災害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2013/12/03
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 この際、申し上げます。 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られませんので、出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請させていただきましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めさせていただきます。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、磯崎仁彦君、高野光二郎君及び吉川ゆうみ君が委員を辞任され、その補欠として石田昌宏君、大野泰正君及び森屋宏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の審査のため、本日の委員会に国土交通省道路局長徳山日出男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案を議題といたします。 まず、発議者衆議院議員林幹雄君から趣旨説明を聴取いたします。林幹雄君。
○衆議院議員(林幹雄君) ただいま議題となりました本法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 一昨年の東日本大震災を経験して、私どもはいかに脆弱な国土の上で日々の暮らしや経済活動等を行っているかということを改めて認識いたしました。その後、切迫している南海トラフ地震、首都直下地震について、最悪の事態も含めた被害想定や対策の見直しが行われております。 大規模災害から人命を守ることは政治の重要な責務であります。しかし、これまでの防災対策のみでは対応困難な、低頻度大規模災害から人命を何としても守り、かつ行政、経済社会も致命的な損傷を負わないこととするためには、狭い意味での防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策も含めた総合的な対応を言わば国家百年の大計の国づくりとして行っていくことが必要であると考えております。 事前防災・減災の考え方を更に進めて、強くしなやかな国づくりを、府省庁横断的に、地方公共団体や民間とも連携して総合的かつ計画的に推進するために本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。 第一に、国土強靱化の定義を定めるとともに、基本理念、国等の責務等、関係者相互の連携及び協力等について定めております。 第二に、基本方針として、一、人命の保護が最大限に図られること、二、国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること、三、国民の財産等に係る被害の最小化に資すること等を定めるほか、国土強靱化に関する施策の策定及び実施の方針として、一、既存の社会資本の有効活用等により施策の実施に要する費用の縮減を図ること、二、施設等の効率的かつ効果的な維持管理に資すること、三、地域の特性に応じて自然との共生及び環境との調和に配慮すること等を規定しております。 第三に、政府は、国土強靱化に係る国の他の計画等の指針となるべきものとして、閣議の決定を経て国土強靱化基本計画を定めるものとし、国土強靱化基本計画以外の国の計画は、国土強靱化に関しては国土強靱化基本計画を基本とするものとしております。 なお、都道府県又は市町村においても、国土強靱化に係る当該都道府県又は市町村の他の計画等の指針となるべきものとして、国土強靱化地域計画を定めることができることとしております。 第四に、国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に国土強靱化推進本部を設置することとし、国土強靱化基本計画の案の作成及び実施の推進に関すること等の事務をつかさどることとしております。 なお、国土強靱化基本計画の案の作成に当たっては、国土強靱化推進本部が脆弱性評価の指針を定め、これに従って脆弱性評価を行い、その結果に基づき当該案を作成しなければならないこととしております。 以上が本法律案の趣旨及び概要であります。 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
○委員長(竹谷とし子君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員福井照君から説明を聴取いたします。福井照君。
○衆議院議員(福井照君) 本法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、題名を、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法に改めること。 第二に、この法律を制定する目的を前文として加えること。 第三に、国土強靱化において備える対象を大規模災害等から大規模自然災害等に改めること。 第四に、国土強靱化の基本方針について、大規模自然災害等に際して人命の保護が最大限に図られることとするための手段の例示として、防災又は減災に関する専門的な知識又は技術を有する人材の育成及び確保並びに災害から得られた教訓及び知識を伝承する活動の推進を加えるとともに、新たな方針として、ソフト面の施策とハード面の施策を組み合わせた国土強靱化を推進するための体制を早急に整備すること、事前防災及び減災のための取組は、自助、共助及び公助が適切に組み合わされることにより行われることを基本としつつ、特に重大性又は緊急性が高い場合には国が中核的な役割を果たすこと、現在のみならず将来の国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに国民生活及び国民経済を守るために実施されるべき施策については、人口の減少等に起因する国民の需要の変化、社会資本の老朽化等を踏まえるとともに、財政資金の効率的な使用による当該施策の持続的な実施に配慮してその重点化を図ることを追加すること。 第五に、国土強靱化に関する施策の策定及び実施の方針に大規模自然災害等に対する脆弱性の評価を行うこと等を追加すること。 第六に、国土強靱化基本計画の案の作成に関し、脆弱性評価は、起きてはならない最悪の事態を想定した上で、科学的知見に基づき総合的かつ客観的に行うものとすること、国土強靱化推進本部は、国土強靱化基本計画の案の作成に当たっては、脆弱性評価の結果の検証を受け、作成手続における透明性を確保しつつ、公共性、客観性、公平性及び合理性を勘案して、実施されるべき国土強靱化に関する施策の優先順位を定め、その重点化を図らなければならないこと。 第七に、国土強靱化の推進を担う組織の在り方の検討に関し、国土強靱化の推進を担う組織の在り方の例示として大規模自然災害等への対処に係る事務の総括及び情報の集約に関する機能の強化の在り方を追加すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大門実紀史君 おはようございます。日本共産党の大門です。 質問の順番の御配慮をいただき、本当にありがとうございます。 早速質問に入りますが、そもそもこの法案、よく中身を吟味いたしますと、単に防災・減災というだけではなく、今後の公共事業の在り方を左右する重大な法案だというふうに思います。先ほども百年の計というのがありましたけれども。 衆議院の答弁でも、この法案はアンブレラ法というふうにも発議者の中で答弁がありました。したがって、現在あります国土形成計画とかあるいは社会資本整備計画とかそういうものとの整合性も取らなきゃいけませんし、元々そういうものに防災という目的も入っていたわけでございますので、本来この法案はこの災害特ではなくて国土交通委員会でやるべきであって、強いて言うならそれに災害特が合同審査、連合審査をやるという形が本来ではないかと思うんですけれども。 そういうふうに考えますと、衆議院でもかなり厳しい質問をさせていただきましたけれど、そういう防災・減災ということを看板に前面に立てることによって何かいろいろ突破しようというふうにかえって思ってしまうんですけれども、本来はやっぱり国土交通委員会でやるべきではなかったんでしょうか。いかがでしょうか。
○衆議院議員(福井照君) この法案の目的でございます。とにかく、国が先頭に立って国民、人命を守るということでございます。 そして、一昨年の経験を受け、そして政府が既に示しております、近々来るであろう巨大な災害の予測を受けまして、国土強靱化関連三法案として、この今御審議いただいておる基本法案、そして南海トラフの巨大地震、巨大津波に対応する特別措置法、そして首都直下の地震に対するための特別措置法、この三法案を国土強靱化関連三法案として衆議院の災害対策特別委員会でそれぞれ御可決いただき、そして衆議院から参議院に送らせていただいて、南海トラフと首都直下の方は十一月二十二日に参議院でもお認めをいただきまして、今日、基本法について御審議を賜っているということでございます。 この強くしなやかな国土づくりという、ただひたすらその目的のために本日参議院の災害対策特別委員会で御審議を賜っている次第でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
○大門実紀史君 まあ、よく分からないんですけれどもね。 公共事業をこれからどうするかというところの議論だと思うんです。例えば、二階先生来ていらっしゃいますけれども、二階先生が経済産業大臣のときに何度か質問をさせていただいて、中小企業の方々の仕事をきちっと確保したいと、そういう強い気持ちは同じでございますし、我が党も公共事業を全部否定しているわけでも何でもありません。必要な公共事業はやるべきだと、そしてそれが地域の中小業者の方々の仕事に回れば地域経済も活性しますから、そういう点で、何も公共事業を悪だとか全面的に否定するつもりはないんですけれども。 ただ、必要な公共事業ということをやっぱりきちっと検証しながら進めるべきだと思っておりまして、それには二つあると思うんですけれども、一つは、やっぱり必要かどうかをきちっと住民参加とか第三者機関でチェックをしながら、あるいは費用対効果もきちっと測りながら公共事業を決めていくということと、もう一つは、そうはいっても財政全体の制約がありますので、どこに投資するかという、この判断ですよね。例えば、限られた財政を公共事業に使うのか社会保障に使うのかと、こういうこともやっぱり判断をしながらやっていく必要があると思いますけれども。 その一つが、やっぱり住民参加でいろいろ検証されるのか、第三者機関が検証できるのかということが非常に重要なポイントだと思うんですけれど、この法案の場合そういうことがどうなっているかというと、国土強靱化推進本部を設置して、それが自ら自分で決めた指針に基づいて脆弱性評価を行って、その評価に基づいて国土強靱化計画案を作るということですね。この手続の中で第三者とか住民の意見を聞くとか参加とか、検証が保障されておりません。 これではやっぱり、今地元から、いろんなところから心配の声が出ておりますけれども、今まで環境の問題とか、あるいはいろんな住民の反対が起きて中止になった公共事業もかなりあるわけですが、そういうものがこの脆弱性評価というところ、脆弱性を克服するという名目だけで復活してしまうんではないかという危惧が環境団体も含めて出されておりますけれど、この点、いかがお答えになりますか。
