農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 194 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2013/11/12
会議録
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○馬場成志君 おはようございます。 熊本県から出てまいりました馬場でございます。質問は初めてでございますので要領を得ない部分があろうかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。 早速、TPPについてお尋ねをいたします。 もう十一月も中旬に入りまして、今年もあと五十日を切ってきました。年内妥結という言葉がよく使われておりますが、実際のところ、今後のスケジュールはどのようになっていますでしょうか、お尋ねします。
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。 先月、インドネシアのバリ島で行われました首脳会合で年内の妥結に向けた流れが確認されたことを受けまして、今月、来週の十九日からでございますが、アメリカのユタ州ソルトレークシティーにおきまして首席交渉官の会合などの中間会合が開催される予定でございます。また、十二月の上旬にはシンガポールにて閣僚会合が開催される予定でございます。
○馬場成志君 今、閣僚会議があるということでありましたけれども、それでは、そのシンガポールの会議には、閣僚会議だけではなくて、安倍首相やアメリカのオバマ大統領を始めとする首脳会議はセットされているのでしょうか。
○政府参考人(澁谷和久君) 現時点におきまして、各国の首脳が参加する首脳会議が開催される予定はございません。
○馬場成志君 今、首脳会議は予定がないということでお答えがあったかというふうに思いますけれども、私は、今回のTPPの交渉というのは、年内妥結ということも含めて、オバマ大統領にとって来年の中間選挙に向けての政治生命を懸けるほどの重要事項であったというふうに思っておるところであります。 そのようなことを踏まえていけば、もし年内妥結を前提とするならば、現地において首脳会議による最終的な問題解決による妥結という運びになるのではないかというふうに思っておるところであります。それがオバマ大統領にとっても最高の見せ場となるのではないかというふうに思っておりますが、そうではないのでしょうか。 また、本件に係るアメリカ国内や議会の情勢、それに対する見通しなどをお聞かせいただければというふうに思います。
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。 TPPは、貿易だけではなくて非常に幅広い分野をカバーする交渉でございますので、先生御指摘のとおり、年内妥結に向けて各国首脳のリーダーシップが非常に重要となってくるわけでございます。 安倍総理御自身も、先月のバリにおける首脳会議におきまして、首脳声明の取りまとめ直前だったと思いますが、難しい問題が残っているが、閣僚、交渉官に指示を出すのが首脳の任務であるという御発言をされまして、それを受けて首脳声明が取りまとめられたわけでございます。 我が国はもちろんのことでございますが、いずれの交渉参加国も、交渉が大詰めに近づくにつれまして首脳と相談をしながら作業を進めているところでございます。シンガポールにおきましては、そうした首脳の意向を十分踏まえた形で閣僚同士の議論がなされるものと認識しております。 また、アメリカ国内や議会の情勢についてということでございますが、特にTPAの取得について今国会でも何度か御質問いただいているところでございます。TPAにつきましてはアメリカの議会でもいろいろと動きがあるようでございますが、正式な議会の承認前ではなくて交渉自体が妥結する前にTPAを取得した方がいいのかどうかにつきましては、アメリカの国内においても様々な見方があるようでございます。交渉妥結前に議会がTPAの権限を与えようとすると、かえって政府の交渉に対して細かい注文が付いて身動きが取れなくなるんじゃないかというような指摘もあるようでございます。 我が国といたしましては、引き続きそうした情勢も注視した上で交渉に臨んでいきたいと考えております。
○馬場成志君 今のお話で全てが分かるわけではありませんけれども、アメリカの状況、そして議会とオバマ大統領との関係なども大体想像できるところもあります。 今、日本政府もこの交渉妥結に向けて努力をしておられるというふうに思います。これは急ぐことによって、それで日本にとって大きな成果を上げることができるということであればいいのでありますけれども、そんな状況かどうか分からないのが今現在であります。そういうことを考えていけば、余り慌てずにやっていこうというのがもう本当にたくさんの皆様方の意見であろうかというふうに思います。どうか腰を据えていただきますようによろしくお願いを申し上げておきます。 私どもは、重要品目に対しまして大変な危惧を持っております。元々私は県議会の出身でありますが、熊本県議会でも例外なき関税撤廃と非関税障壁の問題、これについては国の存亡を危うくするとして反対の立場を取ってきたものであります。 その後、いっときの気を緩めることもなくここまで参りましたけれども、大切なことは、どんな結論にいたしましても国会で賛成を得られないような協定を結んではならないということであります。そして、そのような協定を結んでくれば内外の信頼を失うということを肝に銘じていただきたいというふうに思っております。 大臣も、しっかりと国益を守るために交渉をしていくと繰り返し御答弁されているとおりであります。まさに重要品目を守ることが第一になすべきことであります。当委員会において委員各位から同様の質問がされてまいりましたけれども、現時点での大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まずは、馬場委員におかれましては農林水産委員会のデビュー戦ということで、是非今後の御活躍を御期待申し上げたいと思います。 今お話のあったTPPについては、何度も申し上げていることでございますが、この参議院の農林水産委員会、また衆議院の農林水産委員会でそれぞれ決議をいただいております。そこには、今お話のありました五品目等について、すなわち米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの重要品目について除外又は再協議の対象とする、農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先するとされておるところでございます。 このTPP交渉に当たっては、この決議を踏まえ、国益を守り抜くように全力を尽くす覚悟であります。
○馬場成志君 私は、今回のTPPのことに関連いたしまして、都会の皆様方にももっと食と農に関心を持っていただきたいと強く感じておるところであります。安全、安心や循環型社会をもっとよく理解してもらうために、これまでに増して多面的機能を感じてもらう努力もしていかなければならないというふうに思っております。 都心に農場をつくろうと努力している方々もいらっしゃるようでありますし、食と農の安全性に関しては以前より国民の関心は高まっているというふうに思っておりますが、残念ながら、そのきっかけというのは事故が起こったときに高まることが多いのではないかというふうに思っております。しかし、その事故の多くは生産者の問題ではなく、商売人のモラルの問題が多いような気がいたしております。 その時々に振り回される生産者や食料の安全保障は、国家が守っていかなければならないと改めて感じております。我が国の農業は損得の計算外にあるという考え方でいいというふうに思っております。大臣を始め関係各位の皆さん方には、どうか腰を据えて国益を守り抜くことだけに全精力を傾けていただきますようにお願いを申し上げておきます。 次に、森林吸収源対策とその財源についてお尋ねをさせていただきます。 まず最初に、京都議定書の第一約束期間において、我が国の温室効果ガス削減義務六%のうち、年間五十五万ヘクタールの間伐により三・八%の目標が達せられる見込みにあるとのことであります。この五十五万ヘクタールの間伐は、従来年間三十五万ヘクタールであったものから大幅にペースアップすることによって実現したものでありますが、この五十五万ヘクタールの間伐を実施するための予算措置についてどのように手当てをされたのでしょうか。また、当初予算で十分足りている状況なのでございますか、お尋ねをします。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。 京都議定書の第一約束期間、平成二十年から二十四年まででございますけれども、この期間における我が国の森林吸収量の目標値、御指摘のように、基準年でございます一九九〇年の総排出量比三・八%でございます。その達成のために年間五十五万ヘクタールの間伐を実施することとされていたところでございます。 こういったことで、毎年度、森林整備事業でございますが、当初予算及び補正予算、こういったものを措置させていただきました。また、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法に基づく地方財政措置、こういったものも活用しながら間伐を実施してきたところでございます。この結果、現在のところ、基準年総排出量比三・八%分の森林吸収量を確保できる見込みとなっているところでございます。
○馬場成志君 今年度からスタートしている第二約束期間においても引き続き五十二万ヘクタールの間伐を実施していく必要があるということでありますが、第一約束期間においては補正予算によって何とか五十五万ヘクタールの間伐に必要な予算が講じられたところであります。今後もこのような不安定な財源措置でよいとお考えでしょうか。
○政府参考人(沼田正俊君) 委員御指摘のように、森林吸収源対策を今後とも着実に実施していくというためには安定的な財源の確保というものが重要な課題というふうに認識しております。こういったことで、農林水産省におきましては、平成十七年度から森林吸収源対策に活用できる新たな税というものを要望してきておりまして、そういったことで、本年一月の与党の平成二十五年度税制改正大綱におきましても、森林吸収源対策に関する財源の確保について早急に総合的な検討を行うということとされたところでございます。 こういったことで、平成二十六年度税制改正要望におきまして所要の改正要望を提出させていただいているというところでございます。
○馬場成志君 我が国の地球温暖化対策を進める上では、今、エネルギー問題などによって産業界等の排出削減自体もう厳しい状態になっているかというふうに思っておりますが、そうであれば森林吸収源対策の重要性はますます高まっていくものだというふうに思っております。 平成二十四年の十月から地球温暖化対策のための税がスタートしております。まさに、我が国の地球温暖化対策を進めるための税財源措置であります。まず最初に、この税の税収額、使途についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(清水康弘君) お答え申し上げます。 地球温暖化対策税でございますが、平成二十四年十月から三段階に分けて段階的に導入されることとなっております。年間の税収額は、平成二十四年度は半年分で約四百億円、平成二十五年度は約九百億円、平成二十六年度からは約千七百億円、平成二十八年度以降は予定された税額がフルに導入されることとなり、約二千六百億円と見込んでおります。この税収はエネルギー対策特別会計に繰り入れられ、使途については再生可能エネルギーの導入及び省エネ対策というエネルギー起源の二酸化炭素の排出抑制対策に充てられることとなっております。 この特別会計は環境省と経産省で所管しており、再生可能エネルギーあるいは省エネルギー対策のための技術開発や実証、普及のための様々な事業に用いられております。また、こうした事業の一部については関係府省とも連携をしながら実施している、そういうことでございます。
○馬場成志君 今の話からすると、地球温暖化のための税の使途というものは排出削減対策のみで、森林吸収源対策は対象となっていないということのようでありますけれども、なぜ森林吸収源対策が使途の対象となっていないのでしょうか。また、地球温暖化対策における森林吸収源対策の役割は大変大きいと考えますが、その理由をお聞かせください。
○政府参考人(清水康弘君) 地球温暖化対策税につきましては、エネルギー起源のCO2の排出抑制対策に充当する制度として、納税者の理解を得つつ昨年十月に導入されたところでございます。今後、段階的に税率引上げが予定されているところでありますので、まずはこの形で定着させていくことが重要と考えております。 一方、森林吸収源対策につきましては、先ほど御説明ありましたが、与党平成二十五年度税制改正大綱におきまして、財源確保について早急に総合的な検討を行うこととされております。この方針に沿って総合的な検討を行っていくことになるものと考えております。 環境省といたしましては、揮発油税等につきまして、当分の間税率となっておりますそこの部分をグリーン化の観点から維持して、その税収を森林吸収源対策等に優先的に充当することを農水省とも連携しつつ要望しているところでございます。また、農水省と連携して、間伐材等を活用した再生可能エネルギー導入のための事業も実施しているところであります。こうした取組を通じて、環境省といたしましても森林吸収源対策の推進に努力してまいりたいと考えております。
○馬場成志君 いろいろとやっぱり段階的なこともあるというふうに思っております。 やはり私としては、なぜ我が国の温室効果ガスの削減目標の達成に森林吸収源対策がこれだけ貢献しているのに使途に位置付けられていないのか、甚だ疑問に感じているところであります。きちんと間伐等の森林整備を進めることにより森林吸収量を確保することは、ひいては産業界や国民生活にも役立つものと考えております。何より、豊かな国土を形成する上で中山間地域の方々が頑張って取組を進めることができるということは国民全体の重要な課題と考えます。 平成二十六年度税制改正において、地球温暖化対策のための税の使途に森林吸収源対策を位置付けることを要望したことは、私としては非常に心強く感じているところであります。この要望は平成二十五年度税制改正でかなわなかったと承知しております。今環境省の方からも農林水産省としっかりと連携を取っていくというようなお言葉をいただきましたので、これからに期待をさせていただきたいというふうに思っておりますが、この森林環境税を創設することといったことについて、実現のためにこれから積極的に御尽力をいただきたいと思いますし、私自身、このことに取り組んでいきたいというふうに思っております。 間伐と森林の適切な整備を確実に進め、地球温暖化対策に貢献していくために、そして中山間地域の活力を取り戻し、緑豊かな国土を守り続けていくために、是非ともこのような安定的財源の確保を実現していく必要があります。本件については、党内でも多くの先生方が努力をされてきておられます。また、十年に及ぶ要望と伺っておりますが、ここで税財源確保に向けた見通し及び大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 森林吸収源対策を今後とも着実に推進していかなければならないと、今委員がおっしゃったとおりでございまして、そのためにも安定的な財源の確保、これは大変重要な課題だというふうに思っております。 先ほど環境省からもあったように、与党税制改正大綱、一月の二十四日だったと思いますが、これにも森林吸収源対策に関する財源の確保について早急に総合的な検討を行うということでございます。これまで何年もこういうものを要望をしてまいりまして、なかなか実現に至っていないと、こういう状況も踏まえて、一歩踏み込んだ書き方をしていただいたというふうに受け止めておるところでございまして、これを受けまして、二十六年度の税制改正要望において、今委員がおっしゃっていただいたように、まず、CO2排出抑制対策に使途が限定されている地球温暖化対策のための税、これの使い道、使途に森林吸収源対策を追加する、これをまず要望すると。 それからもう一つは、先生が議長また農林水産委員長で県議会でも取り組まれたというふうに聞いておりますが、森林整備のための県民税はこれは三十三県で既に導入をされております。森林整備の受益者、皆さん全体でございますから、県民の皆さん全体に幅広く負担していただくと、こういうことだと思いますけれども、この三十三県で導入されている県民税の上乗せ措置の国税版の創設、これを要望をしておるところでございます。 今から与党で党内で税の議論が始まると、こういうふうに承知をしておりますので、我々としてもしっかりとこれに対応して安定的な財源の確保に取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○馬場成志君 拡大にいたしましても、また新設にいたしましても、安定的に実行していただきますようによろしくお願いを申し上げておきます。 それでは、今日用意しております最後の質問になりますけれども、農業水利施設の保全管理についてお尋ねをいたします。 農業用水を確保するための農業水利施設につきまして、その施設の多くは戦後の食料増産や高度経済成長の時代に整備されたものであるために、現在老朽化が急速に進行し、更新等が必要な時期を迎えております。その一方で、国、地方公共団体等の財政状況が逼迫しているため、施設の老朽化に対応した補修が進まないという現状があります。また、加えて、土地改良事業予算の政権交代による、民主党政権による大幅な減額によって、またいろんなスケジュールが変わってきたということもございます。そういった中で、いろんな地域においての計画、一つの計画が遅れることによってまたその先にある計画も遅れてきたというようなこともありまして、今農業がしっかりと立っていかなければならないというような中で地方は本当に大きな問題を抱えておるということも付け加えてお話しさせていただきたいと思いますが。 耐用年数が過ぎた水路やダムの保全対策を怠って、破損して全面更新が必要になるというようなことになれば、負担額が増えるのは農家であります。熊本県には海沿いの海抜ゼロメートル地帯に近い地域に農地が二万ヘクタールあります。排水機場などの排水施設が沿岸部の農地や人々の生命、財産を守っていることから、これらの施設の維持が非常に重要になってきております。また、全国各地で台風や豪雨による災害も増加する中で施設の保全に向けた早急な対策を講じるべきだと思いますけれども、どのように行っているのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(實重重実君) 農業水利施設の老朽化対策についてお答えします。 我が国の社会資本全体が老朽化しつつございますけれども、その対策が全体として必要でございます。農業水利施設についても、委員御指摘のとおり、戦後にその多くが新設された基幹施設が多数ございますので、既にその二割が耐用年数を迎えつつあります。施設の長寿命化を含む老朽化対策が重要な課題であると認識しております。 この老朽化対策といたしましては、一つは、農業水利施設を点検、機能診断をいたします。一部の補修などでメンテナンスが可能なものにつきましては、耐用年数が延びるように長寿命化を図ります。それから二点目として、部分的な補修などでは対応が困難な水利施設については、緊急性のあるものから改修又は更新を行うといった対応を行っているところでございます。具体的には、平成二十八年度までに、耐用年数までかなり時間があるものも含めまして、基幹的な農業水利施設の約七割につきまして機能診断を行うことを目標に取り組んでいるところでございます。 農業農村整備事業の予算につきましてでございますが、平成二十二年度予算の編成過程で大幅に削減されたところでありますが、平成二十四年度補正予算と二十五年度予算において増額を図ったところであります。また、二十六年度予算要求に更に増額を要求しているところでございまして、今後とも、農業水利施設の点検整備を含めて、地域のニーズに対応することができるよう、予算額の確保に努めてまいりたいと思っております。
○馬場成志君 今、二十六年度についての予算要求については、もう大変これまでに増して頑張っていただいているというふうな思いはあります。しかしながら、以前の計画で考えておったペースまではまだ行っていないというふうに思っておるわけであります。 熊本は特に干拓が多いところかもしれません、全国の平均ではないかもしれませんけれども、そういった干拓地においては、もう本当にどこも同じような悩みを持っておる、心配を持っておるというふうに思っております。 今、機能診断の話もありました。機能診断をしなければもちろん次の段階には入れないわけでありますから、しっかりとやっていただかなければなりません。それが七割でいいかどうかという話はまた別の話であります。そして、そのことによって、その機能診断が終わったところというのが計画的にやっていかなければならない。そのことをこれから、本当に何かあって、もちろん、農業地帯が冠水することによっての問題、これがこの農林水産委員会としては一番の問題かというふうに思いますけれども、干拓地域におきましては、もう都市水害のための排水施設になっておることも先生方も十分御承知かというふうに思っております。そうなれば、本当にもう大災害につながってしまうというようなこと、そのことをしっかりとまたお訴えいただきながら予算の獲得に努力していただきたい、そして結果を勝ち取っていただきたいというふうに思っておりますので、重ねてお願い申し上げます。 そしてまた、施設保全に当たっての地方公共団体の負担、これまでここでお願いするというようなことはできないかもしれませんが、あえて今日は申し上げておきます。あるいはまた、農家負担の軽減ということもやっていかなければ、実際国がお金あるぞと言うてもできないというような環境もあろうかというふうに思います。この点につきましても、何かお答えいただけるものがありましたらお願いしたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 私の方から御答弁させていただきます。 農業農村整備事業は、地域の農業を振興するとともに農業者の資産でございます農地の価値を向上するものでありますので、地方公共団体、また農業者の負担を伴うこととなっておりますが、農業水利施設の有する公益的な性格に鑑み、極力その負担を軽減されることが望ましいというふうに考えております。 このため、農業水利施設の機能診断に対する定額助成、ため池の点検、ハザードマップの作成等、農村の防災、減災に資するソフト活動に対する定額助成、負担金の償還に対する利子助成等、各般の施策を講じており、今後ともその拡充に努めてまいる所存でございます。 また、老朽化した施設を新しく更新する場合、小水力発電や省エネ施設を導入することにより管理費負担の軽減を図ることが可能となりますので、適地調査、設計等に関し助成を行っております。こうした技術の導入についても積極的に進めてまいる所存でございます。
