりたいと、このように考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 では、下村大臣にお伺いしたいと思います。 まさにこの事件の場というものが、大学、厚労省ではなく文科省の管轄下にございました。文科省としてもどのような再発防止策というものを講じられてきたのか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、昨今、研究活動の不正行為の疑いのある事案が相次いでいることは極めて遺憾なことだというふうに思います。 現在、文科省では、本年二月に決定された有識者会議の審議のまとめを踏まえまして、研究活動の不正行為への対応のガイドラインの見直しに係る具体的な検討を進めているところでございます。ガイドラインの見直しに当たっては、これまで不正行為に関する対応が個々の研究者の自己責任のみに委ねられている面が強かったことを踏まえまして、今後は、研究機関も責任を持ってこの問題に取り組むよう求めていく方針であります。 具体的には、研究者が責任ある活動を推進する上でも、一定期間の研究データの保存、公開の義務付け及び各研究機関における研究倫理教育の着実な実施を求めることなどとしております。また、各研究機関に対してガイドラインに基づく規程や体制の整備、公表を求め、体制に不備が認められた場合などについては、間接経費の削減措置を講ずること等も検討しております。 これらの取組を通じまして、研究者や各研究機関、研究者コミュニティーが責任を持って不正行為への対応を行うことができるように国も支援等を行いまして、公正な研究活動を推進してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 何度も申しますけれども、人の命が懸かるというテストでございます。しかし、現在、下村大臣おっしゃいましたように、やっぱり自己責任に懸かっているという部分が大変多いんですね。臨床では各研究者の倫理観、道徳観に任せられているように、これからやはり教育に当たりまして、そして研修に当たりまして、更に国が責任を負っていかなければならないと考えております。 今回のノバ社の社外調査の委員会の公表された資料を読ませていただきました。この中でも、副作用評価の代筆を許してしまった研究者もいる、かつ、学会のスライドの作成にも携われてしまった。やはり研究者の倫理というものが更に問われなければならない、更に厳しく徹底して教育、研修されなければならないと考えております。 二問まとめて質問させていただきますけれども、現在まではどのように教育、研修が行われてきたのか、そして、このような事件を起こし、それを、反省を基に今後どのようにそれを改善していくのか、厚労大臣、そして文科大臣、済みません、お一人ずつ御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 多分、今の委員のお話は、先ほどのディオバンではなくてタシグナという白血病治療薬であろうと思います。これも大変遺憾な話で、遺憾といいますか怒りを覚える話でありまして、ディオバンの件でノバルティスファーマ社は、臨床研究には我が社の社員はもう立入りをさせない、関わらないと、こういうような内部での取決め、これをされたわけでありますが、その後、実は今言われたように、このSIGNという、こういう研究でありますが、このタシグナの比較調査なんですけれども、これに関しまして何をやったかといいますと、またMRの方々が介在して、例えば患者の方のデータ、これを、本来はファクスで研究機関に送らなきゃいけないものを自分らがそれを持っていったと、その過程で情報をしっかりと、言うなればノバルティスファーマ社が確保といいますか確認しちゃっておるというわけでありまして、個人情報保護の問題からもこれはいろいろと課題があるわけでありますし、今言われたとおり、本来研究者がやらなきゃいけないような研究者の事務の代理、事務局の代理みたいなことをやられておられまして、ファクスの内容もこのノバルティスファーマ社の社員が作って、そしてそれをまた研究者の名前でノバルティスファーマ社の方々が送っていたということでございます。スライドの作成やいろんな問題もあって、そういう意味では、本来自主的に研究者がやらなきゃいけないような、そのような部分まで社員、ノバ社の社員が関わっておったと。 これはもちろん、ノバルティスファーマ、副作用の報告も報告しないという話でありますから、はっきり申し上げましてかなりこれは問題がある、しっかり調査をした上で我々も対処したいと思いますが、製薬会社側も問題あるんですが、しかし一方で、それを許している研究者側の問題というものは、これまた大変な課題であります。 先ほど申し上げてきたように、いろんな指針でこの教育の部分、大切だと言ってきているんですが、なかなかそれがうまくいっていないということもございます。今回の倫理指針の中でも入れますが、今言っておりますとおりに、法制化するかしないかはこれからの議論でありますけれども、この過程においても、やはり教育、研修、こういうものに関しましてしっかりと中に盛り込んでいきたいと、このように考えておりまして、まずは研究者の研究倫理というところにしっかり我々もフォーカスをしてまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(下村博文君) 臨床研究に携わる者に対しては、研究者一般に求められる倫理観、それから人を対象とした研究に携わるための倫理観、両方を身に付けるための教育、研修を行っていくことが必要であると考えております。 文科省では昨今、不正行為の疑いのある事案が相次いでいることを踏まえまして、現在、研究活動の不正行為への対応のガイドライン見直しに係る具体的な検討を進めているところでありますが、この中で、大学等の研究機関に対して、学生も含め研究活動に携わる多様な人材に対して研究倫理教育を着実に実施すること等を求める方向で今検討しているところでございます。 さらに、国際標準を満たし、我が国の研究現場の実情に合った研究倫理教育のe―ラーニング教材の開発、作成を行うCITI―Japanプロジェクトについて引き続き支援を行うこととしております。 また、研究不正を踏まえた臨床研究に関わる倫理指針の改正が今厚労省において検討されると承知しておりますが、各大学等に関して周知徹底を行うことがこれも必要だというふうに考えております。 文科省としては、厚労省と連携し、これらの取組を通じてより一層の研究倫理教育の充実に取り組んでまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 まさに、この生命倫理という問題は、第二次世界大戦下の様々な人体実験、その反省から大きく発展をしてまいったものでございます。他国ではそれを反省を基に多くの体制整備がなされましたけれども、一番この日本が遅れている分野なんですね。しっかり、今回の事件を基に、新しい体制構築、お願いをしたいと思います。 では、次の質問に移らせていただきます。 社会保険病院について何点かお伺いしたいと思います。 昨年、全社連が運営する全五十一病院で百十八億円に上る不適切な財務そして会計処理の実態が明らかとなってまいりました。また、会計検査院の検査では、十三社の社会保険病院で患者未収金に係る債権二億二千百六十万円の保全措置がとられていないとの事態も判明したところでございます。その際に田村大臣は、不適切な会計処理をした全社連に対してRFOの指示に従って対応するようにという大臣命令を出されていらっしゃいますですね。その後の経過、具体的な措置、どのように実施されてきたのか、その経過を、済みません、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これは、今委員がおっしゃられましたとおり、修正が必要な額が百十八億円ということでありまして、このうち三億六千七百万円が言うなれば原因が分からないということで、帳簿が合わない不足額一億一千万円と。この一億一千万円は返還をしていただきました。その上で、RFOにおいて、今おっしゃられましたとおり、それぞれの適正な財務会計処理というもの、これをするように、その実施方法も含めて指導をしろということでこちらの方からRFOに指示をしたわけでありますが、あわせて、これ全社連系の病院なんですね、ここに関しましてもRFOの指示を受けなさいという大臣命令を出させていただきました。 その上で、今現在、例えば、これ監査法人の監督の下、会計マニュアルを作成をさせる、それから監査法人等々にこれ実務の緊急点検という形で、この全社連系の病院全て、これを点検をさせる、さらには外部監査の導入ということ、こういうことを通じまして、これ新しいもう法人に変わったわけでありますけれども、ここの中においてしっかりとこの全社連系のそれぞれの病院のガバナンスも含めて対応いただきながら、明朗なといいますか、財務会計処理というものに努めていただきたい、このような今指示をしながら対応いただいておるということであります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 時間の関係もございますので、二問飛ばさせていただきます。 今大臣、様々な対策についてお話しいただきましたけれども、実際に、今回この社会保険病院、まさに独立行政法人地域医療機能推進機構というものが直接この四月から運営することになっている。ということは、公設民営というところから、ある一定の範囲内かもしれませんけれども、公設公営に近いような形になるわけでございますですね。 現在のとられているその措置というものが更に定着し、そして国民の皆様方の税金が投入しないように独立採算でしっかりとやっていただけるような体制、構築していけるのかどうか、その辺りを教えていただけますか。今後の展望も含めてお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほどの全社連系の病院、なぜそういうことが起こったのかといろいろ調べてまいりますと、やっぱり原因も分かってくるわけであります。今般は、JCHOという先ほど言われました地域医療機能推進機構、ここに変わったわけでありますが、ここが受皿になったんですけれども、例えば診療報酬の徴収漏れというものがあるわけでありまして、そんなこと当たり前じゃないかと言われるかも分かりませんが、そういうことがあるわけでありまして、これをチェック体制しっかりと整備するように、さらに、その未収金がそのまま未収のままで残っておるわけでありまして、未収金自体、収納された現金とその未収金と本来突き合わせて、どれだけあるかというのを確認した上で対応しなければならぬわけでありますが、そういうことすらちゃんとできていなかったということがございますので、そのような体制整備、こういうことも含めて、どこにお金が行ったか分からないと、しかしお金はあったわけですよね。仮に分からなかったら、三億六千七百万あっても、結局一億一千万が不足額ですから、その残りのお金は一体どうなっていたんだということも含めて、基本がちゃんとできていないということがございますので、そういう体制をしっかり取れるように今このJCHOの方からしっかり指導をさせておるということであります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 では最後に、公立病院についてお尋ねをいたします。 現在、公立病院事業を含む地方公営企業は四兆八千億円の多額の累積欠損金を抱えております。自前の事業収益だけでは経営が成り立たないために、地方公共団体の一般会計から補填をして経営を成り立たせているという、こういう事実がございます。 まず初めに、公立病院の経営状況について、その推移を教えていただけますでしょうか。
○副大臣(関口昌一君) 御質問いただきました公立病院の経営状況でありますけれども、深刻な医師不足などにより平成二十年度には約七割の公立病院が赤字でありました。そして、平成十九年に総務省含めて改革プランを策定して経営改革に取り組んできたところであります。こうした取組により、平成二十四年度決算では約五割の公立病院が黒字となって一定の改善が見られたところであります。 なお、経営状況を規模別に見ますと、小規模な病院ほど赤字の病院が多い傾向が見られるというのが現状であります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 公立病院は、先ほど私が触れました社会保険病院と同様に、税制面での優遇措置や病院事業に係る地方交付税の措置も受けています。病院事業に係る地方交付税の措置について、その目的、そして交付税額の積算根拠、交付方法についても教えていただけますでしょうか。
○副大臣(関口昌一君) 委員の御指摘のように、地方交付税措置を行っております。公立病院には、まず要件がございまして、民間病院の立地が困難なへき地における医療、さらに救急、周産期、災害などの不採算・特殊部門に係る医療などを提供する役割がある、こうしたところへ地方交付税措置をしておるところであります。このため、必要な経費については、地方公共団体の一般会計が負担するもの、その負担に対して地方交付税措置をしているというのが現状であります。 その措置の仕方、対応というのは、例えば不採算地区等の病院である場合、一定の要件に合致する病院に対して一床当たりの単価を設定することによって算定しておるところであります。その算定の方法は、平成二十年度、二十一年度から単価を上げて変わってきておりまして、第一種、最寄りの病院が十五キロ以上のところ、ここは一床百二十万、さらに、第二種、人口集中地域、国勢調査等によって、所在しない地域、一床八十四万円という査定をしておるところであります。 さらに、地方交付税措置の実績については、二十五年度に普通交付税で三千九十七億円、特別交付税で九百四十四億円となっております。これは、医師不足、経営が悪化した中で平成二十年度に単価の増額を行ってきたというのがこのような状況になっております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
○委員長(金子原二郎君) 薬師寺みちよ君、時間が来ております。
○薬師寺みちよ君 はい。 最後に、済みません、私から厚労大臣の方に質問しようと思いましたけれども、お願いベースでお話をさせていただきます。 今国会にも医療・介護総合法案かかります。既に、このような公的・準公的病院というのは、入口からもうしっかりとげたを履かせてもらっている状況なんですね。しかし、機能はまさに民間病院と変わりません。しっかりと競争原理を働かせた上で地域医療ビジョンというものを描けるよう、済みませんけれどもお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君が選任されました。 ─────────────
○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。 三月二十日の予算委員会で、私は生活保護の問題を取り上げまして、大阪市が介助扶助から支給されるはずの福祉用具の購入などのお金を生活保護利用者に自己負担できないかと、こういう確認をケアマネジャーなどを通じてしているということを取り上げました。生活保護費というのは最低生活を保障するものでありますから、基本的には、保険料であるとかまた医療費、介護保険とか、自己負担はできないということから医療扶助、介護扶助というのが出ているわけでありますが、この二十日の予算委員会の質疑では、大臣は、大阪市は現在はそのような取扱いはしていないということで、改めて調査はしないということで、調査については明言をされなかったということでありますが、私、やはりこの問題、生活保護の根幹を揺るがす大問題だと思うんですね。 改めて、やはり大阪市に、この問題、調査すべきじゃないかと私は思うんです。厚労省として、大阪市のこの実態を調査するおつもりはありませんでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 今言われました介護扶助は、当然、これを自己負担化すればこれは法律に違反するわけでございまして、その旨、大阪市にお伝えをさせていただいて、通知を事務連絡という形でそれぞれの福祉事務所の方に発出をいただいたということであります。その後、このような取扱いはないというふうに確認をいたしておりますので、改めて調査をするというよりかは、もうそのような形でしっかりと対応していただいておるというふうな認識であります。
○辰已孝太郎君 大臣、そもそも、では、なぜこのような取扱い、不適切な取扱いが大阪市で起こったというふうにお考えですか。
○国務大臣(田村憲久君) 十分に趣旨が伝わっていなかったのであろうというふうに思います。本来の生活保護法、どういうような内容であるかという趣旨をしっかりと御理解をいただかなければならぬということでございますので、そのような案件が出てまいりましたから、こちらの方からそのような形でしっかり助言をさせていただいたということであります。
○辰已孝太郎君 先ほど大阪市は事務連絡でこのような取扱いをしないようにという話がありましたが、大臣、この事務連絡、御覧になりました。
○国務大臣(田村憲久君) 熟読まではしていませんけれども、一通り目は通させていただきました。
○辰已孝太郎君 このA4の紙で三ページあるんですね。三ページ目は半分ですけれども、この介護扶助の自己負担について書いてある文言というのは、たった三行なんですよ。しかも、こう書いてあるんですね。介護給付付きの福祉用具購入や住宅改修に係る費用の介助扶助は、給付券の活用の有無にかかわらず自弁の可否は扶助決定の要件とはなりませんので御注意くださいと、こういう話なんですよ。 そもそも大阪市で行われていたというのは、この介護扶助を自己負担できないかということで、預貯金の確認までケアマネジャーを通じてしていたということなんですね。私は、こういう事務連絡で済ませるんじゃなくて、是正通知のようなものをきちんと分かる形で、表題もそういうことで、こういう取扱いがあった、絶対許してはならないということで、前面に出してやるべきだと思うんですけれども、これはたった三行なんですよ。これ、熟読してもなかなか間違い分からないんですよ。 私は、先ほど理解していないという話がありましたけれども、介護、まあ保険料も含めてですが、生活保護の方に自己負担させない、できないというのは、これはもう常識なんですね。ケースワーカーであれば当然分かっていなければならないことで、常識では考えられないことが起こったと私は思っております。 それで、大阪社会保障推進協議会の調査では、この法令違反、大臣も法令違反とおっしゃいましたけれども、これ一人二人じゃないんですよ。複数人で、しかも複数の行政区にわたってこういう不適切な法令違反が行われていたということがこれ調査で分かっております。組織的に行われた私は可能性は否定できないと思うんですね。ですから、法令違反だと大臣認めながら、私、調査しなければ、実際にこのような法令違反、不適切な取扱いで福祉用具などを自己負担させられた人が一体どれだけいるのか、また自己負担しなければならないと、本当はケアマネジャーなどが必要だと言っていた福祉用具の購入をやめてしまう人がどれだけいたのか、これ分からないわけですよ。 私は、厚労省でも、もちろん大阪市でも結構ですが、きちんとそういう人がどれぐらいいたのかということを調査すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、私は意識持っているから分かったのかも分かりませんが、この事務連絡読まさせていただいて、ここだなというのは理解をいたしました。その上ででありますけれども、その後ちゃんとした対応していただいておるということでございますので、そこは確認いたしておりますので、そういう意味では、大阪でそのようなことはもうないんであろうということだと思います。 全国の担当者の会議等々もございますから、そういう場で改めて、このような案件も含めて、適切な運用、こういうものを我々としても説明をさせていただきたい、周知をさせていただきたい、このように考えております。
