予算委員会 第16号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 11
- 開催日
- 2013/05/13
会議録
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井一君) 平成二十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、復興・エネルギー・原発・環境等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百九十四分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会百七分、自由民主党・無所属の会四十三分、公明党二十七分、みんなの党二十六分、生活の党二十六分、日本共産党十三分、みどりの風十三分、社会民主党・護憲連合十三分、日本維新の会十三分、新党改革十三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(石井一君) 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、復興・エネルギー・原発・環境等に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。大久保潔重君。
○大久保潔重君 おはようございます。民主党の大久保潔重です。 本日の参議院予算委員会、今日はエネルギー、原発、環境、復興等ということでテーマをいただいております。トップバッターとして質問をさせていただきます。 まず初めに、福島第一原発事故について質問をいたします。 一昨年の三・一一東日本大震災が発災をいたしました。そして、それに伴い福島第一原発、これ、未曽有の原発事故が起こりました。あれから二年余りが経過をいたしましたけれども、その事故原因について、昨年、国会事故調、あるいは政府の事故調、民間事故調、それから東電の事故調等の報告がなされております。 まず最初に、その福島第一原発、いずれにしても、全ての原子炉、この電源が、全交流電源が喪失をいたしました。この全ての冷却機能を奪う交流電源の喪失、これはなぜそうなったのかということをお尋ねしたいというふうに思っております。
○政府特別補佐人(田中俊一君) お答え申し上げます。 今御指摘のように、福島第一原子力発電所の事故については、国会、政府等の事故調査報告書がまとめられておりまして、基本的な事象等については整理されているところであります。 その中で、全交流電源喪失の直接的な原因は、まず地震によって鉄塔の倒壊により商用、外部からの電源が途絶えてしまったということがあります。さらに、福島の場合は、女川とか東海第二と比べまして想定津波、高さが最初の想定よりも非常に大きな高い津波が来たことによって、非常用ディーゼル発電機とか配電盤等の電気設備の多くが水没、被水して機能喪失したというふうに承知しております。一方で、国会事故調では、一部の非常用ディーゼル発電機については津波以外の原因、すなわち地震等によって破損したのではないかというような指摘もなされております。 そういうこともありまして、原子力規制委員会としましては、最近ですが、事故調査委員会を立ち上げまして、事故分析のため今調査を開始したところでございます。本調査はかなり長期にわたるものと思いますが、一つ一つ事故の原因を明らかにしていきたいと考えておるところでございます。
○大久保潔重君 いずれにしても、事故調の報告を踏まえて、外部電源は地震で、そして内部電源は津波によって大きく損傷したということでありますね。 ただ、四つの事故調のうちに、国会の事故調に関しては、その直接的要因を津波にのみ限定することには疑問であると、唯一他の事故調と見解が分かれているということで、それについて今後原子力規制委員会で調査会を立ち上げてやるということでありますね。長期にわたるということでありますけれども、そこの見解の分かれている部分というのは非常にこれ大事なところでありますね。大きくは津波によるものだといっても、最初の地震の一撃でやられている可能性もあるということですから、これは当然その耐震性を考えたときにやはり問題があったんじゃないかということを指摘をされてもおかしくないと思っておりますので、そこはしっかり調査をしていただきたいと思います。 それから、東日本大震災というのはまさに東日本、この三陸海岸に幅広く震災が起きたわけであります。実はこれは、宮城県には女川原発がございます。それから、青森県は東通原発。そして、福島においても第二原発ありますね。それから、茨城県においては東海第二原発あります。いずれにしても、これらは今回、今回といいますか、過酷事故には至らなかったんですね。何で福島第一原発が過酷事故になったのかということを明確にお示しいただければよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 最大の原因は、大きな津波によって非常用電源設備、配電盤等が福島第一の場合は全て失われてしまったということであります。その他の発電所については辛うじてそれが残っていて、それを使って冷温停止に持っていくことができたという状況であります。
○大久保潔重君 はっきり言いますと、津波に対する対策が十分でなかったということですよね。何でそのほかの地域ではそれができていて、福島第一原発においてができていなかったのかというところが問題かなというふうに思っております。 それで、地震が起きた後に外部電源が喪失をして、そして非常用電源、これディーゼル発電でありますけれども、作動をして、津波が来るまで約一時間はそれは機能しているわけですね。しかし、その後に津波が来てそれすらやられたということであります。 実はこの福島第一原発、特に一から四号機、これ、非常用ディーゼル発電機の設置位置がいずれもタービン建屋の地下に設置されているんですね。これは大変問題だと思いますけれども、これはいかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今回の事故の起こったという事象を分析すれば、当然、先生御指摘のように、そういった海岸の低い、標高の低いところにそういった重要な電源設備が置いてあったというのは、設計上のミスと言っても過言ではないと思います。今回の新しい基準では、そうしたことについて全て手当てをするようにしてそういう要求をしております。
○大久保潔重君 いや、あれだけ大変な事故が起きたのに設計上のミスでしたとさらっと答えられたら非常に気持ちが悪いわけでありますけれども。 原子炉建屋とタービン建屋を比べたときに、明らかにやっぱり丈夫なのは原子炉建屋ですよね。そしてさらに、津波対策が全然十分になされていないというそういう状況下にあって、何でタービン建屋で、しかもその地下に非常用ディーゼル発電が設置されていたのかというところなんですね。そこをもう少し踏み込んで御答弁いただきたいと思いますけれども。
○政府特別補佐人(田中俊一君) なぜかといっても、もう随分、四十年も前のことですので、私自身がなぜそういうことかということについては十分に承知しておるわけではございませんが、当時の、四十年前に設置するときには、津波の高さ等も考慮してその位置で十分であろうという判断をされたものと思います。
○大久保潔重君 原子力規制委員会の田中委員長はもうまさに原子力の専門家でありますから、四十年前って、私が四十年前ですと七歳ですけれども、四十年前ですよ、一九六〇年代に米国から原子力政策、国策としてこれは自民党政権のとき導入をされた。そして、その四十年前の米国のメーカー、米国のいわゆる自然状況というのは、やっぱりその脅威というのはハリケーンとか、何ですか、竜巻だったわけですよね。だから、それに備えるためにいわゆるその地下に非常用電源を持ってきたというような報告もあるわけですね。ところが一方、日本の場合は、その竜巻、ハリケーンというよりもやはり地震、津波の災害というのが多いというのは、これは誰だって簡単に予測をできるわけですよね。 四十年たって、米国から持ち込まれたその設計のままずっと運転をしてきたというところにやっぱり大きな問題があるんじゃないかなというふうに思っています。それ、いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように問題を私どもも認識しておりまして、今回の事故の教訓を十分に踏まえて、そういった点について新しい規制基準ではそういうことを踏まえて、特に外部事象ですね、地震、津波といったことを十分に踏まえて基準を作って、それの適合性をチェックしていきたいというふうに思って今取り組んでいるところでございます。
○大久保潔重君 認識をされているんであれば、そのようにお答えを最初からしていただきたいというふうに思っています。 ちょっと総理に、済みません、突然お尋ねしますけれども、四十年前、米国から原子力政策ということで国策として我が国に導入をされました。そういう米国の自然状況に対する対策、そして我が国における自然状況、これ条件が違いますから、当然いろんな見直しがあってしかるべきだったというふうに思っております。 そういう中で、いわゆる一九六〇年代、米国から持ってきた技術を、これも日本の技術でもって試行錯誤をしながらやってきた。そういう中で、福島第一原発において何ら安全対策というのが修正されぬまま時間が四十年も経過してずっと稼働をしてきた、運転をしてきたということに対してどのように認識を持たれておりますか、お尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一昨年のあの東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故の反省として、まずこの安全、絶対安全というものはないんだということであります。そして、その中において対策をしっかりと考えておくことが極めて重要である、まさにこれに尽きるわけでございますが、しかし、今委員が御指摘になられたように、果たして、では四十年間そうであったかといえば、そうではなかったというところに我々の反省があるわけでございまして、昨日、宮城の女川町に行ってきたわけでございますが、女川の発電所は、ここはまさにああした高い津波が来ることにも耐え得るように大変高い地点にこれは発電所を建設をした、かさ上げをして発電所を建設をしたわけでありまして、では、あの女川を造ったときに福島第一の方はそれでいいと、このままでいいかどうかという、もしそのときにもう一度見直す機会があればああしたことは起こらなかったのではないか、こういう思いも我々にはあるわけでございまして、こうした反省の上に立って我々は原子力政策も含めてエネルギー政策を進めていかなければならないと、このように考えております。
○大久保潔重君 今の総理の答弁から、やっぱり原子力は絶対安全じゃないんだというこの認識をお伺いすることができました。 事故が起きるまでは、私の記憶によれば原子力は絶対安全だと、そういう世の中にあったんじゃないですかね、そういう認識が。しかし、ああいう過酷事故が起きまして、絶対安全というのはこれはもう科学上も絶対あり得ないんだということで、やっぱり謙虚にその対応をやるべきだというふうに思っています。 終わったことでありますけれども、三・一一のこの東日本大震災、我々民主党政権のときに発災をいたしました。しかし、今言いましたように、この原子力政策は四十年前に国策として実は自民党政権の時代にこれは導入をされたわけでありまして、そこは本当にその四十年来の知恵と経験のある自民党政権が、そういうアメリカから持ってこられた設計上のいろいろ問題があるということも含めてやっぱり早めに手を打ってほしかったという思いがありまして、事故後の対応にしてもやっぱり協力をしていただきたかったなという、こういう思いが募るわけであります。 次に、原子力発電所の再稼働についてお尋ねをしていきたいというふうに思っております。 自民党のマニフェスト、全原発の再稼働の可否は三年以内に判断、安全性を確認したものは順次再稼働というふうになっておりますけれども、この安全性というのはどう確保されるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 三・一一の東日本大震災そして福島の原発事故については、我々としても反省する、またあのたくさんの教訓をこれから今後に生かしていかなきゃいけないと思っています。 ただ、委員に申し上げたいのは、この三・一一の事故が起こって以来、我々野党でありましたが、復興の問題、そしてまた原発事故の収束の問題、与党の皆さんにも全面的に協力をするということで取組はさせていただいたと、こういう思いを持っているところであります。 その上で、先ほど総理の方からもありましたけれども、我々やはり安全神話に乗りかかっていたのがやっぱり大きな原因であった、シビアアクシデントに対する対策が十分でなかった、さらには、いわゆるバックフィットといいまして、常々新しい知見、これを安全基準に生かしていく、こういったことができなかった、さらには独立した専門性の高いやはり規制委員会、こういったものをつくる必要があると、これは与野党協力で新しい委員会の方をつくらさせていただいたわけであります。ですから、これからはあらゆる事情に安全性を優先する、こういった方向で考えてまいります。 そして、その安全性については独立した原子力規制委員会の判断に委ねると。そこで安全だと確認がされない限り、原発の再稼働はありません。安全が確認された場合には、その判断を尊重して再稼働を進めていきたい、このように考えております。
○大久保潔重君 独立した第三者機関、いわゆる原子力規制委員会から安全性をしっかり確認をした場合に再稼働をやるんだということでありますけれども、先日、茂木大臣、秋ごろには何か再稼働する可能性があるというようなコメントを出されておりますよね。ということは、もう安全性がしっかり確認をされたのかということでありますけれども、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 規制委員会において新しい安全基準が作られるのが恐らく七月と、このように今言われております。もちろん、どの原発から、またどれくらいの期間を掛けてこの再稼働について安全性をチェックするか、これはすぐれて規制委員会の判断に懸かっていると思っております。 私が申し上げたのは、一番早くていつですかというお話を聞かれましたので、なかなかどう考えても一般的に夏ということはないと思います、秋以降ということになります、これが秋なのか冬なのか、更に先になるか、これはまさに規制委員会において御判断いただく項目だと、このように考えております。
○大久保潔重君 夏までに原子力規制委員会が安全基準を発表する予定だということでありますけれども、これ、田中委員長、今どういう進捗の状況で、ちょっともう少し明確に安全基準について触れていただけたらと思いますが、いかがですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 法律上の要求がありまして、七月十八日までには新しい基準を、原子力発電所についての新しい基準を施行するということで今準備を進めております。 それで、パブリックコメントがようやく先週で終わったところでございます。それで、今後、それを受けて、少し内容を精査して新しい規制基準を作っていきたいと思っております。 内容的には、IAEAの安全基準とか諸外国の規制基準を確認しながら、世界最高レベルの安全水準の基準となるように取り組んでいるところでございます。具体的には、地震、津波、その他外部事象についても十分に強化した上で、既設の原子炉に対してもバックフィットをさせるということを条件にしております。さらにその上で、現在、新しい基準で要求している事故あるいは自然災害を超えるような事態が起こったとしても、炉心損傷を防止、あるいは格納容器が破損したりすることを防止したり、それから外界に放射性物質が拡散するのを抑制するための対策も要求しているところでございます。 いずれにしても、福島第一原発事故の防止というのは、そのような事故が二度と起こさないということ、そのために継続的に安全性向上に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○大久保潔重君 本当に日本は自然災害が多い国であります。地震、津波を中心にしっかり対応をしていく、厳しい基準を課していくということであります。 私は長崎県の出身でありますけれども、過去に雲仙・普賢岳噴火災害というのもございました。日本は火山も多いわけでありまして、そういう噴火災害のときの火砕流とか、これはもう日本の五十基全ての原発がこの国内の火山の百六十キロ圏内にあるんだということも言われておりますので、是非そういったところもしっかり幅広い範囲でやっていただきたいというふうに思っております。 再度、また茂木大臣にお伺いいたします。 この原発再稼働について、当然、それは安全性を確認された上で、国民の皆さん、特に立地自治体あるいはその地元と言われる人たちにしっかり理解を得るべく説明を果たさなければいけないというふうに思っておりますが、これはなかなか簡単にいかないと思いますが、茂木大臣、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、原発の安全性についてでありますが、先ほど申し上げたように、新しい規制委員会によります新基準、国際的に見ても最高の厳しい基準のものを作っていただく、それをクリアすることが大前提になりますけれども、我々はそれでよしとはしない。事業者においても関係者においても常にそれ以上の高みを自発的に目指して、完全というものはないんだと、常により高い安全性を求める、こういったことをまず姿勢として取っていきたいと。 同時に、立地をするに当たって、再稼働するに当たっては、立地自治体と関係者に対する説明そして御理解、これが極めて重要であります。我々の反省として、今までその点、事業者に大きな責任を負わせてきたんではないかな、もっと国が前面に出る形で市町村に対する説明等々もしっかり行っていきたいと、このように考えております。
○大久保潔重君 是非、やっぱり国策でございますので、原子力政策は、もしその安全性が確認されたら再稼働されるという今の政府の方針でございますので、是非そういう地元に対する説明の際には国が大きく関与をしていただきたいというふうに思っております。 それから、先ほど安倍総理からも、原子力政策について絶対的な安全はないと、こういうことでありました。やはり科学、そして国も決しておごっちゃいかぬというふうに思っております。事故が起きないことはないと。事故が起きたときにいかに迅速に対処をするのか、そして危険性あるいは被害のリスクをどう減らしていくのかということも非常に今後大事な考え方じゃないかなというふうに思っています。 そこで、シビアアクシデントにおける国の責任についてちょっとお尋ねしたいと思います。 これは、昨年のいわゆる民間事故調の提言で、将来的に事故に対するいわゆる実行部隊の役割の法的位置付けについての提言がなされています。アメリカにおいてはもう既に連邦緊急事態管理庁、いわゆるFEMAと言われるような実行部隊があるということでありますけれども、こういう実行部隊を今後創設する、それを目指していくという考えがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 委員御指摘のように米国のFEMAというような組織はございませんけれども、現在、内閣総理大臣の下に国の防災体制を整備しておりまして、同様の機能をきちっと果たせるように各関係省庁が取り組んでいるところでございます。
○大久保潔重君 総理の下に防災体制ということでありますけれども、やっぱりこれも是非、総理、スピード感を出して、総理言われたんですよね、絶対安全な原子力政策はない、そして今の政府は安全性が確認された原発は再稼働していくんだと、こういう方針なんですね。 であるならば、やっぱり事故は起きちゃ駄目なんです。事故は当然起きる前にしっかり予防していかなければいけないけれども、起こるということを想定して、直ちに対処できる、そういう組織というのがやっぱり必要ではないかなというふうに思っておりますので、是非御検討をいただきたいというふうに思っております。いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの委員の御指摘はもっともでございまして、原子力防災は環境大臣が担当する形で、官邸の中にM2という形で原子力防災の対応人員並びに施設等々をつくらせていただいて、そのような事態が発生したとき万全の体制を整えるようにさせていただいているのが現状でございます。
○大久保潔重君 環境大臣、是非よろしくお願いいたします。 次に、いわゆる原子力発電所の使用済燃料の処理、処分についてでありますけれども、福島第一原発においても、これは四号機燃料プール、これから引き揚げていかなければいけませんが、全国の各原子力発電所のいわゆる貯蔵状況も、当然これは年々逼迫をし、受入れが非常に困難になっていくということがこれは安易に予測をされるわけであります。 そこでお尋ねいたしますけれども、いわゆる使用済燃料、この最終処分の選定、それから処分のスケジュールについて、今どうなっているのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 使用済核燃料につきましては、まず再処理を進める、プルサーマル計画しっかり回していきたいと、このように思っております。ウラン資源の有効利用、そして高レベル放射性廃棄物の減容、さらには有害度の低減の関係から再処理が必要だと思っております。 例えば、プルサーマルを進めますと、ウランの資源、一割から二割節約ができます。それ以上に大きいのが、高レベル放射性廃棄物について、直接処分と最終処分を比べた場合に体積が四分の一、プルサーマルを回すことによりまして四分の一に減容することができます。さらに、放射能の有害度、天然ウラン並みになるのにどれぐらいの期間が掛かるかということで考えますと、直接処分ですと十万年です。これが、最終処分を行った場合は八千年に短縮できると。 もちろん、その八千年というのも長い期間でありまして、この期間をどうするかということが極めて重要でありまして、これまで十年間、確かに最終処分地決定できなかった、その一方で、実際に一万七千トンの使用済燃料、これを保管しておりまして、ガラス固化体にしますと二万五千本分これがあるわけでありまして、これを次世代に先送りすることはできないと、こんなふうに考えております。 恐らく、立地自治体……(発言する者あり)よく聞いてください、今話ししますので。立地自治体の選定が進んでいない背景、大きな原因として二つあると思うんですけれど、その一つは、地層処分の必要性であったりとか、安全性に対する国民の皆さんの理解、合意が十分得られていない。もう一つは、調査の受入れに当たり、地元自治体が負う説明責任そして負担というのがこれまで重過ぎたんではないかなと。決まりそうになってもだから決まらない、こういった問題があるわけでありまして、こういった反省も受けまして、現在、新たな取組につきまして、総合資源エネルギー調査会の下で検討を開始することとしております。 具体的に申し上げますと、将来の選択の余地、これを担保する観点から、処分後、今まではもう決めたらそこから動かさないということでありましたけれど、一定期間の回収可能性の維持を制度上明確化をしていく、さらには、受入れを前提として地元の皆さん、地域の住民の皆さんに対する説明会というのをこれまでは行っておりましたけれど、そうではなくて、受入れを前提としないで、この最終処分どのような形になるのか、こういう説明会の開催であったり、様々な方策、これまで出されております提言等も踏まえながらきちんと対応していきたいと、このように考えております。
○大久保潔重君 今日は全国放送が入っていますからね。茂木大臣の答弁の中で、これはもうびっくりするほどの数字ですよね。直接処分したら十万年ですか、再処理したら八千年とさらっと答えられましたけどね。それから、二万五千本。それから、その受入れを前提とした今立地自治体に対しての公募なり説明をやってきたんだけれども、これは今後はその受入れを前提としないということですか。そこをちょっともう一回明確にしてもらえませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) これは最終処分の問題、日本だけではなくて世界各国で本当に難しい課題として今取り組んでいるところでありまして、世界的な知見も集めていかなきゃならない。そういった中で、私が先ほど申し上げたのは、一般的な国民の理解を得ることが必要でしょうと。今までは、結局、場所をある程度決めて地元自治体に対する理解を得ると、こういうプロセスに入りますと拒否反応であったりいろんな反対運動が起こってしまうと、もっと幅広に、この地層処分というのはどういうものであるか、こういったことに対する説明会等々も開いていきたい、こういう話を申し上げております。 確かに十年間決まってこなかったということを考えると、自民党政権としては反省する点は多いところであります。ただ、昨年私も引継ぎを受けまして、この三年四か月、民主党政権の時代に何が起こってきたかと。余り申し上げませんけれど、進んでこなかったのも事実だと。どちらがいい、どちらが悪いではなくて、次の世代に先送りできない話でありますから、しっかり新しい検討に入っている、このことを申し上げております。
○大久保潔重君 こういう国策性の、とにかくああいう過酷事故が起きての対応ですから、これはもう本当にそれぞれの政党、国会議員団、やっぱり英知を結集して対策を打っていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。 それで、その最終処分の選定地、応募もなされているけれども、いまだ、まだやっぱり応募がない状態ですよね。そして、その調査、三段階あるうちの最初のいわゆる文献調査すらまだ開始ができていない状況なんですね、これ。 そういう中で、当然、外国に目を転じれば、原子力政策を実行している国々もあるわけでありまして、そういう国々がこの最終処分をどうしているのかというのを比較したときに、やっぱり日本は遅れているというふうに私は思っていますが、大臣の認識も恐らくそうだろうと思いますが、そういうことも含めて、諸外国に比べて日本が立ち遅れている、その状況を踏まえて、今後、当然外国との連携というのも想定をされるわけでありまして、そこら辺りを今どのような感じで進捗しようとなされているのか、お聞かせください。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げたように、世界各国もこの最終処分の問題、直接処分という国もあるわけでありますけど、地層処分を中心になかなか難しい問題だと、困難を抱えております。決して日本が進んでいると、こういう認識を持っているわけではありません。いろんな知見を各国が持ち寄ることによりまして、この最終処分という大きな課題、必ず解決しなければいけない、そのように思っております。
○大久保潔重君 やっぱりこれも非常に大事なことでありますから、政府を挙げて我々も当然これはサポートもさせていただきたいと思っておりますから、早くその最終処分、もう既にあるわけですから、使用済燃料が。更にまた再稼働となれば、更に新たな燃料が増えていくわけでありましょう。だから、その処分をきちっと明確にしないと、これはなかなかやっぱり厳しいんじゃないかなというふうに思っています。 それから、この原子力政策に携わる人材の育成についてお尋ねしたいというふうに思っております。 原子力事故によって、大変原子力産業にかかわる環境、取り巻く環境というのは大きく変わっています。そして、今現在、原子力産業に携わる雇用、あるいはその成長への不安というのが非常に顕在化をしております。いかにしてこれも、人材をしっかり確保して育成をして、働く者の技術、技能を継承していくのかというのも、これは大事なことになってくると思いますが、これについていかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 大久保委員おっしゃるとおりだと私も思っておりまして、原発につきましては、高度な技術を維持し、そしてまた高い安全意識を持った人材を常に確保していくということが極めて重要だと考えております。 国としても、原子力を支える高度な技術を維持して安全対策を高度化すると、その技術開発に取り組むために平成二十五年度の予算案に五十四億円を計上してございます。これに加えて、廃炉であったりとか原子力安全等にかかわる人材育成に取り組むため、平成二十五年度予算案、審議をお願いしております今の予算案で十三億円を計上してございます。 さらには、東京電力の福島第一原発の廃炉に向けた取組、これを円滑に進める、全て事業者に任せるんではなくて国が一歩前に出る、こういう思いから、平成二十四年度の補正予算におきまして八百五十億円を確保しまして、研究拠点の整備というのも行っております。具体的には、放射性物質の研究、そして遠隔操作ロボットの実証を実施する、いわゆるモックアップ施設、こういうふうに呼ばれますけれども、研究拠点施設の整備をやることにしております。さらには、平成二十五年度の予算におきましても、原子炉の建屋内の作業のための遠隔操作の機器、装置の技術開発を進めるために八十七億円、こういった予算を計上してございます。 若手の人材、こういう人たちがやはり日本の原子力、そういったものに関心を持って自分もその世界で頑張りたいと思う、そういう気持ちを持つためには、やはり原子力政策についてもきちんと、安全性が第一である、しかし、安全性については、先ほど申し上げたように単に規制委員会の判断、これをクリアすればいいんではない、常に民間においても様々な高みを目指すような取組を進めていかなきゃならない。 アメリカでも、INPO、こういう民間の機関がございまして、これは事業者等々が一緒になって規制基準以上のものを常につくっていこうと、こういった努力もしております。我が国においても、そういった事例も参考にしながら、新しい組織の在り方、こういったものも考えて、若い方々がこういった原子力の技術そして開発についても誇りを持って取り組めるような環境をしっかりとつくっていきたいと思っております。
