農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2013/12/03
会議録
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 この際、申し上げます。 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めたいと思います。 議事に入る前に一言、委員長として申し上げたいことがございます。 本日より審議をいたしますこの二法案につきましては、今後の日本の農政を大変進める上で重要な法案だというふうに思っておりますが、こうした不正常な形での委員会を開催すること、大変残念の極みであります。しかしながら、衆議院におきまして大変慎重な審議をいただいて、そしてなおかつ、修正協議を重ねた上で、本日、私ども参議院の方に送付をされております。この間の衆議院の先生方に心からの敬意を表したいと思います。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) それでは、議事に入ります。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に紙智子さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省食料産業局長山下正行君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣。
○国務大臣(林芳正君) 農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明いたします。 現在の我が国の農業構造を見ると、これまでの農地流動化の結果として担い手の農地利用面積は農地面積全体の約五割となっているなど、かなりの変化が見られるところでありますが、農業の生産性を高めていくためには、法人経営や大規模家族経営などの担い手への農地集積と農地の集約化を更に加速していく必要があります。 また、農業者の高齢化の進展に伴い、六十五歳以上の農業者が約六割を占めるのに対し、四十歳代以下の農業者の数は約一割と、世代間バランスが崩れており、将来にわたって安定的な農業生産を行っていくには、青年就農者などの農業への新規参入を促進していく必要があります。 さらに、法人経営の数はこの十年間で約二倍となり、地域農業において大きな存在感を持つに至っておりますが、農業の継続的発展を図っていくには、農業法人の数を増やすとともに経営内容の充実を図っていくことが必要です。 こうしたことを踏まえて、本年六月に取りまとめられた日本再興戦略においては、今後十年間で担い手が利用する農地を全農地の八割に引き上げること、定着する若年就農者を現在の二倍とすること、法人経営の数を現在の四倍とすることが目標に掲げられたところであり、こうした目標の達成に資するため、本二法案を提出した次第であります。 次に、これらの法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。 まず、農地中間管理事業の推進に関する法律案についてであります。 第一に、目的についてであります。この法律は、農地中間管理事業の的確な推進により、農業経営の規模の拡大、農用地の集団化、農業への参入の促進等による農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図り、もって農業の生産性の向上に資することを目的としております。 第二に、農地中間管理機構の指定等についてであります。都道府県知事は、農地中間管理事業を適正かつ確実に行うことができる一般社団法人又は一般財団法人を、都道府県に一を限り、農地中間管理機構として指定できることとしております。 また、農地中間管理機構の役員の選任及び解任は都道府県知事の認可を要することとするとともに、事業の実施状況が著しく不十分な場合等には都道府県知事は役員の解任を命ずることができることとしております。 さらに、農地中間管理機構は、借り受ける農用地の基準、農用地利用配分計画の決定の方法などを定めた事業規程を作成し、都道府県知事の認可を受けるとともに、これを公表しなければならないこととしております。 第三に、農地中間管理機構の業務についてであります。農地中間管理機構は、農用地の出し手から農用地を借り受け、必要な場合には農用地の利用条件の整備を行った上で、担い手に対し、その規模拡大や利用する農用地の集団化に配慮して、転貸することとしています。 貸付けについては、公平、適正に行われるよう、定期的に区域ごとに借受け希望者の募集を行い、応募した者等の情報を整理し公表するとともに、実際の貸付けに当たっては、農用地利用配分計画を定めて都道府県知事の認可を受け、その計画の公告により、農用地の利用権が設定されることとしております。 また、農地中間管理機構は、その業務の一部を第三者に委託する場合には、都道府県知事の承認を要することとしております。 第四に、国による評価であります。農林水産大臣は、農地中間管理機構の業務の実施状況について評価を行い、その結果及び優良事例に関する情報を公表すること等により、事業の効率的かつ効果的な実施を図ることとしております。 次に、農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案についてであります。 第一に、青年等の就農支援についてであります。新たに農業経営を営もうとする青年等は、青年等就農計画を作成し、市町村の認定を受けることができることとし、認定を受けた者に対して日本政策金融公庫等が無利子資金の貸付けを行うことができることとしております。 第二に、遊休農地に関する措置の強化についてであります。遊休農地に関する措置の対象を、耕作者が不在となること等により遊休農地化することが見込まれる農地にまで拡大することとしております。 また、遊休農地の所有者に対して農地の利用意向調査を行い、農地中間管理機構に貸し出す意向があるかどうかを確認することから手続を開始するとともに、都道府県知事の裁定による農地中間管理機構への利用権設定に至る手続を簡素化することとしております。 さらに、所有者が確知できない場合の公告の制度を改善することとしております。 第三に、農地台帳等の法定化についてであります。農地の集積、集約化を効果的に進めるため、農業委員会は、農地の所在、所有者、賃借権等の種類、存続期間等を記録した農地台帳及び地図を磁気ディスクをもって作成し、これを公表することとしております。 第四に、農業法人に対する投資の円滑化についてであります。農林水産大臣の計画承認を受けて農業法人投資育成事業を行う投資主体として、現行の株式会社のほか、投資事業有限責任組合を追加するとともに、日本政策金融公庫は大臣承認を受けた投資事業有限責任組合に対しても出資の業務を行うことができることとしております。 第五に、青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法を廃止することとしております。 以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) この際、両案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員宮腰光寛君から説明を聴取いたします。宮腰光寛君。
○衆議院議員(宮腰光寛君) 農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案に対する衆議院の修正について、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、農地中間管理事業の推進に関する法律案に対する衆議院の修正について申し上げます。 第一に、農業者等による協議の場の設置等について、市町村は、当該市町村内の区域における農地中間管理事業の円滑な推進と地域との調和に配慮した農業の発展を図る観点から、当該市町村内の適切と認める区域ごとに、農林水産省令で定めるところにより、当該区域における農業において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者、当該区域における農業の将来の在り方及びそれに向けた農地中間管理事業の利用等に関する事項について、定期的に、農業者その他の当該区域の関係者による協議の場を設け、その協議の結果を取りまとめ、公表するものとしております。市町村は、この協議に当たっては、新たに就農しようとする者を含め、幅広く農業者等の参加を求めるよう努めるものとしております。 第二に、法律案附則の検討規定を修正し、政府は、この法律の施行後五年を目途として、農地中間管理事業及びこれに関連する事業に関し、その実施主体、これらの事業に対する国の財政措置の見直し(農地中間管理機構に対する賃料に係る助成の見直しを含む。)その他のこれらの事業の在り方全般について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとしております。また、政府は第一の農業者等による協議の結果の取りまとめの状況等を踏まえ、この協議の場に関し、そのより円滑な実施を図るための法制上の措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしております。 その他所要の規定の整理を行うこととしております。 次に、農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案に対する衆議院の修正については、農地中間管理事業の推進に関する法律案に対する修正に伴い、必要な技術的な修正を加えるものであります。 以上であります。 何とぞ御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田俊男君 山田俊男であります。 本日は、衆議院の方からも宮腰先生始め皆さん大変ありがとうございます。衆議院でもこの農地中間管理機構法案の議論を徹底してやっていただきまして、大幅な修正も含めてこうして参議院に持ってきていただいたということを承知しているところであります。そうした中でも、何点か法案の内容並びに衆議院での議論の内容を是非お聞きしておきたいということであります。 まず、申し上げますのは、我が国農業の特性からしまして、また地域社会の安定という観点からしましても、持続可能な家族農業経営をつくり上げるということがまさに我が国の水田農業の基本的、土地利用型農業の基本的な方向ではないか、こんなふうに考えているところでありますが、このことが農地中間管理機構法案にしっかり位置付けられているのかどうか、そのことを狙いにした法案なのかどうかということについてきちっと聞きたいと、こんなふうに思うんです。 といいますのは、どうも内閣の成長産業化方針の下で、ややもすると規模拡大や競争力強化、農業の成長産業化という観点だけが優先しているんじゃないかというふうに受け止めざるを得ないような側面もあるわけであります。財務省の財政制度等審議会、つい最近開催されましたが、そこにおきましても新規参入の加速化を促して新規参入を進める、農業生産法人の要件の見直しを進める、こんなふうに言っておりまして、この農地中間管理機構法案につきましても新規参入、具体的には企業参入を目指すという方向を打ち出しているように見受けられるわけでありますが、一体この法律の狙いとするところ、何なのかということを大臣にまずお聞きしておきます。
○国務大臣(林芳正君) 農地中間管理事業は、農地の所有者と利用者の間に機構が介在をすることによりまして、農地利用の再配分を適切に行うことにより地域の農地利用を最適な状態にしていくということでございます。 貸付先決定ルールは、機構が作成をしまして知事の認可を受けることになっております。借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正に調整するとともに、地域農業の発展に資するものとしていくことが基本であると、これは八条に定めておるとおりでございます。 具体的にはそれぞれの都道府県においてその農業事情を踏まえて作成していただくことになりますが、農地の借受けを希望している者の規模拡大又は経営耕地の分散錯圃の解消に資するものであること、それから既に効率的、安定的な経営を行っている農業者の経営に支障を与えないこと、新規参入した者が効率的、安定的な経営を目指していけるようにすること、それから借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正に調整すること、こういうことがきちっと踏まえられて作成をしていただくということになることが必要だと考えております。 したがって、この貸付けに当たっては、当該地域における担い手が十分かどうか、こういうところも考慮して、担い手が十分いる場合には既存の法人経営や家族経営などの担い手の経営発展を重視した貸付けを行う、担い手が十分いない場合、新規参入を積極的に推進していく必要があると。こういうふうに考えておりまして、持続的可能な家族経営をつくるか新規参入や企業参入を目指すか二者択一ではなくて、それぞれに合ったことをやっていただきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○山田俊男君 我が国農業は、今大臣もおっしゃっていられたわけでありますが、大変作物も多様でありますし地域も多様であります。そうした中で様々な形での家族農業を中心とする経営がなされて、これらもまた地域をしっかり支えているということであります。農地の利用もそれから所有の形態も多様であります。そして、大事なことは、それぞれに長い歴史がある、そういう中で築き上げられてきた内容であるということであります。 これまでも、当然のこと、この利用をどう高めるかという観点、利用集積をどう進めるかということで、農地保有合理化法人であったり、さらには農地利用増進事業であったり、それから農地利用集積円滑化団体ですね、これらの取組がずっとなされてきたんですが、これらの取組と今回の機構の提案とはどこが違うのかということを是非お聞きしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今お話のありました農地保有合理化事業でございますが、この実績は低調に推移をしておりまして、二十三年度でまだ八千ヘクタールということでございます。これはやはり、農地保有合理化事業が売買を中心にしておりまして、なかなか出し手、受け手、農地保有合理化法人とも消極的な姿勢であったこと、また、この出し手、受け手の個々の相対の協議を前提としておりまして、地域全体として農地流動化を進めようという機運ができていなかったということ、それから財政支援も不十分であったこと等々が原因であるというふうに考えておるわけでございます。 また、農地の出し手を代理して受け手を探して契約を締結する農地利用集積円滑化事業の実績、これは二十二年度が一・八万ヘクタール、二十三年度は三・二万ヘクタールと拡大をしているわけでございますが、これも農地の受け手がいなければ成果が上がらないと、それからやはり相対取引を中心ということで、分散錯圃、これが抜本的解消につながっていかないと、こういう限界があるというふうに考えております。 したがって、今回のこの農地中間管理機構を中間的受皿としてやっていくことによって、まず機構はリース方式を中心としていこうということで、機構が借り受けて担い手に転貸をするということで何回か段階的に変更していくことも可能としようと、こういうことであります。それから、地域の関係者の話合いによる人・農地プランの作成見直しとやはりセットで取り組んでいくということ、それから財政支援も充実させること、こういうことで成果を上げていかなければならないと、こういうふうに思っております。 特に機構が農地の所有者と利用者との間に介在しまして再配分を適切にやっていくということで、地域の農地利用を最適な状態にしていくと、そういう明確な意思を持ってやっていくという点が今までのスキームと異なるポイントであると、こういうふうに考えております。
○山田俊男君 大臣、今のお話を聞いておりまして、かなり国は思い切って農地の有効利用という観点に踏み出していくという姿勢がうかがえるわけでありますが、もっと言うと、これまでの取組に比べて国による一定の農地の公的管理という色彩を強めたものなのかどうか、そういうふうに受け止めるんですが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) この機構、条文で書いている機能、また今からやっていくことをどういうふうに見るかということですが、公的管理といいますよりは、なかなか相対で実際には皆さんがこうしたいと思われていることがなかなか実現できなかった。実は、人と農地プランの中でも、こういう機構があればこういうことができるのになということが現場でも随分出てきておりますので、介在することによってその地域によってより望ましい状態をつくっていくと、こういうことだと考えております。
○山田俊男君 私自身は、農地の利用調整の必要性ということについては大変必要だということで確信を持っています。 野党のときに、今日お見えの宮腰先生の部会長の下で、私は担い手育成総合支援新法というのをそのチームの座長として取り組ませていただきました。その柱の中に、ヨーロッパにおけるサフェールの取組を勉強してこようということで個人的に行ってまいったわけでありますが、そのサフェールの取組を見て、やはり大変大きな勉強をさせていただいたわけであります。 御案内のとおり、サフェールは農地の売買の情報が一番先に入る仕組みになっていまして、フランスであれば全国土の情報がすぐ入るようになっていて、必要な農地の先買い権を持っているわけです。これまでおよそ、平均的に言うと、そうした農地売買情報の二割についてはこのサフェールが先買いして保有しているという取組です。そしてそれを、新規就農をやりたいという担い手に優先して渡していく、ないしは規模拡大をしたいという経営に対して優先的にこれを出していくという取組をしていまして、何とこの五十年間で、フランスであれば、平均経営規模が十五ヘクタールから、何と最近は五十ヘクタールに拡大している。もうこれだけの取組を、長い時間を掛けながら一定の理念の下にやっているわけです。 どんな理念かといいましたら、それこそ農地耕作者主義とまでも言えるようなものかというふうに思いますけれど、サフェールが預かった農地、買い上げた農地は、それこそ新規就農する人には、その農地のそばに隣接して住まなければいけない。さらにまた、規模拡大をしたいという人には、その既存の農地から離れて何と五キロ以内じゃないと駄目だと、五キロを超えた場合は特別の許可が必要だという形で、まさに地域の中におきます安定的な農業経営体をしっかり育成していくという理念に基づいた取組がなされている。 農地中間管理機構に、今大臣にお聞きしましたが、そうした理念があるのかどうか。これは奥原局長に聞きます。
○政府参考人(奥原正明君) お答えいたします。 フランスのサフェールでございますけれども、日本語では土地整備農事建設会社というふうに翻訳されておりますが、一九六〇年のフランスの農業基本法、これに基づきまして複数設立をされている組織でございます。ここが農地を取得いたしまして、これを、今御指摘ございましたように、新規就農者あるいは既存の経営体に譲渡をすると、こういった事業をやってきているところと承知をしております。 日本におきます農地保有合理化法人その他の流動化の組織につきましても、このサフェールを参考にしながら進めてきた、そういう側面がございます。今回もその発想の上に立って、より現実的に日本におきまして農地の流動化を進める、担い手への農地の集積あるいは集約化を進めるためにはどうしたらいいかという発想で検討したのが今度の農地の中間管理機構ということになります。 今回の機構は、農地の借受け、転貸を基本としておりますが、その狙いとするところは、法人経営体あるいは大規模な家族経営を始めとする担い手が経営規模を拡大をして、利用する農地を集約化すると。これによりまして生産性を高めていくというところにございます。また、地域によりましては担い手が不足をしているというところも相当ございますので、こうした場合には青年の新規就農ですとか、あるいはリース方式での企業の参入、これを円滑に進めまして、新たな担い手を育てていくということも重要なポイントでございます。 いずれにいたしましても、担い手に農地を集積、集約化して、地域農業を更に発展をさせていく、これが今度の農地中間管理機構の目的でございますので、この機能を十分に発揮をするためには、家族農業経営を含めて、各地域の農業者の方の徹底した話合い、これによりまして人と農地問題の解決方法を明らかにしていく。人・農地プランの作成、見直しが適切に進まなければいけないというふうに考えております。 こういった地域の話合いを推進をしながら、今度の機構が地域の人・農地問題の解決にうまく活用されるように十分配慮をしていきたいというふうに考えております。
○山田俊男君 今も局長の方から人・農地プラン等もきちっと重視しながら取り組みますよという話がありました。 ところで、この貸し手について、預かった農地を新しく貸す貸し手については公募という形を取ることを法案の中に入れておりますが、この申込者は誰でもいいんですか。特に、農業生産法人をまだつくっていない企業でもいいのか。多様な業種がこれまたあり得るということかもしれないわけですが、そういう形での公募の運用をどんなふうに行うのか、改めてここは聞きたい。
○政府参考人(奥原正明君) 今度の農地の中間管理機構、これは農地流動化のツールでございますので、農地について権利を取得できる者についての要件は何ら変更しておりません。今回、この機構が農地の貸付けを行うに当たりましては、この借受けの希望者を募集をいたしまして、そのリストを作って公表するということにしておりますが、機構はこの受け手に対して転貸の形で貸し付けるということになりますので、リース方式での参入が解禁をされております一般の企業も応募することは当然可能でございます。ただし、このリース方式で企業が参入する場合には、農用地利用配分計画の認可要件として、これは農地法と全く同様でございますけれども、地域との調和要件が書いてございます。ちょっと読みますと、地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれることということが要件になっております。 したがいまして、この機構の運営によりまして、地域の取組とか調和が崩されたり、日本農業の根幹が変わるといったことにはならないというふうに考えております。
○山田俊男君 どうも、今そう説明をお聞きしましたが、法案の当初の多くの議論の中で、産業競争力会議等がもう貸付けに当たっては公募を徹底すべきだということで、全国から広く申込者を募るべきだという議論があった。そうした中で、今もお話のあった人・農地プラン、地域における安定した経営体をつくっていくという形での地域の人・農地プランについては、これはもう配慮しないんだという議論があったやにお聞きしました。そうした議論を、それこそ衆議院の農林水産委員会で相当の質疑をやっていただいたところであります。 本日は衆議院農林水産委員会の宮腰筆頭理事においでいただいているわけでありますが、当然公募のことも含めまして、それから、公募でないとすれば競争入札をやるのか、それともそうじゃなくて別の貸付けルールをきちっと定めて対処するのか、それから、人・農地プランを局長は生かすというふうに言いましたが、具体的にどんな議論があって、どんな形での法案修正になったんでしょうか、お聞きします。
○衆議院議員(宮腰光寛君) まず、修正の経緯でありますけれども、衆議院での審議を行う中で、民主党さんの方から、人・農地プランを法制化すること、それから機構による農地集積は人・農地プランと連携すること、三番目に、施行後五年を目途に機構の事業を検討し、農地中間管理事業推進法の廃止を含めた必要な措置を講ずるものとすること、この三点が修正要望として出されました。また、与党の方からもこの公募の在り方について懸念が示されたということもあります。 我々といたしましても、機構による農地集積を進める上で人・農地プランとの連携は重要と考えておりまして、同時に、一方でこの農地中間管理事業推進法の廃止を法律に盛り込めば、機構に農地を貸す者がいなくなって制度が動かなくなる懸念があるということで、与野党で精力的に修正協議を行った結果、人・農地プランを念頭に置いた協議の場の設置の規定を設ける、つまり協議の場について法制化をするということ、それから当初の附則第二条の検討条項にいろんな見直し規定を置いたということであります。 今先生が懸念をしておいでになります公募の進め方あるいは貸付けのルール、これ自体が修正されたわけではありませんけれども、機構が公募を進めたり貸付先決定ルールを決めたりする際には人・農地プランとの関係を考慮するのは、これは当然自然なことと考えているわけでございます。
