外交防衛委員会 第19号
- 発言数
- 363 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2014/05/29
会議録
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、石田昌宏君、山口那津男君及び脇雅史君が委員を辞任され、その補欠として渡邉美樹君、竹谷とし子君及び山本順三君が選任されました。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に大阪大学大学院法学研究科教授坂元一哉君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 外交、防衛等に関する調査のうち、安全保障の法的基盤の再構築に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。 今日は、持ち時間が十分しかありませんので、簡潔な答弁を賜ればというふうに思います。 まずは、弾道ミサイル対処、これについて議論を進めたいと思います。 資料二、これを御覧いただきたいと思います。(資料提示) 北朝鮮のミサイルから我が国の国民の命を守るために日米連携対処は必須であります。この右側の方、日本有事の場合ですが、グアムに向かうミサイル、これを自衛隊は迎撃することができます。また、日本海で展開しているレーダーを絞った状態のアメリカのイージス艦、これを海上自衛隊が守ることも日本有事の場合はできます。ただ、朝鮮半島有事、周辺事態等ではこの両方ともできません。ここに、総理、隙間、ギャップがあります。非現実的な対応だと思います。 日本へのミサイル攻撃一発で周辺事態から一瞬にして日本有事に移行することもあり得ますが、実際上は総理への報告とか閣議決定とか防衛出動命令には時間が掛かり、現場はシームレスな対応が取ることができません。ミサイルを国内に撃たれてからではやっぱり遅い。自分の家が火事になる前に隣の火事を日米連携して消す、これが大事だと思います。 次に、資料三、これを御覧いただきたいと思います。 ハト派の代表と言われる宮澤元総理が、余りハト派とは言われない安倍総理と同じようなことを言われています。これは、サンフランシスコ講和条約五十周年の記念講演で集団的自衛権に言及されています。 自衛権の論理的延長として集団的自衛権を位置付けることを提案します、米軍の活動が日本の安全保障に明確、直接関わる場合、米軍を援助し、守るために日本の自衛隊を運用できる、運用すべきだ、憲法九条の変更は必要ではない、政府は必要であれば九条を集団的自衛権に関してどう解釈するのか明確にすべきだ、集団的自衛権に関し、部分的行使もこれは必要だ、解釈変更で対応可能ということを二〇〇一年にもう言われております。 じゃ、資料二、もう一度戻っていただきたいと思います。 まさにこの弾道ミサイル対処、周辺事態におけるこのミサイル対処というのは宮澤総理が言われるケースの一つだと思います。日本の安全、国民の命を守るためにも集団的自衛権を行使すべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、佐藤委員が例として挙げられた宮澤元総理のこの問題意識であります。我が国の国民の命を守り、国民の平和な暮らしを守るためにもシームレスな日本防衛を図っていかなければならないわけでございます。 その中において、日米同盟においてこの関係を強化をしていくことによって、より一層この抑止力を高め日本の平和を守っていく、当然のことであろうと。その努力の一環として、今回、安保法制懇から出された報告書について今、与党において協議をしていただいているところでございます。
○佐藤正久君 総理、まさにこの周辺事態と有事を並べてみると、このギャップが非常によく分かる。まさにこの分野で現場は非常に困っている。でも、現場が困るだけならいいんですけれども、肝腎な日本国民の命が失われたら元も子もない、これは憲法は許容している範囲だと私は考えます。 それでは、違う部分も行きたいので、時間の関係で、ユニットセルフディフェンスは午後の審議の方に回したいと思います。 資料六、これを御覧いただきたいと思います。 これは、国際協力における後方支援、武力行使との一体化の例であります。昨日、総理は衆議院の方で、この基準が曖昧だと、この基準をもっと明確にすべきだというようなことを言われました。 私が派遣されたイラク特措法の議論でも、多国籍軍への武器弾薬の補給がよい場合もあれば、食料補給でも駄目な場合もあると言われました。しかも、それは活動は非戦闘地域に限定されている、じゃ、非戦闘地域はどこなんですかと聞くと、それは自衛隊がいるところが非戦闘地域だと、非常に曖昧な状況だというふうに思います。 その際、内閣法制局があの一体化議論の際に持ち出したのが、このパネルにあります四つの要件です。一番、他国の活動状況、二、我の活動内容、三、地理的関係、四、両者の密接性、これはその四要件なんですが。 では、提案します。新しい基準の一つの考え方として、この四つの要件、これを全て満たさない場合、四つの要件全て満たさない場合は絶対駄目だと、それ以外については四つの要件などに照らしながら政策判断として行っていく、ネガティブリストに近いような形、そうすれば現場の方はより判断がしやすくなると思いますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで、我が国による後方支援に際しては、我が国による後方支援が他国の軍隊の武力の行使と一体化することがないことを制度的に担保するための一つの仕組みとして、個別の法律において非戦闘地域や後方地域といった仕組みを採用してきたところであります。 他方、安全保障環境が大きく変化する中、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、例えば国際の平和及び安全が脅かされ、国際社会が一致団結して対応するときに、自衛隊が幅広い後方支援活動で十分に貢献できるような法整備をすることが必要であります。また、後方支援活動等を今まで以上に支障なくできるようにすることは、我が国の安全の確保の観点からも重要であると考えます。 武力の行使との一体化の考えはもはや取らないとする報告書の提言をそのまま採用することは、従来の政府の立場に照らして難しいと考えています。しかし、従来から政府が示してきた判断基準をより一層精緻なものとして、具体的に何が武力の行使と一体化する行為なのかを明確にし、どのような後方支援が可能であるか検討することは今後の一つの課題であると、このように思います。 また、従来から非戦闘地域や後方地域という概念については、これはもう御承知のように様々な、今御紹介されたような例も含めてあったわけでございます。それも当然検討する必要があるだろうと、このように思いますし、言わば現場において活動している自衛隊の諸君がこれを判断する上において、これはもう少し分かりやすいものにすればいいのではないかという意見もあるわけでございますので、与党においてまずは御協議いただきたいと、このように思います。
○佐藤正久君 そのためにもこの四要件、これをやっぱり基準にして、これが満たさなきゃ絶対駄目だと、それ以外については政策判断という形が一つの案だと思います。私もその感じでまた議論を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。 それでは次に、ペルシャ湾、ホルムズ海峡における船団護衛、機雷掃海について質問いたします。 昨日、総理も必要性については述べられていたと思いますが、この資料四、これを御覧ください。 この向かって右側の方が日本のオイルシーレーン、この赤い線がまさにオイルシーレーンで、今この瞬間も九十隻のタンカーが日本とペルシャ湾の間を航行しております。その一番狭いところがこのホルムズ海峡、一番狭いのは三十三キロ。このペルシャ湾、ここから日本の油の約八五%が来ています。 私がイラクに派遣された二〇〇四年の四月に、このペルシャ湾でこの左側のタンカー高鈴、これが武装集団に襲われました。結果として、被弾はし、日本人船員は無事でしたが、アメリカの海兵隊等の若者三名が命を落としました。三名にも若い子供たちがいました。そのときにアメリカが言ったことは、海上自衛隊がインド洋で給油支援をしたこともあって、同じ活動をやっている仲間を助けるのは当たり前だと言われました。 ところが、衆参がねじれて、インド洋の支援は憲法違反だという批判もあり中断をしました。そのときにどういうことが起きたか。何でアメリカの若者が日本の油を守るために助けないといけないんだという声や、イギリスのフィナンシャル・タイムズは一面で、これは武士道ではない、臆病者だ、批判の方に移りました。これは総理、やはり一国では平和は守れない、一国平和主義ではなくやっぱり積極的平和主義という観点、みんなで国益に直結するこのペルシャ湾あるいはホルムズ海峡を守っていくということは絶対必要だと思います。 総理のお考えを改めてお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実際に、まさに委員は現場で活動され、その経験からの御質問であろうと、このように思います。 御指摘のような機雷掃海活動においては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合を除き、我が国として行うことはできないわけであります。また、船舶の護衛については、我が国商船隊の九五%は外国籍でありますが、公海上で外国船舶が攻撃を受けた場合、個別的自衛権の行使による対処はできないと解されてきております。 我が国は、資源や食料の多くを海外との貿易に依存をしておりまして、また海洋資源の開発を通じて経済発展を遂げた海洋国家であります。国民生活に不可欠な物資を輸送する船舶の安全確保を含む海洋安全保障の強化のための取組について、これ当然更なる検討が必要であろうと、こう考えるわけであります。 まさに日本は海洋国家でありますから、海を通じて入ってくる油あるいはまた食料、資源、そうしたものを守っていくことは大切であろうと、こう思うわけでございまして、具体的には、我が国の船舶が多数航行する重要な海峡において機雷が敷設され、危険に遭う可能性が高い中……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 総理、答弁を手短にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各国が協力して機雷掃海を行っているにもかかわらず、その能力に秀でる我が国の機雷掃海をできなくてよいのか。各国が共同で我が国船舶を含む船舶の護衛を行って……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 持ち時間を過ぎておりますので、総理、答弁を短めに。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 済みません、今答弁の最中でありますので、もうじき終わると思います。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 各国が共同で我が国船舶を含む船舶の護衛を行っているのに、我が国自身はこれに参加し、協力できなくてよいのかということについて検討していきたいと思います。 いずれにいたしましても、現在、与党協議が進められておりまして、その結果に基づいて、政府としての対応を検討し、憲法解釈の変更が必要と判断されれば閣議決定していく考えでございます。
○佐藤正久君 終わります。ありがとうございます。
○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。 総理、外務大臣、防衛大臣におかれましては、是非よろしくお願いしたいと思います。 まず、五月十五日に第七回の政府の安保法制懇の会合が開催されました。報告書が総理に手交されました。私は、実は予算委員会の場でも、外交防衛委員会の場でも、二月の四日にこの安保法制懇が開かれてから五月の十五日まで百日も開かれていないことに対して、ずっとなぜ開かれていないんだと、そして、そのことのプロセスをちゃんと国民に知らせるべきではないかと言われていました。しかし、実は先日の外交防衛委員会で我が党の白委員からの御指摘で、恐ろしい、びっくりすることが起こりました。実は、この百日の間に非公式会合が複数回開催されていたことが明らかになりました。 内閣官房、非公式会合は、結果、何回開かれたのか、そして公開されている公式会合は一体全部で何回開かれたのか、正式にお答えください。
○政府参考人(武藤義哉君) 御指摘の非公式会合、これは計八回開催をされまして、北岡座長代理を中心に、それまでに委員の方々から出た御意見を取りまとめるために、委員の方々の全部又は一部が非公式に集まって議論を行っております。 なお、正式の安保法制懇は七回開かれております。
○福山哲郎君 正式な会合七回、非公式が八回開かれています。(資料提示) 私が予算委員会で総理になぜやられないんですかと聞いたときに、総理は明確な答弁ありませんでした。四月の十日、外交防衛委員会で、今日お越しをいただいている世耕副長官に、なぜやられていないのかと、そして私は、ひょっとしたら裏でやっているのではないんですかと、それは問題ではないかと申し上げたら、世耕副長官は、四月十日です、これ三回非公式会合をやった後でございますが、懇談会の委員の間でそれぞれ詰めの議論を行っていただいている、それぞれです。それから、どの委員とどの委員が電話で話している、そういう答弁をされました。ところが、この非公式会合をやられているのに、明確な答弁がありませんでした。これ、こんな重要な問題を、ずっと非公式会合が開催されていることを言わないで、そして、現実には三月の十七日にあの報告書の原案が提示されています。私は、このやり方は非常に問題だと思っています。 そして、この安保法制懇の問題は、委員が自由に議論して報告書を、前回はです、これは安倍政権の前回のときです、前回は委員が自由に議論して報告書を作ったのに、今回は官僚が仕切っていたと委員の方が言われたり、新聞で先に概要を知ったと話したりしています。私は実は我々の防衛大綱のときに大変お世話になりましたが、北岡座長代理に至っては、この安保法制懇について、正統性なんてそもそもあるわけがない、自分と意見の違う人を入れてどうすると発言しています。これは、総理が国民に御理解を求めると言われている態度とは全く逆の方向だというふうに思っています。 このことを含めて、総理にお願いしたいことが二点あります。一つは、この非公式会合の資料及び議事概要を本会合と同じように公開をしていただきたい。これは、どういう議論がなされてこの報告書が出てきたのかという非常に重要な問題です。是非、このことについて、総理のリーダーシップでこの非公式会合についての議事概要の公開をお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府において様々な会議をお願いをしているわけでございまして、専門家の皆様に集まっていただいて御議論をしていただいている。そして、その議事録を全て公開するタイプのものもあれば、そうでないものもあるわけでございますが、その中におきまして、公式な会合、あるいはまた大変人数が多い場合は公式な会合ではなくて少人数で話を詰める場合もあるわけでありまして、今回も、話を詰めている、最終的な詰めの議論を行っているということは承知をしておりましたが、それが非公式会合ということは私も承知はしていないわけでございます。 そこで、この安保法制懇において大切なことは結論を出すことでありまして、結論を報告書として出され、それは皆様に公開をしているところでございます。
○福山哲郎君 総理は非常に問題なことを言われました。総理は、非公式会合をやられているのを知っていたにもかかわらず、非公式会合というか会合をやられていたのを知っていたにもかかわらず、これが非公式かどうか御存じなかったと。 内閣官房、非公式か公式であるか誰が判断したんだ。
○政府参考人(武藤義哉君) 安保法制懇の会合はあくまでも総理の下で委員の方に集まって開いているものでございまして、この非公式会合は、それとは別に、委員の方々がそれまでの議論について更に詰めの議論を行ったり、そういうような形で集まって議論をしたということで、そこは正式の会合とは違うものでございます。
○福山哲郎君 もうこの話は時間がないのでやめますが、いかに国民の皆さんにこのプロセスが不透明かということについてお伝えをしたかったんです。 なぜかというと、この非公式会合、二月十四日は、内閣総理大臣補佐官も出ています、国家安全保障局の次長も出席をしています、ほかにも政府の要人が出席をしています。二月の十八日も、内閣総理大臣補佐官が出席しています、谷内国家安全保障局長も出席をしています。三月の十七日も、谷内国家安全保障局長、そして国家安全保障局次長も出席をされています。 つまり、これは委員同士が集まって議論をしているというレベルのものではありません。だからこそ、私はこのことの議事録を、議事概要で結構です、議事録ではなくて結構ですから、公式会合と同様に出していただいて議論に供していただきたいと思いますので、これは委員会でも提出を求めますので、委員長、お取り計らい、よろしくお願いします。
○委員長(末松信介君) 今、福山哲郎君から要求がございましたこの資料につきまして、後刻理事会で協議をさせていただきます。よろしいですか。
○福山哲郎君 それと、総理、もう一個お願いがあります。 この問題は、十五の事例を政府が出されています。今日、総理お越しいただいたことについては私は敬意と感謝を申し上げますが、今日の時間も実は僅か二時間十八分でございます。十五事例、一事例ずつ議論をしていっても時間が全然足りません。是非、この国会中に、総理、あと二度や三度、参議院のこの委員会の場に来ていただいてこの問題について御議論いただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員会の開催については国会で判断されることだと思います。
○福山哲郎君 是非、与党におかれましては、国会の責任として、総理をお招きしてこの委員会で更に議論をすることを与党としてやっていただけるようにお願いをしたいというふうに思います。 それでは、重要な集団的自衛権の行使の議論を進めるに当たっての二つのことを確認して始めたいと思います。 法制局長官、自衛権の行使は我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるということは、集団的自衛権の問題に関して、これは数量的概念ではないということをつい二日前の私の委員会で答弁いただきましたが、数量的概念ではないということをもう一度確認させてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねにつきましては、平成十六年一月二十六日の衆議院予算委員会におきまして、当時の秋山内閣法制局長官が次のように答弁しております。 お尋ねの集団的自衛権と申しますのは、先ほど述べましたように、我が国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず外国のために実力を行使するものでありまして、ただいま申し上げました自衛権行使の第一要件、すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないものでございます。 したがいまして、従来、集団的自衛権について、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものという説明をしている局面がございますが、それはこの第一要件を満たしていないという趣旨で申し上げているものでございまして、お尋ねのような意味で、数量的な概念として申し上げているものではございません。 以上でございます。
○福山哲郎君 まず一つ、このことを確認させていただきましたよ。 二つ目です。最近、メディアをにぎわせて与党の政治家の皆さんとかが議論された砂川事件判決です。砂川事件判決は一九五九年の判決です。私は、この判決というのは、駐留米軍が本当に戦力に該当するのかどうか、それから、憲法上、駐留米軍が認められるのかどうか、更に言えば、日本の安全保障をアメリカに委ねることがよいのかどうかということが争点だったと私は理解をしています。この当時の砂川事件判決が日本の軍事力を他国のために行使することを念頭に置いていたとは、当時の議論からして私は考えておりません。 法制局長官にお伺いをします。この砂川事件判決を根拠として集団的自衛権の行使を容認することは私は不可能だと考えますが、法制局長官は、これまでの答弁との規範性、安定性の観点から、どのようにお考えになられますか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お答えいたします。 砂川事件は旧安保条約第三条に基づく行政協定に伴う刑事特別法の合憲性が争われた事案であり、最高裁判決は、旧安保条約が一見極めて明白に違憲無効であるとは言えない以上、刑事特別法も違憲ではないという判断を示したものでございます。 そのような意味で、御指摘の集団的自衛権の行使について直接判断を示しているものではありませんが、この判決の中に、我が国が主権国として持つ固有の自衛権と憲法第九条との関係について、我が国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことであるという考え方が示されております。これは、従来からの政府の見解の基盤にある基本的な考え方と軌を一にするものであると考えております。
○福山哲郎君 法制局長官、今おっしゃられたように、集団的自衛権については根拠にはならないけれども、自衛権について根拠になるというふうに言われたということでいいですね。イエスかノーかでお答えください、時間がないので。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねの、その根拠になるならないという、ちょっと意味合いがいろいろあると思いますので、ちょっと直接あるなしというのは答えにくいのでございますけれども、この判決の趣旨というのは、あるいは理解というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 それでは、次にパネルを御覧いただきたいと思います。 これ、総理の会見に関するパネルでございます。この間、総理が言われたことでございますが、米軍防護の件についてですが、私、少し違和感を持ちました。在外邦人の方に対して、いろんなところに皆さんのお子さんやお孫さんがその場所にいるかもしれないと。総理は、その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は、本当に何もできないことでいいのでしょうかとおっしゃいました。全く総理の言っていることはそのとおり、何もできなくていいとは歴代の自民党政権も我々が政権を担ってきたときも思っていません。しかし、もし総理が今こういうことを言うと在外の邦人の皆さんは、何だ、何もできないのかと、何もやってもらえないのかと、この国の政府は、というふうに誤解をされます。昨日も岡田克也議員とも議論になられましたが、私は少し唐突な印象を受けました。 次、少し絵を見せていただけますか。 これは、事例で政府が配られた絵でございます。もしこれが朝鮮半島有事だとすれば、有事ですから何らかの兆候があります。その兆候を察知すれば、まずは外務省は、領事局海外邦人安全課も含めて、あらゆるルートから情報を取り、いち早く朝鮮半島にいる日本人に対して帰国を促すことが重要だと考えています。そして、そのときは、民間の飛行機や船を使ってまず輸送することが普通一般的な問題なのではないでしょうか。そのときに日本の外務省が、懸命にそのことを救援するのは当たり前です。そして、何らかの形で、大使館員や公的な仕事をしている日本人をどうするかというときには、米軍の輸送機や自衛隊機のC130等を使って輸送するのが私は普通のオペレーションだと思います。 韓国には百五十万人の外国の方々がいます。日本人だけがいるわけではありません。そのときには、それぞれ各国が協力歩調を取りながら、それぞれの国と懸命に共同して救出し輸送することが始まります。これがまず最初のオペレーションです。そしてこれは、自衛隊法八十四条の三、在外邦人の輸送は、外国における緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があった場合に、派遣国の同意を得て、しっかりとそのことは対応できると書いてあります。そして、そのときには自衛官は、自己保存型の武器使用権限まで付与されています。 何もできないということはないと思いますが、総理、いかが考えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに申し上げておきたいことは、私が挙げた例として、近隣諸国で紛争が起こった際、その紛争から逃れようとしている邦人を米国の船が輸送する、これはあり得るわけでございます。それがあり得るというのは、かつて二〇一一年にリビアで情勢が悪化した際、米軍が手配したチャーター船、これはまさに、私は例として説明する際、昨日も用船ということもあり得るというふうにお話をさせていただきましたが、リビアにおいて実際それは起こっていることであります。 おっしゃるように、様々な私たちも情報収集活動を行い、事前に退避を促すことはあるわけでありますが、リビアのように、実際そういう邦人が取り残されることはあるということは踏まえておく必要があるんだろうと、こう思うわけであります。 その上において、近隣諸国においてそういう事態が発生することもあり得るわけでありまして、その際、当然、もしその国に米国が駐留軍を置いている、あるいはなかなかそこに、日本がその国に行ってオペレーションをするのは難しいという状況が当然あるわけでありまして、法的な今根拠もない、なかなかない中において、紛争が発生して危険な状況になればそれは行けないわけでありますから、そしてその国の同意が得られなければそれは可能ではないということになってくれば、こうしたようなケースにおいて自衛隊が警備することはできないというのが、これはもう昨日も法制局長官が答弁をしているとおりでありまして、それはできないんですよ。日本はそういう立場に立っている。 これをやらなければいけないというふうに福山委員が思っておられるとすれば、それは同じなんですよ。同じであれば──そう思っておられないんですか。思っておられるんでしょう。思っておられるのであればそれは同じわけでございますが、そこでどのような法的枠組みが必要かということを検討するのは当然のことであろうと。何でもできる、これもできる、これもできるということではないわけでありまして、実際に、この例で法制局はできないという答弁をしているわけでございますので、それでいいのかということを検討するのはこれは当然のことではないかと、こう思っているところでございます。
○福山哲郎君 総理は重要なポイントを幾つか言われました。紛争が起こっていると。紛争が起こっているということは、アメリカが、例えば輸送艦、軍艦で移動させるときには、それは間違いなく攻撃の対象になります。そこに民間人を乗せるということは一般にはあり得ません。 そして、リビアの例は大規模デモでございます。別にアメリカに対して攻撃が行われている状況ではありません。更に申し上げれば、もし本当に輸送艦で、総理のおっしゃるとおりですから、そこを私ものみ込んだとしても、輸送艦で、例えば日本人だけではない、他の外国の方も含めてアメリカがそこへ輸送するとすれば、その輸送艦に護衛艦をアメリカが付けないなどということは考えられません。 総理がリビアの例を言われましたが、一九九〇年、リベリアの内戦で、アメリカは海兵隊が武装して実は米国民以外の救助をしていますが、海兵隊員を上陸させました。その後に、内戦であり、アメリカに対して攻撃をされているわけでもなく、海域は静かであったにもかかわらず、アメリカはフリゲート艦を三隻帯同させ、その後方には四隻の艦船を控えさせて護衛艦を付けました。当たり前なんです。 総理が言われたように、もし紛争が起こっていて、朝鮮半島で、アメリカが韓国に対する集団的自衛権の行使をして、攻撃をされている最中だったら、アメリカは自分の軍艦の輸送船に護衛艦を付けないなどということは僕はまずあり得ないと思いますし、攻撃の対象になるかもしれない輸送艦に民間人を乗船させるということは一般的には私はあり得ないと思っております。 もう一点。今、安倍総理が言われた、紛争が起こっているとしたら、朝鮮半島で、安倍総理はお詳しいと思いますが、米韓が共同で対処しているときは、既に我が国としては周辺事態です。間違いありませんね。周辺事態となれば、アメリカは、北朝鮮の海上封鎖、韓国への相当規模の地上部隊の投入、在留民間人、これは日本人だけではありません、世界中の民間人の海外退避などの行動を米国は起こしています。 そして、日本はそのときに、総理が言ったように、何もしないんじゃないんです。周辺事態では、まずは高度の警戒態勢をする。そして、例えば日本にある米軍施設や区域の警備をしなければいけない。米軍施設の海域の警戒監視のレベルを上げる。そして、そのことによって情報の交換をアメリカとやる。そして、北朝鮮が何らかの形で機雷を入れるような状況のときには、日本領域や日本の公海における機雷の除去についても日本の自衛隊はする。 やらなければいけないことはたくさんあるんです。何が日本が何もやらないで済むのかではありません。やらなければいけないことがたくさんある周辺事態の間に、輸送艦に護衛艦も付けないでアメリカが民間人を乗せるなどという事例がどれほどリアリティーがあるのか、私は分かりません。 私は、日本は、周辺事態ですから、その状況の中でやれることはたくさんあると思いますし、現実に今その準備を自衛隊もされていると思っています。そして、もしその状況で在日米軍基地が北朝鮮からの攻撃に着手されるようなことがあれば、攻撃が起こっていなくてもですよ、着手をされるような事態が起これば、その時点で我々は事態対処法で個別自衛権の対応になるわけです。 私は、日本が何もできないとか、邦人救出ができないとか、やれないと言って情緒的な議論をして、こんな集団的自衛権の議論を無理やり引っ張ってくるような議論は、私は非常に国民に誤解を与えると思いますが、総理、いかが考えられます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この例、私が挙げた例については、それはもうアメリカにお任せしようということを今、福山委員がおっしゃった。だって、アメリカがやりますよということをおっしゃったんですね。我々はそうはまず思わないということを申し上げておきたいと思います。こういう事態においても我々ができることをやる、当然のことではありませんか。そして、そうしたエバキュエーションのプランを考える際に、我々もできることを提示することによってより精緻なものが一緒にできるわけでございます。 事実、シームレスにこれは考えていかなければいけないわけでありまして、様々な事態に対応できるようにしておくことは、最初からこういう事態はないというふうに排除していくという考え方は嫌なことは見たくないというのと同じことではないかと、こう思うわけでありまして、あらゆる……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) あらゆる事態に対して私たちは対応できる可能性、選択肢を用意しておくことは当然のことだろうと、最初からそれを排除をしていくべきではないと、このように思うわけであります。 例えば、米軍は、言わば米軍の艦船に邦人を乗せることはないというような趣旨のことをおっしゃったけど、それはそんなことはないわけでありまして、フィリピンにおいて米軍の揚陸艦に民間人を乗せて輸送したこともあるわけでございます。 そして、会見においてお示しをした事例については、我が国に対する武力事態攻撃が発生していない状況下のものであり、現在の憲法解釈の下では個別的自衛権の行使により米国船舶の防護を行うことはできないということになっておりまして、したがって、個別的自衛権行使を前提とした武力攻撃事態法によっては対処することはできないということはまず申し上げておかなければならないと、このように思うわけでありまして、自衛隊が、言わば、福山さんは、大きな意味において何もできないと私は言ったわけではなくて、あの際に自衛隊が実際に防護できなくていいかということについて申し上げたわけでありまして、論理をすり替えていかないでもらいたいと、このように思うわけであります。 そして、もう一点、周辺事態についておっしゃったわけでございますが、周辺事態とは我が国に対する武力攻撃が発生していない事態であります。また、周辺事態法においても、そもそも船舶の防護を行うような仕組みは設けておられず、この法律に基づいて船舶の防護を行うことができないわけでありまして、今、福山さんがおっしゃったのは、日本国内の米軍施設の防備等、それは当然、それは法律があるんですから、そんなことはみんな分かっている話であって、私が例として挙げたのは、まさにその例ができるかどうか、そこから福山さんは私は目をそらしておられると思いますよ。それは、アメリカにお任せしようということで論理を組み立てておられるわけでありますが、我々はどんな状況になっても、日本の国民の命は守らなければいけないという決意の下、そしてその責任感の下にこの議論を進めていきたいと、こう考えている次第でございます。