○馬場成志君 今の質問につきましては、今の計画でやっていくペースでいったら、事業予算というのはしっかりと消化できるところだけでもやれるというふうに思います。しかし、深刻の度合いというものはそれと同一ではないということで、やっぱり一緒に考えていっていただかなきゃいかぬということを申し添えさせていただきまして、本日の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○舞立昇治君 自由民主党、鳥取県選挙区の舞立昇治でございます。本日は私も国会初質問ということでかなり緊張しておりますが、一生懸命質問したいと思いますので、どうか質問に対しまして丁寧かつ簡潔に御答弁をよろしくお願いいたします。 まず、ちょっと質問に入る前に、先日、フィリピンで超大型台風が生じ、死者、行方不明者一万人以上とも言われる大災害が起こりました。農林水産業への被害もいかばかりであったかと想像されます。被害に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方に心から御冥福をお祈りしたいと思います。 それでは、早速ですが、質問に入らせていただきます。 最初の質問ですが、農林水産関係予算の拡充についてでございます。 農林水産業は地方の基幹産業でありまして、特に農林業は、水源涵養、自然環境保護、景観保護、伝統の継承、CO2の削減等々、貴重な多面的機能を有しております。この農林業の多面的機能を全て貨幣的価値に評価することは難しいところでございますが、貨幣的に評価できる機能だけでも、年間のフローベースで農業では八兆、林業では七十兆とも言われております。こうした重要な機能を今後とも維持向上させていくためにも、そして地方再生の観点からも、農林水産予算の拡充が必要と考えております。 農林水産予算につきましては、農林水産業に従事している方々の所得に直接的、そして間接的に大きな影響を与えるところでございますが、民主党政権のときに全体の予算が大幅に削減されました。平成二十一年度当初には約二・六兆あったものが、平成二十四年度当初には約二・二兆と約四千億削減されております。昨年の政権交代で本年度は約二・三兆と少し復元されたところでございますが、先ほどもございましたように、農業農村整備事業等、まだまだ十分とは言えない状況と考えております。 この点、予算額を増やせばよいという問題ではないと指摘されるかもしれませんが、この点、世界各国の農業保護度、つまり食料、農業予算に使われている規模、そして食料自給率との間には私は密接な関係があると思っております。 事実、この食料自給率、カロリーベースでございますが、カロリーベースで計ることの是非は今日は問題にしませんが、これが一〇〇%以上の純輸出国であるアメリカ、これが一三〇%、フランスは一二〇%でございます。この国の農業予算額の対GDP比を見てみますと、アメリカは〇・九%、フランスは〇・八%と日本の〇・四%の二倍の規模となっておりまして、かなり手厚く自国の農業を保護しているのが分かるところでございます。自由貿易を迫り、規制緩和を迫るアメリカが最も農業を保護している国とも言われることかなと思っております。 このように、世界の主要国が食料自給に力を入れておりますのは、食料が国民の皆さんの命に直結する最も基本的な必要な需要財ということで、不測の事態に備えて国民に安心、安全な食料を、そして国内において安定的に確保するということは国家としての最低限の責務と認識していると思います。 日本では、農林水産業への支援に対して、ともすると、大都市や経済界を始め、なかなか理解が進んでいないところと認識しておりまして、財務省の一律の予算査定システムの中で農林水産予算は非常に不安定な状況が続いていると思います。これにつきましては、国防と並ぶ国益の最たるものとして政府全体での予算配分が是非とも必要と考えております。 そこで、来年度の概算要求では約二兆六千億となっておりますけれども、ようやくこれは平成二十一年度当初以前の水準となっているところでございますが、この額の確保に当たっては、新しい日本のための優先課題推進枠の約四千二百三十億、農水省分で約三千七百五十億、北海道、沖縄分として約四百八十億とお聞きしておりますが、これらの額の確保のほか、経営所得安定対策の見直しに係る新たな日本型直接支払の十分な予算獲得など、課題は多いと思われますが、是非ともこの農林水産関係予算の復元、増額を実現していただきたいと思います。 それについて大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まずは、舞立委員におかれましても、今日はデビュー戦ということでございますので、今後の御活躍を御期待申し上げたいと思います。 予算について大変有り難い御激励をいただいたと、こういうふうに思っておりますが、官邸に農林水産業・地域の活力創造本部、これを置いていただきまして、議論を今進めておるところでございますので、この方向等も踏まえまして、まず農地中間管理機構による担い手への農地の集積、集約化や多様な担い手の育成、それから圃場の大区画化や次世代施設園芸の導入など強い農林水産業のための基盤づくりや美しく活力ある農山漁村の構築、それから、異業種、例えば医療ですとか福祉ですとか観光ですとか、そういうところとの連携による六次産業化や外需を取り込むという意味での輸出促進、そして強い林業づくりや強い水産業づくり、これらを重点事項といたしまして二兆六千九十三億円を要求したところであります。これは、二十五年度の予算二兆二千九百七十六億円に対して一一三・六%、前年度比で一三・六%増ということでございます。 大変厳しい財政状況であることは承知でございますけれども、この年末の概算決定に向けて所要の予算が確保されますように全力を傾注してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。 続きまして、農林水産行政に対する基本方針の確認ということで質問させていただきます。 この農林水産業最大の課題は何かと私も考えておりますけれども、小規模、零細、そして高齢化、そして耕作放棄地の問題、低い自給率の問題等々、様々な課題が山積しているところでございますが、やはり私といたしましては、もうからなくて魅力的な産業と思ってもらえないところが最大の課題ではないかと考えております。政府では日本再興戦略を作り、農林水産業の成長産業化を掲げておりますが、これは人の面からいいますと、農林水産業でしっかりと稼げる魅力的な産業にしようと言っていることにほかならないと思います。 さて、林大臣は所信におきまして、攻めの農林水産業を展開する中で、農林水産業を産業として強くしていく取組と多面的機能の発揮を図る取組の両者を一体的に推進してきたと述べられております。これは、安倍総理流の表現にしますと、強い農林水産業を目指す産業政策と美しく活力ある農山漁村を守り活性化していく地域政策とを車の両輪として瑞穂の国日本を再興するということになるかと思います。しかしながら、この保護を基本とする地域政策と競争を基本とする産業政策というものは、常に同じ方向に作用するとは限らないと考えます。 そこで、この農林水産業に対する地域政策と産業政策のバランスにつきまして、大臣は一体的に推進されてきたということでございますが、どのような考え方、そして哲学に基づいてこの農林水産施策、政策の企画立案に当たられているのか、大臣の基本認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 農業従事者、これが減少する、それから平均年齢六十六歳とよく言われますが、高齢化等が進展する、あるいは耕作放棄地が増えるという状況の中で、やはり農政改革をやり、国内農業の活性化を図っていく、これは待ったなしの極めて重要な課題であると、こういうふうに認識しております。 そういう中で、まず規模も大きく競争力のある強い農業経営を育成していくという視点、今産業政策と言っていただきましたが、これが大事であることは当然でございますが、一方で、農業が有する国土保全、水源の涵養、集落機能の維持、こういった多面的な役割の維持確保を図っていくという視点がやはり不可欠であると、こういうふうに考えております。 このため、省内に攻めの農林水産業推進本部を立ち上げたところでございますが、攻めというと産業政策の方に言葉的に連想されやすいものですから、そうではなくて、輸出拡大、六次産業化といった産業政策と、今申し上げた多面的機能の発展を図る取組や、また都市と農村の共生・対流、これを含めた地域政策を車の両輪として施策の具体化を進めておるところでございます。この二つの両者をきちっと検討を進めることによって、農林水産業・地域の活力創造プラン、これは官邸の本部で取りまとめていくことになりますが、しっかりとそこに反映させていきたいと、こういうふうに思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 この二つが両輪ということで、今後も重要性におきましては少なくとも五分五分であると理解いたしました。念のため、これからは産業政策の方を重視するということではないということについて、いま一度確認させてください。
○国務大臣(林芳正君) まさに車の両輪でございますので、どちらかの車輪が速く走り過ぎますと車は曲がってしまうと、こういうことでございます。しっかりとこの車の両輪が同じ車軸の中で同じスピードで動いていくと、これが大変に大事なことであるというふうに考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 ところが、新聞報道などによりますと、政府の産業競争力会議農業分科会で、民間委員の方から、様々な産業政策の方を重視するエッジの効いた政策提案がなされております。その中には生産現場の実情と懸け離れたものがあり、地元の生産者や関係者の方に非常に不安が広がっているところでございます。 そこでお伺いしますが、産業競争力会議と農林水産省の攻めの農林水産業推進本部はどのような関係にあるのか、政府が十一月末を目途に取りまとめる予定となっている農林水産業・地域の活力創造プランにつきまして、産業競争力会議農業分科会の民間委員の提案に沿った内容になってしまうのか、その点お聞かせください。
○副大臣(吉川貴盛君) 私の方からお答えをさせていただきます。 舞立委員からは丁寧に簡潔にという御指摘をいただきましたけれども、この場合は少し丁寧に御説明を申し上げたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。 まず、産業競争力会議でありますけれども、これは、我が国産業の競争力強化や国際展開に向けました成長戦略の具体化と推進について調査や審議をするために、総理を議長といたしまして、民間議員等を構成員として設置をされております。農林水産業につきましても、競争力強化の観点から御議論をいただいているという認識を持っております。 一方、省内に設置をいたしました攻めの農林水産業推進本部でありますけれども、林大臣を先頭にいたしまして、国内農林水産業を強くしていく、産業政策だけではございませんで、農林水産業を中心とした地域社会を維持する地域政策につきましても検討を行っておりまして、ただいまも大臣から御答弁がありましたように、両者を車の両輪として施策の具体化に取り組んでいるところでもございます。 産業競争力会議におきましても、省内の攻めの農林水産業推進本部における検討状況を今日までも説明をしておりますし、産業競争力会議の民間議員とも議論を深めてきております。六月十四日に閣議決定されました日本再興戦略におきましては、省内本部の検討内容が盛り込まれているところでもございます。 なお、現在、産業競争力会議農業分科会におきましては、経営所得安定対策の見直しが議論をされております。その議論の場におきましても、私ども農林水産省も出席をいたしまして必要な説明や意見交換を行っておりまして、十分に議論を尽くしながら的確な政策の方向付けがなされるようにしっかりと私どもも努力をしてまいりたいと思っております。 当省といたしましては、強い農林水産業、美しく活力ある農山漁村をつくり上げるための施策の具体化を進めているところでもありまして、産業競争力会議における議論も含めまして、与党ともよくよく相談をさせていただきながら、今後の政策の方向性を農林水産業・地域の活力創造プラン、仮称でありますけれども、として取りまとめてまいりたいと存じております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 是非、政策に責任を持つのは有識者ではなくて政府であり与党であるということをしっかりと認識していただき、しっかりと現場を踏まえた検討を行っていただきますようによろしくお願い申し上げます。 続きまして、米の生産調整の見直しについてお伺いいたします。 様々な新聞報道がなされております。五年後に廃止するとか、農業強化策を一方で明記するといったような記事が散見されるところでございますが、この問題につきましては、地方の現場に唐突感を与え、大きな不安と混乱が広がっているところでございます。 この米の生産調整の見直しについて、まずは事実関係とともに生産調整の見直しに係る意義、必要性や現在の検討状況についてお聞かせください。
○副大臣(吉川貴盛君) 十一月の六日に、現行政策の現状と課題、さらには論点整理を踏まえた中間取りまとめ案というものを与党に提示をさせていただきました。 この中間取りまとめにおきましては、まず一つには、非主食用米への生産誘導のインセンティブといたしまして、飼料用米等につきまして、生産数量に応じて支払う仕組み、いわゆる数量払いと呼んでおりますけれども、を導入をするなど、水田活用の直接支払交付金の充実を図るとともに、二つ目でありますけれども、中食、外食等のニーズに応じた生産と安定取引の推進、さらに、三つ目には、国によりまして、よりきめ細かい需給・価格情報、販売の進捗・在庫情報等の提供などの取組を進めていきますとともに、四番目でありますけれども、これらの対策を進める中で、その定着状況を見ながら、五年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえまして、生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になりますように、行政、生産者団体が、あるいは現場が一体となって取り組むという整理をしたところでございます。 このような考え方に基づきまして、引き続き精力的に議論を重ねていくことといたしておりまして、現場が混乱しないように十分配慮をしながら対応を検討してまいりたいと存じております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 幾つか項目を挙げて答弁していただきましたが、やはり大きな視点、なぜ生産調整、見直していくのか、廃止していくのかといったような丁寧な説明が必要だと思いますので、今日はちょっと質問が多いのでこれ以上追及はしませんが、もうちょっと分かりやすい、日本の今の米の、米政策の現状はこうなっていて、これを解消していくためにもやっぱり必要なんだと、そういった視点の説明に心掛けていただきたいと思います。 先ほど、定着状況を見ながらとか云々かんぬんありました。廃止という言葉は一切書かれていないということを確認いたしました。 この米の生産調整につきましては、一九七一年から様々な修正、改善を加えながら四十年以上も続いてきた制度でございます。これを、先ほど、定着状況を見ながらという留保が付いておりますけれども、五年程度の期間で廃止するのは余りにも私としては短過ぎると考えております。 以前行われました平成の大合併におきましても、市町村の財政につきまして、十年間の経過措置プラス五年間の激変緩和措置ということで合併が進められております。それでも、狙いどおりの行政サービスの効率化、財政構造の改善が図られているかというと、まだまだ十分ではないというふうにお聞きしております。 今回の生産調整廃止のような、見直しのような大きな政策変更につきましては、少なくとも十年単位の経過措置なり、地に足着いた議論が必要と考えております。生産現場や農業関係者の方々としっかり議論を深めていただきながら検討していただきたいと思います。 そこで、生産調整の見直しに向けたこの制度変更の定着状況、先ほどもおっしゃられました、この定着状況が芳しくない場合には、廃止という言葉はございませんでしたので、廃止はしないと。あるいは、生産調整の廃止につきましては、定着状況を見ながら五年後を目途に改めてそのときに判断するということでよいか、お伺いいたします。
○副大臣(吉川貴盛君) 度々大臣も答弁をされているところでもございますけれども、正直申し上げまして、今から五年後のことにつきまして断定的に申し上げるのはなかなか難しいと考えておりまして、今後、水田活用の直接支払交付金の充実、さらにニーズに応じた米の安定取引の推進や国によるきめ細かい需給情報の提供などによりまして、需要に応じた生産、水田の有効活用を進め、食料自給率、食料自給力の向上を図っていくことといたしているところでもございます。 したがいまして、今後五年後を目途という時期的なイメージを共有をしながらも、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組んでいく中で、需要に応じた生産、特に飼料用米等の定着状況を見ながら、行政による生産数量目標の配分に頼らない状況にしていくことを目指すこととしてはどうかと考えております。まさに、これから毎年取組を地道に重ねていくことで円滑な移行につなげてまいりたいと考えているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 時期的なものを想定しつつ、現場の方々と一体的に取り組むということで、是非現場の意見を重視していただきたいと思います。 次に、これも新聞報道でございます。米の戸別所得補償につきまして、中間取りまとめでもあったと思いますが、平成三十年には廃止すると伺っておりますが、これにつきましても事実関係を伺うとともに、なぜこの四年で廃止するということなのか、理由をお聞かせください。
○副大臣(吉川貴盛君) 先ほども申し上げましたように、経営所得安定対策の見直しにつきましては、この十一月の六日に与党に中間取りまとめをお示しをいたしました。この中で、平成二十二年度から導入されました米の直接支払交付金につきましては、米につきましては麦、大豆等と違いまして諸外国との生産条件格差から生じる不利はないと。また、全ての販売農家に対して生産費を補填することは構造政策との関係でも適切ではございません。さらに、消費が減少していく主食米よりも非主食用米等への支援を充実することが必要であると考えております。 ただし、現場の混乱を避けるための配慮は必要でありまして、課題がこういったことがあることを踏まえまして、経過措置として、平成二十六年度産米から単価を削減をした上で平成二十九年度産までの時限措置、平成三十年度産から廃止ということになりますが、とすることをお示しをしたところでございます。 さらに、引き続きまして、本交付金を含めた経営所得安定対策の見直しにつきましては、産業競争力会議における議論も注視しながら、与党と十分協議をさせていただいて調整を進めていく必要があると考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 この戸別所得補償、廃止はやむを得ないにいたしましても、削減額と経過措置については現場が混乱しないよう、そして生産調整がきちんと機能するように十分配慮していただきたいと思います。 やはり、先ほども言われました、非主食用米の誘導に幾ら掛けていくのか、そして新たな日本型直接支払が幾らに措置されるのか、そういうことがなかなかやっぱり見えない中では現場に不安があるだけですので、その点、早く将来の農業、米を作っても大丈夫、そして非主食用米を作りたいと、そういったような希望が湧くような制度づくりに努力していただきたいと思っております。 時間の関係で、TPP関連は、先ほどありましたように、ちょっと飛ばしたいと思います。済みません。 最後に、鳥獣被害防止対策、そして狩猟者の確保、育成策についてお伺いいたします。 十一月七日、北海道の新十津川町におきまして、鹿猟の最中に六十七歳のハンターが仲間の六十五歳のハンターを鹿と間違えて誤射してしまい、撃たれたハンターの方が死亡するという痛ましい出来事が起こりました。亡くなられた方にお悔やみ申し上げますとともに、御冥福をお祈りいたします。 この鳥獣被害の問題は深刻化しております。この要因の一つに、やはり狩猟者の減少、高齢化がございます。狩猟者の数につきましては、一九七〇年代に五十万人台のピークを迎えてから右肩下がりの状況が続き、現在は二十万人程度と、その大半は六十代以上の高齢者で占められております。農業従事者の平均年齢と同様、年々その割合は増してきているところでございます。 狩猟者の多くは農業従事者のため今後更に狩猟者の減少が予想され、猟友会の体制の強化のほか、新たな狩猟者の確保、育成、そして研修や講習の充実等喫緊の課題と考えておりますが、この問題につきまして農林水産省としてどのように受け止め、また具体的にどのように取り組んでおられるのか、お聞かせください。
○政府参考人(佐藤一雄君) 舞立先生の御質問にお答えします。 今先生の方からお話ございましたように、近年、捕獲の担い手でございます狩猟者数というものが減少しておりますことから、全国的に野生鳥獣による農林漁業被害が広がっておりまして、捕獲の担い手の育成と確保といったものが非常に重要な課題の一つとなっているというふうに認識しているところでございます。 このため、農水省におきましては、鳥獣被害防止総合対策交付金という、平成二十五年予算で九十五億円でございますが、この予算の中におきまして狩猟免許講習会の開催や箱わな等の捕獲機材の導入等についても支援を行っているところでございます。 さらに、今先生の方から御指摘ございましたように、平成二十六年度予算概算要求におきましては、農業者団体の職員が鳥獣被害防止措置法に基づく鳥獣被害対策実施隊員として参画できるよう、農業者団体等による狩猟免許講習会の開催等についても支援を行う方向で検討しているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 鳥獣被害防止対策につきましては、イノシシや鹿の生息数が依然として多い状態が続いていることから、私の地元鳥取県のような中山間地の多い地方では特に重要な対策で、今後とも継続的な対策の実施、拡充が求められるところであり、国としてもしっかりと対応していただきたいと思います。 先ほど鳥獣被害防止総合交付金についての説明がございました。これにつきましては九十五億、そして来年は百億ということをお聞きしておりますけれども、地方におきまして交付金が一〇〇%交付されずに超過負担が生じているという声がございます。 来年度の概算要求、百億で十分なのでしょうか、地方の要望をしっかり積み上げた額となっているのでしょうか、その状況についてお聞かせください。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 農水省におきましては、平成二十年度から鳥獣被害対策事業、これを開始しておりまして、平成二十二年度までは二十億円台で推移していたわけでございますが、先ほど先生の御指摘ございましたように、この鳥獣被害が深刻化する、こういった中で、平成二十五年度におきましては先ほど申し上げました鳥獣被害防止総合対策交付金として九十五億円を措置したところでございまして、これによりまして地域ぐるみの被害防止に向けた取組を総合的に支援するといったようなことにしたわけでございますが、さらに、平成二十四年度の補正予算でございますが、野生鳥獣の個体数削減に向けまして鳥獣被害防止緊急捕獲等対策ということで約百二十九億円を新たに措置いたしまして、鹿等の捕獲頭数に応じまして一頭当たり八千円を支払うといったような地域における対策の充実強化を図っているところでございます。 さらに、先ほど先生の方から御指摘ございましたように、来年度予算におきましては、この九十五億円の交付金、五億円増額するといったようなことで百億円を今要求しているところでございますが、いずれにいたしましても、今後とも生産現場の声に耳を傾けながら、限られた予算ではございますが、できる限り効果的、効率的に執行して地域における対策の支援をしっかり講じていきたいと、このように考えている次第でございます。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 昨年度の補正予算の基金造成の緊急捕獲対策の予算につきましても本当に貴重な対策であり財源だと思いますので、是非今後とも鳥獣被害防止対策についてしっかりと推進していただきますようお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○中泉松司君 自由民主党秋田県選出の中泉松司でございます。 初めての質問の機会をいただきました。何とぞよろしくお願いをいたします。 秋田県は、皆さん御案内のとおり、非常に基幹産業として農業が盛んな地域でありまして、昨今の農政課題に関しては皆さんの関心が非常に高いものがありますし、また、生産調整に係る様々な報道に混乱している状況もありまして、非常に大きな不安を抱いているというのが率直な地域の現状であります。 その中で、限られた時間でありますので、私からはいわゆる生産調整の見直し等に関してを主にお話を伺いたいと思っております。 我が家も農家でありまして、我が家は、米、大豆、そしてまた梨、ブドウの果樹、そしてちょっと野菜を作っているんですが、ひっくるめると六町歩弱、六ヘクタール弱ぐらい、集落営農を構成していまして、全体で三十七ヘクタールぐらいをやらせていただいている、私も農家の一人であります。 前職が県議でありまして、県議というのは職業ではなくて立場であると思いますので純粋に兼業とは言えないかもしれませんが、父と家族とともに農業を営みながら、最近は東京、秋田を行ったり来たりになりましたので、なかなかかかわることができませんで、もどかしい思いをしておりますけれども、農家として頑張っていかなければいけないという思いも持っております。 初めに、大臣にお伺いをしたいんですが、秋田県は八割の農家が兼業だと言われております。非常に兼業の比率が高い県でありますけれども、これから農政の転換、様々図っていく上ではそういった体質の転換も必要なのかもしれませんが、今までの兼業農家が先祖伝来の田畑、そういったものを守るために担ってきた役割というものは非常に大きいものがあると思います。 そこに関して、大臣の、今までの兼業農家が担ってきた責任に関して御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まずは、今日はお三方とも自民党デビュー戦ということで、中泉委員におかれましても今後の御活躍を御期待申し上げたいと思いますし、農業をやっていらっしゃると、こういうことでございますから、現場に密着した御意見を賜れればと、こういうふうに思っております。 先ほど、吉川副大臣からも答弁させていただきましたけれども、中間取りまとめの案を十一月六日に示したところでありまして、非主食用米への生産誘導のインセンティブ、それから、中食、外食等のニーズに応じた生産と安定取引の推進、それから、国によるより細かい需給等々、先ほど五年後の話もありましたが、こういう内容でお示ししたところでございます。 