法務委員会 第8号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2013/11/19
会議録
○江崎委員長 それでは会議に入らせていただきます。 内閣提出、民法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官平嶋彰英君、法務省民事局長深山卓也君、法務省刑事局長稲田伸夫君、法務省矯正局長西田博君、法務省保護局長齊藤雄彦君、財務省大臣官房審議官星野次彦君、厚生労働省大臣官房審議官古都賢一君、厚生労働省大臣官房審議官鈴木俊彦君及び厚生労働省大臣官房統計情報部長姉崎猛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○江崎委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局岡家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 異議なしと認めます。そのように決しました。 —————————————
○江崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。階猛君。
○階委員 民主党の階です。 きょうもよろしくお願いいたします。 今回の法改正なんですが、民法の改正ということになっていますけれども、当初、政府では、戸籍法の改正も含んでいたと思います。具体的には、四十九条二項一号に、出生届には云々かんぬんとありまして、嫡出子または嫡出でない子の別を記載しなければならないという規定があります。これを廃止することも含んでいたと思っておるんですが、なぜこれを見送ったのか。大臣、御答弁をお願いします。
○谷垣国務大臣 今、階委員が指摘されましたように、九月四日、最高裁の決定が出まして、いわゆる九百条第四号ただし書き前半部分は違憲であるという決定が出ました。それを受けまして、もちろんそこも改正すると同時に、今おっしゃった戸籍法四十九条第二項第一号後半部分を削除する旨の戸籍法改正案を準備していたことは事実でございます。 しかしながら、その後、与党内の審査におきまして、民法九百条第四号ただし書き前半部分については、最高裁の違憲判断を受けたことから、違憲状態は早期に是正する必要があるのに対して、戸籍法第四十九条第二項第一号後半部分については、違憲判断を経たわけではないので、民法と同時に改正するほどの緊急性に乏しいという御議論、判断がありました。 これを踏まえまして、政府としても、戸籍法改正案については国会への提出を見送った、こういう経緯でございます。
○階委員 今大臣おっしゃったとおり、九月二十六日の最高裁判決で、先ほどの戸籍法の規定は違憲ではないという判断が示されたわけですね。でも、その示された後も、政府としては戸籍法の改正を盛り込んだ状態がしばらくあったと思うんですけれども、なぜ、当初案では、最高裁が合憲だという判決が出された後も戸籍法の改正を入れていたのかということをお伺いします。
○谷垣国務大臣 九月二十六日の最高裁判決がございまして、今委員がおっしゃったように、戸籍法の四十九条第二項第一号後半部分、これは憲法違反ではないという判決、判示があったことは承知しております。 この四十九条二項の規定、これは、民法上、嫡出子と嫡出でない子がある、こういう区別がございます。民法では、婚姻から生まれた子は嫡出子であり、そうでないものは非嫡出子だという立て方をしておりますので、それを戸籍に反映させる必要がある。そういうことから、戸籍窓口において、出生届に基づいて戸籍の記載をするに当たっての事務処理上の便宜に資するものとして、これは記載事項と定められたものだと承知しております。 しかし、嫡出子または嫡出でない子の別は戸籍に直接記載されるものではありません。その上に、九月二十六日の最高裁判決も指摘しておりますが、子の母の戸籍簿を確認すれば嫡出子、非嫡出子というのは容易に判明するわけでございますから、出生届書の記載事項とすることは事務処理上不可欠の要請とまでは言えないという面がございました。 それで、今般、民法九百条第四号ただし書きの規定が改正されまして、民法上の嫡出子と嫡出でない子との間の区別のうち、これはいろいろ幾つかございますが、最も重要なものが、つまり相続分ですね、最も重要なものが解消されることになると、あえて嫡出あるいは非嫡出ということを記載させる必要性は相当乏しくなる、こういうことから、戸籍法の改正案を準備していたということでございます。
○階委員 今大臣がおっしゃったように、たとえ九月二十六日で合憲だという判断が出されたとしても、この戸籍法改正には十分な理由があるということです。 私どもの政権のときに、平成二十二年に法務省から通知が出されまして、このあたりは、お手元にお配りしている資料の二ページぐらいに書いています。手書きのページ番号を振っています。二ページの下の方に書いておりますけれども、平成二十二年三月二十四日付通知ということがありまして、1として「届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載するよう補正を求めても届出人がこれに応じない場合には、届書の「その他」欄に子の称すべき氏又は入籍すべき戸籍を明らかにする方法による補正を求め、」2「届出人がその補正の求めに応じない場合においても、届書、添付書類及び戸籍簿の記載との対照等によって補正すべき内容を認定することができるときは、当該届書の付せん又は余白に認定した内容を明らかにした上で、当該届出を受理する」というような扱いにしたわけですね。 ですから、法令上は、出生届には嫡出か嫡出でないかということを書くようにというふうに要請しています、いわば必要的記載事項なんですけれども、事実上は、既に、任意的記載事項といいますか、書いても書かなくても受理するというふうになっているわけです。 したがって、今の通知、若干迂遠な手続といいますか、まずは補正を求めるというような手続が入っていますけれども、そういう迂遠な手続を経ることなく、もうストレートに受理できるように法改正をした方がいいのではないかと考えております。 この点、先ほどおっしゃったことからすると法改正ということも十分理由があると思うわけでございますから、ぜひ法改正をお願いしたいのですが、いま一度大臣から御所見をお願いします。
○谷垣国務大臣 九月二十六日の最高裁判決では、戸籍法の規定によって出生届書に嫡出子、非嫡出子の別を記載することを届け出人に義務づけることについて、戸籍の「事務処理上不可欠の要請とまではいえない」という判示があったわけですね。 また、平成二十二年、民主党政権時代、法務大臣は千葉景子法務大臣でいらしたと思いますが、この通知で、戸籍法第四十九条第二項第一号後半部分の規定によって、嫡出子または嫡出でない子の別が出生届書の記載事項とされていることから、これが記載されていない場合には、先ほどおっしゃいましたように、届け出人に対してまず補正を求めるべきこととした上で、届け出人が補正に応じない場合に限って、戸籍窓口において戸籍簿の記載等から嫡出子であるか否かを認定することにより出生届を受理する取り扱いを通知したものというふうに理解しております。 今、階委員は、これがもう実際上は任意的記載事項になっているという認識を示されましたが、これは、平成二十二年の通知でも任意的に記載すればよいとされているわけではなくて、やはり最後はきちっと補正によって認定する必要がある、これは必要的記載事項であるから補正によって認定する必要がある、こういうふうにされているわけでございます。 それで、政府におきましては、戸籍法の改正案を検討したのは事実でございますが、与党審査の結果を受けて、今国会への提出は見送ったところでございまして、引き続き、この二十二年通知に基づきまして戸籍事務を処理していこうと考えております。
○階委員 先ほど大臣が引用されたこの判決文の「市町村長の事務処理上不可欠の要請とまではいえない」というくだりがございました。そのすぐ後に、「少なくともその事務処理の便宜に資するものであることは否定し難く、およそ合理性を欠くものということはできない。」というのが最高裁判決の文言です。 ただ、事務処理の便宜に資するものかどうかというところ、今の段階では、先ほど、法務省でも通知が出されておりまして、戸籍簿の記載などでも認定できるということですから、果たして事務処理の便宜に資する場合はあるのか。特に、今回もし民法が改正されますと、戸籍簿に記載する最大の理由とも言われていた婚外子の相続差別規定がなくなるわけですから、余計に事務処理の便宜に資すると言える場合は少ないのではないかと思っています。 これは参考人からで結構ですが、何が民法改正の後でも事務処理の便宜に資するのかということを説明していただけますか。
○深山政府参考人 戸籍法におきまして、嫡出子は父母の戸籍に入って、嫡出でない子は母の戸籍に入るというのは御案内のとおりですけれども、戸籍届け出書の実際の審査を考えてみますと、出生届の提出を受けた戸籍の窓口の担当者においては、現在では、嫡出子または嫡出でない子の別の欄の記載をまず見て、届け出人の届け出内容について一応の把握をした上で、関連する戸籍簿の記載を対照して審査をいたします。 例えば、嫡出子として記載がされていれば、子の父母の戸籍を特定した上で、その戸籍の記載から父母の婚姻の有無を調べることによって届け出書に嫡出子と記載されていることの正確性を確認する。これに対して、嫡出でない子と記載されていれば、子の母の戸籍を特定して同様の確認をすることになります。 このようにして、確認した結果が届け出書の記載内容と合致している場合には、届け出書が受理されることになるのに対しまして、そこが合致していない場合には、届け出人に補正を促すことになります。つまり、嫡、非嫡のところのチェックが間違っていますよ、補正してくださいという補正を促すことになります。その結果、審査担当者の認定の結論が、受理された場合には、受理された届け出書の嫡出子または嫡出でない子の別の欄の記載において明示されることになります。 戸籍の窓口で出生届け出書が受理されますと、今度は、記載担当者がこれを記載する、今、コンピューターの場合は入力するということになります。これは別の人であることも少なくありません。先ほど述べたとおり、出生届け出書に嫡出子または嫡出でない子の別の記載があって、これが受理まで行っているということは、審査の結果、その記載が正確であることが確認された状態になっておりますので、戸籍の記載をする担当職員の方は、この記載を確認するだけで子をいずれの戸籍に入籍させるのかということが判断できるようになります。 以上、累々述べましたけれども、こういった実際の事務処理過程を考えますと、今回の民法改正によって相続分の区別は解消されるということになりましても、引き続き、事務処理上の便宜は相応にはあると言うことができると思っております。
○階委員 どちらにしても戸籍は見なくちゃいけないわけですね。だから、例えば窓口で、このお子さんはお母さんの戸籍に入るんですか、それともお父さんの戸籍に入るんですかとか、そういう質問をすることでも同じ目的が達成されると思うんですが。私がもし非嫡出子の親だったとして、ここに記載するというのはかなり心理的な圧力があると思うんですね。 どちらにしろ戸籍を見るのであれば、そうやって直接お話しすることで同じ目的を達成できると思うんですが、それではまずいんですか。
○深山政府参考人 最高裁判所の九月二十六日の判決が、事務処理上不可欠ではないというのは、まさに言われたとおり、戸籍を見ることによって嫡出であるかどうかは判断がつきますので、ですから、同じ目的を嫡出子と嫡出でない子の区別のチェック以外の方法で達成することは可能だというのは、御指摘のとおりです。 ただ、戸籍事務というのは、大量に来る、何度も何度もたくさんのものを処理するという類いの事務処理ですので、一定の欄があって、そこで先ほど言ったような事務処理をすることによって処理が円滑に進む面、一回一回について口頭でのやりとりをするということが、相応に事務が省けるという点で合理性がある、その限度でですけれどもね。実態として、わからないことはないというのは御指摘のとおりなんですが、その限度で類型的にする事務であるから合理性があるという意味で、事務処理の便宜に資する面がある、こういうことかと思います。
○階委員 やはり局長も、一度は法改正をしようと思っただけに、歯切れの悪い答弁だと思います。やはり素直に、別にこれを変えても何も影響ありませんと言っていただければ、もともと法改正しようとしたのは多分そういうことだったと思うので、無理に、何かこじつけで事務処理の便宜に資すると言われても、全然ぴんとこないなというのがあります。 そこで、資料二というのをごらんになってください。ページ番号でいきますと、手書きの九ページですね。 先ほど来申し上げている九月二十六日の最高裁判決とか、あるいは今回問題になっている九月四日の最高裁決定を受けて、これは明石市というところで、「出生届における「嫡出子・嫡出でない子」の記載について」という通達というんでしょうか、紙をつくった。 ごらんいただきたいのは、三点目の「本市の対応」ということで下線を引いている部分ですが、「さらに、出生届の嫡出子又は嫡出でない子の別を記載する部分を削除したものも用意し、従来の出生届とともにいずれの場合でも受理する対応を進めてまいります。」ということで、いわば戸籍法改正を先取りしたような出生届をつくったわけでございます。この例が十一ページです。 ところが、法務省の方がこの取り扱いを認めなかったということなんですが、なぜこれを認めなかったのかということを大臣から御説明いただけますか。
○谷垣国務大臣 今御指摘のように、兵庫県明石市長が、ことしの十月一日、嫡出子または嫡出でない子の別の記載欄を削除しました出生届書の様式を独自に用意されまして、今後、この様式による出生届も受理する旨を発表したことは御指摘のとおりでございます。 ただ、出生届書の様式は法務省令で定められておりまして、市区町村長が独自に出生届書の様式を定めることは許容されておりません。このため、ことしの十月三日でございますが、神戸地方法務局長が明石市長に対して、関係法令を遵守して、法務省令の定める出生届書の様式によって適正に事務を処理するよう、戸籍法の規定に基づいて指示をしたところでございます。
○階委員 このように、法務省では、通達を平成二十二年に出して、その欄について記載しなくても最終的には受理するという扱いをしているんですけれども、出生届の様式自体の変更は認めていないということですから、やはり法改正の必要はあるんだと思っております。 法改正をしなければ、依然として、出生届の提出を届け出人がちゅうちょして、子供に不利益が生じる場合があり得るのではないか。実際に、この九月二十六日の判決では、記載をしたくなかったという親御さんの意思によって、その子供が出生から七年以上にわたって戸籍に記載されず、住民票も作成されないという事態が生じたわけであります。 これは極めてレアなケースだとは思いますけれども、やはり、事ほどさように、この記載欄があることによって心理的なプレッシャー、書きたくないという抵抗感が生まれるわけですから、そのデメリットと比較し得るだけのメリットがあれば別ですけれども、メリットというのは、先ほど局長からもお話があったように、私らにとってみると、ほとんど取るに足らないようなものに思えるわけです、事務的な便宜とおっしゃいましたけれども。 だとすれば、今回、当初政府でもそういう方針だったわけです、戸籍法の改正ということを民法改正とあわせて行うべきだと思っております。この件に関して、最後にもう一度大臣からお考えを聞きたいと思います。
○谷垣国務大臣 階委員は、届け出人がこういう記載をしなければならないことによってちゅうちょする、その結果、子に不利益が生じる、こういうふうにおっしゃったわけですが、平成二十二年の通知に基づく取り扱いは、補正ということをし、補正も何段階かあるわけですが、補正に応じていただけない場合は、先ほど民事局長が答弁をしたようなことで判定をしていくということでございますので、これは不利益を避けることができるものというふうに考えております。 それから、先ほどもお答えしましたが、二十二年通知に基づく取り扱いによっても、事実上、嫡出または非嫡出という別を任意的記載事項として取り扱っているものではございませんし、事務処理上の混乱が生じているとも認識はしておりません。 ただ、出生届書に嫡出子または嫡出でない子の別を記載させることは事務処理上不可欠の要請とまでは言えないというようなことで、政府においても戸籍法改正案を検討していた、これは先ほど申し上げたように事実でございます。しかし、先ほども申し上げたとおり、与党の審査において、民法と同時に改正するほどの緊急性が乏しいという判断でございましたので、政府としては、戸籍法改正案については提出を見送ったという経緯でございます。
○階委員 確かに、議院内閣制ですから、与党が反対と言えばなかなか日の目を見ることはないんですけれども、ただ、この委員会では、我々野党から法案を提出することはできます。戸籍法の改正というのは、政府も考えていたぐらい私どもは合理性がある案だと思っていますので、きょう、委員会の最後にでも、私どもの戸籍法の改正案というものも含んだ形の修正案というのを出させていただければと思っております。 そこで、法案本体といいますか、もともとの今回の民法改正案について御質問を続けさせていただきます。 前回の質疑で、土屋委員が大変御高説を述べられて、私も、一部感銘を受けつつ、大半はちょっと考えが違うなというふうにお伺いしました。その中でも、冒頭おっしゃったことについて私は確認させていただきたいんです。 土屋委員がそのときおっしゃったのは、今回の民法改正によって具体的な利益を受けるのは不貞の子供なんだというふうにおっしゃいました。私はちょっと違うと思うんですが、局長の方から、この点、どういうことかということを御説明いただけますか。
