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185回国会参議院2013/11/28

財政金融委員会 第5号

発言数
208
登壇者
28
会派数
7
開催日
2013/11/28

会議録

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、難波奨二君、小野次郎君及び藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として金子洋一君、山口和之君及び中山恭子君が選任されました。     ─────────────

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長室城信之君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融機関における反社会的勢力との取引問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  本日は、まず、反社会的勢力との取引の解消策について警察庁にお聞きいたします。  金融取引の相手方が取引後において反社会的勢力であるとの疑いが浮上し、事業者が反社勢力との関係遮断に動こうとした際、警察の支援体制についてお尋ねします。  暴力団排除条例等は、事業者に対して、表明確約書や契約解除の特約条項を推奨しております。契約締結後に契約相手が暴力団員等であることが分かった場合には、その契約を解除することができる仕組みのことでございます。ただ、実務での問題は、事業者が契約解除の特約条項により取引を解約しようとした際、相手方が不当な解約だとして反発した場合にどうするかだと思います。  警察庁にお聞きいたします。  民事訴訟になった場合、解約事由が発生したことを事業者側が立証する必要があると考えます。民事裁判において相手方が不当な解約だと反論してきた場合、警察は、反社会的勢力との関係遮断に取り組む企業を民事裁判においてどこまで、どのように支援をしてくれるのでしょうか。具体的にお知らせください。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) お答え申し上げます。  まず、警察の基本的なスタンスについて申し上げますと、警察が事業者に対しまして暴力団情報を提供した場合に、そのことについて警察が責任を負わなければならないことは当然であるというふうに認識をしております。警察が事業者に対しまして暴力団情報を提供し、その事業者が暴力団員との契約を解除した場合において、その暴力団員が民事訴訟を提起し、契約解除の効力を争ってきた場合には、警察としては、犯罪捜査等に支障が生じない範囲で事業者の立証に資する資料を提供するなど、積極的な支援を行うこととしております。  また、事業者が暴力団員等との契約を解除したことにより、関係者が暴力団員等から危害を加えられるおそれがある場合には、警察官を派遣して警戒を強化するなどして関係者の安全確保を図っているところであります。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 ありがとうございます。  次に、先週の本委員会でも少し話題にいたしましたけれども、暴力団員等を債務者とする融資の回収の問題について更に質問をいたします。  クレジットによる分割払などの場合には、反社会的勢力だと分かって一括請求をしても、支払ってもらえない状況が容易に想定ができます。そもそも一括払いできないから分割払にしているわけでございます。そこで、債権回収の費用対効果を考え、一部免除する和解協定による債権回収を行おうと考えるかもしれません。しかし、悩ましいのは、一部免除が反社会的勢力への不適切な利益供与になるとの指摘があることであります。  債務の一部免除が不適切な利益供与だと認定されるようですと、事業者としては、反社会的勢力の債務者が正常な支払をしている場合には、関係を遮断せずにそのまま放置して完済してもらうということを選択するインセンティブが働くように思います。  この点に関する警察庁の御見解をお聞かせください。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) 暴力団員等を債務者とする債権の回収を図るため、その一部を免除することが、各自治体において制定されております暴力団排除条例における暴力団員等への利益供与に当たるかどうかについては、やはり個別具体の事案に即して判断すべき問題でありまして一概に申し上げることはできませんが、そのことをもって直ちに暴力団員等への利益供与に当たるとは考えてはおりません。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 ありがとうございます。  個別具体的なケース・バイ・ケースだということでございますけれども、もし可能でございましたら、そのケース・バイ・ケースで、こういう条件の場合には不適切な利益供与に当たらないのではないかというような、もし類型化が可能でございましたら、御教示いただけませんでしょうか。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) 類型化というのはなかなか難しいんでございますが、やはりその免除する額あるいはその理由等について検討する必要があるのではないかというふうには考えております。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 ありがとうございます。  次に、少し話題を変えまして、貸金業法についてお聞きをいたします。  金融庁は金融処分庁ではなく金融育成庁を目指すべきだと麻生大臣は述べられておられます。まさにそのとおりだと考えます。そこでお尋ねをいたします。  貸金業法は、業として金銭の貸付け等を営もうとする者に登録義務を掛けております。ただ、貸金業法は、事業者がその従業者に対する貸付けについては登録義務を免除しております。その一方で、企業が同一グループ内の企業に貸付けをする場合には原則登録義務があると解されています。  従業者に対する貸付けには登録義務を課さない、すなわち弊害がないということだと理解いたします。一方で、同一企業グループ内の貸付けには広く登録義務を課している。ということは、同一企業グループ内の貸付けにはよほどの弊害があるということのように拝察をいたしますけれども、同一企業グループ内の貸付けに登録義務を課さず放置すると、どのような弊害が生じるのでございましょうか、お聞かせください。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今、三宅先生御指摘になりましたように、この貸金業を営むという、貸金業者はいろいろありますけれども、業務の適正な運営の確保とか資金の需要とか利益の保護とかいうことを図ることなどをまず目的としておるわけですけれども、この観点から、いわゆる同じ企業内、グループ傘下の子会社、孫会社等々を含めまして基本的にこの貸金業法を求めてきた背景というのは、これは企業内の貸付けであったとしても、これは、こっちはもうかったからちょっとこっちを取り上げてと、いろいろな形でこれは利用方法があります。もうかっている会社の方を多く渡して、もうかっていない方に金を融通してやるというところで、それで税を、こちらの方が節税できる等々、いろんなやり方が、可能性があるんでして、そういった意味からいきますと、これはやり方によってはいろいろ問題が出てくる可能性がありますんで、貸金業者の登録というのを基本的に求めているということであります。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 ありがとうございます。  節税というか脱税の温床になるかもしれないということでございますけれども、脱税は法人税法が規制する問題ではないかと私は今思った次第でございます。  私個人は、同一企業グループに属する企業間の貸付け行為については登録義務が不要であることを政令などで明確化すべきだと考えます。貸金業法と申しますと、個人の借り手を搾取して暴利を貪る悪徳企業を取り締まるイメージが多いように思いますけれども、しかしこの法律は、昭和五十八年の制定当時から、一般個人だけでなく、事業者への貸付けも当然に規制対象としております。そして、連結決算も一般化せず、連結納税制度もなかった時代、つまり単独決算が主流だった時代の、私には言わばさびついた時代錯誤の規制のように思えてなりません。  現状の過剰な規制は、柔軟で機動的な企業グループ内の資金循環を阻害していると私は考えます。繰り返しになりますけれども、貸金業法は、従業者という個人に対する貸付けを登録義務の規制対象から外しております。一方で、法人、それも密接な資本関係にある企業への貸付けを規制しているわけでございます。従業者への貸付けより同じグループ企業への貸付けを放置することによる弊害が大きいという今の仕組みは、通常の常識人ではなかなか理解ができないように私には思えてなりません。  私は、連結グループ企業内の貸付け、少なくとも会社法施行規則三条にあります議決権所有割合が四〇%以上で、実質基準に基づく会社法上の子会社と親会社間の貸付け、また合弁会社の株主から合弁会社への貸付け、さらに、完全子会社ではないけれども、共に子会社である兄弟会社間の貸付けなどは貸金業法の登録義務の適用除外であることを明確にすべきだと考えます。  こうした方向での規制緩和は、企業グループ内ベンチャーの育成にも資するものであります。企業グループ内金融をめぐる貸金業の現行規制について、いま一度、金融育成庁を目指すと言われる麻生大臣のお考えをお聞かせください。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありました点、いわゆる経緯については間違いなくおっしゃるとおりなんで、加えて、もう少し言われるんだったら、これ国際的になっていますので、その分も考えていっていただいて、BEPS、BEPSって例の、BEPSという言葉ばっかりになっちゃいましたけど、ベース・エロージョン・プロフィット・シフティングというあれです、長い言葉になっていますけれども。あの話までこれ関係してくるところなんですが、いずれにいたしましても、企業グループ内での資金の移動というか、資金の管理の効率化という観点からいけば、企業経営の側としては今言ったような御指摘がいろいろな形で御要望として上がっているということは私らとしてもよく承知をいたしております。  いずれにしても、この資金管理の実態というものをちょっともう少し十分によく把握した上、かつ、BEPSを今OECDでやってもおりますので、これとも関係をいたしますので、そういったものを含めた上で、私どもとして少々この問題については検討をしていく必要があろうと思っております。

三宅伸吾自由民主党

○三宅伸吾君 ありがとうございます。  多国籍企業が利益を意図的に恣意的にいろいろ操作をいたしまして、連結ベースでの法人税の納税額を抑えるという動きを封じるための私は国際協力は極めて大事だと思います。  ただ、国際協力は必ずしもうまくいくとは限りません。そういう場合には、やっぱり生き馬の目を抜くような事業活動をしている、それが現時点で合法であれば、グローバル事業を展開している企業のチーフ・タックス・オフィサー、彼らはいろいろなスキームを組むわけでございます。  そういう中で、日本の規制だけがもし過剰であるならば、日本が利益が来ない国になってしまいます。それではなかなか日本の金融再生、経済再生も難しいと思いますので、是非とも海外の事情も早く御検討されて、国際協力に大きく外れない形で日本の金融が大きく育つように、麻生大臣のリーダーシップを期待したいと心より願っております。今日はありがとうございました。  以上でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 おはようございます。民主党の大塚でございます。  せんだっての金融機関の皆さんをお招きしての参考人質疑に関連して何点かお伺いしたいと思います。  みずほ銀行の佐藤さん、それから全銀協会長としての國部さん、それぞれなかなか難しい御答弁、難しいというのは、難しい論点を提供していただいた御答弁を何点か聞いて、これは是非大臣や関係者の皆さんと認識を共有させていただきたいと思います。  委員の皆さんは、聞いていらっしゃった方は御記憶にあると思いますが、例えばみずほ銀行の佐藤さんは、非社会的勢力とおぼしき方々と生計を一にする家族に対しても融資を抑制する的御発言をされたんですね。これはある意味驚くべきことであって、配偶者やお子さんたちが車を買ってその提携ローンを使ったと、じゃ、これを謝絶するということをやり始めると、これいろんな問題があるということはもう皆さん御理解をいただけると思います。  そこで、これ、大臣にお伺いしたいんですが、銀行というのは免許事業者ですから、金融を提供する、これは法律上の責務があるわけですね。その一方で、反社取引排除というのは、これは道義的に求められている対応であって、これ、法律上の責務と道義上の責務のバランスをどう取るかという非常に深遠な問題をみずほの佐藤さんは言わば現状を吐露してしまったということだと思うんですが、この辺りを大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) あの話のほかにも、例えば大塚先生、別に反社会的勢力じゃなかったんだけど、会社が後で反社会的勢力に乗っ取られたとなると、それは反社会的勢力かと言われるとこれはなかなか難しいんで、別に私は反社会的勢力でも何でもないんですが、元日本銀行社員ですがたまたま反社会的勢力にはめられて、会社が乗っ取られて、結果として私、反社会的勢力の一員と警察からみなされるという形になって、銀行に反社会的勢力とおまえ付き合っているんじゃないかと言われてもこれはなかなか難しいということになるんだと。  私らも、そういったケースもあり得るという実例がありますので、そういったことを考えますと、この話は基本的人権とかいろんなものと関係してきますのでこれはなかなか判断が難しいところだと思いますが、今言われました点は、これは十分に考えて対応しないと、これはいわゆる銀行が一切使えないみたいな話になると、関係者というけれども、その関係者は一親等まで、二親等まで、じゃ三親等はという話になってくると、どこまでが親戚でどこまでが何とかという話になると物すごく話が込み入ってきて、これはちょっとなかなか難しい問題であるということは十分に認識した上で対応していかねばならぬと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そういうことだと思うんです。  したがって、みずほが現時点で彼らの反社データベースに生計を一にする者もブッキングしているということが事実であるとすれば、これはこれでまさしく検査でよく見ていただきたい。それが、いきなりみずほを断罪するべきなのか、それとも、彼らも悩んでいるので相談に応じる、一緒に考えるということなのか、ここはやはり行政が冷静に真摯に受け止めなきゃいけないと思います。  ただ、反社だというふうに言われた取引先、顧客は、立証責任がどっちにあるのかというまた難しい問題にも直面して、私は違いますよと言っても、そもそもあなたは反社でしょうと言いながら取引排除されるわけではないので、分からないまま何となくどこに行っても借りられない状況ができてくるということですので、言わば取引謝絶の方便にこういうことが使われないようにしなくてはいけないというふうに思います。  そこで、昨日も会長行の役員の方に来ていただいて私からも問題提起しておきましたけれども、そういうバランスを維持して、かつ金融機関も過剰な対応にならないようにするためには、検査のときに取引謝絶リストというのをちゃんと提供して、金融庁に、一体この過去の取引謝絶はどういう理由でこれは謝絶したんだということを明確に説明できるようにした方が双方のためでしょうというふうに申し上げたところ、分かりましたというふうに取りあえずは引き取って帰られましたので、これ細溝さんにもお願いしておきたいんですが、今後の検査では、取引謝絶リストを提供をさせる、そしてその謝絶理由について検査の中で双方意見交換をするということをやるということをここでお約束していただけますでしょうか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 監督局長の立場での答弁には限界があろうかと思いますが、実際にこういった反社取引に対応するには、いわゆるルールベースではなくてプリンシプルベースといいますか、そういったことで個別の実態に応じて対応していくということが原則になると思います。  それを事後的に検証するやり方として、そうしたリストを作ってチェックをするというのも一つのやり方ではあろうかと思いますが、今後よく勉強させていただきたいと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私が会長行の三井住友さんの、ここで弁明をするわけではないんですが、ちょうどいらっしゃったときに、大門先生の御質問に対して國部さんが、延滞先とか、そういう不芳取引先も同じようにフラグを立てているというような答弁をされたんですが、実は、よく調べたら、それはちゃんとデータベースを別にしていますというふうに言っていましたので、これ、本当に一緒にされていたらえらいことなんですよね。別にしているというのが実態だと思うんですけれども。  事ほどさように、やっぱりトップもこの反社取引や取引謝絶についての実情について必ずしも詳細に把握できていないというのが実態だと思いますので、やっぱりそこはよく御指導をいただいて、そういうことには是非トップが関心を持ってしっかり対応してほしいということを徹底してほしいと思います。  その上で、経産省にお伺いしますが、提携ローンが問題になっているんですけど、そもそも、じゃ、車を反社に販売している自動車メーカーとか、電力を反社に提供している電力会社とか、一体産業界はこの反社取引についてどういうスタンスでいるのかということについて経産省はどのように考えているんでしょうか。

広瀬直経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(広瀬直君) お答え申し上げます。  経産省といたしましても、産業界の反社会的な勢力の排除に向けて取組を重要と考えておりまして、経済団体、関係業界団体等、それから警察庁、関係省と一緒に連携しながら進めているところでございます。経団連の方でも、そうした政府が取りまとめた指針に基づきまして、会員企業に対しまして周知するよう要請するなど取組を進めております。そうした中で、とにかく経営トップも含めてきちんとした対応をする、それから体制を整備するということが大事でございます。  その上で、基本的には、企業におきまして反社会的勢力との関係を遮断するということは重要でございますけれども、基本は、反社会的勢力の不当な要求に応ずることによりまして、そうした勢力に資金獲得などの便宜を供与してしまうことを防ぐということでございますので、今ちょっと例示でありました例えば電力供給とか日常生活に必要不可欠な通常の取引を直ちに止めるといったことまで想定しているわけでは必ずしもございません。  いずれにしましても、個別具体的な実態に基づいて個々に判断されるべき事柄だと思いますので、経産省として個々の判断に介入するということはございませんけれども、いずれにしましても、個々の事業者におきまして、諸般の事情を勘案しながら、警察なんかとも連携しながら、適切な対応を図っていくことが重要だというふうに考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 苦しい答弁をせざるを得ないのは分かるんですけど、結局、何をおっしゃっているのかよく分からないというのが実態だと思います。要するに難しいんですよ、この問題。だから、非常に難しい問題なのでよく関係者と相談をしますと、申し上げられるのはそこまででしょうね。  だから、これ、ポイントは警察になるんですけどね。反社取引排除、これ法的根拠のある、つまりこれに関連する法律を作る気があるのか、ないのか。ないとすれば、反社取引排除、具体的には、ここと、ここと、ここは、例えば官報に掲載をしてでも取引排除をしてくださいと、言わば、マネロンでやっていますよね、海外の、そういうマネロン対象先は、そんなようなことをして関係者が対応に困らないような状況を警察がつくるという意思があるのかどうかということについてお伺いしたいんですが。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) 今御質問のありました制度等については現在のところ検討はしておりませんが、現状を申し上げますと、警察においては、従来から、暴力団排除のため必要な場合には金融機関の個別の照会に応じて暴力団情報を提供してきたところでありますが、これに加えまして、現在、銀行等からの暴力団情報の照会にオンラインで対応するシステムの構築につきまして、金融庁及び全国銀行協会との間で検討を進めているところであります。今後はこの検討を加速させるとともに、引き続き暴力団情報の金融機関への適切な提供を行うなど、金融取引からの暴力団排除の取組を支援してまいる所存でございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 本当にこれ難しい問題だと思うんです。本当に反社を社会から徐々にフェードアウトさせていくという強い姿勢で臨むなら、金融取引を排除するよりも、例えばライフライン止める方がよっぽど効果はあるんですよね。金融は金融機関から借りられなくてもほかから調達できますから。だから本当に、そういうことであるならば、むしろ経産省などはもっと深くこの問題を考えていただかないといけないから、警察からそのように御指導ないしは協議をしなきゃいけないんですが、簡単に片付く問題ではないということだけ今日は申し上げさせていただきたいと思います。  それと、反社会的取引とは、あるいは反社会的勢力とは何ぞやということであります。もちろん、暴力団はこれは決して肯定できるものではないですから、どういうふうに排除していくかということですが、反社会的勢力とか反社会的行為といえば、もう余りにもひどい脱法行為をして脱税を行う先とか、多額の借金をして意味不明の借用証書を何か提示して強弁をする方とか、誰が一体、反社会的性質が強いのかというのは非常に難しい問題だと思います。そういうことを是非今回の問題を契機に警察の皆さんももうちょっと深くお考えいただいて、関係省庁に要請するのはいいんですけれども、反社取引排除を、その実効性をどう上げるかということと、大臣も先ほどおっしゃっていただいた人権の問題等をどうバランスさせるのかということを、なかなか解のない問題だとは思いますけれども、より深く御検討をいただきたいと思います。  最後に、参考人質疑のときに申し上げましたように、この問題、これだけ国会でコストもマンパワーも掛けてしまっているという、事の原因は今申し上げましたように反社取引排除、これは簡単にいく話ではないので、国会で審議して、これがきれいなルールができるとか、こういうものじゃありません。むしろ、今回の問題の核心は、金融庁の検査を、言わば、あ、また検査が来たなといって軽い気持ちでやり過ごす深層心理を持っていたメガバンクの体質に問題があるんです。だから、そこのところを是非金融庁は、これは厳しくやっていただいた方がいいと思います。詳細なことは申し上げませんけれども、金融庁、軽く見られていますよ。これは監査役が全く何も仕事をしていなかったということ、それから取締役会等々でいろいろ議論にするべき場面があったにもかかわらずしなかったこと、それから前回の金融庁の検査をみずほ自身がどう受け止めていて、どれだけ真摯に対応する気があったのか、ないかということも含めて、もう一度これは厳しく対応していただいて、後者の問題と発端となった前者の問題をしっかり切り分けて今後対応していただくことをお願いして、私の質疑を終わります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  先日の参考人への質疑に続きまして、これだけ社会的にも大きな問題となっておりますし、なかなかおっしゃりにくいこともあろうかと思いますけれども、可能な範囲でお答えいただければと思っております。  まず今回のみずほ銀行に対する追加調査でございますけれども、大体いつごろまでに終了するというような想定されておられるのか。また、先日の参考人質疑でも申し上げましたが、検査の対象についてでありますけれども、今回浮上してきておりますのは、提携ローンによります、言わば一件一件は小口の融資だと思いますけれども、もっと大口の取引等が、不動産担保融資とかあるいはFX取引とかあるいは株式投資とか等々であろうかと思います。そうした関連会社も含めての対象を検査の対象とされているのか、これについてお聞きしたいと思います。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) お答えいたします。  みずほ銀行に対する検査につきましては、十月二十八日に同行から提出された業務改善計画の十分性や提携ローンについての同行の対応などにつきまして検証を行っておりますが、立入検査の期間につきましては、銀行とのやり取りの状況とか検査の中でどのような事実関係が把握されるかなどにより影響を受けるものでございますので、コメントを差し控えさせていただきたく存じます。  また、みずほ銀行への検査と並行いたしまして、三メガバンクグループに対する検査も現在実施中でございます。これは、金融モニタリング基本方針に基づきまして、三メガバンクグループに共通する検証項目について横断的に検証を行っております。反社会的勢力への対応状況を含むグループの法令等遵守体制などにつきましても三メガグループに共通する項目として検証を行うこととしておりまして、連結対象となっている子会社を含めて、持ち株会社を通じたグループベースでの反社会的勢力への対応の体制がどうなっているかとの観点から検証を行うこととしております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 あわせまして、生保また損保の反社取引の排除システムがどう現状なっているのか、その認識を問いたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 生損保各社で反社取引排除のための体制、これは個々に構築しておりますが、保険につきましては、被害者救済も含めた保険契約の内容、あるいは個々の取引状況等を考慮して検討されるべきものと考えております。  一般的に、各社は反社勢力への対応を総括する部署を設置して、個々の契約に応じて、契約の締結時あるいは期間中、あるいは保険金の支払時に反社データベースを活用して反社検証を行っているものと承知しております。  それから、業界、生損保の各協会におきましても情報を集約し会員に提供するなど、各社の対応を支援しておると承知しております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  今回、参考人の方からお聞きしたときには、基本的には入口の段階では反社取引であることは認識されず、取引の途中でそれになっていたとか、あるいは紛れ込んでいたというような発言が大変に多かったし、またその説明に終始していたと思いますけれども、本当にそうなのかということについてはなかなかこれ証明しにくいんじゃないかというふうに、正直言って、疑ったら切りがないのかもしれませんけれども。  そもそも本人確認の体制がどういうふうになっているのか、また金融庁といたしましてもこういう説明に基本的には納得しているのかどうかという点についてお聞きしたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 本人確認につきましては、金融機関は犯罪収益移転防止法に基づきまして、種々の取引を行うに際して顧客等の本人特定事項、これは自然人の場合は氏名、住所、それから生年月日等でございますが、や取引の目的等を確認することが求められております。  そうした結果、金融機関が収受した財産が犯罪による収益である疑いがあると認められる場合には、犯罪による収益の移転防止の観点から、疑わしい取引の届出を提出するということが求められておると思っております。  ただ、反社データベースでのチェックも、当然、反社勢力との取引の未然防止のためにデータベースも活用しつつ未然防止に努めていると認識しております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 証券検査についてお聞きしたいと思います。  証券取引等監視委員会におきましてもこの本人確認ということについては相当の問題意識を持ってこれまで取り組んでこられたと思います。証券検査基本方針の中でも、重点検証分野として反社勢力との取引の未然防止体制の整備状況ということについて検証をしていくということに、既に平成二十二年ですか、そういう方針も出ていたかと思いますが、その証券検査におけます本人確認については、その後、どういう改善等がなされているのかお聞きしたいと思います。

大森泰人金融庁証券取引等監視委員会事務局長

○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。  監視委員会の証券検査におきましても、ただいま先生御指摘いただきました基本方針に基づきまして、顧客の口座開設時に取引目的や職業を確認しているか、また成り済ましが疑われる場合に再確認しているか、また疑わしい取引の届出を的確に行っているか、さらに、こうした本人確認業務を適正に行うための体制を構築しているかについて検証しているところでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 こうした口座開設時あるいは成り済ましの疑いがある場合に適切な本人確認を行うために、最近はネット上での取引等もあろうと思いますけれども、そうした検査についてはどうなさっておられるのか。また、こうした証券検査におきましては、やはり一罰百戒方式で取り締まるというのはなかなか難しいわけで、地道にこうした取引を排除していくという体制が必要かと思いますが、そうした検査官をもうちょっと増やしていくべきではないかというようなことも含めまして、今後の改善策をお聞きしたいと思います。