○山田俊男君 大変ありがとうございました。 ともかく、地域の取組、地域のそれから農業者の持続的な経営発展ということを念頭に置きまして、そして、本当に目指すべき農地利用をちゃんとやっている経営体をつくり上げていくという取組を是非この貸付ルールを具体化する中でやっていただきたい、こんなふうにお願いするし、やっていこうじゃないかと、こう申し上げる次第であります。 ところで、もう一点お聞きしたいんですが、これは大臣にお聞きしますが、農地中間管理機構は貸借を基本としていると。そこで、機構が借りた農地の滞留を防ぐために、貸せる当てがある場合のみ借りるというふうなことが言われていると。 これ、まずもって、法律の中にそんな規定があるということはありませんよね。とすると、これは運用の中でこういうことを進めるということですかね。これ、この運用の仕方いかんによりますと、条件の悪い農地はほっておかれるということになりかねないという気がいたしますし、さらに、いいところだけ、平場のいい農地だけ借り上げて、そしてそれをそれこそ外部からの公募に応じた者に渡していくということになったんでは趣旨にもとるんじゃないかと、今おっしゃっていただいた、という思いがするわけでありますが、その点いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) この農地中間管理機構は、農地を借り受けるときに、当該地域における借受け希望者の募集に応じた者の数、それからその応募の内容その他地域の事情を考慮して農地の借受けを行うことにしております。これ八条に書いております。 機構が行う借受け希望者の募集は地域ごとに行うということですから、農地を借りようとするときに、その個々の農地にそれぞれ受け手がいるかと、こういうことではなくて、地域全体について受け手がいるかどうかと、これで判断をすると、こういうことになります。したがって、例えば、極端な例ですが、地域全体について受け手の候補者が全くいないと、こういう場合は機構は借り受けないということになるわけですが、そうでない場合は借り受けることは可能であります。一つずつの土地について明示的にいないからといって借り受けられないということではないと、こういうことでございます。 したがって、機構としては、日ごろから幅広く借受け希望者の発掘、これに努めることがこの事業を適切に進める上で非常に重要であると、こういうふうに思っておりまして、そういうことをやっていくことで円滑に農地を借り入れることができると考えておるところでございます。
○山田俊男君 どうぞこの運用を本当にしっかりしていただきたいと、こんなふうにお願いします。貸付けルールの、今大臣のおっしゃったルールをしっかり守っていただきたい、こんなふうに思います。 しかし、その場合も、どうも借り手がいない場合は、山の条件の悪いようなところを往々にしてそれじゃ誰も手が着かないと、農地中間管理機構もそのことについては関心も示さないということになってしまうんじゃないかという気が一つするわけであります。さらにまた、どうもこの農地中間管理機構のこの規定並びに議論の中で、機構が借りた農地の滞留を防ぐために貸せる当てのある場合のみ借りると言われている。これだと条件の悪い農地はほっておかれることになるわけだし、それからもう一点、機構に一旦農地を滞留させました、しかし、借り手のない農地は返すという規定や議論があるわけであります。返された農地はどういう行方をたどるのか。耕作放棄地になるか、ないしは太陽光のソーラーメーカーの格好の商売の対象になってしまうんじゃないかという気がするんですが、この点、どんなふうに考えておいでになりますか。
○国務大臣(林芳正君) まず、この中間管理機構が借り受けた農地でございますが、二十条において、相当の期間を経過してもなお当該農地の貸付けを行うことができる見込みがない場合には解除ができると、こういうふうにしております。この規定は、漫然とその相当の期間が経過するのを待って契約を解除させると、こういうことを狙っているのではなくて、逆にこの規定を置くことによってきちっと一定の期間内に機構が努力をして貸付先をきちっと発掘すると、こういうことを求めている趣旨でございます。 したがって、借受け希望者の公募を行うところにとどまらず、例えばほかの地域の法人経営されている方、それからリース方式で参入したい企業の誘致、こういうことを行うなど工夫をやっぱり機構がやって、貸付けを解除して所有者に返すということが極力起こらないようにしていく必要があると、こういうふうに思っております。 また、八条で既に森林の様相を呈しているなど再生利用がもう困難な耕作放棄地などは借り受けないようにしておりますが、機構が借り受けない農地については農業委員会等の手続によって非農地化する方向で調整を進めていく必要もあると、こういうふうに考えております。
○山田俊男君 宮腰衆議院農林水産委員会筆頭理事にもう一つお聞きしたいんですが、今こういう形で貸付けのルールであったり、それから滞留の農地の扱いであったり、この機構が具体的にどう借りて、それをさらにどう貸して、そしてそれをスムーズに進めるのかという大事なことがあると思うんですね。その具体的な運用をどんなふうに展開するかという、それで地域に合ったものに農業経営をつくり上げていけるかどうかという大変大事な運用の事項が多々あるというふうに思うんですが、この運用のことについて、一定の期間、年限をもって見直しますよという規定を入れられたやに承知しているんですが、いかがですか。
○衆議院議員(宮腰光寛君) 附則第二条の検討規定でありますけれども、当初五年後を目途にということでさらっとした規定になっておりましたけれども、修正協議の中で、機構に対する賃料に係る助成の見直しを含む農地中間管理事業等に対する国の財政措置の見直しを始め、事業の在り方全般について検討を加えるということを明確化をさせていただきました。また、検討の結果講ずる措置について、法制上の措置を明確化すると。それから、第二十六条第一項の協議の場に関し、そのより円滑な実施を図るための法制上の措置の在り方に関する検討規定を追加するということといたしました。 今先生のおっしゃったのは、事業の在り方全般について検討を加えるということを明確化したということの中に含まれているということでありまして、全く新たな仕組みを創設をするわけでありますから、この運用について、これは極めて大事でありますので、これはしっかりとその検証をした上で、問題点があればしっかりと中身を見直していくということはとても大事なことであるというふうに思っております。
○山田俊男君 大変ありがとうございました。 その規定の趣旨で徹底して、五年間、成果が上がるようにやっていかなきゃいかぬと、こんなふうに思うところであります。 最後に、この機構による貸借事業の対象地域は農振地域だけなのかどうか。これは衆議院でも議論があったように思いますが、ゾーニングをしていない市町村の農地は対象になるのかならぬのかと電話の問合せがいっぱいありますが、この点についても非常に地方は関心が高いということですね。ここはどんなふうに扱うことになっているのか、局長にお聞きします。
○政府参考人(奥原正明君) この農地中間管理事業の推進に関する法律の第二条第三項におきまして、機構は農業振興地域の区域内で事業を行うということにされております。この農業振興地域といいますのは、自然的経済的社会的諸条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要であると認められる地域ということになっておりまして、具体的には、農地が集団的に存在をする、それからその地域内の農業の生産性の向上やその他の農業経営の近代化が図られる見込みが確実である、それから土地の農業上の利用の高度化を図ることが相当であると、こういった地域というふうにされております。 このため、国費も投入して行います今回の農地中間管理事業につきましても、農業振興地域に限って事業を行うということにしております。この点は、従来の農地保有合理化事業についても全く同様の規定でございました。 なお、この農業振興地域以外の農用地、例えば市街化区域内農地が典型的な事例だと思いますけれども、ここにつきましては、農業委員会あるいは農地利用集積円滑化団体、ここの利用権設定等のあっせん、これを利用していただくことになるものというふうに考えております。
○山田俊男君 以上で質問を終わりますが、どうぞ、しっかりこの機構を動かしていく、定着させていく、それに全力を挙げていただきたい、こんなふうに求めます。 以上です。ありがとうございました。
○山田修路君 石川県の山田修路でございます。 法案の質問に入る前に、米政策それから直接支払の見直しについて若干質問したいと思います。 米の生産調整については、もう四十年にわたって実施をしてきております。そういう意味で、米の消費、この減少に歯止めが掛からない中で、そうだとすれば、水田を、高い生産性を有している装置ですから、これをもっと活用する方策を考えるべきだというふうに思っております。 その意味で、飼料米を水田に作付けしていくということは、水田の活用方法としても適当なものだというふうに思っております。自給率を向上させるという観点からも大変プラスになりますし、今回の見直しの結果、農村集落が受ける金額もモデル的な計算で一三%上昇するということになっております。こういったことが是非本当に実現されるように、言い換えるならば、このモデル的な試算が絵にかいたもちにならないようにしていく必要があると思います。 そのためには、やはりしっかりとした条件整備を行っていく必要があるということだと思います。シミュレーションでは、不作付け地の四分の三に飼料米が作付けられるというようなことで試算をしております。しかし、不作付け地に新たに飼料米を作付けていくということもなかなか農家にとっては大変なことですし、また、石川県など日本海側では飼料工場がない、また畜産農家もそれほど多くないというような状況、そういった状況の中で飼料米を生産して農家の方が所得を得ていくというのはなかなか大変なことだと思います。多収穫の品種を開発、普及していくことはもちろんですけれども、飼料米の保管場所やあるいは配合飼料工場、そういった加工施設をどうやって整備していくのか、また、売り先の確保など、いろんな問題があると思います。国がしっかりと条件整備をしていくということが必要だと思いますけれども、この点について、大臣の決意というんでしょうか、考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 山田委員おっしゃるように、水田のフル活用のためにはこの飼料用米、非常に大きな可能性があると、こういうふうに思っておるところでありまして、この飼料用米の生産、流通の促進を図ることによりまして、農家の所得を確保していきたいと。 そのためには、多収性品種の開発、導入、それから飼料用米の円滑な流通体制の整備、こういう飼料用米の生産、流通の条件整備を進めることが非常に重要であると考えております。したがって、この多収性品種の開発に加えまして、多収性品種の導入や省力栽培技術の実証、普及の推進に取り組んでおります。 さらに、産地交付金においても、多収性品種に取り組む場合に十アール当たり一万二千円を交付する仕組みを導入したということでございますので、これは、餌米のそもそもの単価に加えてこれがあるということでございます。 また、飼料用米の円滑な流通を図るために、配合飼料工場での長期的、計画的な供給、活用のための情報提供、それから、耕種側における乾燥調製貯蔵施設、それから畜産側における加工保管施設の整備、これをやっていこうと。それから、生産要望のある耕種農家と利用要望のある畜産農家のマッチング活動と、こういうことを行うと。 こういうことを全て行うことによってきめ細かな対策を講じてまいりたいと思っておりますし、それぞれに予算を要求しているところでございます。
○山田修路君 大臣から力強いお話をお聞きしました。是非、この飼料米を水田で作っていく、それを供給していくというのは本当にこれまでの生産調整政策をがらっと変える非常に大事なキーだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 今回の改革については、農家の方々の間に相当まだ誤解があって、例えば一万五千円を七千五百円に切り下げて将来なくなっていくだけなんだとか、そういうふうな誤解もかなりあると思います。実は、この改革はやはり農業の新しい展望を開いていこうというものなので、是非農家の方々の不安を払拭できるようにしっかり情報提供をしていっていただきたいと思いますけれども、これについてどのように取り組んでいかれるのか、決意をお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 山田委員がおっしゃるとおりでございまして、この情報提供というのは大変大切な部分だと思っております。 今般、日本型直接支払の創設及び経営所得安定対策の見直し、この米政策の内容を決定いたしましたけれども、生産者が経営判断を行うに当たって不可欠な情報であることから、早急に現場への浸透、情報提供を進める必要があると考えております。 このため、具体的には、各都道府県の担当者に集まっていただきまして、まずは全国レベルの説明会を行いたいと思っております。さらには、全国にございます農政局単位のブロック別説明会も開催をさせていただきます。さらには、各都道府県別の説明会の開催に加えて市町村単位での説明会にも説明者を派遣をするなど、きめ細かく新たな制度の浸透を図ってまいりたいと存じております。
○山田修路君 是非しっかり情報提供をやっていただきたいというふうに思います。 法案の質問に入りたいと思います。 大変私はこの法案、魅力的な法案だと思っております。政策を遂行していくという上でまず大事なことは、目標をしっかり、妥当な目標を作っていくこと、また、その目標に向かって必要な手段を、十分かつ必要な対策を講じていくと、この二つが重要だと思うんですけれども、まず、その目標の妥当性というのか、この目標がどうなのかということです。 資料でお配りをしておりますけれども、これまでの農地利用集積の目標と実績というちょっと大きめの資料がありますけれども、今回の日本再興戦略、先ほど大臣からのお話にもありましたけれども、農地面積の八割を担い手に集積していくということです。 この担い手あるいは経営体というものがどのくらいの農地を利用するのかというような目標を立て始めたのは、一番左側、平成四年の新政策と言われていたときですけれども、このときがいわゆる経営体が稲作の八割を占めていくんだという目標だったわけです。これに対してその左下の実績のところを見てみると、この担い手への集積というのは二七・八%、これは平成十二年の目標に対して十二年の実績です。この当時のことを考えると、まあ経営体と担い手とちょっと概念は違いますけれども、相当高いレベルの目標を設定して結局はなかなかうまくいかなかったというのがこの平成四年のときの新政策と呼ばれるものだったと思います。 資料二を見ていただきますと、しかしながら担い手に対する利用集積というのは、先ほど言いました平成十二年では二七・八%だったのが、平成二十二年には、先ほど大臣からもお話がありましたけれども四九・一%、五割になってきていると。今度は十年後に八割にしていくと。そうすると、これまでのトレンドでも十年間で二割ぐらいの上昇が何とか政策遂行によってできてきたわけで、もう一踏ん張りというところだと思うんです。そういう意味では、この八割という目標も、手の届きそうな、具体的にしっかり政策をやっていけば届くんではないかというような感じのところに来ているというふうに思います。 そういう意味で今回のこの法案も大事だと思うんですが、そこで一つ質問なんですが、この担い手と言っている担い手の数ですね、これは資料一の方に戻っていただいて、この注三に書いてありますけれども、認定農業者などなどを担い手と呼んでいる。これは考え方としては経営改善計画を作って意欲的に農業改革に取り組んでいこうという人たちということだと思いますけれども、この担い手の数は今幾らあるのか、そして十年後にはどんな数の担い手を確保していこうと思っているのかという点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 現在、農地利用の五割を占めておりますこの担い手でございますが、この中には認定農業者、それから集落営農入っておりますけれども、全体として大体二十七万経営体ぐらいでございます。その中で多いのはこの認定農業者でございます。この認定農業者の制度は平成六年度からできている制度でございますけれども、農業経営基盤強化促進法に基づきまして、効率的かつ安定的な農業経営とすることを目指して五年以内の経営改善計画を作っていただいて、その計画を市町村が認定した場合に認定農家になると、こういう制度でございます。 この認定農業者につきましては、平成二十一年度までは一貫して増えておりましたけれども、二十二年度からは高齢化がかなり進んでまいりまして、五年間のこの計画の期間が終了したときに再認定の申請をしないという方が増加をしておりまして、二十二年度からは若干減少傾向に転じているということでございます。この結果、平成二十四年の三月には、この認定農業者の数は二十三万八千件、二十四万弱という形になっておりますが、認定農業者の中の法人の数、これは一貫して増えていると、こういう状況でございます。 十年後のこの認定農業者等の数、これについての目標は特に設定をしておりませんけれども、法人を含めて、従業員の数ですとか、それから売上高あるいは所得、こういった経営の質の向上、これが極めて重要でございますので、引き続きこの認定農業者を中心として担い手制度の的確な推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○山田修路君 この農地利用の八割を集積するという方法は実は二つあって、担い手に農地を集めていく、利用を集めていくということと、認定農業者を増やしていくという、あるいは担い手を増やしていくということで割合が増えていくという両方の側面があるんですね。ですから、集積をしっかりするということと併せて、やはり担い手の数を増やしていくということにもこれから努力をますますしていただきたいというふうに思います。 ところで、今回の目標、この八割担い手に集めるという目標、これは大変いいと思うんですけれども、一方で、資料一で見ていただいた平成四年の新政策あるいはその後平成十二年、十七年の基本計画のときには、目標としては、効率的かつ安定的な農業経営を目標にしているということです。これはこの資料一の注一にも書いてありますけれども、農業基本法の二十一条で、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う構造にしていこうという基本法上の目標があるということです。 注二に書いてありますが、この効率的かつ安定的な農業経営というのは、生涯の所得が他産業並みだということを一つの農林水産省としては指標として考えてきたということです。そういう意味でいいますと、認定農業者あるいは担い手というのをもちろん増やしていってその農地の利用割合が増えていくということは大事なんですが、更に進んで言えば、担い手が生涯所得あるいは所得の面で十分な、他産業に比較しても十分な所得が確保できるというようなことも非常に重要なことだというふうに考えております。 そういう意味では、現在の段階ではもちろん担い手に集めるということでいいんですけれども、そういった所得も確保できるような効率的かつ安定的な農業経営がこういうふうにたくさんになっていく、そういう目標を将来的にはつくっていってその政策の課題としていくということも大事なことじゃないかと思うんですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 先ほども御説明いたしましたが、この認定農業者の制度は、効率的かつ安定的な農業経営を目指して経営改善を図る、そういう農業者を市町村が認定するという制度でございます。平成二十四年三月末では二十三万八千経営体、これが認定農業者になっているわけでございますが、この中には、これから効率的かつ安定的な農業を目指していこうという、そういう方も入っておりますし、既に効率的かつ安定的な農業経営に至った方、それで更に経営改善を図ろうとしている方、こういう方も含まれておりまして、この二つを区分した数字は実は現在把握できておりません。既にもう効率的かつ安定的な農業経営になっている方につきましても、更に経営を発展させていただいて地域農業を引っ張っていただくということが非常に重要だと思っておりますが、将来的に、今御指摘ございましたように、この認定農業者の中の効率的かつ安定的な農業経営、もうこれを達成している方、特に生涯所得あるいは労働時間で見て他産業と遜色はない、あるいはそれを上回るといったような経営体がどのくらいの数いるか、それが農業全体のどのくらいのシェアを担うかといったことも含めまして、きちんと数字を把握したり目標を立ててやっていくということについても検討を深めたいというふうに考えております。
○山田修路君 今、奥原局長からお話がありましたとおり、担い手の所得を上げていくということも非常に大事なことだと思っております。そういう意味で、認定農業者などの担い手の所得向上対策、これもしっかり今後取り組んでいく必要があると思いますけれども、これについてはどのような対応をしていくおつもりか、お聞きしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 所得を向上させていくということはもう大変大事な視点だと存じておりまして、そのためには、いかに有利に販売をしていくか、さらには付加価値を高めていくか、そして低コストで生産資材を調達するかどうかといったことも含めて、経営者としての意識、経営マインドを持つことが何よりも重要であると考えております。 経営者としての意識を十分に持っていただくために、認定農業者が自らの経営改善に取り組むためのツールといたしまして経営改善のためのチェックリスト等から成る経営指標を公表をし、自己点検を促しているところでもございます。さらには、認定農業者に対しましては、日本政策金融公庫のスーパーL資金の融資や税制等の施策を重点的に実施しているところでもございまして、今後とも、農業者の経営意識の向上を始めとした経営らしい経営を育成し、それが更に発展をしていけますようにしていかなければならないと考えております。 その際には、生産所得等の点におきましても、他産業に御指摘がありましたように劣後せず、これを上回るようにしていくことも一つの考え方でもありまして、その点も含めてよく研究をしてまいりたいと存じます。農家所得、最低賃金にいたしますと、実に農家の方々の最低賃金は低いという数字も出ておりますので、しっかりと所得を向上させていくための取組をさせていただきたいと存じております。
○山田修路君 今お話がありましたように、所得向上対策極めて重要だと思いますし、担い手を更に一歩進めて、レベルの高い農家の方々に農地の利用を集積していくということが今後は必要になっていくというふうに思います。そういう意味で、政策の目標としてはこんな担い手に集めるということで一応評価をしております。 手法、その実際の政策の手段については、今度の農地中間管理機構など様々な政策を今実施に移していこうということで法案を出されているんですが、この農地中間管理機構、今まで農地保有合理化法人の失敗を踏まえて対応していくということなんですが、ほかにもいろんな活動が地域で行われております。そういう意味で、中間管理機構だけでなくていろんな政策を総動員していくということが大切だと思うんですけれども、今後の農地利用集積についての基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農業者の高齢化それから耕作放棄地の増大、こういうものが進む中でやはり農地の集積、集約化は大変大事な課題であると、こういうふうに思っておりまして、とにかく政策を総動員していく必要があると考えております。 これまでは農地流動化は農業委員会それから農地利用集積円滑化団体、こういうところが役割を果たしてきたのは事実でございますから、今回整備する農地中間管理機構と今まであったところが連携を密にしてみんなで対応していくということが重要であろうと、こういうふうに思います。特に、機構は市町村等に委託料をお支払いして業務委託するということも想定しておりますので、適切に業務が遂行されるということであればこういう円滑化団体も委託先になり得ると、こういうことでございます。 いずれにしても、総力を挙げて大事な目標である農地の集積、集約化、これに取り組んでまいらなければならないと、こういうふうに思っております。
