予算委員会 第14号
- 発言数
- 415 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 11
- 開催日
- 2013/05/07
会議録
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、平成二十五年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。 本件につきましては、理事会において協議の結果、次のとおり決定いたしました。 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。 一、審査を委嘱する期間は、常任委員会については五月九日の一日間、特別委員会については五月十日の一日間とする。 以上でございます。 ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井一君) 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ─────────────
○委員長(石井一君) まず、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。 まず、第一班の報告を山崎力君にお願いいたします。山崎力君。
○山崎力君 自民党の山崎でございます。 予算委員会委員派遣の口頭報告をさせていただきます。 予算委員会委員派遣第一班につきまして御報告申し上げます。 派遣委員は、石井委員長、小林理事、白理事、谷合理事、大門委員、福島委員、片山委員及び私、山崎の八名であり、去る四月三十日に沖縄県那覇市において地方公聴会を開催いたしました。 地方公聴会では、四名の公述人からそれぞれ意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。 最初に、沖縄県副知事の川上好久公述人からは、沖縄二十一世紀ビジョンの実現、沖縄の特殊事情を踏まえた地域振興の在り方、沖縄振興一括交付金の果たす役割について意見が述べられ、次に、沖縄県名護市長の稲嶺進公述人からは、沖縄の米軍基地負担軽減の必要性、学校施設の整備の拡充などについて、次に、沖縄県商工会連合会会長の照屋義実公述人からは、沖縄の中小・小規模企業に対する支援策の在り方、公共工事発注の際の地元企業への配慮、観光関連産業への台風災害補償制度の創設などについて、最後に、沖縄県議会議員の新垣安弘公述人からは、政府と地方自治体による基地使用協定締結問題、沖縄総合事務局の県への移管などについて、それぞれ意見が述べられました。 公述人の意見に対し、各委員より、嘉手納以南の基地返還計画を受けた都市計画の在り方、普天間基地固定化を避けるための県内移設の妥当性、オスプレイの追加配備に対する認識、安倍政権の経済政策に対する評価、沖縄における防災減災事業の状況、政府の主権回復記念式典に対する考え方、TPPが沖縄経済に及ぼす影響、待機児童対策への取組などについて質疑が行われました。 会議の内容は、速記により記録をいたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。 また、派遣団は、四月三十日及び五月一日の二日間、現地において沖縄平和祈念公園を訪れ、国立戦没者墓苑において献花を行い、キャンプ・シュワブ及び安部メガソーラーの視察を行うとともに、沖縄県知事及び北部、中部、南部の各市町村会と意見交換を行いました。 沖縄県知事からは、那覇空港第二滑走路の早期整備、県外移設を含めた普天間基地の危険性の早期除去などについて要望が示され、各市町村会からは、鉄軌道系の公共交通機関の整備、米軍基地と沖縄経済との関係、沖縄の米軍基地の負担軽減の進め方、米軍基地返還後の有効な跡地利用に向けた事前調査の必要性、米軍基地周辺の騒音対策と騒音防止協定の現状、若年層の雇用確保策、沖縄をモデルケースとした少子化対策への取組、各地域の特色を生かした沖縄の均衡ある発展推進、自然との共存を踏まえた沖縄開発、医師の安定確保による地域医療体制の充実などについて要望が示されました。 最後に、今回の委員派遣におきまして、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。 以上で第一班の報告を終わります。
○委員長(石井一君) 次に、第二班の報告を小川敏夫君にお願いいたします。小川敏夫君。
○小川敏夫君 予算委員会委員派遣第二班につきまして御報告申し上げます。 派遣委員は、小野理事、田中委員、赤石委員、宇都委員、森委員、谷岡委員、荒井委員及び私、小川の八名であり、去る四月三十日に盛岡市において地方公聴会を開催した後、翌五月一日に宮古市において津波被害及び復興状況等の視察を行いました。 まず、地方公聴会について御報告いたします。 地方公聴会では、四名の公述人からそれぞれ意見を聴取した後、各委員からの質疑が行われました。 最初に、岩手大学理事・副学長の岩渕明公述人から、被災地復興のための地方大学の役割、行政間の連携の重要性、復興とイノベーション、復興に向けた教育と地域の人材育成などについて意見が述べられました。 次に、岩手県立大学学長の中村慶久公述人からは、被災した学生への支援、学生による災害ボランティアの取組、被災地の小中高校生への学習支援などについて意見が述べられました。 次に、一般社団法人岩手県建設業協会会長の宇部貞宏公述人からは、建設業界における労働者及び資材の不足の状況、適正規模の継続的な公共事業の必要性、品質や施工能力を踏まえた公共調達の適正化などについて意見が述べられました。 最後に、特定非営利活動法人いーはとーぶスポーツクラブクラブマネジャー、盛岡市スポーツ推進委員協議会会長、岩手県スポーツ推進委員協議会副会長の村里洋子公述人からは、編み物を通じた被災者支援であるハートニットプロジェクトの取組、被災地の児童の体力低下に対する懸念、NPOによる被災地支援の状況、スポーツ庁設置の必要性などについて意見が述べられました。 公述人の意見に対し、各委員より、被災後の大学における教職員の体制、用地交渉が進まないことによる具体的な影響、地元職業高校生のキャリアアップ策、災害時における消防団の重要性と建設業界の役割、学生ボランティアに対する大学の単位認定の在り方、災害時におけるNPOの役割、住宅再建の現状、公共工事拡充による影響、被災地におけるTPP及び消費増税の受け止め方、地域開発の拠点としての大学の機能、復興予算流用の是非、震災の経験を踏まえた大学入試の在り方、建設業界の状況と適正化に対する認識等について質疑が行われました。 会議の内容は、速記により記録をいたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。 次いで、宮古市における視察につきまして御報告いたします。 宮古市は、東日本大震災により、死者四百二十名、行方不明者九十四名の人的被害とともに、全半壊四千五棟の家屋の被害を受けました。 派遣団は、宮古市の田老地区において津波で破壊された防潮堤を、また、同市藤原埠頭における災害廃棄物の仮置場をそれぞれ視察するとともに、津波被害の状況及び復旧・復興の進捗等について説明を受けました。 なお、岩手県及び宮古市より予算委員会に対する要望書が提出されております。 最後に、今回の委員派遣におきましては、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表するとともに、派遣団としても、被災地の復興のため最善を尽くすことを改めてお誓い申し上げる次第であります。 以上で第二班の報告を終わります。
○委員長(石井一君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(石井一君) 平成二十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、経済・雇用・社会保障等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百四十分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会八十一分、自由民主党・無所属の会三十五分、公明党二十五分、みんなの党二十二分、生活の党二十二分、日本共産党十一分、みどりの風十一分、社会民主党・護憲連合十一分、日本維新の会十一分、新党改革十一分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(石井一君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(石井一君) これより、経済・雇用・社会保障等に関する集中審議を行います。 質疑に先立ち、委員長より一言申し上げます。 去る四月二十五日の当委員会における安倍内閣総理大臣の答弁につきまして、理事会では各党理事から様々な意見が述べられました。 安倍内閣総理大臣におかれましては、予算委員会での質疑は国会の最優先事項であるとの御認識の下に、今後は、委員の質疑に対し、その趣旨に沿って簡潔に御答弁いただき、また、委員会の運営に関する意見につきましては理事を通じて述べられますよう、委員長として要請いたします。 ─────────────
○委員長(石井一君) これより質疑を行います。鈴木寛君。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。総理、よろしくお願いいたします。 まず、外遊大変お疲れさまでございました。特に、あのトルコでのオリンピックに関しますスピーチはナイスフォローだったというふうに思っております。 私、スポーツ担当の文部科学副大臣でありましたときに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの招致を東京都の皆さんと立候補を決めさせていただきました。新国立競技場の改築も与野党の皆さんの御理解を得て一歩踏み込ませていただきました。また、今現在も麻生副総理を会長といたします招致議員連盟の事務局長をさせていただいておりまして、総理にもこのオリンピック招致に当たって大変に熱心に取り組んでいただいていますことに心から感謝を申し上げたいと思います。 確かに、猪瀬発言問題をめぐるいろいろな混乱、大変残念だったというふうに思いますが、改めて、我々はなぜオリンピックなのかと、その原点、理念に立ち返ってきちっとこの招致活動を立て直していきたいというふうに思いますし、こういうときこそみんなで一緒に挽回をしていくということが非常に大事だというふうに思います。 トルコではあのようなスピーチをしていただきましたけれども、国会の場で国際社会に向けて総理からこの招致に向けての思いを、決意を改めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このオリンピック招致に向け鈴木委員もずっと御努力をしてこられたことに対しまして改めて敬意を表したいと、このように思う次第でございますが、オリンピックは五つの輪がつながっているわけでございまして、つまりこれは五つの大陸がお互いにそのオリンピックの期間はスポーツを通じてフェアな戦い、そしてお互いの友情を培うという大きな目的があるわけでございまして、この目的にかなう大会に是非東京オリンピックをしたいと、私も国民の皆様とともにそう願っているわけでございますが、特にイスタンブールとの関係におきましては、そもそも日本とトルコの関係、エルトゥールル号遭難事件以来、特別な友情関係にもあるわけでございますし、イラン・イラク戦争に際しては、邦人の救出において、わざわざトルコの人々は陸路を通って帰るように、そして日本人のために飛行機を用意をしていただいたわけでございます。その友情に我々感激をしたわけでございますが、こうしたトルコとの友情がこのオリンピックをめぐる招致関係において傷つけられてはならないと、こう思う次第であります。 イスタンブールは、鈴木委員はかつて山口県に、県庁におられたから御承知のとおり、私の地元の下関市と姉妹都市でございまして、片や一千万人を超えていて、片や二十八万人でございますから相当規模は小さいんですが、我が地元の皆さんも毎年イスタンブールを訪問をしているわけでございまして、まさに東京と同じようにオリンピックを招致する資格のある都市であるということは間違いないんだろうと思います。 トルコでも申し上げたところでございますが、もしトルコ・イスタンブールが二〇二〇年招致都市として決定したら私も一番最初に乾杯を、杯を上げたいと、こう思っておりますが、恐らくトルコの皆さんも東京に招致が決定したら世界で一番最初に喜んでいただけるのではないかと、それこそがオリンピック精神ではないかと、このように思っております。
○鈴木寛君 ありがとうございます。 オリンピック憲章では、オリンピズムの根本原則の第六条で、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントは相入れないということを明確に記述をしてありまして、私も長年このオリンピックに関する仕事に携わらさせていただきましたけれども、本当に毎度毎度思うんですけれども、オリンピックというのはまさに世界平和サミットだなということを痛感します。まさに世界の元首が一堂に会して、特に若人、まさに人類の未来に対してその友好を、平和を確認し、そしてそのことを念じ合うと、こういうまさに世界平和サミットである。 これは単なる私はスポーツの祭典ではなくて、まさに平和の祭典ということを痛感するわけでありますが、そうしたことに我々も本当に邁進をしていきたいと、このように思いますし、その中でオリンピック、何としてでも東京で、そして日本で、これは東日本大震災からの復興を、何とかこのことをきっかけに日本人、心を一つに立ち上がっていこうと、こういう意義もあるわけで、オリンピックは、我々、国際社会から要するに称賛される形で是非開催をしていきたいと、このように思っております。 この間、国内支持率も大変に急速に上がりました。今、七七%の方が支持をしていただいております。このことも大変有り難いことでありますが、最後に幾つかの懸念がございまして、やっぱりそのことを一つ一つ解決をしていきたいと、このように思っているわけでありますが、その中で、今年になってからいわゆるヘイトスピーチ的言動といいますか、ヘイトスピーチというのは、人種、宗教、ジェンダーなどの要素に起因する憎悪や嫌悪の表現を示すと、このように定義をされていますが、この人種差別的言動が横行していることがIOCにも通知をされておりまして、また海外のメディアにもそのことを報道されているというふうに仄聞をしております。また、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約第四条でもそのことが規定されておりまして、そういうことはやっぱり控えていくべきだというのが国際的な世論の潮流でございます。 実は、私たち日本人というのは、まさに大和の昔から最も平和を重んじ、そして寛容の精神を重んじ、あらゆる存在、人間はもちろんのこと、山も川も草も木も大切にしてきたと。さらに戦後は、先般もいろいろな議論がございましたけれども、この人種差別的な偏狭を除去しようと努めている国際社会において、全世界中の人々が恐怖から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを大切にし、そして私たちは、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないなどという国際協調主義の崇高な理想と目的を達成することを誓って、そしてそのために努力を重ねてきたと。 ある意味で、世界で最もこの国際協調主義を掲げ、そしてそれを実現してきたのは我が日本であるというふうに、そうした先人たちの御労苦に私たちは大変に、そのことを私は誇りに思っておりますし、その結果、最もホスピタリティーのあふれる国になっているというふうに思いますし、世界の国々の人々もそうした日本を大変尊敬してくれているというふうに思っています。でありますから、私たち日本はオリンピックを開催するに極めてふさわしい国の一つだというふうに自負をしております。 にもかかわらず、一部の方々のこういった行動、言動が横行し、それを容認しているかの国であるという、これは誤ったメッセージが海外に広がるというのは非常に残念であります。これを何とか払拭していかなければいけないというふうに思いますが、ここはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員の御指摘のヘイトスピーチというのは、言わば憎しみをあおるような、人種的な、あるいは性差に基づくそういう誹謗中傷の類いなんだろうと、このように思います。 日本人というのは、今、鈴木委員がお話しになられたように、まさに和を重んじ、人を排除する排他的な国、国民ではなかったはずでございまして、どんなときにも礼儀正しく、人に対しては寛容の精神、そして謙虚でなければならないと、こう考えてきた日本人なんだろうと、このように思うわけでございまして、そういう中において、今、一部の国、民族を排除しようという言動のあることは極めて残念なことでありまして、そういう中において、やはり日本人が大切にしてきた寛容の精神、和の精神、そして謙虚さをいま一度見詰め直していく中においてオリンピックの招致を目指していきたいと、このように考えております。
○鈴木寛君 ありがとうございます。 実は、アジア初のIOC、国際オリンピック委員会の委員に選ばれまして、一九四〇年の東京オリンピックの招致に成功されました日本の体育の父、これは今のJOCあるいは日本体育協会の前身をもおつくりになった嘉納治五郎という方がいらっしゃいます。この方は講道館の柔道の創始者でもあられるわけでありますが、嘉納先生がやられたことのお一つに、中国人留学生を本格的に受け入れられるその先鞭を着けられたのも嘉納治五郎先生であるわけであります。嘉納先生は牛込に弘文学院というのを開かれて、実はそこで学んだのが魯迅であります。まさに嘉納先生は国際協調主義のその先頭に立たれて、まさにそうした嘉納先生であるがこそアジアで初めてのIOC委員に選ばれ、そしてこの東京オリンピック、戦争によってこのことは返上せざるを得ませんでしたが、我々は実は三回目の東京オリンピック招致に臨んでいるわけで、こうした先人たちのことをきちっと受け継いでいきたいと思っておりますが。 総理にちょっとお願いがあります。先ほども今年に入ってそうしたヘイトスピーチが増えているということを私は申し上げたんですけれども、総理のフェイスブックでこのヘイトスピーチ的書き込みがかなり増えております。もちろん私は表現の自由を重んずる立場であります。ヨーロッパのようにヘイトスピーチ規制というのを行う、踏み込むことには私はかなり議論が要るといいますか、むしろ慎重な立場であります。だからこそ、自然とこうした動きが収束して、こうした規制は必要ないと、やはり日本人の良心でもっておのずから収束されたというふうになってほしいなというふうに願っております。 特に、我々日本人はオバマ大統領のフェイスブックをよく見ます。恐らく外国の方も総理のフェイスブックを、日本の顔ですからよく見られると思うんですね。まさに、こうした動きを収束できるのは、私は総理しかいらっしゃらないんじゃないかなというふうに思っていまして、是非とも世界に誇るべき日本人の高邁な品格を損なわないためにも、まさに今日御答弁いただいたようなことを受けて、やはり極端な排外主義的なこうしたことということは慎んでいこうと、日本の良さというのはむしろそういうことを超えて、度量の広い、寛容な、和を思う精神が日本人なんだということを呼びかけていただくことを御一考いただけないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員の取り上げておられる私のフェイスブックでありますが、私の意見がヘイトスピーチではなくて、書き込まれている中にそういうものが散見されるということなんだろうと、このように思います。 他方、それをいさめる書き込みも随分あるのも事実でございますが、そこで私のフェイスブック自体は割とコメントが多いものですから、全部を全てチェックをしているわけではございませんし、基本的に削除をどんどんしているというわけではございませんで、私自身に対する誹謗中傷も随分そこには書き込まれているわけでございますが。 そこで、私もかつて書いたことがあるわけでありますが、たとえもし日本の国旗がある国で焼かれようとも、我々はその国の国旗を焼くべきではないし、その国の例えばリーダーの写真を辱めるべきではないと、それが私たちの誇りではないかということを申し上げているわけでございまして、まさにそうでなければならないわけでありまして、他国を、あるいは他国の人々を誹謗中傷することによって、まるで我々が優れているという、そういう認識を持つのは全く間違っているわけでありますし、結果として我々自体が自分たちを辱めていることにもなるわけでございます。 ですから、そういう意味において、オリンピックを迎える上においてお互いにそういう考え方を持つべきだということについては、私も私のフェイスブックでそういう今度コメントを、委員のお話もございますし、そういうエスカレーションを止めるべきだろうとコメントをしていきたいと、このように思っております。
○鈴木寛君 ありがとうございます。エスカレーションを止めるべく御一考いただけるということでございます。 あと、先日、四月三十日の東京新聞だったと思うんですけれども、自由民主党の重鎮だった加藤紘一先生が、私も大変尊敬をしておりますけれども、最近の日本が戦前と酷似しているというつもりはないが、何かの拍子に同じ道をたどりかねない不健全さをはらんでいるということをおっしゃっておられます。 こうしたことを心配されておられるのは決して加藤紘一先生だけではありません。我々はやっぱりこれを杞憂に、杞憂であってほしいと思いますし、杞憂に終わらせなければいけないと思っていますが、この何かの拍子ということを事前事前に芽を摘んでおくということは大切だなというふうに思っているわけでありますが、何かコメントございますですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに今の状況が、例えば戦時下の言論が著しく統制された、あるいは一つの方向に向かって他の国に対しての攻撃的な姿勢を持つという状況になっているわけでは私は全くないと、このように思うわけでございますが、その中において、やはり、我々自身が自信を失うことによって他の国を辱めたり、あるいは攻撃的になることによって自尊心を回復をしようとしている、これは大きな間違いであろうと、このように思います。 誇りとは何かといえば、例えば海外に子供たちが出ていって、そこで困っている人たちを見かけたら、それを助けてあげることができるような国際人になりたいという思いを抱くことこそ、私はそれは日本人としての誇りなんだろうと、こう思う次第でございまして、そういう意味においても、そういう雰囲気があるのであれば、それは我々リーダーの責任でもあるわけでございますから、いさめていくべきなんだろうと、このように思います。
○鈴木寛君 ありがとうございます。 それでは、ちょっと次に行きたいと思います。 ネット選挙解禁法案が、これは超党派の議員立法で全党一致で成立をいたしました。私も、世耕弘成官房副長官と御一緒に十年ほどこの問題に超党派で取り組んでまいりました。今では、世耕さんが官房副長官になられましたので、平井衆議院議員と御一緒に各党協議会の共同座長も務めさせていただいております。何とか安倍総理が自民党の反対派をきちっと抑えていただいて成立をしましたことは御礼を申し上げたいというふうに思います。 ネット選挙解禁によって、私はこれ、民主主義が変わっていきたい、あるいは変えていきたいというふうに思っています。つまり、まさに熟議の選挙といいますか、マスコミからのいろいろな一方的な情報だけじゃなくて、いろんな立場からのいろんな観点の情報や意見がネット上で、あるいはネット上だけじゃなくてお茶の間でも、みんなが、有権者の皆さんが議論をしていただく中で政策というものが判断されると。 政治というのは結局はトレードオフ、あちらを立てればこちらが立たず、あるいは葛藤とか矛盾、要するに板挟み、この問題をどういうふうに、どの程度、どちらを立てて、こちらには我慢してもらってという、このまさに板挟みの中で何にどの程度、今の瞬間は、そして未来に向けて重み付けをしていくのかと、こういうことを決めていくのが政治だというふうに思っています。 今、安倍総理が主導されておられますアベノミクスであります。確かに株価は上がりました。しかし、物価も上がりました。総理自身、アベノミクスのどんな政策にも効用と副作用と、そしてリスクというのがあります。そのことをきちっと明らかにした上で、そして今日の国会議論も通じて、それを深めた上で国民の皆さんに理解していただいて、その上でいろんな熟議が起こる。その今日はきっかけにもしていきたいと思いますが、総理自身は、アベノミクスの影あるいはリスク、それから要注意事項、どういうところを注意していかなきゃいけないのか、どのように御認識をされているのかをお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の、我々が今進めているこの経済財政金融政策については、長引くデフレから脱却をしなければいけないと。長引くデフレから脱却をしていく上においては、これは相当思い切った、今までとは次元の違う政策でなければならないということであります。 と同時に、我々、それを進めていく上において、国民の皆様に信頼をしていただくことも大切でありますから、その中においてこれは間違いないという我々も確信を持っているわけでございますが、他方、確かにそれは全てがうまくいくということではなくて、もちろんこれも株価が上がっていく中において時差の問題がありまして、言わば給与が上がっていくのはまず、失礼、株価ではなく物価ですね、物価が上がっていく中において、まず物価が上がっていく中においてデフレ予測からインフレ予測に実際変わって物価が上がっていくわけですが、その中で給与がどれぐらいの段階で上がっていくかということについては、企業が収益を改善し、利益を向上させていく中においてしっかりと勤労者にも分配が進んでいくという順番になっていくわけでございます。 ですから、先に少し物価が上がっていくということになる可能性の方が高いわけでございますが、しかし、今の状況でそれを余り待っているいとまはないわけでございますので、経済界になるべく早く雇用者あるいは勤労者の皆さんに分配をしていただきたいと、それによって消費も起こり、いい循環に入っていきますよということをお願いをしているわけでございます。 同時に、今度は思い切った財政政策を行っておりますので、財政に対する信認というのも極めて重要であろうと思います。そういう中において、これは日本銀行において、そういう中においてしっかりと市場参加者との間で金融市場調節や市場取引全般に関してこれまで以上に密接な意見交換を行う場を設けると、こう言っているわけでございますが、適切に対応していただきたいと、こう期待をしている次第でございます。 いずれにせよ、何回もこうした思い切った財政出動をするわけにはいかないわけでございますから、持続的な成長戦略、持続的な成長をするためにも成長戦略をしっかりと六月中にはまとめていきたいと、このように考えている次第でございます。でき次第、今、次々と三本目の矢についても射込んでいかなければならないと考えているところでございます。
○鈴木寛君 物価なんですけれども、ガソリンの価格はこの一―三月で六円から七円上昇をしておりますし、小麦も半年前から見ますと約一割値上げをしています。それから、電力料金も毎月のように値上げが続いておりますし、あるいは住宅ローンの金利などもこの四月から上昇をしております。固定型の十年の最優遇金利が一・四%ぐらい上がっている。あるいは、円安によって燃料が上がったことでイカ釣り漁船が全国で一斉に休漁されているとか、それから、先日、私、墨田区の下町人情キラキラ橘商店街を歩いていましたところ、コッペパン屋さんが、小麦も上がったんだけれども、要するにパンを持って帰る袋ですね、ビニールの、あれはほとんど石油でできているものですから、これが二割ぐらい上がったと。ただ、これ転嫁できないんですと、本当に困っていますみたいなお話もございました。(資料提示) それから、このパネルを御覧いただきたいんですけれども、実は我が国は二〇一一年の三月以降、貿易収支が赤字が続いております。これは、原油あるいはLNGを大量に輸入しなければいけないということ、そしてまた世界中のそうした燃料価格が上がっているということ。そして、特にこのアベノミクス以降、二〇一三年に入りましてこの貿易収支が相当悪化していると、特に輸入金額が相当超過していると。これはやっぱり注意して見ていかなければいけない一つのリスクだというふうに思っております。 世の中にはというか世界的には、全体が成長できれば一部の方々が犠牲になってもやむを得ない、それが結果、パイが広がれば好循環が、こういう考え方も一つの考え方であります。一方で、やはり全ての人々の暮らしや人生を、誰をも見捨てられることなく、見捨てることなく共に生きていくということをやっぱり重んずるべきだと。なるべくそれぞれの、全ての人の不幸を少なくして、そしてまさにそれが共に歩んでいくんだと。世界的に見ると大きくこういう二つの考え方があります。政治というのは、その二つの考え方をその時々、その国々でそのバランスを決めていくと、こういうことだというふうに思っております。まさに、バランスある二大政党制が必要だという理由もここにあるんだというふうに思います。 民主党というのは、まさにその後者の立場に立つ政党でありまして、私たちはやはり失業者を減らすこと、これを大切にしてきました。あるいは倒産件数を減らすこと、これを大切にしてきました。あるいは格差をなくすこと、これを大切にしてきました。そして、自殺を少なくすること、これ以上の不幸はありませんから、それを大切にしてきました。 我々も、もちろん当時の与野党の皆さんの大変な御協力もいただいて、二〇〇九年の夏に五・五%だった失業率、昨年末には四・一%に下げることができましたし、また倒産件数も民主党政権時代に二二%減りました。これは二十年間で最少の件数です。あるいは自殺者も、これはゼロにしなければいけません。しかし、三万二千人いらっしゃった自殺者の方々が二万七千人に、五千人下げることになりました。これはゼロにしなければいけません。特に、経済的な理由によって自らの命を絶たれる方というのが減ったということは与野党挙げて御協力いただいてできた、そうした三年三か月だったというふうに我々は振り返っています。 そういう中で、やはり物価が上がっていく、しかもこの十月からは年金も少し減ってしまうわけですね。そうすると、まさに物価が上がるということは、土地や株を持っておられる方はいいかもしれません。しかし、そうでない人にとっては、特に年金生活の方々あるいは所得が安定していない方々にとってはやはり問題があるわけであります。 さて、この輸入の貿易赤字が拡大するということは、これはやっぱりリスクだというふうに思いますけれども、この点どのようにお考えになっておられるのか、それから、どういうこれに対する対応を、備えをされておられるのか。あるいは、株価が上がるということでありますけれども、今現在、外国人投資家が株をどの程度持っておられるのか、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外国人の所有の、株式市場における外国人の所有率については後ほど財務大臣からお答えをさせていただきますが、貿易収支についてでございますが、確かにこの円安の効果プラス、原発を全て停止をしておりますので、LNGそして原油の輸入代金の支払が増えているということによって貿易赤字が増えているという状況にあるわけでございます。 そこで、将来どうなっていくかということでございますが、円安効果による輸出増については、これはもう委員もよく御承知のように、これもやはり少し時差があるわけでございまして、これによるプラスは大体半年後ぐらいから出てくるだろうという予測がされているわけでございまして、内閣府の調査によれば、半年、一年後からむしろその結果によってプラスに転じていくと、貿易収支も黒字になっていくし、再来年はこの傾向を維持していけば逆に大きく貿易収支も黒字になっていくと、こう見ているところでございます。
○国務大臣(麻生太郎君) 鈴木先生から事前に御依頼のありました主要な上場輸出企業として報道されている二十社につきましての外国法人及び外国人個人の保有割合を、これは単純平均、二十社の単純平均してありますが、二八%、約三割弱ということになっております。
○鈴木寛君 ありがとうございます。 もちろん、外人投資家も大事な投資家でありますし、投資を呼び込まなきゃいけない。しかし、その三割の方にとっては今株価が上がるということはいいことでありますが、しかし、一方で我々は、やはり生活者、消費者、そして納税者、働く仲間の皆さん、これは中小企業の皆さんも現場で本当に資金繰りやいろいろなことで走り回っておられます。こういう方も働く者でありますから、そういう立場に立ったやはり経済政策、社会政策、重要だというふうに思っています。 そこで、まさに先ほど総理もおっしゃいましたように、これから成長戦略というのが非常に重要になると思います。まさに単なる名目だけの成長で終わるのか、成長戦略が成功することによってきちっと実質的な成長力も付いて、これがバブルで終わるか終わらないかというのはまさにこの成長戦略が成功するか否かに懸かっているというふうに思います。 そういう中で、いろんな御議論がされていまして、産業競争力会議の中で。その中で、私は、失業なき雇用移動という話がありますが、やっぱり今の私は成長戦略にとって最も重要なのは人材投資だというふうに思うんですね。 民主党政権になって教育投資、教育予算九%増やさせていただきました。そして、戦後初めて文部科学省の予算が国土交通省の予算を上回ると、こういった予算配分構造の改革ということも行わせていただきました。あるいは、この文部省の調べでいいますと、子供が一人、若者が大学を出るまでの公財政支出というのは二百三十二万円掛かりますが、リターンは四百七十五万円ということで、これこそ最大の投資だろうというふうに思ってまいりましたし、若者の留学支援、これは高校生、その枠を六倍に、大学生三倍に。下村大臣にはこれを引き継いでいただいて更に充実をしていただくと、大変うれしく思っておりますので、是非、安倍総理、麻生財務大臣もこの政策を応援していただきたいというふうに思います。 あるいは、新経済連盟もイノベーション振興に関する緊急提言で、次世代を担うグローバルかつイノベーティブな人材の育成と招致を提言をしておられまして、こうしたことについては私と下村大臣とでは共有をさせていただいているわけですが、なぜこの教育投資をこの予算では、残念ながら予算はちょっと減っているんですね。これはまさに今予算委員会でありますので、我々としてはこの文科省予算を始めとする、厚生労働省の予算もありますけれども、こういう人材投資を減らした、このことは是非改めるべきであるというふうに申し上げたいというふうに思います。 それから、時間が大分なくなってまいりましたので、その中で、今年度のことについては、その点については問題であるということを我々は指摘させていただきたいと思いますが、その中で幾つか気になっていることがございます。そのうちの一つのことを申し上げさせていただきたいと思いますが、これを御覧いただきたいんですけど、学生一人当たり、アメリカは二万九千ドル投資しているんですね。日本は一万四千八百九十ドルです。しかも、これ、文科系になりますと七千ドルしか投資していないと。日本という国はアメリカの四分の一しか、特に文科系などは投資をしていないと。ここは是非考えていただきたいと思います。 その中で、私ども、下村大臣にかなり御提言し、引継ぎさせていただいたことの、踏襲していただいている部分もあるんですけれども、是非総理にお考え直しいただきたいことが高校無償化の問題であります。 御案内のように、民主党政権になりまして、公立高校は無償になりました。それから、私立高校についても、就学支援金という形で十二万円から十八万円、二十四万円、この支援金を開始をさせていただいております。一部にこの高校無償化はばらまきであると、こういう御指摘があるんですけれども、それは指摘があるんですが、我々もこの制度を導入するときに様々な議論をさせていただきました、与野党で。そうしたこともきちっと考慮に入れながら、実はこういうふうになっています。 この緑の線が就学支援金による便益であります。低所得者の方には二十四万円、そして十八万円、そして約十二万円、この緑の分を得られます。しかし、それは先にきちっとお渡しをするわけですが、特定扶養控除の縮減、見直しということをやっていまして、年末の調整では、この青い部分の金額を高所得者の方からは所得に応じて後で税という形で納めていただいている、こういうふうなスキームになっております。したがいまして、AマイナスBで、この赤い太線のように現在の制度はなっています。つまり、低所得者の方には二十四万円ですけれども、七百万円ぐらいの方には差引きで九万四千三百円、そして最も所得の高い方には差引き六千八百円、こういうことの制度になっているわけでありますね。これは、いや、これはばらまきなのかと。私はそうでないように制度設計をさせていただきました。この結果、高校中退者は半減をしております。 自民党政権は、これは、公約の中でこれを見直すというふうにおっしゃっています。所得制限を入れるとおっしゃっています。所得制限を入れるとこの赤い点線のようになるんですね。そうすると、麻生政権のとき、麻生副総理が総理だったときがこのゼロです。麻生政権のときよりも安倍政権がこの中間層に対してマイナスになるというのは、これはいかがなものかなと。この点は実は公明党の皆さんにも十分理解していただいて、これ制度設計をつくるときに御賛同をいただいていて、公明党の方々には十分に御理解いただいているんですけれども、自民党の方には御理解いただいていないので、そこのところを是非御理解いただきたい。 それからもう一つ、なぜ所得制限が問題なのかということを御説明申し上げます。 つまり、所得制限というのは、前の年の一月から十二月の所得が確定してからこの所得制限措置、所得が一定程度下回る方に対して支援がなされるということです。そうしますと、例えばこの平成二十六年の八月に、月収六十五万円だった御家庭が五十五万円に下がったとします。これ、五十五万円になると七百万円以下なので対象になるんですけど、そうすると、八百万、六十五万のときは対象になりません、これは安倍政権が導入しようとしている措置なんですけど。これが五十五万円あるいは四十五万円に下がったとすると、そのことが反映されるのに、二年後に初めて所得が確定して、そして初めて給付対象になると。だから、二年たったら高校二年生はもう卒業しているわけですね。これは別に高校無償化のみだけじゃなくて、所得制限制度の問題なんです。という問題をはらんでいるので、我々は、まずきちっとその支援金を支給して、その後税で調整すると、これがまさに控除から手当、控除からこういう支援金と、こういう措置であります。しかも、支援金は直接家庭に行くんじゃなくて高校が代理受領をすると、こういう制度になっているわけであります。 それから、所得制限制度の二つ目の問題は何かというと、こういう時差、タイムラグの問題に加えて、六百九十九万円だったら対象になる、七百一万円だったら対象にならないと。実は今、六百万円から八百万円の所得の中に全体の高校生の二三%、七十五万人がいます。この七十五万人が、自分は対象になるのかならないのか、要するに、本当にこの所得が確定するまで不安な状態に陥れると、こういうことがあるので我々はこのような制度を導入しているんですが、そこを見直すということは私は問題だと思いますが、これ、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 鈴木委員からは今までも何度か同様の質問を受けております。問題点があるということも我々考えなければいけないと思います。 もう時間が限られていますので簡単にお答えを申し上げたいと思いますが、基本的に、民主党政権が進めた高校授業料無償化は、できるだけ公的支援を軽減するという方向性については、これは我々は望ましい方向だというふうに思っています。ただ、そもそも、元々民主党政権が考えていた高校授業料無償化というのは公立学校の無償化で、私立学校は後で追加したという経緯が本来あったわけでございます。その中で、高校授業料については一律に十一万八千八百円を減らす、それ相当に私学の方の授業料も軽減するということでありましたが、我々はこれを廃止するのではなくて、同じトータル的な四千億の財源の中で公私間格差をなくす、それから低所得者層に対する更に手厚い手当てをするということの中の財源は、これはやはり所得制限を設けることによってそこから引き出していくしかないという今の財政状況がございます。 所得制限については、野党のときは七百万ということを一つの設定をしておりましたが、前回の鈴木委員のいろんな御提言も踏まえてこれは慎重に我々も今配慮している中、しかし財源はどこかから持ってこなければならない中で、七百万と限定しているわけではなくて、それが八百万とか九百万ということのシミュレーションも含め、それから、これからいろんな形で現場に混乱が起きないような形で、より公正公平な形で真に必要なところに財源をシフトするということで、方向性そのものは、公的支援をできるだけ必要な方に持っていくという方向性については同じだと思いますが、我々はより的確に対応していきたいということでございます。
