外交防衛委員会 第4号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/03/17
会議録
○委員長(末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 去る十二日、予算委員会から、三月十七日の一日間、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 審査を委嘱されました予算について、順次政府から説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十六年度外務省所管予算案について概要を説明いたします。 平成二十六年度一般会計予算案において、外務省は六千六百六十億八千二百七十九万九千円を計上しています。これを前年度と比較いたしますと、約九・五%の増額となっております。 ODA予算は、外務省所管分として、対前年度比〇・四%の増額の四千二百三十億五百三十二万七千円となっており、四年連続の増額としております。 私は、国際協調主義に基づく積極的平和主義を推進し、世界の平和、安定及び繁栄の確保に外交力を最大限活用してこれまで以上に積極的に取り組んでいく所存です。 平成二十六年度予算案の作成に当たっては、こうした考えを踏まえつつ、以下申し上げる七本の柱を掲げ、めり張りを付けた上で必要な予算を計上いたしました。 第一の柱は、外交実施体制の強化です。様々な外交課題に対応するため、発信力の強化、人的体制及び在外公館等の物的基盤を含め、総合的外交力を強化する必要があります。大使館三公館の新設と定員四十五名の純増を含めた必要経費を計上しております。 第二の柱は、領土保全対策です。我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意の下、引き続き毅然かつ冷静に取り組む所存です。 第三の柱は、アルジェリア・テロ事件を踏まえた危機管理体制の構築、強化です。昨年一月の在アルジェリア邦人に対するテロ事件を踏まえ、危機管理体制を構築、強化し、即応体制の強化、情報収集・発信の強化、官民連携、国際テロ対策の強化等、総合的な対応により、海外における邦人及び日系企業の安全確保のための施策を強化いたします。 第四の柱は、安保理非常任理事国選挙対策です。国連創設七十周年となる来年を見据え、我が国の常任理事国入りを含めた安保理改革の早期実現を追求しつつ、二〇一五年安保理非常任理事国選挙に万全を期す所存です。 第五の柱は、グローバルな利益への貢献です。グローバルな課題への貢献を通じた世界全体の利益の増進のため、人権、女性をめぐる外交課題への取組、核軍縮の推進、中東情勢等に一層積極的に取り組みます。 第六の柱は、経済連携の推進です。国益にかなった高いレベルの経済連携を戦略的かつスピード感を持って推進し、TPP交渉については引き続き早期妥結に向けて取り組みます。 最後に、第七の柱は、戦略的ODAの展開です。我が国のODA供与開始から六十周年に当たる本年、積極的平和主義を推進するとの観点からも、ODAの重要性は高まっています。日本にとって好ましい国際環境の形成、新興国、途上国と日本の成長の実現、人間の安全保障の推進と日本への信頼の強化を三本柱としてODAを一層戦略的に展開します。 以上が、平成二十六年度外務省所管予算案の概要でございます。 また、当省関係の政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門におきましては、収入千七百三億五千七百二十四万七千円、支出千百十九億五十五万二千円となっております。 末松委員長を始め、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(末松信介君) 岸田外務大臣、ありがとうございました。 小野寺防衛大臣。
○国務大臣(小野寺五典君) 平成二十六年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 平成二十六年度予算においては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命、財産及び我が国の領土、領海、領空を守る態勢を強化するため、先般新たに策定された平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき編成される初年度の予算として、統合機動防衛力の構築に向けた防衛力整備を着実に実施することとしております。 具体的には、各種事態における実効的な抑止及び対処並びにアジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といった防衛力の役割をシームレスかつ機動的に果たすよう、統合機能の更なる充実に留意しつつ、特に、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制・情報通信能力のほか、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、宇宙空間及びサイバー空間における対応、大規模災害等への対応並びに国際平和協力活動等への対応を重視し、必要な事業を計上することができたと認識しております。 平成二十六年度の防衛関係費の一般会計歳出予算額は四兆八千八百四十七億九千四百万円となり、前年度の当初予算額に比べ一千三百十億一千六百万円の増となっております。 新たな継続費の総額は、平成二十六年度護衛艦建造費で七百四十二億五千五百万円、平成二十六年度潜水艦建造費で五百十九億九千七百万円となっております。また、国庫債務負担行為の限度額は、武器購入、航空機購入、弾薬購入、武器車両等整備、提供施設整備等で二兆一千八十二億一千二百万円となっております。 また、東日本大震災からの復旧復興に係る経費を平成二十六年度一般会計とは別途、東日本大震災復興特別会計に歳出予算額三百七十億九千百万円、国庫債務負担行為の限度額八十一億二千七百万円を計上しております。 次に、平成二十六年度の防衛省関係予算について、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。 第一に、周辺海空域における安全確保です。 広域において常続監視を行い、各種兆候を早期に察知する態勢を強化するため、周辺海域の情報収集・警戒監視能力や周辺空域の警戒監視態勢を強化するとともに、滞空型無人機の導入に向けた検討を実施します。 第二に、島嶼部に対する攻撃への対応です。 島嶼部に対する攻撃に対応するため、常続監視体制の整備、航空優勢の獲得・維持、海上優勢の獲得・維持、輸送能力や水陸両用機能を始めとする迅速な展開・対処能力の向上、指揮統制・情報通信体制の整備を実施します。 第三に、弾道ミサイル攻撃への対応です。 弾道ミサイル攻撃に対し、我が国全体を多層的かつ持続的に防護する体制を強化するとともに、ゲリラ、特殊部隊による攻撃に対応する態勢を整備いたします。 第四に、サイバー空間における対応です。 サイバー攻撃に対する十分なセキュリティーを常時確保できるよう、統合的な常続監視・対処能力を強化するとともに、専門的な知識、技術を持つ人材や最新の機材を継続的に強化、確保します。 第五に、大規模災害等への対応です。 各種の災害に際して、部隊を迅速に輸送、展開する態勢を整備するとともに、統合運用を基本としつつ、要員のローテーション態勢を整備することで、長期間にわたり、持続可能な対処態勢を構築します。 第六に、アジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善です。 アジア太平洋地域の安定化に向け、二国間、多国間の協力関係を強化し、訓練、演習等を適時適切に実施するとともに、グローバルな安全保障上の課題等に対応するため、国際平和協力活動等を積極的に実施します。 防衛省としては、この予算により、国民の生命、財産と領土、領海、領空を守り抜くための防衛態勢を着実に整備してまいります。 これをもちまして、平成二十六年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。
○委員長(末松信介君) 小野寺防衛大臣、ありがとうございました。 以上で説明の聴取は終わりました。 この際、お諮りいたします。 外務省及び防衛省関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。 この二十六年度予算、前政権の理念の下では、やはり財政の健全化を図るという流れの中で非常に緊縮した財政というのがメーンであったわけですけれども、安倍政権になって、積極的な財政出動、それによって必要なところには必要なお金をしっかり付けていくという方針転換をしたわけです。 その中で、今御説明をいただきましたけれども、外務省としても前年度比でいえばパーセンテージで九・五%の増額、それから防衛省としても二・二%の増額、二年連続でしっかりとした予算を付けることができたということに関しては評価をしたいと思います。 しかしながら、これ予算委員会の集中審議の中でもやりましたけれども、防衛予算、外務省予算というのは決して、前年度比で増額であればよい、そういう性質のものではないわけですね。我々が相手にしなければならないのは他国であって、他国との相対比率において必要な所要というのは必ず見積もられるわけです。その見積りに対してしっかりとしたものを付けられるだけの予算というのを付けていく。その面では、まだまだ非常に不十分な部分があったのではないかな。特に、集中審議の中では、人材というのをどういうふうに考えていくのかということで、防衛省、外務省、それぞれに質問をさせていただきました。 今日は、その人材、結局、最終的には、物買いをするのはいいんですけれども、その物を支えていくのは、戦力基盤となるのは人ですから。その人を今度は支えていく戦力基盤としての宿舎の問題について、三十五分間質疑をさせていただきたいと思います。 昨年、新しい二十五年度の防衛計画の大綱、これから二十六年からの十年間を見据えた大綱ですね、これを策定いたしましたが、この中で大きく変わった部分がいろいろあったんですけれども、私として一つ人的な部分で評価をしたいと思いますのは宿舎の面。これまでは隊員一人一人の生活の福利向上、福祉なんですね、隊員の福利の面で語られている部分があったんですけれども、今回、この宿舎が、大綱の中では、防衛力、能力発揮のための運用基盤であるんだという位置付けの中で書かれました。このことは非常に大きく評価をしたいと思います。 さて、昨年は、この宿舎問題、非常にまだ額が低いんじゃないか、もっと宿舎を利用している者に対して使用料を値上げするべきではないかというので一年掛けて議論をしたわけですけれども、そもそも、この宿舎問題値上げの原点にある法的な根拠といいますか、そもそもの出発点は何だったのかという御説明、これをちょっと財務省の方からお願いいたします。
○政府参考人(美並義人君) お答えいたします。 先生お尋ねの国家公務員宿舎につきましては、平成二十三年十二月に国家公務員宿舎の削減計画というものが取りまとめられております。この中におきまして、真に公務のために必要な者に公務員宿舎を限定するということ、それから公務員宿舎の使用料を引き上げるということが盛り込まれているところでございます。
○宇都隆史君 二十三年十二月ですね。これ前政権の中で、前政権の、一番冒頭に申し上げましたけど、理念の、やはり歳出に関わるところの無駄を徹底的に省いていこう、そしてこの歳出と歳入のバランスを合わせていこうという流れの中で、何か行政側の方で削れる部分はないんだろうか、その中に一つスポットが当てられたのが公務員の宿舎であったわけです。 宿舎に関わる歳出におおむね見合う程度の歳入を得る水準まで使用料の引上げを行うということが決められたわけですね。ある意味、この公務員の宿舎、まだまだ無駄があるんではないかということで、各省庁一律に無駄を見直しなさいと、そして必要な宿舎の量について見直しをした上で報告をしてきなさいということを求めたわけなんですけど、防衛省の方から、各省と一律に本当に自衛官の宿舎というのは語られていいんだろうか、こういう疑問が私はあるわけなんですが、自衛隊員の宿舎の特性、特に防衛省の任務に関わる特性という点から、防衛大臣、お答え願えませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省にかかわらず、各省それぞれ、宿舎というのはそれぞれの職務を行うには大変重要な立場、役割を担っていると思っております。ただ、自衛隊の場合は特に即応体制ということが大変重要になります。この即応体制を支える重要な基盤でありますので、できる限り駐屯地に近接した場所に設置するということ、これが大切だと思いまして、私ども、その整備に努めております。 また、これは、東日本大震災の折にも実際大変重要な役割をこの自衛隊の宿舎は担いましたが、隊員が災害などで長期間不在にする際の留守家族対応や地方自治体との連携など、こういうものについても自衛隊の宿舎というのは大変重要な役割を担っていると思っております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。 東日本大震災のときに、発生からもう翌日から災害派遣を受けて隊員が現場に急行したわけなんです。その中で、自分たちの家族の面倒というのは全然見れない状況だったんですね。東日本大震災でも隊員の家族が約四百八十名程度お亡くなりになっていますけれども、隊員はその間ずっと任務に従事していたわけですから、実際に安否が確認できたのは、数か月後してから自分たちの家族の安否確認、もし連絡が付かない方々についてはその遺体の確認等に行ったわけなんです。そういう面からしても、この宿舎の残された家族の有効性というのは非常にあると思いますし、また、残された家族が安心してそこで生活する生活基盤になっているというのも実情かと思います。 隊員の宿舎というと、一概にばっと一言で言ってしまうと、全国の二十二万人の自衛官すべからくこの宿舎に入っているようなイメージをちょっと捉えがちだと思うんですけれども、実はその宿舎に入っている人たちというのは年齢的にもちょっと偏っているといいますか、全ての年齢層がすべからく同じような割合で入っているわけではありません。もちろん、まだ結婚もしていなくて階級も低い隊員に関しては基地の中に住まなければならないことが義務付けられていますし、実際に家族を持つ、あるいは階級的にいうと二曹になった隊員たちは外に出ることを許可されるわけですけれども、その中で、宿舎に住む人間というのは大体二十代から、それから三十代後半、あるいは四十代の手前までで、実際に持家を持つまでですよね。要は、経済的にもまだ、月のお給料もそんなに高くない、家族の面倒も見なきゃいけない、子弟教育にもお金が掛かる、転勤、転勤の連続で、その転勤の費用も必要だ、そういう中において、できるだけこの安い宿舎の中で生活をし、生活基盤を安定させ、いざ任務となったときには自分がいなくても宿舎同士の連携の中でやっていける、それが宿舎の非常に有効性なんだと思います。 一つ例を出しますと、これはちょっと防衛省の方にも調べていただいたんですけれども、Ⅲ種採用の事務官、制服組ではない事務官の方ですね、地方の方で働いているスーツを着て勤務をする事務官、二十五歳、妻一人子一人のモデルケースというのをちょっと調べてもらいました。俸給月額が約十七万円、扶養手当が約二万円、超過勤務手当は五時間で七千円と換算すると、月収って二十万円しかないんですね。この二十万の中で生活を賄っていかなきゃいけない。もちろん子供たちの子弟教育に掛かるお金も必要でしょうし、あるいは貯蓄もしていかなきゃいけないわけなんです。その中で、地方に行けば、自衛隊の宿舎というのは大体一万円ないところから、まあ新しく建った宿舎なんかは少し高いところもありますけれども、そういうところに入居しながら安心して生活をしていける、自分たちの生涯の設計をしていける、これは非常に重要なことなんだろうと思います。 防衛省にそこでちょっと確認をしたいんですけれども、全国で二十二万人いるわけですけれども、大体何割ぐらいの隊員が宿舎を利用しているのか、数値的なデータがございましたら教えてください。
○政府参考人(豊田硬君) 防衛省におきましては全国に約五万三千戸の宿舎を設置しておりまして、宿舎を貸与されている隊員は約五万人でございます。
○宇都隆史君 全体の約五万人が入居していると。先ほど言いましたように、その五万人というのは非常に若年隊員なわけですね。もっと言えば、いざとなったときに、災害派遣等出たりするときに一番最前線の厳しいところで働かなければならない、体力があって、一番戦力になる年齢層の隊員というのが実は宿舎を利用しているという現実です。 それでは、この中でこの削減計画が進んだわけですけれども、一つ大きな問題点がやっぱりあるんだろうなと思います。 宿舎によってはもう古い宿舎で建て替えがあったりもする、そして、中にはもう古くて使われていないような宿舎もあったりもするわけですね、部隊によっては。そういうところを整理、統廃合して潰していくというのは、これは非常に理にかなう話なんだと思います。 しかしながら、地方の小さな部隊に行くと、宿舎自体がまず建物として二つぐらいしかない。二つぐらいしかない中で、ぽつんぽつんぽつんと虫食い状態で空いているんですね。例えば、一つの建物、四十戸ある建物だとすると、その四十戸のうち五戸とか六戸とかが歯抜け状態になっている。希望者がいないんですかということで部隊の方に確認すると、いや、そういうわけではないと言うんですね。 結局、何が起こっているかというと、先ほど財務省の方から説明していただいた、二十三年の十二月の時点で必要な戸数を防衛省の方から伝えているわけですね。その戸数以上上げられないものですから、全国一律に今使用している限度のレベルを維持しなければならない。小さな部隊に行くと、四十戸が一個しかない、あるいは二つぐらいのところしかないようなところが多いわけですよね。そこを一〇〇%埋めてしまうと、全体の割合を保つためには大きな宿舎を持っているところがより割合としては減らさなきゃいけない。そういう現状が出てきて、地方に行くと虫食い宿舎が存在する。 建物を考えてみたらお分かりになると思いますけれども、虫食いの、人が住まない宿舎というのはやっぱり傷みは早いですね。カビも生えるでしょうし、あるいは水道とかも使わなければ水道管もどんどんさびていくでしょうし、そういう管理の面でも非常にこれは問題が大きいんだと思います。 財務省の方でこの虫食い宿舎の現状、これを把握していらっしゃるのか。把握しているとすれば、これどのように今後管理をしていこうと考えられているのか、お答え願えますか。