○辰已孝太郎君 これから適切な扱いというのは当然のことなんですよ。だけど、自己負担させられた人がいるかもしれないということは、私は、もう最低、厚労省の責任としてするべきだということをこの問題では訴えておきたいと思います。 続いて、不正受給の問題に絡んで、高校生のアルバイト収入の認定についてお聞きしたいと思います。 不正受給の件数、直近の数で結構ですが、全国でどれぐらいあるのか、件数と金額についてお願いします。
○政府参考人(岡田太造君) 平成二十四年の不正受給金額は全国で百九十億五千四百万円でございまして、生活保護費総額に占めます割合は約〇・五%でございます。
○辰已孝太郎君 不正受給はあってはならないことでありますし、特に暴力団が関わっているケースであるとか貧困ビジネスということも当然許されません。ただ、先ほど〇・五%という話がありましたが、九九・五%は逆に言うと適切に運用されているということも見ておく必要があると思っております。ですから、この不正受給の問題は、生活保護を利用できる要件のある人、つまり生活保護制度が必要な人が利用できなくなるようなこういう運用というのは、私は正していかなければならないと思っております。 この不正受給に関しては稼働収入の無申告というのがこれ一番多いわけでありますが、そのうち、高校生のアルバイトの収入申告漏れというのはどれぐらいあるのでしょうか。
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の高校生のアルバイト収入の申告漏れについてのちょっと件数は、把握していないという現状でございます。
○辰已孝太郎君 厚労省、把握していないということなんですが、例えば大阪府の枚方市というところでは、資料の要求しますと出てまいりました。不正受給によっていわゆる七十八条、返還ですね、これが適用された件数というのは二〇一一年で百八十四件ありました。そのうち、働いて得た収入の無申告、過少申告が百三件で半分以上を占めております。その中で、高校生のアルバイトの無申告というのが二十七件で二六・二%、つまり四人に一人が高校生の収入の申告漏れということだったんですね。 これには、高校生自身がアルバイトをしていることを親に黙っていたり、また、ですから世帯主が知らなかったというケースとか、そもそも高校生のアルバイト代を収入申告しなければいけないということを知らなかったという人も少なくありません。その背景には、ケースワーカーの不足、多忙化によって周知徹底されていないということも指摘をしたいと思うんです。 ところで、この四月から高校生のアルバイトに関して実施要領の変更があったと聞いておりますが、具体的にはどういうものなのかということと、その目的ですね、これをお聞かせください。
○政府参考人(岡田太造君) 高校生の就労収入につきましては、従来の取扱いは、基礎控除、それから未成年者控除のほか、生活保護の高等学校等就学費の支給対象となりません修学旅行費などの経費については、収入認定から除外して保護費を減額しないという扱いを従来から行ってきたところでございますが、本年度から、この四月から新しく、高等学校など卒業後の具体的な就労であるとか早期の保護脱却に関します本人の希望や意思が明らかであること、それから具体的な自立更生計画を福祉事務所が事前に承認していることなどを前提にいたしまして、自動車運転免許などの就労に資する技能を修得する経費、それから就労に資する資格を取得することが可能な大学などに就学するために事前に必要な入学金などの経費などについても収入認定から除外をしまして、保護費を減額しないという取扱いをすることにしたものでございます。 今回の取扱いによりまして、生活保護世帯の高校生が就学に資する資格を取得するなどによって就労につなげること、それから本人の自立、貧困の連鎖の防止に有効のみならず、世帯の自立助長にもつながっていくものというふうに期待しているところでございます。
○辰已孝太郎君 子供の貧困の連鎖断ち切るためにと、これ大賛成なんです。ただ、高校生に将来進学するという自立更生計画を書いてもらう、それを認めるということで貯金を認めるということなんですが、やはり様々な理由で途中で進学を諦めざるを得ないという高校生も出てくるだろうと思うんですね。私は、この運用に関しても、実態に即して是非柔軟に対応していくことを求めたいと思うんです。 現場は今、人手不足で手いっぱいなんですね。丁寧な対応をするためにも、ケースワーカーなどの人員を増やして対応するということが大事だと思いますし、せっかくのこの制度ですから、逆に高校生の自立の助長を妨げるようなことがあってはならないというふうに思います。 この問題に関しては、そもそも学びたいという学生を応援するのは厚労省だけの問題ではなく、文科省の問題でも、役割も大きいと思っております。高校生が大学などの進学のために学費を捻出するため、勉強時間を削ってアルバイトをしなければならない、私、このことそのものがやっぱりどうなのかなというふうに思うんですね。ですから、大学等に進学を希望する学生が経済的な理由で進学を諦めざるを得ないということがないように、私は文科省、国がこういう学生たちをもっと支援するべきだと思うんです。 大臣にお聞きしたいんですが、とりわけこの生活保護世帯や低所得者世帯に対して、高等教育への進学のための私は予算が少な過ぎると思っております。日本の大学の入学料、授業料の引下げ、無償化に私は踏み出すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 予算が少ないというのはそのとおりだというふうに思っておりまして、特に若い人たちに対する教育というのは未来に対する先行投資ですから、これからいかに予算を増やすかということは、どんな家庭の子供、生活保護家庭だけではありませんが、意欲と志、能力を持っている学生に対して広くチャンス、可能性を提供するということは我が国にとって大変重要なことで、位置付けだというふうに思います。 そのために、今年の四月から、高校授業料の無償化、見直しをいたしまして、特に生活保護世帯の家庭においては給付型奨学金を導入することを初めて決定をいたしました。これは、その子供が行っている学校によって違いますが、三万円台から多い家庭の子供では十三万円台の、年間、給付型奨学金を支給するということをこの四月から創設をしたわけでございます。 大学については、学費を下げるというのはこれはなかなか難しい問題がございます。まずは、できるだけそのような奨学金制度を充実させると。取りあえず今年は、大学生においては無利子奨学金の貸与者数を二万六千人増員をいたしまして、またその事業費でも対前年度比で百五十六億円増の三千六十八億円を計上いたしました。 しかし、相変わらず有利子奨学金の方が多いわけでありまして、できるだけ有利子奨学金を無利子奨学金にすると。そして、是非、二十七年度辺りから、大学生における給付型奨学金制度も創設することによって、どんな家庭の子供であってもチャンス、可能性を切り開いていくような、そのような支援を是非考えていきたいと思っております。
○辰已孝太郎君 ヨーロッパの先進諸国では、大学入学費も含めて授業料無償化というのが当然ですから、貧困の連鎖断ち切るためにも予算の増額を強く求めたいと思います。 最後に、生活保護に戻りますけれども、水際作戦について改めてお聞きします。 二〇一二年、京都の舞鶴市に住むC型肝硬変のために働くことができない五十代の男性が、生活保護課に三度申請に行っても、その場で口頭で生活保護の申請させてくださいと言ったけれども申請させない問題がありました。この男性、申請の意思を明確にしたにもかかわらず申請させなかったことを不服として審査請求を行いました。当初、京都府は男性の訴えを棄却しましたが、その後の再審査請求で、今年ですね、二月の十四日、これは大臣裁決において男性の訴えを全面に認めて、口頭での生活保護の申請を認めました。私、この舞鶴市の対応は駄目だと大臣が裁決したことは重要だというふうに思います。 私は、このような水際作戦、申請の意思を示しても申請書が渡されないと、申請できないということを、もう許さない、起こさないためにも、申請書を誰でも取れるところに設置すべきだというふうに思いますが、その点についてどうでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 窓口に常備配置はしてあるわけであります。ただ、おっしゃられるとおり、自分自身ですぐ取れるところに置いてあるかどうかはこれは別でありまして、置いてあるところもありますけれども。 なぜそこまで我々が指導していかないかといいますと、一つは、本来、相談に来られた方が実際問題、保護の適用にならない方々もおられるわけでありまして、そこはちゃんと相談をしていただいてやらないことには、結局、手続やり出したら、途中であなたは適用されないという話になっては時間が掛かり過ぎる、また、福祉サービス等々を適切に対応すれば、それで生活保護を受けなくても自立ができるというような場合もあります。 それも、やはり手続に入ってしまいますと、いろいろとその手続の時間を取るわけでございますので、福祉サービスにうまく早く手が届いていかないという問題もありますし、本来、生活保護を受ける方々が、それによって時間的に、他の方々でありますけれども、遅れてしまうということもあるということで、そこでやはり面談をしっかりやっていただくということで、面接相談という形の中において、そこは適切に御意思を確認すると同時に、その前にしっかり生活保護の適用の要件等々も含めて御説明をいただくということ、他の福祉サービス、どういうものがあるかということも御説明をいただくということをやっていただくのがまず一番であろうということであります。 ただ、その説明の上でも、やはり自ら申請の意思があれば、それは当然のごとく、それからは申請の手続に入っていかなければならぬわけでありまして、その点が抜けておるということであれば、これは適切に対応するように全国会議も含めて我々としてはしっかり周知をしてまいりたい、このように考えております。
○辰已孝太郎君 申請の意思があっても申請書を渡さないという事態がここで批判されているわけですね。で、大臣裁決で駄目だと。 京都府の特別監査でも、これは厚労省の局長通知で、きちんと面接相談記録の中に申請の意思を確認する欄、申請の意思ありましたか、マル、なかった、バツ、こういう欄を設けなさいということが求められているわけですね。この舞鶴市では、そういう欄そのものが設けられていなかったということで、ちゃんと欄を設けなさいということになったわけですよ。 私、この問題、非常に大事だと思っていまして、申請の意思を確認する欄、これがない自治体がほかにもあるんじゃないかと。これなければ、結局、申請の意思、表明した、いや、していない、水掛け論になるんですよ。私、この欄が設けられているかどうか、これ全ての自治体にもう一度確認をして、設けられていないところがあれば設けるように厚労省が指導すべきだと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(岡田太造君) 保護の申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると認められるような行為も厳に慎んで、適切な窓口対応を行うように全国の自治体に通知しているところでございます。 国や都道府県が行っています監査におきまして、具体的に面接相談の手順をまずヒアリングするとともに、面接記録票などにより個別のケースの検討を行いまして、申請意思を確認しているかどうか、保護申請に当たって、事前に関係書類の提出を求めることなく保護申請書を交付しているかなどを確認させていただいているところでございます。その上で、不適切な事例があった場合には是正を求め、その結果を報告するなどの指導を行っているところでございます。こういった監査の機会におきまして、相談者の申請意思が面接記録票に記載しているかどうかというのを今後も確認していきたいというふうに思っています。 御指摘の局長通知で様式を示しておりますが、それはあくまでも標準的な様式でございまして、具体的には各自治体にいろんな工夫をしていただくということで認めていますので、これは実際にそういうことがされているかどうかということが重要だと思いますので、監査の機会などを捉えてやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○辰已孝太郎君 監査は全部やるわけじゃないんですから、監査で分かってから事後対応じゃなくて、これ、欄を設ける、設けなさいということはもうこれすぐにでもできる話だと思いますので、是非やっていただきたいということを、水際作戦も許さないという対応でしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小西洋之君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。 ─────────────
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 私も、生活保護の問題で、まず一問お聞きをいたします。 昨年の生活保護法の改定に基づいて、実施要領の改定が現在行われています。その中で、二〇一一年度から始まったクーラー購入のための生活福祉資金貸付けに関する規定が変更されるというふうに聞いています。 あの熱中症による死亡事件が相次いだことから、私も二〇一一年に厚生労働委員会で、生活保護受給者がクーラー購入のために生活福祉資金の借入れを行った場合、その借入金を収入認定しないようにというふうに求めました。厚労省はすぐにこの実施を決めていただきまして、これでクーラー購入ができるようになったと全国の各地から大変歓迎する声が寄せられた次第です。 今回の実施要領の改定では、冷蔵庫などクーラー以外の什器も同様に購入することができるようにする。また、収入認定できる収入がないという方も対象とする方向だと聞いていて、これは制度の前進であって、私は歓迎したいというふうに思います。生活福祉資金借りてクーラー購入ができる方が広がります。今まで、全額生活保護だけで生活しているという方はお金借りること自体が認められなかったものですから、これ対象広がるということは非常に重要だと思うんです。 ただ、返済の方はどうかといいますと、今までは、生活保護費を減らさないように返済金相当分も収入から控除するという扱いがされてきたんです。これをやめるということを今度検討していると。これでは、先ほども指摘ありました、最低生活費である保護費の一部が生活費に充てられなくて返済金に回されてしまうと。こうすると、厚生労働省自ら最低生活費を割り込む生活を認めることにもなりかねません。 収入がある人とない人の公平性ということであれば、どちらも返済資金分を保護費に上乗せして支給する、返済する際に。大臣、大丈夫でしょうか、首をかしげていらっしゃるんですけど。毎月々、恐らく千五百円とかそれぐらいのお金なんですよ。それぐらいを返済金に充てる分だとして保護費に上乗せをして支給する。収入のある方だったらその分を収入認定から除外するというような取扱いをすればいいと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今言われた冷暖房設備でありますとか、それからあと、家具什器に関しましては、基本的には生活保護費の中で賄っていただくということで、これ原則であります。 〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕 今委員おっしゃられたのは、まず、いろんなお声がある中で、生活扶助、生活保護費以外の収入のある方、つまり、例えば年金でありますとか、そういうものをもらいながら生活保護を受けておられる方々に関しては、その年金等々で、要するに、を基に福祉貸付けを受けた場合には、その部分は収入認定をしないということに今までなっておったわけでありますが、そもそも他の収入がない生活保護だけの方々は福祉貸付けができないという形になっておったと。非常にバランスに欠く制度になっておりました。なかなか一時金で高いものを買いづらいということもございますので、そこに関しましては、保護費以外に収入のない方々に関しましてもこれは福祉貸付けができるようにというふうにしました。 そこで、今言われたように、冷房でありますとかまた冷蔵庫、非常に暑い日が続くような、そういうような今気候変動が起こってきておりますのでそういうことにしたわけでありますが、何よりも、先ほど申し上げましたとおり、冷暖房設備でありますとか家具什器は生活保護費の中で日常の生活費としてこれは賄っていただくということが原則でございますので、この場合、やはり収入認定をさせていただくと。あわせて、今まで生活保護以外の収入があられた方々は、これは収入認定していなかったわけでありますけれども、これはやはり福祉貸付けは収入認定をさせていただくということでございまして、生活保護費の中から結果的にそれを御購入をいただくというような、そのような今回見直しにさせていただくということであります。
