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186回国会参議院2014/04/15

環境委員会 第5号

発言数
176
登壇者
16
会派数
6
開催日
2014/04/15

会議録

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、滝波宏文君、尾辻秀久君及び林芳正君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君、舞立昇治君及び長峯誠君が選任されました。     ─────────────

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に吉川ゆうみ君を指名いたします。     ─────────────

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長黒木慶英君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 おはようございます。自民党、吉川ゆうみでございます。  本日は、議題となりました放射線発散処罰法の改正案、そしてこれに関連して、この経緯、また内容に加え、我が国における核物質防護措置、またその国際的評価などについて御質問をさせていただきたいと思います。  一九九〇年代の旧ソ連の崩壊に伴い、核物質の不法移転事例の発生、また二〇〇一年の米国同時多発テロの発生などを受け、テロの脅威、核物質によるテロの脅威が高まり、国際的にも核物質防護体制の拡充そして強化の必要性が強く認識をされるようになりました。  こうした背景から、二〇〇五年、核物質及び原子力施設の防護に関する国際的な取組の強化において、核物質防護条約の改正がIAEA、国際原子力機関において採択されたものと承知をいたしております。核物質の不法な使用、そして原子力施設に対する妨害行為、これは人の生命、また身体、そして財産に深刻な被害を及ぼすとともに、我が国においてもこうしたテロの脅威から私たちの生活、そして安全、安心な暮らしというものをしっかりと守っていかなければなりません。このため、核物質及び原子力施設の防護に関する国際的な取組強化は、我が国においても、そして世界においても喫緊の課題であり、この改正条約の早期発効は極めて重要な課題であると認識をいたしております。  以上のことを踏まえ、御質問をさせていただきたいと思います。  二〇〇五年、この改正核物質防護条約が採択されてからこれまで約九年が経過しておりますけれども、なぜこの九年もの間、日本において条約改正が締結されてこなかったのでしょうか。二〇一二年の第二回ソウル核セキュリティーサミットにおいて、各国は二〇一四年、本年までに条約改正を締結するよう国内手続を加速化するという声明が出されておりますし、また我が国日本は、二〇一一年、東京電力福島第一原発の事故という、核物質また原子力施設において世界から非常に注目を集めるとともに、この防護措置の対象となる核物質も保有しているということから、他国に追随するのではなく、早期に条約改正を締結し、積極的に核物質防護に取り組んでいく姿勢を世界に示すべきではなかったのかというふうに思います。  二〇〇五年から九年間にわたり締結されなかったいろいろな理由があるかと思いますけれども、是非ともその辺りをお教えいただければと思います。

廣瀬行成外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣瀬行成君) お答えいたします。  核物質防護条約の改正につきましては、我が国としてもこの重要性を十分に認識し、他国の締結状況や発効見通し等も踏まえつつ締結に向けた作業を進めてきたところでございます。  この改正の締結に当たりましては、特に、新たに犯罪化が義務付けられる行為について既存の国内制度との整合性、必要な立法の範囲等を慎重に検討する必要がございましたが、いずれの国内法によりましてこの改正で追加された条約上の義務を実施すべきかにつきまして関係省庁間で意見の一致が見られなかったことから、検討に一定の時間を要したところでございます。  今般、放射線発散処罰法に必要な改正を加えることが適当であるという結論が得られたことを受けまして、核物質防護条約の改正と放射線発散処罰法改正法案を併せて今国会に提出したところでございます。この旨、先月オランダ・ハーグで行われました核セキュリティーサミットにおきましても表明したところでございます。  この核物質防護条約の改正の策定作業には、我が国としても積極的に参加してきました。この改正を速やかに締結し、この条約の早期発効に寄与することが重要であるというふうに考えております。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  省庁間の連携が取れなかった、また、どの法律でこの条約改正を担保していけばよかったのかがなかなか決まらなかったということでございますけれども、日本は本当に核物質あるいは原子力施設において世界から動向が注目されているということもございますので、ただいまの御答弁にもいただきましたけれども、これからは是非とも積極的な世界的にもイニシアティブを持ってお取組をいただきたいというふうに思います。  次に、条約と国内担保法との関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。  核物質防護条約の主な内容は、一つには、防護措置の対象を国際輸送中の核物質というものから国内の核物質及び原子力施設に拡大すること、そして二つ目として、犯罪とすべき行為を拡大し、法律に基づく権限なしに行う核物質の移動や原子力施設に対する不法な行為を対象とするという内容であると認識をいたしております。  これにつきまして、改正内容のうち、国内担保措置として本法律案において新たに措置をされるのはどのような規定でしょうか、お教えください。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 改正された核物質防護条約を締結するため国内担保措置として本法案で措置されるのは、第一点として改正案第六条としまして、特定核燃料物質をみだりに輸出入する行為、当該行為の未遂及び予備を処罰すること、第二に改正案第八条としまして、原子力施設に対する行為若しくは原子力施設の運転を妨害する行為により人の生命等に害を加えるとの脅迫による強要行為を処罰するものであります。  ただいま御指摘いただきました防護措置の対象の拡大につきましては、国内の核物質及び原子力施設の防護措置についてでございますけれども、我が国におきましては既に原子炉等規制法において防護措置を講ずることを事業者に課しており、担保済みでございます。  以上でございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  一の部分については、もう既に国内法において担保済みということでございます。  防護措置の対象が国際輸送中の核物質から国内の核物質及び原子力施設に拡大をされましたが、この点について、先ほど御答弁いただきましたように国内措置が講じられているということでございますけれども、この条約に先立って国内で担保法、措置されたということについて、どのような経緯で、また具体的にはどのような形で措置を講じられるのか、もう少し詳しくお教えをいただければと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 委員御指摘のとおり、我が国におきまして、原子炉等規制法におきまして国内の核物質及び原子力施設について防護の措置をとることが既に義務付けられております。  具体的に申し上げますと、昭和六十三年の原子炉等規制法の改正により、事業者に対しまして特定核燃料物質の防護措置や核物質防護規定の作成等が義務付けられたところでございます。その後、平成十七年には、原子炉等規制法及び関係法令の改正によりまして、国が設計基礎脅威、これDBTと申しておりますが、そういった基本的な脅威想定を作成しまして、それに基づきまして事業者がそれを踏まえた防護措置を実施すること、それから、国が核物質防護規定の遵守状況を検査すること、防護に関する秘密を知り得る事業者及びその従業員等に対し守秘義務を課すことなどが規定されております。  さらに、福島第一原子力発電所の事故以降、その教訓を踏まえまして、建屋の外にある重要な設備等の防護措置を求めるとともに、防護措置の水準をIAEAの一番新しい基準であります勧告文書でありますところのINFCIRC二二五Rev五、第五版でございますが、を踏まえた防護措置の強化を求めたところでございます。  具体的に申し上げますと、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた具体的強化策としましては、建屋の外にある重要な設備を大きな衝撃から守るため、周辺への防護壁の設置、次に、IAEAの勧告を踏まえた具体的強化策としましては、立入り制限区域の設定、サイバー攻撃に対する対応、防護本部の監視機能と連絡機能等の二重化、無停電電源対策及び不正傍受対策、それから重要設備周辺で作業する場合の二人以上での実施等を我が国の国内規制に盛り込んだところでございます。  以上でございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  条約に先立って我が国においてこの防護措置ということが法的にしっかりと措置されていたということは、非常にすばらしいことだと思います。  先立って防護措置がとられたことにより、その中の運用、あるいはいろいろな経験知の中で、今回の条約改正について、我が国が先に担保法、措置をしていたことによって何かしら条約改正に寄与できた部分というのはございますでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 我が国としましては、これらの措置が今回、核物質防護条約の改正に何か直接的な影響を加えたといったことはなかなか言えないんですけれども、ただ、この改正条約の案の策定の段階におきまして日本の専門家も参加しておりますので、そういった意味において、その当時における様々な知見なりはそういった会合の中で披瀝されております。したがいまして、そういった意味で知見の提供が行われたものと考えております。  以上であります。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  そういった意味では日本もこの条約改正に大きな寄与をしてきたということで、非常にすばらしいことであると思いますし、これからも是非ともそれを発揮していっていただきたいというふうに思います。  次に、改正条約の発効について外務省さんにお伺いをしたいと思います。  改正条約は、現行条約の締約国百四十九か国中の三分の二に当たる九十九か国が締結した後、三十日目に発効するということとなっております。  三月、安倍総理も出席をされた第三回ハーグ核セキュリティーサミットにおいて、核物質防護条約改正の本年後半における発効を目指し、引き続き取り組むという声明が出されました。この声明を受け、改正条約に向けた動きは加速している、あるいは加速を更にしていくというふうに考えられますけれども、現在何か国が条約を締結しており、改正条約は、発効はいつ頃となる見通しでしょうか、お教えください。

廣瀬行成外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣瀬行成君) 国際原子力機関、IAEAによりますと、最新の情報では七十四か国がこの核物質防護条約の改正を締結しているところでございます。  今委員御指摘いただきましたように、現行条約の締約国の三分の二、すなわち九十九か国が締結した後、三十日目の日に効力を生ずるということになっておりますので、発効には更に二十五か国による締結が必要でございます。  今申し上げられたように、ハーグの核セキュリティーサミットにおきまして発出されたコミュニケを始めといたしまして、IAEA総会や関連の国際会議等の機会に改正の早期締結が各国に呼びかけられているところでございます。  この改正の早期発効に対する国際社会の関心は高く、現在相当数の国が締結に向けた国内手続を進めていると承知しておりまして、早期に発効することが見込まれているところでございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  我が国もまさに今その状況にあるというふうに認識しておりますけれども、私が拝見した数か月前の資料でもやはりその七十四か国前後でございまして、まだなかなか締約国の拡大が進んでいないという状況かと思います。  我が国もそう遠くないうちに条約締結に至るかと思いますけれども、まだ締結を行っていない国に向けて、我が国が条約締結後、どのような働きかけを行っていくのでしょうか。非常にまだこれから締結していない国への働きかけということは重要かと思いますけれども、その辺りもお教えください。

