文部科学委員会 第11号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2014/04/09
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 この際、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下村文部科学大臣。
○下村国務大臣 当委員会における二月二十一日の菊田真紀子委員の御質問及び三月二十六日の宮本岳志委員の御質問に対する答弁において、教科書検定基準において規定する「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解」に関し、村山内閣総理大臣談話は閣議決定されていない旨の発言をしましたが、同談話は、平成七年八月十五日に閣議決定の上、発表されたものでした。 ここにさきの発言を訂正し、おわび申し上げます。 ————◇—————
○小渕委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人理化学研究所理事長野依良治君、独立行政法人理化学研究所理事坪井裕君及び東京電力株式会社代表執行役副社長石崎芳行君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府宇宙戦略室審議官中村雅人君、文部科学省初等中等教育局長前川喜平君、高等教育局長吉田大輔君、科学技術・学術政策局長川上伸昭君、研究振興局長小松親次郎君、研究開発局長田中敏君、文化庁次長河村潤子君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長高橋泰三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小渕委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笠浩史君。
○笠委員 おはようございます。民主党の笠浩史でございます。 まず、大臣がこの委員会で、先ほど冒頭に謝罪と訂正をなされました。まさにこの歴史認識にかかわる問題というのは、教科書の問題も含めて、非常にこれにも重要な影響を与える問題でございますので、今般、私どもの菊田委員の質問に対する答弁、あるいは宮本委員にということで、二度にわたってこの委員会の場で誤った答弁をされたということについてはまことに遺憾でありますし、これからしっかりとその点は気をつけてやっていただきたいというふうに申し上げたいと思います。 さて、きょうは、今、STAP細胞の問題が大きなテーマになっておるわけでございますけれども、お忙しい中、理化学研究所の野依理事長にもおいでをいただき、本当にありがとうございます。ちょっとこの問題について幾つか議論させていただきたいというふうに思っております。 それで、先週から私、この問題をということを言っておったんですが、たまたまきょうの午後ですか、昨日、不服申し立てを小保方さん本人が代理人を通じてされたということで、それで、きょう御本人が記者会見でお話をされるということでございますけれども、この不服申し立てが出たことを受けて野依理事長が今どのようにお考えか、また、再調査等々に対しての希望もあるようでございますけれども、どういう対応をしていくおつもりか、お聞かせをください。
○野依参考人 今御質疑がございましたように、昨日、調査結果に対する不服の申し立てを受理したところでございます。申し立てがなされたこと及びその内容につきましては、小保方さんが四月一日に公表したコメントに沿ったものというふうに理解しております。 今後、不服申し立ての内容を調査委員会が審査いたしまして、再調査する、あるいはしないということを決定することになっております。 その上で再調査となれば、さらに五十日以内にその結果を報告するということになっておりますので、その結論を待ちたいというふうに思っております。
○笠委員 理事長、この小保方さん自身が、捏造、不正、こういったものがあったのかどうか、あるいはそれが悪意によるものなのかどうか、私は、そこはやはり専門家の皆さん方がしっかりと客観的に、しかも国民の皆さん方も納得のできるような調査をしていただくことに任せるべきだと思っています。 一月の末日でした、当委員会でも、たしかImPACTの審議か何かに入るところで、私も実は質疑の中で、小保方さんのような女性の研究者がどんどん活躍をしてもらえるような環境をつくっていきたい、大臣も、たしか後藤田副大臣もそのときおられたと思うんですけれども、そういう思いをみんな持っていたんですね。しかしながら、それが実はこの本当にわずかな期間の中で、この研究というもの、この発表というものが、どうもこれは正当なものではないんじゃないかという、捏造という結論を一旦は今理研として出されているわけです。 ただ、そこはもちろん第三者の方も入った調査委員会ではございますけれども、やはりこれだけの大きな、まさに我が国の科学研究がその信頼を損なうかもしれないというくらいの問題でございますので、私は、しっかりとした再調査も含めた検討をしていただきたいということだけ申し上げておきたいというふうに思います。 ただ、きょうはそのことよりも、むしろ、こうした問題がなぜ起こったのかということを今後につなげていかなければならないということで、理化学研究所の組織としての問題点、そこについての議論をさせていただきたいというふうに思っております。 昨日、野依理事長にも私ども民主党の合同部門会議に理事の方々とおいでをいただき、幾つかお話を伺うことができました。その中でも、やはり、責任分担の不明確さであったり、あるいは研究所のチェック機能というもの、これをどうしていくのかというようなお話があったわけでございますけれども、まず理事長に、今回のこの件についての、本人は別として、組織としての責任をどのように考えておられるのかをお伺いをしたいと思います。
○野依参考人 今回の事態は、残念ながら、若手研究者の倫理観、研究の不足と、それから著者間の責任分担の不明確さ、それから研究所の組織としてのチェック機能に不十分な点があったというなど、複合的な要因によって生じたものというふうに認識しておりまして、これを重く受けとめております。 まず、基礎的な科学研究におきましては、研究者たちが自律的に研究の立案、実施、成果発表を行っておりまして、科学論文の発表の責任は基本的にみずからが負うべきだということに、国際的にもそういうふうになっております。 一方、所属機関でございますが、これは、研究活動が総合的に最も円滑に行われるよう、また、研究不正を抑止するための組織体制の管理責任を負うところでございます。 したがいまして、私としましては、調査の結果を受けて、こうした問題が再び発生しないように十分な対策を講じなければならないというふうに強く認識しているところでございます。 今回の事案を真摯に受けとめ、理研において一体何が不足していたのか、外部の有識者による委員会を立ち上げまして、再発防止策を早急に取りまとめてまいりたい、そんなふうに思っております。 これらの取り組みを通じまして、理研全体の組織、この運営を点検いたしまして、科学技術イノベーションを推進する観点から、よりよいものに改め、また、高い規範を再生することが私の責務であるというふうに考えております。チェック体制とともに、倫理教育が極めて大切というふうに考えておりまして、最善を尽くしてまいりたいと思っております。
○笠委員 そこはしっかりと今後やっていただきたいんですが、実は、これまでも研究活動の不正行為というものについては、もちろん、理研の中でも、組織の中でも再三検討もされてきた。あるいは文科省の方でも、ガイドラインを示し、今回の件が起こったからということではないですけれども、東京大学等々でも最近もありました、そういったことも含めて、さらにこのガイドラインを見直すべきじゃないかということで検討もされているというふうに承知をしております。 それで理事長、今現在、実は平成二十四年の九月十三日に、これは理研の方で科学研究上の不正行為の防止等に関する規程というものを、最近ですよ、まだ本当に二年もたっておりません、一年半前ですか、定められているんですね。この中の第四条に、「所属長は、その所掌する組織における研究不正を防止するため、」ということで、所属長のいろいろなやらなければいけないこと、チェックをしなければいけないということが四項目にわたって定められています。 昨日、お名前は申し上げませんけれども、私、党の会議でこのことを理事の方に、今回の小保方さんの所属長というのはセンター長になるんですよね、小保方さんにとっての所属長はという話をしたら、そうじゃないんだ、これはユニットリーダーなので、この所属長が小保方さん自身なんだという説明で、何度かそこで本当ですかというやりとりをしても、そうなんだという答弁でした。それが事実なのかどうなのかきちっとした見解をまとめてくださいというお願いをさせていただきました。 きのう伺ったところ、やはりその所属長は、今回の場合は、もちろん、ユニットの中では、そのチームの中では、そのチームの人たちにとっては小保方さんが所属長になるんだけれども、ユニットリーダーとしての小保方さんの所属長はやはりセンター長になるんだということで御説明を受けました。それでよろしゅうございますか。
○野依参考人 その点を明確にしたいと思います。 小保方ユニットリーダーが務めます細胞リプログラミング研究ユニット、これは二〇一三年の三月一日に、発生・再生科学総合研究センターのセンター長戦略プログラムに設置されております。 したがいまして、研究不正を防止するという観点からの、御指摘のありました第四条の規定による所属長は、研究ユニットにつきましては小保方ユニットリーダーでございます。それから、小保方ユニットリーダーについてはセンター長戦略プログラム長がそれに相当しておりまして、竹市発生・再生科学総合研究センター長が兼務している、こういうことでございます。 理化学研究所におきますそのガバナンスについて一言申し上げたいと思いますけれども、理化学研究所は自然科学の総合研究所でございまして、二千八百人程度の研究系の職員がおります。そして、十三の研究センターから構成されておりまして、その目指すところは極めて多様でございます。 例えば、今回の生命科学、あるいは物質科学等の基礎研究もございますけれども、その他に、スーパーコンピューター、あるいは加速器、またバイオリソースセンター等の、研究基盤の構築あるいは利活用をするところがございまして、それによってマネジメントのあり方あるいは手法というものは異なってまいります。 そういうことで、機関といたしましては、それぞれの特色を最大限に生かすとともに、全体的に整合することが求められているところでございます。 そこで、さまざまな今申し上げたような事業を遂行するに当たり、最もふさわしい人材をセンター長に任命いたしまして、センター長に裁量を与え、事業遂行に最も適切な最適の運営形態を組織し、自律的に運営してもらっております。 そして、彼らに対しては、同時に、理研の使命に照らしまして評価を行っているということを御理解いただければと思います。
○笠委員 理事長がいろいろ申されましたけれども、実は、今回のこの不正防止等に関する規程では足らざる点があるのか。私はこれを読ませていただきました。きちんとこのとおりにやっていればそんなに、これはかなり検討されてこの規程は定められていると思うんですよ。ただやはり、理事の立場の方が所属長が誰かということも認識ができていないということの方がむしろ私は問題だと思うんです。 ですから、やはりそういった一人一人の研究員にいま一度そういったことを徹底をし、私はやはり若い研究者の人たちが伸び伸びとみずからの責任のもとで研究をしていくということを縛るつもりもないし、今おっしゃったように、それは大事なことだと思います。 しかし、例えば普通の感覚でいうと、今回のあの小保方さんのSTAP細胞の発見というもの、この論文が認められたということは、STAP細胞があるとすれば、ある意味では世紀の大発見なんですよ。すごいことなんです。 そういったものを、これはある意味では理研の中でもある程度極秘プロジェクトとして進められていたということで承知をしていますけれども、いざ世に問おうというときには、例えば、理事長はもうノーベル化学賞をとられた本当に大重鎮であり、世界じゅうからも高い称賛を得ているお方でございますけれども、そういう研究者の立場としても、おい、本当にこれは大丈夫なのかと、これは何か後ろ向きなことじゃありません、これだけのことだからというのを、そうそうたる皆さんが理事でもおられる中で、そこのクエスチョンマークというのはつかなかったんですか。 そうすれば、例えばあの実験ノートの話だって、その時点でまさかこれは皆さん予想していなかったんですよね、わずか二冊しかないとか、通常だと、これぐらいの研究だったら十冊、二十冊あるのは当たり前だ。それが非常にずさんだった。そのことは御本人も認めている。しかし、やはりそういったことが事前にわかったんじゃないですかね、これだけ大きな研究だからこそ。 その点、理事長の率直な御感想をちょっとお聞かせいただければと思います。
○野依参考人 おっしゃったとおり、今、研究不正あるいは過失を未然に防止するための規程を整備するなどしてまいりました。しかしながら、その周知あるいは運用に改善すべき点があったというふうに考えております。 これらの課題につきましては、研究不正再発防止のための改革委員会におきまして、研究所の外部の視点からも御助言いただきまして、実効あるものにしてまいりたいと思っております。 若手の研究者につきましては、経験が不十分であるがゆえに、有するリスクに対する認識が相当に甘かったのではないかと思っております。若手からベテランに至るまで博士というものは、科学者としての基本的な指導、訓練が完了されているという認識のもとに研修、体制づくりを行ってまいったところ、ここが研究所としての反省点でございます。 このため、研究所といたしましては、現状の研修や体制を改善することによりまして、チェック機能の改善をしてまいりたいと思います。 例えば、若手研究者に対するシニア研究者からの教育、支援、また、若手研究者が分野を超えて意見交換し、そして視野を広めるようなそういった制度を充実させてまいりたいというふうに思っております。
○笠委員 改めてその点はまた私もちょっと提案をしたいと思います。 それで、きょう私がこの問題を、特に組織のガバナンスあるいはコンプライアンスというものを取り上げているのは、理化学研究所がこれまで果たしてきた役割、私もよく承知をしておりますし、期待するところ大でございます。ただ、今回こういったことが起こった中で、特定国立研究開発法人の今候補になっているんですね、産総研と二つ。このことをどうするんだということ。私は、しっかりと今回の問題についての信頼回復をやらなければ、申しわけないけれども、これを特別扱いをするということには至らないと思っています。 ですから、その点は理事長にもリーダーシップを発揮していただきたいと思いますし、これは十分やらないといけないですよ、しっかり。時間をかけろということを言っているんじゃない、きちっとした形で。 それでそこについては、これは内閣府が責任を持っておりますので、きょうは後藤田副大臣においでをいただいておりますので、当然、こういうことが起こっていなければ、恐らくそろそろこの法人指定の段階に入っていたんだと私は思うんですけれども、今回の一連のこの出来事、この事件を受けて、やはり、今後しっかりとした理化学研究所自身のガバナンス、再発防止に向けた信頼回復ということが行われるかどうかが指定を受けるかどうかの大前提になると私は思いますけれども、その点をどのようにお考えなのか、お聞かせください。
○後藤田副大臣 委員御指摘のように、科学技術全般を担当する内閣府といたしましては、まさに今回の問題につきましては、山本大臣初め、非常に残念だという認識を持っております。 ただ、委員も御承知のとおり、我々内閣府としての司令塔機能ということはもちろん法律として出させていただいておりますが、内閣府設置法の方ですね、一方で、今御指摘の特定研発の法律も準備をしております。候補者について、まだ決定ではございません、候補としての決定を総合科学技術会議でやったという事実関係でございます。 しかしながら、我々としての考え方は、イノベーションの創出環境をやはり整えていく。これは、世界との闘い、また、国民のさらなる利便性の向上、この考え方は引き続き持っております。研究者のチャレンジとか若手登用、こういったものも含めて我々は後押ししていく。これがやはり結局は、国内外のアカデミーからの期待を生むし、また、国民や納税者からもこのことが期待されておりますし、国民の感動をもたらす、このように思っております。 ただ、一方で、先ほど来御指摘のある、組織の統治のあり方、また、研究者の規範のあり方というのは、これはやはり、今回、理研さんの対応を我々は見きわめながら、総合科学技術会議を含む内閣府といたしましては、総合的に判断する必要があると。 もちろん、時間をかけてということではなくて、その対応を見きわめながら、法律につきましても、提出時期につきましても検討してまいりたい、このように思っております。