○田村智子君 冷暖房の設備を、例えば生活保護を受けるときにそれがないという場合に設置が認められたりという場合はあるんですけれども、しかし、生活保護を既に受給している方が、もうクーラーも壊れちゃったと、どうするんだ、買うことができない、で、生活福祉資金が借りられるよと。これは本当に制度の改善だったんですよ。 だけど、それを生活保護費の中でというのは、ランニングコストは分かりますよ、ランニングコスト、電気代とか。それだって、冬場は冬季手当、これ出るわけですよ。だから、夏だって夏季手当を出してほしいという声があるぐらいなんですよ、電気代上がっちゃうから。そうならない。ランニングコストを生活保護費で補うというのは分かりますけれども、一定まとまったお金をやっぱり保護費で出せというのは、そういう設計になっていないんですもの。設計になっていない、そもそも。ランニングコストは出るかもしれないけれども、クーラーを買えるようなお金になっていないから、生活福祉資金をどうぞ借りてくださいというふうに厚労省も認めたわけですよ、どうぞ借りてくださいと。 だから、返済についても、これはやっぱり保護費から出すということではなくて、最低限の生活を保障するという立場で是非今までのようなやり方を続けていただきたい、拡充していただきたいというふうに思います。 ここはちょっと、もう平行線になってしまいますと思いますので、また改めて局長などにも要望したいというふうに思います。 続いて、国民健康保険についてお聞きをいたします。 国保は、国民皆保険の中核的な役割を担っていて、医療のセーフティーネットとして国民の健康を支えている、そういう制度です。収入がない方、何らかの事情でなかなか就職できないような方、そういう方も国民健康保険があるから公的医療保険制度から除外されることがないという、非常に重要な役割を担っています。しかし、実際には、収入のない方も含めて国保料、国保税、これ徴収がされると、その負担が重過ぎるということで様々な問題が生じています。 その一つとして今日取り上げたいのは短期保険証の問題で、これ、医療費の窓口負担が十割になる資格証明書、これを私たち、発行すべきではないということをずっと言ってきまして、この何年間かは発行数というのは横ばいになっています。一方で、短期保険証の発行数が増える傾向にあります。その中でも、六か月の短期保険証というのは減って、有効期限が三か月以下というものが増える傾向が見られます。中には一か月以下の短期保険証を発行するところも出てきています。 資料でお配りしました資料の一を見ていただきたいんです。これ長野県保険医協会が調査をしたもので、七十七市町村にアンケートを行って六十九の市町村が回答をしているものです。これを見ますと、短期保険証が発行されている世帯のうち二割以上が一か月の有効期限の保険証、極めて短い保険証になっています。 短期保険証は滞納対策として厚生労働省が推奨してきたと、短期で出すようにと。そのために、長野県だけでなくて今全国で同じような傾向が見られると聞いていまして、中には有効期間二週間という短期証を発行している事例まであると聞いています。滞納者の多くは、お金があるのに払わないということではなくて、払いたくても払えないほどの収入しかないという方がほとんどです。 短期保険証の有効期限を短くしたら滞納問題解決するかというとそうじゃなくて、むしろお金が用意できずに窓口に行くことをためらって、結果として、その短期保険証が手元にないという事例まで生じかねないんです。厚労省は、短期証はこれ制裁として出しているものじゃないと言うんですけれども、手元に届かなくなったら、もうこれ事実上制裁と同じだと思うんです。 まず、お聞きしたいのは、こういう一か月というような保険証、これは面談するために一か月というふうに厚労省は推奨しているようなんですけれども、これは余りにも期間として短過ぎる。厚労省としてこれを推奨するということは見直す、やめるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 短期の被保険者証でありますけれども、今言われましたとおり、被保険者資格証、これだと十割自分で払った後ということでございますから、滞納があった後はまず短期の被保険者証ということになるわけであります。これは今委員もおっしゃられましたとおり、決して罰則というよりかは、保険料の減免ということもあります、それから分割納付ということもございます、そういうことも含めて納付相談、これをしっかりやってくださいと。窓口を訪れなかったりするというのが結果的にはどんどんどんどん滞納につながっていくわけでございますので、そういうことで、これ、期間も定めるわけでありまして、個々の世帯の状況に応じて期間というのは違うんであろうと思いますから、そういうことも含めて各自治体で御判断をいただくことであります。 あわせて、期間が切れるということは、なぜ期間を設けるかというと、その期間でやはり接していただいていろんな相談に乗るということでございますので、その場合には、即座に自治体といたしましては電話連絡をするなり戸別訪問をしていただくなりして速やかに事情を聞いて、これはやむを得ないという場合に関しては短期被保険者証を速やかにお渡しをいただくということでございますので、期限がある限りは、その期限が切れたときには適切な対応をしていただくようにこれからも周知徹底いたしていきたいと思います。
○理事(熊谷大君) 田村委員、保険局長にも答弁を求めますか。
○田村智子君 いや、後で答弁求めますので、いいです。 これ、一か月ごとにやはりお金を持って窓口に行かなくちゃいけないと。お金持ってきたら渡すみたいになってしまうと、これなかなか納付ができない、お金の工面ができなかったという方は、本当に市役所の窓口の敷居が高くなってしまう。これ本当に現実に起きていることなんですよ。だから、そういう中で何が起きているか。やっぱり短期保険証の世帯で、保険証が手元にないために医療にかかれずに死亡するという事件が全国でやはり起きているということを見る必要があると思うんです。 二〇一三年九月に肺気腫、心不全で石川県金沢市の男性が死亡いたしました。この方は、知人の借金の保証人になっていたことが影響をして、働いていても借金がかさみ、国保料を滞納するようになってしまったと。月三万円ぐらいずつ分納するという約束で短期保険証が交付をされていたんですけれども、これも二〇一一年頃から更に収入が落ち込んで分納が困難となって、結果、保険証が窓口に留め置かれるようになってしまった。二〇一三年七月頃から健康の悪化が非常に進んで、体のむくみがほかの人からはっきり分かるほどの状態になってしまったというんですね。御本人が余りつらそうなので、妻が保険証の交付をしてほしいというふうに市役所に行ったんだけれども、滞納の一割を払わないと発行できないという対応をされてしまった、これ自体問題なんです、後で聞きますが。こういう対応の中で妻は、もうこれ諦めようかというふうに思って男性に、このままようよう死んでいくしかないのかなというふうに伝えたというわけなんですよ。 しかし、これ本当にもう御本人苦しかったんです。見るに見かねて、結婚して県外に住む娘さんに何とかならないかというふうに相談して、その娘さんが何とかお金を工面してお金振り込んでくれた。これでやっと七月の終わりに保険証が交付されて、八月一日にはもう全身浮腫で動けない状態で緊急入院になった。やっと治療が受けられて、一時期回復はしたんだけれども、九月の後半に亡くなられてしまったという事例なんです。 〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕 今、医療機関が無料低額の診療所などをやってお金のない方もというふうにみると、同じように保険証が手元にないがために治療が遅れて命を守ることができなかったという事例は、毎年のように私たちの元に、そういうアンケート調査が寄せられてくるわけです。 こういう非常に重大な事態で、保険証が手元にないために医療が受けられず命を落とすと、こういう事例は本来一件たりとも起きてはならないことだと思うんですけれども、これ、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 個別の案件ですので、どのような事実かちょっと私は分からないんですが、今のお話であるとすれば、御相談に奥様が行かれた、そのときに保険料を支払えるか支払えないかということをしっかりと確認しなきゃいけないわけでありまして、そのまま留め置いたと。それも、留め置くのは本来長期間留め置いてはいけないわけでございますので、適切な対応をしていただく、若しくは保険料も払えない、事実、医療も受けられないということであれば、生活保護というそういう選択もあるのかも分かりません。 状況が分からないだけに何と申し上げていいのか分かりませんが、自治体には適切な対応をしていただかなければならないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、国民健康保険なりに加入していただければ、手続を踏んでいただいておれば、これは仮に滞納になったとしても、今言いましたこの短期被保険者証もあれば、短期被保険者証も出なくなったとしても被保険者資格証明書があるわけでありまして、これはもちろん全額払わなきゃ、一旦払った上で償還でありますけれども、医療は、保険の中で仮に滞納しておったとしてもこれは受けられるはずであります。そこがどうもうまく機能していないとすれば、それはしっかりと我々、個別案件があるのであれば各自治体に周知をさせていただきたいというふうに思います。
○田村智子君 実際に短期保険証が留め置かれているという事例は決して少なくないんですよ。 この問題、以前にも我が党議員が質問で取り上げて、二〇〇九年十二月十六日には、国保課長名で「短期被保険者証の交付に際しての留意点について」という通知が出されていて、そのときに、厚労大臣がおっしゃられたとおり、これは市町村と滞納世帯との接触の機会を設けるということが短期保険証の交付の趣旨なんだと、だから、一定期間これを窓口で留保することはやむを得ないけれども、留保が長期間に及ぶことは望ましくないという通知がはっきりと出されているわけですね。 資料の二をちょっと御覧いただきたいんです。これ、じゃ実際どうかというと、山梨県の留め置きについて、これも自治体へのアンケートの結果、これは二十七市町村のうち二十二の自治体が回答をいただいているんですけれども、これ短期世帯八千二百四十七のうち一千七百十七が未渡し世帯というふうに出てくるわけですよ。留保されている、留め置かれている。二割なんですね、これ。こういう事態が実際にあるわけです。 さらに、資料三も見ていただきたいんです。これは大阪府の実態で、ここも全体で二割が、これ未交付というものの中身がどういうものかというのがあるんですけど、未交付だと。つまり、本人の手元に届いていないと。中でも数が多いのは大阪市です。大阪市の場合は短期保険証は六か月で出しています、大阪市は。だから、切替えというのが、これ五月と十一月に短期保険証の切替えを行っています。調査は六月時点ですから、ちょうど切替えの時期と重なって手元に届いていないという方が多いのかもしれませんが、実に約五万世帯のうち二万三千五百十三が未交付になっていると。じゃ、もうちょっと時間がたったときどうかと。次の切替えの直前でも一万を超える世帯が未交付の状態だったというふうにお聞きをしています。 国保の改善を求める運動をしている方からお話を聞きますと、これは決して私が今挙げたような都道府県だけが突出しているのではなくて、全国的な状態だと。短期保険証発行者の世帯の二割にも上る留保者、留め置き者がいると。これは、ちょっと実態をちゃんと厚労省としても把握をして何らかの手だてを取ることが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) いろんな状況があるんだろうというふうに思います。 先ほど田村委員おっしゃられたような、御家族が相談しに行ったにもかかわらず、それに対して適切な対応をしなかったとするならばこれは問題でありますが、接触をしようとしても接触ができないがために留め置かれざるを得ないという場合もあると思います。もちろん、場合によっては、ちゃんと連絡が取れて、分割納付等々いろんな相談の中で計画が立てば郵送で送るという場合もあろうと思います。 それぞれ適切な対応の下で対応していく中において数字が出てくるという部分もございますので、一概にその数字が全て不適切な対応であるというわけではないというふうにも思います。 いずれにいたしましても、適切な対応をしていただくように、全国会議、担当者会議等々で改めてこれに関しましても周知をさせていただきたいと思います。
○田村智子君 家族が窓口に行くというのは、もうどうしようもない状態になって行くというパターンがほとんどなんですよ。短期保険証ってそういうものじゃないですよね。どうしようもなくなって出すものではなくて、医療が必要になったときにはいつでも保障ができるように発行すべきものなわけですよ。 私が実態を調べてほしいというふうに言うのは、もう一つの資料も見てほしいんです、愛知県についてのものを資料四として出しました。これ、窓口留め置きというのと別に未交付というのが示されているんですよ。私ちょっと驚いたんです。留め置いているだけではなくて、そもそも保険証を印刷もしていないということだと思うんですよ。だって、印刷して留め置いていたら留め置きの人数になるはずなんです。そうではなくて、未交付の人数というのが出てくるわけですね。留め置きが九千六百四十三、短期証世帯の二割は未交付という方がいらっしゃると。 これは、国民健康保険法で、保険証や資格証明書はこれは交付をすると。交付が大前提なんです。交付がされていない。これはこのままにはしておけないと思いまして、一体、その留め置きあるいは未交付という実態が全国でどのようになっているのか、これはやはり実態調査を改めて求めたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 先生今配付をいただきましたこの資料、愛知県の状況、未交付という概念、そもそも発行していないというもので、これは、下にあります出典はその調査をされた団体のものかと思いますが、私ども、この定義等、恐れ入りますが把握をしておりません。よく愛知県の自治体の方に確認をいたしまして、先生おっしゃるように、国保の基本は、加入していただいて保険証を発行する、あるいは資格証明書を発行することになっておりますので、どういうことでこういう調査の結果が出ているのか、よく確認をさせていただきたいと思います。 また、先ほどから大臣申し上げておりますように、私ども、被保険者証を受け取られて、滞納が始まりましても、医療の必要性がある方に対しては、資格証明書の方であっても、緊急であれば短期の被保険者証出して、窓口での一部負担の下で受けていただくような仕組みをつくっております。やはり本当に必要な方については、きちんと医療を受けていただくような工夫、指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 これは是非、実態調査を私重ねて求めたいと思います。 それで、これ、留め置きが、長期にわたって医療が受けられない事例が幾つも起きていると。その原因の一つに、さきに私が読み上げました国保課長の通知、この中で留保が長期間に及ぶことは望ましくないというふうに言っているんですけれども、その前段階、一定期間窓口で留保することはやむを得ないというふうに書かれているわけですよ。その一定期間というのはどの程度なのかということは何も示されていない、曖昧な表現になっています。そうすると、これは滞納したとしても、有効期間の大半、例えば一か月なんていう短期証だったら、これ大半は手に届かないということはあり得るわけですよ。 こういう、滞納者の手元に保険証がないという事態をやっぱりなくしていくためにも、一体この一定期間というのはどの程度のことをいうのか、どういう状態が望ましいのかということはちゃんと明確に自治体に指導すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 一定期間の期間を示すというのではなく、しっかりとやはり面接等々で相談いただくという形でございます。電話で相談ということもあろうと思います。 いずれにいたしましても、ちゃんと対応できていないというのが一番の問題でございますが、一方で、先ほど申し上げたとおり、対応しようにも対応できない、なかなか連絡も付かないと、呼び出してもお越しをいただけないし、戸別訪問をされてもそこにおられない若しくは対応していただけないという事例もあるわけでございまして、ここはなかなか、どれが留め置きの期間だということを示すことは難しいわけであります。 一方で、電話での調査でありますとか、また戸別訪問等々をさせていただいて、そこでちゃんとその事情をお聞かせをいただければ、それに対しては短期被保険者証をしっかりとお出しをいただく等々の対応はしていただかなければならぬわけでございまして、それに関しましては、先ほど来申し上げておりますけれども、全国の担当者会議等々で周知徹底をしてまいりたい、このように考えております。
○田村智子君 これ、改めて求めておきたいのは、やっぱり一か月という短期保険証が出されるようになってから留め置きが増えているという指摘もあるわけですよ。だから、一か月というやり方は是非これ改めるように検討をしていただきたいし、それから、先ほど来大臣おっしゃられているとおり、やっぱり速やかに保険証は発行されるべきであると。だから、なかなか会えなかったという場合にも郵送などで、御本人の元に、手元にあるということが重要なわけですから、これは郵送を含めてちゃんと届けるということは必要だと思うんですけど。大臣、そこ、首かしげちゃ駄目なところなんですよ。だって、保険証は手元になかったら医療が受けられるという状態を保障できないわけですから。郵送を含めて速やかにやっぱり発行するということをお約束いただきたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) たとえ電話でも御連絡が取れて、その上で対応、どのような形で、保険料等々を分割でもいいですから納付する、若しくはできない、今どういう状況か、生活保護というような形もあるかも分かりません。どのような形にいたしましても、真摯な対応をちゃんと取れるような状況であるならば、そこは医療が受けられるように、保険であろうが医療扶助であろうが受けられるようにということであろうと思います。そのときには郵送でお送りさせていただくこともあろうと思いますが、会えないということになりますと、なかなか、保険証を仮に送っても本当に本人に届くかどうか分からぬということもあるわけでございまして、そこはなかなか難しいところであるということは御理解をいただきますようにお願いいたしたいと思います。