○深山政府参考人 今回の民法改正で影響が生じますのは、相続人に嫡出子と嫡出でない子の両方がいる場合でございます。 具体的には、いろいろなケースがあると思いますけれども、例えば、法律婚の関係にある夫婦が子供をもうけ、その夫婦の一方が第三者との間でいわゆる不貞行為によって子をさらにもうけた場合。それから、事実上の婚姻関係にある男女間で子供をもうけて、その関係が解消された後に、その男女の一方が第三者と法律上の婚姻をして子をさらにもうけた場合。さらには、法律婚の関係にある夫婦が子供をもうけ、離婚等によってその婚姻関係が解消された後に、その夫婦の一方が第三者との間で事実上の婚姻関係となってさらに子をもうけた場合などが考えられるところでございます。
○階委員 不貞の子というのは、多分、土屋委員は、不倫の結果生まれた子供を指していると思うんですね。今局長がお話しされたのは、事実婚で子供が生まれました、その後結婚して子供が生まれました、これでも嫡出子、非嫡出子が存在するわけですね。でも、不貞行為があったとは言えないと思うんです。だから、これは、不貞の子だけを守るのではなくて、そういう不貞の子以外の子供を守るという意味もあるんだということです。 実際に、この委員会でも、最高裁の方から提示された判決が、これは平成二十五年九月二十日付で「決定書の正本について」ということで、皆様のお手元に配られていると思うんですね。 実は、特別抗告を申し立てたのは私の地元盛岡の方なんですが、どういう事例であったかというと、盛岡ではないんですが、この方が生まれた地域では、盛大な婚儀を行いながらも入籍をせずに生活を始めるという、被相続人が居住する地域のならわしがもとで、一度も婚姻したことがない被相続人の嫡出でない子となったということだそうです。だから、これは不貞の子でも何でもないんですね。その後婚姻してまた子供が生まれたということです。 そういうケースもあるということで、まさに今申し上げたようなケースでは、これまでの法律のもとでは極めて不合理な差別が行われたということで、この点については、違憲判断がなかったとしても、早急に是正する必要があったと思います。 ちょっと過去の話になってしまうわけですけれども、過去にそうすればよかったということを話してもしようがないのかもしれませんが、この点について、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今のような、不貞、私の名前にも貞という字が、しめすへんがついておりますが、ついておりますので、余り不貞の子という言葉は使いたくないんですが、事実婚でも、別に不倫を親が働いたわけでなくても子供ができる、それは委員の御指摘のとおりで、まさに、その子に罪があるわけでも何でもない。ただ、そういう場合でも、さらに法律上の婚姻をすれば、そこからできた子とは相続分の差があります。それから、それが遺留分の差にもつながっていたということは事実でございます。 それで、法務省では、平成八年の法制審議会の答申がございまして、これを受けて、平成八年それから平成二十二年に、嫡出子、非嫡出子の相続分それから遺留分について、これを同等化しようという法案の提出に向けて準備をしておりました。 私は、その当時、法務関係の仕事をしておりませんでしたので、十分当時の経緯に明るいわけではございませんが、その後、それを出さないで今日まで来ておりましたのは、我が国の家族のあり方に深くかかわる重要な問題であって、いろいろな御意見があった、国民の意識等にも十分配慮しながら対応すべき必要性がある、そういうことで改正法案の提出にまでは至らなかった、こういうふうに認識しております。
○階委員 それから、土屋委員のお話を聞いていて、要は、土屋委員は不貞の子供に責任があると言っているわけではないんですね。問題なのは、不貞行為だと。不貞行為が法律婚を危うくさせるから、そういう不貞行為を助長させるような法制度は好ましくないというような御趣旨だったと思っています。 それで、私は、不貞行為そのものがけしからぬというのであれば、別な立法措置もあり得るのではないか。例えば、戦後、男女平等ということで廃止された姦通罪。姦通罪は、女性が姦通したとき、すなわち不倫行為をしたときだけ処罰されるということで、男女平等に反するということだったと思うんですが、男子も不貞行為をすれば処罰されるということにすれば、男女平等の観点からは問題ないと思うんですね。 かつ、土屋委員が一生懸命主張される法律婚を守り、不貞の子には利益を与えないというようなことを考えると、究極的にはそういうこともあり得るのではないか。私としては、姦通罪を男女ともに認めるという方が、土屋委員を初めとして、自民党の先生方の問題意識にはストレートに応えるということだと思っています。 ただ、空理空論、暴論ではしようがないので、実際にこういう議論があったんだということを刑事局長の方から御説明いただけますか。
○稲田政府参考人 昭和二十二年の刑法改正において廃止される以前の姦通罪でございますけれども、これは御指摘のとおり、妻の姦通行為のみを処罰の対象としておりました。 日本国憲法の施行に伴いまして、憲法十四条に基づき、これを改廃する必要が生じましたことから、内閣に置かれました臨時法制調査会でありますとか、当時司法省でございますが、その司法法制審議会の答申がなされまして、これに基づき、政府といたしましては、姦通罪の廃止を内容とする刑法改正案を国会に提出したところであったと承知しております。 この臨時法制調査会及び司法法制審議会における議論におきましても、姦通罪については、これを廃止すべきとする意見と、夫婦ともに姦通罪の対象とすべきとの双方の意見が示され、多数決の結果、これを廃止すべきとの意見が多数であったと承知しております。 さらに、国会におきましても、姦通罪については、これを廃止するのではなく、夫婦ともに姦通罪の対象とすべきとの修正案が示されるなどいたしましたが、姦通罪の廃止を含む刑法改正案が可決され、成立したものと承知しております。
○階委員 事前に調べたところだと、小差で姦通罪廃止が通ったということで、かなり男女ともに姦通罪を残すという意見もあったというふうに伺っています。 これで質問を終わりますけれども、不貞行為ということを問題にするのであれば、ぜひ与党の議員の皆様にはそういうことも検討されていただければ、より目標に沿うのではないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上です。終わります。
○江崎委員長 それでは次に、田嶋要君。
○田嶋委員 民主党の田嶋要でございます。 きょうは、法案に入る前に、まず情報公開の関連から御質問をさせていただきたいと思います。 恐らく法務委員会で情報公開は初めて取り上げさせていただくテーマだろうというふうに思いますけれども、情報公開、最近の言葉で言うところのビッグデータとかオープンガバメント、こういう言葉がよく言われるようになりまして、私ども民主党政権も、そして今の安倍政権になってからも、まさに政権挙げて取り組んでいるテーマでございますので、そういった中での法務省の取り組みということで、まずお聞かせいただきたいと思います。 最初の質問は大臣にですが、法務局やそれからネット上で商業・法人登記を公開しているということでございますが、その公開している意義について、まず大臣から伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 確かに、商業・法人登記、これは公開しております。それで、会社の商号、あるいは本店、代表者及び資本金等々が登記事項とされているわけですが、その狙いといいますか意味は、こういった情報を公開することによって、その会社と取引をしようとする相手方が会社の内容を確認することができる、したがって取引の安全と円滑が図られることになる、それを大きな意義として公開しているということであります。
○田嶋委員 まさに今おっしゃっていただいたとおり、取引の安全ということでございまして、だからこそ法務省が所管をしておるということだろうと思います。と同時に、これは経済活動を活発化していくインフラのような存在でございますので、言ってみれば、経済成長、成長戦略、中小・小規模企業、創業率、廃業率、こんな議論も今行われておりますけれども、まさにそういったことを国として支えていく、重要な、ある意味公共インフラであるというふうに私も認識をさせていただいております。 それでは、次の質問でございますが、この登記情報サービスにつきまして利用者の満足度などを調査したことがあるか、また調査したことがあるとすれば、その結果についてどのような課題があると認識をしているか、御答弁いただきたいと思います。
○深山政府参考人 御指摘の観点から行った調査といたしまして、平成二十三年の十一月から平成二十四年の一月までの間に、登記情報提供サービスに係る利用者アンケートを行ったことがございます。 このアンケート結果を分析したところ、要望が多かった事項としては、利用時間を拡大してほしい、手数料を安くしてほしい、それから、操作性を向上してほしいというようなものがございました。 この調査結果から判明したこれらの課題に関しまして、登記手数料を、これは本年四月一日に引き下げているほか、一度に複数の情報の請求を可能にするとか、閲覧した情報の保存を可能にするといった操作性の向上も図っているところでございます。 今後も引き続き、利用者のニーズを調査しつつ、随時必要な見直しをしていく所存でございます。
○田嶋委員 お配りしておる資料の一ページをごらんいただきたいと思いますが、これが法務省の場合の外郭団体でございますけれども、この一般財団法人が、いわゆる商業・法人登記の情報を提供、公開する、そういうサービスをいわゆる指定法人として独占的に有料で行っている、これが現状だそうでございます。 そして、資料の三をごらんくださいませ。これは、安倍内閣の六月に閣議決定をされました日本再興戦略のページ四十三でございますが、この中でも、ITの部分で、「2公共データの民間開放」ということで、二〇一五年度中に世界最高水準の公開内容ということでございます。これを目標として今全省挙げて取り組んでいるということは、法務大臣にもしっかりと御認識をいただきたいと思います。 そこで、一つ戻っていただきまして、資料の二でございます。 私もいろいろこのオープンガバメント関係に取り組んでまいっておるんですが、法務省には、ぜひこういったことを取り上げてほしいという民間の外部の方から御指摘をいただいてまいりました。 この表は、外部のいわゆる調査機関というものが、イギリスでございますが、ございまして、世界の先進国が政府のいわゆる公共財としての情報をどの程度、国民、世界に対してオープンに公開をできているかということの評価表でございますが、ざっくり言うと、緑は高い評価、そして赤が低い評価でございます。 縦の矢印で、カンパニーレジスターと書いてあるところが今の商業・法人登記でございますが、それぞれの国が余り高くない評価でございますけれども、日本に関しましては、この法人登記の部分が八カ国中最低点をとっているという状況。大臣、これはきのう、きょう初めてお知りになったかもしれませんが、資料の下から二つ目でございますが、日本は法人登記情報については八カ国中最低点である、まずこれが現状であるということでございまして、三ページで安倍内閣が唱えております世界最高水準の公開を目指すというところですが、全体としてのランキングは、実は現在日本は世界二十七位でございます。そういった状況の中で特別評価が低いのが、今私が取り上げさせていただいておりますこの法人登記ということでございます。 大臣にお伺いをいたします。 安倍内閣の、世界最先端IT国家を目指すということで、最優先でこの改善に関して取り組みをしていかなきゃいけないんだろうと私は思っております。とりわけ、先ほどおっしゃっていただきました有料である点、そして非常に限られた時間しか見ることができない点、こういったさまざまな制約と操作性の悪さが指摘をされておるわけでございますが、大臣、この点、特に有料で提供しているという点の改善をされる検討は可能かどうか、御答弁いただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 ことしの六月の閣議決定、世界最先端IT国家創造宣言、これは法務省としてもしっかり取り組んでいかなきゃならないと考えております。 それから、今御指摘のように、まだ法務省が担当しているところは、所管の範囲は相当努力すべきところがあるなという認識を持っております。 それで、今の登記情報提供サービス、赤い印がついておりましたのは、余り愉快な点ではないことは事実でございます。今おっしゃった点、我々も検討していかなきゃならないと思っておりますが、一方、個人情報保護等々もどう考えていくかということがございまして、ネット上で全部それを無料で開放しているというところは必ずしも多くないのではないかと思っております。もっと使い勝手のいいものにしていくにはどうしたらいいかということは考えながら、私たち、努力したいと思っております。
○田嶋委員 今大臣おっしゃっていただいた個人情報とのバランスの問題は、あらゆる分野で必ず出てくる課題でございます。 しかしながら、今世界の大きな趨勢、トレンドは、そうはいっても、まず原則公開していく、これが国益であり、世界のためである、そして、さまざまな民間の創意工夫のもとに新しい企業、産業を興していく、そういう力につながるという、そこが基本的な、ある意味核心になってきている部分がございます。 例えばアメリカですと、オバマ政権の一期目に、クンドラさんという方がアメリカのCIOに抜てきをされました。そして日本も、私ども民主党政権で今のCIOが選ばれまして、そして安倍内閣は、同じベクトルの中で、そのCIOが法的に法律をつくることでしっかり担保したという流れでございますので、これは政権がかわる中で、一貫してこの方向性は間違っていないということは安倍内閣もうたわれておるわけでございます。 したがいまして、個人情報の問題はあるものの、やはりここはしっかり原則で無料にしていく。そして、無料の国は余り多くないんじゃないかということは、実は事実には反しておりまして、情報公開、オープンガバメントがしっかり進んでいる世界のトップテンはほとんど全てそういったものは無料で提供しているんですね。 したがって、いわゆる利益を得ている受益者が負担をするという考え方、もちろんそれは否定はいたしませんけれども、しかし、まさに公共財として、安倍内閣も、少しでも起業をふやしたい、そして安心して商取引ができるように、そういった基本となる情報公開を、やはりもっとハードルを下げていくということをしっかり検討いただきたいというふうに思います。 法務省と経済産業省は相当世界が違うように一見感じますけれども、しかし、まさに法務省の所管の中にも、日本の産業力、あるいは起業や、あるいは成長戦略にかかわっている部分があるんだということを改めて御認識いただきたい。そして、無料の検討もぜひやっていただきたいというふうに思います。改めて、大臣。
○谷垣国務大臣 今、田嶋委員がおっしゃった、経産省と法務省は角突き合わせているみたいなことはやはりよくないんだろうと思います。何かの新聞で最近読みまして、私全く同じような考え方を持っているわけですが、やはり経済の発展や何かに資するインフラを提供しているのも法制度であるというふうに私は思います。 今の無料で公開という点に関しては、費用負担やあるいは個人情報の観点等検討しなければならないと思いますが、さらなる改善に向けて努力をしたいと思います。
○田嶋委員 それが精いっぱいの御答弁だと思いますが、私もさらに研究をさせていただく。 それから、世界の民間の動きとしては、もう既に相当数の国々の全ての企業情報を全部一元的に見られるようなサービスもスタートしておりますが、日本は今それに入れないでいるということでございます。 これは余り法務行政の中の主流の議論ではないかもしれませんが、しかし、ビッグガバメント、オープンデータの議論は、世界は相当大きな潮流で今動いている。日本は決してそれにおくれをとっているわけではないんです。おくれをとっているわけではないんですが、イギリスやアメリカや、これはもう本当に世界同時に動いているわけでございます。 例えば、ダボス会議なんかも行かれたことはございますかどうか。私、この間、大連のダボス会議に行ってきましたけれども、そのうち六つのセッションでこういうオープンガバメント、ビッグデータの議論がやはりあるんですね。 したがって、アフリカも含めて途上国も、このガバメントの持っているいろいろな情報を国民が共有することが成長の鍵なんだという認識が強まっておりますので、ぜひそこは前向きな御検討をお願いしたいと思います。 そして、続きまして、オープンデータという関連でいうならば、今回の法案との関係で、法務省の所管の法務省令の一つでございます戸籍法施行規則というのがございますが、これは法務省のホームページで情報公開されているかどうか、いかがですか。
○深山政府参考人 戸籍法施行規則の本文につきましては、現在、法務省ホームページから電子政府の総合窓口、いわゆるe—Govの法令データ検索システムにリンクが張られておりまして、そういう形で公開をしております。
○田嶋委員 それでは、その資料が四にございますけれども、これがそのホームページからとった、今回の法案にも関係がある戸籍法施行規則でございますが、ページを繰っていただきますと、第三十三条というところがございます。「戸籍の記載は、附録第六号のひな形に定めた相当欄にこれをしなければならない。」この附録第六号はどこに公開されているでしょうか。
○深山政府参考人 今御指摘のあった戸籍法施行規則第三十三条に基づく附録第六号の様式につきましては、現在、法務省のホームページまたは先ほど申し上げた法令データベース検索システムでは公開されておりません。
○田嶋委員 これはいわゆる法律のもとにある政省令、その政省令の附録でありますから、ここを見に行った人は当然その情報まで見られなければ非常に中途半端な情報開示という印象を受けるわけでございますが、なぜこれは開示していないんですか。
○深山政府参考人 開示しないことについて積極的な強い理由があるということよりも、これは書式でございます、御案内のとおりですけれども。ですので、その必要性の点とそれからデータ量との相関関係で、公開をする必要がないというふうに当初の法令データベースをつくる際に考えられたんだろうと推測しております。
