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185回国会参議院2013/11/20

災害対策特別委員会 第5号

発言数
123
登壇者
15
会派数
8
開催日
2013/11/20

会議録

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として田村智子君が選任されました。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 災害対策樹立に関する調査のうち、南海トラフ地震及び首都直下地震に係る地震防災対策に関する件を議題といたします。  本日は、参考人として首都高速道路株式会社代表取締役社長菅原秀夫君、東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長田中淳君及び焼津市長中野弘道君に御出席いただき、御意見を承ることといたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人の方々から忌憚のない御意見をお伺いし、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず、菅原参考人、田中参考人及び中野参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得るということになっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず菅原参考人からお願いいたします。菅原参考人。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 改めまして、首都高社長の菅原でございます。本日は、参考人として発言をさせていただく機会をちょうだいいたしまして、誠にありがとうございます。  本日は、時間も限られておりますので、私の方からは、地震防災にも資する点検と補修の在り方、そして大規模更新、そして二つ目としては、南海トラフ地震あるいは首都直下地震等々、非常に今懸念されているわけでございますけれども、そういう状況の中で地震防災についての取組、この二点に絞ってお話をさせていただきたい、このように思うわけでございます。  まず冒頭、我が社の首都高の生い立ちをちょっとお話をさせていただきたいと存じます。  昭和三十年代、御案内のように急速なモータリゼーション、拡大いたしました。道路インフラの整備が追い付いていないということで、都心部で本当に大変な大渋滞が発生しておりました。こういう状況の中で、さらに加えて、昭和三十四年には、三十九年の東京オリンピック開催が決定されたということもございまして、以降急ピッチで首都高が建設開始されまして、三十七年の十二月の二十日、京橋から芝浦まで約四・五キロでございますけれども、開通したわけでございまして、昨年めでたく開通五十周年を迎えたということでございます。  ただ、急ピッチで建設を進めたものでありますから、道路建設が、御案内のように一番時間が掛かるのは用地買収なんですね。そういうこともございまして、用地買収の必要のない道路あるいは河川、堀、こういうようなものを活用したものですから、非常に首都高は高架橋が多いんですね。これはちょっとほかの高速道路とは違うと思います。大体八割が高架橋です。  そういう状況の中で、今日では総延長が約三百キロメートル、それで一日当たり約百万台、大型車はこのうち約一割ということでございまして、大体二十三区内の地方道、これと比べますと五倍の交通量がございます、大型車は。さらに加えて、道路延長で申しますと、首都高は大体二十三区内の一五%でありますけれども、貨物の輸送量を見ますと三〇%ということになっておりまして、そういう意味で、首都高は首都圏のみならず日本全体の社会経済活動を支える基幹的なインフラであると言っても過言ではないと、このように思うわけでございます。  ただ、その一方で、建築後四十年を経過している路線が約三〇%ございます。それと、建築後三十年ということで見ますと、大体半分、五〇%が三十年経過しているということで、非常にそういう意味では高齢化が進んでいるということであります。それに加えまして、先ほど申し上げましたように、膨大な交通量があると、それに加えて大型車の比率が高いということで、表現はあれかもしれませんけれども、そういう意味では過酷な使用状況にあるということが言えると思います。  こういう状況の中で、やはり一番求められるのは安全、安心の確保だと思います。そういう意味で、的確な点検と補修、これが大事だと思います。昨年十二月に、本当に笹子で痛ましい事故がございました。我が社といたしましては、やはり従来にも増してこの点検と補修、こういうものに力を入れたいと、こう思っているわけでございます。  まず、その点検と補修について申し上げますと、点検につきましては、日常点検そして定期点検、この二つに分かれます。日常点検は、週二回あるいは三回のパトロールカーによる車の上からの巡回の目視による点検、これをやっております。それと、大体年二回ぐらい徒歩による、歩いて高架下から、八割高架でありますから、高架下から目でもって点検をすると、こういうことをやっております。これが日常点検。  それと、定期点検といたしましては、五年に一回でございますけれども、構造物に接近をして、目で見て、触ってみて、打ってみて、たたいてみてという、要するに、よく目視、触診、打音と言っておりますけれども、こういうものをやっております。  そして、この点検の結果、即直さなきゃいけないものがあります。これはもう立ち所に補修をしていますけれども、計画的に補修するものもあるわけでございまして、非常に老朽化も進んでいるということもございまして、毎年発生する件数、これが非常に多いものでありますから、今までは補修件数が追い付いていなかったということがございまして、二十四年度末で見ますと、大体十万件ぐらい未補修の損傷数がございました。  これではいけないということも考えまして、二十五年度、今年を未補修の損傷の削減元年というふうに位置付けをいたしまして、取組体制の強化あるいは進行管理を強化いたしまして、これまでたまっていた十万件をこれから四年間のうちに全部これ改修いたします。そういう取組をしているということでございます。  今申し上げました点検と補修、これで当面の安全性は確保されているというふうに考えているわけでございますけれども、ただ、今後長期にわたって安全、安心を確保するためには、やはり大規模更新それから大規模修繕、これは避けられないだろうというふうに考えまして、昨年の三月でございますけれども、社内に東京都市大学の教授をされております涌井先生を委員長とする調査研究委員会を立ち上げまして、今年の一月の十五日、提言をちょうだいをいたしました。  この提言の内容につきましてかいつまんで申し上げますと、この古さ、古さと負荷ですね、道路に掛かる負荷、この二点から、六路線、六路線と申しますのは、都心環状線、一号の羽田線、三号の渋谷線、四号の新宿線、そして六号の向島線、七号の小松川線、この六路線七十五キロメートルを検討路線として抽出したということでございます。  さらに、抽出した路線の中で検討区間、これを更に検討いたしまして、四十八キロメートル。これは、大規模更新、要するに建て替えですね、大規模更新すべきところが十六キロメートルぐらい、それから大規模修繕が二十八キロメートル、それから、なお詳細な調査をして大規模更新か修繕を決めるというものが四キロありまして、大体四十八キロメートル、これを検討区間としたわけでございます。  概算の費用でございますけれども、七千九百から九千百億円ということになっております。いずれにしても、今年の一月十五日、提言をちょうだいして以降、社内にPTを立ち上げまして今検討を進めているというところでございます。  ただ、この大規模更新、大規模修繕、課題が二つございます。  一つが、財源の問題でございまして、御案内のように、現在の償還計画にはこの大規模更新、大規模修繕、これが含まれておりませんので、それについて課題があるということでございまして、これにつきましては、御案内のように、国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会という、こういうところで、十年から十五年程度の料金徴収期間の延長によりまして、各世代の利用者負担の平準化を検討すべきであるというものが中間答申でなされております。さらに、加えまして、来年の概算要求におきまして、建設債務の償還が終わったと、償還満了後、継続して料金を徴収する制度を要求しているというところでございます。これが一つ目、財源ですね。  二つ目の課題が、着手する時期であります。  大規模更新は、非常に時間が掛かる。通行止めを伴うんですね、長期に伴う。御案内のように、首都高は大変な交通量がありますので、迂回路、この確保が大事だというふうに考えておりまして、そういう意味で、よく首都圏三環状と言っておりますけれども、中央環状、それから外環道、圏央道ですね。  中央環状につきましては、これは首都高でやっているわけでございますけれども、二十六年度の完成を目指してやっております。それから、外環道、圏央道につきましては、これは大体、概成、おおむねできるのは三十四年というふうに聞いておりますが、いずれにしても、こういう三環状のネットワークの整備状況を見ながら、国土交通省なり各地元の地方公共団体と連携を強めて、連携をして取り組んでいかなきゃいけないというふうに考えておりますが。  ただ、一号の羽田線の東品川桟橋、それから鮫洲埋立部につきましては、先ほど申し上げました大規模更新の対象区間に入っていることはもちろんでございますけれども、迂回路の仮設が可能ということがございまして、早期着手が可能であるというふうに考えておりますが、いずれにしても、この一号の羽田線につきましては、来年の概算要求で、二十六年度から事業着手をするということで要求をさせていただいているということでございます。  それと、加えて申し上げますと、おかげさまで、東京オリンピック・パラリンピック、招致成功いたしました。これとの関係でございますけれども、御案内のように、我が社は九月の九日に推進本部立ち上げました。今後、オリンピックの組織委員会も立ち上がると思いますので、これと調整をしながら進めていきたい、こう思います。調整というのは、整備工程とか、そういうものについて調整してやっていくというふうに考えているところでございます。  それから次に、地震防災について申し上げますけれども、首都高は御案内のように、全線これは支援物資の輸送を担う緊急輸送道路、それと、自衛隊、警察、消防、この緊急車両、利用する緊急交通路、この二つの路線に指定をされております。  それで、首都高につきましては、建設当初、これは大正十二年のいわゆる関東大震災相当の地震に耐え得るような状況になっております。ただ、その後、御案内のように、平成七年、兵庫県南部で大きな地震がございました。これを契機に補強をいろいろいたしました。  例えば、首都高は八割高架と言いましたけれども、この高架を支える橋、橋脚、この耐震補強を平成七年から十年掛けてやりました。それから、落橋防止、落ちないようにいろいろ橋桁をケーブルでつなぐとか、そういうこともやっております。  それと、横浜ベイブリッジだとか鶴見つばさ橋、レインボーブリッジ、かつしかハープ橋、荒川湾岸橋等々のいわゆる長大橋、長い橋、これについての落橋防止システム等の耐震の補強もやってございます。それと、もちろんトンネルの耐震補強もやっております。  そういうことをやっているわけでございまして、そういうこともございまして、じゃ東日本大震災のときどうだったかということでございますけれども、まず、御案内のように三月十一日十四時四十六分発生をいたしまして、すぐ、立ち所に首都高は全線を通行止めいたしました。通行止めをいたしまして、緊急のパトロール、そして緊急の点検を実施をいたしまして、点検をした結果、異常のなかったところ、これについては三月、翌日十二日の午前一時、通行止めを解除をいたしました。ただ、かなり時間が掛かりましたので、これはもっと早く解除できるべく今検討しているということでございます。  それと、点検した結果、二十九か所の損傷が発見されました。湾岸線の液状化も含めまして路面の損傷が十一か所、それからジョイント部の損傷十か所等々、二十九か所の損傷が見付かったわけでありますけれども、これ以降、三月二十七日までに全部応急復旧工事が完了いたしまして、逐次、工事が完了したところから開放したということでございまして、そういう意味では、先ほど来申し上げましたように、首都高はこれまでの耐震補強で比較的軽微な損傷で済んだと思っておりますし、また、地震発生後十六日間で開通いたしまして、そういう意味では、冒頭申し上げましたように、緊急交通路あるいは緊急輸送道路として震災の復旧に寄与できたんではないかなというふうに考えているところでございます。  それと、ソフト面でございますけれども、BCP、事業継続計画ですね、これも大地震の発生を想定いたしまして策定しているわけでございまして、まず二〇〇九年、平成でいうと二十一年になりますけれども、第一版ですね、策定をいたしまして、その後、東日本大震災を踏まえまして、平成二十三年、西暦で申しますと二〇一一年、第二版を策定をいたしました。それと、国交省でございますとか地方公共団体、あるいはNEXCO等々、関係機関と連携も深めているということでございます。  それと、もちろんやっぱり事業継続計画にしても、ただ策定するだけじゃ駄目なんですね。やはり訓練してみないと駄目なものですから、防災訓練も毎年やっているということでございます。  それと、首都直下地震に向けた対応でちょっと一言申し上げますと、東日本の大震災を受けまして、現在、中央防災会議で首都直下地震の被害想定等々の見直しが進められているというふうに聞いておりますけれども、これを受けましてBCPについての第三版の策定もしなきゃいけない、あるいはまた、新たな知見が示されれば、耐震基準が示された場合には、更に必要な対策を講じたい、このように思うわけでございます。  終わりになりますけれども、今後も、利用される方々の安心、安全の確保に向けまして、備えあれば憂いなしとよく言われておりますけれども、点検と補修、そして大規模更新、地震防災につきまして社を挙げて取り組んでいきたい、このように思うわけでございます。そして、緊急交通路、緊急輸送道路としての使命を着実に果たすなど、首都高に寄せられた期待にしっかりとこたえていきたい、このように思います。  御清聴ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、田中参考人にお願いいたします。田中参考人。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 東京大学の田中でございます。今日はこのような機会を与えていただきましたことを御礼申し上げます。  総合防災情報研究センターという何か舌のかみそうな長い名前でございますが、地震と火山を理学的にメカニズムを解明する地震研究所と、それから都市基盤を研究している、工学的に扱っている生産技術研究所と、人を扱っているというとちょっと幅が広いんですけれども、情報学環、三つの部局が共同してつくりましたセンターで、略称サイダーと称しております。三つの部局のサイダーなので、三つのサイダー、三ツ矢サイダーと称しておりますので、御記銘いただければと思います。商品名が出ましたので、ちょっと議事録からは削除していただければと思います。  そんなことを申し上げさせていただいたのは、実は私は人を扱う立場ということでございますので、ややちょっと皆様、先生方からの御期待から見ると変化球になるかもしれませんけれども、日ごろ考えていることをポイントをお話しさせていただければというふうに思っております。  まず、南海トラフの巨大地震とそれから首都直下地震、これは地震像がどうなるかというのは、ある意味かなり多様性を持っていて分からないところがございますけれども、いずれにせよ、空間的に極めて広いということ、それから被害量が大きいということが大前提になってまいります。そのときに、被害を減らすということが一番大事になってくるわけですけれども、じゃ、どこまで被害を減らすのかという、災害対策には必ず低減してしまうところがございますので、どういう対策を取るのかというところの一種の基準みたいなものが必要になってくると思います。  そういう面では、一つ災害対策をお考えいただく上で、今まではやはり地震動に始まり、被害からスタートをしていったのですが、迅速な復興、円滑な復興を遂げるために何が必要なのかと。そのためには被害はやっぱりここまでに抑えなきゃいけないと。あるいは、少なくとも人的被害、人命はとても大事なものでありますけれども、復興に立ち上がっていくためには、やはり人的な被害を減らさないと周囲の方々は動けないというところがございます。そういう面では、最終的な生活再建を円滑に進めるためにトータルプランニングをどうしていくのかということで、そのためにはやはり事前対策がとても大事だというふうに思っております。  そこで、お手元の資料に書かせていただきましたが、大前提としては、事前の被害抑止であり、要するに住宅の耐震化がとにかく最優先であるということを一つ指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  続きまして、広域性と今被害量ということで、二つの軸で説明させていただいたのですが、広域性というのもある意味で分かっているようで分かっていないようなところがございます。やはり、南海トラフの広域性というのは、分かりやすい例でいうとヘリコプターの航続距離、片道で行ける距離を超えてしまうということですね。つまり、ロジスティックスが極めて難しくなる範囲になってしまう。したがって、広域性という、ただ、ずたっと広いという意味だけではなくて、災害対策を考えるときのロジスティックスの可能性という一つの物理的な限界を前提に議論をして、そこで実効性を高めておく必要があるということを感じております。  そのためには、恐らく港湾と、今首都高速の方からもお話がありましたが、高速道路を中心とする基幹道路網でどれだけ早く流通を確保できるのかということが大事になってくると思っています。そのための計画も必要なのですが、実は、やっぱりちょっとやや不明確になっているのが、道路啓開、港湾の啓開のときに、港湾の啓開の場合には船舶等、民有資産であっても除去してよいことになっているんですが、道路上はやや曖昧なんですよね。