○大久保潔重君 そもそも我が国は、戦後日本、焼け野原から見事な成長、発展を成し遂げたわけであります。当然それを、今、今日のこの豊かな日本の社会経済を支えているのは、当然これは国民の皆さんの不断の努力のたまものだと思いますけれども、とりわけ、やっぱり物づくり産業の技術、我が国の技術、それから人材、それから現場力ですね、これは貴重な財産であると思います。 そういう中で福島第一原発の事故が起きた。原子力政策についても、この国会でも各党各会派で当然これは考え方は違うんですね。ただ、今、政府・与党は、安全性が確認されたら再稼働をやる、そして燃料の再処分もしっかりやっていくということであります。そういう中で、いずれにしても、原子力をやめたにしても、これは当然、今あるものの廃炉に向けての作業というのは続くわけでありますから、これは何としても人材はしっかり確保しなければいけない。そのために今回予算が計上されたということは非常に私は評価をしているわけであります。 それから、福島においても、あれはおととし、去年でしたか、なかなかこの福島第一原発サイトの、冷却した、いわゆる汚染水の浄化システムがトラブル続きで軌道に乗らなかったんですね。これ、いずれも外国のいわゆる汚染水の浄化システムだったんですね。去年、たしか細野大臣に是非国産での技術開発を急いでくださいという質問を私しました。これ、国産の技術開発されたら、もうこれは格段にこの汚染水浄化システムが良くなった。やっぱりこれは日本の技術だと思っておりますから、是非しっかりそれは取組を進めていただきたいというふうに思っております。 原子力政策について最後の質問になりますけれども、我が国のいわゆるこの原子力政策、原子力発電は、今日まで国策民営として役割を明確にして運営をなされてきました。しかし、福島第一原発事故は今後の原子力政策の在り方を根本的に見直さなければいけない事態になっているわけであります。あの福島第一原発の今後の最終的な収束に向けての過程も、大変困難な大きな大きな課題がいっぱい山積みであります。 そういう中で、当然、原子力損害賠償制度の見直しも、この議論もこれからであります。今回の事故を踏まえて、先ほど、立地自治体、国民の皆さんに対する説明というのもありましたけれども、民間会社、いわゆる電気事業者にリスクを負わせながらやっていくということの限界も当然これは感じるわけであります。 そこで、今後、原子力政策を我が国が進める上で、もう国策、国営でやっていただきたいと、そういう選択肢も含めて今どのように見解ありますか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 原子力政策の推進、これまで委員御指摘のとおり、原発の運営自体は民間事業者が行う、一方で国の方は、原発の安全性であったりとか適切な事業運営を担保すべく、制度の整備、そして規制の実施、さらには原子力政策の方向性を決定する、こういう役割分担でやってまいりました。 役割分担全体がうまく機能していたか、この点については反省もすべき点があると、そんなふうに思っておりまして、ですから、先ほど申し上げたように、例えば廃炉を進める、こういった中で、研究開発についてはしっかりと国が責任持って進めていこうと思っております。同時に、今後の問題として、例えば再稼働を進める上での立地自治体等への説明責任等々についても更に国が一歩前に出る、こういった形は取っていきたいと思っております。事業者任せだけにはしないと。 その一方で、先ほど申し上げたように、実際、この原子力の安全性を高めていくということになると、単に規制基準を満たせばいいんではない。関係者の方々が集まって、常に高みを目指して、昨日より今日が安全、今日より明日が安全、こういった状態を目指していく。こういったことを考えたときに、国がそれを全部引き受けてしまってやるという形よりは、やはり私は様々な関係者がこの政策に携わっていく、事業に携わっていく、こういう基本的な役割分担につきましては今のところ、変更する、このことについては適切ではないと考えております。役割分担については、今後、先生御指摘のように、十分検討の余地はあると考えております。
○大久保潔重君 役割について、様々な分野で国が大きく関与をしていくということも含めて検討はするけれども、原子力発電については、今の政府・与党は進めるけれども、これは国営でやっていくつもりはないということでありますね。 最後に、ちょっと総理にお尋ねをいたします。 この福島第一原発事故、これ当然ながら汚染水処理の問題あるいは地下水への対応、瓦れきの処理、それから作業員の安全確保、福島県民の皆さんの長期にわたる健康管理、生活再建、賠償問題等々問題があって、最終的なこの事故の収束、廃炉までに要する時間は本当に長期にわたります。まさに世界でも前例のないこの事業に対する遂行に向けた総理の決意と、あくまでも原子力政策を国策として進めた場合に、今言った国営でもう少し国が関与してやるという考えはないのか、その辺の御見解をお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力政策全般としてどのように進めていくかということについての基本的な考え方については、茂木経産大臣から答弁したとおりでございます。 一方、福島第一の事故の結果、賠償を始め、そして廃炉の問題もあります。そして、避難された方々に対してどう対応していくか、今後の生活再建の問題もあります。これを安倍政権としては全て東電に押し付けるのは間違っていると、このように考えています。もっと我々国がしっかりと前面に出て、我々もしっかりと取るべき責任、果たすべき責任を果たしていきますよという中において、例えば廃炉に向けた研究費等についてはしっかりと国がやっていく、そういう意思も明らかにしているところでございます。
○大久保潔重君 しっかりやっていただきたいと思います。 原子力政策については、また午後から我が会派の小林先生も詳しく電力システム改革も含めて質問されるということでありますので、私はこれで終わりたいと思いますが、今日は農水大臣それから環境大臣に質問を通告してお越しいただいておりますけれども、もう時間もちょっと来ましたので、再度機会があれば、温暖化対策それから大気汚染対策、また質問をさせていただきたいというふうに思っております。 外務大臣、お尋ねしたいと思います。 先般、四月二十四日、ジュネーブで開催されましたNPT、いわゆる核拡散防止条約会議第二回の準備委員会で、主導国スイスを含む八十か国を代表して南アフリカが実施した核兵器の人道的影響に関する共同ステートメントに、我が国は事前にいろいろ打診もされておったけれども、最終的には賛同をされませんでした。これはなぜですか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器が使用された場合の影響につきましてどの国よりも実相を知る国であります。ですから、御指摘のこの共同ステートメントの中にあります、核兵器使用が直後の被害のみならず、社会経済あるいは将来の世代に耐え難い損害をもたらすなど、この基本的な考え方については支持をいたします。そして一方、北朝鮮の核開発等厳しい我が国を取り巻く安全保障環境にも鑑み、その表現ぶりについて慎重かつまた真剣に検討を行った次第であります。 私自身、直接指示を出させていただいて、南アフリカを始めとする関係国とぎりぎりの修文作業を行い、協議妥結直前まで至ったわけですが、残念ながら、最終的には時間切れということで協議が調わず、そして我が国が参加しない形でステートメント発出ということになりました。大変残念に思っておりますが、今後とも同様のステートメントに参加する可能性は真剣に探っていきたいと考えております。 いずれにせよ、こうした共同ステートメントに参加した国も我が国も、核兵器のない世界の実現という大きな目的においては共有するところでありますが、我が国としては、こうした我が国を取り巻く厳しい安全保障環境に鑑みて、実践的に、そして現実的なアプローチを今後とも続けていきたいと考えています。
○大久保潔重君 この共同ステートメントは、いかなる状況においても核兵器が二度と使用されないことが人類の生存そのものにとって利益であると、核兵器が決して使用されない状況を保証する唯一の方法は核廃絶であり、全ての国が核兵器の使用を予防し、核軍縮・不拡散の取組を進める共通の責任を有するとあるんですね。 大臣、広島の御出身、私、長崎の出身、共に被爆地の出身というのはこれは共通項でありますけれども、この共同ステートメントに何か時間切れで賛同できなかったという話ですね。これが非常に不可解であります。(資料提示) それから、今ここに、これ資料を出させておりますが、我が国の基本方針というのが出ているんですね。「軍縮・不拡散における主導的な取組の実績は日本の貴重な外交資産。」とあります。そういう基本的な姿勢を有しながら、実は今回だけじゃなくて、昨年、これ国連のいわゆる核兵器禁止条約の交渉開始をやっていこうという決議採択、これも棄権しているんですよね。その辺、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は唯一の戦争被爆国として、この今回の共同ステートメントについても基本的な考え方については支持できると考えております。 しかし、その中にありまして、我が国の現実の厳しい安全保障環境の中で、このステートメント全体の表現として修文し一致することができないか、これを今回、ぎりぎりまで調整し続けたわけであります。最終的には、今回は修正が成らず署名に参加することはできませんでしたが、今後ともこうした参加の可能性は探っていきたいと存じますし、いずれにせよ、こうした核兵器のない世界を目指す、こうした大きな目標においては我が国は共有をしているわけです。 そして、ですから、この我が国の現実的な具体的なアプローチを通じてこうした世論はリードしなければならないと思っていますし、だからこそ、NPDI等オーストラリアを始めとする非核保有国、こうした国々とともにこの議論をリードし、そしてNPT準備委員会に対しましても、共同文書を作成する、あるいはユース非核特使、新しい制度を提案する、こうした現実的な具体的な提案をし、議論をリードしているという現状にあります。是非、今後とも核兵器のない世界を目指す大きな目標に向けてこの議論をリードしていきたい、このように考えています。
○大久保潔重君 現実にNPT準備委員会で賛同しなかったとか、あるいは国連の核兵器禁止条約で棄権をしたとか、その理由なんですよね。それは全く述べられていないわけですよ。もう一回よろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) その署名に今回参加できなかったことにつきましては、この共同ステートメント全体の表現の中で我が国の厳しい安全保障環境との兼ね合いにおいて十分と修文ができなかった、こういったことによって今回は署名を見送ったということであります。 大きな方針、方向については一致をしています。是非、引き続きまして、こうした共同ステートメントに対する参加の方策は探っていきたいと考えています。
○大久保潔重君 やっていくということですけれども、実際、核兵器は非人道的なものなんですよ、それを使用したら犯罪ですよというような内容の共同ステートメントに唯一の被爆国である日本が賛同しない。むしろ、日本がそういうのを先導してやっていかないといけないんじゃないですかね。いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 核兵器のない世界を目指すという大きな目標については我々は共有をしておりますし、それをリードしなければいけない立場にあるということ、これは御指摘のとおりですし、我々も強く感じております。そして、その大きな目標において、現実的そして実践的にどうアプローチしていくのか、これが今問われていると思います。 我が国においては、我が国の置かれているこの厳しい安全保障環境の中で我が国の安全保障をどう守っていくのか、こうした観点も踏まえながら、現実にどうこの大きな目標についてアプローチしていくのか、これを考えていかなければいけない。そして、我々は具体的な、現実的なアプローチを様々行っております。こうした実績を積み上げながら国際世論をしっかりとリードしていきたいと考えています。
○大久保潔重君 何遍も同じ答弁の繰り返しで非常に残念であります。やっぱり、被爆地長崎、広島の被災者の皆さん、あるいは高校生の皆さんが夏の暑いときに一万人署名活動なんかもされているんですね。大変、NPOやNGOの人たちの活動に、今日までの、申し訳ない気持ちでいっぱいであります。 最後に総理、ちょっと時間ありませんけれども……
○委員長(石井一君) それでは、時間が来ておりますから。
○大久保潔重君 平成十九年の八月九日、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席をされて、今後とも、憲法の規定を遵守し、国際平和を誠実に希求し、非核三原則を堅持していく、国連総会への核軍縮決議案の提出を通じ、国際社会の先頭に立ち、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、全力で取り組んでまいりますというふうにお答えされておりますが、いかがですか。
○委員長(石井一君) 一言でお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岸田大臣が答弁しておりますように、国連において、核廃絶の決議については常に我が国が発議をしてこの決議がなされているということは申し上げておきたいと思います。
○大久保潔重君 終わります。
○委員長(石井一君) 以上で大久保潔重君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十五年度総予算三案を一括して議題とし、復興・エネルギー・原発・環境等に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き、質疑を行います。小林正夫君。
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。 今日は、集中審議のテーマに沿って、エネルギーについて総理と質疑を交わさせていただきたいと思います。 まず、我が国のエネルギーの基本政策になっているエネルギー基本法について、総理に少しお伺いをしたいと思います。 この基本計画は、二〇〇三年の自公政権のときに策定されました。原則三年程度で必要な見直しをしていくと、このようになっておりまして、二〇〇七年に第一次安倍内閣において第一次改定がされております。さらに、二〇〇九年の政権交代の後、民主党政権で二〇一〇年の段階で第二次改定がされて今日に至っていると、このように私受け止めております。 その内容は、原子力の更なる新増設を含む政策総動員によって、二〇三〇年までにエネルギー自給率の大幅な向上、これは一八%から四割程度に向上させていく、そして二酸化炭素、CO2の三〇%削減というのをうたっている内容でございます。 今回、三年程度を経過しますし、もっと大事なことは、三年前に第二次改定の後、二年前の三月十一日に東日本大震災と福島の第一原子力の事故がありました。そういうことから今回見直しをするということで、経産大臣のお話ですと、年内を目途にこの作業を進めたいと、このように私は聞いております。 そこで、今回新しくエネルギー計画を策定するに当たって最大のポイントは原子力発電をどう位置付けるか、このことに私は尽きるんだと思います。したがって、この関係で四点について総理に質問をさせていただきます。 まず一つは、安倍総理は、民主党政権時の二〇三〇年代に原発ゼロを可能とする方針をゼロベースで見直す、また原子力発電への依存度を下げていくことを明らかにされております。それでは、どのような政策を持って原子力への依存度を下げていくんでしょうか、お聞きをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) エネルギー政策については、まず、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないようにエネルギー需給の安定に万全を期することが大前提であります。その際、できる限り原発依存度を低減させていくという方向で検討をしていきたいと考えております。 このため、今後三年程度の間に再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限加速をさせていくとともに、原発の再稼働については世界最高レベルの科学的安全基準の下で判断をしていくこととしております。世界最高水準の高効率火力発電を環境に配慮をしつつ導入していく考えでございます。
○小林正夫君 今、日本の原子力発電所が停止している状態が続いています、関西電力の二基は動いておりますけれども。そして、今、電気をつくる、こういう構成で見ると、火力発電所で九割以上の電気をつくっているということだと思います。 そして、今総理がおっしゃった再生可能エネルギー、これに期待していくことは私も当然必要だと思います。ただ、今の状況から見ると、再生可能エネルギーの発電の比率は一から二%程度しかないと、このように私思っておりますけれども、今総理がおっしゃっている、これから先、その再生可能エネルギーが本当にどの程度電源に占める割合が多くなっていくのか、その辺の時期など、見通しがあればお聞きをいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員おっしゃるとおり、再生可能エネルギー、全体の電源比率でいいますと九%ということですが、そのうちの大半が水力ということでありまして、太陽光であったりとか風力、これは一%という形であります。 昨年の七月から固定価格買取り制度、これを導入することによりまして、どうしても発電コストが高くなってしまう再生可能エネルギーについてその導入を促進していきたい。昨年の夏から昨年の末ぐらいで約一割ぐらい増加をしてきております。これを更に加速をする、こういった施策を取っていきたい、こんなふうに考えております。
○小林正夫君 それでは総理、二つ目の質問です。 原子力発電の再稼働と核燃料サイクル事業、これはどうしていくお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力発電所の再稼働については、その安全性について原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、そして新規制基準を満たさない限り再稼働は当然行いません。一方、新規制基準に適合すると認められた場合は、その判断を尊重し、再稼働を進めてまいります。 また、使用済燃料への対応は世界共通の悩みでありまして、我が国は世界でも高い核燃料サイクル技術を有していることから、世界各国と連携を図りながら引き続き取り組んでいく考えでございます。
○小林正夫君 もう一歩踏み込んで聞きますけど、この核燃料サイクル事業は継続してやっていくと、このように受け止めていいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 継続して我々進めていく考えでございます。
○小林正夫君 次に、総理は、五月三日、トルコで原子力協定を締結をした、そして日本の企業が原子力発電の建設を受注する方向になったと、このように報道されておりますけれども、二〇三五年辺りまでに特にアジアだとか中東を中心として百八十基ぐらいの原子力発電所を造りたいと、こういうふうに言われているという報道があります。 今後、総理、首相のトップセールスとしてこういう外交を進めていくんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) トルコもそうでございますが、各国にとって自前の、自給できるエネルギーを確保する、そして安く、廉価でそして安定的なエネルギーを確保したい、自前のエネルギーを確保したいというのは各国のまさに希望、望みでもあるわけでございまして、その中において、日本はまさに安全性においても、その技術力においても高い高い技術力を維持しているわけでございまして、トルコにおいてもその日本の技術を高く評価をしているわけでございまして、そして今回、日本に対して言わば交渉していく上において、排他的な契約において、今、日本にその排他的な交渉権を与えたわけでございますが、東京電力の福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することによって世界の原子力安全の向上に貢献していくことが我が国の責務であると考えております。そうした国のニーズにまさに日本の安全な技術でこたえていくことこそ、むしろそういう国にとって安全な原子力発電を得ることができるわけでございます。 現在も各国より我が国の原子力技術への高い期待が示されており、原発輸出についてはこうした相手国の意向や事情を踏まえつつ、私自身もリーダーシップを発揮をしながら、我が国の技術を提供していく考えでございます。
○小林正夫君 そこで、民主党政権のときにこの原子力発電の扱いについて、原則として新しい原子力発電所の建設と増設は原則行わないと、こういう政策を決定いたしました。 今、総理の答弁で、外国に日本の原子力技術を提供していくと、こういう答弁があったわけですが、じゃ、しからば国内における原子力発電の新設あるいは増設についてはどのように取り組むのでしょうか、総理にお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発の新増設についてのお尋ねでございますが、電力の安定供給、エネルギーコスト、世界の化石燃料供給リスクの情勢判断、原発事故の検証と安全技術の進歩の動向など、今後の我が国のエネルギーをめぐる情勢などを踏まえて、ある程度時間を掛けて、腰を据えて検討していく必要があると思います。日本においてはあの過酷事故を経験し、福島においてはまだ多くの方々が元の生活に戻れないという状況の中でございますので、腰を据えてしっかりと検討していく必要があるだろうと、このように考えております。
○小林正夫君 福島第一原子力発電所の事故は我が国のエネルギー政策を大きく変える要因になったと、このように私思います。そして、この事故は放射性物質の放出という極めて重大な事故であり、大変残念に思います。 事故の影響を受けた方々が一日も早く元の生活に戻れること、そして、あの日以来、福島の第一原子力の構内でこの事故の収束に当たっている方、それと福島の原子力発電所の周辺でいろいろ復旧作業に当たっている方々、こういう人たち、大変私は頑張ってくれていると思います。そういう意味で、彼らに対して敬意を表したいと、このように私は思います。 また、原子力発電所がほとんど停止している状況の中で、今電源構成が不安定になっていると私思います。そういう中で、あの二年前の三月十一日以降も日々電力の安定供給に対して現場の皆さんが頑張っている、このように思っておりまして、これからもこの作業が少し長く続くんじゃないかと私は思います。 そういう意味で、安全は全てに優先する、このことが非常に大事だと思います。過酷な厳しい環境ですけれども、是非安全作業に留意をされて現場の皆さんがこれからも取り組んでいくこと、このことを願っているものでございます。 また、電力関係者が厳しく言われている中で、今言ったように現場の皆さんが頑張っている、このように思いますけど、このことに対して、総理、一言何かあればお願いをいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も福島第一原発の現場を視察をいたしました。大変厳しい作業環境の中で、まさに何とか廃炉に向けて進めていこうという皆さんの責任感に大変私は感動したわけでございます。事故が起こって以来、まさに誰かがやらなければいけないことをまさに彼らがやってくれているんだと、このように思うわけでございまして、その現場の士気をしっかりと高めていくことも我々政治の責任なんだろうと、こう思いますし、彼らのこの努力に我々もこたえていきたいし、彼らのこの貢献に改めて敬意を表したいと、このように思います。
○小林正夫君 それでは、次のテーマですけれども、電力システム改革についてお尋ねをいたします。 安倍内閣が四月二日に閣議決定をして、四月の十二日の日に法案として国会に提出されたのが電力システム改革でございます。三月二十九日の予算委員会の中で安倍総理と質疑を交わさせていただいたときに、私の質問に対して総理は、低廉で安定的な電力供給は国民生活及び経済活動を支える基盤であると、このように答弁されました。私は、国力の源は安い電気料金で質の良い電力の安定供給にありと、このように思っておりますけれども、この考え方は共有できますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員が御指摘のように、低廉でそして安定的な電力供給は国民生活及び経済活動を支える重要な基盤だと思います。日本が高度経済成長を成し遂げたのはまさにこの低廉で安定的な電力の供給があったからこそだろうと思うわけでございますし、だからこそ多くの国々がこの日本に見習いたいという思いで日本の技術を求めているんだろうと思います。 今後も、あまねく全ての国民が質の高い電気を低廉かつ安定的に供給を受けることができるように、電力システム改革を着実に推進してまいりたいと考えております。
○小林正夫君 経済産業省にお聞きをいたします。我が国の停電時間、それと停電の回数、さらにアメリカ、イギリス、フランス、こういう国では今言ったようなことがどうなっているのか、教えてください。
○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。 各国のエネルギー供給の安定度を定量的に分析をいたしました二〇一〇年度のエネルギー白書によりますれば、直近で主要国が比較をできる二〇〇七年の需要家の一軒当たりの年間の停電時間でございますけれども、日本は十六分に対しまして、アメリカ、米国が六十六分、英国八十二分、フランスが五十八分となっております。また、同じくこの二〇一〇年のエネルギー白書によりますれば、二〇〇七年の需要家一軒当たりの年間の停電の回数でございますけれども、日本が〇・一四回に対しまして、米国〇・七二回、英国〇・七七回、フランスは〇・九八回となっております。 以上でございます。
○小林正夫君 ありがとうございました。日本の停電回数というのはおおむね十年に一度ぐらい、こういうことで受け止めます。 そこで、総理、三月の予算委員会の中で、日本の電力は極めて質の高い電力であると、総理、このように答弁をされました。停電時間を見ても、あるいは停電回数を見ても、私は世界に誇れる電力の供給体制になっていると、このように思いますけれども、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに日本の電力は極めて質が高く、世界に誇れるものであると、このように思っております。ですから、最先端の技術を駆使して様々な製品を作っていく上において、日本の電力供給が安定的で質が高いからこそできるものもあるんだろうと、このように思っておりますし、そういう意味においては、質の高い低廉な電力というのは、企業立地、特に製造業においては極めて重要なポイントなんだろうと、このように思います。 他方、東日本大震災とこれに伴う原子力事故を契機に、電力料金の値上げや電力需要の逼迫など、従来の電力システムが抱える様々な限界も明らかになってきた現在、エネルギーの安定供給やエネルギーコストの低減の観点も含めて、責任あるエネルギー政策を構築していく一環として、電力システムの抜本的な改革に取り組んでいかなければならないと思います。
○小林正夫君 私は戦後の生まれです。昭和二十二年の団塊の世代であります。振り返ってみると、小さいころ、夕方になると停電をしたり、あるいは周波数の関係で白熱球がちかちかしたり、こういうことを私は経験をしてきました。それから約半世紀たって、本当に電気がついているのが当たり前と、こういう社会になって大変喜んでおります。そして戦後、文化的な生活だとか、あるいは私たちの生活が向上した、あるいは企業が発展をしてきた。考えてみると、全て電気があってこそそういうものができたんだなと、このように私は思っております。 今日は、この質疑の内容はラジオ、テレビ、インターネットで中継をされております。資料一を用意をいたしましたので、見ていただきたいと思います。(資料提示) 電気は、発電所でつくって、送電線で運んで、変電所に着いて、それから一般家庭へ送って電気がつくと、こういう仕組みでございます。改めて言うまでもないかもしれませんが、電気の供給というのは、発電所から一般家庭のお宅まで太い電線、中ぐらいの電線、そして細い電線と、それぞれ電線の太さは違うけれども、全て電線がつながっていないと電気の供給ができない、これが電気であります。携帯電話など、空間を飛ばしながらいろいろできるものも今ありますけれども、電気はこういうものであると、このように私思っておりますし、皆さんもそのようにお思いだと思います。 そして、資料二ですけれども、先ほど総理からもありましたけれども、電力システム改革のお話がありました。 この政府が四月の十二日の日に国会に法案として出された内容についてごく簡単に時系列的にまとめてみますと、まず第一弾として広域系統運用機関の設立ということがうたわれております。これは二〇一五年を目途にするということ。そして、二つ目が電力の小売全面自由化、そしてその先に料金規制の撤廃という考え方が示されました。これは二〇一六年を目途ということですから、今から三年後にこういう体制にしたいという内容でございます。最後の三番目ですけれども、五年から七年先に送配電部門の法的分離を行う、こういうふうになっております。この三番は発電と送配電の部門を分離をすると、こういう内容です。これが実は今回示された提案でございます。 私は、先ほど総理おっしゃったように、世界に誇れる現在の電力体制です。今回、総理はなぜこの体制を急いで見直しをする、こういう判断をしたんでしょうか。 いや、総理にお願いします。
○委員長(石井一君) それじゃ、一言どうぞ。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員おっしゃるように、我が国においては、これまで垂直一貫体制による地域独占と総括原価方式による投資回収を保証する電気事業制度の下で、大規模電源の確保、そして地域への供給保証を実現して、先ほど総理、高度経済成長も成し遂げたと、こういう答弁をされておりましたが、国民生活の発展や経済成長を支えてきた、小林委員もその一翼を支えてこられたと、このように考えております。 その事実は間違いなかったわけでありますが、一方で、東日本大震災が発生をし、そして原子力事故と、これを契機にいたしまして従来の電力システムの抱える様々な課題、これも明らかになってきているんだと思います。具体的に申し上げますと、先ほどの図でも発電部門かいていただきましたけれども、水力、原子力、火力だけでなくて多様な電源の活用、そのために新規参入と、これを促すことも必要になってまいります。 また一方で、今までは電力といいますと、どうしても需要は所与のものだと、その需要をどうにか満たすために供給をきちんと積み上げる、こういう発想が強かったと、そのように思っております。今後、やはり需要側もいろんなメニューを用意することによってできる限りの抑制、省エネを進めていくと、こういったことが必要になってくると思います。 さらに、今のエネルギーの逼迫状況を考えたときに、より広域的にこの電力の融通を行っていく、全国レベルでこういったことを行っていく、こういう新しい要請にこたえるために電力システムの改革、これは中心的な改革だと、このように考えております。
