議院運営委員会 第4号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2013/10/30
会議録
○委員長(岩城光英君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 検査官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・会計検査院長河戸光彦君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩城光英君) 次に、検査官の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。河戸光彦君。
○参考人(河戸光彦君) 河戸光彦でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。 我が国の社会経済については、景気回復の兆しを感じつつも、引き続き、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、東日本大震災からの復興、財政の健全化等の課題が山積しております。 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえつつ、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。 会計検査院の組織は、意思決定を行う検査官会議と検査を実施する事務総局で構成されており、三人の検査官から成る検査官会議は、合議によって会計検査院としての意思決定を行うほか、事務総局を指揮監督しています。 私は、昭和五十一年に会計検査院に採用されて以来三十七年間、事務総局の一員として会計検査業務にかかわり、事務総局の業務全般を統理する事務総長を二年四か月務めた後、本年三月五日に両院の御同意をいただいて検査官に就任し、以降、会計検査院の意思決定に携わり、現在まで約八か月にわたって会計検査院に課された使命を果たすよう職責を担ってまいりましたが、その職責は極めて重いものと感じております。また、去る八月八日には、内閣から会計検査院長に任命されております。 私は、検査官として、前回の所信で述べたことを肝に銘じ、現在の社会経済の動向、また国民の関心や国会での御審議の状況などにも注意を払って検査官の職務に専念してまいりました。この間、東日本大震災等の被災者のための災害公営住宅の整備状況についてなど八件の国会及び内閣への随時報告、東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する支援の実施状況を始めとする五件の国会からの検査要請に係る検査結果の報告などについて、検査官として会計検査院の意思決定に関与してまいりました。 そして、現在は、平成二十四年度決算検査報告の最終的な取りまとめに他の検査官や事務総局とともに精力を傾けて取り組んでいるところであります。また、会計検査院長として先月に平成二十六年次会計検査の基本方針を取りまとめましたが、その中でも国会における審議の状況に常に留意するなど、これまでと同様に引き続き国会との連携に努めることとしております。 仮に検査官に再び任ぜられるとするならば、これまでの会計検査に関する実務で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、引き続き、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって、国民の会計検査院に対する期待にこたえ、検査官の職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。
○委員長(岩城光英君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岩城光英君) 速記を起こしてください。 これより候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構です。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○小見山幸治君 おはようございます。民主党の小見山幸治でございます。 河戸光彦参考人におかれましては、本日、大変お忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。では、早速質問に入らさせていただきます。 検査官三人のうち、二人の検査官には監査法人出身の公認会計士及び公会計の分野に精通した民間の学識経験者が就任されています。唯一、河戸参考人は行政経験を持ち、さらには会計検査院をよく知るお立場として、また会計検査院事務総長から検査官、院長というお立場になって、果たすべき役割、そしてどのようなことを意識してこの八か月余りをお務めになられたのか。今後もしそのまま継続されるということであれば、どういうことを意識してこれからも役割を担われるのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 三月五日に検査官に就任して半年余りが経過しましたけれども、その間、災害公営住宅など八件の国会及び内閣への随時報告、原子力損害の賠償に関する支援の実施状況など五件の参議院決算委員会からの検査要請に対する報告を行うとともに、現在、平成二十四年度の決算検査報告の取りまとめを行っているところでございます。 再任されることになるのであれば、引き続き国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなどして、国民の会計検査院に対する期待にこたえていきたいというのが現在の抱負でございます。