○政府参考人(美並義人君) 先ほど申し上げました国家公務員宿舎の削減計画の中で、真に公務に必要な宿舎に限定するということで、宿舎に入居が認められる職員というのを、例えば緊急参集する必要がある職員など、五つの類型に限定しております。 その限定した中において、各省庁において当該五類型を基に必要戸数の精査を実施していただいて、業務上の必要性や立地等を勘案して廃止する宿舎を選定すると。さらに、耐震性等に問題がある宿舎についてはより詳細なコスト比較等を実施し、その処置について判定を行うという形を取っております。 具体的に防衛省が所管する省庁別宿舎についても同様の過程を経て存置若しくは廃止を決定したものというふうに承知しております。その結果、結果的に一部の住戸のみ廃止となる宿舎も生じ得るわけでございますけれども、防衛省が所管する省庁別宿舎の中でどの住戸を空室とするかについては、宿舎管理上の観点などを踏まえつつ、防衛省との協議において適宜調整してまいりたいというふうに認識しております。
○宇都隆史君 今の答弁でちょっと確認をしますけれども、五つの類型に合致した方が基本的に入れる、希望したら誰でも入れるわけではないという話でしたけれども、この五類型はどれか一つにでも合致すればそれでいいわけですか。
○政府参考人(美並義人君) そのとおりでございます。
○宇都隆史君 その五類型というのは、例えば、一、離島、山間へき地に勤務する職員。二、頻度高く転居を伴う転勤等をしなくてはならない職員。三、居住場所が官署の近接地に制限されている職員。四、災害、テロ、経済危機、武力攻撃等を含め、政府の迅速な対応が求められる事件・事故等が発生した際、各省庁が定める業務継続計画等に基づき緊急参集する必要がある職員。五、国会対応、法案作成及び予算等の業務に従事し、深夜・早朝における勤務を強いられる本府省職員。この五つなわけですよね。 でも、私が今例に出した自衛官なんというのは、この五の国会対応とか法案作成には関係しないかもしれないですけれども、残りの四つには全て当てはまる隊員ですよ。それが希望しているにもかかわらずここを空けなければならないというふうになっているわけですね。 もう一つ、先ほど、そういう結果として虫食いのところが出てきますけれども、それは現場と協議の上設定していますという話をされましたけれども、それこそ結局、本末転倒の議論ではないですか。 元々国が持っている国家財産の中で、適正に使用されていないもの、無駄に使用されているもの、それに対して国の経費が掛かるのであれば、その無駄を削除してできるだけ歳出を抑えて歳出と歳入のバランスを保っていくべきではないですかというのが、元々のこの官舎問題の一番の理念というか、論点の底にあったはずにもかかわらず、私が言ったような現地の部隊に行くと、ちゃんとそこに官舎があるんです。立派な官舎があって適切に管理されているにもかかわらず、そういう一つの、何て言うんですかね、方針が出たからという理由の中で、五つの場所だけが、例えば、例示でですよ、五つの戸だけが空いていて、入りたい人間がいるのにそこに入れない。 適切に入ってそこを管理しさえすれば、五戸分はちゃんと使用料が入ってくるわけじゃないですか。かつ人が入れば、入らないよりも傷みも少ない。にもかかわらず、そうやって国有財産を遊ばせているということの方が、私は、これは理にかなわない、国民の支持が、理解は得られないことなんじゃないかなと思いますけれども、それに対して御意見はございますか。
○政府参考人(美並義人君) 国家公務員宿舎削減計画の折におきましては、今先生が申し上げました五つの類型が、真に公務に必要であって宿舎に住むべき人間という取りまとめをいたしまして、それに基づいて防衛省の方でそれに当てはまる職員数、宿舎必要戸数ということで約五万一千戸の宿舎を定めたところでございます。 また、どの職員がどの五類型に当たるかということは防衛省の方で決めていただくということにしておりますので、できますればその空き室に、五類型に当てはまる職員が住んでいただければというふうに考えております。
○宇都隆史君 しかしながら、全体としてこの宿舎削減計画が決まっているわけではないですか。そうすると、例えばその虫食いの状態を埋めるということは、全体の割合をキープしなきゃいけないのに、一部だけ、その局所局所でいけば割合を超えるところが出てくるわけですよね。その虫食いを埋めるということは、その宿舎自体は満になるわけだから、そこは一〇〇%になっちゃうわけじゃないですか。そうすると、必然的に宿舎をたくさん持っているところの基地、駐屯地、そこに空きを、しわ寄せを持っていくしかないわけですよね。 そうすると、必然的にそういう宿舎を多く持っているというのは都市部ですよ。都市部に近いところの、陸でいえば、陸上自衛隊の駐屯地でいえば、都市部に近いところの大きな部隊、大きな司令部を持っているような部隊、あるいは航空自衛隊、海上自衛隊とかでいえば、戦力発揮の基盤になっている大きな基地、そういうところの官舎ですよね。先ほど申し上げたように、宿舎というのは緊急参集の重要性のある宿舎なわけですから、そういうところの宿舎の空きが大きくなる、割合として。本末転倒じゃないですか。 そもそもこれは、全体としての戸数を初めに決めてしまってからその割合を守らせる、その理念と現場で起こっていることが全く乖離している。そのことを財務省理財局は理解をされているのか、あるいは見ようとしないのか。そこのところは、いやそれは防衛省が決めてくることですから、基本的には防衛省の中で協議していただいてやってください。そんな問題じゃないような気がするんですね、私は。 では、国家公務員宿舎法の中で無料宿舎というのが決められている、この基準、これをちょっと教えてもらえませんか。
○政府参考人(美並義人君) お尋ねの無料宿舎でございますけれども、国家公務員宿舎法第十二条におきまして、本来の職務に伴って、通常の勤務時間外において、生命若しくは財産を保護するための非常勤務等に従事するためその勤務する官署の構内又はこれに近接する場所に居住しなければならない者などにつきまして無料宿舎を貸与することとされているところでございます。
○宇都隆史君 今、宿舎法の無料宿舎というところの十二条の一を読んでいただいたんですけれども、その他にも、三、へき地にある官署、特に隔離された官署に勤務する者、これは、自衛隊でいえば、本当に地方のレーダーサイトであったり、あるいは離島で勤務するような方々、これに当たるわけですよね。あるいは、任務遂行するために官署の構内又はこれに近接する場所に居住しなければならない者。自衛隊員は指定場所の居住義務がちゃんと課せられています。まさにこれにも当たると思うんですね。決してこれは一部の緊急参集要員だけに求められているものではなくて、転勤の命令が出たら、ちゃんとそういうへき地に対しては行くのがこれ自衛官の義務ですし、何かあったときに緊急参集するために指定場所居住の義務が与えられているのは、何も特定の者だけではなくて、全員に対してそれは与えられている義務なんですよね。 そうすると、基本的に自衛隊という防衛省が持っている任務から考えると、本省勤務とかそういうのは別にしたって、現場で我が国の主権、独立を守るために日夜訓練をして汗を流している現場の隊員は、まさにこの無料宿舎の定義に当てはまる職員ではないかなと私はいつも疑義を感じてならないんです。 その上で、この無料宿舎、ほかの省庁にも適用されて入られている方いますよね。法務省、今日はお越しになっていると思うんですけれども、法務省、今回のこの宿舎問題が出て、無料宿舎分、防衛省大分多く認められたわけですけれども、それまでは法務省の無料宿舎というのが一番多かったのではないかと思います。法務省の中でこの無料宿舎に該当する方はどういう方で、現在、全国で無料宿舎というのは何戸分法務省として持たれているのか、教えてください。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 法務省の中で無料宿舎が認められておりますのは、刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院並びに入国者収容所及び地方入国管理局に勤務する者でございます。 そのうち、本日、少し、刑務所関係といいますか矯正関係の数しか持ってきておりませんので、入国管理関係を除いた矯正関係の数をお答えさせていただきます。 刑事施設、少年院、少年鑑別所などの矯正施設に勤務する職員は全国で約二万三千三百人おります。そのうち、国家公務員宿舎に居住している矯正職員が約一万二千人ございます。そのうちの約九五%が無料宿舎に入居しております。
○宇都隆史君 全国で一万二千人のうちの九五%ですから、まあ一万ちょっとぐらいの無料宿舎がその刑務所あるいは少年院等で職務をする職員の皆さんが使用されているわけですよね。刑務所の刑務官等も非常に重要な仕事ですから、その数がどうだとかいう話はしないんですけど、先ほどの無料宿舎、公務員宿舎法の十二条に照らすと、この皆さんというのは、どこの部分に当てはまってこの無料宿舎とみなしているというふうに認識されるんでしょうか。法務省さん。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 これらの職員は非常の場合に参集されますので、通常の勤務時間外において生命若しくは財産を保護するための非常勤務をする者に当たるというふうに認識しております。
○宇都隆史君 財務省に改めてお伺いしたいんですけど、今言われた二十四時間、自分の勤務外についても何かがあれば参集してこなければならない職員という意味では、自衛官も全く一緒ですよね。今回のこの公務員法の問題が出るまでは、ちょっとこれ済みません、通告していませんけど、防衛省ちょっと答えられますかね。この問題が出るまでは、元々無料宿舎全国で何戸ありましたか、防衛省として。
○政府参考人(豊田硬君) 今般の制度改善前ということでございますが、防衛省におきましては、例えば平成二十五年九月、昨年の九月の問題のさなかの段階で約二千戸の無料宿舎が貸与されておりまして、有料宿舎を含めた防衛省全宿舎五万三千戸の約五%に相当いたします。
○宇都隆史君 それは、自衛隊についてはこの無料宿舎分は二千戸しか認められていなかった。法務省のこの刑務官、別に自衛隊の任務と刑務官の任務をこれを比較して云々という話ではないですけれども、私は、やはり国民の生命、財産、あるいは国家の主権、独立のためにいざとなったときに参集しなければならないという意味であれば、どちらがという意味ではなくて、当然自衛官もこれは無料として認定されるべきであったものだろうと思います。 その辺りの件に関して、財務省の方からちょっとお答え願えませんか。
○政府参考人(美並義人君) 無料宿舎の考え方といたしまして、生命若しくは財産を保護するための非常勤務ということも当然ございますけれども、それに伴って、いざというときにすぐ参集できるように官署に隣接したところに住まなければいけないと、言わば居住の強制を課しているということの代償として無料宿舎としていたところでございます。 従来、刑務所におきましても自衛隊におきましても、その官署から百メートル未満というところの宿舎について無料宿舎、居住義務を課した上で無料宿舎が認められるという扱いになっていたためにその数の差が生じたということでございます。
○宇都隆史君 そうなんですね。財務省は結局、各省庁やっぱり差を付けることができないわけですから、公平さを保つ以上、そういうのを認めなければいけない。そのときに何の基準をもって考えるかというと、どちらかというと、任務の重要性であったり緊急参集の重要度であったりとかそういう定性的なものよりは、定量的に測れるもの、つまりその職場まで参集するまでの距離というのを非常に重要視これまでしてきた。しかしながら、それがやっぱりもう実態に見合わなくなってきているんではないか、そこはやっぱり考え直す必要は十分にあると思うんですね。 今回は、この問題を受けて、非常にいろんな形で善処はしていただいたんだと思います。防衛省の方から、今回の問題、結局どういうふうに最終的に落ち着いたのかというのを、この距離というところ、ちょっと強調もしていただいて。
○副大臣(武田良太君) 無料宿舎に関わる官署からの距離要件を百メートル未満からおおむね二キロメートルに緩和をいたしました。
○宇都隆史君 ちょっと、人口に関わるところの部分もございましたね。そこまでちょっとお願いできますか。
○副大臣(武田良太君) 地方部ですけれども、県庁所在地を除く人口三十万人未満の市町村における宿舎料金の引上げ率を一・三倍に抑制したということです。
○宇都隆史君 ありがとうございました。 人口三十万以下のところは六年掛けて一・三倍まで、そして人口が多いところについては六年掛けておおむね一・七倍から一・八倍と。そしてまた、無料宿舎の部分については、先ほど財務省の方から答弁ありましたけれども、これまでは約百メートルまでしか認めていなかったところをおおむね二キロ、つまり、おおむねというのは二・五キロぐらいまでかな、というところかと思うんですけど、そこでちょっと考えていただきたいんです。 自衛隊の基地、駐屯地、それから分屯地というのは全国に散らばっているわけですね。そして、これまで自衛隊が歩んできた経緯からも、その地域地域においては必ずしも自衛隊に対して協力的ではない地域というのも非常に多くあり、そうすると、自衛隊のその職場環境と宿舎というのが常に隣接されている土地だけとは限らない駐屯地、基地というのが非常にこれ多くあります。 例えば、その地域から自衛隊を誘致してほしいという要望があって自衛隊の基地、駐屯地を造ったような場所で、しかも宿舎の場所はここに建ててくれという元々の要望があったような、そういう経緯があったような場所もあります。その結果、この二・五キロ以内に入らなかったという場合もありますし、あるいは逆のパターンもありますね。 元々、旧軍時代から、あるいは占領下において米軍が使用していた基地等を譲り受ける形でそこに入ったんだけれども、宿舎を建てるときに地域の住民から非常に反発があって、反対されないところの用地を選定した結果、非常に離れたところにしか宿舎が造ることができなかった。あるいは、近場にそれはもうもちろんいい土地を見付けて買うことができればいいわけですけれども、それをすればお金が掛かるわけですね。であれば、国としては、できるだけ財政出動を抑えるためにも、国が持っている国有地のここを使えるようになったらここをできるだけ使いなさいということで、その国有地を使ったがためにこの二・五キロ以内に入らなかった、こういうような基地が今でもたくさんあるわけですね。 非常に現場からもいろんな不安の声、問題点の声が上がってきています。例えば、この二・五キロ以内に入らない駐屯地を具体的に例で挙げるとすると、海上自衛隊でいうと横須賀基地、まさに我が国都心部の要でもありますし、横須賀といえば米国第七艦隊との連携する中枢部分でもありますよね。この横須賀の基地の官舎はこの緊急参集、二・五キロ以内に含まれていない。あるいは航空自衛隊横田基地、第五空軍との連携がある司令部ですね。この司令部、基地の中に住んでいるのは総隊司令官、副司令官、幕僚長、この指揮官職だけですよ。あと実際に仕事をする司令部要員というのは、もう三・五キロぐらい離れたところにいてこの無料宿舎には含まれないとか、あるいは先ほど言った元々の経緯の話で、地元住民からの反発もあってという話であれば、航空自衛隊の秋田救難隊とか、あるいはもう陸も非常に多い部隊があります、えびの、鹿追、白老、岩手とか静内とか、こういうような元々の経緯の中で特殊性があった部隊、そしてこの宿舎、しかも緊急参集の必要性が非常に重要と認められるような宿舎に関しては、財務省、今後どうするおつもりですか。
○政府参考人(美並義人君) 今回、国家公務員宿舎使用料の引上げに際しましては、行政改革を進める観点から使用料引上げを図る一方で、先生が御指摘にありますように、使用料引上げなどで公務に支障を生じることがあっては、それは本末転倒であろうということで、様々な政策的な対応をしたところでございます。 御指摘の距離要件の百メートル未満からおおむね二キロメートル以内の拡充につきましても、大規模災害時等の即応態勢の確保、これが重要であろうということで、自衛隊のみならず海上保安庁等におきましても同様に距離要件の拡充をしたところでございます。 ただ、これにつきましては、あくまで緊急に参集すると、考え方でいきますと、徒歩三十分以内で招集できるということが重要と考えておりますので、二キロメートル以内に仮に宿舎がないようなところであれば、予算の範囲内ではあると思いますけれども、整備を進めていただければというふうに考えている次第でございます。
○宇都隆史君 それは、二キロ以上に宿舎があるときは、予算の制限はあるけれども、二キロ以内に場所を見付けて新しく建てろという、そういう話ですか。
○政府参考人(美並義人君) これは各省庁において検討していただくことではありますけれども、即応態勢の維持、緊急に参集する必要が非常に高いという場合であれば、そこに宿舎を設ける必要があるものというふうに承知しております。
○宇都隆史君 だから、財務省はそこをしゃくし定規に定量的な距離だけで考えないで、真剣に現場の現状をよく考えてくださいよ。元々、二キロ以内に建てられるのであれば建てられたような場所はいっぱいあるわけですよ。それができなかったからそういう遠くに建てたとか、あるいは地域との信頼関係でここに建ててくれと言われたからそこに建てている。そこに建てているということは、そこに住んでいる人たちがいるわけですから、その隊員たちの地方税とか、そこの行政単位のところに落ちるわけですよね。それを二キロ圏内に入れることで行政の境界が変わったりする可能性がある場所もあるわけですよ。 そういう現状を考えて、財務省、そういうところは私は逃げたらいけないと思う。国の重要性とか防衛省の重要性は分かっていながら、財政の範疇の中であとは防衛省が現場の現状を見て考えてください、それはやっぱり違うと思うんですよ。全体としての抑制をして、この流れの中で理財局としてやりなさいということをやっている以上、やっぱりそこのところは真剣になって一緒に取り組んでもらわなければならない。 今回の防衛大綱それから国家安全保障戦略の中でもそういうことがうたわれているわけですよ。これまで国の安全、安全保障というのは防衛省だけが考えてきた。そうではない、全ての省庁がそこで協力してやっていくべきだということを改めてお伝えしておきたいと思います。 最後、時間になりましたので、防衛大臣、今後、この無料宿舎等も踏まえて、隊員の不公平感とかそういうのが出てくるというような現場からの非常に問題点も、声が上がっているんですけれども、最後に、大臣として一言、この官舎問題に対して今後どうされるか。副大臣、じゃ、はい。
