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185回国会参議院2013/10/23

予算委員会 第1号

発言数
642
登壇者
30
会派数
3
開催日
2013/10/23

会議録

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の選任及び補欠選任を行います。  去る八月七日の本委員会におきまして、三名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりました。  また、委員の異動に伴い現在理事が四名欠員となっておりますので、その補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に北川イッセイ君、片山さつき君、大家敏志君、宇都隆史君、大塚耕平君、那谷屋正義君及び秋野公造君を指名いたします。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百三十一分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党百一分、民主党・新緑風会九十五分、公明党三十三分、みんなの党三十二分、日本共産党二十三分、日本維新の会二十三分、社会民主党・護憲連合十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 おはようございます。今国会から野党側の筆頭理事を務めさせていただきます大塚耕平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず冒頭、台風二十六号の被害で伊豆大島でお亡くなりになった方々に心からの御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆さんにお見舞いを申し上げます。  また、今この時間帯も捜索、復旧に当たっておられます自衛隊、警察関係者を始めとする多くの皆さんに敬意を表させていただきたいと思います。  その上で、台風二十六号による伊豆大島の被害の状況、捜索、救援の状況等についてまず御報告をいただきたいと思います。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) お答えをいたします。  今般の二十六号の台風、大変な被害が出ております。私からも、犠牲になられた方に心から御冥福をお祈りするとともに、また被災者にはお見舞いを申し上げたいと思います。  その上で、八時現在では、死者が二十九名、行方不明者十六名、全壊、半壊を含めた住居被害三十棟、極めて甚大なものになっています。行方不明者については、延べ自衛隊二千二百人、警察千八百二十人、消防千八百三十人、海上保安庁九百二十人、部隊を投入をいたしまして、今、二十四時間体制で必死の捜索に当たっているところでございます。  また、自衛隊の輸送艦とか航空機によって人員とか必要な資材も輸送しております。  また、医療については、東京DMATを延べ三チーム派遣をいたしておりまして、入院患者二十一名を既に東京の都立広尾病院に自衛隊航空機によって搬送させていただいておる。また、心のケアも大切でございますので、今、臨床心理士等の専門家を十名を派遣をいたしております。  今後とも、大島町始め関係者と連携を密にしながら、行方不明者の捜索、それから、台風二十七号が接近しておりますので、二次災害の防止に徹底を期していきたいというふうに思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今回の件に関連して、特別警報を伊豆大島だけにでも出すべきではなかったかという指摘がありますが、この点についてはいかがでしょうか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 特別警報という制度を今年八月末に決めさせていただきました。この特別警報というのは、基本的には五十年に一度の大雨ということを周知し、そして避難できるということについての体制を取るということにしたものです。  非常時に大事なのは、精度というのが大事でありまして、現在どうやって警報を出しているかといいますと、空からレーダーで見る、これは動きを見ますから、そして、地上において観測地点から五キロ平方のところで五十か所集めて、そしてこれは大変な雨であるということを想定するという仕組みになっています。したがって、この精度の問題で、それが五十か所ぐらいないと精度が確立できないということになっておりますので、かなり技術的な問題でございます。  今回は、そうしたことから、海の中にある島ということですから、各観測所というものはございません。五十か所という広域にわたるものが測定できません。したがって、精度がなかなか確立されないということで、特別警報にならないということです。  しかし、今回の例を考えますと、少しでもこれは大変な、局所的であるとしても大変な災害が起きることが心配されるというときには、特別警報という形でなくても、特別警報相当のということについての、特に島嶼部については指示を出すということを今検討させていただいているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 最後の御答弁を聞いて安心しましたが、もう一回確認します。  本土と島嶼部は全然違いますので、島嶼部だけに特別な情報を提供できるようにしかるべくやっていただけるということでよろしいでしょうか。もう一度お願いします。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) いわゆる島嶼部につきましてはどういう形の表現で出すかという、これは検討もありますし、打合せもありますけれども、いずれにしても特別警報相当のというようなことを起点にして指示を出せるようにしたいというように思っているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 台風二十七号、二十八号が今度は接近してきておりますので、これらについての対応状況についても一言お願いいたします。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 気象庁のニュース等で二十七号の接近が予測をされておりますので、まず住民の皆様に御意向を調査して、避難を島外にされる方も含めて、今きめ細かな対応をさせていただいております。  私、政府代表で十九日に視察しましたけれども、そのときに現地に政府対策室をつくりまして、内閣府の審議官、防災の専門家ですので、事実上のキャップとして大島町あるいは東京の支庁、そして関係省庁との連絡会議を毎日二回以上必ず行っておりまして、現地の状況をしっかり把握しながら対応しておりまして、今後はやはり適切な避難勧告等々ができるように適切にアドバイスをしていきたいというふうに思っております。  ただ、二十七号だけではなくて二十八号もありまして、藤原効果というんですけれども、台風が二つ重なりますと複雑な動きをするそうなので、そういったこともしっかり注視をしながら適切なアドバイスをしていきたいと思っています。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 台風被害及び今後の防災対策について、総理からも国民の皆さんに一言お願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに、今回の記録的な大雨によって亡くなられた皆様の御冥福をお祈りをし、そして今なお避難をしながら困難な状況にある皆様にお見舞いを申し上げたいと、このように思います。  政府においては、大島町に、ただいま古屋大臣が答弁したように、現地災害対策室を設置をいたしまして、関係機関が一体となって行方不明の方々の捜索と被害の拡大防止に全力を尽くすとともに、災害救助法や被災者生活再建支援法に基づき、被災された方々への支援、被災地の迅速な復旧等に総力を挙げて取り組んでいるところであります。十九日には、古屋大臣、そして太田大臣、さらには小野寺防衛大臣も派遣をしたところでありますが、自衛隊においては五百人から千人の態勢に倍増をしたところでございまして、万全を期していきたいと思います。  そしてまた、政府としては、この度の災害対応について速やかに検証を行った上で、その教訓を今後の対策に生かすなど、災害対策に万全を期していく考えであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。  それでは、今日は二、三の問題について意見交換、議論をさせていただきたいと思いますが、恐縮ですが、安全保障問題から入らせていただきたいというふうに思います。  総理は所信表明等で積極的平和主義ということを再三述べられておられますけれども、積極的平和主義の定義を是非聞かせていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 近年、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威は深刻度を増しております。また、サイバー攻撃のような国境を越える新しい脅威も増大をしている。こういう現状の認識の下に、もはや我が国のみでは我が国の平和を守ることはできません。  我が国の平和を守るためには、地域や世界の平和と安定を確保していくことが必要であると、このような認識の下に、私は、我が国が国際協調主義に基づき世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献する国になるべきとの考えを積極的平和主義として掲げたわけでございまして、この考え方に基づきまして、既にシリア及び周辺国の人道支援やイランの核問題の平和的解決に向けた働きかけ、そして人間の安全保障の実現に向けた人道的な取組を行っていますが、更なる具体的な政策について、今後、安全保障戦略等を策定する中において検討していきたいと考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 アメリカは世界の警察官というふうに言われておりますけれども、そういうことをイメージしておられるわけではないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはもちろん全く違います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 安心しました。  それでは、集団的自衛権に対する現時点での日本政府の正式なスタンスを聞かせていただきたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 国際法上、我が国が主権国家として集団的自衛権を有している、このことは当然でありますけれども、しかし集団的自衛権の行使は憲法上許されないと、このように解してきたところであります。  ただ、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中にあって、我が国の平和と安全を維持するためにどう考えるべきか、今検討を行っていただいているところであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今の官房長官の御説明、一言で言うと、保有すれども行使できずと、こういう認識で、総理、よろしいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 従来の政府の解釈において、例えば、日本は国連の一員でありますが、国連憲章の中にも国連に加盟している国々は個別的そして集団的自衛権を有するというふうに書いておりますので、法制局の、今まで政府としての見解としては、国際法的には権利を有すると、しかしその行使についてはそれはできないという考え方でありました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私も、時代に合わせた自衛権やあるいは防衛力の在り方に変更していく、ないしはいろいろ検討していくことは必要だと思っておりますので、今日は更に総理のお考えをいろいろと是非聞かせていただきたいと思います。  次に、個別的自衛権に関する現在の日本政府の正式なスタンスを聞かせてください。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 個別的自衛権とは、国際法上、一般に、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止する権利と解されております。  我が国としては、憲法九条の下、我が国に対する急迫不正の侵害があること、これを排除するために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどめるべきことという三要素に該当する場合には個別的自衛権の発動として武力を行使することができると解してきております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理に確認します。  今の防衛大臣の御説明ですと、個別的自衛権は保有するし行使もできる、これでよろしいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今の法的基盤の懇談会でもいい指摘をしておられる方がいらっしゃって、マイナー自衛権どうするんだという指摘をしておられる方もいらっしゃいます。そうすると、今防衛大臣がおっしゃった急迫不正の条件に該当しない、こういうケースでは総理はどうするべきだとお考えですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安保法制懇におきましては、国民の皆様にも説明させていただきたいと思うわけでありますが、言わば、先ほど申し上げましたように、日本をめぐる安全保障環境が大きく変わっていく中において、日本の国民の命、日本の領土、領海、生命、財産、しっかりと守っていくことができるかという問題意識の中において、例えばこの集団的自衛権の行使に対する解釈について、そしてまた例えば積極的平和主義を進めていく中において、また日本のみで我が国を守ることができない中において、国際環境をしっかりと平和で安定的なものにしていかなければならないという観点の中において、そこで、これは言わば集団安全保障の中において日本がどういう役割を担うべきかどうかということに加えて、今おっしゃったように、個別的自衛権の中においてどういう課題があるかということについて様々な議論を行っているところであります。  その中で、例えば潜水艦が日本の領海の中に入ってくる場合においては浮上して国旗を掲げなければならないわけでありますが、そうはせずに潜没、言わば潜水したまま入ってきて徘回をし、出ていかないという状況に対してどう対応していくかと。  そういうことも含めて、言わば現実で起こっている問題に正面から向き合い、どう我が国を守ることができるかということについて真摯な議論が行われているところであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 防衛大臣、マイナー自衛権と域外執行行動、この二つが検討が必要だと懇談会でも言っておられる方がいて、私も本当そう思うんですよ。この二つはどういうものかというのを、もし御存じであれば御説明いただけますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) お答えします。  防衛出動の具体的な要件を満たしていないような場合において、いわゆるグレーゾーンについては、今二つのグレーゾーンの問題があるということを安保法制懇の中で議論をされております。  一つは、域外的な執行活動であり、海賊やテロリズム、邦人救護の問題は基本的には法執行活動を域外で行うということであるということ、アフガニスタンも基本的にはそのように解していると、このような議論が今安保法制懇の中で行われております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これは本当に総理のお考えを聞きたいんですが、マイナー自衛権、例えば島嶼部を武装漁民が占拠するということが起きた場合に、それに対して、これは急迫不正の侵害では国家全体にとってはありませんので、どうするかと。これは今も起きるかもしれないんですが、こういうときにどうするのかという、最高責任者としての現時点でのお考えを是非聞かせていただきたいんですが。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今、大塚委員が質問をされたそういう問題意識に立って、果たして今の憲法解釈でいいのか、あるいは法令は果たして整備されているのかという問題点から、問題意識から議論を深めていただいているわけでありまして、今の委員の御指摘の状況であれば武力攻撃事態とは言えないわけでありまして、つまり、武力行使と認められない状況の中においてどう対応すべきかということについては、これはまさに目の前の問題であるわけでありまして、それにどう対応していくか。  例えば、それは、そういう状況は起こったけれども、それであれば当然海上保安庁が対応していくわけでありますが、しかし、そこに入ってきた、漁民と思われるけれども、もしかしたら重武装をしているかもしれないという可能性もあるわけでありまして、そういう対応において、それは実際起こればその中でこれはしっかりと判断をしてまいりますが、その上においてしっかりと法的な基盤をつくっておく必要も当然あるわけでありますので、そういう議論を行っているということであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 意外でしたが、私は、総理は個別的自衛権を行使できるとはっきりおっしゃると思っておりました。私もその場合は行使できると思っていますので、この後の議論で深めさせていただきたいと思っております。  次に、法制局長官、お伺いしたいんですが、集団的自衛権という単語を憲法や憲法的規範に明記をしている国はありますでしょうか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  当局におきましてこれまで各国の憲法について調査したわけでございますけれども、国の数が多うございますので網羅的に調査できたわけではございませんが、私どもが調査できた範囲内においては、憲法の又は憲法的規範の中に集団的自衛権という言葉を使っている国は把握してございません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その上で、長官にお伺いします。  自衛権に関する第九十八回国会における中曽根首相の重要な発言について御説明をいただきたいと思います。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  御指摘の中曽根元総理の御答弁でございますが、昭和五十八年二月五日の衆議院予算委員会における答弁と承知しております。  この答弁は、我が国が武力攻撃を受けた場合には、日米安保条約第五条に基づき、日米は我が国を防衛するために共同対処することになるので、我が国を防衛するために行動している、そういう事態で行動している米軍の艦船等に対する攻撃を我が国が我が国の個別的自衛権の範囲内で排除できるということをお述べになったものでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 日本が武力攻撃を受けた場合には公海上であっても友軍を支援できると、この答弁は今も生きているかどうか、総理、お答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本が武力攻撃を受ければ武力攻撃事態でありまして、当然その状況においては防衛出動が発令されているわけでありまして、この事態であれば安保条約の五条が適用されるわけでありまして、日米で共同対処していくということになりますから、当然そういうことになっていくわけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、もう一点確認させてもらいます。  法制局長官、第五十九回の国会における佐藤首相の自衛権に関する御発言を説明してください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  御質問の答弁は、昭和四十三年八月十日の参議院予算委員会における佐藤総理の御答弁であると理解しております。  この答弁は、在日米軍基地、施設・区域でございますが、に対して武力攻撃が行われた場合に日本がその攻撃を排除することができるかという質問に対するお答えでございまして、佐藤総理のお答えは、米軍の基地に対する攻撃ではあるが、我が国の領土、領海、領空に対する攻撃なしには行えないものであるから、我が国の個別的自衛権の行使によって対処することが可能であるという旨を述べられたものでございます。  在日米軍基地と申しましても我が国の領土そのものでございますので、従来の政府の立場に沿って当然のことをお述べになったものと理解しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 当然ではあるんですが、重要な概念を述べているんですよ。長官、よく聞いておいてくださいよ。在日米軍の基地に対する攻撃は日本の領土、領海内で武器を使用しないとできないわけですから、日本の領土、領海内で武器を使用するような国があれば、それに対しては個別的自衛権を行使できると言っておられるんです。この答弁は今も生きていますか、総理。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今、小松長官から答弁をさせていただいたように、我が国の中にある米軍施設でありますから、これは当然、我が国の領土、領海をこれは侵す行為でありまして、そして我が国の領土、領海に対する武力行使でありますから、当然それは日本側もそれに対して対処すると、そして日米で共同対処するということに当然当たっていくと、このように思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 この二つの答弁が今も生きているとすると、その積み上げの上に現状がありますので、そうすると、先ほどの島嶼部の武装漁民等の占拠の問題ですね、防衛大臣にお伺いしたいんですが、自衛隊法七十八条の治安出動、その場合はできますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 個別のその状況、事態によってその判断の仕方というのは変わってきますので、具体的な事案によって対応が、それぞれすることになると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今日は、何か議論の落とし穴をつくっているとか、そういうことは一切ありませんので御安心くださいよ。  つまり、防衛大臣、もう一回聞きますよ。自衛隊法七十八条は、間接侵略その他の緊急事態に対しては行動できると書いてあるんですよ。だから、間接侵略その他の緊急事態に当たるかどうかが重要なポイントなんですが、島嶼部の武装漁民による占拠というのは間接侵略に当たると思いますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 実際の想定に応じて答える必要がありますが、当たる可能性はあると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 安心しました。  武装漁民ですからね。日本の領土、領海内では武器は法律上保有しちゃ駄目なんですよ。だから、そうしましたら、もうこれは急迫不正あるいは間接侵略に当たるかもしれないという積極的判断をしなかったら国は守れませんよ、総理。  だから、今のような事態では該当するというお考えでいいですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今のこの議論は、武力攻撃事態対処法を作るときにさんざん議論をしてきたところでありますが、言わば武力攻撃に当たるかどうかということ、あるいはそのおそれがあるかどうか。  今例として挙げられましたが、治安出動、そして治安出動の前には待機命令があります。治安出動待機命令、治安出動、そして防衛出動待機命令、防衛出動と、こう行くわけでありますが、これがシームレスでちゃんと行くように、そして適切な判断ができることが大切であります。どんなに整備が、整っていても、最高指揮官が適切な判断ができなければ、それは全く対応できないわけでありますから、同時にこの対処についてしっかりとアドバイスできる必要があります。  つまり、いきなりそれが起こるのではなくて、その意図がどこにあるのかという分析もなされていなければいけませんし、その事態が起こる上において、どういう国際状況の中でそういう状況が醸成されてきたかという分析があって、どういう手段を取ることが正しいかどうか。つまり、いたずらにエスカレートさせて、出ていく海上保安庁からこれは海上自衛隊にエスカレートすれば、軍と、ミリタリーとミリタリーになっていきますから、その手段でいいのかどうかということを正確に分析をしながら、冷静に、的確に、厳正に対処していくことが大切であって、そうした分析を行う意味においても、この国会でNSC法案を出させていただきたいと思うわけでありますが、そういう適切な分析、そしてアドバイスができる、そういう司令塔が必要ではないかと、このようにも考えているところであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 まさしくそういう議論を積み上げていかなきゃいけないので、さすがに佐藤総理、中曽根総理、順番にこの日本の防衛について穴を埋めていってくださっているんですね。  先ほどの二つの答弁が今も生きているとすれば、つまり国内で、日本の領域内で例えば武器使用なんかが行われれば、もうこれは許し難い行為ですから対応できるわけです。それから、領域外であっても日本が武力攻撃を受けている場合は、友軍に対しては対応できると言っておられるんです。そうすると、総理がこれから御判断されなければならないのは、日本が武力攻撃を受けていない場合の公海上と第三国の領域内での問題なんです。  じゃ、日本が武力攻撃を受けていない場合、公海上で日本の同盟国が攻撃を受けた場合に対応できるという御判断ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこで、先ほどの議論を正確に考えていく必要があるわけでありますが、これは、ただ単に武器が使われたらこれは武力攻撃と認定するかどうかというのは、これはまた別の問題であって、幾ら武装漁民だったとしても、それが武器を使ったとしても、これは武器の使用とですね、それをいきなり武力攻撃と判断するかどうかは別であります。意図や規模も大切でありますから。  だから、そこで冷静な分析と対処が必要でありますから、それがいきなり言わば武力攻撃と認定して、それは、こちら側も武力行使をするかどうかというのは、それは事態事態、また、めぐる国際環境なんかを正確に分析する必要があるということを申し上げたわけでありまして、今例として挙げられても、にわかには答えることはできないということであります。  と同時に、今、大塚議員が問題点として挙げられたわけでありますが、それは様々なこれは状況があるわけでありまして、その中で、例えばこの安保法制懇の中で議論していることは、我が国の近くで武力攻撃が発生をし、そして米国がそれに対応して集団的自衛権を行使している中で、攻撃を仕掛けた国に武器弾薬を供給しようとしている船舶を米国から例えば止めてくれと言われても我が国は対応できないわけでありますが、それで果たしていいのかどうかということであります。  最初に積極的平和主義という概念を申し上げた中において、我が国一国で我が国を残念ながら完全に守ることができないという認識の中において、同盟国あるいは国際協調の中でどういう行動をすべきかということを考えていかなければならないということを申し上げているわけでありまして、だから、まさに今、安保法制懇の中において議論が進んでいるわけでありますから、今、政府の代表の総理大臣として私がそれを、結論が言えるのであれば安保法制懇で議論していく必要はまさにないわけでありまして、そこで有識者の皆さんに集まっていただいて、この安保法制懇の中において議論をしていただいているところであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、ここは二つの点で是非よくお考えいただきたいんですが。  まず、真摯にお答えいただいたのは結構なんですけれども、私がお伺いしたのは、残された課題は二つあると申し上げたんです。公海上で友軍が攻撃を受けたとき、しかし日本自体は武力攻撃を受けていないようなケースにおいてどう対応するか、それから、他国の領域内で友軍が攻撃を受けた場合にどうするか、この二つのケースをあと検討すればいいんですよと。それについて、第一点、公海上の問題をどうお考えになりますかということをお伺いしたので、もう一回お答えいただきたいんですね。  ちょっと待ってくださいね。  もう一つ申し上げたかったのは、今、法制懇で検討されているからいいということではなくて、法制懇は有識者ではあられるけれども、決して選挙で選ばれた人たちではないわけですから、これほど重要な問題はやっぱり政治家がちゃんと考えを持って判断をしなければならないと思います。  二点目は意見ですので、一点目についてお答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、二点目と一点目はこれは一体化しているんですが、そこでお答えしますが、今まさに委員が挙げられたそうした様々な課題、それだけではありませんよ、もっとたくさんあるわけでありますが、この集団的自衛権の行使だけではなくて、集団安全保障の中における行為、あるいはまたマイナー自衛権等々も含めてしっかりと守ることができるかという問題意識を、まさに国民の生命と財産を守らなければいけない責任者として、今その認識について議論を深めていかなければならないと、こう考えているわけでありまして、今委員の質問に私が答えるのであれば、まさに先ほど申し上げましたように、有識者懇において議論をする必要がないわけでありまして、最終的に決めるのは政治家、そして行政府の長である私が判断をするわけであります。それに至るまでの間は有識者の皆さんが、あらかじめそうした結論を頭に置くのではなく、しっかりと自由な立場で忌憚のない御議論をいただきたいと、このように思うところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 正面からお答えになってはおられないと私は思いますけれども、じゃ、総理、集団的自衛権というのは自然権ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本来、個別的自衛権と集団的自衛権は言わば自衛権としてあるわけでありまして、そして、その中において、国連においても、先ほど申し上げましたように国連に加盟している国にはそれがあるという考え方であります。  そして、言わば国の、憲法九条はありますが、国の存在、生存権そのものを奪っていないという中において、砂川の裁判の判決と自衛隊の合憲性というものがあるんだろうと、このように言われているわけでありますが、その中における、果たしてこの集団的自衛権の行使について必要最小限を超えるものであるかどうかということについての言わば概念の中において、先ほど申し上げましたように、集団的自衛権については国際法上認められてはいるけれども、日本は権利があることは、権利があることは国際法上認められているということでありますが、その上において行使できないということであります。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 長官が手を挙げておられたので、是非長官のコメントも聞かせてください。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) お答え申し上げます。  総理から今御答弁があったところでございますが、若干の補足をさせていただきますと、まず、国際法上、国連憲章上、武力行使は一般に禁止するという第二条四項の規定がございまして、これに対する例外的に一定の事由があれば防衛のために武力を行使することがあり得ると。  これが、国連憲章第五十一条に個別的自衛、集団的自衛権と、こう書いてあるわけでございまして、このうちの個別的自衛権につきましては、慣習国際法上も確立したものである、元々、国連憲章ができる前から確立していたものであったというふうに考えられてございますが、集団的自衛権につきましては、国際法学者大半は、国連憲章第五十一条によって創設された権利と申しますか、国際法学者の間では、武力行使の一般的な禁止に対する違法性阻却事由というふうにとらえるのが一般的な理解であるというふうに理解しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 長官、お詳しそうなので。国連憲章五十一条に書いてあるのが集団的自衛権。じゃ、その国連憲章を検討するためのその一年前のダンバートン・オークス会議で提案されたその内容には集団的自衛権は入っていましたか。

小松一郎内閣法制局長官

○政府特別補佐人(小松一郎君) これは、よく起草の経過、御案内のとおりでございまして、元々の案文には入っていなかったところを、中南米の諸国の中で、自国だけでは自国を防衛できないので、地域的取決めを作りまして侵略に対抗すると。チャプルテペック協定と呼んでおりますけれども、そういう協定上の権利を行使できなくなることが困るという中南米諸国の希望がございまして、最終的には国連憲章第五十一条に集団的自衛権が明記されるに至ったというのが経緯でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  今までの議論で認識共有させていただければ有り難いんですが、個別的自衛権は自然権であり生存権ですから、これはきちっと行使できる理論的枠組みをつくっていかなきゃいけない。集団的自衛権は、一九四五年に世界に登場した新しい概念で、人為的な権利なんです。  その上で、そう考えると、皆さんのお手元に今日資料をお配りさせていただいているんですが、一番後ろに、法制懇の議事要旨の御発言について幾つか確認をしたい点があるのでお配りさせていただいたんですが、個別的自衛権を徐々に拡大していくという解釈は国際的常識に反すると言っておられる方がいらっしゃったり、あと、やはり幾つかこの議論を委ねるには本当に大丈夫かなと思われる発言と思える部分がございますので、その真意と御発言者について確認をするようお願いをしたんですが、政府参考人、お願いいたします。

林肇内閣官房内閣審議官

○政府参考人(林肇君) お答えを申し上げます。  安全保障と法的基盤の再構築に関する懇談会の議事運営につきましては、同懇談会の運営についてという文書で取決めをいたしまして、この文書は公表されておるところでございます。それによりますれば、議事は非公開とし、議事要旨を会議終了後、発言者名を付さない形で速やかに公開することとしておるところでございます。  したがいまして、お尋ねがあった議事要旨に盛り込まれた様々な発言につきましては、発言者名を付さない形で公表するというこの議事運営の取決めに基づきまして、委員の名前についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 真意は御確認いただきましたか。

林肇内閣官房内閣審議官

○政府参考人(林肇君) 発言の真意についてのお尋ねでございますけれども、この発言は各委員があくまで個人としてのお立場で個人としての意見を述べたものでございます。したがいまして、政府といたしまして、個々の発言の真意についてお答えすることは困難でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理にお願いしたいんですが、これ重要な議論で、この法的基盤懇談会で議論された結果を総理は参考にしてこの後この安全保障についてお考えになるわけですから、ここで総理に意見を述べられておられる方々は後世の国民の生命と財産の安全にかかわる議論をしておられるんですよ。  そうすると、その中に、韓国やオーストラリアやインドと集団的自衛権を行使できるようにしなくてはならないという発言をこの場でこれはする会合なんですか。法的基盤について議論するのはいいけれども、これは外交・安全保障政策そのもので、ここまではちょっとのりを越えた発言だとは思われませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど大塚議員も発言をされたんですが、集団的自衛権について、個別的自衛権と比べてどちらがどうということではなくて、時代が変遷する中において、一国を、先ほど中南米諸国の国の議論があったということを小松法制局長官が紹介をしたわけでありますが、自国のみで守れないという国にとってはまさにこれは生存権そのものになってくるわけでありまして、そういうことから、言わば時代が更に大きく変わる中において、今までの解釈でいいのかどうかということも含めて議論を進めているわけでありまして、そこで議論をしていく中において、これは個々の有識者の皆様が忌憚のない議論をしていただくことになっているわけでありまして、この名前を今公表することによって議論が制約されることがあってはならないと思うわけでありますし、最終的には、先ほども申し上げましたように、私が判断をして、それが決まれば内閣全体でその方向に向かって責任を取っていくわけでありますから、ここでしっかりとそれぞれが議論が行えるということ、それぞれの項目についてちゃんとした議論を当然国会で行っていくということになるわけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、私はお願いをしているんであって、この懇談会に対する信頼性そのものが、国民の皆さんからの信頼性そのものが低下してはその後の議論も十分できませんので、つまり、論理的で、そして個人的思想信条とか防衛問題に対するバイアスの掛からない形で客観的に議論をしていただける有識者であってほしいわけです。だから、議論の内容には一定ののりを考えてやっていただきたいということを是非、まあつまり一定の制約があるということを是非懇談会の皆さんにお伝えいただきたいと思いますが、いかがですか、それは。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) その制約という意味が私はよく分からないんですが、今後の言わば変化していく安全保障環境の中において日本をしっかりと守っていく上において、法解釈の問題あるいは法整備の問題等について見識を持った方々に私は集まっていただいています。その皆さんに私はのりを掛けるという考え方は全くありません。そこはもう、これは見解の違いと言ってもいいんだろうと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、見解の違いではなくて、法的基盤について議論いただくのはいいんですが、法論理構成について。しかし、外交・安全保障政策そのものについて、もちろん個人個人いろんなお考え持っておられると思いますけれども、そのお考えにのっとって議論すると、法的基盤はこうあるべきだという、こういう議論をされると、これはやっぱりまさしく総理が御判断される領域にまで踏み込み過ぎていると私は思いますが、まあ見解の相違であるということであればこの問題はこの程度にとどめたいと思いますが、更に議論は深めさせていただきたいと思います。  次に、原発事故、エネルギー関係で、まず汚染水についてお伺いをしたいんですけれども、衆議院での議論もいろいろ拝聴しましたが、改めて総理に、汚染水問題、原発事故問題で、一体これまでに我が国のあの事故において放射性物質がどのくらい放出されたかという想定量、そして汚染水の海洋等への想定放出量について改めて国民の皆さんに御説明を是非していただきたいと思います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 平成二十三年の九月に政府がIAEAに提出して公表いたしました報告書におきまして、同年三月の事故発生から同年八月末までの放射性物質の放出量は約五十から百万テラベクレル、五十から百京ベクレルと推定されておりまして、今日までの放出量の大半は事故当初に放出されたものと考えられております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、東電社長にお伺いしますが、汚染水問題の現状について御説明を願います。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。  汚染水の問題につきましては、まず、このところ一連、大変御心配をお掛けする事象が相次いでおりまして、本当に申し訳なく思っております。  汚染水の現状について、三つの点から御説明申し上げます。  一つは、地下水の問題でございます。  御存じのように、一号機から四号機のエリアは、山側から海に向かって地下水が流れております。そのうち四百トンが一日当たり建物の中に入っているというふうに考えております。そのほか、海の方に流れている地下水というのがございまして、これ、これまで六百トンというふうに我々推定しておりましたが、新たに再現性の高いモデルを使いまして解析し直したところ、四百トンぐらいではないかと今考えております。  したがいまして、四百足す四百で、これまで四百足す六百で千というふうに私ども考えておりましたけれども、今、四百足す四百で八百トンぐらいが毎日毎日一号機から四号機のエリア辺りを地下水が流れてきて、そのうちの半分が建物に入り、その残りの半分が海側に流れていくというふうに解析しております。  この問題、この四百トン、建物の中に入る四百トンを何とか少なくしなければいけないというのが一つ目の問題でございます。  二つ目は、この四百トンにも絡むんですが、汚染水が四百トンずつ毎日増えてしまうということになりますので、この四百トンをためておかなければいけないということで、タンクの問題が二つ目にございます。このタンクを造り続けていかなければいけないというのが一つあります。  したがって、その四百トンを減らしていけば造り続けていくタンクの量を抑えることができるということでございますが、一方で、先日、タンクから汚染水を漏らしてしまうという大変申し訳ない事態が発生いたしましたので、ボルトで締めるフランジ型のタンクというのをリプレースしていかなければいけないという問題が今タンクに絡んではございます。  三つ目の問題としては、海側への汚染水の影響の問題がございます。  御存じのように、湾の中にもう一つ、開渠部というもう一つ手前にある程度閉鎖されたエリアがありまして、そこの汚染水の濃度が、放射能の濃度がなかなか下がっていきません。したがいまして、ここを何とかすべく海側の遮水壁を今建設しているのと、あるいは、そのもう一つ手前、水際の、陸ともう水のぎりぎりのところに水ガラスを注入しておりまして、何とかそちらに地下水が流れ込まないように今対策を取っているところでございます。  以上、大体三つのところで御説明を申し上げました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 先ほどの安全保障の問題もこの問題も、やっぱりこれは与野党を本当に超えた課題でもありますのでしっかり議論をしたいんですが、この問題に関しては、一番大事なのは、知らないことは知らない、分からないことは分からないと言って、国民の皆さんに正確な情報をお伝えするということが今後の対応で一番私は大事だと思っておりますので、是非そういう視点でお答えいただきたいんですが。(資料提示)  そうすると、社長、皆さんのお手元にもこのパネルの絵が置いてありますけれども、上の平面図でいうと、山側から八百トン流れてきて、この建屋の中にそのうちの四百トンが入り、四百トンは海に行っているという、こういう理解でいいんですね。一応確認です。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) はい、御指摘のとおりでございます。そういう今解析をしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 茂木大臣、先ほど答弁をされたので。産業技術総合研究所というのは大臣の所管ですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) さようでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 産総研が先週発表した調査結果では、この建屋の中に入っている水は大半が雨水だと発表しておられますけど、本当ですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 元々、阿武隈山系から流れてまいります地下水、降雨等によって発生するものでありますから、起因としては雨水ということになると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、そうすると、社長は今まで四百トンは山から流れてくる水が建屋の中に半分入ったと言っておられるんですけど、産総研の先週の発表だと、そうじゃなくて雨水が入ったと言っているんですが、どっちが正しいんですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 阿武隈山系から流れてくる分もございます。そして、天候でありますから、晴れている日も雨の日もあります。雨の日には直接建屋内に雨水が流入をいたします。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、そうすると、その想定している汚染水の量に先週の産総研の調査結果の発表によって変化が出てくるんじゃないかということを申し上げているんです。  この地域の年間降水量は、大臣、千五百ミリですよ。この建屋は南北が八百メートル、これは東電の資料に書いてありますからね。仮にあの東西が二百メートルだとすると、二百メートル掛ける八百メートル、千五百ミリで年間どのぐらいになると思いますか、その降雨量。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 算数の掛け算は余り得意ではありませんので、後で計算したいと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 茂木大臣ならすぐ暗算でしていただけるんじゃないかと思ったんですけど、これ二十四万トンなんですよ、二十四万トン。  社長、タンクの総量と現状の貯水量と、これをあと、今、八十万トンまで増量するというふうに言っておられますが、その前提となっている汚染水の量についてちょっと説明してください。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。  一号機から四号機に関して申し上げますと、タンクの容量は、今四十一万トン程度の貯水容量があるタンクを備えております。そのうち、ALPSを通して既にある程度きれいになったものも含めて三十六万トン程度の水が四十一万の容量を持つタンクの中に入っております。したがいまして、これをこの後続けて造っていくということで、八十万トンを今視界に入れて、それの計画を持っているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、これ是非、本当にお考えいただきたいんですが、これまでの説明と与野党の議論、国会での議論は、山側から地下水が八百トン流れてきていて、そのうちの四百トンが建屋の中に入って、残りの四百トンは海に流れているという前提で全部議論が行われているんです。ところが、先週、産総研の発表では、雨水が原因で、確かに雨水で山の方に降ったやつがその中に入って流れてくるというのはありますよ。だけど、それは元々の八百トンに入っているんですよ。ところが、この八百メートル掛ける二百メートルの千五百ミリだと、ここに二十四万トン年間で降るわけですよ。そうすると、その想定量に、やっぱり社長としては、これはちょっと変化があるかもしれないなとお思いになるでしょう。社長、どうですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 当然、この二年七か月の間にずっと何度も何度も雨が降ってまいっておりますので、その雨水も含めて、今、先ほど申し上げましたような量の水が流れ込んでいると、あるいは流れているというふうに算定しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、つまり、この建屋の中の汚染水がどこから流れてきていて、どのぐらい増えているのかということは、今の産総研の情報も含めて考えると、これまで積み上げてきた事実はあるものの、現状では分からないことが多いという理解でいいですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) もちろん、それをしっかり解析して、いろいろな再現性の高いモデルで今後ともしっかりやっていかなければいけないというのはもちろんでございますけれども、現状、先ほど申し上げたような数字で水が動いているというふうに解析しているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、だから、現状はそうだけれども、それはそうであるかどうかは分からない点もあるということでいいですね。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 当然、モデルをまた見直して、より再現性の高いものをつくるという行為はもちろんやっていかなければいけないと思っておりますが、現状、今、先ほど申し上げたところだというふうに考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、この問題を国民の皆さんにも御協力いただいて前向きに解決するためには、やっぱり信頼していただかないと駄目なんですよ、政府も国会も。これはどうも衆議院の議論をお伺いしていると、決意と事実の問題がごっちゃになっていて、決意をおっしゃるのはいいんですけれども、事実としては分からないことがあるということを認めていくことが大事なんです。  茂木さん、衆議院の議事録しっかり読ませていただきましたが、ALPS、四十八核種は全部除去できると何度も言っておられますけれども、本当ですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 正確にお聞きいただきたいんですけれども、敷地の中に入っている水、四百トンと申し上げました。これには降雨、雨水由来のものも含まれておりますので、この四百トンという数字が御指摘によって変わると、雨が降ることによって変わるものではありませんから、この数字が動くものではありません。  そして、ALPS、多核種除去装置、これによりまして六十三核種のうち六十二核種については除去することが可能だと、専門家の意見としてそのように伺っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今日は田中規制委員会委員長に来ていただいていると思いますが、全部は除去できないと私は聞いておりますが、いかがですか。正確に答えてくださいよ。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 現在、先日稼働しましたC系のALPSの処理した水については分析をしているということを伺っておりまして、間もなくその結果が出るということですので、それを見て、またその状況で今後判断する必要があると思っています。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 だから、完全に除去できると断言することは正確に表現してないということを認めてください、茂木さん。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) よくお聞きください。私は、完全に除去できると一度も答弁申し上げておりません。少なくともトリチウムは取れません。六十三核種のうち六十二核種については除去することが可能である、これが専門家の意見だと、このようなことを申し上げております。完全に全ての核種が除去できるということは一度も答弁申し上げておりません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、そうじゃなくて、その六十二核種のことを言っておられるんです。だから、今日、正確に答弁してください。六十二核種は除去できるけれども、完全にはゼロにならないということでいいですねと聞いているんです。ゼロになるかのごとくの答弁をずっとしておられるんです。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) ゼロになるとは申し上げておりません。除去できるとは申し上げております。  ただ、どこまで除去できるかと、専門家の意見として除去できるというお話でありまして、除去の定義については専門家にお聞きいただければいいと思います。(発言する者あり)