舞立委員のときにもお話しいたしましたように、産業政策と地域政策を車の両輪としてやっていきたいと、こういうふうに申し上げましたので、専業であろうと兼業であろうと、特に地域政策の部分はしっかりと担っていただいてきたし、今からもそういう部分は重要であると、こういうふうに考えておりますので、先ほど申し上げましたように、この車の両輪がしっかりとかみ合って真っすぐに進んでいけるように、また、大きな改革でございますから現場が混乱しないようにしっかりと丁寧な説明もしながら進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○中泉松司君 秋田県の体質的な特徴もあるかと思いますが、これから転換を図っていく上では様々な課題を乗り越えていかなければいけないとは思います。ですけれども、先ほど舞立委員からも移行期間の話もありましたが、しっかりとソフトランディングできるように、そして現場の農家が混乱しないように、規模の大小であれ兼業、専業であれ、しっかりと取り組んでいけるような農業体質というものが必要であると思っておりますので、是非ともその視点を持って取り組んでいただきたいと思います。 参議院選挙が終わりまして、再び政権を担わせていただくことになりまして、自民党の秋田県連では、二十五市町村あるんですが、二十五市町村全ての地域で意見交換会を行って地元の皆さんから意見をいただいてきております。これからも年内にかけてずっと続けていくことになりまして、毎週これから様々な議論を、御意見をいただきながらしていかなければいけませんが、やはりその中で一番最初に声として出されるのが農家の不安であります。生産調整の見直しに係って、地元紙では一面で大きく取り上げられるんですが、一万五千円に関して直接支払を見直すという話があった次の日には七千五百円になり、数日後には五千円という報道がされるという、そういった中でやはり地元の皆さんが混乱するのもある意味当然の部分であると思いまして、そういった不安がその声に表れているのだと思っております。 私たちの子供や孫の代にしっかりと私たちがふるさとの田畑を伝えていくためには、そういった議論はありながらも、しっかりと将来を見据えた議論をして、丁寧に説明をしながら大きな道筋を描いていく必要があると思いますが、生産調整を見直すということになりますと特にその言葉のインパクトが強くて、すなわち米価が下落する、そして赤字経営に転落をしてしまう、そして赤字に陥ってしまうとなかなかはい上がることができない、そういうところが農家の頭にまず想起されるところであります。これまで懸命に大規模化を図って集約を進めてきた農家にあっては、その価格の差というものがどういう影響を与えるのかに関して非常に大きい心配を持っていますし、また、中小の農家に関しては、切り捨てられてしまうのではないかという、そういう不安を持っております。 まず、今後の転換期を迎えるこの農政、私も、だからといって単純に生産調整を続けさえすれば農業が守られるという思いは持っておりません。けれども、そういった中で、しっかりと丁寧な議論をした上で農家の皆さんに理解をしていただける、そういうお話を進めていかなければいけないと思っておりますので、今後の議論につながるためにも、最近マイナスのインパクトが非常に大きい部分もありますが、プラスのインパクトの部分も含めて皆さんに確認をしていきたいと思っております。 先ほど来申し上げているとおり、農家の皆さんに分かりやすく、そして理解をしていただけるように議論を進めていく必要があると思っております。何をするにしても、丁寧な説明と議論を尽くさなければ地域の理解というものは得られないと思っております。そういった中にあって、今、先ほど来申し上げたように、大小の規模、そしてまた兼業、専業といった様々な条件の違いによって皆さんそれぞれ不安を抱えておりますけれども、そういった不安を今後どのようにして解消し、そしてまたどのような手法で皆さんの今お考えになっている方針というものをお伝えし、理解をいただこうとしているのか、その辺に関して率直な御意見をいただきたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 中泉委員におかれましては、実際に農業をやられ、そして県議会を経験をし、私もかつて大変親しくお付き合いをさせていただいておりました齊藤滋宣現能代市長の秘書さんもやられて、今の御指摘につきましても、農家の方々が生産調整に関して今様々な報道がなされている中で不安を持つことのないように正確な情報をお伝えをしなければならないと、全くそのとおりでございまして、御指摘をいただきましたことにつきましては、お答えをさせていただきますが、特に生産調整の見直しをしまして米が余るようになっても構わないということはもう政策としてはあり得ません。需要に応じた生産を図っていくことはもう当然必要であると考えているところでもございまして、この生産調整を含めた米政策の在り方につきましては引き続き精力的に議論を重ねていくことといたしておりますけれども、いずれにしましても、十一月末を目途に取りまとめをすることといたしております。 米政策の変更点につきまして幾つかお答えいたしたいと思いますが、まずは都道府県等の関係者への説明会の開催、さらには分かりやすいパンフレットの作成、そしてまた各種資料のホームページへの掲載などによりまして農業者を始めとする関係者の皆さんに説明を行い、現場が混乱しないように十分配慮をしていくことが重要と考えております。 委員御指摘のとおりにしっかりと取り組んでまいりたいと存じますので、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと存じます。
○中泉松司君 是非とも、しっかりと地方に暮らす農家の皆さんの意見が反映できるように丁寧な説明と、そして丁寧な議論の進め方をしていただきたいというふうに思っております。 また、今回マイナスのインパクトの部分も報じられておりますけれども、様々な拡充策というものも言われております。その中で、今回見直しを検討している産地資金についてお伺いをいたします。 産地資金に関しては、地域の特色ある農業生産のためにこれまでも重要な役割を担ってきたと私も認識をしておりますけれども、品目による支援だけでなく、今後に関しては地域の裁量によって、例えば品目だけではなくて、同じ県内においても地域内においても条件の違いによってその他の条件が有利な地域よりも手厚い支援をしていくなど、そういったきめ細やかな対応も求められていると思います。 今回、産地交付金ということで見直しがされておりますけれども、今回の案に関しては都道府県の裁量によってそういったことが積極的に進めることができるようなものになっているのか、そこに対して確認をさせてください。
○副大臣(吉川貴盛君) 今回の経営所得安定対策の見直しに当たりましては、与党にお示しをいたしました中間取りまとめ案でありますけれども、その中におきまして、水田活用の直接支払交付金の見直しにつきまして、戦略作物助成について飼料用米等の単価を見直し、数量払いを導入するほか、今御指摘をいただきました産地資金につきましては、地域におきまして作物振興の設計図となります水田フル活用ビジョンに基づく取組を推進しますとともに、飼料用米等につきましても多収性品種に取り組む場合に追加配分をする仕組みを導入するなど、産地交付金、仮称でありますけれども、として名称変更をいたしまして、産地づくりに向けた助成を充実させることといたしているところでもございます。 このほかの点も含めまして、具体的な金額、充実の内容につきましては、引き続き検討をしてまいりたいと存じております。
○中泉松司君 私が伺いたかったのは、いわゆる同じ県内等においても条件が違うところではコストも違いますし、収穫される量も違ってくるというふうに思います。そういったところで、都道府県が様々な条件を基にしてしっかりと方向付けができるように、そういった意味で、いわゆる品目の違いだけではなくて土地の条件の違いによって様々なきめ細やかな対応ができるようにということで、これ地方の方からも結構声が上がっておりますので、是非ともそこは検討、前向きに考えていただきたいというふうに思っておりますし、また今回、そういった取組を進めていく上では、やはり激変緩和も含め、転換の中でしっかりと手厚い支援を行っていく、そういったところの方向転換を図っていく様々な中で拡充をしていくという、そういう明確な意思が必要になると思っております。そこに関して、しっかりと拡充をしていくんだ、確保していくんだという思いを是非お聞かせいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 吉川副大臣から今答弁いたしましたように、これは地域の特性を踏まえて、先ほど水田フル活用ビジョンをつくっていただくと、作物振興の設計図ということでありますから、今まさに委員がおっしゃったようないろんな地域の特性、これは品目にとどまらずにいろんな特性を支援していこうと、こういう取組でございますので、大変大事なことでございますし、これは実は政権交代する前の自公政権でも産地づくり交付金としてやっておったところでもございますので、今度は産地交付金と分かりやすく名前を変えて、産地づくりということで地域に応じたいろんなことを振興してもらう助成をしっかりと充実させていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○中泉松司君 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 また、今、飼料用米等に関して、いわゆるメリットをしっかりと示した上で作付けをしていただくというような大きな方向性も示されておりますけれども、そういった政策を進める上では、いわゆる生産の拡大に関して実需者としっかりマッチングをしていく、そういう必要があると思います。 最近、党の部会等に出ていますと、例えば飼料用米に関しては潜在的な需要は四百五十万程度あると、そこを掘り起こしていくんだというようなお話も伺っておりますけれども、しっかりと安心して皆さんが、そういう需要があるんだと、そして供給できるんだという体制を築いていく、そういった必要があると私は思っております。 小規模農家は特にロットの取りまとめ等で苦労している部分もあるようでありますけれども、飼料用米、また加工用米等々、様々な条件は違いますが、そういったものに関するしっかりとした需要と供給をつくり上げて、そして進めていくんだという明確なビジョンがなければ農家も付いていけないと思いますけれども、そこに関しての御所見を伺います。
○副大臣(吉川貴盛君) 飼料用米の生産振興に当たりましては、畜産側での利用の可能性、需要を見極めながら、水田フル活用と飼料自給率の向上とともに実現していくとの視点が重要であると認識をいたしておりまして、現在、飼料用米はトウモロコシと同等の栄養価と評価をされておりまして、畜産農家の買取り価格につきましても輸入トウモロコシと遜色のない価格での供給が可能となるなど、畜産側にもメリットのあるものと認識をされてきたところでもございます。 中小規模の農家も安心してこの飼料用米の生産に参加できますように、水田活用の直接支払交付金の充実を図りますとともに、生産要望のある耕種農家と利用要望のある畜産農家とのマッチング活動、さらには畜産側における加工保管施設の整備、そしてまた飼料用米を給与した農産物のブランド化の取組等に関する情報提供などによりまして、今後とも飼料用米の利活用の拡大に努めてまいりたいと存じております。
○中泉松司君 済みません、飼料用米の話でまた一つお伺いをしたいと思います。 これから飼料用米の活用を図っていくというというのは大変結構なことであると思います。これは、いわゆる今回の生産調整の見直し云々にかかわらず、やはり新しい需要を喚起していくというものは大切なことだと思っておりますので、そういった面からもう一つ伺いたいと思います。 現在、飼料用米は、基本的には大手の飼料メーカーが全国の飼料用米を集荷、処理して、配合飼料として全国の畜産農家に供給しているという状況が、それが基本であるというふうに私は認識をしております。ただ、各県の畜産業界が振興を図っていく中で、例えばその都道府県の飼料用米を使ったその都道府県の肉用牛の飼育ですとか、そういった取組を進めることによって相乗的な効果を生み出していく、そしてブランド化を図っていくというような取組も考えられているようです。事実、秋田県でもそういった取組を進めていきたいというお話も伺っております。 そういった中にあって、是非ともそういう状況をつくり出していくためには、各地で飼料メーカーやJA等による地域密着型の給餌用処理加工施設の整備に対する支援策、そういったものが必要になってくると私は考えております。畜産振興と相乗効果が発揮できる飼料用米の活用だと思っておりますけれども、その点に関して是非とも前向きなお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 中泉先生の御質問にお答えします。 今、先生おっしゃっていただきましたように、飼料米につきましては水田のフル活用といった観点から非常に有望な作物でございまして、その際、中小規模の農家に安心して生産に参画していただくことが大事でございますので、畜産側でしっかりとした餌米の利用拡大を図ることが重要というふうに考えております。 こうした中、先生今おっしゃっていただきましたが、地域のお米を使いまして、地域の畜産が利用してブランド畜産物を作ると、こういった動きがあちこちで出てきておりまして、耕畜が連携した取組がなされつつあるところでございます。 現在、この飼料米につきましては、どちらかというと鶏あるいは豚での利用が中心となっておるわけでございますが、秋田県内でも肉用牛のブランド化の事例も出てきておるところでございまして、やはりこの肉用牛も含めた畜産全体で品質、ブランドなどの強みのある畜産物を創出するような取組が必要だと思っておりまして、こうしたものにつきましては平成二十六年度予算で要求しておるところでございまして、また、先ほど先生の御指摘にもございましたように、畜産側で必要となる餌米の加工あるいは保管施設、こうしたものの整備が必要となるわけでございますが、これについても強い農業づくり交付金ということで、全体で三百三十四億円でございますが、これを要求しておるところでございまして、こうしたものの支援によりまして地域ブランド化と連携した取組を普及拡大していきたいと、このように考えているところでございます。
○中泉松司君 先ほど鶏のお話もありましたが、鶏の飼料用米等に関しては、例えばようやく最近一俵の袋からフレコンに入れて流通できるようになってきたといった、まあ過渡期ではあると思うんですが、そういった流通のいわゆる効率化を図るという観点も必要だと思っておりますし、お答えをいただきましたけれども、畜産等と全体的に連携をした取組を更に進めていくという必要があると思います。是非とも、そこに関してはこれからも積極的に国がかかわって誘導していくといったことが必要であると思っておりますので、何とぞよろしくお願いをいたします。 続きまして、燃油高騰対策についてお伺いをいたします。 燃油の高騰が農業だけではなくて様々な分野で影響をもたらしております。安倍政権が進めようとしている力強いデフレからの脱却のためには、こういった状況を何としても乗り越えた上で経済発展を図っていかなければいけない、そういう認識でおりますけれども、その中で燃油高騰対策、様々講じていただいているのは非常に有り難いと感じております。 ただ、その中の支援対象には、現在、野菜、果樹、花卉等の施設園芸作物というふうになっておりまして、その対象から漏れているものもあるやに伺っております。例えば栽培キノコなどは、菌床シイタケなどありますけれども、品目の関係だと思いますが、なかなか対象にはしづらいというようなお話も伺っておりまして、産地には心配と、そして非常に負担感が募っているのが現状であります。 そういった状況にあって風評被害にも悩まされている部分もあるんですが、そういった苦しんでいるところを助けるためにもきめ細やかに対応していくという観点から支援をしていくべきだと考えておりますが、お考えを伺います。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。 栽培キノコ生産者に対する支援でございますが、いわゆる、委員御指摘の菌床シイタケ栽培におきましては施設の暖房用などにボイラーが使用されております。そういった中で、いわゆる生産コストに占める燃油コストの割合、こういったものは一割程度でございます。漁業でありますとか農業、一般的には三割とか四割という比率だと承知しておりますが、一割程度ではございますが、今回の燃油高騰によりまして少なからぬ影響が出ていると、こういうふうに認識しているところでございます。 そういったことで、私どもといたしましては、燃油高騰の影響を受けない木質バイオマスを燃料として使用する省エネ型のボイラーの購入に対する支援措置、こういったものを用意させていただいております。また、キノコの消費拡大による収入の増加を図りまして生産者の手取りを確保していくと、こういったものにつながる取組を進めているところでございます。 委員御指摘のように、農業等の燃油価格高騰対策というものがございますけれども、いわゆる基金方式で価格の高騰分を補填する仕組みでございまして、なかなか、菌床シイタケ栽培の場合は燃油コストの割合が一割程度と低いということ、それから基金造成に対しまして生産者も一定の負担が必要であると、そういったこと等を考えますと、私どもが今進めておりますいろんな燃料転換、そして収入拡大のための消費拡大と、こういったものにしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中泉松司君 済みません、初めてなもので行ったり来たりして申し訳ありませんが、時間もありませんので、最後に一つ大臣にお伺いをしたいと思います。 先ほど当局側の御答弁にもありましたが、大臣も、八日の閣議後の会見で、生産調整を見直して米が余るようになっても構わないということは政策としてあり得ないという御発言をされたという報道がございました。大臣は、以前から減反廃止、生産調整の廃止という、廃止という言い方はしたくないというお話もされておりましたが、そういったところの思いの表れでもあるのかなと思いますけれども、この発言の御趣旨、意味、その発言に至った思いといったものを教えていただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) よくぞ聞いていただきましたという感じでございますが、私は、減反廃止というような見出しが躍るたびに、何でこういう報道になるのかなと非常に不思議に思っておったわけでございまして、そもそも減反と生産調整というのは、我々、水田のフル活用、こういうことをずっとこれはもう自民党、民主党政権、また自民党と続けてやってきたわけでございまして、そのために餌米、加工米、また麦、大豆への転作ということを政権交代を経ながらずっとやってきたわけでございまして、その前に確かに面積を減らすという意味での減反というのはあったかもしれませんが、今は生産調整による水田フル活用ということをやっておりますし、これは多面的機能の維持ということでも大変大事だと、こういうふうに思っていますので、まずそこが一点でございます。 それから、生産調整の廃止ではなくて見直しと言っておりますのは、もう少し農家の方が主体的な経営判断でいろんなことをやっていけるような環境を整備しようと言っておるわけでございまして、国がもう全く何もしないというような廃止というのはやはりちょっと語感として抵抗があるなということで、生産調整の見直しということを努めて使うようにしておるわけでございまして、先ほど吉川副大臣から答弁させていただきましたように、五年後を目途にみんなで一緒になってきちっと地道に進めていく、これが非常に大事なことであるというふうに考えておるということもあって生産調整の見直しということに少しこだわりを持って使わせていただいておると、こういうことでございます。
○中泉松司君 是非ともこれからもこだわりを持って、しっかりと需給のバランスが取れるような体制構築のために議論を尽くしていただきたい、説明を尽くしていただきたいと思いますし、我々もそれにこたえて、しっかりと議論をした上で地方の皆さんの御意見も伺った上で、これからもまた引き続き議論をさせていただきたいと思っております。 今日いろいろ述べさせていただきましたように、飼料用米等の、いわゆる主食用米以外の需要を拡大していく、そしてしっかりとマッチングをさせていくというのが水田フル活用の必要な前提条件であると思いますし、今後の生産調整の見直しの議論に関しても必要な前提であると思っております。 そういったところで、最近は報道のインパクトが強過ぎてマイナスのイメージを持たれる方が非常に多く、なかなかいわゆる冷静な議論ができない部分もあることはあるんですが、そういった皆さんの不安といったものを受け止めて、私たちもこれからも地方の声を吸い上げながらこの場で議論をさせていただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げますとともに、今後とも若輩に御指導いただけますようにお願いを申し上げまして、初めての質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。先週に続きまして、御質問させていただきたいと思います。 まずは、外食メニューの虚偽表示問題について御質問をさせていただきます。 有名ホテルから始まりまして、老舗の旅館、それから百貨店にまでどんどんどんどんこの問題が広がっていっているわけでございます。最近はインターネット上での告発などもありまして、これも事実かどうか確認するすべもないというような状況でありまして、本当にどこまで広まっていくのか、国民はみんな心配しておりますし、これに国がどう対応していくのかということも大変に注目されていると思います。 これまでの関係各省庁の対応、それから昨日、関係省庁会議というのがあったそうでございますけれども、それぞれ今後どうしていくのかも含めてお話を伺いたいと思います。お願い申し上げます。
○大臣政務官(福岡資麿君) 委員御指摘のとおり、この問題は食の信頼を揺るがす極めて重大な問題だというふうに思っております。一連のこの事案につきましては、消費者庁としましても、景品表示法に違反する事実があったかどうかにつきまして関係者から話を聞くなどして今必要な調査をさせていただいております。 また、これは特定の事業者に限定された話ではなくなってきておりますので、今般の問題に関しまして、消費者庁としましても、ホテル関係団体等に対しまして、その一部で見られ始めている自主的な取組を一層促進するために、景品表示法の不当な表示の考え方及びメニュー表示等の食品表示に係る過去の違反事例を取りまとめ、傘下事業者への周知徹底を依頼しておりますとともに、その周知状況及びそれぞれの業界における表示の適正化に向けた取組状況について消費者庁への報告を求めたところであります。 さらに、これらに加えまして、消費者庁として、食品表示問題相談窓口というものを設置したり、食品表示問題相談員をそこに配置したりということであったり、また食品表示問題に係る要請先への緊急の景品表示法説明会を開催したり、また食品表示問題に関するウエブサイトのページを新たに開設したりといった、各府省と連携しつつ行う相談・情報提供体制の強化やガイドラインの整備等を進めてまいりたいと考えております。 また、委員から御質問がありました、昨日官邸で開催されました食品表示等問題関係府省庁等会議におきましては、これは政府全体が一丸となって対応していくことが必要であるという認識の下、各省においてまず景品表示法の考え方及び過去の違反事例の周知徹底を行う、もう一つは各省庁が所管する業界における表示の適正化に向けた取組状況を把握していく、さらには業界に係る食品表示の偽装、誤表示の把握といった取組を進めますとともに、今月中にはそれらの取組状況を取りまとめた上で次回の食品表示等問題関係府省庁等会議において報告を行うというところの方針が決定をしたところでありまして、政府を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
○徳永エリ君 厚労省、お願いいたします。
○政府参考人(高島泉君) 厚労省としての対応を御説明いたします。 今、消費者庁からお話がありましたけれども、ホテル関係の団体につきまして消費者庁から要請がされているところであります。その中の一つの団体に生活衛生の関係からつくられている連合会がございます。その連合会につきましては厚生労働省が所管しておりますので、今回の消費者庁からの話を受けまして、厚生労働省としても改めてその団体に対しまして偽装表示等のないように周知徹底をするように通知をしたところでございます。 これからの方針につきましては、今消費者庁からお話ありましたが、その方針に基づきまして消費者庁とも協力しながら関連業界での適正な対応がなされるように指導してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○徳永エリ君 農林水産省、お願いいたします。
