文部科学委員会 第8号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2013/12/04
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 文部科学行政の基本施策に関する件、特に二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に関する諸課題等について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長代理兼文部科学省スポーツ・青少年局長久保公人君、文化庁次長河村潤子君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長蒲原基道君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小渕委員長 この際、御紹介いたします。 ただいま参考人として公益財団法人日本水泳連盟会長、順天堂大学教授鈴木大地君が出席をされております。 鈴木参考人におかれましては、本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。(拍手) 質疑の申し出がありますので……(発言する者あり)民主党に対しましては、皆さんの出席を早く求めていただけますように筆頭にお願い申し上げます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。萩生田光一君。
○萩生田委員 おはようございます。自民党の萩生田光一です。きょうは、党を代表して質疑をさせていただきたいと存じます。 鈴木会長、お忙しい中、本当にありがとうございます。後ほど、現役時代からのことをちょっとお伺いしたいなと思っております。 冒頭、大臣にお尋ねしたいんですが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致が決まりました。これを成功させることはもちろん、それまでの七年間、国内のスポーツ環境、ハードとソフトの両面であらゆる充実を図っていかなくてはならないと思いますし、大会後のレガシー、両面のハード、ソフトを成長させて、まさしくオリンピックムーブメントとして発展させていかなくてはならないというふうに考えております。 一九六四年の大会以降、国民体育大会の開催も相まって、全ての都道府県で一通りのスポーツ環境というのは整ってきたとは思うんです。ところが、中には、老朽化をした施設、国際基準に適さなくなってしまった施設など、見直しの時期に来ている施設も数多く存在すると認識をしております。 そこで、単に東京のスポーツインフラの整備がなされるだけではなくて、オリンピックムーブメントを全国に広げるためにも、この機会に全国のそれぞれの施設を再点検をして、時代に合った本物の施設を整備していく、まさに再起動のときだというふうに考えておりますけれども、まずは大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○下村国務大臣 おはようございます。 御指摘のとおりだというふうに思います。二〇二〇年大会を機にオリンピックムーブメントを推進していくことは大会開催国としての使命であり、日本全国にスポーツの力を伝え、その価値を多くの国民が認識できるよう、十分な取り組みを進めていく必要があるというふうに思います。 具体的には、選手と全国の子供たちとの交流イベントの実施、諸外国チームによる事前合宿の全国各地での開催、聖火リレーの巡回、文化イベントの実施等の取り組みを通じて、オリンピックムーブメントの全国への波及を図っていきたいと考えております。 そうした取り組みを通じて全国的にスポーツの価値が再認識され、その結果、将来的な国際競技大会の招致、開催も視野に、各地でスポーツ施設整備がさらに充実されることは望ましいことと考えます。
○萩生田委員 あわせて、新国立競技場のことについてお尋ねをしたいと思います。 今、世の中では、この規模ですとか、あるいはその費用ですとか、そういった部分は非常にネガティブに報道をされておりまして、我々、推進をしてきた者としては、やや心を痛めております。 党の無駄撲滅委員会の中でもかなり厳しい意見が出ているんですけれども、私、議論を聞いていて、そもそも根本的にこの国立競技場の果たす役割というのを理解していない人が、ただ単に箱物として、値段が高いとか安いとか、大きいとか大き過ぎるとかという議論をしているように思えてならないんです。当然のことながら、限られた財源の中で必要以上に華美にする必要はないと思いますけれども、一方で、世界大会にふさわしい器というものも必要だというふうに思います。 新しい国立競技場につきましては、その規模や予算だけが先行して批判の的となっておりますけれども、外国の設計コンペに付したり、当初の予算から時代の変化の中で部材の値上がりがあって、そういう意味で、当初予算との見間違えといいますか、見積もりの違いというのが出てきているんだというふうに思います。 そもそも今の競技場は、一九六〇年代の施設でありまして、トラックが八レーンしかないんですよ。国際基準で考えますと、今は九レーン以上必要なわけです。すなわち、第一レーンは中距離選手などが何度も走るわけですから傷みが激しいので、普通は、短距離走は二レーンから九レーンまでの八人で走るわけで、一レーンを使わない。 では、今の国立競技場を九レーンにできるかというと、あの狭隘な土地の中でもし九レーンをつくるとすれば、観客席を後ろにずらさなきゃいけない。そういう工事をいろいろ二〇一六年招致のときにも検討しましたよね。だけれども、それはもう本当に大規模な改築になってしまうので、さまざま考えて、新しいものにしようというふうになったと私は承知をしております。 ここ四十年間のトレンドを考えますと、IOCでは明確な客席数はうたっていませんけれども、ミニマム六万人というふうに言われております。例えば、ソウル・オリンピック十万人、アトランタのオリンピックの会場は八万五千人、シドニー十一万人、アテネ・オリンピック七万五千人、北京オリンピック九万一千人、ロンドン・オリンピック八万人、リオデジャネイロは建設中の八万人という規模でありまして、まさに八万人というのは、今やもうスタンダードなんです。決して大きなものではないんですよ。 逆に言えば、今回、日本がこの八万人の提案をしなければ招致はかち取れなかったというふうに思うんです。 しかも、ホスピタリティーのあり方というのが随分変わってきまして、五十年前は、とりあえず貴賓席がちょっとあればいいというそういう時代だったんですけれども、今や一定のボックス席ですとかラウンジはあって当たり前で、現在の国立競技場では対応できないという現実があります。 そしてもう一点、もともと二〇一六年の立候補ファイルでは、これは臨海部に新たなスタジアムをつくろうという計画でしたよね。しかし、今回の二〇二〇年の立候補ファイルは、それをやめて国立の改築にかじを切ったわけでありまして、これは、もう既に大きな行政改革を我々はしてきたという自負があるわけです、一個スタジアムをつくるのをやめたわけですから。 そこで、客席の半分も屋根がかかっていない今の状況では、これはどうやったってコンサートやコンベンションにも使えませんし、今の状態で幾ら手直しをしたって、オリンピックやサッカーのワールドカップなどを呼ぶことはできないことである。このことを国民にやはり丁寧に説明をするべきだというふうに思います。 改めて、オリンピックを初め、サッカーやラグビーなどの国際大会の求める今の施設の規模と世界の動向について、お尋ねしたいと思います。
○下村国務大臣 萩生田委員御指摘のとおり、近年の夏季オリンピック大会の主会場の観客収容規模は、IOCから六万の基準が示されているものの、御指摘がありましたが、二〇〇八年の北京大会では約九万一千、二〇一二年ロンドン大会では約八万、次回の二〇一六年のリオデジャネイロ大会では約八万というふうになっております。 また、日本サッカー協会が立候補したサッカーワールドカップの二〇一八、二〇二二大会招致では、開幕戦及び決勝戦の試合会場は、少なくとも八万人以上であることが条件とされております。 これからの我が国における国際スポーツ等を考えますと、これは御指摘のように、IOCのときにも我が国が約束として表明したものでありますが、少なくともやはり八万人以上が収容できるということは、これはもう国際公約でもありますが、国際標準でもあるわけでありまして、これは、今回、遵守する必要が必ずあるというふうに思います。 また、御指摘のVIPもそうなんですが、八月に世界陸上がモスクワであり、このときに私、四日間、IOCメンバーとロビー活動等で一緒にこの競技場の中にいましたが、我が国の競技場のコンセンサスと世界の競技場のコンセンサスは相当違いがあって、やはり、世界標準並みの競技場を我が国も一つはきちっとつくる必要があるということを強く感じたところでございます。 このような状況から、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会主会場として、また、その後の大規模国際競技大会招致を踏まえ、新しい国立競技場の改築については、スポーツの国際競争力向上を目指す先進国として、国際的な競技会場にふさわしい水準を満たす規模や機能を有するスタジアムが必要であるというふうに考えます。 先月二十六日には、日本スポーツ振興センターが新しい国立競技場の基本設計条件を示したところであり、今後においては、改築経費の適正な見直しは必要であるというふうに思います。見直しを経た上で、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会やその前年のラグビーワールドカップの開催に間に合うよう、支援をしてまいりたいと思います。
○萩生田委員 大臣、もう一度申し上げますけれども、限られた財源の中でつくるわけですから必要以上に華美なものは必要ないと思うんですけれども、しかし、やはり世界の皆さんをお迎えするオリンピックやワールドカップなど、もう既に予定されている競技大会がある。言うならば日本を代表するスタジアムになるわけですから、私は、ここで変な財政論に押されて中途半端なものをつくれば、これはそっちの方が無駄遣いだと思います。五十年、百年先を考えて、まさにアジアを代表するような施設というものをつくっていただいて、我々が考えるべきは、利用率を上げてきちんとした運営ができるようにしてあげることだというふうに思っておりまして、ここは、財政当局に負けずに、しっかりその必要性を訴えていただきたいなと要望しておきたいと思います。 きょうは水泳連盟の鈴木大地会長にお見えいただきました。ちょうど、ブエノスアイレスであのロゲ会長がトーキョーと叫んだときに私の隣にいていただいたのが鈴木会長でございまして、幸か不幸か、一番最初に抱き合ったのが鈴木会長でありました。そんな御縁もありまして、きょうは、お忙しい中、おいでいただいたところでございます。 もっとも、地元が同じ三多摩ということもありまして、鈴木さんが金子スイミングで若いころから頑張っていらっしゃった、そんな姿も、我々、同世代の仲間としてずっと見てきたところでございます。 鈴木会長は、現役を引退された後、順調に指導者ですとか教育者としてその地位を固められて、まだお若いですけれども、今日、日本の水泳連盟の会長まで上り詰めました。ところが、メダリストであっても、現役引退後、なかなか指導者として残れるのは一握りの皆さんだというふうに認識をしております。 とりわけ、我が国の水泳の部員というのは大学スポーツに帰するところが非常に大きくて、そういう意味では、水泳の皆さんというのは、在学中に教員資格を取ったり、あるいはスポーツクラブの幹部職員候補として採用されたりする道もあるんですけれども、大学進学がかえって遠回りになるために、高校卒業後に競技に集中される方も競技によっては随分いらっしゃると思います。途中、けがをしたり引退をした場合になかなかセカンドキャリアに進めない、進みづらいという方がいるのも現実だと思います。 国際大会経験者の方などが、学び直しのための通信教育による資格取得支援や、あるいは、地方公務員が社会人枠の専門職として採用年齢の例外適用ですとか、そういったことで救済していただいている一面もありますけれども、選手時代に一定以上の結果を出した人たちがさらに一定の努力をすれば次の道が開けるセカンドキャリアの制度というものが、このオリンピック招致にあわせて私は必要だというふうに思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 あわせて、鈴木さん以外の水泳の皆さん、メダリストは今どういう道に進んでいらっしゃるのか、具体的な問題などあったらお答えいただきたいと思います。
○鈴木参考人 皆さん、おはようございます。 御質問ありがとうございます。まず、簡単な方の質問なんですが、二つ目の質問で、水泳の選手が引退後どうしているかというお話です。 現在、水泳の方はクラブスポーツというのが非常に盛んでございまして、水泳クラブのコーチになったりする選手もおりますし、それから学校の先生、高校の教員でありますとか大学の教員、私もそうなんですが、そういったところに就職する方が非常に多い。また、公営のプールを間借りしまして、自分でスイミングクラブ等を運営するというような方もいらっしゃいます。 一つ目の質問でございます、セカンドキャリアでございますが、既にさまざまなところで、アスリートのその後の支援をする制度がございます。例えば国際人養成プログラムとか、そういったプログラムがそれぞれのところにございまして、私が知る限りでも、文科省さんとかあるいはJOCさんとか、そういったところであるというふうに聞いていまして、そういったところの既存の制度を利用するということがまず大事かなというふうに思います。 ところが、選手をやっていますと、どこにどういった制度があるのかというのがわからないということがあります。 そういったものを一元化して、選手たちが引退した後、どういったものがあるのかというのを簡単にわかりやすく、駆け込み寺じゃないんですが、そういったところがあって、私がやりたいことはこういうことで、何を学びたいかというのをすぐお伝えして、こういったプログラムがあるよ、そういったものを設置しますと、非常に選手としてもわかりやすいかな、今後のキャリアを考えて次の行動をとりやすいんじゃないかなというふうに思います。 それから、私は千葉県の出身でございまして、セントラルスポーツというところと順天堂大学で泳ぎました、済みません。 以上でございます。
○萩生田委員 失礼しました。 現役時代に引退後のことを考えながら選手をやっている人というのは余りいないんだと思います。だけれども、残念ながら途中で競技を諦めなくてはならないことというのもきっとあるんだろうと思うし、あるいは、しっかりメダリストまで成就をされて、さあその後どうしようかと思うと、実は自分が資格がなかったり、進む道が見つけられなかったりすることで迷う方もいらっしゃる。 これは、我々国民は感動を皆さんからいただいているのに、その人たちの、現役のときはわかりやすく言うとちやほやしますけれども、引退してしまうと全く忘れ去られてしまうというのは非常にもったいないことで、そういう経験を上手に生かしながら、やはりいつまでもそのレガシーをスポーツ界で発揮をしていただきたいと私は思っていまして、今、いろいろな制度があることは会長からもお話がありましたけれども、ぜひぜひこの機会に、せっかく日本でオリンピックをやるときに、そういう選手たちが次に進む道というのは幾つか選択肢があるんだ、あるいは、少しもとへ戻ればやり直しがきくんだということを我々政治に携わる者はつくっていきたいなというふうに思っておりまして、またぜひ現場の声を聞かせていただきたいと思います。 もう一点、選手の皆さんをサポートする周辺のスタッフの皆さんのあり方、また、所属する企業の応援のあり方についてお尋ねしたいと思います。 オリンピックですとか国際大会が近づきますと、アスリートの皆さんが突然コマーシャルに出たりテレビ番組に出たりする傾向がございます。結果としていい成果を出せないと、コメンテーターの人たちはかなり厳しい意見を言って、あんなコマーシャルなんかに出ている時間があるんだったら、直前にもっと練習するべきだとかと言うわけですよ。 しかし、我々、直接アスリートの皆さんと接しますと、厳しい財政事情というのがあって、何となく我々は、その人たちをサポートしている人たちまで全てがオリンピックや国際大会に行けるものだと思っていたんですけれども、お話を聞きますとそうじゃなくて、そういうスタッフについては、まあ競技団体の財政力もあるんでしょうけれども、なかなか十分なスタッフを随行できないで現地に一人で入っている、そういう競技団体の人たちもいらっしゃるということを聞きました。 それを何とか連れていくためにどうするかといったら、自分である程度稼がなきゃならない。今まで練習をずっとやってきて、急にスタッフのお金をといってもこれはどうにもならないので、好むと好まざるとにかかわらず、そういうことである意味ではお金を稼ぐ選手もいるし、あるいは、所属している企業や今まで応援してもらってきたスポンサー企業からそれは要請されれば、どんなに忙しくたって断ることができない、そういう環境にあるというふうに思うんです。 私は、今回せっかく国内でオリンピックをやることで、実は、輝くそのアスリートの皆さんを支える名もなき人たちが、いろいろな人たちが支えているんだ、そしてそれは立派な職業なんだということも国民の皆さんに知っていただくいい機会じゃないかなというふうに思っているんです。 ちなみに我が国では、メダルをとっても金メダルで報奨金三百万ですからね。よその国では、生涯年金がもらえるとか、家がもらえるとか、ベンツがもらえるなんという国もありますけれども、まあ、銅メダルの百万円をもらったところで、正直申し上げて、なかなか足しにはならないというのが私は感想だというふうに思います。 ぜひ、今回の国内での開催を機に、選手を支える職業というものが立派な職業であるように皆さんに知っていただくことを我々は考えていかなきゃいけないと思いますし、あるいは、海外で行われる国際大会にどういう人たちが一緒についていったらいいのか、派遣の基準を上げるチャンスでもあるのではないかというふうに思いますけれども、周辺で働く皆さんの実態についてお答えをいただければありがたいと思います。
○鈴木参考人 選手を支えるスタッフについての御質問なんですけれども、私が知る限り、最近は、何十年か前よりは大分これでもよくなってきたのではないかというところなのでありますが、確かに、競技場の中に入って選手をサポートするというようなスタッフの数というのは、IOCの規定みたいなものがございまして、決められているというふうに聞いています。 冬のオリンピックで選手と同じ一〇〇%が出せる、そして夏ですと五〇%ということで、確かに、そういうサポートスタッフの数が足りないということはあると思います。 競技団体によっておのおのの工夫はされていると思いますが、例えば水泳でいいますと、競技場の近くに、隠れ家じゃないんですが、そういったサポートハウスみたいなものを独自に借りまして、そういった競技場内に入れないスタッフがそこに常駐をしてコンディションを整える、そういったことをしています。 確かに、現代は、スポーツを取り巻く環境が非常に厳しくなって、選手が頑張っている、それからコーチも頑張りますし、そういうスタッフの力もないとなかなかベストコンディションを保てない、いいパフォーマンスを発揮できないというような、非常に高度な軍団が必要になってきておりますので、こういったサポートスタッフの社会的地位でありますとか、そういった人たちの認知をもっともっと高めなくてはいけないというふうに思います。 そういった意味からしまして、二〇二〇年は東京でございますけれども、遠いところで自費で現地まで赴かなきゃいけないというようなことがありますと、非常に経済的にもコストがかかります。同時に、そのサポートスタッフにとってみたら、そういったオリンピックのサポートスタッフをやったという経験が非常に今後に生きるという意味では、自費でも参加したいというようなところがあるかと思いますので、何とかそういうサポートスタッフの社会的な地位を上げるような、あるいはその経済的なサポートをできるような整備といいますか、そういったものが望まれるのではないかというふうに思います。 以上でございます。
○萩生田委員 会長、ありがとうございます。 水泳の皆さん、明るい選手の皆さんが大勢いますので、さらなる期待をしたいというふうに思いますので、ぜひ御指導をよろしくお願いしたいと思います。 推進室にお尋ねしたいんですけれども、残念ながら、同じ東京でも私の多摩地区というのは、今のところ一切の競技とかかわりがないんですよ。先ほどスタジアムの話でも触れましたけれども、今回、招致をかち取るには、やはりコンパクト開催、レガシー活用というのがどうしても必要だったので、多摩まで開催地域を広げることができなかったことは理解します。 しかし、一方、多摩地区というのは、緑も非常に多くて、各自治体がこれまで整備してきた競技場ですとかさまざまなインフラがございますし、八十を超える大学の施設が立地をしておりまして、今回、国民体育大会の開催地にもなったことで、受け入れにもなれている面もあります。 事前の各国のキャンプ地や大会中のバックアップ施設として活用を検討しているところですが、どこでその検討をしているのかというのを機会あるごとに私は会議で尋ねているんですけれども、やれ文科省だ、東京都だ、いや組織委員会だといって、明確な返答が今のところないわけです。 三多摩に限らず、関東圏や被災地、あるいは全国の意欲ある自治体と参加国や競技団体のマッチングをさせるというのはそんな簡単な仕事じゃないと思うんです。七年後に貸し出しをとめたり、あるいは周辺の宿泊施設を確保したりすることの作業は、今から体制を組んで、例えば外務省などとも話をしていかなければなかなかうまくいかないというふうに思います。 政府の推進室こそ、こういった省庁横断、地方とのジョイントをしっかりロジをつくる、そういう役割があるんじゃないかというふうに思います。 最高のおもてなしを提供できる大会にするためには、推進室は何をやるところなのか、このキャンプ地についてはどうしたらいいのか、お尋ねしたいと思います。
○久保政府参考人 今御指摘のありましたようなキャンプ地の確保のためのマッチングはとても大事なことでございますし、それに、事前の準備が非常に必要なことでございます。 具体的に動き出しますと、諸外国チームによる事前合宿とキャンプ地のマッチングにつきましては、現実には、大会組織委員会ができました暁には、その中で、関係省庁も入りながら、国内の自治体や既存施設からの要望、あるいは国際競技連盟、国内の各競技連盟、各国オリンピック委員会等の関係者の互いの要望を突き合わせながら具体的な調整がなされていくものと考えておりますけれども、今まさにおっしゃられたように、オリンピック・パラリンピック推進室におきましては、その関係におきまして国として今現在できる準備を既にしておく必要もございますし、その関係で、五輪担当大臣である下村大臣から既にその旨の指示を受けながらデータづくりを始めようとしているところでございます。それも含めまして、全国各地でスポーツを通じた国際交流が図られるようにしていくということもございます。 そこで、そういうこととあわせまして、事前の準備を国としてやりながら、大会組織委員会ができた暁には、連携しながらその辺の動きに対して一緒にやっていきたいと思っているところでございます。
○萩生田委員 これは七年といってもすぐ来ちゃいますから、誰かがどこかでやっているんだろうみたいなことじゃなくて、きちんとデータベースをつくって、そしてマッチングさせなきゃいけないわけですよね。ですから、ここはきちんと司令塔をつくって、各国の皆さんが、さすが日本は親切だ、いい施設、いい場所を紹介してくれた、大会が終わったらもう一回旅行で訪ねてみたいと思うような、そういうおもてなしの心で大会を迎えていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 時間がなくなってきてしまいましたので最後になるかもしれません。 鈴木会長のようなプールは、これは夏場であっても水の中の競技だからいいんですけれども、今度いよいよ二〇二〇年、東京でオリンピックということになりますと、一九六四年のときは十月だったんですよね、大臣、ですから秋空のもとできっと快適な大会ができたと思うんですけれども、今や東京の七月といったら、これは大変ですよ。ことしの参議院選挙でも街頭演説で倒れる人がばたばたいたわけですから、候補者だって演説したがらないような人もいたぐらいですから。 それを考えますと、これはもう期日が決まってしまっているわけですから、たとえ屋外施設であっても、私たちの国の技術をもってすれば、一定のクールダウン機能というのはつけられるんじゃないかと思うんです。別に私にアイデアがあるわけじゃないんですけれども、技術を駆使すれば、屋根のない施設であっても、一定の冷却機能というのをつくれるんじゃないか。 逆に、そういう施設をつくれば、まさしくビジネスモデルとなって、東南アジアですとか中東でなかなか開催ができないような地域にも、これは日本発でそういった技術提供ができるんじゃないかというように思っています。 一方、日本の伝統文化に打ち水というのがありまして、これは気化熱を利用した科学的根拠もあると同時に、来客を迎える気遣いとしても伝わってきた、まさに日本のおもてなしの一つなんですね。日本の浄水技術というのは紛れもなく世界一ですよ、蛇口をひねって水が飲めるなんて世界の人はびっくりするわけですから。 そういう意味では、この水というものを二〇二〇年大会でどうアピールするかは、私は、我が国の技術を皆さんに伝える意味でも大事なツールだと思っています。 東京は地下水も豊富なことから、例えば、マラソンコースなどに一定間隔に小さな井戸を掘って散水に利用するとか、あるいは、それを洗練されたデザインにして、全国からスポンサーを集めて民間の費用でそういう井戸を掘ってもらうようなことをすれば、これもまた一つのクールダウンになるんじゃないかと思います。 ミストができるように吹き出し口を工夫すれば、オリンピックが終わった後、立派なオリンピックレガシーとして後々まで活用できると私は思いますし、もう一度言いますけれども、世界に輸出ができるオリンピックツールになるんじゃないかと思います。 本当にこの七月、東京で何も考えずに当日を迎えるわけにはいかないと思いますけれども、暑さ対策は誰がどこでこれからやっていただけるんでしょうか。
