予算委員会 第2号
- 発言数
- 379 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/10/24
会議録
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山崎力君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。片山さつき君。
○片山さつき君 自民党の片山さつきでございます。 本国会は成長戦略実行国会ということで、今日は、二〇二〇年は日本にとって新たな成長に向かうターゲット・イヤーという、これ下村五輪担当大臣が見事に整理されたものをちょっとお借りさせていただいて、この中の非常に重要な、しなやかで災害に強いまちづくりから質問をさせていただきます。(資料提示) 二〇二〇年には世界から年間二千万人のお客様を迎えようというもう戦略を立て始めているところですが、これで観光収入だけでも一兆円増という調査もあって、まさに五輪はアベノミクスの第四の矢というところなんですが、であれば、日本政府自身、二〇二〇年までに一定の発生確率があると判断しておりますところの首都直下型大地震と南海トラフ大地震、これ今国会に議員立法でまだ出ております。特に首都直下型の方は、この参議院で去年出したものを修正して出して、私、提案者でございました。前の法案のときには、補助率のかさ上げ等で、法案が通りましたら必ず機械的に事業が予算化されるというものを付けておったんですが、今回いろいろ議論のペースとかもありますので、そこは全部落としたんですが、ただ、両方の法案には、国は必要な財政上の措置を課す義務があるという条文はしっかり残っております。 古屋国土強靱化・防災担当大臣も、いつも現場主義で、私たちいろんなことを教えていただいているんですが、もう本当に東京都といえども全く自信の持てる状況ではないんですね。 これは、あるウオーターフロントの区のハザードマップですけれども、水門が全て駄目になった場合の浸水地域が書いてあって、これ全戸に配ってあるんですよ。つまり、これは元禄型の関東地震、マグニチュード八・二だと水門が全部安全とは言えないと。これ私、去年法案作るときに相当都や区と議論をしました。その上に、都内ではいろいろな学校法人が避難所に指定されておりますが、これは、震度七はおろか六にも耐えないところがたくさんあります。でも、民間ですから、補助はもらったって三分の一あるかないかですから、できない、絶対できないと。 こういうことの中で、野党さんからもさんざん質問が出ておりますように、財源どうするのという話と、それから東北の復興もあるのに人、物、金が足りるのというお話がありますので、是非、古屋大臣、この法律、議員立法ですから、是非今国会で通させていただきたいんですが、通ったら、きちっとした人、物、金も含めたロードマップを御提示いただきたいんですが、まずそこから御質問させてください。
○国務大臣(古屋圭司君) 今御指摘の議員立法、是非、院において早急な成立をお願いをしたいと思います。その上は、やはりその法律にしっかり記されている中身、私どもとしても反映をさせていきたいと。委員の御指摘、しっかり受け止めて対応していきたいと思っています。
○片山さつき君 ありがとうございます。 まさに政治は意思の表明でございまして、総理、やはり、かつて公共事業何か年計画というのは無駄感やばらまき感があって、ずっとそれは抑えてきたわけですよ。ただ、今国交省の方でも、日本中の老朽化で危ない諸点の洗い直しとかやっているんですね。だから、数字先にありきではなくて、もう完全に積み上げになってきております、この地図とかを見ても分かりますように。 ここはやはり総理が国民の安全と安心を守って、首都圏と南海トラフ地域、ちょっとこの地図を見ていただくと分かるんですが、首都圏と南海トラフの被災地域を全部塗ると、この黄色なんですね。これはほとんど国土自体の強靱化そのもので、国家存亡の危機で、これ全部の被災人口を足しますと、ダブりがありますけど、八千万人超えちゃうんですよ。 ですから、これはやはり総理が二〇二〇年も一つのミッドタームとして何らかの計画を作っていこうという御意思を示していただければ、今ボトルネックで投資をしていないインフラ関係の産業が人を新しく雇ったり投資をしてきます。是非総理のお考えを聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このこうした国土強靱化のためのインフラ整備をしていくための環境整備も極めて重要でありまして、公共事業の担い手である建設企業が必要な人材や資材、機材を確保して、使命を果たしていけるよう、環境整備に努めることが重要であると思います。 このため、適切な賃金水準を確保することなどによって、建設業に従事をする人材を確保していくことが必要であります。また、官民協力による生コンプラントの新設など、復興事業における資材、機材の不足等への対処の経験も生かすことが大事な視点であると思います。 今後、東日本大震災からの復興やオリンピック、そして防災事業等の需要が見込まれるところ、これらに的確に対応していくために、国土交通省や建設業界などの関係者が十分に意思疎通を図ることによって、各企業が中長期的な観点から計画的に人材や資材、機材を確保していけるよう、適切に政策を行ってまいりたいと考えております。
○片山さつき君 ありがとうございます。計画があり、道ができれば必ず人は付いてくると、新規の雇用も入ってくると思います。 次に重要な目標は、やはり環境に優しい省エネな社会づくりだと思います。これは、二〇二〇年を前に、目の前にもう一つ大きな会議が迫っております。 日本はやはり環境と経済成長の両立の中に生きていくしかないと思うんですが、十一月の十八日の週からいわゆるCOP19の大臣級会合が始まって、石原環境大臣がお出になるわけでございますが、我が国は御承知のように京都議定書のリード役でございまして、総理も先般、竹下総理がリオのときからお始められたあのGEAの会議、私も環境部会長として出させていただいたんですが、すごく前向きなスピーチをされたと伺っておりますが、安倍総理自身、前の政権のときに二〇〇七年のハイリゲンダム・サミットで二〇五〇年にはCO2は世界で半減だとぱんと打ち出されて、これがG8全体の共通目標になったんですね。つまり、リードしたということでございます。 イニシアチブを取ってきた分野であるということを前提にいたしまして、非常に難しい状況であることは分かっております、経産大臣。十二月に基本計画が出る、出ない、出る、出て、どういう内容かという議論をこの国会でもずっとしておりますが、しかし、だからといって、日本が何らの数値目標も打ち出さないと。つまり、もう鳩山総理のときに打ち出したマイナス二五%というのは、これは絶対おかしいんです。私もこの予算委員会で自ら質問して、あれは原発が五〇%の比率、電力というあり得ないものですから、もう一刻も早く直さなきゃいけないんですが、その後がなかったら、我が国はリード役にジャパン・イズ・バックできないんですね。 ですから、是非環境大臣と経済産業大臣からどういう方針で臨まれるかを各々お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) もう委員御指摘のとおり、この地球温暖化問題に最大限貢献するという観点で戦略的にしっかり環境政策やれと、もう総理から強い指示が出ております。 一月の指示は、COP19までに二五%削減目標をゼロベースで見直すということでございます。関係省庁で今鋭意調整をしているところですけれども、環境省としては、やはり浮体式の風力発電、洋上風力ですね、それとか、そこでできた電気を蓄電して出力変動をする技術、こういう政策をやっぱり戦略的に展開していかなければならないと考えておりますし、自立分散型な低炭素なエネルギー社会を実現するための政策というものを盛り込んでこのCOP19に臨みたい、こんなふうに考えております。
○国務大臣(茂木敏充君) 環境大臣と全く同じであります。 エネルギーミックスが検討中であると、こういう状況を踏まえつつ、我が国として地球温暖化問題に最大限貢献するという観点から関係省庁間で鋭意検討を進めているところでありまして、特に地球温暖化対策において我が国がイニシアチブを発揮するためには、技術を通じて世界の排出削減に貢献していく、こういう観点が重要であると考えております。
○片山さつき君 もう時間はあと一か月ございませんので是非お願いしたいんですが、ちょっと切り口を変えまして、環境技術で勝ちに行く、環境で世界に貢献していく攻めの戦略を立てろというのが総理の御指示でございますが、もう我が国は本当に最先端の再エネ、省エネ技術を持っておりまして、特に環境というと、ああ、六重苦の一つだとおっしゃる経済界も、これ、私どもの方に実際各地域の経済界から言ってきたものですが、この二国間クレジットというのとコベネフィットというのは非常に評判がいいんですよ。 これで各国と協定を結んだり、特にコベネフィットの方は、今週もまたひどくなってきた中国のPM二・五ですね、これは中国はやるやると言って、いろんな世界中の環境改善設備の売り込み合戦で日本とかち合っているんですが、実際に自分の国ではPM二・五に何もできていないわけですね。WHOの方でもついに業を煮やして、このPM二・五って発がん物質の一部じゃないのと言ったぐらいで、恐らく石炭をぼんぼんぼんぼんたいて、浄化していると言って浄化していないからああなっている。 これは恐らく外交のツールなんかにもなってくると思うんですが、もうほとんどの国は温暖化プラス、それから大気汚染や水質汚染、廃棄物処理なんですね。これを全部セットにして売り込むということは、これは大変な国家的戦略市場になると思うんですが、まず石原大臣の方からこの売り込み方針というか攻めのビジネスについて伺いたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) もうこれも議員の御指摘のとおり、総理から攻めの環境外交戦略をしっかり立てろと、こういう指示をいただいております。 そんな中で、今委員の御指摘された二国間クレジット制度、もうこれ既に八か国と二国間の間で文書の交換を行っております。COP19の場も使わせていただいて、更にこの関係を広げてまいりたいと考えております。 また、公害対策とセットになっているコベネフィット、今、越境汚染という問題が日本、中国だけではなくて東南アジアの国々の中でも起こっております。こういうものに対する先駆的な、歴史としては公害を経験したということで、この私たちのある見識、知識、こういうものをこれから同じような問題に遭遇している人たちに対してしっかりと示し、また解決策も御協力をさせていただく、こういうことが大変大切だと考えておりますので、委員の御指摘のとおり頑張らせていただきたいと思っております。
○片山さつき君 戦略の方はそれでも着々とでき上がってきておりますが、やはり原発事故の後、この分野は非常に沈んでいたんですね。ですから、いつジャパン・イズ・バックと言うかというと、いろんなことを考えて、やっぱり今度のCOP19でしょうと思われるわけです。 つまり、十二月を待ってどうなのかと。じゃ、十二月にどのぐらいの原発が再開できるのかというめどが立つような今の規制委員会の状況なのかというと、それはなかなかあり得ないことですから、たとえ幅があっても、大きな数字でなくても何らかのことを、こんなに日本はきつい状況なのに、IAEAにもいつも見に来ていただいて世界が分かっている中でも前に踏み出すんだということで、何とか踏み出しというか意思の示しができればと思うんですけれども、それはもう総理しかおっしゃれる方いないので、総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地球温暖化対策については、これは極めて大切な課題であります。私からの指示に基づいて関係省庁で検討を行っているところでありますが、エネルギーベストミックスが検討中であるという状況を踏まえつつ、我が国として地球温暖化対策の分野で最大限貢献をするという観点から検討していく考えでございます。 先ほど片山委員がおっしゃっていただいたように、かつて私は、美しい星50として二〇五〇年までに世界の温室効果ガス排出量を五〇%削減するということを提唱したわけでございますが、この美しい地球を次の世代に引き渡す大きな責任を私たちは担っているわけでございますので、技術で世界に貢献をして、地球温暖化対策の分野でも攻めの外交戦略を進めていきたいと考えております。
○片山さつき君 是非、十一月十八日からの週のCOP19で日本が存在感を示せるように対応していただきたいと思いますが、いずれのこういった目標、二〇二〇年までのターゲットも全部ベースとなるのはITでございまして、二〇二〇年はITの目標イヤーでもございますので、山本担当大臣からその戦略をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本一太君) おっしゃったとおり、世界最先端IT国家創造宣言の目標年次とぴったり一致していますので、例えば道路交通の分野では世界で最も安全な道路交通社会をつくる、二〇二〇年までとか、あるいは防災分野では地理空間情報を使った例えば避難誘導とか消火対策とか、そういうことをしっかり盛り込んでいきたいと思いますので、今後も積極的に関与すべき分野があればいろいろ言っていただいて、工程表に盛り込んでIT政策の充実を図っていきたいと思います。 以上です。
○片山さつき君 もうちょっとたくさん言っていただいてもよかったんですけれども。 それでは、ここから本題の一つである除染の問題に入ります。 昨日、私ども党の方でも、一番除染が進んでおりまして、IAEAの調査も直接受け入れた福島県の伊達市の仁志田市長に来ていただいて模様を伺ったんですが、まず石原大臣、IAEAの除染ミッションの提言、直接お受けになりましたが、その内容と今後の対応をお聞かせください。
○国務大臣(石原伸晃君) 多岐にわたった御提言でございましたが、簡単に御説明をさせていただきますと、これまで私どもがやってきた除染の方法等々についての評価をいただきました。国際的な知見に照らして十分進捗していると、そして前回も、政権は違いますけれども、そのときいただいたミッションの助言を十分考慮していると、こんな評価をいただいたと思っております。 また、住民の信頼向上に資する観点からの助言なども行っていただいておりまして、こういうものを参考に今後の除染の進め方の検討に役立てていくように、これはディスカッションの中でそんなお話を委員長の方からもいただいたわけでございます。
○片山さつき君 さらに、この中で一ミリシーベルトから二十ミリシーベルト範囲内のいかなるレベルの個人放射線量も許容し得るという話が出て、これは非常に広く報道をされておるんです。 この伊達市においては、今日私が付けておりますガラスバッジを全市民に配付して、二年半ずっと検査して、もうかなり下がってきて、同じく相馬市、この市長さんはお医者さんなんですけれども、十八歳以下のお子さん四千人に全員付けて、生活指導や除染も含めて、全部相当低いところまで下がってきているということなんですね。このガラスバッジについては、補正予算も二十三年度予算も出しているんですが、一定の空間線量以上のところに限っているんですけれども、どうもこの不安感という意味が、健康不安の方が今非常に大きくなってきて、これ前倒ししてもっと機動的にできるようにしたらいいのではないかと思います。 それから、何で私がこんなものを下げているかというと、私は全国非常に飛び回る、標準的に全国動く人間で、三か月やったらどのぐらいになるのかという、こういったレファレンスデータがないんですよ。そういったことも含めて、これも自分で手を挙げて、千五百円ですけれども、やってみようという方もたくさんいるので、是非この補正予算、経済対策の中でもこういったものを入れて福島の方の不安をそぐというようなことを対策で追加していただけないでしょうか、石原大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 大変いい御提言をいただいたと思っております。 もう既に福島県においては、子供さんとか妊婦さんを対象とした個人の線量計というのは配付をさせていただいておりますが、委員の御指摘もございます。避難指示が解除された区域に帰還する全ての方を対象とした個人線量の把握というのは非常に重要だと思いますし、近隣県における個人線量の把握もやはり大切でございますので、委員の御指摘を考慮して、早期に取組を進めることが重要であると思っております。スピード感を持って取り組ませていただきたいと思っております。
○片山さつき君 ありがとうございます。 これを付けて毎日着脱するということで福島を忘れないと。この不便を二年半抱えて娘の線量がどのぐらいだったのかという不安を持っている親がいたということを忘れないためにも、是非お願いしたいと思います。 根本復興担当大臣にお願いします。 二重ローン支援機構がついに一年半で三百件の事業再生、約五百億円の債権、そのうち三割が債権カットという結果が出てきましたが、お手元の資料で、それでも今事業者のボトルネックになっているいろんな事象をまとめてございます。私も五十数回現地に入っておりまして、ここに書いてあるようなことはもうほとんど一、二度以上伺っておりますが、つまり、決定がなされない、それから基礎となるインフラがなかなかできないのでコミュニティーがどのぐらいになるか分からない、いろんなボトルネックがございます。 御覧になった上で、今後の被災地の事業再生のボトルネックは何だと、もっと何が足りないというふうに思われるか、根本大臣からお願いします。
○国務大臣(根本匠君) 委員が熱心に取り組んでいただいた再生支援機構、非常に私は国家的な機構だと思います。債務をカットして、そして出資もして、新規融資もあっせんする、そして十五年にわたってフォローしていただく、私は地元の企業再建に非常に効果的な手法だと思います。 その上で、今何がボトルネックか。私は、やはり住宅再建・まちづくり、津波でやられたところのインフラ復旧を含めてまちづくりをどうスピードアップをしていくか、これも大きな課題で、しっかりと加速化措置に取り組んでいきたいと思います。 それから、事業再建支援については、仮設店舗の支援もしました。これからいよいよ本格店舗に展開する。その意味ではグループ化補助金も効果的でありましたし、グループ化補助金と震災支援機構をうまく組み合わせて再建した事例もあります。さらに、販路が失われた、これについても様々なビジネスマッチング支援、これは是非民の活力を活用させていただいて、しっかりと復興の加速化に努めていきたいと思います。
○片山さつき君 ありがとうございます。 根本復興大臣は御地元選出ゆえにいろいろな御苦労が多いと思います。つまり、いろんなところで聞くお話の中で、まとめ役不在と、コーディネーターやファシリテーターの機能が非常に落ちていて、それで決定的なことが決まらないということが多いんですね。防波堤をどうするかとか、あるいは高台移転、内陸の方に候補地が決まらないと。そんな中で、中核的な商店街が完全に壊れてしまっている場合に、これを根本的につくり直すという補助制度がちょっと足りないんですね。これは、もう町が限られておりますので、是非そういったところにももう一段の支援を考えていただきたいと思います。 最後になりますけれども、二〇二〇年、いろんなターゲット・イヤーになっておりますが、絶対にめどを付けていかなければならないのは、やはり東日本大震災とこの原発事故からの復興だと思います。この東京五輪が熱狂する、成功するであろうということになればなるほど、その陰で被災地の方々が取り残されるような感情を抱くようなことが僅かでもあったら、それは決して日本国全体としての成功とは言えないと思うんです。 そのためには、やはり目標を示して、先ほどのインフラ整備もそうですし、事業者再生もそうですけれども、七か年でも十か年でもいいですから、ある程度予算的な裏付けもあり進んでいくんだという方向を示した上で、同じ二〇二〇年にこの東北の地で仮称復興サミットのようなものをつくって、それをターゲットにやっていくと。そういうことになれば、うまくいけばそこに東京五輪で来られた観光客も来ていただけるでしょうし、是非その点を総理の方からお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このオリンピックについては、我々がオリンピックを招致する意味として、まずはこのオリンピック精神を世界に広げていくことができるのは日本であるということが第一点と、もう一点は、一昨年の東日本大震災の際に世界中の人々から日本は大きな支援をいただいた、このことは決して忘れてはならない、その御恩返しの意味においてもしっかりと復興した姿を世界に発信していきたい、これも二つ目の大きな柱でありました。 まさに、この二〇二〇年はある意味においてはターゲット・イヤー、復興においても一つのターゲット・イヤーになるわけでございますので、福島の復興なくして日本の再生なし、被災地の復興なくして日本の再生なしという安倍政権の大きな柱の下にその方向に向けて進めていきたいと、このように思います。 その中で、今委員の御提案のありました、これ二〇二〇年に福島、被災地において国際的なイベントをということでございました。今委員のおっしゃったような趣旨での二〇二〇年の開催、これも一つの大切な提案だと思いますが、いずれにせよ、被災地、特に福島において何かそうした国際会議が開催できることになればいいということを念頭に置きながら我々はいろいろなことを考えていきたいと、このように思っております。
○片山さつき君 以上です。終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で片山さつき君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、山田俊男君の質疑を行います。山田俊男君。
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。 本日は質疑の機会をいただきまして、同僚の議員に本当に感謝を申し上げる次第であります。 さて、安倍総理は、著書「美しい国へ」におきまして、息をのむほど美しい棚田、その田園風景があってこそ麗しい日本なのですと、こうおっしゃっておいでになります。ところで、かつてはこの美しい日本を本当に愛してやまないアレックス・カーさん、これはアメリカ人でありますが、この日本に永住されました。「美しき日本の残像」という著書で、日本は今、世界の中で醜い国の一つになっている、大変残念なんですが、そうおっしゃっています。外国人の友人たちは日本に来るとほとんどの人が失望します、友人に、どこまで行けば立て看板、電線、コンクリートが見えなくなるのかというふうに聞かれると答えることができませんと書いているんです。 今お手元にパネルと写真を出しております。日本の都市政策はどうだったかというと、それこそ昭和四十年代から、生活上必要ということで、国道の沿道にそれこそ転用を大々的に認めてきたという経緯があります。その後、一定の規制が行われたわけでありますけれど、そしてさらにその後のデフレの長期化の中で、いろんな形での廃業が進んでしまって、今や、それこそそのパネル、写真にありますように、それこそまさに、あっ、私の間違いでありまして、パネルを作っておりません。先生方の、委員の皆さんの写真にそれが載っておりますので、御覧いただきたいというふうに思います。まさに鉄条網で囲って、さらにまたぼろぼろにちぎれた桃太郎旗が風になびいているというのが幾つかの国道縁でそういうことが散見されるわけであります。 私は、それこそ成長戦略の一環として、まさにこの日本を再興していく、この一環として、これら国道縁のそれこそ建物、廃業建物ですね、それを再利用していくという形、ないしは場合によったら緑地化する、場合によったら元の水田に戻す、畑に戻すということも含めて手だてがあるんではないかと、こんなふうに思います。そのために必要な、それこそ当然のこと、いろんな債権が貸し手もごちゃごちゃになっているということかもしれませんので、それらを整理するための機構をつくるというのもこれは一つの手だてだ、こんなふうに思います。 どうぞ林大臣、まず国道縁の転用を、それからさらにまたいろんな経緯があるようでありますけれど、そのことについてお聞きします。
○国務大臣(林芳正君) 山田委員よく御存じだと思いますが、国道や都道府県道の沿道における農地転用、これは昭和四十五年から五十一年までは実は水田転用暫定基準という運用で、いわゆる集団的な農地で原則として転用が認められない第一種農地と、これであっても国道や都道府県道の沿道の一定の範囲にある水田であれば施設を限定せず転用可能としていたという経緯がございます。これは御案内のように、このころ減反ということで水田をもう農地から外していくということをやっていたということでございますが、これが五十一年まで。 平成元年からは流通業務施設等につき転用を認めるという取扱いをやりましたが、二十一年の農地法等の改正によりまして、優良農地の確保を図るため転用規制の厳格化を図ったところであります。これは水田をなるべく活用して、転作をするなり餌米を作るなりと、そういうことで活用していく、これが四十五年から五十一年までとは背景が異なってきたと、こういうことがございますので、この厳格化された転用規制をしっかりと適切に運用してまいりたいと思っております。
○山田俊男君 甘利経済再生担当大臣、こうした成長戦略は考えられないんでしょうかね。
○国務大臣(甘利明君) この国道十六号って私の選挙区も通っていますけれども、これはまた我が選挙区の風景じゃないようですけれども。 成長戦略は、中央でいうと競争力会議を中心に作りました。今、十一月からは地方競争力会議を立ち上げます。そこで地域の方々、ブロック別に代表する方々が集まって協議をします。そこでいろいろなアイデアが出てくると思います。いいアイデアは是非採用したいと思っています。
○山田俊男君 茂木経済産業大臣、ガソリンスタンドなんかがかつてあったんですが、今はもうまさに閉鎖してコンクリートだけが残っているみたいな状況になっているんですが、地域産業活性化対策として活用できるようなことはありませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) ガソリンスタンドもそうなんですが、我々がかつて、まちづくり三法、そしてその見直しを行っておりましたころ、甘利大臣が中心でありまして、私や岸田大臣もメンバーとして、どうして中心街であったりとかが寂れていくのかと。こういう原因として、例えば郊外の大型店であったりとかロードサイド店に客を取られていると、こういう議論があったわけでありますけれども。 今、ロードサイド店であったりとか、そういったガソリンスタンド等々でも空き店舗増えているわけでありまして、そういったものに対する活用の仕方につきまして、流通業、サービス業の事業者等々がこういった空き店舗を活用して事業を行う際にも活用いただけるような支援制度を今後ともしっかりと検討していきたいと思っております。
○山田俊男君 太田国交大臣、何か知恵や政策はありませんか。
○国務大臣(太田昭宏君) 地域の活性化、そして景観も含めてどうするかと、これは本当にある意味では一番大事なことだというふうに思います。 人口減少が進んで、二〇五〇年には一平方キロでメッシュで切りますと大体日本の六六%が人口半減と、こういうふうになります。もう一度地域をコンパクトシティーという形で凝縮して、医療や様々なものというまちづくり全体の構想というものが大事だというふうに思います。 マイナスからゼロへ、ゼロからプラスへという反転攻勢のそうした政策、仕組みというものが大事だと思います。美しい里山を取り戻すのはマイナスからゼロということでしょうし、それから、コンパクトシティーをつくって新しい産業をそこにつくり上げるというような戦略性を持たなくてはいけない、これはプラスへの転化だと思います。マイナスからゼロへという観点からいいますと、老朽化した空きビルの撤去や再生と、これについては社会資本整備総合交付金による支援ということができます。そして、この間の通常国会で官民ファンド、不動産特定共同事業法のスキーム、これをつくりました。これで対応できるというふうに思います。 国交省としても、そうした全体像に立った上で具体的にできるという仕組みを更に工夫していきたいと思っております。
○山田俊男君 総理は、この問題、この提案、いかがお考えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山田委員からいただいた提案は、やはり国土を有効に活用しながら景観もしっかりと維持をしていく、そしてそれが更に日本の活力にもつながっていくという意味において、政府としても研究をしていきたいと思います。
○山田俊男君 ありがとうございました。是非これを具体化してまいりたい、こんなふうに思います。 さて、次の項目に参りますが、TPP交渉についてであります。 安倍総理は、TPPに関しましてこれまでいろんな発言をされておられます。衆議院の総選挙では、聖域なき関税撤廃を前提にする限りは交渉に反対だということで、それこそ本当に多くの支持、支援を得て、そして与党に復帰したわけであります。 日米首脳会談では、総理、それこそ本当にワシントンからの総理の高揚した記者会見の顔と言葉を私はいまだに忘れておりません。私は公約を守った、私に交渉参加を判断させてほしいと、こうおっしゃっておられたわけであります。 さらにまた、総理の交渉参加判断以降の自民党大会での挨拶、記者会見は見事だったというふうに思います。どうぞ、私は総理、総理の、私は食と農は守る、私を信じてくださいとおっしゃっている総理の言葉を私は本当に信じているんです。多くの農林漁業者はそうであります。どうぞ不安でいっぱいの農林漁業者に対して総理の決意を改めておっしゃっていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、自民党大会、今年の自民党大会でも申し上げたことでありますが、私たちが今進めている経済再生、強い経済力を取り戻していく、これはあくまでも手段でありまして、ゴールは日本という国に生まれたことに喜びを感じ、誇りを持てる美しい国をつくっていくことであります。そして、私たちが目指すべき市場主義は、そこに書いてありますように、強欲を原動力とすることではなくて、真の豊かさを知る市場主義をつくっていきたいと、このように思っているところであります。何よりも日本は瑞穂の国であります。この美しい田園風景、麗しい地域をしっかりと活力のあるものにしていきたいと、こう思う次第でございます。 その中におきましても、農業というのは国の基でありまして、中核的なこれは産業であろうと、こう思うわけであります。そして、今後、若い皆さんが自分たちの情熱と能力で新たな地平線を切り開くことができるという分野にしていきたいと、こう考えているところでございます。
○山田俊男君 総理には後でまたお聞きしたいというふうに思いますが、市場アクセス交渉で自由化率で交渉するという議論が新聞にずっと報道をされていて大変心配しているところであります。 だから、自由化率で見ると日本のオファーは低いと。だから、九五%以上の自由化率の数字を示さなきゃいかぬということになるから、それじゃ、五品目の細目でありますタリフラインについて、それを検証してみようじゃないかと、場合によったらその検証の中で九五%以上の自由化率を達成すると、こうしたことになっているんじゃないかと思うんです。 なぜ自由化率で交渉しなきゃいかぬのですか。一体どういう交渉の状況になっているのか、甘利大臣にお聞きします。
○国務大臣(甘利明君) 交渉の具体的な内容を子細に語るということは、これはできないんですけれども、過去の二国間、これ日本に限らず、よその国もそうですけれども、FTAとかEPA交渉、関税アクセスの交渉は事実として品目とか自由化率で議論していると、これは事実であります。このTPPもそうした交渉の一環でありますから、オーソドックスに取られている方法が取られるということはあるということであります。 なお、この交渉は包括的でバランスの取れたということになっていますし、特に日本が参加して、特に途上国からは、日本が参加してくれてバランスという言葉が入ったと、安倍総理の発言の中には高い野心、それはそうなんだけれども、バランスということが大事だと。これは各国が抱えている事情も最低限のしんしゃくはすると、あるいは、関税だけじゃない、ルールが大事だからそのバランスも大事だと。いろんな意味で、日本が入ったということによって一つに偏らない交渉になってくるのではないかというふうに思っております。
○山田俊男君 林農水大臣にお聞きしたいんですけれど、このタリフラインの検証なりタリフラインの議論というのは、相手国との間で具体的に議論はしていく中で、相手国からこの問題をどうするんだ、あれをどうするんだという議論の中で私は進んでいくんじゃないのかと、そういう類いのものではないかというふうに思うんですが、アメリカと一体どんな交渉をされているんですか、タリフラインを削減しろなんという話になっているんですか。
○国務大臣(林芳正君) 今、甘利大臣からTPP担当大臣としての御答弁がありましたので、おっしゃったとおり、交渉を具体的に誰とどういうふうにやっているかと、これはお答えを控えさせていただきたいと思いますが、まさに市場アクセス交渉について、今、山田先生おっしゃったように、相手国の実質的な輸出関心、これを把握した上で交渉を進めると、これが大事だということは言えると、こういうふうに思っております。 さらに、日米共同声明、先ほど触れていただきましたが、我が国の農産品のセンシティビティーということで特出しでここを認識をしたということ、さらには、御案内のとおりでございますが、衆参の農林水産委員会で決議がされておりますので、こういうことを踏まえてやってまいりたいと考えております。
○山田俊男君 甘利大臣、先ほど御答弁いただきましたが、アメリカの農業団体、私も幾つか接触しておりますけれど、自由化率については全く関心がないんですよね。むしろ品目ごとの扱いをどうしたらいいかということについては強い関心を持っております。そんな中で、何で日本側がタリフライン、自由化率について提起した上でタリフラインの議論をやらなきゃいかぬのですか。どうもそこが分からないんです。大臣にお聞きします。
○国務大臣(甘利明君) 物品の市場アクセスは特にそうだと思うんですが、これは基本的には二国間のベースで積み上げたもので、そしてマルチで構成されるということになります。これはリクエストオファーを重ねていくと、こういうものが欲しいと、ここまではできるけどこれは勘弁ねというようなことを二国間でやっていくわけですね。 一方で、全体としては、野心を上げていく、WTOプラスということが言われておるわけでありますから、WTO内であるならばTPPをやる必要がないわけです、もう既にみんなが取っている権利ですから。それからプラスにどこまで野心を上げていけるかと、これは市場アクセス、物、それからサービス以外にも、ルールでもこれはWTOでほとんど触っていない部分がありますから。ですから、そういう中で自国の事情とすり合わせながら各国が野心を上げていくということに非常に悩みつつ取り組んでいるということであろうと思います。
○山田俊男君 大臣おっしゃるように、TPP交渉において野心を上げていくことが求められて、それに対して苦しみながらどうこたえていくかということを検討していかざるを得ないんだという事情については、私もよく分かりますよ。 だけど、それにしても、なぜそのタリフラインで事前に検証した上で、事前に、これは自由化率を達成するためには、この点については関税撤廃の対象に場合によったらしてもいいよみたいような形での交渉をしなきゃいかぬのですか。相手側から求められて、相手側との交渉の中でそれを検討していくということだと思うんです。もう一度そこをお聞きしたいんですよ。
○国務大臣(甘利明君) 基本的に二国間をやっていけば、今まで取れていないものをよこせというお互いの主張になるわけです。それぞれが自分のところは一歩も譲らないけどおまえのところはよこせという交渉はあり得ない、成り立たないわけでありまして、そこでどこまで国内事情を見ながら苦しい壁を乗り越えていくかということになっていくわけであります。 それぞれの国には譲れない線、各国はレッドラインと呼んでいますけれども、レッドラインはあるわけでありまして、ただ、最初からレッドラインを広範に構えて、こっちは譲らないけれどもあなたは譲れと言ったら、元々交渉というのは成り立たないということになるわけであります。
○山田俊男君 新聞報道だけ取り上げて物を言うつもりは毛頭ないんですが、もうここ連日、このタリフラインは譲りますと、関税撤廃しますと、検討しますというような話がどんどん出ているんですよね。 これ、一体、交渉する立場としても、苦しみながら交渉するとおっしゃった甘利大臣の立場からしても、おい、これは交渉にならぬだろうというふうにお思いになりませんか。これ、どういうことなんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 新聞報道されていますことはほとんど私関知をしていないと。そんなリリースをした覚えはないということをいろいろ書かれています。それで、後々、いろいろ訂正会見を事務方が行ったりしているところであります。 タリフラインの話については、政府側から党側にこれこれこうしてくれという要請をしたわけではありません。党側でいろいろ検討をしていくということでありますし、政府としてはそれを見守りつつ、とにかく党とは連携を取っていくということ、その姿勢で今取り組んでいるということであって、具体的に政府側としてタリフラインを子細に検討して、何はどうこう彼はどうこうということを広範に始めたということではありません。