大森泰人金融庁証券取引等監視委員会事務局長

○政府参考人(大森泰人君) 御指摘のように、やはり相応の体制を組んでカバーする業者の数も増やしていくことが必要でございますし、ネット取引の増加に対応した検査手法の改善、さらには一人一人の検査官の資質の向上が重要と考えておりますので、先生の今の御指摘、私どもに激励をいただいたという意味で取り組んでいきたいと思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 先日の参考人質疑でも申し上げましたが、アメリカにおきましては、国際組織犯罪に関する戦略ということが二〇一一年の段階でオバマ大統領の下、署名をされております。ここでは、日本のやくざ、暴力団を薬物取引あるいは人身売買に関与する国境横断的犯罪組織に指定をして金融制裁を科すというふうになってございます。そして、米国内にある日本の暴力団組織の資産は凍結をされるというふうにもなっておりますし、また、アメリカの個人や団体が日本の暴力団と取引を行うことも禁止をされていると、こういうことでございます。  ここは是非、大臣にお聞かせいただきたいと思いますけれども、なぜアメリカが日本のやくざ、暴力団を国境横断的犯罪組織と指定をして金融制裁を科すというような状況にまで、これは初めてこういう形になりましたけれども、どのような認識をお持ちになっているのか。あとは、もう一つの質問は、資産の凍結がどのぐらいになっているのかということが、もし事務方からお答えいただければお答えいただきたいと思います。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) お尋ねの米国大統領令による指定につきましては、指定を受けた重大な国際犯罪組織に係る資産であって米国内にあるもの又は米国人が所有、管理するものを凍結し、米国人が当該国際犯罪組織と取引を行うことを禁止するものと認識をしております。  米国においては、指定暴力団、六代目山口組及び同組幹部、住吉会及び同会幹部、並びに稲川会及び同会幹部をその活動実態に鑑みて重大な国際犯罪組織と判断し、制裁対象に指定したものと認識をしております。  お尋ねの資産凍結の規模というようなことにつきましては、専ら米国の国内法令の運用の問題でありまして、お答えする立場にはございません。どうか御理解いただければと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 こうしたアメリカの対応と今回の組員融資の件でございますけれども、日本の巨大な金融機関に対しまして、今回の問題と今のお答えいただいたアメリカでの大統領令の関係等についてはどういう認識をお持ちでしょうか。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) どなたに。大臣ですか。

西田実仁公明党

○西田実仁君 大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) このみずほ銀行の今回の検査は今実施している最中でもありますので、米国についての連絡の内容等々についてはコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。  いずれにしても、これはみずほ銀行と、米国でみずほ銀行を監督するのはこれはニューヨーク連銀だと思いますが、ニューヨーク連銀との間では日ごろから当局間で情報交換というのはかなり密に行っていると思っておりますので、今後とも適切にその点は対応していかねばならぬところだと思っております。  いずれにいたしましても、みずほ銀行におきましては、九月の二十七日に業務改善命令を受けた後、海外当局に対してもみずほ銀行自身で報告を行っていると承知をしておりますが、現時点で米国を含めまして海外の当局関係から特段の指摘を受けているということはないと承知いたしております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 終わります。

井上義行みんなの党

○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。  今回のみずほ銀行を発端とした反社会的融資、これは私自身、どうやったら今回の教訓を生かしていくことができるのかなというふうな観点から今回質問をしたいと思っております。  私は、今回この問題が起きたところの原因には、やはりそれぞれ銀行側も、あるいはそれを監督している省庁も希薄だったんではないか、このように考えています。例えば銀行協会行動憲章の中にこの反社会的な撲滅についても書いてある。にもかかわらず、その銀行協会にある部会でも年に二回その問題があったにもかかわらず、そういうことを防止することができなかった。そして、金融庁の定期検査では、たまたま今年の立入検査、定期検査には重点項目として反社会的行為の問題が項目として入りましたけれども、通常の定期検査にはなかった。経産省の定期検査にも反社会的なこの項目がなかった。そういうところから発見が遅れて今日に至る、こういうふうに思っております。  そのために、全国銀行協会と金融庁との関係についてまずお伺いをしたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 全国銀行協会は、銀行の健全な発展を図るための一般社団法人でございまして、各種決済制度の運営とか、適正な取引の推進とか、コンプライアンスの推進とか、いろんな活動を行っております。  この全国銀行協会、一般社団法人でございますので一般監督権限は当庁は持っておりませんが、全銀協の行う業務のうち、例えばADR業務については銀行法に基づく検査監督権限を行使しております。それから、全銀システム、これ決済システムですが、を運営している子法人に対しては資金決済法に基づく検査監督、あと、電子債権ネットワーク、でんさいネットを運営する一〇〇%子会社に対しては電子記録債権法に基づく検査監督といったことで金融庁はかかわり合いを持っております。  さらに、もっと言えば、全銀協は金融庁が監督対象でございます銀行等で構成される団体でございますので、金融庁として金融行政上必要な事項に関する周知徹底などを全銀協を通じて行っているところでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 つまり協会には、金融庁としては指導徹底する立場にはあるわけですね。ちょっと確認をしたいと思いますが。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 会員行に対していろんな指導をするに当たり、その周知を全銀協を通じて行っておるということでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 そうすると、よく、私も役所にいたから分かりますけれども、指導を徹底するときに各銀行協会に対して、これこれ今回は反社会的な、これが閣僚会議で申合せでできたからそれを指導するように、こういうような通知をしていると思うんですね。  その銀行協会の行動憲章、この八に今回の反社会的なことが書いてあるわけですね。しかもこの中に、それを徹底する、厳粛に対処していくと、こういうようなことが書いてあるわけですよ。今回、そのことによって、この反社会的な勢力との関係遮断、こういうことが行動憲章にも書いてあった、そして銀行も本来であれば、それに沿って問題意識を持つ、金融庁の検査に対してきちんと、議事録があるからと、こういうことではなくて、きちんと報告をしなければならない認識を持っていなければいけなかったのではないか、このように考えております。  そこで、その問題意識が本当に私は希薄だというふうに思っておりますけれども、ふだんの、先ほど言った銀行と金融庁の、監督として、反社会的組織への融資、非公式あるいは担当レベルで報告を受けたことがありますか。例えば、過去三年にどれぐらい一年ごとにあったか、お聞かせください。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 私どもは、金融機関における反社勢力との取引の有無や内容については、必要に応じて日常の検査監督において確認しております。ただ、反社会的勢力はその形態が多様でありまして、また社会情勢に応じて変化し得るということから、あらかじめ限定的、統一的に定義することは困難でありますので、各金融機関でそれぞれ実態を踏まえてそのデータベースを構築しております。  したがいまして、そうしたことから、反社勢力との取引について、内容についてお答えすることは、例えば件数等をお答えすることは必ずしも正確なものであるということではないと思っておりますし、またそういったことについて公表するということにつきましては、例えば多く出している金融機関は反社排除が甘いという誤った認識が形成されて、かえって反社勢力による介入を招くおそれがあったり、例えばそういったことから各金融機関においては件数を小さく報告したいというようなことでインセンティブが働きますので、件数等について公表することは差し控えさせていただきたいと思っております。

井上義行みんなの党

○井上義行君 そうすると、銀行側も余り反社会的なことが分からないし、監督庁もそれについては銀行任せというふうな答弁にすごく聞こえるんですね。  やはり、今回のことを生かしていくためにも、今回はたまたま重点検査にこの反社会的項目がありましたけれども、今後は定期検査のマニュアルにしっかり、この重点検査だけではなくて、定期検査のマニュアルの項目で反社会的項目を入れるべきだというふうに思っておりますけれども、その辺について、大臣、是非ここで、定期検査マニュアルで反社会的融資の関係を入れていくということを是非言っていただきたいと思います。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 我々、毎年の検査をどのようなところに重点を置いていくかということにつきましては、検査基本方針というものを毎年出しておりまして、今事務年度からは検査と監督を一体にやっていこうということで金融モニタリング基本方針というものを出しております。本年度におきましても、それから以前におきましても、銀行とかグループにおける法令等の遵守体制、なかんずく反社会的勢力に対する対応とか体制につきましては、重点項目ということで検証してきております。  こうした反社対応に対する検査の重点というのは引き続き維持してまいりたいと思っております。

井上義行みんなの党

○井上義行君 今の本当の答弁ですか。いつも毎年定期検査で反社会的な項目をきちんとやっているということですか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 反社会的勢力との対応につきましては、通常の検査におきましては重点項目として銀行側の対応体制について検証しております。  ただ、提携ローンというのは特殊なタイプでございまして、銀行が独自で融資しているものについてはきちんと見ていたわけでございますけれども、提携ローンに係る反社の取引というのは前回検査で初めて発見されたわけでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 私は認めるところから始めた方がいいというふうに思っているんですよ。別に、今回のことをやはり教訓に生かすべきだと思うんですね。ですから、定期検査のところには項目としてはなかったわけですよ。しかし、今年の重点項目でやって初めて出てきた。しかも、例えば銀行は、先ほど委員の方から話があった、反社会的なやつについては取締役で報告をしている、議事録も当然金融庁に報告をしている、そこで銀行側もちゃんと報告しているからいいでしょうということに意識があったというふうに私は思うわけですね。  ですから、やはりきちんとふだんから目的意識を持つということが私は必要だというふうに思っておりますので、今後とも定期検査にしっかりと反社会的な行為への融資についてやっていくということを明言していただけますでしょうか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 今回の事例も踏まえまして、検査手法の改善を図るとともに、反社会的勢力に対する銀行側の対応体制についてもきちんと検証してまいりたいと考えております。

井上義行みんなの党

○井上義行君 そして、今回の反社会的融資をやはり生かしていくために、私は大幅な罰金の強化を図るべきではないか、このように考えております。その基準は、いろいろな様々なことがあるでしょうけれども、例えば今回のような形のときに何らかの基準を定めて、こういうふうにやった場合には罰金を掛けますよ、強化いたしますよ、大幅な罰金を掛けますよと、こういうことによって抑止力が働くというふうに思っております。  そこで、今回の例えば事件のような反社会的な組織への融資の問題に対しては厳正に対処すべきだというふうに思っておりまして、大幅な罰金の強化などを考えることはございませんか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 罰金、行政罰を掛けるかどうかというのはこれは立法論に属すると思っておりますが、現行法上、私ども行政処分として行っておりますことは、例えば報告徴求でありますとか業務改善命令でありますとか業務の停止命令ないしは免許の取消しといった、日本の行政法の体系としてはそういった体系で今はやっております。  さらに、それに罰金を科さなきゃいけないような重大な要請があるような行為がある場合、例えば検査忌避でありますとか、そういった行政罰を掛けなきゃいけないものについては、そういった意味では罰金があるということでございます。

井上義行みんなの党

○井上義行君 今後、そういうペナルティー的なことも考えていかなければならないというふうに考えております。  そして、もう一つは、私の持論なんですが、こういう反社会的に限らず、この金融行政を、やはり、今回のような信販であれば、金融庁と経産省、両共管で監督をしているわけですけれども、反社会的な融資に限らず、やはりこうした金融の融資の問題をやっぱり一元化的に私は管理した方がいいというふうに思っておりますので、これは政治的な判断かもしれません、あるいは労金や農協、様々な金融機関がありますけれども、こうした金融機関の監督統一を是非実現をしていただきたいと思います。  そこで、金融庁が統一的に金融機関を所管して、しっかり責任を持った監督をすべきだというふうに思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 金融庁は、いわゆる金融機能の安定、また預金者、投資者の保護、金融の円滑化などの観点、その他金融の、融資に関する業務を行う銀行、保険会社、証券、貸付業者等々を所管して規制を行っている一方、これらの今申し上げた業者以外の方々、例えば今回の話でいえば、いわゆる信販会社につきましては、これは物品販売に伴う信用供与というものであります。したがって、商品の購入者の利益、サービス提供の円滑化などの観点から割賦販売法の規制を受けて、これは経済産業省の所管となっているという点がよろしくないというわけですね、簡単に言えば。  このように、それぞれの取引業者の性質、内容に応じてこれは所管が決められておるんで、私どもとして今少なくとも、何でしょうね、商品購入者の利益、サービスに関する部門に、私ども金融庁は金がかかわっているからといって今そこのところに入っていくという気はありません。  また、その点につきましては、政府内においていわゆる連携というものをきちっと図っていくことは、これは重要なんだと思っておりますので、関係省庁間で今回のことに限らず、いろんな意味で実務面で適切な連携というものを図っていかねばならぬと思っております。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) よろしいですね。

井上義行みんなの党

○井上義行君 はい。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  本題に入る前にといいますか、本題の一部なんですけれども、先週の、先ほども大塚さんからありましたが、参考人質疑の中で、私が三井住友とみずほの頭取に、反社会的勢力より広い概念なんですけれども、予備軍と言われておりますけれども、不芳属性情報と言うらしいんですね、芳しくない属性を持ったお客さんの情報と。これは内部告発があったんで、この中に対外的に三井住友を告発した人、そういう人まで入っていると情報が寄せられたんで聞いたわけですね、そういう方にフラグを付けているのかと。そしたら、あっさり國部頭取は認められたわけでありますが、その後、二転三転答弁が変わりましたし、また私の後、維新の会の藤巻委員から助け船を出してもらって、もう何か混ぜこぜの答弁をされて、さっき大塚さんにまで、後からかも分かりませんが、三井住友は何か違う説明をしているようで、またさらに混ぜこぜになっちゃっているんですね。  みんなで混ぜこぜにしていただいたんで、改めてもう一度きちっと質問しなきゃいけないんですけれども、非常に不誠実な対応を三井住友はしているというふうに思います。議員にまで違う説明をしているということですね。  そこで、正式に三井住友とみずほに、この不芳属性情報は何なのかということの定義を文章で出してくれというふうに求めて、金融庁頑張ってもらってすぐ対応してもらって出てきたのがお手元に配ったこの文書でございます。  まず、大塚さんが言われたところなんですけれど、不芳属性情報というのはこの三井住友の文書でいくと一、二にかかわるところですね。さっき言った反社会勢力、反社予備軍はこういう規定です、こういうデータベースがありますと。三番目が、それとは別にお客さまの声データベースがありますということなんですけれども、この三番目のことを私は指摘したみたいなことを後になって説明しているようですが、これではありません。これはフラグではなくただの苦情メモでありまして、どこの会社でもやっている話で、こんな初歩的なことも知らないで私が質問するわけございません。  問題は、この上の方の不芳属性情報のフラグの立て方のところなんですね。ここの中にどう書いてあるかといいますと、上の方ですけれども、「反社会的勢力との関連が懸念される者や」ということで、それ以外にもということなんですね、「取引関係を持つことで当行の財産権が侵害されかねない者の情報」、これも入りますと書いてあるわけですね。しかも、この反社会勢力という、括弧一がありますけれど、この中に、ここには暴力団員云々のほか、「以下の行為を行う集団または個人」と。暴力団員じゃなくても、以下の行為を行う集団又は個人も反社会勢力の中に入っております。  この二番目に、暴力的な要求行為はこれはもうとんでもない話ですが、「法的な責任を超えた不当な要求行為」というのがあります。これは解釈によって変わります。例えば、当然、何といいますか、そういう人もいるだろうと思うんです、とんでもない、ゆすり、たかり的な不当な要求をするという人もいると思います。私が言っているのはそうではなくて、この前、藤巻さんがデリバティブで損をしたから何とかしろと言う人のようなことを言われていましたが、そうじゃないんです。そんなことを言っているんじゃないんです。  私が言っているのは、例えば三井住友でいいますと、金融庁から処分を受けました、優越的地位の利用をした金利スワップ商品の販売と。これは明確に金融庁から処分を受けたという事例でありまして、これも最初は中小企業が銀行から頼まれると、優越的地位といいますか、頼まれると断りにくい、融資のことがあるのでと。で、買わされるというか、買うと。ただ、後から考えるとどう考えてもおかしいし、解約したいと。そうすると違約金が物すごく取られると。ちょっとこれはということで苦情を言う、何とかしてほしいと。  ところが、これは合法的は合法的なわけですよね、その段階ではですね。何も違法行為で売ったわけじゃないですよね。だから、それを繰り返し何とかしてほしいと言うと、法的な責任を超えた不当な要求行為と。銀行側からすると、後で金融庁から処分を受ける前の段階ではそういうことはあり得るわけですね。そういうふうに解釈することはあり得るわけなんです。  初めて金融庁から処分を受けて、あなたたちはおかしい、三井住友おかしいとなって、あるいは私が国会で取り上げて銀行側も非を認めるということがあって初めて、法的には合法的ではあったけれども非を認めるというか、社会的に、あるいは銀行法に基づいて公共的な性格からいかがなものかということで処分を受けて初めてそういうことになるわけですけれども、その前の段階だと、当然、法的な責任を超えた不当な要求行為と銀行がみなすことはあり得るわけですね。あり得るわけです。そういうところに入っているんじゃないかということを聞いて、頭取は最初入っていますということを答えられたわけでございます。  二枚目のみずほも同じなんですよ。ヘビークレーマーというのをこの前、頭取言われていましたけれど、これも、「ヘビークレーマーの具体例」とありますよね、「不当要求を頻繁に行い、かつその要求内容・手段が極めて悪質なもの」と。この悪質というのは、もうこれもとらえ方ですけれども、何度も何度も言ってくるというのが悪質ということもあり得る、そうとらえる場合もあるかと思います。  私は、みずほにも不当なとんでもないお客さんがいると思います。そういうことを言っているんじゃないんです。例えばみずほでいきますと、通貨スワップの中小企業への販売というのがありました。これは国会でも、この場でも取り上げましたし、金融庁からも指導してもらったし、うちの部屋にも、みずほですね、何回も来てもらって、法的には一応合法だけど、中小企業の現状を考えるとやっぱりちょっと対応の仕方を考えさせていただきますということで柔軟な対応をしてもらった例があるわけですね。  そういうケースが、最初の段階では銀行にとっては合法的なのにいろいろ言われる、だから不当要求だと、頻繁に言われているということでこういうところに入っているんじゃないかと。そして、そういう情報も寄せられているので入っているんじゃないかということを指摘したわけで、やっぱりそれはよろしくないんじゃないかということで申し上げたわけでございます。  こういう、最初の段階では銀行にとっては法的に問題はないのにうるさいなということでフラグを立てるのかも分からないけれども、しかしそれはやっぱり銀行だって最初分かると思うんですね、変なお客さんと違って、複数の話になってきますし、やっぱりちょっとまずいかなと分かると思うんですよね。そういう人まで反社会勢力予備軍の不芳属性情報にフラグを立てるというのはちょっと違うんじゃないかという指摘をしたわけですね。したがって、そうだと最初言ったのが、さっき言ったもうごちゃ混ぜになっちゃって訳の分からない話になっているので再度述べます。  金融庁に三井住友もみずほも説明したのが、三井住友はお客さまデータベースのことにやっぱりしちゃっているんですよね。そうじゃないんです、私が言っているのは。頭の方の、本体の方の今言ったところに入れられているという情報が寄せられたので、指摘したわけでございます。  今、銀行だってもちろんふだんは真面目にやっていますけれども、ときにいろんな間違いを起こして裁判になる場合もあります。金融被害をずっと集約されている弁護士さんたちがいらっしゃいます。そういう方々が、自分たちがこういう反社会勢力の予備軍のところにフラグを立てられているというのはおかしいんではないかという声が上がっているので、指摘をしたわけですね。  このヘビークレーマーっていったら、私だってヘビークレーマーになっちゃうんですよ、何度もみずほに来てもらってやっていますからね。だから、そういうものじゃないでしょうと、本来、こういう反社会勢力予備軍というのは。ということで指摘をしているわけでございまして、正確にとらえていただきたいと思います。別に三井住友を個別に呼んで、内部告発の資料ありますから、やってもいいんですけれども、一応委員会での出来事でございますので、もう一度金融庁から、この本体の方の不芳属性情報の今申し上げた指摘したところにそういうものも取りあえずフラグを立てているというのはよろしくないというふうに私は思っていますので、少なくとも金融庁にした説明は、あるいは大塚議員にした説明は違っていると思いますので、その点、金融庁からよく確認をまずしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 委員提出の資料のとおり、三井住友銀行では法的な責任を超えた不当な要求行為が反社会勢力に該当する、またみずほ銀行ではヘビークレーマーが、これは反社会的勢力ではないが不芳属性先に該当するとされているのは承知しております。  こういった反社勢力や不芳属性先の情報、これをどういうふうに定義してどういうふうに管理するか。これは、第一義的には各金融機関が実情に応じてその判断によって定められるべき事項でございます。ただ、その運用については個別具体的な実態に基づいて個々に判断されるべき事柄であろうかと思っております。当局が個々の判断に介入していくこと、これは必ずしも適当とは考えられませんが、いずれにいたしましても金融機関においては適切な対応を図っていくことが重要と考えております。個別行の運用の実態についてもよく見ていきたいと考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 いやいや、大塚議員にまで違う説明しているわけだから、確認をしてくださいと言っているんです、私が今日言ったことを。いかがですか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 委員会での御指摘も踏まえ、よく確認したいと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もう時間がありません。  本題というのは、警察庁、わざわざ来てもらってありがとうございます、これは銀行の方々と話をしたんですけれども、警察の情報共有がそう必ずしもうまくいっていないと。警察が金融機関に暴力団関係問い合わせて、金融機関は真面目に答えるわけですけれども、金融機関から警察に問い合わせた場合は、暴力団員についてぐらいはかなり答えてもらうけれども、その周辺のことはほとんど答えてもらえないと。もちろん、捜査上、後々、答えちゃうと何かアクションが起きて捜査の障害になるという可能性を考えられてなかなか言われないのかも分かりませんけれども、ただ、できるだけ、こういうことが起きておりますので、できる限り協力を更にしてほしいなと思いますし、そういう通達も一旦出されているわけですから、今回のことを踏まえて更に協力を進めてほしいということですが、一言、いかがですか。