なので、道路に放置された車両をもうブルで啓開してよいかと言われると、やや個人財産というところがあって、その辺の整理が実は必要なんじゃないかという気がしています。  それで、そういう面では空間的な広がりが大きいというので、焼津市長さんがいてなかなか申し上げにくいところもあるのですが、やはりこれだけ広域になってくると、市町村主義で今成立している災害対策基本法というのには限界があるというふうに思っています。やはり、それぞれの市町村によって被害の形態も違いますし、余力も違ってまいりますので、ある程度広域ブロック化をして、事前対策から復旧復興まで、かなり強力な体制を組まないと私は難しいんではないかと思っております。この辺は、後で焼津市長の方にコメントをいただければと思います。特に、直後はそういう世界に入ると思っています。  その中で、一つ皆様にも思い出していただきたいのは、東日本大震災で遠野市が後方支援計画というのを立ち上げました。これは、事前から計画を立てていたことで、かなり有効だったという部分もありましたし、それから、やはりその後の中で、どこまでどう続けるのかというところにも難しいところもあって、かなり市長は悩まれたところもございました。  やはりこういう後方支援、一つの市町村がお互いに支え合うという、市町村を超えた枠組みですね。一つは、やはり非常に、通常の市町村行政を超えるような話は出てくると思いますし、また南海トラフの場合ですと、場所によって被害の受け方、様相が変わってまいりますので、それぞれに合わせた対策が必要になってくるということで、ブロックがどの程度がいいのかということは、また先生方にもお考えいただければというふうにも思っております。  それから、首都直下に関しては、確かに南海トラフに比べると広域性は低いというふうにも言えますが、これは様々な社会システムのハブになっていますので、ある意味では被災が全国、あるいは下手すると国際的に波及をしてしまうという意味での極めて大きな広域性を持っているということでございます。  ちょっと、大分前になりますので御記憶いただいていない場合もあるかもしれませんが、世田谷電話局の前で火災が起きた。まあ洞道内で火災が起きたんですが、一か所の火災でこれは全国のATMが使えなくなる、あるいは物流システムが使えなくなるということが起きているんですね。これはもう明らかに、それよりも大規模なことが起こり得るという広域性だということでございます。  そういう面では、実はその外力、地震、津波の想定外というのを今防ぐために、南海トラフの巨大地震もやりましたし、首都直下もやっているわけですが、実は社会システムがどうなるのかということをやはり詰めておく必要があるということだと思っています。  被害量については、もう明らかに応援量、供給量を超えた形で入ってまいります。今回の三・一一の場合に燃料が非常に大きなネックになりましたけれども、実は供給量は全然問題はなかったんですね。稼働率をちょっと上げればカバーできる範囲でした。むしろ問題だったのは、流通するためのタンクローリー、もっと言えば運転手の、かなり特殊な技能を要求されますので、その人間の問題であったわけです。  ところが、恐らく南海になりますと非常に大きなインパクトを持ってまいります。一つの例を申し上げますと、今LNGというのが日本は非常に多い、いろんなところで使っておりますけれども、その七割が三大港に入ってきます。南海トラフということは、つまり名古屋と大阪が止まるということを意味しますから、全体の七〇%の三分の二が止まってくるということになります。これは全国波及ということになります。その中で、やはり長期化するということは必然的になりますので、本当に今までの応急仮設、災害復興公営住宅という一本道でよいのかということはどこかで御検討いただければというふうに思っています。  それから、非常に被災率が高いということ、全国の三割が被災地になるということは、やはりかなり大きなインパクトを持ってまいります。  ひとつここで例を三つ挙げさせていただきますと、今、日本の金融資産残高一千兆円と言われていますが、かなり国債が迫ってきています。関東大震災のときには、実は国は外債を発行しています。国内の資金は民間及び市町村のために残したんですね。そのときの利率が七%です。今のギリシャと同じなんですね。これは何を意味するかというと、復興需要、復興投資をしてもしても、全部それは海外に出ていってしまうということを意味します。類似の例は兵庫県南部地震で、兵庫県の復興投資のうち九割が県外に出ています。このことは何としても防がないと厳しく、実際には関東大震災の外債は戦後まで残って、戦後のあのバブルで飛んでいったというところがございます。それぐらい実は大きな話なんだという気がしているということでございます。  残された時間があと四分ぐらいでしょうか。少し最後の八、九、十、十一、十二辺りでお話をさせていただきたいというふうに思っています。  今申し上げましたように、やはり三・一一というのは大変激甚な災害でございました。また、原子力発電事故という厳しい状況で、今福島の方々を中心として非常に苦労されていらっしゃる。これが何とかできなかったのかという思いはもちろんありますし、今何かできないのかという思いもたくさんあるわけですけれども、三・一一の被災者の方々が、多分国が助けてくれる最後の災害だねという言い方をされていました。それぐらいにやはり財政的な課題ということはきちんと議論をしていただきたいというふうに思っています。  それから、今の被災地を見ていますと、非常に多くの方々が、国も、そして行政もいろんなところで獅子奮迅の戦いをしていらっしゃるんですね。ところが、一つ一つの営為はいいわけですが、ややそこで問題になっているなと思っているのは、復興の対策がやはり事業単位で認定されているということです。これはやはり、現場ではいろいろと組み合わせなければ、現場のニーズに合った形で再構成をしていくというのが市町村の仕事になるんですね。ところが、やはりその事業単位の認定というのが市町村の創意をややそぐ側面、もちろん力を与えている部分の方が大きいと思いますが、そぐ部分があるということだと思います。  そういう面では、これはこの委員会の先生方にお願いをするのかよく分かりませんけれども、やはり復興ということを考えたときには、事業単位の認定、これは国としても一生懸命やっていますし、制度も一生懸命考えているんですけれども、現場からの距離感も含めて考えれば、やはりさっき申し上げたようなブロック化というようなところを中核に一括交付金のような形に是非していただけるような道を探っていただければというふうに思っています。  それから、十番、十一番、一括でお話しさせていただきますが、行政の対応力を超えます。これは自衛隊一つ取っても超えます。つまり、そのことは民間の力をお借りしなければいけないということです。ただ、今の日本の防災対策は、民間の力を、協力を求めるということにはなっているんですが、民間の力を伸ばすための環境基盤というのができているというふうには余り認識しておりません。つまり、首都高さん、こういうことをお願いねという話はあるんですけれども、首都高が対策を取る上で、お金だけではなく、こういう情報とかこういうような想定があるんだとかという、そういう事前の情報基盤を是非整備するようなことも含めてお考えいただきたいということと、もう一つは、阪神と違って東日本大震災で非常に大きな問題になったのは、地域産業の再生です。特に、三陸地域は地域の産業が非常に特化をしていて、そこでやはり営んでいる方がたくさんいらっしゃるんですね。地域の産業の再生なくして地域生活の再生はないんですね。  ところが、産業政策から見ると、災害復興は今、利子補給というのが非常に通常です。やはり、そこでは限界がある可能性がありますので、中小企業庁さんがグループ化補助金等いろいろな手を打っていらっしゃいますけれども、東日本大震災のきちんとした評価も踏まえながら、産業政策、南海、首都直下は明らかに産業政策です。そこを是非御検討いただければというふうに思っています。  そして、最後ですが、恐らく南海トラフと首都直下、特に首都直下の場合には被災地の概念、定義が変わると思いますので、いわゆる激甚災害対策法的な被災地のとらえ方だとうまくいかなくなるのではないかということを思っているということでございます。  以上でございます。  どうも御清聴ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  次に、中野参考人にお願いいたします。中野参考人。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) よろしくお願いを申し上げます。  静岡県焼津市長の中野弘道でございます。この度は、参議院災害対策特別委員会での参考人としての意見を述べさせていただく機会をいただき、厚く御礼を申し上げるところでございます。  また、昨年度内閣府に設置されました南海トラフの巨大地震対策検討ワーキンググループの委員にも御指名を賜り、住民と直接接しております市長としての意見を述べさせていただくとともに、南海トラフを取り巻く最新の知見を勉強させていただきましたことを改めて御礼申し上げるところでございます。  それでは、本市の取組や課題について申し上げさせていただきます。  初めに、焼津市の概要でございますが、お手元に配付させていただきました資料の二ページでございますが、本市は、静岡県のほぼ中央、また東京と名古屋の中間に位置しておりまして、東西に約十二キロメートル、南北に約十七キロメートル、そして人口が約十四万四千人、面積が約七十一平方キロメートルと、非常にコンパクトな市でございまして、駿河湾に面し、十五・五キロメートルの海岸線を有しておる市でございます。地形は、市域の大部分が平たんでございまして、可住面積のうち、海抜十メートル未満の土地に総人口の約八六%が居住しているところでございます。また一方、海抜十メートル以上の土地の約九一%は市街化調整区域であります。本市の人口は、平成二十三年の三月の東日本大震災以後、約二千五百人減少をしております。今後は、この減少をいかに食い止めるかが市政を預かる者の使命であると考えておるところでございます。  資料三ページに記載をさせていただきましたとおり、本市は全国屈指の水産都市でございまして、県営の港でございます焼津漁港と市営であります大井川港を有しておるところでございます。特に、焼津漁港は平成二十四年度の水揚げ金額が全国第一位、そして水揚げ量は全国第二位と、全国にあります十三の特定第三種漁港の中でも特に規模の大きな漁港でもございます。  焼津市は、水産業をなりわいとした暮らしとともに、海岸部より徐々に拡大して発展してきた町でございます。漁業、水産業を主要産業とするこの町を地震、津波から守るためには、港や船及び冷蔵庫、荷さばき場など、水産施設が保全しなければなりません。一たびこれらの水産施設が壊滅的な被害を受けますと、その被害額は甚大で、更に水産資源の供給が絶たれ、水産食料品製造業においても甚大な影響が発生するものと予想されるところでございます。私は、この焼津漁港を守らずして、どこの港を国は守るのかという思いで今いるところでございます。  資料四ページでございますが、平成二十五年の六月の二十七日に静岡県の第四次地震被害想定の一次報告が公表されました。本市においては、最大震度が七、最大津波高が十メートル、平均津波高が六メートルで、地震発生から約二分で五十センチの津波が到達し、最大浸水面積が十三・七平方キロメートルに及び、これは可住地面積の約二五%に相当するところでございます。被害想定においては、冬の深夜に予知なしで地震が発生した場合の死者数は約一万一千人に上り、これは総人口の約一〇%弱に相当するなど、そのほとんどが津波に起因するものと見込まれており、家屋の倒壊や火災を含め、当市に甚大な被害を及ぼすものと想定をされているところでございます。  東日本大震災の発生以後、幾つかのハード、ソフトの地震・津波対策を講じてまいりましたので、事例を御紹介させていただきます。  資料の五ページから九ページに記載をさせていただきましたが、最初にハードの対策といたしまして、津波に対する避難場所の確保であります。  災害発生時の一時避難者の受入先として、公共施設の七十六施設と併せ、鉄筋コンクリート三階建て以上の民間ビル二百十四施設の所有者に承諾を得まして津波避難施設を確保しているところでございます。また、市内の一部には山のある地区もございますので、山が立地する地域の集落の住民の避難路の整備を実施してきたところでございます。さらには、国の交付をいただき、二十一基の津波避難タワーの整備、そして民間ビルの外付けの階段等の避難施設を設置するための補助制度を創立させていただき、幼稚園を始めとする五施設において屋上避難場所の整備を進めてまいりました。  またさらに、避難場所に円滑に避難できるように、市内十五か所のコミュニティ防災センターへの手すりの設置、また、停電時でも点灯可能な非常照明灯の小中学校及び公共施設への設置、さらには、中日本高速道路株式会社との協定締結によります東名高速道路ののり面への一時避難場所の確保も実施してきたところでございます。また、避難場所となりますコミュニティ防災センターなど二十四の公共施設には、夜間不在となるためにドアガラスを割って避難していただくためのライフハンマーの設置や、市内電柱への海抜表示板の設置を円滑な避難に向けた支援策として実施をしてきたところでございます。  一方、ソフト対策といたしまして、五分以内での避難を意識した市内全域を対象とした津波避難訓練を実施しまして、いざというときに迅速な行動が取れるよう訓練を積み重ねているところでもございます。さらに、情報伝達の多重化を図るため、同報無線の聞きづらい地区には有償で防災ラジオの配布、また、気象警報や地震・津波情報を市民に配信するための防災メール配信サービスの導入や、住民が自ら作成します津波避難地図の策定への支援などの対策も講じておるところでございます。また、昨年、全市民の居住状況を毎年調査するとともに、市民一人一人が避難できる場所について周知することとしているところでございます。  このことを踏まえまして、地震・津波防災まちづくりの目的と対策について御説明申し上げます。  現在、焼津市では、市民の安全で確実な避難の確保のみならず、地震、津波に強い地域づくりを進めるために津波防災地域づくり法に基づきます推進計画を作成すべく、国、県の皆さんの御協力を賜るところで策定作業を進めているところでございます。  目的としまして、一に市民の命を守ること、次に財産を守ること、そして産業の継続性を維持するために生産活動を守ることが必要不可欠と考えているところでございます。  これらに対する喫緊の対策として六項目を挙げさせていただいておるところでございます。一つ目が、津波避難の空白域の解消、二つ目に堤防の補強及び堤防と一体となった道路整備、三つ目に焼津港への津波防止水門の設置、また四番目に木造住宅の耐震化の促進、五番目には津波被害を踏まえました土地利用の規制の緩和、そして六番目に災害に強いラウンドアバウトの事業の推進でございます。  初めに、津波避難空白地域の解消でございますが、津波避難場所の確保としましては、先ほども申し上げましたが、いまだに津波避難空白地域は解消はされておりません。現在も、これまでの取組に加え、防災広場の整備を進めるとともに、津波避難シェルターや救助艇などの設置に対する補助等についても検討を進めているところでございます。  次に、堤防の補強及び堤防と一体となった道路整備でございますが、既設の堤防の補強や、大井川港へ胸壁の設置、及び海岸沿いに計画されております都市計画道路を堤防と一体となった盛土構造で築造し、津波を防御できれば、背後地に位置する市街地を守ることができると考えております。この実現に向け、御協力をお願いをするものでございます。  次に、焼津港への津波防止水門の設置でございます。  私は、この日本一の漁港、焼津港、この港を守らずして日本はどこの港を守るのかという思いでございます。港口に水門を設置することで津波から漁港全体並びに背後地の住家を守ることができるとともに、水産加工を含む水産業を中心とした経済活動の継続性が保たれます。この設置については、国の絶大なる支援をいただきますようお願い申し上げるところでございます。  次に、木造住宅の耐震化の促進についてでございます。  耐震性に劣る木造住宅は、倒壊によります圧死の危険性とともに、避難路の閉塞によります迅速な避難の阻害要因となることから、焼津市ではプロジェクトTOUKAI—〇総合支援事業を県とともに進めておりまして、平成二十七年度までに九〇%の耐震化率を目標にしているところでございます。現在の耐震化率は市内全域約八三%になっておるところでございます。耐震性に劣る木造住宅は焼津市内約八千棟あることから、啓発活動による耐震化の向上に努めているところでありますが、費用の面で耐震化は難しいという声が多く聞かれていることから、補助額の上乗せなどを願うものでございます。  次に、津波被害を踏まえました土地利用の規制緩和についてでございます。  海抜十メートル以上の可住地面積のほとんどは農用地の区域で、現状では農振法による規制が厳しく、建物の移転が困難な状況にございます。このため、津波浸水区域以外の標高が比較的高い地域に住宅や事業用地を確保できるよう、農振法に基づきます農用地区域の除外の緩和が図れるよう、土地利用規制の緩和を願うものでございます。  最後に、災害に強いラウンドアバウト事業の推進でございます。  災害時には停電等によりまして信号機の使用が困難となることから、信号機に頼らず安全で円滑な通行の確保を図るために社会実験の準備を開始したところでもございます。今後は地域の実情に応じたハード、ソフトの多重防御によります様々な施策を実現し、早期に安全宣言ができるよう市長として進めていきたいと考えておりますので、南海トラフ地震防災対策の推進に関する特別措置法を早期に可決していただくよう、委員各位の御理解と御協力をお願いを申し上げたいと思います。  先ほど田中先生からもありましたが、一つの自治体では、同じ海岸線を有している静岡県、伊豆半島、また駿河湾の御前崎以東、そして御前崎以西への遠州灘と対応が変わってきておりますが、一市だけの計画だけでは全体の安心、安全が取れないというふうにも考えておりますので、是非、広範囲な連携ができるように国の指導をこの場でお願いをするものでございます。  以上、皆様の御理解といろいろな形の御指導を重ねてお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  なお、質疑は着席のまま行っていただいて結構でございます。