○久保政府参考人 暑さ対策につきましては、現在、東京都とJOCにおいて具体的な検討を既に始めておりまして、例えばマラソンや馬術等の屋外競技におきましては、競技団体と調整の上、気温の低い午前中や夕方に開催を検討したり、植樹などによる緑化を進めまして日よけ場所を拡充するということも考えておりますし、それから、先生に今御指摘いただきましたミスト散布機や水飲み場を多く配置するなどの対応策を具体的に検討し出しているところでございます。 さらに、これらに加えまして、先生から今いろいろアイデアをいただきました、御指摘の日本の技術力等を生かした新たな対策を含めて、いろいろな工夫ができるかもしれません。 選手が最高のパフォーマンスを発揮できるような環境の整備につきまして今後さらなる検討が進められるように、東京都、大会組織委員会などに促しながら、政府としても、連携して協力していきたいと考えているところでございます。
○萩生田委員 時間ですから終わりますが、ぜひ、北京オリンピックのときのようなノーアイデアで屋外競技をやるのではなくて、やはり日本だと言ってもらえるような、技術立国としての姿というのをしっかり発揮していただきたいというふうに思います。 七年間というのはあっという間に来ますので、みんなで協力して頑張っていくことをお誓い申し上げて、質問を終わりたいと思います。 以上です。
○小渕委員長 鈴木参考人におかれましては、大変貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 次に、青木愛君。
○青木委員 おはようございます。生活の党の青木でございます。 きょうは、オリンピック・パラリンピックの集中質疑ということで、私は政府の方に御質問をさせていただきます。 オリンピック招致に御尽力をされた皆様には本当に心から敬意を表しますとともに、私も心から歓迎をいたすものでございます。ただ、やはり一つ確認をしておかなければならないことは、原発の収束の課題でございます。 オリンピック招致の最終プレゼンで、安倍総理がそのスピーチの中で福島の状況を、アンダーコントロール、状況はコントロール下にある、私がその安全を保証します、状況はコントロールされています、汚染水は福島第一原発の〇・三平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされていると発言をされました。耳を疑った国民も少なくなかったかもしれません。 決して水を差すつもりでもなく、オリンピック招致を歓迎をいたしておりますけれども、おとといの二日にまた東京電力が、第一原発の海側周辺で地下水の放射性物質の濃度が上昇傾向を示していると公表をされました。一号機と二号機の間の海側にある観測用の井戸で採取した地下水から、ストロンチウムを含むベータ線の濃度が、これまでで最も高い一リットル当たり百十万ベクレル検出されたという発表でございました。建屋本体から漏れている可能性はことし冒頭の代表質問でも指摘をさせていただいたんですが、今、こうした公表が出てきたということでございます。 福島の状況はコントロールされている、安全を保証しますと言ったこれは国際的な約束でありまして、国会議員全員の果たすべき責任でありますが、その中でも、特にオリンピック担当大臣を担われる下村大臣として、現在、共同責任者としての福島原発事故の収束に対するその責任ある覚悟を、大臣からもまずお聞かせをいただきたいと存じます。
○下村国務大臣 御指摘のように、九月七日、IOC総会において安倍総理が、状況がコントロールされているというふうに発言したわけでございます。 これは当初のプレゼンの原稿にはなかった内容だったんですが、事前に私は四日から現地に入っておりまして、会う全てのIOCのメンバーからこの汚染水問題を必ず聞かれました。それは、海外から見ていると、福島の問題は同時に東京の問題、世界地図で見たら日本は小さな島国のような状況ですから、あたかも日本全体がこの汚染水によって侵されているというような報道、イメージが先行しておりました。 それで総理が判断をして、状況がコントロールされているということもプレゼンの中でつけ加えたわけでありますが、内容は、福島近海での放射性物質の影響は発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルにおいて完全にブロックされている、また、外洋においても、福島県沖を含む広いエリアでしっかりモニタリングをしていて、基準値をはるかに下回る、これはWHOの水質ガイドラインの五百分の一以下であるということを質問の中でも答えられたところでございます。 現在は、九月三日に政府が決定した汚染水問題に関する基本方針に基づいて、地下水を汚染源に近づけない、また、汚染源を取り除く、そして汚染水を漏らさない、この三つの基本方針のもと、汚染水の影響が外洋に及ばないよう国として予防的かつ重層的な対策を講じているわけでございまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックまでに世界の人たちから安心してもらえるような対策を、これは政府が責任を持って対応する必要があるというふうに思いますし、また、そのように取り組む覚悟でございます。
○青木委員 下村大臣の御覚悟はよくわかりました。 ただ、代表質問の答弁のときもそうであったんですが、今回はタンクから漏れているのではなくて、本体そのものから漏れている可能性がもうこれは大だというふうに思っていまして、モニタリングをしているということなんですが、まさに、そのモニタリングをしている井戸から今回初めてストロンチウムを含む高濃度の汚染水が検出をされたという、新たなまた事実が発表されたというふうに思っております。外洋に出ている可能性もあるんだろうと思わざるを得ないというふうに思うんです。 ですので、本当に事は深刻だなというふうに思っていまして、オリンピックが来るからやらなきゃいけないということではなくて、そもそも、国が一丸となって収束に向けて、本当にそれこそ命がけで取り組んでいかなければならないわけでありますが、ある意味、この安倍総理のスピーチによって日本みずからタイムリミットを設けて世界の皆様をこの国にお呼びするわけなので、やはり安全対策、安全確保というのは、本当にこれはしっかりと国内の課題としても何としてもやり遂げなければならないことでありますので、この収束の見通しがつかなければ、オリンピック招致ももしかしたら本当に実現できるのかというところまで考えて、本当に国を挙げて、これは国会議員の責任でもありますけれども、本当に取り組む覚悟が必要だというふうに考えております。 そして、このオリンピック開催を、やはり東北の被災者の皆様とともに喜べるオリンピックにしなければならないというのは当然でありまして、東北の被災者の状況ですとか被災地の復興を忘れて喜ぶことはできないわけでありますが、この被災地についてどのように考えていらっしゃるか、被災地の皆さんとともに喜べるオリンピックとするために政府としてどのように今考えていらっしゃることがあるか、お聞かせをいただきたいと存じます。
○下村国務大臣 今、青木委員から御指摘がありました。汚染水問題はいろいろな状況はあり得ると思いますが、ただ、客観的に福島県沖を含む広いエリアでモニタリングをして、そしてその結果、基準値をはるかに下回っている、WHOの基準の五百分の一以下である、これは客観的事実ですから、風評被害等によって水産物等がマイナスにならない、これはこれで安心したものを出荷しているわけですから、これはぜひ世界の方々に、国内の方々もそうですけれども、誤解を与えることがないようにしっかり取り組むべきことであるというふうに思います。 その上で、汚染水問題については、政府が責任を持って対応をこれからしていくということでございます。 それから、被災地の方々とともに喜べるオリンピックということでありますが、単なる一過性のイベントとするのではなくて、日本社会再生のための大きなうねりとして、全国的な波及効果を及ぼしていくようなオリンピック・パラリンピックにしていくことが大切だと考えております。 東京だけでなく、東日本大震災の被災地を含め日本全体が活力を取り戻す大会となるよう、東日本大震災からの復興を着実に推進することにより、復興をなし遂げた日本の姿を世界に発信していきたいと考えております。 被災地では、これまでも日本オリンピック委員会がオリンピアンの参加によるスポーツイベントを実施してきたところであり、二〇二〇年に向けても、こうした関連イベントの実施が考えられるほか、聖火リレーや各国代表選手団の事前合宿など、さまざまな取り組みが考えられます。 これらの取り組みは、来年二月までに設置される大会組織委員会においてしっかり検討されるよう、今、内閣府のオリンピック・パラリンピック推進室の中で既にその取り組みについて企画立案をつくっているところでありますが、これが組織委員会でも反映されるように、政府としても働きかけてまいります。
○青木委員 ありがとうございます。 まずは東北の状況が、やはり今回の震災の前の状況を取り戻すことは難しいかもしれませんが、少なくとも仮設ではない生活を取り戻していることですとか、仕事もないままこのオリンピックを喜んでいる場合ではないというのが実際のところだと思いますので、仕事のことですとか、あるいは、岩手県の大船渡の方からせんだって伺ったお話で、学校のグラウンドに仮設住宅が建っているために子供たちがスポーツや運動をする場所がないという御要望をいただきました。 ちょっと具体的なことですが、この点についてもお聞かせをいただきたいことと、それから、先ほど下村大臣が、WHOの基準をはるかに下回っているというふうにおっしゃったことをもう一度伺いたい。 それで、やはり今政府、国がいろいろとこうだああだと言っても、果たして本当にその情報が確かなものなのか、まだまだ何かこれから出てくるのではないかと。今回の東電の発表も、おとといの公表、初めての事実がまた明かされているというか、初めてこれは検出をされたんだと思いますけれども、やはりそこにまだまだ国民の中にも不信感といいますか、まだそういうものが根強くあるものですから、もう一度確認をさせていただきたいのです。 WHOの基準をはるかに下回っているというのが、いつのことでということをもう一度お聞かせいただけますでしょうか。
○下村国務大臣 まず、安倍総理が九月七日、ブエノスアイレスのIOC総会で発言した内容でありますが、汚染水そのものについて、もちろん、ないというふうに否定したわけでは全然ないわけですね。 ただ、〇・三平方キロメートル以内の発電所の港湾内、発電所の中の話としては、これは現実問題として今も汚染水問題が深刻な問題としてあるということは事実であるわけですが、世界から見たら、この港湾内の問題が、同時に東京、日本全体の問題として汚染水の影響を受けているのではないかと思われるような報道が多々ありました。 それについてのブロックという定義として、コントロールの定義として、全てがコントロールされているわけではないわけです。少なくとも外洋とか東京とか、そういうところについては現時点においても影響がないという具体的な事例として、これは九月七日のプレゼンの前の調査ですけれども、福島県沖を含む広いエリアでモニタリングをした。その結果、WHOの水質ガイドラインの基準値の五百分の一であったということです。 この調査というのは、九月七日以前の調査ということであります。
○青木委員 事態はまた時間とともに変化もいたしますし、きっちりとした検証とともに、また情報発信を少なくともお願いしておきたいと思います。 東北の子供たちのグラウンドが使えないという点については、何か御所見はございますか。よろしくお願いします。
○久保政府参考人 今、グラウンドが確かに仮設住宅が建って使えなくなって、運動不足になっているという話は聞きます。直接教育長さんから私も聞いたことがあります。 そこで、運動不足を解消するために、リフレッシュキャンプなどいろいろなところにお連れして、そこで運動してもらってストレスも解消していただくような手法を国としても支援しておりますし、さらに、復興庁と連携いたしまして、放課後、いろいろなところで、学校、グラウンドだけじゃなくて、外で遊びたがらないという例もありますので、場合によっては、グラウンドに屋根をかぶせてそこで運動できるようにするというような予算措置を講ずるとか、いろいろな工夫をしているところでございまして、そういう意味での、可能な限りそのような場をつくるということについて、地元のニーズも聞きながら連携していきたいと考えているところでございます。
○青木委員 ありがとうございます。 グラウンドに屋根をつくりながらというのも、なかなかちょっと成長期の子供たちには不自然な感じもするのですが、仮設にお住まいの皆様方も早くふだんの生活を取り戻すことが大事ですし、やはり、成長期の子供たちにとってもせめて運動場は確保してあげたいなというふうに思いますので、よりよい方法をこれからも全力を尽くしていただきたいとお願いを申し上げます。 話をかわらせていただきまして、この委員会でも視察をいたしました、北区にございますナショナルトレーニングセンターの現状、今後の課題についてお聞かせをいただきたいと思います。 このナショナルトレーニングセンターは、スポーツ振興基本計画に基づきまして、平成二十年一月に日本のトップアスリートの国際競技力の総合的な向上を図るトレーニング施設として開所以来、多くのアスリートの皆さんが研さんを積み、優秀な成績を上げてきました。この施設等の活用でロンドン・オリンピックのメダルの獲得数も飛躍的にふえたというふうに聞きました。 一方、この施設の性格上、利用対象は、JOCの強化指定選手か、中央競技団体の推薦を受けた強化選手に限られているために、その全容は地元区民もわからないことが多いのも事実でございます。 しかし、本年九月の、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で開催都市に東京が選ばれたことで、同時にレスリングが実施競技に復活するという二重の喜びを受けて、このナショナルトレーニングセンターの存在がますます今地元では大きな存在となりまして、周辺の商店街を中心に、独自の応援イベントなどが盛んに行われるようになりました。 現在、各競技のオリンピック強化指定選手がおられまして、JOCエリートアカデミーで訓練を積んでいらっしゃる選手の方々、その現状と今後について御質問させていただくのですが、現在は、レスリングと卓球とフェンシング、これらの競技を対象に、中学一年生から高校三年生までの四十四名の皆さんが、このトレーニングセンターを生活拠点として、近隣の学校に通学しながら、一貫指導システムで指導を受けているわけでございます。生徒さんたちも全国からいらっしゃいますので、転校しながら、親御さんのもとを離れて、訓練また学業に励んでいるわけなんです。 こうした生徒さんたちの生活環境というのはどのようになっているのか。精神面ですとか、生活費等々金銭面の課題ですとか、あるいは、訓練をしながらも、やはり学生でありますので、その教育的な配慮等々がなされているのか、地元自治体と国との連携等々がどうなっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○久保政府参考人 今御質問ございましたエリートアカデミーに入っている子供たち、保護者のもとを離れて北区の中学校に通学しておりますので、いろいろな、学力の面ですとか生活の面ですとか、悩んだりすることもあるわけでございます。 そこで、現在、定期的に日本オリンピック委員会と北区の教育委員会、さらに学校等が合同会議を開催するなどいたしまして連携を図りまして、アスリートの面倒見といいましょうか、生活環境が充実するような工夫をしているところでございます。 こういった取り組みを引き続き実施することによりまして、周辺自治体とも連携して、アスリートの生活環境の整備が図られるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○青木委員 ぜひよろしくお願いします。経済的な面で能力ある選手の可能性を潰すことのないように、あらゆる手段を考え、また、対策を講じていただきたいと思います。 そして、この北区は、恐縮ですが、今、私の地元であるわけなんですが、お隣が下村大臣の御地元でございます。地元では今、やはり、オリンピック招致が実現をしたことで、子供たちも大人たちも活気を取り戻しつつあるというところかというふうに思います。ただ、一方でこの北区は、東京都の中でも高齢化率が最も高い地域であります。 地元のことを挙げて恐縮なんですけれども、報道によりますと、日本を代表するデザイン界の方々がフォーラムを設立されて、東京を、このパラリンピックにおける情報のバリアフリー化ということで、視覚、聴覚に問題を抱える人にどう情報を伝えるか、高齢化社会が進む中で、就業人口減少、また通勤者の減少から、速い交通から遅い交通を検討する機会にといった提言もあったようでございます。 この点について、オリンピックを契機にさまざまなアイデアが集まっているわけでありますが、これが東京だけではなくて、また、全国にオリンピックの効果を波及させていく必要もあろうかと思います。こうした障害者の皆様、高齢者の方々に対する、オリンピックを契機としたさまざまなアイデアについて、わかる範囲でお聞かせをいただければと思います。
○冨岡大臣政務官 ただいまの青木委員の質問にお答えします。 委員御指摘のように、このオリンピック・パラリンピックを契機として、新しい環境未来都市、バリアフリーの町づくりを進めていきたいと考えております。 したがいまして、東京にオリンピックを招致した際に、環境負荷の最小化、あるいは、自然と共生する都市環境計画等を柱とした環境ガイドラインを策定したところであります。 したがいまして、最高の環境基準を推進するさまざまな措置がこれから講じられていく、講じるのは私たちでございますけれども、取り組んでいきたいと思っております。
○青木委員 ありがとうございます。 ぜひ、子供から大人まで、また高齢者も、そして障害を持った皆様にとってもプラスになるオリンピックとなることを願っておりますが、今御答弁いただきましたことを受けてさらに質問をさせていただきたいと思います。 今、環境の問題にちょっと移されましたけれども、自然との共生もこのオリンピック開催の課題であるということなんですが、一つお伺いをしたいのが、これも報道で知った限りなんですけれども、都内でも人気のレジャースポットである葛西臨海公園なんです。八十一ヘクタールにわたる広大な公園には、都内でも貴重な干潟が広がって、ウグイスなど野鳥が二百二十六種類、また、昆虫、樹木、野草など貴重な環境保全がされているというところなんです。ここにカヌーのコースが建設予定だということで、競技用の人工的な激流をつくるということでここが設定されているんだそうですけれども、やはり、貴重な干潟が破壊されてしまうかもしれないと心配する声も上がっているんです。 環境都市宣言を目指すという中において、これについてもう一度お聞かせいただけますでしょうか。
○冨岡大臣政務官 先ほど御質問もあったと思いますけれども、環境、それから障害者、そして、環境の中で葛西臨海公園を、干潟をしっかり保存しながらやっていきたいと思っております。 特に、委員から今御質問のありました葛西臨海公園については、施設計画における観客席を仮設として環境に負荷のかからないようにして、大会後は撤去するなど、環境に対する影響をできるだけ少なくしてやっていくつもりでおります。 また、地元の江戸川区や日本野鳥の会の話を伺うなどの計画もございまして、現在、検討を進めているところでございます。
○青木委員 この課題については御認識をいただいているかと思いますので、ぜひお取り組みの方をよろしくお願いを申し上げます。 あともう一点、先ほどの話とも関係しますが、日本は世界に先駆けた少子高齢社会であります。スポーツへの関心が高まるのを活用して、子供から高齢者まで、スポーツを取り入れた、健康で生きがいのある暮らしづくりを工夫すべきだと考えております。それは当然、障害者にも配慮したバリアフリー社会でもございます。先進国や中国はこれから少子高齢社会に向かいます。東京をぜひ先進モデル都市としてするべきだというふうに考えます。 また、多くの若者、少年がスポーツに関心を高め、体を鍛えることも意義のあることで、最近は、コンピューターですとかスマホが普及しまして、また、現実とバーチャルの世界の中でその心身の健全なバランスにゆがみが来ているとの指摘もございます。 こうした視点からも、ぜひ、スポーツへの関心が高まるこの機会を活用して、誰もが健康で生きがいのあるそうした暮らしづくりを目指すべきだというふうに考えますが、その点について御所見をいただければと思います。
○冨岡大臣政務官 委員から、環境への負荷のないような、あるいは障害者に配慮したようなオリパラをぜひという御質問だと思います。私たちも、そういうコンセプトでいろいろ今計画を練っているところでございます。 したがいまして、スポーツへの関心が高まることを機に、委員御指摘のように、子供から高齢者まで、障害者を含めてあらゆる世代の国民がスポーツに親しみ、また、スポーツの力で、健康であり生きがいのある暮らしづくりを進めていくことを目指しております。 委員の御意見、御質問を参考にしながら、これからも前向きに取り組んでいきたいと思っております。 御質問ありがとうございました。
○青木委員 ありがとうございます。 スポーツの力を信じ、活用して、日本全体が元気を取り戻し、次の時代の展望が開けるようなオリンピック・パラリンピックとなりますように御祈念申し上げ、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小渕委員長 この際、御紹介いたします。 ただいま参考人として独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長、公益財団法人日本オリンピック委員会理事河野一郎君が御出席されております。 河野参考人におかれましては、本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) 次に、稲津久君。
○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。 きょうは、河野一郎先生に大変御多用のところをお越しいただきまして、参考人として私どもの質問にお答えいただけるということで、大変感謝申し上げる次第でございます。 通告に従いまして、早速質問に入らせていただきたいと思います。 まず第一番目は、二〇一六年のオリンピックの招致活動についてということで、二〇一六年の東京オリンピック招致活動が今回の二〇二〇年の東京オリンピックの招致実現にどのような影響があったのかということについてお伺いしたいと思っています。 参考人は二〇一六年の東京オリンピック・パラリンピックの招致委員会の事務総長を務められておりまして、当時、大変な御尽力をいただく中でこの取り組みを進めていただきましたことに、改めて心から敬意を表させていただく次第でございます。 そこで、二〇〇九年の招致活動を終えられた後に、私の母校でございます専修大学、ここで公開シンポジウムを行いまして、河野参考人には、「オリンピック招致のレガシー(遺産)とは」というテーマで基調講演をいただきました。そしてその後に、「スポーツの価値とは何か、そしてスポーツの未来像は」ということで、このテーマでパネルディスカッションも行っていただきまして、このときに本委員会の馳委員もパネラーのお一人として参加をなされまして、活発な議論がなされて、大変有意義なものになったというふうに承知をしております。 このシンポジウムの報告書を読ませてもらいました。非常に興味深くて、大いに参考になるという内容であったというふうに自分自身は思っています。 結果的に二〇一六年の招致というのは、実現はしなかったわけなんですけれども、しかし、そのときの取り組みがあったからこそまさに二〇二〇年の招致ができた、私はそのように思っております。 そこでお伺いしますけれども、河野参考人におかれましては、招致委員会として、主に二〇〇八年から二〇〇九年に行った招致活動でさまざまな取り組みをされました。今回、二〇二〇年の招致実現ということになったわけですけれども、当時のそうした取り組みが結果として大きな影響を与えたと思っております。その点について参考人の御意見をいただきたいと思います。
