外交防衛委員会 第13号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/04/22
会議録
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、金子洋一君、羽田雄一郎君、北村経夫君、新妻秀規君及び宇都隆史君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君、北澤俊美君、山下雄平君、山口那津男君及び高橋克法君が選任されました。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び武器貿易条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。 条約の質疑に入る前に、外務大臣に、今般、中国の上海海事法院が我が国の商船三井保有の船舶バオスティール・エモーション号を差し押さえたという事件について伺います。 今回のこの事件というのは、日中共同声明の根幹部分、もう軸線の部分にも影響するという懸念を私は有しております。 外務大臣にお伺いします。日中共同声明において中国が戦後賠償を放棄しているとの我が国の立場は不変であると私は認識しておりますが、政府の見解をお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) さきの大戦に係る日中間の請求権の問題、これにつきましては一九七二年の日中共同声明以降存在していない、これが我が国の立場であります。
○佐藤正久君 ただ一方で、中国政府は日中共同声明で放棄した戦争に係る賠償請求について民間や個人の請求権は放棄していないとの見解も有しているという報道もございます。今回のこの商船三井の事件、そのほかにも、戦時中に強制連行されたとして中国人が三菱マテリアルなどに損害賠償を求めて北京の裁判所に訴状を提出したという報道もあります。いろんな面で次から次へと法的なカードというのを切ってくる可能性があります。 私は、今回の中国のこの対応というものは、法律を通して民間企業を揺さぶるということにより、経済的な側面から我が国の外交・安全保障戦略を覆そうとする法律戦、世論戦、あるいは心理戦の一環であるというふうな認識もしておりますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、さきの大戦に係る日中間の請求権の問題に関する我が国の立場は、先ほど御答弁させていただいたとおりであります。 そして、今回の案件につきましては、商船三井は原告との間で示談の可能性を探っていたと聞いておりましたが、そういった中で同社の船舶が突然差押えの通告を受けたこと、これは日本政府としましては遺憾に感じております。 政府としましては、こうした遺憾の意、中国側に既に伝達をし、そして適切な対応を強く求めているところでありますが、引き続き商船三井と連絡を取り合いつつ対応を検討していきたいと考えております。 こうした事案が重なることによりまして、何よりも、中国でのビジネスを展開する日本企業全般に対し萎縮効果が生ずるのではないか、こういったことを懸念しております。是非、しっかりとした中国の対応を求めていきたいと考えております。
○佐藤正久君 まさに、そういう経済的な面でどんどん圧力を掛ける、萎縮をさせるというのはこの法律戦から来る一つの側面であり、それが心理戦、あるいはそれを世論戦にどんどん訴えていく、次の戦時徴用の方まで広がる可能性もございます。 これは本当に初動が大事ですから、これは、初動をしっかりやらないと次から次へと向こうから手を打たれて全部守勢に回ってしまいます。今大臣言われたように、これをきっかけとして日本企業が中国からどんどん撤退する、その引き金にもなりかねませんので、これ、初動をしっかり対応していただきたいということをまず最初に申し上げたいと思います。 それでは、武器貿易条約について質問をさせていただきます。 まず、今回の武器貿易条約、これは通常兵器の国際貿易を規制するというものですが、他方、今般、安倍内閣、安倍政権は防衛装備移転三原則というものを新たに打ち出しました。ややもすると、この武器貿易条約とこの防衛装備移転三原則、これは相反するものではないかというふうなうがった見方をする人もおられます。私はそうではないと思いますけれども、この点について明確に外務大臣から御見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の武器貿易条約ですが、これは通常兵器の国際貿易を規制するための国際的な基準を確立する国際約束であります。一方、この防衛装備移転三原則、これは防衛装備の海外移転に係る我が国の政策であって、これまでの武器輸出三原則等を新たな安全保障環境に適合するよう改め、本年四月一日に閣議決定したものであります。 そもそも我が国は、従来からこの条約が義務付ける規制の水準より厳しい規制を行ってまいりました。また、今回閣議決定された防衛装備移転三原則も、この条約上の輸出規制に比べて厳しいものになっております。この第一原則において、我が国が締結した条約及びその他の国際約束に基づく義務に違反する場合については移転を禁止する、このように明記しておるわけでありまして、この条約が規定する義務に違反する場合にも移転は禁止されるということになります。そして、こうした移転を認める場合であっても、その後、こうした移転に関しましては様々な限定が付され、そして適正に管理される、こういった仕組みになっております。規制の対象範囲も、この防衛装備移転三原則における輸出規制の対象、この条約よりもしっかりと広く取っている、こういった内容になっております。 このように、この条約との整合性はしっかり取れていると認識しておりますし、両者は矛盾をしないと考えております。
○佐藤正久君 このようにやっぱり説明してもらうと分かるんですけれども、この条約の名前とかだけ見てしまうとなかなか理解がしづらいという部分がありますので、大臣、これ、外務省の方でしっかり広報、これをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の防衛装備移転三原則、これも我が国の対応を透明性を持ってしっかり明らかにする、これが大変重要なポイントであります。是非、国の内外にこうした原則の中身につきまして説明責任を果たしていくこと、大変重要な視点だと考えます。是非努力したいと考えます。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 今、大臣の方から透明性という話がありました。透明性というと、一番我が国の周辺国で気になるのが、中国のやっぱり軍部の防衛含めたいろんな透明性だと思います。今回の武器貿易条約、これについても中国は入っておりません。中国というのは、統計によりますと、第四位の通常兵器、武器の輸出国であると同時に、世界第二位の輸入国というデータもあります。 やっぱり、中国がこの条約を締結するということの重要性は私は非常に高いものだと思っております。現在の中国に対する我が国の働きかけとこの条約に関する中国との関係、これについて外務省の御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(岸信夫君) 今委員御指摘のとおり、中国はまさに主要な武器貿易国の一つである、こういうふうに考えております。この条約の実効性を高めるためにも、こうした武器貿易国、主要な武器貿易国を含む可能な限り多くの国がこの条約を締結することが極めて重要である、このように考えております。 昨年九月の国連総会で開催されました武器貿易条約ハイレベル会合において、岸田外務大臣からも主要な武器貿易国の締結を呼びかけたところでございます。また、我が国はこれまで国際会議等においても中国に対して早期の署名、締結を行うよう働きかけをしてまいっております。 中国は、昨年十二月に国連総会で採択されました武器貿易条約に関する国連総会決議に賛成をしております。この決議は、まさにこの条約の採択を歓迎し、各国に条約の署名、締結を求める内容を含むものであります。中国がこの条約を締結すれば、中国の武器貿易の透明性が高まるということが期待をされております。 政府としては、引き続き機会を捉えて、中国を含む主要な武器貿易国及びアジア諸国を中心に、全ての未締結国に対して早期の署名及び締結を働きかけてまいります。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 まさにこの武器貿易条約は我が国を含んだ七か国がリードして作ってきているものですから、引き続き、主要な中国とかあるいはロシア、そういうものに対しての働きかけを強めていただきたいというふうに思います。 続きまして、グアム協定の改正議定書の方に移らせていただきます。 まず、今回のこの改正というものは、まさに民主党政権の私は大きな手柄だと思っています。非常に、前のグアム協定よりも、周辺状況やあるいはいろんな状況、あるいは問題点を含めたそういうものを改正して、民主党政権時代にこの方向性が定まり、安倍政権になって、前回の2プラス2で、まさに岸田、小野寺両大臣おられますけれども、その内容を更に具体的なものをどんどん深化している、非常にいい連係プレーの改正だと思っています。 特に大きなポイントとして、私自身も、この改正が決まる前から、普天間の状況を考えると、普天間の飛行場の移設、嘉手納以南の土地の返還、あるいはグアムへの移転、これは切り離さないとなかなか動かない、だから、それにはお互いのメリット、デメリットがありますという形で、お互いにメリット、デメリットを出し合って、それを一つにいい形でこれを改正するということも提案していた一人ですので、非常にこれは評価を私自身しております。 だから、特にこの切離し、パッケージを切り離したというときには日本側にはメリットがあるように見受けられるんですけれども、それでは、このパッケージを切り離したということについてアメリカ側のメリット、これについてはどのように認識をしているのか、外務省の見解をお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、二〇〇六年のロードマップにおきましては、在沖縄海兵隊のグアム移転は、普天間飛行場の代替の施設の完成に向けた具体的な進展に懸かっていること、また、この嘉手納以南の施設・区域の統合及び土地の返還はこのような移転の完了に懸かっていること、これが明記をされています。 このことは、普天間飛行場の移設、そして在沖縄海兵隊のグアム移転、そして嘉手納以南の土地の返還、こうしたもの全体を通じて抑止力の維持とそして沖縄の負担軽減を図る、こういった考えに基づいていると理解をしております。 そして、その後、二〇一二年四月の2プラス2の共同発表においては、沖縄の負担軽減、早期に実現する必要があるにもかかわらず、日米双方が国内的に厳しい事情を抱え、その一部について進展が得にくい状況に陥っているということ、そして、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中、抑止力を強化するために適切な米軍の体制を実現することが急務であったこと、こういった認識を日米で共有をいたしました。その上で、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の移設に関する進展から切り離すことによって、この在日米軍再編を可能なところから進めていく、こういったことで日米が一致したものであります。 切離しが進められる在沖縄海兵隊のグアム移転は、アジア太平洋地域において、この地域を重視する米国が、北東アジアにおける大規模な緊急事態を含む多様な事態に対処し得るように堅固なプレゼンスを確保し、また多様な事態に対処できる柔軟な体制を構築する、こういったことを可能にする、こういった点、アメリカにとりましても大変有意義な対応であると認識をしております。
○佐藤正久君 今大臣言われたように、アメリカにとっても、この北東アジア全体についての即応性を高めるために、やはり部隊の編成を含めてもっと広い目で見ての切離しをしてこれを移転を進めるということがプラスになるということについては、私も同感をいたします。 そういう意味におきまして、まさに今回変わったものの一つに、当初は、前回のグアム協定では、沖縄の方には実動部隊が残り、司令部機能がグアムの方に移るんです、だから日本における抑止力という面では大きな問題はありませんというのが政府の立場でした。ところが、これがまさに今度は、実動部隊を沖縄から一部司令部機能と同時に日本以外、グアムだけではなくハワイ、あるいはオーストラリアのローテーションとか、いろいろ広くまくということが大事だと思っております。 大事だと思っておりますが、ただ、その一方で、やはりそうなった場合、日本のその分の役割分担というのが非常に重視されると思います。今までは実動部隊がいたのが、それが少し減るわけですから、その分はやっぱり日本の方にもその分の応分の負担というものを求めるというのは当たり前だと思います。 実際に、平成二十四年四月二十七日の2プラス2の方でも、今回のグアム協定を含めたロードマップについて、日米同盟全体の抑止力が強化されるんだ、そのためには、まさに今回のグアム協定における米海兵隊の新しい体制とともに日本の防衛体制の強化、これが望まれると、こう書いてあるんですね。やはり、今まで以上に日本の役割分担という部分が今回のグアム協定で私は大きくなってくるというふうに認識しております。外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この在沖縄海兵隊の部隊の移転について、司令部中心から司令部プラス実動部隊となったことについてですが、アジア太平洋地域におきましては、北朝鮮問題を始めとする様々な安全保障上の課題、存在しておりました。そして、このロードマップを策定した二〇〇六年当時と比べましても、急速かつ不透明な軍事費の増大を含む軍事力の近代化、あるいは軍事活動の拡大、活発化、そして海洋の安全や航行の自由の問題、さらには自然災害の頻発など、様々な安全保障上の課題がより顕在化してきております。 こうした状況の変化を踏まえて、新たな部隊構成、配置において、二〇〇六年のロードマップの時点と比べて、より多くの司令部を沖縄に残し、より多くの実動部隊をグアム等に移転させる、こういった対応を取ったわけですが、これは、こうした安全保障環境の変化に対応するために、司令部、そして陸上、航空、後方支援の全要素から構成される海兵空地任務部隊、このMAGTFを沖縄、グアム、ハワイ、豪州、こういった地域に配置することによってこのアジア太平洋地域全体の多様な事態に対処できる柔軟な体制を構築するために行われた措置であります。 こうした取組によって抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減が図られる、こういった点で日米で一致したわけでありますが、その際に我が国の役割という御指摘をいただきましたが、この自衛隊、我が国の自衛隊の独自の取組に加えて、共同訓練ですとか共同警戒監視、偵察活動、あるいは施設の共同使用、こうしたものを含む防衛協力を進めていくことになります。こういった中で、我が国としましても、しっかりとこの抑止力の維持、そして沖縄の負担の軽減にしっかり資するよう努力をしていくことになると考えております。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 まさにそういう観点で、今回、新たな国家安全保障戦略やあるいは防衛計画の大綱、あるいは中期もその大きな流れの中で私は作っていると。非常にそういうところもグアム協定ともマッチングしているし、当然2プラス2の考えともマッチングした大綱、中期だというふうにも考えています。 ただ、その一方で、今回もう一つ大きな変更事項として、この資金面で、今までは融資とかそういうものがありましたけれども、そういう部分はなくして純粋に真水の施設建設の部分だけというふうに、上限は二十八億ドルと変わりました。 これは、今、井上先生おられますけれども、前回のときも、この家族用住宅というものに日本がお金を融資をする、それは本当に回収できるのかという議論が多くありました。今回の部分についてはそれがなくなっておりますので、非常にいろんな面で我々にとってはすっきりした形になっており、本当に必要最小限のものについて資金を提供すると。私は非常にプラスだというふうに思っております。 その一方で、今回もう一つ大きな事項として、グアム及び北マリアナ諸島に訓練場整備をすると。これについては、一部日本側も資金協力をするとありますけれども、このグアム及び北マリアナの方の訓練場整備に日本が資金提供する、このメリット、我が国にとってのメリットは何か、お聞かせ願いたいと思います。防衛省、お願いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 二〇〇六年の日米ロードマップにおいては、出融資の制度を活用することで、グアム移転に関わる家族住宅及びインフラ整備事業を効率的に実施することを目的としておりました。 しかしながら、二〇一二年四月の2プラス2共同発表における再編計画の調整によって、家族住宅の整備戸数の縮小が予想され、またインフラ整備についても、移転人数の減少によりその使用者が減少することが予想されました。 このため、家賃収入、インフラ使用料により資金を回収する出融資制度を維持することは難しいと考えられたため、出融資制度は廃止されました。この出融資制度の廃止によって、長期間にわたって行われることが予想されていたJBICによる業務の実施及びそれに必要な予算の確保が不要となり、日本側にとって負担が減ったものと考えております。 また、御指摘がありました訓練整備でございますが、グアム及び北マリアナ諸島連邦においては、在沖海兵隊のグアム移転に際して必要となる実弾射撃場や上陸訓練場等が整備される予定になっております。これらの訓練場において、自衛隊が具体的にどのような訓練を行うかについては、今後更に検討していくこととなりますが、例えば、自衛隊の水陸両用機能の強化の観点から陸上自衛隊と米海兵隊が共同訓練を行うことや、海兵隊訓練場のみならずアンダーセン空軍基地やアプラ海軍施設を利用しつつ統合訓練を行うことなどが考えられます。 このように、今般御審議いただいている改正グアム協定第四条に基づき、自衛隊がグアム及び北マリアナ諸島連邦の全ての訓練場を一層円滑に使用することが可能となることにより、米軍との相互運用性の向上に加え、水陸両用能力を含めた自衛隊自身の能力向上が図られるものと考えております。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 まさに今回の訓練場整備というのは、アメリカだけではなく、日本側にとっても非常にメリットがあると。今まで水陸両用機能については米本土の方で訓練する機会が多かったわけですけれども、この訓練場整備ができれば、今度は日本から近いマリアナの方でも訓練ができる大きなメリットがあると思います。 外務大臣に伺います。 今回、訓練場整備は、アメリカ側も自分のお金で整備するものがあります。日本側がお金を出して整備するところは自衛隊が使えるというのは当然だと思いますけれども、アメリカが単独で整備した訓練場、これを自衛隊が使えるんでしょうか、使えないんでしょうか。使えるとしたら、その根拠を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(冨田浩司君) 協定上の規定の問題でございますので、私の方からお答えさせていただきます。 お尋ねの点は、改正後の協定の第四条に関わる問題でございます。この第四条は、グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場の整備に対する我が国の資金提供の意義を踏まえ、米国政府に対して、自衛隊がグアム等における訓練場を使用するための我が国政府による要請について合理的なアクセスを認める意図をもって好意的に考慮することを義務付けております。その際、対象となる訓練場につきましては、「グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場(その整備に対して日本国が提供した資金及び当該資金から生じた利子が拠出されたものを含む。)」というふうに規定されているところでございます。 この規定から分かりますとおり、日本の提供資金が拠出されたもののみならず、米側資金により整備される訓練場も含まれておりますので、日本の提供資金が拠出される訓練場と同じように自衛隊が利用できるということでございます。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 ということは、今回のまさに北マリアナ、グアムの訓練場というものは日米共同でお互いに全ての演習場を使えると。非常に自衛隊にとっては大きなメリットがあるというふうに私は強く思います。 今日お渡しした資料、これを御覧いただきたいと思うんですけれども、これは大陸の方から日本列島を見た地図です。 先週末に大臣が行かれた与那国島、これは台湾から百十キロの島で、これは第一列島線にある島です。同時に、グアム島というのは、小笠原から北マリアナ、ミクロネシアに行く第二列島線と言われるところにあります。今回のまさにグアム島あるいは北マリアナの強化ということは、このグアム協定によって、ある意味、第二列島線の強化につながると。 中国は、この第一列島線を抜けて第一と第二の間の海空域においての訓練が防衛省の発表によりますと年々増加をしていると。我が国の沖ノ鳥島周辺においてもいろんな活動が見られるということを考えますと、第一列島線の強化というのは当然ですけれども、第二列島線、これも強化するという意味において、まさに第一列島線、第二列島線の間の海空域の海上優勢、航空優勢を日米で確保するということも我が国の防衛やあるいはアメリカの対中国のA2AD戦略上も非常に私は有効であり、まさにこのグアム協定を使いながら、この2プラス2の精神を踏まえて更にこの地域を強化していくべきだと私は思いますが、外務大臣あるいは防衛大臣、どちらでも結構ですから、御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(岸信夫君) 委員おっしゃいますとおり、グアムは大変地政学的にも重要な戦略上の要衝でございます。アジア太平洋地域の主要都市までおおむね二千数百キロ、飛行機でいえば約三時間の距離になりますけれども、そこに位置をしている。米国は、近年の安全保障環境に応じまして、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスを高める観点から、グアムへの米軍の前方展開を進め、航空機部隊や潜水艦部隊の増強をしてきておるところです。 このような中で、二〇一二年四月の2プラス2共同発表において、米海兵隊の部隊構成、配置の下で、いわゆるMAGTF、先ほども岸田大臣からも答弁ございましたけれども、MAGTFを沖縄、グアム、ハワイ及び豪州に配置することとなったわけでございます。 これは、厳しさを増しますアジア太平洋地域の安全保障環境を踏まえまして、この地域において、地理的により分散し、運用面でより抗堪性があり、政治的により持続可能な米軍の体制を実現するためのものであります。このことは、先般、米政府が公表したQDR二〇一四年においても言及されたところでございます。 また、二〇一三年十月の2プラス2共同発表においても、在沖縄海兵隊のグアム移転が、沖縄への影響を軽減しつつ、米軍の前方プレゼンスを推進することに寄与し、グアムの戦略的な拠点として発展を推進することが改めて確認をされたところであります。
○佐藤正久君 ありがとうございます。 この地図を見ていただきたいんですけれども、第一列島線と第二列島線の間のほとんどが日本なんです。沖ノ鳥島も日本だし、しかもこの硫黄島、これも日本です。この第一と第二の間で中国の活動が活発化されている、どんどん年々増えているというデータがあります。そういう上におきましては、まさに第一列島線の東シナ海における中国の動きをしっかり監視すると同時に、第一と第二の間でもその部分をしっかり監視しないといけないというのは、年々その重要性は高まっている。そういう上におきましてもグアム島というものは非常に大事で、グアム島と沖縄のちょうど真ん中が沖ノ鳥島なんです、偶然にも。ちょうど真ん中が沖ノ鳥島で、その近くに硫黄島があります。 今、自衛隊はグアムの方で、特に航空自衛隊が共同訓練を毎年やっています。この施設ができることによって、今度は陸上自衛隊が海兵隊との共同訓練も、あるいは陸軍との共同訓練も可能になるでしょう。さらに、アプラ港の整備がもっと進めば、海上自衛隊との訓練も盛んに進むと思います。 先ほど外務大臣が言われたように、まさに今回のグアム協定等を通じながら、お互いの共同訓練や共同の警戒監視を高めることによって日米共同対処能力、抑止力を高めるという話があります。 グアム島、硫黄島、沖縄本島という部分につきましては、まさにそれを、共同訓練やあるいは警戒監視を行うハブとなる場所になると私は思います。まさにこの一と二の列島線の間での動き、これをしっかり高める、動きを高めるということが非常にこれからの新しい大綱、中期の狙いというものに私は合致するし、そうしないと、やはり中国の拡大路線、膨張主義というのを抑えることもできないというふうに思っております。 今、グアムの方にはグローバルホーク、これが配備されています。近々、来月ですかね、今度は三沢の方にそれが配備されると。今度、自衛隊の方も無人偵察機をこの中期で三機買うことを検討していると。 ということを考えた場合、まさにグアムというのは、アメリカの無人機だけではなく、日本の無人機にとってもこれから非常に大事な基地となりますし、いろんな面でこの辺りの相互運用性を高める上において、グアムにおける無人機の運用と日本の将来的なこの使用の可能性を含めた、そういう広い目でこの辺りを考えていただきたいと思います。 特に無人機の運用、アメリカとの相互運用性について防衛省に見解を、あるいは考えをお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(木原稔君) 佐藤委員おっしゃるように、新中期防において、周辺海空域における安全を確保するとともに情報機能を強化するために滞空型無人機を新たに導入することとしており、防衛省においては、平成二十七年度予算にこの滞空型無人機の取得に係る経費を計上することを目指して、現在、その前提となる機種選定を行うための必要な作業等を鋭意進めているというところでございます。 一般的に、自衛隊と米軍の相互運用に関しては、日米間の各種の協議や共同訓練等を通じてこれを向上させるための取組を鋭意進めており、今後も、こうした取組を通じて日米の相互運用性の一層の向上に努めてまいります。
○佐藤正久君 さらに、今回の中期の方では空中給油機も三機導入する予定となっております。今回、硫黄島とグアム、この距離関係を見ましても、ここで統合演習的に青部隊、赤部隊に分かれてそれぞれの、グアムあるいは硫黄島を基盤としたお互いのいろんな訓練というものもその空中給油機とかあればできます。 今後、この第一と第二の列島線の間を非常に高めるというのは、民主党政権時のあの大綱においてもこの一と二の間の海上、航空優勢を確保する、安定を図るということはうたわれていました。その路線を更に強化する上におきましても、今回のグアム協定あるいは2プラス2の精神を更に深化をさせていただきたいと思います。 その一方で、やはり我々としては、この第二列島線だけではなく、第一列島線の強化というのが今回の大綱、中期における一つの柱であり、このグアム協定において海兵隊の実動部隊が減る分だけ、やっぱり日本の方の地上部隊、これにつきましても、あるいは空海部隊につきましても強化しないといけないというふうに思います。そういう意味におきまして、今回の大綱、中期においてもいろんな面で、南西諸島防衛、こういうものを強化しているというふうに思います。 大臣も先週末に与那国の方に行かれました。新しい部隊を配備するということなんですけれども、ただ、今回自衛隊が配置される一つの部隊側の方はまた台湾の防空識別圏の中にあるというのも、これも事実です。民主党政権時代に改善を一部していただきまして、この防空識別圏を、日本の防空識別圏を少し出っ張らせて島の西側の方に置くということはやりましたけれども、台湾はまだ引き続き与那国上空をずっとぶった切る形で防空識別圏があります。 自衛隊の基地の上にほかの国あるいは地域の防空識別圏が掛かっているということは、やはりこれは改善すべきだと思います。引き続き台湾の防衛当局とこの件については協議をしていただきたいと思いますが、防衛大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 昭和四十四年当初、我が国の防空識別圏は与那国の上空を南北に走る形で設定されておりましたが、領空侵犯に対する措置を有効に実施するとの観点から、平成二十二年六月、我が国ADIZを同島の領空の外側に設定すべく見直しを行いました。 一般に、ADIZの設定や変更については他国との調整を要するものではありませんが、平成二十二年の見直しの際には、実際にADIZが一部重複することとなる台湾に対して、無用の誤解が生ずることを避けるために、交流協会を通じて事前に説明を行ったところであります。 御指摘がありましたように、台湾が設定していますADIZには自衛隊基地建設予定地を含め与那国島の一部が含まれておりますが、ADIZは一般に各国が自国の安全を図るため国内措置として設定しているものであり、これにより領空ないし領土の限界、範囲を定める性質のものではありません。これに加え、現に自衛隊の運用において特段の支障は生じていないことも踏まえれば、現時点において更なる見直しの必要性はないと考えており、森本前大臣も佐藤委員の質問に対して同種の答弁をしていると承知をしております。 いずれにしても、防衛省・自衛隊としては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという観点から、引き続き国際法及び自衛隊法に従い厳正な対領空侵犯措置を実施してまいりたいと思っています。