室城信之警察庁刑事局組織犯罪対策部長

○政府参考人(室城信之君) 警察におきましては、従来から暴力団排除のため、必要な場合には事業者等の個別の照会に応じまして暴力団情報を提供してきたところであり、暴力団の周辺者につきましても正確な情報があるものについては必要に応じて提供をしているところであります。  正確な暴力団の実態把握は暴力団対策の基本でありまして、今後とも、暴力団員のみならず、その周辺者も含めた暴力団の実態把握を徹底し、暴力団の排除のため事業者等に適切な情報を提供できるよう努めてまいる所存でございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 よろしくお願いします。これで終わります。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 大臣戻られるまで少々お待ちください。  よろしいですか。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 日本維新の会、中山恭子でございます。  金融庁の方にお尋ねするということで始めたいと思います。  基本的なところに戻りますけれども、このみずほ銀行の問題については、九月二十七日に業務改善命令が発せられました。その後、九月二十七日の業務改善命令の前提となっていた金融検査監督過程での説明が事実と異なることが明らかになった。今回、この問題が発覚することになりました金融検査、報告徴収から業務改善命令に至るまでの経緯を、基本的なところに戻りますが、金融庁から改めて御説明いただきたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 今般のみずほ銀行の提携ローン問題につきましては、当庁が昨年十二月から実施いたしました通常の立入検査の中で、提携ローンにおいて多数の反社会勢力との取引を把握していながら取引の解消、防止のための抜本的な対応を行わず長期間放置していたなど、経営管理体制等に重大な問題点が認められました。  この検査結果を踏まえ、さらに銀行法二十四条に基づき事実関係の報告を求めた上で、経営管理体制等の抜本的な見直し及び充実強化を図る観点から、委員御指摘のとおり、九月二十七日に業務改善命令を発出したものでございます。  その後、みずほ銀行が内部を調査した結果、当庁の検査及び報告命令に対して事実と異なる報告が行われていたことが判明したため、さらに十月九日、追加の報告徴求命令を発出いたしました。これらを受けまして、十月二十八日に、みずほ銀行から業務改善命令に基づく業務改善計画及び追加で求めた報告が提出されました。  金融庁といたしましては、十一月五日から立入検査に入っているという状況でございます。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 今回の検査は非常に、微妙なといいましょうか、難しい問題をたくさん抱えているかと思います。  先日の参考人質疑、委員として出席しておりませんでしたが、会議録を拝見しましても、反社会勢力のチェックというのもなかなか難しいことだと実感しております。金融機関は、警察が持っている反社会的勢力のデータベースだけではなくて、どの程度のものが警察から回っているかはっきりしませんけれども、金融犯罪にかかわった人や総会屋まがい、また反社というところまでは認定できないけれどもそういう事実関係を持っている人などの情報を新聞などの情報からデータ化しているというお話がありました。また、今、大門先生からもお話がありましたが、いわゆる不芳属性先というんでしょうか、反社会的勢力と推定される人物の親族などに関してもいろいろ情報を集めているということで、この取扱いも大変悩ましいものになっていると思います。  こうした動きの中で、ちょっと次元が違うかもしれないんですが、個人情報保護のことを思い浮かべました。若い母親の方から、自分の子供が通っているクラスの名簿もないと。したがって、家に遊びに来ていて何か連絡しようと思っても、そこのおうちの電話番号が全く取れないんですというような話もありまして、個人情報というのが非常に重要なテーマであることは分かっておりますけれども、少し行き過ぎた日本の社会が形になっているのではないだろうかと、そんな感想を持っております。  今回のこの銀行の問題とは次元が違うかもしれませんが、それぞれの銀行間での情報の、例えばみずほとオリコとの間での、こういったたくさん金融機関が持っている個人情報については共有できていないとか、もう少し何か協力関係をつくれるのではないかという思いがありますが、その課題も含めて、情報の共有化の課題なども含めて、大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。お伺いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは中山先生、いわゆる金融機関というものが、反社会的勢力からの被害の防止のために、いわゆる情報を積極的に収集、分析、解析してこれを反社検証に活用することが求められておるということなんだと思いますが、そのためにいろいろ、他業界とのデータベースを共有というのを検討を進めております。  それで、警察の保有しておりますこの暴力団の情報につきましても、銀行からオンラインで照会できるようなシステムの構築というもので今は関係者間が既に協議を開始をいたしておりますが、この構築に当たりまして、私どもとしてもこれに関与してまいりたいと思っております。いずれにしても、情報管理の在り方等々も、これも言われましたように問題のあるところでもありますので、そういった点にも配慮しつつ、これは検討を進めてまいりたいと考えております。  今言われたその子供の話やら含めて、少々情報というのに関しましては、親の職業欄見たらみんな真っ白なんというのが出てくる小学校というのは本当に冗談抜きにしてありますので、そういったようなことになってきて少々行き過ぎているような過剰反応なきにしもあらずなんですが。いずれにいたしましても、反社会勢力の情報のうち個人情報に該当するものにつきましては、これは被害防止という目的で取得、利用、何でしょうね、利用は第三者への利用等々、個人情報保護法で求められている本人の同意や通知は不要だということに、反社会的な勢力にはされておりますので、したがって、個人情報保護の問題により反社会情報の共有に直ちに支障が出るのではないかというようなことはないんだというように理解をしておりますけれども。いずれにいたしましても、過日、平成十九年六月の犯罪対策閣僚会議において取りまとめられたものの解説は今のような原点になっておりますので、それに基づいて進めてまいりたいと考えております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 今、警察の情報がオンラインで結ばれるというお話伺いました。大変期待したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  また、個人情報保護とこの反社の問題は別問題だと認識しておりますけれども、何か過剰反応している様子もありますので、その辺りも少しみんなで注意していけたらなと思っております。  先ほど、お答えの中にありましたが、金融庁は、今年の九月に金融庁が公表した金融モニタリング基本方針において、金融検査の在り方を見直し、オンサイト、オフサイト一体となったモニタリングを行う方針を明確になさいました。この新たな検査指針では、従来の立入検査にプラスして、事前の情報収集やヒアリング等を重視した検査スタイル、合体した検査スタイルにするということが示されております。  今回のみずほの事案の取締役会の資料の見落としも、膨大な資料を前にしての検査ですから、検査範囲の絞り込みなどを当初から行うことができていれば何とかなったのではないかという思いもございます。再発防止のためにも、今回、九月の基本方針は良い方向に向かっているのではないかと思いますが、今回のこの事案に対して、反省も含めて、どのように進めていくおつもりか、これは大臣でよろしいでしょうか、お願いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 先般のみずほ銀行におけます検査において、コンプライアンス委員会に報告をしたわけではなく、いわゆる報告していないという銀行側の説明というものをうのみにしたわけではなくて、その裏付けを取るべく必要な確認を行ったと承知をいたしております。しかしながら、銀行の説明とは異なる事実、すなわち過去にコンプライアンス委員会には報告をされていたということが後刻判明したことになって、これについては更に深い検証を行うべきであったのではないかという御批判をいただいているんですが、これは真摯に受け止めなければならぬところだと思っております。  現在新たに作成した新しい金融モニタリングシステムの基本方針の下で、検査手法の改善や見直しというものを今図っていくことにしておりますけれども、今回の事案も含めまして、問題の根本原因に遡った検査を目指すという上で、更に見直すべき点があるのではないかという点に立って検討してまいりたいと考えております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 十一月五日には、みずほ銀行を始めとして三つのメガバンクに対して一斉に検査が開始されたと伺っております。この検査も新しい基本方針に基づいて行うということでございましょうか。その趣旨などはどのようなものでしょうか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) みずほ銀行を含む三メガバンクグループにつきましては、委員御指摘のとおり、十一月五日より立入検査を始めております。これは、金融モニタリング基本方針に基づきまして、三メガバンクグループに共通する検証項目、これは、グループの経営管理体制とか法令遵守体制、それから統合リスク管理体制、それから金融の円滑化とか金融仲介機能の発揮などのことについて、それぞれのグループの取組状況を横断的に検証することとしておるものでございます。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 つかぬことを伺いますけれども、金融検査官、私自身、非常に優れた優秀な人々がこれまで金融検査に当たってきて、これが日本の金融状況というものを安定した形で保ってきていると思っておりますが、今回の検査におきましては、やはり見逃したというようなことから、金融界では検査官の検査能力が落ちているのではないかといったお話も、指摘が出てきております。  今後この検査官に対して、どのように力を付けるなり、対応を考えていらっしゃるでしょうか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 銀行が行っております金融業務というのはより幅広くなって、また新しいサービスや取引が出てまいりますし、次第に専門化してきてございますので、検査官につきましてもやはり専門性を高めていくということ、それから我々自身もいろいろな情報を収集して、それを分析して、限られた人員とリソースの中でより効率的、効果的な検査を努めてまいると同時に、検査官自身の能力の高度化というものも図ってまいりたいと考えております。

中山恭子日本維新の会

○中山恭子君 反社会勢力に対する対応というのはいろんな意味で社会全体にも影響を及ぼしますので、今後とも十分その対応を深めていっていただきたいと思います。  終わります。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 平野達男でございます。  今回の案件は、みずほさんがやるべきことをやっていなかったということが金融検査で明らかになったということなんですが、今日は、その金融検査の在り方ということに関しまして若干の質問をさせていただきたいというふうに思います。  まずその前に、冒頭、麻生大臣にお伺いしますけれども、十月二十八日に、みずほで設置した調査委員会、報告書を出しておりますけれども、この報告書の評価をちょっとお伺いしたいというふうに思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる第三者委員会の報告書の内容について、これにちょっと逐一コメントすることは差し控えさせていただきますが、この報告書の指摘また提言、アドバイス等々を含めまして、みずほグループ自らが危機意識、強い危機意識を持って、自主的に再発防止また社内改革を積極的に取り組むという姿勢が一番重要なんだと私は考えております。  いずれにしても、金融庁としては、現在立入検査を行っておる最中でもありますので、みずほ銀行から提出されたいわゆる業務改善計画等々、本件についての対応策を出されますので、それをきちんと検証した上で、その結果を踏まえて対処してまいりたいと考えております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 今、麻生大臣からもこれからの対策が大事だということをおっしゃいましたけれども、同時に、例えば平成二十二年にチェックをした結果、約三百三十件の案件が出てきたと。それを処理しなかったということに対しては、なぜ処理しなかったのかということについての原因追及が、これをやるのかやらないのかという問題があるかと思います。この報告書にはそういった核心の部分は何も書かれていないんです。コンプライアンス部分が動かなかったと書いているだけなんです。なぜ動かなかったのか。  当時は、二十二年でありますから、暴排条項が入ったのが多分これは平成二十年だったと思います。その三百三十件あった案件の中には、暴排条項が入っているものと入っていないものもあったかもしれません。あるいは、三百三十の案件全部順調に要するに償還されていたかもしれません。あるいは、暴排の、要するに、この間、今日も様々な議論がありますけれども、その反社会的勢力というものの定義がなかなか難しいという議論もあったかもしれません。  だから、そのときにコンプライアンス部が何もしないで、何もしないで取締役に上げているのか、私はそんなことないんだと思います。その中で、コンプライアンスの統括部とオリコの中でどういう話をしたのか、こういうことを金融庁検査の際に検査官は聞いておられますか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 前回の検査におきましては、私ども、オリコとの提携ローンの仕組みについてヒアリングを実施する中で、当該提携ローンに反社会的勢力との取引が存在することが判明したものでございます。それで、その際、それがどういうような形で行内で報告されていたか等につきましてはみずほ側の報告を求めておりますが、それが結果として事実と異なる報告になっていたということでございます。  また、十一月五日から、三メガバンクの立入検査に加えまして、みずほ銀行につきましては、十月二十八日に同行から提出された業務改善計画が十分であるかどうか、それから、このような提携ローンの問題についての検査期間における同行の対応などについても今検証している最中でございます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 というのは、これは検査結果として、最終的には当時残っていたものについては全部代位弁済を請求するんですね。だけれども、その背景にあったものは何かということについては一切要するに触れられないまま、事実関係とすれば、二年間放置又は全部代位弁済で済ませましたねということなんですが、本当に今回、今この中でも様々議論されていますけれども、個人ローンであること、それから一口当たりそんなに額が大きくない、そういったものに対して、当時の金融検査というのは、みずほとかオリコさんがどういう議論をして、その中で多分いろんなひょっとしたら悩みとか問題点があったのかもしれない。そういったものもかなりつまびらかにするというのは検査の対象になるのか、ならないのかということなんです。そこから様々な情報が出てくる可能性があるんです。  今回で結果的に出てきたのは、代位弁済させましたということです。あとは事後的にこういった体制を、コンプライアンス体制を強化しましたということなんですが、これは体制の強化は当たり前なんですが、その前提として、そこの部分のそのやり取りの中に何があったかとかということについては、これはきちっとした精査をするという検査をこれはやるべきではないでしょうか。  もう一つあります。何点かあるんですけれども、上層部まで報告していなかった、これは二十四年度の検査で金融庁は何をやったかというと、国会では何回も、先ほど麻生大臣も答弁されておりますが、二十四年の資料を見たら確かに記載がなかったと、それで上に上がっていないんですねということで、上がっていないということを把握したと。  じゃ、何で上げていなかったんですかということを聞かれましたが、聞かれましたか、そのときに。なぜ、要するに、こういうのは上げるべき、そのコンプライアンスの中では頭取まで上げるということになっているはずなんです。誰が要するに上げない判断をしたのかというのは金融検査で聞いていますか。どうでしょうか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 具体的な検査におけるやり取りについてはコメントを差し控えさせていただきますけれども、委員御指摘のとおり、検査におきましては、ただ何が起こったかという事実の把握にとどまらず、なぜこういうことが起こったかという問題の根本原因に遡った検証とか、それから経営陣の認識がどうだったか、ガバナンス上の問題がなかったかと、そういったものについてまできちんと検証することが必要ではないかと考えております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 必要ではなかったかということではなくて、中身は言えないというのは分かりますが、先般、佐藤頭取といろいろお話をしているときに、みずほの銀行の中では、例えば要するに、担当役員までしか上がっていないということが分かったときに中でどういう議論をしたんですかと言ったら、こういう答えをしていたんです、これからの対策を考えていましたと言ったんです。これからの対策を考えることに要するに時間を取っているという。まあそれ以上の詳しいことは聞きませんでしたけれども。  ということは、金融庁とみずほの中にそういうやり取りはなかったんじゃないかと。ただ、要するに、これまで上がっていませんねと、上がっていませんからこれは問題ですねという形で業務改善命令を出してしまっているんじゃないかと。  今回の場合はコンプライアンスですから、銀行というものの組織がどういう手順でどういう判断でこういうものをやったかということについては、やはりある程度、ある程度ではない、どこまで踏み込むかという問題はあります。どれぐらい踏み込むかという問題はございますけれども、そういうものを多分やっていなかったという感じがするんですよ。ただ事象だけやってしまって業務改善の命令を出す。そこからは金融庁とみずほの中の緊張関係が感じられないんですよ。なぜこれをやったんですかみたいな話をやっぱりきちっと詰めて、それをちゃんと報告してくれと。やり取りはどうだったんだと、分からないんだったら遡ってやれと。そういったことが、やっぱりコンプライアンスとかいろんなこれから、要するに銀行がやるべきことをやっていないということに対しての一番重要な案件じゃないかなというふうに思います。  話はそれますけれども、私は農水省で二十四年間仕事をしましたけど、会計検査で検査を受けるときは私ら必死になるんですよ、受ける方は。必死になって、何か言われたら、ああでもない、こうでもない、こうでもないといって検査官の言うことに対して一生懸命になって否定しようとするし、また言い訳を考えるんですよ。検査官は検査官でいろんな資料を言ってきて、いやそんなこと言ったってああでしょうといって、こう、こう、こうと、やり取りやって、延々とやるんです。もっとも、私はこれ二十年以上というような前の話ですから、今、会計検査院と現場でどういうやり取りをやっているか分かりません。それがいいか悪いかは別として、検査と検査される側については結構激しい議論があるんですよ。  だけど、今回の場合は、繰り返しますけれども、業務改善命令というのが出された後、オリコについては一斉に今まで、何か分からぬけど、代位弁済によってやりましたということで処分しちゃっている。だから、その背後に置かれているものが表に出てこないですね。それから、担当役員についても、誰がそういうふうに上に上げないかということを判断したということについても表に出てきていない。ただ、これからは要するにコンプライアンスを強化しますよということの方向性だけが出てきているということなんですよね。  そこは、局長、どうですか。これからの金融の在り方としてどこまで踏み込むかということについては、やっぱり内部でもうちょっと議論をした上で、その中から様々な情報が出てくるはずですから、そして、それがまた銀行にとってもいいはずなんですよ。何か、金融検査やらなくちゃならないから事象だけやってきて、あとは処分するみたいな話にするというんだったら、これだけの金融庁の検査、金融検査の検査官がいて検査やっていて、その意味が半減するんじゃないかという、そんな感じもするんですけれども、局長、どうですか。

森信親金融庁検査局長

○政府参考人(森信親君) 我々としましても、前回の検査を踏まえまして、やはり銀行に関する各種の情報をきちんと分析しまして、重要なリスクにできるだけ焦点を当てた効率的、効果的な検証を行ってまいりたいと思います。  また、委員御指摘のとおり、銀行にとって極めて重要な問題につきましては、単なるその事実関係の把握にとどまらず、経営陣の認識とか問題の根本原因に遡った検証を深めていくことが重要と考えておりますので、そうした方向で検査に取り組んでまいりたいと考えております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 分かりました。  それじゃ、もう一つお伺いしますけれども、業務改善命令の中で、(1)、a)、b)、c)、d)というふうに四つの業務改善命令が出されております。この中で、b)、c)、d)は、ちゃんと業務改善報告書の中に対応する事項としてみずほから答えが出ていると思いますが、その一番最初に出ているのは、a)の中の「問題発生時以降現在に至るまでの経営責任の所在の明確化」と書いてあります。この明確化ということについては、少なくとも業務改善の報告書には何も書いていない。ただ、処分ということはしましたね。  だから、ここで金融庁が求めている、問題発生時以降の現在に至るまでの経営責任の所在の明確化というのは何を意味するのか。処分をしてくださいということだけを言っているのかどうかということなんですが、それについてはどうですか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 業務改善命令で、御指摘のとおり、経営責任の所在の明確化を求めているものでございます。この経営責任の所在の明確化ということは、本問題について、その発生原因等を踏まえ、経営陣のうち誰がどのような責任を有しているのかを明確にするとともに、自主的な社内処分を含む必要な対応を求めるといったものでございます。  みずほ銀行が今回発表しました社内処分につきましては第三者委員会の調査結果を踏まえた経営判断がなされたものと理解しておりますが、この点については、ヒアリングや、現在立入検査に入っておりますので、そうした検証結果を踏まえて当庁としてきちんと精査していきたいと思っております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 その明確化というふうに業務改善命令で言っていますから、そのとおり明確化したかどうかという判断を金融庁はしなくちゃならないと思います。そのときに、処分をこうするという相談はあるんですか、みずほから。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 今回の社内処分につきましては、第三者委員会の調査結果を踏まえた経営判断でなされたものと承知しております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 質問に答えていないですよ。だから、明確化と言っているのは業務改善命令で言っているんだから。その明確化として処分したということについて、処分について、みずほはこういう処分をしますよということについての事前の話があるのかどうかということを聞いているんです。ただ、みずほが一方的にそれ出して、あとは何出してもいいから明確になっているよということで判断するのかということです。  業務改善命令出した以上、明確化に対して一対一のちゃんときちっと対応しているかどうかということを、監督局長というか金融庁として判断する必要があるでしょう。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) そういった点について、現在ヒアリングあるいは立入検査で検証をやっている最中でございます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 いや、だから、やっぱり答えていないんですよね。だから、明確化と書く以上は、何をもって明確化するかということをやっぱりしっかりやらなくちゃ駄目ですよ。  それともう一つ、先ほど言いましたように、私は、報告書については事象しか書いていなくて、なぜこうなったかの深入りがないんです。何でないかといったら、多分検査の中でそういうやり取りをやっていないからですよ。事象の現実が出てきて、あとはこれは処分だよということの中で全体的に進んだという印象が拭えない。  かつて金融庁は、不良債権をやっているときは本当に恐れられましたよね、検査官に。あの一つ一つの査定をやるときに、これが要するにRCCだとかなんとかとか、いろいろな様々なことを言われましたけど、どうも今回の検査は、金融検査をやらなくちゃならないから入ったと、で、たまたまそんな事象が出てきたと。出てきたから要するに業務改善命令を出して、それに対して処分に動いたというような印象が拭えないんですよ。  今回の明確化の問題についても、明確化と言いながら実は何を狙っているのかというと、そこも曖昧模糊。こういうことを言うなら、要するに責任の所在を本当に明確にしたのかどうか検証しなくちゃならないんですけど、今の中では答えられていないですよね。  だから、そういう中で、いろんなことを今回の中で、今日は時間がありませんからここでやめますけれども、いろんなこともやっぱり問題が示唆されていると思います。これからの金融検査の在り方で、いろんなこれは、これから銀行というのは国際的な動きの中で様々な動きもしなくちゃならないし、特にコンプライアンス、やるべきことはやるということは非常に大事だということでもありますので、それを銀行と一緒になって考えるというスタンス、それはある程度、時々厳しくやるということも大事だと思いますけれども、そういうスタンスはあってしかるべきだというふうに思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十二分休憩      ─────・─────    午後一時開会

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として石上俊雄君が選任されました。     ─────────────

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。  まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 本年六月七日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしております。  報告の対象期間は、平成二十四年十月一日以降平成二十五年三月三十一日までであります。  本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。  初めに、管理を命ずる処分の状況について申し上げます。  今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。  次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高について申し上げます。  破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中に日本振興銀行に対する減額等が生じることによって十四億円の減額となり、これまでの累計で十八兆九千八百七十二億円となっております。  預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。  また、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十五年三月三十一日現在、各勘定合計で二兆八千三百七十三億円となっております。  ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところでもあります。  金融庁といたしましては、今後とも、我が国金融システムの一層の安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。  よろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 自由民主党の長峯誠でございます。早速質問に入らせていただきます。  十月一日に、安倍総理が消費税を増税するという御決断をされました。そして、それに伴って様々な景気へのマイナスの効果が出てしまうということで、経済政策パッケージということで今後対策を打っていくということも表明をされたところでございます。お手元にお配りしてあります資料一がそれになるわけでございますけれども、大変多岐にわたる対策を取っていかれようとされております。  ここで、消費税をアップすることで、当然駆け込み需要の反動減というのが出てまいりますし、また、家計に対して実質所得が減少していくということで購買力が奪われるという効果も現れてくるわけでございます。ですから、今回の経済対策においては、そこをカバーしていかなければいけないというのが最大の目標ということになろうかと思います。  そう考えましたときに、この消費税八%の増税によってGDPをどのぐらい押し下げるのかという数字、それから、この経済対策を取っていくことによってどのぐらいの押し上げ効果があるのか、これを相殺してしっかりとアベノミクスを軌道に乗せていかなければならないということでございますので、その辺の見込みをどのように考えていらっしゃるか、お伺いをいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 消費税を五%から八%、三%引き上げることによるGDPの押し下げ効果につきまして、それを定量的にお示しすることは困難と存じますが、ただし、一般的に申し上げれば、税率を引き上げますことによって、その前に駆け込み需要、またその後の反動減というのが当然予想されるところであります。そのため、予想されております四—六月期の反動減約二兆円、これは民間の経済研究機関約四十社の平均数値でありますけれども、一・八兆円から二兆円というものを大きく上回ります五兆円規模の対策を講じることとして経済政策パッケージとして取りまとめたところであります。現在、十二月上旬をめどにこの経済対策の具体化を進めているところです。  このため、現時点でその定量的な効果について、定量的な効果を今示すことは少々困難ですが、かつてのように目先の景気を押し上げるための一過性のものではなくて、長期にわたって効果の出ます投資減税、また政労使の連携によります賃上げへの取組、また中小企業、投資補助金等々を含みます新たな経済対策などを盛り込むことにいたしておりまして、これらによって、現在だけではなくて未来への投資として、また賃金の上昇とか雇用の拡大とかの実現に向けて効果を発揮し、いわゆる経済の持続的経済成長につながっていくものになることを期待しているというのが私どもの考え方であります。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 この経済対策によりまして、まずは企業が収益を改善し、そしてそれが給与に反映されて、そして消費が促進されていくと、この流れをつくるというのが目下最大の目標でございます。  そういった意味で、今回のこの経済対策の中でも、黄色いラインを引かせていただいておりますが、所得拡大促進税制を拡充をする、あるいは若者や女性を含めた雇用拡大、賃上げ促進のための措置、こういったことが、大変短い文面でございますけれども、この中では出てきております。  この具体的な内容につきまして、副大臣の方にお伺いをしたいと存じます。