○山田修路君 今お話がありましたように、いろんな団体が地域では農地の集積に取り組んでいるということなので、これまでの活動も是非利用しながらというんでしょうか、活用しながら推進していくことが大事だと思っております。 そういう意味で、今お話がありました農地利用集積円滑化団体、農協などが取り組んでいるわけですけれども、これの活用も本当に重要だと思います。 資料の三のところに先ほど大臣が引用されたような数字が出ておりますけれども、資料の三で、農地保有合理化法人の実績が一番右、それから真ん中に農地利用集積円滑化団体の活動、先ほど大臣から言及がありました数字が入っております。また、農業委員会も十二万ヘクタール余りにわたる利用調整の実績があるということです。 特に、今お話がありました真ん中の農地利用集積円滑化団体については、実際に三万二千ヘクタールのうちに、この所有権ももちろんこれを制度上扱えるんですが、実際には利用権の設定がもう九九%を占めているということで、利用権の設定という意味では集積円滑化団体の活動も大変顕著なものがあるというふうに思っております。 それぞれ連携あるいは役割分担しながらやっていく必要があると思うんですけれども、具体的にどういうふうに進めるのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) この農地利用集積円滑化団体でございますが、平成二十一年の農地法の改正でできた制度でございます。農地の出し手を代理をして受け手を探して契約を締結するということでございまして、御指摘のように二十二年度が一万八千ヘクタール、二十三年度は三万二千ヘクタールということで数字も伸びてきております。 ただ、一方で、出し手を代理して受け手を探しますので、農地の受け手が最終的にいませんとこの成果をなかなか上げられないと、こういった問題がございます。それからもう一つは、相対取引を中心にしておりますので、基本的に分散錯圃の抜本的な解消にはつながらないケースが多いと、こういった問題点もあるものというふうに考えております。 このため、今回農地の中間的な受皿として農地中間管理機構を整備をしてやるということにしているわけでございますが、この中間管理機構、自分だけで全ての業務ができるわけではございませんので、いろいろなところに、関係機関に業務委託を行うということにしております。それによって地域の関係者の総力を挙げて業務を遂行するということでございますが、その際、この農地利用集積円滑化団体であります市町村ですとか、あるいはJA、あるいは市町村の農業公社、こういったところにつきましては、農地流動化に関するこれまでの実績、あるいは能力にもよりますけれども、機構が知事の承認を受けて委託を受けるということは当然ありますので、その場合には委託料も支払われることになります。 したがいまして、そういうところにつきましては、農地流動化に関する業務を従来以上に円滑に行うということができるようになるものというふうに考えております。
○山田修路君 ありがとうございます。 農地利用集積円滑化団体と並んで、地域で非常に重要な役割を果たしているのが農業委員会ではないかというふうに思います。 先ほどの資料三で、農業委員会の活動、利用調整の実績十二万ヘクタールということで、大変大きな役割を果たしていると思いますし、農業委員会についてはいろんな批判があって、新規参入の障害になっているとかいうような方もおられます。しかし、やはり地域の中でしっかりと根付いて経営をやっていただくためには、地域の状況に精通した農業委員会の判断というのもやはり重要なのではないかと私は思っております。 これまでの農業委員会の活動についてどう評価しているのかということについて、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農業委員会は、農業委員会等に関する法律、これに基づきまして設置されました市町村の独立行政委員会でございます。原則として市町村ごとに一つ設置をされておりまして、農地法に基づく許可事務、あるいは農地のあっせん、こういった事務を行っております。農地台帳も作っておりますので、農地に関するいろんな情報がここに集中をしているという状況でございます。 農地の流動化につきましても、先生御指摘のとおり、相当な実績を上げておりまして、平成二十三年でいいますと十二万七千ヘクタール、これは利用権の再設定も含んでおりますので必ずしも純増分だけではございませんが、これだけの利用調整の実績を上げております。 それから、平成二十一年の農地法の改正の後は業務が更に拡充をしておりまして、従来は農地法に基づく許可事務、こういった受け身の仕事が中心でしたけれども、これに加えまして、地域の農地利用状況の調査ですとか、遊休農地の所有者に対する指導、勧告等といった能動的な仕事を行っております。 さらに、二十四年度からは、地域の農業者の徹底的な話合いによる人・農地プラン、これの作成にも積極的に関与するということで、これまで以上に農業委員会は重要な役割を担っているところだというふうに思っております。 農業委員会につきましては、いろいろな御意見をいただいているのも事実でございますけれども、担い手の農地の集積、集約化、あるいは新規参入の促進、あるいは耕作放棄地の解消等を強力に推進していける組織となっていくことが期待をされておりますので、そういった方向で前向きに指導をしていきたいというふうに考えております。
○山田修路君 今お話があったように、農業委員会、大変重要な役割を果たしていると思いますので、是非しっかりとその情報提供を促していく、これは全国農業会議所や都道府県段階の農業会議、あるいは農業委員会自身もありますけれども、そういったところがしっかり自分たちの活動について情報提供をしていくということも大事だと思います。 その点についても是非お願いをしたいと思いますし、そのことも含めて、これから農地中間管理機構が活動していく上で、これまでの農業委員会のノウハウをやはり積極的に活用していくということも重要だと思います。そういった点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 御指摘のとおり、農業委員会は、これまでも農地の流動化等に重要な役割を果たしてきております。その活動の実態を農業関係者以外の方にも理解していただくことは極めて重要だというふうに考えております。 現在、農業委員会の活動につきましては、総会等の審議過程を詳細に記録した議事録、許可のポイントや申請に必要な書類記載マニュアル等、農業委員会の活動の目標とその達成状況を作成し、公開するように指導しております。これらは全ての農業委員会において公開されているところでございます。また、全国農業会議所におきましても、農業委員会活動の見える化に取り組んでおります。全国の各農業委員会の活動状況をデータとして整理し、インターネットで公表しております。 それと、ノウハウについても御質問がございました。 この農業委員会につきましては、農地に関する業務を行っているところから、この各情報が集まっております。したがいまして、農地中間管理機構が業務を行うに当たりましては、市町村と連携をして機構の業務に協力することが必要であり、特に農地利用配分計画を作成するに当たっては、農地の地番、所有者等の情報を正確に把握している農業委員会の協力は必要不可欠というふうに考えております。 また、今回の改正では、遊休農地対策を強化することになっております。耕作者が不在となり、そのまま放置すれば遊休農地となるおそれがある遊休農地予備軍についても、農業委員会の指導、対策に追加をしております。また、農業委員会、遊休農地の所有者等に対し、その農業上の利用に関し利用意向調査を行い、機構への貸付けを促す仕組みを設けることとしております。 さらに、農業委員会が作成している農地台帳についても、今回の改正によりまして法定台帳として位置付け、農地の地番、所有者、借受け者、賃貸借契約の内容等の台帳情報及びその電子地図についてインターネット等で公表することとしており、農業委員会の役割を更に強化することとしているところでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 今回の改正に関連して一部の有識者の方々は、地域外から地域に参入してくる、全く関係のない人が参入してくることがいいことで、地域の農家の方々が発展していく、あるいは参加をしていくということについてやや否定的な考えを持っておられる方がいると思うんですけれども、やはり今お話があった農業委員会ですとか農地利用集積円滑化団体など、地域の中でやはりうまく農地を集積していく。これ、生源寺眞一先生が、農村には二つの層があって、ビジネスの層とコミュニティーの層があると、こういうお話をしているんですけれども、コミュニティーを守るということでやはり地域が発展していくので、ここのことも特に土地利用型農業については大事だと思います。その点をお願いをしまして、私の質問といたします。 どうもありがとうございました。
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党、長崎県選出の古賀友一郎でございます。 今日はこの中間管理事業法案の審議ということでございますけれども、これまでもるる衆議院でも審議が進められてきておりましたし、そしてまた今日もお二人の委員の質疑もございましたものですから、私もそうした審議の結果を踏まえまして私なりに議論を深化させていきたいというふうに思っているところでございます。 私は今回この法案に大変期待している一人なんですけれども、私は、この農政の究極的な目標といいますか基本的な目標といいますか、これはやはり国民に対して有事の際を含めて安全な食料を安定的に供給をしていくんだと、これがやはりこの農政の最も基本的な重要な柱になっているんじゃないかなというふうに思うわけであります。さればこそ、農地に対しても規制を掛けることが許されたり、あるいは農業や農村や農地に対して公金を公的支援をしたり、公金を投入していくことも是認をされるものだと。 もちろん、いわゆるその多面的機能、農村の景観であるとか、あるいは防災であるとか、あるいは文化の継承、そういった多面的機能もございますけれども、やはりメーンは国民への食料供給、安全、安定的な供給、そういう意味で、大変そういう基本的なものを重視していかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っているわけであります。 そのためにはどうしても土地が必要であるし、人がそこを耕作してもらわなきゃいけない。農業が希望あるものでなければいけない。そういった意味において、担い手への農地の集積、集約化を図って生産コストを下げて、それで所得も所要のものを確保していく、そのためにこういう政策が要るんだと、そういうふうな流れになってくるんじゃないかというふうに思っているわけです。 政府においても、日本再興戦略において、今後十年間で農地の八割を担い手に集約をしていく、あるいはお米の生産コストを四割削減するといったような、そういった目標が掲げられているところでありますけれども、今回この法案を質疑させてもらう上で、まず私は、今回衆議院において修正がなされた部分、ここをまず注目しているんです。 この後の質疑にも大きくかかわってくる部分ですので、まずは今回衆議院での修正がなされた法案の条文の趣旨ですね。特に、私はこの二十六条、ここに注目をしております。二十六条の意味内容をもう一度確認をしたいんですけれども、この二十六条一項の趣旨というのは、いわゆる人・農地プランのことを念頭に置いた、人・農地プランを言い換えればこの一項のような書きぶりになるのかどうかということ。そしてまた、この二項においては、市町村は、前項の協議に当たっては、新たに就農しようとする者を含めて幅広く参加を求めるよう努めるというような規定になっていますけれども、この二項において、新たに就農しようとする者というのは、当該地域内での新規就農だけじゃなくて、当該地域の外から新規参入希望のある、例えば一般の企業、そういったものも想定した規定なのかどうかというところをまず確認させていただきたいと思います。
○衆議院議員(宮腰光寛君) 修正第二十六条の一項、二項に関する御質問であります。 まず第一項でありますけれども、市町村が適切と認める区域ごとに、当該区域において中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者、当該区域における農業の将来の在り方について定期的に農業者等による協議の場を設置し、その結果を取りまとめ公表するということにいたしております。これは、人・農地プランの法制化そのものではありませんけれども、この人・農地プランを念頭に置いた協議について法制化したものであるというふうに考えております。 それから、第二項についてでございますが、第二十六条第二項の規定は、同条第一項の協議をするに当たり、新たに就農しようとする者も含め幅広く農業者等の参加を求めるよう努めるものとしたものであります。これは、地域内の新規就農者の参加を求めることは無論のことでありますけれども、地域外の新規就農者の参加を求めることを排除したものではありません。地域外の新規就農者も、この協議の場において地域の農業者等と徹底した話合いを行うことにより地域農業と調和した参入が実現するものというふうに考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。かなり趣旨が明確になったと思います。 宮腰先生におかれましては、この後もおありでしょうから、もしよろしければ御退席いただいても結構でございます。 今の趣旨確認は、この後、私も貸付けルールのところをちょっとまた質疑をさせていただきたいと思いますので、そのときにまた触れたいと思いますが。 まずこの法案本体を考えていく中で、先ほど来出ております、この事業を通じて何を目標にしていくのかと、どこを到達点として見ていくのかという問題について先ほど来いろいろ出てまいりました。担い手への集約を八割にしていくんだとか、あるいは所得を向上させていくんだとか、あるいは担い手の数の問題も今出てまいりました。 要するに、この事業をやる、中間管理事業を推進することによって十年後の目標というものを定量的にどういうふうに定めているのかというところをお伺いしたいんです。そして、その定量的な目標をどういう工程で達成していこうとしているのか、これは法案の二十五条の中でも大臣が評価をするということになっておりますので、やはりそういった定量的な目標がないと評価もできないわけでありますから、まずこの点をお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 我が国の現在の農業構造ですが、これまでの農地流動化の結果として、認定農業者、集落営農を含めたいわゆる担い手の利用面積、これは先ほどの山田委員のときにもお話がありましたけれども、農地面積全体の約五割になっているということで、かなり変化してきているわけでございますが、更にこの生産性を上げ、成長産業化するということのために、この農地集積や担い手ごとの農地の集約化を更に加速していく必要があると、こういうふうに思っております。 そのための画期的な手法として、今回、中間管理機構を整備する法律案を出させていただいたところでありますが、農地集積については、先ほど触れましたように、日本再興戦略、本年六月に決めさせていただきましたが、今後十年間で担い手の農地利用が全農地の八割と、現在五割で、先ほど申し上げたように十年前は三割だったわけですが、これを八割にしていくということを既に決定しておりまして、この目標を達成するためには、十年間で百四十万ヘクタール程度、平均すると年間十四万ヘクタール程度、これを集積させる必要があると、こういうふうに考えております。このために、この予算としても平成二十六年度概算要求では六百五十五億円を要求させていただいているところでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。そういう明確な目標を政府が持って進めていくというのは大変重要だと思うんです。 ただ、私は、今回の法案のちょっと物足らないところは、都道府県知事の基本方針は策定することになっているんですけれども、政府の基本方針というのはこれはないんですね。私は、やはりこれは法定受託事務であって、国が主導してやっていくんだと、こういうやっぱり国が前面に出ていく、こういう事業の性格ではないかなというふうに思っているんです。当然、各地域地域にはそれぞれの事情がありますから、自治体のそういう裁量というのはこれは認めてあげなきゃいけないと思いますけれども、基本的には、国策として今おっしゃったような目標を進めていくんだと、こういう強い気持ちを持って国がやっていくということが必要だと思うんですね。 そういう点に絡みまして、先月二十日の奥原局長の答弁によりますと、知事の基本方針の策定に関しまして、それぞれの地域の実情を踏まえて現実的な目標の設定が行われるべきものというふうな御答弁がございました。 ただ、そうだとすると、一旦は地方に任せておいてもいいかもしれませんが、仮に全都道府県の目標を集計した結果が政府全体の目標としてはちょっと物足らないなというようになっちゃった場合、そういった場合には政府としてどういうふうにやるんですか。その調整に乗り出すということなんでしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 今回の農地中間管理事業の推進に関する法律案の中では、都道府県知事が基本方針を決めるということになっております。この中で、効率的かつ安定的な農業経営を営む者が利用する農用地の面積の目標その他農地中間管理事業の推進により達成しようとする農用地の利用の効率化及び高度化の促進に関する目標、こういったことを定めることになっております。これは法律の第三条でございます。 各都道府県ごとにこの農地をめぐる状況はかなり異なっているとは思いますので、それぞれの地域の実情を踏まえて目標の設定ということになるかと思いますが、一方で、やっぱり全国レベルの目標は、先ほどからるる申し上げておりますように、十年後に担い手が八割を利用するということはもう明確な目標でございます。このことも各県におきましては念頭に置いて目標設定をしていただきたいというふうに考えております。 したがいまして、全都道府県の目標の合計値と全国の目標が大きくずれることはないのではないかというふうに基本的には思っておりますが、仮に全都道府県の目標の合計値が政府の目標を大きく下回るといったことがあるとすれば、各都道府県といろいろ協議をさせていただくという場面は出てくる可能性はあるものというふうに思っております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。やはり、そこは政府としてもしっかり主導権を発揮をすべきではないかなというふうに思うわけであります。 私は、今申し上げたように、国がきっちりそういう主導権を握ってこの事業を進めていくんだということは必要でありますけれども、その一方で、その裏面として、その事業をやってもらう、協力してもらう地方自治体に対してはきちんとしたやっぱり手当てが必要だと思っているんです。 そういった観点から幾つかお伺いしていきたいと思うんですけれども、私も地方自治体での勤務経験はそれなりにございますので、そういう土地勘は持っているつもりではあるんですが、やはり地方に仕事をお願いするときに重要なポイントは二つあると思っていまして、一つは地方自治体が迷わないようにしてあげる、はっきりとした方針を明確に示してあげるということなんですね。もう一つは、また後から触れたいと思いますが、財政措置です。この二つをきちんとやっぱり手当てしてあげることが重要だと思っているんですが、そういった観点から、まず、私は、これまでの質疑の中でもちょっと曖昧だなというふうに思っていたのがこの地代の問題、あるいは貸付けルールの問題があるんですね。 この地代の問題については先月十九日のこれも奥原局長の御答弁なんですけれども、当該地域の同程度の条件の農地の賃料を基準として、適切な水準になることを想定しておりますというような御答弁がございました。こういうことを受けますと、その機構が利用条件の整備をやる、この場合は別としても、その地代の方に上乗せしていくということになると思うんですが、そういうことを別とすれば、基本的にはその機構が借りる賃借料と貸すときの賃貸料というのは同じ水準であるというようなことを想定していると思うんですけれども、そういう理解でいいのかどうかですね。 あるいは、機構が受け手に貸すときに当該相場よりもちょっと高い水準で貸していく、まあ利ざやでもうけると言ったらちょっと変な言い方かもしれませんが、高い水準で貸すことが想定、許容されているんだろうか。また、逆に高く借りて安く貸したら、これは事業は進むんですけれども、その部分の逆ざやが発生してきます。でも、そういった場合も一応想定、許容はされているのかどうか。そういうその貸し借りの地代の水準について、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) この農地中間管理機構が絡むこの地代の問題でございます。 この中間管理機構が出し手に対して支払う地代、それから受け手から受け取る地代、これにつきましては機構が決定をするということになりますけれども、これは当該地域の同程度の条件の農地の賃料を基準として、適切な水準になることを基本的に想定をしております。具体的に申し上げますと、農地法の第五十二条に基づきまして、農業委員会が作物あるいは地理的な条件あるいは基盤整備の状況、こういった区分ごとに賃借料の水準を情報提供をしておりますので、これを参考にして設定をするということになるというふうに考えております。 したがいまして、整備を行わないで、所有者の方から機構が借りて受け手の方に貸すという普通のパターンでいいますと、多くの場合はその賃料水準は同じになるんではないかと思いますけれども、そこがそうでなければ絶対いけないかというと、そこはやっぱり地域の事情がいろいろおありかもしれません。そこは、それをベースにしながら地域である程度の御判断はいただける世界かなというふうに思っております。