○佐藤正久君 当然、運用上は問題ないとしても、やはり自衛隊の施設の上にほかの国の防空識別圏が掛かっているというのは私は普通ではないと。これは大臣も多分同じ見解だと思いますけれども、多分多くの日本国民もこれは普通ではないというふうに思うと思います。だから、引き続き台湾当局の方に、別に、与那国島を避けて日本と同じような防空識別圏をつくったとしても、台湾の防空体制には大きな影響は出ないと私は思います。引き続き、これはしっかりと調整を継続していただきたいと思います。 一方、台湾防衛と南西諸島防衛というのは、この地図を見て分かるように、切っても切れない関係だ、森本大臣はそのように答えておられましたけれども、そういう上におきましても、南西諸島はどうしても部隊の空白地帯ということがよく言われております。また、実際、部隊がないということもあって、運用する場合、いろんなネックがあります。 まさにこれも今整備中ですけれども、部隊を運用するときにおいて一番の鍵は通信です。通信が通じなければ大臣が指揮はできません。でも、実際、距離が結構離れています。沖縄本島から与那国島も五百四十キロ以上離れていますし、沖縄本島と宮古島の間も三百キロ以上離れている。その離島間通信というのは非常にこれから大事な分野だし、また陸海空のデータリンク、米軍とのデータリンクの関係も非常に課題となる。幾ら態勢を取っても、それが、通信が通じないと、陸海空の間、島と島の間、あるいは米軍との間のそれが通じないと、これは結局結果が出ませんので、この辺りについては更なる整備をお願いしたいと思いますが、防衛省の見解をお伺いします。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 南西諸島防衛に係ります通信についての御質問でございます。 島嶼部における通信につきましては、先生御指摘の特有の難しいところがあることに加えまして、現在、自衛隊の通信能力につきましては、ネットワーク技術の高度化、統合運用の広範化といった状況を踏まえつつその強化を図っていく必要があるというふうに考えております。 具体的には、島嶼部における通信基盤の整備、これは、例えばファイバーを引くといったようなより通信伝送量の多い通信路の設置、あるいは各自衛隊間のデータリンク機能の強化、これを重視することといたしまして、次期のXバンド衛星通信網の整備、那覇基地への航空自衛隊移動通信隊の配置、あるいはデータリンクの中継機能を持っておりますE2C、早期警戒機部隊の那覇基地での新編、また陸上自衛隊の地対艦部隊と海自との目標情報の共有など、これらを新中期防の期間中において着実に整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
○佐藤正久君 まさに離島間通信の一つの肝は、やっぱりXバンドの衛星がいかに使えるか使えないかというのは非常に大きな要素だし、また軍種間関係の、特に陸上自衛隊に入った新しい無線機、これは非常に互換性があるものですから、それを海空に置くという部分もあるでしょうし、肝腎要のデータリンク、これはまだ陸上自衛隊のSSM部隊の方から一部入るだけでありますので、これは、本当にこの分野というのは早急に高めないと、輸送力と同時に通信というのが、南西諸島防衛における重要な私はいざという戦力を発揮するときの阻害要因にもなりかねない、ネックにもなりかねないと思います。 この通信については、やっぱり政治主導でやらないとなかなか進まない。もう今まで統合通信が進まない、あるいはデータリンクが進まないという部分の一つのネックが、どうしても陸海空のそれぞれの思いが強いためにそこまで進まないという部分があります。これについては、政治がやっぱり主導しないとなかなかこの壁は乗り越えられないと思います。これについての大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員がおっしゃるように、今回、統合機動防衛力という形での新しい整備体制を取る中で、特にデータリンク、情報通信、これがとても重要だと思っております。 累次お認めいただきました予算の中でそれぞれの部隊の通信能力の向上に努めさせていただいておりますが、日曜日に新しい部隊を那覇基地に設立しました、E2Cの部隊でありますが、これもデータリンクを含めた中継機能を持つ役割ということでありますので、今後とも、おっしゃった、政治主導でこの分野については積極的に進めていきたいと思っております。
○佐藤正久君 大臣、よろしくお願いします。 E2Cは、データリンク機能があっても陸上自衛隊が持っていなければ意味がありませんので、それを含めていろんな面でトータルで考えていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。PKO協力法における武器使用関連について質問をさせていただきたいと思います。 今回、安保法制懇の方でもいろいろ議論されているというふうに伺っておりますが、ただ、このPKO協力法というものは、これはできたときからずっと見直し、見直し、見直しの連続であり、一部改正されました。現場の方も、現場の意見というのを入れていただいて改正された部分もあります。また、民主党政権時においても、これを何とか見直そうと非常に前向きな検討がなされ、この委員会においても検討項目、十三項目にわたる検討項目が報告をされました。これは非常に私はすばらしいことで、これは本当、民主党政権時にやってほしかった。自民党も賛成する思いを持った議員も多くおりました。でも、最後の最後でやっぱり乗り越えることができませんでした。それは法的な壁でした。 その中で、特に、宿営地等の共同防衛とか、あるいは日本人を救うための駆け付け警護とかいうものがありました。そのうちで駆け付け警護、警護業務についてお伺いします。 民主党政権時にまさにこの部分についても乗り越えようと、すごく、外務、防衛といろいろ頑張られた、内閣の方も頑張られたと聞いておりますが、最後でやっぱり法制局の壁を乗り越えることができなかったと伺っています。 駆け付け警護の場合、民主党政権のときにあそこまで行って最後乗り越えられなかった、その法的な課題というのは駆け付け警護については何なんでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(高橋礼一郎君) お答えいたします。 民主党政権下で、委員御指摘のとおり、政府はPKO法について国際平和協力業務の範囲及びこれに従事する自衛官の権限を含め、国連PKO等に対する協力の在り方全般にわたって法改正の要否を含め検討を行ってきたところであります。 論点としましては、これも委員御指摘のとおり、国連PKOの法的性格、紛争当事者の範囲、文民による活動への参加五原則の適用、平和構築支援、駆け付け警護を含む警護業務、安全確保業務と当該業務遂行に必要な権限、あるいは国連の人、物の防護、任務防衛のための武器使用、宿営地等の共同防衛等々の論点について検討がなされたところでございます。 しかしながら、この際、法制度の在り方及び運営の在り方の両面においてなお検討すべき課題があったため、第百八十回通常国会、平成二十四年でございますけれども、にPKO法を改正する法案を提出するまでには至らなかったということでございます。 駆け付け警護につきましての問題は、民主党政権時代の課題というよりは一般的な問題としてお答えすることになると思いますけれども、PKOに派遣された自衛官自身の生命又は身体の危険が存在しない場合に、当該自衛官の所在地から離れた場所に駆け付けて対象を防護するために武器を使用することは、相手方が国又は国に準ずる組織である場合には、憲法第九条の禁じる武力の行使に当たるおそれがあるというふうにされております。 他方、例えば仮に相手方が単なる犯罪集団であることが明白な場合など、これに対する武器使用が国際紛争を解決する手段としての武力の行使に当たるおそれがない、そういう状況を前提にできる場合には、憲法上はそのような武器使用が許容される余地はあるけれども、どのような場合に許容されるかについては十分な検討が必要であるというふうに考えております。
○佐藤正久君 まさにそこの最後の部分がやっぱり肝なんですよね。相手が国又は国準でないということが言えれば、派遣隊員は武器を使って邦人等を守ることができる。だけど、それが確定できないから、現在のPKO協力法ではもう隊員は武器を使って邦人を救えないという状況になっております。 それでは、法制局長官にお伺いします。国に準ずる組織、これはどういう定義なんでしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) まず、PKO法案の審議の過程で、PKO活動に従事する自衛官が行うことのある武器の使用と憲法第九条が禁じている武力の行使との関係が大きな議論となったわけでございます。 これは、御案内のとおり、政府は平成三年九月二十七日に政府統一見解というものを示しておりまして、この中で、その内容を一言で申し上げますと、我が国の公務員によるいわゆる自衛権発動の三要件が満たされた場合以外の場合における武器の使用が全て憲法第九条により禁じられる武力の行使に当たるわけではないと。例えば、不測の攻撃に対して自己又は自己と共に現場に所在する我が国要員等の生命又は身体を防護することは、言わば自己保存のための自然権的な権利というべきものであるから、そのための必要な最小限度の武器の使用は武力の行使に当たらないということでございます。 同統一見解は、憲法第九条第一項の武力の行使について、我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうと、このように言っておりまして、また、ここで言っております国際紛争の定義につきましては、例えば金田誠一衆議院議員が提出された質問主意書に対する平成十四年二月五日の政府答弁書などにおいて、以下のとおり答弁しているところでございます。憲法第九条一項の国際紛争とは、国家又は国家に準ずる組織の間で特定の問題について意見を異にし、互いに自己の意見を主張して譲らず、対立している状態をいうと考えると、そういうことでございます。 そこで、前置きが長くなりましたが、この国に準ずる組織というのは何かということでございますが、政府は、国又は国に準ずる組織について次のとおりお答えをしておるところでございます。 「国家とは、国際法上、一般に、一定の領域においてその領域に在る住民を統治するための実効的政治権力を確立している主体とされているが、「国家に準ずる組織」については、国際法上その具体的な意味について、確立された定義があるとは承知していない。他方、従来から、政府としては、お尋ねの「国家に準ずる組織」について、国家そのものではないがこれに準ずるものとして国際紛争の主体たり得るものとして用いてきている。」。 以上でございます。
○佐藤正久君 非常に定義が曖昧なんですよね。 現在、南スーダンにPKO部隊が陸上自衛隊も派遣されています。今、南スーダンにはいろいろ武力衝突みたいなもどきが起きている、紛争が起きているようですけれども、今、南スーダンには国に準ずる組織というものは、そういう反政府的なものはあるんでしょうか。
○政府参考人(高橋礼一郎君) 国連PKOに我が国要員を派遣する際にはいわゆる参加五原則の要件を満たしている必要がある、これが派遣の前提要件でございます。 国連南スーダン共和国ミッションは、PKO法第三条第一号に規定する武力紛争が発生していない場合における国際連合の統括の下に行われる活動に該当しますため、PKO法上の紛争当事者は存在しないというふうに考えております。UNMISSへの我が国の要員派遣については南スーダン政府からの同意を得ており、PKO参加五原則は満たされているというふうに考えております。
○佐藤正久君 つまり、国、譲っても、国又は国に準ずるそういう組織は存在しない、敵対する組織は存在しないということなんです。 であれば、そういう状況であれば、派遣隊員が邦人を守るための武器使用というものを、任務遂行の武器使用というものを認めたとしても、これは憲法九条には抵触しないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(高橋礼一郎君) 駆け付け警護につきまして先ほど具体的にお答え申し上げましたけれども、国連PKO協力における武器使用においては、相手が、国又は国に準ずる組織が存在しない場合については、いわゆるBタイプというような武器使用について認められるイシューがあるということでございますけれども、具体的にどういう場合にそれができるかということには慎重に検討する必要があるというふうに理解しております。
○佐藤正久君 つまり、今の南スーダンにおいては国又は国に準ずるという組織はいないにもかかわらず、自分で縛っているという今答弁ですよね。憲法九条との関係では任務遂行の武器使用はこれは認められる。だけど、今のPKO協力法でそれは認めていないために邦人を救うために武器は使えないと、こういう整理になっているわけです。これ本当にそれでいいのかと、これは一回検討すべきだと、私はそう思っておりますが。 一方、自衛隊が持っている車両とか通信機、これを防護するためには自衛隊法九十五条で武器を使うことはできる、そういう場合がある。それは、相手が仮に国又は国準という組織から自衛隊が車両や通信機を守るという状況でも、しっかりと相手が国又は国準でも九十五条を適用してPKO部隊が車両とかあるいは通信機を守ることができる、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 先生御指摘の自衛隊法第九十五条の規定によりまして、車両を含みます自衛隊の武器などを職務上警護する自衛官、このような自衛官は、当該武器などを防護するため必要であると認める相当の理由がある場合、こういう場合には、その事態に応じまして合理的に必要と判断される限度で武器を使用することが認められております。国連PKOの活動におきましても、自衛隊の車両を守るための武器の使用といたしましては、一般的にこの九十五条による対応が想定されるところでございます。 かかる九十五条による武器の使用につきましては、累次政府がお答えしておりますけれども、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を破壊、奪取しようとする行為からこれらを防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為でありまして、このような武器の使用は我が国領域外で行われたとしても憲法九条の禁ずる武力の行使に当たらないとしておるところでございます。
○佐藤正久君 実は、私も現場で隊長をさせていただきましたが、現場においては非常に頭がクエスチョンマークになりやすいんですよ。邦人を守るためには武器は使えない、だけど自衛隊の車両とか通信機を守るためには相手が国準であってもそれは武器を使って守れる。PKOには、目の前には国準というものがいないにもかかわらず、邦人を守るために武器は使えないということの中で動いているわけですよ。非常にすっきりしないと。 この部分について、まさに前回、民主党政権のときに、これを何とかしようというふうにいろいろ考えられた。最終的には、時間というものがあって、その法的な壁を乗り越えることができなかった。これは絶対私は乗り越えるべきだと思いますし、実際、安倍総理も、この分野についても、自衛隊法の改正のときに、まだこれは宿題だというようなことを言われました。これは、小野寺大臣も同じ宿題だという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 現在、先ほどお話ありました、PKO活動に従事するために海外に派遣された自衛官は、現行法に基づき、自己の管理の下にある者の生命等を防護するために武器を使用することは可能ということになります。また、委員が御指摘がありましたように、例えば自衛隊の車両、無線機その他の防護について、これも防護のために武器等防護で武器の使用が可能ということになります。いずれにしても、管理下に置くものに関しては、人も物もこれは武器使用が可能だと思っています。 ただ、御指摘がありましたように、今後、今安保法制懇を含めて様々な議論の中で、例えば国又は国準の考え方、これが議論されているということについては承知をしております。
○佐藤正久君 まさにこれは絶対乗り越えないといけない壁だと思っています。やっぱり、邦人を守らない自衛隊、これはあり得ないと思います。自分の国民を守らない軍隊はあり得ないと思うんです、近くにいるにもかかわらず。そこはしっかりどういう整理ができるか、しっかりこれは検討しないといけない、これは責任だと思います。 でも、実際に自衛隊の隊員がPKOで現場へ行ったときに権限は変わっているんです、今まで。最初に行ったときは、隊長は、上司は隊員に撃てと命令もできませんでした。みんな個人の判断でやらないといけない。次に、今度は上官が撃てと命令することができるように改正がされました。次は、今度は自己と自分の隊員だけではなく自己の管理下に入った民間の人も守れるというふうに改正されました。自己の管理下という部分もどんどんどんどん範囲を広げてきているわけですよね。実態に合うようにこうしてきている。 同時に、もう一つ、今までの仕組みとして、絶対に国又は国準という組織と接触しないという頭の整理と法的な理論をするために非戦闘地域という概念をつくって、イラク特措法の場合はまさにそういうものをつくり、そこでは絶対、国又は国準というものとはぶつからないという形を無理やりつくって派遣を政府は命じました。 大きく、やり方としては、自己保存の部分をどんどんどんどん広げていくやり方と、絶対にそういう国又は国準というものと接触しないという地域をつくると、二つのやり方で今までずっと広げてきました。まだ、個人的にはもう一つ、今議論になっている国又は国準という部分、国準という部分の定義を更に詰めることによって更に広がる部分もあるんではないかなと思います。 これ、法制局長官に確認します。 今までこの自己保存型をどんどん広げてきました。法理論的にそれを更に広げて、この憲法九条との関係の中で更に広げて今の自己保存の部分を拡大するという、これは可能性というのは法理論的にあるんでしょうか。今まで拡大してきました。更に拡大する余地というのは法理論的にあるのかどうか、お伺いします。
○政府特別補佐人(小松一郎君) これまでPKO事務局長が答弁したところなどと若干重複するところがあるかと思いますけれども、まず、現時点におきましては、繰り返し申すように、政府の憲法九条に関する解釈は従前どおりであるということがあるわけでございます。それで、それを前提といたしますと、御質問の点について政府が従来から述べてきていることは次のとおりでございます。 三つにまとめておりますが、第一でございますけれども、先ほど申し上げました平成三年九月二十七日の政府統一見解などでお示ししているとおり、PKO法第二十四条などに定めるいわゆる自己保存のための武器使用と、それから自衛隊法第九十五に定める武器等防護のための武器使用については、その相手方が国又は国に準ずる組織であった場合でも憲法第九条が禁ずる武力の行使に当たらないと、これが第一点でございます。 第二点でございますが、他方、これらを超える武器使用、例えばPKOの任務を妨げようとする企てを排除するための武器使用につきましては、そのような武器使用の相手方が犯罪者集団であれば憲法上の問題がないわけでございますが、仮にも武器使用の相手方が国又は国に準ずる組織であったような場合には憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当する懸念を払拭できないと、これが第二点でございます。 第三点でございますが、これを裏から申し上げれば、お尋ねのような任務を遂行するための武器使用につきましては、武器使用の相手方が国又は国に準ずる組織に当たらないことを確保できる何らかの枠組みを設定することができるのであれば、武器使用の権限を拡充することも憲法上許容されると、ただし、そのような枠組みをどう設定するか、設定できるのかということについては十分な検討が必要であると、こういうことを従来政府が申し上げているところでございます。
○佐藤正久君 私は今言った三つのうちの一番目の部分を聞いたんですけれども、今長官から答弁があったように、やっぱり三つあるんですよね。 自己保存という部分について今までも広げてきたように、その部分をどうやって広げていくか。また、相手が国又は国準じゃない、犯罪者の場合はその任務遂行の武器使用も法理論的には可能だという答弁もありましたように、その部分をどうするか。また三つ目として、絶対に国又は国準というものではないというような地域、こういうものをどうやって設定するかと。これは、非戦闘地域とか、小野寺大臣が賛同者になっていただきました自民党が出した一般法というものにおいても非国際的紛争地域というものを設定してやるということになりました。 この三つの分野で攻めていくしかないと私は思いますけれども、やっぱりこの分野についてはこの委員会でも更に議論を深めたいと思いますが、ここはどう考えても、安倍総理が宿題と言われるように、これは現場が本当に迷わずに誇りと自信を持って動けるような法整備をやっていくことは非常に大事で、今南スーダンも、答弁があったように、国又は国に準ずるような組織は、敵対勢力はいない、だから派遣されていると。にもかかわらず、非常に抑制的に、武器の使用を抑えているために、今現場の方ではいろいろ矛盾を考えながら活動しないといけない。相当ストレスもあると思います。 そういう面につきましては、しっかりとまた法制懇の報告を受けて政府の方で検討を深化していただきたいということを強く申し上げまして、今日の私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。 資料に関しましてちょっと私の方で手違いがございまして、申し訳ございません。 最初に、TPPに関する質問をと思っておりましたが、小泉政務官、少し時間をいただきまして、それで先にオバマ大統領の訪日に関する御質問をまずさせていただきたいというふうに思っております。 私、四月の初めにワシントンに参りました。外務省の皆さんにも大変お世話になったんですが、その際に、政府、議会、それから軍の関係者、それから日系アメリカ人の方々、それからいろんな知日派の方々とお会いをしたんですが、今回のオバマ大統領の訪日に関して皆さんがおっしゃったことは、とにかく日本は隣の国々との関係を正してほしいと。やはり隣の国々の理解、それから国民の理解を得て、安全保障とか憲法とか基本的な政策については取り組んでほしいというようなお話が随分ございました。 そんな中で、ちょっと順番が逆になりますけれども、安倍総理が昨年靖国神社を訪問されまして、この数日間の間にも新藤大臣あるいは古屋大臣等が靖国神社を訪問されておりますけれども、ところで岸田大臣は大臣になられてから靖国神社を訪問されておられますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 私自身は、外務大臣に就任してから後、靖国神社は参拝しておりません。
○藤田幸久君 外務大臣になられる前は、国会議員になってから、あるいは今まで別の閣僚等をされておられるときに訪問されたことはございますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 別の閣僚をしている間も参拝したことはありません。ただ、国会議員として参拝したことはございます。
○藤田幸久君 つまり、総理、外務大臣、官房長官というのは、特に外国の方にとっては特別の意味があって控えておられるというのが多分今までの行いだったろうと思うんですけれども。 今回、古屋大臣が訪問されたと。古屋大臣の場合には、拉致問題の担当大臣で、まさに北朝鮮との関係に関していろいろ動きが行われていると。その場合に、北朝鮮の方からも日本の総理ほかの靖国訪問に関しましてはいろいろな形で批判が報じられている中で、北朝鮮を担当されておられる古屋大臣が訪問されるということについては、日朝間の外交関係に影響があるのではないかと思いますが、岸田大臣の御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) この度、安倍総理が靖国神社に真榊を奉納されたこと、あるいは古屋国家公安委員長が靖国神社に参拝されたこと、このことはもちろん報道で承知をしております。ただ、これはいずれも私人として行われたものと理解しており、こうした行為について、私人の立場で行うこうした行為について、政府として見解を申し上げる事柄ではないと考えております。 そして、北朝鮮との関係について御指摘がありました。北朝鮮がこの靖国参拝に関しましてこれまでに批判を表明したことがあることは承知をしております。ただ、現時点で、今回のケースにつきまして、現時点で、安倍総理の真榊奉納、あるいは古屋大臣の靖国神社参拝に関する北朝鮮の報道はまだ確認はされておりません。 いずれにしましても、我が国の北朝鮮に対する基本方針、全く変わっておりません。対話と圧力の下で、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル、この諸懸案を包括的に解決するべく、しっかりと努力をしていきたいと考えております。
○藤田幸久君 昨日もたくさんの方が行かれたわけですが、オバマさんがお着きになる直前ということは、やはり先ほど申しましたように、アメリカの皆さんがかなり異口同音におっしゃっていた中で、やはり外務大臣として、オバマ大統領の訪日の担当大臣とこの前も確認をされておられましたけれども、そういったことに対する外交上の影響というものはどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、靖国参拝につきましては、私人としての行動に関するお尋ねであり、政府として見解を申し上げる事柄ではないと考えております。そして、我が国政府としましては歴代内閣の歴史認識をしっかりと引き継いでいるということ、これは再三申し上げているとおりであります。そして、日米関係は大変強固なものであり、日米同盟については揺るぎないものであると認識をしております。 是非、十八年ぶりの国賓としてお迎えする米国大統領であります。オバマ大統領のこの訪日、成功させたいと考えております。
○藤田幸久君 そこで、TPPの質問をさせていただきたいと思います。 済みません。私の手違いで資料配付が遅れましたが、今お配りした英文の二枚の資料でございます。 これは、日付でいいますと四月二十一日。ですから、向こうは今、夜九時ぐらいでまだ二十一日だろうと思いますが、今日の昼間、アメリカの議会の方々が実はフロマンUSTR代表とビルサック農務長官にお出しになった書簡でございます。 この送られた段階では六十名を超えておりますけれども、更に超えたというふうに聞いております。一枚目の下にございます四名の方々が主導されまして、ほかの議員の方々にこの署名を呼びかけたものでございます。 ちなみに、今朝ある会合で外務省のTPPの担当の方にお伺いしたときに、こういったアメリカ議会の動きというのは逐次入っているのかと聞きましたところ、外務省の方々は、もうすぐに我々本省に伝えておりますと、大臣その他にということでございましたが、例えばこういったものが来ているというような、別に原文そのものじゃなくても、岸田大臣あるいは小泉政務官辺りのところにこういった動きについては届いていますでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) しっかり手元に届いております。
○藤田幸久君 それでは御承知だと思いますけれども、この主導した方々は下院の歳入委員会の方々であります。つまり、この貿易交渉について対応している歳入委員会の方であります。 それから、昨年十一月に二百名弱ぐらいの方がいわゆるファストトラック、追越し法案について反対をしたときと違いまして、今回というものはまさにこのTPPそのものに対して実は支援をしてきた方々がかなり入っているということが去年と違います。 それからもう一つは、いわゆる牛肉等だけではなくて小麦等も含まれた対応の実は内容になっております。 英文でございますけれども、ちょっと主なポイントを申し上げますと、パラでいうと二つ目ぐらいのところですけれども、センシティブな農産品に関する特別な扱いは、これまでの貿易協定における米国による要求や、日本がTPPに参加した際に与えられた約束に反するだけでなく、ほかの十一か国が慎重に応じた譲歩をも否定することになるというような意味でございます。 それから、後半のところに行きまして、もし日本の除外が認められるならば、ほかのTPP諸国は同様の扱いを求め、合意全体が解体してしまう危険性をもたらすことになる、これが三番目のパラの最後の文章でございます。 そして、結論の部分、下から二つ目のパラでございますけれども、の後半ですが、我々はここに、日本が関税と農業の非関税障壁の撤廃に合意しない限り、日本の参加に関するTPP交渉を停止しないという確約を求めるものであると。つまり、そうでなければTPP交渉は駄目だよということをこの二人の、つまりフロマン代表と農務長官に対して確約を求めるという。 したがって、まさに権限を持った委員会であり、今まで賛成をしてきた方々で、かつ六十人以上増えているということが、今までのいわゆるファストトラック、ファストトラック自体も大変大きな、つまり権限は議会にあるわけですから、に加えて、その内容的に賛成をした方々も含めてこういった動きが出ているということが、先週までは賛成者は余り入らないし、牛、豚等に限られていた流れが実は拡大してきたというのが週末から週明けにかけて進展した動きだというふうに聞いておりますが、この状況について、これ、では小泉政務官、どう受け止めておられるでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 重く受け止めております。