○副大臣(武田良太君) 委員冒頭おっしゃいましたように、能力発揮のための運用基盤として宿舎の問題は重要性を増してきております。この問題の結果がどういう任務に影響を与えるかということを三十年四月までの激変緩和期間の間じっくりと見直しながら、そして支障が出たそうしたところを冷静に検証しながらこれ見直しにも努めてまいるということも財政当局とは打合せをしておりますので、我々も冷静にその状況を見極めて適切な対処をしていきたい、こういうふうに思っております。
○宇都隆史君 二年後には、またこの今回の決定の見直しがあるやにも聞いております。大臣も一言、じゃ、お願いいただけますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 宇都委員には、この問題については熱心に取り組んでいただき、全国回っていただきました。 私も防衛大臣になりまして、もう既に部隊視察は八十以上を超えております。おとといには福島県の大滝根山というレーダーサイトに行ってまいりました。この基地は標高千百九十二メートルにあります。二メートル以上の雪で覆われたのが基地であります。そして、ここの宿舎は、さすがにこの山頂には土地がないということで、そこから下の標高たしか六百メートルか七百メートルのところに宿舎が置いてあります。でも、当然二キロから距離が離れています。全国には実態として、ここはどうしてもここにしか造れないというような、そういう宿舎もあり、ここで二十四時間あるいは緊急対応ですぐに行かなければいけない隊員がたくさんいるということもあります。 私どもとして、地域の隊員を、部隊の実態を見ながら、今後とも、財務省、財務当局とも相談をして、実態に合う形でしっかり対応していきたいと思っています。
○宇都隆史君 最後に、この問題はまた引き続きやらせていただきますが、抜本的なやはり改革が必要なんではないかという問題提起をして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 まず、昨年の六月、私の選挙区で行われました、横浜市で開催されました第五回アフリカ開発会議、TICADⅤについてお伺いしたいと思います。 TICADは、日本政府が、国連、それから世界銀行などと共催するアフリカの開発をテーマとする国際会議でありまして、これまで一九九三年から五年に一回開催されてまいりました。 TICADの目的には三つありまして、アフリカ諸国を貧困から救うということ、それから平和プロセスを進行させること、それから自立を促す、こういったことが目標であります。また、最近、世界的なテーマとなっている気候変動問題、これに関しても議論が行われております。 この会議はアフリカの開発を議論するフォーラムの先駆けでありまして、元々は単発の国際会議として始まったんですけれども、今ではODAの数値目標ですとか閣僚によるフォローアップのプロセスが付与されています。このように、TICADは、日本外交にとっても、またアフリカにとっても非常に重要な役割を担っているフォーラムと言えます。 六年前に行われたTICADⅣに際しましては、私は、人の命こそが優先されるべきではないか、また、この会議、TICADⅣをきっかけに、まず生きるための支援を参加者全員が共有することに意義があるなどということを私はODAの委員会などで申し上げました。そして、アフリカの多くの子供が貧困や感染症で死亡している事実を取り上げまして、日本の対アフリカ支援は食糧ですとか医療の支援の比率が低いのではないかと、こういった指摘を行いました。 今、アフリカは急速な経済成長を遂げています。ですが、その一方で、貧富の格差の拡大、あるいは開発による土地収奪、また環境破壊、人権侵害といった負の側面も急速に広がっていることが指摘されております。ミレニアム開発目標、いわゆるMDGs、これについても、特にサブサハラ地域においては二〇一五年まで目標の達成は難しいと見られております。 TICADⅤにおいて、政府は、開発から民間セクター中心の投資へ対アフリカ政策のかじを切る姿勢を示しました。前回の質問から数年がたちましたけれども、政府はこれらの人の命を守る分野の支援拡充にどのように取り組んでこられたのか、御説明いただければと思います。外務大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、TICADプロセスですが、一九九三年にスタートをし、二十年間の月日を積み重ね、昨年横浜でTICADⅤを開催することとなりました。 アフリカに対する我が国の支援の取組ということでスタートしたわけですが、近年、このアフリカは躍動する大陸として高い経済成長を示し、そして豊富な地下資源を持ち、アフリカ五十四か国は国際場裏におきましても大きな存在感を示しています。ますます我が国がこのTICADプロセスを通じてアフリカとの関係を深めていくことの重要性が高まっております。 昨年六月のTICADⅤにおきましても、三十九の国の国家元首、首脳が集まりました。合わせて五十一か国が参加したわけでありますが、参加人員も四千五百名という過去最大の規模で開催することとなりました。 安倍総理の方からは、我が国の支援策として、今後五年間、ODA一・四兆円を含む最大三・二兆円の支援を表明したわけですが、特に御指摘の保健分野につきましては、安倍総理も、オープニングスピーチにおきまして、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、この推進を特に強調して表明をしたところです。私自身も、テーマ別会合におきまして、このユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、これを是非ポスト二〇一五年開発目標に位置付けるべきだと表明し、万人が成長の恩恵を受ける社会の構築を目指す、こういったことにおいて会議で一致をした、こういった成果もありました。 是非、今後とも、こうした成果等も含めて、TICADプロセスにおいて、我が国が国際社会において約束した様々なこの支援策、着実に実行して、アフリカの質の高い成長をしっかり後押ししていくべく努力をしていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるとおり、いろいろな努力が行われてきたと思いますけれども、まだまだ地域によって、たくさんの方々がお亡くなりですし、どんどんいろんな方々が御病気になって、また小さい子供たちもたくさん亡くなっておられます。ですから、引き続き改善に努めていただきたく存じます。 今回のTICADⅤでは、成果文書として、横浜宣言あるいは横浜行動計画二〇一三から二〇一七を採択しています。五年間で、今大臣がおっしゃっていたように、一・四兆円の対アフリカODAを含む最大三・二兆円の官民の取組を主な内容とするアフリカ支援パッケージが日本から発表されました。 ですが、前回のTICADⅣの際と異なり、日本以外のTICAD参加者を含んだTICAD全体としての具体的な支援策の取りまとめは行われませんでした。今後、TICADの存在感を国際的に向上させていく上でも、日本以外の諸国あるいは団体をどれだけ日本の動きに巻き込んでいけるか、こういったことが重要になるかと思います。この現状についてどのような問題意識と対策をお持ちでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、アフリカは躍動する大陸として国際的な注目を集めてはいますが、一方で、貧困ですとか衛生ですとか、まだまだ大きな課題もたくさん抱えている、これが現状だと考えております。 こうした厳しい現実に対して、先ほども保健分野においての我が国の取組を申し上げさせていただきましたが、そもそもこのTICADプロセスにおきましては、このTICADⅣ、前回のTICADにおきまして我が国は、この五年間でアフリカ向け保健分野における四百三十億円の無償資金協力、技術協力の実施、あるいは一千か所の病院及び保健センターの改善、さらには十万人の保健医療従事者の研修実施、こういった公約を前回のTICADⅣにおいて表明しましたが、これは全て達成をしております。 しかしながら、アフリカの現状を考えますと、ミレニアム開発目標、このMDGsの母子保健に関する目標など、特に五歳未満死亡率及び妊産婦死亡率改善の達成が遅れている、こういった現実があります。 そういったことから、昨年六月のTICADⅤにおいて、アフリカにおける保健分野に関しまして、五百億円の支援、あるいは保健医療人材十二万人の育成を表明をいたしました。また、全ての人が基礎的保健医療サービスを受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、こういったものを掲げたわけであります。 そして、他国を巻き込んでどのように取り組むのかという質問につきましては、例えばTICADⅤ後、昨年十一月、ウガンダにおいて、医療施設の改善及び緊急搬送システムの強化を目的とした西部ウガンダ地域医療施設改善計画に関する交換公文の署名を行いました。また、本年一月、総理がモザンビーク共和国を訪問した際に、女性のエンパワーメントに資する保健人材の育成を目的として、マプト市医療従事者育成学校建設計画に関する交換公文に署名をいたしました。 是非これからもこうした具体的な積み重ねを一つ一つ積み上げていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 私も、前々回ですね、TICADⅣが始まる前に、私は外交防衛委員会やODA委員会で母子手帳の普及、これは母子手帳というのは日本発祥のものですので、是非母子手帳を普及していただきたい、それから、母子手帳がまだ普及できない地域においても、母子手帳という言葉をキーワードとして母子保健向上に努めていただきたいことを提案いたしました。これからもこうした命や健康を意識して折衝に当たっていただきたいと思います。 五度にわたって積み重ねられた実績と信用によって、TICADはもはや日本外交の看板政策となっていると私は思います。TICADを日本外交の重要な要素として今後も最重要視していくべきと考えますが、日本外交全体におけるTICADの将来も含めた位置付け、すなわち、今後日本外交の中でTICADをどのように位置付けるかについて外務大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国は、地球儀を俯瞰する外交という立場、考え方を標榜して外交を進めております。地球儀全体を眺め、そして全体のバランスを考えながら外交を進めていく、こうした考え方を進めているわけですが、その中にありまして、アフリカは日本外交にとりまして一つのフロンティアであると認識をしております。そして、先ほど申し上げましたように、近年のアフリカの経済発展、そして豊富な地下資源を考えますときに、躍動する大陸として国際的にも大きな注目を集めています。そして、アフリカ諸国五十四か国、国連等、国際場裏におきましても数の上でも大きな存在感を示しています。 こういったことから、アフリカ、さらにはTICADの取組、これはこの日本の外交の中の柱の一つとして重視し、そして引き続きしっかりと取り組んでいかなければならない、こうした課題であると認識をしております。
○牧山ひろえ君 御同意いただきましてありがとうございます。是非このTICADは日本外交の重要な柱として今後も重視していっていただきたいと思います。 このTICAD、アフリカの開発を議論するフォーラムの日本では先駆者だと思うんですね、このTICADというのは。最近では次々に同じような趣旨を持ったフォーラムがいろんな国々で展開されていると聞いております。例えば中国ですとかインド、こういった国々では、二〇〇〇年以降、同趣旨の会議を三年ごとに交互に開催されているというふうに聞いておりますし、また、アメリカでもこの夏、アフリカ開発会議が行われると聞いておりますし、また、EUでも同じようにこういった会議が行われると聞いております。 このようなアフリカ開発フォーラムの乱立状況の中にあって、TICADの国際的な位置付けを向上させていくための施策がこれからは必要になってくるんではないかと思います。 ここで私は、三つの提案をさせていただきたいと思います。 一つは、これまでには五年に一回TICAD開催されてきたんですけれども、最初の時期はよかったとは思うんですけれども、だんだんアフリカの成長や変化がそのスピードを増している中で、五年の間隔はちょっと長過ぎるかなと思います。例えば三年にするとか、そういったことも検討していただければいいなと思います。現に、ガーナのマハマ大統領も、五年は長過ぎると御発言されたかとお聞きしております。このお考えについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、昨年六月にTICADⅤにおきまして採択されました横浜宣言、あるいは横浜行動計画、この宣言や計画の中には、引き続きこのTICAD首脳会合を五年に一回開催されるということについては一応明記をさせていただいております。ただ、こうした会議のありようについては、アフリカの置かれている状況ですとか国際社会における様々な動きを勘案しながらこれは考えていくべき課題であるとは思っております。 先ほど委員からも御指摘いただきましたように、TICADⅤについては、こうした首脳会合と併せて、毎年閣僚会合というのが開かれます。今年もこの閣僚会合、開くことを予定して今調整中でありますし、私も是非日程が許せば出席をしたいと思っていますが、こうした閣僚会合等を通じて、是非アフリカ諸国としっかり意思疎通を図り、そして今の御指摘の点につきましてもアフリカ諸国と協議をする、こういった姿勢は大事なのではないかと考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 まだもう二つ提案がありまして、二番目に私が提案したいことは、国際会議とか国際フォーラム、これも重要なんですけれども、国際交流イベントも大変重要だと思います。 今回のTICADⅤにおいても、私の選挙区の横浜市の中では、アフリカ紹介コーナーが各駅にあったり、あるいは各小学校で一つの国をテーマとしたいろんなイベントがありました。例えば、ある小学校ではガーナ、ある小学校ではチュニジアといったように、一校一国運動、これが学習や交流メニューに含まれておりました。それから、アフリカをテーマとした様々なお祭りですとか、そういったことも私の選挙区横浜の中で開催されました。これをもっともっと大きな規模でやっていければいいなと思っております。 それから、三つ目に提案したいことなんですが、先ほども述べましたように、どれだけ日本の政府当局以外の団体を巻き込めるかというのがこれから課題になってくると思うんです。先ほど大臣もおっしゃったように、今回はアフリカ諸国五十一か国、TICADⅤに参加していただきましたし、また、ドナー、アジア諸国では三十一か国、それから国際機関が七十二機関、民間企業、市民社会、七十団体以上が参加されています。これも当局の御努力のたまものだと思っております。ですが、更なる拡大に努めなければならないと思います。それに当たりまして、まだまだ拡大の余地が大きいので、是非努力をしていただきたいと思います。 この三点の提案について、是非前向きに御検討ください。 続きまして、ちょっとテーマが変わりますが、二〇〇八年の第四回アフリカ開発会議、これはTICADⅣですね、これにおいて、日本は二〇一二年までの対アフリカODA倍増や対アフリカ民間投資の倍増支援を公約し、二〇一二年までに公約を達成しております。 そして、それに続く昨年のTICADⅤにおきましては、日本は、先ほどもおっしゃられたように、ODA一・四兆円を含む最大約三・二兆円のアフリカ支援パッケージを発表しております。ですが、日本のODA予算は、今年度、二〇一四年ですと五千五百二億円、一九九七年では一兆千六百八十七億円、これがピークでしたので、それに比べますと今半分以下になっているんですね。二十年近くずっと減少を続けている状態です。この十数年でここまで激しく予算が減少している分野は余りないかと思うんです。 今年の予算にしても、外務省所管分は僅かに〇・四%増、増額されてはいますけれども、政府全体ですと、前年度と比べて七十億円減っております。しかも、国際的なODAの評価というのは当然ドルベースになりますので、ですから、今はアベノミクスの下で円安傾向が続いていますので、ほかの国々から見ますと、日本の国際的なODAの実績というのは、日本円で、円で感じる以上にほかの国々から見ると減少しているように思われるというか、見られるようになると思うんです。国際貢献の必要性は変わらず、むしろ高まっているということにもかかわらず、この状況なんですね。 今、日本でも予算状況も厳しいということは承知しておりますけれども、このまま戦略性もなくずるずる減らしていく状況でいいのでしょうか。また、日本が求められる国際貢献を果たしていくためには、ODA予算の確保に今後相当な努力が必要だと思います。日本外交の基盤であるODA予算の意義、また役割、予算全体における位置付けを政府全体で議論し明確にしていくことが不可欠だと思いますが、この辺に関しましては、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、先ほどのTICADに関する三つの御提案、開催時期あるいは交流の在り方、さらには国際機関を巻き込むという御提案、この三つの御提案につきましては、貴重な御提案としてしっかり受け止めさせていただきたいと存じます。 そして、その上で、ODA予算について御質問をいただきました。御指摘のように、政府全体の一般会計ODA当初予算、厳しい財政状況の中で、一九九七年をピークに過去十六年間で約半分の水準となっております。 言うまでもなく、ODAは我が国外交にとりまして重要な外交手段の一つであります。このため、このODAを通じて我が国がコミットした国際公約の誠実な履行を含め、国際社会の抱える様々な問題に対応し、平和と繁栄に貢献していくことは、我が国に対する信頼を強化し、そして国際社会における発言力を維持強化する上で不可欠であると考えております。 来年の予算につきまして、先ほども委員会の冒頭で御報告させていただきましたが、外務省のODA予算は四年連続増額、二十六年度はプラス〇・四%ということでありますが、御指摘のように、円安状況でありますので、実質的にどれだけ効果を発揮できるのか、こういった御指摘は謙虚に受け止めなければならないと思います。 そういった中で、我が国としましては、このODAの三本柱として、好ましい国際環境の構築、経済分野での国際展開の支援、そして人間の安全保障の推進、これを三本柱として戦略的にODAを展開していく方針でありますが、あわせて、この予算につきましてもしっかり確保に向けて努力をしていかなければならないと思っています。 