○衆議院議員(福井照君) この法案の第八条、第九条で、第八条で基本方針、第九条で施策の策定及び実施の方針書いてございますが、この法案の肝は脆弱性評価、ちょっと言いにくいんですけど、どこの分野が、そしてどこの地域がどういう場合に日本の国土なり私たちの命が脆弱なのかという、その脆弱性評価というのをしっかり行うことになっておりまして、その際、ソフト施策とハード施策を適切に組み合わせること、そして自助、共助及び公助を適切に組み合わせることを基本とすること、そして施策の重点化を図ること、そして既存の社会資本の有効活用などによって費用の縮減を図ること、そしてさらには民間の資金の積極的な活用を図ることと規定しているわけでございます。そして、その脆弱性評価を行ったり、あるいは基本的なポリシーを決める際に、有識者会議ということで、政府の、国家公務員以外の有識者の方の御意見も承った上で議論をするということになってございます。 いずれにしても、脆弱性評価の結果として、その様々な対応方針を検討した上で、その結果として、真に必要なインフラは何か、その整備の在り方はどうか、そしてハードとともにソフトの在り方はどうかということが決まるわけでございますので、その点、どうか御理解を賜りたいと思います。
○大門実紀史君 お互い、今政治家同士の議論ですよね。恐らく今まで、質問されてちゃんと答えない、そういう答弁者を何人も相手にされてきたと思うんですよね。私聞いたことに、ストレートにそれだけ答えてもらえませんか。周りのことを言われて、結局聞いたことに答えていないんですよね。 住民参加とか第三者機関はどうなっているんですかと、この一点だけ答えてくれますか。周辺の話は時間もないのでいいですから。
○衆議院議員(務台俊介君) 先生おっしゃる点については、強靱化法の十七条の七項に、基本計画の案を作成するときはあらかじめ密接な関係を有する者の意見を聴かなければならないという規定がございまして、こういう規定を通して意見を聴けるのではないか。さらに、パブリックコメントのような手法、規定がなくてもそういう手続を経るということが十分あり得ますので、そういう点で先生のおっしゃる点の御懸念は解消できるというふうに思っております。
○大門実紀史君 全体として、脆弱性の評価のところに、評価するところで聴こうというふうになっていないですよね。聴くことはできるというところでございまして。私が言っているのは、本体の評価のところで聴く仕組みがないのではないかと指摘しているわけでございます。 もう一つは、この目的そのものなんですけれども、事前防災・減災、迅速な復旧復興と並んで国際競争力の向上に資するものとされております。この場合、国際競争力というのは一体何を指すんでしょうか。
○衆議院議員(金田勝年君) 御指摘のとおり、国土強靱化は、第一条で規定されておりますとおり、事前防災及び減災その他迅速な復旧復興に加えて、国際競争力の向上に資する強靱な国づくりということで規定をされています。 これは、我が国の大都市が、大都市に限りませんが、自然災害による危険度が高いというふうに海外から評価をされているところであります。例えば、公表されております資料ですけれども、ミュンヘンの再保険会社による世界の大都市における災害危険度指数というものがあるんですが、これを見ますと、世界第一位が東京、横浜となっている。そしてまた、世界の第四位が大阪、阪神地域というふうにされている。こういう公表がございます。 例えば、こういうふうな危険度というものが高いと海外から評価されているということが、やはり大規模自然災害に対する我が国の安全性を逆に確保する仕組みをしっかりと国づくりの面でやっているということを平時から総合的、計画的に推進していく、そして、その結果、諸外国に発信して理解を得ることがやはり我が国の安全性に対する国際的な評価を高めていくと、こういうことにつながるのではないかと私どもは考えております。 したがいまして、訪日外国人の増加、そしてまた諸外国からの様々な経済活動というものを呼び込むことにつながって国際競争力の向上に資するものだというふうに考えておりますことから、第一条において規定をしているところであります。
○大門実紀史君 おっしゃりたいことは、国土を強靱化するというか防災を強めれば、結果的に我が国の安全性が高まって、国際的な評価が高まってあるいは諸外国から投資を呼び込むこともできる、それが国際競争力につながると、簡単に言えばそういう話だと思うんですけど、実は今まで逆のことをやってきたわけですね。 都市集中というのは、これはある意味では産業の競争力を高めると、国際競争力を高めるために都市に集中してきたわけですよね。今度は、それは危険だからと、危険だと投資は呼び込めないから国際競争力高まらないと。もうどっちでも、何でもかんでも国際競争力が理屈になるわけですよね。だから、取って付けたような話ではないのかなと。じゃ、今まで国際競争力のために都市集中型の国土をつくってきたことは何なのかなということも問われるべきだというふうに思うわけでございます。 時間がないので、この法案が結果的に現場で何を生んでいるかということなんですが、資料をお配りいたしましたけれども、現場では、要するに、今まで凍結されていた公共事業が国土強靱化とかあるいは国際競争力という名の下にどんどんやれるぞということで浮き足立っているわけでございます。内閣官房に設置されている省庁の連絡会議でも、今後の対応方針の中で高規格道路とか新幹線ネットワークなどの話が出てきておりますので、現場は現場で、各都道府県レベルでもどんどんこれはやれるぞということで、いろんな今動きができてきているわけでございます。 特に、二〇〇八年に調査を中止したということが、当時、冬柴国土交通大臣だったと思いますけれど、我が党の質問に対して明言をされて中止になったわけですけれど、その六海峡横断道路、これが動き始めているといいますか、これを動かすためのシンポジウム、決起集会も開かれてきております。 これは、中止されたのは、お手元にお配りいたしましたけれど、公共事業批判がいろいろあって、結果的に調査も中止しますと。そして、今後やるときは、ここの文書の下の方にありますが、画期的な技術開発とか財政の大幅な改善があり、これを前提に将来、整備段階に格上げする場合があっても個別に議論をすると、前提として画期的な技術開発とか財政の大幅な改善がありということを明言して、それがないとということで中止をしたわけですが、そんなことはお構いなく、もうシンポジウムとか決起集会が始まっております。十一月の二十八日には関空・紀淡・四国高速交通インフラ期成協議会設立シンポジウムというのがイイノホールで開かれまして、内閣官房参与の藤井先生、あるいは国土交通政務官、審議官というのが参加をしております。 このときの文書ですね、この中止にした文書の前提というのはこれはもう満たされて、この六大海峡、このシンポジウムは豊予と紀淡の海峡道路ですけれど、こういうものはもうゴーということで国土交通省がお墨付きを与えているんでしょうか。
○政府参考人(徳山日出男君) 事実関係についてお答えを申し上げます。 委員の提出されました資料は、平成二十年三月に国土交通大臣が記者会見をしたときの配付資料でございます。海峡横断プロジェクトの道路に関する調査につきましては、このとき会見ではっきり申し上げましたとおり、平成二十年三月に個別プロジェクトに関する調査を行わないことにしております。そして、その後、平成二十年度以降、国としてこれらの調査は行っていないというのが事実でございます。
○大門実紀史君 まあ現場はこういうことなんですよ。 これは、自民党の国土強靱化法案が出た後、そして今回の法案が修正も含めて出てきたときに、もうわあっと、結果的に言えば、いろいろ言っても、こういうかつて凍結されたような大型プロジェクト、全総計画、全総というのがありましたけれど、あれも中止になりましたが、そういういろんな事業を結局やることに、やる名目としてこういう法案が使われているといいますか、出てきていると。そういうお墨付き法案であるというのはもうむしろ現場が物語っているんではないかということを指摘して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 おはようございます。今日は、衆議院の発議者の先生方、大変にお忙しい中ありがとうございます。 この法案がいよいよ参議院でこうした審議に入れるということで、感慨深いものがございます。私も昨年は野党の時代に防災・減災ニューディール推進基本法というのをこの参議院に提出をさせていただいた発議者でございまして、その後、自民党の国土強靱化基本法とともに併せて国会の方に提出をさせていただき、そして衆議院を通過して、いよいよ参議院ということになりました。短い時間でございますけれども、幾つか確認をさせていただきたいと思います。 法第八条、基本方針の第一項には人命の保護が最大限図られることということが定められております、当然でございますが。その中には、女性、高齢者、子供、障害者等の視点を重視した被災者への支援体制の整備、こう規定されております。この規定にあります背景、またこの法案が成立した場合には、こうした視点でどのような施策が充実されるのかについてお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(石田祝稔君) お答え申し上げたいと思います。 この規定の背景としては、災害時の避難等における女性、高齢者、子供、障害者等への支援の必要性とともに、例えば避難所等においてこれらの方々に配慮することは被災者全体の避難生活等の向上にも資すると、このように考えられると思います。したがって、その重要性に鑑み、特に人命の保護が最大限図られることという基本方針の施策の例示として示しているということで御理解をいただければと思います。 そして、どのような施策が充実するかと、こういうことでありますけれども、これまでも政府において災害対策基本法を改正し、高齢者、障害者等の要配慮者について名簿を作成することを市町村長に義務付け、名簿情報の提供を行うための制度を設けるなど一定の取組がなされてきておりますけれども、今回の法案が成立した暁には、本規定の趣旨を踏まえ、脆弱性評価を行いながら一層の推進が図られると、そのように考えております。
○西田実仁君 ありがとうございます。 この第八条の基本方針と並びまして、第九条には施策の策定及び実施の方針ということが定められております。この八条と九条の関係についてお聞きしたいと思います。 八条で基本方針が定められてございますが、それを実際に施策を策定したり実施したりする方針が第九条で定めているわけでありますけれども、九条というのは決して配慮とかあるいは留意するということではなくて、今回は施策の策定及び実施の方針として定められた。この八条と九条、基本方針と一対を成す形で九条があるというふうに私は認識しておりますけれども、発議者の方の御見解をお伺いします。
○衆議院議員(石田祝稔君) 第八条と第九条の関係についての御質問でありますが、今質問でもお述べいただきましたけれども、第八条は基本方針、第九条は施策の策定及び実施の方針を示しているところでありますが、第八条は具体的には、人命の保護が最大限図られること、そして国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること、そして国民の財産等に係る被害の最小化に資すること、こういうことを第八条で定めております。 そして、一方、第九条には施策の策定及び実施の方針と、こういう形になっておりまして、基本方針に即して国土強靱化を推進するために、ある意味では個別具体の施策を策定し、実施するに当たっての方針を示すと、こういう規定になっておりまして、基本方針よりも具体性の高い施策の策定、実施の段階の方針として整理されておりますが、基本方針とともに国土強靱化の推進の核となる、このような方針として位置付けられております。