○田村智子君 御本人の住所が確認できていればこれは郵送でやるべきだと思うんです。局長、それ、そうすべきですよね。だって、滞納問題の解決と保険証が手元にあるかどうかというのは別の問題なんですよ。滞納問題の解決のために面接やったり相談に来てくださいねと働きかけるのは、それは引き続き訪問含めてやるべきなんですよ。だけど、保険証が手元にないという事態を、これ、大臣、許したら駄目ですよ。局長、そうじゃないですか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたが、この短期の被保険者証、その期間までに何とか接触を持たせていただきまして、直接お会いすることも訪問も電話もありましょうが、少しでも分納でもお支払いいただける、例えば一月の短期証だったものを、次のときには少しでもお納めいただきますと、半年のことで、きちんと納める意思があればそういうふうに切り替えておる市町村もございます。それから、本当に緊急に医療が必要な場合には、その医療の必要性、それから一部負担、全額を一時的に払うことができないということを申し出ていただければ、それはそれでそのときの短期被保険者証を出させていただくという仕組みもつくっております。 何とかその方の医療の確保に努めながら、少しでもお納めいただけるようなお話合いをさせていただきたいと、そういう工夫の中で市町村を指導してまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 これは、保険証を郵送して届けるということを否定しないでしょう。これは確認したいんですけれども、なかなか、分納できなきゃ保険証出しませんよじゃ、制裁ですよ、それじゃ。制裁じゃないんでしょう、短期保険証は。違うんですか。
○国務大臣(田村憲久君) ですから、御連絡が取れて、医療を受ける必要があり、また全額医療費を払えないというようなことがあれば、そのときには別途短期被保険者証をお渡しするわけであります。いずれにしても、一応話合いをさせていただいて、その中において理由をお聞きして、その上で必要であるならば、先ほど言ったような形で短期被保険者証は郵送も含めて対応させていただきます。
○田村智子君 これ、私、後で、緊急な事態のとき、医療の必要があると、だけど、お金がなくて医療費も払えない、保険料もすぐに滞納になって解決できないという場合に、これは確かに通知も出して、短期保険証はすぐに発行しなくちゃいけない。これ、もう時間がなくて質問できなくなっちゃったんですけれども、こういう場合をちゃんと定めています、通知の中で。だけど、保険証を手元に持つかどうか、それは、資格証の方であっても、短期保険証はそうやって出さなきゃいけないという場合ですよ。ですよね。その資格証ではない、短期保険証が留め置かれているという方が郵送もされなくてもいいなんという答弁で済まされちゃうと、ちょっと私はそれは困ると思うんですよね。 これ、速やかに御本人の手元に届ける努力を自治体はやるべきだということは確認してよろしいわけですね。
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃるとおり、これは保険料の納付も含めて、相談に乗るということが重要でございまして、そこで、相談に乗れば、当然のごとく、必要に応じてちゃんと送らさせていただくわけであります。もちろん、御本人が収入が十分にあるのに払いたくないというような話でお話しされるとすれば、それは資格証明書の方に移っていくということでございますので、それも含めて、どういう状況であるかということをしっかりと、お話合いの中でこちらの方も理解をさせていただくということが重要であろうということでございます。必要な方々にはしっかりと、この短期被保険者証は、郵送も含めて、お渡しをさせていただきます。
○田村智子君 今や所得の二割を超えるような保険料を低所得者の人ほど負担しなくちゃいけないと……
○委員長(金子原二郎君) 時間が参っております。
○田村智子君 これで払えないんですから、十分な対応を求めて、終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。 他国の例からで申し訳ないのですが、アメリカの場合、保険証が手元にあるかどうか以前に、国民皆保険じゃなかったと思うんですね、つい最近まで。最近、オバマ政権がいわゆる医療保険改革でオバマケア、成立したわけで、まだ大分もめているようですけれども、なぜ、オバマケアに対して共和党、アメリカの共和党が反対したのか、その理由をどういうふうに厚生省としては理解しているのか、教えていただければと思いますけれども。
○国務大臣(田村憲久君) 私は、アメリカ政府でも共和党でもございませんので、詳細にまでは分かりませんが、自分でできることは自分でやっていくと。民間保険ございますから、アメリカは。そういうところに自ら入るということなんであろうというふうに思います。 一方で、オバマケアは、低所得者、五千万人近い方々が未保険ということがございます。そういう方々に対して一定の安い、収入が少ない方々にはそれなりの保険を提供すべきであるということの中において、あのオバマケアというような、このような政策を打たれたんであろうと。これはいろんな御意見がアメリカの中でもあるということは認識をいたしております。
○藤巻健史君 そうですね、大体私の認識も大臣の認識と同じなんですが、共和党は小さい政府、要するに自助努力を標榜しておりますので、皆保険、ツーマッチじゃないかということと、それと、あと、財政破綻につながるんじゃないかという認識があったというふうに私は理解しております。 それで、改めて日本に戻りましてお聞きいたしますけれども、政府は、日本の保険、国民皆保険ということで、世界に冠たる国民皆保険ということで自慢していらっしゃいますけれども、その一方、消費税は上がったとはいえ、八%ですよね。ひょっとすると一〇%に上がるかもしれませんけれども、先進国の中では断トツに低いわけです。世界に冠たる皆保険と先進国最低の消費税のコンビネーションというのはいつまでもつのかということをまずお聞きしたいし、逆に言いますと、他国、欧米諸国は、国民皆保険というそんな立派な保険まで行っていない、だけれども消費税が二十何%だと、他国はよっぽど非能率な政府を持っているのかと。要するに、そんなにたくさん消費税で集めていながら国民皆保険にまで行っていないということも考えられますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 国民皆保険が、日本の平均寿命、また健康寿命、これは世界でトップクラスでありますけれども、これを維持していくために大きな役割を果たしていることは間違いないというふうに思います。 ここで日本の社会保障制度の歴史をもう申し上げるつもりもございませんが、一方で高齢化社会の中において財政的には非常に厳しいと。ただ、見てまいりますと、これ海外の社会保障、これ年金、医療、福祉でありますけれども、GDP比どれぐらいあるかという、この数字を見ますと、日本は福祉その他、医療、年金で二三・一%という数字であります。フランス三二・四、スウェーデン三〇・二、ドイツ二九、イギリスですら二五というような状況でございます。すると、高齢化が進んでおる日本においても、実は他の国と比べて、アメリカは一九・五で、これは今も言いましたオバマケアが始まる前の数字であろうと思いますけれども、比較的日本の国は、まだそれほど社会保障のGDP比はヨーロッパの国々と比べて高いわけではない、むしろ低いということであります。 一方で、国民負担率は更に低いということでございます。そんな中において消費税の増税というものを、これは一昨年、三党合意の中において決めていったわけでございまして、これは負担と給付のバランスというものをどう考えるか、ここにも関わってくるんであろうと思います。 ただ、いずれにいたしましても、日本の医療保険制度、このままでは大変でございますので、国保に対しては財政支援を行ったりでありますとか、それから総報酬割というものを今議論をさせていただいております。これは、報酬に合わせてそれぞれの保険者がお金を融通していくというやり方でありまして、組合健保の皆様方は、いろいろとこれに対しては御注文をいただいておるわけでございますが、そういうものも含めて、日本の皆保険制度をいかにして守っていくか、これは大きな課題であろうというふうに思っておりまして、先般の社会保障制度改革国民会議の中でも幾つかの御提言をいただいておりますので、この御提言をしっかり我々受け止めながら、維持、持続可能な医療制度、これを確立してまいりたい、このように考えております。
○藤巻健史君 GDP比に対して社会保険料、社会福祉費が低いという御回答ありましたけれども、それについては御質問はしませんでしたけれども、まず一つ考えられるのは、GDP比に対して消費税が低いので税収が少な過ぎるということが一つあるかと思います。 二番目のポイントとしては、後でもちょっとこれ質問もしますけれども、GDP比でいくと欧米と比べて低いとおっしゃいましたけど、実は日本の財政って物すごく赤字が大きいですから、国債費なんというのがあるわけですね。要するに、国の国債費の、元本の償還額と利子の分、国債費ですね、これがかなり大きいわけです。二十二兆円ぐらいですか、今年度で。これは過去の支払分の今払っているだけですから、その中にはかなりの部分が社会保障費に含まれているわけですね。ですから、その部分を含めたり、それから地方交付税でもやはり民生費が大きいわけで、民生費というのは要するに社会保障費ですから、そういうことを考えると、私は決して欧米諸国に比べて社会保障費が低いとは理解していません。今まで考えたことなくて、今大臣のお答えを聞いてから考えたんであれですけれども。 やっぱり、ほかの国は国債費なんというのは余り高くないですから……(発言する者あり)いや、でも、それちょっと、じゃ先にそっちの質問をしますけれども、今、平成二十四年度予算で税収が四十七兆円で、歳出九十七兆円ですよね。それで五十兆円の赤字ということ、国債発行あったということなんですけれども、一方、決算報告を見ていますと、二十九・九兆円となっているわけですよ、社会保障費。財政学上、さっきの民生費とかそれから国債費を入れると、大体歳出の約四〇%と言われているわけですね。そうすると、大体歳出が今九十七兆円、百兆円だとすると、四十兆円の歳出ということで、歳出の四〇%が社会保障費だと考えると約四十兆ですよね。そうすると数字は、ちょっとごめんなさい、質問を考えていなかったので今考えていたわけですが、それはやめておきます。後にします。ごめんなさい。 じゃ、ちょっと次の質問に、考えてからまたいずれ御質問いたしますけれども、次の質問にちょっと移りますけれども、国の最低限の仕事というのは国民の生命と財産を守ることというふうに私は理解していたんですけれども、その一方、日本の場合、格差是正ということが大きい、言われていまして、格差是正というのは、確かに社会主義国家とか共産主義国家であれば格差是正というのは第一義に来るんでしょうけれども、資本主義国家ではあくまでも格差是正というのは二の次、まあ大切ですよ、大切ですけれども二の次であって、財産と生命を守るということが一番重要なポイントだと思っておりますし、元々年金ができたのは、余りにも格差が広がると暴動が起きて生命と財産が危険にさらされると、それを防止するために年金ができたというふうに認識しておりますけれども、大臣のお考え方はいかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 社会の安定という意味では意味合いがあると思います。ただ、年金制度がなかったとして、高齢者の方々が生活をできないと、まあ、最近は高齢者はお元気な方が多いですから暴動を起こすこともあるかも分かりませんが、比較的、欧米、特にヨーロッパなんか見ていますと、ヨーロッパだけじゃない、新興国なんかも見ておりますと、若い世代が職に就けない、失業率が高いということで、その若さのパワーもあっていろんな活動をされる中で国内で騒乱が起こるということはあろうと思いますが、高齢者が中心になって暴動を起こしたということは私は余り記憶にはないわけでありますけど。 ただ、社会の安定性という意味からすれば年金というのは大きな役割を果たしておると思いますし、ジニ係数という所得の格差の数字がありますが、これが再配分前、つまり年金で再配分する前は若干ずつやっぱり今格差が広がってきているんですが、年金で再配分した後はジニ係数は格差が広がっていない状況に今なっておりますので、そういう意味では、ジニ係数等々を見ますと、年金というのは所得の再分配の中において格差を一定程度収れんさせておるという部分はあろうと思います。 それから、年金の重要な部分は、現役時代の生活をどこまで保障するかという部分がございますので、現役世代暮らしておられた生活水準を一定程度これは引退後もある程度維持していくという意味での大きな役割であろうというふうに考えております。
○藤巻健史君 確かに一定程度の格差是正というのはやっぱり必要だと思うし、それ以上に、もちろんセーフティーネットということで、最低限の生活できるということは国の最大の責務ですからやらなくちゃいけないと思うんですが、当然のことながら、過度の格差是正というのはまずいわけですよね。当然国の勢いはなくなりますし、働いたって働かなくたって同じということであるならば誰も働かなくなっちゃうわけで、それは限度というものがあると思うわけです。 今大臣ちょっとジニ係数の話をされましたけど、私はジニ係数ほどインチキなものはないと思っていまして、エンゲル係数で考えていただければ、今、日本人のエンゲル係数なんてべらぼうに低いですからね。あのエンゲルができた頃、六十何%とかなんとか言っているときに、これ、ジニ係数でいえば何というかというあれもありますけれども、まあエンゲル係数でいえば日本人は全員が豊かであるということも言えるので、ジニ係数はオールマイティーではないということはやっぱり認識しておく必要があるのかなと私は思っています。 それで、確かに大臣のおっしゃること、もっともなんですが、それは財政がお金があればという話であって、今、日本はお金ないわけですよ。ちょっと先ほどほかの話で言いかけましたけれども、今基本的に日本の歳入というのは税収プラス印紙税収入、要するに、いわゆる税収が四十七兆円で、九十七兆円使って、五十兆円赤字なわけです。財政学上でいうと、先ほど言いましたけど、四〇%が大体社会保障関連費だと言われているので、そうすると約四十兆なわけですね。社会保障関連費が四十兆円の歳出、そして税金は四十七兆円しかないわけですよ。 ということは、言い方を変えると、税金で集めた金を全部社会保障費で還元しちゃっているわけですね。財政学上、社会保障費というのは、所得の再分配ですよ、大臣が主張している所得の再分配。ということは、所得再分配が必要だといいながら、集めた金を全部国民にばらまいていたらば、じゃ教育はどうなるの、軍備費はどうなるのという話なわけですよね。もし、例えば集めた金全部社会保障費で国民に還元している、すなわち国民に再分配しているのであれば、教育費なんというのは子供たちから借りているわけですよ。先ほど、下村大臣が未来への投資だとおっしゃっていましたけど、それはもちろんそうなんですけど、数字だけから見ると、偉そうなことを言っても、子供たちのお金を使って我々が何か言って口だけ出しているわけで、自分たちのお金で自分で教育していることになっちゃうわけですよ。 要するに、収入が、歳入がこんなに少ないときに、社会保障費、要するに所得再分配は過多じゃないのという話なんですよ。それはお金があればいいに決まっていますけれども、例えばハイチみたいな、例えば、貧困率知りませんけど四〇%か何か、一日二ドルで生活している人たちに、社会保障費が大切だ、生活のレベルが大切だって、金がないものはないわけです、できないわけです。それと同じような日本ないのかと。 要するに、今の国というのは子供たちからの借金ですよ、全て。それをみんなに、今の我々の世代の社会保障費上げておいて、それは、再分配って、子供たちから我々への再分配であって、こんな状況がもつのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 世代間の格差みたいな話で、要するに、将来の借金を負うと。違った見方もありましてね、これ。日本の国、国債は九十数%国内で消化しておりますから、これ国債を持っているのは日本人ですよね。日本人で持っているということは、これ相続されるわけで、相続税で税金で入ると同時に、相続されたものは次の世代に行くわけでありまして、つまり、次の世代の中での持つ者と持たざる者の格差が生まれるんではないかと、こういう見方もされるわけであります。それが、ギリシャだとか、国債が海外で所有されておりますと、これは言われたとおりでありまして、お金が全て国内から逃げていくわけでございますから、ツケを子供たちが負うと。まあ、いろんな見方があるんだと思います、これは。 その上で、今四〇%というお話がございましたが、一応日本の国の今の歳出の中で見ますと、国債費と地方交付税を抜いた一般歳出、この中で五四%が厚生労働省所管でございまして、三十兆を超えています。四十兆というのは多分地方の部分も入れられた金額なんだろうなというふうに思いますが、これはいろんな見方によって数字変わってくると思います。 もっとも、社会保障給付費は足下で百十兆円でございますから、保険料も含めて、保険料もこれ国民の皆様方からいただいておりますから国民負担率の一部でございますので、ここまで含めていろんな議論はしなければならぬだろうと思いますが、先ほども申し上げましたとおり、社会保障給付費のGDP比割合は決してヨーロッパに比べて高いわけじゃない、むしろ低いという状況であります。こう考えたときに、どう国民負担を考えるか、国民負担率プラス今の国債ですね、発行、これを合わせると大体今四〇台後半、四七、八ぐらいなんでしょうか、だと思います。これでも、ヨーロッパで見るとイギリス並みぐらいなのかも分かりません。 そう考えたときに、日本がこれだけ高齢化が進んでいる中で、高齢者に対するいろんな社会保障費が必要だということの中において、これを減らすということはできないわけでありますから、いかに伸びを、これを抑制できるか、しかも、医療の質を落とさずに、生活の質を落とさずにできるかという、今我々チャレンジをいたしておるわけでございまして、もちろん充実も必要でありますけれども、重点化、効率化もしっかり進める中において社会保障をしっかり維持できるようにしていかなきゃなりませんが、一方で、消費税を一〇%に向かって今段階的にという状況でございますけれども、一定の国民負担もお願いをしていかなきゃならない。また、それぞれの負担能力に応じた負担もしていただかなきゃならない。つまり、収入を持っている方々にはもう少しばかり負担をしてくださいよというようなお願いもさせていただくということでございまして、今般、法律を提出をさせていただいておるということであります。