我が国のみならず、国際社会全体、この財政の厳しい中でODA予算等においては苦労をしているということが先日、予算委員会の中でも議論が出ておりました。我が国のこのODA予算、GNI比較で〇・一七%だったと思いますが、アメリカも〇・一九%とか、国際的には一九七〇年以降、〇・七%が大きな目標となっていますが、各国とも大変苦労している状況だという議論がありました。 厳しい中ではありますが、我が国も是非、このODA予算の重要性に鑑みてしっかりと額質共に努力をしていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 ODAは、その金額は下落し、そして大臣もおっしゃっていたとおり、為替で目減りもしています。用途についても、ここ近年では、ODAは成長重視、また投資重視の色彩が年々強くなってきていると思います。 例えば、この間、役所の方がお見えになって私に話してくださったんですけれども、今アフリカ政策に関連して目玉政策になっているのが、アフリカ諸国の人材育成を通じた日本企業進出支援、アフリカン・ビジネス・エデュケーション・イニシアティブの事業があります。これは、官民連携で、日本アフリカビジネスの将来を担う優秀なアフリカ人の学生さんを見付けて、そして日本に留学させて、大学院を経た後に日本の企業でインターンをしていただいて、後にその人たちが国に帰ったときに日本の企業のマネジャーになっていただく、そういったことを狙いとした事業が非常にうまくいっているというふうに聞いております。 もちろん、こういった発想はウイン・ウインの発想だと思いますし、非常に大事だと思います。否定するつもりは全くありません。ですが、こういった事業というのは、元々高度な教育を受けられている環境にある恵まれた人たちが更に約束されたポジションを与えられる、非常にプラスアルファを手にするいいチャンスだと思います。 ですが、その一方で、アフリカや南アジアの貧しい地域には、路上で、教育を受けることもなく、飢えてあしたの食べ物も見付けられない、そうやって苦しんでいる人たちが多数おります。今、このとき苦しみを続けている人々への視点と、手を差し伸べなくてはいけない任務を忘れてほしくはないと思うんですね。 ですが、先ほど述べたイニシアティブのように、経済成長重視あるいは投資重視の支援が拡大した分、伝統的な援助、すなわち命を守るためのODAですとか母子保健の向上ですとか、そっちの方の配分が当然目減りしているのではないかというふうに私は心配しているんです。 ちょっと繰り返し申し上げますけれども、ODAの予算が半減して、そして円安になって、さらには、少なくなった部分の大部分というか、大きな分野がますます成長重視、投資重視の方向に行っている、そうすると、命のためのODAというのはもう本当に激減しているんじゃないかというふうに心配しているんですが、この私の心配について、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の考え方は大変重要だと認識をいたします。 このアフリカとの関係、ウイン・ウインの関係をつくっていくという考え方において、アフリカは、近年、自らの成長の中で、基本的に投資につながる日本の支援をより強く要望している。要は、単なる支援だけではなくして、現地において雇用とか技術移転につながる、要するに将来につながり、そして地元が裨益する、こういった支援をより強く求めている、こういった傾向があるのは事実であります。我が国は、他の国のアフリカ支援との違いを示すためにも、こうした投資につながる、地元が裨益をし、そして将来につながっていく、こういった支援の在り方をしっかりと追求していく、この考え方ももちろん重要であります。 しかしながら、先ほども委員から御指摘がありましたように、アフリカにおいてはまだまだ厳しい衛生状況、あるいは格差、あるいは貧困、こういった大きな課題を抱えているのも事実です。ですから、命を守るODAという考え方、現行のODA大綱にも、この人間の安全保障、我が国は基本方針としておりますし、この人間の安全保障は我が国の外交政策の柱の一つであります。 こうした人間の安全保障に基づいて、しっかりと命を守るODAの観点からODA政策も進めていかなければならない、これも大変重要な視点だと思います。人間の安全保障の概念普及ですとか、あるいは現場における実践等を通じまして、是非我が国としましてもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 もちろん、経済を発展させることについてお手伝いすることも重要で、そこでまたそういったことをすれば雇用を生み出すということにもつながるかと思います。でも、今現在、路上で本当に飢えている人たちに実際にそれがつながるかといったら、それはまた別の問題でして、なかなかその方々、あしたにでも命を落としてしまうかもしれないという方々にはなかなか、ちょっと別で考えないとつながらないんではないかと思います。日本の国際的な位置付けを考えたときに、コンクリートのODAではなくて命を守るODA、これによって日本のプレゼンスを高めていく、そういう形で日本のODAの特徴を是非世界に示していただきたいと思います。 それから、本当に今日本の予算状況も厳しい中でも、どれだけの命が日本のODAによって助かっているのかということを国民が分かる形で、それが分かるような形にしていただければ納税者には納得はいくんではないでしょうか。 また、具体的にもう一つ私が提案したいのは、いろんなデータも見せていただいたんですけれども、そういったデータの調査に関しましても、主にその国の調査に頼っているものが多くて、それで賄えない部分が第三者機関による調査だそうなんですね。ですから、できればそういった支援をしている国々の、当該国の政府からの報告をうのみにするのではなくて、現地に接してより正確な情報を把握するための努力、それから第三者機関による独自の調査を増やす方向で努力していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、TPPの課題に移りたいと思います。 現在交渉中のTPPは、国民生活と日本の国益に重大な影響を与えることが想定され、国民的関心も非常に強いものがあります。ですが、交渉経過や交渉内容について、政府は秘密保持契約を盾に不十分な情報開示しか行っていないと思います。 私は、さきの臨時国会中に、交渉妥結後に開示される情報について質問主意書をお送りしました、お伺いしました。それに対して返ってきた答えなんですが、協定本体や附属書類というふうに書いてあったんです。私はこれを見たときに、附属書類って一体何なんだろうと思ったんですね。 もちろん、交渉妥結後には秘密保持契約の内容も附属書類の一部として公表されると考えてよろしいでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 御案内のとおり、交渉参加に当たって一定のルールに我々サインをしておりまして、その中に、一定期間は公表できないと、秘密にするということの内容が含まれていることは事実であります。 したがって、今の段階ではなかなか細かい中身までは公表できないんですけれども、妥結後に何が公表できるのかというところについては、御案内のとおり、協定本体なり附属書なり譲許表なり、こういったものは、当然、国会に提出をする段階でしっかりとお示しをして御説明もしなきゃいけないと思っておりますけれども、それ以外のことについてどこまで公表できるかということについては、これは、交渉参加国で対外的に公表するということで共通の理解に達すれば、その内容についてはその範囲内で説明ということが可能になりますけれども、それについては、今後まだ交渉がありますので、中身がまだ決まっておりませんので、今後の交渉参加国の間でこの範囲で公表しようということが決まれば、その範囲で説明できるということでございます。
○牧山ひろえ君 では、いつ、今政府が秘密にしている内容が契約上確かに秘密にするべき内容だったと検証できるようになるんでしょうか。 現在のように、秘密保持義務の内容自体も秘密であり続けるとすれば、TPPに関する国会審議、批准の審議に際しても、不十分にしか情報提供がなされない状況で議論を行わなければならないということになります。そういったおそれがあります。 TPPは国際条約と同じく国会承認が必要ですが、それだけではなくて、関税の撤廃を目標とし、製品の安全基準など様々な国内規制も伴う非常に重要な、重要性の高いものだと思います。国会審議に必要な十分な情報、当然これには主要な交渉経緯なども含まれますが、ちゃんと情報が開示されることを確約していただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、国会に条約を提出する段階で、協定本体、それから附属書、いろんなルールの細かいところを決めた附属書、あるいは譲許表、関税の表等、こうしたものを公表して御審議いただくことになります。その際、それに加えて、さらに、どの範囲で公表できるかということについては、今後の交渉の中で、交渉参加国の中でこの範囲については公表しようということを決めてまいりますので、ことになると思いますので、その範囲では公表するということになります。 いずれにしましても、協定文をお示しをして、附属書なりをお示しをして、その解釈とか、そうしたことについてはできる限りこれは丁寧に御説明申し上げて、御理解をいただいて国会の審議していただくという方針で臨んでまいりたいと思います。
○牧山ひろえ君 交渉中に不用意に交渉内容が表に出れば、相手もありますことですし、相手国との信頼関係を損ない、まとまるものもまとまらなくなるんではないかという御心配があるんでしょうけれども、ですけれども、全く情報がなければ議論もできません。国会の議論もそうですし、何よりも大事な国民的な議論も成立しないわけです。また、政府の交渉を検証することも不可能になります。 改めてお伺いしますけれども、今回の交渉について、事後の検証に堪えるレベルできちんと記録を残しているんでしょうか。例えば会議の議事録ですとか交渉メモのことを申し上げているんですが、何をどういう形で記録しているのか、明確に御答弁いただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 各国が共通をして、こうしたものを残そう、こうした議事録でいいねとかいう、そういうことはしておりませんけれども、我が国として、交渉の過程、交渉の記録、これはしかるべくしっかりと残しているところでございます。
○牧山ひろえ君 では、その上で、それらの記録はいつ、どのような形で公開されるのか明らかにしていただきたいんです。つまり、TPPに関する交渉の経過の検証は、誰が、いつ、どうやって行うんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 委員御指摘のとおり、相手がある話ですし、これは一定のルールについて我々もそれに合意をして参加をしておりますので、現時点で公表できることも少ないですし、その後何が公表できるかについては、繰り返しになりますけれども、交渉参加国の中でこの範囲について公表しようということを決めて、その範囲内で公表していくということになります。 したがって、どの範囲で公表できるかは分かりませんけれども、これまでもできる限り公表できる範囲で御説明申し上げてきているところでありまして、国会審議に際しましては、できる限りこれも情報提供をしっかりして御審議いただくということにしたいと思いますし、これは審議の中でいろいろと御審議いただければというふうに存じます。
○牧山ひろえ君 外交交渉は政府の権限ですけれども、その交渉が適切なものであったか、事後的に評価して検証するのは国民の権利であります。国会の責務でもあります。TPPに関する守秘義務契約の期限が終了して、情報公開法の五条ですとか国会法の百四条、これの例外に該当しなければ行政情報として開示を請求する対象になるわけですね。 ですから、その事後検証に資すると思われる情報は、情報公開に備えて是非しっかり保存し、破棄などしないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 一定期間の後には、我々、一定期間は公表しないということにサインをしておりますが、一定期間後にはそれは公表できるものがかなり出てくると思いますし、さらにはそれまでの期間の間であっても、これだけの範囲については公表しようということで一定の合意はなされると期待をしておりますので、その範囲でしっかりと御説明したいと思いますけれども、いずれにしましても、我々としてはこれまでの記録、交渉の過程、記録、そうしたものはしっかり残しておきたいというふうに思います。
○牧山ひろえ君 そうはおっしゃっても、今までの政府のいろんな、この委員会だけではなくて、例えば特定秘密保護法に関しましても集団的自衛権に関しましても、国会の議論をやりたくないんじゃないか、皆さんに諮りたくないんではないかというふうに心配させるような節がたくさんありましたので、非常にこのブラックボックス的なやり方が心配なんです。いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) これは条約でありますので、国会で御審議いただいて国会で御承認いただかないとこれは成立をせず、批准せず、我々も参加できませんので、このTPP協定は我々にとって利益になるということで交渉に参加をして、国益を最大にすべく今努力をしているところでありますけれども、最終的には国会で御審議いただくということでありますので、その過程でできる限り丁寧に御説明を申し上げて、御理解をいただこうというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 TPPは、経済だけにとどまらず、国民皆保険ですとか食の安全など、日本の国民生活そのものが大きく変わってしまう、そういった可能性がある非常に重要な協定だと思います。どのような結論になるにしても、国民の納得が得られるような、そして国民的議論を経たものでなければならないと思っておりますし、したがって、私は早い段階でのTPP特別委員会の設置は必須であると思いますし、かつ批准に際して党議拘束を掛けないこと、これを政府・与党に強く要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。 本日は、平成二十六年度予算、外務省所管分、防衛省所管分に関する当参議院外交防衛委員会における委嘱審査ということで、来年度予算に関わる部分、特に外務省関連部分について私の方から何点か質問をさせていただきたいというふうに思っております。 冒頭、外務大臣から御説明のございましたとおり、平成二十六年度外務省所管予算につきましては、全体としては約九・五%の増額となっているところでございます。積極的平和主義を掲げる今の安倍内閣として、各国との関係強化に努めるその姿勢を予算でも示していただいたという点は御評価をさせていただきたいというふうに思っておりますが、一点、大変私、懸念しておりますというか、気になっているところがございまして、御指摘をさせていただきたいのは、お手元に配付させていただいている資料を御覧いただければというふうに思います。 それは、外務省所管の予算の中で、広報文化外交に関わる予算のここ十年近くの推移を示したグラフでございます。これは、前の自公政権の折から、またその後の民主党政権のときもずっとの一貫した傾向でございますが、年々削減傾向が続いておりまして、広報文化部、組織全体としても過去十年間で約三〇%の減、広報文化部の中で組織分けをして捉えてみると、報文組織としては五〇%、分担金、拠出金としては四四%近く、それから文化事業を実際に行っている国際交流基金の予算としてはこの十年間で一〇%減という状況になっているところでございます。 私は、積極的平和主義を掲げる平和外交を推進する上で、文化の力というものを決して軽視してはならないということを強くお訴えをさせていただきたいというふうに思います。 国際社会におきまして日本の信頼を構築していく上でも、このハードパワーのみならずソフトパワーというものを是非精力的に推進していただきたいというふうに強く御要望申し上げたいというふうに思います。 大変残念であったなと思いますのは、冒頭の岸田外務大臣におけます予算の御説明で、七つの柱というものを、済みません、六つの柱ですか、を御説明いただいたわけでございますが、文化という言葉が一言も出てこない。これでいいんでしょうか、岸田大臣。 私は、予算が減額されてきていることには財政上の大変厳しい状況もあろうかと思います。平成二十六年度におきましては、若干なりとも全体の予算としては増やすことができたということは御評価したいと思いますが、中身を見ますと、これは政策広報に関する予算を増やすことができて、領土問題に関する対外発信でありましたり、あるいは歴史認識に関する対外発信、これは当然やっておかなければならないことを増やしたということでございますが、実際に文化事業を行っていくような予算が年々年々削られてきていると。 パブリックディプロマシーの重要性というのは言うまでもございませんけれども、例えば海外において日本の伝統文化であります生け花、茶道、あるいは日本舞踊を紹介していくこと、あるいは今各国で大変に人気が高まっております日本のポップカルチャーについて紹介をしていくこと、さらには二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを控えてスポーツ交流、こうしたことを推進していくこと、こうしたことが各国、国際社会の中で日本の立ち位置、あるいは日本に対する信頼ということを築いていく上で、じわじわじわじわとした効果という意味では、なかなか目に見える具体的な効果というものは目に見えない、直ちには目に見えないかもしれませんけれども、大変重要な政策であろうかというふうに思います。 是非、岸田外務大臣、この文化外交の重要性について御認識を強く持っていただきたいというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、現在の国際社会におきましては、広報文化外交が重要であるという認識、ますます高まっていると承知をしております。 冒頭御説明しました外務省所管予算案の説明の中で、この広報文化につきましては発信力の強化という部分に思いをにじませたんですが、おっしゃるように、この文化という言葉等、明確に使っていないという御指摘につきましては謙虚に受け止め、今後の参考にさせていただきたいと存じます。 そして、ソフトパワーにつきましては、御指摘のように、文化、スポーツ、あるいは日本の魅力の発信ですとか、あるいは日本語の普及等、様々な切り口からこれを重視し、そして充実させていかなければならないと考えております。 そして、予算につきましては資料をお示しいただきました。平成二十六年度政府案で約百九十九億円という計上をさせていただいているわけでありますが、このグラフにありますように、厳しい財政状況の下、ここ十年間おおむね減少傾向であります。その中で、予算の戦略的、効果的な活用に意を砕いているということで努力をしてきたわけでありますが、やはりこの予算の額におきましても、これは他国との比較考えますと、やはり充実を求めていかなければならないのではないかと私は思っております。 特に百九十九億、二十六年度で予算計上しておりますが、他国の予算を見ますと、米国のパブリックディプロマシー関連予算一千百三十六億円となっておりますし、英国におきましてパブリックディプロマシーを担当する外務省コミュニケーション局の関連予算六百二十五億円というふうになっておりますし、韓国におきましても外交部の文化外交及び国際交流予算十億円プラス韓国の国際交流財団に二百二十五億円という予算が計上されている。こういった各国の状況を見ましても、日本としましても、質はもちろんでありますが、予算につきましても是非努力をしていかなければいけないのが現状だと認識をしております。