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、これ、これは認められるというのは……

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 大事な話なんです。除去できるとすぱっと言うと、ゼロになるとみんな普通思うんです。そうじゃないんです。  田中委員長は非常に、科学者であられるので、きちっとお答えいただいていると思いますが、衆議院でも、例えば九月三十日の経産委員会で、コントロールできているかいないかということを科学的に定義することは困難であると、これは科学者として非常に正確な表現をしておられるんです。  だから、分からないことは分からない、でも全力を尽くすという姿勢を国会がテレビを通じて国民の皆さんにお伝えすることが大事であって、軽々な断定はかえって問題の解決を遅らせるということを、茂木さん、ちょっとここは認めてください。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 答弁については今まで以上に正確を期したいと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 安心しました。  総理がお困りになると、いつもぱっと出てきて断定するんですよ。あるいはいろんな答弁を繰り返すんだけれども、この問題は、そういう国会答弁をしているとかえって国民の皆さんの不信を高めますよ。そのことだけは申し上げておきたいと思います。  その上で総理にお願いしたいんですが、大気や土壌や海洋等の放射線量のモニタリングについてですね。これは僕は、国もしっかり関与してモニタリングをして、その結果を発表して信頼性を高めるべきだと思っているんですが、総理、いかがでございましょうか。総理に是非お答えいただきたいんですが。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) まず、原子力規制委員会田中委員長。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) ただいま御指摘の、いわゆる環境に放出された放射能のモニタリングについては、これは極めて国民にとっても大事なことですので、政府全体の司令機能としては我が原子力規制委員会が担っているところでございます。  その上で、この事故に由来する放射能に関しては、政府で定めた総合モニタリング計画に沿って、国、福島県、東京電力等の関係機関が連携して、大気、土壌、海洋等のモニタリングを実施しております。それらの結果につきましては、私どもの方で取りまとめて、ホームページで随時見られるように、評価結果の解析も含めて一元的に公表しております。  ちなみに、外国に関しての公表も大事ですので、IAEA、あるいは外国特派員協会の方に投げ込みというような形で、できるだけ広く海外にも発信するように努めさせていただいておるところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 委員長にもう一回お伺いしたいんですが、衆議院での御発言で、韓国や東南アジア等の関係各国も参加する形でこれから行っていく方向だと言っておられましたけど、そういうことでいいですか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 先日、IAEAの総会で天野事務局長からの御提案もありまして、積極的にIAEAを中心とした国際的な枠組みでこういったモニタリングの方法、それから検証についても協力しましょうということで合意させていただきました。  先日、事務局長がおいでになったときにも更にそのことを確認して、いわゆる韓国とかそういった近隣諸国のメンバーもIAEAのメンバーとして入るということについても前向きに検討していただいて、IAEAと日本政府が一緒になってモニタリングを進めようということになっております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、結局私が申し上げたいのは、これ、韓国とかほかの国もかかわってモニタリングして公表するという方向に今なりつつあるんで、やっぱりこれ日本の政府としてもかかわっていないと、あれこれ針小棒大に言われても困る部分もあって、やっぱり国もコミットして対応するべきだというのが私の意見なんですが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、田中委員長がお答えをしたわけでありますが、規制委員会としては純粋に科学的な見地から我々に所見を述べていただいておりますが、基本的に政府全体としてもこうした問題について諸外国とも協力をしながら英知を集めて対応していくことが大切でしょうし、そしてまた様々な我々が公表している数値について信頼性を高めていく努力もしていかなければいけないと、このように考えております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 環境大臣の答弁必要ですか。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 お願いします。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま田中委員長、総理からお話ししたとおり、総合モニタリング計画は政府の責任において作っております。そして、それを今総理がおっしゃられたように、より客観的に多くの方々がこれは正しいんだと思っていただけるような形にするように鋭意努力をさせていただきたいと考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。  その上で、この原発問題も含めて我が国のエネルギー政策をこれからしっかり再構築をしていかなきゃいけないんですが、総理にお伺いしますが、電力システムに関する改革方針の今の政府・与党の内容と、新しいエネルギー基本計画、年末に出されるというふうに承っておりますが、これについて是非状況を聞かせてください。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 電力システムの改革、三・一一以降の新たなエネルギー制約に直面する我が国にとって待ったなしの改革であると、このように進めております。  六十年間続いてきた地域独占の体制を変えていくと。そこの中で、一つは広域系統運用の拡大、電力自由化の推進、そして送配電部門の一層の中立性、独立性の確保、こういった観点からスケジュールをしっかりと立てて改革を進めていきたいと、このように考えております。  また、中長期のエネルギー政策の基本となりますエネルギー基本計画につきましては、現在、特に安定供給、そしてコスト低減、これに重点を置きまして、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会において議論を進めておりまして、年内の取りまとめを目指しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 皆様のお手元の資料の二枚目が、今パネルでここに立てさせていただきましたが、これは私ども民主党政権下の去年の日本再生戦略、福島の再生なくして日本の再生なしと。その上で、全てのリソースを投入して、国家プロジェクトとして新しい技術開発もするし、原発からグリーンへ、グリーン成長戦略を最重要課題として位置付けると。この私たちの考え方についての総理のお考えを是非聞かせていただきたいんですが、いかがでしょうか。決して悪いことは言っていないと思うんですけれども。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今これをさっと拝見させていただいたわけでございますが、基本的に、ここに、このページに書かれているところについては我々も基本的にはかなり共感できるところがあると、このように思っているところでございます。  いずれにせよ、エネルギー政策においては責任ある我々は、エネルギー政策を構築をしていく責任を感じているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 三枚目は、今度、政権交代してからの今の皆さんのこれが方針なんです。  四月二日の電力システムに関する改革方針でゼロベースで見直すと書いているんですが、茂木さん、これは要するに我々の去年のこの計画は一回白紙になったという理解でいいですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 大切な部分について、全く全部を否定するわけではありませんが、基本的にはゼロベースで見直すことといたしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうすると、現状は、皆さんが今度は日本再興戦略を出して、そこに赤字のように、今後、方向性を明らかにすると書いてありますが、これは年内に、最後、新しいエネルギー基本計画が出るということでよろしいですね。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 年内に出させていただきます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 本論に入る前に、総理にちょっと、この皆さんの日本再興戦略ですけど、このジャパン・イズ・バックというのはどういう意味でしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば海外に対するメッセージでありまして、日本の経済が低迷している中において、日本の存在感が低下をしていたことは事実であります。例えばアーミテージ・レポートの中においては、日本は一流国となるということを諦めたのかどうかという問いかけもあったわけでありまして、まさにそういう国際社会からの不安、期待に対するこれは答えでありまして、日本は決してそんなことではないですよと、しっかりと一流国として世界に対して責任を果たしていくし、強い経済を取り戻して国際平和、安定にも貢献をしていく、経済の、世界の成長にも貢献していきますよという意思を込めたものであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そのお考えと意思には全然反対ないんですけど、ジャパン・イズ・バックって、英語の得意な山本さん、これどういうふうに訳しますか。

山本一太自由民主党内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)

○国務大臣(山本一太君) 英語は得意じゃないんですけど、大塚さんほど。  総理のおっしゃった趣旨を世界に理解してもらうためには、非常に私はクリスピーでいい表現だと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 まあ別にこんなところでごちゃごちゃ申し上げるつもりはありませんが、もう少しいい表現があったんじゃないかと思いますよ。  その上で、総理、この日本再興戦略ってここに持ってきているんですけれども、これは私たちの日本再生戦略、こっちが皆さんの日本再興戦略、この日本再興戦略の中に福島という言葉は何回出てきているか御存じですか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 失礼。最後のところをちょっと。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 この日本再興戦略という、自民党、政府・与党の皆さんのこの今の計画の中に福島という言葉は何回出てきていますか。  一つも出てきていないんですよ、ゼロです。何を申し上げたいかといったら、日本再興と言う以上、私たちは福島の再生なくして日本の再生なしと申し上げていたんですが、驚くべきことに一言も出てきていないんですよ。どう思われますか、総理、これ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、施政方針演説の中においても所信表明演説の中でもはっきりと申し上げておりますが、福島の再生なくして日本の復興なし、これが基本であります。  そして、この日本再興戦略については、もちろんそのためにも強い日本を取り戻さなければならないという戦略について記述をしたものであると、このように理解をしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ここで強弁しちゃ駄目なんですよ。それは気が付かなかったと、福島のことを次は、次の新しいエネルギー基本計画のときには十分念頭に置いて、福島のこともちゃんと書き記しますというふうにおっしゃるのが心ある答弁だと思いますよ。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が答弁したとおりであります。(発言する者あり)

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 こちらから被災地という単語はって聞きましたので。被災地もゼロです。被災地という言葉も一言も出てきません。  とにかく、是非、年末のエネルギー基本計画をお立てになるときには、あの深刻な事故があっての現状であるということを踏まえて是非文章もお考えいただきたいと思います。いかがですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) エネルギー先進国を目指すと。当然、福島においても様々な試みを行っていきたい。洋上風力であったり、世界初めての実験もしっかり行っております。そういったことも念頭に入れながら、基本計画立てていきたいと考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非よろしくお願いいたします。  それでは次に、マクロ経済政策について、最後、残された時間で議論したいと思います。  皆さんのお手元の四枚目のグラフが、これ、アベノミクスの第二の矢、財政についてのグラフであります。財政赤字がここまで深刻になっているというグラフですが、甘利大臣、この真ん中は一九四五年なんですけれども、財政赤字の対GDP比のこのグラフについて、是非感想をちょっと聞かせていただきたいんですが。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 日本の国、地方を含めて、今の財政状況というのは歴史的にもあるいは国際的比較で見ても相当に厳しい状況というふうに理解をしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理でも甘利大臣でも結構なんですが、一九四五年のところで対GDP比が大変低くなっているのは、これ理由は何でしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) ちょっとまだ検証したことがありません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これは、政府が国債の償還を断念したことと、インフレによって比率が下がったんです。こういう理解でよろしいですか。  今日、日銀総裁おいでいただいていますが、ちょっと総裁、こういう見解でいいかどうか、教えてください。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) そのグラフをまだ見ておりませんが、委員おっしゃるとおり、戦後、政府債務残高のGDP比が減った要因の一つは、インフレによって言わば減ったということは言われております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そういう状況で、現状はこのグラフの一番右側のような状況なんですが、総理に、今後の財政運営に対する基本認識、財政健全化に向けた取組姿勢をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、経済成長と財政健全化、この二つを両立をさせる道には今の道しかないと、こう確信をしているところでありますが、財政を健全化していくためには、もちろん無駄をしっかりと省いていく、無駄な歳出を減らしていくということは当然のことでありますが、と同時に、しっかりと税収増を目指していくためには、デフレから脱却をして、名目GDPをこれは増やしていかなければならないと、このように考えております。  と同時に、伸びていく社会保障費に対応するために、これは自公民で合意をして、消費税を五%から八%、そしてさらには八%から一〇%ということになっていくわけでありますが、この度は五%から八%に引き上げていく決断をしたわけでございますが、いずれにせよ、基礎的財政収支を一〇年に比べて一五年に半減をして、二〇年に黒字化を目指していくという目標に向けてしっかりと責任を果たしていきたいと考えておるところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それでは、第一の矢について最後の質問をしたいと思うんですが、今、皆さんのお手元のグラフが御覧いただいたとおりです。  日銀総裁、異次元緩和の現状と効果について御説明ください。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 私どもは、量的・質的金融緩和は所期の効果を着実に発揮してきているというふうに見ております。金融市場では、株価が上昇している一方で、長期金利は安定的に推移しております。この間、予想物価上昇率は全体として上昇していると見られておりますので実質金利が下がってきていると、これが民間需要を刺激しているということだと思います。その結果、実体経済面では、企業あるいは家計で、いわゆる所得から支出へという前向きの循環メカニズムが次第に働き始めてきているというふうに見ておりまして、我が国経済は緩やかに回復していると思います。  物価面では、消費者物価、いわゆる除く生鮮食品の対前年比が六月にプラスに転じて、八月には御承知のように〇・八%にプラスが拡大しているということでございまして、全体として所期の効果を発揮しており、二%の物価安定目標に向けて徐々に前進していっているというふうに見ております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 御覧いただいているグラフは、青いのがマネタリーベースで、赤いのが株価なんですけれども、株価は、麻生大臣御承知のとおり、ずっと下がってきているんですが、日銀総裁、恐縮ですが、このバブル崩壊以降、株価のピークは四回あったんですが、景気循環に併せて、このピークについて順番に数字を是非教えていただけませんか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) このグラフに示されておりますピークといたしましては、一九八九年の十二月二十九日が日経平均株価で三万八千九百十六円、一九九一年三月十八日が二万七千百四十七円、一九九六年六月二十六日が二万二千六百六十七円、二〇〇〇年四月十二日が二万八百三十三円、二〇〇七年七月九日が一万八千二百六十二円、二〇一三年五月二十二日が一万五千六百二十七円となっております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 総理、総理が前に総理だったときに株価のピークが一回あるんですけれども、そのときはなぜこれが発生したとお考えですか、そのときの総理として。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が総理のときには、あのときは、為替については百二十円近かったわけでありますが、当時は企業の収益が非常に上がっておりました。企業収益が非常に改善をしていく中において、それが市場においても反映されたものではないか。そして、為替については、先ほど申し上げましたように、百円近傍から百二十円近くまで上がっていったのではないかと、その中で一万四千円から一万八千円だったですかね、に株価は上昇していったということではないかと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その背景には、このマネタリーベースの青い線が膨らんでいる、日銀の財務省と一緒になった非不胎化介入があったわけですよ。どうして、前の総理のときにこれを急に、青い線を下げるようなことを容認されたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この二〇〇六年のときでありますけれども、二〇〇六年のときに量的緩和についてを、これを変更したわけで、当時、福井総裁のときだったと思いますが、それは私が総理になる前の官房長官の時代でありますが、そのとき言わば緩和をやめたということになるわけでありますが、そのときに政府としては、政府としては緩和をやめるのは、量的緩和をやめるのはまだ早いということについては申し上げておりました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう結論だけ申し上げますけれども、そのときの状況を我々はよく理解しておりますので、そのときのマネタリーベースの傾向線に合わせるように我々の政権下でもマネタリーベースをぐっと上げてきたわけです。だから、今そのトレンドに戻りつつあった中で、今総理と黒田さんがおやりになろうとしていることは、これを一番右の破線のように二百七十兆まで拡大するということをやろうとしておられるんですが、このことについて、日銀総裁としてこれは尋常なことかどうかということを最後お答えください。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 委員御承知のとおり、またこのグラフでも示されておりますとおり、マネタリーベースとして非常に大きく伸びていくということは事実でございますので、私どもといたしましても、この量的・質的金融緩和というのは言わば異次元の金融緩和であるというふうに認識しております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 是非、この財政も金融ももう限界に来ているということをよく御理解いただいて、第三の矢、しっかりやってください。  以上、質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、増子輝彦君の質疑を行います。増子輝彦君。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 おはようございます。民主党・新緑風会の増子輝彦でございます。  規制委員長はもう、田中委員長はもうお帰りですかね、時間なくて。大丈夫ですか、あと五分くらい大丈夫ですか。はい、分かりました、済みません。  総理、真紅のネクタイが映えますね。決意のほどを今日は感じておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  実は九月十三日に、私ども民主党の原子力対策本部で会議を開きました。そのときに、総理がIOC総会の中で申し上げたアンダーコントロール、〇・三平方キロメートルの中でブロックされているということについて、私から東電の山下フェローあるいは経産省、規制庁の方々に改めてお尋ねをさせていただきました。三人が三人ともコントロールされていないと、今そのために最大限の努力をしているんだという話をされておりました。しかし、なぜかその夜、東電のホームページにはコントロールされているという話が掲載されました。総理もその後、コントロールされているんだと、〇・三平方キロメートルの湾岸の中でブロックされているんだというふうにお話をされています。  私は、総理、総理大変ゴルフがお好きですよね。この夏休み、随分ゴルフをやられました。私は福島の震災が起きてから、五年間ゴルフを封印をして好きなゴルフがやれないというか、自分の決意を持っています。それはどうでもいいんです。総理がショットを打った、周りの人はみんな気を遣ってナイスショットと言う、ところが自分の本当の弾道はそれほどナイスショットではないけど、周りはナイスショットと言う、こういう実は往々にしてずれがありますよね、様々な問題が。  そういう中で、今、福島県民のほぼ一〇〇%、国民の皆さんの八〇%近くはコントロールされていないと思っているんです。総理、総理が、コントロールされている、もちろん政府の皆さんもそう言わざるを得ない状況の中、どうなんでしょう、ここのずれ、なぜこの意識のずれというか、思いの違いが出るんでしょうか。本当にブロックされているという状況が、コントロールされているという状況があるならば、国民の皆さんのほとんどが、ああ、総理の言うことは信頼できるな、総理の言っていることは間違いないなと、そんな実は気持ちになっていかなければ私はいけないと思うんです。  国民の皆さん、特に福島県の皆さん、私はもう本当に申し訳なく思っているんです。あの三・一一以降、いまだ二百万県民の皆さんが厳しい生活を強いられている、いまだ十五万人近くの方々が県内外で避難生活を強いられている。特に私が心配しているのは子供なんです。一万八千人の子供がまだ県外から戻ってこれない。  総理は先日、所信表明の中で、福島からの一通の手紙を披露されました。しかし、私もいろんな手紙をもらい、直接県民の皆さんと話をしていると、いろんな話が出てまいります。ふるさとって何だろうと。総理のふるさとは山口ですよね。福島県の子供たちのふるさと、子供たちは何と思うかというと、ふるさととは自分の居場所、そして必ず戻れる場所という、そういうふるさとの思いを福島県の子供たちは持っているんです。  総理、この国民と総理のずれはどこから生じているんでしょうか。このずれをどう修正していくのか、これが私は政治だと思うんですが、そのことについての総理の御認識をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 気持ちにおいて全く私はずれていないと、このように思います。まずそのことをはっきりと申し上げておきたいと思います。  その上において、今、増子委員はコントロールされているという意味について御質問されたんだろうと、こう思うわけでありますが、これは私は、ブエノスアイレスにおいて、コントロールされている、これは状況がコントロールされているという形で申し上げた、シチュエーション・イズ・アンダー・コントロールと、このように申し上げたわけでありますが、それはつまり、私は行政の最高責任者として状況を把握をしていて、それに対する対処を行っているということで申し上げたわけであります。  そして、今委員がお話しになったように、いまだに多くの方々が、二十九万人の方々が避難生活を余儀なくされている、被災地においてですね、そして福島においても戻りたいけど戻れないという状況が続いている。大変私はその皆様の気持ちを思うと胸が締め付けられる思いであります。  一日も早い帰還に向けて我々も努力をしなければならないと、こう思っているところでございますが、同時に、なぜ私がそのように申し上げたかといえば、例えば漁業者の方々は、福島の漁業者の皆さんは、先般も相馬に行ってきたところでありますが、事実と異なる風評被害に苦しんでいるのも事実であります。その風評被害を払拭してもらいたい、そういう希望があるのも事実でありまして、その中においてファクトを示していくことも大切であります。(発言する者あり)今、後ろから何言っているんだという声がありましたが、実際それによって苦しんでいる方がいるのは事実なんですよ。  その中において、私は、福島第一原発では貯水タンクからの汚染水漏えいなどの個々の事象は確かに発生しているのは事実であります。ですから、それは個々の人たちによって、コントロールという意味において、言わば最前線で個々の事象に対処している人たちにとっては、それは様々な事象が起こってきているということに対する認識を示したということもあるでしょう。  しかし同時に、福島近海での放射性物質の影響は、発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルにおいてこれは完全にブロックされているわけでありまして、また外洋においても、福島県沖を含む広いエリアでしっかりモニタリングをしておりまして、基準値をはるかに下回る値であるわけであります。  そういうことを含めて、私は、状況はコントロールされていると、このように申し上げたところであります。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 田中委員長が会議で退室されますので、お伺いしたいと思います。  委員長、今の状況の中で、状況は、総理はブロックされていると言いますが、本当にこの福島原発、ブロックされ、コントロールされているんでしょうか。お答え願いたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 私の立場から首相の発言にコメントする立場にはないと思いますけれども、港湾外の、先ほども申し上げましたけれども、港湾の外の外洋でのモニタリング、海水、それからその周辺を泳いでいる魚ですね、そういったものについては、基準を上回るような、はるかに下の状況になっております。  事故当初は一部の底魚には汚染が見られましたけれども、最近はそれもほとんどなくなっておりますので、そのことによって漁業者の方が漁業を再開されたということを私としては安堵しているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 委員長、もうちょっと端的に答えてください。  コントロールされているというふうにお考えですか。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) コントロールするということについては、先ほど総理もお答えになっていましたけれども、様々な理解があると思いますが、私どもの立場としては、環境への影響はきちっとコントロールを今のところはされているというふうに思っています。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 委員長、台風二十五号の雨水の堰からあふれましたよね。あれ、海へ放出していますよね。あの海に放出されたものは完全に基準値を超えているという報道がされていますが、事実でしょうか。お答えください。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 基本的には、雨水は測定をして放出しているわけですが、今回の豪雨の中で一部ストロンチウム等が少しオーバーしたということを伺っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 委員長、それはコントロールされているという状況にあると委員長は判断されるんですか。それともやはり、オーバーしている、しかし状況はコントロールされている、これ、よく分かりません。国民が納得できるようにお答えいただきたいと思います。そのために田中委員長に御就任いただいたんですから。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 事業者は最大限努力をしていただくように私どもの方も申し上げておりまして、基本的にはコントロールされていると思いますが、今回のような突然の大雨が降ったところで、ほんの少しです、オーバーしたところがあったというふうに聞いております。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 田中委員長のこういう答弁では……

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。お静かに。ちょっとお待ちを。  お静かに願います。お静かに願います。お静かに願います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 田中委員長の今の答弁ではちょっと私、これ以上質問できなくなりますね。だって、コントロールされているという断言できないんでしょう。時間的、瞬間的には状況はコントロールされているけれども、今回の堰から水があふれたような場合のいわゆる安全基準値をはるかにオーバーしているときはコントロールされていないんじゃないんですか。そこのところを明確にしてください。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 茂木敏充経済産業大臣。(発言する者あり)

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 状況を整理させていただきます。委員長に御指名いただきました。状況を整理させていただきます。  総理がブエノスアイレスで明確にお答えになったのは、ザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロールと。ザ・シチュエーションですから、全体の状況になるわけであります。ただ、個々の事象は発生しております。別に、イーチ・マター・イズ・ソルブドとかノー・インシデント・ハップンズとか、そんなことは全く言っていないんです。だから、個々の事象は発生をしております。そして、個々の事象を制御するための対応を取っておりまして、全体の状況は制御をされている、アンダーコントロールと、そして汚染水の影響はブロックをされていると。汚染水がないと、こういうことを申し上げているんじゃなくて、影響につきましてもモニタリング結果等々の客観的なデータからブロックされていると、このように申し上げております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 増子さん、田中さんに質問ですか。  それでは、田中俊一原子力規制委員会委員長。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 今、茂木大臣が申し上げたとおりだと思います。  基本的にはコントロール、完全にコントロールできるように今努力しております。ただし、今の福島第一原子力発電所の状況というのは、やはり通常の原子炉とは違いますので、それと同じ基準を持ち込むということについては、今、原子炉規制法の中でも特定原子力施設として指定して、様々な対応を試みておるところでございます。ですから、汚染水につきましても、基本的には今のところ環境に対してはきちっとコントロールされていると、コントロールしているというふうに私は理解しております。  これ以上のことにならないように、できるだけの、可能な限りの努力を今事業者にも求めているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 今の話によりますと、やっぱり国民の皆さんが聞いたら、コントロールされていないと思っていますよね。そんなお答えでは誰も納得しないと思います。  コントロールされているというのは、持続的にもうそういう心配はほとんどなくなったと、当然、汚染水だけの問題じゃなくて、あの一F全体の状況がコントロールされているという状況にならなきゃいけないんです。これは後で質問しますけれども。  委員長、第三者委員会ですよ。茂木大臣の答弁がどうのこうのじゃないんです。あなたの委員長としての知見、見識、良心、その基づいた、はっきりと、今の時点ではコントロールされていない、コントロールされている状況もあったかもしれない、今後についてはもっと大変なことが起きる、何かもう一つお答えください。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 増子議員御指摘のように、これまでも電源のトラブルの問題とか次々といろんなことが起こります。今後、福島第一原子力発電所の始末には数十年掛かると言われています。これから使用済燃料の取り出しもありますし、溶けた燃料の取り出しもございます。そういったことで、どういったことが起こるかということを前もって全てを予測することは大変難しいところがありますが、私どもの役割としては、そういったことが環境に大きな影響を与えないようにすると、できるだけそういった知見を集めてそういう対策を練っていくということを努めていくというのが役割だと思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 田中委員長はこの後会議があるんでもう一問だけ、これは後でしようと思いましたけれども。  先般、IAEAの専門調査団が来て、先ほどのいろんな、大塚さんが質問したこともありました。一ミリシーベルト、追加線量、これも実は安心基準、安全基準ではないか、それでもいいんではないかというような話をされて帰ったといいます。  これは実は、復興大臣にも復興特別委員会でいろいろ質問してまだ回答が正確に出てきていませんが、この一ミリシーベルトという基準に政府が戻すことについてどういう見解をお持ちになっているか、お答えいただきたいと思います。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○政府特別補佐人(田中俊一君) 先日の、先日というか、昨日、一昨日、IAEAの方からの報告を拝見しますと、基本的には、今、私どもが取っているいわゆる除染の対策あるいは被曝管理についての方針について御同意いただいたものと思っております。今、年間一から二十ミリのところについては、当面はそういう状況の中で生活するということについては国際的に見ても特に問題はなかろうと。長期的に一ミリシーベルトを目指して努力をするということについても、これもサポートしていただいたものというふうに理解しております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 田中委員長、どうぞ、お帰りいただいて結構でございます。ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ちょっとよろしいですか、増子委員、退席しての許可は予算委員長のことでございますので。  それでは、田中原子力規制委員会委員長につきましては、御退席いただいて結構でございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 東電の廣瀬社長にお伺いをいたしたいと思います。パネルをちょっと出していただけます。(資料提示)  これからの汚染水の実は推測の図がここに掲げてございます。発災以来のずっと、予測を含めて、将来の予測が入っています。  廣瀬さん、このままでいくとタンク、当然間に合いませんよね。今後どのぐらいのタンクを造っていくのか、お願いします。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 今、最大の問題は、地下水が建物の中に一日当たり約四百トン流れ込んでいるというところでございます。したがいまして、これがずっと続いてしまいますと、一日当たり四百トン以上のタンクを造り続けていかなければいけないということになります。現在、私どもの敷地として八十万トン程度まで、今四十万、四十一万トンぐらいのタンクがありますが、倍ぐらいの量をこれから造っていけるという土地の確保を今行っているところでございます。  一方で、この四百トンを減らすというもう一つの取組がございます。これは、地下水バイパスに始まって、サブドレーンからの水抜き、それと陸側の凍土壁という今三本立てを考えておりますので、これによりまして、仮に四百トンが例えば限りなくゼロに近づけられればそれ以上は増えなくなりますので、状況としては一定のところで止まります。したがって、そこの段階までに何とか持っていきたいというふうに思っているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 お手元に、福島第一原発のいわゆる総理のIOC総会以降の発言の後のトラブルがこれだけ起きています。これから完全にブロックしてコントロールしていただかなきゃなりませんけれども、止まるとしても、私は止まらないと思っているんですが、今汚染水が入っているタンクも新しいものに造り替えなければなりませんよね。そうすると、敷地は当然足りなくなると思うんです。その敷地のめどはどういうふうになっていますか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 現在のところ八十万トン分の敷地を確保できておると考えておりますが、先ほどの繰り返しになりますけれども、四百トンを減らしていくことによってどこかの段階で八十万トンまで達する前にできれば止まりますので、そうしますとタンクのリプレースということだけになります。タンクを増設し続けていくという必要がなくなりますので、何とかそこに持っていきたいと思っております。  したがって、ある程度のところでその増量が減らすことができれば、後はそのタンクの寿命等々を考えて、今ボルトで留めておりますフランジ型のタンクにつきましては漏えいの可能性が高いということで溶接型に替えておきますけれども、そうしたことも含めて、タンクの方のリプレースというのはまたタンクのリプレースで考えていかなければいけないと思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 そうしますと、八十万トンまでいわゆる今汚染水の入っているタンクも含めて移し替えるときどのぐらいのタンクが必要になるか、お答えください。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) ですから、その水の増える量に、すぐれてそれによると思っております。先生のお示しになったグラフでも、八十万トンまで達するのにはあと二年幾つございます。その間に、何とかそのカーブを極力平らにしていくということだと思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 それでは、ちょっと視点を変えますが、今、一から四までのいわゆる事故に遭った炉の瓦れきが置いてありますね。どこに置いてあるんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 瓦れきは敷地内に置いております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 それはどこの立地町の敷地になりますか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 瓦れきは現在六・五万立米容量がございます。それは、材質が、もちろん金属であるとかあるいは木材であるとかといった材質がいろいろございます。また、汚染の濃度もいろいろまちまちでございます。したがって、それを材質あるいはその汚染度によってできるだけ分別をして、分別によってその保管の方法が変わってまいります。  したがって、そうしたことで敷地の中で適所の場所を見付けて、そこの汚染度に応じて、あるいはかさに応じてつくっていくということになっております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 分別すると言いますが、これから更に廃炉に向けていけば高レベル出てきますよね。その分別したものの瓦れき、どこに、そこに置けるんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 例えば、固くて濃度の濃い、高いものというものであれば、またそれはそれでそうした、それに適して、環境に影響が与えないような形にしてそこに保管するという必要がございますので、まさにそれは一つ一つ材質と汚染度に応じて場所をつくっていくということになると思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 高レベルのものをそんなに簡単に置けるんですか。  先ほどどこの立地町の敷地に置いているかというお尋ねしましたが、二つ答えてください。高レベルをどういうふうに処理するのか、そしてどこの町村の敷地に今置いてあるのか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 高レベルの場合は、土の中に、土の遮蔽というのはかなり効果がございますので、土の中に置いて土を上からかぶせるというような方法が考えられております。  また、場所につきましては、立地しております双葉町と大熊町にまたがってそれぞれ置いてございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 そんな高レベルのものを、地下に埋めておけばいいと言うけれども、それでいいんですか。それで両町の了解は得られるんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 立地していただいております立地町とは安全協定等々の協定がございますので、その協定に基づいて御了解をいただいて造らせていただくということになると思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 高レベルは入っているんですか。安全協定の中に高レベル廃棄物は入っているんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) はい。一つ一つ協議をさせていただいて御了解を取るということになってまいると思っております。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) もう一度質問してください、分かりやすく。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 一つ一つ協議をしているんではなくて、既に安全協定を結んでいる中に高レベル廃棄物の地層処分、何メートルにするか分かりませんが、そのことは入っているんですかとお聞きしているんです。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 協定では、事前連絡事項として、中長期ロードマップに基づく取組として、敷地利用の変更、設備等の設置を行うときにそうした連絡事項を協議をしてくださいということになっておりますので、それに基づいてやっております。  先生御指摘の高レベルというのは、これまでの概念ですと使用済燃料のことになりますので、使用済燃料をこの中に今置くということは考えてございません。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 ちょっと違うんじゃないですか。  いずれにしても、私が聞いている限り、双葉町ではこのことについては全く合意をすることにはならないと、そういうふうに今言っていますが、自信ありますか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) これはもう、私ども丁寧に御説明をさせていただいて御了解をいただく、そしてそのための努力を続けるということだというふうに考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 総理、ここが大事なんですよ。これからどんどんどんどん汚染水が出てくる。タンクがどんどん造らなければいけない。あの敷地で足りなくなるんです。そうすると、今ある瓦れきがどこかへ撤去しなければいけない。新たな瓦れきが出てくる。高レベル廃棄物も出てくる。そうすると、どうするんですか、これ。こういう状況も含めて総合的にコントロールされていなければ、コントロールされていないと思うんです。  双葉町の皆さん、もう二年七か月帰っていないんです。そして、今度またこんなことを押し付けられる。今のこの地域住民の皆さんの現状を含めて、総理、先ほどもちょっと話がありましたが、今のこの福島の現状をどういうふうにお考えになっていますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この福島第一原発における汚染水問題は、我々が政権を取ってから、この問題というのは突然安倍政権になって起こったわけではなくて、これは民主党政権二年間、増子委員も経産大臣として取り組んでおられましたね。ですから私は……(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はこの問題についてはまさにオールジャパンで取り組んでいきたいと言っているんですよ。今、私が一言言っただけで、何も今、民主党の対策、対応について批判をしている……(発言する者あり)私は一言も今批判はしていませんよ、小川さん。何か……