○河野参考人 このような機会を与えていただいて、ありがとうございます。 今御指摘のように、二〇二〇年の大会招致の成功は、七年間にわたりますいろいろな戦略的な活動の成果を、最終局面そして最終プレゼンテーションに、オール・ジャパン体制で結びつけられたことと思っております。 この七年間は大別しますと三期に分かれると思いますが、第一期が、今御指摘にありました二〇一六年の活動ということでございます。第二期が、ちょうど一六年と二〇年の空白期間でございます。一六年の大会招致の折に考えましたのは、やはりレガシーを残すことが必要だということも考えました。 特に今回の二〇二〇年の大会に関しましては、例えば、立候補ファイルに書かれております計画のほとんどは一六年のものでございます。唯一、メーンスタジアムと選手村、ここだけが違っているということで、あとは全て、高い評価を受けましたものが残っております。 また、前回、二〇一六年の招致のときに感じました法的整備の、その時点ではちょっと足りないかなと思われるところにつきましては、おかげさまで、二〇〇七年から開始をしていただきました活動によって、二〇一一年にはスポーツ基本法をつくっていただきまして、今回のオール・ジャパン体制を整えることの基礎になったかと思っております。 それからもう一つ、個人的な思いもございますけれども、二〇一六年に私が招致を仰せつかったときにはオリンピック招致委員会でございました。いろいろな御意見ありましたけれども、二〇一六年の招致の大会中に、オリンピック・パラリンピック招致委員会と定款を変えさせていただきました。これが、今回、オリンピック・パラリンピックというオール・ジャパン体制に結びついた結果となっております。 また、空白期間におきましては、継続する組織がなかったものですから、日本のスポーツ百年の際に設立いたしました嘉納治五郎センターを中心に、IOC委員を招致する、そしてロゲ会長に私が直接交渉いたしましたけれども、IOCが認定をするオリンピック研究センターも、日本で初めて設立しました。また、世界アンチ・ドーピング機構のアスリート会議もその期間に日本で開催する。 こういったことが、二〇一六年のレガシーとして今回の二〇二〇年の大会招致に大きな影響を与えたと考えております。 以上です。
○稲津委員 ありがとうございました。まさにそのときの取り組みのレガシーというのが今回の二〇二〇年東京招致に具体的につながっていったということを、はっきりと改めてお示しいただいたというふうに思っております。 そこで次は、パラリンピックについてということで少し具体的にお聞きしていきたいと思うんですが、一つ目は、二〇二〇年のパラリンピック大会に向けた取り組みが与える社会的意義についてということでお伺いをさせていただきたいと思います。 前回の東京大会、一九六四年、私は小学校の一年生でした。当時、まさに戦後復興ということが結果として大きなテーマになっていった、社会のインフラ整備もどんどん進んでいった、そういうオリンピックだったということもよく言われています。 では、二〇二〇年のこのオリンピック・パラリンピックの大会はどういう意義があるのかということなんですけれども、これはまさに、成熟した社会、それから少子高齢化、こういう時代背景の中でおのずと定義が見えてくると思うんですが、もう一つ絶対忘れちゃいけないのは、やはり、パラリンピックの成功こそ鍵になるんだ、こういう視点ではないかなと私はこのように思っております。 パラリンピック大会、これを成功させるという視点で今後七年間取り組んでいったその場合、例えば、都市機能のバリアフリー化というのは当然ですけれども、心のバリアフリー、例えば、体の不自由な方々に当たり前のように手助けができる社会の構築といった視点、これは学校の教育現場にも取り組みが必要になってくるのかもしれませんが、こうしたパラリンピックの成功に結びついていけば、私は、二〇二〇年大会の後のレガシーとして、高齢化社会を豊かに暮らしていく新しい日本の姿を描くことができるのではないか、このように思っている一人でございます。 まさに、世界の模範としてのそういう大会にできるのか、このことは大きな一つのテーマだと私は思っていますが、このような視点について、河野参考人、どのようなお考えなのか、ぜひお伺いさせていただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。 二〇二〇年におけるオリンピック、特にパラリンピック大会における取り組みが社会にどういう影響を与えるかということでございますけれども、まず第一には、二〇一一年のスポーツ基本法の八つの理念の一つの中に強くうたわれております、障害者のスポーツに関する取り組み、これがやはり社会的認知をしっかり高めることに必ずやつながると思いますし、これが、二〇一一年のスポーツ基本法をさらに具体的に進める大きな原動力になるかと思っております。 これによって、スポーツの力を利用して、あるいはスポーツの力によって社会開発をしていくところにつながる。その中には当然、今御指摘にありましたユニバーサルデザイン等を含めたことがあると思います。 それからもう一点は、パラリンピックでございます。パラリンピアンの多くの方は、オリンピアンと同じように、人間の可能性を最大限突き詰めている。したがって、リハビリテーションにおけるスポーツの取り組みと異なって、パラリンピアンはトップアスリートとしてのプライドを持って取り組んでいる。こういったことは間違いなくしっかりと認識されると思っております。 ソフト面、ハード面、そしてヒューマンリソース等を含めて、全ての面で前へ進むと考えております。社会的意義は大きいと思います。 ありがとうございます。
○稲津委員 ありがとうございました。 次は、パラリンピック選手育成に向けた取り組みの強化についてということでお伺いをさせていただきたいと思います。 昨年のロンドン大会、我が国のオリンピック史上最多の三十八個というメダルの獲得、これには、ナショナルトレーニングセンターや国立スポーツ科学センター、こういった活用ができたということが背景にあるというふうにも言われていますが、検証チームの報告にあるとおり、こうしたことはいわば間違いがないというふうに思っております。 一方では、パラリンピックの日本勢は、二〇〇八年の北京大会に続き、メダルは残念ながら減っているという状況でございます。 パラリンピックでメダルをふやすということを考えていったならば、このナショナルトレーニングセンターのような専用トレーニング施設も必要ではないかという意見もございます。トップを引っ張るということで視野を広げていくという考え方でいけば、言葉はあれですけれども、今あるパイの比率を変えるという議論ではなくて、むしろ逆に大きくしていく、強化に結びつけていくということが大事だと思っています。 このパラリンピック選手の育成強化について参考人はどのようなお考えなのか、この点についてお伺いさせていただきたいと思います。
○河野参考人 パラリンピックアスリートの強化でございますけれども、取り組みの考え方としては、オリンピックアスリートと全く同じというふうに思います。基本的に、環境を整えて継続的な強化を図ること。 そのためには、しっかりとした環境の中には、ハード面、ソフト面いろいろございますけれども、日本スポーツ振興センターでは、競技性の高い障害者スポーツに関する基礎調査をこの二年間行っております。 その中ではっきりといたしましたのは、現在オリンピアンに対して行ってきたいろいろな活動、蓄積されているノウハウをこれからいかに共有するか、これが、二〇二〇年に向かっての、オリンピアン、パラリンピアン一体となった強化の一つの課題かと思っております。 それと同時に、先ほど御指摘いただきましたけれども、ロンドン大会の前には、日本スポーツ振興センターとして、ナショナルトレーニングセンターを活用していただくべく、積極的にオリンピック競技とパラリンピック競技の競技団体間の会話を進めさせていただきました。その一つとして、パラリンピックの水泳チームは、直前にナショナルトレーニングセンターで合宿をしていただいて、現地に臨むことができました。 ただ、オリンピック競技と少し異なる点は、障害者スポーツに関しては幾つかの課題がございます。 例えば、日本スポーツ振興センター、JSCとして助成をさせていただいておりますが、パラリンピック競技の団体の幾つかは、公的資格を持っていないために、日本スポーツ振興センターのいわゆるサッカーくじの財源をなかなか直接助成させていただくことができない。あるいは、障害者スポーツ大会がございますけれども、これとパラリンピック大会の種目に乖離がある等々幾つかの構造的な課題もございますので、こういったことも、オリンピックと同じような視点で臨んでいく必要があるというふうに考えております。 以上でございます。
○稲津委員 ただいま御答弁いただいて、パラリンピックの選手の育成強化についてやはり幾つかの課題があると具体的な御示唆もいただきました。ぜひ、こうした課題解消に向けて私どもも力を尽くしていきたい、このように今改めて感じているところでございます。 関連して、国立スポーツ科学センターの地方拠点、それからナショナルトレーニングセンターのバリアフリー化といったことについて、その強化の必要性があるという認識に立って質問させていただきたいというふうに思います。 河野参考人が理事長を務めます日本スポーツ振興センターには、御案内のとおり、国立スポーツ科学センターそれからナショナルトレーニングセンターが設置をされております。ロンドン大会における過去最多のメダル獲得数に、この二つの施設、それから、選手の日常的な支援を行うマルチサポート事業、この三つの施設及び事業が果たした役割は私は非常に大きいというふうに思っております。 この三つの事業のうち、特に国立スポーツ科学センターそれからナショナルトレーニングセンターについて、評価と課題を改めてお伺いしたいところなんです。 具体的には、国立スポーツ科学センターについて、例えば、選手の競技力向上を全国に図るために地方拠点を設ける必要性、それからナショナルトレーニングセンターについては、競技ごとの施設整備の更新ですとか、今後やはり、パラリンピック選手にも対応できるようなバリアフリー化、こうしたハード面の環境整備、それからさらには、この国立スポーツセンターとの連携強化といったソフト面での充実等々さまざまな課題が見えてくると思うんですけれども、こうしたことについて、その必要性について河野参考人の御意見をいただきたいと思います。
○河野参考人 国立スポーツ科学センターの地方拠点との関係でございますが、現在、御指摘のように、国立スポーツ科学センターは地方に拠点を持っておりません。しかし、各都道府県等が設けておりますスポーツ科学センターとの連携は強化をしております。 したがいまして、実質的にはマルチサポートを含めて地方と連携をしておりますけれども、ここについては、さらなる地方の活性化を含めて、今後の課題があるというふうに認識をしております。重要なことは、国立スポーツ科学センターが今持っているいろいろなノウハウを、やはり共有していくシステムが必要かなと思っております。 それから、ナショナルトレーニングセンターのバリアフリー化に関しましては、二〇二〇年におけるパラリンピック大会時のことを考えますと、ナショナルトレーニングセンター自体も何らかの機能を持つと思いますし、それから、御議論も既にされているかと思いますけれども、パラリンピック自体のトレセン構想ともあわせまして、バリアフリー化は重要かと思っております。 なお、国立スポーツ科学センター及びナショナルトレーニングセンターの一部はバリアフリー化してございますけれども、大きな視点でのさらなる見直しが必要かと思っております。 ありがとうございます。
○稲津委員 終わりますが、大変貴重なさまざまな御示唆をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 ありがとうございました。
○小渕委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。 河野参考人におかれましては、本日、大変御多用中のところこの委員会にお越しくださいまして、心より感謝を申し上げます。 私は、昨年十二月の選挙で当選をした、兵庫八区、尼崎選出の新人でございますけれども、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの大成功に向けて私も全力でこれから取り組んでまいりたい、こういう決意でございますので、どうか本日はよろしくお願い申し上げます。 早速ですけれども、質問に入らせていただきます。 まず、一つ目の質問でございます。私、ラグビーについて一つ質問をさせていただきます。 と申しますのも、私の同僚議員にも、もともとラグビーをずっとやっておられた、そういう方もいらっしゃいますし、高校が大阪でございまして、大変にラグビーの盛んな土地柄でございました。二〇一六年のリオから、新たに七人制ラグビーがオリンピック種目として採用されることになりました。河野理事は、JOCの理事であると同時に、日本ラグビー協会あるいはラグビーワールドカップの組織委員会、さまざまなところで御活躍をされておりますので、ぜひお伺いをしたいんです。 この七人制ラグビーは、余り御存じない方もいらっしゃるというふうに思うんです。十五人制のラグビーとルールは確かに似ているんですけれども、実際のゲーム性という特徴としてはかなり違ってくる部分もございますし、どういう国が強いのかということも十五人制のラグビーと必ずしも一致をしない。私は、そういう意味では、違った視点から強化をしていくということが必要なのではないか、こういう意見を持っておるんです。 ただ、二〇一九年に同じく日本でラグビーのワールドカップも開催をされるということもございまして、十五人制のラグビーと七人制のラグビーというのを並行して強化をしていかないといけない。しかし、ある意味選手層としてはかぶる部分もあるのではないか、なかなか難しい課題というのがいろいろあるというふうに思うんです。 河野参考人に対して、私もラグビーを愛する一人として、十五人制ラグビーと七人制ラグビーをどのように並行して強化を行っていくのか、これについてぜひ御意見を伺えればというふうに思います。
○河野参考人 ラグビー、特に七人制を取り上げていただいて、ありがとうございます。 私も国際ラグビー連盟の理事をスポーツ振興センターに来るまではやっておりましたので、ラグビーの七人制のオリンピックへの復帰については、ロビー活動もいたしまして、それが成功したことを大変喜んでいる次第でございます。 また、二〇一六年から七人制がオリンピック種目になるわけですけれども、強化の視点から、今御指摘のように、十五人制と七人制で大変かぶるところがございます。しかしながら、特に七人制につきましては、スピードが要求される、あるいは展開性が要求されるということで、ちょっとゲーム要素が異なります。私も、強化委員長として、日本代表を責任を持ってラグビーワールドカップに連れてまいりましたけれども、そのときも同じようなことがございました。 今後、オリンピックになったということでいえば、恐らく強化の方針は、限られたリソース、人材をいかに有効に使うかということで、やはり七人制に合った選手、それは恐らく十五人制ではバックスに多いのかなと。そういった選手に関しましては、強化指定選手制度のようなものを設けて、十五人制と七人制の両方の機会をしっかりとできるようにすること。そういう選手につきましては、七人制は特にゲームフィットネスが重要でございますので、いろいろな状況に御理解をいただいて、七人制の大会にもしっかり出していくこと。 それから、もう一つ大きな視点としては、男子ばかりでなくて女子も七人制がございますので、これについては、比較的世界的にも取り組みはまだまだ、そう活発ではないところもございますので、ここにも大きなチャンスがあろうかなと思っております。 その意味で、タレント発掘も含めて、十五人制と七人制をうまく連携していくことが御指摘のように重要だろうと考えております。 ありがとうございます。
○中野委員 ありがとうございます。 男子も女子もございますし、新しい競技でもございます。何とかこれが大きな成果を残せるように私も応援してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 さて、続きまして、オリンピックとパラリンピックの連携について質問をさせていただきます。 私も、今回スポーツ庁の設置という話もございまして、今まで課題でありました、行政としてオリンピックとパラリンピックで所管が分かれている、これが一体化をする、そして一体として障害者スポーツも含めて振興していく、これを進めていくわけでございますけれども、パラリンピックは、よく言われる課題といたしまして、やはりオリンピックに比べるともちろん認知度が低い、こういう課題があるというふうに思っております。 前回のロンドン・オリンピック後のロンドン・パラリンピック、これは大変な成功であったというふうな言われ方もしておりまして、連日、予選から、観客の動員という意味においても満員であるような、非常に大成功であった。私は、日本で行われる東京オリンピック・パラリンピック、このパラリンピックも、日本でこれだけの盛り上がりをしていく大会にぜひしていきたい、こういうふうに思っております。 そうしますと、やはりオリンピックとどれだけ連携ができるのかというのが私は一つのキーになってくるのではないかと思います。もちろん、競技日程は異なるわけではありますので、競技そのもので連携するというのはなかなか難しい面はあるというふうに思いますけれども、何かもっと工夫ができないのか。例えば、広報の面で連携をしていく、あるいは開会式のような大きな、行事の面で連携をしていく、いろいろなアイデアはあるというふうに思うんですけれども、両者の連携をどう進めていくかという点について、参考人にぜひ御意見をお伺いしたいと思います。
○河野参考人 御指摘のように、オリンピック・パラリンピック、オリパラという言葉が出るように、オリンピックとパラリンピックの連携というのは非常に重要だと思います。 しかしながら、今御指摘のように、言うはやすくという面があるかと思いますけれども、基本的には、オリンピック・パラリンピック大会の成功の要因には幾つかあると思いますが、一つは、やはり大会運営をパーフェクトにやること。そのためには、組織委員会のところでは、オリンピックもパラリンピックも同様なアプローチをする必要があろうかと思います。特に、そこにかかわる人材については、オリンピックもパラリンピックも共有をしていく。例えばボランティア等についても、同じような方が同じように取り組んでいくといった工夫が必要かと思っております。 また、選手のところ、アスリートのところでは、これまでオリンピアンとパラリンピアンは別々に活動してまいりましたけれども、これについても、しっかりと同じ場面で同じような、つまり交流をする機会をしっかり設けることによっていろいろなノウハウが共有できると思っております。 ただ、課題がございますのは指導者です。オリンピックに比べましてやはりパラリンピアンの指導者は数的にも少ないと思いますので、この辺については、しっかりと連携した上で指導者養成のノウハウについても取り組んでいく、戦略的な取り組みが必要かと思っております。 以上です。
○中野委員 ありがとうございます。 続きまして、三つ目の質問に移らせていただきます。 私、三つ目の質問は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを、やはり、成熟社会の日本でございますので、世界に、日本はこれだけのことができるというお手本となるようなものを見せていきたい、このように思っております。 そういった意味では、私、二つキーワードがあるというふうに思っております。一つはバリアフリーということでありまして、もう一つは、環境に優しい、環境配慮型というこの二つを、世界の中でも日本がこれだけやっていけるんだということをぜひ示していきたい、こういうふうに思っております。 バリアフリーの点で申しますと、移動の面でのバリアフリー、例えばスロープがあるとかエレベーターがあるとか、これはもちろんでございますけれども、私、議員活動の中でさまざまな障害者の団体の方ともいろいろ接する機会もございます。障害者政策もやっておりますけれども、アメリカやヨーロッパなどに比べて、移動はもちろんなんですけれども、例えばスポーツの観戦、あるいは映画、演劇といったものの鑑賞をするような点においても、やはりそういう意味では日本はまだまだおくれている部分があるのではないか。 簡単に言いますと、視覚障害者、聴覚障害者、こういった方も含めて、文化、スポーツといったものにアクセスできる、そういった配慮というのはやはり欧米の方がまだ一歩進んでいるのではないかな。例えば、サッカー場に行きましても、視覚障害者の方の席があり、そして詳細な音声ガイドがありと、いろいろな方がアクセスできる、スポーツを楽しめる、そういう環境ができているな。 私は、今度のオリンピック・パラリンピックというのは、こういったさまざまな面、移動する面、観戦する面、いろいろな面でバリアフリーにしていっていただきたいと思っておりますし、また、環境に優しいというところもいま一歩さらに進めていってすばらしいものにしていっていただきたい、こういう思いがあるんですけれども、ぜひ河野参考人に、この二点に対してどういった御意見をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。 特に今指摘していただきました視覚障害者そして聴覚障害者については、やはりしっかりとした取り組みが必要だと思っておりますし、アクセシビリティーについても、しっかりと意識も変えながらインフラ整備に取り組む必要があろうかと思います。 幸いなことに、視覚障害者と聴覚障害者につきましては筑波技術大学という我が国唯一の国立大学がございまして、そこでさまざまなノウハウが蓄積されていると聞いております。そこには、もちろん障害者の方もおられますし、その方々が社会にどういうふうにしたらばアクセスしやすくなるかというノウハウも蓄積されていると伺っておりますので、こういったことをしっかりと取り入れていくことが必要かと思っています。 その意味で、そういった、既に日本国内にある、場合によっては世界に誇れるものをしっかりと世界にアピールしていく場面にもなろうかと思っております。 環境に配慮することについてはもちろんでございます。 どうもありがとうございます。
○中野委員 ありがとうございます。 では、最後の質問をさせていただきます。 私は、東京オリンピック・パラリンピック、東京というふうに冠されておりますけれども、東京で一つの大会が盛り上がった、やはりこういうことで終わってはいけない、このように思います。 スポーツを支える裾野はやはり広げていかないといけないですし、そのためには、オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みというのが、日本全国のいろいろな地域において、地域のスポーツあるいは障害者スポーツ、こういったものを活性化させていって日本全体のスポーツが盛り上がりを見せるような、ぜひこういう取り組みにしていく必要があるのではないか、こういうふうに考えますけれども、最後に、河野参考人に、この点について御意見を伺いたいというふうに思います。
○河野参考人 オリンピック・パラリンピックを契機にして地域のスポーツを活性化する、これは全くそのとおりと思います。 戦略的に取り組むためには、一つ考えておくことがあるかなと思っております。それは、二〇一九年にラグビーのワールドカップが全国各地で開催されるということです。ラグビーですので、サッカーと同じように、それぞれのところで大会が行われ、合宿も行われます。したがって、このときには、人、物を含めて、国外の方に接するチャンスがあるのはちょうど一年前でございます。こういったものを戦略的に活用することによって、二〇一九年、二〇二〇年と一体化した考えで取り組むことも、地域のスポーツを活性化する一つの考え方と思っております。 ありがとうございます。
○中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○小渕委員長 この際、御紹介いたします。 ただいま参考人の公益財団法人全日本柔道連盟副会長、東海大学理事・副学長、公益財団法人日本オリンピック委員会理事山下泰裕君が御出席をされました。 山下参考人におかれましては、大変御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうぞ、本日、よろしくお願いいたします。(拍手) 次に、坂本祐之輔君。
