厚生労働委員会 第27号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2014/06/11
会議録
○後藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、労働安全衛生法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局次長赤石浩一君、人事院事務総局職員福祉局長井上利君、文部科学省大臣官房審議官永山賀久君、厚生労働省医政局長原徳壽君、健康局長佐藤敏信君、労働基準局長中野雅之君、労働基準局安全衛生部長半田有通君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○後藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田畑裕明君。
○田畑(裕)委員 おはようございます。自民党の田畑裕明でございます。 労働安全衛生法の一部改正を質問する機会に恵まれまして、後藤委員長を初め理事、先生方の御配慮に心から感謝を申し上げる次第でございます。 限られた時間でありますので、簡潔にいきたいと思いますが、ちょうど、けさの自民党の部会で、骨太の方針であったりですとか、日本再興戦略、また規制改革会議の骨子案等が示されたところであります。 安倍内閣の目指すべき方針に向かって、与党としてもしっかりとした提言を行っていきたいと思いますが、田村大臣におかれても、日本の未来を担う、持続可能な社会保障であったりですとか雇用労働政策についても、さまざまなメッセージが込められているわけでありますので、私は大臣を全面的に信頼しておりますので、ぜひ、大臣のエッセンスもしっかり盛り込んでいただいて、この骨子を固めていただきたいなと思う次第であります。 さて、日本経済の再生ですとか雇用の確保を図るため、現在においても国を挙げてさまざまな取り組みを行っているわけであります。こういう取り組みを進めていく上で、一人一人が健康に働き続けるといったこと、これはもう何よりも大事なことであります。 しかしながら、労働災害による死傷者数は依然として年間十二万人ぐらいおり、最近は、職場のストレスの問題であったりですとか、化学物質による労働災害という課題も生じているわけであります。 こうした中で、この法改正というものは、日本経済を支える労働力であったりですとか、労働者の安全また健康を確保するための対策を図る、大変有意義な法改正でなかろうかなと評価をさせていただきたいと思います。 まず、メンタルヘルスのことについてお聞きをしたいと思いますが、いろいろ資料等も調べたり、お聞きをした中でも、精神障害の労災補償状況、これも、残念ながら右肩上がりという形で、平成二十四年度の精神障害に関する事案の労災請求件数千二百五十七件、引き続き高水準、二十三年度より若干下がったわけでありますが、高どまりということであります。 労災の支給決定についても、二十四年度は、前年比百五十件増の四百七十五件ということで、過去最多の件数であるということ、また、その四百七十五件のうち、未遂を含みますが、自殺者の件数も九十三件に上るということで、大変痛ましい状況があるわけであります。 このほかにも、精神障害によって休職を余儀なくされ、職場復帰に悩んでいる方々もたくさんいらっしゃるのではなかろうかなと思います。 こうした職場における労働者のメンタル不調、非常に深刻であるということを十分認識しているわけでありますが、これまで、こういうような現状を踏まえて、厚労省としては具体的にどのような対策を講じてこられたのか、お聞きをしたいと思います。
○高鳥大臣政務官 田畑委員にお答えをいたします。 厚生労働省では、平成十八年に、労働者の心の健康の保持増進のための指針を作成いたしまして、指針で示した取り組みを普及促進するために、事業場に対しまして、労働基準監督署による指導、全国のメンタルヘルス対策支援センターによる相談への対応等を行ってきております。 また、産業保健活動に携わる産業医、保健師、精神科医等の資質の向上を図るために、メンタルヘルス対策に関する研修を実施いたしております。 こうした取り組みの結果といたしまして、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合でございますが、労働者健康状況調査によりますと、平成十九年の三三・六%から平成二十四年には四七・二%と、約一四ポイント増加いたしておりまして、着実に浸透してきていると考えております。
○田畑(裕)委員 しっかりとした対策をこれからもとり行っていただきたいと思いますが、そんな中で、気分転換を図る意味でも、森林浴であったりとか森林セラピーのことについて触れたいと思うわけであります。 私も、選挙区は富山でありますので、山であったりですとか丘陵、里山が非常に多いところであります。森林浴は、さまざまな効果が医学的にも解明しつつあるわけであります。 その中でも森林セラピーというのは、医学的なエビデンスに裏づけをされた森林浴効果のことをいい、森林環境を利用して、心身の健康維持ですとか増進、疾病の予防を行うことを目指すことを森林セラピーと定義づけられているわけであります。全国的にも、森林セラピー基地と言われるものが、北は北海道から沖縄まで、五十七カ所が今認定をされているようでありますが、多くのそういった森林セラピー基地で森林浴をしながら健康回復ということが、非常にキーワードとしてはいいのではないかなと私も感じるわけであります。 これは、認知行動的プログラムとリラクゼーションを組み合わせた極めて科学的なプログラムではないかと思うわけでありますが、例えば、こういうような森林浴とか森林セラピーというようなものを、メンタルヘルスのプログラムに労働者を積極的に参加させていったりすることというのは、個人向けストレスの対策としては一考に値するのではないかと考えるわけでありますが、政府のお考えをお聞きしたいと思います。
○半田政府参考人 お答えいたします。 野山などで自然に親しみ、植物から嗅覚や視覚を通した刺激を受けるということは、一般的にリラクゼーション効果があるとされておりまして、その効果について科学的な研究が進められているものと承知してございます。 厚生労働省でお示ししております、労働者の心の健康の保持増進のための指針というものがございますが、これにおきましては、事業者が総合的なメンタルヘルス対策に取り組むように、周知、指導しているところでございます。 セルフケアの具体的な活動方法や取り組みの手法につきましては、各事業場の実態に即した形で取り組んでいただくものでございますけれども、森林浴などの自然と触れ合う活動は、事業者が自主的にメンタルヘルス対策に取り組む中で、選択肢の一つとなり得るものだと考えております。
○田畑(裕)委員 ありがとうございます。 そのような取り組みが全国的にも広がっているということを、ぜひ御認識いただきたいなと思います。 それでは、少し法案の中身のことについて、何点か触れさせていただきたいと思います。 現在、五十人以上の事業場においては、産業医や事業場に所属する保健師などが、労働者の健康管理に重要な役割を果たしているわけであります。ストレスチェックにかかわる産業医等については、メンタルヘルスに関して一定の知識が必要であると考えるわけでありますが、今後、こういうメンタルヘルスチェックを入れていくとした場合、そうした産業医等がどのように能力の向上を図っていくのか。 また、あわせて、職場のメンタルヘルス不調が発生しないように、事前の予防としても、職場の管理職等に対して、スムーズに職場環境づくりを行えるようなスキルを付与できるような研修も大変重要でなかろうかなと考えるわけでありますが、政府参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
○半田政府参考人 御指摘のとおり、ストレスチェック制度の円滑な施行のためには、ストレスチェックを実施する医師の皆さんや職場の管理監督者の資質、能力の向上が極めて重要でございます。 このため、私ども厚生労働省では、一つには、ストレスチェックを実施する医師等に対しまして、この法案が成立した後に、ストレスチェック制度の適切な運用のための研修を実施することを予定してございます。二つ目に、全国の産業保健総合支援センターにおきまして、産業医などの産業保健スタッフなどを対象といたしましたメンタルヘルス対策全般に関する研修、それから、御指摘のございました管理監督者を対象としたメンタルヘルスケアの教育研修などを実施しております。 これらの取り組みによりまして、職場におけるメンタルヘルスケアの取り組みを支援してまいりたいと考えております。
○田畑(裕)委員 ありがとうございます。 五十人以上の企業は、それなりのしっかりとした人事労務管理部門も設置をされて運営がなされているんだと思います。 一方、従業員が五十人未満の事業場について、ストレス状況についての調査票を用いた調査を実施している割合が、一〇%程度ということの調査結果があるようでございます。五十人以上の事業場における割合と比べますと、半分というような数値というふうに認識をしております。 対策が比較的進んでおります五十人以上の事業場にストレスチェックの実施をどうして義務づけるのか、五十人未満の事業場についてはそうではないわけでありますが、どのようにメンタルヘルスの対策を推進していくのか、それぞれお聞きをさせていただきたいと思います。
○高鳥大臣政務官 お答えをいたします。 今般新たに設けることとしておりますストレスチェック制度におきましては、産業医の選任義務がないなど体制が整備されておりません小規模事業場に実施を義務づけた場合に、情報管理等が適切に実施されない懸念があることから、従業員数五十人未満の事業場につきましては、当分の間努力義務とする特例を設けることといたしております。 一方、小規模事業場であっても、労働者のメンタルヘルス不調を予防することは重要でございまして、そのためには、ストレスチェックのみならず、労働者に対する研修や相談窓口の設置、職場復帰支援などのメンタルヘルス対策を総合的に進める必要があると考えております。 このため、小規模事業場での取り組みが促進されるよう、国としてメンタルヘルス対策の重要性や適切なストレスチェック制度の進め方を周知啓発するとともに、全国の産業保健総合支援センターにおきまして、ストレスチェック後の面接指導の実施体制の整備等の支援を行ってまいりたいと考えております。
○田畑(裕)委員 ありがとうございます。 職場の規模の大小にかかわらず、やはり仕事によってストレスを感じ、それによって勤労できない状況というのは、発生する可能性があるのではないかと思います。特に、やはり小規模事業者の方々に対してのいろいろな意味でのケアとか支援をしっかり行っていただきたいと思います。 今ほど御答弁の中でも、小規模事業場のストレスチェックについて、当分の間努力義務にするということについてお話があったわけでありますが、ここで言う当分の間というのは、具体的にどの程度の期間を想定していらっしゃるんでしょうか。また、小規模事業場におけるストレスチェックの義務化の今後の可能性というか、当分の間を経た後の義務化等についての可能性について、お聞きをさせていただきたいと思います。
○田村国務大臣 今、高鳥政務官からお話がありましたように、やはり五十人という一つ区切りをつけたというのは、産業医の配置、選任の義務というものも含めて、五十人というのが一つの目安になっているという部分でありますとか、個人情報でございますから、それをしっかりと管理できるということを考えれば、一定の規模というものを一つ目安として置かせていただきました。 ただ、そうはいっても、小規模な事業者に対しましても、やはりしっかりとストレスチェックというものはやっていっていただきたいわけでありまして、努力義務をかけておるわけでございます。それに対するいろいろな支援はしていかなきゃならぬというふうに思っておりますし、周知はやっていかなきゃならぬと思っています。 五年で検討規定があるわけでありまして、必要がある場合には、必要な措置を講ずるわけであります。でありますから、五年見ながら、状況等々を判断した上で、どのような必要性があるかということをしっかり検討させていただいて、この検討規定の中でいろいろな御議論をしていくということになってこようというふうに考えております。
○田畑(裕)委員 大臣、ありがとうございます。 今回の改正では、ちょっと触れることが時間的にはできませんが、化学物質の労災に対するしっかりとした備えのための改正であったりですとか、受動喫煙についても改正ということになります。 特に受動喫煙について、企業側の自主的な取り組みを進めるために、助成金制度というのは私は有効だと考えるわけでありますが、この一体的な改正案に含まれた内容が、今ほども御答弁もありましたが、各事業場で確実に実行されるように、国が、事業者が適切に義務を履行できるような環境の整備であったりですとか、周知、指導を、事業場の大小にかかわらず、しっかりとり行っていくべきだと思いますが、改めて大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○田村国務大臣 今回の安衛法の改正は、やはり労働者の方々の健康、安全がしっかり守られるというような意味で改正法案を出させていただいているわけであります。 今ストレスチェックの話が出ました。ストレスチェックをしっかりと実効性のあるものにしていくためには、やはりそれにかかわる方々がしっかりした知識を持っていただかなきゃならぬということでありまして、医師も含めて、研修をしっかりやっていただくということも重要であります。 それからまた、受動喫煙という意味からいたしますと、働く方々がこれを防止していかなきゃならぬということでございまして、喫煙施設等々、場所等々の施設整備をしていかなきゃならぬわけでありますから、これは助成金等々もございますので、これに対しても、我々国としても対応をしっかりさせていただきたい、こう考えております。 あわせて、例の化学物質の問題もございます。これは、リスクアセスメントをやっていただかなきゃならぬわけであります。そういう意味では、これに対する簡易な実施支援ツールというもの、これも我々これからもいろいろと開発していかなきゃならぬというふうに思っておりまして、いろいろな分野でも国として対応していく部分があるわけでございます。しっかりと、この法案が通れば、それが実現できるように我々といたしましても努力をしてまいる、そんな所存でございます。
○田畑(裕)委員 ありがとうございます。力強い決意をお聞きさせていただいたわけであります。 安倍内閣は全員参加型の社会をしっかりつくっていこうということでありますから、事前の予防も含めて、職場のそうした就労環境の改善に向けまして、これからも不断の努力をお願いさせていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。 きょうは、労働安全衛生法改正案について質問をしてまいります。 法案の審議に入る前に、一問、がん検診の推進事業についてお伺いをしてまいります。 これは、奈良の方から参りました通知でございます。平成二十六年度新規事業として、働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業国庫補助金についての内示があったそうでございます。 私たちも、ずっと、がん検診全体の受診率の向上、特に、まずは女性のがんの検診率の向上ということで、無料の検診クーポンの発行を実現させました。しかし、それが昨年、急な打ち切りがあり、私たちも強く要望して補正で組んでいただいたという内容でございます。 国の方は、検診費用は、無料クーポンの利用見込み人数掛ける受診率掛ける検診単価で算定をしているんですけれども、この受診率を、低い方の過去三年分のクーポン利用率の二分の一の数値を使っているために、過小な金額となっている。また、事務費は、事業計画書記述部分、受診票記載内容によって、満額控除から三割の範囲内で査定をされている。上記で計算した結果から、さらに二一・五%をカットしている。詳細を確認しようとしたが、自治体ごとの査定なので詳細は伝えられないということであったそうでございます。 この内示を受けて、各自治体とともに計画を考え直さなければいけないという事態に陥っております。 今、安倍内閣は、女性の活躍ということを前面に掲げていらっしゃいます。活躍するその基本というのは、まず健康であります。自公では、女性の健康を支援する法律も作成をいたしました。女性の健康を支援するこの事業の補助金カット、これはどうしても認めることができません。なぜ、このような事態に陥ったのか、また、今後の対応についてお伺いをいたします。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。 御案内のとおり、現在、地域レベルで行われているがん検診でございますけれども、市町村を実施主体として行われておりまして、その財源としては、長年、地方交付税措置ということでここまで至っているわけです。 ところが、例えば、乳がんや子宮がんでいうと五〇%の検診の受診率の目標というのを掲げているんですけれども、そこまでなかなかいかないということで、公明党の先生方を初めとして国会議員の先生方からの御指導もありまして、がん検診の受診率の一層の向上ということがありまして、地方交付税措置でやっているということに上乗せをする形で、今も申し上げましたけれども、平成二十一年度から、子宮頸がん、乳がんについて無料のクーポンを配るという形で取り組んできたわけです。 これらの一連の取り組みによりまして、平成二十五年度末で、当時対象と考えられていた集団全体に対して検診の機会を提供することができました。おかげさまでそういうことになりましたので、所期の目的は達したものだというふうには言えます。 そこで、平成二十六年度は、これまでのようなやり方とちょっと変えまして、一つは、初めて検診対象となる者、つまり、二十一年から二十五年まで五カ年計画でやってきましたけれども、二十六年にやはりさらに四十歳になる人とか、こういう方がいらっしゃいますから、そういった方とか、あるいは、過去に今申し上げました無料クーポンの配付を受けた方へ個別に受診を呼びかけるコール・リコールを重点とすること、二つ目が、とりわけ過去に無料クーポンの配付を受けながら未受診の者に対して、さらに無料クーポンの配付をするなど、地方交付税に上乗せする形で、予算についてはこれまでの実績を十分に精査した上で、四十四億円ということで確保したところです。 ところが、御指摘がありましたように、市町村からの要望を、前年度になりますけれども、二月中旬に締め切ったわけですけれども、予想に反して、上回る要望だったということです。 御質問の核心であるその理由ですけれども、まず一つ目は、市町村の中に、なかなかいわく言いがたいところがありますけれども、これまでの実績から見ますならば、やや過大に、多目に見積もって受診率を設定してくるところがあったように見受けられます。 それから二つ目ですけれども、そもそも、ちょっと冒頭に丁寧に説明しましたものは、予算の立て方の趣旨が十分御理解いただけていない中で、本来ならば、既に地方交付税でカバーされている、地財措置としてカバーされている部分と調整を図って要求を出していただくべきところだったんですけれども、どうも、その調整をしないまま要望額を出してきている市町村があるんじゃないかと思います。 厚生労働省としましては、冒頭、先生の御質問の中にもありましたように、こうした状況があるなということがわかりましたので、個々の市町村の過去の受診率の実績とか、本来、地方交付税で、地財措置でやっている検診の費用とのバランスもあるということで調整を行って、結果的にはこの範囲内で実施できるのではないかというふうに考えてやったところです。 ただ、今先生がおっしゃったように、この予算の立て方の本当の意味を御理解いただけていなかったり、十分に徹底できていない部分があったとしたら、そういうところはこれから必要に応じてやっていきたいと思いますし、私どもとしてはこの範囲内で実施できるようにということで努力してまいります。
○古屋(範)委員 もともと、がん対策推進計画の五〇%という目標、そこをしっかりと目指すということがまずは基本だと思います。ぜひ丁寧な説明、丁寧な対応を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、法案の質問に入ってまいります。 本法案の中では、受動喫煙防止について、事業者の努力義務となっております。二十三年提出の法案については、ちょうど田村大臣が筆頭理事をされていて、ここの箇所について義務としていたわけです。自民、民主がこの点について協議を行っていたという経緯がございます。今回、そこから一歩後退してしまったのではないかという意見もございます。 受動喫煙防止、努力義務となっている、これで本当に目標が達成できるのかどうかという点についてお伺いします。 そして、受動喫煙防止について、イギリスの喫煙対策を聞く機会がございました。OECD三十四カ国を対象としたたばこ規制政策比較評価では、イギリスがたばこ規制が最も高得点でありまして、最先端を行っている。二〇〇七年の禁煙法が導入されて、喫煙率が一九八〇年以降五〇%低下をしたという結果が出ております。 我が国も、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックを開催いたします。そこで、屋内が全面禁煙になっている国が多い、そこから選手とかお客様が来るのに、日本は本当に清潔な国という定評があるんですが、禁煙が達成されていないということをどう思われるか。きれいな空気でおもてなしができるようにすべきではないのか、このように思います。今後、日本において、職場に限らず、広く受動喫煙防止対策を徹底すべきであると考えております。 健康局長通知においても、多数の者が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙にすべき、このような方針が示されております。 この受動喫煙防止対策の基本的方向性、また、明確に法律に位置づけることを検討すべきではないかと考えます。お考えをお伺いいたします。
○田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、第十二次防では、受動喫煙を受ける方々を、労働者でありますけれども、平成二十九年までに一五%以下にするということでございます。平成二十九年というと、もうそんなに期間はないわけでありますが。 今まで、実際問題、見てみますと、平成十九年が、受動喫煙を受ける労働者六五%、これが、平成二十四年、下がってはきておるんですが、まだ約五二%ということで、なかなか、目標に向かってこれから大変な努力をしていかなきゃならないということであります。 そんな中において、前回、民主党時代に、この法案を考える中において、これは義務であったにもかかわらず、努力義務となった。いろいろな経緯もあるわけでありますが、労働政策審議会の御議論の中でも、やはり義務化をすると、制度のたてつけ上、助成金というものが出せないというようなことがございます。助成金があった方が、喫煙室、施設をつくらなきゃならぬわけでありまして、小規模な事業主等々の負担を考えると、そういう制度があった方が進むのではないか、こういうような御意見がございました。結果的に、今般、努力義務という形にさせていただいたわけであります。 ただ、努力義務だからやっていただかなくていいというわけではないわけでありまして、これはあくまでも努力ではあっても義務でございますので、しっかりとこれを進めていかなければなりませんし、我々も、助成だけではなくて、受動喫煙防止に向かってのいろいろな支援をしてまいりたいと思っております。あわせて、労働基準監督署等と周知徹底もしてまいりたいというふうに思っております。 結果、五年後、検討規定があるわけでありまして、必要があればこれは措置をするということでございますから、このときの状況も見ながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。 なお、オリンピックに関しては、この法律は労働者に関する受動喫煙でございますが、いろいろな面で、これからオリンピックに向かっても、東京を中心に我々も検討していかなきゃいけない部分はあろうと思います。東京都ともいろいろと連携しながら、受動喫煙の防止というものをこれからも進めてまいりたい、このように考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。 しっかり進めていただきたいと思います。公明党の衆議院の第七控室もまだ禁煙になっていないので、まずそこからしっかりと始めなければいけないのではないかと思っております。 次に、もう時間がないんですが、最後、ストレスチェックについて質問をさせていただきます。 私も、うつ対策、もうかれこれ六年取り組んでまいりました。勤務問題を理由に自殺する人が一年間で約二千五百人、この年の労働災害による死亡者は千九十三人、自殺者数が上回っているというような状況でございます。 この中で、メンタルヘルス対策は非常に重要でございます。職場におけるメンタルヘルス対策が十分に進んでいない現状を考えますと、従来の指針や通達による行政指導だけではなくて、事業者にメンタルヘルス対策を義務づける、この法改正によるその対策が進むことが期待をされております。 ストレスチェック義務化の意義について、政務官にお伺いをしたいと思います。
○高鳥大臣政務官 古屋委員にお答えをいたします。 近年、職業生活に強いストレスを感じておられる労働者の割合は高い状況で推移をしておりまして、また、精神障害の労災認定件数が三年連続で過去最多を更新するなど、職場でのメンタルヘルス対策を推進することがますます必要となっております。 職場のメンタルヘルス対策といたしましては、まず、労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止することが重要でございまして、そのためには、労働者自身のストレスへの気づきを促すこと、それとともに、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが重要でございます。 このため、今回の改正では、事業者が、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査、いわゆるストレスチェックを実施いたしまして、検査結果を通知された労働者が申し出た場合には、面接指導を実施し、必要に応じ就業上の措置を講ずること等を内容とする新たな制度を設けることといたしまして、メンタルヘルス不調の未然防止のための取り組みを強化するものといたしたところでございます。
○古屋(範)委員 時間になりましたけれども、今おっしゃいましたように、労働者の気づきを促して、早期にストレスを把握していく、そして、強いストレスがある方については医師の面接指導を促していく。この中で、さまざまな不安の声などがございます。ぜひこれは払拭をして、円滑に進めていただきたいと思います。 何かこの点についてございましたら、お答えをお願いいたします。
○高鳥大臣政務官 御指摘のように、さまざまな御意見が寄せられていることは事実でありまして、これらのストレスチェックの結果に基づく面接指導について、申し出をしたことを理由とする不利益な取り扱いを法律上禁止するということとともに、面接指導の結果を踏まえた事後措置の適切な方法等について指針等で示すことによりまして、不利益な取り扱いがなされないような仕組みとしているところでございます。 また、ストレスチェックの具体的な内容や方法につきましては、これまでの知見を踏まえまして、精神保健や産業保健の専門家、労使の代表等の意見をお聞きしつつ、信頼性、妥当性、効果の高いものとなるように検討しているところでございますが、いずれにいたしましても、労働者に不安を与えることのないよう、しっかり対応してまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○後藤委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 おはようございます。民主党の大西健介でございます。 きょうは労働安全衛生法の審議ということでありますけれども、この法案の大きな柱の一つになっているのがストレスチェック制度の創設ということであります。 その背景には、三年連続で精神障害の労災認定が過去最高になるというような、増加をしている傾向、これが指摘をされているわけでありますけれども、では、足元の厚労省を含む国家公務員のメンタルヘルスの状況というのはどうなっているのかということを確認してみました。 お手元に資料一というのをお配りしているんですけれども、人事院では、これまで五年に一度、長期病休者の実態調査を行ってきましたけれども、昨年度から、調査がない年も精神及び行動障害に限り調査を行っておられます。 傾向を見ると、微減にはなっているんですけれども、平成二十四年度、直近の数字で、全職員の一・二四%が、精神、行動の障害による長期病休者になっている。また、全体の長期病休者の約六五%が、うつ病とか統合失調症等の精神、行動の障害による長期病休者ということになっております。 前回の委員会では、残業代ゼロ制度をサラリーマンだけに押しつけて公務員は適用外というのは、それはおかしいんじゃないかという話がありましたけれども、まず隗より始めよという言葉がありますが、国家公務員のメンタルヘルスについてどのような対策を行っておられるのか、人事院にお伺いをいたしたいと思います。