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 後ろめたいからそういうふうに言っているんですか。これは、私はそれで言っているわけではないわけでありまして。  そこで、福島第一原発における汚染水問題は、東京電力のみに任せるのではなく、国が前面に出て全体の工程管理などを行うとともに、技術的難易度が高い、汚染水問題解決のボトルネックとなっている事業について予備費を活用して取り組んでいるところであります。まさに、我々が政権を取ってから国が前面に出ることを判断をしたわけでございます。ここのところは申し上げておきたいと思います。  具体的には、先般決定した汚染水問題に関する基本方針に基づき、地下水を汚染源に近づけない、そして汚染源を取り除く、汚染水を漏らさないというこの三つの基本方針の下、国として対策を実施をしているわけであります。この基本方針において、タンクからの漏えいリスクを減らすため、溶接型タンクの増設を最大限加速化をし、全てのボルト締めタンクのリプレースを行うことを決定をしています。また、他の作業との兼ね合いも考慮しながら敷地内の瓦れき撤去作業を鋭意進めているわけでありまして、その際発生する金属やコンクリートを線量に応じて適正に保管をしているわけであります。  東電はタンクの増設や瓦れきの保管が適切に行われていることについて地元に説明をすることとしておりますが、国としても丁寧に説明をしながら理解を得る努力をしていきたいと、このように考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 是非、私たちは一日も早い原発の収束を望んでいます。もちろん、民主党政権に起きた事故ですから我々にも当然責任はあります。これはもう超党派でやっていかなければなりませんので、できるだけ協力もしていきたいと思います。  ただ、やはり総理、先ほど大塚さんもおっしゃったように透明性を、信頼性を確保しなければいけない。是非そこのところを考えながら今後ともしっかりとやっていただかなきゃ、我々はこの問題についてまだコントロールされているという状況ではないと思っていますし、されていませんので、総理には覚悟を持って当たっていただきたいと思っています。  総理、次に高レベル廃棄物処分、先ほどお話が出ましたけれども、このことについてお伺いしたいと思いますが、今、日本では全くこの問題について手が着きません。高レベル廃棄物の処分問題についてはどういうふうにお考えになっていますか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 委員も御案内のとおり、現在、一万七千トンの使用済燃料、これを保管中でありまして、既に再処理された分も合わせるとガラス固化体にしまして二万五千本相当と、こういう高レベル放射性廃棄物があるわけでありまして、この問題につきまして、次の世代まで先送りできないと考えているところであります。  もちろん、これは日本だけではなくて世界各国におきまして大きな課題になっております。十年間処分地が決まってこなかったと、この原因も今検討中でありまして、現時点で最も有望とされる地層処分の技術の信頼性をいかに高めていくかと、さらには、将来また技術が進んでくる可能性があります。将来世代が最良の処分方法を常に選択できるように、可逆性、回収可能性を担保する処分方法の見直し等々につきまして検討を進めているところでありまして、国がより前面に立って必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 小泉元総理がオンカロに行かれた後何か心境の変化があったようでありますけれども、当然、この問題はトイレなきマンションと言われる原発のこの廃棄物の問題の中で極めて重要だと思います。トイレなきマンションを造っている、これ日本だけではなくて世界中なんです。  総理、一度オンカロかエスポ岩盤研究所へ行かれる予定はありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この高レベル放射性廃棄物の最終処分については世界共通の課題でありまして、我が国においても、処分制度を創設して以降十年以上経過を経た現在も処分地選定調査に着手できていない状況であります。これまで立地選定が進んでいない背景には、地層処分の安全性について十分な信頼が得られていないことなどの問題があったと考えております。  このような観点も含めて、本年五月から経済産業大臣の下で最終処分の進め方の見直しを開始をしているところであり、国として最終処分へ向けた取組の強化を責任を持って検討していきたいと考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 この高レベル廃棄物の処分の問題について関連するのは、東京電力の四号機に入っている使用済燃料棒の取り出しなんですね。これらについて総理はどういう見解をお持ちになっていますか、取り出しについての。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) この廃炉に向けてのロードマップ、私、今年の一月に実際に第一原発視察して、恐らく大臣としては初めて建屋の中に入ったと思います。見る中で、それぞれの号機によって置かれている状況が違う、それに合ったロードマップを作ることによって少しでも早くこの廃炉作業を進めていきたいと思っております。  四号機、比較的安定している部分がございます。ここの燃料プールから使用済核燃料を取り出すと。  八月にもう一度行ってまいりました。実際に同じ建屋見てまいりましたけれど、かなり耐震構造もしっかりして、この取り出しに向けた取組進んでおりまして、元々十二月だった計画、一か月前倒しをして十一月から取り出しがスタートできるんではないかなと、こういった準備を進めております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 汚染水と同時に、この四号機の使用済燃料棒の取り出しが極めて重要なんです。  廣瀬さん、これいつまで完了する予定ですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) 四号機の使用済燃料プールから使用済燃料を取り出すことにつきましては、今、茂木大臣がお答えになりましたように、来月からスタートをして来年いっぱいぐらいを掛けて完了する目標でやっております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 それはどこに保管するんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) まずはその燃料をキャスクに入れて、共用プールという、これは共に用いるという共用プールでございますけれども、そこに保管してそこで冷却をし続けるということになります。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 それはいつまでもそこで保管する予定なんですか。

廣瀬直己東京電力株式会社代表執行役社長

○参考人(廣瀬直己君) まだ燃料の形状等々をこれからチェックする必要がございますけれども、まずは共用プールに入れて十分冷やしていくということが必要だと思っております。その先は、これからその全体の再処理計画等々もございますので、そうしたものの中で判断していかなければいけないというふうに思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 総理、ここがすごく大事なんですね。少なくとも、福島県の十基を含めてもう五十四基、日本に原発があります。この高レベル廃棄物をどうしても処分しなければいけない。これをどういうふうにしていくか。  様々なことが言われていますが、総理、この問題についての総理の決意を是非お伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この高レベルの放射性廃棄物の処理について、まさにこれは国際的な課題であるわけでございまして、日本の技術を総結集するとともに、世界の英知を集めてこれを解決をしていきたいと、このように考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 是非これは国を挙げてやらなければいけない課題だと思っています。  次に、原発の輸出についてお伺いしたいと思います。  原発の輸出、総理はトップセールスマンよろしく大変成果を上げているというふうにうたっておられますが、ここには実は幾つかの大きな課題、問題があると思います。  まず、安全確認の在り方についてお伺いしたいと思いますが、この輸出先へどういう形の安全基準を確保していくのか、最大の課題の一つだと思います。是非、断層調査、シビアアクシデント、バックフィットルールなどの厳しい規制を、例えばベトナムに導入することは可能なんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この原発の安全確保は、当該発電所が立地する国が行うことが国際的にも確立した考え方であります。  しかし一方、事故を経験した我が国としては、IAEA等の国際機関と連携をしながら、事故から得られた経験と、そして、今も我々この問題、格闘しているわけでありますが、教訓を世界と共有するとともに、原子力協力を求める原発導入国に対し、制度整備や人材育成の支援、原子力安全関連条約の遵守の要請等を通じて、相手国での原発の安全確保を促してまいります。今委員が例として挙げられましたベトナムにおいても、相手国の要請を踏まえつつ、安全な原発運転が確保されるように人材の育成等の支援を実施していく考えであります。  なお、原発関連資機材の輸出に対して公的信用を供与する場合には、公的信用に用いる信用供与の判断の前提として、公的金融機関からの照会を受けて政府として相手国における安全確保等に関する配慮を確認することとなっております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 今のベトナムの話ですが、ベトナム側と日本政府の安全確認制度が整っていないはずなんですが、この件についてはどういうふうに進めていかれる予定ですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) この点につきましては、総理とベトナム首相との会談、そして私の向こうのエネルギー大臣との会談におきましても、早期にそういった協力関係をつくっていく、同時に、必要となってまいります人材育成についても日本側として最大限協力をしていくということで、今具体的な詰めを行っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 この安全確認制度がきちっとしなければ、万が一事故が起きた場合、一体どうなっていくんでしょう。日本の原発が一番安全だと言いながら、現実に福島での事故が起きました。これはしっかりやっていただかなきゃ原発の輸出なんかするべきでないと思っているんですね。  加えて、原子力損害賠償の問題。これについて、今、日本の原発にトモダチ作戦として協力してきたアメリカの関係者から日本にこの損害の訴訟が提起されていますが、総理、御存じですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 承知をしております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 こういう状況が、今後、万が一、日本が海外に輸出したときに大きな問題と実はなってくるんですね。ですから、この国際的な原子力損害賠償条約に日本が加盟していないということが大きな実は問題になってくるわけであります。  このことについてどういうお考えを持っているのか。これは是非参加すべきじゃないんでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 原子力損害賠償条約の加盟についてですが、効率的でそして安定的な原子力賠償のスキームを国際的に作っていく、このことは大変有意義だと思っておりますし、この加盟についても今前向きに作業を進めているところであります。関係省庁と今調整、検討を続けております。  ただ、この原子力損害賠償条約には国際的に三つの系統が存在いたします。パリ条約、そしてウィーン条約、さらにCSCと言われている系統、この三つの系統が存在いたしまして、被害者の救済ですとか我が国の国内法との整合性を考えますと、CSCと言われている系統が最も有力であるという判断の下に今作業を進めております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 総理、是非、このCSC等にも加盟しながら、条約もしながらやっていかなければ原発の輸出なんか絶対やるべきじゃないし、仮にこういうものがあったとしても、私は、原発の輸出をやって本当に事故が起きたときに日本が責任を持てるのか、このことについてもう一度総理に基本的認識をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 条約に対する考え方は今外務大臣が述べたとおりでありますが、我々、過酷事故を経験をいたしました。今でも様々な課題に取り組んでいるわけでありますが、こうした経験、そして蓄積されたノウハウを、安全に対するこうした考え方をノウハウも含めて、そして技術、世界と共有していくことも我々の責任だと、このように考えているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 是非私は総理には、成長戦略の大きな柱の一つであり、これがアベノミクスの目玉の一つであるというふうに言われておりますが、これは是非私はやるべきではないということをあえて申し上げさせていただきたいと思います。  次に、福島の復興についてお伺いをしたいと思います。  総理、先ほど汚染水の問題等も含めて相馬にも行かれて魚を試食されたという状況をお話しされました。それはそれで大変結構なことだと思います。しかし、やはりいまだ福島県の復興はままならない状況であることはよく御存じだと思います。総理には、せっかく福島に来るんだからもう少し時間を取ってほしい、対話の時間を取ってほしい、そういう声があることもまた事実でありますので、是非、今後についてはもっと時間を取ってしっかりと福島県民との対話をしていただきたいというふうに思っています。  その中で、幾つかの点についてどうしても今日は限られた時間の中でお伺いしなければいけないことがございます。  まずは中間貯蔵施設について、昨日も出ましたけれども、この中間貯蔵施設についてどういう認識を総理はお持ちになっておりますか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 増子委員にお答え申し上げます。  中間貯蔵施設の建設、もう福島県民、私も先日、川内村を訪ねてきたんですが、もう町の方々から除染等々で出たこの廃棄物をしっかりと自分たちの村から持っていってもらいたい、どこの町に行きましても市に行きましても同じお話を伺っております。  そんな中で、楢葉あるいは大熊、ボーリング調査が終了いたしました。そしてもう一つ、福島第一原発のあります双葉町の皆さん方もボーリング調査に御同意をいただきまして、今調査をさせていただいております。この調査結果が、終わりました段階で、話を更に一歩進めるべく、地元の方々と丁寧にお話をさせていただいて、一日も早くこの中間貯蔵施設の建設に着手をさせていただきたい、こんなふうに考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 少し細かい質問になりますが、いつ明確に具体的な案を示す予定になっていますか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども御答弁させていただいたんですが、今現在、双葉町でボーリング調査が行われております。この調査が十一月中には終わるのではないかと思っております。そのことを待ちまして、地元の皆様方と相談しながら、今委員の御指摘になりました中間貯蔵施設の案ですね、こういうものをできるだけ早くこの調査の終了後にお示しできるよう、地元の方々と調整を続けさせていただいております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 この中間貯蔵施設の問題が明らかに示されないことが復興ビジョンの実は妨げになっているんです。これは環境大臣もよく御存じですよね。ですから、造るという前提ではなくて、造るとすればどういうビジョンの中でこれをやり遂げていくのか、極めて重要だと思います。  そういう中で、仮にこの中間貯蔵施設ができるとすれば、立地町への支援策はどのような考え方を持っているんでしょうか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 今、石原環境大臣からもお話がありました中間貯蔵施設については、現在、ボーリング調査等の現地調査を行っているところであります。このため、現段階では立地町への支援策について具体的に議論する段階ではありませんが、ただ、各町の将来的な復興に対する支援策、例えば、インフラ復旧、帰還促進のための新たな復興拠点の開発整備、研究施設など新たな産業、企業の誘致などが考えられると思います。  国としても、関係自治体とよく相談させていただきたいと思います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 これはもう従来から言われていることで、基本的に具体性が余りないということで市町村困っているんですね。  それでは、もう一つお聞きします。帰還できない区域をどういうふうに線引きしていくんでしょうか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 帰還できない区域とは、委員はどういうことをおっしゃっておられるんでしょうか。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 区域再編が行われた結果、今、困難区域ありますね、帰還困難区域が。もしそのところが本当に戻れない可能性が出たとした場合に、そこへ対する支援は何かお考えになっていますかということです。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 今委員おっしゃるように、区域再編見直しをやりました。帰還をできる地域、そして居住制限地域、これは宿泊はできません、そして事故後六年なお帰還が困難な区域、この三つに再編をいたしました。  帰還したい人、帰還をしない人、判断に迷っておられる方、様々な方がおられます。我々、いずれの皆様に対してもきちんと支援をしていきたいと思っておりますので、ここが未来永劫帰還ができませんよと、そういう地域を新たに線引きするつもりはありません。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 線引きをしなくとも、場合によっては戻れない区域が出てくるかもしれないという考え方も持たなければいけないと思うんです、現実に。ですから、そこのところを、中間貯蔵施設を造ると併せて復興ビジョン、これがやっぱり非常に重要な問題になっているんですね。  例えば、万が一そういう地域が出て土地収用された土地があったとした場合、その代替というものは考えているんでしょうか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 万が一というお話ですが、委員の言っておられることがどういうケースを想定しているのか、もう少し具体的にお話をいただければ、それに対する答弁をさせていただきたいと思います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 帰還困難区域が指定されて、これから、様々なことをやったけれども、ひょっとしたら戻れなくなる可能性があると思われる地域が想定されますよね。それぞれの市町村でやはりそういう、特に原発立地地域の皆さんはそういう思いを腹の中では思っているんです。しかし、表には出せない。しかし、そのことがもし現実になったときに我々の生活はどうなるんだろうと不安を抱えているんです。  そういう意味での、万が一そういうものが出た場合にはどういうふうにしていくのか、土地収用というのはあり得るのかどうかということも、是非政府側から答弁をしてほしいという声はたくさんあるんです。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) これから放射線量がどうなっていくのか、あるいはその地域の復興をどう考えていくのか、その地域の将来像、これは描いていかなければならないと思います。  それから、土地収用というのは、自治体あるいは国がある事業をやりたいと思って、そこで売らない方がいた場合に土地収用を掛けるということですから、国が仮に帰還が困難、未来永劫帰還ができない地域ということを想定して土地収用法を発動するということは、その前提の必要性いかんということがありますから、私は、そこは土地収用法の適用ということはないんだと思います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 環境大臣、中間貯蔵施設を造る、このことについて、そういうことは全く考えなくていいということですね。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま全体のことについては復興大臣がお答えいたしましたが、私が関連することで委員の御質問の意味は、多分、中間貯蔵施設を建設するところで、そこに地権者の方がいらっしゃって、それに対してどう対処するのかという質問のように受け取らせていただきましたが、そのときは、これまでの公共用地の取得と同じような補償をしっかりとさせていただいて土地を買わせていただく、こういう形になるんだと思っております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 それは周辺の土地も、バッファー的なものもつくらざるを得なくなってくるんだろうと思うんですね。それも含めてでよろしいんですか。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 今お話をさせていただきましたのは、中間貯蔵施設、すなわち福島県内で出ました放射性の廃棄物、土とか瓦れきとかいろんなものがあると思いますが、それを埋める施設を念頭に今お話をさせていただきましたが、委員の御指摘のとおり、それに付随するもの、例えば木材であれば燃やせばもちろん量は減る、しかし燃やせば放射線濃度は高くなると。こういうものも理解をいただければ、減容化施設を造るということも将来的には起こってくる。そのような附帯施設も土地を買わなければできません。  そういうものをもろもろ併せて、地権者の方がいらっしゃるわけでございますので、その補償の方法はこれまでの公共事業に準じてしっかりしたものをお示しいただいて御理解を得るという形になっていくものと今は考えているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 復興大臣、今環境大臣が答弁されたように、やはり全体的に、復興大臣がよくおっしゃる横串を刺していくということ、まさに賠償、除染、さらに今のような中間貯蔵施設を含めた様々なものを横連携をしていくということが大臣のおっしゃっていることですよね。  今のようなことを含めて、しっかりとその町が再生するための様々なビジョンの支援をしていただかなきゃなりません。その決意をどうぞ。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 私、先ほども申し上げました。委員がおっしゃるように、除染、そして中間貯蔵施設の建設、賠償、復興、これは一体的にやらなければいけないと思います。しかも、除染や原発事故の収束、あるいは賠償、これは復興の大前提ですから、その前提を踏まえて、先ほども申し上げましたように、その地域の将来像を示していく、これが何よりも必要だと思いますので、とにかく私も、いつも頭の中にあるのは復興ですから、常に復興を考えていますから、しっかりと福島の復興に取り組んでいきたいと思いますので、委員の御協力もよろしくお願いをいたします。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 こういう状況の中でもう一つ、これ是非総理にお伺いしたいんですが、先般、総理は復興加速のために用地取得の手続を大幅に短縮するということをされました。半年掛かるものを三週間でと。同じように、今基礎自治体の権限の問題について大きな課題があるんです。  皆さん、双葉、大熊、あるいは浪江、富岡、戻れないんですね。町外コミュニティー的な中で、ほかの自治体の中に実は生活を求めているんです。この中に入ったときに、福祉とか教育とか様々な問題で、実は自治体には何の権限も与えられていないんです。学校をつくりたい、保育所をつくりたい、幼稚園をつくりたい、様々な問題があるんです。このところを、これは是非こういう基礎自治体に対する権限をそれぞれの避難先の自治体の中に認めていただかないと、これから将来、何年戻れるか分からないという状況も想定される中で、極めて重要な実は課題なんです。是非総理にはここのところをしっかりと対応していただきたいと。  この件について、総理の是非決意と見解をお願いしたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) その件につきましては、私どももいろんな情報をいただいております。そして既に、要するに避難をした方々を受け入れている自治体の行政支援に対して必要なものがございます。我々は、特別交付税等で既に措置を始めておりますけれども、いずれにいたしましても自治体と密接な連携を取って、委員の御指摘はこれは極めて重要なことだと思いますから、政府として対応していきたいと、このように考えます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 今、新藤大臣がお答えになりましたけれども、総理、これがなかなかと進まないんですよ。だから、総理が決断すればできることだと思います。総理の決意を。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発事故による長期避難者の方々に対する制度的な対応としては、特例法を制定をして、受入れ自治体が避難元自治体に代わって行政サービスを行うとともに、その費用は国が特別交付税を措置をしているところでありますが、今御指摘のような様々な課題については、この課題についてはまた復興大臣を中心に、地元の皆様、避難をされている方々の皆様のニーズを踏まえながら、何をすべきかということをしっかりと検討していきたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 復興大臣の答弁必要ですか。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 じゃ、聞きましょう。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 今のお話は、町外コミュニティーの問題だと思います。町外コミュニティーについては、我々の政権になって、長期避難者のための拠点形成、コミュニティ復活交付金、これを五百億用意して、災害公営住宅を中心に、福祉や住宅や道路、関連する整備、これもやれるようにしております。  そして、受入れ自治体と親元の自治体と、そして国と県、協議会組織を通じて、そこは今丁寧に議論をして、安心できる環境で生活できるような町外コミュニティー、これをやっております。  それから、委員のお話は住民票の問題だと思いますが、それについては──いいんですか、それは。  そういう形でしっかりと取り組んでまいります。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 もう一つ大事なことは賠償についてなんです。  もう既に二年七か月過ぎました。場合によっては十年、二十年戻れない可能性もあるかもしれないという中で、少なくとも皆さん五年は戻らない宣言、五年戻らない、五年後には必ず戻れるという復興ビジョンをつくりながらやっているんですね。そのときに、実は賠償の問題が極めて重要な課題になっているんです。五年間あるいは十年間、自分の人生設計をどこでどういうふうにしていくんだということ、これは実は中間貯蔵施設の問題にもかかわってくるんですが、この賠償についても極めて深刻な今状況が出ています。いろいろと政府でも対応している割には、これが進まない。  是非この賠償について加速をしていただかないと、それぞれの避難者の皆さんの人生が本当に狂ってしまう。厳しい状況にある中で、この賠償について、是非とも、区域の違いによって差が生じないような形を是非つくってほしいという切実な願いが避難者の皆さんにあります。この賠償を是非指針の中にもっと早く書き込んでいただきたいという要望も含めてあるんです。  是非このことについても総理の決断を望みたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私の方からお答えいたします。  原子力損害賠償紛争審査会では、現在、委員による現地調査等を通じて被災自治体によりいただいた御意見、御要望を踏まえ、審査会が指針として示すべき事項について、住宅の補償や避難指示が長期化した場合の賠償、避難指示解除後の賠償等を中心に議論が行われております。  被災者の早期救済及び被災地の早期復興のためには、東京電力の賠償のみならず政府一体の取組が必要であり、審査会における指針の追加についても、被災地の御意見、御要望を十分に踏まえ検討し、できるだけ早く結論を出していただくように期待し、また政府もバックアップをしていきたいと思います。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 この賠償は、経産大臣、経産省の方で具体的な数字を出しているんですね。このことについて、今どういう状況でしっかりやっているか。また、地域の要望についてそれぞれの要望があると思います。それぞれ地域によって違う中で、例えば今、家屋、土地等を含めてやっていますが、将来的には田畑、山林まで行かなきゃなりません。  これらの問題について、経産大臣の考え方を。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 地域による違いもあります。そして、個々人の御希望、例えば今の大島の台風災害を見ても、昨日辺りのニュースで、消防団の方々が一軒一軒回って、今日、一時地元を離れるかどうかと、こういう確認をされる中で、被災者の方々、残るにしても一時島を離れるにしても、苦渋な選択をされておりました。  福島においても私は同じだと思っておりまして、そういったそれぞれの方に寄り添った賠償を進めていく、迅速な賠償を進めていく、このことが何よりも重要だと思っております。  今、下村大臣の方から、見直しの検討に入っていると、こういう答弁をさせていただきました。それも踏まえまして、必要な見直しにつきましては東電にしっかりと指導してまいりたいと考えております。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 環境大臣、済みません、もう一つ。  最終処分場、この三十年後に造るという、県外にですね、法制化をするということ、この基本方針は変わりありませんね。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 私に今課せられている仕事は、先ほども御答弁をさせていただきましたように、まず中間貯蔵施設の設置に向けて地元の御理解を得られるよう最大限の努力をすると。そして、今委員の御指摘のこの最終処分場の問題、先ほども高レベルの廃棄物のお話で総理との議論を聞かせていただいておりまして、安倍内閣としてもこの問題の解決に向けて全力を傾注する、そういう決意も示されたわけでございますので、この問題も幅広くやはりお話を聞かせていただいて、しっかりと考えていきたいと思っておりますし、今委員御指摘のとおり、三十年以内に県外で最終処分というこの方針でございますが、安倍内閣になりましても、実は三月に決定をいたしました避難解除等区域復興再生計画などにおいて明確にさせていただいているところでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 環境大臣、この最終処分場は高レベル廃棄物処分場の最終処分場とは違うということは御理解いただいていると思いますので、そこはしっかりお願いしたいと思います。  それでは、もう時間が余りありませんので、復興法人税についてお伺いしたいと思います。  やはり総理、これはみんなが共有することではないんでしょうか。是非復興法人税前倒し廃止は、国が一体となってみんなでこの復興のために頑張ろうということだと思うんです、ここを一年前倒し、大企業優先と言われる今のアベノミクスの中で、この前倒しはやはり国民の理解得られないんじゃないでしょうか。所得税、住民税は二十五年負担しなければいけない。前倒しで一年早くやめるということによって、企業が本当にベストサイクルができるんでしょうか。  是非これはやめて、私は、廃止はしないでみんなで共有すべきだと思っています。もしどうしてもこれをやめるなら、所得税、住民税も廃止すべきじゃないんでしょうか。どうでしょうか、見解を。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで安倍内閣が進めてきた三本の矢の政策によって景気は緩やかに回復しつつあるわけでありまして、成果は上がっております。今こそ、企業の収益の向上が賃金上昇、雇用拡大につながり、それが消費を押し上げ、さらに、それがまた企業の収益の向上につながっていくという、いい循環に入っていかなければならない、その今絶好のチャンスを迎えていると、このように思うわけでありまして、日本経済全体を持続的な成長軌道に乗せることは今後の被災地の復興のためにも極めて重要であると、このように考えております。  そのために、経済政策パッケージにおいて、足下の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に、復興特別法人税の一年前倒しでの廃止を検討して十二月中に結論を得るということになりました。これは、単に復興特別法人税廃止の恩恵を受ける企業だけが賃金上昇に取り組めばよいということではなくて、これを契機に企業の賃金水準全体の上昇を促すためのものでありまして、企業に対して賃上げを通じて被災地を含む日本経済の再生のための役割を果たしていくように求めてまいります。このため、廃止を検討する趣旨を経済界などに明確に説明をし、賃金の引上げ等に積極的に取り組むことを要請をしております。賃金の動向を調査をし、そして効果を検証し、その結果を適切な形で公表してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、この復興は内閣の最重要課題の一つでありまして、この復興特別法人税の廃止を行う場合であっても、安倍政権ができて十九兆円だったものを二十五兆円程度にこれは増やしたわけでありますが、集中復興期間における復興財源を確実に確保するとともに、今後とも全力で復旧復興に努めていく考えでありますし、まだまだ十分な御理解をいただいていないということは私も承知をしております。被災地の方々を始め、国民の皆様に丁寧に説明をしていく考えであります。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 やはり復興はみんなで一緒にやっていくという姿勢が大事だと思います、理念が。  ですから、是非、二十五兆円確保すればいいというものではないんですね。国民がひとしく全員共有して復興に当たるんだということをしっかりとやっていくことが絶対にこれ必要ですね。是非、これは慎重に考えていただきたいと思っています。どうしてもやるなら、先ほど申し上げたとおり、所得税、住民税も私は増税はもうやめるべきではないかと思いますが、もう一度このことについてのお考えをお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な考え方は今申し上げたとおりでございます。