○小林正夫君 そこで、経産大臣にもう端的にお聞きします。 私たち、国会で法律の論議だとか、今ある法律を直していく、それは今日よりかあしたが良くなるために私たちはいろいろ法律の論議をしております。 そういう意味で、今回の電力システムというのは、要は電力の体制を改革していこうということですので、この改革をすることによって電気料金は下がるんですか。と同時に、先ほどの停電回数、十年に一度程度しか日本は停電がない、このように先ほど答弁ありました。こういうことがきちんと改善をされると言い切れるんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員おっしゃったように、電力料金をできるだけ抑制をしていく、そして停電も含めて電力の安定供給を図っていくと、こういったことをきちんと踏まえながら改革を進めていきたいと考えております。 先ほど委員のお示しいただいた二枚目の図、御覧いただきますと、規制料金の撤廃、この時期が比較的後ろに来ております。これは実際には五年から七年後と、③と大体一緒の時期になるわけでありますけれども、既存の電気事業者、これに対します規制料金というのは残します。といいますのは、競争環境がどこまで整うか、きちんと、そこまで見た上ですから、それ以上での参入というのはあり得ない。規制料金以上での参入というのはあり得ませんから、電力料金は下がる方に働くと、このように考えております。 そして同時に、供給でありますけれども、これまでのそれぞれの電力会社ごとの供給から、広域の系統運用機関を使い、そして送配電部門、これが供給についての責任を負うといった形で、停電の起きない日本、こういったものはしっかりと守っていきたいと思っております。
○小林正夫君 三年後の二〇一六年七月から一般家庭の電力の供給は自由化することになって、その後、料金規制の経過措置期間が過ぎると料金規制が撤廃をされて電力供給者が自由に料金を設定されると、こういう法案になっていると私は受け止めています。 そうしますと、電力は全国津々浦々供給をしていかなきゃいけない、このように思うんですけれども、日本の国土の約七割は森林で、中山間部に住んでいる方も大変多いと思います。また、離島は四百ぐらいの離島に人が住んでいると、このように私思っておりますけれども、そういう地域に電力をきちんと送ることができるのか。電気料金が自由化されて自由に料金が設定されるということになれば、もうかる地域だけに電気を送ると、こういうことになる心配はないですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員やはり専門家であられて、非常に重要な御指摘いただいておりまして、我々も同じ問題意識の下で、そうなってはいけないということで、自由化後も、今御指摘いただきました離島であったりとか中山間部も含め、あまねく地域に電力供給が確保されるような仕組みをつくっていかなければいけないと思っております。 まず、送電線の整備コストについてでありますけれども、当然、中山間地であったりとか過疎地、これは高くなるということでありますから、送配電部門につきましてはコストの方が高くなるということでありますから、総括原価方式等によります料金制度、これを残すことによりまして投資の回収を保証する、こういった措置が必要だと、このように考えております。 また、送配電網がつながっていない離島につきましては、どうしてもその離島に設置をした発電所を利用するほかないために発電コストの方が今度は高くなる、こういう問題が考えられますから、離島において離島以外の地域と遜色のない料金で安定供給を保証する措置を講じることとしております。 こうした制度設計をすることによりまして、送配電網の整備であったりとか独自の電源設置で高コストとならざるを得ない離島であったりとか中山間地に対しても、低廉な電力が安定的に供給できるような体制を維持していきたいと考えております。
○小林正夫君 今大臣の答弁で、コスト面で考えると中山間部だとか離島に住んでいる方への電力の供給の料金というのは高くなる、こういう可能性はあるけれども、全体的にプールしてそうならないようにしたいと、こういうようなことだと思います。 私、今まで話を聞いていまして、やはりあまねく地域に電力供給がしっかりできている、これも日本の誇りです。そして、どこに住んでいても電気料金が同じだ、これも日本の供給システムあるいは電気料金のすばらしいところだと私は思います。今の改革、いろいろ課題があると大臣もおっしゃいましたけれども、しかし、いろんなルールを決めていかないと、またいろんな課題についてクリアしていかないと、今言った全国の津々浦々への電力供給だとか電気料金が統一にならないと、こういうものが私は多く存在をしているんじゃないかというふうに思います。 そういう意味で、これからこの法律の審議がされていくんでしょうけれども、是非、今言ったような視点、電力の安定供給が私は国力の源だと、このように思っておりまして、また総理も同じように見解を示していただきました。是非、そういう電力の安定供給が損なわれない、こういう改革であるべきだと思いますので、いろんな課題についてしっかり対応してもらうことを今の段階でお願いをしておきたいと思います。 そしてもう一度、資料二ですけれども、第三弾の送配電部門の分離ということについてお聞きをいたします。 もう一度、一の資料を見せてください。先ほど言ったように、電力供給というのは、発電所でつくった電気を全て電線で結んで一般家庭に届けているということであります。私は、先ほど大臣おっしゃっていただきましたけれども、議員になる前の仕事は電力の供給という仕事をやっておりました。そして、私の専門分野は電気を運ぶ、要は送電部門の仕事をやってまいりました。ですから、今日の資料で見ると、発電所でつくった電気を送電線に乗せて一般家庭へ送っていくと、この太い電線と中ぐらいの電線の部分について私は仕事を担当をしてまいりました。 その経験からいうと、要は電気をつくるところとそれを電線に乗せて送るところ、この仕事が一つの会社の下で一貫体制だからこそ日々の電力の安定供給ができたんだと、私は仕事を通じてそう感じました。それと、台風だとか地震だとか集中豪雨、こういう自然災害においてもいち早く復旧をして電力の供給ができたし、今でもできていると思います。 また、特に大事なことは、こういう設備ですから経年劣化をしてまいりますから、一定の期間で機能維持工事だとか修繕工事もやらなければいけませんけれども、それは先ほど言ったように、全て電線がつながっていますから、発電所から一般家庭の供給まで全てを考えて、どこに投資をして修繕をしていくのか、機能維持をしていくのかということも考えることが必要で、そのような私は対応をしてきました。 それで、今回ですけれども、発電をする人が送電線を公平にアクセスできることが市場の自由化の本来の狙いであると私も思います。ただ、再生可能エネルギーを増やすために今の一貫体制が障害だから発送配電分離をするということは少し理論が違うのかなと、このように私思います。 発電と送電を分離して安定供給は維持できますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の電力システム改革を進める目的、幾つか大きなものがあると思うんですけど、まず、再生可能エネルギーだけではなくて多様な電源といいますか発電、新規参入、競争を促すということは大切だと思っております。同時に、送配電部門が最終的に安定供給の責任を持ちますけれど、できる限りそこが中立性、独立性を保てるような組織にしていく。そして最終的には、小売とまた需要家の関係でありますけど、いろんなメニュー、これが選べるような体制をつくっていく。 例えば、昨年も経産省は実証実験、全国四か所で行っておりますけど、北九州で行いました実験では、夏のピーク時の電力料金、これを相当高くしまして、それ以外の時間のものを安くする、こういう料金メニューを設定しますと、大体ピーク時の需要が二割減ります。そして、家庭の支払の電気料金は三割減る。こういったことも出ておりまして、これは、発電から送配電、そして最終的には需要、全体にわたる改革だと思っております。 もちろん、発電部門とそれから送配電部門、この連携が極めて重要だと、これは委員のおっしゃるとおりだと思っております。
○小林正夫君 今大臣おっしゃいました、非常に、電気をつくるところと電気を運ぶところ、これはもう密接な関係にある、こういうお話で、私もそのことは大変大事だと思います。 それで、供給義務は電気を運ぶ送電会社にあるんだと考えていると、こういうお話でした。でも、考えてみると、送電会社というのは商品をつくるところじゃないんですね。売る電気をつくるところじゃないんです。つくった、つくられた電気をただ運ぶだけの会社ですよ。本来ならば、供給力が足らないとか、あるいは不足しているからというと、それは製品をつくっているところにそれだけ多く物をつくってくれよと、普通はこういうふうになりますよね。 ところが、今回、今大臣がおっしゃったように、供給義務は、電気をつくるところじゃなくて電気を運ぶところに供給義務を持たすというんですけど、少し私は理解ができません。いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 送配電事業者は、最終的な供給保証サービスの提供などを行うために一定の供給力を持つということは必要になってきますけど、必ずしも自社で発電所を持たなくても、発電事業者が保有する供給力を契約することにより調達されると、こういったことも十分可能だと思っております。もう御案内のとおり、今、例えばこの発電部門と送配電部門、一緒なのが基本的な形態でありますけれども、Jパワーであったりとか発電だけやっているところがあるわけです。そことの関係でもできます。 それから、更に申し上げると、小売の方が自由化をされるということで、新しいメニューを例えば消費者というか、家計であったりとか企業に提供すると。その場合に、ちゃんと発電から電気が来るのかということで空売りをさせないと、こういう空売りの規制もきちんと入れさせていただきます。
○小林正夫君 もう一つ質問します。 電力で働いている仲間の労働災害は非常に多いんです。ほかの職種と比べても、毎日ヘルメットをかぶって昼夜問わず現場に行っておりますので、労働災害に気を付けながらもほかの職種と比べると多くなっております。そして、今言ったように、電気をつくるところと電気を送るところ、これを分けてしまって本当にこの間の連携が取れて、電力の仕事をやるというのは、先ほど見てもらった電線を全て止めて、それで作業に掛かるんですけれども、そういう連絡がきちんとできるんでしょうか。 私は、そういう意味で、今言ったように、発送配電を分離をするということ、作業安全についても心配があるんですが、このことはいかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど総理の方からも御答弁ありましたように、電力事業に携わる現場力の強さ、これが日本の安定供給の源であるということは間違いないと思いますし、これからもそういったかかわる方々が安全に的確に仕事ができるような環境をつくっていかなけりゃいけないと思っております。その上で、これから出てきます発電と送電の部門の連携のルールも整備をいたします。同時に、新しいシステムの設計、開発、こういったことも行っていきます。 改革は大胆に、しかしスケジュールは現実的にということで、委員の方からもお示しいただきましたように、最後の段階、発送電の分離につきましては五年後から七年後と、実態を見ながらきちんと段階を踏んで進めていきたいと考えております。
○小林正夫君 外国で、この電力の自由化だとかあるいは発送配電分離をしたという国が先進諸国の中でも幾つかあります。 今日の朝日新聞の朝刊に「発送電分離って何をするの?」と、こういう記事が出ておりまして、その中で、欧米では一九九〇年代から自由化が進んだ、アメリカ・カリフォルニア州では発電会社の経営が傾き大停電が起きた、英国では一部の電力会社しか生き残れず、逆に料金を上げた、こうした問題への対策も課題だと、このように今日の新聞で報道されております。 また、電力の関係の労働組合がこの関係について各国の調査をした結果が私の元に届いております。 例えば、フランスでは、全面自由化、発送配電分離後も電気料金は上昇傾向にあって、電力価格の不確実性の増大から産業界の中長期的な経営投資計画の足かせになっている。さらに、ドイツでは、規制改革が産業全体の雇用、労働条件に影響している、送配電部門への投資停滞と、発電、送配電の各部門での責任の不明確さが顕在化している。そして、韓国では、二〇一一年の大停電の根本原因は発送配電分離後の構造的な供給不足、自然災害における復旧作業にも支障が生じ、復旧時間が大幅に遅れた。さらに、国際エネルギー機関の資料を基に作成をした主要国における家庭用電気料金価格の推移、この資料を見ますと、電力自由化後の電気料金は下がっているとは言えないと、こういうことが言われております。 そこで、こういう事例、こういう結果を私たちはきちんと受け止めていろんな改革の論議をしていかなきゃいけないと思うんですが、大臣、こういうものをしっかり受け止めて論議をするというお気持ちでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員おっしゃったように、電力システムの改革、これは大きな事業体制の変換を伴うものでありまして、海外の教訓も踏まえて十分な準備を行って進めていきたいと。 五つの国の例、挙げていただきました。アメリカでありますけれども、東部で事業者間の連携不足のために大停電、こういう事態に至ったわけでありまして、ですから、先ほど申し上げたように、発電事業者と送配電事業者のルールの整備、これが必要不可欠だと、こんなふうに考えております。また、英国では、自由化と同時に料金規制を撤廃したことにより価格が上昇して、競争が働くまでの料金規制、これを残すということが先ほどの例を見ても確かだと思います。 いずれにしても、各国の、フランスであったりとか韓国であったりとかドイツであったりとか、様々な課題があったわけでありまして、そういったことも十分勉強させていただきました。そして、そういう反省も踏まえながら改革に取り組んでまいりたいと考えております。
○小林正夫君 経済再生担当大臣、甘利大臣にお聞きをいたします。 良質な電力によって上質な工業製品をつくることで付加価値を付けてきた産業は、電力が不足すれば壊滅的な打撃を受けると思います。経済を再生する視点からも、安い電気料金で質の良い電力の安定供給が欠かせないと、私、このように思います。そして、五月二日のこの予算委員会の中央公聴会、ここで行いましたけれども、そのときに、公述人から、電力の自由化、エネルギー政策は経済に大きな影響を与える、原子力再稼働も判断する必要がある、年間三兆円の燃料費が掛かる、こういうふうに公述人から発言がありました。 甘利大臣は、今回の改革が経済社会にもたらす影響をどのように考えられているのか、お聞きをします。
○国務大臣(甘利明君) どんなすばらしい成長戦略を作っても、安定的に低廉な電力が供給されない限りは机上の空論になります。 そこで、普通の市場商品であるならば、供給者が増えて競争が働くと価格は安くなります。ただ、私が経産大臣に十分なシミュレーションをしてほしいと注文を付けているのは、電気が特殊な商品だからです。供給側と需要側の数値がぴったり合っていないといけないと。ガスや水道ですと、供給側が細ると水道がちょろちょろなる程度、ガスのカロリーがちょっと下がる程度で済みますけれども、電力の場合は需給が一〇%以上ずれますと変電所のシャットダウンの連鎖になって、ブラックアウトになります。大変な損害が起きる。ですから、常に需給をぴったり合わせていかなきゃならないという非常に緊張感を強いられる商品であるということです。それがどの体制で一番うまくできるかということと、それから、供給者があまたいる場合には競争になりますが、供給者が足りない場合には逆のフェーズが働きます。そこをどうするか。 でありますから、経産大臣には、各国の事例もしっかり踏まえて、我々がやるなら間違いないというふうにしてほしいという注文をしているところであります。
○小林正夫君 もう一点、甘利大臣にお聞きをいたします。 今、原子力発電所が関西の二基を除いて全部停止をしております。先ほど言ったように、今、日本の電気の九〇%は火力発電所でつくられているということであります。昨年度、今年の三月三十一日が終わった平成二十四年度一年間で、原子力が停止したことによって新たに燃料費が三・八兆円掛かった、こういう数字が電気事業連合会から出てまいりました。この三・八兆円、私もその大きなお金は見たことありませんが、この三・八兆円を三百六十五日で割ると、一日百億円を超えるお金が燃料費として国外に出ていると、こういうことになります。したがって、電気料金が値上げになってまいりました。そして、産業界から悲鳴が聞こえてきております。経済を成長させる、この目的の甘利大臣だと思いますけれども、どのような対策を講じていくんでしょうか。それと、この話は多分に原子力の再稼働と絡む問題だと思いますけれども、この点についてもどう考えられているのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 全ての電気料金が年間十五兆ぐらいだと思っておりますが、三兆八千億円という数字はこの二十数%に当たるんでしょうか、まともに言えばそれだけ電気料金が上がってしまうと。そんなことになればとても競争力は保てません。 でありますから、できるだけこれを削減する合理化努力をしていただくということと、それから調達先につきましては、シェールガスを多用するとか、あるいは最新の石炭火力が導入できるような環境を整えると。それと、委員御指摘のとおり、安全第一でありますけれども、世界最高水準の基準ができたならば、それをクリアした原発は速やかに再稼働すると。そうすれば、海外への日本の資金の垂れ流しはその分だけ止まっていくということになろうかと思います。
○小林正夫君 それでは、電力のシステム改革について最後に総理にお尋ねしたいと思います。 私は、まず今最優先すべき課題は、常態化している電力の逼迫と電気料金上昇のリスクを根本的に解消していく策を講じることじゃないかと思います。また、原子力発電の位置付けだとか原子力事業における国の責任や関与の在り方をはっきりさせることも私は待ったなしの課題だと思います。 そして、電力システム改革は、今述べたことを含め総合的に検討して、我が国に合った電力システムを構築すべきだと考えております。そして、結果として電気料金が下がり、停電時間が更に短縮をされるなど、真に国民のためになる改革でなくてはならないと私思います。総理の御所見をお聞きをします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原発については、一昨年の過酷事故を経験をしております。安全最優先の原則の下で、今後の位置付けについては、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築をしていく中で検討をしてまいります。 他方で、電力需給の逼迫や電気料金の上昇への対応は喫緊の課題でありまして、安定供給を確保し、電気料金を最大限抑制するためにも、電力システムの抜本的な改革を急ぐことが必要であると考えております。 当然、また、先ほど大臣から答弁もいたしましたし、今委員から御指摘があったように、先行的に様々な改革を行っている国の例をよく見ながら、そこでうまくいっていることもあれば、なかなかうまくいかなかった、料金もかえって上がってしまったし、停電という結果を招いていること等も踏まえながら、日本にやはりふさわしい低廉で安定的な供給という本来の考え方に沿った改革を行っていく必要があると思います。 このためにも、原子力の位置付けいかんにかかわらず、電力システム改革について、真に国民のためになるようしっかりと取り組んでいく考えでございます。
○小林正夫君 今日は基本的なことをお伺いをいたしました。これからこの法案の審議に入ると思いますけれども、今言ったように、いろんな課題をクリアしていかないと、せっかく世界に誇れる今体制になっているわけですから、それを改革してより良くしていこうということですから、相当いろんな論議が出てくると思います。是非そういう論議をしっかりさせていただきたいと、このことをお願いをします。 そして次のテーマ、もう一つ、復興について復興大臣にお聞きをいたします。 復興事業遂行のために地方自治体が用地を取得する必要がある、こういう状況が言われておりますけれども、用地の地権者の所在不明だったとか、あるいは用地取得がなかなか進まないと、こういう実態があって、復興事業の遂行に支障を来している、こういう事例が散見されます。予算委員会でも、四月三十日と五月一日の二日間にわたり被災地である岩手県に地方公聴会と視察に行ってまいりまして、いろいろお話を聞いてきました。私は、このような所在不明の地権者から用地取得を進めるために必要な立法措置などを私は作っていく必要があるんじゃないかと思いますけど、このことについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 用地の取得問題について、委員御指摘のような様々な課題があると私も認識をしております。 現在の所有者不明の土地で活用できる制度、これは土地収用制度と民法の財産管理制度、この二つがあります。これらについては、実は住宅再建・まちづくりタスクフォース、私を中心に関係省庁の局長を集めて、特に四月九日に加速化の措置の第二弾、これを講じました。これは、委員おっしゃるように、土地の取得に非常にいろんな課題がある、この土地取得をいかに円滑にするか、そこに焦点を絞って具体的な改善措置、これを講じました。例えば、土地収用手続、これにつきましては……(発言する者あり)じゃ、コンパクトに。事務手続の簡素化や審査の迅速化、この迅速化措置を講じました。それから、財産管理制度についても、財産管理人をスムーズに選べるように、あるいは裁判所で書記官を増員してもらう、様々な迅速化措置、可能な限りの迅速化措置を講じました。 委員の御指摘の用地取得のための特別な法律、これいろいろ考えておりますが、実は、個人の財産権の保護の観点から様々な課題があるんではないか。今、土地収用手続があって、財産管理制度があって、かなり管理、処分について丁寧な手続を取っていますので、迅速に、スムーズにやれるような立法措置が可能かどうか、私はそこは更に慎重な検討が必要なんではないかと思っております。 いずれにしても、迅速にやることが大事ですから、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○委員長(石井一君) 小林君、締めくくってください。
○小林正夫君 一日も早く復興ができるように取り組んでいただくこと、このことをお願いをして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で小林正夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野君。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。 環境、エネルギー、原発等の集中審議ですので、まず大気汚染の問題からちょっと取り上げたいというふうに思います。 大気汚染といえば、古くは四日市ぜんそくだったりとか、若しくは十年ぐらい前にはディーゼル排ガスが問題になったり、最近は中国からのPM二・五の越境汚染なんかも問題になっておりますよね。こうした大気汚染による健康被害者に対する補償の制度として、国の制度として公害健康被害補償法、略して公健法というのがありますけれども、環境大臣にお伺いしますけれども、この公健法によって今認定されている患者の数というのはどのぐらいになりますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 平成二十四年三月まででおよそ四万人と承知をしております。
○水野賢一君 この四万人の方々というのは、認定されると医療費を始めとしていろんな補償金というのを支払われるわけですけど、これは年間にしてどのぐらいの金額になりますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) いわゆる第一種補償地域への補償の金額でございますが、これは二十三年度の数字しかございませんが、およそ四百六十八億円だと承知をしております。
○水野賢一君 その四百六十八億円の財源になっているのというのは、基本的には汚染を引き起こした企業、それが支払う負担金ですよね。つまり、窒素酸化物とか硫黄酸化物とか、そういうようなものをたくさん排出した企業が支払っているわけですけれども、具体的にどういう企業がたくさん支払っているのか。一位と二位とかだけで、例だけでいいですから、教えていただければというふうに思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘になりましたように、この配賦の仕方でございますけれども、汚染原因者負担の原則にのっとりまして、この制度が継続して現在に至っていると承知をしております。 主な企業でございますが、二十四年度で申しますと、合併いたしました新日鉄住金がトップでおよそ三十六億円、次いで東京電力でございますが、二十六億円の御負担をいただいていると承知をしております。
○水野賢一君 そうなんですよね。つまり、この大気汚染の健康被害者に対する補償のお金というのは、上位は大体鉄鋼とか電力の会社なわけですよね。別に払っているから偉いと言っているわけじゃないですよ、それだけ大気汚染物質をたくさんまき散らしたわけですから、当然といえば当然なんですが。 問題は、一方で、そういう煙突から出てくる煙以外に、自動車も排ガスで大きい大気汚染の原因になっているわけですよね。ところが、この制度の下で自動車会社って全く支払っていないわけなんですよ。じゃ、その分をどうしているかと、自動車排ガスの分の健康被害を受けた人の救済というのはどうしているかというと、自動車重量税という税金を充てているんですね、大体年間百億円ぐらいなわけなんですけど。 これは私、前からおかしいと思っているんですが、総理、これ排ガスをまき散らす機械、この場合ディーゼル車などですけど、これを造って、売って、もうけて、その分の補償は税金の方でやる。だって、煙突から煙出している方の会社は、曲がりなりにもそれは責任はあるんだけど、そうやって東電とか新日鉄住金とか払っているわけですから、これ総理、普通に考えてちょっと疑問に思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大気汚染によるぜんそく患者に対する補償の考え方でありますが、汚染者負担の原則にのっとって原因物質の直接の排出者に負担を求めることとなっております、これは委員も御承知のとおりでありますが。 そこで、工場などの固定発生源については、その施設の設置者、つまり工場を造り運営をしている会社ということになるんだろうと思いますが、今言わば自動車のような移動発生源については、原因物質の直接の排出者である自動車に乗って運転をしている方に負担をしていただくという制度となっております。 なお、自動車メーカーに対しては、累次にわたって強化されてきた自動車排ガス規制へ対応する責任が課されていると承知をしております。
○水野賢一君 しかし、これ、もちろん運転する側も責任あるからといえばそれはあるのかもしれませんけど、これは誰がどう運転しても必ずそれだけの排ガスを出すという機械を造って、売って、もうけている以上、一定のやっぱり僕は責任というか、それが金銭的な部分もこれ支払があってしかるべきだと思うんですが。 もちろん、この制度、何も安倍総理がつくったわけじゃなくて、この制度自体は四日市ぜんそくを基にもう四十年ぐらい前からある制度ですから、何か総理にその責任があるとかなんとかということを言うつもり全然ないんですけど、やっぱり素朴に聞いていてちょっと疑問あるんじゃないかとかって思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにこれは私がつくったものではございませんし、私も余りつまびらかにこの法律の中身を知っているわけではないわけでございますが、先ほど御説明をしたように、工場等であれば、やっぱり工場を造って、そして運営をして、利益を上げている皆さんにこれは負担をしていただこう。自動車の場合は、確かに言わばあるメーカーが造って、そして消費者に渡したわけでありますから、まさにその消費者の方がこの車を運転することによって言わば排気ガスが出ていくということに鑑みて、そういう仕組みになっているというふうに私は理解をしております。
○水野賢一君 今のは国の制度なわけですよね、その公害健康被害補償法というのは。 自治体でも独自にやっぱり被害者の救済条例を作っている場合というのがあって、有名なのが東京の例で、これ制定するきっかけになったのが東京大気汚染訴訟という、自動車メーカーの責任というか、国や都の責任も問うたんだけれども、そういう訴訟があったんですね。それが和解した結果、その訴訟が和解した結果、東京都では五年前から気管支ぜんそくの人たちなんかに対しての医療費補助の制度を条例でつくったんですね。 これ、実はつくるときに大きく貢献したのは当時の第一次安倍内閣だったんですが、当時の安倍総理であって、私は英断だったと思うんですけど。当時、都知事は石原慎太郎都知事だったんですね。その都知事が自動車排ガス問題に熱心でしたから、官邸にも乗り込んできて、和解をすべきだと言って、結局、国費も、まあ国費というか、正しくは独法なんですけど、その独法のお金を六十億円総理が出す決断をして、この都の救済制度ができ上がったわけなんです。それから、ところが五年たって、実はこの東京都の独自の救済条例というのが五年の時限付きの条例ですから今年の七月で切れちゃうんですけれども、それで、そういうことを前提にして総理に伺いたいんですがね。 要は、さっき言った国の制度というのは、やっぱりちょっと不十分な部分が、公健法の制度というのは不十分な部分があると思うんですよね。だからこそ、不十分だからこそそうやって自治体なんかで独自の条例を作ったりして救済をしたりしている例があるわけですけど、総理も第一次安倍内閣のときにそれを支援されたんですが、総理、五年のその東京都の条例の期限がもう七月に切れるというのに当たって、国としてこういう被害者の救済制度を何らか考えられるお考えというのは、国としてということでございますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、これは第一次安倍政権の末期に石原都知事と結んだものでございますが、東京大気汚染訴訟の和解では今夏に東京都は医療助成制度を検証、見直しすると合意されていることから、まずは東京都の基本的には今後の検討を注視していきたいと考えておりますが、そこで、国の救済制度を創設をしたらどうかという御質問でございますが、ディーゼル排ガス規制の強化などによって訴訟当時と比べて大気環境が改善されていることや、大気汚染の近年の水準と健康被害の関連性を明確に示す知見が得られていない状況を踏まえますと、新たに国の救済制度を創設すべきとは言えないのではないのかと、このように考えております。