○大臣政務官(横山信一君) 農林水産省の取組を答弁させていただきます。 消費者庁が先週、ホテル等の関係団体に周知した内容を所管する外食・小売関係団体に周知するとともに、お節料理等を販売する百貨店等に対し食品表示GメンによるJAS法に基づく立入検査を実施しているところでございます。 また、昨日開催されました関係府省庁等会議で、各省庁が所管業界に対し、違反事例等の周知、表示適正化の取組状況の把握、表示の適正化の要請を速やかに実施するとの方針が決定されたところでございます。これを受けまして、農林水産省としても、本日、所管する外食関係団体等を招集し、表示適正化の取組状況の把握等を進めるよう要請する予定でございます。
○徳永エリ君 それぞれ御対応を御説明いただきましたけれども、消費者にとってメニューというのは心理的に物すごく大きな影響があるんですね。おいしそうだなとか、高級そうだなとか、新鮮そうだなとか、そういう印象を非常に受けると思います。それから、食の安全、安心という部分に関してもこの信頼を失ったということは物すごく大きな問題だと思いますし、今回の問題はしっかりと対応していかなければいけないと思います。 周知徹底というお話が各省庁から出ましたけれども、今回、誤表示を報告した事業者は、景品表示法、JAS法の理解不足、知識不足により表示の認識が間違っていたと言っています。食品、食材を扱う事業者にしっかりとその法律又はガイドラインについても周知徹底するということは、今までしてこなかったんでしょうか。
○大臣政務官(福岡資麿君) これまで消費者庁としましても、景品表示法の普及啓発、同法違反行為の未然防止を図るために、消費者団体であったり、また地方自治体、また事業者団体や広告関係の団体が主催しますような景品表示法に関する講習会、研修会等に職員を講師として派遣してきております。 平成二十五年度におきましても、公正取引委員会の地方事務所等とも連携しながら、消費者団体、地方自治体、事業者団体等が全国各地で開催する講習会等に、この十月末現在で計四十一回、講師を派遣してきているなどしてきておりますが、委員の御指摘も踏まえ、更に今後も強化していきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 そして、今回の外食メニューの虚偽表示問題ですけれども、先ほどから景品表示法違反になるのではないかというお話もありましたけれども、新聞等でも報道されていますが、産地が違うということと、成形肉をステーキというふうに表示したということ、あるいは手ごね、それからホームメード、手作りというふうに表示したのにそうではなかったということは、随分これ消費者としては受け取るイメージが違うと思うんですね。問題もちょっと違ってくるんじゃないかと思うんですけれども、この景品表示法の優良誤認表示に当たるということはどのように判断なさるのか、教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(福岡資麿君) 今委員が御指摘いただきましたように、景品表示法においては、事業者が供給する商品、サービスの内容について実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認させる、いわゆる優良誤認ということが禁止されておりまして、今回の問題におきましても、景品表示法に抵触するかどうかということは、この優良誤認に該当するかどうかというところで判断をされるものというふうに承知をしております。 景品表示法に抵触する表示かどうかというのは個々の事案ごとに判断をするということになるわけでありますが、今御指摘がありましたように、今般の関係団体への要請をする際には、例えば、牛の成形肉を牛の生肉の切り身であるかのように表示していた例であったり、また前沢牛や神戸ビーフでない肉を前沢牛や神戸ビーフであるかのように表示していた例などを具体的にお示ししたところでありまして、関係業界においては、こうしたこれまでの景表法の違反事例表示を適切に踏まえて対処していただけるものと考えております。
○徳永エリ君 食の安全、安心を考えた場合には、表示義務ということも必要になってくると思うんですね。景品表示法では表示義務は担えないということになるんですけれども、そうすると食品表示法ということになってくるんだと思いますけれども、やはり、これから正しいメニューを表示しても、見た消費者が、本当にこれどこどこ産なんだろうかとか、本当にこれは例えばクルマエビなんだろうかとか、やはりどうしてもこの疑念を拭うことができないと思うんですね。そういう意味でも、しっかりとその表示義務というのを課していく必要があると思いますし、それから処分の厳格化ということもやっていかなければいけないと思います。そうしなければ、なかなかこれ消費者からの信頼を回復していくのは難しいのではないかというふうに思います。 また、シバエビがブラックタイガーだったとか、道産牛が遠州産だったとか、まあ表示には問題がありますけれども、これは食の安全という観点からいうと、もしかすると心配はないかもしれません。しかし、先ほどもお話がありましたけれども、加工肉、成形肉をステーキなどと表示したのは大変に問題だと思います。特に、アレルギーの問題が心配です。成形肉には麦とか大豆とか乳とか、そういったアレルゲンが含まれているわけでございまして、今回たまたま事故がなかったからよかったようなものの、もしアナフィラキシーショックなどが起きていたらこれは大問題だったと思いますので、こういったアレルゲンに関しても、食品衛生法では加工品に書くことになっておりますけれども、メニューにはそういった表示義務がないということですから、そこをしっかりとこれから表示義務を付けていかなければいけないというふうに思っております。 それからもう一つ、このままでは、外食産業界のこの問題の対応として産地やそれから食品名を書かないということも考えられるんじゃないかと思うんですね。例えば白身魚のフライというふうに外食メニューに書かれれば、白身魚は何でもいいわけですし、産地もよく分からないということなんですが、やっぱり消費者の皆さんには選ぶ権利とか知る権利もあるわけですから、こういった原料原産地の表示というのもやはり外食メニューへ義務付けていくということの拡大が必要だというふうに思っております。 いずれにせよ、しっかりとメニュー表示のガイドラインを作成しまして、外食メニューに関しても何らかの法的な規制や義務を課すことを急ぐ必要があると思いますが、改めていかがでしょうか。
○大臣政務官(福岡資麿君) もう委員が問題意識としてお示しされましたように、これまでJAS法であったり、また今後施行される食品表示法であったり、そういったところにおいて外食を義務付けの対象外としていますのは、提供される料理の種類が多く、使用される原材料も日々頻繁に変わっていくことから表示の切替えが困難であること、また、営業形態が対面販売であり、あらかじめ消費者が店員に料理の内容を確認できること、こういったことが挙げられております。 また、先ほどのアレルギーのことに関しては、それに加えまして、例えば、外食では注文等に応じて様々なメニューを手早く調理することが求められていることから、調理器具等からアレルギー物質が意図せぬ混入がされる可能性がある、それが十分に対応策が取れるかどうかということが大きな課題であることなどが指摘をされております。 ただ、このアレルギー表示等については、やはり専門家の方からも非常に重要な問題だというような御指摘もありまして、今後検討の場を別途設けさせていただきながら取組を推進していくということでありますが、いずれにしましても、まずは、私どもとしては、景表法をしっかり守っていただくということを徹底するとともに、今御指摘がありましたように、食の安心、安全のためにどういう在り方がいいのかということは今後も議論を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 今回のこの外食メニューの虚偽表示に関しては、こういうことは全く想像できなかったことではないような気がするんですね。今までも消費者庁にもしかすると情報提供などがあったんじゃないかと思うんです。もう少し早くこれは広がるかもしれないなということを予見して調査するなり対応するなりすれば、こんなに大きなことにはならなかったのではないかという気もしますが。 先ほど、農林水産省で食品表示Gメンのお話がありましたけれども、消費者庁でも私はこういった取組をした方がいいと思うんですね。今まで食品表示Gメンがどういう活動をしてきたのか、そしてどういう成果を上げてきたのかということを改めて御説明いただきたいと思います。お願い申し上げます。
○大臣政務官(横山信一君) 農林水産省では、地方農政局等に約千三百名の食品表示Gメンを配置をしております。ここでは、食品事業者への立入検査、食品表示一一〇番への対応、事業者への周知活動など、食品表示の適正化に向けた監視業務に取り組んでいるところでございます。 小売店舗等における店頭での不適正な表示は減少しております。具体的にお話をいたしますと、生鮮食品では平成二十一年度では一五・二%の不適正表示がございましたが、平成二十四年度では三・八%に減少しております。このように不適正表示は減少している一方で、十月四日に指示、公表した三瀧商事株式会社等による米穀の不適正表示事案のように、意図的な原産地偽装等が引き続き発生している状況にございます。 今後とも、食品表示Gメンによる立入検査と併せ、科学的分析により得られる客観的データを活用することによって食品表示の監視・取締り業務を効果的に行ってまいる所存でございます。
○徳永エリ君 今農林水産省の食品表示Gメンのお話をいただきましたけれども、食の安全、安心といえばやはり農林水産省ということで、農林水産省と消費者庁と連携をしていくのか、あるいは消費者庁の中にも例えば外食メニューGメンというようなものをつくって、これからしっかりと抜き打ちでチェックをしていくような体制をつくっていくのか、いずれにしても、消費者の安全、安心にかかわる問題は大変に幅広く数多くあります。 そもそも、消費者庁が各省庁からの寄せ集めでつくられているとよく言われますけれども、大変に人数も少なく、職域も広く大変なのは分かりますけれども、もう消費者の安全、安心をしっかりと守っていくという大事な仕事を担っているわけでございますので、今回の問題を重く受け止めて、各省庁と連携しながらしっかりと対応をしていただきたいと思いますが、最後に御決意をお願い申し上げます。
○大臣政務官(福岡資麿君) 今委員が御指摘いただきましたように、やはり食の安心、安全、食の信頼を損ねるような事態が生じてしまっているということを重く受け止めさせていただき、関係府省ともしっかり連携を取らせていただきながら取組を進めてまいりたいと思っております。
○徳永エリ君 林大臣にも一言伺ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、消費者庁、それから我が省からも答弁をさせていただいたところでありますが、大変大事な問題であると、こういうふうに思っております。 せっかく無形文化遺産ですか、推薦まで来ているこういう大事なときにこういうのが次々と出るということは、やはり国内での消費者からの食の信頼というものに対して大変に懸念が生じるわけですし、ひいては日本の食全体に対してもこういうことは決していいことではありませんので、しっかりと連携を取って、我々のところでは、先ほど横山政務官から御答弁させていただきましたように、Gメンというものもしっかり持っておりますので、消費者庁等々、また厚労省とも連携をしながら、こういうことが起きないように、そして食への信頼がしっかり保てるように取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。
○徳永エリ君 大臣、ありがとうございました。 国民は今回のこの外食メニューの虚偽表示問題、国がどのように対応していくのかということを大変に注目していると思います。国民が納得いくような対応をしっかりとしていただきたいと思いますので、重ねてお願いをさせていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。前回も伺いましたけれども、水田農業政策の見直しについて伺いたいと思います。 実は週末、小川委員とともに稲作農家の方々と意見交換をしてまいりました。先ほど秋田の方々が大変に不安に思っているというお話がありましたけれども、何の説明も議論もないままに次から次へと報道で知らされるというところがありまして、不安に思っているというよりはどうしたらいいのか分からないと、茫然自失という言葉が一番当てはまるんじゃないかなと、皆さんとお話ししていてそんな印象を受けました。 TPP、それから農地の中間管理機構、それから企業参入、生産調整の廃止等々、また産業競争力会議の農業分科会で出されたペーパーを見ていたり、それから日本再興戦略では、企業参入の加速化等による企業経営ノウハウの徹底した活用、あるいは若者も参入しやすいよう土日、給料のある農業の実現を追求する、大胆な構造改革に踏み込んでいく必要があるというような、こういったペーパーを見ていますと、一体目指している農業は何なんだろうと、私たちが思っているような農業、農村ではないものになっていってしまうんではないかということを大変に危惧をいたしております。 極端かもしれませんけれども、経営所得安定対策のゼロベースでの見直し、それから生産調整廃止で農家のモチベーションがどんどん下がっていきます。もしかすると離農を促すことになるかもしれない。そして、この中間管理機構で企業が大規模優良農地を借り受け、農業者を一労働者として雇い、もうかる作物だけを作る、そんなことが起きるんではないかと。そこには、美しい、温かい、そして笑顔のあふれる田園風景がどうしてもイメージできません。本当に心配であります。 今回の生産調整の廃止にしても、産業競争力会議の議論の方向性は米を市場商品としか見ていない。米の生産装置である水田の自然の中で果たしている役割と機能に目を向けているのでしょうか。高い国境措置で守られているから販売価格と生産コストの差額を補填する必要はないと、もっと生産コストを下げる努力をしろ、経営努力が足りないのだから公的支援は要らないというのが産業競争力会議の民間委員の皆さんの御意見のようでありますけれども、なぜ高関税で米が守られているのか、このことをしっかりともう一度理解した方がいいと思います。 水田が日本の自然をコントロールする根幹を成しているから、高関税の防壁で守っていかなければいけないんです。治水、環境整備、それから景観の保全、生物多様性などの多面的機能を備えているのだから水田を守る、維持していってもらうためにも農家の経営を安定させなければならない。だからこそ、恒常的な赤字は埋めて再生産可能な最低限の支援が必要なんだと、それがないと営農の継続ができないというのが岩盤部分、十アール一万五千円に対する民主党の考え方でありました。 農業者戸別所得補償制度は、そのような多面的機能維持、それから向上への対価でもあり、農業農村社会の安心の土台になってきたと思っています。まさに今政府がやろうとしていることはこの土台を壊そうとしていることなのではないかと思います。衆議院の農林水産委員会の中で玉木委員が小規模農家の切捨てだということを申し上げていたと思いますが、私は、この生産調整の廃止によって大規模農家も切り捨てられるのではないかということを大変に心配をしております。 お手元に資料を配らせていただきましたので、御覧をいただきたいと思います。ちょっと大胆な計算かもしれませんけれども、米の価格が大きく下がって何の補償もしなかったら、北海道の稲作農家にこれだけ影響があるという試算をしてみました。 今年の北海道の平均の米の価格は一万一千五百円です。これが、経済同友会の新浪座長、今の産業競争力会議農業分科会の新浪主査の案から拾ったんですけれども、十年で米の価格を七千円まで下げるということを目指しているそうであります。 これ、七千円程度まで下落すると見込んで計算します。北海道の平均水田面積は二十二・一ヘクタールであります。そして、平均反収は十アール五百六十四キロですから九・四俵です。米価の下落幅、これをこの面積とそれから反収に掛け合わせますと、平均的な水田で九百三十四万八千三百円影響が出ます。そして、これ北海道の十勝の面積で言うならば、三十八・三ヘクタールが平均でありますから、こうなると、一千六百二十万九百円の影響が出るということになります。 そして、北海道の農業経営収支の平均、下に書いてありますけれども、農業粗収益一千二百八十万、そして農業経営費八百三十七万三千円、そして米以外の農業所得四百四十三万七千円となっておりますけれども、これで米の価格が下がると、減収幅が九百三十四万ですから、五百万円の大赤字という計算になるわけなんですね。 特に北海道の大規模農家は、これも下に数字がありますけれども、一経営体の平均で九〇・一%が農業所得に頼っているということであります。もうほとんどが専業農家であります。都府県の場合は三九・六%というふうになっておりますけれども、生きがいのためにお米を作っているという方もいれば、あるいは縁故米を作っているという方もいますし、それから、秋田でも先ほど八割が兼業というお話がありましたけれども、兼業農家が非常に多いわけですね。ですから、農業からの所得が減ったとしてもそんなに大きな影響を受けることはないんですが、北海道は専業で大規模でほとんどこの農業所得に頼っておりますから、この数字を御覧になっていただいたら分かるようにもうダメージが大変に大きいということで、先ほど申し上げました茫然自失というような状況になっているんです。 これから分かりやすいパンフレットなども作って説明もするというお話でしたけれども、もう早急にこれ説明に走らないと本当に現場は混乱すると思いますので、対応していただきたいと思います。 今回、稲作農家の方々と意見交換をしてきた中で、どうしても分からないのでこれを確認したいと言われたことが幾つかありますので、そこを御質問させていただきたいと思います。 産業競争力会議農業分科会のペーパーによりますと、生産数量目標が自由な経営判断を妨げているということでありますけれども、生産調整に加わった販売農家だけが戸別所得補償制度の対象になるわけですから、生産調整に加わらなければ、経営所得安定対策に参加しなければ作りたいだけ自由にお米は作れるわけでありまして、既に農家の自主選択や自由裁量は十分に与えられていて、生産を大きく妨げる原因にはなっていないと私は思いますが、この点に関していかがでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) まず、お答えする前に、せっかく資料をお示しをいただきましたので。 これは、いろんな仮定がございますので、この七千円程度まで下落するということもいろんな仮定がおありになるんでしょうし、その仮定のときにこういう面積、反収、どうなるかということもいろいろあろうかと、こういうふうに思いますが、我々としても二つの種類のシミュレーションということを考えておりまして、まず、単価を見直すということになりますと米の直接支払交付金の見直し前後で農家等の所得がどういうふうになるか、これモデルを使ってやってみる、こういうことでございまして、もう一つは、今委員がお示しになられたような、この政策を見直した後、少し中期も含めて米の需給や水田の利用状況がどうなっていくのかと、言わばマクロのシミュレーションも両方やっていかなければならないと思っておりますのでちょっと申し添えさせていただきます。 今の御質問でございますが、確かに先生おっしゃるように、実質的にはこの生産調整は選択制となっているということで、いわゆるペナルティーのようなものはもうないわけでございまして、参加していただいた方にはこの一万五千円が支払われるというのが今の状況であるわけでございますが、今でも米の生産販売に実際にはかかわっていない行政がこの生産数量を決めているわけでございますので、我々としては、行政が生産数量を決めるということではなくて、農家自らの経営判断によりまして需要に応じた生産を行える環境というのを更に整えていく必要がある、こういうふうに考えておるわけでございまして、先ほど中泉委員の最後の質疑でございましたけれども、したがって、減反の廃止や生産調整の廃止ということではなくて生産調整の見直しという言葉を使わせていただいておるということでございます。 米の生産構造の改革を進めながら水田の活用対策等を充実させることによりまして、生産者それから集荷業者・団体、これらの皆様方が主体的な経営判断や販売戦略ということをお作りになって、それに基づいて主食用米偏重ではなくて需要に見合った米の生産の実現を図っていく、これが大事なことであるというふうに考えておるところでございます。
○徳永エリ君 それから、先ほどもお話にありましたけれども、この十アール一万五千円、経営所得安定対策の岩盤部分を来年度から五千円にするというふうに報道されました。 これは、生産費を減らす努力をしていって、ある程度見えてきてから五千円という話になるんだったらまだ分かるんです。でも、果たして生産コストを減らせるかどうかも分からないという状況の中で、いきなりこの五千円という数字が出てきました。前回も、ここを削減していくんだったらどのような根拠で削減をしていくんですかと、その算定根拠をお示しくださいというお話をいたしましたけれども、この五千円という数字が具体的に出てまいりましたので、改めてこの削減根拠というのを伺わせていただきたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 経営所得安定対策につきましては、先日、十一月の六日の日に与党に中間取りまとめ案をお示しをいたしました。その中で、この米の直接支払交付金につきましては、経過措置といたしまして、平成二十六年産米から単価を削減をした上で、平成二十九年産までの時限措置とすることをお示しをいたしました。本交付金のこの削減後の単価につきましては、経過措置にふさわしい水準で多面的機能支払などに必要な財源等も考慮して設定をする必要があると考えておりますけれども、現時点では単価水準は決まってはおりません。 いずれにいたしましても、本交付金を含めた経営所得安定対策の見直しにつきましては十分協議をいたしまして、産業競争力会議における議論も注視しながら調整を進めていく考えでございます。
○徳永エリ君 まだ決まっていないということでありますけれども、やはり五千円というふうに報道されたインパクトは大変に大きかったと思います。やっぱり、マイナスのイメージが大変に大きかったということをしっかりと受け止めていただきまして、決める前にはやはり稲作農家の方々としっかりと意見交換をして、御意見を受け止めながら、どの線までだったらやれるのかということを現実的な問題と照らし合わせながらしっかりと検討していただきたいと思います。よもや新しい制度をつくるための予算確保のためにこのくらい削るしかないだろうなというようなことではなくて、現実的などういう影響が出るのかということをしっかりと調査、検討、検証していただきたいというふうに思いますので、重ねてお願いを申し上げたいと思います。 それから、生産調整も五年後には廃止、そして赤字コストの補填も二〇一七年度までということでありますけれども、この大体五年ぐらいの目途といいますか、この理由は一体何なのか、御説明いただけますでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) 徳永委員の御指摘を踏まえながら、先ほどのことはしっかりと対応してまいりたいと思います。 今の、生産調整を五年で廃止する目途につきまして御説明をさせていただきたいと思いますが、どういうイメージを共有して、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組んでいく中で、需要に応じた生産の定着状況を見ながら、生産数量目標の配分に頼らない状況にしていくことを目指すこととしてはどうかと考えておるところでございまして、まさに、これから毎年取組を地道に積み重ねていくことで円滑な移行につなげてまいりたいと考えております。 その際、既に平成二十六年産米につきましては種もみの予約を行うなど来年の営農準備にも入りつつあることも踏まえまして、生産現場の混乱を招かないようにするためには、今回お示ししております新たな仕組みの下で三回の経験は必要ではないかとの考え方から、先ほどから申し上げておりますように、十一月六日の中間取りまとめ案に対しましては五年後を目途を時期的なイメージとしてお示しをさせていただいたところでございます。 また、米の直接支払交付金につきましては、平成二十二年度から二十六年度産までの四年間にわたって交付をされてまいりましたので、経過措置の期間がこれよりも長い期間になるのは適当ではないと考えております。このために、経過措置は平成二十六年産から平成二十九年産までの四年間とすることをお示しをいたしたところでもございます。