○福山哲郎君 いや、私はすり替えているつもりはありません。アメリカは輸送艦の防護は自力でやると、基本的にはそうだと思います。そして、なおかつ、その状況で日本もしっかりとアメリカと協力しています。アメリカにお任せではありません。周辺事態法は日本にとっても一つ間違えれば武力攻撃事態になるわけですから、そのことを申し上げています。 唐突に、ノアの箱船のように、米輸送艦の防護をします、実は唐突にこんなことが起こること自身が日本の危機管理上も問題だし、駐留米軍も含めてそんな状態には私はならないというふうに私自身は考えています。 実は、臨検もそうです。周辺事態のときに臨検をするということは、総理、どこの船を想定されていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今この場で総理大臣である私が特定の国を指摘することは外交上の問題が発生するという状況でございますから、それは控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 朝鮮半島有事のときに臨検するとすれば、北朝鮮に物資なり武器の供給があるということでございます。先ほど申し上げたように、そのときには米軍は間違いなく海上封鎖をしています。非常に緊張関係高まっています。そのときに、周辺事態だとして日本の自衛隊が臨検をするとなれば、周辺事態法のところでは、総理御案内のように、私も存じ上げていますが、強制的にはできません。だって、日本と有事が始まっているわけではないからです。そのときに、まあ百歩譲って、北に本当に物資を供給する国がどこなのか僕は分かりませんが、そこが北朝鮮だったとしても、臨検しに行ったときには旗国の同意が要ります。旗国の同意が要るのに強制的に臨検に行ったら、これは国際法上、武力行使です。武力行使を日本から仕掛けたことになります。相手から見れば、それは日本が攻撃をしてきたという口実を与えることになります。 私は、中国との関係も北朝鮮との関係も含めて申し上げれば、相手の挑発にいかに乗らないかがまず日本の安全保障を守る一つの大きな要諦だと思っています。そして、強制的に何かをして武力行使をしに行ったときには、その貨物船か、何か運んでいるものか分かりませんが、相手がどんな装備を持っているのかも分かりません。そこに自衛隊が同意なしに行くということは、相手から武器を突き付けられるような事態が幾らでも起こるということです。そのときに、本当にこの臨検みたいなものを強制的に、武力の行使だと国際法上認められることをできるかどうか。これ、集団的自衛権も含めて大変大きな課題です。こういったリアリティーのある話で本当に議論を進めていただきたいと私自身は考えています。 そして、これを出してください。これ、すごく重要です。これまでの憲法解釈というのは、我が国への武力攻撃がある状況です。そして、昨日から、見直すかもしれないと言われた自衛権の三要件、 「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫不正の事態」です。非常に大きな事態です。そのときに限って例外的に個別的自衛権を行使しようというのが今までの日本の、我が国の考え方でした。これは、この少なくとも四十年、自民党政権が圧倒的に政権を担っているときに、このことをやられてこられました。そして、「集団的自衛権は行使できない」、「だから海外での武力行使は許されない」というのが我が国の平和主義の考え方でした。 総理は会見で、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される」と言われました。 「解釈変更すると」、御覧をいただきたいと思います、国民の皆さん、我が国への武力攻撃がないんです、ないんです。なくて、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性」、これ非常に抽象的で分かりにくいです。そのときに、「行使できる集団的自衛権」、これ限定的だと総理は言われますが、行使できる集団的自衛権と行使できない集団的自衛権を二つに分けるという議論がまた始まり出しました。そしてさらには、海外で武力行使が可能になります。 これまでの日本は、国民の幸福追求の権利が根底から覆されるという条件をもって初めて武力行使を例外的にするということをしてきました。先ほど法制局長官が重要なことを言いました。量的な概念ではない。簡単に言うと、日本は、集団的自衛権はあるけれども金庫の中に入れて、これは使ってはいけませんとずっと入れていました。金庫の中に入れているんです。で、日本が本当に危ないときにだけ自衛権を行使するのは個別的自衛権だという条件を付けてきました。そして、この金庫の中にある集団的自衛権というのは決して、集団的自衛権、十あるうちの一使いますよとか、二使いますよという数量的な概念ではなくて、金庫の中にあって、これは使ってはいけないんだという概念でした。 これ、解釈を変更すると、これほど大きな違いが出てきます。これほど大きな違いを一内閣の閣議決定で変えていいのかということに対して私は非常に抵抗があります。 総理、私の言っているこの説明は間違いありませんね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の説明で幾つか間違いがございますので指摘をさせていただきますが、まず、私が言わば我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという限定的な場合に集団的自衛権を行使すると言ったことはございません。これは明確にしておきたいと思います。という報告書が出された、これが大切なところであります。その報告書を基に今与党で検討をしているわけでございまして、私がそれを言ったことはないということ、今その事実誤認については訂正させていただきたいということでございます。 そして、それを今まさに与党において検討しているわけでございますが、そこで、今おっしゃっている、それは自衛権発動の三要件でありますが、そうしたことも含めてこれから与党において、三要件のことについておっしゃったんでしたっけ、今……(発言する者あり)三要件ね、三要件についておっしゃったんだと思いますが、三要件については与党でまさにそれも検討していくということになります。 そして、それはまたさらにその中において、我々は安保法制懇から出てきた結論のうち、二つのうち一つは言わば芦田修正を根拠とするものでありまして、それは、言わば侵略戦争以外については、これは集団的自衛権についてもフルに行使できるという考え方、そしてさらには、集団安全保障というのは、これは国際法上合法であるからこれはフルにできるという考え方でありますが、まずこれは取らないということでございます。(発言する者あり) 根本的なことを聞かれていますから、これは複雑な論理ですので、よく最初から説明しないと分かりにくいと思いますので丁寧にさせていただきたいと思うわけでありますが、それは我々は取らないということでありまして、研究の対象にするのは、憲法の前文と十三条を基本とした言わば自衛権は合法であるという従来からの政府の見解であります。これは昭和四十七年の政府統一見解に基づくものでありますが、必要最小限度の自衛権は行使できるという考え方でございます。 当然、その中におきましては、言わば個別的自衛権においてもこれは制限があるわけでございますから集団的自衛権においても制限があるということでありまして、制限されているものと制限されていないものを分けることはできないかのごとくの今議論がございましたが、それはそうではないということは、個別的自衛権において制限されるものは何かということで我々は今まで整理してきているわけでございます。 そして同時に、海外において武力を行使するのかどうかという、海外で武力を目的とした戦闘に参加することができるかのごとくの議論を今されましたが、それは我々は取らないということは昨日の議論でも再三再四申し上げているとおりでありまして、個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上合法的な活動には憲法上の制約がないものとすると。 しかし、これが安保法制懇の一つの考え方でありますが、これは憲法解釈と論理的に整合せず、これは取らないということでございまして、同時に、今申し上げました集団安全保障の中における、全てできる、例えばイラク戦争あるいは湾岸戦争のようなタイプに武力行使を目的として戦闘に参加することはできないということは申し上げたわけでございますが、同時に……(発言する者あり)これ、よく時間というふうにおっしゃるんだけれども、精緻な議論をしなければいけませんから聞かれていることに対しての説明はどうしても必要なんですよ。 その上において申し上げますと、個別的自衛権について申し上げますと、個別的自衛権においても……(発言する者あり)これ大切なことですよ、これを聞かれているんじゃないですか。そして、その上において、武力の行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派遣は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと、こうなっておりまして、これは、個別的自衛権においてもこのような制約があることを踏まえれば、今後、さきに述べた考え方について研究を進め、仮に集団的自衛権の行使が認められるとしても同様の制約が掛かることは当然のことと考えているわけであります。(発言する者あり) 今、私がずっとしゃべっているというふうにおっしゃりますけれども、これは集団的自衛権と集団安全保障の関係について整理をする必要がありますから、述べているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。 御質問をされまして、総理としても、国民の皆さんが今日テレビを御覧になっています。できるだけ分かりやすい言葉で分かりやすい説明をしたいということ、そのことで答えたいと思っておられる意思は尊重してやっていただきたいと思うんです。ただ、時間を取り過ぎてもいけません。その辺のところはよくバランスを考えて御答弁をいただきたいとは思います。
○福山哲郎君 総理は同じことを三回も四回も言われて……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛に。
○福山哲郎君 それで、集団的自衛権について制限的には認められるというようなことを発言をされたというふうに今、何回も同じことを繰り返したので分からないんですけど、それはこの国では認められていません、現状では。 総理、集団的自衛権を限定的に制限的に認められているって、一体何を根拠におっしゃったんですか。総理、お答えください。聞いてください。(発言する者あり)
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 済みません、今、兵庫沖でタンカーが炎上中でございますので、これに対する、兵庫沖で現在タンカーが爆発をして炎上中でございますので、今、総理指示を出させていただいたところでございます。 それで、今おっしゃったのは、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときは限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとおっしゃった。これはまさに安保法制懇の見解を紹介されたんだろうと。安保法制懇の見解については、今まさにこれは与党において協議をしているところでございまして、先ほども安保法制懇の考え方を私の考え方として御紹介されましたが、それは違うわけでありまして、つまり、それをまさに混同しないようにしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。
○福山哲郎君 済みません、安保法制懇の中身を紹介されるのか、御自身のお考えを紹介されるのか、ちゃんと整理して答えていただかないと。これ、すごく重要な問題です。 それで、じゃ、総理の言葉についてお伺いします。 総理、これ、昨日、岡田さんもおっしゃいましたけど、自衛隊が武力行使を目的として他国の戦闘に参加することはこれからも決してありません。先ほどもおっしゃいました。武力行使は目的になりません。武力行使を目的として他国での戦闘に参加するなんということはあり得ません。武力行使を目的になんかしません。だって、自衛隊が武力行使を目的として海外に行くなんていうことはあり得ません。分かりますか。武力行使は手段です。目的として他国での戦闘に参加するようなことはこれも決してありませんと書いてあるけど、そんなのは当たり前です。武力行使目的になんて行くわけないです。 総理が例示をされている機雷の掃海は、有事の際に掃海しに行くということは、これは武力行使です。これは、例えば本当にホルムズ海峡周辺に有事があったときには、戦闘行為の最中に掃海に行くというのは、これは国際法上、武力行使です。先ほどの臨検も同じです。これは、武力行使をもって戦争に参加しに行くことです。それは間違いありませんね、総理。集団的自衛権を行使するということは、武力行使で戦争に参加するということは間違いないということを国民の前で言ってください。 国民に守る守るとおっしゃるのは、我々も守らなければいけないと思いますが、それには非常に厳しい状況であり、武力行使を本当に海外でするという現実が待ち受けているということをちゃんと国民に説明をしていただきたいと思いますので、お認めいただけますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、何か随分エキサイトしておっしゃっていますが、私が申し上げたのは、言わば、イラク戦争や湾岸戦争に……(発言する者あり)最初の質問にあったじゃないですか、湾岸戦争に参加するんでしょうと言われたから、私は、そうでは……(発言する者あり)いや、それはあなたじゃないんですよ。あなたが言ったということではなくて、そういう批判があったから……(発言する者あり)分かりました。ちょっとうるさいんでなかなか議論できないんですが。よろしいですか。
○委員長(末松信介君) 静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。 それでは、つまり、私が会見で申し上げたのは、そういう批判がありましたから、事実ありましたよね、新聞等でもそういう批判がありました、ですから、それに対して私は答えたわけであります。会見において答えたのは、言わば武力行使を目的として戦闘に参加することはないということをお答えをしたわけでございまして、それを明確に申し上げたということであります。 そして、機雷が敷設されたときには、それは昨日の委員会でも議論をしたところでございますが、昨日の委員会では、この機雷の敷設について、それはいろんな議論があったんですよ、この機雷については除去できるんではないかという議論もあったわけでありますが、遺棄をされていない限りこれは武力の行使に当たるということでありますから、その当たるという武力の行使で現在はできない。現在はできないというのは、これは明確であります。 しかし、そこにおいて、そこを通るタンカーあるいは商船の多くが日本にやってくるという中において、国際社会において協力してそうしたものを除去しようというときにそれをやらなくてもいいのかという問題意識の中において、与党において検討をしていただいていると、こういうことでございます。
○福山哲郎君 分かりました。じゃ、もう質問変えます。会見のことも忘れてください。この言葉も忘れてください。 集団的自衛権を行使するということは、海外において機雷の掃海も強制的な臨検も含めて武力行使をするということですね。それで間違いないですね。そのことを総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそうした問題意識なんですよ、今申し上げました、それができなくていいのかという問題意識。そして、臨検においても、米国が例えば隣国において攻撃を受けた際、そういう状況の中でこの臨検活動、決定的な、国に武器等がこれは持ち込まれるという可能性がある中においてそれができなくていいのかどうかという問題意識。今できないことについて、でなければ問題意識を持って検討していく必要がないわけであります。 今できないと言われたものについて、我が国の安全、国民の命と平和な暮らしを守るために何をやるべきかということについて、これをまさに与党において協議をしてもらっているということでございます。これが質問に対する答えでございます。
○福山哲郎君 私は、検討していることは存じ上げています。集団的自衛権の行使というのは、海外において武力行使をすることですねという事実関係だけを聞いているんです。 実は、先ほど申し上げたように、さっき総理が言われました、アメリカが攻撃されたときとか言われました。まさに我が国に対しての武力攻撃がありません。例えば、アフガニスタンのときは、九・一一のテロのときは、アメリカは攻撃をされました。アメリカは自衛権の行使だと言って、NATOは集団的自衛権の行使と言ってアフガニスタンで軍事作戦を展開しました。我が国への武力攻撃はありません。我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性、日米同盟ですし、アメリカが攻撃されましたから。そのときに、例えば今言われたような集団的自衛権を、じゃ百歩譲って安保法制懇で言われたように行使するとしたら、逆に、日本はその状況でアフガニスタンに出ていく可能性があるということですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどこれお答えしたことと重なるんですが、全く重なるんですが……
○福山哲郎君 いや、あるかないかだけ答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まさにこれは先ほど答えたのと同じでございまして、先ほど聞いていただければいいんだろうと思うわけでございますが、個別的自衛権においても、一般に、言わば武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣する海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるというのが憲法の解釈であって、これは個別的自衛権に掛かっている必要最小限度という制約で、今首を横に振られましたけれども、それが事実でございまして、これがお答えなんですが、真面目に答えているんですからちゃんと聞いていただきたいと思いますが、その上において、集団的自衛権に対しても、これも何度も、累次お答えをしておりますが、当然個別的自衛権に掛かっているものについては集団的自衛権にも掛かっているという考え方は既にお示しをしているとおりでございます。
○福山哲郎君 個別的自衛権に掛かっている制限的な考え方は集団的自衛権に掛かっているというのは、お示ししているとおりですというのは、総理が示したんですね。それは総理の見解ですね。 先ほどから何回もその質問をしたら安保法制懇の考えで検討していると言っているんですけど、制限というのは総理のお考えですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、安保法制懇の報告書と私の考えを明確に分けていますが、混同しているのはむしろ委員の方だろうと思いますよ。 そこで、今の答弁はまさに私がということでありますし、政府として申し上げているわけでありまして、先ほどの答弁は、まさにこれ、安保法制懇のやつと私は明確にこれは別に申し上げておりますよ。先ほど、だって福山委員は混同して質問されたじゃないですか。
○福山哲郎君 もう同じことをぐるぐる回ってやっと認めていただきました。 政府は、制限的にとおっしゃいましたけど、制限的には今まで全く決められていません。先ほど申し上げたように、集団的自衛権は量的な概念ではありません。 つまり、これが限定的だと言われるということは、右側にあります、先ほど申し上げましたように、例えばアメリカが攻撃されたときに自衛権が発動されて、NATOは集団的自衛権を行使しました。この状況で我が国への武力攻撃がありません。アメリカは我が国にとって重大な国です。これは私も認めます。それで、そのことが日米同盟も含めて毀損するとなれば、重大な影響を及ぼす可能性があれば、自動的に限定的ですから、アフガニスタンに行くことも可能になります。これは武力行使に行きます。軍事行動です。これが集団的自衛権の行使ということです。 総理、はぐらかさないでいただきたいと思います。これは、国民の命に関わることです。これを解釈で変えるというのは大問題です。実は、閣議決定で変えるというのは、一内閣で閣議決定で変えるというのは非常に私は問題だと思っていて、閣議決定の要件は、憲法の範囲内で閣議決定をしろということです。立憲主義の考え方からいうと、権力側は憲法に制約を与えられています、権力を濫用しないように。その権力を濫用しないよう抑制的なものを求められている政府が、憲法の範囲、解釈を勝手に変えて逆に海外で武力行使を可能になるということは、本当に私は大問題だと思っています。その手法についても、事例についても、非常に私は、総理の言われていることについて残念ながら私は納得できません。 ただ、私は、例えば駆け付け警護だとか離島防衛だとか、集団的自衛権の行使とは別の問題について議論することはやぶさかではありません。駆け付け警護、重要なことだと思います。しかし、紛争地域でPKO活動している自衛隊員に何か、武装集団があそこら辺で何かがありますからといって、例えばすぐに駆け付けて助けに行きなさいと言っても、その武装集団がどのような武器を携帯しているのか、どういう状況にあるのか、分からない状況です。 例えば、佐藤委員が行かれたイラクは、これはPKOの部隊ではありませんが、現実の宿営地は防御壁に囲まれ、堀があり、そしてジグザグでコンクリートで、いかに自衛隊員の命を守るかということも含めてそれぞれ任務に当たっています。その任務も、いわゆる道路を造ったり治水をしたりしている任務です。すぐに何かあったから駆け付けて行けといって、訳の分からぬ武装集団に鞍馬天狗のように駆け付けるような状況は、そう簡単なものではありません。自衛隊員の命が懸かっています。そして国民の命も懸かっています。 そして、総理、もう一度だけ言います。この集団的自衛権の行使というのは、戦争に巻き込まれるのではありません。機雷の掃海もそうです。臨検を強制的にやることもそうです。これは戦争に参加をすることです。 私は、国民の安全を守るために議論することはやぶさかではありませんが、この閣議決定で解釈を変えて集団的自衛権を行使することについては非常に抵抗があると申し上げて、総理に私の質問時間を非常に、本当に何度も同じ答弁をされて密度の濃い議論ができなかったこと残念なので、これからも総理には委員会に来ていただきますことをお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。本日、短時間でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 先日、十五日、安保法制懇の報告書が提出され、総理から議論の進め方に関する方向性を示していただきました。与党協議が先週から開始されたところでございます。 先日の中国軍機が我が国自衛隊航空機に異常接近したこと、そういったことを始めとする中国の軍備拡大、あるいは北朝鮮のミサイル、核開発など、我が国を取り巻く安全保障環境は確かに一層厳しくなってきております。また、アメリカはアジア重視のリバランス政策を打ち出しているものの、今後、国防費の強制歳出削減の影響は不透明な状況にあります。もし、現行の法制上、我が国の安全保障を脅かすような空白があり、国民の生命、財産を守るためにそれを埋めなければならないとすれば、政権与党としてきちんと対応していくことは当然の務めでございます。 私も、イラクのサマーワで自衛隊員の皆様と一緒にイラクの人道復興支援活動に勤務をさせていただきました。国際社会で連携し、そして協調することによって国際の平和と安定を守ること、その重要性、そして貢献の必要性を実体験をさせていただきました。しかし同時に、総理、当時現場で活躍されている自衛隊員の皆様方、極度の緊張感の中で任務を遂行されておられたということ、また御家族の皆様、大変な心配をされておられたということ、このことは決して忘れてはならないというふうに思います。だからこそ、丁寧に丁寧に、そして慎重なる議論が必要だというふうに私自身強く確信をしているところでございます。 我が国、そして東アジア地域の平和と安定を守り、日本国民の生命、財産を守るために、現実的、具体的な事例に基づいて検討していくことが何よりも重要ではないかと思います。 そのために、検討した上でいかなる法制上の措置が必要となるのか、その上で、その法制度が憲法の規範上、またこれまでの政府の憲法解釈との整合性を踏まえて果たして許容されるのかどうか、それとも新たな解釈が必要となるのか、こうした議論を一つ一つ精緻に、かつ真摯に誠実に議論を進めてまいり、責任ある結論を導き出していく必要があろうかというふうに思います。 しかし、総理、通告しておりませんが、ここで重要なことは、集団的自衛権を最終的に容認するかどうかというのは、こうした議論の結果として、あくまでも最終的な議論の結論として取られる手段であり、あるいは方法であって、それ自体が自己目的化してはならないということをお訴えをさせていただきたいというふうに思います。 あくまでも目的は、我が国国民の生命、財産を守ることであり、そして東アジア地域の平和と安定を守ることでなくてはならない、憲法解釈の変更や集団的自衛権の行使容認、これはあくまでも手段であり、行使容認をすること自体が目的ではないということを確認させていただきたいと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに石川委員がおっしゃったとおりでありまして、我々は、この集団的自衛権の行使、解釈の変更を目的とするものではなくて、シームレスに国民の命を守らなければならない、その中で、今までの法体系の中で可能であるもの、あるいはまたそうではないものについて、果たしてそれでいいのかという問題意識を持って検討していきたいと、このように考えている次第でございます。
○石川博崇君 先日、私は被災地の福島県に行かせていただきました。先々月は宮城県に行かせていただきました。いずこの地でもおっしゃっておられたのが、今、被災地のことが忘れられてしまうのではないか、風化を恐れる御懸念の声を多く伺ったところでございます。また、日頃、現場、地元を回っておりますと、景気回復とはいってもなかなか実感できない、本当に中小企業、零細企業まで実感できるようになるのかと、そういった御意見を多く伺うところでございます。 連日、今、新聞、マスコミはこの集団的自衛権に関する報道で埋め尽くされておる状況でございまして、政治がこれに掛かりっ切りになっているのではないかというような誤解を国民の皆様に与えることがあってはならないというふうに思います。 当然、安全保障上の課題にしっかりと取り組み、平和を守り抜くことは国民生活の基盤でございますからしっかりと議論を進めていく必要はありますけれども、同時に、他の政策課題にも自公連立政権としてきちんと応えていく。政権発足時に安倍総理と我が党の代表山口那津男が、間で取り交わされました連立政権合意文書には、こうした被災地の復興加速化あるいは景気・経済対策を掲げてこれまで全力で取り組んでまいりましたが、引き続きこうしたことには抜かりなく進めていくという総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにデフレに苦しみ、そして経済が低迷しているこの日本を何とか変えていきたいという下に、自民党、公明党で連立政権をつくったわけでございます。そのときのこと、そしてまた、過去三年間の教訓を胸に刻み付けながら、山口代表も私も国民の政治への信頼を取り戻さなければならないとの強い危機感を共有しながら連立政権合意に署名をしたわけでありまして、そのことは今でも強く私の脳裏に刻み付けられているわけでございますが、合意の前文にあるように、決しておごることなく、真摯な政治を貫くことによって結果を積み重ねていくべきだと、このように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、しっかりと深い丁寧な議論をしていきたいと、このように思います。
○石川博崇君 先日十五日、安倍総理は記者会見で、安保法制懇の報告書を受けて直ちに議論の進め方を発表されたわけでございます。私も拝見させていただきましたけれども、三点、特に注目をさせていただいた点がございます。 一点目は、総理自ら、日本国憲法が掲げる平和主義をこれからも守り抜くということをきちっと明言をされた、これは高く評価をしたいと思います。また、二つ目は、総理はこれまでの政府の憲法解釈との整合性を重視されたという点でございます。何度も御発言なさっておりますが、有識者懇談会の提言の中にあります芦田修正論、このこれまでの政府の憲法解釈との整合性を重視された結果採用されなかった、二つ目の点でございます。また、三つ目は、集団的自衛権の憲法解釈変更に関しましては与党協議を経て政府で研究を進めるとされ、国民的な理解を得ることを重視されました。そして、そのことによりまして、スケジュールにはこだわらないとされたわけでございます。 この三点、注目させていただいたわけでございますが、二点目の、芦田修正を取らずに、これまでの政府の憲法解釈との法的整合性を優先されたその理由を簡潔に御説明いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる芦田修正論につきましては確立された定義があるわけではないというふうに承知をしておりますが、一般に、憲法第九条第一項はいわゆる侵略戦争を放棄していると解釈した上で、第二項は、「前項の目的を達するため、」、すなわち侵略戦争を放棄するために戦力の不保持を定めているとし、侵略戦争ではない自衛のための、あるいは集団安全保障のための実力の保持や武力の行使には制限はないとする考え方であると承知をしております。政府としては、いわゆる芦田修正論の立場を取ったことはございません。 安保法制懇の報告書では、二つの異なる考え方を示していただきました。一つは、この芦田修正論の経緯に着目をし、個別的か集団的かを問わず武力の行使は禁じられていないという考え方であります。しかし、この考え方を我々は、政府の解釈、すなわち武力の行使や実力の保持が認められるのは自衛のための必要最小限度に限られるとするこれまでの政府解釈とは論理的に整合しないため政府として採用できないと、こう判断したわけでございます。 自衛隊が武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してないということは申し上げておきたいと思います。
○石川博崇君 もう一点、各種マスコミの世論調査によりますと、新聞によってまちまちな結果でございますが、これらを見ておりますと、必ずしも今現在、国民の中に本件についての御意見、民意というものがまだ定まった状況にないというふうに思います。 先日、総理もウォール・ストリート・ジャーナルに対するインタビューにお答えになられて、国民の理解を得ることはなかなか難しいとの御認識を示されておられますが、我が国の安全保障に関わる問題について、多くの国民の方々の御理解を得ながら議論を進めていくことは不可欠であるというふうに考えておりますし、総理も記者会見でそのことを明確に表現をされました。 今後のスケジュールについて、期限ありきではないとされたその趣旨を確認させていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この現在与党で行っていただいている協議については、極めて重要な協議でありますからしっかりと御議論をいただく、その意味においてスケジュールありきではないと、このように申し上げたわけでございます。 同時に、日米間では、昨年十月の日米2プラス2において、本年末までに日米防衛協力のための指針の見直し作業を完了することで合意をしておりまして、それに間に合うように本件についての方針が固まっていくことが理想的であるということについては先般コメントさせていただいたところであります。 いずれにいたしましても、しっかりと国民の皆様の前で与党において御協議が進むことを期待しているところでございます。
○石川博崇君 極めて重大な案件でありますので、丁寧に、そして慎重に議論を進めていくことが重要だというふうに考えております。 私ども公明党は、自民党と連立を組んでこれまで数々の風雪を乗り越えてまいりました。全国各地におきましても、各地域で自公がしっかり連携して様々な政策課題に取り組んでおります。今後とも、自公連立して日本の国、政治のかじ取りを担ってまいりたい、その決意を述べさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小野次郎君 日本維新の会・結いの党から、小野次郎が質問させていただきます。 総理、まず、できるできないという議論にこの集団的自衛権の問題はすぐ行きますけれども、私はちょっと違う視点からお話をしたいと思うんですが。 戦後六十年間、国の基本政策として、我が国は集団的自衛権というのを採用というか選択してこなかった。その結果として、自国の安全、独立を守る中で他国と一度も戦わず、そして戦死者を一名も出していないというのが一つの事実であり、また重い事実だと私は思います。 ですから、集団的自衛権行使容認の議論をする際に、そのことによるメリットというか抑止力の強化みたいなことはもう総理からもほかの方からもたくさん聞かせていただきましたけれども、同時に、当然、一国の総理として、こういった大きな変換をする場合に伴う危険の拡大、リスクの拡大というのもあるんですね、そういう視点も、そしてまたメリットがあるなら必ずデメリットもあるわけなんで、そういったことも国民にしっかりと率直に、御自身のいろいろお考えになったことのマイナス面、こういう不安もあったんだという部分はしっかりお話しいただく必要があると思うんです。 このリスクの増大の件、そして集団的自衛権を容認することに伴うデメリットについてどのような認識をお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもが今検討していることは、安保法制懇から報告書が提出をされました、この提出された報告書に基づいて、言わば十五例について個別具体的にまずは検討しているところでございますが、記者会見において述べさせていただいたように、近隣諸国で紛争が起こり、そこから避難しようとしている邦人を乗せている米艦を、今、日本の自衛隊は守ることができない、果たしてそれでいいのかどうかという問題意識を持って検討しているところであります。 残念ながら、今までそうした問題意識を持った本格的な研究というのは実際になされてきていなかったわけでございますが、私は、日本人の命とそして平和な暮らしを守る責任を持つ総理大臣として、また政府としてしっかりと検討していきたいと、このように思うわけでありますし、また、切れ目のないシームレスな対応を可能としていく必要があるだろうと、こういうことでございます。 そしてまた、日米同盟の強化を通じてアジア太平洋地域の平和と安定を高めることが大切であろうと、こう考えているわけでありまして、今議員がおっしゃったようなデメリットは何か等々でございますが、様々な事態でありますから、様々な事態の対応を当然考えていく必要があるわけでありますが、まずは私ども何をなすべきか、そしてそうした様々な、これはもしデメリットがあるとするならば、そうしたものがないようにしていく努力を重ねていくということではないかと、このように思うわけであります。
○小野次郎君 どうもお触れになりたくないようですね、危険の拡大、そしてデメリットについては。このように丁寧にお伺いしてもお答えいただけないというのは極めて残念でございます。 以前に、私、ある人から本に書かれたことがあるんですが、そのサブタイトルが、「ドアの隙間から秘書官は見た」というのを書かれたことがあるんです。総理秘書官をやっているときに、私は、ちょうどあの時期というのは、九・一一があったり、アフガン、イラクの戦争があり、また有事法制というのもありました。そのときに、時の総理が、歴代の総理、当時は中曽根総理が一番先輩でしょうか、存命であった歴代の総理を官邸にお呼びして、この安全保障の問題についてお一人お一人にしっかりと意見を聞いたという場を見たわけでございますが。 この集団的自衛権の行使容認というのは、ある意味で戦後最大の国の在り方を変容するという問題でもあるわけですけれども、総理だけじゃないんですね、この一国の安全について全部の責任を負ってきた人というのは。戦後ずっと多くの総理がそういう、多分昼夜分かたず三百六十五日、どうしたらいいんだろうということを考えてこられたと思うんですが、そういう先輩たちの知見というのは丁寧にお聞きになったことがあるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前総理、たくさん今の段階ではおられるわけでありますが、幸い、自民党総裁ということも含めれば、安倍内閣には麻生総理がおられます。そして、谷垣前自民党総裁もおられますから、当然お二人のお話をお伺いする機会は多いわけでございますし、内閣として連帯して、一体としてこの問題、課題については責任を負って閣議決定をしていくことになるわけでございます。 そしてまた、昨日も中曽根総理とお話をする機会を得たわけでございます。そしてまた、森総理とは再々お話をさせていただいているところでございますし、また福田総理ともお話をさせていただく機会を持っております。 さらには、小泉総理とはしばらく、最近お目にかかってはいないわけでございますが、小泉総理とも総理在任中にお話しする機会をいただいて、一時間ちょっとお話をさせていただいたところでございます。 そうした先人の言わば知見、経験というものを私も大切にしていきたいと、このように思っているところでございます。
○小野次郎君 よもやま話をしたかとお伺いしているのではなくて、集団的自衛権の行使容認という国の在り方を大きく変えることについて歴代総理から意見を徴したことがあるんですかということをお伺いしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それぞれの総理とのやり取りについてつまびらかに申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、基本的に、今申し上げましたように、麻生総理とは同じ内閣におりますから、先ほど申し上げましたように、内閣として連帯として責任を負い、閣議決定をするというのは委員も御承知のとおりであろうと、このように思います。(発言する者あり) もちろん、今、後ろから、していないんではないかという声がありましたが、当然、これは当然しなければならないわけでありますし、昨日もまさに中曽根総理とはそのことをお話をさせていただいたところでございます。 また、小泉総理とは、かつて私が官房長官時代に、実はもうこの検討を進めていたわけでございまして、当時は小松さんが外務省の局長であったわけでございまして、このことについても、これは当時の秘書官は御承知なかったかもしれませんが、小泉総理とも随分お話はさせていただいたこともございます。
