財政金融委員会 第4号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/11/21
会議録
○委員長(塚田一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、薬師寺みちよ君、足立信也君及び金子洋一君が委員を辞任され、その補欠として風間直樹君、小野次郎君及び難波奨二君が選任されました。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融機関における反社会的勢力との取引問題に関する件を議題といたします。 本日は、本件について参考人の方々から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、一般社団法人全国銀行協会会長國部毅君、株式会社みずほ銀行取締役頭取佐藤康博君、日本証券業協会会長稲野和利君及び一般社団法人日本クレジット協会会長大森一廣君でございます。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願いいたします。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾でございます。 本日は、参考人の皆様、本委員会に御足労賜りまして本当にありがとうございます。 また、委員長を始め委員の皆様、私の質疑の時間をいただきまして、本当に御礼を申し上げます。 それでは、早速質問を始めさせていただきます。 十月二十八日、みずほ銀行は外部の弁護士で構成する提携ローン業務適正化に関する特別調査委員会の調査報告書がまとまったのを受け、それを公表されました。この報告書が多くの報道、そして衆議院の委員会での議論のベースになっております。 そこで、みずほ銀行の佐藤頭取にお聞きをいたします。 特別調査委員会の委員長及び委員の計三人及び調査補助者である十一名の弁護士は、誰がどのような基準で、理由で選任したのか教えてください。
○参考人(佐藤康博君) みずほ銀行の佐藤でございます。 まず最初に、この度はみずほ銀行におけます反社会的勢力との関係遮断への対応に不十分な点がございました。また、金融庁への御報告内容に誤りがありましたことなどによりまして、お客様、そして株主、関係各位の皆様に大変な御迷惑と御心配をお掛けしましたこと、また広く社会をお騒がせいたしましたことに関しまして、深くおわびを申し上げたいと思います。 反社会的勢力を社会から排除していくということにつきましては、社会の秩序やあるいは安全を確保していく上で極めて重要な課題でございまして、民間企業の中でも特に公共性を有し、経済的に重要な機能を営む金融機関といたしましては、より高いレベルで反社会的勢力の関係の遮断に向けた取組が求められるところ、私どもの対応に至らぬ点がありましたことは、大変申し訳なく、心から反省をしておる次第でございます。 ただいまの御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。 私どもは、この度の事案を踏まえまして、事実の確認、及び原因の究明、及び私どもの改善対応策に対する妥当性の評価あるいは提言をいただくべく、十月の八日にいわゆる第三者委員会であります提携ローン業務適正化に関する特別調査委員会を設置いたしまして、十月の二十八日に調査報告書をいただいたわけでございます。 本委員会は、委員長として元名古屋高裁の長官で弁護士の中込秀樹先生、委員として同じく弁護士の志田先生、そして石綿先生の計三人の方に御就任いただきました。なお、委員会の立ち上げに当たりましては、日本弁護士連合会の企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインの指針を踏まえまして、みずほとの利害関係がなく、また企業不祥事やコーポレートガバナンスといった今般の事案に関連する分野に精通されたこれら三名の方々を適任と判断いたしまして、委員として御就任いただいたものでございます。 以上、お答え申し上げました。
○三宅伸吾君 それでは、次にお聞きします。 この特別調査委員会の委員長及び委員三名が所属する三つの法律事務所及び三つの事務所に所属する弁護士とみずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループの関係を教えてください。具体的に申し上げますと、法的助言を受け報酬を支払ったり、法律事務に関する取引関係の有無、その概要。そして、三つの法律事務所及び所属する弁護士に対するみずほ銀行による融資の実行等、取引関係の有無、ある場合には概要を教えてください。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 特別調査委員会におけます三名の委員及び委員の方々が所属いたします三つの法律事務所とみずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループとの間におきまして、過去、個別の事案で御相談した事例はございますが、いずれも今回の個別の案件とは無関係でございまして、また、特に顧問契約といったようなものも結んでおりませんことから、利害関係を有するものには該当しないという認識でございます。 また、みずほ銀行と三つの法律事務所及び所属する弁護士の方々との間における融資等の銀行取引に関する御質問に関しましては、個別の取引に関する事項でございますので回答は差し控えさせていただきたいと思いますが、当該取引関係において利害関係を有するということには当たっていないという認識を持ってございます。 なお、本特別調査委員会におきましては、日本弁護士連合会のガイドラインに沿いまして、利害関係の点も含めまして、中立公正、客観的な調査を実施いただけるという方をお選び申し上げたというふうに理解してございます。 以上でございます。
○三宅伸吾君 今回の提携ローンに関する法律事務については、三名の弁護士の委員と法律事務に関する報酬のやり取りはないけれども、他の事案については三名の委員の全員又は一部の方と法律事務に関する取引があったということでよろしいですか。
○参考人(佐藤康博君) 御指摘のとおりでございます。
○三宅伸吾君 この調査報告書の八ページでございますけれども、みずほ銀行と利害関係を有しない外部の専門家から構成される第三者委員会と記述がございます。また、みずほ銀行公表の十月二十八日付けのプレスリリースにも第三者委員会との記述があります。 今の佐藤参考人の御発言ですと、他の案件で取引があっても利害関係を有しないと、ゆえに日本弁護士連合会の第三者委員会ガイドラインに充足をしているという御発言だと理解をしましたが、それでよろしいでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 先生の御指摘のとおりでございます。 受けていただきました先生方の方でもそのことは確認を済ませてございますし、私どもの方といたしましても、私どもの法律の専門家にこの取引関係も含めて特別的な利害の関係に当たるものではないということを確認した上でスタートしたものでございます。 以上でございます。
○三宅伸吾君 この日本弁護士連合会、二〇一〇年七月十五日公表の企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインにおきましては、第三者委員会ということの定義がありまして、企業等から独立した委員のみをもってというふうに定義をしております。 厳密に言えば、一切の取引関係がないという方の方がより独立で客観性があり、第三者委員会という言葉の響きに国民の方もより納得がしやすいのだと私は思います。それから、三人の弁護士の方が所属されている法律事務所と貴行の関係については開示できないということでございましたけれども、もしないのであれば開示できるような私は気がいたします。 今回のこの調査報告書は、多くの報道のベースになっておりますので、できる限り客観性、そして独立性、第三者性がきちんと担保されているということを参考人自らがきっちり具体例を挙げて述べられた方がよりこの報告書の妥当性が高まると思って私は質問をいたした次第でございます。 次に御質問いたします。 佐藤参考人及びみずほ銀行のスタッフの方は、この調査報告書の完成版又はドラフトをいつ初めて御覧になったでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 この調査報告書の完成は十月の二十八日が最終的な完成版でございますので、そのときに私あるいは関係者が最終版を目にしたということでございます。
○三宅伸吾君 特別調査委員会が公表する前でしょうか、後でしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 日にちとしては十月二十八日でございますけれども、第三者委員会が記者会見を開かれてその内容を御説明されたのがその日の午前中でございましたけれども、私どもは、その調査報告書の内容を踏まえまして、金融庁に対しまして私ども業務改善報告書を作成、最終版を作成する必要がございましたので、当日、十月二十八日の記者会見の直前にその最終バージョンを拝見させていただいた、そういう時系列でございます。 以上でございます。
○三宅伸吾君 記者会見の直前になって初めて調査報告書を見せてもらって、その内容に基づいて金融庁に報告したとおっしゃったと理解をしておりますけれども、時間的に金融庁に対する報告書をまとめる余裕がないような気がするんですが、いかがでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 正式な最終的な調査報告書ということにつきましては今申し上げましたとおりです。 ただ、文書の文言等はそのときに初めて確認いたしましたけれども、第三者委員会の本件に対する考え方、あるいはみずほに対する提言、あるいはその問題点の御指摘等につきましては、個別のヒアリング等の中で概略的なところについてはある程度つかむことができましたので、私どもの業務改善計画の中にはそうした方向感について私どもなりに考えたものをあらかじめ入れておきまして、最後の御報告、金融庁の御報告の段階に、文言も含めて方向感を合わせた上で御報告いたしました。特に、第三者委員会の最終報告の中では、もっとこうすべきであるということを、具体的な御提案を四点ほどいただいておりますので、それはすぐに入れて最終的な金融庁の報告にさせていただいたというものでございます。 以上、お答え申し上げました。
○三宅伸吾君 日弁連のこのガイドラインによりますと、第三者委員会は調査報告書提出前にその全部又は一部を企業等に開示しないと書いております。この日弁連のガイドラインは法的拘束力があるわけでもありませんし、このガイドライン自身が一つのベストプラクティスの参考にしてほしいという意味でまとめたものでございますので、できる限り、繰り返しになりますけれども、独立性の高い客観性の担保された、こういう方がこういう方法でちゃんと調査をしたんだからその報告書が提示している事実は妥当であろうというような外観をもっと高めるような御努力をされた方がよかったように私は思います。 話題を変えますけれども、この報告書によりますと、みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループのコンプライアンス委員会及び取締役会合計八回において、提携ローンに係る反社取引の事実が記載された資料が提出をされているということでございます。佐藤参考人は計四回出席、塚本様は五回だと記憶をしております。佐藤参考人を含め、複数名の取締役、監査役が反社会的勢力との取引に関する事実を知り得る立場にいたわけでございます。資料に目を落とせば知り得る立場にあったことは間違いないわけでございます。 経営を厳しくチェックすることを期待される監査役を含め、一体何をされていたのでございましょうか、頭取の御見解をお聞きしたいと思います。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げたいと思います。 ただいま御指摘いただきましたとおり、その記述の内容はともかくといたしまして、そうした重要な反社会的勢力の排除にかかわる問題につきましては、より高い意識でもって判断する、あるいは認識するべきであったというふうに考えておりまして、その点につきましては心から反省を申し上げたいと思います。 実態的に、この私自身が出席いたしました四回のコンプライアンス委員会及び取締役会につきましては、全体の資料が百ページ以上に及ぶ大部の中で、その中の一ページの八分の一程度のところに参考という形で記載されておりまして、また、それについて、誰か説明者あるいは発言者がいたというわけではございませんでしたので、具体的な問題の所在等につきまして私自身が認識するには至らなかったというのが実態でございます。 大変申し訳ない状況でございますけれども、今後は、この委員会の在り方、あるいは書類の提出の仕方、説明の在り方等も含めまして、今回のことを大きく反省いたしまして、運営そのものを根本的に変えてまいるように今取り組んでおるところでございます。よろしく御理解のほどをお願いいたします。
○三宅伸吾君 みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、いわゆるメガバンク三行のうち、本年十月末日までに社外取締役を導入していなかったのはみずほ銀行だけだと理解をいたしております。ただし、みずほ銀行も十一月一日付けで社外取締役を一人入れておられます。今までいなかったのに、今回どうして選任をされたのでございましょうか、理由をお聞かせください。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたとおり、みずほグループは、持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ、これが上場会社でございますが、ここには社外取締役を三名配置してございましたけれども、その傘下にございますみずほ銀行、これは非上場会社でございますけれども、ここには社外の取締役を配置してございませんでした。 これは、持ち株会社の社外取締役と、それから監査の組織でもって牽制が利くという判断でございましたけれども、今回のことを大きく反省いたしまして、御指摘いただきましたように、十一月から甲斐中先生に社外取締役に就任していただきまして、特にみずほ銀行におけるこの反社会的勢力の問題等を含めたガバナンスの問題についての見識の高い先生でいらっしゃいますので、しっかりとみずほ銀行の社外取締役としていろいろな御助言をいただきたいというふうに考えた次第でございます。 また、私どもの持ち株会社の下にございますその他の大きな会社でございます、みずほ信託銀行とそれからみずほ証券のこの二つにつきましても、現在、社外の取締役を採用させていただくように具体的な検討を始めたところでございます。 また、みずほ銀行も、甲斐中先生だけではなくて、あと数名、その道のガバナンスあるいは反社といった観点の専門家を中心に、もう少し社外の人数を増やしていくことを考えていきたいというふうに考えているところでございます。 以上、お答え申し上げました。
○三宅伸吾君 政府は、本年六月に発表いたしました日本再興戦略という文書の中のコーポレートガバナンスの強化という項目で、独立性の高い社外取締役の導入を促進するための措置を講ずるなど、少なくとも一人以上の社外取締役の確保に向けた取組を強化すると明記いたしております。また、かねて自由民主党も、主には上場会社ではございますけれども、独立社外取締役の選任を普及するような方向での提言をしているところでございます。 佐藤参考人にお聞きしたいと思います。日本の企業経営、特に大会社、上場企業における社外取締役の有用性について佐藤様の御見解をお聞かせください。
○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げたいと思います。 私自身、二〇一一年の六月から、持ち株会社の社長として社外の三名の方々とまさに取締役会を運営してまいったわけでございます。私自身の印象も含めて申し上げれば、それぞれの見識あるいは御経験等で、取締役会自身の中で大変貴重な御意見をたくさんいただいております。 また、みずほフィナンシャルグループの場合には指名委員会と報酬委員会というのがございまして、これは、ある程度以上の役員の報酬、あるいは誰を役員にするのかというようなことにつきましても、この三人の社外の取締役と私の四人で構成した委員会でそれを決めていく体制を取っておりまして、そういう意味では、銀行の中だけの閉じられた世界でそうした役員の選任とか報酬を決めていくということではなくて、より広い見識からそういったことについても御助言をいただいているということで、非常に大きな助けになっているという認識をしてございます。 以上でございます。
○三宅伸吾君 四人の参考人の方にそれぞれお聞きしたいと思います。 これまでの衆議院での参考人の質疑の中でも話題になりましたけれども、この反社会的勢力との取引につきましては、これを事前に防止するという入口チェックの問題、それと併せて、不運にも反社会的勢力との取引となってしまった当該取引の解消法である出口の問題、この二つが大事であるという議論があったかと思います。 入口の問題につきましては、各業界の有する情報データベースの共有を図る。特に重要となるのは、警察情報へのアクセスをしやすくする環境づくりが必要だというような点では意見が一致しているように私は思っております。 他方で、出口チェックのところですね、出口の解消の点が、まだまだ克服すべき困難な課題があるということだと思います。例えば、債権回収の末端の現場で私はこういうことを耳にしたことがございます。債権回収の費用対効果を考え、一部債務を免除することで払える部分だけを払ってもらう、こうした和解協定による債権回収が実務ではなされているけれども、このやり方を反社会的勢力が債務者であった場合にやると、反社への利益供与だとして警察ににらまれる可能性がある、実務が一部混乱をしているということを耳にいたしました。出口戦略といたしましては、預金保険機構を関係する金融機関が幅広く活用すべきだという議論も聞いております。 そこで、四人の参考人にお聞きいたします。 まず、佐藤参考人についてお聞きします。 みずほ銀行においては、去る十一月十三日の衆議院財務金融委員会の中で、私どもとオリコが、弁済した債権のその後の回収を一緒にやっていくという仕組みを、協働の委員会組織を立ち上げてと発言をされております。具体的にどのような取組なのかを教えてください。 また、他の参考人の方には、この出口戦略の部分で、利益供与問題を含め政府や与党に問題解決のために要望することがございましたら、忌憚のない御意見をお聞かせください。