愛知治郎自由民主党財務副大臣・復興副大臣

○副大臣(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  御指摘いただいたとおり、先般策定した経済政策パッケージにおいては、御指摘の所得拡大促進税制を拡充することや、政労使会議において経済の好循環実現に向けた共通認識の醸成を政労使間で図ることに加えて、もう一点ですが、若者や女性を含めた雇用拡大、賃上げ促進のための措置を講ずるところとしたところであります。御指摘のとおりであります。  この若者、女性を含む雇用拡大や処遇改善については、現在でも雇用創出基金事業やキャリアアップ助成金など事業を行っておりまして、こういった事業の活用も視野に入れつつ検討をしてまいりたいと考えております。  ただし、先ほど大臣からも答弁させていただきましたけれども、新たな経済対策は、十二月上旬の取りまとめに向けて現在具体的な内容を検討中であります。  政府としては、こうした施策全体を通じて企業収益の拡大が賃金の上昇や雇用の拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結び付くという好循環を実現してまいりたいと考えております。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 七月の参議院選挙の自民党のキャッチフレーズに「実感を、その手に。」というものがございました。裏を返せば、なかなかアベノミクスの効果も実感が湧かないというところが正直なところだろうと思っております。  特に、地方ではその傾向が顕著でございまして、私の地元、宮崎県でございますけれども、九月にみやぎん経済研究所という地元のシンクタンクが調査したところでは、家計の支出動向アンケートによりますと、アベノミクスの効果を実感していないという方が六一・六%。企業動向アンケートにおきましても、アベノミクスの影響が見られないと答えた企業が五四・九%ということで、なかなかまだ実感を得るには至っていないんだなというふうに思っております。  特に、地方におきましては、為替の影響で油が高騰しておるということで、これが一次産業でありますとか運送業、こういったものに大きな打撃を与えておりますし、また、様々な減税措置、企業に対する減税措置がとられているんですが、これは小規模事業者等にはほとんど効果が見られないといったようなことが主な原因ではないかなというふうに思っております。  このアベノミクスから今のところ実感を得られていない代表選手といいますか、それは、まずは消費税で逆進性でいろんな影響を受ける低所得者がそうだと思います。それから今言いました小規模事業者、そして一次産業を中心とした経済で成り立っている地方の経済、この三つがこのアベノミクスのプラスの効果がないままに消費税増税を迎えるということになるわけでございます。ですから、私は経済対策の中ではこの三者に対する目配りというものが非常に重要だろうというふうに思っているところでございます。  そこで、今回の経済対策の中でこの三者に対する御配慮、この点はどう留意されているかをお聞かせいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 大前提として、長峯先生、やっぱりデフレというものがかれこれ十五年、後世、歴史家は二十年と言うと思いますけれども、続いてきておりますのが、アベノミクスになってかれこれ十一か月で、二十年を一挙に消すというのはなかなかまず難しいという大前提の上に立って、その上で今御指摘のありました低所得者への対策ということで、私どもの今回補正予算におきましては、市町村民税の中で非課税になっておられる方々、いわゆる低所得者であるがゆえに、そういった方々に対して簡素な給付措置をすることといたしております。夫婦二人で年収二百七十万円以下ということにいたしておりますけれども、約一万円の給付、六十五歳以上の方ですと更に五千円を追加というような形にさせていただくとか、年収約五百万円以下で、住宅購入に際して、住宅取得にかかわりますので、これ給付を行うということで十万から三十万、人によっては違うんですけれども、行うというようなことにいたしております。  また、小規模事業者というお話でしたが、小規模事業者への対策につきましては、中小企業の活性化に向けたいわゆる施策として、中小企業に重点を置きました投資補助金、投資をしたいと考えて設備投資をやろうと思っても借金があってできないとか、そういったところに対していわゆる補助金などの設備投資の支援などを行うことにして、計上額については今折衝をいたしておるところです。  また、一次産業というお話がありましたけれども、これは競争力強化とか地域活性化等々の観点から、いわゆる農業の六次産業化、一次、二次、三次で、足して六か掛けて六か知りませんけど、六次産業化の推進というのを盛り込むことにいたしたりもしております。  いずれにしても、地域経済への対策としては、今申し上げたような六次産業化への推進などに加えまして、やっぱり社会資本がこれまでできてはいるけど老朽化している、これは地域に限りません、これは東京都内でも首都高速一号線というのはもう東京オリンピックの前にできたような高速道路などなど、いろいろ老朽化してきていることは間違いありませんので、そういったものについても盛り込むと。  それぞれの詳しい内容につきましては、これは平成二十五年度の補正予算においても、それで詳しい対策の内容につきましては十二月上旬にまとめられる予定にしてあります新しい経済対策の策定や、補正予算の編成過程で引き続き検討して、順次発表させていただきたいと考えておるところです。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 麻生大臣が総理をされていたころにリーマン・ショックがございました。百年に一度の経済危機と言われたんですが、結果、振り返ってみますと、世界経済、それほど、百年に一度のダメージだったかというと、そこは乗り越えることができたんではないかなと思っております。  当時、それを乗り越えることができたのについて、私は当時の麻生総理の御貢献というのは大変大きかったというふうに思っております。サミットやG7でももう的確なリーダーシップを発揮されまして、そして機動的な財政出動によってあの危機を乗り越えられた。もしあのとき国会がねじれてなければ、麻生総理の下でデフレ脱却まで至っていたのではないかなというふうにも思うところでございます。  私はあのときに実は都城市というところの市長をしておりまして、麻生総理が打たれた景気対策を地方で受ける側でございました。そこで、そのときの資料がこの資料の二なんですけれども、麻生内閣では、三段ロケットと言っておりますが、実際には四番目まで、平成二十一年度補正予算で十五・七兆円の経済危機対策まで含めて四回の経済対策を打っていただいたんですね。  私はそのとき、人間の体というのも、この指先、手先の毛細血管まで血液が回ると体がぽかぽかしてまいります。そのときの地方にこういった形で対策がしっかり打たれたことで、本当に何か体が温まるような、そういう感覚を持ちましたということを、当時地元の代議士に私、市長としてお話ししたんです。実はその代議士が古川副大臣なんですけれども、そういったことで、本当にあのときの経済対策というのはすばらしかったなというふうに思っております。  実はこの三段ロケットの絵を見ていただくと、一番左側、三つの対策、生活者への支援、それから中小企業への支援、地方の活性化となっているんですね。まさに私が先ほど言った低所得者と小規模事業者と地方経済、ここを何とかしようということで当時の麻生内閣は手を打っていただいたわけでございます。  今回のパッケージ、是非ともまたこういった御配慮をいただきたいと思っております。今、本当に地方で来年消費増税をするということは、もう病人に冷や水を掛けるような状況でございます、率直に申し上げて。ですから、是非とも、こういった経済に精通され現場もよく御存じの麻生大臣のリーダーシップの下で、今回の経済パッケージが決してそういった取り残された弱者をつくることのないように、しっかりと日本経済、都市部から地方までしっかりと再興していけるような、そういう対策にしていただきたいと思います。  その中で一点、私としてちょっと御提案を申し上げたいんですけれども、行政というのは単年度会計主義で回っております。これは原則でございますが、幾つかの例外がございます。例えば、債務負担行為でありますとか、あるいは継続費、あるいは明許繰越し、こういった事情に応じてその単年度予算主義の例外というのが認められているんですね。  実は今、地方でこの公共事業、社会資本整備の予算を景気対策としてどんと出していただいているんですが、現場がうまく回っていないという状況がございます。これはもう大臣もよく御存じだと思いますが、まずは人手が足りない。これはもう長引く公共事業の縮小で現場で人を減らしていますから、人手が足りない。そして、今回これだけの景気対策が来ているんですけれども、結局、建設業の皆さんは新規雇用を控えているんですね。それは、今年はいいよ、今年度はいいけど、来年、再来年はどうなるか分からないじゃないかという、将来に対して不安がありますから、新規雇用で人を増やすことは控えております。  さらに、そのことによって技術者が育たないということになっているんです。今、技術者の人口構成を見ますと、もう逆三角形どころか、じょうご型という感じで、もう工業高校や高専を卒業した土木や建築を学んできた子たちが、就職の第一希望は公務員でございます。そして、第二希望は建設業以外の業種ということで、本当に今技術者がいない。これは、単に建設業界が困るということのみならず、これから当然社会資本整備というのは、更新、維持更新も含めて永遠に続いていくテーマでございます。そのときに、もう技術者不足というのが、私は後々非常に大きな問題になってくるんじゃないかなというふうに思っております。  さらに、この単年度予算主義に基づく景気対策、要するに三月までに使い切りなさい、長くても十五か月以内に使い切りなさいという景気対策を受ける地方の側からしますと、実はそういう景気対策が決まってから慌てて玉探しをするわけです。この補正予算にのる玉を、とにかく全部署出せ、出せと言って出させるんですね。そうしますと、自治体が本来計画していた優先順位はがたがたに崩れます。要するに、市民の要請がそれほど高くない事業なんだけれども、この補正予算にのれるから、のるだけのっちゃおうぜというようなことに現場はなってしまっているんですね。  さらに、例えばいろいろやらなきゃいけないことがいっぱいたまっていますから、だけど、なかなか玉がないということで、じゃ、システムの更新でもしようかと、これもどうせやらなきゃいけなかったからねということで、システム更新を補正予算で上げると、これはITゼネコンにお金を支払うことになって、全く地元に経済波及効果がない、こういったことは多分調べていただければ物すごくたくさん事例があると思います。  ですから、そういった形でこの単年度主義に基づいてされることの弊害というのは非常に現場では大きいなという感覚を持っておりまして、できればこの社会資本整備などは、地方自治体、県とか市町村に基金を積ませていただいて、三年から五年ぐらいでそれぞれ計画立てて使いなさいというような言い方をしていただくと、これはもう発注する自治体側としても非常に効率的にその予算を配分できますし、また、受注される業者さんのそのときそのときの状況にも応じて発注ができるということで、それがまた、今度は安心して新規雇用につながっていく、地域の経済の回復につながっていくんではないかなというふうに考えております。  これを私が地元の首長さんとか建設業の皆さんに話しますと、みんな大きくうなずかれます。ですから、そういったことを是非とも検討していただけないかなと思いますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、経済の成長の底上げというのを図っていくという中にあって、今公共事業を例に引かれましたけれども、まあ公共事業というのは大体もう悪の対象みたいなことにずっとやられましたね。セメント屋なんて悲惨な目に遭いましたからよく分かるんですが、コンクリートから人へって、あれ、俺に対する当て付けかと思いながらあの当時聞いていた記憶がありますけれども。  いずれにしても、こういったようなものは、長い間、どれぐらいでしょうね、公共事業でいえば、本予算でいえば七兆円が四兆ぐらいまでに約半分近く減って、今、補正入れたら完全に半分ぐらい、以下になっていると思いますので、その結果、今言われたように、勤めているいわゆる建設従業員の数は、一千万人が今、どれぐらいでしょう、三分の二ぐらいまで減っていると思っております。  加えて、今言われましたように、ロングブームだ、サイドダンプローダーだ、まあ特殊用語で済みませんけれども、こういった建設資材というのはもう売っちゃったんですよ。だから、いわゆる水害といっても、ブル持ってこいっていったって、そこにないから。リース業者というんですけど、それを運転する技術者もいなくなっていますから。  結果的には、堤防が決壊したからといったって、簡単にブルで埋められるなんというようなものを動かせる人がもうそこにいない。これはもう現実だと思っておりますので、そういった意味では、何となく、災害というと平野先生のところの岩手とか、あの辺の津波の話ばっかり出ますけど、小さな決壊というのは、集中ゲリラ豪雨のおかげで、もう地方の河川じゃ幾つも、いきなり一時間五十ミリに設定してある一級河川に八十ミリも百ミリも降ったりしたらもちませんから、そういったのは幾つも出ていますでしょう。  そういったものに対応するためにはどうするかというのは、これはもう物すごく深刻な、地方行政を預かっておられる首長さんにとっちゃ大きな問題なんだと私ども思っておりますので、そういった意味では、こういったものがさっさと行けるようにするためには、今のGDPを大きくしていくときになったときに、GDPは、御存じのように、政府支出といわゆる個人消費と民間の設備投資と、その三つで主にGDPというのはできているわけですから、そのGDPのうち二つ止まっていますので、政府支出からまずはスタートしない限りはとても動かぬということで、今回、財政の機動的運営ということを申し上げたんですけれども。  今申し上げたように、そういったものが地方に行くのに少々時間が掛かることも確かなんですが、行ったからそれを消化できるかといえば、なかなかおできにならぬのですよ、現実問題として、人もいませんし。鉄筋の曲げ工がいないとか型枠工がいないとか、もう簡単なあれがいませんから。それが現実であろうと思いますので、これは何も宮崎に限った話じゃない、どこでも同じようなことが起きていると思いますので。  私どもは、これは長期的にある程度やっていくということを考えるのを、これを法律で今言ったようなことをやるのか、言わば、これはなかなか、法律を変えるとなったらこれはちょっと結構大変な騒ぎなんで、今、事は急いでおりますので、少なくとも確実に上がっていくという方向に進んでいくというのは、これは政治の安定というのがなければとてもそんなことをお約束できません。  幸いにして、今回、昨年の衆議院、今年の参議院で一応政権が安定した形になっておりますので、一応、方向として、そういった方向をきちんとしたものを出していけるような状況にはなりましたので、私どもとしてはこういうものは、急に増やすのも駄目なので、徐々に確実にメンテナンスができ……

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめ願います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 笹子のトンネルみたいなことにならないようにするということだと思いますので、よろしくお願いを申し上げて、ちょっとこれに理解をいただくのに時間が掛かろうと思いますけれども、きちんとやってまいりたいと存じます。

長峯誠自由民主党

○長峯誠君 ありがとうございました。     ─────────────

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中山恭子君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君が選任されました。     ─────────────

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 質疑を続けます。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立でございます。  今日は、本当は、麻生大臣、この委員会で大臣が以前も発言された、健康な方への例えばインセンティブをどうするかとか、社会保障関係に関する効率化だとか重点化、充実、そういった話もしたかったんですけれども、御案内のとおり、九月にオリンピックでせっかく国民みんなが喜んだばかりなのに、このオリンピック開催に向け水を差すような事件が起こっておりますので、少しこの議論をさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、オリンピックというのは何よりもフェアプレーの精神というのが大事なことは言うまでもございません。我々政治家も、ある意味、政治活動をする場合や、また選挙活動をする場合、日常活動においてもフェアプレーというのが大事だということは、もうみんなが分かっていることだと思います。  実は、作家である猪瀬直樹さんのことは、私も大変これまで尊敬をしておりました。とりわけ、猪瀬さんの書かれた「日本国の研究」というような書籍などは、私も行革を考える際に大いに参考にさせていただいたという経緯もございます。  そして、いろいろな著書があるんですけれども、その中で度々猪瀬さんが、作家とはということで持論を述べられております。ちょっと御紹介したいと思うんですけれども、最近の本でも、「東京の副知事になってみたら」というようなタイトルの本が出ておりまして、この中でもやっぱりおっしゃっています。どういうことをおっしゃっているかというと、全てを疑うのが作家である、自分自身を疑うだけでは疑ったことにならない、都庁という大きな他者を抱え込むことで、自分自身を疑えば、感性が研ぎ澄まされ、新しい作品の構想が突然浮かんでくる、大脳皮質より先に脳幹が刺激されなければならないと、なかなか文学的な表現でおっしゃっております。  まさか、猪瀬知事がおっしゃるこの脳幹が刺激されて新しい作品というのが、今回あの五千万円の借用書ではないと思うんですけれども、思うんですけれどもですね、ただ、一旦受領したこの五千万円が寄附金であれば公職選挙法だとか政治資金規正法の罪に問われますし、一方、これが借入金であれば単なる都条例の資産公開の記載漏れという罰則のない違反で終わってしまうので、非常にこれ大きな分かれ道ではあるんですよね。  そういう前提があるということで、ここから一般論でお話をさせていただきたいと思いますが、国税庁にちょっとお聞きをしたいと思います。  まず、例えば金融機関から借入れをする場合、まあ五千万円というのは相当な金額ではございます。普通は、私も借入れをしたことはありますが、印鑑証明書を取ったり、付けたり、実印を押したり、そしてまた収入印紙を張ったり、時には確定日付取ったり、いろんなことを記載をして書類を作って借入れというのができるわけなんですけれども、一般論として、国税当局として税務調査などで、あるお金がありました、これは借入金なのかもらったものかを認定する際に、どのような書類を参考にし、どういったことをポイントを置きながら御覧になるのか教えていただきたいと思います。

藤田利彦国税庁次長

○政府参考人(藤田利彦君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますけれども、国税当局が税務調査等を行う際に、金銭の借入れ、貸付けが実質的に存しているかどうかの認定に当たりましては、必ずしも何らかの書類の有無のみによって判断するのではなく、個々の事例ごとに、当事者が定めた返済方法や返済期限等の契約内容、それから返済実績、借受人の資力等に基づきまして総合的に判断することとなります。  いずれにしても、国税当局としては、個々の事実関係に基づきまして法令等に照らして適正に取り扱うこととなります。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 今回は返済期日のない借入金ということでございますが、今おっしゃった要件では返済期日のない借入金についてはどのように扱うか、もう一度教えてもらえますか。

藤田利彦国税庁次長

○政府参考人(藤田利彦君) これはあくまで、繰り返しになりますけれども、総合的な判断でございまして、返済方法、返済期限等々の契約内容だとか返済の実績があるかどうか等々、様々な事実関係を総合的に判断して認定するということになると思います。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 そこで大臣に、これも政治家であり、また経営者でもある大臣にお伺いしたいんですが、一般論として、五千万円を人に貸す場合に、今回の場合はあて名と日付と金額と署名だけなんですけれども、これでお金をお貸しになりますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 余り五千万を貸してくれと言われたことがないので、ちょっとお答えいたしかねます。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 まあそうでしょう。多分、貸してと言われてもなかなか貸せないものだと、ここにいらっしゃる皆さんはそう思われるんじゃないかと思いますが、特に今回この借入れと言われているものは無利子、無担保、無保証でもあるわけなんですよね。まさに先ほど来銀行との取引が議論されておりますけれども、全くこの返済の担保のないものをぽんと紙一枚で貸しているというのが事実でございます。  ただ、無利子、無保証といった場合なんですけれども、無利息の場合は多少その利益の供与が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、総務省、この辺り、無利子で政治家にお金を貸した場合の利息の扱いについて見解を述べていただけますか。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) 政治資金規正法におきましては、政治活動に関する寄附につきましての規制を設けているところでございます。  その上で、政治資金規正法上、第四条の三項に、寄附とは、金銭、物品その他財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいうとされております。ここにいう財産上の利益というものは、金銭、物品に限られるものではなくて、およそこれを受け取る者にとりまして財産的価値のある一切のものと理解をされております。  したがいまして、借入れが無利子、無担保で行われた場合については、借入金額の多寡、返済方法、返済期限、実際の返済状況、借入人の資力などを総合的に判断をいたしまして、社会通念上、借入れをした者にとって財産的価値があると認められるような場合においては当該財産的価値が寄附に該当するものと考えられます。  いずれにいたしましても、個別の事案については具体の事実に即して判断されるべきものと存じます。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 そのとおりですね。ですから、金額の多寡にもよるんでしょうけれども、利息などもこの寄附に当たってくるんではないかと、そのように私も思っております。五千万で、例えば無保証、無担保ですから二%ということはないと思いますけれども、それでも年間百万円ですよね。これは多寡からいうと相当大きな寄附金として扱われるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいま申し上げましたとおりでございますが、先生のおっしゃったことも含めて、個別具体の事案でございますけれども、今申し上げた法律に該当するかどうかということが一番大事なところだというふうに思います。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 それでは、またちょっと論点を変えますけれども、徳洲会、今回の事案の主人公になるわけですけれども、東京都内では昭島市に病院があって、西東京市には老人保健施設があります。さらに、西東京市に病院建設の計画もございます。西東京市の老人保健施設については、二〇一一年度以降、東京都から建設補助金として合計で七億円以上が支出をされております。また、西東京市の病院建設の許可が出た一か月後に猪瀬氏は五千万円の資金提供を受けているということになっております。  これも一般論になりますけれども、権限を持っている都道府県の幹部といってもナンバーツーですね、実際、が許認可にかかわる当事者の関係者から利益供与とも言える無利子無担保でお金を借りることの妥当性についてどう考えますか、総務省。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) 政治資金規正法におきましては、その二十一条第一項におきまして、会社その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しまして政治活動に関する寄附をしてはならない旨の定めがあるところでございます。そのことを前提といたしまして、二十二条の三の第四項で、さらに、地方公共団体から補助金等の交付の決定を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から一年を経過するまでの間、当該地方公共団体の議会の議員又は長に係る公職の候補者を推薦、支持、反対する政治団体に対して政治活動に関する寄附をしてはならない旨の定めがあるところでございます。  いずれにいたしましても、個別の事案がこれらの規定に違反するか否かは個別具体の事案に即して判断されるべき事柄でございまして、総務省といたしましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 それでは、もう一点、別の視点から議論をしたいと思いますが、我々国会議員には、政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律というのがあって、定期的に資産報告をすることになっております。  そこで、土地や預貯金とともに親族以外に対する貸付金がある場合にはこの金額を報告せよということになっていますが、ここに記入がない場合というのはもちろん議員として貸付金はないということをうたっておるわけなんですけれども、麻生大臣、どう思われますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたこの法律の解釈というか適用ということに関しましては、これは財務省の所管するところではありませんので、これは国会において御判断いただくというのが基本だと思っておりますが、財務大臣の立場で何か申し上げるべきということはちょっとこの場では差し控えさせていただいて、資産報告書を作成し提出しているということがされておかれるべきと存じます。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 政治家としては当然この規則に従うということだと思いますが、昨年の衆議院選挙があって新しく議員に徳田毅議員も当選をされて、この資産報告書の提出義務がありました。この資産報告書を一昨日見てまいりましたら、その資産報告書の中に貸付金の欄がありましたが、ゼロとなっていたんですね。ということは、徳田議員は猪瀬知事に対して貸付金はないという認識でこの報告書を書かれた、そして認識をしたということを私は示しているものだと思います。  ということで、今両者のおっしゃっていることが食い違っているわけなんですね。どういうことになったかというと、猪瀬知事はまたここでも新しい作品というか想像力を働かせたらしく、都条例に基づいて出さなきゃいけない資産報告書に五千万円の借入金がなかったので、今回の問題が起きた十一月の二十二日に訂正をして、借入金五千万と、こういうふうに記入をされたそうでございます。  ただ、当初、これは食い違っているわけですよね。両方ともないと言っていながら、途中から一方は貸付金が、借入金があると言い始めたわけなんですけれども、最初は双方になかったわけなんで、それから察すると、双方の意識に貸し借りがなかったんじゃないかなと、これが当初の状況から察する結論だと私は思っております。そういうふうに考えるのが普通だと思っています。本当に借りたという認識があれば、阿部知子さんの例も出ておりましたけれども、あの方はちゃんと政治資金収支報告書に記載をされて、いついつ返したということまで報告をされております。  やはり、借用書の形態、さらには銀行口座等を通さない借入れということ、また、この資産報告書等々の状況からすると、私はこれは限りなくこのお金は裏金なんじゃないかなと、すなわち寄附金として扱われるべきものでないかなと、そのように思っております。これは皆さんにお聞きすべき話じゃなくて、私がそう思っているんで結構なんですけれども。  今後、猪瀬知事は、やはり都議会がこれから始まりますし、いろいろやっぱり質疑があると思います、この件。また、検察や国税もいろいろな角度から検討されるとは思うんですけれども、私が非常に危惧しておりますのは、記者会見で猪瀬さんが、なぜ、じゃ五千万円を受け取ったんだという質問に対する答えとして、申出を断るのは申し訳ないと思って受けたと、こんなことをおっしゃっているんです。  これからまさにオリンピックをこの東京で開催をしていくというような方がこのような認識であるならば、いろんなこれからまさに今議論があった建築や建設や様々なお金が動きます。本当にこんな態度で知事が務まるのか。またさらには、オリンピックだけじゃなく地震なども想定されております。そういうリスクが、危機のときに、本当にこの東京、日本国をある意味しょって立ってくれるリーダーなのかどうか、非常に私は今疑問を感じておりますので、また今後の進展を見た上で必要に応じて当委員会に参考人として来ていただくということもお願いをしたいと思います。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) ただいまの件につきましては、必要に応じて理事会において協議をいたします。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 それでは、ちょっと話はがらっと変わりまして、租特透明化法案についての質疑に移らせていただきたいと思います。  これは六月十一日の委員会で大臣に質問をさせていただきましたので、今日はその続きということでお願いをしたいと思います。  今回も二回目となる集計結果がそろそろ出てくるのではないかと思うんですけれども、私も去年のデータを利用させていただいておりますし、またいろんな研究者、シンクタンクの方、学者の方を含めて非常に興味を持ってこの租特の適用状況を分析、また調べていただいております。  そこで、いろいろ感じるところがあるんですけれども、まず、租特の政策評価をする上で、何といっても当初の減収見込額と実際の適用結果、今回は適用結果しか基本的には出ていないんですけど、やはり両方がより詳細な形で分析できるような資料やデータを私は付けていただきたい、掲載すべきだというふうに思っておりますし、また、前回質問させていただいたときに、このデータを利用するのに一から手で入力し直してデータを整理をしないとなかなか様々な加工ができないようになっております。  私、前回質問させていただいたときには、大臣から、国税庁のシステムを改良してエクセルなど利用しやすい形で提供することは大変重要だと思っているので、検討させていただきたい旨の御答弁をいただいているんですね。当然このシステムを改修するには予算も必要だと思うんですけれども、大臣のおっしゃっていただいたこの検討状況についてどうなっているのか、また来年度予算ではどのような予算を付けていただけるのか、お聞きしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御質問のありました租特、租税特別措置の適用実態調査結果に関する報告書についての御質問だと存じますが、これは閲覧者が利用しやすい電子データ形式でというお話を前回だったか前々回だったかしておられたんだと存じますが、私どもとしては電子データ形式で提供していきたいと考えております。そのため、現在、国税庁においてシステム開発等の検討を行っておりまして、再来年、平成二十七年度の通常国会におきまして提出する報告書から電子データ形式で提供できるようにしたいと考えております。  細目につきましては、次長にお尋ねください。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 誠にありがとうございます。もうその御答弁で結構です。  もう一点は、今、実際の減収額というのが出ているんですけれども、見積りも当初の見積りがあるわけですね、予算を立てる。その予算と実績が比較できるようなデータも提供してほしい、資料も提供してほしいということですけれども、よろしくお願いします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる租特の適用実態調査結果に関する報告書というのに基づいて、これは毎年、御存じのように、本年は八月に減収額の試算を国会に既に提出をいたしております。これと各省庁が改正要望時に提出、公表しております要望書と比較することによって、いわゆる要望当初の減収見込額と実際の適用結果、いわゆる減収額というものの比較が可能となっているんだと存じますが、その上で、各省庁において、いわゆる次の税制改正要望に当たって各租特の有効性というものを検証する中で、当初の減収見込額というものと実際の適用結果の違いについてしっかり分析を行い、説明をしていただく必要があろうというように考えております。  この報告書におきましては、租特の適用件数、また適用額につきまして、企業の業種ごとやまた資本金や所得の大きさごとに細かく数値を示しておりますのは御存じのとおりです。また、各租特の概要や適用期限、主な適用業種やその割合、上位十社の適用額合計等を記載し、報告書を利用される方々が様々な分析ができるようにいわゆる工夫をいたしているところであります。  いずれにいたしましても、今後、調査結果が年々蓄積されていくことになろうと存じますので、そういった経年変化が見られるようにして有用な情報の提供に努めてまいりたいものだと考えております。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 るる説明をいただきまして、ありがとうございます。  ただ、一点明確にお答えをいただいていないのは、減収見込額については各省とやり取りをすると、その減収見込額について国民に公開をしてほしいということを私はお願いをしているんです。いかがですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 見込額ということはすなわち要望書と同じことだと思いますが、要望書は要望書という名前で公表されていると思いますが。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 それを一覧として比較できるように公表をしていただきたいということなんですけれども。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 各省庁のやつを一枚の紙にまとめた方が見やすいと言っておられるんですか。今、別々には出ていますから、それを一枚にまとめて出せと。楽をしたいという話ですね、簡単に言えば。分かりました。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 ありがとうございます。よろしくお願いします。  それでは最後に、ちょっと看護・介護人材についての議論をさせていただきたいと思います。  お配りした資料の一ページ、二ページ、三ページ辺りを見ていただきたいんですけれども、まず高齢化の進展もあって看護・介護人材が不足する懸念があるというのが私の問題点の出発点でございます。  看護については、一枚目でしょうか、二〇一〇年に厚生労働省が策定した第七次看護職員需給見通しによると、平成二十六年には二万九千五百人という、下から二段目に書いてありますが、約三万人弱の看護師が不足するとされております。そしてまた、社会保障・税一体改革の資料、これは二ページ目、三ページ目になるんですけれども、現在百四十一万人弱の看護師は、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年には百九十五万から二百五万人必要になると、こう推計されております。また、介護人材、より詳しいのが三ページ目でございますけれども、介護労働安定センターが八月に公表した介護労働実態調査結果によると、離職率は一七%であり、従業員の過不足状況については、四ページを見ていただきたいんですが、「大いに不足」プラス「不足」プラス「やや不足」の合計が五七・四%でございました。そして、厚生労働省の推計によると、二〇一二年時点で百四十九万人と推計される介護職員は、二〇二五年には二百三十七万から二百四十九万人必要になると、これは三ページ目ですが、と推計されております。これはファクトというか、プラス政府の資料です。  一方、現在、インドネシア、フィリピン、ベトナムとのEPAで、看護師、介護士の受入れを行っております。もちろんこれは看護・介護分野の労働力不足への対応として行うのではなく、相手国からの強い要望に基づき交渉した結果、経済活動の連携の強化の観点から実施していることは私も存じ上げております。ただ、待遇改善や働きやすい環境づくりなど、政府もこれまで努力していただいているとは思いますが、今ですら、この看護師、介護士、非常な人手不足、言われているのに、将来のこのニーズを考えたときに、このニーズの動態にどう対応するのかというのは本当に深刻な私は問題だと思っております。  そこで、提案でございますが、EPAに限らず、外国人の看護師さん、介護士が日本でもっと活躍しやすい環境整備を私は行うことが重要ではないかと思っております。例えば在留資格の問題です。これは五ページ目でしょうか、例えば、我が国で就労できる在留資格は教授や芸術など十六分野となっており、医療に看護師も含まれていますけれども、介護職は含まれていないんです、介護職は含まれていない。例えば福祉、介護などの新たな在留資格を創設するということも私は検討すべきだと思っておりますが、法務省、厚労省、最後に麻生大臣の、いろいろ大臣自身も御苦労されていると思いますので、周りの方を含め是非御所見をお聞かせ願いたいと思います。法務省、厚労省、麻生大臣、お願いします。