○小野次郎君 同時に、私の記憶では、この時期には総理に対して、自民党の総理大臣に対して厳しいことを言う立場にある、当然、当時、自公保政権でしたから、公明党、保守党とは当時、代表レベル、幹事長レベルでしょっちゅうコンタクトはあったわけですけれども、民主党の方、そして社民党の方との会談も私は立ち会ったことがあるし、共産党とも官邸でしっかりと党首会談をしています。そういうことを今回なさるおつもりはありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、安保法制懇の報告書を受けまして、これをもって今、与党で協議をしているところでございます。しかし、実際にそれをもって最終的に協議が調えば、これは閣議決定を行うわけでございますが、その上に立って、法律をこれから作っていくわけでございます。 小泉政権時代においても、閣議決定のみにおいて、法律の伴わない閣議決定のみにおいてそうした協議が持たれたということではないんだろうと、こう思うわけであります。私も記憶をしているわけでありますが、テロ特措法のときにも野党と協議をして、私は副長官でそこに立ち会っておりましたから覚えておりますが、そうした法律を作る段階において協力を、また理解を求めたことがあります。残念ながら理解は得られませんでしたけれどもね。 そして、今回についてもこの閣議決定がなされたら、その後、必要な法整備を進めていく、当然御理解をいただく様々な努力は行っていきたいと、こう考えているところでございます。
○小野次郎君 自衛権行使に関しても、私は、憲法の最終的解釈権限というのは司法権にあって、行政府に委ねられているのはこれまでの司法判断から逸脱しない範囲で法令を執行することだと思っています。 憲法の解釈、運用における行政府の役割について、行政府の長である総理の認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する国家機関は、憲法第八十一条により、いわゆる違憲立法審査権を与えられている最高裁判所であります。その上で申し上げますなら、行政府が日々その権限の行使を行うに当たっては、その前提として、憲法を正当に解釈していくことは当然必要なことであります。 このように、行政府として、憲法解釈は、最終的には憲法第六十五条に基づく行政権の帰属主体である内閣がその責任において行うものであります。
○小野次郎君 官僚答弁を棒読みするのはやめていただきたいと思うんですが。 少し各論の方に入ってまいります。 具体論に入りますが、攻撃準備段階に関する情報収集というのが、もうこの五十年、六十年の間に、攻撃準備の情報収集というのは極めて飛躍的にアップしている、情報衛星なんかも昔はなかったわけですから。そしてまた、早い時点で攻撃着手の認定をしようと思えばできるという状況になってきています。また、いろんな情報収集によって、常に自衛権行使のスタートの段階で問題になるのは、相手方の侵害の意図、やる気なのかという部分を認定できるかどうかということだと思うんですが、そういった問題についても、物理的にもインテリジェンスの面でもテクノロジーの面でもかなり進歩してきています。 これまでの先制攻撃論、先制的自衛というんですかね、理屈ではいろいろあり得るとか言っていますけれども、極めて制約が多いわけです。また、平時と有事の区別というのも、非常に私は、憲法で認められている自衛権を全きものとして行使していくためには足かせになっていると私は思っています。 この間隙が生じて撃退抑止の力が発揮できないという問題もあると思うんですが、こうした問題について、私は、攻撃の着手時点の認定、侵害意図の認定について、もっと、何というんですか、臨機応変というかスピーディーにやるべきことだと思うし、そのことによって画期的に我が国の抑止力も防衛力も向上できると思うんですが、総理、そうお考えになりませんか。総理、お願いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛の責任者として、今委員がおっしゃいました、私どもとしては、様々な情報収集そして新しい装備を用いて様々な兆候の早期の発見にしっかり努めていくということは大変重要だと思っております。 ただ、やはりどのような時点でどのように紛争やあるいは我が国を脅かすような行為が行われるかというのは、これは予断を許さない状況でもありますので、そのための様々なしっかりとした法整備の議論、これもまた重要なことだと思っております。
○小野次郎君 今度は総理にお答えいただきたいんですが、公海上における米艦防護、総理自身が挙げた例ですけれども、これ、もう何度も私も国会で質問していますけど、今の解釈、運用でも防衛出動時には対応可能だと言われているんですね。 ですから、現場の具体的状況に従って、今、自衛隊法なんかは下位法令によって、防衛出動時と防衛出動以前だということで対応できるできないが分かれていますけれども、具体的状況に従って防衛出動と同じように個別的自衛権による対応を取ることが可能になるのではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについては、もう既に法制局長官がお答えをしているわけでございますが、法制局の見解としてはできないというのが答えでございまして、その中でまさにこれから、これでいいのかという問題意識を持ちながら、どういう当てはめが可能かということも含めて、与党において協議をしているということでございます。
○小野次郎君 何かそういうところだけは法制局長官が駄目だと言っているというのは、集団的自衛権についてはどうなんだろうと思うんですが。 続けます。 弾道ミサイル防衛に関しても総理はおっしゃっていますけれども、実際に軍事的に考えれば、朝鮮半島から発射を想定した場合には、北のアリューシャン列島から南のグアム、サイパンに至るまで幅広い方角の中には、何も日本とアメリカだけが入るんじゃなくて、北米諸国、カナダとかメキシコも入りますし、南太平洋の多くの諸国が含まれ得るわけです。 有事、平時の別なく、私の知っている限りでは発射されたと分かってから五分から七分で着弾しますから、瞬時に判断しなきゃいけないミサイル防衛では、方角的にいささかでも我が国に向けた可能性があるミサイル発射であれば撃墜措置をとる、まあ、とれるかどうか、当たるかどうかは、私ちょっと分かりませんけれども、とるということ自体は全体として個別的自衛権の行使として容認され得るんじゃないでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 技術的なことですので。 今、我が国の弾道ミサイル防衛に関しましては、これは発射された直後に、早期警戒衛星で様々な情報を収集し、それがどの辺りに落下するかということがかなり正確に把握することができます。ですから、それが我が国に落ちるということであればそれは我が国の対応ということになりますし、そうではないという場合には現在の議論の中ではなかなか対応が難しいということでありますので、技術的に実はかなりどこに落下するかというのが今は分かるような状況になっております。
○小野次郎君 理論的には分かっている。結構、過去十年間の例を見ると、その予測が外れたりすることも多かったですよね、大臣、御存じだと思いますけど。
○国務大臣(小野寺五典君) 基本的にはかなり正確でありますし、それからまた、それに対してのミサイル防衛についても、先ほど当たるか当たらないかというお話がありましたが、過去の実験例でも、ほぼこれは満足がいくような結果が出ているということを申し伝えたいと思います。
○小野次郎君 防衛大臣とここでその点、技術的な議論を続けてもあれですけれども、実際には、五分から七分というのでは、連絡が大臣や総理のところに届くときには五分から七分たっているんですよ。それは、今から飛ばすよといってハワイの沖か何かで訓練したときに当たったというだけの話と実際のことを考えてみれば分かると思いますよ。 では、続けてやりますが。 次に、これは総理にお伺いしたいと思うんですが、いわゆる第三国、他国に対する攻撃であっても、我が国の独立と平和にとって重大な侵害にも当たる場合には、さっき申し上げたとおり、その着手というんですか、武力攻撃の着手の問題、あるいは武力による威嚇だと捉えて我が国の個別的自衛権で対応することが可能な場合があるのではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘の他国に対する武力攻撃は、いわゆる自衛権発動の三要件である我が国に対する急迫不正の侵害があることという要件を満たさないことから、これは個別的自衛権を発動することはできないと、これが今までの政府の立場であります。 いずれにしても、現在、具体的な事例に即して与党協議が行われておりまして、その検討結果を待ちたいと、このように思っているところでございます。
○小野次郎君 今日は時間がありませんから、私は武力による威嚇又は武力攻撃の着手があったと捉えてと言っているんで、今までの、要するに着弾しました、当たりましたというのを待つ必要はないんじゃないかというふうに言っているんで、その点をちょっとよく総理の方もお考えいただきたいと思います。 次に、武力行使との一体化論。 これも、昨日たしか維新の会の小沢鋭仁議員も質問していたと思うんですが、いわゆる日本の憲法運用というのがガラパゴス化しているというんですか、どんどんどんどん何か細かいものをつくってしまって、例えて言えば二階建てのビルの屋上に増築したプレハブ小屋みたいに、いろんなものをくっつけちゃっているんですね。 この武力行使との一体化論、おそれという曖昧な概念を用いて憲法上の制約を殊更に拡張しているような気が私はしています。我が国防衛上、あるいはもっと広く国際平和の維持のために必要が認められる補給、輸送、停船検査などの米国軍とか多国籍軍に対する後方支援に関しては、我が国自体の武力行使に至らないという条件の下であれば、憲法上も容認される可能性があるんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに委員とともにテロ特措法のときにこうした議論をさんざんしたところでございますが、これまで、我が国による後方支援に際しては、我が国による後方支援が他国の軍隊の武力の行使と一体化することがないことを制度的に担保するための一つの仕組みとして、個別の法律において自衛隊の活動地域は非戦闘地域や後方地域に限るといった仕組みを採用してきたところであります。 それにのっとって当時の小泉政権としては答弁をしたところでございますが、武力の行使との一体化の考え方をもはや取らないとする安保法制懇の報告書の提言をそのまま採用することは、従来の政府の立場に照らして難しいと考えておりますので、言わば武力の行使との一体化論については引き続き受け継いでいく基本的な考え方でございますが、他方、従来から政府が示してきた判断基準をより精緻なものとして、具体的に何が武力の行使と一体化する行為なのかを明確にし、そしてどのような後方支援が可能であるかを検討していくことは今後の検討課題の一つであろうと思いますし、また、従来から非戦闘地域あるいは後方地域という概念については様々な議論があったのは委員も御承知のとおりでありまして、この点も含めて検討が必要ではないかと考えています。
○小野次郎君 集団的自衛権の行使容認の可能性を研究するという今までなかったことを現職総理として踏み込もうとしている割に、部分部分をお尋ねすると全部官僚の答弁をお読みになっていると、何か道具は昔のままの道具を使って新しいことをしようとしても私は難しいんじゃないかと。その部分についても安倍総理自身の判断でこれはこうすべきだということをおっしゃらないと、無い物ねだりというんですかね、とにかく欲しいのは集団的自衛権という言葉だけだみたいになっちゃっていますから、そこはお気を付けいただいた方がいいと思います。 私が言いたいのは、憲法上容認される自衛権行使について最大限まで常に臨機応変に行使できる国内システムを構築することが今当面最大の課題なんじゃないかと思うということなんです。 自衛権行使にとって国内法令に定める要件が、例えば防衛出動の要件が憲法で許されている自衛権行使の中にまた縛りになっているわけですよ。あるいは、その発令の手続、どこの承認が要るとか閣議決定が要るとかという様々な手続が、じゃ瞬時にミサイルが飛んでくるときに自衛権行使の範囲内で一〇〇%できるかといったら、できないわけですよね、手続を踏まなければ。公務員である自衛官の方たちに、合憲だけど違法なことをやれとは言えないわけですよ。 ですから、そういう意味でいうと、憲法上容認される万全の自衛権行使が可能になる方法を考えるのがまず第一ではないかと思うんですが、総理、そうお考えになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は批判のための批判をしておられて、私は、政府としての答弁を、立場を述べるときには、これは正確に言葉として、さっきの答弁と今の答弁少し表現が違ったではないかという揚げ足取りをされないように読まさせていただいているわけであります。そこは御容赦いただきたいと、こう思うわけでありますが。 その上で、今の御質問にお答えをするとすれば、まさにこれはシームレスに対応しなければいけないということにおいて、いわゆるグレーゾーン下も含めて、国民の命と平和な暮らしを守るためにこれは全てしっかりと検討の対象にしていく。 今、手続とおっしゃった、この手続も大切でありまして、実際、現実問題として、そんな手続を果たして取れるかどうか。ただ、同時に、シビリアンコントロールの観点から手続も重要でありますから、そうした観点からも今後検討をしていくことになるんだろうと、このように思います。
○小野次郎君 一つ、在外邦人の保護のための自衛隊の出動という可能性について指摘しておきたいんですね、質問もしたいんですけれども。これは、ある意味では集団的自衛権の問題以前の大問題だと私は思っています。 というのは、古いことを言うのも恐縮ですけど、一九二〇年の尼港事件って御存じですね。ニコラエフスク港事件だとか、一九三二年の上海での僧侶殺害事件なんかが駐留の理由になったり武力行使の理由にされてきているというのも現実にあるんですね。 ですから、今特にそれ、昔以上に世界中に日本人いるわけですから、確かに日本人の生命、安全を守りたいというのは私たちの責任でもありますけれども、それが自衛隊を出動させて武力を行使する理由になるかというと、よくよく考えないといけないだろうと私は思います。 ですから、自衛権行使の目的は、国の領域主権及び国の独立の維持だというふうに考えるべきだと思いますけど、総理の御認識をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはもう当然、今、小野委員がおっしゃったことは重要な観点であります。基本的な考え方でありまして、邦人の例として挙げたのは、まさに近隣国で紛争があって、避難しようとする邦人を乗せている船を守れるかどうかということであります。 他方、再々申し上げておりますように、個別的自衛権においても、一般論として、武装した自衛隊を派兵して、武力行使を目的として海外に出していく派兵というのはできないという、これは今までと同じでありまして、それは、集団的自衛権の解釈がもし変更が可能になるとしてもそれは当然掛かってくる制限であると考えております。
○小野次郎君 最後の質問ですが、この集団的自衛権行使容認しようという主張というのは、基本的に、事前の抑止力の強化ということにあるんだろうと思います。そう考えると、アメリカ以外の国と集団的自衛権を共有しても、我が国にとって戦争に巻き込まれるリスクが数の分だけ増えるだけで実質メリットはないわけです。アメリカはどうかといえば、既に日米安保条約によって日本防衛の義務を負っています。 ですから、今回のこの議論自体が、アメリカが条約上の義務を十分に果たさない可能性があるという認識なんでしょうか。もしそうだとすれば、条約上の義務さえ守られない可能性があるならば、集団的自衛権行使容認の議論を幾らしたって、安全保障上の不安は解消できないのではないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、安保条約についての御質問なので、私の方からお答えさせていただきます。 まず、実質的にメリットがないのではないかという指摘ですが、今議論しておりますのは安全保障環境が大きく変化する中にあって、現実に起こり得る事態に対して、国民の命と暮らしを守るために国際社会とどう連携していくか、そしてそのための法的整備をしっかりしていこう、こういった議論を行って、そして抑止力を高めていこう、こういった議論を進めていこうとしているわけですから、これはメリットがないということは当たらないと、まず考えています。 そして、日米安全保障条約、米国に対する信頼についての御質問ですが、これは累次にわたりまして我が国は米国の安保条約におけるコミットメント、確認をしておりますし、米国側も表明をし続けています。先般のオバマ大統領の訪日においても、改めて米国の最高責任者であります大統領からそれが表明されたところであります。日本政府として、米国が条約上の義務を果たすことにつきまして、しっかりと信頼を寄せているところであります。
○小野次郎君 これだけの国の在り方の大転換の議論をしようとするときに、安倍総理、歴代総理の意見を一つずつしっかりとお聞きになろうとせず、野党代表の意見をしっかりと聞こうとせず、歴代自民党幹事長の批判にも耳を貸さず、歴代法制局長官の慎重論にも耳を貸さず、特に前回政権において、あなたの政権において安全保障政策の最高責任者であった官房副長官補の慎重論にも耳を貸さず、そして、かつて私のように部下であった者からの諫言にもためにする批判だという御指摘をされる。何とぞ、糸の切れたたこと言われないように、総理、じっくり取り組んでいただくようお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治でございます。 みんなの党は、総理も御承知かもしれませんけれども、厳しい安全保障環境の下、集団的自衛権の行使については容認の方向で党内の議論を今取りまとめようとしているところであります。そうした立場から幾つか質問をさせていただきます。 私は、先週、議員交流ということで、議運の許可を得まして、御党の議員、自民党の議員と言わば超党派でワシントンに出張して、政府要人、議会関係者と面談をさせていただきました。 ワシントンでは、四月にオバマ大統領が訪日して、その際に集団的自衛権をめぐる議論についてウエルカム・アンド・サポートという言葉を使って明言したということもありますので、日本の集団的自衛権について積極的に評価する声が大半でありました。少なくとも、懐疑的に疑問を呈する、そうした意見を全く私自身は耳にすることはありませんでした。 米国政府の関心は、むしろ次の段階であります年末までの日米ガイドライン、こちらに向かっているということを強く感じました。そして、そのスケジュールとともに、内容が中途半端なものではなくて、中身のしっかりしたものになるのかどうかという点に関心があるということを感じた次第であります。 そこで、総理に質問をさせていただきます。集団的自衛権をめぐる議論が行使容認で合意を得ることになった場合とそうでない場合とでは日米ガイドライン見直しの内容に違いが生じるかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) ガイドラインの担当でありますので、短くお話をさせていただきます。 現時点で、現在の我が国の法的基盤、憲法解釈に基づいてこのガイドラインについては日米で検討をしております。他方、集団的自衛権等について与党協議が進められているところでありまして、その結果に基づき、政府としての対応を検討していくこととなります。このため、今後、新しい観点に立って安全保障政策を構築することが可能となれば、それを踏まえてガイドラインの見直し作業を進めていくことになると考えております。
○中西健治君 昨日の予算委員会で総理はもう少し踏み込んだ発言をされていたんじゃないかと思うんですが、総理のお考えを直接お聞きしてもよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま基本的には防衛大臣が答弁したとおりでございますが、昨年の十月の2プラス2において本年末までに作業を完了することとされておりまして、二国間の防衛協力における適切な役割分担などについて幅広く議論していくことになるわけでありまして、その中で、現在、日米当局間の見直し作業を進めているところでございますが、当然、今与党において行われております安保法制懇の報告に対する協議は、これは重要な協議であると恐らく米国側も認識をしておられるんだろうと、このように思うわけでありまして、作業の前提として、現時点では現在の我が国の法的基盤、法解釈に基づいての検討を進めているところでございまして、この与党の協議が進められているところでありますが、その結果に基づいて政府としての対応を検討していくこととなります。 このため、今後、新しい観点に立って安全保障政策を構築することが可能となれば、それを踏まえたガイドラインの見直し作業を進めていくことになると、このように思います。
○中西健治君 このガイドラインについては、アメリカ側は当然のことながら内容が適正なものになるということを強く重視しているということだと思います。 昨年の2プラス2で今年の十二月までと見直しの期限が設定されているわけでありますが、総理は、この十二月の期限を守ることを重視されているのか、それとも期限を延長してでも集団的自衛権の議論の収束を待って、それが反映されることをより重視してお考えなのか、どちらなのか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。これは総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このスケジュールについては日米で合意を既にしておりますので、このスケジュールの下、内容の充実を図るべく精力的に作業を行っていきたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、今そうしたことも前提に、先ほど申し上げましたことも前提に与党において協議が進められていくことも期待したいと、このように思っておるところでございます。
○中西健治君 十二月のこのガイドラインの期限というスケジュールと、それと集団的自衛権の議論で今のスケジュールというのはぶつかり合うことが考えられるんじゃないかと思います。ですので、こうした質問をしているわけですが、どちらかを優先されるというお考えはあるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、スケジュールありきなのかと、中身が大切じゃないか、これは両方とも大切でありまして、まずは米国と合意をしている年内という中において、そして、今、他方、与党で協議をしております。この協議においてはじっくりと、しかし、こうしたことも見据えながら協議が進んでいくことを期待しているところでございます。
○中西健治君 ワシントンで国防省側からの印象に残った言葉として、ガイドラインの改定を洋服の生地の裁断に例えまして、メジャー・トゥワイス・カット・ワンスという言葉を使っておりました。これは、メジャー・トゥワイスということですから、寸法を二回測り直してでも裁断は一回だけですよ、生地を切るのは一回だけですよと、こういう意味でありますけれども、それは、議論をやり直してでもガイドラインの見直しというものに落とし込むのは一回だけですよと、こういう意味合いだと思います。内容を非常に重視しているという意味合いで使っているんであろうというふうに思います。 一方で、私がお会いさせていただいた中に、アーミテージ国務元副長官ですとかカート・キャンベル前国務次官補ですとかマイケル・グリーン、こうした方々がいらっしゃいましたけれども、こうした方々は、早期の議論の決着を強く支持すると、こんなようなことをおっしゃっておりました。これは、その心はやはりガイドラインを十二月までにということを強く念頭に置かれ意識されているということなんではないかと思いますが、こうしたコメントをお聞きになられて、両方大事だということはそうなんだろうと思いますけれども、十二月の期限をやはり何が何でも守ることで考えていらっしゃるのか、そこら辺の認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この日米ガイドライン、極めて重要であります。 このガイドラインを見据えながら、ただいま、今切れ目のないこの日本防衛について、国民の命を守るために何をなすべきかということの観点から議論を行っているわけでありますが、日米間では、昨年の十月の日米2プラス2において、本年末までに日米防衛協力のための指針の見直し作業を完了することで合意をしておりまして、それに間に合うように今様々な協議を行っているわけでございます。 例えば、武力攻撃に至らない侵害への対処及び国連PKOを含む国際協力等に係る事例、続けて、武力の行使に当たり得る活動に係る事例についても検討しているわけでございますが、こうした本件についての方針が固まっていることがこのガイドラインの協議に向けて望ましいと、このように考えております。
○中西健治君 望ましいということでありまして、はっきり期限を守るというようなことについてはなかなか言いづらい部分もあるのかもしれません。 次に、集団的自衛権を行使できないことによる不利益についてお伺いしたいと思います。 これまでの政府解釈、質問主意書に対しての答弁書などでは、集団的自衛権を行使できないことによる不利益は生じるものではないと、こういうことが明言されていたかと思います。 集団的自衛権を行使するようになった場合に、攻撃を受ける可能性が高まるですとか、また、いわゆる巻き込まれるリスク、こうしたものを考え合わせた上でも、総理、国益にかなうとお考えになっていらっしゃるということだろうというふうに思いますけれども、どうしてそうお考えになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる巻き込まれ論でありますが、一九六〇年の安保改定時に反対した人々は、まさにこの改定によって日本はアメリカの戦争に巻き込まれるという強いこれは反対がありました。反対論の中心的な論点はそこであったと言ってもいいんだろうと思います。 あの条約が締結をされて五十年以上たつわけでありますが、日本は巻き込まれてはいないわけでありまして、むしろ抑止力が高まり、そして、そのことによって地域の平和と安定には大きく貢献したのではないか、そして国民の支持も今は得ていると、こういうことだろうと思います。 そして、言わば抑止力を高めていくことが極めて重要であります。同時に、今委員が御指摘になった不利益を我々が被ることはないと、不利益なことはないという今までの指摘、これは法制局の指摘でもありますが、しかし実際、例として挙げている近隣諸国で紛争があった際、邦人が逃れてくる、米国の船に乗っている邦人を守ることができないというのはこれは不利益だろうと、このように考えます。 このような観点からも、今与党において何が可能か協議をしていただいているところでございます。
○中西健治君 よく、集団的自衛権の行使はルビコン川を渡るですとか、自衛ではなくて他衛だといった議論を耳にしますが、これちょっとおかしいのではないかというふうに思っています。 あくまで自衛権なわけですから、他国を守ることがひいては我が国の自衛に資するということが自衛権行使の大前提と考えているわけでありますが、総理の考えるあるべき自衛権、そしてそこからおのずから生ずるであろう制約について、基本的認識をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この集団的自衛権の行使については、これは権利であって義務ではないということであります。仮に、限定的な場合に集団的自衛権を行使することが憲法上許容されることとなったとしても、これを自動的に行使することはできないわけでありまして、また、集団的自衛権を行使するためにはこれを裏付ける法整備が必要となるわけでありまして、この法制においては国会の関与も当然議論されることになるんだろうと、このように思います。 そのような法整備を行った上で、実際に集団的自衛権の行使を行う場合、政府は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要かといった観点から重大な判断をすることになるわけであります。 日本は民主主義国家であります。その民主主義国家としての日本が言わばそうした重大な判断をする、まさにそれは国民の生命、そして安全な暮らしを守る行為なのかどうかということを突き詰めた上での判断、慎重な判断になるんだろうと、このように思います。
○中西健治君 今日は、テレビの中継もありましたので、基本的なところで認識をお伺いさせていただきました。 それから、これからガイドラインを含めてどうした日程感になっていくのか、そうしたことも我々注視していきたいと思います。 今日はどうもありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 集団的自衛権をめぐる与党協議が始まり、十五の具体的事例が示されております。しかし、具体的事例というならば、集団的自衛権というものが一体戦後どのように使われてきたのかと、そのことの検証が私はまず必要だと思います。 自民党の石破幹事長は、大国の横暴に小国が連携して国を守るための権利だと、こう言われました。果たしてそうなのか。 戦後、集団的自衛権が行使をされた例は十四あります。主なものを並べてみました。(資料提示)アメリカなどによるベトナム戦争、旧ソ連などによるチェコの侵略、そしてアメリカやNATOによるアフガニスタン戦争。こういう例を見ますと、大国の横暴から小国が連携して国を守るのではなくて、大国による侵略や軍事介入の口実とされてきた、合理化をされてきた、そういうものではないでしょうか。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、例として挙げられているハンガリーやチェコスロバキアの、ソビエト連邦が侵攻したという例でございますが、もちろんソ連と日本を同一視することはできないわけでありますし、そもそも集団的自衛権の権利というものは権利であって、これは義務ではないわけでありまして、そしてまた、我々はこの集団的自衛権の行使についても制限的にこれは行使できるという考え方を取っているわけでございまして、そうした活動に、言わば武力行使を目的としてこの集団安全保障においても武力、これは集団安全保障の考え方でありますが、集団安全保障において武力行使を目的として戦闘に参加することはございませんし、そして、集団的自衛権におきましても、個別的自衛権に掛かっている制限については集団的自衛権にもこれは掛かっているという考え方であります。
○井上哲士君 我々は考えているとまで言われました。思わず本音が出たと思うんですね。いろいろ今言われましたけれども、過去、集団的自衛権が大国による侵略や軍事介入の合理化に使われてきたと、このことは否定をされませんでした。これは動かし難い歴史的事実であります。 憲法は、そういう海外での武力行使を禁じております。憲法解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようになれば、過去のそうしたような戦争にも日本が参加できるようになる、このことに今多くの国民が不安の声を上げております。 そうしますと、にわかに、今もありましたけれども、限定的に行使するんだということが盛んに言われるようになりました。安保法制懇の北岡座長代理も、集団的自衛権行使には六条件で歯止めを掛けると言われて、その中身が安保法制懇の報告書にも盛り込まれました。 そこで、外務大臣にお聞きいたしますが、この中に、我が国と密接な関係にある外国に対し武力攻撃があること、攻撃を受けた国からの明示の要請又は同意があることというのがありますが、これは集団的自衛権行使の一般的要件だと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘いただいた六条件につきましては、この今回の安保法制懇の報告書の中で挙げられている条件であります。政府としましては、その報告書を受けて、今与党とも政府の方針を決めるべく議論を開始したということでありますので、今現状におきましてはこの集団的自衛権につきまして何も決まったものはありません。 その上で申し上げさせていただきたいと思いますが、国際法上、一般に集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化される権利と解されております。また、その行使に当たっては、武力攻撃を受けた国の要請又は同意が必要、このように国際法上解されています。こうした御指摘の安保法制懇の報告書にありますその御指摘の要件につきましては、このような国際法上の要件について指摘をされたものと理解をしております。
○井上哲士君 まさに国際法の要件を言い換えただけであります。 さらに、第三国の領域を通過する場合、当該国の同意を得ることというのがありますが、これも国際法の一般ルールだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の安保法制懇の報告書におけるこの要件ですが、これは、国際法上、一般に第三国の領域内で活動を行うためには、領域主権との関係で当該第三国の同意を得ることが必要である、このように国際法上理解されていますが、その点を指摘したものだと理解しております。
○井上哲士君 三つとも国際法の一般要件を書いただけで、およそ歯止めなどと言えるものではありません。 残る三つは、その事態が我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があることを首相が総合的に判断をし、その際、事前又は事後の国会承認を受けることということでありますから、要するに、国会の多数派である時の政権が判断をすれば可能性があるだけでも行使が可能だと、こういう中身になっているわけですね。 ですから、六つの歯止めでたくさん歯止め付いたなと国民に思わせるような報告書でありますけれども、中身を見れば、国際法の一般要件に基づいて政府の判断で行使をすると。ですから、先ほど挙げたような大国が軍事介入の合理化として使ったときと要件は変わらないんですよ。これでは何も歯止めにはなりません。 では、政府は何をもって判断をするのかと。安保法制懇の報告は、政府が総合的に判断する諸点として五つ挙げております。その中の二つ目、日米同盟の信頼が著しく傷つきその抑止力が大きく損なわれ得るかと、こうなっておりますね。先日、外交防衛委員会で聞きますと、この五つの要件全てを満たす必要はないということでありましたから、この一点でも可能になるわけであります。そうしますと、日米同盟の信頼を理由にアメリカから参戦を求められて、日本が果たして断れるのかと。 外務大臣にお聞きしますけれども、これまで日本がアメリカによる海外での武力行使に反対をしたという例があるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、確認しておきたいと思いますのは、御指摘になっているこの条件、これは安保法制懇の最終報告書において掲げられている要件であります。報告書を受けて政府としましては、この集団的自衛権を行使することも含めてまだこれから議論を開始するということであります。ですから、行使も含めてまだ何も決まっていないわけですから、この行使する場合の集団的自衛権の要件につきましてもこれから議論するということであります。 そして、もう一つ御質問として、アメリカの行動に対して我が国として批判をしたことがあるのか等がありましたが、ちょっと今手元に資料がありませんが、グレナダ侵攻等において我が国が深い懸念を示した、一九八三年のグレナダ派兵、そして一九八九年のパナマ軍事介入、こうした際に我が国は遺憾の意を表明する、こういったことが存在いたします。