○参考人(佐藤康博君) オリコとの関係についてお答え申し上げます。 御指摘いただきましたように、本件を踏まえまして、オリコとの間で協働の委員会を立ち上げさせていただきました。といいますのは、私ども、オリコに発生しました今回の問題の反社会的取引につきましては、既に全てオリコに代位弁済をお願いして完了してございます。しかしながら、私ども、オリコは持分法の子会社でございますのでオリコの中にその債権はまだ残ってしまうということから、厳密に申し上げればグループの外に出ていっていないということでございますので、これをオリコだけに任せるのではなくて、実際の該当した債権について、しっかりとそれを回収あるいは解消するために、銀行自身のデータあるいは人脈等を使って、それを私どもみずほ自身がオリコと一緒になってやるための委員会ということでございますので、反社情報の共有、それから人脈の共有、具体的な排除の仕組みについての協議といったようなことを中心にこの委員会で討議を進めて、反社の具体的な取引の解消に向けて進めているところでございます。 以上、お答え申し上げました。
○参考人(國部毅君) 全国銀行協会の國部でございます。 ただいまの反社会的勢力あての与信の解消の話でございますが、この解消に当たりまして私が大変重要なことだと思いますのは、やはり警察あるいは弁護士等との連携の強化を図りながら、断固として関係遮断の措置を講じることだと思っております。この点、各都道府県の県警の皆様方には、引き続き反社会的勢力との関係遮断に向け、反社情報の確認であるとか、あるいは取引解消の支援など、様々な観点から連携をさせていただきたいというふうに思っております。 また、先生の御発言の中に、預金保険機構の買取り制度のお話もございましたが、この辺も預金保険機構とお話をさせていただいて、買取り頻度を従来より高めるなど、より柔軟な運用が行われれば更に機動的に活用しやすくなるというふうに思っております。 以上でございます。
○参考人(稲野和利君) 日本証券業協会会長の稲野でございます。 既存顧客が反社会的勢力と判明した場合、どのようにしてそれを解消していくのかという御質問であろうかと思いますけれども、まず当協会が公安委員会から認定を受けました不当要求情報管理機関として存在しており、さらにその中にこういった問題、反社会的勢力との関係遮断に関する専門部署を設けています。したがって、会員証券会社から協会が個別に相談を受けるということも当然ございます。さらに、加えまして、全国四十七都道府県に証券警察連絡協議会というものを設置しておりまして、ここで反社会的勢力に関する情報交換、あるいは反社勢力を排除するための研修、さらには具体的対応といったことを行っております。 國部参考人からも御指摘がありましたように、関係当局との連携というものが非常に大切であって、なかなか、具体的に浮上した既存顧客である反社会的勢力を個々の証券会社独力で排除をしていくということは現実的にはかなり難しい面がございますので、私ども日証協、そして警察当局も含めて、特に証券警察連絡協議会、そこには金融庁等もメンバーで加わっていただいておりますけれども、関係当局との連携を強化して排除に努めていくということが肝要かと存じます。
○委員長(塚田一郎君) 時間でございますので、簡潔にお願いできればと思います。
○参考人(大森一廣君) 日本クレジット協会の大森でございます。 ただいまの質問につきましては、ノンバンクにつきましては金融機関にございますような預保あるいは整理回収機構という受皿の仕組みはございません。したがって、今現状、ノンバンクは何をやっているかというと、そういう反社勢力に強い弁護士等と連携した上で解消を図っておるというのが現状でございます。そのときに問題になるのが、原契約書の約款の中に暴排条項があるかないか、これによって対応が違ってくると、こういうふうに思っております。
○委員長(塚田一郎君) 三宅さん、もう質疑時間は終了していますので、これで終わってください。
○三宅伸吾君 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(塚田一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中山恭子君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君が選任されました。 ─────────────
○大塚耕平君 民主党の大塚耕平でございます。 今日は、参考人の皆様、お忙しいところ御出席いただいて、ありがとうございます。 限られた時間でございますが、これだけ大きな問題になって、国会も、また皆様方もこうして時間を割いて審議をさせていただいておりますので、反社勢力への対応が社会全体としてどうあるべきなのか、こういう点について、少しでも今後の向上につながるような意見交換、質問をさせていただきたいと思いますので、是非端的にお答えをいただきたいと思います。また、基本的な質問事項は事前にお伝えをしておりますので、是非答えの部分だけを本当に端的にお答えいただきたいと思います。 衆議院の議事録も全部読ませていただきましたけれども、まずクレジット協会の会長さんにお伺いをしたいんですが、公知情報、公に知る情報をベースに対応しているということを再三発言しておられますけれども、公知情報とは何かということを端的にお答えいただきたいと思います。
○参考人(大森一廣君) お答え申し上げます。 公知情報につきましての明確な定義はないと思いますけれども、反社対応の場面で用いられておりますいわゆる公知情報、これの中身でございますけど、新聞や雑誌等で報道された情報や警察等ホームページなどで公表された情報、これを指すものだと理解をしております。
○大塚耕平君 警察のホームページの情報、これはまあいいと思うんですね。しかし、新聞や雑誌等の情報をベースにもし公知情報というものをおつくりになっておられるとすると、その情報の真贋は誰が担保することになるんでしょうか。
○参考人(大森一廣君) 今回、当協会としては、全国暴追センターの情報の提供を受けて入口の段階で反社チェックをする形で来年四月をめどに今進めておりますけれども、その暴追センターによりますと、同センターの情報は各地の警察が暴力団員の逮捕、検挙などについて公表した情報でございます。 したがいまして、公知情報という明確な定義があるわけではございませんけれども、同センターの業務上での位置付けは、公知情報あるいは公表情報と、こうなって定義付けられております。したがって、それを受けております。
○大塚耕平君 是非、本当に今後の向上につながるように問題をお互いに共有したいと思いますので、予定された原稿をもちろんお読みいただくのは結構なんですが、質問させていただいた点にきちっとお考えいただいてお答えいただければと思います。 今の公知情報は、センターとか警察のホームページで確認した情報はもちろんそれを正しく使っていただいていいと思うんですが、公知情報の中にはそれ以外の新聞や雑誌で皆さんが入手された情報も入っていますか。入っていませんか。
○委員長(塚田一郎君) 挙手をしてから御発言願います。
○参考人(大森一廣君) お答え申します。 今、暴追センターの数は一万五千件程度の情報量がございますが、今御指摘のとおり、反社会的勢力以外のものもございます。調査の段階で、それがぶつかった段階で最寄りの警察に再度確認をするという形で確認を取っている、これが現状でございます。
○大塚耕平君 ちょっとその最後の部分は、その確認取っているという部分ですね、本当に会長御自身がそのことを確信を持っていればいいですけれども、確信の持てない部分については、是非分からないことは分からないとお答えいただいた方がいいと思います。 つまり、公的機関が認定した公知情報だけで例えば取引を遮断しているならばそれはある意味合理的な対応だと思うんですが、真贋の定かではない情報もベースにもし特定の個人との取引を遮断しているとしたら、あるいは組織との取引を遮断しているとしたら、それはそれでまた別の問題を生じますね。 そこで、今度はみずほの佐藤頭取にお伺いしたいんですが、御行がお持ちになっている反社データベースというのは何によって作られておられますか。
○参考人(佐藤康博君) 私どもの反社データにつきましては、基本的に営業部店あるいは警察の御当局から上がってくる情報に加えまして、今御指摘いただいたいわゆる公知情報というものも加えましてデータベースを作ることにしてございます。 しかしながら、新しい事案が営業部から上がってきたときに、それを一旦コンプライアンス統括部を通しまして、そこで一旦見て、これが本当に反社に当たるのかどうかにつきましては、今ちょっと御指摘がありましたけれども、再度原部店で警察当局等に確認した上で、一応大きく構えた中からこれは反社と認定しようということを経営レベルで決めまして、それが集積したものが私どもの反社データというものになっているということでございます。
○大塚耕平君 今日は決して皆さんを責めているつもりは全くありませんので、是非問題意識を共有させてほしいんですが、今重要な御発言だったんですね。警察にも確認したりいろいろ対応した結果、経営レベルでこれを反社と認定するかどうかという、まさしく判断をされているわけですね。 そうすると、もう今、公知情報という言葉とそれから反社データベースという言葉が出てきました。衆議院の審議でも御発言になっておられるんですが、みずほさんの中には反社データベースとはまた別に、あるいはその中に、不芳属性先というものも含まれているということでしたが、不芳属性先とは何ですか。
○参考人(佐藤康博君) 先生御指摘のとおり、今申し上げました反社データと別に、私どもは不芳属性先というものを定義として持っておりまして、これは、例えて申し上げれば、金融犯罪にかかわった人間、あるいは、総会屋とまではいきませんけれども総会屋まがい、あるいはそういった一部、反社ということでは必ずしも認定することはできないけれども、そうした事実関係を持っている人間あるいは会社に対しましては、もう少し広い概念で不芳属性先ということで管理を申し上げているわけであります。 これは、一種のお客様の情報としてはフラッグを立てるという形になってございまして、これをもってすぐに取引をしないとかいうことではございませんけれども、ただ、私どもとしては、そういったフラッグの立った取引先あるいは個人の方々が、別に追加的に何か起こしたときにはすぐそれが分かるような管理体制を、反社データと別にもう少し広い概念で不芳属性先というものを管理しているという状況でございます。
○大塚耕平君 そうすると、例えば延滞先とか、そういう取引上のリスクが顕現化した先、こういうものも不芳属性先に入っていますか。
○参考人(佐藤康博君) 延滞とかあるいは金利の引下げ要請とか、こういうことは通常の商行為の中でよくございますので、それをもって不芳属性先に入れるということではございません。むしろ、その人の過去の犯罪、あるいは今金融犯罪と申し上げましたけれども、新聞等でその名前が出ている方々とかいう方々がその不芳属性先という中に入ってくるということでございます。
○大塚耕平君 そうすると、例えば、過去に新聞に総会屋であるとか暴力組織に関与していたという履歴のある方、しかし今はもう全くそういうことと関係のない可能性のある方、これはどういうふうに区別をしておられますか。
○参考人(佐藤康博君) 今の大塚先生の御指摘は非常に重要なポイントだと思いますけれども、私どもの銀行で申し上げれば、この情報を集めるということは悪い情報を集めているだけではございませんで、今、不芳属性先と指定されましたお客様につきましても、かなり具体的にフラッグを立てた上でその経緯を見ておりまして、それが今御指摘いただいたように、全く普通の社会人として生活をしている期間が例えば十年とか、そういうようなことになってきた場合に、個別の問題ではございますけれども、そのフラッグを外すということもしてございますので、件数が多いかと言われますとそんなに多くはないかもしれませんけれども、指定するだけではなくて外すという行為も組織としてはやっていくような体制で構えているところでございます。
○大塚耕平君 反社勢力と推定される方々の配偶者とか親族はどういう扱いになっておられますか。
○参考人(佐藤康博君) その点につきましては、個人の取引であれば、その個人として反社あるいは不芳先ということではないという扱いを基本的にはしてございます。ただ、その中身が、例えば生計が、例えば反社という人間の生計によっているというような御家族の場合には、私どもとしてはそれはやはりフラッグを立てさせていただくという扱いをしているところでございます。
○大塚耕平君 これもまた今重要な点なんですね。 今そういう対応をしているということを率直におっしゃっていただいたのは大前進だと思うんですが、しかし、生計を一にしている家族の取引、例えば今回のケースでいうと、反社と思われる方がその家計における主たる所得というか収入源であり、そのお子さんとか奥様、配偶者の自動車を買ったであるとか、そういう取引も遮断をするということを今おっしゃったわけですよね。現実にそこにフラッグを立てるということは、そういうことをおっしゃったんですが、これは金融機関の金融の円滑化あるいは国民の皆さんに金融機能を提供するというお立場からして非常に難しい問題を含んでいると思うんですが、頭取としてどういうふうに御自分で、中で整理をしておられますか。
○参考人(佐藤康博君) 私が先ほど発言させていただきましたポイントは、そうであれば全て、例えば個別の預金取引とか、あるいはお子さんの教育ローンとか、いろいろなケースがあるかと思いますし、今おっしゃっていただいたような車を買うというようなケースもあるんだろうと思いますけれども、全てその反社の御家族だから遮断しているということを申し上げたわけではございませんので、私が申し上げたのは、そういうことによってフラッグを立てるということはそれをウオッチしていくということでございますので、そこから先は個々の資金使途あるいはそれぞれの個別の内容によって判断するということでございます。 ただ、先生御指摘のように、それでも取引をしないというケースがやはり出てくるわけでございますので、その点については金融機関にとっての、例えばその方の基本的人権といったものを守るためにお金をお貸しするというようなことも当然出てくるケースは理論的にはあるわけでございますので、私の中でそれをどのように解釈しているかという御質問でございますので、お答えをなるべくするように努力してみて今考えて申し上げるとすれば、やはり反社であるから全てそれが供給されるべきものではないということではなくて、やはりその方の生存権とかあるいは生活権といったものにかかわってくる問題につきましては、特に反社の御家族というようなことについて申し上げれば、資金を供与することがあってもそれはいいのではないかなというふうに個人的には思っております。
○大塚耕平君 今非常に本当に重要な深い御発言をしておられるんですが、もしそういうお考えであるとすれば、金融庁の検査のときに提携ローンが、これが反社ではないかというふうに指摘をされたら、その中に当人ではなくて御家族のものがあるかないかということも頭取として、あるいは経営として確認をした上で、そういうものまで排除するべきなのかどうなのかということを検査の場でしっかり意見を交換することこそ検査の本当の意味であり、そして免許事業者として、金融の円滑化を行うことを認められている事業者の責任だと思うんですね。そういうことはされましたですか。そして、提携ローンの中身がどういうものであったかということを、つまり、例えば今私が申し上げたようなケースのものが含まれているかどうかということは確認されましたですか。
○参考人(佐藤康博君) ただいまの御質問にお答えします。 提携ローンの場合は、四者の提携ローンという非常に特殊なスキームでございまして、第三者委員会の報告書にもございますように、バルク性とかあるいは非対面性とかという非常に特殊なスキームでございまして、私どもの銀行自身が最終的な個人のお貸出先と、どういう方かということを面識を持つわけでもございませんし、また、バルク性というのは固まったオリコが出したお金のここからここまではみずほ分ということで割り振られてくるというようなことも含めまして、これは大変至らぬ点であったということは感じておりますけれども、この提携ローンの中で今先生が御指摘いただいたような極めて本質的な議論をしてきたということには残念ながら至っていないということが実態であろうというふうに思います。
○大塚耕平君 その点を認めていただいたのはいいことだと思うんです。後々、今度は皆さんのいらっしゃらないところで金融庁とまた話をしなくてはいけないんですが、本当に難しいんです。 反社取引とは何かという定義は実は法律にはないことは御存じですよね。法律にはないんですよ。しかし、その法律に担保されていないものについて皆さんが、公知情報はまあいいですよ、しかし、公知情報よりより広い範囲の不芳属性先の情報も含め、さらには銀行として経営判断として反社に類するものとして認定したものまで含めたものをデータベースを作り、しかもその御家族の分も含めて、物によっては金融を付けないということをやらざるを得ない、ないしはやっているというこの状況は、決して客観性が一〇〇%担保されているものではないということはもう皆さんも御理解いただけると思うし、私もそう思いますし、金融庁も今これ見ていると思いますので、事の重大さと難しさはもう一回よく認識をするべきだと思うんですね。そんなに簡単なことではありません。 衆議院の審議で、例えば反社だと分かったものはすぐカテゴライズしてサービサーとかに回収実務も担ってもらうという趣旨の説明もしておられますけれども、それはそういうことでよろしいですか。