○徳永エリ君 民主党の戸別所得補償制度は、最初はいろいろ皆さん不安もお持ちだったかもしれませんけれども、モデル期間というんですか、モデル事業の期間を過ぎた後に大変に評価が高くて、皆さんから法制化を望む声が高かったというお話をいたしましたけれども、そのことと、今回のこの見直しというのは逆にマイナスのイメージが非常に強いわけですから、期間を比較されてもちょっと困るなというふうに今聞いていて思いました。 それから、北海道の農業はこの四年間の間に規模拡大をしているんですね。ですから、地代が増えたとか、あるいは規模拡大することによって新しい機械を購入して新たな借金を抱えたとか、そういう償還計画も立てているわけですから、これがやっぱり五年というのは相当厳しいということもありますので、その辺りもしっかりと調査していただいて検討の材料にしていただきたいというふうに思います。 それから、食料・農業・農村基本計画にある食料自給率五〇%、この話が最近とんと聞かれなくなってきたなと思うんですが、この食料自給率五〇%の達成、これに関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、今委員からお話がありましたように、基本法によってつくられたフレームワーク、すなわち基本計画というものに今委員がおっしゃられたような食料自給率五〇%とこれは明記をされておるわけでございます。ちなみに、委員も御承知だと思いますが、カロリーベースが五〇%、生産額ベースでは七〇%、さらに自給力ということにも意を用いながらこれをやっていこうと、こういうことでございます。 先ほどから申し上げておりますように、水田のフル活用ということを我々申しておりますので、この生産調整や経営所得安定対策の見直しというのは、あくまで水田を減反して減らしていくということではなくてフル活用する、さらに、飼料用米、麦、大豆という、言わば今非常に自給率の低い、例えば畜産の餌ですとか麦、大豆の部分にこの水田をフル活用していくと、こういうことでございまして、これはかねてより、先ほど申し上げたように取り組んできたところでございますので、しっかりとこういうことも併せながらこの食料自給率達成に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○徳永エリ君 それから、大体お答えは想像ができるんですが、もしTPPによって関税が撤廃された場合、今はその高い関税措置で守られているというふうに言われておりますけれども、価格競争ができるところまで生産コストが下げられなかった場合には一体どうするんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(吉川貴盛君) 先ほどの徳永委員の答弁の中で、平成二十二年度産から二十六年と私、誤って答弁をしてしまいました。平成二十五年産までの四年間にわたって交付をされてきた、直接支払交付金の部分であります。御訂正をいただければと思います。 TPPにつきましては、米を含めた重要五品目などの聖域の確保を最優先するとした衆参両院の農林水産委員会決議も踏まえまして、各国との交渉を進めているところでもございます。現時点におきまして、関税の引下げを前提とした対策について検討する段階には私どもはないと思っております。
○徳永エリ君 時間になりましたので最後に申し上げたいと思いますが、民主党の戸別所得補償制度で全ての販売農家を対象に補償基準を全国一律にしまして、そして大規模農家にはインセンティブが働く、規模が大きいほどメリットがあるということでした。また、小規模農家は年金や農業外収入を入れて米を作っていたんですけれども、安心してよりいいものが作ることができるという環境をつくりました。 前回もお話をしましたが、北海道ではこの四年間で農地の集約化が進み、規模が拡大され、所得も上がり、後継者も戻ってきています。人・農地プランで将来的な営農計画も作られ、新規就農者への支援も拡充されています。農地・水保全管理支払交付金で地域の手で地域環境を守る取組にも支援をしてきました。六次産業も、それからマルシェや農家レストランなどにも人気が集まっていまして、この売上げも大変に伸びています。非常に静かな構造改革が進んでいるということを私たちは実感しておりまして、なのにもかかわらず、五年というスパンで急激に今までとは全く違う構造改革を行わなければいけないということに納得できないというふうにお話ししたいと思います。 経済至上主義の論理を農村にまで持ち込んで、数字にならない大切なものがどんどん失われていってしまうんではないかと、そのことを大変に心配しておりますので、よもやそんなことにはならないように、しっかり農家の方々、農村の方々、みんなの声を聞きながら農業改革を進めていっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(野村哲郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(野村哲郎君) ただいまから農林水産委員会を再開をいたします。 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。 前回の六年間の任期では合計十分しか質問しませんでしたけれども、この七月に当選をさせていただいてから、前回四十分に引き続いて、もうはるかにオーバーをする、同期の林大臣にいろんな論争を挑めるということを大変幸せに思っています。 午前中の徳永委員の最後の締めに関連をして、今、この先に、いわゆるところの農地の中間管理、農業者戸別所得補償制度の見直し、減反の論争はありましたけれども、生産調整の新たな方向性、そしてまた農政をつかさどる農林水産省のほかに、官邸では産業競争力会議や他分野の方々からたくさんの指摘を受けて農政が議論されるというこの昨今の状況を鑑みて、いろんな不安を持っておられる方の声を、午前中の与党議員の質問、そして民主党の徳永議員からは、その小規模切捨てに該当しない北海道の主業、専業の大規模の水田専業農家からも大変心配の声が上がっているという報告がされました。私は、北海道だけかなと思ったんですけれども、府県の話もいろいろお伺いしますと、全国が、農業関係者、衝撃を受けているというのが昨今の様々な状況だろうというふうに思います。 そしてまた、他分野、特に経済界からはいろんなことが言われています。日本の農業の生産性はいかがか、それから農業者の平均年齢がこうだから、いずれにしても日本の農業は今後駄目になる。果たして本当にそうなのか、科学的な分析がなされているのか、若干不満あるいは心配に思っています。そして、農業を議論するときに、まさに効率とか生産性だけで議論していいのかというのが根底にあるわけであります。 北海道を例に取って恐縮ですが、前回の質問のときにも申し上げました。北海道は、府県の人口が大変増えてしまっているということと、もっともっと食料を生産したいということで後発で開拓された場所であります。平地はもとより、中山間地、奥地まで入植者があふれ、私の祖父はまさに小さな町の奥の集落のまたその奥の沢でありました。早い話が条件が悪いところでありましたので、私の父の兄は昭和四十年ごろ離農をしたということになります。 どんどんどんどん離農者が出て農地が集積され、規模が拡大されて今に至っています。これは私の言葉を使わせていただくとするならば、北海道の現在の農業者は数次にわたるトーナメントを経て勝ち残った人たちが営農をしている。すなわち、農業経営というのはたくさんの知識と経験が必要であります。耕作をすること、経営をすること、病害虫は生物の知識も必要ですし、農薬や化学肥料は化学の知識も必要です。気象あるいは天候ということになりますと、理科の分野でいうと地学の分野も必要になるかもしれません。そして最後は何といっても経営のセンスが問われている中で、どんどん淘汰されてすばらしい農家が今残っていて、午前中、徳永さんがお話をした状況になっているわけであります。 最後のとどめを民主党政権のときの農業者戸別所得補償制度に求めるほど我田引水の議員ではありませんけれども、何とか冷害も少なくなって経営規模も大きくなって、そして農業者戸別所得補償制度ができて、何とか息子にも安心して継がせていいだろうという農業になったのが今であります。 もっと端的に言うと、酪農の分野です。酪農の分野は、もう御案内のとおり、諸先輩におかれましては牛乳というのは高価な飲物でありました。病気になったときしか飲めない。町場では本当のお金持ちしか牛乳取っていなかったという時代がある中で、北海道における酪農のスタートも、乳牛三頭から、五頭からスタートしたのが酪農の始まりでありました。今は四十頭、七十頭が当たり前で、そのほかにもメガファーム、ギガファームという経営体まで出現しています。 しかし、そのことによってお互いの首を絞めてきたのが農業の歴史であります。どんどん経営効率が良くなれば、追い付いてこれない方を淘汰してきたのが酪農においての歴史であります。しからば、何頭になればニュージーランドに対抗できるのか。耕地農業であれば、どのぐらいの経営面積になればオーストラリアやアメリカ合衆国やカナダに対抗できるのか。これはもうこの委員会に着席しておられる方は皆さん御存じです。これだけ条件が違う私たちの国、オーストラリアやカナダと土台が違うので、そちらの方向性を求めても最終的に生産効率をそこに近づけることは不可能であります。じゃ、どこまでやるべきなのでしょうか。 確かに、人口減少社会でありますので、農業地域の人口も減少するでありましょう。他産業とのバランスもあります。その地域を支える農業者がどのぐらい存在して、日本の食料自給率を守るためにどの地域でどういう農業をした方がいいのか。そして今、経済界からは、まさに農業者の高齢化が進み過ぎている、しからば十年後はどういう動態になって、十五年後はどの地域でどういう状況が起きているのかということと、日本の食料自給や食料安全保障と相まって、しっかりと未来からプルダウンして、日本全体の農業がこうあるべきというふうに議論をしながら、私はこの農業の未来を考える、そして青写真をつくる、議論をする、法律にするという議論をしていただきたかったわけであります。 どうやら今、官邸主導、あるいは成長とか攻めという分野からむしろ農林水産省は受け身になって議論に付き合わされている、そして、そのことを農林水産省や農林水産大臣がそしゃくできないままに全国の農業者を不安に陥れていると私は見えて仕方がないわけであります。 私の申し上げたのは理想かもしれませんけれども、農業というのは国の礎であり、食料生産は独立国の基盤である、これはこの委員会に所属する委員全てが共通する認識だと思います。農業政策の土台の考え方、そして現在の農政の議論が置かれている状況について、林大臣から御答弁があればお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 小川先生からは、今、前の任期の十分をはるかに超える質問時間の中で、前回もそうでございましたが、今回も特に北海道を中心に農業の歴史にもお触れになって本質的な問題の指摘をしていただいたと、こういうふうに思っております。 午前中も議論があったところでございますが、やはり車の両輪と申し上げましたけれども、単に効率性、生産性という産業政策的なものにとどまらず、地域政策としての農業の意義というものを正面から受け止めて農政というのは考えてまいらなければならないということを改めて申し上げた上で、今お話がありました高齢化に加えて、農業の方が減少していく、それから耕作放棄地も増えていると、こういう背景の中でいろんなことを考えていかなければならないと思っておりますし、逆に、今まさに委員から御指摘がありましたように、多くの方が集落を形成して地域ぐるみでやっぱり取り組んでいただいておりますし、いろんな改革をするのもそういうところの中で進めていかなければならないということが大事だと考えておりますし、もう一つ、やはり多くの作物は自然を相手にして一年に一作であると、こういうペースでやっぱり農業というのはやっておりますので、こういうことを頭によく入れて、実態を踏まえて内容やテンポについて配慮することが非常に大事であると、こういうふうに思っておるところでございます。 したがって、我が省に設置した本部でも、御自身で農林漁業者の方が取り組んでおられる先進的な事例というのが各地でございまして、これを現場の宝ということで把握して、これをどうやったら、全く同じことでないにしても同じノウハウのようなものを横展開できるのか、横展開を更に進めていくためにどういう施策があり得るのかと、こういう検討を進めてきたところでございまして、今後とも、そういう観点をしっかりと基本に据えて、現場の実態を踏まえて地に足の着いた検討を行っていきたいと、こういうふうに考えております。
○小川勝也君 今、先進的な事例をということで、例えば規模拡大して経営が安定した法人というのはたくさんあるんだと思います。しかし、そのことによって、先ほども酪農の分野で触れましたけれども、それまで従事していた方が離農を余儀なくされたり、そのコミュニティーからいわゆる離脱を余儀なくされてきた歴史があって、今まさに生産効率や経済界からの要望だけでこの農政の提案がされるということで、まさに農政不信が非常に増えてきているんだと思います。 そんな中で、今大臣からも触れていただきましたけれども、一年一作の農業だからこそ緩やかな政策転換が求められている、まさにそこだと思うんです。信なくば立たずという言葉があるとおり、やはり農政の方向性が農業者にしっかり受け入れられて、じゃ、その方向性で協力していくのかということにならないと、まさに農林水産省の思いや政府の思いが農村や農業分野に伝わっていかないんだと思います。私は、農業分野だからこそ緩やかな改革を、しっかりと現場、現地が共通認識を持っていただく中でやっていただきたいなというふうに思います。 現場の声をというふうに大臣おっしゃっていただきましたので、私思っていることがありますので、ひとつ認識共有かどうか感想を伺いたいと思います。 私は、主に北海道の専業分野、勉強してまいりました。先ほども秋田県のいわゆる兼業率が八〇%という話も伺いました。兼業農家というのはいかにいいかげんで、いわゆる効率の悪い農業かという間違った認識を持っていた時期もあります。しかし、その地域のコミュニティーを維持するという意味でいうと、国が地域をいわゆる統べるという意味でいうと、兼業農家というスタイルがいかに効率かということを今は感動を持って受け入れています。 すなわち、農業と他職業、特に今、日本を支えてきたのは高度経済成長以降、製造業であります。農村に長男の方を中心に良質な労働力があるので、そこに着目する部品産業や製造業が農村に立地をいたします。農家の方々は、自分の経営面積で専業的な農業をやるよりも、そこの工場に働きながら安定収入を得て田畑を守り、家族を養い、地域コミュニティーに参画をするという方法を選んで、この日本の兼業型農業が進展、発展したんだと思います。 何を申し上げたいかというと、農政の過ちによって、農業の形を大きく変えることによって、日本の製造業を支えてきた農村地域における製造業や部品産業までをも破壊することによって日本経済をがたがたにしてしまうリスクを背負ってしまうのではないか。そんな分野からゆっくりとした改革を、地域に合った農業政策のスタイルを多様な中で確立しながら、後継者不足、あるいは経営規模を少しずつ大きくしていく、そういう政策転換を図っていくべきだと考えますけれども、大臣は山口県の御出身で私よりも兼業地帯にお詳しいわけでありまして、教えていただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 北海道の小川委員から兼業農家に対する大変高い御見識を御披露いただきまして、私、今御指摘いただいたように山口県で、大変中山間地が多くて兼業も非常に多いところでございますので、その実態をそういうふうに正確に御認識いただくと大変有り難い思いが致すわけでございます。 したがって、今委員がおっしゃったように、集落をきちっとみんなで守っていくということが数字には表れない部分も含めて大変重要であると、こういうことを常に地域政策の中で柱にしていかなければいけない。これは我々の公約の中にも経営所得安定とそれから多面的機能というのを二本柱にしてやってきたということでございますから、それほど政党間の違いはないんではないかと、こういうふうに思いますけれども、そこをきちっと位置付けていくためのものを地域政策として、車の両輪の一つとしてやっていく、具体的な政策についても多面的機能に着目した支払というものをしっかりと位置付けていくと、こういう方向でやってまいりたいと思っております。
○小川勝也君 人口減少で全ての集落を守っていくということは不可能だと思いますけれども、やはり農村コミュニティーを維持しながら農業の改革をしていくという視点をしっかり大臣に共有をしていただければと思います。 蛇足になりますけれども、北海道は規模拡大がまさに先に進んだ地域でありまして、一つの町に中学校が一つ、大変、四国の香川県を超える面積を持つ自治体も幾つかある中で、子供たちのスクールバスでの通学距離が二十キロになんなんとする地域も出ているわけであります。ATMやコンビニにどうアクセスするのか、医療や介護に対するアクセス、農村コミュニティーがいかに大切かということを後で気付いては遅いわけでありますので、国土保全、多面的な機能、地域コミュニティーをしっかり守るという観点から農政のかじ取りをお願いをしたいと思います。 時間がなくなってまいりましたけれども、前回の引き続きで、攻めの森林・木材産業についてやり取りをさせていただきたいと思います。 前回も私の存念を申し上げました。間伐主体のいわゆる森林・林業・木材産業行政から、まさに主伐と利用促進、これをしっかりと転換をしてやっていただかなければならないわけであります。まあ釈迦に説法ですけれども、木材の主たるいわゆる建材、建築材が順調に進んでいきますと、その周辺で木質バイオマス産業は確実に農山村を潤わせます。ですから、無理を承知で、何としても木材自給率を高め、現在カナダや北欧から船でえらい遠くの距離からCO2を排出して運ばれてくる木材ではなく、それぞれの地域で取れた材で家を建てていただくという努力をしていかなければならないわけであります。 幾つも質問を用意したわけでありますけれども、そんな中で、一つは製材所、これが必要なわけであります。今やっとこ、その製材所がこれから必要だなというふうに認識がされてきているかもしれませんけれども、御案内のとおり、昭和三十年代、四十年代に本当に頑張っていたところは今は影を潜めているわけでありまして、他産業に比べて資本力の乏しい分野であります。それぞれの地域で必要な木材加工、製材コンビナートや工場をやはり国の何らかの支援があって確立すべきだと考えますけれども、その点の御答弁をいただければと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 我が国の森林資源は、まさに今御質問にあったとおりでございまして主伐期を迎えていくわけでございます。利用期を迎えていくという、これをいかにして利用していくかということは非常に大事な観点でございます。 国産材の安定供給をどのように図っていくかというその考えが必要でございます。そのためには、量、価格、質などにおいて需要者ニーズに即した国産材製品を安定的、効率的に供給する体制の構築が喫緊の課題であるというふうに考えております。 このため農林水産省では、路網整備、それから森林施業の集約化等の川上対策や人材育成対策と併せ、品質、性能の確かな製品の供給拠点としての木材加工流通施設、今おっしゃっていただきました製材工場が木材加工ということになりますけれども、それから貯木場等を含めた流通施設、こうした整備などの川中・川下対策、さらには中高層建築で今注目をされておりますCLTと、こうした新製品の開発普及によって新たな木材需要の創出に取り組んでまいる所存でございます。
○小川勝也君 あわせて、北海道も昭和三十年代、四十年代は全国の林業、木材産業の活況の中にありました。ずっと元気がなかったわけでありますけれども、特に、そんな中でヨーロッパに数十年置いていかれたと言われています。 ドイツやオーストリアから今いろんなことを学びつつ、全てをまねるわけにはいきませんけれども、取り入れられるべき点は取り入れる。道の造り方、高性能林業機械の導入、今まさに最盛期でやっていただいているわけでありますけれども、そんな中で私たちの国ではやはりチェーンソーで木を切る。その倒れる木の真下に行かないような様々な安全衛生も頑張ってきたわけでありますけれども、今まさに高性能林業機械の導入など、林業そのものが土台から、根底から変わってきているわけであります。 民主党政権からも、いろんな発信もさせていただきました。郡司大臣時代も頑張っていただいたわけでありますけれども、新たな林業に対応する人材育成と、そして新たな時代に即応した高性能林業機械が導入されて以降の新たな労働安全衛生、これが大変重要だと思います。 民主党政権でも種をまいた、こういう言い方をさせていただくのは少し不遜かもしれませんけれども、引き続きしっかりと対策を取っていただいていると思いますけれども、人材育成と新たな労働安全衛生の基準作りについて、御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(横山信一君) 今後の我が国の森林、林業を担う人材の育成は重要な課題でございます。 緑の雇用事業によりまして、現場技能者を確保、育成するとともに、フォレスター、それから森林施業プランナー、こうした地域全体の森林づくりや林業活性化のビジョンづくりの支援を行うことのできる技術者の養成に取り組んでまいります。 また、林業における労働災害発生率、これは他産業に比べて非常に高いという現状がございます。労働安全衛生対策を充実する必要がありますので、緑の雇用事業の中で、ただいまおっしゃっていただきました最新鋭のチェーンソーに対応するような防護衣というんですか、こうした導入に対して支援を行っております。また、あわせまして、厚生労働省が行っております林業労働災害防止対策ガイドラインの策定に向けた検討について、農林水産省としても協力をしているところでございます。 農林水産省としましては、引き続き関係機関と連携しながら、林業分野における人材育成と労働安全衛生対策の推進をしてまいる所存でございます。
○小川勝也君 この後、再エネ法の趣旨説明があろうかと思いますけれども、いろんな発想があるんだと思いますけれども、地政学という言葉がある中で、私たちの国は石油が取れない、掘れないということで大変苦労をしてきた歴史であります。しかし、石油が掘れる地域では木が生えていない地域もたくさんあるわけでありまして、逆に、我々の地域は石油は出てこないけれども、木は生えている。ですから、地政学的にいうと、我々に課せられている使命は木材の恵みを最大限活用しようということだと思います。 我々の国では、毎年毎年、太陽と雨は、これはただで来ていますからお金払っていないです。油はめちゃくちゃ高い金払ってこっちへ買っているわけです。ただで木材は増えているわけでありますけれども、その増えた分をまだ十分に利活用できていないので、これは国費を投じても後で回収できるので、まさに呼び水という意味でいうと、先ほど申し上げました製材を含めて国費が有効に使われる分野だと思っていますので、しっかりと後押しをしてまいりますので、よろしくお願い申し上げ、質問を終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 今日はまず、果樹支援対策についてお伺いしたいと思います。 先週質問させていただいた際にも長野県のリンゴの霜被害と果樹共済についてお伺いしたわけですが、その中で一つ気付きがありました。それは、果樹共済の加入率が低いのは、当初、共済制度の設計自体に問題があるのではないかと考えていたわけですが、答弁では、農業者の間の栽培技術あるいは経営方針に大きな差があり、その結果として被害状況にも偏りがあるというお話でありました。 つまり、災害に強い技術を持っている農家にとっては、そうでない農家と一律の共済掛金率では割に合わない、そう思って加入しない方たちが大勢いるということであります。この状況はある意味、相対的にリスクの高い方たちが共済に加入し、低い方たちが加入しないという、保険の逆選択が起きてしまいやすい状況であります。あるべき姿としては、各農家に矮化などの災害に強くまた効率的な栽培技術を取り入れていただいて、災害時の被害そのものを減らし、その上でセーフティーネットとしての共済制度に加入していただくことが必要であります。 そこで、一つ目の質問でありますが、現在、矮化などの新しい栽培技術、一般にどの程度普及しているのでしょうか。また、農水省としても果樹支援対策事業として災害対策のみならず効率化など様々な支援策を打たれていると思います。その中でどのような支援が行われているのか。政策目標として優良品目・品種への転換面積の増加にも取り組まれておりますけれども、目標に対して現在どの程度の進捗なのか。また、この事業は二十六年度までの時限措置でありますけれども、それ以降、中長期では一体どのような方針で支援をされていく予定なのか、御答弁をお願いいたします。