増子輝彦民主党・新緑風会

○増子輝彦君 質問を終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で増子輝彦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、吉川沙織君の質疑を行います。吉川沙織君。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  安倍内閣になって初めての質問の機会、本会議に次いでいただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。  今日は、多分午前いっぱいはアベノミクスの達成目標について伺うことになろうかと思います。アベノミクス、今ほどの総理の答弁にもございましたとおり、三本の矢、強調なさいました。その中でスローガンもある。でも、そのアベノミクスが達成されることによって、今後この国、経済全体がどうなるのか、そして企業がどうなるのか、国民生活一人一人がどうなるのか、やはりこのスローガンに裏打ちされた具体的なイメージというものを改めて総理の口からお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちが進めている三本の矢の政策は、大胆な金融緩和と機動的な財政政策、そして民間の投資を喚起する成長戦略の実行であります。  日本は、十五年にわたってデフレ経済の中で景気は低迷し、賃金は減少して、国の富は失われていたわけであります。まずはしっかりと私たちは成長していくことができるという、この国民みんなの気持ちを取り戻すことが重要であると、こう思うわけでありまして、確かにこの三本の矢によって日本を覆っていた空気は変わった、これは事実だろうと、このように思います。  そして、強い経済を再生するためには、企業の競争力強化を図り、それによる企業収益の増加を、若者や女性を始め頑張る人たちの雇用拡大、そして収入増加につなげていくこと、そしてさらには、まだまだ実感をしていただいてはいないと思いますが、全国津々浦々に至るまでその実感を共有してもらえるようにしていきたいと、このように思います。  そのために、例えば成長戦略の中においては、一つは、大きな意味において女性の力を今まで十分に日本は活用していなかったのは事実であります。それは新たな資源でもあり、新たな可能性なんだろうと。女性の皆さんが世界で一番輝く国にしていくことは成長戦略の鍵であり、大きな柱であろうと、このように思うわけであります。  また、この国会には産業競争力強化法を提出をして、企業実証特例制度による企業単位での規制改革や、収益力の飛躍的な向上に向けた事業再編、起業の促進など、果敢にチャレンジする企業を応援をしていく考えでありますし、また、大胆な規制改革の突破口となる国家戦略特区を創設するなど、必要な政策を具体化を進めてきているところでございまして、成長していくためにはまずは実行が必要であろうと、このように思いますので、この国会を通じてしっかりと結果を出していきたいと、こう思っている次第でございます。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 今ほど総理から答弁ございましたとおり、この臨時国会を成長戦略実行国会と銘打っておられます。そしてまた、空気感も随分良くなりました。でも、企業の業績が良くなった、そしてそれが一人一人の賃金に反映をされて、それが財政健全化に結び付くかどうかというのはこれからだと思っています。  今総理が御答弁いただいた内容、どうも第一次安倍内閣が引き継ぐまでの小泉政権の経済運営の考え方と似てなくもないのかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。アベノミクスと小泉政権の経済運営は全く違うものか、それとも結構似たり寄ったりのものなのか、その点についてお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはある意味では私は重要な御指摘だと思っております。  小泉政権というよりも第一次安倍政権のときの反省点を申し上げますと、あのときも確かに、大塚委員からも質問がございましたが、企業の収益はこの例えば十数年の中で最も高い収益を示したわけでございます。しかし、残念ながら、それは賃金に十分に反映されたかといえばそうではなかったわけでございます。  そこで、私たちは、まずは、今のデフレ経済の中にあってはなかなか企業が投資をしません。これは機材だけではなくて、設備だけではなくて、人材にも投資をしない。お金で、キャッシュで持つということになるわけでございますので、まずこのデフレ経済を変えていく、脱却をしていく。そうなれば、企業の行動として、将来はお金をずっと維持を、キャッシュを持っていることはまさにこれは経営者としては不適格になっていくわけでございます。そういう経済を確立をしていくこととともに、やはり企業にもしっかりとそのことを訴えていこうということであります。  そうした反省点に立って、今回はもちろん改革すべきものについてはしっかりと、小泉さん流のあの決意を持って、覚悟を持って改革をしていきたいと、こう思うところでございますが、同時に、そのような形でしっかりとこれは多くの方々がその成長の果実を享受できるような形をつくっていくということだろうと思いますし、また、全国津々浦々にこれを早く波及させていくためには機動的な財政政策を必要としていたと、このように思うところでございます。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 もう今日、総理の答弁の中で全国津々浦々という言葉が二回出てまいりました。確かに大企業は潤うかもしれない。小泉政権のときも大企業の業績は良くなりました。ただ、それが、富持っている人、それから一部の大企業には配分をされた、でもそれがトリクルダウン的に本当に一生懸命生活する人、働く人にまで行き渡ったかというと、そうではない可能性があります。それらの経済指標について、これからパネルで見て、実際にアベノミクスが何を目指してどのような達成目標にたどり着こうとしているのか、これを見ていきたいと思っています。(資料提示)  小泉政権は平成十三年四月から平成十八年の九月までであることから、その小泉政権直前の平成十二年度の各指標、それから最終年度の平成十八年度の主要指標を比較させていただければと思っています。なお、平成十二年は景気が持ち直したんじゃないか、こういう認識が持たれていたところ、平成十三年に入ってから米国でITバブルが崩壊をしましたので日本にも影響ありました。ですから、バブル経済からある程度持ち直した時点と最終年度の比較ということになります。上から順番に比較をしていければと思っています。  最初、国内総生産、GDPの実質伸び率、小泉政権期間中では四百七十六・七兆円から五百十六・〇兆円、八・二%増加をしています。現政権では、今ほど答弁でもございました、デフレから脱却し、どの程度の実質成長率を見込んでおられるのか、総理に伺います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 日本経済の将来のあるべき姿として、向こう十年間の平均で、実質で二%の成長、名目で三%の成長をもくろんでおります。直近の姿としては、来年度では実質で二・八%、名目で二・六%、その次の年度では実質で一・〇%、名目で三・一%。そこではGDPデフレーターはプラスになるということであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 基本的に、短期的見通しではなくて、確かに先日の衆議院の予算委員会でも今バンカーだという御答弁がございましたけれども、最終的にこれが達成をされたときにどの程度の変化率になるのかということを伺ったので、大体で構いませんが、いま一度御答弁いただけませんか。いま一度御答弁いただけませんでしょうか。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ちょっと、もう一度質問繰り返してください。申し訳ないですが、聞こえなかったみたいで。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 何でこの問いを立てたかと申しますと、先ほど総理からもございましたとおり、この国会は成長戦略実行国会と銘打っておられます。  そもそも戦略とは、特定の目標達成のために総合的な調整を通じて各種資源を効果的に運用する技術、理論であるとされています。でも、国民には、アベノミクスで確かに空気感や景気感は良くなったけれども、実際に成長した姿、具体的目標というのは示されていません。ですが、何もないところからどの程度成長しますでしょうかとお伺いを立てたとしてもお答えいただけないでしょうから、いろんな意味で比較をされます小泉政権のときの指標と今評価、比較をさせていただいています。  よって、GDP、実質成長率、変化率、見通しについて、いま一度御答弁いただけませんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) GDP成長率、今お答えしたとおりですけれども、向こう十年間でGDP成長率は、平均値でいうと実質で二%、名目で三%。それから、二十六年度でいうと実質で二・八%、名目で二・六%、この時点ではまだデフレーターはマイナスであります。その翌年度は、消費税の影響もありますけれども、実質で一・〇、名目で三・一と申し上げました。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 では、この表に従って、次に、アベノミクスの三本の矢によって景気回復し、企業の業績が伸びてその後の成長につなげていくために民間の設備投資はやっぱり必要不可欠であると思います。  小泉政権では、上から二段目、御覧いただきますと、一五・一%増加しています。現政権では各種法人税減税等をお考えのようですが、民間の設備投資の伸び、どの程度見込んでおられるでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 成長戦略におきましては、三年以内に現状から一割伸ばすという設定にしております。この数字は、日本が経済が落ち込んだ前の状態、そこまで、現状では六十三兆円でありますけれども、これを七十兆円に三年以内に戻すと、これは三年も掛からないというふうに思っています。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 三年以内に七十兆円に伸ばすというお答えありました。結果、こうやって設備投資が行われて企業活動が活発化し、そうなると企業の利益も生まれると思います。  小泉政権では、先ほど総理の御答弁にもございましたとおり、上から三段目、企業の経常利益、全産業で比較をしてみました。何と五一・六%も増加をしながら、それが、見てみますと、設備投資は一五・一、雇用者報酬は実質で〇・八しか伸びていないという厳然たる事実が残念ながらございます。  平成二十四年度の財務省の法人企業統計では、日本企業の内部留保二百八十兆円という莫大な額になっています。企業の利益の増加、それがそのまま内部留保となってしまうような懸念もございますが、いかがでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 済みません、さっきの数字、一年ずれました。二十五と二十六の経済成長の数字です。済みません。  それから、今の御質問は何でしたっけ。(発言する者あり)  あっ、企業のですね、企業の内部留保に関して、過去の状況についてを検証しますと、一つ、一番大きな原因は、やはりデフレマインドがあったということだと思います。デフレというのは、お金を使わないで持っていればいるほどお金の価値は上がるわけです。物の値段が連続的に下がるわけであります。投資するにも、今投資するよりもこれから先の方がいいと、そういう思考がずっと働くわけであります。  アベノミクスでは、デフレ思考を変えて、お金は今使った方が得、人に投資するのも、設備に投資するのも今の方が得というふうにマインドを変えるわけであります。でありますから、マインドを変えてそういう方に向かわせる、減税でビンテージを新しいものにするような環境も整えるということであります。もちろん新たなフロンティアをつくって需要をつくると。でありますから、あらゆる環境整備をして投資が進むようにしていくということであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 では、企業の利益が出たとしても、それが内部留保には回らないようなお考えであるということでよろしいですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 投資や人件費に回るような環境整備をしているということであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 来年の四月に消費税率が上がることは総理の発表でもう決定をされていますが、それでも回るという解釈でよろしいですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 安倍総理が一番心を砕いておられますのは、消費税によって物価が上がります、タイムラグはあるにせよ、それを追いかけて、その物価が上がる以上に賃金が上がらなければ好循環は動かないんです。そのための努力を政府の従来の範疇を超えて取り組んでいるということです。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 小泉政権のときのように、雇用者報酬には回らないということだけは何とか避けていただいて、ここで総理に伺いたいと思います。  法人税減税分の賃上げだけではなくて、この今二百八十兆円も巨額の内部留保があります。それも総理の指導力で賃上げに回すという、こういう要請はできないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このデフレ経済であったということプラス、その前のバブルの崩壊の金融危機の中にあって、あの経験によって企業は言わばバランスシートだけを良くしようということに非常に意を砕くことになった、特に日本の場合は。それがデフレ経済とともに、これはこびりついてしまったということでありました。  賃金が上昇しないということは、更にこれはデフレを、言わばよりそれを止めていくという効果も、デフレストッパーとしての役割も賃金が果たせなくなったということも大きな原因であるわけでありますが、そこでそういう認識を経営者と共有しながら、早くいい循環に入っていって企業の収益ももっと上がっていきますよということを認識するために、共有するために政労使の懇談の場を設けまして、先般経営者の方々からは、それぞれ賃金を引き上げていく上において心強い発言があったと、このように思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 話変わりますけれども、現政権として、大企業の交際費についても、今は一部の中小企業だけにしか認められていない損金算入を大企業に対しても認めようという動きが出ていると思います。これも、企業が今抱え込んでいるお金を外に流れ出すことで、飲食店での消費拡大による景気の下支えを見込んだものであると思いますが、財務大臣、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ御意見があるところです。御意見の割れるところです、これは。中小企業でやらせていただいたのが今年なんですけれども、これもう賛成された方はなかなかいらっしゃらなかったのが私どもの役所の内部事情。分かりやすく説明しているでしょう、ね。  約三百五十億円ということに、中小企業の分の歳入はそれぐらいあったと思いますが、これが大企業ということになりますとそれの四倍、五倍ぐらいあると思いますので、その意味でいきますと千数百億のお金になるのだと思いますが。  今のような話で、私どもとしては、デフレーションというものであれば、これは基本的にGDPに還元をすれば設備投資か個人消費か政府支出、この三つでGDPは基本的にでき上がっております。したがって、そのうちの個人消費の部分がデフレーションであれば、大根が九十七円、あら、今日九十五円になったわと、もうしばらく待ったらまた下がるのかと思ったらそれは買わないんですよ、ハンドバッグでも洋服でもみんな同じことで。それで、企業も同じように設備投資はため込んだんですって、ずっと。だって、安くなるかもしれないんだから。そうすると、じっと持っていたらたまりにたまって二百八十兆たまったんだ、それが現実問題ですよ。  だから、これが気持ちよく使えるような方法というのに、給料を上げてくださいと言っても、ベースアップじゃなかなかやらないんですよ。御存じのように、会社に勤めたら分かるでしょうけど、賞与では出しても給与じゃ出さない。そこで、何となくといって気持ちよく出せる部分としては、今御推薦になりましたものを一つの方法かなと私自身としては考えております。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 大企業の交際費を損金算入に当て込むということを推薦しているわけではありません。  一千億の減収が出るということ、これについていかがお考えですか。一千億、大企業にこれ、損金算入を認めると一千億を超える減収効果が生まれることになりますが、これについていかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 税収減が出るというのは間違いなく、確かだと思いますが、他方、その分だけお歳暮が増えてみたり、いろんなところで増えてみたり、これは一斉に使いますから、そこの部分では消費税は必ず入ってきます。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 財務大臣のおっしゃることを信じて、見守っていきたいと思います。  それでは次に、今月十月十一日、厚生労働省が平成二十三年の所得再分配調査というものを発表されています。これによりますと、世帯の所得格差は残念ながら過去最大を更新、その分、所得格差を是正するという行為も最大となっています。また、若年層の中での世代内格差というものが拡大をし、深刻な状況になっています。ただ、この結果について有識者の見方というのは二つに分かれています。一つは、若年層に対する手当てをしっかりしないとますますその中の貧困化が進むということ、もう一方で、再分配の機能が分厚過ぎるとこれはまずいんじゃないかという考え方。  総理のこの調査結果に対する受け止めについて伺います。総理に通告しています。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細な分析が必要であれば田村大臣からお答えをいたしますが、お尋ねのこの所得再分配調査は、社会保障や税による再分配が所得格差にどのような影響を与えているかを明らかにするものであるというふうに承知をしております。  過去十年間の傾向を見ますと、社会保障や税による再分配前の所得格差は高齢化の進展により拡大傾向にありますが、再分配後の所得格差はほぼ横ばいであり、社会保障等による格差是正が図られていると、こういうふうに言ってもいいだろうと思います。年齢別に見ますと、直近では、若年層の所得格差が拡大をしている。これは注視をしなければいけないと、こう思っているわけでありますが、今委員が御質問になったのは、この所得再配分機能をどう考えるかということだろうと思います。  日本というのは、古来からお互いに額に汗して働き、田を耕し、水を分かち合って、秋になれば共に五穀豊穣を祈ってきた国でありまして、村で誰か病人が出れば自分のところのお米を持ち寄って助け合った国でありますから、そういう意味においては、それぞれの全て自分で責任を取れということではなくて、やはりこういう麗しい日本の元来持っている、ある意味では所得を再配分していくということについてもそれは間違ってはいないという考え方も大切にしていく必要もありますし、同時に、全然何にも努力しなくても大丈夫ということになれば、人はやる気を失って、社会は活力を失っていくわけでございますから、このまさにあんばいが極めて重要であろうと、このように考えております。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 田村大臣のコメント必要ですか。(発言する者あり)  質問、もう一度。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 厚労大臣、お願いします。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、再分配前と再分配後で、特に高齢者に関しましてはかなり所得再分配機能が働いております。それに対して、それは効き過ぎじゃないかというような識者の御意見があるということでありますが、これだけ高齢化社会になってきておりますから、これは年金収入が入る前が所得再分配前でありますので、そういう意味ではうまく機能している部分もあるのではないのかなというふうに思います。  ただ、国民会議で、やはり高齢者に関しましても負担能力のある方々には負担していただこうという考え方、それから若年者、若年者といっても、これ実は三十五から三十九歳のところが若年者と言えるのかどうかというところはあるんですけれども、その部分が格差が広がってきておるということでございますから、これはやはり、これは報告書に書かれているんですけれども、全世代型の社会保障、これをやっていく必要があると。それともう一つは、やはりいろいろと職業訓練等々を含めてキャリアアップをしていく、非正規で働いておられる方々は正規になっていただくだとか、そういうことをしっかりと進める中において若年者、中堅層の格差というものを縮めていく、こういうことをしていくことが大変重要であると、このように考えております。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 厚労大臣から御答弁いただきましたように、三十五から三十九歳の世代の格差がどんどん開いています。  もう午前の時間参りましたので、残りの質問は午後に譲りたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。吉川沙織君。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  午前に引き続きまして、アベノミクスの達成目標について、引き続き小泉政権下の経済指標の変化を見ながら質問をさせていただきます。  それでは、順番として、次、雇用者報酬の順番になります。  アベノミクスで景気が回復した場合、企業はどの程度設備投資をし、あるいは雇用者報酬に回すのか。小泉政権では、先ほど申し上げましたとおり、企業の経常利益としては全産業で五一・六%増をしていますが、雇用者報酬に実質で回ったのは〇・八%にとどまっています。アベノミクスが達成された暁には、労働分配率が上がり、雇用者報酬は大きく増えるのでしょうか。総理、よろしくお願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 労働分配率を拡大させるという方向も含めて環境整備を行っているというところであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 上がるか上がらないか伺ったので、もう一度お願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) ですから、上げるような環境整備をしているというふうに申し上げました、上げるために。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 経済指標をなぜ小泉政権下のを用いたかといいますと、トリクルダウン的な考え方があるということ。そして、同じように企業を重視するけれども、企業は潤ったとしても、一生懸命働く人たちにそれが滴り落ちなければ、結局、経済は好循環になったとしても賃金は上がらない、生活は上がらないということになってしまいます。  ですから、企業と同時に雇用者報酬も上げる必要があるということが必要に迫られていますので、上がりますか上がりませんかと伺いましたので、上げる努力をするということは十二分に分かりました。いま一度お願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) アベノミクスでは、雇用者報酬を上げるということが単に労働政策上の問題ではなくて経済政策上も好循環を回していくために必要だと思って、二重の思いでやるということであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 では、違う観点から伺えればと思います。  今回、法人税率の引下げ、各種お考えのようですが、この好循環、法人税率を下げることによってそこで働く企業の人は賃金が上がるかもしれない。でも、法人税を納めているのは黒字企業。黒字企業はこの国では三割に満たないというような状況があります。  パネルお願いします。  最新の国税庁の平成二十三年度分の会社標本調査によれば、全法人数は、全法人数から連結子法人の数を除いた、このグラフの上の方ですけれども、二百五十七万四百九十社です。これをこれからは全法人と申し上げますが、全法人のうち欠損法人、つまり赤字法人は百八十五万九千十二社、全法人に占める赤字法人の割合というのは実に七二・三%に上っています。  欠損法人の詳しい内訳について見てみます。欠損法人も同じ調査結果に基づいて見てみますと、法人税率引下げの対象となるのは、この欠損法人を引きますので、一〇〇から七二・三を引くと全法人数の二七・七%の七十一万一千四百七十八社が利益計上法人になります。そのうち、資本金一億円超は一万二千四百一社、資本金百億円超が六百十七社あります。でも、この一万二千四百一社の中で、実はこれは全法人のうち〇・四八%しか占めませんが、そのたったの〇・四八%の法人が総申告所得金額の約六割を占めます。また、資本金百億円超の六百十七社、数は少ないですけれども、総申告所得金額の三割を占めるということになり、法人税率を下げるということになると、たった数%の企業がその恩恵を受けるということになりますが、何か御感想あればお願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 法人税を納めている事業所数でいうと、法人税を納めているうちの九九%は中堅・中小企業です。そして、法人税額に占める比率は中堅・中小が五〇%ぐらいあります。全国津々浦々中小企業はありますから、少なからず全国的に恩恵を受ける企業は出てくるということです。  それから、その比率が低いから、じゃ、効果がないかといえば、日本の産業を牽引している中核部分というのは当然競争力があって利益が生まれているはずであります。そこから派生をしていく下請とか関連企業にその恩恵が回っていくということが大事なんであります。  あわせて、法人税の減税は投資の減税ということを考えております。これは、日本の企業の設備のビンテージがかなり古くなっています。それを一括償却を含めて一挙に競争力のあるものに更新していこうという試みなんです。研究開発税制も減税を深掘りをいたします。  あるいは、中小企業は赤字が多いじゃないか、中小企業には減税しても設備が更新できないと、そういう声にこたえて設備投資補助金というのを経済対策で年末に作成する補正でも組んでいきます。  あらゆる手だてを使って日本の企業の競争力を強化していこうと思います。そして、その企業が上げている利益を広く還元していくように、一遍にいきなり、瞬時にということは不可能でありますけれども、浸透するスピードを上げていきたいというふうに思っております。これは人件費も含めてであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 今答弁いただきました。研究開発と設備投資についても触れられましたけれども、小泉政権の平成十五年当時にも研究開発・設備投資減税というのを行っています。財務省の平成十五年度の税制改正による増減収見込額を見ますと、備考として、研究開発減税及び設備投資減税、これ中小企業分を含めた場合ですけれども、減収額、研究開発減税で五千九百五十億円です。設備投資減税が六千三十億円の減税やっています。これ、十年近くもうたっていますけれども、結局これは効果出たんでしょうか。今の答弁と整合性取れますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 日本の企業は世界に冠たる企業がたくさんあります。あるいは、中堅・中小でも立派な企業はあります。その企業にアンケートを取ってみれば、投資に対する環境整備や研究開発に対する環境整備、これをしなければ海外に行ける企業はより適地を求めて海外に行ってしまうんであります。どんな重税の中でも懸命に日本でひたすらもうけて税金を払って、なおかつ競争力を保っていくという、そういうことはなかなか難しいと思います。  今や国を選ぶ時代になっていますから、日本が企業、競争力を持った企業にとって立地しやすい環境、これは税だけじゃありません、人的なものもそうです、研究開発施設とのコラボレーションもそうです、あるいは制度上もそうです、規制緩和もそうです、これを徹底的に見直して、日本に是非立地をしたいと世界中の優良な企業が思うような環境にしていくということであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 法人税減税の恩恵を受ける会社の数、この平成二十三年度会社標本調査に基づいて作りました。百億円超で〇・〇二%の総法人数の割合に対して三割の恩恵を受けるということになります。  実は、私いろいろ見てみましたら、さくら会というのが新聞で何回か出ていました。さくら会って何かって私もよく分からないんですけれども、安倍総理と親交が深いとされる、十社ある。でも、新聞を見ると九社までしか分からなかったんですけれども、この分かる限りの九社の法人税額を調べてみました。そうなると、この九社、もう名前は申し上げませんけれども、この九社は全て六百十七社に入る資本金百億円超のもう本当に大きな企業になります。  いろいろ指標を調べようとしたときに、平成十六年度の税制改正によって納税額公示制度が廃止されているので、各社の有価証券の報告書を見てみました。そうなると、地方税である法人住民税及び事業税等を含む平成二十三年度の法人税等支払額の九社の合計は、ここに書いてありますとおり、六千四百九十七億円です。法人に掛かる税金のうち、国税と地方税分がありますので、この割合、六対四としますと、平成二十三年度に九社が支払った法人税は約四千億、三千八百九十八億円になります。これ、法人税収全体が八兆六千五百八十六億円ですから、もう全法人税収の四・五%をこの九社が払っている。つまり、それだけ下げるとその恩恵がその分行くという、こういう解釈にもなりますが、総理、御見解あればお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁する前に、午前中、不規則発言に対する私の発言が事実誤認をしておりましたので、訂正をさせていただきます。そして……(発言する者あり)いや、違います、場外の話です。  その上でお答えをさせていただきたいと思います。  今御質問の会でありますが、私は様々な方々からいろんなお話をいただいているわけでございますが、私の地元は山口県でありまして、下関市あるいは長門市において私の後援会を構成していただいている皆さんの中には、もう大企業の方というのは全くおられないのが事実でありまして、そういう皆さんの力で私は当選を続けてきているということはまず申し上げておきたいと思います。  その上において、先ほど甘利大臣からも答弁させていただいたように、今グローバルな経済の中で世界で勝ち抜いていかなければ、日本に工場を持つ、あるいは働く場所を確保できない、それを失えば、雇用も失われていくわけでありますし、生活の基盤をそこで働いている人々も失われていくわけであります。  その中において、我々は、日本の経済がしっかりと成長していくように、その中で、企業が収益を上げた段階において、これは第一次安倍政権のときの反省も踏まえまして、それがなるべく早くそこで働いている人たちの給与に転嫁されるようなそういう形をつくっていきたいということで政労使の懇談の場をつくっているところでありまして、今幸いそういう方向に向かっているということでありますし、そういう企業の動きは更に大きく広がっていくわけでありますし、委員が働いておられた例えばNTTが仕事が忙しくなってくれば、これは単にNTTだけではなくて、そこに関与している多くの企業がこれは仕事が増えていくということ、また雇用も増えていくということになっていくのではないかと、このように思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 企業で仕事が多くなれば関連する企業にも仕事が行って、そこで働く人の賃金、確かに上がるかもしれません。  でも、例えば法人税減税をした場合、その恩恵を受けるのは、欠損法人ではなく利益計上法人になります。そうなったときに、そういう賃上げをする余裕のある企業に対してではなくて、直接的に個人に響く個人の所得税を減税するというお考えというのは、総理、ございませんでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) まず事実から申し上げますと、資本金一億円以下の企業でも七十万社以上の方、これが今法人税を払っていただいております。そういった多くの企業がこの減税により裨益を受けると。同時に、我々の目標では、黒字企業の数、これを二〇二〇年までに倍増していくと。さらに、そのために設備投資減税、これにつきましても、資本金三千万円以下のところは七%から一〇%に拡大をいたしました。そして、資本金三千万円以上のところにつきましても七%を適用すると。こういったことを行うことによって、中小企業そして小規模企業にもしっかりこの対策の恩恵が及ぶようにしていきたい、このように考えているところであります。  確かに、こういった景気回復の実感、これを中小企業、地域の企業が実感するのにタイムラグがあるかもしれません。それを縮めていかなきゃならない。  昨日、おとといだったか、総理はバンカーから脱するのにパターじゃいけないというお話をしていました。若干遠いバンカーから打つときはサンドウエッジではなくて九番アイアンを握ると、これぐらいの思いで中小企業対策、取り組んでいきたいと思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 私、サラリーマンの出身で残念ながらゴルフをしたことがございませんので、パターぐらいだったら分かるんですけど、今経産大臣がおっしゃったの、どんなものなのか分かりませんでした。  今いろんなことを申し上げましたけど、賃上げ、やっぱりどうしても、この国、消費を拡大して財政健全化にも回そうというところに落としどころを据えるのであれば、結局個人の収入が上がらなければいけません。でも、それをやろうとしたときに、最終的に、今政府の方で総理筆頭に一生懸命賃上げ要請やっていただいています。でも、この前、BS朝日のテレビ番組で甘利大臣、賃金上がらなかったら我々は失敗だとおっしゃったようですが、何かございますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 別に労働組合を代表しているわけではありません。我々が賃金が上がっていかなかったらアベノミクスは頓挫すると申し上げたのは事実であります。それは、好循環ができないと、経済って結局デフレを脱却して名目が実質成長を超えて伸びていかないんです。物価は上がりました、賃金は上がりません、これでは健全な成長はできません。だからこそ、我々は賃金が上昇して好循環をつくるということに対して従来の政権以上に神経質になっているわけです。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 結局、これからどういう方向性、十二月に向けて政権の方でお出しになるか分かりませんけれども、最終的に一部大企業のみが優遇されるような法人税減税で、それのおこぼれに働いている人もあずかりなさいというような施策がもし取られるようであれば、経済の好循環は生まれたとしても、一生懸命現場で働く人の賃金は上がらないということになって、国民全体が賃上げを実感できるということは経済の好循環の次の視点に置かれてしまう懸念があると思いますが、総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、経済が好循環しなければこれを従業員の皆さんの給与を上げていくことにつなげることはできないわけでありますし、そして経済が、しっかりと名目経済が成長していかなければ保険料の収入も減っていってしまうわけでありますし、例えば年金は株でも運用しているわけでありまして、しっかりと予測している収益が上がっていくようにしなければいけないわけでありますから、絶対的に経済を成長させていく必要があるんですね、今の社会保障のサービスのレベルを維持していくためにも。そのためにも我々はやるべきことをしっかりとやっていくと、このように考えております。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 やるべきことをしっかりやっていくという力強い御答弁ございました。  一昨日の衆議院の予算委員会で気になったことございますので、それについて伺えればと思います。  総理は、国家戦略特区諮問会議に関し、関係大臣については「意見を述べる機会を与えることとしますが、大切なのは意思決定でありまして、この意思決定には加えない方向で検討をしております。」と答弁なさっています。このことから、関係大臣の一人である厚生労働大臣は意思決定から外されるということになりますが、外される側である厚労大臣、いかがでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) お気遣いいただきまして、ありがとうございます。  この国家戦略特区の中で、例えば厚生労働省、我が省の特例に値するその内容ですね、どういうものを特例的にするかという部分に関しましては、もう既に日本経済再生本部の方で議論をさせていただいておりまして、その中で私も入りましてそのルールを決めさせていただいております。そのルールにのっとってこの国家戦略特区の中で統合推進本部というのをつくって、それを具現化をしていく、また進捗管理をするという話になると思いますから、大本のルールは、これは私の合意の下で議論をさせていただいておりますので、そこから外れるものではございませんし、具体的な中においても意見は述べさせていただけるということでございますので、決してこれが厚生労働行政を進める上において障害になるわけではございませんので、このような形で我々としては納得をいたしておるという次第であります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 本当に納得されていますか。意見は言わせるが、結論は最初から決まっているというようなことなんです。意見は言うが、それでいいんですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 先ほども言いましたけれども、日本経済再生本部の中でこの国家戦略特区の中のいろんなルール作り、これに関してはもう我々は参画して、その中で議論をして決めているんです。これを今度特区の中で具現化するときにどうするかという意味では、我々はある意味、アドバイザー的な意味、助言の意味ではいろんなことを申し上げますけれども、我々が決めたルールを逸脱するものではございませんから、その点において意思決定にわざわざ入っていく必要がないというふうに認識をいたしておりますので、そのように御理解いただいて結構だというふうに思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 私も新聞報道やそれぞれ出された辛うじて少ない議事録なんかを追うしかないんですけれども、先日決定した国家戦略特区の規制緩和項目では、解雇ルールや労働時間法制に関する規制緩和は地域限定として戦略特区にし、正面からの議論を回避しようとしたにもかかわらず、憲法上の観点から関係大臣が了承を出さず、できそうにもない、つまり見送られたという報道、これは確かかどうか私は分かりませんけれども、そういう報道でした。  これを踏まえて、今度は決定するに当たって関係大臣を加えないようにしたら決めやすいんじゃないかということで、私、これ、民主主義社会での決定手続方法で本当にいいのかどうかと私は個人的に思います。かつてどちらかの大臣が、当時の最先端憲法であるワイマール憲法体制からナチス体制に知らない間に移行したということを指摘なさったことございましたけれども、あれよあれよと見ていたら手続的ルールが勝手に変更されて、本来的な法令がなし崩し的に有名無実化してしまうようなおそれや危険性というのを私は個人的に感じています。  厚生労働大臣、何かないですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) いろんな議論の過程があったのは事実ですけれども、この特区の中において、今言われたような労働時間の裁量の問題でありますとか、それから労働契約法の中においての五年の有期から五年を超えて無期転換をするという問題に関しましては、特区の問題ではございませんでして、これは労働政策審議会の方で御議論をいただく案件であります。  その上で、この中において、雇用ルールに関しましては今までの裁判の判例というものを類型化する、そのようなガイドラインというものを作って、これは海外から来られる企業、日本の雇用慣行分かりませんから、そこは丁寧に助言をする。そして、それ自体は私はかえって海外の企業が来られて全く雇用慣行分からない中で不当解雇なんということが起こっちゃ困るわけでありますから、そこでいろんなアドバイスをすればそういう問題もなくなるわけでございますので、労働者の方々に関しましても安心して働ける、そういう環境になるのではないかなと、このように思っておるわけでありまして、そこはもうこの中でルールは決まっておりますから、決して特区の中で変なことが起こっていくということにはならないというふうに理解をいたしております。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 しっかり注視をして私なりに見ていきたいと思っています。  これ、相対的貧困率というものがございます。昭和六十年以降、残念ながら一方的に上がっていっている。この原因の一つには、非正規雇用の増加という問題もあります。  午前の最後の質疑で、若年層における格差の拡大、三十五歳から三十九歳が最も顕著だという御答弁、厚労大臣からいただきました。私自身、実はサラリーマンしておりましたが、就職活動をしようとしたときが、どれだけ働きたいと思っても就職先がなく社会に出ざるを得なかった世代が多い就職氷河期世代の一人でもあります。そのときに、なし崩し的に規制改革一辺倒で労働環境が粉々にされてしまって、今、非正規が増え、それが国税や地方税の収入にも影響を与えているというようなことがありますので、これ以上労働環境が破壊されないように、厚労大臣、それから政府としても頑張っていただければと思っています。  最後の項目、移りたいと思っています。  大塚筆頭の質疑の中で、サイバー攻撃について、総理の御答弁の中でもありました。今、サイバー攻撃いろいろあります。国家間をしのいで、今、陸海空、宇宙と並び得る新たな自衛隊の活動領域ともされています。去年、予算委員会で取り上げ、今年の本会議でも取り上げましたけれども、サイバー攻撃に対してどのように有効に対応していくかという答弁、去年、防衛大臣からございました。本年度、ようやく防衛省においてサイバー防衛隊というSFアニメか何かに出てきそうな名称のものが今度できるそうですが、任務と役割を防衛大臣に伺います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○国務大臣(小野寺五典君) 昨年も御指摘ありがとうございます。  サイバー空間の拡大に伴い、サイバー攻撃が行われた場合にどのような対応を行うかということにおきまして、特に自衛隊は、任務遂行上、サイバー空間の安定的な利用の確保が不可欠ということになります。そのため、今年度末にサイバー防衛隊、仮称でありますが、この部隊を新設する予定にしております。  この部隊におきましては、自衛隊・防衛省のネットワークの監視及び事案発生時の対処を二十四時間体制で実施するとともに、各自衛隊に分散しているサイバー攻撃等に対する脅威情報の収集や分析、調査研究並びに技術支援を一元的に行い、その成果を防衛省全体で共有することにしております。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 今防衛大臣から答弁いただきましたが、ほかに内閣官房、経産、総務、そして警察と、関連する省庁がたくさんございます。この重複を排除する必要があると思いますが、官房長官、いかがでしょう。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 近年のサイバー攻撃の実態というのは、複雑化し、また巧妙化し、我が国の情報を窃取、これを意図するようなものが非常に多くなってきております。そのリスクというのはまさに深刻化しておりまして、今年の六月に、総理の指示によりまして、私を議長とする情報セキュリティ政策会議においてサイバーセキュリティ戦略、このことを実は策定をいたしました。各府省の役割をここで明確にしています。それと同時に、内閣官房が司令塔となって縦割りにならないようなことを、防ぎながらここには対応していきたいと思っています。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 山本大臣、いかがでしょう。

山本一太自由民主党内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)

○国務大臣(山本一太君) IT政策担当大臣として短く一つだけ付け加えたいと思います。  本年から新しい法律的な位置付けになった政府CIO、遠藤CIOが今関係府省とヒアリングを繰り返していまして、これはIT投資の最適化とそれから無駄の排除が目的なんですが、実は府省横断のプログラムはなくて、縦割りのまま全然違うシステムで情報管理が行われていると、これをできるものから集約、統合していくと。この試み自体がサイバーセキュリティーを上げることになると思いますので、官房長官の下のNISCと協力しながら強力に進めていきたいと思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 縦割りの排除をしっかりやっていただければと思います。  と同時に、これらの問題、サイバー攻撃を受けた場合、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた場合、自衛隊等がこれに対処する任務を負っているという記述が加えられました。現時点でサイバー攻撃に対する自衛権の発動、これはもちろん国際法や憲法に照らし合わせて慎重な検討が必要ですが、現時点における総理の見解を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 近年、重要インフラを含めて社会全般がサイバー空間に依存していく傾向にあります。その中において高度化、巧妙化するサイバー攻撃の態様を踏まえれば、今後サイバー攻撃によって極めて深刻な被害が発生する可能性も否定できないわけであります。  命を守る、維持する、それも言わばこうしたサイバー空間によって維持されている場合もあるわけでございますので、サイバー攻撃への対応は我が国の安全保障にかかわる重要な課題であると認識をしておりまして、サイバー攻撃と自衛権行使の関係については個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであり、一概に述べることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた場合には自衛権を発動して対処することが可能と考えられます。  政府としては、国民生活に深刻な影響をもたらし得るサイバー攻撃への対処体制の強化を積極的に進めていく考えであります。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 今御答弁いただきましたけれども、いずれにしても慎重な議論が必要だとは思います。  この情報セキュリティー、命を守る、安全を守るということに関しては、今申し上げたような国家間をめぐる視点も大切ですが、我が国地方における目配りも絶対に欠かすことはできません。来年四月九日で、皆さんお使いの方いらっしゃるかもしれません、ウィンドウズXPはサポートの期限が終了することになります。  十月六日報道の読売新聞の独自調査によりますと、地方自治体の五四%でサポートが切れた後もこれを使うというような報道がございます。これ、国として注意喚起行っていますか、現状を把握されていますか、官房長官、お願いします。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) これは極めて重要な問題だというふうに思っております。  そして、私どもとしては、今年の四月に、要するに一年後に切れてしまう、XPが使えなくなってしまう、そういう状態のときに注意喚起をして、そしてこれを更新ができなくなったときにはもう利用を停止するようにと、こういうことで、そういったことも含めまして地方自治体の方にはお話をしております。  そして、いよいよ半年になってまいりましたので、今ここで全国的な実態調査をさせていただいております。今報道がありましたけれども、それは全ての自治体からの回答がない状態でのことでございまして、もう少しまだ対策ができていない自治体が多いというふうに思います。  ですから、我々とすれば、もう自治体ごとに全容を把握した上で必要な対処をしていこうということでございますし、また改めてそういった注意喚起をしていきたいと、このように思います。

