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185回国会衆議院2013/11/22

災害対策特別委員会 第10号

発言数
28
登壇者
9
会派数
7
開催日
2013/11/22

会議録

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これより会議を開きます。  第百八十三回国会、二階俊博君外十一名提出、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案を議題といたします。  ほかに質疑の申し出がありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 この際、本案に対し、福井照君外二名から、自由民主党、公明党及び生活の党の三派共同提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。福井照君。     —————————————  防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

福井照自由民主党

○福井委員 ただいま議題となりました防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  本修正案は、本法律案の内容を一層充実したものとするため、以下の事項について修正しようとするものであります。  第一に、題名を、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法に改めることとしております。  第二に、この法律を制定する目的を、前文として加えることとしております。  第三に、国土強靱化において備える対象を、大規模災害等から、大規模自然災害等に改めることとしております。  第四に、国土強靱化の基本方針について、大規模自然災害等に際して人命の保護が最大限に図られることとするための手段の例示として、防災または減災に関する専門的な知識または技術を有する人材の育成及び確保並びに災害から得られた教訓及び知識を伝承する活動の推進を加えるとともに、新たな方針として、ソフト面の施策とハード面の施策を組み合わせた国土強靱化を推進するための体制を早急に整備すること、事前防災及び減災のための取り組みは、自助、共助及び公助が適切に組み合わされることにより行われることを基本としつつ、特に重大性または緊急性が高い場合には国が中核的な役割を果たすこと、現在のみならず将来の国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに国民生活及び国民経済を守るために実施されるべき施策については、人口の減少等に起因する国民の需要の変化、社会資本の老朽化等を踏まえるとともに、財政資金の効率的な使用による当該施策の持続的な実施に配慮して、その重点化を図ることを追加することとしております。  第五に、国土強靱化に関する施策の策定及び実施の方針に、大規模自然災害等に対する脆弱性の評価を行うこと等を追加することとしております。  第六に、国土強靱化基本計画の案の作成に関し、脆弱性評価は、起きてはならない最悪の事態を想定した上で、科学的知見に基づき総合的かつ客観的に行うものとすること、国土強靱化推進本部は、国土強靱化基本計画の案の作成に当たっては、脆弱性評価の結果の検証を受け、作成手続における透明性を確保しつつ、公共性、客観性、公平性及び合理性を勘案して実施されるべき国土強靱化に関する施策の優先順位を定め、その重点化を図らなければならないこととしております。  第七に、国土強靱化の推進を担う組織のあり方の検討に関し、国土強靱化の推進を担う組織のあり方の例示として、大規模自然災害等への対処に係る事務の総括及び情報の集約に関する機能の強化のあり方を追加することとしております。  以上が、本修正案の趣旨でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。三日月大造君。