○井上哲士君 皆さんが報告書に基づいて検討しているから私はただしているんですね。ごまかしちゃ駄目ですよ。 今、グレナダとパナマのお話がありました。グレナダの侵攻の際は、直後に当時の中曽根総理が理解を示しているんです。そして、国連総会でアメリカの侵攻を非難する決議が圧倒的多数で上げられたにもかかわらず、日本政府は棄権しているんですね。パナマに関しては、非難決議に反対しているんですよ。何一つ反対したことないというのが歴史的事実じゃありませんか。 総理、日米同盟の信頼というのは、自民党政権がイラク戦争を支持し、自衛隊を派兵をしたときの理由でありました。アメリカはイラクに大量破壊兵器があると主張して、日本はそれをうのみにして支持をしたわけでありますが、実際はなかったと。アメリカはそれは間違いだったと言っておりますけれども、日本政府はいまだにこのことの間違いも反省も明らかにしていないわけですね。これまでにアメリカのこういう武力行使に一度も反対をしたことがなくて、そして間違ったアメリカのイラク戦争を支持したことに反省もない日本政府が、どうしてこれからアメリカの求めを断ることができるのかと。 しかも、これまでは、憲法上集団的自衛権は行使できないと、こういうことがありましたからアメリカの要請に全面的に応えることはしませんでした。しかし、行使を容認すれば、日米同盟の信頼を理由にアメリカの行う戦争に参加をすることが可能になるじゃありませんか。しかも、報告書は、わざわざ地理的限定を設けることは適切でないとしております。これでは結局何ら限定がないんじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イラクのサマワに派遣した例は、これは戦闘行動に参加することを目的に参加したのではなくて、既に戦闘が終わった段階においてイラクの国の再建に協力をしたということでございます。 そして、今私たちが何を検討しているかということでございますが、そこで、今委員からは、こうした海外での武力行使に参加するのではないかということでございますが、現在の憲法解釈において、武力の行使の目的をもって武装した部隊を他国へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと解しているところでございまして、仮に集団的自衛権の行使が認められるとしても同様の制約が掛かるというのが私たちの立場でございます。
○井上哲士君 ちゃんと答えてくださいよ。アメリカからのこうした要請があって日本が断ることができるんですか、限定がないんじゃないですかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、今申し上げましたように、そうした武力行使の目的をもって武装した部隊を派遣することはできないわけでありますから、これは当然できないということになるのは明確であろうと、このように思います。
○井上哲士君 イラク戦争でもアフガン戦争でも、国民多数の圧倒的反対の声を踏みにじって、国会の多数を頼んで強行したわけですね。 そして、しかも、元々憲法は、たとえ国会の多数派を占める時の政権が判断をしても海外で武力を使ってはならないという縛りを掛けてきたわけですよ。その縛りを解釈を変えて壊してしまえば、時の政権の判断で限定なく行使をできるということになるんじゃないですか。石破幹事長は、限度は情勢によって変わってくると発言しているじゃないですか。 小さく産んで大きく育てる、それがあなたの考えじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しの答弁にならざるを得ないんですが、今私が申し上げておりますように、イラク戦争、あるいは湾岸戦争、そしてアフガン、アフガンにおいては、これは集団的自衛権の行使で後に国連の決議が出たわけでございますが、いずれにいたしましても、現在の憲法解釈において、武力の行使の目的をもって武装した部隊を他国へ派遣するいわゆる海外派兵は一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであるという憲法の解釈は、私たちは、これは当然そのまま維持をしていくという考え方の下に検討していただいているということでございますから、当然それは行わないということは明確ではないのかと、このように思います。
○井上哲士君 海外で武力を使ってはならないという憲法の解釈を変えて集団的自衛権の行使を容認することは、まさに限定ない方向に突き進むことになる、絶対やめるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(末松信介君) この際、お諮りいたします。 委員外議員福島みずほ君、浜田和幸君及び主濱了君から安全保障の法的基盤の再構築に関する件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認めます。 それでは、まず福島君に発言を許します。福島みずほ君。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。 なぜ安倍総理は集団的自衛権の行使を認めようとするのか。二〇〇四年に書かれた「この国を守る決意」という本の中にこういうくだりがあります。 軍事同盟というのは血の同盟です、日本が攻撃をされていればアメリカの若者は血を流す、しかしアメリカが攻撃をされているときに自衛隊は血を流さない、これでイコールパートナーと言えるでしょうか、そして双務性を高めるためには集団的自衛権の行使をしなければならない、そう書いています。 イコールパートナーとなるために集団的自衛権の行使を認める、日本の若者が血を流せ、死ねということを認めるということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大分論理の飛躍があるんだろうと、このように思いますが。 今、私どもは十五事例を挙げさせていただいております。この十五事例にのっとりまして、言わばシームレスな日本の防衛、国民の命や国民の平和な暮らしを守るために何をなすべきかということについて、今までの法制のままでそれができるのか、できなければどういう法制が必要とされるのか、あるいは憲法の解釈のままでできるのか、あるいは憲法の解釈が変更かどうかということについて議論を行っているところでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 日本が攻撃をされていないにもかかわらず、他国防衛のために売られていないけんかを買うのが集団的自衛権の行使、日本が日本の命と暮らしを守るのであれば個別的自衛権でできます。集団的自衛権は全く違うもので、ずっと違憲とされてきた。だから大問題です。 総理、総理は先ほど、我々は制限的にできる集団的自衛権の行使があるとおっしゃいました。合憲の集団的自衛権と違憲の集団的自衛権、何が区別なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、我々がというお話をさせていだたいたのは、安保法制懇から二つの考え方が示されたわけでありまして、一つは、芦田修正を根拠とする考え方でありまして、いわゆる侵略戦争以外は全て認められているということであります。また、国際安全保障による活動は、これも基本的に憲法の禁じている武力の行使には当たらないという考え方でありますが、これは取らないということでございまして、私たちが取っている、これは、検討をお願いするということについて我々はという表現を使わさせていただいたわけでありますが、それは憲法の前文と憲法の十三条から引いてきた、言わば昭和四十七年の政府見解の基本的な考え方の上に立って、その中で、果たして集団的自衛権の行使について、これは今までのままで国民の命を守ることができるかというこれは視点から検討が行われているということでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 集団的自衛権の行使を認めようとしている総理が、真っ正面から答えないじゃないですか。 先ほど、制限的にできる集団的自衛権の行使があるとおっしゃった。つまり、合憲の集団的自衛権と違憲の集団的自衛権があると思っているのだとしたら、その区別は何か言うべきじゃないですか。 訳の分からない十五事例を出して、ころころころころ変えて、それを変えながら、じゃ、総理、なぜ集団的自衛権の行使が日本国憲法下でできるんですか。九条があるじゃないですか。自民党の見解でも、集団的自衛権の行使はできないというのが政府の見解です。さっき総理は、制限的にできる集団的自衛権の行使があるとおっしゃったから、区別は何ですか。合憲の集団的自衛権と違憲の集団的自衛権、総理はどこで区別するんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の答弁をしっかりと聞いていただきたいと思うんですが、安保法制懇から二つの考え方が出されて、一つの考え方は取れないというのが私たちの立場であって、もう一方の立場について、制限的に必要最小限の中において行使できる集団的自衛権があるのかないかについて検討をして、まさに今検討をしているということであります。 その際に、これは十五事例を挙げまして、例にのっとってこれは議論をしているところでございますが、その一つの例は、例えば近隣諸国で紛争が起こり、そこから邦人が避難する際、米艦、米国の船に乗って日本に避難してくるときに、日本の自衛隊は能力があってもそれを守れなくていいのかという、そうした事例にのっとっての議論を今進めているところでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 総理、ごまかしていますよ。この十五事例の中には明確に集団的自衛権の行使のものがあるじゃないですか。潜伏している潜水艦を、じゃ日本が武力行使できるのか。できないというのがつい最近の質問主意書の答えです。国際法上もそれはできない、武力行使をすることは。これは武力行使になるわけじゃないですか。 つまり、総理は、合憲の集団的自衛権と違憲の集団的自衛権がある、その区別がどこかを言わないわけですよ。シームレスと言うけれども、個別的自衛権と集団的自衛権は概念が違います。さっきも内閣法制局言いましたが、量的な概念ではありません。集団的自衛権は、自分の国が攻撃されていないのに攻撃をするから問題なんです。(資料提示) そして、十五事例、この一つ一つについて本当はやりたいと思いますが、例えば、昨日、私はびっくりしました。アメリカの艦船に日本人が乗っていてそれを防護する、いや、アメリカは日本に防護なんか頼まないよ、しかし、昨日、いや、これは日本人でない場合もあり得る、アメリカの艦船でないものもあり得るということであれば、事例そのものがくるくるくるくる変わっていくじゃないですか。前提そのものが変わっていく。ある内閣はこの事例を認める、ある内閣はこれを認める、そんなことをやったら憲法破壊すると思いますが、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、まず潜没潜水艦の例を挙げられましたが、これは言わば集団的自衛権の対象の例ではないということを申し上げておきたい、混同しないでいただきたいということをはっきりと申し上げておきたい。
○委員長(末松信介君) 総理、時間が過ぎておりますので、答弁簡潔に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十五事例については、今まさに与党において協議をしているところでございます。
○委員長(末松信介君) よろしいですか。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 答弁。
○委員長(末松信介君) 時間が過ぎましたので質疑を終えてください。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 与党のときは答弁続けながら、こういうときには答弁を切るのは問題ですし、きちっと国会での審議を求めていきます。 以上で終わります。
○委員長(末松信介君) 私は公平に運営をいたしておりますけれども。じゃ、三十秒、質問してください。
○委員以外の議員(福島みずほ君) はい。三十秒、ありがとうございます。 合憲の集団的自衛権はなぜ認められるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそれを、この安保法制懇の報告を受けた上において、与党において協議を進めていくと、こういうことでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 終わります。
○委員長(末松信介君) 次に、浜田君に発言を許します。浜田和幸君。
○委員以外の議員(浜田和幸君) 新党改革・無所属の会の浜田和幸です。 安倍総理、大変ついていると思います。あしたの夜、シンガポールでシャングリラ対話、小野寺大臣とも御一緒に出かけられるそうですけれども、アジア太平洋地域の安全保障、これをめぐる国際的な会議で基調講演をされますよね。日本の総理としては初めてこのIISSとシンガポールのリー首相が共催の会議で、世界に向けて日本の安全保障の在り方、特に今、中国、ベトナムとの間のこういう厳しい状況、世界中が注目している中で、日本がどう立ち向かうのか世界が注目しているわけであります。その意味では、アジアや世界の歴史を変える、そういう場に総理が臨まれる、是非とも世界に向けて日本の安全保障観というものを、世界のビジネスモデルとなるようなそういうアピールをしていただきたいと思いますし、必ずそれができると私は期待しています。 昨年、このシャングリラ対話会議ではベトナムのズン首相が総理と同じような開会式直後の基調演説をされました。当時も既に中国の動きに対しては大変懸念が高まっていた。しかし、ズン首相はあえて中国という名前を出さずに、アジア太平洋地域での海洋の安定と法の支配ということを言及されたんですね。 それから一年たち、現実はどうかというと、それだけ融和的な政策を取りながら現実にはどんどんどんどん緊張感が高まっています。こういう状況を踏まえて、明日の夜、総理はどういうメッセージを中国、アジア、世界に向けて発するお考えなのか、是非本音の部分でお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 明日、諸般の事情が許せば、シンガポールで開催されるシャングリラ会議に小野寺大臣とともに出席をさせていただきたいと。その際、基調講演を行うことを求められているわけであります。 シャングリラ会議については、アジアの平和、安全保障政策について語る場でございます。国際協調主義に基づく積極的平和主義についてしっかりとアジア、世界に発信をしていきたいと、こう思っているところでございますし、また、今アジア太平洋地域、緊張が高まっているわけでありますが、その中において国際規範をしっかりと守っていく、遵守すると。その必要性、そして力による現状変更は許さない、法の支配を尊ぶと。そのために日本とASEANの国々が協力をしていく、日本の基本的な考え方を示していきたいと、このように思っております。
○委員以外の議員(浜田和幸君) 明日からの会議には中国からも人民解放軍の将軍クラス、場合によっては国防の責任者が来る可能性が、過去の事例から見ると十分ありますよね。そういう場で、中国の行動に対して世界が注目している中で、特に安倍総理として、日中関係の重要性も鑑みながら、しかし、中国の現在の行動について、どのような国際的な法の支配という形のアピールをされるのか。ベトナムからもフィリピンからも、あるいはブルネイからもアメリカからも、国防関係者たくさん集まっています。日本の立場、どういう形でアピールするのか。もう一歩踏み込んだお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本の立場というのは、まさに国際協調主義に基づいて積極的平和主義の旗を掲げて、地域や世界の平和と安定を構築していく上において今まで以上に積極的な役割を果たしていくということでございます。 そして、国際社会、またこのアジア太平洋地域において、その平和を維持するために日本は何ができるか、何をなすべきかということについても申し上げていきたいと、このように思っておりますし、実際、今この南シナ海をめぐる状況が緊迫度を増しているわけでございます。そこで、しっかりとこの法を尊ぶということは、これは中国にとりましても、またASEAN、日本にとりましても、国益に通ずるわけであります。海の安全な航行、公海上空の安全な飛行、こうしたものを確保していく上においても法を遵守する、こういう姿勢を確立をしていくために協力をしていきたいと、このメッセージを出していきたいと思います。
○委員以外の議員(浜田和幸君) 積極的平和主義というのはとても大事な日本のコンセプトだと思うんですけれども、こういう場を使って中国の指導者たちとじかに話を深める、あるいはシンガポールのリー首相は、中国とは我々以上に同じ民族という歴史もあってパイプをお持ちです。そういうシンガポールですとかほかのASEAN、アジアの国々を通じて、中国の動きをいい方向に持っていく、そういうお考え、そういう働きかけを今回される予定はあるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日中関係を、戦略的互恵関係の原点に立ち戻って、お互いに立ち戻って発展をさせていく、関係を改善をしていくというのは、従来から申し上げているとおりであります。日本は対話のドアを開いているわけでございますので、そのことは従来から中国側にも申し上げているところでございまして、中国側にも同じ姿勢を取っていただきたい、こう考えているわけでありますが、そうした努力については様々な場を活用して行っていきたいと、このように思います。
○委員以外の議員(浜田和幸君) 是非、こういう機会を最大限に生かして、日本の平和外交というものを世界にアピールしていただきたいと思い、質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 次に、主濱君に発言を許します。主濱了君。
○委員以外の議員(主濱了君) 生活の党の主濱了であります。 この度は、委員長を始め各党の皆様には委員外の御発言を認めていただきまして、誠にありがとうございます。 早速質問に入ります。 最初に、実は五月十五日の記者会見についてお伺いしたかったわけなんですが、もう既にこれについては総理の御答弁がありますので、絞って伺いたいなと思っております。 まず、立憲主義について伺いたいと思っております。 立憲主義については、様々な考え方があることはもう十分承知をしております。立憲主義の最大公約数は、憲法は国家権力を制限するために存在する、国家権力を縛るために存在をする、こういうふうなことが中心ではなかろうかというふうに考えているところであります。 今、安倍総理が進めている憲法九条を解釈を変えることによって実質的にその内容を変えること、これは国法の最高法規であります日本国憲法の基本原則の一つであります平和主義の原則をないがしろにするものであると、私はこのように考えているものであります。かつ、憲法は国家権力を縛ると、こういう立憲主義に反するものであると、このようにも考えているところであります。 言うまでもなく、憲法の改正というのは、憲法九十六条、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」と、まさにこの手続によって憲法を改正するのであれば、私は改正やるべきであろうと、こういうふうに思っております。 国家権力を制限する、この国家権力を縛るのがまさに憲法なわけです。その憲法の内容を、権力を制限される側、縛られる側の、国家権力そのものである安倍内閣が、しかも憲法の解釈の変更などという、そういう手段でその内容を変えようとしているのは、憲法が想定している改正手続に逆行するものであって、あってはならないことであると、このように思っております。これは国民の皆さんもそのように考えているのではないか、このように思っております。 安倍総理、ここは原点に戻って、基本に立ち戻って、憲法とは何か、憲法の果たす役割は何か、こういうことをじっくり考えるべきではないでしょうか。ついては、憲法存在理由の中心である立憲主義について、安倍総理御自身のお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 立憲主義とは、主権者たる国民がその意思に基づいて憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという近代憲法の基本的な考え方であり、日本国憲法も同様の考え方に立って制定したものであると考えております。 立憲主義にのっとって政治を行うことは、これは当然でございまして、私は、平和主義をその基本原則とする憲法の下で、政府として国民の命と平和な暮らしを守る責任を果たしていく考えでございます。
○委員以外の議員(主濱了君) 憲法改正について重ねて伺いたいわけですが、立憲主義に基づいた場合、憲法改正については、やはり国民の側から、国会が発議をする、こういうことが必要である、先ほど申し述べたとおりであります。この点についてはいかがでしょうか。逆に言うと、政権といいますのは、憲法で縛られる側にある、憲法で規制を受ける側にある、そこがこの憲法改正を様々行っている、こういうしかも解釈で行ってくる、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、我々は、憲法解釈によって憲法を変えようという考え方ではなくて、憲法をどのように解釈すべきかということについて、国民の命と安全な暮らしを守る観点からどのように解釈をすべきか、その例として挙げさせていただいたわけでございますが、まさに近隣国で事態が発生した際、逃れてくる日本国民、米国の船によって運ばれている日本国民を守ることができなくていいのか、国民の幸せを祈る憲法が果たしてそれを禁じているのかという観点から今協議をしているところでございます。 他方、憲法の改正についても、これも御質問だったんでしょうか……(発言する者あり)憲法改正については、まさにこれは党として、我々が野党時代に既に党としての考え方をお示しをしているわけでございますが、いずれにいたしましても、これは衆議院、参議院、それぞれ三分の二の賛成がなければ発議できないというものでありまして、国民的な議論も深めていく必要があるんだろうと、こう考えているところでございます。
○委員以外の議員(主濱了君) 私が問題にしているのは、その憲法の解釈を変えること、これが実質的に改憲につながると、こういう点であります。ここのところがもうまさに問題であろうと、こういうふうに思っているところであります。憲法第九条の内容を含めて憲法を改正したいのであれば、やはり解釈改憲ということではなくて、そういう、まさに、何といいますか、こそくな手段ではなくて、さきに申し上げたとおり、九十六条の手続に従って正々堂々と国民に憲法改正を提案して改正するのが当然であると、このように思っております。 このような観点から、これまで長年にわたって築き上げられてきた憲法第九条の解釈を、ひとときの内閣ですよね、ひとときの内閣にすぎない安倍内閣のいとも簡単に変えようとする姿勢にその傲慢さを感じます。また、極めて大きな失望を感じると、こういうことでございます。 以上で私の質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、藤田幸久君及び渡邉美樹君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君及び高野光二郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査のうち、安全保障の法的基盤の再構築に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。 午前中は、テレビ入り、総理入りで、非常にすばらしい審議を先生方がされまして、午後はちょっとゆっくり落ち着いて審議をしていきたいなと。 でも、午前中の議論を聞きながら、横から聞いていたんですけど、若干お互いの思いというのがうまくかみ合っていない部分もあるのかな、あるいはもっと言えば、政府側の方もまだ議論の緒に就いて政府としてのものを明確に決めていないので、なかなか、何というんでしょう、歯切れの悪い答弁で、説明がし切れていない部分もあるのかなと思いましたので、そういうところをポイントを突きながら何点か質問をしていきたいと思います。 まず一つ目になんですけれども、この安保法制懇の報告書が出てきて、今、集団的自衛権の問題であったり集団安全保障の問題、グレーゾーンの問題を議論されているわけなんですけれども、そもそもこの今の議論というのは、全体の立て付けとして一体どういう議論をしているのかというのがちょっと説明がし切れていないんじゃないかなと思うんです。 もっと説明をすると、これ安保法制懇の一次報告書というのが一次安倍政権のときにありましたよね。あの流れの延長で、どちらかというと安倍総理肝煎りの、どうしてもやりたいというような安倍総理の思いが前に出ている法改正なんではないかというような言われ方も一部するんですね。 しかしながら、私はこのように認識をしているんです。今回の法的基盤を整えるためのいろんな政府の検討は、昨年末もう既に閣議決定をされている国家安全保障戦略、この中に明確に実は記述をされているんですね、積極的平和主義の下に、あらゆる事態にシームレスに対応するための総合的な体制、これを平素から構築していきなさいということが。既存の法制度を見直して、隙間、不備があるところを是正するという作業を今始めている、まさに閣議決定したこの戦略に基づいた作業をしているのが現在なんではないか、そこの説明が足りないような気がしてなりません。 内閣官房の方から、この件、どう思われますか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 御指摘のように、この国家安全保障戦略、これによって、我々の取り巻く安全保障環境というのを我々はひとつ分析をして、規定をしたわけであります。 その際に、やはり我が国を取り巻く安全保障環境というのは一層厳しくなっている、そして国民の命と平和な暮らしを守るという観点から、あらゆる事態に対処できる法整備を行って、日米同盟、そして関係各国との協力を強化することによって隙のない備えをつくっていくことが必要であるというふうに考えたわけです。それによってこそ抑止力が高まって、紛争が回避され、我が国が戦争に巻き込まれることがなくなるというふうに考えているわけです。 現在、政府・与党で、具体的な事例に即して更なる検討を深めて、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対処が可能となる国内法制を整備する作業をやっているわけです。 具体的には、これまでの憲法解釈の下でも可能な立法措置を検討するということ、そしてもう一つは、その上でなお、これまでの憲法解釈のままであらゆる事態に備える法整備が十分にできるのか更に検討していくということであります。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性とか法的安定性の確保が非常に重要です。 このような観点から、政府として、この安保法制懇の報告書の考え方のうち、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときという限定的な場合に集団的自衛権を行使することは従来の政府の憲法解釈に言う必要最小限度の中に含まれるという考え方について、今後更に研究を進めていくという形であります。 現在、与党協議が進められており、その結果に基づいて政府としての対応を検討して、憲法解釈の変更が必要と判断されれば閣議決定をしていく考えであります。
○宇都隆史君 副長官、ありがとうございました。 そこのところを繰り返し、やはり国民に正確に伝わるように発信をしていただきたいと思います。 あくまで国益を守るために、昨年制定したこの戦略に基づいて今のこの法的な隙間を埋めていく作業なんだと、総理の思い付きであったりとか、あるいはアメリカから言われてとか、決してそういう話ではなくて、我が国が進めようとする安全保障戦略、これが既に存在するんだというところを強く打ち出していただきたいと思います。 二問目に、午前中にこういう議論がありました。政府の中では憲法上許される範囲の集団的自衛権、許されない範囲の自衛権があるんじゃないか、そこを明確にしてほしいという議論があったような感じなんですけれども、そこが政府側も非常に説明がうまくし切れていなかったような気がします。 総理は会見の中で、イラクやアフガンの戦闘に参加するようなことは決してしないということを明言され、これは午前中の質疑の中でも言われました。仮に集団的自衛権の行使をしたとしても、日本が直接攻撃を受けていないにもかかわらず攻撃を受けたと同じような武力行使の目的をもって戦闘に参加すること、こういうのは必要最小限ののりを越えるという考え方でこういう発言をされたんだと思います。 是非もう一度、この憲法ののりを越えない集団的自衛権の限定範疇ということが、いわゆる武力行使の目的をもってする戦闘ではなく、緊急避難的な、いろんな補完的な武力の行使なんだというところの説明をいただけないでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) この安保法制懇の報告書では、大きく二つの異なる考え方を示していただいたというふうに思っています。 一つ目は、芦田修正の経緯に着目をして、個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上合法な活動には憲法上の制約はないとする考え方であります。 しかし、この考え方は、これまでの政府の憲法解釈、すなわち自衛のための必要最小限度の武力の行使や実力の保持までは禁じられていないとするこれまでの政府解釈とは論理的に整合しないため、これは総理も会見で明確におっしゃいましたが、政府として採用できないというふうに判断をいたしました。ですから、自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してありません。 その上で、報告書のもう一つの考え方は、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときという限定的な場合に集団的自衛権を行使することは許されるという考え方であります。 これは従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方でありまして、政府としては、この考え方について今後更に研究を進めていくよう指示を出しているところであります。
○宇都隆史君 副長官、ありがとうございます。 その上で、例えばというふうにして付けてこの報告書の内容を説明していただきたいんですね。 例えば、この武力行使に当たり得る活動として、今十五列挙しているうちの中で、政府として今後検討をより進めて研究しようとしている内容は、他国の攻撃からの防御であったり、停船の検査であったり、あるいはミサイルの迎撃であったり、機雷掃海であったり、あるいは民間船舶の共同護衛であったり、そういうような内容だと。 つまり、午前中も海外海外という使い方をして、ここがまた曖昧だったんですね。海外というのは公海上の、いわゆる日本の外の公海上も海外と指すのか、それとも他国の領海、領土内におけるのを指すのか。恐らく領海、領土内における戦闘行為というのは、これはもちろん武力行使を目的とした戦闘ですからやらない。ただ、公海上において、この列挙されているような不可避であって我が国の安全に直結するような内容については検討の余地があるんではないか。 こういう議論をしているんですという、ちょっとまだ議論している最中であるとは思うんですが、より報告書にのっとって踏み込んだ説明をしていただけるとより国民の理解を得られるんではないかな。是非その辺は、引き続き説明の仕方という意味で深い検討をしてみてください。是非お願いいたします。 それから、私は改めて思うんですけど、総理が言われる我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときというのは、その当該国への攻撃を放置してしまったら我が国の存続にも行く行くは関わってくるような事態なのではないかと。 つまり、今日も、午前中でも議論の中にありましたけれども、周辺事態というのは、そのまま放置していればそのうち我が国の領土内に、米軍基地というような事例が午前中は出されて質問されていましたけれども、そういう状況になれば、もう我が国に対する攻撃として個別的自衛権を発動できるわけですよね。 つまり、集団的自衛権と個別的自衛権の間というのは、非常に大きく時間的にも空間的にも、そして実際の行動的にも乖離しているものではなくて、まさに一連の流れの中であるとき突然個別に移っていかなきゃいけない。だからこそ、このシームレスというのが必要なんではないかという議論にもつながってくると思うんです。 是非、その辺の説明ぶりをまたよく内閣官房の方でも御検討いただきたいと思います。 さて、次の質問に移るんですが、そうしてくると、個別的自衛権の発動要件である我が国に対する直接の武力攻撃、これ以前における平素からのいろいろな各種法整備の改正の重要性であったり、あるいは米国との役割をどこからどこまでにしておかなきゃいけないのか。これは、いざ何か物が起こってから、緊急にアメリカから要請があって、果たしてそんなことができるんだろうかなんということを議論していたら時間がないわけですから、事前にこういう条件下の中ではこういう内容についてはできるんだろうかというような調整があってしかるべきだと思うんですね。 ですから、現在においては、周辺事態における日本本土からの米国による武力行使に対する日本の後方支援、これは武力行使の一体化に該当しないと解釈してこの周辺事態法を作っているわけです。 しかしながら、午前中の佐藤委員の質問の中でもありましたように、この周辺事態法ですることができない武力の行使あるいは米軍の警護等が残っている、この辺があるわけですよね。そういうところを事前に米軍等と話合いをよくしておかなければならないんではないか。 我々の国内法ではそこは整備されていませんけれども、それを実際にやるということは、他国から見れば、実際に集団的自衛権、限定かどうかは関係なく、もう一緒になって集団的自衛権をやっているんだ、一体的にやっているんだというふうにそれは認識されるんだろうと思います。 ということは、この一体化にならないという前提の下に組み立てた周辺事態法ではなくて、今回のこの法制の流れの中で限定される集団的自衛権の行使を考えていく上では、この周辺事態法そのものも改定の土俵の上にのせていろんな形で検討を加えていく、総合的な検討を加えていくべきだと私は思うんですが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今、周辺事態法のことについて言及がありました。 周辺事態法、これは、周辺事態におきまして後方支援という形で我が国が例えば補給等の支援ができるという、そういう枠組みであります。この作成に当たっても、たしかこれは従前のガイドライン、日米のガイドラインの中で様々な議論が行われ、その中で必要な役割ということで、周辺事態法を含めた後方支援ができるような形になったと思っております。 現在、この集団的自衛権を含めた様々な議論がこれは安保法制懇から出され、そして今、与党協議の中で具体的な議論がなされていると承知をしております。 いずれにしても、今御指摘ありました周辺事態法も含め、個別法の改正につきましては、これは与党協議が進められているところでありますので、現時点で申し上げる段階にはありませんが、防衛省としましても、厳しさを増す安全保障環境の中で自衛隊に求められる任務、役割を果たし得るようしっかりと検討していきたいと思っています。