○田嶋委員 大臣、今おっしゃっておられましたけれども、公開の必要性を情報を持っている側が判断する。先ほど申し上げた、やはり今の世界の趨勢は原則全て公開していこう、それが国民のためになる、民間のいろいろな活動に資するということなんですね。 今の局長の御答弁ですと、余り公開しても意味がないんじゃないかということを判断されて公開していない。あるいは、データ量の問題ですか、私は事前に聞きましたところ、これは情報量がイメージ情報として開示することになるので、PDFになるということだから、テキスト情報は全て今上げているけれどもイメージ情報は上げていない、そういう説明を受けたんですが、国民から見ると、それは全くどうでもいい理由ですよね。 だから、私は思うのですが、大臣、これは多分御存じなかったと思うんです。私もこのプロセスで初めて学びました。そして、これを担当しているのは、実は、全省庁、総合的に集中的に総務省でやっておるということでございますけれども、クライアントが各省庁なわけで、ちゃんとこれはアップしてくださいよということを法務省も言わなきゃいけないけれども、附録はアップされていないということでございます。現に、これをインターネットで見てきますと、どこに附録はあるんですかという会話がネット上に結構あるんですね。 そういうことも含めまして、大臣、これはお知りになったということで、これは非常に中途半端な情報公開のあり方で、かつ、私は無意味だと思うし、それは当然書いてある附録の六号がちゃんと見えるようになっていかなきゃ、これは、冊子としてはあるんですよね、冊子としてはあるわけですから、その同じものがネット上でやはり見えるようになっていなきゃいけない。ここはすぐ是正していただけますか。
○谷垣国務大臣 これは、私も実はまだ明確に全部事実関係がわかっているわけではありませんが、今、田嶋委員が御指摘になったように、政府全体の公開していくシステムが必ずしも今おっしゃったような、図等までできるようになっていないというふうに私は理解しております。 したがいまして、これはやはりいろいろなニーズももちろんあると思います。その方向で検討しなければいけないと思っております。
○田嶋委員 たまたまこの一件を見つけてそういうことを知ったわけでございまして、これが、ほかの役所も含めて、およそこの附録と呼ばれるものは、イメージ情報ということで一切排除されているのかどうか、そこまで確認はいたしておりませんが、それはやはり、文書として存在するものが、今どきネット上では見られないようなものがあっては、この国の、世界で最も情報公開された政府を目指すという点にももとるわけでございますので、ぜひとも積極的に情報公開をお願いしたいというふうに思います。 続きまして、婚外子の判決の関係の御質問をさせていただきたいと思います。 法案と直接ではございませんけれども、婚外子の戸籍の記載が平成十六年に改められておりますけれども、その改められた経緯についてお伺いをしたいと思います。
○深山政府参考人 嫡出でない子の続柄につきまして、従前は、男または女と記載することとされておりましたけれども、御指摘のとおり、平成十六年に、嫡出子と同様に、長男、長女等と記載することとする法務省令の改正を行いました。 この改正の経緯でございますが、平成十六年三月二日の東京地方裁判所の判決におきまして、戸籍の続柄欄における記載は戸籍制度の目的との関連で必要性の限度を超えており、嫡出でない子のプライバシー権を害している旨の指摘がされたということがありましたほか、各方面から続柄欄の記載を変更したい、してほしいという要望があったことを受けたものと承知しております。
○田嶋委員 お手元の資料の五をごらんください。これが今局長からございました平成十六年三月二日の判決文の抜粋でございますが、下線は私の方で引かせていただきました。そこを読み上げますと、「非嫡出子であることを判別できるようにするとの民法上の要請に基づき非嫡出子であることというプライバシーに属する事柄を戸籍に記載せざるを得ないとしても、国民のプライバシー保護の観点から、その記載方法は、プライバシーの侵害が必要最小限になるような方法を選択」するということで、「非嫡出子であることが強調されることがないようにすべきであり、その程度を超えた戸籍の記載は、プライバシーの権利を実質的に害するものとの評価を免れない」ということで、実際に改められたというふうに理解をいたしております。 そこでお伺いいたしますが、この改まった以前に、記載の是正の前に、既に旧ルールにのっとって記載をされている戸籍の事柄に関しては、行政はどういう対応をいたしましたか、御答弁ください。
○深山政府参考人 ただいま御紹介した平成十六年の法務省令の改正に伴いまして、民事局長通達を発出して、当事者からの更正の申し出に基づいて、嫡出でない子の続柄欄の戸籍記載を改めるものといたしました。
○田嶋委員 更正の求めがない場合を含めて、どういう対応をされたでしょうか。
○深山政府参考人 これは、先ほど申し上げたとおり、民事局長通達は、当事者からの更正の申し出があった場合に、それに基づいて続柄欄の記載を変更するということで、申し出がない場合に職権で更正をするということにはしておりません。 それは、当事者の意思としてそういうことを望まないケースもあり得ることですし、また全件を網羅的に把握するということが困難であるという事務処理の事情もございます。
○田嶋委員 これは総務省の関係ですが、住民票に関しても過去にこういうような問題がありまして、住民票の方はこういった改正の時点で、網羅的に全て改正を行ったという話を伺っておりますが、戸籍の方に関しては、もちろん無断でやるというわけにはいきませんけれども、全てのものに関してやるということがなぜできないのか、その点をもう一度伺いたいと思います。
○深山政府参考人 今申し上げたことをもう少し詳しく申し上げますと、当事者の意識、意思の問題として望まないケースがあり得るということが一つですが、もう一つ、事務処理上のことをちょっと申し上げました。 今、戸籍事務はコンピューター化されている場合が多いんですけれども、嫡出でない子の続柄を例えば男、女から、長男、長女へ変えようと思いますと、その認定作業に当たっては、戸籍簿の記載だけでは完全なことはわかりませんで、戸籍に記載されていないお子さんがいるという可能性がございます。例えば外国籍のお子さんとか、そうすると、そういう方が上におられれば二男ということになりますが、日本の戸籍だけ調べても長男に見えてしまうというようなことがあって、お子さんの母親などから聴取をして確認をしていくという作業が一件一件について必要になります。 また、ごくわずかですけれども、まだコンピューター化されていない市区町村においては、そもそもそういう男、女という記載のある戸籍がどこにあるかを手作業で一つ一つ見つけていかなくちゃいけないということになりますので、この更正の申し出を待たずに職権で続柄欄を改めるということは、実際上は膨大な事務負担になるということで、現実的にも困難だという事情があるものと思っております。
○田嶋委員 先ほどの資料五でございますけれども、もう一度。「判別できるようにするとの民法上の要請に基づき」というふうにございます。 今回、この民法上の要請というのがもし改正をされるということになりますと、今のおっしゃっていただいたような中身に関して、もう少し現実的に、戸籍の記載を、もちろん当事者の確認の上、過去の全てのものに関してもできるところから政府の責任において更正していくということも私は必要ではないのかなと。そして、そういうことが放置されていることが問題だという声もたくさんいただいておりますけれども、大臣、その点に関してのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 私、今、民事局長が御答弁いたしましたが、一つの問題は、委員もおっしゃいましたように、現実に、やはり職権で全部それをやっていくというのにはなかなかなじまないところがあろうかと思います。それからもう一つ、コンピューター化されていないものもございますから、一つ一つ手作業でやっていくということも今の体制では実際上限界もあると思います。 したがって、現状では、申し出に基づいてやるというしかなかなかやりようがないということがございますが、私は、この続柄の記載の申し出による更正とか更正後の戸籍の再製の制度については、やはり市区町村の戸籍担当者、これは役場でやっていただいているわけですので、その戸籍担当者の会議や研修を通じてまずこの問題の理解を求めていくところから始めませんと、やれと言うだけなら簡単ですが、実際上なかなかできないんだろうと思います。まずそういう研修やこの問題の理解を深めるというところから始める必要があるのではないか、こう考えております。
○田嶋委員 今そういう御提案もいただきましたけれども、実際に、こういった放置されている状況を問題だと指摘する声もあることもぜひ御認識をいただきまして、取り組んでいただきたいというふうに思います。 それでは、続きまして、今回、先ほど階先生の方からもございました、出生届に関する二〇一〇年三月二十四日の法務省課長通知の関係でございますが、資料の七をごらんください。 これがその課長通知でございますけれども、下線を引かせていただきました「(2) 上記(1)の補正に応じない場合には、」ということでございます。一つページを戻っていただきますと出生届のひな形でございますけれども、事務方にお伺いします。 この補正届に関する通知は、実際に現場ではどのように運用されているかということを教えてください。
○深山政府参考人 通知を見ていただくとおわかりのとおりなんですけれども、窓口で提出されました出生届け出書の父母との続柄欄に嫡出子または嫡出でない子の別の記載がない場合、まず最初に、届け出人に対して、その記載をするように補正を促します。しかし、この補正に応じない場合には、次の段階として、届け出書のその他欄がございますが、そこに、出生子は、母の氏を称するとか母の戸籍に入籍するといった形で、嫡出でない子の称すべき氏とか入籍すべき戸籍を明らかにする方法で補正を求める。この補正にも応じていただけない場合には、戸籍の窓口において、戸籍簿の記載等から嫡出であるか否かを認定することによって出生届を受理する、こういう三段階の取り扱いでございます。
○田嶋委員 通知というのはこういう例が多いのかどうかよくわかりませんけれども、この(2)の選択肢があるということは、(1)の補正を求めるときは、それは知らされないわけですね。そこはどうなんですか。
○深山政府参考人 これは順序がついておりまして、この通知のとおりで、最初から、こういう方向とこういう方向がありますという話ではなくて、まずは、この欄は書くことになっているので書いていただけないですかという補正の促しをして、それに応じていただけない場合に、次なる、次善の策として、先ほど言いました、その他欄を活用した補正をする、こういうことでございます。
○田嶋委員 ちょっと素人考えでよくわかりませんが、これもやはり情報公開の関係なんですけれども。ただ、これは、一回経験した方は、例えば第二子で同じように役所に行ったら、そういう選択肢があるのはわかっていますよね。そうすると、そんな、順序でやるといったって、いや、私は(2)でいきますと言われたら受理する、そういうことになるんですか、これは。
○深山政府参考人 そのような場合は、やや建前論にはなりますが、まずは、しかし翻意する可能性もありますので、書く決まりですから書いていただけないですかというのをもう一度言うのが普通だと思います。それは、現場で実際にどういう言い方をされているかということまで把握はしていませんが、この通知の趣旨はそういうことです。
○田嶋委員 今の例を見ても、非常に一貫性は期待できない。そして、私のところに届いている声も、ほとんど(2)なんという選択肢はないかのように(1)でずっと言われ続ける。本当にそれでも執拗に抵抗したケースだけ(2)とか、現場の担当者の対応によって、そこは非常に曖昧になってしまうということを聞かされております。 そして、今のように、第一子と第二子で、もう一旦情報がわかっていれば、(1)のほかに(2)があるのはわかってしまうわけですから、通知というのは、これまた情報公開はされていないと思いますけれども、こういうような通知の対応ということは、まさに、地域、現場のそれぞれのところで非常に恣意的な対応を引き起こしていることになるのではないかというふうに思いますが、大臣、ここは是正の必要があるというふうにお感じになりませんか。
○谷垣国務大臣 嫡出子、非嫡出子の区別というのは、民法上、この間の最高裁決定がありましても、依然としてそれは、法律婚あるいは事実婚という中であるわけでございます。 そういう中で、確かに、今、(1)、(2)とおっしゃいましたが、あくまで(1)が行われない場合の次善の手続として行われているわけですが、そのことを全て今なくしてしまっていいとは私は考えておりません。
○田嶋委員 ぜひ、現場によってまちまちな対応がないように、一貫性のある対応を心がけていただけますようにお願い申し上げまして、終わりとさせていただきます。 ありがとうございました。
○江崎委員長 次に、中根康浩君。
○中根(康)委員 民主党の中根康浩と申します。 法務委員会では初めて、そもそも、差しかえ等も含めて法務委員会に来るのは初めてなんですけれども、先ほどから、我が党の階委員あるいは田嶋委員の緻密な質疑に感服をいたしておるところでございますが、私は、素人なりに素朴な疑問を呈して、御答弁を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 民法九百条第四号ただし書きに規定された非嫡出子の相続差別問題、これが今回の改正で解消されたといっても、まだ残る差別として、今、田嶋委員の議論を引き継いで行わせていただきます。 改めておわびを申し上げますが、これまでの議論の経緯をほとんど把握しておりませんので、重複するところもあろうかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。 まだ残る差別として、戸籍法四十九条の二項一号というところですが、出生届に嫡出子、嫡出子でない非嫡出子を記す欄があるということ。改めて、率直にお伺いしますが、何のためにこの欄があるのでしたか。
○深山政府参考人 民法におきまして、子が嫡出であるか否かに応じた身分関係上の区別が設けられておりますけれども、人の親族的身分関係を戸籍に記載するための手続法である戸籍法におきましても、嫡出子か否かに関する子の民法上の区別を反映した取り扱いをするということで、こういう規定になっております。 戸籍法四十九条二項一号は、戸籍の窓口において、出生届に係る子が嫡出子であるか否かを判断する際の、先ほどもちょっと申し上げましたが、事務処理上の便宜に資するために、嫡出子または嫡出でない子の別を出生届け出書の記載事項としているものでございます。
○中根(康)委員 事務処理上の便宜ということは、具体的には、これが何のために、何に役立っているんですか。
○深山政府参考人 先ほどもちょっと説明をさせていただきましたけれども、この事務処理というのは、戸籍窓口で戸籍の出生届を受け取って、これを戸籍簿に記載する、こういう事務をする、この事務処理の便宜に資するということです。 具体的には、この欄、嫡出子または嫡出でない子の区別をする欄がなくても、嫡出子であるかどうかというのは、ほかの、母の戸籍簿を見る等の手段で判明することではございますが、この欄があることによって、この欄をまず見て一応の判断をした上で、父母の戸籍あるいは母の戸籍を見て、そこが間違いないか、間違いがあった場合はそこを補正していただくという形で、審査をする際にそこの欄を活用します。 審査が終わると、多くの場合は、違う人が今度は入力、記載をいたします。そのときに、そこの欄が、審査が終わった場合には正確に書かれているということを一つの手がかりとして戸籍のデータの入力や記載をしていくという形で、その欄を使う形で審査を円滑に進めている。こういう意味で、事務処理上の便宜に資するということでございます。
○中根(康)委員 嫡出子か非嫡出子であるかということの区別がわからないと、どんなことに支障を来しますか。今回、民法を改正して、少なくも相続についてはその必要性がなくなるはずだと思いますけれども、依然としてまだ必要性は残るとお考えですか。
○深山政府参考人 確かに、御指摘のとおり、今回の改正案が成立いたしますと、相続分についての嫡出子と非嫡出子の区別はなくなります。 ただ、民法上のこの両者の区別としては、例えば氏がどうなるか、嫡出子は夫婦の氏を称する、非嫡出子は母の氏を称する。戸籍も、嫡出子は夫婦の戸籍に入る、非嫡出子は母の戸籍に入る。それから、法律上の父子関係につきましても、嫡出子については嫡出の推定ということがあって、それで父子関係が推定されますけれども、非嫡出子は、父親からの認知がないと法律上の父子関係は生じないという形で、民法上、嫡出子と嫡出でない子の区別というのは、そういうところにもあらわれております。 したがって、今回の改正があるからこの両者の区別が要らなくなるということはありませんし、何より、戸籍の窓口で考えますと、どの戸籍にこのお子さんを記載するのかというのが、嫡出子であれば夫婦の戸籍、非嫡出子であればお母さんの戸籍というふうに違いますので、その判別をしなければ処理がまずできないということになります。
○中根(康)委員 国民の日常生活的にはほとんど影響しないということが今の答弁で明らかになったということであろうと思います。 相続について、必要性がなくなったということでございますので、今るる御答弁がありましたけれども、私は、空文化することになるというふうに思っておりますので、戸籍法の改正もこの民法の改正と同時にやはり行うべきだ。嫡出子か非嫡出子かということの区別をあえてすることが、御本人たちに何の責任もないといいますか、子供たちに与える精神的な負担とかいうこと以上に必要性があるということは、私は率直に言って感じられないわけであります。ぜひ戸籍法の改正もあわせて行うということを御提案申し上げたいと思います。 それで、厚労省がつくっている人口動態統計というのがあるんですけれども、これも必要以上の差別を助長しかねないような調査統計ではないかと私は感じております。特にきょうは資料は配付いたしておりませんけれども、厚労省の人口動態統計、嫡出子・嫡出でない子別の年次別出生数の推移というものを調べておられるようでありますけれども、これは何のために、そしてどんな役に立って、何に反映されているんでしょうか。