平口洋自由民主党法務大臣政務官

○大臣政務官(平口洋君) 法務省でございますが、御指摘のように、外国人の看護師につきましては、現在でも日本の看護師資格を取得しておられる外国人は在留資格の医療というところで入国、在留が可能でございます。これに対しまして、介護の分野における外国人につきましては、現在、経済連携協定、EPAの枠組み以外では入国や在留を認めておりません。しかしながら、今後、同協定に基づく介護福祉士の就労状況なども踏まえながら検討を進めていくことといたしております。  いずれにしましても、外国人労働者の受入れの在り方につきましては、国民経済や労働市場さらには治安問題など広く国民生活に様々な影響を与えるものでございまして、国民的コンセンサスを踏まえつつ政府全体で検討していく必要がある、こういう課題であると認識をいたしております。

高鳥修一自由民主党厚生労働大臣政務官

○大臣政務官(高鳥修一君) 尾立委員にお答えをいたします。  委員御指摘の点でございますが、今後の高齢化進展を踏まえまして、社会保障制度を支える看護師、介護福祉士等の人材確保は重要な課題と認識をいたしております。厚生労働省といたしましては、将来的には必要となる看護職員、介護職員の確保のためにあらゆる政策を動員して取り組んでまいりたいと考えております。  介護分野における外国人の受入れにつきましては、EPAに基づく外国人介護福祉士の就労状況や、この分野が国内人材の重点的な雇用創出分野であること等を踏まえながら、法務省等関係省庁と連携をいたしまして検討を進めてまいることになります。  いずれにいたしましても、外国人労働者の受入れ範囲の拡大につきましては、国内労働力との競合や、若者、女性、高齢者等の雇用機会の喪失など、労働市場に与える影響が懸念され、また国民生活に与える影響も大きいことから、国民的コンセンサスを踏まえつつ、慎重に議論、検討すべきものと考えております。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 全く所管じゃないので、いきなりこちらに振られても少々迷惑していますけれども、看護の現場って行かれたことありますか。病院経営していますのでよう知っているわけですけれども、新聞で書いているような調子のいい話じゃありませんよ、現場は。極めて厳しい、三K職場に近いと思いますね。小さな病院に行けば行くほどそういうことになって、したがって、正看、准看といろいろあるんですけれども、正看取ったのでも、大体、かなりの時間、国家試験を受けて通っても、余りのことに辞めるというのに、辞めると後がいないという状態で病院は閉めるという状況になっているということに関して、その看護を扱っておられる労働省というところは一体どんな考えを持っておられるのか、厚生省は看護師を扱っておられるんでしょうけど、どういうお考えなのか、一回聞いてみたことがあるんですけど、よう分かっておらぬですな。高鳥責めても始まらぬので、現場知らない人は全然分かっておられぬなと思いますので、これ、すごく老老介護の話につながっていく話なので、長期的には物すごく大きな問題なんだと思っております。  加えて、これは多分、外国人ということになっていくんだろうと思いますが、外国人の看護婦を採用することに関しては、これは断固反対という方も実はいっぱいいらっしゃいまして、そういった意味では、これは極めて、いわゆる移民の話につながってみたり、外国人労働者の話につながってみたり、これはなかなか難しい問題を抱えておりますのは事実なので、これをちょっとこの場であなたの御質問に答えて、はい、これが答えですよなんというような、そんな簡単な話じゃありませんということだけは分かっております。

尾立源幸民主党・新緑風会

○尾立源幸君 どうもありがとうございました。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 今日は、米国債について質疑をさせていただきたいと思います。  日中両国政府による米国債の保有、それぞれ相当量の米国債を日中両政府とも保有しているわけですが、この保有が日中間の安全保障環境にどういった影響を与えているのかという、こういう観点から質疑をしたいと思います。  お手元の配付資料の二枚目を御覧ください。  こちらは米国財務省のホームページから取った数字ですが、米国財務省によるメジャー・フォーリン・ホルダーズ・オブ・トレジャリー・セキュリティーズということで、各国別の米国債の保有額が月次で記載をされています。最新の数字が一番左、二〇一三年の九月の数字ということで、一番上がチャイナ・メーンランド、そして二位がジャパンということで、それぞれ保有をしている米国債の数字が載っています。日本円に換算しますと、日中両国ともおおむねそれぞれ百兆円を超える米国債を保有していると、こういうことになるかと思います。  まず、お尋ねをいたしますが、この統計における日本の保有額は政府の認識と一致しているかどうか、この点をお尋ねをいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 米国財務省が発表をいたしておりますいわゆる主要米国債保有国のうち、日本の保有額というのは、ここに風間先生お示しになられましたとおり、一兆一千七百八十一億ドルということは承知をいたしております。ただ、この保有額というのは外国為替資金特別会計が保有をしております米国債の話であって、これは民間部門で別にお持ちですから、その民間部門、何も銀行に限らず消費者等々、民間部門が持っております保有分も含んだ米国債の合計ですから、これは特別会計が保有している米国債の額と一致しているものではないというのは御存じのとおりです。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 大臣御指摘のとおりであります。  さらに付言すれば、それぞれの国別の額としてここに出ている数字は、例えばA国が当該A国内でこの米国債の売買を行わずに、他国においてこのA国が保有する米国債の売買を行った場合は、その第三国における売買としてこの統計上出てくるということだそうであります。したがいまして、日本政府が保有している米国債の金額はこの統計上の数字とは一致しないということであります。ただ、おおむね日中両国が保有している数字というものはここから読み取れるのだろうと思います。  そこで、去る十月の中旬に米国の債務上限問題をめぐって非常にこれが世界経済に対して大きなリスクになりかねないという状況を迎えたわけですが、ちょうど、十月八日のフィナンシャル・タイムズ、私、このとき出張先のたしかアメリカで見ていたんだと思いますが、日中両国の財務当局が米国政府に強い懸念を伝えたという報道が一面でなされておりました。  このとき、恐らく日本の財務当局としては、麻生大臣の御指示の下、米国政府に対して何らかの懸念をお伝えになったと思いますが、当時、大臣はどのような懸念、認識を先方にお伝えになられましたでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 私どもが米国の財務大臣に対してどのようなことを言ったかという内容に関して、それをちょっと御説明することは差し控えさせていただきますが。  少なくとも、米国の債券がいわゆるシャットダウンになったという事実、それを踏まえて、その次に債務上限問題というのが続いてきていましたので、十月の十何日、たしかG20の財務大臣・中央銀行総裁会議がワシントンで開かれている最中がまさにそのシャットダウンになって、町で歩いている人が激減して、とにかく、何というか、全て公園は入れませんとかなんとかいう事態の最中がちょうどそのときだったので。  アメリカの中でこの種のことは過去になかったわけではないが、少なくとも今の状況の中において、この上限問題というものまでに波及して、これがデフォルトになるんだと、アメリカの債券がというような懸念を保有国に与えるということの意味というのは、少なくとも今アメリカで言われているような段階ではなくて、非常に波及効果はでかいという認識がおたくの下院議員、上院議員にあるかと。そこが一番問題なので、これ上院が決めるんですから、議会が決めますから、これは。そういったところが一番問題なので、それに対する対応を理解をされていないと、何となく、共和党も突っ張り、民主党も突っ張って、何となく破裂しましたなんていうような話じゃ、メンツだけの話じゃなくて、これは他国に与える影響、またアメリカ国自身の信頼に著しく影響を与えるということだけはよく理解しておいてもらわないかぬということを品良く申し上げております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 私、最近、米国の国会議員ですとか米国の政府関係者と安全保障にかかわる議論をしておりまして、これはもう麻生大臣も先刻御案内のとおりでありますが、どうもこの日本と中国の特に尖閣をめぐる様々なやり取り、動きに関して、彼ら米国サイドの人たちの歯切れが悪いということを強く感じております。  なぜその歯切れが悪いのかという理由をいろいろと突き詰めていくうちに、一つはワシントンにおいて、この尖閣をめぐる問題についての理解、認識が必ずしも米国側では深くないということ。もう一つ、どうやら安全保障上の問題だけではなくて、財政上の問題を彼ら米国の人たちは念頭に置いているようだということに気付きました。  そこで、先般財務省に、今回の質疑の準備として、日本政府が米国債の購入に際して持っている原則とは何かということを聞いたんですが、もうその際に、これが原則ですということでもらったペーパー、「外国為替資金特別会計が保有する外貨資産に関する運用について」というペーパーがございます。  そこには運用目的に、外為特会の保有する外貨資産の運用に当たっては、我が国通貨の安定を実現するために必要な外国為替等の売買等に備え、十分な流動性を確保することを目的とするということと、その下に基本原則として、(2)として、金融・為替市場への攪乱的な影響を及ぼさぬよう最大限配慮しつつ運用を行い、必要に応じ関係する通貨・金融当局と密接な連絡を取るものとすると、こういう運用方針が示されております。  今日、私が麻生大臣にお尋ねをし、質疑をさせていただきたいのは、こういった日本の当局としての運用方針というのは、あくまでも当然ながら日本の財政上あるいは金融上の観点に重きを置いて運用されている方針だと思うんですが、果たして昨今のこの日中間の安全保障環境を見るに、日本政府当局としてそこにもう一点観点を加えておくべきではないのかなというふうに感じるわけであります。  この日中両国が巨額の米国債を保有することの安全保障上の意味をちょっと考えてみたいと思うんですが、言うまでもなく米国から見れば日本と中国は債権国であります。米国は債務国であります。仮に、この日中両国間の例えば領土をめぐる様々なやり取りが紛争に発展した場合、債務国がもしそこに介入した結果、債権国の一方が目的を達成できなかった場合、当該国は介入した債務国の国債をどう扱うのかという問題が生じると思います。また、反対に、債務国が介入しなかったと、その結果、一方が目的を達成できなかった場合、当該国は介入しなかった債務国の国債をどう扱うのかと。  このそれぞれの観点からこの米国債の保有ということを見たときに、非常に吟味、検討に値する様々な課題が浮上するかと思うんですが、麻生大臣、この辺はどんなふうに御認識でしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今読まれたそのとおりなのであって、この外為の話は、少なくとも安全性及び流動性に最大限留意した運用を行って、その制約の範囲内で、可能な範囲で収益性を確保するというのを目的としておるのであって、基本的に現在の方針の下でこの特別会計を使って、いわゆる安全性とか流動性とかそういうのは別にして、いわゆる経済面を着目して行っているものであって、少なくとも外交戦略を目的としてこの中で行っているわけではないということだけははっきりしております。  その上での御質問だとは思いますけれども、これは今までに考えていなくてよかったような問題なのかもしれませんが、これは結構前からいろいろな方がいろんな形でこの問題を考えられておるところでして、今後ともこの種の問題は私どもとして、対中というものは今までこの二十年間は、少なくとも経済的な中においては圧倒的に差、彼我の差がありましたけれども、今は少なくともGDP等々いろんな形で、また外貨準備金、純資産はまた別にして、そういったものからいきますとかなり接近してきたことになり、しかもそれがかなり、いわゆる利益がぶつかるという形になってきたというのを非常に危惧をしておらねばならぬということだと思っております。  ただ、風間先生、もう一千五百年の長きにわたってうまくいってきたことはない国ですからね、両国とも。何も今に始まったことじゃないのであって、ずっとうまくいったなんてことは過去長い時間を見たって一つもないわけで、それを我々の先輩は千五百年きちっとそこそこやってこられたんだと思いますけれども、少なくとも彼我の差が向こうはこうだったりこっちはこうだったり、いろんな時代がありましたけれども、こうなった上でというのが、多分この二十一世紀になって初めてのことが起きているんだと、そういう具合に理解して、どうやってきちんとやっていくかというのは、今後両国できっちり詰めていかないかぬ大事なところだと思っております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 配付資料の一枚目にグラフが出ておりますけれども、日中の保有する米国債の推移をグラフ化したものですが、これを見ると、大体二〇〇七年から二〇〇八年にかけて、日本と中国の米国債の保有額が逆転していると。どちらが一位でどちらが二位ということに余り意味はないと思います。それぞれの国がこれぐらいのものを保有して、中国の保有額が近年非常に伸びてきていると。これは当然ですが、中国の経済成長に伴って、かの国が米国債を保有するという金融上の必要に迫られてこういう結果になっているんだと思います。  ただ、いずれにしましても、米国から見て、債権国同士の万が一のトラブルが生じた場合、そこに債務国である米国が割って入るというのはなかなか容易ではないんだろうと思っております。現在、米国は日米安保条約の下、初めてこの巻き込まれるということに危惧を抱いていると言われるわけですが、この危惧は安保上だけではなくて、恐らく米国の財政上の状況からも生じているのではないかなと私は感じております。  大臣、今後、米国債の購入に当たって、日本政府としてこういった安全保障上の観点に留意をすると、そのようなお考えはございますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは風間先生、なかなか難しいところだと思いますが、風間先生、金を貸している方と借りている方はどっちが強いかと考えられたこと、おありでしょうか。余り金持ちのうちに育つと余り分からぬと思うんですけれども、基本的に、金を貸しているやつがけんかに巻き込まれたときに、金を借りているやつは、ああ、貸しているやつが負けてくれると俺は金返さなくて済むかなと考えるのが普通の人です。  だから、貸した金を取り返せるという力のない人は金を貸すべきじゃないんだと、これは基本的にこういった業界では誰でも教えてくれていることだと存じますが、法によって取り返せる当てがなくなった場合は力で取り返さないかぬと、したがって軍事力が要るんだと。これは外国で勉強すれば、誰でも軍事知識の初歩的な知識としてどこの学校でも教えてくれることです。日本では全然教えてくれませんけど、これが基本だと存じます。そういった意味で、これ、貸している方が、より多く貸している方がしんどいのかどうか分からぬですよ、これ、本当に、そういった意味からいきますと。  ですから、これはいろんなことから考えないと、この種の話はなかなか難しいところだとは存じますが、いずれにしても、日本の場合は米国と共通の価値観を有し、同じ資本主義、自由主義、そういった意味で価値観を共有しているという同盟国なのであって、私どもとしては、そういった国との関係を、これ金だけの関係じゃなくて、少なくとも私どもは貿易の面におきましても、また経済、そういった金とか商売とかいう以外の面におきましても、日米は同盟を組んでいる関係にあるということはもちろんですけれども、その他ありとあらゆる面で日米関係というのは極めて緊密な関係をこの六十何年間、先輩たちがつくり上げてきた上に成り立っているんだと理解しております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 ありがとうございました。  今日、私が質疑させていただいた問題認識は、今後また様々な場で大臣とも意見交換させていただき、御指導いただきたいと思っております。  ありがとうございました。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  今日は、前回、十一月の七日の日に当委員会におきまして大臣にも様々お聞かせいただきましたことを基にして、更に発展させて御質問をさせていただければということでございます。  お手元に資料をまず配らせていただいておりますのは、輸出数量と前年同月比が左上で、その下が輸出数量と生産の関係であります。そして、右側には日本の輸出シェアと円レートというのを書かせていただいております。  右側の日本の輸出シェアというのは、これは世界におけます日本の輸出シェアでございまして、円・ドルレートは最近、左側が円・ドルですので、円安に向かっているというのがよく分かるわけであります。円安というか円高是正というかはともかくとして、方向として円安に向かっているにもかかわらず、この青い棒グラフは世界における日本の輸出シェアでありますから、傾向的に下がっているということは、あるいは回復はまだしていないということは言えるんだろうというふうに思います。  前回、十一月七日の日に当委員会では私は、このアベノミクスをいかに持続させ成功させるかというときに課題となるべき点を幾つか指摘をさせていただきましたその一つに、国際収支の天井が五十年ぶりに日本の経済の課題として浮上してきているという指摘をさせていただきました。その際、大臣からは、日本はもう輸出依存度はそんなに高くないんだと、貿易立国というのはもう昔の話で、ここに来て随分変わってきた、こういう御指摘がありました。それは私も全くそのとおりであるというふうに思っておりますが。  しかしながら、そうは言っても、やはり輸出が景気の足を引っ張るということにもなりかねないというのが左の図でございます。左の上の輸出数量と前年同月比を見ていただきますと一目瞭然であります。これは二〇一〇年を一〇〇として数値化したものでございますが、赤い線は輸出数量でございます。輸出数量の、二〇〇〇年からただいま現在までの一番輸出数量が前年同月比で伸びたのは、二〇〇八年の三月で一二五・三なんです、二〇一〇年を一〇〇といたしますと。それが直近二〇一三年十月では、今は九三・四という数字でございまして、すなわち、ピーク時から比べますと二五・五、輸出数量は減っていると、前年同月比で減っているということが言えると思います。  それに対しまして、問題は、輸出数量がこうしたまだなかなか回復し切っていないという中にあって、それ自体が問題、まあ問題といえば問題ですが、それ以上にそれが生産と連動しているというところが最大の問題であります。  その下を見ていただきますと、輸出数量と生産、鉱工業生産指数でありますけれども、これを比較をさせていただいておりまして、この赤い方は輸出数量で青い方は生産ということで、傾向としては連動しているということが見てすぐ分かる話であります。生産、青の方の一番のピークは二〇〇八年の二月、一一七・三という実は数字でありますが、直近は九月で九八・三と、一六・二%減っております。これも二〇一〇年を一〇〇として数値化したものであります。  私がここで申し上げたいのは、やはりこの輸出数量と鉱工業生産指数というものの相関関係があるということであります。したがって、日本は確かに内需が支えている、決して韓国のような輸出依存度の高い経済ではありません。しかし、一定の輸出が伸びないと生産が伸びないという関係がございますので、やはり輸出が不振で生産が停滞をすると景気の足を引っ張っていくということは言えるんだろうというふうに思うわけでございます。  そのためにも、やはり輸出をいかに伸ばしていくのかということが、輸出に依存しているわけではありませんけれども、生産と連動しているという点から大事ではないかというふうに思って前回指摘をしました。ちょっと時間がなくてそこまで前回は質問をできなかったものですから、改めてそういう認識について大臣にお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、先般発表されました七—九のいわゆる実質成長率、名目じゃありません、実質成長率は、プラスの年一・九%というものだったんですけど、その内訳というのを分析してみますと、いわゆる内需の寄与率は三・七%であったんですけれども、外需は輸入が増加、輸入の増加というのは、主に石油代金が上がったとかいろんな輸出の額でそういうことになりますので。一方で、輸出の方の対象者になります新興国等々が減速をして輸出が落ち込んでおりますために、これでマイナス〇・六ということになっておりますので、年間寄与度で計算しますとマイナス一・八ということになろうと思っております。  したがいまして、御指摘のありましたように、日本の経済というものを今後考えてまいりました場合においては、やっぱり外需が堅調というのは極めて大きな要素であることはもう間違いございません。確かに、絶対量は、GDPに占める輸出の比率が日本より少ない国という方が少ないぐらい、今、多分アメリカとブラジルぐらいしかちょっとG20の中ではないと思いますが、あとの国はみんな輸出の比率が高いんですが。  ただ、御指摘のように、いわゆる、今後とも、日本の外需を考えた場合でも、やっぱり日本のこれまで十五年間ぐらいデフレであったために設備投資を控えてきたとかいろんなことがありまして、設備投資の新しいもの、先端的なものに対する投資というのがかなり抑えられてきたために競争力が落ちておるということも事実です。人件費がほかの国は上がったのに、こっちは下がったわけですから、そういった意味では過去と状況は大分違ってきているということも考えて、やっぱり優れた外国企業が、治安がいい、安定している等々、日本の国内に投資してもらう。そういったことも、投資を呼び込んでいくということも我々としては今後国際競争力を引き上げていく上にも必要なものなんだと、私どもはそう思っております。  加えてもう一点、やっぱり原発が停止しておりますので、その分だけやっぱり化石燃料への依存というのが急激に高まって、その分が輸入の額に、約三兆、四兆マイナスに働き、その金は全然、国外に丸々出ますので、その四兆円は。そういった意味では、輸入額が急激に増加しているということもありますけれども。  これはエネルギーの安定供給というだけではなくて、やっぱりコストの低減ということを考えた場合におきましても、やっぱり貿易収支の改善ということは、これはエネルギーの安定とともに極めて大事なところだろうと思いますので、これは企業も、こういうエネルギーが安定しない若しくは安くないというところで生産設備を増やすかといえば、その安定のないところで設備投資をする人はいないと存じますので、そういった面でもやっぱり私どもは今後考えておかなければいかぬ。等々を考えますと、今後やっぱり、外需につきまして大変御心配をしていただいているんだと思いますが、これは需要と供給というより、外側、外国からの需要というものは一定にというのはなかなか、世界百九十三か国に我々は商売しておるわけなので、なかなかそこらのところが安定した方向というのを期待するのはなかなか難しいとは存じますけれども。  いずれにしても、一番大事なのは、他国に比べて円高になろうとも、我々としては、品質がいいから、物がいいから、壊れないから等々、いろんなものの理由によって私どもはこの外需というものを維持し続けられて今日まで来ておりますので、私どもとしては、今後ともこの面はきちっと、技術とかそういったものを維持し、生産できる物づくりを含めまして、きちんとそういったものは、ソフトももちろんですけれども、きちんと従来からのそういった物づくりというものに対する品質とか、またそういったものに対する、納期どおりに物が納められるとか、いろんな意味での私どもの持っている長く続いた信用というものを維持し続けるというのは、結果として輸出の増につながっていくものだと考えております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。まさに私自身も大変そのことには共感をいたします。  この間の質問でも、日本は所得収支というのは黒字に急激になっているのは事実、そういう御指摘がありました。しかし一方で、貿易・サービス収支は赤字になっておりますので、経常収支そのものが直近でもこの九月はマイナス二百七十四億になっているという、これが国際収支の天井が五十年ぶりに日本にやってきているということであります。  それを克服するというためには、今御指摘いただいたようなエネルギー政策を確立するでありますとか、あるいは当然為替は適正でならなければなりませんが、一方で国内投資のこの誘導策ということが必要。法人税についてもこういう点でも考えなきゃならないのかなと私は問題意識を持っております。  経常収支が赤字になるということは、対外投資を急激にしていくときに国内で資金が賄えるかどうかということにもつながってくるわけでありますが、もう一つ、裏側のグラフを見ていただきますと、これは日本のフローの貯蓄率でございます。これを見ていただいてすぐ分かるように、日本のフローにおけます貯蓄率というのはもう既に日米逆転をしているという。日本は、昔はよく、これも貿易立国と並んで貯蓄が好きだという、東洋の志向だというような言い方も昔は随分していましたけれども、最近ではもうそうではなくなってきておる。まあ高齢化とかいろんな原因が当然あります。  ストックにおきましては一千五百九十兆というようなものがございますけれども、これも、しかし金融機関を通じて既にもう国債とか直接投資とかも含めまして使われているわけでありますので、問題は、このフローの貯蓄率がここまで下がってきているというのは、今後の金融政策を考えても、例えばまだ今はその段階じゃ全くありませんが、いずれ出口戦略を考えなきゃいけないときが来ます。そのときに、国内で懐の浅い、貯蓄ができていない経済であれば、もしかしたら金利が急騰してしまうということにも、そういうリスクも抱え込みかねないということから、やはりこのフローの貯蓄率については、せめてこの二年ぐらいの間に五年前ぐらいには戻さないときついんではないかなというふうに、日本経済全体のことを考えますと私は認識をしております。  そのためには、やはり賃上げ等をして可処分所得を上げていくということが大事でありましょうし、消費税の引上げに伴って、特に中間所得のところの家計支援ということも大事になってくるのかなという問題意識を持っているわけでありますが、このグラフを見ていただきながら、日本の貯蓄率ということについて大臣の御所見を承りたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 貯蓄率が上がるということは、いい面もありますし、悪い面も考えておかないかぬと思っております。貯蓄率が上がるということはそれだけ消費が進んでいないということでもありますので、そういった意味では、かつて我々は一〇%、一五%やっていた時代からだんだんだんだん落ちて今二%ぐらいということになって日米逆転と。アメリカの場合は、逆に昔かつて低かったものですから、そういった意味ではだんだん上がるようになっていったということは、アメリカのことを考えたら、これはアメリカの庶民というか国民は、極めて対応としては、リーマン・ショック以後ばあっと貯蓄率が上がっているというのを見ていただければ分かりますように、やっぱり借金より借金の返済を優先した方がバランスが良くなるということなんだと思います。  他方、我が国の方は、これは個人預貯金総額一千七百兆という薄気味悪いほどの金を持ち、そのうち、御存じのように、これはフローで見ておられますけど、ストックで見た場合はやっぱり個人金融資産が一千七百兆なんという国はありませんし、そのうち現預金が八百何十兆ぐらいございますので、そういったものが更にたまっていくということはそれは消費に回らぬということを意味しますので、やっぱり景気対策上は、ある程度借金してでも物を買おうかとか、借金してでも家建てようかとか、借金してでも車を買おうかというマインドに変わらない限りは景気が上がることはありませんので、私どもとしては、今現在この数字を見てどうかと言われれば、消費の方に金が回っているとするならば、それはそれなりによしと思わないかぬなとは思っております。  ただ、おっしゃいましたように、長期的にどうかと言われれば、長期的に見ればこれは程々のところにしておかないかぬのであって、マイナスになっても具合悪いですし、そういった意味では常に目を向けておかねばならぬ大事な先行数値だと思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  ここからはちょっと地方税、地方の方で、今日は政務官にお見えいただきました。ありがとうございます。地元の首長さんからも様々な御意見あります。まず一つは、個人住民税の納期の増設ということについてお聞きしたいと思います。  地方税法におきましては、例えば給与所得者の普通徴収、四期課税ということになって、他の固定資産税等と重ならないように六、八、十、一というふうに年四回というふうになっております。なぜこういう話をするかというと、サラリーマンで退職した方が住民税を納めるときに、もう翌期は当然収入がない中で前期の収入に基づいて、所得に基づいて課税されますけれども、なかなか四回で払うのが大変だといって十二回にしますと、当然これは延滞税が掛かってくるわけでありますので、そういうことがなるべく少しでも少なくするためには、四回を六回ぐらいにしてもらうと少しは、もちろん十二回もできるんですけれども延滞税が掛かるわけですから、そもそも今の四期納税を六期、固定資産税と重ならないようにするためには例えば九月、十一月というふうに法律で定めてもらえるといいんだという要望があるんですね。  しかし、法律を読みますと、これは特別の事情がある場合においては、今申し上げた四期納税じゃなくてもできると書いてあります。しかし、実際には、この特別の事情というのが災害時とかそういうときしか適用されないんじゃないか。もちろん、そうでないのであれば条例を作れば六期にできるわけでありますけど、この特別の事情というのがそれほどハードルが高いものかどうか、是非政務官にお答えいただきたいと思います。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいま委員がおっしゃって、もう既によく御存じだと思いますけれども、個人住民税の普通徴収に係りましては市町村の条例で定めることとされておるわけでございまして、確かに特別の事情がある場合においては市町村はこれと異なる納期の条例を定めることができるということになっておるわけでございます。  特別な事情としての納期を増やしている例が全国にどんなふうにあるのかということなんかは、まだ私ども総務省として一括して把握をしているわけではございませんが、例えば当該地域が農業所得者の占める割合が多くて、例えば農業所得の収入時期等を考慮して法定納期とは違う時期に徴収をするとか、こうしたことについての配慮をして条例を定めるようなことはできるわけでございますけれども。  申し上げておかなければなりませんのは、一つは、今先生御指摘のとおり固定資産税なんかと納期が重複を避けるようにしなきゃいけませんし、もう一つ重大なことは、一部の住民についてだけ適用されるような特別な納期を定めることができないのは当然でございまして、だから、したがいまして、地域の経済事情でございますとか住民の所得状況を踏まえながら、市町村の判断において対応していただいておる現状でございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 時間がないのでこれ以上詰めませんけれども、特別な事情というのは、そうすると、市町村が判断をして条例を定めることができるという解釈をしたいと思います。  次にもう一つ、最後ですけれども、指定管理者制度における応募資格につきましてお聞きしたいと思います。  今、来年度から三セクの大変厳しい改革をしていかなければならない、そのためには民間の事業者の方々に様々もっと活躍してもらわなきゃならないということで、指定管理者制度、平成十五年ですか、もうできて十年たっているわけでありますけれども、ここにおけまして、指定管理者制度で指定取消しになるケースというのがございます。これは法律の二百四十四条でございましょうか、そこの二の第十一項にございますけれども、こういう法律に基づきまして何か悪さをしてしまった場合に取消しになるケースがあります。  これはこれで仕方ないことでありますが、再チャレンジする規定というのが、これは各自治体によってかなりまばらになっているわけでございます。私も随分と全国から資料を取り寄せまして、このぐらい、それぞれの各市町村におけます応募要項を見ました。そうしましたら、二年、要するに悪さをして二年間は申請できないけれども、それ以降はできるというケースが多々あります。五年というケースもありました。しかし一方で、一回取消しになるともう永久にできないという、要するに何年という指定期間が区切られていない、そういう意味では、一回何かのことがあって指定を取消しになりますと、ずっといつまでたっても、どう改善しても、企業が努力しても、その申込みができない、応募資格がなくなってしまうという、そういう募集要項になっているところが結構あるんですよ。  これは、法律上も、先ほども読み上げました二百四十四条の二の第十一項におきましては、その指定を取り消すときには、「又は」以降でありますけれども、「期間を定めて」と書いてあるんですね。ですから、ここで言っているのは、期間を定めないでずっと取消しなんです、応募できないと。これは、今後、三セクの改革や、あるいはそういう民間の方々をもっと生かしていこうという指定管理者制度の精神からすると余りにも行き過ぎではないかと。  これはむしろ国の方が助言はできるわけでありますし、過去も平成二十二年にそういう助言をした通達も出しておられます、自治行政局長名で。そういうことをやはりして、助言をして、民間の方をもっと活用できるような、悪さをしたらしっかりと直してもらわなきゃいけませんけれども、それを正したらまた応募できるという、民間企業を育てる方向での改革ということが必要ではないか、改善が必要ではないかと思いますけれども、政務官、いかがでしょうか。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) ただいま委員がおっしゃいましたとおり、指定管理者制度というのは、これは民間の知恵を使って合理的に何とか進めていく方法でということでございまして、特に公募方式を使っている以上は広く多くの方にチャンスを求めていくと、これが一方でございます。もう一方で、やはり当該施設を適正にそして安全に管理を確保するという意味では、ある意味で必要な応募資格の制限を設けることも一般的だなということは御案内かと思います。  そこで、その不正を理由にした指定の取消しがあった後の再チャレンジということでございますが、これはでき得る限り地方自治体において適切に定める方法でやっていただきたいと思うわけでございますが、公の施設の応募資格でもございますので、これは是非、具体的には各地方自治体においてそれぞれの施設の性質に鑑みながら適切にやっていただきたいと。一律に例えば文書で助言してはどうかということなんだろうと思いますけれども、ちょっとこれはなじまないところではないかと私どもは判断をしているところでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 そうすると、法律の二百四十四条の二第十一項、私が読み上げましたけれども、期間を定めて一部停止を命ずることができるというのはどう解釈されるんですか。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) これは、当該自治体の皆様方が適時適切に御判断を願いたいというふうに私どもとしては考えているところでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 しかしながら、平成二十二年の総務省自治行政局長の通達、十二月二十八日に出ておりますけれども、ここでもサービスの提供者を民間事業者等から幅広く求めることに意義があるということが強調されているわけでありますね。  ですから、一回いろんなことがあっても、しかしそこで改善をしている、で、応募はできる、それではじけばいいだけの話ですから、中身を見て。応募もできない、永久にしかもできない、これはいかにも行き過ぎではないか。そんなに物すごい犯罪があるのかどうか知りませんけれども、永久にできないというのは本当やっぱり行き過ぎではないかというふうに政治家として思いませんか。