○藤巻健史君 今の大臣の御回答の中に、国債も未来世代に相続していくからという話がありましたけど、これは全く承服しかねますが、それを言っていると時間なくなっちゃいますので、これは、私は絶対それは間違いだと、その議論は間違いだと思っております。 それは別としまして、今の大臣の御発言だと、社会保障費は減らせないからどの程度税収を増やすかという話というか、収入を増やしていくかという話が根幹だと思っているんですけれども、これは何度かほかの委員会等でお話ししたんですけれども、参議院の予算委員会の公聴会で早稲田の原田教授が、社会保障の上昇を全部消費税で賄うとなると、二〇六〇年までに消費税率を三六・六%に上げなければいけないとおっしゃったわけですよ、三六・六%です。 一方、日経新聞の経済教室によりますと、「財政は持続可能か 消費税率、五三%の可能性も」というタイトルがあったわけで、これは、R・アントン・ブラウン氏というアメリカのアトランタ連銀の上級顧問だったわけで、れっきとした人なんですけれども、その人に言わせると、二〇七七年までに五三%というわけですね、消費税率上げなくちゃいけない。それも、今、対GDP比二〇〇%というとんでもないような赤字を日本は背負ったんですが、その二〇〇%より悪くならないために五三%必要だと言っているわけです、彼は。ということは、私は、二〇〇%今続いて金利がちょっと上がれば一発で日本の財政はおかしくなっちゃうと思っていますけれども、未来永劫二〇〇%でも大丈夫だという前提の下に消費税率五三%と言っているわけです。 原田教授の言うことにしろアントン・ブラウン教授の言うことにしろ、今のレベルを維持するためには物すごい消費税の上げが必要になると思うんですけれども、これは両方ともきっと不可能ですよね。となると、やっぱりある程度の消費税を上げ、かなりの消費税上げとやっぱりかなりの歳出カットしか選択の余地は私はないと思う。今の一兆円ずつ増えていくような社会保障の制度をキープして、その上で消費税も上げないとか消費税でいいといったら、これはもつわけがない。それは、みんな願望は願望ですけれども、どう考えたって事実として解決方法ないですよ、まともに真面目に考えれば。 なので、やっぱりいろんなドラスチックな歳出減を考えていかないと難しいかなと思うんですが、一応、ちょっと考えられるのは二つありまして、私が今ずっと考えているのは二つあって、一つは、先ほど、保険、保険が確かに年老いた方のというか高齢者の生活を保障するという意味はあるんですが、年金保険、私の疑問は、なぜ保険というのかと。大体、保険というのはもらう人もいればもらわなくなる人もいて、何人かがおかしくなるから保険というので、今の日本というのは、年金なんていうのはみんな一〇〇%、まあ若くして亡くなられる方はあれですけれども、かなりの部分の方がもらうわけですよ。保険じゃないんですよ、実質。まあ、これは昔は六十五歳ぐらいまでにかなりの部分の方が亡くなっちゃったからもらう方少なかったかもしれないですけれども、今もう寿命延びていますから、六十五歳で払ってしまえば大体ほとんど全員に行っちゃうわけで、こんなの財政がもつわけがないと私は思うんですよ。 それは、財政、たくさんあればいいですよ、歳入がもう三百兆、四百兆毎年あるならいいですけれども、この四十五兆円の歳入とか、そんな歳入でそんなにもつわけなくて、だとすると、ドラスチックに社会保障費を減らすという一つの方法は、例えば八十五歳まで年金払わないと。その代わり、年金の支払率むちゃくちゃ減りますよ、だけれども、八十五歳になったら物すごく手厚い保障をして、そうすれば、みんな年取っても、長く生きちゃったというリスクを回避できるわけですよ。 今、みんななぜお金を使わないのかとかそういうのというのは、どこまで生きたら、お金なくなっちゃうんじゃないか心配だと思うからお金使わないわけで、八十五歳以上は絶対にもうどんなことがあっても国が面倒見るような高度な年金を払う。だけれども、八十五までは何とか自分で生きておいてくださいよと、自助努力ですね。若しくは、それが心配だったならば民間の保険へ入っておけ、あとは、八十五歳までに自分のためた財産を使い切れば、家を売ってでも八十五まで生きれば後は保険があるんだということにすれば、財政問題も解決するし、それはこんな保険ない方がいいかもしれないけれども、その前に国が潰れて何にもなくなっちゃうより、財政破綻になったらもう年金なんか全部ゼロですから、それよりは私はましなのかなと思います。 もう一つ申し上げちゃうと、例えば生活保護を受けた方、それから過度の介護保険を受けた方、多くの方がお金ためて亡くなって、その遺産が孫、子供へ行っちゃうわけですよ。それはやっぱり自助努力として不公平もいいところで、やっぱり生活保護を受けた方とか過度の介護を受けた方というのはお金を国に戻すと、家を売ってね。それが将来の介護保険に回っていくようになれば、何とかなるわけですよ。 これも、さっきも申しましたように、お金があればそんなことする必要ないかもしれないけれども、日本にはお金がないんですから、その前提で考えると、やっぱり回転していく方法を考える。それは、国からの援助をもらった人がやっぱりちゃんときちんと返す。要するに、介護保険をもらって財産も子供に残すというのは、それは間違いだと私は思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 八十五といいますと、平均寿命が女性八十六ぐらいですから、なかなか難しいんだと思いますが。 今の年金制度、これ御承知のとおり、数理計算で百年で計算しております。これは給付と負担の方がバランス取れるようにやっておりますので、実のところ、先般、これ試算したところによりますと、今、足下、GDPに対する給付比率が大体一一・二%なんですが、二〇二五年、団塊世代が七十五歳になられるときには九・九まで下がるんです。 実は年金というものは、実はもうある程度今の制度の中では完結しておりますので、それほど財政負担にはなっていかないというところがあるんだと思います。それよりかは、医療や特に介護、介護は一・八から三・二ぐらいまで増えますから、介護は非常にこれから大変であるということはありますので、それは問題意識として持っております。 もう一つ、リバースモーゲージの話でありますが、これ実は今回、介護保険で、手元に現金のある方に関しましては補足給付という、特養に入ったときの食費代と居住費代、これ補足で入れているんですが、これは止めるということを盛り込んでおります。 ただ、このとき土地の話も出たんですが、ある程度商品価値がちゃんと、つまり流動性のあるところならばいいんですが、地方に行きますと、それ、土地押さえてもそもそも売るところもないし管理もできないと。売ったところで幾らになるか分からない、つまり流通していないわけですから。そう考えると、なかなかこれどこか自治体がその責任を負うというのは難しいねと。日本は中古住宅の流通市場もアメリカに比べると余りそんなに、一生懸命やっていますけれどもね、今。こういう状況でございますので、もうちょっと先を見越さないとなかなかその設計は難しいのかなと思います。 何よりも、そうはいったって大変じゃないか、それはおっしゃるとおりでありまして、ただ、私自身のこれは個人の分析ですけれども、二十年前ぐらいに社会保障給付費五十兆円強です、今の二分の一です。このときの税収と今の税収見ると、その頃の方があったんですよね。つまり、税収が増えなかったというのが、実はこの分、社会保障費が赤字国債に行っちゃったということでございまして、それはなぜかというと、やはりデフレ、デフレでございます。デフレでありますから、どうしてもそうなっちゃう。 そういうことを考えますと、やはり経済が成長する、名目でですよ、名目で成長して税収も増えていくという方にかじを切らなきゃいけないということで、このアベノミクスということを、我々、野党のときに弾込めをしたわけでございますので、経済成長させながら税収も上げていってという部分も含めて、もちろん、社会保障の伸びも、こういう伸びをどう抑えていくかということは努力はしていかなきゃならぬと思いますので、そのような総合的な手法をいろいろと使いながら、何とか持続可能な社会保障制度、これを継続してまいりたいと、このように思っております。
○藤巻健史君 税収を上げていくというのはロジックとしては非常にいいんですけれども、これも何度か申し上げているんですけれども、狂乱経済と言われたバブルの末期、バブルの、一番税収、今まで史上最大の税収というのは六十・一兆円ですから、消費税は三%でしたけれどもね。これは税収上げて社会保障何とかなるといったって、これはやっぱり絵に描いた餅でございますので、なかなか難しいかなというふうに思っております。年金も大丈夫だとおっしゃいましたけれども、想定利率とか考えますと非常に何か大丈夫かなというふうに思うわけですね。 それで、次の質問で、GPIFですね。先ほど平木委員の方から投資利回り等をお聞きになっていましたけれども、これ、平成二十三年度と二十四年度のGPIFに入ってきたお金と出ていったお金、金額、教えていただきたいんですが。
○政府参考人(香取照幸君) 今の御質問ですが、年金全体の財政がどうなっているかということで御説明申し上げます。 平成二十三年度、厚生年金、国民年金で、これは厚生年金基金の代行部分も含めまして、二十三年度、収入四十・五兆、そのうち運用収入が三・八兆、支出が四十二・四兆、これが年金給付費にほぼ相当しますが、四十二・四兆で、差引きマイナス一・九兆円ということになります。二十四年度は、収入が四十八・五兆、そのうち運用収入が十一・三兆、支出が四十三兆で、差引き、収支差が五・五兆円というのが足下の年金財政ということになります。
○藤巻健史君 二十四年はプラスだったということですね、二十三年はマイナスということで。どんどんどんどんこれから支給が増えていく、高齢化社会で増えていくと思うのに、もうこの二十三年度の段階で、年金が入ってくるものの運用入れて出ていっちゃうということを考えると、そんなに百年も大丈夫なんて……(発言する者あり)じゃないんですか、そうですか、大丈夫ですか。そうですか、分かりました。じゃ、想定しているということで。 ちょっと時間がなくなっちゃうので済みませんけれども、下村大臣の方にお聞きしたいんですけれども、リーマン・ショック後に大学がデリバティブで大きく損をしたというニュースが流れましたけれども、二十三年度、二十四年度では大きい失敗の報告があるかどうか、あるならどういう指導をされたかお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 二十三年度、二十四年度につきまして、これは全ての法人を対象として把握をしているわけではございませんけれども、資産運用において損失を生じたという報告を受けている学校法人は、文部科学大臣所轄の法人で十一法人ございました。文部科学省といたしましては、これらの学校法人のうち大きな損失を生じたもの、そして二十二年度以前、二十年度から二十二年度につきましては相当数報告をいただいておりますので、その中で特に大きな損失を生じたものに対しましては、デリバティブ取引に関する状況について報告を求めますとともに、リスク管理を適正に行うなどの指導を行ったところでございます。
○藤巻健史君 資金管理の、資産運用の適切化という話を政府の方からされると、大体多くの人はすくんじゃって、元本保証の現金利息で運用しちゃおうと思うんじゃないかと思うんですが、これはアメリカの大学の運営方法と違いますですよね。 ハーバードなど、寄附金を集めて大きく運用して、そのお金でいい教師を集めて評価を上げて学生を集めて躍進しようとするわけです。日本の大学の場合、低ランクの学校だと、どうやって上位校に変身できるのかなと考えると、なかなかないですよね。生徒数は減っちゃうし、大学の収入の大きいものはきっと学費でしょうから、評価が低ければ定員割れもあるだろうし、収入は上がらない、コスト削減といったって大変、ないと。じゃ、アメリカみたいにその運用益で優秀な教師を引っ張ってきてランクを上げていくという方策も取れないとなると、何というんですか、それこそ階級社会というか、大学の階級化が固定化しちゃうんじゃないかという気もするんですけれども、いかがかなというふうに考えます。 それで、取りあえず、東大のファンドとハーバード等のファンド、どのくらいの規模の差とかリターンの差とかあるのか、情報があれば教えていただきたいんですが。
○政府参考人(吉田大輔君) お答えいたします。 ハーバード大学における基金は、積極的な運用によって規模を拡大していくことを前提に、教育研究に対する支援に活用していると承知しております。一方、東京大学におきましても、寄附金により基金を造成をし、安全な運用を図ることを前提に、教育研究に対する支援や施設の整備などに活用していると承知しております。 基金の規模、投資リターンの比較でございますけれども、規模につきまして、ハーバード大学では、二〇一三年六月末現在の数字でございますけれども、約三百二十七億ドル、円にいたしまして約三兆三千四百億円でございます。一方、東京大学では、二〇一二年度末現在の基金の額が約九十三億円となっております。投資リターンの規模でございますけれども、ハーバード大学では二〇一三年度で一一・三%、一方、東京大学では利回りをリターンとした場合に二〇一二年度では一・二六%という形になっております。 両者は、運用方針、あるいは設置主体の違い、寄附文化を含めた社会背景が異なりますので、単純に比較することは困難でございますが、以上申し上げたような違いがございます。
○藤巻健史君 今お聞きした数字が日本の社会とアメリカの社会の差を歴然と表しているんじゃないかなと思います。 やっぱり投資というのはハイリスク・ハイリターンでございますので、リスクを取らないとハイリターンはないということで、元本保証ばっかり言っていくとかなり大学の経営は今後苦しくなるんじゃないかと思うんですね。特にアベノミクスがインフレを目標としているわけで、インフレを目標としているということは預金なんかどんどんどんどん価値がなくなっていくというわけで、それこそ本当のハイパーインフレになれば一番リスキーな商品というのは預金なわけですよね、実質的に何もなくなっちゃう。タクシー初乗りが百万円になれば百万円集めたって一回でタクシーでなくなっちゃうわけで、実質的な財産をなくすことであって、まさに一番リスキーな商品が預金ということになりますので、やはりある程度時代に合わせた、元本保証じゃなくちゃいけないよという指導はいかがかなというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これ先日も、学者出身でない学長、経営者の方々にお会いしたときは藤巻委員と同じような見解を持っておられました。 ただ、その前に課題として解決すべきことは大学のガバナンス改革で、つまり、そういう経営的なセンス、能力を持った人がそのガバナンス側にいるかどうかということも問われてくるというふうに思います。是非、そういう意味で、今国会で大学ガバナンス改革あるいは教授会の在り方等について法案を出していきたいというふうに思います。 基本的には、学校法人がどのような資産運用を行うか、自らの責任において決定するものでありますが、公教育の担い手という立場から、元本保証のない資産による運用については、その必要なリスクを考慮し安定性の確保に十分留意することが求められるということは言うまでもないことだと思います。
○委員長(金子原二郎君) 藤巻健史君、時間が参っております。
○藤巻健史君 まさに大学のガバナンスをきちんとやっていかなくちゃいけないというのは大臣のおっしゃるとおりだと思います。かつ、やっぱりこの財政事情を考えると、堀越学園以外の理由で、あのときと違う理由で大学の倒産もあり得るかなと思いますので、要するに財政苦しくなるということでいろいろ、そちらの方のことも文部省としてはいろいろ考えていただければと思います。 これで質問を終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として舞立昇治君が選任されました。 ─────────────
○柴田巧君 結いの党の柴田巧です。 今日は、先ほどから科学技術の問題、既に取り上げられておりますが、私の方からもお聞きをしていきたいと思います。 改めて言うまでもありませんが、また先ほど大臣も御答弁の中で触れられましたが、今の政権にとっても科学技術イノベーション政策、まさにこの重要な成長戦略の大きな柱でありますし、日本経済再生の原動力であるということは間違いありません。 しかしながら、先ほどからもいろいろ指摘がありますように、公的研究費の不正使用やあるいは研究不正が相次いでいるのは御承知のとおりです。公的研究費は我々の貴重な税金によって形成をされているわけですし、研究不正は、先ほども、薬師寺先生だったかなと思いますが、触れておられましたが、その不正が例えば薬害になったり、いろんな我々の健康や命にそれこそ大きく関わっていくわけで、そういう意味でも、こういうことが続きますと科学技術政策あるいはその予算の信認や信頼性が大きく失われていくということですから、真剣にこの不正防止策に取り組んでいくということが肝要だろうと思っております。 そういう中で、今般のいわゆるSTAP細胞論文問題に関わる一連の事件というのは、科学界のみならず日本全体に大きなショックを与えましたし、理研という日本を代表する研究機関でのこういう、日本の科学史上始まって以来の大きな不祥事だと言っても過言ではないと思いますが、世界的に見ても日本全体の科学技術の信頼が損ねかねないと思っております。 この前も最終報告というか、理研から、一日の日ですか、報告ありましたけれども、正直まだまだ全容、全面的な解明がなされているとはもちろん言い難いですし、小保方さんにももちろん責任はあると思いますが、どうも彼女にかなり責任を押し付けているというようなところもあり、また、内部の調査委員会も、委員長は内部の方で、あとはどなたかよく分からないというようなことで、まだまだ不十分なところが多々あると思っておりますが、今回の問題はまさに、先ほどから出ているように、その研究者の倫理の問題あるいは研究機関の管理の問題等々、大きくいろんな問題を投げかけていると思います。 したがって、まず最初に、この一連の事件の受け止め方といいますか、このSTAP細胞論文の問題あるいは理研の対応をどのように大臣は受け止めておられるか、見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) STAP細胞の論文について、四月一日の理化学研究所の会見におきまして、調査の結果、二件の不正とその他の事実が認定されたと承知しておりまして、誠に遺憾だというふうに思っております。 研究不正については、研究者自身の責任も重大でありますが、組織としても研究不正を生じさせないためにその責任を全うする必要があると考えます。理研においても、本件を重く受け止め、野依理事長を本部長とする改革推進本部を立ち上げるとともに、外部有識者から成る改革委員会を立ち上げ、研究不正や過失の防止に係る規程や運用の改善、若手研究者が最大限に能力を発揮できる体制の整備等、再発防止のために必要な対策を早急に取りまとめると聞いております。 文科省としては、理研において可能な限り早期にかつ厳正に再発防止のために必要な対策が取られるよう求めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 そこで、確認ですけれども、中間報告が出るまで、この疑義が生じてかなり、一か月余り近くでしょうか、たってから出た。それと、今度の最終報告は僅か二週間ほどで出てくることになったということです。いわゆる特定国立研究開発法人の指定というものがどうも頭の中にあるんだろうと思いますが、やはりこれだけの事件を起こしたわけですから、そこら辺の全面的な、事件の全面解明でありますとか、その再発の防止策、管理体制のしっかり整備というものが明確にならなければ、よもや、どうしても法案を出したい、あるいは指定をさせたいということが優先をすることがないんだろうと思っていますが、そこら辺を大臣に確認をしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、調査委員会の結果、四月一日に野依理事長が私のところに報告に参りましたが、それでは十分に国民の理解は得られないということを申し上げて、そして先ほど申し上げたように、まず理研の中において野依理事長を本部長として改革推進本部を立ち上げたわけでございます。 それから、完全にもう外部の有識者から成る改革委員会を立ち上げて、客観的に、これが個人だけの問題、今回特別な事例なのか、それとも理化学研究所そのものの体質的な部分があってSTAP細胞のこのような論文が結果的に不正だと指摘されるようなものが出てきたのかということについてはよく調べていただいて、その結果を踏まえなければ、これは新たな特定研究開発法人として閣議決定することはできないと考えております。 既に総合科学技術会議では一応これは対象に理研はなってはいますが、これは閣議決定して初めて法案として国会に出すわけであります。当然、国会審議に堪え得るだけの理研が調査結果を出してもらわなければ、これはそもそも閣議決定をして国会へ出すことも政府としては責任持ってできないと思っておりますので、その辺、改めて調査を徹底してやるように指示、お願いをしているところでございます。