○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げます。 私どもは、銀行といたしましては入口で反社チェックをしてございますので新しい取引が発生することはございませんけれども、御指摘のように、当時は反社ではなくて、その後、反社の方が入ってくる、あるいは反社になるというケースはございますので、そういう観点からは、銀行に足下で反社の取引が存在するということはこの間申し上げたとおりでございます。 これをどうするかということにつきましては、先ほどちょっとお話がありましたけれども、暴排条項があるものにつきましては、これは即座に解消に走るということでございます。これは具体的に、警察当局の御協力もいただきながら、実際に取引の解消に走るということでございます。 ただ、暴排条項のない契約のお取引先につきましては、それが反社だと分かった場合でも、これを即座に契約解消というわけにはまいりませんので、これは別に管理債権として管理しながら、例えば延滞があるとかいうことが起こった場合には、通常のお客様で延滞が起こった場合とはちょっと違いまして、延滞事由をもって期限の利益を喪失させるという行為ができますので、その特別に管理した反社の延滞につきましてはそれをもって取引の解消を、また警察御当局と御相談しながら解消に走ると、そういう対応を取っておるところでございます。
○大塚耕平君 ということは、サービサーに売却する、バルクという言葉を時々お使いになっておられるのでついそういう連想をしてしまうんですが、サービサーに転売するということはしておられないんですね。
○参考人(佐藤康博君) 私どもみずほのケースにおきましては、そういうサービサーにバルクで不芳債権を売却するということはございません。ただ、預保を使うというケースというのはございますので、これはサービサーということでどこまでを含めるかということでございますけれども、いわゆる民間のサービサーにこの反社の債権をバルクで売り渡すということは、みずほとしてはしてございません。
○大塚耕平君 頭取として、その事実関係について御確認の上での御発言なら結構ですけれども、もし確認まではできていないんだということであれば、一応ヘッジをされた発言を是非してください。 國部会長には今日は通告はしておりませんけれども、今の点、御行はどうですか。サービサーに転売しているケースございますか。
○参考人(國部毅君) お答えいたします。 一部のものについてはサービサーに売却をしているケースもございます。その債権回収の場合、私どもの子会社の債権回収の場合もありますし、外部の債権回収会社の場合もあります。 ただ、基本は、私ども銀行がしっかりと回収の努力をしていくということだと思っています。 以上でございます。
○大塚耕平君 佐藤頭取は今の質問、御回答の内容に修正がありましたらどうぞ。
○参考人(佐藤康博君) 確認いたしましたが、バルクで売却することはしてございません。
○大塚耕平君 バルクではなくてもサービサーに売却することはありますか。
○参考人(佐藤康博君) 個別で。
○大塚耕平君 はい。
○参考人(佐藤康博君) 全件をチェックしてございませんが、基本的には個別でもバルクでサービサーに反社の債権を売るということはしていないというふうに思います。
○大塚耕平君 それは是非一回確認してみてください。 國部さん、恐縮ですが、売却するときは、融資というのは第三者への転売制限があるはずですが、売却するものはあらかじめそういうことが契約書に明記されているという理解でよろしいですか。そういう事態になればそういうことがあり得るということを明記されているという理解でいいですか。
○参考人(國部毅君) お答えいたします。 当初、転売制限はございません。したがいまして、債務者に通知して行うということになると思います。
○大塚耕平君 分かりました。 短い時間ですが、幾つか私の問題意識は御理解いただけたと思いますし、皆さんにもお考えいただきたい点をお伝えできたと思うんですけれども、あと残された時間の中で佐藤頭取にお伺いしますが、衆議院でも再三、あるいは記者会見でも再三、自行債権との認識が低かった、これが今回の問題の原因であるというふうに御発言しておられますが、自行債権として認識するかしないかの、その判断基準は何ですか。
○参考人(佐藤康博君) 自行債権として認識するかしないかの判断基準というのは、特にないと思います。 ただ、今回の提携ローンにつきましては、一つは、債務者自身が私どもと面識があるという形にはならないということ、それから、先ほど申し上げましたが、代理店とオリコとの間での契約でできた幾つかの固まりの債権のうちの一部をみずほの方でファイナンスをするという、バルク性という言葉が正しいかどうか分かりませんけど、そういう問題等を含めて、私どもと実際の債務者との距離感が非常に長くなってしまうということから自行債権としての認識が非常に低くなってしまったということを申し上げているつもりでございます。 以上、お答えします。
○大塚耕平君 その判断基準が特になく、これは自行債権、これは自行債権ではない蓋然性が高いというふうに分かれるというのは、ちょっとその今の御回答ですと理解に苦しむ点があるんですが、ただ、債務者との距離が長いということはおっしゃったので分からないではないんですが、私の考えを申し上げさせていただくと、要するに、これは全部代位弁済の仕組みがセットになって、つまり一〇〇%担保が付いていたという理解ですよね。
○参考人(佐藤康博君) おっしゃるとおりでございます。
○大塚耕平君 国会ではずっと、日本の金融というのは担保が付いているものには融資するけれども、担保が付いていないものには融資しないという、こういうことをいつまでもやっていては本当の金融機能は果たせないということが延々議論されているんです。結局、結論的な私の印象を申し上げれば、担保されているので、これは自行債権として考えずとも、リスクはゼロだからという思いが自行債権であるという認識の低さにつながったということであり、これは御異論もあろうかと思いますが、私たちあるいは私の頭で考えさせていただくと、もうかればいいということに判断基準があって、リスクを取ってでも育てようとかという、そういう金融本来の機能として私たちが、国民が期待する部分の意識が低いのではないかなという認識を受けます。そのことは水掛け論ですからもう申し上げませんけれども。 要は、今回の件、これだけ国会もコストを割いて審議しているわけですから、何が問題だったかというと、実は、反社取引、これはなくしていかなきゃいけないですよ。だけど、今日の前半で御理解いただけると思いますが、そんな簡単なことじゃないですし、人権の問題にもある部分かかわります。だから、これはまた金融庁としっかり議論したいと思うんですが。 問題の本質は、その部分ではなくて、それがクローズアップされていますけど、その前段なんですよ。金融検査の結果をやはり軽視をし、放置をし、あるいは今日申し上げたように、金融検査でそのことを指摘をされたときに、メガバンクの経営陣として本当にそんなに簡単に遮断していいもんですかという問題提起をすることもなく、ガバナンスの、あるいは金融機関の経営者としての責任を果たしていなかったというところが問題なんであって、反社の方は反社の方で、我々も、これは国会の仕事でもありますから、しっかり反社の定義をできるのかどうかということも含めてこれから議論しますけれども、事の本質は御行のガバナンスと検査に対する対応姿勢にあったというふうに私は思っておりますので、その点、最後に御感想をお伺いして、終わりにさせていただきます。
○委員長(塚田一郎君) 佐藤参考人、簡潔にお願いいたします。
○参考人(佐藤康博君) 金融庁の検査というのは非常に重要なものでございまして、金融行政そのもの、あるいは金融機関の在り方というものを議論すべき場所だと思いますので、先生の御指摘、私自身、強く胸に刻んでやってまいりたいと思っております。 ありがとうございます。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 今日は四人の参考人の皆様方、大変お忙しい中、ありがとうございます。 まず、私からは今回の行政処分につきましての受け止めを改めてお聞きしたいと思います。 提携ローンにおきまして多数の反社会的勢力との取引が存在することを把握していながら、二年以上も反社勢力との取引の防止、解消のための抜本的な対応を行っていなかったこと、また、その情報が当初は担当役員止まりと言いながら、実はトップにまで伝わっていたということ、こうしたことに対して行政処分がされたわけでありますけれども、佐藤参考人にこの受け止めをもう一度お聞きしたいと思います。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げたいと思います。 ただいま御指摘いただきました点につきましては、心からおわびを申し上げたいと思います。御指摘いただきましたように、二年間、オリコの提携ローンという形の中で反社との取引が残ったままになっていたという点について深く反省いたしたいと思います。 原因につきましては、幾つかあるというふうに認識してございますが、先ほど来議論がございますような自行債権としての認識の浅さということがこの対応を遅らせている一つの大きなベースになっているだろうというふうに考えてございます。 あわせまして、オリコを持分法会社にするときに、みずほの銀行並みの反社チェックのレベルにオリコを合わせていかなければいけないという認識で検討を進めた経緯は確かにございましたけれども、それが途中で中途半端になりまして、これを代位弁済という形ではなくて、オリコに事後的に私どもの反社データを渡して二度と同じ人と反復継続の取引はさせないというところまでは対応いたしたわけでございますが、もう一歩進んで代位弁済をさせるということにまでは至らなかった点について、これはやはり認識の不足であったというふうに深く反省するところでございます。 また、金融庁検査におきまして事実と違う報告をしていたということは、これは金融機関としてはあるまじき状況でございまして、この原因を第三者委員会も含めまして、私を委員長といたします私どもの行内の調査委員会も含めまして徹底的に調べさせていただきましたが、この原因は、その担当者の一年ぐらいは本当に報告していなかったという、その既成概念の中で十分チェックすることなく報告をしてしまったということが原因でございまして、これはやはりその上司も含めて重要な情報の再鑑、再チェック機能というものが機能していなかったということで、組織の問題として対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上、お答え申し上げました。
○西田実仁君 今のお答えでは、自行債権としての認識不足、また反社に対する対応のまずさということを挙げられました。 本当にそうなのかというふうに疑問に思うことも実はありまして、まず、みずほ銀行は三行が合併しました。旧第一勧業銀行、富士銀行、そして日本興業銀行。それぞれにおいて、三行とも過去、いわゆる公知情報となるような総会屋との取引あるいは巨額な不正融資等々について全く問題がなかったのかといえば、ありました。そうした三行が合併するに際して、そうした反社あるいは反社的な取引のチェックというものはどのようになされたのか。普通は、合併する際というのは全ての融資、ローンについて綿密にチェックをして、そして反社勢力との取引があるかどうかを認知するかしないかということを判断するはずでございます。これについてはどうでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 私ども、三行合併いたしましたのが二〇〇二年の四月でございますけれども、その当時のことについて申し上げますと、それぞれの銀行のそれぞれの共通の部署で一年半にわたって合併の準備を期間を設けてすり合わせを行ってきているわけでございます。したがいまして、コンプライアンスの分野、今御指摘いただきました反社との取引という観点においても、今ここで全部を確認したということではございませんけれども、それぞれのコンプライアンス統括部が集まってお互いの持っている反社との取引あるいは反社情報等についてのすり合わせを行った上で二〇〇二年の四月の合併に至っているというふうに私自身理解してございます。
○西田実仁君 全ての融資についてそうしたことをチェックしたということでよろしいんですね。
○参考人(佐藤康博君) 私の理解としては、そうでございます。
○西田実仁君 過去のことを申しても恐縮ですが、戦後間もなく、勧業銀行というのは宝くじ販売というのをずっと行っておりまして、よく言われることでありますが、宝くじ販売に際して、やはりあの、今でもそうですけれども、小さな建物の中で大変巨額なお金が取引をされるということもあって、その安全を守るためにそれなりの、その地域の人たちとの身の安全を守るための関係というものができたんではないかというようなことが言われますけれども、そのことは今も引き続いていることはないですね。
○参考人(佐藤康博君) 私の認識といたしましては、そういう観点で例えば反社的な取引先と関係があるということにはなっていないというふうに思っております。
○西田実仁君 それはもう全てを確認しているんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 今宝くじという個別のお話について、この売場、例えばある都市での売場、特定の売場でそういう反社との取引関係がないかどうかということについて今ここの段階で全て確認しているわけではございません。
○西田実仁君 先ほどもお話がございましたし、衆議院でも佐藤参考人から、反社勢力への融資が銀行本体としても残念ながらあるという話がございました。当然、融資があるわけですから口座もあるわけでありますけれども、そうした反社勢力と今分かった口座については全て凍結をしているということでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げます。 事後に反社として判明した取引先につきましては、暴排条項があるものにつきましてはその取引の解消に向けまして、これは融資だけではなくて、例えば貸金庫あるいは定期預金といったものも含めまして、暴排条項の適用される取引につきましては解消に向けて警察御当局とも相談しながら鋭意進めているところでございます。 ただ、暴排条項がない取引もございますので、それにつきましては管理リストとして別建てにして管理をして、ほかの一般債権とは別に何らかの事象が生じた場合に解消に向かえるような、そういった特別の管理をしているところでございます。 以上でございます。
○西田実仁君 預金口座を凍結しているということではないんですね。
○参考人(佐藤康博君) 全ての預金口座を凍結しているということではございません。
○西田実仁君 反社取引ということが分かった預金口座は凍結しているんですか。
○参考人(佐藤康博君) それにつきましても、警察御当局と御相談しながら、できるものはやってございますけれども、全てが完全に即座に預金口座が閉鎖されるということになっているということではございません。
○西田実仁君 ということは、今後も取引が続くということでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) なるべく早く解消するという努力は続けるものの、取引は続くという可能性がございます。
○西田実仁君 二〇一一年の七月にアメリカのオバマ大統領が、初の国際組織犯罪に関する戦略を発表されまして、日本のやくざ、暴力団を薬物取引や人身売買に関与する国境横断的犯罪組織に指定して、金融制裁を科す大統領令に署名しました。その結果、アメリカ内にあります日本の暴力団組織の資産は凍結をされているという、こういうアメリカ政府による状況がございます。 今、当然御行もアメリカで取引をされていると思いますけれども、こうした特にメガバンクに対する資金の融通、あるいは移転がなされているんではないかという、一部に、大変アメリカに懸念があるということは私も報道等で承知しておるわけでありますが、今現在アメリカにおきましては凍結している口座、どのぐらいあるんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 基本的にはないと思っておりますけれども、今全部チェックしてお答えしているわけではございませんので、正確なお答えにはなりませんが、基本的にはそういった取引はないだろうというふうに思ってございます。
○西田実仁君 調べればあるかないか分かるんですか。
○参考人(佐藤康博君) きちっと調べれば分かると思います。
○西田実仁君 では、これは是非きちっと調べていただいて、疑念を払っていただくことが大事であるというふうに思います。 次に、今回は信販を通じた取引についての反社勢力との関係ということが問題になりました。しかし、自動車ローンですから、額としては小口の融資ということになるんだろうと思います。問題は大口の融資でありまして、FX取引とか株式売買とか、あるいは不動産取引というのが大きな取引になります。 そこで、お聞きしたいんでありますけれども、みずほ銀行には勧業銀行系列の不動産担保ローン、これを行っている会社がございますね、歴史のある、御社から社長も送り込まれていると思います。こうした信販会社を通じた自動車ローンに比べますとはるかに高額となります不動産担保融資に、特に御行の関連のところにそうした反社取引がないかどうか確認をしたいと思います。