○鈴木寛君 ちょっと若干誤解を招く御発言がありましたので訂正したいと思いますが、私たちは公立の無償化と同時に私立高校に対する就学支援金制度を始めておりますので、聞いておられる方がいらっしゃいますので、その点は御指摘を申し上げたいと思います。 それから、所得制限というのは今日申し上げた数々の問題がありますので、それを是非きちっと配慮していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(石井一君) 以上で鈴木寛君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井君。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 経済問題の前に、選挙制度改革についてまず総理にお伺いさせていただきたいと思います。 〇増五減についてですけれども、総理は党首討論の際に、昨年の十一月の十四日の党首討論になりますが、当時の野田総理とこういうやり取りをされております。私たちは、まずは〇増五減、これは当然やるべきだと思いますよ、そして、来年の通常国会において、つまりこの通常国会だと思いますけれども、私たちは既に私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、こう約束しています、今この場で、そのことをしっかりとやっていく、約束しますよと、そうおっしゃっています。 そうすると、今、〇増五減の法案、参議院に付託されておりますが、これだけではなくて、定数削減も含めて今国会でやるというお約束をされているかと思います。いつまでに定数削減をおやりになるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その際、私は付け加えてこう申し上げているんですが、選挙制度全体については、較差の是正についてはすぐやりましょうと、〇増五減については、野田総理もそう言っていましたねというふうに申し上げた後、定数の削減プラス選挙制度自体の改正については私と野田総理だけで決められる問題ではありませんね、小さな政党もありますからと、共産党や社民党、そういう政党みんなで土俵をつくっていく必要がありますよということは申し上げたわけでございまして、その中において、来年の通常国会においてそういう努力をしていくというお話をさせていただいたところでございまして、自由民主党案としては、三十議席削減の案を今既にもう与党案として提出をしているわけでございまして、民主党は民主党案も提出をしておられるというふうに聞いているわけでございますが、あとは国会において十分に議論して決めていただきたいと、このように思っているところでございます。
○櫻井充君 いや、そうじゃなくて、総理の意欲をお伺いしているわけですよ。このときにちゃんとやりますと約束しているわけですよね。そして、済みませんが、近いうちに解散しますと言って解散しなかった時点では、野田総理はまあ皆さんからうそつき呼ばわりされたわけですよ。だけど、ちゃんと実現したんですね。ちゃんと解散・総選挙は行いました。ですから、まずそこが根本的に違っていて、この党首討論でこういう約束をしたから解散・総選挙になっているんですよ。これ、いつまでにやられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ古い話になりましたが、野田総理は……(発言する者あり)いや、古い話というのは八月の話をしているんですが、八月に野田総理は近いうちに解散をすると、近いうちとは普通は大体一か月ぐらいを指すものでありますから、それが十二月になったからといって、その約束を果たしたというのは、ちょっとそれは言い過ぎではないかと、このように思うわけでございます。 そこで、党首討論において私が申し上げましたのは、今申し上げましたように、〇増五減はやりましょうと、事実、自由民主党は出していたわけでございます。そして、その上において、当時の野田総理が定数の削減と言わば選挙制度の改革をやろうと、こういうふうにおっしゃったものでありますから、繰り返しになりますが、選挙制度というのは民主主義の土台をつくるものでありますから、私がやりましょうと、あなたと二人で決めましょうと言って決められる問題ではないわけでございまして、そのことはまず申し上げたわけでございますから、だから、いついつまでにできるという問題ではありませんよということであります。 その上において、私たちの責任として、我々自由民主党と公明党の案を出しているわけでございますから、これは、もし皆様が賛成すると言っていただければ直ちに賛成するということになるわけでございますが、しかしそこのところは、民主主義の土台をつくるわけでありますから、まさに国会において慎重かつ深い議論をしていただけるんだろうと、この国会でもし成立されればこれは大変すばらしいことだと、このように思っているところでございます。
○櫻井充君 済みませんけど、私、議事録全部読んで、総理、これ質問をしているんです。その中で、まずちゃんと言い切っているんですよ。言い切って、後で言い訳程度にそういう話されていますけれども、ここに書いてあるんです。来年の通常国会においてちゃんとやりますと、約束しますというふうに言っているんですよ。だから、それをいつまでにおやりになるのかと、それを私はお伺いしているんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、先ほど申し上げましたように、我々は三十削減するという案を、自民党の中でも相当の議論がありまして、これは相当、簡単なことではないわけでございますが、その自由民主党の中での議論、そして公明党との与党の議論を経て、これを、私は自由民主党の総裁としてこれはまとめなさいという指示を幹事長にいたしました。その結果、それがまとまり、そして与党の中でこれはやっとまとまって提示をさせていただいているわけであります。そして、提示をし、あと、いつ提出をして、あとは皆さんと協議の上、成立をするかどうかはまさにこれは国会で決めていただく。これは何といっても、これは国会の、まさに院のこれはルールを決めていこうということでありますから、これはあとはもう国会においてちゃんとやっていただきたいと、こう思うところでございます。
○櫻井充君 そうすると、自民党としてはこういうのを出したと、総裁として指示も出されたと、あとは幹事長以下国会のところでのルールだから自分自身は関係ないと、そういうようなことでよろしいわけですね。 つまり、ここのところは、ここのところは、この時代は野党のトップですよね。今はもう与党のトップになられているわけです。そして、その時点で、これ大事なことなんですよ、国会でこういうふうにはっきり、はっきり発言されているんです。その発言の内容が、いや、あのときはこういうことも言った、ああいうことも言ったということになると、どこまで正しいのかというのが分からなくなるじゃないですか。 改めてお伺いしておきます、改めて。そうすると、今のところ今のような形で法案は提出しているからこれで約束は守ったと、そういうふうにお考えだということなんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二つございますが、定数の削減と、言わば定数の是正、較差の是正でございますが、まず、〇増五減については、まさに衆議院で既に可決をされているわけでございます。これは衆議院のことでございますが、あとは、参議院においてこれは速やかな成立、これは憲法違反と、こう言われているわけでありますから、速やかな成立に御協力をいただきたいと、こう思うところでございますが、同時に、我々は、定数を削減する、そして選挙制度を変えるということについては、こう言った、ああ言ったということを私が言ったというふうにおっしゃっておられますが、事実それは言ったわけですよ。事実言ったから言ったといって、その全体の発言として考えていただかなければいけないわけでありまして、私は、民主主義の土台であるからこそ、私と野田さん、二人でここで決めていいという問題ではありませんねと、こう申し上げたわけでございまして、その中において、やはり小さな政党のことも考えて、全ての会派がなるべく納得をしていただけるようにしていかなければいけないと、こう申し上げたところでございます。 その結果、自由民主党は三十削減という案を提示をさせていただいているわけでございますから、これは、これ以上、私がいついつまでに採決をするという、それはそういうものではないということは櫻井委員も御承知のとおりだろうと、このように思います。
○櫻井充君 まあ、分かりました。 結局、国会の場でそういうふうにお話しされたとしても、いろんな理由が付いてできなくなるということを今おっしゃったことなんだろうというふうに、そう理解いたします。 ですから、野田総理に対して、今までうそつき、うそつきというようなことをお話しされていますけど、国会の場面でこうやってきちんとおっしゃっているのに実現しないと、これ、やっぱり国民の皆さんにうそをついていることになりますからね。そのことだけは申し上げておきたいと思います。 その上で、経済のことについて、先ほど鈴木委員からもお話がありました負の部分について、問題点について余りお触れになりませんでした。幾つかちょっと事例を挙げて、じゃ、今後どうしていくのかをお伺いさせていただきたいと思います。 まず最初に、先ほど鈴木委員からもイカ釣りの漁師の方々の話題がございました。このことは国会の場面で質問されていまして、林委員からは、異常高騰だったですか、予期せぬだったかな、予期しない、予期し得ない異常高騰の場合にという答弁がございました。 これは、ちょっと私にとっては不思議なことは、日銀の総裁は何とおっしゃっているのかというと、物価上昇の道筋は三つあるんだと。そのうちの一つは、輸入物価の高騰に、輸入物価が上昇することによって物価を上昇させますと、そういうふうに説明されているわけです。そうすると、果たしてこれが予期し得ない異常高騰の場合に当たるのかどうか私はよく分かりません。これは閣僚の皆さんもここまでのレベルの円安は想定されていなかったのかもしれないんです。そこはいいでしょう。 それで、問題は、特別な対応を行うこととして検討しているということなんですが、どのような対応を取ろうとされているんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) お答えいたします。 櫻井委員が林委員とおっしゃったのは多分私のことだと思いますが、今は閣僚をやっておりますが、今お話のあったように、異常高騰というのは、円安もその原因の一つもあるかもしれませんが、もう一つは原油の価格自体が相場でございますので上がっていくと、こういうことも両方あって、そういうことがあり得るということで、今御指摘があったように、そういうことに対して六月中を目途に検討したいと、こういうふうに申し上げたところでございます。 委員も御案内だと思いますけれども、今既に積立てをやって、そして、それぞれ、国と漁業者一対一でやっておりますので、今やっていらっしゃる方が不公平に思わないということを一つ気を付けていかなければならないと思っておりますし、それからもう一つは、やはり、これ、イカ釣りの場合は光をいさり火といって照らしますので、実は光に対する燃料の部分が非常に大きいわけでございますので、そういったことに対して省エネとかいうことをきちっと取り組んでいくと。それから、まだこの積立てに加入していない方にやっぱり入ってもらうと、そういうことをいろいろ視野に入れて検討を進めていきたいと、そういうふうに思っております。
○櫻井充君 そうすると、これは漁師さんたちに対してはそういう手当てをこれからやっていきますと。であるとすると、同じように、今度は農業ですけれども、飼料用穀物の価格も上がっていますよね。今度TPPで果たして農業がどうなるか分からないということで、私も地元の方々と話をすると、もう農業やめようかなと畜産関係の方なんかはお話しされているわけですが、こういった方々に対してもそうすると何らかの対策を取るということになりますね。
○国務大臣(林芳正君) これはもう既に今制度がございまして、その制度に基づいてやっていくということになりますが、これも実は為替相場そのものも影響するわけですが、トウモロコシのような飼料はアメリカからたくさん輸入をしておりまして、例えばアメリカで大干ばつがあると不作になると。したがって、逆に言えばそういうことがあり得るだろうといういろんな情報が出ると相場が動くと、こういう性格がございまして、平成二十四年の四月から六月ですと六百十八セントだったのが二十四年中の八月に八百三十一まで行きまして、また今一―三月では七百十六まで落ちてきていると、こういうことでありますので、配合飼料価格安定制度というもので直前の一か年の平均価格を超える分については補填をすると、こういうような対策を取っておるところでございます。
○櫻井充君 そういうことを十分果たして農家の方々が知っていらっしゃるのか。それから、本当にそれで十分なのかどうか。日本の農業を守りますという話ですけれども、ちょっとした円安であるとか、それから飼料用穀物にしろ何にしろ、先物取引市場で価格が高騰するとこういう状況になってしまうという大きな問題点抱えていると思うんです。今のところはそれなりの制度があるからまだいいんです。 じゃ、今度は、燃料代が上がって困っているタクシーやトラックというのは一体どういうふうになるんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 仰せのように、トラックとタクシーは若干違うという状況にあろうと思いますが、コストに占める燃料費の割合が大きいという運輸業について、これが事業運営に影響を来すと、そして事業運営に支障を来して、ここを何とかしてくれないと事業が続けられないというような声も十分聞いているわけでございます。 特に、トラック運送業におきまして、価格高騰分の運賃への転嫁が十分ではないということから、運賃への転嫁を進めるために燃料サーチャージということを導入して、これを推進するということが今大事なことだというふうに認識をしています。 具体的に、関係省庁とも連携を当然取るんですけれども、緊急ガイドライン等を活用したセミナーの開催、あるいは全国の荷主であります経済団体に対しての協力要請、これらを進めていきたいというふうに思っておりますし、また先月、四月でありますけれども、トラック事業者と荷主との協議の場を設定するというようなことをやらせていただきまして、サーチャージの導入促進に向けた取組を強く進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
○櫻井充君 今トラックについては言及なされました。サーチャージだという話ですが、しかし、残念ながら、これ数年前、もうちょっと前かもしれませんけれども、原油価格が高騰した際に、トラック業界でサーチャージで乗せられたところというのはほとんどないと思います。まあほとんどというのはちょっと語弊かもしれませんが、割合からいえば少なかったはずです。 もう一つ、今タクシーについては言及されませんでした。タクシーのこれは運賃が上がらないとやっていけないことになるんじゃないかと思いますし、これ大臣、大事な点を申し上げておきますが、こうやって価格転嫁ができないときには、この業界の方々の賃金はそれじゃ上がるんですか。賃金を上げられるんでしょうか。ここが最大のポイントになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(太田昭宏君) タクシーにつきましては、これは公共料金という、運賃というのはこれは確定しているということでありますし、また、LPGは今高値ではありますけれども安定している状況であるという、こうした認識をしています。 全体の景気が回復していくということは運送業界にとっては物すごく大事なことだと思いますし、そうしたことの中から景気回復というものがもたらして賃金が上昇していくという方向に持っていくということが大事ですが、あわせて、今御指摘のような、そうしたサーチャージを始めそうしたことが現実に御指摘のように大変進んでいない状況にありますから、ここをしっかり進めていくということをやるということが今大事だというふうに認識をしています。
○櫻井充君 賃金が上がるかについての御答弁ないんです。これはなかなか大変なことなんです、正直申し上げまして。 今の物価高騰について、物価というか物価上昇について、日銀は三つのルートがあると言っています。その中の一つが実は円安による物価上昇だと、これもう明言されているわけです。本当に、これは後で総理にお伺いしたいと思いますが、この方針でいいのかどうかなんです。それから、総理が望んでいた物価上昇は本当にこういう物価上昇なのかどうか、私はそこは最大のポイントだと思っております。いわゆる、この円安によって原材料費が高騰して物価が上がってくる、これはコストプッシュ型と言われるもので、悪い物価上昇だと一般的には言われております。 これで、問題は二つルートがあるわけです。原材料費が高騰しましたと。価格に転嫁できれば物価が上昇するんです。ただし、問題はここからです。物価が上昇した分以上に賃金が上がるかどうかということが大事なことであって、物価上昇に見合いの賃金上昇であれば社会全体としては何も変わらないということになります。一方で、大事なことは、価格転嫁できないような場合には企業の利益率が低下して賃金が上がるという状況にはならないということなんです。 そうすると、消費税の議論でよく価格に転嫁できるかできないかという今議論されていますけれども、今後、こういう円安によって原材料費が上がっていった、これについての価格転嫁対策はどうされるおつもりでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 櫻井委員も御案内のとおり、それは例えば為替が変わるということになってきますと、それは原料価格もそうでありますけれども、それがプラスに出る面、それからマイナスに出る面、両面当然あるわけでありまして、業種によっても違ってくるところがあります。そこの全体を見てどうかと。 例えば、中小企業等々、大企業と比べて転嫁がしにくいと、こういう問題がありますが、実は、経済産業省が行っております全国の中小企業そして小規模事業者約二万社に対する調査でありますけれども、この業況等の状況調査、これを見てみますと、直近の今年の三月のものは昨年の十二月と比べて四%プラスになっております。中小企業全体として見れば、それは個別の企業については……(発言する者あり)ええ、価格転嫁も同じ問題でありますから、そこは、ちょっとお聞きください、そういった形になってくるんではないかなと。 もちろん、価格転嫁がしにくいと、こういう業種も出てまいりますので、そういったところも注意深く見ながら、影響が出るところについては、セーフティーネット貸付けであったり、さらには下請代金支払遅延防止法等を適切に運用してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 済みませんけど、本当に価格転嫁できるんですか。 私がこの間、年間四十億ぐらい、年商四十億ぐらいの総菜屋さんと話をしました。大型量販店に卸しているのが七割です。四十億売って純利益が二%。はっきり申し上げて、これ電気料金だけではなくてガス代も上がっているんです。調理コストは上がっています。それから、石油化学製品が上がっているので、お弁当のパックも上がっているんですよ。それから、先ほどの小麦とかいろんなものが上がってきていてもう困っているわけですよ。これ価格転嫁できませんよ。なぜならば、大型量販店から既に、もうこれ以上お弁当の値段を上げませんとはっきり言われているんですから。一方で、商社からは何と言われているかと。八十円なら幾ら、九十円なら幾ら、百円なら幾らというふうに言われていて、これは円安に振れればもう原材料費は上がりますよと言われているんです。これが実態ですよ。これが実態ですからね。 ですから、繰り返しですが、どうやって価格転嫁するんですか。価格転嫁どうやってさせるんですか。端的に答えてください。
○国務大臣(甘利明君) 今アベノミクスでやろうとしていることは好循環をつくるということです。それは御理解いただいていると思います。そして、その間にタイムラグがあるということも御承知をいただいていると思います。そのタイムラグをできるだけ縮めようと思っております。そのために財政出動もしましたし、成長戦略も組んでいます。 個々に事業官庁の担当大臣がお答えをいたしました、急激な変化について個別にできることはやっていこうと。しかし、全体的には経済の玉突きで良くなる循環を早く回していくということに尽きるかと思いますし、それに全精力を投入していきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 価格転嫁できずに賃金が上がらなかったら好循環になりませんよ、はっきり言っておきますけど。賃金が上がってこそ初めて好循環になるんで、賃金が上がるかどうかというのが最大のポイントですよ。だって、物価だけ上がるんですよ。 じゃ、もう一つお伺いしておきましょうか。年金生活者はどうなるんですか。年金生活者に関しては、この間、総理は、年金の支給額が上がるからいいんだという、そういう答弁でした。本当に年金生活者の方々、こうやって物価だけ上がっていってどうなるんですか。大変じゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 年金は、もう委員御承知のとおりだと思います。 昨年、与党であった皆様方が法案を提出し、三党合意にのっとって二・五%、これ、特例水準を解消。これは元々、総理がおっしゃられましたとおり、元々は年金はスライドをするわけですね、物価の上昇とともに。しかし、二・五%という特例水準を解消しないと年金の財政がもたないということで、法律をお通しをいただいたわけであります。これは我々も賛成でございますが。でありますから、その部分というものはどうしてもこれおもしとして残っているわけでありまして、これが解消される。 その上で、マクロ経済調整という年金の仕組みですね。この仕組みが作動はいたしますけれども、それよりも物価が上がった場合に関しましては当然その分スライドをしていくということでございますから、仕組みとしては、年金は物価に対して一定の機能、何といいますか、調整機能があるということでございます。 あと、それが利かないというのは、今、前国会で法案を通した中身においてのことになってくるということでございます。
○櫻井充君 いや、済みません、専門家の大臣からそういう答弁だとは、私は驚きました。 これ、済みませんけど、何で私、賃金聞いているかというと、物価水準と賃金水準と両方連動している、関係しているんじゃないですか。今のような話だと、物価が上がったときに併せて年金の給付額が増えるかのような説明ですよね。実際、本当にそうなっていますか、制度が。
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられましたとおり、実は賃金の上昇もその中に入っておるわけでありまして、物価だけ上がっても、その分同じだけ賃金が上がらなければ物価スライドは掛からないということでございますから、賃金を上げるべくこの内閣で全力を尽くしておるということでございます。
○櫻井充君 仕組みがちょっと違っていて、物価が上昇しましたと。賃金が、例えば物価が二%上昇し、物価の上昇と賃金の上昇とどっちが高いかということ、それ確認するわけでしょう。そして、物価が例えば二%上がりました、賃金は一%しか上がりませんでしたというと、一%しか上がらないんですよ。いいですか、ここは大事な点なんです。ですから、賃金が上がらないということは、サラリーマンの皆さんだけじゃないんです、年金生活者の方々も大変なので、これはちゃんと価格転嫁できて、そして賃金が上がるんでしょうねということをここのところで確認しているわけです。 それ、我々民主党に対して総理は相当批判的ですよ。だけど、我々が考えてきたのは何かというと、可処分所得をいかに増やすのか。デフレをどう脱却していくのかということは、可処分所得を増やして、そして需要を増やして、そして経済が好転していくという道を我々は目指しました。残念ながら、十分にその政策が実行できずに、結果を出せないということを総理から再三再四指摘されています。 しかし、一方で、私は総理に申し上げておきたいことがあります。それは何かというと、今の円安、株高は確かに結果です。結果としてこの点について我々も認めています。だけど、一方で、今度はこの円安になったおかげで相当苦労されている方々がいらっしゃるということ。これ、総理は知っていながら、実際国会で、例えばこの間の海江田代表との党首討論の中でもあえて発言をされなかったのか、それとも自分のいい点だけ国会の場面で述べられているのか、私はそこが一番大きな問題点だと思っているんです。やはり、何かの治療が行われた際に問題点が出てくるわけです。その問題点についてちゃんと対応していかないと、社会全体混乱すると思いますよ。浜田さんという参与の方がいらっしゃいますが、あの方は大いなる社会実験と言っているんですよ。社会実験をやるということ自体許し難いんですが、そうであれば、問題点があったとしたら、それにちゃんと対応していただかないといけないんです。 それで、今こういうものが上がってきていて、はっきり言って国民の皆さんの生活は大変になってきているんですよ。例えばガソリンが上がっています。それから、この間まで灯油価格が上がっていて、私は宮城ですけれども、今年は本当に異常気象で寒かったんで、十八リッターでたしか二百円ぐらい上がっていましたが、そういったものも生活に影響してきていました。それから、原油価格が上がっているものですから、電気料金も上がり、それからガス料金も上がっていると。それと、パルプの輸入価格が上がっているものですから、トイレットペーパーとかティッシュペーパーが一〇%から一五%ぐらい上がった。それから、石油化学製品の話が先ほどありましたけれども、いわゆるラップの類、食品を包むラップの類も、これも一〇%以上の値上がり。それから、輸入小麦が上がってきているので、これからパンとかうどんの値段が上がってくるんでしょう。上げられなかったときに果たしてどうなるかということなんですよ。 それから、油なんかも、食用油もこうやって上がってきていて、輸入物価が上がることによって、繰り返しです、物価が上昇してくるんです。これは、総理が望んでいた、総理が絵を描いていた物価上昇なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は黒田総裁の発言をつまびらかに承知はしておりませんが、恐らく様々な発言をしておられるんだと思いますよ。 物価の上昇というのは、これはCPIでございますが、基本的には、まずは今までのデフレ予測を変えて、それをインフレ予測に変えていくということに力点があるわけであって、それが単に円安による輸入品の、あるいは様々な材料の上昇によるコストによるプッシュされる物価上昇ではないということでありまして、つまり将来の予測が、景気が良くなっていく中において、言わば消費者の支出が増えていく中において商品を値上げしていくという状況が生まれてくる、これが一番望ましいわけでありますし、それが全くそうなっていないかといえばそんなことはないわけでございまして、家庭の消費支出についても、ちょうど先般発表されたものについては九年ぶりに上昇したわけでありました。まさに家庭の支出が増えて、消費支出が増えてきたんですね。 消費支出が増えていけば、市場においてはある程度高いものを売ってもこれは売れるようになってくるという状況が生まれてくるわけでございますし、完全失業率も有効求人倍率も三月はこれ改善したわけですから、そうなっていくことによって、例えば雇用のマーケットがタイトになっていく中である程度賃金を上げていくという状況になっていく。事実、流通業においては、月二千円ではありますがこれ上昇に転じたわけでございまして、こういう中において、給与が上がっていく中においては、給与を上げるためには当然商品の価格も上げなければいけないわけでございまして、そういう流れに変わっていく、まさに今変わり目、潮の大きなこれは変わり目に入ってきたと、私はこのように考えているところでございます。
○櫻井充君 大変申し訳ないんですけれども、今総理御説明いただきました数字がございます。数字というか、例えば家計からの支出が増えたとか、今幾つかの項目があったかと思います。 これ委員長にお願いなんですが、この数字が幾ら上がっていて、果たしてどういう根拠に基づいてなのか、今これは総理が多分数字持っていらっしゃらないと思うので結構ですので、後でその数字、それからその根拠になる出典を明記したものを御提出──あっ、はい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは内閣府の統計でございまして、あっ、これは、済みません、総務省が三十日に発表した三月の家計調査によりますと、一世帯当たりの消費支出は実質で前年同月比五・二%増の三十一万六千円になった、九年一か月ぶりの大きな伸びになったということであります。そして、加えて言いますと、例えば、さっきは言わなかったんですが、鉱工業生産指数も前月比よりも高くなっておりまして、四か月連続で改善をして、つまり生産が改善をしているということであります。 そして、三月の完全失業率は四・一%ということでありまして、前月よりも低下をしておりますし、有効求人倍率も〇・八六倍と、〇八年の八月以来の高さ、つまり、これはリーマン・ショックの前ということかもしれませんが、に戻ったということを、これは総務省が発表した数値でございます。
○櫻井充君 済みません。こういうふうに申し上げた方がいいのかもしれませんが、私は全面的に否定しているわけではございません。これは、経済が動き始めたこと、それから閉塞感が打ち破られたこと、私はこれは本当に良かったことだと思っているんです。ただし一方で、これまでにないようなことをおやりになっている。これは総理もお認めいただいております。 そのときに、我々、元々内科の医者なので医者的に申し上げますと、劇薬を使った場合には副作用をやはりずっと慎重に考えているといいますか、何かが起こったときにどうするのかということを絶えず考えて治療というのは行っております。これは、デフレという病気を治療するためにある種の今までやってこられなかった政策を取られるわけであって、私は副作用があるのは当然だと思っているんです。その副作用について適切に認識されているのかどうか、この点だけが一番心配なことなんです。そして、それについて早め早めに手を打っていただかないと経済は良くならないんじゃないのかなと、そう考えているから申し上げているわけであって、別に、やられて、私も地元で、いや、総理は一生懸命やっていらっしゃる、そして何とか良くなってほしいと、ただし、実際はどうかというと、残念ながら良くなっていないという声が圧倒的なんですよ。ですから、今後本当に良くなる可能性があるのかどうかということについて、一つ一つちゃんと事象を調べていくということが大事なことだと思っているんです。 ですから、繰り返しで恐縮ですが、例えばタクシーやトラックとか、もうこれは燃料が上がっているわけですから、燃料が上がっているわけですから、価格に転嫁できない限りは利益率は高くならないんです。それからもう一つは、物価を上昇させたい中で、これは今度黒田総裁に来ていただいて議論したいと思いますけれども、だけれども、そういう形で上げていったときに、賃金が上がらなければ結果的には、済みませんけれども、悪循環になっていくだけの話なんです。ですから、この点について御留意をいただきたいと、そう思っております。 それから、先ほど何で、実際どの数字ですかと申し上げたのは、この間の海江田代表との党首討論で私幾つか気になったことがあったんです。例えば、そのファクトとして申し上げたいと、ですから、実際の数字を総理は御答弁されておりましたが、パートタイマーの皆さんの時給はずっと一定して下がり続けておりましたと、こういう答弁でございました、お話でした。 私、これ数字調べ直しましたが、実はここ数年間ずっとパートタイマーの皆さんの時給は上がり続けてきております。例えば連合の数字を見てもそうですし、それから、これは経済産業省だったか厚労省、内閣府ですね、内閣府の資料を見ても、ずっと実は上がり続けてきております。ですから、果たして本当にどういう数字をもってして説明されているのか。 それから、この三か月間で私たちは四万人の雇用を生み出すことができましたと。これは、雇用統計調べましたが、実を言うと四万人の雇用は増えておりませんでした。四万人の求人は増えておりましたが、そうなっておりません。 それからもう一つ、経常収益も間違いなく今年度は大体四・六兆円プラスになりますと、再来年度は八兆円経常収支はプラスになるということを申し上げたいという話だったので、これも資料を調べました。資料を調べてみると、円安の経常収支への影響で、機械的試算によって、一ドル七十八円のケースと百円のケースだと、影響として四・六兆円のプラス、それから八兆円のプラスになるという数字はあるんです。ところが一方で、これは民間のモデルなんです。これは日経NEEDSの短期マクロモデルを使っています。 今年の二月の二十八日の閣議決定ではそうなっておりません。閣議決定で、二十五年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度のところを見てくると、経常収支は二十四年度の見込みが四・四兆円、それから二十五年度の見通しが五兆円になってきていて、閣議決定されている資料をお使いにならずに、あえてこのいいような数字になっているものを使われてきているというところに対して非常に違和感を感じているんですが、なぜこういう閣議決定なりなんなり、民間の数字ではなくて政府で出されている、今は政府の数字でした、しかし雇用統計にもないようなものとか、こういった数字をお出しにならないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 四万人については、まさにこれ、雇用の機会をつくったわけですから、政府がつくることは、言わば雇用の機会をつくっていく、つまり求人を増やしていくということなんですね。求人を増やしていくことがまさに雇用をつくっていくということで申し上げたわけでありまして、それが全く、それが増えていない、まさに機会を……(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 雇用する機会を増やしているわけでありますから、それを申し上げたわけでありまして、それがまさに全く間違っているということではないと、このように思うわけでございます。 それと、同時に、再三申し上げておりますが、言わば貿易収支においては半年間の時差があるということでありまして、これは、事実そうなるかどうかというのはこれからその経緯を注意深く見ていく必要はあります。ですから、そういう数値になっているということを申し上げたわけでありまして、今までの経験的な統計からくれば、基本的にそういう結果になることの方が多いということで、私はその数字を申し上げたわけでございます。
○櫻井充君 済みませんが、実績値ではなくて、良くなりそうだからこうなりそうなんですよという数字が非常に多いんです。それから、繰り返しで恐縮ですが、雇用とそれからその機会をつくりましたというのは全然違います。これは、働いているのか働いていないのかで全然違ってきているわけであって、そこはちょっと答弁違うと思います。 済みません、民主党は、それから総理に、何もやっていない、何もやっていないと言われるので、改めて三年間、ちょっと調べました。失業率も実は五・四%から四・二%に下がっておりまして、我々、ですから、繰り返して恐縮ですが、内需をどう拡大するのかということが最大のポイントだったので、そういう意味では、失業率を下げられたというのは大きなことだったと思っています。これは、安倍政権だけではなくて、下がったのかもしれませんが、我々の政権でもちゃんとこうやって下げ続けてきております。 それから、完全失業者数も三百五十六万人から二百七十三万人になりました。それから、今ありました求人ですけれども、有効求人倍率は、我々の政権でも〇・四三倍から〇・八〇倍になってきております。それから、パート労働者のことについても、実はこうやって九・四七万円から九・七一万円に増えてきております。 それから、診療報酬の改定でプラス改定を行った結果、何が起こっているかというと、公立病院の黒字の割合が一二%、大学病院では二八%に増加しましたし、自殺者の数が三万人を切るようなことになりました。それから、農家に対してばらまき、ばらまきと批判されておりましたが、ここにありますとおり、所得は増えてきておりますし、それから、先ほど鈴木委員からあった高校の無償化についてですが、経済的理由で高校をやめる方が千六百四十七人から九百四十五人に減ったということで、我々の時代にもきちんとした対策が打たれてきておりますし、繰り返して恐縮ですが、内需を増やして経済を活性化していきたい。ディマンドプル型の経済政策を我々は目指してきておりました。 是非こういう副作用に注意されて、是非日本の経済を立て直していただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、有村治子さんの質疑を行います。有村さん。
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。どうぞよろしくお願いいたします。 東日本大震災が発生したとき、政治のもたつきによる人災も指摘されました。当時、私たち自由民主党は野党ではありましたけれども、菅民主党政権のその国運のなさ、運の、つきのなさということを嘆くだけではなくて、じゃ、私たち野党もその国運をどうやって改善していけるかということで、国の運、国の命運ということを形作るものにはどういう要素があるのかということを私自身も考えてきました。まだ解決というような結論は見出せていませんが、最近、私はこのように考えています。国運とは、一人一人が持つ運気掛ける国民の数、これが国運をつくっていく大事な要素になると思っています。 同時に、国としての豊かさ、国富や国力というものも国民、私たち一人一人が持っている健康や経済力、安全、幸福量の総量に左右されるものではないかと認識をしています。安倍総理には、まさに自民党だ、民主党だ、維新の会だという国内のコップの中の争いではなくて、まさに世界で、刻々と動く世界に目を見開いて国運を切り開いていく宰相、トップリーダーになっていただきたいと念願をしております。 同時に、去年の九月の自由民主党総裁選では、まさに安倍総理は国運を切り開かれる、そういう方だという思いで、総裁選、安倍候補の推薦人の一人にならせていただきました。 今日は、特にその国運の担い手となる未来ある青年層、若い世代の雇用及び社会保障に焦点を当てて質問と問題提起をさせていただきたいと存じます。 まず、生活保護の在り方についてお伺いします。 人生において、受験やあるいは就職の失敗、病気やけが、リストラや倒産などの不意のつまずき、あるいは家族、愛する家族との死別や離別というのは誰にでも起こり得るリスクです。しかし、その不意のつまずきがそのまま人生の転落につながって、社会の仕組みから振り落とされるようになってはいけません。不意のつまずきの中でも、バランスや希望ということを失うことなく元気や活力を取り戻して、再び改めて自分の人生や目標に心して臨んでいける、そういう社会をつくっていくことが、自ら再チャレンジを実践されている安倍政権、また日本の現在の社会の大きなテーマだと認識をしています。 そこで、生活保護なんですが、生活保護法は法律の第一条で、最低限度の生活を国民に保障するということをうたうと同時に、その自立を助長することをうたっています。難あって生活保護を受給されている方々が再び自分の力で暮らしができるよう今の暮らしを見詰めて、そして体勢を立て直すチャレンジをしていく、これを国と自治体がしっかりと応援をしていく、これこそが生活保護の第一番的な支給目的でございます。 そこで、最初に田村厚生労働大臣に伺います。 現在、生活保護の受給者は約二百万人と言われていますけれども、そのうち厚生労働省が就労支援をしている方の実際にどのくらいが生活保護から自立をできているのでしょうか。また、その自立には一世帯、一軒当たり何年ぐらいの年月が掛かって、一軒当たり何百万ぐらいの社会の支援があってその自立が実現しているのか、そして総額にしてどのぐらいの予算規模が今投資されているのか、田村大臣、お伺いいたします。
○国務大臣(田村憲久君) 生活保護制度、もちろん最低限度の生活を営んでいただくためにセーフティーネットとしてこれは必要なものであるというふうに考えておりますし、就労といいますか、自立をしていただくということは大変重要なことであろうというふうに思います。 そういう意味で、大体生活保護に入られてから六か月ぐらいでやはり自立していただくというのが、それを過ぎてまいりますとなかなか自立するという確率が下がってくるものでありますから、そこら辺を一つ目指しながら、この自立支援策、進めておるわけでありますけれども。 一つは、社会福祉事務所等々のケースワーカーさん。これ、今回もこの予算案の中において増員の予算を組ませていただいておりますけれども、ケースワーカーさんをとにかく介しての自立・就労支援。それから、あと、ハローワークの中にでありますけれども、就職支援ナビゲーターという方々がおられまして、その方々を通じて自立をしていただく。もちろん、福祉事務所の中にも就職支援員という方々がおられますから、こういう方々を介して就労につなげていくというようなことをいたしております。 総額でありますけれども、全体で今、百四十三億円ほどの生活保護費の削減、これができておる計算でございまして、事業費ベースでいきますと、財政効果六十七・五億円と。全体十二・六万人の方々にこのような就労支援をしている中で、五万人が就職につながっておるというような状況でございます。