○姉崎政府参考人 人口動態調査についてのお尋ねでございますけれども、人口動態調査は、我が国における人口動態を把握するために出生、死亡、婚姻、離婚、死産の状況について調べているんですけれども、その中で、先生御指摘のとおり、母の年齢別に見た出生数等について、総数に加えて嫡出子と嫡出でない子の別の統計をとっています。 厚生労働省では、これらの統計によりまして、嫡出でない子の状況や母の結婚が出産にもたらす影響等について把握をいたしまして、政策のための基礎資料としている。また、当該調査は、国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査を実施されるごとに、五年ごとに日本の将来人口推計というものを行っておりますけれども、その将来人口推計を行う際の基礎資料として活用しているということでございます。 また、国際比較というようなことなんですけれども、出生に占める嫡出でない子の割合、父の年齢階級別に見た嫡出子の出生数、それから妊娠二十八週以降の死産数といったようなデータにつきましては、定期的に総務省を通じて国際連合の方に提供いたしまして、国際連合が発行します人口統計年鑑というものに掲載をされておりまして、あわせてOECDに対してもデータを提供いたしまして、OECDのファミリーデータベースに掲載をされて、国際比較を行う上で重要な指標の一つになっている、こういうことでございます。
○中根(康)委員 今程度の御説明であれば、私は、やはり戸籍法に基づく出生届と同じようにほとんど必要ない統計なのではないかと思いますけれども、これは例えば、具体的に厚労省のどんな政策に反映されて、これがないとどんな弊害があるか、改めて教えていただきたいと思います。
○姉崎政府参考人 人口動態調査は、統計法という法律がございまして、その統計法の中で基幹統計調査それから一般統計調査という分類があるんですけれども、基幹統計調査というのは、国勢調査ですとか、国民経済計算という重要な調査が基幹調査というふうに位置づけられているんですけれども、人口動態調査につきましても、一応、統計法に基づく基幹調査という位置づけになっておりまして、我が国における重要な統計の一つ、こういうことになってございます。 先ほども申しましたように、嫡出でない子の状況、それからお母さんの状況、結婚が出産にもたらす影響等々について把握をしながら、政策の基礎資料としているということでございます。
○中根(康)委員 嫡出でない子が何人いるとかということが、私は政策に反映されているという実感がないんですけれども、これがないと本当に困りますか。もう一度。
○姉崎政府参考人 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば、日本の将来推計人口の中で、こうした婚外子の比率がどういうふうになっているのかというのを基礎資料として使っております。 婚外子の比率というのは、国際的にも、先生も御承知のように、日本は最近で二・二%でございますけれども、フランスとかスウェーデンみたいに五〇%を超えているような国もございます。こうした比率は、恐らく、例えば日本の家族のあり方とか、家族制度のことを考える上でも重要な指標なのではないかというふうに考えております。
○中根(康)委員 私は、これは、あえてつくる必要のない統計であると思っております。 もう一つ、残る差別というような観点から質問をいたしたいと思います。 これは、自治体によって行われていたり行われていなかったりというようなことなんですけれども、ある意味、生活上、一番影響がある、大変影響があるものでございますが、結婚歴のある離婚した一人親に適用される寡婦控除、これは、母子家庭の場合二十七万円、所得が五百万円以下なら三十五万円ということでございますけれども、現在、税法上は、未婚の一人親家庭には寡婦控除は適用されないということになっております。これによって、同じ一人親であっても、未婚の一人親は、所得税のみならず、これによって決まる保育料や公営住宅の家賃も高いものを払うということになります。 離婚の一人親と未婚の一人親ということでいえば、そのことによって、何か合理的な区別があるわけではありません。やはり共通して厳しい状況に置かれている方が多いというふうに思います。むしろ、未婚の一人親の方が、結婚歴のある一人親世帯よりも厳しい経済状況に置かれているケースの方が多いのではないかとも思います。 そういうことを考えると、ぜひ国としても手を差し伸べるという考え方を検討していただきたいというふうに思うんですけれども、これは、自治体によっては、そのことを理解して、保育料を決めたり公営住宅の家賃を決めたりするのに際して、いわゆるみなし寡婦控除というものを適用して、家賃を低額に、あるいは保育料を低額に抑えるという配慮をしている自治体もあるということでございますが、これは、お住まいの自治体によって財政力は当然違います。財政力の違いによって、こういった制度を享受できる方とそうでない方というものが生じてしまうということは不公平だということになりますので、ぜひ国としても検討をしていただきたいと思いますが、こういった税制のあり方については、厚労省から総務省あるいは財務省に要望するということになろうかと思いますが、まず厚労省の考え方をお聞かせいただければと思います。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。 ただいまお尋ねのありました寡婦控除制度でございますけれども、これは税制でございます。税制を所管しておられる財務省の考え方といたしまして承知しているところでは、寡婦控除というのは、配偶者と死別または離婚した後に扶養親族を扶養しなければならない事情などに配慮するものである、そして、寡婦控除制度のあり方は家族や夫婦のあり方にもかかわる問題でありますことから、所得税のさまざまな控除のあり方の議論の中で検討する必要があるというお立場であるというふうに承知をしております。 このため、厚生労働省といたしましても、ただいまの未婚の母の取り扱いにつきましては、こうした現行の寡婦控除制度の意義、あるいは家族や夫婦のあり方、所得税の諸控除のあり方、こうしたものにかかわる問題といたしまして慎重に検討する必要があるものと理解しております。 税制改正要望の取り扱いにつきましても、こうした観点から、これまで要望を見送ってきたところでございます。
○中根(康)委員 家族制度のあり方とかということを配慮した上でというような御答弁でありましたけれども、それと同時に、もちろんそれも否定するものではありませんけれども、実際に自治体によっては、その生活の厳しさに対して支援をするという配慮をしている自治体もあるわけでありまして、そのことが、全く国の意思に反して謀反を起こしているということではないだろうと思います。 厳しい状況にある一人親世帯を支援するということでいえば、結婚歴があってもなくても同じことであるし、ましてや、そういった、どの御家庭にあっても、そこで育つ子供の健やかな育ちを支援していくということは、国であっても自治体であっても大変重要な役割といいますか責務だろうと思いますので、ぜひその観点から厚労省は前向きに御検討をいただければと思います。 きょうは財務省にも総務省にも来ていただいておると思いますが、今の厚労省さんの説明でうかがい知ることはできますけれども、改めて、まず総務省のお考えをお聞きしたいと思います。
○平嶋政府参考人 お答え申し上げます。 個人住民税におきましても、所得税と同様、寡婦は、地方税法において、夫と死別または離婚した後、婚姻をしていない者と定義されておりまして、所得税と同様に、未婚の母に寡婦控除の適用はないところでございます。 個人住民税における所得控除については、基本的には、こういった人的控除につきましては、常に所得税との均衡をとりながら議論させていただいておりますので、所得税の議論とあわせて検討する必要がございますけれども、寡婦控除の見直しについては、税制として家族や夫婦のあり方にもかかわる問題でございますので、家族制度についての国会での議論等を踏まえつつ、慎重に検討すべき事柄であると考えております。 以上でございます。
○中根(康)委員 御説明はわからないわけではないんですが、実際にそういうみなし寡婦控除というものを実施している自治体があるということについては総務省はどうお考えですか。
○平嶋政府参考人 御案内のとおり、保育所の運営につきましては自治事務でございますので、それは自治体の判断ということだろうと思っております。
○中根(康)委員 まさに今、安倍内閣は、子育てしやすい社会を、国づくりを、地域づくりを進めていくということを推進しておられるわけでありますので、こういうみなし寡婦控除のような、少子化対策にもつながる、子育て支援にもつながる制度を適用しておられる自治体は模範的な自治体だということで、これはやはり、どういうお考えでどういう財政的な裏づけのもとに行われているかということはぜひ総務省としてもよく御研究をいただいて、できるならば、多くの自治体にこうした制度を活用していただきたいと私は思っておりますが、また、できるならば、税制上、税法上、措置をとってもらいたいという思いもあるわけですが、改めて、厳しい御答弁をいただくのは覚悟の上でありますが、財務省の御見解をお示しいただければと思います。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま厚生労働省、総務省からも答弁がございまして、繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、所得税法上、寡婦控除は、配偶者と死別または離婚した後に扶養親族を扶養しなければならない事情などに配慮した制度ということでございます。 この制度の見直しに当たりましては、寡婦控除と家族や夫婦のあり方、そういったことにもかかわる問題でありますので、慎重な議論が必要であると考えております。例えば配偶者控除や扶養控除といった、所得税法上の控除の概念、その他の控除との関係にも留意する必要があることから、所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討していく必要があると考えております。
○中根(康)委員 先進的な自治体が実施しているみなし寡婦控除のような子育て支援に対して、厚労省も総務省も財務省も大変、後ろ向きなとは言いませんけれども、消極的な御答弁であったわけであります。 やっているというところがあるわけですから、それを恐らく否定する、あるいは、これはだめなことをやっているという言い分はないんだろうと思いますので、ぜひ先進的な事例としてお受けとめをいただいて御検討を重ねていただければと思います。 ここで、改めて本論に戻りますけれども、民法九百条第四号ただし書きということであります。 私は、男女の結婚から成る家族という基礎的な単位が社会や国をつくる基盤である、基礎であるということを否定するものではありませんし、夫婦は仲よく協力し、助け合っていかなければならないという考え方も当然否定するわけではありません。その上で、非嫡出子、婚外子の相続の問題でありますけれども、法律婚と婚外子の子供の保護というものは両立をさせることができるんだろうと思っております。特に婚外子の問題は、やはり子供の人権の保護という観点から、親の都合ということでは当然ないわけでありまして、子供の視点から議論をしていきたいというふうに思います。 それで、もう既にというか、この法務委員会などでは当たり前のこととして進んでいるんだろうと思いますけれども、そもそも非嫡出子の相続分が嫡出子の二分の一になっているという意味合いは何かということをお尋ねしたいと思います。 非嫡出子本人あるいはその親に対する、場合によっては懲罰的な意味合いとか、逆に、二分の一は少なくとも確保しているぞという意味合いなのか、あるいは、そのほか、もっと深い意味合いがあるのかということでございますが、いかがでしょうか。
○深山政府参考人 現行の民法九百条四号ただし書きが、嫡出子と嫡出でない子の相続分に二対一の差を設けている趣旨は、一方で、法律婚を尊重して嫡出子の立場を尊重するということとともに、嫡出でない子の利益の保護ということも考えて、その調和の上で相続に差を設けている、こういう趣旨というふうに考えられております。
○中根(康)委員 調和のもとに差別が残るというところが、やはり改正の必要性が当然あるところだろうということは間違いないことだと思います。 十月三十一日付の毎日新聞によりますと、自民党の法務部会において、議論の過程ではありますけれども、「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイハイと従うわけにはいかない」とか「自民党として最高裁の判断はおかしいというメッセージを発するべきではないか」などの意見が出されたということでございますが、三権分立という憲法で定められた統治システムのもとで、このような発言に対して大臣はどのようにお感じになられますか。
○谷垣国務大臣 この問題は、日本の憲法システムは、立法権は国会のみが持っているわけですが、そして、その立法に基づいて裁判所が判断をするわけですが、裁判所は、しかしながら、この法令が、法律が憲法に違反するかどうかという判断をする権限を持っている、そういう仕組みでチェック・アンド・バランス、こういうことになっているんだろうと考えております。権力の抑制と均衡をこういう形で図っている。 それで、自民党の中でどういう発言があったのか、私は存じません。新聞で読んだだけでございます。 一般的には、国会は、国会のことを行政府にいる私が申し上げていいのかどうか、ここは差し控えます、ぐっと踏みとどまりまして。行政府は、当然、最高裁判所の違憲判断を尊重するということが必要だろうと考えております。
○中根(康)委員 ほかの政党の中の議論のことを余り深入りするつもりはありませんので、このあたりにとどめさせていただきますが、もう一つだけ聞かせてください。 不倫を助長するという意見もありますが、嫡出子、非嫡出子、これの相続の差別が解消されると、なぜ不倫が助長されるんでしょうか。合理的な、具体的な根拠はありますか。
○谷垣国務大臣 私は、不倫に至る心理について十分通暁しているものではございませんが、一般的に言って、不倫に至るときに、これによって生まれてくる子の相続分が半分かどうかなんということを考えながら浮気をしたり不倫に至る人は余りいないんじゃないかと思います。
○中根(康)委員 まさに大臣の御答弁のとおりでありまして、全く不倫とそれから相続の問題とは関係がないわけでありまして、だから、今回この民法の改正が必要だ、行われるということでもあろうと思いますし、逆に言えば、不倫が助長されるというような議論でこの改正が阻まれるようなことがあってはならないということを今の大臣の御答弁が明確にお示しになっておられるということであろうと思います。 それから、この一年をめどとして、自民党の中に、家族のきずなを守るための諸施策をまとめる、あるいは、法務省の中にもそういう組織体をつくるということを伺っております。 自民党さんのことをお聞きすることは適切ではないと思いますので、法務省にお聞きをしたいと思いますけれども、この一年の間に議論をして決めようとしている、どういう組織ができて、そこで何を議論して、何を決めようとしておられるんでしょうか。
○深山政府参考人 今回の民法改正法案の提出の議論の中で、各方面から、民法改正が及ぼす社会的影響に対する懸念、あるいは、残された配偶者の生活への配慮の観点からの相続法制の見直しの必要性などの指摘がございました。 こういった指摘を踏まえて、法務省では、今回の最高裁判所の決定、それから民法改正の影響について、その実態把握に努めるとともに、相続法制等のあり方について検討を進めるためのワーキングチームを設置することとしております。 考えられる相続法制等の見直しの内容でございますが、配偶者が自宅不動産に引き続き居住することができるよう、配偶者の居住権を法律上保護するための措置、あるいは、配偶者の貢献に応じた遺産の分割を実現するために必要な措置などを考えているところでございます。
○中根(康)委員 ぜひ適切な議論が展開をされるということを期待いたしますが、間違っても、今回民法を改正して差別を解消するにもかかわらず、新たな相続格差あるいは嫡出子と非嫡出子の新たな差別をつくるような議論がなされないようなことをぜひ期待して、もう少し用意させていただいておった質問事項がありますけれども、時間が参りましたので、これで終了させていただきます。 ありがとうございました。
○江崎委員長 次に、高橋みほさん。
○高橋(み)委員 日本維新の会の高橋みほでございます。 きょうもどうぞよろしくお願いいたします。 今回の法改正の提案理由は、民法の規定中、嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分の二分の一とする部分は憲法違反であるとの最高裁判所の決定があったことに鑑み、当該部分を削除する必要があるとのみ述べられております。すなわち、違憲判断が下されたことのみをもって改正するという理由になっております。立法府の意見が全くないというのは少し寂しいことではありますけれども、これは三権分立の観点から仕方がないのではないかとは思っております。 さて、三権分立といいますと、私が中学生のころ、日本国憲法の柱は、国民主権、三権分立、基本的人権の尊重、そして平和主義であると教わりました。今回、三権分立の仕組みによって法改正を行ったわけでございますけれども、この問題に関しましては、どの党でも議員の皆様方の個人的な思想や信条の観点から、いろいろ議論が闘わされたのではないかと思っております。 私は、権力が暴走しないためにも三権分立はとても大事なことだと思っております。しかしながら、司法権はよく自制的であるべきとか謙抑的であるべきと言われておりまして、最高裁は今まで違憲判断というものをほとんど出してまいりませんでした。最高裁が違憲判決を出したものが九件ということは、司法権は自制的で謙抑的であるべきだということを実践しているということになると思います。 今回、判決が確定しましてから六十九日間で法案提出がなされました。そこでお尋ねいたしますけれども、違憲判決が確定した後、どのくらいの時間で法改正等を国会に上程するのか、決まりなどがあるようでしたら教えてください。