○坂本(祐)委員 日本維新の会の坂本祐之輔です。よろしくお願いします。 参考人の先生方には、大変に御多用の中にもかかわりませず御出席をいただきましたことに、厚く御礼を申し上げます。 さて、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定をいたしました。御尽力をいただきました下村文部科学大臣を初め多くの関係の皆様方に深く敬意を表しますとともに、心から感謝を申し上げます。スポーツに携わる私も、大変にうれしく存じているところでございます。開催で、我が国のスポーツを取り巻く環境も大きく発展をするものと確信をいたしております。 中央競技団体、そして大学、高校、中学校の部活動、さらには小学校の子供たちが愛好するスポーツクラブでの活動、オリンピック選手の背中を見て、みずから、自分の競技で自分も一生懸命に頑張ろう、そう思うと思います。 そして、個人では、高齢者の方々も、七年後に開催をされるオリンピック競技、健康で元気でそのときを迎えたい、競技場で応援をしたい、あるいはテレビで観戦をしたい、それが自分の夢だ、そうおっしゃる方々も多くいらっしゃいます。 そして、青少年たちは、苦難を乗り越えてオリンピックに出場され、すばらしい成績を残したアスリートを見て、みずからの夢に重ねて、自分の人生に、自分の生きざまに力強い魂を感じるのではないか、勇気や感動を覚えるものと思います。 そこで、お伺いをいたします。 オリンピック・パラリンピックを契機に、学校教育、道徳教育の中にフェアプレー精神を取り上げるべきだと私は考えています。フェアプレー精神、すなわち友情、尊敬、感謝、自信、信頼、思いやり、誇り、まさに人生を力強く生き抜く力だと思います。山下参考人には、青少年に対してどのように伝えていったらいいのか、御示唆をいただきたいと存じます。
○山下参考人 この委員会に参考人としてお招きいただいたこと、まず心からお礼を申し上げたいと思います。 フェアプレーの精神、ルールを遵守し、相手に敬意を払い、思いやる態度、まさに今の日本社会にとって必要な精神ではないかと思います。 では、道徳教育の中でどうやって伝えていくのかという御質問でございますけれども、やはり、スポーツの事例を通して伝えていくのが最もわかりやすいと考えます。私も海外で話す機会が多いんですけれども、よく二つの事例を出します。 一つは、一九六四年の東京オリンピック大会、柔道無差別級。神永選手がへーシンク選手に敗れましたけれども、あの後、へーシンク選手がとった態度、御存じの方もおられると思います。喜んで上がってこようとしたオランダの仲間を制しました。そして、きちんと礼を尽くした。 もう一つの例は、一九八四年のロサンゼルス・オリンピック、柔道無差別級。これは私が出場した大会でございます。私とラシュワン選手の戦い。私は右足をけがしまして引きずっておったんですけれども、彼は正々堂々と戦いました。大会が終わった後、世界のマスコミから、何で山下のけがした足を攻めなかったんだと言われたんですけれども、彼は、私はアラブ人だ、私にはアラブ人としての誇りがある、そんなひきょうなことはできない、そういう話をしたそうでございます。 こういう話をしますと、外国の柔道関係者も、相手を敬う心、このことをどうもよく理解できるような気がします。 柔道に限ったことではありません。さまざまなスポーツでそういったフェアプレーの事例があると思います。 私自身も一九九二年から八年間、全日本柔道の男子監督を務めましたけれども、目指したのは最強の選手づくりではありませんでした。我々日本柔道が目指してきたのは、最高の選手づくりでした。私は、道徳教育の中で、そのようなスポーツのさまざまな事例を用いて伝えていくのが最もわかりやすいと思います。 そしてもう一つ。大切なことは、単にそのフェアプレーの精神を学ぶだけではない、これをスポーツの場だけじゃない、コート、グラウンド、道場だけじゃない、日常生活の中で、ふだんの生活の中で生かしていくこと、これが非常に大事ではなかろうかと思います。これが浸透していけば、私は、それを通してフェアな社会、思いやりあふれる社会の実現が可能であると思います。 ぜひ道徳教育の中で、フェアプレーの精神の導入を前向きに御検討いただきたいと思っております。
○坂本(祐)委員 ありがとうございました。すばらしい御答弁をいただきました。 今の御答弁をお聞きいたしまして、道徳教育に力を注いでいらっしゃる下村文部科学大臣の御見解をお伺いいたしたいと存じます。
○下村国務大臣 今、山下参考人からもお話がありましたが、スポーツにおけるフェアプレー精神、これは、決まりやルールを守ること、正義を重んじ、公正公平な意識や態度を持つこと、友情や信頼のとうとさなど、道徳教育に不可欠な内容を児童生徒にわかりやすく指導する上で極めて有意義なものと考えます。 このため、今、心のノートの全面改訂をし、来年四月から全面改訂版、心のノートという名前も変えていきたいと思っておりますが、この中で、オリンピックやスポーツを通じたフェアプレー精神の重要性に関する内容を充実させたいと思っております。 具体的に、近代オリンピックの祖でありますクーベルタンやあるいは嘉納治五郎、こういう方々のエピソードを入れることを考えておりまして、こういうことを通じて、さらなる道徳教育の充実を図ってまいりたいと思います。
○坂本(祐)委員 ありがとうございました。 ぜひ道徳教育の中でフェアプレー精神を取り上げていただきたいと願っております。 オリンピアン、パラリンピアンが日本の中にはたくさんおいででいらっしゃいます。みずからの夢を実現されたアスリート、オーラがあり、高いわざを持ち、そして深い人生観をお持ちでいらっしゃいます。それらの方々が全国全ての小中学校で子供たちとの触れ合いを行っていただく、そのことによって、子供たちに夢を与え、オリンピックの機運を高めることができると考えております。 山下参考人には、オリンピアンとして、今の私の提言に対する御見解をお聞かせください。
○山下参考人 今の御提案でございますけれども、全国全ての小中学校の子供たちにオリンピアン、パラリンピアンと触れ合う機会を設けてはどうかというお話でございます。私、個人的に、大変意義ある大切なことであると思いますし、大賛成でございます。 この場にお集まりの先生方ももう既に感じておられると思いますけれども、大変残念ながら、今の子供たちは、夢を持てない、希望を持てない子供たちが多いです。これは、子供たちだけの責任ではございません。我々大人の責任であると私は考えております。 そして、子供たちに夢や感動を与えるような場面を我々大人は十分提供できていません。日本オリンピック委員会、JOCでも、全国でオリンピック教室を開催しております。そして、ここにオリンピアンを派遣し、昨年度が十三校で実施、今年度が十五校で実施しております。また、東日本復興支援のJOC「がんばれ!ニッポン!」プロジェクト、これも三カ年で六十カ所で行っております。日本スポーツ振興センター、河野理事長のところでも同様の取り組みを行っておられます。しかし、どちらもまだまだ十分ではございません。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの成功へ向けまして、文科省とJOC、あるいは日本スポーツ振興センター、日体協、日本オリンピアンズ協会、さまざまなところが協力して、願わくば全ての、できなくても、一つでも多くの小中学校にオリンピアンあるいはパラリンピアンを派遣する、こういうことを通して少しでも子供たちに夢や希望を持ってもらう、感動を与えることは大賛成でございまして、ぜひ実現する方向で御検討いただければありがたいと思っております。
○坂本(祐)委員 ありがとうございました。 それでは、今の山下参考人の御見解を踏まえてのお考えを下村大臣にお伺いいたします。
○下村国務大臣 今回の大会開催に当たっては、オリンピックやパラリンピックに関する理解の促進、スポーツへの興味、関心の喚起など、子供たちの生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現する資質や能力の育成につながることが重要であるというふうに考えております。 このため、オリンピアンやパラリンピアンと子供たちとの交流、また教材の作成等によりまして、オリンピックやパラリンピックの価値、精神を子供たちに体得させるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 さらに、今回の大会は、大会の成功はもとより、単なる一過性の行事にとどめることなく、また、東京だけでなく日本社会全体を元気にしてさらなる発展を目指すための大きなチャンスとして捉えたいと考えます。 このため、今後全国に、子供たちが継続的にスポーツに親しむ機会を確保する中で、オリンピアンやパラリンピアンと触れ合う機会をふやしていく工夫について検討してまいりたいと思います。
○坂本(祐)委員 前向きな御見解をいただきまして、ありがとうございました。 さて、私は以前、予算委員会で体罰、暴力の質問をいたしましたが、いまだに後を絶たないのが実情であります。オリンピック・パラリンピックを契機として、子供たちの大きな夢を豊かに育てていかなければなりません。だからこそ、ここに改めて、体罰、暴力を根絶する必要があると思います。 山下参考人には、先ほど、世界最強の選手を育てるのではない、世界最高の選手を育てるのだとおっしゃっておられました。これまでの御経験から、体罰、暴力を根絶するためにどのような取り組みをするべきかについてお答えをいただきたいと存じます。
○山下参考人 まず、今の御質問にお答えする前に、日本の柔道界におきまして、指導者の選手たちに対する暴力等で世間をお騒がせしました。多くの方々に大変な御迷惑をおかけしました。この場をおかりしまして、柔道関係者の一人として心からおわび申し上げます。そして、まずは柔道界において、暴力の根絶に向けて全力を傾けてまいることをこの場でお誓いさせていただきたい、こう思っております。 なぜこのような暴力や体罰が起こるのか。幾つか理由が考えられます。その一つは、指導者が未熟なためにうまく言葉で指導できない、それからもう一つは、指導者自身あるいは暴力行為を行う者自身が自分の感情をうまくコントロールできない、それからもう一つ、暴力や体罰といったもので威圧しながら指導することを通して即効的な成果を求める、こういうケースが考えられると思います。 まずは指導者自身が、体罰や暴力行為、これは自分自身の指導力が未熟であるといった認識を持つことが大事だろうと思います。そして、それらは決して許される行為でないということを指導者あるいは教育者たちに認識させる、こういった指導者教育が必要であると思います。 そのようなスポーツの指導者あるいは教育者を育成している大学にも重い責任があると思います。私も東海大学で副学長を務めております。大学の責任も、我々はもっともっと自覚していく必要があろうと思います。 それからもう一つ。保護者を含めた子供たちを取り巻く環境の中に、目先の勝利を優先した、これは決して先々選手が伸びることにつながっていかないんですけれども、誤った勝利至上主義が見受けられる、これも問題だろうと思います。 全日本柔道連盟では、この四月から暴力根絶プロジェクトを立ち上げました。また、JOC、日本オリンピック委員会では、竹田会長みずからのリーダーシップのもとに、この九月からアントラージュ部会、これはなかなか聞きなれない言葉ですけれども、簡単に言いますと、選手を取り巻く環境を整える、よりよい環境を選手に提供する、竹田会長が二〇二〇年に向けてつくられた部会でありますけれども、これが立ち上がりました。ここで、最優先課題としまして、スポーツ界における暴力の根絶に向けた活動を掲げております。 指導者あるいは教育者の意識改革のために、文科省、日体協、JOC、日本スポーツ振興センター、あるいは各競技団体、中体連、高体連等が連携をとりながら行動することが必要である、こういうふうに考えます。 実は、柔道界のプロジェクトもJOCのアントラージュ部会も、どちらも私が責任者でございます。全力を挙げて指導者の意識改革に取り組み、子供たちあるいは少年少女が安心して笑顔でスポーツを楽しめる、そんな環境づくりに取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○坂本(祐)委員 力強い御意見をいただき、まことにありがとうございます。 ただいまの御意見を踏まえて、大臣から御所見をお伺いいたしたいと存じます。
○下村国務大臣 今、山下参考人がおっしゃったとおりだというふうに思います。 指導において体罰、暴力を行っているのは自分が未熟だからだと指導者の方々が十分に自覚することによって、ことしが我が国において、スポーツにおける、運動における体罰、暴力根絶の元年であるというふうな自覚を持って、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。 文部科学省でも、二月の五日にはスポーツ指導における暴力根絶へ向けての大臣メッセージの発出、また、三月には体罰禁止の徹底に係る通知の発出、さらに、五月には運動部活動での指導のガイドラインの作成、また、七月には「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議(タスクフォース)報告書」の作成、さらに、八月には体罰に係る実態調査結果の公表等を行ってまいりました。 今後も、運動部活動やスポーツ活動の指導者が適切な指導方法等を学ぶことができる場を確保して、スポーツ指導において体罰や暴力が根絶されるよう取り組んでまいります。
○坂本(祐)委員 ありがとうございました。 今までの御質問、また御答弁を踏まえて考えますと、学校教育の中で、体育、部活、道徳教育、これらはまさに、スポーツ、体育と教育は一体化しているものと私は考えております。 ここで、スポーツ庁設置に向けた動きが加速する中で、私は文部科学省の外局としてスポーツ庁を設置すべきだと考えておりますが、大臣の所見をお伺いいたします。
○下村国務大臣 スポーツ庁のあり方を検討するに当たっては、議員御指摘のとおり、どの省庁に設置するのか、また、学校教育活動である学校体育や部活動をスポーツ庁の所掌に取り込むか否かといったことを初めとして、整理すべきさまざまな課題があります。 これらの課題については、現在、超党派のスポーツ議員連盟のプロジェクトチームにおいて精力的に検討が進められているというふうに承知をしておりますし、また一方、文部科学省におきましても、櫻田副大臣のもとにタスクフォースを設置して、現在検討しているところでございます。 今後、スポーツ議員連盟における議論とともに連携しながら、スポーツ施策の付加価値を最大限高められるよう、これは健康福祉的な部分からもスポーツをどう活用するかという部分も入ってまいりますので、政府全体として、スポーツ庁のあり方について幅広く検討しながら、あるべき形について決めてまいりたいと思います。
○坂本(祐)委員 ありがとうございました。 最後になりますけれども、きょうは時間の関係で河野参考人には御質問ができませんでした、申しわけありません。ただ、河野参考人、そして大臣、山下参考人にも改めてお願いをすること、それは、オリンピックでメダルをかち取っていく、オリンピックムーブメントを高めていく、そうであるならば、国体であり、インターハイであり、そして全中であり、小学校の全国のスポーツ大会であり、しっかりとした競技力の向上を目指していくべき、そして、中学校の学校体育あるいは部活動という普及振興も図っていく必要があろうかと思います。富士山のように頂を高く求めるのであれば、普及振興の裾野は大きく広がっていかなければならないと考えるからです。 ぜひ、大臣を初め、参考人の皆様方には、これらを踏まえて、スポーツ振興にお力添えを賜りますようにさらなる取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○小渕委員長 山下参考人におかれましては、大変貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして御礼申し上げさせていただきたいと思います。(拍手) この際、御紹介いたします。 ただいま参考人の公益財団法人日本障害者スポーツ協会会長、日本パラリンピック委員会委員長鳥原光憲君が御出席をされました。 鳥原参考人におかれましては、大変お忙しい中、本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) 次に、笠浩史君。
○笠委員 民主党の笠浩史でございます。 きょうは、本当にお忙しい中、河野参考人、また鳥原参考人には、わざわざ当委員会においでをいただきましたこと、まずもって心より感謝を申し上げたいと思います。 オリンピック・パラリンピック、今さまざま、きょうも議論を行っているところでございますけれども、私、最初に下村大臣にお伺いをさせていただきたいことでございますが、二月に組織委員会をつくっていくということを、今それへ向けた体制づくりを、オリンピック・パラリンピックの担当大臣として、都やあるいはJOCとも恐らくいろいろな相談をされているかと思います。 一部いろいろ報道で、今回のこの組織のあり方について、これは恐らくロンドンの大会を参考にしてなのか、東京ボードというボードをつくって、そこに大臣、あるいは都知事、JOCの会長、そして組織委員会の委員長というような方々が入って事実上の司令塔機能を果たしていく、そのもとに組織委員会がつくられていく、組織委員会を運営していくというようなことがありますけれども、これは大体そういう方向で体制づくりをしていくということでよろしいのでしょうか。
○下村国務大臣 先日、JOCの竹田会長と猪瀬都知事とお会いしまして、今後の組織委員会のあり方については協議をいたしました。来年の二月までには立ち上げるということでございますが、今、猪瀬知事の個人的な問題等がございまして、その後、会合が今延び延びになっているというような状況もございます。 ですから今確定しているわけではありませんが、御指摘のように、ロンドン・オリンピックの組織委員会等運営のあり方は大変に我が国にとっても参考になるのではないかというふうに思っておりますし、それも参考にしながら詳細を詰めていきたいと思っております。 現段階ではまだ確定しておりません。
○笠委員 関連してもう一点だけ。それとまた別途に顧問会議というものも設置するんじゃないかというようなことが、これも報道ベースでございますけれども、今いろいろと情報として飛び交っているわけでございます。 私は、やはり組織というものは、もちろん六四年大会のときとはいろいろな情勢も変わっておりますので、さらに当時以上に、その対象とする範囲、あるいはいろいろと検討しなければならない事項というものもたくさんありますし、組織が大きくなるということは必要かと思いますけれども、何か余り屋上屋を重ねていくような体制にすると、果たしてどこで物事が決まっていくのかというような懸念もあるわけです。 こうした顧問会議みたいなものも別途検討されているのかどうか。あわせて、こうした体制やあるいは骨格の人事については、年内をめどぐらいには方向性を出していくというような方針なのか。その点をお伺いしたいと思います。
○下村国務大臣 先ほど申し上げましたように、JOCの竹田会長と猪瀬知事と話し合っているのは、組織委員会の会長あるいは理事長、どちらの肩書にするかもまだはっきり決まっていませんが、どなたにお願いするかということについてまずは決めていこうということが前提でございます。 その決まった方と一緒に、先ほど御指摘があったようなボード、その四者によってやる必要があるのかどうかということは、どなたを理事長にするかによっても違ってくると思いますし、また、そのことによって顧問会議を置くのか置かないのかということも決まってくると思いますから、我々が直接組織委員会の中に入ってやるわけではありませんので、組織委員会の責任者を決めて、その中で改めてあるべき組織委員会はどうすべきかということを議論すべきだと思っておりますので、今の段階で、顧問会議等を設定するということが既に確定しているということでは全くございません。 また、理事長等をいつまでにということであれば、できるだけ早く決めたいというふうに思いますが、今東京都におけるいろいろな状況もございますので、これを見きわめて判断をしていく必要があるのではないかと思っております。
○笠委員 都知事のいろいろな問題も確かにございます。だからこそ、しっかりと大臣も担当大臣としてJOCとも連携をしながら、大会運営に当たれるような、ある意味では、あらゆる分野に一定の影響力をきちっと持って指導できるようなトップを選択していただきたいというふうに思っております。 それでは、先ほど他の委員からも質問があったわけですけれども、私はちょっと河野理事長の方にお伺いをさせていただきたいんです。 この七月二十四日から八月九日、そしてパラリンピックが八月二十五日から九月六日、この時期は本当に猛暑です。これは年々暑くなっていっているわけですね。それで、加えて豪雨というのがいつどこで起こるかわからないというような状況が続いている中で、JOCの理事として河野参考人の方から、こういった対策について、オリンピック・パラリンピック、どのような検討を今していく必要がある、あるいはどういう課題があるのか、その点をお答えいただければと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。 今御指摘のように、猛暑対策、暑さ対策については大きな課題と認識をしております。 これにつきましては、アスリートへの対策とそれから観客への対策、この二つが柱となろうかと思います。アスリートには最高のパフォーマンスを出していただく必要がありますし、観客の方には安心、安全にイベントを楽しんでいただく必要があると思います。 そのためには、日本国内でも、熱中症についての議論がかなりありますし、対策も練られています。ベースとなるのはやはり水分補給と思いますので、どのようなところでも安心して水分補給ができるような環境を整えるということは、一つベースになろうかと思います。 アスリートに関しましては、現在、日本国内でもかなりスポーツ医科学的なアプローチをしておりますので、それについてのノウハウを、日本人の選手ばかりでなく、国外からのアスリートにもしっかりと提供できるようなことが必要かというふうに考えております。 それから、観客に関しましては、御指摘のように、これも同じような状況がございます。特に、まず、町の中を歩いているときにどのようなことができるか。これについては恐らく東京都あるいは国の方でお考えいただく必要があろうかと思いますけれども、JOCの立場といたしましては、やはり競技場をどのようにしていくか、これも大きいと思います。 その意味では、一つは、やはり熱中症の場合は直射日光等が非常に課題になりますので、直射日光等をいかに防ぐか、遮蔽するか、これが大きな課題でございます。また、豪雨についても同じようなことが言えると思います。それと同時に、熱中症の一つの大きな要因は体温が上がることでございますので、競技場における、つまり座席等のクーリングをいかにしていくか、こういう工夫をしていただけるのかどうか、JOCとしては、非常にその辺についてお願いしたいところでございます。 つまり、競技場のあり方について、かなり抜本的な考え方をする必要があると考えております。 ありがとうございます。
○笠委員 河野参考人、もう一点だけ、今の関連で。 例えば、マラソンだとか競歩。競技場は、今度、新しい国立競技場の中で、空調も含めたさまざまな工夫がなされるかと思います。例えば、一番極端な例でいうと、やはりマラソンとか競歩というのは、今、午前だから涼しいとか、夕刻になったら、日が沈んだら涼しくなるというようなことじゃなく、本当にある意味では朝から晩まで暑いというような中で、思い切った時間帯を何か検討するとか、要するに、そういったことも今後課題として検討していくお考えもあるのかどうかをお聞かせください。
○河野参考人 ありがとうございます。 試合もしくはレースの時間帯につきましては、おっしゃるように、選手目線でいえばかなり涼しいときにやる必要がありますけれども、今後、組織委員会の方の対応になるかと思いますけれども、大会あるいは試合をやる時間につきましては、IOCサイドのいわゆるテレビ放映権との関係もございます。 なるべくアスリートファーストの目線でもって、アスリートがすばらしいコンディションでできるように調整していくことは重要だと考えております。しかし、片方で、テレビ放映権等々の関係もあり、深夜に行われる等もこれまでもございますので、今後しっかりと課題として捉えていきたいと思います。 ありがとうございます。
○笠委員 そこは確かに、私も放映権との問題というのは存じておりますけれども、やはり最高のパフォーマンスをしっかりとできる環境ということも、本当に七年後がさらに暑くなっているのかどうかそれはわかりませんけれども、普通に考えれば今以上に猛暑になっている可能性もありますし、大会日程をずらしていくということはできないわけですから、ぜひ御検討を、また組織委員会が発足をしたら、そのあたりも対応を考えていただきたいと思います。 次に、国立競技場がいよいよ全面改築、新しい施設へ向けて来年から解体、そして着工していくということになるわけですけれども、そこで、まず大臣にお伺いをいたしたいと思います。 この国立競技場は、明治神宮外苑競技場として大正十三年の十月に東洋一の本格的な陸上競技場として建設をされた。もちろん、陸上競技場ですけれども、サッカーやラグビー、古くからその舞台となり、また、ここを舞台にしながら、かつては織田幹雄さんや南部忠平さんが世界記録も樹立した、非常に歴史的な意義のある競技場であると思います。 第二次世界大戦中には学徒出陣の壮行会も開催をされた。そして、その後、昭和三十三年に第三回アジア競技大会を東京で開催するために現在の国立競技場が完成をし、そして、三十九年の東京オリンピックへ向けて拡張工事が行われ、今に至っている。 この国立競技場の歴史的意義というものについて、まず大臣のお考えをお願いいたします。
○下村国務大臣 御指摘のように、現在の国立競技場は、一九五八年に完成し、一九六四年の東京オリンピックを初め、数多くの大規模な競技大会が開催をされてきているところであります。 国立競技場で開催された競技大会は、御指摘のように歴史的にも極めて貴重なものであり、これらの内容を確実に後世に残すことは大変重要なことであるというふうに考えます。