○有村治子君 六か月をめどにとおっしゃいましたけれども、実際に六か月で自立ができているかどうかということは御明言がありませんでした。 やはり、実際、この質問のためにいろいろ調べてみますと、一旦生活保護を受給されざるを得ない立場になると、なかなか以前の生活まで戻ることができないという現状が浮かび上がってきます。生活保護はあくまで社会保障最後のとりでであって、依存体質を助長するような安易な入口ではないということを日本社会全体が改めて認知することが必要だと思いますし、また、入口戦略だけではなくて、どうやって保護をするかということは極めて大事で、そこは温かい支援があってしかるべきだと思いますが、同時に、健全な自立を支援するための生活保護の出口戦略ということもしっかり発揮する政策であっていただきたい、そこで御活躍いただく田村大臣であっていただきたいと思っております。 さて、この生活保護の潜在的な受給層、受給予備軍として急激にクローズアップされているのが、一般的にニートとかフリーターと言われている若い世代の存在です。 田村厚生労働大臣に伺います。 ニート、引きこもりというのはどういう状態の若年層でしょうか。また、このニート、引きこもりと言われる人たちは一体どのくらい日本社会に存在すると把握されているでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) ニートといいますのは、働いていない、それから学校へ行って勉強しているわけでもないという方々の層でありまして、全体として今六十三万人がこのニートという範疇に値する方々だというふうに推測いたしております。 あわせて、引きこもりは、これもなかなか難しいんですけれども、趣味等々で外に出ることがあっても、他では外に家から出ないというような概念もありまして、そもそも、もう家からほとんど出られないという概念もありますから、なかなかこの引きこもりという概念、難しいんですけれども、一定の、狭義の意味での引きこもり、コンビニの外出程度という意味合いからすれば、二十六万世帯ということでございます。
○有村治子君 ニートという言葉は、たしか一九九九年に初めてイギリス政府の機関がブリッジング・ザ・ギャップという報告書を出して、その中で、エデュケーション、教育にも携わっていない、雇用、エンプロイメントにも携わっていない、そして職業訓練もしていないということでの初めて造語をつくった若者を指す言葉だと理解をしています。 そして、日本にもその言葉や概念が入ってきてからもう十年近くたつと思いますが、ここで私たちが改めて実感をしなきゃいけないのは、ニートや引きこもりの存在というのは今や珍しい社会現象ではなくて、日本国内どこにでも起こっている身近な社会の現実になっているということでございます。 先ほど田村大臣がおっしゃっていただきました引きこもりというのも、実は六か月以上自分の部屋やあるいは自宅から出ていけない、食事やトイレ以外は出ていけない、そして、コンビニに行ったりとか自分の趣味のことではできるけれども、社会の家族以外の人とのつながりを持つような外出はできないという、そういう状況の人は約七十万人いるというふうに言われています。また、ニートというのは、政府の統計では十五歳から三十四歳ということを使っていますけれども、実際には三十五歳を過ぎた中年のニートの方々もいらっしゃるということを考えると、合わせて八十万人という統計が取れています。 若い世代の人口が減る日本にあって、その力を十分に発揮できていないというのは、当然、ニートや引きこもりの状況にある御本人の人生にとっても苦しい打撃であると同時に、日本、我が国全体にとってもこれは大きな損失であります。ニート、引きこもりの状態にある十代、二十代、三十代、また四十代にもなろうとする中年の中堅の世代がこのまま年を取って、現在、彼らの暮らしを支援している保護者の方々が例えば定年を迎えてその経済力を失った時点で、早ければ十数年後にもこのニート、引きこもりを成す百万人単位の大きな固まりの層が一挙に生活保護の対象になっていくということが予測されています。 現在、ニート、引きこもりで困難な状況にある方々がこのまま年を取って生活保護を受給することになった場合、幾らぐらいの社会保障費が必要になってくるのか。民間のシンクタンクでは、就職氷河期に就職したくてもできなかった、そして結果として引きこもりになった、あるいはニートになったという方々七十七・四万人が将来そのまま社会保障の生活保護を受けるというふうになった場合、掛かる社会のコストというのは約十七兆円から十九・三兆円というふうに見積もっています。これは、現在の生活保護費の総額のおよそ五倍にも上る金額です。これはとても日本の国家財政を保てる状況ではありません。 そういう意味では、私たちが日本社会の健全な発展ということを考えるとき、社会保障を考える大前提として、ニート、引きこもりをつくらない、そして、心ならずもニート、引きこもりの状態になった若い世代には、初期の段階で心通うそういう的確な支援や医療を実施して、一時的につまずいた青年たちを社会の仕組みから取りこぼさないようにするという政治、行政の固い覚悟とそして制度設計が求められています。 そこで、安倍総理にお伺いをします。 今まさに人生の大きなリスクとしてニートや引きこもりの状態にある彼らが、再び健康や自信や生きる安心、働く価値ということを取り戻して社会とつながり、充実感のある人生を歩むために、また将来の莫大な社会保障コストということを避けていくためにも、安倍政権は若者の雇用支援や生活再建にどのようなてこ入れをしようとお考えでしょうか。 今、この中継を見ている引きこもりやあるいはニートの状況にある方々に対しての人生の先輩として、また日本の総理大臣として彼らに温かいメッセージを出していただくとともに、その支援をどのように展開されるのか、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて就職氷河期と言われた時期がありまして、そのときに就職の機会を失った人たちがニート、フリーターとしての固まりになって、なかなか再び就職をする機会がない。日本の場合は新卒でないとなかなか就職しにくいという大きな問題がありました。 ですから、求人を増やしていくことこそ、求人と雇用を増やしていくことこそ、我々政治の仕事であろうと思うわけでございますし、同時に、言わば十八歳あるいは二十二歳のときの機会を失っても、何度でもそういう就職、職を得る機会をつくっていくということが重要なんだろうと思いますし、そして、そうした就職までの間、ブランクを埋めていくための職業訓練という、そういう場を提供していくことも大きなこれは対策の一つなんだろうと、こう思うわけでございまして、将来のある若者の雇用支援として、非正規の若者の皆さんに対して実践的な職業訓練を行い正規雇用化を進める事業主への支援を強化をするとともに、ニートや引きこもりの方々には、若者を対象にした専門の機関等においてきめ細やかな相談支援や就労に向けた支援を進めております。 特に引きこもりと言われる人たちに対しては、待っていてもそういう引きこもりの人は来ないわけでありますから、そういう人たちに対してはこちらから働きかけを行っていく、かつてブレア政権で行っていたことでもありますが、こうした支援を進めているところでございます。 また、今国会において関係法案の提出を検討している新たな生活困窮者対策においても、こうした方々を含めて、社会訓練等を含めた就労支援の実施など自立に向けた支援策の充実を図っていきたいと、このように思うわけでありますが、そもそもたくさんの機会をつくっていく上においては経済全般を上昇させていく必要はあるわけでございまして、そのためにもこの三本の矢をしっかりと前に進めていきたいと、こう思っている次第でございます。
○有村治子君 彼らに対してのメッセージは。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本という国は、頑張ろうと思った皆さんにチャンスのある社会にしていきたいと、こう思います。まずは頑張って自分の足で立っていこうと、そう思ってもらいたいと思いますし、若い皆さんはたくさんの可能性、彼らが思っている以上の可能性が満ちあふれているわけでありますから、どうか皆さん、自分の力でその可能性をつかみ取ってもらいたいと、こう思います。
○有村治子君 優しいまなざしでのメッセージ、ありがとうございました。それが彼らの心に響くように私も願っております。 今、安倍総理がおっしゃっていただいた、なかなか引きこもりやあるいはニートの状況にある方は待っていても助けを求めに来てくれないということで、やはり政府としても、あるいは行政としても、アウトリーチ、手を自ら主体的に差し伸べていくという、そういう行政に変わりつつあることは大変有り難いことだと思います。専門的な職のプレースメントもしていただくような組織もあります。例えば地域若者サポートステーション、通称サポステと言われるもの、ジョブカフェあるいはわかものハローワークなど、就職や進路で困難に直面する若年層を支援して、実際に彼らが効果を上げている、そういう取組があります。 しかし、田村大臣、この一連のシステムは、当事者の若者のみならず、学校現場や保護者にもまだまだ十分に周知されているとは言えません。大臣は、この状況をどう改善して、困ったときにはジョブカフェがあるんだ、若者サポートステーションがあるんだということをみんなが国民の知恵として、知識として分かるまでに周知徹底をどう図られるとお考えでしょうか。 実際に、今回調べてみましたが、引きこもりが起こって六年、八年たって初めて、親御さんも精根尽きて初めてサポートステーションに行く、でも、実際には長引けば長引くほど引きこもりやあるいはニートの状況には改善がしにくくなる、むしろ初期の段階で相談してくれれば選択肢も、そして専門的な医療に対しての働きかけもできたのにというようなことが全国で今起こっています。そういう意味で、みんなが初期に相談をしに行くことが大事なんだ、そして、それはフレンドリーにやってもらえるんだ、ここにサポートステーションがあるんだという周知徹底をしていくことは、行政の効率化ということと、みんなに温かいメッセージを向けていくというメッセージとしても極めて大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、ジョブカフェがあり、それからニートの対応という意味では地域若者サポートステーションがあり、フリーターの方々にはわかものハローワーク、それぞれツールはあるんですね。引きこもりの方々には、例えば地域ひきこもり支援センターというのもございますし、ひきこもりサポーターという方々も今養成をしようということで今年度この予算の中に入れておるわけでありますけれども、そのような形でいろんな自立をお手伝いする、そういう仕組みはあるんですけれども、それが十分に御理解、認知度が低いということでございます。 まず、やっぱり教育委員会にしっかりと御理解いただいて、少なくとも学校の先生方はこういうものがどこにあるということをやっぱり分かっていただかないと、もし自分のクラスに引きこもりのお子さんがいたときにどうするんだという話になりますから、そこは周知徹底を文部科学省にもお願いしていきたいというふうに思っています。それから、あと、インターネット等々、引きこもりの方々がアクセスしやすい、そういうところに関しましても周知徹底をすべく、いろんな情報を流してまいりたい、このように思っております。 やはりこれ、認知度が上がっていって、何かあったときに、ああ、ここに行けば自立を手伝ってくれるんだというところがあるということを御理解いただくことがまず第一歩だというふうに思っておりますので、周知徹底に努めてまいりたいというふうに思っております。
○有村治子君 ありがとうございます。 今厚労大臣からも、文部科学省との連携、教育委員会の、学校の先生方にもこういう支援が実際にあるんだ、できるんだということを分かってもらうことが大事だと御答弁がありました。 そこで、下村文部科学大臣にお伺いをいたします。 若年の雇用支援や社会復帰ノウハウを持っている厚生労働省所管の各地のサポートステーションが学校現場と綿密に連携をできるよう、文部科学省は、学生、生徒の就労支援に対して、厚生労働省所管のこのような公的サービスとしっかりと連携をしていく、そういう後押しをしていただきたいと思います。御意見を伺いますと、実際にはサポートステーションで支援ができるのに、学校との連携で、例えば中退した人の個人情報は分けてもらえるんだけれども、中退しそうな状況で引きこもりがあるという状況、その個人情報はなかなかにサポートステーションに渡らないので、アウトリーチ、自ら、大丈夫だよ、一緒にやろうねと言おうとしても、その個人情報や、特定ができないという現状の現場の声が出てきています。やはり、厚生労働省と文部科学省の枠を超えて、彼らの、ユースの、未来ある若さの今を助けていくという意味では、支援とそれから後押しをしていただきたいと思いますが、御意見いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、有村委員のすばらしい着眼点を持った質問に対して、本当に敬意を申し上げたいと思います。 実は、先日、ワシントンで講演をしたときに、日米関係の科学技術の会合だったんですが、たまたまフランスの方がおられまして、フランスではやっぱりニート、引きこもりで大変困っていると。これについて日本はどういう取組をしているのかと。つまり、先進国共通のこれはテーマでもあります。それに対して、ほかの先進国に比べて日本は若年層の失業率が非常に低い国でもありますから、更に先頭に立ってほかの国のモデルになるような対応をしていかなければならないということを改めて感じたところでございます。 具体的に申し上げますと、今、生徒、学生の学校から社会への円滑な移行を促すため、生徒、学生の就労支援について、厚生労働省を始めとする関係省庁や関係機関との連携を進めることは非常に重要だと認識しております。このため、地域若者サポートステーションやハローワークと高等学校等が連携して高校中退者等への支援を実施することについて、改めて今年の四月に通知を発出をしております。 また、新卒者の就職環境が依然として厳しいことを踏まえまして、文部科学省、厚生労働省及び経産省が連携して、未内定の学生、生徒が一人でも多く卒業までに就職できるよう、今年一月から三月末までを集中支援期間として、未内定就活生への集中支援二〇一三として、ハローワークのジョブサポーターと大学の就職相談員とが連携した個別支援等も行っているところでもございます。 今後とも、より効果的な就労支援ができるよう、御指摘の点も踏まえて文部科学省としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○有村治子君 力強い御答弁、本当にありがとうございました。現場が困っていらっしゃるところなので、両大臣が連携をしていただけるというのは、現場にも大きなエールを送ることになると確信をいたします。 次に、キャリア職業教育についてお伺いをいたします。 私たち自由民主党は、弱い立場に置かれた人々に温かい支援を実践する社会保障を充実させる価値を大事にすると同時に、自助、共助、公助というその順番が尊ばれる社会づくりというのを時代を超えて国民の皆さんに訴えてきました。困難な状況に向き合い、社会的援助を本当に求めている人たちに十分な福祉を提供するためにも、まずは自らの力で努力して頑張っている人たちが報われるという社会の公平性をまず担保して、その活力を堅持することが大事だと私自身も信じております。 もし将来、安易な気持ちで公助の社会保障に依存する国民の割合が拡大するとしたならば、自らの健康や安全に気を配って自活しようと努力している大多数の国民皆さんの働く尊厳や財産や生活水準をも脅かすことになりかねません。これは社会全体としてはフェアなことではないと思います。自分はどんな働き方をして、何によって自らの胃袋を満たしていくのか、どんな分野で輝きたいのか、自分の人生に責任を持って幸せと信用を築くためにも、身を立てるための人生設計、将来の職業を考えていく、その教育は極めて大事なことだと思います。 そこで、文部科学大臣に改めて伺います。 自らの適性を見極め、自分の食いぶちは自分で責任を持って稼いでいくんだという自主独立の気概や、自主独立をしていきたいというそういう生き方の大切さ、価値観を実感できる教育は、さてさて日本の子供たちに十分になされているとお考えでしょうか、下村文部科学大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(下村博文君) 今御指摘のように、今までなかなかそういう教育が十二分に果たされていなかったところはやっぱり率直にあったというふうに思います。これから未来を担う若者の社会的、職業的自立を促すためにも、こうした若者の活躍を我が国社会の活力の維持向上につなげていくためには、キャリア教育、職業教育の更なる充実が非常に重要だというふうに考えます。 平成十八年に改正された教育基本法では、「教育の目標」に新たに「職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。」が新たに出されたところでもございます。また、学習指導要領においても、キャリア教育を推進するために地域や産業界等との連携を図り、産業現場における長期間の実習を取り入れるなど、就業体験の機会を積極的に設ける等の記述も盛り込んでいるところでございます。 これらを踏まえ、文部科学省では、職業体験活動やインターンシップの実施の更なる促進、学校と地域社会、産業界との連携の促進、また教員の資質向上に向けた取組への支援など、更に努めていく必要があるというふうに思います。 具体的に、第二次教育振興基本計画について、中教審の答申においても、各学校段階を通じた体系的、系統的なキャリア教育や職業教育の推進が提言されているところでもございまして、今後、子供、若者の社会的、職業的自立を図る上で、より効果的なキャリア教育、職業教育が実施されるよう、しっかり取り組んでいく必要があると考えております。
○有村治子君 私も教育に携わってきた議会人として、果たして日本の子供たちに、身を立てる、自立しよう、自活しようということの価値、またそれを実際にできるような実務的な、実践的な教育を実現できてきたかというとじくじたる思いをしている、そんな自戒の念を持って、今謹んでお伺いをしました。 今、自由民主党では、若者支援政策を打ち出していく一環として、自由民主党の政策審議会の中でキャリア教育推進特命委員会ということを組織して精力的に議論を重ねています。私が今委員長を務めさせていただいております。 日本全国の子供たちが、小学校、中学校、高校、それぞれの教育段階で、最短でも、最も短い場合でも、小学校、中学校、高校で三日間ずつ職業教育又は農業、ボランティア体験ができるよう、そして、現在、大学生においても一・七%の学生しか経験していないインターンを、少なくとも大学生の半数は卒業までにインターンシップが体験できるように、この夏の参議院選挙の公約作成に向けて現在議論を精査している段階でございます。働くことの価値を知り、人生設計を考えるキャリア、職業教育を充実させることは、御本人の人生を豊かにする学校教育の改善にとどまらず、国民一人一人の幸せを上げていくこと、また、ひいては日本の活力、将来の社会保障費の低減にもつながる価値のある政策だと思っています。 そこで、安倍総理にお伺いをいたします。 総理は、二月の施政演説において福沢諭吉先生の言葉を引用されました。「一身独立して一国独立する」という福沢先生の言葉です。 総理が考えていらっしゃる日本らしい自助、共助、公助の在り方は、次代を担う子供たちに教育としてどのように反映すべき、学校教育に反映すべきだとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二月の施政方針演説におきまして、「一身独立して一国独立する」という言葉を引用させていただきました。将来を担う我が国の子供たちがこうした精神を培っていくことは極めて重要であると考えています。 第一次安倍内閣において一緒に教育基本法を改正をしたわけでございますが、教育の目標として、自律の精神、そして、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を育成することなどを新たに明記をしたわけでございます。これを踏まえて改訂された新学習指導要領においても、子供の自立心や、自立心、自ら立つ心の方と、あと自律、自らを律する自律性、人間関係を築く力、社会参画への意欲や態度を育成をしていくことを重視をしているわけでございまして、もちろん、自助、公助、共助でありますが、やっぱり自立、自助があってこそ初めて公助も共助も可能になっていくということだろうと思います。 今後とも、改正教育基本法の精神を踏まえて、若者に自律の精神や公共の精神が培われるように、そういう教育を行っていきたいと思っております。
○有村治子君 身を立てるというのは、立身出世という熟語もあって、どうしても戦後は、弱者の視点が欠けているとかあるいは強者の論理だということを非難されるのを恐れるが余り、身を立てるということの価値そのものを余り伝えなくなってきたんじゃないかというような自問もしています。そういう意味では、イデオロギー的なそういうメッセージではなくて、まさに自らの胃袋を満たしていくことを自らでやっていこうと思ってもらえる国民の層を増やしていくことは極めて大事なことだと思っています。 少子化対策について森担当大臣にお伺いします。 六年前から政府は少子化担当大臣を設置されて、自民党、民主党、また自民党の現在の政権においても様々な施策が実施されてきました。担当大臣をしっかり置いて、独立して置いてまでこれだけ国家の大事な重要課題ということを認識されていましたが、少子化対策で日本の社会で最も効果を上げた政策はずばり何だったか、何だと認識をされていらっしゃいますか。
○国務大臣(森まさこ君) 少子化問題、大変に危機でございまして、国立の人口研究所の白書によりますと、三〇〇〇年には日本の人口がゼロになるというショッキングな統計が出されております。 そこで、私、少子化大臣をお預かりをして、今まで政府が立ててきた政策を全部マトリックスにしてみたんです、人生の時間軸が横軸で、出会い、結婚、妊娠、出産、育児と。そうしますと一目瞭然でございまして、この育児のところに今までの政府の政策が全て集結しておりました。育児支援、大変重要な施策であり、次世代を担っていくために大切であると思いますが、結婚した男女は、統計によりますと、平均して二人は子供を産んでいるんです。ですので、結婚をできない若者に対する政策、結婚をしようと思わない若者、そういったところに対する政策というものが今まで打たれていなかったということがはっきりいたしました。 そこで、私の下にタスクフォースを立ち上げまして、少子化政策三本の矢、これをまとめまして、総理に先日発表していただいたところです。すなわち、一本目の矢は待機児童解消を始めとする育児支援、これも引き続き行ってまいります。二本目の矢は家庭と仕事の両立支援、これを二本目の矢で行います。そして三本目の矢が、今までほとんど打たれてこなかった出会い、結婚、妊娠の分野ですね、ここにずばっと三本目の矢を打ち込んでいくということを発表したところでございます。 例えば、たくさんあるんですが、具体的に少し申し上げますと、若者の、住宅を新婚の若者に支援するという地域がございます。ここが高齢化の中で人口の増加に効果を上げております。婚活でありますとかそういう政策を行っている地方自治体への支援や、高齢出産や高齢妊娠が危険があるということの教育、こういったところに予算を付けていこうと思っております。
○有村治子君 森大臣、自らも子育てをされる中での御活躍を願っております。 豊かで温かい民主主義国家を発展させるためには、社会保障の充実を目指すと同時に、自らの努力で自活しようとする自主独立の精神を育む国民教育の充実をさせていくことが、私は車の両輪だと考えています。安倍政権には引き続き温かい理念や筋の通った哲学がある政策を打ち出していただいて、努めて努力している国民の皆さんとの信義を尊んでいただきたいと思います。また、私たち自由民主党も、安倍内閣をしっかりと支える与党になっていくために、心して参議院選挙を戦い抜いて、健全で公平な社会を堅持するための一翼を担っていきたいと存じております。 この意思と決意を明確にして、私、自由民主党有村治子の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で有村治子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、山本香苗さんの質疑を行います。山本香苗さん。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 安倍総理、外遊お疲れさまでございました。早速質問に入らせていただきます。 二月二十日の当委員会におきまして、被災地における社会的企業の起業を支援する復興支援型地域社会雇用創造事業を今年度も継続してもらいたいと強く要望いたしました。その際、根本復興大臣から、復興庁としてもどのような支援が適切か検討してまいりたい、安倍総理からも、どう支援していくかは根本大臣の下で検討させていきたいと答弁していただきました。 検討していただいて、どうなったんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 委員御指摘のとおり、被災地の復興の加速化のためには新たな事業を起こす起業家の支援など、非常に大事だと思います。特に現地の社会的課題の解決や、あるいは新たな雇用機会の創出に資する起業の促進が重要、これは委員、前回も御指摘されたことであります。これについては今検討しておりますが、四月二十五日に開催した復興推進委員会においても、推進委員の方から起業家支援の必要について指摘があったところであります。 〔委員長退席、理事小川敏夫君着席〕 現在、被災地、東北三県の御要望も踏まえて、関係府省と前向きに検討しております。
○山本香苗君 前向きにということはやっていただけるということだと確信しておりますが、もう一つお願いしたいんです。 実は先日、被災地でこの事業を活用して、実際起業している方々とお会いをしてまいりました。自ら被災されながらも、大変な思いをされながら、少しでも被災地の復興に役に立ちたいということで起業に頑張っておられる、そういう話を伺ってきたんです。その際に、精算払いだった、すなわち後払いだったのが大変だったと。二百万円ですけれども、被災された方々、本当に大変だったと思います。また、二十万円を超えるものについては相見積り、すなわち二か所から見積り取らなきゃいけないと。店も流されてない、交通事情もままならない中で、見積りだけを取るためだけに遠くまで行かなくちゃいけなかったんだ、そういう話も伺いました。また、そのほかにも様々、平常時の感覚でもういろいろ、あれ駄目これ駄目と制約があったと伺いました。 そこで、大臣にもう一つお願いしたいんですけれども、この事業をやっていただくに当たっては、是非被災者に配慮した、被災者に無理な条件を外すといった形で事業を継続していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 今、内容についてはいろいろ様々に検討しておりますが、委員おっしゃるように具体的な政策をやってもらう、その場合には、やはり現場の実態をよく考えながらいかに使いやすくするか、これが私もポイントだと思いますので、使い勝手よくという観点から十分に検討していきたいと思います。
○山本香苗君 是非検討が長引かないように、早くやっていただけますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。 続いて、待機児童解消について伺います。 安倍総理は、ついせんだって、待機児童解消のために子ども・子育て支援新制度を二年前倒しされて、今年度から平成二十九年度末までに四十万人の保育の受皿を確保して待機児童解消を目指す待機児童解消加速化プランというのを発表されたわけでございます。大賛成です。実行あるのみです。何としてもやり遂げていただきたいと思います。 そして、このプランを是非、どういうふうに具体的に実現していくかという工程表というものを示していただきたいと思いますが、安倍総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに待機児童については、二万人を超える方たちがすぐにお子さんを保育所に入れたいと、こう思っておられて、その期待にこたえるために、待機児童の解消に向けて二年後の子ども・子育て支援新制度のスタートを待つことなく、保育の量拡大と保育の質の確保の両立を図りながら、スピード感を持って強力な取組を進めていく必要があると、このように考えました。 そして、今般、総合的な対策である待機児童解消加速化プランを策定をしまして、平成二十五年度、二十六年度の二年間で二十万人分の保育の受皿の整備を支援をいたします。そして、全国的な保育ニーズのピークを迎える平成二十九年度末までに、潜在的な保育ニーズも含めて四十万人分の保育の受皿を確保することにしております。このプランに基づきまして、国として総合的な支援パッケージによって地方自治体の取組を全面的に支援をいたしてまいります。 これまで以上に地方自治体と緊密に連携をしながら、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。
○山本香苗君 具体的な工程表というのは作っていただけますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今、総理から申し上げられたとおりなんですけれども、基本的に賃貸方式でありますとか国有地の利用でありますとか、さらには、やはり人という部分でございますから、保育士の養成等々もやっていかなきゃなりません。小規模保育というものを、これを使っていくということも重要でありますし、事業所内保育、これに対しての支援も必要であろうと思います。認可外を、認可を目指すということで、そのような形で支援していくことも必要でありますので、そういうものも含めて全体としてのパッケージを工程表で示していくということは必要であろうと思っております。
○山本香苗君 このプランの実現に当たりましては、保育の実施主体である市区町村に同じ目標に向かって頑張ってもらわなくてはなりません。本気で取り組んでいただかなくてはならないわけでございますが、そのためには、先ほど総理が約二万人以上とおっしゃいましたけど、約二万五千人という待機児童の数というのはもう氷山の一角なんだという認識を市区町村に持っていただかなくてはならないわけです。 現在の、今の二万五千という待機児童の数の中には、認可外保育所など認可保育所以外のところに入っているお子さんはカウントされておりません。ですから、まず国としてやるべきことは、この現行の待機児童の定義をしっかりと変えて、そして市区町村が正確に保育ニーズを把握してプランにしっかり取り組んでいくということが必要だと思うんですが、田村大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今委員がおっしゃられましたとおり、そもそも自治体が認可外ではありますけど一定の基準を設けて財政的な措置をしたもの、これに関しましては、この待機児童の中にカウントをいたしておりません、まあ数字は公表しておるんですけれども。ここをやはり取り込んでいかなければ、なかなかこれ対応ができていかないということでございまして、こういうところも是非とも認可を目指していただくという形の中で支援を一つはしていこうということを今回盛り込みましたけれども、いずれにしましても、新制度自体がこの全体の待機児童、潜在的な、これも含めて解消するということで四十万人の一つ目標をつくったわけでございますので、今回のこのパッケージも、これを二年間前倒しするわけでありますから、このプランの中においてしっかりと潜在的な保育ニーズをカウントした上で、各自治体に御理解をいただきながら待機児童の解消を図ってまいりたい、このように思っております。
○山本香苗君 現行の、では定義を変えていただくと、これも二年前倒しして変えていただくということでよろしいですね。
○国務大臣(田村憲久君) 現行の待機児童をどうするかというのはこれからちょっと検討させていただきますが、いずれにしても、四十万人という数字は待機児童、これは潜在的なものも含めてカウントいたしておりますから、今のような状況でいいとは思っておりませんので、自治体等々が行われております認可、無認可の保育所等々に対して、これ、数字も今もう出しているんですけれども、これをカウントするかどうか、ちょっと検討させていただきたいというふうに思います。
○山本香苗君 是非、まず市区町村においてどれだけニーズがあるかというのを正確に、ここが一番肝です。 今回のプランにおきましては、今大臣がおっしゃっていただきましたとおり、認可を目指す認可外保育施設への支援というのがありますが、もうこれは既に行われているわけです。でも、たった、今現在においても四十四自治体しか取り組んでいないんです。以前も指摘いたしましたけれども、平成二十三年度以降新設又は定員増した施設でなければならないとか、また、期間内に認可基準を満たさなかった場合には条件違反として補助金を返還しなきゃいけないとか、補助条件が厳しいんですね。また、補助額が認可保育所に対する支援と比べて半分程度ぐらいしかないわけなんです。これでは自治体は取り組めません。補助条件やまた補助額ということを今回見直していただけますか。
○国務大臣(田村憲久君) 補助額に関しましては、今般このプランの中に考えさせていただいております制度は、要は、ちゃんと保育士の資格の方々、六割程度の、例えば東京でありますと認証保育そうなんですが、これを十割を何年以内に目指していただくと。その中において、目指していただける限りは、ちゃんとした人件費等々も含めたそういう補助をしていこうということでございます。そういう意味では、補助額というものも含めて検討させていただいて、改善はさせていただきたいなと思っております。 それから、返還に関しましては、これはなかなか難しいところでありまして、大変使いづらいという御意見もありますが、やはり目指していただくということはしていただかなきゃいけない。これは東京でも杉並のお母さん方が認証保育では嫌だと、認可に入りたいといって異議申立てをされたというような案件が新聞の記事等々で出ておりましたけれども、やはり質のいいところにお母さん方は子供さんを預けたいという思いがあるんですね。ですから、それは目指していただくということはやっぱりやっていかなきゃならぬ。ただし、それに併せて、保育士になろうとされる方々が通信教育等々で保育士になれるような、そういうプランもございますし、あわせて、人が替わるとき、スクーリングなんかで必要になってまいりますから、資格を取るのに、そのときに対しましては、ちゃんと人件費の代替措置としての対応をさせていただくということをしておりますので、使い勝手の悪いところはこれから検討をさせていただきながら直していきたいというふうに思っておりますけれども、とにかく、やはり認可保育園を目指していただきたいということだけは、ここはお願いいたしたいところであります。
○山本香苗君 今大臣がおっしゃっていただいた認可基準、認可保育所において、配置基準を満たす、職員全員が保育士でなければならないと、そういう基準があるわけでありますが、この基準を満たそうにも、待機児童の多い都市部においては保育士不足は本当に深刻なわけです。 今大臣がいろいろと、通信教育だ何だかんだやられて、潜在保育士の問題、様々やっていただいていますが、間に合わないんです、足りないんです。他方で、一定の研修を受けて市区町村なんかが認定をした場合に、認定された育児経験者の方が保育ママになれるということは、もう厚生労働省として児童福祉法も変えて制度化していますよね。 であるならば、待機児童の多い都市部において、保育士以外の、一定程度保育ママで、保育ママ等の子育て経験豊かな方々のお力をお借りする場合も認可できるといったような柔軟な対応というものも必要なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) なかなかこれ難しくて、先ほども申し上げましたけれども、やっぱり各地域で保育士が一〇〇%を満たさない、そういう保育所、無認可でありますけれども、そういうところに自治体があっせんをしても、それは困ると、質のいいところに子供を預けたいんだというお母さんの切実なる声が昨今いろんなところで出ておるのも事実でございます。 そういう意味からしますと、先ほど申し上げましたのは、そういう認証保育所、東京の認証保育所のように、今、実は基準を満たしていないんですが、満たそうと努力をするところに対しては助成をしていこうという中で質を上げていっていただく、こういうことが必要というふうに思っておりますので、そのような方向で保育士を増やしていくという形、また潜在保育士の方々の掘り起こしを、しっかりとこれをやっていくという中において保育所の増設、定員数の増設をやってまいりたいというふうに思っております。
○山本香苗君 でも、保育ママはもう制度化されているわけですよね。厚生労働省としても推奨されていらっしゃいますよね。 その厚生労働省が、保育士以外では保育の質の確保ができない、そういった強く願っている保護者の声にこたえられないというのは私は理解できないんですが、総理はどういうお考えなんでしょうか。総理にお伺いしたいと思います。大臣の御意見はよく分かりましたから、総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 突然の質問でございますが、基本的には保育士の資格を持った保育士がしっかりと配置基準に従ってちゃんと存在をしている保育所を目指してもらうということでございますが、保育ママという制度を認めた以上、委員はその制度を活用しながら待機児童のニーズにこたえていくべきだという御質問なんだろうと、このように思うわけでございますが、そこで、やはり国の税金を助成金として入れていく上において、やはりそこは資格を持った保育士ということで今考えているところでございますが、いずれにしても、どのように待機児童をこれは解消していくかということについて厚生省の方としても検討していくことになるだろうと、このように思います。
○山本香苗君 総理、厚生労働省任せでは解消できません。是非、官邸主導でしっかりと議論していただきたいと思います。 今回のプランを実現するに当たって総理は、財源はちゃんと取ってあると、そのようにおっしゃっておられましたけれども、具体的にどう確保されておられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般のこの待機児童解消加速化プラン、平成二十五年、二十六年度の二年間で二十万人ということでございますが、受皿となる保育所の整備等に要する経費は、今年度に関しては既に措置している安心こども基金を活用するなど、必要な財源は確保しております。平成二十六年度以降は消費税引上げによる安定財源を充て施策の実施が可能であると、こう考えているところでございます。 いずれにせよ、意欲ある地方自治体の取組を国が全力で支援をしていきたいと思っております。 〔理事小川敏夫君退席、委員長着席〕
○山本香苗君 子育て支援に関連しまして、ベビーカー利用についてお伺いしたいと思います。(資料提示) ベビーカー利用につきましては、公共交通機関や公共施設、また商業施設等におきまして共通のルールがありません。そのために、利用者のみならず周囲の方々も困っています。また、海外ではバスや電車などにベビーカーマークというのがあるわけですけれども、日本ではほとんどありません。あってもばらばらなんですね。こちらのパネルにございますのが、これ、JR大阪駅構内にありますベビーカーマークなんですけれども、ちょうど車椅子の横にベビーカー優先への協力というものが書かれております。 太田大臣、是非、このマークに倣った形で、全国統一したベビーカー利用に配慮を求める分かりやすいマークを作って普及をしていただきたいんです。また、ベビーカー利用に対するルールを作っていただきたいと。そして、ベビーカー利用に対する理解を深める取組というものをオールジャパンで進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 大変大事な指摘だというふうに思っています。 公共施設や公共交通機関などでベビーカーを持っていくということになると、階段があったり、またエレベーターでも自分は乗っていいのかどうかと逡巡したりする。そういうことで、非常に、これがまたマークが全くなかったり、あるいは全国でばらばらであったりするというようなことがありまして、そうした配慮をするということが非常に大事だというふうに思っています。 山本委員は女性専用車両の導入に尽力をしていただいたり、あるいは先般、マタニティーマーク、これ数年前に統一を全国でしまして、高速道路の駐車スペースのところに、ここも止められるんですよと。身体障害者の方、車椅子の方々にはマークがあってそこが分かるんですけれども、自分たちが止めていいのやらということがあったものですから、一か月ぐらい前に山本委員とも連携取って指示をさせていただきまして、ほぼゴールデンウイーク前までに全国の高速道路のそうした駐車スペースに全部、ここは止めていいんですよということが分かるような表示をしていただきました。 このベビーカーも、私はそういうふうにして統一してということも非常に大事だというふうに思っていまして、御指摘のように、バリアフリーの方のガイドラインが、これがほとんど規定がベビーカーについてはございません。そこで、鉄道等の公共機関について、ベビーカーの利用に配慮したエレベーターや車両内のスペースの確保が望ましいということを今後ガイドラインに明確に位置付けていきたいと、このように思います。また、マークの作成や利用に係るルール作り、これらについては関係省庁とも連携しながら、協議会を立ち上げて着実に進めていきたいというふうに思っているところです。 こうした子育てをしている方たち、あるいは妊婦の方たち、そして子育てで一生懸命頑張ってベビーカーを使っている人たちが、社会が全体が応援をしてくれているんだなというマークだと私は思っておりまして、この愛情マークともいうべきものを統一してやるという委員の指摘を受けて対応したいというふうに思っています。