○宇都隆史君 防衛大臣、ありがとうございました。 国家安全保障戦略では、ここ十年間を見通して、想定し得るようないろんな事態に対して間断なく、そしてシームレスに対応ができるように措置をしなさいということが、これは防衛力整備の観点からも大綱も含めて書かれているわけですけれども、それは明確に法改正云々とは書かれていないんですけど、やはりこの法律の整備も、今回、二十五年度の大綱で定めた統合機動防衛力、そしてあらゆる事態にシームレスに対応するための措置としてはやっぱり含まれているんだろうと思います。 是非防衛省として、まさにこれは担当証明になるわけですから、いかなる事態が起きることが想定され、それに対して今の問題点がどこにあるのかというのをよくよく深く検討された中で、今回の与党・政府PTの中で出てくるいろんな法律改正の議論にまた加わっていっていただきたいとお願いをしておきます。 時間もだんだんなくなってまいりましたけど、もう一つ非常に重要な点について質問させていただきます。 今回、この報告書において、集団的自衛権の行使を限定的にするためにはこの六つの条件、これをクリアしなければならないんではないかということが述べられているわけですね。 実際に我が国と密接な関係がある外国に対して武力攻撃があること、それからその事態が我が国の安全に重要な影響を及ぼす可能性があること、それから実際にその国からの要請があること、要請又は同意が、そして第三国経由をする場合についてはもちろんその国の許可も得ること、そしてあとは、首相が総合的に判断し、国会の事前・事後承認が要ると、この六つの条件が提示をされているわけですけれども、ただ……(発言する者あり)共産党さんが作ってくださったいい資料なんですけど、しかしながら、野党の先生方からも心配されているのは本当にこの六条件だけで大丈夫なんだろうかと。 私も、この六条件は全てではないと思うんです。更にこの六条件に何かを付け加える余地があるとするのであれば国民の理解が得られると思うんですね、その条件が適切な条件であれば。 例えば、私はこういうことを考えるわけです。ある国が他国からの攻撃を受けたとして我が国に支援要請をしてきた場合であっても、例えば、その支援要請をしてきた実際に今攻撃を受けている当該国が、そもそもその相手国との紛争事態に陥った経緯が、国際社会から批判を受けるような武力の行使であったりとか、あるいは国際法上の均衡性を無視したような武力の行使、ですから、報復措置としてもちょっと考えられないような、いきなり核兵器を使うだとか、あるいはもう圧倒的な物量を使って相手をせん滅するような、そういうような、我が国の平和憲法の理念にのっとらないような、そういう軍事オプションといいますか作戦、それに対して、言ってみたら事態に応じて合理的と判断される限度を超えているような、逸脱したような場合、その場合は仮にこの報告書が示したような六条件に合致していたとしても、我が国としては、そこに参戦といいますか、手助けをすべきでない、限定された集団的自衛権の行使をすべきではないという一つの限定ルールも、これもまたあってしかるべきなんだろうと思います。この件に関してはいかがお考えでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 昨日の予算委員会の答弁も含め、過去、総理も何度も表明されていますが、集団的自衛権の行使は権利であって義務ではないということであります。仮に限定的な場合に集団的自衛権を行使することが憲法上許されるということになったとしても、これは自動的に行使することにはなりません。 また、集団的自衛権を行使するためにはこれを裏付ける法整備が必要になりますが、その法整備の過程では国会の関与も当然あるわけであります。また、そのような法整備を行った上で実際に集団的自衛権の行使を行う場合でも、政府は、我が国の平和と安全を維持して、その存立を全うするために必要かといった観点から非常に重大な判断を行っていかなければなりません。その判断を行うに当たっては、民主主義国家である我が国においては、そういう判断は慎重の上にも慎重を期して行われることになるんではないかというふうに思っております。
○宇都隆史君 ありがとうございます。 しかしながら、そこをある程度明確にしておく、国民の皆さんに分かりやすい、目に見えるような形にして提示をしていくことによって、私は理解がやっぱり得られやすいんではないかなと思います。 ともすると論ですけれども、やはりこの限定された集団的自衛権の行使を容認したとしても、我が国の基本的な防衛戦略としての専守防衛等は変わりませんよね。そうすると、個別的自衛権を発動するような事態に陥っても、基本的には我が国は、相手国に対してあるいは相手国の本土内で攻撃を加えるような、いわゆる主たる攻撃作戦というのは米国に委ねる。我々は、後ろの方と言ったらあれですけど、盾としての防衛を主任務とするような行動、これを起こすわけです。これは、強いて言えば、一番苦しいこと、最も厳しいミッションで戦死者が出そうなところは米国に委ねるというような一つの戦略なわけですよね。 そうすると、一つ米国に対して負い目を負っているような状態の片務性がまだ残っているわけなんです。そこをもってして米国に頼まれれば、やはり断れないんではないかという不安、これが野党の先生方からも本日午前中から質問に上がり、それは疑いようのない国民にとっても不安材料の一つであるんだと思います。そこをしっかりと払拭をしながら、しかし、あくまでこれは国を守るため、国民の皆さんを守るための限定された集団的自衛権の行使であって、冒頭に副長官が言われたように、これをすることでより抑止力が高まり平和に近づくんだということの説明がいま一つやはり政府には足りないような気がいたしますので、そこはやはり努力をしていただきたいと思います。 時間が参りましたので、最後に一言だけ。 非常にこの安全保障の問題というのは、イデオロギーであったり、いろんな感情が高ぶりますので、ともすると情緒的ないろんな枝葉末節の議論に入り込んで陥りがちになりそうになる。我々もそうです。これは必要だと思っている側もそうです。でも、そうじゃなくて、やはり国家国民の安全、安心、独立、これを守るためという共通目標のために、現行においてどこに不備があるのか、現行の法、憲法の中でできるとしたらどこまでなのか、憲法を改正して最終的にはやらなければならないのはどこまでなのかという精緻な議論、冷静な議論をやはりやっていくことが、我々は国会の存在意義というのを国民に理解していただけるんではないかと思っておりますので、今日これで終わるわけではないと思いますので、今後また引き続き議論をさせていただきたいと思います。 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。 午前中の審議の中で、外務大臣、二〇〇一年に宮澤元総理がサンフランシスコにおきまして記念講演をされた、そういう中で集団的自衛権、これは自衛権の延長線上でできるということを述べられておられます。これは、講演の中では、米軍の具体的な活動が日本の安全保障上のリスクに明確かつ直接に関わる活動である限り米軍を援助し、守るために日本の自衛隊を運用できる、運用すべきだという考え方を提案されています。その際、九条の改正を必要とはせず、必要であれば九条を集団的自衛権に関してどう解釈するのかを明確にすべきと。もう今から十四年前にこういう考えを述べられている。 これは非常に大したものだなと思いましたけれども、同じ政策集団の後輩だと思いますけれども、外務大臣の、この宮澤総理の講演、事前にこれ承知されていたのかどうか、その発言に対するお考えをお聞かせ願えればというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政治にとって、立場、信条を超えて国民の生命、暮らしを守るためにどうあるべきなのか、この法的基盤等につきましても不断の検証を続けていく、こういった姿勢は大変重要だと認識をしております。過去において多くの先輩方がこうした認識の下に様々な議論を行ってきた。こうした御努力には心から敬意を表し申し上げたいと存じます。 そして、御指摘のこの発言についても、二〇〇一年ですから、それからもう十三年たっています。この十三年間の安全保障の環境の変化、これは誠に大きいものがあります。そうした大きな安全保障環境の変化、これもしっかり我々として受け止めて、現在において、国民の生命、暮らしを守るためにはどうあるべきなのか、我が国の安全保障の法的基盤がどうあるべきなのか、今現在に生きる我々が真剣に議論をしなければならない、改めて大きな責任を感じるところです。
○佐藤正久君 やっぱり、同じ政策集団の大先輩がこういうことを言われている、しっかり受け止めていただきたいというふうに思います。 そういう意味で、やっぱり環境が変わったという面では、防衛大臣、領空侵犯対処、これももう考えるべき時期が来ているんではないかなと思います。 今の自衛隊法では陸海空自衛隊の指定がなく、実際上は航空自衛隊が今やっておりますけれども、これは海上自衛隊でも陸上自衛隊でも法的にはできると。ただ、中のいろんな規則の中で航空自衛隊としておりますが、今から約一年半前の十二月に魚釣島上空に中国の、当時、海監ですかね、今は海警所属の航空機Y12というセスナタイプのものが侵入をし写真を撮って、しっかりパトロールをしてきたというふうにコメント付きでホームページに載っています。 これは、やっぱり宮古島からの距離等もあって、航空自衛隊ではなく、まず海上保安庁の方がそれを察知をし、自衛隊の方に連絡があり、それからスクランブル等対応されたと思いますけれども、そういう状況を考えた場合、全部が航空自衛隊というよりも、場合によっては近くにいる海上自衛隊の船、船の方からそういうセスナタイプの海警の航空機に対して無線等でコンタクトをまずやって、領空侵犯対処ということもやっぱりこれからは考えるべきではないかと思いますが、防衛大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 今委員が御指摘ありましたように、対領空侵犯措置に関しては、これは制度上は陸海空どこの自衛隊でも対応できることになります。ただ、現実として、やはり航空自衛隊が主たる対応をしておるということであります。 これは、やはり持っている装備が、委員御存じのとおり、どうしても空対空ということになりますので、例えば、海自等の様々な航空機は、むしろ空対船とか、そういう対応で今まで装備も考えておりましたので、そういう意味では、今、直接的に、まず一義的に対応できるのは航空自衛隊かとは思っていますが、いずれにしても、統合運用の時代でありますので、例えば海上自衛隊からの様々な情報をいわゆるリンクをした中で航空自衛隊の航空機が対応する、これは現在もやっておりますが、今後もし必要があれば様々考えていくことも重要だと思っております。
○佐藤正久君 大臣、私の問題認識は海上自衛隊の航空機じゃないんですよ、海上自衛隊の船なんです。船から航空機にコンタクトをしてやることも考えるべきではないかと。 要は、セスナに対してF15が出るというのはやっぱりどう考えてもバランスが悪いし、またヘリコプターもあるんですよ、海警の船にヘリコプターが搭載をされていて、近くまで来てひゅっと飛んだ場合、簡単に領空侵犯をしようと思えばできちゃうんです。そこに四百キロ離れた那覇からF15が飛んでいくというのはバランス的に悪い。 私は、同じように海上自衛隊の船がいろんなパターン考えて、そういう船もコンタクトをして、ここは日本の領空だと、駄目だということもやっぱりこれからの検討の中で、せっかく今回いろいろ見直すわけですから視野に入れてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) こういう東シナ海あるいは離島等の様々な警備に関しては海上保安庁が一義的には対応しておりますが、もちろん海上自衛隊としてもその対応はしっかりさせていただいております。 そして、今言った様々な監視業務については、これは、それぞれ連絡を密に取りながら対応しておりますので、例えば、そのような航空機が仮に海上自衛隊の艦船で確認をされた場合、それは速やかに、むしろ航空自衛隊の通信のアセットを使って対領空侵犯に関しての様々な警告を流すということ、それも当然起こり得ることだと思っています。いずれにしても、連結を密にしていくことが大事だと思っています。
○佐藤正久君 やはり領空侵犯は直ちに対処するのが基本ですから、例えば海上自衛隊の船でコンタクトできればそれはやってもいいし、その後で航空自衛隊の飛行機が行ってもいいと思います。 更に言えば、海上保安庁にも私は領空侵犯対処の任務を与えるべきだと思っています。別に自衛隊じゃなくても、一番最初に対応できればそれはいいわけで、ましてや、今度、ヘリコプターの場合、F15はホバリングできませんから、もう近くに近づいて写真を撮るのも難しいでしょうし、ずっとアイコンタクトとか無線コンタクトもできないでしょう。 本来であれば、そういうY12のようなセスナタイプの向こうの海警所属の航空機、あるいは海警所属のヘリコプターであれば、海上保安庁にそういう権限を持たせれば、海上保安庁も自衛隊と同様にそういうものは対処できるという形にすれば、海上保安庁も航空機持っております、石垣の方にも基地もありますし、そういうところはヘリコプターで飛ぶ、あるいは海上保安庁の航空機でそれは対応するということも私は考えるべきだと思いますけれども、海上保安庁長官に見解をお伺いします。
○政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。 海上保安庁は、海上における人命及び財産の保護、並びに法律違反の予防、捜査及び鎮圧を行うことなどを所掌しておりますが、委員御指摘のとおり、領空侵犯に対する措置は所掌しておらず、そのための装備、能力等は備えておりません。 なお、平成二十四年十二月に発生いたしました中国国家海洋局所属機による我が国領空侵犯においては、防衛省を始めとする関係機関に速報するとともに、当庁巡視船から無線により、当該航空機に対し我が国領空内に侵入しないように飛行せよと通告をしております。 今後とも、領空侵犯の可能性がある航空機を発見した場合には、防衛省に速やかに連絡するなど、関係省庁と連携しつつ、対処に万全を期してまいります。
○佐藤正久君 大臣、まさに今、法的基盤再構築で、その自衛権の発動ではなくて、警察権を超える、グレーゾーンとかいろいろ言われていますけれども、自衛隊をどんどんそういう警察へ近づけるという動きも大事ですけれども、海上保安庁は、警察も更に高めて、お互いにそのグレーゾーンをカバーし合うということが非常に大事で、今言われたように、まず一番最初に発見したのは海上保安庁なんです。海上保安庁が発見して、自衛隊へ連絡をした。それで、海上保安庁がそういう対応能力あれば、ましてやヘリコプターとかああいうセスナタイプであれば海上保安庁は十分対応する能力はありますので、これは政府の方でもしっかり検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、米艦防護、艦船防護、これについて議論をしたいと思います。 まず外務省にお伺いします。 この法制懇の報告書がありますけれども、ユニットセルフディフェンス、これについての概念を簡潔にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ユニットセルフディフェンス、部隊防護と訳しておるようですが、一般に、武力攻撃に至らない状況において、部隊司令官の判断で部隊等への外部からの侵害に対し防護のための措置をとること、こうしたことを指すと承知をしております。
○佐藤正久君 まさにそういうふうに、各個防護じゃなくて部隊防護なんです。これは自衛隊でもやりますけれども、それぞれ例えば、自衛隊法九十五条で、破壊措置命令で日本海の方にイージス艦とかあるいは護衛艦が出ていると。そういうものを、いろんな船が出ているときに、それをユニットとしてお互いにそれを守り合う。実際にそれに米軍がいた場合、米軍が親軍でほかの国が、日本以外の国がここへ入った場合、それもユニットとしてカウントする場合もあるようなんですよ。お互い守り合うと。で、実際に日本のイージス艦とアメリカのイージス艦、データリンク等でほとんど一つのユニットとして実際には情報交換等を北朝鮮のミサイル対応ではこれまでもやっております。 このユニットセルフディフェンスという考え方がもしも政府内で取り入れることができれば、今回の議論の中で、そうすると、隊法九十条、いやいやこれは九十条じゃない、条を間違えました、その破壊措置命令は八十七条でしたっけ、の関係でも出ているときに、まさに武器等防護の九十五条の条文を適用できるということもあり得ると思うんですね。同じユニットの中で守り合うんだと、まさに平時において守り合うということについては、武器等防護と同じような発想の中で、アメリカと日本、それが一体となって行動している中では、このユニットセルフディフェンスということは私は今回一つの切り口になるんではないかと思います。 法制局にお伺いします。 仮にそういうユニットセルフディフェンスという概念が、これができ上がった場合、これは何か憲法との関係で大きな変更事項、あるいは今までと大きな解釈変更というのは必要になるか、お答え願います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘は、自衛隊法第九十五条のような武力の行使に当たらない武器の使用に関するものと理解いたしますが、米艦防護の問題につきましては、先般、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書が提出され、安倍総理が今後の検討の進め方についての基本的方向性を示したことを受け、現在、与党協議が進められており、その結果に基づき政府としての対応を検討することとなると承知しており、現時点で予断的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○佐藤正久君 今は否定も肯定もしないと。まさにここは非常に大事なポイントで、ユニットセルフディフェンス、一緒になって行動していると。それはアメリカの方の概念ですけれども、お互いに守り合うと。ある意味自己保存型の切り口もできるでしょうし、まさに九十五条、武器等防護と同じような感じの発想でもあると思います。 この辺りについても、特に平時における米艦防護、特にデータリンクの情報等のやり取りはほとんど一体化していますから、特に北朝鮮のミサイル対応というものについてはいろいろ対応していただきたいと思います。 先ほどの条文、いろいろ間違えまして、八十二条のようでしたので、そこを訂正しておきたいと思います。 最後に、武力行使の一体化、これについてもう一度法制局の方にお伺いしたいと思います。 日米安保条約六条で、何かあったときに極東事態において日本の米軍基地を使うことができる、とにかく使っていろんな作戦をやると思います、米軍は。そのとき、いろんな当然物資の調達やいろいろやると思います。これは、武力行使の一体化というものとはどういう形で今まで切り分けておられるのでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 武力の行使との一体化の問題でございますけれども、一体化が問題となります場面といいますのは、外国の軍隊が武力の行使を行っている場合において我が国自身は武力の行使に当たらない活動を行う場合ですが、それと一体化する場合に我が国自身が禁じられている武力の行使を行うことになるのではないか、そういう法的評価を受けるのではないかという問題であり、お尋ねのような場合はそのような場面ではないのではないかと思います。
○佐藤正久君 まさに米軍との武力行使の一体化というのは非常に曖昧なんですよ。誰が考えたって、米軍に対してイラクでやっては駄目だけれども日本だとオーケーだと、非常にその辺の基準を含めてその法的な整備というのは、まさに今回いい機会ですので、しっかりやっていきたいと思います。 以上で終わります。
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 今日は、集団的自衛権について、安保法制懇での議論や報告書について質問させていただきたいと思います。 世耕官房副長官は、前回の外交防衛委員会で安保法制懇の委員の人選についてこうおっしゃっています。人選は、基本的には一番広範囲にいろんな意見をいただけるという視点から選ばれているというふうに思いますから、意見の違う人を入れていないなんということはない。しかし、結果として、政府自身もお認めになっているように、審議では集団的自衛権に否定的な発言は皆無です。それから、議論のリーダーシップを取った副座長自ら、自分と意見の違う人を入れてどうするのか、日本のあしき平等主義だと発言しています。すなわち、違う意見の人は選ばれていなかったと公言しているわけです。 では、何を根拠にバランスが取れているとか、一番広範な意見をいただける人選と判断されておられるのでしょうか。委員それぞれの御職業が違うとか、そういうことは言わないでください。お願いします。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) この委員の人選は、北岡座長代理がされたのではなくて、これは内閣としてさせていただいております。ですから、人選の考え方は我々がしっかり持っているわけであります。 我々は、職業とは言いませんけれども、外交防衛政策に関する実務経験者、そして政治、外交、憲法、国際法等の学会関係者、そして経済界の民間有識者といった幅広い分野の代表の方々に御参加いただいているところでありまして、我々は偏った人選をしているつもりはございません。
○牧山ひろえ君 多くの世論調査を見てみても、反対派が半数以上を占めているわけですね。なのに、反対の意見を持つ人が一人も入っていない、これはやはりバランスが取れていない証拠だと思います。 また、安倍総理は、五月の十五日に記者会見で、人選に偏りがあるとの指摘に対しこう反論されております。どうすれば日本人の命を守ることができるかを真面目に考えてきた皆さんに集まってきていただいた、そうおっしゃっているんですが、日本人の命を守ることができるかを真面目に考えてきた人間で人選すると集団的自衛権反対派は入らないということになるのでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) そういう視点で人選をしているのではなくて、先ほど申し上げたように、いろんな分野にまたがる専門家にしっかり入っていただくという視点で人選を内閣としてさせていただいております。中立性が担保されていないとか、そういう御指摘は当たらないというふうに考えています。
○牧山ひろえ君 非常に苦しい御答弁だったと思います。 人選のバランスの悪さが報告書の内容の質にも影響を与えているように思われます。今回の安保法制懇による報告の重要な柱が、九条に係る憲法解釈の変更だと思います。政府の確立した九条解釈はありますが、それ自体が検討の対象になっているわけです。また、九条解釈を正面から主題にした最高裁の判例は存在しないんですね。そういう場合は、憲法の学説こそが最も重要な解釈指針となるもののはずだと思うんです。 法制局長官にお伺いしたいんですが、明確な判例が存在しない状況で憲法解釈の変更を議論する場合、専門の憲法学者が練り上げている憲法学説は当然参考にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 一般論として、憲法を始めとする法令の解釈についての考え方につきましては、平成十六年六月十八日の島聡衆議院議員に対する政府答弁書を引用して、これまでも繰り返しお答えしているとおりでございます。 内容を引用させていただきます。 憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている、仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えられるが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものであり、一概にお答えするということは困難であるということでございます。 その上で、一般に行政府による法令の解釈について申し上げると、いわゆる立憲主義の原則を始め、憲法第九十九条が公務員の憲法尊重擁護義務を定めていることなども踏まえ、その権限を行使するに当たって法令を適正に解釈していくことは当然のことであり、このような政府としての法令の解釈については、最高裁判所の判断が示されているものについてはそれを尊重すべきことは当然として、最高裁判所の判断が示されていない場合も多くあるわけでございますので、いずれにせよ、政府の責任において適切にその解釈を行う必要があるものと考えております。 その過程におきまして、学説その他様々な意見があるものについては当然に参考にすべきものと考えます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 実際、当該報告書では大きな分量を取って九条解釈論を展開しているわけです。ですが、それにもかかわらず、憲法学会における憲法の学説の検討に全く触れていないんですね。これは、安保法制に関する懇談会の報告書としては非常に問題があると思います。いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 安保法制懇の報告書につきましては、有識者の御意見を取りまとめたものと理解しており、それに対して私の立場から何か論評をするようなことは差し控えたいと思います。
○牧山ひろえ君 繰り返しますけれども、憲法解釈が大きな柱になっている報告書で、憲法学説に触れていない、検討の対象にさえしないのは、私は致命的な欠陥であると言わざるを得ないと思います。 この懇談会には、そもそも専門の法学者が少ないということも非常に問題だと思います。一応、ただ一人、憲法学者の方はいらっしゃいますけれども、この方は、学説は、憲法学会では少数、異端説と言われています。 安保法制懇のメンバーの中で、なぜここまで法学者が少ないんでしょうか。また、法学者を複数選ぶんだったらその中に少数派が混じっていてもいいと思うんですけれども、議論の主題に関する専門家をただ一人選ぶとすれば、その学問分野の標準的見解ですとか通説、多数説を代表する学者が入ってしかるべきであるのに、そういう人選になっていないのはなぜなんでしょうか、官房副長官。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 私は、西修先生は決して異端だとは思っておりませんし、長い経験を持つ憲法学者でいらっしゃいますから、当然、憲法の通説も含めていろいろと御紹介をいただける立場として入っておられるんだというふうに理解をしております。 それと、また今回、この報告書で、何も我々は報告書のとおり決めているわけではございません。あくまでも、それを受け取って、そしてそれを踏まえて政府の考え方を、検討の方向性を示して、そしてそれを今与党協議に諮っていただいて、そしてまたこの国会でもこういう形で御議論をいただいているわけでございますから、報告書をもってそれで結論というわけではございませんので、今後、いろんな観点での御議論を、与党を始め、あるいは野党の皆さんも含めていただくものというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 そもそも憲法学説を取り上げなかった理由は、正面から憲法学説に取り組むと、政府が欲しいと思っている、必要としている報告を引き出すのは難しくなるからだと思うんですね。最初からそのために法学者の数を最小限にして、そしてかつ標準的な見解ではない少数派から恣意的な人選を行ったのではないかと疑ってしまいます。これは多くの方々が同じ考えです。 通告なしの質問で恐縮ですけれども、岸田大臣にお伺いしたいと思います。 十二月十八日は外交上の記念日とも言える日ですが、この日は何の日か御存じでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません。今突然十二月十八日と言われて、すぐ思い当たるものが浮かびません。
○牧山ひろえ君 残念です。 一九五六年の十二月十八日に、日本は晴れて八十番目の加盟国として国連に加盟を果たしたんですね。御承知のように、同じ年の日ソ国交回復交渉の大きな眼目の一つが国連加盟の実現であって、この交渉の結果、日ソ共同宣言が調印されたという経緯がございます。旧ソ連による日本の国連加盟支持が盛り込まれ、年末の十二月十八日の国連総会において、日本の国連加盟が全会一致で可決されたという経緯がございます。そして、この日は多くの日本の国連関係者や国際協力に携わる者にとっては貴重な記念日なんですね。 ですが、この大事な日が安保法制懇の報告書ではなぜか、我が国が一九五六年の十二月ではなくて九月、九月に国連に加盟と記述されているんです。単純ミスかとは思うんですけれども、誰の責任でどうしてこうなっているんでしょうか。御説明いただきたいと思います。私は別に重箱の隅をつつこうとしているんではなくて、重要な報告書の作成過程、プロセスを明らかにするために質問させていただいております。
○政府参考人(武藤義哉君) 確かに、報告書の中でその記述の部分が違っておったわけでございますけれども、これについては政府の方でホームページ等で公開する際に訂正の措置は講じているところでございます。
○牧山ひろえ君 これだけ重要な文書について、誰の行為が原因で誰の責任でミスが生じたか明らかにされていないということが信じられないんですが。 今回の憲法解釈変更の問題は国連との絡みも多い問題です。そして、日本と国連との在り方そのものが問われる政治課題でもあります。その意味で、たとえ単純ミスであったとしても大変残念であります。そして遺憾であると言わざるを得ないです。 このようなミスからも分かるように、熟議が尽くされていないということ、それから、有識者であれば誰でも分かるようなミスでさえも見過ごしてしまうほど短時間しか委員に目を通す余裕が与えられなかったということがこれでも分かります。 次に、今の質問に関連しまして、安保法制懇の審議の実態について安保法制懇審議委員の坂元先生にお伺いしたいと思います。 三月十七日の非公式会合で報告書の原案を土台にした詰めの作業が行われました。一般の委員はいつ原案を見ることができたんでしょうか。
○参考人(坂元一哉君) 当日、その席で読ませていただきました。
○牧山ひろえ君 やっぱりすごく短い間ですね。本当びっくりするぐらい短い。原案は会議直後に回収されたとも聞いております。その場配付、直後回収ではなかなか細部まで目を届かせるのが難しいかと思うんですね。 その際、閲覧された報告書原案と報告書完全案、すなわち最終版では大幅な修正はあったんでしょうか。
○参考人(坂元一哉君) ちょっとそのことについて誤解があってはいけませんので申し上げておきますが、実は、その最終案、その前にまたそういう案を見る機会がございまして、それで、当日と申しましても私の場合は四、五時間それを読んで、読んだ上で皆さんとの議論をしたということでございます。それでまた、それは二月でございましたけれども、最終案に至る、三月十七日にも見せていただいた案のその前の案ですね、それにつきましては委員で十分議論をして、しかも、その後に気付いたところを私の場合ですと二十点ぐらいのメモにまとめまして、それを、こういうところを注意してほしいというようなことをちゃんと書いたわけではございます。ですから、三月十七日に見たものは、それがどのくらい私の意見とか、まあ皆さんの意見も含めてですけれども、反映されているかということを確認するという機会でございました。それでも、そのときも三時間ぐらい読みまして、それでそれを手元に置きながら委員の間で議論をしたものでございます。 その後また変化が少しあったかもしれませんが、それは文言上とか文字上とか、私、先ほど牧山先生がおっしゃったような日付の問題とか、私もチェックを本当に細かいところまで実はチェックしたつもりなんですけれども、申し訳なかったというふうに思います。私が見たときにはなかった日付だったかもしれません。それは分かりません。
○牧山ひろえ君 数か月にわたる法制懇内部での討論で、どの論点で最も大きな意見の対立、すなわち白熱した議論があったのか教えていただきたいと思います。
○参考人(坂元一哉君) 白熱したということはともかくといたしまして、憲法の問題で、この委員会は、要するに、安全保障の専門家が多かったわけでございますけど、その専門家から見て今の安全保障の法制の中にどういう不備な点があるかということを安全保障の方向から検討いたしまして、それで、それなりの提案をしたつもりでございます。その提案の在り方について、それは実は二〇〇八年にも出しました第一次の安保法制懇の報告書、これとの関連も踏まえながら、この憲法解釈の在り方についていろんな議論がなされたところでございます。 最初からこの憲法解釈はおかしかったと言う人もおられれば、いや、これは正しい憲法解釈だったけれども、時代の変遷とともにやや不十分な部分が一部あるんじゃないかというような議論とか、そういう議論がなされました。
○牧山ひろえ君 ですが、同じく委員の佐瀬先生は熟議が尽くされなかったとおっしゃっているんですね。それに対して先生はいかがお考えでしょうか。
○参考人(坂元一哉君) これは学問的なところで、例えば集団的自衛権というものの法理や性格、それから起源といったものにはいろんな実は学者の間でも議論がございまして、それをやり出しますと多分何日あっても時間が足らないということだと思います。実は、安保法制懇では、国際法上、これまでも法制局の答弁にもありますように、この集団的自衛権というのは行使できるというのが政府の解釈だというふうに、そういう前提で考えておりますから、細かい集団的自衛権のその由来や性格やその他についていろんな意見があるんですけれども、そこを詰めるというような意味での熟議はなかったかもしれません。
○牧山ひろえ君 無限に時間が必要というのとはまたちょっと違うと思うんですね。熟議がされたかどうかというのは十分に全部の文書を読んでという、そういう意味で言ったんです。 坂元先生ありがとうございました。もう以上で結構です。ありがとうございました。 次に、安保法制懇の審議の透明性についてお伺いしたいと思います。 最近の五月二十七日の当委員会で、安保法制懇の非公式会合がこれまでに八回開かれていたことを政府は初めて明らかにしました。そもそも非公式の懇談会の更に非公式会合ってどういうことなのかなと思ったんですが、開いたことさえかなり後にならないと判明しない。国民や国会からこそこそ隠れて陰でやっているようにしか思えないんですね。 公式会合と非公式会合の違いって何なんでしょうか。非公式会合の位置付けと意味合い、そして非公式にする狙いなどと併せて御説明ください。官房副長官。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 非公式会合というのは、総理が出席して七回開催されたいわゆる懇談会の会合とは異なって、委員がこれらの会合の開催前後に必要に応じて総理等が出席しない形で非公式に集まって議論を行っていただいたものということでございます。 例えば、三月十七日の非公式会合では、その時点までに委員の方々から出された御意見を取りまとめるなどして、北岡座長代理を中心に作成をされた報告書の素案が席上配付され、それを基に議論を行われたというふうに承知をされています。 これら非公式会合の内容は、それぞれ第一回から第七回までの安保法制懇のそれぞれ本会合に反映をされているというふうに理解をしております。それらの会合の概要は、議事要旨あるいは事後の座長又は座長代理による記者ブリーフ等を通じて公表をされております。さらに、安保法制懇としての最終的な意見は、この間提出された最終報告書に反映をされていることですから、この懇談会自体が、非公式会合があるから不透明であるという御指摘は当たらないというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 今の説明、多くの方が不満を持ったと思います。 そもそも安保法制懇の役割とは何だったのかなと思うんですね。安保法制懇が最後に公式会合を開いたのは二月四日で、三か月以上も前なんですね。政治情勢に配慮して、そして安倍政権の都合に合わせて、報告書の提出時期、タイミングをずらしたんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これは、二月の四日の会合以降、詰めの議論が行われていたということでございます。(発言する者あり)━━━━━━━━━━ ですから、決して不透明な運営その他は行われていないと思いますし、我々はあくまでも、二月四日ですかね、あの会合以降、詰めの議論を委員の先生方に行っていただいていて、その結果を我々はひたすら待っていたということであります。