○古賀友一郎君 基本的には同じような水準だということなんですね。時としてずれることはあるかもしれないけれどもということだと思います。 そういう地代の水準というのは、借り賃、貸賃、同じレベルだということを前提にしますと、今度、私は、問題になるのはその貸出先のルールについてです。これも、これまでも何人もの委員の方が質問をされてこられましたけれども、いまいちはっきりしなかった部分があります。 要するに、これまでの質疑を踏まえると、その借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適切に調整をするんだと。そのときには地域農業との調和及びその健全な発展に資するんだと。特に、既に効率的、安定的な経営を行っている農業者の経営発展に支障を与えないようにするんだと。そういう大まかな考え方は出ているんですけれども、じゃ、今おっしゃったように、公共事業の入札とは違うわけですから、客観的に借り賃、地代の水準が所与のものであると、それが借り賃、貸賃も同じような水準であるとするならば、これは競争原理の働くような、価格競争が働くような原理ではないような感じがするわけです。 じゃ、そういった状況の中で何を決め手にして貸出先を決めていくのかというのは、これは、やはりその現場で考えてくれよというふうに地方自治体にほうり出すのは、これはやっぱり無責任だと思うんですね。だから、そこは政府としての一定の考え方をきちんとやっぱり示してあげるというのは必要だと思うんですけれども。 そういった前提で考えますと、先ほど衆議院での法案修正の中で二十六条というのがありました。あれは、人・農地プランを法制化したものではないんだけれども、人・農地プランの協議の場を念頭に置いたものだったんだというようなことだったんですね。しかも、そこには、外から新規参入希望者の人も第二項によって入れていくんだと、努めるんだというような御説明でありました。 だとすれば、この協議の場というのは、人・農地プランの言わば拡大版のような、そんなイメージのように私は受け止めたんですけれども、仮に貸出先を決めるときに、じゃ、そういう拡大版の人・農地プランのような協議の場で議論をしてもらって、そこでこの人がこの地域の中心的な担い手なんだというふうに決まった場合にはそこに優先的に貸していくんだと、そういうルールを仮に機構が定めた場合、それは許容されるんだろうか。ひいては、都道府県知事が機構が定めた規程を認可することが許容されるんだろうかというところをちょっとお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) この農地中間管理機構の貸付先の決定ルールの問題かと思います。 このルールにつきましては、機構が作成をいたしまして、都道府県知事の認可を受けて、しかもその上で公表することになっております。要するに、ガラス張りで地域の農家の方、その他の方がきちんと見れるようなものにすると、こういうことでございますが、このときの判断の一つの要素として法律の中に書いてございますのは法律の第八条ですけれども、借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正にということと、それから地域の発展に資することを旨としてと、このことが基本になっております。 このことを踏まえて、具体的にはそれぞれの都道府県におきましてこの決定ルールを作っていただくことになりますけれども、そのときにやっぱり一番重要なポイントは、この農地の借受けを希望している方の規模拡大あるいは経営耕地の分散錯圃の解消、要するに集約化ということですけれども、これにつながるかどうかというのが一つの大きなポイントだというふうに思っております。 全く離れたところに土地をもらってみても効率は良くなりませんので、従来その方が行っている農業経営との関係で、その土地を取得したときにより生産性が上がってくるかどうかというのが一つの大きなポイントだというふうに考えております。 そのことをベースにした上で、既に効率的、安定的な経営を行っている農業者の経営に支障を与えないですとか、あるいは新規参入した方がこれから効率的、安定的に経営をやっていけるとか、こういったことを考慮してこの決定ルールが決まっていくということになります。この貸付けの決定ルールにつきましては、国が通知などで一定のガイドラインを示すこともお示しをしたいというふうに考えているところでございます。 それから、今先生から御指摘いただきましたけれども、衆議院の修正案との関係で、人・農地プラン、地域の話合いでもってこの土地を誰に貸すかということが決められているときに、それがそのままなるかということでございますが、これはそれぞれの県の貸付先の決定ルールがどのようにできるかということとの関係でございますので、地域によってはそういうことも含めて判断されるケースもあるものというふうに思っております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。そういうことも一応許容はされるんだというような趣旨だと受け止めておきます。 あとは、そのガイドラインもお示しすることも考えているというふうにおっしゃいました。是非、やっぱり地方が迷わないように、困惑しないように、そこは政府としてもきちんとやっぱり手当てをしてほしいんですね。方針を示してあげてほしいと思います。 次に移りたいんですが、次は、先ほど申し上げた財政措置の話です。 この財政措置については、今財務省との交渉途中だとは思いますけれども、この農地中間管理事業の六百五十五億円、それから関連予算は一千三十九億円ですか、それを今予算要求しているところだというふうに伺っておりますけれども、私は、この予算で本当に足りるのかどうか、これが非常に心配なんです。 先ほど言ったように、地方に法定受託として仕事をお願いする、協力してやってもらう。地方が一生懸命やってもらわなきゃいけないんです。そのときに、例えば超過負担が発生します、あるいは地方負担があります、こういうことになってくると、非常にやっぱりこれはブレーキが掛かると思うんですね。 だから、そういうところで、今財務省との折衝途中だと思いますけれども、こういった超過負担の問題あるいは地方負担の問題、こういうことについて、ないようにしていただきたいんです。まず、その点についてお考えをお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) 御指摘の点、よく理解をさせていただいております。 まず、機構でありますけれども、リース方式を取っておりますので、この機構の業務が軌道に乗って十年掛けて構造改革の成果が上がっていくことになりますれば、機構が借り受ける際の賃料と機構が貸し付ける際の賃料がバランスして、ほとんど財政負担は要しないものと考えておりますけれども、この十年間におきましては、この機構の成果を上げるためにも相当の財政支援が必要であると考えております。 なお、先ほどから大臣の御答弁にもありましたように、この農地中間管理機構に対する予算として、平成二十六年度概算要求では六百五十五億円を要求をしているところでもありまして、この地方負担につきましては、機構が十全にワークし、十年間で構造改革の成果が確実に上がるようにするため、国の財政支援は必要ではもちろんございます。ですけれども、一方で各県の機構が効率性も考えて活動し、モラルハザードが生じないようにすることも重要であると考えてもおります。 この両方を踏まえながら、予算編成プロセスの中でよく調整していくことといたしておりますけれども、衆議院での附帯決議も踏まえまして、地方負担につきましてはなるべく少なくなるようにしていきたいと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。今、なるべくというようなお話がありましたけれども、極力、是非これはお願いしたい。 私、これまで五つの地方自治体に勤務してまいりました。その自治体ごとに予算を担当してまいりました。予算編成の責任者にとっては本当に頭痛いところなんです。しかも、これは必ずしも地方からお願いしたような事業ではなくて、法定受託事務として国から地方にお願いしているんですよ。 そういう状況の中で、もうどうやってその決められた一般財源の枠の中に、地方の予算編成者は、押し込めようか押し込めようかってもう悩んでいるところに、超過負担あります、地方負担あります、やってくださいと。これはなかなか、じゃ、もうそんな事業は、まあ半分にしましょうかとか、あるいは、まあちょっと申し訳程度に、十やらないかぬところを一にしておきましょうかとか、極端なケースはですよ、もうちょっと来年お休みしておいてくださいと、様子見ましょうということにもなりかねないんですよ。これ、実は地方の実態なんです。だから、是非この辺はよく踏まえていただいて、極力お願いしたいと思います。 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、あと何点か指摘をさせていただいた上で、もう一つお伺いしたいんですが。 今言った予算措置の観点からいくと、その機構の農地借入賃料、これは何年間措置されるのか、ちょっと不明確なんです。先月十九日のこれは江藤副大臣の答弁だったかと思いますが、機構が農地を預かる期間のめどについて、まだ明確なところは用意しておりませんということでした。 ただ、これ何年間措置してもらえるかが分からないと、やっぱり地方も安心して駆り集めに走れないと思うんですね。だから、これはやっぱりめどを示してもらうということが大切だと思っていますのと、それと、あと塩漬け農地の解消のための解除です。解除したときに、それは一定の場合には損害が発生してくることも考えられると思うんです。 まあ機構の一方的な都合で返すということになりますから、そういったときにその損害に対しての予算措置というのがあるのかどうかというのは、これは分からないんですね。その予算措置もないと、それはもう勝手にやってください、地方でやってくださいというのであれば、これはやっぱり機構はその契約解除をするのにちゅうちょするんじゃないでしょうか。そういった問題もあって、結局は農地が滞留していくということになりかねない。だから、そういったところも是非手当てをしっかり見てほしいと思うんです。 そして、一つ聞きたいのは、これは閣法一五号関係、農地法の問題になるんですけれども、知事の裁定によって設定される利用権についての問題であります。 これは、今回、知事の利用権を設定しやすくするような簡素化というのは図られているんですけれども、実はせっかく苦労して利用権を設定しても、僅かこれ五年なんですね。この五年という期間は今回も手が付いておりません。この僅か五年、これ農水省自身がアンケート調査をやっておられます、これは平成十八年にやっておられるんですけれども。そのときに担い手が希望する賃貸期間というのがありまして、これは十年以上が三分の一を占めているんですね、十年以上が三分の一です。そして、六年以上も含めると、これは七割以上がやっぱり長い貸付期間を希望しているわけです。 受け手の側に立ってみたら、やっぱり五年しか保障されていない利用権では、これは本当手が挙がるのかどうか、せっかく苦労して利用権を設定しても。これは非常に疑問に思っております。今後五年間の経過を見てということでまた見直しのチャンスもあるものですから、この点については是非真剣に考えていただきたいと思うんですが、お考えを伺えたらと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農地の中間管理機構がこの出し手あるいは受け手との間で双方の合意に基づいて契約を結ぶ場合には、これはもう何年でも構いません、二十年でも五十年でもリース契約を結ぶことができます。 ですが、今御指摘がございましたのは、例えば耕作放棄地になっているときに、ここを強制的に利用権を設定をして、都道府県知事の裁定で利用権を設定すると、こういうケースでございます。この場合には、当事者の意思に反する形で利用権の設定をしておりますので、これにつきましては、その間処分が制限されるということになりますから、その期間についても必要最小限にする必要があるというふうに考えております。 このために、民法上、短期の賃貸借という制度がございまして、これにつきましては五年が限度ということになっておりますので、これとの関係でこの知事の裁定による利用権の設定については現在五年という法制度を取っていると、こういうことでございます。
○委員長(野村哲郎君) 古賀友一郎君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○古賀友一郎君 はい。 ありがとうございます。是非、これは真剣に考えていただきたいと思うんです。 これで質問を閉じたいと思いますけれども、最後に一言だけ、前回私の質問で申し上げた諫干の開門問題についてであります。 これは通告はしていないので、一言最後に申し上げておきたいと思いますけれども、諫干事業というのはやはり地元のために農水省がやってくれた事業です。私はもうこれ以上地元を苦しめてほしくない、そういう気持ちでいっぱいであります。今御検討いただいていると思いますけれども、どうか善処をしていただきますようにお願い申し上げます。 また、近く開門反対派の弁護団の方々が林大臣に緊急要請を行うという話も聞いております。いろんな彼らも知恵を持っているようでございます。是非、その声に耳を傾けていただきたい、このように思いまして、そのことを切にお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 この際、申し上げます。 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。 休憩前に引き続き、農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○儀間光男君 皆さん、こんにちは。維新の会の儀間でございます。 質問をさせていただく前に、皆さんに御礼をしたいと思います。従来だとしんがりの質問者でありますが、私の都合があって、委員長、筆頭理事、メンバーの皆さんから快くお許しを得て、先に午後一番に質問の機会を与えられました。心から感謝を申し上げたいと存じます。誠にもってありがとうございました。 それでは、質問していきたいと思います。 まず、私は、本案は、人・農地プラン、あるいは農地の集積や集約など、管理機構を通して土地が有効かつ効率的に利用促進されることなど、時代にマッチした実に良い法案だと思っております。ただ、どんなに良い法案でも、地域末端へ参りますというと、あちらこちら不安材料を抱くのもまた理の当然であります。それには、政府が地方自治体を通じて現場まで丁寧な説明が必要と思っておりますので、そのことを先に求めたいと思います。 そこで、私は、法案の中から、再生可能エネルギー発電の促進に関する法律案について、その趣旨を、農漁村において農漁村の健全な発展と調和の取れた再生可能エネルギー電気の発電を促進するための措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギー供給源の多様化に資するための制度を創立するから順次触れていきたいと思います。 また、この件については、先般の機会の質疑においてもお尋ねをいたしましたが、いま少し納得がいかないのと、また聞き不足があったことから、ここで改めてお伺いをしたいと存じます。答弁重複するかも分かりませんが、お願いしたいと思います。 この基本理念、これが言わんとするところはよく理解するのでありますが、うっかりするというと、農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進は直接的に農山漁村に供給されるように思われがちだと思うんですね。決してそうではないのに、土地や水域を提供したらひょっとすると自分たちはその恩恵で直接安い電気料金で電力を供給されるんではないかというようなことに誤解がいきがちだと思っております。それは決してそうではなく、休耕農林地や漁港及びその周辺の水域で発電された電気エネルギーは、地域の電力会社に売電され、そして電力会社はそれを買電し、地域農村漁村に特別料金で配電されるのではなく、一般の消費者に配電されるのであります。例えば、自らの施設や住宅やハウス園芸者の屋上などに設置して、あるいはJAの施設等で発電される電力は、電力に売電されるんですが、直接自ら消費者として使用できるという大きなメリットがあるわけであります。 しかし、この法律の示す趣旨や理念の説明からは、農林漁業者に誤解を与えかねない、その心配があることから、さきにも申しましたが、親切かつ丁寧な説明が必要であると思います。このことは、地域、地方に対する丁寧な説明については、午前中の古賀委員からも地方出身、経験者として指摘がありましたが、まさにそのとおりでありまして、それに対する所見を伺いたいと存じます。
○政府参考人(山下正行君) 農山漁村再生可能エネルギー法を成立させていただきましたけれども、それについてのお尋ねでございますが、これから施行に向けまして国の基本方針なりの準備をさせていただきますけれども、今後、地域地域にその法律の趣旨を浸透させて、丁寧な説明に努めてまいりたいと思っています。
○儀間光男君 是非そうしていただきたいんですが、本当、法案が出て各市訪ねてみたら、まことしやかに誤解があるんですよ。きっとそういうものを提案していけば、自分たちはその配電の恩恵にあずかるんじゃないのかと、土地を提供し水域を提供するとね。そういう誤解している部分もかなりの地域であるんですね。ですから、先ほどから言っていますように、これについては都道府県、市町村を通じて、地域まで行って丁寧な法律の説明が必要であろう、そういうふうなことが地域を回って感ずることでありますから、是非ともそうしていただきたいと、こういうふうに思います。 次に、再生エネルギー発電の促進に関する計画についてお尋ねいたしますが、このことについてはさきの委員会においてもお尋ねをいたしました。その際には、時間などの都合もあって要領を得なくて時間超過してしまって、質疑応答がうまくマッチングしなかったというふうに思っております。そのことから、いま一度質問したいと思っております。 私が心配というか気にしているのは、農林地域及び漁港並びに周辺水域が、エネルギー発電を希望する設備者、つまり業者がその設備整備計画を作成し、市町村協議会に提出をいたします。これは順序のとおりですね。そして、協議会がそれを協議するのでありますが、その際に各市町村の協議会によって、ちょっと何ていうんでしょう、偏った対応がされてくるんではないだろうかというような心配がされます。 これも前回のときの政府答弁はいただきまして、基準やガイドラインを策定するから、しっかり定めるからその心配には及びませんということでありました。それはそれでいいのでありますが、気になることは、私自身、長く行政経験をしてまいりました。長を務めてまいりましたが、地方行政は条例でもって行いますから、法律の基本法は出てこないんですね。条例で皆行っていきますし、法律は条例の向こうに隠れて、日ごろは市町村ではよく接することはできないですよ。 そういうことから、経験上、その協議会の市町村長であったりあるいは協議会の長であったり、これも前にも聞いたんですが、その人の行政に対する姿勢の在り方で対応が違ってくると思うんですね。例えば、積極的に行政を展開する首長なら、もう間髪を入れず全ての手続を整えて認可、許可になっていきます。ところが、そうでない首長においては、まあ時の推移を見ながらぼちぼちやろうかという方も出てくると思うんですね。あるいは、もっとのんびりした人は押っ取り刀で、この前も言ったんですが、ケセラセラ、なるようになろうよと。したがって、ゆっくりこれは協議していきたいということになりかねない。このようなことで運営されていきますというと、各市町村、各協議体で、それぞれの対応でもって時間的な差あるいは許認可の基準の使い方、そういうものが違ってくるんですね。法律には多くのというか、関連する法律があります。その法律を使いながら許認可協議をするわけですから、その長が法律の運営というか運用というか、そういうものによって大きな差異が出てくる。その折には、きっとどこかに無駄というか損失というか、そういうものが生じてくるはずであります。 そういうことのないように、微妙に変化する許認可の協議会、これにそういうことのないようにタイムリミットを付けていく必要があるんではないか。例えば、基本計画が提出されて審議始まるんですが、その前の予備審査があるかどうか法律からは見えませんけれど、そういうものを経て、何十日以内には合理的に許可申請が下りるというような基準値を厳しく設けていかないというと、それぞれの市町村、団体で時間的差異が出てはちょっと困るんではないだろうかというようなことでございます。 あの町ではスムースに迅速に処理して許認可が下りたけど、認定がされたけど、この村に至ってはなかなか審議が進まない。はたまたこの市に至ってはいまだ審議のテーブルにものっていないというような地域でのばらばらな対応があっては余りよろしくないことから、是非とも、ここは厳しい基準というか、こういうものを設けて、例えば一か月なら一か月、予備審査から、受付から一か月なら一か月、四十日なら四十日で許可申請に至るように、あるいはその否決に至るようにというようなことが指導なされていいと思うんでありますが、それについての御見解を賜りたいと存じます。
○政府参考人(山下正行君) 実際のこの法律の運用の話だと思います。 まず先生お尋ねの協議会でございますけれども、協議会は基本計画を作成しようとする市町村、それから再生可能エネルギー発電設備の整備を行おうとする者、それから関係農林漁業者及びその組織する団体、関係住民、学識経験者その他市町村が必要と認める者をもって構成をすることになります。ですから、具体的には市町村が決定することになるとされておりますが、また、その協議会におきましては基本計画の作成及びその実施に関し必要な事項について協議をするということとされておりまして、具体的にそこで何を協議するべきかについては国が基本方針等において示すことにしております。 あわせまして、その基本方針におきましては、基本計画の規定事項について具体的に協議を行える知見を有する者を構成員とするよう規定する予定でございまして、こういった対応を行うことによって、市町村によって基本計画の作成、実施に関する協議の結論に著しい差異が生じることがないようにしてまいりたいと思っております。 先生お尋ねの、例えば期限のお話ございましたけれども、今後のその運用をいかにしていくかということでございますので、しっかりとこの法律が適切に運用できるように対応していきたいと思っています。
○儀間光男君 ありがとうございました。 実際問題として、現場でおると、ここで言うほど楽じゃないんですよ。ここで指導するほど現場でストレートに通じていないことの方が多いんですね。実際おってそれに対応するんですが、協議会のありようは今おっしゃるとおりそれぞれ基準がありますから、それに沿って協議会がつくられていくんですが、私が心配するのは、それの長たる人、あるいは市町村の首長が協議会の会長に就任するのかどうか分かりませんが、そういうケースがあったときに、協議会をリードする人によって物事が変節してくる、変わってくることだって、たまたまどころか間々あることなんですね。これは市町村において、地方自治体においてよく見ることなんです。 したがって、なかなか進まない。こういう許認可が、認定やあるいは同意がなかなかこの場合進まない市町村があるとすると、進まない方の市町村民の不満というか不平というか、こういうものはマグマみたいに募っていくんですね。これが行政に対する、地域行政に対する不信を招くことだっていっぱいあるんです。 だから、せっかくのいい法律が、地域行って地域民から、市町村民から不信を抱かれたりしては元も子もないことでありますから、それを最大の手配、配慮をしていただいて、地方でもスムースに、申請が出たらほぼ同時に受け取る側が出せるというような、それは事務量の違いはあると思います、あるいは大きい町、小さい村でもって申請の量も違ってまいりますから、いろいろ内部の事情はあったにしても、受付から何日程度ではきちんと出るという仕組みを常態化するようにしておかないというと、市町村の対応によっては大変な差異が生ずるということでありますから、是非ともそれに対する御配慮を賜りたいと存じます。いい法律でありますから、国民が全て理解して、なるほどいい法律だったと言われるような対応をしていただきたいと、そういうふうに思います。 さて、次、質問を変えてまいりますが、これも前に質問したんでありますが、時間との都合でとうとう答弁はいただけませんでした。TPPと甘味資源、サトウキビについてでありましたが、関連してお尋ねをしていきたいと思いますけれど、今TPPがどの辺へ来てどういう状況になっているかよく分かりませんが、年いっぱいで決着を見るという目標、努力が立てられて、それでやっていると思うんです。五品目は守るんだというようなこと等もあったのでありますが、その後どういう状況になっているかよく分かりません。 ただ、二、三日前の新聞報道によると、まだ五品目は堅持するんだという姿勢で貫いているようでありますから推移を見たいのでありますけれども、私がここで申し上げるのは、ただいま申し上げたように、この五品目の中に国の甘味資源の保護があるわけであります。甘味資源といえば、私はすぐサトウキビのことを言うんでありますが、北海道にビート砂糖がありますけれど、私が言うのは沖縄、奄美地方で生産される砂糖甘味資源で、黒砂糖の甘味資源であります。この地域ではこの作物はまさに換金作物であり、しかも亜熱帯という特有な気候条件を持つ地であることから、あるいはまた島嶼という小さな島から構成されておりますから、絶対的な耕地面積の狭さ、しかもさっき言ったように亜熱帯ですから、作物が限定的であるというハンディーもございます。 そういうことからしますというと、奄美や沖縄地方においてサトウキビ、つまり甘味資源がTPPで守られていくことは絶対に必要な条件なんですね。そういう意味で、これについての大臣の心意気というか、あるいはTPPに、このことについて向かっていく心意気というか、こういうものをお聞かせいただければ有り難いと、こういうふうに思います。
○国務大臣(林芳正君) 今、儀間先生からお話がありましたように、サトウキビは大変戦略的な作物であろうと、こういうふうに思っております。台風が常襲的にやってくる沖縄や鹿児島県の南西諸島においては、このサトウキビというのはほかの作物に代替することができない非常に大事な基幹作物であると、こういうことでございます。 さらに、サトウキビ生産によって、これら地域の農業者の皆さんの収入、これが下支えをされておられるということでございますし、それから、よく煙突に書いてある文言ございます。「さとうきびは島を守り、島は国土を守る」と、こういうことが言われておりますが、海洋国家日本の最前線に位置する離島地域では、製糖工場とともに地域の雇用、経済をこのサトウキビが支え、重要な役割を果たしている、そういう意味で戦略的な作物でございます。 TPP交渉においては、この農林水産委員会で御決議いただいたことを踏まえてやっていくというのはもちろん、繰り返し申し上げていることですが、TPP交渉いかんにかかわらず、このサトウキビ農業の体質を強化する、それから製糖工場の操業による地域の雇用を確保する、こういうことに全力を挙げて取り組むことが大変重要であると、こういうふうに考えております。
