予算委員会 第7号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2014/02/13
会議録
○二階委員長 これより会議を開きます。 平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算、平成二十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、参考人として原子力委員会委員長近藤駿介君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣審議官武川恵子君、内閣府大臣官房審議官豊田欣吾君、総務省情報流通行政局長福岡徹君、経済産業省大臣官房審議官後藤収君、経済産業省商務情報政策局長富田健介君、資源エネルギー庁長官上田隆之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○二階委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲津久君。
○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。通告に従いまして、順次お伺いをさせてもらいます。 まず最初は、豪雪寒冷地における特別交付税の措置についてということで伺ってまいります。 先週の土曜から日曜にかけて太平洋側に大雪をもたらした低気圧ですけれども、東京も観測史上記録的な大雪ということで、二十七センチ積もったということでございますけれども、この冬は北日本を中心に大変記録的な豪雪に見舞われているというのが現状だと思っております。 これは二月十日現在の消防庁の発表でございますけれども、ことしの冬、例えば屋根の雪おろし等で亡くなった方、四十九名、それから負傷者が全国で九百六十三名ということで、改めて、お亡くなりになった方々に対してお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々にお見舞い申し上げる次第でございます。 こういう状況の中で、各自治体は豪雪、寒冷に対してさまざまな取り組みをしておりますけれども、特に、一つは雪の除排雪ということで、これは、既に各自治体とも、予定をしていた予算をさらに追加するということで、補正予算などを組んで緊急の取り組みをしているところでございますが、これに対しては特別交付税の手当てがありまして、自治体を支援する取り組みがあるということでございます。 もう一つ、この寒冷地の自治体で大事なことは、それは低所得者の方々への灯油の購入費の助成ということで、これを行う自治体が多々ございます。 北海道の例を一つ取り上げさせていただきますと、北海道では、百七十九市町村のうち、現段階で百五十七の自治体が、これは福祉灯油という名称を使っていますけれども、住民税の非課税の世帯などに灯油の購入費あるいは引きかえ券をお渡しして補助するという制度で取り組んでおります。 これは、二〇〇七年あるいは二〇〇八年のときには、北海道でもほとんど全ての自治体が実施をしました。残念ながら、今回はまだ、実施を今検討する、どうしようかなという自治体も幾つかある状況なんですが、この二〇〇七年、八年のときには、もうこれは御案内のとおりですけれども、二分の一措置ということで、特別交付税の措置を実施した例がございます。 したがって、これを使って全国の積雪寒冷地の自治体ではいわゆる福祉灯油を実施したということなんですが、この冬はどうなるのかということでございます。 二〇一二年の冬も灯油価格が上昇しました。二〇一三年、ことしの冬はどうなっているかというと、これも御案内のとおりですけれども、原油の高騰によりまして灯油の小売価格が高どまりしている。それから円安の影響もございます。したがって、現時点で、昨年の一月と比較してみても大体一リッター当たり十円ぐらい高い、こういう状況です。 したがいまして、このことを踏まえて考えると、ぜひこの冬、この特別交付税の措置をすべきではないか、このように考えておりますが、担当大臣の所見を伺いたいと思います。
○新藤国務大臣 委員が御指摘のように、地方団体が行う灯油購入費の助成は、平成十九年度及び二十年度に、原油の高騰等に伴いまして、政府全体の取り組みの一環として特別交付税措置を行いました。 そして、今年度、灯油価格の高騰に伴いまして、低所得者に対して灯油購入費の助成を実施する地方団体が既にあることは、私どもも承知をしております。 したがいまして、現在、灯油購入費助成を含む原油高騰対策の地方団体の財政需要についての調査を行っております。地方団体の実情を把握した上で、これは三月分の特別交付税で必要な措置を講ずる方向で検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○稲津委員 大臣から大変前向きな御答弁をいただきまして、ぜひ調査次第、速やかな実施をお願いさせていただきたいと思います。 それから、近年の灯油の小売価格の高どまりを見ておりますと、やはり、今後どうするのか、それから、先ほど冒頭御紹介申し上げましたけれども、豪雪あるいは寒冷、そういうことが、非常に気象状況が違ってきているということもありまして、あわせて、ぜひこの際、こうした措置について恒常的な取り組みをどうするかということについても御検討をお願いさせていただきたいと思います。 次に、このたびの総理のロシア訪問について、順次伺ってまいりたいと思っております。 一つは、北方領土に関して、早期解決に向けてのお取り組みをぜひともお願いしたい、こういう趣旨でお伺いしたいと思っています。 八日に、冬季オリンピックの開会式に、ソチに総理は向かわれました。そして、プーチン大統領と合計二時間余りの会談をなされたということで、これが総理になられてからプーチン大統領との五回目の会談というふうに承知をしております。 私は、ソチのオリンピックの開会式に総理が行かれたということは、大変な御英断で、そして、この中で得たものも非常に大きい、このように思っております。 会談後の総理の記者会見の発表を後ほど見させていただきましたけれども、会談は極めて有意義で、そして、これまで重ねてきた総理の友好対話の成果が出てきているんだなと思っておりまして、改めて、総理のこうしたお取り組みに対して、心から敬意を表させていただきたいというふうに思っております。 ただ、今回のこの会談の中で、それでは北方領土の問題に関してはどのような進展あるいは方向性が見出されてきたのかということをお伺いしたいと思っているんですけれども、総理は記者会見の中でこう申されておりました。一日も早く困難な課題を解決して平和条約を締結したい、次の世代に先送りをせず、可能な限り早期に解決を図らなければならない、このようなことを述べられておりまして、私も大変期待を大きくしたところでございます。 そういう意味で、この会談の中でもお約束ができました、ことしの秋のプーチン大統領の訪日の折には、ぜひともこの平和条約締結に向けた具体的な話し合いを進めていただきたい、このように強く思っております。 また、総理は、次の世代に先送りをせずと申された、その背景というか、その総理の思いの奥には、みずからが総理の在籍中に北方領土問題を解決する、具体的な進展を図っていくんだ、このような深い、強い決意がある、私はこのように思っておりますけれども、こうしたことについて、総理の御所見をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先般、ソチ・オリンピックの開会式に出席をいたしました。そして、その翌日に、五回目となります日ロの首脳会談を行ったわけでございますが、昼食をともにしながら、約二時間にわたって、大変和気あいあいとした雰囲気、和やかな雰囲気の中において会談を行うことができました。 その中におきまして、今、稲津委員が御指摘になったように、日本とロシアとの間には平和条約がないわけでありまして、戦争が終わってから六十八年間にわたって平和条約がない、この異常な状態を終わらせなければいけないということについての認識においては共有できたというふうに思うわけでございます。 そして、その中において、北方領土、四島の帰属問題を解決して平和条約を締結していく、これはまさに、大きな、歴史的な課題でもあるわけでございまして、その中において、これを解決していくためには首脳同士が最終的には判断をしていく必要がある、この認識を共有していくことが大切だろう、そのためにも両首脳の間に信頼関係を構築していかなければいけない。その上において、約一年間の間に五回の会談を行ったところでありまして、今回は大変和やかな雰囲気の中での会談となった、このように思うわけでございます。 そしてまた、会談を行う上において、先般の次官級の協議、そして日ロ外相会談のやりとりを踏まえて率直な意見交換を行ったわけでありまして、平和条約締結問題について引き続き議論を重ねていくことで一致をしたわけでございますが、この平和条約締結交渉についても、テンポよく行っていくことが大切でありまして、次官級において議論を進めながら、そして外相級、そして最終的には首脳級、そして、首脳級において、報告を受けながら、指示を逐次、次官級あるいは外相級のレベルに出していくということが重要ではないか、このように思っております。 そして、私も、私の総理の時代に何とかこの問題を解決していかなければならない、このように決意をしておりますし、G8ソチ・サミットの機会にも首脳会談を行う、そして、秋に訪日をしていただいて首脳会談を行うということにおいて、これは合意をしたわけでございます。 その意味におきましては、この六月に行われるサミットにおいて首脳会談を行う、そして、秋にはプーチン大統領が訪日をする、こういう中におきまして、またさらに次官級の協議も進めながら、この大きな課題において最終的に解決を見るために全力を挙げていきたい、こう思っているところでございます。 今後とも、プーチン大統領との信頼関係を一層深めつつ、経済、安全保障、国民間の交流等、あらゆる分野でロシアとの協力を進めて、日ロ関係全体を高めていきたい、その中で、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結して、歴史的な使命を果たすべく、全力を尽くしていく決意でございます。
○稲津委員 ありがとうございました。 総理の大変強い御決意というのをお伺いさせていただきまして、私もさらに期待を強くしたところでございます。 これは言うまでもございませんけれども、元島民の方々は島を追われて六十九年、そして島民の方々の半数がもう既に亡くなられました。さらに、平均年齢も八十近くになるということで、まさに一日たりとも待っていられないという状況が続いておりまして、平和条約の締結、そして北方領土問題の解決というのが一日も早く、強く望まれているところでございます。 公明党も、昨年の十月に、山口代表が北方領土返還運動の原点の地、根室に参りまして、納沙布岬から歯舞群島を視察しまして、その後に、近隣自治体の首長の皆さんや漁業関係者、あるいは、この運動に取り組んでこられた団体の方々と意見交換をしまして、ちょうどそのときが、安倍総理が外交の成果で、2プラス2、この協議が始まるということを踏まえて、山口代表からも、この機を生かしていくことが大事である、こういうことを申されて、その意見交換をされた方々と意を同じくしたところでございました。 私は、ぜひとも、この秋のプーチン大統領の訪日の機会を捉えて、平和条約の締結に向けた具体的な話し合いをなされていただきたい。そのために、この秋までの間のさまざまな取り組みを精力的に行っていただくことを心からお願いするものでございます。 次に、ロシアとエネルギーの協力の具体的な推進ということでお伺いをさせていただきたいと思います。 今、北方領土の返還の話もありましたが、もう一方で、ロシアとの関係で非常に大事な問題が、いかにしてエネルギーの協力体制を強化していくかということが挙げられるというように思っております。 まず、昨年の総理の公式訪問の際に、プーチン大統領との会談の中で、東日本大震災以降の日本のエネルギーの逼迫に配慮したエネルギー協力を確認したというのがございます。 今回の会談の中で、エネルギーの協力体制について進展が見られたのか、あるいは方向性に触れられたのか、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今回の日ロ首脳会談においては、エネルギーに関しましては、ウラジオストクやサハリンにおいて新たに計画されているLNG等、日本企業が関与する個別案件について意見交換を行いました。そして、協力を進めていくことを確認したところでございます。 そして、燃料供給源の多角化による燃料調達費の低減は、我が国のエネルギー政策上重要であります。我が国は、ロシアから石油総輸入量の約七%、LNG輸入量の約一〇%を輸入しているわけでございまして、ロシアとのエネルギー協力を重視している中において、今回、協力を進めていくことを確認できたところでございます。 今後とも、LNGプロジェクトを初め、エネルギー分野について、互恵の原則に基づいて官民で取り組んでいく考えでございます。
○稲津委員 総理から、特にLNGの話も触れていただきました。 もう御案内ですけれども、日本は、エネルギーに関しては、その資源のほとんどを外国からの輸入に頼っているところでございまして、そういう中で、火力発電用の燃料として需要が急増しているのが天然ガスであるということ。今後、今総理からも触れていただきましたが、さらなる天然ガスの輸入先の安定性を確保しなければいけないという課題があると思っております。 天然ガスの輸入先、今御案内いただきましたけれども、ロシアが約一〇%、そのほか、マレーシア、オーストラリア、カタールというところでございますけれども、アメリカも、今後、国内の消費だけで見ても百年分ぐらいの天然ガスが見つかったということで、期待が持てる反面、それでは米国の承認がどうなるのか、そういう課題もあると思っています。したがって、天然ガスを取り巻く環境というのは非常に複雑になっているということです。 ロシア、今一〇%の話がありましたけれども、ロシアの輸出先を見ると、ほとんど、大半がヨーロッパであるということ。ですから、ロシアの方から見ると、日本は当然、もう少し天然ガス等のエネルギーの需要を図っていただきたいというふうに思うのは、これは自然なことだと思うんですけれども、今後、我が国の資源エネルギーの確保の観点から、ロシアの天然ガスの輸入についてどうしていくのかということについて、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 委員御案内のとおり、今、天然ガスをめぐります国際環境は大きく変化をしております。 アメリカにおけますシェールガス革命、こういったことが起こることによりまして、アメリカが天然ガスの輸入国から輸出国に変わる、本来アメリカに向かっていたカタールの天然ガスがヨーロッパに出る、こういった状況の中で、世界第二位の天然ガスの生産国でありますロシアとしても、需要の拡大が見込まれますアジア市場を初め、供給先の多角化を図っていく、これは大きな課題なんだと思います。 一方、日本にとりましても、委員御指摘のとおり、東日本大震災そして原発事故以来、新たなエネルギー制約に直面をして、燃料調達費、これも大幅に増大をする中、我が国としても調達先の多角化を図っていきたい。 そういった中で、委員も北海道の御出身でありますが、近接するロシア、これは日本にとっても調達元として非常に有力な候補である、このように考えております。 ですから、領土問題もありますが、総理も五回にわたって日ロ首脳会談を実施し、私も、昨年の年末、モスクワの方に行きまして、ノバク・エネルギー大臣初め関係閣僚とも協議をする中で、ウラジオストクさらにはサハリンにおきまして日本企業も関与しておりますLNGのプロジェクトをしっかり進めていきたい、そのためにも、まず一つは、競争的な価格で輸入が行われること、そして、タイムリーに供給されること、こういったことの重要性も指摘をしたところであります。 日本の企業が参画をしておりますこういった新たなLNGのプロジェクトにつきましては、JBICであったりとかJOGMECを活用いたしまして、ファイナンス面でも国としての支援もしっかりと行っていきたい、このように考えております。
○稲津委員 ありがとうございました。 日本の今後の天然ガスの輸入先を考えていく上で、今御答弁いただきましたように、ロシアとの関係というのは、これは大変重要でございます。その意味で、エネルギー分野における日ロの新たな協力体制の構築というのは欠かすことができないと思っております。 今御答弁いただきましたけれども、ことしの秋のプーチン大統領の来日のことを考えますと、その時期に向けて、そこを一つの基軸にして、さらにもう一歩踏み込んだ新たな日ロのエネルギーの協力体制を日本の側から提案することも必要ではないのかな、このように思いますが、御見解をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 ロシアにとって、エネルギー、特にLNGは主要産業であります。それを輸出するということにおいて多くの外貨を得ているところでございますが、現在の供給先は、先ほど委員が御指摘のように、多くはヨーロッパになっているわけでございます。 その中で、欧州自身が今後多角化を行っていく中において、ロシアにおいても、特に日本を中心に輸出先を多角化していかなければいけないというニーズがあるわけでありまして、同時に、日本においても、先ほど茂木大臣から答弁をいたしましたように、多角化をしていく中において、ロシアからの輸入量、今サハリンもともに進めているわけでございますが、そういうものについて進めていく。 当然それは、その方向においてお互いが協力をしていく、官民において協力を進めていくことにおいて今回も合意をしたわけでありますが、さらに、これは今後、首脳会談を行っていく上において具体的に進展をさせていくということについてもしっかりと検討していきたい、こう思うわけでございます。 同時に、エネルギーについて、依存度を高めていく中においては、やはり両国の信頼関係が確固たるものになっていくということも大変大切であろう、このように思うわけでございまして、これはやはり、その中において、今申し上げましたエネルギーの協力も進めていきたい、こんなように思っているところでございます。
○稲津委員 日ロのエネルギーの協力体制というのは、ある意味、隣国であるということも非常に大事なことですけれども、もう一方では、これからどのようにして平和的に外交交渉を進めていくのかということにリンクしてくる話だと思っていますので、ぜひとも新たな取り組みも御検討いただきたいと思っています。 先日、我が国日本の一番北の果て、稚内に私は日曜日の日におりまして、稚内市とサハリン州の交流の状況についていろいろとお伺いしてまいりました。 大変驚いたんですけれども、今もサハリンのコルサコフと稚内との間では定期便のフェリーが運航しておりまして、例えば昨年ですと、これは五月から九月までの間なんですけれども、五十六便運航しております。ところが、サハリン2がどんどん進んでいたとき、これは二〇〇五年あたりですけれども、このときは四月から十二月で、運航便数も百二十便ございました。まさにサハリン2のそうした取り組みが日本に大きな影響を与えている。あの稚内の地でさえも、これだけの大きな経済交流もあったということを示しているわけなんです。 まさに、隣国であるということを捉まえて見たときに、こうしたエネルギーの新たな供給体制、日ロの間に横たわる課題でもあり、なおかつ、これからの日ロ関係を大変深めていく、そういうポイントでもあると思っておりますので、どうか、さらなる進展をお願いさせていただきたいと思います。 次に移ります。 次は、農林水産業・地域の活力創造プランということで、これは林大臣中心にお伺いをさせていただきたいと思っています。 昨年の十二月に、農林水産業・地域の活力創造本部におきまして農林水産業・地域の活力創造プランが策定をされました。これには国内外の需要の拡大を初めとした四つの柱を設けておるということで、私は、きょうはこの辺を少し具体的にお伺いしたいと思っているんです。 このプランは大変重要なプランであるということを私なりにも認識しております。きょうは特に、この四つの柱のうちの一つ、需要フロンティアの拡大、特にこの中で主軸になっております輸出の促進についてお伺いをさせていただきたいと思っています。 政府は、経済の再生に向けた成長戦略の一つとして、二〇二〇年までに農林水産物あるいは食品の輸出額を一兆円にするという目標を掲げました。これは活力創造プランにも明記をされております。 昨年の八月に公表されましたけれども、国別、品目別の輸出戦略、ここでさらに具体的な取り組みについても明示をしました。例えば加工食品のジャンルでいいますと、この時点では大体一千三百億円ぐらいの輸出状況を二〇二〇年までには五千億円にするとか、こういったことが明記をされています。 それから、こういう状況の中で、非常にうれしいことに、きのうあるいはきょうの一般紙各紙等においても、農産物の輸出が最高、五千五百六億円になったということで、特に日本食の人気、それから和食がユネスコの無形遺産に登録されたという後押しもあって、もちろんこれは政府、農水省の取り組みが功を奏したというふうに思っておりますが、そういう大変うれしいニュースもありました。 ただ、もう一方で、これからこの一兆円に向けての輸出の取り組みはそう平たんなものではない、このようにも思っております。 一兆円の目標に向けての、例えばその具体的な目標数値を見てみますと、先ほど申し上げましたように、加工食品で五千億とか、それから米、米の加工品で四・六倍の六百億とか、水産物も一千七百億から三千五百億ということで、これからの見通しを考えたときに、ハードルは決して低くはない、このように思っております。 そこでお伺いしますけれども、この農林水産物の輸出額一兆円の取り組み、目標に向けて、今後、具体的にどのように輸出一兆円の目標達成に向けて取り組んでいくのかということについて、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
○林国務大臣 今、稲津委員がお話しいただきましたように、活力創造プラン、これは稲津委員御自身も政務官として一緒になってつくっていただいたものでございまして、そこにもいろいろと書き込ませていただきましたが、まず、世界の食市場が今後十年間で、特にアジアを中心に三百四十兆円から六百八十兆円に倍増する、この大きな市場をどうやって取り込んでいくか、これが一番大きなところでございます。 そのために、FBI戦略ということを立てさせていただきました。アメリカが何か調査をしに来るような感じがいたします。そうではなくて、日本の食材を世界の料理で、フランス料理にしても中華料理にしても、活用するというメード・フロム・ジャパン、日本食そのもの、食産業を海外展開するというメード・バイ・ジャパン、それから日本の農林水産物、食品を輸出するというメード・イン・ジャパン、この頭文字をとりましてFBI、こういうふうに一体的に展開していこう、こういうふうにしております。 今お話しいただいたように、このFBI戦略を具体化するために、重点品目ごとにそれぞれ目標を定めまして、国別、品目別、どの品目をどの国にどうやって具体的に出していくか、これを昨年の八月に公表させていただいたところでございます。 こういった取り組みで、今お話しいただきましたように、速報値ですが、平成二十五年、去年の一月から十二月までの農林水産物、食品の輸出額が五千五百六億円ということで、対前年比二二%増。それから、統計をとり始めたのが昭和三十年でございますので、まさに一九五五年体制になって以来最高額、こういうことでございます。 今後、輸出促進の司令塔をオール・ジャパンでつくる、各県でさまざまそれぞれ取り組まれておられますが、オール・ジャパンで、ジャパン・ブランドとして、ほかの国もやっておりますように、取り組んでいくということで、今までの実績や取り組みを検証しながら、オール・ジャパンでの輸出促進の戦略を実行に移していく。そのために、全国に輸出のための農林水産物等輸出促進全国協議会をつくっておりますが、戦略実行委員会の中で、品目別の輸出団体と協力しながら、どうやってオール・ジャパンでやっていけるか、これをやっていく。 それからもう一つは、食文化の普及や輸出環境の整備、これは検疫等いろいろございますので、こういうものをあわせて、この一兆円の目標に向けてしっかりと取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。
○稲津委員 ありがとうございました。 今御答弁いただきましたこととあわせて、この二〇一四年度にも、輸出戦略の実行事業ということで、六項目にわたって予算も計上されておりますので、ぜひ、さらなる推進、お取り組みをお願いしたいと思っております。 それで、やはり輸出の拡大の課題があります。これも御案内のとおりですけれども、やはり最大の課題というのは、あの福島第一原発の影響で、発災から三年を迎えている今日ですけれども、輸入規制をした国もありますけれども、今なお各国、各地域で規制措置がとられているという状況があります。 例えば、一部食品については輸入停止ということで、韓国とか中国とかブルネイとか、それから、日本の全ての食品について証明書をつけなさい、こういう国もたくさんあります。 こういう状況を考えていったときに、今後、外国の規制措置についてどのように対応していくのか。やはり、輸出をこれから促進していくとなると、ここの課題もクリアしなきゃいけない、こう思っておりますが、その対応についてお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 稲津先生おっしゃっていただいたように、原発事故の直後、多くの国と地域で、我が国の農林水産物、食品に対する輸入規制が行われました。これに対して、ずっと粘り強く、日本産品に対する放射性物質に関する輸入規制を行っている各国に対して、国内でモニタリングをして、その結果等の科学的なデータを提供して、そして輸入規制の緩和、撤廃、これを求めてきたわけでございまして、稲津委員にも一緒になってこれに取り組んでいただいたわけでございます。 その結果、マレーシア、ベトナム、オーストラリアなど十三カ国は輸入規制を完全に撤廃していただきました。それから、シンガポール、ロシアなどは、放射性物質検査証明書の添付、これを条件にはしておりますが、一部地域からの食品等の輸入禁止措置を解除する、こういうふうに輸入規制が緩和されてきております。 一方で、我が国の主要な輸出先である香港、台湾、中国等においては、いまだに我が国の一部地域や品目について輸入が停止されているという状況でございます。 これはなかなか手品のようなことはございませんので、科学的データに基づいて、それぞれの各国・地域に働きかけを行って、先ほど申し上げたほかの国のように、撤廃をしてもらうように働きかけを強めて、結果として輸出の拡大につながるように努力を続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
○稲津委員 ありがとうございました。 もう一つ、あわせて中国の検疫の輸入規制についてもお伺いしようと思ったんですけれども、ちょっとこれは時間の関係上、割愛をさせていただきたいと思っております。 それで、今、この農林水産業・地域の活力創造プランを着実に実行していく、その上で、輸出促進の方途について伺ってまいりました。 このテーマは国内外の需要の拡大でありますけれども、こうしたことを進めていくと、どうしてもやはり気になってくるのがTPPの問題でございます。 これは、昨年の末に交渉妥結というのが目途であったというふうに承知をしておりますが、多くの課題を抱えている状況の中で、現在は、二月の二十二日から行われるシンガポールでの閣僚会合で、今度は交渉妥結に向けての取り組みが行われるというのが最大の関心事でございます。 いずれにしても、私は、農産物の重要五項目の関税撤廃を除外するということが大前提でなければ、これは国会の決議を守ることができないということで、ここはしっかり守った上での交渉になるだろう、そうしていただきたい、こう強く思っているわけでございますけれども、今回改めて、このTPPの交渉における国会決議の意義を含めてどう臨むのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣 今月の二十二日から二十五日まで四日間、シンガポールで閣僚会合が開催されるということが決まりました。国会の御了解がいただければ、ぜひ出席をしたいと考えております。 前回のシンガポール会合で、アメリカのUSTRのフロマン代表がぶら下がり会見で、残されている重要な課題は、知財、環境、労働、国有企業、そして日本の農産物という発言がありました。それ以外にも、地方政府の取り扱いや一時的入国も関心が高いところだと思いますが、いずれにいたしましても、私どもは、衆参農水委員会で決議をいただいているわけでありますし、党としての掲げている公約もあります。それをしっかり受けとめながら、どう整合性をとった交渉ができるか、全力を尽くして取り組んでいきたいというふうに思っております。
○稲津委員 ぜひ衆参の農林水産委員会で決議した国会の決議を遵守していただいて、守るべきものは守る、得るものは得る、そういう取り組み、よろしくお願いをさせていただきたいと思っています。 もう一点、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてのことについてお伺いをさせていただきたいと思っています。 今、ソチでの冬季オリンピックの熱戦が連日のように伝えられておりますけれども、こういう時期だからこそ、やはり東京オリンピック・パラリンピックについての国民的な意識をまた増していくような、そういうこともございますので、この機会にぜひお伺いしたいと思っています。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの大会というのはどういう意義があるんだろうか、こう考えていったときに、我が国はさらに少子高齢化が進んでいく、そういう状況の中で、例えば障害を持っている方々のスポーツはどう取り組んでいくのか。私は、そういうことを考えていきますと、パラリンピックの成功こそが一つ大きな鍵になるんだろう、こう思っております。 残念ながら、まだまだ我が国では関心が高いところでもございませんので、このパラリンピックの大会を成功させるという視点で考えていきますと、例えば都市機能のバリアフリー化とか、あるいは学校教育でもそうした心のバリアフリーに取り組んでいく必要がある、こう思っております。 この点についてまず総理にお伺いしたいのと、もう一点、大変恐縮でございますが、このパラリンピックのナショナルトレーニングセンターの設置をどう考えているのか、この二点、お伺いします。
○安倍内閣総理大臣 ナショナルトレーニングセンターについては文部科学大臣から答弁をさせていただきたいと思いますが、パラリンピック競技大会は、スポーツを通じて障害者の方々の自立や社会参加を促すとともに、さまざまな障害への理解を深めるものであります。オリンピックと同様に大きな意義を持つ大会であると考えております。 二〇二〇年に、世界からこのパラリンピックの大会を見るために多くの方々が日本にやってきます。障害者の方々もおられるんだろうと思うわけでありますが、その中で、日本は果たして障害者の方々にとってバリアがある国なのか、東京はバリアがある都市なのか、そういう観点からも、そういう障害のある方にとっても、この東京という都市は、日本という国は、まさにバリアのない、そして障害者の方々にもチャンスのある、生きやすい国であるということを示していきたい、こう思っているところでございます。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の施設整備に当たっては、全ての競技施設をユニバーサルデザインに基づいたものとするとともに、会場へのアクセスについても、道路や駅などの交通基盤のユニバーサルデザイン化やバスのノンステップ化などを行う計画であります。 また、パラリンピックの価値や理念、そうした障害のある人々への理解を深めるためにも、学校教育等においてパラリンピアンとの交流の機会の拡大などに取り組んでいくことが重要であると思います。 東京大会を契機として、我が国が障害者の方々にとって世界で最も生き生きと生活できる国となるよう、大会組織委員会や東京都とも連携をとりながら取り組んでいきたいと思います。
○二階委員長 下村東京オリンピック・パラリンピック担当大臣、時間でございますので、手短にお願いします。
○下村国務大臣 はい。 御指摘のように、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、オリンピック・パラリンピックともに、選手の強化をしていくということが大切だと考えております。 日本障害者スポーツ協会からは、パラリンピック競技専用のナショナルトレーニングセンターの設置について要望されております。既に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室、文部科学省、厚生労働省において、パラリンピック選手の強化に向けた整備を進めております。関係団体との意見交換も始めて、対応していきたいと考えております。 さらに、文科省においては、パラリンピック選手が効果的、効率的に集中して強化活動に専念することができる強化・研究活動拠点のあり方について検討するための経費を平成二十六年度予算案に計上しておりまして、これからも、ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設の指定等、オール・ジャパンで、パラリンピック選手やパラリンピアンのための対応についてしっかり対応してまいりたいと思います。
○稲津委員 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて稲津君の質疑は終了いたしました。 次に、古川元久君。
○古川(元)委員 おはようございます。民主党の古川元久でございます。 きょうは、まず、我が国が直面をしております急速な人口減少、そして超高齢社会に関連して質問をさせていただきたいと思います。 まず、資料をちょっと見ていただきたいと思うんですが、「若年層の激減、高齢者の急増」という資料でございます。これは二〇四〇年までの数字でありますけれども、今後、この三十年余りで、六十五歳未満の方々は三千万人減少する一方で、六十五歳以上は九百万人増、特に七十五歳以上の方々、これは八百万人増加する。これは、急速な人口減少が進む中で、割合的に高齢者、特に七十五歳以上の高齢者の割合がふえていく、そういうことを示しているわけでございます。 今、ちょうどオリンピックの話が議論になっておりましたけれども、東京オリンピックが開催される二〇二〇年、これは、東京でも人口減少が始まっていく、いよいよ日本全国で人口減少が進んでいく年でもあります。 私は、日本社会が直面している最大の構造問題は、今後、急速に進行していく人口減少と、そして超高齢化、これが同時進行するということにあるのではないかというふうに考えております。経済の問題も、そして社会保障の問題も、また地域の疲弊といった問題も、その背景にはこの急速な人口減少と超高齢化の進行、こうしたことがあるのではないでしょうか。 そこで、まず最初に総理にお伺いしたいのですけれども、こういう急速に進んでいく人口減少と高齢化、この現象といいますか、これはもう現実に進んでいるわけですから、これについて総理はどのように認識をしておられて、どのようにこれに対処していかなければいけないというふうに考えておられますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 人口減少、そして高齢化は、労働力人口、そして社会保障制度の支え手及び地域の担い手等の減少などを通じて、日本の経済社会にさまざまな影響があると考えています。喫緊に対策に取り組まなければならないものと認識をしています。 このため、安倍政権においては、子育て支援の充実など少子化対策をしっかりと進めていくとともに、そして、女性、若者、高齢者など、あらゆる人々が社会で活躍をし、その可能性を発揮できるチャンスをつくることによって、強い日本経済を実現することとしております。 当然、労働人口が減少していくと同時に消費者も減少していくわけでありますから、日本のいわば成長力についてもこれは影を落とすわけでございます。そこで、この労働力人口の減少に対しては、労働生産性の上昇を図っていく、そして、国民一人一人の所得を向上させていくことが重要であると考えております。 また、これは、確かに、しっかりともちろん少子化対策等を行ってまいりますが、残念ながら、しばらくは人口が減少していくという傾向が続いていく中において、日本における消費者は減少していくわけでありますが、アジア太平洋地域においては人口はふえていくわけであります。この大きく成長していく消費市場をしっかりと取り込んでいくことも重要であるわけでございまして、我が国の強みを生かして、拡大する国際市場を獲得して、特にこのアジア太平洋地域でありますが、世界の人、物、金を日本に引きつけることによって、世界の経済成長を取り込んでいくことも重要であると考えております。 この観点からも、我々、今、TPPを進めていこうと、交渉を鋭意行っているところであります。 こうした人口減少などの構造変化を見据えつつ、日本経済の中長期的な発展を実現するため、経済財政諮問会議のもとに「選択する未来」委員会を設置したところでありまして、今後、その議論を踏まえて、人口減少による問題の克服に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。
○古川(元)委員 人口減少によって市場規模が小さくなっていくわけでありますから、そういった意味では、海外、特に今伸びているアジアの需要をどう取り込んでいくかとか、まさに、この市場の取り込みというのは非常に大事なことだというふうに思います。 一方で、この人口減少、特に、先ほどの数字で見ていただくとわかるように、若い層、生産年齢人口の減少というものが急速に今後進んでいくわけであります。これは労働力人口の減少にもつながるわけであります。 この減少する労働力人口をどう賄うのか。これについては、一般的に、特に日本の場合に三つあるんじゃないかというふうに言われておりまして、一つは、総理もよくおっしゃっておられる女性の活用、それから高齢者の活用、さらには三つ目、外国人の活用、この三つだというふうに一般に言われているわけであります。 この労働力人口の減少に対しては、総理、女性の活用についてはかなり聞くところでありますけれども、高齢者も若干、今までの答弁などでも少し触れられているようなんですが、外国人の活用については余り今まで総理の発言等では聞こえてこないところがありますが、この点についてはどのように考えておられるでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 確かにおっしゃるとおりでありまして、労働力人口の減少に対して、女性の活用、これは安倍政権における主要な経済政策の一つでもございます。 と同時に、高齢者の知見、経験を生かしていく。今は、昔と違いますから、六十を超えても、肉体的にも精神的にも能力的にも大変元気な方々がたくさんいらっしゃるわけでございまして、そういう皆さんの経験を生かしていくことは、日本にとって明らかにプラスに働いていくわけでございます。 そして、今御指摘のあった外国人労働者の問題でありますが、外国人労働者の受け入れについては、専門的、技術的分野の外国人は、我が国の経済社会の活性化に資するという観点から、積極的に受け入れていく考えであります。そしてまた、技能実習制度については、技能等の移転による国際貢献がさらに促進されるように、制度の充実に向けた検討をしていきたいと考えています。 将来的に移民を受け入れるべきか否かについては、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的な議論を経た上で、多様な角度から検討していく必要があるものと認識をしているわけでございまして、EU諸国のさまざまな経験もあるわけでございます、そうしたことも勘案をしながら、国民的な議論が必要だろう、このように考えております。
○古川(元)委員 かなり先走って答弁を読んでいただいているようなんですけれども、今のお話で、外国人労働者、技能を持っている人、高度な人材については、これは積極的に取り入れようということであります。私もそれはいいことだと思います。 では、その取り入れ方なんですが、この技能実習制度、その取り入れ方、また、技能実習制度についても拡充を考えているというお話なんですが、基本的にはどういう形でこの高度人材を取り入れていこうとしておられるのか、その点についてお話しいただけますか。
○谷垣国務大臣 技能実習制度は、これは本来、国際貢献という観点からつくられた制度でございますので、労働力が足らないから、すぐそれを活用だというのは、ちょっと本来の目的とは離れているわけですね。 ただ、技能実習制度も、国会の委員会の附帯決議で制度の見直しをするようにという御指摘を受けておりまして、現在、法務大臣の私的諮問機関の中で議論をしていただいておりまして、もう少し使い勝手をしやすくするにはどういうところがあるか、いろいろ御批判もございますので、現在検討中でございます。 それから、高度人材については、先ほど総理から御答弁がありましたように、我が国の経済社会にも大いに資するところがあるので、これは積極的に活用したいと思っておりますが、今までポイント制ということでやってまいりました。その使い勝手の悪いところがあるという御指摘もありまして、それを改善して、さらに活用する方向で今やっているところでございます。