○笠委員 私は今の前段のことは一緒なんですよ。ただ、やはり事柄が事柄ですから。これはいろいろな工夫をすれば、産総研を先にということだってやろうと思えばできるかもしれませんし、理研を私は外せということを言っているわけじゃなくて、ただ、やはり理研自体が、今回、第三者による再発防止へ向けた改革委員会もこれから発足すると伺っています。そこでどういう結論が出てくるのか、あるいは、どういった形でガバナンスというものをしっかりと確立をしていくことができるのかということは、やはり見きわめて内閣全体として判断をしていただかなければこれはいけないことだというふうに私は思っておりますので、そのことは強く要請をしておきたいと思います。 やはり今まで以上に、国民の納税者と今お話がありました、税金も使われる、あるいは税に対する優遇措置も、それだけ研究者が基盤を強化しながら世界でも最高水準の研究をしてもらおうという、そのことは大いにやらなきゃいけないことなので、そこは両立する話だと思います。 ですから、しっかりとそこのところは総合科学技術会議等々でもぜひ御議論をいただきたいというふうに思っております。 副大臣、この後また委員会があるということなので、どうぞ御退席を。 そこで野依理事長に、やはり今後のことが大事だということで、実はその改革委員会について、これはいつ発足をする予定で、例えば専門性を持ったどういう方々を、第三者といいますけれども、委員として今選定中ということですけれども、入れて検討していただこうとお考えなのか、その点を御説明いただきたいと思います。
○野依参考人 研究不正の防止及び高い規範の再生のために、四月四日付で、私自身を本部長とする研究不正再発防止改革推進本部を立ち上げたところでございます。 また、研究所の体制等につきまして外部の視点で改善策の提言を行う、研究不正再発防止のための改革委員会を今週中にも立ち上げることとしております。 この委員会の委員につきましては、研究倫理や研究不正の専門家、法曹関係者、それから会計士といった多様な分野の有識者の方々にも参加をお願いし、適切に検討をお願いしたいというふうに思っております。
○笠委員 今ありました、今週中ということですけれども、特に私、やはり法曹界の方、これは大変重要だと思っています。民間の会社でも同じようなときに、検察やあるいは元裁判官であったり、そういった経験をお持ちの、誰が見ても、こういう方だったら相当な見識を持って、きちっとした形で第三者的にという方をぜひ人選をしていただいて、この顔ぶれも大事ですから、中身はもちろんですけれども。しっかりとした形でこの改革委員会での検討をやっていただきたい。 これはちょっと下村大臣にもお伺いします。 下村大臣も、今回、一連の報告を受けたときに、今の検証あるいは組織改革、そういったことも含めた取り組みがまだまだ不十分だということで、理事長がこの前四月一日ですか、そのことは私は賢明だと思っております。 ただ、大臣ができれば四月中にもこの結論を出してくれというようなことが、これは報道でかぎ括弧で紹介されてありましたけれども、これは期限を切るということじゃなく、だらだらやれということを言っているんじゃないんです。やはりそれは、二、三カ月はかかりますよ、それだけの顔ぶれできちっとした形でやれば。ですから、そこはできる限り早くやってもらうのは望ましいけれども、何か大臣が期限を切ってというようなことはないように、またその点の指導をお願いをしておきたいというふうに思います。 それと、これは今後やはり大事なことは、STAP細胞が果たして本当にあるのかないのかということの検証、これもスタートをいたしました。そして、きょうまた御本人が会見をされるということだけれども、小保方さん自身が悪意を持った捏造、不正というものが果たしてあったのかどうか。 あわせて、理化学研究所という我が国の代表的な研究機関で、こういったことを受けて、やはり再発防止へ向けたガバナンスの強化やいろいろな規定の見直し等々取り組むことが、理研初め、他の大学法人も含めた研究機関にもこれは影響が出てくるんです。ですから私は徹底的にやってほしいんです。 そういったことについて、やはり文科省としてこれを指導する立場にあるわけですから、ぜひ大臣にも、その点は厳しく、そしてまたしっかりとしたリーダーシップを発揮してチェックをしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○下村国務大臣 御指摘のように、今月の一日に理研の野依理事長から、STAP細胞に係る論文について、調査により二件の不正やその他の事実が認定されたとの報告を受けました。 今、笠委員から御指摘がありましたが、STAP細胞の検証については、これは時間をかけてきちっと検証していくということが必要であるというふうに思います。 一方、それと別に、理研については私は野依理事長に二つお願いを申し上げました。一つは、それを受けて今野依理事長が本部長になって、理研内部で、これが個別の特異事例なのか、それとも、理研そのものの組織に関係するようなガバナンス的な問題から出てきたことなのかどうかをぜひ調査していただきたい。 それからもう一点は、外部有識者による委員会を設置して再発防止策等を検討し、早急に取りまとめを行い、これが、理研として適切なマネジメント体制によってこの問題にしっかり取り組んでいくということについて、改めて外部からどんな指摘がされるかどうかということについて客観的な調査をすることも必要であるということでお願いしております。 ただ、これは先ほどのお話がありましたように、総合科学技術会議の中では、新たな特定国立研究開発法人として理研がノミネートされているという部分がありまして、実際のところは、閣議決定をすることによって、国会にこのことも入れて法案として提出をするということでありますが、これは今月中に閣議決定する予定でありましたが、間に合わないといいますか、それは延ばすということにいたしました。 そういう経緯もありますので、できるだけ早急に外部の有識者会議における検討も取りまとめていただきたいということはお願いいたしました。 ただ、その内容によってこの理研が特定国立研究開発法人に該当するかどうかは、それはまさに中身次第だと思いますから、事前にそれを設置すればオーケーということではもちろんないということであります。
○笠委員 きょうは時間が参りますのでまた改めてにいたしますけれども、同時に、大臣、これは現場の皆さんともいろいろと意見を伺いながら、もちろん、大学院あるいは研究所の中でも、研究機関の中でも、倫理観というか倫理教育というものは大事なんですけれども、ある意味では、学部段階からも何らかの形でより徹底をしていくというか、どういう形でやるのかということも、これはやはり我々検討していく必要があるんじゃないかというふうにも思っております。 そういった点も含めて今後またしっかりと文科省の中でも御検討いただき、こうしたことが起こらないように指導力を発揮していただきたいというふうに思います。 私の質問は終わりますけれども、きょうは、野依理事長、またいろいろと対応がある中、わざわざ当委員会に朝一番からおいでをいただきましたことに改めて感謝を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○小渕委員長 次に、柏倉祐司君。
○柏倉委員 みんなの党の柏倉でございます。よろしくお願いいたします。 きょうは一般質疑ということで、自分のライフワークといいますか、好きな分野、私、実は宇宙議連に入っておりまして、小さいころから天体観測が好きで、時間ができますと望遠鏡で夜空を眺めるのが、唯一の趣味というわけではないんですが、数少ない趣味のうちの一つでございます。時には、悲しいときには涙で星が見えないときもあるんですけれども、そういうわけできょうこの質問をさせていただくわけではないんですが、宇宙です。 やはり、昨今は軍拡競争の対象になっている。これはもういたし方ないところではございます。しかし、生命科学また資源探査といったような観点からも、常に念頭に置いて、重要な領域、分野としてこれはたゆまぬ議論、そして政府を挙げての力を傾注していただきたいというふうに常日ごろから思っております。 まず一番目ですが、この宇宙関連に関する予算に関してなんですけれども、三千億円を少し下回る程度で、ほぼ横ばいでずっと来ております。米国の十分の一以下、欧州の半分以下、四割程度になっております。中心的な研究機関がJAXAですけれども、二十一年度以降は千八百五十億円で、これで大体高どまりしている状況。二十五年度は補正予算で二百二十九億円が含まれましたが、やっと例年並みの予算しかつけられていないということになっております。 日本のこの技術というのは物すごく高い。そしてアメリカ、ヨーロッパとはコラボレーションもしていて、非常に信頼に足るパートナーだということで信頼も得ている。がしかし、この予算的な制約がつけられているがために、思ったような研究そして競争、これができない環境にあるというのもまた事実でございます。 この我が国の宇宙科学、これをやはり維持向上させるためにも、安定的な予算確保、これが絶対的に必要だと思いますが、政府の見解をよろしくお願いいたします。
○中村政府参考人 予算に関連しての御質問でございましたので、お答え申し上げます。 我が国の宇宙関係予算でございますけれども、先生御指摘のとおり、三千億円前後で推移してございます。 平成二十六年度は当初予算が三千二百三十八億円となってございますけれども、これは、米国の三兆三千九百七十七億円あるいは欧州の六千七百十一億円と比較いたしまして、非常に少ない数字になってございます。 宇宙関係の平成二十五年度の補正予算でございますけれども、五百八十九億円でございまして、平成二十六年度の当初予算と平成二十五年度の補正予算の合計額である三千八百二十七億円、これの一五・四%に相当するような額になってございます。 このような予算についてでございますけれども、宇宙開発利用の推進には多額の国の資金を必要といたします。一方、我が国の財政事情が厳しいという状況を踏まえますと、限られた資源で最大限の成果を上げるよう取り組んでいく必要があるというふうに考えてございまして、施策の優先順位をつけて実施をするということが必要不可欠であるというふうに考えてございます。 特に、先生御指摘の宇宙科学のプロジェクトでございますけれども、これは世界的にも高い評価を受けているものが多いというふうに認識してございます。 このようなことでございますので、宇宙基本計画の中で施策の重点化の考え方というものを定めてございまして、これに基づきまして、宇宙利用の拡大と自律性の確保に向けた取り組み、これに必要十分な資源を確保した上で、宇宙科学につきましても、一定規模の資源を充当するというふうに考えているところでございます。 内閣府といたしましては、今後とも、宇宙基本計画を踏まえまして、宇宙の政策を総合的、計画的に推進してまいる所存でございます。
○柏倉委員 どうしてもシーリングがされてしまうというのはいたし方ないことかと思いますが、やはり競争は待ったなしで続いております。特にロケット開発競争、これは現状、アリアンスペース社というところが独占、寡占状態にある。日本と技術はそんなに変わらないのに、世界的なシェアというのはこのアリアンスペース社がかなり持っていて、岩盤のように立ち塞がっているわけです。日本のロケットを売ろうと思っても、売りたくても売れない、そういうような状況になっているわけです。 もともとこのアリアンスペース社というのは何をやっているかというと、基本的には営業しかしていないわけです。営業専門で、ロケットはほかのメーカーがつくる、そして、発射場管理、ロケット製造費用はその国がお金を出す、そういうような形になっているわけです。ですから、営業しかしていないから、当然、上手に営業してきて受注をしてくるということになっている。そこで、バックに国がついていて国がいろいろな射場管理等々お金を出すから、かなり柔軟な運用ができるわけです。子会社も、しっかりと安定営業をしてもらっているのでしっかりついてくるというような形になっている。 ところが、日本は、技術は高いけれども、売る力、営業力が少ないわけですよ。当然、射場管理を自前でやらなきゃいけない。物すごく高い。そして、営業だけやるわけじゃないわけですから、開発も含めて全部やらなきゃいけない。一つの会社で全部やるという、これはロケット競争ではもう生き残れないスキームになっているわけです。 どうやってこのロケット、コアの技術、持っている日本の技術を売っていくか。やはり欧州のように分業体制にするということ、そして、射場管理等は国が積極的にこれは補助金をつける等々をやって、日本のメーカーの手かせ足かせにならないようにつけていかなきゃいけないと思います。 ロケット技術を生かすための分業体制そして射場の管理、こういったインフラ整備を行う政府の計画はどうなっているでしょうか。答弁をお願いします。
○田中政府参考人 先生今御指摘でございましたロケット打ち上げについてのインフラということでございます。 我が国におきましては、種子島の宇宙センター、これは昭和四十四年に設立をして以来、今まで約六十機のロケットを打ち上げてきて、そのたびに、必要な改修、強化、これをJAXAとして実施をしてきたところでございます。 種子島宇宙センターは、大型ロケット、これを安全、安定ということで打ち上げるためにこれは必要不可欠なインフラだというふうに我々としても認識をしておりまして、計画的に維持、更新、そして高度化ということを進めているというところでございます。 具体的には、平成二十五年度補正予算におきましても、ロケット運搬システムあるいは格納庫の老朽対策等々を措置するとともに、新しいロケット、これは平成二十六年度から開発を開始するという予定でございますけれども、ロケットを横置きのまま整備するというようなことで、ロケットと打ち上げ、これを一体的に開発して効率的に図っていくということを考えているところでございます。 今後とも、大型衛星ということに対応できるような打ち上げインフラということにつきましても、国が積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○柏倉委員 今、種子島の話が出ましたけれども、種子島の射場はかなり老朽化していて、打ち上げ回数をさらにふやそうと思っても、種子島空港も小さい、そういったことでロケットの部品を空輸できないというようなこともある、そういう問題も聞いております。 アメリカ、EUは、射場を赤道近くのマーシャル諸島なんかに設けたり、中南米の仏領ギアナなどに設けている。こういう赤道に近いところ、そういう国際色豊かな射場配備をしているわけです。国際色豊かというか、赤道に近いところにできるだけ近づけるという努力をしている。 日本もやはりそういう具体的なところを整備していかないと、ずっとこの種子島にこだわっていてもしようがないんじゃないかという声もあります。ぜひこれは前向きに、継続的にしっかり議論をして、新たな方策、打開策を見つけていただきたいと思います。 次はまたロケットで恐縮なんですけれども、今度は、スペースデブリ、宇宙のごみの除去ロケットというのがあります。これは、ロケット開発というと軍拡競争、軍拡競争と言われますけれども、このスペースデブリの除去ロケットは、全くそういった色彩のない、平和利用に資する、日本が最先端の技術も持っている、そして倫理的にも問題のない領域ですので、これをしっかりと日本が世界に先駆けてイニシアチブをとっていく領域だということで質問をさせていただきたいと思います。 いろいろなごみがいっぱい宇宙に出てきます。衛星が古くなったもの、また、衛星同士がぶつかって出てきたごみ、そういった宇宙デブリなんですけれども、そういったデブリが結構厄介で、一センチ大きさのデブリが衛星に衝突すると機能停止になるおそれがある、十センチ大の大きさのデブリが衝突した場合はもう完全に爆発してしまうんじゃないかというような、かなりこのデブリ、非常に厄介者なんですね。 日本は、そのデブリ除去のために超小型衛星STARS2をことし二月末に打ち上げたというふうに聞いております。地球の周りを高速で周回しているデブリに金属のひもをつけて、そのデブリの速度と高度を低下させて大気圏で燃やす、そういうようなコンセプトというふうに聞いています。JAXAと香川大学の共同開発ということです。 こういったもう世界の最先端を走っている宇宙デブリ技術、これは何とか、日本のオリジナルのものとまではいかないまでも、日本にはかなわない、トップランナーとしての日本が牽引するような領域になると思います。今後とも、この宇宙デブリ対策、ロケット開発を国として継続的に対策を講じていかなければいけないと思います。ぜひ、大臣の御見解をお願いできればと思います。