廣瀬行成外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣瀬行成君) 委員御指摘のとおり、この核物質防護条約の改正の早期発効は極めて重要な課題であると考えております。  我が国といたしましても、この発散処罰法の改正法案が成立し、また核物質防護条約の改正の締結について国会の御承認が得られ次第、改正を速やかに締結するとともに、二国間あるいは多国間の協議等を活用しまして、非締約国に対して早期締結を働きかけていく考えでございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。是非とも積極的な活動をお願いしたいというふうに思います。  次に、核燃料物質輸出入罪について質問をさせていただきたいと思います。  まず、御確認なんですけれども、核物質輸出入罪、本法案の第六条になりますが、の構成要件、犯罪行為の類型である「みだりに、」とはどのような意味なのでしょうか。日本の法律においてよくみだりにという言葉は使われますけれども、条約上、第七条第一項(d)において、「法律に基づく権限なしに」というように規定されておりますけれども、御確認でございますけれども、この「みだりに、」ということはこの条約の文言と同様の意味というふうに理解してよろしいのでしょうか。  そして、次に、本法案第六条の核燃料物質輸出入罪については七年以下の懲役、そしてその予備罪を三年以下の懲役というふうにしております。これらの量刑の根拠として、サリン等による人身被害の防止に関する法律、これ平成七年の法律でございますけれども、これを挙げていらっしゃいますけれども、なぜ同法の量刑に倣ったのでしょうか。サリンも非常に本当に恐ろしい物質でございますけれども、核物質の危険性、またその及ぼす範囲ということを考えると、より刑罰を重くするという考え方もあるというふうに強く思います。  量刑についてどのように整理をされたのかということ、最初の御確認の部分の「みだりに、」ということが条約の中での「法律に基づく権限なしに」ということと同じでいいかということと併せてお教えをいただければと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) まず第一点の「みだりに、」でございます。御指摘のとおりでございまして、みだりにとは法律上の用語として正当な事由なくと同旨でございます。適正な法手続に基づかない法令違反の場合を指す言葉でございます。  次に、量刑の問題でございます。第六条でございますけれども、核燃料物質輸出入罪につきましては、本法と同様に危険物質の取扱いを定めた法律であります化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律及びサリン等による人身被害の防止に関する法律におきまして、人の生命に害を加えるような毒性のある危険物質の輸出入に係る罰則の量刑が七年以下の懲役であることを考慮して決定したものでございます。  次に、予備罪につきましては、これは、サリン等による人身被害の防止に関する法律におきまして人の生命に害を加える毒性のあるサリン等の輸入に係る予備罪の罰則の量刑が三年以下の懲役であることを考慮して決定したものでございます。  核物質、サリン、いずれにしても、核物質の場合は、例えばいわゆるダーティーボムの場合、直ちに人の生命自体に影響を与えるということではありません。どちらかというと、長期的な健康被害みたいな話であります。と同時に、あと核物質がさらに核爆弾に使われれば大変な話になります。と同時に、サリンも実は大変影響の大きい、ありまして、特に化学兵器の場合、極めて即効性が強い、直ちに人の死を招くような、そういったものでございますので、そういったもろもろを総合的に考えまして、同様の量刑で、ある意味の何か悪性と申しましょうか、そういった意味での同様に考えてよろしかろうというふうなことで、七年以下あるいは予備の三年以下というふうな量刑にいたした次第でございます。  ある意味、生物兵器、それから化学兵器、それからそういった核兵器、それから先ほどのダーティーボムみたいなものを合わせまして、いわゆるCBRNというふうに言われておりまして、いわゆる大量破壊兵器と言われるものを使ったテロというふうに一まとめに一般に言われるものでございます。  以上であります。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  サリンあるいは大量破壊兵器と、化学兵器も含めた、といったものに合わせていると。そちらも、即効性があるか、あるいは長期的に被害が及ぶかというようなことであるということは理解いたしましたけれども、であれば、サリンあるいは化学兵器の方の法律も含めて、実際にその量刑が七年以下の懲役と、あるいは三年以下の懲役というものは余りにも軽過ぎるのではないかというふうに思います。そういったところも含めて、大量破壊兵器、核物質においてテロをするに当たって本当に七年でいいのかと、七年以下ですか、というところも含めて、ここは本当に強く申し上げたいというふうに思います。  そして次に、本法律案第六条、核物質輸出入罪の未遂罪そして予備罪とは、具体的にはどのようなものを指すのでしょうか。今回はこの予備罪とかそういったものが入ってきているかと思いますけれども、どういったものを指すのか、具体的にお教えください。  先ほどの量刑の話については弱過ぎる、緩過ぎるのではないかという認識ございましたけれども、この予備罪などの部分につきましては、特に具体的な法益侵害がなくても処罰することができるということがございますため、逆に正当な事業活動や研究というものが萎縮する、あるいはそういったものを阻害してしまうということがないように適切な運用をしていく必要があるのではないかというふうに思います。  その辺りも含めて、どういったものを具体的に指すのか、お教えいただければと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 未遂とは、一般に、犯罪の実行に着手したものの、それを遂げるに至らない行為を指しておりまして、この場合、例えば輸入の場合には、船舶から陸揚げを開始したが、その中途段階で例えば逮捕されてしまったということで行為が未完成となる場合、また輸出の場合には、搬出先へ仕向けられた船舶への物品の搬入を開始したが、その中途段階で逮捕等されて中断したため行為が未完成となる場合が考えられます。  予備につきましては、それはまさに未遂行為の以前の準備段階でございまして、例えば違法な特定核燃料物質輸出入行為に係る資金調達やそのための会社設立などが考えられるところでございます。  なお、今御指摘のとおり、犯罪捜査等につきましては捜査当局等により行われることになりますけれども、罰則の適用につきましては、正当な事業活動や研究活動等を萎縮させることがないよう、法益保護の必要性と行動の自由の保護の両者を考量した上で個別具体的に決めるべきものと考えております。  以上であります。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。是非とも適切な運用ということを図っていただければというふうに思います。  次に、IPPASの受入れについてお伺いをさせていただきたいと思います。  先般の第三回ハーグ核セキュリティーサミットにおける総理ステートメントにおいて、日本は、二〇一五年の春までに、IAEAが実施するIPPAS加盟国の核物質防護レベルを調査し、必要な勧告を行う核物質防護諮問サービスを受け入れることを表明しているかと存じます。IPPASは一九九六年以降実施され、これまで約四十か国が受入れをしてきたと認識しておりますけれども、一九九六年から今まで約二十年経過しておりますが、我が国はまだ受入れをしておりません。  どうして、この約二十年間、IPPASの受入れをしてこなかったのか。そしてその中で、なぜ今回このサービスの受入れを表明するに至ったのか。そして、同サービスを受け入れることによって、日本の核物質防護対策においてどのような影響あるいは効果というものがあるのかということをお教えいただければと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) IAEAによりますIPPASミッションは、いわゆる原子力新興国を主な対象として一九九六年に開始され、これまで四十か国を対象に実施されてきているところでございます。今、原子力新興国を主な対象と申し上げましたけれども、近年、英国、フランス、米国等の原子力主要国による受入れも進められてきており、我が国としても、その必要性、有効性を認め、我が国の核物質や関連施設の防護体制につきまして、来年春までにIPPASを受け入れる旨の正式要請を行ったところでございます。  我が国におきましては、いわゆるIAEAのINFCIRC二二五という勧告文書に従って、ある意味では営々と核物質防護の体制を築き上げてきたんですけれども、そういった性格上、第三者の目、国際的な目、そういった目を、なかなかそういったいろんな批判を受ける機会がなかったということ、専門家ですね、そういったことも一つは考えていかなきゃいけないことと私ども考えておりまして、そういった意味におきまして、今回、IPPASの受入れによりまして、国際的かつ第三者的観点からの助言を大いに期待できるところでありまして、今後、我が国の核セキュリティー体制の向上に大きく資するものと考えております。  以上でございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  核物質あるいは原子力施設に関する情報というものはなかなか全てオープンにできるものではない部分が多いかと存じますので、まあこれまではそういったものがなくても十分日本のこういった防護策というのは取られているよということがあったのかと思いますけれども、これだけいろいろな脅威がある中で、そういった意味では、第三者の目を入れることによってオープンにできない部分もしっかりと証明をしてもらう、あるいはそういったことを認めてもらうということは非常に有効かと思いますので、更なる信頼性向上に資することを期待したいというふうに思います。  最後に、核物質に関わる人々の個人の信頼性確認制度について御確認をさせていただきたいと思います。まさにこれも先ほどのセキュリティーの状況に関する部分と本当に密接に関わる部分であるというふうに思っております。  内部脅威者が関与するテロ、これを現実の脅威として再認識し、そしてその未然防止に取り組む必要があります。これは先ほどの繰り返しになりますけれども、セキュリティーの部分にも関わりますが、主要な原子力の利用国において残念ながら日本のみが個人の信頼性確認制度、つまりセキュリティーに関連する情報などへアクセスをすることができる者としてふさわしいかどうかということをチェックするために、その方の個人情報を収集して、そして信頼性をチェックするという制度について導入が日本のみがなされていません。こうした状況を受けて、第二回、二〇一二年のソウル核セキュリティーサミットにおいて日本の総理ステートメントでは、同制度の導入について検討を進めていきますよというようなこととされております。  現在、原子力規制委員会に設置されている核セキュリティに関する検討会においては個人の信頼性確認制度について議論がしっかりと進められているということを承知いたしておりますけれども、一体どの程度議論が今進んでいるのでしょうか、それを一つお教えください。そしてあわせて、今後、日本が同制度を導入していくに当たり、どのような課題があるのか。個人情報というところもございますし、様々な意見があるということも理解はできるんですけれども、どのような課題があるのかというところを具体的に御説明、二点、お教えいただければと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 個人の信頼性確認制度につきましては、現在、原子力規制委員会の核セキュリティに関する検討会において、警察等の関係行政機関と連携を取りつつ検討を行ってきております。幅広い観点から実務上の検討を行うことが必要でございますので、現在、検討会の下に更にワーキンググループを設置し、検討を行っているところでございます。  検討の具体的な項目でございますけれども、具体的には、信頼性確認を行う者の範囲、これは、毎日原子力発電所に出入りされる方は大体四千人ともあるいは五千人とも言われております。その全てについてそういった確認を行うのかどうか。IAEAが求めるのは、特にそのうち特定の一番重要な施設、そこへの出入りについて信頼性確認を求めております。と同時に、そこに入る人間について全てではございませんで、いわゆるエスコートによる入域といったことを認めてありますので、かなり運用上のいろんな問題について検討していかなきゃいけない状況にあります。  次は、信頼性確認の項目であります。どういった項目を確認すれば信頼性を確認したと言い得るのかという問題。これはいろいろと外国の例を見ますと、犯罪経歴であるとかいろいろな例がございますけれども、それを一つ一つ我が国としてどう見ていくかという話が一つございます。それに、この信頼性等確認と申しますけれども、一体誰が信頼性を確認するんだと。警察機関なのか、いわゆる治安機関なのか、それとも規制機関なのか、それとも各事業者なのか。そういった一番根本の原理上の問題もあり、これも各国によってばらばらでございます。そういったようなこと。  そして、確認するといった場合、具体的にどのような確認を行うのかということ。当然、事業者が行った場合、そういった情報を持っておりませんので、そういった情報を入手するにはどうすればいいのかという問題も始まります。  そういった極めて実務上の課題について多々検討しなきゃいけない問題がございまして、また、元々個人のプライバシーに関わる問題もあるという指摘もございます。したがって、慎重な検討が必要と認識しております。  個人の信頼性確認、いわゆる潜在的脅威の事前排除という面で内部脅威対策の一手段と認識しており、まずはこのワーキングチームでの実務上の課題に関する検討を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。

吉川ゆうみ自由民主党

○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。  いろいろな課題に今まさに取り組んでいらっしゃるというところかと思いますけれども、来年IPPASを受け入れるという中で、本当に日本は福島第一の事故、そしてこの防護の対象となる核物質も保有しているという国でございますので、世界中から核物質あるいは原子力に対する体制、あるいはセキュリティーの問題については注目を浴びている国だというふうに認識しております。  どの省庁が取り組むのか、あるいはどの法律で担保するのかということで、あるいは条約改正の締結に時間が掛かる、あるいは法改正に時間が掛かる、あるいはセキュリティーの問題に時間が掛かっている間にも、いつこのようなテロあるいはいろいろな事件が起こるかも分からないという恐ろしい現実があるということであるかと思いますので、慎重にということでございますけれども、同時に迅速な対応をしていっていただき、これから日本がこの分野において世界の中でしっかりとリーダーシップを発揮していけるような、そのような取組に是非ともしていっていただきたいと願いまして、私からの質問を終わりとさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 民主党の浜野喜史でございます。  法律案につきまして、まず御質問させていただきたいと思います。先ほどの吉川委員との質疑にもございましたけれども、法律案提出に至った経過につきまして、少し御質問をさせていただきたいと思います。  国内制度との整合性等を慎重に検討してこられた結果、この時期になったという御説明でございました。一方、二〇〇五年の条約の改正の採択以降の各国の締結の状況を見てまいりますと、ロシアが二〇〇八年、中国が二〇〇九年、イギリス、ドイツは二〇一〇年、フランスは二〇一三年ということのようでございます。さらに、米国は未締結というふうに承知をいたしております。  こういう状況を考えてみれば、国内制度との整合性、慎重に検討されたということに加えて、こういう各国の締結状況も見極めて、そしてまた、今春ハーグにおいて核セキュリティーサミットがあったと、こんなことも踏まえてこういう時期を選んだのではなかろうかということも推測するんですけれども、更に御説明をいただければと思います。  以上でございます。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほども御質問があってお答えしていただいたように、今回の放射線発散処罰法は、核物質防護条約等の国内担保法という位置付けになっております。この核物質防護条約は、二〇〇五年にIAEAにおいて、核物質及び原子力施設の防護に関する国際的な取組を強化するための改正が採択されております。委員御指摘のとおりです。  その後、各国が批准をしてまいりましたけれども、二〇一二年のソウルで行われました核セキュリティーサミットで我が国を含む締約国は、二〇一四年までに当該改正を発効させるため、締結のための国内手続加速化を強く求める声明が発出されておるところでございます。このような国際的な要請を踏まえ、我が国としても本国会において改正核物質防護条約の国内担保法である放射線発散防止法の改正を行うものであります。  なお、改正の締結に当たっては、特に新たに犯罪化が義務付けられる行為について、既存の国内制度との整合性、必要な立法の範囲等を慎重に検討する必要があったということで、また、いずれの国内法によりこの改正で追加された条約上の義務を実施すべきかについて関係省庁間で意見の一致が見られなかったことから、検討に一定の時間を要したというふうに承知しております。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 条文につきまして少しお伺いをいたします。  これまた先ほどの質疑の中でも触れられましたけれども、現行第三条におきましては、「みだりに、」、みだりにということは、法律に基づかず、正当な事由に基づかずというような御説明ございました。一方で、現行第三条、「その他不当な方法」ということが規定をされております。これはどのようなことを想定されておられるのか。  加えまして、もう一つ、その上で、改正第六条におきましては、「特定核燃料物質を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。」ということになっておりますけれども、改正第六条におきましては不当な方法という規定はございません。その理由を御説明いただきたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 「みだりに、」につきましては、委員御指摘のとおりでございます。  第三条のその他の方法につきましては、原子力施設の不正な操作であるとか、原子力施設への攻撃等によるものを指していると承知しております。  それから、第六条におきまして、その他の方法の規定がない理由でございますけれども、本条第一項というのは、違法な核物質輸出入行為を処罰する規定でございまして、これは方法のいかんを問わず行われるものでございますので、その他不当な方法という言葉で行うということを規定する必要はないものと考えたことによるところでございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 条文関係でもう一つお伺いをいたします。  改正六条三項で、実行の着手前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除するというふうに規定がなされております。刑法の三十五条から四十二条の犯罪の不成立及び刑の減免、これを上回る規定が盛り込まれているというふうに理解をいたしますが、その趣旨を御説明いただきたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 本規定におきまして自首の規定を設けているのは、違法な特定核燃料物質の輸出入行為が重大な法益侵害を惹起することに鑑みまして、その予備を行った者に対して実行の着手を思いとどまらせるようなインセンティブを与えることにより、その被害を未然に防止しようとするためのものでございます。  なお、刑法第四十二条第一項に自首に関する一般的な定めがございますけれども、本項は、インセンティブを与えるという趣旨で、次の点でその特則となっております。  まず第一に、捜査機関に発覚する前、これは四十二条の場合は「捜査機関に発覚する前に自首した」となっておりますけれども、この規定におきましては実行の着手前に行うことが要件とされていることでございます。したがって、実行の着手前であれば、要するにそういった自首の減免の規定の適用があるということであります。二点目としては、刑の任意的な軽減ではなくて、必要的な減免を行うこととされていること。この二点において特則となっております。  以上でございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 次に、核物質及び原子力施設の防護につきまして御質問をさせていただきます。  「世界一安全な日本」創造戦略、昨年の十二月の十日に閣議決定がなされております。その中にも、原子力発電所等に対するテロ対策の強化という項目が盛り込まれております。原子力発電所に対するテロの未然防止のため、SAT、特殊部隊等の装備資機材等の充実、警察、自衛隊等の関係機関及び事業者が一体となった実践的な共同訓練の実施を推進するほか、事業者の防護措置の実効性を確保するための定期的な核物質防護検査、不穏・危険動向に関する情報収集、事業者に対する立入検査や自主警備の指導等を引き続き実施するということが盛り込まれております。  全般的な実施状況を御説明をいただきたいと思います。