○山本香苗君 ありがとうございました。 最後に、防災技術の海外展開についてお伺いしたいと思います。 安倍総理がゴールデンウイークに訪問されましたトルコは、我が国同様、地震大国でございます。二〇一一年のトルコ東部で起きました、あのワンで起きました地震におきましては多くの建物が倒壊いたしました。日本人の宮崎淳さんを含め六百四名の方がお亡くなりになったんです。しかし、実はあの地震で日本の耐震技術で建てられたマンションだけは全く微動だにしなかったんです。ですから、トルコ国民からは、ジャポン・テクニック・ハーリカと、日本の技術はすばらしい、そういう形で高い評価を受けたわけなんです。 耐震技術のみならず、我が国には地震やまた台風などの自然災害で培ってきたハード、ソフト面併せた防災技術といったものがたくさんございます。これは総理がよく言われるように、我が国の強みだと私は思います。是非、この防災技術の海外展開ということも今度定めます成長戦略の中にしっかり入れていただいて強力に推進していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は数々の災害を経験をしているわけでございますし、一昨年は東日本大震災という過酷な大地震を経験をしたわけでございまして、この経験と教訓を踏まえて培ってきた防災技術を海外展開をして各国の防災技術の向上に貢献することは、東日本大震災で海外から多大な支援をいただいた我が国のある意味で責務であろうと、このように思っております。 また、防災技術を海外に移転していくことは、アジアを中心とする新興国のインフラ需要の取り込み、そして海外への本邦進出企業の操業の安全性とサプライチェーンの確保を図る上でも極めて重要であります。 エルドアン首相と首脳会談を行ったときにも、是非日本の防災技術をトルコに支援をしてもらいたいと、こういう要請もございました。我々はこの要請にもこたえていく考えでございます。委員もイスタンブール大学におられたということでございますが、トルコも地震国でありまして、そういう国に対して経験した我々の技術を是非輸出していくことは、これは課題を解決をしていくことにもつながってまいりますし、我が国のインフラ輸出にもつながっていくわけでありますから、是非とも展開をしていきたいと、このように思っております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 このほどエルドアン首相とお会いされたときも円借款の改善のことについて安倍総理からも言及されたと伺っておりますが、まさにこの円借款の改善策というものが出されまして、その中に災害復旧に特化いたしました災害復旧スタンドバイローンという、災害復旧スタンドバイ借款というものが創設をされました。これは、災害発生前にあらかじめ途上国との間で災害発生時にどういう協力をするかということを決めておいて、災害発生時に速やかにそれを実行するための資金を融資するというものなんです。あらかじめこの二国間で取り決めておくことによって、平常時からの防災協力の関係が強化できます。そして、その取決めの中に我が国の防災技術やノウハウというものをしっかり盛り込んでおけば、ひも付きの円借款でなかったとしても、我が国の防災技術だとかノウハウというものを確実にかつ効率的に導入しやすくなるわけです。 二〇一一年の十月にあったタイの洪水におきましては、まさに海外に対して初めてでありますが、日本から排水ポンプ車や官民連携の排水チームというものを派遣して、我が国の人と物とノウハウ、これの総合力で発揮した協力というものができたんです。でも、実施したのは約一か月後です。もっと事前に早く決めておけば早くできたはずですし、また、もっと多く我が国の知見というものを導入することができたと思います。 あらかじめ国別に支援プログラムを作って、平常時からの防災協力関係をつくっておくと。ここが肝なわけでありますが、このためには、役所だけではできません、民間企業やまた研究機関等のそういったものに取り組んでいく仕組みが必要なんです。 前政権下におきましてもこういったことは議論されました。しかし、こういった仕組みができなかったからこそうまくいかなかったんです。是非、国交省主導でそうしたものをつくっていただきたいと。最後に、大臣、やると言っていただいて終わっていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 国別に防災協働対話の場を設けていきたいと、やるということです。
○山本香苗君 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で山本香苗さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、中西健治君の質疑を行います。中西君。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。 まずは、物価安定化目標、インフレターゲットについて議論を行わせていただきたいと思います。 インフレターゲットは物価上昇率が目標となっているわけでありますけれども、物価上昇率は毎年の変化率ということでありまして、物価水準そのものではありません。物価上昇率目標を達成した場合に実際の物価水準がどのようになっているのかということについて確認をしていきたいと思います。(資料提示) まず、パネルでございますが、資料をお配りさせていただいていますが、こちらのパネルに示しておりますのは、大型連休前の四月二十六日に日銀が発表した展望レポートに記載されております政策委員の方々の今後の物価見通しの中央値を基に当方で単純に計算をしたものであります。 青い線、青いラインが消費税増税を含まない消費者物価指数の推移でありますけれども、物価目標二%といいますと、よくいろんな方に、これは二年か三年後に今百円のものが百二円になるんですよね、こんなようなお考えを持っていらっしゃる方も多いようでありますけれども、実はそうではないということであります。その前から物価が上昇に転ずるわけでありますから、この単純計算でも、二〇一五年度には百三・六円、そして二〇一六年度は、日銀の言うように安定的に二%という場合には百五・七円、もう百六円に近いというような状況になっているということであります。 日銀の物価安定化目標自体は政府も歓迎しているというふうに理解しておりますけれども、そのとおりに推移すれば物価水準はこれだけの幅で上昇してしまうということについて、まず麻生財務大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 中西先生、御指摘がありましたように、二%の物価目標というのは、これは単年度ではない、これは毎年二%というのを、基本的に物価が上昇する、物価上昇が継続するということを意味しております。したがいまして、所得、雇用の拡大に伴って安定的に行くのか、この物価だけが行くのかというのが一番これから大事なところでありまして、私どもとしては、それが起きないようにするために、政府によります財政の運用とか経済成長とかいうことに非常に力を置いて、実需をつくっていかない限りはなかなか難しいという認識で我々対処していかねばならぬと思っております。
○中西健治君 そこで、総理にお伺いしたいと思いますけれども、この資料には併せて緑の線で、十年前の二〇〇三年度からの国税庁が公表しております民間平均給与実態調査を指数化したものを示させていただいております。この緑の線でありますけれども。今後の物価上昇幅がこれだけあるという場合に、これに見合う賃金上昇幅を達成するということになりますと、十年前の賃金の水準に僅か二年か三年で引き上げていかなきゃいけないと、こういうことになっていくわけでありますけれども、これを達成できるとお考えになるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員は十年前の水準とおっしゃったわけでございますが、まさに十年前から、この十年間で賃金が減ったということでございまして、ここに大きなデフレの問題点があるわけでありまして、賃金が減らずに来て、ずっと今日まで、賃金はそのまま維持されながら今後インフレになるということではなくて、言わば、なぜ賃金が十年間で大きく減ったかといえば、これはデフレだった。だからこそデフレ脱却が必要になってくるわけでございます。 そこで、我々、このデフレ脱却を目指していくわけでございますが、物価が上がっていく、言わばデフレ期待をインフレ期待に上げていく中において、企業活動において企業の収益力が向上して幅広い勤労者にも適切に分配されていくと。しかし、それが極めて重要であって、それまでしばらく時間が掛かる場合もございますので、今回我々、あえて産業界に働きかけを行ったということでございまして、従業員の報酬の引上げを早期に実現をしていくことが重要でございます。 そこで、問題は、これからさらに、第一の矢、第二の矢、そしてさらには成長戦略をしっかりと前に進めていくことによって賃金の上昇率がしっかりとこのインフレ率を上回っていくように我々も努力をしていきたいと、こう思っておるところでございます。
○中西健治君 大胆な金融緩和ということは我々の党もずっと主張してきたことであります。並大抵のことではこれだけの賃金の上昇というのは難しいと思いますので、総理そして財務大臣がおっしゃられたように、やはり景気を底上げ、回復させていく、成長戦略を実行していく、これは本当に速やかに時間との闘いだと思ってやっていかなきゃいけないということだと思います。 この景気のアクセルを踏むということについては我々も後押しをしていきたいというふうに強く思っているわけでありますが、そこで大きな問題となってくるのが景気にブレーキを踏む消費税増税ということなんではないかというふうに思っております。 日銀は、二〇一四年の四月の消費税三%増税で物価には二%上昇圧力が掛かってくる、三パーの増税で二%の物価上昇と、こういうふうに言っております。そして、二〇一五年十月の更なる二%の増税で二〇一五年度後半に約一・三%やはり物価上昇の影響が出てくる、こういうふうに言っております。三%で二%、そして更なる二%で約一・三%、こういうふうに日銀は予測しているわけでありますが、これ確認させていただきたいんですが、政府も同じように考えているということかどうかについて確認させてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に同じような方向に、同じような数値というか、同じような方向になろうと思っております。
○中西健治君 そうなりますと、再度総理にお伺いしたいというふうに思うわけでありますが、先ほどの資料で、この消費税増税の影響も含んだ部分というのを加味したもの、これが赤い点線で示させていただいております。これによりますと、二〇一五年には一〇六・四、そして二〇一六年には一〇九・二まで物価の水準が上がってしまうということになってしまいます。 これだけ上がる、もう一〇%に近い物価の上昇幅ということになるわけでありますが、先ほどの賃金を上げていかなきゃいけないということでありますが、ここまで上げるということについて達成できるのかどうか、いま一度お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の引上げにつきましては、社会保障費、伸び続けるこの社会保障費に持続性をしっかりと確保するために、そして同時に国の信認を確保するために、消費税を引上げをする法律を自由民主党も賛成して成立をさせたところでございますが、確かに今委員が御指摘のような、これは国民、消費者に対する影響もあるわけでございまして、そうしたことも勘案をしながら、引上げの半年前に附則第十八条にのっとって、名目及び実質の成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認をして、経済状況等を総合的に勘案して判断をしていかなければならないと、このように考えております。
○中西健治君 増税すれば当然景気への下押し効果もありますし、賃金上昇が消費税増税分を含めた物価上昇に見合うというふうにはちょっと到底考えづらいかなというふうに思います。逆に下がってしまうかもしれないという危険性すらあるんではないかと思います。 景気回復を実現しようとするまさにそのときに、消費税増税を行う、景気に対してブレーキとアクセルを両方とも同時に踏むというのは安倍総理の真意ではないのではないかなというふうにも思ったりするわけでありますけれども、今、第二・四半期のGDPなどを見ながらということでありましたけれども、こうして大胆な金融緩和政策を取ったことによって大きく物価が上がろうとしている、そして景気が回復してくれば自然に税収が、税収自然増ということも考えられる、そうしたことを併せて見てから判断するべきなのではないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員の御指摘は私も重要なポイントであると、このように思っております。もちろん、オーストラリアあるいはドイツのように消費税を引き上げながらある意味経済を堅調に維持した国もあるわけでございますが、一九九七年、八年に、あれはアジアの金融危機等もございましたが、税収は残念ながら減っていったという経験もあるわけでございまして、そうしたことをよく考えながら、我々は、まずこの三本の矢を強力に推進をしていくことによって状況をより消費税を引き上げることに適した状況にしていきたいと、こう考えているわけでございますが、いずれにせよ、今委員の御指摘の点も重要なポイントの一つではあろうと、このように考えております。
○中西健治君 ありがとうございます。消費税増税の判断はよくよく慎重にというふうにお願いしたいというふうに思います。 続きまして、歳入庁について伺わせてください。 みんなの党は、先月、民主党、日本維新の会、生活の党、みどりの風と共同で歳入庁設置法案を提出させていただきました。 甘利大臣は、この法案の中身を実際に御覧になられたでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 拝見させていただいております。
○中西健治君 ありがとうございます。 そうしましたら、政府も歳入庁の設置についてワーキングチームをつくって検討を行っているということだというふうに理解をしておりますが、野党提出の法案についてどのような感想をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 委員御指摘の歳入庁に関しては、元をただしますと、昨年成立をしました税制抜本改革法において、三党合意に基づいて、この合意は、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施するということになっております。ですから、政府としては、歳入庁に特定をしたことではありませんが、歳入庁も含めてこの三党合意に基づいた議論をしているところであります。 今、官房副長官を中心に政府で議論をさせているところであります。これは、検討結果は夏までに論点整理をいたすということのスケジュールでやっております。
○中西健治君 また資料を御覧いただきたいと思います。 歳入庁を設置することの目的として、我々は、行政の効率化、納付状況の改善はもちろんのことでありますけれども、何よりも納付者の利便性向上というものを考えております。 お示ししております資料は、現在、国民あるいは事業者が税金や社会保険料を支払うために幾つもの窓口に申請を行わなければならないことを示しております。一つの事業所で、税務署、そして市区町村の役場、年金事務所のみならず、失業保険に関してはハローワーク、労災保険については労働基準監督署といった具合に、五か所も六か所も出向いていって手続を行わなければなりませんし、タイミングもばらばらで、添付書類もその都度同じようなものを用意しなければならない、大変煩雑な手続ということになっております。 こうしてばらばらとなっている税と社会保障の受付窓口を極力一本化していこうというのが歳入庁の眼目ということでありますが、同じような観点でいえばマイナンバー法案、これ政府提出で先日衆議院を通過したわけでありますけれども、そもそもこのマイナンバー法案、何のために制定しようとしているのか、その趣旨についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 基本的な考え方は、世の中が電子社会化していっております。デジタル化しているわけですね。その中で対応がアナログのままであると、この電子化社会、ICT化社会の便益を享受できないというのが基本にあろうかと思います。 もちろん、マイナンバーについては、メリット、そして危惧も提示されております。そこの危惧に対しては十分な対処をしたいと思っております。 利便性は、言ってみれば、個人情報の突合が極めて簡便にできる、迅速にできる、そして正確にできるということがありますから、国民が何か申請手続をするときに手続書類が極めて省かれるということができるということでありますし、あるいは給付・併給調整でも法定書類が突合が極めて簡単にできるとか、あるいはマイポータルを通じて自身の税と社会保障にかかわる情報が正確に把握できるし、あるいは、プッシュ型サービスと言われていますけれども、政府がこういう情報は関係者、国民に広く知らせた方がいいというのが手軽に提供できると、もろもろを通じて公正公平な社会がより実現しやすくなると。ということは、政府が助けを必要とする人に対してはより重点的にできるということにもなっていくんだろうと思います。 いずれにいたしましても、利便性は極力伸ばしていくと、そして、この不安な点として指摘されています情報漏えい、あるいは、国家が一元的に情報を、個人情報を管理してしまうのではないかと、そういうことに対しては、その危惧が払拭されるように全面的に対処をしていくということでございます。
○中西健治君 様々な危惧があるにしてもそれを進めていこうというのは、それだけの利便性、それだけの便益があるからだということだろうというふうに思います。 それであれば、総理にお伺いしたいと思いますけれども、このマイナンバー導入で税金と社会保険料を一体で徴収するための基盤が整備されるということになっていくわけでありますけれども、マイナンバー同様、諸外国で広く採用されている歳入庁設置を是非とも納付者の利便性向上の観点から進めるべきではないか、こういうふうに私は思っておりますけれども、検討を行っているということでありましたけれども、この歳入庁については最後ですけれども、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歳入庁につきましては、昨年成立をいたしました税制抜本改革法において、自民、公明、民主の三党合意に基づいて、年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施するとしているわけでございますが、政府としては、先般立ち上げた官房副長官を座長とする関係省庁政務官チームにおいて検討しているわけでございますが、税制抜本改革法の規定に基づいて、年金保険料の徴収体制強化等について歳入庁を含めて検討しているわけでございますが、御指摘の利便性の向上性については政府としても重要な検討課題の一つと考えておりますが、野党が法案で御提案されている歳入庁については、現在の国税庁に近い職員数で新たに年金保険料の徴収業務等も併せるものと承知をしておりますが、その場合、業務に必要な人員をどう確保するのかということと、そもそも年金保険料の納付率向上につながるのかと、また、逆に国税の徴税能力が低下するおそれはないのかといった慎重な考えもあるわけでございまして、そういうことも認識しておりますが、いずれにしても、政府としては、税制抜本改革法の規定に基づいて保険料の徴収体制強化について幅広い観点から検討を進めていく考えでございます。
○中西健治君 野党提出の歳入庁設置法案については、この参議院で審議されることになるという可能性も非常に高くあるというふうに思いますので、その審議の場でもいろんなことについて議論していきたいというふうに思います。 発送電分離についてお伺いさせてください。政府は、四月二日に電力システムに関する改革方針、閣議決定しまして、四月十二日に電気事業法改正法案、国会に提出しておりますけれども、この中で特に発送電分離についてお伺いしたいと思います。 電気の小売業への参入の全面自由化については、二〇一四年の国会に法案を提出するというふうに提出時期は明記されているわけでありますが、この発送電分離については二〇一五年国会での法案提出を目指すと、目指すという言わば弱腰な書き方になっておりますけれども、これはなぜなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の電力システム改革、まさに六十年に一度という大改革でありまして、御案内のとおり、柱になりますのが、一つが広域的運用形態の拡大、そして電力自由化の推進、さらに、おっしゃられた発送電部門の中立性、独立性を高めていく、これを三段階の改革で進めていこうと。まず広域系統運用の拡大、これを第一段階でやると、そして次は競争環境、小売の自由化も含めてやると、最終段階が、規制料金の完全撤廃、そして送配電部門の法的な分離ということでありまして、パッケージの中、それぞれの法案の提出時期、そしてまた実施の時期、明確に書き込んであります。そして、今年やること、来年やること、これにつきましては時期を区切っております。 しかし、今後いろんな競争環境がどこまでそろうだろうかと、さらには、様々な課題も解決していかなきゃならない。例えばこの送配電の分離ということになりますと、発電部門それから送配電部門、これのルールを作ったり、システムを設計して実際に開発をする、こういった問題が出てまいります。若干先になるということで、今年、来年のことにつきましては具体的に何年と書いてあります。そして、再来年のことにつきましては、例えば広域運用機関、これも設立するのは再来年なんですけど、これもめどと書いてあるわけでありまして、年次的には今年、来年が明確な年次、それ以降は目指す若しくはめどということで、法案でも完全にその辺は整合性を取らさせていただいております。
○中西健治君 もうすぐ時間ですので、私の意見だけ申し上げて終わらせていただきたいと思いますが、やはりこの発送電分離、これは小売の参入自由化と同時に行わなければ、結局は新たに参入する業者が公平な条件で送電網を使えないということになってしまうのではないかというふうに思います。二段階、三段階に分けるというのもありだとは思いますけれども、やはり競争条件を整えていくということをもっと急いでやっていくべきなんじゃないかなというふうに私は思っている次第でございます。 そして、今日は森まさこ大臣にも来ていただきましたけれども、本当は、消費税増税還元セールはしちゃいけないということについて、どうしてなんだということについてお聞きしようと思いましたけれども、また次回に譲ろうと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で中西健治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、森ゆうこさんの質疑を行います。森さん。
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。 前回に引き続きまして、税と社会保障の一体改革とマイナンバーについて質問をさせていただきたいと思います。 まず、総理、外遊大変お疲れさまでございました。私たち予算委員会は地方公聴会ということで、私は盛岡公聴会で被災地の御意見を承ってまいりました。その問題についてはまた次回というふうにさせていただきたいと思いますけれども。 また、連休の間、私、地元新潟県全県行脚をしておりまして様々な御意見をいただきましたけれども、やはり一番多いのは年金どうなるんだという質問でした。来年、消費税が増税される、それは年金のためなんでしょう、年金どうなるんですかという質問でした。 先ほども少し質問がありましたけれども、田村大臣に一点だけ確認をさせていただきたいんですけれども、年金の給付額はこの十月に引き下げられますね、一旦。それについて一言だけ、引き下げられるということを確認したいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほども申し上げましたけれども、昨年、三党合意の中におきまして、政府提出法案の中で、二・五%、特例水準、これを解消するということで、三年間にかけてこれを適正化するということでございますから、十月から、おっしゃられましたとおり、一%だろうと思いますけれども、引き下げるということになります。
○森ゆうこ君 物価も上がっていると。特に生活必需品、先ほど民主党の櫻井委員から御提示がございましたけれども、様々な生活必需品が値上げになっているという中で、この十月に、インフレ基調になっている中で十月に年金が下がるということは大変大きな影響があるというふうに考えております。 田村大臣、もう少しお聞きしたいんですけれども、この本年十月からの年金給付額の引下げ、これをしない、実施しない場合には、この平成二十五年度に必要となる予算は幾らでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 年金給付費で一千五百億円、国庫負担で三百五十億円になります。
○森ゆうこ君 国庫負担約三百億円で、合わせて約二千億円という金額、これがあれば、このインフレ、いろんな値上げがされる中で、ただでさえ受取の少ない年金受給者、年金だけで暮らしているとか、そういう方たちの生活の不安を和らげることができるのではないかということをまず指摘をしておきたいと思います。 前回のおさらいというか、総理のいないところでの御質問でございましたので少しおさらいをさせていただきたいと思うんですけれども、まず総理に伺いたいんですが、社会保障制度改革推進法第四条に基づいて、また三党合意書を踏まえれば、本年八月二十一日までに公的年金制度の改革について法制上の措置をする必要があります。 しかし、この間本会議でも指摘をいたしましたが、三党協議の議事録を見ますと、入口のところで前提の認識が三党間で食い違っておりまして、議論が進む気配が一向に感じられません。そして、成案が得られる見込みはないと言ってもいいかと思います。公的年金の抜本改革は期限までに提出できるんでしょうか。年金の抜本改革は消費税増税の前に行われるのでしょうか。総理にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これ、三党合意確認書の中において、あらかじめ公的年金制度に関する改革についてはその内容等について三党間で合意に向けて協議するとなっております。 今、委員、地元に回られたらやっぱり年金のことが、消費税上げるに関してこれ変わるんでしょう、どう変わるのというようなお声が多いというお話でございましたが、国庫負担、基礎年金の国庫負担二分の一分、これを消費税を財源に充てるということで、消費税の引上げというものに関してこれは三党で合意をしたわけでございまして、その中において、今回の八%、一〇%引上げの中においては、実は年金の部分というのは、若干ほかの例えば社会的給付、低年金者の方々でありますとか低所得者の方々に対しての上乗せ分、こういうものの財源は見ておりますが、他の部分は見ていないというのが前政権、民主党政権の一定の考え方であったわけでございます。 そういう意味からいたしますと、今回の消費税引上げという意味ではこれには含まれていないということであります。
○森ゆうこ君 私はそのことを聞いているのではなくて、消費税増税する、もちろん財源の問題、今お話しになったことは十分承知した上で質問しているんです。 消費税増税をする、税と社会保障の一体改革、年金の抜本改革をこのようにやります、財源が将来的に見てもこれぐらい必要です、これまでは借金に頼っていましたけれども、消費税増税して当面の財源は確保する、しかし、近い将来の絵姿、抜本改革の絵姿も示す、これが三党合意の内容だったと、これは民主党の見解、私もそうだと思います。しかし、そこの入口のところで、いや、自民党は違うと言っているし、公明党も違うと言っているし、結局、国民の皆さんは、いろいろお話を聞いても、やはり消費税増税はある意味容認しなきゃいけないのかもしれない、しかし、それを容認すればきちんと安心できる社会保障制度改革が行われるのだというふうに御理解をしていらっしゃいます。 そういう意味で、今のお答えは少し私は違うのではないかなというふうに思いますが、肝心なところお答えがなかったんですが、つまり、年金の抜本改革というのは消費税増税の前に行われるということは別に約束されていないという御答弁だったと思います。 しかし、その税と社会保障の一体改革の中でマイナンバー、公平公正な社会保障の給付と負担、これを確保するためにマイナンバー、これを創設するということで先ほどもお話がございました。衆議院の方で委員会で可決をされたところでございますけれども、改めて甘利大臣にお伺いしますけれども、この新たなシステム構築に掛かる費用は幾らですか。
○国務大臣(甘利明君) 全体では二千七百億と申し上げていますけれども、詳細を申し上げますと、個人番号それから法人番号の付番関係システムに百六十億であります。それから、国や地方公共団体の機関間で情報の授受を行うための情報提供ネットワークシステム、それから、国民が自らの情報を確認したり、あるいは行政機関からのお知らせサービスを受け取ることが可能となるマイポータル、それからもう一点、特定個人情報保護委員会の監視・監督システムを新たに整備することとしておりまして、これらのシステム構築に要する費用、申し上げました三点合わせて百九十億。それから今の点を加味すると三百五十億。それから、地方自治体等の個人番号や法人番号を取り扱うそれぞれの機関において既存システムの整備をいたしますが、これに二千三百五十億。合わせて二千七百億円であります。 さらに、ランニングコストについて……(発言する者あり)いいですか。
○森ゆうこ君 つまり、これコンピューターのシステムをつくるんですけれども、これに約三千億掛かると。先ほども申し上げましたように、このマイナンバーを創設する前提として、年金の抜本改革など社会保障の公平公正な給付と負担の在り方というものを確保する、それは年金などの抜本改革のためである、これが入口だったんですね。年金の抜本改革は消費税増税の前に案は示されない可能性が強い。一方でこのマイナンバーは着々と進んでいる。しかし、私はこれは問題があるということで先般指摘をさせていただきました。 今、三千億掛けて新しいシステム、コンピューターシステムをつくると言っていますけれども、安倍総理、第一次安倍政権が短命に終わった理由の大きな一つであります消えた年金の問題、この年金記録システム、これがやはりぐちゃぐちゃのままで、七年前から刷新を行っているんですけれども、七年たっても全くできておりません。国家的なプロジェクトであるにもかかわらずできていない。そしてもう一つ、特許庁のシステムが、これもまた七年掛かっても全くできていないということを先般指摘をさせていただきました。 特許庁に伺いますけれども、このシステムが失敗に終わった経緯はいかがですか。
○政府参考人(深野弘行君) お答えいたします。 特許庁のシステムの開発につきましては、平成十八年に事業者と契約を結んで、それから開発を進めてきたものでございます。その開発の中で遅延が生じまして、なかなかこれが放置できない状況になったということ、さらに、その過程でいろいろと特許庁にかかわる不祥事などもございまして、こういったことを踏まえて外部の第三者の委員会を立ち上げまして、そこで検討していただきました。そして、平成二十二年の八月に、いろいろと課題を片付ければ更に進めることができるという、そういう一旦報告が出たわけでございます。 しかしながら、その後、そのフォローアップをするための第三者委員会で検討した結果、そういった残った課題についても解決していないと、この先の開発の見通しが立たないということで、平成二十四年の一月に改めてそういう趣旨の報告書が出まして、一旦この開発については中断ということになったという経緯でございます。
○森ゆうこ君 一枚資料を皆様のところにお配りをいたしました。今御説明のありました、特許庁システムの開発失敗の経緯でございます。 平成十八年、これ自民党の二階大臣のときにスタートいたしましたけれども、十八年から七年たってもこれができなかった、失敗に終わった。これは物すごい国家としての大きな損失です。この特許申請あるいは管理の業務というのは日本の国家戦略、成長戦略にもかかわる問題でして、この大きな国家プロジェクトが失敗したことは非常に大きな痛手であります。また、この間、今さらっと説明をいただきましたけれども、報道にも一部出ておりますが、政治家の介在あるいはフロント企業の介在、汚職事件、いろんな問題がございました。 ところで、今ここの経緯について説明をいただきましたけれども、これ、確認書、契約書がここにございます。でも、時期までに納入できないということで、二回契約を更新しておりますし、二回確認書が交わされております。その二回目の確認書が締結される直前に東芝本社社長から念書が提出されているかと思いますけれども、それについて私は提出を要求しましたけれども、拒まれました。それはなぜですか。
○政府参考人(深野弘行君) 御指摘いただきました東芝本社がかかわりました文書については、まず、その存在があることは事実でございます。 しかしながら、この文書につきましては、現在、特許庁に対して情報公開法に基づく情報公開請求が起こされております。特許庁といたしましては、一旦本件について開示をするということで決定をしたところでございますが、これにつきまして、東芝、そして東芝ソリューションから異議申立てがなされまして、現在、この情報公開法に基づきまして内閣府の情報公開・個人情報保護審査会への諮問手続を進めているところでございます。そのような経緯で本件については回答を差し控えさせていただいたということでございます。
○森ゆうこ君 なぜ出せないんでしょうか、理解ができません。 年金局、来ていらっしゃるでしょうか。 先ほど申し上げました、安倍総理、消えた年金の問題については、これはまだ解決していません。このマイナンバーの中核を成すコンピューターシステム、これは年金記録管理システムです。これがごちゃごちゃになっているというのは総理も御存じだと思います。これも直そうとして、七年掛かってできませんでした。 年金局に伺いますが、このひも付けされるシステムのこの刷新について、途中で業者が違約金を払い、契約は白紙になったと。違約金、そのことについて報告してください。
○政府参考人(高倉信行君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘いただきました契約の解除につきましては、基本設計の補完工程の一部としまして平成二十二年度に調達いたしました部分につきまして、受注者が契約を履行する見込みがないということが明らかになったため、契約の解除等を講じたところでございます。 平成二十二年八月の時点で行った契約でございますが、二十三年の二月の時点で解約に至ったという経緯でございます。
○森ゆうこ君 今御報告がありましたように、年金のこの記録システムも大変問題がある、同じような経過をたどっております。七年掛かってもできなかった。いまだにぐちゃぐちゃのままで、これを全部つなげるのが今回のマイナンバーですから、そんなごちゃごちゃのものをつなげたって国民の本当に役に立つかどうか分からないと、こういう状況でございます。 特許庁、違約金の請求や損害賠償を東芝ソリューションに求めないのはなぜですか。
○政府参考人(深野弘行君) この情報システムの現在の東芝ソリューションとの契約につきましては、これに基づく作業というのは現在中断をしているということでございます。この後の処理につきましては、現在、契約そして関係法令にのっとり厳正かつ的確に処理をするという方針で協議を継続しているところでございます。 現在、まだ協議中の段階でございまして、具体的な内容について申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、この第三者委員会の報告書、先ほど申し上げました報告書におきましては、本件について、本来この完成責任を負っている事業者の策定能力がなかったということがこういったことの原因になったという指摘もございますので、私どもとしては、そういった指摘を踏まえて厳正に対処していきたいと、そのように考えております。
○森ゆうこ君 能力のないところが落札をしたと。何だかんだ言って二回も契約を更新して、結局できなかったと。どれぐらい古くさいというか旧態依然としたコンピューターシステムかというと、特許を申請する、途中で住所や何かが申請者が変わって、それで申請をし直すと、それが、七つぐらいコンピューターのシステムがつながっていて、そこの最後のところに行くまでに下手すると一か月掛かるというんですよ。コンピューター要らないじゃないですか。手作業でやった方がいいじゃないですか。それぐらい古くさいシステムを使っている。それを刷新しなければならないということで巨額な契約が行われ、しかしできなかった。そもそもできるところが受注をしなかった。これが特許庁の問題なんです。 総理、この国家プロジェクト、特許庁の問題、そして例の年金の記録システムの問題。どちらも日本では一流の企業ですよ、請け負ったのは。七年掛かってもできなかった、こういう状況があるわけです。そういう中でマイナンバー、大きなコンピューターのシステム、いろいろつなげるわけですよね、そういうものをやると。これはできないと。できるという証明は、保証はないわけです。しかも、先ほど申し上げましたように、これに約三千億円掛かるんですよ。年金の抜本改革も行われない。しかし、この新しいコンピューターシステムに三千億も掛かる。やめた方がいいんじゃないでしょうか。総理、総理に伺っています。
○国務大臣(甘利明君) いろいろ反省点はあると思います。私もある世界企業の関係者に何でこれが失敗したんだと言いましたら、仕様が恐らくかなりアバウトであった、だから、発注仕様を作るところから当事者、もちろんその当事者に発注するということじゃないですから遮断しなきゃいけないんですけれども、そういう関係者が入って仕様書をしっかり作らなきゃいけないんじゃなかったかということを言われています。実は、米国の大手企業の日本子会社が受注したのもなかなか大変になりまして、それで本体が出てきて何とか仕上げたということもありました。でありますから、発注の段階から専門家を入れると。 今回の場合はその反省も踏まえて、過去の幾つかの委員指摘の問題点をしっかり精査して、それを織り込んで発注の段階から仕様書を作っていくということにしていくことになろうかと思います。
○森ゆうこ君 できる保証はございません。 先回の委員会で甘利大臣は、日本にこの技術力がなければ海外に発注するという可能性は否定しないというふうにおっしゃいました。しかし、皆さん、年金の記録、納税、資産、ありとあらゆる国民の皆さんの情報を一元化して管理するというこのマイナンバー、これ海外に発注しますと、当然そのシステムの作成者は、システムの作成時もそうですし、その後のメンテナンスのときにもずっと国民のその全ての情報にアクセスすることになるんですね。私はこの国の安全保障という観点から見ても極めて問題だと思いますので、総理、三千億も掛けてこんなことするぐらいなら、年金給付額、十月から減らさないでください。やめると言っていただけませんか、マイナンバー。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) マイナンバー制度はそもそも、より公平な社会保障制度や税制の実現を図るとともに、情報化社会の基盤として国民の利便性の向上や行政運営の効率化に資するものであると考えておりまして、着実に進めていく必要があると考えております。 今委員が御指摘になられました年金の記録システムの刷新や、まああの刷新が大変大幅に遅延をしているわけでございます、特許庁情報システム開発の中断、それは教訓として踏まえることは当然大切だろうと、このように思います。そうしたことを教訓にしながら、現在国会で御審議をいただいているマイナンバー法案においては、政府CIOに大きな権限を付与しながら、その指導の下で事業者の技術力の適正な評価などに配慮をしながら関係府省の調整、管理を十分に行って、適切にシステム整備を進めていきたいと考えております。
○森ゆうこ君 消費税増税法案を成立させた歴史に残る財務省事務次官は、去年、退官後、コンピューターシステム関連の会社に再就職をしております。めでたくこの六月に代表取締役兼COOに御就任される予定だというふうに伺っておりますので、総理、是非相談された方がいいと思います。 以上です。
○委員長(石井一君) 以上で森ゆうこさんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村さん。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 医療費の三割負担は国民生活に大変重くのしかかっています。そこで、子供の医療費無料制度について質問をいたします。 国民健康保険料や保険税の滞納を理由に保険証が取り上げられて病院にかかれないという問題を我が党はこれまで何度も国会で取り上げてきました。現在は、中学生以下の子供さんについては健康保険証の取上げは禁じられています。しかし、保険証はあっても窓口三割負担が払えないために必要な治療が受けられない、こういう子供さんの事例は学校の保健室の先生や医療機関から度々報告がされています。 例えば、学校健診で視力が弱くて斜視も指摘をされた小学二年生の女の子、検査の結果、手術を勧められたが、医療費を負担できないために踏み切れない。女の子は、手術したい、このままは嫌だと保健室で気持ちを打ち明けていると。小学生のある男の子は、自宅で調理中の鍋に背中が当たって手のひら大のやけどを負ってしまったと。シャツに血や体液がにじんでいることに担任の先生が気が付いて保健室へ連れていくと、家族に連絡しても病院には連れていかないでほしいと言われて、本人も家計の苦しさを知っていて痛くても我慢している。保健室で連日ガーゼ交換をして何とか治すことができた。また、新型インフルエンザが疑われてもお金がなくて病院に連れていかれない。お母さんは不安でいっぱいになりながらも、学校を休ませて様子を見るしかなかったと。 厚労大臣にまずお聞きします。これらは本来、一つもあってはならないことだと思います。経済的な理由で必要な治療を受けられない子供が現にいる、こうした実情をどう受け止められますか。