○儀間光男君 ありがとうございます。 沖縄における農業生産物から上がる金額でございますが、農業全体によって約九百三十億程度なんですね。微々たるものです、全体からすると。そのうちのおよそ二五%が工芸作物、つまりサトウキビと葉たばこでございます。その二つで二百三十億程度ですから、全体の二五%強ということになるわけであります。 でも、それが農家においては、なりわい業者の農家においてはこれが一〇〇%でありますから、非常に大事な収入なんですね。これがないというと即、生きていけない。あるいは、どこかに転職していくにも限界があるというようなこと等からしますと、九百三十億程度の中の二五・五%強、二百三十四、五億でありますけれど、それでも農家にとっては大変な収入である、生活の糧である、子弟を教育する資金でもあるというようなこと等からすると、奄美、沖縄のサトウキビ農家にとっては本当に死活な問題がありますから、これからも国内甘味資源の資源生産農家として見ていただきたいなと、こういうふうに思っております。 ちなみに、TPPで保護するという畜産の肉類でありますが、沖縄でも畜産はかなり活発になって、畜産から上がる収入は三百七十億ぐらいあります。これは九百三十数億の中の約四〇%になるわけでございますから、これもひとつ、TPPで聖域とする品目の中に入っていることから、是非とも頑張っていただいて守っていただきたいと、こういうことをお願いをし、最後の質問といたしますが、どうぞお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今、沖縄の農業について、よくサトウキビのことが挙がりますが、委員からは畜産についても九百三十億のうち四〇%を占めるということがございました。先ほど申し上げましたように、この五品目の中に牛肉・豚肉といった畜産のものが入っているわけでございますので、そこも含めて、この決議を踏まえてしっかりとやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○儀間光男君 どうぞお願いを申し上げたいと思います。 それから、そのほかに、通告はしてあるんですが、時間が迫っておって質問の途中で腰を折られそうですからもう終わります、また次に回したいと思いますが、答弁を準備した皆さんがおられるとすると、感謝を申し上げて、今回は質問なしといたします。 どうもありがとうございました。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。 本日は、農地中間管理機構二法案の質疑ということで、法律案そのものと関連について質問させていただきたいと思います。 この二法案なんですけれども、農地の在り方を今回根本的に変えていこうということで、実は我が党も法案については一定の評価をしております。ただ、機構による農地改革の転換が減反見直しという政策の方向性と一致しているのかどうか、これは少し確認していかなければいけないかなと。予算も非常に大きいものであります。機構本体で一千億円、それから関連する公共事業が五百億ということで、約一千五百億という巨額の費用が本当に有効に使われるのかどうか、幾つか疑問点があります。 そういった意味で質疑させていただきますが、まず一点目でありますけれども、法案の政策目標についてですが、この法案は、十年後に担い手が利用する農地面積を全農地の八割と、現行五割だということですが、八割に拡大するというところにあると伺っております。 そこで、お伺いしたいんですけれども、現在の担い手の数、それから農地面積、担い手が利用する耕地面積はどうなっているのか、教えてください。
○大臣政務官(横山信一君) 現在の我が国の農業構造を見ますと、これまでの農地流動化の結果として、認定農業者や集落営農を含めたいわゆる担い手の利用面積は農地面積全体の約五割、今御指摘のあったとおりでございます。このようにかなりの変化が見られておりますが、農業の生産性を高め、成長産業としていくためには、担い手への農地集積や担い手ごとの農地の集約化を更に加速化していく必要があるというふうに考えております。 このため、農地集約化を進める画期的な手法として、都道府県段階に公的な機関として農地中間管理機構を整備し、このスキームを通じて、農地集積については今後十年間で担い手の農地利用が全農地の八割を占める農業構造を実現したいと考えております。 現在の担い手の農地利用に関するデータとしましては、平成二十二年のデータでございますが、担い手の数は約二十七万経営体。このうち認定農業者は二十五万経営体を占めております。全農地面積は四百五十九万ヘクタール。そして、全農地面積のうち担い手が利用する面積は二百二十六万ヘクタールとなっているところでございます。全農地に占める担い手が利用している農地面積は、したがいまして、約五割、正確には四九・一%となっているところでございます。
○山田太郎君 それでは、この政策目標である十年後の姿なんですが、同じように十年後の担い手の数、全農地の面積、担い手が利用する農地面積、簡潔に数字だけで結構ですので、教えていただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今、横山政務官から答弁いたしましたように、現在の担い手利用面積が二百二十六万ヘクタール、農地面積の約五割でございます。これを五割から八割まで十年間で引き上げるということでございますので、農地面積四百五十四万ヘクタールを前提とすれば、その八割に当たる三百六十三万ヘクタール、これを担い手が利用すると、こういうことになるわけでございます。 国全体としてこの目標を定めているわけでございますが、これに対応する担い手の経営体数の目標については定めていないわけでございます。これは、担い手の数は担い手の経営内容によっても変わってくるものでございまして、担い手の創意工夫で自由に経営発展してもらうことを期待していることによるものでもあるということでございます。
○山田太郎君 巨額のお金を使うわけなので、農業の新規就農者の数、それに伴う経営体の数、担い手の数というのは、できれば想定をしながら政策を立てていただきたいとも思っています。 今、御答弁の中で、多分、どれぐらいの農地が増えて、もしかしたら一部の農地は消失するだろうと、こういうことも考えられるんですが、そのいわゆる十年後のプラマイの数字があれば是非教えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 農地については、基本計画上、これまでの趨勢が今後も継続した場合は平成三十二年時点で四百二十六万ヘクタールになっていくわけですが、耕作放棄地の発生を抑制する、また荒廃した耕作放棄地の再生、優良農地の転用の抑制等の施策を行うことによって、四百六十一万ヘクタールを確保したいと、こうしておるところでありまして、機構はこの問題解決に大きな役割を果たしていくものと考えております。
○山田太郎君 是非、重要な政策目標ですので、しっかりその数字を公表していただいてもらいたいと思っています。 次に、減反政策の見直しと農地管理機構の関係について質疑を進めていきたいと思います。 先日、農水省が進める減反政策、生産調整ですね、の見直しについてヒアリングをさせていただきました。米生産に競争原理を持ち込むことで意欲ある農家が経営規模を拡大していくのが目的だと、こういうふうに認識しておるわけですけれども、実は減反ではなくて見直しだと。どう見直すかというと、米の生産調整はやめるけれども、補助金はメニューを変えて従来どおりお金は配るんだと、こういう内容になっているんではないかというふうに危惧しております。農家の自立を図るという、競争原理を働かせると期待していたんですけれども、補助金とセットということではこの当初の目標が本当に効果を導くのかどうか、これは非常に疑問も残るところだというふうに思っております。 お手元の配付資料をちょっと見ていただきたいんですけれども、減反の見直しというのは、現状においては来年度の概算要求で今年の米関係補助金と同じ七千六百五十四億円が要求されているということでありまして、いろいろ制度を見直すのでメニューが変わったりとかある程度予算が抑制されていくのかなと思ったら、全く同額の金額が概算要求されているということであります。まさに減反、生産調整の見直しでもって、海外から今後入ってくるかもしれない農作物に負けない競争力を強化するというのがもう一つの政策目標だったのかなと思いますけれども、この補助金が温存されたままではやはり生産性の低い農業が維持されているということも危惧するということであります。 片や、本日の農地中間管理機構は、農地を集約しまして生産性を高めていく、農家の競争力を高めていこうということでありますが、今申し上げたように、生産性を高めるというところと補助金でもって温存するということは政策の方向性が矛盾しているんではないかと。むしろ政策効果が相殺し合って予算の無駄遣いになりかねないんではないかと、こんな危惧をしているんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今回の経営所得安定対策の見直しでございますが、まず、米の直接支払交付金、いわゆる一万五千円の交付金でございますけれども、これは小規模農家を含めた全ての農家を対象にしておるために、やはり集積していくという構造改革と矛盾しているということで、まず半減した上で平成三十年から廃止するということにいたしたわけでございます。 その上で、予算の総額のお話がございましたが、これは与党自民党の公約にも掲げておったように、振替拡充をしていくと、こういうことでございまして、この直接支払交付金、構造改革と矛盾しているものをやめた上で多面的機能支払を創設していくということをまずうたっております。これは、共同活動を通じて、水路、農道等の管理を地域で支え、担い手へ農地集積をしやすくしていく、共同活動を通じてですね、こういう構造政策を後押しするというふうに考えております。 また、水田活用の方の直接支払交付金ですが、これは餌米等に数量払いの導入などをすることによって、主食用米と実は作期がずれていくということで機械をずれた作期で有効に使うことができる。労働力もそうなんでございますが、こういうことによって経営の効率化が期待され、結果として規模拡大や農地集積が進んでいくものと、こういうふうに考えておりまして、そういう意味で今般のこの経営所得安定対策等の見直しは構造改革と整合性の取れたものであると、こういうふうに考えておるところでございます。
○山田太郎君 今の指摘の中で、結局また公共事業にばらまきという形でお金が渡る構造なんではないか、あるいは、飼料用作物といってもやはりトウモロコシ等に比べて米がまだ高いということになればその差額を埋め続けるという矛盾も抱える中で、本当にこれが有効に機能するかというのはもう少し練らないと難しいのではないかなというような感想、感覚を持っております。 さて、もう一つ、農水省は、今回の経営所得安定対策見直し後の農村シミュレーションみたいなところで、減反の見直しで農家の所得が一三%増えると、こんな試算も公表されています。減反の見直しをすると主食用の米の生産は減るという前提を置いておりますが、主食用の米の生産は減るけれども米の価格は変わらないというようなシミュレーションを置いているようです。 そこで、ちょっと疑問が湧くわけでありますが、作付面積が減るということになっておりますと、単位当たりで十・五ヘクタールから九・四ヘクタールになるということであります。そうなると、実際には、米のいわゆる生産高は減るわけでありますから米の価格は逆に高くなるのではないかと、こういうふうに思っております。減反を見直したら米の価格が高くなるというと世間の評判が悪くなるというので、意図的に価格は変化しないというような前提を持ってシミュレーションをされたのではないかと少しうがった見方もしておりますが、大臣としてはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この大前提に、米政策、特に主食用の米の需要の減少ということがございます。大体の過去のトレンドからいくと、大体毎年八万トンずつ需要が減少していると。こういうことでございますので、今回の改革はこの需要に応じて生産を進めていくということを一つの大きな柱にしておりまして、このお示ししたイメージ、シミュレーションにおいても主食用米の生産が需要を大きく下回って米価が上昇するということは想定をしておらないわけでございまして、そういった意味で、需要に応じた、需要が残念ながら下がっていくわけですので、それに応じた生産を進めることで米価が変わらないと、こういうふうに試算をしておるところでございます。
○山田太郎君 それでは、米関係の需要が減るということであれば、米関係の来年度以降の予算は概算要求よりも減額していくというのも一つの姿ではないかと、見直していく必要があるのではないかと思いますが、この点もいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 需要に応じて生産をしていただくことをやっていくということでございますが、委員がどの予算を減らしていくというふうにおっしゃっておられるのか必ずしもちゃんと理解しておるかどうか分かりませんが、この中間管理機構については分散錯圃の解消を通じて生産コストの低減を図ろうと、こういうことでやっております。 米政策の見直しは、先ほど申し上げたように、水田をフル活用していこうということで、餌米ですとか、麦、大豆、こういうものを本作化していこうということで、大変大事な構造政策を後押しするための政策でございます。 また、それと、先ほど申し上げたように、多面的機能の維持発展、これは担い手に集めていくわけですから、担い手が集中してその生産に取り組めるように、水路、農道等の作業の管理負担が担い手へ集中することを防ぐということでございまして、いずれもこの構造政策を後押しするように設計をしておりますので、必要額を確保していきたいと思っております。
○山田太郎君 今回の農地中間管理機構の見直し、本当に農政政策を大きく見直すと。もちろん見直すこと自身はいいんですが、また猫の目農政のように、やってみたらうまくいかなかったということでは一番苦しむのは現場でありますので、しっかりしたところですね、特に減反その他との整合性、あとこれからお話しする農地ですね、農地法との絡みについてもきちっと議論していくということを是非お願いしていきたいというふうに思っております。 さて、ちょっと時間もなくなってきましたので、次の農地政策について話を進めていきたいと思います。 資料をちょっと見ながらいきたいと思いますが、農地違反転用事例の推移というところでございます。まず、平成二十一年に、この資料を見ていただきますと、農地の違反転用に関する罰則を強化されたということで、その後の農地転用の実態を調べていただいたんですけれども、このとおりかどうかということをまず確認したいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 平成二十一年に農地法を改正いたしまして、お示しいただいたとおりでございまして、農地転用規制を強化するとともに、違反転用の場合の罰金を法人については三百万円以下から一億円以下に引き上げ、罰則を強化をいたしました。その結果、違反転用事案の件数は、改正前の平成二十年に八千百九十七件だったものが平成二十三年には六千七百九十件へと減少しております。
○山田太郎君 二十一年の農地法改正によって罰則が強化されたということで、その件数は一旦は止まったんですが、その後微増しているということであります。 そこで、お伺いしたいんですけれども、そもそもこの農地違反転用の事案の原因というんですかね、は何だというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 都道府県に対してこの違反転用事案の原因について詳細な聞き取りを行っているということではないんでございますが、この農地転用許可基準に適合しているんですけれども、所有者等の関係者が転用許可についての知識が不十分で手続上のミスがあったというのがほとんどを占められると、こういうふうに見られておりまして、その後、手続上のミスを是正した上で追認的に許可が行われると、こういうふうになっております。 他方、こうした手続上のミスにとどまらない事案として都道府県知事が勧告等を行った件数は、平成二十三年で五十四件というふうになっておりまして、これらについては原状回復に向けて適切に対応していく必要があると、こういうふうに考えております。
○山田太郎君 これは、制度としても違反は違反なわけでありますから、本来、多分、警察であれば一件一件調書を取って調べるような事案にもなりかねないということだと思っています。 そういった意味で、今後、この辺りしっかり内容を、どういったことがあるのか、こういったことでせっかく中間管理機構をつくって農地を増やしても、違反転用でもって農地が減ってしまうのでは何の意味もないというふうにも思っておりますので、お願いしたいと思います。 それで、最近の三年間で特にその違反転用がちょっと増えてきています。違反転用されても追認許可がされてしまうのではないかと。一応、追認許可されたものに関しても資料を作っていただいたんですが、例えば、平成二十一年で八八%、二十二年も同じであります、二十三年で八九%ということでありますが、まず、この資料、間違いがないか確認したいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今おっしゃっていただいたように、平成二十年、二十一年、二十二年が割合で八八%、二十三年が八九%と、こういうことになっております。
○山田太郎君 まさにその九割が追認されているということ、制度の不理解であったというような話もあったんですが、それは本当かどうかと、それに問題がないのかと。 そもそも、農地、私の実は実家の方も農地を持っておりまして、農地を販売するには農業委員会の許可が要ることぐらい知っているわけでありますし、登記というものもあるわけでありますから、そんなにその仕組みを知らなかったということで八割の人たちがいわゆる追認許可を受けるのかどうかということなんですけれども、もうちょっとこの辺りについて御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっと申し上げましたように、この手続等の是正指導を行った後に追認的に許可を行ったものが約九割でございますが、先ほど申し上げたように、やはりどうしても関係者がこの転用許可についての知識が不十分で手続上のミスがあったと、こういうことでございます。 そうでない場合については、原状回復に向けて適切に対応していく必要があるんですが、今委員がおっしゃるように、転用許可についてこの手続面の知識が不十分であるということで、これでいいということにはならないと、こういうふうに思いますので、やはり適切な制度運用を図る上で、きちっと周知を図って、こういうような事案、すなわち知識が足りなかったために手続上のミスがあった、こういうような事案が減少するように努めてまいらなければいけないと思っております。
○山田太郎君 もう一つ、そういう意味では農業委員会の存在があるわけでありまして、まさに農業委員会は農地の番人ということでもあります。 そこで、農業委員会の担当者それから都道府県の担当者はどれぐらい人数がいて、違反転用の指導や是正に実際当たっているのかどうか、また、そうした職員の活動経費などは国費ではどれぐらいを見ているのか、その辺についても御答弁いただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) 農業委員会は地域の農地をパトロールする業務を行っております。その際に、違反転用事案を発見した場合には調査を行い、違反者等に対し指導を行っております。さらに、都道府県知事に対して、これらの報告を行っております。 農業委員会は、この農地パトロールを始め農地法に基づく権利移動許可などの業務を行っておりますが、平成二十三年で、全国の千七百十三農業委員会の農業委員の総数は三万六千三十四人となっているところでございます。また、農業委員会に対する交付金等といたしまして、平成二十五年度では約六十七億円を予算措置しているところでございます。
○山田太郎君 かなり多くの農業委員が全国にいるわけであります。 違反転用に対する指導の状況というのをどういうふうに把握されているのかということで、先ほど少し大臣の方からも話がありましたが、私どもに農水省からいただいた報告ですと、平成二十一年、違反転用六千四百八十五件のうち原状回復がゼロ、平成二十二年は違反転用六千五百十九件のうち原状回復が十五件、平成二十三年は六千七百九十件のうち原状回復が十二件という、考えてみれば数が少ないような感じがいたしますが、この辺りも、大臣としてはどのような御感想をお持ちだか御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話がありましたように農業委員会もこのパトロールをやると、こういうことでございまして、農業委員会におかれては、やはり地域の農地について熟知をしておられますから、しっかりとこの所有者等から事実関係の調査を行うとか、違反が是正されるように所有者等に指導を行う、都道府県知事に対して報告を行うと、こういうプロセスはあるわけでございますので、運用をきっちりとしていくということと、やっぱり何よりも、先ほど申し上げた元々のところの違反事例を少なくするとともに、そこが少なくなっていけば本当に実態的に違反になっているというところに更にこのリソースを割けるということになっていくと、こういうふうに思っておりますので、やはりきっちりとした運用をやっていかなければいけないと思っております。
○山田太郎君 今回、違反転用の実態は私どもの事務所が要求したことによって明らかになった部分があるんですが、是非、第一歩としては、今後、毎年違反転用の状況をきちっと集計して発表すると。また、その理由が何なのかということを是非農水省さんとしても把握して発表していくということをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘だと、こういうふうに思っております。やはり違反転用の発生防止それから是正を図っていく上で、全国的な状況を把握するための調査、これは非常に重要だというふうに考えておりますので、今後、調査方法等の在り方とともに、毎年調査結果を公表することについて検討してまいりたいと思います。
○山田太郎君 ありがとうございました。 是非、この違反転用の事案をやっぱり減らしていかないと、一方で農地を集積してつくっても、一方では転用されて農地が減ってしまうということになりかねませんので、是非よろしくお願いしたいと思っております。 さて、その農地集積に当たっては、もう一つ、地籍調査というものも重要だというふうに思っております。実際、今、いろんな農地が誰のものだか分からなくなっていたりとか、きちっと地籍調査が把握されていないというケースも散見されます。今回の管理機構の中でもその地籍調査に関して分析するというようなあれも入っているようですけれども、実際、この辺りについて今後どのようにされていくのか、どんな把握をされているのか、御答弁いただければと思っております。
○副大臣(吉川貴盛君) 農地のまず台帳につきましてお答え申し上げますけれども、農業委員会の業務の執行に関する基礎的な資料として整備をしているものでありまして、もう委員御承知のとおりであろうかと思いますが、農地の所有者それから借受け者の氏名、住所等が記載されております。さらに、農地の所在、地番、地目、地籍、そして賃借権等の設定状況等が記載をされているところでございます。 今、九割の農業委員会におきましてはこれについて電算処理システムを導入しておりまして、またさらに四割の農業委員会におきましては電子地図情報システムも導入をしているところでもございます。電子地図情報システムまで整備できるとなりますと、耕作者別の経営農地を色分けで示したり、あるいはまた、耕作放棄地を色分けで示したりすることができるようになります。 農地利用の効率化及び高度化等を進めるための地域での話合いを円滑に進めていくためにも役立つと考えられておりまして、このために今回農地台帳を法定化をしまして、地図システムを含めて公表するとしているところでございます。