○山田俊男君 今の大臣の言い方になると、これは私なんかにも跳ね返ってくるんですが、政府はやっていないぞと、検討は党だと、党が漏れているんじゃないかみたいような話になっちゃったら、これはまたこれでえらいことなんです。党に対する多くの国民や農林漁業者の信頼を失うことになるんですよね。一体これ、どう解決したらいいんですかね。
○国務大臣(甘利明君) 別にこれは党が勝手にやっているという、突き放しているつもりはありません。党の方は党の方でこの野心を上げていく際にいろんなリスクを考えていろいろ取り組んでいただいているんだと思います。それについては、政府は、情報提供は最大限、これは農水省を中心にやらせていただきたいと思います。 政府の方はまだ交渉のさなかでありますし、特に市場アクセスというのは残された課題でありますから、まさにこれから本格化していくわけであります。まだ政府として具体的に細目を詰めているわけでもありません。いろんな情報が出ていきますけれども、その中身について我々は、自国のオファーも含めて、これはTPPの守秘義務にかかわるわけでありますから、そういうことをマスコミにどうこうするということはありませんし、まして、テレビ中継の公開の場で日本は今こうしていますなんということを言うこと自身が条約の契約上禁止されていることであるということは御理解をいただきたいと思います。
○山田俊男君 苦しみながら交渉を続けざるを得ないというその立場からしますと、政府としてやっていないよというのは当然だ、こんなふうに思います。交渉をマイナスにするだけですものね。 こうなりますと、今日は通告しておりませんでしたが、菅官房長官、目の前においでになるものですからどうしても一言お聞きしたいんです。どうぞ、ここは政府と党との一体感といいますか、ないしは整理といいますか、ここをちゃんとやっていただきたいというふうに思うんですが、どうぞお考えなり対策をお聞きします。
○国務大臣(菅義偉君) そこは当然のことだというふうに思っていますので、当然党と、与党としっかり調整をしながら推進していくのが政府の役割だと思います。
○山田俊男君 分かりました。どうぞ、そのいろんな工夫を是非やっていただきたい、こんなふうにお願いする次第であります。 このことと関係しまして、パネルを示しますし、資料にもありますけれど、(資料提示)我が国は、食品製造業は、何とこれは自動車産業、さらに化学工業に次いで供給高ですね、これが高いわけであります。雇用でいきますと、何とこれら産業を抜いて第一位なわけであります。ましてや、鹿児島、それから北海道、沖縄という地方県におきましては、県内の製造業の出荷額と従業員の雇用、これはもう三〇%から四〇%が食品製造業が占めるという事情であります。 こうした事情の中では、まさに品目の細目でありますタリフラインですね、これの調製品や加工品をどんな形でちゃんと守るかというふうにしておかないと、この国内の製造業が一気に海外に出ちゃうのか、ないしは国内で活動ができなくなっちゃうという実態があるわけでありますし、さらに、それら国内の食品製造業が使っている国内の原材料も使わないでいくということになってしまうわけであります。だから、そういう面からしても、調製品や加工品のタリフラインの扱い、これもう慎重に慎重を重ねなきゃいかぬということであります。 農水省は、この点、一番よく御存じだと思うんです。だから、その立場から、一体これらはどんなふうに整理していく、決着していくということなのか、農水大臣の意見をお聞きします。
○国務大臣(林芳正君) 今委員から御指摘があったように、我が国の食品製造業は農水産物の六割を加工原料として受け入れております。したがって、残りの四割がそのまま食べていただいておると、こういうことになろうかと思いますが、今お示しいただいた表でも分かるように、これはお示しいただいたのは多分二〇〇五年の数字ということで、直近の二〇一一年でいいますと、例えば鹿児島では五三・二%、北海道はちょっと下がっておりますが三四・四、沖縄が三五・八と。いずれにしましても、この出荷額の半分以上、鹿児島ではですね、北海道、沖縄では三分の一ということでありますから、地域経済全体にとって非常に重要な位置付けになっております。 これは一般論ですが、加工食品の関税が引き下げられた場合、やっぱりその食品価格が低下するということが予想されますので、国内市場が輸入品に置き換わるということで、食品製造業に影響を与えるということですから、当然、その食品製造業が原料として買っておる農林水産物の価格の低下、こういうことを通じて農林水産業にも影響を与えるということが考えられます。 既に円安、それから原料価格高騰ということで企業努力を厳しい環境の中で続けておられますので、この加工食品の原料にかかわる関税が維持されたまま加工食品のみが引き下げられた場合、これまた負担が増すということがございますので、食品製造を国内で維持するということが難しくなるということがございますので、そういうことをきちっと、地域経済に与える影響、雇用ということを考えながら、原料関税と製品関税の整合性の確保、これは非常に大事だというふうに考えております。
○山田俊男君 ありがとうございました。 こういう問題を抱えているということを是非是非御存じいただきたい、こんなふうに思うんです。 それともう一つ、どうも加工品や調製品、今のところはタリフラインはあるんだけれど、ほとんど輸入量が少ないというものもあると思うんですよね。いろいろ新聞報道にあるように、場合によっては、それじゃそれは整理してしまえばいいじゃないかと、関税撤廃してしまったらどうかという議論なんかがあるんですね。 ところが、これ原産地規則の交渉も今、多分なされている。我々は報道で全然伝わってこないんですが、なされている。としたときに、今まで輸入がなかったんだけれど、それこそ各国はそれぞれいろんな工夫をして、これは、原料はオーストラリアから入れます、それから一方ベトナムで加工、調製します、場合によったらベトナムは中国から一部分の安い原材料をそれこそ入れます、それで組み合わせて調製品や加工品として日本に入ってきて、日本で製品化して売る。これ、原産地規則上は、場合によったら関税撤廃をした形の中で入ってくる可能性があるんです。すると、これはもっといろんな影響を与える。要は、今は輸入量がないからいいだろうなんていったって、そういう仕組みの中で入ってくる可能性が大いにあり得るわけであります。 一体、甘利大臣、原産地規則の交渉というのは、今どんな状況なんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 毎回同じ答弁をせざるを得ないというのは、聞かれる方もストレスが高まるでしょうけれども、言う方も結構ストレスが高まるんでございます。 原産地規則というのは、そのエリアの中で原材料から製品までが調達をされるということであります。つまり、その外側から入れてきたんでは、この域内の自由化に裨益をするのがそれ以外の人ではないかと。そこはそれぞれの国の思いを合わせて適切なルールを作っているところであります。
○山田俊男君 林大臣、林大臣は、今私のこうした原産地規則の扱いいかんによってこうした加工品や調製品の輸入が一気に拡大しかねないという心配について、どんなふうに受け止めておられますか。
○国務大臣(林芳正君) 甘利大臣がおっしゃられましたように、今どういう交渉内容かということは申し上げられませんが、今委員から御指摘がありましたように、この原産地規則というのは、関税の交渉をやるときに相手国と我が国の間の関税の交渉をやるわけですから、じゃ、相手国から来るものの定義は何かということでございまして、先ほど申し上げましたように、相手国の輸出関心をよく調べてやるというときに、その新しく決まったことが、今度はよそからいろんなものを持ってきて、あたかもその国で作ったことのようにして入ってくるということになると話が違ってくるということでございますので、その産品かどうかを特定するという非常に大事なルールであるということはおっしゃるとおりでございます。 オファーをするときにも、この協定参加国の潜在的な輸出力、これをしんしゃく、勘案してオファーを行うということですから、そのオファーそのもので前提が変わってきてしまうということでございまして、いわゆる想定外の輸入、迂回輸入みたいなものが起きてはいけませんので、これを回避するという意味では原産地規則が大変に重要だと、こういうふうに考えております。
○山田俊男君 どうぞ、交渉の内容がこうしてなかなか分からないというのがまさに大臣もストレス、私なんかもストレスと、国民みんながそういうことになっているというふうに思うんです。ここを何とか工夫しないと、このままではどこかで爆発しちゃうんじゃないかという心配をしているところであります。 さて、これはもうこういう問題の解決の原則論に入ってしまうんですが、御案内のとおり十二か国でTPP交渉していますが、それぞれの国は全く多様でありますし、とりわけ農林漁業は全く違います。そうなってくると、本来であれば、やっぱり多様な国の、そしてその国の中にある農林漁業、動かせませんからね。そういうその実態というやつを認め合いながら配慮していくということが必要になってくるわけで、だから、私、一貫して申し上げていますように、自由化率で見てしまうことの問題があるんじゃないかということを先ほどから言わせていただいた次第でありますが。 ところで、このことは総理も大変しっかり分かっておいでになるから、まさにオバマ大統領との間の二国間の協議におきまして、日本側の農産品とアメリカ側のこれは工業品、自動車についてですが、センシティビティーがあるんだということを確認されたわけですね。そして、まさにそう考えてみますと、徹底して両国のセンシティビティーについて交渉するというのは、もうやっておられるかもしれませんが、議論するということこそが物すごく大事なんだと思うんです。 私、総理が大変な苦労をしてあの二月の段階で合意に持ち込んだ。その合意について総理は、私は公約に違反していない、私に交渉参加の判断をさせてほしいというふうに、覚えておられるというふうに思いますけど、ワシントンから記者会見されたわけであります。私は、オバマ大統領との間で総理が精力を込めておやりになったセンシティビティーの確認ですね、これをこそ、今この農産物の交渉におきましてもこれを生かすということをやってもらうということじゃないかと思うんですが、総理の改めて見解、お聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山田議員が御指摘をされたように、それぞれの国はそれぞれの国の事情があり、それぞれの国のセンシティビティーがあるわけでありまして、センシティビティーはある意味では聖域と言ってもいいでしょうし、そしてそれは国柄を守ることにもつながっていくわけなんだろうというふうに思います。それぞれの国は議会で、そして国民の間にこういう議論があるんだということを紹介しながらも交渉しているわけでありますが、その意味においては、もう山田議員の存在は国際的にも有名になっていて、よく発言は引用をされるわけでありまして、自民党の中ではこうなっていると新聞でもよくそれは引用されているわけでありますが。 本年二月の日米の共同声明において、本年四月の日米合意において、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティーが両国にあること等が確認されたことを踏まえ、交渉に参加をしたわけでございます。 我が国のみならず、各国とも今申し上げましたような困難な問題を抱えているわけでありまして、こうした各国のセンシティビティーに配慮をしつつ、包括的で高い水準の協定の達成に向け、各国とともに努力をしていく考えであります。 そして、先日バリで行われたTPP首脳会合では、私から交渉妥結のために包括的でバランスの取れた成果を出すことが不可欠であること等を強調して、首脳声明において、包括的でバランスの取れた地域協定を年内に妥結することを目的に、これから交渉官は残された困難な課題の解決に取り組むべきであることに合意したというふうに明記をしたわけでございますが。 今や交渉の中核的な役割を日本が担っているわけでありますが、このバランス、まさに、市場アクセスだけではなくて、今委員も触れてこられたルール作りですね、このルール、人、物、金、全体のルール作りにおいて、知的財産についてもそうでしょうし、電子商取引においてもそうでしょうし、国有企業の問題、様々な課題において日本はそれなりの役割を果たしているわけでありまして、ですから、こうした全体のバランスの中で考えるべきだというのがまさに日本の主張であり、それが取り入れられているわけでございまして、このバランスに配慮しながら交渉の年内妥結に向けて積極的な役割を担っていきたいと、このように考えております。
○山田俊男君 総理、大変大事なことをおっしゃっていただいたというふうに思います。 まさに、この十月八日のTPPの首脳会談、首脳声明において明確にまさに総理がおっしゃった、バランスという言葉をお使いになった。さらに、発展段階における多様性という言葉もお使いになった。これは、発展段階というと新興国を対象だというふうに議論があるかもしれませんが、我が国の農業の実情は、それはまさにアジアの中での農業でありますから、センシティビティーを抱えております。そういう観点からすると、まさに多様性とバランスと、このことをもってきっちり交渉を進めていくんだという総理のお考えに私は期待するところであります。 是非、先ほど官房長官にも申し上げたところでありますけれども、何としても政府と党で、そして今総理がおっしゃったそのことを基本にして、そして我が国は交渉に当たっていくぞという方針を出していただきたいというふうに思うんですよ。官房長官、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) そこは総理の強い指示の下に私たち政府はまさに党と連携をしながらしっかりと行っていくというのは、これは当然のことだというふうに思います。
○山田俊男君 甘利大臣にお聞きしますが、ISDS条項の交渉は一体現在どんなふうになされているんですか。
○国務大臣(甘利明君) ISDSについてはかなり収れんしつつあると思います。これは、投資をする側にとっては予見可能性、日本は二国間でEPA、FTAを結んできましたときに、今までのですね、ISDS条項を必ず入れています。それは、投資する際に当初予測をされなかった、当初設定をされていなかった新たな規制が突然入ってきたりということが頻発しますと、投資する方にしてみれば、こんなはずじゃなかったということになりますから、そこはきちんと入れていく必要があると思います。 ただ、国家の主権を害するようなという党の方の条項はきちんと踏まえております。
○山田俊男君 そうしますと、大臣にお聞きしますが、日本が既にマレーシア等と入れているISDS条項と、それと今回アメリカ側が場合によったら交渉の俎上にのせてきているISDS条項とは趣旨が違っているというふうに見ていいんですか。
○国務大臣(甘利明君) このISDS条項の中身の詳細も公開するということはできないわけでありますが、委員御心配されているのはNAFTAとの関係ですね。 これは、中身がどうなっているということは申し上げられませんけれども、NAFTAと、NAFTA以降がどう変わったかということについては事実として申し上げることができますけれども、NAFTA以降につきましては、アメリカは乱訴防止条項というのを入れて二国間をやっております。
○山田俊男君 そうすると、相手側企業が当該国を訴訟するみたいなような話についての規定は、NAFTAの規定に比べればむしろ簡素なものになっているというふうに考えていいんですか。
○国務大臣(甘利明君) 中身がどうこうは申し上げられませんが、それぞれ国はそれぞれの案件について懸念も日本以外でも持っておりまして、それぞれの国が納得をしていく国際ルールにしていくということであります。
○山田俊男君 ラチェット条項については今どんなふうな議論になっているんですか。
○国務大臣(甘利明君) 細かい条項の中を一つ一つ開示はできませんが、ラチェットというのは、投資等をする際に、やはり現状のいろいろな規制を以降で更に後退させてしまうということになりますと、これはやっぱり投資にとって予見可能性を損なうことになります。そこはきちんと透明性が確認される方向でなければならないと思いますし。ただ、各国でいろいろな主張があるわけであります。それは現状で調整中ということであります。
○山田俊男君 もう一点、甘利大臣、集中して申し訳ありませんが、TPAですね、これについて、アメリカの状況をどんなふうに認識されていますか。
○国務大臣(甘利明君) TPA、つまり議会と政府との関係ででき上がった案件、条約を丸ごとイエスかノーかしか議会は言えないという仕組みにする話ですね。これ、アメリカの国内事情ですから、それに日本がああしろこうしろととやかく注文を入れるのは内政干渉に近いことになってしまうので、これは避けた方がいいと思います。 ただ、一般論として、TPAを結んだ方が政府としては後々それをひっくり返すというような事態にならなくていいじゃないかという議論があることがあります。その一方で、別な議論は、無理無理にそれを結ぶとすると、議会から細目にわたって、これはこうしなきゃいけない、ああしなきゃいけないという条件がいっぱい付いちゃって、それ自身、政府が身動きができなくなるという点があるんじゃないかという両方の指摘があるということだけ御紹介しておきます。
○山田俊男君 甘利大臣、再び恐縮ですが、韓国と米国とのFTAで、結局は議会が、アメリカの議会が承認できなくて、あとは二年間も再協議して、そして決着したという経緯がありますね。今度も我が国は、そういう形で一旦合意しても、あとはTPAがないから合意できないといって、それで更にずっと一年も二年も議会サイドから引っ張られることはないですか。そして、もう一回、合意したものに上積みしてあらゆる要求をのまされるということは考えられませんか。
○国務大臣(甘利明君) アメリカがどういう行動を取るかというのは私が推測してとやかく言うべきことではないと思いますが、一つ言えることは、アメリカは日本とは並行協議もやっているわけですね。この並行協議の成果というのはTPPと同時決着ということになります。ということは、TPPが決着しないと二国間の交渉もほごになると。いろんなリスクを超えて全部ほうり出すんだろうかということは、本当にそうなるんだろうかということは考えなきゃいけないことだと思います。
○山田俊男君 以上、いろいろ御質問させていただきました。 首脳会談で、これ総理も出席された十月八日の首脳会談で、国民の関心事項に適切に対応するためステークホルダーとの協議を更に強化するという項目が、総理、入ったんですよね。だから、これの具体化をしっかりおやりいただきたいということと、もう一点は、それこそ私は、総理が総裁選に勝利されて総裁におなりになった後お伺いしまして、そして真っ当な日本をつくりましょうというふうに申入れを仲間と一緒にやりました。総理は、私の考えと同じです、瑞穂の国の経済を目指しますと、こうおっしゃっていただいたわけであります。 私は、その総理の考え方に物すごく期待しているんです。是非、TPPもその扱いによって、大事な真っ当な日本をつくるという考え方でお願いしたいと思います。最後に総理の決意をお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年の党大会で申し上げましたように、日本は瑞穂の国ですから、この麗しい国をしっかりと守っていくために、その手段としてのTPPがあるんだということを申し上げておきたいと思います。
○山田俊男君 どうもありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で山田俊男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 おはようございます。公明党の魚住裕一郎でございます。 総理、政権交代から十か月でございます。日本再建、そして日本を取り戻すということで、力を合わせて経済の再生、復興の加速に全力で取り組んできたわけでございます。 この七月の二十一日に参議院選挙がございました。自民党、公明党、勝利をさせていただきまして、国民の皆様から自公で引き続きしっかり取り組めと背中を押していただいたような、そんな思いでございます。これは総理もおっしゃっていたことでございます。公明党も持ち味を発揮して、国民目線、また生活者目線、平和の心を持って、ぶれずに日本再建にしっかり挑戦をしてまいる決意でございます。 早速質問をさせていただきます。 総理、十月一日にこの消費税率八%への引上げの最終判断をされました。運命付けられたといいますか、そういう状況になったわけでございますが、経済の好転に向けて必死になって取り組んできたわけでございまして、ここでデフレ脱却、そしてまた腰折れを起こしてはいけない、そんな思いで、同じ日に、消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応についてという、そういう経済対策を決定されたわけでございます。 ただ、国民の中には、この消費税率アップで増収した部分が経済対策に使われるんではないのか、そういうふうに思っておいでになる方もいるわけでございまして、総理も記者会見でおっしゃっていたわけでございますが、社会保障にしか使わない、こういうことを明言を是非していただきたいと、改めて総理に御確認をさせていただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、魚住委員が御指摘をされたように、この消費税アップ分が経済対策に回っているんではないかという御懸念が国民の皆様の間にあることは私も承知をしておりますので、もう一度明確に回答をさせていただきたいと、このように思いますが、今回決定した三%の引上げ分の消費税収は全額社会保障費財源化することとしておりまして、これを経済対策の財源に充てることはございません。 経済対策の財源、これは新たな借金ではなく、まさに自民党、公明党、政府で進めてきた私たちの経済政策によって幸い景気が好転をいたしまして、そして、それによって税収が自然増、そして上振れたわけでありまして、二十四年度決算の剰余金が出たわけでございますし、また二十五年度予算のこれは不用などを更には最大限活用していくことで確保していく考えでございます。
○魚住裕一郎君 この経済の対応につきまして、与党として公明党もしっかり議論に参加をさせていただいたわけでございますが、この経済政策パッケージ、消費税率の引上げによる反動減を緩和して、また景気の下振れリスクに対応する、そしてその後の経済成長の底上げと好循環の実現を図ると、こういう目的になっているわけでございまして、社会保障に使いながら景気を底上げしていく、そのために思い切ったいろんな政策を決定をしたわけでございますが。 例えば、投資減税措置ももう中小企業に分厚く、私どもから強く主張させていただいてこのように決めさせていただいた、あるいは、税制とかいうだけではなくして賃上げ、所得拡大が大事だということで所得拡大税制もより使いやすいものにしたし、政労使で会議を図って協力をしていただく、あるいは、所得の低い方々に簡素な、しかししっかりした給付措置をしなきゃいけないということで、アップ分、例えば市町村民非課税者二千四百万人に一万円を支給する、そういうような、導入時あるいは五%にアップのとき以上にしっかりした、充実した対応策が取られているところでございます。 そんな中で、ちょっと違和感といいますか、あれっと思ったのは、やはり復興特別法人税、一年前倒しで廃止するということなんですね。国民みんなこぞって、法人も、また所得税、個人も、あるいは住民税も含めて、付加税という形でこの東日本大震災の復興にきずなを強めながら図っていこう、こういう税制でつくったはずなんでございますけれども、それを一年前倒しで、どうして一年だけそこに特出しのような形で入ってしまったのか。 もちろん十二月に結論を得るということなんでございますし、復興財源を確保、また被災地の皆様を中心に理解、そしてまた賃金上昇につなげられる方途と見通しを確認をするという条件を付けたわけでございますが、ちょっとこの点についての御説明をしていただきたいということと、それから、特に賃金の引上げにつきまして、下請企業等についてもどうやってそれを図っていくのか、そういう観点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで自民党、公明党、安倍政権で進めてまいりました三本の矢の政策によって、日本の景気をめぐる、経済をめぐる空気が大きく変わりまして、そして景気は緩やかに回復をしてデフレ状況ではなくなりつつあるわけでありまして、ずっと十五年続いてきたデフレから脱却をするチャンスをやっと手に入れようとしているわけでありまして、そして、今こそ賃金上昇、雇用拡大を伴う経済の好循環を実現する絶好のチャンスであると、こう考えているわけでありまして、そこで、来年の四月から引き上げる消費税率の引上げによって経済が腰折れをしてこうしたチャンスが手からこぼれ落ちるようなことがあってはならないと、こう思うわけでございまして、そのため、経済政策パッケージにおいて、足下の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に復興特別法人税の一年前倒しでの廃止を検討して十二月中に結論を得ることとしたわけでございます。 ただ、確かに、今、魚住委員が御指摘になられたように、個人も法人も国民みんなでこの復興を支えていこうというきずなが大切である、私もその意義は極めて大切であると、こう思っております。 しかし同時に、今申し上げましたように、経済が腰折れをして復興を支える経済力を失ってしまってはもうこれは元も子もなくなる中において、今回、これは確かに異例の措置ではございますが、この措置を、これが企業の収益につながっていくわけでありますが、それをしっかりと賃金に、賃金の増加に転嫁をしていくということを見ながら十二月に判断をしていただく。ですから、私たちがこの異例のことをやったということを経営者の皆さんがちゃんと理解をしていただくということが大きなポイントであろうと。 このきずなを持ち続けていただくという意味において、これは普通労使間で決まっていくわけでありますが、これをやっていただきたいということをお願いをしているわけでありますが、この法人税納税企業のほとんどはこれは中小企業でありまして、ここに誤解もあるんですが、大企業ばっかりじゃないかと言われているんですが、法人税納税企業のほとんどは中小企業でありまして、本措置の効果は大企業のみならず中小企業を含め広く及ぶと考えております。 地域経済や雇用を支える中小企業を支援するため、今般の経済政策パッケージでも、地域経済や雇用を支える中小企業の投資を促進する税制や賃上げを促進する税制を大幅に拡充するとともに、中小企業の成長分野への投入等を後押しする投資補助金なども盛り込んでおります。さらに、中小企業団体を含め経済界などに賃上げ、賃金の引上げや下請企業への対応に取り組むことを要請をしております。こうした取組を通じて中小企業においても賃金を引き上げる企業が増加すれば、これを契機として賃金水準全体の上昇が促され、また、下請企業支援等が積極的に行われることにより中小企業においても賃金引上げ余力が高まり、さらにこれらの賃金上昇等による消費の拡大等を通じた経済の好循環が実現すれば、その効果は中小企業を含め日本経済全体に及んでいくと、このように考えているわけであります。 引き続き、経済成長を早期に雇用拡大や賃金上昇につなげ、全国津々浦々までこの景気回復の実感を届けられるように努力をしていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 具体的に企業でも、この復興特別法人税の前倒し廃止で賃金を上げようという、そうおっしゃっている企業も出てきたというふうに報道はなっていたわけでございますが、是非一生懸命取り組んでいきたいと思っております。 今国会、成長戦略実行国会ということでございますが、同じ十月一日に日本経済再生本部が成長戦略の当面の実行方針ということで、日本再興戦略の内容が具体的に示され、構造改革の内容や方向性が明確にされてきたところでございますが、その中で、日本版NIH、ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルスですか、これアメリカにあるわけでございますが、その日本版をつくろうということで、今まで厚生労働省や文科省あるいは経産省でばらばらになっていた医療の開発等についてまとまって取り組んでいこうという、そういう試みということで研究開発の司令塔にということでございますが。 山中教授のiPSでノーベル賞という形になったわけでございますが、そこから、その基礎研究から先の実用化という部分について、患者の皆さん物すごく期待をされている。そして、そこから創薬とかいろんななぜ展開がされないんだろうかというのが、私もこの場で立たせていただいていらいらしてきたところでございますが、ようやく日本版NIHということでございますので、そこの意義あるいは目的、あるいはさらに成長戦略にどう寄与することができるのか、御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 医療技術の開発、そしてそれをいかに患者さんの回復につなげるというのは極めて大きなことだというふうに思います。 現状は、今委員の言われたとおり、それぞれ役所の縦割りがありますので、そうしたものを廃止をして、内閣のリーダーシップによって予算、これ一元化をする。さらに、省庁をまたがるテーマについてもこれは調整をして、患者さんが、時間が、できるだけ早く実現できるようにしようというのがこのNIHの構想でありまして、現に来年の通常国会にこの一元的管理、研究を行う独立行政を設立するための法案を出したいというふうに思っています。 さらに、国際水準の臨床研究、治験を推進する仕組みを構築をするなど、こうしたことを一元的に管理することによって、まさにこの技術開発、さらに治験、そうしたものをしっかりとスピード感を持って行うことができる体制をつくって経済再生につなげていきたいと思います。
○魚住裕一郎君 それで、去年の暮れの政権交代以来、必死になって経済の再生に取り組んできたわけでございますけれども、その中で、五月ぐらいですか、あれっ、あれっというような、株価が下がったり、そういう状況がございました。よく見たら、アメリカの金融緩和がどうなるのかというふうなことで株価に大きな影響があったというような状況があったわけでございますが、今私たち、機動的な財政出動、また金融の緩和と、そうやってきている中で、こういう状況というものを、日銀としてどういうふうに影響について見ておいでになるのか、御教示をいただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、米国においてFRBの資産買入れの縮小ということが五月ごろから議論されてまいりまして、その基本的な背景は、米国経済が緩やかながらも着実に回復しているということがあると思います。九月のFOMCでは結局資産買入れの縮小というのを開始するということは見送られたわけでございますが、この点、FRB自体は、経済・物価情勢に応じて適切な金融政策を行っていくというふうに言っているわけでございます。 そこで、御指摘のとおり、五月以降、国際金融資本市場では、米国の金融政策をめぐる思惑を受けていろいろ揺れたり、やや神経質な動きが見られました。特に、夏場にかけて新興国では、経常収支赤字国を中心に通貨が下落する、あるいは株安が進むと、そういうことが世界中を巡り巡って日本にも一定の影響を与えたということは否めないと思います。 したがいまして、今後とも、米国経済の動向あるいは金融政策の状況につきましては、国際金融資本市場とか世界経済に及ぼす影響を含めて注意深く見ていきたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 日本経済にも大きな影響を与えるものですから、是非よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、災害に関連をしてお聞きをしたいと思います。 台風が来ておりまして、先般の台風の二十六号、伊豆大島に大きな被害をもたらしたところでございまして、今現時点、三十名の方が亡くなり、また十五名がまだ安否が確認できていないということでございまして、この亡くなられた方、御冥福をお祈りするとともに、被災に遭われた方、心からお見舞いを申し上げるものでございます。一刻も早く安否の確認を、そしてまた、捜索活動また復旧をしていただいている皆様に心から敬意を表するものでございます。 実は、昨日も質問あったわけでございますが、国交大臣、今回、特別警報というものを発出しなかった。一昨年の台風十二号で甚大な紀伊半島中心に被害があったということを受けて、この八月から特別警報というものをつくった。ただ、県単位の広がりを持つ大きな災害がある場合に発出されるんだ、だから、今回は島だから発出されなかったというようなことで、昨日の御答弁だと特別警報相当といいますか、そういう表現ぶりだったと思いますが、そういうような話であったわけでございますが、もっと分かりやすく、現場の首長さんも判断しやすい、そして個別的にしっかり伝達できる。ファクス一枚送ってとどまっていたと、こういうことではやっぱりまずいわけであって、具体的に、こういう状況ですよ、発令したらどうですかというようなことまでやっていただいた方がいいんではないかなと思っておりますが、その辺の基準の見直しを含めて、今後の在り方について御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 特別警報を新しい体制で、八月末にそうした特別警報ということを設定をさせていただきました。かなり浸透してきたというふうに思います。 これは都道府県単位ということが言われておりますが、それがマニュアルではございません。そうではなくて、雨量そして雨域そして風量というものを計算する場合にレーダーで見ると。そして同時に、観測点がありまして、そことの両方相まってかなり広域でなければ精度が悪いということがありまして、精度を確保するためには県単位より、相当といいますかそれ以上というか、かなり広い範囲でデータを拾ってということが精度のためには必要ということでございます。そういう意味では、北海道を始めとして広いところではもっと狭い地域で特別警報ということも当然あるわけでございます。 ただ、そうしたことからいいますと、局地のものに対してはなかなか精度が十分確保できないということがありまして、そこで、特に島嶼部においては地上の地点がありませんものですから、精度が悪いものですから特別には警報としては出せないという、結果的にはそうなるわけであります。 今回、こうしたことがありまして、何としても人命を守らなくてはいけないという観点から、これは精度を確保できるかどうかという点においては若干ラフな点もありますけれども、そうしたことが予想されるという場合には特別警報相当という判断をし、特別警報に準じる雨量というものが予測されるということがありましたら、それを相当という言葉を付けるか準ずるという言葉を付けるか、いろんな伝達方法については研究の余地がありますけれども、やらなくてはいけないというふうに思っています。 今回、台風二十七号が今迫っています。特に地盤が緩んでいる大島について的確な情報を提供しなくてはならないというふうに思っております。そういう意味からいきまして、順次、これについては情報を直接、電話とそして書類、両方相まって現場に時々刻々と知らせていくという体制を取ろうというふうに思っております。 昨日も緊急に東京都と調整をしまして、特別警報に準ずるような大雨の場合には気象庁本庁から自治体首長へ特別警報相当の対策が必要である旨、危機感を直接伝える体制を整えることにいたしました。なお、これについては、本施策につきましては全国の島嶼部を対象とするよう併せて指示したところでございます。
○委員長(山崎力君) 魚住先生、黒田日銀総裁、これ以上質問なければ御退席願ってよろしゅうございますか。
○魚住裕一郎君 御退席、結構です。
○委員長(山崎力君) それでは改めまして、黒田総裁、御退席結構でございます。