○田中政府参考人 先生今御指摘の宇宙デブリにつきましては、まさに、十センチ以上のものを含めると二万個以上あるというふうに言われております。さらに増加傾向にあるということも認識をしてございます。 このため、宇宙基本計画におきましても、世界的に必要とされるデブリ除去技術の開発、これを着実に進めるというようなことが記述をされているところでございます。 文部科学省といたしましては、先生御指摘ではございましたけれども、これは世界で初めての試みということでありますけれども、デブリの除去システム、つまり、デブリに導電性のひもをくっつけて、電気が流れることによって自動的にスピードが遅くなる、ブレーキがかかるというようなことを試みとしてやりつつあるということでございます。これも、二十六年度予算において約七千万円でございますけれども、試験的な技術ということを進めようとしているところでございます。 デブリの除去技術ということは、宇宙開発利用を実現するために極めて重要だというふうに認識しておりまして、今後とも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○柏倉委員 ありがとうございます。 もう時間がなくなってしまいました。最後に本当は大臣に、宇宙教育、どのように学校で子供たちに宇宙に興味を持ってもらうか、そういうところの教育をしっかり学校の先生とこのJAXAが連携をして進めていただきたいという旨の質問をしようと思いましたが、もう時間がなくなってしまいました。また次の機会にやらせていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。 終わります。
○小渕委員長 次に、新開裕司君。
○新開委員 おはようございます。自由民主党の新開裕司でございます。本日は、発言の機会をお与えいただいてありがとうございます。 今、全国各地で、新しいシーズンを迎えて入学式が各地で行われております。私が小学校に通っていた幼少時代、いわゆる一九七〇年代後半、時の大平総理が設けられた研究会では、自信喪失と自信過剰を乗り越えるためには、自己の文化を把握して、文化の交流と相互理解を行う必要があり、文化に対する理解と尊敬を教育の重要目的に加えなければならないというふうにされております。今日においても大変示唆に富んだ提言であったかというふうに思っておりますが、本日は文化芸術に対して質問をさせていただきたいというふうに思っております。 去る三月二十八日、文化芸術立国中期プランが公表されました。これは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年までの間を文化政策の振興のための計画的強化期間と位置づけてのものだと伺っております。その中で、大臣の御挨拶の中で、二〇二〇年を単なる五輪開催の年という位置づけにするものではなく、新しい日本の飛躍、創造の年にしたいとされた上で、世界に誇る日本各地の文化力を生かした取り組みを進めて、基盤整備を計画的に行い、世界の文化交流のハブとなることを目標に掲げておられます。 そこで、世界の文化交流のハブとなるためには、各省庁、また各地方公共団体がオール・ジャパンとして連携していく必要があるかと思っております。世界の文化交流のハブとしてのイメージされる姿、それについての大臣の思いを、まずはお聞かせいただければというふうに思います。
○下村国務大臣 御指摘のように、世界に誇る日本文化、これは大きな資産であり、我が国最大の強みであるというふうに思います。 残念ながら、過去、文化庁の予算がほとんどふえていないということの中で、ぜひ二〇二〇年には文化庁の予算を倍増するということで、御指摘の文化芸術立国中期プランを作成いたしましたが、単に文化庁だけの問題ではなくて、やはり二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致が昨年九月決定したということも踏まえまして、東京だけのスポーツの祭典ではなく、日本全国津々浦々、これは伝統文化含めて、すばらしい資産が、眠っているものもたくさんあるというふうに思うんですね。世界じゅうの方々に日本全国津々浦々訪れてもらう。 また、御指摘ありましたが、世界の文化交流のハブ、中心として、二〇二〇年を目標に、そして二〇二〇年以降も、これからの二十一世紀は日本があらゆる文化芸術の世界における中心拠点として、日本に行けば文化芸術が世界でトップレベルの環境が整っていて、学び、またそこで演奏も含めて発表もすることができるという日本のよさをどうオール・ジャパン体制でつくっていくか。 これは、ですから文化庁だけの問題、文部科学省だけの問題ではなく、政府全体として、あるいは民間関係の方々にも参加してもらって取り上げていく。そういう文化芸術立国にしていくということこそが、日本がこれから経済的にも発展をし、また世界に対する貢献にもつながっていく、まさに日本の国柄として最もふさわしい戦略ではないかというふうに思っておりまして、中期プランを発表させていただきました。 これをさらに膨らませて、オリンピック・パラリンピックと連動した形で、政府全体として、あるいは民間も巻き込んで取り組むようにさらに努力をしてまいりたいと思います。
○新開委員 ありがとうございます。 大臣のオール・ジャパンで取り組んでいこうとするこの文化芸術立国に向けてのお考えをお聞かせいただきました。本当にありがとうございます。その上で質問を進めさせていただきたいというふうに思います。 一時期、独立行政法人日本芸術文化振興会に対する予算の縮減が議論されておりましたけれども、その後の予算措置はなされましたが、文化芸術に関する成果というものは必ずしもすぐに出るわけではありません。より長期的な視野で考えていく必要があろうかと思います。 そこで、文化芸術の裾野を広げていくために、平成二十四年六月に施行された劇場、音楽堂等の活性化に関する法律に基づいてさまざまな取り組みがなされております。特にその中でも、地方の文化拠点として、劇場、音楽堂等を生かしていくための活性化事業等の昨年度の取り組み、また事例、今後の計画等についてお伺いしたいと思います。
○河村政府参考人 御指摘をいただきましたように、文化芸術を振興する上では、我が国の文化芸術活動の水準の向上を図るとともに、より多くの人々が多様な活動に参加したり鑑賞したりできるような文化芸術活動の裾野を拡大することも大変重要であると認識しております。 平成二十四年六月に劇場、音楽堂等の活性化に関する法律が成立したことを受けまして、文部科学省としては、平成二十五年度から、劇場、音楽堂等の活性化を支援する事業について予算を前年度の倍以上に増額をいたしました。それとともに、支援の内容の拡充をも図りました。 具体的に申し上げますと、平成二十四年度までに実施してまいりました我が国でトップレベルの劇場や音楽堂等が行う公演等の活動に対する総合的な支援や、複数の劇場等が共同して行ういわゆる共同制作への支援などに加えまして、新たに文化芸術活動の裾野を拡大するなどの観点から、各地域の中核となる劇場、音楽堂に対して普及啓発事業等の活動別に支援を行うことができる活動別の支援事業、さらには、劇場、音楽堂等や実演芸術の団体が企画制作する巡回公演への支援を行う劇場・音楽堂等間ネットワーク構築支援事業というものを設けました。 具体的にさらに申し上げますと、この最初の活動別支援事業ということを設けることによりまして、小中学校等におけるワークショップなどを行う劇場等からのアウトリーチ活動や、文化に関する体験講座の開催など、普及啓発に関する取り組みの充実が図られつつあります。また、ネットワーク構築支援事業を設けましたことにより、全国のさまざまな地域における鑑賞機会の充実が図られるといった支援の拡大が行われております。 今後とも、これらの事業を通じて、文化芸術に関する普及活動や鑑賞機会の充実など、文化芸術活動の劇場、音楽堂を通じました裾野の拡大に努力してまいりたいと存じます。
○新開委員 ありがとうございます。 何と申しましても、トップの人材育成、それから、より広く裾野を広げていく、この両方が両輪としてしっかりと文化芸術政策を振興していくためには必要な施策と思いますので、ぜひ引き続きしっかりと取り組みを行っていただければというふうに思っております。 また、あわせて、芸術教育を充実させるためには、昨年十一月の学校教育法施行規則の改正に伴う土曜授業だけではなく、土曜日の教育活動の機会を大いに生かして、教育推進員、ボランティアといった地域で活動している文化人や芸術家の方々にも積極的に加わっていただきたい、より多様な活動の機会が創出されることが望ましいと私は思っております。 先ほどおっしゃった、土曜日に限らず、子供たちへの文化芸術体験を充実させるための育成事業を通じた学校行事等におけるこれまでの取り組み等も含めて、今後しっかりと裾野を広げていくという意味で、子供たちにも機会を与えていただく、チャンスをより一層拡充していただければというふうに思っております。 そこでもう一つ、トップのレベルの人材育成という部分について質問をさせていただきたいというふうに思っております。 芸術分野にかかわる人材育成には、早期にその能力を見出すための教育体制や海外での研修、発表の機会の拡充などに取り組んでいくことが有効であるというふうに思っております。 そこで、現在もさまざまな新進芸術家育成について取り組みがなされておりますが、特に文化庁の海外研修制度についてお伺いしたいというふうに思っております。 昭和四十二年から平成二十四年度末までに、既に三千七十二名の方が研修を修了しております。かつて研修を受けられた著名人は多くおられますけれども、海外研修に参加した後、その参加者に対して、国内において、いわゆる新進芸術家と言われる方々の活動の機会、これがいかに確保されているのか、そしてまた、海外研修生に対するその後のフォロー体制、こういったものについても取り組みがあれば、御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○河村政府参考人 文化芸術活動の担い手となる芸術家育成についてのお尋ねを頂戴いたしました。 この芸術家育成のために、文部科学省、文化庁としては、御指摘のありました海外研修制度、そしてまた、その海外研修を終えた方々などの新進芸術家を育成するための国内における新進芸術家育成事業を行っております。 最初に、国内の新進芸術家育成事業を申し上げますと、新進芸術家の方々が基礎や技術を磨くために必要な舞台公演などの実践的な研修機会を提供するという意味から、そうした舞台公演の機会そのものを提供するとともに、創造、創作の源泉ともなる視野、見聞を広めて幅広い知識を得るためのワークショップ、セミナー等の開催も行っております。 また、新進芸術家海外研修制度でございますが、我が国の新進芸術家が専門分野について実践的に研修する機会を海外で得られるような支援をしているわけでございます。特に、早期研修が必要な音楽、舞踊などについては、高校生も制度対象となっております。 その後のフォローアップが必要ではないかという御指摘を頂戴いたしました。 この制度について、現在、フォローアップの調査、すなわち、研修修了生の帰国後の活動状況及び海外研修の成果を把握するための調査を実施中でございます。主にこの研修生の方々への聞き取りアンケート調査という形で行っておりますけれども、今後、その調査結果がまとまりましたら、制度改善等についての検討につなげてまいりたいと存じます。
○新開委員 ありがとうございます。 この海外研修制度、私が学生のときもそうでしたけれども、本当に優秀な方が受けられて帰ってこられます。そういった方々のアンケートをとられるということでしたので、ぜひ今後の施策の一助にしっかりとアンケートを生かしていただければというふうに思っております。その中で、現在の海外研修制度がより幅の広いプログラム内容も含めた施策になっていくことを心から願っておるところでございます。 また、最近、スーパーグローバルハイスクールなる、いわゆる社会課題を発見、解決し、グローバルなビジネスの場で活躍できる人材の育成に取り組んでいる高等学校を指定して支援するもので、今回五十六校が指定されておりますが、音楽科や美術科といった専門性の高い高校は全国に、音楽科で六十、美術科で四十三校、計百校程度存在しております。 特に、音楽や芸術を学んでいる高校生に対しましては、今の海外研修制度ももちろんすばらしいんですが、より大きなくくりで、このような海外研修、発表の機会を通じた教育の一環として、スーパーアーティスティックハイスクールなる指定校を今後選定していくようなこともいい策ではないのかなと私は思っておりますので、この点についてもまた引き続き御検討をいただければというふうに思っております。 次の質問に移らせていただきます。 昨年、ユネスコの世界無形文化遺産に、和食、日本人の伝統的な食文化が登録されました。ことし、私の地元は福岡市なんですけれども、博多祇園山笠など、十八府県三十二件の山・鉾・屋台行事が登録申請される予定で、こうした日本の伝統行事が世界に向けて発信されることは喜ばしいことだと思っております。 しかし、伝統工芸も含めたいわゆる伝統文化、文化遺産といった分野は、後継者不足に悩んでおります。文化遺産を生かした地域活性化事業等でも、後継者の育成等に取り組んでおられるということでございます。 そこで、後継者の問題というものについては、社会の生活様式の変化に伴う需要の問題等さまざまな角度からの検証が必要かというふうに思いますが、これはやはり国民共有の財産として、消失させることなく継承していきたいというふうに思っております。 そこで、こういった伝統文化、芸術を広く世界に発信していくためには、予算もある程度限られているわけですから、冒頭、大臣の方からもお考えをお聞きしましたけれども、観光などとの分野と一体となって基盤整備に、国内、国外にわたって取り組んでいかなければならないというふうに思っておりますが、この点についてのお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
○西川副大臣 新開議員にお答えさせていただきます。 先ほど大臣の方からもお話がありました。まさに、二〇二〇年オリンピックをターゲットイヤーとして、日本を世界の文化の発信基地というかハブにしていくんだという大きな目的を文科省としても発信させていただいておりますが、伝統文化や伝統工芸、これらを文化庁の省庁の枠を超えて国内外に発信していくということは本当に大事なことだと思っております。 そういう中で、実は昨年の十一月に、世界に誇る日本各地の文化力を観光の振興と密接に連携しながら維持、継承、発展させ、世界への発信力を強化するためということで、文化庁及び観光庁の包括的連携協定というのを結ばせていただきました。 御承知のように、本当に、今外国から来る、特に欧米の方から来る観光客というのは、いわゆる日本の観光地ということではなくて、日本のそういう伝統文化とか地域の非常におもしろい生活実態とかそんなことに興味を持って、日本人が、ええ、そういうものに興味を持つのというようなところに、いわば本物の観光というんでしょうか、そういうことをよく散見するところでございますので、まさにこれは、例えば先ほど先生がおっしゃいました食の問題、ユネスコの和食の登録の問題も、これは農林水産省と連携して、しっかりと本物の日本食、和食を発信していくというようなことも、今いろいろと考えております。 そういう中で、今度は、一つの発信例としては、日本のすぐれた美術工芸品を諸外国に紹介する海外日本古美術展、あるいは、日本の工芸の将来あるいは国際的に活躍が期待される工芸家の作品を展示する現代の日本工芸展といったり、これも世界に、例えば日本文化展、これは九州国立博物館と連携でベトナム国立博物館で行ったり、福岡のクール・ジャパン・フェア、これは福岡と一体となってハノイでいわゆるクール・ジャパンの展示会をしたり、平成二十四年にはイタリアのフィレンツェで古美術工芸の展示会をしたりということで、海外への積極的な発信、それと海外から日本に来てもらうということで、入りと出の両方を、まさに日本を世界の文化の発信拠点ということで頑張ってまいりたいと思います。
○新開委員 ありがとうございます。 観光庁と文化庁が包括的連携協定をされた、本当にすばらしいことだと思います。 もう時間となりましたので終わらせていただきますけれども、クール・ジャパン・ファンドをしっかりと活用していくということも今後ある意味で考えていかなければならないと思いますし、それからまた、例えば伝統文化、伝統工芸、こういったものが省庁によってかかわり方が変わってくる。また、私は、日本庭園というようなものについても、例えば造園業が全国で減少しておりますが、こういったものも世界から見れば立派な日本の文化だというふうに思っております。 総合的に、パッケージとして戦略的にこれからも文化政策、芸術政策が振興しますことを心からしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思って、私の質問時間とさせていただきます。 ありがとうございました。