○石川博崇君 ありがとうございます。 是非そういう、やはり文化の力というものはなかなか、先ほど申しましたとおり、直ちには結論、結果が見えてくるものではないというものでございますけれども、やはり国境を越え、また時を越え、日本の存在感を示していくという意味で、日本の国益を、極めて国益上重要なものだと考えております。 先ほど、大臣から各国との比較ということをおっしゃっていただきました。資料の二ページ目を御覧いただきたいというふうに思っております。近隣諸国であります韓国、中国との関係で申しましても、こうした文化外交を展開する拠点となるところの数で見ても、その差は歴然としております。文化事業を行う国際交流基金の我が国の海外拠点は二十一か国、二十二か所でございますが、韓国の同じような事業を行っている世宗学堂財団の海外拠点は五十三か国・地域に百二十か所、日本の五倍以上、六倍近いところに拠点がございます。また、中国の孔子学院は海外拠点は全世界百十七か国・地域に一千八十三か所と、日本と比べて差は大変大きなものがございます。 また、各国大使館などで設けております外務省の拠点としての日本の広報文化センターは全世界で二十一か国、二十五か所でございますが、同様の韓国の施設であります韓国文化院は、現在二十四か所と日本より少ないわけですけれども、目標として二〇一七年度までに四十八か所に拡充するということを計画として掲げております。当然、この拠点の数自体が具体的にその文化外交について直接示すというものではないとは思いますけれども、しかしながら、こうした文化事業を行う拠点、こうしたところを整備していくということも重要だというふうに思います。 当然、予算編成過程におきまして、選択と集中あるいは効率化を推進していくこと、あるいは費用対効果ということをきちんと見ていくことも当然重要でございます。しかしながら、いわゆるよく行政事業レビューなんかで言われますPDCAサイクルというものがよく言われるわけですけれども、PDCAサイクルに果たしてこの文化外交というものが、どういう基準から考えたらいいのか。当然、チェックしていくことは大事なんですけれども、その効果というものをどのように判断していくのか。その辺は、外務省としてもきちんと検討していただくことが重要ではないかというふうに思っております。 こうした拠点の数の隣国との比較も踏まえて、大臣、御所見をいただければというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の国際交流基金ですが、海外における文化芸術交流、日本研究・知的交流及び日本語普及の分野において広報文化外交を実施する上で、これは不可欠なパートナーであり、基金が果たす役割、ますます重要になっていると考えております。 また、広報文化センターにつきましては、この在外公館の附属施設として専ら広報文化外交の活動を行うことを目的に、現在、御指摘のように世界二十一か国、二十五か所に設置されており、政策の広報、文化事業等の事業に加えまして、外国人向けに日本の諸政策等をテーマとした講演会あるいは日本文化を紹介する展示会等の事業を実施するとともに、日本紹介資料の閲覧ができる機会を提供している、こういった役割を果たしているところであります。 こうした拠点の数につきましては、御指摘のように、他国と比べましてなかなか厳しい状況にある、これが現実であります。まずは、こういった拠点につきましては、こうした活動の成果を最大限に最大化する、こういったことを考えなければいけないということで、各国におきましてそれぞれしっかりと取り組んでいただいているわけですが、あわせて、それぞれの任国の親日団体との連携等、それぞれの任国においていろんな工夫もしていただきながら効果を大きくしていく、こういった努力をしているところでございます。 PDCAサイクル、この効果の評価につきましてはなかなか明確なものは示すことは難しいのかもしれませんが、厳しい環境の中で成果を最大化するためには、やはり引き続き努力が必要だと思いますし、そうした努力を評価するべく様々な工夫も必要なのではないか、このようには認識をいたします。
○石川博崇君 来年度予算の中で少しこの広報文化予算増額していただいたということは御評価申し上げますが、是非長期的な視野に立って、今後日本の文化外交あるいは広報文化外交をどうしていくのかと、そういった戦略を外務省としても御検討していただくべきではないかということを申し添えさせていただきたいというふうに思います。 続きまして、来年度予算の編成過程におきましては、最大の注目されたといいますか懸念された事項が為替の変動でございました。先ほど牧山先生からも少し御指摘があったところでございますが、昨年度、為替が円高から円安へと大きく相場が動いたことによりまして、特に国際機関に対する拠出金が円建てで予算を組んだとしても、特に国際機関に対してドル建てで拠出をする際には大幅な減額になってしまうということが、国際機関における日本のプレゼンスを示す上で果たして大丈夫なのかということが懸念されたわけでございます。 義務的拠出金に関しましては、当然、国際約束でございますのできちんとドルベースで確保することが必要なわけでございますが、任意的拠出金、すなわち日本の主体性を持って拠出をしている拠出金については、当初、全額前年度の円建てベースでもし仮に予算を組んだとすると、およそ四割近くの拠出額の減になるということが懸念されたわけでございます。額にしますと一・五億ドル近くが目減りするんではないかというふうに言われておりました。UNDPやユニセフ、あるいは今安倍政権として力を入れております女性の視点でしっかり支援していくべきUNウイメンとか、こうした国際機関からも日本の来年度予算の編成過程について大変注目がされていたところでございます。 私ども公明党といたしましても、この国際機関への拠出額、大幅な為替変動の影響ができるだけミニマム、最小限になるように、また、ODAとして人間の安全保障を進めている日本の立ち位置をきちんと確保していただけるよう御要望してきたわけでございますが、今回の予算編成過程においてどのように対応されたのか、御説明をお願い申し上げます。
○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘いただきましたように、大幅な円安で国際機関への任意の拠出金につきましては大変厳しい予算の作成になったわけでございますけれども、外務省の来年度予算案におきましては、グローバルな課題、環境とか保健、医療でありますとか、そういうグローバルな課題に適切に対応するため、国連開発計画、UNDP、国連児童基金、ユニセフといった国際機関等には優先的に手当てをしております。これにつきましては、UNDP、ユニセフからも我が国の財政的貢献に対する謝意が表明されております。 御指摘ありましたように、我が国は人間の安全保障の積極的な推進やODAの戦略的な活用のため国際機関との連携は重要であるというふうに考えておりまして、外務省として必要な予算の確保のため努力してまいりたいと思っております。
○石川博崇君 今回、外務省として、円建てベースでは同額、そして実際拠出額についてもドル建てベースでは様々な形で予算額を確保していただいたというふうに認識をしております。 来年は、三月に仙台で国連防災世界会議が開催される予定となっております。また、気候変動枠組条約の二〇二〇年度以降の議論も来年ピークを迎えてくることになっておりますし、また、我が国にとって大変重要な関心のあります安保理非常任理事国選挙も来年控えているところでございます。 こうした中で、国際社会において我が国の立ち位置をきちんと確保していただくという努力を今回していただいたわけでございますが、なかんずく、来年、またもう一つ大きなテーマとしてミレニアム開発目標の今後の在り方について国際社会の中で意見を集約していく必要がございます。今回、きちっと確保していただいた予算を踏まえ、日本の発言力を維持、強化していただいて、ポストMDGsに向けた議論を日本として積極的にリードしていただきたいと思いますけれども、この辺についての御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、我が国は、貧困撲滅ですとか気候変動ですとかあるいは防災ですとか、こうしたグローバルな重要課題に関して積極的に貢献し、今次予算を含めて、国際機関との連携、協力を強化していかなければならないと考えております。 そして、このポストMDGsの策定についてですが、今後のこうした我が国の国際協力、そして国際的な動きにも大きな影響を与える大変重要な議論だと認識をしております。本年九月からポストMDGsのアジェンダに関する政府間交渉が始まる予定だと承知をしております。そして、今言われているところによりますと、来年二〇一五年の国連総会におきましてこの決議が採択されるのではないか、こうしたスケジュールも聞いております。 我が国は、国際社会における議論を、是非こうしたスケジュールもにらみながらしっかりと主導していきながら、このポストMDGsの策定につきましてもしっかり貢献をしていきたいと考えております。
○石川博崇君 是非よろしくお願いをいたします。 時間もちょっと短くなってきましたので、飛ばしながらさせていただきたいと思います。 大臣からの冒頭の御説明にありましたとおり、今年はODAを開始して六十年の佳節を迎えることになります。この六十年間、日本がODAを通じて国際社会において果たしてきた役割というものは極めて大きいものがあろうかというふうに思います。 このODAを進めていく上で最も根幹になっておりますODA大綱でございますが、現行のODA大綱は改定されたのが平成十五年になります。最初にODA大綱が閣議決定されたのが平成四年でございまして、平成四年から十年たって改定されたのが今からおよそ十年前ということで、現行のODA大綱ができて十年がたつわけでございます。国際社会における様々な国際情勢も大きく変化しており、また、ODAをめぐる環境というものもグローバル経済が促進していく中で変わってきているわけでございます。 私、現行のODA大綱が改定されて十年という節目を来年迎えるわけですけれども、そろそろ再度のODA大綱の改定に向けた検討作業を始めるべき時期に来ているのではないかというふうに考えております。 しかしながら、仮にこのODA大綱の改定作業を進めるとしても、現在、現行のODA大綱が掲げております人間の安全保障の観点、あるいはこのODAを軍事的用途、国際紛争助長への利用を回避するといったような原則というものは堅持していくべきではないかというふうに思います。 さらには、ともすると、ODAに対する評価をされる方の中には、日本の企業が参加していないのではないかとか、あるいは日本の経済的利益に直結しているのかとか、そういった、ある意味で近視眼的な評価をされるような意見が散見されるわけでございますが、本来ODAというものは、その精神はDACで定められておりますとおり、開発途上国の経済開発あるいは福祉への向上というものが目的として定義付けられておりますし、こうしたODAを通じて日本の信頼を勝ち得るという中長期的な視野に立てば、自国の企業益というものを声高に追求するというような活用の仕方というのは慎むべきではないかというふうにも考えております。 その意味で、是非今日皆様に御認識をいただきたいなと思いますのは、経済協力というものは何もODAだけで行われているものではございません。経済協力というのは、ODAに加えてOOF、アザー・オフィシャル・フローズというものがございます。例えば、JBICの国際金融、輸出金融であったり投資金融、あるいはNEXIのやっておられる貿易保険、こうした他の公的な資金も生かして戦略的に経済協力というものを総合的に取り組んでいく必要が私はあるのではないかというふうに思っております。 残念ながら、省庁、主管官庁が違う関係で、ODAを管轄している外務省、そしてJBICを管轄している財務省、あるいはNEXIを管轄している経産省、こうしたそれぞれが対外的な経済協力というものを行っている中で、総合的なそれぞれの各国に対するODA、そしてOOFをどういうふうに戦略的に活用していくのかという全体観がなかなか築けていないのではないかというふうに考えております。 是非、仮に今後ODA大綱の改定を行っていくという場合には、こうした日本の持つポテンシャルといいますか、経済協力における手段というものを総合的に活用いただくよう御検討いただきたいというふうに思いますが、これも併せて外務大臣、御所見をお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、現行のODA大綱ですが、二〇〇三年に策定をされています。要は策定から十年以上がたっております。その間、このODAをめぐる環境、あるいはODAの求められる役割、こういったものは様々に大きな変化をしていると認識をしております。 こういったことから、是非今後適切なタイミングでODA大綱を改定する必要があるのではないか、こういった認識に基づいて既に検討は始めさせていただいております。是非、その検討の中で、今委員が御指摘になられました様々な課題、大綱において大事にしなければならない視点ですとか、あるいは日本企業の参画のありようですとか、それから、ODAとOOFを始めとする我が国全体で取り組むに当たって、そういったしっかりとした体制を組むべきではないか、こういった点につきましてもしっかりと検討、議論の中に取り入れさせていただきまして、あるべき姿をしっかりとつくっていきたいと考えております。
○石川博崇君 時間が来たので終わりたいと思います。 財務省、経産省、来ていただいていたんですが、申し訳ありませんでした。 ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。 先週の木曜日に引き続き、まず北朝鮮問題について質問させていただきたいと思います。 先週の木曜日、十三日の委員会で北朝鮮問題についても質問をさせていただきました。十日から十四日まで横田さん御夫妻がモンゴルにおいて孫娘さんとお会いになられたということが外務省の方からも後に発表をされておりますけれども、この拉致問題についてスケジュール感ということを私が木曜日にお聞きしたところ、岸田外務大臣の方からは、御家族の高齢化を考えますときに、これはもう一日も早く現政権下で全面解決に向けて全力を尽くさなければならない喫緊の課題だと、こういうふうに御答弁をいただきました。まさに私が質問をしているときに、同時進行形でモンゴルの方では面会が実現できていたということなんではないかと思います。 このこと自体は今後の全面解決に向けて進展を期待させることなんじゃないかなというふうに思っているんですが、これちょっとお聞きしたいのは、外務省の発表のタイミングということであります。十日から十四日までモンゴルで面会がされたということでありますが、外務省が公表したのは十六日の日曜日の午前中ということであります。十六日の午前中の前に読売新聞が朝刊でトップ記事として報道をして、その後、午前中に外務省が発表したということでありますけれども、どうして十六日に発表することになったんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この度、横田滋、横田早紀江御夫妻は、三月十日から十四日にかけまして、モンゴル・ウランバートルにおきまして孫娘であるキム・ウンギョン氏及びその家族と時間を過ごされました。この件につきましては人道的見地から調整を進めてきたところでありますが、横田御夫妻におかれましては、長年このキム・ウンギョンさんとの面会を望んでおられました。そして、今回この面会が実現し、本当に奇跡的なことで大きい喜びですというコメントを発出されておられます。こうした長年望んでおられた面会が実現できたことにつきましては大変良かったと考えております。 そして、この発表のタイミングにつきましては、そもそもこの事案につきましては人道的な見地から調整を進めてきました。また、横田御夫妻そして御家族の皆様方の思いですとか、それからお立場、こういったものも考えながら進めてきたところでございます。そうしたことを総合的に勘案してこの発表のタイミングということになった次第であります。 読売新聞が先行した部分につきましては、ちょっと私自身、その経緯は承知しておりませんが、政府としてその当日の午前中に発表した、そういった発表につきましては、今申し上げました事案の性質等を勘案した上での発表ということでございます。
○中西健治君 事案の性質を考えれば、この面会が終わるまでは当然発表はできないだろうと、これはそう思います。けど、十日から十四日ということでありますから、なぜ十五日に発表するんであれば発表しなかったのかなと。読売新聞が先行してトップ記事とした後に発表するというのは、いろいろ考えてみますと、読売新聞にトップ記事として提供して、それから発表したと。十五日のうちにもし公表してしまったら、トップ記事にも全くならないわけですよ。そうしたことを考えていたのではないかということすら考えたくもなっちゃいます。初めから十六日に発表すると決めていたのかどうか教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 発表につきましては、あらかじめ何日に発表すると決めていたものではないと承知をしております。あくまでも人道的な見地から事柄を進め、そして横田御夫妻あるいは御家族の皆様方のお立場やこの思いを尊重しながら進めてきました。発表につきましても、御帰国になられてから後、御意向等もしっかりと確認した上での結果であったと私は思っております。 読売新聞のスクープとの関係につきましては、私はそういったこと、その御指摘のようなことに関する材料は何も持ち合わせておりません。