○深山政府参考人 一般論といたしまして、最高裁判所から違憲であるとの判断がされた法令については速やかに是正することが期待されていると言うことはできますけれども、最高裁判所の違憲判断がされた場合において、どれくらいの期間で改正法案を国会に提出するのかという点についての明文のルールがあるわけではございません。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。明文の規定がないということを伺いました。 とするならば、世論が割れているような場合や、議員本人や政党の考えが色濃く反映されるような場合、違憲判決が出た後、かなりたっても立法措置がなされない場合というものがあるということを私は危惧します。ただでさえ司法消極主義になっている日本においては、三権分立が侵される可能性が高いのではないかと考えております。 きちんと、最高裁の違憲判決が確定しましたら一定の期間で法案を提出するべきだという明文の規定などを設けることについてはいかがお考えでしょうか、谷垣大臣にお伺いします。
○谷垣国務大臣 これは一般論でお答えするしかないと私は思うんです。先ほど来御答弁がありますように、行政府は、司法がそういう判断を下したら、それを尊重する、そしてできる限り速やかに対応するということが求められていることは事実でしょう。それから、今回のような案件は、私人間の権利関係は、常に相続は発生しますから、そのよるべき基準がなかなか定まらないということは私人間の権利関係にも影響を与えるでしょうね。ただ、それを何カ月でとかいうことになりますと、これは、立法府と司法部が対立した件でありますから、簡単に是正できるのもあるかもしれませんが、なかなか難しい問題もございます。私は、一律に言うのはなかなか難しいことだと思います。 〔委員長退席、土屋(正)委員長代理着席〕
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 確かに、事案によっては法改正をするのは本当に大変なものもありますし、いろいろあると思うんですけれども、それにまたいろいろな、ただ、今までの現実を見てみますと、それほど期間がたっていないで国会に上程されているということも伺っておりますので、今まではそんなに問題はなかったのかなとは思っているんですけれども、もしかしたら、これから本当に大きな問題があったときに、司法権が違憲判決を出したのに立法府がそのままにしてしまう、行政府がそのままにしてしまうという可能性もなきにしもあらずじゃないかと私は考えますので、今ちょっと提案をさせていただきました。 さて、本改正につきましては、伝統的な家族制度を壊すとか法律婚主義を崩壊させるんじゃないかというようなことをすごくおっしゃる方がいらっしゃいます。私が不思議に思うのは、例えば、法律婚をしていたのにもかかわらず外で子供をつくった男性などの責任をそれほど問うことはなく、日本の美しい伝統とか法律婚の尊重という観点から、非嫡出の相続分を嫡出子と異ならせ、責任を非嫡出子に負わせるような法制度のままでよいと言われている方々は、責任追及の相手方を間違っているんじゃないかと私は考えております。私は、声を大にして言いたいと思います。非嫡出に責任は、非はありません。非嫡出子は生まれてくる親を選べません。倫理的に妥当ではないというのでしたら、それは両親に言えばいいことであります。 私は、今回の問題は、単に日本の伝統という観点で語るのではなくて、実質的には子の立場から物事を考える必要性があるのではないかと考えております。 そして、私は、今回は、相続の場合の遺産分割の際に生じる問題ではありますけれども、これは、非嫡出子が生まれてから、そして親が亡くなるまでの集大成の問題であると思っております。そうであるならば、今回の遺産分割の問題は、ただ単に親が亡くなったときの一時をもって語られるものではなく、非嫡出子が出生のときから考えるべき問題であるのじゃないかと私は考えております。 そこで、非嫡出子が生まれて未成年であるころ、親がきちんと責任をとっているのか、すなわち、認知した親はきちんと子に対する扶養義務を果たしているのかをまず問題にしたい、そう考えております。 そこで、今現在、日本において毎年非嫡出子がどのくらい生まれているのか、お答えください。
○姉崎政府参考人 平成二十四年の人口動態調査によりますと、二十四年の一年間の出生数は百三万七千二百三十一人で、そのうち嫡出でない子の出生数は二万三千百三十八人、全体の約二・二%ということになっております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。毎年二万三千人ぐらいいらっしゃるということだと思います。 では、その非嫡出子が未成年のとき、親は子に対して扶養義務を果たしているのか、すなわち毎月どのくらい仕送りを受けているのか等のデータがありましたら、できましたら一人親という統計ではなく、非嫡出の場合に限定して教えていただければと思います。
○姉崎政府参考人 私ども、届け出の記載に基づきまして、出生のときと死産のときに嫡出か嫡出でないかの統計をとっておりますけれども、世の中全体に非嫡出の子がどのぐらいいるかという統計は、済みません、あいにくとってございませんのでわかりません。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 私は、これをなぜ聞いたかといいますと、これは非常に大きな問題じゃないかというふうに思っております。非嫡出がきちんと扶養されているのか、何人ぐらいいて、その人たちがきちんとどのくらいのお金をもらって生活しているのかというのはとても大きな問題だと思っておりますので、ぜひきちんと、アンケートとか統計とかいろいろ方法はあると思いますので、一応ちゃんと調べていっていただきたいと思っております。 さて、非嫡出子の問題を考えるときに一番大事なのは、子が健やかにきちんと育っていくことであって、子の物心ともに面倒を見て、教育環境を整えて、子が望めばきちんと高等教育を受けさせる、そういうことが一番大事だと私は思っております。 非嫡出子の問題に加え、同等の環境に置かれやすいシングルマザーやシングルファーザーの問題も同等の視点で考えなければいけないというふうに考えております。日本にはすばらしい文化があり、思いやりあるすばらしい人間の集まりであるのならば、例えば離婚後の嫡出子に対する扶養もきちんとなされているんだと私は考えますけれども、そこで、離婚後の嫡出子は親が離婚した後に親からきちんと養育費をもらっているのか、お尋ねいたします。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十三年度の全国母子世帯等調査結果によりますと、離婚を理由として一人親家庭になった方で現在も養育費を受けていると回答した世帯の割合は、母子世帯で一九・七%、父子世帯で四・一%、また、養育費を受けたことがあると回答した世帯も加えますと、母子世帯で三五・六%、父子世帯で七%でございます。それから、こうした世帯で一世帯当たり受けている養育費の平均受給額でございますが、母子世帯では約四万三千円、父子世帯では三万二千円となっております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 美しい伝統があるならば、離婚した後の子供に対する扶養というものもやはりきちんと考えていくべきではないかと私は考えております。 ところで、非嫡出子の子を持つ親や離婚後に一人で嫡出子を育てているようなシングルマザーやシングルファーザーが生活保護を受けているということもあると思いますが、その数は把握されているでしょうか。
○古都政府参考人 お答え申し上げます。 生活保護を受給している母子世帯、父子世帯につきまして、母子世帯として集計している数は、直近のデータ、平成二十五年八月時点で約十一万一千世帯でございます。また、父子世帯につきましては、区分して集計しておりませんが、二十三年度の推計で約五千世帯ということでございます。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 そのような場合、生活保護を支払った市町村は、そもそも扶養義務がある親に対して求償はしているんでしょうか。
○古都政府参考人 お答え申し上げます。 まず、一般の扶養義務につきまして、生活保護法では、民法に定める扶養義務者による扶養を保護に優先して行うということにしております。民法七百五十二条に規定されている夫婦、あるいは、民法八百七十七条第一項に規定されている直系血族や兄弟姉妹などが扶養義務者となります。御指摘の、母子世帯あるいは父子世帯の子供の一方の親は直系血族に当たりますので、当然、扶養義務者になります。 これを踏まえまして、扶養が可能と思われる扶養義務者にはその責任を果たしていただきたいというふうに考えておりますけれども、これは、受給者と扶養義務者との関係がどのようになっているか、あるいは扶養義務者の収入や資産、生活状況、こういった諸事情を個別に判断した上で、必要に応じて扶養を求めるということになっております。 なお、家庭裁判所の調停手続などにより定められた養育費の支払いというものがあれば、これが履行されていない状況であれば履行を求め、あるいは生活保護法七十七条に基づく費用徴収を行うということでございます。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 なぜこのことを尋ねたかといいますと、認知をした親とか離婚した親とかがやはりきちんと責任を果たさなければいけないということを私はすごく申し上げたい、そのような思いでしました。日本は美しい、このことを考えた家族制度の結論ということで、きちんと親が子供に対して扶養義務を果たす、それが本当に必要なんじゃないかと私は考えております。 さて、今回の法改正に戻りたいと思うんですけれども、今まで述べましたが、親が非嫡出子の扶養の義務を果たしていなかったような場合、その親が亡くなって相続が発生したとき、遺産分割によって今までと異なる何か影響が出ると考えているでしょうか。
○深山政府参考人 亡くなった方、被相続人が相続人である嫡出でない子に対する扶養義務を果たしていなかった場合、こういう場合にあっても、基本的には遺産分割において影響がないというふうに考えております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 今、遺産分割によってほとんど影響が出ないと言われましたけれども、私が考えるところ、実際にかなり影響があるのではないかと思っております。 例えば、嫡出子が親と同居をするなどして、その親が認知症であって、大変な思いをして看病していたりする場合、親の扶養を実際に行っているのに、それを無視して平等に分けるというのは、嫡出子の側からしたら、それは平等でないと言えるかと思います。とすると、それは寄与分として遺産分割するときに考慮されるんだろうかというような疑問が湧いてくるんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○深山政府参考人 共同相続人の中で、被相続人の事業に関する労務の提供あるいは財産の給付、それから今お話に出たような被相続人の療養看護その他の方法で被相続人の財産の維持や増加に特別な寄与をした者があるときには、御指摘のように、その者に寄与分が認められます。その結果、具体的な相続分が調整されることになります。 この寄与の有無や程度につきましては、家庭裁判所が個別具体的な事情を考慮して判断することになりますので、一概にこうだとは言えませんけれども、一般的には、御指摘のような嫡出子が親である被相続人の看護に相当期間従事した場合、あるいは親を引き取って扶養したり、扶養料を負担していた場合においては寄与分が認められることがあるものと思っております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 ただ、これはよく言われていることなんですけれども、非嫡出子は親の面倒を見られないから、その点、不平等じゃないかというような話もあります。 ただ、私は、嫡出子が同居などをしていて、たとえ親が病気じゃなくても、やはりそれなりの大変な苦労というのはあると思うんですよね。それなのに、最終的に亡くなったときに平等だというのは、やはりちょっと、何となく国民感情として納得できないというところもあるかと思います。ですから、私は、いろいろ問題になったときに、具体的にきちんと実際を見て判断するということがこれから本当に望まれるんじゃないかと思っております。 そして、通常、嫡出子間の遺産分割における特別受益としてよく問題になりますのが、一人だけ大学に行かせてもらったりとか、一人だけ結婚のときに結納金をもらったりとか、そんなことがよく特別受益になると言われております。これは、大学へ行く前の段階では、子供一人にかけるお金は兄弟間ではそれほど変わらないんじゃないかという観点からそのようになされているのかと私は考えております。 そうでありますと、嫡出子と非嫡出子で遺産分割をする場合、非嫡出子が全く仕送りを受けていないような場合、義務教育の時期や高等教育の時期でも嫡出子と非嫡出子の間で金銭的な待遇がかなり違うと思います。そうしますと、嫡出子の特別受益の範囲を広く考えなければいけないと考えられますが、いかがでしょうか。
○深山政府参考人 一般論で申し上げますと、今委員が御指摘になったように、被相続人である方が嫡出でない子についての養育費を全く負担していない、こういうような場合でも、こういった事情というのは、本来、嫡出でない子やその親権者が養育費を請求するということによって解決されるべきものでございますので、こういった事情が遺産分割において特別受益として考慮されるということにはならないと思います。 もっとも、最初に委員がお話しになったように、嫡出子が非嫡出子と比べて被相続人から格段に高い教育を受けさせてもらったりとか多額の結納金をもらっている、こういうような場合はもちろん特別受益に当たるんですが、受益ですので、マイナスの部分というのを特別受益にカウントするというのは制度上難しい、こういうことでございます。
○高橋(み)委員 ちょっと私の言い方が曖昧だったのかもしれませんけれども、そういう意味ではなくて、例えば、非嫡出子が中卒であって、ほかの嫡出子の方が高卒だった場合、その場合もやはりかなり違いがあるんじゃないかな、とすると、嫡出子の方が特別に受益を受けているというような場合があるんじゃないかなと質問した次第でございます。 でも、次に行きまして、私は、今までの質問で一方的に非嫡出子の側に立っていると思われるかもしれませんけれども、実はそういうわけではございません。 これから、私が考えますと、嫡出子と全く同じ権利を持っている非嫡出子がいることになりますと、非嫡出子が親の面倒を見るという扶養の問題がこれから大きな問題になるかと私は思っております。 もちろん相続分が嫡出子に比べて半分であったとしても扶養義務はあったかと思うんですけれども、全く平等で遺産を相続するとなると、非嫡出子もその親の面倒を見なければならないという比重が高くなってくるんじゃないかと私は思っております。 そこでまず、非嫡出子が認知した親の面倒を見ているとか、そういうようなものがどのくらいあるか、把握されていますでしょうか。
○岡最高裁判所長官代理者 家庭裁判所で取り扱っております事件のうち、お尋ねに関係する事件といたしましては、扶養に関する処分についての審判や調停がございます。これら全体の件数については把握しておりますけれども、そのうち嫡出でない子を対象とするものがどの程度含まれているかについては、把握してございません。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。では、まだそれほど問題は現実化していないと私は思っているんですけれども。 それでは、今までは、扶養義務を判断するときに、非嫡出子も嫡出子と同じ順位として平等に考えられて扶養義務の判断をされていたのでしょうか。
○深山政府参考人 民法上は、扶養義務につきまして、直系血族は互いに扶養する義務があるというふうに規定をされているわけでして、子の親に対する扶養義務については、嫡出子であるか嫡出でない子であるかということについて順位に全く差はございません。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 とすると、今回の法改正があった場合、実務上変更がある、今までは嫡出子の方に扶養義務を認めて、幾ら払えと言っていたのに、同じだけ将来的にお金をもらう可能性があるんですから、非嫡出子も同様に扶養義務をもっと果たさなければいけないというような風潮になる可能性というのはあるのでしょうか。
○深山政府参考人 法律の仕組みとしては今も同順位でありますし、今回の民法の改正によって相続分が同等化しても、それは死んだ後の相続分の問題ですから、その前の扶養義務の規律について影響は及ばないんですけれども、風潮がどうかというお尋ねになると、そこはなかなか、そういう風潮が生ずる可能性がないと言い切るわけにはいかないとは思います。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 ただ、実際的には、非嫡出子は通常一緒に暮らしていませんので、同居して面倒を見るような扶養義務を果たすことは普通可能ではないと思います。 とするならば、非嫡出子は金銭的な面で親の面倒を見なければいけないということにもなると思いますが、そういうこともやはりふえると考えられますでしょうか。