○西田実仁君 ありがとうございます。まさに国土強靱化を進める核となるということで、ともにという形で今御答弁をいただきました。 もう一つお聞きしたいと思いますが、我が党は防災・減災総点検というのをずっと訴えてまいりました。今回、この法案に定められております脆弱性評価ということといわゆる総点検ということがどう違うのか、同じなのかということがまず一点。そして、我々が唱えてまいりました防災・減災総点検というのは、備えが必要な施設又は設備等をほぼ網羅する形で統一された準則の下に科学的かつ総合的に行う施策というふうに我々は思って推進してまいりましたけれども、議案提出者の御認識、二つお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(石田祝稔君) 私も、委員とともに参議院に提出をした、第百八十回国会でありますけれども、そのときの法案作りに共に携わった者として、今回の今日の日を迎えられたということは非常に感慨深いものがございます。 その上でお答えをいたしたいと思いますが、防災・減災体制再構築推進基本法案、これを第百八十回国会で提出をいたしましたが、この第二条第三項で、防災・減災総点検について、我が国における社会資本等の大規模自然災害に対する安全性の実情を明らかにするとともに、防災・減災体制再構築推進基本計画の策定その他防災・減災体制再構築の推進に関する施策の企画及び立案に必要な資料を得るために行う科学的かつ総合的な点検と、こういう定義になっております。 一方、今回の法案では、修正後の第九条第五号において、脆弱性評価を大規模自然災害等に対する脆弱性の評価と定義しております。さらに、第十七条第一項において脆弱性評価の指針を定めて行うこととしており、同条第三項においては、起きてはならない最悪の事態を想定した上で科学的知見に基づき総合的かつ客観的に行うと、こういうことに定められております。 このように、脆弱性評価は大規模自然災害に対する安全性の実情について明らかにするために行う評価のみならず、大規模自然災害以外の事故等に対する安全性も含めて行われる評価でございまして、御指摘の、備えが必要な施設、設備等をほぼ網羅する形で統一された基準の下に科学的、総合的に行う初めての施策にも相当する、そして、その意味するところは防災・減災総点検として行うことを想定していた点検を包含するものと、このように整理しているところでございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。 最後に、防災に関する人材育成についてこの法案でどう定めているのかについてお聞きしたいと思います。 先日、本委員会におきまして参考人の方にお見えいただきましたときにも、特に防災の教育に携わる先生、防災先生という人材の育成が必要であるという御指摘も専門家の方からございました。ともするとハードばかりが強調されますが、こうした人材育成についてこの基本法においてどう定め、どう推進されるのか、最後にお聞きして終わりたいと思います。
○衆議院議員(務台俊介君) 先生御指摘のとおり、国土強靱化の推進においては何としてもそれを支える人材というのが大事だということでございます。 本法案におきましては、第十七条の五項を設けまして、脆弱性の評価は施策の分野ごとに投入される人材その他の国土強靱化の推進に必要な資源についても行うというふうに書いておりまして、この規定を受けて、今後、適切な対応が行われるというふうに考えております。 そして、本日衆議院の総務委員会で通過しました、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法案というのがございまして、その中でも、特に地域防災体制の強化のための教育訓練の充実、人材の養成、そういったことについてしっかりとした規定を設けておりますので、相まって大いに進められていくものと考えております。
○西田実仁君 終わります。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。 ─────────────
○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治でございます。 早速質問に入らせていただきます。 本日はいわゆる国土強靱化基本法に関する一般質疑ということで、この法案につきましてはもう実に、東日本大震災発災以後、半年余り後に自民党で立ち上げられた国土強靱化基本問題調査会をベースに二年間で七十回以上の勉強会、そして現地視察、そして友党であります公明党の皆さんとの協議などを経て作成されたということで、もう大変提案者の皆様方には精力的に御議論いただきまして、誠に感謝申し上げます。この度、衆議院での修正を経て参議院での審議入りということで、もう改めて敬意を表し、感謝申し上げたいと思います。 昨日で、あの中央道笹子トンネル天井板落下事故から一年が過ぎました。この災害、いつ起こるとも知れない、対応は待ったなしの状況でありまして、一刻も早くこの法案を成立させ、政府において本部を立ち上げて実効的な施策を進めていく必要があると考えております。 さて、二階先生におきましては、国土強靱化基本問題調査会の会長としてもう大変な御尽力をいただいたことと拝察いたしますが、それだけに、今回のこの法案への思い入れは誰よりもお強いことと思います。 そこで、二階先生に、この法案の重要性を国民の皆様に理解していただくためにも、基本法案の意義、必要性、緊急性等につきまして、先生の思いを先生の言葉で語っていただければと思います。よろしくお願いします。
○衆議院議員(二階俊博君) 東日本のあの大災害、以前は阪神・淡路地震、また近くは大島の大災害等、この現場の状況は誠に言葉を失うような惨たんたるものであったわけであります。また、今お話にありましたとおり、昨日、笹子トンネルの一周忌を迎えたと。我々は今申し上げたいずれもの現地もお伺いをし、そしてお見舞いを申し上げると同時に、いかにすればこのような災害から人命を守ることができるかということに頭を悩ませてまいりました。 これまでの防災対策のみでは対応が困難だ、あるいは大規模自然災害等から人命を何としても守り抜くんだと、行政、経済社会も致命的な損傷を負わないために、狭い意味での防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策も含め、総合的な対策を言わば国家百年の計として国づくりをしていかなくてはならないと強い思いに至った次第であります。このため、事前防災・減災の考え方を更に進めて、強くしなやかな国づくりを府省庁横断的に、地方公共団体や民間とも連携をして総合的かつ計画的に推進するため、本法案を提出したものであります。 お話しのとおり、私たちは二年二か月の歳月を掛け、地方へも度々、出張調査あるいは意見交換にも出向くなど、様々な機会に各方面の御意見をちょうだいしてまいりました。我々は、改めて、災害から人命を守るということが政治にとっての崇高な使命であると同時に、これは是非果たさなくてはならない我々の重要な義務であると、このように考えておる次第であります。
○舞立昇治君 ありがとうございます。私も、その思いをしっかりと胸に刻んで国土強靱化の推進に取り組んでまいりたいと思います。 続きまして、今回の基本法でございますが、先ほどの趣旨説明でもございましたように、必要な論点が包括的に網羅されておりまして、完成度の高い内容に仕上がっていると思われます。しかしながら、やはり実効性が伴わなければ絵にかいたもちになってしまいますので、個々の条文について具体的に何点か、ちょっと時間の関係上、項目を絞ってお聞きしたいと思います。 まず、第八条の基本方針の第四号でございますが、地域間の連携の強化、国土の利用の在り方の見直し等というような規定がございます。 首都直下、東海・南海地震等、大規模自然災害等の発生時における日本海側の重要性が考えられますが、ミッシングリンクの解消のほか、国土利用の重点を太平洋側から日本海側へシフトさせるようなことが想定されると思いますが、提案者といたしましては、政府に対して具体的にどういうことをするべき、してほしいと考えておられるのか、お聞かせください。
○衆議院議員(林幹雄君) お尋ねの第八条第四号の地域間の連携強化、国土の利用の在り方の見直しとは、大規模自然災害等から迅速な復旧復興を目的としたものでありまして、例えば、被災地と他地域との間の情報の共有や、あるいはまた連携協力が円滑に行われるよう自治体間で協定を結ぶこと、あるいはまた人流、物流の大動脈が自然災害等により分断、機能停止する場合を想定して広域的な視点からの代替輸送ルートを確保すること、あるいはまた社会の諸機能が適切に維持、確保できるよう必要なバックアップを同時被災しない場所に確保することなどを想定しているところでございまして、今回提出している法案では、まずは、お話しのように、脆弱性評価をしっかりと行って我が国として重点的、優先的に取り組むべき課題を検討した上で、国土強靱化に関する施策の策定に係る基本的な指針として国土強靱化基本計画を作成することとしているところでございます。 先生御指摘のミッシングリンクの解消のほか、国土利用の重点を太平洋側から日本海側へシフトさせるというお考えも含めて、地域間の連携強化、国土の利用の在り方の見直しについて、まず政府において脆弱性評価が行われて、その結果に基づき必要な検討を行い、その方向性等が明らかにされるものと認識しているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございます。ソフト、ハード共にしっかりと考えられているということで御確認させていただきました。 次に、第九条の施策の策定及び実施方針についてでございます。 九条の五号に脆弱性評価を行うこととございますが、この脆弱性評価については、第十七条で、国土強靱化推進本部は評価の指針を定め、これに従って評価を行い、その結果に基づき基本計画の案を作成しなければならないとされているところでございます。 そこで、この脆弱性評価につきまして、これは十七条の三項において、起きてはならない最悪の事態を想定した上で科学的知見に基づき総合的かつ客観的に行うという文言が規定されております。この条文からしますと、脆弱性評価といいますのは、国土強靱化に関する施策の分野ごとに投入される人材その他の国土強靱化の推進に必要な資源も含めて定量的な評価がなされるというふうに私としては読めるところでございますが、そういうことを求めているものと理解してよろしいでしょうか。御確認させてください。
○衆議院議員(林幹雄君) 御指摘のとおり、脆弱性評価につきましては、起きてはならない最悪の事態を想定した上で科学的知見に基づき総合的かつ客観的に行うということとしているわけでありますが、そのほか、修正後の第十七条第五項で言われているように、国土強靱化に関する施策の分野ごとに投入される人材その他の国土強靱化の推進に必要な資源についても行うということとしているところでございます。 具体的にどのように脆弱性評価が行われるかは、法律成立後、政府におきまして本法律の趣旨を踏まえて適切に判断されるものと考えておりますが、提案者としては、その中で施策の分野ごとに必要に応じて定量的な評価が行われることもあり得るというふうに考えているところでございます。
