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185回国会参議院2013/11/27

災害対策特別委員会 第6号

発言数
66
登壇者
10
会派数
6
開催日
2013/11/27

会議録

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、田村智子君及び宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君及び磯崎仁彦君が選任されました。  また、本日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 災害対策樹立に関する調査のうち、国土強靱化に関する件を議題といたします。  本日は、参考人として一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長大石久和君、明治大学大学院特任教授中林一樹君及び東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長根本祐二君に御出席いただき、御意見を承ることといたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  参考人の方々から忌憚のない御意見をお伺いし、今後の調査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず、大石参考人、中林参考人及び根本参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言の際は、参考人の皆様にも挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず大石参考人からお願いいたします。大石参考人。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 大石でございます。今日は、参考人として意見を述べさせていただく機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。深く感謝申し上げます。  議題になっております強靱化は、かなりの部分が公共事業、社会資本整備で賄われるものと考えております。そういう観点から、私は、以下に、社会資本整備論と申しますか、公共事業論についての私の考え方を述べさせていただきたいと思います。お手元に私のレジュメと参考資料を配付しておりますので、適宜御覧いただければと思います。  私は、社会資本整備や国土計画に長く携わってきた人間でございますが、特に道路行政についてそのような立場で仕事をしてきましたが、よくよく考えてみると、道路を整備する、河川を改修するといったようなことは、要は、国土に何らかの働きかけをして、国土から我々は安全だとか効率だとか快適だとかという恵みを返していただく、そういう行為をしていることなのではないか、それを公共事業という単年度のフローの言葉で議論をしておったんではそのことがなかなか見えてこないのではないか、こんなことを思ったものですから、冒頭にこのような書き方をさせていただいております。森林にしても耕作地にしても、あるいは国土保全管理の社会資本にしても交通社会資本にしても、私たちが何らかの行為を起こすことによって恵みを得ている、こういうものでございます。  そうすると、まず最初に、私たちが働きかけなければならない我が国の国土というものがどういう国土なのかということについての知見が必要だ、このように思いまして、幾つかの考え方を整理しました。  資料の一から三ぐらいまでを御覧いただきたいと思うんですが、一には我が国の国土の自然条件を、特に私たち日本人が競争しております北米だとかヨーロッパの国々が置かれている状況と比較して見たものでございます。  十ほどの特徴がございます。国土が細長いだとか、あるいは四つに分かれているだとか、地震があるだとか、大雨が降るだとか、国土の六〇%が積雪寒冷地域だとかといったような条件があるんですが、それはそれで一つ一つ我々にとって非常に厳しいものを課しているわけですが、実はそれだけではありませんで、書かさせていただきましたように、我が国の大都市は、東京も大阪も名古屋もそれ以外の大都市もほとんど全てが河川のはんらん域に存在しています。したがって、洪水の危険が常にある。縄文海進以降に土砂が押し出した土の上に都市が成り立っていますから、そこはずぶずぶの軟弱地盤であります。その軟弱地盤なのに大地震が襲うと、こういう相乗的な非常に厳しい条件を持っております。  脊梁山脈が存在することは皆さん御存じだと思いますが、これは急流河川を生んでいるだけではなくて、国土を大きく二分しております。脊梁山脈があるおかげで、積雪、雪が降るところと、それから東京のように冬場でも全く雪が降らないというところができ上がっておりまして、国土利用について地域における著しいハンディキャップを生んでいると、こんな状況もございます。  また、これ余り言われないんですが、風化岩がこの国土の上にはそのまま残っておりまして、北米やヨーロッパが、数キロにわたる氷河が大地を削り取っていった後の岩の上にパリにしてもロンドンにしてもベルリンにしても成り立っているのに対して、私たちの国では氷河がその山の上に風化岩を置いてきてしまいました。そこに大雨が降るわけですから、すぐに土石流が起こる、地震で揺らされるがゆえにまた落ちてくるといったような、こういう条件の重なりもございます。  また、それが、二番目に書きましたように、構造物が非常に多いと、橋や橋梁を多用しなければ直線性の高い高速道路が造れない。これはコストアップの要因にもなってございますし、河川の様子を見ていただきたいんですが、三ですね。フランスと日本と、これ、等縮尺で置いてみたんですが、いかに日本の河川が急流で一降雨域に河川が覆われてしまうかということがお分かりいただけると思います。流域面積が非常に小さいがゆえに、急激に水位が上がってくるといったようなことがございます。  また今後、私たちの国では大きな災害が起こることが予想されておりまして、ミュンヘンの再保険会社が、これは特に地震ですけれども、自然災害のリスクを指標化しますと、東京や関西地域はこれだけ高い厳しい評価を受けてしまうというようなことがございますし、また、五ですけれども、最近の降雨状況を見ておりますと、下の赤いグラフでいきますと、一時間百ミリですから、もう先が全く見えないぐらいの豪雨が頻発するといったような事態が起こっております。これは、地球温暖化に伴ってますます降雨のゲリラ化が進行するのではないかと懸念されておりますし、六、七を御覧いただきますと、今後、東京や東海地方を襲うであろう大地震の被害予想が出ております。三百兆円だとか二百二十兆円だとかというとんでもない災害が起こる懸念がございます。  ところが、我が国は、昭和三十四年の伊勢湾台風で五千人ほどの被害者を出した後、阪神・淡路大震災までの間、一千人規模の自然災害死が出る災害がございませんでした。この三十六年間はちょうど我が国の高度経済成長がすっぽり収まっている時期でございますが、この間に我々は大災害頻発国であるということを忘れてしまったのではないか、こんな気がいたしております。  そのことが我々に非常時モードが不存在になるようなムードを生んでいるのではないか。例えば、今なお東京一極集中が進んでおります。東京一極集中は我が国の脆弱性の最大のものだと私は考えておりますが、高度経済成長に伴って東京に人が集まった。それだけではなくて、今日なお東京集中が進んでいる。例えば、上場企業の本社がどこにあるかというのを見てみますると、一九九二年には七八%が東京だったのに、二〇一二年には何と八六%が東京に本社を置くといったようなことになっていて、その東京が大地震に見舞われる危険が非常に高まってきている、こういうことであります。  以下に、ざっとですけれども、我が国が災害集中期がいかにひどかったかということを、貞観年間、慶長年間、元禄年間、安政年間というので示してございます。それぞれ大地震や大風災があって、そういうものが集中した時期がございました。  また、戦後、これには入れておりませんが、カスリーンだとかキティだとかという台風がやってくると同時に、南海地震やあるいは福井地震というとんでもない大きな地震が起こって、戦争に負けたことによって打ちひしがれた日本国民を災害が襲うといったようなことがございました。これは、今後ないとは保証できないということであります。  これが自然条件の厳しさですが、実は、社会条件の厳しさもございまして、幾つもあるんですが、一つだけ、地籍の未確定というのを挙げてまいりました。これも我が国の災害脆弱性について非常に厳しい条件となっていると、このように思います。  先進国で唯一我が国だけが地籍が確定いたしておりません。地籍が確定しているということは、地目、形状、境界、面積、所有者などが確定しているという状況でございますが、この表にございますように、十三でございますが、我が国の地籍確定率は全国で僅か五〇%であります。御覧いただきますと、大都市ほど地籍確定率が低い。また、東日本大震災を受けたところも、陸前高田のように一〇〇%地籍確定が終わったところもございますれば、宮古のように三七%しか終わっていない。土地の境界線がこれだけ動いてしまいますと、絶対座標でちゃんと結び付いた地籍が持たれていなければ復旧が簡単ではありません。土石流が起こったようなところで、地籍が確定していたところと確定しなかったところで復旧が著しく違ったというような事例もございます。今後襲うであろう、右側でありますけれども、東京だとか、あるいは大阪、神戸、高知なんかを見てみましても、大阪に至っては僅か七%、東京の江東では一%といったような状況でありますから、地籍が全く確定していない。そこに大きな災害が起こるという危険があるということでございます。  次に、公共事業のストックとしての理解について述べたいと思います。  公共事業という言葉は、フローの言葉でございますが、しかし、私たちは公共事業をフロー効果を目指して整備しているのではありませんで、道路でいえばつながって初めて意味がある、堤防も上流から下流までつながって初めて洪水を押し流すことができるということなんですが、残念ながら、この国の議論はフローに終始した議論が非常に多いというように思っております。  十四は、これはあるメディアの公共事業についてのコメントでありますが、公共事業の追加は一時的な効果しかないとか、あるいは副作用があるだとか、それから、経済学者も、十五でございますが、時代錯誤だとか、あるいは効果が一時的だというような言い方で皆さん終始しておられますが、果たしてそうでしょうかということでございます。  公共事業というのはストックになって初めて意味を持つものでありますが、その評価、批判のされ方がフローでしかないというわけです。これは、私は、我が国だけが世界の文明国の中でシティーウオールを持たなかった、都市城壁を持たなかったというところにインフラ観のゆがみやあるいはセキュリティー観のゆがみがあるのではないかと、このように考えております。私たちは、シティーウオールというインフラ、装置インフラで守られたことがない。そのことが私たちのインフラ観をゆがめているのではないかと、このように思います。  次に、財政問題に関連して公共事業を抑制すべきだという議論がございます。  しかし、財政問題の本質は、私の理解では、経済が成長しないがゆえに税収が伸びない、高齢化に伴う社会保障の急増があって赤字特例公債を増発せざるを得ないという状況が続いている、このように思っております。  十六に、二〇〇八年から一三年までの建設国債と赤字国債の推移を見てみています。下に国債のシェアを書いてございますが、近年では九三%とか八一%が特例赤字公債、財政法が発行してはならないと書いているその公債でございまして、今年は去年から比べて三十兆、その前の年は四十兆増えているわけですが、公共事業の原資になっております建設国債は三兆とか五兆という増え方。にもかかわらず、先ほどのような経済学者のコメントが出てきているのは不思議だと思います。  十七に、アメリカと日本だけを取り出して、GDPの推移と税収の推移を見てみます。アメリカは世界最大の経済大国なのにこのような経済成長をして、結果として税収が伸びている様子が分かりますが、日本は経済成長していないがために税収が伸びていない。  その下は、世界の各国と我が国の経済成長の様子を示したものでございますが、我が国だけが経済成長していないという様子が分かるわけでございます。そうすると、今度いろんな手段で経済を成長させなければなりませんが、そのツールとして社会資本があるんではないかと、このように考えてございます。  十九を御覧いただきたいんですが、十九は、これは京浜急行の蒲田駅辺りの連続立体交差事業が完成したときの新聞報道等でございますが、御覧いただきますと、京浜急行があたかもこの事業をやったような報道が多いのですが、これは実は京浜急行の鉄道事業ではありませんで、東京都の都市計画事業、財源でいいますと道路財源から出ているものでございまして、つまり道路事業であります。  踏切が二十八もなくなったというこの効果は、新聞やメディアや経済学者が言うように一時的なものなのかどうかというと極めて疑問でありまして、この二十八の踏切がなくなった効果は未来永劫この地域の交通を活性化するという意味で効くわけであります。これを公共事業という報道はほとんどされなかった、全くと言っていいほどされなかったのが極めて残念でありますが、こういったことから公共事業に関する理解がゆがんでいるのではないか。  あるいは、その次でありますが、圏央道、東京の一番外側の環状道路の圏央道の供用が進んでまいりました。そうしますると、この周辺に大きな工業団地や物流基地が進出してくるということになりまして、最近では全国平均の約四倍弱ぐらいもうこの圏域に進出している。つまりは、この圏央道が整備されることによって民間の投資を誘発しているわけでありまして、民間の方々がお金を使い始める、こういうことになって、そしてデフレの状況から脱却でき、経済が成長するということになるんではないか、このように思います。  