○小渕委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。よろしくお願いいたします。 本日、私は、日本のイノベーションを支えている研究者の育成、これについて質問をさせていただきたいというふうに思います。 改めて申し上げることではないかもしれませんけれども、科学技術によってイノベーションを推進していく、そうして技術で勝ち続けることができる、そういう日本を目指していく、これは安倍政権の掲げる成長戦略の大きな柱でございます。そして、そのイノベーションを支える最も重要なものはやはり人材であろう、私はこのように考えるわけであります。研究者の確保、育成にさらに力を入れていかないといけない。きょうはこうした観点から質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず一点目でございます。 先ほど笠先生からもさまざま御質問がございました、野依理事長も来られて御答弁をされておられましたSTAP細胞に関する研究論文について、私からも一問質問をさせていただきます。 これは、皆様御承知のとおり、研究論文に対して、不正があるのではないか、こういう疑義がございました。四月一日に理化学研究所の方からも調査報告書が提出をされた、しかし、他方で、不服申し立てというのも昨日なされた、こういう状況である。本日の午後にも記者会見も開かれる、このようなお話も伺っております。 他方、これも皆様御承知かと思いますけれども、理化学研究所は、今回、現在政府の中でも検討されておられます、世界でもトップレベルの研究を行う新しい研究開発法人の制度の対象候補、こういう形で決定をされておられまして、この疑惑、どういう形なのか、これをやはり早期に晴らす必要がある、このように考えております。 まず冒頭、一連の理化学研究所のSTAP細胞に関する研究論文に関しての現在の状況について、先ほど笠先生のときもさまざまな御質疑があったかというふうに思いますけれども、まず、文部科学省として今どう受けとめておられて、どう対応されるのか、これを冒頭お伺いしたいというふうに思います。
○小松政府参考人 お答え申し上げます。 STAP細胞に係る論文につきましては、ただいまお話がございましたように、四月一日に理化学研究所において調査報告の会見が行われたわけでございます。その調査の結果、二件の不正等の事実が認定されたという状況でございまして、こういう事態になっておりますことは、まず、まことに遺憾に存じております。 この件の背景には、研究者の個人の責任もございますけれども、それだけではなく、研究のチェック機能が機能しなかったこと、あるいは、データ管理、研究の立案から実施、発表に至るプロセスが適切に管理されなかったというような複合的な要因が存在すると考えられておりますので、この点については、受けとめとして、理化学研究所として研究不正の再発防止策を策定して、積極的に推進をしていただくということが必要と認識をいたしております。 あわせまして、理化学研究所においてもこの件を重く受けとめて、先ほどお話が少しございましたが、四月四日に野依理事長を本部長とする改革推進本部をまず立ち上げておられる。そして、外部有識者から成る改革委員会を立ち上げて、今後、研究の不正や過失の防止に係る規程や運用の改善、それから、若手研究者が最大限に能力を発揮できる体制をどう整備していくか等について、再発防止のために必要な対策を早急に取りまとめるというふうに聞いております。 文部科学省といたしましては、今後の若手研究者の活躍にも配慮しつつ、理化学研究所として可能な限り早期に、かつ厳正に再発防止のために必要な対策がとられるよう求めてまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 理化学研究所の方でも再発防止策を検討されているという状況、私もしっかりと見守ってまいりたいと思いますし、また、早期に疑惑をやはり晴らしていく必要があるんだ、このように考えております。 この件についてこれ以上直接私の方からコメントは差し控えさせていただきますけれども、ただ、研究不正の問題について、私は理研だけの問題ではないというふうにも考えております。新聞報道を見ておりますと、研究不正に対しては、近年かなり数多くのいろいろな事案が報道でも取り上げられておる。余りこういう事態が続くと、科学技術研究そのものに対して何か信頼を失ってしまうんじゃないか、こういうこともありまして、やはり全体としての取り組みを進めていく必要があるのではないかな、このように考えております。 他方、私がもう一つ懸念をしておりますのが、今回こうしたさまざまな騒動がございまして、これで逆に、では若手研究者に責任ある立場でいろいろな研究をさせよう、こういうチャンスを与える流れが萎縮するようなことがあってはいけないんじゃないか、私はこのように考えます。 ノーベル賞受賞者がどの年齢層で受賞のきっかけとなった論文を発表しているか、これは皆さんも御存じかもしれませんけれども、大体各分野とも三十代あるいは四十代、かなり若手の研究、これがノーベル賞受賞のきっかけとなった論文をつくった、ここに集中をしている、こういうことも言われているわけでございます。 ですので、若手研究者に対して、それぞれの適性に応じて研究をする機会をしっかり設けていく、これは私は間違いなく重要なことではあるというふうに思います。 もう一つ懸念をしておりますのが、こういういろいろな課題が起こると、よく行政がやることは、過度の規制をかけるときがございます。要は、手続だけ非常に厳しくしたりですとか、あるいは罰則を極めて厳しくしたりですとか、結局、問題の発生を防ごうとする余り非効率な規制をかけてしまう、結果的にスピード感がなくなったり競争力がなくなったり、こういうことも私は避けないといけない、このように思います。 他方で、研究に対する信頼を回復させる実効性のある取り組みをしっかりしていかないといけない。私は結構難しい課題であるというふうに考えますけれども、しかし、これは両立をさせないといけないと思います。 現場を萎縮させない、しかし、信頼を回復させる実効性のある取り組みをやはり研究開発全体として講じていっていただきたい、このように私は考えておりますけれども、櫻田副大臣はこの件についてどのようにお考えか、ぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。
○櫻田副大臣 昨今、研究活動の不正行為の疑いのある事案が相次いでいることは極めて遺憾だと捉えております。 現在、文部科学省では、本年二月に決定された協力者会議の審査のまとめを踏まえ、研究活動の不正行為の対応のガイドラインの見直しに係る具体的な検討を進めているところでございます。 ガイドラインの見直しに当たりましては、これまで、不正行為に関する対応が個々の研究者の自己責任のみに委ねられていた面が強かったことを踏まえ、今後は、研究機関も責任を持ってこの問題に取り組むよう求めていく方針でございます。 具体的には、研究者が責任ある活動を推進する上で、一定期間の研究データの保存、公開の義務づけ及び各研究機関における研究倫理教育の着実な実施を求めることとしているところでございます。また、各研究機関に対しまして、ガイドラインに基づく規程や体制の整備、公表を求め、体制に不備が認められた場合などには間接経費の削減措置を講じることを検討しているところでございます。 これらの取り組みを通じて、研究者の自由な発想に基づく独創的で多様な研究活動を萎縮させることなく、研究者や各研究機関、研究者コミュニティーが責任を持って不正行為の対応を行うことができるよう国も支援等を行い、公正な研究活動を邁進してまいりたいと考えております。
○中野委員 ガイドラインの見直し、これからされていくということで、私もしっかり見守ってまいりたいというふうに思いますけれども、現場にしっかり伸び伸びと研究に打ち込んでもらって結果を出していく、他方でガバナンスをきかせて実効性のある不正対策をする、二つを両立させることがやはり大事だと思いますので、しっかりと対応をお願いいたします。 私、党の学生局長として、大学院生の方、あるいは博士号を取られた方、あるいはその後ポスドクで研究をされている方、こういう方々とも意見交換をさせていただく機会がございます。そして、研究開発をめぐる環境についていろいろ御意見を伺うわけでございますけれども、やはり環境が非常に過酷だ、こういう御意見はよく伺うわけでございます。ありていに申し上げますと、博士号は取った、しかしその後安定した職があるかというと、なかなかそういうわけでもない。常に論文を書いて成果を出さないといけない、こういう話はよく伺います。 しかし、だからといって、研究の不正をやっていいというわけではもちろんございません。これは許されることではございませんけれども、しかし、その一つの背景として、こうした研究環境が、若手をめぐる環境が余りよくないのではないか、こういう問題意識を私持つわけでございます。 実際に、修士課程の方で、博士課程に進むかどうか、これをやはり考えるときに、自分の気持ちとしては研究をこれから続けていきたい、しかし、博士課程に進むとなかなかその後の自分の生活あるいは就職に非常に不安を感じる、こういう声も少なからず聞くわけでございます。 昔から実はこういう課題がございまして、昔はオーバードクターといいまして、博士号を取ったけれどもなかなかその後安定した職がない、こういう話はあったわけでございます。そして、若手研究者の層、博士課程を取った研究員のこの研究者の層を分厚くしていこうということは日本の国としてもやはり今まで取り組んでおられたというふうに承知をしておりまして、科学技術基本計画、第一期、第二期、ポスドクをふやそう、一万人ぐらいふやそう、こういう計画もあった、このように承知をしております。 この任期つきの若手の研究者の層をふやした、それはそれで実現をしたわけでございますけれども、しかし、研究環境、処遇なども含めて、やはり余りよくないのではないか、あるいはこのポスドクの方がさらに安定した職につくときに、なかなかキャリアが見つからないのではないか、こういうことも過去問題になった。そしてその後、国としても、ポスドクの自立あるいはキャリアサポート、こういうものをしっかりやっていこう、こういう提言もなされてきた。こういう一連の流れであるというふうに承知をしております。 現在、若手の研究者、いわゆるポスドクのような方々をめぐる処遇、例えば収入の状況あるいは就職の状況、現在どのように改善しているのか、現在どういう形で国として把握をされているのか、少しお伺いをしたいというふうに思います。
○川上政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、ポストドクターの処遇というものはいろいろな課題がございます。他方、冒頭で先生御指摘のように、ノーベル賞の成果が出たのが三十代というような非常に若い段階であって、ポストドクターというのはそういう先端的な研究をやるのに非常に重要な人材であるというふうに私どもは認識しているところでございます。 それで、まず、現在のポストドクターの数から、調べているところを申し上げますが、先ほど先生からポストドクター一万人計画を達成というお話がございましたが、現在約一万五千人、これは大体ここ数年間同じような数で推移をしているところでございます。 また、そのポストドクターがどのような処遇になっているかということにつきましては、ちょっと過去のデータになるのでございますが、平成十九年にポストドクター等のキャリア選択に関する分析であるとか、二十一年度にポストドクター等の雇用・進路に関する調査というようなことを行ってございます。それによりますと、短期間、大学等の研究機関で研究業務に従事した後に、大学教員や公的研究機関、民間企業等の研究者にポスドクの人たちは就職をしているという傾向が見られてございます。博士課程修了から五年を経過した後に引き続きまだポストドクターを続けているという方々は、二割という程度になってございます。 また、置かれている状況としまして、収入面で調べたものがございます。平成十九年度の調査でございますが、月収約三十万六千円という結果になってございます。これは、厚生労働省が賃金構造の基本統計調査を行っておりますものとして、ポストドクターを含む全職種の給与の平均額が三十万一千百円というものと比べましてそれほど遜色のない状況になっているというところでございます。 しかし、このような処遇でございますが、先生の御指摘のとおり、先行きが見えないという中でポストドクターが苦労している、このことは問題でございます。 私どもとしても、大学において若手教員に対する任期なしのポストが不足していることであるとか、それから、こういう大学とか研究機関だけではなくて、民間企業において博士課程修了者やポストドクターの採用の実績が低いというようないろいろな課題がまだあるというふうに認識をしてございまして、ポストドクターの処遇の改善につきまして引き続き努力をしていきたいというふうに考えてございます。
○中野委員 先ほどお伺いをした月給が三十万六千円というのは年収で直すと三百六十万とか、やはり年収でいくとほかの正規とか非正規とかを合わせた全体の平均とそんなに変わらないぐらいですので、やはりこれはなかなか過酷だなと私は思います。 先ほどおっしゃっておられた民間企業も含めたキャリア形成など、あるいは今文科省でやられているテニュアトラック普及・定着事業、安定したテニュアの教員になるまでのトラックをしっかりつくっていく、こういう事業は非常に大事だと思います。ちょっと時間がないので質問を割愛させていただきますけれども、こうしたものをしっかり進めていっていただきたいと私は思います。 他方で、そうしたアカデミアの任期つきのところでいろいろな研究を頑張っていって将来は安定したところにというキャリアパスでありますけれども、現状の無期雇用の教員のテニュアのポスト、やはりなかなかあきがない、有望な若手を積極的に登用する環境にまだまだなっていないんじゃないか、こういう懸念を持っておりまして、そうしますと、いつまでたっても若手にポストが回ってこない、優秀な方ほどどんどん海外に流出をしていく、こういう現状を大変に危惧しております。ましてや、これから大学のグローバル化ということで、外国人の方もどんどん入ってくる。そうすると、ますます、優秀な若手が本当に日本の中で活躍していけるのかな、こういう不安がございます。 こうした大学のテニュアの無期雇用の教員についても、優秀な若手の研究者の登用がどんどん進むような対策をぜひとっていただきたいと思いますけれども、いかがでございますか。
○吉田政府参考人 御指摘のとおり、若手研究者が安定して研究活動に専念できる環境を確保していくことは大変重要でございます。 特に、国立大学におきましては、教育研究活動の基盤を支える国立大学法人運営交付金を確保するとともに、人事給与システムの弾力化を推進することが重要であるというふうに考えております。 平成二十六年度の予算におきましては、総額一兆一千百二十三億円の運営交付金を確保するとともに、若手研究者のポスト確保や年俸制の導入など人事給与システム改革に積極的に取り組む国立大学に対しまして、運営交付金におきまして重点支援を行う仕組みを取り入れているところでございます。 今後とも、各大学における人事給与システムの改革を加速してまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 ありがとうございます。しっかりと進めていただきたいと思います。 これは決して大げさなことではなくて、私の知り合いの研究者も、日本の国内だとポストがない、海外からは逆にオファーはある、こういう方もいらっしゃるわけであります。日本の優秀な若い才能のあるこういう人材がやはり日本のために活躍をしていただけるような、しっかりそういう環境をつくっていただきたいというふうに思います。 最後に、大臣いらっしゃいますのでお伺いをしたいんですけれども、女性研究者でございます。理系の研究者は特に女性の割合が非常に低いというのは言われております。特に、工学系約一一%、自然科学二六%と非常に少ない。女性の研究者の方にお伺いをしても、理系は数が少な過ぎて、やはりそれが原因で何か大学になかなかいづらかったりですとか、あるいは出産、結婚、こういうことを考えていくと、大学院に進学してどんどん研究を続けていく、こういうのもなかなか本当にできるだろうか、こういう不安を抱えられている女子学生の方もいらっしゃるというふうに思います。 私は、日本が今後高い競争力を保ち続けるためには、優秀な女性がいろいろな分野で活躍する環境をつくらないといけない。優秀な女性が活躍できない分野というのは、やはり日本の中でも今後優秀な人材というのが確保できない、だめになっていってしまうんじゃないか、こういうふうに危惧をしております。科学技術の分野でもこれは同じではないか。 女性の研究者、あるいは女性の教員もあると思いますけれども、こうした方々をしっかりと後押ししていく、支援をしていくことについて、ぜひ最後に大臣の御決意を伺いたいというふうに思います。
○下村国務大臣 御指摘のように、女性が活躍できる社会をつくること、これは安倍内閣の成長戦略の重要な柱の一つでもあります。特に女性研究者の活躍を促し、その能力を発揮させていくことは、我が国の経済社会の再生、活性化や、男女共同参画社会の推進にも大きく貢献するものと期待をしております。 我が国の女性研究者の割合は諸外国と比較して低い水準にあることから、文部科学省は、研究と出産、育児等との両立や研究力の向上を図る上で、さらなる取り組みの推進が必要であるというふうに認識をしております。新たに、複数の大学、研究機関等が連携して、女性研究者の研究力向上を図る取り組みを支援するということをしていきたいと思っております。 文科省においても、タスクフォースを設置し、女性の活躍推進を図るための施策についてさらに推進を進めてまいりたいと思います。
○中野委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 —————————————
○小渕委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省生涯学習政策局長清木孝悦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小渕委員長 椎木保君。