○舞立昇治君 今後、法案成立後、政府において検討、判断されるというようなことでございますが、先ほど先生も、求めると、あり得るというような表現がございました。やはり定量的な評価、数字を出していかなければなかなか実効的な対策とはならないと思われますので、是非そこは政府の方におきましてもよろしくお願いいたしたいと思います。 ということで、この脆弱性評価に基づいて基本計画を作成されるということで、私といたしましては、客観的な、定量的な評価がなされることに基づいて作られる基本計画におきましても定量的な計画が策定されるというふうに理解しているんですが、先ほどの話ですと、今後、法案成立後、政府において判断、検討されるというようなことで、これにつきましては、基本計画におきましてもしっかりと定量的な計画、数値を作ってしっかりとそれに向けて取り組んでいくというようなことをお願いして、その次の質問は飛ばしたいと思います。 次に、第十三条及び第十四条につきまして、国土強靱化地域計画につきましての質問でございます。 都道府県又は市町村は地域計画を定めることができるとされておりますが、この地域計画を定めるに当たりまして、本部が定めるのと同様の手続で都道府県や市町村も脆弱性評価等を実施することを求めているものと理解してよろしいでしょうか。 また、そもそも国の脆弱性評価というのは国土強靱化に関する施策の分野ごとに行われるということで、施策の分野といいますと、国、地方、民間といった区別は特に重要ではないと私としては思われるんですけれども、国が実施、作成する脆弱性評価、基本計画につきましては、民間レベル、そして都道府県や市町村といった地方レベルのものは対象外なのか伺いたいとともに、仮に対象外の場合、例えば都道府県でも県管理国道等、そして地方自治法で法定受託事務で本来国の事務を都道府県や市町村にやってもらうといったようなこともあるわけでございまして、そういった対象外の線引きがちょっと分かりにくいなと考えているところでございまして、その辺りのお考えをお聞かせいただければと思います。
○衆議院議員(金田勝年君) ただいまの御質問については、まず、本法案の第十三条で、都道府県又は市町村は、国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、施策の推進に関する基本的な計画である国土強靱化地域計画を他の計画等の指針となるべきものとして定めることができると、こういうふうに規定しております。 この法案においては、その国土強靱化の地域計画、この策定方法については、まず一つ目なんですが、特段の定めは置いていないんですけれども、計画の性質は国土強靱化基本計画と同じでありまして、いわゆるアンブレラ計画でありますことから、国土強靱化基本計画と同様の方法で策定されることがまず望ましいという点が一番目。 それから、二つ目の御質問に対しては、国が実施、作成する脆弱性評価あるいは基本計画につきましては、対象とする施策の分野において、国全体として想定した事態が回避されなかった場合の影響の大きさ、あるいは緊急度、緊要度の観点から取り組むべきものだというふうに位置付けられております。その施策が対象となりますことから、民間レベル又は地方レベルでの取組も促進する施策はこれは対象となるというふうに考えておる次第であります。
○舞立昇治君 ありがとうございました。是非その方向でよろしくお願いいたします。 都道府県や市町村、そして地方団体がこういった計画、恐らく多くの団体が定めていくことと思いますが、作成する地方団体の財政負担等への配慮のほか、国の基本計画の作成に当たりまして、より良い計画とするためにも、第十七条の七項に規定されていますように、政府におかれましては都道府県、市町村、そして学識経験者等の関係者の意見をしっかりと聞きながら計画策定に当たっていただくよう、お願いしたいと思います。 時間も本当に、済みません、なくなってきましたので、最後、古屋大臣にしかお聞きできないかと思いますけれども、今私は内閣官房参与もされている藤井京大大学院の教授の本に非常に衝撃を受けております。それによりますと、東日本大震災クラスの大地震が過去二千年の間に四回発生して、その四回の発生地震、ともに全て首都直下地震と連動して、二年から十年の間に必ず連動しているという歴史的事実。そして、南海トラフ地震につきましてもこの四回中三回で連動している、それは六年から十八年のタイミングと。一例だけ連動していないといっても、西日本では明治時代の濃尾地震が起こったと。これは歴史上最大の内陸直下型地震とも言われておりますが。 要するに、やはり、南海トラフとは言わずに、西日本側で巨大地震があったかどうかという視点で見ると、東日本大震災が起こると、短くて二年、もう二年は過ぎましたが、長くても十八年のうちには必ずと言っていいほど巨大地震が発生する、この事実を忘れてはならないと。この事実を知った以上、私は政治家として、しっかりと念には念を入れて危機意識を一層持って適切に対処していく必要があると考えております。 そういった意味で、今、基本法案の審議がなされております。政府におかれましても、今年に入り、推進室の方を立ち上げていただいて議論、取組を進めていただいているところでございますが、政府の側の国土強靱化に関するこれまでの取組状況と今後の取組方針、そして国土強靱化に対する決意を大臣の方からお聞かせいただきまして、最後の質問とさせていただきたいと思います。
○国務大臣(古屋圭司君) 今委員から御指摘のありました藤井教授、内閣官房参与として、また国土強靱化、ナショナル・レジリエンス懇談会の座長としても専門的見地から種々アドバイスをいただいております。もう御承知だと思います。 さて、今回のこの国土強靱化、政府としてどうやって進めるのかということでございますけれども、実は、安倍内閣になりまして政府・与党一体でスピーディーに取り組むということを最重要課題にしてまいりました。先ほど二階先生の方からも御指摘があったように、もう数年前からこの国土強靱化は党の中でも議論をしてきましたけれども、一方ではやはり政府ともしっかり連携をして、今回こういう形で皆様に御協力をいただいて法律が成立をする見込みになってまいりましたけれども、実は先行して、この法律の内容を反映させるべく、今委員から御指摘があったように、例えば推進室をつくる、各省庁の連絡協議会をつくる。そしてまた、四つの基本方針ですね、人の命を守る、絶対に致命傷を負わせない、そして被害はできるだけ最小限に食い止める、そして四つ目が速やかに復旧をさせると、こういう考え方に基づいてソフト、ハード両面で対策を講じていくと。 その対策に当たっては、例えば優先順位を付けるとか、そして、一度決めた事業でも常に不断の見直しを行う、PDCAサイクルを徹底をさせる。そして、起きてはいけないプログラムを四十五から十五に優先化をして、その十五のプログラムに対する対応を最優先課題として取り組んでいる。そしてまた、概算要求あるいは予算編成の中でもそういう取組をしていく。実はこれ全て法律の中に反映をされていることでありまして、これがまさしく政府・与党一体になって取り組んできた成果の一つだと思います。それからまた、この手法も今までにはない取組をさせていただいていると。 したがって、この法律をもし皆さんの御協力により成立をさせていただいたならば、是非年内には国土強靱化大綱を作らせていただくというスケジュール感で進んでいきます。そして、それはこの法律にも規定をされています国土強靱化基本計画の言わばバイブルとなるものでございますので、政府としても、この新しい手法、新しい試みというものを全ての省庁が一体になって、特にこの法律は成立をしますと、本部長が内閣総理大臣、全閣僚が本部員という形で事実上オールジャパンで取り組んでいくということになりますので、災害の多い国ではありますが、必ずそれに打ちかっていくと、このことが平時の競争力も付ける、そして成長戦略につながっていくと、こういう考え方に基づいて頑張ってまいりたいと思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございました。しっかりと対応のほどをお願いしたいと思います。 本日はちょっと国交省の方にもお願いしておりましたが、質問できませんで済みませんでしたが、しっかりとこの国土強靱化の礎となる公共事業予算の確保につきましてお願いしたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) この際、申し上げます。 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔午前十時五分速記中止〕 〔午前十時十八分速記開始〕
○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めさせていただきます。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠として酒井庸行君が選任されました。 ─────────────
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦でございます。 早速質問をさせていただきますが、本法案について日本維新の会は、全ての公共事業は無駄である、このような考え方はしておりません。限られた財源の中で最大の効果が生まれるように予算をうまく、使われ方を厳しくチェックをしながら、大切な法案でありますので十分な御審議を進めさせていただきたい、このような思いでありまして、このような状況、環境の中でこの法案を審議をするということは非常に残念であります。一言そのことを申し上げながら、早速質問に入りたいと思います。 大規模災害と、何を大規模災害と想定をされているのか。私は、この大規模災害というのは、南海トラフ、そして首都直下地震、大地震、そして老朽化をしている、それに対して大災害を伴わないかという、公共施設に対してのそういう大きな私は大規模災害というのはイメージがあるわけでありますけれども、まず、何を大規模災害というのは想定されておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(金田勝年君) 修正後の本法案におきましては、事前防災及び減災その他迅速な復旧復興並びに国際競争力の向上に資する大規模自然災害等に備えた国土の全域にわたる強靱な国づくりを国土強靱化ということにいたしております。 ここで申し上げております大規模自然災害等については、基本的には大規模自然災害を想定しておるわけであります。一方で、大規模自然災害のみに限定しているわけではありませんで、大規模自然災害等の「等」としては、御指摘にもございましたが、例えば一年前の発生いたしました笹子トンネルの天井板崩落事故といったような、公共施設の老朽化に伴う事故といった大規模な事故等により生じる被害、こういったものも想定しているところであります。
○室井邦彦君 この法案は余りにも抽象的で幅が広くて、私もまだまだなかなか勉強不足で読み取ることができないわけでありますが、日本の国は活断層が三千以上も走っておりますし、そして、まれに見る火山国、まれに見る地震大国と、こういう状況でありますから、しっかりと、その予算も一体どのぐらいの予算で進められるのか、その辺のことがまだまだ私も理解できていないところでありまして。 いずれにしましても、私も阪神・淡路大震災、尼崎に住んでおりますのでそういう経験をしておりますので、特にそういう心配と、また、この委員会でも再三申し上げておりますけれども、原発銀座の近くに琵琶湖があると、そういうところで大きな地震とか活断層がずれると、阪神・淡路大震災のようなああいう大きな事故になる。少しでも、耳かきに半分ぐらいの放射能がもし琵琶湖にというようなことを思うと、一千六百万人の関西の飲み水が、関西人、近畿圏の飲料水が絶たれると、そうなるとどうなるのかなと思うと、やはり恐ろしい思いがしております。特にそういう面に関しては、しっかりと国民に分かりやすい、また我々国会議員にも分かりやすい強靱化の政策、対応策をしっかりとまた示していただければ有り難く思う次第であります。 続きまして、国土の全域にわたる強靱な国づくりの推進によって、強靱な国づくりの名の下で予算のばらまきになるのではないか、このような心配を、懸念をしておりますが、絶対にそういうことはないんだというような力強い御説明をお願いをしたいと思います。