その次に、二十一に、GDPの定義式を消費サイドで示しておりますが、御覧いただきますと、この中に公的固定資本形成というのがございます。これは公共事業費の中から用地及び補償費を抜いたものでありますが、これがかなり大きな要素を占めているんですが、その次の二十二を御覧いただきますと、これ、我が国だけが一九九六年に比べて半減している。イギリスが三倍に伸ばし、アメリカが二倍に伸ばしているのに日本が伸ばしていないということから、二十三でございますが、近年の高速道路の供用延長を見てございます。中国はとんでもない勢いで整備しておりますが、アメリカでも年平均九百キロからの供用をしている。韓国も百七十三キロに対して、日本は僅か百キロの供用しかできていない。  ネットワークが十分でき上がっているのならこれでいいんですが、下を御覧いただきますと、東京から青森までの高速道路におけるネットワークリダンダンシーを見てみたものであります。そうしますと、左側が現状でありますが、郡山でバックしない条件でルートを検索しますと、郡山で二十四通りになったら、そこから先はもう延びない、二十四通りのままなんです。東北での高速道路の供用は進んでおりますけれども、ネットワークになっていないがゆえに、青森と郡山の間では代替性が増えないということになってございます。もしフルネットワークでできたら一万四千通りにもなるのにと、こういうように思うわけでございます。  このように、効果があって、各国に比べて遅れているにもかかわらず、ブレーキを踏み続けてきたこの二十年だったと、このように思います。  さて最後に、イギリスのキャメロン首相の発言と、ごく最近のアメリカのオバマ大統領の発言を御紹介したいと思います。キャメロンは、社会資本、インフラストラクチャーという言葉を使ってございますが、これは国のビジネスの競争力に影響し、ビジネスを成功へと導く見えない糸だと言いましたし、オバマさんはニューオリンズで、新しい道路、学校、橋梁、港湾の建設を急ぐべきだと、このようなことを言っておられます。オバマさんはこの十一月八日に言っているということに着目していただきたいんですが、実はデフォルトの危機をのぞき込んだその後でも投資すべきものは投資すべきだと言っているオバマさんの演説を紹介させていただきました。  極めて駆け足になりましたが、以上で私のプレゼンテーションといいますか、意見陳述にさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、中林参考人にお願いいたします。中林参考人。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) それでは、お手元の資料に従って少しお話をさせていただきます。  私は元々都市計画とかまちづくりを背景にしております。強靱な国、都市、町とは何かということから少しお話をさせていただこうと思っております。  本日お話しするのは大きく三点でございまして、一点目は、ただいま大石参考人からのお話とも若干ダブります。二番目が、強靱な国、都市、町というのはどういう方向を目指すべきなのかという点。三番目に、案を見せていただいているわけですけれども、こうした法律のことを、専門ではありませんが、少し私の見解を述べさせていただきたいと思います。おめくりください。  現在、東日本大震災を含めてその復興というのは、最大の国土の回復、強靱回復の課題かと思いますけれども、同時に首都直下、あるいは南海トラフの地震、あるいはさらに、全国どこでマグニチュード七クラスの地震が起きるか分からないというような状況の中に今我々が置かれているかと思います。  御案内の内閣府の被害想定で、非常に広域にわたって南海トラフの地震が想定されたわけですけれども、この地震災害というのは東日本とはかなり違う被害の様相です。何が一番違うかといいますと、津波よりも揺れによる被害というのが圧倒的に多いんだということでございます。津波による建物の被害というのが十五万トンに対して、揺れで百六十万トンを超える被害、火災で八十万トンを超える被害というようなことが想定されてございます。  次のページに、首都直下地震、これは現在、新しい被害想定を内閣府でまとめておる最中でございますので、以前の内閣府の二〇〇五年の想定結果ではございますが、我々が経験してきた阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災に比べますと、その被害の規模というのが、南海トラフはもちろんですけれども、首都直下でも相当に大規模であるというのは間違いないと思います。  この地震災害だけではなくて、最近は台風が非常に大型化していると。二〇〇四年に、中越地震が起きた年ですけれども、この年は十個上陸した台風がありまして、その最後の上陸した台風がこの新聞にあります二十三号です。この台風によって兵庫県北部、京都府北部で水害を起こしたわけですけれども、その台風が十月二十日から二十一日にかけて中越から福島へ抜けたんですね。その二日後に実は中越地震が起きました。山古志村等での斜面の崩壊というのは、実はこの台風の落とした雨と複合して起きていると考えざるを得ないわけでございます。  また、首都水没というようなことが内閣府で取り上げられましたけれども、荒川、江戸川、利根川等々の水害がございます。そうした水害と地震の複合というようなことも我々は念頭に置いて考えなければいけない。  次のページに、阪神・淡路大震災で最大三・五メートル堤防高が沈下した新淀川の右岸側の堤防でございますけれども、東京も下町低地はこうした高い堤防で守られておるわけですけれども、これが地震と風水害と季節によっては複合的に重なってくるというようなことが当然考えられるということでもございます。  様々な強靱化の対象とすべき大規模自然災害等というのがありますけれども、やはり地震と風水害というのが大きな課題かなと思います。更に言えば、火山というのも一つの大きな課題で、富士山を始めとして大都市に大きな影響を与え得る火山も我が国に存在していることは忘れてはいけないんだと思っております。  地震では地震動対策というのがやはり非常に重要な、また基本的な課題だと思っております。東日本は津波というのが非常に大きく目立ちましたけれども、先ほどの被害想定にありますように、地震動対策の基本というのは揺れに対する対策をきちんとしておくということではないかと思います。  さらに、地震動の後、東京あるいは大阪、名古屋等の被害想定でその都市の大火ということが危惧されているわけでございます。くしくも今年、関東大震災九十周年でございますけれども、関東大震災の被災というのは基本的には火災による被害と言っても過言ではないかと思います。あと、洪水対策というのも当然ございます。  二番目の強靱な国、都市、町への基本的な方向ですけれども、私は三つだと考えております。強靱という言葉は、元々は粘りある強さということでして、元へ戻すという、戻る力というのが強靱の中に入っていると思います。そういう意味では災害も同じでして、被害を出さない防災、素早く災害対応して被害を拡大させない、これが減災といいましょうか災害対応、さらに、迅速に復旧して着実に復興していく、元へ戻す、あるいは元よりも安全な国土にしていく。この三つの予防、減災、復興、あるいは防災・減災、復興と、この三つを兼ね備えた国、町、都市というものを目指していくのが強靱な国土であり、国家ではないかというふうに考えています。  防災の基本、被害を減らす基本というのは大きくは三つあると思うんですが、我々ができるのは、この一番のハザードを小さくすると。地震を小さくするとか台風の向きを変えるというふうなことはできませんので、基本的には地域の脆弱性を強靱化することで被害を減らすということと同時に、地域の強靱性を高めることによって復興しやすい町にしていくということだと思います。それから三番目が、今回の東日本の復興の高台移転ということですけれども、ハザードから地域を切り離すと。より安全なところに住む場所、働く場所を長い時間掛かりますけれども移していくことで、脆弱な国家を強靱にしていくということにもなろうかと思います。  こうした防災・減災等を行っていく上で、私は五つの要素をどう組み合わせるかという問題ではないかと思っております。人、物、情報、組織、お金ということでございます。  こうした防災資源をどういうふうに活用していくのか。地域で、あるいは町で、あるいは国家スケールでということになろうかと思います。それらを前提にして、今ある地域、国の防災資源を前提に、それをより有効に活用するために防災計画というものを作ってまいったわけですけれども、阪神もそうですし東日本もそうですが、それが被災をすることによってあったはずのものがなくなってしまうと、残された資源で対応するしかなくなってしまう。そういう意味では、資源をなくさない努力ということが基本的に大事なのではないかなと考えております。大きな自助努力によって残存資源がたくさんあれば、助け合いも、また公的な役割、公助をより有効に活用していけることになるのではないかと思っております。  最も今喫緊の課題とされている大地震災害としましては、やはり耐震対策、耐震強化ということを最も基本に据えた取組が求められているのではないかなということでございます。  南海トラフの被害想定でも、大きな被害想定の問題で、言わば国民が驚いて諦めてしまうというようなことではないんだということで、最大限耐震化をすればどれぐらい被害が減るかということが、併せて初めて被害想定として出されたところです。それでも、南海トラフでいいますと、耐震化一〇〇%でも全損建物八十万棟、深夜、逃げ遅れがないというふうにしても十万人ぐらいの人が命を落とすというようなことが想定されていたということです。  この被害を更に減らしていくという意味では、自助ということにもう少し力を入れる必要があるのではないかなと。私は、災害に強い町というと、ややもすると共助ができる町ということで自主防災組織等の話に飛んでしまうんですけれども、その前に、自助ができない限り共助はあり得ないと思っております。全員が隣の人が助けてくれると思い込んだ瞬間、全員が被災者になってしまうということを考えておかなければいけないのではないかなと。つまり、防災的な人材育成こそが国を守り、救うのではないかなと思います。  そういう意味で、防災教育も大きく課題として叫ばれているところですが、長い目で見ますと、私は、学校の先生の防災教育をきちんとやる文部教育をやるべきだと思っています。大学での教員課程で小学校、中学校、高校を含めて防災教育というものを必須にして、先生がきちんと防災が分からないのに幾ら指導要領作ってもうまく教えられるわけがないわけでして、先生をきちんと防災達人にするということが何よりも人材育成の基本だというふうに思っております。  その防災の後、災害対応ということが必要になるわけですけれども、巨大災害への対応。  どうしても残された資源が減れば減るほど自分たちだけではできないということで、今回の東日本もそうですが、いろんな応援が入りました。自治体に対しては自治体の応援、企業に対しては企業の応援、市民、地域に対しては市民の応援ということであります。今回、非常に大きく自治体の支援が取り上げられました。様々なパターンで応援が行われ、特に協定に基づく自主的な応援というのが迅速で何よりも有効であったという話になっております。しかしながら、これが予想されるもっと大きな災害でうまくいくのかという保証は実は全くないと思っております。  そういう意味で、地域防災計画ではなくて、まさに被害損失ということを前提にした業務継続計画的な発想というのがもはや自治体でも地域でも不可欠になっているんではないかなと考えております。今回、BCPということだけで議論をしてきているわけですけれども、私は、行政の継続と民間企業の継続とは中身が大分違いますので、地域から逃げるわけにいかない地方公共団体ですので、少し分けて、A、B、C、D、Lという、レベルに合わせて五つ書いておりますけれども、そんなことを考えております。  しかしながら、我々がこれから迎え撃つべき課題というのは、首都直下であり、南海トラフでいいますと国民に対して一人当たり、被災地の人口一人当たり三人か四人ぐらいしか非被災地の人口がいないと。それぐらいの資源の配分で対応しなきゃいけないんだということでありますので、国内に残された資源を最大限有効に配分して災害対応していくには、やはり国がもっときちんとした資源配分、つまり応援の調整というのを迅速に行うような仕組みも同時につくっておかないと、ハードをうまく使うことすらできなくなってしまうんではないかなと、有効に使うということができなくなるんじゃないかなと思っています。  そういう意味では、受援力、これは被災自治体がBCPを基にどういう受援が必要なのかをきちっと考えておくということですし、支援力、これは被災地じゃないところが応援に行くわけですから全ての資源があると、防災計画の上でどう支援をするかをきちんと考えておくということですし、あと大事なのは調整力、これは国が中心になってきちんと国の資源を配分する調整能力を持つことが何よりも大事だと思います。巨大震災が起きて非被災地で買占めが起きてしまうというようなことは、足らない資源をますます足らなくしてしまうわけでして、そうしたことをきちっと止めていく力、仕組みを持つことが何よりも大事だと思っております。  それから、時間が大分迫ってきましたが、復旧復興、復興を急ぐというのは私は無理だと今回の東日本を経験しながら考えました。何が急ぐべきかというのは復旧です。被災者に仕事をいかに早く与えるか、被災者がいかに早く復興に向かうモチベーションを持ち得るかという復旧を急いで、その上で着実に復興できるような仕組みをつくっておくことが何よりも強靱に必要なんではないかと思っております。  そういう意味では、私は事前復興対策と言っていますけれども、行政でいえばどういうふうに復興するのかをきちんと考えておくということですし、企業も我々国民も被災した後の復旧復興についてもう少し学んでおくべきことがたくさんあるんではないかと思っております。阪神大震災の復興というのは東日本に比べると早くなって見えますけれども、確かに阪神大震災、都市復興という最も復興の基盤は震災の三日目から始まっております。二週間目におおよその復興方針を決めるというところでスタートして十年掛かっているわけですね。