○椎木委員 日本維新の会の椎木保です。 本日は三十分間の質疑時間をいただきましたので、文部科学行政について大臣とじっくり質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 まず初めに、昨年、私が一般質疑等々で二度にわたりまして委員会で質問させていただきました内容について若干触れさせていただきたいと思います。臨時免許状と免許外教科担任について、私は、昨年は本当に力を入れて質問させていただきました。 この二つの、免許状と教科担任について簡単におさらいさせていただきますが、まず臨時免許状は、教育職員免許法第五条第六項、普通免許状を有する者を採用できない場合に限り、教育職員検定に合格した者に与えられる免許状。一方、免許外教科担任については、教育職員免許法附則二のとおり、一年以内の期限に限り、当該教科について免許状を有しない主幹教諭等が当該教科の教授を担任することができる。簡単に言うと、どちらも無資格な教員が教壇に立つことを暫定的に許されるという制度です。 私は、この二つについて分科会、委員会等々で下村大臣にも何度も質問させていただき、結果的には、昨年の十二月十九日付で、文部科学省初等中等教育局教職員課長名で各都道府県教育委員会に対して、「平成二十四年度教員免許状授与件数等調査及び教員免許制度の適切な運用について」ということで調査を実施していただいています。 事の発端は、毎年、大体約十八万人の数の教員免許状を持った人たちが全国各都道府県で教員採用試験を受験しておる。その中で合格している教員の数は大体三万人。十五万人が、毎年毎年教員を志し、免許状を持っている人ですからね、免許状を持っている人が採用されない。そういう状況がここ数年、数十年と言ってもいいと思います、続いている。 これらの状況を各都道府県は、臨時免許状とか免許外教科担任、これでしのいでいるといいますか、免許のある人を採用しないで、免許のない人を教壇に立たせている。 こういうことが、日本の未来をしょって立つ子供たちの教育ということを考えて、これが本当に適切なのかどうかということで私は繰り返し質問させていただきましたが、これらの調査結果についてはどのような状況なのか、答弁をお願いします。
○西川副大臣 先生の御指摘のとおり、二十五年十二月十九日に、各都道府県教育委員会に対しまして通知を発出いたしました。臨時免許状の授与及び免許外教科担任の許可を安易に行わず、教員免許制度の適切な運用を行うよう依頼をいたしました。 そういう中で、実は、文科省の教員免許状授与件数等の調査におきましての臨時免許状の授与件数は、平成二十三年度が九千三百十九件に対しまして二十四年度は九千二百十四件で、約百五件減少しております。そして免許外教科担任の許可件数は、平成二十三年度が一万二千五百五十一件に対しまして、平成二十四年度、これが一万二千二百四十一件で、三百十件減少しているところでございます。 ただ、この平成二十五年度の通知の効果というのはこれから二十六年度に出るわけですので、この件数に関しては、まだ今後これからしっかりと把握してまいりたいと思います。 先生の御意向に沿った、なるべく各教育委員会等に対しても、この臨時免許状あるいは免許外教科担任を出す場合には、本当に真に必要なときに限るという指導はしっかりと行ってまいりたいと思っております。
○椎木委員 西川先生、ありがとうございました。 大臣なり副大臣の御答弁は、いつも御理解いただいた上でこういった答弁をいただいているというふうに私も痛切に感じているところなんですけれども、私の選挙区である千葉県、こちらの教育長は私のこの最初の質問に対して非常に問題意識を持っていただいて、改善計画までつくられたということも聞いています。 私も直接お話もさせていただきました。非常に信頼の置けるといいますか、やはり教育に対しての認識がしっかりしているという感じも受けましたし、よくよくどんな方かなと調べてみたら、文部科学省から出向されている教育長と。なおさらそういう意味では文部科学行政にも詳しいし、県の教育行政にも熱意を持って取り組んでいただいているなということで、本当にありがたい気持ち、また期待も持たせていただいているんです。 一方で、私の出身の茨城県、こちらは私に言わせると非常に認識がずれていまして、私、十一月一日の一般質疑で、先ほども臨時免許状で私お話ししましたけれども、教育職員検定に合格した者に対して授与される制度なんです、この臨時免許状というのは。しかしこの茨城県というのは、面接はしていない、試験もしていない。ですから、授与権者である教育委員会が、どういう人物かというのはわからないで臨時免許状を出しているわけですよ。 これに対して地元紙の茨城新聞が教育委員会に取材したところ、試験や面接は行っていないものの、卒業証明書や成績証明書、健康診断書、人物証明書などの提出は求めていると。こんなの当たり前ですよ、こんなのは当たり前です。 ですから私が申し上げたいのは、十八万人ですよ、四年間大学で一生懸命、短大を含めてですけれども、教育課程、教職課程をとって、免許状を取って、それで教壇に立ちたい先生を十八万人のうち三万人しか採用していない。十五万人を採用していないわけですよ。にもかかわらず、こういうふうに安易に、教育職員検定なんて何にもやっていないじゃないですか。これが千葉県と茨城県の物すごい差なんです。 ですから、私きょう冒頭確認したかったのは、多分千葉県は改善されるんでしょう。私も確信していますよ、あの教育長さんの熱意というのは本当に伝わりましたし。ただ、例えば茨城県のような都道府県が全然改善が見られない。 これは茨城新聞社の担当の記者さんに私も聞きましたら、何度も何度も教育委員会にも出向いた、そうしたら教育委員会の対応は、違法性はありませんからと。私は違法性があるかないかを言っているんじゃないんですよ、認識の話をしている。何で免許状を持っている人を教壇に立たせないで、免許状を持っていない人を安易に臨時免許状とか免外申請を通して教壇に立たせているんですかということを聞いているんです。 だから、こういう認識を持った都道府県教育委員会でこの日本の教育が今後どうなるのか、私は非常に懸念を持っている。 そういう意味で、先ほど西川副大臣の方から、調査結果を踏まえてさらに対応していただけるような御答弁でありましたので、本当に切に改めてお願いしたいと思います。 これは下村大臣に一点確認したいことがあるんですけれども、私が十一月一日の衆議院の文部科学委員会で、今お話ししたような内容で質問をさせていただいたときに、大臣が、最後の部分でこういう答弁があったんですね。 十八万人のうちの十五万人が採用されていない。果たしてその十五万人が、本当に現場の教師としてみんながみんな優秀なのか、そういう問題点も一方であると。ある県の事例として私は聞きましたが、なぜ臨時免許状の人を、正規免許状があるにもかかわらずそちらの方を優先したいのか。そうしましたら、臨時免許状の人の方がトータル的に、正式に免許状を持っている人以上に現場の教師としての能力がすぐれていると教育委員会が判断したと。 私まずお聞きしたいのは、どこの都道府県なのか。私は、文科委の鈴木望理事にお願いして、参考人で来てもらいたいと思っています。どういう選考をして、何を根拠に正規の免許を持っている人よりも優秀だと言っているのか。今までの教員養成制度を否定しているのか。あるいは、現在の教育職員免許制度を根底から覆すような発言なんですよ。 ですから、どこの都道府県が、こういう認識で臨免の人を普通免許状を持っている人よりもトータル的に優秀だと言われているのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
○下村国務大臣 十一月一日の私の発言について、事前通告されておりませんので、今突然聞かれたことでございますので、どの県かということについては今すぐお答えできません。 そして、そのときの発言については、そういう事実があるということを申し上げたわけでございます。 それから、そのときの発言について、私も教員免許を持っているということも申し上げました。教員免許を持っていれば、即、即戦力として十五万人が、全員が優秀な先生としてやれるかどうかは別の問題であるということについても申し上げました。 そのとき、今、教員免許のあり方についても、インターンシップ制度や、教育実習もしておりますが、コミュニケーション能力等がかつてのベテラン教員に比べて若い先生は不足しているのではないかという指摘がある中で、自民党においても、教員養成大学のあり方、教員養成のあり方について改めて議論すべきではないかということが、野党のときから言われておりました。 今、中教審の中でも新たな教員養成のあり方について検討している最中でございますが、ぜひ今後、教員免許を持った方は全員が即戦力で現場で同時に教師としてもやれるような、そういう教員養成大学のあり方あるいは教員免許のあり方についても、十二分な検討もあわせてしていく必要があるというふうに考えております。
○椎木委員 私は、去年質問した臨時免許状調査結果ということで通告していますからね。大臣が御答弁された内容ですから当然記憶もありますし、通告していないからと言うのであれば、私が悪かったんでしょう。それについては結構です。それ以上お聞きすることはしません。 しかし、四年間、普通の大学のカリキュラムの単位以上に教職課程をとって、教育実習までして、人物まで評価された上で免許状というのは与えられているんですよ。一方では、何にもないんですよ、これは資格が。この教科が教えられるかというのをどこで判断しているかということを私は申し上げているんです。そういうのを対比して、全国の国民の皆さん、保護者の皆さん、子供たち、絶対、免許のある先生がいいと思うはずですよ。 大臣の答弁を聞いていると、何かちょっと、免許を持っている人が必ずしも教師としてふさわしいとは思えないというようなふうに聞こえてしようがないんですけれども、これはどうなんですかね、免許状を持っている人より持っていない人の方が優秀だという認識はやはりおありなんですか。もう一度お願いします。
○下村国務大臣 免許状を持っていない人は教えられません。ですから、先ほど申し上げたように、これは臨時免許状という免許を持っているわけでありますし、また、さらに御指摘がありましたが、臨時免許状以外において免許外教科担任の許可ですね、あるわけです。そのほかに、免許状を持っていない人については特別免許状、これは、それぞれの自治体が授与することによって教員として勤務をすることができるということで、いずれも免許状は授与しているわけであります。 ただ、御指摘のように、これは正規の教員免許を持った人を多く登用するということが望ましいことでありますし、これは、文部科学省においても、各都道府県教育委員会に対しまして、教員免許制度の適切な運用について、正規な免許状を持った人がそれぞれの教科において教えるよう働きかけているところであります。
○椎木委員 私が聞いている趣旨はそうじゃないんですよ。普通免許状を持っている、本当のライセンスを持っている人と比べて、応急的に、臨時的に臨時免許状とか免外申請でやっている無資格の人の方が優秀なんですかと聞いているんです。もう一度お願いします。
○下村国務大臣 個々の事例について、これは申し上げることはできません。ただ、それぞれの教育委員会において、そういう判断で臨時免許状あるいは免許外教科担任の許可をしたという事例があるということを申し上げたわけであります。
○椎木委員 では、最後にまたちょっと事例は違うんですけれども、私が何でこういう問題に非常に危惧しながら、疑問を抱きながら質問をしたかという背景の一つをちょっとお話をして、それで再度御答弁をいただいて、次の質問に入りたいと思います。 これも前にお話ししましたけれども、私も平成元年に教員になっているんですよ。社会科の免許を持ちながら、保健体育と技術・家庭を教えてきた。翌年は、中高の社会の免許しか持っていないのに小学校の三年生の担任をしてきた。さらに翌年は、中高の社会の免許しか持っていないのに中学校三年生の数学の教授を担当してきた。 私は、免外申請なんてやった記憶はないんですよ。ということは、全くそういう申請もなくやっていた。そうすると、これは違法なんですよ。そういう先生が、私だけじゃなくてほかにもたくさんいた。それが茨城県なんです。 この茨城県というのは、私が通信教育で小学校の免許を取った後なんですけれども、通信教育で小学校の免許を取りましたよ。それはそうですよ、無資格なんですから、これは子供たちに申しわけないですよ。一生懸命やりましたよ。この茨城県というのは、中学校で合格した先生を小学校に配置するわけです。教諭で採用して講師で赴任させるわけです。それで、通信教育の初等教育課程を取らせるわけです。これはいいですよ、そこまでは。 問題は、最後に教育実習があるわけですよね。この教育実習を、現場で、小学校で勤務しているというふうに置きかえて、やっていなかったわけですよ。それで、大学側には、学校側のきちっとした評価等々ももらって、教育実習を二週間なり一カ月やりましたということを出して、免許状をもらっているわけですよ。 私は、こういうのも一つのやはり引き金になって、その後は教育行政で仕事をやらせてもらいましたけれども、やはり、自分が持っている免許じゃないものを教えることが本当にできるのかなと疑問に思いましたし、校長にも聞きました。そうしたら、教育委員会がそれでいいと言っていると。本当にいいのかなと。それで通信教育で免許を取りました。 私はちゃんと実習しましたよ。だけれども、ほかの先生方はほとんどです。これは大きく茨城県では地方紙でも掲載されてかなり社会問題的になりましたから。だって、実習していないんですよ。していないのに、したということで免許状を授与されているんですよ、その都道府県教育委員会から。私が言っているのは茨城県教育委員会ですけれども。 要は、小学校での免許がないから通信でやって、そこであなたは勤務しているから教育実習はいいよ、そこでやったことにするから。それで免許状と。当時はこれを結局主導しているんじゃないですかね。だから私は、そういう非常にやはり疑問を抱きながらこの教育問題については取り組んできているんですよ。 ですから、この臨免とか免外申請、普通免許状を持っている人をあえて採用しないでこういうことをしていったら、また、そういう過去の、教育実習もやらないで免許状をもらってきたようなそういうケース、事態にやはり発展するんじゃないかなと、私はそういうふうに非常に危惧してならない。国会議員を目指したのも、文部科学委員会でどうしても仕事がしたかったのも、こういう問題にやはり取り組みたかったんです。 だから、私の今できることは、改めるべきところは改めたいという思いを本当に理解していただいて、これは調査結果が出ていないということですから、何でまだこの時期になって出ていないのかなというのは不思議なんですけれども、それはそれでとやかくは言いません。 ただ、最後に一点だけお聞きしたいのは、その調査結果で昨年と比較して改善されていない都道府県があった場合に、再度指導していただけるのかどうか、それについてだけ答弁をお願いします。
○下村国務大臣 これもちょっと事前通告されていないので、その調査結果がいつ出るかどうかというのは私自身は報告を受けておりません。 実際に都道府県に対して、先ほど西川副大臣が答弁をいたしましたが、昨年の十二月十九日ですか、このときに発出したということでありますから、これを受けて委員にはお示しをさせていただきたいと思います。
○椎木委員 これは通告しているという認識なんですけれども、結構です。今後はできるだけより詳細に通告も考えて出させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、子供の貧困政策について質問させていただきます。 去年の子どもの貧困対策推進法の成立を受けて、今月四日、子どもの貧困対策会議が開催されたと思います。これに大臣が出席されたのかどうか、そして、一回目の会議でどんなことが議論されたのか、答弁をお願いします。
○下村国務大臣 御指摘のように、我が国の子供の貧困率一五・七%、これはOECD加盟三十四カ国の中で二十五位、さらには、一人親家庭においてはこれはもう最下位に近いということで、大変深刻な問題であると認識しております。 このため、家庭の経済状況にかかわらず、意欲と能力のある全ての子供が質の高い教育を受けることができるようにすること、これは極めて重要であります。 政府では、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づきまして、本年四月四日に子どもの貧困対策会議を開催したところであります。今後、法に基づく大綱を本年七月をめどに策定するため、もちろん私も参加をいたしました、内閣府、厚生労働省と連携し、積極的に取り組んでまいりたいと思います。 昨年、子供の貧困対策についての法律を議員立法でつくっていただいたわけでありますが、これは私からも強くお願い、働きかけをさせていただいてつくっていただいたという経緯がございます。 そういうことを受けまして、文科省ではいち早く、この法律の成立を受けまして、高校無償化制度の見直しに関する改正案をさきの臨時国会で成立をさせていただき、ことしの四月から、私立学校に通う生徒への授業料支援としての就学支援金の加算拡充や、授業料以外の支援として、返済不要の、奨学のための給付金制度の創設を新規にしたところでございます。 また、今年度は、幼稚園就園奨励費補助について、生活保護世帯の保護者負担を無償にするとともに、大学等の無利子奨学金の貸与人員の増員や、真に困窮している奨学金返還者に対する救済措置の充実に取り組むことにしております。 さらに、こうした取り組みに加えまして、今後、子どもの貧困対策を総合的に推進するための大綱を作成するに当たって、幼児教育の無償化に向けた低所得の保護者負担の軽減、さらに、高校生の奨学のための給付金制度のさらなる充実、また、高等教育段階において無利子奨学金の充実などを打ち出すことを考えておりまして、今後とも、経済状況にかかわらず、誰もがいつでも希望する質の高い教育を受けられる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○椎木委員 時間が来てしまいましたので、できるだけコンパクトにまとめて次の質問をさせていただきます。 この会議時間というのはどのぐらいの時間を要したのか、教えてください。 そして子供の貧困率、これは基礎的なデータでちょっと確認したいんですけれども、OECD加盟国の中でどのぐらいの順位にいるのか、さらに、一人親世帯での貧困率、また、OECD加盟国での順位がどのぐらいのものなのか、この辺について答弁をお願いします。