高野光二郎自由民主党

○高野光二郎君 お願いします。座ったままで失礼いたします。  高知県選出で今年の七月に参議院議員にならさせていただきました高野光二郎と申します。実は私、三年前にも参議院議員選挙に出まして、落選をして三年間浪人をしていました。そのときにあの東日本大震災が起きて、高知県にとっては対岸の火事ではなかったんです。あの映像を見たときに、次は私たちがこういうふうになっていくんだ、非常に県民が思い悩み、苦しみ、そういった状況の中で様々な支援を東日本にしてまいりました。高知県だけではないと思うんですが、特にそういった気持ちの面では強い県民性がございます。  私も、三月の十一日に発生をして、その二週間後の三月二十六日から単独で被災地であります宮城県、そして岩手県を中心に約三か月滞在をして、行政関係者や政治関係者、そして一番は住民の皆さんと一緒に生活をしながら、実際被災地はどういった状況なのかということをずっと体感をしてまいりました。そういった体験も踏まえて是非御質問をさせていただきたいと思います。  まず、六月の六日に自民党と公明党が共同提案で出していただきました南海トラフ巨大地震特措法、そして与野党を問わずこの成立に向けて諸先輩方が進めてきていただきましたこと、高知県人として本当に深く厚く感謝を申し上げます。一日も早い成立を是非よろしくお願いを申し上げます。  それでは、質問をさせていただきたいと思います。  これは、まず高知県の状況をちょっと述べさせていただきたいと思うんですが、今回の南海トラフ巨大地震のいわゆる中央防災会議、内閣府の被害想定では三十二万三千人の国民が亡くなることが想定をされている、そういった状況でございます。その中で高知県民は何と四万九千人でございます。人口は七十六万人しかいません。四万九千人が亡くなると想定をされております。これはいろんな原因があるんですが、例えば、高知県、四国が扇形であって、震源地が近いということもあって、津波をもろにかぶるといったところもあります。そして、海岸線の延長が七百十三キロもあります。そしてさらには、森林面積、県土に占める森林面積は八四%、つまりほとんど平地がない、そういった状況もございます。  そして、幾ら努力をしても、これから高知県の尾崎知事中心に市町村長さん、皆さんがしっかりと連携をして、特措法が成立をした後に事前の防災・減災対策を住民の皆さんと徹底をしていきますが、それでも四万九千人から一千八百人までその死者数を少なくしていこう、そして限りなくゼロにしていこうという動きでやっております。  ちなみに、津波の浸水面積、これはヘクタールで申し上げさせていただきますが、千九百十ヘクタールでございます。これは、二番目の三重県が五百八十ヘクタール、静岡県が五百五十ヘクタール、もう本当に想像を絶する津波でございます。  そして、よく三十四メートルの津波が高知県の黒潮町に来るんだ、そればかりピックアップされておりますが、黒潮町だけではなくて、実は三十メートル以上が二市あります。土佐清水市、中浜万次郎、ジョン万次郎の出身地でございます。そして、二十メートル以上は七市町村もあります。そして、十メートル以上は八町村もあります。こういった想定する被害に対して、高知県民は災害に負けません、津波に屈さない、そういった思いで取り組んでいきたいというふうにお話を申し上げたいと思います。  今回の南海トラフ特措法の中身、非常に有り難いものばかりでございます。今日はもうあえてその詳細は、皆さんが一番御存じだと思いますので、私からは述べさせていただきませんが、中央防災会議の委員でもあって、そして津波避難対策検討ワーキンググループの主査であって、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの副主査である田中先生お越しでございますので、もしものことを言っては駄目なんですが、あの東日本大震災、例えば東日本大震災特別措置法、それが事前に成立をされて、何らかの対応がもっと国が責任を持ってやっていれば被害は相当減っていたというふうに思っています。  これはもうこんなことを話してもしようがない話でございますが、そういった観点も踏まえて、この南海トラフ巨大地震対策特別措置法、これについて、その評価をお伺いをしたい、反対に足りない部分なんかも御指摘をいただきたいと思っております。  よろしくお願いします。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) どうも不慣れなもので申し訳ございません。御質問いただきましたこと、御礼を申し上げます。  大変難しい質問だと思いますけれども、東日本大震災の特別措置法というものが、後から、被害の状態に対してできていたんだったら相当変わっていたかもしれないと思います。ただし、当時の防災の現状から見ると、恐らくできていたとしても、三十年以内に九九・九%と言われていた宮城県沖地震、百年に一遍の沖合連動型がやはり一つの範疇になってしまったのではないかという気がいたします。  そういう面では、三・一一の大きな、やはり我々が認識しておかなきゃいけないのは、科学世界でもやはり想定を超えてしまった外力だったということ、それからもう一つは、そのマグニチュード九という巨大なエネルギーに比べると、建物への被害というのは、相対的ですけれども、少なかったというところがあるんだと思います。そういう面では、南海地震の巨大地震というのは、ある意味、阪神・淡路大震災が来た後に東日本大震災の津波が来るという、非常にシリアスなものだというふうに理解をしています。  そういう面で、一つはやはりかなり難しい点もあったと思うんですが、少なくとも宮城県の小中学校の耐震化率は日本の中でもトップクラスにありました。このことが避難所あるいはその学校管理下の子供たちの被災というのを減らしたということがありますので、やはりこういう部分では必ず特措法というものが有効であるということを期待しています。  同時に、やはり復旧に関してはもう少し、多くの方が本当に一生懸命やられたんですけれども、その一生懸命やった部分で解決できなかった問題をやはりきちんと評価をしていただくことで南海特措法というものにかなり有効に結び付くのではないかという期待をしているということでございます。  御回答になったかどうか分かりませんけれども、以上でございます。

高野光二郎自由民主党

○高野光二郎君 ありがとうございました。  続きまして、その同様の質問を是非、焼津市長にもさせていただきたいんです。全国的にも先進的な防災・減災対策事業を進めておられるようでございます。私も資料をしっかり読まさせていただきましたけれども、すばらしい対策を市長のリーダーシップの下にやられていると実感をいたしております。  そこで、私が三か月間被災地で滞在する上で、様々な首長さん、いわゆる首長さんと何回も、数度にわたって意見交換会をさせていただきました。中には、宮城県の村井知事にその話をお願いをしたりとか、自民党の国会議員の先生方にお願いをしたりとか、そういった調整役もさせていただいておりました。  そういうときに実は一番感じたのが、ああいった最悪の場合、誰が一番やはりしっかりしていかなければならないのか。国が混乱をしている状況の中で、誰が一番しっかりしていかなければならないのか。私は正直首長だというふうに思ったんです。これは、避難勧告であったり避難指示であったり、そしてその後の救援救助、そして救援物資、そして仮設住宅への移行、そして固定資産税や住民税の免税、瓦れきの撤去、国がいつまでも指示を出しませんから首長判断でやらなければ、もう支援物資も入ってこない、そういった状況がございました。  しかし、その中で私が感じたのは、ではどういう首長がそういうときに力が発揮できるのか。これは能力ももちろんでございます。でも、一番大事なのは、地域のことをどれだけ知っているのか、これがやっぱり一番私は大事だと思います。もう一つは、地域の皆さんにどれだけ信頼をされているかということだと思います。どれだけ協力体制が築けるかということだというふうに思っております。  中野市長の経歴を見させていただきましたら、市議会議員をなされまして、県議会議員をされて、そして首長になられて、防災・減災対策を進めておられます。そういったことも踏まえまして、この南海トラフ巨大地震特措法に対しての評価、そして期待、さらに、こういうふうにしてほしいといったようなことありましたら是非教えてください。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 経歴まで調べていただきまして、誠にありがとうございます。  私が思うには、情報の量がどれだけ各市町村に下りるかということが非常に大きなポイントだというふうに考えているところでございます。そして、専門家が結局各地方自治体には不足というか、いない場合があります。ここにいらっしゃる先生方でも首長をやられた方が多いと聞いております。避難勧告、避難指示も含めまして、大島の例ではございませんが、どのような形でどこで出すかということが初動体制で一番肝心だと考えていますが、その情報、そしてその分析をする力というのを、是非国の力を改めてお借りする形、また県との連動が必要なので、その辺を強くお願いをしたいというふうに考えているところでございます。  もちろん、先ほど先生がおっしゃるように、一番首長が大事だということで、信頼される市長になることが一番重要かとは思いますが、それ以上に、情報をたくさんいただくということで、もうレーダーでどこへどうなるかということが分かる時代でもございますし、その辺の情報を国の大きな情報の中で活用しながらやっていきたいというふうにも考えているところでございます。  また、中央防災会議の分科会でも申し上げましたが、国、県で、県でも被害想定が公表されたわけですが、マスコミの誘導ではありませんが、被害、被害ということで、高知県と同様、静岡県も十万人以上死ぬということで、死ぬ、死ぬということを言われております。もう静岡県には嫁っ子にもやれないよというふうにほかの県からも言われているところでございまして、被害が想定をされて、その対策を、こういう大きな法律の中で対策をつくっていただく中で、その後の減災の、やっていったら最終的にこうなるんだということを全てセットの上の中での、こうなれば、例えば高知県はここまで安心だ、静岡県はここまで安心になっているということを踏まえた上での国の情報発信もこれからはお願いをしたいなというふうに思っているところでございます。  回答になっていないかもしれませんが、これからも御指導よろしくお願い申し上げたいと思います。

高野光二郎自由民主党

○高野光二郎君 田中参考人にもう一つだけ御見解をお伺いをしたいと思います。  先ほど申し上げましたこの南海トラフ特措法、いろんな経緯を立てて、基本計画を立てて、そして推進地域を指定して、そしてその後に南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域、つまり、津波が来たらもうすぐ逃げなさい、そういった危険度が高いところは三分の二まで国が補助をして、避難路であるとか避難ビルであるとか高台移転に対して補助を強めにしていきましょう、非常に有り難い法律でございます。これを内閣総理大臣が決定をするということでありますが、先生は中央防災会議のメンバーでもありますし、その基準がどこにあるのかということをお伺いをしたいんです。  というのが、いろんな基準があると思います。例えば浸水地域の広さとか死者数、そういうことではなくて、それ以外に、例えば対策、今各市町村でやっているんですけど、その予算を切り詰めてなるべく費用対効果の高い事業をやっている市町村であるとか、住民の危機感が非常に強いところ、シンポジウム、セミナー、自主防災組織、防災カルテを取っている、そういったもう本当に危機感を持って地域が一丸となって取り組んでいる地域、そして、そういった、なかなか物量的に計測できるものではないと思うんですが、そういった部分を基準の中に加味ができるものなのかどうなのか、加味をすべきなのかどうなのかといったようなことをお伺いをしたいです。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) やはり一つ誘導策として、頑張っているところを支援するということはあり得るかもしれません。ただ、私たち日本の社会がこれから向かっていくというのはやはり少子高齢化の高齢化の部分でございます。その高齢化の中での本当に頑張れないところも出てくる可能性もある。そういう面では、その誘導策と、もう一つやはりその必要性というのでしょうか、避難の困難度みたいなものと両方併せた形をセットでお考えいただかないと、本当に取り残されてしまう地域が出てしまうのではないかという気もいたします。是非そういう広い目で御検討いただければと思います。