○山田太郎君 もう一つ質問をしたかったのは、現状なんですね。現状、今そういった把握に努めるということで、電算化は結構なことでありますが、現実的に農地は今きちっと地籍調査としてどれぐらいが済んでいるのか、どれぐらいがまだいわゆる所有者等不明な状態になっているのか、その辺り、是非数字があったら教えていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) 数字で示してほしいということでありましたが、農地の地籍調査の七割まで分かっているということであります。
○山田太郎君 今後、中間管理機構のこれを進めていくに当たっては、そうしたら、まだ分かっていないというか今分かっていない現状の三割に関して、これを一〇〇%に近づけていく準備をされるのか、又は、もう分かっていないということになってしまうと、どういう処置、いわゆる国が召し上げる等も含めていろんなことが考えられると思うんですけれども、この地籍調査、今後どういうふうになっていくのか、ちょっと具体的に教えていただけますでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) この地籍調査は、土地の境界の確定を目的としているものでございまして、農地の利用集積のためのものではないことから、地籍調査の進展の有無が農地流動化に支障となるものではないと、このように存じております。
○山田太郎君 そうすると、ちょっと話が違ってきちゃうんですけれども、私の質問は、これから中間管理機構が耕作放棄地等も含めて農地を集積していくということであります。耕作放棄地の中には、かなりな数のいわゆる所有者不明、又は誰が所有になっているのか複雑な状況になっていたりとか、正しく登記されていない問題ということもたくさんあるかと思っております。その辺りの実態がどのようになっているのか、それが進まなければ、特に耕作放棄地を本当に今回整理していこうということは非常に難しいというふうに考えているわけなんですね。その辺りを今回どのように考えているのか、どのように把握されているのか、どのように進めていこうとされるのかということを是非お伺いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今副大臣から答弁させていただきましたように、この地籍調査とそれから農地基本台帳というのは性格が異なっておりまして、地籍調査というのは、国土調査法に基づいて、市町村又は土地改良区がやっておりまして、この土地の所有者の氏名、住所、土地の所在、境界確定ということで、登記所に送付されて登記に反映される、固定資産税課税台帳に反映されると、こういうことであります。 一方、農地の基本台帳は、農業委員会の交付金の事業実施要領に基づいて農業委員会において整備をいたしまして、実はこの地籍調査結果の農業委員会への送付はないということでこれはつながっていないということでございます。したがって、ここにあるこの農地基本台帳を整備することによって、先ほど答弁をさせていただいたように、この集積化については支障がないと、こういうふうに考えておりますので、この基本台帳の整備を基に集積化を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○山田太郎君 ごめんなさい、しつこいようなんですけれども、それでは、農地台帳の整備状況というのは、先ほどの七割ということなんでしょうか。農地台帳の整備状況についてお伺いさせていただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農地台帳は整っております。先ほど、あれは地籍調査の方がどれぐらいかという御質問だということで、七割という数字をお示ししたということでございます。
○山田太郎君 ありがとうございます。 ちょっと農地の地籍の関係に関しては今後も重要だというふうに考えておりますので、引き続きやっていきたいと思います。 いずれにしても、今回の法案は大変に日本の農政の一つ転換を図るというような内容であります。ただ、いわゆる減反、生産調整の政策機能、それからこの背景にある、今回の機構の背景にあるいわゆる補助金を出して政策誘導をしていくと、それがどのように使われていくのかということでの全体の整合性、それからこの中間機構が本当に農業の自立又は生産力向上につながるものなのかどうか、その辺り、それからそれを整備するためにはそもそもの農地の転用違反の問題、それからその地籍の内容、全て総合的に考えていかないと多分うまくいかないということになりますし、もしこれで今回、バグるようなことがありますと、また猫の目農政というような形でもって大変なことになりますので、そのことをちょっと、今後もこの委員会で注力しながら質疑を続けていければなというふうに思っております。 私の方からは、質疑は今日はこれぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。ちょっと風邪で低音になってしまいましたが。 まず冒頭、この委員会の持ち方について一言申し上げたいと思います。 それで、私、二〇〇一年に国会に来て、農水委員会にずっと今日まで所属してまいりましたけれども、今回のように、このように空席がある中で農水委員会続行して、続けるということというのは、多分初めてなんですね。それで、やっぱりこの運営自体も、本当に重要な、農業政策にかかわる、大きな影響を与えるような重大な法案を会期末ぎりぎりのところに来て、一気に、趣旨説明をやり、そしてその日のうちに質疑も入り、そしてあさってですか、参考人質疑もやると。参考人の皆さんには今日言って、あしたどうだという話にもなるわけで、大変失礼な話になっているわけですけれども。で、採決までと。こういうやっぱり乱暴なやり方というのは本当に、大変不本意であります。それで、やっぱりこういうことが今後もう二度とないようにしていただきたいことを、まず委員長に対しても申し上げておきたいと思います。 その上に立ってなんですけれども、まず法案の審議に入る前に、ちょっと通告しておりませんでしたけれども、TPPの問題で林農水大臣にお聞きをしたいと思います。 先ほども日比谷野外音楽堂でTPPの反対の集会が全国から集まられて、JAの皆さん中心になってやられておりました。それで、やはり守れなければ撤退なんだと、その決議をしっかりと実現するべきなんだということで集まっておられましたし、本当に真剣な、そういう発言も続いていたというふうに思います。 それで、報道によりますと、十二月の一日にUSTRのフロマン代表が日本にやってきていて、TPPの日米の二国間交渉を行っていると。ここに林農水大臣も同席したということなので、大臣にもお聞きしたいと思うわけですけれども、この交渉で、日本政府はフロマン代表に対して重要五項目の加工品、調製品の即時関税撤廃を盛り込んだ案を提示したのかどうかと、これによって自由化率は九五%というのが新聞報道であるわけですけれども、それが本当に事実なのかどうか、まずその点について林大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) ちょっと御通告もなかったものですからあれでございますが、どの新聞にそういう報道があったかもちょっと私、目を全て通しているわけではございませんが。いずれにしても、この十二月一日にフロマン代表と、それから甘利大臣、私、菅官房長官とお会いをして、極めて厳しい交渉ではありましたけれども、日本側の立場をフロマン代表に対して直接伝えることができたわけでございまして、大変有意義な会談だったというふうに思っております。 会談の具体的な中身については、交渉そのものでございますのでコメントを控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、これはもう繰り返し申し上げておるところで、今委員からもお話があったように、この農林水産委員会での決議も踏まえて国益を守り抜くように全力を尽くす考えと、これは変わっておりません。
○紙智子君 新聞各紙の報道でも、米国政府は全ての品目の関税撤廃を日本政府に要求したというふうにされているわけです。それから、甘利担当大臣は、日本はこれ以上一センチも譲歩できないと発言したとされているわけです。このことも、大臣、同席されていて、そういうことだったんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 甘利大臣が、フロマン代表とのこの会合後、ぶら下がりをやっておられまして、そこで双方にとってぎりぎりのレッドラインは何か、特に日本側のレッドライン、譲れない線についてはこちらから極めて厳しい説明をしたと、とにかくこれ以上は一センチも譲れないという説明をした、こういうふうにおっしゃっておられるというふうに承知をしております。 まさに、そういうぎりぎりの、先ほど私から申し上げたように、お話をさせていただいて、極めて厳しい交渉ではありましたけれども、そういう意味でフロマン代表に我々の立場をしっかりと伝えることができたと、こういうふうに考えております。
○紙智子君 既に日本政府が、中身については今も語らなかったわけですけど、中身は国民に秘密にしたまま重要五項目の譲歩提案を示したということになったら、これは衆参農水委員会の、この農水委員会の決議、これに対して違反するということは明白になるわけです。 これ以上一センチも譲歩できないというふうに言われたという報道があるわけですけれども、これ以上ということは、まあこれ以上の中身が一体何なのかということでもあるんですけれども、本当に、こういうこと自体含めて、TPPが全ての関税撤廃が原則であるということを元々知りながら、全ての参加国から関税撤廃を求められている中でTPPに参加し続けるということ自体が私は非常に問題だというふうに思うんです。やっぱり直ちに撤退するべきだということを繰り返しこの間申し上げていますけれども、指摘をして、法案の質問に入りたいと思います。 それで、農地中間管理機構法案の背景なんですけれども、これは六月十四日に閣議決定をされた日本再興戦略があるということは言うまでもないと思います。この日本再興戦略の総論で、農業については、農地中間管理機構を整備、活用して、農地集約を加速した上で、リース方式により企業を含めた多様な担い手の農業参入を促進するとしています。成長への道筋に沿った主要施策例ということで、農林水産業を成長産業にするということで、成果目標で、今後十年間で全農地面積の八割が担い手によって利用され、産業界の努力も反映して担い手の米生産コストを現状全国平均比で四割削減し、法人経営体数を五万法人とするというふうにしているわけです。 結局、この農地中間管理機構法案というのは、この日本再興戦略を推進するための重要な法案であるという理解でよろしいですね。
○国務大臣(林芳正君) もちろん、この六月に決まりました日本再興戦略にもこのことが明記をされております。ちなみに、そこには、本年秋までに具体化し、速やかに法制化を含む措置を実施と、こう書いてございますので、そのとおりでございますが、更に申し上げれば、我が国の農業構造を見ますと、既に担い手の利用面積が五割まで来ておるところでございます。これはかなりの変化だと思いますが、更に生産性を高めて成長産業としていくために集積、集約を加速をしていく必要があると、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で、この農地流動化を進める画期的な手法として都道府県段階に公的な機関として農地中間管理機構を整備する法律案、これを出させていただいたところでございます。 中身は、午前中の質疑でもありましたけれども、農地を機構が借り受けて、そして必要な場合にはこの機構が大区画化等の条件整備も行った上で、法人経営体や大規模家族経営などの担い手に対して、規模拡大や利用する農地の集約化に配慮して転貸するスキームを整備したいと、こういうふうに考えております。
○紙智子君 そこでお聞きいたしますけれども、この日本再興戦略で打ち出された全農地面積の八割を担い手に集約をしと、米の生産コストを四割削減する、法人経営体数を五万法人にするという根拠ですね、何を根拠にされているのかということを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まず、担い手の利用面積でございますが、先ほど申し上げましたように、平成七年にはこの担い手の占める割合は一七・一%でございましたが、その後五年ごとに二七・八、三八・五、四九・一と上がってきておるわけでございまして、まさに現在五割まで来ておるわけでございます。 このトレンドに更に農地中間管理機構という強力なこの機構を利用することによって、このトレンドを更に上に引き上げて、八割まで引き上げていこうということでございまして、平成二十五年の農地面積四百五十四万ヘクタールを前提としますと、その八割、三百六十三万ヘクタールが担い手が利用すると、こういうことになるわけでございます。 また、生産コストもそれに伴って集積をいたしますので、当然いろんなコストダウンが図れるということで、ちょっと詳細、今手元に持っておりませんが、この現状から四割削減をしていくということ、そしてさらに、そういうことが進むことも相まって、法人経営体数を現状から五万人までに引き上げると、こういう目標にさせていただいたところでございます。
○紙智子君 今言われた担い手という中には中小の農家というのは入らないわけですよね。ここで規定されているので言うと、法人経営と大規模家族経営、集落営農、企業と、そこを担い手として、今五割だけど八割までという話ですよね。
○国務大臣(林芳正君) 必ずしも規模に着目した概念ということにとどまっておるわけではなくて、例えば認定農家の中には小規模な方も含まれておるというふうに承知をしております。
○紙智子君 日本再興戦略ですね、三つのアクションプランというのを柱に据えているわけです。その一つが国際展開戦略と。そこでは、グローバルな経済活動のベースとなる経済連携を推進し、貿易のFTA比率を現在の一九%から、二〇一八年度までに七〇%に高めると。このために、特にTPP協定交渉に積極的に取り組むことにより、アジア太平洋地域の新たなルールを作り上げていくというふうにしています。 結局、これ日本の農産物関税の撤廃や削減が不可避なこのTPPを始めとするFTA比率ですね、これを七〇%にしようということですから、日本農業に打撃を与えるということを前提としているんじゃないですか。それを受けて、農地面積の八割の集約と米生産のコストを四割削減など打ち出したということなんじゃないんですか。いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) TPP交渉については、冒頭申し上げましたように、この決議をいただいておりますので、それを踏まえてしっかりとやっていくということでございますので、必ずしもTPPが、今委員がおっしゃったように日本の農業に対してマイナスの影響を大きく与えると、こういうことがこの再興戦略に書かれているということではないというふうに考えております。 その上で、このTPP交渉には二十一分野、すなわち知的財産ですとか労働ですとか、あらゆる経済活動について包括的なものがルール作りとして決められていくということでございますので、我が国がその持てる力を十分、国内のみならず世界中で発揮をしていくための大きな可能性がそこにあると、こういう前提で書かれているんではないかと。こういうふうに思っておりますので、そのことと、それからここで御議論をいただいております農地中間管理機構や経営所得安定対策の見直し、これは私はかねがね繰り返し申し上げておりますように、TPP交渉いかんにかかわらず、日本の今の農業の構造的な問題を解決していくためには待ったなしの施策であると、こういうふうに考えております。
○委員長(野村哲郎君) ちょっと待ってください。 自民党の議員の皆さん、真剣な今議論をしているところを何ですか。しっかりしなさい。
○紙智子君 TPPが必ずしも農業に悪影響を与えないというふうに今おっしゃいましたけれども、私は違うと思いますよ。だって、農水省自身が試算をして、結局、農業に与える影響ということで出した中でも、対策を取らなければということを常に言われるんですけれども、実際には三兆円の政府の試算でも減収になるということを言っていますし、そして自給率そのものも大きく下がるということを言われているわけで、それは大きな影響がないなんということは言えないというふうに思いますよ。 それから、自民党の石破幹事長が十一月の二日に、生産コストを下げると、関税を下げていっても国内の農業が打撃を受けない水準はある、七七八%が唯一絶対のものではないとして、生産コスト引下げに応じた関税引下げを表明しました。 マスコミの報道でも、米の関税率の引下げは米国や豪州が要求していると、政府・自民党は米粉や飼料米の関税撤廃を検討しているが、米国は主食用米に対しても数年掛けてでも関税を完全撤廃してほしいと求めていた、日本は完全撤廃について国内農家への影響から混乱が大きいと拒否してきた、ただ、関税率を引き下げると、国産米の海外輸出の促進や国内農家の大規模化などをもたらすと判断、数年ごとに段階的に引き下げることで調整に入ったと。 これは十一月五日付けの産経新聞に報道されているんですけれども、こういうふうにTPP対応の日本農業にしようというのがこの日本再興戦略に明記されている農業戦略なんじゃないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 産経新聞の報道とこの再興戦略とそういうふうにつながって考えられるのかなと思って今興味深く拝聴しておりましたが、一切そういうことはございませんで、先ほど申し上げたように、しっかりと決議を踏まえて守っていくと、守っていくという決議を踏まえてやっていくと、こういうことを繰り返し申し上げております。 それから、先ほど三兆円の試算のお話がございましたが、これは委員も触れていただきましたように、何の対策も打たないということと、それから全ての関税を即時撤廃するという大変極端な仮定に基づいて試算をしたものでございますので、実際には決議を踏まえてそういう極端な状況にならないように最大限の努力をしているというところでございます。
○紙智子君 対策を取ってもこれは下がりますよ、自給率は。 それから、次に行きますけれども、農業委員会は、効率的な農地利用について農業者を代表して公正に審議する行政委員会で、農地の権利移動の許認可、土地転用申請書の受理や意見書の添付、農地の利用状況調査等の業務を執行しています。農業委員会の農地利用の集積の実績ということでいうと、二〇一一年で十二万六千六百七十九ヘクタールと。農地利用の集積円滑化団体は三万二千四十九ヘクタール。それから、農地保有合理化法人、ここは八千二十七ヘクタールということで、どこよりも大きく上回る実績を持っていると思います。 この農業委員会が農地利用集積の中心的な役割を果たしてきたというのは間違いないと思うんですけれども、当然、この農地中間管理機構による農地集積に対する農業委員会の法的関与と正当な位置付けというのが不可欠だと思うんですが、その点で大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) おっしゃるように、農業委員会、これは大変に大事な役割を果たしていただいていると、こういうふうに思います。 今度この機構が農用地利用配分計画を定めるわけですが、法律上、機構が作成すべき農用地利用配分計画、この作成に当たっては、機構は市町村に必要な協力を求めると、こういうふうにしております。機構は、市町村に対して、さらに、農用地利用配分計画の原案作成を求めることができるというふうにさせていただいております。十九条の一項、二項でございます。さらに、十九条の三項で、これらの場合においては、市町村が必要があると認めるときには農業委員会の意見を聴くことを明記をさせていただいております。 市町村に対して、市町村の中の独立行政委員会である農業委員会への意見聴取を義務付けなかったということは、地方分権の観点から、市町村内部の行為について国が義務付けるということは適当でないと、こう考えたわけでございまして、こういう規定ぶりになっておりますが、農地に関する地番や所有者、借受け者の氏名などの情報というのは農業委員会が御案内のように持っておりますので、機構が農用地利用の配分計画を作成するためにはこれらの情報がないと実際には作れないということでございますので、実際には必ず農業委員会の意見が聴かれるというふうに考えております。
○紙智子君 今、大臣おっしゃったんですけれども、規制改革会議は、農地利用配分計画の作成、都道府県知事の認可等の過程において、農業委員会の法的な関与は要しないこととすべきであるという議論をしています。今回の新制度において、農業委員会の法的な関与は求めないこととする一方、そもそも農地制度における農業委員会の果たすべき機能及び組織の在り方について早急に検討を開始すべきであるとして、この農業委員会の排除を求めるばかりか、農業委員会制度に対する攻撃さえしているわけです。 さらに、産業競争力会議の農業分科会ですね、ここでは、農地集約の迅速化の観点から、機構を活用するスキームにおいて、農業委員会の許可を不要とするとともに、今後、農業委員会の在り方について検討が行われ結論が得られた場合には、それに従って必要な見直しを行うとして、この規制改革会議と同様な農業委員会排除を求めたわけです。 これらの規制改革会議や産業競争力会議の意見を受けて、本法案は、農業委員会組織が求めたこの農地の借受けルールの策定、変更に当たっては都道府県農業会議の意見を聴く規定の導入を拒否をして、都道府県知事の判断で借受けルールの策定を認めて、中間機構が農地利用配分計画、市町村が農地利用配分計画の原案を策定する際は、農業農村現場の農地の権利移動の許可、決定の事務を担っている農業委員会の意見を聴くことを必須事項とするというふうに言っているんだけれども、これも認めず、法案の第十九条で、市町村は一又は二の協力を行う場合において必要があると認めるときは農業委員会の意見を聴くものとすることというふうにして、この必須事項から外したわけです。 どうしてこの農業委員会の取扱いをこういうふうに必須から取り外したんですか。
○国務大臣(林芳正君) 先に先ほどの質問でお答えをしてしまったわけでございますが、条文には、十九条一項、二項で、市町村に対して原案作成を求めることができると、さらに、十九条三項で、農業委員会の意見を聴くことを明記をして、必要があるときにはとしております。 それはまさに、先ほどお答えしたように、この農業委員会というのは市町村の中の独立行政委員会でございますので、地方分権の観点で、国の方でこの市町村の意向にかかわらず意見を義務付けると、こういうことは適当でないと、こういうふうに考えたわけでございまして、十九条の三項はそういう規定ぶりになっておるところでございます。
○紙智子君 今までも、結局、市町村がいろんなことをやるにしても、農業委員会、一番現場のことを分かっている農業委員会のやっぱりその活動があって支えている部分というのが本当に大きいわけですよね。 農林水産省として市町村に農業委員会の意見を聴くことを促すというふうにしているわけですけれども、これ法律上義務規定となっていない以上は、今後大きな問題を残すことになると思います。現に産業競争力会議は、農地の集約、大規模化の阻害要因になり得る制度、運用等が判明した場合は、直ちに見直しに着手するというふうにしているわけで、農業委員会の意見を聴いたために農地集約が遅れたという形で、農林水産省に対応を求めることも想像できるわけですよね。 いずれにせよ、この農地集約事業という農地行政上最も重要な事業について農業委員会の意見聴取を必須事項にしなかったということは、私は今後に禍根を残すことになると思いますけれども、大臣、もう一度いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) これは繰り返しになりますが、この十九条三項は、先ほど申し上げましたように、地方分権の観点で義務付けることは適当でないと、こういう理由でこういう規定ぶりにしてありますが、これも先ほど申し上げたように、実際には農業委員会に地番、所有者、借受け者の氏名等がございますので、この農業委員会の意見というのを聴かずして、したがってこういう情報全くないままで作成、計画を作るというのは余り現実的な話としてはないんであろうと、こういうふうに思っております。 一方で、農業委員会についてはいろんな御意見が、今委員から御指摘のあった規制改革委員会、産業競争力会議からもそういう紙が出ているのは承知しておりますが、農家の皆さん、現場からもいろんな御意見をいただいているところでありますので、しっかりとそういう意見を踏まえて、見直しが必要であれば対応していくことはやっていかなければならないと存じております。