○大臣政務官(横山信一君) 平木委員から長野の状況を踏まえた上で先週に引き続きの御質問でございましたけれども、私も十一月二日に台風二十六号被害視察ということで岩手県の江刺に行ってまいりました。そこで紅果園という果樹園を栽培されている方の、リンゴなんですけれども、視察をさせていただきまして、大変に優れた技術を持っていらっしゃる方で農林水産大臣賞も受賞された方でございましたけれども、そこで実際に今お話のありました、栽培技術を持っている人ほど災害に対し非常に強い樹形を作り出すという、そうした事実も見させていただきました。 まさに、こうした新しい技術の導入ということは非常に大事な観点でございまして、今我が国におきましては、この果樹農業というのは平地だけではなくて傾斜地での栽培が多いという現状がございます。そしてまた、そういう地域では収穫などの機械化が困難であるとか、あるいは剪定に非常に高度な技術を要する、いわゆる労働集約的な品目になっているという現実もございます。そうした中で果樹農家の経営安定を図るためには、消費者ニーズに対応した優良品目・品種への転換を図るとともに、今おっしゃっていただきました樹高を低く抑え、そしてまた苗木を密植するという、いわゆる矮化栽培と言っておりますが、この矮化栽培の導入によりまして省力的かつ収益性の高い栽培技術の普及を図ることが重要というふうに認識をしております。 このため、平成十九年度から果樹経営支援対策事業を推進をし、優良品目・品種への改植、改植というのは矮化栽培のために木を植え替えるということでありますが、及びこれに伴う未収益期間に対する支援を行うとともに、矮化栽培については改植等に加え生産者団体が行う大苗育苗を支援しているところでございます。これは、改植をしますと収穫ができるまで年月が掛かってしまいますのでその間の支援をするとともに、併せて、収穫ができるまでの期間を短くするために大きな苗を植えるという、大苗育苗という、この二つを支援をしているということでございます。 その結果、優良品目・品種への転換面積は、平成二十一年に四百八十ヘクタールであったものが、平成二十二年には六百七十ヘクタール、二十三年には八百三十ヘクタール、さらに二十四年には一千百ヘクタールと年々増加をしております。リンゴの矮化栽培の普及率は、全栽培面積の三一%にまで達しているところでございます。委員御質問の長野県はその中でもとりわけ進んでいる地域でございまして、約四割がこの矮化栽培の導入をしているということでございます。 こうした長野県を始めとしまして、各産地からこの矮化栽培に対しての支援事業に対しまして高い評価をいただいております。そうした御意見を伺いながら、今後の事業の在り方については、この御評価をいただいていることを踏まえまして、平成二十七年度以降も検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今御答弁いただいたような新しい技術がどんどん普及することによって、災害被害が減少し、栽培の効率化が進むことによって、結果として農家の経営にとってもプラスになりますし、また共済の掛金率の低減にもつながる。そういった意味で、今後とも着実な支援を是非お願いしたいと思います。 この果樹支援対策においては、優良品目・品種の開発も大変重要になると考えております。 先日、農研機構にお邪魔してまいりました。この農研機構の一部門である果樹研究所では、食味や機能性に優れたもの、病虫害に強いもの、あるいは果樹の需要を増やすために、むきやすさ、食べやすさを向上させたものなど、そういったものの様々な開発に取り組まれている様子をお伺いしました。現場でお話を伺って、改めて農研機構のような公的研究開発機関の重要性を認識したわけであります。 様々な交配を試しながら、全国の試験場で十年以上にわたって育成をしながら新品種を探す、このような時間軸の長い取組は、経済性を優先せざるを得ない民間ではなかなか腰を据えて取り組めない分野であります。ところが、近年の独立行政法人に対する強い風当たりの中で、農研機構のような公的研究開発機関は事業仕分の対象とされ、予算が減らされた、あるいはシナジーの見出せない統合整理が優先されてきたというお話も伺いました。 新品種の開発は、攻めの農林水産業の中でも極めて核になる取組であると考えております。今後、こうした分野を国としてどのようにして支援していかれるおつもりか、御答弁をお願いいたします。
○大臣政務官(横山信一君) 農研機構に行っていただいたということで、大変にありがとうございます。 消費者のニーズにこたえた果実の生産供給に当たりましては、品種開発に依存する部分が大変に大きいわけでございます。こうした品種の開発というのは時間が掛かるということと、併せて経済性が、なかなか採算が取れないということで公設研究機関が主に担っている分野でございます。一方で、我が国の厳しい財政事情、そしてまた行政改革の流れの中で、委員御指摘のとおり、農林水産省所管の独立行政法人の人員や予算も減少しているということもまた事実でございます。 今後、攻めの農林水産業の展開の中で、農業の高付加価値化や地球温暖化対応に関する研究開発など、より一層、研究の重点化、効率化を図るとともに、県の公設研究機関等と連携を図り、着実に成果が出せるように果樹研究を進めてまいる所存でございます。
○平木大作君 ありがとうございます。時間が限られておりますので、次の質問に移らさせていただきます。 続きまして、木材産業における新技術の開発普及についてお尋ねをいたします。 現在、新たな木材需要創出に向けてCLTが大変注目を集めております。私も期待が高いことは耳にするわけでありますけれども、一方で、その建材としての基本性能や用途、コスト、あるいはどのような工法を想定しているのかなど詳細な情報がないために、どれほどの可能性を持った建材であるのかが分からない状況にあります。木材といっても中高層のマンションなどにも使えるという話でありますので、一般的な戸建ての木造建築の部材として使うわけではないはずであります。 そうだとするならば、既存のどのような建材を代替するものなのか、構造体に使うことができるのか、商業建築のスラブ、床版や天井板として使えるだけの強度があるのか、そうではなくてカーテンウオールとしての使用にとどまるのか。CLTの建材としての性能、想定される用途とともに、現在この建材の開発普及にどのように取組をされているのか、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。 CLTでございますけれども、ひき板を繊維方向に直交するように積層接着させた厚いパネルということでございます。 私どもとしては、このCLT、大きな可能性を秘めているというふうに考えておりまして、このCLTを主要構造材として広く普及するために、製品の品質の基準を定めたJAS規格、これを年内を目途に制定したいというふうに考えております。また、国土交通省と連携をして、簡易な方法で設計するために必要となる建築関連基準の整備のために必要となる強度データの収集と、こういったものに取り組んでいるところでございます。 先生御承知のように、CLTでは、ヨーロッパでは重量が軽くて施工に手間が掛からない、こういった特徴を生かしまして、九階建てのマンションでありますとか商業施設などが既に建設されております。そういった意味でも、我が国におきましても、現在の木造住宅向けの建材の代替、これはもうできると思っておりますが、それに加えまして、中高層建築物や大規模な商業施設などへ様々な部材の代わりができるのではないかというふうに大いに期待しているところでございます。
○平木大作君 今御答弁いただいた内容を総合しますと、構造体として使えるものである、かつ、欧州では九階建てのものにも使っているということですので基本的には強度も十分であって比重も軽くて扱いやすいと、そういった意味では広い用途があるものなのかなというふうに理解をいたしました。 それでは、そのままお伺いしますけれども、今その欧米を中心にCLTが急速に普及している実態についてどの程度把握をされているのか、また、このまま開発普及を国内で進めていった結果としてどの程度の需要が見込めるのか、市場規模としてどのくらいのものになっていくとお考えなのか、教えていただけますでしょうか。
○副大臣(吉川貴盛君) 欧米でどの程度の普及が進んでいるかという御指摘もございましたのでお答えさせていただきますが、欧州におけるCLTの生産量は、二〇一二年で四十万立方メートルとなっております。さらに、二〇二〇年には二〇一二年のほぼ二倍の七十五万立方メートルまで増加するとの予測が出されているところでございまして、この七十五万立方メートルといいますのは、日本の平均的な在来工法住宅三万棟分の木材利用量に相当すると考えられております。 我が国におきましても、現在、ただいまも林野庁長官がお答えをいたしましたように、国土交通省と農林水産省が連携をいたしましてCLTの本格普及に向けた建築関係基準の制定に取り組んでいるところでもありまして、この基準が制定をされれば、中高層建築物の木造化を含め、CLTの利用が飛躍的に進むことが期待をされるところであります。 平木委員も御承知のとおり、八月には国土交通大臣の個別認定を受けた高知県が、今、十月中にこのCLTによる建築物を着工して年度内に完成をする予定と聞いてもおりますので、可能な限りこのCLTが早期に普及するように関係省庁とも連携をしながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○平木大作君 ありがとうございます。 この市場規模については、まだ今ないものを想像するということで、推定するということで大変難しいのは承知しておりますけれども、欧州で今四十万立米ある、二〇二〇年には七十五万ぐらいになるんじゃないかと。ただ、日本と欧州、家の造り方、工法、全て全く違いますので、それをもって、じゃ日本にも市場があると言うのはやはり難しいのかなと。この日本国内での実情といったものを反映して是非試算の方をやっていただきたいなというふうに御希望を申し上げたいと思います。 私は以前、大手建材メーカーからお話をいただいて、日本の優れた建築材料、建材を海外に展開するためのプロジェクトに携わっていたことがございます。国内の建築現場はもとより、インド、中国などの現場にも多数足を運びましたし、また大学の土木建築学科、設計事務所、またディベロッパーなど、いろいろなところで新しい建材の可能性について議論をしてまいりました。その経験から二点だけ御助言をさせていただければというふうに思います。 まず一点目は、コストに関してであります。 どれだけ性能に優れた建材であっても、最終的には代替を想定する建材と少なくとも同等のレベルにまで生産コストを落とすことができなければ、需要をつくり出すことは大変難しくなります。幾ら生産コストが高くても国内の木材利用のためにやるという、そういった政策的な判断はあり得るわけでありますけれども、その場合には、利用のシーンとして公共事業に限定されてしまうということを覚悟しなければなりません。ですから、開発普及の途上にあっても、生産コストが今どのレベルにあって、競合する建材のコストと比べて価格競争力を持つものであるのかどうか、また将来的に量産すればどの程度まで落とすことができるのかは常に念頭に置いていただければというふうに思います。 そしてもう一点ですが、国内需要、市場規模としてどの程度を見込めるのかは是非とも真剣に御検討いただきたいと思います。 現在、先ほど副大臣の方からも御紹介いただきましたが、CLTを使った三階建てのモックハウス、高知県で予定されているそうでありますけれども、私の見立てからすると、この取組の順序が逆ではないのかなというふうに思います。日本の物づくりの悪いところとして、技術がすばらしい、性能が良いということでどんどんどんどんつくり込んでいって、いざでき上がってみたら市場がなかったというのはよくある話であります。どの建材を代替していくのか、あるいは施工が可能な工務店というのは一体国内にどのくらいあるのか、こういったところも是非勘案していただいて、二、三人で一、二週間も本気で取り組めば、そこそこの精度の立米、金額ベースの需要見込みは作れるはずですので、是非とも御検討をいただければというふうに思います。 それでは、次の質問に移らさせていただきます。 先ほど来もう何度も何度も出てきておりますが、私も米に関する農政の大転換に関連して幾つか質問をさせていただきます。 米の生産調整の見直し、経営所得安定対策の見直し、そして農地の集積、規模拡大のための施策が農家に与える影響は大変大きいものだと考えております。 まず、お尋ねしたいのは、報道では、これまで四十年以上継続して取り組んできた生産調整を転換することの真意を、小規模農家が農地を手放すように促し、その手放した農地を集約、大規模化することで生産コストを下げ、国際競争に備える、あるいは、さらにはTPPに備えるためであるというふうに解釈されているわけでありますけれども、これは正しい理解でしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今お話をしていただいたように、生産調整の見直しということを今やっているわけでございますが、まさに委員が御指摘になったように、経営所得安定対策の見直しに関係してこれをやっているわけでございまして、需要に即して安定的に主食の米を供給していく、これが大変大事であるというふうに認識をしておりまして、午前中の御質疑の中にもありましたけれども、既に実質的には選択制になっていて、ペナルティーのようなものはもうないわけでございますが、農家自らの経営判断によって需要に応じた生産を行える環境を整えていく、これが目的でございますので、規模によって続けていただく、やめていただくというようなことではないということを申し上げておきたいと、こういうふうに思います。 このためには、いろんな、先ほど申し上げてきたようなことを政策としてやっていく。すなわち、非主食用米への生産誘導としてのインセンティブとして、飼料用米等について数量払いを導入し、さらに直接支払交付金の充実を図るといったようなこと、それから中食、外食等のニーズに応じた生産と安定取引の推進をすること、また国による、よりきめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報等の提供、こういうことをやっていこうと、こういうふうにしていくことが重要ではないかと、こういうふうに考えております。 また、先ほど来、段階的に慎重にやっていくという御意見もありましたけれども、五年後を目途にという時期的なイメージを共有をしながら、行政、生産者団体、現場、これはみんなが一緒になって取り組んでいくという中で、需要に応じた生産、特に米による転作の定着状況を見ながら、行政による生産数量目標の配分に頼らない状況、これは行政というのは自ら生産をしているわけではありませんから、ここが作る生産数量目標の配分に頼らない状況にしていくと、これをみんなで目指していくと、こういうふうに考えておりまして、毎年毎年、地道にこの取組を積み重ねていくことによって円滑な移行につなげてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今、先ほど来の御議論の中から多数いただいた答弁で心を強くしているわけでありますけれども、一方でなかなか、世に出ていくときには違う形に出てしまう、あるいはまだ議論中のものが歪曲化された形で出てきてしまうと。どうか農家の方、現場の方に安心していただけるような情報発信、引き続きお願いをしたいというふうに思っております。 そして、一方で、農地の集約、大規模化という大きな流れ、そして生産調整の見直しという方向性自体は既に打ち出されているわけでございます。この方向性の中で、自分たちは今後営農していけるのだろうかという不安の声があるのもまた事実であります。 そこでお伺いしたいのですが、大規模集約化に適さない棚田などの広がる中山間地域では、周囲がどんどん集約を進めてコスト競争力を付けていく中で自分たちのところは相対的に競争力を落としていく、一方で借り手を探そうとしても見付けることができない、最終的には耕作放棄地になるしかないのではないか、こういった声を伺います。こうした大規模集約化に適さない土地で営農を続ける方たちのためにどのような御支援策をお考えなのか、御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど小川委員からも御指摘があったように、我が山口県は非常に中山間地の多いところでございまして、私もそういうところを見て回った経験もあるわけでございまして、全国でいいますと、農業産出額の四割、また農地の四割をこういう中山間地の農業が占めていると、こういうことでございますから、この振興、発展を図っていくことは大変重要なことであるというふうに認識しております。 今、平木委員から御指摘がありましたように、地形の条件等から大規模化、集約化というものを迅速に進めることが難しい地域が多く存在しているということでありますが、集落ぐるみで営農をするですとか経営の多角化、加工、流通を含めた六次産業化といろんな工夫をしていただいているところも既にありますし、こういうところを更に進めていくという産業政策的な部分も支援も大事であると、こういうふうに考えておりますし、もう一つ、先ほど来御議論にあるように、地域政策としての多面的機能に着目した政策というものが大事であると、こういうふうに考えておりまして、従来から平地のところとの格差の是正のための中山間地域等直接支払というものは既にやってきたところでございますが、これに加えて、多面的機能を維持、発揮するための地域ぐるみの活動に着目して、新たに農業の多面的機能の維持に対する直接支払制度を創設する方向で検討を行っておるところでございます。 先ほどの御質問にあったように、まだ最終的な形という、詳細が出ておらないところでございますので、早くこういう形をまとめて丁寧な説明をすることによって、我々は産業政策と地域政策、これ車の両輪として、中山間地域においても農業生産や多面的機能が維持されることによって地域全体として発展していくことになるように努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○平木大作君 ありがとうございます。 質問を続けたかったんですが、時間が迫っていますので、最後、御確認という意味でお願いをして終わりたいと思います。 この生産調整の転換ということは、一言で言うと、農家は販売戦略や生産量の決定に際して主体的に経営判断を行ってください、今後は国の関与の仕方としては需要予測を示すことにとどめます、このような形で報道はなされております。しかし、これまで国の生産数量を守ってきた農家の方たちの中には、いきなり主体的な判断と言われても不安になる、あるいは、そもそも帳簿の付け方もまだままならないのにどうやって経営判断をしたらいいんだと、このような声も実際に聞こえてくるわけであります。 農業ジャーナリストの青山浩子氏が先日の毎日新聞の中で、農業が目指すべき方向は、大規模農家に農地を集めるために単に小規模農家を減らすことではなく、未来志向的な考え方を持ち、実践する農家を増やすことだ、そのために自立できる手段を類型化し、農家に情報発信し、またチャレンジを支援する育成プログラムが必要とおっしゃっておりました。私もこの考えに賛成であります。 これから、経営の主体として考えて経営判断を行う農家を育成するための支援策、こういったところにも是非力を注いでいただきたいということをお願いいたしまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。 本日も、先週に続いて大臣所信に対する一般質疑ということで、TPP、それから米の生産調整について基本的な内容について質疑させていただきたいと思います。 その前に、農水省さんには、御丁寧に五百八十六品目のタリフライン、回収を条件ということで拝見させていただきました。御配慮をいただきまして、ありがとうございます。 さて、まずTPPということなんですけれども、我が国はその交渉で守秘義務があると、こういうことをお伺いしています。その内容を一切出せないということを重ね重ね承っているわけではありますが、しかし、これでは交渉が妥結しても、協定文書とそれから関税の譲許表などを、協定附属文書としてこれしか公開されないんじゃないかという実は疑問がございます。協定の規定とか関税率がどうしてそういうふうになったのかということが分からないと、その後、国会に議論が移ってきた後、批准としての議論が十分にできないんではないかと、バックグラウンドを示すような文書がある程度公開されないと議論ができないんじゃないかと、そんな懸念も持つわけであります。 そこで、TPP御担当の内閣府西村副大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、協定の妥結というものが一体それは何を示すものなのか、例えば政府代表の署名というのがその段階になるのか、またその妥結の後、いつどのような文書が公開されるのか、お答えいただければと思っております。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。 先月、バリで開かれましたTPP首脳会合では次のような声明文が出されておりまして、交渉は大きく進展しているもののまだ困難な課題が残されており、年内の交渉妥結を目標として残された課題の解決に取り組むと、こういう趣旨のことで合意をなされました。つまり、ある程度進展はしたけれどもまだ残された課題があるということでありまして、その交渉妥結、御質問の妥結とは、ここの首脳間で合意がされたとおり、残された課題も含めて交渉参加国間で実質的な合意が形成された状態、これを交渉妥結ということだと思います。 その後、交渉妥結の後、参加国間でその合意内容の主要点についてどこまでどういうふうに説明するかということの共通理解を得た場合には、達した場合にはその範囲でまた説明をするということになりますけれども、交渉妥結後、署名までは、協定文の整理、つまり、各分野ごとに交渉して大体合意が得られた、妥結したとなるわけですけれども、それぞれちょっと整理、分野ごとの条文の整理みたいなものも必要になってきますので、そういう整理とか、日本でいいますと、それを国内、日本語に直して法制局の審査みたいなものがありますので、そうしたものを全部経た上で署名ということになりますから、通常、妥結から署名まではしばらく時間が掛かると、数か月ぐらい、今回は大部になりますから少なくとも数か月は掛かるんじゃないかなというふうに思います。 その後、署名の後、協定の本体とか附属書が公表されて国会で御審議いただくということになるわけですけれども、その段階になりましたら、当然、公開されている協定文、附属書以外に、その解釈はこういう趣旨であるとか必要な説明の事柄をしっかりと丁寧に説明して、できる限り情報提供をしっかりやった上で御審議いただき、批准をしていただくということになります。
○山田太郎君 ちょっと今の御答弁、曖昧な部分があるのでもうちょっとはっきりさせたいんですが、つまり、政府代表の署名があった後は、直ちに例えば我々国会は、あるいは国会議員はそれを見ることができるということの解釈でよろしいんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 署名の段階では、今申し上げたとおり、協定文の整理とか法制局の審議なんかが終わった段階で署名しますので、その段階ではお見せすることはできると思います。
○山田太郎君 もう一つ再確認いたしますけれども、そうしたら、署名以降は協定文それから附属文書全て関連するものは出てきて、我々は見ることができるという判断でよろしいんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 協定自体と、それからそれに関する附属書、これは公表されますので、御覧いただいて国会の審議に備えていただくと。その段階で我々としても、解釈はどういう解釈なのか、そういったことの御説明をしっかりしたいというふうに思います。
○山田太郎君 次に、TPPの守秘義務というところも少し触れておきたいんですけれども、各国代表が署名した書簡を交換して約束としているということなんですけれども、その守秘義務の内容を取り決めた文書というのがあると。我が国の場合は、ちょっと私も要求したんですが、見せてくれないということだったんですが、実はニュージーランドの方は堂々と外交通商部がホームページにひな形を公開しております。実は皆さんに、お手元にお配りしたのがその一部のコピーでございます。 これを少し確認したところ、昨日、内閣官房にもお伺いしましたら、おおむねこのひな形と同じ内容だと、こういうふうにお伺いしております。そうなってきますと、このひな形によると、TPP交渉文書、これは交渉中だったとしても、政府関係者、それから政府の行う国内協議に関する政府関係者以外の者に情報の提供が限られるということで、その者は見ることが逆にできるというような文書になっております。 さて、そこでお伺いしたいんですが、我が国の場合は、この政府が行う国内協議に参加する政府関係者以外の者に交渉文書を提供する場合というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) ニュージーランド外務省が公表しているものはあくまでひな形でありまして、ちょっと内閣官房、どなたがどう答えたか承知をしておりませんけれども、実際に保秘を、保秘契約を結んでいるわけです、契約というか保秘を約束しているわけですけれども、その文書提供を受ける対象にこの政府関係者以外の者が含まれるかどうかも含めて、これはお答えすることは差し控えたいというふうに思います。 ただ、先般のバリの会合での首脳会合の声明においても次のようになっておりまして、交渉を妥結するべく取り組むに当たり、国民の関心に適切に対応する最終的な協定を作り上げるためステークホルダーとの協議を更に強化するというふうになっておりますので、これは、関係国間でどのような形でどの範囲で公表するかというのは共通の理解を求めなきゃいけませんけれども、引き続き、我々としても適切な情報提供には努めてまいりたいと思います。
○山田太郎君 ちょっとそこも曖昧なのでもう一度確認しますが、今の西村副大臣のお話ですと、これ、あれですか、政府関係者にも知らせることは協議の段階であるという認識なんでしょうか、ないという認識なんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) TPP関係閣僚会議におきまして、そこで一定の取決めをしておりまして、TPP政府対策本部で一元的に情報を集約して情報を取り扱う者をあらかじめもう厳密に管理をいたしておりますので、その範囲でしか見れないということであります。
