法務委員会 第8号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/11/26
会議録
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、宮沢洋一君及び森まさこさんが委員を辞任され、その補欠として石井正弘君及び中泉松司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判官の配偶者同行休業に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小川秀樹君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 裁判官の配偶者同行休業に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。 本案の質疑に先立ち、先日十一月二十日に参議院本会議において全会一致で可決、成立されました悪質危険な運転による死傷事故の罰則を強化するいわゆる自動車運転死傷行為罰則法の審議、並びに、私自身、参考人質疑に立たせていただき、改めて個々の道徳観と法の在り方を見詰める必要性を再認識をしたところであります。 私たちは皆、社会を構成する大事な存在です。多種多様な個性を持った個人同士が円滑な社会生活を営むために必要とされる法や、道徳、習俗、慣習など社会規範の一つに法律があるわけですが、その多くは起きてしまった事件や事故への対処を背景に制定をされてきました。今回成立した自動車運転死傷行為罰則法も、飲酒によるひき逃げ事故や無免許運転など、物事の善悪を判断し、正しく行動しようとする道徳心が欠如した運転者に対する被害者及びその関係者の深い悲しみ、苦しみから生まれた法律であると感じております。 私は、不要に人々の平安が侵害されることがないよう、犯罪行為を未然に防ぐための、国民一人一人が自身の行動を律することのできる高い道徳心を持つことが重要であると強く感じております。同時に、国民一人一人の価値観や道徳観がますます複雑多様化している現代社会において、個人の権利と利益を守り、誰もが安心して生活できる社会秩序を確立する上では、やはり個人の道徳心だけに頼るのではなく、国が法秩序の維持を図り、法的基盤の整備を行うことの重要性も認識をしております。 国会の重要な責務の一つである立法に際しましては、どのような法案であれ、高い道徳心や倫理観に基づく法の支配を前提にした立法と、多数決による議決という手続論としての立法が混同されることがないよう、慎重かつ十分な審議に努め、しっかりとした理念と目的に根差した法律として整備をしていくことが大切であると考えます。 そこで、国の法務行政を代表する谷垣大臣に、職務執行に当たっての決意をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、石井委員から大変重要な見解を示されたと思うんですね。 私、法務大臣になりまして、よく犯罪の記録等を読みますと二つのことを感ずるんです。非常にやっぱり不幸せな生い立ちの人が多いと、だからといって罪を憎まないわけにはいかないという気持ちと、それから、俺ももしこの場に立たされたら悪の道といいますか犯罪の道へ走ってしまうのじゃないかという、こういう思いが常にいたしまして、なかなか法律の執行というのも容易なものではないなと感ずることがしばしばございます。 しかし、今おっしゃったように、法だけで全てが裁けるわけではありません。やはり、いろいろな社会規範と一緒になって法というものが健全に働き得るんだろうと思います。ですから、法と道徳、その他のいろいろな社会規範との調和というのをやはり考えながら進めなければいけないのではないかと、そんなことを思っております。
○石井準一君 大臣、ありがとうございました。 それでは、法案の質疑に移らせていただきます。 まず、本法律案を提出した理由と法律案の趣旨についてお伺いをいたします。 本国会には本法案と同時に国家公務員の配偶者同行休業に関する法律案が提出をされております。一般職の法案とは別に本法律案を提出した理由とその趣旨について、政府全体の方針と併せて谷垣法務大臣の御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今年の六月に安倍政権として日本再興戦略というものを作りました。その中で、女性の採用、登用の促進や、男女の仕事と子育て等の両立支援について、まずは公務員が率先して取り組むとされているんですが、その具体策の一つとして、配偶者の転勤に伴って離職をしてしまう方がいらっしゃる、それへの対応ということが掲げられておりました。 それで、一般職の公務員に適用されるこういった理由は裁判官にも共通に適用される、裁判官であろうと一般職の公務員であろうと、家庭生活とそれから仕事の両立を図っていくということはどなたにとってもこれは必要なことだろうと思います。それで、両立させるために有為な人材が仕事を離れなきゃならないということもできるだけ便宜を図っていくべきではないかと。こういうことから、一般職だけではなく裁判官に関しましてもこの法律を出すということになったわけでございます。 そこで、今委員がおっしゃいました、なぜ一般職と別に裁判官に関して別法、別の法律でやるのかということでございますが、今までも、裁判官、特別職の国家公務員でございます、特別職といってもいろんな方がいらっしゃいますが、裁判官の場合は職権行使の独立性とか、ほかの公務員、特別職の公務員の中でも身分保障等特別な地位にございます。したがいまして、育児休業法のときも一般職の国家公務員とは別個の体系でやりまして、今回もその前例に倣ったということでございます。
○石井準一君 それでは次に、現状の裁判官の退官についてお伺いをいたします。 配偶者の海外転勤などに同行する理由に退官した裁判官は実際どの程度いるのか、退官理由における割合と特徴について最高裁の御認識をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 平成二十年度から二十四年度までのこの過去五年間に退官いたしました裁判官のうち、配偶者の海外転勤等に同行することを理由として退官したことが確認できました裁判官は合計五人、年間でいいますと平均一人程度でございます。いずれも女性の判事補でございました。定年以外の退官者総数に占める割合でいいますと約一・八%でございます。 同じ過去五年間に留学に行きました裁判官のうち配偶者も裁判官である者は合計十一名でございまして、年間平均でいいますと二人程度ということでございます。
○石井準一君 今御説明いただいたわけでありますが、ならば、本法律案の成立による効果について、裁判官の離職防止にどの程度効果があるのか、その見通しについて最高裁の見解をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 今お答え申し上げましたとおり、同行ということで退官した者は過去五年間で五名程度でございます。したがいまして、この法案が成立した後、実際にこの同行休業制度を利用する者としては、当面は年間二人ないし三名程度ではないかというふうに考えております。
○石井準一君 それでは、本案における休業中の裁判官の定員上の取扱いについてお伺いをいたします。一般職の国家公務員との相違点と、その取扱い理由を説明をいただきたいと思います。 なお、休業中の裁判官も定員の枠内に置かれているということでありますが、裁判事務などの円滑な運営のために、本案が成立した場合には、裁判官の休業取得に備え裁判官の定員を増やす必要性について最高裁の見解をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 委員御指摘のとおり、配偶者同行休業をする裁判官については定員内の扱いとなります。これは、裁判官の身分保障を定めた憲法七十八条や裁判所法四十八条の規定の趣旨に照らしますと、配偶者同行休業期間が終了した裁判官につきまして何らの定員上の措置なくして復帰できることを制度的に保障する必要があるためでございまして、定員外の扱いとすることは相当でないからでございます。 この関係での定員増の必要性ということでございますけれども、裁判所におきましては、これまでも、裁判官の病気や育児休業といった事態が生じた場合に事件処理を担当する後任者を確保するため、異動や配置換え、事件の配填替えなどの措置を講じて事件処理に支障がないように対応してきたところでございます。この配偶者同行休業におきましても、同行休業を取得した裁判官の業務処理について同じような措置を講ずることによって対応してまいりたいと考えております。 先ほど申し上げましたとおり、この制度を利用することが想定される裁判官は年間で二、三人程度と推測しておるところでございまして、現段階で直ちに増員の必要があるとまでは考えていないところでございます。
○石井準一君 それでは次に、休業中の裁判官の能力の維持向上と職務に関する情報等の提供についてお伺いをいたします。 本法案によって裁判官の最長三年の休業が可能となりますが、その間に様々な法改正が行われたり判例が出たりすることが想定をされます。円滑な職務復帰のためには何かしらの定めを置くのか否か、また具体策について最高裁の見解をお伺いをしたいと思います。 また、休業中の裁判官の自己研さんの在り方について、配偶者同行休業中の裁判官が渡航先の大学やロースクール等で学ぶことは能力の維持向上を図る上で有効だと考えますが、最高裁の考え方を示していただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 最初の点についてお答え申し上げます。 裁判官は大変重い職責を担っておりますため、その職務を全うしていくためには不断の自己研さんが必要であるものと考えております。この配偶者同行休業を取得する裁判官に対しましては、休業中の自己研さんの必要性について、休業前はもちろん、休業期間中にも所属庁の所長などから適宜確認するなどして、自己研さんについての動機付けを図ってまいりたいと考えております。 委員御指摘のとおり、最新の裁判例あるいは法令等の制定がございます。こうした職務に必要な情報につきましては、最高裁におきましては裁判所時報というものを刊行しております。この裁判所時報につきましては、現在も、育児休業中あるいは留学中の裁判官に対しても電子データ等で提供してまいっておるところでございます。配偶者同行休業中の裁判官に対しても積極的にこのような情報提供をしてまいりたいと考えております。また、当該裁判官と所属庁の長との間で適宜生活状況等について連絡を取り合うことも望ましいことと考えております。 それから、同行休業中の修学の関係でございます。同行休業中の裁判官が自費で留学あるいは学習、自己研さんを努めることはむしろ望ましいことと考えておりますので、この同行休業制度を取得する裁判官に対しましては、この機会を利用して海外の司法制度や裁判実務などについて見聞を広め、自己研さんに努めるよう積極的に働きかけたいと考えております。
○石井準一君 最後の質問です。 裁判官に多様で豊かな経験を積ませることを目的に、国内では弁護士職務経験制度や官庁、民間企業への出向、派遣などの取組がなされております。同様の観点から見た場合、休業中の裁判官が現地において就業することについて、その可否、許可の基準について最高裁の見解をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 裁判官につきましては、裁判所法五十二条二号及び三号によりまして営利事業を営むことは禁じられ、また最高裁の許可がある場合を除いて報酬のある他の職務に従事することは禁じられておるところでございます。休業中であっても裁判官としての身分は続いておるわけでございます。したがいまして、休業中、この同行先におきまして報酬を得て就業するというようなことにつきましては、裁判官の職務の中立公正の確保の観点から問題がないかどうかを個別の事案ごとに具体的に検討して判断していくべきものだろうと考えております。
○石井準一君 しっかり取り組んでいただきたくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