○古川(元)委員 今、大臣がおっしゃられたように、この技能実習制度というのはまさに途上国支援、技術移転の仕組みとして創設されたものでありますから、これは、日本の労働力が足らないから、それを補うものではないということになっているわけなんですね。ただ、しかし、実際にはかなりこれがいわば労働力不足を補う形で使われている。 また、実際に、これは政府からいただいた資料ですけれども、産業競争力会議の中の委員の発言で、東京オリンピック等に向けた労働力不足への対応で、今後労働力不足が想定されるため、制度を緩和することで日本の労働力不足を解消していくべきだ、そんな発言もあったというような資料も政府の方からいただいております。 こういうことを考えていきますと、どうも制度本来の趣旨と違う形で運用されている側面というものがあるんじゃないか、そのことが、また、この技能実習生の待遇というものについての問題点の指摘にもつながっている一つの要因ではないかなと思います。 しかも、これを安易な形で拡充とかしていきますと、高度人材ではなくて、実際には単純労働者のような方々がどんどんと入ってくる。しかも、これまた、リーマン・ショックの後に日系のブラジル人の働いている人たちを大量に切って、その人たちが帰って困ったというのがかなり問題になりましたけれども、オリンピック、復興というので必要なときだけそういう人たちを使って、もう必要なくなったら、はい、お帰りくださいと。そんな簡単にそういうことがやれるのかどうかということもあるわけでありまして、そういった意味では、これはかなり慎重な対応が必要ではないかというふうに思うわけであります。 そこで、さっき総理からちょっと移民の話がございましたけれども、総理は、経済財政諮問会議で、移民というと大変な議論になってしまうが外国人材は重要、そういう趣旨の発言をされた、ただ、それは議事録には載らなかった、そういう報道がされているんですけれども、これは、実際のところ、総理、どのような発言をされたんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほどの御質問で、いわば外国人労働者はどう考えるかということで御質問がございましたので、高度技術を持っている人々の技術を活用する、能力を活用するという観点、そしてまた、実際に今行われている、確かに、古川委員は単純労働という表現をされましたが、技能実習制度の中において、日本において技能を習得して、国に帰ってその技能を生かして、地域の発展のため、また自分の未来をつくるために活用していただく。この制度をどう充実させていくか、いろいろな現実を踏まえながら検討していくということをお話をし、そしてまた、議論のある移民についてもお話をさせていただいたわけであります。 昨年十二月二十四日の経済財政諮問会議の議論において、人口減少や将来懸念される労働力不足の問題にどのように対応すべきかについて、各議員の意見を踏まえまして、私から、この問題については、いわば足元の課題、短期的な課題、中期的な課題、長期的な課題があろうと思うが、有識者の皆様には、よい知恵を出していただき、議論を進めていただきたい旨の発言をしたところでございます。
○古川(元)委員 我が国では、移民という言葉を使いますとそれだけでも拒否反応を示す、そういう向きがあるんですけれども、私は、一番よくないことは、なし崩し的に事実上外国人がどんどんと入ってきてしまって定住してしまう、そういうことではないか。やはり、受け入れるのであれば、きちんと形を整えた形で受け入れるべきではないかと思います。 そういった意味では、今後、実際に、かなり人口減少の中で労働力不足なども現実にもう起きてきている、起きていくわけでありますから、移民という言葉を使う使わないも含めでありますけれども、これはやはりしっかりと議論をしていくことが必要ではないか、そのことを指摘させていただいて、次の質問に移りたいと思います。 次の、二〇一〇年から四〇年における人口増減率というデータをちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、これを見ていただくと、人口減少というのは、スピードは全国一律ではなくて、まず地方の小さな市町村で急速に人口が減少し始めて、そこから地方全体、さらには最後は都市部、一番最後は東京も急速に減っていく、そういう形で進んでいくわけであります。 しかも、人口の減り方は、各年代が均等ではなくて、この図、左側を見ていただくとわかるように、地方になればなるほど若い層の人口の減少が大きい。一方で、これは右側を見ていただきますと、都市部の方の高齢者、特に東京とか、私の地元であります名古屋圏とか、大阪圏、こういったところを中心に七十五歳以上の高齢者が急増していく。そういう状況が想定をされております。 こうなりますと、高齢者がふえれば、やはり人間、どうしても病気にもなりがちであります。そしてまた、いつかは寿命が来るわけでありますから、亡くなる人もふえてくる。そうすると、医療だとか介護、こうしたニーズというのは、今後、非常にふえてくることが想定をされるわけであります。 また、高齢化というのは、誰にもみんな、年をとるのはみんな一緒にとっていくわけでありますから、お医者さんも大きく高齢化していくわけであります。 次の、医師の高齢化と女性医師の増加というデータを見ていただきますと、二〇一〇年のときの医者の数から、二〇三五年、医師全体はふえてはいきます。この間、医学部定員を増員してきた効果、こういったことが一定程度あって医師全体はふえていきますが、かなり医師の高齢化が進んで、医療というのは日進月歩でどんどん進んでいくわけでありますから、余り高齢者のお医者さんに診てもらって本当に大丈夫か、やはり患者の立場になるとそういう不安もあるわけであります。 また、さらに、今どんどん医学部の中で女性がふえて、女性の医師がふえている。これは私はいいことだと思うんですが、一方で、現実を考えてみますと、女性の場合には、結婚とか出産などで職場を離れると、今の日本の状況だと、これは取り組んでいかなきゃいけない、安倍総理もいつもおっしゃっている話でありますけれども、女性のそうした職場復帰がまだまだ現実には難しい状況にある、なかなか厳しい。 そうなりますと、女性の医師の割合がふえるということは、医師の資格は持っているけれども実際に診療行為に出ていない、そういうお医者さんも多いということになって、そういった意味では、人口の高齢化、そして一方で医師の高齢化、こういったことが相まって、かなり今後、都市部を中心に医師不足というものが想定をされております。 この医師不足について、まず、どのように対応していこうというふうに考えておられるか、御所見を伺えますでしょうか。
○田村国務大臣 医師不足のお話がございました。 平成二十年から、もう御承知のとおり、医学部の定員枠をふやしてきているわけでありまして、これは民主党政権のときでも継続してふやしてきていただいておりました。来年度で九千六十九名の定員枠ということでございまして、一千四百四十四名ほど定員枠がふえ、さらに、地域の偏在、それからどちらかというと診療科の偏在、両方ともあるわけでありますけれども、そういう意味では、地域枠というものも四百七十六名、こういう枠をつくっておりまして、ここに地域医療再生基金等々で例えば奨学金等々の枠をつくったりでありますとか、そういう手当てもしてきております。寄附講座等々もここから出せる。 さらに、地域医療支援センターというような形で、キャリア形成まで一つパッケージにしながら若い医師等々をそれぞれの地域の方にしっかりと供給できる、そういうような制度も、これは新しい法律の中においても法制上の位置づけもしっかりととっていくわけでありますが、そういうことも考えてきておる。 さらに申し上げますと、臨床研修の部分が大変混乱をして御心配いただいてきたわけでありますが、これも地域枠というものをしっかりと見直しまして、これは、今都会の御心配もございましたけれども、それぞれ、東京のみならず各地域の都道府県枠での研修枠というものを見直し、これも段階的にでございますけれども見直しをしていこうということで、これもやっております。 それから、若い方々も含めて、そのような高齢者がふえていく中でどう対応していくかということでございますから、専門医制度、これを自主的に見直していただいておりまして、その中において、総合診療専門医、こういうような新しい専門医をつくる中において、地域で生活される高齢者の方々も含めてしっかりと診ていただける、そういうような専門医、これの養成。 あわせて、さらに申し上げれば、今回、診療報酬改定の中にも盛り込みましたけれども、主治医機能というものをしっかりとこれから強化していこうということで、今言われたような高齢者の方々はどうしても幾つかの慢性期の病気を持っておられます、そういうものをしっかりと診ていただきながら、健康管理や服薬管理、こういうようなこともしっかりやっていただけるような機能、こういうものを強化していく。 若い方々に関しまして申し上げれば、やはり勤務環境の改善をしていかないと、なかなか今病院の勤務環境は大変厳しいものでありますから、ここも見直す中において、都道府県にセンターをつくって、例えば、病院の運営のコンサルティングをする方でありますとか、それから社会保険労務士の方々に入っていただいて、病院の勤務、こういうものの管理をしっかりと見直していこう。 さらに、女性の話が出ました。女性に関しましては……(古川(元)委員「もういいよ」と呼ぶ)もうこれで終わりますが、女性に関しましては、そういう中において、やはりフルタイムで夜勤もということは子供がちっちゃい間はなかなか難しいわけでございますから、短時間で働けるような、そういう女性の医師等々の働き方というものもこういう中においてしっかりといろいろと検討していく必要があるな。 いろいろな部分を勘案しながら、高齢化も含めた都市部の中での医療というもの、こういうものに対応できるように、今のうちからしっかりと対応していかなければならない、このように考えております。
○古川(元)委員 今のうちからという大臣からのお話がありましたけれども、やはり医師は一人前になるには十年ぐらいかかるわけですね。 ですから、今いろいろなことをやっていることはわかりますよ。しかし、先ほどから示しているように、これから二十年、三十年先のことを考えたときに、今やっているようなことで本当に十分なのか。特に、都市部において急速に人口が高齢化してきたときに、ただでさえも、今でも足らないという状況なのにそういうものに急に追いつけるのか。やはりこうした問題はあるんだと思うんですね。 また、医学部大学院入学者の変遷という図をちょっと見ていただくと、これは、基礎研究目的の大学院の入学生が減少している状況にあります。医療分野での経済の成長を目指していこうということを考えるのであれば、新薬や医療機器開発、再生医療を初めとする基礎医学の研究など、臨床以外でも医師はやはり不足しているというふうに言えるんじゃないか。 また、医療分野で我が国が国際貢献をするということは、これは援助を受ける側にとっても最も感謝される援助であると思いますし、しかも、これは顔の見える援助になります。 我が国は、人間の安全保障という、これを外交の基本方針に掲げておるわけであります。そういった意味では、世界的に見れば非常に医者は今後とももっともっと必要になってくるわけであって、日本で医者をどんどんと養成をして、その医師を派遣していく。あるいは、途上国を中心に、日本に来てもらって日本で医者として養成をして、そういう人たちに、自分の国に帰ってそこの地域の医療に従事してもらう。これは、私は、医者を派遣したりとか養成をしたりということは、我が国が掲げる人間の安全保障という、この外交の大きな基本方針に大きく貢献するんじゃないかというふうに思っています。 安倍総理は積極的平和主義ということをおっしゃっておられるわけでありますから、積極的平和主義と言うのであれば、お医者さんというのは命を救うわけでありまして、まさに、平和構築の意味でも非常に、一番根源でもあるというふうに思えるわけでありまして、そういった意味では、今私が申し上げたように、日本でどんどん医者をもっとつくって、そしてそのお医者さんに海外に出ていってもらう、あるいは、途上国から来てもらって、日本で医療教育を受けて医者になって、そして戻ってもらう、こうしたことを国家戦略としてやるべきではないでしょうか。 そして、これは単に国際貢献につながるだけでなくて、こういう形で日本人の医者あるいは日本で教育を受けたお医者さんが海外で活躍する、それは、長い目で見れば、日本の医薬品とか医療機器、こうしたものが海外で使われるということにもつながって、これは成長戦略にもつながると思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 確かに、今委員がおっしゃったように、日本が医療において海外に対して協力をしていく、これは我が国の成長戦略の一つでもありますし、また、海外における医療状況を改善をしていく、医療の場において、あるいは介護の場において日本が協力をしていく、これは一つの大きな国際貢献の手段である、このように思っております。 日本の医療人材を世界に供給していくという指摘については、ASEAN諸国を初めとした各国と、医師、看護師等の人材育成に関する支援も含む医療、保健分野の協力を進めることとしておりまして、昨年訪問いたしましたカンボジアあるいはラオス等についても、日本の医師あるいは病院が積極的に進出、貢献をしているところでありまして、国としても支援をしていきたい、こう思っております。 また、保健分野の協力を進めていくことも重要であります。今後も、相手国のニーズや状況を踏まえて、途上国の健康向上に貢献をし、我が国のプレゼンスを高めていきたい、こう思っているわけであります。 医師の供給量についてどう考えるかということでございますが、海外に出ていくことを前提に、果たして、この供給量を確保していくということがどうなのかということも含めて、これからどれぐらいの数を確保していくことが妥当であるかということについても、さまざまな角度から検討していきたい、このように思います。
○古川(元)委員 そもそも、今まで医師の養成で、海外に出していくとか、あるいは、海外の人を日本に呼んできて教育してその人たちにまた帰っていってもらうとか、そういうことは考えていなかったと思うんですね。これはやはり、国内の人口とかそういうので医師の需給を考えている。 ですから、今、ただでさえ国内は非常に医師不足だというような声があちこちで聞こえている中で、今総理がおっしゃったように、海外にどんどんと出していけるような余裕というのは、今の状況で見たらなかなかないんじゃないかと思います。 そういった意味では、医学部新設について、今、復興の関係で東北に一校、そして特区でも特例的に医学部新設を政府の方では検討しているようでありますけれども、そういうことを考えますと、これにとどまらず、今、医学部新設は文部科学省の告示で禁じられているわけなんですけれども、この告示をやめて、もちろん、今、医学部を新設することに伴うさまざまな弊害の指摘とか懸念とかがあります。であれば、そうした懸念をちゃんと払拭できるような条件をクリアする、そうしたところについては医学部の新設を認めるという形で、告示で医学部の新設を禁じている、これを変えるべきだと思いますが、いかがですか。
○下村国務大臣 御指摘のように、今回、三十六年ぶりに、東北地区においては医学部の新設を認めることにいたしました。これは、被災者の復興支援との、医療的なバックアップということで例外的なものでございます。また、国家戦略特区の中でも、今、検討対象の一つにもなっております。 一方で、先ほど田村厚労大臣からお話がありましたが、平成十九年から平成二十六年までに一千四百四十四人、既存の大学の定員をふやすということでありますが、これを、各大学の枠としては最大百四十人の定員をふやすことが可能ということですと、さらに一千百人ぐらいの定員をふやすということが現在においても可能というような状況もある中で、確かに、一つは、国際的に活躍できる医師の養成というのも、今後、我が国のニーズとしてはあり得る話だというふうに思います。 現在も、我が国の医学教育が国際標準の教育を実施していることを証明する認証制度の構築とか、それから、国際標準を超える臨床実習の実施に向けた大学の取り組みについての政府の支援とか、それから、世界の医療水準の向上や日本の医療産業の活性化等にも貢献できるメディカルイノベーション人材の養成の取り組みの支援等を行っております。 今後、基準を満たせば幅広く医学部を新設できるようにするということについては、今現在、賛成、慎重、さまざまな意見があるところでもあるわけでございますが、これまでの定員増の効果の検証、それから今後の医師需給と社会保障制度改革の状況、それから国際的なニーズ、こういうことをトータル的に検討しながら、関係省庁と連携して検討していきたいと思います。
○古川(元)委員 総理、この問題ですけれども、岩盤規制にドリルで穴をあけるというふうにおっしゃっているわけですよね。これは文部科学省の告示ですから、総理がもう変えるというふうに言えば、すぐ変えられるわけであります。 今、要は、もちろん、医者の数は医学部の定員を拡大するとかそういうことでそれなりにはふえていくかもしれませんが、医学部新設を求める声というのは結構あちこちから出ているわけであって、そもそも参入規制をこういう文部科学省の告示でしているということ、それ自体がやはり私は問題ではないかと思うんです。 これは、総理の決断でこの告示を変える、その上で、さまざま問題が指摘されていることについては、それは、申請を認可するかどうかに当たっては、ちゃんと条件をクリアしているかどうか、そうしたところをチェックすればそれで済む話じゃないかと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 もう既に文部科学大臣が答弁をさせていただいておりますが、この定員増については、もちろん賛成の意見もありますし、今、古川委員が指摘されたような形でしっかりと取り組んでいくべきだという考え方もございます。 そういう中におきまして、私たちは、東北において新たに医学部をつくるということを決定したわけでございますが、しかし、反対の意見、慎重な意見も根強くあるわけでありまして、そうしたことを検討しながら、そしてまた、既に定員増を行っているところの効果もよく見ながら考えていきたい、検討していく必要があるんだろう、このように思います。
○古川(元)委員 総理、そんな言い方をしていると、いかなる既得権益も私のドリルから逃れることはできないと、あれだけダボスで宣言した割には、何かドリルがさわる前にちょっとちゅうちょしているな、そういうふうに思えてしまうんですよね。 やはりそこは、この問題はグローバルな視点で、言ってみれば、私は日本のお医者さんというのは日本のソフトパワーだと思います。そういうソフトパワーを活用していくということで、ぜひ考えていただく。これが、国内の医師不足を解消するだけではなくて、結果的に、私は、日本国内の医療レベルを高めて、国民の健康増進にも資することになるんじゃないか、そのことを指摘させていただいて、残りの時間、ちょっと中期財政計画についての御質問に移りたいと思います。 まず、総理は、消費税の一〇%への引き上げについては、八%への引き上げに伴う反動減後の回復について各種の経済指標を確認しつつ、税制抜本改革法に沿って経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に判断したいと考えております、そのように答弁をされておられます。 この答弁から見ると、これは、場合によっては消費税の一〇%への引き上げをしない、そういう場合もある、あり得るというふうに理解してよろしいですね。
○安倍内閣総理大臣 八%から一〇%に引き上げない場合もある、それは、この四月から消費税を引き上げるわけでありますが、この消費税の反動減を緩和していく、あるいはこの影響を緩和していくために五・五兆円の経済対策とそして税制対策を打っているわけでありますが、この効果を見きわめていく必要がありますし、そして、七—九の段階において、消費税引き上げによる影響の後に、しっかりとまた現在のこの勢いを、成長軌道に戻れるかどうかということも見きわめながら判断をしていきたい。つまり、引き上げていくということを今決めているわけではないということでございます。
○古川(元)委員 そうなりますと、これは、「国・地方の基礎的財政収支」、内閣府の中長期の経済財政に関する試算の表でありますけれども、これでは、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標は一〇%へ消費税を引き上げた上でぎりぎり達成する、そういう試算になっているわけですね。 では、もし一〇%に消費税引き上げを行わなかった場合に、この二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標の達成は可能なんでしょうか。
○甘利国務大臣 中期財政計画、これは閣議了解をしたものでありますけれども、これにおきまして定めているのは、財政健全化目標に向けて、二十六年度及び二十七年度の各年度において、歳出歳入両面の取り組みにより、国の一般会計の基礎的財政収支を少なくとも四兆円程度ずつ改善するということであります。これは、どういう手段をもってということを明確に書いているものではなくて、収支において努力、取り組んでいくということであります。 消費税率の一〇%への引き上げについては、総理がお答えになりましたように、税制抜本改革法にのっとって、経済状況を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断を行うものというふうに考えておりますし、総理もそういう御答弁でありました。 中期財政計画の取り扱いにつきましては、消費税率の一〇%への引き上げ判断も含めて、財政健全化目標に向けた歳出歳入両面の取り組みを進めながら、経済、財政を展望して、必要に応じて検討するということになっているわけであります。 いずれにいたしましても、二〇一五年度における国、地方の基礎的財政収支赤字対GDP比の半減、それから二〇二〇年には黒字化、この目標に向けて、引き続き、歳出と歳入の両面の取り組みを強力に進めてまいりたいと思っております。
○古川(元)委員 ということは、大臣、一〇%に上げない、そういう決定、そのような場合でも、このプライマリーバランス赤字半減という目標は達成しなきゃいけない、達成できる、そういうふうに考えているということですか。
○甘利国務大臣 中期財政計画では、歳出歳入両面においておおむね二カ年度四兆ずつ、それから先の話は定性的な書き方しかしておりません。 一五年度につきまして、四兆ずつの改善、その中でいろいろな手法を考えていくということでありますから、そうした中で、消費税率が仮に八パーから一〇パーに上がらなかった場合については、その時点で、歳出歳入、どういう取り組みがあるかということを再度その状況に沿って検討を加えていくことになろうかというふうに思っております。
○古川(元)委員 要は、消費税が一〇%に上げられないような経済状況だったら、これは想定している経済成長率の見通しも立たないという状況でしょうから、そうであれば、これは税収だって上がってこないという話ですよね。そうすると、あと残りは歳出削減をがんとやるしかないということになるわけですけれども、しかし、そういう経済状況の中でそんな歳出削減なんかできるのか。 そうやって考えると、消費税の一〇%引き上げをできないような、そういうような状況だったら、この一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標は達成できないということじゃないですか。どうですか。
○甘利国務大臣 委員御指摘のとおり、八パー、一〇パーの判断というのは、経済状況が非常に判断材料として大きな要素を占めると思います。経済が仮に失速するようなことがあれば、これはその上に消費税引き上げという判断はなかなか難しくなってくると思いますから、そういう中では税収の自然増もなかなか見込めないということで、抜本的に収支について考え直す必要があるということは、御指摘のとおりだと思います。
○古川(元)委員 時間になったので終わりますけれども、この問題はまた引き続き議論させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○二階委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。 次に、細野豪志君。
○細野委員 おはようございます。細野豪志でございます。 まず、福島のことについて御質問させていただきたいと思います。 週末、民主党党大会を福島で行いました。党大会の前にそれぞれが視察に行ってまいりまして、私は、郡山にある子供が屋内で遊ぶ施設、ペップキッズこおりやまというのを視察してまいりました。総理もそこに行って視察されたというふうに伺っております。写真もございました。 大雪だったので、いつもよりは子供さんが少なかったということでありましたけれども、それでも非常に多くのお子さんが来られていて、元気に遊んでいる姿を見ることができました。お母さん方とも話をしましたけれども、すごい雪でしたから、本当は雪遊びはちょっとさせたいんだけれどもやはり心配だというような話をされていたお母さんもいらっしゃいました。 こういった問題というのは、私も原発問題を担当いたしましたので、本当に何としても状況を改善しなければならない、そんな責任を感じて、そこに党派を持ち込むつもりは私は全くありません。 視察の最後、終わりまして帰ろうとしたときに、あるお父さんが私に声をかけてきました。二歳ぐらいの女の子のお子さんを抱きかかえたお父さんでしたけれども、ここを総理にちょっと聞いていただきたいんですね。 このお父さんが私に言ってきたのは、今福島が忘れ去られている、東京でオリンピック、パラリンピックが開かれて、福島に本当はもっと政策的な焦点を当てていかなければならないのにそれができていない、そのことを心配しているんだ、そこを何とか考えてもらいたい、そんな話を聞いて、この施設を私は後にいたしました。 総理が、代表質問、海江田代表の質問に対しまして、被災地、特に福島に活力を取り戻すオリンピック、パラリンピックにするんだという決意を述べられたわけでありますけれども、改めて、総理は、どういう方法で福島の皆さんを励ますことができるようなオリンピックにしようとされているのか、パラリンピックにされようとしているのか、そこをまず聞かせていただきたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 私も土曜日に福島を訪問する予定でございますが、このオリンピック、パラリンピックについては、私ども、プレゼンテーションの中においても、一つは、このオリンピック精神を世界に広げていくことができるのは日本であるということを強く訴えたわけでございますが、同時に、私たちがあの三・一一のときに世界じゅうの人々から支援をされた、この御恩返しのためにも、しっかりと、復興をなし遂げた日本の姿、復興をなし遂げた東北の姿を世界の人々にお見せしていきたい。そして、その際、多くのアスリートが日本にやってきて、このアスリートのスポーツの力、パワー・オブ・スポーツで東北の人々に大きな勇気を与えていただく、そのことを一番知っているのは日本であるということを申し上げたわけでございます。 そこで、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでにしっかりと、この東北の復興を、そして福島の復興を加速させていきたい、こう考えているところでございます。 そして同時に、この東京オリンピックというのを、東京の祭典ということではなくて、日本全体の祭典にしていきたいと考えております。これは、もちろん東北もそうなんですが、我が国全体が活力を取り戻す弾みになるものとしたい、こう考えているところでございまして、今後、日本各地の豊かな地域資源を積極的に活用しつつ、諸外国チームによる事前合宿やスポーツ・文化イベントの実施などを通じて、福島を初め日本全体に効果が普及するよう、大会組織委員会と連携してしっかりと取り組んでいきたい、こう考えているところでございます。 基本的には、この考え方、全体のコンセプトは持っているわけでありますが、その中において各地域がどのように発信していくかということは、各地域で、皆さん、いろいろなアイデアを出していただいて考えていただきたい、こう思うわけでありますし、福島においても、そしてまた東北においても、このオリンピックをどう活用してその活力につなげていくかということについても考えていただきたい。 そもそも、二〇二〇年のこの東京オリンピック・パラリンピックがなければ、そうしたことを考えていくということも、そういう機会もなかったわけでございますから、まさにこの機会を活用してともに考えていきたい、このように思っております。
○細野委員 後段の部分で総理が、オリンピックにかかわる関連のイベントであるとか、さらには事前合宿などについて、今、発言をされました。これは非常にいいことだと思います。 もちろん、それぞれの地域が独自の努力をすることによって、そういったものを企画したり、誘致をしたりするということなんだと思うんですが、総理、福島というものに関して言いますと、率直に言いまして、世界からは、いろいろなバイアスのかかった見方もあるわけですよね。 その福島で、例えば事前合宿をする国があるんだろうか、チームがあるんだろうか。さらには、関連イベントをしたときに、それは私はスポーツに限らなくていいと思うんですね、例えば芸術のイベントでもいいし、観光のイベントでもいいと思いますよ。そういったものをやったときに、本当に世界から人が来てくれるんだろうかというところについては、かなりこれは厳しいところがあるというふうに考えた方がいいと思うんですね。 そこは、地域に任せるのではなくて、やはり政府として踏み込んでやっていくという決意が必要ではないかと思いますが、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 今、委員が御指摘になったように、福島ということについて、そういう傾向があるのは事実であります。 なぜそういう傾向があるかというと、多くは、これはまさに風評被害によるところが多いわけでありまして、福島産の食べ物を食べれば、これは危険なのではないか。ましてや競技を控えているアスリートの皆さんにとって、そういう不安を抱え込むことはマイナスになるのではないか。こういう考えですね。 こういう考え方自体を払拭していく機会にしていきたいと思っています。そういう風評被害を徹底して吹き飛ばしていく機会にしていきたい、こう思っているところでございまして、そういう意味においては、先ほど私が一緒に考えていきたいということを申し上げたのは、この中央で考えることと同時に、地域において何が必要か、そして何をやるべきかということも考えていただきながら、しかし同時に、福島の課題については、国の大きな責任として、その課題を解決していかなければいけないということでございますから、国も積極的に進めていきたい、協力をしていきたい、こう考えているところでございます。
○細野委員 招致活動の中で、福島は東京から二百五十キロ離れているから大丈夫なんだという発言が一部出てきて、あれは本当にまずいなと思いました。それに対して総理が、最後のプレゼンテーションの質問の中で、サッカーボールを持っている被災地のお子さんの話をされて、あれは私は本当にいいメッセージだったと思います。 ただ、あれをおっしゃったからには、おっしゃった責任がありますよね。その責任は、やはり今回のオリンピック、パラリンピックを被災地にとっていいものにする、これがこのプレゼンテーションをされた総理の責任だと思いますから、ぜひそれを全うしていただきたいと思います。 もう一点、私が気になっているのが、復興とのかかわりなんです。 いろいろな質疑が行われてきましたので、国交大臣や復興大臣が、今被災地の工事が落札されないというようなことが出てきているので、そこを目の前で対応されているのはよくわかりました。そこは、太田大臣、根本大臣にしっかり頑張っていただきたいと思います。 私が懸念をしておりますのは、これからなんですね。根本大臣は福島が御地元ですから、よくよくわかっていらっしゃると思うんですけれども、宮城県、岩手県に関しては、事業はもうかなり本格化しています。ですから、足元がまさに復興事業そのものの佳境に差しかかった時期と言えると思います。しかし、福島、特に浜通りですね。例えば、インフラの復旧は、まさに、ことし、来年ぐらいから始まるわけですね。 それだけではありません。ふくしま復興再生道路というのが計画をされています。私もたびたび行きましたけれども、例えば、川内村のような地域は、従来は浜通り側に出て富岡町の方で買い物していたりしたのが、これができなくなっていますから、今度は、例えば郡山とかいわきの方に行かなきゃならない。この道路が極めて貧弱なんですね。 こういう道路をつくる作業というのは、これはまさに来年あたりから、いよいよ本格化をしてくる時期に当たるわけですね。 そして、中間貯蔵施設。この施設が大変おくれてきていることについては、私も責任を感じています。今、石原大臣が大変御苦労されている。そこは、私もやれることはやろうという思いですが、残念ながら、このおくれている中間貯蔵施設の建設や、さらには運び込みというのも、まさに二〇一四年から一八年あたりにピークを迎える。これは、東京オリンピックのインフラの整備がちょうどその時期にかかってくると、本当に深刻なことになる可能性があります。 その思いを強くいたしましたのは、先日、公共事業関係の事業団体の方に少しお話しする機会があって、これからいろいろ事業があるので、皆さん盛り上がっているんじゃないですかと申し上げたら、全然そんな表情ではなくて、我々は今悩んでいるんだと。つまり、復興需要を優先すべきなのか、東京でこれからある事業を優先すべきなのか、相当悩んでいるんだという話をされていました。 この先をどうやっていくのか。これは、根本大臣の責任は極めて大きいというふうに思うんですが、どのようにこの事業を両立させようと考えられているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○根本国務大臣 東京オリンピック・パラリンピックの意義は、もう既に総理からお話がありました。 先ほど、ペップキッズの話が出ました。福島の子供たちは、しばらく屋外での運動を制限されていた。だから今、福島の子供たちにはどんどん運動してもらう機会をつくろう。あるいはペップキッズや、私が復興大臣になって、子ども元気復活交付金、福島で屋外運動場や屋内運動場、子供の生育環境をつくろうという思いでやったのが、その対応であります。 今のお話に答えますと、私は、大事なのは、具体的にどうやって問題を解決していくかということだと思いますね。 人手不足、資材不足の話がありました。私が大臣になってから、私のもとに設置した住宅再建・まちづくりタスクフォース、これは関係省庁の局長みんな集まってもらって、そして政府一体となってこの人手不足、資材不足の対策をしようというタスクフォースをつくりました。 例えば、人手不足については、多少具体的に申し上げますけれども、復興JVの導入や公共工事設計労務単価の引き上げ、これによって広く人材を集める。あるいは、発注ロットの大型化や、各公共機関の発注見通しを統合し、公表する。そして、その意味で、人材をできるだけ効率的に活用する。この構えでやってきました。 さらに、これは私は入札不調対策には効果があると思いますが、国土交通省において、ことし二月から、被災三県に係る公共工事設計労務単価のさらなる引き上げ、これは昨年度も引き上げてもらいました。被災地は二一%、全国は一五パー。今回は、被災三県八・四、全国は七・一。それと、被災三県における現場労働者の確保に関する間接工事費の割り増し。これも、被災地特例で割り増し。 もう一つ、一点だけ言いますと、若手技術者を確保するために、例えば、一級受検に必要な実務経験は十年だったんですが、これも八年にしてもらった。 要は、大事なのは、私は、あらゆる対策を現実の問題に即して的確に対応するということだと思います。 資材についても、需給調整会議を各地域でやっていますから、しっかりこの人手不足、資材不足に対応していきたいと思います。
○細野委員 先ほど申し上げたように、今目の前でやっておられることはわかっているんです。 私が言っているのは、もう少し先の話ですね。これから数年かけ、一年後、二年後から二〇一八年あたりまでは、今、根本大臣がおっしゃったような目の前の対応ではとても賄い切れないぐらいの復興需要と東京での建設事業が出てくるのは、もう目に見えているわけですね。 大臣、今の答弁は、復興大臣の答弁としては認めますけれども、福島の大臣としてはやや視野が狭いと私は思いますよ。 その事業をやったときに、私は総理にぜひお願いしたいんですけれども、東京も大事でしょう。それは、東京でいいオリンピックをするのは大事ですから、ぜひいろいろな事業をやっていただきたいと思いますよ。しかし、そのことによって福島の復興が妨げられることだけは絶対にないと。あえて優先順位をどちらかつけるならば、お答えはしにくいかもしれないけれども、私はやはり復興に優先順位をつけるべきだと思います。このことをはっきり、絶対に支障はそこにもたらさないんだということを答弁いただきたい。 もう一つ、総理に御答弁をいただきたいんです。根本大臣はもうさっきの答弁で結構ですから、総理に伺います。 もう一点なんですが、一つ提案をしたいことがあるんです。 オリンピック、パラリンピックの組織委員会ですね。会長、副会長の人事が、会長はもうずっと前に決まっておりますし、副会長の人事が八名固まったということで聞いております。文科副大臣が入ったり、さらには東京の副知事が入られるのは当然でしょう。また、オリンピックやパラリンピックの責任者の皆さんが入るのも当然だというふうに思います。 私は、このオリンピック、パラリンピックの組織委員会の役割が準備と運営にかかわる事業だということを考えれば、私の気持ちとしては、ここに復興副大臣あたりを入れてもらいたい、この準備は両方一緒にやっていく必要がありますから、被災地にとってもいいものにしていきますから。 総理に、そのあたりも含めて、本当に現実的にこのオリンピック、パラリンピックと復興を連携させていくことについての御決意をぜひ聞かせていただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 この二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックといわば被災地の復興についてでありますが、これは私は相対立する概念では全くない、このように思っておりますし、復興は、私は再三申し上げておりますように、福島の復興なくして日本の活性化、再生はないということは、安倍内閣の基本方針であります。 そのことを前提として、そしてさらに、我々は二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックを開いて、まさに、みんなで頑張れば夢がかなう、この中において私たちは、すばらしいオリンピック、パラリンピックを開催していきたい、こう考えているわけであります。 そして、今御指摘のあった、二〇二〇年大会の準備を行う組織委員会でありますが、大会運営にかかわる幅広い業務を行うことから、スポーツ界や経済界などにとどまらず、今後さまざまな分野から関係者が参画するというふうに聞いておりますが、その際、被災地の関係者が組織委員会にどのようにかかわっていくかについては、今後、組織委員会において検討がなされるというふうに思います。
○細野委員 最後の、組織委員会において検討がされるべきであるということに関しては、踏み込んでいただきたいと思います。どういった形でこの準備や運営に復興をかかわらせるのか、これは政治そのもの、政府そのものの役割ですから、踏み込んでいただきたいということを私の方は要請をいたします。 前段の部分については、復興が前提だという話をされましたので、その発言をしっかり受けとめたいと思います。そして、この間、復興需要が滞ることが本当にないかどうか、そこはしっかり私どもとしても確認をしていきたい、そのように思います。 では、お配りした資料を見ながら、質問をさせていただきたいと思います。 本会議で石破自民党幹事長も質問をされていましたが、これからの日本の人口問題、これは古川委員からも質問がありましたけれども、その中でも東京への人口の集中の問題について、ちょっと考えていただきたいと思うんです。 この表は、G8の先進国において、一番大きな都市でどれぐらいの人口の割合を占めるかを示したものなんですね。 総理、これをごらんいただければおわかりいただけると思うんですが、それぞれの国、例えば米国のニューヨーク、これが一〇%より下、七%ぐらいの数字で、実は徐々に割合がもう下がってきている、国内の人口に占める割合です。一方で、比較的高いところでいうならば、パリであるとかトロントであるとかロンドンなどが挙げられるんですが、こちらももう横ばいになってきていて、水準としては全体の一五%から二〇%の間にある、こういう状況なんですね。 これと比較をした場合に、東京が突出しているというのはよくわかります。水準としてはもう三〇%をはるかに超えてきている。そして、方向がさらに問題ですね。二十一世紀に入っても、ずっと割合が上昇してきているという状況なんですね。 この状況がさらに、東京オリンピックによって東京は魅力的な町になるでしょう、それは悪いことじゃないですよ、しかし、さらに加速をしたときに、一体地方はどうなるんだろうということなんです。 二枚目をごらんください。総理、二枚目をごらんいただけますか。これは、先日の政府の「選択する未来」、さっき総理もちらっと言及されたような気がしますが、ここで議論をされたときに増田委員が提示をされた資料です。 ちょっとわかりにくいので解説をいたしますと、これは、二十歳から三十九歳の女性がどれぐらい減るかということを示した数字です。二十歳から三十九歳というのは、子供を産む可能性が高い女性ということになるわけですね。これが五割以上減少する自治体が、全国の中で八百九十六、全体の半分ですね。三割以上、三割未満というのが半分。維持する自治体というのはわずか十五という形になっているわけですね。ですから、そもそも、子供を産む可能性のある女性の数が半分になるというのは、これは地域の人口においては物すごいマイナスのインパクトであるというのは当然わかるわけですね。 では、これが自治体にどういう影響を及ぼすかというのを独自に分析をされたのが右側のグラフです。 増田委員は、五〇%以上減ってしまう、そういう自治体が、人口が一万人を割ってきた場合は、この自治体は消滅可能性が高いというふうに分析されています。町自体、村自体が消滅をするわけですね。その割合が全体の二九・一%、三割近くになってきている。 総理、これはかなり国家的な危機だと思うんです、率直に言って。この数字というのは、東京にさらに人口が移動した場合の危機的なケースを増田先生がかなり分析をして書かれているんですが、これをとめる。 すなわち、東京は魅力的な町になるでしょう、それはいいです。しかし、若者が地方からどんどん東京に来るのではなくて、とどまってくれる、さらには、東京に一旦来たとしても確実に地域に帰って、地域のさまざまな、医療であるとか介護も含めて、また経済、その担い手となってもらえるように、国家的に本当に取り組まないとえらいことになると思いますね。多分、御地元でも感じておられると思いますけれども、静岡でも、伊豆半島などに行くと本当に深刻です。 これを国家として本当に考えるべき時期に来ているというのは、このグラフを見ただけでも明らかだと思うんですが、総理、いかがお考えになりますか。