○衆議院議員(金田勝年君) まさに委員御指摘の、ばらまきとならないように懸念しているんだよという御指摘はそのとおりであるというふうに考えております。 国土強靱化の推進に当たりましては、第十条に規定しております国土強靱化基本計画におきまして、基本計画の対象といたします国土強靱化に関する施策の分野、それから国土強靱化に関します施策の策定に係ります基本的な方針といったものが定められておりまして、この基本計画が国の他の計画等の国土強靱化に関する指針になるわけであります。 具体的に分かりやすく申し上げて、施策の推進に当たりましては、どのような災害からも命だけはしっかりと守る、あるいは国土及び社会の重要な機能が致命傷を負わない、そしてハード、ソフト一体となりました対策によってできるだけ被害を減らす、そして仮に被災をしても速やかに復興をする、こういった基本的な考え方を基本といたしまして脆弱性の評価を行う、そして優先順位を付ける、そして必要な対策が着実に進められるように配慮していくと。したがって、不要不急の事業が行われるとは考えていないわけであります。 政府におきましても、この考え方にのっとって真に必要な事業が行われるように、我々としてもしっかりと見守っていきたい、このように考えております。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 これは、各省庁にもまたがることでありますので、優先順位というのを簡単におっしゃいますけれども、その点は十分に、いろいろと省庁の駆け引きもあればいろんな問題も生じてくると思います。しっかりと優先順位を付ける、そういう状況になれば、その点は特に気を遣いながら省庁等のバランスも考えていただきたいと、このように希望しておきます。お願いをしておきます。 続きまして、財政資金の効率的な使用に配慮をし重点化を図るとするならば、特に、当面は、首都直下地震、そして南海トラフ地震に対象を絞り、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに照準を合わせ、集中期間としてその必要な事前防災及び減災対策を総合的にかつ計画的に推進できるようはっきりと法案に示し、書き込むべきであると、このように私は思っておるわけでありますけれども、その辺の所見をお聞かせいただければ有り難く思う次第であります。
○衆議院議員(福井照君) 先生、ありがとうございます。たまたまつい先日まで文科省におりましたので、オリンピック・パラリンピックについて御言及いただきましたことを感謝申し上げたいと思います。 ただ、法案の中身として書き込めという御命令でございますけれども、今御審議いただいている法律では、施策の優先順位につきましては、この法案の成立した後、本部が脆弱性評価を行って、その結果を踏まえた国土強靱化基本計画の案を作成するに当たって明確化されるわけでございますので、個別の、個々の政策の優先度まで規定することはこの法案にはなじまないわけでありますけれども。 いずれにしても、ブエノスアイレスで安倍総理大臣が、安全で、しかも世界中の人々が、そして世界中からのツーリスト、世界中からのアスリートを一人も傷つけない、どんなに巨大な地震、津波が来ても安全なオリンピック・パラリンピックをデリバーしますというふうにもうお約束をさせていただきましたので、もうそれは当然大きな目標になると考えております。
○室井邦彦君 分かりました。優先順位としては、南海トラフ、首都直下、そしてオリンピック・パラリンピックにということまでしっかりと申し上げることはできないかも分かりませんが、当面はこの南海トラフ、そして首都直下型、また東京オリンピックに対する対応というのはやはりしっかりとしていただかないといけない、このように思っております。よろしく御理解のほどお願いをしたいと思います。 続いて、法案のこの基本理念に、国際競争力の向上に資することに鑑み、明確な目標の下に当該施策を適切に策定し、これを国の計画に定めること等により行われなければならないとありますが、あわせて、分散型社会を目指すということも念頭に入れて取り組んでいかなくちゃいけない、私はこのように思います。更なる一極集中の都市型形成に力を加速させる、その都市型の一極集中に偏ることが逆に被害の増大になるのではないか、そして強靱な逆に国づくりにならないのではないのか、このような心配をしております。その点の御所見をお聞かせください。
○衆議院議員(福井照君) 先生御指摘のとおりでございまして、もうそこがやられたら全国が麻痺してしまうというようなところはつくっちゃいけない、もう本当におっしゃるとおりだと思います。 複線型のネットワークをつくる、リダンダンシーを確保する、クリティカルパスをつくらないと、そういう国土づくり、社会のシステムづくりに励まなければならないというのがこの法案の目的でございますが、繰り返しになりますけれども、この優先度なり国土の在り方については、アプリオリに、それを前提としての法案じゃありません。これは組織論であり計画論でございますので、おっしゃるようなことにつきましては結果として出てくるわけでございます。 本部が脆弱性評価を行って、その結果を踏まえた上で国土強靱化基本計画の案が作成されて、その中で国土政策、国土軸をつくれとか、太平洋側と日本海側とのバランスをどうしようとかという、そういう国土政策の進め方については、この法案の中身としては字句として法文として書き込むということについてはなじみませんけれども、もう先生おっしゃるその優先度なり国土政策、非常に重要なことであるというふうに考えております。
○室井邦彦君 この国土強靱化、よく言われておる副都心、また危機都市といいますか危機管理都市とか、そういういろいろと表現はありますけれども、やはり、東京が直下型地震で大打撃を受ける、そうすると日本の経済産業は止まってしまうというような、副都心の問題も復活したり、また鎮静化したりというようなことがあるわけでありますが、このことを契機に、きっかけに、また今後そういうこともしっかりと対応し、考えていかなくちゃいけないのかな。これは国土交通省にかかわるのかこの委員会にかかわってくるのか私も少し分かりませんが、両方にまたがる問題かも分かりませんが、いろいろと諸問題はございますけれども、非常に大切な法案でもあり、しっかりと対応していただかないといけないと思っておりますので、よろしく進めていただきたいと思います。 いまだに二十八万人が東日本大震災で避難生活を余儀なくされていると。これは非常に大きいことでありまして、一人一人が地域に愛着を持ってまちづくりの展開がされるという、全くそういう状況ではありません。東日本大震災を教訓とするならば、安全で復元力のある国土の形成が重要である、このように考えます。 そこで、安全で復元力のある国土の形成とは、単なる生活再建にとどまることなく、更なる地域力向上につながる地域づくりが必要である、このように考えております。そして、被災地において新しい生活を続けるためには、やはり雇用の場、これがやはり保障されていなくてはならない、このように思っております。国と県が雇用の場を確保するための産業立地や企業誘致にしっかりと取り組む必要があります。 国土強靱化の基本方針や施策の策定、実施の方針の中に安全で復元力のある国土の形成という考えを法案に書き込むべきと考えますが、どうでしょうか、その辺の御所見は。
○衆議院議員(石田祝稔君) 今委員御指摘の問題につきましては、私も非常に大事な観点だというふうに思っております。 そして、今回の法案につきましては、国土強靱化の基本方針として、修正後の第八条第四号に、地域間の連携の強化、国土利用の在り方の見直し等により、大規模自然災害等が発生した場合における当該大規模自然災害等からの迅速な復旧復興に資することと、こういう一文を規定をいたしておりまして、委員が御指摘の、安全で復元力のある国土の形成、こういう趣旨も本法案に盛り込まれていると、そのように考えております。
○室井邦彦君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。続いて参ります。 基本計画案の作成に当たって、推進本部は関係行政機関の協力を得て大規模災害等に対する脆弱性の評価の指針を定め、これに従って脆弱性評価を行うと、このようにあります。しかし、各分野の課題には、防災・減災対策として既に各省庁において対策が講じられております。各府省庁における防災・減災対策を国土強靱化対策として言い換えただけの対策ではないのかと考えますけれども、その点の御所見はいかがでしょうか。
○衆議院議員(石田祝稔君) お答え申し上げたいと思います。 国土強靱化は、修正後の本法案第一条におきまして、大規模自然災害等に備えた国土の全域にわたる強靱な国づくりと、このように定義されておりまして、その施策の分野は広範なものとなりますけれども、それぞれの分野におきまして、委員御指摘のとおり、既に様々な施策が実施はされているところであります。 しかし、これらの施策がそれぞれの分野の中で必要な施策として進められていると、そういうものでありまして、大規模自然災害等から国民の生命、身体、財産を保護し、大規模自然災害等の国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小となるようにするためには、国土強靱化に関する施策として総合的かつ計画的に推進をしていくことが必要不可欠であると思っております。 このため、本法案におきましては、国土強靱化に関する施策について、国土強靱化基本計画を国の最上位計画に位置付け、その下に既存の各種計画などを位置付けることで国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進すると、このようにしたものであります。 提案者といたしましては、国土強靱化に関し、国土強靱化基本計画が国の各種計画等の基本となり、これら各種計画等に即して国土強靱化に関する施策が推進されるとともに、第十二条に基づき、必要に応じて内閣総理大臣が関係行政機関の長に対し必要な勧告を行い、国土強靱化基本計画の実施について調整を図ること等により、本法案の趣旨を踏まえた適切な国土強靱化に関する施策の推進が図られると、そのことを期待をしているところでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 質問を十問用意しておりまして、七問で終わってしまいまして、三十八分までということでありますので、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、羽生田俊君が委員を辞任され、その補欠として三宅伸吾君が選任されました。 ─────────────