○水野賢一君 今の総理の、新たな知見得られていないんじゃないかというのは、ちょっとここは認識の違いで、そらプロジェクトのいろんな調査とかあったので私はそういう結果は得られてきているのじゃないかと思いますが、それは認識の今は違いでしようがないですけれども。 総理、国が独自の国としての制度を創設するというのは、なかなかそれはここで、はい、そうですかというふうには言えないかもしれませんけど、五年前はだから東京都がやる制度に対して協力はしたわけですよね。このような前例があるわけですし、これは東京都の制度だから東京都がどう考えるかということに当然よるでしょうけど、もし都の方がそのつもりであれば国としては同じように五年前やったような支援を継続すると、そのお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましては、総理からも御答弁させていただきましたとおり、この七月で切れます。東京都がどういう対応をされるか、その結果をもって、もちろん安倍総理と当時の石原都知事の間で、独法の方から、これはあくまで健康被害ではなくて予防に対する対策費として六十億円出したわけでございますので、その段階になって総理が御判断いただくものだと思います。 あと一点、先ほどちょっと御報告が遅れたんでございますけれども、有名な日産自動車、トヨタ自動車等々も、金額は三千万円台、二千万円台ではございますけれども、工場でSOx等々を出しているということで負担金を分担しているという事実もございます。
○水野賢一君 今大臣のおっしゃった日産、トヨタも払っているじゃないかというのは、それは日産、トヨタも工場で多少は煙突から煙出しますからね。ただ、そっちの分は払っているんだけれども、自動車排ガスの分を払っていないということを申し上げているということも補足させていただきたいと思いますが。 原発についてお伺いしたいと思うんですが、原発については当然、いろんな意見、議論あります。いろんな議論ありますけれども、私は原発の最大の弱点というのは、仮に安全に操業をしたとしても、これ必ず、安全に操業しようが何だろうが、使用済燃料というかいわゆる高レベル放射性廃棄物というか、核のごみを出すという点があるけれども、ところが、さっきも議論ありましたが、その捨場がないという話がありますよね。今現在は、だから、地下深くに埋めるんだという方針は決まっているけど具体的な捨場が決まっていないというふうに理解していますけど、そういう理解でよろしいか、大臣に確認させていただきます。
○国務大臣(茂木敏充君) 制度ができまして十年になりますが、途中、様々なプロセスがございましたが、現段階において候補地は選定できておりません。
○水野賢一君 問題は、再稼働すると稼働するわけだから、安全に操業したとしても必ずごみは増えていくわけですよね。 〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕 今、再稼働条件、いろんな議論をされていますけれども、さっきも議論ありましたが、再稼働条件というときは、多分七月ぐらいには原子力規制委員会が新判断基準を、新安全基準を出してくるんだろうと。それに基づいて判断するということになるんでしょうが、そのときは当然、例えば津波には大丈夫なのか、活断層は大丈夫なのかとかという、原発そのものの安全が確保されるかどうかはきちっと確認されると、これは分かるんです。 ただ、逆に、ごみ捨場の方ができているかどうかというのは、こっちの方は再稼働の判断条件には直接的には勘案しないと、そういう理解でよろしいんですよね。
○国務大臣(茂木敏充君) 再稼働するかどうかと。原発の安全性そのものにつきましては規制委員会において判断をするということになっておりますが、私の理解しているところによりますと、使用済燃料、これが増えることが再稼働の一つの条件になると、このようには認識をいたしておりません。
○水野賢一君 総理、ですから私、ちょっとここはやっぱり一つの問題だと思っていて、今、産業廃棄物なんかだって最後のごみ捨場が決まらないと不法投棄の温床なんかになったりするので、最後のごみ捨場が決まらないと、つまり廃棄物を出しちゃいけないとかという、そういうふうになっているときに、原発だけは最後のごみ捨場が決まらないけれども再稼働をするということというのは、見方によっては後世に、見方によらなくても、普通の見方をすれば後世にツケを残すということになるんじゃないかと思いますけれども、将来へのツケという点でこの処分場が決まらないのに再稼働していくというのは、総理、どうお考えですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 三つの点を考える必要があると思うんですけれど、まずは再稼働した場合でありますけれど、全体的にはプルサーマルを回すことによりましてこの使用済燃料の減量化を進める、また、放射性物質につきまして、この有毒性、これを減量していくと、こういったことを進める必要があると考えております。 同時に、現在あります使用済燃料、これの収納状況でありますけど、これを燃料プールに入れるにしましても、新しい技術、新しいラックを使ったりすることによりまして収納能力、これを高めていくことは十分可能だと考えております。 そして、最終処分でありますけど、これ、一年間で今たまっているだけの量が急に出ると、こういう問題ではありませんけれど、少なくとも現在において一万七千トンの使用済燃料、ガラス固化体にしますと、既に固化体にされている分も含めてでありますけれども、二万五千分があると。これは再稼働するしないにかかわらずきちんと対応すべき問題だと、こんなふうに考えております。
○水野賢一君 おっしゃるとおり、もう既にあるわけですから、その使用済燃料がですね。だから、何らかの形で、再稼働しようがしまいがその処分場はどこか造らなきゃいけない、これはそのとおりなんですよ。 総理、でも、やっぱり再稼働すれば、そのためのいろんな使用済燃料とかごみみたいなものが増えてくるのは事実なわけですから、例えば、話飛びますけど、消費税の議論なんかで後世にツケを残しちゃいかぬとかという形で、それでやっぱり赤字のツケを残すわけにはいかないとかといって、財政とかそういうことの問題で増税とかをやっていて、一方で、こっちの方のツケは、総理、政治家として問題ないというふうにお考えでいらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高レベルの放射性廃棄物の最終処分については、処分制度を創設して以来十年間、残念ながら処分地選定調査に着手できていないという現状があります。これは我々は真摯に受け止めなければならないわけでございますが、まさに、しかし、この最終処分ということについては、これ、世界がこの問題を何とかしなければいけないという課題であって、このことに対して我々も、言わば技術においてもその責任を果たしていきたいと考えているわけでありますが、処分地選定に向けた取組の強化について、まさに国が責任を持って検討をしてやらなければならないと考えております。
○水野賢一君 まさに今総理もおっしゃられたように、どの国でもこの問題はやっぱり困っているわけであって、逆にそれで、こうすれば解決するというめどがない中での原発というのは、やはり私は、ちょっと持続可能なエネルギーでは少なくともないんじゃないかというふうには思っているということを申し上げたいと思いますが。 原子力に関して、続いて原子力委員会の関係のことをお伺いしたいんですけど、原子力委員というのは国会同意人事なんですよね。五人いるわけなんですけれども、この五人の任期、今二人辞任しちゃったから三人しか残っていないんですが、この三人の任期って全部一月五日に切れているんですよね、今年の。一月五日の任期切れたら、普通は政府が提示してくる、新しい人を提示してくるのが普通なんですよね。ところが、提示してきてない。これはやっぱり政府として、今はどうなっているかというと、任期が切れているけど後任が提示されないからいわゆる職務継続規定が発動をされていて、それは法律上一応その規定はありますから、だから、その職務継続規定が発動されているから、任期は本来切れているんだけれどもその職に三人とどまっているというのが現状ですけど、これ、官房長官でいいんですが、異常な事態だと普通思いませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員の発言は、私、やはり筋道の通っている発言だというふうに思います。 ただ、そういう中で、委員は全て承知の上での発言であろうかと思いますが、まず、この福島原発事故、これによって原子力をめぐる環境が大きく変化をしている。そういう中で、この委員会の廃止、改編も含めて、抜本的見直しをされているこの委員会ですよね。その委員会の委員として新たな方に就任をしていただく内諾をお願いすることが、ここは非常に一つは困難なことであります。 さらにもう一点、抜本的に見直しをするこの委員ですよね。その委員会に法律で定められているのがこれ三年間の任期でありますから、三年間の任期あるこの同意人事を国会に提出することが果たして適切かどうかという、この議論もあることも是非御理解をいただきたいと思います。 さらに、この原子力委員会は、原子力の平和利用の確認や原子力施設の設置許可に関しての答申等、その機能まだありますから、そういう意味において、委員会の在り方の見直しをする当面の間、その機能を欠かすことがなく維持していくために、現在その三人の委員の皆さんにその規定に従ってお願いをしているところであります。 いずれにしろ、これは早急にこの委員会の在り方、このことを山本大臣のところで今煮詰めていますので、そんなに時間の掛からないうちにその方向性というものをしっかり出したいと思いますので、是非御理解をいただきたいと思います。
○水野賢一君 御理解をというふうに言われてもなかなかこれちょっと理解難しい話であって、というのは、今、菅長官もおっしゃられたように、廃止とかいろんな在り方、廃止を含めた在り方いろんな検討しているというか、正しくは検討しようとしているというので、検討は始まっていないんですね、まだ。 だから、例えば一か月後や二か月後に廃止されるというんだったら一か月や二か月のために後任選ぶわけにはいかないだろうという、これは議論としてあり得るかもしれませんけど、実は今、じゃ、例えば廃止するかどうかも全然決まっていないわけですよね。しかも、原子力委員会って原子力委員会設置法という法律で決まっていますから、あしたから廃止とかってあり得ないわけですよ。法改正して施行とかされるから、どう考えたって数か月でこれ新組織ができるなんてことはあり得ないんですから。例えば三年の任期が三年一か月でした、三年二か月になりましたというのは、これはあるかもしれませんけど、このままいくと平然と四年とか四年半とかになっちゃうわけですから。 総理、これ三年前に選んだ人、選んだ政権って何政権が選んだかというと、鳩山政権なんですよね。鳩山政権が選んだときの原子力委員三人を、安倍政権になって、しかも任期切れているのに後生大事にその人を続けているってちょっと変だと、総理、思いませんか、総理御自身でも。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今確かに委員がおっしゃったことは分からないことはありませんが、しかし、この福島原発事故によって原子力をめぐる環境が変化している中において、廃止、改編も含めて抜本的に見直すとされた委員会の委員として、新たな方に就任いただく内諾をお願いすることが非常に困難であったところでございまして、また一方で、抜本的に見直すこととしている委員会について、法律に定められている、先ほど官房長官からお話をさせていただきましたが、三年間の任期の同意人事案を国会に提出することは適切かという議論もありまして、当面の間、現在の委員に引き続き在任をいただくことが適当だと、このように判断をしたところでございまして、どうか委員にも御理解をいただきたいと、このように思います。
○水野賢一君 いや、総理にそう言っていただくと恐縮ですけど、別に私、何かとっぴなことを言っているんじゃなくて、そんなに、じゃ、今の三人が欠くべからざる人物で、なおかつ新任はなかなか難しいというのであれば、これ、原子力委員って再任できるんですよ。再任できるんですから、私が言いたいのは、同じ人を再任の提示をして国会の承認を求めればいいだけのことですから。 これ、職務継続規定というのは、普通、提示したんだけれども、例えば国会で否決されちゃったりしたから、かといって空席にできないとかというときに職務継続、これは分かりますよ。政府の方が、任期切れたのに提示怠ってというのは、ちょっと理解に苦しむと思うんですけれども。まあ、総理の方もなかなか、多分これ、総理が何も主導してこうやっているわけじゃなくて、事務方からそう上がってきているからそうなっちゃっているんでしょうけれども、言っていることは理解してくれていると思いますけれども、もう一度いかがですか、総理。官房長官でいいです。
○国務大臣(菅義偉君) ですから、冒頭、私、筋道はそのとおりだという実は発言をさせていただきました。しかし、現状はそのような状況でありますので、例えば四年とかそういう形にならないように、ここは速やかに処理したいと思います。 〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
○水野賢一君 その言葉をまずは信じたいと思いますが。 最後に、電力自由化の問題についてちょっと触れたいと思いますが、電力会社というのは普通の個人の家は選べないわけですよね、どの会社にするか。私は千葉県選出ですけど、千葉県に住んでいる以上、東京電力以外選べない。その東京電力の社長が値上げは権利だなんということを言ったりとかするから、まさに開いた口がふさがらない事態になるわけであって、これやっぱり、それはさっきもいろんな議論になったような、危惧とか懸念とか、改革ですからそれはあると思いますよ、あると思いますけれども、総理に最後に決意だけお伺いしたいと思いますけれども、電力自由化の方向性を打ち出していらっしゃるわけですから、これをその危惧、懸念によって骨抜きにしたりとか後退したりするようなことがないような、その決意だけ伺って、私の質問を終わります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの議論の中でもお話をさせていただいたところでございますが、国民の皆様にとって低廉で安定的な電力の供給、これはまさに大切な点でございますが、同時に、やはり一昨年の事故を経験した、この経験を生かしながら進めるべき改革はしっかりと進めていきたいと、このように思います。
○水野賢一君 時間ですので、終わります。
○委員長(石井一君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、森ゆうこさんの質疑を行います。森さん。
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。 今日は、原発、環境等についての集中質疑ということで、私は原発の問題について質問をさせていただきたいと思います。 福島原発事故の後、本来であれば国民を放射能から守る、特に子供たちを放射能から守る、こういう方針がもっと明確に打ち出されて進んでこなければならないというふうに思います。 私は、文部科学副大臣のときに、子供たちを放射能から守る、このフレーズを総理の施政方針演説や大臣の様々な意見表明の場で使っていただくようにお願いをし、その方針で進んでこられたというふうに思っておりますが、安倍政権においては、大切な子供たちを放射能から守る、この言葉をしっかりと聞いたことがございません。どんどんその放射線防護に関する規制が緩められていくのではないかと大変危機感を抱いております。 まず、復興庁に御確認をさせていただきたいと思うんですけれども、福島特措法が先般改正されました。私たち生活の党は修正案を出しましたけれども、これが否決をされてしまいました。 どういう修正を提案させていただいたかといいますと、今、居住困難区域、上限五十ミリシーベルト・年間ということですけれども、この居住制限区域にそれまでにいた事業者が事業を再開するのみならず、新規の事業者が事業をそこで開始する、その場合においても税制上のインセンティブを設けるという内容でした。五十ミリシーベルト、大丈夫なんだということで、事業者が新規に開業していいと、これを政府が税制上後押しをする、これは余りにもおかしいということで修正案を提出をいたしましたけれども、残念ながら否決をされてしまいました。 この居住困難区域における事業の再開、新規企業にインセンティブを与える、このことについて正当性はあるんでしょうか。
○政府参考人(岡本全勝君) 先般の法律改正で、今議員御指摘のとおり、課税の特例措置の範囲を拡大させていただきました。これにつきましては、既に被災事業者のうち二十程度の事業者が例外的に市町村の許可を得て、居住制限区域でございますが、居住制限区域で事業を再開しております。これらの事業者を支援する必要がございますので、地元自治体の御要望、あるいは住民の御要望を踏まえましてこれを認めることとしたことでございます。 御指摘のように、労働者の安全、従業者の安全の確保というのは非常に重要なことでございまして、私どもといたしましては、居住制限区域の中でも事業所付近の年間積算線量が二十ミリシーベルトを大きく超えない区域であり、原則として屋内における作業を基本としていただくこと、また事業者が従業員の線量管理を徹底していただくこと、三点目に、もしもこの線量管理が適切でない場合には事業の停止を求めると、このような条件を付けまして再開を認められまして、それを更に税制でインセンティブをつくるということでございます。御理解いただきたいと思います。
○森ゆうこ君 放射線防護の基本的な考え方というものがないがしろにされているのではないかという大変な危機感を持っております。 原子力規制委員会にお聞きしたいんですが、いわゆる公衆被曝限度年間一ミリシーベルトというのは現在も変わっていないと思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(黒木慶英君) 原子炉等規制法や放射線障害防止法等におけるいわゆる原子力施設等の事業者境界の線量限度は国際放射線防護委員会の勧告を基に定められておりまして、現状においても年間一ミリシーベルトでございます。以上であります。
○森ゆうこ君 年間一ミリシーベルトなんですね。 この放射線防護の基本的な考え方、読売の社説、大新聞の社説でこういうことを書いてあるのは本当に理解に苦しむんですけれども、この放射線防護一ミリシーベルトにそもそも根拠がないとか、こんな基準はやめてしまえというような趣旨の報道もありますけれども、とんでもない話だと思います。 年間一ミリシーベルトには根拠がないとの批判については、どのようにお考えですか。
○政府参考人(黒木慶英君) 年間一ミリシーベルトの被曝線量限度の根拠としては、ICRP一九九〇年勧告におきまして、第一点として、非常に変動しやすいラドンによる被曝を除けば自然放射線源からの年間の実効線量は約一ミリシーベルトであるということ、また、年間五ミリシーベルトの継続的被曝によっても年齢別の死亡率の変化は非常に少ないことから定められたものと承知しております。以上です。
○森ゆうこ君 今の答弁はちょっとよく意味が分からないんですけれども、つまり放射線防護の考え方というのは、まず、できるだけ無用な放射線の被曝をしないように国も事業者も責任を負っていると、しかし、一ミリシーベルト以上になったからといっていきなり健康被害が現れてくるわけでもないけれども、しかし、できるだけ低く抑えなければならないのだということがその基本の考え方だと思いますけれども、それだけ、そうかどうか。
○政府参考人(黒木慶英君) 今御指摘のとおりでありまして、基本的には、いろんな数値ございますけれども、安全と危険の境界を表したりする数値ではございません。したがいまして、そういった数値の中で、できるだけ少ない線量の被曝を実現するように努力するといったような内容でございます。
○森ゆうこ君 そして、放射線管理区域というものがございます。皆さんも御存じだと思います。病院などでレントゲンの検査を受けたりするところは放射線管理区域ということで厳しくこれは管理をされています。 福島原発事故の後、放射線管理区域、この境界の線量というものは変更されたんでしょうか。
○政府参考人(黒木慶英君) 被曝管理が行われなければならない区域である管理区域でございますけれども、外部放射線に係る実効線量が三か月で一・三ミリシーベルトを超えるなどのおそれのある場合とされておりまして、この点については変更はございません。
○森ゆうこ君 もう一度確認しますが、つまりそれは年間何ミリシーベルトということが放射線管理区域の境界線ということですか。
○政府参考人(黒木慶英君) 一・三ミリシーベルトの根拠でございますけれども、ICRPが採用しておりますところの公衆の特殊な状況下における年間実効線量限度五ミリシーベルト、これを踏まえまして、それを三か月に割り振ったものでございますので。
○森ゆうこ君 約五ミリシーベルト、これが放射線管理区域の線量なんです、五ミリシーベルトです。 厚生労働省にお聞きします。電離放射線障害防止規則に基づいて労働災害ということで労災で認められた被曝放射線量、この最小値は何ミリでしたか。
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。 昭和五十一年度以降で電離放射線障害に係る疾病として労災認定された事例の被曝線量の最低値は、五・二ミリシーベルトでございます。
○森ゆうこ君 今答弁があったとおりでございます。労災認定されたこの放射線被曝の線量の最小値は五・二ミリ。これは、どうしても放射線を浴びないと仕事ができないというところに作業を従事するその人たちの健康を守るために電離放射線障害防止規則があって、そして、そういう作業に従事した人たちの健康は厳しく管理されており、それでもなお健康に被害が生じたときに労災認定がされて補償をされる、その最低値が五・二ミリなんです。 でも、先ほどの復興庁の話、これは特別、放射線の関係の仕事でもない一般の事業者、それが五十ミリ、最大五十ミリのところでも一定程度の条件を課せばその事業を再開でき、そしてさらには新規の事業者までそこに呼び込んでくると。これ、どう考えてもおかしいと思うんですけれども、総理、いかがですか。内閣としての基本的な放射線防護の考え方というのは大幅に変更したんですか。
○国務大臣(根本匠君) 森ゆうこ議員にお答えいたします。 放射線防護の考え方、ICRPでは今お話がありました三つの被曝状況に類型化しているんですね。 一つは、緊急時被曝状況。これは例えば、原発事故の直後の不測の場合。これは参考レベルとして、予測線量二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトのバンドの中、そこから選択しなさいと。ですから、原子力事故のあの直後は、二十から百で、前政権のときですけれども、二十を採用しましたよね。 もう一つの類型は、計画被曝状況。これは先ほど話がありました、実際に放射線量を使う作業環境の中でどういう管理基準を、防護基準をやるか。例えば、医療機関でも年間五十ミリシーベルト、五年間で百ミリシーベルト。これは、医療機関ではそういう管理値になっております。これは計画被曝状況という概念。 もう一つは、現存被曝状況という概念、三つ目の類型。これは、管理する必要性を検討する段階で既に被曝経路が存在するような状況、通常の自然放射線源の被曝や、あるいは今回の事故後の環境汚染による住民の被曝なども含まれると。これはICRPでその三つの類型がなされております。 そして、この現存被曝状況、これは現在の状況に近いんですが、これは参考レベルは予測線量一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトのバンドで、できるだけ低い方がいい、低くしましょうと、こういう考え方ですから、今までの答弁で我々政府の考え方に矛盾はないと私は思います。
○森ゆうこ君 今御説明がありました。 私は、文部科学副大臣のときにウクライナへ行きましてチェルノブイリを視察し、チェルノブイリ立入禁止区域長官、ホローシャ長官と会談もさせていただきました。二十六年たちましたけれども、汚染の線量というものはあるところまでは減衰しましたけれども、やはり汚染がまだまだ深刻であると、ただ、余りにも広範囲に当時避難させてしまったがために、心理的、経済的な負担も大きかった、もう少し緩めるべきであったというふうに長官はおっしゃいました。 私が、それでは、お会いしたときは二十五年前ということですが、二十五年前に立ち返るとして、何ミリ、どういう基準で避難をさせますかと、避難指示基準をどうされますかとお聞きしましたところ、チェルノブイリ事故のときには土壌の汚染濃度に基づいて避難をさせた、しかし、シーベルトでやるべきであった、人体への影響ということでシーベルトでやるべきであったと、その数字は年間五ミリシーベルトで避難をさせるべきであったと、そのように回答をされました。 この二十五年間の大変な困難を乗り越えての私たちに対する回答ですから、私はそれなりに根拠があるというふうに思っております。このことは前政権のときに提案いたしましたけれども、残念ながら採用されませんでした。 私は、やはり放射線防護、これは、できるだけ被曝をさせないようにする、そのために様々な施策を講じる、これが基本の立場であると。なし崩し的に線量が見直されるのではないかという大変危機感を抱いておりますけれども、復興大臣、そうしますと、防護措置の具体化ということで規制委員会に検討を依頼しておりますけれども、この防護措置の具体化というのは、住民の避難基準を緩めると、もっと規制緩和して大丈夫なんだと、高い線量でもそれほどでもないんだと、そういうふうな方向にするということではないということを確認させてください。
○国務大臣(根本匠君) 私は、確かに三月七日の原子力災害対策本部の場で、避難指示解除に向けた検討として線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化、これを年内を目途に一定の見解を示していただくように依頼をいたしました。 この依頼は、住民が安全、安心に暮らしていくためには線量基準に対する考え方について客観的な根拠に基づく国民の理解が必要だと思っているからでありますし、また、福島県の地元自治体からも、避難指示の解除後、住民が安全、安心に暮らしていくための線量基準の在り方の検討や国民の理解の浸透に取り組むべきとの要望を受けているところであります。そして、私が要請したのは、この地元の声にこたえるべく、二十ミリシーベルト以下の線量水準に応じて講じる防護措置の具体化などについて、避難指示解除に向けて、国際的知見も踏まえつつ、科学的、技術的な見地からしっかりと検討を行っていただきたいということであります。
○森ゆうこ君 原発事故被災者・子ども支援法の基本方針がなかなか決まりません。この方針をきちんと、まず数値を、きちんとこのレベルを決めないと、自主避難をしている子供たちへの支援ができないと。いつまで放置をするつもりなんでしょうか。これはいつ決まるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) いや、まさに一定の基準が非常に難しいんだと私は思っております。やっぱり一定の基準というのは、放射性物質の影響という専門的な内容を含みますから、専門的、科学的、技術的な検討が必要だと思っております。 私もチェルノブイリに行ってまいりました。ホローシャ長官、関係者の方とも話をしてまいりました。あのチェルノブイリの五というのは、あれはあの当時、爆発直後、コルホーズで国営の集団農場ですから、そこが汚染された。ですから、彼らはその五ミリシーベルトで、ウクライナ独立のときの混乱の中で五ミリシーベルトという基準を決めましたが、基本的にあそこは、そこで住んでそこで農業を営んでいますから、内部被曝ということで、かなりその五の中も内部被曝のウエートが大きい。ここは私は日本とは相当異なるなという印象を持ちましたが、いずれにしても、その五の、一定の基準については原子力規制委員会に検討をしてもらっていますから、この進展状況も踏まえながら得られた知見を活用して、できるだけ早く一定の基準を含めて基本方針の策定に努めてまいりたいと思いますが、ただ、それでは具体的な施策が遅れますから、我々は三月十五日に具体的な施策の政策を盛り込んだ原子力災害による被災者支援パッケージ、具体的な施策は講じることにしていますから、ここは被災者支援法の趣旨を体して我々具体的な施策は確実に着実に進めていきたいと思います。
○森ゆうこ君 とにかく、戻ってこないといろんな支援が受けられないということで、自主避難をしている、私ども新潟県に避難してきている人たちからも大変不満の声が強まっているということを再度申し上げておきたいと思います。 総理、私は小沢一郎代表とともに、昨年、ドイツに脱原発視察に行ってまいりました。アルトマイヤー環境大臣ともお会いをしてきました。ドイツでは、御存じのように、福島原発事故を受けて脱原発、原発をゼロにするということを全ての政党が賛成をして決め、着実に進んでおります。原発は人間とは共存できない非倫理的なエネルギーであると、ドイツ倫理委員会でこのような結論を出し、それに基づいて政治が判断したものでございます。なぜ日本ではそれが決められないんでしょうか。茂木さん、いつも有り難いんですけれども、今日は総理の方針をお聞きしたいので。 自民党さんのこの夏の参議院選挙の公約として、とにかく再稼働するんだと、そしてトルコのような地震国にもどんどん原発を売っていくんだと。これは、私も去年孫が生まれて、今年二人目が生まれるんですけれども、子供たちそして孫たちの世代に本当に責任が持てない。子供たちを放射能から守る、そういうことから考えても、これはもう特に女性の皆さんから言われるんですけれども、そういう母親たちの気持ちから乖離しているというふうに言わざるを得ないんですが、なぜ原発推進するような方針なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) エネルギー政策については、まず、いかなる事態においても国民生活や経済活動に支障がないようエネルギーの需給の安定に万全を期すことがこれはまさに政治の責任だろうと、このように思います。 今、ドイツの例を挙げられたわけでございますが、ドイツと日本が決定的に違う点は、日本は島国であるという点であります。ドイツは、EUの中において、電力においてもネットワークでEUの国々とつながっているわけでございます。その中で、例えばフランスともこのネットワークでつながっている中において、いざというときにはフランスの電力も供給されるという立場にあるわけでありまして、フランスは御承知のように原子力で電力を供給をしている国でございます。そこが日本の場合は、外部から電力を買ってくるということは島国であるという点においてこれは決定的にできないという中において、これはまずドイツとは決定的に違う点であるということは押さえておかなければいけないと、こう思うわけであります。 そして、何といっても資源小国であることを踏まえて、安定的なエネルギー供給体制を構築をしていくことが必要であります。 このため、今後三年程度の間に再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限加速をさせていくとともに、原発の再稼働については世界最高レベルの科学的安全基準の下で判断をしてまいります。世界最高水準の高効率火力発電を環境に判断しながら導入をしつつ、これらの動向を見極めた上で、極力早いタイミングで実現可能かつ責任あるエネルギーのベストミックスを確立をしてまいります。 現時点ではその見極めが付かない以上、軽々に脱原発を決めるのは責任あるエネルギー政策とは言えないと、私はこのように思います。