○藤田幸久君 重くということは、まず一つは、制度としてのアメリカの議会、そしてその議会の動きというものが、大統領というよりも直接のこの担当交渉者に、そしてしかも具体的な要求を求めているということの、今までのいわゆる大統領あるいはアメリカの閣僚の方々と事務レベルの動きとの関係を、かなりアメリカの政治力学的に変わった展開になっているのではないかと。それはよそ様の話ということではなくて、交渉事ですから向こうがどう動くかということが非常に重要だろうと思うんですけれども、重くということの意味を、解釈を答えていただきたいと思います。
○大臣政務官(小泉進次郎君) これは、日本でもこういったものに当たるような決議が、農水委員会でも様々、国会議員の中でも、政府に対しては上がっているわけでありますから、それら一つ一つを重く受け止めながら、どうやって前向きな結果を出していくのかと考えるのは当然のことではないでしょうか。 そういった意味で、一人一人の懸念、そして期待、様々なことを重く受け止めて交渉に当たると、そういった意味でございます。
○藤田幸久君 昨日ですか、アメリカの議員団が数名来ていらっしゃって、ライアン下院予算委員長という方が安倍総理に直接、農業、自動車といった分野でTPPが米国にとっていかに重要かを強調したいと。この手紙によりましても、この貿易協定というのは数十億ドルの輸出と数十万人の雇用につながるという文章まで入っております。 この関係でちょっと岸田大臣にお伺いしたいと思いますが、アメリカの超党派の議員が、ある意味じゃ直接の思いを安倍総理にお伝えになっている。仮に日本側の方で、決議まで出ている話ですから、日本の議員が超党派で直接オバマ大統領にそういった思いを伝えたいというような意思表示があった場合に、担当大臣である岸田大臣は、そうした機会をつくる、汗をかくというか仲立ちをする用意はございますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日米間で様々なレベルにおいて意思疎通を図っていくということ、大変重要なことであります。そして、その中にありましても、この議員交流、議会交流、これは大変重要なルートであると考えます。 今回、アメリカの下院共和党院内総務あるいは下院の予算委員長を始め有力議員が来日をされました。議会交流という意味で大変重要な取組であると認識をしておりますし、その取組の中で議会人としてどう考えているのか、こうした考えを述べ、意見交換を行う、これも大変重要な行動であると認識をしております。 逆の場合どうかという御質問でありますが、議会交流ということにおいては、双方向で様々な取組が行われること、これは有意義なことではないかと考えます。
○藤田幸久君 双方向に入る際に、これは日本の外務省の得意技ですが、これ二元外交じゃいけないので必ず外務省が最後の手続をいたしますということになるんですが、その場合には外務省さんとして、当然のことながら、そういう意思が委員の側から出た場合には、担当大臣として、物理的に時間がどうか分かりませんけれども、そういう労を取るということについてはやぶさかではございませんですね。
○国務大臣(岸田文雄君) これは一般論でありますが、この議会交流の促進ということは大事にしなければなりません。議員として、議会人として交流をする際に、そうした環境を整備する場を持つ、そのために努力する、これも外務省として大切な役割ではないかと考えます。
○藤田幸久君 では、場を持つ努力をしていただくということで、是非よろしくその場合にはお願いをしたいと思っております。 そういうふうに議員同士が直接、これは非常に重要な、それぞれの国の雇用等に関する、あるいは国の形に関することですから、議員同士がそれぞれのトップの方にお話をするというのは非常に重要なわけですが、一方で逆に、読売新聞、おとついですかね、二十日、びっくりしましたけれども、実は九%に農産品が変わったんだと、で折り合ったんだということですが、この読売新聞には複数の政府筋が明らかにしたとありますが、TPPには秘密保持契約というものがあるわけですが、ということは、その複数の政府筋が誰なのかということを当然これは調査をする必要があると思いますけれども、調査をされましたでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) このTPP交渉の中では様々な報道がありますが、今回、この読売新聞の報道は誤報であると。決まったことではありません。
○藤田幸久君 誤報という断定の根拠を。じゃないと、これは、だって秘密保持契約があるわけですから、契約に違反していることが、事実があった場合にはこれ契約違反になるわけですから、誤報だと断定した根拠、つまり、関係者何人にインタビューをし、あるいは調査をした結果、誤報だと断定できるのでしょうか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) こんな報道いろいろありますけれども、今回、読売新聞ということですが、今までも様々なことはあります。ただ、その中で、仮に報道のとおり決まったことがあるとするならば、アメリカのフロマン代表からもそういった発表があったでしょう。そういったこともない中で、まさに今も十時から大江大使とカトラーさんとの間で実務的な協議も始まっておりますし、様々今交渉中でありますので、そういったいろいろな報道に右往左往するケースもあるかもしれませんが、お互い両国にとっていい形になるように、引き続き交渉に当たっていきたいと思っております。
○藤田幸久君 つまり、アメリカ側は、これ読売ですから、デイリーヨミウリか何かで英語版も見ている可能性は十分あると思うわけですが、チェックした結果、事実関係は別にして、取り上げないだろうというところまでは分かります。そのことと日本側の方で実際に調査したかどうかというのは別でありまして、仮に百歩譲ってもしそれが誤報だとしたならば、この時期に一面にあれだけのものが出るということは、これはやっぱりその新聞社に対して、例えば出入りの問題だとか、売上げの問題だとか、購読の問題だとか、あるいは取材の問題に関して何か対応しなければまずいんじゃないんですか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 今のような御指摘が大臣の元に届いたのかどうかは分かりませんが、この報道によって、今、大臣の元に読売新聞の方は出入り禁止と、事実上そういった状態になっております。
○藤田幸久君 これは契約の問題でございますから、事実上プラスもう少し法的なあるいは政治的な形での対応をお願いをしておきたいと思っております。 それでは、小泉政務官、公務がおありのようですから、御退席、私の方は結構でございます。
○委員長(末松信介君) 小泉内閣府大臣政務官は御退席いただいて結構でございます。御苦労さまです。
○藤田幸久君 それでは続きまして、この資料の一枚目と二枚目を御覧いただきたいと思います。これは、十日の委員会で私、小野寺防衛大臣に質問をしたことでございます。 繰り返しになりますが、この資料で配っております「隊友」という機関紙、冨澤元陸幕長が、主な部分は線を引いておりますけれども、要点は一つ。安保法制懇の中で、公海上で並行して航行する米艦の防護について、日本の個別的自衛でもないことを集団的自衛で可能にするというのは元々無理な相談だと。日本の僚艦が撃たれたとき、それに代わって撃ち返すことを総理大臣の防衛出動が発令される前にはできないことになっていると。この安保法制懇で、いわゆるポジティブリスト方式ではなくて、これだけはやっていけないというネガティブリスト方式で決めるべきだというのがこの線の部分であります。 それに対して、二枚目御覧いただきたいと思いますが、これが十日に私がこの委員会で小野寺大臣に質問した中身であります。その線だけ引っ張ってあるところをお目通しいただきますと、小野寺大臣の答弁であります。私も見せていただきましたと。その数行下、冨澤陸幕長は平成七年に退官をされておりますと。下の二行の線のところへ行っていただきたいと思いますが、このような時代に部隊運用に携わっていた者といない者とでは、法制度の在り方に関して世代間のギャップというのは当然あるものだと思っておりますと。つまり、冨澤さんは要するに昔の人だからその後の進展は分からないんだと批判をされたわけですが、肝腎の私の質問には一切答えておりません。 今日は質問通告文書で出しておりますので逃げないで答えてほしいんですが、まず一番の質問は、これは先ほど佐藤委員が現場のことで大変困るんだとおっしゃっていた、これ現場の皆さんの大変な思いだろうと思います。一番目の質問は、防衛出動発令前に自衛隊の艦艇が公海上で並行して航行する別の自衛隊艦艇への攻撃に対して反撃することは可能か、お答えいただきます。
○国務大臣(小野寺五典君) 今、具体的な事態で御指摘がありました。個別具体の事態、状況に対して具体的にお話をすることは困難ですが、一般論として申し上げれば、防衛出動発令前であっても、海上警備行動等の行動を命ぜられた自衛隊の部隊は、他の船舶等を防護するために、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器の使用をすることができます。 また、今、海上警備行動のお話ありましたが、特定の行動を命ぜられていない場合であっても、艦艇を含む自衛隊の武器等を防護するため、職務上その警護に当たる自衛官は、自衛隊法第九十五条の規定により、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができます。
○藤田幸久君 だから、佐藤さん、その合理的にとか、その現場で判断するのは難しいというのが自衛隊の皆さんの現場での叫びだろうと思うんですけれども。 それで、そもそもの話で、二つ目の質問ですけれども、防衛法制についてやってはいけないことを列挙するネガティブリスト方式に改める必要性について、防衛大臣の見解をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) いわゆるネガティブリストであれポジティブリストであれ、自衛隊が国家国民のためにその任務を遂行する上で必要な権限を付与されるべきことは当然であると考えております。 その上で、前回でもお答えしましたが、自衛隊の権限については、安全保障環境の変化を踏まえ、これまで、平成十三年の改正によって警護出動、治安出動というものが制定をされ、平成十七年の改正によって弾道ミサイル等に対する破壊措置の創設がなされ、平成二十五年の改正によって在外邦人等の輸送における輸送手段等の追加というように、自衛隊法一部改正をし、逐次強化をしてまいりました。 また、平成十一年の能登半島沖不審船事案を踏まえ、部隊行動基準の準備を進め、自衛隊の部隊等が様々な事態においてその時々の情勢や現場の事情に応じて的確に任務を遂行できるように努めてまいりました。 いずれにせよ、現在、集団的自衛権の問題や、武力攻撃に至らない事態に対する対応を含む様々な問題について、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われており、政府としては、まず懇談会における議論を待ちたいと考えております。
○藤田幸久君 ですから、現場の方でこれでは分かりませんですよね、佐藤さん。 もっと具体的なことで言いますと、私の理解では、アメリカとイギリスはネガティブリスト方式だろうと思います。それから、ドイツとフランスは、一部はポジティブリストですけれども、例えば国民の自由とか財産とかいうことはポジティブリストですが、作戦レベルはネガティブリストだというふうに聞いております。ということは、作戦に関しては、アメリカもイギリスもドイツもフランスも、これネガティブリストなんですね。 いわゆるポジティブリストで縛って、自衛隊の皆さんに言わせると非現実的でがんじがらめに縛られているという状況がございますので、そういう意味からも、ネガティブリストに変えるということが、ただ単にその状況に応じてやっているんじゃなくて、これやっぱりこれから非常に重要な時期に来ているわけですから、この間も日本の最西端の方まで行かれたようですが、現場の皆さんが活動できるようなネガティブリストについての検討はされる用意はございませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今委員が御指摘されました各国においては、それぞれの国の法制度においてそれぞれの部隊の行動基準が決まっているんだと思っております。 いずれにしても、ネガティブリストであれポジティブリストであれ、自衛隊が国家国民のためにその任務を遂行する上で必要な権限を付与されるべきことは当然であると考えております。
○藤田幸久君 そういう問題じゃないと思うんですね。後で質問いたしますけれども、イラクのときに自衛隊の方がどれだけ苦労されたか。そういう現場で国民の命を守るということは大変なことだろうと思うんですけれども、そのときに今のような何か学者のような考え方というのは私はまずいと思っておりますので、そのことを指摘しておきたいと思います。 時間の関係で、グアム協定に移りたいと思います。 まず、二〇一二年四月の2プラス2というのはこのパッケージを切り離したということでございますが、これについては先ほど佐藤委員の方からも、その特徴、意味については日本側、アメリカ側について質問があったようでございますので、ちょっと私はその関係でお聞きしたいのは、このいわゆる切り離したということが普天間飛行場移設を早める環境整備に貢献したのかどうかについて、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 切離しにつきましては、二〇〇六年のロードマップの下で在日米軍再編計画におけるいわゆるパッケージは、沖縄の負担軽減を早期に実現する必要があるにもかかわらず、日米双方が国内的に難しい事情を抱える中でその一部について進展が得にくい状況にあった等の事情を踏まえて、在日米軍再編を可能なところから進めていくという考えに基づいて、この切離し、行われた次第であります。 こうしたことによりまして、少しでも早く、可能なところから取組が進められていくということになったわけでありますが、御質問のこの普天間飛行場の移設を早める環境整備に貢献したのかという部分につきましては、これは切り離されたそれぞれの課題が同時並行的に進められていく、このことが重要であります。こうした取組が普天間飛行場の移設の環境整備に貢献したか否かという捉え方はしておりませんが、それぞれが同時並行的に進んでいくことが重要だと認識をしております。
○藤田幸久君 少し急いで、少し飛ばします。 岸田外務大臣、四月九日の衆議院の外務委員会で、この海兵隊が国外に移転しても日米同盟の抑止力はしっかり維持されるというふうに答弁されておりますが、そうであるならば、普天間飛行場の代替施設の建設も、いわゆる沖縄県内でなくても抑止力は維持できるのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の取組、このグアムへの移転、そして普天間飛行場の移設、そして嘉手納以南の土地の返却、こういったものが進むことによって、全体として抑止力の維持が図られるものだと認識をしております。 普天間飛行場の移設については、平成八年に日米間で全面返還が合意された際から、在日米軍の抑止力を維持するとともに、沖縄の負担を軽減し、地元の皆様の安全及び生活の質にも配慮するとの観点から取り組まれてきた課題であります。 普天間飛行場の移設先については、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に鑑み、沖縄の地理的、戦略的な重要性等、様々な条件を考慮し日米間で検討した結果、これらを総合的に満たし得るのは辺野古しかない、こういった結論に至った次第であります。 政府としましては、地元の負担軽減にしっかりと取り組むと同時に、一日も早い普天間飛行場の返還が実現できるよう、全力で取り組んでいく所存であります。
○藤田幸久君 その関係で資料の三枚目を御覧いただきたいと思います。 これは、昨年の十一月ですか、私がこの委員会で使いまして、当時は小野寺防衛大臣に答弁をいただいた部分でございますが、一昨年の2プラス2の辺野古に関する部分ですが。ラインが引いてありますけれども、要するに、辺野古沖に代替施設を持っていくということが、下の方がまず一昨年の四月の2プラス2でございます。その辺野古に持っていくことについての形容詞の部分ですけれども、下の部分の方のアンダーラインでいきますと、「引き続き、これまでに特定された唯一の有効な解決策であるとの認識を再確認した。」となっております。それに対して、昨年の十月の2プラス2、上の方に行きまして、その後半部分はどうなっているかといいますと、「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを確認した。」というふうに変わっております。何が違うかというと、唯一の解決策というところの前の部分でございますが、一昨年の四月は、唯一の解決策の前は、「これまでに特定された唯一の有効な解決策」、それに対して去年の秋は、「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」。 この形容詞の違いがかなり私は意味がある、大きく違っていると思いますけれども、この違いについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければなりません。 そして、二〇一二年の2プラス2共同発表におきましては、普天間飛行場の移籍先につきまして、それまでに様々な議論や検討が行われたわけですが、結果として、日米両政府として様々な検討を行った結果として、辺野古が唯一の有効な解決手段であるという認識に至った、こういったことをこの2プラス2の共同発表の中で明記をしております。そして一方、二〇一三年の2プラス2共同発表ですが、この中身においても、今申し上げたような日米両政府の認識を改めて確認し、このような記載となった次第であります。よって、認識は全く変わっておりません。
○藤田幸久君 一昨年の四月の場合の結果としてとおっしゃいましたけれども、つまり結果としてと、仮にそうであっても、要するに、それまで考慮していない様々な要素も含めて柔軟に対応するという意味があって、これはアメリカのレビン議員とかマケイン議員とか、これは当時の日本の外務省、大使館等とやり取りをしたわけで、要するに、予算の面だとか沖縄の民意だとか建設期間とか、それも含めていろいろ考慮してという意味が入っているわけで、結果としてこうなんだけれども、だけど最終的に断定をしていないと。 去年の十月のこの「普天間飛行場の継続的な使用を回避するため」というのは、要するに普天間固定化になっちゃいますよ、辺野古以外だったらばと。これはかなり、文章的に言うと、これでなければ固定化というふうな文章になっているので、それは大きな違いがあると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この二つの2プラス2共同発表の比較ですが、今委員から御指摘があるように、特定されていない解決策もあるというようなことを意味するものではないと理解しております。唯一の解決策である、辺野古が唯一の解決策であるということ、これは二〇一二年の段階でも二〇一三年の段階でも、そして今日でも、これは変わらないというのが政府の見解であります。
○藤田幸久君 時間がないので急ぎます。 グアム協定ですが、日本の場合には国会承認条約であります。それに対して、アメリカの場合にはいわゆる行政取決めだということがこれまで問題になっております。たまたま資料をこれ四枚目に出しておりますけれども、二〇〇九年五月十二日のこの外交防衛委員会、私も理事でございましたけれども、その当時、たしか鶴岡さんだろうと思いますけれども、こんな説明資料を配られました。 要は、こういう違いがあるけれども、議会承認とするアメリカの基準について、後で改めて御報告しますというふうになっていたと理解をしておりますが、その後どういうことが分かっているのか、答えていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 米国におけるこの国際約束の締結に係る基準については、米国から以下のように説明を得ております。 お示しいただいた資料にも書かれておりますが、米国が締結する国際約束は、一つは条約というもの、米国憲法上、上院の助言と同意、上院の出席議員の三分の二を得て締結されるもの、そしてもう一つは、条約以外の国際約束、上院の助言と同意以外の米国憲法上の根拠に基づいて締結されるもの、この二つに大別されるという説明を得ております。 これらの国際約束のうち、その締結に当たりいずれに関する手続に従うこととなるかを決定する際には、以下の要素について適切な考慮を払うことになっておるということで、これも資料に挙げていただいておりますが、この資料の後半の、二、いかなる国際約束をするかを決定する際に考慮する要素として八つの要素がここに列記されておりますが、これと同様の説明を我が国としては米国から説明を受けているところであります。 こうした要素を検討した上で、米国として国際約束の締結に当たりいかなる手続を選択するかを決定するということを承知しているわけでありますが、今ありました八つの要素、いずれかが含まれればどっちかに決めるというのではなくして、この判断、これは行政府と立法府の関係を踏まえて米国が決定する、このような説明を受けているところでございます。
○藤田幸久君 要は、政治的な拘束力の差というものが、例えば米国議会における予算凍結といったことにならないようにしっかりやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 あと二つ質問したいと思います。 まず、小野寺防衛大臣。 四月六日に行われましたヘーゲル国防長官との共同記者会見において、ヘーゲル国防長官は以下のように言っております。アメリカは集団的自衛権に関する憲法解釈の再検討を含めまして、世界及び地域の平和と安定に貢献するため、より積極的な役割を果たそうとする日本の取組を歓迎いたしますと。それから、その後の質疑応答に関しましても、こうした憲法解釈の変更を前提とした日本側の努力等について奨励し支持するというふうにおっしゃっておりますが、大臣も同席されておられたわけですが、そもそも、この会見に先立つお二人の防衛大臣会議において、ヘーゲル国防長官は小野寺大臣に対してこういった発言をされたんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 先般の私とヘーゲル米国防長官との会談では、日米防衛協力の強化を含む様々な議論を行いました。 会談のやり取りの詳細については申し上げることは差し控えさせていただきますが、集団的自衛権との関係では、私からは、日本国内の安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において議論が行われている内容について説明をいたしまして、ヘーゲル長官からは、本件を含め、我が国による安全保障上の幅広い取組を支持する、サポートという言葉を使っていたと思いますが、支持する趣旨の発言がありました。
○藤田幸久君 普通に考えますと、直前に会った大臣からこの解釈変更等に関することを聞いて、それで会見で言われたということが一番、これ会見ですからね、大臣会談の後の、可能性があると思っておりますが、要は、まだこれ法制懇で審議が進んでいる中であります。憲法解釈というのは政府としても決めていないわけであります。そのことに対して他国の大臣が、ある意味では、二人の大臣会談を行った後の会見でおっしゃるということは、これはかなり重大なものだろうと思っております。 昨日ですか、超党派の議員グループが、このいわゆる立憲主義を目指す、そういったものを支持するということをおっしゃったということは、これはやっぱり法律の専門家であるオバマ大統領あるいは議会の経験者であるオバマ大統領に、こういった基本的なことについて他国の大臣が言及をされるということについては、これは日本の基本的な政策のことであるので、そういったことについて我々は違った考え方を持っているという手紙をオバマ大統領に昨日、大使館を通して出されたということでございます。 そういう大変重い意味のある長官の発言だったと。お二人の間ではこの憲法解釈に関する議論はなかったんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) これはあくまでも、今安保法制懇等で議論されている内容はこういうものだというような議論のやり取りだと思っておりますので、政府は決して何か方針を決めているわけではありません。
○藤田幸久君 つまり、おっしゃったかどうかについてはお答えありませんでしたが、時間がありませんので、最後の質問に移りたいと思っております。 先週の十六日、NHKの「クローズアップ現代」で、イラクに派兵された自衛隊員の活躍ぶりが紹介されました。活動中には死者の数はゼロだったそうですが、帰国をされた後、自殺者が二十八名というようなお話も出ておりまして、大変気の毒で、お悔やみ申し上げて、敬意を表するわけでございますが。 五百旗頭防衛大学長が出ていらっしゃいまして、大変危険な地域で、誰かを撃つという戦闘行為じゃなくて、社会の再建をやろうという仕事をやり抜いたのが日本の自衛官だとおっしゃっているお言葉にも感動いたしました。それから、先崎統幕長が、戦闘地域に臨むというような気持ちを原点に、危機意識を共有して自衛官に対する教育等を行ったと。それから、死亡した場合の対応まで実は極秘に検討していたというようなお話も出ておりました。それで、その派遣をする際のカウンセリングや支援教育活動、いろんなきめ細かな対応もされておられたということでございますが、度々済みません、佐藤委員よく御存じだろうと思いますが。 こういったことというのは私はやっぱり開示をして、私も、一か月ぐらい前ですか、茨城県の自衛隊入隊・入校者激励会、毎年行っておりますが、行ってまいりましたけれども、やっぱり御家族の方々も今は非常に支援をして、競争率も高まったということでございますけれども、そういった方々にとってもやっぱり情報開示が必要だろうと。つまり、これだけ細かくやっているんだと、限られた中で。 一方で、この番組で、自殺した四十代の隊員の奥様が、その亡くなった人数の何十倍の人が苦しんでいるので、マイナス面も含めて表に出していただかないと苦しいですねとおっしゃっておられます。 これは、今までも防衛省の方は、その因果関係、つまりイラク派兵と自殺との因果関係は分からないという答弁をされておりましたけれども、やはり国民に支持をされて、支持が高まっている今自衛隊の皆さんでございますので、入隊志願者やその御家族、それから国民の理解とか支持を得るためにも、そういう様々な実態というものをもう少し開示されたらよろしいんではないかと思いますが、防衛大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 部隊が長期海外に派遣されることの場合には、様々、隊員に対するカウンセリングだけではなくて、留守家族に対しての様々な支援が必要だと思っております。 今後とも、この問題に対してはしっかり対応していきたいと思っております。
○藤田幸久君 終わります。 ありがとうございました。
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 まず、本日の議題であります第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書、いわゆるグアム協定改正議定書について質問させていただきたいと思います。 そもそものこの改定は、民主党政権時代、二〇一二年四月の日米2プラス2において在日米軍再編計画を調整されたものをベースとしております。元々、二〇〇六年の再編実施のための日米のロードマップ、いわゆる先ほど来もお話もありましたロードマップにおいて、まず普天間飛行場の代替施設に関する進展、それから在沖縄海兵隊のグアム移転、そしてその結果生ずる嘉手納以南の土地の返還、この三つの措置をパッケージとして進めることとされていました。 ですが、二〇一二年のこの調整によって、在沖縄海兵隊のグアムへの移転とその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還、この双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から、先ほどお話にありましたように切り離すことになりました。このことは、前文、現行協定第三条の削除及び第九条二項の該当規定の削除という形で今回の改正議定書に反映されております。この切離しによって、膠着状態にあった普天間問題ですとか嘉手納の返還問題、また米軍再編をめぐるアメリカ側の政府と議会の立場の違いなどが解決に向けて、同時並行とおっしゃっておりましたが、同時並行に動き出したことは先ほどもお話にあったとおりでございます。 今回の改正議定書は、当時の玄葉外相がリーダーシップを取って実現した調整結果をベースとしており、先ほど申し述べましたとおり、日米同盟の抑止力を維持しつつ沖縄の負担を早期に軽減できるという点で、方向性としては意義があったものと思います。ですが、細部につきましては確認や詰めが必要だと思いますので、以下質問をさせていただきたいと思います。 現行協定においては在沖縄海兵隊の要員約八千人がグアムへ移転する予定でしたけれども、改正議定書においては約四千人がグアム、そして五千人がハワイなどへ移転することとされています。二〇〇九年以降の現行協定発効以降、米国のアジア太平洋地域の軍事戦略にどういった変化があり、こうした人数の変化につながったのか、その背景について御説明いただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、米国は、近年の安全保障環境の変化に応じて、グアムへの米軍の前方展開を進め、そして航空機部隊あるいは潜水艦部隊、増強してきました。 このような中、この厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保障環境を踏まえて、この地域に地理的にまず分散する、そして運用面で抗堪性がある、そして政治的に持続可能な体制を実現するために、二〇一二年四月の2プラス2共同発表におきまして、先ほど来質疑の中にも出ておりますが、MAGTFというものを沖縄、グアム、ハワイ、そして豪州に配置するということになりました。その一環として、第三海兵機動展開部隊の航空、陸上及び支援部隊の要素を含む約五千人で構成される機動的な米海兵隊のプレゼンスをグアムに構築する作業を行っていると承知をしております。 これまで米国からは、沖縄から移転する海兵隊の定員約九千人のうち約四千人はグアムに移転し、他の五千人はハワイ、豪州、若干名は米本土に移転する、こういった説明を受けている次第であります。