○井上政府参考人 お答えいたします。 一般職国家公務員について、精神、行動の障害によって一月以上勤務しなかった長期病休者の全職員に占める割合は、平成八年の〇・二一%から、平成十八年度には一・二八%と約六倍もの急激な増加傾向にありましたが、平成二十三年度は一・二六%、平成二十四年度には一・二四%と増加傾向には歯どめがかかっております。 しかしながら、先生御指摘のとおり、長期病休者全体に占める精神、行動の障害による長期病休者の割合は、六割を超えている状況にあり、心の健康づくり対策は依然として重要な課題であるというふうに考えております。 人事院では、平成十六年三月に発出をした職員の心の健康づくりのための指針を基本として、心の健康づくり対策を推進しております。 具体的には、各府省の健康管理担当者向けの研修の開催、意識啓発用のガイドブックの作成、配布、各府省の職員やその家族、職場の上司なども利用できるこころの健康相談室の設置、円滑な職場復帰の促進や再発防止のため専門医が相談に応じる職場復帰相談室の設置や試し出勤の活用、心の健康づくりのための職場環境改善の取り組みの推進、それから、心の健康づくり対策推進のための各府省連絡会議の開催などを行っているところでございます。
○大西(健)委員 民間にメンタルヘルスをちゃんとやってくださいと言っていて、公務員、例えば厚労省の中にいっぱいメンタル不調の人がいるというんじゃこれは話にならないので、しっかりやっていただきたいというふうに思います。 それでは、メンタルヘルス、いろいろな要因があると思いますが、長時間労働、これは、睡眠時間を減らして、それから、疲労を蓄積させるなどして、就労者のメンタルヘルスを悪化させる大きな要因になっているというふうに思います。 資料の二というのをごらんいただきたいんです。 このグラフを見ると、一日の労働時間が長くなれば長くなるほど、精神的にゆとりがない者、疲れたと感じることがある者の割合がふえていきます。一日の労働時間が十一時間以上では、六四・七%の方が精神的にゆとりがない、それから、三七%の方が疲れたと感じるというふうに答えられている。 この結果からも、長時間労働がメンタルヘルスの悪化の大きな要因であるということは間違いないというふうに思いますけれども、大臣、そういう理解でよろしいでしょうか。
○田村国務大臣 長時間労働による過重な労働、これはやはりメンタルヘルスというものに影響があるということは間違いがないわけであります。 でありますから、我々も、長時間労働というものを減らしていこう、時間外でありますとか休日、こういうことを含めて、なるべく減らしていこうということで、労働基準監督署を初め対応いたしております。 また、長時間労働をされる方々、一定の時間を超えた場合には、御本人が申し出られた場合には、面接指導というような形でいろいろと相談等々を、産業医初め、受けていただくという形でございますので、これは義務化をいたしておるわけでございまして、長時間労働というものがなるべく減るように、我々としてはこれからも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○大西(健)委員 では、続けて、資料の三というのをごらんいただきたいんです。 これは臨床医である財団法人労働科学研究所特別研究員の方が書かれた論文なんですけれども、「成果主義が働く人々におよぼす影響」として、線を引いておきましたけれども、「従業員間の競争が高まる」「より長時間労働となる」「自己責任の強まり」「不安感を高める」ということが挙げられています。最後、まとめのところに、成果主義はメンタルヘルスを悪化させるというふうに結論づけられています。 大臣は、成果主義はメンタルヘルスを悪化させる、このことをお認めになりますでしょうか。
○田村国務大臣 程度問題でしょうね。成果主義といいますか、しっかりと目標を持ってやることによって意欲が生まれて、生産性が上がってという場合もあると思いますし、そもそも、過重な成果といいますか、そういうものを求められれば、おっしゃられたようなことが起こることも、これは懸念されるわけであります。 ちなみに、今回我々が議論している中においては、成果をはかる、そして評価をするという中において、新しい働き方ということを提案させていただいておるわけでありますが、そのときには、労働契約においてしっかりと交渉力を持てる、そのような条件が必要であろうというふうに我々は申し上げているわけでございますので、過度な成果といいますか、とてもできないような成果、それによってメンタルヘルスが本当におかしくなってしまうような、そういう成果というものを求められない、もしくはそのような形で過重な労働にならない、そのような内容というものをしっかりと我々も検討していかなきゃならぬ、このように考えております。
○大西(健)委員 もちろん程度問題ですけれども、ここに書かれているように、「不安感を高める」、長時間労働もさることながら、不安感というのをあおられるということが、やはりメンタルには非常に悪い影響があるのではないかということが言われております。 続けて、資料四、独立行政法人労働政策研究・研修機構がメンタルヘルスと企業のパフォーマンスの関係について調査をしたところ、「密接に関係がある」二二・八%、「関係がある」四二・一%、「どちらかと言えば関係がある」二一・三%、これを全部合わせると約九割の事業者が、メンタルヘルスと、生産性の低下や重大事故などの企業のパフォーマンスとの間に関係があることを認めておられます。 大臣も、メンタルヘルスが悪化すれば企業の生産性が低下するということをお認めになりますでしょうか。
○田村国務大臣 一般的にといいますか、普通は、働く方々のメンタルヘルスが悪化して、それによって体調にいろいろな支障が生じてくる、また、精神状況等々にも支障が生じてくれば、当然、効率的な仕事ができないであろうと思いますので、生産性が落ちるということになるのであろうというふうに認識をいたしております。
○大西(健)委員 今、私、続けて三つの質問を大臣にしたんですけれども、大臣のお答えは、長時間労働はメンタルヘルスには悪い、成果主義も度を過ぎるとメンタルヘルスに悪い、それから、メンタルヘルスが悪化をすれば企業の生産性も落ちるということをお認めになったわけです。 成果主義を助長して長時間労働を常態化するおそれがある残業代ゼロ制度というのは、メンタルヘルスの面からも、これは余り勧められないのではないか。それからもう一つは、残業代ゼロ制度によってメンタルヘルスが悪化をすれば企業の生産性は低下するわけですから、産業競争力会議で、今、成長戦略だと言っているんですけれども、メンタルヘルスが悪化して企業の生産性が落ちれば、成長戦略どころか、企業にとってはマイナスなわけですから、これは成長戦略にもなじまないというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 初めの三問はごもっともですが、今のが論理的飛躍があるんですね。残業代ゼロというような考え方を我々は持っておりません。 あわせて、過度な成果を求める、そういう契約内容であれば、それはもうおっしゃるようなことが起こると先ほど申し上げましたが、そもそも、そのようなことが起こらないようにする、そういう仕組みを入れなきゃならぬと我々も言っておるわけであります。それはまさに、一つは、労働契約等々の交渉力をしっかり持てるような、そういう立場の方々が今回の対象になるべきではないか、こういうことを我々は産業競争力会議で申し上げているわけであります。 あわせて、この中でも、やはり労働者の方々の心身の健康、これはしっかりと守らなきゃならぬということは言っておるわけでございますので、委員がおっしゃりたい意味はわかりますけれども、そうならないような制度設計をする。そして、それによって逆に生産性が上がるような、そういう制度をつくっていくということを今議論させていただいておりますので、委員がおっしゃられる御懸念というものはわかりますけれども、そのような御懸念が現実化していかない、そんな制度設計を考えてまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 前回の委員会でも私も指摘しましたけれども、賃金と労働時間を切り離したとしても、やはり使用者として、労働者の安全、まさに、長時間労働や不安が高まったりすることによってメンタル不調になるようなことを避けることをしっかり事業主としてやらなきゃいけないということは残るわけです、労働者の健康を守るということは。 ですから、まさにそこのところをしっかり考えていただかないと、単に安く、長く働かそうということの考え方で、それが成長戦略だというのであれば、これは、結果的には、労働者の健康を害することにつながるのではないかというふうに思いますので、そこのところは改めて慎重な御配慮をいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 では、ストレスチェック制度そのものについて、法案そのものについてもお聞きしておきたいと思うんです。 先ほど、古屋委員の最後の質問にもありましたけれども、ストレスチェック制度運用に関しては、労働者がストレスチェックを希望しないこと、ストレスチェック受診後に医師による面接指導の申し出を行ったこと、さらにはストレスチェックや面接指導の結果を理由にした労働者に対する不利益扱いを禁止するということが求められると思います。また、メンタルヘルスの問題というのは、労働者にとっては、医療機関以外の者には知られたくないという強い思いが働く機微な問題でありますから、プライバシーの保護にも十分な配慮が必要だというふうに思います。 先ほど政務官からは、不利益取り扱いの禁止やプライバシーの保護に関して、今後、指針でという話が答弁の中にありましたけれども、具体的に実効性を持たせていく、法案上は不利益取り扱いしないと確かに書いてありますけれども、非常に難しい問題だと思います。 この不利益取り扱い、プライバシーの保護をどうやって指針の中に具体的に書いて実効性を持たせていくつもりなのか、さらに御答弁をお願いしたいというふうに思います。
○高鳥大臣政務官 大西委員にお答えをいたします。 ストレスチェック制度は、労働者に対してストレスへの気づきを促すとともに、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげることを目的としたものでございまして、正当な理由なく、労働者個人の健康情報が利用されたり、労働者に不利益な取り扱いがなされたりすることはあってはならないと考えております。 このため、労働者にストレスチェックの受診義務は課しておらず、また、受けた場合にも、その結果は労働者に直接通知され、労働者の同意なく事業者に通知されないこと、面接指導の実施は労働者の申し出がある場合に行うこと、それから、面接指導の申し出をしたことを理由とする不利益な取り扱いを禁止すること、また、ストレスチェックや面接指導の実施者には事務担当者を含め守秘義務を課すことを法律上規定いたしております。 制度の運用につきましては、ストレスチェック制度における労働者個人の健康情報の適切な取り扱い、面接指導結果を踏まえた適切な事後措置の方法、不利益取り扱いに当たる具体的事例等を指針等で今後示すことといたしております。 今後、ストレスチェック制度の周知啓発を行うに当たってはこれらの点に注意を促すとともに、仮に法違反があった場合には、是正に向けた指導を行うことにより、適切かつ実効性のある運用がなされるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 ぜひ、その指針をしっかり定めていただきたいというふうに思います。 ストレスチェックの実施者についてお聞きをしたいんです。 法案では、「医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者」になっているんですけれども、この「厚生労働省令で定める者」としては、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士が想定をされているというふうにお聞きをしています。また、既にメンタルヘルス対策に取り組んでいる企業においては、医師等以外にも、産業カウンセラー等の専門職がかかわっているケースがあるというふうに聞いております。 一方で、今、心理職の専門職には、こういう医療・保健、産業以外にも、例えば、福祉とか教育・発達、それから司法・矯正といった分野ごとにいろいろな資格が存在をしている。ただ、共通する国家資格がないので、心理職の国家資格化を求める声というのが広がっています。 与党の中でも、公認心理師法という議員立法の検討を進められているというふうに聞いておりますけれども、仮に共通した国家資格ができたら、例えば、今までこの分野で活躍してきた産業カウンセラーというのは、国家資格が優先されると排除されてしまうんじゃないかというような懸念の声もあります。そういう意味では、この心理職の国家資格ができるのかどうなのか、また、どういう資格になるのかが、まさにこの法案にある「その他の厚生労働省令で定める者」にも影響してくるというふうに思います。 そういう意味では、私は、本来は、議員立法じゃなくて、共通する資格というのは閣法で責任を持って出されるべきだというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○高鳥大臣政務官 お答えをいたします。 ストレスチェックは、個々の労働者のストレスの程度を医学的な知見のもとで評価、判定をしまして、その結果を踏まえて、必要に応じて保健指導や面接指導の勧奨を行うものであるために、労働者のメンタルヘルスに係る制度全般についての知識や、産業保健または精神保健を含めた一定の医学的な知識を有する専門職が関与することが必要であると考えております。 このため、ストレスチェックの実施者といたしましては、現時点では、既に労働安全衛生法において一定の役割を果たしている医師または保健師のほか、一定の研修を受けた看護師及び精神保健福祉士を想定しているところでございます。 心理職の国家資格化につきましては、長年にわたり関係団体から要望がございましたが、委員御指摘のとおり、さまざまな活動の場に応じて、それぞれ独自の民間団体や資格があることから、関係者の調整がつかず、実現をいたしておりません。 現在、心理職の関係団体から一本化した国家資格の要望があったことを受けまして、議員立法としての検討がなされているところでありまして、厚生労働省といたしましては、その動向を注視しているところでございます。
○大西(健)委員 私は、重ねて言いますけれども、閣法で本来出されるべきだというふうに思います。 次に、受動喫煙防止に関して、これもちょっと古屋委員と重なるところがあるんですが、先ほどのお話のように、これは我々が与党のときに、いろいろな賛否両論があって、与野党協議の結果、努力義務ということで最終的に落ちついたということは承知をしています。 ただ、当時と異なる事情としては、その後に二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックが決まったということであります。 IOCは、一九八八年以降、オリンピックでの禁煙方針を採択して、会場の禁煙化とともに、たばこ産業のスポンサーシップも拒否してきた。そして、二〇一〇年七月に、WHOとIOCは、健康的なライフスタイルとたばこのないオリンピックを目指す合意文書にも調印をしています。実際、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、歴代開催都市には既に罰則つきの受動喫煙防止法または条例が整備をされている、リオデジャネイロも同じだということであります。 先ほどの古屋委員への御答弁で、大臣は、これは労働者の法律ですから、オリンピックの関係は東京都とも協議をしていくという話ですけれども、やはりオリンピックを考えた場合には、このままではいささか不十分だという意見があることは否めないというふうに思うんですが、再度、このオリンピックの部分に絞って御答弁をいただきたいと思います。
○田村国務大臣 法律が法律なので、オリンピックのための法律ではないということは御理解をいただきたいと思います。 今おっしゃられましたとおり、二〇一〇年、WHOとIOCが覚書を交わして、たばこフリーオリンピックということでございまして、協働していこうということであります。 現在、たばこフリーオリンピックに向かって、我々といたしましても、要するに、今まで、二〇一〇年以降のたばこフリーオリンピックをされた各国の状況等々、こういうものを調査しながら、また、一方で、先進国をいろいろと調査させていただいております。 そういう中において、今回の法案というのは、位置づけとしては、先ほど申し上げましたけれども、労働者に対する受動喫煙ということではありますけれども、当然、労働者が働く場所というものは、飲食店もあるわけでありますし、公共施設等々もあるわけであります。でありますから、そういうことを考えれば、当然、この法律によって受動喫煙防止対策が進んでいけば、それは一定程度、一般の方々の受動喫煙ということも防いでいけるということでございますから、これはこれといたしまして、我々としてはしっかりと進めてまいりたいと思っております。 オリンピックに向かって、たばこフリーオリンピックでございますので、そのようなことが実現できるよう、今後とも、東京都とも話し合いをさせていただきながら、我々としても努力はしてまいりたい、このように考えております。
○大西(健)委員 言うまでもなく、オリンピック・パラリンピックは国を挙げての非常に大きなイベントでありますから、これに向けて厚労省も協力をしていくということはぜひお願いをしたいと思います。 最後に、きょう、初め、まず隗より始めよという話をしましたけれども、その点において、たばこ対策を所管している厚生労働省自身の受動喫煙対策がどうなっているのか。 例えば、私は知りませんけれども、大臣以下政務三役の方々がたばこを吸われるのかどうなのか、また、大臣室、副大臣室、政務官室でたばこを吸っているのかどうなのか、こういうことも含めて、厚労省自身の受動喫煙防止対策がどうなっているのかについてまとめてお答えいただきたいのと、続けて質問しますけれども、我々の職場である衆議院、先ほど、公明党の控室はたばこを吸っているという話がありましたけれども、この衆議院の受動喫煙防止対策がどのようになっているのか、続けて、それぞれ簡潔にお答えをいただきたいと思います。厚労省と衆議院。
○高鳥大臣政務官 お答えをいたします。 厚生労働省本省は、全省庁に先駆けまして、平成十八年度から庁舎内を全面禁煙にしておりまして、庁舎内における受動喫煙防止対策は講じられているところでございます。 なお、現在の政務三役につきましては、全員非喫煙者とお聞きいたしております。
○鹿村参事 お答え申し上げます。 衆議院における受動喫煙防止対策の現状でございますが、議院運営委員会理事会の決定に基づきまして、本館におきましては、平成二十二年四月、本会議場周辺から灰皿型の吸煙機が撤去されました。また、平成二十四年五月に、議員食堂を全面禁煙とするとともに、本会議場西側入り口脇に分煙機が設置されました。また、小中学生が通る本館地下傍聴人受付からも吸煙機を撤去し、現在、本館の共用部分は、分煙機の設置場所以外は禁煙となっております。 分館におきましても、平成二十二年十月以降、順次、各階ロビーに喫煙室が設置され、共用部分は全面禁煙となっております。 議員会館におきましても、各階に設置されております喫煙コーナーを除きまして、共用部分は禁煙となっております。
○大西(健)委員 時間が来たので終わりますけれども、きょう、前半では、メンタルヘルスの観点からも、いわゆる残業代ゼロ制度というのはおかしいんじゃないかということを申し上げましたが、きのうの産業競争力会議の後の記者会見で甘利大臣が、年収要件一千万円で今調整をしている、そうなると対象は一%から二%ぐらいになるんじゃないかということを言われたそうであります。 私たちがこの委員会でも繰り返し質問をしてきたことが、少しはきいているのかなというふうに思いつつ、ただ、ここで私は油断してはならないのかなと。一千万円で入れても、その後また年収要件が下がっていくということもあるかもしれませんので、ここは、きょうも申し上げましたように、労働者の健康管理という観点でもまだまだ慎重な検討が必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 よろしくお願いいたします。 この労働安全衛生法は私も思い入れがありまして、今から五年前、民主党政権で厚生労働大臣政務官をしていたときに、私が担当でこの法改正の議論をスタートしたという思いがありますので、そういう意味では、さまざまな修正も入って、百点満点では必ずしもありませんけれども、ぜひとも通すべき法案だというふうに思っております。 しかし、今の大西議員の質問にもありますように、労働安全衛生法でストレスチェックや企業名公表ということが出ておりますけれども、このような長時間労働、ストレスを是正するということから考えると、昨日、成長戦略の骨子で発表されました残業代ゼロ制度、これは非常に真っ向から反しているというふうに思います。 今、大西議員からも、年収要件一千万円という数字が甘利大臣の口から出たということであります。田村大臣にお聞きしたいんですが、これは六月末の成長戦略で発表になると思うんですが、ここで年収要件が仮に入った場合、この年収要件というのは、永遠に、三年たっても、五年たっても、十年たっても下がったりしないという理解でよろしいですか。
○田村国務大臣 まず、先ほど政務官の方から、厚生労働省の中の禁煙状況はどうなっておるかという話がございました。答弁書はそういうふうに書いてあったんですが、正確に申し上げれば、庁舎内といいますか、庁舎内の屋内は全面禁煙になっておるということでございまして、屋外に喫煙所があるということで御理解をいただければありがたいというふうに思います。 今の御質問でございますが、永遠にと言われると、永遠なんというものはないわけでありまして、それはそのときの御議論ということになろうと思いますが、いずれにいたしましても、労働政策審議会で御議論をいただく内容になってこようというふうに思います。 我々としては、一千万であるかどうかというよりかは、まず、労働者の方々が契約を結ぶときに、十分に交渉力を持てるだけの年収というもの、年収だけではないのかもわかりませんが、条件というものが必要であろうというふうに考えておるわけでございまして、甘利大臣がおっしゃられたか、おっしゃられなかったか、それは我々は正確には理解しておりませんが、高い目標を持ってこれから交渉してまいりたいと考えております。
○山井委員 今の答弁で、年収要件というものがもし入ったとしても、三年後、五年後、これは下がるかもしれないという話であります。上がるかもしれない、下がるかもしれない。要は、年収要件というのは、それだけ融通のきく簡単な緩やかなものだということであります。 では、田村大臣、この残業代ゼロ制度、もし成長戦略に入るのであれば、来年の通常国会に恐らく労働基準法改正という形で提出される可能性もあるんですが、そのとき年収要件というのは法律に数字が明記される形になるんですか。
○田村国務大臣 私の申し上げている趣旨というのは、しっかりと労働者の方々の立場に立って考えなければならないので、交渉力があるというような、条件の一つとしてそういうものがあるのではないかということを申し上げているわけでありまして、年収要件が動くということは、絶対動かないなんということはこれはもう言えないわけでありまして、思いは御理解をいただきながら、しかし、実態としてそういうものであると御理解をいただきたいということであります。 その上で、法律に書くかどうかに関しましては、これからいろいろな御議論を労働政策審議会でもいただくわけでございまして、種々の御意見をいただく中において決定をしてくる内容になろうというふうに考えております。
○山井委員 私、この年収要件に絡む残業代ゼロ制度というのは、アリの一穴法案と呼びたいと思うんですね。 つまり、労働法制というのはいつもパターンがあるんです。最初は労働者派遣法も、ごく限定的に、希望者だけで、不本意な人にはふやしません、多様な働き方で、こういう働き方を好む人がいるんですと言って、ふやしません、ふやしませんと言って一回導入したら、どんどんどんどん広がっていって、今国会で出ているように、対象業務も二十六専門業務から全業務に拡大していく。不本意な派遣が四割以上あるにもかかわらず、どんどんふやしていく。つまり、今回も、残業代ゼロ制度というものを労働基準法を改正して一回つくってしまうと、これはいかようにでもできるわけです。 今、田村大臣がおっしゃったように、交渉力が強い人と言うけれども、労使の力関係というのは労働者側がはるかに弱いわけですから、それはもう、対等な人だけと言ったって、本人希望だけと言ったって、そんなもの守られませんよ、どう考えたって。さらに、年収要件も、今、田村大臣がおっしゃったように、いかようにでも変えていける。 田村大臣、法律にこの年収要件というのが入らなかった場合、要は、労政審を通せば、翌年からもう国会審議を経ずに年収要件も変わり得るということになるんですか。
○田村国務大臣 まず、労働者派遣法は、二十六業務は、同じ方がずっと派遣という形で働けるというような業務でありました。今回は、基本的にそういう業務はなくなる。もちろん、無期という、派遣の中では安定した働き方の方々に関しては、そのような形で門戸が広がる部分もありますが、しかし、皆様方が御心配されておられる、派遣切りをすぐされるようなそういう労働者の方々に関しては、二十六業務も今度はだめになるわけであります。そこは御理解ください。 三年という制約がかかる。だから、一方ではこれは規制の強化でもあるということでございまして、あくまでも、どこに着目するか。業務に着目するのか、人というものに着目して制限をかけるのかということでございますから、その点は、何もかも広がっていくということではない。逆に言えば、二十六業務はなくなるということでございます。ここは御理解ください。 その上で、制度設計をこれから労働政策審議会を含めて御議論いただくわけでございますので、ここでまだ何も決まっておりませんから、委員から私にそのように申されても、私もお答えのしようがないということでございます。労働者側、そして使用者側が入ったところも含めて御議論をしっかりといただく、三者構成の労働政策審議会でも御議論をしっかりいただくということで御理解をいただければありがたいというふうに思います。
○山井委員 私、本当に、この間の、残業代ゼロ制度の産業競争力会議の議論というのはめちゃくちゃだと思うんですね。 何か一千万とか数字が出てきていますけれども、今、田村大臣がおっしゃるように、年収要件を入れるなら、労政審で労働側の代表も入って金額をどうするのかという議論をするなら、まだこれはわかりますよ。 例えば、これは七年前、第一次安倍政権のときは労政審で議論をして、その上で、その後、九百万円という数字が出てきて、それでも低過ぎるということで大反対にあって頓挫した。私の勝手な推測では、七年前、第一次安倍政権で九百万で失敗したから、今回は一千万以上だと。ただ、今も言ったように、一回導入したら翌年からは五百万円にでもこれは下げていける。 赤石次長、法律に年収要件を書かなかった場合、翌年に五百万円に年収要件を下げる、こういうふうなことは可能なんですか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 先ほど田村厚生労働大臣がお答えになられたとおり、どのような制度設計を行っていくかは労働政策審議会において議論されるものでございますから、その場で考え方がきちんと固まっていくもの、そのように理解してございます。
○山井委員 労政審といっても、今回の派遣法のように、働く側の代表が反対意見を付しても強行されてしまうわけですから、そこは一歩間違うとやりたい放題にもなりかねないわけで、そうしたら赤石次長に改めてお聞きします。 年収要件を一回決めて、それを翌年一千万から五百万に下げる場合、どういう手続が必要ですか。どういう手続を経れば、年収要件は下げようと思えば下げられますか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 一千万から五百万に下げる場合であっても、法律上数字を書き込んだ場合においては法律改正が必要になるというふうに思っておりますが、そういったことも含めて労働政策審議会で議論されることになると思っております。