○安倍内閣総理大臣 東京にどんどん人口が集中をしていく一つの原因としては、多くの大学が東京に集中をしていて、東京の大学で学んだ、地方で高校まで出て、そして東京で大学に行った学生の多くは、また東京で就職をしてしまうということがあります。もちろん、地方の大学を出て、就職において東京に来る人もいるんだろう、このように思うわけであります。 しかし、東京といっても首都圏で実際は生活をしている人が多いんだろうと思いますね。若い皆さんも、東京に住みたいと思って東京で就職しても、実際は住んでいるのは周辺で住んで、長時間かけて通勤をしている人たちも多いんだろう、こう思います。 その中において、やはり地方を魅力的なものにしていく。若い人たちにとって魅力的とは何かということなんだろうと思いますが、そこはやはり、ある程度の都市機能もあって、そしてそういう生活も享受しながら、もちろん、仕事があるということもあるんだろうと思いますし、また、生活環境というのもあるんだろうと思います。そして、週末にどのように過ごすかということもあるんだろうと思うわけでありますが、そこで、やはり地方をより魅力的にしていく必要がある、こう思うわけであります。 地方の経済を牽引していく中核的な都市圏をつくるために、人口二十万人以上の地方中枢拠点都市と近隣市町村とが柔軟に連携する、新たな広域連携の制度を創設していきます。また、中心市街地への生活機能の集約、地方の公共交通の再生により、町全体の活性化につなげていきたい、こう考えているわけであります。 私は、よく地元の青年たちと話をするんですが、同級生なんかで東京で生活をしている人たちがいるんですが、そういう人たちと皆さんの生活を比べてみたらどうかと。どっちが魅力的かということですね。間違いなく、私の地元で住んでいる人たちの方が広い家に住んでいますし、土日にも、自然もあれば、海にも行ければ山にも行けますし、そして、ちょっと都市的な機能を味わおうと思えば、私の地元の場合は博多とか北九州に行けば、大都市の機能というものはほとんどそろっているわけでありますし、行くまでの時間も、東京に住んでいるけれども実は東京の周辺だという人たちと、それほど変わらないわけであります。 つまり、生活の充実度ということについて、皆さん、もっともっと自慢をして、こっちの方がいいぞということをもっと発信したらどうかということを申し上げているわけでありまして、つまり、生活における充実度と快適さにおいて、そして、さまざまな文化的な生活も享受できる機会もあるということも含めて、そういう地方をつくっていくということが大切ではないか、このように思っております。
○細野委員 今、総理が言われた、二十万以上の町の、二十万未満でも一定の機能を持っている地方の都市を中枢拠点都市とするんですか、こういった形でしっかりとサポートをしていく、そういったところを元気にしていくというアプローチは、これは私もいいと思います。問題は、それをどうやってやるかなんですね。 今、ちょっといろいろな政策を見ていて私が感じるのは、そういう都市を各県に幾つか指定して、そこを後押ししましょうという形でやっている。私は、もう一つのやり方として、できるだけ地域に権限を渡して、そういう地域のそれぞれの活力をそれぞれが引き出してもらえるような、いわゆる地域主権型のアプローチもあると思うんですね。 私は、今の政権のアプローチというのは、言うなら、やや中央集権的に、これを、例えば地方交付税をふやしましょうとかいうことも含めてやっていくというアプローチに見える。もちろん財源は必要ですよ。財源は否定をしませんが、分権によって地域がそれぞれやっていけるような制度をできるだけ実現していく、こういうアプローチが私は必要じゃないかと思います。 そこで、総理にお伺いしたいんですが、安倍政権は、経済成長、成長戦略ということを言っていますね。地域主権改革というのは、これは安倍政権においてどれぐらいのウエートを占める重要な政策なんでしょうか。そこについて、答弁ではお聞きをしているんですが、いま一つ、私は総理から積極的な、これをやるんだという決意のようなものを余り聞いたという印象がないんですね。総理はどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。 これは総理にお伺いします。全体の優先順位ですから、総理にぜひ。
○新藤国務大臣 私の方から、担当させていただいておりますから、お答えしたいと思います。 まず、細野委員の基本的な問題意識、これは我々も共有をしています。この超高齢社会、そして人口減少社会、これをどう克服していくか。私は、その鍵を握るのは地域の元気だと思います。 今、現状で、既に人口五万人以下の自治体が全体の七割です。千七百を超える自治体がありますけれども、七割は五万人以下なんです。そして、三割の地域に日本の八割の人口が集中しています。ですから、都市問題が起き、そして過疎があるわけであります。これを、それぞれの地域ごとの多様性を生かして、自立と個性、こういったものを確立する、これが非常に重要なことだと思っているんです。 その意味で、時間が長くなりますからはしょりますけれども、でも、いろいろな地域の活性化、成功している市町村がありますね。 ここで注目すべきは、例えば徳島の上勝ですとか、ああいうところは実は人口が社会増になっているんです。過疎地でありますけれども、実は人口の社会動態はプラスになるんです。ですから、そういうふうに地域のいろいろな工夫をしながら活性化をさせることによって、そこに人口を新たに定着させる、もしくはよそからも入ってくる、そういったことを私たちはやっていかなければいけない。 その鍵を握るのは、地域の工夫とICTです。今までにできなかったことを展開するのは、我々の進んだ技術なんです。そして、イノベーションを地域においても起こすことによって、その地域で暮らしていける、またその地域の資源を使って経済が維持できる、こういったものをつくっていかなくてはいけないということだと思います。 そして、最後の、地方の、地方分権と我々は呼んでいます。主権は国家にあり、国民にあるわけでありまして、地方分権は今までとはもう完全に違う形になっています。今までの主権改革というのは、なかなか進みませんでした。 私たちは、調査審議機能と政策決定を分けました。そして、分権のテーブルにのせたものは、今までの権限移譲は大体一段落して、全てのものはもう解決をする、道筋をつけるということになります。 これからは、新たに、地域の多様性を生かすような、例えばやる気のある自治体に認められる手挙げ方式とか、それから、地方から提案をしたものを制度化する提案方式とか、こういったものを入れて、地方分権改革は新しいステージにのせていく。 今、安倍内閣としては、地方をいかに元気にするか、これが我々のテーマなのでありまして、総理にお尋ねがございましたが、今、私たちのアベノミクスを、成長の実感を全国津々浦々にお届けする、これは地域の活性化、地域の元気が鍵となる分権を徹底的に進めてまいります。このようなことで進めておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○細野委員 政権全体での優先順位を伺いたかったので、総理にお答えをいただきたかったんですが、では、総理、もう少し具体的に伺います。 今、新藤大臣の方からは、手挙げ方式でやるということも積極的に考えていくという話がありました。恐らくそれは、今法案の準備をされている、事務とか権限の移譲に関する見直しの法案の話をされているんだと思うんですが、我々が政権をお預かりしていたときの最後の段階で、党内で大議論して閣議決定した法案があるんですね。総理、それは御存じですよね。 出先機関の改革、権限さらには事務を移管するというのは、これは当然全体としてやっていく話なんだけれども、それぞれの地方の自治体の中で、出先機関そのものを移管してやりたいということで手が挙がった場合については、それは認めていこうという法案を閣議決定したんですね。 大議論がありました。例えば、大きな災害があったときに対応できるのかどうか。それについては、しっかりと政府が対応できるような法案の修正も途中段階でしたりした。そういったことも含めて、本当に分権をやるのであれば、やはりそこまで踏み込んでやっていかないと、結局個別のこの権限、あの権限という形になって進まないというのが、これまでの教訓だったんですね。 この出先機関の移譲に関する法案は、閣議決定されたまま、一年少しの間たなざらしにされていますが、総理、これをおやりになる気持ちはおありになりませんか。これは総理にお願いします。
○安倍内閣総理大臣 優先順位という先ほどの質問でありますが、私は、もう年初において、地域の活性化、ことしはそれに集中していく一年にしたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。もちろん、この政策は先で、この政策は後、全体を見て、そういうことというのはなかなか難しいわけでありますが、とにかく地方の活性化を安倍政権としてことし重視していくということは間違いのないことであります。 出先機関についての、広域連合に移譲する法案については、これは解散する前に閣議決定をされた法案であるというふうに承知をしておりますが、この出先機関を広域連合に移譲する法案については、市町村から、大規模災害発生時の危機管理体制などに関して慎重な意見が出されているのは事実でございまして、私は慎重な検討が必要であろう、こう思っております。
○細野委員 法案の中に、市町村がきちっと賛成をできるような状況を前提とするという条文も入れたんですね。つまり、手挙げ方式で市町村も関与できるという枠組みをつくってもなおやらないというのは、出先機関改革はやらないということなんですよね。 総理に、そもそも、ちょっとお伺いしたいんですけれども、私どもは補完性の原理というのを大事に考えていまして、まずは、基礎自治体がやれることはすべてやっていく。それでやれないときには、都道府県なり、さらには道州ということになった場合にはそこがやっていく。そして、そこでもできないことについては、当然ありますよね、安全保障に関するようなこと、これは国がやっていく。これがこの国のあるべき姿だということなんです。 総理はまさに保守政治家というのを自認されていますので、国のあり方そのものにもかかわるんですが、先ほど新藤大臣はこうおっしゃいました。主権は国にあるので、地域主権とは言わないんだという話をされましたね。言葉でどうかということは、もうここで余り議論するつもりはありません。 私は、日本のそもそもの歴史的な国柄でいうならば、もともとは、それぞれの地域でさまざまなことを決めていた。しかし、明治に入って、それこそ列強のいろいろな圧迫もあったでしょう。それに対応するために中央集権にせざるを得なかったし、そのやり方は間違っていなかったと思いますよ。 しかし、そもそもの国としては、国が財源も権限も持って、自治体に配る、さらには、地域の公を担っていた、そういったところについても政府が関与していくということではなくて、地域の力を引き出して、それを政府がバックアップする。これが本来の姿じゃないかと私は思うんです。そういう考え方に立って国をつくっていくという視点に立つならば、出先機関の問題について、先ほどのような消極的な答弁には私はならないと思いますよ。 これは、時間も短くなっていますので、総理に答弁をぜひお願いしたいと思います。いや、担当大臣ではなくて、総理の認識を聞いているんです。
○新藤国務大臣 まず、主権は国民にございますので、これを前提にしていただきたい、このように思います。 それから、今、細野委員がおっしゃった法案というのは、確かに閣議決定されておりますが、国会提出されておりませんね。 それで、全国市長会からは、衆議院が解散されるという慌ただしいときに法律案の閣議決定を行ったことはまことに遺憾である、これが市長会からの声明であります。町村会からは、これについて、国会提出の見込みすらないまま法律案を閣議決定したことは極めて遺憾である、こういうようなことで御意見が出ております。もちろん、推進すべしという意見もあります。 ですから、それらいろいろ広く国民、地方の声を聞いた上で、我々とすれば、慎重にその取り扱いを検討していくということでございます。 それから、国と地方というのは縦の関係ではいけないわけでありまして、その地域には、国と地方と、それは県も市も含めて、いろいろな権限が介在しています。だから、一緒にこの国を元気にしていこうではないか、それが私が考えているところであります。いつもそのことを申し上げます。 だから、地方は勝手にやって、全部自由に任せて、どうぞ御自由に、困ったら国に来てくださいではなくて、一緒に考えましょう、国、県、市は、力を合わせて、町も村も、それぞれの地域の課題を、私は担当すべきであると。ですから、地方分権改革は、個性と自立を生かし、そして多様性をさらに取り込んでいく、こういう形で進めていきたいというふうに考えているわけであります。
○細野委員 残念ながら、この分権のテーマは総理になかなか答弁をいただけないので、もう時間も最後、短くなりましたから、もう一度伺いたいと思います。 この国のあり方として、国家が強い権限を持って、地方についても一緒に考えていくというような言い方をされましたけれども、それは、権限、財源は圧倒的に国が持っていますよ。そういう国が我が国のそもそもの姿だというふうに考えるか、国のあり方としては、まず地域があって、地域がしっかりと物事を考えて、それを国が後ろからバックアップする、こういう国を総理はイメージをされているか。これはかなり根源的な考えそのものの違いだと思うんですね。 総理はどう考えられているか、お伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 よく二項対立的に国対地方を対立構造に持っていくという考え方は、そもそも、それは瑞穂の国の日本にふさわしくないというふうに私は考えているわけであります。 つまり、基本的には、地域のことを一番考えているのは、やはりこれは地域の人であることは間違いないわけでありますし、地域の特性、地域のニーズを一番把握しているのはその地域の皆さんであろうと思います。ですから、その中において、なるべく地域のことは自分たちで決められるように分権を進めていくということであります。 それをこれからも我々はさらに進めていきたい、こう思っていますし、また道州制という観点からも、道州制という一つの受け皿をつくって、中央が行っていく権限をそちらに渡していく。当然、これは受け皿をつくっていくということも大切でありまして、行政を行っていく上においては、それを行っていくだけの能力と規模も大切であろう、こう考えるわけであります。そうしたさまざまな観点から進めていくことが大切ではないか、こう思うわけであります。 繰り返しになりますが、基本的には、地方のことを一番よく知っているのは地方でありますから、そういう地方のさまざまな行政にかかわることについては、地方がしっかりと自分たちで決めていくことができるということも大切でありますし、同時にやはり財源ということも大変大切でありまして、その中で、財政上における調整機能を国が果たしていくことによって地方が活力を維持し続けるということも大切なんだろう、このように思うわけでございます。
○細野委員 今、道州制についておっしゃいましたけれども、手挙げ方式での地方支分局の移管すらできないのに、分権ができるわけないですよ、道州制ができるわけないですよ。あるとき突然、それぞれの道州ができて、そこに権限と財源を移すなんてことはあり得ませんから。旧来型の分権についての発想から全く出ていないという印象でした。 最後に私が申し上げたいのは、総理、本当に今、東京に目が集中しています。総理、最後にちょっと聞いてください。東京に目が集中しています。だからこそ、本当に地域を大事にする、特に福島を初めとした被災地を大事にする、このメッセージを出していただきたい。私どもも頑張りますけれども。 そのことを最後に申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○二階委員長 これにて細野君の質疑は終了いたしました。 次に、篠原孝君。
○篠原委員 民主党の篠原です。 質問に入る前に、二階委員長と理事の皆さんに二つほどお願いがございます。 いろいろな方がちらちらと触れておられますが、山田委員、村岡委員、江田委員、それから金田委員も格調高い農村擁護論をぶたれました。農政改革、非常に重要になっております。TPPで農家の皆さんは非常に不安に駆られている。甘利担当大臣からありましたけれども、この週末、シンガポール会議が開かれる。そこに、私から見ると少々拙速な農政変更。不安に駆られているので、これをぜひ集中審議で取り上げていただきたいということ。これが一つでございます。 それからもう一つ。審議を見ていますと、一強多弱とか余計なことをマスコミは言っていますけれども、どうもやはり野党の皆さんの質問の方が緊張感があるんですね。これは塩崎筆頭理事と石田筆頭理事、与党の筆頭理事、皆さんにお願いしたいんですが、野党にたくさん時間をいただくということでお願いしたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 資料は皆さんのところに配られておりますか。質問に入る前に、私、一つだけ、ちょっと気になるもので、国会の通称というのを皆さんのお手元にお配りしてあります。 僕は、減らず口はたたくんですが、言葉は大事にしていまして、何々国会というのをちょっと見ていただきたい。フロー、どういうのがあったのかと。 解散については何々解散といっぱいついていますけれども、何々国会と呼ばれるのは後から、総理がよく、歴史を判断するのは後の人たちがと言われますけれども、そういうことなんですね。 吉田政権は、批准国会、独立国会と言われて、確かにそうだなと思います。岸政権のときは安保国会と言われています。これはみんなすぐわかることだと思います。 最近の十年で通称が定着しているものがあったかなと思ったら、小泉さんの郵政国会、これは強烈でした。だから、これはみんな頭に残っている。それから、それほどじゃないかもしれませんが、暫定税率でガソリン国会というのがありました。第一次安倍政権のときは教育国会、安保外交国会みたいなものがありましたけれども、これは皆さんの頭の中には余り残っていないんだろうと思います。 そして今回、安倍政権が誕生してから、この間の臨時国会は成長戦略実行国会となっていましたけれども、実態は、皆さんおわかりのとおり、特定秘密保護法で、特定秘密保護国会になっていたと思います。 今回、この間の高市政調会長の質問の中に出ていましたけれども、好循環実現国会となっているわけですね。 これは後からつけるのであって、今始まったばかりなのにこの国会にしていくなんというのはやはりよくないので、私はこういう頑固者なので、言葉は慎んでいただきたい。私が心配するのは、悪循環暴露国会になったら大変ですし、また違って、集団的自衛権行使国会になっていったりする可能性もあるわけです。だから、軽々にこういうことをおっしゃらないようにということをまずお願いしたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 特定秘密保護国会はまだ続いていると私は思っているんです。これはやはり大事なんですね。 森大臣にお伺いいたしたいと思います。 法律の第十二条第二項、質問通告のときはちょっと号数を間違えていましたけれども、六号、七号で適性評価というのがあって、酒の節度というのが六号で、七号で信用状態その他経済状況というのがある。酒の節度とかいうのは、余り法律にないんですよね。酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止、迷惑防止条例に酒の節度というのがあるだけで、初めてなんです。 わからないでもないんですね。だけれども、酒の節度、あなたはどうなんですかといったら、人間ドックじゃあるまいし、一日何合飲んでいるかというのはわからない。国家安全保障委員会で、森大臣は答弁で、聞く相手は同僚だとか上司だと言っておられますけれども、同僚とか上司、上司なんて特に嫌がりますから、余り飲みませんから、その辺の飲み屋、行きつけの飲み屋に行って聞くのかとかいうのがありますよね。よくわからないんです。お金の方はわかるんですね、何となく。金に困っている人がひっかかりやすいとかいうのは。 どういう理由でこういうのをおつくりになったのか、お聞かせ願いたいと思います。
○森国務大臣 お答えいたします。 十二条二項六号の飲酒の節度でございますけれども、適性評価制度、どういう理由でこういう項目が入れられたのかという御質問でございます。 そもそも適性評価制度の趣旨を考えますと、特定秘密の取り扱いの業務を行った場合にこれを漏えいするおそれがあるかどうかということを評価し、そのおそれがないと認められた職員のみに特定秘密の取り扱いの業務を行わせることによって特定秘密の漏えいの防止を図っていこう、それが適性評価制度の趣旨でございます。そこから、特定秘密の取り扱いの業務を行う者が、特定秘密の保護に係る各種の規範を理解し、自己を律して、これを実行することができるかどうかという観点からこの適性評価をいたします。 そういう観点で飲酒についての節度に関する事項を調査事項としたものでありますが、具体的に申し上げますと、飲酒を原因として、所持品の紛失であるとか、自傷その他の自己に損害を発生させる行動や、他人との人間関係に悪影響を与える行動をとったことがあるかなどを調査することとしております。ちなみに、諸外国でも適性評価の対象にこのアルコールについては入っております。 ただし、飲酒を原因としてこのようなトラブルを起こした事実があることをもって直ちに特定秘密を漏らすおそれがあると判断するわけではなく、評価対象者が起こしたトラブル等の具体的内容、その時期、背景、理由等を踏まえて、特定秘密を漏らすおそれを総合的に判断してまいります。
○篠原委員 七号の方も一緒に答えていただきたいんですが、まあいいです。七号、お金の問題ですよね。こういうのがあってもいいんだろうと思いますけれども、いろいろ問題があるんじゃないかなと思いますよ。 今入らなかったですけれども、私が予想したのは、酒が入っておしゃべりになって秘密を漏らす、そういうのが一番大事なような気がしたんだけれども、饒舌になるというのが。飲まなくたって饒舌な私なんかは、すぐ適性じゃないと言われてしまうだろうと思います。だけれども、そんなことだけで有能な役人を排除したりするのは、僕はよくないんじゃないかなと思いますよ。 それで、なかなか一生懸命やっておられると思うんですけれども、秘密漏えいとかなんとかというと、酒も大事、お金も大事ですけれども、ちょっと、何と言ったらいいのかわかりませんけれども、不適切な異性との交遊関係というのもあるんじゃないかと思う。これは「ゴルゴ13」の読み過ぎかもしれませんけれども、百七十巻も。これは入っていないんですよね。相当準備されたのに、これが入っていない。 それから、この十二条の適性評価、大臣とか国会議員は、選挙の洗礼を受けている、それから任命のときにちゃんと評価されているから、評価しなくたっていいんだと。僕は国会議員なんて一番評価が必要な人種じゃないかと思っているんですが。 どこか抜けているんですね。異性交遊関係はなぜ入っていないのか。さっき諸外国のを言われたと思いますけれども、ジェームズ・ボンドじゃないですが、必ず入っていていいんじゃないかという気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○森国務大臣 御指摘のとおり、異性交遊関係は適性評価の調査事項としておりません。ちなみに、諸外国でも調査事項になっている国はないと承知しております。 しかしながら、この異性交遊関係そのものを調査するということはございませんが、この二項の中に、いわゆるスパイ活動であります特定有害活動との関係、それから、先ほど御指摘がありました信用状態に関する事項等がありますが、それらとの関係においてこの異性交遊関係が関連づけられてくるような場合はあると思います。 いずれにせよ、全ての評価対象者について、一律に異性交遊関係を調査することは想定しておりません。
○篠原委員 何でこれを言いたかったかというと、大臣も答弁の中で言っておられると思いますが、西山太吉事件というのがありましたよね。あのときにはこのことが問題になったはずなんです。そういうのを踏まえて法律をつくっているはずなのに、それがないというのはどうかなと思ったんです。ちょっと抜けた法律だということを申し上げたいんです。 次に、稲田公務員制度改革担当大臣にお伺いいたしたいと思います。 公務員制度改革が俎上に上っています。私は、こういうので公務員を萎縮させたりするのは非常によくないと思っております。仕事をしにくい。政治家と接触もしない、いろいろな人と会わない、引きこもり公務員をつくっちゃいけないと思っているんです。 これを変なふうに人事に使われるとよくないと思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○稲田国務大臣 先ほどの御質問で森大臣がお答えになった適性評価制度は、特定秘密保護に関する法律において、特定秘密の取り扱いの業務を行う場合に、漏えいするおそれがないと認められた職員のみに特定秘密の取り扱いの業務を行わせ、これ以外の者を特定秘密の取り扱いの業務を行う者からあらかじめ除外して、特定秘密の漏えいの防止を図るものでございます。 一方、今審議中の国家公務員法等の一部を改正する法律案において措置しております適格性審査、名前は似ておりますけれども、全く目的そして趣旨が異なるものでございまして、それは、部長級以上の幹部職につくに当たり、幹部職の職制段階に係る標準職務執行能力を有しているかどうかの確認を行うことといたしております。 したがいまして、適性評価制度があることによって公務員の人事に何らかの影響があるとは考えておりません。
○篠原委員 慎重にやっていただきたいと思います。 次に、農林水産大臣にお伺いしたいと思います。 皆様、読売新聞の記事のコピー二つを見ながら聞いていただきたいと思います。 特定秘密、私は、ちゃんと守ったりするのを漏らしたりしちゃいけないというのはよくわかるんです。ですが、これは非常に限定的に考えるべきだと思うんです。その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿する必要があるものに限るべきだと思います。五十三機関が、大臣等が、トップが判断すれば、それを特定秘密だということができる、これは広げ過ぎだと思うんです。 農林水産省の所管事項の中に、一体、特定秘密というのはあるんでしょうか。
○林国務大臣 今、篠原先生がおっしゃっていただいたように、この法律では、行政機関の長が、所掌事務に係る防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの、これを特定秘密として指定するものとされております。 特定秘密の指定、解除等に関する運用基準の策定に向けた検討が現在行われている、こういうふうに承知しておりますが、農林水産省においては、先ほど申し上げたような情報に該当するものとして、特定秘密、これを指定することは現時点では想定されないもの、こういうふうに考えております。
○篠原委員 非常に明確な答弁で、今までで一番明確だったですね。私はないんじゃないかと思います。 読売新聞の記事を見ていただきたいんです。一年半前ですが、読売新聞の一面トップ。済みません、順序が逆になっていて。二十九日に出た二の方、「中国書記官 スパイ活動か」というのを。「出頭要請拒否し帰国」「軍出身」。次の日に、「書記官 農水機密に接触 中国スパイ疑惑 輸出事業に関与」という一連の記事です。思い出していただきたいんです。 何でこれを申し上げているかというと、我々は安閑としておりますから、のんびりしていますけれども、政治家、閣僚の皆さんは、いつもこういうふうに問い詰められる可能性があるということで、よく見ていただきたいんです。 二十九日の方、後ろの方のページからちょっと見ていただきたいんです。ずっと書いてある見出しの部分のところ。「書記官が接触していた関係者などから一斉に事情を聞き、実態解明を進める。」あとは線を引っ張ったところを見ていただきたいんです。諜報活動をしていたんだと。そして一番下、「接触した相手にも捜査を拡大する。」ということを言っているんです。その上の段は、いかにも、一人一万円未満しか中国のスパイはお金をもらえないから顧問料を工作して充てていたと、美談、自分でお金をためている。後で触れますけれども、変なことをしてきた人なんです、李春光という人は。 それで、三十日の、前の方のを見ていただきたいんです。これは稲田大臣が質問をされています。守秘義務、その件は二段目のところにあります。鹿野農相グループの衆議院の公設秘書、これが農水省顧問に任命された。私はここは問題だと思います。 ですけれども、筒井副大臣も鹿野大臣も、農産物輸出、さっきありました、五千億円のを一兆円にしよう、かつ日本海側のおいしい米を中国に買ってもらおうというその一念で、これに相当入れ込んでおられたんです。私は横で見ていました。 機密がない。ない機密に対して、機密をばらしたと言っている。捜査当局、何もしていないと思うんです、私は。今、特定秘密がないとお答えになったので、私はこの質問は飛ばします。 農林水産省の調査チームのところをちょっと見ていただきたいんですが、米の需給見通しがこの機密に当たるという。米の需給見通しが我が国の安全保障に著しい支障を与えるんでしょうか。与えるんだったら、もっと農業を、食料安全保障を大事にしてあげたら、与えるところがあるんです。ですが、だからといって、それが機密になるんでしょうか。 そして、これで、政治家というか、半年間、相当書かれております。筒井副大臣と鹿野大臣は、こればかりじゃなかったと思いますけれども、この次の選挙におっこちておられます。こういうことがあるということです。 このスパイ疑惑、一体、どのような結末になったのか、捜査当局は本当に捜査したのか、その機密についてどうなったのか。これについて、農林水産大臣からお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 警察でどういう調査があったかというのは、ちょっとまた別に、ほかの方に聞いていただければと思います。 まず、我が省でやった機密保持に関する調査結果ということが中間報告という形で出されておりますが、今お話がありましたように、「今後の米の需給見通しについて」という資料、これが、原発事故後に二十万トンの国産米が輸出されることがアナウンスされた場合、市場にどういうインパクトがあるかということを説明するものだったということでございます。 したがって、作成時点においては、東日本大震災等によって、あのとき、米の需給のタイト感がちょっと強まっていた中で、さらに需給の引き締まりを想起させる資料ということで、もし外部に提供した場合は、もともと、米価に政府のアナウンス次第で急激に変動する性質が当時あったということで、その時点の米価に大きな影響を及ぼす可能性があった。それから、消費者等が、米の流通の停滞や価格のさらなる高騰といった情報に接することで、米の安定的供給に対する不安を招き、購買行動に混乱が生ずる可能性があったということで、いわゆる機密性の三という情報に該当するということにしてあったということでございます。 その後、今申し上げたような調査結果を公表しております。二十四年六月に公表したわけですが、その時点では、もうそのときの市場と全く関係ないわけですから、この資料については、そういう可能性がなくなったので、特に秘密保全が必要でなくなったということですから、この資料については、現時点では機密性三情報には該当しない、こういうふうに考えております。
○篠原委員 大した秘密ではないんですよ。こういうふうに使われるということを覚えていただきたいんです。 それで、我が国のインテリジェンス、こういうものの専門家の佐藤優さんが、四ページ目の東京新聞のコラムを見ていただきたいのですが、非常に象徴的なコラムを書いておられるんです。皆さんよく見ていただきたいんです。「スパイ疑惑」というのですね。1、2、3と。 銀行口座を不正に開設して貯金していたと。 しかし、スパイというのは金を払って情報を収集するのに、金をためるスパイなんて珍しいんです。日本独特のスパイかもしれません。 被害を受けた国益を明確にすべしと。 今、林大臣からありましたように、国益を著しく阻害したりはしていないんですね。そもそも国家秘密というのは余りないという答えでした。ないんです。 そして、問題は3のところです。 3を見てください。「具体的な摘発は、政治指導部の指示に基づいて行われる」「日本の場合、首相官邸が明示的指示によって本件をマスメディアに流したとは思えない」と。 指示していないんです。しかし、日本の癖だと思います、指示はしていないけれども、リーク、されているかしているかわかりませんけれども、そして、変なふうに書かれて。 何の捜査対象にもなっていないんです。大臣、捜査を受けていないんですよ。筒井副大臣は、何も、聴取もされていない。それにもかかわらず、あたかも捜査を受けたような形で書かれていってしまう。僕は、これは本当によくないことだと思っています。 皆さん、不思議に思われませんでしょうか。私も筒井さんと同僚の農林水産副大臣なんですが、この件には一切登場しないんです。農林水産省が適性評価を自主的にして私にさせなかったのかどうか知りませんが、それがないんです。 私は国際関係をやることになっていたんです、分担がありますからね。ずっとやっていたんですが、やらなかったんです。なぜかというと、鹿野大臣が偉いんですけれども、私がわがままを言ったんです。 私はこういう仕事は嫌だと言ったんです。年収が二百万円にならない日本の人たちが事故米だか汚染米だか外国から輸入した安い米を食べ、そして中国のお金持ちが日本のおいしいコシヒカリを食べるなんというのは、それはビジネスとしてあってはいいけれども、国がそんなところに手をかす必要はないんだ、僕はこんな自分の趣旨に反する仕事はしませんと。そうしたら、鹿野さんは、おまえの御高説は聞き飽きたからいいと言われた。そして、筒井さんが渋々これをやったんです。 私がこのことを担当していたら、私がこうやって読売新聞にわんわん書かれ、ここでこんな立派な質問はできないようになっていたんです。おわかりになりますか。皆さん、この危険をみんな抱えているということをちゃんと念頭に置いていただきたいと思います。 捜査当局は何もしなくても、マスメディアが知る権利とかなんとか言っていますけれども、誰かがちらっと漏らして、そして書かれてしまったら、どうしようもなくなるんですよ。これは、僕はよくないと思います。読売新聞と、皆さんすぐおわかりでしょうけれども、もう一つの新聞が大々的に掲げて、ほかの新聞は余りこれに興味を示しませんでした。これはしようがないと思いますけれどもね。 だけれども、そこの新聞の会長・主筆が情報保全諮問会議の座長になっている。私は、これは後進国のことではないかというような気がするんですが、よくこういうところを考えていただきたいと思います。 それから、残された時間、ちょっと総理の方に。 私も本当は憲法問題とか集団的自衛権のことをやりたいんですが、時間がないのでまた別の機会にさせていただきます。 よく総理は、安保法制懇の検討の結果を待って検討するとおっしゃるんです。僕は、何回も聞いているんですが、ちょっとおかしいなと思っているんです。 五ページ、懇談会のメンバー構成という一覧表をちょっと見ていただきたいんですが、安倍政権になってから四つあるんです。非常に経歴とかいうのが偏っているなというのがあるんですが、一番偏っているのが安保法制懇です。苦労して、この人たちがどういう発言をしているかというのを書き出しました。よく後で見ておいていただきたいと思います。 何とか懇談会とか何とか審議会というのは、いろいろな立場の人がいろいろな意見を闘わせて、そして言っていただいて結論を得ていくというのに、これはちょっと順序が逆になっているんじゃないかというような気がするんです。この安保法制懇のメンバーというのは、ほとんど全員が、集団的自衛権の行使を容認する人たちだらけです。 総理は、前からの答弁、きのう特に明確におっしゃいました。最高責任者は私だ、政府答弁の責任は私がやって、その上で選挙で審判を受けるんだと。そして、もう一つおっしゃいました。内閣法制局の議論のようなものの積み上げのままだったら、そもそもこんな会議、懇談会は要らないんだと。 私は今何を申し上げたいかというと、懇談会で出てきた議論をもとに、我々がそれをもとに議論をして決める、それならいいんですよ。先に結論が決まっている、そして手法だけを懇談会に頼んでいる。これはやはりよくないので、我々のように、総理がおっしゃる、選挙の洗礼を受けた国会議員がきちんと議論して決めていくべきであって、このような、それは有識者だと思います、だけれども、偏っていると思うんです。 例えば、TPPの懇談会を篠原首相が誕生したとしてやったら、私が、このノーTPPのバッジをやって、ストップTPPのネクタイばかり締めた人たちだけで懇談会のメンバーを決めていいんですか。それは偏っていますよね。だから、そういうやり方はよくないと思うんです。 この手法はよくないなと思うんですけれども、総理、一考していただきたいんですね。この法制懇、一体どういう位置づけなんですか、ちょっとゆがんでいるんじゃないかと思うんですけれども。
○安倍内閣総理大臣 尊敬する篠原委員は全く誤解をされているんだろうというふうに思います。 この集団的自衛権について、党としての方針というのは、例えば、一昨年、総裁選挙を争った候補者は、基本的に全員、この行使についても、これは解釈について変更すべきだということを主張しておりました。基本的には、自民党としては全ての候補者がそうであったということでありまして、しかし、御党ではまだ今議論している最中、随分長い間議論をしておられると思いますが。 そこで、私どもとしては、しかし、そこは、政治の場で私が決めればいいということではなくて、実際に、国際法的にはどうなのか、憲法との関係においてはどうなのか、そして、今まで積み上げてきた答弁と現在の国際情勢との関係においてはどうなのか、緻密に深い議論をする必要があるだろうということで、この安保法制懇において、これは七年前につくったわけでございますが、さらに慎重に深い議論をしていただいているわけでございます。 メンバーについては、外交防衛政策に関する実務経験者、政治、外交、憲法、国際法等の学界関係者、経済界の民間有識者といった幅広い代表の方々に参加をしていただきまして、空疎的な議論をされている方は排除しておりますが、現実的な状況、国際情勢についてしっかりと議論をされる方、知見を持った方が議論をしているわけでございまして、さまざまな観点において議論をしていただいていると思います。 その中で、例えば、こういう意見を述べておられる先生もおられるわけであります。 今までの平和主義を大転換して戦争する国家になるかのような誤解をされないように、解釈の変更は、これまで行ってきたことを変えるためではなく、よりよく実効的に行うためのもので、日本の戦後の平和主義は変えない、憲法の精神は守るといったことは明確に打ち出すべき、あるいは、集団的自衛権の行使は義務ではなく権利であるので、その権利の行使に当たっては政治が高い責任を負うものであるとか、集団的自衛権について歯どめなり抑制なりを考えることは妥当であり、国の関与は政治的判断の問題としてあった方がよいのではないかなどなど、さまざまな議論があるわけでございます。 こういう中において、みんなが同じ方向で一瀉千里にいっているわけでは全くないわけでありまして、逐一、それぞれの見識を闘わせる場面も多くあるわけでございまして、こういう中において今しっかりとした議論が行われているというふうに私は承知をしているところでございます。