○牧山ひろえ君 現行の協定では在沖縄海兵隊のグアム移転人数を要員約八千人及び家族約九千人としていたのが、改正議定書では要員九千人及びその家族というふうになっております。今回家族の人数が示されなかった理由についてお聞きしましたところ、政府は、現行協定では司令部要員のみが移転されることになっていたが、改正議定書では司令部に家族の人数を見積もることができない実動部隊が含まれるからだと説明しております。 そもそも、これら要員及びその家族数は定員ベースの数字のはずだったわけですね。司令部の定員上の家族数はどのように見積もられ、実動部隊は定員上の家族数をなぜ見積もることができなかったのか、御説明いただければと思います。
○副大臣(岸信夫君) 今委員御指摘のとおり、二〇〇六年のロードマップにおいては、要員八千名とともにその家族九千名について記載がされておりました。家族の人数については、様々な事情により変動し得るものであることを前提に、グアムに移転する要員の定員数が八千人であることを踏まえた概数として算出をされたものでございます。 二〇一二年の四月の2プラス2の共同発表により調整された移転計画においては、ロードマップにおいては主に司令部要員が移転するとされたのに対し、司令部要員とともに家族の人数を見積もることがより困難な実動部隊要員も移転することとなったことから、沖縄から移転する家族の人数についてはこれも記載しないこととし、この議定書においてもこれを踏襲したものでございます。 沖縄から移転する家族の人数は、現在、米国においても精査中であると承知をしておりますけれども、一般論として申し上げれば、実動部隊要員は司令部要員に比べて年齢が若く、独身者が多いことが想定をされております。そのために、要員の移転に伴って移転する家族の人数は相当程度減少することになるのではないかと、こういうふうに考えられております。
○牧山ひろえ君 そうはおっしゃっても、家族の人数などは前回も見積もることができたわけですよね。何で今回だけ人数が見積もれないのか、すごく不思議に思うんですよ。やっぱり、予算の無駄遣いを省くためには必要額をちゃんと想定してシミュレーションする、不明点、ブラックボックスを少なくしてほしいなと思います。経費の見積りの際にはその辺りのきめ細かい取組も是非お願いしたいと思います。 改正議定書では、日本の提供資金を使用して米国が施設基盤を整備する地域に北マリアナ諸島連邦を追加し、かつ、グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場の整備を、これを明記しているんですね。あわせて、米国は訓練場の使用に係る日本の要請についてどういうふうに言っているかというと、「合理的なアクセスを認める意図をもって好意的に考慮」、何でこういう言い方するのかなと思うんですが。何でこんなに分かりにくい表現するのかよく分からないんですが、要は日本も訓練場を使えるということで説明を受けましたけれども。 私は、英語で考えてみても、それよりも弱いニュアンス、つまり、場合によっては日本にも訓練場を使わせてあげるかもしれないというふうに聞こえるんですけれども、グアム及び北マリアナ諸島連邦における訓練場が使えるということは、日本の安全保障にとってどのような利点があり、そしてどの程度あるんでしょうか。具体的に御説明いただければと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) グアム及び北マリアナ諸島連邦においては、在沖海兵隊のグアム移転に際して必要となる実弾射撃場や上陸訓練場等が整備される予定になっています。御審議いただいております改正グアム協定第四条に基づき、自衛隊が日本と近い位置にあるグアム及び北マリアナ諸島連邦の全ての訓練場を一層円滑に使用することが可能となるということであります。米側との相互運用性の向上に加え、水陸両用能力を含めた自衛隊自身の能力向上が図られるものと考えております。 グアム及び北マリアナ諸島連邦に整備される訓練場を自衛隊が具体的にどのように使用していくかについては今後更に検討していくことになりますが、例えば自衛隊の水陸両用機能の強化の観点から、陸上自衛隊と米海兵隊が共同訓練を行うことや、海兵隊訓練場のみならず、アンダーセン空軍施設やアプラ海軍施設を利用しつつ統合訓練を行うことなどが考えられるなど、我が国の安全保障にとっても大きな意義があるものと考えております。
○牧山ひろえ君 費用を出すだけではなくて、我が国の国益にとってどういったプラス面があるのか、しっかりと確認をし続けていただきたいなと思っております。 現行協定において約百二億七千万ドルとされたグアム移転経費が、改定議定書においては約八十六億ドルと、約十六億七千万ドル減っているわけですね。この経緯について御説明いただければと思います。
○副大臣(岸信夫君) 今の費用総額の減少についてでございますけれども、二〇一二年の2プラス2共同発表における再編計画の調整によりまして、沖縄からグアムに移転する部隊、人数等が変更され、施設、インフラ整備の所要も変更されたためでございます。 この共同発表においては、まず、我が国が負担するのは在沖海兵隊のグアムへの移転に係る費用、これは二〇一二年米会計年度価格で八十六億ドルのうちの一部のみであり、それ以外は全て米側が手当てをするということ。そして二番目として、ロードマップにおいて我が国が行うこととなっていた約三十二・九億ドルのJBICによる出資は行われないということにしたところでございます。これらを総合的に考慮し、同共同発表においては、我が国として現行協定に規定された直接的な資金の提供額、すなわち二〇〇八米会計年度価格で二十八億ドルが限度とするこの提供額を引き続き負担することとしたものでございます。
○牧山ひろえ君 この総額のうちの日本の負担というのは、上限が、今もおっしゃっていただいたように二十八億ドルとされております。そして、改正後の総額八十六億ドル、これは暫定的な見積りとされているんですね。もしもこの総額、この見積りが増加した場合、日本の費用負担が増えることも考えられるんでしょうか。そして逆に、この総額の、これ見積りにすぎないわけですから、これが大幅に下回った場合、日本の負担は逆に減るんでしょうか。この点についてもお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が負担しますのは、この在沖縄海兵隊のグアムへの移転に係る費用、二〇一二年米会計年度ドルで八十六億ドルのうちの一部、要は、二〇〇八米会計年度ドルで二十八億ドルが限度であり、それのみであります。それ以上は全て米側が手当てするということになっております。 したがって、本議定書の締結による改正後協定の下、このグアム移転事業のために我が国政府が二〇〇八米会計年度ドル二十八億ドルを超える資金提供は行わないということであります。 そして一方、これ大幅に低下した場合どうするかという御質問をいただきました。一般論として申し上げるならば、この改正後協定において、我が国の資金提供の義務は二〇〇八米会計年度ドルで二十八億ドルが限度であることを始め、関連事項を総合的に考慮しながら適切な対応について日米両政府でしっかり協議をしていく、こういったことになると存じます。大幅に低下した場合には我が国としましてしっかりと負担軽減についても協議を行っていく、こういったことになるものと一般的には想定をしております。
○牧山ひろえ君 是非そのようにお願いします。 日本負担は上限二十八億ドルとされていますが、これ上限ですから、そういうふうにされている以上、国民の負担を減らすためにもやはりコストを抑える努力をするべきだと思います。 我々が与党だったときに、主に公共事業とか仕分について頑張っていた経緯がありますけれども、最近めっきりこの仕分という言葉は聞かなくなったんですけれども、やっぱり税金はしっかりと節約をして上手に使ってもらいたいという思いがあります。 そこで御質問ですけれども、日本負担分の調達についてなるべくリーズナブルに経費を削減する工夫などはしているんでしょうか。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 グアム協定第六条におきましては、「アメリカ合衆国政府は、日本国政府が当該事業の実施に適切な方法で関与することを確保する。」というふうにされておるところでございます。 防衛省におきましては、太平洋地区の米海軍の施設に関する事業計画や、あるいは契約などの手続を担当しております米海軍施設技術本部太平洋管区が所在しておりますハワイに職員を必要に応じて派遣して、事業経費の見積りの適正を確認するとともに、入札公告や業者選定などの米国政府が実施する契約手続にも関与しておるところでございます。 防衛省といたしましては、我が国の資金提供により実施される事業について、引き続き適切に関与して、委員の御指摘にも応えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○牧山ひろえ君 日本には割安なサービスがたくさんございますので、しっかりと相場を把握した上で的確な発注のアドバイスをしていただければと思います。 今まで申し上げましたように、この改正の執行につきましては、沖縄の負担を軽減しつつ、きめ細かく日本側の負担軽減、また追加負担の抑止も働きかけていただければと思います。 次に、武器貿易条約について御質問いたしたいと思います。 現在、核兵器や化学兵器の国際取引は既に制限されていますけれども、それ以外の通常兵器は事実上野放し状態なんですね。このため、武器輸出国から大量の兵器が中東ですとかアフリカの紛争国に流れ込み、戦闘の激化ですとか民間人の被害拡大を招いております。今回の武器貿易条約は、こうした悲惨な状態をなくすため、国際基準をつくることで国際的な武器取引を管理しようとするものです。まとめますと、各国が勝手に行っている通常兵器の国際取引を初めて規制する基本的に意義深い条約であり、その認識を前提として、以下、質問したいと思います。 今回の武器条約については、二〇一四年の二月現在、署名国が百十六、そして締約国が十一となっております。そして、五十か国の締結によって発効するとのことです。兵器貿易における上位輸出国のうち、アメリカは締結に至っておらず、そしてロシアや中国はそもそも署名さえしていないというのが現状でございます。この条約の実効性を高めるためには、幅広い国、特に主要な武器取引国の締結が当然ながら不可欠だと思います。これらの国々が加わらなければ、国際的な武器流通の抑制につながらず、条約は名ばかりとなりかねないと思います。 今後、中国やロシアを始めとする主要な武器貿易国に対する働きかけについてはどのような方針でいらっしゃいますでしょうか。そして、これらの国々をどのように参加に導くおつもりか、具体的に御説明いただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) この条約の実効性を高めるためには、主要武器貿易国を含め、可能な限り多くの国が条約を締結すること、これは極めて重要なことであります。 昨年九月、国連総会におきまして武器貿易条約のハイレベル会合が開催されました。私自身も出席をさせていただきまして、主要な武器貿易国の締結を呼びかけた次第ですが、我が国は、これまで二国間協議等の機会の際に、中国、ロシア、米国、あるいは東南アジア諸国等に対しまして早期の署名及び締結を行うよう働きかけを続けてきました。 政府としましては、これらの国を含め、機会を捉えて主要な武器貿易国及びアジア諸国を中心に、未締結国に対して早期の署名、締結をしっかりと働きかけ続けていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 特に、日本にとって中国の加盟は国益上も非常に重要になってくると思います。当局は、今回の条約の意義について、通常兵器の規制に関する取組で日本の主導的役割を継続というふうにうたい上げていらっしゃいます。条約締結国の拡大についても、受け身ではなくて是非積極的に主導的な取組をお願いしたいと思います。 武器貿易条約では、通常兵器に関する国際貿易活動を規制しています。すなわち、輸出ですとか、輸入、通過、積替え及び仲介に関することです。このうち仲介に関しましては、武器の輸出国と輸入国の間で武器取引を取り持つものであり、仲介を担う業者が存在する国自体では、実際に武器の出入りがあるわけではないので、通常の輸出入管理とは別の規制が必要となってくるかと思います。 日本におけるそうした規制の概要と、あわせて、日本にはそうした業者がどの程度存在するのか、またどの程度の取引を行っているのかを是非教えていただければと思います。
○政府参考人(中山亨君) 仲介貿易取引についてのお尋ねでございますが、外国為替及び外国貿易法、外為法の第二十五条第四項で、国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められる仲介貿易は経済産業大臣の許可の対象ということにしてございます。 具体的に政令での書きぶりでございますけれども、輸出貿易管理令、これに別表第一というのがございまして、ここに対象となる貨物がリストアップされてございます。これらの貨物の外国相互間、すなわち仲介貿易でございますが、外国相互間の移動を伴う売買、貸借、贈与に関する取引、これらを規制の対象としております。 この輸出貿易管理令の別表第一にリストアップされている貨物の中には今回の武器貿易条約の対象となる品目が既に含まれておりますので、武器貿易条約の仲介貿易取引を行う場合には、外為法に基づいて全て経済産業大臣の許可が必要ということになってございます。 なお、お尋ねの、このような取引を行っている業者についての把握でございますけれども、経済産業省といたしましては、今申し上げましたように、外為法に基づいて許可申請が出てきた場合にこれを審査して、認める認めないということを行う事務の立場でございますので、残念ながら、我が国に存在する仲介業者が全体で幾らあるかということについては把握してございません。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 仲介というのは非常に大きな要素となりますので、私は、条約の趣旨からいって、もう少し業者ですとか取引量の把握の努力をされた方がよろしいんじゃないかと思います。非常に重要な、これからもっと重要な要素となってくると思いますので、是非その点、よろしくお願いいたします。 安倍政権は今月一日に、新たに武器輸出三原則に代わる防衛装備移転三原則を閣議決定しました。今後、何と武器輸出を進めていくことになってしまいます。 具体的にはどのような日本の防衛装備品が武器貿易条約の下で規制の対象となり、また逆に、どのような装備品が規制の対象外となるんでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) 防衛装備品の防衛装備移転三原則が原則といたします防衛装備は、武器及び武器技術をいいます。武器については、輸出貿易管理令別表第一の一項に掲げるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるものということをいいます。また一方、武器貿易条約が対象とする通常兵器につきましては、戦車、装甲戦闘車両、大口径火砲システム、戦闘用航空機、攻撃ヘリコプター、軍艦、ミサイル及びその発射装置、並びに小型武器及び軽兵器であり、防衛装備移転三原則の対象に含まれるが、より狭いものとなっております。 例えば、専ら輸送を用途とする軍用車両、軍用航空機など、防衛装備移転三原則の対象となりますが武器貿易条約の対象とはならないというものがあります。
○牧山ひろえ君 今の御答弁からして分かったことは、今回規制の網が掛かるものは実はかなり限られた範囲だということが分かりました。 条約では、締約国に対して通常兵器の輸出入の実績を報告することを義務付けておりますが、どこまで具体的な内容を報告するかについては各締約国の判断に委ねられているということが分かります。武器貿易取引に関する透明性の向上という条約の目的を鑑みれば、そうした報告はより詳細な情報を含むべきとなると思います。具体的には、輸出入した通常兵器の数ですとか取引相手国、また当該兵器の型式などの情報です。 日本としてはどういった内容の報告を行うと考えていらっしゃるんでしょうか。外務大臣の御方針をなるべく詳細に教えていただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、この条約におきましては、締約国は通常兵器の輸出入に関する報告を事務局に提出するということになっております。 報告の内容としましては、国際連合軍備登録制度を含む国際連合の枠組みに提出した情報と同一の情報を含めることができるというふうになっておりますが、具体的には通常兵器の輸出入数量及び相手国等が想定されますが、その詳細、これは条約発効後に開催されます締約国会議で検討されるということになっております。 我が国としましては、この条約の趣旨の一つ、今委員からも御指摘がありましたが、通常兵器の国際貿易の透明性を高めることにより関係国間の信頼醸成を図ることにあると考えております。 このような観点から、この締約国会議において、可能な限り通常兵器の国際貿易の透明性が確保されるよう報告内容の議論を進めていかなければならないと考えておりますが、この議論に是非我が国としましても積極的に参加していきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 そもそも武器輸出の解禁、それから今回の武器貿易条約とは、方向としましては逆を向いているんではないかと思うんですね。 今回の武器貿易条約の採決について主導的な役割を発揮できたのも、戦後の日本がこれまで日本企業が製造した武器でほかの国の国民の命を奪ったことはなかったということ、すなわち憲法九条と武器輸出三原則による積み重ねに対する信頼があってこそこういったことができたと思うんですね。この海外諸国からの信頼の源になっている日本の平和主義の理想を傷つけない運用を望みたいと思います。 今回の条約によって、締約国には、国際貿易を管理するための国内制度を整備する、それから安保理決議などに違反する場合は移転を許可しない、それから、人道法、人権法の重大な違反などとなる可能性を評価し、その危険性が高い場合は輸出を許可しない、こういった義務があるわけです。 確かに、これらの義務規定が幅広く遵守されれば兵器の不正な取引防止につながることだと思うんですが、しかし、問題は実効性なんだと思うんです。ここが一番ポイントだと思うんです。締結国がこれらの義務に違反した場合の措置というか処分についてはどのようになっているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この条約におきましては、締約国の義務違反に対する措置あるいは処分、こういったものは定められてはおりません。しかしながら、締約国が実施する措置について透明性を高めるために、締約国に対して、この条約の実施のためにとられた措置、あるいは通常兵器の輸出及び輸入に関する報告、こうしたものを事務局に対して提出する、こういった定めが設けられております。また、締約国会議において条約の実施状況が検討されるということになっております。締約国は自国の条約の実施状況について説明責任を果たすことが求められております。 こうした取組を通じまして、締約国による適切な条約の実施を確保する、実効性を確保する、こういった成果を意図するということになっております。
○牧山ひろえ君 大臣、本当にそれで皆さんが遵守するとお思いでしょうか。私は非常に弱いと思うんですね。実施主体となる国際的な、さっきもおっしゃっていた事務局、これについても最小限の組織と規定されているんです。本当にこの規定の精神が現実化するのか、その足腰の部分、非常に弱いという印象を持ちます。 もちろん、通常兵器の国際取引に対する初めての規制ですし、最初からハードルを上げ過ぎると採択自体が難しくなるともしかしたらお思いになったのかもしれませんけれども、しかし、このような取組は、結局、実現可能であり、かつ実施できてこそ意味があると思うんですね。今後は、この武器貿易条約の実効性の確保、これをやっぱり主な目的として取組を継続していただきたいことを強く要望したいと思っております。 続きまして、政府開発援助、いわゆるODAに関してお伺いしたいと思います。 今回は、日本が途上国などへの資金・技術協力を行う政府開発援助、ODAを開始してから六十年がたちます。安倍政権は、これに合わせ、日本のODAの長期戦略を定めたODA大綱を十一年ぶりに改定する方針だと聞いております。三月二十八日の日本記者クラブでの記者会見において岸田外務大臣は、ODA大綱を見直すことを発表されました。それに続きまして、既に岸田外相の下にODA大綱見直しに関する有識者懇談会が設置され、六月に答申をまとめる予定とされています。私、これ新聞で読んだときに、また有識者懇談会出てきたなと思いました。 まず、ODA大綱の見直しに関する今後のスケジュールと、わざわざこのタイミングで見直しを行うこととした理由を是非お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 現ODA大綱が策定されたのは二〇〇三年ですので、御指摘のように十一年が経過しております。その間、日本及び国際社会、これは大きく変化いたしました。そして、ODAに求められる役割、これも様々に変化をしてきております。 本年は、我が国がこのODAをスタートさせてから六十年という節目の年に当たります。また、来年はMDGs後の新たな開発目標を策定するために国際的な議論も今スタートしております。こういった状況の変化あるいは現状を踏まえて、やはりこのODA自体しっかりと進化を遂げなければならない、こういった観点から十一年ぶりに見直しを行うということを考えた次第でございます。 御指摘のように、有識者会議を立ち上げました。既に、三月三十一日に第一回目、四月十八日に第二回目の会合を開催し、議論をいただいております。そして、この会合を重ねて、六月頃には是非報告書を提出していただきたいと考えております。そして、その上で、NGOですとか経済界ですとか多くの関係者、また国民の皆様からの御意見を踏まえつつ、是非年内をめどに新たな大綱を策定したいと考えているところであります。
○牧山ひろえ君 新たな開発目標が二〇一五年にMDGsに関しまして策定されることを挙げられておりますけれども、一見もっともらしく聞こえるんですけれども、私はその逆だと思うんですね。やはり、各国が目標を定めてそれに向かって走り出すというのが筋だと思うので、ODA大綱見直しの理由がポストMDGsということならば、ODA大綱の見直しは、新しい目標がやはり各国の共通目標として作成された後に初めて、日本の新たな目標策定はその内容も踏まえた上で策定すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のポストMDGsの議論につきましては、我が国は国際社会にしっかり貢献していくという立場に立って、しっかりとその議論に貢献していきたいと考えております。 ですから、こうしたポストMDGsの議論に積極的に貢献していくためにも、我が国自身の考え方はしっかり整理しておかなければなりません。我が国外交にとりまして大変重要なツールでありますODAの在り方について、そして時代の変化を受けてこのMDGsをどう進化させるか、我が国自身の考え方をしっかりと整理した上でポストMDGsの議論にも臨む、こういった考え方も大切なのではないかと私は考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 でも、申し訳ないんですけれども、余り説得力を感じないんですね。この後お伺いするODAの軍事解禁、これを行うためにこの時期にODA大綱の見直しを行うというのが本当のところではないかと思うんです。 さて、ODA大綱において、ODAの軍事目的での使用を禁じた規定がございます。安倍政権はこれを見直す方向で検討に入ったとの報道がございました。安倍政権は、昨年末にまとめた国家安全保障戦略で、積極的平和主義を掲げ、ODAの更なる戦略的活用を明記しておりますので、その流れと思われます。 一九九二年に作られ、そして二〇〇三年に一度改定された大綱は、軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避することを原則としてきたんです。実際に、ODAによる物資を被援助国の軍隊に渡すことですとか、ODAで造った道路とか空港を軍隊が使用することは禁じられているんです。ODAによる人材育成も、兵士は対象外なんです。 まず、この報道の事実関係を外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたが、国際社会の変化ですとかODAに期待される役割の変化、こういったものを受けてODA大綱を見直していこうということで、有識者会議を立ち上げさせていただきました。 まず、議論につきましては、先ほど申し上げましたように、六月めどに有識者会議の報告書をいただいた上で議論を進めていきたいと考えておりますので、現時点で私の方から確たることを申し上げるのは控えなければならないかとは思いますが、ただ、御指摘のODAを軍事目的そのものに利用する、こういったことは到底考えてはおりません。この点については大変重要だと考えておりまして、今般のODA大綱の見直しに際し、この基本的な考え方を変えるつもりはないということだけは今現時点でもしっかり申し上げておきたいと存じます。
○牧山ひろえ君 ODAの軍事利用が認められれば、南シナ海で中国との領有権問題を抱えるフィリピンですとかベトナムで、ODAを使って港や空港を整備し、そして両国などの軍が使用できるようになるというもくろみがあるのではないかと私は推測するんですが、安倍政権は、武器輸出三原則を見直し、新たに防衛装備移転三原則を閣議決定するとともに、現在、集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しの議論を進めております。そうした中でODAの軍事目的への利用といった議論が出てくるのは、非常に重大な問題ではないでしょうか。 日本のODAがこれまで国際社会において大きな信頼を得てきた理由の一つは、日本のODAの非軍事主義、言い換えれば命を守るODAだったことにあります。そうした日本のODAの信頼の土台を崩し、ODAを安倍政権の安全保障政策のための一ツールに落とし込んでしまう、そして安倍晋三首相の国家観を援助の世界に持ち込んでしまうということは、長期的に見れば、私は日本自体への信頼の土台を崩しかねず、日本の国益も損なうのではないかと心配しております。 このような私の心配についてはどのようにお答えになりますでしょうか。大臣の正直な御見解をお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げましたように、議論としましては、今、有識者会議に議論をお願いしている段階ではありますが、御指摘の点につきましては大変重要な点だと認識をしております。 平和国家として歩んできた我が国の外交にとって大変重要なツールでありますODAの在り方であります。ODAを軍事目的そのものに利用することは考えていないということ、これはしっかり申し上げておきたいと存じます。今般のODA大綱の見直しに際し、御指摘の点については、基本的な考え方、これは変えるつもりはないということ、是非強調させていただきたいと存じます。
○牧山ひろえ君 現政権は積極的平和主義という言葉をよく使われるんですが、実際には、その名の下でODAさえも軍事目的に利用していいものとお考えになっているんじゃないかなという心配が拭えないんですね。憲法上の制約で軍事上のオプションを取らない、取るべきではない日本外交にとって、唯一といっていい有力な外交手段であるODAについても軍事の色に染めないように是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 現在、有識者会議に御議論をお願いしている段階で、私が余り踏み込んだ発言をするのはいかがかとは思いますが、今の点は大変重要な点でありますので、軍事目的そのものに利用することは全く考えていないということ、これはこの国会の場で明らかにさせていただき、我が政府の取組について御理解をいただきたいと存じます。
○牧山ひろえ君 是非そのようにお願いします。 終わります。
○委員長(末松信介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ─────・───── 午後一時四十分開会