○紙智子君 地方分権を理由にしてやっぱり外すというのは、これは本当にあってはいけないというふうに思います。 今後十年間で全農地面積の八割を担い手にと。企業参入の加速化等による企業経営ノウハウの徹底した活用。企業の参入状況の検証等を踏まえ、農業生産法人の条件緩和など所有方式による企業の参入の更なる自由化について検討を行う。さらに、二〇〇九年に完全自由化されたリース方式による企業の農業参入を農地中間管理機構も活用しながら積極的に推進する。それから法人経営体数を二〇一〇年比約四倍の五万法人とすることを目標とすると。といった本格的な優良農地への企業参入を進める場合は、企業が農村に足場がないだけに、どうしても落下傘型の企業参入になりやすいわけですね。この法案が、新規参入者の希望者、農地の借受けを希望する者、この公募方式を採用したということも、結局、この落下傘型の企業参入を前提にしているからなんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは山田俊男委員の冒頭の御質問にもお答えしたとおり、持続可能な家族経営や新規参入、企業参入、これは二者択一ではなくて、やはり担い手、農地の利用者の間と所有者の間に適切な農地の利用状態というのをつくっていこうということでございます。法人というふうに書いてございますので、委員はあるいは企業ということをイメージされておられるかもしれませんが、法人の中には、例えば集落営農をやっていただいておられる皆さんがこの集落のままで法人になられるとか、それからいわゆる農業生産法人と、こういうものも法人でございまして、こういうものを併せて我々は法人という言葉を使わせていただいております。
○紙智子君 農業委員会組織の意見では、公募に応じた農地の借入れ希望者、特に農外からの新規参入者、まあ企業等ですね、ここには農業経営基盤強化促進法に基づく市町村基本構想に即した認定農業者となることを促し、農地のある地域との信頼関係を醸成する仕組みを構築する必要があるというふうにしていましたけれども、農林水産省は本法案ではそれを採用しませんでしたが、なぜでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 冒頭引用されたものがちょっとどの御出典か必ずしも判明いたしませんでしたので、どの文書にそういうことが書かれていたということでございましょうか。
○紙智子君 農業委員会組織の意見として出されているものです。
○国務大臣(林芳正君) いろんな方がいろんな御意見をおっしゃっていると、こういうことだと思いますが、機構からの農地の貸付けについては、公平かつ適正な手続の下に行われることを保障するということと、それから貸付先の選定プロセスの透明化、これを図る必要があるということでございまして、十七条において区域ごとに定期的に借受け希望者を募集し、そのリストを作成の上、公表することとしておるところでございます。 貸付先の決定ルールについても、各都道府県の農業事情を踏まえて機構が作成し知事の許可を受けるということでございますが、ここに、八条でございますけれども、地域の農業の健全な発展を旨として、公平、適正に貸し付けるものでなければならないものと、こういうふうにしております。 さらに、農用地利用配分計画、先ほど御議論していただいたところでございますが、これを都道府県知事が認可をするわけです。この基準においても、地域における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うことが見込まれること等が規定をされております。十八条でございます。 したがって、この募集に応じた借受け希望者は必ず認定農業者にならなければならないということではありませんが、例えば地域の話合いに参加するなど、地域の一員として信頼関係を構築して安定的に農業を営むように誘導していく、このことは、今引いていただいた文書にもあるように、大変重要であるというふうに考えております。
○紙智子君 ちょっとよく分からなかったんですけれども、なぜ採用しなかったんですかというふうにお聞きしたんですよね。採用しなかった理由、意見を。
○国務大臣(林芳正君) 条文の御説明をさせていただいてかなり読ませていただきましたので、そこに書かれていることは趣旨としてここに反映をされているというふうに我々は認識をしております。
○紙智子君 ちょっとまた更にやりたいと思うんですけれども。 ちょっと時間もありまして最後になりますけれども、農業委員会組織が危惧しているように、落下傘型の企業が農地のリース方式で五万法人も参入しますと、これは地域との信頼関係も醸成されずに、これまで話合いで農村の農地管理等、水路あるいはあぜ管理を行ってきた農村集落に大きな影響を与えることになるんじゃないでしょうか。実際にそういう外からいろいろ地域とはかかわりのないところがどんどんと入ってくるということになったら、幾ら地域で醸成をといってもなかなかそうならない、なりにくいんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これも先ほど申し上げましたように、必ず認定農業者にならなければならないということではございませんが、地域の話合いに参加するなど地域の一員として信頼関係を構築して安定的に農業を営む、こう申し上げたのは、まさに今委員がおっしゃっていただいたように、生産に付随してやっていかなければならないいろんなことを一緒にやっていくということがこの地域の一員として信頼関係を構築すると、こういうことにつながっていくと、こういうふうに考えております。
○紙智子君 衆議院の議論の中でも、例えば参考人の方のお話を聞いても、やはりいろいろ問題が残っていると、今回出された法案の中にですね。そういう実際に土地を本当に集積したり流動化していくということでいえば、地元の意向を踏まえて、本当に現場の協力が得られなければやっぱり成功していかないわけですから、そういう意味では、よりそういう問題点を本当によく見て解決を図るということをやっていかなきゃいけないということを申し上げて、残りは次のときにまた質問したいと思います。 終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。現時点でのしんがりを務めさせていただきます。 私は、まず、この農地中間管理機構関連二法案を通じまして目指します経営規模の拡大、農地の集約、そして新規参入促進による農業の生産性向上という目的には大いに賛成するところであります。その上で、この施策を推進するに当たって実効性に懸念のある点、また公平公正な機構の運用をどのように確保していくのか、この点を中心にお伺いをさせていただきます。 最初の論点ですが、これまで日本では長きにわたり農業の規模拡大に取り組んでまいりました。今回、農地中間管理機構を検討するに当たり、まずは従前の取組をきちんと評価し、反省点も踏まえて今後の制度の運用に生かすべきと考えております。 そこで、まず初めにお伺いしたいのは、担い手、特に新規就農者の確保についてであります。本法案では、新たに農業経営を営もうとする者の参入の促進ということがうたわれている一方で、法案の名前に農地と冠していることもあり、担い手に関する関心がやや低いのではないかというふうに感じられます。しかしながら、担い手の増加、また成長なくして農地の高度利用もあり得ません。農業への新規参入が思ったように進まない一つの要因は、以前質問の中でも御指摘させていただきましたが、農業が賃金などの面で就労条件において魅力的な産業となり切れていないことがございます。 そこで、最初の質問ですが、平成五年に農業経営基盤強化促進法を制定して以来、労働時間や所得が他産業並みの効率的かつ安定的な農業経営体の育成を目指してきたわけでありますけれども、その目標の達成状況と評価及び今後の具体的取組について御答弁をお願いいたします。
○大臣政務官(横山信一君) 新規就農者の確保に関係をいたしまして、農業経営基盤強化促進法についてのお尋ねでございました。 この法律では、市町村の基本構想で育成すべき効率的かつ安定的な農業経営の目標を明らかにしております。その目標に向けた五年間の経営改善計画を市町村が認定する認定農業者制度というのを設けております。この認定農業者制度にそれぞれ目標があるわけでありますが、市町村は、都道府県において定められた基本方針を参考として、主たる従事者の年間所得、大体これは四百万から五百万程度というふうに考えておりますが、それと年間労働時間、これは一千八百時間から二千時間程度という目標を定めております。農業経営改善計画の認定に当たりましては、これを基準としているところでございます。 平成二十三年度におきましては、認定農業者のいる販売農家の状況を見ますと、平均の経営関与者、大体これは二・四人でございますが、この平均の経営関与者で労働時間は三千三百十九時間、農業所得は三百七十八万円となっているところでございまして、基本構想の目標を農業所得では下回る傾向にあります。 このような状況を踏まえ、経営改善計画の目標達成を支援するため、スーパーL資金による低利融資あるいは農業経営基盤強化準備金制度による税制上の優遇措置、さらには、アグリビジネス投資育成株式会社による出資等の支援を行っているところでございます。さらに、今回、農地中間管理機構を活用した農地集積、集約化により目標達成を推進することとしております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今お答えいただきましたこの新規参入と併せて、担い手に対する施策として取り組んできたのが農業経営の法人化であります。これまで事業範囲の拡大や構成員要件の緩和をしながら取り組んできたわけでありますけれども、その進捗具合と評価、あわせて、日本再興戦略で掲げた、先ほど来指摘されておりますけれども、今後十年間で法人経営体数を五万法人とする目標に向けた本法案の位置付けと達成に向けた具体的取組についてお聞かせをお願いいたします。
○副大臣(吉川貴盛君) 法人経営体の数でありますけれども、この十年で二倍以上に拡大をいたしまして、今現在では一万二千五百法人になるなど、相当の変化、かなりの変化が見られております。農業の発展におきましてはこの法人経営体の拡大を加速化させていくことが重要であると考えておりまして、複数の個人経営の法人化や集落営農の組織化と法人化、さらには企業の農業参入などを進めていく考えでもございます。 このために農地中間管理機構を活用した法人等への農地集積、集約化が必要であると考えておりまして、法人等に対するスーパーL資金による低利融資や法人等に対する農業経営基盤強化準備金制度による税制上の優遇措置並びに法人に対するアグリビジネス投資育成株式会社による出資、そしてまた集落営農の法人化への支援、さらにはリース方式による企業の農業参入などによりまして、今後十年間で約四倍の五万の法人としたいと考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 この十年間で二倍ということで、一定の成果があったという評価であったというふうにお伺いいたしました。 これまで成果上がってきているわけですけれども、やはりここから五万法人というのは、これまでと同じ延長線上にそのままやっていけばなるというほど簡単な目標ではないなというふうに私は感じております。そういった意味では、今御紹介もいただきましたけれども、とにかくあらゆる手を打って、様々な施策を同時並行で進めながら、この目標に向けてお取り組みいただきたいというふうにお願いをいたします。 次に、農地の集積についてお伺いいたします。 これまでの取組の評価として、認定農業者等への農地の集積がどの程度進んできたのか、それをどう評価するのか。また、農地の利用については日本再興戦略の中で、今後十年間で全農地面積の八割を担い手によって利用するとの大変高い目標を掲げられました。目標達成に向けた本法案の位置付けと達成の見通しについてお願いをいたします。
○副大臣(吉川貴盛君) 農業の生産性を高めて成長産業としていくためには、担い手への農地集積や担い手ごとの農地の集約化を更に加速をしていく必要があると認識をいたしております。 このために、農地流動化を進める画期的な手法として、都道府県段階におきまして公的な機関として農地中間管理機構を整備する法律案を今国会に提出をしたところでありまして、御承知をいただいていることでございまするけれども、具体的には、農地の中間管理機構が農地を借り受け、必要な場合には機構が大区画化等の条件整備も行った上で、法人経営体や大規模家族経営あるいはリース方式で参入する企業などの担い手に対しまして、その規模拡大や利用する農地の集約化に配慮して転貸するスキームを整備したいと考えております。 さらに、その実施に当たりましては、農地中間管理機構は毎年度事業目標を定め、都道府県知事の認可を受けるとともに、その実施状況につきましては機構に置かれた事業評価委員会において評価を行うほか、国も定期的に評価を行って、全国的見地から各農地中間管理機構についての事業の検証を行いつつ取組を進めていきたいと考えています。
○平木大作君 ありがとうございます。今、毎年度ちゃんと目標を設定して、またその検証を行っていくというふうにお答えいただいたというふうに受け止めました。 ここまで担い手そして農地の集積についての実績を伺ってきたんですけれども、今日この今審議している二法案を一言で言えば、これまで主に中心的な役割を果たすはずであった農地保有合理化法人をサンセットして、新たに農地中間管理機構を設立するということであると思っております。 その意味で、農地保有合理化事業がどうして当初期待したほどの成果に結び付かなかったのか、また、農地中間管理事業では同じ轍を踏まないためにも、従前の取組の総括を是非お願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 今おっしゃっていただきましたように、農地保有合理化事業、これは実績が非常に低調でございまして、平成二十三年度に八千ヘクタールと、こういうことでございますが、この理由としては、売買が中心であって、なかなかこの売るということについて、出し手、受け手、双方非常に消極的な姿勢であったということ、それから財政支援も不十分であったということが挙げられると思います。それからさらに、出し手、受け手の個々の相対協議を前提としておりますので、地域全体として農地流動化を進めよう、こういう機運になっていなかったと、こういうことが原因であるというふうに考えております。 したがって、こういう反省に立って、今回の中間管理機構では、まず売買ではなくてリース方式を中心としていこうと、こういうことでございまして、そうしますと担い手に転貸をしていくわけですが、何回も段階的に権利の設定の変更を通じてやっていけるということもできてくるということでございます。さらに、財政支援も充実をさせるということ。 そして、地域の全体としての機運という意味では人・農地プランの作成、見直しとセットで取り組んでいこうと、こういうことをやることによって成果を上げていこうということでございます。特に人・農地プランについては、平成二十四年度からこの作成を推進してきたところでございますが、実はこの人・農地プランの作成プロセスの中で、こういう機構のようなものがあればという声が実は出てきております。 例えば、高齢の方がリタイアするときに直接個々の担い手に売る、貸すということであれば非常に交渉の手間が掛かる、また、その貸付先との個人的な信頼関係がないのでなかなか貸しにくいんだということの声がありまして、まさに機構があれば、まずは県の第三セクター的なこの機構に貸し付ければ、そこから先はこの機構がやってくれるということになると。 それから、担い手相互間の場合でも、分散、錯綜している利用権、個々の農地ごとに一つずつやっていると大変手間が掛かるという声がございまして、これも機構があれば、この利用権の交換を希望する担い手が一斉にその利用権をまず機構に移転することによって集約する方向で一括して簡易に交換が行われるようになると、こういうことが考えられるわけでございまして、こういったような人と農地プランを作る過程において出てきた意見も踏まえて、今回はこういう中間管理機構というものを整備していこうということにしたわけでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 この農地保有合理化法人の失敗の原因、今お答えの中では、例えば農地の売買を基本としていたこと、また財政的支援が足りなかった、さらには地域全体としての機運が盛り上がってこなかったとお答えいただきました。 これ、そうだろうなと思いながらお伺いしていまして、先日来、農水省の方にも説明をいただいておりました。そうだろうなと思うんですけれども、やっぱり根拠が弱いんじゃないかという気が若干しております。これ、結局この二つあるいは三つが決定的な要因であったから、その裏返しとして、売買ではなくてリース、あるいは財政的支援が足りないから増やす、あるいはどう地域を巻き込むか、こういった施策につながった。また、現場からこういった声もあったということでありますので、方向性としてはそのとおりだなと思うわけですけれども、この結論に至る前に、例えば同じスキームの中で財政的な支援を増やしていったら実はもっと結果につながったんじゃないかですとか、いわゆる複数の原因が何となく並んだまま次の施策に行こうとしているところに私はちょっと危うさを感じるものであります。 例えば、売却に対する抵抗感という声は確かに多かったのかもしれませんけれども、その前に、圧倒的な多数、農地を持っている方たちの話すら聞けていなかったんじゃないかですとか、ほかの原因というのをしっかりまず考えることができたのか、丁寧に例えばこの機構について説明する、そんな場を持つことができなかったんじゃないかとか、様々まだ検討の余地があったんじゃないかなというふうに思っておる次第であります。 私、まだ七月に当選させていただいたばかりですので、この政治の世界に入りまして僅か四か月余りでありますけれども、日々、議員として活動させていただく中で、この行政府の政策立案能力というのは大変高いものがあるなというのは日々感じています。その一方で、この効果の検証自体が中途半端であるなということも同時に感じることが少なくありません。本当に突き詰めて考えたのか、きちんと検証し尽くしたのか、まだまだ改善の余地があるように思います。 例えば、企業において施策の効果をどう分析するかという一つの手法として、マーケティングなどではパーチェスファネル分析というのをよく行います。ファネルというのは、いわゆる理科の実験で使われる漏斗ですね、入口が大きくて出口が狭くなっていくあの漏斗に例えて分析をよくするのでありますけれども。例えば、農地の保有者がどのくらいいらっしゃって、そのうち何割の方と連絡がそもそも付いて、さらに何割の方がその話合いの場が持てて、さらに何割の方が売却に至った、こういう各プロセスにおいて一体どこがボトルネックになってきたのか、そういったところをしっかり検証して重点的に深掘りしていくことで、もしかしたら、先ほど三つ要因挙げていただきましたけれども、決定的な一つが突き止められて、そこを改善することで新たな施策ができたんじゃないか、そのようなことも感じる次第であります。 こういったこの法案だけでなくて、もうちょっと検証といったことも含めて新制度に取り組んでいただけたらなということを御要望として申し上げたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変ごもっともな御指摘でありまして、常に検証をして、足りなかったところをきちっと押さえていくということは大事であるというふうに思っております。 今回のこの農地流動化には、農地保有合理化法人がこの機構に変わるということでは必ずしもなくて、今まで農業委員会、それから農地利用集積円滑化団体、これは平成二十二年からやっておりますが、それから保有合理化法人については昭和四十五年からそれぞれやってきて、この農地利用集積円滑化団体というのは平成二十二年に一万八千、それから平成二十三年に三万二千とそれなりの成果も上げてきているところでございますので、何かこの一つだけがこの機能を持っておって、それをやめて新しいものをやるというよりは、更にこれに加えて、今まで足りなかったところを補強するために言わば足し算でこの機構を立ち上げることによって更に加速していこうと。 担い手の面積というのは、先ほど申し上げておりますように今五割ですが、十年前には非常に低いところにあって、着実に上がってきていることは上がってきているわけですが、これを更に加速化して、八割という目標を達成するために更にこの機構というものを活用して、先ほど申し上げたようなことをやることによって加速をしていこうという考え方でございます。
○平木大作君 誠実に御答弁いただきまして、大変にありがとうございます。 こういった効果の検証について、やはり途中の経過ですとか、あるいは、具体的にどういうものを検証した結果こういう結論になりましたという部分、ここについて、より今後一層また整備の方を進めていただきたいなというふうに重ねてお願いをしたいと思います。 次の質問に移ります。 この中間管理機構の特例業務として今回定められた業務の中で、農地売買事業あるいは農地の売渡し信託事業など、これまで保有合理化法人が行っていた事業というものが例外業務として残っております。そもそもこの売買が余り良くなかったからということでリースという話だったと思うんですけれども、こういった元々保有合理化法人が行っていた業務を残す理由について御答弁いただけますでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 今回の農地中間管理機構は、担い手に農地利用の集積、集約化を進めていくと、これが最大の目的でございます。こういった意味では、農地を借り受けて、担い手のニーズに合う形でまとまった形で転貸をすると、これが基本だと考えておりますが、一方で、北海道のように農地の売買価格が収益還元価格に近い地域、これがございます。こういった北海道のような地域では、これまでも農地集積のかなりの部分、大体半分ぐらいですけれども、この売買によって動いてまいりました。こういうことを考えますと、リース一本にしてしまうことが本当にどうなのかと。特に北海道の方からは売買でやれるようにしてほしいという御要請もいただいております。 こういったことを踏まえまして、農地中間管理機構が従前の合理化事業と同様に、売買なりあるいは売渡し信託、こういったものをできるようにするために、農地中間管理事業の推進に関する法律本体の方ではなくて、今回改正する農業経営基盤強化促進法、こちらの第七条というところですが、機構の特例業務としてこの売買なり農地の信託、こういったものができるように措置をしているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 今、答えの中でも、北海道などでは売買が中心であったですとか、やっぱり地域によっていろいろ運用の結果というのは違ってきたというふうに今教えていただきました。これは、いわゆる地域の事情を反映してそういう結果になったという取り方もできるかと思います。一方で、この機構の運用のそもそもの仕方ですとか、人員の配置の仕方ですとか、取組の違いが、結局、結果につながる可能性もあるのかなというふうに思っています。 そういった意味では、これ残すことは本当に大いに結構だなと思っていまして、その中で、例えば北海道ですとかほかの地域で運用の良い事例として抽出できるものがありましたら、是非そういったものを出していただいて、他の都道府県でのいわゆる横展開のようなもの、そういったものも是非取り組んでいただけたらなというふうに御要望申し上げます。 次の質問になりますが、一方で、併存されます農地利用集積円滑化団体、ここについて、これまでの取組の実績及びその評価、また今後の農地中間管理機構との活動のすみ分けについて御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(奥原正明君) 農地利用集積円滑化団体でございますが、これは平成二十一年、農地法の改正で導入をされた制度でございます。農地の出し手を代理をして、受け手を探して契約を締結をすると、こういったところでございまして、この実績は、二十二年度が一万八千ヘクタール、それから二十三年度が三万二千ヘクタールということで拡大をしてきております。 ただ一方で、出し手を代理をして受け手を探すということでございますので、実際に農地の受け手がいなければ成果を上げることができないという問題がございます。