そういう意味では、今後の巨大災害というのはますます大きな復興の仕事になるんではないかと思います。  そこで、事前復興ということで、事前に防災のみならず、更に今回の特措法で緊急集団移転ということでの事前復興の取組を用意していただきまして、非常に重要な手法だと思っておりますが、先ほどの八十万棟、十万人を更に減らすには、事前復興で高台へ移転しておく、あるいは耐震補強ではなくてきちんと建て替えをして、より耐震性の高い公共施設その他に整備しておくということが何よりも大事なんではないかなと思っております。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 中林参考人、恐縮ですが、おまとめください。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) はい、分かりました。  最後に、三番の国土強靱化法の体系ということですけれども、私、都市計画とか国土計画の関係でいきますと、今回の強靱化法とともに災害対策基本法があり、これはソフトが中心かもしれませんが、新しく首都直下、南海トラフの法律ができ、耐震改修あるいは国土形成計画法、国土利用法、様々あります。これらをどういうふうに束ねて強靱化していくのかというところが運用の上では、あるいは県とか市町村にとっては非常に重要な課題になるかと思います。  そのときに、国、都道府県、市町村だけではなくて、市町村が連携するとか都道府県が連携するという対応というのが巨大災害ではますます重要になってくるのではないかなと考えております。そんなことで、少し自助の裾野をきちっと強靱化するという視点も非常に重要ではないかというふうに考えております。  以上です。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、根本参考人にお願いいたします。挙手をお願いいたします。根本参考人。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 東洋大学の根本と申します。  私は、七年前まで政策投資銀行の銀行員でございました。ということで、今お話をされたお二方とは少しバックグラウンドが異なります。私のお話は、社会資本の老朽化という観点からお話をしたいと思います。  社会資本というのは、土木インフラ以外に、公共建築物、いわゆる箱物、それから機械類ですね、ごみの焼却炉であるとか火葬場であるとか医療機器であるとか、そういったことも総称する概念であります。主に公共建築物と土木インフラの老朽化についてお話をしたいと思います。  おめくりいただきますと、グラフが四種類出ております。橋、道路、学校、公営住宅、日本の公共事業というのは、一九七〇年代前後の高度成長期に集中投資をされております。このグラフはいずれも物理量という、橋の場合には本数、道路の場合には面積が単位になっておりますけれども、金額的にはこの後にピークを迎えるんですが、物理量的には一九七〇年代がピークであります。  例えば橋の場合は、一九七〇年に年間一万二千本の橋を架けているんですけれども、近年は、その後どんどん縮小しまして、近年は千本程度の橋ということになります。およそ十分の一になっているということで、同様のことは学校や道路や公営住宅、その他全てのインフラに言えることであります。  このピラミッド構造が問題であります。今後、これらのインフラが老朽化をして造り替えなければならないということなんですけれども、そもそもなぜこれが問題になるかといいますと、通常の多くの国あるいは民間企業ですとこのようなピラミッド型の投資はいたしません。五十年間、百年間掛けてゆっくりと、景気が良かろうが悪かろうが一定の投資をするということによって予算を確保するわけですけれども、日本の場合は集中投資をしておりますので、これが二〇二〇年代以降、もう一回このピラミッドがやってくると。そうすると、現在ある予算というのはピラミッドの下の部分にしかありませんので、AとBの差額ですね、このBの部分だけが予算がもう本質的に絶対に足りないということになります。これがなければ問題はないんですけれども、これが非常に大きいというのが問題になるわけでございます。  次をおめくりください。  実は、この数字が幾らなのかというのが決定的に重要でございまして、二〇一一年に内閣府の委員会で私が試算をして提示した数字があります。年間八・一兆円、これは公共施設のほかに土木インフラを入れております。今あるものを全て同じ量で更新をしていくという仮定を置いております。これは、GDPの公的資本形成に対して約四割に相当するということですので、単純に言うと四割増やしてずっと続けるということになりますので、いかに大変かということがこれでお分かりをいただけるかと思います。  同じことは各自治体にも当然言えるわけでございまして、東洋大学の方で計算のソフトを開発をして計算をしておりますけれども、大体どこの自治体も同じようにピラミッド構造になっておりまして、過去、老朽化した学校等がこれから大量に更新期を迎えるわけですけれども、最近は公共事業は行っておりませんので予算がないという、こういうような形でいずれも相当の不足が生じているということで、今まで計算した中で予算が足りるというふうに結果が出た自治体は一つもない状況であります。  これを放置していきますと、当然、命の危険という事故が生じるわけであります。笹子トンネルに関してはもう皆さん御案内ですけれども、今年の二月には浜松市のつり橋のワイヤーが切れて七名が巻き込まれるという事故が起きております。最近では、苫小牧市で街路灯が倒壊するとか、広島市の信号機が落下するとか、あるいは東京都内でも区道が崩落をするというような事故が相次いでいるわけでございます。これらは、全てではないにせよ、原因の多くの部分は老朽化、経年劣化によるものだということが明らかになっていると思います。  次をおめくりください。  自然災害との関係なんですけれども、老朽化を放置しますと、国民の生命を危険にさらすという意味では自然災害と同じように危険でありますので、同じように対応しなければならない。もう一つは、老朽化は確実に到来をいたします。その影響は計算可能であります。したがいまして、自然災害の場合はなかなか計算が難しいということがあるのかもしれませんが、老朽化は計算可能ですので、計算可能な危険を見過ごすというのは、もうこれはあってはならない罪だろうと考えております。  今後のシナリオですけれども、放置すると物理的に崩壊をします。八兆円分、毎年毎年借金をし続ければ、これは財政的に破綻をいたします。なぜこのように公共事業費が縮小したかと、裏返しには社会保障費が増えたということがありますので、じゃ社会保障費を下げればいいではないかということもあるわけですけれども、そうするとサービスが著しく低下をするということでございます。  一つのシナリオとしてあるのが増税でございます。実は、日本の前に老朽化を迎えた国が一国だけあります。それは一九八〇年代のアメリカです。一九三〇年代のニューディール期に、まさに景気対策として極めて短期間に公共事業を実施しました。それが五十年後、十分なメンテナンスがなされていない状態で橋が落ちる等々の事故が起きました。これに対して、アメリカでは増税、ガソリン税の増税によって対応したという歴史がございます。これらの手段を取らずに緩和していくというのが、二つシナリオがあると考えておりまして、一つは省インフラというもの、もう一つはPPP、PFIでございます。  次をおめくりください。  省インフラというのは、もうこれは私が付けた言葉ですので、皆さんおなじみはないと思いますが、従来のインフラというのは主に政府が直接物理的なネットワークを形成をするという、これが従来のインフラでした。省インフラというのは、民間や市民の知恵を活用して、できるだけサービスの質を維持しながらコストを下げるというものでございます。当然、省エネルギーをまねているわけですけれども、省エネのときは、高くなった石油を買わずに済まそうと日本人は知恵を出したわけでございます。これからは省インフラの時代だろうというふうに思います。  その下に、どのようなものを省インフラと呼んでいるかということなんですが、一つはコンパクト化というのがあります。AさんとBさんを道路や下水道でつなぐ、これが今までのネットワークですけれども、AさんとBさんが近くに住んでもらえばネットワークインフラは軽くなるわけです。これはコンパクトシティーであったり、あるいは学校に公民館とか図書館の機能を併せ持つような多機能化であったり、あるいは高台移転も、人が住んでいるところを防潮堤で守るのではなくて、人が防潮堤より高いところに移動をするということを指します。このように人が動くということを前提にするというのがコンパクト化であります。  一方、人を動かさなくてもネットワークインフラを省くということも可能でございまして、再生可能エネルギーをそれぞれの場所で調達をするということ、あるいは下水道の場合には、公共下水道ではなくて合併浄化槽のようなものを展開をするというようなこと、あるいはインフラを配達するという、デリバリーという考え方もあります。図書館を造るのではなくて、車に本を載せて移動図書館にするとか、あるいは上水道管をもうやめて給水車で運ぶというようなものもあるわけでございます。  さらに、ライフサイクルコストを下げていくということで、予防保全であるとか自動修復であるとか、あるいは民営化、PFIなどのような手段が使えるかと思います。  次をおめくりください。  もう一つの論点が、PPP、PFIでございます。私の肩書にPPP研究センターというのが付いております。PPPというのは、御案内のとおり、パブリック・プライベート・パートナーシップ、官と民の連携でございます。これの総称でございます。民間の知恵をどんどん使いましょうということでございまして、これを省インフラのために使った事例を幾つか御紹介をいたします。  その下にありますのは、例えば、中学校にケアハウスですとか保育園ですとか文化ホール、これを併せて建設をすると。そうすると、ばらばらに造るよりもはるかに少ない負担で全く同一の機能をもたらすことができます。デイサービスと保育園が一緒になることによって、お年寄りと子供たちが接するという新しいコミュニティーの付加価値も高まるということが実際に起きております。  右側は議会の議場ですけれども、専用議場ではなくて、市民との対話集会であるとか、あるいはカラオケ大会なんかにも利用できるように、まさにこれをシティーホールとして活用しているような事例でございます。  次をおめくりください。  民間施設を利用してしまうということもあります。民間も様々なところでいろいろ余っておりますので、これを使ってあげるということが一つございます。千葉県の習志野市役所、これは震災で非常に傷みましたので、現在仮庁舎に入っておりますが、実はこの仮庁舎というのは駅前の休業ホテルでございました。それから、三重県の津市では、民営化した温泉施設、これが公民館のような役割を果たして、人々に、住民を対象に役場の様々なサービスを実施している事例もございます。  それから、その下は、公共が持っている不動産を活用するということでございまして、都内に持っている公共施設の余剰地を民間に貸し出しまして、その収入で公共施設を建て替えた奈良県の事例ですとか、あるいは千代田区の区の施設をSOHOに転用いたしまして、NPOや起業家を育てているケースなどが報告をされております。  次を御覧ください。  土木インフラの場合はなかなか難しいんですけれども、現在は予防保全に切り替えていくということでライフサイクルコストを下げることができるということが知られております。予防保全というのは今まで十分になされておりませんので、コストが当然掛かるわけですけれども、結果として、事後保全、事故が起きたりするということがなくなりますので、トータルのコストが下がるということになります。ただ、日々見ていなければなりませんので、当然これは役人、公務員が携わるべき事業ではないということで民間にアウトソースをしております。  北海道の清里町あるいは大空町、ここでは町の中の全ての道路、橋、河川施設を指定管理者制度を使いまして地元企業に包括委託をするということでございます。税金の負担が軽くなり、行政の手間が軽くなり、なおかつ地元企業にビジネスチャンスが到来をするということでございます。建築物でも同じことが言えまして、千葉県我孫子市では多数の公共施設の維持管理を一つの企業に委託をしているわけでございます。  あと、民間の場合は技術開発も非常に得意でございまして、ジオ・サーチ社という会社が、これはベンチャーですけれども、実際に行っているのは道路の陥没の予測をするという技術でございまして、道路の陥没事故の原因の多くは、実は道路にはなくて地中の水道、下水道管の破損による、発生するものでございます。これを、地雷探査技術を応用いたしまして、穴を発見してそこを埋めるということを行っております。  右側は、顔認証システムを応用していこうというもので、まだこれは実用化されておりませんけれども、学校を多機能化すると様々な人が出入りして安全性が保たれないということが懸念されますので、そういう場合にはITを活用して安全性を守ってあげるということにも民間の力は活用できるかと思います。  最後でございますけれども、国土強靱化に対しましては、これは当然、十分に社会資本の老朽化一般にも対処すべきであろうと思います。なおかつ、これ、計算が可能でありますので、計画的、効率的に対処することができます。ただし、無限にはできませんので、優先順位を付ける必要があるだろうと考えます。キーワードは省インフラとPPP、PFIでございます。  提言は細かいので割愛しますけれども、まずデータの整理、情報公開、これが圧倒的に重要であります。データがないと判断できません。二番目は、やはり計画をしっかり立てるということで、維持管理更新投資を優先とするということが大原則だろうと思います。あと、省インフラ、PPPに関しましては、先ほど来申し上げていることを少し具体的に記してございます。  以上でございます。どうもありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、質疑は着席のまま行っていただいて結構でございます。