○小見山幸治君 会計検査院の平成二十五年次の基本方針には、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性などの観点から検査を行うことが明記されており、特に近年の厳しい経済情勢にも鑑みて、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視するとされています。 しかしながら、我が国は、財政は厳しい状況にありますし、本格的な人口減少も進み、少子高齢化を伴う社会保障費の増大、地球環境問題等の難しい課題にも直面しております。一方で、先ほどもお話がありましたように、東日本大震災からの復興もあり、必ずしも正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性等に当てはまらない部分も出てくるのではないかと思いますが、この点についてはいかがお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま御指摘のように、会計検査院の検査の観点というのは、会計検査院法の規定にございますが、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性といった観点でございます。これは、平成九年に現在の会計検査院法が改正されました際にこの観点が明記されました。 そのときに、その他必要な観点ということも書かれております。それはまさに、今御指摘のように、単に経済性、効率性というだけでなく、様々な政策に要求される観点、こういったものも重要になってきていると思います。最近、我々の方では、明記はされていない観点でございますが、やっぱり公平性の観点という面も必要になってきているのではないかと思っております。そういった多様な観点からの検査を引き続き行っていく必要があるのではないかと現在考えておるところでございます。
○小見山幸治君 河戸参考人も御存じのように、参議院は決算重視の参議院と言われていますが、いまだに平成二十三年度の決算について、本会議での報告、質疑は終わったとはいえ、委員会での質疑がなされていません。時期的に言えば来月にも平成二十四年度決算も審議に入っておかしくない時期が来ていますけれども、このようなことについて河戸参考人はどのように思われるのか、是非御意見を伺いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 現在のように会計検査院の検査報告を十一月の上旬に国会に提出するようになりました経緯は、参議院からの御要請がありまして、平成十五年度の決算からこういう形になっております。それは、参議院で先ほどおっしゃいましたように決算審査を予算編成に反映させるべきではないかという御議論がありまして、当時は十一月の下旬に検査報告を出しまして、決算審議は通常国会になってから行われておりましたので、それでは予算編成になかなか間に合わないではないかという御議論がございました。 したがいまして、現在でも臨時国会が開かれております十一月の中旬に決算が国会で御審議していただけるのであれば次年度の予算編成に決算審査が反映できると、こういった理想的な姿になるのではないかと思います。ただ、国会の御事情で審議が遅れているという点につきましては、私から意見を申し上げる立場にないと思っております。
○小見山幸治君 ありがとうございます。 では、続きまして、次の質問に移りたいと思います。 会計検査院法第五条によれば、再任が一度限り、また満六十五歳に達したときは退官ということが明記されているわけでありますが、河戸参考人の場合は、このままいけば任期七年の途中で二年を残して退官されるということになるわけでありますが、任期を全うされないという状況の中で今指名されている状況についてどのように感じておられるのか。また、前任の方もたしか三年半ほどで年齢が来たということで退官をされました。それから新しく任命されるまでに四か月ほど掛かっています。 そういう状況も踏まえながら、お考えがあれば是非お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 検査官の任命は内閣で行いますので、候補者の私から申し上げる立場にはございませんけれども、今御指摘のように、検査官の任期は七年、それともう一つ、六十五歳という定年がございます。先ほどのように、近年の例は七年の任期を全部全うできるような年齢で任命されていないということもありまして、結果的に六十五歳の定年の方で任期が終了するという状況になっております。これは、検査官候補者の年齢が相対的に高齢化してきているという状況もあると思いますけれども、私としましては与えられた任期を懸命に務めてまいりたいと考えているところでございます。
○小見山幸治君 ありがとうございます。 与えられた時間が十分しかありませんので、時間が来ましたので、これで私の質問は終了させていただきます。 どうもありがとうございました。
○真山勇一君 みんなの党の真山勇一です。 河戸参考人、どうも朝早くからお疲れさまでございます。私も何点かお話をお伺いさせていただきたいというふうに思います。 今伺って、昭和五十一年に会計検査院に入られてからもう長いことずっとこの同じ職場でお仕事をされてこられたということをお伺いしました。そして、もし今回これで再任されれば、またあともうしばらくこのお仕事を続けていただくということになるんですけれども。 今お話、非常に河戸参考人は淡々と今意見を述べられましたけれども、やはりこの長いお仕事の間にいろんなことがあったと思いますし、そしてやはり河戸参考人ならではのいろいろな経験もされてきたというふうに思うんです。この機会に是非、検査院に長く身を置いてこられたということを踏まえてお話を聞かせていただきたいと思うんですけれども。 一般的に言うと、お役所というのはどこも保守的ですし、それから縦割り行政というようなことも言われておりますね。