○山田太郎君 そうすると、政府関係者以外ではどんな方が見れているのか、ちょっとその辺もお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 今申し上げたのは、政府内でのどういう情報管理をやっているかという仕組みで、政府以外の方が見れるかどうかも含めて、これは答弁を差し控えたいと思います。
○山田太郎君 じゃ、具体的に言いますと、例えば自民党の政府関係者じゃない国会議員関係の方とか、それから、もしかしたらJAの方とか、そういう方々は見ることが、あるいは見ている、あるいは情報が伝わっている可能性はあるんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 文書、この内容を提供を受ける者が政府以外の方が入っているかどうかということも含めて対外的には言わないということになっておりますので、答えは差し控えたいと思います。
○山田太郎君 堂々巡りなんでこれ以上はやりませんけれども、もう一つ気になるのは、これは仮にひな形と言っていますけれども、ニュージーランドのケースだという御答弁かもしれませんが、もう一つ、実は参加国が四年間内容を開示しないという項目も入っているんですね。そうなった場合に、例えば妥結した後、先ほど西村副大臣は直ちに様々な文書を出すというふうにおっしゃっていたんですが、それは大丈夫なんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) ちょっと正確に言いますけれども、妥結の後全て出すわけじゃなくて、妥結の後、条文の整理とか日本語に直すときの法制局の整理があります。その後に署名をすることになりますので、署名をした後は公表するということになります。
○山田太郎君 この文書では署名後四年間出ないというふうになっているんですけれども、署名をしたらば、もう一度繰り返して確認しますが、全ての文書は出るというふうなことでよろしいんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) 協定本体、条約文とか附属書は公表して、それで国会審議、御審議いただいて我々は批准の手続に入りますので、これは公表いたします。ただ、途中段階でのどんなやり取りがあったかとか、それ以外の資料についてはその限りではないということです。我々、できるだけ丁寧にその背景とか条文の解釈とか御説明はしたいと思いますけれども、それには一定の制約があるということでございます。
○山田太郎君 例えば、関税の譲許表が出てきたところで、何でそういうふうに減ったのか、どうしてそれが対象になったのかが分からなければ国会の中では十分な議論ができないと思うんですが、全て出していただくということにはならないんでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) できる限り御審議のプラスになるように我々努力をしたいと思いますけれども、一定の制約のあるところは是非御理解をいただきたいと思います。
○山田太郎君 まだ批准までには時間があると思いますので、ちょっとこれはまた別の機会にやらせていただくことといたしまして、もう一つ、このTPPの内容と今議論になっております秘密保護法との関係についても少しお伺いしていきたいと思います。 森担当大臣、それから岡田内閣府副大臣、様々いろんな御答弁されているようでございます。このTPPの内容が特定機密に指定される可能性、又はそれに当たるのかどうか、この農水委員会でもきちっと確認しておきたいと思いますけれども、是非この辺り、これは福岡政務官ですか、よろしくお願いします。
○大臣政務官(福岡資麿君) お答え申し上げます。 TPP交渉に関する情報につきましては、特定秘密の保護に関する法律案の別表のいずれにも該当しないというふうに考えておりまして、特定秘密の指定の対象とはならないというふうに思っております。
○山田太郎君 もう一つ、農水省との関係も少し、これは大臣なのでしょうか、お話しいただきたいんですが、農水省として特定秘密に関するものがどれぐらいありそうかといった辺りについても是非お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今これは法律案ということで御審議をいただいておるということですが、この特定秘密の保護に関する法律案においては、行政機関の長が、一つ目は、行政機関の所掌事務に係る防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止に関する情報であって、そして公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため特に秘匿することが必要であるもの、これを行政機関の長が特定秘密として指定するものとされております。 農水省の場合は私ということになるわけでございましょうが、農林水産省においては、今申し上げた情報に該当するものとして特定秘密を指定することは現時点では想定されないと、こういうふうに考えております。
○山田太郎君 それでは、TPP交渉に係る行政情報なんですけれども、これ国家公務員法の方から少し質疑させていただきたいんですが、国家公務員法百条の守秘義務の対象となる秘密に当たる情報も含まれているかどうか、これをお話しいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) TPP交渉のテキストなどTPP交渉に関する情報については多種多様なものが含まれておると、こういうことでございますので、一概に申し上げることは難しいわけですが、秘密保持に関する書簡、先ほど委員も取り上げられておられましたけれども、こういうものを交換した上で交渉に参加をしていると、こういうことでございますので、外交交渉が効果的に遂行される、そのことが阻害される危険性に鑑みまして、国家公務員法百条一項において職員が漏らしてはならないとされている秘密に該当するものもあり得ると、こういうふうに考えております。
○山田太郎君 含まれているということですけれども、更にお伺いしたいんですが、与党の方に開示されているTPP交渉に関する行政情報というのは国家公務員法の秘密に当たるんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今申し上げました国家公務員法の百条一項で規定されている秘密とは、一般に知られていない事実であって実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められているものと、こういうふうにされておりまして、最終的には司法により判断されるものと承知をしております。 政府が与党と連携して交渉に臨むために、これに必要な情報については、これまでも与党議員からの要請に応じて、国家公務員法の規定に則しつつ可能な範囲で提供をしているところでございます。
○山田太郎君 そうすると、与党に与えても守秘義務違反にはならないけど、野党に漏らすと守秘義務違反だと、こういうふうにも聞こえかねないんですが、国家公務員法の守秘義務もかなり恣意的に運用されているのかなというふうに思わざるを得ないと思います。 国民からすると、これ、我々国会議員ですから与党も野党もないわけでございまして、ちょっとその辺り、与党も野党もなく、分け隔てなく是非開示していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) これは、先ほど私が申し上げましたように、やはり連携して、与党と連携して交渉に臨むために必要な情報と、こういうふうに申し上げましたので、その範囲内で可能な、国家公務員法の規定に則しつつ可能な範囲で提供すると、こういうことでございます。
○山田太郎君 この問題、まだ時間もありますし、引き続きやりたいと思います。 時間が迫ってきました。少し減反、生産調整の話もさせていただきたいと思います。 生産調整なんですけれども、前回は税金の額を伺いまして、七兆六千億円ということがはっきりしました。今日は、じゃ、その生産調整によって転作された水田は何ヘクタールぐらいあって、また耕作放棄地、農地でなくなった水田というのは何ヘクタールぐらいあるか、是非数字の方をお聞かせいただけますでしょうか。
○大臣政務官(横山信一君) お答えいたします。 米の生産調整は昭和四十六年度から本格実施されてきておりますが、現在までの間に助成金の対象水田として主食用米から麦や大豆等へ転換された累計面積は約二千六百万ヘクタールとなっているところでございます。 また、平成二十二年の耕作放棄地面積は約三十九万六千ヘクタールでございます。生産調整を開始した昭和四十六年は統計を取っておりませんが、最も古い昭和五十年の耕作放棄地面積は約十三万一千ヘクタールで、それ以降、約二十六万五千ヘクタール増加をしているところでございます。 さらに、昭和四十六年から平成二十五年までの田のかい廃面積の合計は約百七万五千ヘクタール、田の拡張面積の合計は約十二万二千ヘクタールとなっているところでございます。
○山田太郎君 この数は大変大きいというのは、ちょっと比較すると、本州の面積が二千三百万ヘクタールなので、延べではありますけど、それ以上の水田が対象であった。それから、特にかい廃の方に関しては、百七万五千ヘクタールという御回答をいただきましたが、これ岐阜県と同じサイズの面積がこの間失われたということだと思っております。 今回の国会でも、この委員会ではこの生産調整をめぐって様々な議論があるかと思っております。ただ、次の政策を考えるためには、このこと自身の例えば反省、良かった点、悪かった点ということをまとめていく必要があるかと思います。 そこで、もう本当にお時間がないんですけれども、まず今回の生産調整又は減反政策、プラスだった面それからマイナスだった面を、例えば消費者それから生産者から見た場合にどんなことが言えるのか、是非お答えいただければと思っています。
○国務大臣(林芳正君) 戦後のこの米の生産調整の歴史をちょっと二、三分で言うのはなかなか難しいところがございますが、簡略にちょっとはしょって申し上げますと、実施当初はやはり主食用米の生産抑制の色彩というのが強かったわけですが、私が先ほど午前中にも申し上げましたように、今日的には水田のフル活用ということで、自給率、自給力の向上を図る観点で非主食用米の加工用米や米粉用米、飼料米、こういうものや大豆や小麦等にシフトした、こういうようなことになってきたと、こういうふうに思っております。 プラス面としては、米の需要に応じた生産が行われるという、水田の有効活用が行われるということがあったと思いますが、他方、米の生産調整は今実質的には選択制となっておりますけれども、さらに、やはり農家自らの経営判断で需要に応じた生産を行える環境を整えていく必要があるということは申し上げてきたとおりでございまして、進め方についても、今まで議論があったように、現場に混乱を招かないように地道な取組の積み重ねによってやってまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○山田太郎君 時間がなくなったのでこれで締めたいと思いますが、いずれにしても、生産調整の話、今後の農政のビジョンの話、しっかりこの委員会でもいろいろ質疑をさせていただきたいと思っております。特にシミュレーションですね、今後どうなっていくのか。これは生産農家ばかりではありません、国民側からも見た場合にどういうふうに農業を考えていけばいいのか、農作物を我々国民側としてもどういうふうに考えていけばいいのか、こういうことにもなるかと思っていますので、しっかりした議論を求めて私の質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今日は、東日本大震災からの復旧復興について質問いたします。 それで、大臣は、被災地域の皆様と話し合いながら農林水産業の一日も早い復旧復興に全力で取り組んでまいりますと述べられています。まず、福島県の特産品であるあんぽ柿について質問いたします。 あんぽ柿というのは、元は貧しい村だった伊達市の五十沢というところで、産業を興さなきゃいけないということで技術開発を重ねてでき上がった干し柿で、伊達地方の特産品です。あんぽ柿は原発事故の前までは全国で一位、二位の販売高を誇るブランド柿でした。その柿が事故後は出荷できなくなりました。 一昨年前に私、現地に行って柿の木を見て大きな衝撃を受けたんですね。もう見渡す限りの柿の木です。本当に枝もたわわに見事な柿がなっていたんだけれども、その見渡す限りの柿が出荷できないというお話を聞いて、本当に衝撃を受けたわけですね。 それで、なっている柿そのものはそんなに高い線量じゃないんだけれども、これを干すと、干し柿にすると十倍も濃縮されて放射能が高くなってしまって商品にできないと。一年目も二年目も出せなかったわけです。生産者の方がやっぱり手間暇掛けてやってきたのに、どれだけ悔しい思いをしたかというふうに思うわけです。 福島県では、いよいよ三年目になるということで、ブランドを消してはならない、伝統ある干し柿を何とか再生、再生産したいという思いから、放射性物質を検査をして、基準値よりも低い地域を加工再開モデル地域に指定をして生産を始めていると。言わば、試験操業じゃなくて試験生産をしていると。 そこで、農水大臣にお聞きしますけれども、こういうふうに本当に前に向かって何とかしようということで立ち上がっている生産者を支援すべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) あんぽ柿は私も好物でございまして、この間、先週末に日比谷公園で農業法人協会の方がフェスティバルをやられて、そこに少し出ておりましたけれども、やはりこれを食べると何となく秋が来たなと、こういう思いがするわけでございますが、今委員からお話があったように、干すから濃縮されるということで、非常にそこが難しいところがあるというのは承知の上でございますけれども、原発事故前は福島を代表するブランド品であったと、それが今、二年連続で加工自粛となっておりますのは大変残念なことだと、こういうふうに思っております。 平成二十五年産のあんぽ柿の加工・出荷再開を目指しまして、本年一月に関係機関から成るあんぽ柿復興協議会、これを設置をいたしまして、実が小さい段階での検査等に基づいた安全な原料柿の生産が可能な加工再開モデル地区の設定、それから検査機による製品の全量検査体制の導入を支援する、これは国費八億八千七百万円を措置したところでございますが、こういうことをやってきたところでございます。 今年の十二月上旬に三年ぶりの出荷の再開が可能となるように、今後とも万全の体制で支援を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 ところが、これ、今新たな壁にぶつかっているということがあります。 同じ生産者でも、線量の値で加工を再開できる圃場とそれからできない圃場と、この両方を持っている方がいらっしゃるんですね。圃場が混在していると。それで、損害賠償がどうなるかといいますと、加工できない圃場は年内に全額賠償されるんですけれども、しかし、加工を再開できる圃場はこれ賠償金が年内に支払われる保証がないんですよ。賠償金をもらうには書類だとかいろいろ事務手続を含めて時間が掛かるということになっていて、生産者から見ると、それだったらいっそのこと生産しない方がましなんじゃないかという声も出ていると。 そこで、経済産業省に次、聞くんですけれども、年内に賠償するようにこれ東京電力を指導すべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。 今お話がございましたあんぽ柿を含めた農産品の賠償につきましてでありますけれども、JAを中心といたします協議会から請求を受ける形になっておりまして、東京電力は、その請求を受けた後に、まずその半額の支払を行うということをやってございます。残りの賠償請求額につきましては、東京電力がその証憑を確認した上で額を確定してお支払いをするということでございますので、営農を再開した事業者につきましてはその再開後の損失額の確定というのが必要になるということでございますので、支払に時間を要しているのは事実でございます。 ただ、しかしながら、今先生の御指摘のように、厳しい経営環境、特に年越しの資金も非常に重要な時期になってきておりますので、そういう意味で、生産の再開をされている農業者の方々に対して支払の迅速化を進めたいということで、私どもの方からも東京電力に対して適切な指導をしてまいりたいというふうに思います。
○紙智子君 年内に支払しなきゃいけないというのもあるんですよね。そこに手元にないと困るわけですよ。だから、是非年内に極力払うように改めて指導していただきたいということで、よろしいですね、一言で、いいと。
○政府参考人(後藤収君) 東京電力の方には指導してまいりたいと思います。
○紙智子君 加えて、モデル地区についてお聞きします。 全額賠償は、経費を除いて七六%となっています。モデル地区は、逸失利益、つまり事故に遭わなければ得られた利益、その部分が補償されるわけです。しかし、東電任せにしているとこれ事務処理に時間が掛かるということで手間が掛かるので、生産者からは、国がまず七六%補償してその上で東電と精算してほしい、あるいは、七六%を超えた部分は生産者の手取りにして、そうすれば生産意欲にもつながるし、生産、販売で得た収入というのはインセンティブ料として賠償金から引かないでほしいという要望が出ています。 経済産業省に聞きますけれども、この要望にもこたえるべきではないでしょうか。
○政府参考人(後藤収君) 基本的に賠償の仕組みは賠償の指針に基づいて進めさせていただいておりますので、まずは当面半分について即お支払いをして、残りは精算するという形になってございます。その比率を、今七六%でありますか、そのくらいまで上げるべきだという御指摘だと思いますが、その辺は周りの実態等を勘案しながら検討は引き続きやっていきたいと思います。
○紙智子君 やっぱりブランドのこの柿を消してはいけないという思いで再開している生産者であり、そこを支援していくということで国がやっぱり役割を果たすべきだと。段階を追ってきているわけですよね。だから、壁にぶつかったんであればその壁を乗り越えられるように、やっぱり東電を指導していきたいというふうに言っていただきたいというふうに思います。 続いて、農産物の検査についてなんですけれども、生産者は取引先からの要請で土壌や米の検査を行っているわけです。これに対して東京電力は、出荷時に検査した農作物なので改めて土壌の検査をする必要はないから賠償金払わないと、あるいは、福島においては米の全量全袋検査をやっているので改めて出荷時の検査をする必要がないので、したがって賠償金は払わないというふうに言っているんです。つまり、二重検査の費用は賠償しないというふうに言っているわけですね。 消費者や業者が表示を求めるというのはこれ当然なんですね、ある意味。本当に大丈夫なのかという不安がある中で、ちゃんとお墨付きをもらったものだったら受け取るよというふうになるわけで、これは当然なんだけれども、検査をしない商品は扱わないというふうに言われたら、これ販売を断念しなきゃいけなくなると。 農水大臣、こういう事態というのはやむを得ないというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 原発事故によります農林水産業者の損害については、東京電力によって適切かつ早急に賠償金が支払われると、これが重要だというふうに考えております。我が省として、これまでも関係都道県や団体で構成する原発事故連絡会議を開催するほか、個別の課題について東京電力に直接申入れを行うなど、東京電力に対して適切かつ早急な対応が行われるように求めてきたところでございます。 今御指摘のあった賠償の取扱いについては個別事案でございまして、基本的には東京電力と当事者間の交渉に委ねられるものではありますけれども、福島県などから事情を聞きまして、現場の状況を把握の上で必要に応じて東京電力に適切な対応がなされるよう求めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 それで、経産省にもお聞きするんですけれども、外国の事業者から検査の要請がある場合、どういうふうに対応されていますか。
○政府参考人(後藤収君) 外国からの対応でございますけど、外国企業から求められた追加検査に係る費用につきましては、今の中間指針におきましても、海外に在住する外国人と日本人の間には情報の格差、輸入拒否に関する損害の発生を回避する必要性等に鑑みれば、我が国の輸出品について検査、原産地証明等各種証明書が求められる心理は一般的に合理的であるというふうに認められるというふうにされておりまして、それにのっとって賠償を行っております。
○紙智子君 要するに、外国から要請があったら二重検査をやって、ちゃんとその分は賠償を払うという仕組みだと思うんですけど、それだったら、私はやっぱり国内でも個別の事情に関して丁寧に話を聞いて対応するのが本当じゃないかと思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(後藤収君) 今のお話でございますけど、一律にその措置をとるというのは今の指針の状況では難しいと考えてございますけれども、個別の事情に勘案して、やはりその辺の状況はよく伺った上で、何が適切な措置かということは東京電力にも指導はしてまいりたいと思います。
○紙智子君 今のお話ですと、個別にちゃんと丁寧に聞き取ってということですよね。 それじゃ、検査費用が、これ、いろいろ聞きますと、一検体当たり、一キロ当たりの検査料で五千円掛かるんだそうですね。だから、本当にたくさん数が増えると相当お金が掛かるということもあって、是非そこのところは実情をつかんで東電が賠償するように求めていただきたいと思います。 次に、営農の問題、農地の規模拡大にかかわる問題なんですけれども、福島県で営農を断念した農家から経営を委託されて、結果として規模拡大した農家があるわけですね。言わば、休業して生産を委託しているケースなんです。それから、委託という形ではなく、農地を譲り受けた農家もいると。言わば、農業を止めて農地を譲るケースということなんですね。こういう形で規模を拡大して東電に賠償を求めても、東電は、原発事故前から規模拡大を計画されたケースは賠償するけれども、事故後は経営判断に基づくものなので賠償しないというふうに言っているんですよ。 経済産業省にお聞きしますけれども、まず、営農を断念して農地を譲渡した場合、農地の受け手に賠償すべきじゃないかと。これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(後藤収君) 営業損害のお尋ねだと思いますが、これは従前の耕作地に関する損害に対する賠償というのが原則だと考えております。そういう意味では、元々の所有者の方に対して賠償していくというのが基本ラインだというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 譲渡されている場合も、実際には掛かっている費用だとかということがあるわけですから、是非できることを検討していただきたいというふうに思います。 それから、譲渡されたケースは譲渡された時期に遡って賠償すべきではないかというふうに思うわけですけれども、休業して生産を委託しているケース、農地を譲渡していないけれども生産、販売を委託しているケース。農家はどうして農地を引き受けるかというと、それは、農地を放置しておくとそこに虫が出たりするわけですよ。そうすると、自分のところだけやっているんでも駄目で、影響出てきますから、そういうのもあってやっぱり引き受けてやらざるを得ないということがあるわけですよね。果樹園なんかはもろにそうですよね、病気が出たらもうほかのところへうつっていきますから。だから、そういう、荒らしておけない、放置しておけないということがあって引き受けるわけです。ところが、東電は、事故後の規模拡大は経営判断だというふうに言って、そういう事情をやっぱり理解していないということがあるわけですね。 ですから、経済産業省にもう一つ聞くんですけれども、やっぱりこういったこともちゃんと理解をしてもらって賠償するように東電を指導すべきではないでしょうか。
○政府参考人(後藤収君) 今の果樹園のように、管理されていない土地があって、そこから虫が発生して影響が出るというようなことが想定されるような場合ということだと思いますが、このような場合は、その具体的な個別事情をやはり丁寧に伺ってみて、その妥当性があるかどうかということもやはりちゃんと判断したいと思いますので、そういう意味では、東京電力をまたよく指導しながら検討してまいりたいと思います。