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。 是非、柔軟な対応といいますか、現場に合った対応をよろしくお願いをしたいと思っております。 今月十一日に子ども・被災者支援の基本方針が決定となりました。昨年六月に成立をして一年余りたったわけでありますが、政権交代になって本当に詰めて議論をしていただきまして、支援対象地域、更に準支援対象地域を設定をして、放射線による健康不安を感じている被災者や生活上の負担を生じている被災者に対してきめの細かい対応をするということで決定になったところでございまして、これいろいろ読んでいると非常に工夫されているなというふうに思うところでございます。 なぜここで質問させていただくかというと、今年の二月に実はこの場に立たせていただきまして、宮城県の南部の白石市越河等の線量が高い地域、そこの健康不安どうするんだという観点から、県境を越えたらもう駄目なのかと、こういうような思いで質問をさせていただきました。 今回、この基本方針、例えばⅠの基本的方向の中の五段落目だと思いますが、これらの被災者支援施策は、被災者が自らの意思によって福島県等において避難せずに居住を続ける場合。等という言葉が入って、広がりを持って対処していただける。あるいは、具体的な施策の中で、健康の影響調査、医療の提供という項目では、国として改めて被曝線量を正確に把握するため、福島近隣県において個人線量計による外部被曝測定等をモデル的に実施。ということは、要するに外部被曝測定だけではなくて内部もこれできるというふうに読めるわけでございまして、この書きぶりは非常に考え抜かれたものだなと思っているわけでございますが。 例えば、この宮城県の南部地域におけるホール・ボディー・カウンター等を実施する余地があるのかどうか、環境大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) お答えいたします。 委員の御質問、私もかつて聞かせていただきました。近隣住民の方にも放射性物質の汚染に対する健康不安を持つ方がいらっしゃると、こういうことをしっかりと認識して根本大臣のところで取りまとめいただいたわけですけれども、やはりリスクコミュニケーションというものが非常に大切である、これに今全力で取り組ませていただいております。 モデル事業についても、この福島県の近隣県においてモデル事業で実施をさせていただくということにさせていただいております。個人線量計による外部被曝の線量の測定とともに、そのとき屋内にいたのか表で何をされていたのかが分かりますと、外部被曝についてはより精度を持って実態が分かってくるんだとも考えております。 今御指摘のございました内部被曝なんですが、ちょっと調べてきたんですけれども、福島県ですぐ震災の後、およそ十五万人の方を対象に検査をしました。このうち一ミリシーベルト未満の方がほぼ九九%でございまして、一ミリシーベルト以上の内部被曝をされた方は二十六人しかいなかったと。そんな中で、この調査結果を見ても、その事案のすぐ発生の後でも、その当時でございましたので、新たにホール・ボディー・カウンター等々を使って特に心配だということを検査をする必要は医学的には大変低いんじゃないかという話を、福島の医大の先生方からお話を聞いてきたということを御報告させていただきたいと思います。
○魚住裕一郎君 現場の不安というものを本当除去していただきますように、是非御検討を引き続きお願いをしたいと思います。 それからまた、応急仮設住宅についてお尋ねをしたいと思います。 四月にも質問させていただいて、空いたところに建設工事の従業員とかそういう人が使われたら便利ではないのかという形で前向きに御答弁いただいたわけでございますが、大分空いてきた。そして、応急仮設ですから、本来住み替えをするときはもっと恒久的な住宅に替えなきゃいけないと。応急仮設の渡りみたいなことはないというふうに承知をするわけでございますが。ただ、大家族がばらばらで応急仮設に入っているとか、コミュニティーが分散されてしまっていると。やっぱりこれに対応したことをそろそろ始めてもいいんではないのかなと、この点について防災担当大臣の御答弁がいただけたらと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) お答えいたします。 災害救助法に基づく応急仮設住宅はあくまでも一時的な住まいという考えなんですが、今御指摘、例えば東日本大震災の家族の皆さん、もう長期化していますよね。それから、家族のばらばら感というのを解消するという、そういう視点から、地方公共団体、被災地方公共団体とも相談をして、仮設住宅に空きがある場合は移っていただくということも、弾力的にそういう方向で対応していこうという考えで地方公共団体とも相談をしていきたいというふうに思います。
○魚住裕一郎君 是非お願いをしたいと思います。 続きまして、シリアについてお話をさせていただきたいと思います。(資料提示) お配りしております資料、シリアでございますが、この絵の図面の中の真ん中の白いところがシリアでございまして、一般的にはなかなか分かりづらいのかもしれませんが、イラクの西側といいますか、レバノンの東側といいますか、大体この中東地域のど真ん中にあって人口が二千万余り、二千八十二万ですか。しかし、今、この一昨年からの状況で、特にこの八月に化学兵器あるいはアメリカの対応がどうなるかという状況の中で一気に避難民が出てきた。 お示ししてありますように、シリア国内の避難民四百二十五万人。当然、政府、政権側が掌握しているエリア、反政府側が掌握しているエリア、それぞれ避難民があると思います。そしてまた、隣のレバノンで七十九万人、トルコが五十万人、ヨルダンに五十五万人、イラク二十万人、エジプト十三万人。二千八十万人の人口の中で外国に出ているのが二百万人を超えている、国内避難民が四百二十五万、大変な数だと思っておりまして、受入れ国も大変な状況だと思いますし、またキャンプもでかいところがあるわけでございますが。 実は、今月の一日から、私どもの同僚でございます石川博崇参議院議員、外務省に勤務されて、シリアに五年間、イラクのサマワに一年半おいでになったアラビア語と中東の専門家でございますけれども、党として派遣をいたしまして、シリアには入れませんけれども、ヨルダン、またイラクに行って、その難民の状況とか、あるいはどうしたらこの解決を図っていけるのか、こういうようなことで派遣をして、この間、党への報告をしていただいたところでございます。 そんな中で、やはりまずは、総理も六千万ドルの追加の人道支援というのがありましたけれども、やはりきめの細かい人道支援をやっぱりやっていくべきではないのか。これだけいるわけですからね。大変な数です。それは受入れ国も大変、シリア国内でも大変という状況で、きめの細かい、特にこういう状況の中で、母子、女性への暴力を防ぐための支援策でありますとか、あるいはキャンプでは水とか衛生とか医療保健の分野。あるいは、この難民キャンプに居住しないで都市型で入っている方。そうすると、受入れ国等で雇用や教育、サービス、あるいは水とか、深刻な負担を抱えている。そしてまた、日本のNGOも頑張っているわけでございますが、そういうところに支援の手を差し伸べるということを是非やっていただきたいと思いますが、外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。 ─────────────
○委員長(山崎力君) 外務大臣の答弁の前に、この際、御紹介させていただきたいと思います。 本日、ウガンダ共和国国民議会議長御一行が参議院を訪問されました。議長訪問の後、本委員会に傍聴にお見えになっております。 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと思います。 〔総員起立、拍手〕
○委員長(山崎力君) それでは、御着席ください。 ─────────────
○委員長(山崎力君) 続けます。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、シリアの情勢につきましては、シリア国内で既に十万人以上の死者が出ている、また御指摘のように、周辺国に既に二百万人を超える難民が流出している、こういった状況、極めて深刻な状況であると認識をしております。 私も今年七月に最大のシリア難民キャンプでありますザアタリ難民キャンプに行きまして、現地でグテーレス国連難民高等弁務官と合流いたしまして、共に意見交換をしながらキャンプを視察させていただきました。現地の本当に厳しい状況を目の当たりにし、この深刻の状況を実感してきたところでございます。 そういったことから、我が国としましても、特にここ一年の間、こうしたシリア、そしてシリア周辺国に対する支援を増やしてきております。そして、今委員から御指摘がありましたように、この九月の国連総会の場におきましても安倍総理から追加の六千万ドルの支援を表明させていただいたところでありますし、そういった支援等を含めて、合わせて現在まで二・八億ドルの支援を我が国として行っている、こうした現状にあります。 そして、こうした従来の支援の在り方に加えまして、反体制派支配地域への支援、要は、国際社会の支援の手が及ばない地域に対するクロスボーダーの支援を行うということで、本年六月に私の方から談話を発出させていただきました。現在、様々な国あるいは援助団体、こうした関係者と協力しながら、生活物資の支援ですとか、あるいは医療機材の供与ですとか、こうした支援を既に開始しているという現状にあります。 私も現地に行きまして、水、衛生、医療分野への支援の必要性、直接話を聞いてきたところでありますし、また今委員が御指摘になられましたように、女性ですとか教育、こういった分野におきましても引き続きしっかりと支援をしていかなければいけない、人道支援を中心にしっかりと支援を継続していきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 もう一点、このシリアに関して、人道支援とともにシリアの和平プロセスへの日本の、どう関与していくのか、それこそ平和主義だと思うんですね。 ただ、これ、今シリアに、大使館、退避していますよね、ないというわけで。だから、やっぱり情報をしっかり収集して分析体制をしっかりつくっていくことが大事ではないのか。あるいは、ジュネーブ2が来月開かれるというふうに考えておりますけれども、これも日本、参加する。そうしたら、やはりもっと、いかなる形で日本も貢献できるのか、あるいは専属、担当の特使とかつくったりして具体的に働きかけていける、そういう環境をつくっていくべきではないのか、こういうふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、シリアに対しましては、人道支援と併せて政治プロセスにおいても我々は貢献していかなければならないと思っています。 シリアの情勢はそもそも中東全体の安定にも大きくかかわる問題でありますし、例えばシリアの化学兵器の問題につきましても、国際社会が全体としてどう厳しく対応するかということは、他の大量破壊兵器を持つ国に対するメッセージを発するという意味でも、このシリアの問題は我が国にとりましてこれは他人事ではないという認識に立っております。 是非積極的に取り組んでいきたいと思っておりますし、これまでも、先ほど申し上げました人道支援と併せて、国際社会と連携しまして経済制裁の措置も我が国は累次にわたって実施をしてきております。また、G8あるいはシリア・フレンズ閣僚会合、こうした会合を含めまして国際会議の場で我が国としましても積極的に発言を続けている、こうした状況にあります。 そして、今御指摘がありましたように、我が国の大使館は今シリアから退避しているわけですが、これは米国、英国あるいはフランス、ドイツ、こういった各国の大使館が退避している、こういった中での対応でありますが、情報収集、極めて重要だと思っています。シリアの周辺国ですとか、あるいは米、あるいはロシア、こうした主要国、さらには国連としっかり連携しながら情報収集、しっかり努めていきたいと考えております。 化学兵器の廃棄につきましても、九月の国連総会におきます安倍総理の一般討論演説におきまして、あたうる限りの協力を表明させていただいています。是非しっかり協力、貢献をしていきたいと思っておりますし、御指摘のジュネーブ2、こうした政治プロセスにつきましても貢献するべく、私も様々な国際会議において、我々もこうしたジュネーブ2等、政治プロセスに貢献する用意があるということ、各国外相に説明をさせていただいております。 今回、公明党の石川議員が現地に行かれる等、様々な活動をされ、そして政府に対して貴重な御提言をいただいておりますが、こうした提言を受けまして、引き続き我が国としましてもこのシリア問題につきましてしっかり取り組むべく体制強化、努めていきたいと考えています。
○魚住裕一郎君 どうぞよろしくお願いをします。 続いて、ストーカーに関連して質問をさせていただきます。 今月の八日、三鷹ストーカー殺人事件が発生しました。衝撃でした。この六月にストーカー規制法改正をやったばかりですね。これは付きまとい行為にメールを入れたり、あるいは駆け込める警察も増やして、もっともっとしっかり警察で対応していただけるように、今までの事案を検証すると余りにも警察の初動の鈍さということが目立っていたわけでございまして、被害者を守るためにも積極的な姿勢でやっていただきたい、こういうことで改正になったわけでございますが、全面施行がこの十月の三日ですか、それで五日ですから、だけど、その施行のために準備をしっかりしていただいていたのではないのか。 それにしても、テレビでも報道していましたね、あの兵庫県警のずっと取組。例えば相談に来た場合、同性の警察官が対応する、一対一で。今回のこの三鷹の件は御両親同席で、話できないじゃありませんか。そういうようなノウハウもなかったのかと、この東京においては。あるいは、ストーカー行為のチェック表まで兵庫県警あったわけでございますが、この危険性のチェックを客観性を持ってしっかり判断していこう。危ないときには避難しなきゃいけないわけですね。ところが、今回はそうはいかなかった。それで、警察に行った後、数時間でこの事件が発生になってしまった。 施行になったばかりでございますけれども、徹底した警察において検証をしていただきたいし、その際、警察の内部だけではなくして第三者も含めて被害者保護の観点から徹底的にこの検証を行うべきであると思いますが、当局の御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今回の三鷹ストーカー事件、本当にショッキングな事件でございました。被害者の御冥福をお祈りします。また、御家族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。 その上で、今委員御指摘の第三者による検証ということで、実は来月一日から、ストーカー行為等の規制の在り方に関する有識者検討会、これを立ち上げます。ここで幅広く検討をしていただきます。そして、今後、この事件を教訓に、二度とこういうことが起こらないよう、被害者の安全確保、万全を期するように警察を督励をしてまいりたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 このストーカーとちょっと離れますけれども、昨日も質問に出ておりましたけれども、最近リベンジポルノというのが、法務大臣にお聞きしようとは思っておりませんけれども、実際に投稿されてしまってどうやって消すのか、これにつきまして、また、もちろん表現の自由ということもあると思いますけれども、公安委員長とそれから総務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) いわゆるリベンジポルノでございますけれども、これはアメリカで一部の州で規制していますけれども、日本の場合は、やはり成人の場合はわいせつ物陳列罪とか名誉毀損で対応することができますので、必ずしもこういったものの規制というものは、事情が違うということですね。 まず何といっても、今申し上げましたように、やっぱり被害者の救済を第一にするということが大切です。そのために、違法情報とか有害情報、これはネットを通じてありますので、この積極的な取締りとか、あるいはサイトの管理者に削除の徹底要請、こういったことをして、やはり保護に当たっていくということが極めて大切だというふうに思います。しっかり警察を督励してまいりたいと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) このリベンジポルノも含まれますいわゆる違法・有害情報、こういった対策につきましては、ただいま委員が御指摘いただきましたように憲法との問題もございます。表現の自由の保障と、こういった関係も踏まえた上で民間における自主的な取組というものが今推進されているわけです。 特に、違法情報につきましては民間団体においてガイドラインを作って、削除できる場合、そういったものをきちんと明確にしているということです。それから、有害情報につきましても、これまた契約の約款モデルの条項というものを作りまして、トラブルが起きたときには速やかに対応ができるようにと。 また、総務省としても、違法・有害情報相談センターというものを設置、運営いたしまして、我々とすればできる限りの取組、また民間への取組を支援させていただいていると、こういう状態でございます。
○魚住裕一郎君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、竹谷とし子君の質疑を行います。竹谷とし子君。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。 最初に、台風二十六号で被災した方々に心からお見舞いを申し上げ、被害に遭われた方々の御冥福をお祈り申し上げます。 特に被害が甚大だった東京都の伊豆大島、今なお行方不明となっている方々の捜索が続いています。現地視察した同僚議員からの調査報告を受けました。その中で一点、東京で選出していただいた議員の責任として、緊急性もあり重要な問題でございますので、国土交通大臣に改めて要請しておきたいことがございます。 今近づいている台風二十七号、二十八号、これによる二次災害が懸念されております。土砂災害などの被害を防ぐための専門的な知見、技術、これは町では対応できません。この支援につきまして、改めて対策をお願いしておきたいと思います。国交大臣、お願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 今回の二十六号による大島につきましては、河川工学的には二つの大きな特徴がありまして、一つは、表層崩壊という、表面、溶岩の上に積もったものが流れる、泥流となると。もう一つは、河川争奪といいまして、どこに流量を得るか分からない、どこにその砂が行くか分からないという、この表層崩壊というのと河川争奪という両方が大規模に起きたという今回は事故になりました。 二次災害を起こさないということで、昨日も国交省のテックフォース七十名が沢をずっと歩きまして、そして二十一か所の危険箇所を提示し、そのうち特に危険というのを八か所あるということを提示しまして、そこで対策の打合せを今していると。政府、国交省のみならず、また地方自治体も、警察、消防、東京都はもちろんでありますけれども、懸命に二次災害防止というところに行っております。 三つ対策を特にしておりまして、一つは監視カメラを設置するということで、常時それが見られるようにということで今五台それを設置して見ているという状況にあります。もう一つは、大きな崩落が起きたところについて東京都が被害拡大防止のための大型土のうを活用した応急対策工事、全長五百四十メートルになりますが、それを完了いたしました。そしてもう一つは、この台風による降雨時の警戒避難に対しまして詳細な気象情報を提供する、そして砂防等の専門家も派遣するということで万全な体制を取りたいというふうに思っております。 非常に二十七号が迫ってきている、既に西日本では警戒しなくちゃならない状況だと思いますが、大島において絶対に二次災害は起こさないという決意で取り組んでいるところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。政府におかれましては、総理また防災担当大臣も引き続き御支援をよろしくお願いしたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。 続きまして、総理に、公会計制度の改革、財政の見える化ということについて御所見を伺いたいと思います。こちらは私が三年前の初当選以来主張を続けていることでございます。是非総理にお聞きいただきたいと思いまして、つい先月も公会計改革が進んでいるスウェーデン、イギリスに赴きまして最新の調査をしてまいりました。それを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、総理は、来年四月からの消費税増税、御決断をされました。国民の皆様の中には、所得も上がらない、生活が苦しい、そう感じておられる世帯も多い中で、なぜ今なのか、そういう疑問を持っていらっしゃる方も多いと思います。社会保障を維持するための財源が必要だ、財政の安定が必要だ、そう言われても納得されていない方も私も対話させていただく中で多いと感じます。その中で今上げるべきと決断されたその理由、また上げない場合のリスク、どんなことがあるのか、それを総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、消費税を上げることによって、確かに今、竹谷委員が御指摘になられたように、低所得者の方々にとっては新たな負担増となるわけでございますし、また経済についても、経済成長に対しても影響があるのも事実であります。中小企業の皆さんにとっても、また小規模事業者の皆さんにとってもこれは負担が増えていくのではないかという、そういう御懸念があるのも我々も十分に承知をしているわけでございますが、一方、急速な少子高齢化が進む中において、毎年毎年年金や医療や介護、社会保障費は増えていくわけでございますし、さらに子育てに対する支援の要請も強いわけでございまして、この中において、日本が世界に誇るこの社会保障制度を次世代にしっかりと引き渡していくためには、この消費税は避けて通れない課題であります。 その中において、昨年、自公民の三党による合意ができたわけでございまして、今般、低所得者の皆様に対する手当て、さらには政策パッケージを進めていくことによってこの今の景気回復、そして成長の軌道に再び戻ることができると、そしてさらには、この消費税を引き上げることによって財政再建を進めていく、この二つの道を目指していくことができると、こう判断をいたしまして、今回五%から八%への引上げを決断したわけでございます。 一方、仮に消費税を引き上げない場合には、社会保障の持続性と安心の確保、そして国債を含む国の信認維持に支障を生じさせ、我が国経済の安定や国民の暮らしの安心を損なうおそれがあると、このように考えたところでございます。
○竹谷とし子君 スウェーデンの例を挙げてお話をさせていただきたいと思います。 現在、スウェーデンでは、財政非常に良好な状態で、歳入から歳出を引くとプラスになると、貯金ができるような状態でございました。スウェーデンは、御存じのとおり高福祉、そして消費税も二五%と高負担の国として有名でございます。しかし、その裏で、過去に財政危機を乗り越えて財政再建を果たした歴史を持っております。 きっかけとなった九〇年代の財政危機、そのときには、十年物の国債の金利、これが半年余りで四%も急上昇したということがありました。この四%金利上昇というのは、例えば一千万円の住宅ローン、これを変動金利で借りていると年間四十万円も利息が増える、三千万円だったら百二十万円。金利上昇、倒産、失業という財政の悪化による生活上の痛み、国民が身をもって感じたという状況が背景にありました。だからこそ、経済成長政策と並行して、増税そして歳出削減による財政改革を国民が受け入れることができたというふうに推察をしています。 資料を御覧ください。(資料提示)公債残高と金利というもので、これは財務省の資料でございます。 日本は債務のGDP比率が一番先進国で高い、そう言われていますが、過去最低レベルの低金利が継続しています。政策的な背景もあると思います。幸いなことに、このおかげで、金利高騰のような財政危機の痛み、国民は感じるということはありません。 スウェーデンが財政改革に取り組んだ背景、その状況、日本の今の状況と比較して、国民の皆様の財政再建に対する、必要性に対する理解が違う状況があると思います。これを総理、どう思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が例として出されましたスウェーデンでは、景気後退の深刻化と財政赤字の拡大を背景に、一九九四年に国債金利が急騰しました。こうした中、成長率はマイナスとなり、失業率は大幅に上昇し、また、デフォルトの危機を克服するために年金や医療、子育てといった支出を大幅にカットしたということを承知をしております。 他方で、我が国の財政については、GDPの二倍程度という巨額の公的債務が既に累積するなど大変厳しい状況にはありますが、そのような中でも、豊富な国内貯蓄の存在等を背景に、今のところ低い金利水準で国内において安定的に国債を消化することができているというふうに認識をしております。 しかしながら、今後も急速な少子高齢化により年金、医療、介護などに要する費用の増加も見込まれる中で、仮に海外や市場の信認が損なわれるといったリスクが顕在化した場合には、国債価格の下落や金利の上昇等によって日本経済と国民生活に深刻な影響が生じる可能性がありまして、そのような事態を招くわけにはいかないと、このように考えているところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 今総理の御答弁にありましたように、低金利、これを維持できているのは、国民の貯蓄が高い、国内で国債を消費しているからでございます。しかし、このままいくと、近い将来、海外に多くの国債を引き受けてもらわなければいけない、そういう時代がやってくる。高い金利をそのとき付けなければ買ってもらえないということだと思います。 次の資料を御覧ください。日本の財政状況(債務残高の推移)というもので、これ、明治時代からのものでございます、これも財務省の資料でございますが。 ここで、一九四五年、一旦切れまして、その後、債務の残高、GDP比率、これが一気に減少しています。この理由について御所見を伺えますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 戦後にハイパーインフレが起きました。それで対GDP比率でいうと下がったということが一番大きな原因というふうに言われていますが、それ以外にも幾つかの原因はあるかもしれません。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 これは、このカーブ、明治時代から戦前まで、また戦後から現在に至るまで、少し違いますけれども似たようなカーブを描いていっているということで、戦後これが解消されたのは、今、甘利大臣から御答弁ありましたように、ハイパーインフレによって国民が持っていた国債また貨幣の価値が下がったことによって政府の債務が棒引きされたような、そういうことによって解消されたというふうに私は理解しております。 今の財政状況で財政の改善がされなければ、いつかは分かりませんが、何らかの形で国債の信認が失われる、これは高い確率で起きることであるというふうに思います。その前に財政再建の道筋を付けよう、それが今回の税と社会保障の一体改革であり、今やらなければいけない理由だというふうに私も理解をしております。 多くの国では、金利が高騰するなど財政悪化の激しい痛みが出てきてから財政改革に本格的に取り組んでいる。そのときには国民の皆様も理解をしていただいている。しかし、今はまだ財政の悪化による国民の金利高騰という実際の痛みが出てきていない中で増税をする、そういうことを理解していただけるように、より丁寧な説明を国民の皆様に繰り返していかなければいけないというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにおっしゃるとおりでありまして、三%の引上げというのは大きな引上げでもあるわけでございますから、なぜそれが必要かということについて我々も丁寧に説明をしていきたいと、このように思うわけでございますし、今委員が説明をされたように、これは六十人の有識者の皆様にお集まりをいただきまして、果たして来年の四月から三%上げるべきかどうかという御議論もいただきました。 こうした御議論をいただいたことも、言わば国民的な議論を深める、そして多くの方々が共通認識を得ていただくという意味においては有意義だったのではないかと、こう思うわけでございますが、その際、黒田日銀総裁からも、しっかりと国が信認を維持する、そしてその際、当然、この国債十年物の金利について今までの推移を表示していただいて、これがもし万が一大きく下がることがあったらどれぐらい大きな影響があるかということであります。かつてスウェーデンの例を挙げられましたが、もしそうなったら今行っている社会保障のサービスの水準も維持できなくなるということになるわけでございまして、そういう意味において、これは先手先手に、既に累積の債務が多くあるわけでございますので、先手先手に取り組んでいく必要があると同時に、もうまさに喫緊の課題になっているということにおいて今回三%引き上げる決断をしたところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 次の資料を御覧ください。社会保障給付費と社会保険料収入の推移でございます。 平成三年ぐらいのときには社会保障給付五十兆円、そして今は百兆円を超えているということで、二十年余りで倍になっています。一方で、GDP、また保険料収入というのはそれ以降横ばいになっている。そういう状況の中ではありますけれども、財政が厳しい、社会保障の財源が非常に厳しい。一方で、税金の使い道に対しても国民の目というのは厳しいと思います、そうは言われても。納税者から預かる税金というのが適切に使われているということを実感していただけるよう努力をすることが必要であると思います。 総理は、このGDPを引き上げて自然の税収増を図っていく、そのために経済成長が必要である、財政政策、金融政策そして成長戦略という安倍政権の三本の矢、これは私は、GDPのこの横ばいになっているこの線を上向きにさせていくために、もうこれはほかに選択の余地がない、正しい方向性であるというふうに強く確信を私自身もしております。一方で、この無駄遣いを削減してほしい、大切な税金を大切に使ってもらいたいということ、それも国民からは大きな要望でございます。 スウェーデンの財政改革の中では、国民の税金を使って適切に政策を実施しているということを国民にお知らせするために、国の会計制度を複式簿記、発生主義という民間の会計に近いやり方に大胆にそのとき変えました。財政再建に取り組むイギリスでもまたスウェーデン同様に、財政を改善させたオーストラリアやニュージーランドも同様でございます。過去に通貨危機でIMFの管理下に置かれた韓国でも変えました。 日本でも今は取組は進んでいますけれども、行政の現場でもまた国会の審議の場でもバランスシートなどを論議することが余りないです。明治時代のまま、単式簿記、現金主義会計が中心。企業の経営者がこれを知ると、皆さん驚かれます。 国民に負担をお願いする以上は、この公会計制度の改革、他国でもやっています、いろんな事例があります、その中から日本が一番いい例を適用すればいいと思うんです。是非、日本の公会計改革を、変えて、財政の改善に、改革に取り組んだという歴史を安倍政権でつくっていただきたいと思います。安倍総理、お願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば国の信認あるいは国民の増税に対する理解を得る意味においても、税の使い道の透明性も重要であります。その意味において、国の予算は、財政民主主義の下、国会の決議を経なければ、実際の執行に当たっては、財政当局による執行調査や内閣から独立した会計検査院による会計検査など様々な観点からチェックを受けることにより予算の適切な執行や透明性の確保に努めているところでございまして、今御指摘のあった会計制度について、公会計制度を入れるべきだということについては財務大臣の方から答弁をさせていただきたいと、このように思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の後半の部分で複式簿記の話があっておりましたけれども、公認会計士でしたからお分かりと思いますが、貸方、借方の話がなかなか通じない世界、この永田町とか霞が関というのは余り通じない世界なんですけれども。 平成十五年度の決算分、平成十五年度からの決算分だと思いますが、毎年、発生主義と、それと複式簿記といった企業会計の考え方というものを入れて、そういった手法を参考として国の財務書類というのを作成していまして公表しております、こんな厚いものですけれども、しておりますので、それは、引き続きこれは有効活用ができるものだと思っております。 ただ、なかなか難しいのは、企業会計と全く違うところは、例えば徴税権とか、例えばお金を発行できますそういった権利というものは資産価値として幾らに見るんですかと言われると、これは答えられる人はいないわけでして、そういった意味では、企業会計と国の会計と最も違うところは、持っております資産の評価というのが物すごく難しいというところが一番なかなか簡単には導入できないという大きな背景だと存じます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 財務書類を活用していくというのは本当に難しいことだなというふうに思います。今言ったような企業会計との違いもございます。ただ、活用できる分野というのはまだまだあると思っております。 今見ていただいている社会保障給付費、例えば百十兆と言われても国民の皆様は分からないですね。私も、一兆、二兆というお金の数え方というのは普通の人間だったらやらないですよね。お豆腐の数えるやり方ですよ、一丁、二丁は。ぴんとこないんです。自分の一万円、二万円というふうに言われないと、国民の皆様なかなか理解してもらえない。 資料を御覧いただきたいんですけれども、国民一人当たりの平均の社会保障給付、こうなると、八十万円、ああ、少し身近に感じるなと。六十五歳以上のお一方の平均でいくと二百四十万円です。そこまでいくと、そんなにもらってないよというふうに感じる方が多いんです。その下にあります、じゃ、特別養護老人ホームに入られている方お一人当たりどれぐらい公費が掛かっているか。約三百八十万円。えっ、そんなに掛かっているの知らないと言うんです。介護を利用されている方も知らないと言うんですね。これ、お知らせする努力を政府がしていないということだと思います。 このように、かみ砕いて数字をしっかりとどれぐらいコストが掛かっているかということをお知らせしていくということは、政府はまだまだやらなければいけないことであるというふうに思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 社会保障見える化をすべきだというような、そういう御意見だったというふうに思います。 日本の社会保障、医療保険一つ取りましても、まあ一割から三割負担、しかも月で上限がありますから、そういう意味では、非常に使いやすいといいますか、世界から評価をいただいておる、そういう制度でありますが、しかし一方で、今委員おっしゃられたみたいに、自分の払う費用が少ないものでありますから全体見えないということでございまして、一つは、マクロ的にはパンフレットを作ってどのような中身かということをお示しをさせていただいておる、これが一つです。 それからもう一つは、各保険者がそれぞれのコストをそれぞれの方々に通知を、これは医療も介護もしていただいておるんですが、しかし、今委員がおっしゃられたとおり、それがどこまで認識されておられるかというと、まだまだだなと私も思っておりまして、これはもうちょっと分かりやすい工夫を是非ともさせていただきたい、このように思っております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 国民の皆様に税金の使い方をしっかりお知らせすると同時に、会計には別の役割もあります。行政のPDCAを回していく、マネジメントに使っていくということでございます。財政の見える化する、公会計を改革すると同時に、私は、政府、行政のガバナンス統治の仕組みも変えていくことが有用なのではないかというふうに思います。 例えば、日本の行政府においては、最高財務会計責任者に当たる立場にある方はどなたになるでしょうか。
○委員長(山崎力君) どちらがお答えになりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) もう一回。最高……
○竹谷とし子君 最高財務会計責任者、会計責任者です。
○国務大臣(麻生太郎君) 財務大臣ということになろうと存じます。