○中西健治君 この件についてはここまでにしますが、この間の、もう一つ、ミサイルの件、ちょっと質問しますが、三月三日のミサイルが二発発射されたことについても十七時間たってから発表されたというようなこともありましたので、政府の発表のタイミングについては私自身大きな問題意識を持っているので、この件に関しても質問させていただいているということでございます。 三月三日のミサイル発射についても、先週の木曜日の質問におきましては、外務大臣の方から、この赤十字の会談と同時並行で行われていた課長級クラスの非公式な会談において、このミサイル問題もしっかり取り上げて、先方にこの問題意識を伝えるということも行わせていただきましたという御答弁をいただきましたが、私の質問に対してだけではなくて民主党の白委員からの質問に対しても同じ趣旨のことを答えていらっしゃるんですが、私、聞いていて思ったのが、拉致問題、ミサイル問題、核問題、こうしたものの一つとしてミサイル問題も言いましたよというふうにおっしゃられているのかなと。要するに、幾つかある問題の総論的にこの会談で、会議で取り上げたということで、この三月三日の朝の二発の発射について、具体的にしっかりと取り上げたのかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 三月三日のこの非公式な政府間の協議につきましては、先日もお答えさせていただきましたように、我が国としましては、懸案となっているこの諸問題につきまして我が国の問題意識をしっかり伝える、こうしたことを行いました。 その中で、当然のことながら、我が国は、この北朝鮮問題につきましては、核、ミサイル、拉致、こうした諸懸案を包括的に解決するべく、日朝平壌宣言に基づいて、そして対話と圧力の方針の下、この解決へ努力をしていく、こうした方針にありますので、こうした問題について当然伝えた次第であります。 そして、その中で、このミサイルの問題につきまして、そういったミサイル発射が報じられている当日のことでありますので、しっかりと取り上げさせていただき、我々の問題意識はしっかり伝えさせていただいた、こういった次第であります。
○中西健治君 確認ですけれども、ミサイル発射が行われた当日の会談でありますから、そのことについて、具体的なことについてしっかりと先方に伝えたということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この会談につきましては、非公式の課長級協議であり、そして日朝赤十字会談に併せて行われたものでありますので、この内容につきましては、先ほど申し上げた形で御説明をさせていただいている次第であります。
○中西健治君 これからレベルを上げて会談が行われるということですから、この間の質疑でもありましたけど、日朝の平壌宣言違反であったり安保理決議違反であったりという認識についてもしっかりと伝えていっていただきたいなというふうに思う次第であります。 続きまして、韓国についてお伺いいたします。 先週、事務次官会議が水曜日に行われて、金曜日の参議院の予算委員会では、安倍総理が、村山談話、河野談話を引き継ぐと、継承するということを発言されて、それを受けて韓国側も一定の評価をして、朴槿恵大統領も幸いにという言葉を使ったということでありますけれども、日韓首脳会談に向けての現在の取組と、見通しが少し明るくなったのかどうか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 十二日の日に、齋木外務事務次官、韓国を訪問いたしまして、先方の趙太庸外交部第一次官との間で日韓関係の現状及び今後の取組について意見交換を行いました。とりわけ、幾つかの懸案事項について議論を行い、また北朝鮮情勢につきましても意見交換を行い、この日韓が連携して対応していくこと、こういった重要性について一致をした次第であります。 そして、先週のこの安倍総理の予算委員会での発言につきましては、朴大統領の方から幸いであるという発言がありました。我が国としましては、従来からこうした日韓関係の重要性に鑑みて、難しい問題があるからこそ高い政治のレベルでの対話が重要であるということを申し上げ続けてきました。韓国側に、是非こうした思いを理解してもらいたい、そして応じていただきたい、こういったことは申し上げてきたところであります。 是非、こうした様々な動きを通じて韓国側とは意思疎通を図っているわけでありますが、我々は絶えず対話のドアはオープンだと言い続けているわけですので、あらゆる機会を通じて、こうした政治の高いレベルでの日韓間の対話が実現するよう努力をしていきたいと考えております。 具体的な見通しについては現段階では何も決まっておりませんが、今までも、そしてこれからも、我が国のこの対話に対する姿勢は変わらないと考えています。
○中西健治君 重要な隣国でありますから、是非そうした対話を促進していただきたいと思いますが。 いろんな懸案事項について話をされたということでありましたけれども、幾つかの問題をちょっと取り上げたいと思いますが、今日の時間の許す限りお話ししたいと思いますが、一つ目が、私は慰安婦の問題、あえて取り上げませんが、より経済的問題としてなじむものとして戦中の徴用工の問題、これをお聞きしたいと思います。 朴槿恵政権は、殊更、安倍政権は過去の歴史を覆そうとしているということを諸外国に向けてこれまで発信してきていたと思います。この徴用工問題については、もう平成二十一年に韓国政府自らが請求権協定で外交上解決済みだという立場を明らかにしたものでありますけれども、今またこうしたことについて蒸し返されてきているということについて、過去の歴史を覆そうとしているのは、まさに私たちではなくてあちらの国なのではないかということについてどう思われるでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日本と韓国との間の財産請求権の問題、これは日韓請求権・経済協力協定により完全かつ最終的に解決済みであるというのが我が国の一貫した立場であります。これまでも、こうした立場につきまして外交ルート等を通じまして様々なレベルに対して韓国政府に向けて申入れを行ってきているところです。 そして、今委員からも御指摘がありましたこの旧民間人徴用工の問題に関しましては、韓国政府も我が国と同様の認識に立っているということで、日韓請求権・経済協力協定で解決済みという立場については韓国政府自身がこれを公表してきております。ですから、この件につきましては、あくまでもこれは韓国政府自身が解決すべき問題であるというのが我が国の考え方であります。 是非、今後とも我が国の政府の一貫した立場に基づいて、韓国政府が早急かつ適切に対応することをしっかり求めていきたいと考えています。
○中西健治君 韓国政府が適切に対応することを求めていくと、そういうことなんだと思いますが、最近、韓国政府の実務者から、日本企業が原告側に見舞金を支払うことなどで和解できないかと暗に打診してきたということに対して、日本政府が和解に応じないと方針を韓国側に伝えたとの報道がされておりますけれども、この事実関係はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 詳細については申し上げるのは控えなければならないと思いますが、いずれにしましても、こうした日本側の民間企業と連絡を取りつつ、日韓間の財産請求権の問題に対する我が国の政府の一貫した立場に基づき対応していかなければならないと思っています。 是非この立場、従来の立場につきましてはしっかり堅持した上で、こうした民間企業ともしっかり連携しつつ日本側として対応していきたいと考えています。
○中西健治君 私自身は、あちらの大審院、最高裁の判決が確定する前にも、国際司法裁判所にこうした請求権協定の存在確認、これを求めるというようなことをするべきなんじゃないかなと思います。 そして、あと一つお聞きしたいと思いますが、南スーダンのPKOでの韓国軍に対して銃弾一万発の無償提供を行った件でありますけれども、この弾薬提供に当たっては、現地のやり取り以外にも韓国の駐日大使館から外交ルートで日本政府に要請があったというふうに外務省の方から以前伺いましたが、それは事実かどうか、御確認いただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 南スーダン共和国ミッション、UNMISSにおけます韓国隊への弾薬の譲渡につきましては、現地時間の昨年十二月二十一日に現地の韓国隊隊長から自衛隊の派遣部隊長に対して弾薬提供の要請があり、日本時間二十二日には駐日韓国大使館幹部を通じて韓国政府としての要請が外務省に対してなされたと我が国は承知をしております。 韓国側がこの弾薬提供の要請につき異なる説明をしているこの意図について推測する立場にはありませんが、事実に基づかない韓国側の説明は遺憾だと思っております。弾薬を引き渡した際に現地での謝意表明はありましたが、外交ルートを通じての韓国政府からの謝意表明あるいは説明はこれまでのところなされておりません。 我が国のこうしたこの問題に関しての立場ですとか経緯につきましては、内閣府あるいは防衛省あるいは在外公館を含めた外務省のホームページに資料として掲載をさせていただいております。
○中西健治君 外交ルートを通して依頼があったにもかかわらず、その後外交ルートでは謝礼も何も行われていないということのようであります。国際社会に対しても、あくまで国連を通じたもので両国の接触はない、こんなような説明もされているわけでありますから、やはり韓国に対しては、この点についてもこれから厳しく抗議していっていただきたいなというふうに思います。 これで私の方の質問は終わらせていただきます。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、京都府京丹後市の経ケ岬への米軍Xバンドレーダーの建設についてお聞きいたします。 基地建設による影響に住民の不安が広がっておりますが、一方で強引に進められております。この間、京丹後の市議会で副市長が、防衛省のボーリング調査の結果、地質が悪いと評価をされ、工事期間が長くなるだろうという情報まで聞いている旨の発言をされておりますが、実際このボーリング調査の結果はどういうことだったんでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(真部朗君) お答え申し上げます。 今議員御指摘のボーリング調査につきましては、米軍が、昨年八月から九月にかけまして、米軍の施設候補地の敷地内におきまして、米軍施設機材の詳細な配置等を決定するために実施したものというふうに承知をいたしております。同調査の結果につきましては、特段今御指摘のように地盤等に問題があったというふうには聞いておりません。それで、現在、米側において、こういったボーリング調査の結果を踏まえて米軍施設の詳細な配置の検討を行っているところというふうに承知をいたしております。
○井上哲士君 米軍の調査ということでありますが、是非住民に対して中身をきちっと公表させていただきたいと思うんですね。 こういう不安が広がる中で、二月から防衛省による騒音や電波の調査が行われておりますが、この調査で基地設置による環境への影響をあらかじめ予測することができると、そういう中身なんでしょうか。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 防衛省におきましては、地元自治体からの要望も踏まえ、TPY2レーダー配備に伴います周辺環境への影響を比較検証するために、周辺地域への騒音調査、海上における電波の影響調査、海への排水による影響を図るための水質調査などをレーダーの設置前後に実施し、比較検証をすることといたしております。 具体的には、周辺地域への騒音調査につきましては、騒音計を用いて陸上三か所において二十四時間騒音を計測するものであり、まず、レーダー設置前の現状を確認するため、本年二月二十五日から二十六日にかけて調査を行ったところでございます。また、海上におきます電波の影響調査については、計測器を用いてレーダー設置予定前面海域などにおいて電波強度を計測するものであり、また、海水への排水による影響を図るための調査としては、米軍基地の前面海域の水質調査などを行うこととしております。 これによりまして、言わばレーダーの設置の前後におきます影響というものが把握できるというふうに考えておるところでございます。
○井上哲士君 つまり、レーダー設置の前と後の数字を取ってどういう変化があるかということを比較できるようにするものであって、こういう変化があるという予測はするものではないということで確認してよろしいですね。
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。 私どもで実施しております調査は、地元自治体からの要望を踏まえまして、設置前、設置後の状況について把握するということで実施させていただくものでございます。
○井上哲士君 およそ住民の皆さんの不安に応える予測調査でないということは明らかになりました。 それで、米軍は、在日米軍の施設について、JEGS、日本環境管理基準を適用するということにしております。私、この問題で質問主意書を出したときの答弁では、この日本環境管理基準について、「在日米軍が作成し、運用しているものであることから、お尋ねについては、政府としてお答えする立場にない」としつつ、「政府としては、米側が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう働きかけてまいりたい。」というのが答弁書でありました。 この日本環境管理基準による調査をどのように米側に働きかけてきたのか、そしていつ実施されることになっているのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(真部朗君) お答えいたします。 今、JEGSにつきましてはその政府の答弁書どおりでございますが、私ども防衛省といたしましては、米国に対しまして、地元からの様々な環境に関する御要望あるいは御懸念、そういったものをきちんと聞き取りをさせていただきまして、それについて、TPY2レーダーの配備に当たって、そういったことを様々踏まえて米側がそのレーダー配備等を行っていくようにと、そういうふうに申入れを様々な機会にいたしておるところでございまして、今後ともそれは続けていきたいと思っております。 これまでのところ、米側からもその点については基本的な理解を得ているものというふうに認識いたしております。
○井上哲士君 JEGSについては答えられないというのは私はおかしいと思うんですね。 この間の所信質疑の際に、私、地位協定の環境補足協定について質問いたしました。その際に、日米の共同発表で、在日米軍は日本環境管理基準、JEGSを適用するとこの共同発表に明記しているわけですね。岸田外務大臣は、私がこの文書に米側の責任が何も書いていないと質問しますと、JEGSを適用することになっているという答弁をされました。つまり、米側の責任だという認識を持っているはずなんですよ。そうであるならば、これちゃんとやらせていただきたいと思うんですね。きちんとこの日本環境管理基準による調査を行って公開しなさいということを当然米側に求めるべきじゃないですか。それなしに着工はないということを明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(真部朗君) 繰り返しになって恐縮でございますが、JEGSそのものは米軍が自らの基準としてそれを実施するということにされておるところでございまして、私どもとしては、それは期待すべきだと思いますけれど、他方、いずれにいたしましても、私ども、TPY2レーダーの配備に当たりまして、地元からの環境に関する御要望等をきちんと実現できるように米側との関係で必要な交渉等をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○井上哲士君 経ケ岬は日本の国土なんですよ。そこに造られるんですよ。だから住民の皆さんはちゃんとやってくれと言っているんですよ。そして、岸田外務大臣も、この間はこれはやることになっていると言われたわけですね。だからやれと言っているんですよ。何でできないんですか。 防衛大臣、お聞きしますけど、このXバンドレーダーに関するアメリカの二〇一四会計年度の予算書を見ますと、この京丹後の基地について千五百万ドルの予算を付けております。この予算書の中で、大統領令一二一四四号、つまり海外におけるアメリカの行動の環境についての大統領令ありますが、これで定められる連邦政府の主要な行動に関する域外影響調査の全ての要件は工事開始前に完了すると、これ米側の予算書に書いてあるんですから、これはもうJEGSの影響なしに私は工事開始はあり得ないと思います。 この点、はっきりと明言をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 京都府知事、そしてまた京丹後市長ともお会いをし、この問題についての地元の御意見ということを賜り、防衛省としては地元の御理解が得られるよう今後とも努力をしていきたいと思っております。 今委員のお話がありました日本環境管理基準のことについてでありますが、繰り返しになりますが、防衛省としては、米国に対して、日米間の様々な協議ややり取りの中でTPY2レーダー配備に当たって周辺環境や住民への安全に十分配慮するように申し入れており、米国からも理解を得ているものと認識をしております。