三日月大造民主党・無所属クラブ

○三日月委員 民主党・無所属クラブを代表して、二階俊博君外十一名提出の防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び同法律案に対する修正案に反対する立場から討論を行います。  我が国は、これまであまたの災害に見舞われてきました。今後も南海トラフ地震や首都直下地震等の発生が指摘される中、大規模自然災害から国民の命や暮らしを守ることは、政治の果たすべき究極の使命の一つであります。一方で、財源に限りがあることも事実であり、迅速に、かつ有効な対策を進めるためには、災害に対する脆弱性をできる限り科学的かつ客観的に評価し、優先順位を定めて防災、減災対策を行い、大規模自然災害に対して強くしなやかな国民生活の実現を図ることが必要であります。  反対する第一の理由は、本法律案がハードの整備に偏重され、ソフト的な施策がなおざりにされてしまっている感が否めないことであります。  題名の国土強靱化が示しますように、また、施策の策定及び実施の方針にあらわれていますように、この法律案の本質は、ハードの整備を中心とした施策の推進を目指しているように思えてなりません。ハードの整備の重要性を否定するものではありませんが、あわせて、私たちが提案いたしました組織体制の整備など、ソフト的な施策を連携させていくことにより、さらに多くの命が救われていくはずであります。このままでは、何よりも強靱化すべき国民の生活が置き去りにされるおそれがあると言わざるを得ません。  第二の理由は、大規模災害等という言葉の定義の曖昧さです。  大規模災害から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることの重要性に異議を唱えるものではありませんが、本法律案では大規模災害等とされており、強靱化の施策の対象となる災害が限定されておりません。修正案においては大規模自然災害等とされておりますが、そのまま「等」が付され、曖昧なままにされております。  提出者の答弁では、笹子トンネル天井板落下事故のような施設の老朽化による事故も含めているとのことですが、それ以外も読み込むことが可能なため、国民の生命、身体及び財産を保護するためとして、対象となる事態が際限なく広がっていく可能性があります。人員、物資、資金等の資源に限りがある以上、一定の制約は必要であり、対象を大規模自然災害に限定すべきであります。  第三の理由は、財政規律の維持の観点が欠落していることであります。  我々は自然災害にも直面していますが、財政も危機的状況にあります。このまま、際限もなく、優先順位もつけないままに防災、減災に係る事業を実施していけば、いずれ財政は破綻してしまいます。そうなれば、必要な防災、減災対策であっても実施できなくなってしまいます。現在のみならず、将来の国民の生命を保護し、その生活を守るために実施する施策は、財政規律の維持の観点から、その重点化を図るべきです。  第四の理由は、国土強靱化推進本部が内閣総理大臣とその他の国務大臣だけで構成されていることです。  推進本部は、大規模災害等に対する脆弱性評価の指針を定め、評価を行い、その結果に基づき国土強靱化基本計画の案を作成することとなっております。政府の視点による脆弱性評価の指針が作成され、政府の視点により脆弱性評価が行われ、政府の視点により国土強靱化基本計画の案が作成され、政府が基本計画を決定することになります。自治体関係者や有識者等からの意見聴取の定めはあるものの、そこには十分な第三者の関与が規定されておりません。いわゆるお手盛りの批判を避けるためにも、本部員には経済団体の代表者や学識経験者等を加え、脆弱性の評価や基本方針について十分な検討、検証が行われるよう規定するべきであります。  私たち民主党は、対案として、国民生活強靱化のための防災・減災対策基本法案を提出し、質疑の中では、両案を対比しながら、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の問題点を浮き彫りにしてまいりました。  先ほど提出されました修正案には、その経緯を踏まえていただき、私たちの考えが反映されている部分もございます。しかし、残念ながら、ただいま申し上げた大きな論点において、肝になる部分において、いまだ意見を異にしております。  強靱化すべきなのは国土ではなく国民の生活であることを改めて主張し、この間、長年にわたり提出案を御検討いただきました二階先生、中川先生初め関係者の皆様方、また、真摯な御審議をいただきました委員各位、特に最後まで誠実に、この種の法案、できるだけ多くの会派の賛成を得るべく誠実に御対応いただきました福井先生に改めて心から感謝を申し上げ、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び同法律案に対する修正案には残念ながら反対であることを再度申し上げ、私の討論といたします。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次に、山之内毅君。

山之内毅日本維新の会

○山之内委員 日本維新の会の山之内毅です。  私は、日本維新の会を代表して、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の修正部分を除く原案及び自民党、公明党、生活の党共同提出の修正案に対して、反対の立場から討論いたします。  本法案の目的である、大規模災害等から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるように事前防災及び減災を推進するという部分の基本理念は理解することができます。  そして、そのための防災、減災のための計画を策定することは重要であります。  また、脆弱性評価を実行するに当たっては、防災、減災の観点から、トンネルや橋等の修繕メンテナンス、そして学校等の耐震化を進め、国民の生命、身体及び財産を保護するために必要な公共事業は最優先で実施されるべきであります。  さらに、地方経済対策の観点からも、アベノミクスの効果はいまだ地方に波及しておらず、そのためにも、道路や橋のメンテナンスを中心に、防災、減災のための公共事業は必要な地域においては実施すべきであります。  しかし、そもそも、この法案がなくとも、防災、減災のための基本計画を策定し、対応していくことは可能ではないでしょうか。  しかも、防災、減災の具体的な政策は、別途策定される国土強靱化基本計画で決定する仕組みとなっており、この法案においては、国土強靱化基本計画には国会は関与できず、内閣に置かれた推進本部と関係行政機関によって運用され、結果として、基本理念にあるような、国民の生命、身体及び財産を保護するために本当に必要な公共事業の優先順位が後回しになる、もしくは費用対効果の少ない公共事業が推進される可能性を拭い切れません。  なぜなら、この法案の目的には、国際競争力の向上に資する、国民経済の健全な発展といった文言が入っており、防災、減災とは無関係かつ費用対効果の少ない大規模公共事業等が実施されるおそれがあるからであります。  我々日本維新の会は、防災、減災、国土強靱化という理念には賛成するが、この厳しい財政の状況から財政健全化を目指す上で、持続的な経済成長を進めることは簡単なことではなく、優先順位、めり張りをつける必要があると考えております。そして、国際競争力の向上、国民経済の発展は、地方によっては、一部費用対効果が高く、かつ国民の生命、身体及び財産を保護するための公共事業を行うものの、主に規制改革と税制改正などで対応すべきであり、過度に公共事業に依存するべきではありません。  以上が、本案、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び同修正案に反対する理由でございます。  以上です。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次に、石田祝稔君。