○参考人(佐藤康博君) 今回の事態を踏まえまして、私どもの方でこういった取引関係を全て洗いました。一つは、この反社の取引の情報の伝達について組織管理上の問題がないかどうかをチェックいたしまして、これはないということを申し上げられると思います。もう一つは、この提携ローン以外で、いわゆる与信取引として今明らかになっているもの以外の新しいものがあるかどうかもチェックさせていただきましたが、そういったものはないということを調査の結果として受け取っております。 以上でございます。
○西田実仁君 そうしますと、この不動産担保ローンについては全てチェックをされて、一切反社取引はないと。今後、いろんな金融庁の検査も入ると思いますけれども、そう言い切るということでよろしいんですね。
○参考人(佐藤康博君) 今お答え申し上げましたことは、新たなというふうに申し上げましたけれども、先ほど申し上げましたように、入口の段階で、不動産担保ローンで反社の取引が入ってくるということはこれからもございませんけれども、後で反社になったものについては、先ほどお答え申し上げました管理債権として管理していくということになりますので、それらも含めてゼロということになっているということではないと思います。
○西田実仁君 どのぐらいあるんですか。
○参考人(佐藤康博君) 金額等については今手元に持っておりませんし、また金額ということになりますと多少センシティブな情報になりますので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○西田実仁君 全て把握しているということでよろしいんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 把握はしてございます。
○西田実仁君 こうした不動産担保ローンについては、いわゆる暴排条項なるものは全て入っているんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 基本的には二〇〇九年の段階で取引の暴排条項は入れることになりましたので、これよりも前の取引があれば入っていないものもあるかもしれませんけれども、それ以降の取引であれば暴排条項は基本的に入っていると認識してございます。
○西田実仁君 次に、全銀協の國部参考人にお聞きしたいと思いますが、ついこの間も、銀行業界大変に高収益で業務純益もリーマン・ショック前を回復しているという、そういう発表がございました。 これはいつか質問も出たかもしれませんけれども、日本証券業協会の方には口座開設の際に反社取引を確認する警察庁との連携システムというのが既に構築されているということでありますけれども、全銀協の方が今いろいろとそれを導入するための準備をしているということでございます。法人格の問題でありますとか、あるいは証券口座に比べますと大変取引の数が膨大であるということとか、様々なかなか連携システムをつくる困難があるということは漏れ伝わってきておりますけれども、こうしたことを乗り越えて今後どう構築されていくのか、また今どういう協議をされておられるのか、それについてお聞きしたいと思います。
○参考人(國部毅君) お答えさせていただきます。 私どもとしては、この警察庁のデータベースとの接続ということが、やはり暴力団員や暴力団関係企業に関するより精度の高い情報を得る手段として大変有用であるというふうに思っておりまして、警察庁、そして金融庁とともに接続に向けた協議を行っているところでございます。 先生御指摘のとおり、私どもとしては是非接続したいと考えているわけでございますけれども、クリアしなければいけない課題もまだございます。一つは、やはり情報管理に関する問題、そしてもう一つは、銀行取引に即した実効的なチェック体制の整備、これがつくれるかということでございます。例えば、警察庁のデータベースに接続をいたしましても、全ての取引が反社会的勢力と自動的に判別できるものではなくて、場合によっては最終的に個別に確認をする必要がございます。そうなりますと、例えば各県の県警の方に照会をしていく形になるわけですが、先生御認識いただいているとおり、銀行取引は大変大量のトランザクションがございますので、そのいわゆる確認の取引フローをどう確保するかとか、そういった観点がいわゆるクリアすべき課題でございます。 今その解決に向けまして、警察庁、金融庁、そして私ども全銀協、協議を進めているところでございます。 以上、お答え申し上げました。
○西田実仁君 先ほど大塚議員からも御指摘がございました点でありますけれども、この反社取引という形態と、それから犯罪収益を取引の過程で動かしていくということと、なかなか峻別というか難しいところが確かにあるんだろうというふうに私も思っております。 特に、先ほど佐藤参考人からお話がございました銀行本体でも後で発覚した反社取引というのは今も存続をしていると。そういうケースは、是非聞いてみたいと思いますけれども、実は借りたお金をちゃんと返しているケースが多いんじゃないかと。つまり取引そのものから見れば、滞っているというようなことがあればすぐに何らかの手が打てるにしても、きちんと返済されているというのが圧倒的に多いんじゃないかと思いますけれども、どうでしょう。
○参考人(佐藤康博君) 基本的にはきちんと利息も元本もお支払いいただいているケースの方が多いのではないかというふうに思います。御指摘のとおりです。
○西田実仁君 そういうことからも、なかなか排除をしていく、もちろん、だからといって排除しないということでは当然ないとは思いますけれども、よりその困難があるのは事実じゃないかというふうに私も思っております。 そこで、今日は四人の参考人の方にお越しいただいておりますので、最後に、共通した今の大きなテーマでありますけれども、犯罪収益ということを厳格に取り締まるということと、反社取引を排除していくということと、特に犯罪収益そのものを取り締まって、そこの犯罪収益がマーケットを利用してより肥えていくということがあっては絶対ならないわけでありますけれども、そうした反社取引ということと、犯罪収益そのものを厳格に取り締まるということと、この関係につきまして御意見なりありましたら、國部参考人からお一人ずつお願いして、私の質問は終わりたいと思います。
○参考人(國部毅君) 私どもとしては、反社会的勢力の排除ということと、この犯罪収益を、改正犯罪収益移転法というのができましたけれども、これにのっとってしっかりと取り組んでいくというのは、共に大事な取組だと思っております。 特に犯収法につきましては、本年四月に改正犯収法が施行をされまして、口座開設等の取引において、従来お客様の本人確認ということがあったわけですが、それに加えて取引目的であるとか職業、事業内容等々の確認が義務付けられておりますので、各傘下金融機関しっかりと取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○参考人(佐藤康博君) 私どもの銀行といたしましても、ただいま國部参考人が申し上げましたとおり、新しい犯収法の規定の中でしっかりと取り組んでいくべく体制を整備しているところでございます。しっかりとやってまいりたいと思っております。
○参考人(稲野和利君) 反社会的勢力との取引に関しては、まず口座開設時において悉皆的にチェックして未然防止に努めるということであります。あるいはさらに、既存口座がそう判明した場合は解消に努めていくということでありますけれども、犯罪収益に関して申し上げれば、もちろん反社会的勢力そのものが実名においてそのような行為を行っているということもありましょうが、現実の事例としては架空ですとか借名といった形、あるいは取引の態様においても様々な形態がありますので、この点についてはチェックのためのガイドラインが存在しておりますので、きちんとそういった点に照らしながら個々の取引をチェックしていきたいということであります。
○参考人(大森一廣君) クレジット協会といたしましては、先ほどの國部参考人と同意見でございますが、ただ今回のみずほ、オリコの関係から申し上げますと、犯収法の観点ということよりは、入口の反社チェックの問題と代位弁済の対応の問題、そこに問題があったんだろうと思っております。そういう意味で、入口のチェック体制をきちっとつくり上げると、このように協会としては感じております。
○西田実仁君 今、日証協、証券業協会の稲野会長から話がいただけました。この犯罪収益のチェックをする際には、必ずしも実名ではないということから、それをチェックするためのガイドラインを設けておられるという話がございましたが、これは全銀協としてはそうしたものも同様にあるのかどうかを確認して、終わりたいと思います。
○参考人(國部毅君) 全銀協でガイドラインを定めていることはありません。各銀行が定めて取り組んでいるということでございます。
○西田実仁君 終わります。
○井上義行君 みんなの党の井上義行でございます。 今日は、これまで全国銀行協会がどのように役割を果たしてきたのか、この辺についてお伺いをしたいと思います。 まず、國部参考人には三井住友関係で反社会的な融資があったかどうかを聞きたいんですが、國部参考人は記者会見で、一定金額以上の新しい反社与信が発生すると、必ずすぐに私のところにメールが来るというふうに語っておりますけれども、過去にどのぐらいメールが来たんでしょうか。
○参考人(國部毅君) 私どもの経営の報告の状況は先生御指摘のとおりで、反社取引の残高の推移であるとか大口反社先、それから施策の実施状況、これにつきまして定期的に私どもの経営会議それから取締役会に報告がされております。そして、新たな反社勢力との取引が疑われる取引が発生した場合には、私のところに適切にメールが来ることになっております。ちょっと正確な数は正式には覚えておりませんけれども、年に数件というレベルだったかと思います。
○井上義行君 そのときに、具体的にどのような指示をされているでしょうか。
○参考人(國部毅君) これはまさに、この反社会的勢力との取引が発生した場合にどういうふうに解消していくかということにかかわるわけですが、基本的には解消に向けて努めるということで指示をしてございます。
○井上義行君 そのときに、メールが来た場合に、すぐに監督官庁である金融庁なりあるいは経産省に報告する。直近で報告した事例はありますか。
○参考人(國部毅君) 反社会的勢力だというふうに分かって、すぐに金融庁に報告することはございません。 以上でございます。
○井上義行君 それは、なぜ報告をしないんですか。
○参考人(國部毅君) これは、反社会的勢力の疑いが持たれる取引が判明をした場合は、これは各金融機関が責任を持ってその解消に向けて努力をするということが求められていると思いますので、銀行がしっかりと取り組んでいくことが大事だというふうに思っております。
○井上義行君 例えば、最近の金融庁の検査を受けたときにそのような事案を報告をすることはなかったですか。
○参考人(國部毅君) お答えします。 私どもの報告は、先ほど申し上げたとおりでございますが、経営会議それから取締役会に報告がなされていますので、金融庁検査が入りましたときにはそういう取締役会の資料は提出をすることになっていますので、そこで報告はされることになります。
○井上義行君 私はなぜそのようなことを、申し上げますと、全国銀行協会の行動憲章の八に反社会的勢力との関係遮断ということが書いてあるわけですね。この条文というか項目というのはいつ入ったか御存じですか。
○参考人(國部毅君) その行動憲章につきましては、済みません、ちょっと正確な年数は覚えておりませんけれども、それを、行動憲章を定めまして、各傘下金融機関に徹底をいたしました。 そして、今回の事案を踏まえまして、行動憲章を新たに今月改定をしております。その改定いたしましたのは、今回のようないわゆる提携ローンのような場合においても反社会的勢力等の排除をするということを改めて徹底するということで、その一文を入れまして、行動憲章を見直したところでございます。
○井上義行君 この銀行協会の中に反社会的勢力排除検討部会というのがあるわけですね。これは何回ぐらい開かれておりますでしょうか。
○参考人(國部毅君) 今、正確な回数はちょっと私、認識をしておりませんけれども、年に数回という程度だと思います。
○井上義行君 具体的にどのような内容を検討していたんでしょうか。
○参考人(國部毅君) これは、全国銀行協会として、あるいは傘下の金融機関としてどういう体制整備を取っているのか等々の検討をしております。例えば、かつては暴力団排除条項を各傘下金融機関が導入をしているかどうか、そういうアンケート調査をしたこともございます。
○井上義行君 平成十九年の閣僚会議、この幹事会申合せで、企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針、これができたわけですね。そうすると、今、先ほどお答えになると年に二回はやっているというと、もう数十回以上やっている。しかし、現実的には何ら防止をすることができなかった。私はそれを深くやっぱり反省をするべきだというふうに思います。 そこで、全国銀行協会の憲章の中に、この憲章の精神に著しく反するような行為が発生した場合には、これこれ厳粛に対処していく、こういうふうに書いてありますけれども、今回のみずほ銀行のこの問題は著しく反する行為だったのかどうか、この認識を最後に問いたいと思います。
○参考人(國部毅君) 今回の事案につきましては、これまで全銀協として、あるいは傘下金融機関として、反社会的勢力の排除に努めて適切な業務運営をしていくということでやってまいりましたので、今回の事案は大変残念な事案だというふうに思っております。 我々傘下の金融機関あるいは全銀協といたしましても、今回の事案も踏まえまして、改めて反社会的勢力等の排除に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。また、今月の理事会でもそういうことで各種対策を含めて決定させていただいたという次第でございます。
○井上義行君 厳粛に対処するというふうに書いてありますけれども、厳粛に対処するという具体的なその対処方針をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(國部毅君) お答えいたします。 先生の御質問の御趣旨は、全銀協として何らかの処分を行わないのかということではないかというふうに思います。私どもの考えは、会員行に不祥事が発生した場合の処分の考え方というのは、事態の内容であるとか過去の類似事案の対応等を総合的に勘案をいたしまして、全銀協活動の自粛勧告等の処分の内容、そして処分の要否を判断をしております。 今回の件は、いろいろな事例も踏まえまして、現在のところでは特に処分は行っていないという状況でございます。
○井上義行君 是非、厳粛に対処するということで、今後、新たな防止に努めていただきたいと思います。 私の質問を終わりたいと思います。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 いただいた時間の範囲内で同僚議員に続きまして私から質問させていただきます。 私は、政治に入る前、役人でございまして、警察庁の暴力団対策課長を務めておりました。どこの企業でも今コンプライアンスの担当の方が使っている暴力団排除ハンドブックみたいなものの中で、一番基本になっている金融システムへの反社勢力の侵入を防ぐために暴力団情報を提供しなさいという通達は平成十二年に初めて出たんですが、それは私が鉛筆なめなめ、実際はワープロですけど、作った通達なんですね。それが改正改正されながら今も使われているということでしたので、いつもは外交防衛委員会にいるんですが、このみずほの問題、みずほだけではないということがだんだん分かってきましたけれども、看過できないということで、今日は特別に同僚議員から時間をいただいて質問をさせていただくことにしました。 ただ、今年はこの銀行の問題も大きく取り上げられていますが、全く違うようだけれども食品偽装の話も連日大きく取り上げられていますね。佐藤参考人にお伺いしますけれども、この食品偽装の問題とメガバンクのみずほ銀行で反社の取引が続いていたということと、似ている点と違う点があると思うんですが、どういう印象をお持ちですか。
○参考人(佐藤康博君) 似ている点について申し上げます。 程度としては銀行の方が非常に重いと思いますけれども、社会からの負託を受けて、特に株主様からの負託を受けて経営というものは行われているわけでございますので、その両方のケースにおきましてもその負託に十分こたえていない。それから、食品と金融という、業種は違いますけれども、こうした事態を引き起こすことによりまして社会に大きな混乱を招いてしまったということにつきましても非常に共通だと思っておりますが、ただ、一言だけ付け加えさせていただくと、金融機関というのは普通の事業会社と比べましてもより社会性の高い組織であろうというふうに思っていますし、また、であるからこそ、お客様は預金を預けていただくんだというふうに思っていますので、ある意味では比べようもない重い責任を私どもは果たすことができなかったんではないかというふうに深く反省しているところでございます。 違うところということは、今御質問を受けまして、業種は確かに違うんだろうと思いますけれども、ただ、食品の偽装ということとこの反社会的勢力の排除ができなかったということは、恐らく、私の個人的な見解ですけれども、社会に対するインパクトあるいは金融機関というものに対する信用を損なうという観点においては全く違う次元であろうかというふうに思っておりますので、そこが最も大きな違いというふうになるのではないかというふうに思っております。 以上でございます。