馬場成志自由民主党

○馬場成志君 熊本県選出の馬場と申します。  本日は、三人の先生方、ありがとうございました。十五分という制約された時間でありますので、早速質問をさせていただきたいというふうに存じますが、まず最初に、中林参考人にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  今日は、予防の話でありますとかいろんなお話をしていただく中で、そのこともお聞きしたいんですが、事が起きて、そして復元するとき、復旧するときの話でお尋ねしたいと思います。  法制度的な課題になりますが、復旧するに当たって、例えば公道であればブルで押していって通過できるようにするとかいろんな対策ができますが、民地についてはそのことがすぐさまできるかというと、権利の問題があったり、いろんなことで滞っていたりというようなことがあるというふうに思います。また、仮設住宅を建てるにしても、許認可の問題で時間が掛かったりというようなこともあったというふうに思います。また、民間の賃貸住宅を仮設住宅として使用するみなし仮設というものも積極的に活用されておるところでありますけれども、これについても、事務的な手続は十六もの手続を踏まなければならないというようなことを伺っております。  そういったことを一つ一つ考えてみますと、煩雑な手続によって速やかにできないという部分がたくさんあろうかというふうに思いますが、その辺の法制度的なことに関しまして、中林先生の見解を伺わせていただきたいと思いますが。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 大きくは二つ、土地の問題とそれから仮設という問題かと思います。  土地の問題につきましては、先ほど大石参考人のお話の中にありましたけれども、私も、基本的には地籍をきちんとしておくということが何よりも大事だと思います。今御質問にありましたように、官民の境が分からないので、実はどこまでが民でどこまでが官かもよく分からないという状況が多くの実態でございます。  その上で、民地を活用するということなんですけれども、今回できました新しい災害関係の法律の中に、大規模災害時の借地借家特別措置法というのが罹災都市の臨時処理法を廃棄して作られました。この中に被災地短期借地権、五年間被災地を借り上げて、様々な仮設として、住宅のみならず仮設の店舗、作業所等々含めて迅速に復旧するための仕組みという最もベーシックな部分がつくられたと私は考えております。これをいかに運用して、今御指摘のありました仮設を素早く建てていく、あるいは、みなし仮設は別ですけれども、仮設の店舗とか作業所も町ごと仮設として迅速に復旧するということが何よりも大事だと思います。  みなし仮設の問題というのは東日本で初めて大きく取り上げられました。これは迅速に仮設住宅を提供するということでつくられたわけですけれども、結果として、私は、東日本のみなし仮設というのは復興にとって少し障害といいましょうか、遅れをもたらしている原因の一つになっているんではないかと思っております。つまり、被災地からむしろ被災地に土地を持っておられる被災者を切り離してしまって、被災地の復興の、判こを集めるのも大変な、分散した関係権利者になってしまっているということです。  しかし、大都市災害では、土地、家屋を持っていない被災者たくさんおられますので、むしろ、みなし仮設はそういう方々に有効に活用して早く仕事に復帰できるような体制を取り、まちづくりにつながる仮設、みなし仮設ではなく仮設を先ほどの被災地短期借地権を活用して運用していくべきではないかなと、被災地にとどまってもらって、まちづくりを考えてもらうような仕組みが大事ではないかなと思っております。  そういう意味では、今回できた新しい法律をいかに使うかということで、使い方についてきちんとマニュアルを作り、あるいは自治体が独自に事前の準備をしておくことというのが何よりも重要ではないかと考えております。  以上です。

馬場成志自由民主党

○馬場成志君 ありがとうございました。  次に、今度は大石参考人にお尋ねをさせていただきたいと思います。  今日のテーマ、ふだんからいろんな御発言の記事とか見させていただく中で、地方自治体の危機管理体制等について見解をお聞きしたいと思いますが、これまで地方公共団体では様々な議論がされてきておりますが、財政状況の厳しい中というようなことで、社会資本の整備もまだまだ進んでないというような状況、事前の手だてもまだできてないというような状況でありますけれども、それ以上にマンパワーの不足というものが随分心配されておるというふうに思っています。  地方公共団体の中には、何と土木技術者の不足ということではなくて、不在となっている市町村が三〇%もあるというようなことを伺いました。災害に十分に対応できるかという部分で大変心配をしておるところであります。そういった役所のマンパワーの問題。  また、いざ災害が発生したときは、自衛隊や警察、消防、また、それと同様に、いち早く現場に駆け付けてくれる建設業従事者、この確保というものが必要なわけでありますけれども、現在の状況はもう人的にも、また資機材の問題についてももう本当に、熊本も実は昨年、大水害が起きておりますけれども、熊本の大水害、東北の大震災や、そんなところでなくてもそういった状況がもう既に出ております。  そういった全ての面から、マンパワーの問題、あるいは公共事業の問題、そういった人を確保するためにというような観点から御見解をいただきたいと思いますが。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) ありがとうございます。  私も印象として、建設業を含めて地方公共団体等、地方が地力といいますか、そういうものを急速に失いつつある、そんな懸念を深く持っているところでございます。  今先生御指摘ございましたように、市町村、市ですら土木技術者が一人もいないというところが幾つもある。村に至っては半分以上が技術者が一人もいないというわけですから、これは、今回道路法を改正いたしまして国土交通大臣が地方の大災害については支援できる、道路の維持管理等について支援できるというような仕組みが入りましたけれども、そういった国が体制を整えて地域に臨んでいくという考え方が必要だというのが一つです。  それからもう一つは、地場の建設業者が仕事がなくなったことによりまして、優秀な技術者だとか機械だとかというものをどんどん手放していっています。そういう状況ですから、地元の工業高校や工業専門学校を卒業した子供たちが土木の卒業生であるにもかかわらず地元の土木会社に入らない、そんな状況が生まれてきています。そうなりますと、今後ますますそういった企業が力を発揮することができなくなるわけで、これをどうやって支援していくのかは今後大きな課題だというように思っております。  それともう一つ、災害の場合は経験知をどの範囲で蓄積するかということが極めて大事な課題だと思っておりまして、今、日本では至る所で風水害が起こっているように見えますが、一つの県、一つの市町村にとってみると、これは十年ぶりだとか二十年ぶりだとかということになっているんですね。  そうすると、これだけ公務員の新陳代謝が激しくなってきますと、もう二十年前の経験を知っている人は誰もいないというわけです。ところが、ブロック単位になったり国の単位になったりすると、それは経験知を集めることはできるわけですから、経験知の集める大きさというものについてよく考える必要があると思っていまして、例えば九州でいうと九州地方整備局が情報を集約して、それで都道府県や市町村と協力することができるというような仕組みとかいうのが必要になってくるんではないかというように思います。

馬場成志自由民主党

○馬場成志君 今おっしゃった部分につきましては、本当に九州地方整備局の力を借りて、また国の力を借りてやれたということは随分あります。  しかし、そんな中でも、やっぱり現場、今回の伊豆大島の問題につきましても、やっぱり現場力という部分で、とっさに市町村で対応しなければならないこと、たくさんあるというふうに思いますが、その件についても同じ見解ですよね。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 全くそのように思います。

馬場成志自由民主党

○馬場成志君 それでは、根本参考人の方にまたお尋ねをさせていただきたいというふうに思いますが、先ほど省インフラについて御紹介をいただきましたけれども、その上で、現場での現実的な課題など、既に御承知のところがございましたら、省インフラの部分についてお尋ねをしたいと思いますが。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 省インフラというのはこれから進めていくということですので、現時点でこれこれという実績があるということでは必ずしもありませんけれども、先ほど先生御質問されたように、現場の方では技術的なバックグラウンドが非常に少なくなっていって人がいなくなっているという問題は、まさに省インフラについても同じように言えます。  それに対して答え方が二通り多分あって、一つは、先ほど御紹介したように、民間に積極的にアウトソースをしていくということがございます。北海道で既に前例が出ておりますけれども、これによって地元の企業でなければできないような、取り組めないような、そういう仕事を積極的に出していくということによって地元の企業が育つ機会を提供するとともに、インフラの維持管理や整備の仕組み自体を省インフラ型に変えていくということが実際に起きてきております。  それらの問題点というのがこれから出てくる可能性はもちろんあるんですけれども、現時点では非常にいい面がやっぱり出ておりまして、費用対効果が二割ぐらいやはり改善をされたとか、それから地元の企業がこの仕事を行うことによって成長して、ほかの地域に出ていっても仕事が取れるようになっていくという、地元の企業を保護するのではなくて成長させるというようなことがこの省インフラを通じてできてきているのではないかというふうに一つ思います。  それから、その延長線上には、当然これ世界に出ていくということがあり得ると思います。といいますのは、集中的な投資をしている国は日本だけではありません。二十世紀というのは高度成長の時代ですので、アメリカや日本だけでなく全ての国が高度成長しました。特に中国やASEANの国、あるいはアフリカの国々、これは、日本に遅れて恐らく五年、十年、十五年のうちには日本以上に急激に老朽化してくることが予想されます。そのときに、従来型の大量のネットワークをどんと使うというようなことで対応するのではなく、省インフラ型の仕組み、あるいは技術、システムというのを輸出できれば、これは国際貢献と成長戦略を同時に実現するということが可能になるだろうと思います。  先ほど御紹介しました予防保全の地中の空洞を検知する技術というのは、これはもう世界から引き合いが来ておりまして、全く同じような状況にあるんですね。ですので、こういったところを上手に活用していくということによりまして企業の成長と、あと自治体の行政課題への取組が同時にできるのではないかなというふうに考えております。