藤山雄治内閣官房内閣審議官

○政府参考人(藤山雄治君) まず、原子力発電所の安全という観点から申しますと、テロ対策は非常に重要な観点であるというふうに考えております。  御指摘のありました「世界一安全な日本」創造戦略におきましては、我が国は国際テロの重大な脅威に直面しており、G8サミット、オリンピック等を見据えたテロ対策として、原子力発電所等に対するテロ対策の強化に積極的に取り組んでいくということとされております。  この戦略などを踏まえまして、既に関係機関におきましては、例えば警察と海上保安庁、あるいは警察と自衛隊が原子力発電所における共同訓練を実施をしておりますし、原子力規制委員会におきましては、原子炉等規制法に基づきまして、核物質防護規定の遵守状況についての定期的な検査を実施するなどをしております。  今後とも、こうした各種対策を徹底いたしまして、テロの未然防止に努めてまいりたいというふうに考えております。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 加えまして、この創造戦略の中には、IAEAの核セキュリティー勧告に対して速やかに国内でそれを実施をしていくということも盛り込まれております。IAEAの勧告につきましては、一九七五年に刊行され、二〇一一年に至るまで数次にわたり改訂版が刊行をされております。  現在どのような内容を検討されておられるのか、全般的な御説明をお願い申し上げます。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 我が国の原子力発電所のセキュリティー対策については、原子炉等規制法に基づいて、事業者に対してテロリストの侵入を阻止するための種々の防護措置を求めております。これらの措置は、IAEAの核物質防護に関する勧告文書INFCIRC二二五のレビュー五等に基づいております。  具体的には、原子力施設の周辺に立入り制限区域、周辺防護区域を設け、フェンス、センサー、監視カメラ等を設置し、警備員による巡視を実施すること。さらに、海水冷却ポンプ等の屋外の重要な設備、原子炉建屋内の重要な設備を大きな衝撃から守るため、周辺に防護壁を設置すること。出入口における身分証による従業員等の本人確認、金属探知機等による探知の実施、重要な施設設備の周辺で作業する場合には二人以上で行うことなどを我が国の国内規制に取り込んでいるところであります。  なお、個人の信頼性確認制度の導入についてはIAEA勧告において求められているところでありますが、現在、我が国国内規制への取り入れについて、本委員会の下のセキュリティ検討グループの中で検討を進めているところでございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 次に、先ほども質疑がございましたけれども、IAEA勧告に基づく個人の信頼性確認制度についてお伺いをいたします。  現在、規制委員会において検討委員会及びワーキングを設けて検討中ということでございます。慎重に広範にまた検討されているということでございますけれども、まとめる目途、めどですね、これをどのように設定されておられるのか。さらに、先ほども御説明ございましたけれども、信頼性の確認をするために把握するデータをどのように設定をしていくのかということが極めて重要だというふうに思いますけれども、それについて現在どのような範囲を設定して検討をされておられるのか、御説明をいただきたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) まず、取りまとめの時期いかんでございますけれども、現在はまさに有識者によるワーキンググループにおいて実務的な検討を行っているところでございまして、まずは検討の結果を待ちたいと考えております。  次に、同制度において把握するデータの問題でございます。  他国の信頼性確認に用いられている個人情報としては、住所歴あるいは職歴、学歴、犯罪歴、信用情報、アルコール・薬物依存等の健康に関する情報等があるものと承知しております。  まさに、今、セキュリティに関する検討会の下に更にワーキンググループをつくりまして、そこにおきまして、どういった項目を要するに把握すべき項目として設定すべきかということも含めまして実務上の検討を行っているところでございます。  個人の信頼性確認は、個人のプライバシーに関わる問題でもありますことから慎重な検討が必要と認識しておりますけれども、潜在的脅威の事前排除という面で内部脅威対策の一手段でございまして、まずはワーキンググループで実務上の課題に関する検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 現在検討中ということでありますけれども、犯罪歴等のデータ、これをどのように範囲設定するのかということを定めた上で、その上でそれを開示する、また提出をしていただく機関、団体、個人への法的義務を行うと、それができるのかどうかと、これも極めて重要な点だというふうに思いますけれども、そのことをどのような考え方で検討をされておるのか、御説明をいただきたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 先ほど申しましたいろいろな項目ございますけれども、犯罪歴、それから信用情報等々、我が国、当然のことながら様々な情報は様々なセクターが持っております。それに対してどういった形でアクセスするかというのは一つの課題でございまして、そういった団体に対してどういった形で照会をするのか、また照会に応じていただけるのか、その際に法的なバックグラウンドが必要なのか、かなりいろいろなことを考えていかなきゃいけない状況にあります。  いずれにしても、まず第一に、どういった項目を信用性の確認のために用いるのかというところを決めた上で、そういったデータがこの社会におきましてどういった形で保管され、存在するか、そこをよく見極めた上で、どういった形のアクセスが可能か、そういったことをやっていきたいと思っています。  いずれにしても、どのセクターが行うにしても、このデータがなければ判断はなかなか難しゅうございますので、そういった意味で、大変今御指摘の点というのは重要な点だと考えております。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 今後検討ということでございますけれども、事業者など関係者から実情を十分聴取をしていただいて、実効ある制度を確立をしていただくように御検討をお願いを申し上げたいと思います。  次に、原子力安全確保、原子力規制委員会の対応等につきまして質問をさせていただきたいと思います。日本原電の敦賀二号機の破砕帯の評価に関する再審議につきまして御質問をさせていただきたいと思います。  昨日、有識者会合が開かれたということでございます。少し経過を振り返らせていただきますと、昨年の五月の二十二日、原子力規制委員会において敦賀二号機の破砕帯は活断層であるという評価が下されたわけでございます。一方、日本原電は、一昨年から現地調査、山を掘削をする、取り崩すような形での大規模な調査を継続をしてきたということもございます。昨年の六月末には調査が終わるのでその調査結果を待ってほしいということを懇請されていたということも聞いております。それを聞くことなく、五月の二十二日に規制委員会は判断を下されたわけでございます。その後、そういう調査を踏まえて、日本原電は昨年の七月十一日に、現地調査を踏まえた報告書を原子力規制委員会に提出をしたと、こういう経過でございます。  それから九か月以上がたちました。ようやく昨日、四月の十四日に初めての有識者会合が開かれたという経過がございます。振り返ってみれば、有識者会合における評価は、一昨年の十二月、第一回目の会合が開かれて、それ以降約半年にわたって検討が進められてきて、そして、先ほど申し上げましたように、五月に原子力規制委員会が評価をされたということでございます。  半年間で評価を下され、そして一方、事業者が七月十一日に調査報告書を出してきた。それに対しては、九か月以上たって初めてこういう会合が開かれたという経過でございます。これは、やはり経過から考えれば、余りにも長期間この会合が開かれなかったのではなかろうかということを考えざるを得ません。  昨日までに至った経過につきまして、まずどのようにお考えか、田中委員長の考え方をお伺いをしたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 委員御指摘のように、昨年の五月に評価結果を出させていただきました。そのときにも、一応評価の結果は出すけれども、その後の調査において改めてその評価結果を見直すようなことが出てくれば、それについて再度検討するということをそこで申し上げてあります。それに基づいて日本原電がその後調査を進めて出してきたという経緯があります。  時間的ないろんな頻度の問題とかということはありますけれども、一応その間は、事務的にその新たなデータが、その評価会合を再度再開すべきかどうかということも含めて精査してまいりましたし、規制庁、島崎委員を中心にして規制庁の人間が再度現場を見るとか、そういったことをしまして、今回の、昨日の評価検討会をもう一回再開したという経緯になっております。  昨日の調査評価会合では、一月に行った現地調査を踏まえて有識者の先生方にコメントをいただいたところであります。会合では、事業者の評価に対する疑問点や追加で確認したいデータについての御意見が提示されたと聞いております。有識者のコメントを整理した上で、次回以降事業者から回答をいただき、議論を深めていく予定と聞いています。  いずれにしても、評価会合において科学的な議論を積み重ねて、昨年五月の評価の見直しの要否について御検討いただきたいと考えています。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 規制委員長から御説明いただきましたけれども、まず、規制委員長、御説明の中で、規制委員会が五月に評価を下したと、これもおっしゃるとおりです。その後に事業者が調査をして七月の十一日に調査報告書を出してこられたかのようなことをおっしゃっていますけれども、それは全然事実違います。一昨年からずっと事業者は調査を継続をしてきておって、そして、結論を出す動きに規制委員会がどうも動かれているようなので、もう少し待ってほしい、継続してきている調査結果が出るから待ってほしい、その要望を原子力規制委員会に対しても再三にわたってしていたということが事実でございます。その点はまず事実確認として訂正をしていただきたいと思います。  それともう一つ、評価結果の中身につきましては、確かに報告書の中には、新たな知見が出てくればそれは検討し直すんだということは盛り込まれております。しかし一方で、この評価を下された内容に基づきまして、原子力規制委員会は五月の二十九日に、いわゆる原子炉等規制法に基づく報告徴収命令を出しておられるんです。ここにはこう書いてあります。規制委員会は、五月二十二日の規制委員会において、現在まで得られたデータ等を基に、日本原電株式会社敦賀二号機直下の破砕帯が耐震設計上考慮する活断層であると判断したと。それに基づいて行政上の報告徴収命令を発しておられるんです。  したがって、新たな知見が出てくれば見直すということを報告書には書いてあります。それは認めます。しかしながら、これは厳然たる行政上の判断を下したと、下したから報告徴収命令を出したということだと思います。まずこの点、確認させてください。