○小野次郎君 共通しているのは、虚構の信頼、虚構の信用、仮面が剥がれたということだと思うんですね。 違うのは、私、家族に今度みずほの頭取に質問することになったんだと話をしたら、うちの家内がぽんと僕の名義の通帳を出したらみずほと書いてあるんですよ。合併をしたので元々違う名前の銀行でしたけれども、これはあなたが結婚する前から持っている通帳よと。四十数年そうなんですね。 何が違うかというのは、リンゴがおいしくなかったら違うお店で買うことはできるでしょう。食品偽装があって、お総菜が原産地や何かが違うとなったら違う店に行って買えばいいんですよ。でも、銀行はですよ、四十数年、私なんかは結婚前から同じ口座でやっているんだと思うので、簡単には替えられないんですよ。何百万という方がみずほの口座を、何百万以上かもしれませんが、お持ちになっていて、新聞見ていて苦々しく思っていても簡単には、リンゴを買うお店を替えたり、お総菜買うお店を替えたり、レストランを替えるようには替えられないということなんです。私は、そのことを是非自覚していただきたいと思います。 その上で質問を続けますが、オリコを子会社にしたときに、入口チェックの導入とか、みずほのデータベース、オリコでの活用というのを検討したと認められているわけですけれども、なぜ結局断念したんですか、その理由をお聞かせください。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、子会社化するときに、持分法にするときに、銀行レベルの反社のデータチェックをかませようということはかなりの意思を持って検討をした経緯がございました。しかしながら、当時、入口のチェックというふうに言っておりましたけれども、銀行が持っているデータでオリコが入口でチェックをするということを検討してみたわけでございますけれども、そのためには両方のデータの違いが相当大きゅうございましたので、そのデータを合わせるためにはかなり大きなシステム上の投資も必要になってくるということもございましたので、この入口のチェックというところについては途中で検討を断念せざるを得なかったという経緯がございます。 それから、もう一つ、代位弁済まで至らなかったというのはなぜなのかということでございますけれども、これは、一つは、当時は一歩前に進んだという理解がございまして、その一歩前へ進んだというのは、オリコがビジネスをしたものを我々が事後でチェックして、AさんならAさん、このAさんは我々にとっては反社だよということを返して、そこから先はオリコは二度とそのA社とは取引をしないという、いわゆる事後チェックについては徹底させましたので、そういう意味においては一歩進んだということであったわけですけれども、更にもう一歩進んで代位弁済をしてもらうというところにまでは至らなかったのは、まさに自行債権としての認識不足であるというふうに理解しているところでございます。
○小野次郎君 別の言い方をしますと、提携ローンの相手方に対する審査の厳格化をオリコに強く求めなかったのは、子会社にしたみずほ銀行側が、オリコ側の営業実績を維持する目的で大目に見たというか、手加減したというか、言葉を極めて言うならば、手心を加えたというふうにも理解される可能性があるんじゃないですか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 みずほとしての入口の反社チェック、あるいはみずほ銀行保有の反社取引情報のオリコでの活用につきましては、システム面における課題等もありましたことから、今後の課題というところの位置付けにとどまってしまったということは今申し上げましたとおりでございます。 ただ、この四者提携ローンといいますのは、お客様あるいは加盟店双方のニーズを満たす非常に利便性の高い商品でございまして、特にお客様にとりましては、商品の瑕疵があるとそれを打ち返すことができるという法的な体系もでき上がっているものでございまして、この商品そのものはそういった利便性もあるということの中で現在も進んでいるところでございます。 ただ、振り返りますれば、御指摘いただきましたとおり、みずほとして代位弁済を行うことによって、オリコの反社取引排除の管理レベルが、そういうふうにしていればオリコ側で高まった可能性というのは御指摘のとおりだというふうに認識してございます。
○小野次郎君 じゃ、お伺いしますけれども、公表されている二百三十件契約が残っていたという話ですけれども、実はみずほによる子会社化以降にオリコが、あなた方がそういう対応でいたために、新たにですよ、子会社化された以降にオリコが反社会的勢力との取引を幾つか契約を入れているんじゃないですか。その後、増えた数は何件なんですか、二百三十件の中で。
○参考人(佐藤康博君) 正確な数字は御容赦いただきたいんですけれども、子会社化、持分法化した後に新しくできた取引は二百三十のうちのおよそ半分以下のところの数字だろうというふうに認識してございます。
○小野次郎君 およそ半分以下というのは百件ぐらいということですか。
○参考人(佐藤康博君) 大体そんなような数字だというふうに認識してございます。
○小野次郎君 私は、別の面で質問を続けますが、実は、FATFの四十の勧告というのがあるんです。みずほさんにしても全銀協さんにしても、当然メガバンクトップとして認識にはあると思うんですが、実はこの四十の勧告、一九九八年の旧版、前の版、バージョンは、私自身が日本政府の代表としてその四十の勧告の起草に参加しているんですね。その勧告十、顧客管理、そして勧告三十五、制裁措置、この辺もすごく思い出にある部分なんですが、当然、日本を代表するメガバンクのトップとして、このマネロン対策、国際標準であるFATF四十の勧告の十とか三十五についてどういう認識お持ちですか。
○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げたいと思います。 今先生御指摘のマネロンの問題につきましては、国際標準としてFATF、先生御承知のとおりでございますけれども、この四十の勧告が現在出てきているわけでございます。 このFATFの四十の勧告につきましては、現在日本についても検討が進んでいるわけでございますけれども、これは御指摘のように国際的なマネロン対策への対応の一つの基準になりつつあるということでございます。特に、御指摘の勧告十、これは顧客の管理だと思います、及び、勧告の三十五が制裁措置ということでございまして、今後、日本におきましても法制化の議論が行われていくものだろうというふうに思ってございます。 特に勧告の十、顧客管理につきましては、従来、我々の持っております犯収法の範囲の中での顧客の管理を更に超えて、法人であっても、その法人の所有者の個人のところまでマネロンがないかどうかということを聞きに行けという、そういう内容になってございますので、今までの日本の慣行では十分対応ができないということもございますので、非常に大きな影響を銀行経営にも与えるものとして、今後、業界ベースあるいは個別の銀行としても対応を考えていかなければいけない問題だと思います。 また、勧告の三十五、制裁のところについても大きな問題でございますけれども、今後、法令化が必要になって、もしやるとすればと思いますけれども、現在のところではまだ法令の方向感というものは現状見えておりませんけれども、国際世論の中で日本の立ち位置というのは非常に厳しい状況になってきていることは私は個別行のトップとしても認識しておりますので、動向を見極めてまいりたいと思います。
○小野次郎君 どうしても日本の金融機関というのは、お上というか、日本の法令で義務付けられているかサンクションが付いているかということで、それをやっていればいいんだという自覚でおられる方が多いように思いますけれども、このFATFというもの自体が条約でできているんじゃないんですね。だから、これに基づく制裁とかいうのも、国際的な金融システムの中で日本の金融システムに対する信頼が落ちるということであって、みずほさんの個別のこの件についてだけの問題ではないということを理解する必要があるだろうと私は思うんですね。 西田議員が、同僚の議員もお話しになりましたけれども、やはりその国際的な信用ということは、私も実際、実例見たことありますけれども、ある国でそういったマネロン対策について手ぬるいということになると、金融システムの中でその国の金融機関全体に対する厳しい審査というか、取引上の様々な制裁加わってくる。これ、ソフトロー・メーキングとかソフトサンクションとか間接的な形ですけれども、しかし個別の金融機関にとっても、あるいは全銀協さんみたいに金融機関を代表する機関にとっても大事なことなんであって、金融庁が義務付けていないから、あるいはどこの省庁が所管している法令の中に罰があるから、ないからではなくて、ちゃんとこれを守らないと国際金融社会でそういう目で見られますよということが、フィナンシャル・タイムズにマフィアコネクション何とかなんという大きな記事が出るようでは、その影響というのは個別行だけでなく及んでいるという自覚をお持ちいただきたいと私は思います。 その上で次の質問をいたしますけれども、これはむしろ佐藤参考人と大森参考人にもお伺いしたいんですが、何かミスがあったかどうかを伺うというよりも、今回のこの問題に、犯罪収益移転防止法上、提携ローンについてはなぜか本人確認義務が除外されているんですね。そのことが制度的に仕組みとして反社会勢力に入り込まれやすいすきを与えている、ここが制度の穴だというふうに認識されているかどうか。お二人、どちらの順番でも結構ですが、お聞きしたいと思います。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 事実関係は先生のおっしゃるとおりで、除外されていると思います。ただ、みずほとして申し上げますけれども、今回の件につきましては、犯収法の観点ということよりも、まずもって私どもの提携ローンの入口の反社チェックあるいは代位弁済というところをできなかったというところが原因でございますので、その点について深く反省して対応策を取っていきたいということでございます。 提携ローンに関しましては、それなりに利用価値のある商品だというふうに思いますけれども、今御指摘のような点も含めまして、検討すべきことがあれば検討していかなければいけないのではないかというふうに思ってございます。 以上でございます。
○参考人(大森一廣君) 先ほども申し上げましたけれども、通常、クレジットカードあるいはいろんな提携ローン等々のお客様の入口の部分では、販売店あるいは信販会社等で本人確認、例えば運転免許証であるとか、あるいは身分証明書を見て本人確認をして与信をするということが原則でございます。 したがって、その人が反社勢力であるかどうかは、それはその時点ではなく契約後に分かるわけでございますが、運転免許証あるいは身分証明書だけ見てこれが反社だというのは分かりません。したがいまして、審査の段階での入口の部分、いわゆる水際の段階で、やはり先ほど申し上げましたような公知情報と言われる暴追センターの情報に照会をして、それで入口の部分できちっと見極めると。契約後にそういうものが判明したものについては約款に基づいて粛々と対応していくと。暴排条項あるものについては即、弁護士等と連動して解消に当たると。こういうことだろうと思います。
○小野次郎君 今まで申し上げませんでしたけど、私は佐藤頭取と同じ時期に同じキャンパスで四年間過ごして、今朝になってプロフィールを見たら、國部参考人も稲野参考人も同じ時期に同じキャンパスで四年過ごしているんですね。直接面識はございませんでしたけれども、佐藤頭取については間接的に、大変優秀なだけではなくて人格者だと、二十代のころからそういう定評ですということも聞いております。 是非、この原因究明、そして再発防止、さらには社内での責任の取り方、これについて、まだまだ世間の目はみずほの、この間、十月二十八日の発表された内容についてもまだまだ満足していない部分がございます。きちんと最高責任者としての対応を取っていただくことを私から改めてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。 私は、みずほも三井住友もありましたけれど、大銀行の中小企業あるいは個人に対する貸し剥がしとか取立てとか、あるいは優越的地位を利用した金融商品の販売とか、そういうことをこの委員会で取り上げてまいりましたし、三井住友もみずほも、うちの部屋まで来てもらって改善してもらったことがあります。 その中のみずほは、そういうことをやっておいて、片や暴力団にはこういう甘い対応をしていた、あるいは自分たちの処分も大変甘い処分をしているというのは、もう本当に、若いとき人格者かも分かりませんけれど、随分変わられたのか、この体質は何だろうというふうに大変怒りを持ってこの問題受け止めているところでございます。 改めて佐藤参考人の認識を聞きたいんですけれど、笑っちゃうんですよね、このみずほフィナンシャルグループは企業行動規範に反社会的勢力との対決ですよ、排除じゃない、対決を掲げていたんですよ。反社会的勢力とは断固として対決しますと宣言してきたところがこんなことをやっているわけですよね。第三者委員会の報告書では、反社勢力との関係遮断に組織で取り組むことの重要性に対する役職員の認識が不足していたと挙げているわけですよね。だから、言っていることとやっていることが全然違ったわけですよね。 改めて佐藤参考人のお話聞きたいんですけれど、この反社会勢力との遮断という、対決どころか遮断さえ、そういう認識が弱かったということは、改めていかがなんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 一つの原因として、自行債権という認識が浅かったというようなことは申し上げましたけれども、それも含めまして、組織としての反社会的勢力に対する対決姿勢あるいは取組姿勢にやはり不備があったというふうに私は考えております。 以上です。
○大門実紀史君 この間も指摘されていますけれど、会議に四回出られて、担当役員からそういうことが明示的に言及されなかったとか、いろいろ言い訳がましくおっしゃっているんだけれども、新聞のインタビューでも、知り得る立場だったけれども見た記憶がないとか、見たとしても提携ローンの仕組みとか特殊性から問題認識することは不可能だと思うと、こんなこと責任者が言いますかね。 私、変だと思ったのは、あなたが出席されていた二〇一一年七月十五日の資料、これには、中身まで見なくとも、タイトルがあるんですよ。反社会的勢力との取引解消状況についてというタイトルが付いているんですね。中身まで全部、膨大な資料で見られないとしても、タイトルで反社会的勢力なんですから、ぴんときて、仮に中身はその場で説明してもらう時間がなくても、これは何なんだとか、当然確認されるのが当たり前だと思うんですよね。見ていなかったとか、説明受けなかったとか、認識していなかったじゃ済まないですよ。タイトルまで出ているのに、タイトルさえ見逃すというのは、どういう会議をやっているのかと。これ責任逃れなんかできないんじゃないんですか。いかがですか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 おっしゃるように、そのタイトルで資料が作られているわけでございます。その資料の、ざくっと申し上げると、ほとんど大半は私どもの自行債権の反社取引の残高の推移等に当てられておりまして、オリコの提携ローンはその中で参考の位置付けで八分の一ぐらいのところに記載されていたということでございますので、そのタイトルから類推される部分につきましては主として自行債権の反社取引についての記述でございました。 ただ、でありましても、先生おっしゃるように、高い意識を持っていれば、参考ということであろうが何であろうが、もう少し着意があってもよかったのではないかということを非常に深く反省しているところでございます。 以上です。
○大門実紀史君 反省だけじゃなくて、処分の在り方なんですけれど、これ、どういうわけなんですかね。会長を辞任する塚本さんと、佐藤さんは半年間無報酬ですか、この処分が違う理由は一体何なんですか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 今回の事由というのは、オリコとの取引、それから二つ目の問題でございました金融庁検査への対応、これにつきましてもみずほ銀行の中で起こったことでございます。したがいまして、塚本は、みずほ銀行の頭取を、二〇一一年の六月から今年の六月まで頭取という立場でみずほ銀行の経営を仕切っておりましたので、私はその間、みずほフィナンシャルグループの持ち株会社の社長という立場でございましたので、監督責任という意味においては私にも責任があるということではございますけれども、執行責任のところについては、塚本が非常に重い執行責任を負っているという判断の下に、塚本の方が私よりも重い処分を科したという形になったというふうに理解してございます。 以上でございます。
○大門実紀史君 勝手な、本当に自分たちに都合のいい解釈ですよね、監督責任と執行責任と分けると。しかも、執行責任でいきますと、塚本さんが実際に、それは分かりますよ、塚本さんが頭取のときにほとんど起きて、あなたの場合は短いと。しかし、これは、反社会勢力との関係の場合は、たとえ一週間でも、たとえ一か月でも問われることなんですよね。向こうは長くやっていて、あの人のときだから、私のときは短いからと、そういう問題じゃないと思うんですよね。 だからそれが、最初からどうもおかしいなと思うのは、この反社会勢力に対するみずほの、しかもグループで起きていることですよね、オリコというのはね。だから、みずほ銀行の中だけじゃないですよ。全体で考えなきゃいけないのに、都合のいいときだけみずほ銀行の問題だとして、監督責任と執行責任と勝手に分けて、しかも期間で分けてこういう処分ということは、だからやっぱりみんな驚いたんじゃないんですかね、あなたが辞任されないということを聞いたときにね。当然、この反社会勢力の問題ですから、ほかのこととは違うんだから、これだけはきちっと責任取られるのかなとみんな思ったのにされないから、あれだけの驚きが広がったんだというふうに思います。 その後いろいろありまして、今、金融庁も再検査に入っております。どうなんですか。この再検査の結果次第によっては、新たな佐藤さんの責任の取り方もあり得るんですか。