そういうことでなかなか変わらないということも言われているんですけれども、変えられないということもあると思うんですが、会計検査院におられて、今もおっしゃられたように、大きな時代のうねりの中で検査院の役割というのも変わってきたということをおっしゃっていましたけれども、この時代の流れの中で会計検査院変わったなというふうに河戸参考人が感じられることですね、長い間の経験の中で、あるいは一方、ううん、やっぱりこの長い中でなかなか変わらない、変えられないこともこういうことがあるなというような感じられていること、それをまずお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 御質問ありがとうございます。 私は、先ほど所信でも申し述べましたけれども、昭和五十一年に会計検査院に採用されて以来、三十七年間にわたって会計検査の実務に携わってまいりました。 先ほどお話がありましたように、会計検査院の役割がどういうふうに変化してきたかということについて申し述べますと、実は、私が入る前からの話をちょっとさせていただきますと、戦後今の会計検査院の制度ができまして、やはり戦後の混乱期ということもありまして、例えば地方の補助金等、非常に経理が紊乱しておりました。したがいまして、その時期は補助金の指摘を数多くやっておりました。その結果、昭和三十年に補助金適正化法という法律が作られることになりました。これは、会計検査院の検査成果がそのまま法律に反映してきたかと思っております。 そうしますと、三十年代に入りますと、ややそういった不適正な経理が落ち着いてまいりましたので、その後はやっぱり公共事業とか、そういったものの有効性、経済性と、こういった観点からの検査に移ってきました。 先ほど昭和二十年代の話しましたけれども、それはまさに合規性とか正確性といった観点からの検査でございましたが、最近では非常に、例えば公共事業の費用便益分析、こういったものも手掛けるようになりましたので、まさに個々の会計経理、会計帳簿の付け方の良しあしというだけではなくて、事業の効果、まさに有効性の検査というものが非常に力が入れられるようになってきたと思っております。現に私どもの検査報告の流れを見てみますと、そういった形で有効性の、経済性、スリーEという検査の観点でございますけれども、そういった流れになってきたかと思っております。 もう一点、検査院の活動がどういうふうに変わったかということでございますが、私が入りました昭和五十一年ごろの検査報告は数百ページぐらいだったんですけれども、今はもう千数百ページと非常に分厚くなっておりまして、中身が非常に濃くなってきたというふうに感じております。 大体、最近の私の経験上は、非常に、検査報告の時期に、検査も、例えば実地検査に行って、私自身も実地検査たくさん参りまして、例えば中央省庁の方よりもむしろ現場を見ているのではないかと思うような感じがいたします。そういった形で、現場を見ながら制度の実態を調査してきたという状況でございます。 そういったことで、我々の検査が机上の理論ではなくて、現場を見た結果を示してきているのではないかというふうに思っておりますので、検査の中身も非常に変化してきたなというのが私の印象でございます。
○真山勇一君 今伺って、変わらなかったところは何なのかというのはちょっと、伺っていたんですけれども、ちょっと時間がないので先へ行かせてください。 今おっしゃったように、やはり検査の非常に作業が大変になっているなということを感じるんですけれども、何といっても会計検査院というものに対する国民の期待、国民が持っているものというのは、やっぱり国民が納めた税金を無駄遣いしてほしくない、もうそれをしっかりと監視してほしいということが一番大きなことだというふうに思うんですね。 ただ、その一方で、なかなか多くの問題点、例えば不適正経理などを見付けても、是正改善求めても、その多くの問題点というのはなかなか解決しなかったり減っていかないというようなこともあるというのもやはり現実ではないかというふうに思うんですね。 その中で、会計検査院法の三十三条でしたね、検察に通告するという制度がありますね。これはもちろん不正とか疑惑があれば通告するということなんですが、こうした制度があるんですけれども、大分以前にあったようには伺っているんですけれども、今のところ長いこと発動されていない。当然、その嫌疑がなければそれはもう当然のことなんですけれども、ただ、憲法上独立した機関に与えられている、これ、言わば伝家の宝刀というか、そういうふうな見方もできると思うんですね。これが抜かれない状態、使われない状態が長いこと使われているということについてはどういうふうに思われるでしょうか。 そして、やはり是正改善ですね。これ、より効果的にするために何かもう少し、今の規則の中の強いものとの間の、もう少し効果の上がるような何か制度というのを今のこの肥大化、複雑化している検査体制の中で必要というようなことを感じておられるかどうか、その辺の意見を伺いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま御指摘のように、会計検査院法第三十三条の検察庁への通告という手続につきましては、御指摘のように、発動したことはございますけれども、最近はやっていないという状況は事実でございます。 これは、各府省におきまして不適正な経理、不正行為等が発見されれば、当局において直ちにそういう手続を、手当てをされるという実情がございまして、私どもがそういった会計検査院法三十三条に基づく手続を取る前に是正されているということが現実だと思っております。 ただ、お話のありましたように、現実にそういった是正されないような事実を発見したときは、法律にのっとって適正に手続を行うのは当然でございますので、そういった姿勢で臨んでいきたいと思っております。