○前川清成君 おはようございます。前川清成でございます。 大臣から見て左側の席から右側の席に移ってしまいました。右側の席から久しぶりの質問をさせていただきますけれども、先ほど石井さんの質問に対して、犯罪者の置かれた状況について、自分もその立場に立っていたならば考えてしまうことがあると、こういうふうに御発言されました。本当に立派な御見識だというふうに思います。 それで、今日は、配偶者同行法の質疑をさせていただくんですが、せっかく京都五区選出の谷垣大臣と奈良三区選出の奥野副大臣がおそろいになっておられますので、もしかすると京都と奈良との間に千年の遺恨を残すかもしれない中央リニア新幹線のルートについて少しだけ触れさせていただきたいと思います。 今日は国交省の鉄道局長の瀧口さんにお越しいただいておりますけれども、昭和四十八年に基本計画が定められました。それから四十年近くたって、平成二十三年に整備計画が定められました。それぞれ名古屋から西は奈良市付近を通って大阪市へと、こういうふうに決まっているわけですけれども、この基本計画と整備計画、これはどういう関係に立つのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員御指摘のように、リニア中央新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づいて現在事業が進んでおるものでございます。この全国新幹線鉄道整備法につきましては、基本計画、そしてまた整備計画を作り、さらにその後に工事実施計画の認可といったような手続を経て着工されるということになっております。 委員御指摘のように、まず基本計画でございますが、この基本計画の趣旨といたしましては、全国の中核都市を有機的かつ効率的に連結し、全国的な幹線鉄道網を形成する路線というものにつきまして基本計画を定めるということになっております。昭和四十八年にこの中央新幹線については基本計画が策定されておりますが、御指摘の名古屋以西のルートにつきましては奈良市付近というふうに定められているところでございます。さらに、今回、JR東海が自ら費用を負担して建設をするということで、整備計画を策定するという段取りに入ることになりました。 国土交通省におきましては、交通政策審議会中央新幹線小委員会というものを設けまして、有識者の皆様に幅広く御議論をいただきまして、この整備計画というものの検討を進めてまいったところでございます。この中で、リニア中央新幹線の意義といたしまして、災害リスクに備えるため東海道新幹線と二重系を構築すべきこと、そしてまた新幹線がもたらす沿線の地域振興への寄与を考慮すべきこと、こういったことが確認されておりまして、その結果、二十三年五月に整備計画が策定されております。この整備計画の中では、奈良市付近を主要な経過地とする整備計画が適当であるとの答申をいただいておりまして、この整備計画、二十三年五月の整備計画もこのような内容となっているところでございます。 今後、現在の計画どおり必要な手続を進めていくということが国土交通省の基本的な考え方でございます。
○前川清成君 今局長の御答弁の中にもあったんですが、この中央リニア新幹線は、大阪までの総工事費が十四兆四千六百億円、その全額をJR東海が負担することになっております。JR東海が建設費を負担するんですが、ルートは国において決定することができるんですか。
○政府参考人(瀧口敬二君) このプロジェクトは、全国新幹線鉄道整備法というものに基づくプロジェクトでございます。したがって、この法律の枠組みに従って、先ほど申し上げたような基本計画、整備計画、それから工事実施計画の認可という手続になっております。さらに、この法律の中では、誰が建設をするのかという建設主体、そしてまた誰が営業をするのかという営業主体についても国土交通大臣が指名することになっております。このような中で、JR東海が建設主体及び営業主体として指名されているところでございます。 したがいまして、この制度の中では、誰が費用負担するかという問題とは別に、基本計画あるいは整備計画に基づいて基本的な考え方のルートが設定されると。しかしながら、具体的なルートの詳細あるいは駅の位置などにつきましては、環境アセスメントを経まして、工事実施計画の段階でこれは建設主体が決めていくというような段取りになっているところでございます。ちなみに、東京—大阪間の現在の建設費は九兆三百億円というふうにされております。
○前川清成君 ごめんなさい、東京—名古屋間の五兆四千三百億と東京—大阪間の九兆三百億円、太っ腹なもので、足し算をしてしまいました、済みません。 それで、この整備計画のルートなんですけれども、幅を持って、今の御答弁にありましたけれども、奈良市付近とかというふうに幅を持って決定されていまして、昨日国交省の担当者にお聞きしたところ、その幅というのは大体二十キロだと、こういう御説明でした。奈良市と京都市、これは直線距離は三十八キロメートルあるわけですけれども、強引にへ理屈を言っても京都市を奈良市付近とは言えないということでよろしいですよね、局長。
○政府参考人(瀧口敬二君) 今後、環境アセスメントという手続を経て具体的なルートが定まってまいります。先ほど申し上げましたように、このルートにつきましては、東海道新幹線との二重系を構築すべきことと、こういうふうにされているわけでございます。そしてまた、新幹線がもたらす沿線の地域振興への寄与ということが言われております。 こういったことを考えまして、今後、具体的なルートについては、環境アセスメントの段階で更に詳細なルートあるいは駅の位置といったものがJR東海によって検討されるということになります。現時点において私どもから申し上げられるのは以上でございます。
○前川清成君 局長、私がお聞きしているのは、京都と奈良と、京都市と奈良市と直線距離で四十キロ離れているんです。四十キロ離れていて、人口、奈良市と京都市どちらが多いか。京都市の方がはるかに多いわけです。整備計画でも基本計画でも奈良市付近と書いてあるにもかかわらず、京都市も奈良市付近だというふうに強引な解釈は成り立たないですよねというお尋ねです。
○政府参考人(瀧口敬二君) これは、リニア新幹線というものの意義というものを考えてみますと、二重系と言っておりますのは、当然のことながら、災害などを考えてみたときに、東京と名古屋と大阪という三大都市圏については、これは外すことはできないわけでございますが、他のルートについては、二重系ということを考えてみますと、それなりの考慮というのはあってしかるべきだろうというふうに考えております。
○前川清成君 余りこの問題ばっかりできないんですが、山田京都府知事は、中央リニア新幹線のルートは、国が決めるのでもなく、JR東海が決めるのでもなく、関西広域連合で議論して決めたらいいと、こういうふうにおっしゃっているわけですが、関西広域連合にこのような権限があるんですか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 全国新幹線鉄道整備法に基づけば、国、国土交通省が基本計画を定め、そして整備計画を定めることになっております。そして、それを踏まえまして、建設主体であるJR東海が一定の手続を経て具体的なルートというものを定めていくと、こういうことになっております。
○前川清成君 それと、JR東海の山田社長は、東京—名古屋間の中央リニア新幹線は採算は取れないと、こういうふうに発言しておられます。民間企業が採算の取れない事業を継続することはできませんので、東京—名古屋間でそもそも採算が取れないのであれば、名古屋から西へは行かないんじゃないかと、大阪まで来ないんじゃないかという心配をしておるんですが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 今委員御指摘のような、採算が取れないといったような話を私ども直接確認をできておりません。むしろ、これは基本的に、東京—大阪間、東京、名古屋、大阪を結ぶことによってこの中央リニア新幹線という意義が最大限に発揮できるものだと考えております。私どもはそれを前提にして整備計画を策定し、また建設主体、営業主体というものも指名しているところでございます。
○前川清成君 いや、局長がそんなところを否定されるとは思いませんでした。昨日質問取りに来た人も、何の確認もなく、あの山田社長の御発言は知っておられましたよ。山田さんは、一回だけじゃなくてあちらこちらで、採算は取れないと、東京—名古屋間で採算は取れないというふうに発言しておられますので是非確認をしていただいて、また今度どこかで質問をさせていただこうと思います。もう余り、これ、法務委員会ですので。 奥野副大臣、今日いらっしゃいます。奥野先生にはいつも奈良でいじめられてばかりですけれども、しかし、党派の違いは超えてふるさとのために尽くしたいと、こういうふうに思っておりますけれども、奥野先生の御所見はいかがでしょうか。
○副大臣(奥野信亮君) 前川先生とはほとんどのことで意見が対立するのでありますが、この件ばかりは多分一つにまとまると思います。 そうはいっても、JR東海さんに今開発をお願いしているわけでありまして、いわゆる全国新幹線鉄道整備法というのが、昭和四十八年ですか、それにできて、平成二十三年にまた新たな整備計画がまとまったと、こういうことでありますから、世の中の動きをよく見ながら、余り刺激的なことをしないで決められたとおりにやっていくのが私は一番いいと思っています。 国民全体として見れば、今現在の新幹線よりも技術的には相当高度な技術を使って、国民期待の鉄道だろうと思います。そして、地域的に考えれば、今まで新幹線が通らなかった三重県、奈良県、和歌山県、こういったところの県民が非常な利便性を享受するわけでありますから、波風なくできるだけスピーディーに、平成三十九年ぐらいに大阪まで一気に造ってもらえればなと、こんなことを私は考えているところであります。
○前川清成君 谷垣大臣は、この安倍内閣における最重要閣僚のお一人でありますし、また国土交通大臣も御経験されていまして、本当に重要なキーパーソンだと思いますけれども、谷垣大臣のお人柄、私、初当選のときは財務大臣をされていて、予算委員会に拙い議論もお付き合いいただいて、本当尊敬を申し上げております。 したがいまして、まさか谷垣先生がこの四十年にわたって積み上げられてきた議論を力ずくでひっくり返して、我田引水ならぬ我田引鉄、いやいや我田引リニアはなさらないだろうということを確認をさせていただこうと思いますが、もうこの点は御答弁の必要もないと思いますので、次に進めさせていただきます。 それで、本来の同行法の二条の二項についてですけれども、瀧口局長、国交省に対してお尋ねするのはこのとおりでございますので、もし委員長の許可を取っておられるのでしたら、退席していただいても結構でございます。
○委員長(荒木清寛君) では、鉄道局長は退席していただいて結構です。
○前川清成君 それで、二条二項で、外国での勤務その他最高裁判所規則で定める事由と、こういうのがありまして、この最高裁判所規則で定める事由は、例えばですが、留学が含まれると、こういうふうに伺っております。 そこでお伺いしたいんですが、先ほど石井委員の質問に対して、同行のために退官した裁判官は僅か一人だと、一年間に、こうおっしゃっていました。一年間に一人、わざわざこれを、法律作るほどの立法事実があるのかというのは疑問に思わざるを得ないわけですが、先ほど安浪人事局長は、現在は一年間に一人、同行のために退官するけれども、新しい法律ができたら三人ぐらいが同行するだろうと。急に掛け算が入ってしまいました。 どうして急に増えるのか、お尋ねしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 先ほど答弁いたしましたときにも御説明いたしましたとおり、実際に退官した者は年間平均一人でございますが、留学に行った裁判官のうち、配偶者も裁判官である者が五年間で十一人おりまして、平均しますと年間二人程度おります。これらの者もこの制度があれば利用する可能性があると考えております。 また、東京地裁と大阪地裁におります判事補、これは十年以内の裁判官でございますけれども、この者たちに取り急ぎ意向を聞いてみましたところ、九割を超える者がこういう制度があれば利用したいというふうに申しておることから、先ほど申し上げました年間二、三名程度と申し上げたところでございます。