○参考人(佐藤康博君) お答えを申し上げます。 御指摘のように、今金融庁に検査に入っていただいております。この検査の中身等についてはお答えすることができません。それから、その検査の結果がどのような形になるかについても予想ということは非常に難しいわけでございます。 したがいまして、私といたしましては、先般の業務改善計画をしっかりと、一日も早く現実問題として対応して、その上で、かつ、今回の業務改善計画の中で考えられたことを更に超えて、みずほをより強い組織にしていくために必要なことを全身全霊を懸けてやってまいりたいというふうに考えてございますので、どうぞよろしく御理解のほどお願いしたいと思います。
○大門実紀史君 塚本さんだって持ち株会社の会長にはとどまられるわけでしょう。要するに、そういうぬるいぬるいことをやっているから信用されないんですよ、そういうことをやっているから。塚本さんだって、もう持ち株の会長も辞めるというならまだ厳しいですよね。こういう、持ち株の会長をやらせてあげて、あなただって半年だけでしょう。そんなことやっているから、何やっているんだということになるんですよ、世間的に言えば。幾ら頑張ると言ったって、そういう問題じゃないんですよ、反社会的勢力の問題はね。厳しくとらえていただきたいなと思います。 そもそも、みずほがなぜ突出してこの提携ローンをオリコとやってきたかということなんですけれども、ほかの銀行では余りこんなに突出して提携ローンをやっていませんよね。なぜみずほはやってきたんですか。
○参考人(佐藤康博君) 御指摘いただきましたとおり、私どもの提携ローンに対する取組はかなり大きいというふうに私自身も認識してございます。 この提携ローンの仕組みそのものは、やはり個人のお客様にとっては非常に利便性の高いものでございますし、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、物品に瑕疵があった場合の法的な手段等も確保されている商品でございます。また、代理店にとりましても金融という観点からも非常に利便性の高いものでありまして、そこに私どもの銀行としての金融を付けるという意味でのエキスパーティーズと、またオリコという物販に強いノウハウとを合わせることによって、この商品が非常に大きく利用されているというふうに理解してございますので、私どもといたしましては、ほかさんとの関係ということはなかなかお答えしにくいわけでございますけれども、そうした利便性が世の中で評価された上でこのような商品がかなり使われているんだろうというふうに思ってございますので、しかしながら、であるからこそ、こうした反社の問題ということについてもう少しきちっとしていなければいけない、それ自体が期待を裏切るということになってしまっているんだろうというふうに強く思っておりまして、今後は、既にもう取り組みましたけれども、このオリコの提携ローンについての反社取引については徹底的な対応を取ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大門実紀史君 これ、お客さんの利便性っておっしゃいますけど、違うんじゃないですかね。 この仕組みそのものは、非常にみずほにとってはうまい仕組みなんですよ。これは、いざとなればオリコに代位弁済をさせられますし、残高をどんどん増やせる、これ、ちょっと特異な仕組みなんですよね。こういうのは分かってやっていらしたんですよ、分かって。皆さんの中の、第一勧銀グループかも分かりませんけれど、旧ね、そういう内部のいろいろなことはあるのかも分からないけれども、とにかく、みずほとしては分かってこの仕組みを広げたんですよ。いざとなればオリコに代位弁済をさせられますから、焦げ付きがなく、そして残高は急激に増やせるという目玉商品として、分かっていてやっていらしたんですよ。そのときに、こういうリスクをあることを何も考えないで、ただこれは残高を増やせるうまい仕組みだということでやり始めたんじゃないですか。で、今こういうことになっているわけでしょう。ほかの他行はやっぱりそういうところも見たんじゃないですか、こんなちょっと危ないところでわあっと残高を増やしていいのかと。 意図的にやられて、先ほども何か自行債権としての認識が浅かった、そんなこと最初から分かってやっていらしたんでしょう。これはもうオリコをかまして、うちは残高を増やせると分かってやっていらしたんじゃないですか。そうじゃないんですか、これ。
○参考人(佐藤康博君) このスキームを私どもがオリコと一緒に展開していたわけでございますので、このスキーム自体の認識は当然のことながら当時あったと思います。 ただ、その自行債権としての認識が甘かったというふうに申し上げている中身は、これが債務者との間での直接的な関係ということに最終的になって、したがって、我々のプロパーの、普通のお貸出しと同じレベルの反社のチェックということを徹底的にやっていかなければいけないというところについて認識の甘さもあったということを深く反省しているということでございます。
○大門実紀史君 それで、私は、そういうものを今回に限ってオリコに代位弁済を求められましたですね、二百三十件ですね。これなぜ求めるんですか。なぜみずほの中できちっと、みずほとしても金銭消費貸借契約関係あるわけだから、なぜこういう社会問題になってきているものをオリコに代位弁済をさせるんですか。何で責任取らなかったんですか。自分たちで最後までなぜ回収しようとしなかったんですか。
○参考人(佐藤康博君) 現在のこの提携ローンの仕組みということで申し上げれば、まず最初に代位弁済をして、そして、オリコがその反社先に対して債権の回収を図るという形の仕組みになっております。 ただ、御指摘いただいているように、私どもとしましては、代位弁済をさせましたけれども、これで銀行として終わったというふうには思ってございませんので、私どもとオリコでつくりました特別な委員会を立ち上げまして、銀行自らがこのオリコの中に戻した債権の反社の取引の解消について積極的に関与して、協働でこれを進めていこうという態勢を組み上げたところでございます。 以上でございます。
○大門実紀史君 違うんですよ。だから、私が申し上げているのは、そういうことをやるべきではなくて、こういう、もう焦点になっている債権なんだから、自分たちだけ一旦きれいになって、オリコはグループの中だから、それをほっておくと無責任と言われるから一緒にやりましょう、じゃなくて、なぜちゃんと、みずほの中でやり方もあったと思うんですよね、整理回収機構も含めて。なぜそういうやり方をしなかったのかと。それがあなたの責任の取り方じゃないんですか。 なぜオリコに代位弁済させて向こうにやらせるんですか、基本的に。
○参考人(佐藤康博君) このスキームの中で、私どもと債務者との間においては暴排条項が入っておりません。したがいまして、私どもがこの債権をきちっと回収するためには、一旦オリコが代位弁済をして、そのオリコが暴排条項を経緯として反社取引を解除するという仕組みしか現在のところやりようがないということでございまして、それを積極的にやっていこうということでございます。 ただ、今現在、オリコとの間におきまして、この暴排条項の挿入については具体的にそれをやっていこうという方向で検討をしているところでございます。よろしく御理解のほどをお願いいたします。
○大門実紀史君 いや、これは法的にみずほがやること可能ですよ。みずほとして反社債権と認められて、貸借契約あるわけだから、みずほとしてやること可能ですよ、法的にやろうと思えば。やれなくないですよ。何でやれないと言うのか分からないけれども、これは十分可能ですからね。それをやらないで、暴排条項がオリコの方は金銭貸借契約に付いていないからと。しかし、認定されたらそれやれますから、やろうと思えば。 だから、どうしてそういうことを、自分たちだけきれいにして、後で何かオリコに協力してやるというふうなことで逃げられるのかなというか、その責任の取り方そのものも、全体として本当に信頼かえって失うんじゃないかと思っております。 もう一つは、反社勢力と一言で言いますけれども、これは金融機関によって若干まちまち、独自のデータで作りますからまちまちですよね、率直に申し上げて。全銀協独自のもありますけれども、全銀協は直接取引がないから、ある意味では各行の方がいろいろ持っている、蓄積があるというふうなものでございます。 ちょっとお聞きしたいんですけれども、この反社会勢力の認定するデータを作る前の段階で、先ほど佐藤さんからもありましたが、まずいろんな情報に基づいて顧客にフラグを立てる、まず目印を付けると。あといろいろあって、だんだんだんだん反社勢力と認定していくと。グレーからブラックに認定していくわけですね。この最初のグレーゾーンといいますか、不芳属性先というんですか、芳しくない取引先ですね。これちょっと、國部さん、三井住友ですよね。私、三井住友は金利スワップ商品の、中小企業に優越的地位で押し付け販売して、その問題ここで取り上げましたから、みずほだけがひどくて三井住友きれいなんて全然思っていないですよ。 その三井住友に聞きますけれども、うちに三井住友の方から内部告発があったんですけれども、今申し上げました反社認定をやる最初の段階の、顧客にフラグを立てる、グレーゾーンといいますか、芳しくない先だと。この最初の段階に、三井住友相手に訴訟を起こした人、あるいは対外的に三井住友を告発した人、新聞に投書した人、こういうものを含めておられますよね。いかがですか。
○参考人(國部毅君) お答え申し上げます。 私どもの持っているデータの中には、反社会的勢力という範疇と、それからもう少し広い概念のデータ、両方持っております。今先生が御指摘になられた方は、その後者のデータの方に入っているということでございます。
○大門実紀史君 あっさりお認めになったわけですね。そういう三井住友に異を唱えた人までフラグを立てるということですね。内部告発あったから、今お認めになった、いいんですね、そういうことですね。
○参考人(國部毅君) 訂正させていただきます。 訴訟をされた方は、私が先ほど申し上げた幅広いリストには入っていないということだそうです。今確認をいたしましたが、訴訟された方は入っておりません。それから、クレームをされた方は入っております。
○大門実紀史君 じゃ、何ですか、銀行にクレーム付けた人はもうレッテルを張られるわけですね。そういう仕組みになっちゃっているんですね、やっぱり。おかしいじゃないですか、それは。おかしいんじゃないですか。 例えば、うちに相談があって、三井住友、金利スワップでひどい目に遭った中小企業いっぱいありましたよね。それで処分もありましたよね。そういう人たちがクレーム付けたら、皆さんグレーのレッテル張るわけですか。そんなことをやってきたの、今まで。
○参考人(國部毅君) 先ほど私が申し上げた幅広いデータというのは、本当に幅広く取っていますので、その中にはクレームをされた方が入っています。 問題は、その旗は立ちましたと、それが実際に例えば取引をするときに、それで取引を謝絶するというようなことにはつながっていないということです。データとしては、クレームされた方は入っております。
○大門実紀史君 何度も申し上げますけど、まず、その反社データのつくり方ですけれども、最初はいろんな顧客の情報があって、まずちょっと何かいろんな情報で問題がある人にフラグを立てて、さらにいろんなまた情報を重ねていって反社会勢力と、暴力団関係とか、こうなるわけですけど、その最初の一番広いところの、最初のフラグ立てるときに、私は今聞いて驚いたんだけれども、三井住友なら三井住友に何かクレームを言った人が、ぽんとみんな旗立てられると。これはおかしいですよね、そういうことはね、どちらが正しいかも分からないのにね。そんなのは別にどこかへメモしておけばいいわけで、顧客データに旗を立てるというのはおかしい話ですよ、それは。 聞きますけど、これは、恐らく全銀協の人が堂々と言っているんだから、みずほだって同じように、最初のリストのところはクレーム付けた人もそういうフラグを立てているんですか。
○参考人(佐藤康博君) 私どもの場合には、いわゆるクレームをみずほに対してしてきたお客様に関してヘビークレーマーという定義がございまして、ヘビークレーマーと言うんですけれども、要するに、単に取引の中でこれはおかしいとかあれはおかしいとかと言う方はもうたくさんいらっしゃるわけですけれども、ただ、非常にもう何百回とか何十回とか、そういう形で同じ取引についてずっとクレームされる方がいらっしゃるんですね。そういう方を、ちょっと英語であれなんですけれども、ヘビークレーマーというふうに言っておりますけれども、そういう、繰り返し繰り返しそういうクレームを掛けてこられるお客様については、不芳属性先と言われるグレーゾーンのところには登録することがございます。
○大門実紀史君 そういう極端な例を言っているわけじゃないんですよ、極端な例を。 例えば、共産党の国会議員に、自分の取引でみずほから、ありました、今までも幾つもありましたよ、幾ら言ってもひどい取立てを受けていると、相談にも乗ってくれないと。で、うちの部屋に来てもらって、今日もいらっしゃいますけれども、来てもらって、余りにもやり方ひどいんではないかと言ったら、分かりましたということで、相談に乗りますということで改善してもらった例がいっぱいあるわけですね。そのヘビーまで行かないですよ。それで、これはクレームなのかというのも、判断ですよね、困って相談のわけだから。だから、ヘビーの話、しているわけじゃないですよ。 そういう方がぽんとみんなフラグ立てられるとなると、この最初の皆さんがやっているデータというのは何なのかということになるわけですね。ないと言えますか。後で内部告発があったら違うことになりますよ。はっきりないと言えますか、みずほは。
○参考人(佐藤康博君) 全てをカバーして申し上げることはなかなか難しいんですが、今、先生がおっしゃったようなケースにおいて、フラグを立てて反社的な扱いをするということはないというふうに私は認識しています。 ただ、したがって、クレームによっても内容は区々でございますので、例えば政党の関係とか、あるいは条件がちょっと高過ぎるんじゃないかといったような程度のものですぐフラッグを立てて取引から排除するということは、基本的にはしていないというふうに思っております。
○大門実紀史君 そんなことは申し上げていません。そんなふうに簡単にやったらもう取引先なくなっちゃうんじゃないかと思いますから、そういうことを言っているわけじゃなくて、やっぱり厳しい、直面して、どうしてもいつも相談しても乗ってもらえないということでかなり、みずほならみずほに何度もお願いしても駄目だからうちに来たりするわけですよ。そんな簡単に来ませんよ。よっぽどの事例ですよね。そんなときにまでフラグ立ててこの顧客は要注意みたいなことをされたら、違うんじゃないかと思います。 こういうことも含めて、ちょっと銀行の体質というのは、大塚さんからもありましたけれども、この委員会で何度も何度も皆さんの体質について指摘されているわけです。今回はやっぱり、私は佐藤さんの責任の取り方が、今までの体質をこのまま続けるのか、やっぱり変わったなと、銀行業界変わったなと思うのは、やっぱり佐藤さんの責任の取り方だと思うんですよね。その辺も自覚していただいて、引き続き質疑していきたいと思います。 終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。 今回の反社会的勢力の問題というのは極めてゆゆしき問題だとは思いますが、私は日本の銀行、そしてアメリカの銀行に勤めておりまして、その経験からすると、金融界というのはかなり遵法精神のあるコンプライアンスのしっかりした業界かなというふうに思っております。その観点で御質問させていただきます。ただ、この問題というのはやはり社会的インパクトも多いということ、そして金融機関というのはかなりより一層の信頼性が必要だということで、今後の質問をさせていただくということで御了承いただきたいと思います。 まず質問の最初に、大門議員の方からかなりクレームについての御質問があったので、それについてちょっとお聞きしますけれども、デリバティブに関して、かなり損をさせられたというふうに指摘、過去にあったと思います。逆に、もうかったと言ってお金を返してくれた方がいらっしゃるかどうかお聞きしたいと思いますけれども、國部参考人、よろしいですか。
○参考人(國部毅君) 過去、私どもにおいても、デリバティブ取引でお客様が損をされたケースもございます。こういったお客様に対しては、誠実に事情をお聞きし、その対応について真摯に取り組んでいるということでございます。
○藤巻健史君 質問は、もうかってお金を返してくれた人はいますかという質問だったんですが、当然そういう方はいないと思うんですね。 要は、クレームといいましてもいろんなクレームがありまして、金融マンとして見ると非合理なクレームはたくさんあるということで、それに対して取引上フラッグを付けるというのは私はおかしくないと思っております。例えば、航空会社でヘビークレーマーがいれば、それはやっぱりリストに載るわけですし、それはおかしくないと思いますが、いかがでしょうか、國部参考人、お願いいたします。
○参考人(國部毅君) 先ほど大門先生の御質問にお答えをさせていただいた中で少し誤解を与えてしまったかもしれませんけど、全てのクレームについて旗を立てているということではなくて、やはり、例えば反社絡みあるいは違法行為絡みが懸念されるようなクレームに旗を立てているということでございますので、そのクレームの中身によって私どもはそういうデータベースに登録をさせていただいているということでございます。