○下村国務大臣 子どもの貧困対策会議は、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づいて設置されたものであり、関係閣僚で構成されていまして、関係閣僚会議そのものは、これは十分ぐらいであります。 しかし、これから有識者会議でこれについての議論をしていただくということでありまして、この第一回の会議では、子どもの貧困対策を総合的に推進するための大綱の案の作成方針について議論し決定をしていただいたということでございまして、今後は、内閣府特命担当大臣のもとに開催される会議の場で、関係者の意見を聴取しながら、内閣府、厚労省、協力して大綱の案を進めていきたいと考えます。 それから、先ほど順位は申し上げましたが、我が国の子供の貧困率、一五・七%でOECD加盟三十四カ国の中で二十五位、また、我が国の大人が一人の子供がいる世帯の相対的貧困率、五〇・八%でOECD加盟三十四カ国の中で三十三位であります。
○椎木委員 余り言いたくありませんけれども、十分間というのは、本当にそんなものなんですかね。この子供の貧困政策というのは本当に、私は余り横文字は好きではありませんけれども、チルドレンファースト、全ては子供たちのための政策だと思いますけれども、十分というのが非常に何か安っぽいといいますか、ちょっと理解に苦しみますけれども、順位等々の御答弁はよくわかりました。ありがとうございました。 では次に、一般の高等学校の進学率と生活保護世帯の子供の高等学校進学率、これらについて教えてください。
○西川副大臣 全国の高等学校進学率は平成二十五年度で九八・四%となっておりまして、生活保護受給世帯の高等学校等進学率につきましては、これは実は厚生労働省の所管なのでございますけれども、厚生労働省から聞いております数字で、平成二十五年度は八九・九%でございます。
○椎木委員 ちょっとこれは私の聞き違いなのか記憶違いなのかあれですけれども、子供の貧困率は一五・七%で、六人に一人ということでお間違いないでしょうか。ちょっと確認させてください。
○下村国務大臣 済みません、ちょっと今質問が聞き取れなかったんですが、子供の貧困率は一五・七%です。
○椎木委員 これは、データだけ伺いますと極めて深刻な状況だというのは認識できると思うんですけれども、生まれ育った環境によって子供の将来が左右されてはいけない、そういう社会を実現していかなきゃいけないと思います。 下村大臣はこの政策に対しても非常に前向きでというふうに私も伺っていますし、私自身もそう思っていますので、ひとつこちらも、最初の質問とあわせてぜひよろしくお願いしたいと思います。 本当に冒頭の質問が長くなってしまいましたけれども、非常に私も熱意を持ってこの委員会で頑張りたいと思いますので、今後ともひとつよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○小渕委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 結いの党、信州長野の井出庸生です。本日もよろしくお願いをいたします。 きょうは、ことしの三月十二日の文科委員会で私は取り上げさせていただいたんですが、東京電力の原発賠償の問題。私は、東京電力が東京電力の社員や家族の被災者に対して、一般の方と異なる、賠償額が大きく少なかったりですとか返還請求があったりですとか、時には、部内での文書を回して基準となり得るようなものを示してきているということを御指摘をさせていただきました。 きょう重ねて伺いたいのですが、資料でお示しをしております。ことし三月九日の毎日新聞の朝刊、「東電、家財賠償も差別 単身社員二百万円超減」という記事なんですが、この記事について三月十二日の文部科学委員会で伺ったところ、経産省の方で、東電からそういった事実関係があったことは説明、確認は受けている、社員であるか否かにかかわらず、被害の実態に沿って賠償を進めるように改めて指導した、そういうお話をいただきました。 この調査を受けて実際その改善がなされているのかどうかを、きょう来ていただいております東京電力の石崎副社長に伺います。
○石崎参考人 お答えさせていただきます。石崎でございます。 毎日新聞の記事が出て先生から御指摘をいただいて、私どもは経産省さんからも御指導をいただいたということは事実でございます。 そして、私どもの基本的な賠償の考え方は、避難を強いている一般の方と、それから被災した社員についても賠償の考え方は同じでございます。結論的には同じでございます。 ただ、経産省さんからも御指導をいただきましたので、社員のそういう不満に対して、賠償の相談窓口を設けさせていただいております。 それから、最近ではその相談窓口にも社員が既に数十名相談に来ておりますけれども、まだ来ていない社員もおります。総数は恐らく二千名ほどというふうに私ども見ておりますけれども、そのうちまだ四十名しか来ていないということもあり、社員に相談窓口を利用するようにと促す、そういう周知も社内であわせて最近やったところでございます。 今後も丁寧に社員にも賠償の考え方を説明してまいりますけれども、基本は、一般の方と社員については賠償の考え方を相違するものではございません。 以上でございます。
○井出委員 今、基本は社員と一般の方に対する賠償の考え方は同じだと。そういったお話は私も前に、たしか二月二十六日だったかと思いますが、この問題を予算委員会の第四分科会で取り上げたときも、そのとき東電から来ていただいた増田参考人は、社員であることと一般の方々と全く変わるところはございません、私どもは全く同じ基準にのっとってやっている、同等の扱いをというようなお話も出ておりました。 ただしかし、この記事の中で私が特に問題だと感じているのは、この記事に写真で出ております、昨年の五月十六日付で東電が被災した社員に社内メールで送った文章です。その中に、一般の方への賠償額と大きく異なることは会社としても大変心苦しいところですが、本取り扱いの趣旨をごしんしゃくくださり、何とぞ御理解くださいと。 これは明らかに会社側が、社員と一般の被災者は違います、理解をしてください、もうこれは明らかにそう言っているようにしか私は見てとれないのですが、今副社長がおっしゃった御答弁と先日の増田参考人の御答弁と、これは真っ向から相反するものだと思いますが、副社長いかがでしょうか。
○石崎参考人 お答えさせていただきます。 昨年の五月十六日に、先生御指摘のように、社員にメールを送りました。文章を送りました。 その文章は、一番最後のところで、今先生がおっしゃるように、新聞にもありますけれども、今回の賠償金額が一般の方への賠償金額と大きく異なることにつきましては云々と書いてございますけれども、ただ、その文章の一番最初の基本的な考え方にはっきり書いてございますけれども、一般の方と差別するものではなくて、そして今回は、社員については一番低いレベルで定額で支払いましたけれども、当然、社員一人一人の個別の事情がございますので、その定額部分を超える部分については追加で賠償をするというのは、これは一般の方もそうですけれども、同じ考え方でございますので、その辺は、ちょっと私どもの文章が若干誤解を招く、最後の表現が言葉足らずだったのかなと反省はしておりますけれども、それ以降、社員の相談窓口を設けるなり、丁寧に今一人一人に説明をしているところでございます。 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○井出委員 先日、三月十二日にもこの問題を取り上げておりまして、きょうのように詳しくお話をすることはちょっと時間の都合でできなかったのですが、そのときに下村大臣の御答弁の中で、審査会の策定をしている基準では、東京電力の社員とそれ以外の方とで異なる手法を適用するといった考え方は盛り込まれておりません、こういう答弁をいただいたんです。 今、この文章の一番最後についているというような釈明もありましたが、この文章は、やはり大臣の御答弁、審査会の策定した指針に私は真っ向から反しているものだと思いますし、指針に沿ってですとか、和解案を尊重してですとか、そういうことをこれまで東電の皆さんはいろいろな場でお話をしてきていると思いますが、この文章に限って言えば、指針にも反しているし、大臣の先日御答弁いただいたとおりにその考えが盛り込まれていない、大臣が言及されたまさにそのとおりで、指針と反していると私は考えるんですが、大臣に改めて御見解を伺いたいと思います。
○下村国務大臣 御指摘のこのメールのそのところだけを切り取れば、一般の方への賠償額とは大きく異なることは会社としても大変心苦しいところですが、何とぞ御理解ください、御指摘のとおりだと思いますが、しかし、今は東京電力で答弁されたわけでございまして、私も今の答弁を聞いておりまして、東京電力の社員という理由のみで一般の方と異なる基準を設定しているわけではないと副社長が今この場で答弁をされているわけでありますから、そういうことであるというふうに私は認識して今聞いておりました。
○井出委員 これまでも東電の方は、国会の場に来ていただけば、一般の方と社員は同じようにと、また、経済産業省、文部科学省の方は、社員と一般の方によらず、その個別の事情に応じてしっかりと賠償していくですとか、個別の事情に応じてやっていくというようなお話を私は繰り返し伺っているんですが、私がきょう取り上げている社員、単身者の家財賠償ですとか、その前に取り上げさせていただいた、持ち家かそうでないか、住居の形式によって賠償の終わりの時期の考えを示したという文書は、そういった個別の事情である以前に、やはり、社員とそうでない方と明らかにその基準を変えているのではないかと私は考えております。 相談窓口を設置して相談が始まっているということは一つの前進として私は受けとめておりますが、その根本的な認識、私は、少なくともこの文書、このメールに関しては、こういったメールを送って、それでも社員と一般の方は一緒だと言うのであれば、このメールは撤回するべきだと思いますが、副社長いかがでしょうか。
○石崎参考人 お答え申し上げます。 昨年の五月十六日に出したメールでございますけれども、これは、実質的にその後は説明会を開催したり、新たに三月にまたメールを、ことしの三月ですけれども、社員に相談窓口に来るようにというメールも送っておりますので、そういう意味では、昨年送った文書を撤回云々というのは今私どもがすぐにやるつもりはございませんけれども、既に事実としてその後のフォローはきちっとやっておりまして、まずやはり社員一人一人の事情を聞いて、一般の方と違うことはないんだということを説明した上で個別の事情を伺って、しっかり同じ基準に基づいて賠償するのが会社の責任だというふうに考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○井出委員 それと、この家財賠償に関しては、超過した分については個別に支払いをしていくというような話もさきに伺っておりますが、そういった支払いの実績ですとか、実際に超過分を支払ったという事実はまだございませんよね。
○石崎参考人 お答え申し上げます。 支払いの事実はまだございません。先ほど、二千名ほど対象の社員がいると申し上げましたけれども、相談窓口に来ているのはそのうちのまだ四十人ほどですので、これから一人一人全部話を聞いて、具体的な実情を聞いた上でお支払い額を決定をする、そういう必要があろうかと思っておりますので、まだ実績としてはございませんけれども、できる限り早く、実態を聞いて支払うようにしたいというふうに考えております。 よろしくお願いいたします。
○井出委員 これまできょうで三度お伺いをして、実はこの間にも一度電話をさせていただいて、その後どうなっていますかということを伺ったこともありましたが、相談窓口が動き出したということは一つ前進だと思います。 今後も、賠償については、大臣もこれまで繰り返しお話をされてきた公正、適正というところを東電にもしっかりやっていただきたいですし、また、文部科学省としてもその立場を全うしていただきますようにお願いをいたします。 時間になりましたので終わります。どうもありがとうございました。
○小渕委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。 委員会の冒頭、下村大臣から、先日の私の質問に対する答弁に事実誤認があった旨発言がありました。 村山談話は、歴代の首相が認めるかどうか、注目をされてきました。政府の態度の中でも、国内外で最も知られたものだと思うんです。その核心がどこにあるか。 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。 というところにあります。 大臣はこの重要性をお認めになりますね。
○下村国務大臣 さきの大戦に係る歴史認識については、私も内閣の一員として、安倍総理が国会で答弁されている内容と同様の認識を持っております。 すなわち、歴史認識については、我が国は、かつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えてきた、その認識においては安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ考えであるとの認識であります。
○宮本委員 もしも事実誤認の背景に、侵略と植民地支配はなかったとか、あるいは、謝罪するような大したことはなかったという認識があるとすれば、極めて深刻な問題だと言わなければなりません。 過去に重大な誤りがあれば、事実に向き合い、誠実に反省してこそ真の誇りも生まれるし、同じような侵略などの行為に毅然とした態度がとれます。そして、それでこそ国際的に名誉ある地位を占めることができると思うんです。その意味でも、大臣には肝に銘じていただきたいと思います。 さて、閣議決定その他の方法に示された政府の統一的な見解に入るかどうか、もう一つ重要な文書である日本軍慰安婦についての河野談話がございます。 先日の答弁で大臣は、それらに示されている基本的な立場については、安倍内閣においても継承している旨、質問主意書の答弁においては、これは閣議決定されている、こう述べられました。 その答弁書とは、平成十九年三月十六日受領、答弁第一一〇号で、「政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというものであり、その内容を閣議決定することは考えていない。」というものであります。河野談話を継承しているというのは政府の基本的立場だと述べております。 大臣もこの基本的立場はお認めになりますね。
○下村国務大臣 そのとおりでございます。
○宮本委員 閣議決定で政府の基本的立場だと言っているものが政府の統一的な見解に入らないというようなことは通用しないと私は思うんですが、いかがですか。
○下村国務大臣 私は、事実誤認が村山談話についてあったということで、先ほどおわび、訂正を申し上げました。 河野談話については、これは閣議決定されていないということは事実でありますので、それはそのとおりということでございます。 ただ、この慰安婦問題について、これは政府の基本的立場として申し上げたいと思いますが、安倍内閣としても河野談話を継承している旨を明らかにしており、質問主意書の答弁で、河野官房長官談話を受け継いでいる旨を閣議決定をしております。 この内容は、検定基準上の、閣議決定等により示された政府の統一見解に該当いたします。したがって、教科書検定に当たっては、慰安婦問題についての政府の基本的立場を踏まえて実施するということになります。
○宮本委員 河野談話の継承が政府の基本的立場だということであれば、大臣もそれを誠実に実行すべき立場にございます。 河野談話では、 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。 こう述べております。 このような歴史教育をどのようにお進めになるおつもりですか。