馬場成志自由民主党

○馬場成志君 済みません、今日はちょっと時間気にして慌てて聞きましたので、また今後ともいろんな意味でお尋ねさせていただきたいと思います。  今日はありがとうございました。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 民主党の森本真治でございます。  今日は、参考人の先生方におかれましては、大変貴重なお話を伺いまして、ありがとうございました。  せっかくの機会でございますから、それぞれの先生方からお話も、また御質問もさせていただきたいんですけれども、限られた時間でございますので、順次質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  事前に、今日の資料もですけれども、事前にお配りいただいたそれぞれの先生方の論文なども読ませていただいておりますけれども、まず、大石参考人の方から順次お伺いしたいと思います。  本日のお話でもございましたけれども、我が国は特有の自然条件というか社会条件の中で暮らしている。歴史的にも、大災害が頻発していたにもかかわらず、まあ幸いといいますか、高度成長期には大災害に見舞われることがなかった。災害記憶喪失という言葉も先生は論文の中でも使っていらっしゃいますけれども、ある意味そのような状況について警鐘も鳴らしていらっしゃるのかなというふうにも理解しております。  国土に働きかけなければ国土は恵みを返さないというのは、何かすごく私もいい言葉だなというか、そういうふうにも感じさせていただいて、まさに国土に愛情を注いでいくということが重要なのかなというふうにも思っております。そういう面では、今我が国というか、私の地元もそうなんですけれども、昨今、例えば耕作放棄地の問題とか里山の再生の問題とか、それぞれの地域住民の中にも問題意識も持つような状況があって、例えばボランティアとして自らの手で土地に愛情を注いでいくというようなことも盛んになってきておるのかなと。小さな動きかもしれませんけれども、自分たちのできることを自分たちでやっていこうという、そういう動きもある意味この国では起きているのかなということも私は認識をしております。  しかしながらといいますか、その一方で、この国土に働きかけるということが、今日の先生の話にもあったと思うんですけれども、インフラ整備重視というか公共事業ということに対するマイナスのイメージというか、そういう誤解されやすいということも事実としてこの国にはある。たまたま私もちょっと読んで見付けたんですけれども、中央公論のこれ十二月号、今月号ですか、法政大学の小峰先生、「アベノミクス「国土強靱化」への懸念 公共投資回帰では何も解決しない」ということですね。ただ、こういうのを読んでみますと、論点が全く、ちょっと違っているなという気がしているんですけれども、国民の感情の中にこういう意識もあるというのも事実というか、そういう実態もあると思います。  ただ、公共投資の目的が雇用対策とか景気対策として使われてきたことはある中で、このイメージをやはりどう払拭していって国民に理解をしてもらうかということは非常に大事だと思っております。事実、この度、参議院にも国土強靱化基本法が回ってまいりますけれども、様々な議論も衆議院で行われた中で、ただ、当初の法案でもいわゆる全総的な視点というか、そういう視点も入っていたわけで、災害対策というような観点はこの国土強靱化の中でも一つの目的ということなわけでございます。  そういう意味で、まずお伺いしたい。ちょっと長くなったんですけれども、国民の意識の問題というのが大変重要だと思って、それをどう理解を求めていくのか。そのためにも先生も頑張っていらっしゃるのかなというふうにも思うんですけれども、もう少しそこら辺の、国土強靱化とか公共事業という部分に対する拒否反応を示しているようなこの現実に対して、まず国民の理解を得るためにもう少し何かお考えというか、あればお聞かせいただきたいと思います。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) いや、先生から有り難いといいますか、御指摘をいただいたと思っております。  話の中でも言わさせていただきましたが、公共事業、公共投資という言葉は、今年幾ら投資をするか、去年に比べて幾ら伸びたか減らしたかといったようなフローの表現でしかありませんですね。つまり、今年幾らお金を使うかということになると、どこにどれだけの工事、どこの建設会社が、土建屋がといったような連想ゲームのイメージになってきていて、そのことが過去にあった不祥事とかと併せて国民に大変マイナスのイメージを与えてきたというように思うんですね。  その公共事業という言葉は、話の中で言いましたように、公共事業を通じてストックをつくり上げることに意味があるわけで、そのストックの効果といいますか、そのことをもっともっと語らないと国民から理解は得られないんではないか。つまり、そういう事業をやることによってどういう地域をつくろうとしているんだと、いつまでに、何でといったようなことをちゃんと言わないと駄目なんだというように思うんですね。そこのところが極めて大事で、今日御紹介しましたイギリスの首相も、それからアメリカの大統領も、公共事業という言葉ではなくてインフラストラクチャーという言葉を使っているんですね。パブリックワークスとは言っていない。つまり、どういうものでどういう国をつくり上げるのか、どういう地域をつくり上げるのかということについて、もっと丁寧な説明が国民に対して必要だと、このように思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 そうですね、政治の立場でもそうかもしれないし、またあらゆる、例えばこれは教育の場ということにもなるかもしれないけれども、そういうような中で意識をしていくというのも一つあるのかなというふうにも思います。  ただ、その一方で、私たちは、やっぱり現実の政治に携わる人間としてはやっぱり財政の観点というのは当然あるわけでございまして、今般の基本法も修正が図られる中でも、財政資金の効率的な使用とか事業の重点化というようなこと、また人口の減少等に起因する国民の需要の変化、社会資本の老朽化等を踏まえることというような修正なども図られておりました。これはつまりは、国土への働きかけの度合いについて制約を掛けるというようなこと、これは別に私は否定する立場ではないと思っています、実際に財政の問題というのは重要なものですから。  ただ、先生のように、例えば国土に関する専門家というようなお立場でこの国土強靱化と事業の重点化とか、規制、制約を掛けるということについて何かお考えがございましたら、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) やや難しい御質問ですが、財政制約がある中でという議論で言わさせていただきますと、先ほど、ドイツのネットワーク、アウトバーンネットワークが何キロになっているかというのをお示ししました。最近では一万三千キロぐらいになっているわけですね。ドイツは日本より小さい国ですし、日本は一億二千五百万の人口を抱えてございますが、ドイツは八千二百万人しかいないんですね。だから、人口が減るから我が国のインフラはもういいんだということになると、なぜ日本の高速道路が八千キロしかないのにドイツは一万三千キロでドイツ国民の効率的な動きを確保して、それで経済競争力を確保しようとしているのかというところが見えてこないということになると思うんですね。  私たちの国民はドイツ人と競争をしている、そういう認識を持って、経済競争に資するために必要なインフラは何なのか、そのために何に重点化すべきなのか、こういう議論があってほしいな、このように思います。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ありがとうございます。  続いて、ちょっと中林参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  先生の今日のお話や論文などでもちょっと私、初めて聞く言葉がこの事前復興という考え方がございまして、大変興味を持たせていただきました。まさにこの事前復興という考え方も、限られた、制約された財政状況の中での一つのやはり強靱化の重要な考え方なのかなというふうにも理解をさせていただいたんですけれども、本当、この人口減少時代で限られた財源の中、そして有効な対策で、災害対策もですけれども、まちづくりを考える上でもそういう視点ということが必要というように伺いました。この事前復興についてもう少し御教示いただければというふうに思いまして。  ちょっと先ほどのお話などで、これは備えというか方針ということを考えておくということなのか、実際のまちづくりの中でそういうことが、つくっていくということでの考え方、あと防災とか減災対策との違いというか、ちょっとそこら辺が私の方で少し理解ができないところがございまして、もう少しそこら辺について、事前復興についての考え方、また、この考え方を広めていくためにはどういうふうな課題があるかといったらあれかもしれないですけれども、広げていける可能性みたいな、そこら辺についてももう少し詳しくお話しいただければと思います。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 事前復興ということでございます。  こういう考え方というのは阪神大震災の後に出てきた考え方です。阪神大震災の後、ちょうど東京都がそのとき直下地震の被害想定を初めてやっておったんですけれども、阪神の五、六倍の被害を阪神と同じスピードで復興するには、事前に準備して、復興対策といえども被害想定を基に準備しておくべきではないか、その復興対策とか復興計画の作り方、あるいは更に言えば被害想定どおり被害が出たらどんな町に復興していくのかということも既に想定して公開をしておくというのが一つの始まり、事前復興の第一側面として出てきました。それは、まさに準備対策ということです。  その中で最も重要なのは、手続を準備しておくのか、被災した後どういう地域、町に復興するのかを考えておくのかという議論がありました。現在、私は、町を考えておくということが、手続を準備しておくことも大事なんですけれども、どんな復興の地域・まちづくりをするかを考えておくということが非常に重要ではないかと思っております。  それは、実は木造の密集市街地等、あるいは津波の、密集した集落等で被災した後どういう復興をするのかということを、想定ですが、考えておくと、防災という側面ではなかなか切り口が見えなかったところを住民の皆さんが議論し出すんですね。例えば、東京の木造密集市街地で、やっぱり基盤整備がないと家も更新できないし、区画整理というと、そんなのできっこないということで拒否されちゃうわけですけれども、じゃ、もしこの町が半分以上燃えちゃったらどうしますかというところを一緒に考えていくことで、やっぱり基盤整備が必要なんだと。道路をきちっと確保するということがいかに大事かということに思い至るわけですね。  そうしますと、そういう、燃えてしまったらという仮定ですけれども、復興をどういうふうに進めるのかということを事前に考えておくことで、それを公開しておくことで、近々起きれば、それが復興のたたき台になる。同時に、そこで考えたまちづくりの発想というのが、行き詰まっている防災まちづくりをもう一歩前へ進ませるエンジンになってくるんではないかなと。だから、各町で防災の取組と同時に、大きな被害を受けたときにどういうふうに復興するのかということを一緒に考えておくことが、防災を前に推すと同時に、復興も迅速に図っていくことができるというふうに考えております。  いわゆる復興というと必ず合意という話が出るんですが、合意とは何かというと、被災した後どんな町をつくり直すのか、そのことに対するイメージが共有できれば合意が形成されるわけですね。ところが、どんな町に復興するかの思いが共有できなければ、いつまでも合意は達成されないわけでして、そういう意味では、想定ですけれども、被害想定の下にまちづくり、復興をどういうふうに進めるかを考えておくということが大事だと。津波では、今回の新しい制度を使って、可能であれば高台への移転を三十年掛かりで展開するようなまちづくりにつないでいければいいのではないかというふうに考えております。  それら含めて、防災ではなく被災を前提に想定するところから始めるまちづくりということで、事前復興のまちづくりと言っています。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 ありがとうございます。  ちょっと時間がもう迫ってまいりましたんですが、根本参考人にも是非お伺いさせてください。  インフラの老朽化の問題というのは、大変これ我が国にとっても重要な避けては通れない課題となってきたわけでございまして、ただ、やはり自然災害とは異なって、計算が可能であるというお話だったと思います。まさにインフラのマネジメントというか、そういうところが今後大きく問われてくるんだというふうに思っております。  省インフラ、またPPPやPFIということもございました。例えば今、PRE戦略というような考え方、これ国交省もあったと思うんですし、各自治体でもそういう考え方を取り入れているところ、これはもう財政的な観点でそういうような考え方を導入する自治体も出てきてまいりました。国にしてもです、国交省にしても。  実は私も、前職は自治体の議員をしておりまして、このような戦略的なインフラのマネジメントというものの提起をしたことがあったんですが、なかなかやはり、今日の橋梁にしても建物にしても縦割りですから、総合的な自治体としての認識というところがまだなかなかやっぱりできていなかったというか、やっぱりシステムというか、そういうものもないし、なかなか頭では分かっても、どう取り組んでいいのかということに悩んでいたというような実態もあったんです。  省インフラでもこれからというお話もございましたけれども、少し、やはりこれを進めていく上での効果的な手法というか、何かちょっと抽象的な質問になって申し訳ないんですけれども、どうマネジメントを高めていくかというか、そこら辺の何か御所見というか、お考えをお伺いさせていただければと思います。済みません。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 時間が来ておりますが。  根本参考人、恐縮にございますが、簡潔に御答弁をお願いいたします。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) はい、それでは簡潔にお話をします。  非常に簡単に言うと、国に何か言われなくても、もう自治体の側で自覚症状が出ておりますので、既に、公共施設だけに関して言うと、データを集めているところが大体もう百二十ぐらい、もう全て公開をしております。  それから、総務省がソフトをつくりまして、将来このくらい足りませんよということを全自治体に推奨しております。  ということで、かなり進んできてはおりますけれども、もし国の方でできるとすれば、補助金や交付金等の支援をするときに、そういうことをしっかり計画を立てたところを優先してあげると。先んじてやったところが補助を受けられないというのは物すごく矛盾だと思いますので、しっかりやっているところがもっと頑張れるようにしてあげるというふうにお願いをしたいと思います。  以上でございます。