○国務大臣(田村憲久君) もう委員御承知だと思いますが、小学校入学前のお子さんに関しては二割負担という形になっておるわけでありますし、それから未熟児の方々に関しての支援、それから小児の特定慢性疾患、こういうものに対しても支援策があるわけであります。 今のお話ですと、高額療養費という話になると思います。高額療養費の中で多数該当等々に当てはまる方々の医療費の上限額というものが月々二万四千六百円という形でございますので、低所得の方々に関しましてはそのような制度の中で対応をさせていただいておるということでございます。
○田村智子君 大臣が今言われた制度では、私が挙げた事例はほとんど救済ができないんですよ。新型インフルエンザが高額治療になるわけないわけですからね。だから、私は今のお話で大臣からは、子供たちがお金の心配なく必要な治療を受けられるようにしたいと、制度の改善したいという答弁をやっぱりお聞きしたかったなというふうに思います。 既に自治体の方は、経済的な理由で病院に行かれない子供はなくさなくちゃいけないと、こういう努力をやっています。厚生労働省の調査によれば、全国全ての自治体で子供を対象とした医療費負担の無料化、軽減策、これ何らかの形で行われています。 群馬県では、二〇〇九年十月に医療費窓口無料の対象を就学前までから一気に中学卒業までに広げました。その効果は県議会でも報告をされています。資料としてもお配りしました。パネルを見てください。(資料提示)この施策の前と後では、一か月当たり、ぜんそくの受診件数は二〇%増えています。アトピー性皮膚炎も一六%増えています。こうした慢性的な疾患というのは、重症化を予防するために、症状を改善して治癒に向かわせるためにも、これ定期的な受診というのが欠かせないわけですね。非常に効果があった。逆に言えば、窓口三割負担のときには必要な治療が受けられない子供さんがこれだけいたということの証明だと思います。これ、効果明らか、必要性も明らかだと思います。 国としても、子供の医療費の窓口無料化、これもう踏み出すときだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 非常に財政的に厳しい今現状、日本の国はということは御理解いただいておるというふうに思います。それは、財政的に余裕が十分にあれば、そういうことを考えていくということも検討に値するわけでありますが、例えば、子育てに関しましては、児童手当の拡充もやってまいりました。それから、待機児童の解消ということも、これも今力を入れております。病児・病後児保育、さらには放課後児童クラブ、それぞれに対して対応をしっかりやっていく、いろんな子供に対する総合的な施策がある中において、これを無料にするということがなかなか財源的に厳しいということでございまして、今の状況の中においてはなかなか検討できないというふうに御理解をいただければ有り難いと思います。
○田村智子君 私は、命にかかわることなので、ほかにいろいろ子育て施策やっていますからということで、これ済まされるわけにいかないと思うんですよ。 国に試算をお願いしますと、就学前まで無料にして国が負担二分の一にしたら幾ら掛かるかと、一千二百億円だと。これ多いと見るか少ないと見るか。私は、いろんな予算の使い方を、これを考えていけば踏み出すことできるはずだと思いますし、自治体の側もいろいろ財政が大変な中でも既に医療費無料化に踏み出している、この姿勢に学ぶべきだと思います。 私、許せないのは、今日とりわけお聞きをしたいのは、こうやって、国がやらないから自治体は財政的にいろいろ工面しながら無料化の制度を広げている、頑張って取り組んでいる。ところが、国は、それに対して奨励もしない、逆に国民健康保険の国庫負担分を削るという事実上のペナルティーまで科して自治体の窓口無料の取組の足を引っ張っているんですね。これは本当におかしいことだと思います。 群馬県では、窓口無料を理由に本来支払われるべき国庫負担金が年間十一億円も削られてしまう。これに対して、県議会ではこういう意見書が上がっているんです。ペナルティーは地方自治体の努力や独自性を阻害するものだ、社会的弱者を支援するという地域福祉向上の観点からも断じて見過ごすことができない、国庫負担金削減等の措置を直ちに廃止するよう強く要望すると。いかがでしょうか、この要望にこたえるときだと思いますが、大臣。
○国務大臣(田村憲久君) まず、先ほど委員、無料化した場合の財政どれぐらいの影響があるかという話でありましたが、確かに国全体で、国費では千三百億円ということでございますが、これ、保険料に六千八百億円ほどの影響が出てくるわけでございまして、保険者という意味からすれば無料化にした場合に国以上に影響が出てくるということが事実としてございます。 それから、今のところでございますが、無料若しくは軽減をすれば、当然その分だけ受診される方々が増える、受診が増える効果というものが考えられるわけでありまして、そのために国庫の負担分でありますとか調整交付金の部分を国がお支払いするという話になりますと、自治体間のやはり不公平というものが生まれてまいるでありましょうし、やはり全体で考えた場合に、国が一定の方向で政策的な判断をすれば、それはそれに対して国費を使うということはあるのでありましょうけれども、地方自治体の御判断でやられているものに関して、それによって増えた分を国が税金で見るということになるというのは、やはりなかなか公平性の問題でこれは実行できないということでございます。
○田村智子君 これに取り組んでいる自治体からは効果が幾つも言われているんですね。先ほど医療費が掛かるとおっしゃいましたけれども、一人当たりの医療費でいえば、先ほど言ったみたいに、慢性的な疾患を継続的に診てもらえるようになるので重症化が防げるから、そう考えると重症化して医療費が膨らむということが抑えられるんだと、こういうこともしっかりと報告がいろんな自治体からされているわけですね。 それから、今地方の公平性ということを言いました。しかし、もう全都道府県が今三歳未満の子供たちは無料にしているんですよ。これに全都道府県に対してペナルティー科しているんですよ。それをやめてくれという意見書が全国知事会からも上がっています。市長会からも町村長会からも上がっているわけです。こういう全国の自治体なんというのは、恐らく私たちが応援した知事さんよりもはるかに自民党さんたちが応援した知事さんが行政を行っていると思いますけれども、そういう知事さんたちがもうやめてくれと言っているんです。これもう地方の公平性というのは理屈にならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今の部分も含めて、公平性という部分と、もう一方はやはり財源という問題がございますので、その点考えたときに、今すぐこれを実行するというわけにはいかないというお話でございます。
○田村智子君 これ、財源というのでもう本当に腹立たしいのは、消費税増税で十三兆五千億円、これ増税になるんですね。ところが、こういう医療費の三割の窓口負担、小学生以下は大人とみんな一緒ですよ、三割負担。これに対して何の手だても取らない。私、今大変深刻な事例を紹介しても、やはり財政上の理由でできないと言う。私、これは余りにも子供たちの命、健康を守るという立場の厚生労働大臣の答弁とは思えないんですね。 少なくともペナルティーについては、これ過去の大臣は慎重に検討したいという答弁をされた大臣もいます。ペナルティーについては、これ検討すると、それはお約束できませんか。これ全部の自治体からの要望です。いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 当時、検討されてもできなかったんであろうというふうに思いますが、検討することを検討いたします。
○田村智子君 大変情けない。 総理にお聞きしたいと思います。 例えばドイツでは、二〇〇四年に外来の医療費負担導入しました。でも、その際にも、医療費負担を理由に親が子供を病院に連れていくことをちゅうちょしてはならないとして、十八歳未満の医療費は無料にしたんです。フランスでは、僅か一ユーロの定額負担も十六歳未満の子供については無料としているんです。 片や日本では、ゼロ歳の子供も二割負担、小学生以上は大人と同じ三割負担と。その上、自治体独自の無料化制度にペナルティーまで科して足を引っ張ると。これでいいんだろうかと。子供に対する国の姿勢が問われていると思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々としても、できる限りお子さんたちの医療費について支援をしていきたいと考えておりますが、財源の問題と、また先ほど田村大臣からも答弁させていただきましたように、国民健康保険の国庫負担の調整措置については、この限られた財源の中で公平性を担保していくという上からも実施をしているところでございまして、基本的に厚生労働大臣の答弁したとおりでございます。
○田村智子君 全国の自治体と一緒に引き続き頑張りたいと思います。 終わります。
○委員長(石井一君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、亀井亜紀子さんの質疑を行います。亀井さん。
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。 今日はアベノミクスに関する質問ですので、全ての御答弁を総理にお願いしたいと思います。 総理とは超党派のデフレ脱却議員連盟で御一緒しておりました。総理はこの議員連盟の会長でした。ですから、アベノミクスで出てくる政策について理解できる部分もあります。 このデフレ脱却議員連盟の大原則というのは、デフレのときに増税をしてはいけない、それは景気の足を引っ張るのでデフレのときには増税をしてはいけないということが大原則です。 震災が起きたときに、復興増税の話が出ました。デフレ脱却議連では増税によらない復興財源を求める会をつくり、増税ではなくて復興国債を日銀が買い入れるべきであるという申入れをしております。また、当時、参議院の復興特で参考人、これ自民党の推薦で参考人にいらした京都大学大学院の藤井教授が国土強靱化という考えを披露しておられまして、私はこのときに国土強靱化という言葉を初めて聞きました。あのとき藤井先生は、増税をしてはいけない、今こそ復興債を発行して国土強靱化を行うべきだという主張をされました。 まず初めに総理にお伺いしたいんですけれども、デフレのときに復興増税であれ消費増税であれ増税をしてはいけないというその原則について、総理、お変わりありませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) あの議連で議論したことは、言わば東日本大震災という大きな経済的なダメージも受けたわけでございまして、この経済的なダメージを受けている状況の中で、かつデフレも進行しているという経済的な状況の中で増税をするのは明らかに経済にとってマイナスであり、デフレにとってもマイナスであろうということでありまして、私もそうなんだろうと、こう思ったわけでございますから会長を引き受けたわけでございます。 そこで、この復興財源とは別に、来年の消費税の増税については、昨年、税と社会保障の一体改革において法案が成立をしたわけでございますが、一方、増えていく社会保障費に対応するために、また国の信認性を確保するために消費税を上げていくということについて我々も私自身も賛成をしたわけでございますが、しかし、そのために条件をちゃんと整えておく必要があるだろうということにおきまして、我々安倍政権になってから三本の矢、大胆な金融緩和を行い、そして同時に機動的な財政政策も行っていくし成長戦略も進めていくという中において、デフレから脱却をしていくという条件をつくり、またデフレから脱却をしていくということを政策的に、思い切った今までとは違う次元の政策を前に進めていく中においては、条件が整えば、先ほど申し上げましたように消費税を上げていくことになると、こう考えております。
○亀井亜紀子君 デフレのときに増税をしてはいけないとはっきり言っていただけなかったのは残念です。 どうも私気になりますのは、全ての政策が来年の四月の消費税増税に向かっている気がします。つまり、デフレのときは増税ができないから、だから、デフレの逆はインフレだから、インフレを誘導すればよい。 そして、消費税還元セール禁止の法案ですけれども、これも来年に向けた準備です。ただ、この法案は、そもそも消費増税が議論されていたときに内税を外税に戻せばよいと、そういう議論がありました。消費税の増税に慎重な人も、せめて上げるんだったらば、価格転嫁ができないであろうから、本体価格と消費税分とが見えるように外税方式に戻すべきだという、そういう建設的な提案もあったんです。そういったことを全て無視して増税だけが決まってしまった。私はあの消費税の法案に反対した理由、多々ありますけれども、はっきり申し上げれば欠陥法案です。 軽減税率についても申し上げます。これもたくさん議論がありました。けれども、一番抵抗したのは財務省でした。財務省がなぜこの軽減税率を嫌がるか、幾つか理由はありましたけれども、まず税収が減る。食品ですとか生活必需品の税率を五%に据え置いたときに税収が減る。それから、一度やってしまったら二度と戻せない。欧米諸国は、本当は日本のようにしたいけれども、もう戻せないので羨ましがっていると。そして、低所得者層にはだからお金を配ればよいのであって、複数税率は反対だと言っていました。軽減税率は二〇%ぐらいに消費税がなったときには考えるけれども、それまではやる気がないとはっきり財務省言っていましたので、本当に嫌がっているということを私知っています。自公で軽減税率の議論がされていたときに、八%は見送る、でも一〇%では検討するということでしたけれども、検討するというのはやらないということと同じです。 ですから、私は本当にこれやらないのであろうと思いますが、総理、来年の春、この消費税還元禁止というよりも、内税を外税方式に戻したり軽減税率の準備を整えて、そして、ですから、一度春は凍結をして、もう少し制度を整えてから行うという、その凍結という案についてお考えはありませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、亀井委員が例として挙げられました外税化、あるいはまた小売業者、小規模事業者も含めて納入業者がしっかりと消費税増税分を価格に転嫁できるような、そのための様々な対策等については、今それは準備中でございます。いずれにせよ、消費税については今年の秋に種々の指標を勘案をする中において決定をしていきたいと、こう考えているわけでございますが。 いずれにせよ、デフレから脱却をするためには、まさに日本銀行においてインフレターゲットというものを設けて大胆な金融緩和を行っているわけでございますから、我々が議連をつくっていたときとはもうこれは相当状況が今変わっているということでございますし、同時に、大胆なこの金融緩和とともに機動的な財政政策も行っているということでございまして、そういう中において景気が上昇局面に入っていくことになることを期待をしているわけでございますし、幾つかの指標については潮目が変わりつつあるわけでございまして、この秋にそうした点を、様々な点を考慮しながら判断をしていきたいと思っております。
○亀井亜紀子君 金融緩和だけで景気回復するわけではなくて、一番大事なのは第三の矢、成長戦略だと思います。そして、何をもって景気回復したかといいますと、それは株価が高くなったからということではなくて、最終的には税収が増えないと財政再建できないと思います。 今、私が安倍総理の成長戦略で非常に気になっておりますのは、どこから税収を取るのかが見えないことなんです。つまり、成長戦略として出てきていることが規制緩和、TPP、法人税引下げであるとしたら、これは小泉政権時代の構造改革と非常に似ていると思います。 米国発の新自由主義的な政策、この新自由主義というのは、一言で言いますと企業栄えて国滅びる政策だと思います。その国に非常にもうかっている企業があるけれども、税は取らないのでその国の税収は落ちていく。特徴として法人税を下げて消費税を上げるという政策があります。これを取ったのがギリシャです。 これはOECDのタックスデータベースから引いてきましたが、ギリシャは二〇〇〇年から二〇一一年までの間に消費税を一八%から二三%に上げ、法人税を四〇%から二〇%に下げました。つまり、十一年の間に法人税は二〇%下がった、消費税は五%上がった。これではプラスマイナスで税収のマイナスの方が多いので、国家財政が破綻したわけです。 これと同じような政策を取りますと、日本もギリシャのようになると思います。総理の政策では、TPPに参加するということは関税の税収がなくなります。法人税をアベノミクス戦略特区において、東京、大阪、名古屋、一番法人税が取れるところで引き下げたら、この法人税の税収もなくなりますけれども、その税収減はどのぐらい見込んでおられますか、そしてその税収減を何で補うのでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 成長戦略というのは経済の規模を大きくするということです。 私、連休中にベトナムとシンガポール回ってきました。シンガポールで真っ先に現地で質問したことは、これだけ法人税を下げて、企業は集まってくるだろうけど、税収は下がるんじゃないかと聞きました。そうしたら、そうではなかったです。税収は上がっていきました。それは、その分だけ高付加価値の産業が集まってくる、競争力が高まってくる、経済規模も大きくなってくるということです。 日本でシンガポールと全く同じようにしようということは、事実上無理だと思います。ただ、部分的に、競争力とかかわる研究開発税制とかあるいは投資税制、ここに深掘りをしていくというのは一つのアイデアだというふうに思っております。要は、高付加価値の産業群がより多く日本に立地をして、そして競争力を持って経済のパイを大きくしていくということが必要だと思っておりまして、それに沿った規制改革、あるいは上流投資、あるいは減税政策等を取っていきたいというふうに考えております。
○亀井亜紀子君 経済の規模を拡大して税収を増やすという、それは正しいと思います。経済の規模が拡大されれば税率が同じであっても税収が増える、それも積極財政で、そのとおりです。ただ、私はやはり、そのプラスマイナスの全体の計算の中で、私は税収減の方が多いということが気になっております。また、国債をたくさん発行しながら株式市場の方に投資が行くような政策も、マクロ経済としておかしいと思っております。 時間が参りましたのでやめますけれども、どうしても私はこれはマクロ経済政策として間違っているということを申し上げて、終わりたいと思います。 以上です。
○委員長(石井一君) 以上で亀井亜紀子さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田君。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 日銀の大胆な金融緩和により円安、株高が演出をされ、何となく景気が良くなりそうというイメージだけが先行していると、そのように思っています。しかし、総理は先ほどの議論の中で良くなった数字も言われておりましたけれども、例えば三月の輸出数量は前年比マイナス九・八%、小売業販売額は前年比マイナス〇・三%など、やはりイメージと実体経済のギャップが目立ってきているのではないか。二〇〇六年、安倍内閣当時の実感なき景気回復の再来を指摘する声も出始めております。 一方、先ほど来から議論がありますように、私もあっちこっち回っていろんな方々とお話をしますが、やっぱり円安によって様々な物価が上がっているということが、一番これを何とかしてほしいという切実な声がございます。燃料、電気、ガス、紙、石油化学、鉄鋼、また食用油や小麦粉など食品の値上げ、先ほど来議論があったとおりでございます。 そして、三年間でお話がありましたように年金が二・五%下がりますし、何も立法行為をしなければ来年四月には、これも先ほど亀井さんも議論しましたけれども、消費税も上がります。また、今年から復興増税も始まっておりますから、負担はどんどん増える中で、そして物価の値上がりによって生活が圧迫をされる。また、中小企業を中心に企業経営も圧迫をしているわけでありまして、総理に、一体こういう状況をどのように改善をされますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、円安のお話と既に決まっていることと一緒にお話をされたわけでございますが、基本的に、問題はこの十年間、十数年間です、まあ十五年と言ってもいいわけでありますが、デフレ経済の中で国民総所得が五十兆円、これ失われたのは事実でございまして、その中で税収も減ってきたわけでございます。かつては五十四兆円あったものが四十兆円ちょっとになってしまったわけでございますから、これ政府として様々な政策を遂行していく上においても困難にぶつかっている。また、財政再建においても、税収が減っていく中においては財政再建はできないということでございます。そこで、デフレから脱却をしていくということを政策的に最優先課題にして、言わば三本の矢で取り組んでいるわけでございます。 そこで、円安による、確かにそれはガソリン、灯油等が上がるということもございますが、ガソリンについては、今、八週連続ガソリンの価格は減少しているわけであります。しかし、いずれにしても、ガソリン、原油の場合については地政学的なこれは要因もあるわけでございますが、もちろん円安ということもございます。よく注視をしていかなければいけないと、こう思っているところでございますが、行き過ぎた円高によっては、これはもう根本的に競争力が失われて、工場自体を閉めなければいけない、雇用自体がなくなっていくという、大変な状況になっていたのも事実でございます。 そして円安が、是正されている中において多くの町の工場も含めて製造業はよみがえってきているわけでございますし、農業においても、例えばタマネギの農家はそれまでは中国の輸入タマネギには勝てなかったのでございますが、日本のタマネギがとうとう競争力も回復をしてきたという、そういうところも是非見ていただきたいと思うわけでございますが、先ほども答弁をさせていただきましたが、四か月連続、鉱工業製品の生産はプラスになっているわけでございますし、そして小規模や中小企業の景況感においても、この一―三そして四―六、四―六における、どうなっているだろうかという、そういう期待値においてはこの統計を取り始めてから過去最高値が出てきているわけでございますし、家庭の消費もこれは増加に転じているわけでございます。 そういう中において、企業の収益力が向上する中において、これは従業員のあるいは勤労者の皆さんにしっかりとその利益が配分されるように私たちも働きかけていくわけでございますし、そういう中において消費も伸びていって、いい循環の中に入っていく、そういう状況を我々は一日も早くつくっていきたいと、こう考えているところでございます。
○吉田忠智君 いろいろ聞きたいんですけれども、円安の対策で農林水産大臣にお伺いをします。 一次産業も直撃をしております。小型イカ釣り船の一斉休漁はお話がございました。施設園芸農家、あるいは畜産農家も大きな打撃を受けております。それぞれセーフティーネット事業も施設園芸、それから漁業経営あります。配合飼料価格安定対策、畜産農家の対策もありますけれども、この状況について、私はまさに異次元の対策が必要ではないかと思いますが、農林水産大臣、いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 今、施設園芸、それからイカ釣りのお話の、特に水産の中でも燃料をたくさん使う漁業の分野、それから飼料のお話がございました。 特に、先ほど櫻井先生のときだったと思いますが、水産の場合は異常な高騰の場合の対策というのを今やっている対策の上にやっぱりつくっていかなきゃいけないということで、次元が違うということなのかどうか分かりませんが、そういうところをきちっと見ていく必要があるということで六月中には一定の方向性を出していきたいと、こう思っておりますし、また、そもそもこういう燃油価格の高騰の影響を受けにくい体質にしていく、こういうことも考えていかなければならないと、こういうふうに思っておりまして、例えば今御指摘のあった施設園芸などでは、なるべく燃料をたくものから、例えば電力を使うヒートポンプですとか、それから木質バイオマスの利用をした加温設備のようなものに替えていく、こういうことを支援をしていこうと、こういうような取組もやっておるところでございます。
○吉田忠智君 是非、異次元の対策を講じて検討していただきたいと思います。 いずれにしても、GDPの六割を占める個人消費が回復をしない限りは実体経済の持続的な好循環は望めない、その認識は一緒だと思うんですが、総理も経済界の皆さんに賃金引上げ要求をされました。しかし、残念ながら第一次の集計では引上げ率が前年よりも下回った、一時金については若干の引上げをしているところも出てきているという状況でございます。 私は、政府なり総理が決断してやろうと思えばできることは幾つかあると思うんです。その二点、もう時間の制約がありますからお伺いしますが、一点は、先般の予算委員会でも質問しましたけれども、最低賃金の大幅な引上げ。安倍総理が、前回総理のときに引上げをやろうということで最低賃金の引上げがかなり進んだことは承知をしておりますが、まだまだ不十分ですよ。国際的にも、賃金の中間値の比率でいけば日本は決して高い方じゃありません。そういう意味では、そして一方でよく言われるのが、やっぱり中小企業の経営支援がセットでなければ最低賃金は引き上げられないということでありますから、このことをやっぱりしっかり私は決断してやるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 最低賃金の方は、なかなかこれ、労使の話合いの中で決まっていくものでありますが、経済環境を良くして中小零細企業、今言われたとおりであります、しっかり支援していく中で利益を出していただいて、その上で上がっていくような、そんな環境をつくっていく必要があろうと思います。 引き続き、経済産業省ともいろいろと協力しながら、中小企業庁とも協力しながら、中小企業等々の経営環境の整備、これを進めてまいりたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 最低賃金はまた引き続き議論をさせていただきます。 次に、政府が決断すればできること。 賃金の引下げ傾向は、国や地方公共団体の公共事業や公共サービスの外注においても見られます。この間、新自由主義的な政策によって、国や自治体の業務の民間開放、アウトソーシングが飛躍的に進んでまいりました。そうした中で、そこに、受注をした民間に働く皆さんというのはほとんど非正規ですよ。そして、厳しい賃金の引下げ圧力が実際掛かっています。いわゆる官製ワーキングプアの広い意味での一因、官製ワーキングプアの一因にもなっております。 やっぱりこれは公契約による適正報酬を法的に確保する公契約法を制定すべきだ、そのように考えておりますし、そのためにはILO九十四号条約を批准をしなければならない、そのように考えておりますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 済みません、先ほど、最賃審議会でございまして、労使と申し上げましたけれども、訂正させていただきます。済みません。 今の問題でありますけれども、公契約、私の思いとしては、もうおっしゃられますとおり、今いろんな自治体で条例ができ上がってきておりまして、やはりこの公契約というものに対しても労働者の権利というものは一定程度守っていくようなことをしていく必要があるのではないのかなという認識は持っておりますが、一方で、このILO九十四号条約第二条にありますとおり、当該地域の同種の労働者の方々、この方々と同等程度以上の労働条件を確保することが求められているわけでありまして、日本の場合、法体系が、労働基準法や最低賃金法のように最低労働条件というものをしっかりと遵守する中において、あとは労使で中身を決めていくということでございますので、もう建前でお答えして申し訳ないのでありますけれども、なかなか、我々としては各自治体のそういう取組を見守ってまいりたいというようなお答えをさせていただきたいと思います。
○吉田忠智君 是非、好循環を生み出すために、最低賃金、公契約、決断をしていただきますように要請をしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 次に、水戸将史君の質疑を行います。水戸君。
○水戸将史君 日本維新の会の水戸将史でございます。 国民の健康と命を守るという視点から、今回は子宮頸がんワクチンの問題点について何点かお尋ねしたいと思っております。 子宮頸がんワクチン、今HPVワクチンという名称変更になりましたけれども、今回は、便宜上、子宮頸がんワクチンという呼び方で論議を進めさせていただくことをお許しいただきたいと思っております。 御案内のとおり、今年の四月から当ワクチンも、予防接種法が改正をされまして定期接種いわゆる無料化を実現をいたしました。私は、その時点からこのワクチンにつきましては半信半疑でございましたので、その採決には直接加わりませんでしたけれども、このワクチンのこれからの在り方について、まず総理、その御認識について何点かお尋ねしたいと思います。 このワクチン、いろんな問題点がもう既に国会でも追及され、また指摘をされております。いろんな観点があるんですけど、大きく五つぐらいに分けられるのかなと私は思っております。 まず第一点は、このワクチンを接種しても一体どの程度その効果があるのか、いつまで効くのかということが定かではないこと。 そして、二点目といたしましては、このワクチンの接種後、これが、子宮頸がんがそれによって予防できるのか、また、がんに発症するかどうか、また、それが治癒するかどうかについて、非常に長期的なデータがまだ存在しないこと。 そして、三点目といたしましては、非常に、被害者の会もできておりますけれども、この副作用、副反応ですね、重篤なものもありまして、インフルエンザワクチンに比べて数十倍の危険率が指摘をされていること。 そして、このワクチンを打たないまでも、定期検診をすることによってがんを予防したり、また治癒することができるということもあります。 第五点目といたしましては、やはりこのワクチンを接種することによって性交渉も大丈夫であるという誤ったメッセージを送ることによって、性道徳のいわゆる荒廃を招いてしまうのではないかと。 いろんな問題点が指摘をされておりまして、実は、私にも年ごろの娘がおりますけれども、知らないことは恐ろしいことで、一回目の接種は何げなくこれは行いましたけれども、二回目以降、このような問題が表面化し、また様々な形で指摘されている以上、妻や娘の了解、理解を得て、二回目以降はこの接種を止めております。 いずれにいたしましても、いろいろな形で指摘をされておりますものですから、まず総理、このワクチンの問題点についてどのような御認識でしょうか、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 幾つかの問題点を御指摘をいただきました。また後ほど、これについては御質問いただくと思いますが、全体としてでありますが、これ、WHOでもこの子宮頸がんのワクチン、ヒトパピローマウイルス用のこの予防接種、これに対してやはり促進をすべきであるというような報告が出ておるわけでありますし、他国でもこれを広くやっておられる、そういうようなワクチンでございます。 そういう意味からいたしましても、今のところ厚生科学審議会でもこれを広く広めるべきであるというようなお話をいただく中において、四月一日より定期接種化の法案を成立させていただいてスタートしたばかりでございます。 ただ、この中に、副反応に関しましてはちゃんと提出を義務付けております。国の方に提出をいただくようになっております。それから、厚生科学審議会、それぞれの審議会で定期的にこの副反応に対しての検証もしていくということでございますし、今のところ懸念されるような重篤なものはない、重篤なものといいますか、懸念されるような心配はないということでございますが、一定程度それは、副反応というものは他のワクチンに対してもあるのは確かでございますので、そういうような方々に対してはしっかりとそれに対しての補償の仕組みというものを用意をさせていただいておるということでございます。
○水戸将史君 今お答えいただきましたけれども、総理、最後に総理の決意をおっしゃっていただきたいと思いますが。 厚労大臣、このワクチンの今、効果、効用については定かでないということは御存じのとおりでありますけれども、いずれにいたしましても、このワクチンによって非常に重篤な患者も出ていると。健康被害が非常に多く指摘されていますけれども、この状況についてどのような御認識なのか。また、因果関係が認めないということで、今保険の適用になっていない。いわゆる救済措置がないんですよね。どの程度まで行けばこれは救済措置になるのかという、いわゆる因果関係がどの程度まで進めばいいかということについてどのような御認識でしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 民間の保険で、今まで基金事業で、これを接種してきた場合には自治体が契約を結んでこられたということでありまして、その保険契約の中では、様々なものがあると思うんですけれども、医療行為、つまり、はりを刺したりする医療行為、これに対しては保険が利かないと。一方で、薬に対する副反応に対しては保険が利く。様々な契約の中にそういうものがあったというふうに存じ上げております。 ちなみに、四月一日からは、これ、このワクチンの薬自体に、今回のこと自体に原因があるのかどうか分からない場合でも、可能性がある場合に関しては幅広に救済できるような、そのような形になっておりますので、その救済制度の中でこれからはしっかりと救済できるという形になっております。
○水戸将史君 今、皆さんのお手元に御配付した資料がありますが、一ページ目、二ページ目は、これは、一ページ目は横浜市、二ページ目は加古川市でありますが、ワクチンを打つ年齢になる、打ってもいいという年齢になると、保護者、市民に対してこういう通知がされるんですね。これはこれとして、まあこんなような通知かなと思うんですけれども。 先ほど、厚労大臣、いろんな議会でも指摘をされておりまして、確かに厚労省も一歩二歩も前進している姿勢もあるわけでありまして、例えば、この予防接種に関して副反応の報告を、これをしろということを、これは各都道府県知事あてにこれを促しているわけですね。しかし、これを見てみますと、結局、医療機関を通じてということになりますと、いわゆる医療機関からその対象者、接種された子供たちや親御さんたちへどういう形でその副反応に対しての調査を、もしあればそういう症状があるって報告してくださいよということが、本当にそれがちゃんとされているかどうかに関しては非常に不透明なんですね。 ですから、僕は一つの案といたしまして、せっかくこういう形で市町村が直接対象者に対して、保護者に対してこういう通知をするならば、こういうところにおいてもやっぱり、副反応が仮に出た場合にとかそういう症状が出た場合には速やかに、これは医療機関でなくていいですよ、市町村でもいいし、しかるべき機関に報告するようにということをすれば、もっともっと潜在的にどのようなものが今あるのかということについて正確に把握できると思うんですけれども、そうしたことはどうでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今までこの基金事業の場合は、副反応があった場合には、その患者といいますか予防接種された方の方から、市町村がまず、報告してくださいと、そのように言っていただいて、その上で、市町村の方がそれをいただいたらそれを国の方に提出をするというような制度になっておるわけでありまして、それを改めて今回通知をさせていただいて、徹底をさせていただくということをお願いをさせていただきました。 いずれにいたしましても、これは報告義務になりますから、これからは副反応があった場合には御報告をいただかなければならないということになりますので、幅広くこの副反応に対しての御報告をいただいて、その内容をしっかり精査して検証をさせていただきたいと、このように思っております。
○水戸将史君 調査を徹底していただきたいと思います。 四ページ目の資料なんですけれども、これは子宮頸がんの検診受診率なんですね。非常にこれは諸外国に比べまして、日本の、まあこれ各自治体もそうでしょうけれども、二〇%前後にとどまっております。 先ほど申し上げましたとおり、子宮頸がんはワクチンでなくても定期検診によってその予防、その治癒が可能であると言われているわけでありまして、もっともっとこの検診の受診率を高める努力をする必要があると私はあえて申し上げたいと思っておりますが、厚労大臣、この定期検診率を上げるための手だて、安全で確実な検診方法を検討、実施すべきではないでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 現在も、子宮頸がんに関しましては、クーポン事業で細胞診をやっていただくというような形でお願いをしながら、クーポンで対応させていただいておるわけであります。おっしゃられますとおり、やはり検診とそれから予防接種と、これが相まってこの子宮頸がんというものを何とか防いでいくということを考えておるわけでございます。 これ、今のこの予防接種でありますけれども、先ほど委員おっしゃられましたが、確かにまだ日が浅い、これができてから日が浅いものですから、本当に子宮頸がんに効くのかと、子宮頸がん予防できるのかというのはまだ証明されていない部分もありますが、その前段階の前がん病変というもの、これに関してしっかりと予防する効果は、これはもう検証済みでございますから、がんになる前の状況を予防していけるということは、がんを予防していけるのではないのかなというふうに我々期待をいたしておるわけでございますが、引き続きそちらの方の検証も進めてまいりたいというふうに思っております。
○水戸将史君 最後に総理、一言、二言いただきたいんですけれども、なぜそんなに急ぐ必要があるのかと。これ、小学校六年生から高校一年までを対象にするんですね。 一度このような予防接種法を改正いたしまして、そして無料化していくんだと、国民、広く女性に対してこれを接種してもらうということは、非常に、このアクセルを踏んだのはいいんですけど、やはり私、一度立ち止まって、先ほど、健康被害もたくさん出ているわけでありますし、潜在的にどれだけいるか分からない、そういうデータもちゃんと集める必要がありますし、また、そもそも、この効用が一体いつまで効くのかも、これは定かではないんですね。 長期的データもない。接種を、打った方がいいのか打たない方がいいのかということのその判別もまだ定かではない。ですから、そんなに急ぐ必要はないということであるならば、一時的に休止をして、もっともっとこの副反応の因果関係も含めてそういうデータを集積した上で、これに対してのゴーサインを出すのかストップをするのかの最終的な決断を、これは政治決断なんですよ。 ですから、総理、やはり国民の健康と命を守る最高責任者といたしまして、総理のこれに対する今の思い、決意をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○委員長(石井一君) 総理大臣、時間が来ております。簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党においても様々な議論があったわけでございますが、御指摘の副反応においては、厚生労働省の審議会において定期的な評価を行っているわけでございまして、引き続き厚生労働省において積極的な情報収集を行い、適切に対応していきたいと考えております。
○水戸将史君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で水戸将史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(石井一君) 最後に、舛添要一君の質疑を行います。舛添君。
○舛添要一君 総理、今日は医療制度について議論をしたいと思います。 私はよその国で生活したこともございますけれども、日本人であって非常によかったなと思うのは、健康保険証一枚持っていれば、いつでも、どこでも、日本どんなところでも病院にかかれると。私は、この国民皆保険制度、堅持すべきだと思いますが、総理はどういうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民皆保険制度は、まさに今委員がおっしゃったように、いつでも、どこでも、誰でも基本的にはしっかりとした水準の医療を受けることができると。これは、我々、まさに国民が健康な生活を送っていくことができるという権利でもあると思いますので、しっかりとこれは堅持をしていきたいと考えております。