○前川清成君 判事補の皆さん方には留学の制度がありまして、最高裁が実施している制度で、一年間の派遣で二十五人ないし三十人程度が海外留学をしています。それと、人事院が実施する制度で、これは派遣期間二年ですけれども、十人程度が海外留学しております。判事補の採用は一年間に百人弱ですので、そうなりますと、ざっと半分近い皆さん方が海外留学をしていることになります。先ほど江田元裁判官にお聞きしたところ、江田先生の当時は百人おって一人ぐらいだったと、こういうことなんです。 この判事補の留学がこのような割合に増えたのはいつごろで、どういうような理由なんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 委員御指摘のとおり、平成の時代になるまでは大体一桁でございました。これは裁判所での派遣、人事院の長期在外研究を含めたものも含めて一桁でございました。平成十三年に政府の方の司法制度改革審議会の方で、判事補については多様な外部経験を積むようにという御意見をちょうだいいたしました。これを踏まえまして、省庁での出向、それから民間企業、それから弁護士職務経験といった、同じような外部経験のプログラムの一つとしてこの留学制度を拡充していこうということになりました。 ちなみに申し上げますと、平成十七年、この辺りから、裁判所のものと人事院のものを足し込みまして三十名を超えるような数になってまいったところでございます。
○前川清成君 多様な経験を裁判官の方々が持たれるのは重要だと思いますけれども、しかし、およそ二人に一人弱の割合で海外留学する必要がそこまであるのかなと正直思います。 留学したことによっていい裁判ができるんですと、こういうふうにおっしゃるかもしれませんが、それなら、二人に一人強は留学しないわけなので、そうなりますと、留学していい裁判ができる裁判官に当たるか、留学していないからいい裁判ができない裁判官に当たるか、国民にとっては、まあ交通事故の割合みたいなものになってしまうんですが、この点をどのようにお考えになっているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) なかなかお答えはしづらいんですけれども、外部経験といいますか、この留学もそうでございますけれども、先ほど申し上げました行政省庁への出向、それから民間企業での研修等々、多様なものがございまして、判事補全員につきまして漏れなく外部経験を積んでもらおうということでやっておりますので、留学経験のある裁判官に当たったらどうで、違う外部経験に当たったらというようなことはないものと考えております。
○前川清成君 そうしたら、その三、四十人の海外留学させる裁判官というのはどのような基準で選ぶんですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 本人の方から留学の希望が出てまいりまして、本人の語学力、それから勤務状況、留学先でどういうことをしたいのかといったようなことを聞きながら選考しておるところでございます。
○前川清成君 今おっしゃった勤務状況というのをもう少し具体的に、可能ならば数字も挙げて御説明ください。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 数字で申し上げることは難しいんでございますけれども、その所属の裁判所の中で現在どういう事件を担当して、留学に支障がないのかどうかとか、そういった事情も含めて検討するところでございます。
○前川清成君 どのような事件を担当していると留学を認めて、どのような事件を担当していると留学は認めないんですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 今申し上げましたのは、出発の時期等がありますもので、その事件処理が結審間際だとかというようなことも考えた上でのことでございます。
○前川清成君 結審間際な事件は裁判官全員持っていますよね。裁判官は、例えば大阪や東京の民事部だったら二百件、三百件の手持ち事件あるわけですから。結審間際な事件を持っていない裁判官なんて世の中にいるんですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 代替性のないような重大な事件を担当している場合を念頭に置いてお答えしたものでございます。
○前川清成君 もう一度、裁判官、判事補が希望した場合に留学を認めるか認めないかの基準としておっしゃった勤務状況について、定義として答えてください。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 海外留学を希望してきている者のそれまでの間の事件処理の状況とか、そういったものを総合的に検討することだと考えております。
○前川清成君 事件処理の状況というのはどういう意味ですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 当該その所属の裁判所の中におきまして、事件処理が順調にされているかどうかとかというふうなことを考えることだと思っております。
○前川清成君 そうしたら、順調に事件を処理するということは、どんどんどんどん強引にでも判決を書いて、和解でもして事件をたくさん落としている裁判官と、こういう意味ですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) それだけではございませんで、民事の裁判で申し上げますと、判決の、事件処理の状況等を見た上で、その世代の裁判官として円滑に事件を処理しているかどうかというようなことを見ていくんだろうと思っております。
○前川清成君 事件処理の状況とはどういうことですかとお聞きして、事件の状況ですとお答えになっていたら、これをトートロジーと言うんですよね。答えになっていませんよね。まあ、今日はこれぐらいにしておいて、またどこかでお尋ねしようと思いますけど、こればっかりにこだわっておられませんので。 それで、この法律の目的で、一条ですけれども、同行休業の制度を設けることによって、裁判官の継続的な勤務を促進しとあるんですが、裁判官の継続的な勤務に支障が生じているのは、夫が、妻が、留学したときに付いていけないからなんですかね。あるいは、先ほど石井委員の質問に対しては子育てとの両立というお話をされていましたけれども、子育てとの両立ができないのは留学に同行できないからですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 海外で勤務する者の場合につきましては、頻繁に帰国するというものもできませんし、あるいは海外で勤務する者の精神的な負担というようなこともありますもので、その配偶者が海外で同居するということによります仕事と家庭生活の両立という意味で必要なことだろうと考えております。
○前川清成君 裁判官が子育てと仕事とを両立できないのは、私は、留学に同行できないからではなくて手持ちの事件件数が余りにも多いと。ウイークデーはそれこそ朝の九時から夕方の五時まで法廷や和解に忙殺される、判決起案は夜あるいは土日に自宅で行う、そんな仕事の過密ぶり。だからこそ、女性裁判官は、特に女性裁判官はなかなか子育てと仕事とが両立できないのであって、本当に子育てと仕事の両立を考えるのであれば、私は、裁判官を大幅に増員して手持ちの事件件数を減らしてやることではないのかなと、そういうふうに思っています。 それと、先ほどちょっと安浪さんの答えが余りにもびっくりした答えだったので言い忘れたんですけど、裁判官は、判事補は年間四十五人程度ですが、検察官の方は、法務省派遣が三名ないし八名、これは検事の在外研究、大学院に三名、人事院の方に三ないし五名ということで、全部足すと十人ぐらいになるんです。ちょっと余りにも検察官と裁判官と海外留学が違い過ぎるのではないかなという感想だけ申し上げておきたいと思います。 それと、私は司法修習四十二期でございまして、今から二十五年ほど前です。私は絶対に優秀でも何でもないんですが、当時任官者が本当に少なくて、裁判官やあるいは検察官になれというふうに随分お誘いも教官からいただきました。そのときに教官から言われましたのは、前川君、官舎がぼろいと思っているかもしれないけれども、去年シャワーが付いたよと。当時、平成二年でございますけれども、そういうことを言われました。あるいは、前川君、君だったら三年以内に必ず留学させてやるからと、そういうふうにも言っていただきましたけれども、私ずっと関西で生まれ育って、東京へ修習生で出てきて、白いネギを食べさせられるだけでもぞっとしていて、タコ焼きがパックに入って売っているのだけでもこの関西以外の土地を離れて暮らすのは嫌だなと、こう思っていましたので、その留学させてやるよというのがもう決定打になって弁護士になってしまいました。しかし、今から思いますと、本当に人間が小さかったなと、若いときに広く見聞を広げておくべきだったなというふうな、後悔ではありませんけれども、気持ちもあります。 そこで、大臣はコンビニなんて行かれること余りないと思うんですけれども、東京でコンビニに行ってお感じになることというか、お気付きになること、ありますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は割合コンビニはよく使うんです。自転車に乗りますときに、コンビニに寄って、腹減ったらあんパンを買ったり、そういうことをしょっちゅうしておりますが、余りしょっちゅう使っておりますので、特別に、今、前川委員が何を意図しておられるのか、ちょっとよく分かりません。
○前川清成君 済みません。きっと自転車に乗ってコンビニを利用されるときはないかと思うんです。私も奈良でコンビニを利用してもめったにないんですが、東京で、例えば宿舎の隣のコンビニなんかでいくと、レジはほとんど中国人の方です。多分この方々は中国から日本に留学しているのかなと、そんなふうに思っていまして、文科省にお尋ねをしましたところ、二〇一〇年時点で中国の海外留学生の数は六十三万人。これに対して日本は五万八千人。中国の人口が十三億人で日本の約十倍ですので、人口比かもしれませんが、一人当たりのGDP比でいいますとこれは十分の一ですので、中国は随分頑張って海外留学生を出しているのではないかなと。 自分のことを棚に上げて申し上げるのもあれですけれども、やっぱり若い世代がどんどん海外に出て勉強をしてくる、そして幅広い視野を得てくると。これをそれぞれの親の財布の重さだけで決定してしまってはいけないと思います。そういう志を持った若い人たちを国全体で支えていくような仕組みも必要なのではないかなと、こんなふうに思っております。 これについて、せっかく今日、文科省からも中岡大臣官房審議官に来ていただいたんですけれども、申し訳ありません、時間が参りましたので、これで私の質問、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 今回の法案は、裁判官が海外にいる配偶者と一緒に暮らすために休業を取得することができるようにするというものでございます。裁判官についてもワーク・ライフ・バランスが重要であることは言うまでもございませんし、社会で起こる多様な事柄について判断をする裁判官に家庭生活と仕事の両立を通して様々な経験をしていただくということは、国民にとっても望ましいのではないかと思っております。 今回の法案は、国家公務員や地方公務員についての配偶者同行休業と同じようなものを裁判官についても設けるものでございますけれども、特別職である裁判官と通常の公務員というところで異なる面があるかと思いますので、幾つか確認をさせていただきたいと思います。 この休業の取得の要件といたしまして、国家公務員配偶者同行休業法案の方では、以下のような条文がございます。任命権者は、職員が配偶者同行休業を請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、当該請求をした職員の勤務成績その他の事情を考慮した上で休業の取得を認めるかどうか判断をするという条文になっておりますけれども、本法案の裁判官の配偶者同行休業法案の方では、三条一項で、裁判事務等の運営に支障がないと認めるときは休業を取得できるという形になっておりまして、職員の勤務成績その他の事情を考慮するということは要件になっておりませんけれども、この点が異なることはどういった理由に基づくのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。 国家公務員の配偶者同行休業に関する法律におきましては、有為な国家公務員の継続的な勤務の促進を目的としておりまして、承認するかどうかを判断するに当たって、勤務成績その他の事情を考慮することとされているものと承知しております。 この点に関しまして、裁判官につきましても人事評価制度は存在するわけですが、職権行使の独立や職務の特殊性を踏まえたものとなっておりまして、その趣旨も、裁判官の公正な人事の基礎とするとともに、裁判官の能力の主体的な向上に資するために行われるというものでございます。 このように、裁判官の人事評価制度は、その職務を遂行する上での能力及び業績を把握した上で行われます一般職の国家公務員における人事評価、これは国家公務員法上定められているものでございますが、これとはその目的や性質、内容等において異なるものでありまして、裁判官につきましては、配偶者同行休業の承認に当たって勤務成績を考慮することにはなじまないものというふうに考えられるわけでございます。 そこで、本法律案におきましては、配偶者同行休業の承認の判断に当たって、勤務成績その他の事情を考慮する点については規定しないこととしております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 もう一点、国家公務員同行休業法案とは異なる点が本法案の六条二項一号でございますけれども、裁判官の場合、裁判官からの承認の取消し申出という規定がございます。この点の違いについても御説明をお願いいたします。