○笠委員 私もそのことは同じ認識なんです。 それで、これから新しい国立競技場をどのようにしていくのかということももちろん重要でございますけれども、やはり今の国立競技場、これはスポーツ選手のみならず、ラグビーやサッカーの試合を見に行ったりあるいはコンサートを見に行ったり、さまざまな思い出を持っている方も本当にたくさんおられると思うんですね。もちろん、一九六四年のオリンピックを国立競技場で観戦された方だってたくさんおられると思います。 これをいかに保存していくかということも私は本当に大事だと思っておりまして、まず河野理事長の方から、国立競技場については、大壁画でありますとかディスコボロス像とか、もちろん聖火台、数々のいろいろな彫刻から美術品からあるわけでございますけれども、その点について今どのように検討され、進めようとされているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。 国立競技場の歴史的な認識、そしてスポーツ界における位置づけについては、今大臣の方からも御指摘いただいたところでございます。 お手元にちょっと写真を配付させていただいておりますが、これはちょうど十一月二日に、運よくといいますか、国立競技場、秩父宮ラグビー場そして神宮球場に多くの方が集まったときの空撮写真でございます。 こういったスポーツに関して人が集まるというところは、御指摘のように、今、国立競技場の周りに約二十五の作品等々がございます。現在、有識者で構成されました検討委員会で保存のあり方を検討しているところでございますけれども、実際にはデジタルカメラ等における記録を行いまして、一旦そういった記録を残しまして、今後、保存、活用する予定と考えております。 それと同時に、そういったことを残すことが、そこでごらんいただいたように、多くのスポーツ関係者、観客の方がこの環境、雰囲気をしっかりと記憶にも残すということになるかと考えております。また、空撮等についておわかりいただけますように、このことをしっかりと残していくことは、この後のいろいろな利活用にも十分に役に立つと思います。 この国立競技場、ラグビー場は、ラグビーの視点からいきますと一連の流れになっております。例えば、国立競技場の観客数トップスリーは、一九六四年のオリンピックの閉会式、開会式、そして一九八二年の早明戦でございまして、六万六千九百九十人。ラグビーに例を置くならば、全国のラグビーの人間は秩父宮を目指し、そして国立競技場を目指すというストーリーがございます。ことしにおいても早明戦が行われましたし、関西の方からもことしは立命館大学が十二年ぶりに優勝するなど、多くの選手がここを目指しております。 そういったことについても配慮をしながら、この国立競技場の文化的な面についてしっかりと取り組んでいきたいと思います。 ありがとうございます。
○笠委員 ありがとうございます。 そこで、私は一つ具体的な提案をさせていただきたいんですけれども、まさに憧れの聖地ですよね、高校サッカーもそうですし、ラグビーにしても。今まさしく河野理事長がおっしゃったように、やはり文化的な資産として、遺産としても私は大事だと思っておるんですけれども、今回、来年度の予算でこの保存のための事項も立っているというふうに今概算要求の中で承知をしているところでございますけれども、これは来年の七月から解体が始まるというふうに伺っております。 私は、先ほど空撮したりいろいろな形で残すんだということ等ありましたけれども、やはり将来この競技場自体を、もちろんいろいろな記録を映像や写真等々で残すことは大事なんですけれども、競技場自体をデジタルアーカイブ化して、後世に資産として引き継いでいくということが非常に重要なんだというふうに思っております。 例えば、競技場の外観あるいはグラウンド、貴賓室、ゲート、ベンチ、あるいは先ほど申し上げたような聖火台から、いろいろなものがございます。それを、まず解体する前にしっかりと形状計測をしておけば、コンテンツ化することは、幾らでもその利活用はできるはずなんですね。 ですから、恐らくこれは三、四カ月かかります。通常の計測だけじゃなく、詳細に計測をしていくことによって、将来、例えば、VRで、シアター形式の中で、まさに競技場のど真ん中に立てたり、あるいは観戦できたり、いろいろなそういう日本の技術というのは最先端を行っておりますので、ぜひそこを理事長にも検討していただきたいというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○河野参考人 ありがとうございます。今御指摘の点は、我々も重々そういう認識でおります。 御指摘のように、一旦解体をしてしまいますと、後でこれを取り戻すことはできませんので、解体前にぜひデジタルアーカイブ化をして、現代の技術をしっかりと後で使えるように、また、二〇二〇年にそれをアピールできるように、またその後にもこのことを活用できるように、デジタルアーカイブ化につきましては、解体前にぜひとも取り組んでまいりたいと存じます。
○笠委員 よろしくお願いします。コンテンツはどれぐらいのものをつくるかによって億単位から何十億単位とかかるので、それはその時々、将来検討すればいいことで、ただ、とにかく解体前にしっかりとした計測だけは、これは多分数千万円単位でできることだと思いますので、ぜひやっていただきたいというふうに思います。 来年は、まさに十月十日は一九六四年大会から五十年という節目も迎えるわけですから、そういったときにまたいろいろな活用の仕方もあろうかと思いますし、このことは、大臣にもよろしくお願いをしたいというふうに思います。 河野理事長の方にもう一点だけお願いをしたいんですけれども、今回の大会で、これはやはり、東京のみならず、全国各地のいろいろな皆様方にボランティア等々でかかわっていただくような大会運営をすべきだと思っています。そのためには、東京やその周辺はいろいろな形の機会が出てこようかと思いますけれども、例えば、地方の自治体なんかがオリンピックあるいはパラリンピックの選手団をいろいろな意味で事前に受け入れたり、あるいは、そういう皆様方を地域の皆さん方がサポートしていく、かかわっていただく、やはりそういったことが大変重要になってくると思うんです。 そういった点で、例えばロンドン大会や過去の経験も踏まえて、これからJOCとしてどのように取り組んでいくお考えかをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○河野参考人 ありがとうございます。 最近の大きな大会はボランティアなしでは動かないということは、もうこれは大きく認識されているところでございます。ロンドン大会から学ぶことができることは、やはりボランティアの位置づけの意識を変えたということだと思います。ロンドン大会では、ボランティアをゲームズメーカーと呼びました。つまり、大会をつくる人と呼びまして、これを外に置くのではなく、しっかりと中に位置づけたということが成功の鍵になっておると思います。 それは、オリンピックと同時にパラリンピックについても同様でございますし、地方のことを考えれば、前年に、二〇一九年にラグビーのワールドカップが開催されますので、そのときにも同じコンセプトができればいいなというふうに考えております。 したがいまして、ロンドン・オリンピック・パラリンピックのレガシーであるゲームズメーカーの考え方を、ぜひ二〇二〇年においても継承していきたいというふうに考えております。 ありがとうございます。
○笠委員 ぜひ、そういったことで、また今度は日本東京モデルと言われるような形の取り組みをやっていくべきであろうというふうに思っております。 それでは、鳥原会長、本当にきょうはありがとうございます。 私は、この臨時国会の最初の下村大臣との質疑の中でも、やはり、オリンピック・パラリンピックの決定を受けて、何とか一体的な運営をできないかということ、これは本当に私自身はそのことを繰り返し申し上げてきたわけでございますけれども、できれば、例えば開会式の同時開催であるとか、あるいは特定種目の決勝だけでも一緒にできないかとか、あるいは、オリンピックの閉会式とパラリンピックの開会式、ここの期間はありますけれども、何か早目に来ていただいて一体となった式典にできないかとか、それは、IOCとのいろいろな関係もあって非常にハードルが高い、難しいということは十分わかっています。 しかしながら、やはり日本として、東京が二回目のオリンピックをやる、共生社会を世界に、国際社会にアピールするためには、見える形で何か一体的な運営を、取り組みを私は何とか実現したいというふうに思っておるわけでございますけれども、そうした点について、鳥原会長のお考え、あるいはこういうことをやったらいいんじゃないかというような私見でも構いませんので、ございましたら、ぜひお願いをしたいと思います。
○鳥原参考人 日本障害者スポーツ協会、日本パラリンピック委員会の鳥原でございます。本日は、当委員会に参考人としてお呼びいただきまして、大変ありがとうございました。 御案内のように、二〇〇八年の北京大会から、パラリンピックは、オリンピック終了後、同じ組織委員会、同じ競技会場で開催することが規定化をされまして、まさに一体的な運営ができる姿になってきました。二〇二〇年の東京大会も、オリンピック終了後、最短の二週間という準備期間を置きましてパラリンピックを開催する計画となっております。六十日間、全体を一つの祭典として位置づけるというところが一番の狙いのところだというふうに思います。 こういった一体的な運営というのは非常に大事な点でございますが、ただいま、開会式の同時開催等の例を先生から挙げていただきましたけれども、先生の言われる趣旨は大変よく理解できるところでございます。私自身も以前、同じように思い、考えを練ったこともあります。 ただ一方で、ロンドンのパラリンピックを経験し、その開会式というのは、オリンピックと並ぶ八万人の大観衆で、そしてパラリンピックならではの演出で、非常に魅力的な、盛り上がった開会式でございました。 パラリンピックには独自の魅力があることを大事にする必要があると思いますし、それと同時に、おっしゃられましたように、同時開催には現実問題としていろいろな無理があることを考えて、何をすべきかということを決めていかなければいけないのではないかというふうに思っております。 共生社会に向けた日本のメッセージの発信の仕方というのは、いろいろな形があるのではないかと思いますが、日本の先進的なバリアフリー社会をアピールするなり、そういったいろいろな発信の仕方を今後考えていく必要があるというふうに思っております。
○笠委員 確かにロンドン大会は、本当に連日、会場が観客であふれんばかりの大盛況であり、また、多分大きかったのは、国営放送がふんだんに生中継しているんですよね。これは、今後この日本においても、オリンピックは黙っていてももう本当に全て決まっていきますけれども、パラリンピックを日本発で、もちろん国内の人たちに生で中継で見ていただく、さらには世界何十カ国という各国に向けて放映がなされるということも、これは今後の一つの大きな課題であると思います。 ただ、同時が無理でも、見える形での何か工夫を、私も、それぞれのよさは生かしながらも、より一体的な、一歩踏み出す形での運営ができないのか、自分自身も考えてみたいと思いますので、ぜひそこはまた議論をさせていただきたいというふうに思っております。 それで、鳥原会長のお立場で、今、日本のパラリンピックのメダル数というのが、アテネ大会の後残念ながら若干低迷をしているわけですね。それで、かつてアテネでは五十二個メダルを獲得していたのがロンドンでは十六ということで、今、JPCとしても、ロンドン大会では金メダルが五個で二十四位だったというふうに伺っていますけれども、東京大会では金メダル世界十位を目標に掲げてこれから取り組んでいくということでございます。 そういうお立場から、これから下村大臣が、来年度からはまさにパラリンピックも文科省としてしっかりと一元化して取り組んでいくということになるわけですけれども、何かこういう応援を政府にはしてほしい、国にはしてほしい、そういったことがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○鳥原参考人 ありがとうございます。 お話がありましたように、アテネで十位、ロンドンで二十四位というふうに成績を落としておりますが、この一番の理由は、国を挙げたパラリンピック選手を育成強化する体制整備がおくれているということだというふうに考えております。 特に、トップアスリートのためのトレーニング施設、また各競技の専門的な指導者、そして障害者スポーツに不可欠な医科学的なサポート、またアスリートの経済的な支援、こういった体制が不十分だというところを反省しているところでございます。その意味で、スポーツ庁の創設というのは画期的なことで、国を挙げたアスリートの育成強化の体制整備に大いに期待しているところでございます。 東京大会に向けて、私どもは十位以内を目指そうという考えでおりますが、具体的な目標の設定は、来年度、スタートに向けて決めて、早速その具体的な取り組みに着手したいと思っておりますが、こうした上位の成績をおさめるためには、やはり何といっても、パラリンピック専用のナショナルトレーニングセンターの早期建設というのが絶対不可欠だというふうに言えると思います。 あわせて、日常の練習という意味で、各地域の障害者スポーツ施設の整備というのも進めていただくということが大事だというふうに思っております。
○笠委員 大臣、今、鳥原会長から御指摘があった点、本当に七年というのはあっという間でございますし、やはりパラリンピックも、非常に関心を呼ぶためには、選手たちの、アスリートの活躍というものがあってまた関心というものが高まっていくということもございます。 それで、具体的には、今ありましたパラリンピックのアスリート専用のナショナルトレーニングセンター、所沢市の国立障害者リハビリテーションセンターにこの専用施設を設置して、これを強化拠点としていくというようなことも伝えられておりますけれども、この点の検討状況、あるいは、大臣としてはどういうスケジュール感を持って設置をしていくのかというようなお考えがあれば、現在の検討状況をお聞かせいただきたいと思います。
○下村国務大臣 この件については、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室において開催された日本障害者スポーツ協会等との意見交換の中で、日本障害者スポーツ協会から、パラリンピック競技の拠点整備案の一つとして、国立障害者リハビリテーションセンター敷地内の建設案が出されているというふうに承知しております。 今後、競技団体の要望などを踏まえながら、さらに関係者の御意見を十分に伺いつつ、今後どのような強化計画が必要なのか、その上でどのような環境整備が必要なのかなどを検討していく必要がありまして、そうした中で、パラリンピック専用のナショナルトレーニングセンターについても、国立障害者リハビリテーションセンターも一つの候補という視野を入れつつ、関係府省庁と連携して検討を進めてまいりたいと思います。
○笠委員 先ほども申し上げたように、今回、実は我々の政権のときにはできなかったんですけれども、まず第一弾として、パラリンピックの部分は厚労省から文科省で所管をされる。私、これは本当にすばらしいことだと思うんです。だからこそ、やはり大臣の御決断で何とか、厚労省といろいろやらなくてもいいわけですから、もちろん官邸とはやったとしても、ぜひ大臣、これは本当に急いでやっていただきたいと思います。 やはり、先ほどありました地域でも、まずこのナショナルトレーニングセンターができる、そしてそれを核にしながら、自治体でいろいろな協力をし、体力のあるところでは、各地でそういう選手たちがトレーニングできる施設というものもどういう形でつくっていくのか。これは、ゼロからつくるというのはなかなか難しいとは思うんですけれども、そういう活用ができるような国としての支援もあわせて御検討をいただきたいと思いますけれども、改めてお伺いをいたします。
○下村国務大臣 関係省庁というのは、厚労省もありますが、財務省が特にポイントだというふうに思っております。 ロンドン・オリンピックでも、このナショナルトレーニングセンターの効用によってオリンピアンが大変な実績を積んだということは、もう証明されていることでありますし、パラリンピアンについても同じような対応をしていくことは必要だというふうに思います。 今、鳥原参考人からお話がありましたが、ただ一方で、どこか一つに拠点をつくるということも大切ですが、同時に、いろいろな地域にパラリンピアンのための対応を考えるということも必要だというふうに思いますし、その辺で、どこの場所がより望ましいのかというのを含めて、ぜひ、しかし、パラリンピアンのためのナショナルトレーニングセンターについては、つくることを前提として、しっかり検討してまいりたいと思います。
○笠委員 鳥原参考人にもう一点だけ、日本障害者スポーツ協会会長というお立場からお伺いをしたいんですけれども、今我々超党派のスポーツ議連の中で、スポーツ庁の設置へ向けて、今政府の中でも、文科省でも検討されているけれども、我々もしっかり議論をしていこうということで、私もPTメンバーの一員でございます。 会長のお立場から、この中で、やはり障害者のスポーツについて、どこまでをスポーツ庁に移していくのか、どこまでを所管していくことが適当なのか。例えば、アスリート、競技スポーツの部分は今度もできるわけですけれども、やはり医療を伴うような障害者の皆さん方のスポーツまでを担当するとすると、これはかなりいろいろな論点、あるいは超えなければいけない課題というのもあると私は思うんですが、その点についての御所見を伺わせていただければと思います。
○鳥原参考人 ありがとうございます。 ごく概略申しますが、スポーツは、健康のためはもちろんですけれども、まず楽しむものでありまして、楽しむことのできる裾野があって初めて世界の頂点に立つすぐれた選手が出てくるものだと思います。 スポーツ庁で所管する障害者スポーツも、学校スポーツ、市民スポーツ等の裾野からトップアスリートの競技スポーツまで幅広く考えるべきではないかというふうに考えております。 具体的にどこが境目になるのかというのは実務的によく検討する必要があると思いますが、全体としてはそういうふうに思っております。
○笠委員 時間が参りましたので終わらせていただきたいと思いますけれども、きょうは、両参考人の方々には、本当にありがとうございました。 いずれにいたしましても、このオリンピック・パラリンピックをスポーツの祭典としてしっかりと成功させるということに加えて、日本のすばらしい文化の発信ということについてもまた力を注いでいきたいというふうに思っております。 きょうは本当にありがとうございました。終わらせていただきます。
○小渕委員長 この際、御紹介いたします。 ただいま参考人の東京都スポーツ振興局長細井優君が御出席をされました。 細井参考人におかれましては、大変お忙しい中、本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。 本日は、お忙しい中、参考人の方々に御出席いただきまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック、メダルの目標数やあるいは経済効果が注目を浴びておりますが、ただ、大切にしなければいけないのは、東京だけではなく、日本全国で子供からお年寄りまで、そして障害を持つ方々も含め、スポーツの裾野を飛躍的に広げていくこと、スポーツを文化として根づかせる機会にすることだろうというふうに思います。 また、順調に進んでいるとは言いがたい東日本大震災からの復興、もはや国際公約になった福島第一原発事故の完全な収束、それを実現することも政府に課せられた任務です。 そのことを指摘した上で、質問に移りたいというふうに思います。 最初に、新国立競技場に関連して質問いたします。 十一月二十六日、日本スポーツ振興センターの有識者会議が、延べ床面積二十二・五万平方メートルという特大サイズの新競技場の建設を承認いたしました。この新競技場をめぐっては、巨額の建設費用、あるいは景観への影響、オリンピック・パラリンピック終了後の維持費などについての懸念の声が上がっていることは周知のとおりです。国民、都民の税金が投入される施設ですから、やはり、市民参加の決定プロセスが必要だったのではないかと痛感させられるわけです。 この点、ロンドン五輪を開きましたイギリスにおいては、英国建築都市環境委員会、こういう組織がありまして、これが注目を集めております。この組織、最初はイギリスの文化・メディア・スポーツ省の外郭団体として発足をし、後に政府の行政機関となりました。この機構は、歴史的な景観との共存も含め、町づくりや良好な公共空間といった観点から、オリンピック・パラリンピックに限らず、一定規模以上の公共施設の建築に対して審査やアドバイスを行い、その結果を公表しております。 日本版のこうした組織の創設について、東京都に対しても要望書が出されているというふうに承知しております。とかく建築ということになると国土交通省の所管というふうになってしまうわけですが、歴史景観や文化との共存も踏まえたということを考えますと、文部科学省としても関心を持つべきではないかというふうにも思いますし、この点について大臣はどのようなお考えを持っているのか、まず尋ねます。
○下村国務大臣 委員御指摘の英国建築都市環境委員会は、一九九九年に文化・メディア・スポーツ省により設立され、地域の重要なプロジェクトの計画、設計案に対して、第三者として評価し、改善のための助言を行っていた機関であるというふうに承知しております。 新国立競技場の改築の検討に当たっては、日本スポーツ振興センターにおいて、国立競技場将来構想有識者会議のもとに施設建築ワーキンググループを設置し、建築だけでなく、都市計画、景観等の専門家も含めて改築の要件について検討を行っており、また、デザインコンクールの審査委員会は、建築の専門家だけでなく、スポーツ利用や文化利用に係る有識者も含まれて構成されているところでございます。 そのため、国立競技場の改築については、建築家だけでなく、スポーツ、文化、景観も含めたさまざまな知見が反映されていると考えております。 さらに、我が国においては、景観法に基づき地方公共団体に景観条例が制定されており、新国立競技場に関しては、今後、設計がおおむね完了した段階で、新宿区景観まちづくり条例に基づく景観まちづくり審議会において、良好な景観の形成の観点からの審議を経ることとなっているというふうに承知をしておりますので、十分御懸念は担保されるというふうに考えております。
○吉川(元)委員 オリンピック・パラリンピックという一大イベントですけれども、当然、施設や交通網の整備を含め、都市のあり方そのものが問われるということにもなると思います。都市空間のあり方の一環として新競技場も位置していると思いますし、遅きに失したということはあるかもわかりませんが、やはり、住民合意を得るために、あらゆる観点からの建設計画をレビューできるようなそういう機関というものも必要だったのではないかというふうに思います。 関連いたしまして、本日、参考人として東京都の細井スポーツ振興局長がいらっしゃっておりますので、お聞きをしたいというふうに思います。 新競技場の設置に伴い、都営団地の霞ケ丘アパート、これが遅くとも二〇一八年には取り壊されるというふうにも伺っております。報道等によりますと、今、約二百三十世帯三百七十人の方々が居住をされているということですが、その約六割が六十五歳を超えるお年寄りの方々だというふうにも聞いております。中には、前回の東京五輪、一九六四年の開催に伴ってこの霞ケ丘アパートに、その際も立ち退きをして転居し、今回二度目の立ち退きになるという方もいらっしゃると聞いております。 オリンピック・パラリンピックの招致で世論がもちろん沸く一方で、やはり、住みなれた土地から離れざるを得ない方々がいらっしゃる。特に、高齢の方々にとって住む場所が変わるということは、非常に大きな負荷がかかるということでもあります。いろいろ住民の方のお話を見ますと、できればここでずっとい続けたい、あるいは近隣の方々と一緒に暮らし続けたいというそういうお話も聞いておりますし、そういうことを聞くと、やはり胸が痛まざるを得ない思いです。 居住者の方々との間で転居の話し合い、これは進められているというふうに思いますけれども、今の現状をお聞かせいただければと思います。
○細井参考人 東京都のスポーツ振興局長の細井でございます。よろしくお願い申し上げます。 ただいまの御質問でございますけれども、東京都は、昨年の八月から、都営霞ケ丘アパートの居住者の方々への移転の説明を行っております。 居住者の方々ができるだけまとまって安心して移転できるよう、同じ新宿区内の都営住宅とか、隣接する渋谷区との区境もございまして、百メートルから二百メートルぐらい離れたところにも今都営住宅を建設中でございますけれども、そういったところへ移転先として予定してございます。 この居住者の方々のうち、障害のある方など、早目の移転を望まれる世帯につきましては、既に移転している世帯もございます。 今後も、居住者からの問い合わせなどに対しまして説明を重ねるとともに、居住者の個々の事情なども配慮しながら、霞ケ丘アパートの全ての世帯が安心して移転できるように取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