○真山勇一君 そして、もう一つの伺ったことなんですけれども、やはり正確性とか効率性とか有効性ということはありますけれども、やはりもう少し、例えば検査体制というのを有効にするため、なかなかやはり是正なんかを求めても、まあ毎年毎年繰り返されちゃう部分というのはあると思うんですね。そういう辺りを何か改善するようなお考えというものを何かお持ちでないかということもちょっと伺いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 会計検査院法の二十九条には、会計検査院法三十四条と三十六条に基づいて意見を表示し、処置を要求した事項については、毎年その是正が完結するまで、それがどういうふうになっているか、フォローアップをすることが法律に明記されております。それ以外にも、不当事項あるいは処置済事項につきましても我々フォローアップの検査を必ずやっておりまして、我々の指摘が検査報告で指摘しておしまいということではなくて、必ず最後まで是正されるのを見届けることまでやっておりますので、その辺はしっかりやっていると考えております。
○真山勇一君 国民の期待というのも、やっぱり会計検査、財政の健全化という中で大変大事だと思いますので、是非、再選されましたら、残りの任期、全力で当たっていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 これまでもお話が出ましたけれども、会計検査院は、憲法九十条、会計検査院法によって、何より内閣に対する独立の地位に立って国の決算及びあらゆる行政機関に対して何のタブーなくメスを入れる、検査のメスを入れるということが求められているわけですが、参考人の長年の検査業務や検査院の運営に当たってこられた中で、検査への壁にぶつかって、それを乗り越えてメスを入れたと、そうした御経験がありますでしょうか。 どんな御経験があるかということと、そうした実務経験も踏まえて、会計検査院の国民に対する責務、言わば検査官魂といいますか、そうしたものについてお考えがあればお聞かせいただきたいと思うんですが。
○参考人(河戸光彦君) 検査の壁というものは、現実にどういうものになるのか、ちょっと私としては考えが及ばないところでございますけれども、私ども、先ほどちょっと申し上げましたけれども、検査は書類を見るだけでなくて、現地に行って実態の様子を見て、その結果、正すべきところは正すという考えで検査を行ってまいりました。 一方で、会計検査院法の中には第二十六条という規定がございまして、検査を受ける側に対しまして質問とかを発したり、いろんな権限が認められております。そういった際に、現場ではなかなか我々の議論とかみ合わないといいますか、いろいろ議論をされることがございます。これは当然、行政庁としてどういう責任を持ってその業務をやってこられたかということをお聞きするわけですから、我々の意見と異なるときがございます。それは真摯に受け止めて、我々の検査結果とどういうふうに是正すべきかという議論を闘わせます。 そういった過程で、やはり若干時間が掛かることが今までも経験をしてきておりますけれども、我々、真摯に、まさに国民の税金を使っているという、これを正すという意識で検査しておりますので、受検庁の方においてもそういった考え方をいろいろ理解していただく、説得する、こういった形で先ほどちょっと、エネルギーを使ったことがございます。 そういった面で調査官は現場ではいろいろ苦労することがあるんではないかと私も現在思っております。
○仁比聡平君 時間を使う、エネルギーを使う、現場で苦労されるというその言葉の裏というか背景に、巨悪に切り込むという、やっぱりそうしたものが国民から期待されているのではないかと。だからこそ、今お話がありましたが、帳簿や書類その他の資料提出や報告の提出を求める権限だとか、質問や出頭を求めるそうした権限を与えられているということかと思うんですね。 そうした検査を進めていく上での観点について先ほどもお話がありましたけれども、さきの通常国会で、河戸参考人とは別の検査官候補の参考人の方が、従来の会計検査院というのは正確性、合規性、これはもちろん基本のキだが、そちらに重点というか、主にフォーカスを当てた検査をしていた、それはそんなに昔のことではなく、検査の観点にスリーEが入ったということなので、今はその意味では過渡期ではないかと、そうした御発言があったんですね。 この過渡期という表現を使うかどうかは別段として、参考人は、正確性や合規性のみならず、経済性、効率性、有効性、その他会計検査上必要な観点から検査を行うという法二十条の任務についてどのように具体化をしていかれるか、そのためには、検査官やあるいは検査院長お一人でできることではないと思いますから、どのような体制をつくっていくことが必要かという点についてお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 先ほどの御質問にちょっと答えたときにも申し上げましたけれども、基本的に国の会計経理が紊乱している時代については、まさに会計法規にのっとった処理をしていただくという意味で合規性の観点の検査が中心でございました。それは昭和二十年代ぐらいまでの話でございます。会計検査院は割と早いうちから経済性、効率性、有効性の観点の検査をずっと着手してきておりまして、現実にもう昭和三十年代ぐらいからそういったものの検査を進めてきております。 ただ、最近は、平成十四年から政策評価法ができまして各府省の方で政策評価をされる、そういった形で資料がいろいろ整理されてきておりますので、そういったものがその資料のとおり現実にどういうふうに動いているかといった検査も我々最近よくしておりまして、例えば道路とか河川とか農道とか、いろんな面での費用便益分析について検査にも最近は取り組んでいるところでございますので、まだ過渡期という、御趣旨がちょっと分かりにくいんですけれども、先ほど申し上げました経済性、有効性、効率といった観点からの検査はもうかなり歴史があるものと思っております。 ただ、最近は、先ほど若干申し上げましたけれども、さらにそれ以外の観点、公平性と先ほど申し上げましたけれども、そういった新たな観点の検査も必要になってきているのではないかと感じております。 それから、検査の体制についてお話がございました。 私どもの組織も国の行政機関の一つでございますので、国の財政状況に沿って予算と人員が割り当てられております。その中でいかに検査能率を上げていくか、検査効率を上げていくかということで、職員の能力を向上させることが一番有効ではないかと思っておりますので、検査方法の調査研究、こういったものにも十分取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。