○政府参考人(小川秀樹君) 御案内のとおり、裁判官は憲法上、在任中の報酬減額禁止の規定がされていることを始めといたしまして、一定の場合を除き、その意思に反して免官、転官、転所、職務の停止などをされることはないとされ、強い身分保障が与えられているところでございます。 このような趣旨に照らしますと、配偶者同行休業をしております裁判官から職務に復帰したいという旨の申出があった場合には、これを認めるのが相当と考えられますので、当該裁判官が配偶者同行休業の承認の取消しを申し出た場合には、最高裁判所はその承認を取り消すことと、こういう制度としたものでございます。
○佐々木さやか君 御説明ありがとうございました。 それから、今回の法案では、裁判官の休業の申出の回数については制限はないというふうに理解をしておりますけれども、しかしながら、四条の二項で、延長については一回に限ると、このようになっております。休業の取得の機会に回数制限がないのであれば、延長も何度でも認めてもいいように思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) 今御指摘ございましたように、裁判官の配偶者同行休業の期間の延長につきましては、特別の事情がある場合を除いて一回に限るものとしております。これは、既に承認されている休業について複数回にわたる延長を認めました場合には、裁判官の復帰を前提とした人事管理に大きな影響を及ぼすと考えられたことによるものでございます。
○佐々木さやか君 最高裁の規則で定める特別の事情がある場合には一回に限るものではないということになっておりますけれども、状況に応じて柔軟な運用をお願いをしたいと思います。 それから、休業中については裁判官の自己研さんを奨励をするということでございましたけれども、裁判官が休業中に勉強をする方法としては、例えば学校に通うですとか、そのほかにもボランティア活動に参加をするとか、そのほかいろいろな活動に参加をしたいという裁判官もいるかもしれません。そういった点において、裁判官の身分が休業中もあるわけでございますので、身分との関係で活動が制限されるようなことがあるのか、そういった点についてお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 裁判官につきましては、裁判所法五十二条二号及び三号により、営利事業を営むことが禁じられ、また、最高裁の許可がある場合を除いて報酬のある他の職務に従事することは禁じられておるところでございます。 そうは申し上げましても、自費での留学、学習や自己研さんについては何ら問題はないわけでございまして、むしろ望ましいものと考えております。同行休業を取得する裁判官に対しましては、この機会を利用して海外の司法制度や裁判実務などについても見聞を広め、自己研さんに努めるよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。ボランティア活動につきましても、その活動の内容が裁判官としての中立公正の観点から問題がない場合には行って差し支えないものと考えております。 いずれにいたしましても、この休業期間中に裁判官が何を行うかにつきましては、まず当該裁判官が自分で十分に考えてもらい、その際、所属庁の所長などが適切に相談に乗っていくべきものと考えておるところでございます。
○佐々木さやか君 裁判官が休業中に自己研さんを海外で行うに当たって、そういった自己研さんを奨励するということですけれども、例えば日本の判例、それから法改正の情報ですとか、いろいろな情報へのアクセスですね、そういったことも十分にできることが必要かと思います。 この自己研さんに当たっては最高裁の方でも十分にサポートをしていただいた方が望ましいのではないかと思いますけれども、どういったサポートを考えていらっしゃるのか、御説明いただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 最高裁の方では、月二回、裁判所時報というものを刊行しておりまして、最新の裁判例、法令等の制定など職務に必要な情報を掲載しておるところでございます。これは、育児休業中の裁判官あるいは留学中の裁判官に対しましても電子データ等で送付しております。この配偶者同行休業を取得した裁判官に対しましてもこのような情報提供をしてまいりたいと考えております。 また、同行休業中の裁判官の海外での生活状況につきましては、当該裁判官と所属庁の所長等との間で適宜連絡を取り合っていろいろ意見交換をしてもらうのも望ましいことかと考えております。
○佐々木さやか君 民間企業に勤める女性の話ですけれども、育児休業などを取得をして、その後、復帰はできるんだけれども、復帰に当たってのサポートが余り十分ではないという話をよく聞きます。裁判官の皆さんには是非復帰後すぐに十分に活躍ができるようにしていただきたいと思いますので、今おっしゃったことに限らず、是非最高裁としても休業中のサポート、十分に御検討いただければと思っております。 次に、政府は日本再興戦略で、指導的地位に占める女性の割合の増加を図る、また、女性が活躍できる環境整備を推進するとしておりますけれども、裁判所では、女性裁判官、またそのほか女性職員の活躍促進ということはどのように図られているのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 裁判所におきましては、裁判官及び職員につきまして、能力、資質の高い者の確保に努めてまいっておるところでございます。 裁判官について申し上げますと、平成二十五年、今年七月現在の女性裁判官の割合はおよそ一九%でございます。裁判官としてふさわしい者につきましては、男女を問わず、できる限り任官してもらいたいと考えておるところでございます。 一般職の職員についてでございますが、平成二十五年、今年七月現在、女性職員の割合はおよそ三七・五%でございます。行政府省の本省課室長に相当いたします一般職給与法の行政職俸給表(一)七級以上の職員及び指定職に占める女性割合は九・七%となっております。一般職につきましても、採用した後、登用を図るため、計画的かつ積極的に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 この裁判所での女性の活躍という点について、ちょっと通告は申し上げていないんですが、よろしければ大臣に、この裁判所での女性の活躍というところについてお考えがございましたらお聞かせいただきたいんですけれども。
○国務大臣(谷垣禎一君) 仕事の上でどういうふうに男女の違いが出てくるのか私よく分かりませんが、男性と女性ではやっぱり感覚が違うところも時々あります。それで、やはり、裁判所に限りませんけれども、法律の仕事というのは人の営みに向かい合っていくわけですから、男性だけの感覚で司法を運営していくというのは、私は場合によったら漏れてしまうところがあるのではないかなというふうに感じております。そういう面からも女性の参画ということが必要なのではないかと、余り系統立ったお答えにはならないかもしれませんが、そういうことを感じております。
○佐々木さやか君 ありがとうございました。 最後にもう一問でございますけれども、今回、休業取得ができるように法律ができますけれども、裁判官のキャリアアップ、例えば判事への任命ですとか判事の再任、それから部総括などといった管理職への昇進、昇給といったところにおいてこの休業取得をしたことが不利に扱いを受けるような可能性があるとすれば、この休業の取得をしようと思っても諦めてしまう裁判官もいるのではないかと思いますけれども、この点についてはどのように配慮をされるのか伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 裁判官につきましては、憲法上、その身分が強く保障されております。裁判官が今回の配偶者同行休業を取得したことを理由として、例えば判事への任命資格の通算の点であったり復職後の昇給などの点におきまして不利益な取扱いを受けるというようなことはないところでございます。
○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
○真山勇一君 みんなの党の真山勇一です。どうぞよろしくお願いいたします。 今回のこの法案なんですけれども、時代の流れですとか変化というものを見ていますと、当然しかるべき法案であり、趣旨に異論というものは余りないんではないかなというふうに思っています。普通、こういう場で法案というと、大体、罰したりとか禁止したりという法案が比較的多いわけですね。そういう中で、むしろこういうふうにやって、世の中を変えるための積極的な前向きな法案ということで、是非これを積極的に取り組んでいく必要があるんではないかというふうに思っております。 ただ、今御指摘いろいろな方から出ましたけれども、それによっていわゆる仕事のひずみが出て、やはり今裁判官の仕事というのは確かに訴訟が多くて大変厳しいというような状況もあるわけです。そうしたところにそのひずみが出てしまっては駄目ですし、それから、この留学それから海外赴任ということのためにいろいろ不利益、不公平があってはやっぱりならないなという思いをしております。 しかし、大きな流れの中では、やはり女性の社会進出、それから裁判官により見聞を広めてもらうという意味で積極的に評価をしていきたいというふうに私は思っております。 そうしたことを踏まえながら、何点かちょっと質問させていただきたいんですけれども、現在のところ、先ほど、これまでは年間この対象は一人ぐらい、それから、この制度ができたら年間二、三人ぐらいを想定という、期待というお話がありましたけれども、もうちょっと広げまして、例えば十年ぐらいの間でこの海外赴任をした裁判官の人数、それから渡航先、目的、どんな実績があったのかということを伺いたいと思います。そして、できればその方たちの配偶者がいるかいないかなどについても、もしお伺いできればお願いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 まず、今年度、平成二十五年度につきまして、留学あるいは海外赴任をする裁判官の人数を申し上げさせていただきたいと思います。今年度につきましては、裁判所で実施する留学、これにつきましては二十八名、そのうち女性が六人でございます。人事院の行政官長期在外研究員制度によりますものが十人、うち女性が三名でございます。したがいまして、合計しますと三十八人が今年度出発をする、女性は合計九名ということになります。 渡航先でございますが、裁判所で実施する留学につきましては、アメリカに十五人、うち女性が四人でございます。イギリスに四人、うち女性が一人、ドイツに三人、フランスに一人、ベルギーに一人、カナダに二人、オーストラリアに二人、そのうち女性が一人でございます。人事院の行政官長期在外研究員制度によりますものは、アメリカに七人、うち女性三人、及びイギリスに三人を派遣しております。 それから、過去五年間、平成二十年度から二十四年度に留学した判事補、これは合計で百八十八人に上りますが、この百八十八人のうち配偶者も裁判官である者は合計で十一名となっております。 現在持ち合わせている数字は以上でございます。