○山井委員 そうしたら、法律に年収を書き込まなかった場合はどうなりますか。
○赤石政府参考人 制度設計次第でございますが、一般論として言わせていただければ、法律に書き込まない場合は、政令であるとか省令であるとか、いろいろな形があると思いますけれども、それぞれの手続に沿って、必要な改正があればなされていくものと理解しております。
○山井委員 そうしたら、これは、法律に書き込まない場合には、翌年に国会審議をせずに年収要件を上げたり下げたりすることはできるんですか。
○赤石政府参考人 いずれにせよ、一般論ではございますが、法律上に書き込まない場合、政令上どう書くか、省令でどう書くか、いろいろなやり方があると思いますけれども、国会での御議論というのは、政令、省令であるから全く排除されるというものではないというふうに理解しております。
○山井委員 別に、国会で一般質疑でやったって、そんなことは拘束力はないわけですから。今の質疑でわかりますように、年収要件というのはブレーキにならないんですね。翌年にはもう変わる可能性がある。だから、私は、これはアリの一穴法案だと思うわけです。 それで、田村大臣もくしくもおっしゃっていましたが、本質問題は年収じゃないんですよ。要は、年収要件は、最初は一千万か二千万か知りませんよ、最初はそこからスタートするということで、どんどん自由に下げられるわけですから、これは。入り口が幾らから入りますかということだけなんですよね。 問題は、この残業代ゼロ制度をやったときに、その方の長時間労働が是正できるか。先ほど大西議員も言ったように、メンタルヘルスの心配がふえるのではないかということなんです。 ここで赤石次長にお伺いしますが、長時間労働防止の措置ということで、先日も質問しましたが、法的な労働時間規制をして、必ず実労働時間を使用者も把握するということでよろしいですか。
○赤石政府参考人 これも詳細な制度設計は今後の議論に委ねられるというふうに理解してございますが、基本的には、民間議員の提案の中身は、労働時間、働いている時間について全く把握しないということではないというふうに理解してございます。
○山井委員 そこは重要なんです。全く把握しないことはないという回りくどい表現じゃなくて、実労働時間を把握する、法的な労働時間規制をする。それをしなかったら残業させ放題になってしまいますよ。労働基準監督署の監督官も入れなくなりますよ。これは確実に長時間労働になって、過労死がふえかねません。 ここの資料にありますように、健康確保は、労働時間上限、年休取得下限等の量的制限の導入ということですが、これは法的な制限でなければ監督官が入っていけませんから、何ら拘束力が、働く人の健康を守れません。これを法的に規制をかける、労働時間上限や年休取得下限について。これは、赤石次長、そういう理解でよろしいですか。
○赤石政府参考人 制度設計につきまして、法律、政令、省令その他、いろいろなやり方がございますが、それのどれを使ってどのようにやっていくかにつきましては今後の議論に委ねられているというふうに理解してございます。
○山井委員 法的規制をしないんだったら、残業代ゼロになった対象の人の健康をどうやって、赤石次長、守るんですか。お答えください。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 いろいろなやり方がございますが、いずれにせよ、総理の指示は、長時間労働を強いられることがないということでございますので、いろいろなやり方を視野に入れつつ、そういった長時間労働を強いられることがないような制度をつくっていくということで議論が進められるものと理解してございます。
○山井委員 いろいろな方法があると言いますが、労働基準監督署の監督官が入るには法的な規制がこれは必要なんです。 ほかの聞き方をしますが、労働基準監督署の監督官が関与できる形で規制をするということでよろしいですか。それとも、この残業代ゼロになったら、労働基準監督署の監督官は関与できない可能性があるんですか。ということは、これは完全に野放しになりますよ。赤石次長、そこはいかがですか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 いずれにせよ、制度の詳細は今後の議論というふうに理解してございますが、一般論を言わせていただければ、労働基準監督署はいろいろな権限を持っているというふうに理解しておりまして、そういった権限をベースに、いろいろな形で関与していくことが考えられるのではないかというふうに理解してございます。
○山井委員 赤石次長、こだわるわけじゃないですが、一般論じゃないんですよ。残業代ゼロ制度を私たちは今議論しているんですよ。この残業代ゼロ制度違反ということで監督官が入れる、そういう形にするということでよろしいですか。一般論で入れても、この残業代ゼロ制度の対象者に入れなかったら、守れないんですから。赤石次長、いかがですか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 いずれにせよ、そういったことも含めて、労働政策審議会等の場で議論がなされていくものと理解してございます。
○山井委員 そういう大事なことを労政審に丸投げするのは、私は無責任だと思いますよ。残業代をゼロにすると言いながら、監督官が入れるかどうか、労働時間を把握するかどうか、そんなことは知りませんと。そうしたら、労働者のためにやっているんじゃないんじゃないですか、この改正を。 赤石次長、そうしたら、どうやって残業代ゼロの新しい制度になった人の健康を管理するんですか、これは。監督官は入れる、法的規制を入れるんですか。入れるかどうかもわからないんですか。入れなかった場合、誰がどうやって、長時間労働が強いられないかどうかを法的根拠をもって守れるんですか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 私どもは、労働政策審議会は政労使三者が参加した極めて重要な審議会であるというふうに考えてございまして、今先生が御指摘になったような重要な点につきまして、ぜひ労働政策審議会できっちり議論していただくということが肝要ではないかというふうに理解してございます。
○山井委員 重要な点だから、成長戦略の中でそのたがをはめるべきだと私は言っているんですよ。それだけ重要だと赤石次長もわかっておられるんだったら、法的規制を入れて、監督官がしっかりと、長時間にならないように規制しますと産業競争力会議で言えばいいじゃないですか。残業代ゼロのことだけ産業競争力会議で決めさせてもらう、労働者の安全については、労働者の健康については、あとは労政審で議論してもらいます、こんな無責任な話は私はないと思います。 それで、年収要件というのは、私は、ある意味、一つ目くらましだと思っています。どういう意味かというと、先ほども言ったように、翌年からはいかようにも下げられる。だから、余り本質的な意味はなくなってしまうんです、翌年以降は。 それともう一つは、では、幾ら以上の年収の人だったら残業代ゼロで健康を犠牲にしていいのか。赤石次長、例えば救急医療のお医者さん、年収は高いかもしれません。でも、だからといって労働時間規制を外していいとはならないと思うんです。これは対象業務を限定するんですか。 きのう甘利大臣は、何か年収要件はおっしゃったけれども、対象業務を限定するかどうかはおっしゃいませんでしたけれども、当然これは対象業務も限定するんですよね。いかがですか、赤石次長。
○赤石政府参考人 お答えさせていただきます。 民間議員からの提言は、年収があればどんな人でも対象にするという提言ではございませんで、対象者のイメージは、高い能力、経験、実績を有する者であるということで、業務の内容につきましても、業務執行、労働時間につきましての裁量度が高い方ということで、新しい労働時間制度の対象者は限定的なものということが提案されてございますので、そういった提案を尊重しながらこの議論を行っていきたいと思っております。
○山井委員 きょうの配付資料にも入れましたが、一千万円以上は三・八%。そうしたら、三・八%で、管理職じゃない人を引けば、赤石次長、大体何%ぐらいになるんですか。
○赤石政府参考人 今手元に具体的な数字は持ち合わせてございませんが、一般論として言わせていただければ、年収一千万円を超える方々、さまざまな統計データを見ていきますと、管理職の方が大半を占めているというふうに理解をしてございます。
○山井委員 そうしたら、一千万円以上が三・八%で、そのうち管理職が大半ということは、赤石次長、この対象は管理職じゃない人だから、対象者はほとんどいないということですか。
○赤石政府参考人 民間有識者から示された新しい労働時間制度の対象者につきましては、管理職を入れる、除くといった議論は、これは明示的には提言がなかったものと理解してございます。
○山井委員 三・八%、一千万円以上で、その方々のほとんどが赤石次長によると管理職。ということは、今回の適用される、管理職以外の、管理職一歩手前、幹部候補生の一千万円以上という人は、もうごくわずか、ほとんどおられないということで、赤石次長、よろしいですか。
○赤石政府参考人 今手元に数字がございませんので、明確なお答えは控えさせていただきたいと思います。
○山井委員 だから、結局、とにかく通すときは年収要件をどんどん上げておいたらいい、後で下げたらいい、そういうことなんですよね、この話は。 田村大臣、この対象業務限定、これについていかが考えられますか。
○田村国務大臣 総理から明確に御指示をいただいております。 中身は、この部分に関すれば、職務の範囲が明確であるということ、そして、高度な職業能力を持つ、そういう労働者に絞り込むということであります。これが、総理がこの部分でおっしゃられておられること。 さらには、総理は、前回、第一次安倍内閣のとき、ホワイトカラーエグゼンプションという形でいろいろと議論がありました、あのようなものではない、こうやってはっきりおっしゃっておられますから、そのような中において我々は制度設計をしていくべきであろうと考えております。
○山井委員 田村大臣、私はほぼ一緒だと思いますよ、年収要件が九百万から一千万に上がっただけで。どう違うんですか。
○田村国務大臣 ですから、職務の範囲が明確であるということと、高い職業能力を持っている労働者に絞り込むというふうに総理から指示をいただいております。この内容は守らなきゃなりませんので、この中で制度設計をいたします。 まだ決まっておりません。これから、どういうような制度にするかということを踏まえてアウトラインといいますか骨格をつくって、その上で、労働政策審議会の中で精緻な御議論をいただいて、そして一定の報告をいただく中において法整備という形になってこようかというふうに思いますから、まだ決まっておりませんので、どうしていくかというのは議論をこれからさせていただきたいということを申し上げておるわけであります。
○山井委員 もう時間が来ましたのでこれで終わらせていただきますが、今の質問を通じて、年収要件というのが、すぐに変え得る、どんどん下がってくる、そういう意味では、高い年収要件で入れておいて後で下げればいい、とにかくアリの一穴をあければいいんだということだというふうに私は感じました。 さらに、赤石次長の答弁を聞いても、健康確保に関しては、言っちゃ悪いけれども、ほとんど考えていない、それはもう労政審に丸投げだ。 やはり、こういうことを成長戦略の名をかりてやるというのは、私は、おかしいですし、残念ながら、年収要件が幾らになっても、それによって、その対象になった方の健康が害され、長時間労働になり、その方が過労死になってしまう、そういうことが起こり得る制度というのは絶対に阻止せねばならないと思います。 以上で終わります。
○後藤委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 民主党の柚木道義です。きょうもよろしくお願いいたします。 労安衛法の改正ということなんですが、この間、同僚委員が残業代ゼロの議論もさせていただいておりましたが、密接にかかわる議論だと私は思います。 きょうの資料の中に、一ページ目は法案概要ですが、二ページ目以降、この間、与党委員の皆さんのやりとりの中でも指摘をされております。 例えば、二十四年度の精神障害の労災認定件数四百七十五件、認定基準等の変更も含めてかなりふえたということではありますが、過去最多。 六番目に丸をしておきましたけれども、出来事別の支給決定件数というのは、まさに今、残業代ゼロの議論になっているわけですが、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」五十九件、そして、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」五十五件、その下にも書いておきましたが、「一か月に八十時間以上の時間外労働を行った」前年度比二十九件増で、時間外労働という概念あるなしにかかわらず、こういったものが非常に大きな要因になっている。 次のページをごらんいただきますと、それを表にしてみると、三番の「仕事の量・質」、あるいは五番の「対人関係」、こういったところで、まさに、みずから命を絶たれる、あるいはそれが労災の認定となる、こういった状況にもなっている。 一ページ飛ばして五ページ目を見ていただきますと、これは、その次に新聞報道もつけておきましたが、前回も私の方から申し上げました、パワハラの相談も過去最多で、前年度比一四・六%増。その中でも、まさに、俺の言うことを聞かないと出世できないぞと、ある意味、君は将来期待しているから残業代ゼロでも頑張ってくれというような趣旨のことを言われたときに、断れない。こういう現実が既に、例えばこの五ページの下の表の中で「いじめ・嫌がらせ」とか、こういう部分に、俺の言うことを聞かないと出世できないぞというのは該当するというふうに説明を受けましたが、これは十四年度の五・八パーから二十五年度で一九・七パーまで激増している。 こういうトレンドの中で、今回の労安衛法改正であったり、あるいは今残業代ゼロの議論がなされているということは、これは非常に重く認識をしておかなければならないというふうに思います。 それで、法律の関係でまずお尋ねをいたしますと、今回、ストレスチェック制度の創設ということで、これはこの間のやりとりもあって、制度の創設自体はいいんだけれども、いろいろな問題もはらんでいるという部分も含めて、私はぜひ大事な視点だと思うのは、予防という観点なんですね。 これは、健康増進企業を評価するというような報道とかも出てきているんですが、ただ、その評価の仕方によっては、指標が、予防をしっかりとしているという指標であればいいと私は思うんですけれども、例えば、それこそ精神疾患の罹患率とか休職率とかそういったものが評価軸になったりすると、逆に、相談したくてもできないようなディスインセンティブが働きかねないことも含めて、やはり予防という点をしっかりとこの評価の尺度に入れる、そして、そのことを踏まえた形でストレスチェック制度が運用される、そういうことが重要だと思いますが、大臣、どういった御認識でいらっしゃるでしょうか。
○田村国務大臣 平成十八年に策定しました心の健康指針、この中において、いろいろと我々も指針をつくってきたわけでありますが、これに即した対応として、まず、労働者の方々がセルフケアを職場で行うためには、やはり情報提供でありますとか教育というものをしっかりやっていかなきゃならぬわけであります。あわせて、職場環境というものをしっかり評価して、問題点を把握した上でこれを改善していく、こういうことを今までも我々としては進めてまいるようにいろいろと助言をしてきたわけであります、指導もしてまいりました。 今般のこのストレスチェックというものは、そういう意味では、まず、労働者の方々にストレスがどれぐらいあるかということに気づいていただく、これが大変重要でありまして、決して、これによって例えばうつ病でありますとか精神疾患をスクリーニングするものではなくて、あくまでもストレスがどれぐらいあるかということに気づいていただく。そして、御本人がそれに応じて面接指導等々を受けたいとおっしゃられれば、そのような形につなげていくわけでありまして、結果、その後必要であれば、職場の環境改善、いろいろな理由があろうと思いますので、そのようなものにつなげていく、こういうような法律でございます。 まさに、予防というものと悪化をさせないということも含めて、職場の環境改善というものにもつなげていくということでございますので、やはり重くなる前に、また、発症する前に。ストレスというのは、精神疾患だけではありません。心臓の病や脳の病やいろいろな病、そういう疾患につながっていくわけでございますので、そういうような疾患に関してもストレスというものは影響を与える、そういうものを事前に予防していくための職場環境の改善、こういうものも含めて進めていくための法律であるということを御理解いただければありがたいと思います。
○柚木委員 御答弁に加えて、この後の議論にも重なるので申し上げれば、まさにその職場環境の改善という部分について言えば、この委員会でも議論になっているような、時間外労働の扱いであったり、あるいは、そもそもそれを助長するような、パワハラがむしろふえるんじゃないかというような残業代ゼロの議論を、やはりこれは慎重に行うということ自体が今言われる職場環境の整備にもつながっていくという認識だと私は思うんですね。 それで、もう一点、法案に関することで、受動喫煙の取り組み、防止対策についてというのがありますが、資料の七ページ目に、たばこを吸われない方は余り御存じじゃないかもしれません、私はもう随分前にやめているので、これはうちの秘書が愛用している電子たばこという、今この議論が少し議論になっておるものですから、関連する部分も含めてお尋ねしたいんです。 これは、見た目ははっきり言って変わらない、吸わない方からすればよくわからないということだったりするわけですが、実は、平成二十二年十二月に厚生労働省が消費者庁に通知を出しております。 この文書によって、ニコチンを含有しているカートリッジはすべからく医薬品というような扱いになっていて、これが実は逆に、たばこ事業を所管する財務省からしてみれば、電子たばこをたばこ事業法上のたばこと定義するということが、足かせと言うとあれなんですが、ちょっと規制の部分を整理していただかないと、この記事につけておきましたけれども、中ほどに、例えば、制服姿の少年たちが店番の母親の方に電子たばこの吸引器を売ってくれと言ってくる、しかし、大人向けの商品だからと断っても、未成年が吸うことを禁じる法的根拠はない、ルールの範囲で販売したいので未成年に対する法整備を進めてほしい、そういうような声も出てきているということでございます。 これは、市場拡大のアメリカで規制もという記事もその後ついているわけですが、アメリカでは、禁煙するステップのための禁煙補助薬としての電子たばこは医薬品、ただ、嗜好品として用いるものはたばこという分類の仕方になっているようでございます。 これはぜひ、田村大臣、そういう意味では、関係省庁としての財務省ともそういった協議、整理をいただく。 このアメリカの調査でも、電子たばこといえども、やはり人体への悪影響が指摘されているような化学物質が検出されたという調査もあって、これはWHOも、そういった点について、いわゆる一般喫煙にもつながりかねないというような調査もあって、FDAあるいは各州等での規制にもつながっているということでございます。 私は別にたばこ、愛煙家の方を否定するわけではありませんが、青少年が簡単に手を出せるような状態を放置してはなりませんし、個人輸入、ネット販売等はある意味簡単にできるような状況にもなっていますので、これはぜひ関係の財務省とも調整をして、いわゆる規制とかルールについて整理をいただきたいと思いますが、御所見をお述べいただけますでしょうか。
○田村国務大臣 電子たばこというか、概念がちょっと難しいので、電子たばこと呼んでいるのが適切なのかどうなのかちょっと私はわからないんですが、カートリッジという意味からすれば、ニコチンが入っているものを日本では売れない、これは薬事法上承認を受けていないものでありますから、売れないということになろうと思います。 問題は、個人輸入はできるんですよね、薬の場合。薬事法の対象外といいますか、個人輸入自体は許されているということでありますから、そういうもので入ってきたものを若者たちが吸う可能性はあるというのと、それから、パイプといいますか、それ自体は、これは何も薬事法の対象にもならないので、それは別に売ることを妨げられない。そういう方々は、国内であるとすれば、ニコチン以外のフレーバーみたいなものを入れて吸っておられるということはあるのでありましょう。ただ、それも健康的に問題があるというような、そういう御指摘もあります。 非常に難しい話でありまして、明確にたばこではないものでありますから、まず、個人輸入でたばこのカートリッジ、中身を入れてきて吸うこと自体をどう考えるのか、そして、ニコチン以外のものに対してどのように判断をするべきなのかということも含めて、関係省庁とちょっといろいろ議論をさせていただいて検討をさせていただかなければ、なかなかこれは難しい問題だというふうに思います。 いずれにいたしましても、ちょっと関係省庁と検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○柚木委員 ぜひしっかりと協議、整理を進めていただきたいと思います。 それから次に、私もちょっと残業代ゼロの議論を前回、前々回とさせていただいて、山井委員からも議論が先ほどもありましたが、実は、この残業代ゼロ制度というのは、仮に民間の労働者に適用するのであれば、私は、官民イコールフッティングで、公務員の方だけ適用しないというのは働く方、国民の理解を得られないのではないかという意味で、導入するのであれば官民ともに適用、しかし、私は導入すべきでないという論点からこの間質問をした場合に、山井委員のツイッターにこの議論を書いたら、一万リツイートという、やはりすごく国民の皆さん、働いている方々の関心があって、なおかつ、私もきのう見たら、元財務官僚の高橋洋一さんもこれを取り上げていて、官民イコールフッティングすべきだということを主張されているんですね。 私は、やはりこの議論をもう一遍整理しなきゃいけないと思うのは、これは国家公務員の方ということで赤石次長は議論されて、要は、時短をするということは公務員の方も入るんだけれども、私も前回の議事録を読み直しても、そもそもこの残業代ゼロというものに公務員の皆さんは議論の対象にならないという趣旨のことを何度も答弁されているんですね。 しかし、まさに高橋さんの文章を私も読んでみて改めて再認識しましたが、要は、もう既に適用除外なんだけれども国家公務員法上のいわゆる残業手当はつく、こういう整理だと、なおさら官民ギャップで、今後も、民間は適用対象で残業代ゼロの人が、一千万円以上か、その後年収要件が下がって適用が広がっていくのかわかりませんが、そういう人が出てくるんだけれども、逆に言うと、公務員の皆さんはそういう対象ではなくて、官民格差はむしろ広がっていく、こういうことになってしまうと思うんですね。 私は、繰り返しますけれども、こんな制度を導入しても成長戦略にならないと思いますし、むしろ過労死、過労自殺がふえたり、先ほどの、まさに資料紹介等もいたしましたが、こういうことになるような制度を官民ともに導入すべきじゃないと思っていますが、仮に、一部といえども一千万円以上だろうが導入するのであれば、やはり官民イコールフッティングにすべきだと思います。 そこで、赤石次長、これは一千万円以上に導入と甘利大臣が発言をきのうもされていますが、では、一千万円以上の収入の公務員の皆さんには適用を検討する、そういうお考えは今あるんですか、ないんですか。
○赤石政府参考人 お答えします。 いずれにせよ、民間議員からの提案は幅広い大きな新しい働き方に関して提案されたものでして、その中で、働き過ぎ防止の総合対策については公務員の率先垂範ということを書いてございますが、この新たな働き方の制度について国家公務員に労働基準法を適用するとかしないとか、そういった議論はなされていないものと理解しております。
○柚木委員 そういうお話をされると、まさに、何で民間で働いている人はそういう対象になって、しかも、年収要件は下がっていく可能性もあるわけですから、そうなったときに公務員の方は残業代ゼロの適用にならない。私はどっちも適用すべきじゃないと思いますが、こういう官民格差をつけた議論を、しかも、過労死、過労自殺とかがふえていくかもしれないような本当に重要な議論を、公務員の方は関係ないですよ、民間の皆さんはそうですよという議論が進んでいくというのは、非常に、これは一万リツイート、どんどんもっとふえていると聞きました。もう一万数千リツイート。 やはり私は、仮に本当にこういう議論がなされるのであれば、例えば公務員の皆さん、国家公務員の皆さん、それこそ私の前々回の議論のときに、こんなに生産性が上がるいい制度だったらそちらの公務員の皆さんにも適用したらどうですかと言ったら、みんな、とんでもないと首を振ったというような、それは、私は高橋洋一さんの議論もなるほどなと思ってこの文章を拝見したのは、例えば、定型業務は官民ともに労基法適用で、非定型業務については官民ともに適用除外にして、官民格差をなくすべきという提案をされているんですが、どういう整理をするかは別として、整理をしていこうと思えばできるわけですよ。 そういう視点を持たずして民間の方はどんどん導入していくということであっては、これは非常にやはり官民格差ということが、国民の皆さんから見ても、とてもじゃないけれども納得できないということになると思うんですね。 ちなみに、赤石次長、これは確認の意味で聞きますが、今、裁量労働でやっている部分、それが、公務員の皆さんのその賃金体系の中で、当然、みなし残業代の部分も含めた所得、年収ということになるんですが、仮に公務員の皆さんをこの残業代ゼロの対象として議論するとしたら、現状の裁量労働の中のみなし残業代というのは、労働時間と給与は、これは概念がなくなるので、みなし残業代自体がつかなくなるという整理になるんでしょうか。
○赤石政府参考人 国家公務員につきまして、裁量労働制が導入されているのか、あるいは、そこにみなし残業代がついているのかどうかにつきましては、私の方から答弁する立場にはないものの、民間議員の提案は、こういった制度を導入するに当たっては、職務、成果に応じた適正な報酬確保ということが強く強調されておりまして、不利益変更が発生しないように、報酬原資イーブンの制度移行等々、さまざまな提案がなされておりますので、いずれにせよ、この制度を検討するに当たっては、そういったことも含めていろいろと検討がなされていくものと理解しております。
○柚木委員 その上で、先ほど私は官民イコールフッティングということを、高橋洋一さん、元財務官僚ですよね、定型業務と非定型業務でそれぞれイコールフッティングの議論というのをすべきだという、かなり具体的な文章を書かれて提案もされていますが、そういう議論自体はする必要がある、ない、もう一遍、明確にお答えいただけませんか。
○赤石政府参考人 私どもは、日本経済再生事務局の一職員といたしまして、民間有識者から出された提言については幅広く検討していくこととなっておりますが、有識者から出された提案は、働き過ぎ防止の総合対策について公務員の率先垂範ということが書いてございますので、こういったことにつきましては検討をしていくことになるかと思います。
○柚木委員 まあ、何かすごく都合のいい御答弁で、公務員の皆さん、時短はちゃんと議論するけれども残業代ゼロは議論しません、民間の方は残業代ゼロの議論をしっかりしていきますということを言われているわけで、そんなことを言っていたら、これはもう本当に、ちょっと資料の九ページ目に経団連の献金再開の記事もつけておきましたが、民間企業の方には、新経団連会長の榊原会長も、全労働者の一割ぐらいの適用を発言されているわけですよ。 今、三・八パーという話もありましたが、これはどんどん拡大していって、それこそ、一千万円が五百万円になっていくんじゃないかという話がありましたが、そうなっていかないと、榊原会長の言われているような一割になっていかないわけですよ。そういうことも期待しつつ、献金を再開する。 この社説の部分、これは国民の皆さんから見たらどういう見え方になるのか。法人減税、あるいは復興法人税前倒し廃止、他方で国民の皆さんには、いろいろな税金、保険料の負担もふえていく。その上、残業代ゼロ。年金も減っていく、もらえる年齢もどんどん上がっていくかもしれない。こういう見え方になってきているわけですよね。 さっきも、年収要件を引き下げるという話も、別に法律の中に書かずに、法律が通れば翌年以降でどんどん下がっていくということが想定もされる中で、献金が再開される。こういうようなやり方で議論が進んでいくなら、私は、働く皆さんの理解は全く得られない、そういうふうにも思うわけです。 これは、何でこういうタイミングで献金が再開されて、しかも成長戦略の目玉にこれが入って、健康は悪化するかもしれないという逆のエビデンスも出てきていて、田村大臣、本当におかしいと思いませんか、このタイミングでの経団連の献金再開は。