櫻田道夫原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(櫻田道夫君) 事実関係の御質問ですので、事務方からお答えさせていただきます。  委員の御指摘のとおり、五月の原子力規制委員会においてこの敦賀原子力発電所の破砕帯の問題について一定の判断をしていただいた後に、これに基づいた報告徴収命令というのを掛けたことは間違いございません。それは、その時点において原子力規制委員会として、この破砕帯が耐震設計上考慮する活断層であると、こういう判断をしたということに基づいたものでございます。  一方で、これも委員の御指摘のとおり、その五月の前の段階から事業者が調査を継続していた、これもまた事実でございます。ただし、その事業者もずっと調査をしてきてはおりましたけれども、その以前から、例えば提出時期、予定時期というのがあったのがだんだん延期されてきているということもあったのも事実でございますし、また、破砕帯のこの評価会合においては、それまでに得られた調査結果によって一定の判断ができると、こういうことで評価書がまとめられたという経緯もありましたので、その辺りを全て御勘案をされた上で、原子力規制委員会で五月に、当時の見解に基づいた判断を下された、こういうことでございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 いろいろ言い分はあるかと思いますけれども、六か月で判断下されているんです、規制委員会は。そして、その上で継続的に調査をしてきた内容を七月十一日に出した。それから九か月たっているんです。九か月間、現地調査は確かに一度は行われましたけれども、責任を持ってまとめられたというふうに言われている有識者会合、一度たりとも開催されていません。昨日、九か月たってようやく開催されたんです。  このことについて委員長はどうお考えでしょうか。もう一度お答えください。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一旦判断をした上でそれを本当に見直す必要があるかどうかということについては、やはり慎重に取り組む必要があるということがあります。  それから、私どもが抱えている業務は、これ敦賀のこの問題だけではありません。限られた陣容の中で最大限努力してきているということもあります。それから、有識者の先生方のいろんな御意見、御都合もあります。そういったことの中で最大限の努力をしてきているということを申し上げたいと思います。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 これだけちょっと指摘させていただきたいと思うんですけれども、確かに有識者会合、先生方の御都合もあるということはそれはそうだと思います。しかしながら、一昨年の十二月から五月にわたって五回有識者会合開催されているんです。それも、多分有識者会合の皆さん方の御都合を踏まえて設定されてきたんだと思いますよ。それが、今回の場合、九か月間にわたって、確かに事務方においての論点整理等々もされてきたことは、これは承知をしていますし、事実だと思いますけれども、しかし、余りにも長期間それを放置されてきたというふうに考えざるを得ない。このプロセスはやはり問題があったと。そして、最大の問題は、調査がもうすぐ終わるんだというような形で要請をしてきたのをはねつけて検討を閉じてしまった、このことに私は最大のやはり問題点があったんではなかろうかということ、これは指摘をさせていただきたいと思います。  その上で、三月の十三日の環境委員会におきまして、この件につきまして田中委員長はこういうふうにおっしゃっております。敦賀は、この敦賀の件は非常に大事なことだと認識をしていると、基本は有識者会合の四名でやっていますけれども、全てそれで決めるというふうなことではありませんという認識を示されております。  加えまして、ピアレビュー、これは担当された四名の方々だけではなしにそれ以外の有識者会合の方々にも参加をいただく会合でありますけれども、ピアレビュー、これもじっくりと議論をする機会でありますので、今回はピアレビューの皆さん方にも現地調査もやっていただいているからよりきちっとした議論がなされるものと私は考えているという認識を三月十三日のこの環境委員会でお示しをいただいております。私もそうあるべきだというふうに考えております。  その上で、委員長がおっしゃる、全てこの四名だけで決めるようなことではない、そして、よりきちっとした議論ということは、具体的にはどのような議論の進め方を委員長としてはイメージをされておられるのか、認識をされておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、基本的な調査については有識者会合で行うということは、これは私どもの考え方です。  それで、ただし、その有識者、限られた数の有識者だけでは判断にもしかすると誤りがある、あるいは見落としがあるということも考えられるので、更に多く、十三名になりますけれども、ピアレビューのほかの先生方にもその有識者の会合の判断を見ていただいて、よく議論していただいて、それを踏まえて私どもとしても委員会として最終的に判断するということですので、そのやり方においては、私は、これは国際的に見ても決して手を抜いたとかそういったような状況ではなくて、極めて丁寧なプロセスを踏んでいるというふうに私自身は判断しております。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 進め方に私がここまでこだわっている理由は、本件についての評価を、先ほども申し上げましたように昨年下された、プロセスに本当にしっかりとした議論が行われてきたんだろうかということ、これに関しての疑念、これを強く持っているからこのようにこだわっているわけであります。  少し申し上げたいと思いますけれども、昨年、先ほども申し上げましたように、五月二十二日に規制委員会は、担当された有識者会合、これは四名の先生方、そして島崎委員、この五名で担当されておられるわけですけれども、直前の五月の十五日には最終の有識者会合が開かれております。そして、遡ること昨年の三月の八日には、委員長おっしゃるようにピアレビュー会合、これも開かれております。この四名プラス島崎委員、この方々だけではなしに、そのほかのプラントを担当されております委員長おっしゃる十三名の方々、結果的には三月の八日にはそのうちの六名が参画を、議論にはピアレビュー会合ということで参加をされております。  議事録を見てまいりますと、実質的に議論されたのは一時間強であります。そして、議事録の、トータルして私はその中身を見させていただきましたけれども、内容的にこういう判断でいいのかという疑問を投げかけておられる有識者の方々が複数おられました。  例えば、内容的には、データから言えることとデータから言えなくても安全側に判断するその境目ということをもう少し深掘りして議論すべきではないかというようなことをおっしゃっている先生方もおられました。こういう取りまとめで本当にいいのかという意見が、複数の委員からこのピアレビュー会合の中でも出されているわけであります。これは議事録上明らかであります。  終盤には、取りまとめ役のお立場にもあられる島崎委員がこういう発言をされているんです。一時間余りの議論の終盤でありますけれども、いろいろ御意見があったと、しかし、もう少し読みやすくした方がいいというその御意見はそのとおりであると、それは指摘の方向で見直したいと、こういうことで最終議論を閉じられているわけであります。  これはもう議事録を見ていただいたら分かると思いますけれども、様々な御意見がある中で、委員長がおっしゃるように様々な角度からの幅広い知見に基づいての議論がなされたとは到底思えない、これが私の受け止めであります。ピアレビュー会合という名を形式的には借りておりますけれども、本当に深掘りの中身のある議論がなされたのかと、極めて疑問を持つわけであります。そういうこともありますから、今回はそうではないですよねということを再三にわたって委員長に確認をさせていただいているということを是非御理解をいただきたいと思います。  そこで御質問ですけれども、委員長は再三にわたって、具体的なことはもう任せているんだと、ただし、先ほど申し上げたように非常に今回は大事な件だと、したがって、よりきっちりとした議論がなされるものと私は考えているということもおっしゃっていただいています。それではちょっとお伺いをいたしますけれども、一つには、十三名とおっしゃいました、担当されている四名以外のいわゆるピアレビューメンバーと申し上げましょうか、有識者会合の方々にも議論に参画をしていただいて、それで最終的な結論に持っていくと。先ほど申し上げましたけれども、昨年のような形式的な議論ではなしに、まさにそれぞれのお考え、これをしっかりと集約をして議論がなされていくという理解でよろしいかどうか。  具体的にはもうこれはお答えいただけないわけですから、委員長としての御判断、具体的なやり方は島崎委員始めもう任せているというようにおっしゃっているので、これはもうらちが明きません。その上で、委員長のお考えとしては、こういう九名というのか十三名というのか、こういう幅広のピアレビューメンバー、この参画の上で議論をしていくということが望ましいというようにお考えになっておられるというふうに私は理解しますけれども、それでよろしいでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 形式的かどうかということについては、これは判断の違いがありますから、考え方の違いがありますから、それについては私の方から申し上げる必要はないのかもしれませんが、私どもとしては単に形式的に手続を踏んでいるということではありません。これだけは申し上げておきたいと思います。  それから、今回はピアレビュー、先生御指摘のように、丁寧に、大事なことだから丁寧にやる必要があるということで、今回の現地調査にはピアレビューの先生方も少し時間の都合の付く方には参加して現地も見ていただいてもらっていますので、これから行われるピアレビュー会合ではそういった知見も踏まえてきっちりした議論が更に深く検討されるものというふうに私は承知しています。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 今御答弁いただきましたけれども、現地を見ていただいて、これ九名の方でありますけれども、そういう方にも議論に実質的に参画をいただいてよりきっちりとした議論が行われていくというふうに委員長にお答えをいただいたというふうに理解をいたします。  それに加えてもう一つ、昨日の議論、四名の先生方の議論の中にも、複数の方がこういう言い方をされています。まだまだ深掘りの議論が要るので、火山地質学の専門家、さらには土壌の専門家を交えての議論が必要だというふうに四名のうちの委員の中のお二人がそういうような意見を述べられております。これはもう本当にごもっともな御指摘だというふうに私は思います。そういう方々、幅広い分野のメンバーの参画もいただいて充実した議論を行っていかれるものだというふうに私は理解をいたしますけれども、委員長はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 細部の進め方については私も詳細には理解しておりませんが、基本的に、必要な専門家はいろんな形で知見を得ながらその判断をできるだけきちっとしていきたいと、いくべきだと思いますし、その方向で取り組んでいるというふうに私は理解しています。  細かいことについては事務方の方からお答えさせていただきます。

櫻田道夫原子力規制委員会原子力規制庁原子力規制部長

○政府参考人(櫻田道夫君) 補足して説明させていただきます。  委員の御指摘のとおり、昨日の評価会合において二人の先生から、別の分野の専門家の知見も必要だなという、そういう趣旨の御発言があったということでございます。この先生の御発言をどのように捉えて、確かに今参加されていらっしゃる方の直接の深い専門分野から外れるところの専門知識が必要だという判断もございますので、そこをどのように補っていくかについては、私どもも一つの大事なポイント、論点として受け止めて、対応方針について検討してまいりたいというふうに考えてございます。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 前回の三月十三日の環境委員会においても田中委員長は、先ほど申し上げましたように、今回は本当に敦賀の件は大事な件だというふうな認識を明確にお示しいただいております。そして、これも委員長の表現なんです、よりきちっとした議論がなされるものであるというふうに委員長自身は考えていると、こういうふうに明言をいただいております。  そして、先ほど御指摘申し上げましたように、昨日、実際この件を担当された有識者の方々から、更にほかの分野の専門家の参画もいただいて更なる議論が必要だという指摘がなされているんです。  とすれば、そういう方々を選抜をして議論に参画をいただくというのは私はもう当然のことだというふうに思いますけれども、このことについてもう一度、田中委員長の御所見をお伺いしたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 他の専門的な分野の知見も必要だということですので、そのことについては事務方の方から、今、櫻田の方から御答弁させていただいたように、そういった、要するにデータをどういうふうに見るべきかというところが多分議論になっていると思います、私もユーチューブで拝見していまして。  ですから、そういったことについての判断は、できるだけ専門家、専門性のある先生方の知見も必要ということでやろうということでありますから、当然それはそういうことで判断をしていくというふうになると思います。