○牧山ひろえ君 ━━━━━━━━━━ 報道ベースですが、政府関係者の一人はこう証言しています。報告書はいつでも提出できたが、政府側が止めていた、こう証言しているんですね。 法制懇の北岡座長代理も、二月の記者会見でこう認めています。提言を早く出したいが、引き延ばされている。また、同じく北岡座長代理は昨年の夏の段階でこうおっしゃっています。報告書は用意しろと言われれば一週間でできるというふうに述べているんですね。 安保法制懇の運用は、秘密保護法ですとか予算審議の時期を避けるための便法にすぎなかったと思うんです。 まとめますと、今回の集団的自衛権の議論において安保法制懇が担った役割は以下のとおりだったと思われます。 まず、政権にとって都合のいいタイミングまで正面からの議論を避ける盾として使い、そして非公開の網によりお粗末な内情をブラックボックス化し、そして集団的自衛権についてまずあえて極端な方針を出させることによって連立与党や一部の野党に対する妥協の素材とするという狙いだったと思うんですね。そして、バランスの取れた専門家の見識を出させるのではなくて、政権側が欲しかった結論、すなわち、集団的自衛権の行使容認について元々賛成派である方々から単に有識者のお墨付きを出させるにすぎない。 ポイントをまとめますと、こういったことがあると思うんです。 正面から国会で議論したくない、そして自分たちに批判的な国民的議論などは聞きたくないという政府・与党にとっては、国会の関与を拒否できる安保法制懇は極めて使い勝手がいいものであったはずだと思います。 例えば、報告書が出た僅か三十四分後にNSC四大臣会合で総理が表明する基本的方向性が確認されたという事例があります。つまり、極めて恣意的、そして政府に都合のいい形で安保法制懇の報告書を活用しているというわけです。 単にNSCに対する安保法制懇報告書の内容の説明ならば、それも三十四分でありだったのかもしれません。ですが、基本的方向性の中では、報告書の中で極めて大きな要素である集団的自衛権及び集団安全保障に憲法上の制約はないとする、いわゆる芦田修正論は政府として採用しないとして、報告書とは大きな見解の相違を示しているわけですね。これを、僅か三十四分で重要項目についての却下ができるという報告書の質って非常に疑問だと思うんです。 そもそも政府は、総理も大臣も安保法制懇の報告が出るまでは、集団的自衛権についての国会の質問が出されるたびに法制懇の報告待ちということで議論を棚上げしてきた経緯がございます。我々はこの程度のものを待たされたわけです。法制懇の報告待ちの答弁は不誠実な時間稼ぎだったんではないでしょうか。そもそもこの種の懇談会、諮問機関について、政府は出席者の意見の表明又は意見交換の場にすぎないとしています。法的拘束力もないし、単なる意見の表明又は意見の交換にすぎないものを理由に答弁を避けてきたのは問題ではないでしょうか。 官房副長官の御所見を是非お願いしたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 政府として答弁や国会審議を避けてきたということはございません。今回、報告書が出た後きっちり、衆議院では予算委員会で、また参議院では外交防衛委員会で、総理も出席をして考え方を答えているわけですから、御指摘は当たらないというふうに思います。
○牧山ひろえ君 この安保法制懇からの報告書を受け取った後、安倍総理は政府の基本的方向性を説明する記者会見を行っています。安倍首相は、米軍艦に不安げな表情を浮かべたお母さんとお子さんが乗っている姿を描いたパネルを示し、集団的自衛権を行使しないとお母さんや子供たちの命を守れないと強調しているんですね。 この映像というかこのテレビを、私の友人のアメリカの軍関係者もこれを見たんですが、私も軍関係者なんで集団的自衛権は歓迎しますと彼女は言いました。ですが、ホワイ・イズ・シー・ゼアと言ったんですよ。なぜアメリカの軍艦に民間人の親子が乗っているのか分からないと、アメリカの米軍関係者ですよ、首をかしげたんです。戦争が始まったときの軍艦には民間人を乗せるスペースなんてないんですね。また、軍艦は攻撃のターゲットになるので民間人の避難には用いないということでした。 この事例にリアリティーがあると本当にお考えなんでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 国民の命と暮らしを守り抜くことは政治の責務であるということを総理は一番あの会見で、あの例で伝えたかったんだというふうに思います。 国民の命と暮らしに直接関わり得る問題について、現在の国内法制にどのような課題があるのか、また政府がどのような考え方の下に検討を進めていくのか、分かりやすい事例を示したのがあのパネルだったというふうに思っておりまして、私は一定のリアリティーはあり得ると思います。 総理は、この間の記者会見で、現実に起こり得る邦人輸送中の米国船舶の防護と駆け付け警護の事例を挙げて現在の国内法制の課題の一例を御説明をさせてもらったということであります。 ただ、総理が記者会見で挙げた事例はほんの一例でありまして、今後、与党協議において、国民の命と平和な暮らしを守るという観点から、具体的事例に即して検討を進め、その結果に基づいて政府としての対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 米軍の当事者が言っているわけですから、私はリアリティーなんかないと思います。イメージ操作で国民の感情に訴える手法としか言えないと思うんですね。紛争に係る数多くの想定ケースから選び抜いた二ケースがこれなんですよ、リアリティーに欠ける事案。数多くの方がおっしゃっているように、個別自衛権や警察権で対応は可能なんではないでしょうかと思うんです。 今まで申し上げてきたとおり、安倍政権が今後議論の指針としようとしている安保法制懇の報告書は非常に問題ばかりの体制や議論から生み出されたものだと思います、そもそも。政府にはその点を謙虚に受け止めていただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(末松信介君) 福山哲郎君から、ただいまの世耕内閣官房副長官の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。 本当に久しぶりに外交防衛委員会に来させていただきまして、理事、各委員の皆様の御理解をいただいて質問をさせていただくわけですが、二十五分間しかございません、是非簡潔な御答弁に御協力を賜りたいと思っております。 まず、十五日の総理の記者会見に関してお伺いをしたいんですが、記者会見をお伺いしておりましたら、集団的か個別的かを問わず自衛権の行使は禁じられていないという考え方は取らない、しかし、限定的に集団的自衛権を行使するという考え方については更に研究を進めるべき、こういう御趣旨の御発言だったと思っています。これ、不思議なことに、私ども民主党が三月四日に作成した、正面から九条の解釈を否定し、集団的自衛権一般の行使を認めないが、新たな要請については不断に研究していくという、ほとんど同じ結論に歩み寄ってきたなと、それが私の印象でございます。 ただ、それ以外の様々な報道を聞いていたり、昨日の予算委員会での集中でも既に十五のケースがいろいろ広がってきてしまっていて、そういった御答弁とは全く、発言とは異なるようなことも随分多くて、理解できないところが多いので、少し御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 三月五日だったですけれども、予算委員会で、私、総理に対して集団的自衛権について御質問をさせていただいて、そのとき、両大臣おられたと思います。そのときには私は、アメリカが武力攻撃を受けていない、しかし集団的自衛権を行使している、にもかかわらずそこに日本は何もできないんですかという総理のいつもの答弁に対して、それは逆に国際法違反であるということを、大臣おられたので御記憶にあると思いますし、外務省も国際法の範囲の中でやりますという答弁をされました。 そのときにも総理は、最初分からない感じでしたが、途中で、いつも答弁が長いと言われていまして、時間が限られた中で答弁しているわけでしてという訳分からない釈明をされておられましたけれども、いまだに、私、昨日の質疑を見ていてもまだお分かりでないなというふうに思ったんですが。 というのは、岡田委員、我が方の、の質問が、武力攻撃を受けていない第三国の船に対してどうやって集団的自衛権の行使が行えるのかという質問をしたのに対し、総理は、例えばホルムズ海峡において機雷を敷設するというのは武力の行使であり、日本に石油を積載して入ってくる船は外国船籍だが、これらの船を守る、あるいは機雷の排除は個別的自衛権ではないというのと全く同じでありますと。私はちょっと理解がよくできない状況でございます。 総理と私のこの間の質疑の際にも、石井参考人だったと思いますが、外務省の方が、憲法におきましても、政策といたしましても、国際法を、確立した慣習法を遵守するということでございますので、その範囲でやる。つまり、武力攻撃が生じていないような、相手になっていないところには集団的自衛権はできないとはっきりと私は言っているんだと思いますが。 そこで、まさに担当所管大臣である、国際法の所管大臣であります岸田大臣にお伺いしたいんですが、武力攻撃を受けていない第三国の船に対してどうやって集団的自衛権を行使するか、御説明ください。
○国務大臣(岸田文雄君) 一般国際法上ある国家が集団的自衛権を行使するための要件は、武力攻撃を受けた国の要請又は同意があること、他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であること、このように国際法上、一般的に考えられております。 したがって、第三国が武力攻撃を受けていない場合には、当該第三国の要請又は同意に基づき集団的自衛権を行使することはできないと承知しています。
○大野元裕君 そのとおりです。そのように総理は御答弁されるべきだったと私は思いますけれども、是非お会いになられたら教えてあげてください。 それでは、昨日、総理が触れられた今のケース、十五の類型にも入っていると言われていますけれども、ホルムズ海峡の機雷除去についてお伺いしたいんです。 これ、少し私もよく理解ができていないものですから副長官にお伺いをさせていただきたいんですけれども、この十五の事例に入っている例というのは、検討されたのは、我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生している、そして公海上に敷設された機雷の除去をする、そこで集団的自衛権を行使する、そういう例と理解してよろしいんでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) やはり、御質問のとおり、我が国と密接な関係のある国に対して武力攻撃が発生していて、そして機雷が敷設をされていて、それを除去をするケース、これが総理がおっしゃっていたことで、これは、済みません、公海上かどこかの国の領海かということはまだ限定されていないというふうに、ただ、まだこれは全く検討中のものですから、一つの例として挙げさせていただいているところであります。
○大野元裕君 非交戦国行為では当然これはないし、通常、一般論で言うと、戦闘中の機雷の除去というのは戦闘行為の一つであるというふうに思われますし、いずれにしても個別的自衛権ではどうもなさそうだというのが今の大まかなところでの検討の中だろうと思いますが。 さて、ちょっと確認ですが、ホルムズ海峡に、どの辺りに公海があるのか教えていただけますでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 海峡の位置にもよると思いますけれども、基本的には海峡の一番狭いところというのは中間線で仕切られている、どちらかの国の領海に入るということではないかというふうに思います。
○大野元裕君 そうなんです。これはたしか資料をお配りをさせていただいていると思いますが、これは中間線で仕切った例なんですが、実はイランの一九三四年の領海法、それからオマーンの、一九八〇年代だったと思いますが、領海法は、いずれもホルムズ海峡は我が国の領海であるとおっしゃっています。 他方で、このホルムズ海峡の確かに重要性というのはよく分かりますし、その場合に我が国の存立を脅かす危険が迫っているというふうに副長官はお考えでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 十五事例の中にもホルムズ海峡という名前を挙げておりますので、あえてホルムズ海峡を前提にお話をさせていただきたいと思いますが、やはり資源とか食料、特にホルムズ海峡の場合は資源ということになるんですが、海外との貿易に依存をして、そしてまた海洋資源の開発を通じて経済発展を遂げてきた海洋国家である日本にとって、国民生活に不可欠な物資を輸送する船舶の安全確保というのは極めて重要だというふうに思っています。 その点、総理がおっしゃったのは、その我が国の船舶が多数航行する重要な海峡、これがまさにホルムズ海峡も当たると思うんですが、その海峡に機雷が敷設をされ、そして航行する船舶が危険に遭う可能性が高い中、例えば各国が協力をして機雷掃海を行っているにもかかわらず、その能力において非常に秀でている日本が機雷掃海を行わなくてよいのかという点について、これを問題提起をして検討をしていただいているということだというふうに思っております。
○大野元裕君 いやいや、ちょっと待ってください。先ほど私、一番最初にお伺いをしましたが、確かに領海か公海かは分からないけれども、我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生していて、公海上に敷設された機雷を集団的自衛権という形でできるかどうかを検討されているとおっしゃいましたので、これ、多くの国々がというのは、多分、平時とか集団安全保障とかいろんなケースが私は考えられると思いますが、限定して先ほどお伺いをしておりますので、その部分について聞いていますので、そこは改めて確認をさせていただきたいと思います。 そこで、今、石油等の物資の話がございますが、経産省にちょっとお伺いをしたいんですけれども、民備、国備合わせて我が国の石油の備蓄はどのぐらいありますでしょうか。
○政府参考人(住田孝之君) 備蓄についての御質問でございますが、我が国は中東情勢の変化等による原油輸入の途絶あるいは国内の災害時の供給不足といったような事態に備えまして石油の備蓄をしているわけでございますが、この総量と申しますのは、IEAの定めました計算方式によって計算いたしますと、百六十二日分の石油輸入量に相当する石油を備蓄をしております。このうち、国家備蓄が九十一日分、民間備蓄が七十一日分という状況になっております。
○大野元裕君 とすると、済みません、我が国の存立を脅かすような危険は少なくとも六か月分ぐらいは様々な形で手当てすることが一応備蓄という形ではできているということになろうかと思いますけれども、だとすると、これ、済みません、まず、そこでも更にまだ我が国の存立を脅かすような危険が迫っているとお考えになるのか。 これ、そもそも、ちなみにどの密接な国に対する集団自衛権の行使なんでございましょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 事例の中に挙げてございますものは、事例としては、あくまで我が国に対する武力攻撃は発生していないけれども、その攻撃国によって武力攻撃の一環として機雷が敷設をされて海上交通路が封鎖をされたということで我が国への原油等の供給も滞るというようなことは発生をしておりますが、そういう中で各国がこれに対応しているということでございまして、そういったときに我が国としては対応できない、現在の解釈の下では対応できないということで検討しようということで、ではどういう形で対応するか、そういったようなことはまた今後のまさに議論をしていただくということであろうと思います。
○大野元裕君 何か月にもわたり法制懇でしっかりとした御議論をしていただいたと私は思うんですけれども、それを経て政府から出てきたものがそんな適当でよろしいんでしょうか。それはできないものはいっぱいありますよね、できないケースというのは。その中でわざわざ十五抜いてきたやつがこれなんですか。 そもそも、ちょっとお伺いしますが、先ほど申し上げたとおり、オマーンもイランも自国の領海だとあそこは言っています。我が国の理解はどうなんでしょうか。 例えば、国連海洋法条約の第三十七条に言う国際海峡に当たるんでしょうか、と我々は理解しているんでしょうか。その場合には通過通航権が通常の公海と違って制限されていると思いますが、権利と義務、つまり三十八条の二項や第四十四条、あるいは武力による威嚇や行使を差し控えなければいけないとしている三十九条の一項、これらの関係というものは、我々はどういう解釈でどういう関係で負うことになるんでしょうか。
○政府参考人(石井正文君) お答え申し上げます。 ホルムズ海峡につきましては、委員御指摘のように、沿岸国であるイランは国連海洋法条約の締結国ではそもそもございません。
○大野元裕君 締結していませんか。批准はしていないけれども、締結は。
○政府参考人(石井正文君) はい。 また、国連海洋法条約上の国際海峡に関する制度は一般化、国際法化していないという立場であると承知しております。 同じく沿岸国であるオマーンは、海洋法条約の締結国ではありますが、署名時の宣言におきまして、国際海峡及び通過通航権に関する規定の適用は、沿岸国が自国の平和及び安全上の利益の保護のために必要な適切な措置をとることを妨げないというふうに言っていると承知しております。 これらの沿岸国の立場に対しましては、この海峡の利用国側からは異論が呈されている状況であると承知しておりますけれども、こういう中におきまして、国際法上、ホルムズ海峡が国際海峡に当たるのか、通過通航制度が適用されるのかということにつきましては、十分な国家実行の集積がございませんので不確定な面がございまして、我が国として確定的なことを述べるのは困難でございます。 それから、御指摘のありました海洋利用国の権利につきましてですが、一般論として申し上げれば、全ての船舶及び航空機は、海洋法条約三十八条が適用する通過通航権を行使している間、同条約の三十九条一が列挙する事項を遵守することとされております。この三十九条の一には、武力による威嚇又は武力の行使であって、海峡沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの又はその他の国連憲章に関する国際法の諸原則に違反する方法によるものを差し控えなければならないというふうに規定をしております。ただ、これは国連憲章二条四項を確認的に規定したものというふうに位置付けられております。 以上でございます。
○大野元裕君 石井さん、ありがとうございます。 要するに、領海でもしあるとすれば、しかもこれだけ留保が付いていますから、領海であるとすれば、そこに、総理おっしゃっていました、イランやアフガニスタンに出ていくことはないんだと。様々なケースでも、これ、イランに出ていくということになる、あるいはオマーンに出ていくということになるわけですよね、領海だとすれば。留保付いていますからね。 もしも、これ、国連海洋法条約に言うところの国際海峡に当たるとすれば、それはそれで様々な特に武力の行使については制限がある。しかし、ここ、今申し上げた一連の、石井さんがおっしゃったとおり、様々な条件があって、実は、我が国が大変重要だと思っている海峡であるにもかかわらず様々な条件がそこにはあるんですよ。だとすれば、これ、検討するといっても、いかにもこれ、集団的自衛権を簡単に、簡単にかどうかは別として、適用できるかどうかということは、私は非常に慎重であるべき事例じゃないかなと思って、決して適当な事例だとは思えないというふうにまず申し上げたい。 しかも、これ、防衛大臣にお伺いしますが、蓋然性の問題としてお伺いしますけれども、我が国は、ペルシャ湾で何か起こったとします、今言ったような状況があったとします、ホルムズ海峡で仮に航空優勢も海上優勢も築けないのに掃海活動ができるんでしょうか。 また、掃海部隊、私、優秀なことを知っています。九一年の五百十三名の部隊が出たとき、私、受入れの担当官で向こうでやらせていただきましたので、ずっとお付き合いをしましたが、優秀なことは分かっています。しかし、ホルムズ海峡は極めて流れが速くて、小魚ですら出れないんです、速過ぎて。しかも、沈底機雷、イラン持っていましたから、のようなものがあるときに、そんなところでの処理というのは非常に難しいんですが、こんな難しい状況の中で検討して、自衛隊行けと言われて、自衛隊すぐに行ってできるような状況でしょうか。 防衛大臣として責任を持ってあなたたち行けと言えるんでしょうか、教えてください。
○国務大臣(小野寺五典君) 御案内のとおり、自衛隊は掃海に対しては大変高い能力を持っていると思います。そして、既に平成三年には実際にペルシャ湾に派遣しまして、これは湾岸危機の停戦後の機雷の掃海活動ということでありますが、また、実は毎年ですが、平成二十三年、二十四年、毎年一回、今ペルシャ湾において開催される多国間の掃海訓練、これに掃海艇が参加をし、そのような能力についての向上に努めております。
○大野元裕君 大臣には、是非慎重に御対応するよう、これ、政府の中で……(発言する者あり)答えていないんですけれども、済みません、時間がないので勘弁をいたします、ごめんなさい、私もさせていただいて、慎重に政府の中で議論されるということですから、お立場しっかりとお願いをさせていただきたいと思っています。 次の質問に移りたいんですが、集団安全保障措置についてお伺いしたいんです。 五月十四日の衆議院の外務委員会で、外務省は松本委員に対して、集団安全保障措置のケースは、法理的には自衛権の問題ではない、集団安全保障というカテゴリーで整理されている。 国連憲章の第四十二条が定める集団安全保障措置だとか、あるいは、いわゆる授権と言われるんでしょうか、安保理決議の六七八号、こういったものの措置が講じられる場合、これは五十一条で規定する自衛権に基づくものではなくて、国連の集団安全保障措置をベースとした武力の行使に移るということで理解してよろしいんでしょうか。法制局にお願いします。違う、外務省です。済みません。
○政府参考人(山田滝雄君) お答え申し上げます。 あくまでも一般国際法上の問題としてお答えを申し上げますと、かねてより、国際連合の憲章上、安全保障理事会がいわゆる集団安全保障の措置をとった場合において、それ以降、憲章第五十一条に定める個別的又は集団的自衛権の権利を行使し得なくなるか否かについては、それぞれの場合の具体的状況によって決せられるものと考えると、このようにお答え申し上げてきております。したがって、具体的状況に応じて法的な評価をしていく必要があるものと考えます。
○大野元裕君 済みません、ちょっとこれ、先の質問に答えていらしたんじゃないかと思うのですが。それはそれで結構ですけれども、具体的事例に従って武力の行使ができるかということを考えるということでよろしいんですよね。 そうだとすると、お伺いしますが、我が国が武力攻撃を受けている、自衛権を行使して自分の国を守っています。ところが、これは憲章の二の四では当然戦争を禁じていて、五十一条が言っているのは、国連が集団安全保障措置をとるまでの間は自衛権を行使できる、とった後については多分自衛権ではないんだろうと思います。 実際、これ移行するという話は、平成十一年の参議院の予算委員会で高村外務大臣が、湾岸危機の際に形成された多国籍軍についてですけれども、これは国連の集団安全保障制度によっている、自衛権ではないと、こういうお話をされておられますけれども。 ということは、自衛権のいわゆる武力行使の三要件、これは自衛までも禁じていない。つまり、憲法の前文や十三条も併せて読めば、自衛のための措置まで禁じていないと言っているわけですから、これは自衛がそもそも国際法で、そこで違法になってしまえば、自衛の権利がそこで一回停止してしまえば、集団安全保障措置に移っているわけじゃないですか。 そうすると、何を根拠に集団安全保障措置においては武力行使ができるんですか、あるいはできないんですかということを、これは国内の話だと思いますので、法制局にお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第九条の下で許容される武力の行使について、従来から政府は、憲法第九条は、その文言からすると国際関係における武力の行使を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している国民の平和的生存権や、第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条が、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることまでも禁じているとは解されないとした上で、我が国に対する急迫不正の侵害があること、すなわち我が国に対する武力攻撃が発生したこと、この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことという要件を満たす場合に限って例外的に認められると解しております。このような武力の行使は、国際法上は個別的自衛権の行使として正当化されるものでありまして、そのような意味でいわゆる自衛権発動の三要件と称しております。 お尋ねは、安保理決議に根拠が移るか移らないか、あるいは移った場合ということだと思いますが、その点につきましては、まずは国際法上どのようにその問題が整理されるかということを承った上で考えたいと思います。
○大野元裕君 長官、私、既に質問したときに、高村大臣は決議に沿ったものだと言っているというふうに改めて言わせていただいております。 また、これは平成二十二年三月の予算委員会の梶田政府参考人の御発言でございますけれども、我が国が主体的にというところから始まって、仮にそれが武力の行使に当たるものであれば、憲法九条の下では許されないというのが従来からの政府の考え方ということで、それは今おっしゃった、そこまでのところまでしか言っていないんですね。 つまり、自衛権として正当化されることはいい。しかし、国際法上、自衛権ではない、つまり、集団安全保障措置がとられるまでの間ですから、その後、集団安全保障措置がとられた後は、我が国が攻められていて、その後、自衛のための武力の行使では、自衛権では多分説明できないんだと思うんです。その後はどうやって我々は自分たちを守るんですか、法理的にはなるんでしょうかというような質問なんですが、そこは是非、高村大臣は国際法的にはよっているというふうにおっしゃっていますから、そこをベースにして教えていただきたいと思います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) この問題につきましては、国際法上の整理、あるいは実態がどうなるかなどを踏まえて更に検討しなければならないと思いますが、憲法第九条そのものは自衛権について規定しているものではないというのが前提で考えますと、我が国の存立を全うするために必要な措置というものの国際法上の根拠が自衛権ではなく安保理決議にあると、国際法上の根拠がそちらにあるということだけで憲法九条の考え方が変わるということにはならないのではないかと現時点では考えております。
○大野元裕君 自衛権を、自分の国が攻められているときには、先ほど申し上げたとおり、集団安全保障措置がとられるまでは行使できる。しかし、その後についてはもし仮にできないとなったら、我々はみんな死ねということなんですね、国民は。実はその法的な担保というものが法理的には今のところ、おっしゃったとおり、検討しているという段階なんだと私は思います。 これ、実は集団的自衛権も同じだと思うんです。恐らく個別の自衛権も、それまでに行われているものと行為自体、防衛という行為自体は一緒なんだけれども、法理が異なることになる。そうすると、集団的自衛権、集団安全保障を含めて、我々は実は未整備のところたくさんあるんだというふうに、私は個人的には強く感じています。 だとすると、これは外務大臣にちょっと印象ということでお伺いしたいんですけれども、実はこうやって国際法が許さない分野で、我々はもしかすると国を守った後から、本来は国を守るのは当然ですよ、人の命を守るのは、しかし後で国際的に孤立するとかそういったことすらあり得るし、大臣、三月におっしゃっていましたよね、国際法の中でやるんだと。それであれば、大臣としてこういった不備なところというのがあるのはどうお感じになられましたか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員の御指摘の今の件、我が国の自衛権と国連憲章、例えば五一条との関係につきまして研究する必要があるのではないか、この御指摘、大変興味深く聞かせていただきました。 こういった点も含めて、我が国として国民の暮らし、そして生命を守るために安全保障の法的基盤をしっかり検討していかなければいけない、こういった意識の下に議論が今進められているところであります。是非、この現実において国民の生命、暮らしを守るために我が国の安全保障における法的基盤をどうするべきなのか、真剣に議論を進めていかなければいけない課題だということを改めて感じています。
○大野元裕君 実は民主党では、後ろにおられる北澤会長の下にそういった調査会で新しい要請について不断に検討していくと言っています。法的基盤をおっしゃるようにしっかりと確立すること、これはもう大事だと思います、大賛成です。 しかしながら、集団的自衛権をやるために蓋然性があるかないかのような、あるいは、先ほど防衛大臣にお伺いしましたけれども、大臣として本当に責任を持って部隊に対して行ってこいと言えるようなケースというものをしっかりとやるんだったらいいんですが、しかし、集団的自衛権をやるために蓋然性のないようなケースばかりを並べ立てて、あるいは疑問に持たれるようなものを並べ立てるような法制懇で、あるいは政府であってはならないし、今申し上げたように、本来取り組むべき問題というのはもっとたくさんあるんだ、人の命を政府は守るんだという気概をしっかりと政策で示していただけるようにお願いをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。 午前中の総理入り質疑に続きまして質問をさせていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。 先週から与党協議が開始をされまして、おとつい、第二回目の与党協議が開催をされ、十五事例、一参考事例が提示をされたところでございます。その事例の中で、武力攻撃事態に至る前のいわゆるグレーゾーン、それから集団安全保障に関する事例について七事例が簡単に政府の側から説明があり、その後与党間で協議がなされたと伺っておりますが、その協議も事例一にほとんどの時間が費やされ、事例二については簡単に議論が行われた状況だというふうに伺っておりまして、実質のところ、今、与党協議、事例一のみ、お互いに疑問や意見が提示されたという状況かというふうに認識をしております。 今日は、この外交防衛委員会におきまして、私から、今の与党協議で進められている特に事例一及び事例二の一部分について、私もその後党の中で現状を説明いただく機会をいただきましたけれども、自分個人としても非常に疑問に思う点もあり、政府からもしっかりとした説明をお伺いしたいという思いで今日臨ませていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、事例一ですけれども、離島等における不法行為への対処とされております。 武装している疑いのある集団を乗せた他国船舶が我が国の離島等に接近し、その一部が上陸した、その過程において集団が武装していることが明らかになった、当該離島等に警察機関が存在しない、かつ海上保安庁も近傍に存在しない、これが前提条件になっているわけでございます。そうしたことから、この当該離島に上陸をした武装集団に対して速やかに対処することが困難な場合ということが前提の条件設定になっております。 一方で、たまたまあったという理解ですが、適当な部隊、自衛隊の部隊が訓練などで近傍に所在している場合に、この部隊が速やかに当該不法行為の阻止や排除を行うことができる場合があり得るというふうに条件設定がなされております。 領土、領海の治安維持については、警察や海上保安庁が第一義的な対応の責任を有している。他方、自衛隊は海上警備行動や治安出動が発令されれば対処が可能であるが、発令手続を経ている間に不法行為による被害が発生する可能性も否定できないという事例の概要説明となっております。 この事例について御質問させていただきたいというふうに思ったら、これは事例を作ったのは内閣官房なので、内閣官房が一元的に答弁をさせていただくということでございましたので、今日は武藤さんに御質問させていただきたいと思います。 まず、この事例一の離島等の定義、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) この事例、特定の地域を念頭に置いているものではございませんので、離島ということで、基本的には離島でございますが、それ以外も理論的にあり得るということで離島等というふうにさせていただいているところでございます。
○石川博崇君 今、それ以外も理論的にあり得る、等というのは離島ではないところということで、通常の、例えば内地あるいは沿岸の浜、そういったところも想定しているということでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 離島等でございますから離島以外ではございますけれども、具体的にこういうところということではございませんで、まさにその事例自体が警察機関あるいは海上保安庁が存在しないという設定でございますので、そういう前提でございますけれども、特定の地域を念頭に置いているということではございません。
○石川博崇君 はっきりしない御説明でございますが、離島等に警察機関が存在せず、かつ海上保安庁も近傍に存在しない、所在しないということが前提条件になっております。 我が国にとりまして今最大の関心事は、尖閣諸島における安全保障、領海警備活動をどのように維持していくかということで、この離島等が果たして尖閣諸島が含まれるのかどうかということが極めて重大な点かと思いますが、今現在、尖閣諸島周辺におきましては、我が国の海上保安庁の警戒態勢、厳戒に敷いている状況にございます。警察機関、また自衛隊ともしっかり連携しながら尖閣諸島における態勢を組んでいると思いますが、そういう現状を踏まえれば、この当該離島、警察機関も存在しない、あるいは海上保安庁も近傍に存在しないような当該離島というのは、尖閣諸島は当てはまらない、尖閣諸島は含まないというふうに考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) あくまで特定の地域を念頭に置いているわけではないということなので、どこであるとか、あるいはどこでないとか申し上げにくいですけれども、いずれにいたしましても、その事例にありますように、当該離島等に警察機関が存在せず、かつ海上保安庁も近傍に所在しないという設定を念頭に置いたものでございます。
○石川博崇君 質問に答えていただきたいんですが、尖閣諸島の周辺は今厳戒な警戒態勢を海上保安庁、本当に現場で必死になってやっておられるわけです。その現場の方々の気持ちを踏まえて、この尖閣諸島のケースが、速やかに対処することが困難な場合もあるようなケースというふうには私は言うべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 尖閣諸島については、御指摘のとおり、海上保安庁等、関係省庁がしっかりと警備の態勢を取っているというふうに承知してございます。 この事例につきましては、繰り返しになりますけれども、特定の地域を念頭に置いているものではないということでございます。 いずれにしても、当該離島等に警察機関が存在せず、かつ海上保安庁も近傍に所在しないと、そういう設定でございますので、そういう前提で考えたいと思います。
○石川博崇君 今おっしゃっていただきましたとおり、尖閣諸島周辺におきましては海上保安庁を始め関係機関が厳戒な警戒態勢に当たっております。そういう意味で、この事例でいうところの警察機関も存在しない、かつ海上保安庁も近傍に所在しないというような離島には尖閣諸島は当てはまらないというのがこの事例を考える場合の現実的な考え方ではないかなと、今現在の我が国を取り巻く状況を思うと思えるわけでございます。 では、そうしますと、日本の国内におきまして、尖閣諸島以外の離島、あるいはその他の地域も当てはまる場合も可能性があり得るというお話でございましたけれども、警察機関が存在しない、かつ海上保安庁も近傍に存在しないことから速やかに対処することが困難な離島というのはどのような地域が考えられるのか、この事例を作られた内閣官房の御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(武藤義哉君) 事例集に挙げられてございます各事例は、御指摘のその事例一、これも、先般の総理の記者会見において示された、いかなる事態においても国民の命と暮らしを守る、現実に起こり得るあらゆる事態に対して切れ目ない対応、対処を可能とするという問題意識も踏まえつつお示ししたものでございます。 先ほどから申し上げておりますように、この事例は特定の地域を念頭に置いているものではないですけれども、いずれの地域でありましても、この事例一のような、万一にも警察機関が存在せず、海上保安庁も近傍に所在しないという状況が生じたとしても切れ目ない対処を可能とするという問題意識に基づいてお示ししているところでございます。
○石川博崇君 過去にこういう形で、警察機関が存在せず、また海上保安庁も近傍に所在しない離島等に対して他国の船舶が上陸した例がございますでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 全くこれと同じような事例が生じたということについては承知しておりません。