○深山政府参考人 今のお尋ねは、今回の改正によって非嫡出子も相続分が増加するんだから、親に対する扶養義務も重くなるのではないか、こういうお尋ねだと思います。 実際のケースで、親を誰がどのように扶養すべきかというのは、個別具体的な経済事情等によりますから、一概に申し上げることはできませんけれども、理屈の問題として言いますと、嫡出でない子の親に対する扶養義務の内容は、今回の民法改正によっても法律上変わるわけではございませんので、嫡出でない子は金銭面で親の面倒を見なければならない可能性が当然高まるという関係にはないと思います。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 実際の遺産分割の場合、嫡出子同士でも、長男が多く分与されるとか、いろいろな問題が生じるのに、嫡出子と非嫡出子の間で分割だと、本当は大変だと思っております。 例えば、目ぼしい財産が家とか土地しかなかった場合、配偶者が今まで住んでいた土地や家を売らなければいけないということもすごく考えられると思います。もちろん、今まで二分の一を認められたときもそういう場合はあったとは思うんですけれども、非嫡出子の相続分が多くなれば多くなるほど配偶者などが現金を出さなければいけない。その現金がなかった場合は、やはり家を売らなければいけないという可能性もあるんじゃないかと危惧しているんですけれども、何かその点、手当てなどは考えていらっしゃるでしょうか。
○深山政府参考人 相続人が配偶者と嫡出子と嫡出でない子である、こういうケースで、今御指摘のあったように、配偶者あるいは配偶者と嫡出子が遺産である建物に居住をしていて、建物以外に見るべき資産がないというような事案を考えますと、配偶者と嫡出子が嫡出でない子に代償金を払うことによって遺産分割をするということが通常考えられます。 これも委員の御指摘のとおりですが、今回の相続分の同等化によって代償金の額が増額いたしますので、その結果として、代償金を払うことができずに売らざるを得ないケースが可能性としてふえる、そのことは否定できないと思っております。 こういった事態に対応する現在の方策としては、被相続人の、生前であれば遺言によって、あるいは死亡後であれば、先ほど申し上げた寄与分による調整を行うことや、代償金をすぐに払うことができないので分割払いを求める調停を申し立てるといった手段が考えられますけれども、配偶者の居住権を法律上保護するという観点から、さらなる方策を講ずる必要があるとすれば、今後、法務省で行うこととしております相続法制のあり方の検討の中で検討していきたいと思っております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 今回の質問の機会を与えていただいたとき、具体的な相続を考えたときに、実は、かなりもめる可能性があるんじゃないかなと私は感じました。 そこで、谷垣法務大臣にお伺いしたいと思いますが、今までの議論の中、余り想定していないようないろいろな問題が出てくるんじゃないかなという私の意見なんですけれども、それについてどうお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 私は、嫡出子だけが相続人の場合と、非嫡出子もいる相続、どっちが難しいかといえば、事実的には、それは非嫡出子がおられる方が難しい場合が多いのではないかと思います。 ただ、今御懸念の案は、例えば、誰が一番子供の中で扶養義務を果たしたとか、親から誰が一番面倒見てもらったのかというような御心配ですね。それは、嫡出子と非嫡出子が、両方相続人がいるから起こるわけじゃ、そこだけで起こるわけじゃなくて、全部血を分けた兄弟だって同じような問題が起こるわけですね。 そこで、今の制度では、一応、相続分は平等であるとして、あと具体的にどうしていくかは、本当は話し合いで決めれば一番いいんですが、もしもめた場合は裁判所できちっと議論をするということになっているんだろうと思います。 それで、むしろ、これからの私たちの役割は、今回の相続分の改正によってどういうふうに社会が動いていくのか、さっきおっしゃった、風潮という表現をなさいましたが、それがどういうふうになっていくのか。それを少し、民事局長が申しましたが、これから法務省の中でやるその研究会で、その辺はよく見ていく必要があるのではないかと思っております。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたのは、私も本当にそのとおりだと思っておりまして、今私が述べました、非嫡出子と嫡出子が両方共同相続人になる場合も、嫡出子同士が相続人になる場合も、もちろん本当に同じような問題が起きていると思います。ただ、それが実際また、ちょっとひどくなる可能性もあるなというようなことを危惧しておりますので、本当に社会の情勢がどうなっていくのかということも注視していただきまして、できれば、ほかに法制度が必要ならば、そういうようなことの御検討もいただきたいと思っております。 今、深山民事局長さんが、やはり遺言を書くのが必要だというふうにおっしゃっていただいたんですけれども、私はそれは本当に大事だと思っております。 それで、今いろいろな会が遺言を書きましょうというような活動をされているんですけれども、一番大事なのは、やはり学生のころに遺言というものの必要性というものを教えるということが大事だと思っているんですけれども、将来の紛争を予防するような教育、義務教育の中で行われているのかということをちょっとお尋ねしたいと思っております。
○上野大臣政務官 高橋委員にお答えします。 残念ながら、遺言制度については、子供の発達段階を踏まえ、現在、義務教育段階で取り扱ってはおりませんが、高等学校の学習指導要領では、家庭科の科目、家庭総合において、家族・家庭と法律について、婚姻、夫婦、親子等に関する法律の基礎的な知識を理解させることとして、教科書の中には、相続の中で遺言制度について記述している例が見られるところでございます。
○高橋(み)委員 ありがとうございます。 家庭科の中でということなんですけれども、できましたら、やはり義務教育のときから、法律教育というのはすごく大事だと思っておりますので、検討をしていただければと思っております。 あと最後に、道徳教育についてお尋ねするということをちょっと申し上げていたんですけれども、ちょっと時間がございませんので、申しわけないんですけれども、その質問は割愛させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○土屋(正)委員長代理 次に、杉田水脈さん。
○杉田委員 日本維新の会の杉田水脈です。 本日は、法務委員会で質問をさせていただく機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。 九月四日に、皆さん御存じのとおり、最高裁判所で、民法九百条四号ただし書きの中の「、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし」という部分を、憲法十四条一項に定める法のもとの平等に違反しているとする、私からすればちょっと信じられないような判断が下されました。 私からすればというふうに申し上げましたが、これは、いろいろな方々、実際に生活していらっしゃる方々なんかの意見を聞いても、これはちょっと実情に反しないか、この判断はおかしいんじゃないかというところが民意の大半を占めているというふうに考えております。 今回は、最高裁のこの決定に従い、速やかな法改正、法整備をするということになっているんですけれども、国会は、国民から選挙によって選ばれた国会議員で構成をしている機関であります。この国会が、国民の世論とは違う場合でも最高裁判所の決定に従わざるを得ない今のあり方というのは、本当に三権分立と言えるのかどうか、私は非常に疑問に思います。そのあたりについてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
○谷垣国務大臣 要するに、国会は民意を受けているという今の御発言ですね。それは、当然、選挙で我々は選ばれてきておりますし、選挙で我々が感じてきた民意を代弁して国会議員は活動すべき、立法府はそういう判断をするわけですね。 ただ、我が国の制度は、もう御承知のとおり、それだけで動くというふうにはなっておりません。つまり、立法府がつくった法律、これに基本的に裁判所は従って裁判をしていくわけですね。ふだんは全部そうなんです。そうしたら、全部立法府が偉いのか、司法部は全部立法府の下なのか。ただ一点違うのは、これは憲法違反というときは、司法部がそう決める権限を持っているということでバランスをとっているわけです。 ですから、この制度は、今、杉田さんがおっしゃった民意ということも基本的に大事で、我々はそれを大事にしなければいけませんが、それと同時に、権力を分立させて、チェック・アンド・バランスである、こういう仕組みででき上がっている、その両方によって、日本のデモクラシーといいますか、そういうものが成り立っているのではないかと私は思っております。 〔土屋(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○杉田委員 大臣、ありがとうございます。 ただ、裁判官も人間ですので、いつも正しい判断をするというわけではないと思いますので、それに対して、我々立法府が非常に無力であるということを今感じております。ただ、これはもう憲法に定められていることですので、憲法を改正でもしない限りはこの状態は改まらないということで、この議論はちょっとここでおかせていただきまして、次に進みたいと思います。 今回の報道なんですけれども、ほとんどのところが、この判断について、今までが相続差別であったとしております。これは日経新聞なんですが、「百十五年続いた婚外子(非嫡出子)の相続差別がようやく解消された。」というような書き出しで始まっているんです。ほとんどのところは、これを相続差別、相続差別と報道の方はしているんですけれども、果たしてそうなのか。 これは、明治時代に民法ができたときに、嫡出でない子供の相続分というのはもともとはゼロだったところを、救済策で法律婚と婚外子の保護の調整を図ったものであって、その当時はヨーロッパの諸国でもゼロだったんですよ、婚外子については。でも、明治時代に、それではかわいそうだということで、法律婚の尊重と婚外子の保護を図った結果、二分の一となっているので、私は、これは相続差別ではなくて、救済されているという民法、救済法だというふうに考えておるんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今、杉田さんがおっしゃったように、今までの九百条、嫡出子と非嫡出子の相続の、二分の一ということに非嫡出子がなっておりました。その意味は、あなたがおっしゃったように、二つ意味があったと思うんですね。 一つは、やはり法律婚を尊重して、法律婚の中から生まれてきた子供の方が、非嫡出子よりも倍持っていると。それから同時に、さはさりながら、事実婚といいますか非法律婚から生まれてきた子にも、それを相続において全否定しているわけではないよという形で、今までは調整を図ってきたということだろうと思います。 しかし、今回、この最高裁決定が示したのは、親の立場はともかくとして、子供は親を選べないんだから、だからそこは平等にしなければいけないのではないかという判断を今度下したわけですね。 ですから、そこをどう考えるかはいろいろ御理解があると思います。私は今、行政府にいる人間として、その最高裁の判断を基本的に尊重すべきであるというふうに考えております。
○杉田委員 子供は親を選んで生まれてこられないというようなことは、よくこの問題に関しても述べられていることですけれども、このことだけではなくて、例えば、裕福なところに生まれるのか、貧しい家庭に生まれるのか、嫡出子として生まれるのか、婚外子として生まれるのかも選べませんし、もしくは、児童虐待をするような親に生まれてくる、それとも、大切に育てていただける親のところに生まれてくる、そういうことも選べませんので、これを平等という一言で片づけてしまうのは非常に乱暴ではないかというふうに私は感じます。 今までは、二分の一になっているのが相続差別ではないかと言われると、法務省さんの方は、これは合理的区別であるということで国民の皆さんに説明をしていたと思います。私は全くそれが理にかなっていると思うんですが、今回、この司法判断が出てしまった結果、合理的区別ではなくなるんですね。 ということは、一体、法律上の結婚と法律外の結婚、法律婚と事実婚の区別は今後どうなるんでしょうか。法律婚の意味は一体どこにあるんでしょうか。それをお尋ねしたいと思います。
○深山政府参考人 民法は法律婚主義を採用しているところですが、今回の法改正によってもこの点は変わりはありません。 法律婚と事実婚の間には、改正後も従前と同様に大きな違いが幾つもございます。 まず、法律婚の関係にある夫婦の一方配偶者には、他方配偶者の相続について二分の一の法定相続分が認められておりますが、事実婚の関係にある男女の場合には、その一方に他方の相続が認められておりません。法律上の父子関係、父と子の関係につきましても、法律上の婚姻関係にある妻が懐胎した子は夫の子と推定されますけれども、事実婚の関係にある男女の場合には、法律上の父子関係を生じさせるためには認知が必要でございます。さらに、法律上の婚姻関係にある夫婦から生まれた子は、父母の氏を称して父母の戸籍に入りますけれども、事実婚の関係にある男女から生まれた子は、母の氏を称して母の戸籍に入る。こういうふうに法律上の区別がされております。 このように、今回の民法改正の趣旨は、法律婚と事実婚の区別をなくす、別にそういうことではなくて、したがって、法律婚を今後とも尊重していく意味というのは何ら失われないものと思っております。
○杉田委員 よく、女性の権利とかを主張するような人たちが、事実婚を認めろとか、夫婦別姓だとかいうようなことをおっしゃるんですけれども、法律婚の重視と重婚の禁止こそが女性を守る切り札だと私は思っているんですよ。そのあたりについてはいかがお考えでしょうか。
○深山政府参考人 先ほど申し上げたように、民法上、法律婚主義がとられていて、重婚は禁止されております。これは我が国の基本的な秩序だと思っております。
○杉田委員 法律婚の重視と重婚の禁止、これを絶対に守るというような立場でこれからも法務省の方は物事を考えていっていただきたいなということを思います。 今回の決定に当たっては、法廷意見要旨というものがございまして、冒頭にはこのようなことが述べられています。相続制度を定めるに当たっては、それぞれの国の伝統、社会事情、国民感情なども考慮されなければならず、また、その国における婚姻ないし親子関係に対する規律、国民の意識等を離れてこれを定めることはできないというふうに書かれております。これに従って、平成七年のときには合憲というふうに判断をされております。それが、今回はこれは違憲ということになりました。 今回の違憲判決と当時の合憲判決の根拠の違いは一体何なのか、それをお尋ねしたいと思います。
○深山政府参考人 今委員が御指摘になったように、相続制度をどのように定めるかというのは、国の伝統、社会事情、国民感情、婚姻、親子関係に対する規律や国民意識等を総合的に考慮した立法府の合理的な裁量判断に委ねられている、ここまでは両判断は同じ、平成七年も今回の決定も同じ前提に立っております。 その上で、これらのさまざまな考慮事情は時代とともに変遷するものであるから、この規定の合理性は、個人の尊厳と法のもとの平等を定める憲法に照らし、嫡出でない子の権利が不当に侵害されているか否かという観点から不断に検討されなければならないというのが今回の決定の最初の前提です。 その上で、平成二十二年の民法改正時から現在に至るまでの事情の変遷を見ると、社会の動向、家族形態の多様化や国民の意識の変化、諸外国の立法の趨勢、我が国が批准した条約の内容とこれに基づき設置された委員会からの指摘、関係法令の改正動向等の事情についてさまざまな変遷が認定されております。 これらの事情の変遷は、その中のいずれか一つを捉えて、この規定を不合理とすべき決定的な理由とはならないが、総合的に考察すると、父母が婚姻関係になかったという、子にとってみずから選択、修正できない事柄を理由にその子に不利益を及ぼすことは許されないという考え方が確立してきているものと言うことができる、これが一つの結論で、以上を総合すれば、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われており、本件規定は憲法十四条第一項に違反する、こういう結論になっております。 したがって、平成七年の最高裁の合憲の決定の事案、これは相続開始時が昭和六十三年の事件でしたけれども、この事案においては、法律婚の尊重と嫡出でない子の保護の調整を図るという立法目的に合理的な根拠があったとされたわけですけれども、法のもとの平等を定めた憲法に照らしてこの規定の合理性について不断に検討するべく、今日までの社会の動向等、種々の事柄の変遷を総合的に考慮すると、今回の最高裁の違憲の決定の事案における相続開始時、これは平成十三年七月ですけれども、この時点では合理的な根拠は失われていて違憲になっていた、こういう判断になったものだと思っております。
○杉田委員 それも抽象的だという御意見がありましたが、全く抽象的で、理由としては決定権を欠くと私も思っております。 人口動態の話とかで、よくデータのことを持ち出されて報道なんかはなされております。この日本経済新聞も、一九九五年、平成七年のときには婚外子が一・二%だったけれども、二〇一一年には二・二%まで増加したと。割と報道はこういうふうなことを書いてくるんですけれども、これは私は非常にまやかしだというふうに思っているんですね。 というのが、今までの法律の中でも、例えば夫婦の中に嫡出子だけしかいない場合というのは、普通に平等に分ければいいので該当しないんですね。また、例えば事実婚で籍を入れていなくて、非嫡出子だけ三人いましたというような場合も、これは平等に分ければいいから、今回のこの判断には該当しないわけなんですよ。それから、先ほどから何度も出ておりますように、遺言がある場合も、その遺言に従って財産を分与すればいいわけですから、今回の判定のこの事例には当たらない。いわゆる、一人の財産相続において非嫡出子と嫡出子が並行して存在する場合のみ、ですから、今回のこれが適用されるのは極めてレアなケースなんです。 では、例えば直近のデータと平成七年のときと比べて、このレアケースが非常にふえているというんだったら、今回、その環境が変化したということは納得がいくんですけれども、私の感覚的には、これはほとんどふえていないんじゃないかと思うんですけれども、その統計的なところをお伺いしたいと思います。