○田村国務大臣 まず、委員から、この適用除外を地方公務員にも導入すべきだ、そういう御意見がありました。 ただ、我々は、何度も言っておりますが、これは成果を評価する、そういうような働き方であります。そういう意味では、かなり職務というものが限定される、範囲が限定されるもので、地方公務員の方がそういうのがあるのかどうなのか、しかも、一千万以上の管理職以外の方々がおられるのかどうなのか。ちょっと、我々は余りそういうようなイメージを持っていないものでありますから、あえて今回のことは地方公務員の方々が対象になるような制度ではないということで、我々、これは議論いたしておりません。 あわせて、この経団連の議論ですが、私は、この榊原さんの話、正直言って、実際聞いていないものでありますから、どんなイメージでおっしゃっておられるのか、よくわかりません。でありますから、これに対してコメントのしようがないわけであります。一方で、政治献金に関しては、それはそれぞれ、そういう議論とは離れて、いろいろな御判断を経団連の中でされるのであろうというふうに思います。 いずれにいたしましても、会長が独自に一人だけおっしゃっても決まる話じゃないと思いますので、経団連の中でいろいろ御議論いただく中において、広範に、政治に対していろいろなアプローチというものは独自の御判断でされるのではないかというふうに思います。
○柚木委員 献金の見え方は、国民の皆さん、もう本当によく見ていると思いますので、やはりそういう目線でお考えいただきたいと思いますし、年収要件が下がっていくということを懸念しつつこの議論をしているわけであって、とりあえず一千万円で安心させておいて、公務員はそんな方はいないでしょうというようなことでこっちへ置いておいて、結果的に、気づいたらもうどんどん民間の人は拡大をしていて、逆に官民格差は残っているということを、私は、これはどっちも導入すべきでないという前提で言っているということですよ。 それで、年金運用の話も前回もちょっと田村大臣とやりとりさせていただきましたが、これは前倒しでいわゆるリスクウエートを高めていくということで、それでよくなればいいですけれども、運用損失が出たら、とりわけ基礎年金部分など、低年金者の方々、影響がより大きくなるという中で、二点伺いたいんです。 一つは、前回も申し上げましたが、例えば、GPIFの運用の損失とかが出たときの基礎年金受給者への損失リスクの回避、やはり何らかのことを考えていただきたいという点。 それからもう一点、この間、公務員共済年金というのは、こういった国内の株式運用等のリスクをとらずに運用ということの議論だったんですが、共済年金も株を買い増せば資金流入が三・六兆から七・六兆に膨らむというような報道も出ているんですが、共済年金も同じように、いわゆる国内株式への運用のウエートをふやすという議論になっていくのかどうなのか。 その二点についてお答えいただけますか。
○田村国務大臣 共済年金に関しましては、これは麻生大臣だったというふうに記憶いたしておりますが、これから基本ポートフォリオの見直しを行えば、そのモデルポートフォリオに倣っていくということをおっしゃっておられますので、どのような買い方をされるか、これはわかりません、わかりませんが、基本的なポートフォリオは合わせていくというような御発言があったというふうに記憶をいたしております。 それからもう一点、何でしたか。(柚木委員「基礎年金部分」と呼ぶ)これは、ちょっと制度設計、どういうふうなイメージをお持ちかわかりませんが、基礎年金は積立金がない、つまり、国民年金の部分は積立金を持たない、完全賦課方式か税方式というのであるならば、委員のおっしゃっておられることは私は理解しますが、積立金を持っている限りは何らかの形で運用せざるを得ないわけでありまして、運用すれば、どのような運用の仕方をしたところで、リスクというものは必ずあるわけであります。 そのリスクを受けない、遮断する、そういう基礎年金というもの自体が積立金を持って運用する限りは、これは絶対避けられないことでございますので、委員がもし税方式もしくは完全賦課方式で基礎年金をやれというふうにおっしゃっておられるとすれば、ちょっと我々はそのような考え方ではないということしか申し上げられないということで御理解いただければありがたいと思います。
○柚木委員 終わりますが、具体的な話はまたさせていただきます。 しかし、きょうの議論でも、ともすれば本当に年金も残業代も官民格差というようなことがどんどん広がっていきかねない、こういうような話でもありまして、せっかく労安衛法の議論をしているのに、むしろ、過労死、過労自殺、メンタルヘルス、こういった面で負の側面が助長されるような残業代ゼロとか、あるいは派遣労働の話もそうですが、何か、一生懸命幾ら目の前で過労死防止法案とか労安衛法とかやっても、それと逆行するような制度がどんどん進んでいくようなことであっては本末転倒だということを申し上げまして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 日本維新の会の重徳和彦です。 労働安全衛生法の改正案の審議に入ります前に、今月初めに愛知県常滑市民病院で起きました、造影剤投与によります小学校一年生、六歳の女の子の死亡について指摘をさせていただきます。 地元紙によりますと、高熱が続いて市民病院に入院していた女児が、六月三日、体内の状況をエックス線で検査するため、腕から造影剤を投与したところ、数分後に気分の悪さを訴え、しばらくして呼吸困難に陥った、医師らが救命措置をしたが、容体は回復せず、間もなく死亡したということが起こりました。 現在、死因を調査中ですし、詳細については、これはいろいろなことがあるかもしれませんので、断定的なことは申し上げることはできませんが、この造影剤投与ということにつきまして、先般の地域医療介護総合確保法案の中で、こうした造影剤投与というのは、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックというものがあるんだということを御指摘申し上げました。 これは、いわゆる診療放射線技師が実施する検査に伴い必要となる造影剤の血管内投与、これが、今までは医師しかできなかったことに対しまして、これからは診療放射線技師が医師の指示のもと行うことができるようになる、業務範囲が追加されるという法改正に伴っての話なんですけれども、この点につきまして、原医政局長は、診療放射線技師には非常に限定的な、造影剤の自動注入器と点滴の回路をつなぐことだけをやってもらうんだとか、そのスイッチを押すというところだけやってもらうんだということで、万一のことが起こったら医師をまず直ちに駆けつけさせるという体制をとること、その間は造影剤をとめるんだとか、あるいは、点滴まで抜いてしまうとその後の処置も大変になるので、そこの部分はつないだままにするんだとか、そういった対応について研修の中でしっかりとやっていくというお話がございました。内容についても専門家と相談をしていくという御答弁も、その法案審議のときにありました。 ここで、私は、こういったアナフィラキシーショックによります、造影剤投与によります死亡というのが、実際、これは記事によりますとですけれども、厚労省によると、二〇〇八年から一二年の五年間で副作用が疑われる死者は八種類の造影剤で計五十五人、死因の大半はアナフィラキシーショックであるという記事の報道内容もあるものですから、この辺の、こういった統計上の事実というものがもし今確認できるのであれば、その点を確認してみたいということと、何よりも、これから放射線技師の方が的確にこういった対応ができるような体制、これに万全を期していただきたいということを申し上げたいと思います。 一言、コメントがあればお願いします。
○原政府参考人 お答えいたします。 常滑の市立病院で起こった事件につきましては、今現在、警察も捜査を開始しているということで、愛知県を通して事実確認を行っているところでございます。必要な対応については、事実関係が判明次第、とっていきたい。 お尋ねの診療放射線技師の今回の業務範囲の拡大につきましては、先般もお答えいたしましたように、万全の体制をとるということが必要である。 従来でいきますと、最終的にそのボタンを押すところだけ医者が呼ばれて、押してください、こういうような形になるわけですが、そこはお願いできないだろうか。ただし、その場合でも、アナフィラキシーショックというのは必ず起こり得る事故でございますので、ですから、それに対する万全の体制をどうとっていくか、そのあたりについては、今現在、専門家を含めて検討を進めているところでございます。
○重徳委員 この法案自体、慎重審議を再三求めてきたものに対しまして、最後はもう強行的な採決が行われたということで、それを行ったのは政府・与党でありますので、その辺を含めて、きちんと責任を持って対応いただきたいということを要望申し上げます。 さて、それでは、労働安全衛生法の改正案に入りますけれども、まず、この法案ですが、今回提出された法案の三年前に、平成二十三年、同じような内容の法案が、当時、民主党政権のもとで提出がされたという経緯がございます。ただ、そのときの法案がそのままの形で今回出されているんじゃなくて、メンタルヘルスの対策、それから受動喫煙防止対策、ここに一部修正を加えた上で今回法案が提出されているということですので、このあたり、確認をしながら質疑をしていきたいと思います。 まず、法案の六十六条で、事業者は、労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならないという定義があるんですけれども、ここの「健康診断」のところに括弧書きで、二十三年の法案には「精神的健康の状況に係るものを除く。」という規定がありました。今回は「第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。」六十六条の十というのは何かというと、心理的な負担の程度を把握するための検査を除くということで、健康診断から除かれるものが違うんですね。前回は精神的健康の状況に係るもの、今回は心理的な負担の程度を把握するための検査を除く。 このあたり、この定義につきまして、この違いは何かということ、特に健康診断というものには、一般的に体の面だけではなくて心の面も総合的に健康診断の中に含まれるのが通常ではないかと思うんですが、その点を含めて、御答弁をお願いします。
○中野政府参考人 前回提出した法案におきましては、御指摘のとおり、健康診断から「精神的健康の状況に係るものを除く。」という条文の規定としておりましたが、これにつきましては、心身の健康を分離しているものとの誤解を生じる表現であったため、今回の法案では、より趣旨を明確にするために、「第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。」という規定に変更したものでございます。
○重徳委員 心身分離という誤解が生じかねないということでありますので、ここは明確化されたとは思います。 それから、実際に、除くとされたいわゆるストレスチェックということなんですけれども、今回、六十六条の十で検査の定義もまた変わっているんですね。横文字で言うといずれもストレスチェックという言い方だと思いますね。二十三年の法案でもストレスチェック、今回もストレスチェックということなんですけれども、前回の二十三年法案では、法律上は、「精神的健康の状況を把握するための検査」というふうに書いてあった。今回の法案は、「心理的な負担の程度を把握するための検査」というふうに書いてあるんですね。 ストレスチェックに対する不安というか懸念のような声は、各厚生労働委員の皆さんのところに非常にいろいろな声が届いていると思いますけれども、特に、前回、精神的健康の状況の把握のための検査という定義、文言自体も随分批判されたと思います。今回は、文言が変わったというのは見ればわかるんですけれども、これは同じ目的、あるいは同じ内容の検査を想定しているんでしょうか。前回の法案とどう違うんでしょうか。
○中野政府参考人 この検査自体につきましては、前回も今回も、いわゆるストレスの程度を把握するための検査ということで、基本的に狙いとしているものについては変更はないわけでございますが、前回の法案における「精神的健康の状況を把握するための検査」という表現につきましては、先ほども申し上げましたように、心身を分離して健康診断を行うのではないかというような懸念、それからまた、精神疾患のスクリーニングを行うのではないかというような懸念なり誤解を生じかねないということで、それを避けるために、今回は、より趣旨を明確にするために、「心理的な負担の程度を把握するための検査」、このように変更したものでございます。
○重徳委員 ちょっと大臣に確認をしたいんです。 今、ストレスチェックということについて、いろいろな懸念の声もあります。科学的な根拠がなお不十分ではないかという指摘もあります。 今回、この法案においてストレスチェックをどう位置づけるかというのは、本当に核心部分だと思うんですね。であるがゆえに、今局長から御答弁がありましたように、誤解を招かないようにということも一つあるとは思うんですが、スクリーニングというのは、ストレスチェックによるスクリーニングをするのではないかという、これも誤解というふうに今御答弁になりましたが、もう少し踏み込んで考えると、メンタルヘルスの体系というのは、一次予防、二次予防、三次予防と分かれているんです。 スクリーニングというのは、メンタルヘルスの不調を訴えているというかメンタルに支障を来してしまった方が、メンタルヘルスという状況にあるのかどうかということのスクリーニングということだと思うんですけれども、これは二次予防の世界だと思うんですよ。メンタルヘルス不調の未然防止というのが、一次予防である。一次と二次というのは、ちょっと段階が違うと思うんですね。 前回の二十三年の法案においては、二次予防を目的とするものではないかという懸念があったという理解があると思うんですけれども、これを今回は、いや、そうじゃないよ、一次予防を目的とするものなんだよというふうに変えたんでしょうか。それとも、前回もあくまで一次予防だったということなんでしょうか。ちょっと誤解という言葉が曖昧なものですから、確認したいと思います。
○田村国務大臣 先ほど委員が言われた二十三年度提出法案、「精神的健康の状況を把握するための検査」、これから、「心理的な負担の程度を把握するための検査」に変わったわけですよね。 多分これは、精神的な健康の状況を把握するとなると、精神疾患も含めたそういうようなものをチェックするためのストレスチェックであるのではないかというふうに誤解を受けるおそれがある。前回も実は、ストレスチェックですから、ストレスがどれぐらいありますかねということをはかるためのチェックであって、それがイコール精神疾患ではないわけであります。でありますから、前から同じ考え方なんですが、ちょっと書きっぷりが誤解を招くようなところがあったので、そこを明確にさせていただきました。 結果的に、ストレスのたまり度合いというものをある程度把握しながら、御本人がみずから申し出あられる場合は面接指導を行って、その結果を含めて、これはどう対応していくかということで、場合によっては、本当に精神疾患のおそれがある方がその中にはおられるかもわかりません。そういう場合には、もちろん受診をしていただく、勧奨ということはあります。 ただ、あくまでもこれは、それをあぶり出すものではなくて、もしストレスがたまっているのならば、それを、どういう理由なのかということも面接指導等々で確かめながら、場合によっては、それを事業環境といいますか労働環境の改善につなげていくというような形で未然に防ぐ。もちろん、二次予防という意味では、結果、早期発見があれば、それに対して早期対応して、二次予防もやっていく。 だから、二次予防、一次予防、これは両方とも重要でございますので、全く我々としては、二次予防自体を今回のことと切り離すという意味ではありません。ただ、あくまでもこれは一次予防という意味で、まずはストレスのチェックをさせていただいて、悪くならない、病になる前と言っていいのか、ちょっと言い方が難しいんですが、その前に未然に防いでいくというようなことを主目的にさせていただいております。 いずれにいたしましても、心の健康指針では、一次予防、二次予防、両方とも重要でございますので、それが相まって、職場環境改善も含めて、労働者の心の健康というものをしっかりと守っていくという部分が重要であろうというふうに考えております。
○重徳委員 大臣は非常に御答弁が上手なものですから、何となく、なるほどなというふうになってしまいがちなんですけれども、やはり言葉一つという感じがするんですね。 つまり、スクリーニングだとか精神疾患を抱えている人をあぶり出す、今大臣の御答弁、あぶり出すというのが言葉自体非常に悪い言葉でありますので、そういうことではないという言い方はわかるんですが、だけれども、結局、一次予防も二次予防も決して分け隔てなくというか、中には精神疾患の方もいらっしゃるかもしれないということは大臣おっしゃるわけです。 ですから、批判されやすい言葉は避けるという意味では、スクリーニングとかあぶり出しということではないと言った方がいいとは思うんですが、だけれども、私はやはり、これは大臣と共通認識だと思いますが、一次予防だけじゃなくて二次予防も当然大事ですから、今回のストレスチェックというのは一次予防のためのものだけではないんだよと言わないと、逆におかしいんじゃないかという考え方もあると思うんですよ。つまり、何か曖昧なんですよね。 前回は、あぶり出しとか精神疾患のスクリーニングじゃないかという批判があった、そこで、明確化するために言い方を変えたというふうにしか捉えられないですけれども、言い方を変えただけで、実際には、だから、二次予防も含まれるわけですよね。非常に言葉を使い分けているように感じるわけなんですよ。 役所の方からいただいている資料なんかを見ますと、いや、今回は、二次予防じゃなくて一次予防だよというふうに見えるんですよ。前回の二十三年法案というのは二次予防だというふうに受けとめられた、これは誤解だ、前回も、二次予防じゃなくて一次予防だったんだよと。だけれども、言葉が二次予防に聞こえちゃうので、一次予防であるということを明確化するために今回の言葉にしたということなのであれば、大臣がおっしゃったように、いや、でも、二次予防も関係ありますからという言い方はおかしなことになりますし、やりとりしているうちに、何かわからなくなっちゃうんですよ。 結局、今回は二次予防なんですか、一次予防なんですか。あぶり出しとかいうネガティブワードを使うといかにも悪いことということになるので、そうじゃなくて、正しく把握するというのがいずれにしても必要なことではあると思うんですよ。だから、ストレスチェックというのは、本当に一次予防のためだけにしか使えないという方が世の中的には変な感じがするんですね。だって、重度な方をストレスチェックで判定できないなんてことはないでしょうし。 だから、余り一次予防だ一次予防だと言っていると、何か逆の誤解が生まれるんじゃないかと思うんですけれども、何かもうちょっとすっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○田村国務大臣 一次予防だけでは当然ないわけで、一次予防から二次予防の方には当然つながっていくわけであります。ただ、二次予防を主の目的にはしておりません。二次予防を主の目的ということにすれば、要するに精神疾患のおそれのある方々だけの対応であります。 そうじゃなくて、そういうような状況をつくらないために、まず一次予防で、ストレスがどれだけたまっているか、その原因は何であるか、その内容によってはそのストレスを取り除く、そういうことを事業主にもお願いしていくわけであります。助言をしていっていただくわけであります。 だから、主な目的は一次予防です。しかし、当然ですが、その結果、悪いということがわかられた方に関して、おそれのある方に関しては、ほっておくわけにはいかないわけでありまして、その方に対してはちゃんと受診勧奨等々もしていくということでございまして、早期発見のもとに早期対応をしていくということでありますから、私が言っているのは、決して二次予防は関係ないということを言っているわけではありません。 そういう流れの中で、ただし、まずは、二次予防が主たる目的じゃなくて、主たる目的は一次予防、その結果、二次予防につながっていけば、それは、働く方々にとっても、健康を守るためには有用なことであろうというふうに考えておるわけであります。
○重徳委員 今の御答弁の方が常識的な感じがします。一方で、やはり一次予防が主目的である、だけれども二次予防もあるよ、つまり、言葉を悪くすれば、スクリーニングというか、そのスクリーニングという言葉もちょっと変な言葉だなとは私も思っていますけれども、だけれども、そういう疾患があるということがストレスチェックによって判明することは当然あり得るわけですよね。その場合には、ぜひ精神科を受診しなさいというような勧奨というんですか、そういうこともあり得るということですから、そこは、何か誤解があったとかなんとかということじゃなくて、やはり今の御答弁の方がすっきりとはすると思います。 その上で、ストレスチェックの具体的な内容とか方法というのが余り示されていないものですから、ここへの懸念もいろいろあるんですよね。ストレスチェックの項目、実際、チェックシートなんというのが出てくると思うんですけれども、これがどういうものになるのかは余りよくわかりません。 ストレスというのも、いいストレスももちろんあると思うんですね。やはり責任ある仕事を与えられれば、やりがいを持ってやる人だっているし、そういうストレスというか困難を乗り越えてやり遂げるからこそ達成感があるんだし、その結果、給料が上がったり昇進したりしたらなおさらやりがいが出てくるということで、これをストレスと言うと言葉が悪いのかもしれませんが、仕事というのはそういうものだという面もあると思います。 ただ、一方で、今回問題になっているのはそういうことじゃないと思います。悪いストレスというのは、パワハラを受けていたり、セクハラを受けていたり、職場内のいじめがあったりとか、あるいは、必要以上に上司からいろいろなことを言われるとか、必要以上のプレッシャーを与えられるとか、その結果、長時間残業に至るとか、いろいろなストレスがあると思うんです。 これは、健全に運用されればもちろん、法の趣旨に沿ったことで、いいと思うんですけれども、あくまで心配しなければならないのは、これが悪用というか、事業者側の余りよからぬことにこのストレスチェック制度が使われてしまうといけない。 少し具体的に言うと、例えば、ストレスに強い人なのか弱い人なのかはわかりますね。どんな指示をしても、すぐばっと気合いを入れて翌朝までには仕事、成果を持ってくるとか、そういう社員さんもいるかもしれませんし、ちょっときついことを言われるとすぐ参ってしまう、そういうこともストレスチェックでわかるかもしれない。同じような負荷を与えているけれどもストレスと感じるかどうかという程度が違うとか、あるいは、普通に上司が指示を出しているつもりでも、それがパワハラだとか、あるいは、場合によってはセクハラだとかいうふうに受けとめられているかどうかだってわかる。 そういうことを上司なり経営者が把握することによって、これはやはり悪い意味での人事に影響するとか、そういう社員の扱いに影響するとか、そういうこともあり得ると思うんですが、その点どのようにお考えでしょうか。
○半田政府参考人 先ほど来御説明申し上げておりますように、ストレスチェック制度は気づきを促すということが基本でございまして、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげるということを目的としております。ですから、正当な理由なく、個人の健康情報が利用されたり、労働者が不利益な取り扱いをされるというようなことはならないと考えてございます。 このため、一つには、情報の保全というような観点からは、労働者にストレスチェックの受診義務は課してございません。それから、受けた場合でありましても、労働者に直接通知されまして、労働者の同意なく事業者に通知されることはないというふうになってございます。それから二つ目に、面接指導の実施は、労働者の申し出を受けて行うということになってございます。三番目に、ストレスチェックや面接指導の実施者、これには守秘義務を課してございます。 こういったことによりまして、労働者の意向に反してメンタルヘルスに関する情報が取り扱われることがないような仕組みとしているところでございます。 それから、その後の不利益な取り扱いの防止ということでございますけれども、例えば、労働者からの申し出に応じた面接指導につきましては、その申し出を理由とした不利益な取り扱いは法律上禁止したいと考えております。それから、面接指導の結果を踏まえた事後措置の適切な方法、あるいは不利益取り扱いと見られる事業者の行為、こういったことに関しましては指針などでお示ししまして、こういった不利益取り扱いがなされないような仕組みとしていきたい。 こういったことに沿って、適切な運用がなされるような周知、啓発、施行後の必要な指導などを行っていくということで考えております。御理解いただきます。
○重徳委員 何か聞いたこと以上に答えていただいたような感じがしますけれども、事前に通告もしておりますので、若干その辺も触れていただいたのかもしれませんが。 まさに今、受診義務を労働者には課していないんだ、あるいは、ストレスチェックを受ける、検査を受けたその内容を同意なく事業者に伝えることがない、こういうことではあるんですが、指針を示すというふうに今部長言われましたけれども、それに沿って正しく運用されれば、それはそれでいいんですけれども、やはり、この条文を見ても、労働者が申し出たときは、事業者は医師による面接指導を行わせなければならないということですね。申し出をしたことを理由として、当該労働者に対し不利益な取り扱いをしてはならないということなんですが、人事なんというのはいかようにもやりようがあると思うんですね。 まして、法文上も、事業者は、医師の意見を聞いた上で、それを勘案して、必要と認めるときは、就業場所の変更、作業の転換などの措置を講ずるというふうにあるわけで、これは本人のためだと言って人事異動をすれば何でもよかれと、決して不利益になることではないんだというふうに説明できてしまうと思いますし、社内の非常に内部的なことまで政府が定める指針をもってきちんとコントロールできるとは何か考えにくいんですね。 それから、ストレスチェックを受けた労働者の同意を得ないで検査結果を事業者に提供しないということなんですが、もともと、ストレスチェック、これは医師、保健師が行うとは書いてありますが、恐らく、全ての事業者が義務づけられるわけですから、それなりの会社が、ストレスチェックシートを提供する会社が出てきて、これからどんどんとやっていただくようなことになると思うんです。ぜひ我が社のチェックシートを使ってくださいと言って事業者に営業して回ることも想定され、そして、その結果、採用されたチェックシート提供事業者が、その会社の経営者にその結果を伝えることなく、いや、これは本人の同意がありませんので、結果は伝えられませんなんということがあるのかなと。まして、同意をしない労働者の検査結果こそ事業者側は知りたいのではないか、まあ、これはちょっと邪推も入りますけれども、そういうような状況じゃないかと思うんですね。 だから、法律では、不利益取り扱いをしてはならないだとか、同意を得ないで検査結果を提供しちゃいけないとかいろいろ書いてありますけれども、そんなことできるんだろうか。罰則もないですよね。この辺、どのようにお考えでしょうか。
○半田政府参考人 同意なく情報が提供されないということは、先ほど申し上げましたとおり、六十六条の十のところで書いておるわけでございますが、もう一つ、メンタルヘルスチェックを行った当事者、関連した者たちに対しましては、その情報を外に出してはいけないという義務が課されてございます。百四条のところで課されてございまして、これには明確な罰則も科してございます。 そのほかの部分に関しまして、法律に書いてあっても守られるかというところになると、なかなか、ちょっと何とお答えしてよいかわかりませんが、やはり法律で義務となった以上は、私どもは、その義務を適正に執行していただくように執行機関として取り組んでいくということになる、そういう覚悟でおります。