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。 私が最後の質疑者ということのようでございますので、重なる部分も幾つかあろうかと思いますし、最後ゆえにあえてそもそも論をお聞きをするという部分もあろうかと思いますが、御容赦をいただきたいと思います。 まず、基本的に、大規模自然災害等から国民の生命、財産、身体を守るということ自体には我々も賛同するものでありますが、されどこの法律を作る前にやるべきことがあるのではないか、また優先順位が違うのではないかという思いを持っているわけで、そういう観点から幾つかお聞きをしていきたいと思っております。 まず最初に、今ある体制をしっかりやっていけば新たな法律を作らずとも大規模自然災害等々から国民を守っていくことはできるんじゃないかという考え方に立つわけですけれども、現在も国土強靱化推進室というのが既にあって、来年度のいろんな災害対策等の予算も要求をしているわけでありまして、本来はこういったものをしっかり取組を強化するということがあれば、新たな法律を作らずとも十分この趣旨、目的を達していけるんではないかと考えたりもするわけですけれども。 とはいえ、現実はというと、この国土強靱化推進室は、実態は各省の予算や施策をそれこそホッチキスで留めているようなものだと言わざるを得ませんし、職員の皆さんも当然各省から寄せ集めだということであります。本来、内閣法においては、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務が内閣官房の業務とされておりますが、残念ながらこういうことですから、なかなか目的をしっかり達成していくことは難しい。 したがって、まずやるべきの一つは、この国土強靱化推進室、この体制を、先ほど申し上げたように、まずは強化を図るということが大事なのではないかと思いますが、この取組状況の評価と御所見をまず発議者の方にお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(金田勝年君) 委員御指摘の点についてお答えをいたします。 まず、現在ある内閣官房の国土強靱化推進室でございますが、一部御指摘当たっているところもあると思います。関係府省庁の協力を得ながら、これまで脆弱性評価とかプログラムの重点化あるいは概算要求の取りまとめといった国土強靱化の各種取組を精力的に進めてきているという状況は、私どもも同じように認識をいたしております。 なお、今回のこの法律は、例えば十一条、ここで、国土強靱化基本計画におきまして国の他の計画が基本とします政府横断的な観点からの指針を示したり、あるいは第十二条において、必要に応じて本部長たる内閣総理大臣が計画の実施の調整に関して勧告権を発動できるといったような仕組みを設けて、いわゆる上位計画としての実効性を高めるというふうな法的根拠といいますか、こういうものを規定しておるわけでありまして、この法案の制定というのがやはり国土強靱化の推進には非常に大きな力を持つことになるんだというふうに思っておるんですね。 そして、御質問の点ですが、法律が成立いたしました場合には、その後には脆弱性評価や国土強靱化基本計画の策定といった法律に基づく国土強靱化に係る取組が円滑に推進されますように、そういう体制をしっかりとつくることが必要だと、こういうふうに考えておる次第であります。
○柴田巧君 現時点ではいわゆる横串が刺さっていないというのが実態だろうと思います。この法律が成立して、今いろいろお話もございましたが、果たしてそういうことになるのかどうか大変心配もするところでありますが、いずれにしても、本来はこういったものがきっちりとなされていれば現時点でも十分やれるんではないかという感を持つということを申し上げておきたいと思います。 それから、この法案、確かに衆議院でも修正をされまして、名前も随分長い長い名前になって三十六文字ほどになってしまいましたが、しかし基本的にはそのスキームに大きな変更はないというふうに見ておりまして、一言で言うならば、かつての全総の思想を、考えをここでもう一度よみがえらせようとするものではないかと今のところ受け止めているわけで、典型的な官僚統制、中央集権型の考えではないかなと思っております。 御案内のように、全総は全国一律の金太郎あめ的な開発になるとして廃止をされたわけですね。これは、国が基本方針を示して地方がそれに従う時代から、地域の在り方は地域自らが考える時代になったからにほかならないわけでありまして、言わば時代の変化に伴って全総というのはなくなって今日に至っているわけです。 しかし、この法案では、国土強靱化基本計画を定めて、また国が脆弱性評価をして、これを基に都道府県別、市町村別の計画を作っていくということでありまして、いわゆる財源、権限のない地方が結局は国の計画や金太郎あめ的な政策に従うしかないということになるのではないかと懸念をするわけで、そういう意味でも、一旦決別をしてきた全総の思想に立ち戻る、そういう考えが根底にあるんではないかと思いますが、この点はどのようにお考えになっておられるんでしょうか、お聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(金田勝年君) 委員御指摘の点につきましては、国主導の全総の発想をよみがえらせようとするものではございません。 その理由としては、二つ申し上げますと、本法案の第四条に、地方公共団体の責務といたしまして、基本理念にのっとって、国土強靱化に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有すると規定しておりますが、この規定は国土強靱化に関します施策の推進に係る一般的な責務規定を定めたものでございまして、これに基づいて個別具体の義務を地方公共団体に新たに課すようなことを想定しているものではないという点が一点。 それからもう一つは、地方公共団体が作成することができるとなっております国土強靱化の地域計画、これにつきましては国土強靱化基本計画との調和が保たれるものでなければならないと、これは修正法案の第十四条にしっかりと明記しております。国土強靱化基本計画と国土強靱化地域計画とは調和が保たれたものでなければならないとしております。この規定の意味するものは、地域の取組と国全体の取組とが整合を持って推進される、そして効率的、効果的対策が進められることを期待しているものでありまして、国主導の下に、地方自治体が作成する計画が国の計画に従属することとなることを想定したものではありません。 したがって、先に申し上げましたとおり、国主導の全総の発想をよみがえらせようなどとするという御指摘は当たらないと考えております。
○柴田巧君 ただ、調和しなければならない云々ということになっているわけで、となると、どうしても地方の方からしても国のそういう考え方に、心は別として、地域の実情は別として従わざるを得ないということになりはしないのかなと大変心配をするということでありまして、このことは指摘をしていきたいと思います。 それから、先ほども質問もございましたが、やっぱり公共事業の、今のこの法案ではばらまきに結局、最終的にはなっていくんではないかというのを我々としても心配をするわけで、もちろん全ての公共事業が悪いということではないのですけれども、結局、これまでも公共事業をやってきて、一九九〇年代の反省でいうと、経験を通じて明らかになったというのは、公共投資依存型の経済成長や地域づくりというのは結局は永続性に欠けるんだと、また財政赤字という負の遺産を大変結局残してしまうんだということになるわけでありまして、いろんな歯止めがあるんだというようなお話も先ほど御答弁もありましたけれども、しかし、この法案の中にも、政府の他の計画においても国土強靱化に関する部分は国土強靱化基本計画を基本とするというふうに明記をしてあるわけで、どうしても財政再建や福祉や環境とかそういったものよりも公共事業が結局優先される根拠が既にこの中に盛り込まれていて、つまるところ公共事業のまたばらまきということになりはしないかと考えるわけですが、この点はどのように考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○衆議院議員(福井照君) ありがとうございます。まさにこの法案の肝を御質問賜りました。 第十一条で、国土強靱化基本計画以外の国の計画は、国土強靱化に関しては国土強靱化基本計画を基本とするものとするという旨を規定しております。これは国土強靱化基本計画、いわゆるアンブレラ計画、屋上屋じゃなくて傘をかぶせるというアンブレラ計画として、国土強靱化に関しては国のほかの計画の上位計画に位置付けられることを明示的に定めた規定でございます。まさに議員立法だからこそ規定できたわけでございます。 一方で、そもそも国土強靱化に関する施策は、いわゆる公共事業のみを指すものではございません。また、当該規定は、国土強靱化に関する施策とそれ以外の施策との関係について何ら規定するものではありません。つまり、国土強靱化に関しては基本計画を基本とするということでございますので、公共事業の施策がほかの施策より優先されるということには当たらないと考えております。
○柴田巧君 ちょっとまだ十分に理解ができたという段階ではありませんが、時間もあれですので質問を次に移らせていただきたいと思います。 ちょっとやや法案に書いてあることで具体的なことをお聞きをしたいと思いますが、第九条の四号だったかなと思いますが、国土強靱化に関する施策は民間資金の積極的な活用を図るとされているわけで、先般のこの法案を審議するに当たっての参考人質疑でも、これからのインフラの整備あるいは再生等々に民間の資金をやっぱり有効に使っていくということは大事なことだというお話もありましたし、同感するところでありますが、ここでそういうふうに法案の中にも盛り込んでございますが、具体的にはどういうふうな手法を用いていくべきだと、あるいは、促進をしていくためには、もし見直し等々あるいは改正等々するところがあればどういうところがあるというふうにお考えか、お尋ねをしたいと思います。
○衆議院議員(福井照君) まさにPFIやPPPは、もう今それを含めなければ公共事業も非公共事業も進まないという時代になってございます。例えば、老朽化した公営住宅によるPFIもございますし、首都高速道路の老朽化対策は民間投資開発と一体的に行う、プライベート、パブリックのパートナーシップというPPPの仕組みでもう既にやっているわけです。 具体のプロジェクトをこの法律で先ほど申し上げましたように規定しているわけではございません。計画論と組織論の基本法でございますので、お尋ねの民間資金の積極的な活用、本当に必要であるという御趣旨、十分踏まえて今後政府が適切に実施しますように見守っていきたいというふうに考えてございます。
○柴田巧君 ありがとうございました。 次に、先ほど共産党の大門委員からも質問がございましたが、この法案はいわゆる国民、市民が参画できるというところが、非常にその規定が乏しいものだと言わざるを得ないと思います。先ほどからあるように、アンブレラ法になるということならなおさらのこと、また、この法案にもありますように、言わば国民にもこの施策の展開に協力するように努めなければならないということを盛り込んでいるわけで、だったら、なおさら公共事業の意思決定手続において民主性や透明性をしっかり明記をしておく必要があるのではないかと思います。 現行の公共事業、上位計画の根拠法となっている国土形成計画法でもパブリックコメントがしっかり規定されているわけで、先ほどまた第三者やあるいは脆弱性評価についての第三者、市民のチェックの手続の規定もないということでありましたが、国民もその協力に努めなきゃならないとすればなおさらのこと、こういうような手続はあってしかるべきではなかったかと、明文化しておくべきではなかったかと思いますが、ここら辺の考えをお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(務台俊介君) 委員御指摘のことに関しては、法案の十七条の七項で、本部は強靱化基本計画の案を策定するときはあらかじめ関係者の意見を聴かなければならないという規定がございまして、そういう意味で、ステークホルダーについては意見聴取の機会、規定が書いてあるということでございます。 国民がないのではないかということでございますが、環境基本法、海洋基本法、障害者基本法などの法律においては特段パブリックコメントの規定がございませんが、これらについては実際にはパブリックコメントの手続が行われているということでございます。この法案が成立した段階で基本計画の策定が行われる段階でも、同じように必要に応じてパブリックコメント等の手続が行われるというふうに考えておりますので、委員御指摘の御懸念は当たらないと考えております。