高野光二郎自由民主党

○高野光二郎君 大変参考になりました。ありがとうございました。皆さん、ありがとうございました。  以上です。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党の那谷屋正義でございます。今日は三人の参考人の方々、本当に貴重な御意見、ありがとうございました。  そこで、まず菅原参考人にお尋ねをしたいと思いますけれども、先ほど、首都高速道路に対して念入りな点検を行っていただいているということでありますけれども、本当にこの首都高速がいざというときに果たすべく役割というのは大きいものがあります。そこで、この首都直下地震対策特別措置法案にどのようなことを更に期待されているのか、副都知事という御経験もあるということを踏まえて、お話しいただけると有り難いんですけれども、よろしくお願いします。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) やはり、都民の方々、国民の方々の生命、財産を守るという意味で非常にこれは大事なすばらしい法案だと思います。ただ、それについてコメントをするというよりも、やっぱり首都高としては、先ほどの繰り返しになりますけれども、利用される方々の安全、安心の確保という観点から、やはりより的確な点検と補修、そしてこれではカバーし切れない大規模更新あるいは地震防災ですね、これにまずしっかりと取り組んでいく、これが大事だというふうに思っております。答えになっていないかもしれませんけれども。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ありがとうございます。  大事な本当に人間でいえばもう大きな血管をしっかりと完全なものにやっぱりみんなでしていかなければいけないというふうに思いますので、国としても頑張るようにしていきたいと思います。  次に、焼津市長中野参考人にお尋ねをしたいと思います。今日は焼津市の様々な避難あるいは災害時における様々な取組をお話をいただきました。その中で、この写真にもあったんですけれども、いわゆる災害時要援護者の避難という部分があるんですけれども、高齢者、障害者を始めとして、そういう方たちについてちょっとお話しいただけていなかったので、その辺についてもう少しお聞かせいただけたらと思います。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 高齢者や障害者などの在宅の災害時要援護者の避難のことだと思いますが、焼津市災害時要援護者避難支援計画を策定をしているところでございます。その中で、自主防災会や民生委員等の地域の住民の共助体制をつくる中で支援をすることとなっているところでございます。そして、入院患者等につきましては施設管理者が対応等しているところで、行政のやれる範囲というのが非常に大きいとは思っていませんので、市民と共同となった体制、並びに要支援者がどこにいるかというのもカードを作らせていただいて、毎年どのような形になっているのか、また近所でどういう方が支援するかというのを民生委員が今把握をしているところでございます。それを市でバックアップするような体制になっているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ありがとうございました。  そこで、今度は田中参考人にお尋ねをしたいと思うんですが、実は東日本大震災でも、今日は先生お触れになりませんでしたけれども、先生の論文を見させていただきましたけれども、いわゆる避難を自分がすれば命は助かったんだけれども、だけどやっぱり自分の使命として人々に避難をせよという、そういう勧告をしなければならない、そういう中にあって、いわゆる自分は逃げたらいいのか、それとも自分の使命を果たしたらいいのかという、そういうふうなことがどうしても今後起こってくる可能性があります。今の要援護者の避難のいわゆる付添いというか案内、ガイドにしても、やはりどうしてもそういった問題が起こってくるんだろうなというふうに思います。  もし自分の命をということで先に逃げたときに、自分の命は助かったものの、しかしやはり自分が皆さんに警告を出せなかったために多くの方が亡くなったということに対する様々な心の傷を負うというようなことがある、あるいはマスコミ等からも責められてしまうというようなことがどうしても起こるのではないかというふうにあるんですね。こうしたことに対してやっぱり社会的理解が形成される必要があるんではないかというふうに思うんですけれども、田中参考人、もしお考えありましたらお聞かせいただきたいと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) どうも御質問ありがとうございました。  やはり、災害時要援護者問題というのは、今後の日本だけではなく、実はハリケーン・アンドリューやらカトリーナの後のアメリカでも大変大きな問題になっている点であります。そういう面では今の御質問、大変重要なポイントだと思っております。  やはり、一つ私たち研究者が避難ということを考えていたわけですが、避難をするかしないかというのは、実は現場で生活をしていらっしゃる方々から見るとこれは間違っていた。家族の命を助けなきゃいけない、仕事をしなければいけない、避難をしなければいけないという四択、五択の一つでしかなかったということがやはり私の大変大きな自責の念になっております。  そういう面で見ますと、やはり、実はその東日本大震災の後を受けて、田老町、元の田老町を参考に消防庁が消防団の撤退ルールというのを明記するように訴えました。ただし、それは二つが、補足がセットになったものだったんですね。なぜかというと、消防団はマインドのある人たちですから、助けに行っちゃうんですよね。なので、実はあなたたちが率先避難者になるということが避難を呼び込むんだという、その率先避難者というものとセットにしないと絶対に消防団は動かないというところがございました。  それからもう一つは、今まさに先生御指摘のとおり、こうなったらもう助けに行けないよということ、このこととセットにならざるを得なくなってくる。実は昭和三陸の後で小学校と神社は高台に移転しているんですね。したがって、今回、実は結構それが避難地として機能しているところがございます。三・一一の教訓を正しく受け、南海に結び付けるためには、災害時要援護者を、小学校、中学校に加えて要援護者施設というものをセットで考えないと、やはり撤退ルールだけではいかないのではないかという気がいたします。是非御協力をお願いしたいというふうに思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今のお話は非常に本当に難しい問題だろうというふうに思います。  よく先生の御提言の中にも、あるいは防災担当大臣なんかもよく言われるんですが、こうした災害に対して自助、共助、公助、こうしたものがうまくミックスして初めて命とそれから財産が守られるとよく話があるわけでありますけれども、その自助ということでいえば、今回、東日本大震災では相当津波対策の避難訓練とかも行われていたようではありますけれども、まだまだこれは日本全国に波及しているわけではなく、特に今、広域というお話を今日いただきましたけれども、南海トラフあるいは首都直下型、それぞれちょっと性質が違うものになりますけれども、こうした中で防災教育の具体的な方法についてもし御示唆いただければ、田中参考人、お願いしたいと思うんですけれども。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 先ほど冒頭に高野先生の方から御説明ありましたけれども、実は内閣府で津波避難ワーキングというものをやらせていただきました。その中で、実は防災教育と言われてもう何十年もたっていて、実効が上がっていない。じゃ、防災教育の重要性を指摘するだけではこの報告書は駄目だというので、群馬大学の片田先生もそこの場にいらっしゃったんですが、かなり突っ込んだ議論をさせていただきました。  一番大きな問題は、教育というのも、やはり何をどういうカリキュラムでどういう指導方針の下でやっていくのかということがないんですね。そういう面では個々の先生方の個々の御努力でやっているというのが現実だというふうに思っています。  そういう面では、釜石の奇跡と呼ばれたものは、ある意味非常にそこが連続的にできていた、七年間やり続けたというのはやっぱりすごいことだと思うんですが。  そういう意味でいいますと、実はその津波ワーキングの中で一つ提言させていただいたのは、教職課程にそういう防災原論みたいなものを必修化しなさいと、そのことによってカリキュラムもできてくるし、素材もできてくるし、人材も育つというような提言をさせていただきました。それ以外にも幾つか出させていただいたんですけれども、やはりそういう具体的な形を取っていかないと難しいのではないかという気がいたしております。一つそれでお答えさせていただきたいと思います。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ありがとうございます。  私、教育現場におりましたので、横浜でやっていたときに必ず毎月一回避難訓練を行っていました。それは、対地震対策、あるいは大雨のとき、台風のとき、それから学校が火事になったとき、そういうふうな様々なパターンで、今横浜の場合、津波というのは海辺の学校じゃなかったのでその訓練はしていませんでしたけれども、もう今はそのことがやはり当然必要になってくるだろうと。もう一つは、竜巻ですよね。これもいつ起こってくるか分からない、竜巻。こうしたことが必要になってくるんだろうというふうに思います。  今日のこの二法案に関して、あちこちちょっと飛んじゃって申し訳ないんですが、もう一度中野市長にお尋ねをしたいと思うんですけれども、これから審査を行うこの南海トラフ地震対策の法案では、津波避難施設、そして津波避難路の整備について補助の仕組みが設けられるとともに、高台への集団移転に当たって特例措置、財政上の支援等の仕組みが設けられるというふうになっているわけでありますけれども、焼津市においてもう少し、この法案の成立によってどのような効果が期待されるのか、お聞かせいただけたらと思います。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 非常に有り難い法案で、避難路の確保ということがなかなか進まないところもあります。それは、焼津市も山間部がありまして、その山を、急傾斜地の中でどう造っていくかということも課題になっておりますし、また施設をどういうふうに造っていくかというのも、結局財政的に焼津市は一般会計でも約四百四十億円ほどの予算でございます。そして、その中で投資的経費が約七十億円を計上をしているところでございますが、計画的に施設を造っていくということが今の財政の計画の中では何かをやめてやっていかざるを得ないと。非常に、国とのつながりの中で財政的な計画をしっかりここで立てていかないと、計画はできても実際の事業化ができないということが非常に課題になっておりますので、非常に今回のこの法律の成立ということが期待をされるところでございます。  ただ、一点、高台移転というのは、今先生おっしゃっていましたが、焼津市が今、大崩海岸というところが先般の台風二十七号、二十八号の方で少しずれたところがございまして、そこの集落がございますが、そこをそれでは赤く塗られて、例えば先ほど言った十メーターの津波が来るということの前提としても、彼らたちはそこからは動かないという形の方がまだまだ多いのが現状でございます。だから、現状をどう守るかということを前提にして対策は練っていきたいなと自分は思っていますが、単純に高台移転をじゃどうぞということではなく、お墓があり、自分の土地である住民の気持ちというのを大切にしていきたいなというのは感じているところでございます。  答えになったかどうか分かりませんが、以上でございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 さきに様々起こりましたこの災害をしっかりと教訓に、その教訓を生かして、今日参考人の皆様にお話しいただいたことも含めて、この南海、それから南海トラフ、それから首都直下型の大きな地震に対して万全な体制で臨めるようにこれから努力していくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。公明党の西田実仁でございます。  今日は、お三方に大変お忙しい中、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。  私は、まず、お三方共通して御質問申し上げたいと思います。先ほど田中参考人からも少しお話がございましたが、災害対策基本法ということについてお聞きしたいと思います。  これは、さきの東日本大震災でも、災害対策基本法の百九条、いわゆる緊急措置というものはとられませんでした。この災害緊急事態、緊急の必要がある場合において国会が閉会中又は衆議院が解散中、かつ臨時会の召集、あるいは参議院の緊急集会等を求めてその措置をまついとまがないときは、内閣は政令を制定することができるということで、一号から三号までの様々な市場規制、私権制限というべきものを想定しております。しかし、東日本大震災では、これは措置として発令をされませんでした。国会をやっていましたということが理由です。  しかし、今議題になっておりますこの首都直下あるいは南海トラフということになりますと、これは大変な、東日本大震災はまさにそういう災害でありますが、首都直下や南海トラフは、もうそれに勝るとも劣らないというぐらいの大変な影響がある災害に万が一の場合はなってしまうわけであります。  私の問題意識としては、この災害対策基本法の百九条は改正をして、そして、こうした国会がたとえやっていたとしても、政府が緊急の事態でありますから政令を制定をして、そして市場の規制あるいは私権制限というのを行い、しかし、この百九条はうまくできていて、四項の方には、その後いわゆる議会が拒否をできる議会拒否制度というべきものがございまして、内閣が定めた政令について議会として拒否もできるという立て付けになっているわけでございますので、そうした改正をして、いざというときに、まさに法律を作っているいとまがない状態でありますからこそ、政府が、内閣が政令を制定して、必要な物資を供給制限するとか、あるいは価格統制をするとか、そうしたことを行わなきゃならないんではないかという私自身の問題意識を持っておりますが、お三方それぞれ同じ、私の問題意識、あるいはこの災害対策基本法の百九条の改正ということについての御意見を伺いたいと思います。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) それでは、菅原参考人からお願いしたいと思います。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) やはり大変難しいというか、大事なあれだと思うんですね。  例えば、三・一一のとき、こういうことがあったんですよ。首都高としては、緊急輸送路、緊急通行路になっていますので、災害が起きたときには脇の方に寄るということになっているんですね。ところがなかなか、やっぱり阪神・淡路のあれがあったんでしょうか、慌ててみんな降りちゃって、揺れが収まったときにはもう滞留車両がないと、こういう状態だったんですね。例えばこういう事象一つ見ても、やっぱりそのときにきちんとした対応をどう取るかというのが大事だと思うんですよ。  答えになっているかどうか分かりませんけれども、ちょっと今のままですとやっぱりてんでんばらばらの動きになっちゃいますので、それはちょっと心配だなというふうに思っています。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) それでは次に、田中参考人、お願いします。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 緊急事態宣言の下で価格統制とモラトリアムと物資徴発だったでしょうか、制定をされていると思います。現実的には、モラトリアムは国際的なことを考えるとできるのかという問題も出てくると思うんですけれども、付け加える必要があるのかどうかということで、災対法に明記するのかどうかはやや疑問もあるんですけれども、先ほど申し上げた道路啓開に伴う放置車両等の私権をどうするのかと。これはやはり三・一一でも若干問題になったところでございました。  それから、地籍管理、その後に地籍で所有権を確認して、それからいろいろと計画を立てていかなきゃいけないんですが、地籍が進んでいないと。特に伝統的な、非常に昔からあります西日本は複雑、京都が一番複雑だと言われていますけれども、そういったようなやはり幾つか予見される私権問題というのは出てきていると思います。  それについて災対法でやるかと言われると、これは先生方の方の御議論ではないかと思いますが、もう少し個別法でやってもいいような気もいたしますけれども、そういう部分というのがやはりかなり詰めた議論、指摘されている部分もございますので、取り組んでいただければというふうに思っております。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 続いて、中野参考人、お願いいたします。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 百九条が緊急措置のことを述べてあると思いますが、各我々の市町村としては、情報が非常に分断されて判断がしにくいところなので、法律的なやつは先生方に、災害対策基本法を改正するのか、また個別法でやっていくのかというのは先生方にお任せすることにしましても、基本的にはその緊急事態の中での対応をしっかりできる体制をやっていただきたいと。それは特に、情報の伝達を含めて、地方自治体まで細かくたくさん来る体制をつくっていただきたいということを希望するところでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございます。  今日は、首都高の社長さん、また田中先生からも被災車両の排除についてお話がございましたので、道路のことでお聞きしたいと思います。  首都高は、今おっしゃっていたように緊急輸送道路として大変重要な役割を持っておりますが、この道路の啓開はどういうふうにしてやっていくのかということ。そして、三・一一のときもそうでしたけれども、今度は三・一一の東北ではなくて、首都直下地震ということを想定してお聞きしたいわけでありますけれども、その道路の啓開とともに緊急輸送道路、今既にそこを走っている車は外に出るわけですよね、ランプの外に。そうすると、一般道が物すごく込むというのが三・一一もありました。しかし今度、首都直下ということになると、そんな比ではないということになると思うんです。  どういうシミュレーションをされているのか。被災車両の排除、そして首都高から降りていった車が一般道に込み合ったときにどういうふうに整理していくのか。あるいは、その被災車両そのもの、一般道のですね、その被災車両をどこにプールしていくのか、管理していくのか。あるいは、道路啓開するのがレッカー車とか、そういう積載車とか必要になると思いますけれども、そういう手当てを、例えばレッカーの事業者の方々と何らかの協定を結んで、その数は足りているのかどうか。  こういう具体的な計画をどうお持ちになっているのかを是非お聞かせいただきたいと思います。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) まず、先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、今どうなっているかというと、まずホームページ等で、大きな地震があったときには緊急交通路あるいは緊急輸送路になっていますので、その通行を妨げないように右に寄るとか左に寄るとか、まず寄っていただくと。そして、揺れが収まったときにパトロールカーというか、黄色いランドクルーザー、首都高によく走っていると思いますけれども、それが安全を確認しながら降ろすと、こうなっています。  それで、もし大きな地震で車を置かれて、そのまま、何というか、降りられる方もいるんですね。そういうときには、今おっしゃったように、首都高もレッカー車を持っています。それと、建設業者等と連携を取りまして、協定を結んで、レッカーも手当てできるようになっているんですよ。それが排除すると、こういうことになっています。  ただ、三・一一のときにはちょっとその辺が、先ほどの繰り返しになりますけれども、阪神・淡路のあれがあったんでしょうか、やっぱり慌ててみんな降りちゃって、ちょっとそういう整理が十分じゃなかったんですね。ですから、その辺はもうちょっとこれから研究しなきゃいけないと思います。でないと、この間、三・一一もかなり降りちゃって渋滞が起きたというあれもありますので、その点は今内閣府の中央防災会議でいろいろ検討しているようですから、その辺も踏まえて、ちょっと首都高としてもいろいろ策を考えなきゃいけない、こう思っています。