○仁比聡平君 最後に、今お話のあったその公平性という観点についてなんですが、この公平という言葉は様々な意味に使われる多義的な言葉でもありまして、これが行政や決算の在り方について語られるときに、私はやっぱり実質的な公平といいますか、国民の福祉をしっかり守ること、向上させることということがやはり行政の任務であるという観点から考えられるべきではないか、そういう観点から費用対効果あるいは有効性だとかということも考えられるべきではないかと思うんですが、その公平性という言葉の意味合いですね、少し語っていただければと思います。
○参考人(河戸光彦君) 公平性と申しましても、例えば租税制度についての公平性というものもございますでしょうし、いろんな社会保障制度についての公平性というものもあると思います。 ただいま委員が御指摘のように、まさに国民の福祉に沿った形での考え方でそういった行政が行われていると思いますので、そういった御議論は非常に重要な御指摘だと考えております。
○仁比聡平君 ありがとうございました。
○長谷川岳君 自由民主党の長谷川岳です。 三点、質問をさせていただきたいと思います。 先ほど河戸参考人から、我が国の社会経済について、財政の健全化等の課題があり、会計検査院としてはこのような社会経済の動向を踏まえつつ会計検査を行っていく旨の所信がありました。 御承知のとおり、我が国の財政は、公債残高が増加の一途をたどり平成二十五年度末には約七百五十兆円に達すると見込まれており、二十五年度の一般会計予算における公債依存度は約四六%、公債償還等に要する国債費の一般会計歳出に占める割合は約二四%となっています。 このような中で、政府においては、財政健全化に向けて、国、地方の基礎的財政収支を黒字化することなどを目指して、徹底した無駄の排除により効率的、効果的な公的部門の構築等に取り組むことが大変重要になってきていると思います。 このように、財政の健全化が課題となっており、また予算の執行結果等の厳格な評価、検証、国民への説明責任の履行の徹底などが求められる中で、会計検査院の役割は一層重要なものになってきていると思います。財政健全化が求められる中での会計検査院の役割について、具体的にどのような認識を持っておられるかをまずはお聞かせを願いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま御指摘のように、増税を含めて国民の負担増が議論される中で、行政にはコスト意識を徹底して無駄を排除していくことなどが財政の健全化を推進していく上で求められているものと認識しております。 したがいまして、不正経理の問題に取り組むとともに、政策目的の達成状況や政策目的を達成するプロセスについて、経済性、効率性及び有効性の観点からの問題を指摘していくことが会計検査院に課せられた使命であると考えております。そして、この使命を果たしていくためには、政策や事業が有効に機能していないとか効率的に行われていないなどの事象が発見された場合に、これらの原因を徹底的に究明して、その結果、予算や制度上の問題が認められれば、会計検査院法第三十四条や三十六条に基づきまして積極的に改善の処置を要求したり意見を表示したりすることが特に求められているのではないかと考えております。 このような取組を十全に果たすことで、会計検査院としても財政の健全化に寄与していくべきだと考えております。
○長谷川岳君 二つ目の質問は、国会と検査院の関係又は連携について伺います。 会計検査院は内閣から独立して政府の活動を会計経理の面から検査しているわけですが、政府の活動をチェックするという点では国会と同じ機能を有していると思います。 特に、今日は参議院の議院運営委員会に来ていただいているというわけですが、参議院は予算執行の結果である決算を徹底的に審査するという決算重視の姿勢で取り組んできております。例えば、会計検査院から出される検査報告を受けて、内閣に対する警告決議あるいは措置要求決議を行って、不適正な事態の是正や適切な措置を講ずるよう求める決議を行うなど、決算の審査に非常に力を入れて取り組ませていただいているところであります。 そういう意味で、会計検査院の果たされている役割と我々参議院の果たしている役割の中に連携できる点も非常に多くあるのではないかと思っておりまして、河戸参考人として、会計検査院と国会、特に参議院との連携についての認識、今後の抱負について御披瀝願いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま御指摘のように、会計検査院は内閣から独立した憲法上の機関としまして、国の会計検査を実施して、その結果に基づきまして検査報告を作成して内閣を通じて国会に報告するという重要な使命を課せられております。国会との関係は極めて重要であると認識しております。 国会との関係ということでは、これまでも、国会からの要請を踏まえた検査報告の内閣送付の早期化、参議院決算委員会からの国会法第百五条に基づきます検査要請に係る検査の着実な実施、国会における予算審議等の充実に資するために、国会及び内閣への随時報告等の取組を行ってきておるところでございます。