○深山政府参考人 まず、済みません、先ほどの答弁で、私、平成二十二年の民法改正時と言ったかもしれません。これは、昭和二十二年の誤りです。 今の御質問ですが、相続人の中で嫡出子と嫡出でない子の両方いる場合の割合、実は、これは統計データがございませんので、歴年の推移などもわからないのが実情です。 ただ、最高裁判所事務総局の家庭局が、平成二十四年の十二月三十一日現在で、全国の裁判所に係属している遺産分割関係の審判、調停事件の件数のうち、こういったケースがどれだけあるかというのを調べたデータがございます。 これを申し上げますと、平成二十四年の年末現在で、遺産分割の関係の事件の係属数は一万一千二百二十四件です。そのうち、嫡出子と嫡出でない子の両方が遺産分割の当事者となっている事件の数は百七十六件、全体として約一・六%でございます。 非嫡出子の出生数が二・二%、少し上がったといっても二・二%ですから、実際に相続の争いになるのは大分先ですので、それよりまたもっと少ない数字になるということが言えると思います。
○杉田委員 先ほど、理由において、社会情勢が変わっただとか、家族が多様化したとかというような抽象的な言葉で答弁をいただきましたけれども、それを示すデータというのは存在しないのではないかというのが私の率直に思った感想でございます。 平成七年のときはこれが合憲だったのに、今回なぜ違憲になったかというようなことについて、一つ注目したい部分があります。意見書の中にはっきりと述べられているんですけれども、まずは、欧米諸国ではこのような規定を持つ国はないという記述と、それから、国際連合の関連する委員会が、我が国のこうした規定に懸念の表明、法改正の勧告を繰り返してきたという、この二つの記述があるんです。 ですから、日本の環境が変化したというよりは、こういった海外からの圧力、それに屈してこのような判断がなされたのではないかと推測もされるんですけれども、この国際連合の関連する委員会が、我が国のこうした規定に懸念の表明、法改正の勧告を繰り返してきたということなんですが、どういった懸念の表明なのか、それから、法改正の勧告を繰り返した、どのぐらいの回数言われてきたのか、それについてお答え願いたいと思います。
○深山政府参考人 民法九百条四号ただし書きの、今回問題になっている、嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一とする部分につきましては、我が国が締約している国際人権諸条約に基づいて国連に設置された委員会において、一九九三年から二〇一三年までの間に、これは二十年間ですけれども、十回にわたって、これを改正すべきとの勧告がされております。一つ一つを紹介することもできますが、まずは数だけ、十回でございます。
○杉田委員 回数の部分だけではなくて、どのような懸念の表明であったかということも質問しておりますので、そこの部分もお願いいたします。
○深山政府参考人 これは、まず一番古いものから御紹介しますと、一九九三年十一月に人権B規約委員会というところから我が国が受けた勧告です。委員会は、婚外子に関する日本の法令が改正され、そこに含まれている差別的な規定が除去され、これらが規約第二条、二十四条、二十六条のラインに適合するものとされることを勧告する、これは一つの例です。 次は、一九九八年六月に児童の権利委員会からされた勧告ですが、嫡出でない子に対して存在する差別を是正するために立法措置が導入されるべきであるというのが該当部分です。 さらにもう一つ、一九九八年の今度は十一月ですが、やはり人権B規約委員会から、委員会は、規約第二十六条に従い、全ての児童は平等の保護を与えられるという立場を再確認し、締約国が民法九百条第四号を含む法律の改正のために必要な措置をとることを勧告する。大体同趣旨のものが続いております。
○杉田委員 こういった海外からの圧力に屈してしまった結果、日本の大切な伝統文化を壊した事例というのが過去にあります。 男女共同参画社会基本法、私はこれは本当にナンセンスな法律だと思っておるんですけれども、これの成立のもとになりました女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約というのがあります。日本は昭和六十年に批准しているんですけれども、この中にはこういった記述があります。「女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。」、第五条には、「締約国は、次の目的のためのすべての適当な措置をとる。」「両性いずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。」 要するに、すごくはっきり書いてあるんです、この条約の中には。それまで持っていた慣習とか文化とかを壊してでも男女平等にしなさいということが書かれてあるんですね。 それをもとにできたこの男女共同参画社会基本法の第四条の中に、「男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。」というふうに規定されてしまっているんです。 この女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、ほとんどもう女性の人権がないような国もありますから、そういう国に対してはこれは有効だったかもしれませんが、日本というのは、ちゃんと基本的人権というのも女性の人権というのも確立された国の上にこういう条約を結んでしまいましたので、何かわけのわからないナンセンスな、混合名簿だとか、男子と女子と同じ教育を受けるみたいな、そういったナンセンスなことがこの男女共同参画社会基本法のもとで行われているんです。 これがそもそも、今回の法律なんかでも、事実婚を認めるだとか夫婦別姓を進めるだとか、そういったようなことのもとになってしまった悪法なんじゃないかというふうに感じるんですけれども、そのあたりはいかがお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 なかなか役所には答えにくいでしょうから。 今お引きになった国際条約に限らず、日本が批准した、あるいは承認した条約、いろいろなものがございます。あるいは、条約ではなくても、国際機関からいろいろ勧告を受ける、あるいは、国際機関だけではなく、いろいろな国からもいろいろな勧告といいますか、そういうのはございます。それを全部引き受けておりましたら、日本というのは主体性がなくなってしまうかもしれないと思います。 というのは、つまり、いろいろな批判はありますが、それがみんな一つの立場からされているわけでは必ずしもない。それを受け入れる賛成の方はそれを慫慂しますが、反対の方は非難をする。ある場合には非常に保守的な人が担ぎ、ある場合には非常にリベラルな人が担ぐ。こういうようなことは幾らもございますから、私は、基本的に、こういう日本の国の立て方として、国際協調というものは必要だと思っております。日本が結んだ条約は誠実に守らなければいけないと考えております。 しかし、条約を担保していくために国内法が必要だという場合がいろいろございますね。それは、やはり日本が主体的に判断をしていかなければ、日本の裁量、これは条約に百八十度反するのがいいかどうかは別として、やはり日本としては、きちっと日本の立場で判断をしていく必要があるのではないかと思っております。 ですから、そういうふうに私は考えておりますので、今後、いろいろな問題の取り組みもそのような考え方で行うべきではないかと思います。
○杉田委員 今、日本維新の会では土地規制法案というものを考えているところなんですが、今、例えば、自衛隊の周りの土地だとか、安全保障上の大切な土地だとか、もしくは水源地などが外国の資本にどんどん買われているというような事例があって、非常に危惧される状態にあると思っています。 この土地規制法、今まで自民党さんなんかの中でも何度も議論されてきたのではないかと思うんですけれども、WTOのサービス貿易一般協定において、留保に付していることが、この成立を阻んでいて、こういうふうなことが、一旦条約を結んでしまったり留保に付さなかったというようなことがもとで、先ほどは伝統文化の話をさせていただきましたが、土地のことにつきましては、国民の領土、財産が脅かされている状態にあると思います。 今まで、国際条約や国際的ルールづくりについて、日本は余りにも受け身であったのではないかというふうに感じております。これは、本当は、先ほどもおっしゃいましたが、それに合わせて一旦国内法をつくって、やってみて、おかしければ、それに対して、例えば国連に対してなり、クレームをつけることができるはずなんです。しかし、戦後一度も国連などに対して日本は修正動議を出したことがないんです。 こういった条約の批准やら締結やらは見直し提案ができるということを担保して、それをセットにして行うべきで、今回、ちょっとここは飛躍してしまったんですけれども、今までの国際的な外交に対する姿勢というところも、もっと毅然とした態度を示していかなければいけない。そこにおいて、今まであやふやにしてきて、そういうふうな修正動議も出したこともないという弱い立場にあったがために、今こういった日本の文化や伝統が非常に脅かされている状態にあるというふうに感じております。 ちょっと飛躍している部分なんですけれども、この点について最後に大臣から御意見をいただければと思います。
○谷垣国務大臣 今、杉田さん、飛躍とおっしゃいましたが、そして、日本は修正動議も出していないとおっしゃいましたが、条約を結ぶときに留保条項をつけているのはたくさんあると思います。やはりこれは、今後国会でも新しく条約に入るときは御審議いただくと思いますが、そのあたりは十分御判断をいただきながら国会でも審議をいただきたい、このように思っております。
○杉田委員 できれば、きちっとそういうふうなことの見直しが行われて、先ほど申し上げたような男女共同参画社会基本法みたいなものはさっさと見直しをして、廃案なりにしていくべきだと思っております。 そのような意見を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○江崎委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 みんなの党の井坂信彦です。 本日は、ピンチヒッターで、民法の改正についてお伺いをいたします。 まず、ずっと議論が続いておりますけれども、この婚外子相続という問題、特に、もともとは婚外子の相続は二分の一だったというところの理由を拝見しますと、法律婚はやはり尊重しなければいけない。ただ、もう片一方で、子供は親を選べないのであるから、そこの平等性も担保する必要がある、あるいはそこの保護が必要だ。こういう両者の、二つの価値観の綱引きの中で、これまで二分の一というところに落ちついていたのではないかというふうに考えております。 そして、平成七年の最高裁ではそのような判断であったところが、平成二十五年の判断では、社会の変化あるいは諸外国の変化、そして国民意識の変化、これらを理由に、婚外子差別に当たる、違憲であるという判断がされたものというふうに認識をしております。 ここで、まず一つ目の質問なんですけれども、この十八年間で司法の判断が変わったということでありますが、国民意識は実際どのように変わったというふうに考えておられるか、まずお伺いをいたします。
○深山政府参考人 国民意識の変化というお尋ねですので、世論調査の結果を御紹介したいと思います。 平成七年の最高裁の決定の直近である平成六年の世論調査の結果によりますと、嫡出子と嫡出でない子の相続分の差異につきまして、現在の制度を維持すべきであるという意見は四九・四%、相続分を同じにすべきであるという意見は二八・〇%でございまして、その差は二一・七%、二〇%以上の差があったということでございます。 同種の世論調査は平成八年、十八年にも行われておりまして、そのときには、現行制度を維持すべき意見である方が多かったんですけれども、同じにすべきであるという意見との差が一三%、一六%程度に、一〇%台になりました。 平成二十四年に同じ世論調査をまたしておりますが、その結果は、現在の制度を維持すべきであるという意見は三五・六%、相続分をむしろ同じにすべきであるという意見は二五・八%ということで、その差は一〇%弱まで縮まってきております。 このように、平成六年から二十四年までの間のいずれの世論調査におきましても、現在の制度を維持すべきであるという意見の方が相続分を同じにすべきであるという意見よりも多い状況にあることは変わりはございませんけれども、この十八年間でその差はずっと縮まってきているということは言えると思います。
○井坂委員 ありがとうございます。 法律婚を尊重するという国民意識はこの間それほど大きく変わったわけではないが、一方の、そうはいっても子供の権利は平等なんじゃないかという考え方が徐々にふえている、こういう状況ではないかというふうに思うわけですが、国民意識は確かに徐々に変わってきている、ただし法律婚を尊重するという方の国民意識は実はそれほど大きく変わったわけではないという私の認識に対して、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 国民の意識が日々変化していく背景、いろいろなものが考えられます。社会の変化、価値観の多様化、いろいろございますが、なかなかこれは一概には言いにくいです。 でも、委員がおっしゃったように、私は、法律婚を基本的に尊重しなきゃならない流れというのは定着しているのではないかと思っております。他方、法律婚で生まれた子供ではないけれども、先ほど来るる述べておりますように、子は親を選べないという観点から、それは平等に扱うべきじゃないかという考え方も徐々に定着というか広がってきたのが、この間の流れではないかと思います。
○井坂委員 大臣のおっしゃるとおりだと私も、現状、周りに普通に尋ねても大体そういう認識を持っているわけです。 ただ、法律婚は尊重する、ただし、そうはいっても、婚外子だからといって二分の一はかわいそうだという、こちらの方の意識が高まっている理由の一つには、最近、婚外子といっても、いわゆる昔でいうところの婚外子だけでなく、いろいろなパターンの婚外子が出てきているのではないかというふうに考えるところです。 いろいろなケースがある中で、本日、典型的なものを三つ申し上げますけれども、一つは、もともと一度も結婚したことのない男女同士がパートナーとなって、たまたま、法律婚の届けはしていない、そこに子供が生まれた、こういう婚外子のパターン。 そして二つ目に、普通に法律婚をして、例えば、私は男性ですけれども、普通に奥さんと結婚して、でも、奥さんが若くして死んでしまった、その間に子供がいて、しばらく単身でいて、また大分時間がたってから女性と出会って、ただ、前の奥さんとのこともあるから、こちらはもう法律婚はしないんだ、事実婚でそこに子供ができた、こういう時間の間を置いた法律婚、婚内子と婚外子が同時にいるパターンが二つ目。これもよくあるかと思います。 三つ目が、配偶者がいながら、その同じタイミングで別のパートナーとつき合って、そこに婚外子が生まれてしまった、こういう婚外子のパターン。 本日、この三つのパターンを申し上げるわけですけれども、最初の、たまたま二人が初婚同士というか、一度も結婚歴のない、子供もいない男女がつき合って、法律婚はしていないけれども子供ができたという一のパターン、あるいは、奥さんが亡くなって、また年がいってからパートナーをもらった、そこは法律婚をしないでできたというパターン、この一、二のパターンに関しては、いわゆる法律婚の保護という意味ではそれほど大きな問題があるケースではないというふうに私は考えるわけであります。もちろん、日本の国柄とか家族観とか、そういうことはいろいろあるにしても、法律婚の保護が著しく損なわれたというふうには、一、二のケースではそこまでは言えないのかなと。 それに対して、三番目の、配偶者が現在進行形でいながら、同時に別のパートナーができて、そこに婚外子ができてしまった。こちらの方は、一、二に比べると、いわゆる浮気をされた側がはるかに強い処罰感情ですとか不公平感を持ってしまう、そして、法律婚の尊重がこの三のケースについては非常に強く求められるのではないかなというふうに考えるわけです。 親を選べない子供が平等というのは、これは一、二、三のどのケースにも当てはまる話でありますが、綱引きのもう一方の、法律婚の保護、あと、言葉を選ばなければいけませんが、いわゆる浮気をされた側の処罰感情といったこちらの方は、一、二の場合と三の場合とでは大きく異なるのではないかなというふうに考えるわけです。 言葉を分ければ、一、二は単純婚外子、そして三番目は重婚的婚外子ということになるわけですけれども、この単純婚外子と重婚的婚外子というのは分けて対応する必要があるのではないかということについて、お考えをお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今の、単純婚外子と重婚的婚外子に分けて考えるのが妥当ではないか、そうすることによって具体的な妥当性を求めていこうというお考えですね。 分けて何をするのか、分けて、今度はそこにどういう効果というか結論を結びつけるかということに、すぐこれは関連してくると思うんです。事実、今までの判例を見ておりますと、委員の考え方と同じような立場に立ちまして、嫡出でない子の出生時に保護すべき法律婚がある場合とない場合とに分けて、ない場合にまで非嫡出子の相続分を嫡出子の二分の一とするのは違憲である、こういう判断をした下級審裁判例もございます。これは恐らく委員の考え方と共通の土俵で出た判決だろうと思うんですね。 ただ、しかしながら、先ほど委員も引かれましたように、今度の最高裁判決は、父母が婚姻関係になかったという、子にとってみずから選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されないということになっております。だから、結局、先ほどの問題に返ってまいりまして、分けたことにどういう結論を結びつけるかということに返ってくるんだろうと思います。 それで、事柄が相続分ということになりますと、やはり、この最高裁判決の論理からいえば、今おっしゃったような分け方はしちゃだめよ、こう言っているんじゃないかと思うんですね。 ですから、委員の御議論も、どこにその当てはまるところを求めるかという立論によって変わってくるのかなという気がいたします。