○竹谷とし子君 各省庁ではいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 各省庁は、それを担当しておられる大臣ということになるんだと存じます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 イギリスやスウェーデンでは、政策の責任者は大臣、そしてその政策目標を達成するための予算の執行の責任を持っているのは次官あるいは行政機関の長ということになっています。そこを分けています。この政策を達成するためにこの予算内でやりなさい、その予算の使い方の説明については会計責任者である次官あるいは行政機関の長がやりなさいということで分かれているんです。ですので、この政策目標を達成しなさいという目標も明確になっています。達成したかどうかということを厳しく政治家は問われる、そして行政の執行機関は適正に予算を使ったかということが問われるということで、責任を分けている。 公務員たたきではなくて、自発的に無駄遣いを削減していく、国民の皆様のために大切な税金を使っていく、そうした取組をすることを行政の執行機関の中で評価される自律的な仕組みをつくっていくために、このガバナンスを変えていくということは一考の余地があると私は思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど財務大臣から答弁をいたしましたように、我が国の会計制度では収入、支出等の事務は各府省大臣が管理することとされております。その上において、行政機関の会計ガバナンスの在り方については、今議員から様々な御見識に基づく御指摘もいただきました。その御指摘も踏まえて、様々なアイデアを参考に更に勉強していきたいと、このように思います。
○竹谷とし子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で竹谷とし子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 質問に入ります前に、今回の台風で被害に遭い、亡くなられた方に哀悼の意を表し、また御遺族の方に心からお悔やみを申し上げます。そして、多くの被災者の方に心からのお見舞いを申し上げるとともに、今日この時点においても自衛隊、警察、消防、行政、ボランティアの方、多くの方々が、被害の防止なりあるいは救難のために働いておられる全ての方に、その御労苦に心からの敬意を表したいと思います。 それでは質問に入りますが、防災の話を質問するつもりでおりましたが、その前に一問、総理に直接お伺いしたいことがございます。 総理は、今年の六月からだったと思いますが、しっかりしたルールの下で全て解禁すると表明されておられる、いわゆる一般医薬品のネット販売の解禁の話です。何かごく最近の報道で、厚生労働省は、この二十三品目ですか、ネット販売の規制を残す動きが報じられています。参議院選挙のときにも、三本の矢の三本目の矢、成長戦略、例示としてこのネット販売の解禁を挙げておられたと思います。業界あるいは官僚の抵抗があっても、国民に対する約束であり、この規制改革はしっかりと進めるんだということを、総理、もう一度決意をお話しいただきたいと思います。その中にはミノキシジル、商品名リアップなんかもあるらしいんですけれども、そういう人気のある商品もたくさんございます。是非、期待されている方も多いと思いますので、このネット販売の解禁について、きちっと約束を実行していただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お薬については、一般用医薬品については、それを必要とする病を得た方々、あるいはそうしたお薬が必要になった方々の利便性と同時に安全性もしっかりと考えなければならないわけでございますが、一般用医薬品のインターネット販売については、確かに今委員が御指摘になったように、本年六月に私から、消費者の安全性を確保しつつ、しっかりしたルールの下で、全ての一般医薬品の販売を解禁するとの方針を示したところであります。現在この方針に沿って政府部内で具体化のための検討を行っている段階でございます。
○小野次郎君 自ら掲げられた課題であり、また多くの国民が期待している規制改革ですから、是非実現していただきますように重ねてお願い申し上げます。 それでは、今日、台風も近づいているわけですが、私は実は党の災害対策本部長も兼ねております。この夏は、全国各地で異常気象というのか、局地的な自然災害がたくさん発生しています。総理の御地元である山口県萩市、島根県、それから、別の機会に今度は秋田県、さらには、滋賀、京都なども、災害を受けた現場を視察させていただきました。 こうした局地的な異常気象が多発する現状を考えると、雨量計などの計測のメッシュを日本全土で画期的にもっと細密化する必要があるんじゃないかと私は思います。例えば、仙北市の田沢湖の周辺でも土砂崩れありました。現場へ行きましたけれども、この一番近くの雨量計はどこにあるんですかと聞いたら、十キロ離れているというんですね。十キロというと、まあ分かりやすく言うと、直線距離でいうと新宿駅と吉祥寺駅ぐらい離れているんですよ。今この都内に住んでいる人間は、ああ、全然天気違うことあるよねと、みんな実感で分かると思うんですが、そういう距離感の中で雨量計が置かれているんでは、なかなか適時適切な対応が取りにくいというふうに思います。 これ、国交大臣にお伺いしますが、細密化する方針、計画、おありになるかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 先ほどから、上空からのレーダー、そして地上での雨量計という両方で予測をするということを申し上げてきましたけれども、現在、地上では一万六百か所において雨量計が設置をされている状況です。最近になりまして、小野先生御指摘のように非常に局地ということになって、今、仙北の話をされましたけれども、かなり局地ということがありまして、雨量計だけでこれ対応できるわけじゃないんですけれども、雨量計を更に整備する必要があるというふうに思っています。 同時に、この雨量計と雨量計、もうびっしりそれをやるというわけには当然いきませんものですから、そこで、地上の観測ネットワークということがある程度整備されるということを受けても、収集した観測データの処理能力の向上というものが極めて大事だというふうに思っておりまして、高性能のドップラー・レーダーの整備を進めて、二十五年三月に、今までよりも狭い地域でレーダーが機能するように、分析できるようにという体制を今整えているところでございます。さらに、局地的でも対応できるようなということをできるだけ、これ限度がありますけれども、努力をしたいというふうに思っているところです。
○小野次郎君 一万余りあるというと多いようにも感じますけど、三十七万平方キロを割ると三十七平方キロに一か所しかないということなんですね。 私は、明治時代の日本の全国の市町村の数って二万あった、いわゆる旧町村というのがあったわけですけれども、その単位ぐらいには備えるべきじゃないかなと思います。その際に、全て国直轄でやるのが難しいのであれば、企業が持っておられるものとか、あるいは学校、研究施設にもあります。その正確度に若干の差があるのかもしれませんが、今このネットワーク化された時代ですから、緊急の用のためにはそういった民間の力も借りるようなことも工夫していただきたいと思います。 次の質問は、やはりまた国交大臣なんですが、度々特別警報の話について質問、質疑が出ています。私は、いろんな各地を視察してみて感じたのは、どうも、表現悪いですけど、今までの防災対策というのは、何か復旧復興のための公共事業の規模がどれぐらいになるかということに重点があるような、あるいは、経済活動における損失を補償しなきゃいけない、その規模がどれぐらいになるかということが中心になってきたような気がします。やっぱり大事なことは人命、取り返しが付かないのは人命だろうと思います。人命と一人一人の生活が第一の防災対策を立てていく必要があるだろうと思います。 その意味では、おおむね都道府県の面積規模にならないと出せない特別警報、なぜそんな制約を付けるのか理解ができません。なぜかといえば、人間にとってまさに緊急かどうか判断するんだったら、例えば車の横転があり得る風の強さとか、あるいは家の全壊があるんじゃないかという事態が予想されれば、それは特別警報を出すべきなんじゃないですか。元々特別警報に応じて出てくる避難勧告や避難指示は全県とか全市町村とかって出ないで、やはり具体的に、結局最後はその集落ごととか、いわゆる昔の字単位に出るわけですから、特別警報がその単位で出せないという説明はなかなか理解できないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 都道府県単位というので決めているのではなくて、精度の問題で、レーダーとそして雨量計などの観測地点という、上とこの地上と両方で予測をするということからいきますと、ある程度の広域というもので予測をしなくてはならない、こういう精度の問題で特別警報はほぼ都道府県単位ということに現状なっているということでございます。 よく指摘することは私も全く同感でありますので、精度を上げるためにどのようにしていったらいいのかということに努めたいというふうに思っておりますし、同時にこれは、気象予報というものは上空の雨と風というのがどうなるかという予測でありますけれども、避難をどうするかというのはこれはまた別問題でありまして、そこはかなり地元の地形とかそういうことによりますものですから、そこの判断基準が出るようにということで、随時これを的確にどういう形でお伝えしたらいいかということを更に努めていきたいというふうに思っているところです。
○小野次郎君 検討よろしくお願いいたします。 次は防災担当大臣にお伺いしますが、自治体による避難勧告・指示が、気象庁の警報とか特別警報と同じように、曜日や時間帯にかかわらず、また首長の判断を待つことなく発令される仕組みにすべきじゃないかと私は思うんですね。それは、例えば、別にいなかったことが悪いと言っているんじゃないんですけれども、秋田県のさっき申し上げた仙北市というところの市長さんも出張中でした。今回、大島の町長も出張中でした。その数時間のずれが被害の発生の後追いになってしまっているんですね。 そう考えると、実は去年、平成二十四年にも政府の中で、こうした避難勧告などを、支所長というんですかね、首長の下の支所長とか、担当部局長も入るんだと思うんですが、そういう人たちに代決を付与することを促すべきだという考えが示されているんですね、一部には。そういうことを認識している方もいたのに、なぜそれを早くなさらないのかということをお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(古屋圭司君) 避難指示とか避難勧告が適切に出される、極めて重要ですよね。 今回のケースで見てみますと、大島町は十八時〇五分に土砂災害情報が出ているんです。そうすると、地域の防災計画ではもう自主的な避難を促すというふうになっているんですね。ちゃんと記されているんですよ。ただ、そのとおり行われなかったというところが非常に問題なんですね。 だから、今回のこの災害を契機に、教訓として、いわゆる市町村向けのガイドラインがありますので、これの見直しと、我々検証を徹底的に今進めていきたいというふうに思います。 適切にちゃんと指示が出せるような体制をつくり上げていくということがまず大切です。具体的には、暗くなってから災害が起きたケースはどうするかとか、あるいは土砂災害警戒情報が出された段階でしっかり避難勧告をするだとか、そういった具体的な対応を考えていきたいというふうに思います。 いずれにしても、国がそういう意味では助言をして、指導して万全の体制を取るという、市町村が取れるような環境づくりに努めていきたいというふうに思っています。
○小野次郎君 例えば警報の方は、国交大臣にお伺い、ちょっと通告していませんが、多分気象庁長官とか国交大臣は夜お休みになっている間でも警報を出しているんだと思うんですよね。違いますか。
○国務大臣(太田昭宏君) 公の情報として出している上に、各地方自治体にそうしたことを出していると。しかし、今回のことからいきますと、それが、何時何分にそれを出したけれどもファクスで出してそのまま終わっているとか、そういうことがあると思います。そこの連携とかそういうことについてしっかりやるということが大事だという教訓が一つと。 それから、現在大島では、避難をしてもう東京にお年寄りが来たり、いろんな動きがあります。日本の場合は今までタイムラインの設置というのはなかなかできていません。台風が来る五日前にはここはこうすべき、四日前にはどうする、二十四時間前にはこうするというような、そしてどう動くかというようなタイムラインの設定というものができていないと私は思っておりまして、そういう面からも、全体像の中でどう対応するかということが大事だというふうに思っています。
○小野次郎君 私が申し上げているのは、気象庁の出す警報は、例えば気象庁長官とか国交大臣がお休みになっている時間帯でも出ているんじゃないんですかと、その担当の部局の人がちゃんと管理して。それが当たり前だと思うんですよ。ところが、なぜこの避難勧告になるといないとかなんとかということが大きな問題になるのかということなんで、昔の軍隊、まあ私も軍隊知りませんけれども、指揮官が事故があった場合には、だんだん下へ下がっていって、その場にいる最高の責任者が指示するわけですよね。そういう形になぜこの避難勧告はならないのか。 それは、先ほど申し上げたとおり、既に去年政府の中でも、そういう権限を支所長とか担当部局長などに代決させるべきじゃないかという考えを示した人もいるんですよね。だから、あり得ないことじゃないんで、これは国交大臣というか、むしろ防災担当大臣かもしれませんが、是非御検討いただきたいと思います。 官房長官、お戻りになったんで。御記憶にあると思いますが、災害対策本部長として、党から緊急提言を九月十三日に総理と官房長官あてにお渡しさせていただきました。今、その問いを、大体、残念なことなんですけど、一か月以上たって同じことを聞かざるを得ないことになってしまっているんですね。 防災行政無線、これもう全国に物すごいお金掛けて整備したと思うんですが、風もなくて天気のいいときはやたらによく聞こえるんですね。一斉清掃は予定どおり行いますとか、そういうことは聞こえるんだけれども、肝心の、風がびゅうびゅう吹いているときとか土砂降りのときにはこれが聞こえない。特に、災害現場に行ってみるとほとんど聞こえなかったと、何か言っているんだけど分からないというのが多いんですね。そういうものをカバーするものもいろいろ行政で施策として、エリアメールだとか防災FMだとかいろいろあるのは聞きましたけれども、どれもこれといった効果を被害受けた場所で言ってくれる方がいないんですね。 ですから、大事なことは、そういった計測も、雨量の計測や何かも必要だ、さらには警報だとか勧告だとかも大事だ。でも、それが現実に全ての国民の耳に達するということをしっかりと確保しないといけないと思うんですが、あのペーパーは関係部局に検討させていただいたとか、あるいは総理に見ていただいたとか、どういう対応を取られたんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 小野議員を始めみんなの党の皆さんから要望を受けたものは、内閣の防災に対して私の方から、そこは検討するような、ということで指示をしております。
○小野次郎君 ありがとうございます。 例えばエリアメールなんかも、役所の方は一つの施策のように言っていますけど、被害に遭われる方って、まあ一概に言えませんけど大体高齢の方が多いんで、聞いてみると、ほとんどそういう地域というか、そういう方たちの中では、えっ、メールなんか使っていないよというようなことなんで、実際に本当に耳に届くような形のやつを、多重にいろんな形のものをやらないと、施策はやっています、だけど達していませんでは駄目だと思いますので、是非その点は、官房長官にだけお願いしているわけじゃありませんが、関係の大臣にも力を入れていただきたいと思います。 次の問いに移りますが、被害者の多くというのは、実際、高齢者であったり自分で行動するのが不自由を抱えている方が意外と多いんですね。災害弱者に対する救援プログラムというのは個々の人ごとに作るべきだという考え方はもう国から示されていますけれども、しかし今年の、私が何か所か行ったところで見てみると、比較的それがうまく機能したところもありますけれども、何というんですか、一定規模以上の地域が被害に遭った場合には、その事情を知っている人たちも被害者の場合には、なかなか外からの、外人部隊というんですか、外からの人たちが救援に来るところではその情報は生かされないんですね。 是非、これは防災担当大臣にお伺いしますけれども、そういった災害弱者に対する、個々人に対する救援プログラム、もちろんこれは個人情報の問題もありますから御本人の了承、承諾も必要ですけれども、そういうことを一応全体としての話としてきっちり作っておくことが人一人一人を助けることができるかどうかということに大きくつながると思うんで、その徹底を図っていただきたいんですが、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今年の通常国会で災害対策基本法を変えまして、言わば今委員御指摘の要するに要支援者、これ名簿を作ろうと、あらかじめ作って、そして平時から名簿の提供をできるようにする、これ個人情報保護法の壁を越えて対応しました。 個別計画を作るということになりましたので、これをしっかり活用していくということが大切ですね。今後は、いわゆる避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針というのがありますので、これをしっかり活用して、そして周知徹底をして、いわゆる弱者、要援護者の方々に対する対応をしていくということが重要だと思い、徹底してまいりたいと思います。
○小野次郎君 先ほど防災行政無線の話をしましたけれども、防災担当大臣にもう一問御質問させていただきますが、家の中に住んでいる地元の方だけじゃないんですね。旅行者とか通行中の方というのも、実際、あれは島根県の事例だったか何かで、ナンバープレートが他府県の車で、その方が見付かったかどうかちょっと私今記憶定かじゃありませんが、そういうよそから来ていると思われる人にも伝わらなきゃいけないんですね。それから、最近は外国人の方も当然多いですから、いつどこで何かあっても常にその中には一定の割合でそういう外国人の方もおられる、言葉の問題もあると思います。 そういった、今までどうしても重点としてとらえられてこなかった移動中の方とか旅行者、外国人などにも確実に耳に達するような連絡システムについて何か検討されていることはございますか。
○国務大臣(古屋圭司君) やはり情報伝達の多様性の確保、非常に大切ですね。ですから、拡声機だけじゃなくて、例えば端末を置いて対応している自治体もありますので、そういうものの推進であるとか、あるいはラジオでも災害のとき自動的に起動するラジオもございますし、そうやっていろんな多様性を確保していく。特に外国人の場合は、やはり言葉の壁もありましょうから、やっぱりそういったことも含めてきめ細かな対応をしていくということが極めて大切だというふうに思っております。 いずれにしても、多様化、情報伝達、この確保をしっかり努めてまいりたいと思います。
○小野次郎君 その話で重ねて伺いますけれども、私も戦後の世代ですから空襲警報というのは聞いたことないんですけれども、防災行政無線で何かいろんなことをしゃべるのに使うのもいいですけれども、結局本当に逃げるべきかどうかという判断だけを住民の方にしてもらうんだったら、簡単な二種類とか三種類のサイレンみたいなものとかを使った方が実際的なんじゃないかなと思うんですね。今余りいろんなことに使おうとしているから、何かいざというときに訳分からなくなってくるので、そういう検討はされていませんか。
○国務大臣(古屋圭司君) 私の地元でも拡声機でやっているところありますけれども、聞こえづらいですよね。ですから、今そういった、非常に短いフレーズにするとか、そういった工夫が必要だと思いますので、しっかり地方公共団体にもその趣旨を徹底していきたいというふうに思っております。
○小野次郎君 さて、これは総理に伺いたいんですが、総理、御記憶だと思いますけれども、自然災害で住む家を失った方にとって、自宅の再建というのはまさにその生活再建の一番重要な土台になる部分なんですね。 ところが、家一軒を再建するためには、そんなぜいたくな家じゃなくて普通のお住まいであっても、今、私も詳しくはありませんが、二千万円ぐらいするんじゃないでしょうか。ところが、それに対する支援金というのが長い間、これ多分議員立法だったと思いますが、平成七年ごろからそういう支援をできないかということで、名目、名称を変えながら、最初百万円で制度を始めました。それが、それじゃ足りないよという話になって、平成十六年に三百万円まで上がりました、全壊した人に対して。 だけど、それにまだいろいろ領収書を持ってこいだの何だのと条件が付いていて使いにくいという話があって、今は、平成十九年以降、三百万全壊された方の再建のためにお渡しできるようになっているんですけれども、これを一千万円ぐらいまで、これでも家の半分しかできません。そういった、全て家財道具も生活用品も失っているわけです、そういう方というのは。そういう方に対して、家の再建というのが全ての生活再建の出発点ですから、そのおおむね半額をめどとして一千万円ぐらいまで引き上げると、そういう検討をされるおつもりありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 被災者生活再建支援制度は、自然災害によって生活の基盤がもう崩れてしまうという、崩れてしまった方々に対して生活の再建を支援することを本来の目的としてつくられたものでございまして、被災者生活再建支援金の引上げについては、他の制度とのバランスもございまして、国や都道府県の財政負担なども勘案をしなければならないところでございまして、慎重に検討すべきものであると考えるわけであります。 なお、被災者支援については、幅広く検討するため、このほど有識者による検討会を立ち上げました。被災者の立場に立ってしっかりと検討を行い、そして被災者への支援を行ってまいりたいと考えております。
○小野次郎君 私も政府側の答弁を作る過程をよく知っていますから、大体防災担当大臣と総理と同じ原稿が行っているんだと思うんですが、担当大臣はまあそういう答弁でもいいかもしれませんが、私が期待しているのは、だから総理大臣にお伺いしているのは、国民全体のある種責任者である総理として被災者の実際のことを考えたら、そういうことについて何らかもうちょっと理解のある御発言いただけるかなと思ったんですが、それじゃ多分お持ちになっているやつをお読みになっているので、同じものだと思うので防災担当大臣にはもう求めませんが、総理、もう一言何か力の入った答弁をいただきたいと思うんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小野委員は、小泉総理に仕えた経験でおっしゃっているんだと思いますが。 これはまさに、各個人個人が様々な災害に対して、それぞれ家であれば火災保険等、災害保険にも入っておられる方もおられるんだろうなと思います。しかし、その中で、大きな災害を受けた場合、その地域丸ごと大きな被害を受けたことによってのこれは生活の基盤が失われてしまうということにもなるわけでありますし、またさらには、仕事をするに際しても、仕事場も含めてそういう給与を得るための活動も大変難しくなっているということ等々にも着目をしながら、生活再建、生活を再建していく上においてまず少なくとも最低限これぐらい必要ですよと、この中において、その後、被災者の方々が元の生活に戻るというのは、またちゃんと仕事を再び始められるようにしていくということも含めて様々な支援をしていく必要があるだろうと思います。 確かに、お気持ちとしては分かりますよ。なるべくこれは多ければ多いほどいいわけでありますが、これは国、都道府県の財政負担も考えるということも必要であろうと。そのために、今回、検討会を立ち上げたところでございまして、どうか御理解をいただきたいと思います。
○小野次郎君 次の天気予報も大事ですので、これで午前中は終わらせていただきます。
○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。小野次郎君。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 午後の質問は、原発事故と除染の効果、実績の問題から始めます。 パネルを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)昨日から、いろんな方の質疑の中で、IAEAからも除染について一定の評価を得たということを話題になっておりましたけれども、私はそんな単純な問題ではないだろうというふうに見ています。 この表を見ていただくとお分かりになりますとおり、汚染が比較的重いと言われている地域について、そもそも帰還困難区域ということで手付かずになっているところが三百三十七平方キロメートルあります。これは山手線の内側の五倍の面積です。さらにまた、申し上げなきゃいけないのは、国が担当している除染対象範囲と一旦なっているんだけれども、実は山や森は全然除染の対象にしていないんですね。そういう、除染しなきゃいけないと分かっているんだけれども除染対象外にしているところが五百九十平方キロメートルもある。つまり、二年七か月前に原発事故があって放射能が降ってしまった、そのところで手付かずになっているところが実に九百二十七平方キロメートルあるわけです。どれぐらいの面積かというと、東京二十三区の面積が六百二十一平方キロですから、その一・五倍の日本の国土が放射能汚染がそのままになっているという実態があります。 それでは、除染をしたという実績って具体的にはどんなものだろうか。表の右側を見てください。一〇〇%になっているのは田村市と書いてありますが、実は、除染を実際にしたのは、五平方キロが一〇〇%になったということなんです。例えば、飯舘村は五十一平方キロが対象だと言った上で、この数字しか実は除染されていません。 つまり、私の手集計では、除染、除染って二年半たちましたけれども、実質的には十平方キロぐらいしか除染されていないんです。その範囲にどれだけの国費を投入しているかというと、予算上は三か年で一兆円を超える予算が投入されています。まあ、もっとも実は半分以上が消化できなくて翌年に繰り越しているんです。 とにかく、単純計算でいうと今までの実績というのは一平方キロについて五百億円除染費用を掛けている、一平方キロに。で、九百二十七平方キロは手付かずになっているという実態を見て、次に、じゃ結果として、面としてどういう効果が上がっているかと見ていただくと、それが次の図でございますが、幾つか並べてある中で、最初の図が一番事故後であって、一番最近入手できたのが五番目のものでございますが、確かに赤いところがオレンジになったり黄色になったりしていますけれども、基本的には当初の濃い汚染があったところは同じような形で残っているんです。これがその何百平方キロとなっているんであって、除染によって赤が緑に変わった、赤が青に変わったという地域はないんですね。このことは大変重要なことだと私は思います。 環境大臣にお伺いしますが、現在の除染活動によって本質的に、基本的にこの広大な地域の汚染が解消できるということは難しいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員がお示しになられました資料は役所の方から出ているものでございますので私もこれを見ておりますが、そもそも除染の目的というのは何なのかということを考えますと、放射線による健康被害を、そのリスクを低減していこう、すなわち、そこに暮らす方々、また住んでいらっしゃいませんけれども戻りたいと思われている方が戻るときの外部被曝の量を減らしていこうというのがそもそも目的であります。 そのために、家あるいは学校、あるいは公共施設、森林については住んでいるところから二十メートルですか、限られてはおりますけれども、二十メートル除染をしている。そういうことによって、そこの線量は間違いなく下がっていますから、そこで、そのエリアでは生活ができる。もちろん、委員が御指摘になりましたように山の中は手付かずでございますから、そこには生活することができない。しかし、山の中に入って生活をする人がどれだけいるのかということを考えると、大方の方々、田村市のお話をされておりましたけれども、除染を行うことによって四割近く線量が低減しましたし、ここは、国の部分は五平方キロ、小さい面積かもしれませんけれども、六月に終了して、九月にモニタリングをしましたら更にまた一割下がっていく。 すなわち、時間軸を利用すれば、ある程度汚染されたものを除去すると、人が生活する、エリアは当然委員の御指摘のとおり狭いですけれども、生活することができるようになったという事実は間違いなくありますし、これによってお戻りになられている方がいらっしゃるということも私は事実だと思っております。
○小野次郎君 大臣の答弁を否定するわけじゃありませんが、そういうサイズの、次元の問題だということを指摘させていただきたいと思います。 その上で、これだけ大きな影響というのが残っている原発事故、それを踏まえた上で、多くの国民が原発に対して不安を持っている、この事実は変わらないと私は思います。 総理は、様々な発言の中で、原発にこれからも頼らざるを得ないという趣旨のことをおっしゃられた後で、時々、可能な限り原発依存度を下げていくともおっしゃっているんですが、その趣旨についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 趣旨としては、一昨年、我々はあの過酷事故を経験をしたわけでございますし、そして自民党は長い間政権政党でありました。その中において安全神話に寄りかかっていたというのも事実であり、その深刻な反省の上にも立って我々は今エネルギーミックスを構築をしていかなければならないと、こう考えているわけでありますが、その際、原発依存度はなるべく低減させていこうと、こういうことでございます。
○小野次郎君 原発依存度を下げていくというのが不退転の決意であるならば、端的にもっと自然エネルギー立国を成長戦略の柱に掲げて、あしたから全部やめるというのじゃないけれども、しかし、市場メカニズムの中で脱原発をまさに実現していく、将来は原発依存度がゼロであると表明される方が自然なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 総理も何遍も答弁させていただいておりますように、原発についてはいかなる事情にも安全性を優先すると、こういう方針で我々は取り組んでおります。 そして現在、エネルギー源、これを多様化をしていかなければならないということで、我々の公約でも、今後三年間、省エネそして再生エネルギーの最大限の導入を図っていくということにしております。そして、燃料コストが上がる中で、調達先、これにつきましても総理を先頭にシェールガス等々の輸入、こういったことも進めておりますし、ディマンド、需要そのものも落としていく。こういった全体の努力を進める中で責任あるエネルギー政策を構築する。そこの中で現実的に依存度を下げていきたいと思っております。
○小野次郎君 ですから、電力改革をしたり自然エネルギーを更に普及させたりする中で、下げていくというんだったら目標がゼロだというふうになぜ言えないのかと言っているんです。総理にお伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) エネルギーミックスの在り方につきましては、現在検討中であります。そして、前政権におきまして示されました数字、これは必ずしも現実的な根拠を持っていないということで、我々はゼロベースで見直しを行っているところであります。
○小野次郎君 今の発言、重要だと思うんです。更に検討中ということだとすると、いろんな努力をして市場メカニズムの中でゼロを目標にするという結論を出すこともあり得るということですか。総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は現在のエネルギー需要に対してこたえていく義務を負っているわけでございますし、エネルギーというのは一般の国民の皆様の生活にも直接大きな影響を与えるわけでありまして、社会生活にもそうですし、経済生活においてもそうでございます。 そこで、我々は、低廉で安定的な、もちろん安全ということが大前提でありますが、低廉で安定的なエネルギーの供給を確保していくという大きな責任があります。同時に、もちろん三年間の中において、先ほど茂木大臣がお答えをしたように、再生可能エネルギーにおけるこのイノベーションを促していくためにも投資を行っていく、国家資源を投入していくということは当然でございますし、シェールガスを始め多角化していくということも当然でございますが、同時に、やはり自前のエネルギーをしっかりと確保していくということも考えていかなければならないわけでございまして、その中において、三年においてエネルギーのベストミックスを構築をしていくために全力を尽くしていきたいと。 その中において、委員が指摘するように、ゼロということを言った方がいいじゃないかという御指摘をする方も多々おられますが、しかし、我々責任ある立場として、今の段階では再生可能エネルギーも水力を抜けばまだ一%前後でしか比率はないわけでございますので、我々責任ある立場としてしっかりと考えていきたいと考えております。
○小野次郎君 いろんな方面の方、そしてまた国民の多くが少なくとも将来の目標として原発ゼロを目指してほしいという思いを持っているということを総理も御認識いただいて、その検討を進めていただくことを私から重ねてお願いを申し上げます。 次に、秘密保護法の問題点についてお伺いしますが、こうした安全保障にとって重要な秘密を保護する体系をつくるということについて基本的には私も賛成するものではありますけれども、しかし、単に厳罰化すればいいという問題ではないと私は思っています。 森担当大臣にお伺いしますが、この四類型ございますね。この四類型の中でそれぞれについて、条約その他の国際約束に基づく情報とか、あるいは国際機関又は外国の行政機関からの情報というのは分かるんです、外国との信頼関係があるから。だけど、この立法に、何というんですかね、どさくさと言っちゃ怒られますけれども、その他重要な情報というのを書き加えちゃっているんです、それぞれに。そうなると、国内の全ての情報についてもそういった網が掛かる可能性があるということですか。
○国務大臣(森まさこ君) お答え申し上げます。 提出する予定の法文の案の中に、例えば外交に関する事項ですと、別表の中に、二、外交に関する事項というふうに項目立てをした上で、そして安全保障に関して入手する情報ということで言っております。ですので、安全保障のために入手した特定の情報というふうに限定しておりますので、国内においても、外国との間の情報交換以外にも我が国の安全保障上必要があるときにはそのような情報を入手することもありますので、入手した暁に特定秘密に指定をすることができるとしたものであります。
○小野次郎君 私も、政治家になる前の経歴というのはこの四類型その全てに関与したことがあり、最後の四年半は日本の情報が集まるポストにもおりましたけれども、日本の情報活動というのと海外のとは大分歴史も伝統も違うと思います。何より必要なのは、違反を処罰するという規定を作る前に、まずその情報活動の倫理コードとかコード・オブ・コンダクト、行動コードとか、しっかり確立されているんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 情報については現在も各省に秘密としてあるものがございます。例えば、極秘とか秘とか取扱注意などというふうにしてありますけれども、それぞれの基準についても、省庁によって、全て政府で統一をされているわけではございません。そのような、今持っている秘密の中で特定のものだけを、安全保障上必要なものだけを特定秘密というふうに指定をして、それを漏えいを防いでいく、又は外国との情報交換の前提となる秘密保全の措置を外国と同等にしていくということで情報共有が可能となると、そういう趣旨でございますので、今委員御指摘の管理の仕方でありますとか、そういったことも課題としてしっかりと受け止めさせていただきながらいきたいと思います。
○小野次郎君 そうじゃなくて、日常の情報活動についてきちんと倫理コード、行動コードを作ってからその違反について取り組むべきであって、まず罰則から作って、じゃ担当する方たちの倫理コード、行動コードなくてこれからも活動するということですか。
○政府参考人(能化正樹君) ただいま御指摘のありました情報の取扱いにつきまして、まさにこの法律によりまして特定秘密というものを指定して、その秘密事項の管理について保護措置も定め、それにより十全たる情報収集、情報共有が促進されることを目指しておるわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 小野次郎君、もう一度言ってください。