私が検査官に就任した以降においても、五件の検査要請に係る報告、八件の随時報告を行っているところでございます。 今後とも、検査に当たっては、まず国会における審議の状況に常に注意を払うことが大切であると考えております。また、国会からの検査要請があった事項を検査するに当たりましては、国会における審査又は調査に資するものとなるように、要請の趣旨を十分踏まえて、必要な調査内容を盛り込むなど的確に検査してまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 三つ目の質問は、検査院の機能強化に関する認識や方針について伺います。 行政に関する不正経理、非効率な予算執行などに対する国民の目は極めて厳しいものがあると思いますが、この点において会計検査院への期待は非常に大きいものがあると思います。 しかしながら、直近の平成二十三年度の決算検査報告を見ると、検査院が不適切な会計経理であると指摘した全体の指摘金額は五千二百九十六億円に上っている一方、全検査対象箇所に対する会計実地検査の実施率は一〇%に足らず、検査院自身が検査上重要な箇所としているところの実施率ですら約四三%にすぎません。また、行政も複雑多様化してきており、会計検査も常に行政の変化に対応していくことが必要かと思います。 検査院の検査機能を充実強化する施策としては、人員の強化そして権限の強化などが一般的に考えられるところですが、河戸参考人はどのようにして検査院の機能を強化して国民の期待にこたえられていかれるのか、決意も含めてお答えを願います。
○参考人(河戸光彦君) 先生御指摘のとおり、社会経済の複雑化とそれに伴います行財政の変化に対応しまして、新しい検査手法の開拓を行うなど検査能力の向上を図ることが必要であると考えております。このためには、検査手法や検査領域を多様化するための調査研究、専門分野の検査に対応できる人材の育成、それから、民間の実務経験者、公認会計士やITの専門家などの採用など、引き続き努めていくことが重要であると考えております。 一方、人員の増強につきましては、現在の財政状況を勘案しますと、会計検査院も政府の一員として一定程度合理化に協力していく必要があると考えております。したがいまして、国民の関心や国会での御議論を踏まえまして、機動的、弾力的に検査体制を構築することによりまして、現在の人員をできるだけ効果的に活用して検査成果を上げていきたいと考えております。
○長谷川岳君 質問を終わります。 ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。 河戸参考人、本日は、お忙しい中、ありがとうございます。 私の方からは三点お伺いをいたします。 まず初めに、参考人のこれまでの実績に対する御自身の評価、また再任に向けた抱負をお伺いしたいと思います。 本年三月の検査官任命から約八か月が経過をいたしました。八月には会計検査院の院長にも就任されております。これまでの任期における会計検査の実績について御自身の評価をお伺いするとともに、今後の任期における決意や取り組むべき課題などについてお示しいただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 三月五日に検査官に就任して半年余りが経過いたしました。その間、先ほど申し上げましたけれども、八件の国会及び内閣への随時報告を行いました。また、参議院決算委員会からの検査要請につきまして五件報告を行っております。そして、現在、平成二十四年度の決算検査報告の取りまとめを行っているところでございます。 二月の所信聴取におきまして私が述べました点については、十分留意して仕事を行ってきているつもりではございますが、再任されることになるのであれば、引き続き、国民の皆様の関心の所在、それから国会における御審議の状況に常に注意を払って、国民の会計検査院に対する期待にこたえてまいりたいと考えておるところでございます。
○河野義博君 二つ目の質問です。 国民目線の会計検査と広報活動の必要性についてお伺いをいたします。 来年四月から消費税が引き上げられ、税金の使途に対する国民の視線はより一層厳しくなるものと予想されます。このような状況の中、内閣から独立した機関として会計検査院に期待される役割はますます高まっております。しかしながら、一方で、検査主体としての会計検査院の存在や日ごろの活動内容、そして検査結果などに対する国民の認知度は必ずしも高くないといったお声もございます。 納税者として国民の視点に立った検査が一層求められる中、私は、国民の問題意識を共有するとともに、これまで以上に検査結果を国民に向けて積極的にアピールし、広報活動を更に強化していく必要性があると考えておりますが、参考人のお考えをお聞かせください。
○参考人(河戸光彦君) 広報活動についてでございます。 先ほどちょっと申し上げましたけれども、平成九年に国会からの検査要請という制度ができました。それと、平成十七年に参議院の決算委員会の御発案で会計検査院法の中に随時報告の制度をつくっていただきました。 それ以前は、会計検査院の活動を周知する方法としましては、会計検査院がその年度の決算検査報告を内閣に提出して、その検査結果を公表しておりました。その時点で、会計検査院がどういう仕事をしているのかというのが国民の皆様に伝えられていたかとは思っております。 その後、やはり国会でのこういった決算審議についての重要性の認識が高まりまして、国会で会計検査院の検査報告を素材に議論されるということになりまして、非常に会計検査院の活動に対する認識が高まってきたと思っております。 それから、先ほども申し上げましたけれども、国会からの検査要請につきましては、その要請を受けて報告した時点で広報しております。その結果を公表しております。 