○舛添要一君 そこで、その国民皆保険を堅持するためにどうすればいいかというときに、私は、国民健康保険制度、これに抜本的なメスを入れる必要があるんだろうというふうに思っております。 それは、健康なときにサラリーマンは会社の保険に入っている。だけど、サラリーマンを辞めれば全員が、ほぼ全員がこの国保に入るわけで、私たち同僚の国会議員もほとんど入っていると思います。ですから、みんなが必ずお世話になる制度。しかし、現役のときと違って、例えば年取れば病気になりがちだと、それから収入も減りますから保険料をちゃんと払わない方がいたり、その保険料のこのことを考えると財政基盤も非常に弱い。 今、市町村単位になっているわけですけど、その話に入る前に、是非テレビを御覧の皆さん方にも申し上げたいのは、国民皆保険制度を守るためには、国保、これが非常に大事なんですよということを強調したいと思いますが、総理はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今委員がおっしゃったように、被用者の方々が勤めを辞めればみんな国保に入るわけでございます。 また、被用者以外の方々も国保に入っておられるわけでございますが、言ってみれば国民健康保険は健康保険制度の基盤と言ってもいいんだろうと、このように思うわけでございまして、そこの言わば市町村に基盤が置かれておりますので、その地域の財政基盤にもよるわけでございますが、基本的にこの国民健康保険制度の財政基盤を、脆弱性があると言われているこの基盤をしっかりとした強いものにしていくこと自体が健康保険制度を支えていくことになると、このように認識をしております。
○舛添要一君 麻生内閣のときに総理も、私は厚生労働大臣でしたけれども、例の後期高齢者医療制度をめぐって大変な議論がありました。これはいろんな感情的な議論もありましたけれども、我々なりにこれは総理とともに対応したわけですけれども。 ただ、そのときに、最後は国保なんですよと、後期高齢者医療制度も実を言うと国保の困難な状況を救うための一つのアイデアだったというところに議論が行かなくて、やれ天引きがどうだとか、後期と前期を年寄りを分けるのはどうだという、そういう議論が先行してしまったことは非常に残念に思いますけれども、今総理おっしゃったように、市町村単位ですと、もうちいちゃな市町村単位でこれやっていけるか。現実的にはかなり広域化した形での運用は行われていますけれども、とてもじゃないけどやっていけない。 例えば、麻生副総理や私の福岡県にしても総理の山口県にしても、市町村の格差が非常に保険料から含めて大きい。それから、国保の問題は、財政基盤が弱いとともに、それはお年寄りが多かったりしますから医療費が非常に掛かっているんですね。こういうものをどうするかで、今、社会保障制度改革の国民会議でも、最近の議論だと市町村国保から都道府県単位の国保に変えようという議論があると思います。 麻生副総理、我々がこの問題に対応したときも、一つの案として私は都道府県単位に変えようということを提案しましたけれども、安倍総理、この市町村国保から都道府県単位という、これはメリットもデメリットも問題点もありますけれども、私は一つの大きな改革の方向として十分検討するに値するし、できれば実現したいと思っておりますが、総理、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたが、国民健康保険制度においては、小規模の市町村は確かに存在をいたしておりますし、市町村ごとの保険料に格差があるといった課題がございます。そこで、後期高齢者医療制度ということの導入のときもそれを勘案したということでもございますが、これに対応するためにも、医療費については都道府県単位の共同事業を拡充するなど、都道府県単位で市町村国保の財政運営を行うことを進めてきたところでございます。 社会保障制度改革国民会議においても国保の広域化をめぐり活発な議論が行われているところでございますが、いずれにいたしましても、全国知事会を始め地方団体の皆様の御意見を十分に聞きながら、つまり市町村と都道府県と意見がやはり言わば立場によってちょっと違うという点もございますが、今後、国民会議や社会保障審議会での議論も踏まえて検討していきたいと思っております。
○舛添要一君 そこで、今総理もおっしゃったように、この改革をやろうとすると必ず知事さんたちから猛反対が起こってくる。そこで、財務大臣と厚生労働大臣に、どうすれば都道府県知事の反対、それから市町村は市町村で、今おっしゃったように、総理おっしゃったようにいろんな意見があるわけですけれども、財務担当者としては何か、どういう解決策をお考えになるか、それから厚労大臣としてはこういう案があるというのは、まず、どちらでも、おっしゃっていただければ有り難いと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) もう五年も前の話なので、ちょっと正確に、大分記憶が少し薄れてきていて、舛添先生の話を聞きながらちょっとあのころの記憶をたどっちゃいるんですが。 市町村ではできない、したがって、六、七年前、町村合併というのをやらせていただいた、総務大臣だったんですが、三千六百幾つありました市町村を一千八百切るまでにいろいろ合併させていただいたりなんかしたんですが、それでもまだまだ、福岡の例を取られましたけれども、福岡市と桂川町じゃこんなに違いますのでとてもじゃないと思いますので、何らかの形でこれを、できるところといったら、政令都市なんかは市の方がでかい財政持っていますので、それでいくと福岡県よりは福岡市の方が大きいとか、神奈川県より横浜市の方が大きかったりしますので、どこの単位で区切るかをちょっと考えにゃいかぬところかなとは思いますけれども、いずれにしても、規模を大きくしていかないとこの国保の問題は難しいなという感じが当時も今もいたしております。
○国務大臣(田村憲久君) 幾つかの問題あると思います。 それは、一つ、財源の問題。今も三千五百億円ぐらい地方の財源を入れているわけですね、これ。これをどう担保していくか。しかも、今だけではなくて、これから更にこれが増えていく可能性がありますから、将来に向かって財政的なものをどう見ていくかという問題。 それから、保険料の徴収が落ちる懸念があります。今自治体がそれぞれの財政にかかわっている部分で一生懸命集められておられるんですが、都道府県になったときに自治体が今までどおり集めてもらえるかというところをどう担保するかという問題もあろうと思います。 それから、予防事業といいますか、保健事業ですね。こちらも、今自治体が自分のところである程度医療費を増やさないためにやろうとしているわけでありますが、これが都道府県になりますと、やはり市町村がそこまで一生懸命やっていただくのかという問題があります。もちろん、保険者自体が都道府県になるわけでありますから、都道府県がやらなきゃいけないというのが一義的でありますけれども。 そこで、一つは、おっしゃられたような形で県が見るところもあるんですが、今進めているような保険財政の共同化みたいな形の中で財政をある程度調整していくということ、これを今進めておりまして、これ、やったことを一度見てみりゃどうだろうという御意見もありますし、更にそれを進めたらどうだという御意見もいただいておるところでございまして、総合的に勘案して決定してまいりたいというふうに思います。
○舛添要一君 ありがとうございました。 総理、やっぱり社会保障制度の改革、今日の集中審議でも年金の問題が出てきたり、予防接種の問題が出てきたりしていますけれども、やっぱり国民にとって健康をどうして守っていくかというのが一番大きな問題なので、ちょっと私は、税と社会保障制度の一体改革というのは前の政権のときから、自公民の合意でやっておきながら、ちょっと社会保障制度改革のテンポが遅いんではないかなと。 ですから、経済改革は、アベノミクスは大変結構だと思いますけど、同時に、社会保障制度改革についても強力にこれを推進していただきたいと思いますが、最後に総理の御決意をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この社会保障改革については、税と社会保障の一体改革ということで進めたものでございますから、これ基本的には三党合意の中で議論をしているわけでございます。そこで、この合意に至るまで、今様々な議論が出ている中でスピードが遅いという御批判をいただいておりますが、しかし、継続性も大切ですし、同時に医療の水準も維持をしなければなりません。この両方を同時に達成するというのが我々の使命なんだろうというふうに思います。 この目的をしっかりと達成するために、やるべき改革には果敢に取り組んでいくことをはっきりと申し上げておきたいと、このように思います。
○舛添要一君 終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて経済・雇用・社会保障等に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会 ─────・───── 〔参照〕 沖縄地方公聴会速記録 期日 平成二十五年四月三十日(火曜日) 場所 那覇市 ANAクラウンプラザホテル沖 縄ハーバービュー 派遣委員 団長 委員長 石井 一君 理 事 小林 正夫君 理 事 白 眞勲君 理 事 山崎 力君 理 事 谷合 正明君 大門実紀史君 福島みずほ君 片山虎之助君 事務局側 常任委員会専門 員 小野 亮治君 公述人 沖縄県副知事 川上 好久君 沖縄県名護市長 稲嶺 進君 沖縄県商工会連 合会会長 照屋 義実君 沖縄県議会議員 新垣 安弘君 ───────────── 〔午後二時開会〕
○団長(石井一君) ただいまから参議院予算委員会沖縄地方公聴会を開会いたします。 私は、本日の会議を主宰いたします予算委員長の石井一でございます。よろしくお願い申し上げます。 まず、私どもの委員を御紹介いたします。 私の右の席から、民主党・新緑風会の小林正夫理事でございます。 同じく白眞勲理事でございます。 日本共産党の大門実紀史委員でございます。 日本維新の会の片山虎之助委員でございます。 次に、私の左の席から、自由民主党・無所属の会の山崎力理事でございます。 公明党の谷合正明理事でございます。 社会民主党・護憲連合の福島みずほ委員でございます。 以上の八名でございます。 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。 沖縄県副知事川上好久公述人でございます。 沖縄県名護市長稲嶺進公述人でございます。 沖縄県商工会連合会会長照屋義実公述人でございます。 沖縄県議会議員新垣安弘公述人でございます。 以上の四名の方々でございます。 この際、一言御挨拶申し上げます。 当委員会におきましては、目下、平成二十五年度総予算三案の審査を行っておるところでございます。本日は、沖縄及び盛岡の二か所で同時に地方公聴会を開会して、それぞれの地域の皆様から三案に対する率直な御意見を承るため、当地に参上いたしました次第であります。 公述人の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の予算審査の参考にいたしたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、公述人の方々からお一人十五分以内程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。 御発言の際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願い申し上げます。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。 まず、川上公述人にお願いいたします。川上公述人。
○公述人(川上好久君) 沖縄県副知事の川上でございます。よろしくお願いします。 御挨拶だけ立ってさせていただきます。 本日は、このような形で沖縄県の意見を聴取する場を設けていただきまして、心より感謝申し上げます。またあわせて、議員の皆様方におかれましては、昨年の通常国会におきまして、全会一致により、改正沖縄振興特別措置法及び基地跡地利用推進法のいわゆる沖縄二法を制定をしていただきました。沖縄振興への御理解と御支援に対し衷心より感謝申し上げます。 それでは、座って説明をさせていただきます。 さて、沖縄振興につきましては、一昨年、仲井眞沖縄県知事が衆議院及び参議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会にて陳述を行っております。本日は、そのときの論旨を踏まえつつ、沖縄県が現在取り組んでいる沖縄振興の現状について御説明をしたいと思います。 それでは、意見陳述資料の一ページ、御覧いただきたいと思います。 今後の沖縄振興の視点を大きくまとめますと、おおむねこの四点になるものと考えております。 その第一は、自立、交流、貢献を基本指針として、日本本土とアジア太平洋地域の交流と成長に貢献する地域を目指すとしたものでございます。 第二は、地域振興に向けた地域のより主体的な取組。 沖縄県はこれまで、実は自前の総合計画を作ったことがございません。今回の沖縄振興では、沖縄県が策定主体となる沖縄振興計画、沖縄振興一括交付金の創設などにより、より地域自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができる仕組みが構築をされております。 第三は、地域特性の再評価と新たな自立経済の道筋を確立することであります。 時代潮流が大きく変化する中で、復帰四十年を経て沖縄振興も新たな段階に移行しつつあると考えております。 復帰後、実は沖縄においても他県と同様に二次産業の振興を目指し、企業や工場などの誘致に努めてまいりましたが、離島ゆえの高コスト構造などの不利性もあり、なお大きな成果を結ぶには至っておりません。 他方において、海洋リゾート資源や豊富な若年労働力を活用した観光・リゾート産業、情報通信関連産業の立地には一定の成果も現れつつあります。また、金融特区や国際物流も今後の期待の掛かる分野であります。 リーディング産業の育成には、それぞれの地域において比較優位のある分野をいかに見付け出し、そこに政策資源を打ち込んでいくことが重要であると考えております。同時に、域外への資金の漏出を防止するため、域内の農水産業、製造業、建設業等の活性化も重要な課題であります。 沖縄振興の新たな段階に対応した柔軟な施策を展開する必要があると考えております。 第四は、地域の個性に合わせた施策展開を支援する政策ツールの整備であります。 産業振興の面から見ると、本土から遠く離れ、また広大な海域に小さな島々が点在をする、また、産業構造、社会構造も大きく異なる沖縄は、他県と比べてとりわけ異質な環境下にあると言えます。それゆえに、地域特性を生かした産業分野の振興や離島振興など沖縄の固有問題への対応を可能とする今回の一括交付金制度や地域指定制度は、今後の沖縄振興に極めて大きな役割を持つものと期待をしているところであります。 資料の二ページ目、三ページ目を御覧いただきたいと思います。 ここでは、今日に至る沖縄振興のこれまでの経緯を示しております。 沖縄振興は、一九七二年の日本復帰以降、沖縄の四つの特殊事情を踏まえ実施をされてまいりました。この沖縄の置かれた歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情については、現在も変わらず残っていることを是非御理解いただきたいと考えております。 続きまして、資料の四ページ、五ページの方をちょっと御覧いただきたいと思います。 これらの資料につきましては、その後の沖縄振興の成果と課題を明らかにするものでございます。 観光産業の伸びや情報通信関連産業の集積により、県経済は大きく成長し、基地関連収入の割合は復帰時の一五・五%から五・二%に減少し、基地収入に大きく依拠する状況はなくなりつつあります。 一方、一人当たりの県民所得は全国最下位で推移し、完全失業率も全国より高い状況が続いております。 この五ページの下の段を少し御覧いただきたいと思います。製造品出荷額の表でございますが、沖縄県の製造品出荷額は全国最下位から、下から二番目の水準で推移をしております。しかしながら、その多くが域内マーケットを中心とする食品製造業等でございます。電気機械、輸送用機械などの輸出産業というのは極めて乏しい状況にあることがお分かりいただけると思います。 したがいまして、エコポイントや円安政策などの全国一律の経済政策が沖縄にはなかなか及びにくく、GDPの中に占める製造業の割合は僅かに四・一%、九州類似県の四分の一の割合となっているところであります。 六ページを御覧いただきたいと思います。 一方で、復帰四十年を経て、沖縄を取り巻く環境も大きく変化をしてきております。大きな変化の第一は、県民ニーズの変化でございます。これはまた、地域経済社会の発展段階を示すものでもあると考えております。県民ニーズは、従来の社会資本整備重視から、産業振興、雇用の確保は当然ながら、子育て、医療・介護、離島振興、自然・伝統文化の保全など、よりソフト的なものへと移りつつあります。 その下の七ページをちょっと御覧いただきますと、大きな変化の第二がございます。時代潮流と沖縄の持つポテンシャルの変化でございます。 これまで沖縄の地域特性というのは、地域振興上、どちらかというと不利に働くものととらえられておりました。しかしながら、そのような地域特性が、経済のグローバル化など時代が大きく進展する中で、比較優位のある資源として有利に働く側面も見えてきております。あわせて、これらの活用が我が国の利益に大きく寄与する可能性も高まっております。 例えば、ここにございますように、アジアの中心に位置すること、国際的な海洋性リゾート地であることは、台頭するアジア諸国の活力を受け入れ、活用し、我が国経済社会全体に大きく寄与する可能性を秘めております。また、離島に関しても、今日では、領空、領海、排他的経済水域の保全など国家的利益の確保に貢献する側面での評価が高まってきており、その定住条件の整備は重要なものとなってきております。 第三は、これまでの沖縄振興の取組に関する総括から、地域特性が他県と著しく異なる沖縄においては、全国一律の政策ではどうも間尺に合わないというふうなところも出てくるということが明らかになっております。 例えば、先ほど申し上げましたように、県内総生産に占める第三次産業の割合が約九割近い沖縄にとって、エコポイント制度など製造業振興を中心としただけの国の経済政策だけでは経済効果が限定的になってしまうというふうなことでございます。 また、東西一千キロメートル、南北四百キロメートルの広大な海域を日常的に行き来する県民の交通コストの低減や物流コストの軽減、離島における教育、医療・介護、さらには、地震、津波の際、逃げ場のない離島地域の防災も含め、離島県ゆえの独特な課題が数多く存在をしております。 さらに、全国的には少子高齢化が言われる中で、沖縄では、子供の数は多いものの、逆に待機児童率日本一の解消という切実な課題が財政基盤の弱い市町村に大きくのしかかっております。 八ページの方を御覧いただきたいと思います。 こちらは、新しい沖縄振興計画として位置付けられる沖縄二十一世紀ビジョン基本計画の概要となっております。これは後で御覧いただきたいと思います。 その下の九ページを御覧いただきたいと思います。 ここではリーディング産業に関する部分でございますが、自立型経済を構築するに当たって、域内の市場規模が小さい沖縄にとりましては、域外から外貨を獲得するリーディング産業を育て伸ばすことが極めて重要になります。 陸地でつながっている本土各県におきましては、我が国経済の発展に合わせ、おおむね同じような形の産業構造を形成をしてまいりました。しかしながら、この間、沖縄においては、観光・リゾート産業と情報通信関連産業が沖縄独自のリーディング産業として根付き始めており、本土各県とは大きく異なった産業の展開をたどってきております。 今後は、この二つの産業の更なる振興に加え、地理的位置の優位性を活用した国際物流拠点の形成や、世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学等を核とした国際的な知的・産業クラスターの形成を図るなど、またこれ以外にも金融特区の拡充など、第三、第四のリーディング産業の創出を図ってまいりたいと考えております。 これらの分野は、沖縄がその地域特性ゆえに模索をしていかざるを得ない産業分野でもございますけれども、一方では、今後我が国の経済社会の発展にも大きく寄与する可能性を秘めた分野でもあると考えております。将来の富の創造につながっていくものであると考えておりまして、是非とも政府及び各政党の御支援もお願いをしたいというふうに考えております。 十ページ、十一ページを御覧いただきたいと思います。 沖縄社会のもう一つの大きな問題がこれでございます。狭隘な県土に存在する広大な米軍基地でございます。 沖縄本島の面積は約一千二百平方キロメートル、これは札幌市や広島市の市域よりもやや大きい面積となりますけれども、その一八・四%を米軍基地が占めております。また、その図にありますように、沖縄本島の南半分の中南部地域、これは北九州市とほぼ同じ面積となります。そこには県民の八割の約百十四万人が暮らす人口密集地でございますけれども、そこにも普天間基地、牧港補給基地など米軍の枢要な基地が密集をしております。これらの基地は市街地を分断するような形で存在をしておりまして、都市機能、交通体系、土地利用に大きく影響を与えております。また、環境問題や事件、事故なども発生し、地域において大きな負担となっております。 さらに、近年は、これらの問題に加え、地域開発の大きな制約条件になっているとの認識も広がりつつあります。 例えば、十一ページを御覧いただきますと、普天間基地は都市圏のど真ん中に四百八十ヘクタールを有しておりますけれども、雇用は二百名。その近辺で、先に返還された那覇新都心地区は、面積は普天間基地の半分以下にすぎないものの、現在では約一万七千人余の雇用を生み、また、その生産活動で生み出される経済価値も大きなものとなっております。 先ほど申し上げましたように、基地収入は沖縄全体で復帰後の一五・五%から今日五・二%へ低下をしております。むしろ、沖縄の経済的、社会的水準が向上するに従い、とりわけ都市地域の基地は地域開発の阻害要因となっているという認識が広がりつつあり、基地返還跡地という巨大なポテンシャルを有する広大な土地ができるだけ早く効率的に利用できることが期待をされているところであります。 十二ページを御覧いただきたいと思います。 参議院予算委員会において現在御審議をいただいている平成二十五年度予算には、沖縄振興一括交付金や新規の那覇空港滑走路増設事業などを始めとする沖縄振興予算三千一億円が盛り込まれております。 地域が発展するか否かは、基本的に、人、物、情報をいかに多く呼び込むことができるかに懸かっております。その意味で、喫緊の課題の筆頭が那覇空港滑走路の増設でございます。現在、那覇空港は処理能力の九五%程度というほぼ限界に近づきつつあり、その中で自衛隊機の利用も二割近くを占めており、また離島救急搬送の拠点空港でもあります。 全国と異なり、観光・リゾート産業に大きく依拠せざるを得ない本県におきましては、外部との入口である空港の整備は今後の沖縄振興の成否を左右する重要なプロジェクトであると考えております。また、陸上交通においては、慢性的な交通渋滞解消のため鉄軌道を含む新たな公共交通システムを導入する必要があると考えております。 また、ここまでるる御説明を申し上げましたように、産業構造、社会構造、地理的、自然的環境が全国と大きく異なる本県におきましては、今後の産業振興、離島振興、教育、医療など県民ニーズに即した施策展開に沖縄振興一括交付金は大きな役割が期待をされているところであります。 以上のように、今回の予算は、沖縄のポテンシャルの更なる発揮を図り、我が国経済社会にも大きく寄与する施策を展開するための重要なものでありますので、委員の先生方におかれましては、一日も早い平成二十五年度本予算、沖縄振興予算の成立に御尽力を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、十三ページは、本県における財政移転の状況を整理をしたものでございますので、御参考に御覧いただきたいと思います。 以上で、沖縄振興に関する説明を終わらせていただきます。
○団長(石井一君) ありがとうございました。 次に、稲嶺公述人にお願い申し上げます。稲嶺公述人。
○公述人(稲嶺進君) 名護市長の稲嶺でございます。 先に少しだけ立ってお話をさせていただきますが、本日は、参議院予算委員会の先生方には直接沖縄においでいただき、そして沖縄の実情を御自分で、御自分の目で御覧いただき、そして理解を深めること、同時にまた、今日このように発言の機会を得ましたこと、大変ありがとうございます。 それでは、座らせて説明をさせていただきます。失礼します。 私は、今日、先生方の方に、お手元に説明資料はお届けしてございませんけれども、今日の発言の内容といいますのは、実は、沖縄県が毎年発行しております「沖縄の米軍及び自衛隊基地」の統計資料というのと、それから「100の指標からみた沖縄県のすがた」というのがございまして、それを参考にお話をさせていただきます。特に、米軍基地の問題について今日は中心にお話をさせていただきたいというふうに、こう思います。 沖縄の基地問題につきましては国会内でも議論、審議がなされているというふうに、こう理解をいたしておりますけれども、沖縄と東京、約千五百から千六百キロの離れた地域でございますけれども、内容といいましょうか、その審議の根拠となること等も含めて、何か私たちにとりましては遠いかなたでその議論が展開されているというふうに感じてなりません。 と申しますのも、去る一月にオスプレイの強行配備反対で建白書を首相以下それから各大臣にお届けをいたしました。こういう形で沖縄の意見、総意を代表する形で訴えてまいりましたけれども、そのことが何も反映されておりませんし、また、報道関係からの連絡によりますと、今年の夏までに新たに十二機が配備されるということを防衛大臣が行かれてそのことを約束された、発表されたということを聞いております。 このことについても、沖縄の反対、いわゆる県民総意、オール沖縄という立場の意見をほとんど顧みられることなくそのことが進められていく、あるいは決められていくということに対して、先ほどの実際の距離以上の距離感を私たちは抱いているということでございます。 これはオスプレイの問題だけではございません。今、日米で、普天間飛行場の辺野古移設問題についてもしかりでございます。例えば、昨三月の二十二日に埋立申請がなされましたけれども、そのときを境に県内、マスコミが調査をいたしました。県内市町村長のコメントということで、こういう形で新聞でも発表されましたけれども、全ての市町村長は県内移設は駄目だ、やめてくれという、そういう意見、発言でございます。それにもかかわらず、今、日米で進められているその移設問題が、沖縄の意見を酌むことなく、あるいは取り入れられることなくそれが進められているということに対して非常に危惧をしているところでございます。 一九九七年に名護市で市民投票がありました。当時の比嘉市長は、その市民投票の結果を尊重せずに受入れを表明して辞任をされましたけれども、それから数えて私は四人目の市長でございます。一九九六年の橋本・モンデール大使のあの普天間返還から十七年、その間、先ほどの市民投票もございましたし、それから一九九九年には稲嶺知事も辺野古沿岸という発表をなさいました。そして、その年の十二月に岸本当時の建男市長が受入れを表明した。七つの条件というものを提示をして、それを苦渋の選択という形で表明をいたしました。あれから十三年。いわゆるこの九六年の返還発表から十七年、その普天間の問題はずっと動かずに来ております。 その間、県内でのその移設問題に対する県民世論というのは年々高まりまして、先ほど申し上げましたマスコミの調査では、四十一市町村長、そして四十一の議会議決、そして県議会での議決等々を含めますと、それこそ市民、県民から選ばれた方たちが出した結果でございます。そういう意味で、オール沖縄と言ってもそれはよいのではないかというふうに思いますが、そういう状況の中でもなお日米両政府は普天間を辺野古に移設するということに固執を続けております。 実は、私は、昨年の二月だったでしょうか、ワシントンに行ってまいりました。そのときに使った資料がこれでございますけれども、この資料にこれまでの流れと、それから沖縄県そして名護市の実情というものを日本語と英文にしてお届けをし、向こうでいろんな方々にお話をあるいは意見を聞いていただきました。そして、私たちはそれを訴えてまいりました。 その中で特に感じましたのは、沖縄の声、沖縄の問題というのが実はワシントン、アメリカにはほとんど伝えられていない、分かっていないというそのことが肌で感じたというところでございます。その中で特にまた感じましたのは、前鳩山総理が学習するに抑止力ということに至ったというようなことがありましたけれども、その抑止力について、日本政府が口酸っぱく抑止力を訴えておりますけれども、アメリカに行きますと、抑止力というのはそんなに大きな意味を持つものではないというような感を受けました。その基地問題というのは、これは政治が決めること、軍人の我々はその言われたとおりに言われたことを全うする、それが我々の役割だというようなこと等も含めて、その抑止力に対する受け止め方がほとんど全く違うと言ってもいいくらい、そのことを私は直接肌で感じてきたところでございます。 そういう中において、去る四月の六日に嘉手納飛行場以南の土地の返還という説明を受けました。普天間問題に関する限り、二〇二二年度又はその後というふうに説明を受けました。これからしますと、嘉手納以南の返還は当時のそのパッケージから外すというようなことが言われてきましたけれども、今回の説明の中では全くそれが感じられないといいましょうか、ほとんど普天間が返還された後にほかのところが動いていくというような説明に私は受け取りました。 そういうような状況を今続けても、これは県知事もおっしゃいますように現実的ではない、これはアメリカの専門家の方々も言っておりましたけれども、現実的でない、そういうことはやっぱり白紙に戻して、いま一度議論をし直すべきではないかというふうに思っているところでございます。 なぜそれを言ったかといいますと、先ほどの、私は一九九七年から四人目の市長だと申し上げましたけれども、実は私が就任する以前の市長は容認という立場を取っておりました。そういう立場で進めてきた普天間の問題も全く動かなかったんです。こういう状況は、沖縄を結局二分をする形で、逆に沖縄県民の基地に、基地負担に対するその思いというのは余計に高まってきたというふうに私はとらえております。そういうことからしましても、是非いま一度そのことについては考え直していただきたい。 私が辺野古にそれは、新しい基地は造らせないという話もしましたのも、実はいつでも出てきます、〇・六%しかない国土に七四%近い軍用専用施設があると。これはもうどこにもない、国内どこにもないことでございます。これ以上の負担は御免被ると、こういうことを私たちは言っているんですね。県民は言っているんです。これ以上の負担はもうさせないでくれということです。 この七四%の軍事基地が集中する結果として、飛行機の事故や軍用車両の事故やあるいは軍人による事件などなど、これは枚挙にいとまがありません。このことについても、県が発行したこの統計資料には復帰前からのものも含めて事件、事故のものが記されております。おびただしい数でありますし、事件、事故が発生しても県民はその補償さえ受けられない。いわゆる裁判も、好意的配慮によってしかそれはできない。ほとんどがちゃんとした裁判も受けられない状況の中で、沖縄の県民のいわゆる人権をも踏みにじってきたというようなこと等もございまして、この資料には沖縄の現状というのがいっぱい詰まっております。是非そのことをお伝えをして、またそれを御覧になっていただきたいなというふうに思っております。 この資料と同じように、先ほど申し上げました「100の指標からみた沖縄県のすがた」というのがあります。この中には、先ほどの米軍基地のこともありますけれども、そのほかにもいっぱいあります。沖縄県はいろんな指標の中で一番いい、一番というのと一番下のというのと、これ非常に大きな開きといいましょうか違いがあるんですね。米軍施設では断トツで一番、あるいはまた出生率でもまた一番だとかですね。ところが、県民所得にすれば今度はまた下から一番、最下位だというようなことであるとか、失業率も含めて沖縄の厳しさをこれで知らしております。 そのことについて特に申し上げて、最後に一つだけ付け加えさせていただきたいと思います。 実は、これは学校施設の整備についてでございます。 沖縄県は子供が多いということで、学校の数、教室もかなりあります。その中で、沖縄県は高率補助ということでいただいております。これは有り難いことでございますが、しかし、市営住宅など、同じ建築物でも全然違うところがまず一つあります。市営住宅の場合ですと、平米単価がちゃんと現実に合わせてその補助としてもいただけます。しかし、学校の施設の場合、県外が三分の一というときに沖縄県は十分の七・五ということで、かなり高い数字はいただいておりますけれども、しかし、現実は、平米単価が十五万五千円から十九万六千円と、非常にこれ低いんです。特に、実際に建てるときには幾ら掛かるかというと、二十四万から二十五万ぐらい掛かるんです。そうすると、残りは、これ単費で持たなきゃいけないんですね。ですから、基準が余りにも低過ぎてなかなか学校の整備が各市町村でうまく進まないというところであります。 ほかの省庁と単価の置き方が違う、そのことによって各自治体では学校の耐震化も含めて整備がなかなか進んでいかないというところがございますので、最後にそのことを一つお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○団長(石井一君) ありがとうございました。 次に、照屋公述人にお願いいたします。照屋公述人。
○公述人(照屋義実君) この度は、沖縄地方公聴会という形でこのような場を設営していただきまして、大変ありがとうございます。 なかなか日が当たらない小規模企業の立場からの意見を聞く機会というのはなかなかないかもしれませんが、今日、沖縄県における小規模企業の実際の姿をお伝えいたしますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 まず、沖縄県商工会連合会の全般についてお話をしておきたいと思います。 市町村商工会組織は全国の市町村に設置されておりまして、地域の小規模事業者への経営改善等を行っている全国団体であります。全国で一千六百九十四の団体、その中で沖縄県は三十四の市町村に設置されております。会員数は、沖縄県の会員が一万九千五百会員でありまして、本年度中には二万会員に到達するように組織の拡大を図っているところであります。全国の商工会組織の中でも唯一会員数が増加し続けておりまして、国の融資制度であるマル経資金の利用につきましても全国で最も多く利用されております。すなわち、実績が一番高いという実績を示しております。これらは、商工会の経営指導員を始めとする職員による地域の小規模事業者に対する支援の取組がしっかりと行われていて、地域の事業者の方々から多くの信頼と支持をいただいているものであると自負しているところであります。 首都圏等の都会地域では、税理士やコンサルタントなどの専門業者が多数存在し、これらから企業経営に関する多くの情報やノウハウを得ることができると思われますが、本県のような地方では、そしてまた多くの離島を有する地域では、これら事業経営に有利な情報を企業経営者が自らの努力で獲得することは、時間やコスト、そして人材の面からも十分にはできないというのが実情です。これらに対し、沖縄県商工会連合会では、各地の商工会の経営指導員を中心に、都会地域に劣らないような経営支援への取組が実施できるよう、仕組みづくりやノウハウの積み上げに努めております。 それでは、沖縄県商工会連合会が行っております特徴的な小規模企業支援策の概要について、三点にわたりましてお知らせをいたします。 まず一つは、経営力向上支援室の設置であります。これは平成二十年度から設置いたしておりまして、もう四年が経過いたしました。お手元の経営力向上支援事業報告書に記載をされております。本会では、沖縄県当局の御理解によりまして、全国的にも例のない広域専門指導員を県内のブロック別に配置いたしまして、スーパーバイザーとして、地域の事業者からの高度化、専門化する経営支援ニーズに対して、地域の経営指導員のサポートを行いながら支援を実施いたしております。 すなわち、まずスーパーバイザー制度についてでありますけれども、都会地域とは異なりまして、多くの離島や山間部を抱える地域であり、地域の小規模事業者が経営改善に関する情報を幅広く獲得する機会が少ない地域であるということから、これに対応するために広域専門経営指導員を配置し、地域の経営指導員と連携してより専門性の高い経営支援活動に取り組んでおります。この全国にも例を見ない広域専門経営指導員は、本会ではスーパーバイザー制度として位置付けておりまして、先進的な取組として全国からも注目を集めているところであります。 そして、二つ目、経営支援ツールの開発でありますが、これは地域の経営指導員がそれぞれに培った経営支援ノウハウを体系的に取りまとめておりまして、仕事の道具箱、ツールボックスという形で、平成二十四年度の調査研究事業によって整備をいたしました。これは、近くタブレット端末で経営指導員が使用できる環境に整備し、機動的できめの細かい経営支援活動に活用する予定であります。これは後ほど御説明申し上げます要望事項の三と関連いたしております。 それから、特徴的な支援事業の二点目でありますが、これは創業力・経営力向上支援事業であります。これにつきましては資料は特に配付しておりません。 沖縄県中小企業振興会議での審議内容を踏まえまして、県内における創業と経営革新を支援するための事業として、創業力・経営力向上支援事業を平成二十四年度より実施いたしております。新規事業を行おうとする方々は本県では全国でも最も数が多く、女性や二十代、三十代で創業する方々も多く存在しております。これらの新規創業者に対しては、開業後のフォローアップが重要であり、経営ノウハウの経験不足から赤字経営に陥ることもあるため、本会では創業塾を実施することによりまして、創業に係るノウハウと同時に開業後のフォローアップを行っているところであります。 さて、三つ目でありますが、資金調達の円滑化についてであります。 本県は、マル経資金の利用六百七十七件、融資額にしまして約四十四億一千三百万円と、全国で最も多い実績を上げております。国の資金が小規模事業者の支援に有効に活用されているということの証左だと考えております。 このマル経資金につきましては、平成二十四年度より、利用できる事業所の規模を拡大した沖縄雇用・経営基盤強化資金、沖経と称しておりますけれども、この沖経が本県のオリジナル制度として創設されまして、四十二件、六億六千五百万円の実績を上げております。今後も制度の普及並びに利用促進に努めたいと存じます。 それでは、お手元の資料に記載しております八点についての新たな要望事項を申し上げたいと存じます。 まず一点目は、小規模企業基本法の制定についてであります。 小規模基本法の制定につきましては、資料にありますとおり、茂木経済産業大臣からも策定に向けて取り組むとのお話をちょうだいをいたしております。小規模事業者は、経済的合理性だけでは解決できないような地域の生活基盤、コミュニティーの維持、地域独自の文化の担い手として重要な役割を果たしていることに鑑みまして、その発展に資する小規模企業基本法の早期制定に向けて御協力をお願いしたいと存じます。 閣議決定がなされたようでありますので、二十五年度の国会に上程するというふうな段取りが進められておりますので、是非その実現にお力添えをお願いしたいと思います。 二つ目は、地域の実情に応じた補助率の細分化についてであります。 小規模企業政策といたしましては、平成二十四年度補正予算、平成二十五年度予算において、小規模事業者への支援策である補助事業が幅広く創設されました。私どもの立場で大変高く評価しているところであります。 しかしながら、これらの補助事業は、受益者負担としてそれぞれに全国一律の補助率が設定されており、実際にこれらの補助事業を実施するに当たっては、離島や過疎地域等の財政が厳しい自治体では取り組むことが困難であるのが実情であります。 そこで、これらの補助事業について、全国一律の補助率ではなく、財政規模、税収や人口規模など地域の実情に応じた補助率の細分化を行い、補助事業を実施することに対する地域格差が生じないような御配慮をお願いいたします。 三点目、小規模等経営改善資金融資制度、いわゆるマル経資金の補助についてのお願いであります。 本県は、小規模等経営改善資金融資制度、マル経資金の利用が全国で最も多く、地域の小規模事業者の運転資金や設備資金等の資金調達の大きな柱となっております。しかしながら、マル経資金を利用できる事業者は小規模事業者に限られておりまして、従業員規模が若干でも多くなると利用することができない制度となっております。地域の事業者は事業規模の拡大を目指して努力を行っておりますが、その過程で資金調達に制約が掛かる可能性があることから、本県では、沖縄雇用・経営基盤強化資金、先ほども説明しました沖経を創設いたしまして、小規模事業者から成長過程にある企業においてもマル経資金と同等な融資制度を利用することができるような措置を設けております。 これらについて、マル経資金の利用対象者の規模並びに融資限度額を、現在本県のみが臨時措置的に実施しているこの沖経の範囲まで全国的に小規模企業向けに拡充させることによりまして、制度利用の促進を図ることができると思われますので、御検討をお願いしたいと存じます。 四点目、観光関連産業への台風災害に対する補償制度の創設であります。 本県は、観光立県を目指して世界的にも競争力を増しつつあるリゾート地域であります。しかしながら、最も観光客が多い時期に毎年平均八個程度が襲来する台風は、物理的な被害に加え、観光客の滞在予定の切上げやキャンセルの発生等、大きな経済的被害をもたらすものであります。 農作物の被害に対しては基金や共済金で補填する制度が存在しており、これに対して掛金の五〇%が国庫負担されていると伺っております。これに対して、宿泊業や小売・サービス業などの観光産業は全て自助努力を強いられている状況にあり、このことが地域の特性を生かした産業発展の足かせの一つとなっているとも考えられます。これらのことから、国庫補助による観光産業への台風災害補償制度の創設について是非御検討をお願い申し上げます。 五点目、IT活用スキル格差の是正に向けた支援策についてであります。 ITの活用につきましては、山間部や離島地域などでもインフラの整備が進行しているところでありますが、いまだに十分に活用できるとは言い難い状況にあります。さらに、本県においては、それらを活用し情報を発信する人材が不足しておりまして、特に離島地域等においては、観光資源や地域特産品などの地域独特の情報発信について、技術を持つ一部の人材に集中的に依頼するか、外部の人材に委ねなければならないという状況にあります。IT活用については、インフラや機器の発展と、それらを活用して情報発信するスキルを持つ人材を育成する環境は都会地域に集中しておりまして、IT活用に関する格差は広がる一方であります。 そこで、これらの格差の是正に向けて、商工会地域における情報インフラ並びに機器の整備と、IT活用による情報発信スキルを持つ人材を育成するための支援策を御検討いただくと同時に、中小企業支援法による支援情報の提供、専門家やビジネスパートナーの紹介等の支援策や、沖縄県商工会連合会が平成二十四年度に構築しました経営指導員の支援ノウハウの集約システム、ツールボックスと呼んでおりますけれども、このシステムがより効果的に発揮できるような環境整備を御検討いただきますようにお願いをしたいと存じます。 あと三分しかありませんので、はしょって申し上げますが、以下、六、七、八点につきましては、全国連の石澤会長が去る一月十八日に茂木大臣との懇親会で要望した内容と同じとなっております。 まず、六点目としては消費税への対応でありますけれども、その税率引上げにつきましては、その時期を十分に見極めていただきたいと。足下の中小企業、とりわけ小規模企業の経営の実態がはかばかしくない時期に税率引上げされてはたまらぬというふうな感じでありますので、是非その点については御留意いただきますように御配慮をお願いしたいと思います。 免税点制度の引上げ、簡易課税制度の適用範囲の大幅な引上げにつきましても、従来から主張しているところであります。 七点目の中小企業金融円滑化法の終了の影響を受ける中小・小規模企業への対策につきましても、当会が実施した調査によりますと、終了に伴う影響を懸念する企業が七割超に上っております。このことから、金融機関への監督指導を徹底していただきますとともに、セーフティーネット関連融資の拡充等、万全の金融支援対策を講じていただきますようにお願いをしたいと存じます。 最後に、中小・小規模企業の社会保険料等負担の軽減についてであります。 度重なる保険料率の引上げにつきましては、これになかなか耐え難いような厳しい状況が続いております。どうかこのためにも同制度の国庫補助率を引き上げ、保険料率の、保険料の上昇を抑制するとともに、社会保障制度全体を抜本的に見直し、社会保障費の負担を大幅に軽減するようにお願いをいたします。 私からの説明と要望は以上でございます。ありがとうございました。