石田祝稔公明党

○石田(祝)委員 自由民主党及び公明党を代表して、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の立場から意見表明をさせていただきます。  東日本大震災を経験し、また、いつ生じるかわからない南海トラフ地震や首都直下地震による甚大な被害も想定される現代において、時を空費することなく、国民の生命、身体及び財産を保護し、また国民生活と国民経済を守る取り組みを、まさに今始めなければなりません。  公明党は、防災・減災ニューディール法案を掲げ、対策の必要性を訴えてまいりました。同じく大規模災害に備えるために自由民主党より提案されていた国土強靱化基本法案と考えをすり合わせ、議論を積み重ねて一本化し、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案として提出をいたしました。  美しい反面、脆弱な我が国の国土において生活を営む我々にとって、大規模な災害等に平時から備える国づくりを進めていくことは重要かつ喫緊の課題であり、本法案の早急な成立が不可欠であると考えます。  自由民主党及び公明党から提案させていただいておりますこの防災・減災等に資する国土強靱化基本法案は、狭い意味での防災の範囲を超えて、国土政策や産業政策も含めた総合的な対応を国家百年の大計の国づくりとして行っていこうとするものであります。  本法案においては、事業ありきではなく、まず大規模災害等に対する脆弱性の評価を実施し、取り組むべき方向性をあぶり出すよう規定しております。その評価結果を踏まえ、関連する他の国の計画の指針となるべきものとして国土強靱化基本計画を策定し、政府横断的に、そして地域や民間などとも手を携えて、計画的かつ全国的に取り組みを進めることとしております。  加えて、本日、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の修正案を提案しております。これは、これまでの本委員会の議論を踏まえ、より法案の趣旨を明確にするほか、新たに脆弱性評価の結果の検証等を規定するものであります。この修正案により、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案の内容がさらに充実するものと考えており、幅広く御賛同いただければと考えております。  最後に、政府に対しては、本法案成立後、我が国では初めての試みである脆弱性評価をしっかり行うとともに、施策の重点化や民間資金の積極的な活用等による効率的、効果的な施策の推進を求め、意見の表明を終わります。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤正夫みんなの党