○重徳委員 法律で義務と書かれているから守られるというのは、為政者側の期待の域を出ないような感もあります。もちろん、法律を遵守する義務というのは一般的に国民側にもありますので、それは守らなきゃいけないことではあるんですが。 ちょっと関係ない話ですけれども、国民年金だって義務なんですよね。保険料を払うのは義務なんだけれども、六割しか納めていないわけですし、そういう意味では、法律上の義務が守られないということは幾らでもあるわけで、そこに事業者の意思、意図がかかわれば、やはりそれはなかなか守られることではないのではないか、こういう感じもいたします。 これは、実際やってみなきゃわからないということもありますけれども、いろいろな懸念があるということはぜひ理解いただきながら運用していただかなきゃならないと思っております。 次に、そのストレスチェックの内容とか方法、これも法律上は明らかではありません。職場のメンタルヘルス対策というのは本当に職場によって千差万別で、これをきちんとうまくやっているところなんかは、やはり熱意のある産業医さんがいたり、保健師さんがいたりするわけなんですけれども、今回、産業医の位置づけというのは非常に不十分じゃないかなと思うんですね。 労働安全衛生法十三条、それから、それに基づく施行規則には、産業医のやらなきゃいけないこと、職務というのがきちんと明記されているわけで、その中に、健康診断、面接指導等の実施、労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理などなど、書かれているわけです。 必要があると認めるときは、産業医は、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができるとか、少なくとも毎月一回作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないとか、産業医さんにはいろいろな役割がこれまでも位置づけられているにもかかわらず、しかも、これは五十人以上の事業所であれば産業医を設けなければならないわけですから、今回のストレスチェックと同じ定義ですよね。 そういう意味では、産業医さんというのがいるにもかかわらず、ストレスチェックというものは外部の医師、保健師等に委ねる。それから、面接の申し出をするかどうかは、まずは労働者本人の判断に委ねられていて、その申し出があって面接の実施依頼を事業者が、つまり経営者側がするにしても、その依頼先というのは必ずしも産業医じゃなくてもいいというか、ちゃんと決められていないということでありまして、これは、産業医の本来あるべき姿と何かちょっと全然別個になっちゃっているように見えるんですが、このあたり、何で産業医がこんなに外されちゃっているんでしょうか。
○田村国務大臣 これは、ストレスチェック自体は、おっしゃられるとおり、産業医でなくてもやれるわけでありますし、部外の保健師等でもやれるわけであります。あわせて、面接指導に関しましても、産業医にかかわらず、部外の医師もやれるわけであります。 ただ、委員がおっしゃられますとおり、これは、やはり労働者の健康を継続的にしっかりとチェックしていくという意味も含めて、また、労働者が行っている業務でありますとか、実際、今の健康状況でありますとか、こういうことも含めて把握をされているのは、産業医の方がそれは把握をされているわけでございます。 でありますから、法施行をされれば、我々も指針の中で、できますけれども、産業医という方がふさわしいというような形でこれは示してまいりたい、このように考えております。
○重徳委員 大臣から、産業医がふさわしい、望ましいということを示されるということですので、それはそれでいいんですけれども、それだったら、何で法律上はこんな位置づけになったのか、ちょっとよくわからないんですけれども。 さっきから私も当てずっぽうで言っている部分もありますので、ストレスチェックシートを会社が一生懸命売り込むんじゃないかとか、私も推測で言っている部分もありますけれども、やはり、やってみなきゃわかりませんとか、あるいは、法律が成立してから考えますみたいな、そういう答弁というのはいかがなものかと私は思います。何のために国会で議論しているのかもよくわかりません。 そういう意味で、今聞いてよかったと思いますけれども、何か聞かなきゃわからないという、そういう感じで非常に不親切な感を受けます。(田村国務大臣「理由を言います」と呼ぶ)何か補足、追加で、大臣、お願いします。
○田村国務大臣 先ほど言いましたように、望ましいわけであります。 ただ、これは、どういう実施体制で行うかということもございますし、なかなか産業医の方々も数が限られているわけでありまして、これは五十人を超えた全事業所がやるということになった場合に、産業医がどれだけ確保できるかということも含めて、やはりいろいろとそういう点も不安もありますので、限らないというふうになっておるわけでありますが、しっかり手当てしていただける限りは産業医が望ましいということで、我々の指針でお示しをさせていただきたいというふうに思っております。
○重徳委員 ストレスチェックの内容、方法に少し移りたいと思うんですが、さっきから申し上げているような産業医とか保健師などのいろいろな取り組みによりまして、これまでも職場のメンタルヘルス対策というのが行われてきたと思うんですが、そういう意味で千差万別の取り組みがある中で、これからストレスチェックの内容とか方法については、全国一律とか、全事業所一律とか、そういう標準モデルを出してやっていくということになるのでしょうか。 平成二十三年の法案の段階では、ストレスチェックは九項目の問診票で行われるというような議論があったようなんですが、それも、エビデンス、妥当性や有効性というのは未確認のままじゃないかという指摘も出ています。 ストレスチェックの内容、方法について、具体的にどのようにお考えなんでしょうか。
○半田政府参考人 ただいま委員の御指摘のございました九項目、実は、そのもとになりますのが、平成九年からだったか、ちょっと正確に覚えてございませんが、十一年ぐらいまでにかけまして、私ども、研究を行ってございます。その結果を踏まえまして、十二年度に五十七項目のチェックリストというのを出してございます。実は、このチェックリストは、統計的手法も駆使してやってございますので、それなりに信頼性があるもので、その中で、一応効果があるということが専門家にも認められているものでございます。 これをベースにいたしまして、先ほど御指摘のありました九項目のチェックリストをつくっておるものでございますが、これにつきましては、この九項目ではやはりちょっと足りないという御意見もあったり、十分だという御意見もあったりしています。さらに加えますと、いろいろな企業現場では既にこういうストレスチェックを導入されておられる事業場もいらっしゃいます。 そういったところの配慮もしなくちゃいけないということでございまして、そのあたりを勘案しながら、いま一度、私どもとして標準的な検討項目というのはお示ししていきたいとも考えております。その項目を定めるに当たりましては、検討会を設置いたしまして御議論をいただきます。 この検査対象の領域でございますね。今、大きく四つぐらいあると思うんです。仕事の状況、それから御本人のストレス状況というか、元気であるとか眠れないとか、そういったことですね、御本人の状況、それから周囲の支援の状況、それから仕事に対する満足度、主にこの四つの領域を今のところ考えてございますが、こういった領域、これでいいのかとか、そういったことは審議会などの御意見も聞いた上で省令で定めたいと考えてございます。 さらに、指針などによりまして、この標準的な項目、運用方法をお示ししていきたいと考えているところでございます。
○重徳委員 毎回こういう印象を受けるんですが、何か、法律ができてから検討会を設置して、それから考えますという。だけれども、義務づけることだけは先に決まっているわけですから、何を義務づけられるんだろうかというのは、本当に事業所は、戦々恐々というか、よくわからない状況なのではないかと思いますね。 ですから、今までその研究をされてきた内容ももちろんあるというのはわかりますが、それはどういうものなのか、ストレスチェックというのは一体どういう内容や方法でやっていくのか、これを今後検討会を設置して検討して、省令で定めますと。省令を定めること自体は、当然、法律制定後なんですけれども、何か毎回こういうやりとりが多くて、非常に内容不十分、消化不良な感じで審議が進んでいくのが非常に歯がゆく感じます。 最後に大臣にお尋ねしたいんですが、先般、この厚生労働委員会で五月二十三日に可決され、衆議院本会議でも二十七日に全会一致で可決されました過労死等防止対策推進法があります。 ストレスチェックの導入というのが過労死防止にどのように資するのか、この点につきまして、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○田村国務大臣 先ほど来ずっとお話がありますとおり、今回の制度は、ストレスというものに対して気づいていただいて、未然にそれを防いでいく、また職場環境も含めて、いろいろな対応をしていくというようなことであります。でありますから、メンタルヘルスというものの悪化を一定程度防いでいくわけであります。 あわせて、それだけじゃなくて、やはりストレスというものは、例えば虚血性の心疾患でありますとか、また脳疾患、脳血管疾患等々、こういうものに影響が出てくるわけでありまして、そういう意味では、そういうものもあわせて、ストレスに気づくことによって、一定程度これは防いでいける、予防できていけるという部分もあるわけであります。 正直申し上げて、これをしっかりと進めることによって、今言われた過労死というものを防いでいくことにも資していければ、我々としても、この法案の意味というものがあるのではないか、このように考えております。
○重徳委員 ちょっとまだ不明な点もありますので、今後、参考人質疑等を通じてしっかりと深めていきたいと思います。 本日はありがとうございました。
○後藤委員長 次に、上野ひろし君。
○上野委員 上野ひろしです。よろしくお願いいたします。 労働安全衛生法の改正法案について質問をさせていただきます。 今、同僚の重徳委員の方から、ストレスチェックの部分について質疑をさせていただきました。私の方からは、参議院の厚生労働委員会での議論も踏まえまして、歯科口腔保健の推進について、また、受動喫煙の防止についてお伺いをさせていただきます。 まず、歯の健康の部分であります。 議論の前提といたしまして、これまで政府において歯科口腔保健の推進についてどのような取り組みをしてきたのか、御説明をお願いいたします。
○原政府参考人 お答え申し上げます。 歯と口腔の健康を保つことは、国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしていると考えております。 平成二十三年八月に公布、施行されました歯科口腔保健の推進に関する法律において、歯科口腔保健に関する知識の普及啓発等の施策の総合的な実施のための方針、目標、計画を示すこととされております歯科口腔保健の推進に関する基本的事項、これが平成二十四年七月に策定されたところでございます。 また、厚生労働省としましては、歯科口腔保健を推進するため、八〇二〇運動推進特別事業や口腔保健推進事業を実施してきているところでございます。
○上野委員 ありがとうございます。 歯と口腔の健康が、国民が健康で質の高い生活を営んでいく上で基礎的かつ重要な役割を果たしているという話であります。これは、国民的にも、社会でも共有されているということであると思います。 それを踏まえて、今現在、どういう状況にあるのか、どういう目標を立てて、達成率がどうなっているのか。例えば、歯科健診の受診率がどうなのか、年代別にどうなのか。そういったことについて、現状の御説明をお願いいたします。
○原政府参考人 先ほどお答えいたしました歯科口腔保健の推進に関する基本的事項、ここで幾つか目標が書かれております。その中では、過去一年間に歯科健診を受診した人の割合を増加することとか、八十歳で二十本以上の自分の歯を有する人の割合をふやすこと、また、四十歳代における進行した歯周炎を有する人の割合の減少などを定めているところでございます。 このうち、お尋ねの健診受診者の割合につきましては、平成三十四年度の目標として六五%以上という目標値を設定しておりますが、平成二十四年現在では四七・八%となっているところでございます。
○上野委員 ありがとうございます。 歯科口腔保健の推進に関する法律もできました。その中で、定期的に歯科健診を受けることを勧奨していくという規定もございます。また、まさに同じ法律の中に、労働衛生施策と有機的な連携を図りつつ、関係者の協力をしっかり得ていく、要は、歯科健診の受診率を高めていくために、労働衛生施策の中にもそういったことを規定していくべきなんだというのがまさに法律の趣旨ではないかなと思います。 その上で、今回の法律でありますけれども、労働安全衛生法、この中で規定をされている定期の健康診断の中に、歯科健診、これをしっかり位置づけていくことが、これまでの政府の取り組み、それから国会での議論を踏まえても適切ではないかと思うんですけれども、その点について見解をお伺いいたします。
○佐藤副大臣 上野委員の質問にお答えいたします。 労働安全衛生法においては、今のところ、業務による疾患を予防する観点から一般健康診断の実施を事業者に義務づけているわけですが、その中で、歯科健診については、業務と密接な関連がある、例えば塩酸、硝酸を扱う業務については歯科の健診を義務づけているところなんですけれども、一般の労働者につきましては、業務と歯科疾患の関連性が明らかとなっていないことから、実施を義務づけていないところでございます。 しかし、厚生労働省としても、今るる御質問いただいておりますが、歯科口腔保健は労働者の健康保持推進の観点から重要である、そのように認識しておりまして、保健指導において口腔保健等の健康的な生活への指導及び教育を行うよう周知啓発等を行っているところでございます。 今後、業務と歯科疾患の関連についての知見の収集に努め、収集した知見をもとに、労使関係者の理解も得ながら、職域における歯科保健対策について具体的に検討を行ってまいりたいと考えております。
○上野委員 ありがとうございます。 副大臣の方から、業務と歯科疾患との関連性についてしっかり知見を集めていく、検証していく、その上で、定期の健康診断に歯科健診を位置づけるということについて検討いただけるという話がありました。 今、大臣の方からも手を挙げていただいておりました。大臣にも改めてお伺いをしたいと思います。 しっかり、厚生労働省として、歯科疾患と業務との関連について検証していただきたい、これを改めてお願いするとともに、そもそも、労働安全衛生法の健康診断、これはどういう位置づけなのか。今、業務と密接な関連があることについて健診をするんだという話もありましたけれども、恐らくそれだけではないんじゃないかなと思います。 法律に基づいて、省令で定めるところにより健診をするということになっております。省令で、何をチェックするのかというのを個別に規定されているわけでありますけれども、例えば、それを見ると、腹囲、おなか回りの検査というのが入っております。これはまさに、いわゆるメタボ健診にもあるように、生活習慣病をチェックする、早期発見をするという趣旨から健診をされているということなんだと思います。 例えば、業務が原因で腹囲がどうなる、生活習慣病がどうなるという話でも恐らくなくて、まさに、職場で働いている方々、労働者の方々の健康管理をしっかりとしていくというような趣旨も、この労働安全衛生法の健康診断に含まれているんじゃないかなというふうに思います。 そういった観点からも、歯の健康というのが重要であるという認識を政府の方でもお持ちいただいているとすれば、まさにこの労働安全衛生法の中に、働く方々の健康管理をするという観点から歯科健診を位置づけていくことも、先ほどの知見の収集ということとあわせて御検討いただくべきではないかなと思うんですけれども、大臣の見解をお伺いいたします。
○田村国務大臣 歯科口腔保健推進法、制定に当たって、私もこの中に加わってやってきた法律であります。汗をかかせていただきました、野党ではあったと思いますけれども。与党だったかな、与党でしたね。 法律の中に、国そして地方公共団体は歯科健診を勧奨していかなきゃならないということが明記されております。そういう意味では、歯科健診というのは大変重要性があるわけでありますし、そのような意味からいたしますと、これからも我々はしっかりと歯科健診の重要性というもの、これを国民の皆様方にお伝えもしていかなきゃならないと思っています。 労働安全衛生法における健康診断、一般健康診断、まあ特殊健康診断というものは、今も副大臣から話がありましたとおり、直接の関連性が深いであろうということで健診の内容の中に入れているわけなんですが、一般の健康診断に関しては、やはり、歯科疾患と仕事、業務との関連性というものがなかなか明確でないということで、今まで入ってこなかったわけであります。 これから、知見を収集して、その収集された知見をいろいろと分析していくのであります。ただし、これは労働安全衛生でありますから、国がというよりかは、やはりここは労使間で一定の御理解をいただかなければならぬわけでございまして、そこで一定の御理解をいただく中において、職域において必要な対策というものに関しては対応していくということになってこようと考えております。 なかなかずばっとは言えないわけでありますけれども、そのような今プロセスの中でこれから議論がされるのであろう、このように認識をいたしております。
○上野委員 ありがとうございました。 大臣の方からは、しっかり、前向きに取り組んでいただけるという趣旨の御答弁かというふうに思います。 繰り返しでありますけれども、しっかり歯科疾患と業務との関連性は知見を収集していただく、それから、先ほど申し上げた法律の中にも、関係者の理解を得ていくという規定がもう既に入っておりますので、まさに労使の関係という中でもぜひそれは積極的にやっていただきたいと思います。 また、これは改めて、繰り返しでありますけれども、労働安全衛生法の中の健康診断の趣旨というのは、働く方々の健康管理をしっかりしていくという趣旨も間違いなく含まれていると思いますので、そういった観点からもぜひ御検討いただければというふうに思います。 歯科関係を厚生労働省にもう一問だけお伺いしたいと思います。これも参議院厚生労働委員会でも議論があったかと思います。 まさに歯の健康の重要性ということに鑑みれば、今、労働安全衛生法の中には、産業医というのを一定の事業所には置くことが規定をされているわけであります。同様に、既に一万五千人という数字もありましたけれども、産業歯科医というものを、これも一定の条件をかけるということではあると思いますけれども、事業所に配置をして、その上で、働く方々の歯の健康についてしっかり管理をしていく、しっかりチェックをして健康を保持していくということが重要なのではないかなと思いますけれども、この点について、どう取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。
○中野政府参考人 労働安全衛生法上、事業者には、健康診断の実施等の労働者の健康管理を行うことが義務づけられておりまして、これを効果的に実施するために、一定規模以上の事業場において産業医の選任を義務づけて、当該産業医に健康管理全般を行わせなければならないとしているところでございます。 一方、歯科疾患につきましては、先ほど来、大臣、副大臣からお答えいたしているところでございますが、塩酸等の有害物を取り扱う業務に従事する労働者については、歯科医師による健康診断を義務づけておりますものの、それ以外につきましては、業務と歯科疾患の関連性が明らかになっていないため、歯科に関する健康管理を事業者に義務づけておりません。産業歯科医の話になりますと、こことの関連が問題になります。 したがいまして、厚労省といたしましては、先ほど来、これも大臣、副大臣からお答えいたしているとおりでございますが、業務と歯科疾患の関連についての知見の収集に努めまして、収集した知見をもとに労使関係者の理解を得つつ、職域における歯科保健対策について具体的に検討を行ってまいりたいと考えております。
○上野委員 ぜひ先ほどの歯科健診、また、あわせて今の産業歯科医の件についても御検討いただきたいというふうに思います。 本日は、文部科学省の方からも審議官にいらっしゃっていただいております。 働く人の健康の保持増進ということについて、これは一般的には労働安全衛生法で規定をされているということだと思うんですけれども、学校の職員については、労働安全衛生法の並びで学校保健安全法において規定をされているということであります。 まさに、これまでも議論してまいりました、働く方々の歯の健康をしっかり守っていく、それから、政府でも目標を定めている歯科健診受診率の向上ということに鑑みても、この学校保健安全法、こちらについても歯科健診というのをしっかり位置づけていくべきではないかなというふうに思います。 歯科健診の受診率、先ほど全体の数字はありましたけれども、なかなか目標には届いていない。また、個別に年代別の数字を見ると、特に二十代で歯科健診の受診率が低いということであります。こういったことに鑑みても、学校という場でしっかり歯科健診をやっていくということは大変大事なんじゃないかなと思います。学校保健安全法の中に、学校職員それから学生についてしっかり歯科健診を行うというふうに位置づけるべきではないかと思います。 特に学生については、今回は働く方々の健康ということでありますけれども、学校保健安全法の規定を見ますと、学生は基本的に歯科健診をすることと法律では規定をされているわけでありますけれども、わざわざ省令で、大学生は除くことができるというふうに規定をされています。 特に二十代の歯科健診受診率を上げていかなければいけないところで健診から漏れていく。また、同じ学校というくくりでいいますと、学校職員の方々も、定期の健康診断はあるけれども、歯科健診は受けることとされていない。この点についてぜひ見直しを行っていくべきではないかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○永山政府参考人 学校保健安全法、それから同法施行規則におきまして、まず、学校の職員の健康診断の検査項目でございますけれども、御指摘のとおり、基本的には労働安全衛生法における検査項目を踏まえて規定がございまして、その取り扱いにつきましては、まずは労働安全衛生法体系の中での扱いを今後参考とさせていただきたいというふうに思ってございます。 それから、大学生に対する歯科健診でございますけれども、大学生であれば、高校生以下と違いまして、通常、主体的にみずからの健康状態について十分把握をして対処するということを期待されておるということもございまして、現在の省令では、御指摘のとおり、歯科健診等は省略することができるというふうになってございます。 すなわち、大学が歯科健診をやるかどうかについての判断をするということでございますけれども、もちろん、学生の健康の保持増進という観点からは、歯とか口腔の健康は非常に重要でございますので、私ども、今後、関係者の御意見も伺いながら、本件について対応を考えてまいりたいというふうに思ってございます。
○上野委員 ありがとうございました。 こちらも前向きな御答弁をいただいたというふうに思います。 まず、学校職員の方々につきましては、まさに田村大臣の方から、労働安全衛生法の方でしっかり検討していくという話をいただきました。それも踏まえて、学校保健安全法の中でも、ぜひ前向きに、しっかり職員の方々の健診を位置づけるという方向で御議論いただければと思います。 さらに、大学生の歯科健診であります。 自主的にという話もありましたけれども、まさに二十代の受診率が低い。それまで、幼稚園から高校までは歯科健診がしっかり定期の健診の中に位置づけられているわけでありますけれども、なぜか省令の中で大学生は除くことができるというふうにされています。そういったことも含めて、恐らく二十代の歯科健診の受診率が低いという結果にもつながっているんだと思いますけれども、まさに、関係者の意見も聞きながら、今後検討していただけるということでありました。ぜひ、しっかり現状も把握をいただきながら、前向きに取り組んでいただければというふうに思います。 もう一問、文部科学省の方にお伺いをいたします。 先ほど、産業歯科医についてお話をさせていただきました。同様に、学校につきましては学校歯科医という制度がございます。産業医と同じように学校医もありますけれども、学校医は、これも学校保健安全法において、幼稚園から大学まですべからく選任をすることとされておりますけれども、学校歯科医につきましては、これも大学ではあえて除かれております。法律の条文を見ると、学校には、学校医を置くものとする、大学以外の学校には、学校歯科医を置くものとするとされております。 まさに今これまで議論もしてまいりました、大学で働く方々、大学職員の方々の健康をしっかり守っていく、また、大学生の歯の健康を守っていく、ひいては、大学生の歯に伴う全ての体の健康、健康な生活を守っていくという観点からも、大学においても学校歯科医の選任をするべきではないかと思いますけれども、この点について見解をお伺いいたします。
○永山政府参考人 大学における学校歯科医でございますけれども、やはり、先ほど申し上げたとおり、大学生の発達段階ですとか、あるいは歯科健診の義務づけ等の絡みもあるかもわかりませんけれども、現在、御指摘のとおり、必置ということにはなっていないということでございます。 本件につきましても、やはり、歯の健康の重要性ということもございますので、関係者の御意見を十分聞いてまいりたいというふうに思っております。
○上野委員 ありがとうございます。 先ほどの歯科健診とあわせて、ぜひ、よく現場の状況も見て、関係者の方々の御意見も聞いていただいた上で、必要な見直しを行っていただきたいというふうに思います。 歯の健康については以上であります。 続いて、たばこについて、受動喫煙の防止という点について何点かお伺いをしていきたいと思います。 まず、たばこについては、さまざまな議論があります。健康面でどういう影響があるのか、また、例えば財政面でどういう影響があるのか。たばこを吸う方について言うと、税を払っているわけでありますけれども、では、一方で、仮に健康に悪影響があるということであれば、医療費の増大にもつながってくるということであります。 厚生労働省として、たばこについてどう評価をしているのか。健康面、財政面はどう評価されているのか。議論の前提として、まずお伺いをしたいと思います。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。 喫煙は、御承知のように、がんや循環器疾患などさまざまな疾病の原因となるということが、科学的にも証明されているようでございます。 御質問にありましたが、喫煙の健康影響といいますと、能動喫煙、つまり、自分自身が吸うということによって約十三万人ぐらいが年間に死亡されているのではないかと推計されております。御質問にありました受動喫煙、近くにいる人が吸うということによってお亡くなりになる方が、同じように約六千八百人ぐらいいるんじゃないかというふうに推計されております。 また、経済に与える影響についてですが、医療経済研究機構というところが研究をしておりまして、それによりますと、医療費への影響などさまざまなものを包含しまして、年間で少なくとも四兆三千億円程度の経済損失があるということで推計をしていただいております。
○上野委員 ありがとうございます。 その上で、では今度は、政府として今、喫煙率についてどう把握をしているのか。また、たばこに悪影響があるということであれば、では、喫煙率の目標をどう設定しているのか。受動喫煙についても、低減ということだと思いますけれども、どのような目標を設定しているのか。また、その達成度合いが現状どうなっているのか、お伺いいたします。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。 喫煙と受動喫煙の現状でございますけれども、まず、平成二十四年の現状をお話ししますと、まず一つ目の成人の喫煙率は二一%、五人に一人ぐらいということでしょうか。それから、受動喫煙ですけれども、行政機関で七%、医療機関で六%、家庭で九%、飲食店で四五%という状況です。 一方、目標のお話でございましたけれども、平成二十五年度から、十年間にわたる計画ですけれども、第二次健康日本21を掲げておりまして、この中で、平成三十四年までの十年間の目標というものを掲げております。先ほど成人の喫煙率を申しましたが、二一%に対しまして、目標は一二%にまで下げるということ。それから、受動喫煙については、ちょっと数字が羅列になりますけれども、行政機関や医療機関では〇%、つまり、ないようにと。それから、家庭で三%、飲食店で一五%ということとしております。そういう意味では、まだ多少差があるということであります。 一方、議論になっております職場でございますけれども、平成二十四年において受動喫煙防止対策を行っている職場の割合が六一%ということでございまして、これについても、受動喫煙のない職場の実現ということを平成三十二年までの目標として掲げております。 いずれにしましても、それぞれの目標とやや乖離している部分もありますが、達成に向けて引き続き対策を進めていきたいと考えております。