○柴田巧君 先ほども申し上げたように、大変、場合によれば統制強化にもつながりかねない性格を持っておりますので、そこら辺はしっかり本来は明記されてしかるべきだろうと思いますし、実際の運用に当たってそこら辺は、この法案が成立すればしっかりその点はやっていただかなきゃならぬということを申し上げておきたいと思います。 もう時間的にも最後になろうかなと思いますが、先ほども冒頭に申し上げたように、今やるべきは、限られた財政の中でやっぱり選択と集中というのはどうしてもせざるを得ないんだろうと思います。これからどんどん高度成長期に造ったインフラも更新期を迎えていく中で、またどんどんどんどん老朽化がこれから甚だしくなっていくわけで、この前の国土交通省の試算に見ても、これから五十年の間にインフラの維持管理だけで百八十兆、また更新の投資だけで百九十兆必要だと。これを年平均でいくと七兆四千億もそれだけで必要になってくるということでございますから、選択と集中がそれこそ必要だと思いますし、昨年度の補正も入れた公共事業費を上回るものになってしまうわけですから、まずは、新規のものをどんどんやる前に、今あるものの維持管理あるいは長寿命化にしっかり取り組む、そのためにも、最先端の技術を用いてそういったことにまず重点を置くというのが大事な考え方ではないかと思いますけれども、この点はどのように考えておられるか、最後にお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(福井照君) ありがとうございます。 またまた、本当に肝中の肝をおっしゃっていただきました。先ほど古屋大臣がおっしゃっていただきました、今年中に決めるその政策大綱のもう本当に肝だと思っているんです。たまたま国交大臣が今年はメンテナンス元年だとおっしゃったこと、そして今、全省庁で自分の所掌事務の中の施設の長寿命化の計画を立てているということ、これはまさに神が時代に埋め込んだメタファーだと思っているんですね。 ですので、この今持っている私たちの資産をどうプロロングしていくのか、どうやって守っていくのか、どうやって維持更新していくのか、そして新設とどういうバランスを取っていくのかということについては、もう本当にこの国土強靱化の基本計画にぶら下がる一つ一つの事業のまさに中心になるべき施策だと思っておりますので、それは、繰り返しになりますけれども、基本計画に基づいて各省庁で立てる、基本計画を基本とする各省庁の計画に位置付けられるわけですけれども、それが今先生がおっしゃったような選択と集中に基づいているのかどうか、今後とも先生の御指導を賜りたいというふうに存じております。
○柴田巧君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、大変丁寧に誠実に答えていただいたことには感謝を申し上げますが、なかなか疑問点は解けなかったということも申し上げて、終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) この際、申し上げます。 民主党・新緑風会所属委員の出席が得られませんので、再度出席を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。 民主党・新緑風会所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めさせていただきます。 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議があるようですから、これより採決を行います。 質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。 私は、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案について、反対の立場から討論をいたします。 まず第一に、今法案の基本思想が、既に歴史的使命を終えた国主導の全国総合開発計画の発想をもう一度よみがえらせようとしている点が問題です。 全総は全国一律の金太郎あめ的な開発になるとして廃止をされましたが、これは、国が基本方針を示して地方がそれに従う時代から、地域の在り方は地域自らが考える時代になったからにほかなりません。しかし、この法案では、国が国土強靱化基本計画を定め、脆弱性評価をし、これに基づいて都道府県別、市町村別の計画を作るとしています。これでは、財源、権限のない地方は国の計画、金太郎あめ的な政策に従うほかありません。これはまさに、再び地域政策を全総型、国主導型に戻そうとするもので、既に歴史的使命を終えた国主導の全総の発想をもう一度よみがえらせようという考えにほかなりません。 第二に、本法案では財源が明確に示されておらず、国土強靱化を名目とした公共事業のばらまきを助長するおそれがあることです。 本法案では、政府の他の計画も国土強靱化に関する部分は国土強靱化基本計画を基本とするとされ、財政再建、福祉、環境保全等、他の施策よりも公共事業が優先される根拠になる可能性があります。一九九〇年代の経験を通じて明らかになったのは、公共投資依存型の経済成長や地域づくりは永続性に欠け、財政赤字という負の遺産を残すということです。しかし、国土強靱化計画は言わば再び公共投資依存型の成長を目指そうとするもので、賛成できません。 第三に、全国的な公共事業のばらまきにより、東日本大震災からの復興を遅らせることになりかねないことです。 私たちみんなの党は、今まず急ぐべきはあの東日本大震災からの復旧復興であると考えます。安倍総理も被災地の復興なくして日本の再生なしと繰り返し述べておられますが、今法案により、全国的に大規模自然災害等の名を借りて公共事業が強力に推進され、最重要の震災復興に支障を来す可能性も懸念されます。 そして第四に、手続の民主性と透明性の規定が欠けていることです。 国土強靱化基本計画の案を作成する際、一般の国民の参加に関する規定はありませんし、現行の公共事業上位計画の根拠法となっている国土形成計画法で定められている、いわゆるパブリックコメントの規定すらありません。さらに、国土強靱化計画作成の基礎となる大規模自然災害等に対する脆弱性の評価についても、市民や第三者によるチェックの手続は定められていません。 さきにも触れたように、国土強靱化基本計画が国の他の基本計画に優先するものと位置付けられていますが、そうであるならば、国土強靱化基本計画の決定過程においては、他の計画以上に民主性、透明性を保障する必要があります。しかし、今法案ではそれらの規定がほとんどなく、今法案の定めている意思決定手続は透明性と公正さに大いに欠けております。 以上のように、本法案は極めて問題点が多いということを指摘せざるを得ません。財政難の今日、今優先をすべきは震災からの復興、最先端技術を開発、活用して、老朽化するインフラの維持管理、そして長寿命化対策の強化など、国難の脱却、確実に迫りくる危機への適切な対処、準備ではないかと考えます。 このことを申し上げて、私の反対討論といたします。ありがとうございました。
○松下新平君 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、本法律案に賛成の立場から討論をいたします。 我々は、東日本大震災を経験し、我が国の国土がいかに脆弱であり、その上で営まれている日常生活や経済活動等がいかに危ういものであるか痛感させられました。そして、その発生が切迫しているとされる南海トラフ巨大地震や首都直下地震においては、例えば南海トラフ巨大地震では死者・行方不明者が最大で約三十二万三千人になる可能性が示されるなど、東日本大震災を大きく上回る被害の発生も懸念されているところであります。 このような中、自由民主党と公明党は、早くから大規模災害等に備えた国づくりや防災・減災の重要性を訴えてまいりました。平成二十四年の第百八十回国会において、自民党は国土強靱化基本法案を、公明党は防災・減災体制再構築推進基本法案をそれぞれ提出したところであります。 その後、両党間で議論を重ね、考え方を共有し取りまとめ、本年五月、第百八十三回国会に提出いたしましたのが防災・減災等に資する国土強靱化基本法案でございます。そして、衆議院の審議において法律案の内容を一層充実させる観点から修正されたものが本法律案となっています。 今我々が行うべきは、大規模自然災害等から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済を守るための取組を一刻も早く進めることであります。本法律案を速やかに成立させ、国土強靱化に向けた取組を強力に推進していくことが求められています。 本法律案は、国土強靱化推進本部が脆弱性評価の指針を定め、これに従って脆弱性評価を行い、その結果に基づき国土強靱化基本計画案を作成することとなっております。脆弱性評価を行うことで実施すべき施策の明確化等がなされ、効果的、効率的に国土強靱化施策が推進されることになります。また、国の計画は国土強靱化に関しては国土強靱化基本計画を基本とするものとなっており、国土強靱化基本計画とその関連する国の計画を含めた府省庁横断的な、そして地方自治体や民間などとも連携した総合的、計画的な国土強靱化施策の実施がなされることになります。 東日本大震災を始めとするあまたの大規模自然災害等によりこれまで多くの人命が失われてきました。この尊い犠牲者の方々に思いをはせるとき、我々が決意を新たにしなければならないことは、これ以上災害によって多くの人命が損なわれない、そういう国づくりをしていくことではないでしょうか。 本法律案は、このような国づくりに向け大きな力を与えるものであると確信しております。幅広い御賛同を願い、自由民主党、公明党を代表しての賛成討論といたします。 以上です。