○佐藤(正)委員 おはようございます。みんなの党の佐藤正夫でございます。  私は、みんなの党を代表し、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び同修正案について、反対の立場から討論をいたします。  第一に、この国土強靱化法案も修正案も、かつての全国総合開発計画と同じように、中央集権型になっていると思われます。さらに、地域のことは地域で決める、この考え方が欠けていると思います。みんなの党の推進する地域主権型道州制では、大規模災害対策は政府の仕事だが、それ以外の災害や耐震化などは道州の財源と責任で対応するべきであると考えます。  第二に、財源が明確に示されておらず、災害対策に名をかりた公共事業ばらまきを助長するおそれがある。本法案が最初に提案された際に、十年間で二百兆円という数字も見え隠れしていると思います。  第三に、我が党は、震災被災地の復興が第一と考えています。被災地の復興なくして日本の再生なしと安倍首相も述べておられますが、この法案により、全国であまねく公共事業が推進され、肝心の震災被災地の復興がおくれる可能性があります。  第四に、本法案がなくても、大規模災害等は、既に内閣官房の国土強靱化推進室で、来年度の概算要求で国土強靱化予算をまとめています。しかし、国土強靱化推進室の取り組みが不十分であり、各省の横串ができていない。各省の予算や施策をホッチキスでとじているだけの部署と言っても過言ではありません。内閣法では、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務が内閣官房の業務と規定されています。大規模災害等に関し、これらができていない国土強靱化推進室こそ、脆弱性評価を受けて、強靱化される必要があります。  以上のように、第一に道州制の理念に反する、第二に大規模災害対策等に名をかりた公共事業のばらまきを助長する、第三に優先順位が高い震災復興を後回しにする、第四に現行法上でも取り組みが大幅に欠けており、法案より先に強靱化推進室こそ強靱化する必要がある。  以上を指摘させていただき、本法案及び修正案への反対討論といたします。ありがとうございました。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました自民、公明提案の防災・減災等に資する国土強靱化基本法案並びに自民、公明、生活三党提案の修正案に反対の討論を行います。  三・一一東日本大震災から二年八カ月、この間も甚大な災害が次々と列島を襲いました。南海トラフ、首都直下など、巨大地震が必ず起こると指摘される中で、大規模災害から国民の生命財産を守り抜き、人々の営みを守りたいという思いは全く同じであります。  しかしながら、本法案は、防災、減災と国際競争力の向上を結びつけたために、方向は大きく違ってしまいました。国民の生命財産を守るために最優先でやるべきは、建物やライフラインの耐震化、木造建築物密集地域の解消、地すべりや液状化など危険箇所の指定と対策など、予防対策を思い切って促進することです。  ところが、財政保障が明確でなく、地方公共団体がつくる国土強靱化地域計画も、国の定める計画との調和が求められます。これでは、身近できめ細かい対策は後回しにされかねません。  第二に、本法案には、国土強靱化の要素として、国家及び社会の重要な機能の代替性の確保、地域間の連携の強化、国土の利用のあり方の見直し等という表現が盛り込まれました。  これまでも、代替性や大規模災害対策といって、外環道や圏央道、新名神高速道路、一万四千キロの高速道路網、九兆円ものリニア新幹線建設が進められてきました。十月には、二〇〇八年に調査が中止された六海峡横断道路の一つ、関門海峡道路について福岡県が調査再開を表明しました。国土強靱化を口実に、各地からも海峡道路の建設要望が出されており、四全総の復活というべきか、大型公共事業促進に根拠を与えるものとなっています。  第三に、何を優先すべきかは脆弱性評価が決め手になりますが、市民や第三者がチェックする手続がありません。前文には、「自らの生命及び生活を守ることができるよう地域住民の力を向上させることが必要である。」と記されています。しかし、東日本大震災で浮き彫りになった、医療、介護の資源の決定的な不足、行革や合併推進による行政機能、体制の低下を解決していくなど、国民生活という視点での脆弱性評価と対策こそが急がれます。  あわせて、質疑でも指摘をしたように、脆弱性評価に当たっては、民間企業に協力を要請するにとどまらず、企業がみずから施設のリスク評価を行い、公表することが不可欠であります。  終わりに、強くしなやかな国土、国民生活の実現は、政治のあり方そのものです。消費税増税と社会保障改悪プログラム法案、国家戦略特区、特定秘密保護法案、TPP推進など、国民の暮らしと権利を強く脅かす政治を進めるもとでは、どんな崇高な理念もないがしろにされてしまうと指摘せざるを得ません。  以上述べて、反対討論といたします。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次に、畑浩治君。