伊藤忠彦自由民主党総務大臣政務官・内閣府大臣政務官

○大臣政務官(伊藤忠彦君) 大変、くどいことを言ってはいけないんですけれども、そこのところの判断は私は市町村に委ねてまいるところだと思っております。  それから、議員のおっしゃっております期間を定めるというところにつきましては、多分業務停止の部分ではないかというふうに思うわけでございまして、再度再チャレンジをするというところについて、決してそれをさせないということではないと私どもも承知をいたしております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 もう時間ですからあれですけれども、ちょっと伊藤さんらしくない答弁だなというふうに思って、終わります。

山口和之みんなの党

○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。  今回は、FRCの報告における被災地の影響、そして介護と医療にかかわる新しい資金調達の手法としてのヘルスケアREITについて御質問をさせていただきます。  まずはFRCについてですが、金融機能強化法に伴う経営計画にかかわるフォローアップに関してですけれども、資料を見ていただきたいんですけれども、資料の一です。    〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕  まずは金融庁の方に質問しますが、特例の資本増強を受けている金融機関のこの表を見ていただくとお分かりになると思うんですけれども、下から三番目のあぶくま信金、それから相双信用組合、それからいわき信用組合につきましては、これは福島県のデータなんですけれども、ほかの岩手県や宮城県と比べますと、一概には言えませんけれども、件数についても融資額についても低い推移を示しています。  そこで、金融庁の方に質問したいんですが、福島県内におけるいわき信用組合及び相双信用組合、あぶくま信用金庫の現在の経営状況、そして被災者に対する貸出状況について説明をいただきたい。また、公的資金を入れた金融機関が被災地や被災者の役に立っているかどうか、金融庁の見解をお伺いしたいと思いますが、お願いいたします。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 議員の資料にありますように、あぶくま信金、相双信組、いわき信組でございます。この融資額、これはたしか二十五年三月末の被災者向けの事業性の資金と消費性の資金、これを合わせた額がここに記載されておると承知しております。  これらの額でございますが、金融機関の被災者向けの貸付けの金額あるいは件数というのは、被災者の資金需要が各県の震災被害の態様あるいは復興復旧の進捗状況によって異なりますので、一概に比較することは困難であろうかと思っております。特に、福島県におきましては、今なお避難指示が継続する地域があるなど、原子力災害という他の二県とは異なる状況にございます。このため、資金需要も他の二県に比べれば低調となっている傾向がございます。ただ、今後の復旧復興の進捗につれ、資金需要は増加するものと考えております。  なお、これらの公的資金を注入いたしました協同組織金融機関、福島県内三行ございますが、それぞれ経営基盤は万全のものが整っておるというふうに承知しております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございます。    〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕  日銀によると、今年の三月末の貸出金残高は、大震災前の二〇一一年二月末と比べると、これは資料はないんですけれども、岩手県が一五%増、宮城県は一二%増と、全国平均が四%なんですけれども、比べて大きく上回っております。一方で、福島県は四%増で、全国とほぼ同じなんですけれども、原発事故の影響でまだまだ投資ができない、できにくい状況があるのではないかと感じ受けます。  それで、資料を見ていただきたいんですけれども、資料二です。資料二は、二重ローンの対策なんですが、個人版の私的整理ガイドラインを見ていただいて、五番目の債務整理の成立件数ですけれども、今年の十一月です。うち岩手県支部が百七十八件、うち宮城支部が三百九十六件、うち福島県が五十六件となっています。  次の資料、資料三です。資料三を見ていただきますと、これは事業者の二重ローンについてですけれども、産業復興相談センターでも、この中の、真ん中辺のうち、買取り決定数を見ていただきたいんですけれども、岩手県が八十七件、宮城県が七十件、福島県が二十六件というふうになっております。  これは、貸出しもそうですけれども、二重ローンの対策共に、福島県は宮城県や岩手県とはもう全く違う様相を示しているところだと思います。したがって、金融庁におかれましては特段の力を福島県に分けていただきたいとお願いしたいなと思っております。  そこで、麻生大臣に質問いたしたいと思いますが、関連しますけれども、麻生大臣は三月の本委員会で、震災の特例により公的資金を入れた金融機関については、被災者の再生支援というものに貢献していくことが大前提と答弁されております。そして、資本増強制度の目的も踏まえて、是非ともこれを検討していただきたいんですけれども、資本増強制度の目的も踏まえて、地域の資金需要に積極的にこたえ、ある程度のリスクを覚悟してでも新規融資行ったり、二重ローン解消への債務減免にもしっかりと関与していってもらいたいと考えますけれども、大臣はどうお考えか、もう一度お聞きしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 金融機能強化法の震災特例というののお話なんだと思いますが、これは、資本参加をいたしております金融機関は、被災地域の復興につながる方策を記した経営計画に基づいて、被災者向けの新規融資、貸付条件変更等に対する柔軟な対応とか、また二重債務、ローンを抱えております被災事業者への再生支援などを着実に実行するということを求められておるということを申し上げたんです。  金融庁としては、当然のこととして、これらの金融機関が被災者の事業や生活の再建に継続的、持続的に貢献するように、少なくとも経営強化計画の履行状況を適切にフォローアップしてまいりたいとは思っていますし、してきたとも思っております。あわせて、今年度の監督方針に基づいて、被災者からの資金需要に対する円滑な資金供給というのをこれまで促してきたところでもあります。  ただ、先生、これ間違っていただいて、難しいところは、これは銀行に対しては、例えば日本銀行が幾らマネー、何というの、金を、日本銀行が金を刷って出しても、その銀行の日銀当座預金というところに金は増えますけれども、そこから先、市中に金が回るか回らないかは、銀行に金を借りに来る人がいないと市中には金は回らぬわけなので、そういった意味では、福島は私は妹夫婦が住んでいますからよく知っていますけど、これなかなかそういった需要が出てこないというところが一つ大きな問題として、これはやっぱり原発の影響等々があって、宮城県とかその他の県と少し違っている状況にあるんじゃないのかなとは思っております。  いずれにしても、今、基本方針としては過日申し上げたとおりの方向で事を進めようと当たっております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございます。  福島は岩手県あるいは宮城県とは様相が全く違うということですので、金融庁におかれましてもしっかりとした支援の方法あるいは新たなる対策等々を検討していただきたいと思います。  では、次に、ヘルスケアREITについてお伺いいたします。  J—REITというものが創設されてから十年たっておりますけれども、不動産市場の落ち込みはあったものの、現在、回復の状況にあります。通常国会では投資信託法改正もなされて、拡大化の兆しがあり、期待感も大きくなっております。  そこで、麻生大臣に質問したいのですが、海外において高齢者住宅やヘルスケア施設に特化して投資するヘルスケアREITというものがあり、国内でも来年度からヘルスケアに特化したREITを初めて上場するとの報道がなされております。このヘルスケアREITの創設に関する見解をお伺いしたい。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ヘルスケアというものに特化をしたという形のREIT投資案件というのは、REIT市場の更なる活性化というのはもう当然のことですけれども、今後、介護というのはかなり高齢化に伴って成長するであろうと思われる分野だと思いますので、そういったところに資金を供給する。また、高齢化社会というものの中でも、高齢化された方でもいろいろな方がいらっしゃいますので、そういった方々に対して民間資金というものを有効に活用するというような点から考えて、私どもはこれは一つの方法だと思っております。  日本再興戦略は、今年の六月において、介護等への民間資金の活用を図る取組の一つとしてヘルスケアREITの啓蒙、普及等々を言っているんだと思いますが、こういった観点を私どもも踏まえまして、ヘルスケア施設の供給促進に向けましたREITの活用等については検討をこれまで行ってきたところです。  初めての分野でもありますので、いろいろ御意見は伺わないかぬところだと思っておるんですが、関係業者の中において立ち上げに向けた具体的な取組も始まっていると承知しておりますけれども、いずれにいたしましても、まだ全く新しい分野でもありますので、いろいろ御要望やら何やら受けて、私どもとしては環境整備というものに取り組んでまいりたいと考えております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございます。  初めてのことですから、検討していかなければならないということをお伺いいたしました。  そこで、金融庁の方、それから国土交通省の方、厚労省の方にお聞きしたいんですけれども、ヘルスケアREITというものは、金融商品としての金融庁、それから不動産としての国土交通省、それからヘルスケアとしての厚生労働省と、複数の所管にまたがっておりますが、それぞれ各省庁の検討された内容、検討状況、環境整備に取り組む理由について教えていただきたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 国土交通省が主催された検討委員会がございまして、金融庁もオブザーバーで参加しております。  その委員会が今年の三月に報告書を公表しておりまして、ヘルスケアREITが日本で普及するための課題、今委員が三つに分けて御指摘なさったように、投資家、それからオペレーター、施設利用者、それぞれの観点からの整理がされております。  投資家から見た課題を御紹介させていただきますと、ヘルスケア施設のオペレーターの財務状況等にかかわる情報が十分に開示されていないことから、投資対象の選定において必要な情報を入手することが難しい、あるいはオペレーターの施設運営能力に関する評価手法が確立していないことからデューデリを行うことが難しい、ないしはコストが高いといった点が指摘されております。  金融庁といたしましては、こうした御指摘もありましたので、不動産証券化協会に依頼いたしまして今年の七月から実務者検討委員会を設置しておりまして、現在ヘルスケア施設、あるいはオペレーターにかかわる情報開示、デューデリジェンスの在り方等について実務的な検討を行っていただいているところでございます。

吉田光市国土交通大臣官房建設流通政策審議官

○政府参考人(吉田光市君) お答え申し上げます。  ヘルスケア施設は、その質、量両面でその充実が近年大変重要な課題というふうに認識してございます。ヘルスケアREITによりまして、REITが資金を調達し、ヘルスケア施設を長期的に保有することが可能となるわけでございます。これによりまして、事業の運営者、いわゆるオペレーターによる機動的な事業展開が可能となります。また、事業内容の透明性が高まることになります。こうしたことを通じまして、良質なヘルスケア施設の供給促進に役立つことを私どもとしても期待しているところでございます。  国土交通省では、関係省庁とも連携いたしまして、本年三月に有識者会議におきましてREITの特性や課題等を整理するとともに、その方向性について取りまとめを行ったところでございます。さらに、これらを受けまして、今金融庁の方からも御答弁ございましたが、現在業界団体におきましても実務者による検討委員会が設置されているところでございます。  今後は、ヘルスケア施設の取得、運用に関するガイドラインの作成等によりまして、ヘルスケアREITの普及啓発、ヘルスケアREIT活用に向けた環境整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

有岡宏厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(有岡宏君) お答えいたします。  厚生労働省といたしましては、急速に高齢化が進展する中で、有料老人ホームあるいはサービス付き高齢者向け住宅に関する新たな資金調達手段といたしましてヘルスケアREITを活用すること、これは有用なことであるというふうに認識をしているところでございます。一方で、こうした住まいに入居されております高齢者の方々が安心して暮らしていただけるように適正な運用が図られることも必要でございます。  こうした観点から、厚生労働省も昨年度の国土交通省による検討委員会、あるいは今年度の金融庁の要請によります不動産証券化協会が設置した検討委員会に参加しているところでございます。

山口和之みんなの党

○山口和之君 ありがとうございます。  いずれにしても、これからの高齢化社会を迎えるに当たって促進していきたいということで、いいものであるという雰囲気があるんですけれども、資料四を見ていただきたいんですが、これは先ほどの国交省の多分まとめの中にあるものですけれども、ヘルスケア施設供給促進のための不動産証券化手法の活用及び云々という取りまとめなんですが、三の(1)利用者にとっての論点ということがあって、いいことは上の方に書いてあるんですが、一方でということで、真ん中辺を見ていただけると、一方で、ヘルスケアREITに投資する投資家の意向や資産運用会社の運用方針によっては、施設の利用者にとって以下のような不安が発生することが予想される。ヘルスケアREITが施設を売却したときにオペレーターも変更はあり得ることから、契約・サービス内容が変わるのではないかという不安。二番目、これまでのヘルスケア施設と比べた場合、当事者が多くなることから、様々なコストが加算され賃料やサービス利用料などがそもそも高めになるのではないかという不安。それから三番目です、投資家の求めに応じて、ヘルスケアREITがオペレーターの支払う賃料の値上げを決定した場合、その結果として利用者が支払う賃料や利用料が急に引き上げられたりサービスの低下が起こったりするのではないかという不安があるというふうにここに記されております。  もしよろしければ、これらについて払拭できるものなのか、あるいはどういった対応をしていくのか、教えていただきたいと思います。これは金融庁、国交省の方にお願いしたいと思います。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) 今委員が御指摘なさったとおり、ヘルスケアREITにつきましては、いろんな長所もあれば不安もあるというのが利用者にとっての受け止め方だと思っております。  金融庁といたしましては、そういうヘルスケアREITの運用に当たりましては、ヘルスケア施設の利用者が安心して利用は続けることができるよう十分な配慮が必要だと考えております。  そうした意味で、ヘルスケアREITの運用を行う資産運用会社に対しまして、REITの仕組みあるいは特徴などについて利用者へ十分な説明に努めるよう求めるといった利用者の視点にも配慮しつつ、しっかりとした対応を行うというふうに考えております。