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、法案に反対の討論を行います。 三・一一東日本大震災から二年八か月余りが過ぎました。この間も甚大な災害が次々と列島を襲い、南海トラフ地震、首都直下地震など巨大地震が必ず起こると指摘される中で、大規模災害から国民の生命、財産を守り抜き、人々の営みを守りたいという思いは誰しも同じであります。 しかしながら、反対する第一の理由は、本法案が防災・減災と国際競争力の向上を結び付け、それをそのまま基本理念に掲げた結果、国民の命と暮らしを守るための防災・減災対策がないがしろにされるからです。 審議において、国際競争力の向上とは、我が国の安全性に対する国際的な理解と評価を高め、その結果、諸外国からの投資を呼び込むことだと説明がなされました。諸外国からの投資を呼び込んで国際競争力を強化することと、大規模災害から国民の命や暮らしを守るための防災・減災対策を結び付けなければならない必然性はありません。 大規模自然災害等からの被害を最小限にし、国民の生命、財産を守るためには、建物やライフラインの耐震化、木造建築物密集地域の解消、地すべりや液状化など危険箇所の指定と対策などを思い切って進めるべきです。住民に最も身近な地方公共団体には待ったなしの課題ですが、これには財政保障が明確ではありません。また、地方公共団体が作る国土強靱化地域計画は、国の定める国土強靱化基本計画との調和が求められます。これでは、国民のための身近できめ細かい対策が結局後回しにされかねません。 第二は、国土強靱化が巨大開発事業の復活、拡大を進める根拠を与えるものだからです。 基本方針には、国家及び社会の重要な機能の代替性の確保、地域間の連携の強化、国土の利用の在り方の見直し等という表現が盛り込まれていますが、これまでも代替性や大規模災害対策といって、外環道や圏央道、新名神高速道路、一万四千キロもの高速道路網、そしてリニア新幹線建設などが進められてきました。十月には、二〇〇八年に調査が中止された六海峡横断道路の一つ、関門海峡道路について福岡県が調査再開を表明するなど、四全総の復活を思わせる状況です。 提案者は、脆弱性評価が前提だから公共事業促進にはならないと言いますが、国際競争力が重視される一方、市民や第三者がチェックする手続がないため、不要不急の公共事業促進になりかねません。 第三に、防災・減災の取組は自助、共助、公助の適切な組合せとあるものの、国民生活を守るために国のやるべきことが抜け落ちているからです。 東日本大震災で浮き彫りになったのは、医療、介護の資源の決定的な不足、行革や合併推進による行政機能、体制の低下であり、ここにこそ国が正面から取り組むべきであります。 また、複合的で大規模な被害が予想される石油コンビナートのように、民間企業の敷地、施設については、単に協力を要請するにとどまらず、企業自ら施設のリスク評価を行い公表することが不可欠です。 以上、理由を申し上げまして、反対討論といたします。
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、西田君から発言を求められておりますので、これを許します。西田実仁君。
○西田実仁君 私は、ただいま可決されました強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対し、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する附帯決議(案) 国土の特性として自然災害が数多く発生する我が国においては、東日本大震災をはじめとする過去の教訓に学び、平時から、大規模災害等への事前の備えを行うことが重要である。政府は、従来の防災の範囲にとどまらず、国や地域の経済社会に関わる分野を幅広く対象にして、経済社会のシステム全体の抵抗力、回復力の確保を目的とした、いわば国民生活の安全保障としての総合的な対応を行うことが必要であることを深く認識し、本法の施行に当たり、特に次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 東日本大震災からの復興が喫緊の課題であり、地域の実情や事前防災及び減災に配慮しつつ、迅速な復興に努めること。 二 災害時に迅速な救助活動等を行うため、警察災害派遣隊の対処能力の向上及び装備資機材の整備・高度化を図るとともに、第一線警察活動に不可欠な警察施設の耐災害性の強化や災害時における交通の安全と円滑の確保に必要な交通安全施設等の整備を着実に進めること。 三 地域防災力の中核であって、現場の最前線で日々使命感を持って危険な業務に従事している常備消防、消防団及び水防団の体制・装備・訓練の充実強化等により地域防災力の充実強化を図るとともに、緊急消防援助隊の機能強化及び他の実動部隊との連携強化、消防防災施設の耐災害性の強化等により、消防防災体制の強化を図ること。 四 災害による被害の発生及び拡大を防止するため、緊急災害対策派遣隊(TEC—FORCE)の体制・装備・訓練の充実強化、他の実働部隊との連携強化等により特に広域的な災害対応力の強化を図ること。 五 大規模災害等において被害の最小化に資するため自助・共助・公助の取組が有機的かつ効果的になされるよう配慮し、自主防災組織の更なる充実強化を図ること。また、防災ボランティア及び応急・復旧・復興対策の担い手たる地元建設業者、物流事業者等がその機能を一層果たすことができるよう環境整備に努めること。 六 首都直下地震、大規模津波等様々な災害から住民を守るために、避難所となる施設の耐震化(吊り天井等の非構造部材対策を含む)、老朽化対策及び防災機能強化を加速化させること。 七 災害発生から被災者が通常の生活を取り戻すまでの各段階において、女性、高齢者、子ども、障害者、外国人等に十分配慮した施策が講じられ、更なる被害を受けることのないよう努めること。 八 国は、自力避難が困難な者が多数利用する社会福祉施設及び医療施設等について、地震発生時においても必要な機能を維持できるよう、引き続き耐震化を推進すること。また、災害医療については、災害派遣医療チームの一層の養成を図るとともに、多重的な交通手段等により被災地において迅速で的確な医療が提供できるよう、体制整備に努めること。 九 高度成長期に整備したインフラが、今後急速に老朽化していくことから、中央自動車道笹子トンネル事故のような惨事を二度と繰り返さないよう、インフラの維持管理・更新に重点的に取り組むこと。 十 ライフライン施設の耐震化や老朽化対策は、国民生活の維持に不可欠であり、引き続き取り組んでいくこと。 十一 災害時などで救援の道を塞ぐおそれや、景観の観点からも電線類の地中化、無電柱化を進めること。 十二 事前防災及び減災その他迅速な復旧・復興においては、地域の特性に応じて、自然との共生及び環境との調和並びに観光地としての魅力ある景観の維持に配慮すること。 十三 自然との共生及び環境との調和に配慮する上で、安全な地域づくりの推進等に支障を及ぼすことがないよう、関係法律に基づく許可等の事務を迅速かつ的確に処理するよう努めること。 十四 情報通信は、国家及び社会の重要な機能であることに鑑み、大規模災害等が発生した場合においても情報通信の確保を可能とするとともに、災害等に関する情報が地域住民に正確かつ速やかに伝わるよう、災害に強い情報通信基盤の整備に努めること。 十五 エネルギー安定供給や重要産業の拠点である石油コンビナートについては、国は防潮堤等の老朽化対策等を迅速に進めるとともに、民間企業による護岸の耐震化、製油所等の強靱化や国際競争力強化に資する投資を促すべく、財政上や税制上の支援、規制の見直しを推進すること。また、危機時の石油供給を円滑化するため、関係省庁は非常時の物流を円滑化すべく制度運用の見直しや合同訓練を通じ、協力体制を強化すること。 十六 南海トラフ巨大地震等の未曽有の災害に備え、国土軸を越えたエネルギー供給補完を可能とするエネルギー・ネットワークの検討を進めること。 十七 大規模災害時に大量に生じる廃棄物を速やかに処理するため、地方公共団体との連携の下、計画的な廃棄物処理施設の更新や長寿命化を行うとともに、広域的な処理体制の確保等により廃棄物処理システムの強靱化を進めること。また、想定される自然災害の特性を踏まえ、地方公共団体との連携の下、地域住民の合意形成に努めつつ、地域ごとの生態系のもつ防災・減災機能を活用した土地利用を推進すること。 十八 災害が多い脆弱な我が国の国土において、守るべきは守るとの考え方のもと、既存社会資本の有効活用、施策の重点化、持続的な観点、民間資金の積極的な活用等に配慮しつつ、施設の耐震化やリダンダンシーの確保など必要なハード整備を進めるとともに、訓練・防災教育等のソフト対策を講じるなど総合的な防災・減災対策を推進すること。また、人材が脆弱性の評価の対象となることも踏まえ、防災・減災に関する実践的な知識を有する人材の育成に努めること。 十九 大規模津波発生時等における被害の軽減及び迅速な復旧・復興を図るため、避難所、避難場所、避難路、緊急輸送路の確保等に努めること。 二十 我が国製造業の製品や部素材等の多くが、国内はもちろん、世界的にも、サプライチェーンの要となっていることを踏まえ、中小企業・小規模事業者をはじめとする我が国企業における、原料や部素材等の調達先の複線化、緊急時電源の確保等を盛り込んだ、大規模災害時にも円滑な事業継続を可能とする事業計画の策定・見直しを促すとともに、老朽設備の更新や耐震強化のための投資等を促進すること。また、国及び地方の行政機関等の業務継続計画の一層の整備に努めること。 二十一 大規模災害時における食料等の安定供給機能を維持するため、生産から加工・流通にわたる食料等のサプライチェーンの災害対応力の強化を図ること。また、国土の大半を占める農山漁村における地域社会の維持・発展や、そこでの農林漁業活動を通じた国土保全機能の維持等が国土強靱化に資することを踏まえ、農山漁村の防災・減災や農地・森林の保全等に係る施策の効果的な実施を図ること。 二十二 木材の利用が森林の適正な整備に寄与し国土の保全その他の森林の有する多面的機能の持続的発揮に貢献することに鑑み、木材の積極的な利用を促進すること。また、土木工事における木材利用を促進するため、木材を利用した工法の技術開発・試験研究を進めること。 二十三 インフラの効率的・効果的な維持管理の重要性に鑑み、維持管理技術の向上等に係る研究・開発並びに人材の育成・確保を積極的に推進すること。また、国の研究機関等による災害の人工実験、シミュレーションの実施などの技術研究を積極的に促進し、大規模災害等による被害の防止・軽減を図ること。あわせて、被害の防止・軽減を図るための検討及び対策を円滑に進めるために、地形・地質をはじめとする国土に関する各種データの集約・蓄積及びその活用のための環境整備を図ること。 二十四 国土の効果的な強靱化を推進するため、災害に関する国土情報を一元的に集約し、広く共有すること。またこれらの情報及び発災後の各種情報をもとに被災状況や避難誘導等のシミュレーションを行い、災害対応に活用すること。 二十五 我が国が東日本大震災をはじめとする災害被害から学んだ教訓及びその復興を通じて得られた知識・経験を諸外国と共有することにより、各国の防災意識の向上を促し、その災害対応能力の強化に貢献すること。 二十六 我が国の力強い復興に向けた取組とその成果、また災害に強く、安心・安全な国とのイメージの発信を通じて、諸外国における「風評被害」の解消に努めるとともに、我が国への旅行者や投資の呼び込みに積極的に取り組むこと。 二十七 大島町における土砂災害の教訓を生かし、市町村が、災害が発生する前の「おそれ」の段階から事前の体制を整え、避難準備情報等の対応を行い、また、避難勧告、避難指示を適時的確に発令することができるよう、国として適切な支援を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) ただいま西田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、西田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、古屋国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。古屋国務大臣。
○国務大臣(古屋圭司君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。 ありがとうございます。
○委員長(竹谷とし子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十二分散会