○森ゆうこ君 先ほど来、使用済核燃料、高レベル廃棄物の話、いわゆるトイレのないマンション、その最終処分場も決まっていない、そして核燃料サイクルについては先ほど否定されませんでしたけど、核燃料サイクルなんて絵空事でしょう。まだ一つもうまくいっていないじゃないですか。「もんじゅ」は停止命令へと、朝日新聞の今日の朝刊一面は。その中核を成す「もんじゅ」もこれは止まってしまうと。そもそもろくに動いていませんけどね。 という中で、これは本当に、逆にそちらの今おっしゃったようなことが絵空事ではないかというふうに思いますし、先ほど総理がおっしゃいました、私もアルトマイヤー環境大臣に質問しました。日本国内では、ドイツの脱原発は原発で発電したフランスの電力に頼っているからじゃないかという批判がありますけど、どうですかというふうに質問をしましたら、ノーと言いました。それは、むしろフランスは、冬場は電力の需要、暖房のために非常に多い、それから夏場は川の水で冷やしているので、冷却できないので発電量が制限される、だからそういう批判は当たらないというふうにお話がございました。じゃ、どうしてそんなに、再稼働しなくても大丈夫なんじゃないですか。 東京電力に伺いますけれども、先般、生活の党、我が党のはたともこ委員から指摘がありまして、政府からお答えをいただきました。東京オリンピック招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルにおいては、東京電力の電力供給力は今でも十分であるというふうに記述がございます。そしてまた、今後の計画についても原発のことは一言も触れられておりませんが、その記述について正しいと御認識か。
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。 東京オリンピック招致委員会がIOCに提出された資料の中に電力の発電能力という項目がございまして、そこに触れられている記述のことを御指摘になっていらっしゃると思いますが、私どもの計画と相違ございません。
○森ゆうこ君 つまり、ここに書いてある記述は正しいというふうに今社長からお認めをいただきました。 既に今、現時点においても、昨年、二〇一二年七月から八月の最大電力需要が五千七十八万キロワットであったため、七百八万キロワットの予備力があると。さらには、火力発電のリプレース等々で更に充実するというふうに書いてございます。これを東京電力もお認めになったということです。 私はここの、まあ招致委員会に文句を言うわけじゃないんですけど、ここの中で新潟県民としては許せない記述があります。「東京都内において、東京電力株式会社が所有している原子力発電所は存在しない。」。わざわざ原発がないということを宣伝文句に入れているわけですよ。じゃ、新潟で再稼働するのはいいのか。要らないんじゃないですか、柏崎刈羽発電所再稼働は。
○参考人(廣瀬直己君) 需給バランスから十分に供給力があるので必要がないんではないかという御指摘だと思います。 確かに五千八百万近くの供給力を持っておりますけれども、その中には四十年を経過したいわゆる老朽火力というのを今、老兵にむち打つような形でやっているものが八百万キロワットございます。さらに、震災以降、かなり急ピッチで緊急的に置いた電源が二百万キロワットございます。さらには、揚水発電所といって、御存じのように、夜間に電気を使って水をくみ上げるというものが九百万近くございます。したがって、五千七百万といっても、かなり相当なやりくりをしてそろえたという電源でございます。 一方で、お使いになる方のデマンドサイドですけれども、この間、大変皆さん節電の努力をしていただいて、それによって、これまでの必要量よりも大分下がっているのは事実でございますが、これから経済が回復して円安も進んで国内での生産が回帰するといったようなことも十分考えられますし、何より私ども、供給責任を担っている立場として、節電にいつまでも頼っているといいますか、節電をきっとしてくださるからこれぐらいで大丈夫だろうというような形というのもまた本来の姿ではないんではないかというふうに考えておりまして、引き続きこれからもその供給力の整備というのは大変重要だと思っております。 その際には、当然安全を優先して、地元の御理解をいただくように進めてまいりたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 古い火力については、高効率の石炭火力、そしてガスコンバインドサイクル、これは日本の技術は最高ですし、これをむしろ私は立地地域の経済再生にその起動力として使っていくべきであるというふうに考えております。 原発立地地域の選出の議員として、この原発を確実に安全に廃炉にし、そして新しい政策で地域を活性化していくことが私の使命であるというふうに決意を申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で森ゆうこさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、紙智子さんの質疑を行います。紙智子さん。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 私、大間原発について質問いたします。青森県のこれは下北半島大間町に建設中の電源開発の原子力発電所ですけれども、これ、二〇〇八年の五月に着工し、そして二〇一一年三月の東日本大震災の影響で工事が中断をし、昨年十月に反対の声を無視した形で工事が再開をされました。 この原発は、使用済核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を全炉心で燃やす世界初のフルMOXの方式です。その安全性は十分検証されておらず、計画段階から危険性が指摘をされていました。MOX燃料は核分裂の制御が難しいとされ、ましてプルトニウムは毒性が強いので、一旦事故が起きれば通常のウラン燃料の原発よりも被害は甚大となるということで心配をされてきたわけです。さらに、専門家からこの大間原発の敷地と沿岸海底に活断層の存在が指摘をされています。(資料提示) それで、ちょっとこのパネルを見ていただきたいんですけれども、この大間原発発電所のPPAとUPZです。昨年改正された原子力防災指針で、地域防災計画の策定が自治体に求められる地域がこのUPZ、三十キロ圏内です。それから、PPAの五十キロ圏内は防護措置が必要となる地域と。 それで、この下のところが青森県庁で、函館の方が近いわけですけれどもね。大間原発の五十キロ圏内には、青森側には九万人、北海道側には三十七万人住んでいます。函館と大間の最短距離、これ地図で見ると、一番近いところで大体二十三キロというふうに言われています。晴れた日になりますと、大間町、函館の間では町並みが見えて、花火なんかが見えるわけですね。そのぐらいの距離にあるわけです。 この三・一一の福島第一原発を経験して、当然このフルMOXの安全性の再検証や原発周辺の活断層の再評価など改めて再検証しなければならなかったのに、何事もなかったかのように事業者は工事を再開したわけです。そもそも北海道側には一切説明もなしに、これ一方的に通告をし、函館にも説明なかったと。 四月六日に実は函館市でシンポジウムをやられたんですが、福島から函館に避難されている方が、子供の被曝の、非常に恐怖だということを語り、会場から、もし事故が起きたら、この豊かな地域、豊かな海、人が住めなくなる地域になってしまうと、そうさせてはならないということで意見が出されていました。 そこで総理にお聞きしますけれども、あれだけの福島原発事故を経験して、今も収束をしていないと。そういうときに、何事もなかったかのように、北海道側のこの近隣市町村には何の説明もされないまま建設が進んでいるということに住民の皆さんの非常に不安が広がっていると。この不安を感じるということを当然だというふうに思われませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大間原発については、原子炉の設置許可及び工事計画認可が行われておりまして、工事再開は事業者である電源開発の判断であります。ただし、実際に稼働するに当たっては、原子力規制委員会の専門的な判断に基づいて安全と認められる必要があります。 今後、政府としては、原子力を含むエネルギー政策に係る情報発信に努めるなど、立地自治体を始めとする関係者の理解と協力を得るための最大限の努力をしていきたいと思っております。
○紙智子君 総理、私が総理にお聞きしたのは、住民の皆さんが非常に不安を感じていると、そのことに対しての、その不安の気持ちに対して、総理、どのように思われますかというふうにお聞きしたんです。もう一度お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 稼働に当たりということなんでしょうか、その原発の稼働に当たっては、理解を得る地元自治体の範囲ということでございますが、どこまで、その稼働に当たっての説明ということにおいては……
○紙智子君 不安に対する気持ちです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 不安に対するですね。不安に対するお気持ちというのは、それは二年前の過酷事故の経験がございますから、そういう中において不安を持つ方もおられるだろうということは私も理解できるわけでございまして、そういう意味においても、先ほど申し上げましたように、情報発信等はしっかりと行っていきたいと、このように思っております。
○紙智子君 それで、様々な本来ちゃんとやらなきゃいけないこともやらないまま、何事もなかったかのように、あれだけの深刻な事故を経験しながら建設が進められているということで非常に不安があるわけですけれども、そこで原子力規制委員会の田中委員長にお聞きするんですが、この大間原発には活断層が、敷地内とそれから近くの海底にあるということが指摘されているんですけれども、この活断層の調査はなされたんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 活断層の調査については、まず第一義的に事業者が実施し、その許認可を行う私どもとしては、その調査結果について厳格に確認することにしております。 私どもが審査するに当たって不足という判断をした場合には更なる調査を求めるということで、大間原発についても現在整備している新しい基準のバックフィットを求めるということで進めたいと考えております。
○紙智子君 私は、今年、その建設現場に行きました。それで、電源開発の方からいろいろ説明聞いたときに、活断層の調査したんですかと言ったら、していませんと、特にまだ何もやるように指示はいただいていないという話があったわけですよ。自主的に第一義的には事業者がやると言われたんですけれども、言われなきゃやらないのかなというふうに思ったわけですね。やっぱり、やらないのであればちゃんとやるように言わなくちゃいけないというふうに思います。 問題は、こうやって実際には、あの福島の事故があったのに、調査をまだしてもいないのに建設だけがどんどん進んでいると、これは問題だと思うわけですよ。そういうことに対して住民の皆さんが怒っているわけですね。 私、青森県側のところも含めて、いろいろやっぱり変化が起こっていると思うわけです。例えば、この地図にもありますけれども、大間町の隣の町ですけれども、風間浦村の村長さんは、新聞などでも、福島事故を体験して、事故が起きたらどれだけ悲惨なことになるか、住民の命と安全に責任を持つ立場から見れば、逃げ道がない状況をそのままにして進めるというふうにはなかなかならないんだというお話を言っていますし、それから、その一つ挟んだ佐井村、ここは村民説明会では反対意見が多く出されているということが報道されているわけですね。 それで、一方で函館市長は非常にはっきりと言っていますよ。国は大間原発の建設再開を容認し、電源開発は十月一日に建設を再開しましたと。既存の発電所で十分電力を賄っている中で、大間原発は再稼働と違って新たに稼働させようというものであり、現時点での電力需要とも関係ありませんと。福島原発事故以前の安全神話の中で許可された大間原発の建設再開を強行したことは到底容認できませんと述べているんです。そして、この二月に総理官邸にも大間原発の建設の無期限凍結を求めて要請に行っているわけですね。 政府は、既存の原発については安全確認をしてから再稼働するとしているわけです。しかし、大間は、これ活断層やフルMOXの安全性を再検証することなく工事が進んでいるわけです。まず、これ工事をストップして安全性を確認するというのは当然のことじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 既存の原発についてはもう炉ができ上がっているわけですね。それについてはその新しい安全基準の下で安全性をチェックすると。大間につきましては、まだそこまで行っておりません。工事の途中であります。工事の認可は下りておりまして、事業者の判断で工事を進めている。当然、これにつきましても、でき上がった段階では新しい安全基準に従って安全性がチェックをされると、当然のことであります。
○紙智子君 だから、まだできてないから、ちゃんとその活断層だとかフルMOXの安全性だとか検査、検証しなきゃいけないじゃないですか。できないから、まず造ってしまってからやるってなったら、結局要らなくなったときにやめるといっても無駄じゃないですか。今判断しなきゃいけないときじゃないんですか。 もちろん、これ、事業者自身がちゃんとそのことを判断しなきゃいけないということあるんだけれども、北海道側の周辺自治体の声を本当にちゃんと聞いているのかということがみんなから出されている怒りの声なんですよ。その関係者は、総理官邸に対してこの間要請してきたと。国策で原発政策を推進しながら、福島原発事故以前の安全神話の中で許可された原発を、あれだけの事故を起こしながら、その後何事もなかったかのようにこの建設を進めていると。こういうやり方というのは、事業者任せにしないで国が国策として責任持ってこれはちゃんと説明をするし、地元の皆さんとやり取りするべきじゃないんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の福島の事故の反省、教訓を踏まえまして新しい規制委員会をつくったわけであります。その下で新しい基準を作り、それに従って安全性のチェックをしていくということになるわけであります。当然、稼働するに当たりましては、立地自治体始め関係者の皆さんの御理解を得るよう最大限の努力を国としてもしてまいります。
○紙智子君 凍結を求めているわけですよ。無期限凍結を現地から求めているわけです。それで、官邸に直接出かけていって総理に対しても要請しているわけですね。これにちゃんとこたえるべきじゃないんですか。総理、これに対してもう一度ちゃんと答えてください。
○委員長(石井一君) 茂木経産大臣、そして次に総理。
○国務大臣(茂木敏充君) 様々な声をしっかりと受け止めて、いずれにしても、稼働するに当たっては立地自治体始め関係者の皆さんの御理解を得る最大限の努力を国としてしてまいります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に経産大臣が答弁をさせていただいておりますように、いずれにせよ、稼働に際しては、原子力規制委員会で厳しい基準の下に専門的な判断をいたします。同時に、立地自治体を始め周辺の自治体について御理解をいただくような努力をしていきたいと、このように思っております。
○紙智子君 不安は本当に広がるばかりの状態なわけですよ。それで、そもそも造る必要がない原発だと。要らないんですよ。核燃料サイクルは既に破綻していると。周辺自治体、住民の声も、やっぱり必要ない、なくしてほしい、造らないでほしいと言っているわけで、是非この大間原発の建設はきっぱりやめるべきだということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(石井一君) 以上で紙智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、谷岡郁子さんの質疑を行います。谷岡さん。
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子です。 今日の質疑では、放射線医学の専門家であり、元国会事故調委員であった崎山比早子さんを参考人としてお呼びしたいと考え、御本人からの承諾も得ておりました。しかし、その希望は理事会における自民党の反対でかないませんでした。私が各種委員会で元国会事故調の委員を呼ぼうとして拒否をされましたのは、これで五回目ないしは六回目であります。多くの同僚議員も同じ目に遭っております。よく分からない理由で自民党等に拒否をされ続けているのであります。 国会事故調は、二〇一一年十二月に国会で新たな法律を議員立法で作ったという形で設置されました。六か月間で調査をするように命じられて、二〇一二年六月二十八日に報告書が出されました。六か月間の調査中、国会議員は接触を禁じられ、終わった後も参議院委員会に委員たちを呼べない状態が十一か月続いております。事故調がその勧告の第一として調査を国会が継承するように求めているという事実があるにもかかわらず、我が参議院としてこれにこたえられていないという不誠実であります。 そもそも、委員の人選は自民党を含む各党の協議で行われました。国民のために国会が事故調で仕事をするのにふさわしいと選んだ人々であります。この人たちを今、国会に元事故調委員だからという理由で呼べないのであります。こんなばかな話がありますでしょうか。 事故調の言うところの癒着の一部に自民党が積極的にかかわっているということを疑われても仕方のない事態になっています。自民党が原子力村の一部でないのなら、また、安全神話の復活のために国会自身が選んだ有識者の意見を封印することが目的ではないのなら、直ちに態度を改めて、国会として委員たちを、そしてその知識と経験を生かしていただくということをお願い申し上げたいと思います。 さて、今朝の時点で崎山さんを参考人として呼べないことが判明いたしましたので、私の質問状を送り、その回答を崎山さん本人から送付いただきました。ここでこれを公表することに同意いただいております。その内容を申し上げます。 一の質問。事故調査報告五.二.三の記述で、電気事業者は学会に対しても様々な働きかけをしてきたとあり、国際会議出張費の負担や都合のよい研究支援を行ってきたとあるが、このような結論を導き出すに至った資料に参考人は目を通したのか。 答え。はい、電事連のたくさんの資料に目を通し、重要と思われるところを報告書に書き写しました。これは今日の資料でお出ししております。 二、その中で、非がん影響に関する研究に関し、最近、EUを中心に科学的知見が不十分であっても予防原則の観点から厳しい放射線防護基準にすべきだというようなことが言われている中で、厳しい放射線防護要求とならないよう研究を進める必要があるとあったのは事実か。そして、現在でもこれは続いており、政府の政策はこのような慣行、文化に引きずられていると思うか。 答え。はい、そのとおりに書いてあったことです。そして、文化、慣行に引きずられているかということについては、そう思います。ただ、電力会社だけがイニシアチブを取ってそうしているのではなく、政府も原子力政策を進めていく上でそうする方が得策であると考えていると思います。それは二〇一一年十一月の文科省から小中高校生に配付された放射線等に関する副読本の内容から見ても明らかです。また、事故以前から文科省が放射線教育フォーラムを通じて学校の先生に対して行っていた放射線安全教育からも分かります。また、ICRP委員は、政府の放射線審議会、原子力安全委員会、学会の顧問等を兼任しておられる方もいますので、放射線研究者には大きな影響力があると考えます。 三、子供の放射線被曝に対する感受性は大人より高いか、それはどの程度だと言われているか。 これは、発表する人によって随分違います。国会事故調報告書では、米国科学アカデミーの低線量電離放射線被曝の健康リスク委員会からの報告書、BEIR7のデータを採用しています。それによれば、例えばゼロ歳の女の子は四十歳の男性の約七倍、四十歳の女性の四倍感受性が高いとなっています。また、ドイツ、スイス、イギリスの原発周辺に住む五歳以下の子供に小児白血病が統計学的に有意に上昇しているという報告もあります。この場合の線量は年間一ミリシーベルト以下です。さらに、イギリスの自然放射線が高い地域に子供の白血病が増えているという報告があり、蓄積線量五ミリシーベルトで統計的な有意差があります。 四、現在の福島県で周辺地域の線量から考えて母子避難をしている人々は大げさであり、過剰反応だと考えるか。 答え。上に述べたことを考えれば、子供の将来のために避難したいと思うことは母親にとって自然な感情だと思います。 五、政府や福島県が健康リスクを子供の甲状腺がんに限定し、甲状腺の超音波検査のみ行っていることに対しどう考えるか。 答え。山下氏等がまとめた報告書、チェルノブイリ事故後十年の中にある論文では、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモン、抗サイログロブリン、抗マイクログロブリンを調べています。このうち、ATG、AMGは上昇しており、TSHとT4の値から甲状腺機能亢進症は〇・一四%、甲状腺機能低下症は〇・一三%に見られたとしています。すなわち、甲状腺細胞の障害により自己免疫疾患となり、機能異常が引き起こされているというものです。増えたのはがんだけということではないということです。 六、予防原則に立つとはどういうことか。 放射線の影響は時間がたってから現れ、しかも遺伝子の変化ですから、変化が出てしまってからでは元に戻りません。それから対策を立てても既に遅いのです。低線量放射線の影響はチェルノブイリ事故で明らかにされているので、その影響が出る前に対策を立てておくのが賢明だと思います。 七、ほかの異常として国際的にどのような疾病がリスクとして考えられているか。 ヤブロコフ等著でニューヨーク科学アカデミーから出版された「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」という本があります。ちょうどこの四月に岩波書店から翻訳が出ました。それによりますと、あらゆる臓器に障害が現れます。免疫力が低下することによる感染症の増加、チェルノブイリエイズとも言われています。消化器系、心臓血管系、呼吸器系、内分泌系、神経系疾患などが増えています。特に子供の体が弱くなって、一人で幾つもの疾患を抱える子供が多いということです。これは若年性の老化とも言われ、深刻な問題です。国会事故調の第七回委員会で、ウクライナ非常事態省水文気象学局中央地球物理観測所副所長のタバチニー氏も同様なことを証言しておられました。 では、それはどういうふうな形でこの異常を調べればよいのかという質問に対しましては、答えは、障害が起きるのは甲状腺がんだけだという先入観を捨て、体全体の機能について丁寧に診察していくことが必要ではないでしょうか、心臓血管系の変化は、心電図や眼底検査を行えば、子供の体への侵襲がなく有用な情報が得られると思います。 以上です。 私は、崎山さんは、低線量放射線被曝の影響が完全に明らかになっていない現状では、予防原則に立って、あらゆる可能性を排除することなく、原発事故の被災者たちの健康を守り、異常の早期発見をするために血液検査等の全般的な健康モニタリングが必要だと訴えておられるだけだというふうに思っています。それなのに、事故調報告書五百二十一ページからの数ページに明らかなように、電事連を始めとする業界は長年にわたって都合の良い意見を言い、安全基準を緩めるために働いてくれる御用学者たちを多数養成してきました。そして、その人々を使って、予防原則に立って国民を守ろうとする意見を封殺してきたということです。資料に当該部分がございます。 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)このパネルは事故後の血液検査の有無を表しています。チェルノブイリでは、山下俊一さんら自身が日本の笹川財団の費用を使って血液検査を行いました。東海村のジェー・シー・オーの事故後も、一ミリシーベルト以上の人々には血液検査を行いました。また、範囲の外の人でも希望者には診断をやりました。なのに、福島の事故の後では、その必要性は各界やまた被災者から訴えられているのに、その願いは退けられ続けています。石原大臣、それはなぜですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 若干事実誤認ではないかと思うんですが、一次検査の後、これは甲状腺の一次検査でございますけど、その後、二次検査で血液検査は実施をさせていただいておりますし、政府として福島の子供たちの支援というものにはこれからも万全で当たらせていただきたい、こんなふうに考えております。 詳細については、医者でございます保健部長もおりますので、お聞きいただければと存じます。
○谷岡郁子君 これは超音波検査で異常が見付かった人にのみ血液検査をしているわけなんですね。もっと広範な病気を対象とすることが必要だと再々この予算委員会でも申し上げてまいりました。 私はエイズを思い出しています。帝京大の安部さんが山下俊一氏にダブります。厚労省の松村さんが現在の環境省の佐藤さんや復興庁の水野さんにダブって見えます。リスクを心配する声が上がり、子ども・被災者支援法が政府の責任ある実施を求めているのに、必要な対応が今もなされていないのは明らかに違法であり、そして未必の故意だと思うのです。そして、告発に値する行為だとも思っております。 やはり現政権は原子力村の一部なのでしょうか。安全神話を復活させていいのでしょうか。国民がそう思っても仕方がないような事態が進行していると思います。 総理、前国会が全員一致で通した子ども・被災者支援法は、予防原則に立って被災者の健康を守るために国が責任を果たすことを求めています。しかし、十八歳以下の子供の甲状腺に絞って検査をするなど、今は全くその責任が果たされていないと思います。地域を広げ、年代を広げ、疾病、障害の範囲を広げて、可能性をみだりに排除することなく健康診断、検査を行っていくべきなのに全く不十分だと思いませんか。特に、若い女の子たちは今、子供が産めるのだろうか、乳がんにならないだろうかということを大変心配しております。いかがでしょうか、総理。
○国務大臣(石原伸晃君) 総理の個人的な見解、また総理の御見識は後ほどお聞きいただきたいと思いますが、県民健康検査というのは決してその甲状腺検査だけを念頭に置いているものではございませんし、私も福島医大のこの点につきましては先生方に今委員が御指摘をされたようなお話も国会等々で十分聞かせていただいておりますので、率直に放射線の専門家とも議論をさせていただいてまいりました。 そして、この検査の内容というものについては、地元の方々と放射線の専門家の方々が決めてそれを国際的にもUNSCEARの方でオーソライズしていただいたものであると。そして、その全員の方々に、そのようなことをやるんであるならばそのことをまた医学の専門家の立場から違うことにさせていただいた方が私はいい、こんな意見も聞いてまいりましたので、この点につきましては、私、専門外でございますので、やはり専門家の皆様方、医師、あるいは放射線の専門家の方々の大多数、すなわちいろいろな意見があることもまた事実だと思います。 ただいま委員が事故調の委員の方のお話を披露されましたけれども、私もそれは一つの見識であると思います。ですから、数多くの識者の見識というものを取り集めた形の中で適宜適切な対応を取っていくということが望ましいものだと考えているところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま石原大臣が答弁したとおりでございますが、もちろん被災地の子供たちの健康については万全を期していかなければならないのは当然のことでございます。子供たちの健康について不安を抱いている方がおられることを踏まえて、国民とのリスクコミュニケーションなど、福島県の内外を問わず実施をしている健康不安対策に向けた取組を施策パッケージに盛り込んでいるところでございますが、万全を期していくと同時に様々な専門家の知見を集めていくということも重要であろうと、このように思います。
○谷岡郁子君 石原大臣が言われた専門家なるものこそこの崎山さんが告発されている方々であるということであり、そしてその崎山さんをこの国会に呼んでいただけなかったという事実が、もうどういう方向へ行こうとしているのかという事実を示しております。そして、子供の血液検査も尿検査も行われていないという事実を指摘しておきたいと思いますし、それが必要だということを申し上げ、みどりの風はこのような事実のねじ曲げ、真相隠しが行われるということは断固認めないということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で谷岡郁子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島さん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今朝の朝日新聞に、原子力規制委員会が「もんじゅ」を停止命令へという記事が出ております。これはこのとおりでよろしいんでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 日本原子力研究開発機構が所有している「もんじゅ」については、昨年の秋に立入保安検査の結果、点検不備という事象が見付かりまして、その後詳細に調べたところ、一万件近い保安検査をしていないという事実が分かりました。その後、そういった事実が発生したということで、規制庁として、規制委員会としては、その状況を正確に把握するために調査を進めてまいりました。 今お尋ねの件ですけれども、まだ調査結果を取りまとめ中ですので、現時点でどういった対処をするかということについて、本委員会としては決定した事実はございません。