○紙智子君 よく事情をつかんで指導していただきたいというように思います。 それから、最後になるんですけれども、漁業の問題でお聞きしたいと思います。 それで、大臣は、被災地の復興とともに六次産業化も支援してまいりますということを所信で述べられています。被災地で、震災からの復興とともに六次産業化に取り組んでいる三陸漁業生産組合についてお聞きしたいと思うんですが、この組合というのは、震災後、漁師がいち早くもうかる漁業ということで新たに立ち上げた組織です。 それで、ところが、初年度で税の申告のときに公益財団法人ヤマト福祉財団から受けた寄附が、寄附を受けているんですけれども、これは圧縮記帳が認められずに一千六百万円の法人税などが課税されたんですね。昨年の売上利益はどれだけかというと、二百万円しかないわけですよ。税金がずっと重いわけですね。それで、まさにそういう意味では、せっかく、もう全て流された後必死になって立ち上げてやってきたんだけれども、出ばなをくじかれた状態になっていると。 漁師は金策に走っていて、何とか税の工面はしたようなんですけれども、運転資金がないと。そこで、復興庁と相談して政策金融公庫からの融資を勧められたわけです。融資を受けるには幾つかの手続が必要で時間が掛かるということで、結局この融資を断念せざるを得なかったと。漁業者は、今運転資金が必要なのに悠長なことは言っていられないということで、元々は家を再建するために準備したお金なんかもかき集めて金策に走っているということなんですね。 それで、農水大臣にお聞きしますけれども、こういうふうに必死に何とか立ち上がろうということで漁業者と一緒につながってやってきている企業に対して、やっぱり何らかのことを考えてあげる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、これについていかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) おっしゃっていただいたように、この復旧復興、まさに六次産業化することによって旧に復する復旧から復興につなげていこうと、これは大事な取組だと、こういうふうに思っておりますので、こういう被災漁業者の方が必要とする設備資金につきましては、日本政策金融公庫資金、また漁業近代化資金といった低利の制度資金をベースに、さらにこれに水産庁から利子助成を行うことによって貸付金利を実質無利子化する措置をやっておりますし、また運転資金というお話もありましたが、従来から制度資金の対象に運転資金はなっておりませんけれども、無担保・無保証人型の融資が実行されるように、水産庁から保証料助成など必要な措置を講じておるところでございまして、被災漁業者の方のニーズを踏まえて金融面からの支援を万全に期していきたいと、こういうふうに思っております。
○紙智子君 それでは、今日は復興庁から小泉さんに来ていただいておりますので、一言お願いいたします。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 御質問いただきましてありがとうございます。 この件につきましては、紙先生御存じのとおり、十一月の一日に佐々木憲昭先生から衆議院の財金の方で御質問が麻生大臣にありました。 この件ですが、今、復興庁としては、岩手の復興局が岩手県とそしてまた地元の漁協とも相談をさせていただいておりまして、今後、例えば経理指導の面、また様々な相談体制を含めてどのようなサポートができるか考えて対応してまいりたいと思います。 また、これ以外についても六次産業化は大変大事ですので、大手企業と被災地の現地の企業たちのマッチングをやる「結の場」という事業もやっておりますし、様々な事業を含めて六次産業化、また、この農林水産委員会も私も度々、先日、山田先生にも御質問をいただきましたが、今回初めて、衆議院にはない唯一牛乳が出る委員会というのを初めて、勉強になりましたので、漁業、農業を含めて、復興庁、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○紙智子君 いろいろ紹介させていただいて、実は制度があってもなかなか使えないと、やっぱり最初のころと違って段階を踏んで要求も変化、発展しているんですよね。それにやっぱりこたえていかなきゃいけないと。 六次化を進めるために、例えば製氷施設などを整備したと。製氷施設に海水を運ぶパイプラインの設置を県と漁協と相談しているんですよ。ところが、急いでパイプラインを造っても、岸壁と道路が下がっていてかさ上げしなきゃいけないのでまた造り直す必要が出てくるということを言われて、しようがないからまず製氷施設だけ造ったんですね。そうしたら、その後からパイプラインを造ろうと思っても、これはセットでなきゃ駄目だという話になるわけですよ。 今の制度の下ではなかなか対応できないということもある中で、せっかく意欲を持って、何もなくなったところからもう一から始めようということでこうやって頑張っている人たちに対して、やっぱり段階を踏んで、困難になっていること、壁になっていることをクリアしてあげるような、そういうことを従来の枠にとらわれず支援策を取っていただきたいというふうに思うんです。 最後に、ちょっとそのことについて一言大臣から答弁を求めて終わりたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) まさに今委員がおっしゃったように、復旧から復興へかけていろんなケースが出てくると、こういうふうに思いますので、なるべく被災された方、そして意欲を持って立ち上がろうとされている方のサイドに立って、どういうふうにこの制度が使えるのかと、こういう視点で更に検討を重ねてまいりたいと思います。
○紙智子君 終わります。
○儀間光男君 維新の儀間でございます。あと二十分ですから、頑張ってまいりましょう。 さて、今回私は、日台民間漁業の取決めについて一本で質問をさせていただきたいと存じます。 日台民間漁業取決めとは、我が国と台湾間には昭和四十七年五月十五日を境に国交が失われました。したがって、外交関係で両国間の問題を取り決めする正式な政府の機関はございません。したがって、民間の機関、財団法人交流協会、これは日本側でございます、亜東関係協会、これは台湾側でございますが、この間に日台の漁業の秩序の構築を目的に今年四月十日に結ばれ、同年五月十日に漁獲高など操業ルールが策定されないまま発効され、その取決めが運用されて今日に至っていることは皆さん御承知のとおりでございますが、これに様々な問題が今惹起しておりますけれども、これについて、現実、林大臣の御認識を伺えたらと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、正式な外交関係がない、こういうことで日台民間漁業取決めと、こういうふうに言っておりますが、この取決めにつきましては本年の五月十日から運用が開始をされているということでございますけれども、今委員からお話がありましたように、沖縄県の漁業者を始めとする関係者の方々の間で大変に厳しい御意見、それから今後の操業についての御不安の声というのがありますことは私も直接また間接的にいろいろとお聞きをしておりまして、十分に承知をしておるところでございます。 このような状況の中で、今年の八月五日でございますが、沖縄県の漁業関係者の皆様が漁業者協議会を設立をしていただきまして、日台間の漁業問題への対応について意見集約を図るべく御尽力をされておられるということを聞いておるわけでございます。先日、十月十日でございますが、同協議会におきまして操業ルール等に関する意見が大筋でまとまったことを受けまして、現在、農林水産省では台湾側に提案する操業ルール案の調整を進めさせていただいておるところでございます。 今後、沖縄を始めとする国内の漁業者の皆様の御意見をしっかりと踏まえまして、できるだけ早期に台湾側との間で操業ルールが確立されるなど、漁業者の皆さんが安心して操業できるように全力で努力してまいりたいと思います。
○儀間光男君 ありがとうございます。 大臣のおっしゃるとおりでございまして、この海域は大変重要な海域でございますが、台湾漁船辺りはこの取決め水域を更に越えて操業に及んでいるんですね。尖閣諸島に近い水域で、中国公船も相まって、台湾漁船、中国公船による、あるいは中国船による違法まがいな操業が繰り返されているのが現状でございます。したがって、日本漁船は、このエリアでは安全な操業が確保できないという心配から、ただいま出漁を控えておるところであります。 しかも、また、この水域はカツオやマグロ、はたまたアジ、サバ、ヤリイカなど多くの魚類を確保できる漁場、好漁場でありまして、こういう漁場、漁業取決めによって操業すらままならない状態に追い込まれておりました。また、同海域は、これはしっかり見ているというと、後で説明しますが、我が国の排他的経済水域、これにも近いところでありまして、私たちの国の実効支配すらいよいよ危なくなっているというような状況すらかいま見るわけでございます。 このような状況の中、現地漁民の苦境は大変なものがあると思いますが、今御認識を示されたんですが、いま一度漁民の立場をひとつ述べていただきたいと存じます。
○政府参考人(本川一善君) 確かに、今おっしゃいましたように、先島諸島と尖閣諸島の間の水域といいますのはちょうど黒潮が流れている水域でございまして、この水域にマグロなどが回遊してくるということで、六月ごろまではこの水域、台湾の漁船が多数操業しておったといったような状況でございます。そういう状況の中で、宮崎県、長崎県などの漁船が一部ふくそうして操業されたものの、沖縄の漁業関係者は操業のトラブルを避けて石垣島の南の水域で主として操業されるなど、非常に厳しい状況にあるということを重く受け止めております。それから、この九月には台湾漁船と我が国漁船の衝突事故が起こりまして、沖縄の漁業関係者の不安は増している状況にあるという認識を持っております。 そのような状況を踏まえまして、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、ルールの確立に向けて努力をするとともに、南側の水域でされる方々に関しましては、台湾漁船の違法操業に対して引き続き適切に取締りを行ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○儀間光男君 この海域は、私たちが思うほど安全な操業ができる海域じゃないんですね、ただでさえ。なぜかというと、国境に近い、しかも尖閣問題があって、日ごろ非常に、何というんですかね、火薬臭い場所でもあるわけです。ちょっと分かりやすいように極端な表現をしますけど、常に危険な種を持った海域ですね。実際に、中国公船という白い船と日本は海上保安庁の白い船がせめぎ合っているところなんですよ。これ、偶発的に、間違えば灰色の船が両国から出るようになると、本当に危険で、そこで操業できるどころじゃない海域なんですね。 したがって、私たちは、これは外交や防衛にもかかわることですが、そういう灰色同士の船が出ない前に、きちっとした白い船同士の間で、ここはきちっと協定を守っていって、安全で操業できるような仕組み、あるいはつくった仕組みを実行していくような大変な努力をしなければなかなかいけないところだと思うんですが、どうですか、いま一度決意のほどを伺いたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) まさにそのような状況の中で、沖縄の関係者の方々が八月五日に協議会を立ち上げられて、こういうルール作りをしようという議論を九月、十月掛けて行っておられます。例えば、台湾漁船ははえ縄という三十キロぐらいの縄を東西に流すのでありますが、沖縄の方々は南北に流します。そのような形でございますので、南北に縄を流すような統一をできないかといったようなことを提案をする、あるいは、台湾の漁船は船と船の間を一マイル間隔で流すということになっておるようでございますが、それを四マイルに空けるとか、そのような具体的な相手に申し入れるルール作りを、ルールを一応おまとめになりまして、私どもが今宮崎県なりと御相談をして台湾にぶつける統一的なルールを今詰めているところでございます。 そのような形で、きちんとそこの海域におけるルールができるように早急に努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○儀間光男君 今おっしゃるように、長官は三十キロの台湾のはえ縄と言ったんですが、実際のところ私が調べたら、台湾のはえ縄は七十キロから百キロぐらい、これを東西に流すんですよ。それで、この協定以前から、協定外の十キロ範囲で流しておりますので、九十キロは日本の領海の中に入ってきたわけですね。それで沖縄県や宮崎県やあるいは和歌山県、長崎県の船などは東西に流していくと、当然のことながら碁盤をかいて絡んでいくんですね。協定取決め以前は、絡んだところに両方の船が引き寄せて絡んだ縄を解いて平和的に操業したんですが、取決め以後は、まさに我が物のように堂々と入ってきて漁船の航海を妨げているということから、縄を切ったり、漁具を切ったり、台湾のはえ縄が日本の浮き魚礁に絡んで引っ張っていったりという様々な事件、事故が起きているわけですよ。だから、お互いが口で言うほどのものじゃありませんから、そういうことも踏まえて、あるいは日本側の漁船、これへの補助金支援等を含めて考えていかなければならないと思うんです。 また、はえ縄の一本の値段は幾らかというと、最低四百万から四百五十万掛かるんですよ。八重山の漁民が八時間掛けてこの漁場へ行ってですよ、漁場へ行って二、三時間掛けて四十キロから五十キロ縄を配したところに、切られていって、四百万から四百五十万の漁具を失っていくんですよ。一匹も揚げないで、八時間掛けて、三時間、四時間はえ縄して、揚げる前に切られて泣く泣く戻ってくる。この損害って一体どこが、誰が補償していくんでしょうか。 〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕 そういうことも含め考えますと、決して安閑とした、安穏なことは言えないわけでありますから、しっかりと補償関係も含めて、今、調べたら、宮崎も和歌山も長崎も皆入っていませんよ、どこへ行って漁場を求めるか分かりませんが。沖縄だけちょっと南の狭いところへ移動しておりますが。聞きましたら、おととい行ってきたんですが、大体、八重山漁協で漁獲高の三五%程度あるいは四〇%程度、同海域から揚げるんですが、このことによってほとんどもうゼロに近くなったということで、一体漁場をどこに求め、自分たちの生活をどこに求めていったら成り立っていくんだろうと、今更ながら国の無配慮に腹が立ってしようがないというようなことを言っておられましたけれども、そういうことも含めて、これから一体どうされるかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 確かに、今おっしゃいましたように、長い縄を流してこの海域から縄が出てくるといったようなことも想定をされましたので、マグロの漁の最盛期には、私どもこの外縁部に取締り船を集中的に配備をいたしまして、縄が流れてくる、それは操業したということで拿捕できるように取締りを行ったわけでございます。 それでも、今委員御指摘のように、沖縄県が敷設した中型の浮き魚礁でありますとか、あるいは宮崎県のマグロはえ縄漁具の毀損でありますとか、あるいは沖縄県の八重山漁協の浮き魚礁、こういったものが破損をするといったような漁具の被害が確かに出ていることは事実でございます。これらについては、台湾当局に申入れをして、原因究明、原因者が誰かといったようなことを特定すべく努力はしております。 それから、私ども、今回のこの関係で、台湾漁船による漁具の被害につきましては、既存の漁具復旧の支援事業を活用して共同利用漁具なり施設の導入などに要する経費を助成をするという仕組みも漁業者の方々にお知らせをしておりますので、そういうものも活用していっていただきながら万全の措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。
○儀間光男君 それともう一つ、この海域で心配なのは尖閣の沖辺り、漁業者からの報告によりますというと、中国漁船の底引きの船がかいま見られるというんですね。よく見られると。あの海域はサンゴなどもあったりいたしまして、底引きに遭うと根こそぎ資源が引っ張られていくわけですよ。そうすると、それを繰り返させておくと海洋資源の枯渇、こういうものにもつながっていくことが容易に予想できますから、その点の配慮もひとつやっていただきたいと、こう思っております。 〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕 それから、林農林大臣にお伺いをいたしますが、先般、沖縄県知事から御要請をいただいたと思うんです。日台漁業取決めに関する問題の中で、一から四までの項目で直接御要請があったと思いますが、一から二、三、四とありますが、特に四の日台漁業取決め適用水域から東経百二十五度三十分より東の水域、それから台湾が主張する暫定執法線、南側の水域を撤廃するようにという御要請をいただいたと思うんですが、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。 上の赤い実線がありますが、これが北緯二十七度線でございまして、これは平板ですからこういうふうに見えるんですが、実は丸っこいからもっとリアルな図面になっていくんですが、この北緯二十七度線は復帰前の沖縄と本土との境界線です。ここまで海域が迫っていって、ここから日本側の漁民が出ていく必要はないんですが、危険を感じて操業を止めてしまうと。 今、県知事から要請のあった第四番目を見るというと、東経百二十五度三十分の東側と、その南側といいますから、グリーンの線の入った、ここは、このラインは台湾が勝手にというんでしょうか、どこも認めていないんですが、台湾が引いた境界水域です。このグリーンの部分も空けてほしい、撤廃していただきたいと。これは、この上の方の水色の部分、これだけ日本の海域を空けたわけですから、下の方も空けてここにも日本の漁業者が操業で入れるようにしてくださいというようなお願いだと理解をいたしますが、大臣、いかがお考えかをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 十月の二十四日に仲井眞知事とお会いをいたしまして、今、儀間委員からお話がありましたように、操業ルールの早期確立、それから国による沖縄県水産業の総合対策、こういうものについて要請を受けたところでございまして、今、この要望事項の四番目の線引きについても、委員から御指摘があったようにこの要望の中に入っておるところでございます。 この水域を設定したことについて、そのものについても大変に強い御不満があることも承知をしております。それを重く受け止めながら、まずはできるだけ早期に先ほども御議論いただきました操業ルールを確立されるように全力で努力するとともに、知事からも御要望のありましたこの取決めに伴う影響を最小限に抑えるための総合的な対策についても早急に検討してまいりたいと、こういうふうに知事にはお答えしたところでございますので、今委員からの御指摘あったことも踏まえまして、沖縄県の漁業者を始めとする、ほかの地区の国内の漁業者の皆さんの声をしっかり受け止めて対応してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○儀間光男君 是非ひとつ頑張っていただいて、ここの操業の安全化と、この線引きを撤廃していただいて、日本の漁業区域がいささかも狭くならないように、上をあれだけ空けたんですから台湾側もここも空けてもらうというような、双方が応分なものを出し合う、妥協し合うというようなことをやっていただきたいと、こう思っておるところであります。 さて、ちょっと確認させていただきますが、日台民間漁業取決めの中で五番目に、一から六あって五番目に日台漁業委員会、これが三項めに、漁業委員会でいろんな原則を協議されることになって、五番目にその委員会が置かれたわけでございますが、この委員会も見ているというと、両国の代表、代理を含むそれぞれ二人の委員で構成される。いわゆる国代表を一人ずつということで、代表が欠席すれば代理が出てくる、こういうことの意味なのかよく分かりませんが、ここでもろもろのことが検討されるようになっておりますけれども、これの開催実績はあるんですか、あればお示しいただきたいと存じます。
○政府参考人(本川一善君) 先ほど来御指摘のように、日台の民間漁業取決めということでございまして、民間をベースにした交渉をして協定が結ばれたわけでございますが、その場には我が方の水産庁の幹部が出席をオブザーバーとしていたしまして、国もそういう締結に向けた取組を支援してまいったということでございます。 それから、今御指摘のあった日台漁業委員会につきましては、これは協定ができ上がりまして、一度開かれておる実績がございます。今委員の二名でございますけれども、五月七日に開かれてございますが、委員のうちの二名のうち一人は私どもで言えば水産庁の次長が委員に入りましておりますので……
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、短めにお願いします。
○政府参考人(本川一善君) そのような形で我々も中で取組をしていきたいというふうに考えております。
○儀間光男君 ありがとうございました。質問を終わります。
○委員長(野村哲郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(野村哲郎君) 次に、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。林農林水産大臣。
○国務大臣(林芳正君) 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 我が国の国土の大宗を占める農山漁村は、基幹産業である農林漁業の低迷等により、その活力が低下しており、地域の未利用の資源を生かした事業の導入による農山漁村の活性化が急務となっております。 こうした中、平成二十四年七月に再生可能エネルギー電気の固定価格買取り制度が開始され、再生可能エネルギー発電の事業性が大幅に改善されたこと等を踏まえ、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源を活用した発電を促進し、その利益を地域に還元させ、地域の活力の向上及び持続的発展に結び付けることが重要な課題となっております。 このような取組を進めるに当たっては、農山漁村において無計画に再生可能エネルギー発電設備が整備されることにより、農林漁業の健全な発展に必要な農林地等が失われ、食料供給や国土保全等の農林漁業が有する重要な機能の発揮に支障を来すことがないよう、農林地等の利用調整を適正に行うとともに、再生可能エネルギーの導入と併せて地域の農林漁業の健全な発展に資する取組を促進することが重要であります。 このため、農山漁村において農林漁業の健全な発展と調和の取れた再生可能エネルギー電気の発電を促進するための措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギーの供給源の多様化に資することを目的として、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、基本理念についてであります。農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進は、地域の関係者の相互の密接な連携の下に当該地域の活力の向上及び持続的発展を図ることを旨として行われなければならないこと、また、その促進に当たっては、地域の農林漁業の健全な発展に必要な農林地並びに漁港及びその周辺の水域の確保を図るため、これらの農林漁業上の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用との調整が適正に行われなければならないこととしております。 第二に、農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する計画制度の創設についてであります。主務大臣による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成及び再生可能エネルギー発電設備の整備を行おうとする者に対する設備整備計画の認定等について定めることとしております。これにより、農林漁業の健全な発展と調和の取れた太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等をエネルギー源とする発電設備の整備が計画的に行われるようにすることとしております。 第三に、農地法、森林法、漁港漁場整備法等の特例措置についてであります。市町村の認定を受けた設備整備計画に従って行う事業については、これらの法律に基づく許可があったものとみなすこと等とし、これにより、再生可能エネルギー発電設備等の整備に必要な手続のワンストップ化を図ることとしております。 第四に、農林地等の権利移転を促進する計画制度の創設についてであります。市町村が所有権移転等促進計画を定め、当該計画に定められた農林地等の権利移転等を一括して処理できるようにすることにより、再生可能エネルギー発電設備の整備に必要な土地の確保と併せて、農業の担い手への農地の集約化など、周辺の農林地の農林業上の効率的かつ総合的な利用が確保されるようにすることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(野村哲郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会