○吉川(元)委員 先ほども少しお話しさせていただきましたけれども、高齢者の方にとって住環境が変わるということは、これは、非常に大きな、大変な思いをされるということになるというふうにも思います。 その点に関しまして、やはり転居の条件等について、居住者の方々の希望、できる限り納得ができるそういう丁寧な対応と配慮をお願いをしたいというふうに思いますし、また、文部科学省もそういう立場でしっかりと目配り、気配りの方をよろしくお願いをしたいというふうに思います。 次に、日本パラリンピック委員会委員長で、日本障害者スポーツ協会会長の鳥原参考人にお伺いしたいと思います。 今やオリンピックといえばパラリンピックとセットで出てくるぐらい、パラリンピックという言葉が国民の間でも定着をしているということは、これは大変喜ばしいことだと思います。 他方で、日本でパラリンピック競技の大きな国際大会は数えるほどしかまだ開催をされていないとも聞いており、障害者の方々が本格的にスポーツに打ち込む環境整備となりますと、なかなか先進国とは言いがたい状況にもあるのかなというふうにも思います。 そこで、障害者の方々のスポーツ参加を促進する上で、現状を踏まえ、何が主要な課題になっているのか、御意見をお伺いいたします。
○鳥原参考人 障害者のスポーツ参加を促進させる上で主要な課題として、三つ挙げたいと思います。 一つは、身近にある地域のスポーツ施設のハード、ソフト両面のバリアフリー化を進めるということだと思います。 そして二つ目は、そういう施設での障害者スポーツ指導者の拡充が必要であるというふうに思います。 そして三つ目として、やはり小さいときからスポーツに親しむことが非常に大切でありまして、学校教育で障害児が体育授業を受けられるような、そういう環境整備というのが必要かと思います。 以上のベースとなるのは、やはり、国民の障害者スポーツ、ひいては障害者に対する啓発だというふうに思っております。
○吉川(元)委員 ことし十月に東京で開かれた第十三回の全国障害者スポーツ大会で、パラリンピックの正式種目でもあるボッチャという競技があると思いますけれども、競技会場として仮予約していた施設から使用を断られたというような、そういう報道を目にいたしました。 練習場所がない、それから今まさに鳥原参考人の方からも言われましたが、コーチがなかなか十分にいない、あるいは用具などの資金がかかるなどの問題があることも耳にしております。競技会場はもとより、障害者の方々の練習する施設などをどのように確保していくのか、これは大きな課題だというふうにも思います。 この点、今、身近な施設のバリアフリーということも少しお話がありましたが、どのような点を改善をしていくことが適切なのか。その点についてのお考えをお聞かせいただければと思います。
○鳥原参考人 一般の障害者スポーツについて申し上げますと、国体にあわせて開催される全国障害者スポーツ大会が年々行われて、それに伴い、競技場の整備が進んでおります。また、地域スポーツセンターの普及なども進んでおりまして、スポーツ施設そのものは整ってきているというふうに思っておりますが、要は、そのスポーツ施設のハード、ソフト両面のバリアフリー化をもっと進めなければならないということが言えると思います。 それからもう一点は、そのスポーツ施設を利用するに際して、それぞれの地域における健常者、障害者のスポーツ団体とかスポーツ競技団体間の連携協力をもっと進めることによって、障害者がその施設を利用しやすくする、そういう努力もあわせて必要ではないかと思います。
○吉川(元)委員 ありがとうございます。 次に、文部科学省の方に少しお伺いいたします。 本来であれば、障害者の方々の専用の競技施設、利用施設が必要だというふうにも思います。財政の制約や、あるいは、二〇二〇年というそういうところまでに果たして間に合うのかということもさまざまあると思います。通常国会の中で視察させていただいた北区のナショナルトレーニングセンター、パラリンピックを目指す選手にも試行的に貸し出すという報道も見ました。 ただ、お話を伺うと、トレーニングセンターに行った際に、今、予約といいますか、これがもうかなりいっぱいになっていて、なかなか余裕がないというようなお話も伺っております。 本格的に障害者のアスリートも利用できる施設を検討すべきだというふうにも思いますが、この点について文部科学省のお考えを伺います。
○下村国務大臣 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定を受け、日本障害者スポーツ協会は、パラリンピック競技専用のナショナルトレーニングセンターの設置について要望されているところでございます。 二〇二〇年東京大会の成功のためには、日本チームの国際競争力の向上が求められていることから、このような施設の設置については、競技団体の要望や強化計画などを踏まえながら、さらに、関係者の御意見を十分伺いつつ、今後の対応を検討してまいりたいと思います。
○吉川(元)委員 ぜひ、前向きな検討をよろしくお願いいたしたいと思います。 また再び、鳥原参考人の方に尋ねます。 来年度からパラリンピックの選手強化事業というものが文部科学省に移管される方向だというふうにも聞いております。この移管に際してどういったことを期待されておられるのか、また、移管される文部科学省に要望したい点等ありましたら、ぜひお聞かせいただければというふうに思います。
○鳥原参考人 文科省にスポーツ施策が一元化されるということによりまして、オリンピック同等に、国を挙げたパラリンピック選手の強化体制が整って、それに応じた成果が上がるということを期待をしております。 幅広くスポーツ行政を文科省に一元化することでさらに期待しておりますことは、学校教育における障害者スポーツの理解促進、先ほど申しましたけれども、障害児の体育授業への参加促進、そして、体育大学や大学の体育学部での障害者スポーツ学科の開設等、障害者スポーツの振興に対する教育面の施策の推進でございます。
○吉川(元)委員 いずれも非常に大切なことだというふうにも思いますし、きょうはちょっと時間がありませんが、折に触れて、また文部科学省に対してもそうした要望をしていきたいというふうにも思っております。 次に、細井東京都スポーツ振興局長の方にお伺いをいたします。 前回の東京オリンピックのときと今は何が大きく違うかというと、やはり、前回の東京オリンピックでは子供の数が圧倒的に高齢者の数を上回っておりました。二〇二〇年の際には、今度はこれが逆転をいたしまして、人口の三割が六十五歳以上となるような、超高齢化の社会の中での開催というふうにもなります。 したがいまして、高齢者や障害を持つ方々にどれだけ普通にスポーツをしてもらえるような環境を整備できるのかが問われています。文部科学省には、障害者の方々あるいは高齢者がスポーツに不安なく打ち込めるような条件整備にぜひ御尽力をいただきたいというふうに思います。 関連いたしまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックは、バリアフリーの町づくりを進める絶好の好機だというふうに思いますし、そうすべきだというふうにも考えております。 ハード面では、段差の解消や車椅子向けのエレベーターの設置、あるいはノンステップバスの一層の普及、視覚障害者向けの音声ガイドのようなものが求められております。 また、ソフト面では、町中やその競技施設で介助ができるような人材も育成しなければなりません。 そこで細井参考人にお尋ねいたしますが、オリンピック・パラリンピックに向け、東京のバリアフリー化をどのように進められるのか、どの程度の予算措置を考えておられるのか、お聞かせいただければと思います。
○細井参考人 東京都では、従前から福祉のまちづくり条例というのを制定しておりまして、駅の段差解消など、積極的にバリアフリー化を推進してまいりました。現在策定中の東京都の長期ビジョンにおきましても、美しく風格のあるユニバーサルデザイン先進都市を形成することを政策目標に掲げております。駅のホームドアやエレベーター等の設置促進等々のバリアフリー化を推進することなどの方向性を提示しているところでございます。 また、競技会場につきましては、全ての会場をユニバーサルデザインに基づいた施設とするほか、駅と会場を結ぶルートなどについても、必要な対策を行いまして、国内外から集まる全ての人に、安全で円滑な移動を提供いたしたいと思っております。 さらに、選手村は、現行の法律、条例に準拠するだけでなく、パラリンピアンの利用を前提としたデザインとすることで、大会期間中から大会後にわたって、全ての人が利用しやすい施設としてまいります。 今後も、二〇二〇年大会の開催を見据えまして、着実に公共空間や施設のバリアフリー化に取り組んでまいります。 必要経費については、これから算定をしてまいります。 よろしくお願いいたします。
○吉川(元)委員 しっかりとした施策をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○小渕委員長 細井参考人におかれましては、本日、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。(拍手) 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴木望君。
○鈴木(望)委員 それでは質問をさせていただきます。 まず、河野参考人、鳥原参考人におかれましては、本当にお忙しい中、参考人として御出席をいただきまして、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 それでは、大きく二点について質問をさせていただきます。 午前中に我が党の坂本委員が夢のある明るい面を質問しましたけれども、私はちょっと厳し目の質問をさせていただきたいと思いますので、失礼の段がありましたら、どうぞ御容赦をよろしくお願いいたします。 まず、ことしの九月、ブエノスアイレスで二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定をしましたときは、私も現地に行かせていただきまして、心の底から喝采を叫びました。本当にうれしかったです。その後、日本に帰ってきまして、ちょうど敬老の日の関係で、地元各地の敬老会で二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの話をさせていただきましたが、本当に全てのお年寄りがその話になると目を輝かせまして、異口同音に、東京オリンピックは楽しみだやとか、それまで元気でいないといかぬやというようなことを言っておりました。これは本当の話でございます。 そういう意味では、東京オリンピック・パラリンピックは、経済波及効果が三兆円というふうに今言われておりますが、それだけではなく、全国民に共通の目標、夢を与えたと思います。ハードの面の国土改造、科学技術の面でも、またソフトの気持ちの面でも国民に希望を与えるなど、物すごく巨大な力がございます。そういう意味で、私も含めまして、全国民が力を合わせて東京オリンピック・パラリンピックの成功に邁進したい、そう思っておるところでございます。 まず一つ目の質問でございますが、パラリンピックとオリンピックとの関係でございます。 ブエノスアイレスでの日本のプレゼンテーションは、他の二カ国と比較をしても格段に印象的で、心に訴えるものがあった、そういうふうに思います。特に、佐藤真海さんの訴えには心を動かされました。障害を負ってもスポーツがある、スポーツが生きる力と勇気を与えてくれるという訴えは、日本国じゅうに感動を広げました。この委員会のメンバーの中にも、感動で目がうるうるとなったという人も、そういう声を聞いておりますし、多かったんじゃないのかなというふうに思います。 東京オリンピック・パラリンピックの特色は、スポーツ・フォー・トゥモローで示されたように、私は、オリンピック精神であるスポーツのすばらしさやスポーツの力を、世界、特に開発途上国に広げるということと、もう一つは、パラリンピックとの共催の度合いを、これまでの大会とは質的に異なる次元に至るまで高めるということの二つじゃないのかなというふうに考えております。 そこで私は、パラリンピックとの共催の面で、二〇二〇年東京オリンピックがエポックメーキングな大会になるためには、同趣旨の提案を先ほど午前中に笠委員もされましたけれども、思い切って、オリンピック、パラリンピックの融合という度合いまで高めたらどうかなというふうに提案をするものであります。 具体的には、開会式、閉会式の共催はいかがでしょうか。同じ日時に同じ場所で開催するとなれば、いろいろな課題はあると思います。また、共催とすることで大会運営に新たな課題が生まれてくることも、これは十分理解するところでございます。出場する障害者の宿泊日数が長期になるとか、いろいろな問題が当然あるわけですけれども、新しい課題には課題はつきものだと思います。課題を克服してこそ、ブエノスアイレスのプレゼンテーションで佐藤真海さんが訴えた理念が生かされてくるというふうに思いますが、いかがでございましょうか。 河野参考人と鳥原参考人にお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いします。
○河野参考人 ありがとうございます。 オリンピックとパラリンピック、そしてオリンピアンとパラリンピアンの融合、まさに先生が御指摘のとおりと思います。 開会式、閉会式につきましては、その決定につきましてはIOC、IPCの専管事項でもございますし、今後、組織委員会がそこと向き合うことになると思いますので、そこでの議論となろうかとは思いますけれども、今先生が御指摘のように、具体化するためにはかなりのハードルがあるかと思っております。 ただ、スピリットについては、十分その趣旨を重要視していくことが重要かと思っております。 ありがとうございます。
○鳥原参考人 ありがとうございました。 先生のおっしゃる趣旨については、十分理解をできるところだというふうに思っております。 二〇二〇年の東京大会は、オリンピック終了後、最短二週間を置いてパラリンピックを開催するということで、六十日間が一つの祭典のように運営していくということを招致活動の中でもアピールしてきていまして、この一つの祭典のように運営するということ、具体的にどういうふうにしていくかということをこれから十分考えなきゃいけないというふうに思っております。 ロンドンの例でもありましたように、パラリンピックの開会式はパラリンピックの開会式なりに非常に魅力のあるものだというところも尊重しなければいけませんし、また、現実的ないろいろな問題も考慮しつつ検討していく必要があるというふうに思っております。 ありがとうございました。
○鈴木(望)委員 ありがとうございました。ぜひ前向きに御検討いただければありがたいなと思います。 あと、実際の競技種目での関連でありますけれども、例えばマラソンと車椅子マラソンを同じ日に実施したらどうでしょうか。また、水泳、陸上のトラック競技などは同時に開催できるのではないかというふうに思われるわけであります。この問題についてもなかなか、やるとなれば今の仕組みを変えていかなきゃいけないということになりますので、事務的には難しい難しいということになろうかと思うんですが、最初からだめだめと言ったら何も改革は進まないわけでありますので、ぜひ前向きに検討をしていただければ幸いであります。よろしくお願いいたします。 次に、障害者スポーツの目的とパラリンピックの関係についてお尋ねをさせていただきます。 障害者スポーツの原点は、リハビリだと思います。 私ごとになって非常に恐縮でありますけれども、私、ちょうど四十年前に当時の厚生省に入省しまして、最初に配属をされたのが社会局の更生課という障害者の福祉をつかさどる課でありました。そのころから考えてみますと、障害者スポーツがここまで来たというのは、本当に感無量の感があります。鳥原会長さん初め関係者の御努力のたまものであるというふうに思うわけであります。 やはり、障害者が希望を持ってスポーツに励んでもらうために、パラリンピックという存在は、富士山の頂に例えられるごとく、もちろん必要でありますし、それはそれとしてやらなければいけない。だけれども、裾野の、ごく一般の障害者のスポーツ、リハビリ、そういったものは原点であるわけですので、原点は常に十分に認識をして、スポーツとリハビリが両方生かせるような施策を展開していく必要があるというふうに思うわけでございます。 そういう意味で、私も、パラリンピックが文科省に移管されるということは大賛成であります。大賛成であるということを前提の上で、今後、障害者スポーツをどのように発展させていくのかということにつきまして、まず厚労省の方の御見解をお聞きして、次に鳥原参考人の御意見もお伺いさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○蒲原政府参考人 ただいま御質問がございました障害者スポーツについてでございます。 この点は、競技性がより一層重視されるというふうになってきたということを踏まえまして、スポーツ施策の一環としての位置づけを強化いたしまして、その支援の充実を図っていくということが求められておる状況にございます。 こうした状況を踏まえまして、スポーツの支援について、障害の有無によらず、一体的に、より一層強力に推進していくということが重要と判断をいたしまして、現在厚生労働省が行っておる障害者スポーツ事業のうち、例えば国際競技大会における選手団の派遣だとか、あるいはそれに向けての選手強化の取り組み等、いわば競技性の高いものを初めとして、スポーツ振興の観点をより強く反映させた支援につきましては、平成二十六年度から文部科学省に移管する予定で最終的に調整をしている、こういう状況でございます。 一方で、障害のある方々の生活をより豊かにする観点だとか、今先生お話がございましたけれども、リハビリテーションの一環としての観点からのいろいろな支援というのもあろうかと思いまして、ここの部分については、厚生労働省として引き続き支援をしていくということで考えてございます。 いずれにいたしましても、障害者スポーツの支援に向けまして、平成二十六年度以降も、文部科学省とよく連携協力して進めていきたいというふうに考えております。
○鳥原参考人 私ども日本障害者スポーツ協会ではことしの三月に、「日本の障がい者スポーツの将来像」、二〇三〇年ビジョンというのを策定して公表いたしました。 このビジョンの目指すところというのは、スポーツの普及拡大、これは裾野を広げるという意味で、障害がある人が、障害の種類や程度、ライフステージに応じて、身近な地域でスポーツを楽しめる、そういう環境をつくること、そういったことをしてスポーツの普及拡大を図っていく。こういう取り組みと、それから、競技力を高めていく、山を高くする、パラリンピックのような国際競技大会で日本選手がトップレベルで活躍をする、そういうことができるようなレベルまで競技力を高めていく。 この裾野を広げるということと山を高くする取り組みを好循環させて、スポーツの振興を通じて障害者の社会参加を促進して、活力のある共生社会を創造するということを目指すものでございます。それが、私どもの取り組もうとしている障害者スポーツ発展の方向でございます。
○鈴木(望)委員 ありがとうございました。 スポーツ庁をどのような形でつくっていくのかという観点からの非常に貴重な御意見をいただけたのじゃないのかなというふうに思っております。ありがとうございました。 次に、国立競技場の改築について質問をさせていただきます。 全国民一致して、オリンピック・パラリンピック成功に向けて頑張っていこうという雰囲気に、言葉はきつくてまことに申しわけありませんが、水を差したのが、国立競技場の改築費用の件であるわけであります。建築費用がころころと変わるなど、余りにもずさん、不透明な印象を与えているところでございます。 経緯をマスコミ報道等に従って申し上げますと、二〇一二年七月に、工事費概算千三百億円と見込みまして国際コンクールを実施し、同年十一月にザハ・ハディッド氏のデザインに決定をしたということであります。その際に、JSC内部でも、この複雑なデザインでは千三百億円ではとても無理との声もあったと後になって報道をされているところであります。 また、さきの通常国会では、工事費千三百億円を前提として、スポーツ振興投票の実施に関する法律及び日本スポーツ振興センター法の一部改正法案、いわゆるtoto法案を成立させて、毎年、売上金額の五%を競技場建設の財源とすることとしたわけであります。 私もこの法律の提案者の一人にならせていただいたわけでありますが、もともとの建設費用千三百億円がこんなにも揺れ動く数字であったとは夢にも知りませんでした。数字がこのように揺れ動くのであれば、果たして、totoから助成をすべきか、助成の割合や金額がこれでよいのかということについても違った判断が出たかもしれないわけであります。その意味で、私も含めまして国民が、このままでは裏切られたという思いがしてならないわけであります。 そこでお尋ねをしたいと思いますが、デザイン公募に当たり示された建築費千三百億円の算定根拠を示していただきたいと思います。補助金が当然出るという前提でいろいろ事が動いているわけでありますので、文科省と河野参考人によろしくお願いいたします。
○久保政府参考人 千三百億円の算定根拠につきましては、基本的にはスポーツ振興センターの方で立てられたわけでございますけれども、これを新しい競技場の工事費概算として見込まれて国際デザインコンクールを実施された際には、提案条件に適合する競技場を更地に建てた場合に必要な額を見込んだものでございます。 したがって、これに含まれない経費として、設計費ですとか既存施設の解体除去費、用地使用費、それから建築敷地以外の工事費などは含まれていないというような条件のもとに概算を立てたという状況でございます。
○河野参考人 ありがとうございます。 御指摘のように、二〇一二年の七月、国際デザインコンクール時に算定したものでございます。 算定根拠は、その時点で国内に既に整備実績のあります競技場、つまり具体的には一九九七年に建設されました日産スタジアム、あるいは二〇〇一年に建設されました大分スタジアム等を参考にして算出したものでございます。
○鈴木(望)委員 その後、十一月二十六日の国立競技場将来構想有識者会議で千八百億円を見込むということになったわけであります。 千三百億円から算定をして、もう省きますけれども、建築事務所に算定を依頼した場合に三千億円、それが千八百億円となったわけでありますけれども、建設工事費千八百億円の見込みの段階では当初のデザインからどこが変更されたのか、具体的に教えていただければと思います。河野参考人、よろしくお願いいたします。
○河野参考人 千三百、そして三千、千八百という数字が出ておりますけれども、まず、この算定をいたしましたときには、幾つかのデザインと各競技団体の御要望を全てお伺いした上で、そして算定に臨みました。toto法成立の前に試算をしたものではございませんけれども、その段階では幾つかのパターンで算出をいたしました。その中に幾つかございまして、三千というのも確かにありましたし、千八百というのもありました。 ただ、この時点では、日本スポーツ振興センターとしては、ラグビー成功議連からは早くつくれ、あるいは、ある先生、そのほかの関係者からは、オリンピックが決まるまではそんなものはできないんじゃないかといったような声もいただき、どこにフォーカスをしたらいいのか、実際にはジレンマに陥ったところでございます。 しかしながら、先生が御指摘いただきましたように、九月七日、現地時間ですけれども、日本時間で九月八日の未明にオリンピック・パラリンピック開催が決まりましたので、ここでしっかりとした算定根拠ができるようになりました。 その時点で実際に変化をいたしましたのは、当初からは、一つは、大震災等の復興による物価高騰の問題。それから、建設時期が遅くなりましたので、建設時期を早めるため。それから、オリンピック・パラリンピックが決まりましたので、これに伴う、夏季に開催するオリンピック・パラリンピックへの対応、例えばクーリングシステムとか、あるいはその他、電力等の資源をしっかりと活用するための方法。つまり、一つは、工期をしっかり短くするためのもの、もう一つは、オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことによる、これが主な変更点でございます。 〔委員長退席、萩生田委員長代理着席〕
○鈴木(望)委員 時間が来ましたので最後にさせてもらいたいと思いますが、いずれにしましても、国民みんなが力を合わせて東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためには、また、国費を投じて改築がなされる以上そういうことはないと思いますが、作為的な隠蔽があったり情報操作があっては絶対にいけないと思うわけであります。そんなことがあれば、成功するものも失敗に終わってしまう。 これからはさまざまな準備が具体的に進んでいくと思いますが、ぜひ、検討段階の経過報告も含め、国民とともにオリンピック・パラリンピックの準備を進めていくという姿勢を堅持していくことをお約束していただければというふうに思います。 河野参考人と櫻田副大臣に御答弁をよろしくお願いいたします。