○福島みずほ君 高速増殖炉「もんじゅ」はずっともう動かない。ナトリウム火災事故も起きましたし、今委員長おっしゃったようなたくさんの問題があります。高速増殖炉は停止命令へ、そして廃炉へということを社民党として強く申し上げます。 次に、自作自演ではないかという点についてお聞きをします。(資料提示) エネルギー・原子力政策懇談会は、二月二十五日、安倍総理と茂木経済産業大臣に対して緊急提言、責任のある原子力政策の再構築、原子力から逃げず、正面から向き合うなる文書を提出をしております、こう出していますね。これについて、原発は必要だ、原発再稼働すべきだ、再処理をすべきだ、そして事もあろうか、原子力委員会はきちっと電力会社の意見を聞けということも入っております。 ところが、この緊急提言の中身と、その前に作られた文書が全く同じもので、その文書を誰が作ったのか。これは、このUSBの中にも入っているんですが、配付資料の中にありますが、これは、ここの資源エネ庁の恐らく香山弘文さんが作ったんではないかと思いますが、このプロパティーを見ていただきたいというふうに思います。このプロパティーは経済産業省というふうに明確になっておりまして、作成が必ずこれは出るんですね。ですから、それを見ますと、経済産業省情報システム厚生課作成となっております。これは全てのものがここから作られていると。もうこれは本籍地である経済産業省というのがきちっと載っています。 これは何かというと、一見民間人が、有馬さんが会長で、会長代理が元経産省事務次官の望月さん。そして、座席表を見ていただくと、経済産業省の役人も代わる代わる出席をしている。そして提言を出した。しかし、その緊急提言、原発やれというのは実は経済産業省が作っていたということなんです。 それで、お聞きをいたします。これ、やらせであるということが私は判明していると。しかも、このプロパティーについて経済産業省が作成しているということがもう明らかですので、これは経済産業省自身がやったということをお認めになるべきではないですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 福島先生、お言葉は慎重に使われた方がいいと思います。きちんと事実確認をされた上で、事実に基づいておっしゃっていただきたい、こんなふうに思いますが。 このエネルギー・原子力政策懇談会の提言につきましては、二月の二十五日に有馬会長から受け取らせていただきました。その際、有馬会長からは、この提言は産業界や学者など有識者をメンバーとして活動を行ってきた懇談会の有志がまとめたものと、このように有馬会長は述べられておりました。 提言の内容につきましては、様々な項目ございましたが、国際基準にのっとった安全規制の確立などを求めるものでありまして、原子力政策の在り方について有意義な御提言をいただいたと思っております。しかし、現政権の原子力政策、エネルギー政策、この提言をいただく前、そしていただいた後、大きな変更、一切ございません。 そして、いろんな形で経済産業省の関与というお話いただきましたが、民間団体等が作成をいたします様々な提言ございます。相手側の求めによりまして、関連の一般的な資料であったりとか情報については御提供を申し上げております。同時に、相手側の求めによりまして、こういったものをまとめたんだけれど意見はあるかとコメントを求められた場合はコメントもさせていただいております。
○福島みずほ君 いや、答えてくださいよ。プロパティーは明確に経済産業省が作成しているんです。同じ文書を、緊急提言と同じ文書を経済産業省が作成者として作り、それが緊急提言になっているんですよ。何で経済産業省が作成者になっているんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 福島先生、お配りいただいた資料のこのエネルギー・原子力政策懇談会提言と、これでよろしいですか。
○福島みずほ君 はい、そうです。
○国務大臣(茂木敏充君) 黒い幾つか潰しというか、入っているんですけど、何か、以前、永田メール事件というのがあったんですよ。十年ぐらい前だったですかね。幾つか消し込みがあったんですけれど。 それで、こういった、先生、パソコンとかよく使われますか。例えばいろんな資料を作るときに、最初のやり取りの始まりがこのシステム課であっても、前回保存者、これは消してありますけど、恐らくアルファベット一文字です。経済産業省の場合はMETIですから四文字になっております。したがいまして、やり取りの途中は経済産業省ではないと。そして、省として調査、ヒアリングもやらさせてもらいました。実質的に、今回の緊急提言書、経済産業省が作ったものではないと、こういう調査結果であります。
○福島みずほ君 これ、ほかにも経済産業省自身の、その経済産業省情報システム厚生課というふうになっているんですね。(発言する者あり)いや、ですから、それは経済産業省がこれを作っているということではないか。 そうしたら、その香山さん自身がというか、実際ヒアリングをされたというふうに聞いておりますが、そのときに──じゃ、もう一方、こちらの方で送ったと言われているところの事務局長に話をしました。そしたら、パソコンを、一切送って、自分はメールを送っていないというふうに言っているんです、自分はメールが使えないと。つまり、今の大臣の答弁では、あたかも、民間のところがメールを送って、それが何らかの形で経済産業省とやり取りしているのでなったんじゃないかということかもしれないんですという答弁だったと思いますが、メールは自分は送っていないというふうに言っているんです。
○国務大臣(茂木敏充君) その御本人かどうかは別にしても、この前回保存者というところがございます。そして、これは一文字でありますから経済産業省のものではありません。ということは、何らかの形のやり取りが起こっているのは事実関係としてあるわけです。どうせだったら四つ消しておけば分からなかったんです、こっちも。一つだったから経済産業省のものではない、これは明らかなんだと、こんなふうに思っています。 委員が何をお聞きになりたいのかよく分からないんですね。例えばこの提言書、有馬会長、私は見識のある方だと思いますよ、東大の総長であったりとか文部科学大臣やられて。その人が何らかのやらせに加担をしたと、それは、私は大変失礼なお話だと、そんなふうに思います。そんなことは断じてないと。もしそうだったら確実な証拠をお示しになって議論されたらいいと思います。
○福島みずほ君 ですから、その立証をきちっとしてほしいということを言っているわけです。 そしたら、そのメールのやり取りでやっているということであれば、そのメール、この前後の受信に関して、そういう、というものを出してくださるよう理事会に要求をいたします。 どうしてこれが、私が今日質問したかといいますと、結局、やり取りをやっているわけですよ。こちらはこの作成者が経済産業省の職員だというふうに思っているわけです、プロパティーになっているわけですから。 でも、そのやり取りをやっていることそのものが問題ではないかというふうに考えているわけです。緊急提言が全く同じ中身になっているわけですから、それを、経済産業省に出すものを何で事前に経済産業省とやり取りして作るのか、これは極めて、政官業癒着というか、おかしいというふうに思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げたように、民間の団体、様々な提言を作るに当たって、一般的な情報等、お求めがありましたら出すようにいたしております。同時に、そういった提言に対してコメントを求められた場合はコメントもさせていただいております。 今、そういうやり取りにつきましてパソコン上で行うことが多いと。ただ、パソコンの記録は残りますから、少なくとも先生が、やり取りがないとおっしゃいましたけれども、この先生がお出しになった資料からやり取りがあったことはもう明らかなんです、それだけで。 よく分からないんですけれども、何が問題だとおっしゃっているのか。例えば、大きな問題があるということだったら、秘密漏えいか何かあったのか。若しくは、例えば有馬さんなりそういった方の名前を勝手に経産省が使って提言書を作った、さらに、そういった民間の団体に対して外部から圧力が掛かってこういう提言がまとまったということであれば私は大きな問題であると思いますけど、少なくとも事実関係を確認している限りにおいてはそういったことはないと思います。明らかに何か問題があると、具体的な証拠に基づいてあるということだったらお示しをください。
○福島みずほ君 先ほど資料を出してくれという提言をしました。私自身は、これ何が問題かというと、民間人の提言という装いをしながら、実際は合作、あるいは経済産業省発でやっているのではないかということなんです。そこが問題ではないでしょうか。 次に、新規制基準にのっとって再稼働を認めるというふうに言っています。その新規制基準が極めて問題です。この基準案は耐震指針の見直しを一切しておりません。それはなぜでしょうか。問題ではないですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 地震、耐震指針を見直しをしていないという御指摘ですが、そうではなくて、耐震指針は厳しく見直しております。それで、新しい規制基準では、今回の大震災から得られた知見を始め最新の科学的な知見を踏まえまして、発電所設計の基本となる基準地震動の策定に当たっては、複数の活断層の連動を考慮するとか、発電所敷地の深部方向の三次元構造も考慮するというようなことを求めております。
○福島みずほ君 しかし、格納容器、原子炉本体の耐震性などの主要部分に関しては見直しをしておりません。 もう一つ、今回、単一のものが故障するということを前提にやっている。しかし、複合で、つまり自然現象など外部事象を共通原因とする同時発生的多重事故、全機能喪失を想定しておりませんね。これは、今回の福島原発事故の教訓を捨象しているんではないでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 新安全基準は、今回の事故を踏まえまして、想定される外部事象については厳しく考慮して、それに対するシビアアクシデント対策、それから、仮にそういう対策を施してもそれを超えるような事象が起こったときも、その事故を最小限に抑えられるような対策を求めておりますので、先生の御指摘とは少し違うと思っております。
○福島みずほ君 途中までは共通原因で起きるということを考慮するとやっていたんです。しかし、今は単一でしか起きない、どこかでストップが掛けられるからいいんだとやっているんですが、福島原発事故は共通原因で、地震、津波で複数の機器が壊れてしまった、壊れるということを、その教訓を明確に今回生かしていないと。 新規制基準には欠陥がある、これをそのまま認めるわけにはいかないということを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(石井一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山さん。
○中山恭子君 日本維新の会中山恭子でございます。 本日は、ごく最近、五月十日に、米国の政府の報告書で安倍総理の、又はその閣僚の歴史認識について著しく偏った見解が掲載されていましたので、それが明らかになりましたので、この件について緊急に総理にお伺いいたします。 米国議会調査局の日米関係に関する報告書で、安倍総理等の発言や行動は、日本がアジア領域内の関係を混乱させる可能性があるという憂慮をもたらした、このような領域内の外交葛藤が米国の国益を傷つける側にも、方向にも展開し得ると強調しておりました。このような米国の動きに対し、政府はどのような対応をなさいましたでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員の御指摘の報告書は米議会の公式見解を示したものではないというふうに承知をしておりまして、その内容について政府として逐一コメントすることは差し控えたいと思います。 いずれにせよ、我が国の考え方が十分理解されていないという点は残念であります。考え方が正しく理解されるよう、今後、積極的な情報収集や発信に一層努めていかなければならないと考えております。
○中山恭子君 国際関係において、相手の間違った発言に対し、そのことを指摘しなかった場合には、その発言を黙認した、ないしは賛成したということになります。誤解があったと考えたのであれば、直ちにその旨を相手に伝え、論理的に説明し、説得し、訂正してもらう必要があります。 意見の伝え方、意思の表し方について、国際社会は日本の社会とは全く違うことを認識し、国際社会の中では郷に入って郷に従えで、相手の間違いは直ちに指摘するとの対応をしなければ日本に対する理解は得られず、誤解が誤解を生むこととなります。小さなことと考えずに、その都度、丁寧に対応しておく必要があります。拉致問題のときにも、米国の報道に対してその都度、何度も何度も反論をしてきております。 さらに、この報告書そのものの影響力はそう大きなものではないかもしれませんが、この報告書からいろいろなことが見えてきます。一つは、米議会調査局にこのような診断をさせた要因を考えますと、米国における広報活動、日本に対する理解を得る努力が極めて弱いということを意味していると言えます。対外広報活動を積極的に行えるよう至急対策を取る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○委員長(石井一君) 答弁の前に一言、委員長から申し上げます。 ただいま自民党、公明党の理事より抗議が参りまして、本日は集中審議、復興・エネルギー・原発・環境等について行っておる、歴史認識については、明日、安倍内閣の政治基本姿勢という、そこで行われるべきではないかという御忠告がございました。 委員におかれましては、今方向転換をするわけにもまいらないと思いますので、等がございますから、本日は暫時続行いたしますが、今後、この点につきまして、集中審議という意義をわきまえて委員においては御質疑を願いたいと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員の御指摘のように、その都度しっかりと、間違いであるわけでありますから訂正を求めていく、あるいは我々の意見を伝えていくということは大切な姿勢であろうと、このように思いますし、また、そういう広報体制をしっかりと強化をしていきたいと、このように考えております。
○中山恭子君 委員長に感謝申し上げます。 以後、それに合うような形で質問してまいりたいと思いますが、五月十日に出されたということが分かったものですから、これは至急対応する必要があるだろうと思いまして、今日このような質問をいたしました。ありがとうございます。
○委員長(石井一君) 答弁は総理大臣以下ちゃんとやりますから、どうぞ遠慮なく今日はやってください。しかし、これから守ってください。
○中山恭子君 大変ありがとうございます。 もう一点、時間があるでしょうか、指摘しておかなければならないことというのがございます。これは、国際情報組織の必要性でございます。 この報告書では、日本への非難の在り方が、アジアの問題と言いながら、日本とアメリカとの問題にすり替えようとする動きがあることを示唆しております。これは非常に危険な動きだと考えておりまして、このような誤った報告が出る前に、実は日本としては、その報告を、調査を示唆をする、診断をする担当者に対して日本の考え方をしっかりと伝えて事前に処理しておく必要があると、そういう能力を持つ必要があると考えております。 日本では戦後、情報というと悪と考える風潮が蔓延してきました。拉致問題に取り組んでいて、国際情報組織を持たずに各国と渡り合うということは非常に苦しいことでございました。日本版NSCの設置に向けて有識者懇談会での議論が進んでいると聞いてはおりますが、武力に訴えずに平和を維持していくためにも情報は必須です。是非有効な組織を立ち上げていただきたいと考えております。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、様々な報告書ができ上がっていく上において、各国が自分たちの国益を確保あるいは増進しようと様々な働きかけを行っていくわけでありまして、自国に有利な、時にはプロパガンダを打ち込んでいくわけでありまして、打ち込まれたプロパガンダが時にはそのまま出てくるということもあるわけでございますので、そうした動きを事前に察知をしながら誤解を事前に解いていくという努力は極めて重要ではないかと、このように思います。 そういう中において、情報収集をする組織、あるいはまた、情報収集をする組織に対して外交、安全保障の政策を立案する上において情報収集を発注し、そして分析された情報を更に活用していく組織としてのNSCの存在というのは極めて重要であろうと、このように思うわけでございまして、それを国家安全保障会議という形において、その在り方について本年二月以降五回にわたって議論をいただいているところでございますが、先般、内閣官房に国家安全保障会議設置準備室を設置をいたしました。今後、これまでの有識者会議での御議論を踏まえて法案を今国会に提出できるよう、作業を加速化させていきたいと考えております。
○中山恭子君 例えば拉致問題に関して申し上げますと、第一次安倍内閣のとき、DVDとかパンフレットを日本語プラス八か国語のものを作って、全ての大使館からそれぞれの任国の首脳や関係者に説明をするようにという対策本部からの指示を出しました。 あらゆるときに日本の考えていること、日本の政策を丁寧に全ての世界の方々に理解してもらうことというのは、これは日本が平和を維持していく上で、まあ人との関係でもそうですが、知ってもらうこと、理解してもらうことというのは非常に重要なポイントだと考えておりますので、是非リーダーシップを発揮していただきたいと思っております。 今日は、そういった意味で「世界中の文化が輝き、溢れ、交流する「場」をめざして 文化のプラットホームとしての日本」のパンフレット、提言を皆様に配付しております。いずれお読みいただけたらと思いますが、この在り方、日本が文化の底力を再認識して、二十一世紀、近代文明の後に来るポストモダンの世界で日本が世界中の文化が集まってくる場となり、国際社会の平和と繁栄に貢献する国となることを目指している、そういう提言でございますので、お目通しいただければ有り難いことでございます。 そういった意味で、私自身が一九九九年から三年間大使として過ごしたウズベキスタン共和国での事例を御紹介いたします。 ウズベキスタンは大変な親日国です。日本人というだけで尊敬され、信頼されます。その元にあるのは何か、それは日本の文化でございます。敗戦後、シベリアに抑留された日本兵が中央アジアに移送され重労働に従事させられましたが、ダムや水力発電所、運河、道路、さらに劇場などの立派な建築物を建て、今もしっかりそれが残って使われているというのが現状でございます。日本の若者たちは、帰国できるかどうかも分からない中、真面目に誠実に陰ひなたなく働いて、良いものを残し、感銘を与えました。ここで働いた人々は混成部隊です。ということは、当時の全ての若者たちがこのような文化を身に付けていた証左であると考えます。 麻生大臣は、ウズベキスタンではタロー・アソーと呼ばれて大変尊敬されていらっしゃいます。カザフスタンのナザルバエフ大統領にもお会いになっていらっしゃいますが、中央アジアの国々での日本人の動きについて、一言お話しいただけませんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) カリモフという大統領がおられるんですが、一九九七年だったと思いますが、日本の閣僚として初めてウズベキスタンという国に行きました。大統領と接見があって、我々、同友会から数十人同行されたと記憶します。 子供のとき、毎週末、日本人捕虜収容所に連れていかれた。御存じかと思いますが、四五年から四六年にかけて、シベリアからウズベキスタンに二万五千人捕虜が移送されております。そのことを言っておられるんだと思いますが、その捕虜収容所に連れていかれた。母親が私に言ったせりふは毎週末同じだった。せがれ、ごらん、あの日本人の兵隊さんを、ロシアの兵隊が見ていなくても働く、人が見なくても働く、おまえも大きくなったら必ず人が見なくても働くような人間になれ。おかげで、母親の言い付けを守って、今日俺は大統領になれた。なかなか、一緒に行った、私よりもっと御年配の方が多かったものですから、非常に感激をしておられましたけれども。 これは、この人が大統領でおられたためにいろんなところにこの点は徹底して、今言われた、ナボイ劇場の話だと思いますが、ナボイ劇場はその捕虜が建てたものですけれども、これはウズベキスタンの大地震のときにこのナボイ劇場だけが倒壊しないで残った。したがって、そこには日本人捕虜と書かれず日本国民と書き直されて、我々は捕虜にした覚えはないので、日本国民によって建ててもらったということが書いてあるので、これはウズベキスタンという国、中央アジアの中において大勢力ですけれども、この国において日本人が非常に定着し、日本の文化というものが広まっていった元の元はその二万五千人に上る捕虜収容所に入れられた方々の一人一人の御努力の結果、今日の日本・ウズベキスタン関係ができ上がった基礎はそこにあると、私も伺ったときそう思いました。
○中山恭子君 ありがとうございます。 日本の文化のすばらしさをみんなでもう一度誇りを持って過ごしていきたいと思います。委員長、大変ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井君。
○荒井広幸君 荒井でございます。 まず最初に、エネルギーと環境、そして原発に関連する提案を申し上げたいと思います。総理始め委員の皆さんにこうした、お手元に、今まで四回やりましたが、かなりまとまったものを御提案をさせていただきました。 小規模な店舗、工場そして一般家庭への省エネ機器普及による分散型エネルギー促進の成長戦略と、こういうことでございます。この肝は、まず①にございますけれども、パネルはこんなパネルでございますが、(資料提示)まず①の提案書でございますけれども、言わば我が国が国民から直接CO2排出量を買うという着想に立って、これは環境低減になりますし、原発の問題でエネルギーが少なくなっている、電力、特に。それで、円安で原材料、これが上がっている。こういったことですから、更に新しい機器に買い換えることで経済活性化を進めていく。ここのところは家電のエコポイントと同じなんです。買換えを促進していくという発想は家電のエコポイントと同じなんですね。こういったことを今やることで三本目の矢のアベノミクスを成功させよう、アベノミクスの腰を折ったら、私はそうこの経済復興のチャンスは来ないと思うんです。ですから、我々は応援しています。その点においてこれをやる。 ただし問題は、総理も言っておられますが、強い決意で、金融緩和と同じように強い決意で財政再建をやると言っているんだから、国の税金、国民の皆さんの税金を余り持ち込まないで、民間のお金、金融緩和で金融機関にも、そして株高で内部留保も企業にはあるんです。そういうものを集めて、ここに図に、皆さん、かいておりますけれども、最後のところ御覧いただきたいんですが、ポンチ絵をかきました。政府と民間とが一緒になってSPCという特別目的会社をつくるんです。ですから、税金は本当に少なくする。国民の皆さんの血税を大切にしながら、そして民間のお金を集めて、私たちの家電やガス床暖房、ソーラーパネルもそうです、そうした排出量を、どんどん原材料を使って燃やしていけば掛かりますから、それを低減していく、こういったものに買い換える、エコポイントなんですね。そういう発想をしていく。 そのときのポイントは、何といいましても、冒頭、環境大臣はよく御理解をいただいているわけなんですけれども、家庭の皆さんがただ単に買換えをするというのではないんだと。本当にもう、どんどん電気料高くて困ります、光熱水費。これをやっぱり安くするには、今の機材を買い換えた方がいいんです。でも、払えるかな、二百万も三百万もということになります。そうしたときにリースを、国がこのSPCという会社を使って民間のお金をいっぱい入れて、そういうものでリースをして、安く返済をしていくということになると、皆さんが買換えに参加できるんですね。 ですから、どうやら総理が間もなくまとめるというのは、中小企業あるいは企業に対する設備投資促進策なんですよ。家庭というのが抜けているんです。家庭が電気料、エネルギー、三割使っているんですから、これが置き換えられて自家発電されるようになれば、実は原発は要らないんです。 ですから、ちまちまとやらないで、国の財政健全化を図るためにアベノミクスで市中にあるお金をここに呼び込む、そして税金は余り使わない。その中で、皆さんがリースで、初期投資も少なくていい、そして十年、これぐらいで返していける。こういう、中小企業でも、八百屋さん、床屋さん、そして一般の御家庭、そこに目を向けたこうした新しいスキーム、CO2削減、省エネと創エネと経済成長に資します、買換えしていきますから。そして財政再建をしていくというその総理の決意を形に表していく、こういったことを必要だと考えております。 環境大臣にお尋ねいたします。 その際には、家庭も小規模事業者の酒屋、魚屋さんも八百屋さんもあの冷凍機とか持っていますから、クーラーもあります、ボイラーもたいています。そして、中小の個人事業主の工場もそうですけれども、どれぐらい私たちは地球温暖化の排出量をしているのかな、それを計算しながら、そして民間の会社の方々がこういうリースを言ってみれば相談に来たときに、一緒に計算しながら、ああ、これに買い換えるとこんなに排出量が下がるのか。あっ、年間に三割、例えばエコキュートとかエネファームとかいろんなものがあります、そういう器具は今出ています、日本はどんどん。そういうものに買い換えると、ああ、年間これだけ、家庭でいうと三割ぐらい安くなりますから、じゃ、その費用を前取りしてリースで買い換えようかなと、こういうことにもなるわけですね。 そのときに、排出量、どれだけ排出しているのか見えなければ、これ駄目なんですね、ただ単に換えるというのでは。ただ単に換えるというのでは駄目だと。排出量取引をしていくという感覚を国民の皆さんにも持っていただく、こういったことで二酸化炭素の排出量を見える化するというのが重要なポイントだと今回は考えているんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 荒井委員のいつも独創的な発想の考え方には敬意を表させていただきたいと思います。 今言われたように、省エネ、あるいは地球環境に優しい機材の導入、当然お金が掛かることであると思っておりますし、今委員が御指摘になったように、どれだけの努力をしたことによってCO2をどれだけ減らすことができたんだ、委員のおっしゃる見える化ということは非常にそのとおりだと思っております。 環境省でも、エコアクション21の導入の推進を通じまして、中小事業者が自主的に温室効果排出ガスを集計、管理する取組を推進しております。しかし、委員が御指摘のとおり、もっと八百屋さんとか一般の家庭とか、そういうところにもそういうことができるようにしていかなければならないという御指摘だったと思うんですけれども、やはり、家庭におけるそういうことができる取組というのは環境省としても推進をさせていただきたいと思いますし、家庭や八百屋さんやクリーニング屋さんや、今委員の御指摘のあった方々の排出削減の取組を推進するための温室効果ガス排出量の見える化というものは是非進めてまいりたい、もうそのとおりだと思っております。
○荒井広幸君 四番目の質問は、済みませんが、時間の関係で飛ばしていただきまして、経産大臣、五番目に参りたいんですが。 電気料が上がっているんですね、今日の質問でも。そういう中で、やっぱり原発しかないのかと言っちゃうのはちょっと早過ぎると思うんですよ。こんなに節電でみんな考えも生活も変えようとしている。このときに、今こうした、私のは完全ではありませんが、大勢の方々の知恵をいただいて、これを、ざっくりとしたスキームを作ってみました。そうすると、初期投資が大変なんですよ。中小企業も御家庭もまだまだ所得に来ていませんから、将来需要があるかどうか分からないから、設備投資もなかなか踏み込めない。信用がないということですね、お金借りるにしても。信用といっても、その人の人格がないという意味じゃなくて、お金返せるかという不安なんです。 ですから、住宅ローンのローンを組むときに、我々は生命保険に強制的に入らせられるわけですよ。そのときばかりは奥様方がにこっと笑うんですね。亡くなったら払えるという仕組みでございますから、あのローンは。その中に、例えばこうしたガスとか電気の新しいものの買換えも、団体信用生命保険といいますが、それで払えていくという仕組みをびっちり乗せていくんです。そういう形で、いわゆるお金を、ある人ばかりがソーラーパネルを買って、売って、元を取るというのでは駄目なんです、総理。お金がない人の方がむしろ、お金がないと言うと失礼ですけれども、一生懸命電気を消したり、分別ごみをきちんと出したりするんです。お金があればソーラーパネルを付けて、そして電気を使って、電気会社に売って、その元で埋め合わせをするというのでは、これはやっぱり世界に冠たる日本と言えないです。 これはフィードインタリフといいますが、ヨーロッパ型ですが、これはもう限界なんです。一人一人が平等に参加できるという意味では、財政上も負担を小さくしながら、民間のアベノミクス効果の内部留保金とか、そしてまた更に投資しようというお金を集めてSPCをつくって、そして与信付けを、今のような団体信用生命保険とかそういうものも絡ませながらリスクを取ってあげて、これを充実するというところに進んでいくというのがアベノミクスの第三の矢だと、このように思うので、まず簡単に、経産大臣とは何遍もこうして積み上げをやってまいりましたけれども、いかがでございましょうか。経済産業省でもいろいろやっているけど、ちまちましていて駄目です。ばらばらで駄目。一遍にやるということで、このスキーム、進めてみませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) 省エネ機器の普及を拡大させていくと、極めて重要だと思っておりまして、荒井委員から数次にわたりましてこういった御提言いただいておりますが、特に今日はテレビ入りということもあってまとまったパッケージを出していただきまして、非常にこのSPC、特定の目的のためにつくる、設立する会社でありますけど、ここをかませることによって家庭であったりとか小規模事業者の初期投資を少なくしていく、傾聴に値する発想だと。十分検討させていただきたいと思っております。