吉川沙織民主党・新緑風会

○吉川沙織君 内閣官房の方でも注意文書を出していますが、その結果はもう今日はやめておきたいと思います。  いずれにしても、地方が攻撃を受けて、そこがセキュリティーホールになって、そこからたどって国の中枢の情報が漏れたり、それからスタンドアローンで使っているPCでも攻撃を受ける可能性が今十分にございますので、国民の安心、安全を守る観点から是非しっかり対策を講じていただければと思います。  今日は、アベノミクスの達成の目標、それから今後の雇用、労働の在り方、そして国民の安心、安全を守るという観点から質問をさせていただきました。議会のチェック機能を果たす野党の一員として、これからもしっかり注視をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 関連質疑を許します。櫻井充君。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  まず冒頭、総理に消費税の問題について質問をさせていただきたいと思います。  今回の引上げの判断をされたということに対して、私たち民主党は評価させていただいております。その上で、今回消費税を引き上げるに至った根拠について御説明いただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税引上げについては、社会保障の財源確保と財政健全化のため避けては通れない課題でありました。その判断に当たっては、経済状況について経済財政諮問会議において名目及び実質の経済成長率、物価動向等様々な経済指標の確認を行ったところ、三本の矢により景気は緩やかに回復しつつあり、物価の動向についてもデフレ状況ではなくなりつつあることが確認をされました。  こうした中、経済政策パッケージを果断に実行することにより、デフレを脱却、そして経済再生と財政再建の両立は可能であると判断し、予定どおりの引上げを決断したところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今総理から二点あったかと思いますが、一つは社会保障の充実のため、そしてもう一つは財政再建のために消費税を引き上げる必要性があると。そのとおりだと思います。  その意味で、今回三%引き上げるんですが、社会保障の充実分はこれで十分なんでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 今回八%に上げるに当たって、本来ならば、これ三%分でありますから八兆円ぐらい税収があるはずなんですけれども、ちょうど消費税の部分が年度とずれるものでありますから五兆円強しかそもそも増収分がございません。  その中で、御承知のとおりですけれども、年金、基礎年金の二分の一、この国庫負担の部分は、これは満額この中から充当されますので約二・九五兆円、これがそちらの方に移ります。そしてあわせて、残った部分の中で今までの財政のツケ回し部分とそれから充実の部分と、これとがあるわけでありまして、満額、一〇%になったときと比しまして、その比率を案分したときにちょうど二対一、同じような比率の案分になりますので、そのような意味で〇・五兆円。逆に言いますと、一・四五兆円が後代へのツケの部分、それから消費税を上げたときに当然経費部分が増えますので、これが〇・二兆円、この案分の中で〇・五兆円という数字になってきております。  ちなみに、この〇・五兆円を増やすという話になりますと、もう御承知のとおり、基礎年金の部分はこれはもう所与のものでありますから、ツケ回しの部分からこちらの方に削らなきゃいけないと。それはそもそも赤字国債を増やすということになってしまいますものでありますから、この案分の中で最大限取れるのが〇・五兆円であったというふうに御理解をいただければ有り難いというふうに思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 しかし、総理は十月二十一日の衆議院の予算委員会で、これは御党の齋藤委員に対して、消費税の引上げ分については一〇〇%全て社会保障に回していくわけでありますと、そう御答弁されています。違うんじゃないですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これは多分、消費税を上げるときのスキームをおつくりになられたのでよく御理解いただいておると思いますけれども、先ほども言いましたとおりに、二・九五兆円の基礎年金の国庫負担分、これ二分の一の部分は、これは社会保障ですよね。それから、一・四五兆円の部分、これは社会保障を維持する部分でありますから、これは後世へのツケ回しというのはまさに維持している部分、皆様方が、満額の場合でいきますと七・三兆円の部分でございますので、これも社会保障です。それから、消費税が上がったから社会保障の経費が増えるというのは満額の場合は〇・八兆円、これが今回の場合は〇・二兆円でございます。これも社会保障。そして、充実が満額の場合は二・八兆円、今回は〇・五兆円。これも社会保障。  ですから、全て社会保障に使っているということは、もう十分に委員は御理解をいただいておるというふうに認識をいたしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、総理の認識もそれでいいんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま丁寧な答弁が厚生労働大臣からあったと思いますが、そのとおりでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 要するに、借金の返済に充てるということは、これ社会保障の維持だということで、財務大臣、その解釈でよろしいんでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 財政がきちんと維持できませんと、社会保障もきちんと維持していくことは不可能ということになろうと存じますんで、今の田村大臣の答弁で結構かと存じます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 消費税を引き上げるのは、先ほど財政再建と社会保障の充実だと二つおっしゃっているので、別にこれ借金の返済に回しても私はいいと思っているんですよ。だけど、総理は答弁される際に、おとといですか、一〇〇%全て社会保障に回すんですという答弁されているから、その答弁は違うんじゃないですかと申し上げたいんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伸びていく社会保障費に対応するために、それに対して赤字国債を発行してそれを充てていくんでは、これはまさに財政再建の道にはかなわないわけでございますから、つまり、しっかりとこの今回の引上げ分については全額社会保障費に充てていくということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、それは充ててないので、財政再建分と社会保障の充実分だというふうに御答弁された方がいいと思いますよ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど田村大臣から御説明させていただきましたが、つまり、社会保障費に対して十分な財源がなかったわけでありまして、その中において社会保障費を満たすために借金もしていたわけでありますから、それに対してしっかりとその部分も充当していくことが今回は可能となったということでありますから、言わば使われる方向は、言わば上がる税収については全て一〇〇%社会保障に回っていくというふうに考えていいのではないかと、このように思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 別にこの使い方については異論がないんですよ、私は。ただ、その割合として本当に、これから申し上げますが、社会保障の充実の分をもう少し手厚くした方が私はいいと思っていますけどね。ですが、これを借金の返済に回すことについては私は異論ないんですよ。ですから、そういう意味では、一〇〇%社会保障だという強弁されるのはやめた方がいいんじゃないですか、総理。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これまでのいろんな経緯の中で、まさに前政権の中でもこの議論はあったわけでありまして、社会保障に全て使うという話でございました。今回のこの〇・五兆円というものと、それから〇・二兆円という消費税においてその分だけ経費が増える部分、それからもう一つ、今維持と言いましたけれども、言うなれば財政のツケ回しをという櫻井委員がおっしゃられている部分ですね、この一・四五兆円、この比率というものは、まさに満額になったときの比率をそのまま当てはめてみたのが今回の〇・五兆円というような形になるわけでありまして、そのような意味からいたしますと、何ら前政権がおっしゃっておられたことと今我々が言っていることとそごがあるわけでもございませんですし、同じことを申し上げておるわけでございますが、そこはもう十分に御理解をいただいておっしゃっておられるんだというふうに私は認識をいたしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 社会の状況が変わればある種政策を動かしていかなきゃいけないのは、これは当然のことだと思っています。円安によって例えば中小企業などは非常に苦労しているわけであって、例えば今回、じゃ、もう一度一応聞いておきたいのは、これは消費税を引き上げるに当たって、低所得者のメニューはきちんとされていますよね。まずこのメニューを教えていただきたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これは、今回の〇・五兆円、それとも全体の中の話、どちらでございますか。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 〇・五兆円の方。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 〇・五兆円の中で申し上げますと、低所得者のメニューといたしましては、例えば国民健康保険の低所得者層に対する軽減策、後期高齢者医療保険制度の低所得者層に対する軽減策、それから高額療養費に関しましては、フラットなところがございましたけれども、ここが所得差がかなりございましたので、ここの比較的所得の低いところに対しまする軽減策等々を組まさせていただいておるということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そこに中小企業対策が入ってきていないんじゃないのかと思いますが、この点についてはいかがですか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 社会保障の中の話でございますので、中小企業対策というのをどのような意味で委員がおっしゃられておられるのか、ちょっと私、今理解すぐにはできませんが、確かに中小企業に特出しした対策というものは社会保障の中では入れておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 経済対策が必要ですよね。その中での経済対策で中小企業対策を改めて教えてください。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 大きく二つあるわけでありますけど、消費税に関しては、まずは転嫁がきちんと行われると、こういったことが重要でありまして、特に立場の弱い中小企業・小規模企業にしわ寄せが寄らないようにしていくと。  この度、十月一日に総理が引上げの御判断をされ、十月二日には経産省におきまして消費税転嫁の対策室、早速設置をいたしまして、今回初めて全国で四百七十四名の転嫁対策調査官を配置をいたしました。また、中小企業団体とも連携をしながら相談の窓口もつくっております。  同時に、中小企業対策、政策の面でいきますと、投資減税、これにつきましては、先ほど九番アイアンで説明したら分かりにくかったようでありますけれど、非常にこれまでよりも大きな対策を取り、さらには今後の五兆円規模の新しい経済対策、ここの中で中小企業・小規模企業が新規分野に進出するための投資の補助金と、こういったことも盛り込んでいきたいと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 設備投資をやる中小企業って何割ぐらいあるとお考えなんですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 黒字企業でいいますと三割でありますけれど、必ずしも黒字企業には限らないと思っております。  近々、中小企業関係四団体の代表の方ともお目にかかります。そこの中で、大企業に対しても、今回の様々な措置が賃金に跳ね返る、そして中小企業とのいろんな取引支援につながるようにと、こういう要請も行っているわけでありますけれども、今回の我々がとっております措置、こういうことを十分に理解をしていただいて、よりインセンティブの高い、そしてより対象の広がった対策を一社でも多くの中小企業・小規模企業に御活用いただきたいと、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 最後の点、非常に大事なことでして、多くの企業が恩恵を受けられるような制度設計をすべきなんです。  今大臣は、黒字企業の三割ぐらいというこの数字は、どこの根拠でこの数字を挙げられているんでしょう。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 申し上げましたのは、資本金一億円以下の中小企業、これが二百五十五万社ございます。そこの中の黒字企業が約三割、七十万と、こういう意味で申し上げました。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、その三割の企業がどれだけ設備投資をするのか、それから赤字企業の七割がどれだけ設備投資をするのかということは把握していないということですね。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 個々の企業の設備投資計画について詳細には把握してございません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 個々の企業ではなくても、全体としてどうなのかということを見ていかないと対策は十分でないと思っているんです。  今、私が中小企業の皆さんと話をしていると、一番重いのは実は社会保障費なんです。社会保障費がずっと伸び続けてきていて、協会けんぽ、本当に大変なことになってきていますね。この協会けんぽに手当てをしていくことの方が大事ではないでしょうか、田村大臣。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 協会けんぽに対しまする国庫補助、これは本則では一六・四%から二〇%の範囲というふうになっております。しかし、特例で一三%に下げていたものを民主党政権下で更に特例でこれ一六・四に上げたと。これは、上げたのか本則の下限に戻ったのかという議論はありますが。これを更にこの通常国会で延長を決めさせていただいたわけでございますが、これを更に引き上げて御支援をというお話であったんだというふうに思います。  必要な部分でもございますので、これから財源等併せたいろんな検討はしてまいらなきゃならぬというふうに思っておりますが、仮にこれ二〇%まで上げようという話になりますと、追加費用二千八百億円掛かる話になってまいります。ですから、二〇%まで上げられるのかどうかということも含めて、財源等調整をしながらこれからいろいろと検討をさせていただきたいというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 田村大臣、改めてですが、設備投資減税よりはこういう社会保障に対しての手当てをした方が多くの中小企業が恩恵を受けますよね。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) それは、どのような政策を他の中小企業対策として打つかによって効き方は違うと思いますが、幅の広さからいえば、協会けんぽに入っておられる中小企業に関しましては何らかの恩恵というものは、薄く広くなのかも分かりませんけれども、あるということは確かであろうというふうに思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これ、税金とは違って、社会保障というのはもう利益が出なくてもずっと払い続けなきゃいけないんです。  総理、そこで是非御検討いただきたいんですが、何か企業を応援するというと全て税の話になってまいります。もう少し、消費税は社会保障の充実のために上げているんですから、社会保障制度のところで手当てをすることをお考えいただけないでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今、櫻井委員が指摘された視点というのはあるんだろうと思います。消費税を上げることによって中小・小規模の事業者あるいは所得の低い方々に対する対策、これについても先ほど田村大臣から説明をさせていただいたところでありますが、我々は、設備投資等について力を入れていくのは、まさにやっと景気が回復し始めた、この成長軌道にまた戻れるようにするということにも重点が置かれているわけでありまして、この設備投資等について支援をしていくということは、これは単にその企業だけではなくて、設備投資をするということはその機械を買ってくるわけでありまして、多くは中小企業等々でありますし、そのことを行うことによってその企業の生産性が高まっていくわけであります。競争力を生み出していく、そういう広い意味での広がりがあるのではないかと、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 設備投資減税そのものを否定しているわけではありません。それから、普通の法人税減税よりは設備投資減税の方が、それから研究開発投資減税の方が私はいいと思います。ですが、社会保障の方がもう重くなってきていますから、社会保障についてもう少しお考えいただけないんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後の我々の課題の一つではあろうと、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 三党で、自民党、公明党、民主党の三党の政調会長の下で社会保障の充実について議論をさせていただく場をつくりました。そこの中でこういったことについて少し提案をさせていただきたいと思いますので、政府でも御検討いただきたいと思います。  その上で、低所得者に対する給付金についてもう少し具体的に御説明いただけますか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) どちらに。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 厚労、担当大臣に。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 低所得者の給付金でございますか。給付金。あの例の消費税上げたときの給付金。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうです、済みません。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) これに関しまして現在いろいろ議論をさせていただいて、どのような配り方をするかというような形も含めて議論を、調整をさせていただいておる最中であります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 たしか、済みません、報道によると一万円とか一万五千円とかそういう給付のお話になっているかと思いますが、その根拠について改めて御説明いただけますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 基本的には市町村民税の非課税者を対象に、これは二千四百万人になると思います。これが一万円であります。そして、その中でも基礎年金等の対象者が千二百万人、これは五千円加算をするということで、合計で予算額でいうと三千億になるかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それで、是非御検討いただきたいんですが、今の根拠というのは、消費税が引き上げられたときに家計からの支出の割合がどのぐらいになってくるかということから算出されたものだというふうに理解しています。(資料提示)しかし、その前に円安によって一ドル百円になった場合、家計からの支出増がどうなっているのかということを調査された方がいらっしゃいます。  そうすると、平均で九・八万円で一・六%ですが、二百万円未満の層だともう既に四・七万円、所得から見れば三・二%の支出増になっていて、更にこれに消費税の九・一万円、六・一%増になるので、今の支給額のことに関して申し上げれば、消費税が上がったときの負担割合を軽減するだけの話であって、社会の情勢は大きく変わっていて、経済の腰折れを招かないようにするためであればもう少し手厚く低所得者に対する対策を取るべきではないですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 為替の変動に対する給付というのは今まで多分、漁船の燃費の補助等々、そういうのはありましたけれども、一般的に配るというシステムはなかったんだと思います。我々は、できるだけ早く為替の変動が経済に平準化されて、輸出の強みにもなりますけれども、輸入の弱みは輸出の強みにもなりますけれども、それらが平準化するようにできるだけスピードを上げたいというふうに思っております。  今回の措置は、消費税によって影響を受ける層、食品の購入比率が高いという層でありますけれども、収入に占めるですね、その一年半分に対処するというものであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そこは分かっているんですが、結果的には今の円安に向かっていって、後でまたこれは議論しますけれども、その副作用として困っていらっしゃる方々が随分いらっしゃるので、この際、まとめて手当てしてさしあげた方がより有効ではないのかと申し上げているんです。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) この経済の好循環がきちんと回っていくまでにはいろいろな弊害があろうかと思います。我々としては、できるだけ早期に好循環を回していって、この経済の好転の効果が隅々まで及んでいくように全力を尽くしたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 後でここについては詳しくやりたいと思いますが、それでは、先ほど茂木大臣から価格転嫁という話がありました。これは中小企業の関係者はどの程度価格転嫁できると考えていらっしゃるんでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 通告受けておりませんので──数字が来ました。直近の本年九月時点では昨年十二月時点に比べて、原材料・商品仕入DIが二二・九%、そして売上単価・客単価DIが九・八ポイント上昇しております。仕入単価DIに比べると緩やかな動きになっておりまして、このことから、中小企業・小規模事業者には仕入価格の上昇を販売価格に転嫁することが難しく、依然として厳しい状況にある事業者も多数存在すると認識をいたしております。  こういった状況でありますから、先ほど申し上げたように、転嫁対策室をつくり、初めて五百人近い対策官も置き、しっかりした転嫁対策が取れるように相談窓口も持ちました。そして、四月の導入に伴います中小企業・小規模企業の資金繰りに万全を期すように、政府系金融機関のセーフティーネット等、しっかりと活用していきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 先ほど大臣から、価格転嫁対策が大事だとおっしゃったので、それについて質問しただけですから。まあ、これは実行されてからどうなっていくのか見ていきたいと思います。  それからもう一つ、減税の話が出ていまして、復興特別法人税を一年前倒しで廃止するという議論になっているようですが、これはなぜこういうことが検討されなきゃいけないんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 企業の業績の好転をどういうふうに賃金であるとかあるいは下請代金に波及させていくかということの中で私どもが取った政策のうちの一つであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みませんが、復興のための予算は五年間で十九兆円でした。しかし、それが足りなくなって、この一月か二月に二十五兆円に増やしていますね。もう六兆円既に枠が増えていて、この財源は確保されているんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 御案内のとおり、所得税、住民税それから法人税、それ以外の予算の投入も含めて枠を二十五兆円と確保させていただきました。  今回の増税前倒し廃止分については、法人税の剰余部分、予算計上した以上に収入が入ってくるというのが予測をされます。二十四年度でいってもたしか七千七百億あったと思います。本年度はもっと伸びるんではないかと。それを充てて、まず財源の心配はなくした上で対応していくということを考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、当たり前ですよ。そんな財源の心配したら困るんですよ。  私は、その被災の当時、財務副大臣やらせていただいて、地域の方々に対してはお金がないから復興できませんということは絶対しないという約束をして回って歩きました。  通告しておりませんが、根本大臣、この件についてどうお考えですか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 復興特別法人税の目的や趣旨、これは既に答弁がありました。  一方で、復興予算のフレーム、これは二十五兆円、十九兆円から二十五兆円に拡大しました。私は、この議論が始まるときから申し上げていたのは、この財源には決して揺るぎはない、しっかりと目に見える形で確保してもらう、これが大前提と考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ですから、この前倒しについては、復興特別法人税の前倒しについては賛成ですか、反対ですか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) どなたに。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 復興大臣です。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) この趣旨については既に答弁がありますが、復興特別法人税については、被災地の方々の十分な理解を得ることや足下の経済成長を賃金上昇につなげること、これを前提に一年前倒しでの廃止について検討されることとなったと承知をしております。  要は、デフレ脱却、日本経済再生の観点からこの方針が示されたものと思っております。一方で、復興財源はしっかり確保する、復興はしっかり進める、加速するということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今の答弁聞いていると、復興よりも景気の維持をすることの方が大事なように聞こえますよ、経済再生のために。ですから、だから聞いているんですよ。明確に答えてくださいよ。福島の選出でしょう。復興担当大臣なんでしょう。これに対して明確に反対しないのは私はおかしいと思いますよ。どうですか。