○河野参考人 ありがとうございます。 これまでもその覚悟で参りましたけれども、さらに、御指摘を受けて気持ちを引き締めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○櫻田副大臣 今後においても、引き続き、規模、機能及び経費削減並びに運用後の事業収支見通しについて検討を行うこととしているが、御指摘のように、情報が適切に公開されることは当然であると心得ております。 今後とも、同センターにおいて適切な情報が適切に公開されるものと考えており、また、そのように指導していきたいと思っております。
○鈴木(望)委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○萩生田委員長代理 次に、井出庸生君。
○井出委員 みんなの党、信州長野の井出庸生です。 参考人の皆様、きょうは、お忙しいところ、本当にありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 今、鈴木先生の方から冒頭に、オリンピックが決まって年配の皆さんも大変喜んでいるというお話がありましたが、私は、若い方も喜んでいるというお話をたまたまきのう伺いました。ことしの流行語大賞にはなりませんでしたが、今の若い人はさとり世代と言われていて、少しおとなしいところがある。そういった研究をされている方が、若者から、オリンピックが決まって、オリンピックを子供に見せてあげたい、だから結婚するんだ、だから出産するんだ、そういう熱い思いが聞かれるというような話をきのうたまたま伺いまして、微力ではありますが、私も一生懸命お手伝いをさせていただきたいなと思っております。 きょう最初に伺いたいのは、今度、東京では二度目の開催ということになります。河野参考人に、オリンピック委員会理事としてのお立場でお伺いをしたいのですが、やはり一度目と二度目では、日本の、また東京の社会情勢も違いますし、もう既にこれまでのお話にもありましたが、一度目は、高度経済成長の中で町づくりを進めていく、発展させていくという視点もあって、それが成功したことも事実だと思います。 しかしながら、今はもっと成熟した社会でのオリンピックを考えるべきだと思いますし、そういった意味では、これから世界でも二回目をやるようなほかの都市も出てくるかもしれませんが、その範となるようなオリンピック像、御所見があればまず伺いたいのです。お願いいたします。
○河野参考人 二度目の開催となるわけですけれども、お尋ねの、一度目と二度目は何が違うかということでございますが、一九六四年の東京大会は、今御指摘もありましたように、いわば日本のための、あるいは日本にフォーカスされたオリンピックであったかというふうに思います。 それに比べまして、今回、二〇二〇年、第二回目の東京オリンピック・パラリンピック大会は、もちろん日本国のため、あるいは日本国民に勇気を与えるためというのもございますけれども、日本国で開催する、東京で開催することが求められている大きな理由は、この大会を通じていかに世界に貢献するか、特にスポーツの普及等を含めて、いかに世界に具体的に貢献するかということだと思います。 その一つのプログラムとして、政府の方からスポーツ・フォー・トゥモローを示されたということでありまして、この中の三本柱、特に各国への貢献については極めて期待度が高いというふうに思いますので、一言で言えば、日本のための大会、そして今度は世界に貢献するための大会と言うことができるかと思います。
○井出委員 ありがとうございます。 ますます、その世界のためにというところを、これから開催までの間により詰めていっていただければと思っております。 次に、これまで委員の先生方からも国立競技場の建てかえの件などもお話が出ておりますが、私がその件に関係してちょっと伺いたいのは、私も国立競技場にことし視察に行かせていただきまして、恥ずかしながら、そのとき初めて入りました。建てかえが決定しているということも聞いておったんですが、正直、この伝統的な建物が変わってしまうのかというちょっと寂しい思いになったことも事実であります。 例えば、何年か前、アメリカでいえば、野球のヤンキースタジアムがそういった節目を迎えたときも大きなニュースになりましたが、日本のスポーツ界で、そういったスタジアムの関係ですとかで伝統や歴史といったものが、このオリンピックで世界にという言葉も先ほどありましたが、世界に発信できる部分は今どのようなものがあるとお考えか、河野参考人に御所見を伺いたいと思います。
○河野参考人 日本から世界に発信する歴史的なこと等々はあるかというお話でしたけれども、国立競技場、その前身は明治神宮外苑競技場でございますけれども、これを提案されましたのは嘉納治五郎先生でございます。嘉納治五郎先生は一九一一年に大日本体育協会を立ち上げましたけれども、これは翌年の一二年のストックホルム大会に参加するためでございました。この趣意書に、世界に発信すべき内容が既に書き込まれていると思います。 御紹介させていただきますと、国の盛衰は国民の精神が充実しているか否かによる、国民の精神の充実度は国民の体力に大きく関係する、したがって体育、スポーツは非常に重要であると。この関係は、嘉納治五郎先生の精力善用、自他共栄とあわせて、オリンピックの創始者でありますクーベルタン男爵と極めて共鳴したものでございます。 したがいまして、この精神自体は、今でも世界に発信するべき、誇るべき考え方であると思いますし、同時に、二〇一一年に、日本のスポーツ百年祭のときに実行委員会が「スポーツ宣言日本」として、現在のスポーツの状況は変わりつつある、しかし、グローバルな課題に対して、日本のこの状況を踏まえてしっかりとスポーツを使って解決していくことは重要であって、これは世界に対して貢献すべきことであると述べていることは、今先生からお話があったように、日本のスポーツの歴史を見ても、こういった価値観というものは、非常に世界に誇るべき、また発信していくべきものというふうに考えております。 ありがとうございます。
○井出委員 ありがとうございます。 確かに、日本人のスポーツの精神、価値観というものは、先ほど午前中、山下参考人のお話などを聞いていて私も改めて熱い思いを、特に山下参考人のことなどは熱い思いで思い出したのですが、続けてお伺いをしたいのは、やはり国立競技場が、私は一つの歴史的、伝統的、世界に誇るべき競技場なのではないかと。でも、もちろん建物には寿命というものがありますので、そこは十分理解をしております。 先ほど、ほかの委員の先生方からアーカイブというお話もありましたが、私としては、これからの改築の中にその伝統的、歴史的な要素というものを積極的に取り入れていっていただきたいと思います。 既にるる御検討があるとは伺っておりますが、改めてその辺をお伺いしたいと思います。 〔萩生田委員長代理退席、義家委員長代理着席〕
○河野参考人 御指摘のように、国立競技場自体も極めて意義深い、また歴史的なものであると思いますし、また、その中、周辺にも文化的に残すべきものがあると思います。 これについては、有識者による保存に関する検討委員会をしっかりと立ち上げまして現在検討いただいていることでございます。 それを踏まえまして、今御質問の趣旨を踏まえまして、残していくべきものは残していくというように考え、そしてこれが五十年、百年としっかり残っていくような、そういった方策をとっていきたいと思います。 ありがとうございます。
○井出委員 今御検討いただいているというお話もありました。 さきの鈴木委員の御質問の中で、予算額が少し、数字が幾つか出てきていると。そんなにかかり過ぎるのであれば軌道修正をというような報道もその間にあったということは承知をしております。 これからの建設計画の中にどれほどの見直しの余地があるのか、私は正直まだちょっと存じ上げないんですが、そこに、これまで使っていたものを残すですとか、そういった歴史的、伝統的なものを入れていく視点というのは十分入る余地はまだございますか。
○河野参考人 現時点でも、先ほど申しませんでしたけれども、秩父宮スポーツ博物館というのがございます。これも非常に重要ないろいろな資料も残っております。これについてはもう既に残す方向で検討しております。 今後余地があるかということに関しましては、もちろん最後の最後まで努力をしたいと思いますけれども、少なくとも、現在残っております文化的価値あるものについては全て残す方向で考えていきたいというふうに今思っております。ただ、物理的に残しにくいものについては、どういう形で残せるかということについても詳細に検討していきたいと思います。 ありがとうございます。
○井出委員 ありがとうございます。 国立でスポーツをしてきた方もそうですし、そこを目指してきた方の思いも、またそこで観戦をした方の思いもあるかと思います。私は野球ばかりやっていたので国立ということはなかったんですが、例えば神宮球場に屋根がつくとかそんな話でも出てきたら私の心はかなり荒れるような思いもありますので、そういった国立競技場そのものに対する皆さんのこれまでの思いも受けとめて計画を進めていただければと思います。 次に、河野参考人に、既に日本のスポーツ振興をさまざま進めてきていただいていると思いますが、これから、オリンピックの実現、また世界に向けてもっと日本のスポーツを高めていく中で、こういう国会、政治の議論をする場でありますので、これが決定的に足りないんだ、政治の力で何とかしてほしいというものがあれば、スポーツ振興の面で伺いたいんですが。
○河野参考人 日本のスポーツ振興の面で二点だけお願いを申し上げたいと思います。 スポーツ庁の議論の中で学校体育の位置づけが非常に議論されているところでございますけれども、我々の視点からは、日本の学校体育のシステムというのは世界に誇るべきシステムと考えております。 しばしばスポーツ界でも国外のものを参考にしてということがございますけれども、日本の学校システムはむしろ、英国でありドイツが今現在まねをしようとしているような、そういったすばらしいシステムであります。日本人は全て学校体育の教育を受けているので、どうも空気と水のように感じている部分がございますが、また、時々学校体育の暗い面だけが報道されることもありますけれども、トータルとしてはすばらしいものだと思いますので、誇るべきものとしてしっかりと、スポーツ振興等を含めて位置づけていただければと思います。 二点目は、二〇一一年に制定をしていただきましたスポーツ基本法に関することです。 一九六一年のスポーツ振興法はまさにスポーツ振興でございましたけれども、現在、世界の考えは、スポーツを通じた社会貢献、つまり、ディベロップメント・オブ・スポーツからディベロップメント・スルー・スポーツに変わっております。 これにつきましては、国連が現在掲げております八つのミレニアム目標についても、IOCのロゲ会長が、スポーツに対する貢献はすばらしいと言って、世界がスポーツの役割を見直しているところでございます。 したがって、スポーツ基本法で示していただきましたコンセプトチェンジ、つまり、スポーツそのものの振興だけでなくて、スポーツを通じて社会貢献をする、これをぜひ取り上げていただければと思います。 ありがとうございます。
○井出委員 ありがとうございます。今、スポーツ振興について貴重な御意見を本当にありがとうございます。 ここからは、鳥原参考人に今度お伺いをしたいんですが、やはりスポーツ振興の中で、ほかの先生方からも御意見がありましたが、パラリンピック、障害者のスポーツというものを今度のオリンピックで何とかもっと前面に押し出せないか、そういうことを、同じ問題意識は私も持っているんですが、改めて、日本における障害者スポーツのこれまでの位置づけと申しますか認知度というか、そこを、かかわってこられたお立場から忌憚のない御意見をいただきたいんですが。
○鳥原参考人 ありがとうございました。 一九六四年の東京パラリンピックを契機にしまして、その翌年、一九六五年に現在の私どもの日本障害者スポーツ協会が設立されまして、同時に、国体に合わせて全国障害者スポーツ大会を毎年開催するようになりました。さらに、一九九八年の長野パラリンピックを経て、日本の障害者スポーツは、リハビリのためのスポーツから市民スポーツ、競技スポーツへと多目的化して発展をしてきたと思います。 ロンドン・パラリンピックで成績は落としましたものの、世界のトップレベルで多くのアスリートが活躍して、また、スポーツの裾野も広がりつつあります。そういう意味で、スポーツが障害者の自立と社会参加を促す大きな力となっているということは言えると思います。 ロンドン、そして二〇二〇年の東京招致決定で、パラリンピックに対する関心は上昇傾向にありますが、残念ながら、国内競技大会における観客数の余りの少なさ、また、メディアの報道も低調であるということで、障害者スポーツの認知度というのはまだ低いというふうに言わなければいけない状況だと思っております。
○井出委員 ありがとうございます。 今お話しの中で、障害者のスポーツがリハビリから市民スポーツや競技スポーツに多様化してきている、障害のある方の自立、社会参加を進めてこられた、そこは私も確かにそうだなと思っておりまして、今、関心、認知度のところ、まだまだだというお話がありましたが、私も、それは確かに、これからは障害者スポーツを受け入れる側の社会の取り組みももう少し大切ではないか。 車椅子のバスケットの有名な漫画が昔あって、御紹介するまでもなく井上雄彦さんの「リアル」というバスケットの漫画なんですが、車椅子バスケのチームの中で仲間割れをする場面があって、そのときに一人の登場人物が、車椅子のバスケなんかしょせん障害者のスポーツなんだ、新聞でスポーツ面に取り上げられることはなくて、たまに社会面で取り上げられて、一生懸命やっているね、よかったね、その程度の扱いなんだという、漫画にそういうストーリーがありまして、そこにチームメートみんなが怒りの声を上げて、俺たちは勝つためにやっているんだ、競技スポーツを一生懸命やっているんだというそこのやりとりが、障害者スポーツの話を聞くと私はいつも頭に浮かぶんです。 オリンピック・パラリンピックがあるときは受け入れる側の社会のそういった肯定的な取り上げ、歓迎ムードはあるけれども、ふだんの社会の関心、受け入れというところは、実態としてやはり厳しいものがあるとお考えでしょうか。
○鳥原参考人 貴重なお話をありがとうございました。 パラリンピックの開催というのは、障害者スポーツに対する、ひいては障害者に対する社会の認識を改める大きなきっかけになるというふうに思います。パラリンピックがなくとも、日常からそういった社会的認識が高まるということをもちろん望みたいと思っております。 なぜかといいますと、パラリンピックの精神というのは、失われたものを数えるな、残された機能を最大限に生かそう、これがパラリンピックの精神で、そういう精神を持って記録やタイトルにチャレンジするアスリートの姿を見て人は感動し、また勇気を与えられるということなので、そういう場面を見る場というのは、どうしてもやはりそういう国際的な競技大会になると思うんです。 ですから、日常の社会的な認知を高めるための活動はもちろん一生懸命行いますが、この二〇二〇年の機会というのを最大限に生かすべく取り組むことが大事だというふうに思っております。 〔義家委員長代理退席、萩生田委員長代理着席〕
○井出委員 ありがとうございます。 先ほどの委員の皆様とのやりとりの中で鳥原参考人も、オリンピックとパラリンピックをできるだけ一つの祭典としてやることをアピールしてきた経緯もある、そういうお話もありました。私もほかの委員の先生方と同じように、パラリンピックをどうやって七年後の東京オリンピックで前面に打ち出していくかというものは、非常に大きいものがあると思います。 そこでまず、今までのオリンピック、パラリンピックという開催の順番、これまでの開催の実態、形態について鳥原参考人はどのように率直にお感じになっているか、御所見をいただきたいんです。
○鳥原参考人 先ほどもお話ししましたけれども、北京大会から、オリンピック終了後、同じ組織委員会、同じ競技会場でパラリンピックを開催するということが、国際的な機関としての規定化がされております。 私は、順番の問題ではなくて、そうやって一つ同じ組織委員会、同じ競技場で一体的に運営されるものとしてパラリンピックが位置づけられたということが非常に大事なことだというふうに思います。 パラリンピックの文字どおり、まさにもう一つのオリンピックという位置づけになっているわけで、これはここ最近の非常に大きな発展だというふうに思っております。 〔萩生田委員長代理退席、委員長着席〕
○井出委員 ありがとうございます。 これまで、オリンピックとパラリンピックを同時開催といいますか、というような意見も私は報道で目にしたこともありますし、きょうの議論でも、開会式と閉会式を一緒にやってみたらどうでしょうとか、マラソンですか、鈴木委員の方からも具体的な御提案があって、やはり私ももう一度伺いたいのは、先ほど、なかなか具体化をするのは難しいんだけれどもスピリッツは理解をする、そういったお話もちょっと出ておったんですが、そこを何とか、東京、七年後、オリンピックとパラリンピックのあり方というものの新しい形を世界に向けて打ち出していくべきではないかと思いますが、鳥原参考人、お考えはいかがでしょうか。
○鳥原参考人 私もそういう気持ちはいまだに持っております。 先ほど申しましたように、できない理由を言うわけではなくて、やはりパラリンピックにはパラリンピック独自の魅力がある。これは、同時に開催したりあるいは同日に開催したりすることに比べてもより高い魅力がある、そういうふうに受けとめております。 だから、そういう点をいかに大事にしながら、また、やはり現実問題としていろいろ無理がある点も考慮に入れながら、委員がおっしゃられたような、そういう一体的に運営する新たな姿をどういうふうに発信していくかということを、今後、この六十日間を一つの祭典としてやっていくという東京オリンピック・パラリンピックの具体的な姿をどうやってつくっていくかということを、組織委員会を中心に一生懸命検討していくということが大事だというふうに思っておるところです。
○井出委員 ありがとうございます。 河野参考人にも一言同じ質問にお答えをいただきたいんですが、やはり具体化はなかなか、その趣旨は、スピリッツは理解するがというところをもう少し。 まだ七年先の話でありますし、世界に発信をしていく大きな大きなパラリンピックの位置づけをオリンピックともっと深めることができれば、新しいオリンピックの形を示すことができるんじゃないかと思うんですが、河野参考人のお考えも一言お願いします。
○河野参考人 ありがとうございます。 具体化の話に関しましては先ほどもお話が出たところでございますけれども、立候補の段階でこういうふうにやりますという計画をむしろこちらから出して、それをもとに現在開催が認められていることがありますので、まず一つは、ゼロ発進でないということがありますので具体化はという話になります。 しかしながら、おっしゃるように、スピリットに関してはということですので、例えばいろいろな工夫、つまり競技の運営、もしくは開会式、閉会式等の運営以外のところでのいろいろな取り組みについては、今後検討する余地があるかなというふうに考えております。 ありがとうございます。
○井出委員 ありがとうございます。 オリンピックが決まって、本当にスポーツ界もそうですし、社会全体のムードも変わったと思います。すごく前向きなムードがオリンピックが決まったことによって出てきたと思いますし、何とか成功してほしい、私も力を尽くしたいと思っております。 ただ、その一方で、オリンピックのために必要だったら、オリンピックだから何でもいいんだ、そういうことは決してあってはならない。その御懸念が、先ほど別の先生がおっしゃられた、国立競技場の予算が二転三転するですとか、そういう問題もあるかと思いますし、あってはほしくないですけれども、また、まだ先は長いですから、いろいろな計画、実際の計画を実施していく上でまだ幾つも問題はあると思います。 これまでの議論にも出てきましたように、しかるべき情報の公開ですとか、議論を明らかにしていくとか、運営の透明性の方もぜひそこは強力にお願いしたいと思いますので、河野参考人から一言、改めてそのあたりを伺えればと思います。
○河野参考人 御指摘ありがとうございます。 いずれにしましても、一九年そして二〇年は決まっておりますので、それに向かって、御指摘の点をしっかり踏まえながら、国民の皆様の理解を得られるような形で進めていきたいと思います。 どうもありがとうございます。
○井出委員 本日は、お二方、お忙しいところ来ていただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。 どうもありがとうございました。
○小渕委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。 私は、十一月一日の本委員会質問でも、我が党が、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催地を東京に決定したIOC、国際オリンピック委員会の決定を尊重するとともに、決して無条件の信任ではない、東京招致に反対した際に私たちが指摘してきた問題点については、変わることなく、引き続き厳しくチェックしていくことを明らかにいたしました。きょうもそういう立場から質問をしたいと思います。 あの質疑の際にも文部科学大臣からは、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックは、まさに日本からオリンピック憲章が始まったと言われるような歴史的なオリンピック・パラリンピックにしたいとの決意が述べられました。これは私も思いを同じくするところであります。 開催都市となった東京は、これから大会組織委員会、OCOGを設置し、その陣容を整えなければなりません。焦点となるのが、このOCOGの陣容だと思うんです。OCOGの中心にJOCや実施競技団体の関係者が登用され、自主的に運営されることが重要だと思います。 前回、一九六四年東京大会のときの組織委員会の陣容は、国を挙げてということが前面に出て、政財界主導でありました。しかし、今日、四十九年前とはスポーツをめぐる状況は大きく変わってきております。OCOGが政治から独立した機関として、スポーツ界の自立した力を培っていくことが大事だと思うんです。 そこで河野一郎参考人に聞くんですけれども、東京二〇二〇は、コンセプトの一つに、アスリートファースト、競技者本位のオリンピック・パラリンピックを打ち出しております。さきのロンドン・オリンピックも同様のコンセプトを採用しており、アスリートを中心に据える動きは、二十一世紀のオリンピック・パラリンピックが目指す方向になっていると思うんです。 大臣がおっしゃるように、日本から二十一世紀のオリンピック憲章が始まったと言われるようにするには、男女を問わず、障害者を含めて、アスリートやスポーツ関係者がOCOGに登用される必要があると私は考えますが、いかがでしょうか。
○河野参考人 御指摘のように、アスリートファーストは、二〇一六年の招致からずっと、日本、そして東京、あるいはスポーツ界が訴えてきたことでございます。 アスリートファーストに関しましては、今御指摘がありましたことも踏まえましてお答えいたしますが、まずやはり、オリンピック・パラリンピックはスポーツの大会でございますので、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるようにあらゆる面から環境を整えていくということ、これが重要であると思います。 それと同時に、オリンピック・パラリンピックの成功の要因に幾つかありますけれども、一つは、完璧なとあえて申し上げますけれども、完璧なオリンピック・パラリンピック大会の運営だと思います。これについては、御指摘のように、アスリートの目線をしっかりと踏まえた陣容で臨むことが重要と考えます。 先生の御指摘については賛同いたします。ありがとうございます。
○宮本委員 既に、招致に当たって、ブエノスアイレスでアスリート宣言というものも行われております。アスリートたちは招致成功のためのただ単なる人寄せパンダというようなことであってはならないと思うんです。オリンピック・パラリンピックのまさに主役であるわけですから、組織委員会の陣容においてもしっかり、アスリートファースト、このことを貫いていただきたいと思うんです。 一方でこの大会組織委員会は、オリンピック担当大臣の下村文科大臣、それから猪瀬直樹東京都知事、日本オリンピック委員会、JOCの竹田会長、そして大会組織委員長の四者による司令塔のような上部機関をつくる方向で調整が進んでいるとの報道がなされております。 そこで今度は大臣にお伺いしますけれども、幾らアスリートファーストとこう叫んでみても、大会組織委員会がこの司令塔なるものの下請に成り下がってしまったというのでは話になりません。この四者が話し合って調整すべきことはある、これはもちろん認めますけれども、組織委員会に介入したりコントロールしたりするということは厳に慎むべきだと私は思うんです。オリンピック担当大臣としての下村大臣の御所見をお伺いいたします。
○下村国務大臣 二〇二〇年大会の組織委員会を含む組織体制については、過去の例も踏まえながら、各界各層の協力を得ながら、大会が円滑に進むよう、開催都市を初め各界からさまざまな人材が集められ、大会準備に当たれる体制が望ましいと考えております。 さまざまな報道があるものの、御指摘の機関なども含め、現時点で組織体制などは全く固まっているわけではありません。 いずれにしても、七年後に最高の大会が開催できるよう、それにふさわしい組織のあり方について、来年二月までに、JOCや東京都と十分協議してまいりたいと思います。