○篠原委員 総理も曲解されているんじゃないかと思う、私が申し上げたことを。何も、澤地久枝さんや大江健三郎さんは入れた方がいいんじゃないかと言っているんじゃないんです。 ただ、法律の専門家だったら、学者、中央官庁OB、外務二、防衛二と五ページに書いてありますが、なぜ、法制局長官のOB二名と入れたりしないんですかね。そのぐらいは当然あってしかるべきだと私は思うんです。そういう配慮が足りないということを私は申し上げているんです。そうでなかったら、これは一方的過ぎると思って、皆さん認めないと思いますよ。 我が方もなるべく早く結論を出してやっていきたいと思いますので、我々政治家が真剣に議論をして決めていくべきだということを主張いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて篠原君の質疑は終了いたしました。 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。 きょうも、補正予算と当初予算の関係について少し問題提起をしたいと思います。 前回、この予算委員会で、当初予算の概算要求から外れたものが補正で復活する、いわゆるゾンビ予算ということを取り上げましたけれども、きょうは、この補正予算が、先ほども少し話題になりました、財政再建を進めていくに当たって、その目標を達しているかどうかを判断する際に、粉飾的に使われる一つの要素になっているのではないか、こういう観点から質問させていただきたいと思います。 資料の一をごらんください。今申し上げたことですけれども、きょうは、この2の方、補正予算というものが、財政再建のマイナス、とりわけ財政再建の目標を少しゆがめてしまうのではないのかということ、このことを取り上げたいと思っております。 いずれにせよ、問題に正しく対処するためには、まず問題を正しく認識することが大切だと思っております。 そこで、まず、先般、資料の二にありますけれども、安倍総理大臣が、一月三十一日の当予算委員会で、我が方の長妻委員の質問に対してこのように答えておられます。私たちは、経済成長をさせた結果、税収も五十兆を超えたんですよ、皆さんの三年間でプライマリーバランスは十二兆円悪化したんですよ、それを、この二年間で七兆円、半分以上改善しているんですよ、このことをしっかり申し上げておきたいというふうにおっしゃっております。 私も、三年三カ月の短い間ではありましたけれども、予算編成プロセスに関与してまいりました。いろいろな、苦しい中での予算編成で、うまくいかなかったことも多々ございます。ただ、この総理の発言を聞いたときに、私、直観的にあれっと思いました。十二兆円も民主党政権下で悪化していないのになというふうに直観的に思いました。 ちょっと、総理の御認識を資料にまとめました。資料三を見てください。総理がおっしゃる、十二兆円、民主党政権で悪化をし、七兆円、政権交代直後、今日まで改善をしたということを、総理のこれまでの御発言をもとにグラフにしてみました。 一番左、平成二十一年度です。ここで政権交代が起こったわけでありますが、平成二十一年度の当初予算におけるプライマリーバランスの赤字です。プライマリーバランスというと、これは、インターネットを見ておられる方もいらっしゃいますけれども、基礎的財政収支といって、国の財政状況の悪さ、よさ、こういったものを示す一つの指標でありますけれども、この基礎的財政収支、平成二十一年度当初予算を編成したときには十三・一兆円の赤字ということであります。 その後、平成二十二年、二十三年、二十四年と民主党政権の予算編成が行われますけれども、最後に民主党が編成をした予算、二十四年度の当初予算でありますけれども、ここは二十四・九兆円の赤字。この差額をとって十一・八兆円、丸めて十二兆円悪化したということだと思います。 しかし、私は、ここで大事な要素が抜けていると思うのは、これがまた、あくまで当初予算を並べて比べているということであります。 ここで補正の問題を取り上げたいと思います。 そこで、ちょっと済みません、通告はないんですけれども、当時総理大臣であった、そして、政権交代前の最後の自民党政権下における予算編成を担当された当時の麻生総理大臣、現財務大臣にお聞きをしたいと思うんですが、麻生大臣が編成をされた一番最後の予算です、つまり平成二十一年度の第一次補正予算。これはたしか、三月に当初予算ができて、すぐ編成に取りかかって、五月の末にこの第一次補正予算は成立したと記憶しておりますけれども、たしか過去最大というふれ込みでありました。この平成二十一年度第一次補正予算における国債の発行額はどの程度だったか、覚えておられますでしょうか。
○麻生国務大臣 質問するなら、財務省におられたのでおわかりだと思いますので、あらかじめ言っておいてもらうとすんなりお答えできるんですが。 十兆八千億。
○玉木委員 過去最大でありますし、極めて巨額な補正予算だったということで、麻生大臣、覚えておられるかなと思ってお聞きをしました。通告が漏れたことはおわびを申し上げます。 十・八兆円。十一兆円であります。 そして、この補正予算の編成によって、プライマリーバランス、基礎的財政収支は、二十一年度当初予算と比べて、この国債発行額とほぼ同じ額、十・七兆円悪化をします。その後、民主党政権、我々は政権をお預かりするということになったんですが、私が申し上げたいのは、もう一度、三の図を見ていただきたいんですけれども、二十一年度当初予算編成時のプライマリーバランスの赤字は十三・一兆円でありました。そして、その後、今大臣がお答えになったように、十兆円を超える国債発行をし、そして、ほぼ同額、プライマリーバランス、基礎的財政収支が第一次補正予算で悪化をいたします。 ここで私が申し上げたいのは、民主党政権下の三年間の財政収支の悪化あるいは改善、いずれにしても、この間の変化を評価する際に、二十一年度当初予算におけるプライマリーバランスの赤字、つまり十三・一兆円の赤字と、二十四年度の当初予算の編成におけるプライマリーバランスの赤字二十四・九兆円の赤字を比較して、それをもって、総理がおっしゃるような、皆さんの、つまり我々民主党政権下のプライマリーバランスの赤字の変化を評価するのは、私は少し誤解を与えるのではないかなというふうに思っております。 客観的にもしそれを分析するのであれば、これはなかなか、なぜ私がこういう質問をしたかというと、実は私も、民主党政権下の三年間、いろいろな形で評価をして客観的に御説明しようということをしてきました。ただ、これはなかなか、どこで切っていいのか、難しくてできなかったという自分自身の思いがあります。ですから、あえてやるとすれば、自民党政権の最後の予算におけるプライマリーバランスと、民主党政権が組んだ最後の予算におけるプライマリーバランス、この二つを比べて評価するのが、三年三カ月の評価としては、完璧ではないにしても、最も現実に近いのかなというふうに私は思います。 そこで、総理に伺います。 一月三十一日の予算委員会における長妻委員への答弁のうち、皆さんの三年間で基礎的財政収支は十二兆円悪化したんですよ、この発言の部分については、私は、修正されるか撤回されるべきだと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 皆さんの三年間で当初予算において十二兆円悪化した、これを私最初に申し上げたのは、本会議で海江田党首に対する答弁であります。なぜ私が答弁でそう申し上げたかといえば、まさに御党が、我が党のときにまさに悪化したかのごとくの批判を加えたからでありまして、あなたたちにそう言う資格があるんですかということをはっきりと申し上げようと思ったわけであります。 そこで、一月三十一日の私の発言は、平成二十一年度当初予算における基礎的財政収支十三・一兆円と、平成二十四年度当初予算における基礎的財政収支の二十四・九兆円を比較して、その差額について発言したものでありまして、まさに私はファクトについて申し上げているわけでございます。 そして、平成二十一年度第一次補正予算は、歳出面では、リーマン・ショック対応として、過去最大規模の経済危機対策を実施したわけであります。まさにこういうときこそ思い切った補正予算を組んで経済の落ち込みに対応する必要があるわけでありまして、補正予算としての機能を活用したということではないかと思います。 一方、歳入面では、年間を通じた税収補正は反映をしていないということは申し上げておきたいと思います。 など、政府の年間を通じた財政スタンスや税収をあらわすものとは言えないわけでありまして、プライマリーバランスを比較する対象としては、平成二十一年度当初予算における基礎的財政収支マイナス十三・一兆円が適当と考えているわけであります。 リーマン・ショック後の過去最大規模の補正予算による赤字を含めた基礎的財政収支と比べて、その後の民主党政権の当初予算がどの程度改善したかをお示しされても、それは私は余り意味がないのではないかと。 つまり、当初予算においてその政権のスタンスを示していく。確かに、リーマン・ショック後、税収が減っているという状況については、私も理解しています。しかし、その中においても、一応このスタンスというものについてそれは示すものではないか。 我々においても、税収がふえた中において、しっかりとプライマリーバランスについて改善する方向について五・二兆円を積んだわけでありますから、そのことをしっかりとお示ししたわけでございます。
○玉木委員 わかりましたか、皆さん。 政権の態度を確かに予算の中で示しているのはわかりますけれども、総理、民主党政権で十二兆円悪化したという言い方はやはりやめられた方が、どうですか。 私は、別に、民主党がすばらしかった、自民党が悪かったと言う気はないんです。これから、我々は与野党を超えて、一千兆円を超える借金を抱える国家です、この現実は変わりません、そんな中で、財政再建を着実に進めていくに当たって大事なことは、現在何が起こっているのかという事実を客観的に、冷静に知ることです。この現実の分析が間違ってしまえば、では、もう再建しなくていいじゃないか、財政再建の取り組みはやめましょうということになってしまいます。 総理、民主党政権の三年間でプライマリーバランスが十二兆円悪化したということは、やはりこれは訂正されたらどうですか。
○安倍内閣総理大臣 これは、私は事実を申し上げているわけでありまして、当初予算については、それはまさに事実でありますし、安倍政権においての当初予算においても、それは事実でございます。 それと、私は、いきなり演説等で皆さんを批判したわけではないんですよ。つまり、私たちの予算について、全然財政を悪化させているではないかという批判をされたから、それは余りにも自分自身を省みていないのではないかということを含めてこういう御指摘をさせていただいたわけでありまして、確かに、これは、リーマン・ショック後の厳しい税収の中にあったということは十分理解をしておりますし、玉木議員もしっかりと努力をされたということは認めた上での発言でございます。つまり、私がこういうことを申し上げたというのは、そういう経緯の中で申し上げているわけでございます。 しかし、同時に、当初予算で比較をするということは、まさにその政権のスタンスを示すものであります、当初予算というのは。ですから、そこでやはり比較をするべきではないか、このように思うところでございます。
○玉木委員 余り水かけ論をする気はないんですけれども、政権のまさに一つの方向性をあらわしているのが当初予算、そうです。ただ、同じ政権で補正予算を組んでいます。これも一つの政権のやり方です。対策を打つ、国債を発行する、それによって経済の底割れを防いでいく、これも政権の意思であります。そのことを踏まえて、ある財政状況が生じ、そこから我々が引き継いで財政運営を行っていった。ここについての評価は私は客観的にすべきだと思うんです。 総理、もし民主党政権下で財政が十二兆円悪化したということであれば、いかなる要素で十二兆円悪化されたと思いますか。子ども手当ですか、農業の戸別所得補償ですか、あるいは、経済政策がまずくて、税収が落ちて生じていますか。十二兆円にも及ぶ大きな財政赤字の拡大は、一体何によって生じたと思いますか。
○甘利国務大臣 最大の問題は、デフレに対しての手が打てなかったということだと思うんですね。そして、公債発行額が膨らんでいった。 それと、あと二つ。 我々の政権、麻生政権から民主党政権になり、安倍政権になった。その間にどういうことがあったかというと、麻生政権下では、日本の責任ではありませんけれども、リーマン・ショックがあって、世界経済がもう奈落の底に行った。その際に、麻生政権では二回の補正を打ったんです。税収もどんどん減った、そして補正も打って、リーマン・ショックによる影響を払拭する、つまり庭をきれいにしてお渡ししたんです。その後、皆さんから我々が政権を受け取るときに、二番底と言われたんですよ。ですから、政権を受け取ってから、我々は、二番底にならないように補正を打ったんです。 この二つは、民主党政権にとっては、我々がしたことによってプラスに働いているんですよ。そういうこともよく御勘案をいただきたいと思います。
○玉木委員 経済財政担当大臣としては少し、私は、認識が間違っておられるのかなと思います。もし、デフレ経済で、それに対して対応が間違っていて、税収が激減して、それを累積すると十二兆なら私はわかります。 資料の五を見てください。これは決算ベースです。この間、税収は着実に回復しています。もう一つ下を見てください。有効求人倍率も完全失業率も改善傾向を見せています。 私は何を申し上げたいかというと、リーマン・ショックの影響というのはやはり極めて大きかったなということであります。そして、その回復傾向の中でこの間の税収の動きも私は説明できるのではないかと思っています。もちろん、我々の政権の政策がこういったことにきいてきたものもあるでしょう、きかなかったこともあるでしょう。ただ、逆に言うと、この世界的なリーマン・ショックの影響というものが物すごく大きくて、我々、正直申し上げると、私自身そうですが、その影響を少し甘く見ていたというところはあると思います。 私が申し上げたいのは、もちろん、政策によって、政権によって税収も変わったり財政構造も変わりますけれども、こういう大きな変化の中で行われているということ、客観的な事実、もちろん政策も大切でありますけれども、大きなトレンドといったことも頭に入れながら、やはり現状を客観的に分析していかなければいけないなというふうに思います。 ですから、税収が大幅に落ちたことが十二兆円の原因ではありません。ばらまきだと言いますけれども、高校無償化〇・四兆円、農業の戸別所得補償、岩盤部分で〇・一五兆円、そして子ども手当で二兆円、これ等々を足し合わせても三兆円ぐらいにしかならないんですね。その分、皆さん批判されましたけれども、公共事業を削っていて、実はこの辺は冷静に分析をしていただきたいというふうに思っています。 私は、総理の、民主党政権で十二兆プライマリーバランスが悪化をしたというのは間違っていると思います。このことについては、今後、余り公式の場でお使いにならない方がいいのではないかなというふうに申し上げます。 それで、私はあえて繰り返し申し上げますが、財政再建を進めていく上に当たっても、事実をしっかりと見定めることが必要だというふうに思います。ただ、そのことが実はなぜできないのか、しにくいのか、そのことを次に問題提起したいと思います。 なぜ、財政収支の現状の認識、その把握について、なかなかそれが難しいのかというのは、プライマリーバランスと言われる基礎的財政収支というものに、実は二つの種類があります。これはダブルスタンダードとあえて書いておりますけれども、このことについて質問したいと思います。 先ほど総理もおっしゃったように、安倍政権になって二年間で六・九兆円、約七兆円プライマリーバランスが改善しているというふうにおっしゃっています。確かに、景気が回復傾向で自然増収がふえていることについては、これはもう正直、私は評価をしたいと思います。ただ、アベノミクスのみによって財政再建が加速的に進んでいるというふうな印象は、若干現実とは違うのではないかなと私は思っています。 そこで、質問したいと思います。 まず、政権交代を挟んだ二十四年度と二十五年度、この二つの予算についてお伺いしたいと思います。 まず財務省、そして今回、加えて内閣府に、二十四年度、二十五年度、この二つの予算における基礎的財政収支の赤字額を答えていただきたいと思います。その際、内閣府には、先般、一月二十日に発表された経済財政の中長期試算に基づく数字をお答えいただきたいと思います。
○古川副大臣 平成二十四年度当初予算のプライマリーバランスはマイナスの二十四・九兆円、そして、平成二十五年度当初予算のプライマリーバランスはマイナス二十三・二兆円ですので、一・七兆円改善いたしております。
○豊田政府参考人 本年一月に公表いたしました中長期の経済財政に関する試算におきましては、国、地方の基礎的財政収支、これはSNAベースで計算をしておりますが、平成二十四年度、マイナス二十七・八兆円程度、平成二十五年度、マイナス三十二・六兆円程度となっております。
○玉木委員 ありがとうございます。 今お答えになっていただいて、私がちょっと資料七にまとめましたけれども、同じ答えをいただいたので、安心しております。 内閣府の今お答えになった数字が左側、最初、財務省にお答えいただいたのが右側です。右側一・七兆円の改善、左側四・八兆円の悪化であります。多少数字が変わるのならわかるんですが、一方では改善、一方では悪化、これはどちらが正しいんですか、麻生大臣。
○麻生国務大臣 物事を比較するときには前提条件というのをそろえていただかぬと、こういった話はなかなか比較ができないので、少々時間をいただきます。 SNAベース、よく御存じかと思いますが、テレビではなかなかおわかりいただけないと思いますので、システム・オブ・ナショナル・アカウンツ、それを通称SNAベースと呼ぶんですが、国民経済計算というようなのをよく使うんです。 このSNAベースの基礎的財政収支というのは、御存じのように、特別会計とか、また独立行政法人や地方財政も全て含んだ収支として捉えられているものであります。財政の実態を把握するものとして適当であるということから、これを政府の財政健全化目標の指標としているところであります。 他方、国の一般会計当初予算は、これは政府が一年間に実施する経済経費などを税収などを見込みながら編成するものでして、政府の基本的な財政スタンスが反映されるものであります。こうした視点からは、一般会計当初予算の基礎的財政収支も私どもは極めて重要な指標だと考えております。 また、御指摘のように、平成二十四年度から二十五年度にかけてのSNAベースの基礎的財政収支は二十七・八兆円から三十二・六兆としておりますが、これは主に、政権交代直後の緊急経済的な底上げを図るために編成した平成二十四年度の補正支出が二十五年度に繰り越されたことによる極めて一時的なものだということも含めて話をしていただかないと、いかにも政府が二つ別々の意見を持っているかのような印象をお与えになりたいと思っておられるのかどうか知りませんけれども、もともと前提条件が違っているということだけ計算してしゃべっていただかぬと誤解を与えますので。
○玉木委員 いや、これは重要な問題なんです、皆さん。資料の八を見てください。今、麻生大臣がお答えになったことを少しまとめております。 これは、経済財政諮問会議に提出した資料をもとに当事務所で作成しましたけれども、右側の財務省の出すのは、あくまで国の一般会計、しかも当初予算ベースのプライマリーバランスです。それに対して、内閣府は、今、麻生大臣がお答えになったように、国の中でも、一般会計、しかも補正も含みますし、ここに書いている特別会計も独立行政法人も、そして地方も含んで、かつ、SNAというアルファベット三文字が出てきましたけれども、国民経済計算という一つのルールに基づいて計算されたものです。 大事なことは次です。支出・収入の記録時点という欄にありますけれども、一方は、予算に計上した、つまり計画、さっきおっしゃった財政スタンス、こうなればいいなということを書いているのが右側の国の一般会計ベースです。それに対して、内閣府の出している執行ベース、SNAベースというものは、あくまで、いつどうやって支払われるのかという執行ベースに着目してやっています。 ちっちゃく書いているんですが、注を見てください。これが大事なんです。これは私が書いたんじゃなくて、内閣府が書いています。平成二十四年度補正予算の事業費のうち、平成二十四年度に一・七兆円程度、二十五年に六兆円程度が執行されると想定して計算していますとしています。 これは何を申し上げたいかというと、我々も議論しました、二十四年度補正を組んだときに、年度内執行なんて無理ですよね、ほとんど二十五年に回りますよね、でも、二十五年度予算は、見かけ、補正に回しているので、歳出が低く見えて、あたかも財政再建が進んだように見えて、これは少し現実と離れているんじゃないですかという話を申し上げました。 内閣府は、ある種、財務官僚と違って真面目なエコノミストが多くて、やはり使い切れないなと思うことは、きちんと二十五年度に執行される前提で計算しているんです。この一・七と六を計算すると大体七八%、八割は、二十四年度補正といいながら、二十五年度で執行されるということでちゃんと計算モデルを回しているんです。 その結果出てきたのが七の資料です。財務省の一般会計、こうなりたいなという希望ベースの計画ベースだと改善しています、政権交代を経て。しかし、実態は、麻生大臣も今おっしゃいましたけれども、ほとんど二十五年度で執行されますから、お金は二十五年度、執行は二十五年度では悪化するわけですね。私はこちらの方が実態をあらわしているんじゃないかと思います。 なぜこういう話をあえて申し上げたかというと、二〇一五年のプライマリーバランスの達成の国際目標があります。先ほど古川委員からも話がありましたけれども、一〇%消費税で何とか成り立つ前提がなされていますけれども、上げなかったときには、甘利大臣は、いろいろなことを考えますという話でした。 私、一つ秘策があるんです。消費税を上げなくても、二〇一五年、平成二十七年度でプライマリーバランスの赤字を半減する方法。それは、国債発行を伴ってもいいです、大規模な二十六年度補正予算を組むんです。その中に、本来なら二十七年度予算に計上されるものを十兆円、二十兆円規模で持ってくればいいんです。そうすると、見かけ、二十七年度の当初予算は極めてすっきりした、多分、二〇一五年のプライマリーバランスを達成する予算を編成できます。(発言する者あり) しかし、今インチキだというふうにやじが飛びましたけれども、八の資料にある、右側の基準で基礎的財政収支を考え続ける、総理も冒頭おっしゃいましたけれども、当初予算で比べればいいんですということを貫けば、そういうこともできて、楽々達成できますよ。しかし、我が国の実態は違うんです。ですから、そういう可能性があるということが、現在のこのダブルスタンダードの基礎的財政収支の基準を使っているということを貫く限り、そういう懸念があるんです。 そこで、総理にお聞きします。 国際約束になっている二〇一五年における基礎的財政収支の赤字半減目標は、あくまでこちらの執行ベース、SNAベース、国、地方を合わせた、そして、国の中にも特別会計も独立行政法人も入れたこちらのベースで達成するということが国際約束であるということをぜひここで確約いただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 ちょっとその前に、先ほどの五の税収のところ、ちょっとおかしいなと私も思っていたんですが、これは、民主党政権で二十四年度の税収四十三・九兆円、民主党の成果のように示しておられますが、二十四年度の民主党がつくった当初予算の税収は四十二・三兆円で、前年度マイナスであったわけですね。その後、二十四年度の年末から、政権交代を見越した景気回復、そして安倍政権の成果によって、所得税〇・五兆円、法人税〇・九兆円が上振れたんですよ。(発言する者あり)
○二階委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 そして、決算時点でプラス一・六兆円で四十三・九兆円の税収となったということは申し上げておきたいと思います。 さらに、二十五年度、二十六年度は横ばいというふうにおっしゃっておられましたが、二十五年度は、当初予算の税収が四十三・一兆円であり、経済成長の成果で二・三兆円上振れて、補正後で四十五・四兆円となったものであります。 二十六年度がほぼ横ばいなのは、消費税の反動減対策や、成長力底上げのための法人税減税が〇・六兆円や、株式譲渡益課税の強化による反動減の〇・四兆円があるためであるということは申し上げておきたいと思います。 ですから、それは、そういうことをちゃんと見ないと全く間違った表になっていくということは、はっきりと申し上げておきたいと思いますよ。 そして、その上において、これから答弁をいたしますが、政府としては、国、地方のプライマリーバランスについて、二〇一五年度までに二〇一〇年度に比べ赤字の対GDP比を半減し、二〇二〇年度までに黒字化することを財政健全化目標として国際的にもコミットしてきているところでありますが、この目標はSNAベースであり、国の一般会計当初予算だけではなくて、補正予算、特別会計、独立行政法人等や地方財政も全て考慮に入れて、実際に執行された歳出等によって測定されるものであります。
○玉木委員 総理、ありがとうございました。 そのことがしっかりと確認できたので、ぜひ、その意味では、これは本当に大事な話だと思います。我々も我が国の財政については大変懸念をしておりますので、そういった財政再建に向けた努力がしっかりと進んでいくこと、我々としても進めていくことをお約束申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○二階委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。松田学君。
○松田委員 日本維新の会の松田学です。どうぞよろしくお願いします。 きょうは、中長期的な財政運営を中心に御質問したいんですが、その前に、私たち日本維新の会、改革保守ということを掲げている政党で、安倍総理も、いかなる既得権益といえども私のドリルから無傷ではいられませんというふうにおっしゃっていますので、そういう安倍政権の改革に向けた姿勢について若干の御質問を最初にさせていただければと思います。 最近、安倍総理は、新しい国づくりという言葉をよくおっしゃっています。私、この言葉は大変いい言葉だと思っていまして、かつて、日本を取り戻すという言葉を使っていましたが、どういう日本を取り戻すかよくわからなかったんですが、新しい国づくりといえば、私も、当選する前は、櫻井よしこさんの国家基本問題研究所の企画委員をやっていたんですが、櫻井よしこさんもよく新しい国づくりとおっしゃっていまして、これは大変いい言葉だと。ただ、新しい国づくりをするのであれば、それにふさわしい、地に足のついた改革というのを本当にしなきゃいけないと思っています。 安倍政権を見ていますと、大変レトリックが巧みな政権だ。ドリルという言葉もありましたし、バイ・マイ・アベノミクスという言葉もありましたし、新しい国づくり。 問題は、本当にこれが地に足のついた改革かどうかなんですが、この一年余り、私もこうやっていろいろと質問させていただいて、安倍総理が基本的に我々維新の会と、自立とか国家への責任意識とか、そういう点で非常に共通点が多いというふうに感じています。 ただ、先般の臨時国会で、私も内閣委員でいろいろやったんですが、それを見ていますと、どうも、安倍総理が本当にやりたい改革が十分にできていないんじゃないかというふうに思った点も若干ありますので、その点について。 まず、国家戦略特区なんですが、私は、内閣委員会に安倍総理がお越しになったときに、中身が余りない、すかすかじゃないかというふうに申し上げたら、安倍総理は色をなして反論されて、これは大変画期的なものであるというふうに御答弁をいただいた。ただ、実を言いますと、これは、維新の会の中でも、本当に内容がなくて反対論が非常に多かったんですが、何とかそれでも我々が賛成したのには、たった一つの理由があったんですね。それはもう御案内のとおりでございますけれども、税制だったわけですね。 例えば、これは大阪なんかからも要望が出ていたんですが、地方法人事業税、これは、地方が独自に減免措置を講じた場合、地方法人事業税というのは法人税の課税に当たっての損金に入っているものですから、これを減免されると法人の課税所得がふえてしまう、そうしますと法人税がかえって増税になってしまう。これでは、せっかく地方が身を切って地域振興をしようとしても、これを国の制度が阻害してしまう、これはいかにもおかしいじゃないか、そもそもおかしいじゃないか、この点について税制改正で何とかしてほしいと。 この点について、自民党の側からも、与党の側からもかなり前向きな御答弁をいただいておりまして、これはきっと実現するだろうという前提で、私どもも党内の不満もおさめて賛成に回ったという経緯があったんですが、実際、税制改正を見ると、全くこれは反映されていないということになっていました。 新藤担当大臣もいろいろと御答弁いただいていたんですが、どういうふうにその後動いて、これは本当に、公党間の約束だと思うんですが、実現する気があるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○新藤国務大臣 松田委員には、国家戦略特区の法案のときには、大変御審議に、いろいろな御意見を頂戴しました。また、真摯に取り組んでいただいた、まさに責任野党、こういったものを地でいく行動をいただいたというふうに思っておりますし、委員会の審議を通じて委員の皆様がこの法案の内容を理解して、そして賛成していただいたということは、私にとっても非常にありがたい、名誉なことだ、このように思っておりますから、当然、御期待に応えられるようにしっかりと取り組んでいく、これは変わっておりません。 そして、税調においても、即時償却を含む設備投資減税、それから研究開発税制の特例、固定資産税の特例、これは今までになかったものを加えたわけであります。新しいものも入れたんです。今委員がおっしゃっているような公党間の約束というものは、国家戦略特区法案の附帯決議において、地方税の減免に際しての国税の調整措置などを検討する、こういうことで、これは附帯決議も付されております。したがいまして、御提案の税制について、我々も前向きに取り組みたい、この姿勢は変わっておりません。 しかし一方で、この税制は、特区のみではなくて、特区外のところにも波及するものがあります。それから、私は何度も申し上げておりますが、大胆な規制緩和そして税制措置というものは、具体的な事業が決まり、地区が決まり、そして成果が見込まれるものについて、これを特区において導入しようではないか、こういうロジックになるわけでありまして、今、そこの国家戦略特区の指定に向けた作業を、最後の段階で、これから集中的に詰めるところまで来ております。 ですから、そういう具体的な特区が定まる中で、そこにおいてのいろいろな可能性というものを我々は検討していかなくてはいけないのではないか、このように考えておるわけであります。
○松田委員 これはどうして今回の税制改正に反映されなかったのか、財務省にもいろいろ聞いてみたら、今おっしゃったようないろいろな特例措置を講じている、これ以上こういったものをやると、特区と特区外のところの間で税の公平の原理に反すると。いかにももっともらしい説明で、そういう説明だったんですが、これは、麻生大臣、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○麻生国務大臣 今、総務大臣の方から御答弁があっておりましたけれども、これは松田先生よく御存じのとおりなので、地方の事業税、これは損金算入されているために、逆に、事業税が減少すれば、結果として法人税が増加するということになるので、地方にとってみたらいいことは一個もないじゃないかというお話なんだというように思っております。 仮に地方税の減免額を損金とみなすということになりますと、これは現行以上のメリットを受けることになるんですが、仮に御提案のような税制を導入する場合、いわゆる特区とは別に地方公共団体が自主的に地方税の減免措置を行う場合との関係の整理をせないかぬということになりますので、これを踏まえますと、ちょっとそんな簡単にはいかぬということが一つであります。 いずれにしても、これは二十六年度改正で講ずることとしたもの以外の新たな税制の創設ということを今と言われても、今後、区域を指定するとか、また、事業内容を具体化した後に、政策の効果とか特区の内外への影響などを検証して、改めて検討してみないかぬところはかなり広範囲に及ぶかなという感じがしております。
○松田委員 今の話は、何かとりたてて優遇措置をとれという話じゃなくて、いかにもおかしいのを正すべきではないかと。地方が汗を流してやったことに対して、国が邪魔をする、阻害をするというのは、これはいかにも地方の自立に反しますし、そもそも国家戦略特区というのは、国家戦略で地方の自立を促進するべき国家戦略なんだと思うんですが、そこからして、政策の設計思想からして矛盾してしまうんじゃないか。私は、そういう意味で、国家戦略の名に値しなくなってしまったのは、この税制をやらなかったからじゃないかというぐらいに思っているんです。 今いろいろと御答弁いただきましたが、本当に実現に向けて決意を、総理の方から御答弁いただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 国家戦略特区に係る税制については、二十六年度改正において、即時償却を含む設備投資減税、研究開発税制の特例、固定資産税の特例など、大胆な施策を講じることとしております。まずは、これを積極的に活用いただくことが重要であろうと考えています。 また、これは公党間の約束ではないかという御指摘でございますが、国家戦略特区法案の附帯決議において、地方税減免に際しての国税の調整措置などを検討するとされたことというふうに承知をしておりますが、御提案の税制については、いわゆる特区とは別に、先ほど財務大臣から答弁をさせていただきましたように、地方団体が自主的に地方税減免措置を行う場合との関係の整理など、種々の議論があると思います。 いずれにいたしましても、新たな税制の創設については、今後、区域を指定し、事業内容が具体化した後に、政策効果や特区内外への影響等を検証した上で検討する必要があると考えています。
○松田委員 税制の論理というのは非常に大事な論理だと私は思うんですが、国家戦略という名をつけた以上、私は、恐らく税の論理より国家戦略の論理の方が上位に来るというふうに思っていますので、これはぜひ、いろいろ検討する事項があるというのであれば、きちっと検討していただいた上で、国家戦略特区の名にふさわしい税制改正にしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、臨時国会のときに、今まだ継続になっていますが、国家公務員改革基本法案ですね。新しい国づくりなので新しい公務員のあり方というものを描くのが、安倍政権が提案する公務員制度改革ではないかと思います。 自民党が野党だったときに、みんなの党と共同提案したもの、これを今般、我々維新の会はほぼ同じ内容を提案しているんですが、そのときに自民党が考えていたのは、私も昔、公務員なので、公務員の立場だとなかなか受け入れがたい二つの措置が削られていた。一つは、再就職のあっせんについての罰則を設けるということが落とされていた。それからもう一つは、幹部公務員の一般職への降格ですね、身分保障を緩和するということが野党のときは提案されていたのに、政権をとると、これを落とした形での法案になった。 先般も、みんなの党の大熊議員がここで質問をされていましたが、稲田大臣もいろいろ答弁されていまして、内閣委員会では何度も答弁を聞きましたけれども、どうして、野党だったときは是としていたものが政権をとったら非になったのか、この辺についての御答弁をいただきたいと思います。
○稲田国務大臣 先般の臨時国会で、ようやく国家公務員制度改革の法案を提出することができました。委員ともかなり委員会で議論をし、委員からは随分大きな観点からの質問をいただいて、基本的な認識、例えば、内閣人事局を設置して、政府の直面する重要課題に対して戦略的な人事配置を実行するとか、公務員が誇りを持って仕事に当たれる制度にするとか、幹部候補育成課程をつくるとか、基本的には一致をしていたかと思います。 そこで、野党時代の法案と大きく違う二つの点ですけれども、一つは、天下りあっせんについて刑事罰をなぜ導入しなかったかでございます。 これは、不正な行為を伴った場合には、既に平成十九年の改正によって刑事罰が規定をされております。しかし、不正な行為を伴わない単なるあっせん行為を、犯罪として刑罰まで処することが、果たして、刑罰を科す他の犯罪とのバランス上適当であるかどうかとか、あと、再就職等監視委員会による監視や再就職状況の公表など刑罰以外の手段をもっても、あっせん抑止を図ることが本当にできないのかという観点から、単なるあっせんについて犯罪とすることについては慎重な立場をとったわけでございます。 さらに、幹部公務員の特別職化ですけれども、部長以上の幹部公務員について、それを全て特別職にして、国公法の、例えば能力・実績主義、政治的中立性の堅持など、そういう公務員としての一般的な規定も全部外すということが果たして妥当か、日本に合うのかというと、それはそうではないのではないかと思います。 また、特例降任制度で、一階級は、能力が劣っていなくても、ほかに適当な人を抜てきするために入れる特例降任制度も規定させていただいたわけであります。 平成二十一年に提出した法案を基本として、自民党政権下で一回、そして民主党政権下で二回、合計三回廃案になっているこの国家公務員に関する改革の法律を、ぜひ今国会で成立させ、春に内閣人事局を設置したいというふうに考えております。
○松田委員 今の御答弁は、理屈としては私も理解しないわけではないんですが、私が聞きたいのは、自民党が野党だったときはそれを提案していたわけですね。どうして政権をとったら変わったのかということを聞きたいんですが、よろしくお願いします。
○稲田国務大臣 平成二十年の改革基本法の大きな理念については全く変わっておりません。今申し上げた理由で、不正行為を伴わないあっせんを犯罪としないこと、そして、特別職に全部するのではなくて特例降任制度という制度にしたという、その二点が違っているわけでありまして、基本的な考え方は全く変わっていないというふうに思います。
○松田委員 天下り規制について、既に再就職をあっせんすることは禁止されていますよね。これに反した人は、国家公務員法のいわゆる処分、これを受けることになっているわけですね。これならいいのに刑事罰じゃ何でいけないのかということになると、これは、結構身内に甘いことをやっているんじゃないかという疑いを持たれちゃうわけですね。いや、そんなことはないんだとこの間も予算委員会で答弁がありましたが、全て自分の実力で再就職しているというのであれば、刑事罰を設けても何にもおかしいことはないじゃないかという疑問が湧いて当然なんですね。 これはやはり、私も官僚をやっていましたからわかりますが、政権をとると官僚が反対することはできない、官僚主導になっているということの一つのあらわれではないかと思うんです。 安倍総理、改革に向けた、ドリルとおっしゃっていましたけれども、この点について、安倍総理の決意をお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 我々の改革に対する確固たる信念は全く変わっていないわけでございまして、この公務員制度改革につきましても、ただいま稲田担当大臣から答弁させていただいたとおりでありまして、我々は、しっかりと公務員制度改革を進めていくことによって、国の戦略に向けて大きな方針を立てた、その方針に従って能力を各省庁の役人が発揮していただく、そして、誇りを持ってその能力を発揮してもらえるような、そういう制度にしていきたい、こう考えているところでございます。
○松田委員 余り官僚を萎縮させてもいけないので、それと同時に、私は、もう少し官僚のあり方そのものをしっかり描いて、もう少し、スペシャリストというのじゃなくてプロフェッショナルとして誇りの持てる職業にしていくとか、それと同時にやっていかないと、なかなか本当の意味での改革はできないんじゃないかと思っております。 それでは、本題の、ちょっと中長期的な観点から、財政の話に移っていきたいと思います。 私ども維新の会もいわゆる保守という立場をとっていますけれども、やはり我々保守というのは、国家への責任ということをしっかりやっていく立場だろうと思っています。 福島原発が想定外のリスクと言われていましたが、今や日本の財政もリスク管理の対象になっている。このリスクをいかに最小化していくかということを考えていかなければいけないんですが、その場合、最悪のケースで何が起こるかということを想定して、それに対して準備をしていくということがやはり必要だと思います。 総理の御認識を聞きたいんですが、よく最近、財政破綻という言葉が真面目に語られるようになってきました。日本でもし財政破綻が起こるとすれば、それはどういう状態であり、それを回避するために財政がどういう状態になることが財政健全化と考えるか、総理の基本的な御認識をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 我が国の財政は、GDPの二倍程度という巨額な公的債務が累積をしているという厳しい状況にあります。そうした中で、万が一国の信認が損なわれるようなことがあれば、金利の上昇等を通じて利払い費が大きく増加するなど、経済、財政、国民生活に重大な影響が及ぶと考えられます。 このため、政府は、常に財政健全化努力をするという意思とプランを市場に示していかなければならない、国の信認を確かなものにしなければならない、こういうことも勘案しながら、本年の四月の消費税の引き上げについて、これは、社会保障制度を、しっかりとしたものを次の世代に引き渡していくということとともに、国の信認ということで、引き上げていく判断をしたわけでございますし、そして、二〇一五年度に、二〇一〇年度から対GDP比のプライマリーバランスの赤字を半減していくという目標をしっかりと実現していかなければならない、このように考えております。
○松田委員 日本の財政、実は多くの人が見落としているんですが、日本は世界最大の対外純資産国、三百兆円も余計に持っているわけですね。これは世界断トツ一位なので、最終的に資金繰り破綻というのはなかなか起こるものではないと思います。ここがギリシャと違うところなんです。 ただ、最終的な調整が行われる過程において、金利が上がったりとか、いろいろな問題が起こる。これはどういうふうに、何が起こるかわからないマーケットでありますので、それが起こらないようにするための最低限の措置というのがやはり財政健全化への道筋を明確に描いていくということだと思うんですね。 先般、一月二十日に、政府の試算、この予算委員会でも何度も議論されていますが、中長期の経済財政に関する試算、これは経済再生ケースでも、プライマリーバランスの目標、二〇二〇年度、達成されない姿になっているんですが、これは当然ギャップがある。 私は、第一次安倍政権のときにどうしても印象に残っているのが、上げ潮路線というのがありまして、まずは経済成長、それから財政再建という状況なんですが、どうも最近の状況を見ていると、まずは財政再建の道筋を示さないと、金利との関係でなかなか経済も活性化する余地が限られているように思うんですが、そういった意味で、二〇二〇年度、プライマリーバランスが達成されない姿を描いているだけでは無責任だと思うんですね。 どういうふうにして達成するのか。この道しかないと安倍総理はおっしゃっていますが、多分、消費税を一〇%よりもさらに上げるしか道がないというふうに見えるんですけれども、麻生大臣はいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 先ほどの中期財政計画において、二〇二〇年度までにプライマリーバランスをゼロにするというのは極めて厳しいという状況にあることは、松田先生、過日出されたあの資料、そのとおりだと、私どももさように認識しております。 それに当たってどうするかというのは、これは二〇一五年、まずはプライマリーバランスを半分ということで、少なくとも昨年の組んだ段階で、毎年四兆円ずつ計八兆円を二〇一五年度までに返済せねばならぬという状態で、これはなかなか厳しいと思っておりましたが、経済が成長したおかげ、結果として税収がふえて、おかげさまで、四兆円が五兆二千億まで返せるようになった。これは明らかに我々の目算より上振れした形になっておりますので、私どもは、二〇二〇年、はなから諦めているということはございません。 私どもとしては基本的に努力をしていかねばならぬと思っておりますが、一層無駄なところの歳出は削減する、さらに経済は成長して、より一層の経済成長ということをやることによって、結果として経済成長と金利のバランスがきちんとしておかないと、これはプライマリーバランスがきちんとなりませんので、そこのところを頭に入れて、経済を成長させて、その範囲内に金利がおさまっていないと、これはずっとということになりますので、私どもとしては、いわゆるバランスというものを見ました場合、対GDP比のバランスというものは極めて重要な一つの指標になる、そう思って努力させていただいております。