○荒井広幸君 結局、伺ってみますと、機械とかは補助金があるんです、今も。ところが、場合によっては、工事費は当然それが対象になったりするんですが、総額の、基礎工事とかが対象外なんということで、やっぱりこれ結構お金掛かるんですよ。 そういうところもきちんと目くばせしながらやっていくと、これはかなりの国民の皆さんも、電気料金も上がっていますから、そして環境にも貢献したいと思っている、できれば原発じゃない電気で生活をしたい、自立して生きたいと思っている。それは安倍総理のお考えにも私は合致すると思うんです。 いかがでしょう。経済産業省も環境省も、それぞれにやっているんです、小さいの。まだスタートしないのもあるんです。使い勝手が悪いのもあるんです。家庭に目が届いていないんです。どうぞ、両大臣が一緒にやっていただけるものと思いますが、総理から、両省共管で早速に研究して、六月の骨太に入れてこれをやると、そういうスピードで検討せよと言っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 荒井委員にはもう毎回質問で御提案をいただいております。いただいた提案で実際に実用的に政策として進めることができるものもあればできないものもあるわけでありますが、しかし、今回いただいた提案は、この着眼点、私、すばらしい着眼点だろうと、実際にそう思います。 省エネ・低炭素機器の普及を後押ししていく上においてはこのパッケージで、今委員が提示をしていただいた、大変重要だと思います。小規模事業者や一般家庭が初期費用を抑えて設備を導入できる、これはもう事実、ポイントなんだろうと、このように思いますので、是非またこれは研究をしてみたいと、このように思います。
○荒井広幸君 今日は、先ほどもありましたが、原発事故調の黒川委員長に来ていただこうと思いましたら、去年は民主党さん、そして今度は自民党さん、黒川さんはまだ呼べないという状況なんです。これは政府と関係ありませんが、やっぱり国会がお願いした国会事故調の委員長さんの、ここの参考人として御意見を聞けないというのは、非常にこれは残念なことです。どうぞ、全ての党に、国会がお願いした事故調査委員会の黒川委員長を始めこうした関連の方の参考人、御意見をいただけるような環境づくりを是非ともお願いして、終わります。
○委員長(石井一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) 閣僚の皆さん多数お集まりいただきましたが、出番が出ずに大変申し訳ありません。 ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山信一君。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 最初に、海底エネルギー資源のことについて伺います。 この海底エネルギー資源、そして鉱物資源には今大変に注目が集まっております。メタンハイドレート、それから海底熱水鉱床、マンガンノジュール、それからまたコバルトリッチクラスト、最近ではレアアース資源泥というものも、これは日本が発見をしたものでありますけれども、こうした新たな資源も見付かっているということでございまして、これらはコストが非常に掛かると、採掘にはコストが掛かる、あるいはまた技術的な問題もあるということで、すぐに利用できるという、そういうものではないわけでありますけれども、しかし、どこにどれくらいあるのか、あるいは実用化に向けた技術を着実に進めていくということが今は重要だというふうに思っております。 これらの研究開発の中心にあるのが、JAMSTECという海洋研究開発機構の持っている地球深部探査船「ちきゅう」という非常に大きな船がございますけれども、この「ちきゅう」という船が中心的な役割の一つになっております。 私も一回視察をさせていただきましたけれども、この船では、ライザー掘削といって、巨大な筒を押し込んでいくというか、それで掘削をしていくのでありますけれども、そのライザー掘削をする掘削技術者、これは全部で十八人いるそうでありますが、その中で日本人というのは実は七名しかおりません。こうした掘削技術というのは石油あるいはガス等の採掘には要の技術でありまして、非常に重要なものでありますけれども、残念ながら、この分野での日本の技術というのはまだまだという状況にございます。 今後、海底エネルギー資源の開発を進めるには、この掘削技術が我が国には欠かせないものになってくるというふうに思っておりますけれども、この掘削技術者の養成をどうしていくのか、これは総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海洋資源開発に不可欠な掘削要員の養成については、実際に現場に出て経験を重ねることが最も重要であると考えております。 政府としては、今後とも「ちきゅう」の着実かつ計画的な掘削事業の実施を通じて掘削技術の向上の場を確保し、そして掘削要員の養成を進めていきたいと考えております。
○横山信一君 私は、今後、海底エネルギー資源を開発するにはここの部分が非常に肝心な部分だというふうに思っておりまして、今はオイルメジャーといいますか、そういった人たちが中心になっているという現状もございますけれども、是非とも日本で独自のこの技術を持てるように取り組んでいただきたいというふうに思います。 海底の資源ということで見ますと、最近中国が輸出規制を強化して話題になったレアアースがございますけれども、このレアアースに関しましては、我が国では地道な海洋調査の積み重ねの中で海底資源として発見をされております。これはレアアース資源泥というふうに呼ぶそうでありますけれども、東大海洋研などの一九六八年から一九八四年の太平洋全域でのピストンコアサンプルを分析をして明らかになったということであります。また、最近では我が国のEEZ内からも高濃度のレアアースが発見をされております。 これら、いずれも長期にわたる我が国の調査結果の積み重ねの中で出てきた成果でありまして、こうした経緯を踏まえて今後どのように開発に取り組んでいくのか、これは経産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘のレアアースでありますが、次世代の自動車の動力のモーター用磁気であったりとか、我が国がこれから国際競争力を付けていかなきゃならないと、こういった高付加価値の製品をつくっていくのに不可欠な原料でありまして、これを安定的に確保していく、極めて重要だと考えております。 海洋のレアアースにつきましては、委員の方からも御指摘いただきました東大の研究チーム、これが太平洋の公海等々に存在するということで、経済産業省としてそういった提言を受けまして、JOGMECを使いまして、昨年度、南鳥島の周辺海域でサンプリング調査、実施をいたしました。この調査によりまして、南鳥島の周辺海域において高濃度のレアアースが存在する地点を発見をいたしたわけであります。関係者の努力に敬意を表したいと思っております。 他方、この海底のレアアースを実際に引き上げるということになってきますと、水深が五千メートルから六千メートル、こういう深海底、そして非常に粘り気があると、粘度の強いところから上げなきゃならないということでありまして、コスト面、技術面、環境面等々の課題があるわけでありますけれども、資源工学、さらには海洋土木エンジニアリング等々の有識者、関係者を集めまして、東京都も入りまして、勉強会立ち上げたところでありまして、多岐にわたる検討、これからもしっかり進めていきたいと思っております。
○横山信一君 このレアアースに関しまして言いますと、海底のコアサンプルを、既にあったコアサンプルを分析をした結果、明らかになったということでございます。 こうした経緯から見ますと、このコアサンプルについては、深海掘削計画というのは一九六五年からずっと継続して行われているわけでありますけれども、そのコアサンプルはJAMSTECが保管をしております。そういう意味では、既にあるこのコアサンプルをこうした海底資源に注目をした形で分析をすることで新たな発見が今後もあるかもしれないということは考えられるわけでありますが、この点についてどうなのか、文科大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、海洋研究開発機構や大学などでは、過去の環境や地質の変化などを調べるために世界各地の海底の泥を採取し、コアサンプルとして保管をしております。一方、最近の研究により海底の泥に高濃度の御指摘のレアアースが含まれていることが分かり、これまでに採取した大量のコアサンプルについて海底資源に着目した分析を行うことの重要性が指摘されているところでもございます。 このため、文部科学省におきまして、海洋研究開発機構を中心に大学等の研究機関と連携し、レアアース等の分布や量を把握することを目的としたコアサンプルの分析を今進めてございます。また、コアサンプルの分析により得られた資源の量や分布の把握だけでなく、資源の生成プロセスの解明により更に効率的な資源の探査につなげていくことも重要であり、これから加速度的に研究を進めていくようにしてまいりたいと思います。
○横山信一君 是非ともお願いいたします。 今までの質問はどちらかというと時間の掛かる、将来の資源だったわけですが、メタンハイドレートということになりますと、これは実はやり方によっては実用化が非常に近いという、そういうレベルにあるものでございます。 これもまた日本が独自に世界に先駆けて開発に取り組んできたというものでございまして、これはMH21という、そういう機関の下でJAMSTECあるいはJOGMECの研究開発法人が主に開発を担っているわけでありますけれども、最近発見されたメタンハイドレートの中には、網走沖で発見されたものというのは、これは明治大学などのチームが発見をしたということもございまして、今後、計画的、効率的に調査を進めるためには、更に大学の調査船あるいは民間企業の協力を得るといった、そうした調整機能を更に増すということが大事ではないかというふうに思うわけでありますけれども、この点について総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国周辺海域には、メタンハイドレートを始めとして石油、天然ガスなど海洋資源の存在が確認されております。将来の国産エネルギーとして期待されるわけでございまして、今委員が御指摘になったように、メタンハイドレートの調査、開発には、調査船や資源開発の先端技術を有する大学、研究機関であるとか産業界が連携をしてオールジャパンで取り組んでいくことが重要であると思います。その際、MH21がその中心となり、メタンハイドレートの開発が進展するよう政府としてもしっかりと取り組んでいく考えでございます。
○横山信一君 日本が自給エネルギーがあるという可能性を示すということは国際関係上も非常に重要なことでありますので、是非とも積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 災害時多目的船について伺います。 東日本大震災の教訓の一つとして、この災害時多目的船の整備が問われてまいりました。これについては、平成二十四年度予備費で調査が進められて、ゴールデンウイーク期間中でありましたけれども、報告書が出されました。この報告書を読みますと、災害時多目的船の必要性が事実上否定されたのではないかというふうに勘ぐりたくなるような内容であるわけでありますけれども、今は検討会から指摘をされております海からのアプローチの必要性をどう実現するかという大事な局面に来ていると私は思っております。 公明党では、これまで様々な角度からこの災害時多目的船の整備について検討をしてまいりました。その上で、三月の二十二日に大規模災害時における海路からの包括的医療支援の検証事業に関する申入れをさせていただきました。新造船あるいは中古船の改造というのは費用が掛かります。その上、建造後の医療団の確保あるいは災害時以外の活用の難しさということもあります。そのことは今回の報告書の中でも指摘をされているわけでありますけれども、そこで出てきたのは民間旅客船あるいは既存船の活用という、そういった指摘もなされているわけでありますが、そうであるならば、まずは、海上の医療プラットホームを造れるのか、それを訓練として実際にやってみようじゃないかというのが公明党の提案でございます。 先日の自民党の山東議員に対する古屋大臣の答弁では、災害時に適切な医療を提供するという、そういう答弁がございました。そのことを実際に訓練でやってみようという、そういう提案をさせていただいているということでもございます。報告書の中にも実証訓練の有効性が結論の一つとして記載をされているわけでありますが、まずは、海上に医療支援拠点を設けて様々な機関の参加の下で訓練を行い、海上からのアプローチの有効性を検証するとともに実際的な課題を浮き彫りにしていく、これを是非ともやっていただきたい。 今日は西村副大臣にあえてお聞きをいたしますけれども、検証事業を行っていただけますでしょうか。
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。 御提案のとおり、今御指摘があったとおりですけれども、病院船そのものを本格的に造るには相当これ費用が掛かりますので、いわゆる医療ユニット、モジュール型でコンテナ型のユニットを活用して民間船なり自衛隊の艦船で活用するというやり方が有効ではないかという報告書をいただいたところでありまして、その観点から、御指摘、御提案いただいたいわゆる海からのアプローチを、今後、南海トラフの大地震とか、そうしたことへの備えとして、対応したものとして考えていくのは非常に有効だと考えておりまして、御提案いただいた実証的な訓練を行うべきという御主張、御提案は非常に傾聴に値するというふうに考えております。 これは、今日答弁するに当たって古屋大臣とも相談をいたし、古屋大臣もそのように考えているところでございまして、今後、御提案も踏まえながら、その民間のユニットを使いながら、民間船舶やあるいは自衛艦の既存船舶を活用した実証訓練を何らかの形で行うべく調整を行っていきたいというふうに考えております。
○横山信一君 南海トラフあるいは首都直下、いつ起きるか分からないわけでありますけれども、検証事業は是非とも今年度内に行えるように、よろしくお願いしたいというふうに思います。 風力発電について伺ってまいります。 世界の再生可能エネルギーの導入量を見ますと、風力発電が圧倒的な割合を占めております。それに対して、我が国では風力発電の導入量というのは少なくて、太陽光発電よりも少ない状況にございます。 資源エネルギー庁の報告によりますと、陸上風力の発電コストというのは一キロワットアワー当たり九・九円から十七・三円、それに対してメガソーラーは三十・一円から四十五・八円というふうになっておりまして、現状では、再生可能エネルギーで見ると発電コストの高い電源を造っているという、そういう状況になっているわけであります。これは、今のこの我が国の状況というのは、世界の動向とどちらかというと反対方向に、どちらかというより反対方向に向かっていると、そういう状況に見えるわけであります。この現状をどう見るか、これは総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 太陽光発電は、開発に要する時間もまず短い、対応が必要となる規制や手続も少ない。一方、風力発電は、環境アセスメントへの対応を含め、その開発に時間が掛かっているのが現状でございます。しかしながら、風力発電は再生可能エネルギーの中でも相対的にコストが低く、そして大規模に展開することが可能であることから、再生可能エネルギー導入拡大の鍵をこの風力発電が握っているというふうに認識をしております。 このため、環境アセスメントの期間半減等を目指した規制改革を進めるとともに、大規模に展開した風力発電のための送電網の整備、そして実証試験を行うなど、風力発電の普及加速に今後とも最大限取り組んでいく考えでございます。
○横山信一君 総理から今御答弁いただきましたけれども、やはり風力発電を進めるには送電網の強化というのは欠かせないわけであります。加えて、系統といいますか、そこの強化も非常に重要なわけでありますけれども、四月二日に閣議決定をされました電力システムに関する改革方針、この中にも広域系統運用の拡大を行うという、そのことが示されておりました。 風力発電の賦存量というのを都道府県別に見ると、実は北海道が非常に大きなポテンシャルを持っている地域になります。一方で、北海道と本州を結ぶ系統が、これが北本連系線というのがございますけれども、この北本連系線の現状の容量は六十万キロワットということで、この現状のままでいくと非常にポテンシャルの高い風力発電の導入というのはなかなか難しいという現状になってしまいます。 地域間連系線等の強化に関するマスタープラン中間報告書というのがあるんですけれども、この中では可能な限り早期にこの北本連系線を六十万キロワットから九十万キロワットに増強するというふうになっているわけでありますが、これを受けて業界では大体これは十年ぐらい掛かるだろうというふうに見込んでいるというふうにも伺っているわけでありますけれども、今のこの現状を考えると、より風力を導入していこうとすると、これではちょっと遅過ぎるのではないかというふうに感じております。 連系設備の増強ということでいくと、海底ケーブルを敷設するという方法もありますけれども、津軽海峡には青函トンネルも通っているわけですから、この中を利用するだけでも期間の短縮ができるのではないかというふうにも思うわけでありますけれども、今後、北本連系線の増強をどのように進めるのか、これは経産大臣に伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 風力発電の場合、委員御指摘のように、どうしてもやっぱり発電ができる最適地と消費地、これが異なっていることがございます。ドイツなんかを見ましても、大体発電に向いているのは北の方の昔のプロイセンで、そして逆に、何というか、消費をするのは工業地帯でもありますバイエルン、南の方になると。 日本も北海道そして東北の一部ということで、最適地限られておりまして、北本連系きちんと進めていく、重要だと考えております。六十万キロワットから九十万キロワットに増強していく、北海道電力におきまして速やかな増強に向けて今検討が進められていると思っております。そういったことを加速化していくことが再生可能エネルギーを拡大する意味でも極めて重要だと、こんなふうに考えております。
○横山信一君 第一義的には電力会社が担っていくわけでありますけれども、これをいかに早く進めていくかということでは国がしっかりとサポートしていただきたいというふうに思うわけであります。 風力発電の導入が進まない要因の一つに、これは風力発電というのは環境アセスの対象になっているということがございます。この環境アセスを通るのに大体三年ぐらい掛かってしまうという、そういう現状がありまして、国は発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議というのを設置をしておりまして、この環境アセスの迅速化それから簡素化に向けて今検討しているということでございますけれども、私は環境アセスを否定するものではありませんが、先ほど申し述べましたように、世界の流れというのは風力発電がこの再生エネルギーではどんどん進んでいると。ところが、日本ではこの風力発電の導入が非常に遅れているという現状にある。言ってみれば、再生エネルギーのガラパゴス化が国内で進んでいると言ってもいいと思うのでありますけれども。 そういう意味では、日本が孤立しないようにするためには環境省に是非とも御協力をいただかなくてはいけないということでありまして、この風力発電の環境アセスの迅速化について、これは石原大臣に伺います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま横山委員のお話を聞かせていただきまして、重要なのは系統系の整備と、そしてこのアセスの迅速化という点でございまして、まさに私もそのとおりだと思います。ポテンシャルが高くてFITの値段も安いわけですから、太陽光発電よりもこちらの風力発電をどうやって自立分散型のエネルギーとして日本の中で提供していくのか、このために私どももしっかりとこの問題取り組ませていただきたいと思っております。 風力発電の普及促進と環境アセス、委員もアセスを否定するものではないとしっかり言っていただきました。バードストライクの問題とか騒音の問題とか、あるいは景観上、北海道にあれがぐるぐる回っているのがよしとしない観光客の方も大勢いらっしゃいますので、そういうものを両立させるために、経済産業省と連携をさせていただきまして、今委員が御指摘されておりました大体三年掛かるこのアセスを、最大限半分ぐらいにできるように今目指して検討させていただいているところでございます。 国の審査期間の短縮化や環境アセスメントへの利用可能な環境情報の整備、提供というものを進めていって、委員の御指摘に沿った形でこの風力発電が北海道あるいは東北で普及するように尽力させていただきたい、こんなふうに考えております。
○横山信一君 是非ともよろしくお願いいたします。 再生可能エネルギーは、よく指摘をされることでありますけれども、これは天候に応じて発電量が変動いたします。それゆえに電力消費量とのバランスを取ることが難しい、そういう電気でもあるわけでありますが、スペインでは発電予測を取り入れるということもやっておりまして、これだけではないようでありますけれども、様々な技術的なものを取り入れる中で風力発電の割合が全発電量の最大で六〇%にもなるという、そういう実現をしているわけです。 今後、我が国ではこの風力発電の導入をどのように進めていくのか、茂木大臣に伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、スペイン、風力発電先進国であると、こんなふうに思っておりまして、何か昔のドン・キホーテの世界というか、思い出すような気もするところでありますけれど、スペインの場合、比較的、先ほどドイツの例を申し上げましたけど、と違って、消費地とそれから生産地近いというのがあるのと、御指摘のように、スペインでは国全体で電力の系統運用を行っていると、こういったこともこの風力の拡大の大きな要因になっているんだと思っております。 我が国でも、送電網の整備に加えて広域の系統運用を拡大していくことは極めて重要な課題だと考えておりまして、電力システム改革、これを進める中で広域的な運営推進機関を創設して全国レベルで需給調整機能を強化していく、また地域間の連系線等の送電インフラの増強を図っていく、こういったことが必要だと考えておりまして、出力変動のある風力発電の導入拡大にもこれがつながっていくと、このように考えております。
○横山信一君 だんだん残り時間が少なくなってまいりましたので、今日、石原大臣も来ておりますので、風力発電からちょっと離れまして。 昨日、えりも町に行ってまいりました。北海道のえりも町ですけれども。ここは漁業が基幹産業の町でありますけれども、最近はゼニガタアザラシが増加をして漁業被害が出ているということなんですが、このゼニガタアザラシ、これはレッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に指定をされていると、保護をされている。その保護してきた成果というか、それによって今どんどん増えているということなんですけれども。個体数が増えることは非常にいいことなんですが、絶滅危惧種が増えることはいいことなんですが、一方で漁業被害がどんどん増えてきているということでございまして、これ地元では大変な問題になっているわけであります。二〇一〇年の漁業被害額、これが三千四百万というふうにも報告をされております。 そこで、これは環境省が主体となって個体数管理というのをずっとこれまで地元と調整をしてまいりまして、いよいよこれが始まるというそういうところまで来たわけですけれども、今になって方針が変わったということで、昨日、えりも町に行きましたら現地では大変な騒ぎになっておりまして、ようやく個体数管理の方向に向きかけた、そこで突然方針が変わってしまったという大混乱になっているわけであります。 これはどういうことなのか、石原大臣に伺います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま御指摘になりました、ゼニガタアザラシによる水産物の被害が拡大し、三千万円程度発生しているという話は承知しておりますし、環境省として、個体調整、すなわち捕獲をして殺処分にするという保護管理対策の検討を行ってきたところでございます。 しかし、私、環境行政を預かる立場の者として、絶滅危惧種に指定しておきながら捕獲をして殺処分を行って、それによって被害が低減するということが実は実証できないわけですね。個体数が減り、漁業の被害も減らなかったら、じゃ何でレッドリスト、すなわち絶滅危惧種に指定しているんだという大きな私、環境行政の矛盾に達するのではないかと考えているところでございます。そんな中で、様々な方と、専門家の方も交えて御議論をさせていただいた結果、個体数調整、すなわちレッドリストのゼニガタアザラシを殺処分にするということは慎重に検討すべきであると。 しかし、その一方で、漁業被害というものが出ておりますので、明日には担当官を現地に派遣させていただいて、もう少し具体的に説明し、具体的な対応を調整していく予定でございますけれども、実際に、じゃ漁業被害が出ないようにするためには、また漁業被害が出ないようなことにするために、漁民の方に仕事としてどういうことをやっていただくことが可能なのか。 一つのアイデアでございますけれども、ゼニガタアザラシは、ほかのアザラシと同じように自分で捕ったサケを食べるんじゃなくて、ふざけて頭だけ食べるみたいな、非常に知識レベルの高い、知識レベルというか非常に知能の高いアザラシであります。ですから、そういうアザラシが網に入ってこないような仕組みを、漁民の方々にその対策としてやっていただく仕事を環境省でやっていただいて、被害防止策というものをしっかりとつくっていく。 そして、そこから先の話ですけれども、今、大体被害額の九割程度は共済金で賄われているということでございますけれども、やはり委員が御指摘になりましたように、えりもの地においては基幹産業でありますので、これも環境委員会等々で我が党の委員の方から質問がありまして、大臣、アザラシの方も絶滅危惧種かもしれないけど、漁民の皆さんの方も絶滅危惧種なんだというお話もいただいておりますので、ここから先、農林水産大臣とも相談させていただいて、漁民の方々が健全な漁業をしっかりとできるような仕組みもつくっていかなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
○横山信一君 以上で終わります。
○委員長(石井一君) 以上で横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、山田俊男君の質疑を行います。山田君。
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。 こうして立っているうちにもうテレビの放映が終わるということでありまして、国対と理事の皆さんからは、いや、山ちゃん、ともかく深夜の放送の方が視聴率が高いんだよというふうに言ってくれていますので、それで頑張らさせていただきます。 本日は、原発、復興、そしてエネルギー、環境ということでありますので、これらに関連して、農林漁業者がどんな今苦しみを、不安を持っているかということを中心にしながら申し上げて、是非前向きの答弁をいただきたい、こういうことであります。 実は、原発事故で福島県下の農業者の皆さんは本当に苦労されているのは御案内のとおりであります。しかし、二百キロメートル離れた地域の農林漁業者でもいまだに大変苦しんでいる農家が多いわけであります。二年以上たちました、原発事故以降。 それで、一番は、今、原木シイタケの農業者が、六県九十三市町村でいまだに汚染されて出荷制限をせざるを得ないという環境にあるわけであります。大体は損害賠償を得られるという状況にあるわけですが、しかし、必ずしも一部はスムーズに進んでいないという不満や不安がいっぱい出ております。 例えば、新しく原木生産に乗り出した、二年前に乗り出した農家がいる、若い青年です。ところが、その前は生産していないわけですから、それじゃ、施設をちゃんと準備して、そして生産もしたのに、それが販売できないわけですから、ところが損害賠償は、前年の生産がないから損害賠償の論拠がない、基準がないということで対象にならないということで、もう本当に苦労しているわけであります。 どうぞ、中間指針の第三次追補というのが出されたわけで、風評被害にもちゃんと対応するということを記しております。きちっと趣旨にのっとって対応するということが求められるわけですが、この点について茂木経済産業大臣にお聞きします。
○国務大臣(茂木敏充君) 原木シイタケに関してでありますが、中間指針、これが平成二十三年の八月に作られたのに対しまして、今年の一月に委員御指摘の第三次の追補、これが行われたわけでありまして、東京電力が出荷制限指示や風評被害等に係る損害の賠償を行っているところであります。 〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕 特に、原木シイタケを含みます林産物の賠償については、この第三次追補によりまして、風評被害の対象地域として従来の六県、これは福島、関東の五県でありますが、これに加えて七県、東北三県、関東二都県、静岡、広島が追加され、十三都県という形になりました。原木シイタケの九県の生産者に対して現在賠償が行われているところでありますが、第三次追補によります対象区域の拡大も踏まえ、適切な賠償が行われるよう引き続き東京電力を指導してまいりたいと考えております。
○山田俊男君 是非、茂木大臣、しっかり東電を指導してもらいたい、こんなふうに思います。 さて、農水省は、原木の除染、それからさらに汚染されたシイタケが発生しないような生産工程管理の指針を出して指導をされているわけであります。しかし、これをやるにはやはり相当のコストが掛かるということで、農業者自身も大変苦労しているわけであります。ところが、それをやっても実はやはり汚染の解明がなかなか難しいわけですね。だから、どうしても放射性物質が残ってしまう。残ってしまったら、それを損害賠償の対象にお願いすると、生産工程管理をやった、除染をやったこのコストを全然見てくれないという苦労もしているわけでありまして、この点もしっかり東電を指導してもらわなきゃいかぬわけですが、このコスト削減対策、さらにはこの除染の対策について、どうぞ農水大臣、どんな指導とどんな対策を打っておられるのか、お聞きします。