西田実仁公明党

○西田実仁君 今の点ですけれども、今国土強靱化推進室で四十五のリスクというものを具体的に挙げている一つに、今の道路啓開の問題があるわけですね。そこに専門的な人材が十分に育っていないという、そういうリスクが認識をされております。  今のお話ですと、被災車両の排除等についてはかなり綿密なシミュレーションがされているんでしょうか。協定が十分足りているのかどうかということに、ちょっとよく聞こえなかったので、もう一度御説明いただきたいことと、それから私が質問した中では、その被災した車両をどう管理をしていく、どこに管理をしていくのかと、そういう敷地なりがどこかに確保しているのか、あるいはそういう契約になっているのか、そういうところまでちょっとお聞かせいただきたいのですが。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) その点は、まず降りた車のプールするところというんですか、それは必ずしもまだ十分じゃないんですよ、はっきり申し上げて。やっぱり首都高は高架下にかなりスペースもあります。そういうところも含めて、どういうふうに、その降ろした、その排除した、排除という表現は良くないかもしれませんけれども、降ろした車をプールするのか、そういうことも考えていかなきゃいけないと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 そこは、ですから計画を持って、もちろん御社だけでできることではないと思いますので、様々な行政機関とも連携して想定をしておかないと、あの三・一一のときも相当大変な混雑で混乱をしました。自転車がその分活躍したというのはあると思いますけれども。  もう一つ田中先生にお聞きをしたいと思います。  先ほどお話がございました、その被災した車両の私権制限の話でございます。これはやはり三・一一のときも随分そういう話をお聞きしました。ここは、先ほどの災対法というよりも個別法なりあるいは民法なりなのかもしれませんが、何か形を持ってその私権制限をしていくようなことを、何らかの法的措置をとるべきだというお考えなんでしょうか。もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 少なくとも、その点についてはきちんとした議論をしておく、それが法律がよいのか、個別法がいいのか、統括法がいいのか、それとも政令のレベルでよいのか、分からないところもございます。その辺の御判断はもう御専門の先生方にお任せしたいと思いますが、やはりそこの議論をしておかないといけないというふうに思っています。  今、やはり先生が御指摘のとおり、被害想定とセットで計画が練られているわけですけれども、本当に具体的なオペレーションまで踏み込んでいるのかというところを次に問われると思いますので、その中で確実に浮かび上がってくる問題だと思いますので、やっぱり何らかの検討、決めが必要になってくるというふうに思っております。  あともう一つは、ちょっと関連して申し上げますと、やはり重力に逆らう対策は、住民、国民周知が大変難しい。だから、例えば津波避難で車を使わないというのは、全体合理的には正しいんですけれども、やっぱり住民感情としては合わないんですね。遠くまで行けますし、寒くないですし、要援護者も運べると。そういう面では、本当に首都高とか幹線道路で左側に止めて鍵を差しっ放しにして逃げてくださいというのがよいのか、これは絵空事になる可能性があるんではないかという気がいたしますので、本当にそのオペレーションをやるべきだという先生の御指摘は極めて大事なポイントだというふうに思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 終わります。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  今日は三人の参考人の方から大変貴重なそれぞれ御意見をちょうだいしまして、感謝を申し上げたいと思います。  まず最初に、菅原参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほどもお話がありましたように、また質問にもございましたが、首都高で一旦何かあれば、いろんな多方面にわたって影響を及ぼすわけでありますし、緊急輸送路としてもいざというときに使えないといったことになっては大変困るわけで、そういう意味でもこの大規模修繕、大規模更新等々というのは非常に重要なことなんだろうと認識をしますが。  距離でいっても三百キロとさっきおっしゃったかと思いますし、この更新をしても、その後もずっと維持管理をしていくというのは大変なことだろうと思っておりますが、そこで、そういったものを日々点検、補修していく上で、やはりいろんな最先端の技術を用いてやっていくということが大事だと思いますが、とりわけ、今、日常点検等をやっておられて、こういう技術があればいいなと思うものがあれば教えていただきたいと思いますし、あわせて、そういうことをやっていく上での専門人材の育成というのが欠かせないと思いますが、もしそういう専門人材の育成とか確保の計画等がおありになれば教えていただきたいと思います。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) まず、私も現場は大事にする方ですから行ってみました、点検の現場もですね。基本的には、よく打音といいますけれども、ハンマーでこうやったりするんですね。そうすると、明らかにコンクリの中にすき間というんでしょうか、それがあると高くなるんですよ。例えばコンコンコンがキンキンキンになるとか、そういう形でやっているんですが、今先生がおっしゃったように、中にはなかなか点検しづらいところがあるんですよ。そこのところをどうやっているかというと、胃カメラみたいなのがあるんですよ、こういうファイバースコープ。そういうものを突っ込んで、こういろいろ見るということをやっていまして、かなりいろんな状況に合ったような点検、首都高はやっていると思います。それで、首都高は大体半分が本当優れた、社長が言うのもあれですけど、すごい技術者が多くて、かなり優れた技術もあるんですよ。  それで、大事なのは、その優れた技術を継承すると同時に更に発展させなきゃいけませんので、そういう観点から、今技術の継承発展、それについて力を入れているところです。ですから、ほかにこういうものがあればという他力本願的なあれじゃなくて、社内でも十分に僕は力あると思うんで、これ是非、もっと活用したいと、活用し、育成したいと、こう思っています。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  じゃ、今のところは今の能力と、あるいは技術力で十分だという認識で、特に新たなものを予定をしているわけじゃないということですよね、確認ですが。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 優れたあれがもっとあればたちがいいんですけれども、やっぱり他力本願になっちゃいけないと思いますんで、まず首都高としては、自分のところでできることはやるというその姿勢ですね、これでいきたいと、そういうことでございます。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  次に、田中参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、南海トラフあるいは首都直下型地震が起きますと、いわゆる太平洋ベルト地帯が大変な大きな影響を受けるわけです。いろんな経済的なことが麻痺をするということが想定をされるわけで、そういう意味でも、先ほどお話あったように、その地域のみならず全国的に波及するところもあるんだろうと思いますけれども、日本全体のバックアップ機能を高めていくということからも、いわゆるその太平洋側がもし駄目になる、麻痺をするということになれば、いわゆる代替ルートを日ごろから確保していく、あるいは準備をする。また、そのための訓練というものなどが物流を確保していくために必要なんだろうと思いますが、そういう意味では、日本海側と代替ルートを確保、準備するということ、必要な考え方ではないかと思いますが、この点について、どのようなお考えでしょうか。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 委員長の指名を受けてから。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 申し訳ありません。  今御指摘のとおり、やはり災害対策というのは冗長性をどれだけ高められるかということですので、多ルート化ということは極めて重要だと思っています。  そのときに、どのレベルで対策を取るか、打つかということを考えたときに、どうしてもやはり市場性というんでしょうか、日常使用との駆け引きが出てまいります。そういう面では、比較的ストックをするようなタイプはかなりいろいろな多ルート化は可能だと思うんですけれども、流通在庫的な部分というのが、どこまでそこで市場に乗ってくるのかというところを議論も併せてしておかないと、訓練はするけれども日常使用はされないというようなことになってくるという危険性はあると思っています。  そういう意味では、多分先生と問題認識は非常に近くて、この二つについてはかなり産業政策あるいは事前対策にも民の力をお借りしないとできないという、そのスキームをどう作っていくのかというところでは同じような発想をしていると思っておりますので、是非また進めていただければというふうに思っています。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございます。  次も田中参考人にお聞きをしたいと思いますが、田中参考人におかれては、今までも防災科学技術委員会の専門委員でありますとか、地震調査研究推進本部の専門委員を務めていただいておるわけでありますが、そういうことからも、今度はこの法案が今審議をするわけですけれども、また東日本大震災を受けてこれからの日本の地震研究の在り方をどういうふうに変えていくべきか、あるいは防災、もっと広く言うと防災科学の在り方をどういうふうにこれから改めていったらいいというようなお考えがあれば教えていただければと思いますが。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 私の立場は地震研究をしているわけではございませんので、どう国民に利用されるのかという観点から今までも携わらせていただきました。  そういう前提で議論させていただきますが、やはり、どういう地震あるいは台風、あるいは竜巻という議論もございましたけれども、そういったものも含めて、現場の例えば中野焼津市長のようなお立場の方あるいは個々住民の方々がどんな情報を使えるとどういうふうに反応できるのかというところ、そのニーズとそれから科学的な可能性という、そのアンドをどううまく結び付けていくのかと。そこを結び付けるためのやはり翻訳家が必要になってくるというふうに思っています。  そういう意味で、いろいろな方々がその専門家になり得ると思うので、まあマスコミもそうだと思いますし、まさに先生方というのはそういう制度への翻訳家だと思いますので、そういうニーズとそれから基礎研究というものをどううまく結び付けるかということが防災への第一歩ではないかという気がしています。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  次に中野参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、先ほど焼津市の取組、地震・津波対策の御説明もありました。  大変意欲的にやっておられるということに敬意を表したいと思いますが、これから先、地震、津波だけではなくていわゆる複合災害というのは多分に考えられるわけでございます。同時に台風が来るかもしれませんし、焼津市、静岡県は富士山の地元ということで、一七〇七年の宝永地震の後には、四十九日後には富士山が爆発しているという、大きな地震の後には火山活動も活発になるということも考えられるわけで、そういった火山、台風なども含めた、そういう複合的な災害への対応というのは特に何かやっていらっしゃるんでしょうか。もしあれば教えていただければと思います。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) まず、焼津市としては小さな市なので、危機管理部というのを設けさせていただいて初動体制をまずしっかりしていくということで、連携も含めまして組織の体制を新しくしたところでございますが、地域の防災計画また事業継続計画、水防計画、災害に対応する計画を策定して、大規模災害も含めましての計画をその中に全て盛り込んで今計画をしているところでございます。  以上でございます。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 その中に今申し上げた複合災害への対応も含まれているということですね。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) はい。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございました。  それから、ちょっと御見解をお聞きをしたいと思いますのは、先ほど田中参考人の方からもお話がありましたが、最後の田中参考人のお話の中で、事業単位の認定から一括交付金に変更することで多様性、柔軟性を誘導というお話がございましたが、これについては市長をやっておられる立場でどのような御見解をお持ちか、その方がやりやすい、あるいはそれはやりにくいというお考えか、お聞かせをいただければと思いますが。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 何かあったときというのが単発的ではないと考えています。津波もあり、また火事もあり、いろいろな被災状況が現実起こっています。その中での対応策また予防策というのも各地区によって全く対応が違ってきていますので、単純にこれにこれにということではなく、やっぱり全体を含めての対応をしていただくのが非常に地方自治体としても有り難いと思いますので、田中先生の意見に賛成でございます。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございます。  若干ちょっと時間が余裕がありますので、もう一度戻って済みませんが、菅原参考人にお聞きをしたいと思います。  一部私も拝見をした記憶があるんですが、首都高のこれからいわゆる空中権の問題ですが、いわゆる民間活力、民間の資金を活用してそういう大規模修繕と大規模更新に充てていこうということですが、これは今の進捗状況はどうなのか、あるいはその可能性、またそのやり方についての御見解が、進捗状況も併せてお聞かせをいただければと思います。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 空中権と言っていますが、容積率の移転ですね。それにつきましては、今、概算要求の中で、国交省の、都市再生と首都高の再生を両方兼ね備えた形で検討したいということが盛り込まれております。それに基づいて、今、国交省の方で検討委員会だとかワーキンググループ、これは設置をしておりまして、それに我が社も、そして東京都も国交省も入ってやっているところでございまして、これからの議論だと思います。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 分かりました。  じゃ、これで終わります。どうもありがとうございました。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。よろしくお願いいたします。  まず中野参考人にお聞きをしたいと思います。  先ほど津波の対策について、海岸はずうっとつながっていると、しかし、それぞれの津波の対策というのはそれぞれの自治体ごとにつくって進めていかなければならない、それでよいのかという問題提起がされまして、私も本当にそのとおりだなという意見を持っています。  私が活動しています地域の中には千葉県がありまして、この千葉の房総地域、特に九十九里の海岸の地域は高台というものが見渡す限りないんです。高台に避難をと言われても、それこそ車でこれを十分以上掛けて走らない限りは高台避難なんというのはできない地域なんですね。しかも、この間大きな津波というのは余り、そんなに被害がなかったということもあってか、保育園や幼稚園とか、一般の民家もそうですけど、ほとんどが平家建ての地域になってしまっていて、ここで住民の皆さんの命を救うためにどんな対策が必要かということはもう自治体の大きな課題になっていて、一自治体で解決をするのはこれはもう手に余るような実は事態になっているんですね。  津波塔の見学に行ったり津波避難ビルの見学に行ったりもしているんですけど、じゃ、九十九里のこの海岸のところに一体どれぐらいそれを建てたらいいんだという、逆に悩みになっていたりということもありまして、そこでなんですけど、本当に人命を守るということのために自治体が果たす津波対策ですね。もっと国がある意味イニシアチブを持ったり、いろんな知恵も、もちろん予算もということが求められると思うんですけれども、中野参考人がお感じになっている、国としてもう少しこういうところでイニシアチブを発揮してほしいと思うことが具体に幾つかありましたらお聞かせいただきたいと思います。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 先生と同じで、今まで海の恵みで生きてきた焼津市民でございます。それが、海が非常に恐れ多いことになっているという現状を踏まえて、海岸線は、焼津は十五・五キロでございますが、静岡県のブロックによっては違いますが、ある程度国で指針の中で、今度の法律の中でも範囲を、地域の指定というのがございますが、それはもちろん市、地域を外しての大きな地域の指定にはなるというふうに考えて、県の方でそれが指定というふうになっているような形で理解はしていますが、ある程度それを、科学的知見も踏まえて、もう少し大きな範囲での指示というか、それを国の方でイニシアチブを取って指定というか、指導をしていただきたいなというふうに思っているところでございます。  逆に、焼津市としては、焼津市の範囲には行けないので、焼津市の中でも若干違う範囲もあるので、各ブロック別で逆にして、焼津市としてやれる範囲のブロック別の指定をしながら、津波地域づくり計画を、ブロック別に計画を今立てているところでございますので、是非それを拡大してはめていただきたいなというふうに思っているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 大変貴重な問題提起といいますか、やっぱり、地域それぞれの自治体は、もっと厳密に細かくブロックの指定をしながら避難対策を取ると、だけど、大きく国が枠を掛けて大きな計画を立てるということがやっぱり必要だという御趣旨でよろしいでしょうか。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) はい、そのとおりでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 同じ質問で田中参考人に。  このように悩みを抱えている自治体が多くて、高台避難が難しいような地域での津波の対策、どのようにしたらいいかということで、ちょっと御意見ございましたらお聞かせいただきたいなと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) ちょっと難しい問題にお答えする前に、やはり市町村というのは非常に地域をよく御存じなので、また、実は避難というのは本当にその地域地域でベストのものが変わってきてしまうということ、そういう面では、そこは本当に市町村のお力なんだと思っています。  ただ、その単独市町村の中だけでは閉じられないという避難の難しさもあったり、あるいはその河川を遡上してくるようなもの、あるいは同じ海岸線であればある程度同じような高さを造らなきゃいけない。海岸護岸に関しては、今、全県単位でかなり共通的になっていますけれども、そういう、どちらかというと避難のオペレーションとかその避難のオペレーションを考える上での前提のハザード情報みたいなものはやはり国がきちっと主導するべきじゃないかというふうに思っています。  避難の難しさというのは、やはり本当に難しいところがあると思います。九十九里浜も難しいですし、焼津市さんも難しい、北海道の浜中さんも難しいというところだと思うんですね。その中で、まず、取りあえずできることからやはりやっていくしかない、全てを完全にクリアできるところまでなかなか行けないので、まずは一歩ずつ進んでいくしかないというふうに思っています。  そういう面では、本当にバベルの塔のような津波避難タワーがいいのか、もう少し道路の利用をうまく使うようなことも含めて検討すればいいのかということが必要になってくると思います。そういう選択メニューはやはり国が主導的にお出しいただけると市町村はその中から選べるというところがあるのではないかという気はしています。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ありがとうございます。  もう一つ田中参考人にお聞きをしたいんですけれども、今度は首都圏直下にもちょっとかかわることなんですが、先ほど、まあそれにかかわらずだと思いますけれども、やはり地震の対策は事前被害の防止であり耐震化の推進が最重要だ、これもそのとおりだなというふうに私も思っております。しかし、これから審議にかかる首都直下地震対策の法案は、残念ながら住宅や市街地の耐震化対策というのがほとんど何も盛り込まれていない法案で、むしろ首都中枢機能をどうするかというようなことが中心になっているような法案なんですね。  本当は、やはり木造密集含めてなかなか進んでいないこの住宅の耐震化、市街地の耐震化、これをどうやったら進めていくことができるのか、何がその耐震化の促進の遅れの原因になっているのかということをやはりもっと掘り下げて、必要な支援策というのを立てていくことが国の責務としても求められていると思うんですけれども、その点の御意見をお聞かせいただきたいと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) この耐震化の促進というのは、これも先ほどの防災教育と同じで非常に難しい問題だと認識しています。  なぜかというと、実は木造密集地域というのは好んで住んでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。でも、やはり家賃的な制約から住んでいらっしゃる方もいらっしゃるということで、やはり経済的な誘導は難しい部分があるということも事実だと思います。そういう面では、実は建築基準法が既存不適格に遡及しないという対策方針を取っていますので、そこを突破してなかなかやるというのは難しいので、あとは誘導策しかなくなってくるということになると思います。  そうなると、実は非常に考えなきゃいけないのは、個々の世帯が耐震化を判断するとコストが大きくなってしまう。つまり、その工事期間中移転をして、そこで移転費用をしなきゃいけないというようなこともあるので、もう少し地域全体としての、空き家をうまく順々に使って進めていくとかですね、やはりそういうような個別から地域へという転換を少し図っていかないと難しいのではないかという気がいたします。少なくとも耐震化は、津波の避難をするスタートは家が壊れないということですし、家が壊れなければ火災の出火数も減ります。延焼数も減ります。やっぱり全てに絡んでくるということなので、これは我々研究者もかなり今真剣に議論をしているところではありますので、またいろいろとお知恵を拝借できればと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 続けて田中参考人、済みません、何度も申し訳ないんですけれども、今の問題では、例えば東京都の墨田区の白鬚の地区なんかは、ちょっと時間を掛けて地域の皆さんが本当に入った協議会を開いて、いかにして木造密集を解決していくか、それで東京都も都営アパートの改築などをそういう住民協議の中で耐震化を進める、木造密集を解消するという考え方の中で開発を行った。ところが、それが後に続かずに、そういう、東京都も加わり公的な仕組みもつくり住民参加でという協議会が、これがその後はつくられなくなって、むしろ民間主導型で大規模開発をしてしまうと。そうすると、地上げに対して嫌だと残る方がいらっしゃると、逆にそれが進まないというあつれきを生んだりという問題があるんですね。  そうすると、長い目で見れば、余り長く見ていられないという側面はあるんですけれども、しかしやはり住民参加型の協議会を急いでつくっていくような、住民の合意を得ながら木造密集を何とかして解消していく方向というところに努力をすることが結果としては近道になるのではないだろうかというふうにも東京都の経験を見ると感じたりもするんですけど、その点での御意見もいただければと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 私自身は都市計画の専門家ではないので、評価は難しいところがございます。率直に言うとそう思いますけれども。やはり、基本は住民合意を取らざるを得ないというところが難しいところだというふうに思っています。特に都市部の場合は、その辺の住民合意を取るという作業が三大都市圏みんなそれぞれ難しいということ。  そういう面では、どちらかというと、それと同時に、建て替え、賃貸の借換えという、その時点でどう対策をうまく進めていくのかというところを是非御検討いただければいいかなというふうに思っています。例えば不動産の重要事項説明のようなものにハザードマップ情報を入れるとか、そういうことで、その時点のタイミングで進めていくということも議論をいただければというふうに思っています。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ありがとうございました。  では、菅原参考人にお聞きをいたします。  先ほど、首都直下への備えとしての高速道路等々の補強、耐震化、これが非常に重要だと、そのとおりだと思います。これはどこかで出ている資料であるかもしれないんですけれども、改めてお聞きをしたいんですけれども、そういう耐震補強や大きな地震、震度七が来ても崩れないような高速道路ということを進めていくための予算としてはどれぐらいの株式会社としては見込みをしていらっしゃって、その財源をどのように手当てするのかということの検討というのはどうなっているか、この機会に是非お聞かせをいただきたいと思います。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) これは、今先生がおっしゃった問題は非常に難しいと思うんですね。というのは、これは、何というかな、月日がたつごとにまた老朽化が進んでいくわけですね。ですから、幾らあればというあれじゃなかなかないと思うんですよ。これは難しいと思いますね。  やっぱり、まず一番大事なことは、基本的には、先ほど冒頭申し上げましたように、日常的な点検ですね、点検をし、そして補修をする。それでカバーし切れないものについては大規模更新、こういうことになるんですけれども、その中でやっぱりきちんと精査をして積み上げるということになると思うんです。  ですから、幾らあればという、最初、答えは、これはなかなか難しいと思いますね。