○団長(石井一君) ありがとうございました。 それでは、最後に新垣公述人にお願い申し上げます。新垣公述人。
○公述人(新垣安弘君) 県議の新垣安弘と申します。本日はこのような機会を与えていただきまして、心から感謝申し上げます。よろしくお願いいたします。 私の方からは、お手元に資料三枚つづりを準備をいたしました。三枚目は私の活動のチラシのコピーでして、大変恐縮ですが付けさせていただきました。それで、一番から五番まで一応箇条書のような形で挙げてありますので、それに沿った形で申し上げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 沖縄の県議会は、他府県に比べたら圧倒的に基地の問題の事案が多くございます。特に最近は、保革を超えあるいは党派を超えて一つになって行動する、判断をする、結果を出す、そういう状況になってきているかと思います。そういうことで、私も一応民主党には所属はしておりますが、そこは深く、党派を超えた気持ちで臨んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 特に安全保障の問題を中心に申し上げてまいりたいと思うんですが、まず一つには、日米の地位協定の改定ではなくて、基地の使用、使用協定についてポイントを置いて申し上げてまいりたいと思います。 平成十一年に、名護市の当時の岸本市長が苦渋の選択で辺野古への移設を表明をいたしました。そのときのポイントは、住民の生活を守る、基地の使用協定を名護市と政府がしっかりと結んで、そこに県が立ち会い、それを基にちゃんとアメリカ側と政府がその使用協定を守るようにさせていく、これが一番大きな条件だと、それがもしできなかったらその容認は撤回しますと、そういうことでした。 それで、平成十一年の十二月の二十七日に市長のその表明がありまして、翌日閣議がなされてその方針が決定をされました。その後、担当大臣と沖縄の県知事、そして名護の市長とともに、いわゆる基地協議会、建設推進の協議会が何度か開かれます。その中身も、県側からは知事も市長も再三にわたって使用協定の締結を求めております。それに対して、国側も各担当大臣も、使用協定しっかり結びます、結びますからと、そういう形で進んできたわけであります。 もちろん、今は市長が替わって容認ということにはなっておりませんのでその作業は止まってはおりますが、しかし今、民主党も、そして政府も辺野古移設に回帰をしているわけでありますから、この問題は、じゃ当時、苦渋の選択で受け入れたその条件が使用協定だったということは、これからこの問題を進めていくときに基地の使用協定が本当に可能なのかどうかということになってくるかと思います。 そこで、その使用協定に関しては、嘉手納町、北谷町、沖縄市、いわゆる三連協から嘉手納の基地についての基地使用協定を結んでもらいたいと、これは十年近く前から政府に要請がなされておりますが、しかし、これに対しては全くの音さたなし、無視という形であります。 これをよく考えてみますと、辺野古に基地を造るという条件が使用協定の締結であったと。政府はそれをやると言った。恐らく、これをこれからやろうとすると、またこの問題は出てまいります。そうすると、じゃ辺野古にその代替基地を造るときには使用協定は結ぶけれども、嘉手納の基地に関しては使用協定は結ばなくていいのか、そういうことが同じ沖縄で許されるはずはないと思うわけであります。 そうすると、政府が辺野古の代替基地には使用協定は結ぶと言ったとしても、もし嘉手納で使用協定を結ぶことができなければ、それは辺野古の代替基地においても使用協定は結べない。まず結んだとしても、これは何ら守る形にはならないと私は思うわけであります。 私も前沖縄の総領事と、今の総領事ではないんですが、前の総領事にお話ししたことがあります。地位協定の改定は難しいんだったら、せめて基地の使用協定を結んでもらえないか、そういうことを申し上げましたら、即座に明快にそれはできないと、使用協定を結ぶということは軍の活動を縛ることになるからそれはできない、そういうふうに言っておりました。 ですから、この使用協定というのは、沖縄の米軍基地を抱える地元にとっては本来ならばあってしかるべきものだと思っております。しかし、今の日米関係においてそれを要求することすらできない、そして地元の自治体との間に政府がその使用協定を結ぶことすらできない、そういう状況でありますから、そういう点で、それからすると恐らく、恐らくといいますか、政府がどれだけ辺野古ということで日米合意ということで頑張ったとしても、これは沖縄にとっては辺野古は不可能だと言わざるを得ないという状況だと思うわけであります。 そこで、お手元の資料の一の②なんですが、ここは仲井眞知事がよくおっしゃっておりますが、辺野古よりも県外、国外を探した方が早いんじゃないですかと、そういう知事のお話があります。お手元のその資料に付けさせていただいた私の活動の資料のコピーなんですが、一月に佐賀空港、そして長崎の大村、自衛隊の大村飛行場に行ってまいりました。そこに写真に載っているものは、そのときの事実であります。私は、その二か所を見たときに、いろいろあるでしょうけれども、これは知事がおっしゃっていることがこれは本当にそうなんだなと、探せばあるじゃないかというふうに実感として思ったわけです。そういう点でこういう形で付けさせていただいたわけであります。 あともう一点は、当時の北澤防衛大臣が私どもとお会いしたときに、鹿児島の馬毛島を進めているからねというお話がありました。馬毛島は、人も住んでいないし、すぐ滑走路として使えると。私は、それが入れば普天間のその訓練の軽減にも十分利用できると思うわけでありますが、結局、それも音さたなしであります。そういう点で、こういう観点からの判定を是非先生方の方でも進めていただければなと思っております。 沖縄県は防衛大臣に対して、全国の空港も検討したというのであれば、じゃ佐賀空港と大村空港に対してはどういう検討がされたのかという、それを教えてもらいたいという質問をいたしておりますけれども、それに対しては全く返事はございません。言えないと、そういうことであります。それが一点ですね。 あともう一点。一の三番目は、日米合同委員会に地域特別委員会の設置をお願いしたいということであります。 これは、日米合同委員会の下には二十から三十近くの特別委員会が設置をされております。しかし、その地域の代表者を入れた特別委員会はございません。これに関しては、知事会、渉外知事会からも要請がかつて出されております。そして、民主党、国民新党、社民党の皆さんが作った地位協定の改定案の中にもこれは盛り込まれております。これは、地位協定はなかなか難しいかもしれませんけれども、この合同委員会の中にその基地所在地の代表者を入れた地域特別委員会を設置するということは、そこで議論をして、それを合同委員会に上げていく、その作業、運営をやっていきますと、私はそのことが何らかの形で基地の使用協定の設置に道を開いていくんではないかと思っている次第です。そういう点で、そこの合同委員会の中に地域特別委員会の設置ということを是非とも求めていただきたいと思っている次第であります。 二番目の、普天間問題が国民に何を問いかけたかということですが、これは普天間の問題で大きく揺れ動いたときに、私はこれは二点あると思いました。 一つは、この普天間の問題が全国的に関心を持たれるようになって、そこで沖縄がほぼオール沖縄で、保革を超え、党派を超えて県外、国外を求めている、叫んでいる、そういう声を上げていると。それに対して、復帰して四十年目にしてこういう状況が生まれている中で、全国の国民の皆さんがどういう思いで、どういう気持ちで沖縄に向き合うのか、それが一つ試されている、問われているのではないかと思った次第です。 そしてもう一点、これは、戦後の米ソの冷戦構造の中で、日本は平和憲法を掲げて諸国民の公正と信義を信頼し、交戦権を否定し、そしてやってまいりました。しかし、そのまた背景には、米軍の圧倒的な軍事力でもって平和と安全を守っていく、そういう姿があったわけであります。そして、この米ソの冷戦の時代と大きく今異なってきて、東アジアが中国を含めて安全保障の環境が大きく変わってきた。そういう状況の中で、沖縄が一番心配をするわけであります。もし日中関係、米中関係、台中関係が壊れてしまったときに、一番沖縄が被害を受ける立場に立たされてしまう。そういう意味で、私は、沖縄は他府県とは違って、防衛や外交あるいは安全保障に関しては、政府に任せておけばいいやと、そういうことじゃ駄目でしょうと、沖縄県自ら情報を取って、しっかりと県民の安全保障を考える、そういう県庁でなければならないんじゃないかというふうにずっと言ってきたわけでありますけれども、このアジアの安全保障環境が大きく変わる中で、日本の安全保障政策が、戦略がどうなっていくかというのが大変関心を持たれるところであります。 民主党の中で、小沢先生が代表団を連れて中国を訪問されました、鳩山前総理が東アジア共同体を掲げた。そのお二人は失脚をしていってしまったわけであります。そういう状況の中で、今、様々な安全保障環境が問題を抱えているわけです。そういう意味で、沖縄としては、本当にくれぐれも、新しい時代にあって、本当に不測の事態を起こさない、間違った方向に行かない安全保障政策、戦略を政府に取ってもらいたいと思っている次第であります。 その二点が、普天間問題が全国に対して、国民に対して、この沖縄に対する向き合う姿勢、これはどうなんだと、そして安全保障、新しい、新たなこの不安定なアジアの情勢の中で、日本の安全保障政策は今までのままでいいのかという二点を問いかけてきたのではないかと思っている次第であります。 あと、三番目の祖国復帰の実現に至った日米の判断はということがありますが、これは私は、沖縄の県外、国外という思いを実現していくときに、もう時間がありませんので……
○団長(石井一君) いいですよ、続けてください。最後にまとめてください。
○公述人(新垣安弘君) すぐまとめてまいりたいと思います。 そこはちょっと飛ばしまして、じゃ最後の五番目ですね、五番目、一括交付金制度について。 これは、沖縄で、いい意味での成果が出ているものと思います。これは私は是非とも全国に展開すべき内容だと思っている次第であります。 もう一点、総合事務局の問題、これは、優秀な皆さんがいらっしゃるんですが、本当に今まで大変大きな役割を果たしてまいりました。これからの時代、道州制、地方分権の時代に当たっては、優秀な皆さんが県と一緒になって頑張っていく方が一番いいのではないかと思っている次第であります。そういう意味で、是非とも、沖縄の課題含めて、国の安全保障問題、先生方には取組をお願いを申し上げたいと思っております。 以上で意見とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○団長(石井一君) どうもありがとうございました。 以上で四公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。 これより公述人に対する質疑に入ります。 質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願い申し上げます。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。本日はお忙しいところ、公述人の皆様にはお越しくださいましてありがとうございます。座ってお話の方、させていただきたいと思います。 まず、今朝のニュースについて、オスプレイについて、皆さんも御存じのとおり、新たに十二機、今度普天間飛行場に最終的に配備する方針だということが日米の防衛相会談で確認をしたという報道でございます。これについてそれぞれ四名の方々からコメントをいただきたいのですが、稲嶺市長さんから先ほどお話もありましたけれども、私もこのオスプレイにつきましては、私が、あれは、今も野党ですけれども、その前の野党時代の外交防衛委員会で普天間基地に行った際に、司令官に、そのときに、たしか二〇〇五年か六年ぐらいだったと思いますが、オスプレイの配備についても聞いたこともありますし、たしか私の記憶では、私の、参議院外交防衛委員会でもオスプレイについてどうなんですかということも聞いたことがあるんですが、たしかそのときの防衛大臣だったか防衛庁長官の話は、オスプレイはまだ何も決まっていないということでありました。 お三方、稲嶺市長さん以外のお三方については、まずオスプレイについての今の今度の新しい追加配備についてのコメントをいただきたいのと、稲嶺市長さんについては特に、私はこの進め方について、決まってから、こうなったからという例が非常に多いんですね。それについて、稲嶺さんも多分今回の件についても恐らく知らされてはいなかったのかと存じますが、それについてのコメントを別にいただきたいというふうに思います。 まず、川上副知事からお願い申し上げます。
○公述人(川上好久君) 今朝の新聞報道については細かくまだその報告を受けておる段階ではございませんけれども、オスプレイに関しましては、県の立場としましては、県民の不安が一向に解消されている状況ではないと。配備計画の見直しと配置分散を強く求めるというのがこれまでの県の立場でございます。
○公述人(照屋義実君) 昨年の九月九日に県民大会が開催されまして、十万一千名の県民を集めて大変に県民の総意としてまとめたわけであります。オスプレイ配備反対と。しかしながら、それを無視するかのように配備されました。 その事態を受けて、今度は、これは抗議をしないといけないというふうなことから、撤回を要求する意味の抗議活動がその後繰り広げられました。 その途中で政権が替わったわけでありますが、そのために時期がずれて、年が明けたわけですね。一月の二十八日、二十九日に東京統一行動というふうな形で、建白書をしたためて、それを総理始め関係各大臣並びに各政党会派にお届けをいたしました。 これは、本土に参りますとごく一部の人たちがやっているかのような印象で語られるわけでありますけれども、私どもとしてはそのことが非常に残念であります。県民がこぞって、自民党から共産党さんまで全ての政党が一致して県議会で何度も決議をし、そしてまたあれだけの県民大会が開かれながら、在京メディアでは紙面が少ない記事でしか報道されないというようなことも含めまして、なかなか全国民に沖縄の真意が伝わっていないというふうな印象を受けております。 畳みかけて七月ですかにあと十二機追加配備されるというのは、全くもって県民の心情からすると言語道断と言わざるを得ないと考えております。
○公述人(新垣安弘君) 国の安全保障上必要というのであるならば、これは仕方のないことなんですが、ただ、市街地の中心にある普天間飛行場に持ってくることは、これは到底県民としては受け入れられるものではないと思っております。もっと本土を含めて訓練をするというのであれば、それは国の安全保障政策ということでいいのではないでしょうか。
○公述人(稲嶺進君) 白先生からもそのお話がありましたが、実はオスプレイについては、今配備が予定されている辺野古のV字案の中でも、最初のうちはオスプレイの配備は予定はありませんということで、ずっと言い続けてきたんですね。そして、それが準備書、評価書という形で出てくる途中でそれが突然出てくるというようなことですね。 今回のオスプレイもそうですが、アメリカからは何の報告も受けていませんということがずっとこれまで続いてきました。二、三日前のマスコミでも、いや、そういうことは報告を受けていませんと。ところが、今日になってこういう話が突然出てくる。そうすると、じゃ、言われたからやりますというだけの話なのか、日本政府としての、日本国としての主体的な国防も含めて言い分はないのか。本当に、今の状況だと従属的あるいは隷属的というふうに言われても、それは逃れ得ないのではないかというふうに思います。 そういう意味で、しかも、先ほど言われましたように、県民の意思も全く無視する形で進められているというのは、とてもやっぱり許されるものではないというふうに、こう思っています。
○白眞勲君 ありがとうございます。 時間も限られておりますが、基地について、稲嶺市長さんは大分お話しされたんですけれども、そのほか、新垣さんも少しお話しされましたけれども、私は、今回の嘉手納以南の話について、二〇二二年度又はその後という、この又はその後という、普通、大体交渉というのは、特に照屋さんなんかも、民間でしたら、こういう契約の仕方というのはあり得ないわけですよね。普通はいついつまでにどうするということを決めるというのが普通だと思うんですけれども、最初から又はその後ということが書かれていることにちょっと私は違和感を感じているのが一点と。 それともう一つは、基地の返還が、これは事情があるにせよ非常に細々と分割して返されるということに対して、都市計画という観点からも非常にやりにくい部分があるんではないだろうかという部分について、それぞれの公述人、これはもう本当に手を挙げていただいてお話しいただければと存じますが、よろしいでしょうか。川上副知事も併せてお願いします。
○公述人(川上好久君) 先ほど意見陳述の中でも申し上げましたけれども、中南部における米軍基地は都市開発、それから交通政策、非常に支障になっております。 そういう意味で、県の方はこれまで何度となくそういう負担軽減というふうなことで国の方にお願いをしてきたわけでございますけれども、今回のその返還計画につきましては、一つの方向は出たと、これは一歩前進だというふうに評価しております。ただ、その時期等につきましては、今市町村も含めて意見を取りまとめている最中でございます。先ほど申し上げましたように、やはり県民としては一日も早い利活用ができるような形でというふうなことでございます。
○公述人(照屋義実君) 副知事が準備されました陳述資料の十一ページを御覧いただきたいと思いますけれども、米軍基地が開放されたブロックが幾つかあるわけであります。 その中でも極めて代表的な、シンボリックなところは、今新都心と言われている那覇の牧港、旧牧港住宅地区でありますけれども、二百十四ヘクタールあったこの返還前のところが、その当時、従業員数が百六十八名、軍雇用者所得が七億五千万、軍関係受取が四十五億円しかなかったものが、平成二十一年の段階の統計で従業員数が百三倍、雇用者報酬が六十九倍と大幅に伸びているわけですね。これは、ハンビー飛行場と言われていた北谷町北前地区、それから、那覇空軍・海軍補助施設でありました小禄金城地区につきましても同様な結果が現在表れておりまして、これからしますと、一日も早く基地を返還していただいて早めに再開発した方が沖縄県民としてはメリットが大きいというふうに考えております。
○団長(石井一君) 白眞勲君、これで締めくくってください。
○白眞勲君 はい。 あと五分ほど、ちょっとありますのでお話の方をさせていただきたいと思うんですけれども、一括交付金についてお聞きをしたいと思います。 私ども民主党政権時代に、やはりこの一括交付金というものを、課題の多い制度とはいっても、自由に使える財源の拡充を望む自治体の意向に沿って創設された経緯があると私は思っておるんですね。ところが、また政権交代をしちゃった、ほとんど、沖縄以外は一方的に打ち切られたということは、今、新垣参考人からも、地方分権の流れに私は逆行しているものであるというふうに考えているわけでございます。 そういう中で、私は、逆に言うと、沖縄のこの一括交付金というものが、非常に、本当にやってもらいたい、本当にすばらしいやっぱり制度なんだということを内外共にアピールできる絶好の場であるというふうにも考えているわけなんですけれども、片や様々なやはり課題というのもあるんではないんだろうかというふうに思います。 その件につきまして、どなたでも結構でございますので、こういった課題はちょっと変えてほしいんだとかいうことがありましたらば、お話の方をいただきたいというふうに思います。
○公述人(稲嶺進君) 先ほどから一括交付金については副知事の方からも報告がございました。 名護市も二十四年度は約十二億近くの交付金をいただきまして、いろんな事業展開することができました。これについては、これまで単費でやりたいと思ったことがなかなかできなかったということを今回の一括交付金で解決をしていただきまして、いろんな事業が進めることができました。大変有り難く思っております。 できましたらば、その使える範囲というものをもう少し緩めていただけると、市民のためにももっといろんな形で対応できるのではないかというふうに思っております。
○白眞勲君 じゃ、川上副知事、お願いいたします。
○公述人(川上好久君) 一括交付金ですね。昨年から沖縄振興計画の中で実施をして、その中で予算制度として活用しております。 昨年は、法律が三月三十日に成立をし、そしてまた、その具体的な要綱が四月の十九日というふうなことでございました。一括交付金につきましてはいろんな考え方がございまして、今、名護市長さんからもございましたけれども、ああ、これに使えたらいいねという話もいろいろあったわけでございますけれども。基本は、しかし、それはソフト事業に使える自由度の高い国庫支出金であるという性格に鑑みて、そしてその考え方の中で、国庫支出金の中で非常に裁量性の高い、そういうものとして設計をされる、そういうものができ上がったのが四月の十九日でございました。 そういう意味では、各市町村とも、予算編成になかなか間に合わない、補正で対応せざるを得ないということでいろいろその御苦労はあったようですけれども、ただ、この一年を通して、市町村、県含めて事業をつくり出して、次年度以降はほぼその要綱に沿って事業を活用できるような段階に達しているというふうに感じております。 そして、あともう一つ、一括交付金について重要なことは、これは、沖縄振興というのが、これから後、経済自立と。先ほど申し上げましたように、沖縄の産業構造は非常に異質なところがございます。そういう意味では、そういうところにやはりこの政策資源として打ち込んでいけるということ、そういうことと、それからあとは離島振興だとか、あるいはまた全国と人口構成が違うというふうなことで、そういうものに活用できるということで非常にいい制度だというふうに理解をしております。
○白眞勲君 あと、那覇空港の滑走路についてお聞きしたかったんですけれども、滑走路についてはもちろんやるべきだと私は思っているんですけど、この前、私も那覇空港を利用したときには保安検査場で四十五分も待たされちゃって、もう本当に、何というんですか、空港というのはやはり滑走路だけではなくて、いわゆる飛行機のたまり場というんでしょうか、とか、空港ビル自体のやっぱり大きさというかボリュームの大きさというのも非常に大きな要素であるというふうに思った次第でございますが、それについて最後に一言だけ、もしよろしければ。
○公述人(川上好久君) 現在、その拡張の工事をやっております。国際線ターミナルについては、次年度供用開始、そして、それと併せたその連結部分も実施をして、そういうふうな改善に努めていく予定でございます。
○白眞勲君 ありがとうございます。終わります。
○山崎力君 自民党の山崎です。 私がこちらの方に来て普天間の基地を見学させてというか、そういう時代になってから、もう十年近くになるのかな、十年以上になるんですかね。あの当時の問題意識というのは全然進展していないという、結果としてですが、思っております。 いろいろな経過はある程度存じ上げているんですが、今この段に至って、四公述人の方にそれぞれお伺いしたいんですが、経過はほぼ共通の経過をたどって現状があるということで、もしその辺でずれがあれば後で調整したいと思いますが、どうすればいいんですか。 要するに、今私が本土の人間として沖縄の問題を外して今の日本の国民性を見たときに、あの震災の瓦れき、放射能の汚染がほとんどないという木材質の瓦れきを受け入れてそれで燃やそうといったときに、それを拒否するために焼却場の前にバリケードを張って入れさせないという、そういう人たちのいる国民性になっているわけです。これはいろいろ意見おありでしょうけど、現実の問題として。そのときに、日本の自治体等が普天間を受け入れられるかといえば、ほとんど残念ながら受け入れられることはないだろうというのが今の現実的な私の気持ちです。それじゃ、国がそれを地方自治体に強要できるかといえば、これもできないのも皆さん方地方自治体におられる方はよくお分かりのことです。 そうなると、何が残るかと。今、辺野古の方をやらなければ、今のまま普天間にずっとアメリカが必要である限りあの基地が残らざるを得ないんではないかと、それでいいのかというのが今我々のこの問題に対する取組の根底にある考え方なんですが、その辺のことについて、まず四公述人から御意見をいただきたいと思います。
○団長(石井一君) どなたからでも、挙手を願います。
○公述人(稲嶺進君) 山崎先生から今、全く進展のない中でどうすればいいのかというお話もございました。また同時に、国民意識でその瓦れきも受け入れられないと、そういうのを国が強要できるかというと、それはできないというお話もありました。 しかし、今、辺野古の問題はそれを強要しようとしているんですね。その場合に、福島と同列にはそれは考えるわけにはいきませんけれども、日米安全保障条約、要するに、これは日本の国民、国土を守るという大義名分がございましたらば、それは、先ほどのように、〇・六%しかないところに七四%近くも押し付けるということの不条理さというのはやっぱり改めるべきじゃないかというふうに思います。 したがって、今それが、辺野古ができなければそのまま居座るというようなお話もございましたが、それこそ二者択一でそれが語られる問題ではなくて、先ほど言いましたように、新垣県議からもありました、佐賀の話やほかの空港もありましたけれども、本当にそういうことを真剣に考えたことがおありなんでしょうか。それがないまま、反対されたから、いわゆる本土では反対したからできない、沖縄では反対してもできるというその構造といいましょうか、そういうお考えの方が私はやっぱりおかしいのではないかなと思っております。
○団長(石井一君) 次に、同じ質問に対しまして御意見がありましたら挙手願いたいと存じますが、山崎理事の意見に対しまして何か御発言がありますか。
○公述人(新垣安弘君) おっしゃるとおり、全国の自治体もそうでしょうし、沖縄のほかの名護以外の自治体もそうだと思います。 ただ、大変難しいところなんですが、ここは軍は、軍の論理でいくと、一旦、これは言い方は悪いかもしれませんが、居心地が良ければということも判断材料の一つにはあるかもしれませんし、もちろん当然、十分安全保障的なことでここでなくてはならないというのもあると思うんですが、ただ沖縄においては嘉手納基地もあるわけであります。 そういう意味では、日本の安全保障に抑止力という点では十分貢献をしているわけでありますから、ここはやっぱり、軍を動かすのは政治であり、政治を動かすのはそれは国民の声あるいは県民の声ですから、そこは県民の声が県外、国外と言っているわけですから、そこはしっかりと政治の力で解決をしていただきたいと思うわけです。もし丸ごと移すことが駄目であれば、そこは沖縄県民から見ても十分納得のいくようないわゆる訓練の分散、移転、そういうことがなされてしかるべきだと思っております。
○山崎力君 お答えしにくい部分あろうかというのはよく分かるんです。しかし、こちらの方もというか本土側の方も真剣に考えていないんじゃないかとか、あるいは沖縄にこれだけ押し付けるのはどうとか、そういうふうな筋の通ったというとおかしいんだけれども、皆さん方の立場からすれば当然の主張というものに対して、現実は、普通の人は、国民は、沖縄県民以外の国民の大多数は、自分のところで引き受けたいねというか、引き受けてもいいよという人は恐らく本音でいえばほとんどいらっしゃらない。それが現実だと思います。 その間を縫ったのが、私自身の気持ちからすれば辺野古移転であり、それをぶち壊した人が、トラスト・ミーと言った人がいたという。それで、軍の方は、これ、ある種の科学的な部分、数学的な力関係の計算はしますですからね。そうすると、どこが一番効率的で、何をやれば不効率になるか。不効率になったとしたら、それを埋め合わせるのはどういうことで埋め合わせてくれるのか。その希望が日本側の希望であるならば、その部分どうすればいいのか。アメリカ軍に、日本の県、市町村にここに普天間の基地を移動させてくれということの交渉に当たらせるわけにはいかないわけですよ。だから、そのときに国が間に立ってやろうとしても、現実に、ここにデータいろいろ書いてある部分ありますけれども、馬毛の問題とか、いろいろ出ては消え、出ては消えで、それで現実の問題として負荷だけが残ったという、これが現在のこの普天間の問題じゃないのかなと思っていて、それで我々とすれば先ほど申し上げた気持ちで何とかならぬかということでやらざるを得ない。 かつてはどこの国がどうとかいうことがあったわけですけれども、現実の問題として、今我々は、かつてのソ連だけではなくて、大陸中国からも核ミサイルの照準をやられていますし、黙っていますけれども、北朝鮮からはもう明らかな核の恫喝を受けている状況にあるわけで、そういった中で、現在の軍事バランスからいってアメリカの力を頼らざるを得ない。それが属国と言われようと何と言われようと、国民のためには、それは言う人がいたら甘んじて受けなきゃならぬというのが今の現政府だと思うし、あるいは前の政権もその面ではそうだったんじゃないかなと思うんです。そこの乖離を沖縄の方と本土の一般の人たちを埋めなければ、この真の解決というか、真の解決というのがあるかどうかは別として、一歩進んだ解決というのは難しいんじゃないかと、何回来ても私、そう思うんです。十年以上前だと思うんです。そのときと今の現状の認識、正直言って変わらない。じゃ、あと十年で変わるのか、先ほど来のように。それがめどが見えてきたからこそ、めどが見えればあの年数なんですよ。それ以降というのは、この問題の解決のめどが見えないときの担保措置としてのあの表現だというのは皆さん方だったらお分かりでしょう、いい悪いの問題じゃなくて。そのことを考えたときにどうするんだいというのが、地元の皆さんの本音のところでどうしたらいいんだということです。
○公述人(照屋義実君) 委員長、もしよかったら。
○団長(石井一君) それでは、照屋公述人。
○公述人(照屋義実君) 基地問題は、沖縄県民にとっては今のような先生の理屈で答えられるような問題じゃないというふうな認識があります。普天間基地は海兵隊のためにあるような基地ですけれども、海兵隊はじゃ最初から沖縄にいたかというと、最初から沖縄にいたわけではないわけですね。最初は本土の方に基地としてあったと、岐阜かどこかに最初に来た。それが六〇年代から七〇年代にかけて、そのころは本土の方にある米軍基地と沖縄にある米軍基地の面積割合は五対五だったというふうに仄聞いたしております。それがその後の歴史の経過の中でどんどん沖縄の方に米軍基地が移転していく。それで、今〇・六%の中、七四%ですか、そういうふうな偏重するような、基地が沖縄の方へ一方的に存在するようなことになってしまっているというふうなことが問題ではないのかというふうなことを、沖縄県民は今までの様々な事件、事故が起こるたびにそういったふうな教育を強いられてきておりまして、先生がおっしゃるような理屈ではなくて、何というんですか、おりのようにたまった県民のそういう差別的なものに対する反発、これは極めて大きいというふうなことだろうと思っております。 したがって、日本国民が受け入れるところがないというふうなことは、反対運動が一九六〇年から、五〇年後半から六〇年代にかけてですか、全国にほうはいとして沸き上がったときに一つ一つ本土の基地から沖縄の方に移転していったと、移転してきたというふうな事実を見落としては、私は今の問題は語れないんじゃないかなというふうな気がします。
○山崎力君 今のお話のこともよく分かるんですが、だったらば、今のお話だったらば、普通の日本人の、本土の国民が、本土の日本人と言うと変な言い方になるんですけれども、本土側の人がそれを分かったら、自分たちのところでどこか引き受けれるところはないだろうかという議論が出れば、これはおかしいということになるわけです。ところが、先ほど私が申し上げたように、測っても放射能、放射線があるかないか分からないような無感知の廃材を引き受けて、被災地の、あの津波の被災地のために燃やそうかということが、放射能が漏れてくるかもしれない、放射線が出るかもしらぬということで、ピケを張って阻止するのも日本の本土の人間の今の現状なんですよ。 そこのところをあえて私が申し上げているところで、沖縄の皆さん方のおりのような気持ちというのはよく分かるし、僕がもし沖縄で、まあ何ていうかな、生まれ育っていればその気持ちになったと思うけれども、だけれどもこのままで本当に前進するんですか、何かいい方策がないんですかというのが、だから我々とすれば我々の立場で全力は尽くせるけれども、何か見えてこない、何回来ても、何回勉強しても先が見えないというのが今の私の心境なんです。
○公述人(稲嶺進君) 山崎先生から今こういうお話がありましたけれども、まず一つに、普天間飛行場の代替施設がなぜ必要かという基本的なところもやっぱり考えてみるべきじゃないかと思います。例えば、米軍再編計画の中で、海兵隊がハワイやオーストラリア、グアムやと、八千名、家族は九千名近くが移動している。沖縄の海兵隊の数が定数がよく分からないわけですが、一万八千人とか一万五千人とか、あるいは実数はずっと一万二千人を割っているのではないかと、こういうふうにずっと言われている中で、八千名も移動する。そうすると、何で新しい基地が必要なんでしょうか。 それも含めて、例えば抑止力について、具体的に抑止力とはこういうものです、こういうようなことでそれが働いているんですというようなことが、きちっとしたその抑止力に対する説明もなければ、新しい基地がなぜ必要かという説明というのもなくて、ただ、ぼわっとした感じでの抑止力論をやってくるんですね。 そういう意味からすると、何も国内で移動するとかということじゃなくて、グアムであったり、サンフランシスコだったか、どこだったでしょうか、歓迎すると、是非戻ってきてほしいというところすらあるわけですね。それでも極東に対するいわゆる安全保障上の抑止というのは保てるというふうに専門家の方々もおっしゃっているわけですから、そういう意味で、なぜ必要かというような根本的なところも県民には何の説明もされていないというところに大きな問題もあると思います。
○公述人(川上好久君) ちょっと、皆さん発言されたので。 最後に、県の公式的な見解ということを申し上げておきたいと思います。 喫緊の課題である普天間飛行場の危険性を長期間放置することは許されない、これは山崎先生と全く同様でございます。一方で、知事はこの間、地元の理解が得られない移設案についてはなかなか難しいというふうなことをおっしゃっております。そういうふうな観点から、沖縄県としては、他の都道府県の既に滑走路がある場所へ移設が合理的ではないかということを申し上げてきたというふうなことを最後に発言をさせていただきます。
○谷合正明君 谷合でございます。 まず初めに、経済政策の方から四人の公述人の皆様にお聞きしたいと思っております。 まず、総括的に。新政権発足いたしました。アベノミクスと言われますが、金融緩和、財政出動、そして新たな成長戦略だというところで、株価あるいは円安の動き等ありまして、東京の方では一部非常に好景気だということなんですが、当然これが地方に、また中小・小規模企業に、さらにはそれが雇用、また賃金に反映していかなければならない、生活者が実感できる経済政策になっていかなければならないと思っておりますが、これまでのところ皆様方のこの新政権の経済政策についての評価と、また期待について簡潔に御答弁いただきたいと思っております。
○公述人(川上好久君) アベノミクスが走り始めて、国内、非常に経済に対する展望というか、明るい展望が開けてきていると思っております。 沖縄県に関しても少し御報告を申し上げますと、観光客が久々に六百万近くに昨年は増えました。それから、失業率も、この間ずっと七%台であったものが六%台に落ちてきたというふうなことで、若干明るい兆しが見えてくる中で、またそのアベノミクスの全国的な景気の浮揚でもって沖縄に波及効果があることを期待をしているところでございます。
○公述人(照屋義実君) アベノミクスにつきましては、報道によりますように、大変滑り出しは順調な形で動き出しているというふうに受け止めております。沖縄における日銀那覇支店の景気動向の所見も三期連続でプラスというふうにこの前発表されておりますし、これから先どうなっていくかにつきましてはよく分かりませんが、期待感を持って注視しているというふうなところじゃないでしょうか。 ただ、沖縄が非常に景気が良くなりつつあるというふうなものは、一つはやっぱり知事が目指しました二十一世紀ビジョンの趣旨に沿ったえりすぐりの予算が付いたというふうなことが大きいんじゃないかなというふうな気がいたしております。過年度において下がっていた予算が、かなり大幅に回復する形で張り付けられました。公共事業もかなりの勢いで回復しまして、今までにないような事業予算が付きました。それに対する期待感といいますか、こういったふうなものが大分、県民の間に胸が膨らむような形で起きてきているというふうに考えております。鉄軌道の実現に向けた話もありましたし、それから那覇空港についても予算が付いたというふうなことがかなりこの期待感になって表れているんじゃないかなというような気がします。
○公述人(新垣安弘君) アベノミクスのその影響に関しては、今副知事と照屋会長からお話がありましたので、いい影響が出ているのかなというふうに思っておりますが、私個人的には直接感じていることがあるわけではありません。 ただ、一つ言えることは、今もお話ありましたように、昨年そして今年と、沖縄の予算が三千億ぐらい付いたと。で、一括交付金でもって県がいわゆる打ち出した離島の交通費の軽減ですね、そのことがすごく大きな効果を上げているということがありますので、そこが県の経済に大きく影響を与えているのかなという感覚は一つございます。
○公述人(稲嶺進君) 連日マスコミではその効果が報じられております。その一方で、一つ二つ心配なことというのも出ているんですね。例えば、燃料高騰でイカの漁師の皆さんが出港を控えたとか、あるいは畜産農家の皆さんが餌代が高騰してくるとか、こういうようなことが出始めてきているという一つは心配があります。 もう一つは、やっぱりその効果というのが、輸出関連のところで大きく効果を上げていると思うんですが、庶民が一番それを実感するためには、やっぱり賃金にそれが跳ね返ってくる、そのことによって生活が豊かになるといいましょうか、改善できるということにつながるというふうに、こう思うんですね。その賃金にそれが跳ね返ってくる、あと雇用も増えてくるということがはっきり見えてくるようになれば、なおその効果というのは評価もされるのではないかなと思います。