○小野次郎君 二度やっていますよ、同じ質問を、私は。(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 森大臣、答えられますか。質問の趣旨お分かりの上、お答えになりますか。小野さんは二回同じようなことの内容の質問をされていますが、先ほどのお答えだと不十分だということなので、それを分かった上でお答えになりますね。よろしいですね。
○政府参考人(能化正樹君) 情報の管理につきましては、各……(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(森まさこ君) お答え申し上げます。 先ほど答弁をしたとおり、それぞれの省庁に今秘密というものがあり、その指定の基準とともに、その取扱いの基準、そして倫理規程と委員おっしゃいましたけれども、セキュリティーポリシーなるものが各省庁にばらばらにございます。その情報の取扱いに関する注意事項が書いてあります。 ですけれども、今回は、そのたくさんある秘密の中でトップシークレットというものを、安全保障上重要なものを定めさせていただいて、それについての公務員が漏えいをした場合には刑罰を科するということを定めさせていただいたことによって、各国が情報を共有できると、それで情報交換できるということを目的としたものでありますというふうに答弁をいたしました。 それで、御指摘の、委員が、その前にその取扱いの倫理規程を定めた方がいいのではないかということについては、今それぞれの省庁にありますけれども、委員の御提案がございますので、今後それも課題として検討させていただきますというふうに御答弁申し上げました。
○小野次郎君 非常に心もとないと思います。厳罰化だけすればいいというものではないと。 なぜそう言うかというと、この分野って、厳罰化すればするほど国会の目も届きにくくなる、司法の手だって届きにくくなる、会計検査院の目だってなかなか見えなくなってくる。そういう分野だからこそ、しっかりと内部で行動の規範、倫理の規範があって、その上に罰則を考えなければいけないんだろうと私は思います。 じゃ、伺いますけれども、政府中枢、当局内部の違法行為、重大な失態、さらには虚偽事実を告発する行為をどうやって区別して保護するんですか。
○国務大臣(森まさこ君) 御質問の政府中枢や当局内部の違法行為、重大な失態というものについては、そもそもその違法行為や重大な失態というのでは特定秘密の対象たり得ないものでございますので、特定秘密に指定されることがないものというふうに考えております。
○小野次郎君 西山事件、それから海上保安庁のビデオの事件、それから外国ですけれどもエドワード・スノーデンさんの話、公表された瞬間に多くの人は何でそれが隠していたんだということを思うんであって、その人を処罰しろと思わないわけですよ。こういうことをどうやって保護するんだと言っているんです。
○国務大臣(森まさこ君) 今御指摘になった過去の事件等は特定秘密に指定されるかどうかというのは今お答えできませんので。特定秘密にそもそも指定をされるものは、しっかりと有識者会議の御意見を聴いて基準を決めていく、そして、秘密の中でも本当に僅かな、安全保障にかかわるものでございます。そして、今御指摘のような犯罪行為とかいったものはそもそも秘密の対象にはならないんです。一般的に申し上げますと、犯罪行為が公表されたとしても、それは処罰の対象にはなりません。
○小野次郎君 大臣、公益通報者保護、担当でもあるわけですけれども、これはこういう分野にも適用されますか。
○国務大臣(森まさこ君) 公益通報者保護制度も、特定秘密については、そのような秘密を外部に持っていく場合に、その内部告発をするときに、それが、法律に書いてありますけれども、違法な行為や、そういった行為を公益のために持ち出す行為でございますので、違法な行為であれば、今の、前ほどの議論と同じように、特定秘密になり得ないものでございますので、そして、一般的に申し上げて、違法な行為を内部告発したとしても、それは罰せられるものではありませんし、公益通報者保護法によって保護されるということになっております。
○小野次郎君 保護されるという話を聞いて安心ちょっとしました。 民主的で政治主導のコントロールを機能させるためには、私は、今の法案、知らされている内容では不十分で、内閣の交代、政権交代のごとに特定秘密指定の全面チェック、いわゆる総棚ざらえを義務付けるべきじゃないかと思いますが、総理にお考えをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この法案はこれから閣議決定を行うものでありますが、またその後はしっかりと各委員会で議論を深めていただきたいと、このように思います。 大臣等は特定秘密の指定と解除の責任を有しているわけでありまして、政権交代によって新しい大臣が誕生したとすれば、特定秘密の指定状況を確認して改めてその適否を判断することもあり得るわけでございまして、今我々が政権を取っているわけでありますが、そのときに大臣が責任を持って特定秘密に指定するわけでありますが、政権交代して小野委員がもし大臣になった場合は、新政権の小野大臣の下でまたその状況を鑑みてこれは改めて判断を、適否を判断することになるわけでございます。
○小野次郎君 是非、役所任せにしないでいただきたい。 最後に一問伺いますが、二〇二〇年の東京オリンピックの際に世界中から見えるお客様が世界文化遺産の富士山を間近に見ることができるように、リニア中央新幹線を都内から山梨県内の駅までの区間について暫定開業を目指すお考えはないのか。総理はアメリカで、ニューヨーク―ワシントンの真ん中にボルティモアとワシントンだけでも開業したらどうだというお話をされていますが、日本のリニアについても同じようなお考えはありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) リニア中央新幹線を二〇二〇年の東京オリンピックまでに暫定開業させることについては、JR東海が技術的な観点からなかなか難しいとの考えを示しているものと承知をしております。 一方で、今委員が御指摘になられたような期待もあるのも事実でありまして、世界中から訪れる外国人の方に対して、東京のみならず世界遺産の富士山を含め地方の美しい景観を楽しんでいただく機会ともなると、このようにも考えているわけでございまして、今後、これはしかし、その実施をしていくのは、施工していくのはこれはJR東海でございますので、我々は今申し上げましたような、そのように楽しんでいただければいいなというふうに考えているところでございます。
○小野次郎君 前向きに取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 安倍総理、お元気ですか。ごぶさたをしておりました。 参議院のみんなの党の松沢成文でございます。 私もずっと地方自治にかかわっておりまして、十年間国会を離れておりまして、十年ぶりの国会質問でございます。よろしくお願いをいたします。 今、小野理事の方から大変シビアな質問がありました。私は、少し話題を変えて質問したいと思います。 オリンピック招致、安倍総理、ブエノスアイレスまで行かれて見事なプレゼンテーションをなされました。総理が先頭に立って頑張って見事な招致を勝ち取った。私は国民としても大変うれしく思っておりますし、総理の御努力に感謝を申し上げます。 そこで、オリンピック招致が決まったのはゴールでなくてスタートなんですね。二〇二〇年に向けて日本国としてこのオリンピックを成功させるために様々な準備をしていかなきゃいけない、これが大切なんです。 さあ、総理、どういう考えで、どういう思いで準備万端整えていくのか。その決意をまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京大会では、これは世界中のアスリートがベストな競技をできるようにしっかりと体制を整えていく、そして同時に、たくさんの恐らくオリンピックを見に来られる方々が日本にやってこられる、そういう皆様に日本にしかできないおもてなしでお迎えをしたいと、このように思います。まさにオリンピックの歴史に残るような大会としていきたいと思います。 そしてまた、同時に、東京のみならず日本中が活力を取り戻すことにこのオリンピックを生かしていきたいとも考えておりますし、何よりもオリンピック招致の目的としては、オリンピック精神を世界に発信できるのは日本だけであるということを申し上げたわけでありますが、同時に、日本がこの東京オリンピックを開催することによって、二年前に多くの国々から東日本大震災において御声援、御支援をいただきました、その恩返しのためにもしっかりと復興した姿をお見せしたいと、このように思うわけでございます。 今委員がおっしゃったように、オリンピック招致決定成功は、これはゴールではなくてまさにスタートでございます。まだ七年あるということではなくて、もう七年しかないという気持ちで取り組んでいきたいと思います。
○松沢成文君 是非とも準備万端、政府を挙げて頑張っていただきたいと思います。 ちょっとここで話題が変わりますけれども、実はオリンピック成功とたばこ対策というのは大変深い関係があるんですね。 まず、総理にお伺いしますが、ちょっとプライベートな質問になりますけれども、総理はたばこを吸いますか。吸う吸わないあると思いますが、受動喫煙の防止、つまりたばこを吸わない人が吸っている人の煙を吸わされて健康被害に遭う、これは危害であるということで条約まで作って、きちっと各国防止しなさいと言っているんですね。この受動喫煙の防止対策についての認識、お考えも併せてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、大体二十四、五歳ぐらいまでたばこを吸っておりまして、その後、たばこをやめたわけでございます。吸っているときには、この受動喫煙がいかにその受動喫煙の立場に立たされる人が不愉快だということは気付かないわけでありますが、これは、やめた途端にこれがよく分かるんですね。 ですから、そういう意味におきましては、これから健康寿命を延ばしていくというのが国としての大きな目標でございます。そして、重要な課題でありますから、受動喫煙防止対策はがんを始めとする生活習慣病の予防において重要な柱であると、このように考えております。
○松沢成文君 麻生財務大臣、財務大臣はたばこ行政を仕切っているんですね、たばこ事業法の下に。大臣は何か葉巻を吸うというふうに聞いたことあるんですが、大臣は喫煙者でしょうか否か、そしてまた受動喫煙防止対策についてどういう認識を持っているか、お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) 葉巻は吸います。家系として吸っているわけじゃないんですが、昔から、四十歳ぐらいから吸っていると記憶します。 受動喫煙の防止というのは、これは今、安倍総理の答えられたとおりなんでして、基本的には嫌な人がおられたらなるべくその人と付き合わないか吸わないか、どちらかだと思っております。
○松沢成文君 田村厚労大臣、厚労大臣は健康面からたばこの規制を担当していますよね。厚労省は二〇二二年までに日本の喫煙率を一二%まで下げるというすごいアグレッシブな目標を立てました、今二〇%ですからね。そのトップリーダーですから、まさかたばこは吸わないとは思いますが、喫煙するかどうか、それから受動喫煙防止対策についてどういう認識をお持ちか、お聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 厚生労働大臣になるためではないんですけれども、数年前にたばこをやめました。 受動喫煙をどう思うかということでございますが、吸っているときから、やはり人の煙は非常に気になるわけでありまして、決していいものではないと、そういう思いもあって私自身もやめたわけでありますけれども。 我が国においては、第二次の健康日本21でこの受動喫煙対策、しっかりと数値目標を置いてやっているわけでありまして、一例申し上げますと、行政機関、医療機関、これ現在一六・九、一三・三、これぐらい受動喫煙あるわけでありますけど、これを〇%にするでありますとか、幾つかの基準を持って、今それに向かっていろいろと対策を進めておるようなところでございます。
○松沢成文君 三大臣とも、受動喫煙防止対策、前向きに進めていくべきだと、こういう意見でございました。 さて、皆さん、パネルを見てください。(資料提示)たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約というのがございます。日本も当然入っております。世界の百七十七か国、ほとんどの国が入っている。人口でいうと八八%の世界の人々がこの条約の加盟国の下におります。 この条約は、日本が入るときに、日本の政府の職員が行って議論に加わって、それで合意をしているんですね。ガイドラインについてもそうなんです。何と書いてあるか。受動喫煙から保護するために、各国は効果的な立法上、執行上、行政上又はその他の措置を採択し、及び実施すると。そして、そのガイドライン、ガイドラインはこういうやり方でやるのがいいですよということなんですけれども、たばこの煙にさらされることから人々を保護するための立法措置が必要である、法律は単純明快で、かつ強制力を持たなければならない、効果的な法律では、影響を受ける事業施設と個人喫煙者の双方に遵守の法的責任を課し、違反した場合は罰則を科すべきであるとなっているんです。 日本はこの条約の締約国です。でも、日本は、この条文からすると、全く対策が遅れているんですね。まあ、こう言うと、恐らく厚労大臣は、日本にも健康増進法がある、その二十五条で受動喫煙の防止をうたっていますよと、こう言うと思います。でも、あれは努力義務なんですね。ですから、法的な強制性は全くないんです。 さあ、皆さん、世界の国々見てみると、アフリカの途上国はまだまだのところがありますが、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、もう各国がほとんど強制力を持っている。つまり、罰則規定を持った受動喫煙の防止法、防止条例を持っているんですね。失礼ですが、韓国も中国も台湾も全部作りました。持っていないのは日本と北朝鮮ぐらいです。 皆さん、この条文に照らして、全く日本は受動喫煙の防止対策が遅れているんですね。このままだと、総理、これは条約違反だと言われちゃいますよ。条約を守るのは、憲法九十八条で務めなんです。条約を守らない公務員は、憲法違反なんです。これをきちっとやらないと、日本はWHOから本当にひどい国だと、条約に入っていながらずっと逃げ続ける。 皆さん、この条約の締結国の中で補助金を分担しているんですが、日本は負担率第一位です。一番お金を出してこの条約をやらなきゃいけない立場なのに、日本だけがこの法制化が遅れている。このことについて、総理大臣、見解を求めます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘の受動喫煙防止対策について、強制力を持ったものを今措置をしておりませんが、その中においても、健康増進法に基づいて、多数の人が集まる施設の管理者に受動喫煙を防止するための対策を促すとともに、事業主を対象とした講習会等への支援や相談窓口の設置を行ったり、さらに政府として、今年度から開始をした第二次健康日本21において受動喫煙の減少を数値目標として掲げています。 一方、今御指摘の強制力を持った立法措置とすることについては、この問題に対する国民各層の様々な御意見や議論の趨勢などを見ていく必要があるわけでございまして、いずれにいたしましても、受動喫煙防止のための様々な対策をしっかりと進めていきたいと思います。
○松沢成文君 いろいろ国民の意見も聞いて進めていきたいということですが、ただ、そんなことを言っていられないんです。実は、オリンピック招致決まりました。これからオリンピックをやるんです。WHOとIOC、国際オリンピック委員会では、オリンピックにおける、簡単に言えばたばこの撲滅協定というのを結んでいるんです。つまり、オリンピックをやる都市は、スポーツの祭典なんだから健康的な都市環境じゃなきゃ困ると、きちっとたばこ対策をやっておいてくださいねという協定があるんですね。 それで、これはオリンピックを、関係する都市、みんな持っています。北京は北京オリンピックをやるためにちゃんと条例作りました。そして、ソチ、リオデジャネイロ、これからオリンピックやります。こういう国は、みんなこの協定もあるし条約もあるから、きちっと禁煙法を作っているんです。これは罰則付きです。東京だけが逃げ続けているんです。オリンピックやるためにもきちっとやらなきゃいけないと思うんですね。 それからもう一つは、ア・ガイド・ツー・タバコフリー・メガイベント、これはWHOがスポーツのメガイベント、つまりオリンピックやサッカーのワールドカップ、これをやる都市はきちっとたばこ対策やっておいてください、こうあるんです。中の言葉を引用すると、イベントの開催都市を選択するための最重要基準として、一〇〇%スモークフリー方針を作り徹底させる、法律で定めることが望ましいとなっているんです。 総理、オリンピック成功させたい、そのためには準備万端やっていく。もちろんハードの整備も必要でしょう。でも、オリンピックをやる都市に、WHOとIOCが協定を結んで、きちっとこういう対策しておいてくださいねと要請をしているんです。受動喫煙防止条例は、オリンピックをやる以上待ったなしなんですね。 幸い、私が県知事のときに神奈川県で受動喫煙防止条例作りました。いいひな形ありますから、それをきちっとまねして作っていただきたいと思います。 最後に、総理はおもてなしと言いました。滝川クリステルさんがおもてなしと、有名になりましたね。世界中の国にはもうこういう法律があって、観光客が二千万人来るんです。そういう人たちが東京に行って、レストランに行った、ホテルに行った。えっ、たばこの対策できてないの。みんな、おもてなしどころか不信感を持ちますよ。 だから、政府としてもうここは決断してください。財務省は消極的なんです、たばこ事業法、JT抱えているから。厚労省はやりたいんです。でも、厚労省は財務省に頭が上がらないんです。だから、だから総理が総理大臣として、省庁の垣根を越えて日本はオリンピック成功させるために受動喫煙防止法を作る、そう宣言いただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松沢委員の今の御意見も踏まえながら、海外から来られる方々に対していかにおもてなしをしていくか。これは、神奈川県でそういう条例を作っておられるということはよく承知をしております。これは東京都で条例で対応していくのか、あるいは国として法律を作っていくのか、あるいはまた、更に今進めている様々な政策を進めていくことによって成果を上げていくということも含めて検討をしていきたいと、研究をしていきたいと思っております。
○松沢成文君 以上です。
○委員長(山崎力君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 首相は、消費税増税の決定に当たって、景気は順調に上向いてきているというふうにおっしゃいました。しかし、国民にそんな実感はあるだろうか。時事通信社の十月の世論調査では、景気回復を実感するかという質問に、実感すると答えた人は一八・五%、実感しないが七六・四%で、これは半年前より増えています。半年前は六八・六%でした。 そこで、総理、景気回復を実感しない人が増えている理由、どうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この景気については、例えば成長率については、昨年の四―六がマイナス一で、そして七―九がマイナス三・八だったわけでありますが、十―十二になってプラス一になって、そして一―三がプラス四・一になって、四―六がプラス三・八に上がってきたということでございまして、そういう中においてやっと設備投資も出てくる。消費はある意味では順調でございますので、その中において、しかし、まだまだそれは、その景気の波は地方に、全国津々浦々までに行っているとは言えない状況でありますが、そういう状況の中において消費税を上げていく、そしてその中において腰折れをさせないという対策のプランをまとめましたし、また同時に、低所得者の対策もしっかりとその中には入っているということもございまして、今回そういう判断をしたところでございます。
○小池晃君 そういう実態をやっぱり壊してしまうのが消費税増税、更に悪くしてしまうんではないかと思うわけです。(資料提示) 今いろんな経済指標をおっしゃいましたけれども、おっしゃらなかった賃金ですね、長期にわたって賃金は減り続けている。中身を見ますと、九〇年から九七年までは賃金増えているわけです。大体五十万円増えましたね。ところが、その九七年に消費税の増税をやって以来、景気が冷え込み、それ以降、十五年間で働く人の年収は七十万円減っているわけであります。 ここで五%から八%に増税したら一体どうなるか。これはもう暮らしに深刻な打撃を与えて、景気にも大変な悪影響を及ぼすのではないかと思いますが、総理、いかがですか。総理、総理。
○委員長(山崎力君) 甘利担当大臣。(発言する者あり)
○国務大臣(甘利明君) 景気の回復には、それを可とするような条件の整備と、それから時間軸が当然必要であります。私どもはその環境の整備をいたしました。そして、時間軸に従って具体的な行動を起こしております。これは、景気循環をただ待つための環境整備ではなくて、それを加速するための働きかけも行っているところでございます。もちろん、今日言ってあした良くなるわけではありません。しかし、間違いなく各種データは改善を示していく、そのデータが改善をしない限り景気は良くなっていかないというふうに思っております。
○小池晃君 全く答えていないんですよ。賃金下がっているのに消費税増税したらどうなるんですかと聞いている。答えてください、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小池委員がお示しになったこの表でありますね。ですから、我々も、九七年、三%を上げた。その後、アジアの通貨危機等がございました。日本はデフレに陥って経済は低迷をしていくという状況の中において、十五年間続いてきた。そこで、私たちは、まずは、賃金が下がり続けた、デフレが進んでいく中において賃金は物価以上に下がってきたという大きな問題があります。 そして、その中において、第一次安倍政権においても、企業が大きく収益を改善をいたしました。しかし、賃金上昇にはつながらなかったということも反省をいたしながら、検証をしながら、今回の景気回復においてはタイムラグが、実際に企業が収益を上げてから賃金にそれが跳ね返ってくるまでは少しタイムラグが確かにあるんですが、なるべくそれを縮めていくために様々なこれは機動的な財政出動もしておりますし、そして経営者の皆さんへの働きかけを行いながら、何よりもまずはデフレから脱却できると、こういうマインドチェンジが大きいわけでありますが、マインドがチェンジされることによって、企業がお金をため込むことよりも、これはしっかりと投資をしていく、あるいは人材を確保していく、先手を打った方がこれは企業にとって生産性、将来の生産性につながっていくわけでございますから、そういう状況を今私たちはつくりつつあると、これが大きな変化と言えると思います。
○小池晃君 いろいろおっしゃいましたけど、結局、やっぱり賃金は下がっているということは認めざるを得ないし、賃金の上昇に結び付いていないという現実はお認めになるわけですよ。そういうときに消費税の増税やったらどうなるかということを言っているわけであります。財政のためだというふうにおっしゃいますが、果たして良くなるんでしょうか。 といいますのは、九七年の消費税の増税の際、これは結局、景気が悪化したために、法人税収、所得税収は減りました。それに加えて、景気対策だと言って法人税の減税繰り返しましたから、増税後三年間を見ますと、消費税の増収分五兆円を超えてそのほかの税収が十一兆円減り、トータルで六兆円税収は減ったわけです。今度はこういうことになりませんと言える根拠はありますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じで聞いておられるんだと思いますが、九七年のときに下がったというのは事実です。しかし、そのときに何があったかといえば、法人税が下がったのは、これは法人税そのものを下げていますからね、制度減税していますから、たしか私の記憶ですけれども。ですから、あのときは十一兆減りましたけれども、法人税の制度減税であれは五兆円ぐらい引いたと思いますね、トータルで。ですから、結果として十一兆のうちの半分の五兆円は制度で下げたということだけちょっと言わないと公平さを欠きますので、言わせていただきたいと存じます。 それから、続けて、このときの場合は、九七年度の場合は、アジアの金融危機が起きて、三洋証券が倒産して、山一が倒産して、北海道拓殖銀行が倒産、明けてすぐ長銀が倒産して、不動産銀行、いわゆる金融危機というものがばたばたばたっと起きたというのが非常に大きな現象だったと思いますので、いずれにしても、消費税を引き上げるということによってその時期が重なったというのは間違いなく不幸な事実だったとは思いますけれども、今言われましたように、今度の場合はそういったことがないようにいろいろ対策をしていると御理解いただければと存じます。
○小池晃君 総理のブレーンである浜田宏一エール大学教授は、この九七年の増税の影響というのは、これは増税だけじゃないんだと、主因じゃないんだという議論は財務省弁護のための議論だと、それは信用できないと、当時の不況は複合汚染だったんだ、増税の影響を認めないのは科学的とは言えないと言っていますよ。まあ、財務省だからね、そう言うんだと。まあ、いいです、いいです。 しかも、制度減税をこれからやろうとしているじゃないですか。総理は、実効税率の引下げだって検討しているわけでしょう、主張しているわけでしょう。しかも、九七年のときは初めから予定していなかったですよ。これは消費税増税で景気悪くなったから法人税減税したわけでしょう。今度はもう増税とセットで初めからやろうというわけですから、これだったら九七年よりも大変な事態になるのではないかというふうに思うわけですよ。 改めて、私は消費税そのものについて問いたいんです。消費税の逆進性です。 これは、みずほ総研の調査、今パネルにしましたが、これ見ますと、年収に対する負担率で比較をしますと、今の五%でも年収三百万円未満だと四・一%の負担率です、年収に対する消費税の負担率、家計収入に対する。これが年収一千万円以上だと一・七%。低所得世帯ほど負担重いわけです、消費税は。なぜかといえば、収入の大半が消費に回るからですよ。これが八%になればどうなるか。それぞれ六・五%と二・七%。一〇%になれば八・一%と三・四%。もう負担率の差はどんどん拡大していくわけですね。 ただでさえ、アベノミクスというのは、恩恵を味わっている人はごく一部ですよ、富裕層あるいは輸出大企業だと。一番大変な思いをしている人たちに重いのは消費税ですよ。このアベノミクスの恩恵を味わっているごく一部の富裕層、ここはそのままにして負担の軽い消費税、一番暮らしの大変な人々に消費税の増税をするということをやろうとしているわけですよね。 総理、日本の貧困と格差をますます拡大させていく、こんな道を進んでいいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初にお答えをさせていただきましたように、確かにこの消費税を引き上げることによって景気の回復を腰折れさせる危険性はあるわけでありますから、だからこそ有識者の皆さんに集まっていただいて御議論をいただいた。その御議論も踏まえて今回は対策パッケージを、経済対策パッケージを取りまとめたわけでありますが。 なぜそもそも我々が消費税を引き上げるかといえば、社会保障の安定財源の確保は喫緊の課題であります。その財源としては、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しているということ、そして勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから消費税がふさわしいということになって、昨年、自民党、公明党、そして民主党三党で、我々野党ではありましたが、当時の与党の民主党の案に賛成をさせていただいたところでございまして、消費税は所得の低い方々ほど負担する割合が高いとの観点から逆進的であるとの指摘もございますが、この消費税の税収は全て社会保障財源化して所得の低い方々を中心に還元をするとともに、引上げに当たって簡素な給付措置等の所得の低い方々への対応も講じているわけでございまして、いずれにいたしましてもしっかりと、この消費税の引上げ、財政の健全化と経済の再生を両立をさせて強い経済を取り戻し、社会保障の基盤をしっかりとしたものにしていきたいと考えております。
○小池晃君 社会保障のためだと言うけれども、八兆円の消費税増税のうち社会保障充実に回るのは五千億円だというわけですよね。しかも、年金の削減が始まっている、医療費の値上げも計画されている。一般の人々は社会保障は良くなっている実感なんて全くないですよ、今のやり方では。 経済対策やるからパッケージだというけれども、八兆円の消費税増税で景気悪くなるんだと、それを心配して六兆円の景気対策やるというんだったら、来年の四月の増税を中止するのが一番の景気対策になるじゃないですか。 しかも、今給付というふうにおっしゃった。私、手紙もいただきました。低所得者対策というけれども、一体どんな生活しているのか知らないんじゃないかというお手紙です。年に一、二回現金給付を受けても普通の生活であっという間に消える、毎日切り詰め切り詰めだ、焼け石に水ですと、次の日からは消費税増税されたものを買わなければなりません、助かったという意識はほんの二、三日で、あとはまた物の買えない日々が続くと。この方は年に一、二回とおっしゃっているけれども、これ、一年半に一回こっきりでしょう、一万円を一年半。毎月五百五十五円ですよ、ワンコインですよ。これでどうして逆進性が解消できるんですか。 私たちは、消費税は負担が重いから、負担が増えるからただ反対などという単純な議論をしているわけではないんです。応能負担、生計費非課税の税の大原則に反する最も不公平な税制である、だから、これを拡大することは不公平である、不正義である、富裕層には軽く、苦しい暮らしをしている人には重くのしかかるこの消費税の増税はやるべきではない、許されないと申し上げているわけです。 さらに、今回、怒りを呼んでいるのが復興特別法人税の前倒し廃止ですね。同じ復興特別税でも、所得税は二十五年間、住民税は十年間増税が進むのに、なぜ黒字企業しか支払わない法人税だけ増税を打ち切るのか。これは余りに理不尽で不公平ではないかと。国民の納得が得られると思いますか。総理、総理にお答えいただきたい。総理、答えてくださいよ。
○国務大臣(甘利明君) 社会保障自身を赤字で賄っているわけですね。そうすると……(発言する者あり)今消費税の話をしているんですよ。それをきちんと安定財源で確保しなければ持続性は確保できないじゃないですか。 復興税の話ですが、長期にわたって、あらゆる社会保障なり日本の国体全体を維持していくための強い経済が必要なんですよ。委員は、ほうっておいても日本の企業は日本にとどまって、どんな重税を課しても、利益を上げて納税をするとお考えなんでしょうか。日本経済を支えていく、長期に支えていく強い経済が必要なんですよ。そのためにこれをやっているんです。 それから、消費税が五%、今、日本は五%です。これから上げたらとんでもないことになる、だとしたら、世界中の国はみんなとんでもないことになっているはずですよ。
○小池晃君 全く聞いていることに答えていないんですね。重税を課せなんて言っていないですよ。この間、日本の大企業、後で議論しますけど、こういう中で内部留保を二百七十兆円、八十兆円と積み上げてきているのが実態でしょう。さんざんこういうことをやっている中で、何で消費税なのかと言っているわけです。 で、私、質問答えていないです、復興特別法人税の廃止に国民の納得を得られますかと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この復興特別法人税の廃止については、これは確かに今委員がおっしゃったように、国民みんなで復興のために自ら身を切ろうというきずなのあかしであるということは私も重々承知をしております。 それを承知の上で、今回特別の措置を行うということを決意した理由は、企業はやはりこれ世界の競争の中で勝ち残っていかなければならないという厳然たる事実があるわけでございます。そこで、企業が倒産したらこれは法人だからといって関係ないというわけにはいかなくて、そこで多くの人たちが働いていて、それが生活の基盤になっているのも事実であります。 そこで、ただ、今おっしゃっているように、それが全部内部留保に行ったんでは我々も意味がないというふうに考えておりますので、大きな変化を与えるべく、まずデフレ経済を脱却して、デフレから物価安定目標二%という目標を立てたわけでございますから、お金を持っている経営者はむしろ能力のない経営者であって、これからどんどん投資をしていく、設備だけではなくて人材にも投資をしていく、正しい判断ができる、先回りしてできる経営者こそ優れた経営者と言われるようになるわけでございまして、さらには、経営者の皆さんに、早く賃金にこれを還元されて、そして消費が増えて、さらには企業の収益が上がっていくといういい循環に早く入ることがこれは日本全体のためでしょうということを今共通の認識をつくりながら、多くのこれは方々に賃金に反映させていくことを考えるという心強い反応を得ているところでございます。
○小池晃君 そういう正しい判断をしてくださるのであればいいんですが、例えばロイターの調査で、復興特別法人税を廃止した場合に何に使いますか、そのキャッシュフローはどこに回りますか、賃上げは五%ですよ、雇用拡大五%ですよ。そして、最も多かったのは内部留保ですよ。これが実態なんですね。これで賃上げに回るなんということを何の根拠もなく言ってもらっても困ります。 私、被災地の実態を見てまいりました。所信で総理は復興は新たな段階に入ったというふうにおっしゃっておりますが、とても十分なものではないですよ。実際回りますと、例えばですよ、今年度打ち切られた医療、介護などの一部負担金の減免制度、これ、復活を望む声は物すごく強いです。 岩手県保険医協会のアンケート調査では、これ、岩手県というのは国の援助、支援を打ち切られた後も続けているんですが、これがもし終了したらどうするかと。四五・八%の人が通院回数を減らす又は通院できないというふうに言っています。既に免除が打ち切られた社保では四三・六%の人が受診を控えております。これが実態です。 被災者の生の声を聞いてきました。仮設住宅から出る当てもないのになぜ負担だけ増やすのか、せめて医療や介護の費用だけでも安心して受けられるようにしてほしいと、これが切実な声なんです。 厚労大臣に聞きますが、私はこれ復活させるべきだと思うんですが、これ、復活のための財源はどれだけあればできるんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 平成二十三年度に東日本大震災で被災地になられたところ、この地域に関して、被用者保険の保険料それから自己負担部分、これに関して減免を行った。それに対して、費用援助を全額国がさせていただいたわけであります。これに関しまして、市町村国保、介護保険では合計六百四十一億円、被用者保険等を含めた医療保険全体と介護保険では合計約一千八億円でございます。 今現状はどうかということになりますれば、それよりかは若干なりとも全体は上がっておると思いますので、同額以上ということになろうと思います。
○小池晃君 医療、介護の負担減免、これ、国保、介護に絞れば六百四十一億円、社保も含めば一千億円。一方で、何で九千億円の復興特別法人税を打ち切るのかと。これ、迷惑掛けないからいいですという問題じゃないんですよ。もっともっとやるべきことはあるわけです、今実際に。医療、介護だけじゃありません。住宅再建支援金の引上げあるいはグループ補助の拡充、望んでいることがいっぱいあるときに、なぜこの法人税の増税だけやめてしまうのかと。 陸前高田の市長は、復興も進んでいないのに、国がまず復興と名の付くものに手を付けたことが本当に不安になるんだと、政治が見てくれていないと感じることが被災者には一番つらいと、こう言っているわけです。東日本大震災という未曽有の被害から立ち直るために、せめて法人税を払っている黒字の企業は負担能力に応じて負担してくださいと、これが筋であって、もう終わりでいいです、そういう話じゃないでしょう。 これ、むしろ政府は財界に対して、三年と言っていたけれども復興法人税はもっと続けてほしいぐらいのことを言わなきゃいけない。前倒しでやめるなど言語道断だ。撤回してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この財源、今九千億というふうにおっしゃったんですが、この復興特別法人税を前倒しをして廃止する財源は、もちろんこれは、復興の予算は安倍政権ができてから十九兆円のものを二十五兆円に六兆円増やしました。これはもちろん減額はいたしません。この特別法人税廃止のために必要な予算は、まさに私どもが進めている経済政策によって増えた、自然増収によって増えたお金を投入するわけであります。 それをほかに使ったらいいではないかと、そういう考え方ももちろんあると思いますよ。しかし、せっかくこのように上振れが出るようになったこの経済、景気を安定的なものにしていくことも大切でありまして、来年のこの消費税引上げ、これがここ一番大切なことでありますから、そこにしっかりと投入をしていこうということであります。もちろんその前提は、今、小池委員がおっしゃったように、しっかりと経営者の皆さんにもその思いを分かち合っていただくということであります。 今年の通常国会におきましても、小池委員、あるいは大門委員、笠井委員から企業にこれ賃上げを働きかけろと、こう言われて我々はそのとおりやったわけでありまして、それなりの効果は出たのではないかと、このように思いますが、今回もそういう形で頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。