○藤巻健史君 それでは、佐藤参考人に幾つかお聞きしたいんですが、今までの先生方から幾つかダブっている質問もありましたので、そちらは省きまして、まず最初に、十月二十八日に金融庁に提出されました業務改善計画に関してですが、それまでの進捗状態とその後の進捗状況を教えていただければと思います。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕 業務改善計画の進捗状況を、まず最初に、オリコとの提携ローンの取引の態勢の強化について申し上げます。なるべく手短に申し上げたいと思います。 一つは、全て代位弁済は完了しているということ。それから二つ目に、いわゆる入口チェックと言われる、オリコの入口のところで我々の反社データを使って、そこで遮断するということをシステム対応いたしました。そして三つ目に、先ほどから議論に出ております、私どもとオリコとの間での協働の反社対応の委員会を立ち上げました。これが提携ローンに対する対応、これ、全て済んでございます。 それから、ガバナンスの面につきまして何点か申し上げたいと思います。 我々はこの度の件を受けまして、コンプライアンス統括部を、一つの部でございましたけれども、反社専担の部をそこから切り出しまして、反社対応の専担の組織を十一月一日につくりました。 それから二つ目に、経営政策委員会という経営会議の下の重い委員会のところに反社取引排除委員会というものを、私が委員長となりましてスタートをさせました。ここには反社の専門家であります弁護士の河野先生を特別委員として招きまして、ここで反社取引に対して徹底的に審議する機会をつくりました。それから、この反社取引排除委員会というものをみずほ銀行だけではなくて、持ち株会社であるみずほフィナンシャルグループ、そして、みずほ信託銀行とみずほ証券にも同じ経営政策委員会をつくって対応することといたしました。 また、チーフ・コンプライアンス・オフィサー、今まで常務でございましたけれども、これを副頭取に格上げいたしまして、それから、十一月一日からはみずほ銀行の社外取締役に甲斐中先生に来ていただいていると。 それからもう一つは、ガバナンスの面で最後に一つだけ申し上げますけれども、持ち株会社における取締役会の機構の中に執行ラインを通さないでこうした重要情報が入るような仕組みをこれから検討していくことにしてございます。 最後に、反社的勢力への対応に対する重要な事項の報告のラインについての改革も既に進めておりまして、いわゆる規定の遵守のほかに、私自身あるいは今申し上げました委員会の委員に直接反社情報が入るような情報伝達手段も既に新しくセットしたところでございます。 〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕 以上、まだこれで十分だというふうには思ってございませんけれども、できることから既に手を着けてございますし、この反社の問題の中に隠れている問題も含めて、積極的にガバナンスの強化をやってまいりたいというふうに考えてございます。 以上です。
○藤巻健史君 すぐには答えられないと思うんですが、御行の取締役は、皆さん大量に自行の株式をお持ちなんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 私どもの組織の中には持株会という組織がございまして、役員は大体その持株会に入ってございますので、定期的に自行株を買っていくという形でございますので、その量は実は個人によって差がございますけれども、基本的には自分の株を持ってございます。
○藤巻健史君 今回の事件を考えて、アメリカだったら起きたかなということをちょっと考えてみていたんですけれども、まずコーポレートガバナンスというのは日本とアメリカとは違いますですよね。アメリカの場合には、会社とは株主のもの、ピリオド、ということで、株主のものであるということ。日本の場合には、会社は誰のものかよく分からない。株主のものかもしれないし、経営者のものかもしれないし、従業員組合のものかも分からないし、ということでよく分からない。 アメリカの場合というのは、取締役というのはまさに株主の利益代弁者でありますので、もしアメリカの取締役会に今のようなことが起これば、これはやっぱりレピュテーションリスクにかかわるということで、すぐに何とかしろというアクションが起きたと思うんですよね。 ところが、取締役会が株主の利益の代弁者でないということになると、やはり少し解決が遅れるというか、問題提起が遅れていくということがあるのではないかと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。日本のやっぱりコーポレートガバナンスの問題がより欧米的になれば、この問題というのはよりスムーズに表に出て解決ができたと思われるでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 アメリカと取締役会の位置付けというのが違うということは御指摘のとおりだというふうに私も認識しております。 しかしながら、基本的な問題としては執行と取締役のところの問題をどう解決するのかということだと思いますので、そういう意味では、私ども、持ち株会社の社外取締役三名がおりますけれども、その三名の方々が株主の利益を代表していると同時に、やはり執行ラインでありますそれぞれのみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券といった執行ラインに対しての管理監督責任を負っているという立場であろうというふうに思います。 ただ、アメリカの制度と比べますと、例えば実行部隊を飛び越えてそういうリスク管理の情報が入ってくるとか、そういう仕組みがまだまだ日本では十分できていない面もあろうかと思いますし、私は、今回の件をそういう観点から見ますと、みずほグループとしてもまだガバナンスを強化すべき余地が残っているというふうに認識してございますので、この点につきましても一日も早く手を打ってまいりたいというふうに考えております。
○藤巻健史君 御行は旧三行が二行になって、七月にまた一行になったわけですけれども、これが今回の事件に関係あったかどうかについてちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、二〇〇二年に三つの銀行が二つになりまして、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行という二つの銀行ができました。これは、お客様のニーズに合わせて銀行を二つつくったわけでございますけれども、これを今年の七月に一つの銀行にまとめたわけでございます。 今御指摘いただきました点につきましては、一つは、旧三行のしがらみというものがみずほの中に残っているのではないかということ、もう一つは、この二行というものも十年経ておりますので、二行のしがらみというものは残っていないかというようなことでの御質問だというふうに受け止めさせていただいた上でお答えを申し上げたいと思います。 私自身、二〇〇九年の四月からみずほコーポレート銀行の頭取になりまして、二〇一一年の六月からは持ち株会社のいわゆるグループCEOということになりました。このグループCEOというのは、みずほで今まで十年間決してつくれなかった組織というか地位でございまして、持ち株会社とみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の三人のトップが共同で全体観を協議するという体制でございましたが、これが組織の風通しあるいは迅速な対応ということに若干の問題があったのではないかという問題意識の下でグループCEOというものを一人に決めまして、そこから三行のしがらみというものを徹底的に排除するようないろいろな仕組みをつくってまいりました。全部できているかというふうに私自身がいつも自戒しているところでございますけれども、かなり進んできたというふうに考えてございます。 その中で、七月にワンバンクというふうにいたしましたので、これは二つの銀行を一つにするだけではなくて、証券と信託と合わせてワンみずほということでお客様の利便性を高めていこうという前向きな対応でございますので、企業カルチャーを一つにするということは非常に難しいことだというふうに認識しておりますけれども、一歩ずつ前進しているという状況であろうかと思います。 ただ、今回の事件を振り返って考えますと、まだそこに至らぬ点があったということを、私自身非常に強く認識してございますので、このワンみずほ、ワンカルチャーというものを徹底的に強くしていくために全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
○藤巻健史君 次に、國部参考人にお伺いしたいんですが、反社会的勢力といいましても、ど真ん中の反社会的勢力もいますし、また微妙な反社会的勢力もいるかと思いますが、どういう基準で認定するものなのか教えていただければと思います。
○参考人(國部毅君) 御質問にお答えさせていただきます。 まず申し上げたいのは、私どもとして、相手方が反社会的勢力と知って融資をすることはございません。したがって、反社会的勢力あての融資があるのは、銀行が融資を実行したときに相手方が反社会的勢力であることを知らなかったものか、又は銀行の融資を実行した後に相手方が反社会的勢力になった、こういうものになります。 例えばどういう事例かというのをもう少し申し上げたいと思いますが、銀行が融資を実行したときに反社会的勢力であることを知らなかった場合、すなわち融資実行時には銀行のデータベースに情報がなくて、法人の役員であるとかあるいは保証人あるいは担保の提供者等が反社会的勢力であることに気が付かなかったわけですけれども、その後、例えば報道あるいは警察の情報等を基に、当該人らが反社会的勢力であるという新たな情報が入り、反社チェックの結果、相手方が反社会的勢力と判明するケースなどがございます。なお、そのほかに、融資の実行をした後に相手方が反社会的勢力になるというケースもあります。例えば代表的なのは、法人の役員に新たに例えば暴力団が入ってくるとか、そういった事例がございます。 このように、なかなかその入口段階で排除をしましても途中で判明するケースがありますので、判明した後は速やかに関係遮断に取り組んでいくと、こういうことでございます。
○藤巻健史君 判明したときにどういう対応をするんでしょうか。
○参考人(國部毅君) お答え申し上げます。 基本的な流れを少し御説明をさせていただきますと、まず融資の債務者あるいは保証人が反社会的勢力の疑いがあると判明した場合で暴力団排除条項を導入している融資の場合、これはまず警察に債務者や保証人が反社会的勢力であるかどうかを確認をいたします。警察から確認が得られた場合は、この暴力団排除条項を適用してお客様に一括返済を求めます。まず任意での一括返済を求めます。それに応じていただけない場合は、例えば預金の相殺であるとか担保処分による回収を行います。その銀行での回収が困難な場合は、先ほども少し話題になりましたが、預金保険機構などに債権を売却することもあり得ると思います。 一方、警察から確認が得られない場合、これはまさに約定返済の履行状況をよく見るということになると思います。もちろん、延滞が発生すれば、それで期限の利益を喪失させ一括返済を求めることになります。 暴力団排除条項が導入されていない場合もございます。この場合は、今申し上げた、警察に確認して確認が得られない場合と同様の対応になると思います。
○藤巻健史君 回収するというのは当たり前の話で結構な話なんですが、口で言うのは簡単ですけれども、若い行員に回収しろといったって、それは命、怖くてなかなかやりにくいと思うんですが、そのときに民間金融機関だけではやはりなかなか対処が難しいということになれば、やはり行政としても何かの手助けをしなくてはいけないのかなというふうに思うんですが、何か行政に対しての要求とかありますでしょうか。
○参考人(國部毅君) やはりこの反社会的勢力あて与信の解消というのは大変難しい面もありますけれども、重要なことは、やはり警察あるいは弁護士さん等々と連携の強化を図りながら遮断の措置を講じていくということでございます。 したがいまして、警察に確認をするというふうに先ほど申し上げましたが、具体的には各都道府県の県警、いわゆる地元の警察に確認をすることになるわけですが、引き続き反社情報の確認であるとか取引解消の支援等、様々な観点から連携をさせていただきたいと思います。 例えば、預金取引の後で暴力団の口座だと分かったときに、解消するわけですけれども、そのときは、やはりその支店の警備であるとか、あるいはその行員の退行時に少し一人では歩かないとか、いろんなことをやりながら努めているところでございます。
○藤巻健史君 それだけでは何か怖いような気がいたしますけれども。私の息子も昔銀行員だったんですけれども、私の息子はそれを取りに行けというふうに、そういうような部署に配属されたら親としても怖いなと思いますけれども、それだけで大丈夫ですか。何かやはりもうちょっと国とか警察がバックアップするような体制というのは必要ないんでしょうか。もちろん、反社会的勢力への融資をしてはいけないというのは当たり前の話ですけれども、分からなくて、判明して、後で分かってしまう場合もあると思うんですが、そのときに銀行員任せで、自業自得といえば自業自得なのかもしれないですけれども、担当者としては極めて怖い問題だと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○参考人(國部毅君) お答え申し上げます。 もう一つ、今の取引の解消を手助けする方策としては、預金保険機構による特定回収困難債権の買取り制度の活用というのが一つあると思います。この買取り頻度を従来より更に高めていただくとか、あるいはそういうことを含めて柔軟な運用が行われるようになってくれば、銀行界にとっても反社会的勢力の取引の解消の手助けになるというふうに考えております。 以上でございます。
○藤巻健史君 そうなると、預金保険機構の職員がかわいそうかなという気もしますけれども、怖い思いもして。 それで、次に入りますけれども、先ほど小野議員から御質問がありましたけれども、まさにFATFからしっかりせよと、マネーロンダリングについてしっかりせよという指摘があるかと思います。先ほどはたしか佐藤参考人がお答えいただいたと思いますけれども、國部参考人はどうお答えでしょうか。
○参考人(國部毅君) お答えをいたします。 改正犯収法、これ本年四月に施行され、口座開設等の取引において、新たに取引の目的であるとか職業、事業内容そして実質的支配者の確認等が義務付けられました。私ども傘下の各金融機関全て、この改正犯収法を遵守するべく事務対応それからシステム対応を行って対応をいたしました。 しかしながら、先生御指摘のとおり、マネーロンダリングの手口というのはなかなか日々ある意味巧妙化してきておりますし、先ほども、当委員会で議論がございましたけれども、日本の金融システムに対する信頼性を確保するという上では、国際水準に適合したマネーロンダリング対策の強化が大きな課題になっているというふうに思っております。したがって、これは私ども金融界といたしましても、この国際基準に到達していく、クリアしていくということの必要性というのは十分に理解をしているところでございます。 国際的なマネーロンダリング対策の基準であるいわゆるFATFの勧告では、先ほど佐藤参考人もお話しになられましたが、法人顧客の実質的な支配者というのを個人にまで、最後は個人にまで遡って確認をするということであるとか、取引を継続的にモニタリングするなど、ある意味現在の犯収法を超えた対応を金融機関に求める形になっております。 したがいまして、私どもとしても、そういう国際的なスタンダードをクリアするということの必要性を理解する。一方で、それを突き詰めていきますと、非常に利用者の方に大変な御不便をお掛けすることにもなりかねませんので、その辺の両方のバランスを取りながら対応していく必要があると思いまして、私ども全銀協としても、そういう方向でいろいろ意見発信をしていきたいというふうに思っています。
○藤巻健史君 ちょっと時間が余りましたので、少し離れてお聞きしたいんですが、先ほど、今期銀行はかなりの収益を上げているという議員からの御発言がありましたけれども、私に言わせると、欧米の金融機関に比べると収益はかなり落ちているわけですね。 一般論として、何か反社会的勢力との取引というのは極めて大きい問題だと思って、これは別な話ですけれども、何か事故があると規制、規制が掛かるわけです。まあこれは全世界的にそうなんですけれども、規制、規制が掛かれば、それは収益チャンスというのはまたリスクを取れなくなりますので、収益は減ってきますよね。要するに、やっぱり日本の銀行としては収益を上げていかないと、そうしないとやっぱり外国の金融機関に買収されちゃうかもしれないし、いろんな競争で負けてしまうということで、ある程度競争体質を保たなくてはいけないと思うんですが、規制と収益量との関係についてどうお考えですか。 私は、例えば自動車で、自動車というのは事故を起こすからといって、どんどんどんどん規制を掛けてスピード制限三十キロにすれば自動車としての効率が落ちるわけで、金融機関に対する規制と収益の関係というのは同じような関係にあるのかなと。規制の掛け過ぎも問題だと思うんですが、どういうふうに今お感じですか、適正な規制だと思うか、規制過多だと思うか、少ないと思うか、その辺ちょっとお聞かせいただければと思います。
○参考人(國部毅君) 申し上げます。 特にリーマン・ショック以降、これは日本ということだけではなくて、世界各地の金融当局、特に欧米の金融当局が今やろうとしているのは、いわゆる銀行がリスクを取って業務をやることを規制をする、すなわち大き過ぎて潰せないということを制限しようという方向に様々な規制が働いていますので、世界全体の金融機関の収益性というのは今の規制環境下でいうと低下していく筋合いにあると思います。 特に今、リーマン・ショック以降の各地の金融規制というのは、アメリカもヨーロッパも、少し言葉が過ぎるかもしれませんが、自国のマーケットを守ろうと金融保護主義的な動きにもなっていますので、この辺の動きについては、私は、規制は少し、欧米、今国際的に議論をされている規制というのは行き過ぎているのではないかと思います。ただ、必要な規制はもちろん導入していかなければいけないということだと思います。
○藤巻健史君 全く同じ感想を持っております。 今日はどうもありがとうございました。