○石川博崇君 現場で警察機関あるいは海上保安庁も我が国の領土、領海を守るために必死になってやっております。こうした当該離島等に警察機関が存在しない、海上保安庁も近傍に所在しないというような事例が果たして起こり得るのかなということを私のない知恵を絞ってこねくり返しても、なかなかリアリティーとして、実感として感じることができないなと。是非事例を、これからこの一つ一つの事例について具体的に議論していくわけですけれども、現実的また具体的な御説明ができるように御準備をお願いしたいというふうに思います。 その上で、次の部分ですが、こうした状況が仮にあり得るとした上で、他方、適当な自衛隊の部隊が訓練などで近傍に所在する場合に、自衛隊は速やかに当該不法行為の阻止や排除を行うことができる場合があり得るとされてありますけれども、仮にそういったケースでこうした離島の近傍に自衛隊が訓練等を行っていたとしても、こうした自衛隊が、じゃ、この武装集団を阻止、排除するために活動するためには、当然ですけれども、この不法上陸している武装集団の装備ですとか規模ですとか、そうしたものをしっかり確認することから当然始めなければならないというふうに思いますし、たまたま近傍に部隊が訓練でいたからといって、その自衛隊にさあ行け、対処させろと、そういったことは命令、防衛大臣、できないんじゃないかというふうに思いますけれども、防衛省、いかがでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 自衛隊の部隊の運用に係る御質問であると理解しておりますけれども、各種事態があろうかと思います。それへの対応につきましては、その事態の状況によりましていろいろ対応が異なり得るということもございますし、また、我が方の手のうちを明らかにするという側面もございますので、断定的にお答えをしづらいことにつきましては御理解いただければと思いますけれども、あくまでも一般論として申し上げますれば、ゲリラや特殊部隊等による少人数による上陸といった攻撃に対処するための作戦におきましては、例えば先遣の偵察部隊を派遣するといったような形で速やかに情報収集態勢を確立いたしまして、状況に応じ、迅速かつ柔軟に対応することというふうになろうかと思います。 その対応につきまして、例えば威力偵察のような形で上陸した部隊といいますか武装人員を拘束するというふうな形でありますとか、あるいは、これは時間がたちますと戦力が増強いたしますので、当初の戦力をもちまして制圧するというふうなことも考えられますし、あるいは退路を断ちまして包囲して、態勢を整えて一挙に制圧するというふうなこともあろうかと思います。 いずれにいたしましても、これはその時点における情勢あるいは戦術に係ります指揮官の判断に懸かることになろうかと思います。
○石川博崇君 仮に、こうした当該離島等、警察機関も存在しない、海上保安庁も近傍にいない中で、たまたま訓練などで存在する自衛隊がいたからといってそのままこの事態対処に当たらせるということでは当然ないんだというふうに思います。今おっしゃっていただいたとおり、様々な情報収集作業、先方の、相手方の装備、勢力等を確認した上で、そのときそのときにおいて柔軟に対応するということがまずは必要になってくるんだというふうに思っております。 そういった場合に、実際に今の法制度上、じゃ治安出動命令などを防衛省として発令するのに時間が掛かるというのがこの事例の大きな問題意識ではないかというふうに思います。海上警備行動になるのか治安出動になるのか分かりませんが、発令されれば現在の法制度上対応は可能であるが、この手続している間に不法行為の被害が拡大する可能性も否定できないとされておりますが、こうしたたまたま近傍に自衛隊が訓練等で存在していた、その部隊に対処させようとするに当たって、当然、先ほどのとおり、情報収集活動等、あるいは態勢の立て直し、態勢のしっかり整備等をやった上でこうした武装集団に対応する、この時間等どういうふうに見ていくかということだと思いますけれども、こうした治安出動命令などの発令手続、具体的にどれぐらい時間を要するというふうに認識しておられるんでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) この事例におきましては、もちろん海上警備行動あるいは治安出動というものもできるだけ速やかに発令をされるというふうになるかと思いますが、ただ、この事例において想定していますのは、自衛隊が直ちに海上警備行動や治安出動による対処を行わなければ不法行為による被害が発生する可能性があると、そういう状況を想定しているところでございます。
○石川博崇君 いや、直ちにそれは手続を取るんでしょうが、その手続に間に合わないから被害が広がるということをおっしゃっていらっしゃるんだというふうに思うんですけれども、もう一度今の点、おっしゃっていただけますか。
○政府参考人(武藤義哉君) 事例にもありますように、発令手続、海上警備行動や治安出動の発動手続を経ている間に不法行為による被害が発生する可能性も否定できないという事例でございまして、そういうときに、まさに自衛隊が直ちにそういう海上警備行動や治安出動による対処を行わないと被害が発生する、そういう状況でございます。
○石川博崇君 済みません、私の元々の質問はその発令手続に具体的にどれぐらい時間が掛かると想定されているのかという質問なんですけれども。
○政府参考人(武藤義哉君) その事例の中で具体的に何時間ですとか、そういったような形で設定をしているわけではございませんけれども、発令手続を経ている間に不法行為による被害が発生する可能性も否定できないと、そういう事例として考えてございます。
○石川博崇君 幾つか御指摘させていただきましたけれども、そもそも、たまたま近傍に自衛隊の部隊が訓練等でいたからといってそのまま対処させるわけにはいかないということだと思います。 現状をしっかり理解し、把握し、そして情勢を分析し、こちらの態勢も立てた上で対処させると。その間に発令手続が果たして間に合わないのかということとの時間を比較する必要があるんだというふうに思いますし、もう一つ、そうした態勢を自衛隊として対処するに当たって取る間に、当然海保あるいは警察機関とも連携を取りながら、どういう具体的な、あるいは適切な対処があり得るかということを当然検討するんだというふうに思いますが、この海保あるいは警察が態勢を取ることができるまでのその時間に、それほど時間が掛かるような地域があるというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 先ほども御説明いたしましたけれども、この事例集の各事例は、総理の会見において示されました、いかなる事態においても国民の命と暮らしを守る、現実に起こり得るあらゆる事態に対しても切れ目ない対処を可能とするという問題意識も踏まえたものでございまして、繰り返しになりますけれども、この事例は特定の地域を念頭に置いているというものではございませんけれども、事例一のような状況が生じたとしても切れ目のない対処を可能とすると、そういう問題意識に基づいてお示ししているところでございます。
○石川博崇君 当然、いかなる事態にも対処するシームレスな対応整備というのは重要だというふうに思います。 ただ一方で、現実的に起こり得る事例というふうにお示しいただくからには、どういう形で現実的に起こり得るのかということをもう少し具体的に御説明をいただきたいなというのが率直な思いでございます。 続きまして、事例二の方に移らせていただきたいというふうに思います。 事例二は、公海上で訓練などを実施中の自衛隊が遭遇した不法行為への対処ということで、公海上で自衛隊の艦船等が訓練を実施している間に、これもたまたまという設定でしょうが、近傍で我が国の民間船舶が他国の船舶、武装集団から不法行為を受けている場面に遭遇している、近くには海上保安庁もいないので速やかに対処することが困難である、これが条件設定でございます。適当な部隊が近傍に所在するなど、自衛隊が速やかに当該不法行為の阻止、排除を行うことができる場合に、先ほどと同じですけれども、海上警備行動等が発令されれば対処が可能である、発令手続を経ている間に不法行為による被害が拡大する可能性も否定できないという条件設定がなされております。 こういう事態というのは、確かに公海上で海賊などの被害に遭っているようなケースというのはもしかしたらあり得るのかなということも思いますが、今回、主な関連条文の中で、自衛隊法、警察官職務執行法、海上保安庁法は挙げられているんですけれども、海賊対処についての法案が関連条文として挙げられていない理由は何でしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) この事例は、一義的には海上警備行動を前提に、自衛隊が直ちに対処を行わなければ不法行為による被害が拡大する可能性があるという状況を想定してございます。その上で、自衛隊法八十二条の二及び海賊対処法第七条に基づく海賊対処行動も必ずしも排除されるというわけではないと考えてございますが、いずれにしても、自衛隊が直ちに対処を行わなければ不法行為による被害が拡大する可能性があるという状況を想定しておりまして、関連条文につきましては、全てを網羅しているというものではございませんが、一義的に海上警備行動との関係を想定して主な条文を挙げたところでございます。
○石川博崇君 海賊対処行動は必ずしも排除していないということでございますが、一般的に、自衛隊艦船が、公海上でこうした我が国民間船舶が襲われているケースというのは、海賊から襲われているというケースがより想定しやすいのかなというふうに思うんですけれども、海賊対処行動に基づく行動で対処できない対応というのは何があるんでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 海賊対処法はあくまで、海賊対処法の中に海賊行為の定義もございますが、そういうものに当てはまるという場合にはこの対象になりますけれども、海賊以外とか、そういうものによる不法行為等ありますれば海賊対処法の対象ではございませんので、より一般的に、この事例においてはまず海上警備行動というものを想定させていただいたところでございます。
○石川博崇君 具体的にどういった不法行為があり得ますか。
○政府参考人(武藤義哉君) 海賊ではないような他国の船舶、武装集団、そういったものが不法行為を行っているというようなケースが想定されるかと思います。
○石川博崇君 事例一と同じような点をお聞きしたいんですけれども、仮に、こうした他国の船舶、武装集団から我が国の民間船舶が襲われているようなケースを把握した場合、把握する可能性の高いものとしてはP3Cなど哨戒活動を行っている部隊が発見するというケースが多いんではないかというふうに現実的には思います。しかし、P3Cが直接そのような事態に対して何か行動を取るわけにはいきませんので、その情報を得た対応可能な艦船が態勢を整えて、そして現場に駆け付けるという状況が想定されるわけでございます。 こうした実際に対応可能な艦船、態勢を整えて現場にたどり着くまでの時間を考えますと、その間の海上警備行動発令手続等はどの程度時間的な比較ができると考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(武藤義哉君) 現実にはいろいろなケースがあり得ると思います。 委員が御指摘のようなケースもあろうかと思いますが、この事例におきましては、その不法行為が行われているところの近傍に適当な部隊が所在するなど自衛隊が速やかに当該不法行為の阻止、排除を行うことができる場合ということを想定しておりまして、かつまた、そういう場面で自衛隊が直ちに海上警備行動等による対処を行わなければ不法行為による被害が拡大する可能性があると、そういう状況を設定してございます。
○石川博崇君 時間もなくなってきましたので、質問を終わらせていただきたいというふうに思いますが、一つ一つ事例、議論をさせていただきますと、なかなか実感としてイメージが付きにくいなというふうに思える事例が非常に多くあるというふうに思っております。 今日は議論が始められたばかりで、この事例一、事例二について取り上げさせていただきましたけれども、今後とも、具体的、現実的な御説明を政府からいただけることを御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小野次郎君 日本維新の会・結いの党の小野次郎です。質問を午前中に引き続いて行います。 まず、今日、官房長官に対して御質問したいということを申し出ましたけれども、どうしても出ていただけないということでございます。事柄の性格上、午前中に同じ質問をすれば総理にお答えいただいていたことを、じゃ、誰にぶつければいいんだという問題がありまして、世耕副長官あるいは法制局長官がお見えだということなので、そのお二方に答弁いただくということになると思いますが、官房長官には今後ともこの委員会にこの問題に関しては出ていただけるように政府には要求しておきたいと思います。 それでは質問でございますが、まず、五月十五日の総理の記者会見、安保法制懇の掲げた十事例、御説明がありました。さらに、この法制懇の報告書が出た後に政府が与党協議のために作ったというのが十五事例、何かドラえもんのおなかから出てくるやつみたいにどんどん事例って出てくるものだなと私は思っているんですが、一体これは誰が列挙したものなのか、お伺いしたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) お答えいたします。 まず、今委員が御指摘の十事例は、これは、前の第一次安倍内閣のときも含めて、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書の中で有識者の意見を取りまとめて事例として挙げられているというふうに認識をしております。 そして、御指摘の十五事例を含む事例集については、これは与党の指示に基づいて、与党協議における議論のため、現在の国内法制の課題が何か、国民に分かりやすい事例を示すための作業の一環として政府が作成したものであります。具体的には、内閣官房が中心となって、防衛省を含む関係省庁と調整しつつ作成したものであり、自衛隊の活動現場における問題意識を踏まえたものでもあるというふうに認識をしております。
○小野次郎君 学者が考えたにしてはいやに具体的で、何かでき過ぎていると思いますし、また、防衛の任に当たっている現場から、現実にこういう問題が起きているから、起きそうだから対応を考えてくれと言ってきたものを素直に上げてきたものとも思えない。要するに、総理が集団的自衛権行使容認を進めようという考えお持ちだということを知って、その例に挙がるように頭の中でひねくり出したものにすぎないような気がします。 副長官、そういう指摘を受けたことはありませんか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 指摘を受けたかどうかというふうに聞かれますと、受けたことはございません。
○小野次郎君 漏れ伝わっているところでは、例えば離島における不法行為の対処で、一九九七年の下甑島における中国人の不法入国の事案、私も鹿児島県警本部長をやっていましたから、上甑島、下甑島、自分の所管でございましたけれども、大体地方で、まあはっきり言って田舎というか、田舎で殺人事件があったときに何をするかと警察大学校で聞いたら、田舎出身の警部は消防団に連絡すると言うんですよ。 そんなばかなと、警察庁からすればそんなことあるかと、何で消防が警察のことするんだといったら、山狩りしてもらうんですよ。それは、近くに村役場があって出張所がある、村役場にも連絡しますよ。だから、中国人がたくさん上陸してきたと。甑島の自衛隊というのは、戦闘部隊じゃなくてレーダーサイトなんですよ。ですから、日頃そんなに人と戦うということを、いわゆる人が持つ対人武器で戦う部隊じゃないので、要は山狩りしてもらって、不審者が見付かったら警察官に連絡してもらうということなんですよ。 そんなことは日本中で行われていることなんで、何かそれがすごく大変なグレーゾーンの例ですみたいに言っている人がいるから、学者が考えたにしては妙に具体的だし、現場から上がってきた声とは思えない。これは、総理の意図に沿うように誰か頭のいい人が頭の中でつくり上げた例にすぎないんじゃないかと言っているのは、私、そういう意味なんです。 何か、副長官、異論、反論があればお伺いしたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 特にそれに関して見解といって聞かれても困ってしまうんですが、この十五事例は、あくまでも内閣官房が中心となって防衛省を含む関係省庁と調整し、現場の声も、特に自衛隊などを含む現場の声も聞いて作らせていただいたものということでございます。
○小野次郎君 私言いたいのは、霞が関の官僚が各省庁で知恵絞って作った案だなという印象しか持てません。 次に、公海上での自衛隊の僚艦に対する着弾、あるいは弾が当たらなかった、護衛艦の周辺の海におっこったというような場合についても、公海上の米艦防護と同じ理屈なんですよね。結局、防衛省に何度聞いても、今の現行解釈、現行法令の下でも防衛出動時であれば対応可能な場合があると言っています。それは、僚艦に対する着弾、あるいは護衛艦に当たらなくて周辺の海におっこった場合だって同じなので、誰が何の意図で誰を狙って撃ったのか分からないんだったら簡単には対応できないというのは、それはどんな場合もそうなんであって、明らかに、何ですかね、日本の領海なり、日本の船も、その隣にいるアメリカの船もおまえらは一緒だみたいに言ってから撃ってきた場合には、それは我が国に対して着手があったと判断する場合もあるということを言っているわけで、この例というのは、余り集団的自衛権でなければ対応できないという例として挙げるのは適切でないように思うんですけれども、そうお感じになりませんか。 防衛大臣にお伺いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の点は、自衛隊の艦船が、例えば僚艦に攻撃を受けた場合、同じ自衛隊の船であれば、これは武器等防護の規定によって、それは武器の使用が行うことができます。 ただ、たしか事例で挙がっている中で、それが例えば日本以外のほかの国の艦船であれば、これは、武器等防護というのはあくまでも自衛隊の艦船ということになりますので、公海上であればそれは対応できないということになると思います。
○小野次郎君 ですから、個別的自衛権が行使できる態様、つまり防衛出動下令時であればそれは対応できるということですから、それができないときにも武器等防護で対応できる場合がある。そして、相手の意図とか相手の我が国に対する侵害の行為が認められれば、それは自分の艦に当たったんでなくても対応できるという意味では同じことじゃないかと私は思うんですね。 次の問いに移りますけれども、外国領域から直接我が国を攻撃できる兵器が一般化しているわけです、かなり足の長い兵器が。そして、我が国への攻撃に対する反撃として、これまで延々と五十年余り、この敵地攻撃論、攻撃していいのかどうかという法理上の検討はされてきて、可能な場合があると言っていますけれども、そんなことを言っている場合じゃなくて、もう総理大臣は集団的自衛権行使容認しろとまで言っている時代なんですから、さっさと早く、実際的にこういった足の長い兵器が現実にデモンストレーションに近いことまでされている状況ですから、反撃力を整備する決意が必要なのではありませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) おっしゃるように、周辺国の軍事レベルが上がってきて、そして具体的に我が国に対して威嚇的な発言をするような、そういう国もあります。 日本としては、そのことに対して、例えば今言った敵地攻撃能力、策源地攻撃能力については憲法上許されるという、そういう憲法の解釈もございます。そういうことを踏まえまして、昨年十二月に作りました防衛大綱におきましては、弾道ミサイル能力の向上を踏まえて、我が国の弾道ミサイル対処能力の総合的な向上を図るということでしております。 いずれにしても、この問題については日米の当局で議論する、今回はガイドラインの議論もありますが、そういう中でも問題意識として持っていきたいと思っております。
○小野次郎君 世耕副長官に経緯がお分かりであればお伺いしたいのは、領海内潜没航行潜水艦の例というのを、いわゆるメーンの事例から参考事例というんですかね、要するに落としたと、メーンの事例から落としたという理由についてお伺いしたいと思います。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) この政府から与党に提示した事例集に挙げられている十五の事例は、この間の安倍総理の記者会見において示された問題意識も踏まえながら、何が課題で何を目指しているかを国民の皆さんに分かりやすく説明する上で適切な事例を選んだという形になっています。この事例集は、与党の指示に基づいて与党と相談をしながら作成をさせていただきました。 ちょっとその経緯の逐一を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、今御指摘の領海内での潜没航行をする外国の軍用潜水艦への対処の事例は、これは与党協議にどのような事例をお示しするかについて事前に与党関係者といろいろ御相談をする中で、これは参考という形で挙げることになったものであります。
○小野次郎君 だから、なぜ参考に落としたかということを聞きたかったんですが。 私は、二〇〇四年の、まさに日本の領海内を、恐らく中国と思われますけれども、潜没航行する潜水艦の事件のときにまさに海上警備行動発令の窓口をやっていましたので、現場に達したときにはもう船が領海の外へ出てしまっていたということだったので、そういう思い出があるわけですけれども。ただ、軍用潜水艦、潜水艦の任務って何だって考えたら、元々、敵の懐深くひそかに潜入して、ヒット・アンド・アウエーというんですかね、最初の第一撃を与えたら、潜水艦というのは攻撃され始めたら弱いですから、攻撃をしたら遠くへ離れるという種類の兵器なわけですよ。ですから、そんなものと遭遇して、それが最初挙げられたようにグレーゾーンだと、グレーゾーンということの定義自体がグレーでよく分からないところあるんですけれども。 そんなものを警察権の話だなんて考えているのは私はそもそも不適切だと思っておりましたけれども、そういう考えをもって削除したのかなという意味で聞いたんですが、それではないんですか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これは、分類上はやはりグレーゾーンの分類に入るわけです、潜没航行潜水艦についてもですね。そういう中で、どこでお示しをするのがいいのか、与党と相談の上、「(参考)」という形で載せさせていただきました。 ただ、ここで参考になったからといって政府が検討しないというわけではありません。これは安全を守るために必要な検討を不断に行うということで、国内法や国際法との関係、諸外国の制度なども踏まえて、何が適切な対応か、この潜没潜水艦の問題についてもしっかり政府としても検討してまいりたいと思っています。
○小野次郎君 午前中も総理との質問の中で触れたんですけれども、平時か有事かという、日本の国内法令の制度では全てそれでいろんな制度を分けちゃっていますよね。だから、これグレーゾーンというふうになっちゃうんですけれども、しかしその兵器の特質を考えるならば、言わば相手側の正規軍と遭遇しているときに、しかも、それは潜航してきているということは、潜航している目的が、ミッションがあるわけですから、それを警察権で何とかといっているのはいかにも役人的な話で、総理の、まさに国民の安全とか国家の主権と独立を守るためには実際にどうやったら充実できるのかという問題提起に対して、まだいまだに昔の神学論争の仕分の理論で対処しようというのは甚だ不適切だと私は指摘しておきます。 領空侵犯機に対する措置も同じだと思うんですね。領空侵犯機って、民間機が領空に黙って入ってきたって侵犯機とは言わないので、軍用機、恐らく偵察機とか戦闘機だと思いますが、そういうものに対する措置というのも、いかにそれは、空には警察がないからという言葉、誰か言っていましたけど、そういう問題じゃないでしょうと。相手が軍用機だとはっきり分かっていて、我が方も当然軍事用の航空機でそれに対して対処するんだとすれば、それは一触即発のまさに戦闘開始になるかどうかの事態ですから、それをグレーゾーンの問題として捉えるのも不適切だと思いますが、官房副長官、そう思いませんか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今御指摘のグレーゾーンというのは、これは法的な概念ではなくて、政府が安倍内閣になってからまとめました国家安全保障戦略とか防衛大綱において、純然たる平時でもあるいは有事でもない事態という形で定義をさせていただいておりまして、武力攻撃に至らないような幅広い状況を端的に表現したものになっています。 今御指摘の領空侵犯に関してですが、個別の状況がその事態に当たるかどうかをちょっと確定的に述べることは今私にはできないわけですけれども、御指摘のような外国の航空機による領空侵犯も含まれる可能性については、現時点においては排除されないというふうに考えております。
○小野次郎君 なかなか議論がかみ合いませんが、要するに、今、現代において宣戦布告をして戦争を始めるなんということは、特に日本についていえば考えられないわけですから、全ての制度を有事だ平時だと分けてしまって、その間にあるものは全てグレーゾーンに入れてしまうというやり方は、私は余りそれは良くないんじゃないかなと。 要するに、日本国憲法で認められている自衛権行使の範囲、限界までいつでも使えるようにしておくことがまさに防衛力を万全にするということだと思うので、何かお役人の仕分でグレーゾーンに入っちゃいましたって、グレーゾーンがやたら多くなるんですよ、どんどんこうやっていくと。だけど、それは是非本質を見て、今後の特に日本の安全保障政策考える際には政府には対処していただきたいと思います。 同じように、今度、軍事的組織だったら当然認められる自己保存の自然権的権利ともいうべき武器使用というコンセプトありますね。 これについても私は、自衛隊が管理する施設や場所も含めて、これまでの武器等防護、大分防衛省とも外交防衛委員会でやり取りしましたけれども、あらかじめ下命された、命じられた、つまり警備係とかと言われた人が担当するんだという説明ですけれども、その人的要件を緩和して、いやしくもユニホームを着てそういった軍事的組織の一員であることが明らかな自衛隊員については、施設、地点を含めて武器等防護の人的要件を緩和して、かつ、今も申し上げましたけれども、平時だ有事だという区別をするんじゃなくて、認めて差し支えないのではないか。 それは、差し支えないという言い方は変ですけれども、憲法上の問題ではないんじゃないかということを指摘したいんですが、防衛大臣、そう思いませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 自衛隊法九十五条及び九十五条の二の規定によりまして、自衛隊の武器等を防護するためには、又は自衛隊の施設を警備するために武器を使用することが認められておりますのは、職務上武器等や施設の警護に当たる自衛官に限られております。これは、委員の御指摘のとおりであります。こういう形での限定をしております。 ただ、実態として、やはりしっかりとした対応ができるように、なるべくこの考え方を広く取るということも大切だと思っています。
○小野次郎君 今日は、小泉政務官、お越しいただきましてありがとうございます。 私事になりますけど、実は、二〇〇五年から二〇〇六年の間は秘書官をやっておりました私が衆議院議員になって、総理は小泉総理でございました。そのとき所属していた政党の先輩から、総理と元秘書官で予算委員会で質疑やってみろと言われたんですね。私の方は、じゃ、お受けしましょうと言っていたら、小泉総理から叱られまして、幾ら小野さんが本気で質問しても、幾ら自分が誠実に答えても、外から見ればなれ合いだ、やらせだと受け取られるから、自分が総理の間は質問したいなんて言うなと言われまして、ついぞお父様には質問する機会はなかったんです。 今日、何か巡り合わせで小泉政務官に質問できる機会が与えられて、大変私も緊張しているところでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 質問の中身は、PKO参加自衛隊の武器使用に関してなんですが、駆け付け警護、これも私は一言で言って、今この国内で熱く議論している集団的自衛権行使容認とか、そういう問題とちょっと違うんじゃないかなということなんです。 もちろん、駆け付け警護という言葉も、日本語ってあやがあるから難しいですけど、明らかにもういわゆる、何というんですかね、軍事的組織が頑として構えているところに救出に行くんだみたいな、救出軍事作戦するんだというのは、これはまた全く別の次元の話になると思いますが、そうでない限りは、我が国による自衛権行使とは違う次元の問題として整理して、一般的に国連のPKOがほかの国のPKOをやっているような武器使用基準とそろえればいいだけのことじゃないかと思うんですが、PKOを所管されている内閣府の小泉政務官、答弁をよろしくお願いいたします。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 小野委員には父も大変お世話になりましてありがとうございました。 御答弁をさせていただきますが、駆け付け警護についてですが、先般、総理も記者会見で問題意識を示されたところでありますが、現在派遣中の部隊においてもこの問題は直面し得る問題でありますので、早急な検討が必要だと捉えております。 政府としても、これまで駆け付け警護については、これを国家又は国家に準ずる組織に対して行ったときは憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当するおそれがある一方、武器使用の相手方が国家又は国家に準ずる組織に当たらない仕組みを設定することができるのであれば、武器使用権限を拡充することも憲法上許容されると説明をしてまいりました。 こうした仕組みをどのように設定することができるかが今後の検討課題の一つでありますので、現在、与党協議が進められており、その結果に基づいて政府としての対応を検討していきたいと思っております。
○小野次郎君 芦田修正とは違うんですけれども、やはりブルーヘルメットというんですかね、あの国連のヘルメットをかぶってやるPKOの場合に、今の政務官の説明だとどこまで行っても日本国内と同じ仕分論で対応を考えようとしているということだと思うんですが、もうちょっと前に進めて考えていただいてもいいのかなと。 さっき申し上げたとおり、実力で何か奪還するみたいな軍事作戦を企図する出動はちょっと国民的理解も得られないと思いますが、それ以外は、よその国のPKOがやるようなのは国連のルールに従ってやればいいんじゃないですかというのが、極めて国民のPKOについて理解がある人であれば平均的な理解ではないかと思うんで、是非柔軟な思考で対応を考えていただきたいと思います。 質問を続けますが、このグレーゾーン事態、さっきもちょっと話ししました。切れ目のない抑止撃退措置、これも実は私、四年半、戦後で最長だと思いますが、危機管理と安全保障の担当の秘書官をやっていました。その頃は総理秘書官の数も今よりずっと少なかったですから、要するに、グレーゾーンをやっている海保や警察の方も私が代弁し、自衛隊の安全保障の方も私が一人でこのグレーゾーンをぐるぐる考えなきゃいけない。 何か頭の中が鳴門みたいなものなんですね。つまり、平時と有事がぐるぐる回るというのと、それから警察権と自衛権というのがぐるぐるぐるぐる回るんですね、さっきの下甑島じゃないんですけれども。だから、そこで何らかの結論を次々と出していかなきゃいけないということを考えると、メビウスの輪みたいなんですよ。ぐるぐる回ってまた元へ戻ってくるみたいになっているんですね、この議論というのは。 是非、そういう意味で、私は一つの、学者の先生からそんなことはあり得ないとまた怒られるかもしれませんが、我が国の主権と独立の保持のための活動を広い意味の自衛権の発動と考えて、警察権作用と、必ずしもゼロ、一〇〇、イエス、ノー、白黒どっちかしかないんじゃなくて、重なり合うということもあり得るんじゃないかと、そういう理解をすべきだと思うんですが、官房副長官、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) グレーゾーンの定義については先ほど申し上げたとおりなんですが、今、小野委員のおっしゃった広義の自衛権というのは、ちょっと私もなかなかこれまだ趣旨とか定義というのが必ずしも明らかでありませんので何ともお答えしようがないんですけれども、今現時点でも武力攻撃に至らない事態への対処については、警察や海上保安庁が第一義的責任を持っていて、そして警察が対処できなくなったときに自衛隊が切れ目なく対応できるようにしていきたいというのが我々の考え方であります。 しかし、一方で、今ぐるぐると鳴門の渦のようにとおっしゃいました。我々も悩んでいます。悩んでいるからこそ、今回、武力攻撃に至らない侵害への対処を一層強化するためにどういう立法措置が必要なのか、どういう運用上の措置が必要なのか、これまでの憲法解釈の下でも認められる範囲内で基本的に検討可能であるとは考えているんですが、今これを与党に御議論をいただいているところであります。
○小野次郎君 警察の現場でも大きく広げて小さくまとめるというのがあるんですね。だから、自衛権かなと思って警察権でまとめるとか、有事に備えるつもりでいて平時の対応で足りるということもあるので、まさに鳴門の渦巻のようにぐるぐる回る案件なので御苦労されていると思いますが、総理がそうやって前向きのイノベーション的なものをお考えになるのであれば、私は憲法解釈の変更よりもっと手前にいろいろやるべきことがあるだろうというのを今朝からずっと指摘しているわけでございます。 武装工作員の不法入国事案みたいに、相手方が軍事組織による活動と認められるものについては、これも同じことなんです、私の意見は。基本的に、広義の自衛権発動と考えて自衛隊が対処するという考え方で整理した方が早いんじゃないですかと。これもまた、何とか罪の犯罪やっているからとかいって、不法入国罪だみたいなことをやって警察にまず行ってもらって、警察力が不足したら自衛隊に出てもらうみたいなことではなくて、相手が、例えばクリミア半島に入ってきたあの黒ずくめの部隊みたいなのが、あれが入国管理法違反だなんというんで警察がまず行くなんというふうにはならないと僕は思うんですよ。 朝鮮半島にもそういうことをやりそうな実力を持ったところはあるようですから、そういう理解に立ってみてはいかがかと思うんですが、副長官、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 広義の自衛権というのが明らかじゃない中で、なかなか答えにくいんですけれども、やはり自衛隊法第七十六条の規定に基づく防衛出動、これがまさに個別的自衛権の行使ということになるわけですが、この要件とか考え方というのは、やはり我が国に対する武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態という解釈が厳然と確立をされているわけでございます。 しかし、一方で、今委員が御指摘のような、武力攻撃に至らないような事態に対しても、自衛隊は自衛隊法の規定で、御存じのように、治安出動、海上警備行動、対領空侵犯措置等、警察権の行使もできるようになっているわけですから、それをどう切れ目なく組み立てていくかというところが一番難しいところだというふうに思っております。