畑浩治生活の党

○畑委員 生活の党の畑浩治でございます。  防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及び同修正案に対して、修正案及び修正を除く原案に賛成の立場から討論いたします。  災害が多発する厳しい国土条件を有する我が国において、防災、減災対策を的確に行うことは当然のことであります。問題は、防災、減災対策の名のもとに、公共事業を不必要に拡大する口実にならないかということにあります。このような誤解を与えるとすれば、必要な公共事業に対する信頼性も失わせてしまい、不幸なことであります。  公共投資は、適正な手続で、国土政策的観点、持続的観点から、望ましい一定の水準で、急激な予算の増減なくして、中長期にわたって行われるべきものであります。特に、防災、減災の観点からの投資が経済対策の具とされ過ぎるのは不適切であります。  自民、公明提案の当初の原案はその点に疑問の残るものでありましたが、修正協議で、我々の意見も踏まえ、国民生活の観点から防災、減災対策が行われるべきこと、施策の客観化の観点から脆弱性評価を行い、その結果の検証を受け、施策の優先順位を定めることが明確に盛り込まれました。  一方、防災、減災対策については、大畠元国土交通大臣が災害に上限なしと述べたように、命を守る観点からは、財源不足や財政規律の維持の観点を前面に出し過ぎるのは不適切であります。修正協議の過程で、このような観点を過度に強調する意見があったことは残念です。もとより財源に限りはありますが、それはどのような分野でも当てはまるものであり、事の本質は、本当に必要なものが適正な手続で、かつ、適正な水準で、無駄を排除して行われるかどうかなのであります。  したがって、私たちは、さらに、財政資金の効率的な使用による当該施策の持続的な実施に配慮して、その重点化を図るという基本方針を明記すべきであるという修正要求を行いました。これが、修正案の第八条第七号において明確に反映されました。関係各位の決断に深く敬意を表する次第であります。  もとより、修正案においても、第一条の目的規定等に国際競争力の向上に資するという規定が残っている点は、国土整備の本来的目的は国民生活の安全、安心に資する観点であることからすると不適切であり、防災、減災の名のもとに公共投資の拡大が危惧されるところもありますが、修正により、基本方針、施策の策定及び実施の方針、計画の案の作成の規定において先ほど申し上げた修正がなされ、相当程度客観化、適正化が図られることが担保されていると総合的に評価し、修正案に賛成することといたしました。  この法案により、適切な形で防災、減災対策が行われること、特に命を守る公共投資がしっかりと行われますことを被災地議員としても心より念願して、討論を終わります。  ありがとうございました。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これより採決に入ります。  第百八十三回国会、二階俊博君外十一名提出、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、福井照君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、福井照君外二名から、自由民主党、公明党及び生活の党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。福井照君。