○上野委員 この委員会、また参議院の方でも受動喫煙の防止についてはさまざま議論がありまして、恐らく、まだまだ達成度合いは、目標からすると厳しいところにあるということだと思います。 まさに、今回、この法律の中で受動喫煙の防止のための措置をとるということであります。ただし、もともとこれは義務化をするという話で、そういう法律の規定だったものが努力義務になるということで、ある意味では、非常に緩和をされた形になっております。 受動喫煙の防止というのは、もちろん、非喫煙者の方々の健康のためにも大事であるわけでありますけれども、たばこを吸う方々が吸える環境をつくっていくという、まさにすみ分けという意味からも本当に大事なんじゃないかなというふうに思います。 そういった意味で、なぜ、今回、この法律において受動喫煙の防止を義務化しなかったのか、これはさまざま議論がありましたけれども、改めてお伺いをいたします。
○半田政府参考人 御指摘のとおり、前回、二十三年の臨時国会に提出した法案では、原則として、全面禁煙または空間分煙を義務づける内容となってございましたが、御案内のとおり、二十四年の衆議院解散に伴いまして廃案となってございます。 その後、私どもの方では、この安全衛生対策につきまして、労働政策審議会で労使を交えた御議論をお願いいたしました。その中では、受動喫煙対策は、義務化というのを進めるよりも、努力義務とした上で、助成金などによる援助によって、対策がおくれている事業者などに対する支援をしていく方が適当であるというような御意見であったものでございます。 また、健康状況調査というのを私どもはやってございますが、これを見ますと、事業場における受動喫煙防止対策の取り組みにおける問題点といたしまして、受動喫煙に対する喫煙者の理解が得られない、それから、顧客に喫煙をやめさせるのが困難だ、こういったことが挙げられてございます。こういったことを見ますと、やはり受動喫煙防止対策の必要性についてはさらなる周知啓発というものが必要なのではないかと考えてございます。 このような状況を踏まえまして、今回の提出法案におきましては、努力義務とした上で、国による援助を定めているものでございます。 厚生労働省といたしましては、まず、この受動喫煙防止対策の必要性の周知啓発、こういったことをしっかりやっていきまして、さらに事業者の受動喫煙防止対策の自主的な取り組みを促していくように取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
○上野委員 ありがとうございます。 義務化をせずに、受動喫煙防止のためのさまざまな対策、例えば、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進に援助をしていくという方が効果的であるという話もございました。 けれども、やはり今の受動喫煙に対する対策の進捗の状況、達成の状況を踏まえると、今後、努力義務を課すという措置で受動喫煙対策が本当に進んでいくのかどうか、私自身は若干疑問があるわけであります。 その上で、参議院の厚生労働委員会の議論を見ておりますと、内閣法制局の見解として、先ほど、義務化と受動喫煙防止のためのいろいろな支援施策は併存をしないという話もありましたけれども、それは、法制度上、どちらか一方に限られるわけではない、併存可能である、要は政策判断であるということでありました。 であれば、やはり、今お話があった、支援策をしっかり講じていくことでむしろ受動喫煙対策が進んでいくということが義務化をしない理由だというふうに御答弁をされるのであれば、恐らくそれは違うんじゃないかなというふうに思います。まさに政策判断ということでありまして、法律上、しっかりとそこは義務化をすることができるはずなのに、今回、しないというまさに政策判断をしたということであると思います。 その上で、義務化をすべきじゃないかということを改めて申し上げるとともに、それであれば、では、しっかりその受動喫煙対策、さまざまな支援策、普及啓発から予算面での措置というのも講じられているということであります。一方で、事前にいろいろ話を聞いていると、そういった施策も、予算を立てたけれども、なかなか周知し切れていない、使い切れていないという状況もあります。これでは、義務化もしないし、そういった支援策もなかなか使い切れていない、本当に中途半端な状況、不十分な状況が続いていくだけで、恐らく、このままでは受動喫煙対策というのは、結果、ずるずるいって、なかなか進んでいかないんじゃないかなというふうに思います。 そもそも、法律上は義務化をすべきじゃないか。そしてまた、支援策、法律上の義務以外のさまざまな施策をやっていくというのであれば、これもしっかり、それが使われるように、また予算面でも充実をしていかないと、結局、いつまでたっても受動喫煙というのは減っていかないんじゃないかなと思います。 この点について、今後しっかり取り組んでいただきたいというふうに思うわけでありますけれども、御見解をお伺いいたします。
○田村国務大臣 安全衛生法上、事業者に課す義務というもの、この義務を実行するためにみずからが責任と負担を負うというふうになっているんですね、たてつけが。ですから、安衛法上義務としているものに対して、助成というものはないわけであります。ですから、今回も、そのようなたてつけ上、そのような形の中において、今般のような形にさせていただきました。 こういうような助成制度が必要だというのは、先ほど来お話がありました、労働政策審議会の御議論の中でそういうお声があったことも事実であります。 平成二十三年度から、この助成制度自体、例の喫煙室等々を設置する場合でありますけれども、こういうものを始めたりでありますとか、また相談対応でありますとか、さらには、感知器といいますか、検査器といいますか、濃度をはかるもの、こういうものの貸し付けなんかも始めておるわけでありますけれども、二十五年度に、助成率を四分の一から二分の一に大幅に引き上げました。あわせて、それまでは宿泊業だとか飲食業に限っていたものも、これも外して、広げたということでございまして、そういう意味では、かなり広範に御利用いただけるようになってきております。 もちろん、予算は、今まで使われていないものでありますから、予算自体はそれほど大きくないじゃないかというふうにお叱りもいただきましたが、これは我々、これから周知、広報、それからまた、そういうような意味では、これを広めるためのいろいろな講習会みたいなものをやっていかなきゃならないなというふうに思っております。そういう中において、実績をしっかりと伸ばす中において、予算もしっかり我々要望をしてまいりたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、努力義務ではありますが、しかし、これは、我々も目標を持っておるわけでございまして、進めていかなければならないことは間違いないわけでございますから、労働者の健康のためにも、受動喫煙というものに対してしっかり対応できるよう、これからも我々、対応をしっかり頑張ってまいりたい、このように考えております。
○上野委員 ありがとうございます。 恐らく、労働安全衛生法上は、義務と助成、支援策が併存している例はないということだと思います。 繰り返しですけれども、法制的には、それは必ずしも認められないというわけではないというふうに思いますし、厚生労働省のほかの施策の中でも、義務づけをして、かつインセンティブを与えているというような施策も、これはなくはないんだと思います。 ぜひ、そういったことも含めて、また、その支援策のところ、今、予算の拡充も含めて、大臣から、検討いただける、しっかり取り組んでいくという話もいただきました。受動喫煙の防止対策について、しっかり政府として引き続きやっていただきたいというふうに思います。 最後に、たばこについてもう一点お伺いをいたします。 まさに今、喫煙率をどうしていくのか、また、受動喫煙の防止という話もさせていただきましたけれども、喫煙者、たばこを吸っている方々の中でも、たばこをやめたいと思っている方々が随分たくさんいらっしゃる。その方々がたばこをやめられるようにするのが、まさに一番速やかなといいますか、円滑に進めていける喫煙率また受動喫煙対策ではないかなと思います。 そういった意味では、今回、労働安全衛生法の審議でありますけれども、例えば、職場で禁煙カウンセリングの充実をしていったり、医療機関との連携協力をしていったり、または禁煙外来というのもありますけれども、例えば医療費の問題、また投薬等々も含めて、予算面も含めて、たばこをやめたい方がやめられるように、しっかり政府としてその環境を整えていく、これが大変大事なことなんじゃないかなというふうに思います。 この点について、現状の取り組みと、今後しっかりやっていただきたいという思いで、今後の対応をお伺いいたします。
○佐藤副大臣 先ほど、上野委員が御質問で明らかにされましたように、平成二十四年で成人の喫煙率が二一%なのを、平成二十五年に開始しました第二次健康日本21では、平成三十四年までに一二%に下げよう、そういう目標を達成しようということを考えましたときに、まさに今御指摘いただいたように、たばこをやめたい人がやめることができる体制を整えるということは非常に大事でありまして、そのためにも禁煙サポートの充実を図ることが重要である、そのように考えております。 この禁煙サポートの充実の具体策として、三つ、今具体的に取り組んでおります。 一つは、禁煙治療ですね。平成十八年度の診療報酬の改定から、医療機関における禁煙治療について、ニコチン依存症管理料として保険適用しているということが一つ目でございます。 二つ目には、禁煙支援でございます。それは、平成二十五年四月に、保健指導等の現場で活用できる禁煙支援マニュアル第二版を策定するということとともに、今、まだまだ数は少ないんですが、平成二十五年四月から、がん診療連携拠点病院において、無料で、電話相談による禁煙支援を行うたばこクイットラインを開始したところでございます。これが二つ目です。 三点目には、職場における対策として、職場については、事業場における労働者の健康保持増進のための指針、ガイドラインにおいて、産業保健指導担当者が、健康測定の結果等に基づいて、禁煙等に係る健康的な生活への指導及び教育を行うことが望ましい旨を指導しております。 以上のような具体的な取り組みにさらにしっかりと力を入れて、禁煙サポートの充実を図ってまいりたいと考えております。
○上野委員 ありがとうございました。 ぜひ、きょうの質疑、歯科対策、そして受動喫煙対策、政府の方でもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○後藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○後藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中島克仁君。
○中島委員 みんなの党の中島克仁です。 午後一番ということで、ちょっと眠い時間かもしれませんが、私にもお時間をいただきたいと思います。 本日は、労働安全衛生法の一部を改正する法律案ということでございまして、午前中から質問がございます。私もたくさん通告はしてあるんですが、重複するところもあると思いますが、御容赦願いたいというふうに思います。 本改正案は大きく六項目ございますが、私からは、きょう、メンタルヘルス対策の充実強化のためのストレスチェック制度の創設について、まず御質問させていただきたいと思います。 今回の制度は、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、事業者に、医師等による労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査、ストレスチェックでございますが、この実施を義務づけるものであります。また、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に応じて、医師による面接指導を実施しなければならないこととされております。 確かに、今回、労働者にみずからのストレスの状況を見える化、気づきを促すということで、個人と職場単位の環境改善を目指すことは一定の理解が私もございます。 改めて、最初なんですが、今回の改正案、ストレス状況を正確に把握して労働者のメンタルヘルス不調の未然防止につながるものと本当に言えるのかどうか、ざっくりとですが、まずお聞きしたいと思います。
○半田政府参考人 今回お願いしようと考えておりますストレスチェックの検査内容でございますが、現在、ストレスを評価する調査票としましては、平成七年度から十一年度までの厚生労働省の委託研究によりまして開発された職業性ストレス簡易調査票というものが、産業現場で広く使用されてございます。この調査票は、約一万二千人を対象といたしました試験的調査によりまして、信頼性、妥当性が統計学的にも確認されてございます。 新たな制度におけるストレスチェックの具体的な内容につきましては、今後、この職業性ストレス簡易調査票を踏まえて、精神保健や産業保健の専門家、労使の代表などの御意見を伺いながら、メンタル不調の未然防止につながるものとなるように検討した上で、国が標準的な内容を示すことを考えているところでございます。
○中島委員 午前中の質疑でもあったんですが、前回、平成二十三年度の法案では、全ての事業者が対象となっておりました。今回、五十人未満の事業場については努力義務となっておって、一定の事業者にストレスチェックの実施を義務づけることの妥当性については、いかがでしょうか。
○半田政府参考人 お答えします。 今回の法案では、メンタルヘルス対策の必要性に鑑みて、労働政策審議会安全衛生分科会における議論も踏まえてこの対策を考えたところでございます。 事業者にストレスチェックの実施を義務づけるということにしましたが、産業医の選任義務がないなど、体制が整備されていない小規模事業場、こういったところでは、やはり情報管理等が適切に実施されないという懸念も払拭できません。こういったことで、従業員五十人未満の事業場については、当分の間は努力義務とするという特例を設けたところでございます。 一方、従業員数五十人以上の事業場につきましては、産業医の選任が義務づけられているということでございますので、この産業医を中心に、ストレスチェックやその後の相談、保健指導、面接指導などを行うことが可能な体制にあるということ。それから、この規模の事業場ですと、既に八割近くの事業場が何らかのメンタルヘルス対策に取り組んでおられまして、ストレスチェックの導入率も二割を超えてございます。こういったことから、ストレスチェックの実施を義務づけることが適当であろうと考えたわけでございます。
○中島委員 おっしゃるとおり、情報管理、小規模であればなかなか難しいということ、理由はあると思います。それで努力義務ということなんですが、このメンタルヘルスケアの問題というのは、むしろ小規模事業者に隠れたところがあるんじゃないかなと。 例えば、代替要員の確保が難しい、それによって過重労働につながってしまう、そして精神的にダメージを受けてしまう、そのようなことが実際にあるのではないか。むしろ、やはり小規模な事業者に対してしっかりとした対策を練らなければいけないかなというふうに私は思います。 五十人未満の小規模事業者に対してということでございますと、これは質問にもあったんですが、俗に言う三事業、地域産業保健事業、産業保健推進センター事業、メンタルヘルス対策支援事業、ことしの四月から一元化をされたということになっておりますが、従来からそういう取り組みがされておったということになると思いますけれども、今までどのくらいの実効性があったのか、また効果があったのか、そして、一元化後も、小規模事業場に対してメンタルヘルス面で産業保健サービスの提供が十分に行われる事業内容、実施体制となっているのか、厚生労働省の御見解をお尋ねいたします。
○半田政府参考人 ただいま御指摘のございましたように、私ども、産業保健活動総合支援事業というものを今年度から展開してございます。これは御指摘のように、産業保健推進センターですとか地域産業保健センター、メンタルヘルス対策支援センターなどの各事業を一元化したものでございます。こういったことでワンストップサービスを提供しているということでございます。 それで、どれぐらいやれているかというのはなかなか難しいところでございますが、今ちょっとすぐ手元には出てきませんけれども、利用率等も一定程度の規模はあったと理解してございますので、それなりの利用は進んでいる。ただ、サービス体制が事業場の規模に対しまして十分かという点はまだ問題があろうかと思っていますので、その点に対しても、今回の統合化の中で、より効率的に展開できるように努めてまいりたいと考えております。
○中島委員 従来からやられている事業自体がどのくらい成果があるかというのは、まず検証の第一段階だというふうに思います。今回、五十人未満の中小企業に関しては努力義務となっておる。一方で、先ほども言ったように、むしろそういうところに根深いものがある可能性があるというふうに思いますので、今後、今までの事業に対しての検証というのはしっかりやっていただきたいと思います。 一方で、政府は、第十二次労働災害防止計画において、平成二十九年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業者の割合を八〇%以上とすると目標を掲げています。こうした目標を踏まえれば、事業所数で九七%を占める小規模事業場について、しっかりと時期も含めて取り組む必要があるというふうに思います。 続いて、ストレスチェックの内容に関して御質問させていただきたいと思います。 ストレスに関連した症状、不調を確認するための項目として、労働安全衛生総合研究所などの報告から、職業性ストレス簡易調査票、これも先ほどから出ておりますが、抑うつ、不安、疲労の九項目を標準的な確認項目として設定することが想定をされるということで、まだ決まっていないということなんですが、チェック項目としては、その九項目、いたし方ないかなと。ある意味、余り煩雑になってもいけないということはわかります。 ただ、その内容、疲れていて、くたくたで、だるいとか、チェックの時期とか家庭状況によっても随分左右されるんじゃないかなと。それは当たり前とも言えなくはないんですが、行政側からいくと、労働者の方がストレスチェックに素直に答えていただける環境を確保するということは大前提だと思います。 先ほども質問があったように、一次予防、二次予防という観点からいきますと、グレーゾーンというところもあって非常に難しいかなと思うんですが、想定されておる九項目からいきますと、反対に多くの労働者の方が高得点になってしまうんじゃないか。そうすると、面接指導を受けた方がよいとチェックされた方々、高ストレス状態の判定基準を見定めるのが大変難しくなってしまうんじゃないかと思うんですが、その辺については何か工夫なり考えていらっしゃるんでしょうか。
○半田政府参考人 先生御指摘のように、確かに九項目では少な過ぎるかなと思いますが、この大もとになっております、先ほども御説明いたしました職業性ストレス簡易調査票、これは五十七項目でございまして、これはまた逆にちょっと多いかなという議論もございます。 いずれにしましても、この具体的な項目につきましては、職業性ストレス簡易調査票などを踏まえまして、専門家の御意見、関係労使の御意見を伺いながら定めていきたいと考えてございまして、その中で、恐らくこの九項目よりはやや多いということで、余り煩雑にならない程度のものになっていくのではないかと思いますが、いずれにしましても、専門家、労使の皆様方の御意見を伺いながら定めていきたいと考えております。
○中島委員 中には、仕事の軽減と言ったら失礼ですが、全ての項目でわざと重い点数をつけてしまうという方も出てくるかもしれないですし、一方で、今言われているいわゆる新型うつ、現代型うつとも呼ばれますが、取り沙汰される環境では、問題がある状況をさらに助長する可能性も否定できないということも指摘されております。反対に、労働者の方がこれらの質問に率直に回答しないで、幾ら守秘されるとはいえ、結果の取り扱いについて不安だとなれば、しっかりと質問に答えるかどうか。 そういう意味で、項目についてはまだ決まっていないということなんですが、一方で、費用対効果のこともございますね。やる以上、やはりしっかりと実効性のあるものにしなければいけない、そのようにも思います。 これは個人的なことで、さっきの一次予防、二次予防にもつながることかもしれませんが、せっかくこういう事業というか取り組みをする以上、今国会で恐らく採決される過労死の問題も含めていきますと、やはり最悪のものを想定しながら、とにかくそれを防ぐんだ、そういう目的で、これは賛否両論あるかもしれませんが、ある程度ターゲットを決めて、しっかりと未然に防ぐということに対してやるべきかなというふうに私は思うんですね。 メンタルヘルス不調は多様で個別性が高い、もちろん会社によって労働環境も違いますから、そんな中で、しっかりと最悪のケースを予防するんだ、未然に防ぐんだということは、やはり踏み込んでやるべきかなと私は思うわけです。ターゲットを明確にしなければ本当に実効性にはつながらないのではないかと私は思うわけですが、それに対して御見解をいただきたいと思います。
○半田政府参考人 先生の御指摘も理解のできるところではございますが、やはり、今回のストレスチェック制度の目的といいますのは、まず、ハイストレス、高ストレス状態にあることをきちんと御自身が理解していただくということ、そして、そういったことを踏まえながら職場環境を改善していただくということが一番の目的だと思っております。 実は、今回の議論の中でも、逆に、先生がおっしゃるように、いわゆる疾病をスクリーニングするということに使うべきではないかという御意見でございますが、他方には、そういうことに使われるのではないかという御懸念も表明されたところでございまして、私どもとしては、最初の段階といたしましては、高ストレス状態を把握するというところをきちんとやっていきたいと思っております。 その結果、疾病などをお持ちの方は、多分、高ストレス状態ということでひっかかってくるわけでございますので、ひっかかったところで、その先にいろいろな取り組みをなさるということは、これは各事業場の御判断で、ただし労働者の同意を得た上で取り組んでいただくということには何ら問題はないかと考えておりますので、そのようなことで、今回は、やはりストレス状態を把握するというところに焦点を絞った調査としてやっていくべきではないかと考えておるところでございます。
○中島委員 御説明で趣旨は理解できます。先ほど言った費用対効果の問題も含めていきますと、これは私の個人的なことなので、今の御説明で趣旨は理解をいたしましたが、最悪のケース、絶対あってはならないんだという強い取り組みというか、そのためには、せっかく事業としてというか取り組みをやっていく問題を、余り意味がなかったなというものにしてしまっては、やはり本当の実効性あるものにはならないのではないかなと。 先ほどスクリーニングと言いましたが、私も医者でございます、大変難しいのはよくわかります。よくわかりますが、いろいろな意味で、せっかくやること、しっかりとしていただきたいなというふうに思います。 次は、引き続いてメンタルヘルスケアについてなんですが、一般企業の取り組みが大変重要だということはわかります。今回の改正案とはちょっと外れるかもしれませんが、公務員の方とか学校の先生ですね、ほかの仕事も皆さん義務感を持ってやっていると思うんですが、さらにそういう義務感で仕事に携わる職種の方々に対して、これはまた大変重要だというふうに思います。 これはあったらでいいんですが、メンタル不調になりやすいと言ったら変なんですが、そういう不調になりやすい職種というのは何か統計がございますでしょうか。
○中野政府参考人 委員御指摘の、メンタルヘルス不調になりやすい職種を示すようなデータは把握しておりませんが、人口動態統計におきまして、公務員の事例が出ましたので、公務員でちょっととってみました。 十五歳以上の就業者数全体に占める公務員の数の割合は三・四%でございますが、十五歳以上の自殺による死亡者数における就業者の数、これが八千七百五十三人でございますが、うち公務員が三百八十二人で約四・四%と、少しばかり上回る結果となっております。
○中島委員 自殺者とか、職業別で見ると、警察庁の統計になるんですけれども、かなりばらけていて、一番多いのは無職者ということになっているんですが、そのほかは自営業者とか医療職とか、そういったことがあるんです。 いろいろ言われておるとは思いますけれども、私も実際に外来をやっておって最近特に多いなと思うのは、やはり学校の先生などは非常にストレスを抱えているなと。不眠を訴えたり、いらいらしたりとか、やる気がないとか、そういった訴えをする方が非常に多くなっているなという印象は受けます。俗に言われるモンスターペアレンツの問題とか、そういったことの中で。 一方では、地方自治体の職員、市役所の職員等も、突然違う部署に移された、犬猫の殺処分の仕事に携わって、それが目に焼きついて寝られないんだ、そういう中で、住民と行政とのはざまに立って非常にストレスを抱えているなということは、何となく多くなっているような気がするんですね。 そのような観点から、公務員とか学校の先生、きょういる方も全員公務員だと思いますけれども、国家公務員も含めてですけれども、実際にメンタルヘルスケアについてどのような取り組みをされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○中野政府参考人 まず、委員御指摘の対象者のうち、学校の教員を含めた地方公務員に対しましては、労働安全衛生法が監督制度を除きまして適用されますことから、本法律案が成立いたしましたら、それに基づくストレスチェック制度につきまして、総務省等の関係省庁と連携しながら、その実施の徹底を図ってまいりたいと考えております。 また、国家公務員でございますが、国家公務員については労働安全衛生法は適用されないわけでございますが、一般的には、人事院規則におきまして労働安全衛生法に準じた対応がなされておりますので、今般、ストレスチェック制度について、本法が成立した暁には適切な対応がなされるよう、人事院等の関係省庁と連携し、対応してまいりたいと考えております。
○中島委員 今回、先ほども言いました過労死の問題からいきますと、その対策を、絶対あってはならないんだという観点から、今回の一般企業に関して労安衛法に係るところはもちろんなんですが、それに係らない、今言ったように、自治体、市町村ということになると総務省との連携ということになると思うんですが、やはりその辺はしっかりやるべきだ。 先ほどチェックシートもございましたが、五十七項目と今回想定されている九項目、これは、皆さんお座りになっていますが、例えば大臣に、このチェック項目の一番、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」、丸ですよね。当然、丸です。「時間内に仕事が処理しきれない」。ほとんど全て当てはまると思うんです。後ろにいらっしゃる官僚の方々、厚生労働省の方々、はたまた皆さんそうだと思うんです。 そういう中で、お互い、ここも職場なので、私も実は今回、労安衛法のことをやっていて、質問通告ですね。私たちは、何となくだったんですが、前日の六時ぐらいまでに通告すればいいというふうに聞いておったわけです。ただ、調べていくと、二日前の十二時というルールがあるんですよね。そういう中で、私はきょうの質問で今国会四十回目の質問になるんですけれども、それだけ煩雑になってくると、なかなか二日前の十二時までに通告するということはできない。 やはり、その辺の問題を考えていくと、二週間ぐらい前でしたか、女性官僚の方が、これでは子育てができない、そのようなお訴えをしたと何となく聞いておるんですが、この厚生労働委員会、次世代のところでも、子育て支援のための労働環境の整備とか、そういう法律をやっているまさにこの場が、本当に環境改善できているのかなとちょっと疑問に思ったんですね。 そういった意味で、先ほど言った、通告の時間も決まっているにもかかわらず、なし崩しになっていたり、結果的に官僚の皆さんは夜中まで仕事をしなければいけなかったり、労務管理自体がこの国会はできていないんじゃないか。 そういう意味では、やはり、国会日程も含めて、せめて一週間先の日程ぐらいはしっかりと決めて、その上で、ちゃんとルールがあるなら二日前の十二時。もちろん、大臣が突然変な発言をしたとなったら、そういう場合は例外的ですが、ちゃんと法案の質疑のときは日程を決めて、しっかりと、いい状況で、そして、今回の法案も国民の皆さんに労務管理をしっかりやりましょうと言う以上は、この国会が先頭を切って、それを手本として見せなければいけないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 大変温かいお言葉をおかけいただきました。 まさに委員も、ストレスチェックをやられたら、かなり項目がチェックされるのであろうな。多分、ここにいる我が省の職員も、そういう意味でやはりストレスを感じておる。委員も感じておられる、もうたくさんの質問を今国会もされておられるということでありますから。つくるのも大変ですからね。もちろん私も、もう今国会、多分、千六百回以上の答弁をいたしておりますので、そういう意味では、私もチェックすればストレスはあるんだと思います。 ストレスとうまいことつき合う、もしくは、ストレスをストレスと感じないという方もおられると思いますが、それぞれ個人差はありますけれども、そういうものを気づくというのが今回の狙いであります。 国会は国会の御運営で動いておりますから、我々が物を言うわけにはいかないわけでありますが、私も同じように、そちらの立場でずっと理事をさせていただいてきた経験もあります。与党には与党の理屈がある、野党には野党の考え方がある、なかなか難しいのでありましょうけれども、かなうのであるならば、うまく日程を調整いただいて早く御質問をいただければ、それだけいい答弁をこちらもさせていただける時間もあろうというふうに思いますので、よろしくお願いいただければありがたいというふうに思っております。