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋克法君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として滝沢求君及び三宅伸吾君が選任されました。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 休憩前に引き続き、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び武器貿易条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。午後の審議もどうぞよろしくお願い申し上げます。 本日、武器貿易条約、ATT、それからグアム協定改正についての質疑でございますが、まずATTの方から質問をさせていただきたいというふうに思います。 この武器貿易条約、ATTにつきましては、長年にわたる交渉を経てようやく、各国の安全保障にも関わる分野でございますので、非常に熾烈な交渉を極め、一時期は頓挫もしかけた時期もあったというふうに承知をしておりますけれども、昨年、国連総会において採択され、間もなく必要締約国数五十か国が締約し、発効することが目前となっているという状況になっておること、関係者の尽力に心から評価を申し上げたいというふうに思います。 そもそも、一九九〇年代後半からNGOを中心に取組が進められてきたこの武器貿易条約構想、イギリスがG8外相会合で二〇〇五年に取り上げ、その後、日本が原共同提案国となって、二〇〇六年以降一貫して推進してきた取組でございます。 私ども公明党といたしましても、二〇〇七年の参議院選挙の選挙公約でこの武器貿易条約の早期締結ということを掲げ、一貫して推進してまいった立場でございますが、日本においては、その後、政権交代もあり、また内閣も替わった時期が続きましたけれども、そうした中にあっても一貫して政府として進めてきてくださったこと、民主党政権そして自公政権共々に安定的に、また一貫性を持って、継続性を持って交渉を進めてきたことを高く評価をしたいというふうに思っております。 そういう中で、今回、武器貿易条約の最終的な審議で、私から何点か確認させていただきたいことがございまして、まず御提起させていただきたいのは、政府は、今回の武器貿易条約の採決に当たって、我が国は、これまで外為法あるいは貿易管理令等によりまして、武器貿易条約が定める管理、移転措置よりも厳しい規制を行っている、しっかり対応しているということを常日頃から答弁等で説明をされているわけでございますが、果たしてこの武器貿易条約が求める各締約国に対する履行措置、日本は果たして十分にとれているのかということを確認をさせていただきたいと思います。 例えば、この条約の第七条では、武器の輸出に際してその輸出の評価を行うという規定が盛り込まれております。輸出を行う締約国は、許可を与えようとする前に、客観的かつ無差別な方法で当該通常兵器又は物品が有する次の可能性について評価を行うとされた上で、平和及び安全に寄与し、またこれらを損なう可能性があるのかないのか、あるいは、国際人道法上の重大な違反を犯している、あるいはこれを助長するようなことがあるのかないのか、国際人権法の重大な違反を犯している、又はこれを助長するようなことがあるのかないのか、テロリズムに関する国際条約、さらには国際的な組織犯罪に関する国際条約等に関わるような案件に該当するのかどうか、こうしたことについて評価を行うこととなっております。 今回規定されている評価を行う主管省庁は一体どこになるのか、まず教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(中山亨君) お答えさせていただきます。 今御指摘のように、武器貿易条約第七条を担保する国内法としては外為法でございます。外為法の関連部分の主務大臣という意味では、経済産業大臣が担当の大臣ということになります。ただし、武器貿易条約に基づいてというか、これに従って輸出の管理をするということは、武器の輸出ということでございますので、これは先般閣議決定していただきました防衛装備移転三原則の対象に入ってくると。 これは、閣議決定の中でも当該移転が我が国の締結した条約その他国際約束に基づく義務に違反する場合というのは認めないということになっておりますが、さらに、運用細則において、これらの可否を検討するときには、関係省庁との連携の下、防衛装備三原則及びその運用指針に従って対応していくものというふうに決められております。さらに、運用指針の中では、関連する省庁という意味で内閣官房国家安全保障局、外務省、防衛省並びに経済産業省が定められておりますので、これらが密接に連携しながら検討するということになると考えております。
○石川博崇君 今御説明いただきましたとおり、この輸出の評価を行う主管省庁は経産省ということになりますが、先般取りまとめられました防衛装備品移転の新原則に基づきまして、関係省庁と連携して取り組むという御説明でありました。 しかしながら、今回、武器輸出三原則が、防衛装備品移転の新たな原則が取りまとめられたことを受けまして、これまでは基本的に包括的な海外への武器の移転は原則として慎むと、例外を二十一項目つくってきた上で、その例外以外は基本的には輸出を禁止するという措置をとってきたわけでございますので、この例外以外の部分について、例えば今回条約に求められておりますような国際人道法上の重大な違反を犯しているのかどうか、あるいは国際人権法上の重大な違反を犯しているのかどうか、こういったことを我が国は評価をしてきたことというのはないんですよね。 特に、輸出許可を求める届出が経産省にあったときに、果たしてその物品が輸出される輸出先国において国際人道法上の重大な違反を犯しているかどうかということを経産省としてまず評価してきたことがない中で、これが果たして関係省庁との連携が必要なのかどうか、そういったことを判断できる今体制になっていないんではないかというふうに考えております。 そういう意味で、是非、経産省、今後、この武器貿易条約の締約国になる我が国としての締約義務として、しっかり人員あるいは体制整備を取っていただく必要があろうかと思っております。具体的にどういう手続でこういった評価を経産省として行っていくことになるのか、御説明をお願いいたします。
○大臣政務官(田中良生君) 武器貿易条約、この七条の輸出及び輸出評価に関する問合せと思いますが、この武器貿易条約の対象となる品目の輸出に当たっては、外為法、また防衛装備移転三原則及びその運用方針に示された手続、基準に沿って判断していくこととなるものであります。 この運用指針においては、防衛装備の海外移転の可否の判断においては総合的な判断が必要であることを踏まえ、防衛装備の海外移転案件に係る調整、適正管理の在り方においては関係省庁が緊密に連携して対応すると明記されているものであります。その方針に従いまして、外務省を始めとする関係省庁と十分に連携をしていくということであります。 いずれにしても、経済産業省といたしましては、この外為法に基づく輸出管理を所管するその立場から、責任を持って対応してまいりたいと考えております。
○石川博崇君 政務官、私が申し上げているのは、関係省庁と連携してこの許可を与えるかどうかを判断するというのはそのとおりなんですけれども、まず、その関係省庁と連携する前に、経産省としてこの案件は関係省庁と連携すべき案件かどうかということを判断できる体制がなければならない。そのためには、経産省の中で国際人道法、人権法等についての知見、認識、そして、そのことについて常日頃から国際社会での動き、そういったことについて外務省とやり取りをしておくこと、そうしたことをしておかないと、いざ防衛装備品の移転についての届出申請があったときに、これは関係省庁と連携すべき案件なのかどうかすら経産省が判断できないということになってしまうんではないかということを私は指摘させていただいているんです。
○大臣政務官(田中良生君) もちろん、経産省だけで全部が判断できる情報が確実にあるかということに関して、やはり足らざる部分はあると思います。その点に関して、外務省ですとか防衛省、他省庁と連携を取ると。それに対する省庁内の体制でありますが、しっかりとその辺は委員御指摘のように体制を整えるように検討していきたいと考えております。
○石川博崇君 政務官、足らざる部分があるといいますか、これまでやったことないんです、日本の国は。 この防衛装備品の移転について、国際人権法あるいは人道法に果たして抵触するおそれがあるかどうかという評価をやったことがないという、この新しい試みをやらなければならないということを是非認識していただいて、省内及び外務省ともしっかり連携しながら、どういうときに関係省庁と連携しなければならない案件なのか、どういう地域、どういう国に対する移転であればこのことについて関係省庁と連携しなければならないのか、これまで政府は、国連安保理決議に基づく武器の移転の禁輸措置がとられている国等については、非常に綿密に経産省と外務省、連携が取れておりましたけれども、新しい試みでございます、というふうに私は認識しておりますので、お願いしたいと思います。 外務省に確認したいんですが、この規定は、移転許可を与えるたびにこの輸出の評価を行わなければならないのが条約上の義務だという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 この条約におきまして、締約国がこの条約が対象とします通常兵器の個々の輸出許可を与える前に、条約の七条などの規定に基づきまして輸出評価を実施するということがこの条約上の義務として定められておりますので、個々の輸出許可を与える前にそのような評価というものが行われるということでございます。
○石川博崇君 今確認させていただきましたとおり、個々の輸出許可を与える際に国際人権法、人道法について、これが抵触するおそれが、違反を犯しているのか、あるいはこれを助長することがあるのかどうかについてちゃんと評価を行わなければならないと。 これまでも武器輸出三原則に基づいて日本政府は厳格な輸出管理体制を取ってきておりますけれども、それでも自衛隊の装備品の海外移転というのは二千件を超える移転を行ってきております。 この条約に基づいて、所有権が移転しない場合には評価はしなくていいという解釈であるようですけれども、それでも、それ以外の所有権が移転する部分については、全て国際人道法、人権法について抵触するのかどうかということをちゃんと評価をしなければならないという、これは結構大事な点だと思いますので、是非政府一体となって認識していただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 その上で、私から提案させていただきたいのは、今回、四月一日で防衛装備品移転に関する新たな輸出三原則が閣議決定されまして、今日でしょうか、その閣議の議事録が、日本憲政史上初めて閣議の議事録が公開されるに至ったということ、国民への情報公開促進という観点からも高く評価をしたいと思っておりますが、今回の防衛装備品移転の新原則におきましては、関係省庁と連携した上でNSCで決定する場合、移転の許可を与える場合に、その都度情報公開を行うということになっております。また、さらに、年間どういう海外への移転が行われたかを年次報告を作成するということになっております。 こうした国民への情報公開を行う際に、先ほど来申し上げております国際人道法、国際人権法の重大な違反を犯しているのかどうか、こういったことをきちんと評価を行って、その評価の結果、適正であったと、この条約に抵触しないということを、どういう評価を行ったかということをきちんと国民への情報公開の内容に含めるべきではないかということを御提案させていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(田中良生君) この防衛装備移転三原則におきましては、NSCで審議されて、そして海外移転、これが実施するということになった案件については、やはりその背景あるいは目的を含めてその概要の公開を図ることとされているものであります。その際には、従来、個別に例外化措置、これを講じてきた場合と比べて透明性に欠けることのないように留意していくということとしているものであります。 また、この防衛装備移転三原則の運用指針、これにおいては、経産省といたしましては、防衛装備の海外移転の許可状況について年次報告書、これを御指摘のとおり作成して、国家安全保障会議において報告の上、公表するということとされております。この年次報告書の具体的内容についてでありますが、今後詰めていくということになりますが、防衛装備の海外移転の件数ですとか累計、また仕向国、地域等の統計を含めて整理をして示していきたいと考えております。 いずれにいたしましても、この防衛装備の海外移転については、新たな原則の下に、政府としての判断結果について適切に情報公開、これを図ることによって透明性を確保して、国民に対して説明責任、これもしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○石川博崇君 今政務官御説明いただきましたとおり、移転の許可を与える場合、その都度情報公開を行っていただく、また年次報告をする、その具体的な報告内容については今現在検討中というふうに認識しております。 そういう意味で、今回この武器貿易条約の締約国になる我が国が、きちんと毎回移転するたびに国際人権法、人道法上の評価を行っているということを国際社会にしっかり示すということが、これまでこの条約を原提案国としてリードしてきた我が国としてのある意味責務として示すことができるのではないかというふうに思っておりますので、今後の情報公開の在り方、内容について検討される際に、是非この点、どういう評価を行ったかということを盛り込むことを御検討いただきたいというふうに御要望させていただきたいというふうに思います。 その上で、七条の三項、今の同じ項目ですが、七条三項には、これらの評価を行った上で、もしその結果が著しい危険性が存在すると認める場合には、当該輸出を許可してはならないという規定がございます。評価を行っていただいて、当然日本として厳格な評価を行っていただくことになろうかと思いますが、その上で、著しい危険が存在する場合ということを日本政府としてこれは判断しなければならないんだというふうに思います。これは、総合的な判断がもちろん必要になってこようかと思いますが、どのような場合に、じゃ著しい危険性が存在するかどうかということを考えていくのかということ、この基準作りというのはなかなか難しいものがあろうかと思います。 例えばの例で申し上げさせていただきますと、イスラエルが紛争当事国に入るのか入らないのかという議論はよくございますけれども、イスラエルが設置をしております、西岸との境目に設置をしております壁、西岸の西岸壁というものがありまして、この壁についてかつてICJが勧告的意見を述べたことがございます。このICJの勧告的意見におきまして、イスラエルが設置したこの西岸壁は、国際人権法そして人道法の違反というふうにICJは勧告をしております。 そのことを踏まえて、先ほど来言っております、日本が防衛装備品を移転する際に、第六条三項及び七条の規定を踏まえれば、こうしたICJの勧告的意見において国際人権法、人道法違反とされている国に対する防衛装備品の移転に該当するのかどうか、これを判断する一つの要素にもなり得るかと思いますが、こうした、実際にどういう点が著しい危険が存在する場合と考えていくのか、外務大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のとおり、輸出を行う締約国はこの条約の規定に従って輸出の評価等を行うこととなっておりますが、国際人道法そして国際人権法、こうしたものに対する重大な違反等を生じる著しい危険性が存在すると認められる場合は当該輸出を許可してはならない、こういった規定が存在します。 そして、そのような著しい危険性が認められる場合といたしましては、例えば輸出しようとする通常兵器が、一九四九年のジュネーブ諸条約及び同諸条約の第一追加議定書や、生命に対する固有の権利や拷問又は残虐な刑罰の禁止などについて規定した市民的及び政治的権利に関する国際規約の重大な違反を犯し、又はこれを助長する目的のために使用される場合が挙げられます。こうした場合には、この条約に従って輸出を許可してはならないと考えられます。 そして、イスラエルへの防衛装備の移転についてですが、仮に我が国が同国への防衛装備の移転を検討するにしても、この条約の第六条3及び第七条の規定を踏まえて、防衛装備移転三原則に基づいて個別具体的に判断されるということになると考えます。 なお、委員も御指摘になられましたように、このICJ勧告的意見において、パレスチナ占領地の内側にあるイスラエルによる壁建設が国際法に違反し、この違法な状態を終了させる義務があるとされていることについては認識をしております。
○石川博崇君 そこも十分留意して関係省庁との連携の中で検討していただき、極めて抑制的に、また慎重に行っていただくことを求めておきたいというふうに思います。 さらに、この武器貿易条約の締結を受けまして、先ほど来何人かの先生方からも午前中質疑にございましたけれども、実効性を確保していくということが非常に重要だというふうに考えております。特に、主要な武器輸出国・輸入国でありますロシア、中国、インドといった国々が条約案の採決の際に棄権をしたということは大変残念な結果でございます。 日本は、これまでこうした二国間協議などを通じてこれらの国に対しても署名あるいは締結について働きかけをしてきたというふうに大臣も委員会で答弁されておりますけれども、そうした働きかけの結果、こういうロシア、中国、インドといった主要な武器輸出国・輸入国が参加できなかったということは、やはりまだまだ働きかけが十分でなかったんではないかということを認識すべきではないかというふうに思いますが、大臣、御所見をお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この条約の実効性を高める上からも、主要な武器貿易国を含め、可能な限り多くの国々が締結すること、極めて重要だと認識をしております。 昨年九月、国連総会の際に開会されました武器貿易条約ハイレベル会合におきまして、私自身出席した上で主要な武器貿易国の締結を呼びかけたわけですが、我が国はこれまで二国間協議等の機会に、ロシア、中国、インド、米国、東南アジア諸国等に対しまして、早期の署名及び締結を行うよう働きかけを行ってきております。 現時点におきまして、ロシア、中国、インドなどのこの条約締結への見通し、明らかではありませんが、例えば中国は昨年十二月に国連総会で採択された武器貿易条約に関する国連総会決議に賛成をいたしました。この決議は、条約の採択を歓迎し、そして各国に条約の署名、締結を求める内容を含むものであります。 こうした国々も含めて、是非、主要武器貿易国、さらにはアジア諸国、こういった国々を中心に未締結国に対して引き続き働きかけを行っていきたいと考えております。
○石川博崇君 今後も引き続き、二国間協議の場等あるかと思います、こうした主要国との間では、しっかり我が国として武器貿易条約により多くの国が参画していくことが極めて重要と考えているというメッセージを継続的に発信し続けていただきたいというふうに思います。 また、あわせて、こうした主要な武器貿易国以外でこの武器貿易条約に取り込んでいかなければならない国として、やはり紛争当事国となり得る、またそうしたケースが多いアフリカあるいは中東の地域の国々を巻き込んでいく必要性あるいは重要性というものを我が国として認識しておくべきというふうに思っております。 国連におきましては軍備登録制度というものがございまして、これまでは任意で各国が通常兵器の輸出入に関する報告を行える制度がございますが、残念ながら、こうしたアフリカや中東地域からはこうした国連の軍備登録制度の参加率というのは大変低いということがこれまで課題となってまいりました。 こうしたアフリカ、中東の地域の国々に対して条約締結を働きかけていくべきだというふうに思いますが、こうした国々が参加しやすい状況、環境を築いていくことも重要だというふうに思っております。 こうした各国が参加しやすい環境醸成を我が国として具体的にどのように行っていくのか、併せて外務省から御説明を、所見を聞かせていただけますでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) アフリカ、中東地域のうち、この条約を締結しているのは現在ナイジェリアとマリのみでございます。全体でこの条約を署名している三十五か国ではございますけれども、これらの国は本件条約の趣旨に基本的に賛同する立場に立っていると考えております。 この条約の実効性を高めるためにも、委員御指摘のとおり、これらの地域を含め、可能な限り多くの国が締結をすることが大変重要である、このように考えております。この観点から、岸田外務大臣も、昨年九月の国連総会において開催されました武器貿易条約のハイレベル会合においては、こういった国々に対して早期の署名の締結を呼びかけてまいりました。 先ほど大臣からもございましたけれども、引き続き様々な機会を捉えて、アフリカ、中東地域も含めて、全ての未締結国に対して早期の署名を、締結を働きかけてまいりたいというふうに思っております。 各国が参加しやすい状況をどのように築いていくかということでございますけれども、この武器貿易条約のいわゆる普遍性の促進というものが大変必要だと、こういうふうに思っておるところでございます。そういうことで、例えば、特に途上国の参加を容易にするためにアジア輸出管理セミナーを始めとする国際協力を通じて、輸出国管理分野における能力向上に貢献をしておるところでございます。 今後は、この条約の発効後に開催されます締約国会議において、この条約の実施及び運用、特にその普遍性の促進に関する勧告の検討及び採択が行われることとなります。我が国は、申し上げたようなこれまでの取組を継続しますとともに、この締約国会議において、締約国が最優先課題の一つとしてこの条約の普遍性の促進に取り組み、未締結国が条約に参加しやすい状況を築いていくため、しっかりとリーダーシップを取ってまいりたいと考えております。
○石川博崇君 是非、こうした紛争、発生する可能性の高いアフリカや中東の国々の参加がより広がるように、日本としてリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 その上で、こうした途上国が特に参加していく上で、この条約の中の第十六条一項には、締約国はこの条約を実施するに当たり援助を求めることができるとされております。司法上又は立法上の援助、制度上の能力の構築及び技術的、物的又は財政的な援助を含むとされておりまして、こうした求めることができる援助には、さらに、貯蔵管理、武装解除、動員解除及び社会復帰の計画、法令のひな形並びに条約の実施の効果的な方法に関するものが含まれる、このような援助を求めることができるとされておりますのを是非呼び水にしていくべきではないかというふうに考えております。 我が国は、これまでもODAを通じて、先ほど副大臣から御説明ありましたとおり、小型武器の管理や輸出入管理等の強化といった支援を行ってまいりましたけれども、この条約の発効を受けて、さらに、こうした分野、ODAを活用して取り組んでいくことが我が国の積極的平和主義にもかなった方針ではないかと考えますが、外務大臣、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この条約の実効性を高めるためには、途上国がこの条約を実施できるための支援を行う、これ大変重要な取組だと考えています。 我が国は、従来からこの小型武器問題に関する支援、幅広く行ってきており、関連法制度の整備支援、あるいは法執行機関への能力構築、あるいは武器回収及び廃棄、こうしたものに取り組んできたところであります。是非、こうした支援につきましても積極的に実施しながら、この分野における国際的な取組を引き続きリードしていく、こうした主導的な役割をしっかり果たしていきたいと考えております。
○石川博崇君 また、今大臣から力強い御決意をいただきましたけれども、あわせて、この第十六条の三項には、この条約を実施するための国際的な援助を要請する締約国を援助するため、締約国により任意の信託基金が設置されるとされておりまして、締約国は当該基金に拠出することが奨励されると規定をされているところでございます。こうした信託基金が今後締約国会合などで立ち上がって、各国の拠出を求めてくることになるのではないかと想定されております。 我が国としてこの信託基金に対してどのように対応していくのか、原提案国であり、またこれまでの交渉をリードしてきた我が国としての存在感をしっかりと示していくべきではないかというふうに思いますが、大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたように、条約の実効性を確保するために、こうした途上国を支援していくということ、大変重要な取組であり、我が国も、我が国としてはこれまでも支援を行ってきましたが、引き続き主導的な役割を果たしていきたいと考えております。 そして、その中にあって、御指摘のこの条約が設置する信託基金についてでありますが、これは条約発効後に開催される締約国会議において議論が行われると承知をしておりますが、是非この議論にも我が国としまして積極的に参加をしていきたいと考えております。この締約国会議の議論を通じまして、この信託基金のありようについてもしっかりと貢献をしていきたいと考えています。
○石川博崇君 外務省に確認させていただきたいんですけれども、この信託基金、これからの設置でありますけれども、この信託基金、実際に、いろんな途上国における法制度の向上であったり、能力向上、技術援助等をやっていくことになると思いますが、こうした具体的なプログラムの策定あるいは信託基金の運用管理というものはどの機関が実施することになるかというのはもう決まっているんでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘あります信託基金、これを財源といたします国際的な援助プログラム、その内容、実施機関ということにつきましては、この条約の発効後に開催される締約国会議において検討が行われるということになっております。我が国としては、その検討に積極的に参加をしていきたいというふうに考えております。
○石川博崇君 今、二〇一四年四月現在で、署名国数が百十八、そして締約国数が三十一ということで、五十か国の締結により発効する段階でございますから、まだ、具体的な中身については、今御説明のありましたとおり、その発効後に開かれます締約国会議によって議論がなされるということかというふうに思います。 そういう意味で、これから具体的に設置されてまいります事務局あるいはこの締約国会議、ここにどういうふうに我が国として参画し、あるいは貢献していくかということが実は肝になってくるのではないかというふうに考えております。 条約の第十八条では事務局が設置されるというふうに規定されておりますけれども、我が国としてこの事務局の誘致ということにも取り組むことは一案として考えられるのではないかというふうに思いますが、この事務局、世界中のどこかに置かれることになるわけですけれども、これを我が国として誘致するお考えはありませんでしょうか。
○副大臣(岸信夫君) この条約によりまして設置されます事務局については、現在、スイスのジュネーブ、またオーストリアのウィーン、そしてトリニダード・トバゴが誘致の意思を示しているところでございます。今後、条約発効の前に開催されます準備会合におきまして、それぞれの候補地のメリット、デメリットについて議論が行われた上で、第一回締約国会合において設置国、都市が決定される予定でございます。 事務局の誘致に際しましては、既存の関係機関との連携の視点が重視されているということもございまして、我が国として現時点で事務局を自国に誘致するという考えはございませんけれども、条約実施のための効率的な運営が最も確保されている国を見極めた上で立場を決定していきたいと考えております。
○石川博崇君 確かに、軍縮代表部等が集まっておりますジュネーブであったり、あるいは軍縮・不拡散についての議論が盛んに行われておりますウィーンといった国々でのこの事務局の存在というのが、各国がきちんと議論しやすい場所という意味ではよりふさわしいという考え方もあろうかというふうに思います。 いずれにしても、どこに置かれるかというのはまだ決まっていないわけでございますが、どこに置かれたとしても我が国としてその事務局に邦人職員をきちんと置いておく、そして日本としてその事務局の中の運営であったり意思決定であったり、そういったことに参加しやすい体制を整えておくということが極めて重要だというふうに考えますけれども、こうした事務局への人的な貢献について今外務省はどのようにお考えか、御説明、お願いをいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、国連を始め、国際機関における邦人職員の増員、重視しておりまして、これまでも様々な取組を行ってきております。そして、様々な分野の中でこの軍縮・不拡散分野、我が国外交における重点分野の一つであると認識をしています。是非、この軍縮・不拡散の分野においては人的貢献も含めて積極的に関与していきたいと考えております。 よって、この条約の実施についても是非積極的に関与していきたいと考えます。具体的には、この条約に基づき設置される事務局への日本人職員の送り込み、あるいはこの条約の発効後に開催される締約国会議等への我が国の専門家の派遣、こうした形で様々な人的貢献を検討していきたいと考えております。
○石川博崇君 我が国は極めて厳格な輸出入管理を行ってきている、国際社会の中でもそうした知見は貢献できる重要な分野であろうかというふうに思いますので、是非、こうした専門家の派遣であったり、あるいは事務局に対する邦人職員の送り込み、大臣、精力的に取り組んでいただければということをお願いさせていただきたいと思います。 さらに、締約国会議への貢献というものも大事でございます。先ほど来話がございましたとおり、様々な事項というのは、この条約が発効した後開催されます、発効後一年以内に招集されるとされております締約国会議によって様々なことが決まってくるわけでございますが、この締約国会議は毎年一回行われることとなっていると承知をしております。第一回目についてはメキシコが手を挙げているということを伺っておりますが、その後も毎年開かれるわけでございます。 この締約国会議、いずれかの段階で是非日本で開催するということを、早めにその受入れの用意があるということを表明しておくことが大事ではないかと思いますけれども、大臣、御所見をお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御案内のとおり、我が国はこの条約については作成の検討を開始する国連総会決議の原共同提案国の一つともなりましたし、また、二回の国連会議における副議長も務めました。条約案の作成及び採択に大きく貢献をしてきたところであります。是非、今後とも御指摘の締約国会議においても議論を積極的にリードしていきたいと考えております。 そして、これも御指摘がありましたが、第一回締約国会合については現在メキシコがホストをする、こういった意向を表明しております。しかし、将来的には、締約国会議をホストする可能性も含め、どんな対応が適当なのか、是非しっかりと検討していきたいと考えております。