吉田光市国土交通大臣官房建設流通政策審議官

○政府参考人(吉田光市君) ヘルスケアREITにつきましては、いまだ一般に認知されていないということもございまして、その仕組みやメリット等につきまして分かりやすく説明し、理解を求めていくことが必要だと考えてございます。  特に利用者の方々からは、ヘルスケアREITが施設を取得、運用することによりまして賃料や利用料が急に引き上げられるんではないか、またサービス内容が低下したりするのではないかといった懸念があるといったような声はあることは認識しているところでございます。  こういった点につきましては、私ども、REITは施設を長期にわたって安定的に保有するものですから、また加えまして、情報開示も適切に行われることになるものですから、一般的に急激な賃料の引上げ、理由のない引上げといったようなことは困難なのではないかなというふうに考えてございますし、また、施設の投資方針に基づきまして施設の運営がなされますことから、いたずらに転用されるといったようなことも可能性は小さいんではないかなというふうに考えてございますが、こういった点につきまして、利用者の方々の不安を払拭するようにきちっと説明をしていくといったようなことが必要ではないかなというふうに考えてございます。  また、加えまして、今後、運営のガイドラインを作成することにしてございますが、その作成に当たりまして、オペレーター関係の団体に加えまして、利用者関係の団体の皆様の声も十分に承りながらこういった作業を進めてまいりたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、利用者の視点にも十分配慮しつつ、ヘルスケアREIT活用に向けた環境整備に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございます。  良い事業者が多角的に展開していくという意味ではその可能性が非常にあるものではあるんですけれども、一方で不安、リスクもあると思われますので、これは国においてもしっかりと監視体制であるなり指導体制というのは、ほかの法人と同じように、医療法人あるいは社会福祉法人、そういったものと同じようにしっかり何か監督していく必要があるんだろうと思われます。  報道の中で、売却益で配当なんというのが書いてあったりすると、そこの施設を売っちゃいました、結局何に使うんですかといったときに、その施設はやりませんなんということになったら、路頭に迷うことはこれ間違いないわけですから、ここは何とかしていかなきゃいけないと思います。確かに、オペレーターが替わることができる、あるいは継続性があるということも一方で考えられますけれども、どちらにしてもちょっと多少なりとも危険があるでしょうし、老人ホーム転がしなんという言葉も最近は出てきているようですので、これはちょっと慎重に進めていただきたいなと思います。  続きまして、資料の五番目を見ていただきたいんですけれども、資料の五番目は左側がJ—REIT、今現在行われているものです。右側がUS—REIT、アメリカでのREITの状況ですけれども、ヘルスケア産業に一二%ものヘルスケアREITが行われているんですが、その中の右側を見ていただくと、病院というものが書かれております。病院七%ということになっておりますので、金融庁の方にお伺いしたいんですが、米国では病院もREITの対象になっていますが、日本でもそこまで拡大するんでしょうか。

細溝清史金融庁監督局長

○政府参考人(細溝清史君) REITの投資対象は、規定されている法律は投資信託及び投資法人に関する法律でございまして、その法律上は、他の不動産と同様、病院もREITの投資対象とすることは可能でございます。  ただ、病院がそういったものの投資対象になじむのかどうかという点につきましては、医療制度自体が国によって異なりますことや、民間病院と公立病院の経営の相違などもございますので、慎重な検討が必要であるとの意見もあろうかと承知しております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 この件につきましては厚労の方にもお伺いしたい。もしこれが可能となる、可能であるという場合の御意見をいただきたい。

原徳壽厚生労働省医政局長

○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。  病院を対象とした証券化の実績については、御承知のとおり、国土交通省の先ほどの報告書によりますと、証券化協会のアンケートやあるいは新聞報道などで、現在まで約二十ないし三十件あるとされていると聞いております。  このヘルスケア施設を対象としたREITの検討が進められていると先ほどもございましたけれども、病院を対象とした場合にどうなるかと。これにつきましては、先ほどの報告書の中でも、医療制度自体が外国と異なるということ、それから、単純な、米国と比較するということは避けるべきであるし、慎重に検討していくべきとの意見もあったというふうに聞いております。さらに、投資家、投資をする側からも、ほかの住宅的なヘルスケア施設に比べて証券化自体の難易度が高いのではないかという御指摘もあると承知しております。  したがいまして、再興戦略、社会保障制度改革国民会議の報告書でもヘルスケアREITの活用についての言及はございますけれども、病院の場合については、例えば耐震化などの資金調達の手段の一つとして考え得るのかどうか、その辺りも含めて関係省庁とも連携を取りながら検討はしていきたいと考えております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 社会福祉法人が自己資産でなければ運営できないといったものの理由としては、恐らく利用者を守るという観点だと思います。したがって、しっかりとここはチェックしていかなければいけないところだと思います。  麻生大臣に最後のまとめをお聞きしたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 各省から御説明もあっておりましたし、私どもの金融庁から申し上げましたとおりなんですが、ヘルスケアREITの普及そのもの自体というのを考えたときには、これは間違いなく高齢化社会に対応していくということを考えたときに、民間資金の活用とか、また、いわゆる、何というのか、介護分野に対して資本市場を通じた民間資金が入ってくるとか、そういった意味からは決して悪いことではないんではないかと思っております。  ただ一方で、山口先生が言われましたというか御指摘になったとおり、これはヘルスケア施設に入っている利用者が、少なくとも何となく最後に入るところというのが普通常識でしょうから、そうなってくると、これは安心して最後まで利用し続けられるようにしておかないかぬというところが一番大事な配慮なんだと思いますので、そこの経営につきましては、何となくもうけに走ると大体この種の話はいかがなものかという例が多いのは確かですので、そういった意味では、環境整備の一環としては、私どもの立場としては、いわゆるこの仕組み、このREIT自体の仕組みと特徴に関する普及啓発等々なんというものをこれは努めることなど、これは利用者の、経営者というより利用している人たちの視点というものもより十分に考えて取組を進めていかないといかぬところだと考えております。

山口和之みんなの党

○山口和之君 どうもありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門です。お疲れさまです。  この間、国際課税の問題を何回か取り上げてまいりました。この点ではもう麻生大臣と大体意気投合するわけですけれども、今日は、少し専門的になりますけれど、新しい課題になっているところを触れたいと思います。  お配りしました資料の一枚目がOECDの租税委員会の活動の概要ということですが、この中の今日は第六作業部会で検討されております移転価格ガイドライン、この辺り、あるいは無形資産の譲渡というところについて質問をしたいと思います。  まず、ちょっと複雑なところもありますので、二枚目に資料が、図解がありますけれど、移転価格税制、これについて分かりやすくちょっと説明していただけますか。

田中一穂財務省主税局長

○政府参考人(田中一穂君) 移転価格税制の仕組みについて御説明を申し上げます。  租税特別措置によりましてこの制度ができておりますけれども、日本の企業が海外の関連企業、これは五〇%以上の出資関係にある法人等を指しますけれども、この一定の関連企業との間で取引を行った場合に、その取引価格が通常の取引価格と異なる金額に設定した場合に、日本の企業の利益を海外の関連企業に移転するということが事実上可能になるわけでございます。この租税特別措置では、このような場合において、海外のその関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するという観点から、海外の関連企業との取引が、通常の独立した企業間の取引で行われた場合に成立したであろう価格、通常の取引価格で行われたとみなして所得を計算し課税するという制度がございます。それを移転価格税制と呼んでおります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 田中さん、せっかく図解を用意したんですよね。これに基づいて説明してもらうと分かりやすかったかなと思うんですよね。  要するに、もういいです、私が説明しますけれども、仮に国内の親会社があったとして、そこで百円で仕入れたものに利益は十円だけ乗っけて海外の子会社に百十円で売ると。海外の子会社はそれに四十円の利益を乗っけて百五十円で売ると。この海外、国外は税率の低い国であると。トータルでいくと、この会社全体としては五十円の、十円と四十円の五十円の利益ですけれども、税率の低い国に四十円分移すということですね。下の方が、通常ならばこれは市場取引といいますか、第三者同士だったらそうは簡単にいかないで、国内で二十円の利益、海外で三十円の利益と、これが普通なのを、関連会社、子会社、親会社の関係だと上のように操作ができると。税率の低い国に利益を持っていくことができると。これが移転価格ですね。  その税制というのは、この上のような勝手な操作を許さないで、下の方に引き戻して課税すると、こういうことでいいんですよね。いいですか。はい。  この間、グーグルとかアップルとかスターバックス、アマゾンもそうでしたかね、などの多国籍企業が複雑なスキームを使って税逃れをしている実態が大変世界的にも批判を呼んでおります。それは、単なるこの今言った移転価格を利用したものではなくて、グーグルとかアップルが悪用しているのは、低い税率の国に子会社をつくって無形資産を譲渡すると。更にちょっと複雑なんですが、移転価格の一つなんですけれど、無形資産を譲渡すると。利益移転を図って課税を逃れるというスキームなんですね。無形資産というのは、何といいますか、知的所有権といいますか、特許とか商標権とか著作権とか、そういうものですよね。そういうものを親会社、子会社の間で譲渡をして、さっき言ったような税率の低い国に利益が移るようにするようなことをやったわけですね。  先ほど一枚目で申し上げましたOECDでは、BEPSという、税源浸食と利益移転というんですかね、にプロジェクトを立ち上げて、その後、G20からも支持を得て、先ほど言いましたOECD租税委員会の中でこれにどう対応するかということが議論されているわけでございます。  この無形資産を活用した複雑なスキームなんですけれども、これはさっき言った第六作業部会で、移転価格ガイドラインの改訂という先ほど文字がありましたが、その中で議論されることになっております。この作業部会では、この移転価格税制を強化する形で無形資産の移転スキームにも対応しようとしているわけですね。それが三枚目の資料でございます。  このスキームの概要を、せっかくあるのでこれに基づいて分かりやすくちょっと説明してもらえますか。

田中一穂財務省主税局長

○政府参考人(田中一穂君) 先生から今御提起のありましたような事例、この資料に基づいて御説明をいたしたいと思いますが、この資料で言いますと、A国という国があって、そこに本来特許を開発したA社という会社がございます。A国は普通の法人税率という設定でこの紙には書かれております。L国というのは非常に低い法人税率の国という前提で考えておりますけれども、このA社が自分の子会社としてつくったL社に特許を非常に小さな対価で移転するということになりますと、特許はこのL社に移るわけであります。この特許を使って、別のまたB国の孫会社がその特許の使用許諾を得て様々な商品を作って消費者に売ると。特許を使っているものですから、この孫会社は子会社に使用料を、ロイヤルティーを払うわけでありますが、L国は法人税が掛からなかったり、あるいは非常に低い国なものですから、ここで課税が全く起こらないか、あるいはほとんど起こらないと。A社は冒頭申し上げましたように対価が極めて低いものですから、A社に対する課税もほとんど起こらないかという問題になるわけです。したがって、A国でもL国でも課税が起こらないと。場合によってはB国でもそのロイヤルティーに対する課税がなければ課税が起こらないと。  こういう問題が起こっておりまして、今先生から御指摘がありましたように、OECDでは今年の七月の十九日に、BEPS、ベップスと呼んでいますが、税源の浸食と利益移転に関する行動計画というのを作りまして、その中の一つにこの手の無形資産の移転価格をどうするかということを今議論しているわけでございまして、無形資産の定義ですとか、あるいは移転価格の算定方法というようなこの移転価格税制での対処の仕方と、それから移転価格税制以外でこの手の言わば税逃れにどう対応するかという取扱いも含めて今国際的なルールを策定しつつあるというところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  ですから、A社からL社に、その無形資産ですね、知的財産権などを、本来、例えば百億の価値があるものをL社に譲渡したと、ところが実際には五十億しかL社からA社は受け取らなかったとしたら、このL社のところに差引き五十億の超過利潤が留保されると、課税逃れがあるわけですね。そういうものに対して、先ほど申し上げました移転価格税制を適用したいんだけれども、そもそも無形資産というのはこの評価が大変難しいというようなことがあるし、単純にさっきの仕入れとか仕入れ値の関係のように適用できないので、国際的なルールを、無形資産の移転価格ルールの策定をやろうという流れになってきているということでございます。  それで、そういうふうな改善の方向で今はなっているんですけれども、実は日本の企業は余りこういう欧米の多国籍企業ほど租税回避のスキーム、こういう特に無形資産を使ったですね、やってきていないということがあるわけですけれども、一般的に言われているんですが、資料の四枚目に示しましたが、HOYAの事例が出てまいりました。  これは、光学機器メーカーのHOYAが、これちょっと複雑でもう説明してもだんだん分からなくなってくる話なんですけれども、要するに無形資産の移転のスキームを使って、先ほどのような単純じゃないんですけれども、国税庁と今争いが生じているわけですね。HOYAそのものは様々なほかにも租税回避の手段を取っておりまして、ちょっと問題が多いなと思ってはいるんです。先ほどの無形資産の取引ほど単純じゃないんですけれども、そういう無形資産を使ったものが日本でも行われるようになってきているわけでございます。  さらに、それが増えてきているというのが次の資料でございまして、これは、移転価格税制については、ほかの国との二重課税が生じたときとか、企業から事前のお問合せがあった場合など、ほかの国の課税当局と相互協議をやるという仕組みがあるんですね。その中で、この無形資産をめぐる相互協議、問題になっているといいますか、いろいろ議論になっているという数が十四年度から二十四年度にするともう六倍近く増えてきているということになってきているわけです。  申し上げたいのは、まだHOYAとか幾つかしか出ておりませんけれど、日本もこの無形資産を活用した税逃れのスキームに対して、今後焦点になってくると思いますので注意が必要ではないかと思いますが、これは麻生大臣のお考えを聞きたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今年のこれは、大門先生、四月だったかな、G7の蔵相・中央銀行総裁会議で、このBEPS、ベース・エロージョン・プロフィット・シフティングというのを訳して税源浸食価格何とかかんとか移転とかいう難しい言葉を使っているんですが、通常、BEPSというと大体この世界で通じる単語になりました。  このBEPSが問題じゃないかということは日本が提案して、G7の会合で。これ中央銀行は関係ないと、この人たちは単なる被害者にとか若しくは全然関係ない、財務大臣が駄目なんだと。これは合法ですから、非合法じゃありませんから。だから、これは明らかにこれだけの税金逃れが起こっているという現実だと、これは今ですら問題だけど、何だ、これやらなきゃ損じゃないかということになる、そういった影響の方がもっとでかいと。  したがって、この問題は是非検討をOECDなりどこなりでやるべきだと。これは日本が提案してドイツとイギリスが飛び乗って、今日スタートしたというのが経緯でして、これは今たまたまOECDの租税委員長というのは日本の大蔵省から来ている総括審議官がやっておりますので、これは選挙で選ばれた男ですけれども、これがやっておりますので、この問題に関しては、これは日本が、今、OECDでこの前の九月のときもこの問題が出まして、きちっとした形で今、OECDからも説明があり、これは検討しておりますということになっておりましたが、これは、やっぱりアメリカやら何やらは、さっき言われた名前はほとんど本籍がアメリカ、現住所はちょっと別にして本籍がアメリカということになっていますので、これは非常に大きな問題で、アメリカにとってもこれは多額の課税逃れがアメリカでも起きているということを意味しますので、いろんな意味で、今後とも、これは日本にとりましても、十一が六十六という話になっておりますけれども、こういったものは今後とも起こり得るということを前提にしてきちんとしたことをしないといかぬので、これは脱税ではなくて節税とか、脱税ではなくて合法ですから、そういった意味ではきちんと対応しないといかぬのだと、私どももそう思って、今後、今督励をしているところであります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 それで、どう対処していくかでいきますと、ちょっとやっぱり、おっしゃるとおりアメリカで起きていることが多いので、アメリカが先にいろいろ考えているなというのが最後の資料でございます。  これは二〇一四年度の予算教書ですね。オバマさんが議会に出したものですね。何を言っているかといいますと、無形資産を低税率国所在の関連業者に移転させる、そういう節税方法は合法的だけれど意図的な税逃れですよね。これは、今までやってきた移転価格税制の効果的な執行に大きなプレッシャーを与えているとしております。それをどうするかというために、サブパートF所得、これはもう要するに日本のタックスヘイブン税制のようなものなんですけれども、そういうものを拡大すると。そうすれば、こういうことで税逃れをする人たちのインセンティブを減少することができるだろうと言っているわけですね。  具体的な提案のところが面白いなと思ったんですけれども、この無形資産の移転をあれこれ議論しても、なかなか分かりにくいといいますか、規定がしにくいと、結局は。いっそ、もうあれこれ議論するよりも、低い税率の国に無形資産を移すこと自体に懲罰的に課税すると。簡単に言うと、そういうことをこの提案のところで言っているわけですね。一〇%より低い場合、一〇%から一五%の場合と。これは、タックスヘイブンなんかも結局こういう考え方を取ってきているわけですね。ですから、サブパートF所得というのはそういう考え方でございます。  やっぱりこういう無形資産取引に対しては思い切った方法でやっていかなければならないと思いますし、これは日本でも考えるべきことだと思いますけれど、これはちょっと田中さん、どうなんですか。こういう方向、お考えになっているんですかね。