○真山勇一君 ありがとうございました。 やはり、留学はかなり多いけれども、赴任ということだと数かなり限定されているような気がするんですが、赴任の場合、これどのような業務で赴任するかということはお分かりですか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) その国に赴任いたしまして、そこの国の司法制度あるいは裁判実務の実情などを自ら調査し研究するということが業務になっております。
○真山勇一君 分かりました。 やはり当然、裁判官という任務、それに沿った目的で渡航されているということになると思うんですが、やはり今内向き、今の若い人は内向きというふうに言われていますけれども、やはりできるだけ、裁判の訴訟業務ということに差し支えがなければ、なるべく多くの若い人たちに海外に出ていただいて、そしていろいろな経験をしてくる、見聞を広めるというのはいいことだと私は思っています。 特に裁判というのは、先ほども谷垣大臣からもあったように、法律を適用するだけじゃなくて、やはりいわゆる人間としてのものも大事だということをおっしゃっていましたけれども、やはり、法律に基づいて判断をする場合にも、何というんですかね、人情とか機微あふれる、やっぱりそういう判決ができるかどうかというのは、多少人生の経験というものも必要ですし、その経験を、短い時間にいろいろな、様々な吸収ができるという意味でいえば、海外へ赴任するということは役に立たないということは私はないというふうに考えております。 そこで、谷垣大臣にもお伺いしていきたいんですけれども、当然、国家公務員ということで法務省もそういうことがあると思うんですが、例えば、今回の法案の趣旨、育児休業ということが大きく取り上げられ過ぎてしまっているというような感じもするんですね。そうじゃなくて、やはり世の中、男と女が、男性と女性がいて、そしてそれぞれ助け合って仕事をしていくという上で、育児もその中の一つの大事なことですけれども、それ以外にもいろいろあると思います。 やはり、これから社会を変えていくためにはその働き方というのが大事になってくるのじゃないかなというふうに思っています。例えば、言われているワークシェアリングですとか、それからフレックスタイムとか、それからテレワークとか、自宅で仕事をやるとか、ある程度、法律関係のお仕事などというのは、もし区切りさえ良ければこういう自宅でやるということだって可能なのかなというふうに思うんですが、谷垣大臣として、やはり今後の日本の社会の在り方、そして、特に女性の社会進出というところから見たら、今後どんなふうなこの辺の在り方を描いていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) なかなかお答えが的確にできるかどうか自信がないんですが、昔は滅私奉公なんという言葉がございましたけれども、私を殺して公に仕えるというだけではやっぱり社会はうまくワークしないんじゃないかと私は思います。人間にとって仕事はもちろん大事でございますが、やはり家庭、しっかりした家庭を持ってそこで子供を育てていくというのも人間の営みとしては極めて大事なことで、やっぱりそれがないと少し寂しいんじゃないかと思いますね。 ですから、やっぱり仕事と自分の家庭生活の両立というのをいろんな分野で推し進めていくということが私は大事なのではないかなと、こんなふうに思っております。 それから、今の観点とはちょっと違いますが、やはり今後の日本の経済ということを考えますと、いろんな議論があると思いますが、一つは、エネルギーも原子力の事故でいろいろな考え方が出てきていると思います。エネルギーと、もう一つは、労働力というのはやっぱり国の経済をつくる基本ですが、やはり今、日本は労働力人口というのが全体で大きく減る過程に入っております。そうすると、それを克服する手段としては、いろんなことが考えられるわけですが、やはり女性の、特に若い女性の、何というんでしょうか、力を活用しないと日本の将来はなかなか展望しにくいのではないかと、こんなことを感じております。
○真山勇一君 ありがとうございました。 やっぱり、若者が内向きと言われないように、やはりこうした制度、期待もあると思いますので、是非、制度ができた以上はこれを有効的に、そして機能的に是非運用していっていただきたいというふうに思います。裁判官もそうですし、それから国家公務員、法務省も私は同じだというふうに思っております。 次に、ちょっと裁判官の海外勤務ということで、強引なんですけれども、今お伺いしたらやはり渡航先はアメリカ、多いですね。そのアメリカのことについてちょっとお尋ねをしていきたいというふうに思っております。 さきの国会でハーグ条約、成立いたしました。そして、それに基づいて当然、ハーグ条約加盟、国際加盟をしなくちゃいけないわけですけれども、当初、この条約が成立した後、年内、早ければ秋とかという話もありました。 このハーグ条約の正式加盟というのはいつになるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山崎和之君) ハーグ条約の発効の時期につきましては、現時点でまだ正式な決定はしておりませんが、平成二十六年度のなるべく早い時期、可能であれば年度当初、すなわち来年の四月の発効を目指して準備作業を進めているところでございます。
○真山勇一君 国境を越えた国際的なこの子供の連れ去り問題というのはそんなに数少なくない。最近のやはり社会情勢、どうしても国際結婚が増える、その一方で離婚も増えるという中で、非常に増えているというふうに言われています。 特にやはりアメリカなどはこの問題についてかなり神経質になっているという部分もあるんですけれども、今伺って、多少その準備もあるんでしょうけれども、平成二十六年度の早いうち、早ければ来年の春、四月という話を伺いましたけれども、実はアメリカの方は、やはり日本のこうした動きを眺めつつということなんでしょうか、新しい法案がやっぱりできてきているんですね。こんな情報が届いております。アメリカの下院がHR3212という法案、法律を通したというふうな情報が入っておりますけれども、これは外務省の方はつかんでおりますでしょうか。
○政府参考人(秋葉剛男君) 委員御指摘のとおり、十月十日、これは米国の現地時間ですけれども、アメリカの下院外交委員会において、ハーグ条約遵守と子の早期返還に非協力的な国に対して米政府が措置をとる旨を主な内容とする国際的な子の奪取の予防及び返還法案が全会一致で可決されたと承知しております。これはただ、まだ下院の外交委員会レベルでございます。
○真山勇一君 当然上院でも審議されなくちゃいけないわけですけど、まだ上院の方、要するに成立までは行っていないということなんでしょうか。
○政府参考人(秋葉剛男君) 本会議を通りまして、また上院の方を通りまして、上院の本会議も通りまして成立という運びになります。ただし、この法案が下院の本会議でいつ審議されるか、見通しはまだ立っておらないという状況でございます。
○真山勇一君 ありがとうございます。 この法案、まあ成立すればということなんですけれども、ハーグ条約の精神を守らない、つまり、連れ去られた子供を元の国へ戻す、しかも速やかにということが付いていますね。それができない場合は、守らない国に対しての制裁を加える。これ経済的とか法律的とかいろいろあるんでしょうけれども、制裁を加える要素が主な内容になっているということなんですが、これがもし発動、まあちょっと先の話で、やはりこういう問題というのは先へ先へと対応を考えておかなくちゃいけないと思うんですが、こうしたものに対する日本側の対応、もうハーグ条約も来年春加盟しなくちゃいけないということになれば、こうしたものへの対応も考えなくてはならないと思うんですが、こちらについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(秋葉剛男君) 委員御指摘のとおり、ここには大統領がとるべき措置ということで様々な制裁の手段が列挙されているのは事実でございます。例えば、まあ非難するなんということも一つでしょうし、実務公式、国賓訪問の拒否だとか様々な事柄が並べられております。 ただし、この法案、先ほど申し上げましたとおり、まだ外交委員会で通ったばかりでございまして、成立するかどうか分からない、そういう段階においては条文が変わるかもしれません。あるいは、米国政府の解釈、運用、これもまだ何も定まっておらないという状況でございます。そういう段階で仮定の問題にお答えするのは日本政府としては不適切であろうというふうに考えております。 ただし、委員がおっしゃるように非常に重要な法案だというふうに意識しておりますので、今後注意深くフォローしていきたいというふうに考えております。
○真山勇一君 ありがとうございました。 やはり世界から注目されたこのハーグ条約ということで、これからの日本が国際社会の中で、やはり国際結婚が増えるという中で大事な問題だと思いますので、是非、対応を万全を期してやっていただきたいと思います。 ありがとうございました。終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 法案は、裁判官が外国勤務に臨む配偶者と別居して職務を続けるか、生活を共にするために辞めるかを迫られる事態を解決するものでございまして、我が党としても賛成です。 そこで今日は、関連して、裁判所職員の労働環境の改善についてお伺いをしたいと思うんです。 国民の裁判を受ける権利を保障する上で、裁判実務を第一線で支えている裁判所職員の人的充実は不可欠の条件だと思います。導入から四年が経過をした裁判員裁判を始め、労働審判あるいは成年後見、被害者保護など多くの手続が導入をされており、こうした制度を安定的に運用していくためにも人的体制が極めて重要です。 特に、まず裁判所にお尋ねしたいんですが、近年、成年後見事件が増加をしていると思うんですが、その事件数の推移はどうなっているでしょうか。加えて、成年後見人による悪質事案も社会問題となる中で、家庭裁判所の後見あるいは監督機能のありようも改めて問われる中で、家裁のより専門的な適切な対応も求められて、現場は繁忙化、あるいは事件は複雑化しているんではないかと思いますが、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 人事訴訟を含む家事事件の新受事件数は過去最高を更新し続けておりまして、平成二十四年には約八十五万七千件に達しております。特に、後見等の開始の申立ては約四万四千件ということで、これに伴いまして、成年後見等の事務について監督を行う後見等監督処分事件も増加しているところでございます。 裁判所としては、増加しております家事事件、成年後見関係事件を適切に対応するため、運用上の工夫をしてまいりました。あわせて、裁判官、裁判所職員を増員いたしまして、平成二十五年には二十人を超える裁判官を家庭裁判所に増配置するなどの人的体制の整備をしてきたところでございます。 最高裁といたしましては、今後とも必要な人的体制の整備に努めてまいりたいと思っております。
○仁比聡平君 数字を拝見しますと、例えば成年後見の開始件数で見て、二〇〇八年度からの五年間の間に三三%開始件数増なんですよね。平成十三年からの昨年度までの成年後見関係事件のトータルの件数見ますと、十二年間で事件数が九倍を超えるというとんでもない増加ぶりで、それだけこの制度の社会の中でのニーズを示しているわけですけれども、先ほど最高裁から御紹介のあったような裁判官も含めた増員が行われてもなお、調査官も含めた大変な繁忙というのを背負いながら頑張っていただいているというところかと思うんですね。 地裁でも複雑な事件が増えていると思います。労働事件についてちょっと伺いたいと思いますが、労働審判の手続は、労働事件の当事者からも大変歓迎の声も聞くわけですが、事件数としても急増していると思います。また、労働関係の訴訟も増えていると思いますが、どんな状況でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 まず、労働審判でありますけれども、労働審判事件の申立て件数も年々増加しております。平成二十一年には三千四百六十八件ということで、前年比の約一・七倍というふうに急増しております。昨年、平成二十四年には、三千七百十九件ということで、過去最高の件数になっております。また、全国の地裁の労働関係訴訟の新受事件につきましても増加傾向にありまして、平成二十六年には二千五百十九件ありましたけれども、二十一年に三千三百二十一件と、過去十年間で最高の事件数を記録し、二十四年には三千二百二十四件ということで、依然として高い水準を保っているということでございます。