根本匠自由民主党復興大臣

○国務大臣(根本匠君) 復興財源はしっかり確保する、これが大前提の議論です。そして一方で、デフレ克服、日本経済再生、これも安倍内閣の最重点課題ですから、私は復興大臣としてしっかりと復興財源を確保する、この大前提の議論だと申し上げております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それでは、現時点で何かその手当てする財源の当ては、もう一度繰り返しお伺いしておきます、あるんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 税収の上振れ等が十分見込めると思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その税収の上振れで今度は五兆円の経済対策を行うんじゃないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 法人税収の上振れはかなり予測をされます。それ以外の決算剰余金あるいは不用等々、これは財務省が最終的にどのくらいの規模になるかは算出するものでありますけれども、それはしっかり見込めるというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 改めてお伺いしておきますが、そうすると、そういう財源も確保し、五兆円の経済対策も打つと、これはもう国債も発行しないできちんとやるということなんですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 財務大臣が答えることかもしれませんけれども、財政再建に悪影響を与えないように取り組んでいきます。  あわせて、なぜそういう企業の強化策あるいは好循環策をやるかといえば、安倍内閣で二十五兆にしました、拡大しました。しかし、それで全部完了かというと、それから先もあるじゃないかという話もありますよね。ということは、強い経済をつくっていかないと中長期的に支えていけないんです、一年だけ支えればいいというものじゃないですから。強い経済をつくって中長期を支えていくと、その基盤をつくるために我々はいろいろ努力をしているわけです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 あの当時、みんなで支え合いましょうということでああやってメニュー決めたんですよ。これは自民党の皆さんにも賛成していただいて、それで決めたんじゃないですか。住民税や、それから所得税は二十五年ですよね。法人に三年負担していただいたって何ら問題ないんじゃないですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 我々はこれを、法人税をその分一年前倒しで増税をやめますからどうぞ皆さん懐に入れてくださいとは言っていないんです。かなり厳しい選択を迫っているわけです。総理自身からも相当きつい、本来政府がやるべきことを、若干ぎりぎりのところまで含めてやっています。そして、既に今日の新聞報道でもありますとおり、それを受けて、我々は、我が社はベアを上げますということまで具体的に発言している会社まで、大手まであるんです。そういう環境をしっかりつくっていきたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 所得を増やすために減税もしますとおっしゃっているのであれば、直接的に住民税とか所得税減税した方が効果あると思いませんか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 手取りを増やすというのは確かに一つの方法です。でも、先生、今何が問題かというとデフレでしょう。名目を伸ばしていかなきゃいけないんですよ。GDPもそうだし、所得だって、見た目は、税込みは増えていないけれども見た目は増えたというのじゃなくて、税込みを含めて毎年伸びていくという姿が必要なんじゃないですか。それを目指しています。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そこは考え方の違いだと思っているんです。個人消費が伸びてこないことが最大の問題であって、ここしばらくの間賃金が下がってきていることの方が問題じゃないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) だからこそ、その一番根雪みたいにそこにある問題である十五年解決できなかったデフレを解消しようということを全力を挙げて取り組んでいるというところであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 違うところで使う予定の資料ですが、これ見ていただきたいんですけれども、ずっと賃金が下がってきている階層があるんです。それは何かというと、四百万から八百万円以下の層の賃金はずっと下がり続けてきています。一方で、増えてきている人たちはどういう人たちかというと、二百万円から四百万円の層が増えてきているんですね。それからもう一つ、もっと所得が低くなっている百万円から二百万円の層もこうやって増えてきていて、これが結果的には、若い人たち、生産年齢人口の人たちがお金を使えない私は最大、お金がないから使えないのであって、それが需要を生まないからデフレになってきているんじゃないんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもデフレは、これは十五年間続いてきたわけでありまして、デフレが発生した原因というのも大事なんですが、この十五年間続いてきたということはデフレマインドがこびりついているわけですから、これを払拭するために私たちは大胆な金融緩和と機動的な財政政策と成長戦略を実行していくということを行ったわけでありまして、我々が政権を取る前は、四—六はマイナス一%だったんですよね、七—九はマイナス三・六%だったんです。GDPは縮んでいたんですね、ぐっと。  しかし、私たちの政策は、それはうまくいかないと皆さんも批判をしていたけれども、しかし、一—三は四・一%、四—六は三・八%成長したんですよ。成果は出てきているんですね。こうやってしっかりと成長していくことによって、さらには、企業が収益を上げていくことによって更にそれを、デフレマインドを変えていくことによってちゃんと設備投資にも回っていくし人材にも投資をされると。そういう循環に入っていくために、政労使の懇談会を立ち上げて、そして多くの企業が賃金にそれは反映させていこうという発言をしているわけでありまして、そういう考え方を持つ企業がもっともっと広がっていくように努力をしていきたいと、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今のところで、じゃ、まず一点お伺いしておきたいのは、設備投資については、海外には積極的に設備投資しているんですよ。ですから、マーケットがあるところに対して設備投資しているんであって、需要を先に掘り起こしていかない限り私はなかなか難しいと思いますけれども、総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在の、今申し上げた経済の成長を支えているのはまさに消費でありまして、消費がしっかりと引っ張っていく中において、なかなか企業家が、企業家がなぜ国内において投資をしなかったか。様々な原因があるわけでありますが、一つは為替も大きな原因ですよ。これがだんだん是正をされてきたという中において、環境がだんだん整備されていく中においては、先ほど来累次答弁しているように、デフレが解消されていけば、お金を単に持っている、内部留保を抱えている経営者はそれは無能と言われるんですから、しっかりと投資をしていく、そういう方向に向かっていくことを期待したいと思いますし、そもそも、年初でこういう答弁をしたところ、そんなんで一時金を上げる企業なんかないという批判も浴びました。そこで、ローソンが上げた例を出したら、たった一社じゃないかという批判を浴びましたが、その後百三十二社に増えていったわけですね。このようにしっかりとやっていけば必ず効果は出てくると、このように確信をしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今の賃上げの件について、総理は、大串委員の、衆議院でも今の同じような答弁をされていますが、百三十二社が五%一時金を引き上げたという根拠になる資料を教えていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについては経団連の資料であります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その経団連の資料は、百三十二社が回答を示していて、増減率の加重平均が四・九九%です。要するに、百三十二社が賃上げをしておりませんが、それでいいんですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは増減率が四・九九%ということに、百三十二社が増減率が四・九九%ということになっております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ですから、実は一時金減っているところもいっぱいあるんです。昨日の答弁の仕方は、百三十二社が五%一時金引き上げたというんです。  これは、じゃ、もう一度繰り返しお伺いしましょう。一社じゃないんで、百三十二社としていました。何社本当は上がったんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、私が作っている資料ではなくて、今申し上げましたように、経団連の資料であります。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) じゃ、速記を止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みませんが、正確に御答弁いただけないですか。  要するに、先ほどはローソン一社だと言っていたけど百三十二社上がったんだと。じゃ、その上がったということについて内容をきちんと御説明ください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁いたしましたように、これは経団連の取った資料であります。確かにこれは大手企業業種別妥結結果でありまして、加重平均でありますが、百三十二社において四・九九%であったということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みませんが、この四・九九%という数字は何の数字ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これについては加重平均であります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 何の加重平均ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 百三十二社であります。(発言する者あり)ですから、妥結額の、百三十二社の、これにおいて増減率が四・九九%であったということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そういうことなんです。これは金額なんです。金額の加重平均なんです。これは企業数ではありません。  企業数はどのぐらいになっているんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何社かということについては後日確認したいと思います。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 御静粛に願います。御静粛に願います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私は、前の予算委員会でも、海江田代表との党首討論で総理の答弁が本当にどの数字を使っているのか分からないような数字で、相当いいかげんな答弁があったんですよ。ですから、そのときに、きちんとしたものを使って御答弁くださいねということを申し上げました。  今回も、もう一つ申し上げておきたいと思いますが、大串委員には六十四社、七・七%強ですね、増えたんだと、そういうお話しされていますが、この資料は何ですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは五月三十日現在の六十四社における増減率であります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これは経団連の速報値なんです。そして、速報値であって、先ほどのが全部出てきたものの資料なんです。速報値も、それから、何でこういうもの、速報値などというもの、中間報告で、今は完全に報告が出ているものなのに速報値を使われたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それについては、今のそれぞれ五月と八月、両方の数字であったということであります。これについては、先ほど申し上げましたように、六十四社ということを申し上げているわけであります。  いずれにせよ、櫻井委員、そういうことをいろいろおっしゃっていますが、いずれにせよ、このように一時金を上げたところが多く出てきたのは事実でありますし、加重平均といえども、加重平均といえどもバブル以来の数字であることは申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。  それでは、改めまして安倍内閣総理大臣。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来何回も申し上げておりますように、これは経団連の資料でございますから、後刻経団連に問合せをして報告いたします。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 経団連の資料で逃げられるのはおかしな話でして、なぜこの経団連の資料を答弁の根拠として使われたんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは経団連が発表したからであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いいです。経団連が発表したからこの数字を使ったということですね。もう一度、今そう答弁されました、それでいいですね。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、ほかの例えば賃金が上がったという資料はあるんでしょうか。  これは経産大臣にお伺いしましょうか。中小企業なら中小企業、総理はよく大企業は上がった数字は経団連からいただいてこうやって報告されているようですが、中小企業などで賃金が上がったとか、そういう資料はあるんでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど企業DIの数字については細かく答弁を申し上げたところであります。  我々が申し上げたいのは、一月の時点で一社でしたと。そして、六十四社を調べても全体として上がっています。これが五月です。そして、八月には百三十二社を調べても上がっています。別に五%上げた企業が百三十二社あるとは言っていないんです。そんな話はしていないんです。よく聞いてください。(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。お静かに願います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 経団連の数字は余り信じていただけないようですので、連合の数字でお話をさせていただきたいと思います。  全体で申し上げますと、昨年の回答が四千八百七十四円、今年が四千九百二十二円であります。全体でプラスの四十六円。そして、組合員数三百人未満の企業におきましては、昨年が三千六百二十九円、今年が三千六百五十二円。二十四円。いずれも上がっております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、中小企業は、これは価格転嫁ができて利益率が上がっているという判断なんですか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 何に対する何の価格転嫁か質問していただければと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 円安によって原材料費が上がっていますが、それについての価格転嫁です。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げましたように、原材料そして商品等の仕入価格のDIは二二・九%。そして、売上単価・客単価のDI、これは九・八%の上昇ということになっております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その数字じゃなくて、価格転嫁は、じゃ、できたんですかと聞いているんです。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) どの業種における、どの時点の、そしてどういうものに対する価格転嫁か御質問いただきましたら、今すぐには回答できないと思いますが、後刻しっかり回答させていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 トータルとしてどうなのかということを質問させていただいていました。  そういうふうにおっしゃるのであれば、今大臣がおっしゃった内容のことの資料を提出していただきたいと思います。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 茂木経産大臣、よろしゅうございますか。(発言する者あり)それじゃ、後刻理事会で協議させていただきます。(発言する者あり)今の櫻井委員の出された資料要求については、後刻理事会で協議させていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、通告している一つだけお伺いしておきたいと思いますが……(発言する者あり)違う、全体のですよ、分野とおっしゃったから、そうしているんです。  トラック業界は、一円、円が安くなると百六十億円燃費のコスト増になります。安倍政権になってから二十円以上の円安になりましたから三千億円以上のコスト増になっています。トラック業界で何%サーチャージで価格転嫁できていますか。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) トラック業界、大変苦労しているというのが実態だと思います。  何らかの形で価格高騰分を運賃へ転嫁できている、いわゆるサーチャージというのができているというのは、車両数でいいますと四割、しかし中小企業はなかなかそれができませんものですから、事業者の割合ということについていえば一割程度ということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 この一〇%程度という数字は、数年前に原油価格が一バレル百六十ドルを付けて高騰したときと大体同じぐらいの転嫁の割合なんです。  こういうところだとすると、利益率は当然落ちてきますから賃金を上げるということは難しくなるんじゃないかと思いますが、総理はいかがお考えでしょう。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにこういう業界においてはなかなか厳しい状況が続くということは考えられるわけでありますが、経済全体が景気が回復していく中において、その中において企業の業績が向上していく、そういうことを期待したいと、このように思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いつも最終的にはこういう形で経済が良くなっていくかもしれないので期待したいという話になりますが、現実問題として、本当にこの先はどういう道筋をお考えで経済は良くなっていくのでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) アベノミクス三本の矢の一の矢、二の矢が今放たれたわけであります。そして、三の矢、それをまさに実行するためのこの国会であります。それぞれの企業が体質を強化をし、あるいは再編をし、あるいは設備投資をする、そして新しいフロンティアを規制緩和や税制で幾つも設定をして、それに向かって投資が進むようにしていくということを考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 現実社会でどうなっていくのか、これから見るしかないのかと思います。  今日は日銀の総裁に来ていただいていますので、日銀が異次元の金融緩和政策を行いましたが、現状は日銀が思っているようなとおりになってきているんでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御指摘のいわゆる異次元の金融緩和というものを四月四日の政策決定会合で決めたわけでございますが、その後の金融市場あるいは実体経済、さらには物価、その期待物価上昇率まで含めてでございますが、全体として予想した方向に進んでいる、二%の物価安定目標に向けて徐々ではありますが着実に前進をしており、それに向けての道筋をたどっているというふうに見ております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今、物価上昇は予定の、想定の範囲内だというお話でしたが、上がるルートが三つ日銀から示されておりました。その中で一番強く出てきているのはコストプッシュ型と言われる円安によっての輸入物価の上昇だと思っていますが、その理解でよろしいでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 確かに、最近の物価上昇の背景を見ますと、円安による影響も含めてエネルギー関連の押し上げの効果があることは事実ですが、実はそれ以外にも、需給ギャップが縮小していることを受けて幅広い品目で改善の動きが見られております。その結果、いわゆる食料、エネルギーを除いたコアコアと言われる消費者物価指数の動きもマイナス幅がどんどん縮んできております。  今後、経済が全体として緩やかに回復していく中で需給バランスが改善していくということで、物価が一気に上がるということはないと思いますが、徐々に着実に二%の安定目標に向けて上昇していくというふうに見ております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私がお伺いしているのは、一番今のところ物価を押し上げているのは輸入物価の上昇ですねと聞いているんですが。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、円安による影響も含めた石油製品などのエネルギー関連の押し上げが一定の効果を持っていることは事実なんですけれども、それだけで今回の消費者物価の状況を説明することはできないのであって、幅広い品目でマイナス幅が縮んできているということも貢献していることは事実でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 別にほかの要因がないとは言っていなくて、一番大きいのはこの要因ですよねと。総裁、私は経済学部出ているわけじゃありませんが、このコストプッシュ型の物価上昇というのは悪い物価上昇と言われていて、そういったことについても日銀は想定の範囲内なんですかとお伺いしているんです。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げているとおり、全体として想定した方向に向かっているというふうに思っております。  ちなみに、幅広い品目での緩やかな物価上昇、それは当然のことながら賃金の上昇も伴って、全体として経済のバランスが改善していくという下で物価も恒常的に上がっていくというふうに見ております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、端的にお答えいただきたいんですが、一番今物価を押し上げているのは輸入物価の上昇ですね。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 何度も申し上げますが、エネルギー関連の価格の上昇が物価上昇率に影響しているということは認めております。  それだけでなく、ほかの要因も含めて上がっているのであって、物価上昇率を分析して、この部分はこれ、こちらの部分はこちらというふうに機械的に分析することはできます。できますが、何度も申し上げますが、あくまでも、いつと比べてどれだけ改善しているかと見たときに、ほかの幅広い品目で改善が見られるということも現在の物価上昇率に貢献しているということは事実でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、総裁は、さっき緩やかに物価は上昇してきていると。いつの時点からのことを規定されているんですか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御案内のように、物価上昇率は通常前年同月と比較して表示しておるわけでございます。そういった前年同月比の数字が長らくマイナスだったわけですが、それが、生鮮食品を除く指数で見たところで六月にプラスになり、七、八とプラス幅を拡大してきていると。それから、コアコアというところで見てもマイナス幅をずっと縮小してきていると。これは、先ほども何度も申し上げているように事実でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 らちが明かないので、ちょっと総理にもう一度改めてアベノミクスについてお伺いさせていただきます。  これまでの政策で現れた、まずプラスの部分ですね、効果について御説明いただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず効果については、先ほど申し上げましたが、十五年間このこびりついたデフレマインドを払拭するという意味においては、大きくその空気を変える必要があります。だからこそ、異次元の金融緩和と機動的な財政政策とそして成長戦略を実行していくという強い意思だろうと思いますが、それによって空気が変わった。これが一番難しい点であります。  その中において、先ほど申し上げましたように、経済の底が割れるかと思われた、まあ七─九はそういう数字が出たわけでございますから大胆なこの金融政策とともに機動的な財政政策を行ったわけでございますが、一─三においてはプラス四・一%、そして七─九においては三・八%という結果が出ているわけでございます。  先ほど加重平均ということを申し上げるべきだったかもしれませんが、百三十二社においては五%、一時金ではありますが、上がったのは事実でございますから、そういう効果が出てきているということは確かだろうと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、それだけでは、まあ今のはどちらでもいいことだと思いますが……(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 あとはむしろ、その円安になった効果とか、それから株式が上がったとか、もっとあるんじゃないですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は謙虚な性格でございますから。  例えば、株式が上がっていくということは、これは資産効果をもたらすわけでありまして、個人の消費にも大きな影響を与えていると、このように思いますし、円安については、確かに円安における負担の増という側面もあるのも事実でありますが、企業の競争力が行き過ぎた円高によって根っこから奪われていたのは事実でありますから、そういう面において、例えば自動車業界あるいは家電においても、今まで税金を払っていなかった企業がいよいよ税金も払えるようになってきたというのも現状であろうし、国内の投資をためらっていた家電、重電の大きな企業が思い切った投資をしていこう、生産拠点を移そうと考えていた企業が考え方を変え始めたというのは、これは雇用を確保するという意味においては大きな成果だと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 プラスの側面はそうやって随分あると思っております。  一方で、課題も見えてきたのではないのかと思っておりまして、もう十か月もたちました。その課題については、今どのようにお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 課題につきましては、先ほど来櫻井委員が御指摘になられているように、どうしてもタイムラグ等があるわけでありますが、円安によって一時的に、中小企業や小規模事業者、仕入価格が上がっていき、そしてそれがなかなか転嫁できないということになっているという状況もありますし、そして何よりも、まだ賃金が十分に、賃金に企業の収益が反映されていないという状況があるのも事実でありますから、そういう意味におきまして、政労使の懇談の場を設けて、これは単に賃金を上げていくことは労使間における交渉の結果ということではなくて、これはやはり企業にとっても、企業が将来ずっと収益を上げ続けていく、日本全体の成長につながっていくという認識を共にすることによってそういう結果を出していきたいと、しっかりと企業収益が賃金に反映されていくという状況をつくっていきたいと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 この点も総理がおっしゃるとおりだと私は思うんです。  ただ、一点だけ違うところは何かというと、総理は大企業を中心にずっと議論をされてきていることです。例えば、政労使というお話がありました。労働組合のない中小企業は山のようにございます。そしてもう一つ、賃金の問題だと。これは、成功するか否か、私はここが一番大きいと思っています。もう一つは、価格転嫁できるかどうかのところで、今物が上がっているところは大概が大企業で、こうやって物の値段が上がってきています。  価格転嫁できなくて苦しんでいる中小企業がいて、その実態を総理はどこまで認識されているんでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、今、経産省においても、中小あるいは小規模事業者がやはり日本の経済においても極めて重要な役割を担っておりますし、そこで働いている人の従業員の数というのが圧倒的に多いわけでありますから、そこがしっかりと潤うように、収益が上がってくるようにするためにも、この価格の転嫁等がスムーズにいくための様々な施策を行っていかなければならないと、このように考えているところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今のところのその決意はそのとおりなんです。ですが、実際、実体経済上どうなっているかというとほとんど上がっていないし、地方の経済というのはどんどんどんどん疲弊してきているんじゃないかと私は感じているんですが、総理はどう思われますか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 総理も何度も強調しているように、このアベノミクスの成果、これを全国津々浦々で実感を持ってもらえるような状況を一日も早くつくりたい。地方の経済、中小企業・小規模企業が支えております。四百二十万の中小企業の九割が小規模企業という形でありまして、我々が最初に作った補正予算十兆円、経済産業省で一兆二千億です。そのうちの約半分、五千四百億は中小企業・小規模企業対策。例えば、町の工場で新しい物づくりを支援すると。そのための試作品作りに一千七億円お金を投じまして一万社をターゲットにすると。実際には一万五十二社、もうこれを採択して動き出しております。  そういったことから始まりまして、設備投資、研究開発の減税、さらには減税で効かない分については投資の補助金と、あらゆる形で中小企業・小規模企業を応援していきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これは総理にお願いしておきたいことなんですが、結局今のところ、私が見ている範囲でいうと、効果のあるところに対して更なる手当てを行ってきているんじゃないか、政策的なことで。ところが、その副作用が出ているところに対しての手当てが十分でないから格差が拡大してきているんではないのかと思っていて、社会全体のありようがどうなっているのかをもう一度勘案していただいた上で政策をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々も政権に就いてまだ十か月でございますが、この政策によるどのような効果が出ているか、あるいは課題があるかということは、状況を把握し分析をして、その上で対策を打っていきたいと、このように思うところでございます。  ただ、設備投資等については、中小・小規模事業者に対しては予算措置をすると、補助金という形で行っているわけでございますが、そうした形で中小あるいは小規模事業者がしっかりと生産性を上げていくことができるように、あるいはまた、さらには利益を上げていくことができるような、そういう状況をつくっていきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 先ほど課題の中に出てこなかったんですが、貿易赤字がこの上半期で四・九兆円と最大になりました。これについてはどうお考えでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 輸出入を考えますと、外国通貨建ての比率が輸入の方が輸出より多くなっております。この円安によるいわゆるJカーブ効果というのがまず出るわけであります。輸入の影響の方が大きく出てくるということですが、このJカーブ効果のマイナス分が出切るのが、出され切るのが九月、十月と当初から言われています。これが出され切るというまでの時間帯、赤字が拡大しているということがあると思います。  もちろん、一番大きなのは原発停止による燃料輸入が三兆六千億に達しているということだと思いますけれども、そして海外経済、中国経済が若干停滞をしている、あるいはインドネシアを始めとする新興国が予想の伸びとは若干低下している等々のことがその原因と勘案されます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これはもう少しきちんと検討していただきたいことと、それから、本来であれば輸出が伸びてこなければいけないと、これが多分シナリオだったと思うんですが、これは輸出が伸びてこない最大の原因はどこにあるんでしょう。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 輸出先の経済がいま一つ停滞しているということが大きな原因かと思います。アメリカもああいう状態が続きましたし、中国も、まあ若干ここで良くなってきましたけれども、当初見込みよりは低い数字になってきております。それから、新興国の話等々だと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これは、円安になって基本的には価格が下がりますから、それで価格競争で優位に立てるということなんだろうと思いますが、実際、もうマーケットがあるところには工場を全部移転してほかの国々はそこで物をもう作って売るようなことになってきているので、果たしてどこまで効果があるのかと。どう判断されていますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 日本を企業立地にとって魅力的なところにするということは、これから出ていくというプランを持っていたところが思いとどまって日本でやろうという決断にもつながりますし、あるいは海外、具体的な固有名詞を挙げるのはどうかと思いますが、出ていってこんなはずじゃなかったということが、回帰現象もあるわけであります。帰ってきやすいような環境をつくることが大事だというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 とにかく本当は円安で輸出の量を増やすということを目的とされていたんですから、そのことが実現できるように頑張っていただきたいと思います。  もう一つ、日銀の総裁に、出口戦略についてどうお考えなのか、御答弁いただきたいと思います。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、量的・質的金融緩和は所期の効果を上げつつありますけれども、二%の物価安定目標を達成するまではまだ時間が掛かるわけでございまして、当面は目標の達成に向けて全力を挙げているというところでございまして、出口戦略について具体的なことを申し上げるのは時期尚早であろうというふうに思います。  各国の中央銀行を見ましても、当然、出口に近づいてきたときに出口戦略の議論が起こってくるわけでございますが、やはりそのときそのときの経済の実勢、マーケットの状況ということを踏まえてそういうものが取られるということになると思いますので、先ほど申し上げたように、今の時点ではまだ時期尚早であろうというふうに考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ただ、これは異次元の金融緩和と言っているわけですから、まあ私は劇薬だと思っていて、劇薬を使うときには、済みません、医者の立場で申し上げれば、どこでもうやめるのかということをあらかじめ考えてから処方するというのが当たり前なんじゃないかと思っているんです。  そういう出口戦略のイメージもお持ちではないんでしょうか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) どこの中央銀行でも、いろいろな政策を取る場合に、その影響、効果、副次的なインパクトなどを考慮しつつ、どういうふうに運営していくかというのは常に考えているわけでございます。  ただ、先ほど申し上げたように、出口戦略ということになりますと、そのときの経済実態、それからマーケットの状況ということを踏まえて具体的に議論していかなければ、今の時点でいいますと、非常に仮定の話を積み重ねて、こうなったらこうなる、ああいうふうになったらああなるという話になってしまって、むしろ市場に対して混乱の原因になってしまっても良くないと思いますので、委員の御趣旨はよく理解しておりまして承っておりますが、今の時点で具体的に出口戦略について云々するというのはやはり時期尚早であろうというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 まあ一応きちんと考えておいていただきたいということだけお願い申し上げておきます。  それでは、TPPについてお伺いしたいと思いますが、このTPPに関して大分ぶれてきているんではないのかと思っているんですが、方向性が。聖域を守ると言っていたことなんだろうと思いますが、随分守られなくなってきていると思いますが、この点についていかがでしょう。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 衆議院の党公約に基づいてTPPに加盟をいたしました。そして、参議院の党公約に基づいて今交渉を行っているわけであります。そこで掲げられていること、そして、その党公約の政策集であるJ—ファイルあるいは委員会における決議、具体的なことが書いてあります。そこはしっかりと受け止めて交渉しているつもりでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ちょっと不思議なんですが、これ、政権取られたときに公約を掲げられて戦っていて、皆さんはそれに賛同して投票されたと思うんですね。そのときの公約は何でしたか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) たしか衆議院の公約は、聖域なき関税撤廃を前提とする交渉である限りそれに入っていかないということだったというふうに思います。  あと、J—ファイルでは具体的な項目が書いてありました。  参議院の公約は、交渉力を駆使をして、守るべきは守り、攻めるべきは攻め、国益にかなう道をしっかり探るということだったと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 各地によって違うんですが、こういうキャンペーンを張られていて、自民党は絶対反対だと。一枚の方は「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」とまで書かれています。それからもう一つは、ここにあるとおり、今大臣から御答弁あったとおり、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加には反対しますとおっしゃっているんです。  済みません、この聖域というのはどういう意味ですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 党としては、核心的国家利益だというふうに定義しているかというふうに思っております。(発言する者あり)あっ、死活的、死活的、死活的利益。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、ちょっと語彙力が豊富ではないので、どういう字を書くんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 死に、さんずいの活、死活的利益。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 余り聞き慣れない言葉なんで、もう少し分かりやすく。死活的利益とは何なんですか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) どなたが答えられますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) その国の存続にとって極めてクルーシャルな案件だと思いますが。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その国にとって大事な案件とは、自民党としてというか、今政府としては何をお考えなんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 政府が一般的に考えるとすれば、農産物の中にそういうものがあるというふうに承知をいたして理解をいたしております。  ただ、政府として、これとこれを聖域ということを規定したということはありません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、五品目あったはずですが、あれは聖域じゃなかったんですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 党公約の中では、守るべきは守り、攻めるべきは攻めるというふうに書いてありました。その中で具体的な項目について、政策集、これは届け出る党公約ではありませんが、党としての政策集、具体的政策集の中に項目が書かれております。その中に御指摘のようなことが書いてあるというふうに承知しております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 五百八十六品目についての関税の検討をするというお話が出ていますが、これはどうしてこういうことが必要になってきたんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) これは、政府から要請をしてこうしてくれといったことではございません。党の方で、検討委員会の方で五百八十六について、あるいは党の二百幾つについて精査をするという行動を取られたということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、政府としてはこれは全く関係なくて、党が勝手にやっていることなんだという理解でよろしいんですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) そんなに突き放すような冷たい政府ではございませんで、これはしっかり見守って、協力すべきところは例えばデータを出す等々協力をしていくということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 恐らく何らかの情報は提示しているからこういう議論が始まっているのではないのかと思いますが、それも違うんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私から西川委員長に具体的にこの種のことをやってくれという依頼はしておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私からではなくても、政府の中のどなたかがそういう指示を出されたことはないんですね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私の知る限り、把握しておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 TPPに対して情報が十分提供されているとお考えでしょうか、担当大臣として。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 閣僚会議で各国の大臣と話し合いますと、みんな悩みを持っております。TPPに参加するときに秘密保持契約にサインをして初めて入れるわけであります。その外側に一体どういう項目があるのか。質問される方もストレスがあるでしょうけれども、答弁する方もストレスがありまして、各国が同じように持っている悩みでもあります。  そして、日本は、ステークホルダーに対しての説明会は他国と比べて相当丁寧にやっているというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それでは、野田前政権のときと、それから今の安倍政権になってからの情報公開はどういう点で変わってきたんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 野田政権のときには、まだ入るということになっていません。また、入りますという宣言もされておりません。ですから、制約は比較的我々よりはなかったんだと思います。  安倍政権は、入るという決断をし、そして事実入ったわけであります。そこでは秘密保持契約にサインをしたという行為があるわけであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ですから、私がお伺いしているのは、情報の提供は増えたんですかということです。十分になったんですかということです。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 十分というのは、どこまで出ると十分なんでしょうか。秘密保持に抵触するようなところまで出せば十分とおっしゃるのであれば、それはできません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、なぜかというと、自民党のファクスニュースというのがありまして、平成二十三年の十二月の二十二日に何て書いてあるかというと、これ、広報の本部長、甘利先生ですから、国民の八割以上が政府の情報提供は不十分と感じていると。八四%、不十分だと。そこで、自民党の提案は、経済連携に関する特別委員会を設置し、更なる情報開示と徹底審議を求めますと。これは、今、民主党の国対の方で申入れしていることを、これは元々自民党からこういうふうな提案があるわけであって、これ、是非この委員会を設置していただきたい。こういう場で議論するべきだとは思いませんか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 広報本部長であったことは間違いありません。広報本部長は、党が政策が決まったらそれを分かりやすく党員や国民にPRをする役職でございます。ちなみに、そのときの政調会長が誰だったか忘れましたけれども、そこの内容は、入る前にこういう情報開示が必要ではないかということで、そこの下に書いてあることについてはきちんと守りながら進めてきたというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 二十四年の三月九日のファクスニュースはこうなっていて、最後のところにこう書いてあるんです。「わが党は、政府が十一月と同様に二枚舌を使いながら、国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さないよう、政府に対して、上記の判断基準に沿うことを強く求めていきます。」と。この言葉、そっくりお返ししたいんですけれども、あちらこちらで言っていることそのものが全然違っているんじゃないですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私の言動を精査をしていただければ、誠心誠意やっているということがお分かりいただけるかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これは国益が懸かっていることで、非常に大事なことなんです。ですから、このことについて、どこまできちんと取れるかどうかなんですよ。ここに、安易な妥協って、そのとおりですよ。ですから、我々もその政権を担わせていただいたときに、自動車関連だって簡単に我々は妥協はいたしませんでした、あれが安易な妥協ではないのかどうか分かりませんが。  済みませんが、TPPで利益が出ると、その根拠になった数字をまず、じゃ、お話しいただけますか。TPPに入るメリットって一体何なのか、まずその御説明いただけますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) まず、試算は、国際的なモデルを使って、即時に関税が一つもなくなった場合にどういう効果があるかということで、これはそのモデルに従ってはじいて、恣意は入れておりません。  加えて、そこにはいろんな、即時一〇〇%撤廃という前提でそれはつくられているわけでありますから、そうならないよう今交渉しているわけでありますし、それ以外に、TPPの大事なことはルールであります。投資のルール、日本から投資が新興国にどんどん進んでいくように、新興国の成長を取り入れられるような仕組みについて、障害をなくしていくということ、内外無差別を図っていくこと。  TPPはWTOと違ってルール分野の比率が大きいんです。従来の分野はWTOプラスですから、プラスの部分しかお互いが裨益をいたしません。それ以外のルールの部分は全く新しい分野でありますから、そこにルールメーカーとして入っていくか、あるいは誰かがつくったルールを無条件でのむか、その違いというのは大きいかというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 たしか三兆二千億円の経済効果があって、そのうちたしか、私の記憶が正しければ八千億円程度が自動車関連だったんじゃないのかと思います。  ここのところの関税が米韓FTA以上に維持されることになると、こういった利益もみんな吹っ飛ぶことになりませんか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) この物品関税の部分の試算は即時全面撤廃ということが前提ですから、そうでない場合には、いろいろな出っ込み、引っ込みは当然発生してくると思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、そんなの分かっていますよ。だから、ここのところは一番日本にとって利益の大きいところを失ったんじゃないですかということを申し上げているんです。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 御存じだと思いますが、日本はルールでは強いんです。ルールでは強いということは、相手に攻め込むことができる部分であります。そのルールの部分が初めて国際条約として本格的に取り扱えられるということなんです。  しかも、このTPPはTPPで終わらない。つまり、RCEPとくっつく可能性があります。現に私のところに、あるASEANの未加入国の重要閣僚から、参加したいが相談に乗ってくれという話が来ました。それ以外からもあります。  ということは、もし入っていなかったらこれが拡大していく危険性になります。入っていれば可能性になります。そこの違いを認識しなければならないと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 質問に答えていただけてないんですが、少なくとも自動車に関しては相当な利益を失ったんじゃないですかと申し上げているんです。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 今、米国との間で並行協議、TPPと同時に進めておりますけれども、米韓FTA、KORUSと比べということでありますけど、条件が全く違うわけです。韓国の場合は、御案内のとおりで、アメリカと交渉に入る段階で自動車八%、そしてトラックについて一〇%の関税を下げる、なくすと、それに対してアメリカもなくすと。日本の場合は全く元々ないんです、日本は関税が。相手から取るだけなんです。それで、工業製品については関税の撤廃を求めると、こういったことで交渉しておりますんで、全く条件が違うと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ですから、条件違っていて、日本だけ何か取られるものだけ取って、日本が取るべきものを取れなくなるんじゃないかという心配をしているんです。  いずれにしろ、もう少し情報を出していただかないと、本当に農家の方を始めとして皆さん不安になっていらっしゃるので、この点については是非御検討いただきたいと思います。  済みません、時間がなくなりましたので、最後に一つ。  これは、カリフォルニア州でこういうことになったらしいんですが、離婚した元配偶者とか、それから別れた恋人の裸の写真をインターネット上に流出させる、いわゆるリベンジポルノと言われる嫌がらせがあるんだそうですが、こういったものを非合法化した、つまり罰則規定をきちんと設けた上で規制をしてきたということなんです。  今の日本の環境を考えてくると、こういった規制を掛けていくべきではないのかと思いますが、この点についていかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆるリベンジポルノとかあるいはサイバーリベンジと言われるものがこのごろしばしば見受けられるようでございます。  これ、我が国の現在の法制でも、ある程度想定される事案は大体処理はできることはできるんです。例えば、今、具体例は私の立場から申し上げにくいですが、公然事実の摘示があれば名誉毀損罪が適用できます。それから、被害者が十八歳未満であれば児童ポルノ禁止法が適用される可能性がございますね。それから、刑法百七十五条、つまりわいせつ物に関する罪も、数年前に電磁的記録が適用できるように改正していただきましたので、これも使える可能性が高い。だから、かなりの部分は覆われていると思います。  そうしますと、それ以外、その今の法体制で何が足らないのか、あるいは今起こってきているこういう犯罪の中で今までの考え方と違う体系で処罰する必要があるのか、それを支える立法事実は何なのかということについては、まだ私どもも十分に情報がございません。したがって、その辺りについてはしっかり調査をする必要があって、そういった前提の下で慎重に考えていく必要があるのではないかと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  確かに例えば名誉毀損なら名誉毀損で訴えられるんだろうとは思います。しかし、その画像はもう既に出てしまっていて取り返しの付かないことになっていると思っています。私も娘を持つ父親からすれば、こんなことをやられてしまったら本当たまらないなと。これは多分皆さん同じ思いなんじゃないかと思っていて、こういったところに対してきちんとした規制を掛けていくことの方が大事ではないかと思いますが、改めて前向きな御答弁いただければと思います。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに今までの事態と違う部分があるのかもしれません。ただ、事は刑事規制に関する問題ですから、その必要性は余り安直に考えてはいけないんで、しっかり支える立法事実を私も調査したいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 安直に考えられないってどういうことですか。  いや、ちょっと私は、だからもう少し前向きにいただけるのかと思ったんですが。

谷垣禎一自由民主党法務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 安直に考えているわけではありません。今の刑法体系、日本の刑事法体系でも、ちょっと私いろいろブレーンストーミングしてみますと、かなりの部分はこれでできます。できないところを探すのはむしろ難しいぐらいです。  それからもう一つ、今カリフォルニアの例をおっしゃいました。カリフォルニアの法定刑と日本の法定刑を比べてみますと、むしろ日本の法定刑の方が厳しくなっているように私は思います。  そういう前提がある上で、あと何をすればいいのかということは、私別に後ろ向きでいるわけじゃありません。私も娘を持つ人間として、櫻井さんのおっしゃることはよく分かります。また、個別的事件を言ってはいけませんが、誠に卑劣な事件であり、痛ましい事件であったと私は思っております。  したがいまして、そういう気持ちの下で、今何が起こっているのかきちっと私どもも考えてみたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  やはり、終わってから何か処置するということではなくて、そういうことができないように、それから、被害者の方々が相当増えてきていますので御検討いただきたいと思います。  経済対策を中心に今日は質問させていただきました。お願いは、我々も別に何かを邪魔しようなどということは全く思っていなくて、経済を良くしていかなきゃいけないとか、それから社会保障を維持していかなきゃいけないということについては全く同じ立場に立っております。  ただ、今回申し上げたかったのは何かというと……(発言する者あり)

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) お静かに願います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 やはり副作用が強い政策だと私は思っておりますので、その副作用についてきちんきちんとチェックをしていただいて、それをいかに早く対処していくのかということが極めて大切なことだと思っておりますので、我々はそういったことについてもこれからきちんとした形でチェックさせていただくということを申し上げまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で吉川沙織君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、山谷えり子君の質疑を行います。山谷えり子君。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。  度重なります大きな自然災害、伊豆大島の土石流でお亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈りし、また、被害に遭われた皆様の生活の困難、お見舞いを申し上げます。  その上で、古屋担当大臣にお聞きしたいんですが、自衛隊の五百人増員派遣も含めて政府は万全を期しているところでございますけれども、ただ、伊豆大島の町長さんがいらっしゃらなかったということや、また、警戒情報が置きっ放しにされていたということ等々もあるのかもしれませんけれども、避難勧告が出なかったということが非常に大きい問題だと思っております。  これはどの人が悪いというのではなくて、実は避難勧告というのは地方自治体によって任されておりまして、実は多くの自治体から、基準が曖昧でどうやって出したらいいのかと非常に悩ましい問題があるということも聞いております。この際、反省し、検証し、そして基準のようなものをお出しするという考えはございますでしょうか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) お答えいたします。  今、現時点で三十名の方がお亡くなりになっています。まだ十五名の方、行方不明です。心からお悔やみを申し上げると同時に、できるだけ早く行方不明者の捜索が進むことを期待いたしております。  今、現地対策室をつくりまして、東京からは内閣府の官房審議官を、防災の専門家ですから派遣して、全部、大島町、それから東京支庁、関係省庁、連携して取り組んでいます。その上で、まずその行方不明者の捜索と、一方では、台風二十七号と二十八号が来ますから、この二次災害の防止、徹底をする、まずこれを優先をする。その上で、今委員からも御指摘がありましたように、なぜこの避難勧告とか避難指示が出なかったのかということでございます。  これを時系列的に若干説明させていただきますと、十五日の九時に気象庁から台風情報が出ています。しかし、十時十分に大島町長は出張ということで隠岐の島に出発をしています。その後、十五日の夕方十八時〇五分に土砂災害の警戒情報が役場に通知をされているんですけれども、これは、土砂災害警戒情報というのはランクとしては、要するに一番上から、特別警報の次なんですね。大雨注意報、大雨警報、土砂災害警戒情報ですから。この大島町の防災計画によれば、もうこの土砂災害警戒情報が出たら避難を促すということになっていましたが、結果的にそれが出ていなかったということは非常に私も残念に思います。  ただ、これは犯人捜しをすることではありませんで、やはりこういった教訓を今後の対策にしっかり生かしていく、これ、極めて大切ですね。ですから、私も今、全国千八百ありますので、その町村に対して、どういう対応をしているのか、そういったことをチェックをさせています。その上で、適切な指示が住民の皆さんに必ず伝わるように、そして避難勧告あるいは避難指示、こういったものが出るようにしていく、これが何よりも大切だというふうに思っております。  一方では、住民の皆さんも、やはり場合によっては空振りがあるわけですよ、でも、それを余り怒らずに、むしろラッキーだったということを考えていただく必要があるんです。そうしないと、やっぱりどうしても首長さんがしっかりそういった勧告なり指示を出しづらい面が出てくるかもしれません。  ですから、そういったことも含めて、全国千八百の市町村に徹底的な今検証を進めて、そしてこの今回の残念な災害、これを検証しながら今後の改善に努めていきたいというふうに思っています。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 よろしくお願いいたします。  自民党は、日本を取り戻すということで、衆議院選、参議院選挙を戦い、政権をお預かりすることになり、ねじれ国会を解消いたしました。ああ、政治が変わると気持ちが変わるね、明るくなったというふうに多くの町の人々のお声をちょうだいいたしまして、非常に有り難いなと思うと同時に、また責任感、結果を出さなければいけないなという気持ちで引き締まっているところでございます。  今国会は成長戦略実行国会ということでありまして、私は、安倍総理の政治家としてのすごさというのは、現状認識の確かさ、そして戦略性、それをいつの時点でどういう順番で打っていって実現させていくかというその実行力と志にあるというふうに思っております。  今回も、成長戦略に資する八本もの法案をこの臨時国会にお出しになられた。産業競争力関連、そしてまた国家戦略特区関係、会社法の関係、そして再生医療や薬事法や、そしてまた電気、エネルギーの関係、そしてまた攻めの農業のための関係、そして農山漁村の再生エネルギーの関係という非常に具体的な八本をお出しになられまして、これは経済人ばかりではなくて投資家も、この八本が成立すればそれは確かに大きく進むよというような声も私聞いているわけでございますが、この八本の法律を出そうと思った、もっと言えばこの成長戦略実行のビッグピクチャー、この方針をお聞かせいただけますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権の三本の矢の政策は、まず大胆な金融政策と機動的な財政政策、そして成長戦略でありますが、金融政策そして財政政策は効果を上げてきていると思います。  しかし、今後も持続的に成長を達成していくためには、成長戦略が極めて重要であります。その中において、経済においてはまさに今グローバルな競争に打ち勝たなければ日本の企業も勝ち残っていくことができないわけでありますし、海外からもどんどん投資が日本に入ってくる、そういう日本にしていかなければ日本は活力を得ることができない。その考え方の下に、日本は世界で最も企業が活動しやすい国なんだと、そういう国にしていくことが大切であろうと、こう考えております。  そのためにも、一つの問題は、例えば過剰な規制であったり、そしてまた同時に過少の投資という問題もあったわけでありますし、またあるいは余りにも過当な競争という状況もあったわけでありまして、そういうものを変えていく必要もあるんだろうと思うわけでございます。それに資する今回は法律を提出をさせていただいているところでありまして、大切なのは、成長戦略は作文であってはならず、実行あるのみと、このように考えております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 法人税で賃上げをした場合には減税するというようなこともありますけれども、しかし企業の七割は赤字だったりするわけですね。そうすると、このプランは必ずしも有効、効くか効かないかちょっと分からないというような部分があるんですが、赤字企業への賃上げの、何というかインセンティブといいますか、それはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 端的に二点申し上げますが、黒字でかなり収益の上がっているところに対しては、我々として、賃上げ、雇用の拡大だけではなくて、取引先企業、これとの支援関係を強化するように、こういう強い要請を行っております。  また、赤字企業、経団連でも連合の調査でもなくて、国税庁の調査によりますと、赤字の中小企業は七三%ありますが、二年連続赤字というのは三三%なんです。その分、再生の可能性が高いということで、今回の投資促進税制の拡充であったりとか投資補助金と、こういったことをしっかり活用しながら、こういった企業が黒字になっていくという、こういった状況をつくっていきたいと思っております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 九月二十日に政労使の会議を立ち上げられまして、国民、いろんな立場の人間が意識を共有化していくというのは、本当にそれこそ日本的で非常に成果が上がっていくというふうに私は考えておりますけれども、端的に、この冬のボーナスあるいは来年の春からの賃上げ、何割ぐらいに効果があるというふうに読んでいらっしゃいますか。感触でございますが。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この感触でありますが、先般、政労使の懇談を行った際に、米倉経団連会長からも、あるいはトヨタ自動車の豊田社長からも、日立の川村会長からも、それぞれ企業の収益を賃金に反映させていきたいという趣旨の御発言があったわけでございまして、これは、今までこういうことはめったになかったわけでありまして、そういう希望を言う、連合の会長が言うことはあっても経団連の会長が言うということは今までなかったわけでございますので、そういう意味では大きな変化。これはなかなか日本以外ではそう簡単には起こり得ないんだろうと、このように思うわけでありまして、まず認識を同じくしたと。そして、やっぱりみんなでお互いにいい国をつくっていこうという認識を得ることができたことは極めて有意義であったと、このように思っております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 日本は底力がある国であります。ですから、国民の様々な立場の人間が意識を共有化していって頑張っていくということが本当にエネルギーになっていくと思うんですが、一方で、これは地方のある銀行の取引の人から聞いたんですが、賃下げをすれば融資をするよなんということを言う銀行がまだあるというふうに聞いております。  そういうちょっと困ったまだ意識のところもあるのかなと思っておりますけれども、そういうところへのやっぱり意識を一つにする徹底とか、それから来年度に向けては小規模事業の支援とか、それから地域ごとの産業別競争力のためのいろんな調査、いろんなものをこれからまた立ち上げていこうというふうにしているということも伺っておりますけれども、本当に意識の共有化、そして中小企業にまで、末端にまで血液を行き渡らせるためのこれからのプロセス、お聞かせいただければと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 景気の回復というのは、大都市から地方に、あるいは大企業から中小企業にという、そういう一般的な流れはありますけれども、まず一つはそれを加速をさせるということであります。あわせて、地域でそういう動きを起こしていく、今御指摘の競争力会議の地方版を十一月から開いていきます。あるいは、地域は一次産業ですから、一次産業を振興するための方策も組んでいきます。そうやって循環を加速することと同時に、地域自体で経済の活性化がスタートしていくような取組をしていきたいと思います。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 地方も少しずつ良くなってきたという先日の日銀のレポートもございましたけれども、本当に地域隅々までその血液が回っていって、みんなが元気になってほしいと思います。  そしてまた、若者への支援、今三十代の後半でもまだ独身の人が男の人で三人に一人、女の人で四人に一人と、なかなか結婚に踏み切れないというような低賃金、長時間労働、また非正規が三割というようなこともございます。その辺はいかがお考えでございますか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 昨今、使い捨て、若者を使い捨てをするような、疑われる企業があるわけでございまして、これでは日本の国の将来はやはり発展していかないという思いの中で、私の方から指示いたしまして、九月に、過重労働重点監督月間というものに決めまして、九月の一日でありますけれども、日曜日だったんですけれども、無料電話相談、これをさせていただきましたら、一千件ほどやはり相談の電話がありました。  あわせて、九月中、見込みで四千ぐらい、そのような企業をこれ重点的に監督指導をしようということで実施したんですけれども、四千件を超えました。十月も引き続き、使い捨てが疑われるような企業、これを重点的に監督指導してまいります。ばんばんやっていきたいというふうに思っています。  あわせて、相談体制の方もしっかり強化して、若い人たちが安心して働けるような環境をつくってまいりたいと思っておりますし、あわせて、やはり非正規というような形で働いておられる方々、なかなか、好んで働いておられる方はまだいいのでありますけれども、自分自身がそう思っていないのにそういう環境の下でしか働けないというふうな方々に関しましては、やはりこれキャリアアップを図れるようにしっかりと我々支援をしてまいりたい、このように思っております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 日本は世界に例のない老舗大国ということも言えるかと思います。一千年以上続いている企業が数社ある、また百年以上続いている企業が四万五千社あると、こういうことを外国の人に言いますと本当にびっくりするんです。  日本というのは本当に長くこつこつと良質なものをプロダクトしてきた、また、そしてチャレンジ精神もあふれて、それを常に常に時代に合わせてやってきたというところでございますけれども、チャレンジ精神もまた日本の一つの大きな特徴だと思いまして、ただ、会社をどうつくっていいか分からないというような方々が多い中で、今度、創業塾というんですか、創造、クリエーティブの創になりわい、創業、アントレプレナー、企業を起こす、それを三百か所全国で塾をつくって、若者や女性や高齢者が事業が起こせるようにしていくんだということも聞いておりますけれども、私はこれ非常に期待しているところでございますが、詳細を教えていただけますでしょうか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) これから創業の支援、極めて重要だと思っておりまして、御案内のとおり、日本は開廃業率四%という数字で、英米でいいますとこれが一二%であります。これを一〇%台に引き上げると、そのために資金面だけではなくて経営のノウハウであったりと様々な形の支援体制をワンストップで提供できるような体制、しっかり全国レベルで取っていきたいと考えております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 安倍総理は、成長戦略の中にODAの戦略的見直しというのを入れていらっしゃいます。たくさんの国々を御訪問なさっていらっしゃいますけれども、今、一兆円の援助実績一年間ある日本国でございますけれども、もっといろいろな価値観を持って戦略的に見直す必要があるのではないか、あるいはまた、中小企業の国際展開といいますか、新興国の成長を我が国の成長に取り込んでいくようなプログラムを後押ししていこうとか、いろいろ考えていらっしゃいますけれども、その戦略的なODAの見直しについて、総理、お考えがあれば。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、今、山谷委員が指摘をされたような観点から、日本再興戦略では国際展開戦略を柱の一つとして位置付けまして、経済協力を戦略的に活用しつつ、インフラシステム輸出戦略の実施を含めたインフラ輸出、資源確保の推進、潜在力ある中堅・中小企業等に対する重点的支援などに取り組んでまいりました。  そしてまた、新興国を中心とした膨大なインフラ需要を取り込むため、私自身も積極的に海外に足を運んでトップセールスを行ってきたところでありますが、特に新興国については、対象となる市場の経済発展の度合い等を勘案をして地域ごとに市場開拓目標を定めまして、官民一体となった取組を進めていきたいと思っております。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  グローバル経済の中で積極的に、戦略的に市場を獲得していくために引き続き全力を尽くしていきたいと、このように思っております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 私は、先日、ブータン、ミャンマー、スリランカと、ODAの調査団の団長として参りましたけれども、本当に安倍総理の、例えばミャンマーにおいてはティラワ地区という、山手線の四〇%ぐらいの広さを工業団地にしていくんだという壮大な計画を始めとして、本当に総理のリーダーシップを感じながら回ってまいったところでございます。  続きまして、復興についてお伺いしたいと思います。  今日、お昼も自民党本部に福島の旅館の関係者や、また若い漁業の関係者の皆様がいらっしゃいまして、福島復興委員会、いろんな現場のお話をお聞きいたしました。復興ポイント、エコポイントのような、そういうものをつくれないだろうかとか、あるいは、十月十九日に総理が福島にいらっしゃいましてカレイとかキンキとかシラスをたくさん召し上がられたそうでございますけれども、あのときに復興加速プランを発表なさいましたね。あれに対する期待も、被災三県から非常に期待するという声を聞いておりますけれども、復興加速への思いをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島の復興なくして日本の再生なしという思いで復興に取り組んでいきたいと思います。  特に、復興を加速していくことが安倍政権の大きなこれは政策課題でございまして、なかなか復興が進んでいかない中で今まで復興加速化プランをずっと出してきたわけでございますが、先般、相馬市を訪問した際に発表いたしましたものは、例えば所在者が不明な土地の収用について大変時間が掛かっていたわけでございますが、これを大幅に短縮をしていくためのプログラムを発表したところであります。  これは、財産管理制度にかかわるものは、半年掛かっていたもの、これ最短で三週間で可能になっていくわけでございますが、これは裁判所との調整も必要でございまして、様々なこれは対応が、課題があったわけでございますが、根本大臣を中心に努力をしてきた結果、これは可能となったわけでございまして、また、さらには土地収用手続を大幅に短縮をしていくなど、こうした形でしっかりと、特に住宅再建、まちづくり再建、これ時間が掛かっておりましたが、これをしっかりと加速化させていきたいと。  いまだに仮設住宅等で通常の生活に戻れていない皆さんを一日も早く元の生活に戻れるように、そのための加速化を更に進めていきたいと思っております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 総理は、本当に常々、いまだに避難生活を送っておられる二十九万人の方々というふうにおっしゃられますし、また、三月十一日の後も、私たちは野党でしたけれども、総理は自ら本当にまだ道路がつながっていないときにいらっしゃいましたし、総理になられてからも毎月のように被災地を訪ねていらっしゃいます。自民党といたしましても、現場の声を聞きながら復興の加速化に努めてまいりたいというふうに思います。  さて、安倍内閣の三本の柱というのは、実は復興、経済再生、そして教育再生、そして外交、外交を取り戻すということであります。ということで、教育再生についてお伺いをいたします。  第一次安倍内閣のとき、私、教育再生担当の総理補佐官をさせていただきましたが、あのとき教育基本法の改正を行いまして、教育の目標をしっかりと決めました。そして、ゆとりを持って教育するのは当然なんですが、緩み教育になっていたんじゃないかということで、学習内容の精査等々もいたしまして、あのときの学習指導要領の下にできた教科書が去年から中学校では使われているんですが、教科書のボリュームが二五%アップ。数学では三三%アップ。理科では四十数%アップという形で、学力もこれから徐々に戻ってくるのではないかというふうに思っております。  今、官邸の方にも教育再生実行会議というのをおつくりになられまして、大学入試あるいは高校の達成度試験とか、あるいは教育委員会のどのような改革によって責任体制を確立するかということなどなどを話し合われていると承知しておりますけれども、一方で、義務教育レベルの基礎的な学力とそして規範意識、これも総理もずっといつも一貫しておっしゃっていらっしゃることでございますが、これが忘れられているんじゃないかと。そんなことはないんですけれども、忘れられているんじゃないかという不安を覚えていらっしゃる皆様もいらっしゃいますので、教育再生に懸ける意気込みと考え方についてお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 誰もが日本に生まれたことを誇りに思える品格ある国家をつくっていくために、全ての子供たちが夢を実現できる、そのために世界トップレベルの学力あるいはまた規範意識を身に付ける機会を保障していく、これは国の責任でしっかりとやっていこうというのが山谷当時の補佐官にもお手伝いをいただいた教育再生でありました。そして、その結果、教育基本法を改正したわけでございますし、今、山谷委員が指摘をされたように、基礎学力を強化をしていく、ゆとり教育を見直していくということを決めたわけでございます。  その中においてやり残したこと、教育委員会制度もそうなんですが、あるいはまた、あのとき改正をした、教育基本法を改正したのに果たしてそれが現場でその精神を生かしているかどうかという問題点について、もう一度我々はおさらいをして検証しているわけでございます。  そこで、山積する教育課題に今正面から取り組み、これらの日本にふさわしい教育体制を構築をしていくために、教育再生実行会議を設置をしまして、道徳教育あるいは教育委員会制度、大学教育等について提言をいただきました。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  今後、提言事項の実現にしっかりと取り組んでいきたいと、このように思いますし、また、今御指摘のあった学力の向上や規範意識、そして我が国の歴史や文化についての教育はいつの時代でも重要な教育の基本であると、このように考えております。日本の伝統文化に関する子供の体験活動の推進など、改正教育基本法に基づき、我が国の重要課題である教育改革の推進に取り組んでまいる決意でございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 ありがとうございます。実際、来年度の概算要求では、道徳教育は二倍に、また体験学習の教育は四割増しというようなことで、また土曜日もいろんな形で使えるようにということで新規の予算組みをしているところでありまして、期待しているところであります。  しかし一方、日本の高校生の七割が自信がないと答えて、中学生、高校生では世界のどこよりもテレビを見たり携帯電話をしたりゲームをしたりでもう一番疲れているという非常に情けない、もったいない状態にありまして、こうした中学生、高校生に学ぶ意欲や心にともしびをつけるような志を持つ教育の場をどう提供していくかというのが大きな課題だろうというふうに思っています。  改正教育基本法の目標、五つございまして、一つが情操心とか道徳心を高めていくこと、そしてもう一つが自分を律する心、勤労の精神、職業教育ですね、それから三つ目が公共の精神、そして四つ目が自然や生命に関する感性を高めていくこと、五つ目が、伝統文化を愛し、我が国とふるさとを愛する心を養って、世界の平和に貢献する子供をつくっていくということなんですけれども、授業でやれる部分もありますでしょうし、しかし授業だけではどうしても限りがあるということで、実は第一次安倍内閣のときに放課後子どもプランという、放課後に地域の様々な皆様に加わっていただいて、そして子供たちは自分がやりたいものを選択して伸び伸びと、例えば、日本は道の文化ですから、お茶を飲むのも茶道にし、お花を生けるのも華道にし、字を書くのも書道にし、そして武道という、平和を求める礼節あふれる武道もあります。あるいは、理解の遅れている子には宿題を見てあげる大学生を入れるとか、体力、いろんなスポーツコーチを入れるとか、それを全部の小学校で放課後プランで展開しようといたしました。  安倍内閣でそれを決めて、次の福田内閣で私は地方自治体を走り回りまして、何ができますか、どんなことがやりたいことですかということを聞いてまいりました。そして、最初の予算を付けたのが麻生内閣なんです。  私の心積もりというか、その当時のそのチームの心積もりといたしましては、五年掛ければ全ての小学校でそれが展開できるという予定だったんですが、残念なことに政権交代になってしまいまして、あれはもう一回ちょっと復活したいなというふうに思っておりますので、また文科省の奮起を促したいというふうに思います。  「おもてなし」という、滝川クリステルさんがブエノスアイレスで、IOCのオリンピックの会場でおっしゃられたあの言葉というのは、日本人が長らく、自分を忘れて道を歩む、そして人を大切にするという、そういう心が本にあっておもてなしというふうになるわけでありますから、その心を育てるような、思いやりの心を育てるような、そうした予算付けもこれから積極的に行っていただきたいと思います。  続きまして、子ども・子育て新制度なんですけれども、幼児教育の質、そしてまた保育の質というものをきちんとしようじゃないかということで、来年度の概算要求ではその調査というのが掛かっております。  私は、待機児童解消、それはそれでいいんですが、今二万二千人の待機児童に対して来年度までに二十万人分受皿をつくるというふうに、これ実は民主党政権時代の数字でありまして、行政の継続上これを引き継いでいるわけですけれども、本当にどこにどうニーズがあるのか。そして、ゼロ歳児保育や長時間保育というのは国策としてやっている国は世界中にないわけでありまして、できるだけお母さんたちが多様な働き方ができたり、あるいは育児休業が取れたり、再就職できたりとか、様々なもっと細かいニーズを把握しながら、親の喜びに、そしてそれは当たり前ですが子供の第一の喜びなわけですから、そのような方向に持っていっていただきたいなというふうに思っているところでありますけれども、やっとこれから緻密な調査が始まるということで非常に期待しているところでありますけれども、森まさこ担当大臣がそれを統括といいますか、文科省、厚労省というふうに縦割りではなくて、全体的に子供の幸せを見ていくんだというお立場から、どのようにこれから取り組んでいらっしゃいますか。