田村智子日本共産党

○田村智子君 そうすると、なかなかあれですね、例えば東京でいえば、東京外環自動車道に大変多額のお金を使うけれども、まあほとんど国直轄でこれは造ることになると、予算的にはですね。  そう考えると、なかなか、どれぐらいの規模になるか分からなくて、じゃ、どれぐらいを首都高自身として用意ができて、国として、もしその支援が必要だとしたらどれぐらいというのは、これはなかなか難しいということになっちゃうんでしょうか。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) これはなかなか難しいですね。  それで、やっぱり、先生御案内のように、今のスキームというのは、首都高でいいますと大体二千五百億ぐらい料金収入あるんですよ。その中で、管理費を除いて残りはリース料として機構に払うわけですよ。で、機構が過去の返済に回すと、こういうことになっていますので、なかなか財源的なあれは難しいんですね。ですから、それはその都度やっぱり国なり地元自治体なり協議をして決めるということになると思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 最後一点だけなんですけれども、首都直下が起きたときに帰宅困難者をどうするかということが一つ大きな問題になると思うんですけれども、今建設しようとしている東京外環、大深度の地下四十メートルという道路はそういう場合に使える道路だと考えていいのかどうか。地震が起きた直後にいろんな点検は必要かとは思いますけれども、帰宅困難になったような方が使える道路という想定なのかどうかだけお聞かせください。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 外環道は、先生御案内のように、これは首都高の仕事じゃないんです。で、ちょっと答えられないですね。

田村智子日本共産党

○田村智子君 以上でいいです。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 維新の会の室井邦彦でございます。私で最後でありますので、もうしばらくお付き合いをお願いしたいと思います。  後先になりましたけれども、参考人の皆様方には大変お忙しい中、当委員会にお時間をいただきまして本当にありがとうございます。七番目ということで、また同じような質問の繰り返しに、重なることがございます。  最初に、中野焼津市長さんからお尋ねをしたいと、教えていただきたいと言えばいいのか、御質問したいんですけれども、いわゆる近隣の自治体と連携がうまくいくところとなかなか連携が進まないという課題があったりすると思うんですけれども、そういう場合何が、連携のハードルが高いのか、取りにくい問題があるのか、あれば教えていただきたいんですけれども。

中野弘道焼津市長

○参考人(中野弘道君) 地域間で災害対策も競争をしています。その競争が逆目に出ると、うちはこっちでこうやっている、こうやっていると。それが課題であり問題であると。できれば、国の方でここの部分はしっかり同じこういうふうな形でやっていくべきという指導がしていただけると、その競争は、それに準じて行っていくわけで、なくなるかなという形がしております。  以上です。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 県境、境は別としてね。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 室井君、委員長の指名。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 委員長、済みません。失礼いたしました。  それでは、菅原参考人、よろしくお願いいたします。  私もこの災害特の委員会に入れていただいて良かったなと思っているんです。というのは、再三申し上げていますように、阪神・淡路大震災の被災者といいますか、もうあの恐ろしさは、三日前も東京で地震がありましたよね、震度四だったかな。あの麹町の巨大な議員宿舎がぐらぐらっと揺れたときに、一瞬体が固まりました。えらいもので、体が覚えているんですよね、そういう揺れが。そういう体験をしておるんですが。  まさにこれは、ドラマチックというと失礼な表現になるんですけれども、東京オリンピックの、初めての、三十九年に皆さん方が、いわゆる高度成長の時代で首都高の高速道路というのはもう社会も全てマスコミも注目をして、もう行け行けどんどんで応援をいたしました。参考人からもお話ありましたように、土地の買収に時間を掛けていられないということで川とか運河に支柱をどんどん立て、だからカーブが、曲線が多いというような道路になっているんだというような、読ませていただいてなるほどな、それはそれでやむを得ないことだったんだろうなと。  今度は二〇二〇年、東京オリンピックがまた開催されると。そういう中で、時間がない。そしてまた、この直下地震の対応も取らなくちゃいけない。そのときに、あの巨大な支柱が、阪神高速道路、四十三号線、折れ曲がったという、倒れたというその自然のパワーという、すごさというのは、経験してこの目で見た人間でないと分からないとは思うんですけれども、これ、首都高がその直下型地震に直面したときに、まさに想像ができるんですよね、私は、耐え切れないというふうに思います。  しかし、対応していくためには国家プロジェクトとして、特に財源の確保の議論が少し取り残されているような感もするんですが、今、少し重複するかと思うんですけれども、その点、私は、国家プロジェクトと組んで進めていかないと到底これは間に合わないというか、いつ直下地震が来るか分からない状況で、その点、どういうふうに今思われますか、考えておられますか。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 冒頭御説明申し上げましたように、そもそもスタート時は、大正十二年のあの関東大震災に耐えられるようなあれになっているんですね。その後、今先生おっしゃったような阪神・淡路のあれがありまして、それを契機にして、例えば橋脚、柱ありますですね、それを巻き立て工法と言っていますけど、鋼板で巻いたり、その教訓を生かしてもう補強しているんです。  ですから、過去の地震に対しては、そんな大きな、何というか、損傷というか、そういうふうにはならないというふうに思っていますけれども、ただ、首都直下につきましては、東日本の経験を踏まえて、今防災会議の方でいろいろ見直しをされていると思います、被害想定も含めてですね。ですから、それを待って、それを見て、更に必要な補強があればやっていきたいと、こう思っています。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 阪神・淡路大震災のときは、鉄柱というんですか橋脚、これに鉄板を巻いたんですよね。素人だからよく分からないんですけれども、ああいう方法は効果はあるんでしょうかね。