浜野喜史民主党・新緑風会

○浜野喜史君 委員長、ありがとうございます。  私も実は昨日、ユーチューブで議事の状況を拝見をさせていただいておりました。委員長お答えいただきましたように、まさに実際担当された有識者会合のメンバーの方々から、別の専門家を交えての議論が必要だという、こういう御指摘が具体的にあったわけですから、委員長おっしゃったように、そのような方法を取って更に深掘りの議論をいただくということ、委員長お答えいただいたとおりだと思いますので、是非そのようにお願いを申し上げたいと思います。  それから、少し、前回も議論させていただきましたけれども、もう一つだけ申し上げたいと思うんですけれども、そもそも、前回も申し上げました、こういう形で有識者会合、メンバー選定をしたのは、一旦下した判断、これにどうしても、検討に関わってこられた方々、それにどうしてもこだわってしまうので、一旦下した判断を再審議するということであれば、やはりそういうメンバー以外のメンバーで議論をすべきだということで、そもそも十六名のメンバーは選ばれたというふうに委員長も前回の環境委員会の中でお答えをいただいております。  そのことに照らして考えれば、先ほども御説明いただきました、新たな知見が得られればもう一度検討し直すんだということは確かに報告書には盛り込まれております。しかしながら、それはそれとして一つの判断なんです。判断だから、行政手続としての法にのっとった報告徴収命令も出されたんです。ということは、これは一つの判断を下されたんだから、それを再審議するに当たっては四名の方々を私は全て排除をして議論をすべきだということまでは、前回も申し上げましたように、そこまでは私は申し上げません。  しかしながら、先ほど来から申し上げておりますように、この四名プラス島崎委員、この方々に加えて幅広い議論がなされるべきであるということを私は指摘を申し上げたいと思います。それを委員長は、前回そして今回も、自分の考え方にものっとっているという趣旨の御発言をいただいたというふうに私は理解をいたしております。  もう一度繰り返させていただきます。委員長もおっしゃったように、いわゆるピアレビューに関わられた幅広い方々のメンバーにも御参画をいただくということ、そして会合の中でも、有識者の四名の先生方の中からも出た、専門分野の幅広いメンバーの参画もいただく、そして昨日も、事業者の参画もなされて会合が開かれておりました。当然ながら、今後の議論に当たっても事業者の参画の下で深掘りの議論、納得のいく議論がなされていくものであるというふうに私は思っております。  そのような議論、これは本当に規制委員会、そして日本の行政機関の信頼性に関わる問題だというふうに思います。そういう意味で、委員長も、この敦賀の件は非常に大事なことだというふうに認識をしているという発言を前回、三月十三日の環境委員会においても示していただいたんだというふうに思います。そのような扱い方がなされて深掘りの議論がなされていくものだということを私は理解をいたしておりますし、そのようなことをお答えをいただいたということを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  どうぞよろしくお願い申し上げます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  本日の議題である放射線発散処罰法の改正について質問をさせていただきます。  今回の法律改正によって、プルトニウムや濃縮ウランという特定核燃料物質に関して、違法な輸出入行為及びその未遂について処罰することが可能となり、また原子力施設へのテロ行為についても厳罰化されることになると理解をしております。電力中央研究所の資料によりますと、一九九五年にドイツでロシアから輸入された兵器級のプルトニウムが押収されたという事件や、二〇〇七年には南アフリカで核研究施設が襲撃され、警備員が重傷を負った事件などありました。これ以外にも、英国、アメリカ、フランス、ロシア、スウェーデンなど、世界で実際にこの密輸入、また原子力施設へのテロ行為という事件が起きています。  これを考えますと、今回の改正は必要なものと考えておりますが、一方で、この日本において、過去に特定核燃料物質をみだりに輸出入しようとした事件、あるいは原子力施設へのテロ行為、またその未遂事件といったようなものがあったか、なかったかについて伺いたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 我が国及び日本人が関与した事件は承知いたしておりません。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 今御答弁いただきました、日本人が関与した事件、また日本国内における事件、それはなかったということでございます。これは私は非常に重要なことであると思います。日本では、そういった犯罪が起こりにくいという環境をつくってきたということだと思います。その行為が行われたときに厳罰化するという法律改正、これは必要であるとは思いますが、そもそも密輸入やテロ行為を行わせないようにする、その対策、これが厳罰化よりも必要なことであると私は考えております。  そもそも行為が行われないようにするというのは、究極的に言えば、この特定核燃料物質や原子力施設が日本にないということがリスクをゼロにすることでありますが、現実的には日本に特定核燃料物質はあり、また原子力施設がある。その事実を考えますと、国民の生命と財産を守るためには、それらが国内外からテロの対象などとして狙われることがないように、隙のない核セキュリティー、これを確保することが重要であると考えます。  核セキュリティーとは、核物質、その他の放射性物質、その関連施設及びその輸送を含む関連活動を対象に犯罪行為又は故意の違反行為の防止、検知及び対応と理解をしております。  平成二十四年三月に、原子力委員会原子力防護専門部会、そのときまで核セキュリティーを担当していた組織というふうに理解をしておりますが、そこが「我が国の核セキュリティ対策の強化について」という文書を出しています。これによりますと、核セキュリティーに関する我が国の業務体制、これは多くの関係省庁が関わる体制であったものが、その当時の文書でございますが、今後、原子力規制庁、実際には原子力規制委員会というふうに理解をしておりますが、そこに多くが今後集約されていく、そして体制が強化されることを期待するというふうにあります。  この核セキュリティーに関する我が国の業務体制、これが、この多くが原子力規制委員会に集約をされてきたと理解されておりますが、実際に強化されたか、具体的にどのような強化策が行われているか、このことについて伺いたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 御指摘のとおりでございまして、原子力規制委員会には、旧原子力安全・保安院、もうこれは一般的な原子力発電所でございます、それから文部科学省が持っておりましたいわゆる試験炉みたいなもの、そういったもののセキュリティーについてはそれぞれの所管官庁がばらばらに対応する形でございましたが、原子力規制委員会には当然のことながらそういった権限が、核セキュリティーに関する権限が全て移ってきております。また、当時の原子力委員会が担っておりました核セキュリティーに関する総合調整機能、これも原子力規制委員会に移ってきております。  そういった意味で、まず第一に、事業者に対する規制については原子力規制委員会に一本化されました。ただし、これは、輸送に関してまだ国土交通省が持っている部分が当然ございます。それから、そういったいろいろな関係する省庁ございます、その省庁の間の総合調整といいますか調整機能が原子力規制委員会に来ているということで、二つの面で、体制が極めてシンプルに、ある意味、何といいますか、強力に物事が進められる、そういう体制になってきているというようなことでございます。  さはさりながら、核セキュリティー、引き続き国土交通省や、そういった規制とは別に、やはり現場での様々な事象への対応ということになりますと、警察庁等の関係省庁がそれぞれ、もうそれぞれの知見に基づきまして役割分担をしていくというのは当然のことでございまして、関係省庁間の連携を確保しつつ、全体として核セキュリティーの強化を進めていくということが極めて重要だと思います。まさにこれが先ほどのおっしゃいました調整権限の話になろうかと思います。  したがいまして、原子力規制委員会では、まず第一に、有識者から構成される核セキュリティに関する検討会、先ほどから申し上げているところでございますけれども、検討会を設置いたしました。また、別途、関係省庁会議も設置しまして、関係省庁間の緊密な連携を取りつつ、核セキュリティーに関する検討を行っているところでございます。  今後も、関係省庁と連携しつつ、核セキュリティーの強化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 今、検討会も設置をして核セキュリティーについては取組を行っているということもありました。また、ばらばらになっていた規制についてはかなりの部分が規制委員会の方に整理されてきたということでございますけれども、この検討会につきまして、以前の原子力委員会原子力防護専門部会での検討状況も引き継いだということは承知をしているんですけれども、引き継いだ結果、規制委員会としてこのようにやっていますということをもっと分かりやすく発信をしていただきたいなというふうに思っております。  アクションプランとして、検討委員会を開かれているということは分かるんですけれども、今どんな課題があって、何をいつまでに結論を出していきますといったような日程感も入ったアクションプランというものをきちっと出していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) この核セキュリティに関する検討会は、原子力委員会を引き継いだということは事実であります。メンバーもかなり引き継がれているところもあります。  もっと分かりやすくきちっとしたアクションプランを提示すべきということですが、それにつきましては、まず、関係省庁、国全体として、この核セキュリティーに対する取組が国際的に見て適切かどうかというところが非常に大事だという判断をしまして、IPPASというIAEAのレビューを受けて、それを受けてまた更に見直すべきところは見直していこうというようなことで、そういう取組を私どもとしては提案して関係省庁と今協議しているところで、受入れに、体制についてどういう形で受け入れるかということについて、レビューを受けるかということについて検討しているところでございます。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 国際的に見て適切かどうかという第三者の見識を受ける、具体的にはIPPASのレビューということを一つのマイルストーンと考えて、それに向かって取り組んでいるという、そういう御趣旨というふうに理解しました。私もそれは適切であるというふうに思います。  続きまして、今国際的に見て適切かというお話ございました。非常に日本がこういうふうに核セキュリティーやっていますということを発信したり、また相互に海外と協力をしていく、連携をしていくということは非常に重要であると思います。  本年三月、オランダ・ハーグにおいて、第三回の核セキュリティーサミットが開催されましたが、これについては原子力規制委員会、これは日本の中で中心となっている組織でありますが、当然外務省も協力をして進められてきたと理解をしております。  規制委員会と外務省、また関係省庁との間でこれまで具体的にどのように連携をして協働を進めているかということについて取組を伺いたいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 核セキュリティーに関しましては、確かに国内における核セキュリティーの適切な実施というのは当然のことでございます。それに加えて、さらに、我が国の核セキュリティーの在り方について国際的な理解を得る努力をすること、それから国際的な貢献に向けた取組を行うことの重要性ということを特に認識しているところでございます。  このため、国際核物質防護諮問サービス、いわゆるIPPASでございますけれども、受入れを行うことをまず、一応来春までということでございますけれども、その受入れを行うということにいたしておりますし、あるいは核不拡散・核セキュリティ総合支援センターによる各国の能力構築支援などに取り組んでいるところでございます。  また、様々な国際的な課題がございます。これにつきましては、関係省庁会議というものをこの核セキュリティーのために特につくっておりまして、その場を活用しつつ、外務省と連携して取り組んでいる現状でございます。  以上であります。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 ありがとうございます。  世界から見たときに、やはり省庁縦割りと、日本の中ではそれは通用すると言ったら変ですけど、通用してないんですが、そういった日本独特の仕事のやり方、これはやはり非常に分かりにくいし、混乱させるものであると思いますので、日本の核セキュリティーが一体感を持ってきちっと海外にも発信をしていけるようにしていただきたいと思いますし、連携についても関係省庁連絡会議というものを具体的につくってやっておられるということですので、中身について、そこに参加をされるこの核セキュリティーに関連する職員の方々が、同じレベルの情報量を持って、理解力を持って職務に当たられるように運営をしていっていただきたいというふうに思います。  この核セキュリティーについてはきちっと隙のない対策を行って、日本では密輸入とか行えないよ、またテロ行為もやれないよというような形をつくるということが一番重要なことであるというのは先ほど申し上げたとおりでございますが、これは関係省庁だけの話ではなく、許可事業者も含めた各組織の個人も含めてこの対策に取り組んでいくということが必要であると私は考えております。この対策についても見直して改善をする。  今、全体的なことについてはIPPASのレビューを受けるというマイルストーンがあるということを伺いましたけれども、それとはまた別に、継続的に改善を現場レベルで重ねていくという、そういうことも必要であるというふうに思います。多くの組織が関連しますと、よくあるのが、自分の仕事じゃないと思ってお見合いをしてしまう、そういう隙間が生まれてしまう、そこに見落としができるというような問題点がございます。  それを防ぐためには、政府として組織あるいは規制、この縦割りを排除して、核セキュリティーに関する強力な司令塔が必要であるというふうに思っています。お見合いしそうなような状況になったら、これはあなたの仕事ですよ、ここに隙間があるからちゃんと検討しなさいよというような司令塔機能、また相互に関連する人たちが自分の責務、役割というものを拡張的に理解をして、これも自分の仕事ではないかということで関係する人とそこを自発的に調整をしていくような、そういう機能を埋め込んでいくと、この核セキュリティーの中に、ということが必要であると思います。  また、核セキュリティーだけではなくて、この核物質の発散ということはテロや密輸入という犯罪行為だけではなくて事故としても起き得ることでございます。そこはセキュリティーではなくてセーフティーやセーフガードだというような今度お話が出てくるんですね。そういう縦割りではなくて、もっと上位の概念でこの日本の核のセキュリティー、またセーフティーというものを確固たるものにしていく必要がございますが、この司令塔機能というのは私は今は原子力規制委員会の委員長のお仕事であるというふうに理解をしておりますけれども、その点についていかがでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 御指摘のとおり、今回少し経緯がありまして、セーフティーとセキュリティーとセーフガーズという核物質の計量管理ですが、こういった、いわゆる3Sと言っているんですが、これが私どもの所掌に統一されたと、一体化されたということで、私は、国として、全体として見た場合は非常にいい方向だと思っています。と申しますのは、原子力の安全というのは国際的に見てもセキュリティーとセーフガードと一体で初めて安全が保てるという面があり、そういう認識に立っています。ですから、今御指摘のように、これは一体的に抜けのないようによく目配りをしていく必要があるということであろうかと思います。  そういう意味で、先生の御指摘のとおりでございますので、いわゆる一人一人がそういった三つの、3Sについて意識を高めていけるように、絶えずいろんな新たな知見とか新たな文化的な、を醸成するような取組というのをしていけるように私としても取り組んでいきたい、その方向で努力していきたいというふうに考えています。

竹谷とし子公明党

○竹谷とし子君 これは最後に要望というか提案なんですけれども、私、昨年、フィンランドのオルキルオトという、オンカロというのが結構有名になっていますけれども、その近くにある中低レベルの放射性廃棄物の処理場、また原子力施設が併設されていますけれども、そこで五時間ぐらいずっと御担当者の方から詳しく御説明を受けてまいりましたけれども、この原子力施設の安全ということについて非常に分かりやすく説明をしていただいたという印象がございました。  この原子力、また核セキュリティーに関わる方々で外部に発信をする、また説明をする人が分かりやすく説明ができるような、そういうトレーニングもした方がいいのではないかなということを個人的に感じておりまして、非常に分かりにくいと、この話は。何の話をしているんだか分からないということを国民が思ってしまいますと全く意味がないことになってしまいますので、その点について、関係する方々、特に規制委員会の職員の方で外部に対して説明をするというような方についてはそのトレーニングについても、私も経営コンサルタントを前していたときにも、説明をするのがそんなに得意じゃなかったのでトレーニングを何回も何回も受けたという、そういう経験がございまして、トレーニングというのは重要なものだなと、それによって随分変わってくるものでもあるなということを感じたものですから、それについて御提案をさせていただきたいというふうに思います。  この規制の組織がしっかりしているということがフィンランドでは国民の原子力に対する安全につながっていました。そういう意味で、規制委員会というのは非常に重要な組織であると思いますので、是非今後も国民の安全を守るために取り組んでいっていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。  この放射線発散処罰法ですね、この法律というのは、要するに放射性物質を発散させることによって人に危害を加えるような個人に対して刑事罰を加えるという、そういう法律ですよね。  じゃ、どういう場合が処罰対象になるのかということをちょっと具体的な例に当てはめてお聞きしたいんですが、まず、例えば日本国内で、じゃ、テロリストとかが小型核爆弾みたいなものを爆発させて人を死傷させた、これは当然この処罰の、この三条以下に規定している罰則の対象になると、そういう理解でよろしいですよね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) そのとおりでございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 そうすると、いわゆる普通、核兵器と言っているのというのは、原爆が典型ですけれども、核分裂反応によって、それによって爆発させるというのがいわゆる核兵器ですけど、そういうの以外に、最近問題になっているのは、核分裂反応によって別に爆発するわけじゃないけど、通常爆弾なんだけど、その爆発によって放射性物質を飛散させることによって悪影響を与えると、俗にダーティーボムなんというふうに言われているもの、これを使って日本国内で人を死傷させようという意図を持って爆発させたという、そういうようなものも処罰対象だというふうに理解してよろしいですね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) そのとおりでございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 じゃ、こういうような別に核爆弾とかダーティーボムだけじゃなくて、原発の原子炉を、格納容器、圧力容器とかそういうようなところを破壊することで放射性物質を拡散させて故意に人を死傷させようとした場合、これはどうなりますか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) これにつきましても、本法第三条の処罰規定に該当いたします。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 別に電力会社の原子炉のみならず、原子炉とかというのは大学の研究室とかそういうところにもあったりとかしますよね。こういうようなところをターゲットにして、同じような攻撃を加えて放射性物質を発散させようとした場合、この場合はどうなんでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 同様に、本法第三条の処罰規定に該当すると考えます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 今度は、原発とかの原子炉を攻撃するんじゃなくて、要は、今回福島第一原発事故というのが明らかになったのは、原発というのは、原子炉そのものを直接壊さなくても、壊れなくても、冷却施設が壊れてしまえば時間がたてばメルトダウンしてしまうということは今回まさに明らかになったわけですけれども、そうすると、何かいわゆる原子炉そのものを攻撃したとかということじゃないけど、冷却装置などを攻撃をすることによって、結果としてその意図としてはメルトダウンを引き起こして放射性物質を発散させるという、こういう意図を持ったような攻撃があった場合にはこの法律の処罰対象になりますでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 本法第三条の処罰規定に該当いたします。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 分かりました。  それでは、この法律の中にこういう文言が出てくるんですよね。「原子核分裂等装置」というような形で、要するに、いわゆる原子炉とかそういうものというのはまさに核分裂を起こす装置ですから、そこら辺の話は分かりやすいんですけれども、等、等とかというのがいろいろ書いてあるのでちょっと気になるんですけど、例えばこの装置というときというのは、いわゆる原子炉とかだけじゃなくて、いわゆる原子力発電所の原子炉とかだけじゃなくて、再処理施設とか若しくはウラン濃縮施設とか、こういうものはどうなんでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 原子核分裂等装置というのは、本来、人の殺傷等を目的として、そのような能力を持つものとして作製されたものが一つございます。また、必ずしも本来そのような目的のために使用されることが意図されていなかったものの、これに手を加えることなどした結果、人の殺傷等の能力を有するに至った形態のものも広く包含するものと言われております。  そういうことでございますので、御指摘の再処理施設やウラン濃縮施設はそのような人の殺傷等の能力を有するものではないことから、原子核分裂等装置には当たらないと考えております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 そうすると、確認ですけど、例えば再処理施設、国内における再処理施設とかを何かテロリストが攻撃したとかというときは、この法律とは直接的には関係ないという理解でよろしいわけですか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 直接は関係ございません。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 さて、先ほど、例えば核爆弾を国内で爆発させるだとか、そういうようなことを質問しましたけれども、これは、どちらかというとイメージしているのはテロリストとかが、犯罪者とかがこういうような行為を行ったときというのは法律の対象になるんでしょうけど、例えば戦争で、まあ正々堂々とと言っていいのかどうか分からないんですけど、例えば宣戦布告をしたか何かで、日本国に対して、そういうような国が、言わば、正々堂々という言葉が正しいかどうかは分からないけれども、こういう行為、例えば国内でダーティーボムを爆発させたとか、そういうようなときというのはこの法律の処罰の対象に、その実行犯がもちろん特定できて捕まえることができた場合とかという場合ですけど、これは対象になるわけでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 大変難しい質問でございまして、当方の承知する範囲でお答え申し上げますと、御指摘の点は戦闘行為に関する刑罰法規の適用の有無という一般的な問題であるかと思われます。これにつきましては、放射線発散処罰法の解釈ではなく、国際法等の分野において議論されるべきものではないかと考えておるところでございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 さて、そうすると、あとちょっとお伺いしたいのは、現行法の六条ですね。六条というのは改正されると新七条に値する形になるんですけど、要するに放射性物質を発散させるぞみたいな形で脅迫した場合は懲役五年以下の刑というような形で書いてあるわけなんですけど、これは一般的な刑法の脅迫罪というのは法定刑、最高刑二年ですよね。そうすると、これはだから、それにやや対応しているような気はするんですが、要するにこれは、一般的には脅迫罪というのは法定刑二年なんだけど、放射性物質を使うぞというような形で脅迫した場合はそれは特に重くしていると、こういう理解をしていいのかどうか、確認したいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 放射性物質を用いた脅迫が行われた場合を考えますと、通常の脅迫が行われた場合よりも大きな社会不安を生じるおそれがあることなどから、刑法における脅迫罪よりも量刑を上げて五年以下の懲役とすることで法定刑を重くしているところでございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 さて、ここでいろいろこの法律が罰則として定めているものというのは、実は今その脅迫なんかだって、刑法だって脅迫罪があるように、ほかの法律と重なるようなものってたくさんありそうなわけですよね。例えば、人を死傷させるとかというふうにいえば、当然死亡させれば殺人罪が刑法上適用される可能性もあるというふうに思いますけれども、これは、例えば意図的に放射性物質を発散させることによって人を死に至らしめたら、ここの法律では、無期又は二年以上の懲役ということがこの法律上は規定されていますけど、これは当然刑法の殺人罪が適用される可能性も高いんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) 犯罪の成否につきましては個別の事案に即して収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でありますので一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げますと、殺意を持って放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律第三条一項に該当する行為を行い人を死亡させたという場合には、同法違反の罪だけではなく、刑法第百九十九条の殺人罪が成立し得るものと考えております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 そうすると、まさにこの法律にも違反をしている可能性が高い、刑法の殺人罪にも該当する可能性が高いという場合、これはどういう整理になるんですかね。併合罪になり得るのか、それとも観念的競合という形になるのか、ちょっとその辺を、見解を伺いたいと思います。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) 数個の罪が成立する場合におきまして、それらがいわゆる併合罪の関係になるのか、それとも観念的競合の関係になるのかについては、個別の事案において収集された証拠に基づいて判断される事柄でありますので、その点を一概にお答えすることは困難でございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 しかし、観念的競合になる場合も十分あり得ると、もちろんケース・バイ・ケース、そのときの法と証拠に基づいて判断することだけれども、そういうこともあり得るという理解でよろしいですか。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) 個別の証拠に基づいて判断した結果、観念的競合に当たるという場合もあり得るものと考えております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 さて、この法律はいろんな条約の担保法であるんでしょうけど、基本的に核テロ防止条約の担保法という側面があると思うんですけど、この核テロ防止条約は多くの国が締結していますけれども、この締結国のうち重立った国々というのはやっぱりこういう特別法を作っているんでしょうか。どういう事情なのか、分かる範囲で教えていただければと思います。