○国務大臣(林芳正君) お答え申し上げます。 山田委員、さすがに現場のことをよく御存じで、よく今全国飛び回っていらっしゃる中で現場の本当のポイントをついた御苦労を指摘いただきました。 生産継続に向けて、やっぱり作ったキノコが食品の基準値を超えないようにするために、栽培管理に関するガイドライン、考え方はお示しさせていただいております。例えば、原木・ほだ木の放射性物質の検査ですとか原木・ほだ木の洗浄をする、ほだ場の除染等の環境整備をする、こういうことを示させていただいているわけでございます。 まさに、このガイドラインに沿った取組を実施しますと追加的な費用が発生すると、こういうことになりますので、この追加的な費用について東京電力との間で損害賠償の考え方を整理をしておるところでありますので、できるだけ早くこの整理をしまして、東京電力との間で整理をしたガイドラインだということできちっと対応してもらえるように詰めていきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○山田俊男君 もう一つは、これは原木シイタケ農家が自ら里山の除染を、とりわけ原木を集める、ないしは山から取り出せることができるように自ら除染をする取組を行おうということで、自分たちで里山の除染を図るための里山再生基金をつくるという取組を行っているわけですが、こういう取組に農水省や、さらには私は東電もきちっと支援すべきじゃないかと、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) お答え申し上げます。 今お話がありましたこの原木シイタケへの被害に対処するための生産者の皆様を会員とした協議会というのがございまして、東日本原木しいたけ協議会、こういうところでございますが、ここが安全なシイタケ原木の育成、それから里山の環境の整備等を行う里山再生基金、こういうものを創設しようという構想を持っていらっしゃるというふうに聞いております。東日本原木しいたけ協議会ということで、東日本の十五都県で三百五十名の会員がいらっしゃると、こういうことであります。これまでも、我々としても、安全なシイタケ原木の確保、それから東京電力に対する損害賠償の働きかけ等の支援を行ってまいりましたほか、いろんな国の政策の検討に当たって御意見をいただいてきたところでございます。 個別団体の基金へ直接というのは難しいわけでございますが、この構想については、生産継続、里山の整備保全と、こういう意味で非常に有意義だと、こういうふうに思っておりますので、この御審議していただいている予算案でも、伐採、植栽等の原木林の改良への支援という形、それから民間活動組織による里山林の保全活動や広葉樹を利用していくということを支援するという形、こういうのを措置もしております。それに加えまして、国有林の分収造林制度と、これを活用した活動フィールドの提供と、こういうことも含めてでき得る限りの支援をしていきたいと、こういうふうに考えております。
○山田俊男君 実は、原木シイタケといいまして、しかし、キノコ類、全体としてのキノコ類ですね、これは何と、日本の山から生産される木材の産出額と、それとキノコ類の生産、産出額は同じなんです、同じ規模。いかに、逆に言いますと山から産出される木材の価値が低いか、量が少ないかということと、一方でキノコ類の生産が意外と多いのかなということなんですよね。是非、このことを踏まえていただきまして対策をしっかり打っていただきたい、こんなふうにお願いします。 さて、これは茂木大臣に、このこともしっかり指導してもらいたいわけでありますけれど、汚染された牧草地で、それでこれはもう除染されているんですけれど、しかしその牧草を食べた牛から残念ながらやはり放射性物質が出る。しかし、これはもう基準値をずっと下回る数字なんです。だけれども、基準値を下回るんだけれども、やはりより安全な牛乳を供給したいという観点から、基準値を下回るけれども、それはもう出荷しないということで廃乳されておられるわけです。それはそうです。ブランドをきちっと確保しなきゃいかぬということもありますから、やむを得ない行為だと思います。 しかし、そのことについて東電は補償しない。それは経営上の問題でおやりになったんでしょうということで、極めて冷たい、これは補償できないという通知をしているだけ。こういうことでは、一体こうした事態を生じさせた原因はどこにあるのか。東電にあるじゃないですか、事故にあるんじゃないですか。そのことを考慮しない対応が行われているというのは大変残念でありますから、こうしたことについてしっかり指導をしてもらいたい、こんなふうに思いますが、茂木大臣、東電への指導、それからさらには、林大臣には、是非こうした個別の事例をよく踏まえていただきまして対策を講じていただきたい、こんなふうにお願いします。茂木大臣、お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 原木シイタケと比べて牛の生乳につきまして賠償の方が進んでいないと、こういう御指摘いただきましたが、制度的には、先ほど御説明申し上げた原木シイタケと同じような形で中間指針そして第三次の追補というのを出させていただいておりまして、対象区域、これも追補におきまして拡大もさせていただいているところであります。 東電におきまして適切な賠償が進むよう、更に指導してまいりたいと考えております。
○山田俊男君 林大臣、何かありますか。
○国務大臣(林芳正君) これはいろんな理由で、この畜産それから酪農、影響を受けております。今委員から御指摘があった、このことももちろんありますし、それから円安等における影響もあって、配合飼料の価格ということもございます。 したがって、そういうことを総合的に見ながら経営体の安定をどうやって図っていくかというのは総合的に見ていかなければならないと、こういうふうに思っておりますので、委員もお詳しいわけですから、具体的にまたいろいろと詰めていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○山田俊男君 もう一点、これは石原環境大臣にお尋ねしておきたいんですが、汚染された稲わらや、それから汚染堆肥、さらには汚染された牧草、それから果樹等の除染のための剪定枝や樹皮、こうしたものが一時保管されている場合もあるんですが、しかし一方で、それぞれ圃場の隅に積み上げられていたりしている。それからさらには、田んぼの真ん中にハウスを建てて、そこへ集めて保管しているという例もありますが、どうもこれ、まだ片付いていないんです。二年間だという約束で、そういう形で一時保管の形も含めて取り組んできているんですが、進んでいない。 これ、一体、中間貯蔵の仕組みなり、それから、一時保管はもちろんですが、その次に中間貯蔵なり、その仕組みを着実にやっていかなきゃいかぬのがまだ必ずしも十分進んでいないという。これじゃ幾らたっても、二百キロ離れているんですよ、原発事故の場所から、しかしこれではもう風評被害といいますか気持ちが落ち着かない、まさにそのとおりなわけでありまして、このことについてもうちょっときちっと進めるべきであると思うんですよ。 中間貯蔵施設、一時保管施設、なぜ進まないのか、これをお聞きします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘になったこの稲わら、堆肥、牧草あるいはシイタケの原木等々、私も拝見してまいりました。 いい場所は町や市が一か所に置いて貯蔵しているんですが、農家の軒先とか納屋の一隅に置かれているという現状もあります。もちろん減容化、焼却が一番いいと思うんですけれども、その焼却をすることによって、もちろん今フィルターを付ければ有害物質は表に出ないんですが、その減容施設を造るといっても理解がなかなか得られていないという場所もあることも事実でございます。 〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕 その一方で、岩手県の一関市においては、一キログラム当たり八千ベクレルを超える牧草を既存の焼却施設で一般ごみと混ぜまして、ですからこれ大変な作業なんです。拝見いたしましたけれども、一般ごみの量とその汚染されたものの量が一般ごみの方が多いわけですので、この安全性に関する実証事業を実施しておるほか、岩手県遠野市など九市町で八千ベクレル以下の農林系廃棄物の焼却がやっと開始いたしました。 先日、当委員会で成立をいただきました二十四年度の補正予算においても、処理が滞っております八千ベクレル以下の農林系廃棄物について処理費用を補助する処理加速化事業、これ予算額は百四億円でございますけれども、これを計上して急いでこれを進めていかなければならない。 理由としては、一に、やはりそういうことをやっても大丈夫なんですよと、安全、安心ですね、この説明に対して地域の住民の方々の理解というものをしっかりと得ていくということに尽きるんだと思います。 中間貯蔵施設につきましても、今現地のボーリング調査が今週からスタートをいたしまして、候補地を決め、そちらに搬入をしていく。これにはまた道路付けの問題とか、かなり時間が掛かりますが、二十七年当初という計画にのっとってこの事業を進めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○山田俊男君 しっかりそうした取組をやってくれるところ、そこに支援策をきっちり講じて進めてもらいたい、こんなふうにお願いします。 これら農家の苦しみに加えて、先ほど林大臣からもちょっとありましたが、実はアベノミクスの明と暗がありまして、これは見事に総理は為替の是正と株価の上昇を生まれた、見事に尽きると、こんなふうに思いますが、実はその反面で農林漁業者が大きな問題を抱えるに至っております。畜産農家は輸入飼料穀物の価格のアップ、それから園芸や漁業者は燃油の高騰に大変苦しんでいるわけであります。漁業者はイカ釣り漁を休止したというニュースは皆さん御案内のとおりというふうに思います。 総理、企業が高収益を出して決算もいいというときに、農業者は大変苦しんでいるわけであります。いろんな課題があるから、総理はもう毎日大変だということはよく、重々承知しますが、こうした畜産農家、農業者や漁業者の現状に、総理、目が行っているんだろうというふうに思いますが、どうぞ、この飼料穀物と燃油等についての早急な対策の指示を総理から出していただかなきゃいかぬのじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) まず私の方から、御案内だと思いますが、もう既にいろんな対応をしておるというところをお答えさせていただきたいと思いますが、まさに今委員からお話があったように、トウモロコシ、麦、それから燃油と、こういったものをやはり輸入に依存しているというところから、農林水産業におきましては、こういうものの国際価格それから為替の変動というのを受けやすい傾向がございます。 したがって、まず、今まさに委員がおっしゃっていただきました畜産については、配合飼料価格安定制度、これによりまして、直前一か年の平均価格、これを超えた場合は補填をするということをやっておりまして、二十四年度予備費で百四十八億円の積み増しを行っておりまして、平成二十五年の四―六、これの四月―六月期においても負担軽減の措置をしておるところでございます。 それから、施設園芸についても二十四年度の補正で、これはやっぱり油をたいていろいろやりますので、燃油価格高騰緊急対策四百二十五億円を二十五年度末まで利用可能な基金事業ということで計上しておりまして、ヒートポンプや木質バイオマス、こういったものに切り替えていくということを導入を支援しようとか、それからもう一つは上昇分を補填するセーフネット措置と、こういうことをやっておるわけでございます。 漁業についてもセーフティーネット構築事業があるわけでございますが、まさにこれはイカ釣り一斉休漁ということもございました。また、五月の二十九日だったと思いますが、今度は大きな大会も開かれると、こういうことでございますので、これに加えて、予期をしない異常な高騰があった場合どういうふうに対応していくかということは、今与党の皆様とも御相談しながら新しいことを検討しなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。
○山田俊男君 いや、大臣、もちろんそれは承知しての話でありますが、確かに価格安定制度があります、それからセーフティーネットがあります。しかし、それにしても、価格安定制度があっても、国の補填があっても、生産者の負担額は配合飼料の価格の場合は上がっていってしまっているわけでありますから、緊急対策が何らかの形でないと、それこそ中堅の酪農農家なんかでも、もうやめようかと、こんな声が出ているわけであります。 本当にそういうことになったら、大事な、本当に新鮮な牛乳を、我が国の新鮮な牛乳を飲めないということも出てきかねないわけでありますから、きちっと手を打たないと駄目、こんなふうに思いますが、総理の見解をお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 燃料や飼料等の価格は、為替相場の動向に加えて、地政学的なリスクや干ばつなど、国際的な商品市況の変動など様々な要因で動いていくわけでございまして、例えば、第一次安倍政権のときには為替はどうであったかといえば一ドル百二十円であったわけでございますが、しかし、だからといって円安が問題には全くなっていなかったわけでございます。 つまり、これは、国際的なそういう大きな変化も極めて大きな要因であるということは申し上げておきたいと、こう思うわけでございますが、この最近の為替相場の動向は、全体としては景気にプラスの影響をもたらすわけでありますが、燃油価格等の上昇による農林漁業者への影響については引き続き注視をしていかなければならないと、こう思います。 政府としては、ただいま林大臣からも答弁させていただきましたが、飼料価格や燃油価格の上昇が農業者やあるいは漁業者に与える影響を緩和するため補填する事業等を実施しているところでありますが、今後こうした価格の動向を注視をしながら引き続き適切に対応していく必要があるだろうと、このように考えております。
○山田俊男君 どうぞ、その適切なんですが、きっちり危機感を持って対処してもらいたいというふうに思います。本当に農家は、原発のこと、さらには、今お話のありました燃油等、エネルギー等のこと、さらにそれに加えまして、実はTPPも含めて将来が大変不安だという声がいっぱい出ているわけであります。 総理は、オバマ大統領と共同声明で、農産品についてはセンシティビティーがあると、こういうことを確認されて、それで公約を守ることができたということで交渉参加の判断をされたわけです。 総理の三月十五日の参加表明の演説は、私はもう本当に見事というふうに思います。党大会の挨拶も見事というふうに思います。しかし、その会見や挨拶からして、総理には私は二つの顔があるんじゃないかというふうに思うんですよ。 一つは、米国と一緒に太平洋を自由の海にする、そして米国と日本で自由貿易の新しいルールを作る、こういう形でおっしゃっている顔ですね。 もう一つの顔は、日本の国益は麗しい国柄だ、そして、それをつくっているのは農業と農村です、私はそれを断固として守ります、あらゆる努力によって日本の農を守り食を守ることを約束します、私を信じてください、こうおっしゃっているんです。さらに、これがすごい。私は強欲を原動力とする市場主義経済の道を取ってはならないと思います、日本は瑞穂の国です、道義を重んじ、真の豊かさを知る資本主義経済を目指します、そのことをお誓い申し上げますというふうにおっしゃっている顔なんです。 総理、総理の顔はどっちの顔なんだ。私は圧倒的に後者の総理の顔に物すごい期待をしていますし、全国の農林漁業者はみんな総理の後者の顔に物すごい期待しているから、総理はもしかしたらしっかりやってくれるんじゃないかという期待感が物すごくあるんですよ。だから、ここは総理の決意をお聞きしておきます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、今、山田委員がおっしゃった私の党大会での演説でございますが、あれはまさに私の真意であります。言わば麗しい日本を守っていく上においても世界の競争に打ち勝っていく必要は一方あるわけでありまして、グローバルな経済というのは現実でありますから、この現実の中で我々は勝ち抜いていかなければ、この日本というすばらしい、麗しい国の、この瑞穂の国を守ることはできないという認識でございます。 その中におきまして、農業においても、まさに農は国の基でございます。林大臣の下において、農業には様々なこれは多面的な機能がありまして、様々なまさに農業には顔があるわけでありまして、地域においては地域を守り環境を守っているわけでありまして、まさに文化と伝統でございます。 その中において、例えば生産性という面においてだけでは測ることができない価値があることは私も十分に承知をしているわけでありますし、その中において、地理的な条件において、そこで大規模な農家と戦えといってもこれはできないのは当然のことであります。一方、言わば農業が産業としての農業という側面で考えて、十分にこれは世界に通用するものもたくさんあるわけでありますから、こういうものはしっかりと伸ばしていくことも我々の責任ではないかということでございまして、林大臣の下で、この両面において、鋭意新たな展望を生み出すために政策を今立案をしているところでございます。
○山田俊男君 そうすると、総理の顔は両面ですということですかね。ともかく、後者の顔をみんな期待していますから、だから総理、きちっと決断してもらえるものというふうに期待していますから、どうぞ頑張っていただきたい、こんなふうに思うんです。 さて、これは甘利大臣にちょっとお聞きしておきたいんですが、アメリカのUSTRが昨年六月に公表しているウエブサイトで、透明性とTPPというふうに題しまして、議会との協議、それから関係者、ステークホルダーというんですかね、そことの情報をつなぐ仕組みをちゃんと開示した上で取り組んでいるんですよね。 日本は、こういう形での仕組みといいますか、ルールといいますか、進め方といいますか、そういうことをやらないと、それこそ、これは農業者の不安なんですが、あるとき突然こういう形で決まりましたといってぽんと出されるんですかね。これではやっぱり納得できないというふうに思うんですよね。この点、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) アメリカの場合は、他の国と違って政府と議会の関係が、議会の権限が強いようであります。ただ、その中においても情報管理には相当な機密性が保たれている中での話というふうに承知をいたしておりますが、まず基本的に、もちろん節目節目で総理や私から可能な限りでの情報開示はしてきましたし、していくつもりでありますが、このTPPに関しまして、情報を保持をしていくというルールがあるわけでございます。 ニュージーランドが寄託国、いわゆる事務局的な役割を果たしているわけであります、文書係というんですかね。そこでは、このニュージーランドの外務貿易省のホームページ、委員も御覧になったかもしれませんけれども、ここでこう書いてありまして、九月のシカゴ会合でTPP交渉官たちは、交渉中のテキスト及び交渉の過程で交換される他の文書を秘密の文書として扱うことに合意をしたというふうにあります。それから、全ての交渉参加者は、交渉テキスト、各国の提案及びそれに伴う説明資料、交渉内容に関連するEメールその他に、交渉の文脈の中で交換された情報については各参加国が公開に同意しない限りは秘密扱いにする、こういうことが規定をされているわけであります。もちろん、参加各国が全てこの部分について了解しますと言えばその限りではないんでありますけれども、そういう前提がありますので、可能な範囲では公開に努めますけれども、それを超えて出すということはなかなか難しいところでございます。 それから、情報の管理に関しましても閣僚の間でも厳しい情報管理ルールを設けておりまして、というのはこの条約文書そのものが出たりしますと即退場ということになりかねないということでありまして、そこら辺のどこまでが開示できるか、どの範囲でできるか、そしてどこはしっかり守らなきゃならないか、そのルールに従いつつ、可能な範囲での努力をしていきたいというふうに思っております。
○山田俊男君 私もニュージーランドの外交官のその話はよく承知しているわけでありますけれども、USTRはともかく、米国の下院歳入委員会、上院財務委員会等々と定期的に協議を行っていまして、TPP交渉について数百回にわたり協議を行っていると、こういう言い方であります。ニュージーランドがそういう形での言い方をしているわけでありますが、しかし一方で、アメリカは内容はともかくとしてそういう形できちっと伝えているということでありますので、この点、もう少し調べていただきまして、そして日本でどんな工夫があるかということを是非是非やっていただきたいというふうに思います。 そのことと、もう一つ、最後にこのことを。総理は確かに見事に記者会見での挨拶、原稿なしであれだけとうとうときちっとおっしゃるというのは、十五分間もありますから、極めて正確な内容でありますし、見事です。 その後、安倍内閣として、これからTPPについて交渉参加という動きが出てくるわけですが、それじゃ具体的にどういう取組方針で進むかということについては、総理の記者会見の見事な挨拶だけが指針なんですかね。私は、やはりこう取り組むよということをちゃんと示していかなきゃいかぬのじゃないかと。とりわけ、国会では衆参の農林水産委員会におきます決議があるわけだし、それから与党自民党のこれは決議が、申入れがあるわけでありますから、これらを踏まえた上で是非是非内閣としての指針、方針を私、示さなきゃいかぬのじゃないかと思うんです。 総理、お考えお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な方針は、我々、党として昨年の総選挙において国民の皆様とお約束をした公約であります。聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対する。そして同時に、J―ファイルに五つの判断基準をお示しをしているわけであります。そのことをお示しをして我々は政権に復帰をしたわけでありまして、我々はそうした約束をたがえてはならないと、こう決意をしているわけでありまして、TPP交渉において強い交渉力を持って守るべきものは守る、まさに交渉の中においてこの五つの基準を実現をしていきたい、守っていきたいと、このように考えております。
○山田俊男君 それは党の決定でありますが、ないしは党の決定になっていく公約でありますが、どうぞ内閣としてどう臨むかという方針作りにつきまして是非是非示していただきたい。でないと、民主党政権で二〇一一年に作った菅内閣のときの包括的経済連携協定方針、あれが日本の方針かと、あれしかないのかという話になるわけですね。これは違うでしょう、政権交代したんですから。だから、是非是非それはよくお考えになって示していただきたい、こんなふうに思うところであります。 さて、飛行機に乗って日本の国土を見ますと、もう本当すばらしい山、山、山です。一方、ああ、山、山、山の山田です。ところで、また降りて、そして車に乗ってそして道路を走りますと、これはもう本当に残念なことに山が物すごく荒れているんですね。竹林が本当にはびこっちゃって、これはもう大丈夫かというふうにも思います。雪で折れた杉の木が卒塔婆のようにこうして見えるという光景もいっぱいあるわけです。だから、これ何とかしないと、これはもう本当に大事な財産を私は失うというふうに言わざるを得ないわけであります。 確かに、皆伐してあったり、それから間伐してあったりする山がちょっと見えたりするとうれしくなりますね。ああ、森林組合なりが一生懸命やってくれているんだなということでうれしくなるわけで、こういうことがもっと見えてこないと、日本という国は、だって二つ物すごい資源があるわけですね。一つは大陸棚の海洋資源ですね。二つ目には、それこそ物すごい森林資源があるわけであります。これをどう活用するかというのは大きな課題になるわけでありまして、第一次安倍内閣のときに、私も覚えているんですが、美しい国づくりの一環として美しい森林づくり運動を提唱したんです。これを真面目に踏襲して、残っているのは農林水産省、林野庁だけだという話でありますから、そういう面からするとよくやってもらっているというふうに思いますが。 しかし、それにしても、この山の、日々成長しているわけだし、大変な財産でもあります。これをどう活用するかということに関しては、木質バイオマスをどう進めるか、これが物すごく大きいんだというふうに思うんです。 ところが、まだ例のFIT、固定価格買取り制度で対象になっている木質バイオマスの発電事業の施設は三か所だけというふうに聞いていますが、林大臣、一体、希望はいっぱい上がっているんじゃないですか。それからさらに、こうしたところがちゃんと着実に進んでいくと山の雇用にも大変影響ありますし、それから地域の経済への還元もあるというふうに思うんですよね。その点、おっしゃってください。
○国務大臣(林芳正君) まさに委員おっしゃっていただいたこのFIT、固定価格買取り制度の設備認定を受けまして既に運転を開始しております木質バイオマス発電施設、これは三月末現在で三十五件まで来ております。現時点で具体的に計画中のものが全国に三十か所、構想段階のものを含めると更に五十、六十ですから、さっきの三十を入れてそれぐらいには来ております。 間伐材の未利用間伐材というのが大体二千万立米ぐらい毎年出ているということですから、これを全部木質バイオマスで利用したといたしますと、五千キロワット級の規模の発電施設が二百か所稼働すると、こういう試算をいたしますと、何と二百四十万世帯分の電気を供給することができるということ。そして、この間伐材は燃料代として地域に落ちますので、千四百億から千八百億円が地域に還元されると。また、この発電所の運営で二千人以上、原料のところですね、間伐材のところも含めれば一万人以上の雇用効果を創出するということが期待できますので、しっかりとこの間伐材の利用、この木質バイオマス、取り組んでまいりたいと思っております。
○山田俊男君 どうぞ、総理も、美しい森林づくり運動、まだ続けているといいますから、是非、この木質バイオマスの取組と併せましてこれを決意して進めていただきたい、こんなふうに思いますので、よろしくお願いします。 さて、巨大防潮堤の建設のことについてどうしても触れておきたいというふうに思います。安倍内閣が復興対策含めて本当に政治的な課題として取り組んでおられる、重要な課題として取り組んでおられると大変評価します。 ところで、それにしても、底辺の幅は四十メートル、それから頂部の幅は四メートル、高さ七ないし十五メートル、総延長数百キロ、巨大防潮堤の建設が現に進んでいるわけですよね。工事中です。防災上の必要性や判断を否定するものでは決してないわけでありますが、本当にこれ造ってしまった後、景観や環境維持や、それから排水や動植物に与える影響や、そういうことを心配じゃないのかと、大丈夫かという気がするわけで、地域の実情に応じた取組と環境アセスが必要じゃないかというふうにどうしても思うんですが、石原大臣、これいかがなんですか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの点、私も大変憂慮している点でございまして、計画を見せていただきますと、実はその防潮堤とか、あるいは津波が川を遡上した、川の堤防等々も同じように高さ八メートル、のり面何十メートルみたいな計画もなされております。しかし、残念ながら、この防潮堤等々については環境影響評価の対象事業ではなくてありますので、環境アセスメントの対象とはなっておりません。しかしながら、そういうものができたことによって海と陸との生態系の交わりがなくなったり、またやはり景観、そこに暮らす方々にとってはかなり圧迫されると思うんですね。ですから、一にはその事業者において自主的に適切な、その環境にマッチした、あるいは陸と海の生態系の交わりができるような仕組みというものを考えていただくということが必要だと思います。 ですから、環境省としては、是非そういう運動を広げていただきましたら、環境アセスの観点から、技術的にも、あるいは関係自治体にもこういうふうにした方が生態系を維持できる、あるいは景観上もいいというような御支援をさせていただきたいと。しかし、残念ながら、くどいようですけれども、アセスの対象にはなっていないというのが現状でございます。
○山田俊男君 太田国交大臣は、大学の専攻が建築、ああ、土木でございますか。それじゃますますなんですが、専門家であるわけですね。その立場から、この巨大防潮堤の扱いについて一体どんなふうにお考えになるか。それから、さらにはどんな配慮をするべく取り組んでおられるのか。造ってしまってからこんなはずじゃなかったなんてことにならぬようにしなきゃいかぬわけですよね。その点、お聞きします。
○国務大臣(太田昭宏君) 非常に大事な問題だと思いまして、国交省としてもしっかりこれに取り組んでおります。 百数十年あるいは数十年に一回という津波に対してどうするか、千年に一回という津波に対してどうするかという二つの観点で、最初の数十年から百数十年の間に対するということを基本に高さを考えると。千年に一回というような、今回のようなそういう津波に対しては、それは避難をするとか道路で逃げるとか、様々な意味でのソフトということで対応するという基本的になっておりまして、千年に一回の巨大な高さのコンクリートで固まったものを造るというのではないという基本方針に立っているというのが現状でございます。 その上で、先生もやられていらっしゃいます、その宮脇昭先生、森の防潮堤ということがありまして、津波がこの防潮堤に掛かる、そうすると、裏のり面から返す波で削られるということがありますから、高さはそうした数十年から百年ということをやりながら、その裏面のところ、裏のり面のところに、むしろ森の防潮堤ということで、そこに盛土を置きまして、そこにタブとかシイとかいう根っこが深い、そうしたものを植えていくということで、それはしぶとい堤防といいますか、強い堤防を造る。防潮堤を造ると同時に、景観あるいはまた自然環境、こういったことも合わせ技でやっていこうということで、強い意思を持ってそうしたものに、地元の人とも話し合いながら造って守ってまいりたいと、このように思っているところでございます。
○山田俊男君 ありがとうございました。 さすが土木の大臣でございまして、よろしくお願いします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で山田俊男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて復興・エネルギー・原発・環境等に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(石井一君) この際、御報告いたします。 本委員会は、平成二十五年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されましたので、お手元に配付しております。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 次回は明十四日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十三分散会