○仁比聡平君 そうした下で、過去五年間の裁判所職員の定員を見ますと、この当委員会で定員法で議論をしているわけですが、二〇〇八年度は百十五人増員になりました。先ほど、最高裁からも御紹介があった時期ですよね。二〇〇九年度から一一年度までの三年間は四十五名の増員なんですが、昨年度はプラス・マイナス・ゼロと。この二〇一三年度は一名減員というふうになっているわけですね。 しかも、この間の職員の増員も、従来、速記官や事務官としての定数を書記官に振り替える、そうした形で行われていることも考えると、こうした、一時期増やしたんだけれどもこれを減らしていくぞと、で、マイナスになっちゃったよというこの傾向がもし続くみたいなことになったら、これは裁判所の機能充実に逆行するものであって、私は、増員こそ最高裁は強く声を上げるべきなんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 委員御指摘のとおり、裁判所といたしましても、司法需要の増大に的確にこたえるため裁判所の機能を強化する必要があると考えておりまして、そのために人的体制の整備が必要だと考えております。 先ほど御指摘ありましたけれども、昨年、今年の二年間で裁判部門に従事している職員、裁判官につきましては六十二人、振替も含めまして書記官については百二十八人の増員を行ったところでございます。プラスマイナスの数字を先ほど委員御指摘になりましたけれども、これは政府の定員削減計画に協力いたしまして、庁舎管理業務等の合理化によって技能労務職員を減員したという、プラスマイナスの結果ということでございます。 裁判所といたしましては、今後とも、予想される司法需要を踏まえまして、計画性を持って人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今、御答弁の中で政府の計画に協力をしてという御発言もあったんですけれども、言わばこれまでの裁判所内部でのそうした切り詰めといいますかね、もう私、限界だと思います。 人は城という言葉がありますけれども、裁判の手続あるいは裁判所の運営というのは、建物が人を裁いているんじゃなくて、裁判所職員に支えられて裁判官、裁判体がそうした適正な手続を進めていくわけですから、この人を減らしてしまうというやり方は裁判所を壊すことになりかねないわけですよね。 実際、裁判所職員の病気休職、中でも精神疾患による病休が大変増えています。私がちょっと資料を先にいただいて、御紹介をしますと、この平成二十年から二十四年度の五年間を見たときに、全体で二百六十五名の書記官が精神疾患による病休を取っておられるわけですけれども、この数字というのは、例えば平成二十四年度、二〇一二年度の五十七名というのは、全体の書記官の中に占める割合というのは〇・六%に上るんです。その前の年度は〇・六五%に上っているわけですよね。 これ、大臣あるいは副大臣や政務官も、学校の教員のメンタルヘルス、中には自殺というような深刻な事態が社会問題化していることも御存じかと思いますけれども、この教員の精神疾患による休職者率というのは平成二十三年度で〇・五七%なんですね。教員のメンタルヘルスによる休職者率に匹敵するというよりも更に多い裁判所職員が精神疾患によって休職をしていると。もちろんこれは休職に至っているというのはよほどのことなのでありまして、氷山の一角だと見るべきだと思うんですね。 最高裁としては、こうした職員の疾病の状況についてどんなふうに認識をしておられますか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 裁判所職員の病気休職者の原因の中には、内科系疾患や委員御指摘のメンタルヘルス系のものなど様々ございます。そのうち、メンタルヘルス疾患の職員につきましては、職場環境をめぐる問題のほか、自身の健康面での不安や家庭事情等を原因とするものもあったりいたしまして、その原因は様々で、かつ各種要因が複合していることも多く、プライバシーにわたる部分などがありまして、メンタルヘルス疾患の原因分析というのはなかなか容易でないところがございます。 しかしながら、裁判所といたしましても、これまでも全ての職員が心身共に健康で職務に精励できるよう職員の健康保持に取り組んできたところではありますけれども、このメンタルヘルス対策を含め、引き続き職員の健康保持に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 分からないとか本人の事情だというふうに、職員の側に言わば責任を全部押し付けてしまうようなやり方では問題が解決しないというのは、もう大前提で考えておられるのだろうと思うんですけれども。そういう中で、やっぱり負担増が、現実に事件数も増えている、複雑だと。これ、事件にちゃんと向き合うとか当事者に向き合うというためには、その職員自身が健康でなきゃいけないというのはこれ当然のことだと思うんですね。 そこで大臣、定数が減らされてそれが職員の負担増に直結して裁判所の機能低下につながるようなことは万が一にもあってはならないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私のところ、法務省は裁判所職員定員法というのも所管しております。ただ、裁判所の要するに人的充実といいますか人的構成をどうしていくかというのは、すぐれて司法権の問題ですから、最高裁判所において適切な判断をされると思うんです。それで、私どもはその裁判所の意向を踏まえて、この法律所管しておりますから、やっていくと、こういうことだろうと思っております。
○仁比聡平君 最高裁が充実のために思い切って声を上げて、大臣がそれを支えるという形で頑張っていただきたいと思うんですね。 時間が迫りましたので、最後一問、先ほども御指摘がありましたけれど、裁判所職員の中には全体として女性職員の比率が高いです。三七・五%という御紹介が先ほどありましたが、書記官でいいますと三二・九%、事務官で四〇%、家裁調査官は四七%、ほぼ半数が女性で占められているわけですね。そういう中で、私、育児休業の取得をしやすくするように、そのためにも繁忙を和らげる定員増が必要だというふうに考えておりますが、これはちょっと今日はもう要望にしておきます。 それで、女性の管理職登用なんですよね。政府は、二〇二〇年までに少なくとも三〇%程度という目標を掲げているんですけれども、最高裁は一体どう考えているのか。実態はどうなのか。私、ちょっと勉強で伺うと、どうも二〇一五年度までに少なくとも三%程度は増加させることができるようにという目標をお持ちのようなんですが、これはちょっとささやかなんじゃないですか。裁判所職員の中での女性の占める割合というのは大変高いんだから、これは先頭に立って、政府の言う三〇%というのを目標にして達成をしていくということで頑張ってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 委員御指摘のとおり、最高裁におきましては、平成二十七年度、すなわち二〇一五年度に向けまして、管理職員に占める女性職員の割合を平成二十二年、二〇一〇年時点における現状値からの上積みを図る方向で、各高裁別に少なくとも三%程度増加させることができるよう具体的な取組を進めるとの目標を設定して現在取り組んでいるところでございます。ささやかに過ぎるとの御指摘でございますけれども、私どもとしては現実的でかつ計画的な取組を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、これまでも意欲と能力のある女性職員の登用促進に向けた取組を進めてきたところでございまして、今後とも引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 もっと頑張ってください。 終わります。
○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。 本日の議題となっております裁判官の配偶者同行休業に関する法律案につきまして伺ってまいりたいと思います。 まず、この法案が提出された経緯の概要、概略についてでございますけれども、当初、様々な省庁からの要望に基づきまして、人事院において民間企業の同制度導入状況等が調査検討が行われておりましたところ、まず男女共同参画担当大臣から平成二十五年五月十九日に、若者・女性活躍推進フォーラム、我が国の若者・女性の活躍推進のための提言で、隗より始めよの観点から、仕事と子育ての両立支援として、女性公務員の離職の要因の一つとなっております配偶者の転勤に伴う離職への対応など、柔軟な働き方を推進するとの御提言がございました。 そしてさらに、政府が新たな成長戦略といたしまして平成二十五年六月十四日に閣議決定をいたしました日本再興戦略におきましても、女性の採用、登用の促進や男女の仕事と子育て等の両立支援につきまして、まずは公務員から率先して取り組んでいくということとされまして、その具体策の一つといたしまして、日本再興戦略の工程表に配偶者の転勤に伴う離職への対応等がこれは掲げられました。 そして、男女共同参画担当大臣がこれを受けまして六月十七日に、配偶者の転勤に伴う国家公務員の離職への対応の要請につきましての文書で、休業制度など制度面も含め必要な対応を検討するよう人事院総裁に要請をいたしました。 人事院は、その検討の結果、能力ある国家公務員の継続的な勤務を促進する目的で、配偶者の外国での勤務等に伴い、配偶者と生活を共にすることを希望する国家公務員に対しまして、職員としての身分を保有しつつ職務に従事しないことを認める配偶者帯同休業制度を創設することが適当であるとの結論を得まして、八月八日、国会及び内閣に対しまして、一般職の職員の配偶者帯同休業に関する法律の制定についての意見の申出を行いました。 以上の一連の流れ、以上の経緯を経て、政府は、国家公務員の配偶者同行休業に関する法律案、閣法第一〇号を閣議決定をいたしまして国会に提出するとともに、同様の趣旨でございます裁判官の配偶者同行休業に関する法律案が提出されまして、ただいま審議をされているところでございます。 そして、この本法案の趣旨を改めて確認いたしたいと思うわけですが、裁判官が海外転勤等をする配偶者に同行するに当たりまして、裁判官の身分を保有したまま職務に従事しないことが認められなければ、配偶者の海外転勤等に同行するためには自ら退官する道を選択せざるを得ません。これらを改善していくことに取り組んでいくということでございますけれども、配偶者の海外転勤等に同行するためにはこれまでですと自ら退官する道を選択せざるを得なかったわけですが、この場合は再採用する例もございましたけれども、判事の任命資格に不利益が生じる可能性があること、そして退職手当の算定の面でも不利益が生じることなどから、所定の規定を整備することでこのような不利益を回避する選択肢を設けることが本法案の趣旨とされております。 そこで、谷垣法務大臣にお伺いさせていただきたいと思いますが、本制度の導入による環境整備、そして所定の規定を整備していくことによりまして、法務行政におきましてどのような面に充実が期待されるとお考えなのかを伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、谷委員がおっしゃったとおりの経緯でこの法律を今出させていただいているわけですが、これは誰にとりましても、仕事はやっぱり充実したものであってほしい、それから、それがしかし家庭生活を圧迫するというようじゃ、これは個人の充実も妨げられるけれども、人はやっぱり社会の中で生きていくわけですから、やっぱり充実した家庭を持って、その中で子供を育てたりいろんな経験をしながら、やっぱり人間としての生活が、社会人としての生活が成り立っている。 ですから、先ほど申し上げたようなことではあるんですが、より大きく言えば、そういう個人の充実がやはり仕事の充実にも、一〇〇%すぐつながるかどうか分かりませんが、つながっていってほしいし、それが広い意味では日本国の活力にもつながっていくんじゃないかと、こういうことだろうと私は思っております。