田中一穂財務省主税局長

○政府参考人(田中一穂君) アメリカの御提案は私どもも勉強をしているところでございますけれども、アメリカは、今現在、アメリカの制度として持っておりますタックスヘイブン税制の中に、アメリカから移転された無形資産により生じた所得というのは入っていない。アメリカのポジティブリストでありまして、利子とか配当とかロイヤリティーとか幾つか対象になっているんですけど、移転された無形資産より生じた所得が入っていない。これを加えるという御提案だと思います。  日本の場合はちょっと税制が違いまして、日本の場合には、移転された無形資産から生み出される所得については、幾つかの場合でタックスヘイブン税制の合算対象になるものとならないものがあるんですが、子会社が取得した無形資産をほかの人に提供することによる使用料については今でも合算の対象になり得ます。したがいまして、アメリカよりもそこの部分は広くなっているということだろうと思います。  ただ一方で、子会社自らが無形資産を使った場合に、実体のある事業であるか否かというような判断をして合算対象にならない場合があり得たりしますので、先ほど、OECDでこのことを議論するわけでございますし、私ども議長を出しておりますので、各国の状況も、各国の意見も踏まえながら対応していく必要があるんだろうと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 じゃ、先ほど大臣が言われたように、この点でも日本がイニシアチブを取って進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  今日は為替についてお聞きしたいと思っております。  今、日本は、財政政策と金融政策というのは目いっぱい行っていると思うんですね。財政政策というのはもう既にいつもやっている、最大限やっているからこそ千十一兆円の借金がたまってしまったと。十兆円ずつ返しても百年掛かるような借金がたまっている。それから金融政策も、これもう金利はゼロですから、この前、決算委員会で麻生大臣は今の経済学は通用しないとかおっしゃっていましたけれども、昔の経済学でいえば少なくても金融政策は最大限やっているんです。財政政策は最大限やって、金融政策も最大限やっている。  それなのに、一方、日本のGDP、名目GDPは、一九九七年に五百二十三兆円だったものが四百七十五兆円に減っちゃっていると。最大限に財政政策と金融政策を発揮しているのにもかかわらず、名目GDPが下がっちゃっている。ちなみに、中国はこの同時期に六・六倍ですかね、名目GDP、それからアメリカは一・九倍に上がっているんです。なぜ日本だけが景気が、少なくとも名目GDPが下がってしまったのか、その理由は何だとお考えでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは諸説ありますので、これが答えなんというものはあるわけではないんですが、これは後世、歴史家の評価にまたねばならぬところだとは思っております。  いずれにしても、一九九八年以降現在まで、減少傾向にGDPがあることは確かです。ただ、これがドルで表示されますとなかなか難しいところで、五兆ドルは変わらないじゃないかといういろんな説もありますので、これはなかなか言い方が難しいところですけれども、円でいえば間違いなくおっしゃったとおりのことになろうと思います。  これは、やっぱり基本的には、何でこうなったかといえば、これは間違いなくデフレ不況というものが分からなかったから。やった経験がありませんから。世界中誰もいないんですが、一九三〇年以降デフレ不況というのをやった国は世界中ありませんので、不況は数々あれど、いずれもインフレ不況だったので、ちょっとそこのところは対応が分からなかった、これは正直なところだったと思います。  したがって、私どもは、それもあって対応を間違えた点もあろうとは思います。しかし、長期にわたり経済成長率というのは低迷したというのには、やっぱり成長期待というものは完全に、一九九〇年、藤巻先生御存じのように、一九八九年の十二月の二十九日が株の一番高値、三万八千九百十五円。ですから、あれから翌年から下がりっぱなしですから、そういった意味では九〇年からデフレに陥ったと多分後世の人は言うんだと思いますが、デフレ予想が固定化していったというところにおいて、企業は基本的には、資産が強烈な勢いで土地も株もデフレになりましたので、債務超過になって、企業は基本的には借入金の返済の方を、設備投資とか労働分配率を上げるとか株主の配当を増やすとかいうことよりは、借入金の返済を優先した方が企業は利益が出る。なぜなら、資金繰りが付きませんから、資産がいわゆる完全に財務諸表が債務超過になっておりますので新しい金は借りられないし、それから、結果的にもう、もうけは全部借入金の返済に充てた、それが事実なんだと思います。  事実、借入金の返済をした結果、今、日本は、一部上場企業の四三%ぐらい、四四%ぐらいがほぼ実質無借金ということになって、内部留保も、九月末で三百何兆円というところまで内部留保は増えてきておりますので、そういった意味では自己資本比率はもうかつてとは全く違ったものになってきたのが日本なんですが、問題は、その金がじいっとしていることで、本来ならそれは設備投資に回るか配当に回るか若しくは労働分配率を上げるか、どこかに行かなきゃおかしいんですけれども、どこの三つにも行かずにただただじいっと持っていた。なぜ持っていたかといえば、デフレだから持っていても価値は上がるということになって縮小均衡していった、簡単に言えばそういうことなんだと思いますけれども。  そういうような状況だったので、やっぱり私どもは、それに加えてリーマン・ショックもありました、東日本の大震災もありました、等々がありましたので、かなりその分もうイーハンもリャンハンもいろんなたくさん掛かってきたんだとは思いますよ。だけど、基本的には、私どもがそういった状況の中にありながら、少なくとも平成の始まりのころ、とにかくGDPでいえば五百兆とかなんとか言っていたものは変わらず、そのまま、ほぼ似たようなものがありながら、借金だけがどんどんどんどん増えていって、当時二百何十兆だった借金が今一千兆。金利はあのころ六%、五%ですから、今は〇・六ということになりますと、それは十分の一になった。借金は四倍に増えて金利が十分の一に下がったなんということは、常識的にはこれは我々の経済学ではもう全然付いていかないところなので、そういった状況に陥っているというのになっておりますので、私どもはこれから脱却するというのが最初に頭になければいかぬところなんだと思って今やらせていただいておるところであります。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 デフレが一番大きい理由だったということですが、それだとしますと、私は円高だったがゆえにデフレになったというふうに思っています。  私がこう言ってもなかなか信用していただけないでしょうから、ちょっと一つちょうどいいのがありましたので読ませていただきますけど、日経新聞の十一月十四日付けに、六面なんですけれども、ファイナンシャル・タイムズの特約があるんですね、特約記事が。ドイツ人の多くはユーロ圏の外にいた方がよいと結論付けるかもしれない。要するに、ユーロが崩壊した方がいいかもしれないと思うかもしれない。しかし、注意した方がいい。通貨同盟がなくなった場合、要するに崩壊してしまった場合、新ドイツ・マルクの価格は跳ね上がる。要するに、実体経済に比べて通貨ユーロが安過ぎると言っているわけですね、今。今の日本と逆なんです。そうすると、大幅な実質切上げで日本に降りかかったのと同様の事態が生まれるだろう。要するに、通貨が強くなった後、日本と同様のことが起こるだろうとファイナンシャル・タイムズの記者は言っているわけです。どういうことか。ドイツの製造業の多くが近隣諸国に移動し、景気後退が始まる。そして国内物価は下がる。  まさに彼は通貨が非常に大きいというふうに言っているわけで、私も全く同意でして、日本は財政政策と金融政策を最大限にやっている、にもかかわらず低迷したというのは、円高という天井が物すごく低くて、全部何やったって跳ね返されちゃうというふうに思っております。  そういう観点からすると、今のドル・円の百二円ちょっとの段階、どういうふうにお考えか。質問告知をしたときは百一円であったんですが、一円、ドル・円が跳ね上がりまして、日本にとっては非常にいい状況かなとは思うんですけれども、今の為替についてどう思われるでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは藤巻先生も御存じかとは思いますけれども、為替レートのことに関しては、各国財務大臣、中央銀行総裁、皆同じ立場なんだと思いますが、この市場について触れることはありませんので、これが適正とも安過ぎるとも高過ぎるとも、その一言でコメントすることはございませんので、御了解をいただきたいと存じます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 ただ、アメリカの財務長官等はよく強いドルはアメリカの国益だとおっしゃっていますので、せめて弱い円は日本の国益だとでも言っていただけると有り難いんですが、まあ言えないでしょうね。  一つ、週刊朝日で今年の三月八日号に、麻生財務相はきちんと国益を説明したというエッセー記事があるんですが、これは春のG20で、そのときはまさに新興国から円高は過激でまずいというふうに日本が攻撃を受けて、麻生大臣がそんなことはないというふうに反論したんですが、そのときの記事が、今回の麻生太郎財務相は立派だったと。アベノミクスの目的は円安誘導ではないと、きちんと国益を考え、凜として説明をされた。他国の顔色ばかりうかがって、円安という最大の国益を守る努力をしてこなかった歴代の指導者とは大違いだったと、こういう記事があったんですが、これ実は私の記事なんですけれども、まさにこういうふうに言っていただいたのは非常に有り難かったんですが、それならば、なぜもう一歩進んで、円安こそ日本に必要だと言っていただけなかったのかなと私は思っています。  考えられる答えとしては、近隣諸国が近隣窮乏化政策だというふうに文句を言うというのは大体考えられるんですけれども、じゃ、それだったらば日本は自国窮乏政策を取っていていいのかと。要するに円高のままですね。私が思うに、一九七三年から一貫して円高が進んでおりまして、日本は世界中の貧困を全部抱え込んでいたんですよ。そろそろ返してもらうべきかなと思うので、政治家として円安にしろと言ってもいいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 答弁を正確に申し上げれば先ほどと同じ答弁になるんですが、藤巻先生、間違いなく、私らが学生で向こうに住んでいるころは三百六十円、それがニクソンの金の兌換停止でいきなり三百円、そしてその後はずうっと下がっていって二百四十円、そして一九八五年、プラザ合意で百二十円、それでざあっと振れまして、以後御存じのようにどんどんどんどん円高になりまして、リーマン・ショックの後のとき百八円、それがおととしぐらい最悪最低で七十五円ぐらいまでに行ったんですけれども、やっぱり日本の通貨は物すごい勢いで強くなったんだと思うんです。  それが証拠に、同じような時期に金というものがどうなったかといえば、金が千ドルを付けましたのは、八〇年に付けたんですけれども、金が千ドル、ふざけるなという話になって、みんな金は売ったんですけれども、大量に売ってくれたのがいわゆる旧ソビエトでして、これは大量に金を売ってくれた。金はそれからぼんと下がりまして、どんどん下がっていったんですが、またガスが上がり、石油が上がったおかげで、またソ連は金を売らなくなったら、また金はするするするっと上がって、今、千四百、五百ドル付けていると思いますが、日本で金の話をする人は一人もおられません。  国会で私は金の話を聞かれたことは一回もありませんので、多分、金を持っていないというより、金に関心がないんだと思います。しかし、世界中の国会議員でこの種の話なら必ず金の話はしますから。金というのは、やっぱり何でみんなしないのかといえば、興味がないというより、だって金より円の方が強くなっちゃったんですよ、簡単に言えば。だって、円で計算したら、何だ、金って随分安くなったなとみんな思っている、兌換計算すればそうなりますので。だって、あのころは二百四十円で千ドルですから、今は百円で千五百ドルで、十五万と二十四万、九万円安くなったなということになりますので、それは金の話をしない。好意的に解釈すればそうです。多分ほとんどの方は御存じないか関心がないからしゃべらないんだと思いますが、現実としては二十四万が十何万円になったということになっているんだと思いますが。  私どもから見て、やっぱり円が強くなるということは日本のためにいいという、インフレの時代でしたから、いいということだったんだと思いますけれども、デフレのときになりますとそれは全然違ったことになってきているんであって、リーマン・ショックの前が百八円だったと記憶しますから、あのころから七十幾らまでだあんと円を上げられたにもかかわらず日本は耐えたんだと思いますが、その耐えたのがそもそも間違いだったんじゃないかという御説なんだと思いますが。  私もそのころは全く同じことを申し上げたんですけど、残念ながら、利あらず、民主党に負けましたので、あのときは。その案は、残念ながら私の案は採用されませんでしたので、以後、今回、その方向で私どもとしては、このデフレ脱却するためにはもうこれしかないといってやった結果、副次的に円が安くなったというように御理解いただければと存じます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 金に関しましては、確かに大臣がおっしゃったように国際価格と為替で日本円貨での金が決まりますので、世界中がインフレ期待を持って国際価格が上がっても円高だったのでチャラになっていた、若しくは下がっていたということで、まさに、大臣にこう言っちゃいけないんですけど、そうだったと思います。  また、もう一つ大臣がおっしゃったように、やっぱりインフレのときというのは円高、インフレを抑えるためには円高がよろしいですけれども、やはり円安、物を買うときは確かに円高がいいんですけれども、物を売るとき、円貨で売るときは円安の方がいいということで、当然今、日本は不況です、まだ不況ですから、円安にして物事を、物でもサービスでも労働力でも売っていくのが必要だと思いますので、やはり円安というのが必要かなというふうに思っております。    〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕  それで、もう一つ円安のちょっとメリットを申し上げたいんですけれども、先日の参議院の決算委員会で政府の方がやっぱりTPPで随分責められていたので、私はちょっと思い付きで、思い付きというか、いつも考えていることではありますが、一〇%の関税を撤廃して値段が、海外の製品が安くなっても、為替一〇%安くすればチャラだからいいじゃないのという話をしたんですね。麻生大臣は分かってくださったと思うんですけど、余り分かってくださらない官僚の方多いなと顔色を見ながら思ったんですけれども。  ちょっと説明いたしますと、一ドルのものを輸入するということで、一ドル百円のときは海外の農産物というのは百円なんですね。それに関税が掛かれば百十円だということですが、それは関税をなくしてしまうとやっぱり百円に戻ってしまう。だけど、一ドル百円だから海外農産物は百円なんだけれども、一ドル二百円になれば海外農産物というのは二百円になるよということで、一〇%上がって百十円になれば百十円になるのでチャラですよと、こういう話だったんですけれども、円安にすれば農家も助かるんですよね。  もう一つ、誤解があるといけないのであれですけれども、よく誤解されていることをちょっと申し上げておきたいのは、為替の問題になると輸出にいいとかいうんですけど、輸入産業にもいいわけです。どういうことかというと、日本のサトウキビというのはまさしく輸入産業だと思うんですけれども、今沖縄のサトウキビ、何であんなに補助金が必要かというと、円が強くなって強い円で海外のサトウキビ安く買えるから、しようがないから日本のサトウキビは競争力なくなっちゃって補助金が必要になっちゃったわけでね。サトウキビという国内産業、それから農業という輸入産業であったって円安の方がいいわけで、やはりもうちょっと為替を安くする方法というのを是非考えていただきたいなと思っています。  一つの誤解というのは、為替って動かせないと思っていらっしゃるんじゃないかと思うんですけど、私の実務経験からすると、為替は動かせると思うんですね、間違いなく、いろんな方法で。なので、是非為替を動かす方法を考えていただきたい。考えていただいて、いろいろ方法はあるんですけれども、是非円安誘導でいっていただきたいなと思っております。  コメントございますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) それは、藤巻先生、顎一つで動く部分がありますから、顎だけで動くわけですから、この部分はね。財務大臣とか中銀総裁が組んで一つ顎を、ちょろっとしゃべれば、ばっといって、このニュースがそのままもう十分後には世界中に回りますので、それはもううかつなことはしゃべれないから怖い、非常にこれでも控えめにしゃべっておるつもりなんですけれども。    〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕  いずれにいたしましても、安易なコメントをすることは差し控えなきゃいかぬところなんですけれども、いずれにおいても、為替レートというものは市場において決定されるべきものであるというところは基本に置いておかないと、我々としては極端なときになったときにはそれは介入せざるを得ないというときもあるとは思いますけれども、基本としては市場においてウエートが決まるというのが、藤巻先生、やっぱり本来あるべき姿で、故意に操作するとちょっといろいろ問題が起きるんだと私ども思っておりますので、基本的には慎重な対応をしてまいらなければならぬと思っております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 大臣のおっしゃる、為替は市場に任せるべきだというのはもっともだと思います。  ただ、今の日本の現状というのは、国力に比べて円が強過ぎるんですね。これはなぜかというと、私は日本に市場原理が働いていないせいだと思うんですよ。例えば、日本に市場原理が働いていれば、これまで量的緩和をすれば、日本は名目GDP全然低いですから、海外にお金が流れていくんです。やっぱり海外投資するわけですよ。なので、円安ドル高が進むんです。これは市場原理が発達していればなんですけれども、日本は市場原理が発達していないんですね。  一例は、例えばゆうちょ銀行なんですが、お金じゃぶじゃぶにしてゆうちょ銀行にお金を預けても、ゆうちょ銀行、国債しか買わないんですから。アメリカの銀行だったら間違いなく海外に行かないと経営者、首ですから、市場原理によって株主に首になりますから、市場原理で海外へ行くんです。リターンのいいところへ行くんです。  でも、日本は、何というか、ゆうちょの経営者の方、別にゆうちょの経営者の方を責めているわけじゃなくてそういう仕組みを責めているわけですけれども、損をしないことが目的なのでどうしても国内へ行っちゃうということで、海外に流れていかないわけですよ。そういうような理由で円高になっているので、別に今マーケットがワークしていないんだから、円安にするというのはいいのかなと。  もし、効率的なマーケットで為替が実体経済と合致しているなら、これはやっぱりマーケットに逆らって動かしちゃいけないと思うし、顎じゃ動かないですよ、やっぱりそういうときは。今動いたというのはやっぱり実体から離れているせいだと思うんですけれども。  そういうことで、やっぱりどしどし、おっしゃれないことはおっしゃらなくてもいいんですけど、こっそりと日本のために円安にしていただければと思います。  時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 再び平野達男でございます。  もう財政金融委員会のクローザーという立場で定着したかなというふうな感じでありますけれども、今日はちょっとマクロ的な金融という観点で、自分自身が消化できない部分も多々あるんですが、いろいろとちょっと議論をさせていただきたいというふうに思います。  リーマン・ショックからまず五年ということでございますけれども、五年たってリーマン・ショックから得られた教訓というのは様々なことを今言われておりますけれども、またこれ視点のとらえ方によっていろんなことが言えるかと思いますが、麻生大臣は日本若しくは世界はどういう教訓を得たというふうに認識をされておられるでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 金融システムというものがきちんと動かないと今回みたいなことになるんだと思いますが、アイスランドという国はたしか銀行が五つか六つかあったはずですが、政府のいわゆるGDPに対する負債率は二〇%、日本が二〇〇%ぐらいですから約十分の一と思っていただいていいんだと思いますが、このアイスランドは全銀行がサブプライムローンに貸し込んでいたために全銀行が倒産。したがって、全銀行が倒産すればアイスランドの中で一種の金融活動は止まりますので、国が介入して国有化してそれをもう一回動かすということになって、銀行が抱えていた借金を全部国が引き受けたためにアイスランドは財政破綻ということになりました。  これは簡単な例、民間の行為を国がきちんとやっていないと国自体が崩壊したという一つの例なんですけれども、それぐらい大きな金が今度のリーマンのときは動いたんだと思いますが、そういった金融システムそのものが崩壊するというようなことに関しては、これはきちんと対応するようなものをあらかじめ、少なくともG20ぐらいのところでは考えておかないと、少なくともいざというときには何をしていいか全然分からぬということになって、この前のときにはIMFに日本から一千億ドル、当時で約十兆円の金をローンで融資して、結果としてIMFの崩壊を免れて、あとアメリカもそれからEUもそれぞれ一千億ドル、一千八百億ドルずつ出したのかな、何かそれできちんと今一応動いた形になっておりますけれども。少なくとも、これだけ何というか入り組んだ形になっておりますと、そこのところをきちんとあらかじめ用意しておくという必要というのが今度のリーマンから得られた一番大きな内容ではなかったかなと思っております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 要するに、まさに、まさかのときに備えて備えるということだろうと思いますけれども。  私は最近グリーンスパンさんのちょっと本を読みまして、彼は要するにリーマン・ショックを全く予見できなかったということで、ネバー・ソー・イット・カミングという、今月号のフォーリン・アフェアーズにちょっと出ていますけれども、その中で、アニマルスピリッツという投資家の心理のことをいろいろ言っているわけです。三つのことを言っていて、一つはリスクアバージョンということと、それから二つ目はタイムプリファレンス、それから三番目はハードビヘービアということだったんですけど、要するに集団行動ですね。タイムプリファレンスというのは、先のことを考えない、今のことしか考えない。一番目はもうリスクアバージョンということで。  IMFとか世銀とか、世銀もいろんな複雑なモデル持っているらしいんですが、全く予想できなかった。IMFに至っては世界は順調だと言っているし、当時のJPモルガンにしても何にしても、金融システムは正常に動いているといったときに、一晩でというか突然、市場流動性が収縮しちゃって、もう投資家が突然いなくなってしまったという。要するに、リスクを避けるために一気に動いたということですね。  ここで言っているのは、突然起こってきたという不連続の要するに危機だったということだと思います。それに対してどのような準備をするかということについては、これはなかなか難しい議論ですけれども、そのために今、世界的に今、中央銀行の総裁なんか集まっていろいろ議論しているし、だからバーゼル3のやつを入れてみたりとか、あるいは日本でも預金保険機構が六月の改正で保険会社とかなんかにもあらかじめ資本注入を入れるようなシステムを入れたりとか様々なことをやっていますが、要は、要するに、予測不可能な複雑な経営の中で事が起こったということだと思います。  それで、何を言いたいかといいますと、実は私もよく分からないんですけれども、ニール・ファーガソンという、私は非常に好きな人なんですけれども、歴史家がいます。この方はよく金融史とかそれから戦争のお話とかいろんな本を出しているんですが、この人もやっぱり複雑系の崩壊ということで、今いろんなシステムが複雑化していますから、これは突然やってくるんだということを今までの帝国史の中から分析しているんです。これは二〇一〇年にそういうものを出しています。  その人は、そのニール・ファーガソンの場合は、金融というよりは、背景に物すごい債務がたまっていたと、これがやっぱり起点にあるんだということで、それはある項で、断続的に国の勢いが衰えるというんじゃなくて、何かの小さなきっかけでもってそれがばっと広がって破局が起こってきたというのがこれまでの歴史じゃないかというような、そんなことを言っています。  だから、私は、翻って考えますと、今の日本の要するに財政のこの七百五十兆、一千兆、この債務の要するに拡大リスクというのは非常に高いんじゃないかというふうに思っておりますけれども、この要するに、アンプリディクティブリーというか、予見できないリスクというものについて、リーマン・ショックというのは、要するに、何も、アメリカの中央銀行でさえも、世界中も誰も予測していなかったというのに起きたという中で、しかしやっぱり、この財政という問題、また戻りますけれども、日本は非常にそのリスクを抱えているということの中で、やっぱり何が起こるか分からないんだという意識はしっかり持っていくということも大事なことではないかなというふうに思ったりしておりますけれども、コメントがございますればコメントをいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、平野先生がおっしゃるとおりに、いろんな要素があるんだと思いますけれども、先ほど、井上先生だったか、ちょっと質問のときにお答え申し上げたんですけれども、藤巻さんだったか、御説明申し上げたんですが、こんなに借金をしたら金利が上がるぞ上がるぞ上がるぞ上がるぞって言ってずっと下がり続けたわけですから、大蔵省はオオカミ少年かと。ずっとおまえ上がる上がるって言っていたじゃないかと。ずっと下がって〇・六か、もう本当に金利がないに等しいみたいなところになったじゃないかという一つの現実があります。  傍ら、私どもから見ますと、自国通貨だけで国債を発行しておる国は、今、イギリス、アメリカ、スイス、日本、多分四か国しかないと思いますけれども、この四つだけで、あとの国はみんな何らかの形で外債でやっておりますので、円というものは物すごく信頼の高い通貨になっておりますので、金よりある意味高いという先ほど申し上げた話になっておりますので、そういったところがあるんで、何となく私ども国内にいるとぴんとこないんですけど、海外から見ると物すごくリスクは低い、安全牌な国に見えるんですけれども、数字の上からいきますと、先ほど言われましたように二〇〇%、GDP五百に対して千といえば約二〇〇%ということになりますので、これ平成二年度で二百十七兆で六・九二ですもんね、金利が。今が千兆で〇・六ですから、簡単には十分の一、借金は四倍ぐらいになっているという計算ですから。  その意味からいきますと、やっぱり私どもとしては、もっと大丈夫じゃないかと、もうちょっといいんじゃないかという話になって、おまえ、ずっと駄目だって言い続けたけど、ずうっと増えても、だって金利はずっと下がってきたじゃないかと。もうちょっと下がるんじゃないかって、そのうちマイナス金利どころか、金を預かってやるから預かり賃出せというような、スイスの銀行で一部ありますけれども、そういったようなことをやるぐらいなところまでなるのかといえば、ちょっとそれは幾らなんでもというんで、どこかにという気があるというのは常に持っておかないと、今、千で大丈夫だって、じゃ千二百でも大丈夫か、千五百でも大丈夫かって、そんなわけにはいかぬのではないかということはちょっと頭に入れておかないといかぬところだと思って、急に来ると、徐々に来ない、どんと来るという今のその方の御説というのは、少なくとも、アメリカでいえばリーマンでよく言われますけど、その前にフレディマックだ、ファニーメイだというような、日本では住宅公社みたいなところがばばっと潰れておりますので、あのときに危ないなと思って売り抜けた人もいっぱいいらっしゃいますけれども、やっぱり予兆がなかったわけではないんですけれども、少なくとも、リーマンという人をポールソンという当時の財務大臣がすぽんと見捨てたみたいな形になって、結果的にはどでかい騒ぎになって世界中を巻き込んだ。あんたらの責任でしょうがと、あんたらが巻き込んだんじゃないかということを私は面と向かって、知らないわけじゃないから言いますけれども。  是非、そういった意味でいきますと、今度はこちらが加害者になり得る可能性というのを意識は持っておかないといかぬところなので、対応は重々注意して事に当たっていかねばならぬ。国際金融というのを分かっていないと、もう非常にえらいことに巻き込まれる、巻き込ませるということにもなろうと存じます。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 いずれ、今、日銀はグロスで九十兆、ネットで五十兆のこれは国債を買い入れているということで、実質的に、これはいろいろがあるかと思いますけれども、キーピングオペレーション、アメリカがやったようなことの、やっているということもありますし、アメリカもEUも今一気に金融緩和していますから、世界的に今お金が要するに余っている、余っているというか、だぶついているという状況の中で金利に対してのやっぱり低下圧力はあるんだろうというふうに思いますし、だけどやっぱり、今、麻生大臣がおっしゃったように何が起こるか分からない、そして、EUも、今は大丈夫だろうと思ったときにリーマン・ショックみたいなショックが起こってきたという状況の中で、私は、やっぱり今のこの財政の状況というのは、引き続き、相当強い危機意識という、余り危機意識持って市場を攪乱するというのもあれですけれども、しっかりとしたウオッチをしていくということが必要ではないかということは繰り返し申し上げさせていただきたいというふうに思います。  この点については、また時間がありましたら機会を改めていろいろお話をさせていただきたいと思いますが、時間がちょっとないんですけれども、通告していた話を一点、お話をお聞きしたいと思います。  さっき日銀の国債買入れの話をしましたが、今の計画だと、一四年末に日銀は百九十兆の国債、そして国債の全体のその枠組みもちょうど、国が発行する十年債あるいは五年債とかありますけれども、その割合とほぼ同じにしたいというようなことで言っています。ちなみに、一三年三月末で九十一兆でありますから、百兆ぐらいのお金が、国債に行っていた金が市場に出てくるということになります。しかも、前の量的緩和と違いまして、今回の場合は長期国債ですから利率が付いています。金融機関はかなり国債に、そこに投入したということになりますけれども、百兆の要するにあれを日銀が吸い上げますから、そのお金がどうなるんだろうかというちょっと問題が出てくるかと思います。  既に、年金積立金管理運用機構ですか、そこはもう既にポートフォリオの見直しを始めておりまして、そういった流れを多分受けて検討し始めているのかなということなんですが、先ほど西田委員の中に、輸出がなかなか伸びない、その背景の中には設備投資がなかなか進まないんだという話もございました。国内的にその受皿が本当にあるのかないのか。もしないとすれば、また株式に向かうか、不動産に向かうか、あるいは海外に向かうか。海外に向かうことについては先ほど藤巻委員が様々な御議論をされましたけれども、この百兆という、二年、たったこの期間の中での百兆が出てくるということに対してのインパクトといいますか、それをどのようにお考えなのかということについてちょっとお伺いをしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行とのいわゆる共同声明というのを今年の一月、当時、白川総裁と私どもとさせていただいたときの状況というのを考えますと、やはりデフレーションというものをインフレーションにしてもらうというので、インフレターゲットという言葉がよく使われますけれども、一五%や二〇%だったインフレーションを二%に抑えるというインフレターゲットは各国いろいろやってこられましたけど、デフレーションのものをプラス、マイナスだったものをプラスにして二%のインフレ率なんというのをやった経験は世界中ありません、日本が初めてですから。  そういった意味からいきますと、これはかなり思い切った形でというので、金をオープンエンドでばっと出しますという話をされて、結果としてここまでは効果が上がって毎月買っておられるんですけれども、私は正直言って金利はもっと上がるなと思って覚悟していたんですけれども、逆にまた下がった。これはきれいに外れたんですけれども。  そういった意味では、私どもとしては、ここのところはよほど注意して申し上げないかぬところですけれども、今、日本銀行としては市中銀行に金を出す、国債を市中から買うということは市中銀行のマネタリーベースが増える。いわゆる日本銀行当座預金というのが、例えば岩手銀行なら岩手銀行の中の当座預金が増える。問題は、その増えた預金がそこから先へ、何々産業に出ていけば、そこで設備投資が起きるか消費が起きるか何が起きるかは別にして、金が市中に回るんですけど、回らないと、竹中平蔵という方が昔いらっしゃいましたが、まあ死んでないんでまだ生きていますけど、竹中平蔵という方がおられたころに三十兆増やしたのかな、マネタリーベースで。たしか三十兆増やして、もっと出せ、もっと出せで、結果的に一円も出ないでそのままじっといて、結果的にあのときは何のことも起きなかったということになったのが過去の歴史です。  したがって、今回はやっぱりそこから先に金がマネーサプライに変わっていくように、市中銀行、市中に金が回るようにするために第三の矢という産業成長戦略というものをうまく動かさないと、金が、単に日銀の金がそこにたまっているだけで、国債の代わりに現金がたまって、たまった現金は何にも生みませんから、またそれで国債買うなんていうことにしかほかに運用方法がないなんていうことになると、これはなかなか、この道はいつか来た道になりますので、私どもとしては市場が動き出すように、いわゆる私どもとしてはしゃにむに、今やったら、設備投資したら一括償却認めてあげますとか、また何とかしますとか、いろんなことを申し上げているんですけど、それがうまくいくかどうかというのは、それが今から最大の問題と私どもは覚悟しております。

平野達男新党改革・無所属の会

○平野達男君 さっきのあの三十兆の量的緩和のときは、短期金融市場から短期証券を買って当座預金に積み上げたということ。それからあと、麻生大臣言われましたけど、当時はデフレということですね。今回は、物価目標を上げて数字を上げようとしています。それから、金利の付いた長期の国債を買っている。だから、その部分をどこかで運用しないと金融機関が困ってくるはずなんですね。だから、その動きがどうなるかということだろうというふうに思います。  あの三十兆をやっているときは、あれ、何か豚積みとか言いましたね。豚だ何だって言ったら豚がかわいそうじゃないかと、何で豚積みと言うんですかと聞いたら、とんと分からぬという、こういう答えが返ってきたみたいな、そんな話を予算委員会でちょっと冗談めきながら、これ議事録に載っちゃっていますけど、その話をちょっと議論した経過がございますけれども。  今日は時間でございますから、ちょっと中途半端になりますのでここでちょうどお話を切らせていただきますが、多分、言いたかったのは、これからひょっとしたら海外にどんどんどんどんお金が向かう可能性も出てくる。だけど、今、ヨーロッパ、アメリカも金融緩和をしたことで、かなり先ほどアメリカは藤巻委員の中では海外に出ているという話ですが、今度は金融緩和を締めるときに、金融緩和をやめるときに資金を引き揚げてくるんじゃないかというようなことで、今、新興国はそのアメリカの要するに金融の引締めに非常に神経質になっているという中で様々な影響があるんだろうというふうに思います。  そういう中で、日本がどういう役割を果たしていく、あるいは先ほど加害者になるかもしれないというお話がございましたけれども、こういった問題につきましてもまだまだ私自身、未消化な部分がございますけれども、いろんな形でこれからも議論をちょっとさせていただきたいということを申し上げて、ちょっと通告した部分の三分の一ぐらいしかできませんでしたけれども、終わらせていただきます。  ありがとうございました。

塚田一郎自由民主党

○委員長(塚田一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四分散会

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