それから、随時報告と申しますものは、まさに年に一回しか会計検査院の活動が分からないということを改善するために、会計検査院が必要と認めた時点で国民、国会での御審議に役立つような内容の報告を随時行っているところでございます。先ほど申しましたように、今年に入っても、随時報告、検査要請の報告を検査報告前に行っているところでございます。 そういった形で会計検査院の活動をしっかりと国民にお知らせするという役割は重要だと思っておりますので、先生御指摘のように、しっかりとこういった広報活動に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○河野義博君 最後に、不正経理防止法案の必要性についてお尋ねいたします。 各省庁などにおける不適正な会計経理などにおきまして、会計検査院が毎年多数の事案を指摘しておりますが、残念ながら根絶には至っておりません。 公明党は、平成二十一年以来、自由民主党様とともに公務員の不正経理などにおける処罰を強化する法律案を議員立法で繰り返し提出をしております。 無駄遣いや不正経理を断つ第一歩として、不正経理等を防止するための法整備が必要不可欠であると考えておりますが、このような法律の必要性について参考人のお考えをお聞かせください。
○参考人(河戸光彦君) ただいまお話のありました不正経理防止法案につきましては、その法案を拝読いたしました。この御提案の趣旨は、罰則を整備することによりまして、預けを始めとする不正な会計経理による裏金づくり、不正な資金の保管に対する抑止力を強化してこれらの不正の防止を図ることと承知しております。 不正、不適切な会計経理を未然に防止することは極めて重要なことでありまして、会計検査院としましても、これまで、預けを始めとする不正、不適切な会計経理について検査報告に不当事項として掲記したり、経理の体制の問題点や再発防止策等の分析について掲記したりなどしてきております。 御提案の内容が法定化された場合には、その内容も十分踏まえた上で、会計検査院として引き続き、不正、不適切な会計経理が行われていないか、基本的な会計経理について重点的に検査を行ったり再発防止策を検討したりするなどしまして、不正、不適切な会計経理の防止に寄与していくことが必要であると考えております。
○河野義博君 ありがとうございました。
○森本真治君 民主党の森本真治でございます。最後の質疑者でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。参考人におかれましては大変お疲れさまでございます。 まず最初に、会計検査院の役割、使命ということで、これからも一貫して守っていかなければならない部分と、それと時代に合わせて柔軟にというか、的確に改革をしていかなければならない部分、まあこれまでもお話もあったろうかというふうにも思うわけでございますけれども、その中で、この度、今、参考人、再任をされた場合、検査官というのは、この会計検査院全体の意思決定であるとか、事務総局を指揮監督する、まさにトップの一人であるわけでございまして、この会計検査院全体のマネジメントといいますか、そういう部分についても責任がおありになるわけでございます。 その中で、今後、どのようにこの会計検査院というものを更にバージョンアップしていくのかというような部分について、先ほど例えば職員の能力向上というような部分についてもお話ございましたけれども、もし今胸に秘めているようなものがございましたら、是非お聞かせいただきたいと思っております。
○参考人(河戸光彦君) 先ほどの御議論の中でもちょっと申し上げた点でございますけれども、会計検査院の検査の観点という中には、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性と、そういった観点がございます。この観点は先進諸国では大体共通の観点でございます。 ただ、経理の基本から申しますと、一番最初はやはり正しく法律にのっとって経理をしていただくというのが基本でございますけれども、いずれ福祉国家になり、もう多額の税金が使われるようになるということになりますと、そういった合規性だけの検査では不十分でございます。したがって、先進諸国いずれも共通しまして経済性、効率性、有効性といった新たな分野へ進んできております。 このような社会経済情勢の変化に対応して、従来からの観点が、先ほども、明記してありますけれども、今の会計検査院法上は、その他会計検査上必要な観点からというふうにも明記してございます。これは時代によってどういった検査が必要になってくるかというのは、まさにマネジメントとして我々認識しないといけないことだと思います。 先ほどちょっと申し上げましたけれども、社会保障や租税の検査において、受益と負担の公平と、こういった面の取組も必要になってくるかと思いますし、先ほどちょっと申し上げましたけれども、政策評価法ができまして各府省で費用便益分析を進められております。 ただ、我々の指摘は、現在までは資料が余り整備されていないとか、基本的なところに残っております。今後はもう少し、まさに政策の中身にまで踏み込んだ検査を進めていく必要があるのではないかと考えております。