菅原秀夫首都高速道路株式会社代表取締役社長

○参考人(菅原秀夫君) 今申し上げましたように、それは効果はあります。ほとんど、七千本ぐらいかな、首都高全部、橋脚もそれを巻いていますので大丈夫だと思います。ただ、首都直下ですね、それについてちょっとまた新たなあれが出てくれば、更に補強しなきゃいけない、こう思っています。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 ありがとうございます。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 委員長の指名を受けてから御発言ください。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 それでは、田中先生にお聞きをしたいと思います。  予知できない大規模自然災害というのは、我々にとって大きな脅威として襲いかかってくる。フィリピンの、ちょっと話は変わりますけれども、九十メートルですか、フィリピンの台風が中心風速というのは、すごい破壊力を、また日本の国にも間違いなくそういう大型、超大型台風が襲ってくるというのは言われておりますが、その異常気象現象による竜巻や集中豪雨、そして大規模地震に、いわゆる直下型地震に伴う津波などの防波堤、防潮堤、ハザードマップ、先ほども出ておりましたが、避難対応、被害を最小限にとどめる、そういう効果があると思うんですけれども、万能な対策はないように思うんですけれども、そこで、優先して取り組む防災、減災とは何か、優先して防災災害策としてあるのか、御所見があれば、優先して対応できる減災、防災があるのかどうか、お聞きをしたいんですけれども。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) まず一つ、今幾つか例を挙げていただいたものの中で頻度、どれぐらいの頻度で来るものなのかということをかなり厳密に分けなければいけないと思います。その上で、一定程度のものに対してはやはりそれなりの施設で対応しなければ国民生活に大変大きな支障が出てきてしまうと。確かに三・一一で海岸護岸が役に立たなかった部分もありますけれども、それによって救われた部分もありますし、また、それによって三・一一のような津波でなければ救われる部分、たくさんあるわけですね。そこはやはりまずベースに、前提に置いて、そこから先に足りない部分をどうしていくのかということになると思います。  そういう意味では、やはり頻度の、ある程度の頻度までについて明確に定義をしておくということ、そこまではBバイCも含め他の政策課題と比較しながらきちんとやっぱり対策を取っていくということが必要だと思うんですね。  やはり、南海とか首都直下というのはそれだけではできない部分があって、そこに関してはやはりオペレーションとか計画というものをかなり詰めていかなければいけないということになると思います。その際に、やはりある特定の災害に引っ張られることなく、どうしても大事な問題というのをどう見出していくのかということが我々の仕事だと思いますが。  例えば今、本当に首都直下で議論をしなければいけないとすると、先ほど首都高の方でもお話がありましたが、いわゆる非構造部材、天井落下問題というものをどれだけきちんと、非破壊検査技術も含めて我々きちんと指摘していかなきゃいけないのかというような問題とか、あるいは本当に帰宅困難者問題というのをどこまでウエートを置くのかとかという、相手の、対策課題そのもののウエート付けをやっぱりきちんとしていかなきゃいけないんじゃないかという気がします。恐らくこの天井が落ちますと、我々脳挫傷で死にます。六メーター以上の天井高があって石こうボードですと脳挫傷を起こします。やっぱり、一つ一つそういう目で見ていく必要が実はあって、やはりそういうような問題指摘を我々もこれからしていきますので、是非酌み取って、すくい取っていっていただければというふうに思います。  少なくとも、防災に関しては万能の対策はあり得ないというふうには思っています。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 田中参考人が冒頭おっしゃっておられましたけれども、まさにこの阪神・淡路大震災でも、先生がお書きになっておりますけれども、いわゆる復興需要が発生をしたと、そして短期間に集中し、地元業者のキャパシティーを超えたことから県外の企業に復興投資が流出してしまったと。  私、これ、質問じゃないんですけれども、当時、私も阪神・淡路大震災のときには県会議員をしておりまして、たまたま警察常任委員長をしておりました。国道二号線、四十三号線とか、南北の道路は皆アウトでした。そういうところで、いろいろと業者が瓦れきを回収に、そして新しく新築工事をされに来る、通行証を兵庫県警は発行するんですね。その通行証が非常に価値があって、ほとんど被災地に入って来られない、その通行証のある車に限ってオーケーということになって、しまいに通行証一枚十万円とか、やみで印刷をして、警察の菊のマークを偽装してどんどん入ってくるんですね。見ると、ほとんど県外のトラックや業者だったんですよね。先生がまさにここにこういうふうに書いておられる、これは実際私も体験をしたことなんですけれども、こういう対応は、震災終わった後の復興復旧についてのことですから、この場でどうこうということじゃないんでしょうけれども、何かちょっとその点で先生の御指導というか私見があればお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

田中淳東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター長

○参考人(田中淳君) 今のポイントは、首都直下、南海トラフというのがほかの災害と質的に違ってしまうということの最大の私はポイントだと思っています。  阪神・淡路大震災のときの兵庫県から復興投資が主に関東に流出したのは、別に悪意ではなく、被災者の早期な住宅再建あるいはインフラ整備のためにやはり集中投下をせざるを得なかったからそうなったということだと思うんですね。ただ、そのときに、もう少し平準化するべきものあるいはできるものもあったのではないかという気がいたします。そういう面で、一気にそこに投下する戦略が良いのかどうかというところが、これは首都直下、南海トラフになると国際レベルで同じことが起きてしまうということを懸念しているということになります。そういう意味では、やや優先度の高いもの、低いものという中で公共投資をどうしていくのかという部分の平準化を少し図るような仕組みを考えておかなければいけないというのが先ほどの私の趣旨でございます。  ただ、今大変貴重な御指摘をいただいたわけでありますけれども、確かにこの特措法自体は事前対策を中心としているものだと理解をしておりますけれども、その中で、復興計画というのはやはり事前にやっておくべきものだと思うんですね。どういう復興計画に向けて進めていくのかということ、ここはやはり一つの基準になると思いますので、そういう面では、復興はこの特措法の範囲外であるというよりは、復興というものを前提に置いた事前対策は何なのかという流れを是非御議論いただけるととても幸甚に存じます。  以上でございます。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 ありがとうございます。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたり御出席いただき、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  それでは、参考人の方々につきましては御退席をいただいて結構です。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 速記を起こしてください。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び首都直下地震対策特別措置法案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官日原洋文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び首都直下地震対策特別措置法案の両案を一括して議題といたします。  まず、提出者衆議院災害対策特別委員長坂本剛二君から順次趣旨説明を聴取いたします。坂本剛二君。

坂本剛二自由民主党

○衆議院議員(坂本剛二君) ただいま議題となりました東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び首都直下地震対策特別措置法案について、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。  まず、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  南海トラフで発生する大規模な地震による被害については、これまでの政府による被害想定等から明らかなように、西日本を中心に、東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害が発生し、我が国全体の国民生活、経済活動に極めて深刻な影響が生じる、まさに国難とも言える巨大災害になるおそれがあるものと想定されております。  平成十四年に、議員立法によって、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法が全会一致で成立、施行され、これまでこの法律に基づく対策が着実に進められてまいりましたが、この度の政府の被害想定等により、これまでの想定をはるかに上回る甚大な被害が発生するとされた地域の人々の不安な思いを受け止め、このような巨大災害に事前に対処すべく、早急に国が主導して効果的な予防対策を実施するため、本起草案を提出するものであります。  次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、法律の題名を南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に改めるとともに、南海トラフ及び南海トラフ地震について定義を定めております。  第二に、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を南海トラフ地震防災対策推進地域とし、当該地域の指定に当たっては、内閣総理大臣が科学的に想定し得る最大規模の地震を想定して行うものと規定しております。  第三に、この推進地域の指定があったときは、中央防災会議は、南海トラフ地震防災対策推進基本計画を作成することとしております。  第四に、指定行政機関の長等は、防災業務計画において、一つ、地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備に関する事項、二つ、津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助に関する事項等を定め、これらの事項を南海トラフ地震防災対策推進計画とすることとしております。  なお、市町村防災会議は、これらの事項に加え、津波避難対策緊急事業計画の基本となるべき事項を定めることができることとしております。  第五に、関係指定行政機関の長等は、共同で、南海トラフ地震が発生した場合における災害応急対策等を相互に連携協力して推進するために必要な協議を行うための協議会を組織することができることとしております。  第六に、内閣総理大臣は、南海トラフ地震防災対策推進地域のうち、南海トラフ地震に伴い発生する津波に対し、津波避難対策を特別に強化すべき地域を南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域として指定することとしております。この指定があったときは、関係市町村長は、都府県知事の意見を聴き、内閣総理大臣の同意を得て、一つ、津波からの避難の用に供する避難施設等の整備に関する事業、二つ、集団移転促進事業及び、三つ、集団移転促進事業に関連して移転が必要と認められる施設であって、高齢者、障害者、乳幼児、児童、生徒等の要配慮者が利用する政令で定める施設の整備に関する事業に関する津波避難対策緊急事業計画を作成することができることとしております。  第七に、津波避難対策緊急事業に係る特例として、津波避難対策緊急事業に要する経費に対する国の負担又は補助の割合の特例等の規定を設けることとしております。  第八に、津波避難対策緊急事業計画に基づく集団移転促進事業に係る特例措置として、農地の転用の許可要件の緩和に関する農地法の特例、二つ、集団移転促進法の特例等を設けることとしております。  以上が、本法律案の趣旨及び主な内容であります。  何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。  次に、首都直下地震対策特別措置法案について申し上げます。  首都圏においては、歴史上、関東大震災級の地震が発生以来、八十年ほどを経過すると、マグニチュード七クラス、まさに阪神・淡路大震災と同じクラスの直下型地震が何回か発生するという歴史を繰り返してきました。本年は大正十二年に発生した関東大震災から九十年目に当たります。首都直下地震は、好まぬことではありますが、今日これから起きても不思議ではありません。  戦後の我が国は、大きな地震を経験することもないまま、高度経済成長を背景に、様々なインフラ、高層建築、臨海部のコンビナート、高度情報ネットワークなどを首都圏に造り上げてきました。これらが大きな災害に見舞われたらどうなるか。その対策はまさに喫緊の課題であります。帰宅困難者等の安全確保を図るための措置、木造密集地域対策も大きな課題となっております。  首都直下地震は、大規模な災害であるというだけではなく、我が国の政治、行政、経済等の中枢機能をいかに維持するかということが重要であります。首都中枢機能の維持を図るために必要なライフライン等の基盤の整備や管理を適切に行うなどの措置を講ずる必要があります。  次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、内閣総理大臣は、首都直下地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域を首都直下地震緊急対策区域として指定するものとしております。  政府は、首都直下地震緊急対策区域の指定があったときは、首都中枢機能の維持に関する事項、首都中枢機能維持基盤整備等地区の指定に関する事項等を定める緊急対策推進基本計画を定めなければならないこととしております。  第二に、政府は、緊急対策推進基本計画を基本として、政府及び各行政機関の業務の継続に関する事項、行政中枢機能の一時的代替に関する事項等について定める緊急対策実施計画を定めなければならないこととしております。  第三に、内閣総理大臣は、緊急対策区域のうち、首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備及び滞在者等の安全確保施設等の整備等を緊急に行う必要がある地区を首都中枢機能維持基盤整備等地区として指定するものとしております。  基盤整備等地区の指定があったときは、関係地方公共団体は、共同して、首都中枢機能の維持を図るために必要な事項及び滞在者の安全の確保を図るために必要な事項について定める基盤整備等計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができることとし、認定を受けた基盤整備等計画に係る特別の措置として、開発許可の特例、道路の占用の許可基準の特例等を定めております。  第四に、関係都県の知事は、緊急対策推進基本計画を基本として、石油コンビナート等の改築、補強、木造密集地域対策、帰宅困難者対策等について定める地方緊急対策実施計画を作成することができることとするとともに、住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織のうち、被害軽減を図る上で効果的な活動を行うと認められるものを住民防災組織として認定することができることとしております。  第五に、特定地方公共団体は、単独で又は共同して特定緊急対策事業推進計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができることとし、認定を受けた特定緊急対策事業推進計画に基づく事業に対する特別の措置として、建築基準法上の用途制限の緩和等について定めております。  そのほか、地震観測施設等の整備、総合的な防災訓練の実施、広域的な連携協力体制の構築、財政上の措置等の規定を設けることとしております。  以上が、本法律案の趣旨及び主な内容であります。  何とぞ速やかに御賛同くださいますようにお願い申し上げます。  ありがとうございました。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、磯崎仁彦君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  首都直下地震対策の法案についてお聞きをいたします。  人口と建物が集中する地域で発生する首都圏直下地震は、二〇〇四年の被害想定でも全壊、火災焼失棟数が最大八十五万、死者数が一万一千人という未曽有の大災害として予想されています。こうした被害をでき得る限り抑える、住民の命と財産を守ることを最優先にした対策が求められていると思います。  ところが、この法案を見て私はちょっと驚きました。第一条の「目的」に、首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の命、身体及び財産を保護するためとあるんですけれども、全四十二条のうち、それでは、住民の命を守る、財産を守る、こういうことに密接にかかわるものは僅か二十一、二十二、二十三のこの三条、第五章に定める地方緊急対策実施計画の策定等しかないわけです。しかも、この中には特別措置と呼べるものはありません。法案のほとんどは政府の業務継続、首都中枢機能維持のための基盤整備や再開発のための特例、建築基準法の規制の緩和を行うという中身になっています。  これでは、首都圏直下地震対策とはとても言えず、むしろ首都機能維持のためとして首都圏の大規模開発のための特別措置法案ではないかと、こう思わざるを得ないと思うんですが、提案者の方にお聞きをいたします。

福井照自由民主党

○衆議院議員(福井照君) 今先生御指摘の、住民の生命と財産を守り切るんだと、国家が生命と財産を保障するんだという御指摘、誠にごもっともだと思います。その上で、この法律の中身を若干御説明をさせていただきたいと思います。  今先生御指摘のように、諸計画制度が位置付けられておりますけれども、大きく二つに分かれております。中枢における対策を述べたもの、そして、緊急対策区域全域の対策を述べたもの、大きく二つに分かれております。その中枢にかかわるものは、「行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画等」、第三章でございます。そして、「首都中枢機能維持基盤整備等地区における特別の措置」、第四章でございます。全域の活用が想定されるものは第五章と第六章、第五章は「地方緊急対策実施計画の作成等」、第六章は「特定緊急対策事業推進計画に係る特別の措置」でございます。  確かに、今先生御指摘のように、第五章は三条しかございません。しかし、これは第六章の特定緊急対策事業推進計画に係る特別の措置の規定と相まって緊急対策区域全域での首都直下地震対策の推進が図られるものと考えてございますので、委員御指摘の首都機能維持に限定された法律であるという御指摘は当たらないと考えておりますが、いずれにしても、政府がこの法律を受けて適切に対処することが肝要というふうに考えてございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今、この第六章の特定緊急対策事業推進計画、これも中身を読めばほとんど再開発のための規制緩和を規定しているのかなというような中身になっていまして、住民の命、財産を守ることとどうかかわるのかというのは、これ全く分からないような中身になっているわけですね。  じゃ、もう少し中身についてお聞きをいたします。  法案第七条、首都中枢機能基盤整備等地区ですね。これは、説明をお聞きしましたら、永田町、霞が関などを念頭に置いたものだと。まあ首都中枢機能ですから、この辺りですね、国会やら省庁がある辺りということはそうだろうと思います。この永田町、霞が関という地域は、東京都市計画霞が関一団地の官公庁施設として、建物の配置の方針などを含めて都市計画されています、既に。  さらに、国土交通省官庁営繕部は、社会資本整備審議会の答申を受けて、霞が関地区整備・活用方針というのを持っています。この整備・活用方針を見ますと、皇居や国会議事堂との均衡など良好な都市景観の形成、あんまり超高層を建てないとかという意味も含まれていると思います。危機対応を可能とする施設機能の確保、危機管理のために多様な開放的空間の整備などが盛り込まれていて、私はこれは非常に理にかなった方針だなというように思っています。  ところが、その永田町、霞が関を恐らく念頭に置いたこの首都中枢機能基盤整備、この地域は、十六条から十九条で開発許可の特例、土地区画整理事業の認可の特例、市街地再開発事業の認可の特例、道路占用の認可基準の特例、こういう特例基準を次から次へと設けているんです。今ある都市計画を言わば全く作り替えて、永田町、霞が関を非常に作り替えていくようなものになっていくんじゃないかということが危惧されるわけです。  しかも、法案第八条六では、民間ディベロッパー等が事業の提案を行えるようにしていて、それに伴う規制緩和も行うということが盛り込まれています。非常にこの永田町、霞が関の地区というのは、私は公益性の高い地域だと思います。これ民間がどんどん開発していくような地域ではないと思っていまして、むしろそういう開発に対しては規制を掛けることが必要じゃないかということも考えています。ですから、この法案に対しては非常に違和感があるんですね。  この場ではこの八条六項の提案の仕組みについてお聞きをしたいんです。なぜ、こういう公共性の高い地域に民間ディベロッパー等が事業提案を行えるという仕組みにしたのか、お答えください。