○松田委員 今大臣がおっしゃった金利というのは非常に重要なんですが、金利となると今度は金融政策なんです。 金利が名目成長率よりも低い状態というのを、一応、二〇一〇年代は何となくそれを維持する姿が想定されているように見えるんですね。ただ、これは、自然にほっておくと、通常は金利が成長率より高いのが普通なので、これは相当無理をした政策を前提にしている。それがこの異次元の金融緩和にもし来ているとすると、この異次元の金融緩和、これは相当異次元でありまして、これがどの程度きくかなんです。 お手元の資料の一枚目に日米欧のマネー統計というのがありますけれども、これを見ますと、日本と、今やっているんですが、米国やユーロ圏なんか見ましても、アメリカでは、いわゆるマネタリーベースを三倍ぐらい、リーマン・ショック後にふやしても、マネーストック、いわゆるマネーサプライは三割ぐらいしかふえていない。ユーロ圏は、リーマン・ショックの後、二倍ぐらいふやしても、マネーサプライはほとんどふえなかったというように、今、日銀がやっているのは、ブタ積みという言葉もありますけれども、長期国債を買って、その分、銀行からの日銀への預金が膨らんでいる、いわゆる日銀のバランスシートが膨らんでいるだけで、これが本当にマネーサプライにつながるかどうかというのは、実は全く別問題という面があるわけですね。 多少は銀行の融資もふえているといっても、期待したほどふえるためには、やはりインフレ目標も、今円安でとりあえず物価が上がっているのじゃ、これじゃコストプッシュになってしまうので、やはりディマンドプルにならないといけない。そうなってくると、実際マネーがふえないといけないわけですね。 そこまで実際ふえたところで、では、本当に物価上昇が起こる、最初は実質金利が下がって効果があるといいますけれども、そうじゃなくて、ここまで日本の金利が異常に低水準なので、これはやはり、名目金利が上昇してくるというのは、いつかは起こるわけですね。 この状態になると、財政がつじつまが合わなくなる、となってくると、日本銀行はいつまで異次元緩和をやって、何をメルクマールとして、よく出口戦略、これは、バランスシートを拡大すると、QE3のあの店じまいが大変な混乱をもたらしているとおり、リスクも拡大するんですが、どういう経済状態を前提としてこの異次元緩和を継続するか、判断するか。 きょうは日本銀行総裁にもお越しいただいておりますが、日銀の基本的なスタンスについてお聞かせいただければと思います。
○黒田参考人 今議論になっておりますとおり、金利がどのように動くかということは、経済にとっても、また財政にとっても重要なことであるということは御指摘のとおりであります。 一般的に名目長期金利というものは、先行きの経済、物価情勢、言いかえると、名目成長率に関する見通しに、国債を保有することに伴うリスクプレミアムが加わって形成されているというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、日本銀行が行っております量的・質的金融緩和というものも、大量の国債の買い入れによってこのリスクプレミアムを極度に圧縮しているわけでございまして、それによって、経済、物価情勢が改善することに伴って生ずる金利の上昇圧力をかなり抑制しているということでございます。 この量的・質的金融緩和がいつまで続くかということでございますが、これは昨年の四月に定めましたときから一貫して申し上げておりますとおり、二%の物価安定目標を実現し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続するということにしておりまして、先行きの金融政策につきましても、この方針に従って着実に金融緩和を進め、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現したいと思っております。 その結果として、経済がどういうふうになり、あるいはそれがどのように財政に影響するかということは、もとより私どもも重大な関心を持っておりますし、政府も重大な関心を持っておられると思いますが、事金融政策に関しましては、今申し上げた方針で一貫して進めてまいりたいというふうに思っております。
○松田委員 日銀総裁、お忙しいと思いますので、結構でございます。どうもありがとうございました。 金利との関係を考えると、なかなかこの異次元緩和というのは、やめたくてもやめられないというか、とまらないというか、既に今、毎月大体十四兆円ぐらい国債発行していますかね。そのうち七兆円ぐらい、半分ぐらいが、市中銀行を介しているとはいえ、半分ぐらいが日銀引き受けに近い状態。この異常な状態をずっと続けるというわけにもいかないわけですね。いずれ金利が名目成長率よりも上回るときが来るということにならざるを得ないわけでして、政府の先ほどの試算でも、そういう前提になっているようです。 それで、この二枚目ですが、これはもう釈迦に説法みたいな話で恐縮ですが、プライマリーバランスというのはそもそも何かというと、これはプライマリーバランスが達成された状態で、金利と成長率が同じ場合は、債務残高の対GDP比率が一定になるといっているだけのことなんですね。 政府のいわゆる試算では、公債等の対GDP比というのが、二〇二〇年度以降は一見すると安定して低下するということを目指すというふうに政府は言っているんですが、その目標に沿って、一八四、五%ぐらいで安定する姿が描かれているんですが、これは実際はまやかしでありまして、そのときには金利が、自然体で見て、成長率よりも高い状態になっている。その状態では、これは安定するはずがないんですね。 よくよく聞いてみると、これは、金利が上がっていくのが国債の利払いに影響していくタイムラグがあるので、もうちょっと先まで見ると、この公債等の対GDP比は発散的拡大に戻るんだという説明なんですね。要するに、そういう政府が目指している長期的な姿も全く描かれていない。 かつ、政府の推計というのが、どうも二〇二四年度以降について今までなされたことがないんですね。二〇二四年度というのは、ちょうど今の団塊の世代が、年金受給に加えて、後期高齢者の世代に全員が入る年でもありますので、介護とかあるいは医療が膨らんでいく。かなり財政的に厳しくなるのが二〇二四年度以降の話なんですが、そこの推計を出していないんですね。 ぜひこの辺の実態も明らかにすべきだと思うんですけれども、甘利大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 おっしゃるとおり、経済成長率と金利が同一であるならば発散をしないということでありますが、一体、過去の世界の経済の歴史を振り返ってどうなのかといえば、日本で成長率の方が金利を上回ったというのは、いわば高度成長の時代であります。あと、もちろん、デフレ下ではそういうことはない。世界全体を見回しますと半々ですかね、成長率が上回ることもあれば、逆のこともある。 でありますから、プライマリーバランスが均衡するということでは、確かに安心感は培われない。ですから、それから先に、プラスになるように取り組んでいく。そこで、成長率を金利の上昇が若干超えても安定していくようにするということは、そういう視点は大事だというふうに思っております。
○松田委員 金利との関係でいいますと、金利が成長率を下回るようなことを持続させるためには、相当無理やり、力ずくで金融政策で抑えるしかないということに、さっきの話にまた戻ってしまうんですけれどもね。そういう経済の実態を前提とした場合、金利が成長率を上回ることを前提とした場合、やはり財政再建の目標についてもう一回見直す必要があるんじゃないかというふうな気がしないでもありません。 資料をもう一枚めくっていただくと、財政再建目標と現状とのギャップというのが書いてあります。 かつて、財政再建目標の国際標準というのは、国債発行残高が一定になる、大事なのは国なので、これは国の予算だけ抜き出していますけれども、それとのギャップというのが、これは元本償還費と公債金収入がイコールになると国債発行残高はふえないんですが、二十六年度、来年度予算では、ギャップが二十八兆円もあるわけですね、二十八・一兆円。この二十八・一兆円をきちっと埋め合わせるためには、増税によるのか歳出削減によるのか、相当な規模の努力が必要になる。 さらに言うと、今、赤字公債、こんなにたくさん出ていますが、これは本来は財政法で禁じられている状態ですね。これを、禁じられていない正常な状態に戻すと、これは九〇年度に一度だけ達成された赤字国債ゼロというところとのギャップというのは三十五兆円もあるということで、気の遠くなるような額があるわけですね。 そういった意味で、プライマリーバランスプラスアルファあるいはベータも必要ではないかと私は思っていますけれども、この辺について、財政再建目標について、その辺も勘案した目標の立て方、財務大臣、どういうふうにお考えになっているか、御答弁いただければと思います。
○麻生国務大臣 これは御指摘のとおりなのであって、金利と経済成長率が、どちらが多いか少ないかによって変わってくる、先ほど、この前の紙の、こちらのページのところにお示しになっている、このとおりの形になります。上から、名目金利とGDPの成長率の、再生のケース、そのぐらいの成長率の場合、この数字のとおり、このとおりなので、こういった方向で、私どもとしては、今、金利を少なくとも一・八を見ておりますけれども、実質は〇・六ということになっておりまして、今は三分の一程度の金利ということになっております。 しかし、松田先生、先生も我々も同じような経済学を習ったんですけれども、大体五百兆で借金が一千兆なんという、税収でいけば五十兆に一千兆というような話ですから。そうすると、普通は、昔はもうちょっと、二百兆とか二百五十兆のときに比べて、あのときは金利は六%、七%。それが、借金が四倍になって、いきなり金利の方は十分の一になったなどというような経済学は、我々はもう全く習ったことがない状況になっておりますので、世界じゅう、これらのことがきちんと言える方はどこにもいらっしゃらないんだとは思っていますけれども。 いずれにしても、そういった状況の中で、我々は、まずはプライマリーバランスのところからスタートさせねばならぬと思っておりますので、おっしゃるとおり、二〇二四年度以降等々、長期的なことをきちんと、国家の財政を運営する者としては、きちんと今後、長期的な面で考えておく必要がある、私どももそう思います。
○松田委員 時間がなくなってきたのであれなんですが、お配りした紙の四枚目ですか、「社会保障四経費とその他の経費に係る歳出・歳入」というのをお配りしていると思います。 要するに、財政の実態、それから、これから私は増税せざるを得ないと思うんですが、その際に、何のために増税するのかについての国民の納得をもっと得られるような財政運営というのをちゃんとやらなきゃいけない。 私、昨年の通常国会で、財務金融委員会で麻生大臣にも御質問いたしましたが、消費税というのは、そもそも社会保障目的税に近いようなものであれば、社会保障だけ取り出した特別勘定みたいなのをつくって、特別会計をつくれとまで言いますとこれまた問題かもしれませんが、わかりやすく示すべきだと申し上げましたら、予算のポイントの資料ということで財務省がこういうことをちゃんとつくってきたので、我々はこれは大変高く評価しています。 社会保障四経費というものを切り出して、歳入として消費税収があり、そして残りは公債金であると。こうすると、公債金の部分が将来世代に負担してもらっている部分であるということになるわけですね。この関係は非常によくわかるんですね。 それで、私は、本当の消費税の負担とは何かというと、消費税というのは、要するに、基本的に社会保障給付に充てられるとすれば、これは国民から国民にお金を移転しているものなんですね。移転をしているというものは、国民経済全体として見ると、今、原発の再稼働が停止されて、原油で産油国に所得が漏出しているのと違って、これは国民経済全体として見ると負担ではないんですね、この関係が成り立つ限り。 ところが、これが成り立たない。つまり、増税を先送りして、公債金等に依存しているところを減らそうとすると、これがいわゆる、マクロ経済でいうと、現在の経済に対して負荷を与える。これは、将来世代にツケ回ししていた分を今の私たちの世代が負担しようという部分ですから、ここのところなんですね、本当の負担というのは。 財政の実態をきちっと国民に語らないで、こうやって先送りを続けてくると、ここの部分が膨らんでいく。だから、今回も五・五兆円の補正予算を打って、ここの部分のマイナスがあるからやらなきゃいけない。せっかく税収がふえたんだから、過去の国債の残高の減に使えるのに、やはり景気対策に使わざるを得ない。それも相当、この予算委員会でも追及されたように、基金を積んだりして、無理やり何かお金を出そうとしている、こういうことになっちゃう。これも全部が負担なんですね。先送りにすると、かえっていつかもっと大きな負担になるということを、もっとはっきりとわかるような財政運営に改革すべきではないかと私は常々思っています。 そういった意味で、維新の会は、既に財政健全化責任法案というのを出して、もう少し長期的に見た財政の姿をわかりやすく明示すべきである、それに対して政治が責任を持って運営をすべきであるという法案を出しているんですが、このことも含めて、国民に見える化された財政運営ということについて、総理の御見解を伺いたいと思います。 〔委員長退席、森山委員長代理着席〕
○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、我が国の財政については、GDPの二倍程度という巨額の公的債務が累積をしているわけでございまして、急速な少子高齢化により年々ふえていく年金、医療、介護などの費用を賄っていかなければなりません。こうした財政状況については、今、松田委員が御指摘になったように、丁寧にわかりやすく国民の皆様に御説明をしていく必要があると思います。 我が国の信認を維持していくため、政府としては、財政健全化目標の達成に向けて、中期財政計画に沿って、歳出歳入両面の取り組みを強力に進めていくこととしております。平成二十六年度予算では、一般会計の基礎的財政収支について、中期財政計画の目標を上回る五・二兆円の改善を実現するなど、財政健全化に向けて着実に進んでいるところであります。 また、国の信認を確保するとともに、先ほど申し上げましたように、世界に誇る我が国の社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任を果たしていくために、本年の四月に消費税を八%に引き上げることとしております。 国民の皆様に、こうした御負担についても、そしてまた先ほどお話をさせていただいた財政状況についても、丁寧に説明をしていきたい、このように思います。
○松田委員 時間が来ましたけれども、レトリックの大変巧みな安倍政権なので、夢をレトリックで描くだけじゃなくて、これから国民が直面しなければならない課題、それを克服しなければいけない、こういうマイルストーンを示しながら、頑張る人を応援する、そういう運営をぜひ、私たちもそれについては応援したいと思っていますので、ぜひ期待して、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○森山委員長代理 これにて松田君の質疑は終了いたしました。 次に、浦野靖人君。
○浦野委員 日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いをいたします。 まず最初に、冬季オリンピックが始まりまして、メダリストも続々出てきておりますけれども、安倍総理、開会式に行かれました。そこでプーチン大統領と、プーチン大統領に贈られた秋田犬ですけれども、ゆめ号、お会いしたそうなんですけれども、実は、私の家にも秋田犬がおりまして、プーチン大統領のところにいる秋田犬と私の家にいる秋田犬は親戚でありまして、非常にかわいかったと思います。ぜひ総理も、秋田犬、いかがでしょうか。 冬季オリンピック、今やっていますけれども、この後にまた、冬季のパラリンピックが始まります。総理、恐らく日程上大変厳しいとは思うんですけれども、私、ぜひパラリンピックにも、一日でもいいので、総理が顔を出してあげていただけたらなと。私もスキーをやっていた人間ですので、ぜひ、日程上非常に厳しいのはわかっているんですけれども、もしできるならばと思っているんですけれども、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 日ロ首脳会談を行った際、プーチン大統領は秋田犬を連れてきて出てこられたんですが、かわいいというよりも非常に強そうという、そんな雰囲気でございました。 そこで、パラリンピックでありますが、ソチで開催されている、現在はオリンピック、そしてこの後にパラリンピックが開催されるわけでございます。私も、パラリンピックの日本代表選手の壮行会には出席をさせていただき、エールを送ったところでございます。 オリンピックとともにパラリンピック、これは、多くの人たちにあのひたむきな活躍は勇気を与えるわけでございますので、政府としても、このパラリンピックの開会式、国会等の日程等々はございますが、どのような形で開会式に出席をするかということについては検討していきたい、このように思っております。
○浦野委員 与野党が協力をすればそういう日程もつくれると思いますので、私は協力をさせていただけたらなと思っております。 それでは、きょう通告しておりました質問に入らせていただきたいと思います。 総理、大阪都構想に賛成でしょうか、反対でしょうか、率直に。
○安倍内閣総理大臣 大阪都構想については、大阪都構想を実現する制度的な枠組みとして、既に、平成二十四年九月に議員立法により大都市地域特別区設置法が成立をしたわけでございまして、私も当然賛成をしているわけでございます。 大阪府と大阪市においては、同法に基づく特別区設置協議会が設置をされて、大阪都構想実現に向けて協議が行われているというふうに承知をしております。
○浦野委員 これは、地方自治のあり方、統治機構を改革していく上で、今大阪が直面しているいろいろなことというのは、恐らく、これから各都道府県で道州制が議論されてくる中でも出てくる話と一緒だと私は思っているんですね。 どういうことかといいますと、もともと私も自民党の府議会議員でありました。私の父も自民党の府会議員でありました。祖父もでした。祖母もでした。西野弘一先生もいらっしゃいますけれども、西野先生のお父様もそうでしたし、よく似ているんですけれども、いわば大阪の自民党の古い古い、よく批判を受ける世襲の議員の人間なわけでした。 私が当選をさせていただいたのは三十歳のときで、それは、父が病気で亡くなってしまって、その後を受けて私が立候補をさせていただいて、御支援をいただいて当選をさせていただいたわけですけれども、私、自民党府連の所属の青年局にもいましたし、自民党の内部のいろいろな話ももちろんよく存じ上げているつもりです。 大阪の自民党は、都構想、この都構想という言い方については、都という言葉を使うことについていろいろ意見はありますけれども、これはわかりやすく説明するために都構想という言葉をあえて我々は使っているわけですけれども、このことについて、当初から大阪の自民党には同じような話、詳細な設計図はないですよ、ただ、同じような概念でそれをしていくんだということは言ってきたという認識なんですね。 そのことを裏づける話は、もちろん谷川秀善大先輩も公式の場で、もともとはわしらが言うてきたことやという発言をテレビでもされたりしていますし、今の自民党の中にいらっしゃる大阪の地方議員の先生の中にも、いや、都構想を橋下に教えたのは俺やと言っている人もいるぐらいです。ですから、実は、これはもともと自民党が掲げていた政策なんですね。 では、それがなぜ進まなかったか。この政策というのは、ぽっと出の政策ではなくて、大阪の自民党府連の中ではずっと言われ続けていたことです。なぜ進まなかったかといいますと、大阪の府会議員、私は府会議員でした、それと、政令市の大阪市の市会議員の先生方、目指すところは一緒なんですね。どういうことかといいますと、広域行政体を一つにまとめる、基礎自治体を一つにまとめる。 大阪市内の先生方はこういう言い方をするんです。大阪市の周辺市町村を合併していけば、例えば、私は大阪市からすぐ南にある松原市に住んでいますけれども、松原市を合併して松原区にしていく。その周辺市町村をどんどん合併していくと、大きな政令市の大阪市が生まれます。 そうなると、広域自治の、広域行政のトップは大阪市長ですね。基礎自治体のトップも大阪市長になるわけですけれども、大阪府、我々大阪府会議員の中で言われていたのは、いや、そうじゃなくて、大阪市が持っている広域の権限を大阪府に集約して、広域のことは大阪府で決めていきましょう、だから、広域の話は大阪府知事がトップで、基礎自治のことは大阪市長がトップでやろうと。要は、指揮官を一人に。広域行政の指揮官を一人、市町村の基礎自治体の指揮官を一人。いずれにしても、どういう人がやるにしても、指示命令系統は一つにしようというのがもともとの話だったんですね。 最後の進むべき方向は一緒だったんです。総論は賛成だったわけですね。 ところが、各論になると、やはり話がまとまらない。大阪市の人たちは、大阪市が持っている権限を大阪府に何で渡さなあかんねんということで反対をしました。我々は、いや、やはり同じ広域行政で同じ問題を抱えたときに、では誰が最後に判断をするのか。これは、大阪市内は大阪市長が権限を持っていて、大阪市外は府知事が持っているという非常に大変な状態が続いて、これがいわゆる二重行政のもととなったわけですね。 今の自民党の大阪府連所属の府会議員の先生方は、二重行政なんてないというふうにおっしゃっている先生も、今突然ですけれどもね、前は言っていましたけれども、ないというふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。 なぜ話がまとまってこなかったか、何で維新の会という政党ができたか。それは、私たちが自民党にいたときに、では話をまとめましょうという話は一つもなかったんです。政策としてあったにもかかわらず、その意見を集約して、どっちに帰するか、大阪府が権限を持って進めるのか、大阪市を大きくしていくのか、そういった議論もなかった。そしてそれを、口では言っていたけれども、決められなかった。 我々は、そうじゃなくて、これはもうそろそろ、今手をつけていかないと、僕たちの次の世代の人たちに迷惑がかかる、だからこそやり抜こうということで、大阪維新の会というのができて、それに賛同した候補者が集って、今の形があるわけです。 この歴史、こういう歴史的な背景、これはずっと続いてきました。今の大阪の自民党、民主党、公明党さんもみんな同じことを、共産党さんも同じことを言うんですけれども、今ちゃんとうまいこといっているやないか、大阪市長と大阪府知事が話し合いをして、ちゃんと前に進んでいるやないか、それで構へんやないかと言うんですけれども、それは、たまたま今、大阪維新の会の出身の二人が知事と市長であるからできる話なんです。 では過去に、自民党、公明党、自公が推薦して当選してきた市長、府知事がいなかったかというと、実はほとんどそうです。今現在、自民党の参議院にいらっしゃる太田房江さんもそういう一人ですね。そのときの市長は磯村さん、最初の市長は磯村さんでした。その後は関さんでした。その人たちも、同じ政党が応援しているのに、話ができなかったです、非常によくもめました。どんなふうにもめたかは、太田さんに聞けばよくわかるとは思いますけれども。 同じ政党が推した首長さんであっても、そうやって話がまとまらない時代が長く続いたのが大阪だったんですね。 これを、今、皆さん、大阪だけの特別な問題だというふうに思っている方もたくさんいらっしゃいますけれども、実は、統治機構の改革をこれから、道州制にしろ何にしろ進めるに当たって、必ずこのような問題は起きてきます。 そのときに、では、我々の役割は何かということを総理はどう思われますか。政治家の役割は何かと思われますか。
○新藤国務大臣 都道府県と指定都市の間の二重行政の問題、これはやはり大きな課題として、地方制度の調査会においてもテーマとして取り組んでいただいております。 また、何よりも、住民自治という意味から、そして団体自治、この地方自治の本旨からして、これは、その地域に住む人たちがみずからの意思で、そして、無駄なく、皆さんの納得のいく、そういう方法で自治体を運営できる、これを実現することは非常に重要だと思います。 ですから、大阪都と言われるこの構想につきましては、特別に、それらを実現する制度的な取り組みとしての大都市地域特別区設置法、こういったものがこの国会においても議論されて、成立したわけですから、私どもとすれば、今度は、大阪の住民の意思に基づいてその手続が進められるならば、それを我々は支援する。もう行政の手続に入っているわけでありますから。そういったことであります。 そして、全国の二重行政の問題につきましては、今般、都道府県と指定都市との二重行政を解消するためのことも含めた地方自治法の改正というものを考えて、これは不断の見直しをしながら制度的な整備をしていきたい、このように考えるわけでございます。
○浦野委員 当然、想定されたやじが飛ぶわけですけれども、大阪でやっとけということを思われる方はたくさんいらっしゃるかもしれませんけれども、統治機構の改革をしようと思ったら、こういう問題というのは絶対どこでも出てくると思うんですね。そのときに、乗り越えないといけない大きな壁の一つだと思います。やはり、お互いが権限を持っていて、それを組みかえていく、権限を取り上げていく、そういう作業を必ずしないといけないところがやってきます。 そのときに、同じ政党内にあっても意見が分かれるようなことに対して、我々は、政治家はやはり方向性を一つ決めて、やりますというふうにして選挙に挑む、このことを、そこの作業を必ずしないとだめだと思うんですね。 我々は、大阪で統一地方選挙を戦いました、ダブル選挙も戦いました、参議院も戦いました。その中で、我々の支持をしていただいた方々の票というのは多かったわけです。ということは、住民はそれを望んでいただいている。 その中で、ただ、都構想というのはどういうものなのという、これは今まさに、それを進めていこうという、橋下徹がいつも言うことですけれども、最後の階段に今足を踏み上げている、最後の階段の段に上ろうとしているときに、やはり我々もそれなりの設計図、きちっとした設計図を出さないといけないという段階まで来ている。その設計図を出させていただきたい。 そのためには、今やっている法定協議会の中でその案を出させてほしいということになっているわけですけれども、議会の構成と市長の権限、地方は二元代表制ですから、議会の権限もかなり重視をしないといけません。そのために、もう一度、住民の意見を聞きたいということで出直し選挙をするという判断になったんだと思うんですけれども、これについても、六億円という選挙費用がかかる、これが無駄遣いだというふうに言われます。 しかし、政治の世界で、どういったことをやっていこうという、政治家が決めた方向性に審判を下せる、これは住民投票でやればいいじゃないかと言う人もいますけれども、住民投票も、やるかやらないかを決めるのは、まだまだこの先、決める期間があるわけですね。その手前に、大阪市民全員が参加できる住民投票みたいなものが、市長選挙の出直し選挙なんですね。 ですから、私は、民主主義というのはよくコストがかかるというふうに言われますけれども、まさにそのとおりだと思います。 例えば、第二次安倍内閣ができた衆議院選挙、この前の三年数カ月、私も、地方で、何とか早く終わってもらえないかなと思っていた一人です。でも、それには、衆議院選挙という、大きな大きな民主主義のコストをかけてやらなければいけない壁があったわけです。このコストをかけて地方のことを決めていく、これはまさに住民自治の基本だというふうに思っております。 選挙によってそういうことを決めていくというのは、非常に批判も確かにあります。しかし、例えば道州制でも、では、詳細な設計図というのはどれぐらいまでできているか、お答えいただけますか。
○新藤国務大臣 道州制は、国の統治機構を見直す、それから住民の暮らしを、また行政というものを見直す大きな改革だと思います。したがいまして、それは国家の統治の根幹にかかわることであり、地方自治の根幹にかかわることであります。これは広範な国民的議論が必要だ、それには、国民の代表である議会が、今、各政党間でのいろいろな御議論をいただいているということ、それがまず第一であります。 政権といたしましては、前政権時代に、道州制は担当大臣も置かれませんでした。ですから、安倍内閣になって改めて道州制の担当大臣というのを置いて、今、不肖私がそれを拝命しているわけでありますが、そういった国民的な議論、そして与党内での御議論、また国会内での議論、こういったものを踏まえながら、我々とすれば、それに対して適切な対応をしていきたいということであります。 今、現状においては、いろいろな制度設計が図られつつありますが、その前に、さまざまな御意見があります。地方の、実際に今現実に地方自治を担っている皆さんからのいろいろな声がありますから、そういったものとも意見の交換が行われている、このように承知をしております。
○浦野委員 道州制にしても、これはもう進めるんだということは政治の力で決めたというふうに私は思っています。その決めた方向に沿ってこれから詳細な制度を設計していく、これからつくっていくという作業が今行われているんだというふうに私は認識をしております。 大阪でやっている都構想ということも、設計図はこれからつくっていく、まあ、かなり詳細な設計図をかなりの時間をかけてつくってまいりました。その段階まで今来ている中で、よくマスコミも批判をされますけれども、そこから、政治の決めるべき方向、そういうものはもう既に終わっていて、次の段階なんだというふうに私は思っています。 安倍総理も、政治が決めること、今私が言っている道州制のことについてもそうですけれども、政治が方向を決めるという作業が今いろいろなところで、安倍総理の中で進行していると思いますけれども、その点について、政治家の役割というのは安倍総理はどう思われますか。
○安倍内閣総理大臣 行政における政治家の役割でありますが、いわば、選挙において各党が政権公約を掲げるわけであります。 我が党も、先ほど御紹介をいただきましたが、一昨年の暮れの選挙において政権を奪還したのでありますが、その際、政権公約をお示しいたしました。そして、このお示しをした政権公約にのっとって、例えば経済においては、三本の矢の政策によってデフレから脱却をして力強く成長していく、この政策を前に進めていく。それは今までのやり方とは変えなければいけないわけでありますが、そこにおいてはしっかりと政治家が判断をしていく、国民に選ばれた政治家が判断をしていくということであります。 その都度その都度で判断したことについては、それは次の選挙において国民によって審判がなされるということではないかと思います。
○新藤国務大臣 誤解があるといけませんので、ここはきちんと整理をさせていただきたいと思いますが、今、道州制について詳細設計がこれから進められる、こういう御意見、御質問がございました。 そうではなくて、現状においては、道州制の具体的設計を行う、その調査審議を行う道州制の国民会議、これを設置することも含めた基本法が与党内において議論されているわけであります。 ですから、今、どのように進めていくか、どんな形にしていくべきかということをこれから決めていきましょうという枠組みを決めている、こういう状態でありますから、それができまして、そして国会内での御議論がありますと、それを受けて、今度は行政としての詳細設計に入っていくという状態でございますから、そこは誤解のなきように、よろしくお願いしたいと思います。
○浦野委員 長々と大阪のことにおつき合いをいただきまして、ありがとうございました。またよろしくお願いをいたします。 次の質問に移りたいと思います。 これは、私が国会議員にならせていただいて初めて質問をした内容の一つなんですけれども、児童虐待についてなんです。 児童虐待、田村厚生労働大臣には、いろいろと御理解をいただいて、御理解をいただいた上で、やはりなかなか難しいという御答弁をその当時いただいたことなんですけれども、まず一点目に、児童相談員の拡充ですね。 実際に子供たちの安全を守る最前線に立っておられる相談員の人数というのは、非常に少なくなっております。少なくなっているわけではないんですけれども、事例が多過ぎて追いつかないというケースが各都道府県で出てきております。 私は、国が基準としている配置基準と市町村が必要だと言っている基準が全く違うという部分もあって、そこを何とか国の方で、もっと基準を見直して、人をたくさんつくってほしい、相談員をふやしてほしいというお願いをさせていただいていたと思うんですけれども、その点については、今、何か進捗はあるんでしょうか。
○田村国務大臣 人員の問題はなかなか厳しいということは委員も十分に御承知の中で、そのような御質問をいただいている部分だと思います。 事案が非常に多くなってきておる部分、もちろん、今もなお、この児童虐待で痛ましい事件が起こっておるということ、これを根絶できていないということは、我々としても大変反省しなければいけない部分もあるわけでありますけれども、現状の人員の中で、警察等々、また医療機関等々としっかりと連携をしながら、なるべく早く、そのような痕跡が見つかったときにはすぐに対応できるというような、そういう体制をつくっていくということでございます。 後ほどまた御質問があられるんだと思いますけれども、共通ダイヤル、これに関しても、語呂をもうちょっとうまく合わせるべきだと。私自身、これは今まで、なかなか、語呂が悪いじゃないか、何かいい語呂はないのかという話もございましたので、〇五七〇—〇六四—〇〇〇という番号でありますけれども、行おう、無視はだめだめというふうに覚えれば、これは覚えやすいんじゃないかというふうに思いますが。 そういうことも含めて周知徹底を図っていって、とにかく、何かあったときには周りの方々もそれを見過ごさない、そのような体制を組んでいかなければならぬというふうに思っております。
○浦野委員 先ほどの田村大臣の語呂合わせで覚えられた人は、何人いらっしゃいますか。 非常に覚えるのが難しいんですね。そのときの質問のときでも、今その番号を答えられる人はいますかと言ったときに、恐らく誰も答えられなかったと思います。そんな番号では意味がないんですね。やはり一一〇番、一一九番、誰もが知っている番号じゃないと、虐待の通知はすぐにはできない。 さきにお話もしていただきましたけれども、これは、お金をかけて、政治が決めたら導入できることなんですね。ですから、これは、総理、やるかやらないか、総理が決めていただけたらできる話なんです。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 この御質問をいただきまして、私もいろいろと調べてみました。 確かに、この相談件数あるいは通告件数がふえているわけでありますが、児童虐待を未然に防止するためには、児童相談所が中心となって、警察や医療機関、学校、保育所など、子供がかかわるさまざまな機関が連携して、早期の発見、対応に取り組んでいくことが重要であろう、このように思います。 そこで、そういう、虐待をしているのではないかということを認知した人がダイヤルをするわけでございますが、その際、警察に連絡される方もおられますから、警察と児童相談所との連携については、個別事案における情報共有のほかに、虐待対応に係る合同研修を引き続き行っていくなど、一層の強化を図っていきたい、このように思います。 この共通のダイヤル、一一〇番のような三桁の番号ということでございますが、その御提案は建設的な御提案なんだろう、このように思います。これは、通報の件数、また頻度等もよく検討しながら、重要な課題でございますので早速検討させていきたい、このように思います。
○浦野委員 ぜひよろしくお願いいたします。 今、現状では、みんな番号がわからないので警察に通報するんですね。だから、警察の方で、今総理がお答えいただいたように、もうちょっと、児童相談員を常駐させるとか、これも私、質問のときに提案させてもらっていますけれども、警察内でそういう体制を整えるという対応も私は必要なんだろうなとは思います。 いずれにしても、例えば補正予算で、基金で五百五十億というお金が文科省で積まれたので、我々はそれは反対しましたけれども、そういうお金を虐待通知番号の整備に充てられるわけですよね。私はそれは政治の仕事だと思っていますので、ぜひいい判断をしていただけたらと思います。 次に、安倍内閣は、女性の社会進出について非常にいろいろと、今回、今までにないような政策を打ってきております。 私はこの中で、私も実際子供のときから、実家が保育園ですので、女性が働く姿というのは当たり前に見てきました。保育園ですから、今私の保育園で働いている方は九九%女性です。女性の社会進出がある意味一番大きな業界だとは思うんですけれども、女性が働く姿が当たり前で育ってきた私からすると、今安倍政権が進めている女性の社会進出について、その全体像というか、それがよくわからない。 要は、ちょっと時間がなくなってきたのではしょりますけれども、女性がこれから目指すべきワーク・ライフ・バランスというものは一体どういうものなのかというビジョンというのは何かあるんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 女性がまさに誇りと自信を持って輝いていくような、そういう社会をつくっていきたいと思っておりますが、ワーク・ライフ・バランスについてでありますが、基本的に、日本の場合は、男が働いて、奥さんが家を守って子供を産み育てる、こういう社会でありましたから、勤務形態等も含めてそういう成り立ちになっていると言ってもいいんだろう、このように思います。 その中において、いわば特に戦後の高度経済成長期においては、仕事が全く中心になっていくということ、家族の営みというのはこれにプラスアルファするような位置づけであったかもしれない、こう思うわけでありますが、まさにワーク・ライフ・バランスにおいては、それをバランスをとっていくということについては、仕事と家庭生活のバランスをとっていくということであり、かつまた、家庭と仕事のバランスをとっていく中において、女性が子供を産み育てながら仕事を持って、しっかりとその仕事も続けていくということが可能になるような、そういうバランスをしっかりととっていくことができるかどうか。 また、子育てにおいても、男女間において協力して子育てを行っていくということも大切なんだろう。それぞれの特性もあるわけでありますが。 ということでありまして、それには、当然、社会全体でそれを考えていく必要もありますし、会社もそれにしっかりと協力をしていくということではないか、このように思います。 同時に、そのことによって、それは企業にとってプラスなのかマイナスなのかということも考えていく必要もあるんだろうと思いますが、しかし、それが基本的には実はその企業にとってもプラスになっていくんだという分析もあるわけでございますし、そして、その面もしっかりと伸ばしていくことによって、そうしたワーク・ライフ・バランスがしっかりと可能になる社会を実現していくことにつながっていくのではないか、このように考えております。
○浦野委員 私は、女性の働き方、これはもちろん大事なんですけれども、男性がどれだけ協力できるか、意識改革ができるか、これが実は一番の鍵なんじゃないかなと思っております。私の妻もばりばり働く人ですので、お互いが協力をし合って仕事をする、これが非常に重要なんだと思っています。 例えば、雇用保険法の改正案、今回出されています。その中に、法案の説明の中で触れられていますけれども、男性の育児休業はたったの四千人しかとっていないんですね。これはもうまさに、男性の皆さんが育児に対してどういう認識かというのを物語る数字だと思うんです。これは、我々男性がやはりもっと協力をしていく、そういうことを考えていかないといけないんじゃないかなと思います。 自民党の国会議員の女性議員の方のブログにも自民党内の男性議員の悪口が書かれてあったりとかして、それはそれで党内で問題になられたそうですけれども、ああいうのを見ていると、やはり、政治家の中でも男性と女性の意識の差というのは非常に大きいと思うんです。ぜひ、まずは我々政治家の方からそういう認識を正して、女性の社会進出をバックアップできたらなと思います。 フィリピンなんかは非常に女性の社会進出が高い国です。さらに驚くのは、合計特殊出生率が三・一も今もあるんです。これは、日本が追い求めている数字を両方今実現している国なんですね。 どういう国かというと、女性の社会進出が非常に進んだ、アキノ大統領の時代にそれを掲げてやられたという歴史があって、非常に進んだという国であります。一概にそれがすばらしいということではないというのは、私も、いろいろな他の問題も抱えながらそういう数字が出ているということは承知していますけれども、我々はやはり、まず、この国が今まで培ってきた社会的な構造を考え直さない限り、この問題はなかなか解決できないんじゃないか。そこまですることができるかどうかというのは、私は、かなりチャレンジしていかないといけないんじゃないかと思っております。 最後に、今度、臨財債がまた五度目の延長の法案が出てきますけれども、この延長を考える前に、何か対策を講じるべきことをしないといけないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 〔森山委員長代理退席、金田委員長代理着席〕