○小野次郎君 あと一問しか聞けなくなりました。 頭の体操としてなんですけれども、集団的自衛権行使の要件となる、これ外務大臣にお伺いします、要するに、その発動の要件となる他国に対する攻撃については仮に地理的限定はないとしても、我が国が集団的自衛権を行使して武力行使に出る地理的範囲の方は憲法第九条の制約によって限定されるということも理論上あり得るんじゃないでしょうか。 これ、法制局長官に聞いた方がいいんでしょうか。ちょっと新しい法制局長官に、済みません、お尋ねします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 地理的範囲の限定の理論上の可能性というお尋ねでございますけれども、集団的自衛権の行使等の問題につきましては、現在、総理が示された基本的方向性を受け与党協議が進められており、その結果に基づき政府としての対応を検討することになるものと承知しており、理論上の可能性ということではございますけれども、現時点で、集団的自衛権の行使ができるということを前提として、その内容につきまして予断的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○小野次郎君 まあそうですよね、法制局長官に聞くだけやぼだったかもしれませんが、時間になってしまいましたので、私の質問はこれで終わります。 ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。午前中に引き続き、質問させていただきます。 午前中、日米ガイドラインの見直しについて、主として総理がいらっしゃったので総理にお伺いいたしましたけれども、午後は防衛大臣を中心にお伺いしていければというふうに考えております。 まず、この集団的自衛権行使容認とガイドラインの見直し、このタイミングについて午前中もお聞きしたわけでありますけれども、先日の報道によりますと、アメリカの国防総省で日米関係の実務を取り仕切っているリッパート長官首席補佐官がガイドラインの見直しに関しましてこう述べているということです。期限を設けることは事を前に運ぶのに役には立つけれども、今、米国政府内では慎重なペースでというのが合い言葉だと。こういうふうに指摘をして、この再改定というのはめったにやることではないので、前回は九七年ですから、きちんとしたものを得ることが重要だと語り、期限の延長に含みを持たせたと。 こういうふうに報道がされているわけでありますけれども、この報道に対して、このコメントに対してまず感想をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(小野寺五典君) リッパートの発言があったということの報道は承知をしておりますが、いずれにしても、リッパートの上司でありますヘーゲル国防長官と昨年十月に2プラス2におきまして、このガイドラインの見直しについては今年中に行うということが合意をされておりますので、私どもはその合意に従って作業を進めてまいりますし、また特に米側からそのような話がこちらに伝わったこともございません。
○中西健治君 そうしますと、確認ということでありますけれども、このリッパートの講演は別としても、米国側から我が国に対して、集団的自衛権の行使に関する我が国の議論に関連して、ガイドラインの見直しのタイミング等について何か注文が付いたりということはないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 基本的には、午前中にも総理がお話しされておりますが、ガイドラインの見直しにつきましては、昨年の2プラス2の合意、これが生きておりますので、その期限というのは今年中ということになります。 また、内容につきましては、これは同じくやはり総理も答弁されたと思いますが、やはり現在の議論、行われている議論について、それが一定の方向が固まれば、それの線に沿ってガイドラインの方も作成されるということだと思っています。
○中西健治君 ガイドラインの見直しというのは、もう作業が始まっているという理解でありますけれども、現在、この見直し作業というのはどういう体制で何を議論しているのかということを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 日米のガイドラインの見直しですが、昨年十月の2プラス2共同発表を受けて、日米の外務・防衛当局の局長級の防衛協力小委員会、SDCを通じて行ってきております。十月に2プラス2が開かれ、十一月十四日にこの防衛協力小委員会を開き、議論を開始しております。 内容につきましては、今引き続き検討が続いているところでありまして、まだ具体的な内容を説明できる段階ではありませんが、政府としましては、昨年十月の日米2プラス2の共同発表を踏まえて、本年末までに見直し作業を完了すべく、我が国に対する武力攻撃に対処するための同盟の能力の確保、あるいは二国間の防衛協力における適切な役割分担、こういったものにつきまして幅広く議論をしているところであります。 引き続き作業を進めていきたいと考えます。
○中西健治君 今、我が国の集団的自衛権の行使について議論が行われているわけでありますけれども、防衛大臣は、この行使について方向が固まればそれを踏まえた上で検討をしていきたいと、こう先ほどおっしゃられたわけでありますけれども、現在、ある程度の作業は行われていると。 この作業において、集団的自衛権の行使についてはどのような前提が置かれているのか。行使を容認するという前提、そして行使を容認しないという前提、二つを置いて幅を持って考えているのか、それともそうではないのか。どういう形でやっているのかについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 当然、現行法において、まだ今見直し等の議論が行われ、与党協議が行われておりますが、政府として方針を出しているわけではありませんので、これは現行法の状況に基づいて私どもとしては米側とガイドラインの議論はしてまいります。 ただ、今、日本側でどのような議論が行われているかということは当然米側も関心事でありますから、そういう議論の状況については米側も承知をしているんだと思っております。
○中西健治君 また確認になってしまいますけれども、あくまで現行法でということですから、集団的自衛権の行使は容認はされていないという前提の下で作業自体を行っていて、集団的自衛権の行使に関する議論に関しては議論の進捗状況を伝えている、そういうことでよろしいでしょうか。確認だけです。
○国務大臣(小野寺五典君) 現行法に基づいての協議を行うということと、それから、日本での議論については先方も関心があるということで、先方から問われれば、こちらの方から今日本ではこのような議論が行われているということは説明をするということをさせていただいていると思います。
○中西健治君 外務大臣に、次お伺いしたいと思います。 先ほど、この2プラス2に基づいてどんなことを議論しているんですかということをお聞きしたところ、幾つかのことを挙げていただきました。 この2プラス2の共同で発表された目的を見てみますと、幾つか挙げられています。同盟強化を可能とする追加的な方策の探求ですとか、同盟のグローバルな性質を反映する協力範囲の拡大、地域のより緊密な安全保障協力の促進、こうしたものが挙げられているわけでありますけれども、まさにこの集団的自衛権の議論と密接に関連しているようなことではないかというふうに思いますが、この目的そのもの、目的自体が集団的自衛権の議論の帰趨によってまた変わってくるというようなことはあり得るとお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 昨年の2プラス2におきまして、これは日米防衛協力のための指針ということで幾つかの基本的な考え方、これを了承させていただきました。 例えば、日米防衛協力の中核要素として、日本に対する武力攻撃に対処するための同盟の能力を確保すること云々、そのときの共同発表の内容がありますが、この基本的な共同発表の内容についてはこれは変わる内容ではありません。これが両国間で合意をした基本的な考え方でありますので、これは今国内で行われている議論が何か一つの方向を向いて決着をしたとしても、この基本的な考え方、方針、共同発表で述べられた内容について、指針については変わることはないと承知をしています。
○中西健治君 午前中の議論でこのガイドラインの期限、十二月の期限を優先するのか、それとも内容を優先するのかという問いを発したところ、総理は両方ともということをおっしゃられておりました。できれば、集団的自衛権の解釈に関する決定を早めにしてスケジュールに間に合うようにして、十二月にガイドラインが改定できればそれは理想的だという言葉をお使いになったかと思います。 この集団的自衛権とそれからガイドラインについて、私がワシントンに行ったときに国防総省の高官の一人がカラーという言葉を使って、カラー、色という意味ですね、という言葉を使っていて、集団的自衛権の議論がガイドラインの内容を色付ける、色彩付けると、こんなようなことを言っていました。それと同時にやはり大事なのが内容を適正化することだと、ゲット・ディス・ライトと、こういうことを言っておりました。 ニュアンスとしては、やはり中身が重要であって、期限よりも中身だというようなニュアンスが伝わってきたかなというふうに思いますけれども、ここの優先関係というのは、外務大臣、防衛大臣、どちらかで結構ですけれども、そこら辺どういうお考えを持っていらっしゃるか、ちょっとお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、ガイドライン、たしか十七、八年ぶりに今回見直すということになりました。その前提というのは、従来のガイドラインというのは、これはどちらかといいますと、例えば米ソ冷戦のまだ名残が残り、そしてまた、我が国の周辺の安全保障環境も現在とは大分違う状況で日米の役割分担ということで決められたものであります。 何か安全保障上の問題が起きたときに日本はどう対応し、米国はどう対応するか、こういうことを具体的に決めていくのがガイドラインということになりますが、それから十七年たちまして、安全保障環境は大きく変わり、そして最近の事例に対応するための日米のそれぞれの対応の仕方というのをこれは早急にまとめなければいけないというのは、日米双方のこれは共通した考えだと思います。その上で、今回、昨年の十月の2プラス2においてのガイドライン見直しの決定がなされたということでありますので、これはやはり安全保障環境を考えてしっかり早めに対応しなきゃいけない内容だと思っております。 ただ、その内容を進めるに当たっては、委員がお話しされたように、しっかりとした内容にするべき内容であるので、今、日本国内での議論が行われている中では、しっかりそれもこの中に組み込まれるということを当然私どもとしてはできるような、そういう努力は必要だと思っております。
○中西健治君 与党間協議ではグレーゾーンへの対処、PKO活動等についての議論が先行するようでありますけれども、集団的自衛権の議論が遅れてしまうというようなことになりますと、まさに政府自らが策定したNSS、安全保障戦略の中で当然重要な位置付けを占めるとされている日米同盟の強化という点から問題が生じかねないのではないかなというふうに思いますが、ここら辺についての御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今の行われている議論、国民の命と暮らしを守るためにあらゆる事態に切れ目のない対処を可能とする国内法制を整備する必要がある、こうした認識に基づいて議論が行われています。そして、御指摘の集団的自衛権につきましては、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときという限定的な場合に集団的自衛権を行使することは許されるという、この安保法制懇の報告書の考え方について研究を進めるということになったわけです。 御指摘のように、与党の協議は、まずは武力攻撃に至らない侵害への対処の在り方について検討を進めていると承知をしております。こうした議論が始まっていますが、これは決して集団的自衛権について議論をしないというのではなくして、こうした議論と併せて集団的自衛権についても議論をいただくことになると承知をしております。 トータルでこの議論を進め、そしてしっかりとした結論を出していただけるものと承知をしております。
○中西健治君 このガイドラインに関して、ちょっとしつこいようですが、あと二つだけお聞かせいただきたいと思うんですが。 一つが、先ほど、防衛協力小委員会、SDCが作業しているということをおっしゃられましたけれども、この集団的自衛権に係る憲法解釈の変更がされる場合には、その内容を反映させた上でこのSDCの検討が二〇一四年末までに完了するためには、この集団的自衛権に関する解釈変更の有無の結論というのはいつ頃ぐらいまでには遅くとも出ていなければいけないということになるのでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、私どもとして、総理もお話をされておりますが、この議論につきましては特に期限を設けているわけではないというのが、総理がお話しされているラインだと思っています。
○中西健治君 十二月末までに完了するというデッドラインは一方であるわけですから、それに合わせるためには、それを延長してしまうということもあり得るんだと思いますが、仮にこの期限、仮にというより約束している期限を守るためには、大体いつ頃までには結論は出ていなければいけないんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 一概にその時期をお答えするのは困難だと思います。
○中西健治君 答えにくい質問をしているかなというふうには思いますけれども、ただ、十二月末ということから考えれば、ある程度のところはやはり目安として持っていなきゃいけないだろうというふうに思います。 もう一つ、この集団的自衛権に係る憲法解釈の変更がなされて、その内容を反映させる場合には自衛隊法等の法律の改正もされていなければいけないか、それともそれは必要ないだろうとお考えになられるか、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今ガイドラインの作業が進んでいるということがありますし、また、片や今、集団的自衛権を含めた様々な議論がなされているということも承知をしています。 これを受けて、今ガイドラインについては日米間で検討を進めているところでありまして、個別法の改正について説明ができる段階ではありませんが、防衛省としましては、この2プラス2に示された見直しの目的も踏まえ、二国間の防衛協力における適切な役割分担などについて幅広く議論を行っているところであり、個別法の改正との関係については、そのような議論を踏まえつつ今検討しているところであります。
○中西健治君 これもちょっとお答えしにくい質問だったかもしれないなというふうに思います。 ちょっと話題を変えて、今週末、シンガポールの方に行かれるかと思います。ASEAN諸国と会合を持たれるということだと思いますが、南シナ海における中国とベトナムの状況というのは悪化するばかりということなんではないかと思いますが、このシャングリラ会議において、我が国は、ベトナムと中国のことについて何かリーダーシップを取って、こういうふうにしていったらいいんじゃないかというようなことをおっしゃられるつもりはあるでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 国会の方のお許しが出れば、あしたからになりますが、シンガポールにおけますシャングリラ、これは防衛大臣会合ということになります。そこに出席をし、今の予定では、総理が国会のお許しがあればその基調演説を行うということになると思います。 この総理の発言については私ども承知をしませんが、私も実はその会議で話をする機会もありますし、また幾つかの国との会議もございます。その中で、私どもとしては、やはり力による今の現状の変更というのは決してあってはならない、あくまでも法による支配あるいは対話による解決、これが大切だと。これは、私どもとしてどの国を想定しているというわけではありませんが、今、東シナ海、南シナ海で様々起きている事象を含めて、やはり国際社会が法による支配をそれぞれ尊び、力による一方的な変更は認めないということをしっかりと共通認識にすればこの地域あるいは世界の平和が保てると、そのような認識から、そのスタンスで議論を進めていきたいと思っています。
○中西健治君 この南シナ海の事態というのは、我が国にとって対岸の火事ではないなということだと思います。我が身のこと、自分のこととして考えていかなきゃいけないかなというふうに思っているわけでありますけれども。 海洋法条約には中国もベトナムも参加しているということでありますから、海洋法裁判所にも提訴するというようなことも十分あり得るんじゃないかと思いますが、そうしたことをASEANとの会議の場で提言していくとか、そうしたおつもりというのは、まあ名指しはしないにしても、ないでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) こういう地域におきましての例えば海洋の安全ということに関しては、先般、これは中国の青島で行われました西太平洋の海軍のトップが集まる会議におきまして、一つの行動規範、CUESというものができて、その中で、例えば日本もその中で参加をしておりますが、例えば昨年起きましたあのレーダー照射含め、そのような危険な行為には及ぶべきではないということを、これは中国も入った形での合意ができました。 もちろん法的拘束力はありませんが、少なくともこういう規範をしっかりと作ることが大切だと思いますし、また先般、日中の間では、自衛隊機に対しての中国機の近接事案というのがありました。こういう問題についても、やはり基本的には二国間の海上連絡メカニズム等の構築が重要ですが、やはり多国間でのこのような危険な行為をやめるべきというような方向を出すことも大変重要なことだと思っております。
○中西健治君 最後に、外務大臣にお伺いいたします。 来週、総理がG7、ブラッセルの方に行かれるかと思いますけれども、やはりウクライナのことが大きな課題として話し合われるということになるかと思いますが、これについて日本政府としてどのようなことを言っていくのか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) ウクライナ情勢ですが、まず、五月二十五日、大統領選挙が行われました。ウクライナ東部の一部を除きまして、自由、公正、そして平穏のうちに選挙が行われたこと、このことは我が国として評価しております。こうした内容の外務大臣談話も発出させていただいた次第です。 他方、ウクライナ東部におきましては、現在もウクライナ政府と武装勢力との間で衝突が発生し、多数の死者も発生しています。こういった事態につきましては、我が国として強い懸念を持って注視をしているという次第です。 我が国としましては、ウクライナの安定のためには、経済状況の改善、民主主義の回復、そして国内の対話と統合の促進、この三つが重要であると認識をしております。こういった認識から、これまで、十五億ドルの経済支援ですとか、あるいはOSCEの特別監視団、あるいは欧州評議会への拠出、こういったものを行ってきているわけです。 今回の大統領選挙を通じまして民主的に選出された新政権が成立すること、これは大きな第一歩であると考えています。新政権におきまして、経済改革ですとか国内の対話あるいは統合の促進、こういったものも含めて改革が進んでいくことを強く期待しておりますし、是非、この改革の促進については我が国としましても引き続き支援をしていく、こういった立場にあります。そして、ロシアとウクライナの間の外交的な対話、これらも重要であると認識をしております。 G7サミットにおきましては、我が国としましては、以上申し上げました考え方を表明する方針であります。
○中西健治君 どうもありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 朝から長い審議が続いておりますが、最後でございますので、よろしくお願いいたします。 まず、イスラエルとの防衛協力と武器輸出の問題について防衛大臣にお聞きいたします。 来日したイスラエルのネタニヤフ首相と十二日に安倍総理が会談をいたしました。両国の安全保障に関する初の首脳級対話と位置付けられて、防衛分野の交流の拡大を含む共同声明が出され、翌日には小野寺防衛大臣も会談をされております。 イスラエルは、二〇〇六年にはレバノンへ、二〇〇八年と一二年にはパレスチナのガザ地区への空爆を行っておりますし、この二〇〇六年のレバノン侵攻では、安保理が敵対行為の停止を求める決議を採択をしております。東エルサレムでの同国の入植活動については、昨年六月に日本の外務省自身が強い遺憾の意を表明をしておりまして、この入植活動は国際法違反だと断じているわけですね。 私は、こういう国と防衛協力の拡大ということを進めることは、国際紛争を助長し、また中東の和平に逆行するのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 我が国にとりまして、イスラエルを含む中東地域の平和と安定は、エネルギーの安定的確保及びシーレーンの安全確保の観点から極めて重要だと考えておりますし、我が国としても、中東和平の問題にこれまで積極的に関与してきたと承知をしています。 防衛省としましては、中東地域の安全保障に影響力を有するイスラエルと友好な関係を構築することは中東地域の平和と安定を確保する上で重要であると考えており、先般の首脳会談において、防衛当局間の交流拡大で一致したところであります。また、私がネタニヤフ首相と会談した際には、サイバーセキュリティー分野について機会を捉えて意見交換を行っていきたい旨を述べ、先方からも同意を得ました。 防衛省としましては、中東諸国との間でバランスの取れた防衛交流を実施することとしており、イスラエルとの交流拡大が国際紛争を助長し、中東和平の妨げになるとは考えておりません。
○井上哲士君 私は、いわゆる両国間の友好を広げることを問題にしているのではないんですね。こういう様々な国際法違反の行為を行っている国と事実上不問に付すような形で防衛協力をするのがいかがなものなのかということであります。 F35の共同開発を進める、日本が参加をするに際して、この国際紛争を繰り返してきたイスラエルへの第三国輸出の可能性が大きな問題になりましたし、私もただしてまいりました。一方、新しい武器輸出三原則の運用指針では、輸出可能国に我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国とされております。この点、先日の質疑でただしますと、首脳会談や共同声明で防衛協力の推進や安全保障の対話が確認された国も当てはまると、こういう答弁でありました。 そうなりますと、今回のこういう防衛協力の拡大がイスラエルに対しての直接の武器輸出すら可能になるんじゃないかと、こう考えますが、どうでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 日・イスラエルの首脳会談では両国の防衛当局間の交流拡大で一致をいたしましたが、これは一般的な防衛交流を念頭に置いたものでありまして、具体的な防衛装備分野における交流、協力について両首脳が合意した事実はないというふうに承知をしています。 なお、一般論としてでありますが、防衛装備移転三原則におきましては、移転を禁止する場合を明確化するとともに、移転を認め得る場合であっても、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を厳格審査し、さらには原則として国際約束により適正管理を確保することとしておりまして、これまで同様、防衛装備品の移転については厳正かつ慎重に判断されることとなると思います。
○井上哲士君 政府の判断ということになっているわけでありますが、しかし、こういう防衛協力の位置付けた共同声明というものがやはり可能性に道を開くことは否定できないことだと思うんですね。 私、先日の質疑でも、ゴールデンウイーク中の外遊でも各国との武器輸出のトップセールスが行われてきたということを問題にしましたけれども、今度は、来月パリで行われる国際武器の見本市に日本企業が参加をするということを認める方針を固めたという報道がございました。陸上自衛隊で使用する車両や地雷探知機など、防衛装備品の出展を防衛産業各社に認める方針を政府は固めたという報道でありますけれども、これは事実でしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 厳しい財政事情や海外企業の競争力の増大など、我が国の防衛生産、技術基盤を取り巻く環境が厳しさを増す中、防衛装備品の国際的な最新の技術動向について常に情報収集を行うことは非常に重要なことだと思っております。 防衛省としましては、民間企業の国際展示会への参加を許可や制限する立場にはありませんが、来月六月十六日から二十日の間、フランスのパリにおきまして、フランス陸上兵器工業会が主催します国際展示会ユーロサトリが開催されることを承知しております。 また、これは主催者の発表ということでありますが、日本からは三菱重工業、富士通、日本電気、東芝、日立、川崎重工業といった企業計十四社が参加する予定と承知をしております。
○井上哲士君 報道では一部企業は地対空ミサイルのパネル展示も検討しているとなっておりますが、これはどういう企業でしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私ども、詳細については承知をしておりませんが、少なくとも、パネル展示というのは、このような装備があるということを実物ではなくてパネル等で展示をするということだというふうに理解をしております。
○井上哲士君 武器禁輸政策の撤廃に際して、私も何度も繰り返し質問してまいりましたけれども、平和国家としての理念は変わらないんだということを繰り返し答弁をされましたけれども、空爆や国際違法の入植を繰り返してきた国へも武器輸出の道を開くし、こういう軍需産業の国際ビジネスと一体となった武器輸出の促進がされているということはまさに重大な問題だということを厳しく指摘をしたいと思います。 その上で、集団的自衛権の問題についてお聞きをいたします。 いわゆる安保法制懇は、第一次安倍内閣でもつくられました。その報告書は、福田内閣にやはり同じように解釈変更が必要とするものとして出されたわけであります。ところが、福田内閣は、総理自身が受け取らずに官房長官が受け取って、しかも政府としてその後の検討はされませんでした。 一方、再び安倍内閣ができますと、同じようなメンバーで法制懇が立ち上げられて、報告書が出し直されて、そして今度はこれを解釈改憲に踏み込もうという流れの中で検討が今進められております。 福田内閣のときは必要なかったけれども、安倍内閣になったら必要になったと、こういうことなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 前回の報告書、二〇〇八年に提出されたわけですが、二〇〇八年と今日の安全保障環境を比べましても、我が国を取り巻く安全保障環境、ますます厳しくなっていると認識をしております。 北朝鮮もミサイル開発、核開発を続けているわけですが、移動式の発射台の登場等によって把握がますます難しくなっている、東シナ海においても毎日のように領海侵犯が続いている、南シナ海においては国と国が現にぶつかり合っている、こういった現状も発生していますし、また、宇宙、サイバー、こういった新しい脅威もより現実的なものになりつつあります。 こういった安全保障をめぐる環境の変化を受けて、政府として、国民の命、暮らしを守るために、あらゆる事態に切れ目のない対処をしなければいけない、法整備を行って隙のない備えをつくっていくことが必要である、そして抑止力を高めていかなければならない、こういった認識がより強まったというふうに認識をしております。 こういった中で、この度、安保法制懇の報告書を新たに受けたわけであります。是非、この報告書を基に、我が国としてどうあるべきなのか、真剣な議論をこれからしっかり行っていきたいと考えています。
○井上哲士君 前回の報告のときも安全保障環境が厳しいということは言っているわけですね。その上で、解釈変更を前回も言っているわけですよ。しかし、それを受け取った福田内閣は検討せずに、また安倍さんがなったら今度は一層厳しさを増したと、こういうことが出てくると。安倍さんが総理になると安全保障環境が厳しくなるということなんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど幾つか紹介させていただいた例、二〇〇八年の段階と比べて新しい様々な動きということで紹介をさせていただきました。この間においても、我が国をめぐる安全保障環境、より厳しくなっているということ、これは間違いないところでありますし、そして、多くの国において、自らの平和と繁栄を維持するためには一国のみではそれを維持することができない、こうした共通認識ができ上がりつつある、こうした国際社会における動きもあります。 こういったものも踏まえて、この報告書をどう活用し、そして我が国の方針を決めていくのか、政治に関わる者として真剣に議論しなければならないと考えます。
○井上哲士君 安倍総理は、二〇〇四年の段階の著書「この国を守る決意」で、我々の世代に新たな責任がある、それは日米安保条約を堂々たる双務性にしていくことだと、こういうふうに述べられております。 ですから、最近の安全保障環境の悪化ということは言われますけれども、まさにこの安倍総理の政治信条実現のため、集団的自衛権行使容認ありきということが私はこの間の経過ではないかと思いますが、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日本とアメリカの関係、日米同盟につきましては、例えば、日米安全保障条約第五条におきまして、日本に対する武力攻撃に対しまして日米で共同して対処する、こういったものが定められています。また、六条におきましては、日本の安全、そして極東の平和、安全のために米国が我が国の施設・区域を使用する、こういったものを定めています。 こういった内容は、日米の義務、確かに同一ではありませんが、日米のバランスは取れているというのが日米安全保障条約に対する我が国政府の考え方であります。こういった評価を政府としましてはしているところであります。
○井上哲士君 そうです、バランス取れてきていると、少なくとも自民党政権はずっと言ってきたわけですね。それを堂々たる双務性にするのが我々の責任だと、こういう安倍さんの個人的信条に基づいて、とにかく集団的自衛権行使容認ありきということで私はこの間進められていると思うんですね。ですから、与党協議に政府から十五の事例が示されておりますけれども、そういう立場ですから、今日もずっと議論になっていますけれども、果たしてリアリティーがあるのかということになるわけであります。 北朝鮮を想定したと思われる、この米艦船による邦人避難の場合の護衛ということも、総理はわざわざパネルを掲げたわけでありますが、防衛大臣にお聞きしますが、こういうケースというのは実際、日米間で何らかの協議はされているんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 総理が説明された資料というのは、あくまでも近隣、我が国の周辺でしょうか、特定の国のことを挙げたことではないと承知をしております。 日米間では様々いろんな問題について協議、検討を行ってきておりますが、現在、本年末までに日米ガイドラインの見直し作業を完成させるという昨年の2プラス2の合意がありますので、それに従って二国間で適切な役割分担についての議論を進めているということであります。他方、緊急事態への対応ぶりに係る日米間の議論の具体的な内容については、事柄の性質上お答えを差し控えさせていただきます。 いずれにしても、防衛省としては、一層厳しさを増す安全保障環境において、日米同盟の抑止力及び対処能力を強化すべく、鋭意取り組んでまいりたいと思っています。
○井上哲士君 本来、海外の邦人保護というのは日本政府の役目なわけですね。先日、元内閣官房副長官補の柳澤さんの講演では、あのような事態というのは、パネルのような事態というのはリアリティーもないけれども、仮にああいうことになったら、まさに政府の危機管理の重大なミスというか、そういうことを表すものにほかならないという指摘もされておりました。 朝鮮半島有事の際の邦人輸送ということについては、政府としては何らかの検討をこの間されてきたんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 先ほどもお話をしましたが、これは政府全体のお話を私がする立場ではありませんが、少なくても防衛当局としましては、様々な緊急時における対応については、日々対応能力が向上できるよう努力をしているところであります。
○井上哲士君 一九九三年に統合幕僚会議がまとめたK半島事態対処計画というのが、二〇〇三年にその中身が明らかになって様々報道もされました。北朝鮮が最初に核不拡散条約脱退を表明したのを受けて、陸上、海上、航空の三自衛隊を束ねる制服組のトップ、防衛庁の統合幕僚会議がひそかにまとめ上げたものだと、こういうふうに言われておりまして、その中身を基にした報道や、そして本も出されております。 これに関わった幹部の一人は、計画策定から十年が経過したけれども、北朝鮮の戦力は当時と変わらず計画は今でも有効と考えていますと断言をし、文書は金庫にしまわれているということでありますけれども、大臣は御覧になっているでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘のものは、一九九三年に統合幕僚会議がまとめたとされている朝鮮半島における事態対処計画ということでしょうか。これは、朝鮮半島有事における自衛隊の対応については自衛隊の運用に関わるものでありますので、事柄の性質上お答えは差し控えさせていただきますが、御指摘の点につきましては、一九九三年から九四年当時、北朝鮮の核開発疑惑が問題となり、関係省庁がそれぞれ所掌事務の範囲で取るべき対応について検討したというふうに承知をしております。 当時の防衛庁としても、我が国の平和と安定を守るという任務遂行の観点から種々の検討を行っておりますが、それらはあくまでも部内の研究であり、当時の防衛庁が正式な計画をまとめたという事実はないと承知をしております。
○井上哲士君 報道ですと、この計画は、情勢が緊迫した時点で在韓邦人三万人のうち二万人が自力で避難をし、残る一万人も米軍に頼らず自衛隊で輸送可能としておりまして、この中では、ソウル、仁川、釜山に振り分けて、輸送艦や政府専用機、輸送機で運び出すと、こういう計画になっておりまして、その中では、芦屋基地から離陸したC1輸送機が米軍家族百二十人を乗せて福岡空港に着いた。むしろ米軍家族の輸送を日本の自衛隊が米軍の要請で行うということまで中に盛り込まれているわけですね。 私は、先ほど来、日米間のいろんな協議はしているのかとお聞きしましたけれども、こういう様々なことが行われていたとするならば、そういうことと無関係に、あのパネルにあるような日本の邦人がアメリカの艦船によって輸送され、それを日本が守るというような、こういうことが突然出てくるというのが本当に解せないわけですね。 結局、やっぱりこの間、今日も朝から指摘ありましたように、とにかく行使容認ありきでこういうケースを出してきたんではないかと。こういう形で日本の進路に関わるような憲法解釈を変えるような検討をするのは私は間違いだと思いますが、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 総理の挙げられた例について御指摘がありました。 これは、昨日も答弁の中で申し上げさせていただきましたが、二〇一一年のリビア情勢の悪化の際に、在留邦人が米軍が手配したチャーター船あるいはスペイン軍が派遣した輸送機、こういったもので避難している、こういったかつての記録があります。また、邦人の事例ではありませんが、一九九一年のフィリピンの火山噴火に際して米軍の揚陸艦が民間人を含む避難民を輸送した、こういった記録も残っています。 御指摘の点、これは全くあり得ない話ではないと我々認識をしております。あらゆる事態について対応するべくしっかりと議論をしておかなければいけない、こういったことから一つの例として挙げたということでありまして、こうした例示、決して不適切ではないと考えます。
○井上哲士君 それぐらいの構えで原発に対応していただきたいと思っておりますが。 現実に憲法の解釈まで変えようとしているときに、こんなのもあるかもしれない、あるかもしれないという話ではなくて、ちゃんとした例示もなしにやるようなことはあってはならないし、そもそも戦争する国への道は許されないということを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会