○谷亮子君 谷垣大臣、ありがとうございます。 やはり、個人の充実ということが仕事に対しても好影響を与えていくということが私も同感、同意見でございますし、しっかりとこの制度が、家庭と仕事を両立していくために、制度として、実効性ある法律として機能していくことを望んでまいりたいというふうに思っております。 そして、同じく、最高裁判所の方にも同意見につきましてお伺いさせていただきたいというふうに思います。ここは、こうした制度を導入することによりまして裁判所としてどのような面で充実していくのか、期待されているのかという点につきましてお伺いします。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 この配偶者同行休業制度は、職業生活と家庭生活の両立に資するものであります。これまでは配偶者の海外転勤等に同行するためには自ら退官する道を選択せざるを得なかった者が、本制度を導入することで退官せずに同行することができるという選択肢を増やすことになるわけでございまして、裁判官の継続的な勤務の促進につながるものと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。 そこで、最高裁判所の方の資料も拝見させていただいたんですけれども、現在の裁判官の人数は、平成二十四年度におきましては二千八百五十人、前年の平成二十三年度は二千八百五十人、同じなんですけれども、いらっしゃいまして、これまで退官された裁判官の人数、これは平成二十四年度までの過去五年間で定年を除きますと二百八十三人。この二百八十三人の方々は何らかの理由がおありになって退官されたものと思われます。そして、定年で退官された方、こちらは百七十七人いらっしゃいました。そして、配偶者の海外転勤に同行するための裁判官の退職者数、これは平成二十四年度までの過去五年間で、先ほど御紹介いただきましたけれども、五人いらっしゃいました。こちらは全て五人とも女性でいらっしゃいました。 このような現状となっておりましたけれども、そこで本法案の内容についてお尋ねいたします。第四条で定められております配偶者同行休業をしようとする期間が三年を超えない範囲内におきましてという最長三年の期間は、裁判官のキャリアとしてとても長い休業期間となるのではないかと思われます。この間には当然、法改正や新判例、そして判例の変更等が起きてくることが想定されるわけでございまして、同行休業が終了した後に復職するに当たりましてスムーズなスタートを切るためには休業中も研さんを積む必要があると思われますが、それを支える協力体制といったものは裁判所はどのようにお考えか、先ほど自民党の石井先生の質問と重なる点もあると思いますが、お伺いさせていただきます。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 委員御指摘のとおり、休業から復帰する裁判官が円滑に職務、職場復帰ができるということは重要なことだろうと考えております。 先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、最新の裁判例や法令等の制定など職務に必要な情報を掲載しております裁判所時報を提供するなどということも考えております。また、当該裁判官と所属庁の所長との間で海外での生活状況について相互に連絡を取り合ってもらって、復帰に向けた円滑な意見交換をしてもらうということも望ましいものと考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、新しい制度でございますので、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
○谷亮子君 やはり休業制度導入と同時に、バックアップ体制といったものもしっかりと構築していただきたいなというふうに思いました。 そして、今回のこの配偶者同行休業制度の、一般国家公務員、地方公務員と裁判官とでの制度の異なる点といったものの違いというものはあるのかないのか、もう一点伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(小川秀樹君) ただいま御指摘ありました一般職の国家公務員、それから地方公務員の配偶者同行休業制度と裁判官のこの制度、趣旨は共通でございます。制度の間に大きな違いはございませんが、やはり裁判官の身分保障や職務の特殊性などに鑑みまして幾つかの点で異なっております。主な点を御紹介いたします。 一つは、配偶者同行休業の承認権者につきましては、一般職の国家公務員、それから地方公務員の法律におきましてはこれは任命権者とされておりますが、裁判官の方では最高裁判所とされております。 また、配偶者同行休業の承認の要件といたしまして、一般職の国家公務員と地方公務員の法律の関係では職員の勤務成績その他の事情を考慮とされておりますのに対しまして、裁判官はこのような要件が設けられておりません。 また、休業の取消し事由の一つに、休業している裁判官からの承認の取消しの申出があった場合を裁判官の方は規定してございます。 さらに、国家公務員と地方公務員の法律には任期付きの採用ですとか臨時的任用に関する規定がございますが、本法律案にはそういった規定はございません。 主な点は以上でございます。
○谷亮子君 ありがとうございました。 現状というものが分かりましたし、制度が導入された場合にはそのような方向性で進んでいくということだと思います。 本日、こうして審議をされております裁判官の配偶者同行休業に関する法律案でございますが、裁判官の方の職務は、一人当たり多くの訴訟案件を抱えておりまして、大都市の裁判官は一人当たり、単独事件では常に二百件程度、そして合議事件を約八十件抱えていると言われております。そしてさらに、毎月約四十五件の新件が増やされまして、休日もままならない激務が続いている現状もあると思います。そしてまた、裁判官の方の労働量といいますか、もうこれも大変な現状にあると思いますし、裁判官は足りないといった現状、声も上がっている中で、大都市以外の本庁や支部の裁判官も、こちらの方も多くの事件を抱えているという現状がございます。さらに、こうした環境も改善してしっかりと取り組んでいかなければならないと思いますし、今後も取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 こうした今お話しさせていただきました現状を申し上げました上で、裁判官の方が自己都合等で退官された場合でも、改めて裁判官の職をしたいという希望をされた場合に、現状ではどのような再び任官される制度があるのでしょうか。そして、一度裁判官を退官されて、改めて採用を希望される裁判官はどのような審査を経て採用され得るのか、お伺いいたしたいと思います。 最後の質問といたします。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 一般的な制度の枠組みをお答え申し上げます。 一度退官した裁判官が再任官を希望した場合、本人からの申出を受けて提出された書類などを審査し、面接、健康診断を行い、最高裁判所の裁判官会議で判事又は判事補に任命されるべき者として指名することの適否を決定いたします。 なお、退官時から経過した期間が三年を超える者及び退官時判事補であった者を判事として指名する場合には、下級裁判所裁判官指名諮問委員会に判事又は判事補に任命されるべき者として指名することの適否を諮問する必要があるということになっております。
○谷亮子君 分かりました。ありがとうございました。 質問を終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。 裁判官の配偶者同行休業に関する法律の中で、まず一点目に、法務省及び最高裁判所における女性幹部登用の状況についてでありますが、本法律案の提出のきっかけになったのも、若者・女性活躍推進フォーラムの提言、これ、平成二十五年五月十九日のこの中で、直面する課題として、指導的地位にある女性の割合を二〇二〇年までに三〇%程度とする政府の目標にもかかわらず、企業等の役員、管理職における女性の割合は依然として低く、その理由として、必要な知識や経験等を有する女性が少ないことや管理職になるまでに退職することを挙げる企業が多いことが挙げられております。 このような問題の解決のために、今回の法案で配偶者同行休業制度を設けることにより、働き方の選択肢を広げ、特に女性の活躍を推進するとともに、組織にとっても貴重な人材を生かすことができるのではないかというふうに思います。 そこで、まず法務省及び最高裁判所における女性幹部登用の現状について、それぞれ法務大臣及び最高裁判所に確認をいたします。
○政府参考人(黒川弘務君) まず、法務省についてお答えいたします。 平成二十四年三月末時点における法務省全体の課長、室長相当職以上の人員は九百二十一名でございますが、そのうち四十六人が女性でありまして、率にして五・〇%の登用状況でございます。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 全国の裁判所におきまして行政府省の本省課室長に相当します一般職給与法上の行政職俸給表(一)七級以上の職員及び指定職に占める女性割合は、平成二十五年七月現在で九・七%でございます。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 法務省もそれから最高裁判所も、女性の幹部登用では健闘されているというふうに思いますけれども、更に女性幹部登用を進めていただきたいというふうに要望いたします。 次に、配偶者の勤務先等についてでありますが、本法律案の第二条第二項では、配偶者同行休業について、裁判官が、外国での勤務その他最高裁判所規則で定める事由により外国に住所又は居所を定めて滞在するその配偶者と、当該住所又は居所において生活を共にするため、職務に従事しないことをいうというふうに定義されております。 外国での勤務が企業の転勤によるものだけなのか、自営業の場合などは必ずしも転勤に当てはまらないと思いますが、配偶者同行休業が認められる場合において、最高裁判所にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 外国での勤務その他の最高裁判所規則で定める事由としては、具体的には、国家公務員の配偶者同行休業に関する法律の委任に基づきまして人事院規則で定められることとなる事由と同様の事由を定めることを予定しているところでございます。 人事院規則におきましては、現時点では、大学等における修学又は研究、事業の経営等、一定程度長期間にわたり外国に住所又は居所を定めて滞在する者が規定される予定と聞いておるところでございます。委員御指摘の、外国で自営業を営む場合も含まれるものと考えておるところでございます。
○糸数慶子君 先ほども質問ございましたけれども、改めて確認の意味でお聞きしたいと思います。 行政機関等への出向によって海外に在住している裁判官数についてでありますが、制度が創設されれば配偶者の海外赴任等に同行して休業する裁判官は何人も出てくるのではないかというふうに思います。 現在、在外公館等への出向により海外において勤務している裁判官の数について、あわせて、その内訳について改めてお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) まず最初に、海外留学についてお答え申し上げます。 平成二十五年度で申し上げますと、裁判所で実施する留学につきまして二十八人の裁判官を派遣しております。人事院の行政官長期在外研究員制度によるものにつきましては、平成二十五年度には十人の裁判官を派遣しております。これらはいずれも判事補でございます。 次に、在外公館等への出向でございますけれども、出向によって海外に赴任した者でございますけれども、平成二十三年度は、国連日本政府代表部、在ストラスブール日本国総領事館、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部、在中国日本国大使館に各一人、合計四人が出向し、さらに法整備支援の関係でベトナムに一名を派遣しております。平成二十四年度は、在アメリカ合衆国日本国大使館へ一人、法整備支援関係でカンボジアに一人派遣しております。 これらはいずれもおおむね二年の予定でございます関係で、平成二十五年度は、先ほど申し上げました平成二十三年度と同じ出向先に派遣し、またこれから派遣するということを予定しております。いずれも判事補でございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 今年六月の日本再興戦略では、公務員における女性の採用、登用の拡大等の取組の促進ということで、隗より始めよの観点から、女性の採用、登用の促進や男女の仕事と子育て等の両立支援において、まずは公務員から率先して取り組むこととされています。