○新藤国務大臣 臨時財政対策債のことでよろしゅうございますね。 これは、巨額の財源不足を国、地方が折半で負担をする、こういうことでありまして、まさに臨時の異例の措置であります。しかし、巨額の財源不足というのが続いている、こういう現状があって、これを何とか直さなければいけないということだと思います。 それには、まずは、地域を活性化させて景気を回復させて、税収をふやす。そして、地方の歳出構造の見直しをして、できるだけ無駄を少なくして、シンプルなものに、スリムなものにしていく。この両方から地方の財政、財務体質を強化充実させることによって、臨財債の発行というのはなくすことができる。それを目指さなければいけないわけであります。 現実に、平成十九年と二十年は、新規の臨財債を発行せずに済んだんです。これは、税収がきちんと確保できたということであります。それから、二十六年度は、今回、臨財債を六千億抑制することができました。 ですから、そういう不断の努力をしながら、国全体、地方を挙げて経済を活性化させていかなくてはならない、こういうことだと思います。
○浦野委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○金田委員長代理 これにて浦野君の質疑は終了いたしました。 次に、今井雅人君。
○今井委員 日本維新の会の今井雅人でございます。 総理初め閣僚の皆様には、長時間、真摯に質疑に立っていただきまして、心から敬意を表したいと思います。 その上で、私もずっと質疑を聞いておりまして、なるほどなというのもありましたけれども、これはどうかなというのも幾つかありまして、そのうちの一つをお伺いしたいんです。総理にお伺いしたいと思います。ちょっとこれは通告しておりませんが、発言の内容の確認でありますので。 月曜日、民主党の海江田代表との質疑の中で、海江田代表がずっと補正予算と本予算の関係について、いろいろと御質問されておられました。その後に、もう本当に最後の段階で、ほかの話題になっていたんですけれども、ちょっと戻って、先ほどの話に戻りますけれども補正予算と本予算を一体で批判するというのは間違っていると思いますよという御答弁をされていたと思います。 そのときにおっしゃっていたのは、本予算は概算要求でつくっており、その後、消費税を引き上げることになって、そのための対策を打ったということであるので、これは別々に考えるべきである、そういう御見解だったと思います。 それも一つの考え方だと思いますけれども、我が党の桜内議員あるいは民主党の玉木議員が指摘をしていたとおり、行政レビューで五千億近い見直しがかかり、それは廃止ということになって見直しだということでありますけれども、その予算が、本予算に戻らないで補正予算に戻ってしまっているわけでありますから、そういう意味では、これはある意味、一体で考えるべきであると思いますし、ほかの予算を見ても、同じ基金に、例えば、本予算と補正予算に同じ基金が十三個も積まれていますし、ほかの事業でも半分ぐらいずつ積んでいるという事業もあるわけですね。 そういうことを考えますと、きょうの朝、玉木議員がプライマリーバランスの話をしていました。SNAベースでもこれは一体に考えなきゃいけないわけでありますから、そういう意味においては、補正予算と本予算というのは一体でやはり考えて、そこを批評するというのは私は別に間違いだとは思わないんですけれども、これについての総理のお考えをいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先ほどの玉木議員との議論の際にもお話をさせていただいたんですが、つまり、補正予算と本予算との関係なんですが、補正予算というのは、臨時に緊急の目的があって支出をする予算でございます。リーマン・ショックの際には、あれだけ大きな経済危機、金融危機が迫る中において、国の経済をしっかりと底支えさせなければならないという中において、大きな補正予算を組んだわけであります。 それは当然、当初予算を組む前に予測されていたわけではない。と同時に、それは機動的に、臨時的に活用しなければならないという予算でもあります。また、これは地方議会の関係もあって、補正予算として組んで機動的に支出をしていくというものでもあるわけであります。 今回の私どもの補正予算についても、四月から消費税を五%から八%に上げていく中において、反動減を緩和していく、消費税の影響を緩和していく。そして、七月から成長軌道に戻れるようにするための経済対策として五・五兆円、マクロ的には五・五兆円必要だろうという中において、そしてそれを、無駄遣いはもちろん厳に慎み、この補正予算の目的に資するものについて予算を積んでいったということでございます。 一方、当初予算というのは、その政権が掲げている政策をまさに反映していくものでありまして、こういう政策についてしっかりとこれから進めていきますよというものを反映させていくわけでありまして、まさに政権の政策に対するスタンス、あるいはまた財政規律に対するスタンスを示すものであろう、私はこう考えるわけでありまして、だからこそ、当初予算同士を比較するということが当然のことなんだろうと私は考えているところでございます。
○今井委員 午前中の御答弁と大体同じで、これは水かけ論になると思いますけれども、もしそうであるならば、実は、昨年も私、この予算委員会でお話ししたんです。 昨年はこういう話をしました。昨年の予算のポイントは十五カ月予算であるというふうに言っていながら、プライマリーバランスのところは十二カ月だけで改善しているという、やはり同じ紙にこういう違うことが書いてあるのはおかしいじゃないですかということを申し上げたと思います。 今回、資料の最後にありますけれども、「平成二十六年度予算のポイント」、さすがに十五カ月とかそういうこともないですし、プライマリーバランスのこともそんなに強調していないんですが、真ん中のところで「二十五年度補正予算と一体的に編成。」と書いてあるわけです、一体的にと。 ですから、これは言葉尻の話ではありますけれども、言葉が実は大事ですので、こちらでは一体的に編成をしていると言って、御答弁ではこれは別々のものであるということを答弁されると、言葉だけの話ですけれども非常にわかりにくいので、こういう表現はちょっと変えた方がいいんじゃないかと思うんですが、財務大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 日本全体の財政の健全化という点でいえば、SNAでやっているわけですね。これは連結の決算ベースです。ありとあらゆるものを込みでやっています。これが、日本の財政が健全化していくかどうかの一番正しい姿だと思います。 一方で、補正予算というのは、時々の事情があります。年度予算、本予算というのは、政権の姿勢がそれに貫かれているわけですね。ですから、補正があるときとないとき、いろいろあります。事象が起きるとき、起きないときがあります。 基本的な政権の姿勢を比較していくということでは本予算で比較していくのがいいということと、SNAの方向性の一番大どころをハンドリングするのは当初予算の姿勢だと思うんですね。そういうことで、そういう書き分けをしているというふうに御理解をいただきたいと思います。政権として、財政再建をごまかしているというような姿勢では決してありません。
○今井委員 まあ、そういう答弁だと思いますけれども。 私が何を申し上げたいかというと、きょう玉木委員が、やはり客観的に起きている状況を把握するべきだと。全く私も同感でありまして、時々、こういう役所の書いている紙というのは、都合のいいところだけ切って、こうやって張ってくる。それで全体のところでバランスがとれないということが起きるので、言葉の表現はぜひ正確に書いていただきたい、そういう御要望でありました。 その上で、先ほどちょっとお話ししましたけれども、行政レビューでカットされて補正で復活したもの、見直して復活したということは、それは一定の理解をします。でも、本来であれば、概算要求の段階で、本予算で見直ししろと言われたものは、本予算に戻すべきなんですね。補正予算に戻すというのは、よほど緊急性が高まったから補正に戻しますということでなければ理屈が通らない。 ということで、この質問の前に、ちょっと僕はおかしいなと思いまして、先週、財務省に、このどういうところが改善されたのかを教えてくれないかということを、レクというか、要望しました。そうしたら、出せないと言うんですね。何度もうちの事務局から、そんなはずはないだろう、改善しているなら出せるだろうということを言いましたら、きのうの段階でようやく、出します、でもいつになるかわかりません、こういう回答が返ってまいりました。 海江田代表との会話を聞いておりましたら、麻生大臣は、同じ質問を海江田代表がされているときに、後でお返事するということを答弁されておられましたので、それも含めて、やはり我々野党というのは、与党・政府がやっていることのチェックをする、それを国民にちゃんとお示しするという役割でありますから、そういう情報は出していただきたいんですね。ぜひ部下の方にそういうふうに指導していただけないでしょうか。
○麻生国務大臣 今のお話は、多分、二月の十日、海江田代表のお話の点をもう一回言っておられるんだと思いますが、その後、既に事務局の方から御答弁を申し上げた、そちらの事務所に伺って申し上げたと思いますが、この点につきましては鋭意検討中で、この予算編成が終了するまでにきちんと資料をもって御説明申し上げますとお答えしているはずです。
○今井委員 済みません、私、党が違うので。 海江田さんは月曜におっしゃったんですけれども、私は、財務省に要望したのは先週なんです。先週の段階で要望しているんです。海江田さんよりも前に要望しているんですね。でも、回答が返ってこないんですよ。これは事実です。返ってきません。 ですから、やはりそのところはしっかり、この委員会が終わるまでということでも結構ですけれども、いつになるかわからないときのう言われたんですね。こんなばかな話はありません。 ですから、今大臣にお答えいただきましたけれども、委員会が終わるまでにいただくということで今お答えいただきましたけれども、そういう対応だったということはぜひ頭に入れていただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。 もう一度、予算、この委員会が終わるまでということでよろしいんですか。
○麻生国務大臣 この委員会という漠然としたお答えをすると、きょうと間違えられますので、本委員会というのは予算委員会ね。
○今井委員 この問題は非常に重要な問題でありますので、この予算委員会で議論しなきゃいけないわけです。終わってから出ても議論できませんので、ぜひその前に出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○麻生国務大臣 できるだけ速やかに出させるようにいたします。
○今井委員 この予算委員会で議論できるような状況で出していただけますか。
○麻生国務大臣 新規の資料要求でもございましたので、これは各省との調整とか、それから与党理事への説明も必要なものもありますので、そういった意味では、作成に時間がかかっているところと理解をしておりますので、この委員会が終わるまでに御返事申し上げますと申し上げました。
○今井委員 繰り返しになりますが、終わるまででは遅いんです。この委員会で議論をしたいので、議論する場を与えていただきたい。その前に資料をいただきたい。お約束してください。
○麻生国務大臣 繰り返しで恐縮ですけれども、新しい資料要求でもございましたので、各省との調整とか、また与党理事への説明等々必要でございますので、できるだけ速やかに出させるように、もう既に言っております。
○今井委員 もう一度確認します。この委員会で議論ができるような環境をつくっていただけますか。
○麻生国務大臣 鋭意出させると申し上げておりますので、その方向で、来週か再来週ぐらいには出せると思っております。
○今井委員 どうもありがとうございました。お約束をいただきまして、大変感謝をしたいと思います。(発言する者あり)いやいや、お約束をいただいたというふうに理解しました。 次に、茂木大臣にちょっとお伺いしたいと思います。 エネルギー基本計画、これは、昨年の通常国会、あるいは経済産業委員会の場で、二〇一三年中にエネルギー基本計画を出すということを、御答弁を何回かいただいていると思いますけれども、現実は、今まだそれが出てきていないわけです。 私、手元に資料をちょっと用意しまして、今回が第四回目の基本計画になります。当然、この安倍政権が誕生して初めてのエネルギー基本計画ということでありますから、大変国民も注目をしているわけでありますが、今までの三ケースを見ますと、平成十五年十月一日にエネルギー基本計画案が答申されて、もう一週間後に閣議決定です。二回目も、三月五日答申で、三月九日ですね、四日間です。三回目も、これは十日間ぐらいですけれども、すぐに基本計画ができています。 しかし、今回は、基本計画という案にもなっておらず、基本計画に対する意見というような答申が出て、しかも、いまだにこの基本計画が出てこないということで、私は、この予算委員会でこれを本当にやろうと思ったんですが、始まってしまっても、今出てきていないんですけれども、これはどうしてこういう状況になっているのか、いつ出てくるのか、ちょっと教えていただけますか。
○茂木国務大臣 今井委員の方から麻生財務大臣に、いつまでと重ねて御質問がありましたので、多分、次は私のところに来るんだろう、こういうふうに思っておりました。 エネルギー基本計画におきましては、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会におきまして、昨年の三月から十カ月、十七回にわたります議論を行いまして、十二月に、基本計画に対する意見、これが正しい表現でありますが、これが取りまとめられたところであります。 そして、この意見につきましては、パブコメをかけさせていただきまして、恐らくこれまででも一番多い件数になると思いますが、一万九千件に及びますパブリックコメントが寄せられたところでありまして、こういった国民の皆さんの意見も読み込んでいくということには、どうしても一定の時間を要することになります。 同時に、我が国は今、三・一一以降の新たなエネルギー制約、恐らくこれは一九七〇年代の石油ショック以来の大きな変化ということになると思いますが、こういったものに直面をしている中で、中長期的なエネルギー政策の方針を決めますエネルギー基本計画は極めて重要なものになってくる、こう考えております。 そういった中で、全体のエネルギー構成につきましては、あらゆる意味ですぐれたエネルギー、供給安定性、そしてまたコスト、さらには環境負荷、安全性、全てを満たすエネルギー源があれば、それを使えばいいんですよ。ところが、強みもあれば弱みもある。それぞれのエネルギー源ごとの特徴がありますので、そこの中で、個々のエネルギー源の強みが生き、そして、全体としては弱みが補完をされる、こういった現実的かつバランスのとれたエネルギーの需給構造、こういったものをつくっていきたいと考えておりまして、まさに今政府におきまして鋭意検討中、こういう段階でありまして、政府原案をまとめた上で、与党プロセスも経て、最終的に閣議決定ということにしたい。 先生の方に表もつくっていただきましたが、先生もよく御案内のとおり、前政権のときは、三十三回議論しても決められなかったわけであります。それだけ、そういう難しい問題も含んでおります。そして、国民生活さらには日本の経済に直結する極めて重要な問題でありますので、いつまでと期限を区切るのではなくて、丁寧なプロセスを経て結論を得たい、このように考えております。
○今井委員 この間、官房長官もそんなような会見をされておられましたけれども、やはり期限は切っていただきたいんですね。いつまで待ってもちっとも出てこないというのは、それはやはり問題があると思いますし、決める政治なんですから、やはり期限も決めて、ここまでに出すということをぜひやっていただきたいと思います。 その上で、少しだけ、今まだ最終決定していないでしょうから、言える範囲で結構ですけれども、答申の案を見ますと、例えば、使用済み核燃料の抜本的な強化と総合的な推進ということで、高レベル放射能廃棄物の最終処分に向かった取り組みは国が前面に立ってと、これは非常に、今までにない踏み込んだ表現ですね。 あるいは、報道ベースで、「もんじゅ」をいよいよ見直すというようなお話も、報道ベースでは拝見しました。 こういったところについて今どういう議論をされているか、言える範囲でちょっと教えていただければと思います。
○茂木国務大臣 まず、時期でありますが、しかるべきタイミングに決定をしたい。いつまでもずるずると引っ張るつもりはありません。しかし、こういう大切な問題ですから、拙速になってはいけない、こういった思いで、今、鋭意検討を進めております。 そして、基本政策分科会からいただきました意見、きょう通告をいただいておりませんが、例えば使用済み核燃料の処分の問題につきまして、御案内のとおり、これまで十年間、処分地が決定してこなかった。これには、やはりこれまでのやり方、例えば、立地自治体といいますか地元自治体が余りにも説明責任が多い問題であったりとか、国がもう少し科学的根拠をきちんと示した上で、それからのプロセスに入っていく。 さらには、このプロセスはかなりの時間がかかりますので、恐らくそこの中で、科学的知見、こういったものも進んでまいります。そうしますと、一度埋めてしまったらずっと取り出せない、こういうやり方ではなくて、可逆性のある処分方法、こういったものについても御意見をいただいているところでありまして、そういったことも含めて、今、鋭意検討をさせていただいております。
○今井委員 ありがとうございました。 これは本当に、安倍政権が発足して初の大きな基本計画でありますし、今お話ししたように、今までにないようなものもどうやら入っているようであります。 先日、高市政調会長とのお話の中で安倍総理も、この問題は国民の生活にかかわる非常に重要な問題であるというふうにおっしゃっておられましたから、委員長にぜひお願いしたいんですけれども、この予算委員会でエネルギーに関しての集中審議をやっていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○金田委員長代理 後ほど、理事会で協議いたします。
○今井委員 ぜひ与党の理事の皆さんにもお願いしておきたいと思いますけれども、本当に国民は関心がある事項でありますから、御配慮をいただきたいというふうに思います。 次に、これは補正予算の基本的質疑のときに、我が党の中田委員の方から下村大臣の方に、教育委員会の改革を含めた教育行政の改革ということで、A案とB案が今あるというお話をして、大臣の方から、私はA案の方でいきたいと考えているというような明快な御答弁をいただきました。 ところが、これも報道ベースでしかわからないんですけれども、いろいろな議論が与党の中でも行われているようでありまして、教育長と教育委員長を一緒にするような案が考えられているというような報道があったり、あるいは教育委員会にまだ執行機関としての権限を残すというのがあったり、C案とかD案とかいろいろな話が出てきていて、我々もちょっと今混乱しているんですけれども、もう一度確認したいんですね。 あのとき、私はA案でいきたいと大臣ははっきりおっしゃいましたけれども、今でもそういうお考えでよろしいですか。
○下村国務大臣 御指摘のように、教育委員会制度改革は、我が国の戦後教育の抜本改革案の中心的なものだと思います。第一次安倍内閣のときは教育基本法を改正しましたが、第二次安倍内閣の中で、今いろいろな教育改革を進めていますが、この教育委員会制度改革は、ぜひ今国会で成立をお願いしたいと思っている大切な法案でございます。 ただ、その中で、これは自民党が野党のときから、教育再生実行会議で教育委員会制度の抜本改革案の提言をつくりました。これは、御承知のように、大阪とか大津における子供の自殺、これは早く教育委員会が、大阪市にしても大津市においても、情報は行っていたにもかかわらず、対応がきちっとできていなかったためにそういう事故になったのではないかということにおける教育委員会の形骸化とか形式化とか無責任体制、そこからきているものでございまして、これに沿って教育再生実行会議でも議論をしていただき、提案をしていただき、それを受けて中教審で、私が諮問をし、答申を受けました。 その中教審の中に、A案を中心としてB案も付記されたというものでありますが、流れとしては、首長に対する責任体制をより強化することによって、教育に対して地方自治体全体が対応できるような対応をしていこうと。 今回は閣法ですから、そのまま国会に出そうと思ったら出せたんですが、重要な法案ですので、今、与党の中で議論をしていただいておりまして、できるだけ早くまとめていただきたいと思っていますが、これはぜひ、与党だけでなく、維新の会を初め野党の皆さんにも、できるだけ賛同できるところは賛同していただきながら、多くの方々が賛同できるような形での、しかし一方で抜本的な教育委員会制度改革案を、今国会でぜひお願いをしたいというふうに思っています。 流れは、今まで中田委員にも申し上げたとおりでございます。
○今井委員 ちょっと答弁が後退されていると思うんですけれども、私がお伺いしたのは、今でもA案で考えていらっしゃいますかというふうにお伺いしたんですが、その点について、もう一度お願いします。
○下村国務大臣 先ほど答弁したと思いますが、流れはそういう案です。 ただ、今、与党で議論していただいていますから、議論の前はそういうスタンスについては明確に申し上げましたが、今、議論している最中ですから、それはまずは与党にお願いしていますので、与党の議論の経緯を見守りながら、結果的には、政府と与党が一体となって責任の持てる法案をぜひ出したいと思います。
○今井委員 御事情はわかりますが、中田委員が申し上げたとおり、我々はA案であれば議論はできるということを申し上げておりますし、そういうことであれば、ぜひ、中身は多少いろいろな議論はあると思いますけれども御協力はしたいというふうに思いますので、踏ん張っていただきたいと思います。 これは民主党の方でも同様な法律を用意しておられるということでありますし、これは各党いろいろな意見があって、議論が非常に過熱するんじゃないかと思います。 さらには、今、英語教育、あるいは歴史教育の問題もあり、私は両方ともぜひやるべきだと思いますし、私もアメリカにおりましたけれども、英語を小さいころから教えるということと、その人たちに文化、伝統を教えるということ、日本語のよさを教えることは両立すると思いますので、それはぜひやっていただきたいと思います。 そうした教育改革、非常に今大きなテーマがいっぱいありますので、教育に関してもぜひ集中審議をお願いしたいと思います、委員長。
○金田委員長代理 後ほど、理事会で協議の対象とさせていただきます。
○今井委員 済みません、要求ばかりで、大変失礼いたしました。 次に、先ほど、我が党の松田学委員が中長期の財政についての話をしていました。金利の話等々をしていて、学者っぽい、建設的な議論だったなというふうに思います。(発言する者あり)いやいや、政治家ですけれども、そういう見識があるという意味で言ったんですが。 私、実は、聞いていて思ったんですけれども、きょう、資料をもう一つお渡ししていて、これは内閣府の試算のものですね。皆さんがよくごらんになっているものです。 これは、先ほども指摘していましたけれども、経済再生ケース、真ん中のところを見ますと、二〇一五年度は国と地方のSNAベースのプライマリーバランスは三・二%でおさまりまっせということでできているんですが、二〇二〇年に関しては十一・九兆円の赤字が残ると。黒字を目標にしているのに、この自然体ベースでやるとこれは残る、そういうスキームになっています。 これをつくった方にいろいろヒアリングをしましたら、歳入の方は、税収も経済成長のモデルを回してこれだけふやすというのをつくっています、ところが、歳出の方は今後どうなるかわからないので自然体で置いていますという御回答で、これがこういうふうにできているというふうにレクチャーを受けました。 それを見ますと、そのまま下を見ていくと国の一般会計ですけれども、国の一般会計、基礎的対象経費、支出ですね、これが二〇一四年では七十二・六兆円ですが、八十四兆円になる、自然体でいくと。とんでもない歳出のふえ方をするわけでありますね。 ここで私はぜひ提案をしたいんですけれども、これは実は財政審の建議の中にも出ています。どういうことかというと、目標達成に向け、少なくとも毎年どの程度の歳出削減と税収増が必要なのか、またどのように実行していくのか、具体的な道筋を早期に国民に示していく必要があるというふうに書いてあります。私も全く同意見であります。 例えば、会社経営をするときに中期計画を立てます。五年計画を立てたときに、毎年、売り上げがどれぐらいで経費がどれぐらいと、きちっと積み上げをして、五年後はこうなります、こういう計画を書くのがビジネスマンとしては当たり前ですね。茂木さん、そうですね。当たり前です。国だって実は同じでありまして、二〇二〇年度までに黒字にするのであれば、ここから毎年毎年歳出をどれぐらい減らしていくということも、きちっとやはり計画を立てないといけないと思うんです。 しかも、申し上げれば、自民党は、百七十六回そして百七十七回の国会のときに財政健全化責任法案というのを出しておりまして、この中身を見ますと、五年間の中期財政計画をしっかりつくれというふうに法案の中身は書いてあります。 ですから、安倍総理はよくおっしゃっていますよね、我々は責任野党としてちゃんとお示しをしたから国民から信頼を得て政権をとったんだと。であれば、この法案だって同じですよ。ですから、この野党時代に出した法案に従って、我々も財政健全化責任法案を出しています、我々は十年と言っていますけれども、ぜひ、この中長期の財政再建をしていくための計画を立てる、そういう議論をぜひしていただきたいと思いますけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 中期財政計画と中長期試算、これは内閣府で策定しております。ちなみに、財務省は後年度影響試算というものであります。 これは内閣府への質問なので、私が答えさせていただきます。 中期財政計画では、一五年にPB赤の半減、二〇年に均衡そして黒字化という目標はきちっと掲げています。一五年までは、毎年幾らその赤字幅を削減していくかもきちっと書いてあります。 一五年から二〇年にかけての書き方でありますけれども、定性的な書き方、つまり、歳出はしっかり無駄を見直して極力削減せよ、歳入は経済成長をしっかり確保して伸ばせという当たり前のことしか書いていないのと、それから社会保障については制度的な改革も踏まえてしっかり効率化に取り組め、あるいはペイ・アズ・ユー・ゴー原則、新規の予算を掲げるにはそれに見合うものを探してこいというようなことが書いてあるわけであります。 一五年までの道のりは、今のところは非常にうまくいっています。四兆、四兆削減するのが、五・二兆と、予定より多くいっております。一五年からの策定をする間に、より詳細の二〇年度までの絵図を描いていこうということになっておりまして、これは、目標はきちんと決めてあって、そこまでにやるべきことをやれと書いてあるんですが、細目の手当てについては、一五年の健全化を目指していく中で、一五年以降をしっかり策定していこうということになっております。 中長期試算については、一五年までの努力をそのまま自然体、自然体というのは、社会保障費でいえば自然増というか、毎年一兆円ずつ伸びていますけれども、それをずっと伸ばしていくのと、それ以外の項目は物価上昇に見合って加算していく。そこにさらなる努力というのはまだ加味していない姿が描かれていますから、中期財政計画で具体的な項目が出てきますと、それに沿って中長期の見通しも変わってくるんだというふうに思っております。
○今井委員 中期財政計画のところ、去年の八月八日に出ているもの、ここにも、二〇一六年から二〇二〇年の五年間についてさらに具体的道筋を描くというふうに書いてありますから、ぜひ早くやっていただきたいんです。 財務大臣、我が党も健全化の法案を出しておりますので、ぜひこれをやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 御存じかと思いますけれども、出されました法案というものは、これは国会の各会派間の取り扱いということになっておりますので、私がやれと言ってできる話ではございませんということだけは御記憶ください。
○今井委員 もちろん、これは国会の話でありますので、では、自民党の総裁の安倍総裁に、ぜひ与党の方にこれを審議していただくように御指導をお願いできないでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 よく私も、総理の立場と総裁の立場、それぞれで質問をされるわけでございますが、基本的に、まさに衆議院の運営については、衆議院のいわばそれぞれの会派同士が院において議論を重ねていくわけでございまして、政府があって、ハウスがあるわけでありますから、しっかりと院において御議論を深めていただきたい、このように思うところでございます。
○今井委員 引き続き財務金融委員会でこれは要求してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 もう時間がなくなってしまいましたので、たくさん通告していたんですが、最後に、もう一つ資料があるんですが、これは、ちょっと毛色は全然変わります。県立病院の医師がアルバイトをしていて停職になった、そういう記事であります。 時間がないので私がちょっとお話ししますけれども、もともと今、国家公務員法は一定の基準をつくって、その中でアルバイトというか兼職をすることができる。地方公務員法の方にも同じような規定があって、各自治体の方でそれは決めてください、あるいは、各公営企業のところで、これは地方公営企業法ですか、これで決まっているということなんであります。 もちろん、これは無断でやっていることだから、これ自体が処分されるのは仕方ないんですけれども、ぜひちょっと考えていただきたいんです。 私は、岐阜県の田舎です。医者がいなくて本当に困っているんです、お医者さんたちも。もちろん、田村大臣含めて、これを一生懸命考えていらっしゃると思いますが、現実問題、やはりいろいろな問題があって、お医者さんは田舎に来てくれません。子供の教育の問題もあるし、そもそも医療技術の進歩の問題もあるし、現実的には非常に難しいんですね。 そんな中で、いろいろな病院の皆さんは、少しでも助けに来てくれると本当に助かる、週に一日でもいいから助かるということで、いろいろなところにお願いに上がっているわけです。 公立病院も本当に、まあもちろん金もうけでアルバイトをしている人もいるかもしれませんが、人道的にそういうところを助けてあげようというお医者さんはいっぱいいるんですね。でも、それが今できないわけです。それぞれ自治体で決めてくれというのはそういうことかもしれませんけれども、でも、これは地域医療を守るためにとても大事な話です。 説明を受けたら、これは総務省です、これは厚労省ですといろいろ言われましたけれども、現実問題を見て、やはりできることをやるということが大事であって、地方に人道的に行ってもらいたいという人も、その人の意も酌めますし、地方の人たちはみんな助かりますし、さらに、新しい技術をそこで教えてもらうと、またそこで助かるわけです。 何とかこの壁を崩していただきたいんですね。そうすれば地域医療がかなり充実すると思いますから、ぜひこの点について検討していただきたいと思います。
○田村国務大臣 この国会に医療介護総合確保推進法というものを提出させていただく予定でございます。この中でも、このような、地域等々も含めた公的医療機関でありますけれども、こういうところに対して、医師が足らないところに派遣を要請できる、そのような文言を入れております。 もちろん、こういうような法律ができることによって、あとはそれぞれの地方自治の中においてどうかということになろうと思いますけれども、少なくとも法律の中にこのような文言を入れさせていただきますので、残余の部分は新藤総務大臣の方から御答弁をいただければありがたいというふうに思います。
○新藤国務大臣 それでは、残余の分について御答弁させていただきたいと思います。 まず、地方公務員法上、これは任命権者の許可を得られればそういった仕事に従事できるわけでありまして、まず、総務省としては、地方公共団体に必要な助言は、これまでも行ってまいりましたが、しっかり進めてまいりたいと思います。 それから、委員が御承知の以上にいろいろなことが、制度としてはございます。ですから、まずは、都道府県が地方単独事業で実施する医学部の学生向けの奨学金貸与、それから、医師不足が顕著な産科、小児科、救急科等の後期研修医に対する修学金の貸与事業について地方交付税措置、こういったものがございますし、また、勤務環境が過酷な診療科の医師確保を図るための休日、夜間の救急、分娩、新生児医療を担う勤務医等への手当に対する国庫補助事業に係る地方負担についても、これは交付税措置があるのであります。 ですから、さまざまな工夫をいたしまして、さらに、これから今国会に提出いたしますけれども、医療介護総合確保推進法案におきまして、消費税の増収分を活用した基金を都道府県に設置して、医師等の医療従事者の確保、養成等の事業が実施できるように、そういった規定もございますので、いろいろな制度を生かしながら、委員との問題意識は共有しておりますので、努力してまいりたいと思います。
○今井委員 ありがとうございました。 これはまたほかの委員会でやりたいと思いますけれども、ぜひ、維新は都会の党と言われますが、私は田舎の選挙区ですから、やはり地方も守るということでまた皆さんにお願いをしていきたいと思いますから、これからもよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○金田委員長代理 これにて今井君の質疑は終了いたしました。 次に、三谷英弘君。
○三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。 本日は、予算委員会の基本的質疑に貴重な時間をいただきまして、ありがとうございます。 さて、本日は、三十分と時間が限られておりますので、行政改革及び経済政策等に関して、三つのテーマに絞って質問させていただきたいというふうに思います。 まず一点目、行政改革に絡んでなんですけれども、ぜひともここは、内部告発に関してちょっとお伺いしたいなというふうに考えております。 さまざまな行政改革等々がありまして、そういう立派な組織をつくるだの制度をつくるというふうなことをしても、やはり、中でしっかりとそういったものが適正に遂行されているということが担保されていなければ、なかなかどうして、その制度は絵に描いた餅に終わってしまうというところもあります。 総理に伺いたいと思います。 まず、行政庁内において、いわゆる内部告発者の保護の重要性についてどのように認識されているか、見解を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 事業者等の不祥事による被害の拡大防止や未然防止のために、公益通報者保護法によって、公益通報者に対する解雇や不利益な取り扱いが禁じられているわけであります。 今まで、中で、これは明らかにおかしいというものを通報しようと思っても、自分の身分がそれによって危うくなるということになれば、これは通報ができないことによって被害がさらに広がっていくということにもなるわけでございます。その意味におきましては、公益通報者をしっかりと保護していくということは大切だろうと思います。 政府としては、今後とも、公益通報者保護制度の意義について事業者等に周知をして、適切な運用を図りながら、公益通報者の保護にしっかりと努めていきたいと思っております。
○三谷委員 ありがとうございます。 まさに、内部通報をされる方、公益通報者というものをどういうふうに保護していくのか。そういった方からのいわゆる告発というものがなければ、どうしても組織内部の違法行為、不正行為というのは表に出てこないという意味では極めて重要だということは、これは霞が関全体の問題として共有していただけるのではないかというふうに考えております。 そこで、お配りをさせていただいている資料を見ていただきたいんですけれども、今厚生労働省において、改ざん告発というものについての情報が漏えいしたんだというような事案があるわけでございます。先日来、これは報道等でも問題になっておりますけれども、データ改ざんをしたというような情報をメールで厚生労働省に送ったところ、それが実名入りでそのまま研究者のチームの責任者に転送されてしまって、誰がそういった声を上げたのかということが明らかになってしまいましたというような事案でございます。 これに関して、いわゆる国の公益通報者保護法のガイドラインですとか、厚生労働省が作成している研究活動の不正行為への対応についてと題する指針にそれぞれ反するのではないかというふうな意見がある、私もそう考えているわけですけれども。 これについては、既に厚生労働大臣は記者会見等でその認識を質問されているところでありますけれども、改めて、このガイドラインですとか指針との抵触という点について、認識をお答えいただきたいと思います。
○田村国務大臣 いただいておりますこの新聞の記事でありますが、これは、J—ADNIという国家プロジェクトでのアルツハイマー病の研究の件でございます。 研究者の方からメールで文書をいただきました。それ自体は、実は、御教示をいただきたいというような書き出しの文言でございまして、つまり、何らかのことを指導してほしいといいますか、言うなれば助言をいただきたい、このような文面でございました。 その内容は、細かく詳細には申し上げられませんが、要約しますと、研究者の組織の体制といいますか、それに関することでございまして、言うなれば、ちょっとその組織の中の構成にいろいろな問題があるというような内容であったわけであります。そういう構成をすること自体が正しいのかどうなのかというような文面でございましたが、そこに、改ざんがあるというような書きぶりのところも数カ所あったのも事実であります。 ただ、その改ざんに関して、こういうものがあるからこれを調査してくださいというような文章ではございませんで、あくまでも、研究の組織の体制といいますか構成というものに対して、こういうものがいいのかどうなのかということに対して御教示をいただきたいという文言であったわけでございまして、でありますから、これを告発というふうには我々は受けとめなかったわけであります。 その内容、要請といいますか、御教示というような書き方でございましたので、それに従って対応をさせていただいたわけでありますが、問題は、御本人に、このような対応をしますよということをしっかりと説明せずに対応したことによりまして、その相手方の方に名前が伝わったわけでございまして、私も後から報告を聞きまして、そのメールを送られた本人に確認をしていないということでございましたので、きつく担当者の方に申し渡しまして、研究者の方に謝りに行くようにということで、おわびを申し上げたというような状況でございます。 それでは、なぜ告発というふうに捉えなかったか。 告発というのは、科学的、合理的な理由、これがなければならないわけでありまして、これが研究活動の不正行為への対応に関する指針という中において書かれているわけでございますが、今般のことは、そもそも、そのような告発ではなくて、要請のような文言であったということが一つ。 そして、その後確認をさせていただいたら、いや、これは改ざんがあるのではないかというようなお話もございましたが、内容をお聞かせいただきますと、どうもデータが書きかえられているというようなお話もあったわけでありますが、その中身を見ると、訂正と同じ手法がとられているわけなんです。変えてあるところに書きかえた方のイニシャルだとか書きかえた日時が書いてあるわけでありまして、これはよく研究者が訂正なんかに使う手法でございますので、これ自体が改ざんなのか訂正なのか、明らかに改ざんというふうには我々も捉えられないものでありますから、そういう意味では、なかなか科学的、合理的な理由というふうには捉えられない。 あわせて、公益通報の観点から見ますと、公益通報というのは、労働者の方がその雇い主に対して行う、もしくは行政に対して行うものでありますが、研究者の場合は、これは独立した研究者でございまして、ここに雇い入れ関係がないわけでございますから、本来はこれは公益通報にはならないわけであります。 ただ、一方で、行政側では、ガイドラインでそれにかわるようなものに関しましても受け付けるようなことにはなっております。厚生労働省も訓令でそういうふうになっておるんですが、これはできる規定でございまして、この中の要件にやはり法令に違反するというようなことがございますが、今般の件は、法令に明確に違反しているかどうか、それはわからないわけでございます。 言うなれば、調査を行うときの手法の基準、これは世界で初めてといいますか、まだ確立されていない研究手法でございますから、その確立していない研究手法のどれが正しいのかというのは、これはなかなか我々も判断できないわけでございまして、主たる研究機関、この場合は東京大学になるわけでありますけれども、東京大学の方にお願いをさせていただいて、第三者の中立的、公平的な立場からこれを調査していただきたいというお願いを今させていただき、東京大学の方もそのような方向で今人選をしていただいておるようでございますので、その推移を見守ってまいりたい、このように思っております。(発言する者あり)