○宮本委員 大会組織委員会、OCOGは、「IOCから、開催都市のある国のNOCおよび開催都市自身に委任されるものである。」とオリンピック憲章に規定をされております。OCOGがくれぐれも政治の引き回しというようなことではなく、政治から独立した機関として、アスリートたちを含めたスポーツ界の自立した力を培っていくことが重要だということを指摘しておきたいと思うんです。 次に問題になってくるのが、競技施設の整備計画です。 我々は、国民や都民の生活や環境と調和のとれた、無理のない取り組みを進めることが求められていると考えております。 オリンピックのメーンスタジアムとなる国立霞ケ丘競技場の建てかえ計画をめぐっては、前回の質疑でも下村大臣から、「改築に係る経費については、適正な予算でなさなければならないことは当然であり、この観点から、全体の規模や機能を縮小する方向で検討する必要がある」、「現在、事業主体である独立行政法人日本スポーツ振興センターにおいてその検討が行われるところ」だという答弁がございました。 河野参考人、どのような検討状況になっているか、お答えいただけますか。
○河野参考人 検討状況についてお答えいたします。 既に御議論いただいているところもございますけれども、二〇一二年の三月に日本スポーツ振興センターとして有識者会議を開き、そこで与条件について議論をいただき、これをもとにデザインコンクールを行いまして、二〇一二年の十一月に、有識者会議でデザインコンクールの結果について了承いただいたところでございます。 これを受けましてフレームワーク設計に入り、そしてこのあたりから、非常に悩ましいことは、九月七日にオリンピックが決まるまではそれを議論するべきでないというような御意見も頂戴したりしながらここまで来ておりますが、幸いなことに九月七日にオリンピックが決まりましたので、現在、その九月七日に決まりましたオリンピック・パラリンピック開催を前提といたしまして、具体的な絞り込みを、いろいろな面で絞り込みを行いながらここまで来ているというのが検討状況でございます。
○宮本委員 十一月二十六日に国立競技場将来構想有識者会議の第四回会合を開いたということが報じられております。その内容、そこでどういう再検討をされたか、御紹介いただけますか。
○河野参考人 具体的には、それまでの議論、そして、そのときにいろいろな方からの御意見を頂戴いたした中で確認をいたしましたのは、当初に与条件として示されました三つの条件、つまり、八万人規模であるということ、それから可動席、これはラグビー、サッカー、陸上の多目的なスタジアムとしての要件を整えるべきだということ、これについては、陸上競技連盟、サッカー協会、そしてラグビー協会、いずれも強い御意見でございました。そしてそのときに御指摘いただいたのが、全天候型、これについては、その十一月の時点でも強く意見としていただきました。 それと同時に、当初、オリンピック等々が決まる前に、各三団体から、全てこれを満たしてくださいという、全ての条件を満たした要件をいただいておりましたけれども、いよいよ九月七日あるいは九月八日にオリンピック・パラリンピックが決まったことによりまして、具体化をする必要がありましたので、それについて、サイズ、そして先ほど来お話が出ているコスト面についても現実的なものとして絞り込みを行う、これについて合意をいただいたところでございます。
○宮本委員 二十九万平米を二十二万平米に縮小する、あるいは、現時点で見積額は、現競技場の解体工事も含めて千八百五十二億円、こういうふうにお伺いをいたしました。 それで、八万人収容が国際基準だと言うんですけれども、東京都議会での答弁によりますと、開催都市である東京都は、IOCの基準では、陸上競技と開閉会式を行う場合、六万席が必要とされておりますと答弁をし、十一月一日の会見で猪瀬東京都知事は、「三千億円もかかる膨大な、コストのかかるような設計をするのは間違いだから、まずその半分ぐらいのキャパシティーにすればいいでしょう」、「それで、ロンドンの場合は、五万人の収容で二・五万人が仮設だと。大体、今回の場合もそういうことにすれば、まず半分になる」、こう述べておられるんです。 いずれも、開催都市東京では五万席、六万席という数字が出ているわけです。これはどちらが本当なんですか、河野さん。
○河野参考人 大変申しわけありませんが、都議会及び都知事の発言については、ちょっと私も詳細を存じ上げません。 しかし、観客席の数につきましては、ちょっといろいろと思い起こしてみますと、一九六四年の東京オリンピックのときの閉会式、開会式、いずれも七万人を超えた観客が集まっておられます。六四年のときの日本の全人口が多分九千七百万ぐらい、現在が一億二千七百万、推移していると思いますが、そういったこと等々を考えますと、現時点においてもこれだけ国民の期待が高いオリンピック・パラリンピック大会のメーンスタジアムになる観客席については、八万人規模が相当と考えております。 ありがとうございます。
○宮本委員 八万人全てを常設にせずに、一部を仮設にしたらどうかというふうに私も申し上げたんですが、イギリスの場合は、市内にサッカー専用の九万人を収容するウェンブリー・スタジアムがある、別に八万人収容のラグビー専用スタジアムもある、しかし、日本には八万人収容するスタジアムは一つもない、こういう説明。もう一つは、ザハ・ハディッド氏のデザインでは設計上仮設にできない、こういう御説明もいただいたわけです。 しかし、確かに八万人というのは国内にないかもしれませんけれども、横浜にある日産スタジアムは七万二千人収容でありますから、それこそ、あとわずか仮設で増設すれば八万人も可能なわけです。 また、ザハ・ハディッド氏との契約というのはデザインの監修契約であって、基本的なコンセプトを崩さない限りは設計の変更も可能であるし、可能であるからこそ、この間、規模の縮小、変更を現にしてきたわけなんです。 変更、これは可能ですね、河野さん。
○河野参考人 どこの部分を変更するかということに関しては別にいたしまして、基本的には変更可能であるからこそ、ここまで来ております。 しかし、観客席数につきましては、こちら側が提示したものであって、ザハ・ハディッド氏が決めたものではございません。
○宮本委員 今回の建てかえ案をめぐっては、日本建築士会連合会、東京建築士会、日本建築士事務所協会連合会、東京都建築士事務所協会、日本建築家協会の建築関係五団体から、その規模、安全性、維持管理費、周辺の景観との調和など、厳しい指摘と懸念が寄せられております。とりわけ、周辺景観との調和というのは、IOCの原則にかかわる重大問題だと言わなければなりません。 一九九九年、IOCが採択したオリンピックムーブメンツアジェンダ21には、スポーツにかかわる全ての選手、個人及び組織が、スポーツにおいて、あるいはスポーツを通じた持続可能性に向けて取り組む方法が記述をされております。 これは文部科学省に確認をいたしますが、オリンピックムーブメンツアジェンダ21の「3.1.6 人間の住居環境および居住」では競技施設についてどのように書かれてあるか、また、「3.2.3 競技施設」では新規施設の建築及び建築地所についてどう定めてあるか、御答弁願います。
○久保政府参考人 お尋ねのオリンピックムーブメンツアジェンダ21、3の1の6のうち「競技施設」につきましては、「土地利用計画に従って、自然か人工かを問わず、地域状況に調和して溶け込むように建築、改装されるべきである。」とされております。また、「3.2.3 競技施設」のうち「新規施設の建築および建築地所」につきましては、「このアジェンダ21の3.1.6節を遵守しなければならない。これら施設は、地域にある制限条項に従わなければならず、また、まわりの自然や景観を損なうことなく設計されなければならない。」と定められているところでございます。
○宮本委員 事はIOCのルールにもかかわる問題なんです。この問題をめぐっては、与党自民党からも厳しい指摘が出ていることが報じられております。 改めて、広く専門家の意見をよく聞いて、再度設計の見直しを図って、国民ももちろん、東京都民も納得する計画に変更することを求めておきたいと思うんです。 我が党は、この間、私も提案者となったスポーツ基本法の制定を機に、各種のスポーツ団体、競技団体とも懇談を行ってまいりました。そこで数々の御意見をお伺いし、オリンピックの準備や競技施設の整備も、アスリートと観客の目線で捉えることの大切さを実感いたしました。 例えば、我が党東京都議団は先日、日本陸上競技連盟と懇談をいたしましたが、専務理事からは、現在の計画のままでは、二〇二〇年の東京五輪の後、新国立競技場では全国規模の大会が開催できないという話が出されました。選手たちがウオーミングアップするためのサブトラックの併設が盛り込まれていないためだと言うんです。日本選手権や全国高校総体などの大会を開催するには、全天候舗装の四百メートルサブトラックが設置された第一種競技場でなければなりません。 ところが、このままでは新国立は、地方の主要大会向けというべき第二種以下の扱いになってしまうと言うんです。 せっかく整備するのにこれほどもったいないことはないと私は思うんですが、河野理事長、この声をどう受けとめておられますか。
○河野参考人 サブトラックの問題に関しましては、まず、二〇二〇年のオリンピックに向けましては、もちろん立候補ファイルをIOCに提出しております。その際に、IOCからも、あるいは国際陸上連盟からも、もちろん日本陸上連盟からも承諾を得ております。したがって、この計画を進めることについては、日本陸上競技連盟についても十分に御理解をいただいているというふうに理解をしております。 そして、サブトラックのことにつきましては、御指摘のように仮設でございますけれども、これは、今後、日本陸上競技連盟がどのような大会を具体的にどこで進めるかによって、そのことについては検討する余地は僕は個人的にはあるかと思っておりますが、ただ、勝手に人の土地のことを言うこともなかなか難しいこともございますので、そういったことも含めて、今後の検討の課題とさせていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○宮本委員 ぜひとも検討していただいて、せっかく整備するわけですから、オリンピックのときに差し支えがないということは今お話しのあったとおりですけれども、オリンピックのときだけということじゃなくて、その後も、やはり全国的な日本選手権、高校総体などがやれる条件を国立競技場に備えるというのは、それは望ましいことでありますから、ぜひその方向でやっていただきたいというふうに思うんですね。 もう一つは、日本ライフル射撃協会と我が党が懇談したときに出た話なんです。射撃会場は、前回のオリンピックでも使用した陸上自衛隊朝霞駐屯地の射撃場を改装して使うことになっております。しかし、ここは選手村から遠いというだけでなく、スポーツ施設としては不適切だという指摘がございました。 かつて、北朝鮮のテポドンが発射されたときに、ちょうど射撃大会の最中で、突然警戒態勢がとられて使用中止の命令が出され、選手、審判員など民間人はその場から退去を命じられた。これは、日本ライフル射撃協会でそういう話をお伺いしたわけです。今後、特定秘密保護法などができましたら、写真などを撮ろうものなら逮捕されるんじゃないか、そんな話が出るぐらいの状況なんですね。 同じ射撃場でも、自衛隊の施設はこれはあくまで演習施設であって、スポーツである射撃の競技施設ではないですね。逆に自衛隊からしても、こういうことをやるというのは目的外の使用になるんだと思うんです。 そこで大臣、やはりスポーツとしての射撃会場をこれはそういう水準で整備する、そのことを真剣に検討すべき段階に来ているんじゃないかと私は思うんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○下村国務大臣 射撃競技の会場については、立候補ファイルに記載のとおり、陸上自衛隊朝霞訓練場が予定されております。同訓練場は、東京都によれば、銃刀法が定める指定射撃場の基準を満たす既存の会場としては、選手村から最短距離に位置するものであるということであります。 このため、日本ライフル射撃協会及び防衛省の了解を得た上で、国際射撃連盟の承認を経て、競技施設として決定したものと聞いております。 今後、大会の実施に当たっては、その運営に支障が出ることのないよう、大会組織委員会を中心として、関係省庁とともに十分な対応を検討してまいりたいと思います。
○宮本委員 既にライフル射撃競技というのは、スポーツとしてのそういう競技として今日発展しているわけですから、やはり今日の到達点に立って、いつまでも自衛隊の演習施設で行うのではなくて、そういう場所をいかに確保するかという検討はぜひとも進めるべきだというふうに申し上げておきたいと思うんです。 ここで鳥原参考人にお伺いするんですけれども、私は、毎年、パラリンピアンを激励するスポーツオブハートというイベントにも、縁があって参加をさせていただいてまいりました。 政府は、二〇二〇年東京パラリンピックに向けて、選手強化のため、パラリンピックの日本代表候補専用のナショナルトレーニングセンターを建設する方向で検討に入ったと報道されております。 そこで鳥原参考人に、障害者スポーツを担当する日本パラリンピック委員会として、この施設の整備に当たって希望することをお聞かせいただけたらと思っております。
○鳥原参考人 私ども日本パラリンピック委員会の中でナショナルトレーニングセンターの基本的なコンセプトについて検討し、そして、担当当局の方にもいろいろ希望を述べてまいりました。 その主な点は、第一に、可能な限り早い時期に完成してほしいということ、そして、コンセプトとしては、国際大会基準の競技練習場を有する高度なトレーニング施設であること、あわせて、障害者スポーツに特化したスポーツ医科学、情報、用具開発等の総合的な研究支援を行える施設であること、この点でございます。
○宮本委員 そこで文部科学省にお伺いするんですけれども、来年度概算要求で障害者スポーツ予算はどれだけなのか、それはスポーツ予算全体の大体何%になるのか、パラリンピック予算はどれだけで、オリンピック予算との対比で大体何%ぐらいか、お答えいただけますか。
○久保政府参考人 来年度概算要求におきましては、スポーツ予算としては約四百九十億円要求しておりますが、この中で、健常者と障害者が一体となったスポーツ・レクリエーション活動を実施するために必要な事業補助、それから、障害者のスポーツ参加における安全確保に関する調査研究、さらに、スポーツ医科学を活用してトップアスリートを支援するマルチサポート事業の中で、パラリンピアンに対するトライアルを実施する経費など、新たに、あるいは拡充して計上しているところでございます。 ただ、これ以外にスポーツ予算の中には、例えばオリンピック、パラリンピックの両方に資するための、例えば、国立霞ケ丘競技場の改築経費ですとか障害者も利用される地域のスポーツ施設の整備費など、障害者スポーツ関係予算として明確に分けられない経費も含まれておりますので、障害者スポーツ予算としての金額、その割合を明示することは困難であることは御了解いただけると思います。
○宮本委員 きのう、事前にレクを聞きますとそういう話でした。やはり僕は、障害者スポーツというのが対策がおくれてきたと思うんです。だから、現時点でどれだけの予算が確保され、どうなっているかをまずつかまないと、強化すると言ったっていかないわけですから、このことをしっかりまずつかむ、それすら今の時点でお伺いするとそういう御答弁だというのは、非常に不満なんですよ。 それで、トップアスリートの競技力の向上については、ナショナルトレーニングセンターの整備など、やっと始まりつつあります。しかし、裾野の問題を見れば、障害者が健常者と同じようにスポーツに親しむ条件は大きく立ちおくれていると言わなければなりません。 パラリンピックを機に障害者スポーツに注目が集まることはいいことでありますけれども、パラリンピックなどで活躍するトップアスリートだけでなく、障害を持つ人も持たない人も、同じように、人権や権利としてスポーツに親しめる環境整備こそ重要だと思うんです。 この点で鳥原参考人に、課題だと思うことをお答えいただきたいと思うんです。
○鳥原参考人 今おっしゃられた、誰もがスポーツに親しめる環境整備というのは、スポーツ基本法及びスポーツ基本計画に示されているところであります。 私から申し上げたいことは、施設が備わっていても、障害者が障害の種類や程度に応じて安全にスポーツを楽しめるように、障害者スポーツの指導者あるいは補助者、さらには、医療支援などのサポートが必要だということでございます。こういったソフト面の対策を充実させるということが非常に重要な課題ではあるというふうに思っております。
○宮本委員 パラリンピックはオリンピックの決してつけ足しのようなものではありません。また、スペシャルオリンピックスやデフリンピックなど、独自の意義を持つ国際大会も開催されてまいりました。障害者スポーツは長い間立ちおくれてきたことはやはり事実だと思うんです。 そこで大臣、障害者スポーツ団体と障害者アスリートたちの声をしっかり受けとめて、この分野の施策、さらにその財政措置、抜本的に拡充する決意をお示しいただきたいと思うんです。
○下村国務大臣 平成二十三年に制定されたスポーツ基本法においても、「スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。」と規定されておりまして、障害者スポーツを推進することは非常に重要であります。 文科省としては、昨年制定したスポーツ基本計画において、障害等を問わず、広く人々がスポーツに参画できる環境を整備することを政策課題としており、障害者と健常者が一体となったスポーツ・レクリエーションの推進等に取り組んできているところでもございます。 平成二十六年度からは、パラリンピック関連の予算を初め、スポーツ振興の観点をより強く反映させた障害者スポーツ支援の事業を、御承知のように、厚労省から文科省に移管する予定でございます。 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催も見据え、障害者アスリートや関係団体の意見もお伺いしつつ、障害者の競技力の向上やスポーツ参加機会の拡充を図るなど、障害者スポーツ全般をより強固にしてまいりたいと思います。 ちなみに、厚労省から移管された予算を含めまして二十五年度の予算と比較すると、来年度は六九%、障害者スポーツ関係で増額を要求しているところでございます。
○宮本委員 ぜひしっかりやっていただきたいと思うんです。 最後に、私の質問の直後に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する件なる委員会決議が提案されることになっております。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックをめぐっては、既に今国会冒頭、十月十五日の本会議で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議が全会一致で採択されています。これは全会派の合意を得るため相当な協議を重ねて採択されたものであり、我が党は、屋上屋を重ねるがごとき委員会決議は必要ないとの立場を表明してまいりました。 それでも自民、民主から事前に案文が提案されましたので、我が党としての意見を申し上げました。それにより修正された部分はありますが、けさ、理事会に諮られた案文は、本会議決議より大きく後退したものであります。 本会議決議でも、当初、案文には、オリンピックの開催が「東日本大震災からの復興を世界に示すもの」との表現がありました。しかし、我が党が、東日本大震災からの復興を着実に推進することは当然だが、オリンピックはオリンピック憲章とオリンピック精神の体現のために開催すべきものであって、震災からの復興を世界に示すというようなことをオリンピックの目的にすべきではないと指摘して、本会議決議では削除されました。 それでも本会議決議には、「我が国が元気な日本へ変革していく大きなチャンスとして、」とか「新しい日本の創造と我が国未来への発展のため」などという不必要な文言があり、削除を求めたが入れられず、共同提案には加わらず、あえて反対はしないという態度をとったのであります。 しかるに、本委員会で提案予定の決議案には、本会議決議では削除された「大会開催が、東日本大震災の被災地を含めた日本全体が活力を取り戻し更なる発展に向かう好機となる」というような文言が書き込まれております。 しかも、本会議決議で削除された文言が、復興を世界に示すと東京大会までに復興を終える表現であったのに比しても、活力を取り戻す好機となるなどと、復興の完了さえ曖昧な表現というのでは、到底認めることはできません。 したがって、我が党は、本委員会決議には、提案に加わらないことはもちろんのこと、反対の態度をとることを申し上げて、質問を終わります。 ————◇—————
○小渕委員長 この際、中根一幸君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党、生活の党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。中根一幸君。
○中根(一)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文の朗読により説明にかえさせていただきます。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する件(案) 去る九月七日、ブエノスアイレスで開催されたIOC総会にて、東京が第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会の開催都市に決定した。 一九六四年の東京大会以来五十六年ぶりとなる二〇二〇年東京大会の開催は、スポーツの更なる振興や国際相互理解の増進、共生社会の実現、国際平和への寄与にとって大変意義深いものであるとともに、昨年のロンドン大会において見られたように、多くの国民に勇気と感動をもたらすものとなる。また、大会開催が、東日本大震災の被災地を含めた日本全体が活力を取り戻し更なる発展に向かう好機となることも大いに期待される。 よって政府は、東京大会の成功に向けて、東京都、JOC等関係機関と緊密な連携を図りつつ、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 日本選手が最高のパフォーマンスを披露できるよう、競技力向上を戦略的かつ継続的に支援する環境整備と体制をつくること。 二 途上国等へのスポーツ指導者の派遣や施設整備などの「スポーツ・フォー・トゥモロー」プログラムを通じて、国内外の人々にスポーツの価値とオリンピック精神を広げていくこと。 三 共生社会実現の観点から、オリンピック・パラリンピック両大会の連携に配慮すること。 四 二〇二〇年パラリンピックに向け、トップレベル選手の国際競技力の向上を図るため、パラリンピックの選手専用のナショナルトレーニングセンターを早急に新設するとともに、スポーツを科学的に研究支援する施設の地方拠点を設けること。 五 国立競技場の改築をはじめとする競技場など関連諸施設について、環境の保全に留意しつつ、着実に整備すること。また、東日本大震災の被災地の復興事業に悪影響を及ぼさないよう最大の配慮をすること。 六 交通インフラやバリアフリー環境の整備、セキュリティー対策その他大会の円滑な運営に万全を期すこと。 七 各国代表選手の事前合宿の誘致、観光・文化プログラムの実施などを通じて、日本全国に大会開催の効果が波及するよう努め、日本人ならではの「おもてなし」の心をもって日本の素晴らしさを世界に発信していくこと。 八 世界に先がけて少子高齢社会にある日本が、子供から高齢者まで多くの国民がスポーツの持つ力を活用し、健康で生きがいのある暮らしができる環境をつくること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○小渕委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小渕委員長 起立多数。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。 この際、本決議につきまして文部科学大臣兼東京オリンピック・パラリンピック担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下村大臣。
○下村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を尊重し、二〇二〇年大会の成功に向け、政府一体として最善の努力を尽くしてまいりたいと存じます。
○小渕委員長 お諮りいたします。 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 河野参考人そして鳥原参考人におかれましては、本日、長時間にわたりまして大変貴重な御意見を賜りましたことを、心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。委員会を代表して、感謝を申し上げます。本当にきょうはありがとうございました。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十八分散会