廣瀬行成外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣瀬行成君) 条約上犯罪とすることが求められている行為をどのような国内法により処罰するかは、一般には各国の裁量に委ねられており、各国の立法政策の問題であると考えております。  核テロ防止条約上犯罪とすることが求められています行為につきましては、刑法により処罰している国もあれば、その他の法律、特別法により処罰している国もあると承知しております。例えば、イギリスはテロリズム法という特別な法律を制定しておりますし、また中国におきましては刑法によって処罰していると承知しております。また米国につきましては、この核テロ防止条約、それから核物質防護条約の改正はまだ未締結でございますけれども、これらの条約の下での犯罪化の義務を履行するために、連邦刑法の改正法案を議会に提出しているものと承知しております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 この法律、放射性物質発散処罰法というものの一つの特徴として、国外犯処罰規定があるわけですよね。刑法にも国外犯処罰規定があるわけですけれども、刑法以外の法律でこういう国外犯処罰規定を設けている法律というのは、どうなんでしょうか、あるのかどうか。  ちょっとお伺いしたいのは、まず環境省にお伺いしたいのは、環境省所管の法律いろいろありますよね、例えば廃棄物処理法とかだっていろんな罰則を定めているとか、いろんなことありますけれども、こういう環境省所管の法律の中で国外犯処罰規定を設けているものというのはあるんですか。

鈴木正規環境大臣官房長

○政府参考人(鈴木正規君) 本法であります放射線発散処罰法以外で環境省所管の法律に国外犯処罰規定を設けている法律はございません。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 そういう意味では比較的珍しいんだろうというふうに、本法は、そういうふうに思うんですが。  法務省にお伺いしますけど、その他の省庁、環境省が所管している省庁以外の法律でこういう国外犯処罰規定を設けているものというのは何か、どういう状況ですか。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) 刑法以外で国外犯処罰規定を設けている法律といたしましては、例えば航空機の強取等の処罰に関する法律、昭和四十五年法律第六十八号、あるいは人質による強要行為等の処罰に関する法律、昭和五十三年法律第四十八号などがございます。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 さて、刑法にも国外犯処罰規定は規定されているんですけれども、その発動例というのはそうそう多くないとは思いますし、それはなかなか海外での事件の証拠を集めるのも大変だったりとかするとは思うんですけれども、これ発動された実例としてはどういうものがありますでしょうか。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) お尋ねの事例につきまして網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば、日本赤軍によるいわゆるハーグ事件におきましては、オランダ・ハーグのフランス大使館における逮捕監禁・殺人未遂事件について、刑法第三条の国外犯処罰規定が適用され、我が国の裁判所において有罪判決が言い渡されたものと承知しております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 まさに今おっしゃられたように、日本赤軍の事件なんかは、日本国民が犯罪を犯した場合、加害者だった場合だったわけですよね。こういうものに対しては刑法で従前から国外犯の規定があったんですけど、二〇〇三年改正で、十一年ぐらい前の改正で、一定の事案に、殺人とかですね、一定の事案に該当する場合は、日本人が被害者の場合にも刑法の国外犯、これは処罰規定が発動できるようになったというふうに思うんですけど、つまり、外国人の犯罪で、外国で行われた外国人の犯罪で日本人が被害者の場合も、国外犯の、刑法上それが罪というふうに変わったわけですけど、この改正部分ですね、つまり、外国で行われた犯罪で日本人が被害者の場合に外国人を起訴したような例というのは、これはございますか。

上冨敏伸法務大臣官房審議官

○政府参考人(上冨敏伸君) 当省で把握しております限りで申し上げますと、お尋ねのような事例は確認できておりません。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 刑法の場合は、この国外犯の処罰規定というのは、つまり、日本人が無関係の場合というのはないわけですよね。今申し上げたように、日本人が被害者の場合とか若しくは加害者の場合ということは刑法では国外犯処罰規定が発動される、無関係の場合には発動されないはずなんですけど。  放射線発散処罰法にちょっと戻りますけれども、こちらの法律では、日本人が加害者でも被害者でもなく国外での犯罪もこれは国外犯処罰が適用されるのかどうかを確認したいと思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 改正法は、日本国以外の第三国で違法行為を犯した者の処罰は可能となっておりますが、国外犯として処罰が可能な場合としましては、日本国外で罪を犯した容疑者が日本国の国民である場合が一つ、二つ目は、締約国の国民である容疑者が日本国の領域内に所在し、かつ、日本国がいずれの条約締約国に対してもその容疑者の引渡しを行わない場合が一つ、三番目は、締約国で罪を犯した容疑者が日本国の領域内に所在し、かつ、日本国がいずれの条約締約国に対してもその容疑者の引渡しを行わない場合のこの三つの場合に関しまして、国外犯として処罰が可能な場合でございます。  このため、我が国以外の締約国で起こった犯罪で日本国民が加害者、被害者の双方でないケースにおいても、その容疑者が条約締約国の国民であり、我が国が当該容疑者の引渡しを行わない場合などにおいては本法律の国外犯処罰規定は適用されることとなります。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 されるですね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) されるです。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 分かりました。  じゃ、この法律、放射線発散処罰法というのは、制定されてから発動されたりした、若しくはこれによって摘発した例というのはございますでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) これまで本法で摘発された例は承知しておりません。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 海外では同種の法律での摘発例というのは何かありますか。

廣瀬行成外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣瀬行成君) 国際原子力機関、IAEAが一九九五年に核物質及び放射性物質の不法移転、紛失、盗難等の事案に係るデータベース、ITDBというのを構築し、参加国に対して情報共有を行っております。  このIAEAに報告されている事案の多くは軽微な事案ではございますけれども、深刻な事案もございまして、例えば、二〇一一年にはモルドバにおきまして、探知を回避するためのコンテナに格納された高濃縮ウランの密輸が警察によって発見され、密輸業者が訴追された事案が発生しております。こうした事案につきましては、各国の国内法に従いまして適切に対処されているものと理解しております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 ちょっともう通告の質問が大体終わってしまって、通告なくて申し訳ないんですけど、ちょっと気になるのが、この法律というのは基本的に意図的に放射性物質を発散させるというときの処罰法ですよね。じゃ、逆に言うと、意図的じゃないけれども、原子炉とかが暴走することによって事故を起こしたということによって人に危害が加わったら、これは現行法だと基本的には業務上過失致死とかが当たると思いますけれども、その辺はいかがですか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 先ほど法務省から御答弁ありましたように、基本的に当たるかどうかは法と証拠に基づいて判断されるべきことでありまして、一応、私の立場として申し上げますのは、一般論として言えば、過失で一般的に人を何かけがさせた場合には業務上過失致傷、死んだ場合は致死という形で刑法の適用がございますけれども、具体的な適用に関しましては私どもの方としてはちょっと答弁しにくいところであります。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 じゃ、ちょっと通告なくて申し訳ないんですけれども、大臣にお伺い最後にしたいと思うんですけれども。  そうすると、意図的に何かこういう、原発を攻撃したとかということによって放射性物質を発散させた場合には、特別にこういう法律で重くなるわけですよね。だけど、過失とかの場合は、業務上過失致死傷といっても、これは放射性物質の場合だと、それはやっぱり単なる業務上過失致死みたいな形のと同列に扱っていいのか、やっぱり何かそこは放射性物質を扱っている以上、より厳しい法律ということなんかも、過失に対しても、故意犯じゃなくても、検討する余地はあるんじゃないかというふうに思いますけど、それを最後の質問にして、私の質問を終わります。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 今、黒木部長の方から御答弁させていただきましたけれども、個々の事例については法と証拠によって対処していく、また、委員のような御指摘も踏まえて、今後この法案の成立後、研究をさせていただきたいと考えております。