○井上哲士君 それでは住民の皆さんの不安は解消されません。 そもそも、このXバンドレーダーはアメリカのミサイル防衛計画の一環であって、アメリカが防衛の盾を持つことによって反撃のおそれなく先制攻撃も可能になるというものでありまして、北東アジアの緊張を激化させるものにほかなりません。平和的、外交的努力こそ必要であって、この計画は中止すべきだということを改めて強く申し上げたいと思います。 続いて、防衛調達についてお聞きをいたします。 九八年の調本事件や〇八年の山田洋行の事件など、様々な重大問題が発生をしてきました。防衛産業から防衛省への水増し請求は約千二百八十三億円にも及んでおります。その温床の一つが随意契約でした。二〇〇六年に公共調達適正化に関する財務省通達が出されて、防衛省でも一般競争入札を広く導入をいたしました。 ところが、この一般競争入札の下でも官製談合事件が相次いでおります。まず、陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター、UHXの納入をめぐる官製談合事件について、その概要について述べていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘のございました事案は、平成二十三年度から行っていた陸上自衛隊新多用途ヘリコプター、UHXと呼んでございますが、この開発事業の企業選定におきまして、川崎重工業が選ばれるよう、技術研究本部に在籍していた職員数名が、競合他社では実現困難と見込まれる内容を仕様書等に盛り込む作業を行い、競合他社が作成した文書の写しを川崎重工業に渡すなど違法な行為を行っていたものでございます。 二十四年九月、防衛省は東京地方検察庁に刑事告発し、同年十二月、東京簡易裁判所から幹部自衛官二名に官製談合防止法違反の罪で略式命令が科されたものでございます。
○井上哲士君 二〇一〇年には航空自衛隊が発注する事務用品をめぐっての官製談合事件がありました。これは随契のときと同じような、メーカー各社のシェアを競争入札になっても維持をするという典型的な官製談合が行われました。 この川重の問題は、今答弁にもありましたけれども、ヘリ開発事業で初めて採用された企画競争入札方式を悪用したものなんですね。これは、防衛省が要求性能などを示して公募し、企業が性能や価格などを提出し、それを公募前に定めた基準書に基づいて採点をするという形で行うものでありました。 今答弁ありましたように、富士重工と争っていた川崎重工が有利になるように、あらかじめ防衛省の職員がこの基準などを富士重工がクリアできないような中身にしようじゃないかと。私ども、公募前に防衛省と川重、そしてエンジンを担当する三菱重工が秘密会合を行ったその議事録を赤旗新聞が入手いたしましたけれども、その中で、防衛省側の方から富士重工が企画競争に対応できないようなアイデアを出しなさいということを川重に求めていたと。もう驚くべき肩入れをした事件でありますが、絶対あってはならないことが起きたわけであります。 これ、再発防止の取組はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員が御指摘されましたように、決してあってはならないことだと私どもも思っております。 本事案において不正が行われた動機、背景を踏まえまして、防衛省では昨年七月に、事業者との接触を適正化をするということ、それからIPT、プロジェクトマネジャーを採用し、プロジェクトマネジャー制度によりまして一元的な事業管理を行うということ、それから仕様書等の作成においての適正性の確保を行うということ、技術本部の、技本内の業務プロセスの改善、それから指名停止措置要領への反映、このような再発防止策を取りまとめまして、これまでに関連規則の制定やプロジェクト管理グループの設置等の措置を行ってまいりました。
○井上哲士君 不正の温床とされてきた随意契約から一般競争入札に転換をしたわけですが、結局実態は随契と何も変わらないようなことが行われてきたと。不正はなくならずに官製談合が横行したわけですね。私は、やはりこれは癒着体質まで踏み込んだ改革こそが求められていると思います。 ところが、逆に、去年の十月に防衛省は随意契約の見直しを行っておりますが、これはどういう内容でしょうか。
○政府参考人(吉田正一君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘ありましたように、防衛省では、十八年八月の財務大臣通知、公共調達の適正化に基づきまして、透明性、公平性を確保するとの観点から、防衛装備品の調達におきましても安易に随意契約を行わず、一般競争入札や公募など競争性のある契約方式に移行することとしたところでございます。しかしながら、例えば一〇式戦車のようにおよそ競争性が期待できないような分野においては、結果的にその多くが一社応募又は一社応札となるなど、手続が事実上形骸化することになりました。 このような状況を踏まえ、平成二十五年十月以降、航空機製造事業の許可やライセンス生産など、法令等の制約や事業の性格からおよそ競争性が期待できない装備品等の調達につきまして、新規参入が可能である旨を常続的に公示することを条件に随意契約の対象として類型化を行ったところでございます。
○井上哲士君 〇六年の財務省通達を受けて、真に必要なものは引き続き随意契約とするとしたはずなんですね。ところが、今回のこの見直しで随意契約が大幅に増やすということでありますから、私は逆行ではないかと思うんですね。 公正取引委員会は、一九九九年以来四回にわたって防衛省に対して入札改善要求や要請を出しております。こんな役所はほかにないんですよ。二〇一〇年のときの要請文書には、公正取引委員会は、これまでも防衛省に対し、同省の職員が行ってきた入札業務に関する問題点を指摘し、再発防止を講じるように繰り返し求めるなどしてきたと述べておりますが、にもかかわらず官製談合が発覚をして、そして一方で随契をまた逆に増やすと。私は、これは本当に公取の指摘をどう受け止めているのかが問われると思います。 防衛調達で一番求められていることは、やっぱり癒着体質の改善だと思うんですね。防衛省から川崎重工には二〇〇二年から一一年までに五十二人が天下りをしております。しかも、制服組の最高幹部である将官はほぼ毎年のように天下りをしておりまして、ある元陸将は、天下りの理由が各種ヘリコプターの改善に関する指導、助言となっているわけですね。私は、こういうことがやっぱり問題の温床になってきたと。 この一二年以降の川崎重工への防衛省からの天下りについて、年ごとにどうなっているでしょうか。
○政府参考人(豊田硬君) 二〇一二年以降、四名の隊員が、自衛隊法第六十二条等の規定に基づきまして防衛大臣等の承認を得て川崎重工業に再就職しております。暦年、暦の年では、二〇一二年に三名、二〇一三年は〇名、二〇一四年は一名となっております。なお、これらは全て自衛隊法第六十二条第三項の規定に基づきまして委任を受けた所属長による承認となっております。 以上でございます。
○井上哲士君 〇二年から一一年まで五十二人ですから、数は減っております。 しかし、例えば二〇〇六年に三菱電機が半年間指名停止になったときに、その間は天下りなかったんですね。天下りなくて年間六人でした。ところが、その翌年には十六人になって、十年間で一番多かったんですよ。ですから、ほとぼりが冷めたらまた増やしてつじつまを合わせるということが過去行われてきたんです。これだからこそ私は問題は解決できないと思うんですね。 防衛大臣、こういう翌年また増やしてつじつま合わすと、こんなことは絶対あり得ないということを明言をしていただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省としましては、自衛隊員の営利企業への再就職の承認に当たりましては、自衛隊法第六十二条等の規定に基づき審査をしております。自衛隊員の契約企業への再就職に関わる審査に当たっては、公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合であることを承認の要件の一つとしております。防衛省との関係で何らかの不祥事を起こした企業への再就職については、公務の公正性の確保に支障が生じると認められることから、事案に対する改善がなされるまでの間は当該企業に対する再就職の承認を防衛省として行うことはありません。
○井上哲士君 その間はと言われましたけれども、翌年増やしてつじつま合わすようなことでは、結局問題は解決をいたしません。私、やっぱり天下りと一体の癒着体質を変えない限り、幾ら制度や組織をいじってもなくならないと思います。 今、一方で、防衛産業の要望にも応えて武器輸出三原則を撤廃をして武器輸出の拡大を進めると。防衛費を二年連続増やして、そして契約については随意契約を中心にまた増やすことに逆戻りをすると。これではまた重大な事件を繰り返すことになると。防衛産業との癒着体質をきっぱり断つということを強く求めまして、質問を終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。委員長、今日もありがとうございます。
○委員長(末松信介君) どういたしまして。
○アントニオ猪木君 昨日、地方に行っておりまして、地方の新聞を見ましたらコラムがありまして、元気ですかは安倍シンゾウに悪いというコラムになっていまして、安倍総理が心臓が悪いというのは初耳でしたのでびっくりしまして、私のファンでもあります天皇陛下を執刀された天野先生という、私も本を書いていますけれども、一緒に、すぐ連絡をしなくてはと思いまして。でも、この先生は、いつも手術に臨むときに赤い闘魂タオルを巻いて、元気ですかということで気合を入れて手術台に上るそうです。余り冗談を言っているとまずいですから、冗談とふんどしはまたにしろということで。 ちょうど北朝鮮問題も先ほど出ておりました。今日、テレビニュースを見ていると、まさに横田夫妻のお孫さんに会ったニュースで一色だったんですが。前々から私が言ってきたことは、とにかく話合いができる環境づくりということで、スポーツ交流を通じてというテーマでやってまいりましたが、一月に訪朝して議員団の正式な招待状をいただき、そんな中で訪朝計画も着々と進んでいます。 私が、平成三年ですかね、一期目のときに委員派遣でチリに訪問したときに、当時は、名前は第八十六回列国議会同盟会議というタイトルでしたが、チリも本当に大気汚染で当時ひどかったんですね。今のPM二・五よりも、同じような、ちょうどチリのサンティアゴの町はつぼのようになっていますので、そこに、出した自動車の排気ガス、いろんなものが抜けないような構造になっていて、外務省の方も、たしか一週間ぐらいは必ず海岸に出て静養するということもやられたようです。 朝起きると、当時私はいつもジョギングをしておりまして、五キロから十キロぐらい走っていたんですが、着いた日がちょうど日曜日でもあったので、ああ、そんなにひどくないなと思ったんです。そして翌朝、夜明けとともに走って、ずっと川のふちを走って帰ってきて、喉ががらがらしてきて、おかしいなと思ったら、もう辺りが霧のようにぼやけてくる、そのぐらいに大気汚染がひどくて、そんな中でその会議に、その後、出席をいたしました。 多分、私の発言の場はないだろうなと思ってゆっくりしていたところ、当時の丹波審議官、私のところに来まして、猪木さん、このことを是非言ってくださいよと言うので何かと思うと、敵国条項の撤廃ということで文章を書いたものを手渡されまして、その文章を会議の中で発言をいたしましたら、列席している人たちが、えっ、そんなまだ条項があったんだというふうにびっくりするくらい、多分、これももう本当に今の時代にそぐわない、でも実際にはそういうものが残っているという現実をまた日本の皆さんにも知らせなきゃいけないなと、あるいは、もっと言えば、国際社会の中で強く述べなきゃいけないかなと思います。 それから二十年も経過しているわけですが、状況は大きく変わっていないというのが現状だと思います。そこで、今日は我が国が国連にどう向き合うべきか議論をしたいと思います。 最初に、国連分担金について岸田外務大臣にお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 国連の分担金についてですが、我が国は国連加盟国の中で二番目の分担金における貢献をしております。この分野におきましては、我が国は参加国の中で大きな貢献をし続けていると自負をしております。 こうした分担金の貢献と併せて、内容におきましても今後ともしっかりと国連における議論に貢献するべく努力をしていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 我が国は、国連の分担金、アメリカに次いで世界で二番目、高い分担金を支払っております。 〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕 二〇一四年における分担率は、日本の一一%に対して、常任理事国のイギリス、フランス、中国は五%、ロシアは三%。非常に思うことは、この分担金の比率にしては日本の発言の力あるいは影響力が非常に弱いのかなと思いますが、先ほどもちょっと同僚議員から出たように、韓国の分担金のあれは大変下、何番目、十一番目ですかね。そのように、この分担金を始めて、支払っている我が国が本当に、これからのまず国連の経済状況もまた一度お聞きしたいと思いますが、会社であれば当然これは会社は倒産してしまうわけですけれども、今のところどういう形でこれが賄われているのか知りませんが、まず、国連分担金を真面目に支払っています。中には停滞する国があるというわけですから、日本がもっともっと強く訴えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 国連分担金の延滞につきましては、まず国連分担金の支払、国連憲章第十七条に基づく加盟国の義務とされています。そして、国連憲章十九条に、過去二年間分の分担金額に相当する額以上の延滞金がある場合、総会での投票権を失う、こういった規定があります。 国連によれば、本年二月二十五日現在、過去二年分の分担金額以上の支払が滞納している加盟国、十二か国となっております。ただし、ただし書が付いておりまして、やむを得ない事情がある場合、それが認められる場合には例外とするということで、五か国が例外の適用を受けている、これが現状でございます。結果としまして、七か国が投票権を停止されているわけですが、こうした国の投票権を回復するために支払う必要のある延滞金、合計で二十三万ドルとなっております。 〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕 こういった現状の中で、我が国としましては世界各国で二番目の貢献をしているということであります。我が国が国連においてしっかりとしたこうした分担金に見合うだけの発言力、影響力を持つべきだという委員の御指摘は、これは当然のことだと思います。是非、国連においてしっかり存在感を示すことによって国際社会においての存在感を示すべく努力をしていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 是非強く国連あるいは世界各国にメッセージを送っていただきたいと思います。 そういう中で、日本が常任理事国入りということを今、政府も取り組んでおられると思いますが、そのような敵国条項がある中で、これは国連憲章の中を一つずつ拾っていかないとまたあれですけど、一般国民あるいは我々もそんなに国連憲章を勉強しているわけではありませんが、分かりやすく言えば、そういう滞納している国もある、その中で一番真面目にやっている日本がそういう意味では国連の早く常任理事国入りをするように、まあいろんな資料を見ますと一番反対しているのが韓国であるとか、いろいろ聞いております。 時間もあれなので、次に、国連中心主義、見解をお尋ねしますが、そもそも国連、国際連合としての呼び方ですが、英語の表記で言えばユナイテッドネーションズとなっています。すなわち、第二次世界大戦中の枢軸国に対しての連合国を示す言葉であり、中国は今でも漢字で連合国と表現しています。いつから我が国は連合国を国連と呼ぶようになったのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) ユナイテッドネーションズという言葉を国際連合と訳すようになった経緯につきましては、現在資料が残っておりませんので詳細は不明でありますが、あえて想像するとしたならば、これは第一次世界大戦後に創設されたリーグ・オブ・ネーションズ、これを直訳として、例えば国家連合となるところだと思いますが、そうではなくして国際連盟と訳しております。こうした前例を参考に、ユナイテッドネーションズについても国際連合と訳した可能性はあるのではないかと思っています。 連合国と訳すべきところが、今、国際連合と訳しているのではないかという御指摘ですが、第二次世界大戦の連合国を中心として国連はスタートしました。その当時が五十一か国でした。現在では百九十三か国まで組織が大きくなっています。ですから、名称のいかんにかかわらず、現在の国連は、第二次世界大戦中の連合国は組織としての性格等も大きく変化しているというのが現実ではないかと考えています。
○アントニオ猪木君 不合理のあるのは世の中ですが、どこの社会にも、国連を見ていくと大変不合理なことが山ほどあります。しかし、今、一つの平和を願っての役割ということで、我が国は、かつて国連中心主義というと、水戸黄門の印籠のような形で、この紋どころが目に入らぬかと言うと、ははっと言ってみんな納得をしましたが、私なんかはいろんな角度で世界から見たときに、国連という、国連に対する信用度というのは、まあ日本人が一番信頼していると思います。外国では全く国連を信用していないところもありますが、日本の国連中心主義についてお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 昨年十二月に我が国が初めて策定しました国家安全保障戦略の中にも、まず、「我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定のため、積極的な役割を果たしていく。」としております。そして、さらにこの同戦略におきましては、「国連は幅広い諸国が参加する普遍性、専門性に支えられた正統性という強みを活かして世界の平和と安全のために様々な取組を主導している。」と、こうした記述がされております。 我が国としましては、こうした認識に基づきまして、我が国の平和と安全の維持、回復に向けた取組を始め、国連が主導する様々な取組、積極的に寄与していかなければならないと考えております。 今後とも、国連と連携しながら、女性ですとか人権ですとか、開発あるいは平和構築、軍縮・不拡散等、こうした様々なグローバルな課題に取り組んでいかなければならないと考えています。国連との連携、引き続き重要であると認識をしております。