○下村国務大臣 先ほど申し上げましたように、河野談話そのものは閣議決定されておりません。しかし、質問主意書の答弁で、河野談話を受け継いでいる旨を閣議決定をしているということを申し上げました。 この内容は、検定基準上の閣議決定等により示された政府の統一的見解に該当するということでございます。
○宮本委員 私がこの村山談話と河野談話という二つの文書が政府の統一的な見解であるかどうかを聞いてきたのは、これは歴史認識にかかわる重大問題だからであります。 なお、そのことと政府の統一的見解に基づいた記述を教科書に書かせるという問題とは別問題であります。そんなことをしたら、教科書は政府の広報誌になってしまうと言わなければなりません。 例えば、安倍内閣は、四月十一日にも、原発を重要なベースロード電源などと位置づけたエネルギー基本計画を閣議決定しようとしておられます。原発をめぐっては、どの世論調査をとっても再稼働反対が多数を占めております。それを、政府が閣議決定したから教科書に書けというようなことは、とんでもないことだと言わなければなりません。 旭川学力テスト事件最高裁判決は、「教師が公権力によつて特定の意見のみを教授することを強制されないという意味において、」「教授の具体的内容及び方法につきある程度自由な裁量が認められなければならない」とし、「政党政治の下で多数決原理によつてされる国政上の意思決定は、さまざまな政治的要因によつて左右されるものであるから、本来人間の内面的価値に関する文化的な営みとして、党派的な政治的観念や利害によつて支配されるべきでない教育にそのような政治的影響が深く入り込む危険があることを考えるときは、教育内容に対する右のごとき国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請される」と判示しております。 まさに多数決原理で決まってくる閣議決定などを一律に教育に強制するようなことは絶対にあってはならないことを、厳しく指摘しておきたいと思うんです。 さて、ここで一問だけ、次のテーマを聞いておきたいと思います。 昨夜、南極地域観測隊第五十四次越冬隊と第五十五次夏隊の帰国歓迎会が開催されました。大臣もお見えでありました。 今回の航海では、南極観測船「しらせ」が南極海で座礁するという観測史上初めての事故がありました。この修理には一定の予算が必要です。「しらせ」は自衛隊の艦船でありますけれども、この修理費用については文部科学省が手当てをする必要がございます。 昨日会場でも申し上げましたけれども、この予算の確保には万全を期していただけますね。
○下村国務大臣 昨日は宮本委員にも出席をしていただきまして、ありがとうございました。 私は本部長でもございますので、この修理についても責任を持って万全たる体制をとりたいと思います。
○宮本委員 ぜひ万全を期していただきたいと思うんです。 私は、去る三月十九日も、当委員会で、日本学生支援機構の奨学金の機関保証を一手に引き受ける日本国際教育支援協会という公益財団法人を取り上げました。 資料一を見ていただきたい。支援機構と支援協会は同じビルの一階と四階、入り口にはこうして二つ名前が並んでおります。日本学生支援機構との間で人事交流も密接な連携も行われている、そういう法人であります。 前回私が質問で取り上げて危惧していたとおりの当事者が、私を訪ねてこられました。資料二を見てください、二枚目です。その日本国際教育支援協会からこの人に送られてきた代位弁済通知(一括弁済請求書)であります。保証委託約款第九条に基づき、あなたが機構から貸与を受けた奨学金の残債務について、協会が機構に対して代位弁済を履行したことを通知するとあります。 代位弁済日は昨年末の十二月二十七日、請求額は、元金三百五万二千円、延滞金三万六千四百五十八円、合計三百八万八千四百五十八円となっております。利子がないのは無利子奨学金だったからであります。これを二月二十五日に送りつけてきて、三月二十五日までに支払え、こうなっております。 まず、これは局長に確認しますが、日本学生支援機構においては、この例でいうと、昨年十二月二十七日に支援協会から一括代位弁済を受けたことによって、元金はもちろん延滞金まで一〇〇%返還済みとなっておりますね。
○吉田政府参考人 日本国際教育支援協会が代位弁済を行いました場合には、日本学生支援機構が持っております債権でございます元金、利息並びに延滞金、それを含めた保証債務全体について代位弁済がなされたという形になります。
○宮本委員 では、この人の事例を紹介したいと思うんです。 二十五歳のこの若者は、二〇〇八年四月に私立大学に入学、二〇一二年三月に卒業するまで、月額六万四千円の無利子奨学金を借り入れました。卒業の六カ月後から返還開始、月額一万七千円で十五年間、総額三百五万円を返還する計画でありました。ところが、大学卒業後もバイト生活で収入は月額十四万から十七万円、全く返済できずに放置しておりました。年収は間違いなく三百万円以下なので、受けようと思えば十分返還猶予が受けられたはずであります。 最初は機構から郵便物で督促があり、なるほど、確かに返還猶予の手続についても書いてありました。しかし、受けるためには役所に行って書類をそろえる必要があり、バイトに追われる毎日では午後五時までに役所に行くこともできず、連絡もしませんでした。滞納三カ月目の昨年一、二月ごろからどんどん電話がかかり始めたが、もう機構からではなく、日立キャピタル債権回収という会社から毎日のようにかかってきました。しかし、怖くて電話に出なかった。その後もかかってきたが放置したら、昨年末には知らない間に支援協会から代位弁済がされ、ことし二月に協会から三百八万余りの請求書が届いた。この間、二〇一二年十月の返還開始からわずか一年四カ月であります。 三月十九日の質疑で、高等教育局長は私に、連絡がつかなかった方に連絡がつく状態になって、そこで延滞状態が存在するということになっても、過去に返還猶予に該当する事情があれば、後から所得証明書などを提出することによって、過去にさかのぼって奨学金の返還期限を猶予する、証明された期間における延滞金は解消されると答弁をされました。 この若者は間違いなくこの一年半、年収三百万円以下で、猶予基準を満たしていたはずでありますけれども、この若者を今から救うことはできるんですか。
○吉田政府参考人 この事案は日本国際教育支援協会が代位弁済をしたものでございます。代位弁済を行いますと、今後は、返還者と日本国際教育支援協会との間で債権債務関係が出てくるということになります。 委員がお示しされましたこの代位弁済通知の中にも記載をしてございますけれども、一括請求という形にはなっておりますが、「一括にてお支払いできない場合は、返済方法についてご相談に応じます」、こういうことも書いてございます。 この件につきましては、日本国際教育支援協会が持っておりますホームページの中でも記載がございまして、「個別に作成する長期分割返済計画に基づいて返済いただきます。」ということでございますので、そこは返還者の経済的な事情というものに配慮できるような、そういった仕組みもとっているところでございます。
○宮本委員 政府は、借りたものは返すのが当然、こうおっしゃるわけですけれども、返還が滞った若者は、それが重々わかっているからこそ、申しわけないという気持ちから電話に出られない、こういうことも間々あるわけなんです。 ちなみに、高等教育局長、この若者が連絡がとれなかった昨年三月三十一日からことし一月三十一日までどこにいたか、おわかりになりますか。わからないと思いますが。
○吉田政府参考人 存じ上げません。
○宮本委員 直接お伺いいたしましたが、海上自衛隊であります。海上自衛官として舞鶴で勤務をしておりました。この間の収入も、入隊一年目でありますから間違いなく年収三百万円に満たないわけであります。返還猶予の期限を五年から十年に延ばすとあなた方は言うけれども、この若者の事例などは、本来なら十分猶予が受けられていたものを、一日たりとも猶予を受けることなく、三百八万円もの一括請求を突きつけられております。 それもこれも、前回指摘したとおり、機構と連絡がとれないというだけで、本人の経済状況もわからないまま、支払い能力があるとみなして全額一括請求するという、機構法施行令五条四項の適用を行っているからだと思うんです。そうではありませんか。
○吉田政府参考人 御指摘のように、連絡がとれないということが一つございまして、これは先般も御答弁申し上げましたけれども、独立行政法人日本学生支援機構法施行令第五条第四項に基づいて請求を行ったということでございます。 この支払い能力の有無の確認は、収入の状況など返還者側からの情報提供がない限りは、機構側ではこれは判断できない事情でございます。この事例の場合には連絡ができたのではなかろうかというようなことも推察されますけれども、機構側からの再三の督促にかかわらず何の情報提供もないという場合について、それをそのまま放置するということになりますと、委員御承知のとおり、返還者からの返還金を次の奨学生への貸与の原資としている奨学金事業の健全性にかかわる事業ということでございますので、そういう観点から、連絡がとれなかった者に対しましては全額の返還請求を行っているところでございます。
○宮本委員 私は放置せよと言っているわけではもちろんありません。勝手に代位弁済をして、もう後から動かせないような状況にするなということを申し上げているんですね。 一括請求した後でも、返還猶予が受けられる事情があれば、所得証明を出せば過去にさかのぼって猶予を適用する、弾力的な運用の見直しを行っている、これが平成二十六年度からの皆さん方の改革でありますけれども、この若者の場合は、本人の知らない間に支援協会から一括代位弁済をされてしまって、三百八万円が既に固まってしまいました。返済が始まって一年余り、一年の、一回の猶予すら受けずにこうなっているわけです。こういう事例は実際にこれから激増することが予想されます。 資料三をごらんいただきたい。これは、日本学生支援機構内に設置された機関保証制度検証委員会の二〇一二年度第一回検証委員会に支援協会が提出した説明資料であります。先ほどの若者のもそうでありますけれども、支援協会によって代位弁済がなされると、資料二で示した先ほどの代位弁済通知とともに、アンケート用紙兼分割返済案という用紙が送られてまいります。資料三は、その回答状況の集計を支援協会が行ったものをこの検証委員会に出したものであります。 見ていただきますと、現況は、失業中が一八%、生活困窮が八%、病気療養が二%、生活保護が一%、勤務中となっている千四百二人も、職業集計を見ると、アルバイト、パートが六百二十二人、二七%となっておりますから、結局、五六%の人は失業中あるいは不安定雇用だということになります。収入集計というところをごらんください。収入集計でも、三百万円未満が足し合わせると六八%、約七割を占めております。 この人たちは、本来は機構の返還猶予を受けようと思えば受けられたはずの人たちだと私は思うんですけれども、局長、そうではありませんか。
○吉田政府参考人 この数字からだけではなかなか判断できないわけでございますけれども、この中には返還をしていらっしゃる方も入っているんですけれども、それは収入の少ない方でも返還をされている方もいらっしゃいますので、なかなか一概には言えないと思います。
○宮本委員 全く勘違いですよ。もう一度言いますよ。 一括代位弁済されますと、代位弁済されたその当事者、この人のところへ請求書、先ほどの一括請求書ですね、協会から請求書と一緒にアンケート用紙兼分割返済案が送られてくる。だから、この母数には返済している人は入っておりません。代位弁済された人ばかり。そして、代位弁済された方々の中の七割は、年収三百万以下だという答えになっている。これは協会が出した資料ですよ。 ということは、きちっと手続をとれば猶予も受けられた方が、それは受けられた方ばかりじゃないかもしれませんが、受けられた方が多数いらっしゃるんじゃないですかと聞いているんです。
○吉田政府参考人 失礼いたしました。 確かに、この中には猶予が受けられた方も含まれていたかとは思います。 ただ、一括代位弁済をいたしまして、その後、先ほどちょっと申し上げましたように、日本国際教育支援協会との間で、ここにありますように分割返済案ということで、先ほどホームページにもありましたけれども、軽減するためにそういった方途も協会の方ではとっておりますので、それを御活用いただければと思います。
○宮本委員 いや、この協会がその後求償する場合に分割返済案の相談に乗っているとか、または、協会に移ってからも猶予ということがあるということは重々わかっているんです。 しかし、先ほどの例でいうと、三百八万がもうどうにもならない額として固まってしまっているということを私は問題にしているんです。今度、猶予期間を、五年を十年に延長したとおっしゃいます。既に五年の猶予期間上限まで使った方も、また新たに五年間の猶予が受けられるということになるんです。 代位弁済されてここのアンケートにカウントされている人たちは、恐らく五年以上猶予を使った人はいらっしゃらないんですよ。今回のプラス五年の恩恵にあずかった人はいないんです。ですから、代位弁済されていなければ新たに五年の猶予期間というものを受けられたはずの方々が、こうして代位弁済されることによって、結局、もうどうにもならなくなっているわけですよ。 先ほどの、一年四カ月で三百八万、一括請求、代位弁済となっている若者でいえば、猶予をまだ一回も受けていないわけですから、猶予を受ければ、延滞どころか、そもそも滞納が生じていないという措置に本来さかのぼって適用されるべき方なんですね。それが全部代位弁済済み、今さら変えられません、こういうひどい状況になるわけです。 大臣、最後にお伺いしますけれども、これは余りにもひどいと私は思うんですね。同じ建物の中にある一心同体の法人、機構に両者加わった検証委員会を置き、相互の人事交流もやっている、密接な連携もやっている法人なんです。この方々を救うことを検討するのは、私は当たり前のことだと思うんですが、最後に大臣の答弁を求めて、質問を終わります。
○下村国務大臣 確かに、代位弁済通知で一括弁済請求書が来たらびっくりするというふうに思いますが、ただ、今の宮本先生の事例、これはやはり本人にも相当問題があったのではないかと私はやはり聞いていて思いました。 御本人が幾ら怖いといっても、やはり電話が来ているわけですから、それは事情を話せば十分に対応できるだけの体制はとれているわけですね。それをとれていないがためにある意味では最悪の手段をとらざるを得なかったということについては、やはり借りていた本人がすべきことをしてこなかったということがあるわけでございます。 それ以外の部分については、相当きめ細かく対応していますから、このような一括弁済で請求書が来るということはないような配慮は十分されているわけでありまして、それを十分活用しながら対応していただきたいと思います。
○宮本委員 施行令五条四項で、連絡がとれないまま一括請求という事態になった方に対して、連絡がとれないまま代位弁済するということはやめていただきたい。やはり代位弁済すると、もはや後でわかったところで、連絡がとれた場合に、事情がわかってもどうしようもなくなるわけですから、ぜひこの点は検討していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○小渕委員長 次に、青木愛君。
○青木委員 生活の党の青木でございます。よろしくお願いいたします。 ことしの二月に、日本原子力研究開発機構、JAEAの東海研究開発センター原子力科学研究所を視察させていただきました。 この施設では、私がこの文科委員会で何度か取り上げさせていただきました核変換技術、高レベル放射性廃棄物の大幅な有害期間の短縮、そして有害度の低減への貢献をし得る核変換技術に関する施設群を見学させていただきました。大井川教授を初めたくさんの研究員の方々にいろいろ御指導いただいてまいりましたが、まず気になりましたのは、施設の古さでございました。 鉛ビスマスの流動試験を行っています高温工学特研を見学した際に、その古さが大変気になりお話を伺いましたところ、昭和五十三年の竣工で築三十六年ということでございました。また、その施設に限らず、原子力科学研究所の建物は、古いものでは昭和三十二年に竣工されたものなど、古いものを耐震補強しながら利用し続けているということで、震災でも一部の建物が使用できなくなるなど大変不自由をしているというお話も伺ってまいりました。 何よりも、研究者の方々が安全に、そして安心して研究を続けていただくことが大切であり、研究環境を整えるための適切な予算措置ということが必要だと思いますが、まず御所見をお伺いさせていただきます。
○田中政府参考人 原子力研究開発機構におきましては、各種研究をしてございます。特に核変換技術ということについては先進的な研究を進めてきているというところでございます。 この研究施設につきましては、確かに老朽化ということが進んでいるものもございますけれども、そこは技術の進展に伴いまして必要な措置を適宜やっていくということにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○青木委員 ぜひよろしくお願いいたします。 そして、この予算措置に関係をいたしまして、平成二十五年度の補正予算と二十六年度の当初予算におきまして、この核変換技術について例年の予算に比較して格段の措置が図られたというふうに思っておりまして、このたびの政府の対応を高く評価いたしております。 その使途につきましてお伺いをしたいと思います。 二十五年度の補正予算で八億、そして二十六年度の当初予算でも八億、合計十六億ということでございますが、もう少し具体的な内訳をお伺いしたいのと、このADSの最終的な建設予定地も見せていただきました。平成二十七年度以降の検討とされています核変換実験施設の建設費、これの大まかな総工費とその見通しについてお伺いさせていただきます。