○三谷委員 今ちょうど声が上がりましたとおり、非常に長い答弁でして、今多くのことを一緒に全部お話しされたので、恐らくこれを初めて聞かれた方は何が何やらというふうに思われた方も多かったと思うんですけれども、これは分析して、私から解説をまずさせていただきたいというふうに思うんです。 二つあります。 一つは、厚生労働省が作成している、研究活動の不正行為への対応についてという指針がまずあります。これは、一般的な研究行為というものに対して不正行為があった場合に、それに対してどういうふうに対応するのかというような話でございます。 それに対して、先ほど田村厚労大臣は、科学的、合理的な理由というものが示されているかどうかという意味で、今般のメールは、その科学的、合理的な理由が示されていないというような観点から、そこに言う不正行為を指摘したといういわゆる告発には当たらないというような認識を述べられたということだというふうに思っております。告発の意思がなかったということも先ほどおっしゃっておりますけれども、ただ、そこは次の問題としてまずお話ししたいと思うんです。 一般的に、どんな被害を受けたか。これは一般的な刑事手続でもいいんですけれども、例えば、自分が何らかの被害に遭ったという方が警察に、または場合によっては検察庁に直接被害届なり告訴なりを行うというときに、通常は、自分がこんな被害を受けましたというときに、はい、そうですかと、全ての科学的、合理的な理由を一式全部、耳をそろえて出すということはできないわけです。普通は、警察の方もしくは検察庁の方と何度か情報交換をして、いろいろな話をしてやりとりをして、ああ、そういうような状況があるんですね、それならそれは告訴として受理します、被害届として受理しますというようなことをやるのが一般です。 今回の事案では、わずか一回のメール、そしてそれに添付された資料というものだけを見て、それは科学的、合理的な理由がないというような判断をされた。後でお話しいただきたいと思うんですけれども、それと、改ざんしたというようなことが書いてあったということは今認められていたわけです。 私もそのメールの内容は実際拝見いたしましたけれども、そこには何が書いてあったか。私を調査研究から外そうとしている、そういうことによって今までのデータの改ざんというものが非常に隠れてしまうんだというようなことが訴えられていた。 これは普通に考えたら、データは改ざんされているんだ、それを、目ざわりだから私を消そうとしているんだというような訴えにとられるのは私は当然じゃないかというふうに思います。それを、仮にそうじゃないというふうに判断されるとすれば、それは厚生労働省の担当者の方の感性というものが余りにも鈍い、内部通報というもののセンシティブ、敏感さというものに対する認識が余りにもお粗末だというふうに言わざるを得ないというのが、私が今大臣の話を伺って応えたいというのが一点。 それから、さっき二つあるというふうに申し上げましたけれども、もう一つ、公益通報者保護法のいわゆる国、行政庁に対するガイドラインというものもあります。 このガイドラインには、この前改定がありまして、先ほど、今回は労働者ではないからそもそも対象ではないというような話がありましたけれども、実はこのガイドラインは昨年改定されておりまして、労働者でない者に対しても適用はされるんだというように書いてあるわけです。その意味では、公益通報者保護法のガイドラインに当たらないというのは、労働者でないからという理由は当たらないということ。もう一つ、その適用となる法律が限定列挙であるというようなこともおっしゃっていました。しかしながら、その法律というものはどの法律に当たるのかということを実際どれぐらい検討された上でそういう判断に至ったのか。 正直な話、研究の改ざんの内容によっては、例えば、もちろん、巨額な研究費用というものをいただきたいというような理由でそれを改ざんするというような場合だって、場合によってはあるかもしれない。それがもしかしたら、もちろん具体的な事情によりますけれども、国家に対する詐欺ということだって成立するとも言いかねないわけです。そういう検討を一つ一つ丁寧にした上でそういう判断に当たられたのかどうか。 その両方の点から、再度答弁を求めたいと思います。
○田村国務大臣 まず、前段の部分でありますけれども、メールの内容を拝見させていただいて即座に、改ざんがあるからこれに対して調査をするようにという内容ではなかったというのは、余りここで内容を申し上げるわけにいきませんが、委員が内容を細かくおっしゃられたのであえて申し上げますけれども、そうじゃないということは多分委員も、もしお読みになられておったのであるならば、そこは御確認をいただいておるというふうに思います。 それでいて、要するに、組織の体制がおかしいという中において、それに対して御教示いただきたいという話でございましたので、それに対して対応した。 ただ、対応したんですが、そこで御本人に確認をしなかったということは、配慮が足らなかったことでございまして、こういう対応をします、そのときにあなたの名前もわかりますよということをちゃんとこちらの方から伝えなかったことに関して、もしくは確認をしなかったことに対しては、大変申しわけないことでございまして、これは研究者の方におわびをさせていただきました。 その上で、そこまではそうなんですけれども、その後、お話をさせていただく中において、これは改ざんがあるというようなお話もございましたので、そこで、我が方も調査を簡単にはさせていただいているんです。 ですから、どういうようなものが改ざんというふうに認められるのかということで、その現物も拝見をさせていただいた結果、先ほど申し上げたように、資料自体が要は書きかえてあるんですけれども、書きかえた人のイニシャル、つまり、その人が誰かもわかりますし、いつ書きかえたかもわかるというような、そういう措置が行われているわけなんです。ですから、そこは、誰かがわからないうちにそのデータを変えたわけではございませんから、これは調査をすればわかる話であります。 あわせて、もとデータ等々も変えられないような措置をしてくださいということで、データの書きかえ、もしくは、書きかえればちゃんとコンピューターのログにそれが残るような形になっておるということでございますので、これからの電子データの書きかえができないということも確認をさせていただいた上で、ただ、では厚生労働省がすぐに調査といいましても、例のディオバンの件がございました。薬で、臨床研究で問題があった件。あれも、もともとは大学の調査を受けた上で厚生労働省の中に検討委員会をつくった話でございまして、あれは、論文を取り消したわけでございますから、かなりの部分データの改ざんが、確かな証拠があったような案件であります。 今般の場合は、そのような形で、まだ改ざんなのかどうなのかわからない。一方は、これは普通に記録の訂正をさせていただくためにこういう手法をとったんだとおっしゃっておられますし、書きかえた方もわかっておりますし、もとのデータもわかっておるわけでございますから、東京大学の方でしっかりとした調査をまずやっていただくことが重要であるわけでございまして、しっかりデータを保全した上に、そのような調査をしていただくということをお願いさせていただいて、東京大学も御理解をいただきながら、今その準備に入っておるわけでございまして、厚生労働省が何らしていないわけじゃないんです。 まずは調査に入って、今言われたように、これは犯罪性があるのかどうなのかという確認をしましたけれども、犯罪性がある案件なのかどうなのかも含めて、研究者の方々、第三者機関といいますか、研究機関に第三者的な調査をしていただいてまず確認をしていただくことが第一であろうということで、そのようなお願いをさせていただいたわけであります。
○三谷委員 今お答えいただきましたけれども、私は、調査がされているかどうかですとか、研究の中に不正があるかどうかという話をしているわけではなくて、そういった声を上げた人の情報をどう取り扱うかというようなことを聞いているわけであります。 その意味では、公益通報者保護法のガイドラインによれば、二つありまして、通報者の秘密は保持される。これは、公益通報に該当するかどうかということは関係なく、通報した人の秘密は保持される、氏名等々の情報は保持されるということはガイドラインに書いてある、まず一点。それから、法に基づく公益通報として受理しないときには、受理しないとして、遅滞なく本人に対して通知する。これは、両方並立するわけです。 つまり、先ほど幾ら田村厚労大臣がおっしゃったとしても、本人の名前を研究者のチームに出すということは、どう考えてもこの公益通報者のガイドラインに抵触するということは明らかなんですね。それはもう文言どおりですね。 いや、不正があったかどうかというのは、それは今後の話でしょう。そして、改ざんがあったか、そのときのメールの内容、全部それをしっかり厚生労働省が調査したかどうかというのも、それはこれからの話です。 ただ、私が申し上げたいのは、今回の厚生労働省さんのような対応がなされてしまうと、誰も怖くて声を上げられなくなってしまうということが最大の問題点なんだと思うんです。どんな組織でも、不正というのはあっちゃいけないですけれども、あるかもしれない。そういうときに、それはしっかりと声を上げる人がいなければいけないわけです。 私もずっと弁護士として仕事をやってまいりました。私は、弁護士のときにやっていた仕事の中に、いわゆる企業内の不正コピー、いろいろな、例えばビジネスソフトウエアというような、皆さんもお使いのOSですとか文書管理ソフト、そういったものがある。そういったものの違法コピーをいっぱい使っているということが普通の企業内でわからないというときに、どういうふうに我々は弁護士として仕事をしてきたかというと、とにかく安心して情報を提供してください、あなたの情報は死んでも守りますということを言って初めて、こういうところに不正があるんですと。 これは恐らく谷垣大臣もおわかりだと思いますけれども、そういうことを守ることが、内部通報者といいますか、内部告発者の保護というのは極めて大事なんです。そこについての認識を改めてお答えいただきたいと思います。
○田村国務大臣 冒頭のメールに関しましては、担当者が告発というふうには受けとめていなかったというふうに言っておりますが、ただ、冒頭から私申し上げておりますとおり、そうであったにしても、御本人が実名でいろいろな内部の問題をこちらの方にメールで送ってこられたわけでございまして、それを御本人の了解を得ずに相手方に名前を出したことに関しては、これは適切ではなかったわけでございまして、配慮が足らなかったわけでございます。 ですから、大変申しわけないことをしたわけでございますので、御本人、研究者の方に厚生労働省としておわびにお伺いをさせていただいて、お謝りをさせていただいたということでございまして、今般の対応自体は適切ではなかったと我々も思っておりますので、今後このようなことがないようにしっかりと対応させていただきたいと思っております。
○三谷委員 一応、念のため確認させていただきますけれども、今の厚労大臣のお答えというのは、公益通報者保護に関するガイドラインに抵触する事実があったということでよろしいでしょうか。
○田村国務大臣 私が申し上げたのは、告発でありますとか公益通報、今回、このガイドラインにのっとった場合には公益通報として扱うことができると、できる規定でありますが、その中には、先ほど申し上げましたとおり、違法性、法令に違反する部分があれば扱うことができるということで、今回は扱っておりません。まだ法令に違反しているかどうかわからない案件でございますから、扱っておりません。 ですから、公益通報という形の中で扱ってはおりませんが、しかしながら、そのような形でいろいろな文書がこちらへ来た場合、対応する場合には、御本人にまず確認をしてからしっかり対応するのが、本来、配慮というものでございますから、そういう意味では、不快なお気持ちをお持ちになられたであろうと思いますし、それに対しては大変申しわけなかったということで、おわびを申し上げさせていただいたというわけでございます。
○三谷委員 今の大臣の答弁を伺いますと、やはり非常に不安になる。公益通報に該当しないというふうに判断されてしまえば、声を上げた人の氏名というのは当事者に渡されてしまう。これは今後とも直しませんよということを言っているような問題じゃないですか。 そういうような取り扱いをされると、今後も、こういう内部通報というものに対する保護というのは十分にならないということになろうかと思いますので、この点も含めて、行政改革全般を含めて、ぜひとも集中審議というものを実現していただきたいというふうにお願いを申し上げます。
○金田委員長代理 後刻、理事会において協議の対象とさせていただきます。
○三谷委員 一点目にかなり時間を使ってしまいましたので、急ぎ、質問をさせていただきたいと思います。 まず、ちょっと順番を変えまして、エネルギー政策、「もんじゅ」について簡単に事実関係の確認からさせていただきたいというふうに思っております。 先ほども今井委員が指摘されておりましたとおり、エネルギー基本計画が出されていないという中で、「もんじゅ」の計画見直しについて報道があったということは、皆様も御承知のとおりかと思います。もちろん、その内容については否定をされていたということも承知をしておりますけれども、ぜひとも、このお配りをしている資料の後ろから二枚目を見ていただきたいと思います。 高速増殖炉サイクルの位置付けの変遷というものがございます。一九六七年、昭和四十二年、もう五十年前の長期計画では、「昭和六十年代の初期に実用化することを目標として開発をすすめる。」というものがありました。それがその十五年後には、二〇一〇年の実用化ということになっていて、それが、二〇二〇年代の実用化、二〇三〇年、二〇五〇年というふうになっているわけですけれども、この位置づけの変遷を見ていただいて、茂木経産大臣に、本当に高速増殖炉というのは実用化を見込めるものなのかということについて、率直な御意見を短い答弁でいただきたいと思います。お願いします。
○茂木国務大臣 高速増殖炉をどうするかについて短い答弁と言われましても、なかなか難しいところがあります。そして、「もんじゅ」そのものにつきましては、御案内のとおり、文部科学大臣の所管であります。 その上で、プルトニウムの適正利用についてどうするかということでありますが、原子力委員会におきまして、余剰プルトニウムを持たない、こういった原則を示しているわけでありまして、その上で、再処理で発生したプルトニウムは、当面、軽水炉で利用することとし、これがプルサーマルでありますが、電気事業者がプルトニウム利用計画を公表し、その妥当性を原子力委員会が確認をしてきております。 今後、電気事業者が、原発の再稼働時期の見通しや、さらに六ケ所再処理工場の操業開始時期等を踏まえながら、六ケ所再処理工場が竣工しプルトニウムの回収が開始をされるまでに新たなプルトニウム利用計画を策定、公表することとしているわけでありまして、その内容や妥当性につきましては原子力委員会が確認することとなっております。こうした仕組みのもと、プルトニウムの適切な管理、そして利用を図っていきたい。 今後は、これまでの経緯等も十分に考慮して、関係自治体、そして国際社会の理解も必要であります。使用済み燃料の再処理と燃料としての再利用、すなわちプルサーマル計画を着実に進めてまいりたい、そのように考えております。
○三谷委員 ありがとうございました。 それから、「もんじゅ」に関しては文科大臣だというふうな話もありましたので、それについてもあわせて伺いたいと思いますけれども、お配りしている最後の資料を見ていただきたいと思います。 これは各国の高速炉のナトリウム漏えい経験という表でございますけれども、日本では、先ほど申し上げたとおり、非常に先延ばし、先延ばしというふうになっておりますけれども、実はこの「もんじゅ」では、ナトリウム漏えい経験というのは一回しかありません。それに比べて、例えば先進国というふうに言われておりますフランスですとかロシア、フランスでは、実証炉、原型炉合わせて合計三十五回ナトリウムが漏れている。ロシアでは、合計すると九十回ぐらいナトリウムが漏れているというような事故があるわけであります。 今後、実証、そして実用というような段階を経るに当たりまして、日本では、ほかの国とは違って、これからナトリウム漏れというものをせずに実用化に向けていけるんだというような、そういう見通しを持たれているか、文科大臣にお伺いしたいと思います。
○下村国務大臣 この資料で御指摘のように、ロシアでは、原型炉、これはことしから再稼働するということでございます。 文部科学省としての基本的な「もんじゅ」についてのスタンスでありますが、まず、使用済みの燃料から使った以上の燃料を生み出すことができる、そして、百年以上で枯渇すると言われているウランがこれによって三千年以上にわたって活用できるという、ある意味で夢の原子炉、これを実現するための「もんじゅ」ということの位置づけの中でしているわけでありまして、私は、この夢は頓挫させることがあってはならない、そのためのしっかりとした改革をしていく必要があるというふうに思います。 ただ、指摘のようなところがやはりあるわけでございますから、「もんじゅ」については、原子力機構改革の中で運転管理体制を整えて、克服すべき課題を一つずつ着実に、国民の理解を得た上で進めていくということ、そして高速増殖炉開発の成果の取りまとめ、そして、これが廃棄物の減容とか、それから有害度低減のための研究開発、こういうことにもつながってくるわけでございまして、この「もんじゅ」研究計画が示された研究に着実に進みながら、一方で原子力規制委員会等の指導を受けながら、国民の理解が得られるように進めてまいりたいと思います。
○三谷委員 今、最後に、国民の理解を得ながらというふうな話がありました。私もそれは非常に重要な視点だとは思うんですけれども、技術的にも、こういうふうに各国のナトリウム漏れの経験というものを見ても、正直、日本でまた、今後何らかのそういった事故というものが起きた場合に予想される世論の反発というようなものをいろいろ考えた上では、なかなか、「もんじゅ」、いわゆる高速増殖炉というものをそのまま実用化に向けて進めていくのは、率直に言って難しいのではないかというふうに思うわけでございます。 もし仮に、高速増殖炉というものを諦めるという意味で、核燃料サイクルを中止したという場合には、場合によっては、今、日本に貯蔵されているプルトニウムの扱いが宙に浮くということにもなりかねませんけれども、「もんじゅ」や高速増殖炉計画というようなものをやめられない理由というものが何かあるのかということについて、総理の意見を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 「もんじゅ」については、先ほど答弁をさせていただいているとおりでございますが、核不拡散に貢献をし、国際的な理解を得るためにも、利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を堅持しなければなりません。 今後とも、我が国は、核兵器非保有国でありながら原子力の平和利用を進める模範国として、プルトニウム利用の透明性向上を図り、核不拡散等に貢献をしていく考えであります。 このため、原子力委員会においては、プルトニウムの適切な利用についてしっかりと確認を行います。 また、こうした観点も踏まえて、プルサーマルについては、独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの規制基準に基づいて徹底的な審査を行い、これに合格した原発について再稼働を判断していくという方針であります。 「もんじゅ」については、これまでさまざまなトラブルがあったのは事実であります。また、その開発が順調に進んできていないことも事実でございます。政府としても、反省すべき点はしっかりと反省をしながら、今後対応していかなければならないと考えております。 これらを踏まえまして、エネルギー基本計画について、さまざまな御議論をいただき、徹底的な検討を行い、与党ともしっかりと調整した上で決定をしていきたいと考えております。
○金田委員長代理 三谷君、時間が参りました。
○三谷委員 はい。 本日はクール・ジャパンについても質問したいというふうに思っておりましたけれども、時間がなくなりましたので、別の機会にというふうに考えております。 ありがとうございました。
○金田委員長代理 これにて三谷君の質疑は終了いたしました。 次に、井出庸生君。
○井出委員 結いの党、信州長野の井出庸生です。きょうはよろしくお願いいたします。 きょうは、NHKの問題、これは公共放送のあり方、また政治とメディア、マスコミの距離感についてかかわってくるような問題だと思いますので、質問をさせていただきます。 この問題は、与党にとっても、マスコミについて造詣の深い先生方も多いと思いますし、野党にももっと声を上げていただきたい。私はもともとそういった仕事をしておりましたので、この問題を非常に深刻に受けとめております。 NHKの会長にまずお伺いをいたします。 先日の就任の記者会見で発言されたこと、その後、その多くを、発言を取り消されております。国会では、参議院で、具体的に五つの項目を挙げて発言を取り消されておりますが、では、改めて、会長の所信、会長は今回就任に当たって、御自身が就任をされて、NHKをどういう方向に持っていきたいのか、どういう会長としての務めをしていきたいのかをまず伺います。
○籾井参考人 お答えいたします。 就任会見におきまして、冒頭で私は、放送法を遵守し、放送法の趣旨に沿った経営を行うことが我々に課された重大な任務であると述べました。 放送法には、放送の役割やNHKの設立の目的、業務内容などが記されているほか、表現の自由を確保し、不偏不党、公平公正などの原則を守るなど、放送を行う上での指針が示されております。こうした公共放送の原点を役職員一同が改めて確認し、徹底することが最も重要だと考えております。 また、会見でも申し上げましたとおり、国際放送を一層充実させ、日本やアジア並びに世界の人にもっと日本を知ってもらう取り組みも、これまで以上に進めてまいりたいと思っております。 さらに、やはりこういう大きな組織で大事なのは、ガバナンスをいかにしっかりと機能させるかということであろうと思います。情報共有を図り、透明性が高く、自由闊達で風通しのよい組織をつくっていきたいと思います。
○井出委員 会長は、就任会見の後日、NHKの内部、職員に対して文書を送ったと。その内容は、視聴者に誤解を与えた、そういう文面もあったかと思うんですが、私は、多くを撤回されたとはいえ、あの会見の全文を聞いている限り、大きな誤解をしているのは会長ではないか。 放送法、公共放送のあり方、不偏不党、公平公正、ここを守っていくときに、私見とはいえ、ああした発言をああいう公の場で言う方が、公共放送を守っていくトップとしてふさわしいのか。 就任に当たって、大きな誤解、または理解の不足があったのではないかと改めて伺いますが、いかがでしょうか。
○籾井参考人 お答えいたします。 就任会見におきましては、私、最初の日だったものですから、非常にふなれで、仰せのとおり、いわゆるNHKの会長としての認識が不足したことは否めません。これにつきましては、私はたびたびおわびをさせていただいております。 私どもは、そういうことを踏まえて、あくまでも放送法に基づいて、表現の自由を確保しながら、不偏不党、公平公正などの原則を守って放送していくことに変わりはございません。 私の個人的な意見を放送に反映させることもないことをお約束させていただきたいと思います。
○井出委員 今、御自身の考えを放送に反映していくことはないとお話がありまして、この答弁はこれまでもあったかと思いますが、公共放送、不偏不党の放送をやっていくということは、意見の異なる物事に対しては多角的な報道をしていく、時には、会長の私見に沿った報道も、当然、その一つとして私はあり得るのではないかと思っているのですが、その私見を会見で堂々と述べてしまった、それを取り消した、その発言が、どんなに取り消しても記録として残っている。 ですから、従軍慰安婦の問題、特定秘密保護法の問題、靖国の問題、こうした問題をテーマとしてこれまで取材をしてきた、これから取材をしていこうとしている記者や番組のディレクター、そういった現場の人間にこれは大きな影響を与えると私は考えておりますが、その現場に与えた影響についてどのようにお考えでしょうか。
○籾井参考人 NHKの会長といたしまして、その重みをしっかりと受けとめまして、放送法にのっとり、公共放送の使命をしっかり果たしていくことで、これまで以上に、NHKの中及び視聴者の皆様の信頼を得られるよう、全身全霊で務めていく所存でございます。 また、先ほども言いましたが、個人的な意見をあそこで述べたことは、非常に執拗な質問があって、ついつい言っちゃったわけですが、それでも……(発言する者あり)いやいや、私見を述べたわけですが、それにつきましては、今後、私の意見を放送に反映することはございません。
○井出委員 会長のその御発言が、会長の私見に沿った放送を考えている人たちを逆に縛ることになるのではないかと私は考えているのです。 これからのNHKで、従軍慰安婦や特定秘密保護法の問題がいろいろテーマとして取り上げられると思います。そのときに、会長の私見と異なるものが放送されれば、特に会長の発言と絡めた意見は出てこないと思います。 しかし、会長の発言に沿ったテーマ、私はこれも取り上げるものの一つだと認識をしておりますが、それを取り上げたときに、会長がどんなに自分の意思ではないと説明をしても、それは、NHKから遠いところ、さらに海外を見ていけば、あの会長がああいうときああいう発言をしているからこういう放送が出てきたのかなととられても仕方がないと私は思っているんです。 その影響の重大さの御認識があるのかないのかをお伺いします。
○籾井参考人 お答えいたします。 憲法で保障されました表現の自由や放送法の規定をしっかりと踏まえて、視聴者・国民の期待に応えるのが公共放送の役割だと考えております。 また、ジャーナリズムは、国民の知る権利に応えることだと認識しております。この役割を果たすために、不偏不党や放送の自主自律の立場を守り、番組編集の自由を確保することが何よりも大事だと思っております。 以上であります。
○井出委員 その後を聞きたかったのですが、NHKは、公共放送という放送上の性質もあります、また、受信料という公金に準ずるようなお金で運営をしてきて、特に、内部の職員も高い倫理行動規範というものが求められてきた、それは私もよく知っております。 きょう、資料として提出をさせていただいているんですが、NHKの倫理・行動憲章、行動指針という二枚紙を用意させていただいております。 この中で、二枚目の上から七行目ぐらいになるんでしょうか、公私の区別を徹底し誠実に職務を遂行する、私生活でも公共放送の信用を損なう行為はしない。NHKの職員は、公私の区別を徹底するということも、まずこういったように求められている。 そして、この倫理・行動憲章は、これに違反する事態があったときに、会長を初め役員の方が速やかな調査と原因の究明、再発防止に当たっていく、そういうことが、この一ページ目、左側の下にきちっと書いてあります。 公の発言で公私の区別をつけられない人が、今、トップにいらっしゃる。それで、現場の職員がこういう倫理・行動憲章、行動指針というものを守れと言われても、上があんなのだったら自分たちは従えるわけないだろう、そういう声が出ていることに気づいていらっしゃいますか。
○籾井参考人 お答えします。 NHK倫理・行動憲章と行動指針は、全ての役員、職員が公共放送の使命と社会的責任を自覚し、職務を誠実に実行することを定めたもので、毎年、全役職員がその遵守を誓約しているものであります。 NHK会長としましても、この倫理・行動憲章と行動指針を遵守し、視聴者・国民の期待に応え、公共放送の使命を果たしていくことが責務だと考えております。 就任会見では、NHK会長としての発言と個人の見解を整理し切れないまま発言をしてしまいましたが、今後は、NHK会長としての重みをしっかり受けとめ、これまで以上に信頼を得られるよう、全身全霊で務めてまいりたいと思います。
○井出委員 会長は、先ほど、最初にいただいた答弁の中で、国際放送に力を入れていきたいというお話がありました。 また、昨年の十二月二十日、NHKの経営委員会で会長が就任に当たっての所信を表明されたときも、その発言の一部で、商社での勤務経験から国際的な問題についてかかわりが深いため、NHKの国際放送の強化に向けていろいろ取り組んでいきたいというようなお話をされています。 一連の発言は、国際放送の評価を高めていく上では致命的であったと私は考えております。この国際放送の評価が下がるということは、後ほどまた改めて伺いますが、NHKの、公共放送の国際放送の評価が下がるということは、私は、日本の国益というものにおいても大きな損失だと思っております。 この状態を、会長の任期は三年あると伺っておりますが、それをこのまま三年間引きずっていくのか。そうではなくて、この問題を解決して公共放送としての使命を追求していくのであれば、会長みずから身を引くしかないと考えておりますが、いかがでしょうか。
○籾井参考人 NHKの国際放送は、放送法によって、国際親善の増進や外国との経済交流の発展に資することが求められております。 また、NHKの国際番組基準は、内外のニュースを迅速かつ客観的に報道することや、我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解、並びに我が国の世論の動向を正しく伝えること、さらに、広く我が国の文化、産業等の実情を紹介することとうたっております。こうした原則を踏まえまして、積極的な海外発信、国際放送の充実を図ってまいりたいと思います。 さらに、海外の放送局の番組の共同制作や、番組の提供、技術面での交流、支援など、さまざまな取り組みも交えて、NHKの国際的な評価を高めていきたいと思います。 引き続き、私は、NHKの会長としての責任を全うしたいと考えております。
○井出委員 御答弁いただいた内容は非常にすばらしいものだと思っております。ただ、それを実行していける状態に、もはや今、置かれていない、そういう危機感を私は持っております。 会長を任命するのは経営委員会だ。その経営委員会にも、今、さまざまな経営委員の御発言をめぐって、いろいろな問題が出ております。 一つ、きょうお話をさせていただきたいのは、百田委員の特定の候補の選挙の応援、そして、その発言であります。発言の内容はこれまで国会でもるる議論をされてきていまして、もう皆さん御存じだと思いますので、殊さら取り上げませんが、その影響は非常に大きなものがある。 報道によれば、NHKに一万五千件を超える問い合わせが来ている、百田経営委員にも千二百件近い意見が来て、その大半が厳しい内容だということが新聞で報道されています。 また、きのう大串委員からも御紹介がありましたが、アメリカの国務省報道官が、その百田委員の発言について、不合理な示唆だ、日本の責任ある立場の人々は地域の緊張感を高めるようなコメントを避けることを望むという御発言をされています。 経営委員長にもきょう来ていただいているので伺いたいのですが、きょうは、この発言の内容ではなく、発言の与えた影響ですね。これはかなり甚大なものであると私は感じておりますが、経営委員長、いかがでしょうか。
○浜田参考人 お答えいたします。 百田委員の発言に関する視聴者からの反響数は、きのう午後五時まででおよそ一千四百件、うち批判的意見は、その八割と聞いております。また、件数などの把握はしておりませんけれども、海外においても厳しい反応があることは承知しております。 このような状況も鑑み、昨日の経営委員会で、経営委員の一人一人が、服務準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせたところであります。
○井出委員 きのうの経営委員会の場でも、百田委員は、個人の信条に基づいたもので、問題はないと考えている、そういう御発言もあったやに聞いております。 今、服務準則のお話が出ました。きょう、私も資料を提示させていただいておりますが、経営委員会委員の服務に関する準則、一枚目の一番下、「信用失墜行為の禁止」、第五条「経営委員会委員は、日本放送協会の名誉や信用を損なうような行為をしてはならない。」 私は、マスコミ、メディアというのは、国民、有権者、市民に正面から向き合っていくことが仕事だと思っておりますので、この名誉というものが何なのかは私は詳細には存じ上げませんが、明らかに信用を損なっていることは明白だと思っております。経営委員長の見解を求めます。
○浜田参考人 お答えいたします。 経営委員会は、経営委員会委員の服務に関する準則をみずから定めており、経営委員はこの準則を遵守すべきものとされております。 昨日、経営委員会において、改めてこの服務準則を確認いたしました。経営委員が、経営委員としての職務以外の場において、みずからの思想、信条に基づいて行動すること自体は妨げられるものではないと認識しておりますが、この服務準則を遵守する義務を負っていること、経営委員の一人一人が、この準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせたところであります。
○井出委員 この服務に関する準則、今お話がありましたが、経営委員がみずからお決めになっている。自分たちで決めていることをみずから守ることができないような方が、公共放送の、大きな影響を与える、そういう立場にいることがふさわしいのかどうか。 この経営委員の任命責任というのは総理にあると伺っておりますので、総理に見解を伺います。
○新藤国務大臣 この経営委員につきましては、放送法第三十一条一項に基づきまして、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、教育、文化、科学、産業といった分野等を考慮して、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとされております。 実際の選任に当たりましては、私が、放送法を所管する立場から、任命権者である総理と御相談しながら、最善と考える人選を行い、一部野党、維新、みんなの賛成もいただきながら、国会の同意を得て適切に選任されたものと存じております。
○井出委員 今いただいた御答弁の中で、国会の承認という話もありました。 昨年の秋にこの経営委員の人事が出てきたときに、安倍総理のお友達だ、そういう報道が幾つも出てきました。私はその報道を見たときに、お友達というその報道、これは、安倍総理に関しては、第一次政権のときからお友達内閣だというような報道があって、私の感想は、また同じ言葉を紋切り型に使うのかと、少し私はその報道に対して否定的な考えを持っていました。 ですから、その同意人事が上がってきたときも、私もNHKにいましたので意見を求められることもありましたが、私は、わからないことはわからないし、報道にあることは報道であるだけですし、報道であるからそうではないだろう、そういう思いで去年の秋の国会はその同意に賛成をするという、前の党での話ですけれども、そういう経過がありました。 しかし、任命された後に、服務の準則に明確に、信用失墜行為に違反するような、そういった悪い結果がもう明らかに出てしまっている。この任命責任というのは、総理、明らかにあると私は感じていますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 NHKの経営委員は、NHKにおられたからよく御存じのとおり、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとなっており、現在の経営委員の方々は、そのような手続に従って、一部の、元みんなの党等も御同意をいただき、承認を、適切に選任されたものであります。 また、先ほど浜田委員長が述べられたように、昨日、経営委員としての職務以外の場において、みずからの思想、信条に基づいて行動すること自体は妨げられるものではないと認識をしている、また、経営委員会は経営委員会委員の服務に関する準則をみずから定めており、経営委員はこの準則を遵守する義務を負っている、そして、経営委員会において、経営委員一人一人が、この準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせたということでございまして、NHKには、自主自律の原則のもとに、放送法にのっとって取り組んでいただくことを期待しているところでございます。
○井出委員 個人の思想、信条を妨げるものではない、今まで答弁を伺っていてそこは私も理解をするんですが、明確な服務準則の違反を、私はもうこれは明らかだと思っております。 先ほどのNHKに寄せられている苦情の件数、また、発言の内容については本人も少し言葉が荒かったというようなことをお話をしているようですが、海外の報道でも大きく取り上げられている。私は、会長は先ほど国際放送を頑張っていきたいというようなお話がありましたが、NHKの国際的な評価を高めていくということは、日本にとっても国益に資することだと思っております。それが今、この経営委員の御発言、また会長の就任会見で、大きく揺らぐ事態になっております。 経営委員に関しては、総理に任命責任があると思います。これだけの悪い影響、結果が出ているのですから、その任命責任について、はっきり御見解をいただきたいと思います。
○新藤国務大臣 まず、経営委員が個人的に行った発言について、政府はコメントするべきではない、これはまず確認をしたいと思います。 その上で、放送法上に経営委員の言動を制限する規定は存在しない、したがって、経営委員としての職務以外の場において、みずからの思想、信条に基づいて行動すること自体は妨げられない、これも確認したいと思います。 その上で、放送法の二十九条第二項でありますが、経営委員会は、その職務の執行を個々の委員に委任することができない。経営委員が、個人が業務を執行することはできない。あくまで、経営委員会は、多様な経験と知識を有する委員の合議体としてこの役割を果たすことが期待されている。これも確認したいと思います。 その上で、三十二条でありますが、経営委員は個別放送番組の編集等業務を執行できない、したがって、個々の思想、信条が個別の番組に、経営委員の個別の思想、信条が個別の番組に反映されることはない。これも確認をしたいと思います。これは法律やそういった規則でこのようになっているわけであります。 その上で、総務省としては、これは、経営委員会が、委員相互の真摯な御議論を通じて、放送の不偏不党、そして真実及び自律の保障という原則に従って役割を果たしていただきたい、このように思っておりますし、また、きのうの経営委員会においては、経営委員一人一人が、服務準則にのっとり、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動することを改めて申し合わせた、このように見解を出されております。 経営委員会の自律的な取り組みによって、放送法に定める職務を遂行していただくことを私どもは期待しているわけでございます。
○井出委員 先ほども申し上げましたが、私は、総理のお友達だという報道があったときから、報道だけで予断を持ってはいけない、そういう思いで、さきの国会を見てきたわけであります。 しかし、今、結果として明らかに悪い影響が出ている。みずから決めた準則に私は明確に違反していると思っておりますし、特に海外の評価、NHKの、公共放送の評価が下がることは日本にとってマイナスだと思っております。公共放送が、ほかの国に見られるような、国営放送、自分たちの国の主張だけをしていく……
○金田委員長代理 井出君、時間が参りましたので、まとめてください。
○井出委員 それも私は十分必要なことだと思うんですが、NHKの海外での評価を今、落としかねないような事態になっている。 その経営委員の任命責任の一端というのは、やはり私は総理にその責任があると思いますので、最後に総理から御答弁をいただきたいと思います。
○金田委員長代理 時間が参りましたので、まとめていただいたものと思います。
○井出委員 終わります。ありがとうございました。
○金田委員長代理 これにて井出君の質疑は終了いたしました。 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 きょうは、日・インド原子力協定交渉に関連して質問をいたします。 安倍総理は、今国会開会直後の一月の二十五日にインドを訪問し、マンモハン・シン・インド首相との間で、日・インド戦略的グローバルパートナーシップの強化の共同声明を行いました。 共同声明の中で、原子力協力については、両首脳は原子力安全が両国政府にとって重要事項であることを認識しつつ、両国間の民生用原子力協力の重要性を確認した、両首脳は前回会談以降の日・インド原子力協定交渉の実質的な進展を歓迎し、早期妥結に向け一層努力するよう、双方の関係当局に指示したとしております。 そこで、まず、岸田外務大臣にお尋ねをいたします。 インドにおける原子力発電の現状、また、今後の目標はどのようになっているのかについて教えていただけますか。 〔金田委員長代理退席、萩生田委員長代理着席〕
○岸田国務大臣 まず、インドにおける原子力発電の現状ですが、インドで運転中の原子力発電所は現在二十一基あります。その設備容量は約五百七十八万キロワットであります。また、建設中の原子力発電所は五基ありまして、設備容量約三百八十万キロワットとなっております。 そして、目標についても御質問がありましたが、設備容量の目標ということで、インドは、この設備容量を、二〇二〇年までに約二千万キロワットとし、二〇三二年までに、現在の十一倍弱に当たりますが、約六千三百万キロワットに拡大するとの目標をインド政府として掲げています。