○平野達男君 改革・無所属の会の平野でございます。今日はどうもありがとうございます。 今回の案件は一種のリスク管理だろうと思いますけれども、よくこういうふうに言われるのは、初期対応が非常に重要だというふうに言われます。組織が大きくなればなるほど、初期対応である判断をすると、それがたとえ間違っていたとしても、次の段階に行きますと、前やったことに対しての、今度はそれを取り消すことになりますから、対応が非常に難しくなるという、そういう問題があるんだろうと思います。 今回の案件についても、平成二十二年に調査をやって、当時で三百二十八件の取引、いわゆる暴排条項というか、反社会的団体との取引の案件が出てきたということなんですが、この当時出てきたときの対応について、なぜいわゆる保証債務の履行を要求しなかったのかということがやっぱり大きな問題だろうと思います。 これは今日の質問の中でも何点か出てきていますけれども、ここの一点につきましてちょっと質問させていただきたいと思いますけれども、佐藤頭取は、これが要するに自行の債権の意識が薄かったからということで盛んに説明していますけれども、本当にそれで納得されていますか、そのときの対応が、そういう対応したということに対して。
○参考人(佐藤康博君) お答え申し上げます。 仮にこれが自行債権であったとすれば入口のところから排除していたと思いますので、そういう意味においては、結果的に代位弁済ができていないということが自行債権の認識の希薄さということに起因しているということについては私もそうだろうと思っておりますが、ただ、この代位弁済まで至らなかった理由はその一つではないというふうに認識してございまして、もう一つ申し上げるとすれば、やはりその段階でオリコを持分法にするときに、私どもの反社データをオリコに事後で渡して、それで二度と同じ人と取引はしないようにさせたと、そこに一種の前進を見たという感覚があって、それが代位弁済というところまで話を持っていくことが非常にできなかった理由の一つではないかと思います。 それは何かといえば、やはり反社に対する意識の希薄さということにやはり尽きるんだろうというふうに考えてございます。
○平野達男君 しかし、反社に対する意識といいながら、みずほさんは自行の取引についてはかなり徹底してやっているはずなんですね。だから、それをもってしてみずほさんが意識が低かったと言ったら、それは自己矛盾に陥っちゃうんですね、と私は思います。 それからもう一つは、今ありますけれども、今この報告書の中に、当行とオリコとの間の基本契約書に基づき、反社取引が判明した場合には、当行はオリコ社に対して保証債務の履行を請求し、オリコ社に対して暴排条項に基づく取引解消を図ることが可能とかというふうに報告書などに書いていますね。だからこそ金融庁の検査を受けたときにすぐに代位弁済を求めたということだと思います。 今、頭取のお話の中には、対策を講じたということをもって、いいというふうに判断したというふうにおっしゃいましたけれども、この中には取引解消を図ることが可能という契約条項があって、なぜここに対してこういう対応のときに代位弁済を求めなかったかということに対してのもう一段の突っ込みがあってもしかるべきだと思いますけれども、それは頭取からそういう指示は出されなかったんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) この問題の当初は、二〇一〇年の持分法の適用のところから始まっている問題でございますけれども、その持分法の適用の段階においてみずほ並みのデータを使った反社の排除ということをやろうとしたという経緯はございました。その中で代位弁済ということについて検討した実績は実はございませんでした。 何を検討していたかというと、一つは入口のチェック、そしてもう一つは事後のチェックということで、むしろ入口のチェックのところには相当なこだわりがございまして、それは一つは、オリコに対して代位弁済をさせたとしても、そのオリコ自体がみずほの持分法適用会社であるということでありますので、広い意味で考えればグループの外に反社が出ていっていないんじゃないかという観点から、何とかして入口でそこを排除しようと、オリコの入口でですね、そういうところに検討のエネルギーが相当使われていたということが分かっておりまして、そういう観点においては、徹底的に入口のところまで行ければ一番良かったんですけれども、システムの問題等でそこが中途半端に終わりながら、肝心の課題の代位弁済というところが忘れ去られていったというのが経緯だったというふうに理解してございます。
○平野達男君 もう一度言いますけれども、オリコとの間の中には先ほどの条項があるんですよね。だから、当時の中ではこれ代位弁済をするかどうかということについての決断があったはずなんですよ。だから、代位弁済をしなかったという決断をしているんですね。そのことについてのやり取りについての詳細を、これは頭取として、今のような説明の中ではやっぱり焦点をちょっとずらしていますよ。 別な課題で、要するにこれからのこと、入口のチェックをするとか、事後の対応のことを話しているんですけれども、当時の中でそういう決断をしたことに対してのどういうやり取りがあったかということがこれからのいろんなリスク管理をするときの一つの大きなテーマになるはずだと思います。 実は、これは役所の世界とか政治の世界でいろいろありましたよ。自分たちのやったことに対して腑分けするというのはなかなか難しいんです。難しいということは重々承知の上で言っていますが、そこのところの焦点をどうしてもぼかしているような気がしますし、またそういう印象を与えるからこそ、全体の今回のみずほの案件がどこかもやっとした感じの中で今進んでいるんじゃないかという感じが強くするということは、重ね重ねちょっと申し上げておきたいと思います。 もう一件あります。 金融検査は、これは平成二十四年の十二月から平成二十五年三月までやられておりますね。このときの金融検査の状況というのはそれは外部には出せませんけれども、トップの方にはどういう中身が議論されているかというのが上がっていたはずです。これはどうでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 基本的には検査というのは大変重要な行動でございますので、当時のみずほ銀行の検査については、みずほ銀行の頭取あるいは、時系列は少しずれますけれども、持ち株会社の方にも内容は伝わっておりました。 今回のオリコの提携ローンの問題がこの検査の中で御指摘を受けましたのは、検査自体は二〇一二年の十二月から始まっておりまして三月にエグジットしているわけでございますけれども、その検査の最後の段階のところでこのオリコの問題が出てまいりまして、それで私ども御説明を申し上げた上でこの検査の御指摘を受けたということでございますので、したがいまして、経営として認識しましたのが今年の三月の時点ということになっているわけでございます。
○平野達男君 そこで、九月の二十七日に行政処分というのが出まして、その中で二つ出てくるんですが、その二つ目の中に、反社会的勢力との取引が多数存在するという情報も担当役員止まりとなっていることというふうに挙がっています。これは九月の二十七日です。 しかし、検査から九月二十七日まで大体半年ぐらいあるんですね。恐らくこういう処分が出されるということについては、これは頭取若しくはトップのところまで上がっていたはずなんです。これを見たときに行内の中でどういう議論がされたんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 二十六条と言っていますけれども、いわゆる行政処分ということがみずほに科せられるということを認識したのは実は九月の段階、八月末から九月だったというふうに認識しておりますけれども、その間はじゃ何をしていたのかということでございますが、三月に検査が終わりまして、私は、七月に私どもの報告書を一旦出しているんですけれども、その間に行われた議論というのは、三月の御指摘を受けまして、このオリコの提携ローンの問題点については、その段階で私はこの問題を認識いたしましたので、それも含めまして、これは入口チェック、すなわちシステムをつないでオリコの入口でこの反社の情報をみずほの情報でもって遮断するということ、これをとにかく徹底的にやるということと、それから、代位弁済が済んでおりませんでしたので、残ったその代位弁済を、できる案件についてのオリコに対する代位弁済について、速やかにやることに注力をしていたというのが現実でございます。
○平野達男君 またここでもやっぱり事後のことを、やっぱり集中していたという話だと思いますね。 それで、実はこの役員止まりとなっているということ自体、社内のルールからすれば、これは本来、頭取まで上がっているはずだったものが上がっていなかったということであって、それはその段階で、行政処分が出される段階までに行内の中でこれに対してしかるべき議論があってしかるべきだったんだけれども、これやっていなかったということなんですね。ところが、十月の八日の段階になって、第三者委員会を出す段階になって、そこで初めて実は上がっていましたということが出てきたということ。 だから、金融庁検査は非常に大事だ大事だというふうにおっしゃいますけれども、この二十七日、いわゆる半年間の中で行内の中でそういう議論がなされていなかったこと自体、これ実は大きな問題じゃないでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) ただいま先生の御指摘の点はおっしゃるとおりだと思います。 私ども、その三月から七月、あるいは九月までの間の議論を、ただいま申し上げましたように、何とかしてこのオリコの御指摘いただいた点をきちっと正しい方向に修正するということにエネルギーを費やしておりましたので、金融庁検査、すなわち去年の十二月から三月までの間で私どもと金融庁との間でのやり取りの中で、これは大変申し訳ないことでしたけれども、この提携ローンについて私どもが担当者のレベルで上に報告をしていないということを検査の中で申し上げて、それが金融庁検査の最終的な私どもの見解として残ってしまって、その点について、いや、実はこれは担当者止まりではなくて経営者にも上がっていたんではないかということを、三月以降の段階でそういう着意を持ってもう一度調べてみようという、そこの着意には至らなかったということは事実でございますので、その点については非常に申し訳ないことだというふうに思ってございます。
○平野達男君 これは、当初は法令遵守担当役員と言っていたのが、後で二〇一〇年当時に副頭取まで上がっていたと、そして最後はトップまでということで、どこまで上がっているかというのがだんだん変わっていくんですよね。だから、随分これで、対応でみずほさんは損しましたよね、きちっとした内部の要するに調査ができない、あるいはやろうとしないという印象を与えてしまっていますから。 特に、この問題についてトップまで上がっていないということについては、その気になれば簡単に分かっていたはずですよ。だから、二十七日から十月の八日の中で、極めて短時日の中で、実は上がっていましたということで一転してしまうんですね。そこのリスク管理をしなかったということ自体が、また多分今回の中の別の問題としてあると思いますよ。ここの問題は、要するにこの報告書の中では一言も触れられていないんですよ。 あと、この報告書の中では、先ほどのちょっと話に戻りますが、二十二年の検査の後、二月十六日にコンプライアンス委員会で報告されましたとありますけれども、たった一行、本キャプティブローンについて出席者から何らの発言があった形跡がないと書いてあるんです。あとは、最後の方に意識が低かったとか、それから、あと、自行債権という意識が低かったという抽象的な言葉に、オブラートに包まれた中で全体のものを総括しようとしている。これはこれで第三者委員会だからいいかもしれませんけれども、みずほの銀行として、頭取さんとしてそこのところの意識はやっぱりしっかり持ってやるべきだというふうに思います。 繰り返しますけれども、私は、トップまで上がっていなかったということが後で修正されたということもさることながら、それが九月二十七日までの中で行内で出てこなかったということ自体がやっぱり一つの大きな問題だというふうに思います。そのことだけは申し上げておきたいというふうに思います。 以上、このリスク管理ということで偉そうなことをちょっといろいろ言いましたけれども、実は福島原発の対応とか、様々な事後検証をやるときには本当に難しい面があるんです。福島原発というのはもっともっと複雑ですから、これとの比較なんかではとても一概に議論できないところはありますけれども。 だけど、一番それを本当に徹底的に詰める気があるかどうかですよね、物事は。そのときに、自分が本当に詰めようと思ったら本当に詰められる。でも、出てこないところもある。だけどそこは、詰めるというのはなかなか大変な部分あると思いますけれども、是非、みずほさんという社会的に置かれた位置の重要性に鑑みまして、しっかりやっていただくよう要望申し上げたいというふうに思います。 それから、次の質問に移りますけれども、暴排条項なんですが、全銀協さんの方ではこの間ニュースリリースというのを出しまして、その中で、銀行による反社チェック態勢の整備という中で、会員行において、提携ローンを含め、貸付取引における顧客との金銭消費貸借契約への暴力団排除条項の導入を改めて徹底しますと書いていますね。改めて徹底しますと。 字句にこだわるわけじゃないんですけれども、改めて徹底しますということは、これは銀行協会さんとしては、この金銭消費貸借契約への暴排条項の導入というのは前からこれは進めていたという理解でよろしいでしょうか。
○参考人(國部毅君) お答えを申し上げます。 全国銀行協会では、二〇〇八年十一月に会員各行あてに通達を発信いたしまして、融資取引の契約書等への暴排条項導入を実施するよう周知徹底をしております。 四者型提携ローン、今回のみずほさんとオリコさんの形のような四者型提携ローンの契約書についても、銀行の融資取引の契約書でありますことから、全銀協としては、当該契約書にも暴排条項を導入すべきというスタンスでありますけれども、今回の事態を踏まえまして、過去には出していますが、改めて会員各行あてに通達を発信をいたしましてこの趣旨を徹底したということでございます。
○平野達男君 ところが、みずほさんではこの契約の中に暴排条項は入っていなかったということで、今回、今入れる方向でやっているということなんですけれども、なぜ入れていなかったんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) やはりそこは、この仕組みの中でそういった問題が起こった場合に、オリコ自身と代理店、あるいはその個人との間には暴排条項が入っていたということから、私ども自身が暴排条項を積極的に入れていくという、そういう着意がなかったということだろうというふうに思ってございます。 しかしながら、今回のことを踏まえまして、この暴排条項につきましては今後、オリコと今もう既に話を始めておりますけれども、入れていく方向で検討したいというふうに考えてございます。
○平野達男君 先ほど大門委員から、直接その債権者に、債権者というか、対等、債権者になぜ取立てしないんだというお話がありました。 今回、この金銭消費貸借契約への暴力団排除条項を導入するということで、同時に、みずほさんとオリコさんとの中では今までの契約は生きるということで、二つのルートができるんですね。片方は代位弁済、片方は暴排条項の導入ということでダイレクトにやれるという仕組みになるんですが、これはどちらが優先されるんでしょうか。
○参考人(佐藤康博君) 御指摘いただいたとおりでございます。二つのルートでこの排除ができるような形に、暴排条項を入れればなっていくと思います。 どれを使うのかということはそれぞれのお取引先の状況の区々でございますが、先ほど御説明を省いてしまいましたけれども、みずほとオリコとの間で、これをオリコが代位弁済したとしても、みずほのグループの中の債権であるということをきっちりと認識した上で、この二つの組織の間でつくりました委員会の中で、どちらの例えば暴排条項を使うのか、あるいは私どもの方の暴排条項を使うのか、オリコの方の代弁のルートの方を使うのかということについては、債務者ごとにその方策を両者で議論しながら最もその回収が進む方法を協議していこうということで、この委員会もそういった場所として使っていきたいというふうに考えてございます。
○平野達男君 個別の案件によって違ってくるということですね、そこは。 そうしたら、あともう一つ、この全銀協さんのニュースリリースの中に、預金保険機構による特定回収困難債権の買取り制度の利用を積極的に検討するというふうにございますけれども、この趣旨をちょっとお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(國部毅君) 今回策定をいたしました対策の中に、そういう一文を入れております。 それで、預金保険機構による回収困難債権の買取り制度というものについて、反社会的勢力あて与信の圧縮、解消のための有効な方法の一つであるというふうに認識をしております。 ただし、反社会的勢力あて与信の回収に当たりましては、やはり一件ごとに、個別に慎重な判断が必要と思っておりまして、個別行がそれぞれの債務者やあるいは債権の特性に応じて、様々な選択肢の中から最も効果的な回収手段を取っていくべきではないかというふうに思っております。そういうふうに考えてございます。
○平野達男君 預金保険機構の場合は、これは警察権というか、強制権みたいなものもありますので、それをどうしても使うという場合は、使うというのは結構だと思いますけれども、一つのあれなんですけれども、これがあるから事前審査が甘くなるみたいな、そういうことだけは是非ないようにお願いをしたいというふうに思います。 あと、私の方はもう予定した質問全部終わりましたので、ここで委員長、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(塚田一郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。 本日は、当委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十二分散会