森本真治民主党・新緑風会

○森本真治君 済みません。御配慮ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 根本参考人、ありがとうございました。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  今日は、お三方、大変にお忙しい中、ありがとうございます。  では、逆に根本参考人からお聞きをして、たくさんしゃべっていただければと思いますが、御提言の中で、特にPPP、PFIというところでユニバーサルテスティングを導入ということが御提言なさっておられます。  今のお話にもちょっと関連する話だと思いますが、たしかイギリスではこうしたことを導入されているんだろうと思いますが、この御説明が今ありませんでしたので、先ほどの十五分の中では時間がありませんでしたので、今後やはり国土を強靱化していくというときに、こうしたPPPあるいはPFIの導入というのは、法案の中にも明記してございますけれども、大変大事な視点であると思います。その際に、このユニバーサルテスティングをいかに日本に導入していくのか、その課題ということも含めまして、イギリスの事例も引きながらお話をいただければと思います。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) ありがとうございます。  先ほど、日本の将来、今あるものを維持するだけで年間八・一兆円必要だと申し上げました。これが現状の公的資本形成に比べると四割大きいというふうに申し上げました。今、既に更新をしているものも一割ぐらいあるとすると、四割ではなくて三割ぐらい不足しているということになるんですけれども、これを三割が不足していると考えるのではなくて三〇%生産性を上げていくというふうに考えれば、これは民間の知恵を入れれば三〇%の生産性向上というのは夢ではないと思っております。  そして、夢を現実にするために様々な民間の活動、民間から提案をいただいて大いに活躍をしていただくということが必要だと思うんですけれども、現状のPFIの制度というのは、基本的には、政府、地方自治体も含めてですけれども、公務員がこれをPFIにするということを決めることができるんですね。民間の方が得意だからPFIを導入するにもかかわらず、不得意な人が決めるというところにすごく矛盾がありまして、これはとても民間でもできないのになというものがPFIになったり、あるいは、これはもう民間でも十分にできるよというものが公共事業になったりということが起きております。  これは日本だけではございませんで、英国では一九九二年にPFI法を施行しているんですけれども、最初にやはりそれを役人が決めることによって、広がらないのではないかと、特に地方自治体の場合にそういう懸念がありましたので、最初にこのユニバーサルテスティングというのを導入をいたしました。これはどういうものかといいますと、公共事業を実施する場合には、まずPFIで実施できるかどうかを検証、検討すると。それによって、公共事業の方がいいよとなった場合に初めて公共事業に予算が付くという仕組みであります。  したがって、非常に厳しいものでございまして、全件このテストを掛けるということになりますので、イギリスの公務員の民間への意識というのが非常に高まったというメリットの反面、手続が非常に煩瑣だということで、結果的には二年間でこの措置は終わっております。ただし、その二年間の間に、民間ならこういうことをやるんだなということを全ての公務員が知ることができたという、短期間に意識が浸透したということで、もうこれからは必要ないでしょうということで、制度ではなくて意識の改革が進んだ中で対応しているというのが英国の歴史だと思います。その後、政権が何回か交代するわけですけれども、イギリスのPFIはより大きな概念であるPPPに変化をしていきまして、経済政策の柱としての位置付けは全く変わっておりません。  特に、今イギリスの財務省の中にPPPの、今はPPPと言っておりますが、推進組織ができております。ここが旗を振って、大いに民間を活用しようじゃないかということを言っているんですけれども、その組織の名称が実はインフラストラクチャーUKと言っているんですね。目的はPPPやPFIではないと、これはあくまでも手段だと、真の目的はインフラをしっかり整備していくんだと。これはソフトなインフラも入っておりますけれども、それを前面に出しまして、このインフラストラクチャーUKというところが民間の力を活用しながら、活用できない場合には公共事業も使いながら費用対効果を上げていくという進め方をしております。  ということですので、ここにはユニバーサルテスティングだけを書きましたけれども、インフラストラクチャーUKのような推進組織を強力につくって、そこが自治体の方を応援をしていくという体制も必要ではないかというふうに考えております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。大変に参考になりました。  続きまして、中林参考人にお伺いをしたいと思います。  資料の中にございましたが、広域巨大災害時に被災自治体の支援格差をなくすのは支援力、受援力、調整力というお話の中で、国における支援調整システムの構築という御指摘がございました。  私は、これはお聞きしてすぐ思いましたのは、災害対策基本法における災害緊急事態という規定がございますが、これが発令されないという問題を想起をいたしました。  大変、首都直下とか、あるいは南海トラフとか、巨大な地震災害が起きたときに、例えば供給制約を課していく、あるいは価格統制をしていくという規定がありますけれども、なかなかこの今の災対法の、基本法の下では国会が開会中等であれば発令はできないという規定になっていることで、三・一一もこれは発動されませんでしたけれども、しかし大変、それだけの大きな規模の災害ということであれば、なかなか国会で法律を作っているいとまがそもそもないから緊急事態なわけでありまして、仮に国会が開いていたとしても、そうした国による支援調整ということでの発動をされるように改正をしていくべきではないか。政令を定めて政府が行うわけですけれども、その後、国会の方できちんと、それをやめることも、拒否することもできる、そういう立て付けにこの災対法はなっているわけでありますから、そういう改正も含めて、国の支援調整ということで今の法体系も含めた何か変更をすべき点があるのではないかという視点で先生の御意見をお聞きしたいと思います。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 国が調整するべきことというのは多岐にわたると思うんですけれども、一つは、国でしかできないことというのは確実にやっていただかないと困りますので、それは災害対策基本法等の改定も含めて、どういう運用をするかということをしっかりと国会でも議論をすべきだと思います。その一つが今の物価の統制ですとか、言わば国内の総防災資源をどう活用するかということについては、個別調整ではなくて、国としての調整が必要になるのが巨大災害だと思っております。  ですから、ガソリンの問題、それから生活物資の問題、食料の問題、様々あろうかと思いますけれども、それらをうまく活用していくための調整力と、これはもう国以外ではできないと。ですから、国が各産業、業界も含めて統制していくような仕組みという、統制というか、一定期間調整をしていく仕組みというのが大事だと思っています。  それからもう一つ、人間にかかわる支援というのが東日本では大きな課題になりました。それは特に自治体とか被災地を様々な形で応援するための、物的な応援以上に人的な支援、応援というのが大事になりました。今回、東日本では、知事会を通して県がとか、市長会を通して市がという形での様々な取組を調整しようとしたんですが、とても時間が掛かるということで、協定に基づく個別の支援その他が活動してしまったということですが、先ほども申しましたように、巨大災害では個別では被災地に格差が広がるだけになるであろうというふうに考えております。  したがいまして、四十七の都道府県、そのうちの半分、二十が被災地に入りますと、残り二十七の資源をどう配分するかですが、これをきちんと国として調整することが必要で、今回行われていますけれども、県と市町村がペアを組んで応援に行くということで、県の調整が、その管内といいましょうか、領域の中にある市町村の人的資源も含めて応援に行く、そういう体制がきちんと取れるような仕組みを改めてつくっておくべきだと思います。知事会その他との連携も必要だと思いますけれども、国としての総合調整をする場というのが大事だと思います。  それからもう一点、巨大災害になるとこれまで以上に海外からの応援がたくさん来ると思います。この海外からの応援をきちんと国としてやるべき体制が必要だと思っております。海外というとどうしても外務省になるんですけれども、外務省に災害の専門家がいるとは思っておりませんので、やはり災害が分かる、応援が分かるところで応援をする。そういう機関は内閣府かもしれません。あるいは、外郭ですと世界に一番通じているのはJICAなんですね。このJICAの力をもう少し有効に使うようなことも含めて、海外との応援も調整できるような仕組みをつくっていくことが大事だと思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  最後に、大石参考人にお聞きしたいと思います。  財務省の財政審分科会が十月二十一日にペーパーを出して、社会資本をめぐる現状と課題という論点のペーパーが出されました。この貫く考え方は、先ほども少し出ておりましたが、人口が減っていく時代に社会資本に回す予算は削減してしかるべきであると、こういう考え方が全体を貫いていたのではないかというふうに思いますが、これについて、大石参考人、相当の反論があろうかと思いますので、御意見をお聞きしたいと思います。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 財政が厳しいのはどこの国も同じでありまして、先ほど御紹介しましたオバマ大統領は、先ほども言いましたように、財政デフォルトの危機に一回臨んだわけですよね。それでも十一月八日に、やはりアメリカの経済を成長させ競争力を付けるためには道路、橋というようなことを言っておられるわけですね。  各国とも財政が厳しい中で、先ほども御紹介しましたように、フランスが一万一千キロからの高速道路、ドイツも一万三千キロからの高速道路造りに力を入れているのは、それは経済の競争力と経済成長のエンジンの一つだからですよね。だから、エンジンの一つを止める議論をして、なぜこの国の経済が成長するのかということについては、まず一番の疑問であります。各国首脳が示している競争と成長のツールであるという認識がこのペーパーの中には、私は感じられない。  したがって、この中には、我が国の道路がこれぐらいでき上がってきたとかいう数量は示されておりますけれども、各国がその間どの程度伸びたのかというのが全く示されておりません。したがって、私たちの国のポジションがこれでは分からない、私たちの国民が競争している相手とイコールな条件に置かれているのかどうかがよく分からないというのが疑問の一つであります。  それからもう一つは、先ほどのGDPの定義式でも示しましたように、公共事業、公的固定資本形成はGDPの重要な構成要素の一つであります。これが半減することによってGDPの伸びを抑えてきたことは間違いありません。GDPの伸びがなければ税収は伸びないのは、これは確実であります。これはもう絶対の真理と言ってもいいほどの確実であります。  したがって、GDPが伸びないと駄目。この公的固定資本形成費を下げるのであればどうやってGDPを上げるということをお考えで、そして、財政の側から見たら入りを増やすということについてどうお考えなのか、このペーパーでは全く見えてこないというようなことがございます。  私は、最大の問題は、今これだけ半減してきた公共事業にメスを当てるのか。御紹介しましたように、年間三十兆から四十兆も赤字特例公債が増えていっている、その状況は今後、高齢化の進展とともにますます激しくなる可能性があるわけですよね。そこのところから目を背けさせてしまう、国民の目を。そういう効果を持ってしまうところが最大の問題ではないか、このように思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございました。  以上です。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  今日は大変お忙しい中、お越しをいただいて、なおかつ大変示唆に富むお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございます。  まず、私も、根本参考人の方からお聞きをしていきたいと思います。  参考人おっしゃったように、これから、先ほども出ておりましたPPPあるいはPFIを活用していくと。民間のノウハウ、資金を上手に利用していく、あるいは官民連携を強めていくというのがこの長寿命化あるいは老朽化対策に不可欠だろうと思いますが、このちょうだいをした資料の中にもございますけれども、それを我が国で今後更に進めていく上で、手続を大胆に簡素化するということをおっしゃっておられますが、特にどういうところを簡素化していけばより一層促進されるというふうにお考えなのか、教えていただければと思います。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 資料の十八のところに、提言ということで大胆な簡素化ということを書いております。これは主としてPFIを念頭に置いております。現状、PFIにすると時間が掛かるので公共事業でやりますというのが非常に多いんです。これはもう筋違いだろうと思います。民間のスピード感覚を基に事業をしたいのに、民間に任せると時間が掛かるというのは、これは制度設計自体にかなり問題があると言わざるを得ないと思います。  最大の問題、幾つかあるんですけれども、最大の問題は、PFIで実現できるかどうかに関して可能性調査をするということが一応ガイドライン上推奨をされているということなんですね。なぜかといいますと、PFIでできなかった場合にはそのPFIを導入するための手続の期間が無駄になってしまうと、費用が無駄になってしまうので、できそうであるということが分かった状態で進めなさいという、ある意味当然のようなことなんですけれども、実はそのために半年、一年掛けているんですね。自治体も数百万の予算を掛けているんです。  同じようなことは、公共事業であったとしても、入札を掛けたときに誰も手が挙がらないかもしれないわけで、そのときには掛けた分、その手続のコストというのは無駄になってしまうんですが、公共事業の場合には公共事業の可能性調査というのはやらないわけなんですよね。  ということで、PFIの場合に、より過重な手間を掛けているということが挙げられると思います。元々英国から来た制度なので、ある意味アングロサクソン法制の非常に厳しいところが前面に出ておりまして、それをそのとおり忠実にやるということがいいことだというふうに最初はスタートしたんですけれども、実際には、やっていくうちにいろんなノウハウが身に付いてまいりまして、こういう場合はこのようにやればいいんじゃないかということも蓄積をされてきているので、もう余り厳格に全てを決め付けてそのとおりやるという必要はないと思っておりますので、国の方でガイドラインを示すけれども、中を省略をして、自治体のリスクでやれると思うのであれば短くしていく、複数の手続を同時に進行させるとか、そういうことはできるのではないだろうかというふうに思っております。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  続いて、根本参考人にお聞きをしたいんですが、先ほどもおっしゃったように、予防保全等の技術開発、いわゆる最先端の技術を活用して、あるいはそれをもっと研究開発して長寿命化対策に資していくというのは大変重要なことだと思いますし、これは日本のそういう今の技術力を生かせれば、先ほどのお話のように、我が国のことはもとより世界にも貢献できる道だろうと私も思いますが。  先ほど二つほど事例を紹介をしていただきましたが、今後、こういう技術が開発されればもっともっとすごいことになるという、参考人がお考えになっていることがあれば教えていただきたいと思いますが。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 私が考え付くようであれば、私もそういう業界に行っていると思います。  まさに、様々な技術のネタをこの分野に持ち込んできて、新しいビジネスなりサービスを創造させるということだと思っておりまして、現状、公的なセクターとこういうようなサービスをやっているところは全く接点がない、お互いにどんなニーズがあるのか分からないという状況なので、それを我々のような立場の人間がくっつけていくことによって、新しい技術を新しいニーズにぶつけていくということが可能ではないかと思っております。  実は、技術開発を先ほど御説明しましたけれども、非常にシンプルなものも結構ございます。  例えばですけれども、ある化粧品会社がバスを改装してブティックを中につくりまして、化粧品とか、それから洋服とかバッグとかを陳列をしまして、それでそのバスごと限界集落を回るというビジネスをしております。これは公共事業ではなくて完全に民間なんですけれども、実際に訪れた集落では高齢の御婦人たちが着飾って出てきて買物をするんですね。そういうところに参加することによって活気が出て若返って、医療費や介護費が減るという現象が実際に起きております。  このように、お客さんが方々に散って、それぞればらばらになっている現状であれば、サービスの方からそこに出向いていくよと。これは民間は非常に得意なところだろうと思っておりまして、これはポーラ化粧品という会社が実際にやっていることですけれども、お金を使いたいという意図はあるし、お金も持っているんだけど、使う機会がないという場合にマーケットを自ら創造していくというサービスの一つなんですけれども、このようなものが今どんどんどんどん萌芽的に出てきておりますので、ハイテクからローテクまで様々な可能性があると考えております。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  済みません、もう一点、根本参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどインフラ、公共施設の包括予防保全の事例を教えていただきましたが、いろんなインフラや公共施設を長期に一括してあれしていくということになるんだろうと思いますが、そうすると、特定の業者だけがやっていくということになるんじゃないかと思ったりするんですが、そういったことを含めて、この問題点というか課題というか、そういうところがあるとすればどういうところなのか、もしあれば教えていただきたいと思います。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 当然、独占の弊害というのが想定をされます。北海道の場合は三年若しくは五年という期間を限定をしまして、その間で契約をすると。通常は一年未満のスポット契約ですので、明日の仕事が来るかどうか分からないというところで仕事をするわけですけれども、三年なり五年であれば、非常に長期間で仕事のロットが大きくなりますので、設備投資をしたり専門家を採用したりすることができる、生産性が上がるという、そういう企業努力ができるようになります。ただし、三年とか五年ですので、その間の努力が十分でなければ当然次の契約はできないということになりますので、無制限にやるということではありません。  それから、今この動きは同じようなもので首都圏でも広がりつつあるんですけれども、首都圏の場合にはマーケットが大きいので、一つのエリアを全部一つじゃなくて複数の地区に分けて、それぞれごとに競わせると。それぞれごとは一つのところが三年、五年やるんですけれども、お隣の地区と比べれば当然、成果というのが比較可能になりますので、そこで競争をしてもらうということでできるのではないかと思います。