○柴田巧君 是非そういう方向で進めていただきたいと思います。法案が優先されるというようなことがないように是非やっていただきたいと思います。 今回のこういう事件もあり、また先ほどもありましたように、かねてから会計検査院の決算報告でもこの公的研究費の不正使用、指摘をされておりました。十九年に、御案内のように、先ほどもありましたが、研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインが制定をされましたけれども、その体制整備が適切に実施されていないと、二十三年度にまた決算報告から文科省が指摘を受けたところであります。それを受けて、研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースを設置をして、昨年九月に中間報告がまとめられて、それに基づいて今いろんな取組がなされようとしておるわけですけれども、やはりこれから不正防止の中で取り組んでいかなきゃならないのは、他国と比較して今までどっちかといえば我が国でなされてこなかったのはやっぱり倫理教育の実施であろうと、義務化であろうというふうに思っております。 先ほどからも質問が出ておりますが、特に今回の小保方さんも早稲田大学の博士論文のときからいろいろ疑念が生じているということもあり、やはり大学、学生時代からのそういう倫理教育の強化というのは不可欠だろうと思っております。 これは文科省の調査だったと思いますが、大学でいわゆる研究者倫理の向上のための取組をしているか否かの調査によれば、教員や研究者はそれなりにあれなんですが、学生に至ると、例えば大学の場合は七八・四%なされていないと、我が国の場合。短大の場合は九三・七%、もうほとんどそういうものがないと言って等しいんだろうと思います。 そういう意味でも、この学生時代からの倫理教育の強化、待ったなしだろうと思っておりますが、先ほどの質問とも重なる部分があると思いますが、具体的にどのようにではこれから実施をしていこうとするのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) かつて日本は倫理高い国であるというふうに言われたのはもう過去の話のような不正事件がたくさん続く中で、非常に残念なことであるというふうに思います。 改めて、研究者が高い倫理観を持って研究活動に当たるため、御指摘のように、学生の段階からしっかりとした研究倫理を身に付けていくことが重要である、我が国も残念ながらそういうことをきちっとしなければならない、そういう状況があるというふうに思っております。 文科省では、研究活動の不正行為への対応のガイドラインの見直しを進める中で、大学等の研究機関に対して、学生を含む広く研究活動に関わる者を対象とした倫理教育の実施を求めていく方向で今検討しております。文科省としても、倫理教育プログラムの開発を更に支援もしていきたいというふうに考えておりまして、このような取組を通じて、学生を含む研究者等の倫理観を高め、公正な研究活動の推進、これを促してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 先ほどもそういう答弁をお聞きをしたので、なかなか具体的の中身がよく見えてこないんですが、具体的にじゃどういうことを若い研究者というか学生に教えていくのかということなんですが、これは大臣でなくても、もしお答えをいただければ大変有り難いんですが。
○政府参考人(川上伸昭君) 具体的にどうしていくかというのはこれからの課題でもあるわけでございますが、現在支援をしておりますのは、元々はアメリカで作られたものでございますけれども、ライフサイエンスを中心としましたCITIプログラムというのがございます。これを日本語化して、日本の実情にも合わせた形で教育のできるコンテンツをまず作ってまいります。その後に、現在、日本学術会議の方におきましても取組が始まっておりますので、その取組を支援することによりまして日本独自の教育プログラムを作成をするということで、現在その準備を進めているところでございます。
○柴田巧君 なかなかどういう中身なのかというのはまだちょっと正直分かりませんが、日本では、先ほど申し上げましたように、今までそういう体系的な取組はなかったがゆえに難しい面もあるんだろうと思いますが、しっかり、今回のこのSTAP細胞の問題もあり、研究者の倫理問題が取り沙汰されている中ですので、効果的な倫理教育が学生時代から我が国でも行われるように是非お願いをしたいと思います。 あわせて、これも先ほどもございましたが、研究者個人もさることながら、その組織としてのやっぱり管理体制が問われてくるんだろうと思います。 先ほどの理研の場合も、一人の未熟な研究者だけでああいうことが起きるとは到底思えませんし、あそこにはベテランの日本を代表する研究者もいらっしゃった中でああいうことが起きるというのは本当に不思議なことだと思わざるを得ないわけですが、この有識者の会議でもいろんな提案が出ましたが、それらも受けて、組織としての管理責任の明確化や不正行為の事前防止を図る取組の推進をどう促していくのか。特に、誰がその倫理研究の責任を持っていくのか、どういう責任者の責任、あるいはその範囲というのはどう規定していくのかということがこれから問われると思いますが、こういった取組をどう促していくのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文科省では、研究活動の不正行為への対応のガイドラインの見直しを図るため、昨年十一月より有識者会議におきまして日本学術会議とも連携しながら検討していただき、本年二月、審議の取りまとめを行いました。 これを受けて、文科省ではガイドラインの見直しに係る具体的な検討を進めているところでありますが、これまで不正行為への対応が個々の研究者の自己責任のみに委ねられている面が強かったことを踏まえまして、御指摘がありましたが、今後は研究機関も責任を持ってこの問題に取り組むよう求めていく方針であります。 具体的には、組織の管理責任の明確化を図るため、各研究機関に対してガイドラインに基づく規定や体制の整備、公表を求め、体制に不備を認められた場合などについては間接経費の削減措置を講ずること等も検討しております。また、不正を事前に防止する取組として、各研究機関における研究倫理教育の着実な実施を求めることとしております。 これらの取組を通じまして、研究者や各研究機関、研究者コミュニティーが責任を持って不正行為への対応を行うことができるよう、国も支援等を行い、公正な研究活動を推進してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 この理研の問題にも現れていますように、研究機関の組織的な管理の在り方、いま一度やっぱりしっかり取り組んでいくべきだろうと思いますし、これを機にそういう体制に進んでいくことを期待をしたいと思いますし、しっかりやっていただきたいと思っております。 そうやって倫理教育を充実する、組織の管理体制を強化すると並んで、先ほども平木先生からお話が一部ありましたけれども、これは日本だけではなくて海外、世界中でこういう研究不正は頻繁に起きております。特に、その背景になっているのは、ポストであるとか研究費の獲得が非常に今激化しているというのが背景にあるんだと思っておりますが、特に世界的にいえば、中国やインドが科学技術に力を入れて論文をどんどんどんどん今書いているわけですね。 例えば、ネイチャーというのは世界を代表する科学誌ですが、ここには十数年前は、かつて査読する人、載せるかどうか、これが年間百本ほどだったのが数百本に今増えてきているという具合に、そういう世界的な競争が激しくなって、なかなか不正があっても簡単に見破ることができないというか、容易ではなくなってきているというのがございます。 また、今回もそうですが、デジタル加工とかそういったものがどんどん、加工処理とかが発展をしてきてパソコンでの改ざんが容易になってきたというのが不正を助長しているということになります。したがって、ここは効果的な、そういうことを念頭に置いたやっぱり対策も取っていく必要があるんだろうと思います。 ですから、例えば、今アメリカの国立衛生研究所などもやろうとしていると言われておりますが、研究結果の再現性を第三者機関に検証させるといったことなどなど、こういう事態を受けて、状況を踏まえた、要するに不正が行われやすくなった現状を踏まえた効果的な対策というものをほかにも取っていく必要があると思いますが、この点はどのようにお考えでしょう。大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおりだと思います。 そのために、これから国が支援を行いながら、今後、大学等の研究機関が責任を持って対応し、特に不正を事前に防止する取組を推進していくことが必要であると考えまして、新たなガイドラインにおいて、各研究機関に対して、研究者が責任ある研究活動を推進する上でも一定期間の研究データの保存、公開を義務付けること、また、研究者や学生を始め研究活動に携わる多様な人材に対して研究倫理教育を着実に実施すること、さらに、不正事案の調査について調査委員会の委員の半数以上を外部有識者とするなど、透明性や客観性を一層確保することなどの方向で今検討しているところでございます。 さらに、研究倫理教育については、国際標準を満たし、我が国の研究現場の実情に合った研究倫理教育のe―ラーニング教材の開発、作成を行うCITI―Japanプロジェクトへの支援を引き続き行うとともに、加えて、日本学術会議とも連携しながら我が国として実効性の高い研究、倫理教育プログラムの開発、支援を行っていくこととしております。また、不正事案の調査においては再実験などによりまして再現性を示す機会が保障されていますが、再実験の実施に当たっては、調査委員会の主導の下で行うよう求めることなども検討しているところであります。 これらの取組を通じまして、国としても不正行為の防止と公正な研究活動の推進に努めてまいりたいと思います。
○柴田巧君 この研究不正、研究者個人の人生を狂わすだけではなくて、先ほども申し上げましたが、捏造された論文が世界の研究者を惑わして、また社会が望む、期待する研究の進展を妨げるということにもなりかねないわけで、これからもなかなか正直なくならない、むしろ今申し上げたような状況が続けばまたこれからこういうことも起き得るかなと思いますが、効果的な対策を常に構築をしていただいて、考えていただいて、そういうものが少しでもなくなるように、防げるようにまた努力をしていただきたいと思います。 さて、この地域科学技術イノベーション政策でありますけれども、今の内閣も全国津々浦々に景気が良くなるように取り組んでいきたいということをおっしゃっているわけでありますが、だとすると、この地域の強みを生かした、あるいは地域の独自性、地域の資源を最大限に生かしたイノベーションがそれぞれの地域で創出できるような取組を国が支援をしていくという政策、非常に重要なものだろうと思います。ぱっと見ると、この日本再興戦略等の中でも地方に目を向けた成長戦略って余りないような気がしてならないのですが、国が初めから方向を決めてやっていくという時代ではもうなくて、地域の強みが、あるいは地域の大学や研究機関や企業が一丸となって取り組んでいる、そういった取組を後押しをしていくというのが大事なんだろうと思います。 確かに、文科省でも平成十四年、十五年でしょうか、地域の研究開発費等幅広い活動支援を行ういわゆる知的クラスター創成事業を実施したり、あるいは、二十三年度からは、関係府省とも連携をしてソフト分野あるいはヒューマン分野に重点化して支援をする地域イノベーション戦略支援プログラムをやってきたわけでありますが、こういった取組、今までどのような成果を実際に上げてきているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(川上伸昭君) 今の御指摘のとおり、地域の意欲と、それから地域の持てる知的資源を使って地域を振興していくというのは非常に重要なことでございまして、先生御指摘のとおりのような事業を進めてきているところでございます。 例えば、具体的にどのような成果ということで一例を申し上げますと、福岡及び北九州地域におきまして、システムLSI設計開発に関する新産業創出に取り組んできておられます。その結果として、ベンチャー企業を含め関連企業の地域への集積が大幅に進むとともに、多くの技術者が養成されるというようなことで、持続的に産業が発展をしていくというような活動が展開されているところでございます。
○柴田巧君 今一例を挙げられましたが、それぞれにいろんな成果が上がってきているんだろうと思います。 しかし、一方で、当初はこの予算全体は百数十億ほどあったのが今年々削られてきているのは事実でございまして、二十三年度にはいわゆる事業仕分もございました。また、二十五年度には秋の行政事業レビューもあり、今回、昨年が五十数億あったのが今年度三十八億まで減額をされているわけですけれども、これまでもいろいろな指摘を受けてきた事業でもあります。 今般、二十五年度の秋の行政レビューでどのような指摘を受けたのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(川上伸昭君) 平成二十五年度、秋に行われました行政改革推進会議の秋のレビューでございますが、この際に、適切に行われているとは言い難くという前提で、具体的には、売上げ、営業利益、市場規模など定量的に効果検証を行った上で、検証結果を新規採択や事業の継続の是非に反映すべきではないかという指摘をいただいたところでございます。
○柴田巧君 今もありましたように、正直これは、文科省だけで、いろんな、経産省等々もあったりして、類似な事業が正直見当たるということもあるんだろうと思いますし、全体的な正直戦略性に乏しいというところもやっぱりあるんだろうというふうに想像をします。 さはさりながら、先ほど申し上げましたように、それぞれの地域が独創的なシーズを実用化すべく取り組んでいる事業でもあり、先ほど触れられたように、いろんな成果を上げてきているのも事実でございます。 私の地元の富山県でも、バイオクラスターとして始まって、今は富山のバイオと、お隣の石川の医療機器の技術や、あるいは福井の眼鏡、繊維の技術を使って、ほくりく健康創造クラスターという事業などもやって新たな産業創出のために取り組んでいるわけですが、このような、地域を挙げてそういう地域のいろんな関係の連携の下に新産業をつくっていこうという取組を応援する政策というのはやっぱり必要不可欠だと思います。 したがって、これまでのいろんな指摘を踏まえて、見直すところは見直しながらも、どうこういう地域の主導の取組を応援をしていくのか、大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 現状の制度におきましては、評価指標や効果検証等において適切な仕組みが整備されていないという行政事業レビューの厳しい御指摘がある中で、今年度の予算については一定の減額措置を図らざるを得ないというところがございました。現在、有識者による地域科学技術イノベーション推進委員会において、より有効かつ明確な指標や地域イノベーション戦略全体について検討しているところでございます。 しかし、私も富山に行って、柴田委員の地元でありますけれども、このことについて本当に地域全体で取り組んで、これから成果、効果がかなり、その地域におけるイノベーションが同時に地域の産業の活性化になっていくような、そういう萌芽が出てきつつあるのではないかということについて高く評価をしているところでもございます。 今後、文科省において改めて出口戦略を見据えた指標等を再整理した上で、各地域がこれに沿った形でより効果的な事業が進められる環境を整備して、地域イノベーションの創出に向けて更なる支援を行うように努力をしてまいりたいと思います。