森まさこ自由民主党内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(森まさこ君) 文科省、厚労省と連携して少子化大臣として取り組んでいるところでございますが、なぜ待機児童が生じるのか、その根本的な原因を考えることが大切だと思って調査を掛けることにいたしました。  一つには、ゼロ歳児のうちは家庭でしっかり育てたいと思っていても一歳になってからの四月に保育園に入れない、だから早く、ゼロ歳のうちになるべく早く保育園に入れたいという保活。一歳児で入れないと、自分自身が育児休業期間満了してしまって会社を辞めざるを得なくなってしまうという問題もあります。また、一年も休んでいると、スキルが落ちてしまって自分の描いていたキャリアラインに戻れないというような意見もあります。それには、やはり女性だけが育児休業を取っていて男性の方が取っていない又は取りにくい環境であるということが言われております。  そこで、安倍政権におきましては、待機児童の解消とともに、今言ったような問題を解消するために、育休の取得、そしてその後にしっかりと、育休をしていた従業員を受け入れるようにと総理から経済界に要請をしていただきました。と同時に、中小企業に対しては助成金を出して、そうした職場復帰を支援する企業にしっかりと政府も経済的な支援をしていくようにしておりますし、それから職場復帰のためのスキルアップ、こういったことに取り組む企業には助成金も出して、さらにスキルアップ研修を受ける個人にも経済的な支援をしております。さらに、男性の育児休業取得を促すためにも、育児休業中の経済的な支援の強化を田村厚労大臣が今前向きに頑張っていただいているところでございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 平成二十二年に成立いたしました改正育児・介護休業法では、三歳未満の親は、一日六時間勤務あるいは残業免除をしてほしいといった場合に企業はそれを受けるという、そのような条文も入っておりまして、総理も経済界を回って、もっと育児休業を取りやすいようにしてくれとか、三歳まで本当にたくさん親と抱き締め合うことができるようにとかおっしゃっていらっしゃいますので、是非そちらの方も、やっぱりバランスが大事だと思いますので、子供の幸せ、親の幸せ、それが次の日本の明るさと強さを支えるわけですから、お努めいただきたいと思います。  その中で、幼児教育の無償化というのもございます。  実は、五歳に幼児教育を始めると知的にも感受性的にも非常に伸びがいいというような最近の脳科学の研究もあって、欧米は五歳児から何らかの教育をというような国策を取り始めているところが増えております。  日本でも、今回、本当に関係省庁の努力によって、森大臣そして下村大臣、田村大臣の本当に御努力によって、三人目の五歳児から、五歳児は無償であるというふうにはしたんですけれども、三人目のお子さんからということでまだ全部の無償化にはなっておりませんし、また、保育園で五歳児の教育ということもまだなされておりません。  日本中の五歳児全てが幼児教育、質の良い幼児教育にあずかれるように総理のリーダーシップが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 私の方からお答えさせていただきたいと思います。  山谷先生御指摘のように、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、先進国では幼児教育の無償化に取り組んでいるところでございます。  御指摘のように、今年の六月に、幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議、山谷委員にも与党の委員として出席していただきました。この中で今後の取組の基本方針が取りまとめられ、無償化に関する環境整備と財源確保を図りつつ、まずは五歳児を対象として無償化を実現することを視野に置いて、平成二十六年度から段階的に取り組むということが決まったわけでございます。この方針を踏まえ、幼稚園と保育所の負担の平準化を図る観点から、幼稚園就園奨励費補助において低所得世帯、多子世帯の保護者負担についての保育所と同様の軽減措置を行う、これを二十六年度概算要求を行っているところでございます。  自民党の選挙公約そのものが幼児教育の無償化でございますので、これに向けて、できるだけ早く実現できるように更に努力をしてまいりたいと思います。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 先ほど申しました改正教育基本法の目標の一つであります勤労の精神といいますか、世のため人のために働くことのすばらしさを知る職業教育というこの部分なんですが、小学校から、働くことのすばらしさ、世の中にはいろんな仕事があって、自分の持ち味はこうだからこんな仕事に就こうというようなことを様々な体験を通しながら考えていくということが大切だというふうに思います。  そしてまた、今、専門学校に進学する若者が大変に増えているんですね。十八歳以上ですと、大学に五一%、短大に五%、そして専門学校に二二%進学しているんです。大学の場合は、卒業して就職できるのが六十数%、そのうち三人に一人が三年以内にやめてしまうという、なかなか苦しんでいるんですね。  それで、麻生財務大臣、うなずいていらっしゃいますが、専門学校をお持ちですよね。こちらの方は八割就職して、地元で就職して、結婚して、良き納税者になって、良き親になって地域を支えるということで、専門学校支援というのは大事だというふうに思うんですが、ただ、学校教育法上の一条校という、専門的に言うとそういうところに位置付けられていないものですから、国立大学には一兆二千億円ぐらい付いているんです、私立大学には四千七百億円、専門学校には三十二億円なんですよ。来年の概算要求で何とかみんなで頑張って五十三億円まで行かせましたが、私は、一千億円ぐらい、経済的に困難を抱えている人もいっぱいいます、就学奨励費というような形できちんと専門学校に光を当ててほしいというふうに思いますし、また、職業教育ということから見れば、小学校や中学校に専門学校のいろいろなカリキュラム、ノウハウ、先生たちが行っていろんな教育をすることもできるわけですから、専門学校への充実策というのをお考えいただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、専修学校は、社会の変化に即応した実践的な職業訓練により高い就職率を誇る教育機関として大変大きな役割を果たしているというふうに思います。  文部科学省としては、専修学校の質の保証、向上に向け、本年八月に、企業等と連携を通じ、より実践的な職業教育に取り組む専修学校の専門課程を、これはまさに議連の先生方のお力によって、文科大臣が認定する職業実践専門課程、これを新しく創設をし、来年四月からいよいよ開始することになっております。このことによって、更にこれから予算等が増えるような仕組みを是非これから考えていきたいと思いますし、また御協力をお願い申し上げたいと思います。  御指摘の平成二十六年度の概算要求では、この専修学校実践専門課程等を通じた専修学校の質保証・向上の推進事業としてまず三億二千万円を予算要求しております。また、専修学校全体としても、社会人や女性などの学び直しに関する事業等を中心として、御指摘ですが、五十二億六千万。大学等に比べて少ないわけですが、二十五年度に比べると、三十一億ですから二倍弱ぐらい要求をしているところでもございます。  今後とも、我が国の職業教育の中核を担う専修学校の重要性を踏まえ、その質の保証と向上を図りつつ更なる支援について努めてまいりたいと思います。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 来年の通常国会は教育再生国会という形で展開をしていただきたいというふうに望みます。  安倍内閣の三本の柱、復興、経済再生、教育再生、そして外交。外交の方をお尋ねいたします。  総理は、積極的平和主義ということをおっしゃられておられます。総理になられて十か月で二十三か国御訪問なさって、首脳会談は百十か国以上という、もう本当に考えられないお働きをしてくださっているわけですが、東アジア・サミットでも、ウォール・ストリート・ジャーナルなんかを読みますと安倍総理がすごいリーダーシップを取ったとか、あるいはほかの外国のメディアの皆さんに聞いても、安倍総理はこう言ってといって、発言を引用しながら多くの国々の首相が会議の議論を展開していったというふうに聞きます。  どこの部分が共感をされたのか、そしてまた積極的平和主義という言葉の持つ意味、背景などをお知らせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この積極的平和主義については午前の議論において大塚委員と議論をさせていただいたわけでございますが、安全保障環境が大きく変わる中において、特に今、日本の状況というのは一国のみで日本の安全を守ることができないわけでありまして、言わば国際的な平和と安全を守っていくことによって日本を守っていくことにもつながっていくという中において今まで以上に積極的な役割を果たしていこうというものでございますが、我々のこの考え方をこれ英文にしまして、首脳会談をやった際、ASEANの国々の首脳には必ずこれをお渡しをしておりますし、またEASに、東アジア・サミットに参加したオーストラリアあるいはニュージーランド等の国の首脳にもお渡しをし理解を得ておりますし、積極的な評価もいただいております。  先般、2プラス2においても米国からも評価をいただいたところでございますし、英国のヘーグ外相が来日をした際にも説明したことによってよく理解もいただき、その日本の立場をしっかりと支持していくという言葉もいただいているところでございますが、東アジア・サミットにおきましては、政治、安全保障分野を中心に首脳間で率直な議論を行うフォーラムでありますが、その際、私からは次の点を強調いたしました。  海洋は開かれた安定したものでなければならず、その秩序は力ではなく法により支配されなければならない、海洋は重要な国際公共財であり、我が国は海洋安全保障を重視をしているということであります。そして、南シナ海をめぐる問題は地域、国際社会共通の関心事項であると、全ての関係国は関連国際法を遵守すべきであり、また紛争は国際法に基づき平和的に解決されなければならないということを申し上げたわけでございますが、言わば南シナ海においては力による現状変更のチャレンジがあるわけであります、東シナ海だけではなくてですね。  その状況に言わばASEANの多くの国は危機感を抱いているわけでございまして、その中で日本がこういう会議の場においてしっかりと、それはおかしい、これは力による支配ではなくて法による支配、そして海が開かれていなければならない、自由な航行は守られなければいけないということを主張してもらいたいという国が多くあったのも事実でありまして、そういう国々の期待にこたえることができたのではないかと、こう思うわけでございまして、会議の終了後発出された議長声明にも今私が申し上げたような論点が書き込まれることにつながったわけでございます。  今後とも、国際協調主義に基づく積極的平和主義の考えの下に我が国はその責任を果たしていきたいと、このように思っているところでございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 一昨年でしたか、中国がフィリピンの島に自分の島だって、中国の島だって立札を立てて、標識を立ててしまって、フィリピンは軍を出してその立札を引っこ抜いたり、あるいはベトナムの海底ケーブル線が切られたりとか、いろんな困っている状況、アジアの国々、抱えております。  そしてまた、総理は、フィリピンに巡視艇十隻を供与するとか、あるいはベトナムと沿岸警備のいろいろなノウハウを一緒に訓練をしたり人材教育をしたりするんだとか、インドに水陸両用艇を送るとか、シーレーン、スリランカ、ミャンマー、ずうっと真珠の首飾りを中国がつくったのに対して、法の支配、そして人権、国際ルール、そうしたものに基づく秩序、正しい秩序をつくるために御努力なさっていると多くのアジアの国々は見ているんではないかというふうに考えております。  年末に国家安全保障戦略というのを作るというので、概要が一部先日出ておりましたけれども、今まで防衛大綱はあったけれども、その上に行く大きな戦略的なものがなかったと。これをお作りになろうと思われた考え方、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、特にこのアジア太平洋地域においては戦略環境が厳しさを増しているわけでございます。そして、それと同時に、地球上あらゆるところで起こった事象も日本に大きく影響を及ぼすわけでございますし、その中で、例えばエネルギー政策を打ち立てていく上においても国際情勢というのは大きなこれは要件になるわけでございます。  そこで、しっかりと国家がそうした情報を集め、さらにはそれを分析することが必要であります。そのためのNSCの設立でございます。と同時に、しっかりとこのNSCを運用していく上における基本的な国の戦略の在り方、これは外交と安全保障、両方をこれは併せたものでありますが、今までは外交は外務省、そして防衛は防衛省、ではなくて外交・安全保障、これは一体的なこれにとらえて考えていくべきであろうということにおいて、安全保障戦略を作り、そしてその安全保障戦略の上に立って今委員が御指摘をされたような防衛大綱も見直しをしていくということになっていくわけでございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 安倍総理は拉致問題に本当に長く解決のために取り組んでこられまして、被害者家族の皆様からの御信頼ももう絶対でございます。私の内閣で全面解決するんだというふうにおっしゃられていらっしゃいますけれども。  安倍総理のリーダーシップで国連にも北朝鮮の人権問題等拉致問題を調査する委員会ができまして、夏にはカービー委員長を始め委員の方たちが来日されて、総理もお会いになられたと思います。私も自民党の拉致問題対策本部長として、二日間にわたっていろんな意見、資料をお出ししました。  そのときに聞かれたのが、被害者は何人ですかと、被害者は何人。一応、今までは、被害者は政府認定十七名、五名御帰国されたので、それも十一年目にもうなってしまいます。あと十二人ということでございました。  しかし、安倍内閣になって、被害者の数は分からない、知っているのは北朝鮮だと。とにかく日本としては被害者全員を救出するんだということで、拉致被害ということを排除できない事案ですね、八百数十まで広げて、そしてDNA鑑定、御家族が希望すればいたしますよということを言いましたところ、今五百数十の御家族が応じていらっしゃると聞いています。そして、写真入りで警察のホームページにアップするということをいたしましたところ、三百数十名が今アップしているということでございまして、横田早紀江さんが、被害の五人が御帰国なされて十一年たっているから、私たちはもう中学校に行ってもみんな知らないのよと、十一年もたっているから、風化していくんではないかという思いを抱きつつも、いや、安倍内閣はしっかりきっと全面解決に向けて歩を進めてくれるというふうにまた信頼もあるわけでございますが、拉致問題解決への取組の御決意、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小泉当時の総理とともに平壌を訪問してからもう十一年目が経過をするわけでございます。そして、その後、五名の方々は日本に帰国することができました。  さらに、この五名の方々の御家族もその二年後に日本に帰ってくることができたわけでございますが、それ以外の方々は残念ながらいまだに帰国できないわけでございまして、御両親、御家族の皆さんがお子さんたちを自分自身の手で抱き締める日がやってくるまで我々の使命は終わらないと、このように考えているわけでありますが、基本的には、金正恩氏に私たちが突き付けている要求、この拉致問題の全面解決に向けて三要件を出しているわけでございますが、これを解決をしなければ、北朝鮮としては国際社会にも受け入れられないし、そして自分たちの未来を切り開いていくこともできないんだということを認識させる必要があるわけでございまして、そのために圧力に重心を置いた対話と圧力の姿勢でもってこの問題の解決に当たっていきたいと、安倍政権の間にこの問題を完全解決をしたいと、この考え方の下に全力を尽くしてまいる決意でございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 是非お願いしたいと思います。  安倍内閣になりまして、これも領土、主権を守るんだと、また海外にいろいろなことを発信していくんだということで、領土・主権対策企画調整室というのができ、また対外広報戦略企画チームというのも設置されたところであります。領土・主権対策企画、領土担当大臣、初代大臣は山本一太大臣でございます。  日本は島国と言われていますけれども、実は海洋国家でありまして、陸地だと六十番目ぐらいなんですが、海洋面積だと世界第六位、資源がいっぱいあると、実は日本は資源大国ではないかということもあります。  また、海洋の安全保障という視点からも、海洋政策、領土・主権対策、大変大切だと思いますが、この海洋基本計画、この四月に策定されたものでございますけれども、ここに排他的経済水域に関する包括的法整備をしていくんだというようなことも書かれております。また、国境離島を守るんだということも書かれております。  自民党、私どもは国境離島を守る法律を作っております。例えば、利尻、礼文、奥尻、佐渡、壱岐、隠岐、対馬、五島列島、与那国、見島などなど、そうした視点から、領土を守る、海を守る、その辺をお聞かせください。

山本一太自由民主党内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)