福井照自由民主党

○福井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読によりまして趣旨の説明にかえさせていただきます。     防災・減災等に資する国土強靱化基本法案に対する附帯決議(案)   国土の特性として自然災害が数多く発生する我が国においては、東日本大震災をはじめとする過去の教訓に学び、平時から、大規模災害等への事前の備えを行うことが重要である。政府は、従来の防災の範囲にとどまらず、国や地域の経済社会に関わる分野を幅広く対象にして、経済社会のシステム全体の抵抗力、回復力の確保を目的とした、いわば国民生活の安全保障としての総合的な対応を行うことが必要であることを深く認識し、特に次の事項の実現に万全を期するべきである。  一 東日本大震災からの復興が喫緊の課題であり、地域の実情や事前防災及び減災に配慮しつつ、迅速な復興に努めること。  一 災害時に迅速な救助活動等を行うため、警察災害派遣隊の対処能力の向上及び装備資機材の整備・高度化を図るとともに、第一線警察活動に不可欠な警察施設の耐災害性の強化や災害時における交通の安全と円滑の確保に必要な交通安全施設等の整備を着実に進めること。  一 地域防災力の中核であって、現場の最前線で日々使命感を持って危険な業務に従事している常備消防及び消防団の体制・装備・訓練の充実強化等により地域防災力の充実強化を図るとともに、緊急消防援助隊の機能強化及び他の実動部隊との連携強化、消防防災施設の耐災害性の強化等により、消防防災体制の強化を図ること。  一 首都直下地震、大規模津波等様々な災害から住民を守るために、避難所となる施設の耐震化(吊り天井等の非構造部材対策を含む)、老朽化対策及び防災機能強化を加速化させること。  一 国は、自力避難が困難な者が多数利用する社会福祉施設及び医療施設について、地震発生時においても必要な機能を維持できるよう、引き続き耐震化を推進すること。  一 高度成長期に整備したインフラが、今後急速に老朽化していくことから、中央自動車道笹子トンネル事故のような惨事を二度と繰り返さないよう、インフラの維持管理・更新に重点的に取り組むこと。  一 ライフライン施設の耐震化や老朽化対策は、国民生活の維持に不可欠であり、引き続き取り組んでいくこと。  一 災害時などで救援の道を塞ぐおそれや、景観の観点からも電線類の地中化、無電柱化を進めること。  一 事前防災及び減災その他迅速な復旧・復興においては、地域の特性に応じて、自然との共生及び環境との調和並びに観光地としての魅力ある景観の維持に配慮すること。  一 自然との共生及び環境との調和に配慮する上で、安全な地域づくりの推進等に支障を及ぼすことがないよう、関係法律に基づく許可等の事務を迅速かつ的確に処理するよう努めること。  一 情報通信は、国家及び社会の重要な機能であることに鑑み、大規模災害等が発生した場合においても情報通信の確保を可能とするとともに、災害等に関する情報が地域住民に正確かつ速やかに伝わるよう、災害に強い情報通信基盤の整備に努めること。  一 エネルギー安定供給や重要産業の拠点である石油コンビナートについては、国は防潮堤等の老朽化対策等を迅速に進めるとともに、民間企業による護岸の耐震化、製油所等の強靱化や国際競争力強化に資する投資を促すべく、財政上や税制上の支援、規制の見直しを推進すること。また、危機時の石油供給を円滑化するため、関係省庁は非常時の物流を円滑化すべく制度運用の見直しや合同訓練を通じ、協力体制を強化すること。  一 南海トラフ巨大地震等の未曽有の災害に備え、国土軸を越えたエネルギー供給補完を可能とするエネルギー・ネットワークの検討を進めること。  一 大規模災害時に大量に生じる廃棄物を速やかに処理するため、地方公共団体との連携の下、計画的な廃棄物処理施設の更新や長寿命化を行うとともに、広域的な処理体制の確保等により廃棄物処理システムの強靱化を進めること。また、想定される自然災害の特性を踏まえ、地方公共団体との連携の下、地域住民の合意形成に努めつつ、地域ごとの生態系のもつ防災・減災機能を活用した土地利用を推進すること。  一 災害が多い脆弱な我が国の国土において、守るべきは守るとの考え方のもと、持続的な観点に配慮しつつ、施設の耐震化やリダンダンシーの確保など必要なハード整備を進めるとともに、訓練・防災教育等のソフト対策を講じるなど総合的な防災・減災対策を推進すること。  一 我が国製造業の製品や部素材等の多くが、国内はもちろん、世界的にも、サプライチェーンの要となっていることを踏まえ、中小企業・小規模事業者をはじめとする我が国企業における、原料や部素材等の調達先の複線化、緊急時電源の確保等を盛り込んだ、大規模災害時にも円滑な事業継続を可能とする事業計画の策定・見直しを促すとともに、老朽設備の更新や耐震強化のための投資等を促進すること。  一 大規模災害時における食料等の安定供給機能を維持するため、生産から加工・流通にわたる食料等のサプライチェーンの災害対応力の強化を図ること。また、国土の大半を占める農山漁村における地域社会の維持・発展や、そこでの農林漁業活動を通じた国土保全機能の維持等が国土強靱化に資することを踏まえ、農山漁村の防災・減災や農地・森林の保全等に係る施策の効果的な実施を図ること。  一 木材の利用が森林の適正な整備に寄与し国土の保全その他の森林の有する多面的機能の持続的発揮に貢献することに鑑み、木材の積極的な利用を促進すること。また、土木工事における木材利用を促進するため、木材を利用した工法の技術開発・試験研究を進めること。  一 我が国が東日本大震災をはじめとする災害被害から学んだ教訓及びその復興を通じて得られた知識・経験を諸外国と共有することにより、各国の防災意識の向上を促し、その災害対応能力の強化に貢献すること。  一 我が国の力強い復興に向けた取組とその成果、また安心・安全な国とのイメージの発信を通じて、諸外国における「風評被害」の解消に努めること。  一 大島町における土砂災害の教訓を生かし、市町村が、災害が発生する前の「おそれ」の段階から事前の体制を整え、避難準備情報等の対応を行い、また、避難勧告、避難指示を適時的確に発令することができるよう、国として適切な支援を行うこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。古屋国土強靱化担当大臣。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○古屋国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいります。     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

坂本剛二自由民主党

○坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時三十三分散会

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