○井坂委員 分けて、後、それをどう違いをつけるのかということによって当然議論は変わってくるというお答えで、それは確かにそうだなというふうに思います。 仮に、いわゆる相続のルールについて差を設けるということになったときに、確かに、今の最高裁の判断は、どんな理由であったって子供に差があってはいけないと言っているわけでありますけれども、ただ一方で、法律婚の保護ということを別に捨て去っているわけでもないというふうに考えております。 結局、理由とされているのが、国民の意識の変化というようなあたりが出てきているわけで、この国民意識というのを深くひもといていくと、要は、先ほどの一番のケースのような婚外子もやはり身近に、たくさん日常生活で出会うわけですよね。そういうところを見ると、まあ、そこは差別されないんですけれども、二番のようなケースとかでも、そこは別に差別されなくていいんじゃないかなという国民感情はよくわかるんです。 そういうところにむしろ引っ張られていたり、婚外子だからといって差別されるのはおかしい、一番のケースも含めて、何かそういう心証が持たれているのではないかなというふうにいろいろ議論していると思うわけです。 だから、三番のようなケースだけを取り上げて、ここで国民感情をはかったときに一体どうなるのかというのは、これは今のアンケートとはまた違う結果になるというふうに私は思いますし、まさに、子供が平等であるという綱引きの片一方と、それからもう一方の法律婚の保護、ひいては浮気をされた側の処罰感情みたいなところを考えたときに、やはり一、二と三は国民感情そのものが大きく変わってくる。ひいては、裁判の結果も、もしそういう分けた法制をすれば、三に関しても、本当に今回の最高裁のような判断になるかは議論の余地があるのではないかというふうに私は思っているわけであります。 司法の話なので、ここから先はお尋ねしてもしようがないので、ちょっと次の話に移りますけれども、重婚的婚外子をつくった親の違法性や不当性ということについては、現状、どのような法令があるのかということについてお伺いをいたします。
○深山政府参考人 法律上の婚姻関係にある夫婦の一方は、他方の配偶者が第三者と不貞行為をした場合には、配偶者としての権利を侵害されたということを理由として、その配偶者と第三者、不貞の相手ですね、それに対して、共同不法行為に基づく損害賠償、民法の不法行為ですね、損害賠償として、みずからがこうむった精神上の苦痛についての慰謝料請求をすることができます。 また、その慰謝料の額というのは、いろいろな要素を考えますが、婚姻期間とか、子供がいるかとか、つき合った年齢とか期間とか。ただ、不貞の相手が子供を産んだというような事情まであるときには、その事情も慰謝料額が増額する方向の事情として算定されると思います。
○井坂委員 共同不法行為であり、さらに婚外子がいるということは、その重さがさらに重くみなされるということでありました。 同じ質問で、今度は単純的婚外子をつくった親の違法性や不当性ということについては、何か法令がありますでしょうか。
○深山政府参考人 こちらは、先ほどのケースと異なりまして、第三者の権利を害するといった事情がございませんので、現行法上、親の違法性、不当性が問われることはないものと思っております。
○井坂委員 まさに単純的婚外子と重婚的婚外子というのは、その違法性、不当性という観点から見ても大きく違う、むしろ真逆であるというふうに理解をしております。 結局、共同不法行為で何を侵害しているかというと、まさにそれが侵害しているものが、いわゆる法律婚を侵害している、法律婚の保護ということに真っ向から背いているということになろうかと思います。 子供の権利が同等である一方で、やはり、単純的婚外子の場合と重婚的婚外子の場合は、親の側の違法、不当性ですとか、法律婚配偶者側からの処罰感情とかが大きく異なるわけでありまして、やはりこれは、同じ制度を適用するということには、こういった面から見ても若干の無理があるかなというふうに思うわけですが、重婚的婚外子に異なる法体系というものがあるのかないのか、今からでも検討することはできないんでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほど申し上げたことは、少なくとも、今度の最高裁判所の決定の論理に立つと、相続分に関しては違う扱いというのは認めにくいんだろうと思います。それを否定してしまえばまた別の議論は出てくると思いますが、最高裁決定の論理を尊重するとそうなる。 ただ、今の委員の御議論は、結局、重婚的なものと単純なものと、不貞行為によって配偶者が受けた心の痛みといいますか、感情の違いに着目した御議論、それはそれでよく理解できます。ただ、こういう配偶者が受ける精神的な苦痛に対して、生まれた子の相続分でそれを考えるという仕組みは、先ほどの話でいえば難しいし、それは妥当ではないということになって、結局のところ、今の制度は、恐らくこの最高裁の論理や何かを組み立てていきますと、それから今の民法の体系を見ますと、その不貞行為を働いた者に対する損害賠償請求によって図られていくというつくりになっているんじゃないかと思います。 実際にも、法律上の婚姻関係にある夫婦の一方が不貞行為を働いた場合には、これは民法上不法行為が成立して、当然、相手方は損害賠償義務を負うということになると思います。それから、その慰謝料の額は、婚姻期間とか、子の有無や人数、年齢、あるいは不貞の相手が子を産んだという事情があるかどうかというようなものを判断して決まっていくということになると思うので、私はちょっと委員の御提案と違うんですが、どの局面で分けて考えるかということにもよるんですが、損害賠償請求の場合には、委員のおっしゃったような事情がやはり判断の基礎になってくるのではないかという感じがいたします。
○井坂委員 相続の差ではなくて損害賠償請求のルールの中で、いわば法律婚の保護ということを重婚的婚外子の場合は果たしていこうというお考えだというふうに聞きました。 ちょっとまた、関連する違う話に移りたいと思うんですけれども、婚外子の方が相続で得をするケースもあるという話であります。 私、同一の父親が、法律婚の母と子供を持っていて、一方で事実婚の母と子を持っていたケースを考えますと、こちらの法律婚の母が先に死んでしまいますと、私は配偶者ですので、相続、二分の一、私に入ります。それで、私が死んだ後は、ここできれいに法律婚の子、婚内子と婚外子に、私のこっちから受けた分も含めて平等に相続されますので、法律婚の母の財産が私を通して婚外子の方に流れていく。一方で、こちらの事実婚の母の方が先に死んだ場合は、ここの間に何もないですから、婚外子の方に直接相続がされてしまう、婚内子の方にはこちらのお金は行かないという形になろうかと思います。 こういうケースは、今回の法改正ではむしろ婚外子の方が多くの相続を受けることになるが、このことについてはどうお考えでしょうか。
○深山政府参考人 委員が今お話しされたようなケースでは、法律婚の場合には、母の相続財産を父が相続して、これが父の死亡時に残っていることが前提ですけれども、これを嫡出子と嫡出でない子が相続することになるのに対して、事実婚の場合には、母の相続財産を父が相続することはありませんので、これを嫡出でない子のみが相続することになるという差異が生ずることは確かでございます。ただ、このような事態そのものは現行の規定のもとでも生ずるわけで、父が死んだときの相続割合が今回改正で変わる、こういうことではあります。 それはさておき、こういった差異が生じてしまう原因は、現行の相続法制が、死亡した者がその時点で有している財産は、その由来を問わずに、死亡時点で生存している相続人、親族に相続させるという仕組みをとっているということ、それから、法律婚を尊重する趣旨で、法律上の婚姻関係にある夫婦の一方配偶者には相続権はあるけれども、事実婚の関係にある男女間には相続権を認めていない、この二つの原則に起因するものだと思います。 なお、委員の御指摘のケースとは逆に、父が先に死んで、その後に母が死亡した場合を考えてみますと、嫡出子は、父の相続だけではなく、その後の母の相続でも父が所有していた財産を母経由で取得することができますが、嫡出でない子は、父の相続でしか父の所有していた財産を取得することができない。これはまた逆の、裏腹の関係になります。 ですから、親族が死亡する順序によって相続できる財産に差異が生ずるというのは、先ほど言ったような原則をとっている以上、やむを得ない問題じゃないかと思っております。
○井坂委員 私が申し上げたケースと逆の、婚内子の方が相続がふえるケースというのも確かにあって、これは確かにケース・バイ・ケースだという話も一定わかるんです。 ただ、やはりちょっとお伺いをしたいのは、確かにどっちが得かというケースはいろいろあるにしても、まさに、今回答弁でおっしゃったように、相続財産の由来は問わないという原則に立てばそうなるのでありますが、ここでお伺いしたいのが、法律婚の母が先に死んでしまったときに、私経由で、ある意味一番納得できない、事実婚の子、婚外子に自分の財産が行くというのは、これはなかなかこちらの感情的には一番許しがたいことなのかなというふうにも思うわけですね。 まさに由来ということで、先ほどの重婚的婚外子の場合に限って、こちらの母の財産を、こちらが先に死んだときに父親が受けて、父親が死んだときに、こちらから受けた分は留保してこちらにきちんと流す。例えば、法律婚の母から来た財産はこちらの婚外子には流れないというような、何かそういうような制度が考えられないかというふうに思うわけですけれども、その点についてお伺いをいたします。
○谷垣国務大臣 亡くなる方の順序によって相続分が大きく変わってくるということは、先ほど民事局長が答弁したとおり、いろいろなところで起こってまいりまして、それを種に推理小説も書けるかと思うぐらいいろいろなケースは考え得るわけですが、今の委員の問題提起は、結局、では、母は亡くなってしまった、父のところにその母の相続財産も来た、それを婚外子に渡らないようにするには、この財産を要するに分別して管理をしなければならない、そういう制度を立てなければうまくいかないですね。 そうすると、今までの相続は、分別管理をするというような考え方に立っておりませんで、相続を受ければ全部自分のものとして自由に活用していいという方式でしたから、相当違った制度を考えなければなりません。 これは場合によってはかなりややこしい制度になってくるおそれもございますので、そのあたりの利害得失、本当に制度的に立てられるのか、実際の運用がちゃんとできるものなのかというあたりもよく考えなきゃならないので、今にわかにちょっと、それでいけるというお答えをする自信はございません。
○井坂委員 確かに、今にわかに、それはいけるからやってみようとか、そういう単純な話じゃない。確かに、お伺いして、実務上はいろいろと難しいこと、ややこしいことがありそうだな、そもそも財産の由来は問わないという根本思想も変えることになりますから、相当大きな制度変更になってしまうなということはよくわかります。 ただ、本当に私が申し上げたい趣旨は、単純的婚外子と重婚的婚外子、国民的意識も、それから親の違法性、不当性も著しく異なるので、やはり分けて考えられないかということが一つ目のこと。そして、分け方として、財産の量に差をつけるのはなかなか難しいのであれば、せめてその由来の部分だけはきちんと、要は遮断ができないかということですね。法律婚の母から事実婚の子、婚外子への財産の流れを遮断するような制度が何かないのかというような趣旨です。それを実務上つくっていくのはなかなか難しいとは思うんですが。 ここでちょっとお伺いしたいのは、制度の詳細は別として、もし仮にそういう趣旨の制度をつくったときは、これはやはり違憲判決となってしまうのかどうか。もちろん最後は司法の判断ですが、大臣のお考え、そういう制度をつくったら、そんなものは違憲だということでまた突き返されてしまうのかどうか、ちょっとお考えをお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 これは、司法部、最高裁判所がどう判断するかですから、法務大臣は最高裁判所がこういう判断をするだろうと余り予想しないことになっておりますが、あえて申し上げるならば、違憲というようなものではないんじゃないかという感じがいたします。
○井坂委員 ややこしいことを申し上げ、真摯にお答えをいただいて、本当にありがとうございます。 最後に、いろいろ申し上げたんですけれども、結局、さはさりながら、今回の法改正、最高裁の判断を受けての法改正をおくらせてしまうと、これは実際どのような問題が起こるのかということについてお伺いをしたいと思います。
○深山政府参考人 今回問題になっている民法九百条第四号ただし書きは、相続に関して私人間の法律関係を規律する規定でございまして、今回、この規定が違憲と判断されたわけですが、既にこの決定後、裁判実務においては、今回の最高裁判所の決定を前提とした運用がされておりまして、現に、下級審において最高裁の決定を踏まえた判決がこの間されているところでございます。 他方で、民法改正がされずに、条文上、この規定がそのままになっておりますと、国民にとっては、相続に関して従うべきルール、準則が不明確になって、国民の間に混乱を引き起こすことにもなりかねないと思っております。 そこで、こういった弊害を避けるためにも、速やかに最高裁判所の判断に沿った改正法案を成立させる必要があるものと考えております。
○井坂委員 ありがとうございます。 長らく放置された尊属殺人の件とはやはり裏腹に、本件の場合は、もう本当に、毎日毎日同種の訴訟が放置すれば起こり得るということでありますから、私も、今回の法改正、これはもう必須のものであるというふうに考えております。 ただ、その先に、先ほど申し上げたような、そもそも今回の判決が国民意識の変化ということに一定の重きを置いて出ている以上、国民の意識も単純的婚外子と重婚的婚外子に対しては大きく違うのではないか。さらには、子供は平等だとしても、その親の不当性は、両者で違法、不当性は随分違うのではないか。相続の差は仮につけられないとしても、最低限、法律婚の母から事実婚の婚外子への財産の流れ、これだけはもう本当に許しがたいことなのではないか、そこを何とか遮断はできないのか。こういう趣旨で本日申し上げましたので、法改正にはもちろん賛成でありますが、そういったことをまた今後ぜひ考えを進めていただければというふうに申し上げて、本日の質問を終わりにいたします。 どうもありがとうございました。
○江崎委員長 これをもって質疑は終了いたしました。 —————————————
○江崎委員長 この際、本案に対し、階猛君外一名から、民主党・無所属クラブ及びみんなの党の共同提案による修正案が提出されております。 提出者の趣旨の説明を聴取いたします。階猛君。 ————————————— 民法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○階委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、民主党・無所属クラブ及びみんなの党を代表し、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 平成二十五年九月四日、最高裁大法廷は、民法第九百条第四号ただし書きのうち「嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の二分の一とする部分」は憲法違反であるとの決定を下しました。この決定を受けて、政府から、当該部分を削除する民法の一部を改正する法律案が提出されたところであります。 ところが、政府提出法案には、民法第九百条第四号ただし書きと関連する戸籍法の規定のうち出生届書に「嫡出子又は嫡出でない子の別」を記載すべきものと定める部分の改正が盛り込まれておりません。 そもそも、戸籍法は、実体法である民法によって決定された身分関係を記録する手続法たる位置づけにあります。今般の大法廷決定を受けた民法改正により、嫡出子と嫡出でない子の区別のうち最も重要である相続分の区別をなくすのであれば、手続法たる戸籍法もあわせて改正すべきであります。また、現在、子の出生に伴う戸籍に関する事務の処理において、出生届書に嫡出子と嫡出でない子の別を記載させることは不可欠ではありません。こうした事情に鑑みれば、嫡出でない子の権利の保護を図る観点から、出生届書において「嫡出子又は嫡出でない子の別」の記載を不要とするべきであります。 そこで、民法改正に加え、戸籍法第四十九条第二項第一号の規定のうち出生届書に「嫡出子又は嫡出でない子の別」を記載すべきものと定める部分を削除するため、この修正案を提出した次第であります。 以下、この修正案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、題名を民法及び戸籍法の一部を改正する法律に改めることとしております。 第二に、戸籍法の一部を改正し、出生届書の記載事項から「嫡出子又は嫡出でない子の別」を削除することとしております。 第三に、所要の関係法令の整備を行うこととしております。 以上が、この修正案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○江崎委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、明二十日水曜日午前八時四十五分理事会、午前八時五十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十七分散会