○石川博崇君 早めに手を挙げておくということが各国の理解も得られるかと思いますので、是非、検討を早めにしていただいて、早めに結論を出していただきたいと思っております。 また、続きまして、この条約発効後にどういったことを取り組んでいくことが必要かということについて指摘をさせていただきたいというふうに思います。 午前中の質疑で牧山先生からも御指摘がありましたけれども、この条約の締約国は、武器の移転の内容について毎年事務局に報告することが義務付けられております。一方で、この報告書の内容については、どういったことを報告するかということは各国の裁量に委ねられているため、その報告内容をどうしていくかという議論が今後締約国間で行われていくことになるというふうに認識をしております。 我が国としては、是非、条約の実効性、そして武器貿易の透明性を高めていく観点からも、各国がより詳細な報告を提出する方向で議論をリードしていただきたいというふうに考えております。数量、取引先、相手国、兵器のモデルあるいは価格など、こうしたことが盛り込まれていくような報告書を是非各国から提出させることを義務化していくことが重要かというふうに思います。 そういう意味で、報告書のフォーマット作りということが重要なのではないかと思います。どういう項目を報告していくのかというこのフォーマットを我が国として作っていくことを働きかけていくべきと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘ございましたように、この条約十三条三項の規定によりまして、締約国、通常兵器の輸出入に関する報告というものを事務局に提出することとなっております。 午前中も質疑ございましたように、報告の内容ということにつきましては、国際連合軍備登録制度を含む国際連合の枠組みに提出した情報と同一の情報を含めることができることになっているというのが条約の規定としてございます。したがいまして、内容的には、具体的には通常兵器の輸出入の数量及び相手国などが想定をされるところでございますけれども、今委員からも御指摘ございましたように、その詳細というのは条約発効後に開催をされる締約国会議で検討されるということになっているところでございます。 我が国といたしましては、この条約の趣旨といいますものは通常兵器の国際貿易の透明性を高めるということにある、それによって関係国間の信頼醸成を図るということにあるというふうに考えておりますので、今委員から御指摘ありましたフォーマット作りということの可能性も含めまして可能な限り通常兵器の国際貿易の透明性が確保されるように、報告内容の議論に積極的に参加をしていきたいというふうに考えております。
○石川博崇君 是非、各国が統一的なフォーマットで報告するという体制を組めるよう、日本から前向きな提案をしていただければというふうに思います。 また、あわせて、今回の条約で規定されております通常兵器の範囲というものは、各国の交渉、厳しい熾烈な交渉の結果、戦車、装甲戦闘車両、大口径火砲システム、戦闘用航空機、攻撃ヘリコプター、軍艦、ミサイル及びその発射装置、小型武器及び軽兵器と、ある意味で我が国が当初想定していたよりも極めて限られた分野のみが対象の通常兵器の範囲になったわけでございます。 我が国は、交渉当初は武器貿易条約の対象として広く通常兵器全般を含むべきというのが我が国の当初の立場でございました。そしてまた、さらに武器専用の部分品及び附属品、武器専用の製造関連設備、並びに武器の製造等に係る専用の技術についても対象に含めることについて検討していくべきであるということを我が国は表明をしておりました。 その後、交渉の結果、各国の様々な主張もありこうした結論になったわけでございますが、我が国としては、引き続きこうした広い範囲を対象に含むべきという立場であるということを確認をさせていただきたいとともに、この条約は六年後に改正案を提案することができるとなっておりまして、発効後六年後に改正に向けての国際的な議論が始まることが想定されております。当然、各国様々な主張、思惑がございますから、そう簡単に対象が広がるというふうには、交渉は容易ではないと思いますけれども、我が国のこの一貫した立場ということはきちんとメンションしておくべきではないかというふうに思いますけれども、政府の御見解をお伺いいたします。
○副大臣(岸信夫君) 我が国は、締約国が可能な限り広範囲の武器の貿易に関して責任ある対応を取るべきとの観点から、委員が今御指摘のとおり、武器の専用の製造関連設備についても条約の規制対象の範囲に含めるべきとの立場で交渉に臨んでまいりました。 ただ、これの範囲につきましては、交渉で各国が激しい対立があったわけでございます。そのような設備を含めることについても慎重な立場の国が多かったため、結果として条約の規制対象の範囲に含めるには至らなかったという経緯がございます。 ただ、我が国としましては、国際社会が可能な限り広範囲の武器の貿易に関して管理を強化すべきとの立場に変わりはございません。まずは、この条約が早期に発効すべく、我が国がこの条約を締結するとともに、主要な武器貿易国を含むできる限り多くの国の締結を働きかけていくことが重要であると、こう考えてきた次第でございます。
○石川博崇君 時間が、済みません、来てしまいましたので、以上で質疑を終わらせていただきます。グアム協定についてもお伺いしたかったんですが、武田副大臣、せっかく来ていただいていたんですが、申し訳ございませんでした。 どうもありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。 武器貿易条約及びグアム移転協定についてお聞きする前に、まず、ちょっと韓国のフェリー沈没事故についてお伺いしたいと思います。大変痛ましい事故で、隣国として何とか力になれないかというふうにお思いの方は大変多いんじゃないかと思います。そこで、この事故の救援に関する現時点での事実関係について確認をしておきたいと思います。 我が国政府は今回の事故に関し、国交大臣は、海上保安庁としては、韓国側に対しまして、直ちに、特殊救難隊や潜水士というかなり優れた技術を持った部隊がありますから、協力を申し入れ、また現場の第七管区からもカウンターパートに直接協力の申出をしているところというふうに声明を発表されております。そして、防衛大臣も、韓国側から要請があれば、自衛隊としても、特に掃海艇やダイバーの派遣など、できる限りの支援を考えている、佐世保の掃海艇が二隻、下関の掃海艇が一隻及び呉の掃海母艦一隻に加え、ダイバー多数を派遣可能な状況にしておりますので、要請があった場合には私どもとしても速やかに対応していきたいと、支援の大変具体的な申出を行っているというふうに思っておりますけれども、韓国政府から我が国に対して要請はあったのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 本件に関しましては、現在、韓国におきまして懸命な救助活動が行われているわけですが、現在の段階では我が国に対しまして具体的な支援の要請は届いておりません。我が国としては支援の要請は受けてはおりません。 我が国の考え方は、委員の御指摘のような様々な支援の用意に加えまして、安倍総理から朴槿恵大統領、そして私から尹炳世外交部長官へもお見舞いのメッセージを送り、そのメッセージの中に、韓国側から支援の要請があればできる限り対応したいという考え方も示させていただいているところであります。しかし、今のところ要請はないということでございます。
○中西健治君 海上保安庁にお伺いしたいと思うんですが、事故当日に海上保安庁から協力を申し入れたものの、韓国海洋警察よりお断りがあったと聞いておりますけれども、事実関係について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岸本邦夫君) 本件事故発生後、当庁におきましては、情報収集を行うとともに、先ほど先生も御指摘されましたように、第七管区海上保安本部から南海地方海洋警察庁に対し、また本庁から韓国海洋警察庁に対し、それぞれ捜索、救助に関する協力について申出を行いました。これに対し、韓国側から、当庁の申出に対して謝意は示されましたが、今のところ韓国側から正式な協力要請はございません。 私ども当庁としては、今後も緊密に連絡を取り合って、捜索、救助の協力要請があればいつでも対応できる体制を取っているところでございます。
○中西健治君 アメリカの海軍は強襲揚陸艦やヘリコプターを事故現場に派遣しているようでありますけれども、これは韓国政府の要請に基づいているというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 韓国の国防部の発表によりますと、韓国側の要請に基づき、近くの海上に位置していた米海軍艦艇がヘリコプター二機を事故海域に派遣したということを承知をしております。
○中西健治君 中国も協力を表明しておりますけれども、実際に支援は行われていないということのようであります。要請がないということなのかもしれません。 もう一度外務大臣にお伺いしますが、韓国政府のこうした海外からの支援の申出に対する対応について、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 韓国による懸命な救助活動が行われると承知しており、我が国として、行方不明の方々の一刻も早い救助を心からお祈り申し上げる次第であります。 韓国の対応についてどう考えるかという御質問ですが、我が国としましては、先ほども申し上げたように、安倍総理あるいは外務大臣からお見舞いのメッセージとともに、支援の要請があればできる限りの対応をしたい、こういった考え方を伝えさせていただいております。要請があれば、我が国としましては全力を尽くしたいと考えております。
○中西健治君 我々も、ニュースに接しながら、一刻でも早く一人でも多くの方が救出されればいいなというふうに願っているわけでありますので、政府はそうしたメッセージを送り続けていただきたいと思います。 それでは、武器貿易条約についてお伺いしたいと思います。 本条約の規制対象がかなり狭められてしまったということがこれまでも指摘されているわけでありますけれども、規制対象から、個別具体的に申し上げますと、地雷や手りゅう弾が対象外というふうになっているわけでありますけれども、対象外となった理由についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 委員御指摘の地雷、手りゅう弾を含めまして、この条約の規制対象をどのような範囲にするかという点につきましては、交渉の最終段階まで各国の意見がかなりいろいろと議論があった論点の一つでございまして、ぎりぎりの交渉で条約案がまとめられたという、そのような経緯がございます。 地雷について申し上げますと、この条約の第二条の一項で列挙されております通常兵器のカテゴリーには含まれておりませんけれども、条約の第三条の規定によりまして、この条約が対象としております大口径火砲システム、戦闘用航空機及び攻撃ヘリコプターから発射をされる地雷、これはいわゆる遠隔散布地雷と言われるものでございますけれども、これにつきましてはこの条約の対象とする弾薬類に含まれるために、この条約上の移転の禁止、また輸出規制の対象となるということでございます。 また、地雷に関しましては、我が国が締結をしております対人地雷禁止条約におきまして、対人地雷の開発、生産を始め、移譲も禁止をされているということでございます。 手りゅう弾につきましては、我が国として、国際社会が可能な限り広範囲の武器の貿易に関して管理を強化すべきという、そのような立場でこの条約の交渉に当たったというところでございますけれども、現状といたしましては、まずはこの条約の早期の発効ということに向けまして、我が国自身の締結、それから主要な武器貿易国を含むできる限り多くの国の締結ということについて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○中西健治君 ひとまずはここで、まとまれるところでまとまったということだろうというふうに思いますが、今後、是非これをまた改定すべく、改善すべくやっていただきたいというふうに思います。 本条約に関わる各国の動きについてお伺いしたいと思いますが、アメリカ及びEUはこちらの条約の締結に向けてどのような動きだったか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 米国につきましては、当初、武器貿易条約の構想というものについて反対をする立場でございましたけれども、この立場から、条約案のコンセンサスによる採択というものを条件に支持する立場というものに転じました。そして、二回の国連会議にも積極的に参加をいたしております。我が国といたしましては、米国のこの条約への参加というものを重視をして、交渉においても米国と緊密に意思疎通を図ってきたところでございます。 その米国でございますけど、二〇一三年三月に行われました最終国連会議において、最終的に作成された条約案を支持をすると、そしてまた四月の国連総会における採択にも賛成票を投じるということで対応しておられます。また、昨年九月の二十五日にケリー国務長官がこの条約への署名を行っているということでございます。 EUにつきましては、ドイツ、フランス、イギリスを始めとして既に十七か国が締結をしておりまして、二〇一四年中に更に締約国が増えるという見通しもあるところでございます。
○中西健治君 この条約の実効性を高めるにはどうすればいいのかということが各委員から疑問が呈されておりまして、質問が投げかけられておりましたけれども、特にロシアや中国といった国が挙げられてどうするのかということを質問されておりましたが、大臣の方からも、働きかけ、これまでも行ってきたし、今後も強めてやっていくというようなお話だったと思いますので、ちょっと私は角度を変えてまた質問させていただきたいと思いますが、今般閣議決定された防衛装備移転三原則との関連でお伺いしたいと思います。 我が国の武器輸出、防衛装備の移転に関する規制というのはこの武器貿易条約よりも厳しいものであるということが先ほど来答弁行われていたと思いますけれども、そうしましたら、我が国が防衛装備移転する相手国として、この武器貿易条約に入っていないような国若しくは反対したような国、こうした国は想定できないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(北野充君) 防衛装備移転三原則につきましては、午前中以来答弁がございますように、防衛装備の移転に際しまして我が国として策定をいたしました我が国の政策でございます。 この実施に当たりましては、どのようなときに移転をしないということについてもこの移転の三原則の中で定めているところでございますけれども、その考え方に基づきまして個別のケースによって判断をしていくというのが基本的な考え方でございます。
○中西健治君 この防衛装備移転三原則を見ますと、原則一の一で、我が国が締結した条約の義務に違反する場合と、こういうふうに掲げられておりまして、その中に武器貿易条約の義務の実施を含むと、このように書かれております。 となりますと、この武器貿易条約、これ昨年の四月の国連総会で採択をするために決議案が採決がされたわけでありますけれども、ここで北朝鮮、シリア、イランの三か国は反対をしております。そもそもこうした武器貿易条約に反対しているこうした三か国などは、移転三原則の原則の一の一から照らしてみたら当然輸出先には当たらないということが言えるんじゃないかと思いますが、この貿易条約と防衛装備移転三原則との関連を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘ございましたように、防衛装備移転三原則におきましては、我が国としての締結をしている国際約束、それによって禁じられているものというものはこれは移転をしないと、そのような原則というものを定めているところでございます。 その上で、その原則とこの条約との関係ということで申し上げますと、我が国、武器貿易条約におきましては、幾つかの場合にはこれは輸出をしないという、そのような原則というものを定めております。御案内のとおり、この条約の六条に規定をされている諸事項でございまして、安保理決議に違反する場合、それから国際条約に違反する場合等々でございます。そのような場合には我が国としては移転をしないというのが、これが防衛装備移転三原則とこの武器貿易条約との関連ということになるというふうに考えております。
○中西健治君 一つまた国名を挙げてお聞きしたいんですが、インドは本条約の採決するに当たって棄権をしておりますけれども、このインドという国に対しては防衛装備品の移転の案件があるというふうに私自身は承知をしておりますけれども、この武器貿易条約採択に棄権をしている、ですから当然入っていないわけですけれども、そうした国に対して防衛装備品を移転するということの妥当性についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 新たな防衛装備移転三原則ができましたので、この三原則に基づきまして、どのような事例であれば移転が認められるかということについての厳格な審査を行っていくと。この三原則の中で、どのような場合には移転がされないということ、それからどのようなことを考慮をするかということについても定められているというところでございます。 先ほどの答弁とも若干重複して恐縮でございますけれども、武器貿易条約との関連でいいますと、武器貿易条約の禁止事由に当たるようなものについては防衛装備移転三原則の下で移転がされるということにはならないということでございます。
○中西健治君 いずれにせよ、この武器貿易条約についてどういうスタンスなのかということについても、今後、防衛装備品を移転するかどうかについて考慮のポイントとして是非考えるべきであろうというふうに私自身は考えております。 さて、もう一問この防衛装備移転三原則に絡んでお伺いしたいと思うんですけれども、移転を認める場合NSCにおいて厳格審査を行うとされております。特に慎重な検討を要する重要な案件について厳格審査を行うということでありますが、この厳格審査を行う判断基準、何が慎重な検討を要するものに当たるのかどうか、これについて見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(武藤義哉君) 防衛装備移転三原則、それから防衛装備移転三原則の運用指針の下では、まず、防衛装備の海外移転に関して、同様の類型について過去に政府として海外移転を認め得るとの判断を行った実績がない案件については、これは全て国家安全保障会議幹事会で審議をすることといたしております。さらに、その中で、移転を認める条件の適用とか仕向け先等の適切性、安全保障上の懸念の程度等について特に慎重な検討を要する重要な案件とされたものについては国家安全保障会議で審議をするということとしてございます。 国家安全保障会議で審議する重要案件であるか否かにかかわらず、防衛装備の海外移転の可否についてはあくまで個別具体的に判断する必要がありますけれども、当該判断に当たっては、まずその三原則、それから運用指針において限定されている防衛装備の海外移転を認め得る案件に該当するか否かを検討することはもとより、当該案件に該当するものについて、仕向け先及び最終需要者の適切性、当該防衛装備の海外移転が我が国の安全保障上及ぼす懸念の程度の二つの視点を複合的に考慮して、移転の可否を厳格に審査をすることとしてございます。
○中西健治君 ということは、まず局長レベルでの幹事会で審議を行って、その中で更に必要だと思われるものについてケース・バイ・ケースでNSCに上げていくと、そういうことでしょうか、平たく言うと。
○政府参考人(武藤義哉君) 御指摘のとおり、まず幹事会の方で、今申し上げたような、同様の類型について、過去に政府として海外移転を認め得るとの判断を行った実績がない案件については全て局長レベルの幹事会で審議をすると。その上で、特に慎重な検討を要する重要な案件とされたものについては国家安全保障会議で審議をするということでございます。
○中西健治君 経産省にお伺いしたいと思うんですが、今NSCにどういうものが上げられるんですかということを聞いたわけですが、上げられた案件についてはその都度公表を行われるというふうに私は理解しております。情報公開法に基づいて情報公開の対象となるというふうに理解しておりますけれども、それ以外のもの、重要なものも含むんだと思います、それは経産省による年次報告の公表ということになっているかと思いますが、年次報告ということでいいますと、じゃ四月に許可したものが一年間公表されないということにもなりかねませんけれども、年次報告というのはいかにも頻度が低過ぎるのではないでしょうか。
○政府参考人(中山亨君) ただいまの情報公開についてのお尋ねでございますけれども、委員御指摘のように、国家安全保障会議で審議されて海外移転を認めるということになった場合には、もちろんその背景や目的を含めて、その概要の公開を、都度公開するということは御指摘のとおりでございます。その際には、我が国の安全、他国との信頼関係など総合的に判断するということは必要かと思いますが、いずれにしても、従来個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることがないようにということで公表してまいります。 一方、年次報告の方でございますが、ただいままだ詳細については検討中ではございますが、防衛装備の海外移転の件数、累計、仕向け先、どこの地域、どこの国に行ったかというようなことの統計的なレベルでこれを整理して御報告したいというふうに考えております。
○中西健治君 今の私の問いかけに全然答えていないんですが。 年に一回では少ないのではないかというのが私の意見ですが、見直しをそうした観点からする可能性はあるでしょうか。
○政府参考人(中山亨君) 年次という部分については、これもNSCで決定していただきました運用指針の中に既に書き込んでございますので、現時点では年次は年次でやらせていただければというふうに考えております。
○中西健治君 これから情報公開の観点から少ないんじゃないかということがまた声として大きくなってくれば、是非見直していただきたいと思います。 ちょっと残った時間でグアム移転協定についてお伺いしたいと思いますが、今般の協定では条文上、合衆国の二〇〇八会計年度ドルで二十八億合衆国ドル、二〇一二会計年度ドルで約三十一・二億ドルの額を限度としてというふうになっておりますが、二〇〇八年が二十八億ドルで二〇一二年になったら三十一・二億ドルになっちゃっていると、上昇しているということでありますが、この金額の変化について御説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(冨田浩司君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、現行協定におきましても、改正議定書におきましても、我が国の提供する資金の額は名目では二十八億ドルを限度とするということでございます。他方、実質額で申しますと、現行協定がアメリカの二〇〇八会計年度価格であるのに対して、改正議定書では二〇一二会計年度価格ということになっておりますので、委員御指摘のような額の違いができているわけでございます。 お尋ねはこれら二つの数字の間の換算の方法についてというふうに承知をいたしましたけれども、これにつきましては、現行協定第六条の下で、この協定の実施について日米間で協議をするという条項がございます。その条項に基づく協議の結果、米国の主要な建設物価指数、この変化を係数としてこの換算を行うということで合意をしているところでございます。
○中西健治君 建設物価指数を使っているということでありますけれども、資材というのはアメリカからだけ輸入をするものなんですか。アメリカからだけの資材を使って造るものなんですか。日本の物資も使ったりするんじゃないんですか。とすれば、消費者物価指数、物価指数の高いアメリカの指数だけを用いるということの妥当性について疑問が生じますが、そこら辺はどうお考えなんでしょうか。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 在沖海兵隊のグアム移転事業に係ります個別の事業につきましては、米海軍において具体的に契約業務を発注して受注業者を決めると。私ども、その際には、当然グアムにおきます建設事業でございますので、基本的には米国における資材といいますか、そういったものを使って建設工事がなされるというふうに理解しているところでございます。
○中西健治君 最後に、これに関連してですが、実際にこれから支出がなされていく中で、どのタイミングで日本円ベースで支出額が確定していくんでしょうか、そして、どのように残高は管理されていくということになるんでしょうか。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 まず、在沖海兵隊のグアム移転事業に係ります我が国からの資金提供については、先ほど来御指摘ありますように、二〇〇八年度米会計年度ドルで二十八億ドルを上限としておりますが、日本円で見た場合の負担額につきましては、要は資金を移転した時点での為替レート、これは各年度の具体的には支出官レートということになりますが、これによって円をドルに換算した上で計算するということにしております。また、その上で、ドルに換算した価格につきまして、二〇〇八年度価格、実質価格に戻す際には、先ほど御指摘の建設物価指数を用いて二〇〇八年度価格というものに戻すということでございます。 それで、その上で、いわゆる二十八億ドルということを計算する際の、何というんですか、仕組みと申しますか、ということでございますが、我が国として、要は実質価格へ換算された、各年度ですね、資金提供額の合計額、これが二十八億ドルを超えないように措置していくということで各年度におきます予算要求あるいは資金提供を行っていくということになるところでございます。
○中西健治君 ありがとうございました。 質問を終わらせていただきます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 武器貿易条約については、国連の下に普遍的な基準が作られることは意義があります。将来的には国際社会による通常兵器の管理を展望する上で足掛かりになるものであり、賛成であります。 その上で、新武器輸出三原則についてお聞きいたします。 最初の案件になろうとしているのが、要撃ミサイルPAC2をライセンス製造する三菱重工に対して、アメリカのレイセオン社から基幹部品の輸出要請が行われております。新しい原則では、ライセンス生産の場合は第三国への再輸出について事前同意が義務付けられておりません。日本の部品を使ったPAC2が国際紛争の助長のために使われるんではないか。これどうやって排除するんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) ペトリオット、PAC2は戦闘機等を迎撃するための装備品でありまして、国内では自衛隊向けに三菱重工業が米国レイセオン社からライセンスを受けて当該装備品の生産を実施しております。 PAC2の部品については現時点で海外移転することが決定しているわけではありませんが、一般論として申し上げれば、防衛装備移転三原則では、移転を認め得る場合について、移転先の適切性や安全保障上の懸念等を個別に厳格に審査し、また、目的外使用や第三国移転について適正な管理を確保することとしております。 いずれにしても、政府として、この新たな原則に基づき、海外移転の可否を適切に判断してまいります。
○井上哲士君 二〇一二年の十月の四日に、新しい武器輸出政策と日米欧防衛企業の対応というシンポジウムが都内で開かれております。四人発表者がおりますが、そのうち二人がレイセオン社の幹部と三菱重工の幹部なんですね。 レイセオンジャパンのCEOはこう述べております。日本の軍需産業と協力して、パトリオットシステムの生産に興味を示している世界中の新規顧客に納入したいと、数年前、レイセオン社は日本の防衛産業にパトリオットシステムの部品を製造、輸出してほしいと要請したことがあったが、武器輸出三原則によりこれは実現せずに、他の協力国に目を向けざるを得なかったと、こう述べました。そうしますと、三菱重工の代表取締役がこう述べたんですね。防衛ビジネスを海外で拡大する手っ取り早い方法はライセンス生産品の供給だと、こう言っているんですよ。世界中の顧客に売りさばきたいという会社と手っ取り早くビジネスを拡大したい会社、この二つの社がこの三原則の一番最初にこの要請をしてきたと。 私は、これはまさにこういう防衛産業の要望に正面から応えたものだと思いますが、果たしてこれで本当に国際紛争の助長のために使われることが、懸念がないのかと極めて思うんですが、改めて、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) そのシンポジウムに出席をしておりませんので詳細は分かりませんが、先ほど来お話をしておりますけど、PAC2の部品につきましては現時点で海外移転することが決定しているわけではありませんので、具体的にお答えすることは困難ですが、一般論として申し上げれば、米国からのライセンス生産に関わる部品等をライセンス元に納入する場合においては、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも防衛装備移転三原則において可能とされております。