○中島委員 本筋とそれてしまうかもしれないんですが、やはり、私は今本当に、この労安衛法のことをやっていて、医者という立場もあるんですけれども、もっとルールがあるならしっかり守らなきゃいけないとか、もちろん、私も今二年目になりましたが、国会のルールというのはそういうものなんだとずっと来たんですが、一年ちょっとたって、何かおかしいなと思うところがたくさんあるんです。 そんな中で、私たちが通告がおくれると、その分、役所の方々は遅くまで残らなきゃいけない。一方ではそれで残業代が出ているから、まあ、残業代ゼロの話をするつもりは全くございませんけれども、だからいいじゃないかという理屈は全然通らない。 例えば過労死、今度参考人質疑もございますが、そういう環境の中で最悪の結果を招いてしまった例もたくさんあるということで、やはり国会がそういう姿勢を示すというか、もちろん国対だとよく私も言われて、そういうものなのだというふうに思っていたわけですが、大臣にそんな権限はというふうなことでもございますが、やはり、まさに厚生労働省、厚生労働行政の中で、労務管理とかそういったことを、ぜひ、その長である厚生労働大臣が、もうちょっと労働環境をよくしましょうよ、その上で正々堂々とやりましょうよと。我々も、脱官僚だと言っているわけです。 ただ、それは、そういう意味で、いじめると言うとちょっと変ですけれども、あれではなくて、しっかりとした議論の中で進めていきたい、そのように思うわけですから、ぜひ先頭に立って、ある意味、国会改革ということになるのかもしれませんが、国対との関係ではなくて、労務管理という意味で改善をしていただければ私も御協力をしたいなというふうに思います。 もう一点ですが、先ほどの職種でいって公務員の方や学校の先生、先ほど答弁いただきました。逆に、ストレスチェックするというか、管理する側の医療職についてどのように取り組まれているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○中野政府参考人 医療職の方でありましても、労働者であれば労働安全衛生法の対象になりますし、今回のストレスチェック制度の対象となるわけでございます。 したがいまして、他の労働者と同様に、メンタルヘルス対策の必要性や、自身のストレスへの気づきを促し、メンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止するという制度の御趣旨等を理解いただいた上で、このストレスチェックを受けていただくことが重要であると考えているところでございます。
○中島委員 多分、理屈的にはそういうことになると思うんですが、私も、民間の病院とか自治体病院、いろいろな病院に勤めたんですが、そういうケアを受けたことは一切ありません。自治体病院ということになると、これまた総務省ということになるのかもしれませんが、民間は労安衛法の中に入るというふうに思います。 特に医者の場合、セルフメディケーションというか、自己判断してしまって、自分で薬を飲んで、何となく過ごしているうちに悪化してしまう、そういうケースが非常に多いんですね。私も今までの経験の中で、仲間を何人か亡くしたことがあります。一人は眼科の先生でしたが、一人医者で、患者さんをたくさん抱えて、誰にも相談しないまま最悪のケースに陥ってしまった。 そういったことからいくと、これは先ほど言った職種もそうですし、本来であればチェックする側の医者、そして、今回の労安衛法でいけば、管理者は入るかもしれませんが、例えば社長さんとか、そういう方々のメンタルチェックは一体どういうふうにしていくのか。先ほども言うように、これは労使とかという問題ではなくて、全ての方を誰がチェックするのかということは、今後、一般企業にかかわらず、しっかりとやっていかなければいけないかなと。 とにもかくにも、この国会で過労死等防止推進法が恐らく可決されると思いますけれども、一般の方々のメンタル不調、国民の皆さんや企業側、先ほど言った全ての方々が、偏見とかないように、そして理解の中で、これは一方だけがやろうと思ってもできないことで、俗に言う、職場で言うパワハラとかセクハラとか、いじめの問題等を含めて、全ての方々がより仕事場を改善するんだという意識の中でないとやはりできないことだというふうに思います。 そうなると、ある特定の職種だけがよくなればいいということではないので、ぜひ、そういった意味で、さっき過労死の話が出ましたが、私は、厚生労働大臣からもっと発信力を高めていただいて、絶対にそういうことがあってはならないんだ、そういう前提のもとに、企業に対してもこういう取り組みを進めていく、そういったことが必要なのではないかなというふうに思うわけです。 総合的に推進して、結果的に最悪の事態を招かない、絶対にそういったことはこの日本ではないんだというための、過労死防止に今回の法案が資するものになるのか、そして、過労死は絶対なくすんだという意味も込めて、大臣に決意を聞きたいと思います。
○田村国務大臣 厚生労働省といたしましても、時間外労働でありますとか休日等々を含めて、長時間労働というものをなるべくなくしていくということは、これからも我々として進めてまいりたいというふうに思っておりますし、長時間労働、一定時間以上の方々に対しては健康管理をしっかりしていただかなきゃなりませんから、申し出等によりまして医師の面接指導等々を受けていただきながら健康をお守りいただく、こういうことも法律にのっとって各企業等々でも対応いただきたいというふうに思っております。 過労死防止対策推進法案、国会で今議論されておりますけれども、これに関しましても、調査研究、啓発、それから相談体制の整備、さらには民間団体の活動の支援、このような四つの対策があるわけでございまして、まあ法案が通るでありましょう、通れば我々としても、そのような四つの対策を含めて、過労死というもの自体をゼロにするというような、これはもう我々としては大きな目標であります。 これ自体、やはり働く方々にとってみれば、働き過ぎで亡くなられるということは本当に不幸なことであります。残された家族も大変御不幸でございますので、そういうものがなくなっていくように、さらなる努力というものをしっかりと我々もしてまいりたい、このように考えております。
○中島委員 時間です。終わりますが、次回は、受動喫煙対策と産業歯科医について御質問させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○後藤委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 結いの党の井坂信彦です。 先ほど、大臣のストレスというお話がありましたけれども、大変申しわけないなと思いつつも、ストレスを与えることをためらわずに厳しく質問をさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと通告の順番を変えまして、一番最後の方の受動喫煙のところから始めさせていただきたいというふうに思います。 午前中の答弁で、能動喫煙で亡くなっている方が年間十三万人、受動喫煙で亡くなっている方が年間六千八百人、さらには、喫煙による経済損失は、医療費や火災の消防あるいは労働力の損失など、合わせて四兆三千億円、こういう推計が示されました。 私も、地方議員のときから、喫煙対策、禁煙の問題、予防という観点から大変長く取り組んできたわけであります。今回、この受動喫煙対策、法案が出されたわけでありますが、平成二十三年、前回出されたときは義務化をされていた受動喫煙防止対策が、本法案では努力義務となっており、明らかに後退、骨抜きというふうに見えるわけであります。 そうなった理由として、事前に事務方からは、義務化をしたら助成金が出せないんだ、支援策が打てないんだ、こういう説明を受けてきたわけであります。あたかも法的に技術的に無理であるかのように説明を受けてまいりました。 しかし、今回、参議院先議で、参議院の議事録に私は全部目を通してまいりましたが、参議院の議論で大臣はこうおっしゃっている。最低限のところを守ってくれという法律で、それを守っているところにさらに助成を出すのは、少なくとも私の知る限り労働基準行政の中ではない、こういう答弁をされているわけであります。 よくよく聞くと、労働基準法関連という非常に限られた領域の中で、しかも義務と助成が併用されている前例を大臣は御存じない、こういうことをおっしゃっているだけで、法的に無理だとか技術的に無理だとか、こういうことは一切おっしゃっていないわけであります。事前の事務方の説明とは随分異なるなというふうに思っております。 改めてお伺いいたしますが、受動喫煙防止対策を義務化しつつ国が支援策を実施することに法的な問題があるのか、ないのか、お伺いをいたします。
○中野政府参考人 労働安全衛生法上の義務は、事業者がみずからの責任と負担で履行すべき最低基準であるという、まさにそういう政策上の判断から、我々労働基準行政といたしましては、これまでも義務化したものについて支援策を講じるという政策は講じてきておりません。 法的な議論については、先ほど先生御指摘のあったように、参議院で議論がございまして、法技術上、こういう義務化と支援策が、義務化をしていれば支援策は許されない、こういうものではないということでございますが、先ほど申し上げたとおり、安全衛生法や労働基準法は最低基準を遵守してもらうものでありますので、事業者みずからの責任と負担で履行していただく、こういうことを前提としておるものですから、義務化したものに支援策は講じていない、こういうことでございます。
○井坂委員 法的、技術的には問題がないが、労働基準行政ではそういうことはやっていないという御答弁というふうに思います。それで間違いないですよね。 重ねてお伺いをしたいのですが、では、要は、厚生労働省として、労働基準行政においてはこれまでもそうだったので、午前中もありましたけれども、未来永劫、今後も義務化と助成金の併用は行わない、なぜなら労働基準行政ではそれはやらないと決めているからだ、こういうことなんでしょうか。御見解をお伺いいたします。
○中野政府参考人 やらないと単に決めているわけではございませんでして、考え方がございまして、あくまでも労働基準法や労働安全衛生法上の義務は事業者みずからの責任と負担で履行すべきものである、こういう考え方に基づいているところでございます。 例えば、労働基準法の法定労働時間につきまして、かつては四十八時間でございました。それを段階的に四十時間に持っていく過程において、中小企業等においてはなかなか対応が難しいという状況がございました。その際にも、段階的に引き下げる前の段階で生産性向上に資するような取り組みを支援する措置を講じつつ、一定の期間がたったところで法定労働時間の義務を四十時間に引き下げる、こういう対策をとってきた例がございますが、最終的に義務化した段階ではもう事業主みずからの責任と負担で履行していただく、こういうふうに政策的には対応してきたということでございます。
○井坂委員 ちょっとよくわからないのですが、労働基準行政の中では事業主みずからの責任と負担でやるというのは、これは何かそういう厳格な縛りがあるんでしょうか。それ以外のやり方はできないんですか。
○中野政府参考人 全ての事業主の方に遵守していただく最低労働基準でありますので、それは、あまねく全ての事業主に実施していただくという以上は、政策的に支援策を講じるというよりも、その義務を遵守していただくのはみずからの責任と負担で履行していただくような水準のものにもともとがルールとしてなっておるものですから、そういうふうにしていただく性質のものだというふうに理解しております。
○井坂委員 微妙にいろいろな言葉をおっしゃいますけれども、ルールとしてということで、それはもう厳格な縛りなんですか。要は、労働基準行政の中で、そういう事業主の責任においてやるべき、それがふさわしいという、べき論なのか、それともルール上そういう縛りがあるのか、それはどっちなんですか。
○中野政府参考人 今、ルール上という先生の御指摘、私も申し上げたかもわかりませんが、その意味は、最低基準であるルールというものを履行していただくものは事業者の責任と負担でやっていただく必要がある、そういう考え方だということでございます。 こういう義務化しつつ支援策を講じることが法技術上許されないものではないということは参議院の議論でも明らかにされたことでありまして、それはそういうことであろうと思いますが、先ほど来申し上げておりますのは、労働基準政策、最低労働基準を遵守していただくような性質のものに対しては、義務化した場合は支援策とは両立させないような形で対応するというのは、ある意味で我々の政策判断であるということでございます。
○井坂委員 法的な縛りではなくて、政策的な我々のポリシーでそういうふうにやっているということであります。 この件、大臣に最後、お伺いをいたします。 受動喫煙防止対策を義務化すると助成金の支給ができないと我々は説明を受けていたわけですけれども、いろいろ詳しくお聞きすると、できないわけではなくて、結局は政治的判断で、義務化は法的にはできるが、しない、こういうことだろうというふうに思います。まさに意思決定だというふうに思います。 そこで、改めて大臣に伺いますが、義務化と助成金の併用は技術的に可能なのに、なぜ今回は義務化をしないという意思決定をわざわざされたのか、お伺いをいたします。
○田村国務大臣 基本的にしていないという話は今あったと思います。 障害者雇用促進法等々ではそういうのはあるんですが、あれは、違反といいますか、かなっていない事業者からお金を集めて、頑張っておられるところに助成するという形でありますから、これとはちょっと違うたてつけになっておる。 今局長の話があったとおり、義務化、やらなければならない、しかもそれは最低限度のこと、こういうことに対して助成をなぜしないか。これをやり出しますと、全て義務化をかけるときには助成をするという、やるときに必ず、いろいろな意味で費用がかかるものに対して全て助成を出すというようなこと、これはあり得ないわけでありまして、どうしてもそういうものとの影響といいますか関係が出てくるわけであります。 受動喫煙防止は大事だからとおっしゃられるかもわかりませんが、他の義務化するものも全て大事な義務化であります。その一つ一つに対して助成制度というような形をやっておったのでは、これは行政が成り立たなくなっていくわけであります。 あわせて、いつまでもずっと助成をやり続けるわけでもないわけでありまして、一定程度広がってくれば、後はやはり独自でやっていただく。まさにそれが義務化を課すときなのであろうというふうにも考えられるわけでありまして、そのような意味から、やはり、やってやれないことはないけれども、何でそれだけやるんだという話になったときに、我々としては説明が非常にしづらい。 もちろん、委員が受動喫煙防止というものは大変重要だということを御理解いただいていることは我々も感謝をいたしておりますし、我々も思いは一緒でありますけれども、大体、義務化というのは、全て同じように大事なことを義務化していくわけでございますので、そことのバランス等々を考えて、やはりここは政治的に判断といってもなかなか難しいということでございます。 今般はこのような形で、努力義務のもとで助成制度というもので対応しながら、一定程度進んだときには、それは検討の中で義務化ということもあるのかもわかりません。五年ごとに必要に応じて検討していくわけでございますから、状況を見ながら、それは五年ごとの検討においていろいろと判断をしていくということになろうというふうに思います。
○井坂委員 義務化をしながら助成を出すということを一旦やってしまうと、ほかの義務化制度でも、だったらうちも助成も出してくれと、こういういわばアリの一穴になりかねないから、それはぐあいが悪いという政治的判断で今回もしなかったという御説明だというふうに思います。 次の質問に移りますが、私は義務化すべきだという態度を崩すつもりはありませんが、次善の策として、どうしても現時点で、助成を出すから義務化はしない方がいいんだという政治判断を大臣があえてなさったという前提に立てば、受動喫煙防止策、これは、今回、本法律は努力義務ですから、一定の努力義務の期間を経て、その間に支援策、助成でどんどん分煙、禁煙をしていただいて、最終的には、一定の努力義務期間の終わった後には義務化をすべきではないかということをお伺いいたします。 そのことによって、本法案の助成金など支援策を使って、義務化のときまでに、どうせやらなきゃいけないんだったら今のうちに支援策を使ってさっさとやってしまおう、こういう本法案の支援策のインセンティブが飛躍的に高まるのではないかという観点から、大臣にお伺いをいたします。
○田村国務大臣 ですから、今回、この助成制度というもので進めていくわけであります。五年ごとに、五年後に検討規定がありまして、そこで、必要である場合といいますか、検討した上において必要な対応をしていかなきゃならぬわけでありまして、そういう場合に、これはいよいよ義務化だねというような判断があれば、そのときには義務化ということも起こり得るわけでありますし、努力義務のままどんどんこれが進んでいくということになれば、これまた、もう義務化する必要もないということも起こるかもわからないわけであります。 いずれにいたしましても、要は、この五年間という期間、しっかり我々としてはこれを見守らせていただきながら、次の検討に向かっての準備を進めてまいりたい、このように考えております。
○井坂委員 本法案の最後には、確かに、五年後の見直し規定というものがあります。ただ、これは、別に義務化ということはどこにも一言ももちろん書いてありませんで、どんな法案にもある一般的な見直し規定であるわけです。 一方で、二〇二〇年までに職場の受動喫煙をゼロにする、こういう明確な目標があるわけで、大臣がおっしゃった、よ過ぎる方のケース、これも理論的にはあり得ますけれども、私はちょっとさすがにそんなことはないというふうに思っておりますので、五年後もなお努力義務のままだったら、しかも分煙、禁煙が進まないままであったら、これはもう義務化をする以外に目標達成に近づく方法はないと私は思うわけであります。 そこで、大臣は、一般的な見直し規定をもって、これもあるので義務化の道もあるんだとおっしゃいましたが、そんな曖昧な話ではなくて、私は、五年以内に義務化すると法案に書き込むか、あるいは、せめて大臣が今ここで答弁ではっきりとそういうことを約束していただく、これぐらいあってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○田村国務大臣 国唯一の立法機関は国会でございますので、私が五年後義務化しますと言っても、それは行政が勝手なことを言っているだけの話でございまして、法案として、それを国会で御議論いただいて通っていかなければならぬわけであります。 そういう意味からいたしますと、我々、目標を持っておりますから、それを実現するためには最大限努力をしてまいりたいというふうに思いますが、この五年間の間で、やはり社会的ないろいろな声というもの、社会的な盛り上がりといいますか情勢といいますか、そういうものも含めていろいろな御議論があるんだというふうに思います。 努力義務という形で今回法律に、これは初めてでございますから、入れさせていただいたことによって、世の中に関してもいろいろな反応も出てこようと思います。そのようないろいろな世の中、日本の国の中での動きというもの、そういうものも含めて勘案しながら五年後検討を行うわけでございまして、必要な対応をしなければならぬわけでございますので、そういうことも含めてのこの五年間の検討規定だというふうに御理解をいただければありがたいというふうに思います。
○井坂委員 きょうはちょっと大臣のストレスは気にせずに、しつこくいきたいと思いますけれども、これは仮に努力義務のまま支援策だけで、では、二〇二〇年まで、もう残り六年あるいは五年半という状況です、職場の受動喫煙ゼロの目標が達成できそうなのかどうか。 別にこれは五年たってわかるような話ではなくて、普通に考えたら、二年もすれば、このペースで支援策だけ打っていても全然だめだというときは明確にわかるというふうに思うわけであります。そうなったときは速やかに義務化を検討する、大臣、せめてこれぐらいは答弁できませんか。
○田村国務大臣 ですから、これから世の中がどのような状況といいますか、いろいろなお声が出てくるかということも大きな要因だというふうに思います。 少なくとも、今回、努力義務というような形を初めて導入したことによって、大きな流れというものはこれはできていくのであろうというふうに思います。それが義務化というような形に途中でなるのか。もしくは、二〇二〇年までにそういう方向性が見えてくれば、あえて義務化ということは言わなくてもこれはいけるねということもあるのかもわかりません。 それも含めて、五年とは言っておりますけれども、当然、五年の間、いろいろな世の中の流れがあるわけでございまして、そういうものを勘案しながら五年後検討をいたすわけでございますので、ここでどうしても義務化しますと言わせたい先生のお気持ちはよくわかりますが……(井坂委員「いやいや、二年ぐらいして、このペースでは無理だとなったら検討しますぐらいは言えないんですかと」と呼ぶ)それも含めて、世の中のいろいろな流れというもの、そういうものを我々もしっかりと受けとめながら検討をさせていただくということでございます。
○井坂委員 委員長、不規則発言、失礼いたしました。 職場の受動喫煙ゼロということで、間違っても、大臣、やる気ゼロじゃないかと言われないように、本当にここはやっていただきたいところだというふうに思います。 次の質問、これも続きで、一番最後の方の質問に参りますが、重大な労働災害を繰り返す企業への対応について伺います。 この新しくできるルールは、死亡災害あるいは障害七級以上となる災害、これを重大な労働災害と定義して、同様なこういう重大な労働災害が三年以内に二回繰り返された場合には、厚生労働大臣が全社的な改善計画の作成を指示する、企業がつくらなかったり変な計画をつくった場合は大臣が勧告をして、さらに、その企業が勧告にも従わなかったら初めて企業名公表という罰則に至る、こういうルールであります。 これだけ聞くと、よい法律に思えるわけでありますが、しかし、実際の数値を見てみると、大変首をかしげざるを得ないところがあります。重大な労働災害、この定義では年間三千件起こっている中で、これを三年以内に二回繰り返す企業はわずか十八社であるというふうに聞いております。そうなると、この法律の適用対象は余りにも少な過ぎるのではないか。しかも、十八社のうち、大臣に指示された計画もつくらず、勧告にも従わず、企業名公表となる、こんな企業はほとんどゼロに近いと想定をされるわけであります。 お伺いをいたしますが、この重大な労働災害は、繰り返し発生した場合ではなくて、一度でも発生した場合には、この全社的改善計画の作成の指示ぐらいすべきではないでしょうか。大臣にお伺いをいたします。
○田村国務大臣 今おっしゃられた特別安全衛生改善計画というものでありますけれども、これは、今委員が言われたとおり、同じ企業で複数の事業場等々で大きな災害を起こした、そういうところに作成を指示するわけであります。これは、そのとおり、まさに同じような大きな労働災害を、同じ企業で、その事業場ではないけれどもその企業の中で起こしているというようなものが最近散見されるわけでございまして、こういうものをどう防いでいくかという中において、今回、このような形で提案をさせていただいたわけであります。 そういう意味からいたしますと、一つの大きな労働災害を起こした、これだけでこれを対象にするというのは、そもそも狙いが違うわけでありまして、そのようなものに関しましては、しっかりと、例えば労災の調査を行ったりでありますとか監督指導は今も行っております。 その上で、同じようなことが起こらないような形で指導するわけでありますが、どうしても、事業所単位でやるものでありますから、企業全体にそれがうまくフィードバックされないというような問題があって同じような事故を起こすということでございますから、今回は、この改善計画をつくっていただきたいということになったわけであります。 ちなみに、非常に過失が大きく、もしくは悪質であるということになれば、それは一回の労働災害であっても、司法処分も行えば、当然、公表もやっておるわけでございますので、その点はこれからも制度にのっとって厳しい対応はしてまいりたいというふうに思いますが、今回のはそういうような趣旨、意図で提案をさせていただいたということで御理解をいただければありがたいというふうに思います。
○井坂委員 この重大な労働災害と定義されるものが年間三千件、そのうち死亡災害は大体年間千件程度だというふうに伺っております。さらに、その千件の中から、今おっしゃった、労働局長から、ちゃんと再発防止策をつくるようにと指示しているのは六百件程度というふうに事前に伺っております。 こう考えると、今回法律で定義する重大な労働災害三千件のうち、現時点でも、労働局長から指導しているのは二割。残りの八割は、労働局長は、計画策定を指示までする必要なしと判断をしているというふうに思われるわけであります。 ということは、重大災害を二回繰り返した企業といったって、二回とも、要は重大災害の中では軽微な方の八割の方、労働局長が指導まではしない八割の方、こっちの方を二回繰り返しているというケースの方が、むしろ、八、八、六十四で多いわけでして、わずか十八社のための法律、しかも、その十八社のうち六四%、半分以上は、二回とも重大災害の中では軽微な方の重大災害、こういうレアケースのために法律をつくったのかなと疑問に感じるわけであります。 原点に立ち返って、重大な労働災害を予防するというのがそもそも目的でありますから、二回やった企業の三回目をどうこうするのではなくて、一回やった企業の二回目をどう指導して防いでいくか、こちらが本筋ではないかなと思いますが、重ねて、重大災害を一回起こした会社を対象に、さっき大臣がおっしゃった、一事業所内の話ではなくて全社的な改善計画をきちんとつくらせるべきではないか、この点についてお考えをいただきたいと思います。
○田村国務大臣 重大な労働災害を起こしますと、当然のごとく、我々もそこに監督指導していくわけであります。普通はという言い方がいいのか悪いのかわかりませんが、そういうことを起こせば、一般的には、このようなことは起こしちゃいけないといって、企業はみずからいろいろな対策を講じていただくわけであります。労働災害が起こること自体、企業にとっても決してプラスではない、マイナスであるわけでありますから。 しかしながら、そうでない企業が散見されてきておるわけでありまして、対象をどうするかというのはこれから決める話でございますので、今委員がおっしゃられたものがそのまま対象になるかどうかはまだわかりませんが、そのような、同じようなことを繰り返す企業というのは、やはりどこか安全対策に問題があるのであろうということでございますので、そういう意味から、改善計画をおつくりいただくということでございます。 その点は、決して、一度重大な労働災害を起こしたからといって我々何もしないわけではございませんので、今回は特に、その中で重ねるような、会社の体制自体にも問題があるのかもわからないというところに対しては、そこも含めて、改善計画をおつくりいただきたいということで提案をさせていただいておるわけであります。 何よりも、対象にならない企業が多い方が我々はありがたいわけでございますけれども、そのような意図であるということは御理解いただければありがたいというふうに思います。
○井坂委員 今の大臣の御答弁を伺いまして、私も、さすがに、二回やった企業の三回目を防ごうという今回の法案に全く意味なし、効果なしと申し上げるつもりはないんです。そういう効果はあるだろうと思いますが、一方で、私、先ほどお伺いしたとおり、また同じことをお伺いしますが、一回やった企業の二回目を防ぐために、一回やった企業にも全社的な改善計画を求めるということについてはどうお考えですか。なぜそれはやらないのですか。