○柴田巧君 ありがとうございます。 是非、そうやって頑張っている地域、国としてもバックアップ、サポートを是非していただければ、今内閣もおっしゃっておられるような地域発のイノベーションがどんどんできてくるんじゃないかと期待をするところでありまして、是非お願いをしたいと思います。 さて、あと残りの時間、ちょっと幾つか飛ばさせていただきますが、日本の今の科学技術イノベーション政策を見ていて、あるいはそれに関わるもので大変心配をしますのは、これはかねてから文科委員会とか予算委員会とか決算委員会でもお聞きをしてきたところでもありますが、世界の中で日本のポジションが、研究ネットワークの中でのポジションが相対的に低下をしてきているということであります。 いわゆる世界トップクラスの国際共著論文、九四年から九六年と二〇〇九年から一一年と比較をすると、ドイツやイギリスは六千本ほど、論文は、共著論文は増えておりますが、我が国は千七百八十八本と二千本にも届かないということで、相対的に非常に低下をしているということ、これは深刻に受け止めなきゃならぬと思います。 また、他の研究者に引用される回数がトップテンの論文、いわゆる高注目度論文と言われていますが、これがイノベーションを測る大きな目安と言われておりますが、このシェアもどんどん落ちてきているということであります。 したがって、これは国としても文科省としても大変強い危機感を持って取り組んでいく必要があるんだと思います。したがって、日本の優位性のある研究領域を有する大学など研究機関と世界的な高いレベルにあるそういう機関との研究ネットワーク、いわゆる頭脳循環をやっぱり一層加速していくということが大事なんだと思いますが、これから日本の国際競争力を高めていくためにも、そういう頭脳循環の加速化、どのように取り組んでいくのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(川上伸昭君) 御指摘のとおり、日本は国際共著論文が少ないというようなところに見られるように、若干国際的な頭脳循環に乗り遅れているのではないかという認識をしてございます。 これまでもいろいろな形での国際交流というのは講じてきているところでございますが、このような問題意識を踏まえまして、今年度から、頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業というのを立ち上げることにいたしました。 本事業におきましては、これまでのようにいろいろな分野に広がってやっていくということではなくて、まず、我が国側の研究グループにつきましては日本が強い優位な特定領域にある研究グループに重点化して選定をいたしまして、そして、相手の海外のグループにつきましては世界トップレベルの研究グループに限定をし、その両グループの間で若手を中心とした研究者の派遣や受入れを実施するということによってトップレベルのネットワークを、強いネットワークをつくるということにしているところでございます。 このような取組によりまして、頭脳循環に乗り遅れないようにしっかりやっていきたいというふうに思います。
○柴田巧君 その中でちょっと気になりますのは、今おっしゃったように、強固な双方向のネットワークの構築が、派遣あるいは受入れということでつくっていかなきゃなりませんが、派遣の方は大体横ばいで特に大きな変化はないんですが、受入れの方が近年下がる傾向にあるというのは大変やっぱりこれは深刻に受け止めなきゃならぬのではないかなと、やはりこれはネットワークができて双方向の行き来があって初めてそういう頭脳循環がしていくというものだろうと思いますので、ここの、なぜ近年下がる傾向になるのか、なっているのかという何か分析があればお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(川上伸昭君) 他国に比べまして日本に来る研究者が増えないという問題につきまして、若干正確な分析というのはなかなか相手国の相手の研究者になるものですから難しいんですけれども、例えばやはり言葉の障壁であるとか、それから、研究者が日本に来るときにやはり配偶者が来て、配偶者の就職先であるとか、いろいろな問題がございます。そういった基盤的な環境条件、こういったものにつきましても取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
○柴田巧君 恐らく今おっしゃったところも当てはまるんだろうと思います。やはり総合的な研究環境の整備というのにももっと心を砕く必要があるのではないかと思いますが、いずれにせよ、その頭脳循環の中に入っていかないと我が国の科学技術力というのはどんどんどんどん低下をしていくわけですから、そういうことも含めていろんな取組を展開をしていただきたいと思います。 今申し上げたように、そういう頭脳循環を加速をしていくという一環で、いわゆる先進国あるいは新興国などとの国際共同研究というのはこれからますます必要になってくるだろうと思っております。相手国・地域のポテンシャル、協力分野、研究フェーズに応じて最適な協力形態を組んで戦略的な国際共同研究をこれから推進をしていくということが求められると、そのことが相手国の優れた知見や取組を取り込んだり、あるいは共通的な課題達成のために資するものだろうと思いますが、このイノベーションの創出に向けて先進国や新興国との共同研究の一層の推進、どのように取り組んでいくか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(川上伸昭君) 今御質問いただきましたイノベーションの創出に向けての協力の展開でございます。大きく言って、先進国、新興国等との共同研究をやっていく意味でございますけれども、一つはそれぞれの得意分野を持ち寄って新たな価値を創造するということ、それからもう一つは、特に最先端の大規模なプロジェクトについては、参加国で役割分担することによって効率的、効果的に進めていくという、大きく言ってこういうような二つの形態があろうかと思います。 前者につきましては、戦略的国際共同研究プログラム、SICORPというものをJSTにおきまして実施をしているところでございます。また、後者の大規模なプロジェクトにつきましては、例えば国際宇宙ステーションやITERなど、国際的に議論をし、コンセンサスをつくってきっちりと進めていくという、こういうような形で進めていきたいというふうに考えてございます。
○柴田巧君 時間が来ましたのでここはこれで終わりますが、日本の強みを生かして科学技術を通じて世界に貢献でき、また日本のイノベーションにもつながるようにいろんな取組しっかりやっていただくことをお願いをして、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 大変長くなっていますが、どうぞよろしくお願いします。 まず、厚労大臣にお伺いをしてまいりますが、安倍政権は経済の好循環実現のために今年は積極的に企業に賃上げの要請を行ってまいられました。それは、一九九七年から二〇一二年、この十五年の間に民間の賃金が一三%、約六十万円も下がる、こういうことが個人消費を低迷をさせる、日本経済の成長を妨げてきたという、この事実に基づいてやられたと、こう思います。 そこで、この間の賃金低下の原因ですけれども、まず一つは、何といっても正規労働者トータルの賃下げ、低迷ということがありますし、もう一つは、非正規労働者が大量にそういう意味では増大をした、この点があるんだろうと思うんですが、この御認識、まず共有しておきたいと思いますが、あわせて、この非正規労働者の増大が労働者全体の賃金水準の低下にどのような影響を及ぼしているというふうに分析なさっているか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) ここ十数年来の流れは、今委員がおっしゃられたように、正規労働者も賃金が上がらない、しかし、正規労働者は労働組合等々がございますので賃金の下方硬直性があるんだと思います。そういう意味では、非正規の方々の割合が増える中で全体としては賃金が下がるというような傾向があったんだろうと思います。 二十五年の数字を見ておりますと、二十五年は、例の毎勤という、毎月勤労統計調査、これによりまして、現金給与総額で見ますと一般はプラス〇・七です。パートに関しましては時給ではプラス〇・七です。しかし、一人当たり、全体で見ますとプラマイゼロ、パート労働者で見ますとマイナス〇・六であります。 この理由はどうかと分析しておるんですが、総務省の労働力調査見ますと、二十二年ぶりに非労働力人口は、これは減っております。二十二年ぶりです。逆に言えば労働力人口が増えていると。しかも、女性が二千八百四万人ということでありまして、プラス一・四%。これ、今までの最高でございまして、女性の労働力人口が増えていると。ということは、今まで主婦層の方々で働いていなかった方々が働き出した。そのときに、やはり自分の生活に合った働き方ということでパート労働を選ばれた方が多いというふうに推測できます。当然時間が短いということが予想されますから、時間の長い方と時間の短い方、これ一人当たりにしますと、時間の短い方々が増えますとパート労働の方々の一人当たりの賃金が下がるということがあるわけでございまして、それが全体として引き下げておる要因ではないかと。これはあくまでも我々推測でありまして、詳細な分析までやっておりませんが、数字を見ておるとそういうことが予想ができると。 ということは、逆に言えば、働き出した方が増えていますから、そういう意味では、今まで働いていない中から働き出した方が増えておるということは全体の所得は増えておるんではないのかなということでございまして、傾向としては悪い傾向ではないと思いますけれども、しかし、不本意非正規という方々がまだまだおられることは確かでありまして、そういう方々を早く正規労働の方に我々としてもしっかりと誘導していくということは大切なことであろうというふうに認識いたしております。
○又市征治君 今日、まさに経済の好循環を実現しようという場合に、これだけ大量の非正規の皆さんがおられるということでありますから、ここの賃金の引上げという問題は、まさに日本経済にとっても大変重要な問題ということだと思うんですね。 もちろん、春闘では、組織された正規あるいは非正規の皆さん、それが頑張るということは大変大きな役割を果たすんですが、さはさりながら、たった組織されている労働者は一七・七%でしたかね、そういう状況ということなわけですから、やはり八〇%を超えるこの未組織、とりわけ今お話しになったようなパート、派遣あるいはアルバイトなどというこういう人たちが一体全体、今年でいうならば三・二%物価上昇率を上回る賃上げをどう取れるか、こういうことが個人消費の拡大につながるかどうかということですし、経済が好循環できるかどうか、こういう問題になっていくんだろうと思うんですね。つまり、もっと言うならば、政府がかなり意識的に賃金の底上げや可処分所得そのものの拡大を図るという、つまり経済の好循環につながるような個人消費の拡大というものに努力をしないといけないのではないか。 さて、そのことについて、非正規労働者の賃金底上げなど、どのような労働施策というものを取ってこられたのか、あるいはまた、現在どう予定をされているのか、その点について伺いたいと思います。
○副大臣(佐藤茂樹君) 又市委員御指摘のとおり、非正規雇用労働者の賃金の底上げ並びに可処分所得を増やすということは極めて重要であると我々厚労省も認識しておりまして、現在の対策としては二つ、まず代表的なものを挙げさせていただきたいと思うんですが、一つはキャリアアップ助成金ですね。 これは、非正規労働者の処遇改善を進めるために、非正規労働者の賃金を増額した企業に対しまして、今年の二月までは三%基本給を上げたそういう企業に対して労働者一人当たり一万円としていたんですけれども、三月一日からその要件を緩和いたしまして、二%基本給を上げたそういう企業に対してもしっかりと助成をしようと、そういう形にさせていただいております。 もう一つが業務改善助成金でございます。これは、事業場内の賃金を引き上げた中小企業・小規模事業者に対しまして業務改善に要した経費の助成を行うということにしておりまして、今までは二分の一の助成だったんですけれども、今年度から小規模事業者に対して助成率を二分の一から四分の三に引き上げるということ、支援の拡充をしているのと同時に、平成二十五年度補正予算では、対象地域がそれまで三十七都道府県だったのを四十四の都道府県に拡充をさせていただいております。 これらの取組に加えまして、今国会に一つは法案を提出させていただいて先日成立をさせていただいたんですけれども、雇用保険法改正案によりまして、非正規労働者である若者等がキャリアアップ、キャリアチェンジし安定的に働くことができるように、教育訓練給付を拡充いたしまして中長期的なキャリア形成の支援を行うと、そういう施策も進めておりますし、もう一つは、今この国会で審議中でございますけれども、パートタイム労働者の更なる均等、均衡、改善の確保のために、パートタイム労働法の改正法案を提出し、今御審議をいただいているところでございまして、こういう施策を全般的にしっかりと進めることによって、非正規雇用労働者の処遇改善に引き続き努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 いろいろと御努力されているようですが、ただ、この予算を見ますと、例えばこの最低賃金引上げの環境整備で二十八億円ですよ。 私は、あちこちで言うんだけど、それこそ、復興増税のあの中の法人税八千億円まけてやるくらいならば、むしろそこにこの金を使って、どうやって時給千円以上をやっぱり早期実現を図るとか、やはりこの均等待遇の問題に向けて中小企業支援策をもっとしっかり打つとか、さらには、もっと言うならば、所得全体を上げなきゃいかぬわけですから、生活保護を切り下げるんじゃなくて、あるいは年金減額じゃなくて、そこは逆に、こういう情勢だからこそ定昇するぐらいのところにこの財源を回していくぐらいのことは必要だ、私なんかはそういう主張論者であります。 さてそこで、派遣労働法が提起をされていまして、これは厚生労働委員会でしっかり議論されると思いますから、ここでは基本的な観点だけお伺いしておきたいと思いますが、やはり、御存じのとおり、まさに正規の二分の一から三分の一という賃金水準の大量の非正規労働者、こういう状況があるわけで、これはパートを別にしてですよ、そういう格好なわけですが、やはりこれが正規労働者の賃金、労働条件のやっぱり低位平準化というものを招いていることも、これはまた事実ですよ。そういう格好があるわけでありますから、この処遇改善というものは本当に、先ほども申し上げたように、極めて重要な課題になってきている、こういうことだろうと思います。 確かに、様々な理由から正規でなくて非正規で働きたいという人たちがおられることも事実ですが、しかし、厚労省の昨年の三月の派遣労働者実態調査、これなんかを見ましても、六〇・七%の人がやっぱり実際は正規で働きたいと言っているわけですよ。ましてをや、決して安い賃金でいいなんと言っている人はいるわけはない。 そういう意味では、不当な賃金格差はやっぱり是正されるべきだということなわけでありますが、そもそも、非正規雇用が賃金が低くても済むという前提がなくなれば、企業だって非正規労働者の割合を減らして正規雇用を拡大をするやっぱりインセンティブになると思うんですよね。派遣労働者の処遇が改善されずに今回の派遣労働法の改正案が認めるような全ての業務が派遣労働者で可能になるならば、逆に正規労働者が派遣労働者に置き換えられる、企業がそういう気持ちを起こす、全体の賃金水準の更なる低下をもたらすんではないのか。 先日の決算委員会でも、私、総理に聞きましたが、総理自身も、非正規の割合が増えていくことは好ましくない、こう明確に答え、田村さんもそういうふうにおっしゃってきたわけですが、全ての業務において派遣労働を可能とする今回の改正案とは逆に、そのおっしゃっていることは矛盾するんじゃないのか。ここのところはどういうふうに御説明なさいますか。
○国務大臣(田村憲久君) 基本的には、常用雇用の代替という考え方ではありません。今までどおり、臨時的、一時的な働き方が派遣であると。 今般、より派遣労働者の雇用が安定する、そういうような内容を含めて今回改正案を出させていただいておりまして、今まで二十六業務に関しましては、これは三年以降も人は同じでいいわけでありますが、今般は無期の派遣労働者、これは有期よりも安定した雇用という話になりますけれども、そうでない方々に関しては、こっちの方が圧倒的に多いわけでありますけれども、三年で人が替わらなきゃならぬわけであります。普通、常用のものは、三年で人がころころ替わっていくということは、これは企業としてはせっかく仕事を覚え出したのに三年ずつ替えていくなんということは選ばぬわけでありまして、仮にそれをするのならば契約社員みたいな形で置き換わっているんだと思います。 契約社員はこの派遣法とは別でありまして、契約社員と実は派遣社員を比べますと、待遇的には一般的に派遣社員の方がいいんですね。いいんです。そういう、ただし直接雇用じゃないという部分では、それは派遣よりも契約社員の方がいいという見方もあると思います。それはそれぞれの見方によって違うんだと思いますが、そのようなことを考えていきますと、派遣社員と契約社員、パート、こういうものとの代替ということはあり得るというふうには思いますけれども、ただ、常用ということを考えれば、やはり我々は臨時的、一時的な働き方であるということを前提にいたしておりますし、あわせて、派遣元には、これ、例えば教育訓練を定期的にやりなさいだとか、それからキャリアコンサルティングをやるということを義務付けました。一方、派遣先に対しましても、賃金でありますとか福利厚生でありますとか教育、こういうものに関して、これは配慮義務というような形でお願いをさせていただいております。 幾つか、そういうような派遣労働者に対してキャリアアップをしていくための仕組みも入れさせていただいておるということでございまして、またこれは派遣法の中においていろいろと御議論をさせていただきたいというふうに思います。
○又市征治君 今大臣がおっしゃったように、派遣法の中でまたしっかりと議論をしなきゃなりません。 そこで次に、生活保護の問題で一、二お聞きをしておきたいと思うんですが、最後のセーフティーネットとも言われるこの生活保護制度ですけれども、今年の一月現在の被保護世帯数は百五十九万九千百八十六世帯、月間でということですが、この間一貫してもう増大しているわけですね。厚労省はこの原因、増大の原因をどのように分析されているのか、お伺いします。
○政府参考人(岡田太造君) 平成二十六年一月の生活保護受給者は前の月と比べまして七百七人増加して二百十六万七千九百二十七人、世帯数は先生御指摘のように百五十九万九千百八十六世帯で、前月と比べまして千百十四世帯の増加となっております。世帯類型別で見ますと、約四六%を占めます高齢者世帯の増加が大きく、これが生活保護受給世帯の増加の要因となっているところでございます。 なお、受給者数を、前年同月比で過去の推移を見て、その伸び率で推移を見てみますと、直近、二十六年一月では〇・七%前年同月比で伸びているということでございます。平成二十年十月の世界金融危機以降急激に増加しました。平成二十二年一月には対前年比で一二・九%という伸びがあったわけですが、これがこの二十二年一月をピークに近年は下降傾向でございまして、二十六年一月の〇・七というのは過去十年で最も低い水準ということになっているという状況でございます。