○井上哲士君 まさに新しい原則の下で様々な拡大があるわけですね。 もう一点聞きますと、総理のインド訪問後に救難飛行艇US2のインドへの輸出協議が進んでおります。当初は軍事装備付きでは輸出できないという話でしたけれども、この新しい原則策定後は軍事の装備装着状態でも輸出が可能だということをインド側に説明したと報道もされておりますが、新原則ではなぜそういうことが可能なんでしょうか。
○政府参考人(吉田正一君) 新しい指針におきましては、まずは我が国の安全保障に資する場合かどうかというふうなこと、それから次に、そういったものが安全保障、防衛協力の強化というふうなものに資するのかどうかと。そういった中で、我が国との間で安全保障面での協力関係がある国に対しまして救難、輸送、警戒、監視及び掃海に係る協力に関する装備品の輸出と、こういうふうなものも認め得るケースというふうなこととして整理されてございますので、今後、インドとの間でこういった基準に照らしてみてどのような形になるのかというふうなことを詰める中で、今議員が御指摘になられたようなことも検討されることになるかと思ってございます。
○井上哲士君 いや、日本側がインドに対して軍事装備付きでも可能だという説明をしているわけですね。 今の運用指針の御説明がありましたが、全体に掛かって「我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国」というのが出てまいりますが、これはどういう基準なんでしょうか。今のインドでいいますと、二〇〇八年に日印安全保障宣言がされておりますけれども、そういう宣言以外でも、例えば首脳会談とか共同声明で、防衛協力の推進であるとか安全保障の対話であるとか、こういうものが確認された国も当てはまるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉田正一君) 今議員の方から御指摘になりましたようなものと、それからあともう一つは、どんなものをどのような形で移転するのかと、そういったものを全体的に勘案しながら検討がされていくものというふうに承知してございます。
○井上哲士君 私が述べたものも当てはまるということでありますが、この間、総理の一連の外遊の中で相手国とこういう防衛協力の推進などを確認をしているわけですね。つまり、対象が大幅に広がるということになるわけでありまして、新しい原則がこれまでの例外をまとめたものだというような御説明もありましたけれども、結局、例外が原則になって、大幅な輸出拡大に道を開いて国際紛争の助長につながるものになるということが私はいよいよ明らかになっていると思います。許されないということを指摘をしておきます。 次に、グアム協定についてお聞きしますが、現行のグアム協定の審議の際に私たちは、グアムへの在沖海兵隊の移転というのはアメリカの戦略に基づいて行われるものであって、事業内容も予算も、そして規模も移転の完了期日もアメリカが決めるものだと、これに従うようなことはやるべきでないし、そもそもアメリカ国内のアメリカの基地の建設に日本がお金を出すという前代未聞のことをやるのは間違いだということを指摘をしてまいりました。住宅建設に融資をして家賃で返済を受けるというような枠組みが果たしてできるのかと言っていたわけでありますが、これはもう始まる前に破綻をしてしまったわけですね。その後、日本は協定に基づいて資金提供をしたにもかかわらず、塩漬けとなってまいりました。アメリカの国内の事情で事業が凍結をされ、今回の大幅な見直しになったわけですね。 アメリカの戦略に基づくアメリカ国内のアメリカの基地に日本が資金を出すというこの枠組み自体を見直すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国はこれまで、在日米軍再編に係る日米協議におきまして、抑止力を維持しつつ、特にこの沖縄の負担を軽減するとの考え方に基づいて、二〇〇六年五月の再編のロードマップにおきまして、在沖縄海兵隊の移転の速やかな実現が可能となるよう、米国とともにグアム移転に係る施設及び基盤整備のための費用を負担することとし、二〇〇九年に発効した現行協定に基づいて米国に対し資金提供を行ってきたところであります。 今回の議定書の締結、すなわち現行協定の改正によって、二〇一二年四月の2プラス2共同発表による再編計画の調整等を踏まえた形で、在沖縄海兵隊のグアム移転の実施に必要な多年度にわたる資金提供を始めとする日米双方の行動が法的に確保されることになります。これによって調整された再編計画に基づく在沖縄海兵隊のグアム移転のための事業の実施が確実なものとなり、米軍のアジア太平洋地域における抑止力を維持しつつ、沖縄の海兵隊の削減、ひいては沖縄県の負担軽減に資する、こういったことになります。 こういった点を考慮に入れますときに、この今進めようとしている取組、是非着実に進めなければならないと考えております。そのことによって、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担軽減、早期に実現していきたいと考えています。
○井上哲士君 結局、反省なしに同じことを繰り返すのかと今の答弁を聞いて思いました。日本はお金を出すけれども、中身はアメリカが決めるということは全然変わっていないんですね。 今、速やかな沖縄の負担軽減ということが言われたので聞きますが、二〇一二年の共同発表でも可能な限り早急に完了させると言っていますが、沖縄からのグアムへの海兵隊の移転というのはいつ頃完了する見込みとされているんでしょうか。
○政府参考人(冨田浩司君) お尋ねの点につきましては、二〇一三年十月の2プラス2におきまして、在沖海兵隊のグアムへの移転は二〇二〇年代前半に開始するというめどをお示ししているところでございます。
○井上哲士君 アメリカの国防総省が十八日にこのグアムの移転についての環境影響調査の補足説明書を発表しているのを御存じないはずはないと思うんですが、その中では、二〇一〇年のアセスのときには五年以上の期間に移転が完了するとしているのを、十二年以上と大幅に変わっているんです。これでいきますと、早くても二〇二七年までは完了しないという計算になっているんですね。怒っていますよ、これは沖縄の皆さんは。沖縄の地元紙は、これはイカサマの証明だと、グアム移転の大幅遅延は在沖米軍基地の負担軽減そのものが虚構だという強い疑念を抱かせると、我々はこの異常事態を断じて容認できないというのが地元紙の社説ですよ。 話が違うじゃありませんか、どうなっているんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今、記載の話だと思います。御指摘の記載は、米海兵隊による見積りに基づくものであり、具体的な移転時期等については引き続き米側において精査されるものと承知をしております。 在沖海兵隊のグアムへの移転は、嘉手納以南の土地の返還の進展にもつながることから、早期に実現させなければならない重要な事業であり、昨年十月の2プラス2共同発表において二〇二〇年代の前半から移転を開始することとされました。今般の素案はこの内容に変更を加えるようなものではないというふうに承知をしております。
○井上哲士君 二〇一〇年のときには五年ということを言われているんですよ。それが今度は十二年以上と延びているじゃないですか。そんな答弁ないですね。 この間グアムで事業が進展しなかった直接の原因は、アメリカの議会が予算を認めなかったことですね。米議会は、グアム移転経費の一二会計年度予算の削除をする際に、日本の提供資金を含む全ての資金使用にマスタープランの提出を求めております。納税者の観点から、議会が計画をチェックするのは当然のことだと思うんですね。 この先ほどのロードマップの変更を受けて、グアムで必要になる施設、インフラ整備のスケジュール、費用の全体像を示したこのマスタープラン、五月中に提出されると報道されております。日本の資金提供に関する事業について、当然このマスタープランを日本の国会にも公表されるべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 二〇一四年度国防授権法は、米国防長官に対して、資金凍結を解除する条件の一つとして、グアムやハワイにおける分散された兵力体制を実現するための施設整備に関する計画、委員がおっしゃるマスタープランの提出を求めているということで承知をしております。これを受けて、現在、米側において、補足的環境影響評価の作業状況を踏まえながらマスタープランの策定作業が進んでいることは承知しておりますが、その提出時期についてはまだ明らかではありません。 当該マスタープランは、米国防省が米国議会の求めに応じて策定の上、提出するものであり、日本政府が積極的に提供を求めたりするものではないと考えております。必要に応じて今後その策定状況については確認してまいりたいと思います。
○井上哲士君 私、二〇一二年にも同じことを当時の田中防衛大臣にお聞きしました。これまでも米側にマスタープランについては要望を伝えてきているところでございまして、引き続き働きかけてまいりたいと思いますと、求めているんですよ。自民党政権は求めないんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しになりますが、マスタープランは米国防省が米議会の求めに応じて策定の上、提出するものであります。日本政府が積極的に提供を求めたりするものではないとは考えておりますが、必要に応じてその策定状況について確認をしてまいりたいと思います。
○井上哲士君 日本の税金も投入するんですよ。だから、日本の国会もこれを出せというのは当然じゃないですか。何でアメリカ議会はマスタープランがなければ税金投入しないのに、日本はそれなしでも税金投入できるのかという問題だと思いますが、もう一度いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) あくまでも、このマスタープランは米国防省が米国議会の求めに応じて策定しているということであります。
○井上哲士君 政府は、この外国基地への資金提供の理由を、海兵隊がグアムに移転すれば沖縄の負担軽減になるからだと説明してきました。現行協定で沖縄からグアムに移転する海兵隊は八千人、新協定ではこれが四千人に半減するわけですね。にもかかわらず、日本のグアム基地への資金提供は当時の価格で二十八億ドルと同額とされて、実際は三十一億ドルになるわけですね。 これまでの政府の説明からいっても、グアムへの移転人数が半分になるという以上、当然資金提供が大幅減額されてしかるべきだと思いますが、どうなっているんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 二〇一二年四月の2プラス2合意により、ロードマップ合意の下での計画とは異なり、沖縄からグアムに移転する海兵隊の人数が減少したというのは御指摘のとおりです。 しかしながら、本件グアム移転事業は、早期にグアムにおける施設基盤を整備し、在沖海兵隊のグアムへの早期移転を促進することを通じて、米軍の抑止力を維持しつつ沖縄の負担軽減を図るとの本件グアム移転事業の意義は変わらないということ。それから、沖縄から国外に移転することになる第三海兵機動展開部隊要員数については約九千名であり、沖縄に残る海兵隊の定員は約一万名と、ロードマップの水準から変更はないこと。それから、沖縄から移転する家族数の減少により家族住宅の整備は米側負担となり、日本の約三十三億ドルの出融資については行われなくなったということ。新たにグアム、北マリアナ諸島において共同の使用の対象となる訓練場の整備についても経費負担を行うということになったことなどを総合的に勘案し、日米間で費用負担について協議を重ねた結果、我が国は二十八億ドル、二〇〇八年米会計年度、ドル換算でありますが、を費用負担の上限とする一方、米側は残りの費用及びあるべき追加的費用を負担することとなったと承知をしております。全体として我が国の負担は適切なものと認識をしております。
○井上哲士君 住宅建設の融資については返ってくるんだということを繰り返して言ってきたわけですよ。だから、これが、問題は真水なんですね。 そして、訓練基地を造るということを言いましたけれども、そもそも自衛隊が海外にそういうものを持つこと自身が問題でありますし、要するに、人数は大幅に減っているんですから、なのにかかわらず、金額が変わらないのが適切ということは到底あり得ないと思います。 この二十八億ドルというのは、歴代政権はその必要な事業を積み上げた結果だとずっと繰り返し言ってきたんですね。そして、あくまでもこれは上限だと。合理化を図って効率化を図った分は、その分経費は減らされていくという答弁をしてきたんです。だったら、人数が大幅に減るんならば支出は削減されて当然なわけで、なのに逆に新しい訓練場の整備費用が加わったと。事業を積み上げた、なのに何で合計が同じになるんですか、違う事業を積み上げたのに。それ自体おかしいじゃないですか。 結局、二十八億ドルというのは、これ以上負担しないという上限じゃなくて、ここまでは負担するという上限になっているんじゃないですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回の2プラス2、これは二〇一二年四月の2プラス2合意ということでありますが、そこでの費用見積りは二〇一二年米会計年度価格八十六億ドルと、これが全体の金額であります。そのうち二十八億ドルを日本側が負担するということ、この合意があったということであります。
○井上哲士君 だから、その二十八億ドルというのは、最初に二十八億ドルありきじゃなくて、必要な事業を積み上げたらこの金額になったという説明なんですよ。事業の中身が変わったのに何で合計が一緒なのかと、おかしいじゃないかと私は言っております。 そもそも、何でこういう前例のない支出があって、二十八億ドルは変わらないのかと。この普天間基地の移設とグアム移転をパッケージとした、ここに私はあったと思うんですね。その理由をアメリカが明らかにしております。 これ、二〇一二年の三月二十二日に、日本の防衛省が主催をしてシンポジウムをしております。アメリカ国防戦略指針と在沖海兵隊の意義というものでありますが、このときのパネリストの一人がグレグソン元米国防次官補、この在日米軍再編のアメリカ側の担当者だった人であります。このシンポでグレグソン氏は、なぜ〇六年の日米合意で海兵隊のグアム移転と普天間の移設をパッケージにしたのかと、こういう会場からの質問に答えて、いわゆる真水が使えるようにやったと、こう回答をしております。つまり、パッケージにすることによって、日本の財政支出をのませたということをここで述べているんですね。ですから、一旦そうやって日本の財政支出の枠組みをつくったと、しかし普天間が進まないのでグアムが進まないということで今回は切離しをしたけれども、一旦つくった、日本が、財政支出という枠組みはそのまま残して、そして引き続き資金提供をさせると、こういう流れになっているから、この二十八億変わらないんじゃないですか。
○国務大臣(小野寺五典君) そのシンポジウムに出ておりませんので、発言の内容は承知をしておりませんが、いずれにしても、米国側の参加者の発言というふうに承知をしております。
○井上哲士君 防衛省主催なんですよ、これは。日本の防衛省が主催しているんです。開会挨拶は当時の防衛政策局長、西、今は事務次官ですよ。閉会挨拶は今の官房長ですよ。そこでやっている、しかも主なシンポジウムで言っている発言なんですね。 そして、当時マスコミも、グアム移転と普天間移設をセットにしたのは日本側の財政支出が目当てだったという舞台裏をあけすけに語ったものだと、大きく報道されましたよ。そんな承知していないなんという話はありません。 しかも、このシンポジウムの中身は、動画も、そして報告書も防衛省のホームページに掲載されておりますが、今私が紹介したやり取り、つまり会場とのやり取りについてはこれは載っていないんですね。不都合な真実なので隠したんじゃないですか。なぜこのことをちゃんと明らかにしないんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員にお伺いしますが、載っていないのにどうして委員は存じ上げているんでしょうか。
○井上哲士君 さっきも言ったじゃないですか。当時報道されました。私どもの関係者も中にいました。そういう発言が必ずあったんですよ。 それだけじゃありません。政府は、新たに沖縄から海兵隊の実動部隊が移動することになって訓練場が必要になったかのような説明をしておりますけれども、しかし、アメリカは当初からこのグアムと北マリアナ諸島も含めた大規模な施設を構想しておりました。二〇〇六年の当時のグッドマン米太平洋海兵隊の司令官が、首尾よく移転を進めるためにはグアム及びその周辺の世界的規模の訓練施設が必要だと当初から述べているんですね。 そして、元々訓練場建設も、日本が使う共同演習する計画があったと。これは、今紹介したグレグソン氏が現職の国防次官補時の二〇一〇年の二月に都内で講演をしておりまして、米国はグアムで自衛隊や同盟国に共同演習の機会を与え、継続的に米領に駐留させることになっていると、こう述べております。その根拠が二〇〇六年のロードマップと〇九年のグアム協定になっていると、こうはっきり発言しているんですね。 ですから、元々こういう施設建設の必要性も、日本が使う計画もあったと。そこに、沖縄から移転する海兵隊の人数が半減して施設建設費用が減るという新しい事態が生まれた下で、この訓練場の建設費用も二十八億円の範囲内で日本に負担させると。その理由付けのために日本の基地使用にも好意的配慮を認めると、こうしたというのが経過なんじゃないですか。
○国務大臣(小野寺五典君) いずれにしても、二〇一二年四月の2プラス2共同発表、日本側は玄葉外務大臣、田中防衛大臣でありますが、その発表の日米合意の中で、今回の支出については基本的には総合的に勘案して決めたということだと思います。
○井上哲士君 外国の国土にある外国の基地に、しかも外国の戦力に基づいたものに日本が資金を提供し、しかも日米の軍事一体化を進めると、こういうことはやめるべきだということを改めて強く主張しまして、質問を終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば毒蛇、ハブも怖くないという。今回は、沖縄からグアムに移転ということと、また武器貿易条約の質問をさせてもらいますが。 その前に、アメリカの海兵隊の隊員が沖縄に転属されまして、隣の隊員に、だんだん島に近づくにつれて、おい、あの島には蛇はいねえよな、俺は蛇が大嫌いなんだと言った。その隊員は何も答えませんでしたけど、島の方から返ってきた言葉はイエス・アイ・ハブということで、大変沖縄も最近ハブも少なくなりまして、昔、巡業に行っているときには民家にハブが出てきたという話も聞いております。 今日は、オバマ大統領もいよいよ明日、来日されますが、前回もちょっとお話ししたとおり、泊まるホテルの周辺がもう非常に厳しくなって、カードがないとホテルの近くにも近寄れないという状況になって。まあ、日本政府がそれだけアメリカそしてオバマ大統領を、非常に日米関係を大事だということがその辺からも感じられますが、今日は最初に日米首脳会議についてお聞きしたいと思います。 この度の日米首脳会議では、ASEANの海洋監視能力を強化、日米一体で支援する方針で合意するとのことですが、具体的にはどのような取組になるのか、どのような効果があるのか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 法の支配に基づく開かれた、そして安定した海洋、これは地域の平和と繁栄の基盤であります。この観点から、安全な海洋を維持するための日米とそしてASEANとの協力、これは大変重要だと考えております。 オバマ大統領訪日の際には、日米両首脳から、アジア太平洋地域の平和と繁栄に貢献してきた日米同盟の重要性、これを再確認するとともに、地域情勢を始めとする幅広い議題について議論したいと考えております。これは首脳会談ですので、現時点で私の方から詳細について申し上げることは控えなければなりませんが、今回のオバマ大統領訪日の機会には是非両首脳間で力強い日米同盟を確認し、更なる協力強化、図っていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 次に、アメリカの対中戦略の変化についてお聞きしたいんですが、米軍のウィスラー沖縄地域調整官は、四月の十一日にワシントンで記者団に対し、尖閣諸島が中国に占領されても奪還できると認識を示しました。また、四月の八日に中国でヘーゲル国防長官は、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内にあると言明し、米軍が防衛義務を負うとの立場を明確にしました。 これまでアメリカ政府は中国との衝突を避けるために尖閣防衛については具体的な言及を避けてきましたが、方針が変わったのでしょうか。これらの発言を日本政府はどのように捉えていますか。
○副大臣(武田良太君) 御指摘の件に関しましてはアメリカは明確なコミットをいたしておりまして、尖閣諸島は紛れもなく我が国の施政下にあり、つまり日米安全保障第五条の適用地域であるということ、そしてアメリカは日米安全保障条約上の義務を果たすということは明確にされていることであります。 今月の六日の日にヘーゲル国防長官来日されまして、計四回にわたる小野寺大臣との国防相会議があったわけですけれども、その翌日ですか翌々日ですか、中国にそのまま行かれましたけれども、中国に行かれた際にも、先ほど申しましたとおり、尖閣諸島は日本の施政下にあり、当然のことながら日米安全保障条約第五条の適用地域であり、条約上の義務を果たすということを対外的にもつまびらかにコミットしておるわけでありまして、今委員の御指摘のとおりであろうかと思います。
○アントニオ猪木君 次に、フィリピンの米軍撤退が周辺地域にどのような影響を与えたか、お聞きしたいと思います。 かつて、スービック海軍基地とクラーク空軍基地はアメリカ国外の米軍基地としては世界最大を誇っていました。一九九一年に米軍はこの二つの基地から撤退しましたが、フィリピンやその周辺にどのような影響を与えたのか、お聞かせください。
○政府参考人(徳地秀士君) お答え申し上げます。 フィリピンにおきましては、御指摘のとおり、かつてスービックの海軍基地、それからクラーク空軍基地などの米軍基地が存在をしておりました。しかしながら、一九九一年でございますけれども、クラーク基地の方は火山の噴火によってこれは使用不能ということになっております。それから、スービック海軍基地でございますけれども、使用期限の延長を含む条約案がフィリピンの議会の上院において否決をされたということもございました。これを受けて米軍の方はフィリピンから撤収を開始をいたしまして、一九九二年に撤収を完了したというふうに我々は承知をしております。 そして、御質問の、この米軍の撤収がフィリピンや周辺地域にどのような影響を与えたかということですけれども、一概に確たることを申し上げることは困難ではございますけれども、事実だけ申し上げますと、この米軍撤収後の一九九五年でございますが、中国が南沙諸島のミスチーフ礁を事実上支配したということ、このような動きを含めまして、中国は力の空白が生じたタイミングで南シナ海への進出を徐々に進めてきたと、こういうことがよく指摘をされておるわけでございます。
○アントニオ猪木君 今その辺についてどういうふうに日本政府は考えておられますかね。
○政府参考人(徳地秀士君) 今も申し上げましたように、こうしたフィリピンからの米軍の撤退というようなことにつきましては、先ほど申し上げたようなことも含めまして、いろんなことが指摘をされております。 我々としても、そのようなことをどう考えるかということは、当然のことながら、この地域における力のバランスというようなことを考える上でも重要なことだと思っておりますが、いずれにいたしましても、今の時点におきましてこの影響というものについて確たることを、具体的にこうだということを政府として申し上げることは困難かと考えております。
○アントニオ猪木君 フィリピンの教訓をどのように考えるか。報道によると、フィリピン大統領は、近年、中国の海洋進出に対抗するために再び国内へ米軍基地の復活を要望し検討しているという、これらフィリピンの教訓を日本政府はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(徳地秀士君) 防衛省といたしましては、アメリカ政府とフィリピン政府がフィリピンにおける防衛協力の強化に関する協議を行っているということについては承知をいたしておりますが、これ以上、他国の国防、安保政策について防衛省として具体的にコメントすることはなかなか難しいとは思いますけれども。 いずれにいたしましても、現在の安全保障環境におきまして、我が国に駐留する米軍のプレゼンスというものは、我が国の安全の確保だけではなくて、この地域の安全保障上の課題、不安定要因に起因する不測の事態というものの発生に対する抑止力として機能しているわけでございますので、防衛省といたしましては、こうした米軍のプレゼンスの意義を十分に認識をいたしまして、米軍の安定的な駐留というものを確保するとともに、幅広い日米間の防衛協力を着実に進めるということによりまして、アメリカとの同盟関係の抑止力、対処力を強化していくということが必要であると、このように考えておるところでございます。
○アントニオ猪木君 次に、我が国の離島防衛についてお聞きしたいと思いますが、昨日の日経新聞によりますと、中国南シナ海のメタンハイドレートの資源探査を本格化するとの記事がありました。地元政府は、実効支配を進めるために漁民が遠洋に行く燃料費の一部として年間二十万あるいは五十万元、三百三十万円あるいは八百二十万円を与え、南シナ海で漁業を活発化するように促していると。また、漁民の一部は海洋民兵の役割を兼ね、銃の射撃など簡易な軍事訓練も受けている。我が国が尖閣や沖ノ鳥島など国境にある離島に対して、射撃訓練は別として、漁業支援や漁船の燃料補助などの支援を考えますが、どのように政府は考えていますか。
○政府参考人(柄澤彰君) お答え申し上げます。 御指摘の尖閣諸島や沖ノ鳥島などの国境周辺離島水域におきまして我が国漁業者が安定的に操業できるようにする環境を整えるということは、私ども水産庁、水産政策上重要な課題であると認識しております。 特に尖閣諸島周辺水域につきましては、平成二十五年度補正予算におきまして措置いたしました沖縄漁業基金事業などによりまして、外国漁船の操業状況の調査、監視、また外国漁船による漁具被害からの救済等に要する経費を助成いたしまして、我が国の漁業者がこういった水域におきまして安定的に操業することを支援することとしております。 一方、沖ノ鳥島周辺水域につきましては、沖ノ鳥島の存在自体によって広大な排他的経済水域が確保されるわけでございますので、当該水域における漁業の安定的操業にとって重要だと認識しております。このような観点から、水産庁といたしましては、台風などによる波や流れの影響など厳しい環境条件下にある沖ノ鳥島におきまして、サンゴ礁を面的に拡大させるための増殖技術開発実証事業を実施しているところであります。 さらに、御指摘のように、燃油の高止まりの状況の中で、燃油価格の高騰分を補填する漁業経営セーフティーネット構築事業などを実施しておりまして、国境周辺水域で操業している漁業者に対しましても燃油価格高騰分の支援を行っているところであります。 今後とも、こういった様々な取組を通じまして、我が国漁業者が国境周辺の離島水域におきまして引き続き安定的に操業ができるように努めてまいりたいと思います。
○アントニオ猪木君 今サンゴの話が出たので、私もサンゴの増殖ということで長年やっておりますが、よろしくお願いします。 次に、ロシア情勢についてお聞きをいたします。 四月の十八日、ロシアは、二〇一六年までに北方領土、択捉、国後に軍事拠点を新たに整備する方針を明らかにしました。また、昨日の新聞でロシア軍機が七日連続で日本列島周辺を飛行しているのが明らかになりましたが、冷戦時代にもない異常事態であるこれら事態を政府はどのように分析しているのか、在日米軍再編の中でロシアへの備えは新たに議論をすべきかと考えていますが、見解をお聞かせ願います。
○政府参考人(徳地秀士君) まず、ロシア軍の極東における航空機の活動についてでございますけれども、一般論として今活発化の傾向にはございます。特に最近では、今御指摘もございましたけれども、TU95爆撃機による我が国周辺の長距離飛行も含めまして特異な飛行というものが、十三日の日曜日以降、七日間連続で確認をされているところでございます。そして、これによりまして、三月二十六日以降、ロシア機の我が国周辺における飛行について、我々の方から公表をしたものがこれで合計三十件というふうになっておるところでございます。 これのそれぞれの飛行につきましては、今も北東アジア地域におきまして様々な軍事的な動向がございます。そうした中で、日本その他の国に対する情報収集でありますとか、あるいはロシア側の訓練でありますとか、何らかの目的があるということについてはいろいろな推察は可能ではあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、こうしたロシア軍の活動の意図とか目的ということについて断定的にお答えすることはなかなか難しいかとは思いますけれども、いずれにいたしましても、ロシアに対しましては、これは外交ルートで我が国としての関心表明は行われていたものと承知をしておりますが、防衛省といたしましては、引き続き、ロシアの極東における航空機の活動を始めとする軍事的な動向といったものを注視しながら、法律に基づきまして厳正な対領空侵犯措置というものを実施してまいるところでございます。 それから、先生の方から、ロシアの、北方領土の関係で、軍事拠点を新たに整備する方針をロシアが明らかにしたということについて言及がございましたけれども、ロシア側の東部軍管区の司令官が、この北方領土につきまして、択捉、国後両島に二〇一六年までに軍事基地を新たに整備する、こうした方針を明らかにしたというような報道には我々も接しておるところでございますけれども、具体的なその情報の内容ということにつきましては、事柄の性質上コメントを差し控えさせていただいておるところでございます。 それから、在日米軍再編の中でロシアへの備えといったものを新たに今議論すべきではないかという御指摘もございましたけれども、この点につきましては、昨年十月の日米の2プラス2の共同発表にもございますとおり、米国のプレゼンスにつきまして、抑止力を維持して、日本の防衛、それから地域の緊急事態への対処のための能力を提供し、同時に政治的に持続可能であり続けることということを確認するものであるというふうに考えておるところでございます。