三日月大造民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(三日月大造君) 先生に違和感があると言われたことに私は違和感があるんですけれども。  むしろ、冒頭おっしゃっていただいたように、未曽有の大災害から、起こってはならない未曽有の大災害から首都機能を維持して国民の生命と財産を守るために、民間ディベロッパーの方々も含めて多様な方々に計画作りに参画をしていただき、また必要な事業を行うためにこの規定を設けたところでありまして、先生御存じのとおり、八条の六項、基盤整備等計画、そして二十四条のこれは四項だと思うんですけれども、特定緊急対策事業推進計画、これに提案することができる規定を設けさせていただいているところです。  この基盤整備等計画及び特定緊急対策事業推進計画のあらゆる制度の活用を促進することで、首都直下地震対策の一層の推進を図ることを目的として、趣旨として設けさせていただいているところです。

田村智子日本共産党

○田村智子君 例えば、議員会館も建て直しました、省庁ももう中央合同庁舎がどんどんできて、これ耐震化は完成していると思ってもいいと思うんですよ。これ以上何を民間ディベロッパーを入れてやっていくのか。  法案の中身を見ますと、例えば帰宅困難者が一定期間滞在できる施設とか、あるいは備蓄の施設が必要だと。こういう施設は、例えば、これは民間主導でやると不採算になりますよね。だって、そこに人が集まっちゃったら、ますます帰宅困難者を増やしてしまうことになる。何か一時滞在の場所をつくったとしても、平時にそこを使っちゃ駄目だということになると思うんですよ。備蓄も、備蓄として使うことしかできないはずで、民間主導で果たしてそれが採算の取れるような事業になるんだろうかということは非常に疑問に思います。公共性の高い地域にそんな計画を求めるんだろうかと、それはむしろ国が責任を持って必要なことをやるべきじゃないか、これは指摘をしておかなければならないと思うんです。  更にお聞きをしたいのは、特定緊急対策事業推進計画、これも同様のような規定があるわけです。この特定緊急対策事業の方は、首都直下地震に係る地震防災対策の円滑かつ迅速な推進を図るための計画って非常に漠としていて、言わば何でもありのような感じなんですよ。そこにも民間等からの提案の仕組みが設けられている。こちらはもっと露骨で、特別措置の適用を受ける事業であれば何でもよいということになっちゃうんですね。そうすると、首都直下地震への対応を名目として民間ディベロッパーの開発事業がどんどん促進するということになりかねない。  ここでお聞きをしたいのは、第八条六項の提案をした者は、首都中枢機能維持基盤整備等協議会、このメンバーになれるのか、また二十四条四項の提案をした者、民間ディベロッパーなどが提案できると、そういう提案をした者は地震防災対策推進協議会のメンバー、構成員になれるのかどうか、これ、お聞きしたいと思います。

三日月大造民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(三日月大造君) 端的にお答えすれば、いずれも構成員となれるということを想定しております。  この基盤整備事業等若しくは特定緊急対策事業を実施する者、される方々ですね、また、これらの事業等実施に密接な関係を有する者、方々ですね、これは地方公共団体に対して、先ほど先生御指摘いただいたように、基盤整備等計画又は特定緊急対策事業計画に係る内閣総理大臣の認定を申請を提案することができる。こういった方々は、それぞれ首都中枢機能維持基盤整備等協議会及び地震防災対策推進協議会、この協議会の構成員となる旨を規定させていただいているところでありますし、また、この基盤整備事業等又は特定緊急対策事業を実施しようとする者だけではなくて、実施し又は実施すると見込まれる者も含めて協議会の構成員となることを想定させていただいております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 そのとおりなんですね。民間ディベロッパーなどが構成員になり得ると。しかも、これ規定を見ますと、この二つの協議会、これは開発の提案をした者、事業の実施者、こういう人たちが構成員として入っていない場合には、入れてほしいと要求もできる規定があります。その要求に対して、正当な理由がなければ計画を策定した地方公共団体は拒めないということにもなっています。これ、正当な理由というのはなかなか難しくて、反社会的団体だとか、そういうのでなければまず拒むことはできないというふうに思うんですね。そして、この協議会での協議が調えば、その結果を尊重する義務が今度は地方公共団体に課せられると。まさに民間主導で様々な開発が進んでいくような仕組みが何重にもつくられているというふうに言わなければならないと思うんです。  衆議院の議論の中では、国が定めた計画等に沿って行うからこれは大丈夫だということも言われているんですけれども、この間、この東京都で行われた様々な都市再生と言われる事業を見ても、それは国が言わば認めているような事業ばかりだと思います。その結果、どうなったか。超高層のマンションが次々と建てられる。その中には、さきの東日本大震災では地震の揺れと共振をしてしまって破断を起こしたようなマンションも出てくると。どんどん人口密集が広がる、昼間の人口もどんどん広がっていくと。もう一極集中どころか、それをどんどん加速させるようなことを、この間、現に民間ディベロッパーはこの首都圏でやってきた、このことをしっかり見なければならないと思うんです。  災害対策上、人口と経済の集中という大都市特有の課題、これをやっぱり本来解決していくためには、どんどん民間ディベロッパー主導にするのではなくて、逆に、これは本来規制を掛けていくような法案でなければならないと思うんですけれども、私が今言ったような危惧、大規模開発を促進する、そういうお墨付きを与えるものになるんじゃないのか、このことについてはどうお考えですか。

福井照自由民主党

○衆議院議員(福井照君) 私、都市計画が専門なのでその観点から反論をしたいところでございますけど、今日は法律の議論でございますので、この法案で、今先生御指摘のことに対して、もう一度事実関係を整理させていただきたいと思います。  まず、先生御指摘の基盤整備等計画とか特定緊急対策事業推進計画につきましては、事業を実施しようとする者が、地方公共団体に対し、これらの計画について内閣総理大臣の認定を申請することについて提案できるというのが第八条第六項第一号、第二十四条第四項第一号、先生御指摘のとおりでございます。また、この認定を受けたこれらの計画に基づいて実施される事業については、それぞれ開発許可の特例、用途制限の特例が適用されると予定をしています。  しかし一方で、内閣総理大臣の認定を受けるには、緊急対策推進基本計画に適合するものであること、そして、基盤の整備などの円滑、迅速な推進や、地震防災対策の円滑、迅速な推進などに寄与するものであることなどの基準に適合することが必要であって、提案にかかわる計画について認定を受けることができないと見込まれる等の場合には、地方公共団体は申請しないこととすることもできると、提案があっても申請しないことができるということが規定をされております。このため、提案があってもその内容が、委員御指摘のような首都直下地震を名目にした大規模開発であって、首都直下地震対策として不適切なものであれば、認定基準を満たさないものとして認定を受けられず、各種法律の特例の適用は受けられないことになるわけでございます。  いずれにしても、この法律に基づく諸計画で、冒頭、先生御指摘の、首都圏に御在住の日本国民の生命、財産、そしてたまたまその瞬間にいらっしゃったツーリストの皆さんが全員助けられるように、全員避難できるように、そういう強いしなやかな首都を目指して適切に政府が対処いたしますことを監視することはこの国会の役割だというふうに感じております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 民間ディベロッパーなどの提案は、これ遅滞なくすぐに地方自治体は判断しなきゃいけないという規定があるわけですよね。そうすると、コストパフォーマンスが、むしろ自治体がいい案を出したりとか、それを検討して、これはこういう理由で不当だなんていう理由ができない限りは、これは申請を受け入れなきゃいけないという規定だってあるわけですよ。そういう意味で、私が言ったような指摘が全く当たらないということは当たらないんじゃないかというふうに言わなければならないと思います。  時間がないので次に進みますが、一方で、先ほども参考人質疑の中で一番強調された住宅の耐震化などの事前防災、これはこの法案の中で非常に不十分だなと思わざるを得ないんですね。地方緊急対策実施計画に様々な事項を定めることができるというふうになっているんですけれども、これ、では、特別措置法という名にふさわしく、地方緊急対策実施計画によって新たに関係都県は何か特別なことができるようになるということになるんでしょうか。

小宮山泰子生活の党

○衆議院議員(小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。  関係都県の知事が当該計画を定めることにより、首都直下地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域である緊急対策区域において、具体的に、いかなる対策をどのように講じ、例えば高層建築物や地下街、石油コンビナート等の補強などでございますが、首都直下地震が発生した場合に生ずるおそれがある著しい地震災害の発生をいかに防止し又は災害を軽減していくかが具体的に示されることとなります。  また、国は関係都県に対し、地方緊急対策実施計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報提供、助言そのほかの援助を行うよう努めることとして、第二十二条においてしております。これらの措置により地方緊急対策実施計画に定められた施策の推進が図られることになると考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 施策はそうなんですけど、そういう新しいものはないんじゃないかと言わざるを得ないんですよ。  昨年、自民党が提出した法案、同じ中身の法案ですね、これの中では、地方緊急対策実施計画に対して交付金とか補助率のかさ上げという措置が具体に盛り込まれていたわけです。ところが今回の法案ではそれが入っていないと。だけど、衆議院のやり取りの中では、いや、それは被害想定が出たらできるようにするんだという、そういう御答弁もあったので、それは是非入れてほしいので、あえてここでは同じことはお聞きはいたしません。耐震化、不燃化の措置として一千億円を想定していたというような答弁もありましたので。  それでは、ここで防災担当大臣にお聞きをしたいんですけれども、では、こういう法案ができて、衆議院でそういう答弁もあったと、一千億円ぐらいの予算措置が必要だという答弁もあったと。被害想定が出たら当然、木密地域の耐震化や不燃化の促進など、新たな財政措置や法制上の措置、これ、とるということになると思うんですけれども、いかがですか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(古屋圭司君) 木密地区における耐震化とか不燃化は極めて大切ですね、同感です。  従来から、耐震化にかかわる取組としては、住宅の耐震改修に関して補助を行う場合は国から社会資本整備総合交付金であるとか防災・安全交付金を活用して支援を行っていますね。実際、不燃化等にかかわる密集地域の改善整備の取組としては、延焼を遮断する効果のある例えば道路を整備するとか、避難路の確保とか、老朽建築物を除却をしていくとか建て替え、こういったものを社会資本整備総合交付金とか防災・安全交付金、こういったものを活用して支援を行っています。  今御指摘の、実際この法律ができたらどうなるのかと。これは政府による緊急対策推進基本方針であるとか地方による地方緊急対策実施計画などの作成、そしてその推進状況などを踏まえまして、じゃ、財政措置の在り方について、これは今後関係機関と調整の上、検討していくということになると思います。  そこで一番大切なのはやっぱりこの木密対策で、私、現実に板橋区、これは東京都ですから委員も御承知だと思いますけれども、大変首長さんが非常に先進的に取り組んでいますね。だから、そういう意味では、この木密対策を行うには首長の意欲とリーダーシップと、これ非常に重要なんですね。ですから、私は関係首長の行動力に期待をしたいと思いますし、そういった先進的な首長さんにはしっかり国としてもできるだけの支援をしていくということは当然のことだと考えています。

田村智子日本共産党

○田村智子君 時間になっちゃいまして、一言だけ、済みません。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 田村智子君、おまとめください。

田村智子日本共産党

○田村智子君 答弁が大変御丁寧でちょっと質問を残してしまいましたが、この住宅の耐震については、耐震化そのものについては地方緊急対策実施計画の中に書いてなくて、耐震診断の促進にとどまっていると。私、ここでも非常に、一番求められていることが結局自己責任にされちゃっているんじゃないかということもこれ指摘をしなければならないと思います。  以上です。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、首都直下地震対策特別措置法案に対しては反対、東南海・南海地震特別措置法改正法案に賛成の討論を行います。  東京など首都圏においては、超高層ビル建設を柱とする都市再生などが進められ、一極集中の是正どころか新たな投資と開発が集中的に行われてきました。一方で、木造住宅密集地の住宅等の不燃化、マンションや雑居ビルなどの耐震化・老朽化対策は大きく立ち遅れています。首都直下地震対策は、このような首都圏の災害被害の拡大を招く具体的な課題を着実に解消することが求められています。  反対の理由の第一は、首都圏の居住地域である市街地の対策を地方自治体任せとしていることです。  法案は、首都直下地震が発生した場合に、国民の生命、身体及び財産を保護するため、緊急対策区域を指定し、指定が行われた関係都県知事は地震防災対策等に必要な事項を地方緊急対策実施計画として作成できることとし、国は情報の提供、助言等の支援を行うとしています。しかし、大規模施設の管理事業者への規制や指導権限、住宅耐震化に不可欠な支援措置などは一つもありません。災害対策基本法に基づく地域防災計画とは別に、新たに地方緊急対策実施計画を策定することの意味が問われることになります。  第二は、首都直下地震対策を名目にして、新たな大規模開発の根拠となりかねないことです。  基盤整備等地区の関係地方公共団体は、共同で都市基盤の整備、滞在者の避難道路や一定期間退避できる施設、水や食料の備蓄施設の整備などを盛り込んだ基盤整備等計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができるとされています。計画が認定された場合、都市開発法の開発許可を始め、面的整備にかかわる一定の規制を緩和することになります。これでは東京一極集中の是正どころか、大規模開発によって地震災害に対する脆弱さを更に増大させると言わなければなりません。  第三は、事業者、大手ディベロッパーの開発計画が首都中枢機能の維持を名目に促進される可能性が高いことです。  法案は、基盤整備等計画の作成及び実施の機関として首都中枢機能維持基盤整備等協議会を組織することとしています。その構成員として、基盤整備事業等を実施し又は実施すると見込まれる者、また作成しようとする基盤整備等計画又は認定基盤整備等計画及びその実施に関し密接な関係を有する者は自己を構成員として加えるよう申し出ることができること、さらに、正当な理由がある場合を除いて関係自治体は構成員として加えなければならないこととしています。また、これらの者は関係自治体に計画の認定申請を提案できるとしていますが、自治体は、その提案を拒否する場合はその理由を明らかにしなければならないとしています。大手ディベロッパーなどが自前の計画を提案すれば、その計画よりコストパフォーマンスなどの点で優れた計画がある場合を除いて自治体側が拒否することは困難と考えられます。  東京一極集中の是正とともに、住民の生命、財産を守るための予防対策こそ最優先に進めるべきことを要求して、反対討論を終わります。

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、首都直下地震対策特別措置法案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹谷とし子公明党

○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十三分散会

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