○田中政府参考人 先生今御質問いただきました予算の使途でございます。 まず、平成二十五年度補正予算、総八億でございますけれども、そのうちの五億円は、核変換技術の工学的実証、成立性ということを検討するための要素技術の研究開発でございます。また、その残りの三億円につきましては、それに使います燃料というか、核変換の対象になりますマイナーアクチノイドという種類の核でございますけれども、そのマイナーアクチノイドの分離、あるいは核変換用の燃料の作製ということに必要な要素技術、この研究開発をしてございます。 また、二十六年度の当初予算、これも全体としては八億円でございますけれども、そのうちの六億円につきましては、分離変換サイクルを研究するということの経費でございます。また、一・五億円が核変換実験施設にかかわりますシステム概念ということの検討に充てさせていただきたいというふうに思ってございます。 将来のことということかもしれませんけれども、施設全体でございます。 この施設全体につきましては、これから検討するということでございますけれども、昨年十一月に専門家が取りまとめました群分離・核変換に対する報告書というのができてございます。その報告書の中には、日本原子力研究開発機構においては、その建設のために約二百二十億円というところの見積もりをしているという記載がございます。
○青木委員 ありがとうございます。 今御答弁の中にありました、まさに核変換を行うまず第一歩の研究課題であります、高レベル廃液中の長寿命核種でありますマイナーアクチノイドの分離回収、この群分離の技術開発、そして核変換用の燃料の製造と処理、この研究を行っていますNUCEF、バックエンド研究施設であるBECKYの中も視察をさせていただきました。 放射線管理区域でありますので大変厳重に管理をされていまして、その施設を出るときも、手洗いをして、異常がないかどうか体を通して確認をしてから外へ出るということで、カメラも録音機も持ち込めない場所でございました。 実際、その研究作業の様子を拝見いたしました中で、グローブボックスという、まさに高レベル放射性物質が入ったボックスに装着されたゴム手袋のようなものを通して研究作業を行っていらっしゃいました。その中には当然ウランも間近にありました。 その作業時にリングバッジをつけておられるわけですけれども、これは指の被曝量を測定するための線量計の一種だということで、指輪のような形をしているわけですけれども、決して放射線の遮断のためにつけるのではなくて、あくまでも、被曝そのものを軽減することはできないのだけれども、被曝量を把握して過度の被曝を防ぐことができる。そのためにこうしたリングバッジをつけて、ゴム手袋をつけて実際にこうした物質を扱っている、そういう中で研究が行われているということでございました。 こうした研究者の皆様や技術者の方々の安全性の確保とともに、今後この分野を担っていただける研究者、また技術者の育成ということについて、これはJAEA任せではなくて、政府としてもどのように今後考えていくおつもりなのか、お伺いをさせていただきます。
○田中政府参考人 まず、安全確保でございますけれども、安全確保は大前提ということでございます。特に研究者の方々は直接いろいろそういうところに触る機会ということがございますので、そこは決して安全性上の問題がないように、先生もごらんいただいたようなNUCEFの中にはグローブボックスとかいうものもきちっと備えてございますし、安全確保には万全を期していくというふうに考えているところでございます。 また、人材育成のことについても御質問をいただきました。 原子力人材の育成確保ということにつきましては、核変換の技術開発ということはもちろんのことでありますけれども、原子力施設の安全確保あるいは廃炉等々につきましても極めて重要な取り組みだというふうに思っているところでございます。 このため、文部科学省としては、平成二十二年度から国際原子力人材育成イニシアチブということを開始してございます。このプログラムは、学生あるいは若手研究者の方々を対象といたしまして、産学官の原子力関係機関の連携のもとに、大学あるいは研究機関にある原子力施設あるいは大型実験施設を活用して原子力人材の育成を支援しているところでございます。 現下の原子力を取り巻くいろいろな状況から、平成二十五年度における原子力関係学科の学生というのが学科あるいは専攻でどんどん減っているということは御指摘のとおりでございまして、震災前の二十二年度と比較すると全体としては二割少なくなっている、特に、学科のところでは入学者は三・五割も減少するというような状況になってございます。 このような学生の方々の原子力離れということがこれからも一層深刻化しないように、文部科学省としては今後とも最大限努力をしていきたいというふうに思いますし、核変換技術のように革新的な取り組みを積極的に進めていくということによりまして、若い人材にもこの分野に多く参加をしていただくというような機会をふやしていきたいというふうに思っているところでございます。
○青木委員 そして、このJAEAでは、原子力施設の廃止措置に必要な技術開発も行っておられます。 JPDRというのは日本で初めて原子力発電に成功した動力試験炉でございますが、これは解体をして、今きれいな芝生に、グリーンフィールドになっております。そして、日本原子力発電株式会社の東海発電所と福井県敦賀の「ふげん」という新型転換炉原型炉、これも現在解体中であるということを伺っています。現段階で、より安全で、コストがかからず、廃棄物が少ない形で、今持ち得るベストな方法で解体作業が進んでいるというふうに伺っております。こうした経験を積みながら、より高度な技術開発に向けて研究が継続されていくものと思います。 今、福島につきましては、炉心の溶融、デブリの処理など、また別途廃炉に向けた研究が行われていますけれども、こうした廃炉技術、あるいは核変換に象徴される高レベル放射性廃棄物の処理、こうした技術で、これは我が国だけではなくて、原子力発電を稼働させている全ての国に日本が貢献し得る分野になろうかというふうに思っておりますし、その使命があるのではないかというふうに思います。 その点について御所見をいただければ、よろしくお願いいたします。
○下村国務大臣 核変換技術は、原子力エネルギーを利用している各国に共通の課題である放射性廃棄物の減容化及び有害度の低減に有効な技術であり、世界の英知を結集して進めていくことが重要であるというふうに考えております。我が国は、原子炉工学や核燃料サイクル技術、加速器など、核変換技術に必要な分野においてすぐれた知見を有しております。 文科省としては、我が国のこうした知見を生かしつつ、効率的かつ効果的な研究開発を行う観点から、同様に先進的な技術を有するフランスやアメリカと国際協力のもとで実施している研究開発について、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○青木委員 このような研究は、世界各国と競争ではなく、協調して進めていくべきと考えております。 東海研究所視察の折にも、ベルギーが中心となって行っていますミラー計画についてもお話を伺いました。ベルギーほか関係各国と調整しながら、日本としても適切にかかわっていくべきだというふうに考えております。ぜひ、J—PARCの核変換実験施設の整備とベルギーのミラー計画、この連携をして、二〇三〇年代にADSを実用規模にできる知見と経験を得るということが当面の目標だというふうに伺っておりますので、その方向でぜひ政府としても後押しをしていただければというふうに思います。 最後、その点についてお伺いできればと思います。
○田中政府参考人 加速器を用いた高レベル放射性廃棄物の処理処分、高速炉を用いたものあるいは加速器を用いたものというのは、いろいろございます。特に、加速器を用いたものというのは、先生御指摘のようなベルギーの国際協力ということが今計画として進んでいるというところでございます。 これからも、国際協力あるいは国際連携ということを念頭に進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○青木委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○小渕委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。 まず冒頭、きょう大臣からもお話がありました村山談話について、少しお話を伺いたいというふうに思います。 既にこの委員会の中で答弁でもお答えされておって、また重なるかというふうには思いますけれども、何とぞ御容赦いただきたいと思います。 義務教育と高等学校用の教科書検定基準が改正をされ、その結果、「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること。」がつけ加えられました。 二月二十一日あるいは三月二十六日の当委員会における大臣の答弁については、誤りがあったということで、本日訂正をされております。 村山元総理というのは現在でも社民党の名誉党首でありまして、また、私も大分県から立候補をしているということもありまして、大が三つぐらいつく大先輩ということになります。 村山元総理に少しお話を伺うこともありまして、当時どういう状況だったのかということも伺いました。村山元総理は、談話を発表する際には、いかに閣議で全員の賛同を得るかということ、言いかえれば閣議決定ができるかどうかということに大変苦労されたというふうに伺っております。 その一つとして例を挙げますと、閣議決定の前に、当時の村山総理が、遺族会の会長であった当時の橋本龍太郎通産大臣に直接相談をされております。その際には、橋本通産大臣からは、原案にあった終戦という言葉を敗戦にした方がいいということを指摘した上で賛同をいただいたというふうにも聞いております。 村山政権ということではありましたが、自社さ政権下で、閣議には自民党の閣僚の方もたくさんおられて、異論が出ずに閣議決定をされたというのが当時の様子だったというふうに私も伺いました。 村山談話のいわゆる最後の一節、「杖るは信に如くは莫し」という、これは春秋左氏伝からの言葉だというふうに聞いておりますが、信義を根幹とした政治の大切さということが述べられております。 昨日の記者会見等々でも訂正をされ、本日もまた訂正をされましたけれども、いっときの期間ではあっても、統一見解にはならないというようなことが国際的に発信をされてしまったということでいえば、信義ということについて言うと、非常に揺るがしてしまったのではないかというふうにも思いますが、この点について改めて大臣の所見をお伺いします。
○下村国務大臣 改めて、ことし二月の二十一日及び三月二十六日の衆議院文部科学委員会において、教科書検定基準において規定する「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解」に関し、村山総理談話が閣議決定されていない旨の発言をした、これは事実誤認でありました。意図的なことは全くございません。 河野談話が閣議決定されていないということについては私、認識がありましたが、考えてみれば、総理大臣談話ですから、閣議決定されなくてなぜ通ったのかということについては、もうちょっと事務方から上がってきたペーパーについて注意すれば済んでいたことかもしれませんが、そのままそのとおりに追認したということでありまして、これは私の最終的なミスでもございます。 御指摘のように、村山談話は、平成七年八月十五日に閣議決定の上発表されたものでありまして、今回の教科書検定基準において規定する「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解」に該当するものでございます。 先般の衆議院文部科学委員会における答弁を訂正して、おわび申し上げたいと思います。
○吉川(元)委員 ちょっと驚いたんですけれども、事務方の方も間違えておられたというような答弁だったので、文科省は一体どうしているのかというふうにも思いますが、もう時間も余りありませんので、次の質問に移りたいというふうに思います。 今ほど少しお話をしました教科書検定基準の改定について尋ねます。 一月十七日に、教科書の検定基準の改正が告示をされ、一月二十八日には中学校、高等学校の学習指導要領解説が改訂をされました。 後者の学習指導要領解説の改訂に当たって、領土に関する記述の充実が求められています。例えば中学校の社会の地理的分野では、北方領土がロシア、竹島が韓国によって不法に占拠されていること、尖閣諸島については解決すべき領土問題は存在しないことを理解させるというふうになっております。 最初にちょっと客観的な事実確認をしたいんですけれども、教科書検定基準の社会科の中に、いわゆる近隣諸国条項、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」というふうになっておりますが、この条項については、領土に関する記述においても求められている条項なのかどうかについて尋ねます。
○前川政府参考人 御指摘のとおり、本年一月二十八日に中学校、高等学校学習指導要領の解説を改訂いたしまして、竹島や尖閣諸島などの領土に関する記述の充実を図ったところでございます。 今回改訂された学習指導要領解説を参照して作成された教科書が、教科書検定を経て、中学校では平成二十八年度から、高等学校では平成二十九年度から使用されることになるわけでございますが、教科用図書検定基準におけるいわゆる近隣諸国条項は、近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いについて国際理解と国際協調の見地から必要な配慮を求めるという規定でございまして、我が国の領土に関する記述とは関係がないというふうに認識しております。
○吉川(元)委員 関係がないということでありますけれども、恐らく歴史と無関係に領土の問題というのはまた存在はしないというふうにも思います。 来年度から社会で使われる小学校の教科書で、全ての教科書会社がそろってこの問題について扱ったというふうにされております。これについては、韓国や中国が反発をしているというような話も聞いております。領土問題について記述をするなということを言っているわけではなくて、その記述の仕方について少し考えなければいけないのではないかというふうに思います。 例えば、竹島を不法に占拠されている、尖閣列島については領土問題は存在しないという記述のみ、政府の見解としての記述のみを記載したとすると、現実に今領土をめぐって、韓国や中国あるいは他の国、地域とも意見の相違というものがあるのは、これは事実だというふうに思います。そういうニュースを子供たちが見たときに、何でこんなことが起こっているんだろうということは、これは疑問として当然生まれるわけで、そういう面でいいますと、グローバルな人材の育成というのは政府の施策の中でも大変重視されている目標だと思います。 そうであれば、アジアの近隣諸国と共生をしていく人材を育てていくという観点からも、今言ったような問題について、なぜ摩擦が生じているのかということも含めて、あるいは問題の解決には何が必要なのかも含めて今後子供たちに考えてもらう必要があるのではないかというふうにも考えますけれども、この点についての大臣のお考えをお聞かせください。
○下村国務大臣 まず、もう一度確認ですが、我々が野党のとき、これは平成二十二年の十月二十九日に、当時の民主党、高木文科大臣に対して私自身がこの近隣諸国条項について、領土については適用しないということでよろしいわけですねという質問に対して、それは該当しないということを答えているわけでありまして、これは時の政権によって解釈をしているということではなくて、政権交代しても一貫して、近隣諸国条項について、領土問題については該当しないというのが政府の一貫したスタンスであるということでございます。 その上で、自国の固有の領土について子供たちが正しく理解できるようにすることは重要でありまして、教科書についても、本年一月に改訂された中学校、高等学校学習指導要領の解説を参照して、竹島や尖閣諸島などの領土に関する記述の充実が図られるべきものであるというふうに考えております。 その際、我が国の領土に対する他国の見解もあわせて教え、それらと比較対照しながら、我が国が正当に主張している立場を深く理解させることも有効な手段の一つであるというふうに考えます。 しかし、教科書記述については、これは学習指導要領の範囲内で具体的に何をどのように記述するかは、これは教科書発行者の判断に委ねられているということでもございますので、教科書発行者において適切に判断していただきたいと思います。
○吉川(元)委員 時間が来ましたので、以上で終わります。
○小渕委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会