○アントニオ猪木君 答弁がずばりという答えは出ないんですかね。 次に、アメリカのアジア重視政策についてお聞きをしたいと思いますが、十七日、アメリカ上院外交委員会のメンデス委員長は、オバマ政権が掲げるアジア太平洋地域重視のリバランス政策に関する報告書を発表しました。報告書によると、国務省の東アジア・太平洋局予算要求は二〇一五年会計年度で同省の僅か八%にすぎず、近東局の三五%、ヨーロッパ・ユーラシア局の一四%などに比べて格段に少ないことが明らかになりました。 これらの事実に対して、日本政府は今どのように考えておられますか。
○政府参考人(冨田浩司君) お答えをいたします。 委員の御指摘のメネンデス上院外交委員長の報告書でございますけれども、それについては私どもとしても把握をしております。ただ、率直に申し上げて、米国務省の中の予算配分がどういう意味合いを持つかということについてはつまびらかにしておりませんので、それ自体についてはコメントを差し控えたいと思っております。 ただし、オバマ政権は様々な機会にアジア太平洋重視政策を継続するということを繰り返し表明してきているわけでございます。厳しい財政状況の下でもこの地域において必要となる能力の維持等にも努めてきておりますから、アジア重視政策の維持それ自体に問題があるというふうには認識しておりません。
○アントニオ猪木君 次に、再編協議についてお聞きしたいと思いますが、再編協議では、抑止力の維持と地元負担の軽減を基本的な考えと検討を進められてきました。しかしながら、本当に抑止力の維持がなされているのか見極めるべきだと思います。そもそも、グアム移転は米軍の日本からの撤退と見る向きもありますが、見解をお聞かせください。
○政府参考人(徳地秀士君) 在日米軍の再編についてでございますけれども、これは同盟のその抑止力の維持ということ、それからもう一つは、沖縄を始めといたしますこの在日米軍基地を受け入れていただいている地元の負担軽減と、この二つを両立させるということを目的に行っておるものでございます。 そして、抑止力の維持についてでございますけれども、先ほど別のお問いのときにお答えをいたしましたけれども、昨年十月の2プラス2の共同発表のときにも、この米軍のプレゼンスというものにつきましては、その抑止力を維持するものである、そして、日本の防衛と地域の緊急事態への対処のための能力を供給するものであって、同時に政治的に持続可能であり続けるということを確保するものであるということがこの2プラス2の共同発表においても明らかでございまして、抑止力を維持することとなっておるものでございます。 その中でも、特に沖縄からグアムを含む日本国外へのアメリカの海兵隊の要員の移転というものにつきましては、これは沖縄への影響を軽減するというものでございますと同時に、米軍の前方プレゼンスというものを維持することに寄与するものであって、グアムの戦略的な拠点としての発展を促進するものであると。したがって、在沖米軍を含みます米軍による抑止力の維持につながるものというふうに認識をしておるところでございます。
○アントニオ猪木君 次に、自衛隊の実弾訓練について、この辺は佐藤さんにお聞きした方が早いのかもしれませんが。陸上自衛隊は一年間に僅か百三十発の実弾訓練しか行わないと聞いています。一方で、米軍の軍楽隊ですら週に二百発の実弾訓練を行っていると。自衛隊の実弾訓練は下手したら海外の観光客にも劣るかもしれないという、そういう意味では十分なのかどうか分かりませんが、もしその辺についての見解があればお聞かせください。
○政府参考人(中島明彦君) 今委員から一年間に百三十発の実弾訓練という御指摘をいただきました。 陸上自衛隊が行っております各種の実弾射撃訓練のどの部分を念頭に置かれた御指摘か必ずしもつまびらかにいたしませんで恐縮でございますけれども、一般論として申し上げますと、陸上自衛隊におきましては、装備品ごとに職種などに応じまして射撃訓練における発射弾数について年間の射撃基準を示しておりまして、それに基づいて各種訓練を実施しているところでございます。ただ、この射撃訓練における具体的な発射弾数をお示しすることにつきましては、陸上自衛隊の隊員の射撃能力や部隊の練度といったことが推察されかねないということで、従来からお答えは差し控えさせていただいておるところではございます。 ただ、陸上自衛隊におきましては、実弾射撃訓練のみならず、装備品によりましてはシミュレーターなども使用した訓練、また一連の戦闘動作の中で空砲などを用いて行う射撃訓練、こういったものを実施しているところでございます。 いずれにしましても、隊員の練度向上に資するよう各種訓練を引き続き実施してまいりたいというふうに考えております。
○アントニオ猪木君 この度の商船三井の差押えという非常にちょっと理解しにくいこともありますが、本当に周辺諸国との非常に緊張が高まってきていますが、私はスポーツ外交という文化交流を含めて人の対話をということをモットーにやってきています、北朝鮮しかり、そして中国も、あるいは韓国ともそうですが。かつてロシアのちょうど冷戦時代にもイベントをしました。これからスポーツ外交を推し進めてまいりますけど、私の質問は終わります。 ─────────────
○委員長(末松信介君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君が選任されました。 ─────────────
○小野次郎君 結いの党の小野次郎です。 今日は、武器の中でも小型の銃器について、中心に議論をさせていただきます。 今日は、委員長を始め同僚議員の御理解をいただきまして、ちょっと提出が遅くなりましたが、統計資料を二枚お配りさせていただきました。 これ見ていただくと分かるんですけれども、日本の殺人事件というのは大体年間千件ちょっとなんですね。アメリカはその十数倍ございます。人口が二・五倍ほど大きいですから、それを割り返したのが、十万人当たりの数字が発生率として出ていまして、日本が一とすればアメリカは約五というのが数字でございます。 二枚目の紙の方は、この殺人の中で銃を使ったものはどれぐらいあるかというと、日本は十数件ということで、ほとんど千件というのに比べてみると数からいうと無視できるぐらい小さい数字になっています。 これ、結論から先に申し上げると、極めて大胆な仮説を立てると、日本の五倍アメリカが殺人が多いというのは、今日はこの資料にはありませんけど、アメリカでは大半が銃器による殺人なんですね。だから、逆に言うと銃器の分だけ上積みされていると考えることができるんです。例えば、アメリカのシアトルとカナダのバンクーバーとは距離も近くて人口もほぼ同じだと聞いていますが、シアトルではバンクーバーの何倍か殺人事件が多いんです。なぜかというと、アメリカは銃器が流通していてカナダでは一定の規制を掛けているということがあって、その殺人が多いと言われています。 ですから、これを大胆な仮説で割り返してみると、日本では千ですけれども、もしアメリカ並みの銃器規制にすれば年間で四千人ぐらいの人命が更に失われているだろうという数字なんですね。この数字がどれぐらい大きいかというと、日清戦争というのが一八九四年、九五年ありましたけれども、日清戦争で日本の戦死者は二千人いなかったんです。 ですから、積極的平和主義という言葉とは関係があるような、ないようなことではありますけれども、この日本で銃器規制をきちんとしてきたということが、実は年間推定で数千の人の命が失わないで済んでいるということと、その数というのは日清戦争規模の戦争が毎年毎年二個分ぐらい救われているということなんですね。 是非、このことは、今日は警察庁の部長も見えていると思いますが、組織犯罪対策部に移管されてしまいましたけれども、この銃器規制の問題というのは日本の国のありようそのものでもあるんですね。極めて大事な部分だと思います。別に暴力団の問題だけじゃないということを私はまず指摘しておきたいと思うんです。 それは、例えば歴史的にも日本では、隠し鉄砲という言葉、室城部長知っていますか。まあ多分知らないと思うんですが、隠し鉄砲というのは、江戸時代を通じて鉄砲を不法に持っているということは物すごい重罪だったんですね。ですから、どこの地域でも隠し鉄砲を奉行所に届け出ると御褒美が出ると。つまり、お金を払って隠し鉄砲を押収しろということをやってきた。それが、日本に銃器が出回らないというのは、もう四百年来そういう歴史でやってきているんです。 ですから、ある意味でいうと、秀吉の刀狩りとか明治維新後の廃刀令という言葉があるけれども、日本においては、銃に関しては、四百年ぐらい銃を一般社会では持たせない、使わせないという制度でやってきたんです。種子島に銃が伝わったときに、直後に、日本人は器用ですから、武器を作る工場としては世界有数の能力があって、堺の町なんかでは世界有数の銃の保有量だったんです、当時は。その後、何百年掛けて日本は銃のない社会というのをつくってきて今のこの日本に至っているということですから、室城部長に申し上げるのも口幅ったいですけれども、是非、この現象面の犯罪だけじゃなくて、銃器の流通を食い止めるということがいかに日本の社会にとって大事なことかというのを是非御認識いただきたいし、外務大臣にも認識していただきたいと思います。 それでは、問いに入りますが、警察庁にお伺いします。銃器使用犯罪の現状をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(室城信之君) お答え申し上げます。 平成二十一年から昨年までの過去五年間における銃器使用事件の各年の認知件数を見ますと、減少傾向で推移をしておりまして、昨年も前年比二十五件マイナスの百二十八件となっております。
○小野次郎君 それでは、最近五年間の銃器の年間押収状況と、あわせて、どういう人が拳銃、銃を持っていたんだと、暴力団関係者とそれ以外の比率をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(室城信之君) 過去五年間における拳銃の押収丁数の合計は二千七十四丁でありまして、このうち、暴力団からの押収は五百三十八丁で約二六%、暴力団以外からの押収は千五百三十六丁で約七四%となっております。
○小野次郎君 また、もう一つ聞きますけれども、それにしてもあるということなんですよね、国内にも。しかも、それは暴力団だけが持っているんじゃなくて、七割ですか、四分の三ぐらいは一般の暴力団でない人が持っているということですから、この問題の底の深さというか広がりというのは大変重大だと思います。 じゃ、次の問いに移りますが、この過去五年間に押収された銃器の主なモデル、僕たちに分かるような名前だけでいいですけれども、並びにその製造国を教えてください。
○政府参考人(室城信之君) 過去五年間に国内で押収されました真正拳銃、合計千七百五十一丁の主要モデルについて見ますと、最も多いのはスミス・アンド・ウェッソンが百六十五丁、次いでブローニングが百二十四丁、トカレフ型が八十八丁等となっております。 また、製造国が判明しました真正拳銃千五百三十一丁について見ますと、アメリカ製が五百五十三丁、ベルギー製が百五十九丁、ドイツ製が八十一丁、中国製が七十八丁等となっておりまして、約七六%が外国製であるという状況でございます。
○小野次郎君 八割弱が外国製ということで、かつては、かつてって私も知りませんが、もっと昔の人たちは、日本では密造拳銃と言って、何かモデルガンをちょっと改造したような拳銃も発射能力があるからということで拳銃に数えていたこともありましたけれども、この真正拳銃と言われているものの割合も高いし、また世界中から入ってきているということが明らかになっているわけです。 それでは、これに対して、警察だけじゃないかもしれません、税関かもしれませんが、この五年間に密輸ってどれぐらい摘発されているんですか。
○政府参考人(室城信之君) 過去五年間における拳銃及び拳銃部品等の密輸入事件の摘発状況は合計で十七件、十九人となっております。
○小野次郎君 警察の統計の何件何人というのは何丁なのかが分からないんですけれども、多分十七丁はないんですよね。多分もっと丁数は少ないんだと思います。一つの件で何人かが捕まっているということもあると思いますが、それぐらいしかないと。だから、そもそも押収されたものが全ての銃じゃないわけで、だから毎年毎年押収されていくわけで、その中で同じ五年間に十数丁か十数件しか密輸が捕まらないということは、さっき僕が冒頭申し上げたような日本は国の在り方で来たんだけれども、しかしながら穴は空いているし、しかもそれは相当の数のものが密輸されてきているということも明らかだと思います。 大臣、この拳銃などの小型の武器というのはこんな言い方するんですよ、貧者のハードカレンシーという呼ばれ方するんですね。どういうことかというと、やっぱり人の命を奪える、あるいは何か物を奪取できる道具ということなので、どんなに貧しい世界中の国でも一定の価格で取引されるんですね。ですから、紛争が終わって五年、十年たっても、私聞いた話ですけれども、マーケットにお肉売ってくれと来た人が、お金がないんだ、これで、買ってくれないかとトカレフ出したとかと、そういうのはあるんですね。どんな経済状態のところでも、やっぱり一定の物を奪える、人の命を取れるものだから、値段が一定の物に付くということなので、さらに都合が悪いのは、この物は腐らないんですよ、賞味期限がないんですよ。いつまででも油紙に包んでいれば何十年でももつという性格のものなので、だからたちが悪いんで、ある意味でですね。そういうことだということを認識いただいた上で、日本にとっても切実な問題だということをお話し申し上げた上で、だんだんこの議定書とか条約の方に入っていきますが。 今度、外務省でも国際犯罪の担当をしている方にお伺いしますけれども、国際組織犯罪条約附属議定書、銃器議定書の内容を教えていただきたい。それでまた、世界各国の加盟状況をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。 まず、今委員から御指摘ございました国際組織犯罪防止条約の銃器議定書でございますけれども、これ、銃器や弾薬の不正な製造及び国際取引を防止し、これらと戦い及びこれらを根絶するために、締約国間の協力を促進することを目的としております。 具体的な内容につきましては、銃器等の不正な製造及び取引等を犯罪化すること、銃器を特定、追跡するために銃器に刻印するよう求めること、製造され、また取引された銃器等に関する情報を十年以上保存すること等について定めております。 締約国でございますけれども、本年四月現在の締約国は、ブラジル、ブルガリア、メキシコ、ペルー、ポーランド、南ア、トルコ、ベルギー等々、百九か国でございます。ちなみに、G8の中ではイタリアのみが現在締結をしております。
○小野次郎君 大臣、こういう議定書もあるんです。これ、百か国を超える国が入っていますが、日本は国会にまだ未提出というふうになっています。 この銃器議定書の国会承認付議が遅れている事情を外務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。 これまで外務省といたしましては、御指摘のございました銃器議定書が規定する内容につきまして、議定書の条文の詳細な検討とともに国内担保法等を漏れなく整備することを目指しまして、関係省庁と協力を得ながら検討を行ってまいりました。 なお、国際組織犯罪防止条約、この銃器議定書の基になります親条約に当たりますけれども、この国際組織犯罪防止条約は、銃器議定書の締約国となるためには国際組織犯罪防止条約の締約国でなければならないという規定をしております。他方、国際組織犯罪防止条約についてはその国内担保法が国会で成立しておりませんで、同条約は締結されていない状況にございます。 外務省といたしましては、この国際組織犯罪防止条約をめぐる状況も注視しつつ、この銃器議定書の国会提出についても引き続き検討していきたいと考えている次第でございます。
○小野次郎君 経緯はそういうことなんですけど、でも大臣、これ不思議なんですよね。この附属議定書って三つあるんです、この国際組織犯罪防止条約にはですね。この国際組織犯罪防止条約自体も国会承認済みなんです。同じ刑法改正が必要としているといった国連腐敗防止条約も承認済みなんです。この附属議定書って三つあって、人身取引議定書も、これはもう国会承認済みです。そして密入国の議定書、これも国会承認済みです。ただ一つ、この銃器議定書、百か国以上が締結している、しかもこの銃器議定書は、日本の政府が、法務省と警察庁と外務省でかなり作るときに意見を出して作ってもらった議定書だけが国会未提出なんですよ。 これ、大臣、早期に国会にかけようと、多分どの党からも異存が出るような内容の議定書じゃないんですけれども、御決意をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(新美潤君) 大臣からお答え申し上げる前に、ちょっとまず過去の経緯、事実関係等を説明させていただきたいと思います。 まず、委員からもまさに御指摘がございましたとおり、この国際組織犯罪防止条約、パレルモ条約とも呼ばれておりますけれども、その下に三つの議定書がございます。人身取引議定書、密入国議定書、そして銃器議定書でございます。そして、委員御指摘のとおり、まさにこの人身取引議定書と密入国議定書は、二〇〇五年の六月に国会での御承認をいただいております。 これは、経緯といたしましては、そのときに、まさにこの親条約のパレルモ条約、そして人身取引議定書、密入国議定書というのを一緒に国会で御承認を得ようということを考えたわけでございますけれども、パレルモ条約については先ほど申し上げたように御承認がいただけなかったと。そして、そのときには……担保法、申し訳ございません、担保法の承認がいただけなかった。そして、銃器議定書につきましては国内法の整備が必要だというところで、そのときは間に合わなかったという経緯がございます。 そして、現在につきましては、銃器議定書に基づく義務につきましては、これは銃器の特定、追跡を可能とするために銃器の輸入等の刻印等の新しい制度を設ける必要がございまして、国内法の整備というのを検討しているところでございまして、そして、先ほど申し上げたとおり、現在で、親条約について、その条約をどういうふうに国会で、提出いただき、御審議いただき、御承認いただくかということと併せ検討しているということでございます。
○小野次郎君 だから、周回遅れになっているんですよ、日本は。 この今、審議にかかっている武器貿易条約、これずっとぱらぱらっと通読してみても、前文にもうこの議定書が触れているわけですよ。さっき申し上げた銃器議定書のことを触れているし、一条の目的のところにも当然不正流通の防止というのがありますから、何かテクニカルな部分というのは銃器議定書に書いてあるわけですよ、刻印を付けろとか記録残せとかですね。その部分の上にこの武器貿易条約があるんですよ。それはだから、五条の三項の小型武器、軽兵器というのが銃器を含むものでなきゃいけないという趣旨も、この銃器議定書を前提に考えているんですね。さらに最後に、七条の一項の(b)の、要するに議定書違反、つまりこの銃器議定書に違反するものについても輸出していいかどうか、相手先としてよく思案しなさいよと書いてあるんですよ。 で、明らかに駄目だという場合には移転させちゃ駄目だと書いてあるので、その基になっている部分の銃器議定書だけ取り残して先に進むというのは何か、さっき冒頭申し上げた銃の規制について、日本の社会が何百年も守ってきたそれを、むしろ日本モデルを国際社会でしっかりグローバルスタンダードにしていこうと言っているときに、その言い出しっぺの一つである日本がパーツの部分、パーツというか土台の部分にある銃器議定書についてだけ入っていないというのは、これはやはり何か国際的に責任を果たしていることにならないんじゃないかと私は思います。そのことを今日は指摘だけしておきます。 例の親条約の実施法の問題があったということは知っていますから、そこだけは分かりますが、しかし、この銃器議定書自体には多分どの党にも反対はないし、国内実施法の武器等製造法と銃刀法についても恐らく各党異存ないと思うんですよ。ですから、ほかの理由で止まっている間に今度は別の先に進む条約出てきちゃうというのは、周回遅れになっているということだけちょっと御指摘申し上げておきます。 では、ちょっと前後しますけれども、この武器貿易条約の趣旨、目的を改めて外務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 武器貿易条約につきましては、通常兵器の国際貿易を規制するための国際的な基準を確立し、通常兵器の不正な取引などを防止することを目的としております。 締約国は、この条約に基づきまして、通常兵器の国内管理制度を確立することによって、国際社会における通常兵器の国際貿易の管理が強化され、国際社会の平和と安定に寄与すると、そのような目的、趣旨を持ったものでございます。
○小野次郎君 だから、そこにも当然、不正流通の防止、それからダイバージョンの防止というのが出てくるわけですね。 流用の防止というのは、ダイバージョンって、何といいますか、ここに移転しちゃ駄目だとなっているんだけど、第三国とか団体を通じて迂回してやるような、密輸の手段みたいなものですね。そういうものは駄目だということを、それは犯罪防止の世界でももう常識になっていることを、この条約は当然のことを書いているんですが、やっぱりコンセプトの中に、銃器規制みたいなものをしっかりしなきゃいけないというのもやっぱり同じモラルの中にあるわけですから、是非さっきの議定書の方も忘れないで、付議を急いでいただきたいと思います。 それから、また前後しますけど、条約の対象になっている小型武器、軽兵器というのが僕よく分からないんです。小型武器と軽兵器というのは何を言っているのか。銃器議定書の方の銃器と比較対照していただきたいのですが、外務省に説明を求めます。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 この条約におきまして、小型武器それから軽兵器につきまして、それぞれの定義規定というふうな形では置かれておりませんけれども、条約上、これらの対象範囲につきましては、この条約の効力発生時における国連の関連文書において用いられているものよりも狭い範囲であってはならないというふうに規定をされております。 そこで、この国連の関連文書として何が想定をされるかということでございますけれども、二つの文書がございまして、一つが国際トレーシング文書と呼ばれているもの、それからもう一つが、先ほど来委員から御指摘がございます国際組織犯罪防止条約の銃器議定書でございます。 今お尋ねがありました軽兵器につきましては国際トレーシング文書の中で言及がございまして、軽兵器とは、その国際トレーシング文書におきますと、概括的に体を成す二、三人によって使用されるように設計された武器をいうが、一人で持ち運び、使用することができるものもある等々のことが規定をされているところでございます。小型武器は、それに対しまして、概括的に個人の使用のために設計された武器をいいという、そのような性格付けというふうなものがなされているところでございます。 今委員から御指摘ございました銃器議定書における銃器という概念、これがこの条約上どのような扱いになるかということでございますけれども、先ほど委員からも御指摘ございましたように、武器貿易条約におきましては、前文におきまして銃器議定書についても言及をしております。 したがいまして、この条約、武器貿易条約において小型武器、軽兵器というものを考えるとき、銃器議定書の対象となる銃器というのは、この条約の対象に含めた形で運用がなされることを想定をしているというふうに考えております。
○小野次郎君 国内的な管理制度を設けるというのもあるんですけど、この条約には。その他、それも含めて、武器の不正取引、流用防止のために条約が定める加盟国のとるべき措置についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北野充君) お答え申し上げます。 この武器貿易条約が定めております義務、かなり多様なものがございますけれども、主なものを挙げていきますと、次のようなものでございます。 まず、通常兵器の国際貿易を管理する制度を確立をするといったこと、それから国連安全保障理事会における武器禁輸措置、自国が締結している国際協定に基づく義務等に違反するような通常兵器の移転を許可をしないということ、また、輸出ということにつきましては、輸出の許可を行う前に輸出評価を行って、この条約に規定する否定的な結果を生ずる著しい危険性が存在すると認める場合にはその輸出を許可をしないこと、それから、輸入、通過、積替え、仲介について、それぞれの規定に従って規制をするための措置をとること、また、先ほど委員からも御指摘ございました、通常兵器の流用を防止するための措置をとること、それから、通常兵器の輸出に関する国の記録を保持し、少なくとも十年間保存すること、それから、この条約の実施のためにとられた措置及び各年における通常兵器の輸出及び輸入に関する報告を事務局に提出すること、このようなことが重立った内容でございます。
○小野次郎君 時間が限られてきましたので余り新しい質問はできませんけれども、私は、二十年ぐらい前にトカレフというのが日本に二千丁ぐらい入ってきた事件があって、その捜査をしていて、当然、この条約の中にも出てきますけれども、軍用のものですから、中国当局から最初は情報提供が得られませんでした。しかし、文書で照会し、その他の通信手段で照会しているうちに、らちが明かないので中国まで行って、最後は福建省まで行きました。というのは、密輸されたのが福建省から出荷されたとなっているので。それで、あの中国公安部、あの中国軍であっても、丁寧にやっていましたら、二年後ぐらいですけれども、そのうち僅か九丁か何かですけれども、いついつ中国軍の制式拳銃として製造されたものだと、で、どこどこに輸出されたと、まあとっくに忘れましたけれども、私、中身は忘れましたけれども、そういう記録が返ってきました。ですから、できたのはなぜかといったら、きちんと記録が残っていたこと、そしてそれについて記録にたどってトレースしていくと、やはり一定の誠実さを、信頼関係が維持されると答えが返ってくるんですね。 ですから、さっき言った銃器の規制の緩やかなところと比べると何千人かの命が日本では死なないで済んでいるということの裏付けとして、政府全体としてそういった努力をしていく必要もあるわけで、それができるためには、国際社会でそういった刻印をしっかり付けるとか、取引をした記録を一定期間ちゃんと残しておくとか、その記録の中身もできるだけ詳細なものが残っていることが極めて大事なんで、何かこの、何というんですかね、我が国には割と縁が薄いような条約のようにお思いかもしれませんけれども、そうじゃなくて、我々は受益者というか、裨益が多々あるものですから、是非、これももちろん条約には賛成ですけれども、併せて銃器議定書の方も早く審議をさせていただくようにお願い申し上げて、私からの質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、米国との在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定改正議定書の承認に反対する立場から討論を行います。 グアム移転協定は、米国が自らの軍事戦略に基づいて米領内で行う米軍の基地建設について日本が巨額の費用負担を行うことを定めるもので、何の道理もないものです。政府は、沖縄県内の基地を返還し負担軽減を図るためと説明しますが、これは対米支援の口実にすぎません。 そもそも、沖縄県内の米軍基地は、米軍施政下で住民を強制的に排除するなどして強奪した土地に基地が築かれたものです。その経過からして、無条件に撤去、返還を図るのが当然であり、政府はその実現にこそ責任を果たすべきです。 さらに、日本が負担するとする費用の積算根拠も、移転部隊の正確な内訳も不明なままです。国会と国民にまともに説明を行う姿勢も見られません。 今回の改正議定書には、日本の費用負担の変更、沖縄から移転する海兵隊の人員と移転先の変更、グアム移転と普天間飛行場移設の進展の切離しが含まれますが、道理のない対米財政支援を行うこと、日米両政府が沖縄県民の民意に逆らって辺野古新基地の建設を強行しようとしていることに何ら変わりはなく、強く抗議するものであります。 さらに、改正議定書では、新たに日本の資金提供をグアム及び北マリアナ諸島連邦の訓練場の整備に使うこと、米側が自衛隊との共同使用を想定して、使用に係る日本の要請に配慮することが盛り込まれました。 日本の資金提供の使途を演習場整備に広げるために日本側も自衛隊が使用できるとするものですが、演習場が整備されれば、共同演習により日米軍事一体化がますます強化されることとなります。自衛隊の海外基地整備になることと併せて、到底認められるものではありません。 道理のない対米財政支援と新基地建設の強行は断固やめるべきだと改めて主張いたしまして、反対討論を終わります。
○委員長(末松信介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、武器貿易条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(末松信介君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会