○小池晃君 いや、総理の希望的観測はよく分かりますよ、その気持ちは。ただ、気合だけではできないと宮沢洋一自民党の参議院議員が本会議で言っていたじゃないですか。何の保証もないんですよ、今のこのやり方では。しかも、上振れがある、それはいいじゃないですか。その上振れに加えて法人税で、頑張ろう日本と言っているんだから、みんなで支えましょうと、これがやるべきことじゃないですか。 消費税の問題、これ私、一かけらの道理も今回ないと思います、このやり方には。私たちは財源のことどうでもいいなんて言っておりません。消費税ではない別の道こそ安定した財源になる。やはり富裕層に、そして大企業にはやっぱり応分の負担を求めていくと。この道を進むべきだし、やはり国民の所得が増える内需主導の経済改革で税収を増やすということに本気で取り組むことが必要だという提言もしております。 しかし、今後の税制の在り方にもし意見の違いがあったとしても、来年四月に増税することは日本の景気にとってやっぱり大変深刻な影響を与えると、その一点でこれ力を合わせようということも呼びかけて、今、増税中止の法案も準備をしております。是非、各党各会派の皆さんにも共同で国会に提出をして増税中止を迫っていくということを求めていきたいというふうに思っています。 それから、先ほどから法人税減税、賃上げにつなげるというお話ありました。これ、今パネルで示しておりますのは、これは法人企業統計ですから、大企業についての数字であります。これまでも法人税の減税というのは、先ほどから言っているように繰り返しているわけですね。その結果、何が起こったか。その結果、働く人の賃金は大体五十万円減っているわけです、これ大企業に限ってですが。内部留保が百三十兆円増えているわけです。株主の配当も七兆円増えています。役員報酬は一人当たり二百万円、千五百万円から千七百万円に増えているわけですね。これがこの間の経過なんですよ、歴史の実態なんですよね。 総理、政労使会議で私たちも賃上げをというふうに呼びかけて、それにこたえて賃上げを政府が言ったと。これ、良かったと思うんです、率直に。ただ、何でこの会議でもう一歩踏み込んで政府から、賃上げのためにこの内部留保を活用しようと、これなぜ言わないんですか。総理、是非言ってくださいよ、これ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば諮問会議……(発言する者あり)
○委員長(山崎力君) 済みませんが、ちょっとよろしいですか。 傍聴議員に申し上げます。質疑の妨げになります。どうか御静粛にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諮問会議においても、この政労使の会議においても、麻生財務大臣から、我々政府としてはもうやるべきことをやっているんだから、この内部留保も含めてしっかりと対応してもらいたいという趣旨の発言はなされているわけでございますが、ただ、企業側もこれはキャッシュで内部留保というものは持っているわけではなくて、これは投資等々に回っているものもあるわけでございますが、その中で私どもとしては、デフレ経済から脱却できるかもしれないと多くの企業に考え始めてもらえる状況にはなったわけでございますから、しっかりと人材に充てていただきたいと思いますし、法人納税企業のほとんどはしかし中小企業でもございます。そしてまた、政労使の会議におきましても、経済界から、業種や規模による違いはあるものの、中小企業においても賃金の上昇の動きが広がりつつあるという発言もいただいておりまして、この動きを更に拡大をしていきたいと、このように思います。
○小池晃君 中小企業が圧倒的というのは企業数の問題で、税額でいえばほぼ大企業、中小企業は半々ぐらいですよ。 はっきり言ってください。総理がやっぱり政労使会議出ておられるんだから、内部留保を活用しろと。じゃ、麻生大臣はそういう何かよく分からない趣旨のことをおっしゃったと言うけれども、総理、言ってください、その政労使会議でそのことを発言すると。じゃ、そういうふうにお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私からもそれはお願いをしようと、このように、今までも内部留保の活用についても私も言及をしたことがございますが、更に麻生副総理から迫力を持って言及もしておりますし、私からもそういう発言をさせて、これからもお願いをさせていただきたいと思います。
○小池晃君 先ほど現金ばかりじゃないというふうにおっしゃいましたけど、私ども、別に内部留保を全部取り崩せなんて言っていないんですね、その一部でもいいと。しかも、この間増えている、今パネル示しておりますが、内部留保によって、資産構成の変化を見ますと、やはり換金可能な資産が増えているわけですよ、現金預金やあるいは有価証券。だから、これを活用しようじゃないかと言っている。私どもの提案です、これが。内部留保一%を取り崩すだけで八割の企業で月一万円の賃上げできるじゃないかと、こう提案しているわけですね。非正規社員の時給の引上げもできるんだと。是非これを政労使会議で、この場で言うだけじゃなくて、米倉さんに総理が自ら、やはり内部留保を活用して賃上げをするべきだというふうに言っていただきたいというふうに思います。 政府が直ちにできる賃上げもあるわけです。中小企業への抜本的な支援と併せて最低賃金を時給千円以上に引き上げる、このことも私ども主張しております。是非これやろうじゃないかと。 それから、若者始め働く人を過酷な長時間労働やパワーハラスメントで苦しめた挙げ句、物のように使い捨てにするブラック企業、この対策も求めていきたいというふうに思っている。 私ども、今国会にブラック企業規制法案を提出をいたしました。中身は大きく言って三つの柱です。一つは、長時間労働を是正をしていく、年間の総労働時間を労働基準法に法定すること、仕事が終わってから次の仕事まで十一時間のインターバルを置くということを決める、サービス残業は残業代二倍にして、いわゆる倍返しという形でサービス残業を根絶をしていく、そして労働条件などの情報公開を、しっかり求人情報なども情報公開していく、離職率なども情報公開をする、そしてパワーハラスメントを規制する、こういう中身です。 総理、是非これを実現しようじゃないかと。私は、これは党派を超えて、まさに今の日本のこの物のように使い捨てにする働き方をなくす、そういう提案だと思っております。是非これを実現するために総理にも力を発揮していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。 それから、法改正待たずに取り組めることもいろいろありますから、是非やっていこうじゃないかと。どうでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党が提出をされた法案については国会において御議論がなされるものと思いますが、政府としては、若者の使い捨てが疑われる企業等は社会的に大きな問題であると考えております。 このため、本年九月には過重労働重点監督月間の取組として、賃金不払残業や長時間労働などが疑われる四千件以上の企業等に重点的な監督指導を行うなど、対応策を強化をしております。さらに、若者が適切な職業選択ができるよう企業の魅力発信や就職関連情報の開示なども併せて進めているところでございます。
○小池晃君 是非この法案の中身も御検討いただいて、こういう方向でのやっぱり法改正、共に力を合わせようじゃないかと、これはもう全ての会派の皆さんに訴えたいというふうに思うんです。 そこで、何でこういうブラック企業というのははびこってしまうのかというその背景について議論したいと思うんです。やっぱり背景にあるのは雇用の破壊ですよ。やっぱり正社員が本当に今減っているという実態があるわけですが、総務省に聞きます。先日、五年に一度の総務省の就業構造基本調査結果が発表されました。非正規雇用は今どのような状況に、増えつつあると思うんですが、実態をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。 平成二十四年十月実施の就業構造基本調査の結果では、役員を除く雇用者全体に占める非正規職員・従業員の割合は三八・二%でございまして、過去二十年間の同調査の動きを見ますと、男女共に上昇傾向が続いております。同調査におきましては、過去五年間に転職を行った就業者約千五十万人の異動状況も見えますが、これにおいては、前職が正規の職員・従業員であった者約五百万人のうち、非正規職員・従業員に異動した者の割合は四〇・三%、また、前職が非正規職員・従業員であった者約五百五十万人のうち、引き続き非正規職員・従業員となった者の割合は七五・八%となっておりまして、いずれも十九年、前回調査より数ポイント上昇しております。
○小池晃君 非正規雇用が二千万人を超えて四割に達する、正規から非正規への流れが強まっている、これが実態なんですね。 そして、それが賃金の低下の原因であることも政府は認めてきました。労働経済白書、この三年間、同趣旨の記述があるわけです。平成二十三年版、相対的に賃金水準の低い非正規雇用者の割合が増加することは労働者の平均賃金を低下させることになる、これが大きな低下要因となってきた。平成二十四年版、非正規雇用者比率の上昇が賃金の減少の最大の要因となってきた。平成二十五年版、現金給与総額の低いパートタイム労働者の比率の上昇が一貫して現金給与総額の減少要因となっている。繰り返し言っているわけですね。 総理にお聞きしますが、総理もやはり非正規雇用者の増大というのが賃金下げる大きな原因になっているという認識をお持ちですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非正規雇用の方々については、能力開発の機会が乏しくセーフティーネットが不十分であるなど課題も多いと思います。 このため、強い経済を取り戻し雇用の拡大と賃金上昇につなげていくとともに、非正規から正規へのキャリアアップの取組を進めるなど経済・雇用政策等を連携させて支援していくとともに、短時間労働者に対する被用者保険の適用など、セーフティーネット機能を強化することにより労働環境の改善を図っていきたいと考えております。 そして、もちろんそれは、非正規の方がこれは増えていけば、それは労働条件は正規の方より悪いわけでありますから、平均すればこれは改善をしなければいけないという状況になっていくんだろうと。 大切なことは、これは、正規になりたいという方に対してはしっかりとチャンスが開けている社会をつくっていくことではないかと、このように思っております。
○小池晃君 非正規増えることが今の要因、原因だということをお認めになり、その改善が必要だと言いながら、これから政府がやろうとしていることは正反対じゃありませんか。非正規雇用を増やすようなことばかりを今計画しているわけですね。 日本再興戦略が雇用の規制緩和のプランを打ち出して、来年の通常国会に次々と法案の提出が、今、労働政策審議会などで検討されているわけであります。その中身は、派遣労働の拡大や有期雇用の拡大で非正規雇用を更に増やす中身だと。あるいは、より解雇しやすくするために限定正社員や解雇の金銭解決の導入、裁量労働制の拡大、残業代ゼロのホワイトカラーエグゼンプションの導入、長時間労働、ただ働きの拡大につながるようなものばかりなんですよ。 総理自ら、非正規が増えれば労働条件は悪化すると、この改善は必要だと今おっしゃった。じゃ、なぜその一方で賃下げの圧力にしかならない非正規雇用の拡大を進めるのか、これでどうやって、先ほどから賃上げするんだとおっしゃるけれども、やろうとしていることは賃下げばかりじゃありませんか。どうなんですか。 総理ですよ。
○国務大臣(田村憲久君) 労働者派遣法一つ取りましても、派遣労働者の保護それから雇用の安定、処遇の改善、こういうことも含めて今労働政策審議会で御議論をいただき始めたところであります。 それから、今限定正社員というようなお話もございましたが、そもそもこれは非正規の方々が正社員になられる中において、多様な働き方、この一つの形態としてこういう御提案をいただいておるわけでありまして、決してこれをもってして非正規を増やそうというようなことを考えているわけではありません。 さらに、裁量労働制にしても、これもより生産性の上がる働き方というのはどういうものか、こういうことを労働政策審議会の中でいろいろと御議論をいただきながら、決して労働者に大変厳しいような状況をつくろうというような、そんな思いの中で始まっておる議論ではないということを御理解をいただきたいというふうに思います。 あわせて、今総理がおっしゃられましたけれども、非正規で働いておられる方の中でも本当は正規で働きたいんだと思っておられる方々が正規で働けるような、そういう環境をつくるためにいろんな今政策を作ってきておるわけでございまして、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
○小池晃君 厚生労働大臣がこれじゃ駄目ですよ。やっぱりきちっと労働者を守るという立場で仕事してくれなきゃ何のための厚生労働大臣なんだ。 非正規雇用の待遇改善というのは必要ですよ、当然。それはやるべきです。しかし、そのためにも非正規から正規へという施策が必要なんです。ところが、それが全くないわけですよ。 結局、今検討しているような中身でいえば、派遣労働も永遠に続けられるような中身を考えられているわけで、あるいは有期雇用も、五年、それを十年だと。十年働いても正社員にならないような社会でいいんですか。そして、一生派遣労働で終わるような社会でいいんですか。この間、規制緩和をやってきたことによって非正規雇用の労働者がどんどん増えてきた。その歴史的事実をはっきり見なきゃ駄目ですよ。 それから、多様な働き方の実現と言うけれども、現場の実態とは全く違います。厚労省の派遣労働者の実態調査では、派遣を選んだ人の理由、男性の四九・五%、ほぼ半分は、正社員として働きたいけれども職が見付からなかったと。結局、今のやり方をすれば正規になれるなんという道はないです。しかも、非正規のままいつ首切られるか分からないような状態が更に長くなっていくというような規制緩和ですよ。 総理、答えていただきたい。いつでも雇い止めされるような不安定さに加えて、賃金格差も、福利厚生の面でもやっぱり格差は大きいわけです。これを解決することをやはり本気でやらなければいけないでしょう。賃上げ政策は気合だけだと、そして賃下げ政策は非正規雇用拡大のメニューが満載だと。これでどうして労働者の労働条件は良くなるんですか、賃上げが実現できるんですか。お答えいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど田村大臣からも答弁させていただきましたが、まずは、この非正規の方の中から正規に移りたいと、正社員になりたいという方々がその道がちゃんと開かれている、そしてそのためのキャリアアップ、能力開発ができるようにしていくということが大切でありまして、そのための様々な支援を行っているわけでありますし、企業側にもそういう対応を取るように促しているところでございます。 と同時に、私たちが今行っている雇用のこれはある意味弾力化については、そのことによって雇用が拡大をしていくように、そして、働き方の形態が様々多様化している中において、そういう多様化しているこのニーズにこたえていくためでもあるわけでありまして、それは決して非正規労働者を増やしていくことではないわけでありますし、言わばデフレに拍車が掛かるわけではなくて、逆に、つまり強い経済を取り戻して、今の動き、このデフレ脱却の中において賃金もしっかりと上がっていく、そういう経済をつくっていくために資するものをしっかりとメニューに入れているところでございます。
○小池晃君 全く今やろうとしていることの中身が分かっていらっしゃらないようです。 派遣労働はもう上限規制を撤廃して、これは今までは専門二十六業務、これも大変問題あったけれども、その部分だけだったのを、全ての業種にわたってこれは上限規制を撤廃して、いつまでも派遣労働で働けるようにしようという改悪ですよ。有期雇用だって、五年で正社員、これも全然この五年前に首切られるような実態あるわけだけれども、これを更に広げると。これでどうして正社員増えるんですか。こんな規制緩和やったら非正規がどんどん広がるだけじゃないですか。 そして、非正規雇用の労働者が一体どんな状況に置かれているか。コーヒーショップの大手シャノアールが全国で展開しているカフェ・ベローチェで働いていた二十九歳の女性の例をちょっとお話ししたいんです。 この方から話聞きましたが、私は時給八百四十円で働くアルバイトでした、二〇〇三年にオープニングスタッフとして働き始め、店長とほとんど同じ仕事をする責任者として働きましたが、正社員よりはるかに少ない給与の上、ボーナスも各種手当も出ない、店長がいない時間帯は店の責任者だった、新人教育もクレーム処理もやってきた、正社員の店長が一、二年で次々替わる中で店を支えてきたのは私たちだった、ところが、三か月更新の契約を三十回重ねて、足掛け八年、一生懸命働いてきたのを、突然契約更新できなくなったと言われる、働き続けたいと言ったけれども聞き入れられなかったと。 人事部長はこう言ったそうです。定期的に従業員が入れ替わって若返った方がいい、会社ではこれを鮮度と呼んでいる、従業員が入れ替わらないと店の鮮度が落ちる。この女性は、人を使い捨てにするだけではなく、女性を物扱いし、年齢を重ねた女は必要ないと言われたことは許されないということで闘っておられます。シャノアールでは約五千名のアルバイトの人が働いているというわけですが、そんな大手企業でこんな無法が起こっているわけですよ。 人間は物じゃないでしょう。働く人を鮮度が落ちたなどと切り捨てるような社会で総理はいいと思いますか。いかがですか。総理、答えてくださいよ。
○国務大臣(田村憲久君) 一般に、労働契約期間が切れた、そのような有期労働にいたしましても、継続的に契約をしておって、その結果、労働者が合理的に期待を有するというような場合に関しましては、これは判例で雇い止め法理というものが、これができ上がっております。 結果的に、労働契約法、先般改正をいたしました労働契約法でこの雇い止め法理、これを法定化をいたしておりますので、そのような意味からいたしますれば、今申し上げたように、客観的、合理的な理由がなく社会通念上相当と認められないような、そのような雇い止めであるならば、これは無効ということになるわけでございます。 でありますから、例えば総合労働相談コーナーでありますとか、御相談いただければ対応させていただくということになりますし、場合によっては紛争調整委員会、こちらの方にお声掛けをいただければあっせんということもあるわけでございますので、是非ともそのような場合にはそのようなところにお声掛けをいただければ有り難いというふうに思います。
○小池晃君 この方は、労働契約法が国会に提出された日に会社側から、もう五年たったら正社員にしなきゃいけないから首ですと言われたんですよ。法律を作ったことが追い込んだんですよ。こういう実態なんです、今の企業。 総理、こういう社会でいいのかということに答えてほしい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに我々もそういう社会でいいとは思っておりません。ですから、今厚労大臣が答弁させていただいたように、そういうことをする経営者に対応して、何回も繰り返していくようであれば、本人は期待しているわけですから、何回も繰り返していく、この延長が繰り返されていくわけでありますから自分は期待されていると、正社員になれるという期待を持っている中において雇い止めをするというのはこれは不当であるということをはっきりとさせながら、ただ、これはそうなっているんだということを御存じないアルバイトの方々や非正規の方々もたくさんおられるわけでありますから、これは周知徹底をしていきながらしっかりと相談もできる体制を取っていかなければならないと、このように考えているところでございます。
○小池晃君 労働者の一番の願いは、多様な働き方じゃないんです。やっぱりきちんと評価してほしいということなんですよ。人間らしく働きたいということなんですよ。それにやっぱりこたえなきゃいけない。 総理は、衆参本会議で、若者応援企業宣言事業を活用するというふうに答弁されましたが、厚労大臣、ここで聞きますけど、この若者応援企業宣言ができる企業というのはどういう企業、どういう求人出している企業ですか。
○国務大臣(田村憲久君) 若者応援企業は、幾つか条件があるんですけど、その中で今求人という話がございましたので。正規社員の求人をハローワークの方に提出をいただいておると。その正規社員の概念ですけれども、基本的に、雇用期間の定めがなく、所定労働時間が通常の労働者と同等ということでございまして、派遣でありますとか請負、こういうものの求人は当てはまらないということであります。
○小池晃君 ちゃんとそういう企業を若者応援企業だというふうに厚労省言うわけでしょう。正社員の求人が若者応援だと言っているわけでしょう。それなのに何で非正規雇用拡大の政策ばかりを打ち出していくのかと。まさに今やろうとしている中身というのは、私は若者応援宣言じゃないと思いますよ、これ。正反対の若者使い捨て宣言じゃないですか。これを改めることが求められている。総理もやはりそういう社会ではいけないというふうにおっしゃった。是非そういう方向での労働政策の転換をしていただきたいんですよ。 総理も参加した九月のG20サミットが採択した宣言、何を言っているか。質の高い雇用を通じた成長を課題に掲げています。そして、生産的でより質の高い雇用を創出することが、強固で持続可能かつ均衡ある成長、貧困削減及び社会的一体性の向上を目指す各国の政策の核であると。求職者に仕事を探す支援をし、少数派及び脆弱層を労働市場へ参加させ、非正規雇用を減少させるために効果的な政策をやるんだと。これを総理も参加してG20サミットでは宣言をしているわけですよ。質の高い雇用こそ安定した成長につながる、人間らしい雇用こそ本当にまともな社会になるんだと。これが世界の流れなんですよ。 是非こういう方向で雇用政策の抜本転換を求めて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(山崎力君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助でございます。 衆参のこの予算委員会の基本的質疑ですか、代表質問四日目で、質問事項であるいはダブることあろうと思いますが、できるだけ変わった切り口、別の観点で質問しようと思いますので、総理以下閣僚の皆さん、お疲れでございましょうが、よろしくお願いいたしたいと思います。 私は、今度の消費税の八%引上げは本当に総理の苦渋の決断だったと思いますよ。私、いろんな選択肢があったと思いますよ。もうちょっと待つというのもある。あるいは一〇パーに一括して上げるというのもある。一%ずつ、これはなかなか難しいけれども、そういうあれもありましたが、結局総理は決断されたんですね。 総理、最大の理由は、八%に決断された、迷われたと思いますよ、六十人の有識者のヒアリングをおやりになったり、あれはパフォーマンスと言う人がおるけれども、私はそうだと思わなかった。最大の理由は何ですか、八%引上げの。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大きな理由の一つは、最大の理由と言えるかどうか、これははっきり申し上げることはできないんですが、やはり経済対策パッケージがまとまった中において、この経済対策パッケージを打っていくことによって言わば腰折れを食い止めることができると。むしろここで腰折れてしまって結局デフレ脱却できなければ、これはもう元も子もなくなるわけでございますから、これによってしっかりと腰折れを防ぐことができるということ、その確信を持ったことが大きかったというふうに思っております。
○片山虎之助君 経済対策パッケージについては後ほどお聞きしますが、そこで総理、八パーは途中経過なんですよ。今回の税と社会保障の一体改革は一〇パーなんですよ。一〇パーにするために二回に分けようと。今は途中経過、第一段階で、一〇パーはやられますね。それだけの御決意ありますね。 どうも総理は消極論だというのがちまたを覆っておる、一〇パーについては。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この更に二%上げていく上においては、やはりこれは附則十八条にあるように経済の状況をよく見なければいけないわけでございますし、国際的にも様々な懸念すべき状況があるわけでありまして、この懸念が顕在化したときには、これは判断も必要でしょうし、そして来年の四月に上げたときの影響がどの程度出ていくのかと。 なかなか数値はそうすぐには出てこないわけでありますが、それが七─九において回復していくという、そういう傾向に入っていくことができるかどうか。これはそういうことも含めて判断を、様々なこれは数値を勘案しながら判断をしたいと思うわけでありますが、これは必ずしも速報値ということではございませんが、これはそういう予測の中においても判断をしなければならないと、このように思っております。
○片山虎之助君 いつ決断されるかなんですよね。一〇パーにするんなら、決まっていませんよ、決まっていないけれども、軽減税率の問題も出る、それが出るんなら、インボイスをどうする、インボイス制度の問題も出る。そういうことはいろいろあるんですね、準備で。 いつごろ御決断されますか。軽減税率を含めて御答弁をお聞きしたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに今、それはもう非常にお詳しいですから、いろいろと準備があるのも事実でございますが、それを踏まえながら、その時期も含めて上げる上げないか適切に判断をしていきたい、それを決める時期も含めて適切に判断をしたいと、このように思っております。
○片山虎之助君 決める時期を含めてなお検討ですか。いやいや、いろんな、年内とか来年のいつだとかですよ。来年の四月から上がるわけですから、来年のいつごろだとかといろんな議論がありますけれども、今は全く決まっていないんですね。一〇パー上げる決意だけは十分お持ちなんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的には法律でもう既に決まっているわけでございます。その中において、それが許される状況かどうか、経済的に、という判断は適切に判断をしなければならないと、このように思っております。
○片山虎之助君 法律で決まっていますけれども、巨大与党ですからね、いつでも変えようと思えば変えれるんですけれども。 それじゃ、それはさておきまして、今度の経済対策のパッケージですよね。十月一日に閣議でお決めになった。ぱっと五兆円と出ていますよね。とにかく来年の四─六は恐らくかなりの反動減があるんで、そのための需要を回復せにゃいかぬということなんでしょうが、五兆円とぱっと、これは頭からお決めになっているんですね。積み上げが何かあるわけですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新たな経済対策の規模は、民間予測で二兆円程度と試算される来年度の四―六期の反動減を大きく上回ることを念頭に、消費税率三%引上げによる影響を大幅に緩和をし、かつ、その後の成長力の底上げ、成長軌道への早期復帰に対応する観点から五兆円程度としたところでございまして、新たな経済対策の財源については、御承知のように、これ剰余金等を活用するわけでございます。 こうした対策によって反動減を緩和をして景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環を図ることで強い経済を取り戻していければ、これは税収の基盤ともなると、こう考えているわけでございまして、今申し上げたものは投資減税等々も含むわけでございますが、今の回復した成長軌道に、四―六にこれは反動減がありますが、この反動減からただ立ち直るだけではなくて、今の成長軌道を伸ばしていった先に復帰できるようにしていくに十分な対策ということで今回の規模を考えたところでございます。
○片山虎之助君 最近、世の中では倍返しというのがはやっているんですけれども、これは三分の二返しですな。それは、その反動減を埋めて更に伸ばしていくためには五兆円必要だと、マクロ経済的にそういう御判断なんですね。 そうすると、枠を先に決めて、中身はこれから探していくわけですか、各省の知恵を集めて。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃっている意味は、五兆円の対策の中身を聞いておられる……(発言する者あり)あっ、五兆円を決められた一番の大きな理由は、民間の経済の統計、いろいろなの出しておられるから、四十一社の平均、中二十取ってその平均がマイナス一・八兆円と出ておりましたので約二兆円。したがいまして、それを埋める分、プラス、今のお言葉を使えば、倍返しというのであれば四兆、プラス一兆等々を乗っけて大体五兆円ぐらいというところだと。まあ一応形としては、いわゆる対策としてはちゃんときちんとなったと言っていただけるものではないかと思っております。
○片山虎之助君 税金の決め方、経済対策パッケージの規模を決めるのは、ちょっとそれはね、それは笑い事の話じゃないですよ。まあ、あなたはそういうことを言うのが好きだけれども、それはちょっと不真面目じゃないですか。もう一回あるならどうぞ。
○国務大臣(甘利明君) 財務大臣がおっしゃると笑いを誘うんですが、実はきちんと真面目に考えておられるわけであります。 まず、二兆円というのは反動減を埋め戻すだけの金額です。それを、成長をアベノミクスで消費税がなかりせばたどったであろう成長軌道に押し上げていく。つまり、反動減を戻してそれから横ばいの成長じゃ困るのでございまして、これが予定どおりの、十年平均でいえば名目三パー、実質二パーに上げていかなくちゃならない底上げの費用があります。 そして、この五兆円の中には復興の特会に入れていく一兆三千億円も入っておりますから、実は五兆円といってもそんなに余裕があるわけじゃないんでありまして、二兆を引いて一兆三千億を引く、そこが反動減対策に主に使えるというところであります。その中には、復興特別法人税を前倒し廃止する八千億ないし九千億の分も組み込んでいかなきゃならないわけであります。もちろん、それ以外に投資減税というのは別枠、税としての別枠でありますけれども、予算のうちではないですけれども、そうやってはじいていきますと、意外と、私が見る限り、そんなに潤沢にあるというわけではないなという気がいたします。
○片山虎之助君 じゃ、五兆円の中身をお尋ねしますけれども、まず復興特別法人税の前倒し廃止ですね、我々も反対なんですよ。本当に復興のための財源を国民みんなで出し合おうと。個人も法人もですよ、みんなで、あらゆる地域の人が、そうでしょう。議員も公務員も、それをみんなで出し合おうというのに、何でこの法人関係だけ、九千億ですか、前倒しせにゃいかぬかと。地方税の住民税なんか来年から払うんですよ。住民税を地方の住民が負担する前にもう法人の方はやめちゃう。所得税だって今年ですよ、今年から始まっているんですよ。 私は、こういうことはみんなのきずなというのか何か、みんなで持ち合うということを私は残していくべきなんで、恐らくこれは誰かの知恵で、まずそれから一番安易にいけるじゃないかと。便宜主義ですよ。しかも、決め方としては朝令暮改ですよ。私はどうもね、そう思いますよ。それなら法人税や住民税をまけたらいい、あっ、法人税じゃなくて所得税や住民税や。直接手取りが増えるので消費に回りますよ。この法人税をまけて人件費を上げてもらって、それから消費に、その他に回そうということでしょう。 しかも、法人税については、釈迦に説法ですけれども、負担しているのは三割ぐらいで、しかも大企業が多いということですよ、中小企業もあるんだけれども。私どもは、我が党は法人税減税に賛成なんですよ、実効税率下げろという議論なんですよ、所得税を含めて。 しかし、この税金は私は残しておくべきだったと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに片山委員がおっしゃるように、この復興については、これはみんなで負担をしていこうということであります。個人も企業もということであったわけでありまして、その趣旨は我々も十分に承知をしているわけでございますが、その中で、なぜ今回そういうことを認識をしていながらこの特別な措置について検討しているかといえば、やはり企業は、これは世界の中でグローバルな経済の中で競争をしているわけでございまして、この競争に勝ち抜いていくことが強く求められております。 確かに納税をしている企業の企業数でいえば、これ中小企業が大部分でありますが、額としては、これは大企業が多いのは、比率が多いのは事実でございますが、この大企業の中でもそれは全ての大企業が払っているわけではなくて、厳しい状況の中でも努力をしながら収益を上げて、日本において税を払って日本の経済あるいは財政を支えてくれているところがこれは競争力を維持して、さらに、生産現場を日本に置いておこうと、拠点を日本に置いておこうという意欲を引き続き持たせ続けることが大切であろうと。こう考えたわけでございまして、今回、この復興特別法人税廃止に充てる部分は私たちの経済政策によって上振れしたものを充てるわけでありますが、これは、この上振れが単に一回限りの上振れに終わることなく、ずっと経済が伸びていけば更に法人税も税収も増えていく、そういう増えていく言わば体力をしっかりと付けさせるという意味においてもこういう措置を、異例の措置をとる。しかし、異例の措置をとるということは、経営者の皆さんにもよく理解をしてもらわなければならないと。 我々としても、これ、事実今御批判をいただいております。そういう批判を浴びる中において判断したということも経営者の皆さんによく理解をしていただき、しっかりと賃金に反映をしてもらうと。そして、賃金に反映をしていただくということを前提にそういう判断をしようという、十二月までにですね、ということで今与党において検討していただいているところでございます。
○片山虎之助君 まあ異論はありますが、総理の熱意は分かりますよ。 そこで、簡素な給付措置を三千億円ですか、それから住宅の応援を三千百億に、被災地が五百億だったかな、こういうのはいかにもばらまき風なんですよ。 そして、これは続けるんですか、どうするんですか。もし再来年度一〇パーに上がらなかったらどうするんですか。上がったらどうする、上がらなかったらどうする。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ばらまきかどうかということでありますが、まずこの住宅ローン減税についてもお話をさせていただきたいと思いますが、通常、人生で最も高い買物である住宅の購入について、消費税率引上げの前後での駆け込み需要と反動減を平準化する観点から、平成二十六年四月から二十九年末までの三年九か月の間、過去最大規模の住宅ローン減税を実施することとしております。 住宅取得者に対する給付措置は、こうしたローン減税の恩恵を十分に受けられない中低所得者に対する補完的な対応として実施するものでございまして、ばらまきというふうには考えていないわけでありますが。 そして、簡素な給付措置は、消費税率引上げが低所得者層に与える影響を緩和する観点から、暫定的、臨時的な措置として平成二十六年四月から一年半分の給付を実施するものであって、これはばらまきではなくて、景気の腰折れを回避する観点からも不可欠なものと考えているわけでございますが、この一〇%、八から一〇にするかどうか、これは一〇にするという判断をするかしないかの段階で対応していきたいと思っております。
○片山虎之助君 時間がありませんから次に行きますけれども、復興事業なんですよ、今一兆三千億と言われた。 復興事業というのは、お金だけ積み上がっているんですよ、どっどっどっどっ。しかし、執行率は大変低いんですね。二十三年度が執行率がどのくらいでしょうかね、約六割じゃないですか。二十四年度が六五%とか、こういうことなんで、予算を積めば復興が進むんじゃないんですよ。その予算をきっちり使って地元の要請にこたえるんですよね。調整するとか、土地がどう、高台がどうだとか、地盤沈下がどうだとか、簡単にいきませんよ、除染がどうだとか。予算だけ積めばいいもんじゃ私はないと思いますけれども、復興大臣、いかがですか、何か対策はありますか。