水野賢一みんなの党

○水野賢一君 終わります。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  放射線発散処罰法とも深く関わる信頼性確認制度の問題を中心に今日は質問したいと思います。  本法案では原子力施設又は原子力施設の運転を妨害する行為を処罰するということを明記していますが、確認しておきたいんですが、改正案の原子力施設若しくは原子力施設の運転を妨害する行為にはテロ等の外部脅威者と従業員等の内部脅威者による行為があると、そう承知していますが、これは間違いありませんか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 委員御指摘のとおりでありまして、この規定は、外部脅威者と内部脅威者を分け、そのどちらかのみを意図した内容のものではございません。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 原子力施設又は原子力施設の運転の防護措置としての内部脅威者対策の中心的な手段は、信頼性確認制度であります。  原子力規制委員会の核セキュリティに関する検討会の下にある有識者作業部会、これは、三月十七日、原子力関連施設で働く作業員らの犯罪歴や薬物使用歴などを調べる身元調査制度の法制化が必要だという認識で一致をしたと。原子力発電所を運営する電力会社の社員だけではなくて、施設に出入りする協力会社の作業員なども身元調査の対象とすると。規制委員会ではこの制度について来年の通常国会提出をめどに法制化を進めると、こう報道されていますが、これは事実でしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 個人の信頼性確認制度につきましては、現在、原子力規制委員会の下、核セキュリティに関する検討会において信頼性確認を行うこととした場合の課題について検討を行っているところでございます。原子力規制委員会として法案提出を決定したとかいう事実はございません。  以上でございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 じゃ、この一部報道は誤報だということですね。じゃ、そういう法制化の検討は一切やっていないということですか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 今法制化に向けての検討を行っておりますけれども、それを例えば、今、先ほど御指摘がありましたように、来年の通常国会にも関連法案といった具体的なスケジュール感を持って現在作業が進んでいるわけではございません。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 じゃ、時期は別だが法制化の検討はしているということでいいですか、もう一度。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) そのとおりでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 我が党は言うまでもなく、テロ行為等から原子力施設を防護すると、これ当然だという立場です。また、そういうテロ行為に対して処罰を規定するというのは当然だという立場であります。  同時に、テロ対策を理由に従業員などを内部脅威者と捉えて信頼性確認の対象ということにすれば、プライバシー権や労働関係法規上、様々な問題が出てくる可能性があると思うんですが、原子力委員長としてはこの点はどんなふうに受け止めておられるか、見解をお聞きしたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) いわゆる個人の信頼性確認というのは大変重要でありますが、個人のまさにプライバシーに関わることがありますので、今慎重にワーキンググループを設けて検討を進めているところでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 二〇〇五年六月の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力防災小委員会の原子力施設における内部脅威対策への対応と、この文書を読みますと、内部脅威対策の中心的な手段となっている信頼性確認措置について、憲法上の基本的人権の尊重に抵触するおそれがないか、プライバシー権の侵害になるおそれがないか、国民の理解と合意を得ることが必要ではないかなど、引き続き慎重に検討することが必要であると、こう結論付けています。  この報告書の結論は、規制庁、間違いありませんか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 御指摘の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子力防災小委員会の平成十七年六月の報告書でございます。  この報告書におきまして、七で信頼性確認の実施上の課題として、個人の犯罪歴を、それ単体で潜在的脅威者の排除の根拠とすることの妥当性について、これが一点。二点目は、八の政策の方向性という項目の中で、分野横断的な信頼性確認制度の創設、事業者が保有する情報のみで信頼性確認を行うことの実効性及び原子力事業者以外の関係会社の従業員も含めた信頼性確認を行うことの実現性、この四点につきまして、引き続き慎重な検討を要することが述べられているところでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 要するに、引き続き慎重に検討するということですね。これ、確認しておきたいと思います。  次に、二〇〇七年二月の核テロリズムを主題とした会合で、アメリカのエネルギー省幹部と日本の文部科学省原子力安全課とのやり取りの内容が、在日米大使館の公電として明らかになりました。この秘密公電の内容は以下のとおりであります。  文科省は、米側が原発の機密区域に立ち入る全労働者の身辺調査を求めたことについてこう述べた。幾つかの原発では自主的に従業員の調査を行っているが、全労働者を対象にするのは難しいと。日本政府は憲法上、そのような調査を行うことを回避しており、日本社会での極めて微妙なプライバシーに関する問題が沸き起こらないようにしている。しかしながら、日本政府は非公式なら行うことができるかもしれないとしていると。  すなわち、文科省側は、日本政府として行うことは憲法上困難との認識を示しながら、幾つかの原発では従業員に対して自発的に身辺調査を行っているとした上で、非公式なら可能と、この電文では述べておると。  信頼性確認制度、これ法制化する以前から幾つかの原発では従業員に対して身辺調査を行っているとすれば、私は重大だと思うんです。また、非公式なら可能と述べたなら、二重の意味で違法な行為を認めることになる重大問題であります。私はこういう状態があってはならないと思うんですが、規制委員長はどういうふうに受け止めておられるでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 御質問のありました在日米大使館の公電については、規制委員会としては知り得る立場にありませんので、その内容については承知しておりません。また、当時の記録が残されていないということもありまして、議員御指摘のような米国側とのやり取りの有無についても確認できません。したがって、御指摘の点について見解を述べることは困難であります。  ただ、個人の信頼性確認制度については、現在、原子力規制委員会のワーキンググループで、警察等の関係省庁、機関とも連携を取りつつ検討を行っております。幅広い観点から実務上の検討を行うことが必要であるということでございますので、そういった点で慎重にその検討を進めているところでございます。具体的には、信頼性確認を行う者の範囲とか、信頼性確認の項目、具体的にどのような確認を行うかといった実務上の検討を行っております。また、個人のプライバシーに関わる問題もあることですので、慎重な検討が必要と認識しております。  個人の信頼性確認は、潜在的脅威の事前排除という面で内部脅威対策の一手段と認識しております。まずはワーキンググループで実務上の課題に関する検討を進めてまいりたいと考えております。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 この電報を知り得る立場にないということですか。知らないという、こういう事実はないということですか。それとも、知り得る立場にないということは、ネット上でもこれ公開されていることですが、見たこともないし聞いたこともない、全く知らないということでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 報道ベースではそういうことがあったというのは承知しておりますけれども、公電そのものは見ておりません。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 公電そのものを見たということを聞いているんじゃない。そういうことがあったということについては御存じかということは、知っておられるわけですね、こういう事実については。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 承知しておりません。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 ちょっと日本語は分かりにくいので、承知していないというのは、知り得る立場にないのでコメントする立場にはないけれども、報道では接したということですか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) はい、そのとおりでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 これはもうネット上でも明らかになっているわけですし、これはアメリカの内部告発サイトであるウィキリークス、これが二〇一一年五月に公開した在日米大使館の公電で明らかになったことであります。  やっぱり信頼性確認制度を法制化すること自体、私、大問題だと思っているんですが、法制化する以前から幾つかの原発で従業員に対して、自発的とはいえ身辺調査を行っているという事実は、これはやっぱりプライバシー権を侵害する重大問題で、私は許されない行為だというふうに思います。  そこでお聞きしますが、これも事実確認ですけれども、昨年七月、原子力規制委員会の第二回核セキュリティに関する検討会、ここでは信頼確認制度導入について、喫緊の課題としてやる必要がある、速やかな措置をなどの意見が出されたと。そして、その論点整理の資料によりますと、調査項目は、国の利益を害する活動への関与の有無から、信用状態、薬物、アルコールの影響、精神問題での通院歴など多岐に及び、治安当局が収集した従業員の個人情報への照会が制度の前提となっていると、こういう論点整理の資料が出され、速やかな措置をという意見が出されたと。これは事実、間違いありませんね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) まず、有識者委員から、速やかに措置をしなければならないと考えているという旨の意見が述べられているところでありまして、議員御指摘のとおりであります。  二点目は、個人情報の照会が制度の前提となるという論点が出されたかにつきましては、第二回のセキュリティに関する検討会の資料におきましては、他の国や他法令による確認項目の例として犯罪歴、信用情報、薬物、アルコールの影響などを示しているところでありまして、まさに、現状においてほかではどういうことをチェックしているかといったことを示したということにとどまるものでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 そうすると、私が指摘した信用状態、薬物、アルコールの影響、精神問題の通院歴などそういうことも含めて検討しようという議論が行われたと、論点整理としてそういう文書が出されたと、これは間違いないんですね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) いや、議論のスタートとして、現行、要するに各国においてどういうふうな状況になっているかということの御紹介申し上げたところでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 それを決めたというんじゃなくて、論点整理の資料として出されて、そういうことも議論の俎上に上ったということは事実かどうかという確認をしているんです。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) いや、これも、私も出席しておりましたけれども、この項目について説明した段階で終わっておりまして、更にこれに関して詳細な検討をしたとか、そういった状況ではございませんでした。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 これから検討するんですね。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 先ほど申し上げましたように、信頼性確認、どういう項目を項目対象として挙げるかというのは非常に大きな論点でございますので、これについての検討が始まることになっております。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 私は、国の利益を害する活動への関与の有無から、信用状態、薬物、アルコールの影響、精神問題での通院歴、こういう多岐に及ぶ調査はまさにプライバシー権の侵害だと、テロ防止のためだったら何をやってもいいということに私はならないということを指摘しておきたいと思うんです。これは後でもちょっと、日弁連の意見書とも関わって、時間があればお聞きしたいと思うんですけれども。  電力の各社は、これまで施設防衛が大事だと、施設防衛ということを口実に自分の会社の従業員に対して思想差別、賃金差別をずっと行ってきました。これは裁判で認定されています。例えば、一九九六年三月の中部電力人権侵害・思想差別撤廃等請求事件の名古屋地裁判決では、会社側の共産党員などへの思想、信条の自由の侵害、反共労務施策などが認定されています。被告中部電力の従業員である原告らを反共労務施策に基づいて賃金差別を行って、また転向強要その他の差別脅迫行為を会社側が行ったと。これらは労働基準法、民法等に違反する違法な思想攻撃、差別・迫害行為だと、こう認定をしています。  問題は、一番私ここで大事だと思うのは、その中部電力の言い分が設備防衛を口実に自分の会社の従業員に対してこういう思想差別、賃金差別を行ってきたと。そこで、従業員等を内部脅威者と捉えて処罰の対象とするということになれば、こういう人権侵害、思想差別がテロ防止を口実に、まあテロってこれ範囲非常に広いわけで、デモまでテロと言った政権党の幹事長もいるわけで、そういうことを口実に公然と行われるおそれがあるんじゃないかと。この点について、規制委員長はそういう心配、その辺りについてどうお考えか、お聞きしたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 議員御指摘のように、この信頼性、個人の信頼性確認は大変機微なものでございますので、これについては、繰り返しになりますけれども、核セキュリティに関する検討会の下のワーキンググループで慎重に議論を進めているところでございます。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 私、なぜこういう問題を口を酸っぱくして言うかというと、これ単なる中部電力の裁判だけではないんです。一九八四年五月の神戸地裁判決での関西電力事件、一九九四年三月の長野の地裁判決での東京電力訴訟、同年五月の千葉地裁判決での東京電力訴訟などでもこの中部電力と同じような不法行為を認定していると。今後、やっぱり原子力施設へのテロ防止を口実にこういう本当に危険な仕事に携わっている人々の人権侵害、思想差別が助長されるということがあってはならないと思うんです。  最後に、日弁連の意見書について、これは政治的な判断でもあるので、大臣の所見を伺って終わりたいと思うんですけれども、一昨年の十二月に日本弁護士連合会が「「信頼性確認制度」の創設に反対し、核情報に関わる情報公開の推進を求める意見書」というのをまとめました。この意見書は、信頼性確認制度は、対象者及び関係者の機微情報を含むプライバシー情報を収集する制度となり得るので、個人のプライバシーを侵害する危険性が高いことは明らかであると、信頼性確認制度が導入された場合、電力会社などの事業者において、得られた個人情報を基にした差別扱いをする可能性があるなどとし、法令又はガイドラインによる信頼性確認制度には反対だと、こういう意見書を出しておられます。  ここで私大変注目したのは、信頼性確認制度というのは、核セキュリティーに悪影響を及ぼすような情報漏えいを防止するということが目的だと。その場合、二つの問題があるとこの日弁連の意見書は指摘しています。私はこれ傾聴に値すると思うんですけれども、第一は、テロ対策という名目、これを安易に採用すると、テロの危険はあらゆる分野に存在することにもなりかねないわけですから、その結果、いかなる情報も管理主体の判断で秘密にできると、こういう危険性があるじゃないかというのが一点ですね。もう一つは、核物質等の安全対策の有効性を高めるにはむしろ広く情報が共有される必要があるのではないかという提起であります。  福島第一原発事故のときに、テロ対策のためだというので情報を外部に出さないという対応を取ったと。これは被害をより深刻にしかねなかったわけですけれども、東京消防庁による継続的な代替注水で原子炉を更なる危機的な状況から救ったわけですが、このときに東京電力は、テロ対策に関わる最高秘密だとして図面を東京消防庁に出さなかった。すなわち、信頼性確認制度が導入された場合、市民や関係者の間で共有される情報の範囲が非常に狭くなってかえって安全性を危うくするという指摘を日弁連はしているわけです。  これは重い指摘だと思うんですが、大臣はこの日弁連の指摘についてどういうふうに受け止めておられるかお聞きして、質問を終わります。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) これまでの市田委員と規制委員長との御議論で分かりますとおり、核セキュリティーは、今、対策を独立した三条機関がワーキンググループで慎重に検討しているということでございますので、環境大臣としては、日弁連の意見書というものを承知はしておりますが、それにコメントを差し込む立場にはございませんし、規制委員会をしっかりとサポートさせていただくという御答弁で御容赦いただければと思います。

市田忠義日本共産党

○市田忠義君 終わります。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いいたします。  まずは、核の取扱いと関連いたしまして、原子力行政の専門家であります原子力規制庁、その体制、職員の採用についてお伺いしていきたいと思います。  規制庁は今後ますます核セキュリティーの面からもその役割というのは重要になっていくと思いますし、私は、昨年七月初当選ですので、その後、この環境委員会で初めて関わった法案がこの規制庁とJNESの統合の法案だったということで、個人的にも思い入れがありますので、その後の経過などについてもお聞かせいただければというふうに思います。  まず、規制庁とJNESの統合なんですが、進んで三月一日から新体制でスタートしたというふうに聞いております。まずその統合なんですが、どのように進んだのか、順調に行ったのかどうか。その人員なんですけれども、定員が規制庁はこれまで五百四十五人で、JNES合わせますと単純計算ですとほぼ倍の千二十五人になるところだと思うんですが、実際の職員数は現在九百二十九人というふうに聞いています。百人ぐらい少ないわけなんですが、その辺りの理由、統合の経過、経緯と現在の人員、この辺りをお聞かせいただければと思います。

片山啓原子力規制委員会原子力規制庁長官官房審議官

○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。  JNESの廃止、統合に当たりましては、JNES側でもそのための体制をつくり、また規制庁側でもその体制をつくりまして、準備期間短い中ではございましたけれども、できる限り遺漏なきように統合というのができたのではないかというふうに考えてございます。  今委員御指摘のございました原子力規制庁の定員と実員の乖離でございますが、確かにそれは存在してございます。これは、JNES統合の際に、原子力規制庁の体制強化のための純増分といたしまして八十一名の定員増を併せて措置をしていただいたことが主な要因でございます。  現在、この定員増の分につきまして、実務経験者の中途採用の選考作業というのを行ってございます。こうした取組を通じまして、規制庁の体制の充実強化に最大限努めてまいりたいと考えてございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 その中途採用についてもお聞きしたいと思いますが、その中途採用、二〇一四年度におよそ八十人、今お話がありましたが、社会人経験者の中途採用を実施する方針だと。原発メーカーなどで実務経験を持つ人を集めまして専門性の向上を図るというふうに聞いております。どのような基準で行われるのかということと、社会人経験者を今度採用していくとなりますと、例えば大手企業の技術者で働いていた方々ですとそれなりの厚遇でこれまで働いていらっしゃった方も多いと思うんですが、そういった方を採用するに当たっての待遇というのも重要になってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