同行休業制度についても取得しやすいよう環境整備が必要と思われますが、改めて最高裁判所の所見を伺います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 委員御指摘のとおり、配偶者同行休業制度を取得しやすいような環境整備に努めていくことが肝要だと考えております。 この配偶者同行休業を取得する者の数でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、当面は年間二、三人程度と予想しておるところでございます。この者たちにつきまして、異動や配置換え、事件の配填替え等の措置を講ずることによりまして取得しやすいような体制を講じてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 次に、本法律案の第六条第一項二号においてですが、配偶者同行休業の承認が失効する事由として、裁判官の配偶者が死亡し、又は配偶者同行休業に係る配偶者が配偶者同行休業をしている裁判官の配偶者でなくなった場合を規定しています。また、同条第二項第二号では、最高裁判所が配偶者同行休業の承認を取り消す事由として、配偶者同行休業をしている裁判官が当該配偶者同行休業に係る配偶者と生活を共にしなくなった場合等を規定しています。 実際には海外において生活をしているため、これらの失効事由や取消し事由を把握するのは相当難しいのではないでしょうか。また、いわゆる事実婚状態の場合は、配偶者でなくなった場合や生活を共にしなくなった場合を把握することは更に困難ではないかと思いますが、最高裁判所としてはどのように把握されるのか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) この配偶者同行休業の失効事由といたしましては、配偶者が死亡した、又は配偶者でなくなった場合が、また取消し事由といたしましては、配偶者と生活を共にしなくなった場合がそれぞれ定められております。そのような事由が生じた場合には、当該裁判官の方から遅滞なくその旨の届出を行うよう求めることを考えておるところでございます。 事実婚の場合についてお尋ねがございました。この場合、配偶者でなくなったことや生活を共にしなくなったことについて判断するに当たりましては、同居の解消、それから実質的な配偶者としての対外的な行動がどうなったかとかという、そういうような要素を総合的に判断してまいることになろうかと考えております。
○糸数慶子君 次に、本法律案において、国家公務員配偶者同行休業法案における配偶者同行休業に伴う任期付採用及び臨時的任用について、及び職務復帰後における給与の調整の規定に相当する規定は置かれておりません。 そこでお尋ねいたしますが、本法案には、国家公務員配偶者同行休業法案の配偶者同行休業に伴う任期付採用及び臨時的任用に相当する規定が置かれていない理由を法務省にお伺いいたします。
○政府参考人(小川秀樹君) 御指摘のとおり、本法律案では、一般職の国家公務員の配偶者同行休業法とは異なりまして、配偶者同行休業中の裁判官の代わりに裁判官を任期付き又は臨時的に任用するという規定はございません。 これは、裁判官につきましては、下級裁判所の裁判官の任期が十年とされ、一度任命されますと、裁判によって心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合ですとか、公の弾劾によらなければ罷免されないという強い身分保障を受けるため、ある者の配偶者同行休業期間中といった期間を限定した裁判官の採用は不可能であるということによるものでございます。
○糸数慶子君 同行休業制度の取得促進のために、その環境整備として裁判官についても人的な手当てが必要と思われます。任期付採用及び臨時的任用ができないのであれば、例えばこれまで以上に弁護士任官の人数を増やしていく、そういうことはできないでしょうか。最高裁判所の見解を伺います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 弁護士任官制度でございますけれども、多様な実務経験を有する弁護士に一定の長期間にわたりまして裁判官として活躍してもらうという制度でございます。 配偶者同行休業を取得するということとの関係で弁護士任官の問題をちょっと論ずるというのはどうかなとは思います。しかし、弁護士任官につきましても今後とも積極的に取り組みまして、有為な弁護士に多数任官してもらいたいというふうに考えておるところでございます。
○糸数慶子君 最後の質問でございますが、裁判官のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組についてお伺いをいたします。 裁判官の職業生活と家庭生活の両立、裁判官のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題でありますけれども、先ほども随分質問がございました裁判官の繁忙状況についていろいろとお答えをいただいたわけですが、今回は、職業生活と家庭生活との両立を図るというその観点から裁判官の配偶者同行休業制度を設けるわけですが、このような休業制度に限らず、幅広い意味で裁判官のワーク・ライフ・バランスの実現、あるいは裁判官の繁忙状況の改善に向けて、裁判所としては現状を踏まえてどのように取り組んで今後いかれるのか。そして最後に、これまでの議論を踏まえて、裁判官のワーク・ライフ・バランス、その実現に向けて、法務大臣の御所見も併せてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 裁判官にとりましても、仕事と家庭生活の両立というのは大事なことでございます。 先ほど来、裁判官の繁忙状況につきまして御指摘がございます。私どもといたしましても、今後の事件数の動向や事件の質の変化、法曹人口等の動向、適正迅速な裁判のために望ましい審理形態の在り方などを総合的に考慮しつつ、国民の期待にこたえられるような人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 仕事と家庭生活の両立というふうに言われますが、私はむしろ家庭生活の充実が仕事の充実につながっていくということなんではないかと思っております。ちょっと古い言葉でございますが、修身斉家治国平天下って、これ何千年か前の中国の古典の言葉でございますが、身を修め家を整える、つまり、自分個人が充実し家庭生活が充実していくことが国を治めたり天下を平らかにするということにつながっていくというのは、今でいえば、今ワーク・ライフ・バランスというハイカラな言葉でおっしゃいましたけれども、そういうことにつながっていくんではないかと思っております。 私は、法務大臣としても是非是非そういう方向で物事を進めていかなければならないと考えているところでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 時間でございますので終わりますけれども、先ほど大臣おっしゃいました、やはり家庭生活、きちんと充実させることが仕事にも影響を与えるということですけれども、そもそもこの法律案が提案された理由の一つとして、やはり女性もしっかりと働きながら、さらにはまた、家庭生活をきちんと送ることができる、その充実のためにも、やはり今回のこの裁判官の配偶者同行休業に関する法律というのは、ある意味、ワーク・ライフ・バランス、しっかりやっていくことだというふうに思っておりますので、どうぞそういう観点でしっかりと進めていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(荒木清寛君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 裁判官の配偶者同行休業に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(荒木清寛君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(荒木清寛君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(荒木清寛君) 民法の一部を改正する法律案及び戸籍法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。 まず、民法の一部を改正する法律案について、谷垣法務大臣から趣旨説明を聴取いたします。谷垣法務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) 民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の二分の一とする部分は憲法違反であるとの最高裁判所決定があったことに鑑み、この部分を削除することにより、嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同等とするものであります。 なお、この法律案は、公布の日から施行することとしておりますが、この法律案による改正後の民法の規定は、最高裁判所決定があった日の翌日である平成二十五年九月五日以後に開始した相続について適用することとしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに可決していただきますようお願いいたします。
○委員長(荒木清寛君) 次に、戸籍法の一部を改正する法律案について、発議者小川敏夫君から趣旨説明を聴取いたします。小川敏夫君。
○小川敏夫君 ただいま議題となりました戸籍法の一部を改正する法律案について、民主党・新緑風会、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派並びに各派に属しない議員糸数慶子君を代表いたしまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 平成二十五年九月四日、最高裁大法廷は、民法第九百条第四号ただし書のうち、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一とする部分は憲法違反であるとの決定を下しました。 この決定を受けて、政府から、当該部分を削除する民法の一部を改正する法律案が提出されたところであります。 ところで、戸籍法には、出生届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものとする規定が存在しております。そもそも戸籍法は、実体法である民法によって決定された身分関係を記録する手続法たる位置付けにあります。今般の大法廷決定を受けた民法改正により、嫡出子と嫡出でない子の区別のうち最も重要である相続分の区別をなくすのであれば、手続法たる戸籍法についても改正すべきであります。また、現在、子の出生に伴う戸籍に関する事務の処理において、出生届書に嫡出子と嫡出でない子の別を記載させることは便宜上のものに過ぎず、不可欠の要請ではないことは、平成二十五年九月二十六日の最高裁判決も認めているとおりであります。 こうした事情に鑑みれば、同判決の補足意見も述べるように、出生届書の記載の仕方という子本人の意思では左右し難い事情に起因して子自身に種々の不利益や不便さが生じる事態は確実に避けるべきであり、したがって、嫡出でない子の権利の保護を図る観点から、出生届書において嫡出子又は嫡出でない子の別の記載を不要とするべきであります。 そこで、戸籍法第四十九条第二項第一号の規定のうち、出生届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分を削除するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、その概要について御説明申し上げます。 第一に、出生届書の記載事項から嫡出子又は嫡出でない子の別を削除することとしております。 第二に、施行期日について規定するとともに、所要の関係法令の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(荒木清寛君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時七分散会