○国務大臣(根本匠君) 片山委員おっしゃるとおり、執行状況は今お話しになったとおりです。 私も、復興予算、予算を付ければいいというものではない、ただ、途中予算が足りなくなるようなことのないように切れ目なく予算は用意しなければいけませんから、そこは必要な予算は付けているということだと思います。 〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕 ただ、おっしゃるとおり、大事なのは、いかに復興を加速化する措置を講ずるかということだと思います。 例えば、住宅再建・まちづくり、これは用地取得から始まって、文化財の問題、設計施工の問題という一連の流れがあるわけですが、それぞれに隘路がある。具体的に何がネックになっているか、それを克服して加速化措置をつくろう。一弾から三弾にわたって、例えば、住宅再建・まちづくりの加速化措置を講じました。例えば、用地取得が困難だ、あるいは所有者不明の土地がある。これは今回も土地収用法を深掘りいたしました。そして、財産管理制度。例えば、今まで裁判所での手続、半年ぐらい掛かると言われていたものを三週間で、書類さえ整っていればやれるようにする。文化財発掘調査も、これも迅速化措置を講じました。そして、設計施工段階。これはUR、都市再生機構、これはまちづくりのプロですから、そこに頼めば実際掛かる工期をかなり短縮ができる。それから、実際の自治体の職員の問題。非常に職員不足になっておりますから、そこも自治体の協力を得て、二千人の職員を今応援で派遣していただいております。 大事なのは、具体的な隘路、ネックをいかに解決していくか。その意味で、私は制度論、迅速化する制度論が大事だと思いますので、これからも具体的な加速化措置、これを、現場の問題吸い上げて、しっかり加速化措置を講じていきたいと思います。
○片山虎之助君 現場主義のそういう出先をつくったり、いろんなやり方は工夫されていると思いますよ。しかし、なかなか見ていると効果が上がっていないわね。 私は、再度、思い切って、いろんなところでいろんなやり方があってもいい、民間や地方自治体に思い切りものを任せるとか、何かいろんな新しい展開を考えるべきじゃないかと思いますが、御意見があったら言ってください。
○国務大臣(根本匠君) 私も、復興大臣、十か月やってまいりました。委員がおっしゃるように、思い切って自治体に任せる、それも必要だと思います。 ただ、現実に様々な問題を見ていますと、かなり、先ほど言ったような用地取得の問題あるいは施工の問題、かなり制度的な問題がありますから、ここは我々が、復興庁が司令塔になって、各省庁の協力を得て制度上のネックを克服する、問題があればそれをしっかりと国として対応していく、実はそういうことも非常に大事ではないかと思っておりますので、いずれにしても、しっかりと加速化措置、現場主義に立って司令塔機能を強化しながらやっていきたいと思います。
○片山虎之助君 そこで、その次に、五兆円の大口は公共事業なんですよね。どうも二兆円ぐらいと、こういうお話のようですけれども、私は公共事業は反対じゃありませんよ。良くも悪くも地方経済にとって公共事業は今要るんですよ、でしょう。国土強靱化も反対じゃない。古くなったいろんな施設はいっぱいある。直すことは必要だと思うけれども、今までのやり方では、やっぱり私から見ると、画一で集権で煩瑣で極めて効率が悪い。相当直っていますよ。給付金や何かやって、私は、直っている、努力はしていると思うけれども、これを抜本的に直さないと。もう事業の選択から箇所付けから基準からやり方まで全部地方に任せたらどうですか。地方もいい地方と悪い地方がありますからね、全部信用できぬかもしれぬ。しかし、それはどうやってチェックするかというのもあるし、事業のチェックの仕組みをちゃんとやればいいんですよ。 国交大臣と総務大臣、御意見をお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) かなりそこのところは努力をしておりまして、復興関係についてもそうなんですが、全体的には社会資本整備事業の効果を一層高めるということで、社会資本整備総合交付金並びに防災・安全交付金、こうしたものについてはいわゆる地方自治体から出させてそれをやるという形、そして繰越しとかいろんな補正の関係もあったりしますが、相当ここは思い切って手が打てるようにということで流れを変えようというふうに努力しているところです。
○国務大臣(新藤義孝君) これは極めて重要な御指摘だと思います。 〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕 私は総務大臣になりまして、また地域の活性化担当大臣もやらせていただいております。パッケージで、農水省だ国交省だ環境省だとか、いろんな事業をいろんな形でやるんです。でも、地域の活性化という観点で横串をつないで、そして新しいまちづくりできないか。それは情報だったりエネルギーだったり、それから地域のお金を引き込んだまちづくりだとか、そういう形で今までと違う次元のまちづくりをやっていく必要があると。 今いろんな様々な地域の元気創造事業というのもつくりました。また御提案をさせていただきたいと思いますし、是非またいろいろと御協力いただきたいと思います。
○片山虎之助君 それで、この五兆円の補正予算なんですよね。何か十二月上旬までに固めて補正予算にして、恐らく年末に来年度の当初と一緒にやって来年度の通常国会の冒頭に出して、去年と同じですわね。そうなると二月の末に通るんですよ。それを、今度は地方自治体が予算を通すのが三月なんですよ。ほとんど繰越しなんですよ。だから、来年度予算は二本立てになるんですよ、来年度の当初予算と本年度の五兆円の補正予算と。こんなに効率の悪い話はないんで、補正予算の方は全部事業繰越しの手続を取らにゃいかぬのですよ。 しかも、財政規律からいうと、当初予算はきれいにやりたがる、財務省が。ところが、補正予算はそうじゃないのよ。筋の悪いものがかなり流れ込むんで、当初から。もう当初予算は九十九・二兆円というんだから、概算要求の額が。私は財政規律上こういうことでいいのかなという気がしてしようがないんですが、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) そういう傾向がある、いわゆる傾向があるというのは、本予算の方はきちっとやる割に後の補正の方はかなりアバウトではないかという御指摘は、これは決して間違っていないと存じます。そういった傾向値にあることはもう間違いない。 特に今年の場合は、予算編成をしたのがとにかく、去年の十二月の二十六日から予算編成を開始しておりますから全然いつもと状況が違って、普通はもう二十六日にはでき上がっているものがその日からスタートしておりますので、非常にスタートからしてまず遅れました。 加えて、全然、政権が替わっておりますので、内容を作り替え、もうほとんど物すごい勢いで動かしましたので、いろんな意味で、補正をまず組まないと。本予算でやっていくと、とてもではないけれども、来年、来年というのは今年の四、五は猛烈な勢いで景気が下がるということが気になりましたものですから、少なくとも、補正をまず組んで、四、五、六、四―六の落ち込みを低く落ちないようにしようというのでまずは補正だということをやらせていただきました結果、四―六はおかげさまで経済成長率もプラスの三・五八行きましたので、その意味では効果があったと思っております。 したがいまして、来年の場合も四―六に、先ほど御指摘のありました落ち込んだ分、約一・八兆円を埋めて、なおかつトレンドまで戻すということになりますとしかるべきものが要るんで、これも補正でまずは組ませていただいて、四―六の落ち込みをまず防いでいくというのを第一義に考えております。その方が効果が大きいと思っておりますので。 加えて、もう一点言わせていただければ、その四―六の落ち込みがどれくらいで済むか。それは、結果として七―九にどれくらいうまくつながっていくかというのが先ほど御心配いただいております部分につながってくるところだと思っておりますので、この点は、繰越明許等々は極めて簡略にさせていただいて、今年と同様に繰越明許を簡略にさせていただくことによって、大量のあの資料をまた出せというようなことをしないで今年はやらせていただきましたので、来年もそういったようないろんなことを考えてこの対策をやらねばならぬと思っております。
○片山虎之助君 私は、できれば本当は当初に一本化するのがいいと思うんだけれども、それがいろんなリスクがあるのなら、財政規律はきちっと守らせて、補正も厳正な予算をつくっていただいて、すぐ四月、五月にそれが施行できる体制を整えてくださいよ。そうでなきゃ妙な癖がいつも付いちゃう。去年もそう、今年もそう。 それで、何で増税が社会保障以外に使われるんじゃないかという疑問を持つかというと、来年度は恐らく、四月に上げても、初年度だから約五兆円なんですよ、消費税の増収は。それで、今の社会保障費に充てられているのはやりくりや借金なんですよ。だから、それが消費税になるわけです、増収の。しかし、そのやりくりや借金で浮いたものが、ゆとりになったものが、機動的対応ということか何か知らぬけれども、それがほかのものに例えば回ると。これは金に色が付いてないんだから、全体では増えた税が、結果増えた、そっちに行くと。公共事業か何か知りませんよ。だから疑われるんですよ。 しかも、来年は初年度で五兆円というたら、五兆円の経済対策の方に初年度の消費税の五兆円が回るんじゃないかと。結局、社会保障そのものの充実に充てられるのは五千億か何かなんでしょう。安定化ということで穴埋めなんですよ。今まで大穴が空いたものを埋めるだけなんですよ。 だから、その金をほかに使うのなら、国債償還か何かならいいですよ、ほかに使うのなら、結局、消費税がそっちに回ったんじゃないかって国民は私は誤解するおそれは十分あると思いますよ。 どうやって止めますか、総理。
○国務大臣(甘利明君) まず補正の財源は、二十四年度の剰余金とか二十五年の上振れとか、あるいは不用、これの限りで充てます。 そして、財政の健全性につきましては、中期財政計画で二〇一五年、二〇二〇年に向けての縛りがきちっと掛けてあります。そして、財務大臣から答弁がありましたとおり、補正予算は、大事なのは四―六の落ち込みを埋め戻すということが大事でありまして、それより前に執行してしまいますと駆け込み需要を加速させる、つまり山を高くしてしまうということになりますから、あくまでも平準化です。予算でもそうですし、税でもそうです。税でいえば、自動車も住宅も消費税引上げ前も後も負担は変わらないという平準化をしていって、突然落ち込みがないようにする、駆け込みも落ち込みも平準化をしていくと、そういう作業であります。 残りのお金は全体の経済を底上げ、賃金でいえばベアみたいな役割を果たすという関係になっております。
○片山虎之助君 だから、消費税の増税は社会保障に充てて今までのやりくりや借金を外すというのはもう大変賛成ですよ。そして、今度の経済再生のために必要な予算を取らなきゃいけません。しかし、そっくりそのまま移動したようなことは、消費税がほかに充てられたという誤解を招くんですよ。 だから、増額はちゃんと財政健全化のために使ってくださいよ。それが大前提なんですよ。そうでなきゃ緩んじゃう。もう既に緩んでいますよね、いろんなその概算要求の具合なんかを見ると。そして、財政規律あるいは財政健全化というのがもう一つの大きな目的なんですよ、今回の税と社会保障の一体改革の。 いかがですか、総理、もう一遍。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、たまたま五兆、五兆と数字が合っていることもこれありで、今言われたような誤解等々を受けやすい、数字がそうなっているというのもそれを助長しているところだと存じます。 おっしゃるように、財政の規律というのが大事なところであって、この財政規律は、我々は与野党が衆参でねじれているにもかかわらず、与野党合意をやってきちんとでき上がったところが、他国と比べて日本の民主主義の成熟度合いが、おたくらの国よりはうちの方が優れていることの証明なんだと、そう言って、今回私どもはこのG20等々でいろいろな批判に耐えてきたところでもありますので、私どもはきちんと、増税というのをする主たる目的というものはいろいろありますけれども、私どもとしてはきちんと今、平成二十七年度までにプライマリーバランス五〇%減少というものを宣言しておりますんで、それに向かってきちっと、財政健全化に向けて歩を進めていくというのもきちんとやらねばならぬところだと思っております。
○片山虎之助君 我が党では、消費税増税は是か非かで大変な議論がありました。皆さんいろんな意見がある。しかし、この前衆議院でも平沼さんが質問しましたように、今の地方を見ると、本当にまあ疲弊というのか元気がない。日本は二つの国があるようだと。東京という国と、東京圏国とその他の地方国と。東京圏国は若い人があふれていますわね。いつも勝ち組が集まって、どんちゃん騒ぎとまではいきませんが、本当に活気がある。地方の国はお年寄りばっかりで、人がいませんわ、まず。いてもお年寄りですよ。なだらかに衰退している。私は、これがもっと加速するんじゃないかということをみんな恐れているんですよ。 オリンピック、国家戦略特区。国家戦略特区は国が決めるんでしょう。今までの構造改革特区は、地方が言ってきたのを認めたんですよ。私は、国家戦略特区はあってもいいと思うけれども、ちょっと何となく天下り風ですわな。だから、上手にこれはやってもらわにゃいかぬ。そういう意味では、本格的な有効な経済対策を取ってもらわにゃいかぬと思うんです、地方には。それはやっぱり規制改革と、我々は法人税と所得税の減税だと思っているんです。 そこで、規制改革はその実験を国家戦略特区でおやりになるんだろうけど、こんなものはある地域だけやるんですよね。それは、思い切って総理のリーダーシップでぴしゃっと決めたらどうですか。もうぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃ後退だとかなんとか書かれたり、やり方をどうする、担当大臣を入れるとか入れないとか、そんなことはささいなことじゃないですか。実験なんだから、トライ・アンド・エラーでいって、悪ければやめりゃいいんですよ。悪くなきゃ全国的な制度にすりゃいいんですよ。全国的な制度にする前の単なる実験なんですよ。総理、どうなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家戦略特区については、今までの特区は特区として、下から積み上がってきたものはやっていくわけでありますが、この国家戦略特区は日本の経済社会の風景を変えるような大胆な規制改革でありまして、制度改革でもあるわけでありますが、成長戦略をそれによって実現しようとするものでありまして、産業競争力会議などの場を通じて、私自身が直接出てまいりまして、関係大臣に対して改革を実現する方向で検討するよう指示を行っております。そういう意味におきましては、リーダーシップを発揮をしながら、今、片山委員から御激励をいただいたと思いますが、しっかりと様々な岩盤に突破口として風穴を空けていきたいと、このように思っております。 そして、もちろんこれは、ただ単に大都市だけではなくて、ここでうまくいったものは全国展開をしていくわけでありますが、地方も視野に入れた全国的な視点に立って日本経済につながるプロジェクトの推進を図るものでありまして、地方全体の発展も見据えた国家戦略特区が実現できるように取り組んでいきたいと考えております。
○片山虎之助君 それで、やっぱり法人税の実効税率は私は国際水準並みに、標準並みに下げていかにゃいかぬと思いますよ。 私どもは消費税の地方税化というのを言っているんですけれども、それとの見合いにおいて、それとの見合いって一遍にできませんよ、消費税の地方税化なんていうのは。一遍にできないけれども、見合いにおいて、私は法人税というのは、総理が御承知のように、国税のものと地方税分があるんですよ。国税が二三%ぐらいかな。それから地方税の方が、足せば一一、二%ですよ。 私は、地方税は付加税なんですよ、考えてみれば。だから、例えば法人事業税は、これは外形標準課税にしてしまう。もうこれからの税制は成長型よりも成熟型を考えるべきですよ、我が国は。だから、付加価値を中心にした外形標準に変えちゃう。法人事業税はもうなくす。地方税ですよ、外形標準。それから、法人住民税は均等割と住民税割があるんですよ。均等割はこれは会費ですから、これは法人も残さないけません。住民税割はもうやめちゃう。 これで、両方合わせれば約一〇%法人事業税は下がるんですよ。その代わり、住民税割の法人住民税の方は、これは地方消費税に直してもらう。地方消費税をなだらかにならしていくことによって、私は消費税の地方税化というのを実現したらどうかと、こういう検討を少しやっていただいたらどうかと思うんです。実効税率は、そうなると二五%ぐらいになるんですよ、二四、五%に。総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに実効税率、ドイツにおいても実効税率を下げながら、EU全体の実効税率においても日本より大分低いわけでありますから、平均でですね。その中において、日本の企業が競争力を維持をしていく上においてはどうすればいいかということを考えなければいけないわけでありますが、片山委員もかつて自民党の税調のインナーとして活躍をしてこられました。今も自民党の税調、確固たる権威を持って今議論を進めていただいておりまして、この法人税の実効税率についても御議論をいただきたいと、このように思っているところでございます。
○片山虎之助君 それで、中小企業対策なんですよね。中小企業対策はいろいろなきめ細かい対策を今政府・与党で御検討いただいていることには敬意を表したいと思いますけれども、私は一つは、税制もあるけどやっぱり金融だと思うんですよ。 今、中小企業は七三%赤字だというんですね。赤字には金融機関がお金を貸さないんですよ。それは何で金融機関が貸さないかといったら、金融庁がやかましいからなんですよ。だから半沢直樹があれだけ受けるんですよ。いやいや、本当に。だから、そこを直したらいい。金融庁が一律の定性的な財務諸表による評価で、赤字だけれども意欲があって立ち直ろうという、そういう中小企業を何で救わないかというんですよ。一兆円か二兆円か出して特別のあれをつくればいいんですよ。そういうことをきめ細かく私はやる必要があると思いますけど、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融担当大臣もしておりますので、答弁させていただきます。 私、赴任しました去年の十二月でしたか、赴任したときに、とにかく金融処分庁というような雰囲気の役所はやめようと、とにかくデフレから脱却するんだから、金融育成庁と言われるようなイメージ取るようなものに変えろ、これが就任したときに最初に言った挨拶だったと記憶しまして、一月の何日かにも、始業式ですか何かのときにも同じような話をしたと記憶をしますが、今その方向で事を進めておりますが。 もう片山先生御存じのように、やっぱり日本の場合は長い間の土地の成長神話に乗っかっておりましたものですから、地方の金融機関を含めて金融機関というものは、事業を審査する能力はほとんど、その人が持っている若しくはその企業が持っている固定資産、なかんずく土地に対する評価以外はほとんどそういった審査能力というものを訓練する機会を失っています。失っていたと、私はそう思いますね。したがって、そういったところを含めてきちんとやっているのは、むしろこういった事業が伸びるとか伸びないとか見ているのは、今大きな商社の方なんかの方にそういった訓練なり物の目利きというのが集まっているようにも見えますが。 いずれにしても、金融庁としてはそういった批判というものにこたえて、やっぱり地方において、なかんずく地方銀行、第二地銀、そういったようなところがきちんとそういった方向で事を動かしていけるようなことはやっぱり金融庁の方が足しげく言う以外にないと思っておりますので、地銀の集まり、また第二地銀の総会等々で度々その話はいたしているところでもありますので、今後とも御趣旨を踏まえてその方向で事を進めてまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 信組や信金は預貸率がもう五割を割っているというんですね。地方銀行でもかなり低い、六割とか七割とか。だから、お金はあるんですよ、みんな国債に行っちゃっているんでね。だから、それをうまく動かすような意欲的なあれが私は是非要ると思うんですよ。
○国務大臣(新藤義孝君) 今地域の金融機関のお話いただきましたので、まさにそのとおりなんです。預貸率が半分近くとか半分です。 ですから、これを引き出すために我々は、さっきも言いました地域の元気創造事業というのは、これは国の出すお金とそれから地域の金融機関の出すお金は一緒に、地域金融機関がオーケーしたものを国もお金出しますよと、こういう仕組みつくりました。ですから、地域の経済を地域の中で回せるような、そういう工夫をしていきたいと、このように考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、これはやっぱり長いことデフレーションが続いていたというのが一番大きな背景。そのデフレーションは、何といったって資産のデフレ。株は三万八千円から七千五百円、土地は一〇〇%だった価値とすれば一四、五%まで全国六大都市平均で下がっておりますから、資産のデフレーションというものがやっぱりこの国を襲った最大の僕はネックだったんだと思っております。 したがって、企業は、担保の価値が下がっておりますんで、担保価値が下がったところには、会社で言えば債務超過ということになりますんで、金は、基本的に銀行に金を返す。銀行というのは基本的に金を貸しているのが職業ですから、金を借りる人がいなくなったらとてもじゃないけど銀行は成り立たない。したがって、金を借りてくれる、唯一安心して金を借りてくれたのが国。結果として、国は幾ら発行しても金利は全然上がらない。 とにかく、借金が倍になっても三倍になっても、金利がどんどん下がったんですから。〇・六とか〇・七とか、もう私らが学校で習った経済学は全く通用しない事態が今起きておると、我々はそう思っておりますんで、是非こういった状況というものを踏まえてこれに対応していかないと、デフレ下の経済というものは我々は戦後一回もやったことありませんので、それをどう乗り越えていくかというのが我々に与えられた最も大きな課題だと覚悟して頑張っております。
○片山虎之助君 人件費論争がありましたけど、法人税をまけたってなかなか人件費上がる保証はありませんわね。しかし、政府の大変熱心な勧奨でそういう空気ができたことは、私は大変いいことだと、こういうふうに思いますけれども、これだけ民間に執拗にあれされるのに、公務員の人件費はどうしますか。これは、我々は身を切る改革だとは思っている。思っているけれども、民間には上げろ上げろと言って、公務員の給与をどうするかというのは、私、一つあると思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公務員の総人件費の抑制については、これは非常に難しい課題ではありますが、この重要性も踏まえながら将来の国家像を見据えて検討をしていきたいと。来年から消費税を引き上げていくという大きなこれは課題がございまして、その中でまさにみんなで身を切る決意を示していこうと。 一方、確かに今、片山委員がおっしゃったような意味もあるわけでございますから、そうしたことも含めてよく検討をしていきたいと、こう思うところでございます。
○片山虎之助君 雇用はやっぱり拡大しているんですよ。非正規なんですよ、三十代、四十代の。だから、非正規対策は、先ほども議論になりましたが、私、本気で全体の人件費問題では取り組むべきだと、こういうように思います。 そこで、もう時間がありませんのでTPPについてだけちょっとあれしますが、国内対策用の予算は農水省が来年度概算要求で要求していないと聞きますけど、どういうお考えでありますか。
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。 TPPについては、今まさに聖域確保に向けて交渉に全力を挙げると、こういうところでございまして、この一定の前提、例えば関税がこれぐらいなくなるとか、こういう結果になるということを前提として国内対策の議論をすることはちょっと時期尚早であると、こういうふうに思っております。 したがって、対策ということではなくて、TPPいかんにかかわらず、やらなければならない農業の対策をしっかりやっていくと、こういうフェーズにあると認識しております。
○片山虎之助君 米国と二回、二国間交渉をやったというんですね。どうもあれは秘密を守る条約か契約かがあるんですか。どうもこの間に軽自動車税を上げようとか、アフラックというところですか、かんぽと提携をするとか、何となく気持ちが悪いですよね、秘密交渉の結果じゃないかといって、そういう危惧がある。いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日米並行交渉ですが、御案内のとおり、TPP交渉に我が国が参加する際の日米協議に基づいて、TPP交渉と並行して行うということになった交渉ですが、自動車分野の交渉と、そして非関税分野の交渉があり、既に交渉が始まっております。 そして、この秘密保持との関係ですが、まず、この日米並行交渉においては明確に米側と秘密保持について文書は交わしてはおりません。しかしながら、この交渉自体が、自動車分野の交渉は、この交渉の結果をTPP協定に附属される米日二国間の市場アクセスの表に組み入れるという取決めになっております。そして、それ以外の分野の交渉も、このTPP交渉本体の交渉と重なる内容になっております。 こういったことから、この秘密保護につきましてもおのずと制限が掛かるということであります。しかしながら、この制限の限度内においては精いっぱいこの内容は公表していかなければいけない、このように考えております。
○片山虎之助君 もうこれでやめますけれども、隠せばいいというものじゃないんで、もう少し工夫して教えてもらわないと国民的な世論は形成できませんよ。逆に大騒動になるおそれがあるんで、工夫をしてくださいよ、工夫を、悪知恵を出して、悪知恵多いんだから。是非それをお願いしまして、関連に移ります。 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。室井邦彦君。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦でございます。 時間が押し迫っておりますので、私も各党、各先生方から汚水の原発の問題、随分多くの先生方が触れられました。私は違う角度から、総理、お尋ねしたい、このように思っておりまして、阪神・淡路大震災の、私は兵庫県尼崎でございますので、直接にあの恐ろしい経験をいたしました。ですから、何としてでもこの原発の問題、そして日本の国には三千五百近い活断層が走っていると、このように言われております。 あの阪神・淡路大震災も活断層が少しずれて動いたということでありますけれども、あれだけの阪神高速道路の支柱を折り曲げるという、倒れてしまうという、やはり自然の力の恐ろしさというものをもう十分に感じ取っておりまして、また、そういう中で今回のこの原発行政、原発の問題について、東海原発から始まり、過去のことは言っても仕方がないですが、第一ボタンの掛け間違えからこの原発行政、この事業が大きくいまだに国民に不安を与え続けている。こういうことでありまして、御承知のとおり、原発に対してどうすべきかという世論調査を各社がしておりますが、七〇%近い、又は超える国民が、もう原発はいい、そしてもう廃炉に、やめてほしい。原発を持続してくれという国民は約二〇から二五パーというような数字が出ておりますが、そういう観点から、私は今日、日本の国、産業又は経済が栄えたという基本は、やはり日本の安全基準というものが非常に高いレベルにあり、そしてそういうことが功を奏して、今日、日本の経済の発展が成し遂げられている。この安全基準、日本イコール安全という……(発言する者あり)はい、ありがとうございます。ちょっと大先輩から御助言がありまして。 そういう状況で、その辺から、少し総理、まずお尋ねしたいことがございます。 まず、私はドイツのメルケル首相の取った決意に対して少し説明をさせていただいて、総理のその御所見を聞かせていただきたい、このように思っております。 三月の……(発言する者あり)そうですね。 じゃ、総理、このメルケルさんの御判断、三月十一日に大きな震災が起き、津波、そして福島の原発の大きな事故がありました。それからすぐにメルケルさんは原発の停止、そして二か月後には廃炉という大きな決断をされました。 そういうことについて総理は、御所見を是非お聞かせをお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) メルケル首相はドイツの首相としての責任感の中においての御判断だったんだろうと、このように思うわけでございますが、このドイツの置かれている状況と日本の置かれている状況は大分異なるわけでございまして、日本は島国でございますが、ドイツはまさにEU、大陸の国でありまして、このEUの中において電力を融通し合うことができるわけでございますが、残念ながら日本はそれはできないということでございます。そして、何といっても日本は資源小国であります。 その中において、原子力を含むエネルギー政策については、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないようにエネルギー需給の安定に万全を期していくことが大きな責任でもあるわけでございまして、これらを踏まえて、責任あるエネルギー政策を構築をしていく考えでございます。
○室井邦彦君 ちょっとこれ、参考のために少し。(資料提示)このパネルの説明をする時間はございませんけれども、もうこれ一度私も予算委員会のときに、少し形は違いますが、お出ししたことがございますけれども、この真っ黒なところはマグニチュード四以上、そして深度が百キロ以下で起きた世界の地震なんですが、五万四千回起きております。 しかし、この日本の真っ黒なところに赤い点々があるのが原発が建設されているというところでありますので、これ少し気象庁からも、私も調べたかったんですけれども、この一九七〇年から一九八五年、この間にマグニチュード四以上の地震が六千七百十一回日本で起きておりますが、次が問題なんです。皆様方に資料をお出ししておりますが、一九九七年から二〇一二年、ざっと三倍の一万九千六百回日本の国でマグニチュード四以上の地震が起きております。 それで、総理に最後の、もう時間がございませんので、要望として、各政党の方針として是非脱原発、我々はフェードアウト三〇年というようなことも言っておりますけれども、ほとんどの政党がやはりこの日本の国から原発をなくそう、このような動きで、小泉総理も、原発に関しては総理の決断次第で答えが出るんだ、このようなことを言っておられます。 是非、総理の御所見と御答弁をお願いをしたいと思います。
○委員長(山崎力君) 安倍内閣総理大臣、簡潔にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁の中でもお話をいたしましたように、政府としては、やはり責任ある立場として、国民生活あるいは経済活動に支障が出ないように安定的で低廉なエネルギーをしっかりと確保していく責任がございます、もちろん、安全というのが第一でございますが。その中において、私たちは三年でエネルギーのベストミックスをしっかりと構築をしていきたいと、こう考えているところでございます。
○委員長(山崎力君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 社会党以来、十七年ぶりの党首選挙によりまして選出をいただきまして、社民党党首の重責を担うことになりました。今後は、国民の皆さんの信頼を取り戻し、支持をしていただくために、党の改革、刷新に努める決意でございます。 党首になりまして今日は初めての質問であります。どうぞよろしくお願いします。 質問に入る前に、伊豆大島、台風二十六号によりまして多くの方が亡くなられ、また、今なお行方不明の方もおられます。改めて哀悼の意を表したいと思います。また、多くの方がまだ避難生活をされておられまして、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。 関係省庁の皆様方におかれましては、東京都そして大島町、一致協力をして被災者支援に万全を講じていただきたいと思っています。またあわせまして、二十七号、二十八号も襲来をしております。是非万全の備えをお願いをしたいと思っております。 さて、さきの参議院選挙の結果、総理が言われるところの衆参のねじれはなくなりました。しかし私は、安倍政権が今進めている政策、例えば憲法をめぐる動き、あるいは原発推進、消費税増税の前のめりの姿勢、また労働法制の規制緩和、譲歩と妥協のTPP交渉、また沖縄普天間基地の辺野古への移設の強行、そしてオスプレイの配備など、国民の願いとは大きく懸け離れている。私は、政策的なねじれは厳然としてあるのではないか、そのように思っております。 衆参のねじれというのは、私は、しっかりやれば、丁寧な国会運営とか政権運営とか、あるいは熟議とか、プラス面は十分あるんだろうと思います。いずれにしても、ねじれがなくなったわけでありますから、是非総理、少数野党にも配慮した丁寧な国会運営、政権運営をしていただきたいと思いますが、まずその基本姿勢について伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問にお答えをする前に、まず吉田忠智委員の社民党党首就任おめでとうございます。私も自由民主党の総裁として、一党の代表としてお互いに切磋琢磨していきたいと、主張は大分異なるわけでございますが、エールを送らさせていただきたいと、このように思うわけでございます。 その上で、ねじれが解消されたのでございますが、やはりこれは、各政党間が、そして政府として国会に対してしっかりと政策を説明していく大切な場であります。つまり、国会での説明というのは国民に対する説明でもあるわけでございますから、しっかりと丁寧に議論を進め、そして私たちが進めていこうとする法案、政策についてきっちりと説明をしていきたいと、このように思います。 しかし、当然、ずっと時間だけ掛けて余り建設的でない議論を続けていくことは、これは生産的ではございませんので、どこかの段階で機が熟すればしっかりと最後は決めていくことによって国民の負託にこたえていきたいと、このように考えているところでございます。
○吉田忠智君 祝意をいただきまして、ありがとうございました。私の郷里の大先輩、村山先輩ではありませんけれども、巡り合わせの人生ということで、しっかり重責を果たしていきたいと思います。 次に、原発について早速移りたいと思いますが、この間、国会で議論があっておりますが、総理、汚染水は完全にブロックされていると、これはどういう意味なんでしょうか。いま一度説明をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは汚染水の影響について申し上げているわけでございまして、つまり汚染水の影響については、これは港湾の内側においてしっかりと完全にブロックされている、この影響が健康に対する被害をもたらすような事態にはなっていないということでございまして、近海で行っている海水のモニターにおいてもそういう数値が出てきていないということにおいてはブロックされていると、完全にブロックされているということでございます。