○塩川委員 今御答弁いただきましたように、インドにおきましては、原発が現状から十倍以上伸びると想定をしているわけであります。 そこで、資料を配らせていただきました。 一枚目が、長崎市のホームページに掲載されております、核弾頭の保有数と世界の主な核実験場の地図であります。 そもそもインドは、核の五大国などとともに、核兵器保有国の一つであります。この地図でも、ストックホルム国際平和研究所などの資料をもとに、インドの核弾頭保有数を九十から百としているわけですけれども、今、安倍総理が進めている日・インド原子力協力について、被爆地から批判の声が上がっております。 資料の二枚目。これは、広島と長崎の平和宣言の抜粋をしたものであります。 昨年八月六日、松井広島市長は、広島平和宣言におきまして、「日本政府が進めているインドとの原子力協定交渉は、良好な経済関係の構築に役立つとしても、核兵器を廃絶する上では障害となりかねません。」このように指摘をし、また、田上長崎市長は、「NPTに加盟せず核保有したインドへの原子力協力は、核兵器保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになります。NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げにもなります。」このように指摘をしているわけであります。 総理にお尋ねいたします。 今、総理が進めておられます日・インド原子力協定交渉に対して、被爆地の広島、長崎においてこのような平和宣言が出されている。こういう広島、長崎の声について、どのように受けとめておられますか。
○安倍内閣総理大臣 インドは確かにNPTを締結していません。政府としても、インドとの原子力協定が国際的な核不拡散体制を損なうことがあってはならないと考えています。その問題意識を国際社会と完全に共有していると言ってもいいと思います。 他方、二〇〇八年、原子力関連技術等の輸出管理の指針を定める原子力供給国グループ、NSGと言われておりますが、NSGは、まず核実験モラトリアムの継続、そして二番目に原子力施設の軍民分離、そして三番目にIAEA追加議定書の署名と遵守、そして四番目に核物質等の効果的な輸出管理といった、インドによる約束と行動を前提に、NPT未加盟のインドとの原子力協定を行うことを例外的に可能とする決定をコンセンサスで行ったところでございます。インドはこの約束を着実に実施してきているのも事実であります。 また、原子力協定は、原子力技術等の平和的利用、不拡散等を法的に確保するための枠組みでもあります。インドとの間で原子力協定を締結することは、国際的な不拡散体制の強化に資する効果も期待されるわけでありまして、いずれにせよ、インドとの原子力協定を進める際には、NPTの普遍化を日本として引き続き追求すること、インドによるCTBT署名、批准等を求めていくということを、インドに引き続き伝えていく考えであります。
○塩川委員 日・インド原子力協定交渉、今、総理がお答えになりましたNSGのコンセンサス、その中に、核実験モラトリアムの継続や原子力施設の軍民分離などが取り上げられているわけですけれども、インドがこれを実施するということでのお話がありましたが、本当にそうなるのかということがまさに問われているわけであります。 今、核兵器の人道上の影響に関する第二回国際会議が、ちょうどきょうからメキシコで開かれております。核兵器使用による人道上の影響、とりわけ社会的、経済的影響を検証する、こういう場に日本国の代表も派遣をされております。 日本被団協の藤森事務局次長は、この出発に当たっての会見でも、被爆七十年を迎える被爆者の苦しみと核兵器なくせという心からの叫びを世界の人々に訴えたい、こういう核兵器の非人道性を告発する、そういう国際世論、新しい流れを大きく前進させるために取り組むという決意を述べておられましたが、今回の日・インド原子力協力というのが核兵器廃絶を願うこの被爆者の叫びに逆行するのではないのか、このことが問われているわけであります。 先ほども答弁にありましたように、総理は原子力施設の軍民分離などと答弁されましたが、本当に軍民分離が可能なのかという問題であります。 そこで、原子力委員会にお尋ねをいたします。 原子力委員会のもとに国際問題懇談会が置かれて、そこが「インドをめぐる国際的な原子力協力の動きにかかわる現状」という報告書をまとめました。この報告書の中で、インドの原子力開発と核兵器開発の歴史についてどのように紹介をしているか、また、一九七四年のインド核実験についてどのように指摘をしているのか、この点について、原子力委員長から御答弁をいただきたいと思います。
○近藤参考人 お答えいたします。 報告書では、インドは、一九六〇年には、カナダ型のサイラス研究炉の初臨界を達成いたしまして、一九六四年には、みずから建設した再処理工場において、サイラス研究炉の使用済み燃料からプルトニウムの抽出に成功し、一九六五年には、平和利用を目的とした核爆発研究を開始しました。 この間、御指摘にありましたように、国際社会がNPT条約を成立させたわけでありますが、これをめぐってといいますか、これに続いてと申しましょうか、インドは、御指摘にありましたように、これに加盟しないとしたところでありますが、さらに、一九七四年に至りまして、平和的核爆発と主張する地下核爆発実験を行いました。 したがって、これを受けまして、国際社会は、一九七五年に、米国、カナダ、日本その他原子力資機材の供給国が、核兵器開発に使用され得る資機材、技術の輸出管理を通じて核兵器の拡散を阻止することを目的としたNSGをつくったということでございます。
○塩川委員 一九六〇年にカナダ型のサイラス研究炉が初臨界を達成し、その使用済み燃料からプルトニウムが抽出をされた。そのサイラス研究炉の使用済み燃料から抽出されたプルトニウムを利用して、一九七四年にインドが核実験を行ったということだと思うんですが、その点だけ確認で答えていただけますか。
○近藤参考人 お話のとおりでございます。
○塩川委員 今、原子力委員長の御答弁にもありましたように、インドは、重水炉を使ってプルトニウムを生産し、核兵器を製造したわけであります。 資料の三枚目をごらんいただきたいんですが、日本原子力研究開発機構、JAEAの資料でありますけれども、インドの原子力施設の軍民分離計画であります。 二〇〇六年の三月に、アメリカとインドは、インドの原子力施設の軍民分離に関し合意をいたしました。そのときの軍民分離計画の図であります。ごらんいただいてわかるように、上が民生となって、下が軍事となって、途中に線が入っているわけであります。 下の軍事のところをごらんいただきたいんですが、トロンベイと書かれている部分があります。その後にBARCとありますが、このBARCというのは、インドのムンバイの郊外のトロンベイに所在をする、国立のバーバ原子力研究所を指しております。その下に矢印がついていますが、燃料製造、金属ウランプラントからサイラス及びドルーバ、そして再処理、プルトニウム分離プラント、そして軍事利用という流れがここに書かれているわけであります。 こういった資料がJAEAの配付資料としてあるということについて、文科大臣に確認で御答弁いただけますか。
○下村国務大臣 御指摘の資料は、平成十九年五月に、日本原子力研究開発機構の内部の勉強会用として作成された資料として承知をしております。 資料中、インドのトロンベイにあるバーバ原子力研究所に関する記載でございますが、これは、平成十八年三月に米国議会調査局が作成した公開資料に基づいて作成したものと聞いております。 同資料は、米国とインドとの間で民生用に限った原子力協力を行う方向で協議中の時期に、両国間で合意されたインドの原子力施設に関する民生用と軍事用との区別について解説した資料であります。 同資料では、御指摘のトロンベイのバーバ原子力研究所の原子力施設は軍事用として区分されております。
○塩川委員 このアメリカとインドの軍民分離というのが、その後のNSGのコンセンサスにもつながっているわけでもあります。 この資料そのものは、出典のところにありますように、元データは、アメリカのローレンス・リバモア研究所、核開発、原子力開発研究で著名なところですけれども、そこの資料がもとになっているものであります。 そこで、配付資料の四枚目と五枚目、これは、もともと原子力委員会の先ほど紹介した国際問題懇談会の会合での配付資料を紹介したものであります。「インドの原子力施設」ということで、一枚、二枚とつけてあります。 原子力委員長にお尋ねしますが、このインドの原子力、これの二枚目の方を見ていただきますと、真ん中あたりに「グループ2 核兵器用核分裂性物質生産」とあります。その後に「プルトニウム製造」とあって、枠の表があるわけですけれども、そこのところにサイラス、ドルーバと書いてあります。 確認ですけれども、このサイラス研究炉とドルーバ研究炉の「機能」にはどのように書かれているでしょうか。
○近藤参考人 お答えします。 「兵器級プルトニウムを製造」と、両方ともに書かれています。
○塩川委員 ここにありますように、サイラス研究炉そしてドルーバ研究炉は、兵器級プルトニウムを製造する。兵器級プルトニウムというのは、プルトニウム239を九三%以上含有するプルトニウムであり、まさに核兵器を開発する、そういう目的での施設になっているわけであります。 「プルトニウム分離工場」も、その下に書いてありますけれども、同様に「機能」の部分を見ると、「主に核兵器用にサイラス及びドルーバから燃料を処理」と書かれているわけであります。 このトロンベイという場所は、先ほども紹介したように、バーバ原子力研究所の所在地で、バーバ原子力研究所は、核兵器用プルトニウムを製造する軍事研究施設であるわけであります。 そこで、私が指摘をしたいのは、日本企業の日機装の技術、製品がインドの核兵器開発、製造に使用されたのではないかという問題について取り上げたい。 日機装は東証一部上場企業で、会社四季報などを見れば、日機装の特色というのは、化学用精密ポンプ首位、人工腎臓もトップシェア、ナノテク、航空機エンジン部材へ展開とあります。つまり、化学用精密ポンプ製造の業界トップ企業であります。 その日機装が一九八〇年代から九〇年代にかけて、バーバ原子力研究所とインド原子力省に多数のポンプを納入してきたという実績があります。このことを示しているのが配付資料の五、日機装のインド原子力省向けポンプ実績表であります。この実績表は、日機装の関係者から提供されたものであります。 ここで、左側に丸数字を打ちましたけれども、14を見ていただくと、類別ナンバーでACU38—0167Aというのがあります。発送日が一九八〇年の三月二十七日で、注文主名がガバメント・オブ・インディア、インド政府になっています。一つ飛ばして納入先名のところを見ると、デパートメント・オブ・アトミック・エナジー、要するにインド原子力省を指しているわけです。一つ飛ばしたところが、液名のところが、ヘビーウオーターとあるように、重水を指します。 つまり、これは、インド原子力省に納入をされた重水を移送するためのポンプ、気密性の高いノンシールポンプと言われているものだそうですけれども、こういう重水移送用のポンプが、別名R5プロジェクトと言われていたドルーバ研究炉に使用されたと日機装の関係者が証言をしております。バーバ原子力研究所の日機装との入札書類の中に、このR5に使用されるポンプと記載されていたということであります。 そうなれば、日機装のポンプを使用したドルーバ研究炉の使用済み燃料が再処理をされて、核兵器用プルトニウムが製造されたことになります。そのプルトニウムで核兵器がつくられた可能性がある。 茂木経産大臣にお尋ねしますが、消耗部品を定期的に交換すれば、ポンプは五十年は十分に運転できると言われております。つまり、一九八〇年に納品したポンプが、今なお核兵器用プルトニウムを製造するドルーバ研究炉で稼働している可能性があるんです。こういう問題について、きちんと調べる必要があるんじゃありませんか。
○茂木国務大臣 資料を御提供いただきましたが、塩川委員の今の御指摘、若干論法が飛んでいる気がいたします、最終的に自分の結論からこういったことを言われている部分もあるかと思うので。 いずれにしましても、先ほど近藤委員長からも答弁をさせていただきましたように、原子力供給国グループ、日本も入っておりますが、NSG、ニュークリア・サプライヤーズ・グループ参加国は、原子力関連資機材、技術の輸出国が守るべき指針であるNSGガイドラインに基づきまして輸出管理を実施することとなっているところでありまして、重水製造装置とは、原子炉の一種である重水炉に使われる重水の分離に用い、通常の水、軽水の約〇・〇二%を含む重水を分離する装置でありますが、我が国においても、同ガイドラインに基づきまして、重水製造装置及びその部品、附属装置は、外為法の政令であります輸出貿易管理令別表第一の二に規定されておりまして、輸出に当たって、経済産業大臣の許可が必要となっております。
○塩川委員 私が言いたいのは、核保有国のインドに原子力関連の製品やあるいは技術を提供するということが、いかなることにつながるのかという問題についての認識を問うているわけでありますよ。まさにその点が疑われるような事態が生まれているんじゃないのかということを指摘しているわけで、それを、何か結論が先にありきと言うこと自身がおかしいと言わざるを得ない。 もう一つ、この資料をもとに、重大な問題があるということを指摘したい。 今、茂木大臣も答弁でも言われた重水製造設備の関係ですけれども、重水製造装置またはその部分品もしくは附属装置は、輸出貿易管理令において輸出禁止対象となっておりますけれども、それはいかなる理由なのかについてお答えいただけますか。
○茂木国務大臣 先ほど申し上げましたように、原子力の供給グループ、この参加国におきましては、原子力関連資機材、技術の輸出国が守るべき指針でありますNSGのガイドラインに基づいて輸出管理を実施するということでありまして、その項目に含まれるということであります。
○塩川委員 昨年十二月八日、IAEAは、イランの西部にありますアラクで、建設中の重水炉に使用される重水製造設備を査察いたしました。重水炉は核兵器の原料となるプルトニウムが抽出しやすいことから、重水製造設備は核兵器製造と不可分の設備となっているからであります。インドでも同様であります。 そこで、配付資料の四の二をもう一度ごらんいただきたいんですが、ここに、先ほど言いました「プルトニウム製造」の上に「重水製造工場」とありますけれども、ここの中に、下から三つ目にタール・バイシェットという名前が書かれております。これはマハラシュトラ州のタールというところに所在をする施設だそうですが、このタールは、ラシュトリア・ケミカル・アンド・ファーティライザーという、ラシュトリア化学肥料会社に隣接をするタール・プラントのことであります。重水製造工場は窒素肥料工場とリンクをしているというのが実態になっているということです。 そこで、資料の五の方の丸数字の7のところを見ていただくと、一番左の類別ナンバーACU42—0755A、上から七番目ですが、発送日が一九八五年の三月三十日、注文主名がガバメント・オブ・インディア、インド政府で、納入先名を見ると、ヘビーウオータープロジェクト(RCF)となっています。重水のプロジェクトで、括弧で書いているのが、先ほども紹介しましたラシュトリア・ケミカル・アンド・ファーティライザーという化学肥料会社を指しております。 一つ欄をあけて液名のところを見ると、NH3プラスKNH2、これはアンモニアと触媒であるカリウムアミドをそれぞれ指しているものであります。つまり、アンモニアと水素を置換するシステムで、重水をつくる、重水製造設備の反応を促す反応塔ポンプ、コラムポンプと言われているものに使用されるポンプということを指しております。 日機装がポンプを納入した重水製造工場、タール・プラントで製造された重水をドルーバで使えば兵器級プルトニウムが製造できるわけで、まさに核兵器の開発、製造に直結をする、そういう施設のポンプを日本企業が納入していたという問題になります。 茂木経産大臣に重ねてお聞きしますが、このような日機装のインドに対する重水製造装置の一つであるポンプの供給というのは、外為法の輸出貿易管理令にも違反するような重大な問題であって、こういう核保有国に対する原子力関連技術の輸出について厳しく実態調査を行うべきだと考えますが、改めてお答えください。
○茂木国務大臣 私、化学専門でありませんので、アンモニアとかカリウムアミドがどうだということについてはなかなかお答えしにくい部分があるわけでありますけれども、重水製造装置の部品である、少なくとも、この表からはそういう確信を持つことは難しいのではないかな、こういうふうに思っております。 その上で、個別企業の個別事案についてコメントすることは差し控えたいと考えておりますが、重水製造装置及びその部品、附属装置について、これまで外為法に基づきまして厳正に政府として審査をしてきておりまして、今後とも厳正に審査をしてまいります。
○塩川委員 最後に、総理にお尋ねいたします。 私は、被爆国の国民の立場からも、核保有国への原子力協力は容認できないと考えます。原発輸出そのものをやめるべきだと訴えたい。 総理は、七年前、第一次安倍内閣のときに、この予算委員会、ちょうど二月十三日に、このインドへの原子力協力の問題を問われて、「インドへの原子力協力については、国際的な核軍縮、不拡散体制への影響等を注意深く検討する必要がある、」と述べておりました。 今回、前のめりとなっているわけですけれども、安倍総理は、被爆国としての原点に立ち返って、他国の核兵器製造に加担するようなことを決して行ってはならないと考えますが、総理としてのお考えを最後にお聞きしたい。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、他国の核兵器製造に、決してそれを推進するようなことがあってはならない、これは全く塩川委員と同じであります。 インドの原子力協力を進めるに際しては、インドによる核実験モラトリアムの継続、そして原子力施設の軍民分離等が協力の当然の前提であることを、これまでもインド政府との間で確認しています。インドは、軍民分離計画に従って、現在までに十九施設を民生用原子力施設としてIAEAに申告しているものと承知をしております。 今後とも、核軍縮、核不拡散の重要性を十分に念頭に置き、そして国際的な不拡散体制の強化に資する取り組みを行うよう、インドに対して促していく考えであります。
○塩川委員 軍民分離というのはまやかしじゃないのかというのが今問うていた問題でありまして、私は、原子力輸出そのものが認められない。あの福島の原発事故の教訓からいっても、原発ゼロこそ進むべき道であり、こういった問題についてしっかりとした調査を政府が行うことを強く求めて、質問を終わります。
○萩生田委員長代理 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。 本日最後の質問となりますので、皆様方におかれましてはもうしばらくおつき合いいただければと思います。 さて、昨年も質問させていただきました。去年は、小水力発電やそういった自然エネルギーに関して、また女性の活用について質問させていただきました。 昨年の十二月、世界経済フォーラムで、男女平等評価というものの中では、日本の順位が昨年は百三十六カ国中百五位と、二〇〇六年の調査開始以来、下がったということで、大変残念な思いもしております。 特に、昨年総理に質問させていただいたときに、決定権を女性が持ってほしいというようなことでありまして、おかげさまでというか、そういったことでさまざまなところに活用いただけるということもありましたので、その観点でも本来質問もしたかったんですが、本日は、多様な価値観をいかに認めていくのか。やはりそういったことが、今の日本、グローバル化の中において、日本の地位というもの、また日本人の向上というもの、日本文化を世界に知らしめるという意味において大変重要かという思いがございますので、その点に関しまして特に質問をさせていただきたいと思っております。 さて、昨年、富士山もそうですけれども、和食、日本の伝統的な食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されました。この中においては、ユネスコの無形文化遺産として二十二のものが今登録されています。能から始まり、さまざまなものが今登録されているわけであります。 これを受けまして、まず最初に伺いたいんですが、やはり文化というものは一日でできるものではありません。なかなか地域のコミュニティーが希薄になってきているという時代においては、やはり学校という教える場、そして地域とのつながりというものも、今、新学習指導要綱の中で、全面改訂におきまして深められているかと思います。 そういった中において、この無形文化遺産の登録を受けて、初等中等教育への反映についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 グローバル化が進展をしているわけでありまして、我々は、グローバル化が進んでいく中においてグローバル人材を育てていきたい、こう思っておりますが、グローバル人材とは何か。国際的に通用する人材であるとともに、いわば、しっかりとした日本人としてのアイデンティティーを持ち、そして教養を持っていなければ、日本の文化についても自分自身についても語ることはできないわけでありまして、それが語ることができる人物こそ真のグローバル人材と言えるのではないか、私はこのように思います。 自信と誇りを持って世界で活躍する人材を育成するためには、日本の伝統や文化に関する教育の充実を図ることが重要であります。 七年前に教育基本法を改正したわけでありますが、この改正した教育基本法にはしっかりと教育の目標を書き込んだわけでありまして、第二条の五に、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、」こう書き込んでいるわけでございまして、この改正教育基本法にのっとって改訂した学習指導要領においては、例えば古典や民謡、和食など、我が国の伝統や文化に関する内容の充実を図ってきたところでありますし、また、武道においても、中学で、これも必修化したところでございます。 日本文化に関する深い理解に基づいて、郷土や我が国の伝統と文化を尊重するとともに、他国の文化を尊重する態度を養うことができるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 〔萩生田委員長代理退席、委員長着席〕
○小宮山委員 きのう、きょうと、結構、文化の質問も随分重なっているかと思いますけれども、そういう意味におきましては、今総理からの御答弁がありましたけれども、多様な文化、また世界にはさまざまな独自の文化があり、そしてグローバル化の中で日本人が生き抜くという意味においては、総理も今、私も同じ認識ではございます、まずはやはり自国の文化に誇りが持てるということ、それが、他国の文化を持っている方々の誇りというものを理解する、相互理解につながるというふうに考えております。 さて、また学校教育の現場の方に戻らせていただきたいと思います。 その中で、昨年ぐらいからでしょうか、教育として、ヒップホップやロック調の曲に合わせたダンスが取り上げられているということが見受けられます。なかなか、教員の方々が、それを教えるのにまた先生について習うという意味で、さまざまな特集をテレビで目にすることもございました。大変御苦労されているのも実際に見るところでもあります。 そして、私も地元でさまざま聞かれるんですけれども、あのヒップホップとかのダンスは何のために取り入れているんだということを聞かれるんですが、この点、ぜひ、まず大臣に御確認をしたいと思います。導入の目的を確認させていただくと、自己の表現というのであれば、日本舞踊や民舞などさまざまな表現方法、体で表現をするという方法はあるんだと思います。なぜにヒップホップなのか、このあたりもぜひ聞かせていただければと思います。
○下村国務大臣 きょうは、小宮山委員におかれましては、質問に沿ったような、もともと大和なでしこで、和装ですばらしいと思います。 今御指摘のダンスでありますが、これは現在、運動等の、その体育的側面を捉えて、小学校の体育、それから、中、高等学校の保健体育において取り扱われております。この中で、ロックやヒップホップ等の曲のリズムに乗って全身で自由に弾んで踊るダンスは、小中学校は平成十四年度から、高等学校は平成十五年度から、小学校の体育の表現運動の領域、それから、中、高等学校の保健体育のダンス領域の中で取り扱うことができるとされているところでございます。 表現運動それからダンス領域での運動は、踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにしたり、仲間とともに感じを込めて踊ったりすることの楽しさや喜びを味わうことを重視しており、御指摘のダンスは、現在の時代に合った学習内容として取り扱うこととされておりまして、百五時間のうちの約十三時間がこのダンスに該当する授業時間でございます。 日本舞踊等については、一般に、このような申し上げた体育的な側面というよりは、芸術的側面を重視する表現活動とのことから、各地域、学校によって、他のさまざまな教育活動、例えば総合学習とかクラブ活動とか、そういう中で指導がなされております。これらの中で有益なものは情報提供を文部科学省としてもしまして、ほかの地域、学校の参考になるように努めてまいりたいと思います。
○小宮山委員 ありがとうございます。 ダンスの方は、約一割に当たる時間数を使い、そして、表現運動、あくまで運動であるということのようであります。 私も、実は、表現方法の一つであったり感情をあらわす、そのためにやっているのかというふうに思っていたところがありますが、レクに来た文科省の方にお話を聞いたら、楽しく動くことが目的だということを伺いまして、楽しい人もいると思いますが、あのリズムに合わない方は苦しいものなのではないか。そういう意味では、楽しいかどうかは人それぞれだと思っております。 私も、夏になりますと、盆踊りとかさまざま、各地に行きます。正直申し上げまして、相当あれも体力を使うし、日本舞踊をやったことのある方はわかる。足腰等、中腰になってきれいな表現をするという意味においては、筋力という意味では相当使っているものでもございます。 そういう意味においては、一割を割いているこの時間というものが、正直、芸術ではないかもしれませんが、表現というものも含めて考えるならば、やはりさまざまな表現方法もあるんだ、そういった複合的な教え方というのもあるのではないか。その中では、跳びはねたり、リズムに合わせて動く、楽曲に合わせて踊るという意味においては、日本の民謡であったり、民舞であったり、盆踊りであったりも含めて同じだと思いますし、また、運動という意味においては、先ほど総理も指摘されましたが、武道なども、激しく動くのではないですけれども、筋力を使うという意味においてはさまざまな筋肉を使うものでもございます。そういったものもぜひ取り入れるという方向で御検討いただければというふうに思います。 また、総合学習の中においては、これは恐らく、きょういらっしゃる先生方の中にも、各地域ごとの伝統の文化、踊りであったり、さまざまなものがあると思います。しかし、それを取り入れるかどうかというのは、意外に、校長先生がかわったり指導者がかわると、なくなったり復活したりということで、一定のものではないというふうにも伺っております。また、指導者において、それを見つけるのが難しい。学校の先生は日本文化はなぜ教えないんだと、私、県会議員のときに教育局に聞きましたら、日本文化は難しいから教えられないというようなことをおっしゃる方も実際にいました。 実際、私自身も、本当に、能とかそういうものを、日常、また学生時代も含めて、ここの委員室の中でも、どれだけの方が理解をし、好きで見ていたりとかするのかというと、手を挙げてとは言えませんので、お問い合わせしませんけれども、やはりそういう意味では、日本文化というものに、本当に伝統的なものに触れる機会というものが減っているのではないかということがあります。 だからこそ、子供のころにさまざまな日本の伝統文化に触れる、そういった場というものを提供することによって、日本の文化というものがちゃんとその中で育ち、自分の好きなものが選べるという選択につながるんだというふうに考えております。 ぜひ、こういったことも今後取り入れていただけるのか、御検討していただけるのか、大臣に伺ってもよろしいでしょうか。
○下村国務大臣 御指摘のように、日本人としてのアイデンティティー、日本の伝統や文化に対する深い教養を備えた人材を育成していくということは重要な課題であるというふうに思います。 改正教育基本法を踏まえて改訂した学習指導要領においては、例えば中学校の音楽科における民謡、長唄、家庭科における和装の扱い、それから、我が国の伝統や文化に関する内容の充実を図っているところでございます。 日本文化に関する指導を行う際に、学校の先生はなかなか難しくて教えられないという方もたくさんいらっしゃるという中で、外部の指導者の協力を得ることも御指摘のように重要だというふうに思います。 例えば、来年度予算案では、道徳教育に係る外部指導講師などの取り組みについて支援する経費を計上しておりますが、さらに、この四月から、土曜日に、児童生徒が日本文化について専門家から学ぶ機会を提供することも有意義であると考えておりまして、文部科学省としては、来年度予算案に計上したこの土曜日の教育活動推進プラン、予算案が十四億円で、これは小中高合わせて五千校を対象にしておりますが、この中で、ぜひ子供たちの日本文化に関する教育の推進等も図っていくことも、各教育委員会にも提案をしてまいりたいと思います。
○小宮山委員 ありがとうございます。 ぜひ、書道であったり、海外に行ったときに、私も留学をしたときに、やはり日本文化を当時は知らなかったということで、日本に帰国してからお茶を学び始めたという歴史も、自分自身、思いもあります。また、県議のときに視察にアメリカに行ったときに、同僚の県議が祝い歌の民謡を会場にいる方にプレゼントされました。大変喜ばれました。 やはり、そういうこととかをさまざま考えますと、これから、今、大臣がおっしゃられました、さまざまな文化も含めて教える場ができるということであります。書道であったり茶道(ちゃどう)であったり、また華道もそうですが、さまざまなことについて、私たちの国のことを日本の子供たちがしっかりと説明ができる、また、それを表現ができるという環境をさらに深めていただければというふうに思っております。 時間の関係もありますので、先に行かせていただきます。 茶道(ちゃどう)を私自身やっているんですけれども、このたび、日本の日本食というものが指定されました。茶道(ちゃどう)は、いろいろな文化が融合されているものでもあります。(発言する者あり)普通、茶道(さどう)と、お茶の道と書きますけれども、私は裏千家の門下なので茶道(ちゃどう)と、お茶の道なので茶道(ちゃどう)というふうに言わせていただきます。京都の方だとわかるので、ちょっと特殊かもしれませんが、よろしいでしょうか。疑問に思っていただいてありがとうございます。 でありますので、日本の独自のこういった様式美というもの、茶道(ちゃどう)を見ていますと大変おもしろいのが、実際には、お手前という無形の部分、そして道具、引き継いであったり消耗品であったり、固形物というんでしょうか、有形の部分との融合で成り立っているものであります。大変特殊な部分もあるかと思いますが、こういったものに関しても、ユネスコの世界遺産登録というものを目指してもいいのかなというふうに思った次第でございます。 こういったこと、さまざまなものが今まだ登録の順番待ちとは伺っておりますけれども、その可能性や、また、その立ち位置というのがちょっとわかりづらいんですけれども、こういったことも含めて、今後、登録を目指していくのか、また、何らかの見解等はあるのか、ぜひお聞かせいただければと思います。
○下村国務大臣 私も裏千家をやっておりますので、この茶道(ちゃどう)は、お能や歌舞伎等の伝統文芸あるいは芸能とともに、日本を代表するような誇る文化であるというふうに思います。 そうした中、昨年十二月に登録が決定された和食、日本人の伝統的な食文化は、自然の尊重といった日本人の精神を体現した食に関する社会的習慣として提案されたものでありますが、日本人の精神性に基づく美意識等、茶道(ちゃどう)に共通するものがあることから、茶道(さどう)関係団体も、保護活動に参画する意思のある任意団体、同意団体というふうになっております。 ユネスコへの提案でございますが、近年のユネスコの審議も踏まえ、国内各地域の登録への要望を実現するため、当面は、まず一つは、既にユネスコに申請している案件のうち、特に、これまで登録されている案件と類似しているとして追加情報を求められている案件の早期の登録を目指していく。その際、国の指定を受けている同じ分野の文化遺産を一括して新たにグルーピング化した提案を行うという方針をとっておりまして、その中で、各行事であるお祭りのときの屋台行事とか、お神楽とか、それから、なまはげとか、そういうものがグルーピングの中に入っております。 文部科学省としては、まずは、この追加情報が必要であると決定された案件をグルーピング化した提案について、地域のニーズも踏まえ、早期の登録を目指すということを優先順位にしていきたいというふうに思っておりますが、御提案の茶道(ちゃどう)文化のみを対象とするということについては、今まで関係団体から特に提案もございませんでしたが、関係団体の意見も伺いつつ、新たにさらに検討してまいりたいと思います。
○小宮山委員 ありがとうございます。 先ほどから日本食について質問させていただいています。これを機会に、やはりグローバル化の中においてさまざまな日本のアピールというものもできるのかというふうに考えております。 この点に関しまして、関係の省庁から、今後、日本食を国内外に、世界に対してどのようにアピール、普及していくのか、簡潔にお聞かせいただければと思います。
○林国務大臣 和食は、ユネスコ無形文化遺産登録に決定をしていただきまして、大変世界各国から注目度が高まっております。このような機会を捉えて、日本食、食文化の魅力の海外発信を強化するとともに、この間、私もドイツに出張のときにレセプションをやってまいりましたが、和食という言葉自体がもう向こうで使われるようになる、こういうふうに発信を強化していきたいと思います。 また、国内にも、先ほどちょっと音楽の話がありましたが、国内でも正しく継続的に和食、食文化が普及拡大する仕組みを構築したいと思っておりまして、総理や私の今お話ししたような海外出張の機会に合わせまして、外務、経産、国税等と連携した食文化の魅力発信、レセプション等の開催をやる。 それからもう一つ、クールジャパン推進会議で提言されました食の伝道師、これを育成するために、例えば、海外の料理人に、だしのとり方、こういうことを初めとした調理技術、それから衛生管理を教える講習会、海外の調理学校での日本食講座の開設、こういうことをやっていこう。 それからもう一つ、外国人の料理人の方で、日本国内で働きながら日本食、食文化を学べるようにしていただくために、逆の話は、日本人の若い方がフランス料理の修業なんかによく行かれているわけですが、この逆ができるように、関係省庁と連携して、外国人料理人に対するビザ要件の緩和、こういうことに取り組んできておるところでございます。 また、平成二十五年度からは、ジェトロさんが国内外に大変幅広いネットワークを持っておられまして、ここと連携を強化しまして、見本市の出展、商談会、こういうものに加えまして、今から輸出をしていこうという事業者へ総合的なビジネスサポート、この体制の構築にも取り組んでおるところでございます。 さらに、先ほど国内の話をいたしましたが、消費者それから食関係者等を対象として、郷土料理の魅力を普及するシンポジウムの開催、こういうことを行うこととしておりまして、これらによって、国内外で日本食、食文化の普及拡大に係る取り組みを総合的、戦略的に推進してまいりたい、こういうふうに思っております。
○岸田国務大臣 ただいま林農水大臣の方からさまざまな取り組みについて紹介がありましたが、外務省としましても、平素の外交活動にぜひ和食、日本食を活用していきたいと考えております。 従来から外交行事ですとか会食に日本食を活用してきておりますが、特に、大型の外交行事、例えば天皇陛下の誕生祝賀レセプションですとか、昨年でいいますと六月のTICAD5の公式首脳晩さん会、こうした場におきましては、特に日本食を紹介し、活用し、そして日本酒で乾杯するなど、酒文化も含めて日本食の紹介に努め、大変好評を得ているところであります。 あわせて、全世界の在外公館におきましても、平素から、日本文化の紹介という見地から、日本食の講演会ですとか、あるいは日本食の調理の実演会ですとか、こうした発信に努めているところでありますし、また、国際交流基金等につきましても、日本食を活用したイベント、こういったものが行われております。 今回の、我が国のこの食文化が、和食という形でユネスコの無形文化遺産に登録されたということ、このことを一つの契機としまして、一層こうした取り組みに力を入れていきたいと考えています。
○小宮山委員 ぜひ力を入れていただきたいと思いますが、昨年の記事だったんですけれども、TPPの交渉か何かのときに、やはり日本食、また日本の酒をアピールしようといたしまして、イスラム圏の方にお土産として酒を渡そうとしたというような記事がございました。きょうのテーマは多様性でございますので、やはり、違う価値観をお持ちの国もある、そういった方もいるというのをしっかり理解をしていないといけないんだというふうに思います。 そこで、時間の関係で簡潔になりますけれども、訪日の観光客一千万人が達成されて、本当にうれしいことではあります。その中においては、やはりイスラム圏の方々も、日本にもっと来ていただき、日本を理解していただける、そういったマーケットというんでしょうか、そういった環境というものも目指さなければならないかと思っております。 ハラルの認定を受けられる食材とか調理の環境、そしてまた、今、学校の留学生でも、我が母校においても実はハラル料理を学食で出していたりいたしますが、そういった意味においては、どこでそういった料理が入手できるのか、そういった情報提供などもこれから必要かと思います。 この点に関しまして、お聞かせいただければと思います。
○太田国務大臣 昨年十二月二十日に訪日外国人旅行者一千万人を達成いたしましたが、ビザ緩和とともに、インドネシア、マレーシアなど、イスラム圏からの旅行者が急増いたしました。今後とも、さらなる成長が期待される東南アジアを初めとするイスラム圏の方々に訪問していただくことが極めて重要だというふうに思っています。 一方で、日本においでいただくムスリム旅行者の方々は、食の問題や礼拝場所の問題等、大変御不便を感じていらっしゃる、またお困りになっている状況にあるというふうに思います。ムスリム旅行者の方々の声をしっかり把握して対応することが重要だと思っております。 現在、観光庁、そしてJNTOが中心となりまして、海外のムスリム旅行者に対する情報発信と、国内の受け入れ環境整備の二つの視点で取り組みを行っているところでございます。 例えば、海外のムスリム旅行者への情報発信として、JNTOのホームページでのハラルフードのレストラン紹介、情報発信、そして現地旅行会社との共同PRや旅行博への出展等のプロモーションを行うなどしておりまして、国内の受け入れ環境の整備としては、宿泊旅行者向けの講習会の実施や、食や礼拝等、先進的なムスリム対応を行う地域への支援、モデル事業等を行わせていただいております。 今後一層、関係省庁と連携しながら、こうしたムスリム旅行者の方々へのおもてなしを強化していきたいと思っております。
○小宮山委員 ありがとうございます。 また、本日、全閣僚に来ていただいておりますが、さまざま、今まで思いもしなかったほどに、海外とのつながりというのもございます。そういう中で、先ほど、渡さなくてもいいお酒を、もっとほかのものも当然ございますし、そういった意味で、職員の方々も含めて、こういった違う価値観をお持ちの方、国に対しての理解を深めるということもぜひ御努力いただきますように、よろしくお願いします。 さて、時間ですので、最後に簡単に伺わせていただきたいと思います。 昨年、国土強靱化の法案に関しましては、委員長には大変いろいろ御指導いただきまして、私どもも共同提案者にならせていただきました。その中の質問におきまして、グレーインフラからグリーンインフラの活用ということをさせていただきました。緑を活用する新しい社会資本整備という考え方を取り入れるべきである。 EUにおきましては、生物多様性戦略に基づくEUグリーンインフラ戦略が昨年五月に策定され、より経済的な災害対策手法として、主要政策へのグリーンインフラの組み込みや、自然環境の再生等の事業実施も盛り込まれているというふうに聞いております。アメリカやヨーロッパでも、この流れというのは既に始まっているところでございます。 そういう意味においては、さまざまな公共事業を今されようとしておりますけれども、自然との共生というのが何よりも日本というのは大切だと思いますし、それを長く守ってきた。そして、それこそが日本の誇りでもあり、特性なんだと思っております。 そういった意味において、日本においては新しい考え方かもしれません、グリーンインフラの活用について、御所見を伺わせていただいて、最後の質問にしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 自然が持つ機能を防災、減災に有効に活用しようという取り組みが、今、小宮山委員がおっしゃったように、近年、西欧を中心に進められているということは承知をしております。 我が国が、我が国の豊かな自然を活用しながらグリーンインフラの整備を進めていくことは、経済、社会両面で有効であり、重要であると思います。我が国においても、緑の防潮堤や海岸防災林の整備のような、自然の機能を生かした事業を減災、防災等の取り組みとして進めているところであります。 グリーンインフラという考え方を取り入れて、将来世代に自然の恵みを残しながら、自然が有する機能を防災、減災等に活用していきたいと考えております。
○小宮山委員 本当は、せっかくだから伺いたかったところでございますけれども、時間でございますので、また次の機会にぜひ聞かせていただきたいと思いますが、ぜひ、環境大臣を初め国交大臣、今総理がおっしゃいましたけれども、環境を守るということでお力を、さらに御理解、御協力いただきますことをお願いいたしまして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○二階委員長 これにて小宮山君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして基本的質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会