それからもう一つは、相対取引を中心にしておりますので分散錯圃の抜本的な解消にはつながらないと、こういった問題点も抱えております。 このために、今回、この農地の中間管理機構の整備をしているわけですが、この中では、リース方式を中心として、それから人・農地プランとセットにし、財政支援も充実をさせ成果を上げるものにしたいと思っておりますけれども、今度のこの農地の中間管理機構、ここは、自ら直接業務を行うというだけではなくて、市町村その他の関係機関に業務委託を行いまして、地域の関係者の総力を挙げて業務を遂行するということにしております。 この際、円滑化団体であります市町村、あるいはJA、それから市町村の公社、こういったところにつきましては、これまでの流動化に関する実績とか能力にもよりますけれども、機構が知事の承認を受けて委託先とすることもできますので、その場合には委託料も払われるということになりまして、流動化に関する業務を従来以上に円滑に行うことができるというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今のお話でありますと、中間管理機構とある意味委託の関係であったりですとか共同していく部分も多々あるというふうにお伺いいたしました。逆に言うと、ぶつかり合うとか農地を取り合うようなそんなことがないように、是非この切り分け、運用のルールの明確化、そういったところに努めていただければと思います。 ここからは、新制度において、その担い手の支援策についてお伺いしていきたいと思っております。農業の担い手をどう支援していくのか、意欲と能力のある担い手に農地を集積しながら、また新規就農者を取り込みながら農業経営を安定させるための取組についてお伺いできればと思っております。 先ほど来取り上げられておりますけれども、中間管理機構法案の二十六条の修正案の中では、当該区域の関係者による協議の場を設置することが示されました。また、衆議院における附帯決議の中でも、地域における農業者の徹底した話合いを行うことも確認をされました。人・農地プランで示されたような、地域のことをまずは地域が主体的に話し合って決めていく、このことについては全く異存はございません。しかし、その上で、農業が更に一歩成長していくためには、新規就農者ですとか新規参入者、こういった新たな担い手に対して門戸を開いていく、排除しないことも必要であるというふうに認識をしています。 二十六条のこの二項の中では、新たに就農しようとする者を含め、幅広く農業者等の参加を求めるよう努めるものとすると、このように書いていただいておりますけれども、やはり努力規定かなと思います。これだけでは、やっぱり実際になかなか外から人が入っていくのは難しいことも多々あるのかなと思っております。仕組みとしてきちんと新規参入者あるいは地域外の人たちにも門戸を開いていくための措置を考えていくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 衆議院における議員修正によりまして、二十六条第二項というものが入っております。これは、人・農地プラン、地域の協議の場ができますけれども、その協議の実施に当たっては、新たに就農しようとする方を含めて、幅広く農業者等の参加を求めるように努めるということがこの二項に規定をされております。 この農地中間管理機構の貸付けに当たりましては、やはりその地域の担い手が十分かどうか、こういったことが非常に重要な要素だというふうに思っております。担い手の方が十分いる地域におきましては、やはり既存の担い手の方々の経営の発展を重視をした貸付けというのがポイントになると思いますし、一方で、この担い手が十分いない地域、これもかなり多くの地域で見られます、こういった地域におきましては、やはり新規参入を積極的に推進をしていくと、こういう必要もあるというふうに考えております。 このため、今回の法律案では、この農地中間管理機構は、この借受けの希望者、これを地域ごとに公募するという規定を入れております、これは法律の第十七条でございますが。これは、新規参入したい方含めて、どなたでも手を挙げることができると、こういった仕組みでございます。特に、担い手が十分いないところでは、この公募以外にも機構の方がほかの地域の法人経営の方ですとか、あるいはリース方式で参入したい企業の方ですとか、こういった方々に積極的に働きかけると、こういった工夫も必要であるというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 続きまして、農地のこの受け手あるいは借り手の選定についてお伺いをしたいというふうに思います。 この仕組みの中の一つの肝は、どう借り手を選定していくのかというプロセスにあるのかなと思っております。特に、農地の借受け、この希望者が複数ある場合、どのようなプロセスを経て、どのような基準を経て決められたのか、選定が行われたのかと、ここを透明化していくことが非常に重要であるんじゃないかというふうに考えております。 とりわけ、もし透明性だけを突き詰めようとしましたら、例えば借り手にビッドを入れていただきまして、一番高いリース料を入れたところを決めると、こういったやり方もあるわけであります。これが必ずしも最善ではないわけですけれども、複数候補がいたときに、どういうプロセスで決まったのか。 また、今、地域に十分に担い手がいればそこに任すと、まあ、それはそのとおりだと思うわけですけれども、新規参入者ですとか新規就農者がその候補の中に入っていたときに、じゃ、具体的に選定の中ではいわゆるどういう扱いを受けるのか、そういったところがしっかりあらかじめ外に出て、透明性高く判断されることが必要であるのじゃないかなというふうに思うわけですが、その点について御見解をお願いいたします。
○政府参考人(奥原正明君) 御指摘のとおり、この機構がどこに貸すかというところは非常に重要なポイントだと思っております。 そのために、この貸付先の決定ルール、これにつきましては、農地中間管理機構が作成をいたしまして都道府県知事が認可をすると、かつ、このルールを公表すると、こういう仕組みになっております。これは法律の第八条でございます。このルールといたしましては、この借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正に調整をすると、これが一つのポイントですし、それからもう一つは、地域の発展に資するという形になることが基本であるというふうに思っております。 具体的には、それぞれの都道府県におきまして、その農業事情を踏まえて作成をしていただいてこれを公表するということになりますけれども、幾つかポイントがあると思います。一つは、この農地の借受けを希望している方の規模拡大ですとか、あるいは経営耕地の分散錯圃の解消、要するに集約化ですけれども、これに資するものであるということ。それから、既に効率的、安定的な経営を行っている農業者の方の経営に支障を与えないということ。それから、三つ目には、新規参入した方が効率的、安定的な経営を目指してきちんとやっていけるようにするということ。それから、借受け希望者のニーズを踏まえて公平、適正に調整をすると、こういったことが必要であるというふうに考えております。 したがいまして、当該地域に担い手が十分いるかどうか、これも重要な判断要素になってまいりますが、特にこの担い手が十分いない地域、これにつきましては、新規参入を積極的に進めていく必要があるというふうに考えております。 具体的に、誰に貸し付けるか、これはもう非常に難しい問題でございますけれども、地域の農地利用を最適化するという観点からいきますと、機構が事業規程に則して判断することではありますけれども、基本的には借受け希望者のこれまでの利用農地との位置関係ですとか、その希望者がどういう農業生産をしようと考えていらっしゃるかとか、こういったこととの関係で決めるというのが通常ではないかというふうに考えております。 借受け希望者の支払うリース料、これを入札で決めるというケースが絶対ないかどうかは分かりませんけれども、基本的にはそういう形ではなくて、どなたにお貸しをすれば農業がうまく発展していけるかと、こういう観点での選択になるというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 幾つか基準をお示しいただきました。とにかく、何か決めるときに、最終的に総合的に判断して決めましたの一言で済まされてしまうことがないように、今おっしゃっていただいたようなポイントは非常に重要だと思いますので、できれば各都道府県のこの管理機構において、その地域の実情に合わせた基準をしっかりと出す、明確に出していく中で透明な運用等が図られると思いますので、是非とも御指導いただきますようにお願いいたします。 次に、農地の貸借条件についてお伺いをします。 農地保有合理化法人による取組では売買を基本としていたと、先ほどございました。農地の出し手に抵抗感があってなかなか集約が進まなかったという話もありましたけれども、今度はこの中間管理機構においては、主にリース、貸借を基本とすることになったわけであります。これは、農地の出し手からすると使い勝手が良くなる反面、今度は農地の受け手、借り手にとっては使いづらくなった、そういった一面もあるわけであります。 これ、十一月二十六日付けの日経新聞、皆さんもうお読みになったかなと思うんですが、愛媛県宇和島の農家の方のお話が、取材記事が載っておりました。土地を借りてビニールハウスを建てたけれども、結局いつまで借りられるのか分からない、あるいはいつ土地を返せと言われるか分からないと、そういった不安の声が紹介をされていました。つまり、生産の基盤である農地を場所ごとに、また、数年単位で更新していかなくてはいけない、あるいは部分的に返さなくてはいけないとなる状況ではとても将来的に安定した状況での農業経営はできないわけであります。今回、売買ではなかなか流動化が進まないということで、賃貸あるいはリースを基本として進めていくことに異論はありませんけれども、その際、どのような条件で農地中間管理機構は土地を借り上げるか、ここが大変重要になってくると思っております。 現在、その機構による農地の貸借期間として一体どの程度の期間、年数を想定されているのでしょうか。また、今、賃貸、リースで取組を進めるとしても、将来的にはこの借りた方が買取りに移行するような支援、そういったことも含めて経営安定化に向けた支援策、取り組むべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この農地中間管理事業は利用者と所有者の間に機構が介在するということで再配分を適切に行っていこうということでありますが、更に申し上げますと、何回かこの貸付先の変更を繰り返していくことによって分散錯圃を段階的に解消してまとまった形にしていきたいと。こういうふうにも考えておるわけでございますので、今おっしゃっていただいたように、受け手が安定した農業経営を行うためには長期間であることが望ましいことは言うまでもないわけですが、段階的にやっていく段階では、むしろ余り長期間固定してしまいますと分散錯圃が完全に解消される段階にならない。理想的な状態と、こう言っておりますが、これを近づけていくことも重要でございますので、そういう期間は比較的短期間でやっていくということもあろうかなと、こういうふうに思っておりますが、当然ながら最終形になった場合には長期間受け手に貸し付けたいと、こういうふうに考えております。 平成二十一年の農地法改正によりまして、一般的には五十年までリースができると、こういうふうになっておりますので、新聞の記事に出ていることみたいなことが起こらないようにしっかりと、受け手の方が安定した農業経営というのは、設備投資をするなり、いろんなことが安心してできるようにしていくということが大事であろうと、こういうふうに考えております。 今委員からおっしゃっていただいたように、この最終的な形になった場合には、その段階で農地の所有者と受け手が合意すれば所有権を移転するということも当然出てくるものというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 先ほど引用した記事について、今、貸借の部分であったわけでありますけれども、その他このように続くので、ちょっと引用させていただきます。 地元の兼業農家に生まれ、トマトや苗を大量生産する手法を確立したと。従業員を雇い、家業から企業的な経営へ脱皮した。農業が成長するには資金調達力が必要と一念発起し、二〇〇一年に株式会社を設立。一一年には念願のジャスダック上場も果たし、今や年間売上高三十五億円。従業員は二百人を超し、海外進出も視野に入れる。まあこうした取組自体は、まさに攻めの農業のモデルケースとも言える、そういった挑戦でもありますし、すばらしい取組だというふうに考えます。 国の施策としても方向性としては合致しているのかなというふうに考えるわけですけれども、しかしながら、記事の中では更にこう続きます。 ところが、株式会社になった途端、以前は買えた農地を買えなくなったと。農地法が株式会社による農地取得を認めないためだと。最近は借りていた農地の買取りを地主から求められることも増えた。現行法で企業が購入するには雑種地に地目変更しなければならない。やむなく何度か地目変更のために土地にコンクリートの基礎を打ち、普通の農業ができない状況にした。必要のないコンクリの基礎をつくる無駄な設備投資となる。農業をするために農地を買いたいのに、農地以外に変えないと買えないなんて本末転倒だと、このようなコメントも載っておりました。 これ、今こういうふうに現場の方は実際に御苦労して対応されているという状況であります。余りにも形式的な株式会社による農地取得のこの制限によって、やる気と能力のある農家の方が実際に行き詰まってしまう、こんな残念なことはないなというふうに思います。 営農の実績などを考慮した上で、例えば株式会社の農地取得制限について柔軟な運用を行うお考えがないのか、是非とも林大臣のお考えを、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 今読んでいただいた記事、私も拝見をいたしました。個別の案件で具体的にどうかというところが必ずしもつまびらかではないわけですが、基本的に意欲のある経営体が株式会社になった場合、一般論として、必ずしも農地を所有できるわけではなくて、この法人形態要件、例えば株式会社の場合は非公開であると、例えば事業要件、売上高の過半が農業関連であると、それから構成員要件、役員要件と、こういう要件を満たしておりますと農業生産法人というカテゴリーになりまして、農地を所有することができるということでございます。 この農業生産法人の要件についてもいろいろと御議論があるということは御案内のとおりでありますが、そういうことを踏まえた上で、一般的に所有方式ということについては、特に先ほど北海道の例がありましたけれども、北海道以外の都府県では、農地価格が収益価格、賃料の二十五年分ということですが、これの四倍程度になっているということで、経営上のメリットが余りないということでございます。 これは、官邸の会議でも、経済界の方から、バランスシートに買ってしまうと載ってしまうということで、リースの方が合理的だという御発言もあったところでございますが、さらに、農業界の方から見た意見として、一度買って入ってこられた企業が撤退した場合に産廃置場になるのではないかという不安の声があって、所有方式を拙速に進めるとリース方式での企業参入にもマイナスの影響が出てしまうと、こういう可能性が指摘をされておるところでございます。 農地法改正前の参入企業四百三十六のうち七十九が撤退をしているということもあってこういう懸念の声があるということではないかと、こういうふうに思っておりまして、したがって、こういうことも踏まえて今回の農地中間管理機構がリース方式を中心としてやっていこうということにいたしましたし、全体のこの仕組みとしても、農業生産法人として農地を所有すると、こういう形に今なっているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 この記事の一例をもってして、私も即株式会社の規制に対して撤廃とかそういうことを言うつもりは全くないわけでありますけれども、現場で、特に新しいことに挑戦されている方たちを何とか支援していくような、そんな柔軟な取組も今後引き続きお願いしたいなというふうに思います。 残りの時間を使いまして、その他、農地中間管理機構の運営に際して、幾つか。 結局、この農地中間管理機構自体は、この農地の集約化あるいは高効率化といった高い目標、具体的な成果を得るということとそれから公平公正で透明な運用と、この二つが求められるというふうに考えています。そうする中で、例えば、一つ批判的な声としては、この農地保有合理化法人の看板をすげ替えただけなんじゃないかといったような疑念の声もあったりするわけで、都道府県で様々多様な運用をしていく、これはそのとおりであるべきだと思うわけですけれども、その運用の在り方、透明性の確保については、国としてしっかり指導して、またルールをきちんと作る、そういったところをリードしていただきたいというふうに考えています。 そこで、まず最初にこの役員の要件についてお伺いしたいんですが、法案を読んでみますと、役員の過半数が経営に関し実践的な能力を有する者と、こう書いてあるわけでありますけれども、ちょっとやや曖昧な書き方なのかなと。これ、具体的にどういう基準を想定されているのか、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(奥原正明君) この農地の中間管理機構、ここが成果を上げるためには、やはりここが農地流動化を責任を持って積極的に推進できる体制をつくることが重要であるというふうに考えております。 このため、役員につきましては、今回県知事の認可制にしておりますし、それから事業の実施状況が著しく不十分なときは県知事が役員の解任を命ずることができるという規定も入っております。それから、役員の要件といたしまして、役員の過半数が経営に関し実践的な能力を有する者であると認められることということも入れておりまして、ガバナンスの強化を図っているということでございます。 特に、経営に関し実践的な能力を有する者であるという役員要件を設けましたのは、一つには、この農地の受け手となります農業者の経営のことがよく分かっている人であることが望ましいということが一つと、それからこの農地の中間管理機構自身、ここがやはり国費も投入をいたしますので、投資した国費とそれと成果と、このこととの関係をきちんと見て効率的、効果的に事業を行っていただくという必要があると、この二つの観点でこの要件を法律の中に入れております。したがいまして、経営に関して実践的な能力を有する方というのは、農業あるいはその他の事業につきまして経営判断の実践的な能力がある方ということを指しているということでございます。 具体的なこの役員の人選につきましては、この法律の趣旨を踏まえて県段階でよく御検討いただくということになりますけれども、これはあくまで一例でございますが、例えば県内の有力な農業法人の経営者であった方で御自身の経営は後進に譲られたような方、こういった方などが考えられるところでございます。 いずれにしましても、公平公正で透明な機構の運営を行っていくことはこの役員の人選によるところも非常に大きいわけでございますので、この役員の人選につきまして県内でよく御議論いただきたいというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 これ、機構の業務内容を考えていきますと、例えばリース料の設定ですとか、あるいは農地を借り上げた後の期間のマネジメントですとか、非常に高い経営のスキルといったものが求められるのかなというふうに思っておりますので、その点についてももう一歩具体的な運用指針ですとか、そういったもので対応していただければと思います。 続きまして、重点区域についてお伺いしたいんですが、この農用地の利用の効率化及び高度化を促進する効果が高い地域というふうに書かれているわけでありますけれども、ここについても具体的にどういったものをイメージされているのか、基準をお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) この農地の中間管理事業は、担い手への農地の集積あるいは集約化を進めるために国費も投入して実施をするものでございます。したがいまして、その効率的かつ効果的な実施を確保する必要があるというふうに考えております。 このために、法律の第八条三項第二号ですけれども、この農地の中間管理事業は、農地の利用の効率化及び高度化を促進する効果が高いと見込まれる区域で重点的に行うということにしております。重点的に行うということですので、これ以外の区域で行わないということではありませんが、こういった地域を重点的にやるということが書かれております。 具体的には、地域内のまとまった農地を借り受けて、担い手への農地の集積、集約化に配慮して転貸できる区域、これをイメージしておりますので、例えば適切な人・農地プランが作成されている地域、こういったものがこれに該当するというふうに考えております。それから、担い手が不足している地域などでは、人・農地プランの策定がなかなか難しいという地域もございますけれども、そういった地域の中でもまとまって利用可能な耕作放棄地があるような、そういうところもございますので、こういった地域もこの事業を実施する重点区域に該当する可能性は当然あるというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 時間が迫っていますので最後の質問にさせていただきます。この賃借権の解除についてお伺いしたいと思います。 法案の中には相当の期間を経過してもなお貸付けを行うことができる見込みがないと認められるときと、こう記されているわけでありますけれども、ここについて具体的な、この出口戦略って実は一番難しいところかなというふうに思うわけですけれども、具体的に今想定されている目安、基準といったものをお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) この農地の中間管理機構に関しましては、この機構のところに長期にわたって貸し付けられない農地が滞留するということを防止すべきであるという観点で幾つかの仕組みが入っております。この仕組みの一つとして、この機構が借り受けた農地につきまして、相当の期間を経過してもなおその農地の貸付けを行うことができる見込みがない場合、このときにはこの賃貸借契約を解除できるという規定が二十条で入っております。 この機構が契約を解除できる相当の期間、これの解釈でございますけれども、国が一律に決めるのではなくて、機構が地域の状況を踏まえて、その事業規程において設定を示すことになるというふうに考えておりますが、当該農地の地代等がどのくらい掛かるかということにもよりますけれども、受け手の確保を見極める必要があるということを考えますと、多くの県では二年から三年程度で設定されることが多いのではないかというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 時間が来たのでまとめますが、今おっしゃっていただいたように、国の一律の基準で運営する必要は必ずしもないなというふうに思います。ただ、例えば滞留するときというのは幾つかケース、ある程度想定できると思うんですね。交渉に入っているけれども、最後具体的な貸出条件で詰まらないところですとか、あるいは当初見込んだところが急に降りてしまったといったときに次の担い手を探さなきゃいけない、幾つかあると思いますので、それぞれについて例えば各都道府県に基準を示してもらう、作ってもらう、こんなような形で国がガイドラインを作っていくですとか運用を指示していくということも可能かなというふうに思いますので、是非御検討いただければと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) この際、申し上げます。 民主党・新緑風会が次の質問時間になっておりますが、所属委員の出席が得られませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農地中間管理事業の推進に関する法律案及び農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午後三時二十五分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