○アントニオ猪木君 在日米軍の経費負担、いわゆる思いやり予算に関連して、米軍横田基地について両大臣にお聞きしたいと思いますが、私もこういう文書に書くと非常に苦手なもので、ページを間違えちゃったりあれなんですけれども、ポイントは、軍民共用の飛行場を考えたらどうかという。 一部、この前、岩国を委員派遣で視察をさせてもらって、まだ工事途中でしたが、非常にいろんな説明を聞く中でその重要性も知りましたし、これから、今、非常に上空の航空空域の規制とか、それがもし軍民で利用されるようになればもっと民間機が上を飛べるという話も聞きました。 そういう中で、できれば、これは石原都知事時代に多分提案された話だと思いますが、是非その辺を、またもう一つ、地域の開発というか町おこしも含めてそういうことがなされるんであれば、非常にもっともっと経費的にも、ここに経費のあれが出ていましたけれども、非常に、雇用だと八千何百人、そして千六百十億円、航空を利用する人が五百六十万人という人が見込まれるということで、是非、その軍民の共同利用ということについて意見をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 横田飛行場の軍民共用化につきましては、委員からも今御指摘がありましたが、東京都からの要望も踏まえながら、日米間のスタディーグループを開催するなど、日米間で提案や働きかけを行ってきました。本件については、日米双方受入れ可能な姿を模索する必要があると理解していますが、その際には、東京都、それから横田飛行場の周辺の地方公共団体の考え、こうしたこともしっかり考慮することが重要であると認識をしております。 政府としましては、東京都の考えを伺うなどの取組は継続しております。政府としては、引き続き官邸あるいは関係省庁とともに適切に対応していきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 是非強く進めていただきたいと思いまして、質問は終わります。
○小野次郎君 結いの党の小野次郎です。 まず、外務大臣にお伺いします。 総理もおっしゃっています、菅官房長官が何度もおっしゃっていまして、私に対しては、岸田外務大臣も十三日の質問に対する答弁で、河野談話の策定経過は検証する、しかし河野談話自体を見直すことはないという御説明されています。同趣旨のことを官房長官、何度もお答えになっていますが、こういう説明というのは、韓国、米国始めとして、内外から受け入れられているとお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 河野談話につきましては、まず二月二十日、石原元官房副長官が証人として発言をされ、政府としては、河野談話作成過程について実態を把握し、それをしかるべき形で明らかにすべきであるという考えを示しております。そしてその上で、河野談話は見直さないということ、これにつきましては総理も明言をしております。 そして、こうした我が国の対応につきましては、例えば、これは三月十日の米国サキ国務省報道官の発言ですが、安倍政権の立場は河野談話を継承すると述べたことに留意をしている、これは前向きなステップと感じたという発言が公表されております。また、韓国も、朴槿恵大統領が幸いなことであるというコメントを出すなど、韓国政府は前向きな反応を示している、このように承知をしております。
○小野次郎君 私が聞いているのは、その後段の方じゃなくて前段の方ですよ。検証はするって言っているのは、検証はするけれども、その結果のいかんにかかわらず見直しはしないという説明が通っているのかと、そういう認識ですかということです。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の河野談話に対する考え方、対応については先ほど申し上げたとおりであります。そういった説明を再三関係国には行ってきております。こうした説明を行う中で、先ほど申し上げたような反応もあるということであります。引き続き、しっかり説明は続けていきたいと考えております。
○小野次郎君 一国民として言えば、その相手国との事前のすり合わせというのはなかなか、何だ、外、外というか対外的にすり合わせを先にやるのかという疑問は私なんかも感じることが時々ありますけれども、しかし外交というのはそういう面が僕はあるんじゃないかと思うんですね。 検証が必要だと言われる理由も、あの談話を作る際に韓国側とすり合わせをしたんじゃないかということが一番その中身だと思うんですが、しかし考えてみれば、今回その日韓の首脳会談を実現するためにも、アメリカからの示唆もあった、齋木次官は韓国へ行って、その場では意見の隔たりもあったみたいだけれども、恐らくそれを受けて、この十四日に今度総理は、改めて談話の見直しをしないということを発言された、これもやっぱり外向けに発信しているんだと思うんで、私たちはその水面下の外交チャネルのすり合わせの実態を見ることはできませんけれども、恐らく首脳会談実現に向けて様々なすり合わせをしていくというのは外交上、かつてもそうだし、今も同じ必要なことなのかなと思うんですが、その検証をしなきゃいけないという理由について、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 河野談話のこの作成過程について、実態を把握をする、検証するという部分につきましては、二月二十日の石原元官房副長官のこの証言等を受けて、国民に対してしっかりと説明責任を果たさなければいけない、こうした議論が出ている中にあって、国民に対してこの実態をしっかり説明しなければいけない、こういったことで、この作成過程について検証するという対応を進めているわけであります。 いずれにしましても、この河野談話そのものについては見直さないということ、総理自身も明言されているわけですので、こうした我が国の取組についてはしっかりと引き続き説明をし、国際社会の理解を得ていきたいと考えております。
○小野次郎君 前段と後段については、何か内向けと外向けの説明が違うような気がして、にわかには私もすっと理解はできませんが、今日はほかの質問もありますので、次の質問に移らせていただきます。 今日は法制局長官にお越しいただいていますが、長官は十三日の福山議員の質問にも、頭の体操を集団的自衛権の行使について法制局内でしていると、広範な事項について一般的な形で議論している、その内容を当委員会に出す用意もあるとおっしゃいました。この準備は、もう提出できる状態になっていますか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。 本日、昼の理事会において、末松委員長より資料の提出について御指示がございましたので、遅滞なく提出できるようにいたしたいと存じます。
○小野次郎君 その頭の体操なんですけれども、あなたはたしか、法制局の設置法の三条の三の意見というのについて考える必要があるから頭の体操をしているんだとおっしゃいましたけれども、これは、将来に向かっての意見だけじゃなくて、この集団的自衛権の行使容認、憲法の解釈を変えるかどうかということに関して言えばですよ、将来に向かっての意見だけじゃなくて、今まで六十年近くにわたって、その現行の解釈で積み重ねてきた様々な国際約束、あるいは法令について、もし憲法解釈が変わった場合にはどのように一体、その間に作られた国際約束や法令を読み替えるんですか。それとも、そういう法令の解釈は変えられないということなんですか。どっちの理解でしょうか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 国際約束と今おっしゃったと思いますけれども、これについてまず申し上げますと、憲法第九十八条二項は、我が国が締結した条約及び確立した国際法規はこれを遵守しなければならないということを書いているわけでございまして、したがいまして、この意見を申し上げるときに、その国際約束、我が国が締結している条約、それから確立した国際法規、これは遵守しなければいけないということを当然の前提として意見を申し上げることになります。
○小野次郎君 質問の趣旨が御理解いただけていないようですけど、この六十年間に、例えば個別的自衛権しか認められないんだという解釈で積み重ねてきたよその国との条約その他の国際約束、あるいはその間に国会もそういう認識で作ってきた国内法令が、憲法の解釈が変わったときにはどのように読み替えることができるんですか。それとも、そういった条約や法令の解釈を読み替えることはできないと理解すべきなんですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 憲法を始めとして法令の解釈は、今まで、従来のその解釈というものを、これを十分に考慮に入れまして、それとの整合性とか法的安定性とか、それは十分慎重に考えなければならないということを申し上げているわけでございまして、ただ、そういうものを十分配慮した上で、考慮に入れた上で全く解釈の変更を行うことができないかといえば、そうではないということを既に十年も前の質問主意書で申し上げておりますので、何も今、憲法の解釈を変えるということも全く前提としていないわけでございますけれども、そういうことを申し上げているわけでございます。
○小野次郎君 よく私の質問を聞いてください。 この六十年間、個別的自衛権しか行使できないんだという解釈の下に日本国が外国と結んできた条約その他の国際約束、あるいは国会はそういう理解の下にたくさんの法令を作ってきました。その法令の解釈が、憲法の解釈が変わったときには読替えができるんですか。それとも、そういうものは改めて全て作り直さなければ新しい解釈に基づく法令の解釈ができないのかと、そういう理論的なことを聞いているんですよ。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 私の説明の仕方が悪くて、ただ、その御質問に今お答えしたつもりでやっておりますけれども。 この法令につきましては、憲法以下の法令、まず、憲法の解釈を変えるんだという前提でお話をすることはできないわけでございますけれども、仮に厳しい制約の中で解釈を変更するということになったらどうなるかという理論的な御質問でございますので、それが法令の解釈も、法令を変えなければならないという結論になるのであれば当然そういうことはする必要もございますし、そうでないものについてはする必要がないと。それから、国際約束、条約の方につきましては、これは相手があることでございますので、一方的に変えるということはできません。
○小野次郎君 一例を挙げます。 今日は皆さんのお手元にも配らせていただきましたけど、安保条約ってもう一遍読み直してみていただきたいんですね。前文には、両国が集団的自衛権、固有の権利を有していることを確認しということもあり、この五条が一番重要な条文ですけれども、各締約国は、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認めて、共通の危険に対処するように行動するということを規定しているんですね。 そういった条文を改めて読み直すと、私はこの集団的自衛権の保有を日米安保条約は確認しているんじゃないのかなと。その上で、ほかの四条なんかも同じなんですけれども、併せて読み返すと、この五条というのは、ただ集団的自衛権の行使の義務の対象範囲を我が国の領域に限定したと読むのがナチュラルな解釈じゃないかと思うんですが、お伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 安保条約、国際約束の解釈でございますので、これは外務省の所管になりますので、外務省から詳細についてはお聞き取り願いとう存じますが。 これは従来から政府が答弁しているところでございますけれども、安保条約の前文に、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛権の固有の権利を有することを確認しと、こう書いてございますのは、この条約の締約国でございます日本及び米国が主権国家として国際法上自衛権を有している、集団的自衛権も個別的自衛権も有しているということを確認しているわけでございまして、ただ、この中の規定、実質的な規範でございますけれども、今委員が正しくおっしゃいましたように、これは我が国が武力攻撃を受けた場合に日米が共同対処をすると。これは国際法上申し上げますと、我が国は個別的自衛権を行使し、米国は集団的自衛権を行使すると、こういうことでございますが、それに対して、米国が武力攻撃を受けた場合に我が国が来援するという義務は書いてないということで、これを従来から政府が申し上げているのは、国際法上、我が国は主権国家として集団的自衛権を当然有しているが、憲法九条の解釈としてその行使は許されないと、こういうふうに解釈しているということでございます。
○政府参考人(秋葉剛男君) 外務省の担当の部分について補足いたします。 安保条約第五条に書かれております我が国の行動は、我が国の施政の下にある領域内にある米軍に対する武力攻撃が生じた場合も含め、我が国に対する武力攻撃への対処にほかならず、我が国の個別的自衛権の行使として説明され、集団的自衛権の行使には当たらないというのが政府の立場でございます。
○小野次郎君 だから、個別的自衛権の行使しか認められないという理解でやってきたときにこの条約をそのように理解してきたということだと僕は思うんですけれども、そうでなくて、さっきから言っているように、集団的自衛権の行使を容認したらどうかと総理自身がおっしゃるこの今時点でこの条文を読んだときに、私のような理解もできるんじゃないかということをお伺いしたところなんです。 もう一つ、今度は法制局長官に伺いますが、そもそも、憲法九条ですけれども、これは外部からの武力行使に対して我が国の独立と安全を守るために必要最小限の自衛措置をとり得るという理解ですよね。これは、この安保条約五条の表現ぶりも参考にして読んでみても、そもそも憲法は個別的自衛権と集団的自衛権の区別をしていないんじゃないかと思うんですが、その点についてはどうお考えですか。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 政府が従来、憲法九条の解釈について述べてきたところを要約して申し上げると、以下のとおりでございます。 憲法第九条の文言は、我が国として国際関係において実力の行使を行うことを一切禁じているように見えるが、政府としては、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や憲法第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきとしている、こととしている趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条は、外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合に、これを排除するために必要最小限度の武力で実力を行使することまでは禁じていないと解していると。ちなみに、これは平成十六年六月に島聡衆議院議員からの質問主意書に対する、でお答えしている部分でございます。
○小野次郎君 質問に答えていただいていないと思うんですけど。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 質問にお答えしたつもりなんでございますが、もしお答えになっていないというように受け取られたとしたら、非常に私の説明の仕方が不十分なのかなと思いますが。 これは何度も私も国会で答弁しておりますように、自衛権は、ということは、個別的自衛権にしましても集団的自衛権にしましても国際法上の概念でございまして、憲法第九条にはそもそも自衛権についての言及はないわけでございます。そこで、従来御答弁申し上げていることは、憲法九条という規定があって、それで我が国が武力行使を行える場合があるのかどうかということについて政府は従来から申し上げているわけでございます。
○小野次郎君 私は集団的自衛権行使の、両大臣にもお聞きいただきたいんですが、この議論が、集団的自衛権を拒絶する、受け入れない立場と、逆に伝家の宝刀のように強く首肯する立場が対立して議論がかみ合っていない印象を私は思うんです。 現行憲法九条、これ改正じゃないわけですから、憲法九条を前提とする限りは、自衛隊が地球の裏側まで出動するとか、あるいは他国の防衛のために我が国が戦争に参加するとかという議論はあり得ないと私は考えるべきだと思うんですが、法制局長官、それでいいですよね。
○政府特別補佐人(小松一郎君) 集団的自衛権の問題につきましては安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われています。これ、何度も私も答弁を申し上げておりますけれども、重要な問題ではございますけれども、安保法制懇が議論しているものが全てではございません。したがいまして、懇談会からの報告書が提出された後に内閣として対応を検討すると、内閣法制局の意見を聞きながらと、こう総理がおっしゃっているわけでございますので、現時点で内閣法制局の、それについて、御質問について見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
○小野次郎君 長官、よく質問を聞いてください。私言っているのは、どんなにその集団的自衛権行使の議論をしたとしても、現行憲法九条を前提とする限りは、自衛隊が地球の裏側まで出動するとか、他国の防衛のために我が国が戦争に参加するとかという議論にはなり得ませんよねということを伺っているんですけど。
○委員長(末松信介君) 憲法九条との解釈を踏まえてでございます。
○政府特別補佐人(小松一郎君) ただいま申し上げましたとおり、現時点で内閣法制局の意見を申し上げることは適当でないと思っておりますが、また、総理のおっしゃったことについて私がいろいろとそんたくを申し上げることは、これ分を越えておりますけれども、これは記憶という点からいたしますと、総理も、安保法制懇において集団的自衛権の問題についても限定的な議論が行われているというふうに総理として理解をしておられるというふうに何度か答弁しておられるように私は記憶しております。
○小野次郎君 内容のある答弁がいただけないんで、一問だけ防衛大臣にさせてください。 防衛大臣、今の話……
○委員長(末松信介君) 簡潔に願います。
○小野次郎君 はい。聞いていただいたと思いますが、私は、現下の安全保障環境の中で、どんな場合にどこまで自衛権行使が容認されるかというプラグマティックな議論をこの問題についてもしなきゃいけないと思うんですけれども、大臣の所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 現在、そのような様々な事案についての事例を挙げて安保法制懇で議論をなされているというふうに承知をしております。その議論を待って政府内で様々検討が行われるものと理解をしております。
○小野次郎君 質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 以上をもちまして、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十三分散会