○又市征治君 聞いたことをちゃんと答えなきゃ。私はどう分析しているのかと聞いたんで、数字の推移なんというのは、そんなのは聞いていない、そんなことは分かっているので。まあ時間がありませんから。 少なくともこの高齢世帯の増加というのも大きな要因だと厚労省はおっしゃるわけですけれども、言い換えれば、それは、年金制度が十分でないことが一つと、現役世代に老後に備える所得を受け取っていなかったということがあるわけで、この点からも、私は、この低賃金の非正規労働者の増大というのはますます生活保護世帯というものを増やしていく、こういう格好になりかねないということを大変危惧しているということを申し上げておかなきゃならぬと思うんです。 そこで、この生活保護の受給世帯が増加する一方で、その不正受給が殊更大きく取り上げられて、生活保護を受けること自体が悪いことでもあるかのような風潮が助長されているということは極めて残念だと言わなきゃなりません。 厚労省の発表では、二〇一二年度の生活保護の不正受給は約四万二千件、総額で百九十一億円、金額で少ないわけじゃありませんが、これは生活保護全体に占める割合という点でいうならば〇・五三%なわけですから、不正受給そのものは許されませんけれども、しかし適正な支出の範囲内ということになるんだろうと思います。 そこで伺うんですが、不正受給をなくす取組が強化される中で、本来受給できる権利を持った人が窓口で追い返されるようなことがあってはこれはならぬわけでありまして、その意味でもいっとき言われた水際作戦なんというのはもってのほかだと、これも私も前に申し上げました。厚労省は、本来受給できる権利を持っている人が受給できるように、どのように自治体に対してこの指導をされているのか、簡潔にこれは御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 当然、申請者の申請権はこれは侵しちゃならぬわけでありまして、疑わしいようなこともこれは厳に慎まなきゃならぬわけであります。 そういう意味では、国や都道府県が監査する中でこれは不適正だということがあれば、改善指導等々を行っていく、改善是正指導等々を行っているわけでありますが、今般、改正生活保護法という形の中で法律を改正したわけでありますが、これを機会に全国会議等々でしっかりとその点は周知徹底をしてまいりたいと、このように考えております。
○又市征治君 そこで、この生活保護の捕捉率についてでありますが、厚労省は平成二十二年四月に生活保護基準未満の低所得者世帯数の推計についてという報告を出されているわけですが、これによりますと、保護を必要としている世帯のうち現に保護を受けている世帯の割合は厚労省の統計では三二・一%となっていますが、これ海外のものをちょっと調べてみると、フランスでは九一・六%、スウェーデンで八二%と言われているように、日本の場合は大変低いんではないのか。同じ統計かどうかというのはこれはありますけれども。 そして、この推計では、保護世帯比は給付の漏れを意味するものではないとされておりますが、まず、この現在の三二・一%というこの水準をどのように評価をされているのか、あわせて、この報告では同様の調査を定期的に実施してその動向を把握していくとされていたわけですが、その後調査はされているのかどうか、この二点をお伺いします。
○国務大臣(田村憲久君) この調査は、平成十六年度の全国消費実態調査と平成十九年度の国民生活基礎調査、この二つでやられているわけでありまして、そもそも余りにもばらつきが多過ぎるという形であります。あわせて、生活保護世帯のその基準ですね、水準、基準、これ以下の方々は生活保護を受けていないというような前提でありますから、もう前提自体がやはりかなりいろんな、まあ何というんでしょう、確かな数字が出てくるような、そういう前提ではない中においての推計でありまして、結果、捕捉率も一五・三から八七・四というようなパーセンテージの差がある中において、今回このような調査、今回といいますか、この調査がなされておるわけでありまして、なかなかこれが正確かどうかというのはかなり疑問を持っておるものでありますから、あえてこのような書き方をさせていただいたということでございます。 いずれにしましても、その捕捉率というのは難しゅうございまして、生活保護は、御承知のとおり、ミーンズテストをやって、本当に受けるような必要性があるかどうかを見るわけでありまして、そうじゃないことにはなかなか数字は出てこないわけでございまして、やっぱり実態に即して、先ほど委員がおっしゃられました、本来受けられる方を窓口で追い返すことがないように、徹底した周知、これを我々は図ってまいりたい、このように考えております。
○又市征治君 大臣もおっしゃったように、まさに支援が必要な人に必要な支援を行うというのが社会福祉法、社会福祉の基本なわけでありますから、少なくとも日本の調査力というか政府の調査力というのは優れたものがあるわけで、やはりどの程度、そういう意味では、これは社会福祉の到達度ということもありますから、正確を期して捕捉率というものをやっぱり調査をされるべきだ。やはり確かに申請主義という問題があっていろいろと問題はありますけれども、その努力は重ねて求めておきたいと思います。 次に、先週も年金記録問題を取り上げましたけれども、今日は年金保険料の納付率について伺いたいと思います。 年金保険料の徴収については後ほど伺いますけれども、市場化テストを通して民間企業に委託もされているわけでありますが、納付率がどの程度になったのか。いっとき八〇%を目標としておったわけですが、それとは大分乖離がある、こういうふうに思いますが、まずその数値と、この原因をどのように分析をされ、納付率の引上げにどのような対策を取っておられるのか。 また、このままの状態が続きますと、今後、先ほども申し上げたんですが、生活保護も同じですけれども、無年金、低額年金受給者が爆発的に増大する可能性があるわけでありまして、それはまた新たな社会保障支出の増大ということを招くことになるわけでありますが、ここらのところは何か予測を立てておられるのかどうか。 そして、この徴収に力を入れることは当然なわけですが、保険料をちゃんと払える所得が確保できる、こういう労働施策というものは、先ほども申し上げたことにも共通するんですけれども、一見遠回りに見えるけれども、そういう意味では大変大事な厚生労働省としては打つべき対策ではないかと思いますが、以上三点について伺います。
○副大臣(佐藤茂樹君) 又市委員の方から、大きく三点御質問いただきました。 今、国民年金保険料のまず現状でございますが、納付率、直近の平成二十四年度におきましては、前年度比プラス〇・三%の五九・〇%となっております。七年ぶりに数字としては上昇したわけでございますが、依然として先ほど御紹介いただいたような数字から比べますと低い水準でございまして、引き続き回復を図る必要があると、そのように認識しております。 なお、今、まだ二十五年度、数字出ておりませんけれども、平成二十五年十二月現在では五八・八%まで行っておりまして、その前年同期比に比べるとプラス一・七%更に上がっているという、そういう数字もございます。 今ございましたように、この納付率の低迷についてでございますけれども、様々な要因が複合的に影響しているとは考えられるんですが、やはり大きなことは二つ考えられると思います。その一つは、国民年金被保険者実態調査の結果から、就業構造の変化、要するに、第一号被保険者の方々の内訳を見ましても、無職でありますとか、あるいは臨時・パートの方の非常に比率が高まってきているということが一つあります。さらに、景気悪化による低所得者の増加という、そういう要因があると考えられます。 厚生労働省としても、国民年金保険料の納付率向上を図るために、今までも、納付勧奨や納付しやすい環境の整備、例えば、口座振替に加えまして、コンビニ納付の導入であるとかクレジットカード納付の導入であるとかインターネット納付の導入という、若者向けのそういう対策もやってきておりましたけれども、それ以外に、今回改正法案を今国会の方に提出しておりまして、保険料納付機会の拡大、さらには納付猶予制度対象者の拡大、これは、例えば三十歳未満の方々が今まで納付猶予制度の対象者だったのを五十歳未満の方々に広げるなどという、そういう措置を講じることによって何とか納付率を向上させたいと、そのように考えております。 二つ目のお聞きになりました無年金、低年金の人数については、これは、二十五年間本当にその個々人の方がこれから納められるのかどうかということについてもあらかじめなかなか予測が難しいことがあるがゆえに、なかなか今予測を行うというのは困難であるという、そういう状況でございます。 さらに、やはり、先ほども言いましたけれども、第一号被保険者の約七割が無職者であるとか非正規雇用労働者が占めるという、こういう労働の雇用実態があるわけでございますから、厚生労働省としても、求職者に対する就職支援など、しっかりと引き続き力を入れて改善を図ってまいりたいと、そのように考えております。
○又市征治君 この問題、更に議論してまいりますが。 そこで、検査院からちょっと来ていただいたんですが、ちょっと時間の関係でお聞きをすることができません。おわびをしておきます。 そこで、保険料収納事務の問題について伺いますが、平成二十二年度の検査院報告で、日本年金機構に対して、年金保険料収納業務の委託について意見表示が行われています。年金機構は、この意見表示を受けてどのような改善を行われたのか。特に、この意見表示では、機構の取組と受託事業者の納付督励との更なる連携を進めるとされておりますが、これがどのように行われてきたのか。 私が問いたいのは、この連携の強化自体は収納率を向上する上で意味のあることなんですが、例えば、特別催告状の送付が機構によって行われ、それによって収納率が上がるならば、それは収納業務を委託したことによる成果とは言えないわけですよね。その辺りが曖昧になると、本来、市場化テストが目指した業務の効率化がどの程度進捗したかが全くはっきりしない。この連携の強化は当然としても、それと市場化テストが成功したのかというのは全く別の話じゃないかと思うんですが、この点、機構の方からお伺いします。
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。 今御指摘がありましたように、会計検査院の平成二十二年度の決算検査報告における意見表示というものを踏まえまして、日本年金機構におきましては、市場化テスト事業者の適正な評価が行えるように、業者に求める事業実施体制の明確化ということを行っているところでございまして、具体的に言いますと、納付督励の頻度や手法、そういうものを定め、その効果分析を業者が行ってくださいと、それを義務化をする、それから戸別訪問員の配置というものを必須とする、あるいは納付督励の実施状況に応じて日本年金機構から改善指示を行うこととする、それから年金機構の中期目標に基づいて事業者の達成目標を設定するといったような措置を講じているところでございます。 それから、先生御指摘のように、特別催告状を日本年金機構が出しておるではないかということでございます。特別催告状は言わば、何というんでしょうか、保険料の強制的な収納に結び付く措置ということになりますので、言わば公権力の行使ということで日本年金機構の方でそれにつながるものということでやっているわけでございまして、市場化テスト業者がやっているものとどちらがどれだけの効果があるかということについてはなかなか明確に分析することは難しいというふうに思っておりますけれども、ただ、市場化テスト業者をどういうふうに評価をして、どういうふうに仕事をしてもらうのかということについては、できるだけはっきりした形でやっていこうということで取り組んでいるところでございます。それで、業者の正確な評価ということをやろうと思っています。 なお、二十六年度におきましては、年金機構におけるこの収納の収納支援システムというのがあるんですが、それにこの市場化テスト業者のやっていることも含めまして入力をするという仕組みをつくりまして、市場化テスト業者の例えば事業者単位での効果の分析ということができるようにしたいということで取り組んでおります。
○又市征治君 会計検査院が受託事業者による直接的な納付督励の成果がより適正に反映されるような達成目標及び実績の測定、把握方法を確立することを求めているわけですから、いずれにしましても、水増しと言われかねないような評価が行われないように、これは求めておきたいと思います。 次に、文科大臣、大変お待たせをいたしまして、時間がなくなってきて全部は聞けないんですが、まず一つ、通告していないんですが、先般、大臣は衆議院の文部科学委員会で、教科書検定基準に関する質疑で、村山内閣総理大臣談話は閣議決定されたものではありませんというふうにお答えになっているんですが、これは事実誤認だろうと思うんですが、閣議決定されている、この点は御確認いただけますか。
○国務大臣(下村博文君) おっしゃるとおり、これは事実誤認でございました。村山首相談話は閣議決定されておりましたので、おわびと訂正を申し上げたいと思います。
○又市征治君 それじゃ、本来のところをお伺いします。 「もんじゅ」の問題ですが、一昨年の八月、本委員会は、「独立行政法人日本原子力研究開発機構におけるもんじゅ関連施設の未活用と経費支出の透明性確保等について」、えらい長ったらしい措置要求決議を上げたわけでありますが、そして昨年の九月にもんじゅ研究計画がまとめられました。さらに、今週十一日ですか、エネルギー基本計画を決められるようですけれども、「もんじゅ」の役割が明らかにされると報じられております。 政府は、高速増殖炉として研究成果を取りまとめることを目指すという従来方針に加えて、核のごみを減らす研究開発の役割も担わせるんだということのようですが、もう少しこれ簡単に分かりやすく御説明いただけますか。
○国務大臣(下村博文君) 「もんじゅ」については、まずは原子力機構改革の中で運転管理体制を整え、克服すべき課題一つずつ着実に取り組んだ上で、高速増殖炉開発の成果の取りまとめや廃棄物減容、有害度低減のための研究開発など、もんじゅ研究計画に示された研究に着実に取り組むことが重要だと考えております。 現在、与党において「もんじゅ」の政策的な位置付けも含めた新たなエネルギー基本計画の検討を進めているところでございまして、文科省としては、今後閣議決定される内容を踏まえ、責任を持って対応したいと考えております。
○又市征治君 そもそも「もんじゅ」は、プルトニウムを消費をしながらそれを増やすという、夢の高速増殖炉の原型炉として計画もされ、建設をされてきた。これまで一兆円以上もの巨費を投じながら何の成果も上げ得ていない、メンテナンスも極めてずさんで、経費支出も全く不透明だ。この委員会でも何度もここらの問題は問題視されました。 核のごみを減らす研究というものも付け加えるといえば聞こえはいいんですが、技術的には全く未知数であって、プルトニウムを減らすのか、一体全体増やすのか、極めて曖昧な方針と言わざるを得ないんではないかと、そういう気がするんですが、その存在意義を、そういう意味では私は到底正当化できることではないんではないかと思います。 既に今、核兵器五千発分以上のプルトニウムを日本国内で持っていると、こう言われるわけでありますが、そういう意味では、むしろエネルギー政策に対する不信感、さらには、先般開かれた核セキュリティ・サミットもありましたけれども、そうした面からも、世界的にも一面ではこれは不信感を持たれる、こういうことになっていくんだろうという気がいたします。 そこで、私たちはこれは即刻廃炉にすべきだ、こういうふうに考えておりますが、政府内ではそういう選択肢の検討というのは全く考えられることはないのか、そこらのところはどういう事情なのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 「もんじゅ」については、御指摘のように、これまで様々なトラブルがありました。その開発が順調に進んできていないということは事実でありまして、このような現状を真摯に受け止め、直面する問題を一つ一つ国民に理解をしていただく形で解決していくことが必要であるというふうに思います。 高速炉そのものは、使用済みの燃料から使った以上の燃料を生み出し、百年以上で枯渇すると言われているウランを三千年以上にわたって活用できることから、夢のような将来のエネルギーへの選択肢を確保するということにもなっているわけでございます。 また、高レベル放射性廃棄物に関し、直接処分に比べまして、有害度が天然ウラン並みになるまでの期間を三百分の一、約十万年から三百万年に短縮するということと、それから、体積が七分の一に減らすことが可能であるという特徴を有しているわけでございます。 「もんじゅ」はこのような特徴を有する高速炉を我が国が将来の選択肢として持ち得るために必要な科学的データを取るものでありまして、もんじゅ研究計画に示された研究に着実に取り組むことが重要であるというふうに考えております。このため、まずは、これまでの取組の反省や検証を踏まえて、あらゆる面で徹底的な改革を取り組むことが重要であるというふうに考えておりまして、文科省としては引き続き責任を持って対応してまいりたいと思います。 また、核セキュリティ・サミットの件においては、これは日米で協定を結びまして、不必要なプルトニウムについてはアメリカが引き取るという形で、新たなウランを我が国に提供してもらうという形での安全保障については国際的な信用が得られた核セキュリティ・サミットであるというふうに認識しております。
○又市征治君 時間が参りましたから、この問題はまた更に別の場所でやりたいと思います。(発言する者あり)訂正、ちょっと訂正だって。
○委員長(金子原二郎君) 下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) 短縮が先ほどの答弁で拡大になってしまいまして、約十万年から約三百年、約三百分の一に短縮するということで、訂正させていただきます。失礼いたしました。
○又市征治君 この問題はまた別途にやりましょう。 そこで、STAP細胞の問題を最後にやろうと思ったんですが、時間がなくなってしまいましたから、先ほど同郷の柴田委員がかなり詳しくやりましたから、私は、問題は、今、文部科学省が競争的資金制度導入で研究者にどんどん競争させるという、このことを一概に私は否定するものじゃありませんけれども、しかし、逆にそのことをやればやるほどむしろ不適切なことが起こり得る、こういうこともあるわけでありまして、そうならないようにもう少し研究者が伸び伸びと研究ができるような、そうしたシステムの再検討というものも必要ではないか、このことについては意見だけ申し上げて、終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 他に発言もないようですから、文部科学省及び厚生労働省の決算についての審査はこの程度といたします。 次回は来る十四日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十三分散会