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 どうもありがとうございました。  続いて、中林参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどのお話の中でも、いわゆる防災教育の充実についてお触れになりました。全くそのとおりだと思います。  加えて、そういう大学まで含めた学校での教育の充実はもとよりですが、参考人がおっしゃる地域の復元力というものを養っていくためにも、地域全体の、地域ぐるみのといいますか、そういう防災教育とか効果的な防災訓練といいますか、こういったことも併せて大事なことなんだろうと思いますが、この点については、特にこれからこういうことが必要だというものがあれば教えていただければと思います。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 地域での防災力をいかに上げるかということで、自治会長さん始めとして頑張っている自治会はいっぱいあるんですね。ところが、どこへ行っても、我々日常の訓練はいいんだけど、実際に起きると、我々自身の年から考えるととても働けないと、だからもう少し若い人に出てきてもらいたいんだけどなかなか出てきてもらえないというようなことに共通してお悩みがあると思うんですね。  そこをどういうふうにクリアするかというのは、一つは、先ほどの学校教育を地域の中でいかに展開するか。地域学習というのをやっているわけですけれども、地域防災訓練の中に学校と地域がいかに連携するか。つまり、子供が出てくることで子供の親たちも出てきて、おじいさん、おばあさんも町会の方からおられて、三世代が交流するような場をつくっていく。そういう、学校が、昼間は教育、夜は避難所というわけではなくて、日ごろから防災の備えの要であると、そういう地域の学校の位置付けを見直していくということが一番重要ではないかなと考えております。  そのためには、そういうことの大事さに目覚める校長先生ですとか先生方がたくさんおられることが何よりも大事になってくるのではないかということで、先ほど、教員の防災教育が最も基本的に充実すべきではないかというふうに考えているところでもあります。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  それからもう一つ、中林参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどの資料の中にもお触れになっておられましたが、今急ぐべきは東日本大震災の一三〇%の復興だと。最後に両立が言わば果たせるように目指してほしいということですが、今このいわゆる国土強靱化法案が成立をしてなっていくと、私も正直心配するのは、東日本大震災の復興が置いてきぼりになるんじゃないかということをちょっと懸念するわけですが、参考人は、実際のところ、どういうふうにそれは見ていらっしゃるんでしょうか、率直なところをお聞きしたいと思います。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) この強靱化法成立後、日本の強靱化というのをどれぐらいの期間でどういうスピードで展開しようかということに懸かってくると思います。  今正直にハザードを除いて考えると、東日本が一番脆弱です。あったはずの防潮堤もなくなってしまって丸裸状態ですね。そういう意味では、脆弱性評価に基づいてまず最小限の強靱化を取り戻すべき地域は東日本で、それが復興の最低限の到達目標だと思うんですね。それをまず急いだ上で首都あるいは西日本での強靱化を目指すという、そのプログラムを国土計画レベルできちんと配分していくということが何よりも大事になってくるのかなと思っています。現在、東日本だけでも建設業界の人員、資材その他不足しているわけですので、これで西日本とか被災地外を、例えば公共事業に関して言えば、急ごうと思っても多分できませんので、その人員あるいは資源を回すというプログラムをきちっと作ることが大事だと思います。  もう一点、なぜそれが大事かというと、根本参考人のお話にありましたように、ここで西も東もとなると、まさにまた再びある社会ストックのピークをつくるわけですね。それが五十年後、六十年後、さあメンテどうするという話になりますので、災害がいつ来るか分からないとはいえ、なるべくなだらかな山で持続的な強靱化へのプログラムというのが何よりも将来の子供たちにとっても大事な取組になるんではないかなと思っています。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 どうもありがとうございました。  最後に、大石参考人にお聞きをしたいと思います。  今もお話ありましたが、あるいは根本参考人もそういうお考えに立たれるんだろうと思いますが、まず、今新規の投資をどんどん新たにする前に、今の既存のインフラのしっかり長寿命化、点検補修、維持管理をやるべきだという考え方もあろうと思いますが、その点、大石参考人はそういうところはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 大石参考人、恐縮でございますが、簡潔に御発言をお願いいたします。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 既存ストックに手入れをして、それが長もちをするように努力をしていく、これはもう極めて重要なことだと思います。  ただ、その既存ストックが持っている効果、例えば笹子トンネルでいうと、山梨と長野を東京、首都圏に結ぶという機能ですね。この機能をそのトンネルに負わしていたわけですが、じゃ、もしネットワークが充実していれば、これ両県が途切れることがない、この両県が結び合っているという機能をどうやって笹子トンネルに代えて代替するのか。こういったような考え方からなると、アメリカが、荒廃するアメリカ以降も道路の整備の新設に極めて力を入れてきたというようなところがあるということを見れば、そんな考え方もあるのかなというように思っています。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 どうもありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門でございます。今日は、お忙しいところありがとうございます。  まず、大石参考人に伺います。大石参考人は、うちの兄貴と大学が同窓で大変お世話になった中でちょっと質問しにくいんですけれども、これも仕事でございますので、御理解をいただきたいと思いますけれども。  今回の国土強靱化法案は、率直に申し上げまして、国会にしばらくおりますと、大変うさんくさい法案だなと率直に思っております。流れがございまして、我が党は別に国民の暮らしに必要な公共事業はきちっとやるべきだという考え方ですけれども、この公共事業というのは、昔から建設業界がどうしても自分たちの仕事が欲しいし増やしたいしというところがあって、政治家なり官僚なりとの癒着関係がどうしてもでき上がってきてしまって、そういう中で公共事業が、借金して増やせるときは増やしたんでしょうけれども、結局やっぱり建設国債、地方国債の発行で借金を増やして、もうこれ以上いかがなものかというふうな、そういうところがあって切り替わってきたわけですね。  二〇〇〇年代に入って、やっぱりそういうところから公共事業の見直しということが進んで、小泉政権のときがそうでしたけれども、特に公共事業の費用対効果とか、あるいは乗数効果、経済効果とかが割と厳しく自民党の中でも検証されるようになって削減が進んできたと。  しかし、建設業界にとってはこれはもうたまらない話で、悲鳴に近いものが上がっておりました。実は、私も建設分野出身でございますので分からなくはないんですけれども、そういう声が上がってきて、かなり自民党の中でも、特に参議院の皆さんは公共事業については余りにも減らし過ぎだというのがあったし、実は私も、必要な公共事業までもできない状態になっているというのは一部知ってはいるんですけれども、そういう流れになってきたわけですね。  そういう流れにあったわけですけれども、第二次安倍内閣が発足といいますか、自民党が今度政権に復帰する中で、また再び公共事業という流れになってきたと。ただし、昔のように同じような名目ではなかなかできなくなって、いろいろ新しい理屈を付けないと公共事業を増やすというふうにならなくて、そこのところで出てきたのがこの国土強靱化という言い方とか、中身でいいますと、防災・減災あるいは国際競争力というようなことをくっつけて、そうすると、例えば防災というと、もう費用対効果というのは測りようがありませんよね、ある意味では。国際競争力もそうですよね。  だから、前みたいにうるさく言われないような、そういう看板を付けて、結局はやっぱり公共事業を増やしたいと。その公共事業を増やすために、逆に強靱化とか防災とか、あるいは国際競争力ということをくっつけてきたんではないかと、流れで見ると、非常にそういうことを思うわけでございます。  大石参考人も、うちの兄貴もそうですけれど、技術屋さんだから、技術屋さんというのは純粋にこの公共事業は必要だと思って進められるわけですね。だから、気持ちは分かるんですけれど、背景としては、そういう業界でそういう流れで来たというのがあると思うんです。したがって、私は今回の国土強靱化法案というのは、そういう点では大変うさんくさく思っているわけでございます。  私は、大石参考人のように、先ほどからありましたけど、八ツ場だって何だって必要なら堂々と必要と言えばいいんですよね。それで論戦すればいいのに、こういう何か隠れみのを作って出してくる方向、やり方について大変こそくだと思っているんですけれど、大石参考人の御意見はいかがでしょうか。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 友人の大門の弟さんに答えるのもあれなんですが、私は、先生のような見解を持ってはおりません。やはり冒頭に御説明しましたように、我が国が抱えている自然条件の厳しさはもう世界の中で群を抜いておりますし、先進国でこれだけ悪い条件が重なり合っている国はありません。これは全てが公共事業で解決できるとは申しませんけれども、公共事業によって防ぐだとかいなすだとか、それから逃げる場合でも、公共事業によって例えば警報装置を付けるだとかというふうなことだとか、逃げる道を造るだとかというふうなこともあるわけですから、そういった施設が必要だと、それは他国よりもより必要な国だということは間違いないというように思います。  また、競争力の話にしましても、今日御紹介しました首脳も競争力のためにインフラストラクチャーが必要だと言っておりますが、今日これ御紹介した首脳以外にも、フランスでもイタリアでもドイツでも皆同じような認識を述べておりまして、やはりインフラが国の経済競争力を規定する重要な要素だというのは、どこの国の首脳も思っております。  そういう状況の中で、私たちの国が一九九六年比で見て〇・五に下げてきたというのは、やはり下げ過ぎたのではないかというように思います。その結果、建設作業員が仕事がなくなった、あるいは賃金が下がった、あるいは将来の見通しがないがゆえにほかの産業界に行っちゃったといったようなことになっているのではないかと、このように思っておりまして、強靱化というのが単なる名目で、公共事業だけが目的なんだということではないのではないかと私は思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ですから、そういう議論を正面からやればいいのに、防災にかこつけてというのがちょっと違うと。大体、災害特別委員会でやるテーマなのかということを私は思っているんですね。  そうはいっても、実際問題、大石参考人、大石参考人いらっしゃいましたけど、関係省庁の連絡会議では今後の強靱化の推進に向けたプログラムの対応方針、重点化というのが八月に出ているんですけれども、この中で、今後の対応方針の中に新東名高速道路とか高規格道路、新幹線ネットワーク、果ては一旦中断していた六海峡の海峡横断プロジェクトまで出てきているんですよ。ミッシングリンクというんですか、一万四千キロの道路、道路整備ですね、これも最後までつなげようと。これは昔、いわゆる、先ほどもありました全総にあった中身がばあっと復活してきているわけですね。だったら、もう最初からあの全総は必要だったんだ、やるべきなんだという議論をすればいいのに、ここにかこつけて出てきているのが大変おかしいなと私は思うわけでございます。  先ほど根本参考人からもありましたけれど、この老朽化対応だけでも相当の予算が掛かるという中なんですが、私が心配するのは、やっぱり老朽化対策はきちっとやる必要があるんですよね。ところが、こういう今言ったような、昔の全総の公共事業みたいなものがわあっと復活してきますと、結局、業界といいますかそういう人たちは、維持補修よりも新規事業の方がやっぱりもうかりますから、そちらに傾倒していって、老朽化対応の方が、一番大事なところがおろそかになるんではないか、後回しになるんではないかという危惧を大変持っているんですけれども、根本参考人の御意見を伺いたいと思います。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) 後回しになるかどうかというのは、結果として後回しにするかどうかということだろうと思います。  私の立場は、まさに今おっしゃっていただいたとおり、今あるものすら十分に維持できない状態で新しいものを考える余裕があるんでしょうかということであります。特定の何々がいいとか悪いとかと言っているわけではありません。  一般論としてそのような問題提起をさせていただいておりまして、これは国というよりは、むしろ私は地方自治体を対象に、よく見かけるのは、新しい図書館を建設している傍らには古い学校がそのままになっている、体育館の屋根が落ちそうになっているのにそれが放置されているというようなのは、やはり国民生活にとって決してプラスではない、お金の使い方として真っ当な考え方ではないだろうと思っておりますので、私の主張は、維持管理更新というふうに言っておりますけれども、そちらを優先して新規は後回しにするということを明確にメッセージとして出すべきであると思います。  維持管理が大事であるというのは実はもう何十年も前から言ってきたんですけれども、なぜこれが維持管理にお金が回らなかったか、十分になされていないかというのは、同時に新規も大事であるというメッセージを出し続けてきたからだろうと思うんですね。新規と維持管理とどっちを取るかと言われれば、やっぱり新規を取りたくなるのがこれ人情なので、結果としては維持管理がおろそかになったということは、ちょっと我々としては非常に反省をしなければならないことではないかと思いますので、その反省を踏まえて今なすべきことというのは、そこの原則を少し入れ替えて、今あるものがしっかり保全するのに必要な間は原則をやはり明確に出すべきであろうと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 中林参考人に伺います。  防災といえば何でも幾らでも公共事業をやっていいのかということにはならないと思いますし、そのやり方も、数百年ですか、数百年に一度の災害に備えるのか、あるいは百年に一度に備えるのか数十年に一度に備えるのかで、幾ら掛けて何を造るか変わってくるわけですね。ダム一つだって、全部せき止めるのか、あるいは緑のダム方式でやっていくのかとか、今回の東日本もそうですけれども、高い防潮堤を造ってもう絶対町を囲んでしまうのか、あるいは、そうではなくて高台に移転していろいろ考えていくのか、水は入れちゃって、考えるといろいろあるわけですね。  一番大事なのは、やっぱり防災のことを考えると、その住民の皆さんの合意がなしにそういうことは難しいと思うんですよね、実際問題。ところが、この強靱化法は、その脆弱性の評価のところから市民とか地域がかむ仕組みになっていないんですよね。私、最大の欠陥はこれだと思うんですけれども、防災の、先ほどの事前防災もそうですけれども、住民の合意とか住民の参加とか、こういうものなしにはあり得ないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 私もそれは考えております。  今日、自助がやはり大事なんだというのは、まさに一人一人の民の取組というのが基本にあって初めてそのインフラも有効に生かせるんだと思うんですね。ですから、ハード、ソフトというふうに防災を分けるとすれば、ハードはやはりソフトではカバーできないという意味で、一定のインフラ整備というのは確実に必要だと思います。しかし、それだけで終わるのではなく、言わば背骨を生かしていく、動かしていくためには個々の筋肉がないといけませんので、その筋肉を強化するというところがその地域のまちづくりであったり、あるいは一人一人の民のかかわり方だというふうに思っています。  その民にどれだけかかわってもらうかと。公共事業に民がかかわるというのはPPPという根本参考人のお話ですけれども、例えば個々の耐震化ですとか不燃化ですとか、これも小さいけれどもPPなんですよね。国が助成をして、個人が自己負担をして達成されると、そこの個々のPPの部分ももっと活性化していくような取組が必要だと思っています。  ただ、全てを一本の法律でやるというよりも、私、最後の表を少し参考に付けたんですけれども、いろんな法律が実はありますので、そこをうまく統合して、先ほどのプログラムとして、きちんと国がやるべきこと、地方公共団体がやるべきこと、それから民がやるべきこと、あるいは企業がやるべきこと、そこをきちんと位置付けていくというプログラムが非常に大事かと思います。  PPPがなぜ有効かというのは、もう一つは、スピード感が出る、すぐやってもらえるというか、やるということが可能です。しかし、大型のインフラはどうしても時間が掛かりますので、更に大きな災害が来る百年後を目指して、こうじゃなくてなだらかに、持続的に展開していくということが何よりも大事だと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 維新の会の室井でございます。  参考人の方々には、大変御多忙のところお時間賜りまして、ありがとうございます。また、意見陳述のときに私、席を外しておりました。お許しをいただきたいと思います。  先生方の御意見、御所見は、このパンフレットをいただいておりましたもので、前もってしっかりと読まさせていただきまして、そこで、少し私も気になったことがございます。御質問をさせていただきたいと思いますが。  大石参考人からお願いしたいんですが、私は、阪神・淡路大震災の尼崎に、阪神間でいましたから、よくその経験をしておる、恐ろしさも分かっておりまして、その当時から一極集中型じゃ駄目だと。伊丹空港の跡地とか名古屋とか仙台に副都心というか危機管理都市を造るべきだとか、そんなことを私なりに思っており、国会の方も随分、副都心のことに関しては随分前から消えたり出たり、消えたり出たり何かしてきたようであります。過去の先輩方がそういうことで提言をしたり、議員連盟を立てられたりして、消えたりまた出てきたりとかいうことを繰り返しているようでありますけれども。  その部分で、先生、分散化社会構造ということで言っておられます。そこについて少しお聞かせいただきたいんですが、その前に、まず、この直下型、直下地震によって、先生、三百兆円の被害とか、また死者が九千七百人、一万人近く、そして避難者が三百三十九万人と、そのように想定されておられる。こうなってくると、もう国が消滅するかしないかというような大きなことになっていくわけでありますけれども、その国土強靱化のために分散化社会構造への転換の必要ということで、二〇二〇年、さらに先生は、追い打ちを掛けるようにオリンピックということで決まったと、そこにまた、それ以上に東京に一極集中してくるということで随分御心配をされておられます。  そこで、御所見をお聞きしたいのは、要するに、これ以上巨大化させないことが、先生は災害に強いむしろ国土づくりになるというふうに考えておられます。大都市として、国際競争力を強化していくことと両立することは非常に難しいことなのかどうか、その点を先生の御所見をお聞きをしたいな、このように思います。お願いいたします。