片山啓原子力規制委員会原子力規制庁長官官房審議官

○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。  募集に当たりましては、保安検査でございますとか防災でございますとか、募集いたします職務の内容というものを明示をいたしまして、それに応じて手を挙げていただくというようなやり方でやってございます。  それから、中途採用で採用する職員の処遇でございますが、これは国家公務員法に基づきまして、まず採用時に民間での職務経歴などを勘案して適切な処遇を行ってございます。あわせまして、採用後におきましても、それぞれの方の知識、経験というのを最大限生かしていただくような、そういうキャリアパスを設定し、また更に専門性を高めていただくような研修を実施することによりまして、採用後においても充実した処遇を実現するということが重要だというふうに認識してございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 その中途採用以外にも、新卒では技術研究調査官という方々を採用するということです。これ、聞き慣れない名前ではあるんですが、正規の職員ということになるのでしょうか、簡単にその職務内容も教えていただきたいのと、この技術研究調査官ですが、人事院試験とは別に独自で採用するというふうに聞いておりますが、人事院試験とは別ということで、採用の公平性ですね、その辺りのバランスなどもこれは重要になってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

片山啓原子力規制委員会原子力規制庁長官官房審議官

○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。  技術研究調査官は、三月にJNESを統合した際に、JNESが行っておりました安全研究の業務をしっかりと規制委員会に引き継ぐために設けた職でございます。これは、原子力システム、シビアアクシデント、核燃料・廃棄物、地震・津波等の分野におきまして、安全性に関する技術調査や研究を実施するというのが職務内容というふうになってございます。  この技術研究調査官の採用に当たりましては、まず応募者に一般教養も含めた採用試験を課すとともに、必要とされる専門知識につきましては論文試験や面接試験、あるいは研究業績によって確認をするということにいたしております。これによりまして、公平性を担保した上で、個々の応募者が研究者として専門性を伸ばしていけるかどうかといったような点も含めましてきめ細かく確認をして採用できるプロセスとしているところでございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 今、こう言ってはなんですが、原子力に対する世の中の目というのは非常に厳しい中、中途採用に手を挙げるとか新卒で頑張っていこうという若い学生の方々なども多くいらっしゃるということですので、以前お話聞いたときにも、もう研修制度などもどんどん充実させていくと、海外なんかとの交流も深めていくという話もありましたので、是非今後もその辺りどんどん充実させて、強い原子力規制庁をつくっていっていただきたいというふうに思います。  続いてなんですが、これまでにもこれは話が出ておりますけれども、先月下旬にオランダのハーグで核セキュリティーサミットが開催されまして、日、米、ヨーロッパなどの主要国を含むおよそ五十か国と国際機関が参加し、核兵器への転用が可能な高濃縮ウランやプルトニウムの保有量を最小限に抑えることなどを盛り込んだハーグ・コミュニケを採択したと。非常に意義があることだと考えておりますが、我が国につきましては、国別報告書の中で、日本は、核廃絶に向けた世界的な核不拡散、核軍縮の推進のため、核セキュリティーの強化に国内的にも国際的にも引き続き尽力すると、これは世界の平和と安定にこれまで以上に貢献するという日本の積極的平和主義の立場に沿うものであると書かれている点、全くそのとおりだというふうに思うんですが、日本はもちろん唯一の被爆国でありまして、先進的な科学技術を有し、かつ原子力の平和利用に徹してきた経緯に鑑みますと、この分野で先進的な立場を占めていくということは、世界の中における我が国の重要なこれ役目でもあるというふうに考えております。  そこで、田中委員長にお聞きしたいんですけれども、核セキュリティーについて、その会議に出席したそれぞれの国がそれぞれの固有のクリアしなければいけない課題というのを持っていると思うんですけれども、日本が自分たちで考える課題ではなくて、世界から逆に日本というのはどのように評価され、どう見られているのか、委員長はどう考えていらっしゃるでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 一般論になりますけれども、我が国としては、核セキュリティー対策につきましては、これまでもIAEAの勧告文書等を踏まえまして核物質防護等の強化を図ってきております。そういう意味で、特に国際的に我が国のそういった対策に問題があるというような御指摘は今は受けているというふうには承知しておりませんが、社会的、国際的な条件もなかなか厳しいところもありますので、そういったことを踏まえまして、今後ともこの核セキュリティーの強化には努めていきたいということでございます。  それで、先ほどもお答えさせていただきましたけれども、そういう意味で、国際的な目から見て、我が国の核セキュリティーに抜かりがないのかどうかということについて、そのIAEAのIPPASミッションを受け入れて、そこで御指摘をいただいた点については改善を図っていこうというようなことを考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 外からどうというのは大変よく分かりました。逆に、そういう日本も、福島の事故があったりしまして様々な経験も積んできております。  世界的に見ますと、これからどんどん原子力の利用を進めて、それがいい悪いというのはいろいろ議論があると思いますが、現実としまして、原子力利用国になろうとしている国とか、これから更に進めていこうという国なども多々あるかとは思うんですけれども、そういった国に対して、日本としてできる貢献であったりアドバイスであったり、そういったものについてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 我が国では、二〇一〇年十二月に、今の原子力開発が、いわゆるJAEAの中に核不拡散・核セキュリティ総合支援センターというのを設置しております。こういったところは、今私どもも共管になっておりますので、こういったところを利用して、各国の核セキュリティーとか核不拡散に関する人材育成等に努めてまいりたいというふうに考えています。  また、IAEAの場では、私どもの経験、知見を生かして、国際的な核セキュリティーの強化にも貢献していきたいと、そのように考えています。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 ありがとうございます。  ここから法案の中身について幾つかお聞かせいただきたいと思うんですけれども、我が国は、これまで核物質防護に関する国際動向に対して、IAEAのガイドラインであるINFCIRC二二五の勧告を原子炉等規制法に順次取り入れまして、二〇〇七年の核テロリズム防止条約発効の際には、本日改正が審議されております放射線発散防止法を制定したと。二〇〇五年七月採択の改正核物質防護条約を我が国が締結することとした場合、核物質の違法な輸出入などを犯罪とすることについては現行法規では担保できないということで、新たな措置を講ずる必要があるということなんですが、今回の改正案を見てみますと、本則部分で定義が規定された第二条を除いては、第六条と第八条の新設、とどまっているわけなんですが、まあ二か条ということになりますけれども、これで実際、どうなんでしょう、この法改正で、改正条約の国内の担保としては十分というふうにお考えなんでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) ただいま御指摘のとおり、国内の核物質及び原子力施設の防護体制の整備と国際的に犯罪にすべき行為を追加する、この二点が条約の主な内容でございます。一点目につきましては既に炉規法において担保されていますことから、国内担保のためには、本法において犯罪とすべき行為の追加を行う、それにつきましては第六条と第八条でございますけれども、それにおいて、この改正核物質防護条約で定めるところの国際的犯罪にすべき行為としては十分満たされているものと考えております。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 そこで、今回は放射線発散処罰法に必要な改正を加えると、こちらが適当ということなんですが、原子炉等規制法もありますが、こちらではなくて放射線発散処罰法を改正ということにしたり、これはあくまで確認なんですけれども、それぞれの法の位置付けと併せてお話しいただけますでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 例えば、放射線発散防止法の第三条というのは、元々、炉規法に規定されていたものでございます。それが、核テロ防止条約の締結の際にこの放射線発散防止法という法律を作りまして、炉規法からこちらに移した経緯がございます。その意味におきまして、核物質防護条約及び核テロ条約、この二つの条約を担保するのが放射線発散防止法でございます。  したがいまして、核物質防護条約の改正でございますので、素直に考えまして、放射線発散防止法の改正で今回の担保措置をとろうとしたところでございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 さらに、また中身を見ていきたいんですが、まず六条なんですけれども、こちらに、「みだりに、」という言葉があります。「みだりに、」という言葉、分かるような分からないような漠然とした部分もあると思いますので、「みだりに、」というのはどういった意味を持っているのか。違法とか不法とか、そういったものとまた違うのか。お願いいたします。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 第六条の「みだりに、」の意味ですけれども、「みだりに、」とは、法律用語としては正当な事由なくと同旨でございます。この場合、輸出入でございますので、適正な法手続に基づかない、あるいは法令違反の場合を示す言葉でございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 じゃ、もう一つ、輸出、輸入という言葉もこれ出てくるんですね。こんな場合はどうなんですかということを一つ具体的な例を挙げてお聞きしたいんですけれども、例えばなんですけれども、仮に、非締約国ですね、条約の、からコンテナが我が国に陸揚げされましたと。関税法第二条一項一号に言うところのこれは輸入に該当する、引き取るという行為の以前の段階なんです。つまり、いまだ外国貨物の状態にある場合、輸入に至っていない場合なんですけれども、もし何らかそのコンテナに第六条に違反する特定核燃料物質が入っている可能性が認められた場合、まだ輸入になっていない段階でその物質がありますよというのがその時点で分かった場合、この法律というのは適用されるんでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 輸入の行為というのは、船舶により本邦領土内に陸揚げし、それが終えた時点、又は航空機が本邦領土に着陸し、航空機から取卸しを終えた時点がそれぞれ既遂となっております。御指摘の輸入されていない状態において特定核燃料物質が入っている可能性が認められる場合というものが、特定核燃料物質が入っている貨物を船舶から陸揚げ開始したけれども、その中途段階で発覚し逮捕されたということであれば、未遂罪が適用されることになると考えます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 もう一つ、六条に関してなんですけれども、第二項に未遂、そして第三項に予備というのも規定されています。予備と未遂を分けるポイントなんですが、犯罪の実行に着手したかどうかということだと思うんですけれども、放射線発散防止法に言うところの実行に着手とは、例えばどういうことをいうのかというのをお聞かせいただきたいと。  実行に着手というのは、犯罪類型によって個別具体的に考えないと分からない。ですから、その時々でまた解釈というのが変わってくるのかもしれませんが、現時点で分かっている、想定されることというのをお示しいただければというふうに思います。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 確かに御指摘のとおりでありまして、未遂というのは、犯罪の実行に着手したものといいますけれども、具体の状況において考えていかなきゃいけない問題でございます。一般的には犯罪の実行に着手したものであって、それを遂げるに至らない行為というふうに申しておりますが、例えば輸入の場合には、船舶から陸揚げを開始したが、その中途段階で逮捕等されたため、行為が未完成となる場合であります。また輸出の場合には、搬出先へ仕向けられた船舶への物品の搬入を開始しましたけれども、その中途段階で逮捕されたため、行為が未完成となる場合が考えられます。  予備とは、未遂行為の、あと、予備も、予備についてもよろしゅうございますか。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 はい。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 予備とは、未遂行為の準備段階における行為を指すわけでありますが、一定の行為を行うことを目的としたといった、本法を犯す目的というのはもう当然付くわけでありますけれども、違法な特定核燃料物質輸出入行為に係る資金調達や会社設立などが考えられるところでございます。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 もう一つお聞きしたいんですけれども、日本以外の国同士の不法取引に関わった来日外国人の逮捕も今回可能になるということなんですが、当該外国人の、例えばですけれども、母国からの身柄の引渡しの要求があった場合、日本としてはどういう対応を取るのか。引き渡すのか、それとも日本でこれは裁いていくことになるのか。また、仮になんですけれども、日本国民がそのような取引に関わり現在海外にいる場合、日本は相手国に身柄の引渡しを請求することができるのか、それとも、これはもう相手国の事情によって判断する、それをもう静観するしかなくなるのか、この辺りはいかがでしょうか。

黒木慶英原子力規制委員会原子力規制庁放射線防護対策部長

○政府参考人(黒木慶英君) 大変機微にわたる話でございまして、専らその判断につきましてはそれぞれの司法当局の判断が優先されるべき問題でありまして、今の段階でどうこう申し上げることはちょっと難しいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、やはり、犯罪の影響がどの国に一番多く生じたかといったところが恐らく判断のポイントになろうかと思います。  恐らく、外国においてとんでもないことをやって、犯罪をやって、そして日本に逃げてきたという場合、日本においては実績はないわけでありまして、当然、そういった場合には、それは犯罪行為地の司法当局からの要請に基づいて日本から引き渡されることが多いということになりましょうし、また日本においてそういった行為を行った者がどこか外国にいた場合には、当然、我が国としては我が国において処罰をしたいということでございますので、当然、我が国は請求をするということになります。  ただ、その場合も、そういった請求に応じるかどうかというのは一つ向こうの司法当局の判断でありますけれども、少なくとも、この条約を結んで同様の犯罪類型を持っていれば、いわゆる双方可罰性ということが要件になりますので、その点についてはきれいにクリアできるだろうと思います。

清水貴之日本維新の会

○清水貴之君 こういう条約が結ばれて、法も整備をしていくわけですから、その法をうまく抜けられることのないように各国間の連携などもしっかりと行っていただければというふうに思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤信秋自由民主党

○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十二分散会

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