○森本真治君 私、この度初めて参議院の方で活動させていただくことになりましたので、過去の議事録なども読ませていただいて、河戸参考人の前回の聴取も読ませていただきました。 その中で、新たな役割、まさに先ほどお話もされた政策評価という部分でございますけれども、これも、これまでも委員さんの中からも提起がされておるわけでございますけれども、この政策的な判断ということで、例えば院法三十六条などが根拠になる部分でやられておると思うんですけれども、この政策判断を行うに当たって、また、これは他の参考人などが言われている中で、国民の目線に立って検査を行っていきたいということでございます。 しかし、ここで難しくなってくるのが、政策というのはその背景に一定の理念というものがあるわけでございます。そうすると、国民といってもそれぞれ思想信条が違うわけで、求めるものも当然異なってくる。特に、今後我が国においても政権交代が頻繁に行われるようになるのであれば、この国の政策もドラスチックに変更されていくようなことが頻繁に起こってくるかもしれない。いわゆる行政の継続性の問題とのそこでいろんな問題点が出てくる可能性もある。そこで、政策評価というものが一歩間違えると中立性というものを損なう危険性が出てくるのではないかというようなこともあると思います。 検査の観点でいう有効性の判断のところで大変難しい決断も今後は出てくることになるのかなと思うんですが、この政策判断と中立性という部分について参考人の御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 私ども、もちろん政策に直接踏み込んで意見を申し上げる立場にはございませんけれども、会計検査という方法で現実の事務事業がどのように行われているかというのを検査しております。それは、例えば政策目的とか理念とか法律でどういうふうに書かれているかということ以外に、現場でどういうふうな実情にあるかというのが我々検査する我々の強みだと思っておりますけれども、現場に行って、その制度の理念と実態がかなり違っているのではないか、こういうことも出てきます。そういった形で我々が貢献できる部分が非常に大きいのではないかというふうに考えております。
○森本真治君 最後にお伺いをしたいと思いますけれども、私は前職、広島の市会議員をしておったんですけれども、是非、この貴重な機会なので、その際、議会の中でもこれ、市議会の中でもかなり議論にもなったことについて是非御所見をお伺いしたいと思っております。 会計検査院が平成十九年から二十一年度の都道府県、政令市における国庫補助事業に係る事務費等の不適正な経理処理について検査を行われて、全自治体が預け金や一括払い、差し替えなどの不適正な経理処理を行っているということで指摘をされたわけでございます。 広島市は、そのときそれを受けて、国からの補助金以外のものも含めて全て経理処理について自主点検を行いました。相当な額が出てきまして、これは議会もその年度、平成二十一年度決算を初めて不認定にしたということがあったんですね。そこで、我々のこれ議会の側でも議論になったのが、この検査の観点でいう合規性と効率性が衝突したということですよね。 その当時、広島市として、原因として、これは会計検査院も同様に指摘しておるんですが、公金取扱いの重要性に対する認識の欠如ということで、私的流用でなければ、事務手続の省力化や事務の効率化になるのであれば許されるという、そういう意識が根底に職員の中にあるというようなことを広島市としても指摘したわけです。しかし、その当時、広島市は物品調達三万七千件あったわけです。そして、その中でも特に学校でありますとか保育園などの現場の先生というのは過重な負担があって、その中で多くのこういう事態が発生をしておったというような実態が明らかになったんです。 広島市は当然再発防止策というのを作ったんですが、検査体制を整えようと、しかしこれは自治体も厳しい財政状況の中で人員を増やすわけにはいかない。結局、更なる職員の負担を増やすことになった。さらには、財務会計システムを再構築するということで、これは数億円単位の負担増ということになったわけです。つまり、合規性を追求することによってやっぱり効率性が損なわれていくという、これは残念ながらそういう現実があるということが表に出てきたわけなんですけれども。 検査院の強みとして実地検査というのがありますが、しかしこの現場主義というのは、実態の負の部分を明らかにするだけでなくて、より実態に合った制度を整えてあげるということも必要であるのではないかというふうにも思っておるんです。まさにこれが国民目線ということになろうかと思うんですけれども、このことで、もし、御所見というか何か御意見というか聞かせていただけるのであればお伺いしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 先生御指摘のように、不適正な経理処理の発生原因としましては、各都道府県市は、事務手続の省力化を図るために、随時に納入された物品について、その都度経理処理を行うことなく後日一括して支払ったことなどを理由に挙げておりました。 これらの理由から分かりますように、事務手続の省力化あるいは事務の効率化になるのであれば多少の手続の瑕疵は許されるのではないかといった公金取扱いの重要性に対する認識が欠如していたこと、それから、交付された補助金は全部使い切らなければならないという意識が優先されたと思われます。 このような会計処理は、不透明で内部統制も不十分なものとならざるを得ず、先ほど私的流用はなかったというお話がありましたけれども、そういった私的流用の不正経理のリスクも高くなるものと認識しております。効率性を犠牲にするとしても、そういったことまではちょっと看過できるものではないと思います。 ただ、公会計制度全般の改革の中で、透明性や効率的な内部統制の仕組みを確保した上で効率的な会計経理の在り方が議論されて改善されていくことは望ましいことであると考えております。
○森本真治君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(岩城光英君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。 河戸参考人、どうぞ着席ください。 一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。
○参考人(河戸光彦君) どうもありがとうございました。
○委員長(岩城光英君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三分散会