○田村国務大臣 特別安全衛生改善計画、これは、県をまたがったりなんかしますと、なかなか、同じ企業ではあるんですけれども、事業所が違いますから、言うなれば意図がちゃんと伝わっていかない。今も、改善計画はそれぞれ重大な労災を起こしたところには出していただいております。それはあくまでも、その事業所といいますか、一県内の話であるわけでございまして、何度も申し上げますけれども、一つの企業で違う事業所で複数回起こす、こういうところに対しては、やはり何らかのフィードバック上の問題があるのであろう、一度災害を起こしたことに対するいろいろな対応というものにも問題があるのであろうということでございますので、それに対して特別な安全衛生改善計画をお出しいただきたいということでの制度でございます。 決して、一回重大な労災を起こしたところに対して何ら対応していないということではないことは御理解をいただければありがたいというふうに思います。
○井坂委員 何か、お聞きしたことにお答えいただけていないのではないかと思います。 一回目やった企業も、それは現状、県をまたがない指導なわけでしょうけれども、そうじゃなくて、今回と同じように、県をまたいだ全社的な改善計画を求めた方が効果的なのではないですかということなんです。それはできないんですか。
○中野政府参考人 安全衛生法に基づく労災防止対策、基本的には事業場を単位として責任を持って実施していただいております。したがって、監督署も基本的には事業場を単位とした指導を行う、これが原則でございます。 ただ、今回、企業全体で改善計画をつくってもらうのは、大きな企業で、あちこちに事業場があるようなところで同種の重大災害を繰り返す、したがって、会社で共通して、一つの事業場を超えた形で取り組まないと防止ができないような類いのもの、そういうふうに考えておりまして、そういうところには企業全体として改善計画をつくってもらって取り組んでもらう必要があろうということで、このような仕組みを考えているところでございます。
○井坂委員 ちょっと時間があるので細かく突っ込みたいと思いますけれども、では、仮に、今回の法律が施行されて、同じ事業所内で二回繰り返し同じ事故を起こしたときは、全社的な改善計画を求めないんですか。
○中野政府参考人 今回のような形の枠組みでは求めませんが、同じ事業場で重大災害を繰り返すのは、これは大変なことでありますので、そこの事業場に対して厳しく監督指導してまいります。
○井坂委員 ちょっとしつこくやり過ぎている感もありますので。時間が参りましたので、もう一日、質疑させていただく機会がありますので、続きはまた次回させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○後藤委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 JALの整理解雇撤回を求める裁判の東京高裁判決が、三日、客室乗務員、五日、乗員で相次いで出され、いずれも控訴棄却という判決でありました。 この件について、私は五月二十八日の本委員会で質問いたしました。このとき、原告らが繰り返し求めていた数字、つまり、解雇時の人員が何人いたのか、一般退職は何人だったのか、こうした数字について内閣府に質問したわけですが、係争中として答えていただけませんでした。 しかし、今回の判決を見て、改めてこれが最大のネックだったということを感じました。高裁判決では、原告らが、会社が目標とした人員体制が既に達成されており、解雇の必要性がなかったと主張しているのに対して、原告側の数字の正確性には疑問がある、これは客乗です、最終的な削減目標人数は当初の説明に用いた数字とは異なる、乗員、として、整理解雇の合理性を認めたのであります。 しかし、これはフェアじゃないですよね。つまり、争点となっているわけですよね。この正確な数字を示さないで、間違っている、こういう判決があるでしょうか。裁判所はそれを確認もせずに、解雇に合理性があるというのは全く意味がわかりません。そもそも、整理解雇の要件とは、避けられない解雇だったのかをきちんと説明するのが前提ではないでしょうか。解雇回避努力や人選の合理性など、四要件に照らしてどうかが問われる、その出発点が不透明だと言わなければなりません。 大臣、一般論でもいいですので、きちんと双方が納得いくために数字を出す、当たり前だと思いますが、いかがお考えですか。
○田村国務大臣 一般論とおっしゃられますけれども、もう個別の事案を委員がおっしゃっておられます。 これは、個別の係争中の案件でありますし、司法機関でもまだ係争中だということでございますので、コメントの方は差し控えさせていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 では、一般論でもう一回聞きますけれども、整理解雇の四要件、これまでも判例法理ということを厚労省として整理をしてきました。そのときに、やはり必要だったのかどうかというときに、正確な数字というのは、基本的に、お互いに知らなければ、そこから議論が始まらないのではないかと思うんです。これはたとえ裁判になっていようがなっていまいが、当然必要ではないかなと思うんですが。 感想でよろしいですので。
○田村国務大臣 一般論で申し上げますと、客観的合理性、社会通念上の相当性というものを争う民事訴訟におきましては、要件の妥当性を主張する者と妥当性を否定する者の間に争いがある事実については、証拠調べの手続が必要となりますが、証拠調べは、当事者の申し出た証拠につき、裁判所が必要と認めた場合に行われるのが原則であるということであります。また、証拠による事実認定は、証拠調べの結果に基づいて、裁判官が自由な心証のもとに行うということでございます。 一般論で申し上げて申しわけないわけでありますけれども、そういうことでございます。
○高橋(千)委員 普通に考えて、必要なものだよなということが理解できるのではないかなと思うんです。 そこで、ILOの結社の自由委員会からのたび重なる勧告について、原告らは、ことし二月十日に追加の情報提供を行っています。ILOからは、日本政府についても報告をしたと回答しております。このことを承知しているでしょうか。一言でよろしいです。
○中野政府参考人 先生御指摘の、二月十日付でILO結社の自由委員会に対して提出した追加情報提供につきましては、同月二十一日付でILO事務局から、追加情報提供がなされた旨日本政府に転送されてきておりまして、厚生労働省としても承知しております。
○高橋(千)委員 確認をさせていただきました。 乗員の判決の中に、ILO結社の自由委員会の勧告について、本件に関して何らかの具体的措置を要請するものではなく、解雇してはならないという内容のものではないと書いているんですね。その上で、だから、勧告は解雇が許されないという根拠にはならないとしています。 でも、私も前回指摘をしましたし、原告らが主張しているのは、別にILOが、解雇を不当だから撤回せよとか、裁判に干渉するとか、そういうことを言っているのではないんだ、ちゃんと聞いてほしいということを言っているんですね。 つまり、係争中だということを理解した上で、十月のフォローアップ勧告は、ILO百五十八号条約、リストラで解雇された労働者には優先的に再雇用される権利がある、この条約にのっとって、やはり新規採用を連続して行っているわけですから、今後、再雇用を念頭に協議を求める、するべきではないかという趣旨だったと思います。 これに踏み込んで言及しているにもかかわらず、この判決文書は、あえて六月の勧告、今私が言った十月ではなくて六月の勧告で、そんなことは言っていないというふうに言っているんですよ。 実は、参議院の福島みずほさんの質問を見ました。福島みずほさんが、質問で、十月のフォローアップと質問しているのに、大臣が、あえて六月と答えているんですね。あなたは話をそらしているんですよ。 そうではなくて、何も、のりを越えて勧告しているんじゃないんです。そのとおり受けとめてほしいということを言っているだけなんです。だから、追加情報が来ていますということを承知していますという答弁がありましたので、改めて、そこを踏まえて、会社側は、国から言われた場合は受ける、そう答えています。このことをちゃんと見詰めるならば、勧告の趣旨である、協議の場に着くことを指導するべきではないでしょうか。
○田村国務大臣 ILOの自由委員会の十月の報告書、これは我々も承知をいたしております。協議がなされるべきであるという話であるわけであります。 今、JALが国からというお話がありましたが、我々はそういう話はいただいていないわけであります。そもそも、労使、労働組合と使用者の交渉を行うための必要な措置はしっかりと講じられている、これはもう労働組合法の中で講じられておるわけでありますので、労使が交渉していただくのは自由でございますから、ある意味、国が何かというような話自体、我々としては、ちょっとどういう意味合いなのかというのがよく理解もできないわけであります。 あわせて申し上げれば、まだこれは司法の中で争っておられることでございますので、我々としては、これ以上のコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
○高橋(千)委員 この点に関してはもう言い切りにしますけれども、結社の自由委員会ですからね。交渉は自由だと大臣はおっしゃいました。でも、本来であれば、現役であれば交渉に立てる組合員の皆さんは、みんな解雇されたわけです。こういう実態があるということを踏まえて、やはり正当な協議の場に着くべきだということを主張しているんですよ。 私は、きょう言いたいのは、会社が、更生手続決定を受けつつ、一便の運航もとめない、そういうことを当時言いました。そのときに、どういうことかといいますと、二年前の二〇一一年十月十四日、政府がILOに対して返す報告書の中で、会社側の参考意見というのをつけていますよね。そのときに、政府の協力は不可欠だったと言っているんです。 なぜか。だって、このままでは、会社更生手続中だから、世界じゅうの取引業者が理解して、完全に不安を払拭して、ちゃんとこれからも取引してくれるというのは不可能だ、つまり、このような事態を回避するためには、一私企業である日本航空が対外的に説明するだけでは不十分であり、日本国政府の協力が不可欠であった、具体的に書いているんですね、自分たちが。日本航空が十分な資金を確保できるように必要な支援を行うことを政府声明に織り込むよう要請したと。 つまり、政府声明は出ていますよね。政府の支援によって運航をとめないということを言っていますよね。だから、逆に言うと、政府声明なかりせば、会社の更生はなかったんです。これだけ国が関与していることなんですよ。それを日本航空自身が言っているわけです。 だから、国がそうやって支援をしたんだから、きちんとできていますかということを指導すれば、会社が従うのは当たり前じゃないですか。国から言ってきてくれたらやりますよなんて、会社が国にわざわざ言いに来るわけないでしょう。だけれども、そういう関係なんだということをちゃんと受けとめて、新しい勧告が出るでありましょうし、しっかりと受けとめていただきたいと重ねて指摘をしたいと思います。 きょうは、もう一つのJALの問題をお話しします。 これは係争中ではありません。昨年十月二十二日に最高裁判決が出ています。たった一人の客室乗務員、それも契約制乗務員が会社を相手に闘い、雇いどめ撤回にはならなかったんですけれども、三日間のパワハラ行為が認定をされました。実は、きょうこれを選んだのは、法案にも関係があるなと思ったからなんです。 そもそも、今JALは、客室乗務員の新規採用は全員が契約制客室乗務員として採用されています。新規のときには正社員はおりません。一年ごとの契約を結んで、三年たてば正社員になれると約束するものの、そのための厳しい適性評価がございます。同じ機内に乗務して、お客様へのサービスから一挙手一投足を監視され、その状況が上に報告をされるというシステムであります。 判決では、退職強要自体が違法とは言えないが、長時間にわたる面談は違法な退職勧奨と認めるのが相当として、使用者責任も一部認めました。明確にパワハラを認定した判決でありますが、この判決について承知をしているでしょうか。
○中野政府参考人 御指摘の事案につきましては、退職勧奨が不法行為に当たると判断された事案であるということで承知しております。
○高橋(千)委員 確認をいたしました。 最高裁は被告、原告双方を棄却したのであって、どちらも完全勝訴というわけにはいきません。ただ、ここで私が言いたいのは、パワハラを認めたことの意義が大変大きいのではないかということです。 元原告らは、この判決を受けて、会社の謝罪と再発防止策を求めていますが、受け入れようとしません。それどころか、裁判の証人に立った人も傷ついた、だから、こういう負担があったことに対して原告は謝罪する気持ちがあるのかと、何か、お門違いの反論をしてきたのであります。 でも、社長自身は、植木社長ですが、昨年十一月八日の経営協議会の場で、私は、最高裁で出た判決に関しましては、会社としての主張が認められた部分、認められなかった部分を含めて厳粛に受けとめたいと思います、間違っていた部分があればそれをしっかりと反省して、ただ、一番大事なのは、このような闘いを起こさなくてもいい会社にしていくと述べています。原告らは、その発言をしっかり実践してほしいと願っているだけなんですね。 そこで、パワハラ再発防止のための労使協定案を提示して、これについて協議をしてほしいと実は言っているんです。 それで、資料の二枚目に、これはJALじゃないですよ、政府がつくっている、二十一世紀職業財団、「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」、こういうものがございますが、その中に載っている、パワーハラスメント防止に関する協定書の案であります。こういう案が幾つか載っています。つまり、労使間のパワハラ協定の締結を、やはり防止対策として政府も推奨していると思いますが、いかがですか。
○中野政府参考人 個別の事案についてコメントをすることは差し控えたいと思いますが、一般論として言えば、職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議の提言において、職場のパワーハラスメントを予防、解決するための労使の取り組みの一つとして、ルールを決めることを挙げておりまして、その例として、就業規則に関係規定を設けること、労使協定を締結すること、ガイドラインを作成すること等が盛り込まれております。 厚労省といたしましては、提言を踏まえ、それぞれの職場におけるパワーハラスメントの予防、解決に向けて、セミナーあるいは好事例集の作成、周知等を行っており、今後とも、このような取り組みを続けていきたいと考えております。
○高橋(千)委員 厚労省が推奨していることをぜひやりましょうと言っているわけですから、ぜひ実現をさせていただきたいなと思っているわけですけれども、資料の一枚目を見てください。 これも厚労省のホームページなんですね。左肩にある、「あかるい職場応援団」「みんなで考えよう!職場のパワーハラスメント」ということで、こうしたホームページがございますが、この中に、ずっと裁判例が載っているんですね。そのうちの「第十三回 退職勧奨が不法行為にあたると判断された事案」、これがまさしく今私がお話をしている当該事案であります。厚労省のホームページで紹介をされているということです。 この左側の下の段を見ていただきたい。ここにアンダーラインを引いていますけれども、「原告が、自主退職はしない旨明言した後に、なお、上司が「いつまでしがみつくつもりなのかなって」「辞めていただくのが筋です。」「懲戒免職とかになったほうがいいんですか。」などの表現を用いて退職を求めたこと、しかもその面談は長時間に及んだこと」、あと、ちょっと飛んで、「一年を過ぎて、OJTと同じようなレベルしか仕事ができない人が、もう会社はそこまでチャンス与えられないって言ってるの。」「もう十分見極めたから。」「懲戒になると、会社辞めさせられたことになるから、それをしたくないから言ってる。」「この仕事には、もう無理です。記憶障害であるとか、若年性認知症みたいな」、こういう言葉まで出てきたと。これが違法性があるとして認定されたんですね。 それを厚労省が紹介しているんですから、もうこういうことがあってはならないですよね、どこの職場であっても。 実は、その後も、職場の中にパワハラの実態があるとアンケートの中で浮き彫りになっています。精神安定剤と睡眠薬を服用しています、フライト中にダサいサービスだと言われて、仕事中にもかかわらず動けなくなってしまった、もしよろしければ個人的に振り返りしましょうと、要するに居残りを求められ、一時間五十分、威圧的な反省に帰りたくても帰れなかった、体型について言われ、食べ過ぎなどと言われるので、過食症になって、それが結局、摂食障害になったなどなどの訴えが今も寄せられております。 再発防止策へ真剣に取り組むべきだと思いますが、大臣の考えを伺います。
○田村国務大臣 個別の案件に関しましてはコメントは差し控えさせていただきますけれども、一般的にではありますが、やはり、パワーハラスメントという問題、これは、労働者の方々の尊厳、人格を傷つけるわけでありまして、あってはならないわけであります。 今も局長から話がありましたが、職場のいじめ・嫌がらせ問題円卓会議、この中で報告書といいますか提言をいただきました。先ほどの内容、こういうものを周知を図っていく中において、やはりこのパワーハラスメントという問題、これがこれからしっかりと予防ができていけるように、企業とも協力をしながら、我々はしっかりと政策を進めてまいりたい、このように考えております。
○高橋(千)委員 なかなかそれ以上は踏み込んでいけないと思いますけれども、その答えの中にしっかりと届くものがあればいいなと思っております。 資料の三枚目に、これは昨年の八月二十日の朝日と読売の記事を載せておきました。右側の朝日は、「全日空、客室乗務員を正社員採用」と書いております。左側の読売は、「全日空 契約CAやめます」と書いております。 実は、全日空もJALと同様に、スカイサービスアテンダント、SS制度と呼ばれる契約制度をやっておりました。一年契約を結んで、三年が経過した後、長期社員か契約社員かを選ぶという制度でした。これを、記事の最初の方にあるように、今年度から、契約社員ではなくて正社員として採用する。そして、左側にありますけれども、「在籍するCA約六千人のうち約千六百人いる契約社員についても、一四年度以降、本人の意向に応じて正社員に切り替える。」こういう英断をしたわけです。 これはなぜかということを考えてみたいと思うんですね。八割が、三年たってどうしますかといったときに正社員を選ぶということ、雇用が安定しない契約社員での入社を嫌って、内定を出しても就職を取りやめる人もいる、そういう中で、ANAの客室センター長が記者会見で言っておりますけれども、「競争が激しく、サービスの向上に優秀な人材を確保したい。先手を打って採用環境を整える」とコメントしています。 確かに、正社員だと年金ですとか退職金など人件費はふえるけれども、離職率が下がれば逆に採用にかかる新入社員教育とかの経費が節減できるということを見合いで考えると、大幅なアップにはならないというふうに判断をしたというんですね。あえて最後に書いていますが、JALも九五年度からやっていると書いていて、これはずうっとまだ続いているんですね。 連合の雑誌の中に、ANAの労組に聞くインタビューがありますけれども、これは組合も会社側から提案があって非常に驚いたということを率直に言っています。でも、むしろ誇らしく思えたと。コスト競争力だけではなく、本当の意味での企業の競争力、生産性を上げていくにはどうすればいいのかという問題意識を持ち続けてきたと述べていらっしゃる。非常に大事なことだと思うんですね。 それで、JALが整理解雇に当たって年齢基準を設けましたよね。このときに、ANAと比較すると年齢が非常に高い、だから、将来の貢献度でいうと、平均年齢を下げる、そのために基準を設けるとしたら、年齢基準というのは合理性があるんだということを言っていたわけなんですよ。でも、それは、ANAの年齢が低かったのは、こうやって次から次へとやめていったということもあるんですね。同時に、だからこそ今、正社員に切りかえようとしている。そういうことこそ本当は、比較の上で自分たちも取り入れようとすればいいなと私は思うんですね。 これは、感想でいいですので、大臣に伺いたいと思います。
○田村国務大臣 ANAの二〇一四年以降の客室乗務員の労働契約に関しましては、今言われましたとおり、今まで有期の契約であったわけでありますけれども、無期の契約社員というような形になるというような話を、我々も報道等も含めて聞かせていただいております。 やはり、その方が多様な人材が集まるということ、さらには、言われますとおり、安定的な長期な雇用、これが保障されるわけでありまして、その分だけ早期に人材の養成ができていけるというようなこともあるわけであります。そういうことを期待されながら、このような形をおとりになられる。 これは、我々といたしましても、労働契約法を改正いたしまして、五年を超える労働契約に関しましては無期転換というようなものがあるわけでありますが、これを先取りするような形で、新しく契約をされる方々に関してはもう無期での契約ということでございますので、大変我々も頼もしく感じさせていただいております。
○高橋(千)委員 ぜひこうあってほしいなと。やっている仕事は同じですからね。お客さんから見たら同じなんですよ。ですから、同じ仕事をしているのに、雇用の形態によって差別的な扱いがあってはならないという議論を重ねてきました。やはりこの立場に立つべきだなということを、今述べてくださったことでも確認をさせていただきたいと思います。 そこで、わずかな時間しか残っていませんが、労働安全衛生法の中で少し議論したいと思うんですが、パワハラ問題ですね。今もパワハラの事案を取り上げましたけれども、政府としても、職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議の提言を受けて、パワハラ問題に取り組んできました。今も答弁の中で少しあったわけですね。 そこで、精神障害の労災認定の中でパワハラと思われるものはどのくらいあるのか、また、そのことをどのように認識しているのか、お願いします。
○中野政府参考人 労災認定の内訳でパワハラという直接的なものはございませんが、職場における嫌がらせ、いじめ等が原因で精神障害を発病したとして労災認定された件数は、平成二十二年度三十九件、平成二十三年度四十件、平成二十四年度五十五件となっておりまして、労災認定件数は増加傾向にあると認識しております。
○高橋(千)委員 資料の四枚目に、ハンドブックの中に書いてある資料をつけておきました。 局長が今、上のところだけ読んだんですね。「精神障害の労災補償の支給決定件数全体」、三百八件、三百二十五件、四百七十五件のうち三十九、四十、五十五というのは、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」、これはどう考えてもパワハラでいいだろうという整理だと思うんですね。 だけれども、その下の「上司とのトラブルがあった」「同僚とのトラブルがあった」あるいは「達成困難なノルマが課された」、こういう中にも当然パワハラの芽があるであろうということは類推できるわけなんですよね。このことが円卓会議を受けて出てきて、少しずつこういう整理ができてきたんだと思うんですが、やはりそれは精神疾患の要因の一つであるということで認識されてきたと思うんですね。 こういうときに、今回の安衛法のフローの中には、一切このパワハラに関することが出てこないわけなんですけれども、この仕組みの中で何らかの対策というのを考えるつもりでしょうか。どうですか。
○半田政府参考人 私どもの新たに導入しようとしておりますのはストレスチェック制度でございまして、ストレスの度合いを評価するというものでございます。 それで、先生御指摘のパワーハラスメントは、そういったストレスの一因ではあると思うんですけれども、私どもがやろうとしているのはあくまでもストレスでございますので、ストレスの状況をどうやって把握するかということでございます。 ただ、この項目の中には、職場での関係ということも若干触れられるようになってございますし、そういったことを踏まえまして、このストレスチェックを踏まえた後に面接指導ということになれば、職場の状況についてもお尋ねすることになりますので、そういった中で、ある程度は、パワハラの現状なんかについても把握するようなことができるのかなと思ってございます。 また、この結果を集団的に把握することによりまして、その職場職場の特徴なんというものを把握していくようになってございまして、そういった中で職場改善につなげていただくということを考えてございまして、そういった中では、御指摘の点も含まれてくるのかなというふうに考えております。
○高橋(千)委員 要因の一つであるというデータがあるにもかかわらず、朝からの議論を聞いていてもそうなんですけれども、何か、メンタル不調だけをあぶり出していくような対策では本当はだめなんだろう、私は強く言いたいと思うんですね。 きょう、もう一問だけ質問しますけれども、長時間労働に関してだってそうなんです。これは、面接指導制度ということで、義務化されている部分がありますよね、資料の六枚目につけたんですけれども。やはり、義務化のところとセルフケアのところと結びついて、単に時間が長いだけではなくて、長時間労働によるさまざまなストレスや身体的な負荷と、パワハラのような負荷と、いろいろなことが総合的になっているんだということをちゃんと見なくちゃだめなんです。 それで、この長時間労働に対する面接指導制度というのは、義務化されているのは、百時間超の時間外労働を行い、疲労の蓄積があり、面接を申し出た者だけなんですね。百時間を超えていたら、労災を文句なしに承認される人ですよね。その人だけが義務であると。 どういう措置を講じたかというと、めくっていくと、四二・一%が、時間外労働の制限というのを医師が指導したと。当たり前じゃないですか。百時間も働いて、時間外労働を削れというのは、言われなくても当たり前のことでしょう。 その程度の対策しかできないのかということでいうと、この義務をもう少し前倒しをして、少なくとも八十時間からはもう義務にするとか、そういうことをしていかないと本当に対策にはならないと思いますが、いかがですか。
○田村国務大臣 委員がおっしゃられましたとおり、長時間労働において、本人の申し出において医師に対して面接指導を受ける、受けさせなければならない、企業に義務づけているのは百時間以上ということになっておるわけであります。 これは、御承知のとおり、長時間労働というのは脳や心臓疾患等々に影響を及ぼす可能性もあるわけでありまして、そのような意味で、しっかりと健康というものをチェックしていくという意味で義務づけております。ちなみに、八十時間以上は努力義務ということになっておるわけであります。 もちろん、本人が申し出るということが前提になっておりますが、そこは必要に応じて申し出るように勧奨もしていかなければならぬわけでございますが、一方で、申し出によらない面接指導というものも、これは事業者の判断で、こういうことに合わせて制度とかをつくれるわけでございます。 その対象としましては百時間以上というわけではないわけでありますので、八十時間以上の方々も含めて、そのような判断をそれぞれの事業主がしていただく中において面接指導を受けていただけるということもあるわけでございますので、我々といたしましては、このような制度等も含めて周知徹底を図りながら、長時間労働に対するしっかりとした健康とチェックというもの、これを進めていただけるように、各企業に周知徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 時間が来ましたので、続きはまた来週やるんですけれども、一言だけ。 二〇〇九年三月二十六日の局長通達、「当面のメンタルヘルス対策の具体的推進について」というものがありますが、ここでは、「企業及び事業場のトップに対して、局署幹部から、様々な機会をとらえ、メンタルヘルス対策の重要性等について説明を行うとともに、率先して取り組むよう指導等を行うこと。」つまり、トップに対して指導を行えという通達を出しているわけですよね。 だから、先ほど来私が指摘をしている、個別案件だといつも言っていることに対しても、ちゃんとトップに対して物を言えということをみずからが通達として出しているわけですから、ぜひそれを実践して、模範的な会社としてやっていけということを指導していただきたいと指摘して、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○後藤委員長 次回は、来る十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会