○吉田忠智君 このことについて今日長々議論する時間はありませんが、国民の多くの皆さんはそのブロックされているという言葉に疑念を持たれているんじゃないかと思います。是非この疑念を晴らす努力をこれからしていただきたいと思います。 もう一つ、総理がオリンピックのプレゼンのときに言われた一節で、過去も現在も未来も住民に健康被害はないという発言されておられるわけですが、現実の問題として、例えば放射能による甲状腺異常が生じておりましたり、あるいは国民、とりわけ関東以北の皆さんにおかれましては、ここで住み続けて大丈夫だろうか、何を食べれば安全だろうかと悩みながら暮らしておられる方が多いわけですね。福島県民あるいは東北や関東の多くの国民感情を大変私は傷つけるものではないかと思っています。 そして、私も何回か質問させていただきましたが、昨年六月、全会一致で成立をしましたいわゆる子ども・被災者支援法、やっと一年四か月たちまして十月の十一日に基本方針が閣議決定をされました。 基本方針に定められた支援対象地域、パネルに示しておりますけれども、(資料提示)この赤で囲った部分がいわゆる基本方針の支援対象地域ということでありますけれども、福島県の浜通り、中通りの僅か三十三市町村であります。年間の追加被曝線量が一ミリシーベルトの地域は、この緑で色づけされた地域でありますけれども、会津地方はもとより、福島県外の岩手県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県にまたがっていると。これらは汚染状況重点調査地域と呼びまして、六十七市町村ほどあるわけでありますが、この施策の対象から外されております。 この地域の住民に対しましても継続的な健康影響調査、また医療費の減免、また保養の支援、これまで避難された方あるいはこれから避難される方への支援を実施すべきと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 原発事故にかかわります住民の方々の健康管理というのは、やはり私も福島医大を何度も訪ねさせていただいておりますが、専門家の方に委ね、意見を聞きつつ進めることが重要だと認識しております。 今委員が御指摘になりました福島県外におきましても、各県が有識者会議を開催いたしまして、科学的には特段の健康管理は必要ないというふうに、各県の有識者の方々はもちろん、専門家のお医者さん等々も入っておりますが、結論が出ていると聞いております。また、WHOや国連科学委員会においても、がんなどの健康影響の増加が認められる見込みはない、こういう評価も出されると承知しております。 したがいまして、当面は福島県民健康管理調査を着実に実行していくというのが重要であると考えております。その上で、委員の御指摘もございます、今後、有識者会議、子ども・被災者支援法の基本方針に基づくものを設置させていただきまして、事故後の健康管理の現状や課題を把握して今後の支援の在り方を検討させていただきますとともに、医療に関する施策の在り方を検討させていただきたい、今はこんなふうに考えさせていただいております。
○吉田忠智君 いずれにしても、今後はしっかり実情を見ていただいて、関係者の皆さんの意見を十分聞いていただいて、この支援法にも盛り込まれているわけでありますから、しっかり施策の充実に努めていただきたいと思います。 次に、原発事故の補償についてですが、社民党茨城県連合は、この間、原発事故補償打ち切り一一〇番を設置をしまして相談を受け付けております。東京電力は、少なくとも茨城県、栃木県の一部の事業主に、今年七月ごろから、このパネル、資料のとおりでありますけれども、要するに、事故から二年もたったのだから別の販路や業態を開拓できるはずだという理由で損害を否定して、今年の三月以降に遡って補償を打ち切る旨の通告を一方的に行っているわけであります。 原発被害に苦しむ中小事業者を中心に大きな動揺が広がっておりますが、このような動きを把握しておられるでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員がお示しになりました文書でありますが、東京電力が賠償を終了するに当たりまして事業者にその文書を送付しておりますことは報告を受けております。 風評被害に対する賠償の期間につきましては、原子力損害紛争審査会の中間指針におきまして、客観的な統計データ等を参照にしつつ、取引数量・価格の状況、具体的な買い控え等の発生状況、当該商品又はサービスの特性等を勘案し、個々の事情に応じて合理的に判定することが適当とされております。この方針を踏まえまして、東京電力が個別に事業者の方々の事情をお伺いして、原子力事故との相当因果関係の有無を確認して賠償を行っているところと認識をいたしております。 東京電力からは、風評被害の賠償の終了に当たり、個別に事前に事業者の方々と協議を行った上で賠償の終了についての文書を送付したと、このように聞いております。当然、一律、一方的に賠償を打ち切るのではなく、被害者に寄り添った丁寧な対応を行うよう、これからも東京電力を指導してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 東京電力は不満があればADRセンターあるいは紛争審査会に申し立てろと言っているわけでありますけれども、いずれにしても立証責任が被害者に課せられ、多大な時間と労力が掛かるということであります。 今、茂木大臣から一方的なということではないような答弁もありましたけれども、一方的に通告が行われているわけですよね。この一方的な通告ということが認められれば、これは撤回させますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 事前に事業者の間で協議を行った上でそういった通達が出ていると、そのように報告を受けております。
○吉田忠智君 事前にそういう了解を取られていないというふうに私は聞いておりますので、もしそういうこと、事前に了解をいただいていないということであれば撤回させますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど中間報告の基本指針、御説明を申し上げました。それに沿わない内容であれば適切な指導をしてまいりたいと思います。
○吉田忠智君 よろしくお願いします。 それから、東電が被害補償に対して事故から三年の消滅時効を援用するのではないかという懸念もありますが、この消滅時効援用を封じる特別立法を制定すべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 原子力損害の被害者の方々が消滅時効によって適切な賠償請求ができなくなるということがないように、被害者の方々の実情を踏まえた丁寧な対応を行うことが重要だと認識しております。このため、さきの通常国会で原賠ADR時効中断特例法を提出し、成立させていただきました。 また、国からの要請を受けて東京電力は、国が認定する総合特別事業計画において、被害者の方々が消滅時効の制度により請求を妨げられることがないように対策を講じることを明記をしました。さらに、原子力損害賠償紛争解決センターの周知や、まだ請求されていない方々への呼びかけなどを行っているところでございます。 他方で、消滅時効に関する立法措置を求める地元の声にも配慮する必要があるというふうに思いますし、こうした政府の取組に加えて、現在、与党で立法措置の検討が進められつつあると承知しておりますので、文部科学省としてもこれに協力してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 立法措置の動きが、議員立法でされる動きがあるというのは私も聞いております。是非、この放射能による被害というのは十年間では短過ぎると思いますので、十年間ではなくてもっと長くできるようなことも文科省はしっかり協議をして前向きに進めていただきたいと思います。 次に、放射性廃棄物の処分について質問します。 これはもう、原発を進める立場でも脱原発の立場でも、いずれにしてもしっかり明確に国民の皆さんに示さなければならない課題でありますけれども、どんどん先送りになってまいりました。 小泉元総理が脱原発を言っておられる一番の理由として、高レベル放射性廃棄物の処分場が日本にないことと発言されているわけであります。日本学術会議なども、九月に放射性廃棄物の暫定保管と総量管理を提言をされています。我が社民党も、昨年、脱原発アクションプログラム二〇一三で、ドライキャスク方式による中間貯蔵を経て、再処理は行わず直接処分するべく有識者会議を創設して、五年程度の国民的な議論により結論を得るべきと提言をしています。 五年程度、年限を区切って、改めて提案をしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 高レベル放射性廃棄物の処分、処理の問題、これは世界的な課題であります。日本におきましてもこれまで十年間処分が進んでこなかったと、この現状を見ながら、現在、この問題につきましては総合エネルギー調査会の放射性廃棄物ワーキンググループで取組の見直しに向けた検討を行っているところであります。 一方、御提案のありました直接処分につきましては、核燃料サイクル政策に継続的に取り組みつつも、将来的な政策の柔軟性を確保する観点から、今年度より直接処分に関する調査に着手をしたところであります。 ただ、こういった現状を考えますと、御提案いただいた、今直接処分と決めて、そして五年以内に結論を出す、これは相当私は難しいんではないかなと思います。
○吉田忠智君 じゃ、何年以内に結論を出しますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 直接処分について、やるかやらないかという問題も含めて調査を始めたところであります。
○吉田忠智君 この課題はまた今後議論させていただきたいと思います。 三枚目のパネル、小泉元総理と安倍総理御夫人の昭恵さん、パネルの写真はちょっと差し控えましたけれども、家庭内野党の安倍昭恵さんも、原発輸出について、私は原発反対なので非常に心が痛む、原発に使っているお金の一部を新しいエネルギーの開発に使い、日本発のクリーンエネルギーを海外に売り込んだらもっといいと言われております。 小泉元総理の発言は御案内のとおりでありますが、自民党以外の全ての党が、まあ程度の差はあっても、もう脱原発、原発ゼロの判断をすべきだと、そういう意見でありますけれども、先ほどの議論もありましたが、総理、総理が言われる意志の力で是非決断していただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにそのパネルの人物、二人とも私にとって極めて重要な人物でありますが、ただ、政府としては、エネルギーの安定供給、これは経済活動にとって極めて重要でありますし、国民生活、しっかりと守っていかなければなりません。安定供給と低廉なエネルギー、それを確保していくということは大きな責任でございます。 こういう観点から、もちろん三年間、再生可能エネルギーに対してしっかりと国家資源を投入していくということは当然でありますし、また、シェールガスも含めてエネルギー源をしっかりと多様化していくことも大切でありますが、また同時に、自前のエネルギーも確保していかなければいけないという中において、三年間でエネルギーのベストミックスをしっかりとつくっていくことが大切であろうと、このように考えております。
○吉田忠智君 私も是非、小泉元総理にお会いしたいということで今面会のお願いをしておりまして、また、安倍総理には引き続きまた決断を求めていきたいと思います。 次に、憲法、それから積極的平和主義についてでありますが、余り時間が、短くなってきましたが、総理、私は総理の所信表明演説の中で大変注目した一節がありました。それは、戦後六十八年にわたる平和国家としての歩みに私たちは胸を張るべきと述べられました。 平和国家としての歩みというのは、すなわち、戦争をすることなく、また誰も武力で人を殺さずに、殺されずに済んでいた。集団的自衛権を根拠に米国から参戦を求められず、自衛隊が武力行使してこなかったこと、それを保障してきたのがまさに私は憲法九条だと、そのように考えておりますけれども、この間の憲法九条の役割について、総理、どのように評価されておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども、今冒頭紹介をしていただいたように、我々はさきの大戦の深刻な反省の上に立って、この六十八年間、平和をひたすら追求してきたわけでございます。 その間、自由でそして民主主義を守る国、そして基本的人権をしっかりと守ってきたわけでございます。その意味において、私たちはこの戦後の歩みに対してしっかりと胸を張るべきだという趣旨のことを申し上げたわけでございます。その中において、もちろんこの憲法九条において平和主義という理念が確立をされていると、このように思っている次第でございます。 一方、日本の平和が守られてきた中においては、自衛隊の存在、そして日米同盟の存在というのは極めて有意義であったと、このようにも思っているところでございます。
○吉田忠智君 次に、積極的平和主義、総理が言われておりますが、総理がアメリカでスピーチをされたときの英語は、プロアクティブ・コントリビューター・ツー・ピース、余り私発音が良くありませんが、これは訳すると先制攻撃により平和貢献するという意味なんですよね。私たちが理解しておりますのは、戦争だけではなくて貧困や搾取、差別などの構造的暴力を取り除く、本来の積極的平和主義というのはそういうことだと思うんですけれども、その点、全く方向が異なるんですけれども、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は米国において、国連総会では英語で、そしてハドソン研究所では英語でスピーチをしたところでございますが、その際、積極的平和主義についてはプロアクティブ・コントリビューター・ツー・ピースというふうに申し上げたわけでございますし、国連総会の演説は日本語であったわけでありますから、このように英訳をされていたわけでございます。 これはまさに積極的平和主義でありまして、先制攻撃という意味は全く含んでいないわけでありまして、先制攻撃はプリエンプティブストライクということでございまして、ちょっと語感は似ているんですけれどもプロアクティブとプリエンプティブは全く別な単語でございますので、今言ったように、先制攻撃というふうに理解した人は恐らく米国でも一人もいなかったのではないかと、このように思うところでございます。
○吉田忠智君 いずれにしても、総理の……(発言する者あり)いやいや、そういう、いずれにしても、この間の総理は、戦後六十八年間の平和国家としての重みに胸を張るべきだ、憲法九条の重みについてもしっかり私は理解していただいていると、そのように思っております。 ずっと今国会の総理の発言を聞いておりまして、経済政策あるいは成長戦略のところでは大変積極的である一方で、いわゆる戦後レジームからの脱却の部分では大変抑制的だと、そのように思います。しかし一方で、特定秘密保全法案などの審議も予定されておりますし、日本版NSC、やっぱり極めて問題の法案がこれから議論されるという意味では、私は大変危機感を持っております。言葉の本来の意味、憲法九条を世界に広めることこそ、私、積極的平和主義であると強調して、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 改革・無所属の会の平野達男でございます。三年ぶりの委員会での質問となりました。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、その前に、度重なる台風の襲来によって被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、犠牲となられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。 今日は、東日本大震災の発災、それに関連しまして、特に福島、東京電力福島第一原発の事故処理、これに関連しての質問、あえて、原発周辺に住んでおられた方々で今避難されている方々の目線に立ってという前提条件を付けさせていただきたいと思いますが、そういう観点から質問をさせていただきたいと思います。 総理、福島第一原発サイトに行かれておりますけれども、あの状況を見られて、どのような印象を持たれたでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先月、九月十九日に福島第一原発を視察をいたしまして、汚染水問題の現状を確認をしてきたところでございます。当時はまだ暑さが大変残っている状況でありまして、大変過酷な環境の中で歯を食いしばって何とかこの状況を改善したいと作業しておられる皆様の姿を目の当たりにいたしまして、こういう方々に支えられている、事故の処理は支えられているということを改めて実感をしたわけでございますが、その中において、やはり国が前面に立って汚染水対策に取り組んでいく必要があると思いを新たにしたところでございます。 福島第一原発の一号から四号機、一、二、三、四は廃炉に向けて瓦れき撤去作業や汚染水を貯水するためのタンクの増設が行われておりまして、現場では引き続き大変な作業が続いております。こうした現場の状況を国の最高責任者である私が把握をし、今後も外部への影響が出ないよう責任を持って対処していかなければならないと、この思いを強くしたところでございます。
○平野達男君 お手元に写真を二枚用意させていただきました。一枚は事故発生前の東電の全景です。もう一枚めくっていただきますと、これは最近の東電の敷地内の様子でありまして、全く姿も形も変わっているという、そういう状況です。 私は、この今の東電の敷地内の状況というのは高濃度放射性廃棄物を含む廃棄物の処理及び暫定保管施設というふうに見る必要があるというふうに考えておりますが、茂木大臣、こういう感覚で見るということについて、突然でございますけれども、どのような印象を持たれるか、感想を持たれるでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 総理からも今答弁がありましたように、これから廃炉、汚染水対策、大変厳しい作業が続くわけであります。これまで世界が経験したことがない作業を力を合わせてやっていかなきゃならない、こういう思いを持っております。まさにこれからが正念場だと、このように考えております。
○平野達男君 真っすぐに答えていただけませんでしたけれども、私が今日冒頭申し上げたように、今、私は、原発の周辺に住んで、今、被災者の、避難している方々の視点に立って質問しているつもりであります。その方々が今このサイトをどのように見ているかという観点はこれは非常に大事なんです。さっきの大臣のような、要するに、これからの決意を述べるのはいいんです。このサイトについてどのような意識を持って臨まなければならないかということについてもう一度御答弁いただけますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 私は今年の一月に福島第一の四号機建屋の中に入らさせてもらいました。恐らく、現職の閣僚として建屋の中に入ったのは私が最初だと思います。相当瓦れき等々も散らかっている状況でありました。八月の二十六日に再度同じ場所視察をいたしました。相当、燃料棒の取り出しの作業等々準備が進んでいる部分はあります。しかし、その一方で、汚染水対策、瓦れきの処理を含め、相当な作業が残っていると、このように考えております。
○平野達男君 そこで、事故発生直後、何といってもメルトダウンした燃料棒、これの冷温停止を確保しなくちゃならないという、冷温停止状態をつくらなくちゃならないということで、突貫工事で工事が進められました。そのいろんな冷温停止状態を達成するための水循環システム等々、あるいは廃棄物の処理施設というのは、実は仮設という、応急工事でやったがために仮設という状況で工事が進められたということであります。 仮設を仮設のままにしておきますということは許されませんから、二十四年の九月には、原子力保安院から、信頼性向上対策実施計画ということで、仮設の耐久性を高める、あるいはさらに半恒久化的な施設にするというような、そういう実施計画の策定を東電に命じまして、東電がそれを策定しています。 これの実施のフォローアップ体制、フォローアップ状況というのはどのようになっているでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力安全・保安院の実施計画の要求についてのフォローアップは、当委員会が実施しておるところでございます。 これにつきましては、基本的に、先生御心配のように、まず敷地外への影響、環境への影響をまずなくすというために、基本的な安全上措置すべき事項というものを定めまして、それに基づいた実施計画を策定していただきまして、この八月に一応、原子炉規制法の原子力特定施設としての審査を行いまして、許可を出したところでございます。 ただし、御承知のように、この第一発電所はまだまだ不確定なところがありますので、その実施状況を見ながら、随時そこを見直しを図って安全の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○平野達男君 計画では、いわゆるこれは二十四年度ですから、二十四年度内に工事を完成するというふうな工程で造っていたものがたくさんありました。その実施状況はどうなっているんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 二十四年度、昨年になるわけですが、昨年の段階では、一応外部にいろんな様々なリスク要因がありましたけれども、それが大きな事故につながって外部に放射能の影響が出るような状況がないというような措置を講じさせていただいております。その後、大きなリスクの一つであります使用済燃料の取り出し等についての準備を今随時進めておりまして、来月からは一番心配されます四号炉の使用済燃料の取り出しに着手できる段階に差しかかっております。
○平野達男君 いずれ、当初のいわゆる冷温停止状態を達成するまでの工事というのは本当に突貫工事で、現場の方々も本当に命懸けでやった工事だと。しかし、その結果として施設そのもの自体が仮設的なものになっているものからスタートしているというこの状況をやはりしっかり認識して、これからも廃炉に向けた廃炉措置、廃止措置に向けた作業をやっぱり続行していただきたいというふうに思います。 そして、厄介なのは水ですね。この水につきましては、この地域は元々地下水が非常に多い地域だったということもございますけれども、その過剰水の建屋の入り込みをどう阻止するか。それからあと、トレンチでありますとか建屋に高濃度の汚染水がたまっています。これをどうやって除去するか。これはこれからの廃炉に向けての非常に大きな課題だと思いますが、これはどのように措置していきますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 九月三日の原災本部、総理が本部長でありますが、ここで我々としての三つの基本方針決めさせていただきまして、山側から流れ込んでまいります毎日八百トン、敷地内だけでも四百トンのこの地下水を汚染源に近づけない。同時に、汚染水、これを除去をしていく、ALPS、さらには国の予算によって行いますより高性能な多核種除去装置、こういったものによって除去をしていく。さらには漏らさないと。こういう観点から、海側の地盤改良、さらには遮水壁と、こういったものを造ってまいりたいと考えております。 もし細かい質問がありましたら、この後お答えをさせていただきます。
○平野達男君 お手元に資料三ページ目で、原子炉建屋等の周囲への流入抑制策による効果の簡単な試算ということで、試算として、いわゆる山側からの地下水の流入の抑制を、どうやって止めるか、それから建屋の滞留水の処理をいつ完了、完成させるかということを示していますけれども、この試算というのは、これはあれでしょうか、工程表と考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) この試算でありますが、これは汚染水の処理対策委員会、これは昨年まではなかったんです、こういった汚染水の対策を行う委員会が。ですから、こういった試算も出しておりません。我々が政権に就いて、この汚染水対策に全力で取り組むと、こういった思いから新しいこの委員会を立ち上げまして、五月三十日に、原子炉建屋等の周囲への流入抑制策による効果の簡単な試算、タンクバランスのグラフと、こういった形でお示しをいたしておりますけれども、これによりまして、最終的には、地下水流入抑制の効果、四百トン入ってくると申し上げました、このうち三百トン抑制できるんではないかなと考えております。 もちろん、今後、それぞれの対策が十分効果を発揮するかどうか、こういったことも検証しながら重層的な対策を取っていく。さらには、潜在的なリスクがあるかどうか、こういったことを見極めながら予防的な対策についても取っていきたいと思っております。
○平野達男君 早くこれの工程表を示せるような、そういう状況になっていただくよう、ちょっと要望したいと思います。 この中には、凍土方式による陸側遮水壁、これが本当に効果が出るのかどうか様々な課題等々がありますし、それから、格納容器からいわゆる地下階に水が漏れていますけれども、この止水も厄介ですね。こういった問題が山積みになっておりますけれども、是非そういったところについては英知を結集してやっていただきたいというふうに思います。 ちなみに、いわゆる汚染水はコントロールされているという総理の言葉を聞きまして、冷温停止状態をもって事故収束という宣言をしたときに、私どもは福島に行って袋だたきに遭いました。全然言っていることと要するに状況が違うというところで、汚染水がコントロールされているということと今のこの状況というのは、言葉の使い方というのは非常に難しいなというふうに思いました。これについては特にコメントは要りませんが、この汚染水が本当にコントロールされているためには、地下水の流入、それも止めなくちゃならない、滞留水についてもきちっと処理されなくちゃならない。そういった状況になってやっぱりコントロールというふうに言うべきではないかというふうに私自身はちょっと思います。 それから、次の質問に移らせていただきますけれども、この地下水を処理するに当たってもう一つ問題なのは、先ほど多核種除去施設がございましたが、水処理二次廃棄物というのが出てきます。この管理に当たっての様々なリスクがあると思いますけれども、これはどのようなリスクがあるというふうに考えておられますか。
○国務大臣(茂木敏充君) これはALPS、その前にセシウムの除去装置によりましてセシウムは取り除くわけでありますけど、その上で塩分を取り除いて、そして冷却水として再利用するとともに、今度はALPS若しくはより高性能な多核種除去装置によりまして放射性物質の除去を行うわけでありますけど、当然それに伴いまして残留物等々の二次的な廃棄物、これが出てまいります。その性状や特性、これの把握、これを実施いたしまして、安全な長期保管や処分のための容器や置く場の検討の、まあ技術開発と、これから行っていかなきゃなりませんが、現在においては敷地内に安全に保管をすると、こういうことになっております。
○平野達男君 いずれ本格的な、きちんとした管理をするためにはやっぱり技術開発が必要だと、こういうことですね。 それから、もう一つは、固形廃棄物の問題があります。これは今どのような形で管理されていますでしょうか。東電の社長さん、お願いします。
○参考人(廣瀬直己君) 固体廃棄物は、今、茂木大臣が御説明されたように、水処理から出てきた後の廃棄物もいわゆる固体廃棄物として安全に保管しておりますけれども、それ以外にいわゆる瓦れきというふうに称されるものの廃棄物がございます。その保管につきましては、瓦れきもいろいろな形、いろいろなものがございますので、形状やあるいは放射線の濃度によりましてまずは分別をしております。それぞれに応じまして飛散対策であるとかそれから被曝・遮蔽対策等々をして、それぞれに適した保管方法を講じて置いておくということになっております。
○平野達男君 何かそれだとそれで十分な対策だというふうに聞こえますけれども、本来の固形廃棄物の処理の観点からいけばどうなんでしょうか。あくまでも暫定という形でやっているはずでありますけれども。
○参考人(廣瀬直己君) おっしゃるとおりでございます。こうしたいわゆる固体廃棄物は、これまで事故前に発生する普通の原子力発電所から出てくる従来の発電所の廃棄物とはかなり違うものが当然出てきておりますので、まずはそうした方法を、どういうふうに最終的な処分までしていくのかということを考えなければいけませんが、そのためには、それぞれのいわゆる瓦れきであるとかそうしたものがどのような特徴を持っているのか、どのような線量を出すのかといったようなことをまずは把握いたしまして、その上で研究開発をして安全に処分できるような方法を見付けていかなければいけないというふうに思っております。
○平野達男君 ですから、サイト内における固形廃棄物の処理についてもこれから様々な課題を抱えているということだというふうに思います。 そこで、もう一つ、デブリの取り出しというのが最終的にはこれ出てくるわけですけれども、この技術開発その他については、これはまだまだこれからですね。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、四号機の使用済核燃料、これの取り出しを着実に、今、元々のスケジュールより一か月前倒しでできるようになっております。その上でデブリの取り出し行っていかなきゃなりません。なかなか、その形状であったりとか、そこから発生している汚染水がどうなっているか、こういったことの確認もあります。厳しい作業でありますが、しっかりと進めていきたいと思っております。
○平野達男君 それで、田中委員長始め、それから茂木大臣もそうなんですけれども、リスクという言葉を何回か使っておられます。私は、この東京電力原発の敷地内のサイトというのは、いわゆる安全なのかどうかについての評価を早くしなくちゃならないんじゃないかということをずっと言い続けてまいりました。 それで、田中委員長にお聞きしますけれども、この原発のサイトのリスク評価というのはこれまでどのような形でやってきたのか、そしてこれからまた引き続きやっていくのかどうか、このことについて考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 基本的に耐震性とか大きな津波とか、そういったことについての評価をしながら、大きな危険、リスクが顕在化しないようにというような対策を施しております。 それで十分かどうかというところは、まだ少し不安はないことはないんですけれども、基本的にはそういうことを積み重ねながら今後も安全の確保に努めていくという考えでございます。
○平野達男君 そのサイト全体のリスク評価ということについてはどうですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) サイト全体についてのリスク評価という、ちょっと確認をさせて、それは周囲の線量とか、そういう意味でございましょうか。
○平野達男君 これは、原子力規制委員会の審査の報告書の中に書いています。時間がないのでもったいないんですけれども、読みますけれども、原子炉の冷却、使用済みの燃料の取り出し、地下水流入対策の実施、汚染水の処理、貯蔵、瓦れき等の収集、保管などの廃炉に向けた作業工程においては、依然としてリスクが存在し、その態様も変化することから、重大性や影響の大きさを常に検証、評価しと書いてあるんです。このことを言っているんです。これはどういうことかということを聞いております。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 失礼しました。 今読んでいただきましたような様々なリスクがございますので、そういったものをトータルとしてそのリスクの低減化を図っていくということでございまして、一つ一つのことについて、今後いろんな廃炉作業が進みますので、それについてのリスクの低減に努めていくと、そういうことでございます。
○平野達男君 今までなぜこういうことに対して様々なことを質問してきたかということでありますが、今、区域見直しというのがやられています。これは、避難された方々に、いつ要するに帰還できるかということを判断していただくための条件です。この区域見直しのためのその指標というのは何を使われているでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御承知のように、まだサイト内の状況がコントロールされていない、安定していないような状況では、いわゆる緊急避難、二十キロ圏の避難、それから二十キロから三十キロについては避難準備区域、それから実際に外に出てしまった飯舘村の方については計画的避難ということを行いましたけれども、一応そういった状況を脱しましたので、現在は避難区域を三つに分けております。 帰還困難区域……(発言する者あり)あっ、そうですか。 帰還困難区域は年間五十ミリシーベルト以上、居住制限区域は二十ミリシーベルトから五十ミリシーベルト、それから二十ミリシーベルト以下は避難指示解除準備区域ということで、今はその帰還に向けた準備を検討しているところでございます。
○平野達男君 そうなんですね。御案内のとおりに、避難指示区域の見直しというのは放射線量一本なんです。 ところが、サイトの近くに住んでいる方々にとってみれば、いわゆる東電の原発の、今の旧原子力の発電所の状況というのはもう前の状況とは全く変わっているわけです。先ほど田中委員長がおっしゃられたように、リスクの低減、リスクの低減を図りながらこれから廃炉措置をやっていかなくちゃならない。しかし、ここの区域の見直しは放射線量一本でやっています。このサイト全体が周辺に与える影響というのをどのようにこれを評価していくか、実は、被災者の方々の、特に原発の近傍に住んでいて今避難されている方々はこの点が一番気になっているんです。しかし、実際の避難区域の解除の見直しというのは、繰り返しになりますけれども、放射線一本になっている。こことの融合性をどのように図っていくかということが問題だと思いますけれども、これは根本大臣、これはどのように考えられますか。
○国務大臣(根本匠君) 委員には、復旧復興に大変な御尽力をいただきました。 ただいまの話ですけれども、第一原発の周辺地域、この将来の土地利用計画を含む復興計画の具体化、あるいはそれをどう考えるか。この前提は、長期にわたる廃炉に向けた措置が周辺の生活環境に与える影響を十分に評価することが必要だと思います。そして今、この影響評価については田中委員長から考え方が示されました。 いずれにしても、安全性の確保、これは復興の大前提でありますから、この廃炉に係る作業が長期にわたるということを考えて、引き続き規制委員会には適切な評価を続けていただきたいと思います。 その意味では、復興の観点から見れば、きちんとした影響評価をする、そして、それらを含めて地元の市町村、あるいは住民の皆様とよく相談をして、その土地利用の在り方、復興計画を考えていくということだと思います。
○平野達男君 これから、このロードマップによりますと、サイト内には二万三千本のドラム缶の保管の恒久的な施設を造っていると、そういう計画も入っています。それから、防護服、これを燃やすための焼却施設も造るということになっています。 これは、被災者、避難者にとってみれば、この状況、敷地内がどんどんどんどん変わっていくんです。そして、先ほど根本大臣言われましたけれども、今、これから十年後、二十年後の復興計画を作らなくちゃならない。だけど、サイト自体はどんどんどんどん変わっていくんです。そして、その間にも様々なリスクが出てくる。どうやって復興計画を作るか、どうやって帰還計画を作るか、これに対するこのサイトの変化というか、この不安要素というのは非常に多いと思うんですね。 ですから、私は、バッファーをつくるべきじゃないかということを復興大臣の時代にちょっと言ったことがあります。バッファーをつくって、その不安を要するに解消するためのゾーンをつくるべきだというふうに言ったことがございますけれども、根本大臣にはここについては十分な引継ぎができなかったと思いますが、今それに対してどのような考え方を持っておられるでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 平野委員がそういう御意見をお持ちだということは私も聞いております。 先ほども申し上げましたように、原発のサイトから周辺にどんな影響があるのか、これはしっかりと規制委員会で適切に評価してもらう、これが基本だと思います。 そして、バッファー、バッファーについては私も一つの示唆的な御提言だと思いますが、この周辺の土地利用をどうするか、これは、いずれにしてもどういう政策が望ましいか、地元の市町村とも十分に話し合いながらこれからしっかり対応していきたいと思います。
○平野達男君 いずれ、そういう中で、四十年か何年掛かるか分かりませんけれども、これまでに経験したことのない事故処理をやっていく。それからもう一つは、原発の周辺のサイトの中には中間貯蔵施設ができます。そういう中で、その周辺の中で、帰還計画を作っているときに、あの地域の土地利用をどうするかということは、これは地域に作れといったって県に作れといったってできないと思います。私もこれにチャレンジしようと思いましたけれども、なかなかできなかった。こういったいろんな様々なリスクとか考えながら、あの地域をどういう土地利用にするべきかというのは、これは是非国がやるべきだというふうに思います。 そのことについては根本大臣に強くお願いしておきますし、総理にちょっと御見解をお伺いして、私の質問に代えさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前復興担当大臣でございますから、今、平野委員からいただいた御提言も踏まえまして、地域の将来、未来のために資することになるように、様々な御意見を検討させていただきながら考えていきたいと思っております。
○平野達男君 終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会