○国務大臣(山本一太君) まず、海洋政策担当大臣として申し上げたいと思います。  今委員のおっしゃった国境離島の管理、保全というのは極めて大事だと。特に領土問題をめぐる情勢は厳しくなっていますので、ここでしっかりと国境離島を保全、管理をすることによって領土、領海を守るということは非常に大事だというふうに思っています。  具体的に言うと、御存じのとおり、低潮線保全法を制定して、いわゆるEEZの基点となる低潮線を保護するということもやってきましたし、その中で、特にEEZの外縁を根拠付ける島のうち、地図とか海図にまだ名前が記載されていない四十九の島に名前を付けました。  それから、今おっしゃった海洋政策担当大臣の下につくった有識者懇談会の中で、今度は領海の外縁を位置付ける離島について、まずちゃんと情報を把握せよと、それから土地の所有者、離島の土地所有者をしっかりつかめと、さらには名前のない島があったら名前を付けろと、これを直ちに着手すべきであるという提言がありましたので、それを受けて政府としては、今日、国交大臣もおられますが、関係各省と今協力をして、例えば登記簿とかあるいは国有財産台帳とかを通じて、まずとにかく島の所有者をしっかりと把握すると。今、五百ぐらいありますけれども、その上でしっかりと、分からない島については名前を付けていくと。(発言する者あり)済みません、二つも三つもあったので。これでやめますけど、それをしっかりとやってまいりたいと思います。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 森や水源地や安全保障上重要な土地も、所有者がはっきりしなかったり、外資に買われたりという、これは昨日、維新の会の中田議員が質問をしていらっしゃいまして、総理の答弁も承知しております。  しかし、実は自民党、野党の時代に安全保障と土地法制を考える会というのをつくっておりまして、安倍先生はあのとき最高顧問でいらっしゃいまして、その難しさもよく御存じで、そして議員立法を私たちはまとめましたけれども、なかなか難しい。これは内閣のやっぱりリーダーシップがどうしても必要なレベルに今来ていると。様々なことを調査するのは当たり前ですけれども、やっぱり方針を総理がしっかりとお出しになられて、もう本当にどんどん今もこうして買われていっているのかもしれません。  そのような状況の中で総理のリーダーシップを期待しますが、いかがでございましょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年、山谷委員が中心となって特定国境離島保全振興法及び無人国境離島管理法の二法案が議員立法として参議院に発議されましたが、十一月に衆議院解散により廃案となったわけでございます。いずれの法案も国境離島の適切な振興、管理のために重要であると認識をしております。立法府の今後の動きも、動向も踏まえながら、政府としても、海洋政策担当大臣の下に有識者懇談会を開催をし、その検討も進めながら、しっかりと国境離島対策に取り組んでいく所存でございます。  なお、一層厳しさを増す安全保障環境の中、国境離島を含め多くの島嶼を抱える我が国にとって島嶼部の防衛体制の強化も喫緊の課題であることから、年末に向けて検討を進めている防衛大綱の見直しの中で引き続き精力的に議論を進めていく考えでございます。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 森や水源地の調査も是非お願いいたします。  オリンピック新競技場が、この写真、ブエノスアイレスでも紹介されたということなんですが、(資料提示)すごく値段が掛かるんじゃないかとか、大き過ぎるんじゃないかとか、まあ設計変更も許容される範囲であり得るというふうには聞いておりますけれども、どのようなコンセプトで、オリンピックが終わった後、文化施設とかいろんなところにも転用できるように、あるいは鎮守の森というのが日本の心です。そうした視点からとかいろいろ、どういうふうにお考えでございますか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、その図で示していただいた国立競技場でございますが、この改築については、日本スポーツ振興センターにおいて、現在、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会等の国際競技大会の競技会場にふさわしい水準を満たす規模や機能となることを前提として、適正となるよう検討が行われているというふうに承知をしております。  その過程において、そのデザインコンクール、それが入賞したわけでございますが、最優秀作品となったザハ・ハディッド氏のデザイン、それをそのまま忠実に実現する形での経費試算は約三千億円に達するものでございまして、これは余りにも膨大な予算が掛かり過ぎるということで、率直に申し上げまして、もう縮小する方向で検討する必要があると考えております。デザインそのものは生かす、それから競技場の規模はIOC基準に合わせますが、周辺については縮小する方向で考えたいと思います。  それから、基本的に開催都市である東京がそれぞれの施設については整備を進めていくものではありますけれども、しかし、御指摘のように、大会終了後にはこれから更にスポーツ、幅広い活動の拠点となるようなもの、また選手村等は住宅として活用され、国際交流拠点とした複合的なまちづくりの中心となる計画等、いろんな方向性が示されているというふうに聞いておりますが、この方向性に沿って具体的な計画について進められるものと思いますが、国ともよく連動しながら、より国民のニーズに的確に対応したコンセプトを考えていく必要があるというふうに思います。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 最後に、総理に憲法改正に対する思いをお聞きしたいと思います。  一人一人が大切にされる国、また平和主義という日本の憲法は、それは骨格は当然でありますが、しかし、今や日本の憲法は世界最古の憲法とも言われるくらいになってしまいまして、時代に合わない部分が随分ございます。財政健全化をどうするかとか、緊急事態にどう対応するかとか、領土、領海、資源をどう守るか等々も含めて、やはり時代に合った憲法改正の必要があると思いますが、いかがでしょうか。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 安倍晋三内閣総理大臣、時間が来ておりますので、簡潔によろしくお願いいたします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の参議院選挙においても、その前の衆議院選挙においても、憲法改正について公約として我が党は掲げているわけでございます。まずは、憲法改正のための国民投票の三つの宿題をしっかりと片付けていくことによって更に国民的な議論を広めていきたい、深めていきたいと、このように考えております。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 ありがとうございます。明るい日本、強い日本、優しい日本のために頑張りたいと思います。  ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で山谷えり子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、北川イッセイ君の質疑を行います。北川イッセイ君。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。  今日は参議院の予算委員会初日ということでございまして、朝早くから大変熱心に御議論されまして、そのために時間が相当オーバーしておると、こういうようなことでございます。私も、与党自由民主党の筆頭としてできるだけ時間を稼がないかぬと、短縮したい、こういう思いで、まず最初はリニア新幹線、夢の超特急、これの建設について質問をさせていただきたい、そういうように思います。  先般、JR東海がこのリニア新幹線についての建設計画を発表しました。それによりますと、平成二十六年に着工して三十九年に東京—名古屋間を開通させると、こういうことであります。そして、その後、第二期として四十七年に着工して五十七年に名古屋—大阪を開通させると、こういうことであります。東京—名古屋間と名古屋—大阪間と実に十八年の差があるわけでありまして、十八年間名古屋—大阪が遅れると、こういう形になるわけです。  これ、基本的には、JR東海の基本計画は東京—大阪の開通と、こういうことであったわけですけれども、それが、今回発表されたものはそういう二期に分けてやられると、こういうことであります。  私は、この二期に分けられるその理由というものがもう全く分からない、本当に分からないんですね。これは一気にやられた方が経済効果も、二期に分けるよりも十兆円から十六兆円経済効果もあるじゃないかと。また、JR東海にしても、この経営、収益面から見ても一挙に開通した方が絶対有利なんですよね。これを二期に分けなければいけない、何で二期に分けるんだと、こういう思いがするわけです。  大体、新幹線、リニア新幹線も含めて新幹線計画なんていうのは、これは国土総合計画の中で国家戦略としてこれは進められるべきものである、そういうふうに思います。JR東海一存、まあ一存じゃないでしょうけれども、の主体的なリーダーシップによってこのルートが決められ、そして駅の位置が決められ、そして元々大きな日本の国土軸であった東京—大阪というこの区間、これを結局縮めてしまうことになるわけです。こんな十八年も二十年も遅れてタイムラグがあれば、これはもう完全に関西の経済の地盤沈下というものは間違いありません。この国土軸を縮めてしまうという、これがJR東海によって行われるというのはもう本当に残念で仕方がないんですね。  私は、国鉄が民営化された、大変すばらしいことであったというように思います。そして、今回のこの建設計画についても、JR東海が自己資金で全部やりますと、国のお金は要りません、これも大変すばらしいことだと、こういうふうに思ってならないわけですね。これはもう是非ともそういうようにしてほしいと、こういうように思います。  JR東海の方に聞きますと、資金面で一挙に全部やる、そういう資金が非常に難しいと、こういう話も聞きます。もしそうなのであれば、国土総合計画、国家戦略、そういう計画の中で、資金が足らぬというのであれば、これは国から出すわけにいきませんけれども、国が債務保証するなり、国が貸し付けるなり、幾らでも方法を考えられるじゃないですか。私はもう、是非ともこれは一括で東京—大阪の開通を果たしていただきたい、そういうように思ってなりません。  この国家の総合計画あるいは国家戦略の観点からこれは考えるべきであるという、そういうことについて太田国土交通大臣、それからさらにもう一つ、このJR東海に対して、この問題について何か今まで協議されたことがありますか。なければ、私が今申し上げましたことについてJR東海にいろいろ申入れをするなり、今後話合いをするなり、そういう気持ちはありませんか。お答えください。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 北川先生のおっしゃるお話はもっともな話だというふうに思いますし、早期の開業という要望が強いということについて、特に関西ですね、承知しておりますが、建設主体であるJR東海の考え方もよく踏まえていく必要があるという認識をしています。  このリニア中央新幹線につきましては、交通政策審議会に対して諮問を行って、必要性や安全性等に関して約二十回、有識者の御意見をいただいて、そして国交省としまして、これらの議論を踏まえまして平成二十三年五月に全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画の決定を行いまして、建設主体と営業主体、これの両方をJR東海を指名し、同社に建設の指示を行ったという状況にあります。リニア中央新幹線の着工に向けては、国としてもJR東海の考え方を踏まえつつ事業が円滑に進められるよう支援してまいりたいと思っております。  また、先ほどの点については、私も直接話はしておりますが、現状、報告できるのは以上でございます。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 私、大阪選出でありますから、また大阪の選出のために言うとるわという形で聞かれたら困るんですね。これは決してそうじゃないんです。国家戦略として本当にそれでいいのか、そういう観点で物を言っているわけですから、太田国土交通大臣におかれましても、是非とも真剣にJR東海と話合いをしていただきたい、そのことを御要望申し上げておきたい、そういうふうに思います。  次に、地域経済の問題について質問をさせていただきたいと思います。  アベノミクスが非常に好調に進められておる、そういうように言われておりますし、先般、二十一日に発表されました日銀のさくらリポートにおいても全地域で上方修正されておると、こういうことで、ムードが非常に良くなったというように思っています。問題は、ただ、それが本当に実質的に国民のそういう豊かさに結び付いておるのかどうかということが問題にされておると、こういうことだろうというふうに思うんですね。  先般、国の政策として戦略特区の構想で進められておりましたが、その中で、先般来、新聞にも随分出ておりますけれども、雇用の問題で、これは解雇特区だとかなんとかいうような、そういうような話がありまして、今日も随分そういう話も出ていました。この問題について、戦略特区として挙げられて、それが取下げになった、そこらのいきさつについて、どういう思いでそれを戦略特区として挙げられたのか、そしてどういうことで取下げをされたのか、その点についてお答えください。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 国家戦略特区に関係して、雇用の規制改革についてどのような状況があったかと、こういう御質問だと思います。  是非御理解いただきたいのは、国家戦略特区というのは、何か規制緩和のどれか一つを使って特区をつくるということではないんです。そうではなくて、新しい経済を日本から、これから日本の新しい経済を生み出していく、世界を取り込んでいく、その中でまずは経済を刺激させるためのリーディングプロジェクトとして、国と地方とそして民間の事業の皆さんが一緒になって、国家総動員で新しい地域の活力をつくっていこうではないかと。  そこには、今我々が用意しただけで十六の規制緩和がございます。その中の一つが雇用であります。新しい企業をそこに集積させる。日本の企業においても、世界の企業がこちらに、日本に入ってきたとしても、そこでできるだけ働きやすい環境をつくろうと。それには、そこで勤めてくれる社員の方々の家族の人たちが暮らしやすい状況をつくれば、社員の方ももっとたくさん有為な人材が来るだろうと。そういったような形で、この規制緩和をいろいろ組み合わせながら、それぞれ何をメーンにするかは、コンセプトはそれぞれ決めていきます。しかし、総合的に、複合的に戦略を持って特区をつくっていこうと、こういう仕組みです。今までとは少し違う仕組みをつくったわけです。  その中で、特に雇用につきましては、この雇用条件の明確化とそれから有期雇用の特例、こういったものを、今回、今までの規制を緩和して突破するということであります。これは、雇用条件の明確化のためにガイドラインを設定して、そして要するに予見可能性というのを高めました。そこで相談センターを設けて、紛争のないように、そして安心して勤められるように、そういった規制を緩和しようと。これを全国的にやりますけれども、まず国家戦略特区でやってみようということでございますし、有期雇用の特例は、今まで五年だったものを、今度はプロジェクトに合わせてもう少し長くきちんと有期雇用のままで勤められるようにしようと、こういうような工夫をしたということでありまして、これは雇用を更にやりやすくするための工夫をしたと、このように御理解をいただきたいと思います。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 そういう中で、皆さんが非常に心配しておられる、あるいはまたこの予算委員会でも随分議論になったというのは、非正規雇用が増えるんじゃないかというようなことの心配があるんじゃないかと思うんですが、この非正規雇用の問題というのは、私、前の予算委員会でも取り上げました。これは、やはり日本の国の勤労者の四〇%近い人が非正規雇用になっておるということであれば、これはもう特異な事象ではない、これはもう日本の構造的な問題なんだと。こういうことで、そこの実態をやはりしっかりと把握しないと、多くの勤労者の方がその対象になっているわけですから、その実態を十分に把握する必要があるんじゃないかと。こういうことで、その調査をしっかりしてはどうかと、こういう提案をさせていただきました。  その後、いろいろ調査の結果もあるというふうに聞いておりますが、そこらのところの御報告をいただけないでしょうか。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 非正規雇用の方々というのはいろんなタイプがおられまして、例えば主たる生計者じゃないような方々は今の働き方、例えばパート労働等々で満足されておられる方々もおられます。  ただ一方で、全体、いろんな調査結果分析してまいりますと、やはり非正規雇用の方々と正規雇用の方々、若いときにはさほど賃金の差はないんですけれども、正規はだんだんだんだん給料は上がってまいります。しかし、非正規は余り上がってこないということで賃金格差が生まれてくる。それから、例えば職業訓練一つ見ましても、正規の方々は七割ぐらい受けられるわけでありますけれども、非正規の方々見ますと、その半分ぐらい、約三五%ぐらいというような、そんな数字が出てきております。  そもそも不本意非正規という言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、本人は正規で働きたいんですけれども非正規でしか現状働けないという大変に気の毒な方々といいますか、そういう方々に関しては、全体として非正規の中で二割ぐらいおられるんですが、若年層、二十五から三十四の世代に見ますと三〇%、約三割、平均より一〇%高いという状況であります。概して、やはり非正規でありますから雇用が不安定であると、それから賃金が低い、さらには能力開発、こういう部分の機会が少ないということがございます。  全体で見ましてこういうことを分析しますと、やはり安定的な働き方になるようにそういう方々を何とか誘導していけるような政策を組んでいかなきゃならぬということで、例えば企業でキャリアアップ、職業訓練等々をする場合、それに対して助成をしようでありますとか、これはキャリア形成促進助成金というようなものでありますけれども、あわせて、キャリアアップ助成金、これは企業の中で非正規から例えば正規になった場合、その企業に対して助成をしよう、トライアル雇用、これもよく似た制度でありますし、今年度から若者チャレンジ奨励金という制度で、これも若者を正規の方に誘導していこうというような、そのような制度でありますけれども、こういうものを準備をさせていただきながら、やはり特に不本意非正規の方々を正規にうまくキャリアアップしていただくような、そういうようないろんな制度を準備をさせていただいております。  いずれにいたしましても、とにかく分析をすること、これが大変重要でございますので、しっかり各種調査を分析をさせていただきまして、適切な政策を組む中において若者のキャリアアップ、これを図ってまいりたい、このように思っております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 私は、何も非正規が悪いというような考えは持っていません。これはやはりそういう需要があるわけですから、非正規の方がいいという方もやはりおられるということもよく分かります。しかし、そんな方ばかりじゃない。やはり正規になりたいということで、でもなかなかなれないという方もおられるし、いろんなケースがあるわけです。  私が言いたいのは、非正規あるいは正規にかかわらず、同じように勤労しているわけです、同じように仕事をしている。それが、同じようにやりながら不公平があってはいけないよと。やはりもっと公平にちゃんとできるような、例えば厚生条件ですとか給料の問題ですとかいろんな問題でやはり公平に扱えるというような制度を、いわゆる健全な非正規雇用の制度というものを、こういうものをやはり是非ともつくってもらわなければいけない、そういうように思っています。  これはどうしてかといいますと、このままでいきますと、今は三八%あるいは四〇%近い数字と言われていますけど、もっともっと増える可能性もあるわけですよね。そういう場合に、やはり非正規と正規とが非常に不公平であるということでは、これは我が国として好ましくないというような思いがしますので、是非とも、健全なそういう雇用体制というものを是非ともつくっていただきたい、そういうように思います。  次に、中小企業・小規模事業の対策についてということで質問させていただきたいと、こういうふうに思います。  中小企業対策というのは、これはもうどこの、いつの政権でも本当にメニューがたくさんあるんです。メニューがたくさんあるけれども、なかなか使われ切れていないと。最近は非常に内閣で熱心に経済対策やっていただいていますから、比較的よく使われるようになったと思うんですけれども、なかなか使われにくい。  これいろいろ考えてみましたら、中小企業という一つの枠組みでやっているような気がするんですね。私はこれではいけないと思うんですね。中小企業といっても、非常に優秀な優れたそういう中小企業もあれば、箸にも棒にも掛からぬところもあるわけです。小規模事業者というのもあるわけですよね。ですから、これを一くくりにして考えると、なかなか政策がうまくいかないんじゃないかというような思いがしてならないんですね。  私は、特に商店街とか商店の方々、そういうのを見ていますと、なかなか皆さんしんどいと、こういうことを言っておられます。これも例えば融資の制度があるよとか、補助制度があるよとか何か言ったって、なかなかそれ使うのもよう使い切れないと、こういうような状況なんですよね。ですから、そういう小規模事業者に対してはよっぽどきめの細かいそういうことをやってやらないと、なかなか振興しないというような思いがしてならないんですね。  私は、是非とも、この小規模事業者に対する支援の在り方、支援の制度というものは中小企業の支援対策とは別個に、これしっかり考えてもらわないといけないんじゃないかというような思いがしています。小規模事業者の支援のそういう基本的なこれからの在り方、考え方、何かあるんでしたら、ひとつ是非とも御披露いただきたいと思います。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 小規模事業者に焦点を当てたきめ細かい対策の必要性、委員のおっしゃるとおりだと思っております。  さきの通常国会におきまして、小規模事業者に焦点を当てて、関連の八本の法案を一括して改正をいたしました小規模企業活性化法、成立をさせていただきました。現在、中小企業政策審議会に小規模企業基本政策小委員会を設置しておりまして、小規模事業者の振興のための基本法の制定に向けて鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 是非ともお願いしたいと思うんですが、この小規模事業者の支援というのは、これなかなか国では本当に行き届かないと思うんですね。やはりこれは町の自治体、商工会議所あるいは商工団体、そういうようなところにしっかり下ろさないとこれ進まないというような気がします。  ひとつ是非とも、特に商工会議所なんというのは各町にあるわけですから、有効に使っていただいて、そして、そういう小規模事業者の方がいつでも相談できる体制、いつでもそういうものに取り組める体制というものをつくっていただきたいと思います。国でそういうところまで全部行き届くというのは非常に無理な話だというような思いがしておりますので、経済産業大臣、ひとつよろしくお願い申し上げたい、そういうふうに思います。  何か御答弁、よろしいか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 中小企業経営力強化支援法の枠組みも活用して、商工会そしてまた商工会議所、積極的に活用してまいりたいと考えております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 よろしくお願いします。  それから、この小規模事業者の中に入るんですけれども、やはり町の商店街、これが非常に疲弊しています。本来は、その町の高齢者の方たち、そこへ住む人たち、そういう人たちの憩いの場でもあるわけです。オアシスであるわけですよね。そういうところが、いつも言われますように、シャッター通りとか何か言われますが、そういうような状況が今もやはり続いております。  まちづくり三法を改正されて約七年ぐらいですかな、中心市街地活性化法は十年で見直しをすると、こういうことになっていますが、これ、是非とも真剣に考えて見直しをしていただきたい。あと三年あると言わずに、もう今からこの商店街の活性化、中心市街地の活性化をどういうふうに進めていくのか、これをしっかり考えていただきたい、そういうように思います。  先般、地域経済に関する懇談会、内閣府でやられた、その報告書を見せていただいたら、その中にも、商店街の中に大きな店舗を持ってこようとしたら、駐車場の規制とかそういうものがあってなかなか持ってこれないとかいうようなことも書いていました。そういう規制緩和というようなことも非常に大事だろうというように思うんですね。  実は、大阪で一つこんなのがあるんですね。岬町なんですが、深日港といって淡路島との間でフェリーが行っておったんですね。ところが、明石大橋ができましたために、それが立ち行かなくなってやめてしまいました。そのフェリーが行き来していたときに、人が集まるものですからそこへ水族館を造ろうということで、国から起債をもらって埋立てをして水族館用地という形に一応なっているんですが、ところが、フェリーやめたものですから人がおりませんから、今更水族館造ったってやっていけるわけがないですね。ですから、これどうしようと。ところが、起債が水族館みたいなそういう形になっておりますから、それを変更するのに大変だとか、町としては別に使いたいということがあるんですけれどもなかなか使えないとか、そういうような問題があるわけですね。  ですから、そういう規制緩和の問題とか、そういうようなものも含めて、ひとつ是非ともこのまちづくり三法の見直し、特に中心市街地活性化法の見直しというものをしっかりやっていただきたい、そういうように思います。よろしくお願いします。  それから次に、原発とエネルギーの問題について質問をさせていただきたいと、そういうように思います。  原発の再稼働について、これが問題によくなります。安倍総理はいつも安全が第一であると、そして世界一厳しい規制、これをちゃんとクリアして再稼働をすると、こういうことを言っておられると思うんですが、安倍総理、それに間違いありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がおっしゃったとおりでありまして、原発については安全性が最優先であります。その安全性については原子力規制委員会の専門的な判断に委ねまして、事故の教訓を踏まえた世界で最も厳しい水準の新規制基準を満たさない限り再稼働はいたしません。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 現在、原発が全部止まっております。そして、この原発が止まっておりますために、今日もお話出ておりましたが、それによる燃料費というか、これの輸入、これが三兆六千億増えておると、こういうことでこれは日本の国の経済に還元されてこないと、こういうことであります。これは、今、確実に今後この電気代の値上げに、上がって反映していくわけです。三兆六千億全てが電気代に換算すると、大体電気料金、原発事故前の二四%上がると、こういうことが言われております。  私が心配するのは、果たしてそういうことになったときに本当に日本の経済がもつんだろうかという心配をしています。これは、先ほどお話が、まあ税金の話でありましたけれども、これもまあ言えば企業にとっては税金と同じようなもので、企業の海外流出というようなことにならないだろうかというような心配をされておるわけです。  それで、なかなか一遍に、ベストミックスをつくり上げなければいけないんですけれども、そういうようには一遍にいかないだろうというように思います。原発の再稼働の問題もありますが、再稼働するしないといういろんなケースがあると思いますが、そういうことも加味して、やはりベストミックス、自然燃料、自然の発電をどうするのか、そのほかどういうようなミックスをして電気を起こしていくのかということが非常に大事だろうと思うんですが、経済産業大臣、これ、ベストミックスということについて現在考えておられるのかということをお答えいただけますか。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 中長期的なエネルギーの基本方針となりますエネルギーの基本計画につきましては、特に安定供給と、委員の方からも燃料費が三・六兆円高騰すると、このコスト低減、これに重点を置いて政策の軸、方向性を明確にする必要がある、こんなふうに考えております。  恐らく、そのエネルギー源を多様化していくということが必要でありますし、同時に、燃料を調達するに当たりましても、総理を中心にシェールガスであったりとか新しいLNGの調達先を確保する、調達先も多角化をしていかなきゃならない。さらに、これまで需要を所与のものとして供給を積み上げる、こういう体制から、需要についてもスマートにコントロールする、省エネを進めるような体制も取っていきたい。こんなふうに考えておりまして、今年の三月から総合資源エネルギー調査会におきまして検討を進めておりまして、年内をめどに議論をまとめる予定でありまして、検討に当たりましては、今申し上げたエネルギー源ごとの特徴や位置付け、こういったものを明確にしてまいりたいと思っております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 私が経済産業大臣に申し上げたいのは、経済界が大変心配しているんです。特に物づくりをやっておられる方々が、もう明確にこのまま電気代がこれ以上倍に上がったら絶対に日本では物づくりできない、商売できないということをもう言っておられるんですよね。そういうことになりますと、これまた海外にどんどん流出する、これ雇用に響いてくるわけです、当然ね。ですから、いろんなケースを考えて、そして、私先ほど申し上げたように、原発ゼロでずっといったら二四%、マックス二四%といいますけれども、そうとは限らないですね。もっと燃料が、輸入燃料がもっと上がる可能性もあるわけですよね。ですから、いろんなケースを、シミュレーションを考えて、絶対に日本の経済を守る、物づくりを守る、日本で経費が掛かり過ぎるから、そういう理由で海外に出ていくということは絶対に止めるというような、経済産業省としてはそういうようなことをしっかり考えなければいけないと思うんですね。  十二月に、ベストミックスのそういうものを年内にできるだけ考える、それはそれでいいですよね。でも、それで済まない、経済界の、商売やっている人たちはそれでは済まないわけですね。もう国でこういうふうに出てきたから、これはしゃあないわじゃ済まないんですよね。ですから、そこのところ、いろんなケースを考えてやってもらわなければいけないというような思いがしますので、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。  それから次に、日本の原発の技術の問題について質問をさせていただきたいと思います。  私、この夏の間に原発の関係のところをいろいろ視察に行きました。六ケ所村にも行きましたし、またそういう圧力がまを造っておられる企業にも訪問しましたし、浜岡原発にも行きました。その中で思ったことは、日本の技術ってやっぱりすばらしいですよ。六ケ所村へ行きましたときに、私は六ケ所村のイメージ非常に本当は悪かったんですが、実験して失敗ばかりしておるとか、そういうような思いがあったんですけれども、行ったら決してそうじゃない。  特に使用済核燃料の処理について、ガラスの固形化の実験、これにはもう本当に完全に成功したと、後は審査を受けて実用化すると、こういう段階に来ておるということを聞きました。フランスのアレバでやっているガラス固形化よりももっと大量に確実にできると、こういう話も聞きました。そして、そういう技術を今現在一番たくさん見に来ておられるというか、非常に見学者の多いのは中国から来ておられるという話も聞きました。ですから、これは安全に寄与するためならば、中国であろうと韓国であろうと、これは見に来ていただいて、どんどん使っていただいたら私はいいと思うんですけれども、ちょっとこれ見直していかないかぬ問題やなというような思いがしました。  それから、圧力がまを造っている企業へ行きましたら、世界の圧力がまの八〇%はもうそこでやっておると、こういう話も聞いて、それは、何か最初は船の大砲の砲身を造っておったようですね。ですから、そういう技術を生かして圧力がまを造っておられると、こういう話を聞きまして、これはやはり日本の誇るべき技術だと思うんです。福島でああいう原発事故起こりましたけど、不幸にして。しかし、むしろそういうものも生かして、そしてそれをしっかりと海外で安全なものを使ってもらうということが大事じゃないかと。  私は、脱原発ということがよく言われます、脱原発。しかし、これ、今の状態で本当に脱原発になるんだろうかという思いがするんです。日本だけ脱原発になっても、中国あるいは韓国、そういうところはどんどん原発が増えていくわけですよね。先般も新聞に、昨日も出ていましたけど、黒竜江省のスモッグですね、PM二・五ですか、あれを見ても、もう大変な状態ですから、これは原発どんどん増えていく、そういうような状況じゃないかと思うんです。そんな中で、やはり本当に日本の安全な優れた技術を使ってもらって安全な原発を造ってもらう、これが本当にこれから我々日本がやるべきことではないのかなというような思いがしてならないわけでございます。  この原発の技術の保管というか、あるいはまたそれを活用してもらうというか、そういう観点に立って、ちょっと所見を述べていただきますようにお願いします。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○国務大臣(茂木敏充君) 原発につきましては、先ほども総理から明確に答弁ありましたように、いかなる事情よりも安全性を重視する、最優先をすると。そのためには、高度な技術の維持、そして高い安全意識を持った人材の確保が極めて重要でありまして、必要な予算を確保して、廃炉や原子力安全等にかかわる研究開発、そして人材育成を支援していきたいと思っております。  同時に、海外との関係で申し上げますと、我が国として福島第一原発の事故の経験と教訓を世界と共有することにより、世界の原子力安全の向上や原子力の平和利用に貢献していくのが我が国の責務であると考えております。  私も、就任して十か月、東南アジア、南西アジア、中東、そしてまた中南米と、様々な国のエネルギー担当大臣とお会いをしておりますが、日本の原発技術、そしてその運営システムに対する評価というものは極めて高いものがございます。相手国の事情であったり意向を踏まえて、世界の原子力安全の向上、そして平和利用に向けまして世界最高水準の安全性を有する我が国の技術をしっかりと提供してまいりたいと考えております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 実は、浜岡の原発を訪問したときに、私は、見て本当にすばらしいなと思ったのは、実は、御存じの方もあろうかと思いますが、失敗の回廊というのがあるんです。これは、浜岡原発でいろんな今までに小さい事故からいろいろあったということで、それを全部展示しているんですね。そのときの新聞記事からいろんなものを展示して、そしてその原発の従業員の方々、そういう人たちの教育に使っておられると。  行って見せてくれと言ったら見せてくれると思いますが、それを見て、本当によく整理されているし、本当によく分かるし、すばらしいなというように思いました。あれを見て思ったことは、福島の原発のこれから処理を進めていかないかぬわけですよね。二〇二〇年にはオリンピックがあって海外の方がどんどん来られる。今度のオリンピック誘致でも、この原発の問題というのが非常に皆が、海外の方は引っかかったんだろうと思います。  そういう中で、私は、福島の原発事故というものを隠してしまうんじゃなしに、海外から来られた人たち、海外の方々にしっかりと開示をして、こういう事故であった、それをこういうように処理をして、今やこういうようになっていると、これこそ日本の技術の本当にすばらしいところですよというものをしっかりと見せられるという、そういう失敗の回廊みたいなものを、これ、そういうふうにできたら本当にすばらしいのになというような思いがしました、浜岡原発のそれを見てね。是非ともそういうようなこともひとつ考えていただきたい、そういうように思います。これは要望しておきます。  次に、最後に道州制の話なんです。  この道州制につきましては、前自民党政権のときに、地方制度調査会ですか、小泉政権だったと思いますが、道州制について検討せよということで検討されて、そして安倍政権のときだったと思いますが、道州制ビジョン懇談会が立ち上がったというように思うんです、内閣府でね。その後、福田政権でも道州制推進本部というものが立ち上がって、その後、政権交代になってしまってこの道州制が何か立ち消えみたいになってしまった。しかし、我々自由民主党の政策の中ではずっと生きておりますし、その勉強会もずっと続けています。私もそのメンバーの中へ入って続けさせていただいております。  私は、自民党政権が復帰をしてこの道州制というものは自民党政権の中でまだ生きているというように確信をしておるんでありますが、安倍総理、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この道州制につきましては、自民党の道州制推進本部で北川委員には幹事長代理を務めていただき、そして案をまとめていただいていると、このように思っておるわけでありますが、道州制の導入は、地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国の在り方を根底から見直す大きな改革であり、現在、党の道州制推進本部において基本法案の早期制定を目指し、地方団体との意見交換を行うなど、精力的に議論が行われております。この議論が集約されていくプロセスの中で法案が国会に提出されることになると考えております。  今後、政府としても連携を深め取り組んでいきたいと思っております。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 道州制、是非とも、自由民主党が長年掛かって進めてきたことでありますから、是非とも今後とも総理には進めていただきたいと、こういうふうに思っております。  この道州制を、私、そういうプロジェクトの中でいろいろ考えながらいつもぶつかることがあるんですが、これがなかなか進まないという原因は何かというと、やはり地方財政の問題なんですね。  道州制で区割りが、何か仮の区割りみたいなものができまして、四国四県が一つだ、北陸四県が一つだというような、九州はそれで一つだというような形で区割りだけが先行してしまったわけですよね。  その中で、そうしたら、そういう例えば、北陸の方には悪いですけど、北陸四県で本当に道州制にして財政がもつんですか、四国で四県で財政もつんですか、こういうような懸念があるんです。これはもう当然のことやというように思います。そこのところをうまく整理をして仕掛けをつくらないと、なかなか道州制は進まないというような思いがしています。  私は一つの自分自身の私案として持っておることを申し上げたいと思うんですが、これは何も道州制に限ったことではありません。一般の今のそういう行政、政治の中でも活用できるんじゃないかなというような思いで御議論申し上げるんですけれども、やはりこれからの日本というのは環境が非常に大事になってきます。環境立国日本という、そういう宣言をやはりしなければいけない、これは世界に先駆けて環境を守っていくというようなことを我々やらなければいけない、こういうように思うんですね。  その環境立国日本がやるについて、例えば田んぼ、畑、山、海のあるところ、そういうところについては、まあ仮の話ですよ、海岸線一キロについて何点、山の木百本について何点、田畑何ヘクタールについて何点という、そういうシステムをつくって、そして、例えば百点が満点であれば、北陸四県は当然自然が多いですから百五十点になるやないかと。ところが、近畿は人が多いし、そういう自然も少ないから、これは五十点であったとなった場合に、排出権みたいな形で、今、排出権取引というふうに言われていますね、そういう形で近畿から五十点を北陸に渡すとか四国に渡すとか、こういう形、これ、水平調整ができるわけですよね。そういう水平調整をやる。地方交付税のように国でさじ加減をやるということもありますけれども、しかし、それよりもむしろ水平調整がいいんじゃないかというような思いがしています。ちょっとお答えください。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) それでは簡潔に、新藤道州制担当大臣。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) 大変独創的なアイデアをいただきました。  いろんなことを加味しながら、先生が目指しているように、地方がそれぞれ元気で自立をしていく、そして国全体の国家統治機能を強化する、こういったことを総合的に検討して、道州制の議論もそうでありますが、今の地方の財源の話も、それはいろんな研究をしていくべきだと。  しかし、一方で、それを結局極めて合理的にやったのは地方交付税だということでございますので、御理解いただきたいと思います。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 済みません、環境大臣にちょっと一言。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) それでは石原環境大臣、一言でよろしくお願いします。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(石原伸晃君) 傾聴に値するアイデアであると考えております。  私どももオフセット・クレジットとか排出権取引を使って地域の活性化に役立てておりますので、先生の御意見も、取組も使えるような環境政策をこれから考えたいと思っております。ありがとうございました。

北川イッセイ自由民主党

○北川イッセイ君 終わります。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 以上で北川イッセイ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 次に、片山さつき君の質疑を行います。片山さつき君。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 自由民主党の片山さつきでございます。  私も本予算委員会の次席理事でございまして、運営に協力しなければなりませんので、今日は五時でございますから、最初の予定と変えまして、最後に御質問するはずでございました社会保障と税の分野における不公平感の是正による財源確保からお伺いいたしたいと思います。  田村厚生労働大臣、この海外療養費払戻しの外国人による詐取問題は、私、この一月からずっと厚生労働省と議論をしております。  まず、いろいろマスコミでも、有名芸能人の方のバングラデシュのお父さんが数千万円、十数年にわたってかかってもいない外国の病院での健康保険分を払い戻されたと。それから、もう毎月のように、大阪、関西が多いんですけれども、中国人の方が観光ビザで入って、三か月以上だと今健保に入れますから、かかってもいない病気の健康保険を払い戻していると。これ、やはり少しもう制度自体に無理があると思うんですよね。  生活保護の問題も、去年この予算委員会で大分議論をいたしましたが、三党合意して、改正案ができ、この国会ではようやく何とかいけそうでございますが、正直者がばかを見ているということになると、税金も社会保障の保険料も入ってこなくなるんですね、もうこれは歴史の必然でございまして。  改革派の田村大臣に何とか改善策をお示しいただきたいと思いますが。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) この海外療養費でありますけれども、制度は元々、海外への渡航をする方々が増えてきたということで、昭和五十六年に健康保険からスタートしまして、元々は日本人の方々が海外で何かあったときのための制度であるわけでありますけれども、それが内外無差別で、日本に来られた外国の方々が結局保険に入られて、そして自分がまた海外に行ったときに、何かあったときに医療費という形で還付が受けられると、こういう制度であるわけでありますけれども、国保にもこれがそのまま実施をされまして、現実に今言われたとおりに不正が散見されると。  やはり、海外の医療機関の実態といいますか、事実関係、これをしっかり調査できるようにしなきゃならぬ、こういう取組をしなきゃいけないと思います。海外のそういうところを、ちゃんとノウハウを持っているような民間の企業に委託するでありますとか、また警察とも連携しながら、そういうような不正事案というものをしっかりと取り締まれるようにしていかなきゃならぬというのが一点。  それからもう一点は、じゃ、海外でこのような渡航療養費制度がどうなっているのかと、これを調べさせていただいた上で、それを踏まえて、このような不正をどう防いでいけるのか、こういうことをしっかり検討をさせていただきたいというふうに思います。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 例えば百万円掛かる手術を海外で受けたと申告すると、これらの外国人である健康保険の被保険者の方は七割分、つまり七十万円もらえるんですよ。例えば中国だったら給与水準は日本の十三分の一で、バングラデシュはもっと低いですから、これで一年間暮らせるんですよね。ですから、もうシンジケートができちゃっていて、悪用のメカニズムができているのを今の入管や地方の自治体の体制でチェックしろといっても無理ですよ。  アメリカはもちろんオバマケアが仮に通ってもここまでの制度はやらないです、元々そういうのがない国ですから。イギリスやフランスは比較的手厚いんですが、とてもここまで緻密な制度をきちっと海外の方に寛容にはやっていないと。実際に犯罪に手を染めていた方々は、日本が一番やり放題だと言っているわけですね。  ですから、もうこれ実は西ドイツと東ドイツがまだ分かれていたときに、六十歳を超えると東ドイツの方は西ドイツに行って社会保障してもらえと、そういうことが本当にあったんですね。我が国の場合は隣国に我が国ほど社会保障が整っていない十三億人の人口の国があるわけですよ。  今、三か月の滞在で、もう少し滞在予定があれば健康保険に入れるとしたと。これは我々国会で認めたんですよ。それも今のグローバルの時代だからいいと思いますが、これは今のやり方だけでは、今の警察や執行当局だけでは無理でございますので、やはりその治療が外国でしか行えないとかあるいはその国に行く業務上の必要があったとか、そういうものを要求するなり、あるいはレシプロシティーを要求するなり、あるいは日本側と直接やり取りができるような一定レベルの病院以外は無理だとするなり、これは先進国の先端、外人を受け入れる場合ですね、これはもう十分要件を満たしますから。  そういうことに法改正や何かをやるべきではないですか、大臣。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(田村憲久君) 不正に関しては不正を防止できるような体制を何としても組んでいかなきゃならぬと思っておりますし、先ほど申し上げましたけれども、海外がどういう実態なのかと、つまり海外の渡航療養費制度、これをしっかりと我々も調査した上で、それを踏まえた上でこの制度自体を見直してまいりたいと、このように思っております。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 ありがとうございました。十か月議論してやっと見直していただけるというお答えを国会でいただくことができました。  これは金額からいえば恐らく小さな抜け穴なんですが、もっと巨大な抜け穴が何とこのG8首脳サミットでも総理も発言されたいわゆる巨大企業の租税回避技術を尽くした節税方式でございます。  ダブルアイリッシュとかダッチサンドイッチという言葉があるんですね。これはバーのメニューではありません。これは、アイリッシュは、アイルランドは一二%の軽課国、ダッチサンドイッチはオランダ領ケイマン諸島でございまして、インターネットハイパージャイアントと言われておりますグーグルやアマゾン、日本でもすごいビジネス展開をしておりますが、税金は余り払っていない、それどころかどこでも余り払っていないと。これは非常に問題であって、租税の原則からして大きなものが揺らいでしまうんですね。  この部分については実は日本は結構イニシアチブが取れる立場で、OECDの租税委員会なんかでは昔から議長を出したりある程度仕切れる立場であるんですよ。これはG7やG20でも麻生財務大臣が大変苦労されて、何とか、こういうものがまかり通ってしまうと、日本が世界で一番ビジネスやりやすい環境ということを目指すのがこの成長戦略ですが、これらの見本とされるようなITトップ企業にとって、アメリカの企業に見えますが、一番暮らしやすい国はアイルランドかケイマンかあるいはバミューダなんですね。それをやったらいかに競争条件がゆがんでいるのか、いかに応益主義、そういった税のベースがゆがんでいるのか、ここを徹底的につかないといけないと。  しかも、民間データバンクの試算では少なくとも今私が挙げたような企業の税金をきちっと取り戻せば数百億円は戻ってくると。これ戻ってきたら、先ほど議論に出た交際費課税分の減収なんか、麻生大臣、取れる可能性あります。これは重要な問題です。是非、御検討を強化いただきたいんですが、お願いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これはもうよく御存じな方に言うのもなんですけれども、これテレビ見ていらっしゃる方もいっぱいいらっしゃいますので。これは通常BEPSと言うんです。これは国際用語になっていますので、いわゆるベースをエロージョンし、プロフィットをシフトするという意味でBEPSと訳すんですが、もうこれ大体世界中全部通じます。  このBEPSというものを、これはグーグルとかアマゾンとか、早い話がいろいろ皆さん方も利用していらっしゃるでしょうけれども、その利用して確実に物が入ってくる全てのインフラは日本なんですけれども、日本に税金は一円も落ちません。じゃ、アメリカに会社があるからアメリカに落ちるんだろうといったら、アメリカでも落ちていない。それが、今言われたところはケイマンとかそういったところに全部会社が移転すると。その手口の抜け穴までここで堂々としゃべって説明するほど、それほど人も良くないんで。  そういう手口があるということが、公平を欠いているということが問題なんではないかといって、今年の五月でしたか、G7の蔵相会議のときに日本から提案をして、これを認めているのは、これは脱税じゃありませんから、これは節税ですから、脱税じゃないんだから、したがって、これを認めているのは、間違いなくここにいる、中央銀行、黒田さんが悪いんじゃないと、間違いなくここにいる俺たち大蔵大臣が悪いと。それは、抜け穴つくっているのは俺たちじゃないかと、俺たちがしっかりこの問題に取り組むべきではないかと日本が提案して、ドイツとイギリスが飛び付いてうわっと話になったんですけど、終始一貫、最後までしゃべらない人もいました、その国にはそういう人が多いから。その人はしゃべらなかった。気持ち分かるなと思って聞いていましたけれども、黙っていましたけれども。終わったら、行っていろいろまた話をさせてもらいました。  たまたまこのOECDの租税委員会、BEPSの委員会の委員長というのは日本人です。この人は選挙でなっていますから。その人が今財務省の審議官やっています。だから、総括審議官やっているので、これはもう外せないというので、OECDは、もうそれは絶対ここに置いておいてくれという。これが担当してやり始めましたので、片山先生御指摘のありましたとおり、これは日本の指導力で、これを今、各OECDは全部担当者を出して、これは膨大な作業なんですけれども、これは向こうも弁護士立ててえらい騒ぎになるとは思いますけれども、今から一、二年掛けてというぐらい掛かることを覚悟で、これはちょっと気合を入れてやらにゃいかぬと思っています。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 片山さつき君、時間の点を考えて質問してください。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 すばらしいですし、これは大きな税収に、かつてIRSと私も交渉して八千億円、たしかパナソニックと日産だったと思いますが、移転価格で取り戻したことがございますが、そのぐらいの話でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  それから、もうあと時間が二分ですので、もう質問になりませんが、先ほど櫻井議員からいいきっかけがあったんですね。アベノミクスによる円安基調の定着で製造業は確かに一息ついておりますが、一円で百六十億円損が出る業界があると。運送であったり、あるいは水産ですよね。これは、アベノミクスの光と影といえば、影でございます。この部分について、実は参議院選挙におきまして、自民党はしっかりとこの部分に特別な措置をするというふうに書いております。公明党さんもそうだと思います。  ですから、これから経済対策、来年四月以降の落ち込みを抑えるための経済対策五兆円、それからその他いろいろな措置がやってまいりますので、この部分について是非しっかりと景気対策で手当てをすると、ちょっと通告してございませんが、国土交通大臣からその心意気をひとつお願いいたします。運輸業界及び水産業界の円安ショックの緩和です。

太田昭宏公明党国土交通大臣

○国務大臣(太田昭宏君) 円安によって大変な状況にある企業、また中小企業も非常に多いと思いますが、それらに対してしっかり応援をするという経済対策が必要だということで推進をしたいと思います。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 ありがとうございました。  あと二十秒でございますので、水産の方も東北には非常に多い産業でございますので、同様に林大臣に、もうお時間ありませんがお願い申し上げまして、ちょうど時間でございますのでここで一旦切らせていただきます。

山崎力自由民主党

○委員長(山崎力君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。  次回は明二十四日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会

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