大石久和一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長

○参考人(大石久和君) 先ほども申しましたが、私は、我が国の災害脆弱性の最大のものは東京、首都圏への集中がいまだに続いていることだと、このように思っております。東京湾、大洪水の危険もあれば大高潮の危険もあれば大地震の危険もあるにもかかわらず、集中が進んでいて、世界の国の中で最大都市にこれだけの集中がある国はまずないと思います。それがまだなお続いているということは、平常時の経済の論理だけで物を見ているからこういうことになっているんだ、このように私は思っております。  それを解くために、私も役人だったのでこういう言い方はしない方がいいのかも分かりませんが、首都機能移転論で解こうとしたところに答えが見付からないことになっちゃったのではないかと、このように思っていまして、したがって、そこでは分散論と書かさせていただきました。都心に必ずなくてはならないものなのかどうか、それは東京になければならないものなのかどうかといったようなことをよく見定めて、東京の空間を空けていくという作業が極めて大事なのではないか。それは首都圏の他の地域に展開してもいいですし、大阪や関西や、あるいは東北、仙台等が負担しても構わないし、そういう考え方で分散化を進めるべきだと、このように思っております。  したがって、東京オリンピックまでに東京が用意しなければならないことは、例えば、その分散化したところにもっともっと緑の空間をつくって多くの方が休めるようにするだとか、それから、道路も多車線からもっと少車線に変えて、そこのところに緑を植えるだとか、それから阪神・淡路では同時多発の大火災が起こりましたが、あれは幅員十二メーターの道路は越えていないんですね、どの火災も。十二メーターの幅員があれば火災は越えないんです、あれだけの火災がありましても。したがって、東京の木造密集地帯に十二メーターの街路を抜いておって、そこは交通量の要請からくるような道路じゃありませんから、緑を豊かなものにするだとか、あるいは歩行者だとか自転車を最優先にしたような空間をつくることができるわけですね。  そういったことこそが今東京に求められていることなのではないか。集中を呼び込む、更に集中を呼び込むような施策を行うのではなくて、東京から出ていく、そして快適で、海外の人がやってきてもすばらしいと感じてもらえるような東京に変えていくことということが、オリンピックまでにやらなければならないことなのではないか、このように私は思っています。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 ありがとうございます。  中林先生、よろしくお願いいたします。  中林先生は、こちらの十八ページの、先生の安全で復元力のある国づくり戦略の再構築というところの後半の部分でちょっと気になったところがありますので、それにちょっと触れさせていただいて御所見をお聞きをしたいな、このように思います。  地域を強靱化するには、先生は、一人一人の市民が我が町を愛するという愛着の気持ち、これが非常に大切だということをおっしゃっておられて、人口の回復も一人一人の愛着が基礎になる、一人一人の力、町への愛着力こそが安全で復元力のある国土づくりにつながると説かれておられます。  そこで、東日本大震災によっていまだ難民生活を送られている方々が二十八万人ほどいらっしゃる、このように聞いておりますが、ふるさとへ帰ることができない、我が町に愛着を持ち、東北地方の復興の可能性を見出すために国はどのように対策を講じるべきなのか、その辺の御所見をお聞きをしたいと思います。

中林一樹明治大学大学院特任教授

○参考人(中林一樹君) 東日本大震災の今の地域を離れている被災者の状況というのは、大きく二つあると思っています。一つは、福島から日本全国に避難をされている遠地避難者、広域避難と言われていますけれども、その方々と、もう一つは、福島以外の沿岸の被災者が内陸その他に移動されていると。いわゆる災害応急仮設住宅よりも先ほどお話ありましたみなし仮設の方が入居者が多いというのが実態です。  なぜそうなっているかというのは、実は仕事が一番大きなかかわりだと思っております。そういう意味で、今後、地域が、被災地が復興して元の元気を取り戻していくためには、被災地にどれだけ仕事をつくれるかということが最も大事な復興課題ではないかと思っております。  そのために一定の基盤整備その他は不可欠ですけれども、何よりも被災地に仕事、産業を戻すという取組が大きくて、実はこれはスケールからいうと、国がもう少し旗振りをしないといけないんではないかと考えております。先ほど、東京からの分散化ということですけれども、東京のみならず、名古屋も大阪もそういう意味では南海トラフその他の大きな被害を受ける可能性もあるわけでして、日本全国から東日本にどれだけ産業、仕事というのを持っていけるかということが私はこれからの国づくりで最も重要だと。  東日本を八〇%の復興で終わらせるのではなくて、一三〇%まで私は戻していかなければいけないと。なぜなら、今、東日本は首都圏と西日本で支えているわけです。次の首都直下のときに東日本と西日本で支える力がなければ、復旧復興というのも思うに任せなくなります。西日本は東日本の力がなくては恐らく復興に導けないと思うんですね。  そういう意味で、東日本にいかに復興で一三〇%という目標で経済力、地域力を付けていくか。そのためのインフラも当然必要ですけれども、一人一人の仕事で国民あるいは市民、県民が地域にとどまり、あるいは新たに東日本へ移動して雇用の場を見付ける、そういう機会をつくっていくことが大事ではないかと思っております。お互いが支え合える、ブロックでお互いに支え合える国というのが本当に強靱な国ではないかなと思っております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 それでは、根本参考人にお伺いをしたいと思います。  根本参考人は、都市老朽化の実態というところを私読ませていただきまして、最後の方の部分の老朽化の問題は都市によっては深刻であり、都市の構成要素である道路、上下水道、学校、病院、図書館、文化ホールなどは全て物理的な限界を抱えておる、いずれは更新せざるを得ない、全国の社会資本更新投資所要額の五割が道路、橋梁、上下水道、インフラというふうにおっしゃっておられます。その残りは公共施設で、そのうち半数近くが業務、学校施設ということで、つまり都市生活者にとってなくてはならない大量の施設が更新期を迎えていると説かれておられます。どれだけの自治体が実態を把握をし、その対策に向けた計画を策定しているのか疑問だと、このように投げかけて、問題を提起されておられます。  そこで、老朽化対策のマネジメントはなぜ見過ごされてしまうのか、その対策についてどのようにしたらよいのか、お聞きをしたいと思います。

根本祐二東洋大学経済学部教授兼PPP研究センター長

○参考人(根本祐二君) まず、見過ごされてきた理由なんですけれども、データ不足というのが基本的な理由だと思います。  自治体の場合には公会計という会計の原則があるわけですけれども、この中でしっかりと個別の資産を把握するという、固定資産台帳を義務付けているわけではありませんので、何を持っているかというのはそもそも把握されていない自治体が非常に多いです。日本全国で七十万の橋があるんですけれども、このうち架けた年度が分からない橋が実に三十万あるんです。信じられないんですけれども、そのくらいデータがないという状態ですので、データがなければ、何となく古そうだとは思っても、いつ何が起きるかというのを予測できないということなんですね。ですので、データを作るところから今作業をしているということでございます。  したがいまして、まずデータを作るというのがその処方箋の第一でございまして、今大体百を超える自治体で、大規模自治体ですけれども、そのデータブックをしっかり作って、そこから処方箋を描いていくという作業をしております。これは数年前まではゼロでしたので、数年間で百を超える自治体が取り組んでいるというのは非常に急速にこれは改善をしてきていると思います。  データが分かるだけでは当然処方箋にはなりませんので、それに対してお手元の資料にあるようないろいろなマネジメントの原則を提案をしておりまして、私自身いろいろな自治体で一緒に取り組んでおりますけれども、かなり従来型の発想ではないですね。統廃合も含めて積極的に行っていかなければこの問題は解決できないねということは行政の意識の中ではもう完全に定着をしてきているのと、それからあと、国民というか住民のレベルでも、そういったデータが開示されれば、これは確かに大変だと、何とか子供たちの世代にツケを残さずに自分たちでできることはないかということで、今使っている施設とかを廃止をすることも選択肢として取り入れていいかというようなアンケートを取ると、どの自治体でも七割以上の人が了解、賛成をするということですので、国民の意識も大分変わってきているんじゃないかなというふうに思っておりますので、このペースでどんどん加速していけば、この問題が解決の方向に向かうのではないかと思っております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 ありがとうございます。  終わります。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席をいただき、また貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十八分散会

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