○谷合正明君 引き続きまして、照屋公述人にお伺いしますが、言わば地域経済の景気対策、また賃金ということでいえば、地元の中小・小規模企業が当然しっかり安定した仕事を得ていくということが大事だと思っております。 今回の財政出動の中には、防災・減災に光を当てまして、我が党も防災・減災ニューディールということを訴えてまいりました。それなりの予算が付いたんだと思います。私も、聞いたところだけの話ですけれども、宮古島なんかでは、二〇〇三年ですか、台風の被害で大分、電線の支柱ですか、なぎ倒されて、逆にそれを地中化ということで今整備をしつつあると。いわゆる諸外国では景観対策でやっている事業なんですけれども、沖縄では、まさに台風の多い沖縄ではいわゆる防災・減災という形の中で、いわゆる費用対効果の上がる事業ではないかなというふうなことも言われております。 そこで、この防災・減災に着目した事業が、沖縄において、これからの課題、また可能性がどういうものがあるのか。特に建設業は多分、恐らくピーク時に比べると大分その数も、また専門家、人材も減っているんだと思います。こうした条件の中でどのようにしていくのか。また、中央のゼネコン等が仕事を請け負ってもなかなか地元に波及効果がないということも指摘されているわけでありまして、この辺りの商工会の会長としての御見解をお伺いしたいと思っております。
○公述人(照屋義実君) 二、三申し上げたいと思います。 まず一つは、三・一一以降、沖縄県内におきましても、地震、津波が発生した場合にどうなるのかというふうなシミュレーションが各専門機関あるいは行政の中でなされておりまして、昨年のちょうど今ごろですかね、総合事務局の方は、向こう一年間、すなわち今年の三月末までには地域防災計画を見直すというふうなコメントを発表しておりましたので、そろそろ見直した結果がそのうち公表されるんじゃないかなというように考えておりますけれども、沖縄、地震がないように思われていますけれども、結構地震がある地域になっておりまして、沖縄本島の右と左側にトラフというんですか、それが走っているというふうな事実が確認をされております。それから、体感するような地震も一年間の間には相当数あるというふうなことも確認をされておりまして、いつ地震が発生してもおかしくない状況というようなことを学者の先生方もおっしゃっているわけですね。 もしマグニチュード七程度の地震が発生した場合にはということでシミュレーションをしますと、沖縄本島の沿岸地域はほとんど水浸しになって、相当ライフラインが寸断されるというふうなことが指摘されておりますが、とりわけ、高速道路を那覇から北上していきまして、名護の手前の許田というところで降りるわけですけれども、その許田のところでライフラインが寸断される、それから本部半島のところでも寸断されると。沖縄本島が三分割されて、三分割された後、今のような現状であれば、どうしようも手が打てないというふうなことまで指摘されておりまして、これについてどのような対策、インフラ整備、更に追加的にしていくべきかというふうなことが現在政策ベースで検討されているだろうというふうに考えております。 それからもう一点、復帰してもう四十二年目に差しかかったわけでありますけれども、社会インフラの寿命といいますか、四十年から五十年というふうになっているようでありまして、それからしますと、沖縄が集中的に社会インフラの整備に取りかかったのが一九七〇年以降でありますので、そういった意味でいえば、更新期に入ってきている。実際に、橋梁、道路、港湾、ダム等、こういったものはこの四十年の間に次々と造られたインフラでありますので、そろそろ点検整備をここに来て本格的にやっていかないといけない。県の方で既にそういった作業もしているようでありますから、まさしく、この三・一一以降の減災・防災という観点の政策、あるいは国土強靱化というふうな点に関しては時宜にかなった政策だろうというふうに思っているわけであります。 それから、もう一つ申し上げますと、那覇空港ですけれども、七年の予定が五年十か月に短縮されるというふうな発表がなされました。これは一日も早く、容量限界が来る前にというふうな切実な要望があるわけでありますけれども、今現在、発着回数が十三万回というふうなカウントがされておりまして、もうアッパーに近づいてきているというようなことからしますと、そういうふうな要求が出て当然でありますが、ただ、建設業界が懸念しているのは、その五年十か月に短縮されることによって、大手ゼネコンさんが全部席巻をしてしまって、地元業者が入る余地がなくなるんじゃないかというような心配をいたしております。 したがって、二月、三月にこの発表がなされた段階で、いち早く建設協会は、二月には県議会に、あるいは、その追っかけて二日後には県知事に、三月に入って内閣府沖縄総合事務局の槌谷事務局長に県内建設業者優先活用についての要請をいたしているところでありまして、今の発注システムからしますと、沖縄の業者は入れないというふうな仕組みになっているようであります。そのことについては、これからでありますので、どうぞ参議院、国会の場でも御留意いただいて、ひとつ御指導いただきますようにお願いしたいというふうに考えております。 それから、もう一つ、米軍基地発注の問題に関しては、ここ数年、本土の大手ゼネコンさんが全部持っていくというふうな事態が相次いでおります。 これは、発注単位の金額が一億以上まとめて発注するというような形になったためでありますけれども、ボンド制度というふうなものがありますが、この仕組みが沖縄県内の地元業者がなかなか使えないような形になっておりまして、つまり、そのボンドを組むにしては、発注、受注金額が大きくなりますと地元の金融機関でも引き受けない、保険会社でも引き受けないというふうな形になっている関係で、なかなか機能しない、受注に向かえないということもあるわけでありますけれども、これにつきましては、一番手っ取り早く効果があるのは米軍の分割発注ということでありますので、分割発注を一義的にはお願いをしておるんですが、これがなかなか分割発注ということになっていない、ならないというふうなところが非常にネックになっております。 これは、ひょっとしたら外務省にまで及んでお願いをしていかないと、米軍との交渉は本国の方の裁量権にもかかわっているのかなというような気がしますので、その辺もひとつ正していただきたいなというふうに思っていまして、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○谷合正明君 ちょっと、じゃ最後、手短に。 つい一か月ほど前ですが、沖縄に来まして、若者雇用の改善に取り組んでいるNPOの方とお話ししたんですが、若者が沖縄の財産であるということは間違いないと思うんですが、一方でこの若年失業率というのが高いわけですね。数字上は高いと、でも雇用はしっかり生んでいる、このギャップはどのようにして生じているのかと。 やっぱり今後のこの問題の解決の方向性について、川上副知事に、言わば沖縄はこれからいろいろ成長産業を伸ばしていこうと、物流であるとか医療とか、そんな最先端イメージを持っておられていると思うんですが、この若年雇用とのミスマッチをどう改善していくかと。最後、端的にお願いします。
○公述人(川上好久君) 若年者の失業率は非常に沖縄県で悩ましい問題でございまして、最近は若干その改善の動きが出てきているわけですけれども、基本的にはこれはいろんな幾つかの原因がございます。 まず、雇用とそれから就職活動をする若者のミスマッチがあるということと、それから、あとは子供たちのキャリア教育という、これも十分ではないというふうな話もある。また、沖縄の子供たちは県内志向が非常に高いという、これはいいことであるんですけれども、そういうふうなもろもろの問題がありまして、県では知事が就任して雇用の拡大という運動をずっとやってきております。 一つは、やっぱりキャリア教育をしっかりする。これは随分根付いてきたような感じがいたします。中学校、高校ぐらいからしっかりした自分の仕事のイメージを持つような、そういうふうな動きが次第に出てきたというふうに思います。 それと、あと県内のジョブの数は、実は沖縄県は相当の数が増えております。復帰から今日まで大体二十万ぐらい増えているわけですけれども、これ九州各県では、福岡を除けば大体マックス五万ぐらい。そういう意味では、非常に活力はある。けれども、人口増と、それから労働就労に参加する、そういうふうなものでなかなか失業率が改善されないという、そういう状況にありましたけれども、この一年間ぐらいは若干改善の方向に動きつつあるというふうに見ております。
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。 沖縄では自民党から共産党まで基地は問題だという話を聞きましたけど、国会では随分違いまして、自民党と我が党とはかなり考え方が違います。 伺っていて、あるいはふだんいろいろお話を聞いて思うのは、いわゆる条件付、つまり移設を条件とした条件付返還というのは、もう十七年たって何も進まないと、ここまで来るとそれこそ非現実的で、一見理想論かのように思われますけれど、もうここまで来ると無条件返還ということしか残っていないと思います。 今月十七日にアメリカがとんでもないあの報告書を発表しましたけど、上院の軍事委員会がですね、結局、普天間の強化計画と、もう永続化ですよね。先ほどオスプレイの強化の問題がありましたけれど、格納庫を造ったり滑走路を新設したりですね。つまり、辺野古がもう見込みがないと、だから、もうそれならば普天間の永続化、基地強化だと、こういう、上院の軍事委員会でそういうことが公表されましたけれど、またこれ、そのものが始まりは何だったのかと、十七年前のですね。やっぱり安全の問題ですよ。人の命の問題ですよ。それから始まったにもかかわらず、辺野古が駄目だったら普天間だと、更にずっと普天間で強化だと、とんでもないことを言っているわけですね。 六基地の嘉手納以南のこの統合計画も、先ほど名護の市長さんから、何だあれはと、結局基地の面積は減らないしと、もうちゃんちゃらおかしいという激しい抗議の声を聞きましたけれど、あれだって中身をよく検討してみますと、即返還みたいな部分もありますけれど、事実上移設してその後返還ですよね。あとはグアムとハワイに持っていくと。ところが、グアムとハワイの九千人だってもう宙に浮いている話でございますし、来年のアメリカの予算を見るとそんなものはほとんど計上されておりませんから、つまり嘉手納以南の六つの基地を統合するって話だって結局は移設を前提にしているわけですね。これはもう沖縄の中で話題になっているように、移設先と言われたところは反対表明されていると。 だから、この移設を、何というんですか、条件付というのにする、この方式はもうにっちもさっちもいかないと。これは、もうはっきり原点に戻って、普天間でいえば、この人の命の安全、環境の安全、人道上の問題から始まったんだから、もう無条件返還という立場で本気になってやるしかないと。 新垣さんが言われた県外という話も、思いますけど、結局は同じことの繰り返しになると思うんですよね。ここはもう、別に非現実的な理想論ではありませんから、沖縄の声としてもあるいは政府としても、もう普天間の問題だけは無条件で何とかしてくれという姿勢で臨むべきだと、もうそこまで来ているんじゃないかと、十七年たってですね。 その辺をちょっと思うわけですけれども、ちょっと、時間の関係でいえば、稲嶺公述人と新垣公述人に、そんな短くなくて結構です、きちっとしたお話を伺いたいというふうに思います。
○公述人(稲嶺進君) 大門先生から、普天間は無条件返還すべきだというお話がございました。やっぱり誰もがそう願っているというふうに思っております。 私たちの今沖縄県でいろいろその話をされているのは、県外であったり国外であったりというようなそのことがベストだというようなことでやっているわけですけれども、先ほど山崎先生からもありました、なかなかそれが難しいというようなことがありまして、そういう中で、沖縄県と、我々はやっぱり無条件返還がベストであるとは思いますけれども、そういう中で今その状況が整えられていないということがあって、仕方なく、やっぱり県外だとか、こんなことを言っているわけでございまして、おっしゃるように無条件で、しかも、先ほど言いましたように、アメリカは戻ってきてもいいんだというふうに言っているわけですから、それは私は可能ではないかなというふうに思っております。
○公述人(新垣安弘君) これは今、日米が両政府そろって辺野古ということで言っております。 一つ思うのは、私の資料の三番目に、少し話しかけたんですけれども、七二年の復帰はどうやって、その時点で、そのときに達成されたかと。これは、要は、沖縄県の状況を見て、アメリカが沖縄に基地を安定的にこれからも維持していくためにはもう施政権返した方がいいかなと判断をして、その状況を見て、それに日本が、政府が加わって話が進んだのかということとかがあるんですが、これは私も、沖縄の基地問題、知事がアメリカに要請に行ったりもしています。最初のころは、これ、アメリカに言ったって、日本政府の話だから軽くあしらわれちゃうんじゃないかと、政府に言うべきじゃないかと、そういうふうに思っていたわけです。 しかし、この問題のその経過を見ていくうちに、沖縄の現状を、これはアメリカも復帰前の沖縄の状況を観察しながらいわゆる復帰に向けての判断をしたということがあると思うんですね。そうすると、今の沖縄の状況、この普天間の移設問題でにっちもさっちもいかない状況、下手したらほかの基地にも飛び火しかねない沖縄の状況、それを見たときに、日本政府よりもアメリカ側の方から柔軟な変化、政策の変更が生まれる可能性もあるんではないかと、そういうふうに思い始めてきております。 本当に、その日米の防衛に関する力関係の交渉を見ますと、これはアメリカがうんと言わないと日本も変われないと、そういう状況なのかなと。そういう点では、今のこの沖縄の状況が、日本の政府でも、これは辺野古とは言っているけれども、これは難しいよと、でできないよと。この沖縄の今の燃え上がった県民のその状況を、日本政府が観察するよりもアメリカ側がそれを観察して方針転換を出してくる可能性もあるのではないかと思ったりもしているわけです。そういう兆しが、これはアメリカもいつも一つではないと思いますので何とも言えないんですが、日本側よりも、どちらかというとアメリカ側の方からそういう柔軟な変化が識者の意見として出てきたりしているのも事実かと思っております。 そういう点では、今の状況からすると、沖縄県民が政府に向かって今先生がおっしゃるような無条件返還を言ってそれがかなうかというと、なかなか厳しいんじゃないかと。もしそれが、沖縄からの完全な撤退があるとしたら、そこはアメリカが沖縄の今の現状を見て、これはどうしようもないなと、そういう状況でアメリカ側が判断をしてそういう方向に動いていくというのがあるのかなということでは思ったりはしております。
○大門実紀史君 御意見分かりました。 私、この普天間でいえば、沖縄県民と普天間に、とにかく普天間ということでいえば、政府もこの問題だけはいろいろな、この問題に絡めるなということで一致してもうこれは無条件で返してもらいたいとやるのが、今おっしゃった向こうの、アメリカの方にもそういう声が届くんじゃないかなと思っております。 もう一つは、四月二十八日に政府の方で主権回復の日というものが開かれました。沖縄では一万人規模のそれに反対する集会が開かれて、これこそ超党派の県会議員の方が出られて、市町村長の方も何人か出られたということを聞いております。この主権回復の日について、様々な複雑な思いがあると思いますけれど、生の声を聞かせてもらうのは初めてということになりますので、是非、川上さんからお一人ずつ簡単にこの主権回復の日、どう思うか、お聞かせいただきたいと思います。
○団長(石井一君) では、簡潔にお答えください、順次。
○公述人(川上好久君) これに関しては知事がこの件を耳にして冒頭すぐ反応をいたしましたけれども、なかなか沖縄的には胸にすとんと落ちないということと、何で今ごろというふうなのがそういう大方の、我々の世代のそういうふうな感触だったと思います。 そうはいいながらも、しかしやはり日本が主権を回復をしていく、その歴史的な過程であったことは間違いないわけでありまして、そこはそことして理解をしているつもりでございます。
○公述人(稲嶺進君) 四月二十八日、政府の式典と同じ時刻に沖縄では抗議の大会が開かれました。これについては、先ほど私は沖縄の問題は千六百キロ以上の距離を感じるという話も申し上げましたけれども、主権回復式典についても同様なものがございます。実は私はその会場で発言する機会がありましたので、その主権回復ということで喜ぶ、それは沖縄が犠牲になったその上でそれができたということをしっかりやっぱり認識していただかないといけない。それからもう一つ、その主権回復ということですが、例えばサンフランシスコ条約と安保は一つになっているし、そしてその後の日米協定につながっています。そうすると、その三つは一つのセットになっているわけで、特に地位協定などにおけるような、沖縄の人権をじゅうりんあるいは無視するような状況が続いている中で主権回復というのは当たらないのではないかというふうに思いましたが、そういうふうなことを会場でも申し上げたところで、余りにも受け止め方の落差の大きさに戸惑いといいましょうか落胆といいましょうか、ということを感じております。
○公述人(照屋義実君) かつて西銘県知事が沖縄の心とは何かというふうに問われて、それはヤマトンチュになりたくてもなり切れない心というふうに表現をしました。日本人になりたいんだけれども、心の奥深くそれを拒否する心があるというふうに理解しておりますが、一九五二年、サンフランシスコ講和条約が発布してから沖縄が主権を取り戻すまでに二十年掛かったわけですね。その間に様々なおびただしい事件、事故が発生をいたしておりますし、また復帰して後も変わらずに、同じように頻発いたしております。 こういうふうな状況をつぶさに県民は見てきておるわけですから、保守政界のドンと言われた西銘知事ですらそういうふうな心情に至ったのは無理もないことだというふうに考えております。
○公述人(新垣安弘君) 県議会でもこの式典に対する抗議の決議はいたしました。ただ、私、一つ思うのは、このことを通して本土と沖縄の県民との間にいわゆるマイナス的な溝が、心情的な溝がお互い深まってしまうようであれば、本当にこれはマイナスだったなというふうに思います。ただ、一つは、忘れかけていた、若い人にとっては余り知らない四・二八、歴史、そこを学ぶという、気付かされるという、想定外のいい意味での効果も出たのかなと思っております。
○大門実紀史君 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今日は、公述人の皆様、本当にありがとうございます。オスプレイ反対集会には沖縄で開かれたときに参加しましたし、首長さんが全員日比谷野外音楽堂に来られたときも参加をしておりました。また、主権回復といいながら、沖縄を切り捨てた日を主権回復として祝うことはどうなんだろうかということを社民党としては強く思っております。 また、辺野古に基地を造ることに関しては、社民党自身も私自身も、辺野古に基地を造ることは沖縄県民の負担軽減には合わない、しかも新たに基地を造ると、これは移設と言われていますが、恒常的な軍港も造るわけですから、これは代替基地ではなくて、新たに辺野古の海を埋め立てて新たに基地を造ることには反対であると。ですから、これは、閣議決定に署名することを拒否し、私自身も当時大臣を罷免になり、社民党はそのことで連立を離脱をしました。 辺野古に基地を造ることは、これほど沖縄の人たちが反対し、新たに基地を造ることなわけですから、私も実現できないというふうに思っております。アメリカに何度も行って交渉をし、シンクタンクのジャパンウオッチャーの人たちも、もう沖縄の人たちがこれほど反対していて実現できないということを、国会議員もシンクタンクの皆さんたちも、かつて以上に発言される方が増えているということを痛感をしております。 ですから、改めて、辺野古に基地を造ることは無理であると、沖縄の県民の負担軽減ではないというふうに思っていますがどうかという点と、それから、辺野古、オスプレイ、主権回復の日は、やはり沖縄の民主主義、民意をなかなか理解しようとしない日本の政治の欠陥が表れていると思いますが、その二点について。新垣さんは先ほど基地についてかなり話していただきましたので、川上さん、稲嶺さん、照屋さん、よろしくお願いします。
○団長(石井一君) それでは、照屋さんの方から始めていただきましょうか。
○公述人(照屋義実君) 実は、今朝、近くのカトリック教会の神父さん、アメリカ人であります、神父さんが私のところにお見えになりまして、二日前に話はあったんですけれども、どういう話だったかと言いますと、非常に今の現状に心を痛めている、これは日本政府がなかなか沖縄県民のことを分かっていない、聞いてくれないからに違いない、アメリカという国は、どういうふうな世論がそこにあるのか、何名が反対して何名が賛成しているのかというふうなことを極めて重視している国だから、これは是非オバマ大統領に直接沖縄県民の意見を届けた方が手っ取り早いというふうなお話でございました。具体的には、はがきを送る運動をしたらどうかというふうな御提案で、御自身でその原文まで起こされて、英文でしたけれども、それを県民に提起したらどうかというふうなお話だったわけですね。 事ほどさように、この方は恐らく九・九県民大会にも、こよなく平和を愛する立場で参加されたことだろうと思います。シスターたちも参加しておられました。ですから、今の状況を見て非常に悲しむ気持ちが大きいというふうなことで、つき動かされるような思いで、そうせざるを得ないというふうになっているんだろうと思います。 要は、日本政府がアメリカに沖縄の現状をつぶさに報告していないんじゃないかと。これだけの沖縄におけるマスコミの報道に接する立場であれば、誰しも沖縄ではもう無理だというふうなことは容易に判断するはずだけれども、なかなかそうはなっていないところに問題があるというふうな問題認識だろうと思っております。 以上です。
○公述人(稲嶺進君) 済みません、一つだけ、ちょっと確認させてください。 辺野古に固執することについてということと、済みません、もう一点。
○福島みずほ君 辺野古、オスプレイ、主権回復の日に象徴されるように、沖縄の民意をなかなか日本の政治が理解しないことについての二点です。
○公述人(稲嶺進君) どうもありがとうございます。それでは、お答えいたします。 辺野古に固執をしているというそのことについては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、それは日本政府であって、多分アメリカ政府ではないだろうと思います。私がアメリカにこの前行ったときも、いや、日本政府はちゃんと頑張ってもらっている、頑張ってくれていると、だから大丈夫だろうというようなことも実はおっしゃっていた方もおりました。そういう意味では辺野古に固執しているというのはやっぱり日本側であって、アメリカ側は日本が、先ほどありましたように、これは日本国内問題というふうに言っているように、日本が頑張っているから大丈夫だろうというようなことだと思います。 この辺野古に移すということについても、先ほど新垣議員からもいろいろありました。例えば、岸本建男市長が基地使用協定を締結をしようと、こう言ったときに、一応確約をしたというようなお話もあるんですね。しかし、この確約をしたというその言葉というのが、私は、何か言葉が軽過ぎるといいましょうか、その場しのぎで答えている、いわゆる空手形だと思います。 その証拠に、今回の嘉手納飛行場以南の土地の返還について、全てに又はその後というふうに付いているのは、これはやっぱりアメリカの意思だと、アメリカサイドの意思だと思います。アメリカはやっぱり言質を取られたくない、そういうことをはっきり言うと言質を取られてしまう、だから、それは言わない。それで、又はその後と言うと、その言葉にやっぱり責任を持っているということになります。そういう意味での言葉に責任を持ってやっぱり政治家は活動しなきゃいけないんだというふうに、こう思います。 野田前首相がオスプレイ配備のときに、アメリカが決めたことだから我々がどうのこうの言えないというようなこともありました。あるいはまた、その運用問題について言う立場にないというようなことなどいろいろある中で、本当に沖縄の現状、あるいは日本の国としての姿勢というものがやっぱり問われるというふうに、こう思っております。そういう意味で、今の沖縄の県民世論の高まり、そしてアメリカサイドの、先ほどシンクタンクの話もありました。議員の先生方のお話もありました。もう辺野古は現実的でないというようなことがある以上、日本政府の方がもっとその考え方を変えるべき時期だというふうに、こう思います。 それから、民意を受け取る受け取らないの話がありますけれども、それについては、先ほどは〇・六%の国土に約七四%というような話をしました。もう一つには、例えば人口でいいますと一%なんですね、全国の。沖縄の人間というのは一%です。そうすると、大きな声の僅かその一%、その一%がどんなにわあわあ騒ごうがわめこうが、耳をふさいでしまっているというように我々は聞こえてしまうというのがあります。でも、そこにも人が住んでいるわけです。日本国民の一員としての人が住んでいるわけですから、それを、大を生かすために小を殺すというようなことは民主主義の国ではあってはいけないことだというふうに思っています。
○公述人(川上好久君) まず、普天間の件でございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、県の立場としては、その普天間飛行場の危険性を長期間放置することはこれは許されないというふうな立場でございます。一方で、地元の理解が得られない移設などの実現も事実上もう不可能であるというふうな考えでございまして、普天間飛行場の一日も早い県外移設、そして返還跡地利用の促進を求めるのが県の立場でございます。 そして、あと、オスプレイ等につきましても、これも県民の不安がなかなか一向に解消されていないというふうな状況の中で、配備計画の見直しを求めているというふうなことでございます。 そして、頭越しというふうな話もございましたけれども、統合計画の実施等につきましては、現在市町村等との意見交換を始めてございますので、是非とも地元の意向を十分聞いていただきたいというふうなことでございます。
○福島みずほ君 じゃ、TPP参加に関して照屋公述人と川上公述人に御意見をお聞きします。
○公述人(照屋義実君) TPPに関しては、沖縄県の主要作物でありますサトウキビの生産に打撃的な影響を及ぼすだろうというふうなことはもう全ての人が認識をしているところであります。県知事も反対という表明しておりますし、県議会も一致して反対決議をいたしております。反対の県民大会も何度か開かれております。 ただ、商工会としては、利害相反の立場にある人がいまして、TPPはよく分からないという意見が大半なんですが、いいじゃないかというふうな方の意見も一部にありまして、なかなか、アンケートを取ったんですが、集約することができませんでした。したがって、反対という表明はいたしておりませんが。ただ、沖縄県のこの島嶼経済というふうな位置を考えますと、何しろ基幹産業がきちんとそろっていない、製造業を含めて。復帰当時から逆に製造業は減っているんですよね。そういうような立場からしますと、一方的にTPPが開放されるような状況になるとどうなっていくのかなという懸念が強いです。 以上です。
○公述人(川上好久君) TPP参加でどのような影響が出るのか、今お話がございましたけれども、照屋会長の方からですね、沖縄県の場合はサトウキビ生産に非常に大きな影響を与えるのではないかというふうに危惧をされています。とりわけサトウキビ生産というのは離島の基幹作物でもあるというふうなことで、離島の暮らしに大きく影響を与えるのではないかという懸念を持っております。そういうふうな観点から、十分な対応がないままにそういうふうな形で走っていくというのについては非常に県としては懸念を持ってございます。 一方で、今、照屋会長の方からございましたけれども、県内、製造業あるいはまた輸入業者等々、いろんな意見があることも事実でございまして、その詳細がまだ正直なところ、しっかりまだ把握をできているというふうな感じは県の方にもちょっと正直なところございません。そういう意味では、そういう情報も開示をして、そういう不安がないような形でやっていただきたいというふうに考えております。
○団長(石井一君) じゃ、いいですね。
○福島みずほ君 いや、あと二分あるので、済みません。 子育て支援に関して、私は少子化担当大臣のときに、安心こども基金二百億円のうち二十四億沖縄に付け、かつ、沖縄待機児童解消基金十億円あったんですが、認可外を認可にする補助を七百万から三千万にして、随分認可保育園が増えるとか認可外の支援とかいろいろ県庁の皆さんたちと一緒にやったんですが、出生率日本一、待機児童率が多い県の取組として是非頑張っていただきたい。いかがでしょうか。
○団長(石井一君) どなたに。
○福島みずほ君 あっ、ごめんなさい。川上公述人です。
○公述人(川上好久君) 認可外保育、それから待機児童については、これは現在も大きな課題だというふうにとらえております。 現在、認可と非認可の割合、これは全国的には九二%が認可でございます。沖縄県は大体六三%、残る三七%が認可外で、なおかつ一人当たりの対応費というか公的な支出が、認可の場合は五、六万、認可外は千円足らずと、そういうふうに非常に差のある状況の中で子供たちが置かれているというものに対して、認可化の促進というふうなものを図っていくというのは基本的にしておりますけれども、それ以外に、認可保育所の拡充といいますか、定員を増やしていく方針だとか、様々今手だてをやっております。 ただ、そういうふうなことをやっても今のこの認可外の保育所の数を急激に減らすことは非常に難しいというふうなことを考えておりまして、是非ともそこに光を当てるような何らかの施策の手だてができないのか、今そのことについて市町村と一緒に検討している最中でございます。
○福島みずほ君 頑張ってください。 ありがとうございます。
○片山虎之助君 公述人の四人の皆さん、今日はありがとうございます。しんがりですから。片山虎之助でございます。 公聴会は、釈迦に説法なんですけれども、公述人の皆さんの豊かな知見を我々が予算審議のために勉強する会なので、お聞きする会で、何となく予算委員会の質問戦風になってきまして、そういう基本的な立場でお伺いしたいと思います。 普天間基地移設の問題は深刻ですよね。しかし、考えてみればうまくいきかかったんですよ。それを鳩山さんが妙なことを言ってぶち壊したんでね。しかし、これからこういうことは私はいろいろ起こってくると思うんです。私は、私の経歴からいっても、地方を強くする地方自治推進論者ですよ、地方分権改革論者なんだけれども、これから国、国民の利害と地域、地域住民の利害が衝突するということがいっぱい起こってくるんです。ナショナルインタレストとローカルインタレストのこの激突ですよね。普天間の問題も言わばそういうことなので、しかしこれを乗り越えていかないとちゃんとした国家にならないんですよ。 そこで、皆さんにそれについて、個人的な御見解でいいですが、お一人ずつお話しください。川上さん。
○公述人(川上好久君) ある種、理念的な話としては、片山先生のおっしゃることは十分理解をできます。 今先ほど来話が出ている辺野古の問題については、これは非常に歴史のある、長い経緯のある件でございまして、このことについて、地方としてやはり地域住民の意向を踏まえて今日まで来たんだというふうな認識を持っておりますので、そこの部分に関してはしっかりと県は県としての考え方を取りまとめながら進めていくべきものかと思います。 そのことがまた一方では、国の方も地域の意向を聞きながら国としての利益というふうなことを発言をしていくのか、そこを考えるまた契機もあろうかと思いますので、そういうふうな対応をこの件についてはやっていくべきだと考えております。
○公述人(稲嶺進君) 片山先生がおっしゃるように、これから中央と地方との、ぶつかるというのは当然にやっぱり出てくるというふうなお話もございました。 まず、先生はさっき御自分でもおっしゃっていましたが、地方分権の先鋒といいましょうか、ということで実践にかかわってこられた先生ですのであれですが、地方と国が利害が一致しないということについてはやっぱり間々出てくるというふうにこれは思います。しかし、その場合にその解決手法としてどういう手法をやっぱり取るのかという、そのことが一番だと思います。その手法にやっぱり権力というものを振りかざしてくるのか、あるいは、先生がおっしゃる地方分権あるいは地方主権ということで地方の言い分をやっぱりしっかり聞いて、その答えを導き出すのかというふうなことでは、大きな違いがあると思います。 ただ、これまでのいろんな事象を見ますと、いつもやっぱり弱い者は結局は負けてしまうというようなことになりかねないような環境、状況をつくってきたということがあります。やっぱりそれではなくて、しっかりとこれからも地方の言い分というものを受け止める、そういう国の姿勢であっていただきたいと思います。
○公述人(照屋義実君) 一時大変盛んでありました道州制の論議がまた始まろうとしているように仄聞いたしておりますけれども、沖縄は九州一くくりではなくて、沖縄の歴史的、それから地理的、自然的な特性を生かして単独州でいくべきだというふうなことが県の取りまとめによって志向されております。 ただ、最近の外交的な動き、おとといの四・二八もそうですけれども、そういうふうな動きが出てまいりますと、むしろもう沖縄はそれを飛び越して独立したらどうかというふうな独立論も、まあ冗談半ばで話が出ているような状況でありまして、これがいつ本気になって議論が始まるのかなというふうな感想を持っております。 以上です。
○公述人(新垣安弘君) 私も今、民主党歴十年なんですけれども、その前の約二十年は本土にいまして自民党支持者でした。 東京から見る安全保障、考える安全保障、その沖縄、十数年前に沖縄に帰ってきて、地元で考えるこの国の安全保障、そして沖縄の立場を考えたときに随分悩みまして、やっぱり沖縄にとって課題は、鳩山前総理が、実現は、御本人の思いの実現はできませんでしたけれども、その背景には、やはり外務・防衛官僚主導の対米交渉、あるいはアメリカを怒らせたら駄目だという大手メディア、そして日米安保に座らないと駄目だという大多数の国民の意識、そういうものがやはり変わらないと、沖縄の基地問題、なかなか変わっていかないのかなと思っている次第です。 そういう点で、東京から見る安全保障、それを分かる部分もあるんですが、やはり地元に帰ってきて地元で考える沖縄の基地問題見たときに、自民党は、政権、戦後ずっと本当に、もうちょっと沖縄の事情と心情を踏まえた上で対米交渉をやってきてもらいたかったという思いと、そしてこれからそういう立場でやってもらいたいなという思いを強く持っています。
○片山虎之助君 ありがとうございました。 やっぱり安全保障上、地政学的に沖縄は本当に絶好の場所なんですよ。私がアメリカでも、やっぱり欲しいわね、基地としては、大拠点になるとか、同時に、これからアジアの時代なんで、アジアの成長力を取り込むためにも沖縄は絶好の場所にあるんですよ。 いろいろ今日お話聞きまして、国際海洋リゾート基地なんて、私、結構だと思いますよ。スローガン打ち出すだけじゃなくて、具体的に何をどうやって、どう進めるかなんですね。 そこで一つの提案なんだけれども、カジノなんかやりませんか、どうですか、一人ずつ、カジノ。そういうことを今、超党派でいろいろ国会内で議論している向きがあるんで。超党派じゃないそうだ、共産党は違う。
○公述人(川上好久君) カジノについても、一つ、観光・リゾートの振興の方向として県の方ではとらまえて、今研究をしている最中です。これも、立法の動き等を見ながらこの辺のところは情報収集をしてまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 どうですか、稲嶺市長。一言でも結構です。
○公述人(稲嶺進君) カジノの前に、先生が先ほどおっしゃった、地政学的には沖縄は絶好の条件とありましたけれども、前の森本大臣は、戦略的には何も沖縄でなくてもいい、政治的に一番沖縄が優れているんだというようなお話もありました。そういう意味でも、地政学も抑止力も実は、沖縄の方言で言いますと、ユクシ力ということになってくるのではないかと思います。 それから、カジノについてですが、やっぱり沖縄はリゾート法ができてからかなり多くの開発が進み、東洋を代表する場所も出てきました。そういう中で、私としては、やっぱり健全な形での観光をもっと打ち出すべきだというふうに思っています。
○公述人(照屋義実君) 私は一昨年の十一月でしたか、シンガポールに行きまして、二つの大きなカジノを見てまいりました。建設業界の皆さんと一緒でしたけれども。そのときに実は案内してくれた方が沖縄出身の現地の建設会社の方で、三十年以上現地に住んでいて、実際にカジノはパスを持って使っているというふうな方だったわけです。彼の率直な沖縄にカジノをというふうなことに関する感想は、沖縄でつくっちゃ駄目というふうに、現地で長年住んでいるウチナーンチュがこういうふうに言っていたということが一つ。 それから、業者の話を聞きますと、一か所はラスベガス、一か所はマレーシアの業者だったわけですが、あれだけの資本投下をして回収していくには相当な客が入ってこないと採算が成り立たないわけですけれども、沖縄のごときといいますか、シンガポールに比べると入客数がはるかに少ない、まだ六百人なるかならないかぐらいですから、それだけでカジノが成り立つはずがない。いや、カジノをつくって誘引するんだというふうな理屈もあるわけでありますけれども、とても業者が手を挙げてくるような規模ではないんじゃないかというふうに率直に感じました。 それから、県知事も、仲井眞知事も沖縄県民の過半数が反対すればつくらないと、こういうふうに公言をしておられますので、沖縄には歴史的な特異な歴史もありますので、カジノというのはいかがかなというのが私の個人的な感想です。
○公述人(新垣安弘君) 私も県議会で視察には行ったんですが、ばくちということではなから反対というわけではありません。かといって、もろ手を挙げて賛成だということでもありません。県と一緒に研究していきたいと思っております。
○片山虎之助君 アベノミクスは、今、第一の矢、成功ですよ。円安、あれだけの株高で。第二の矢は財政出動なんだから、問題は借金だとかやり方の議論はあるけれども、まあこれも成功なんですが、本命は第三の矢ですよ、新成長戦略で。これができないとそれは全体がおかしくなる。今一番問題は格差なんですよ。輸出型の大企業と内需型の中小企業、株を持っている人と持っていない人、大都市圏と地方なんですよ。地方まで恩恵が及ばないとアベノミクスは私はかなり問題があると思う。 そこで、第三の矢の新成長戦略に、沖縄としてこれだけはちゃんと書けと、これだけは具体的に提案しろというものがあったら一人ずつ言ってください。新成長戦略、第三の矢。
○公述人(川上好久君) 先ほど説明の中で、沖縄の経済的自立というのは、外からやっぱり金を持ってくる仕掛け、その中でやはり競争力のある分野として観光・リゾート、そしてITがあるわけでございますけれども、実はこの間、観光庁長官の講演を聞いて仰天をしましたけれども、日本国全体として観光の予算百億しかないという、非常にそういう意味では沖縄というのはマイナーな分野にリーディング産業って来ているなというように思いました。 是非とも、そういう今後、あちこち、地方は観光というふうに非常に重点化していくと思います。是非そういうリーディング産業として県が頑張っている観光、そこに光を当てていただきたいということと、それからアジアの活力を引き込むという観点におきましては、沖縄の地理的位置、ここは貨物ハブ、現在展開をしております。ここの部分も、この五、六年の間にその展望が開けるような形で是非とも力を入れていただきたいというふうに思います。
○公述人(稲嶺進君) 新成長戦略というのは、沖縄でいいますと、一言で言わせてもらいますとやっぱり一国二制度、先ほどは軍事的な戦略的なハブとありましたが、そうではなくて、アジアというのを見据えたハブにするというようなことで、一国二制度のものを導入すれば沖縄は自立に確実に向かっていくと思います。
○公述人(照屋義実君) 地理的な条件を生かすというふうなことでいえばアジアの玄関口というふうなとらえ方があるわけでありますので、やっぱりアジアのパワーを取り込んでいくというふうなことが大事だろうと思っております。 今先ほど副知事から観光の話があったんですが、観光と医療をドッキングした観光客を呼び込んだらどうかというふうなプロジェクトが今走っておりまして、結構、外国の方からも興味と関心を引きながらミッションが来るといった状況にあります。ひょっとしたらこういうふうな方向かなというふうに感じております。
○公述人(新垣安弘君) 重なるかもしれませんけれども、ANAの物流ハブが大きな成功を収めております。あとは港湾の物流ハブが成功するように、制度的な国からの制度設計が必要かと思っております。あとは、金融特区を成功させるためのその手だてを更にやっていくということかなと思っております。 軍事上は地政学的な立場ですけれども、本当に沖縄の位置を利用した発展ができるように、特に物流面の制度的な設計が必要かと思っております。
○片山虎之助君 終わります。
○団長(石井一君) ありがとうございます。 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。 この際、一言御礼を申し上げます。 公述人の皆様には、長時間にわたりまして有益な忌憚のない御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は当委員会における予算審査に十分反映してまいりたいと存じます。 また、本地方公聴会開催のために御助力をいただきました関係各所の皆様方に対しましても、委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) それでは、これにて参議院予算委員会沖縄地方公聴会を閉会いたします。 〔午後四時三十七分閉会〕 ─────・───── 盛岡地方公聴会速記録 期日 平成二十五年四月三十日(火曜日) 場所 盛岡市 ホテルメトロポリタン盛岡NE WWING 派遣委員 団長 理 事 小川 敏夫君 理 事 小野 次郎君 田中 直紀君 赤石 清美君 宇都 隆史君 森 ゆうこ君 谷岡 郁子君 荒井 広幸君 公述人 岩手大学理事・ 副学長 岩渕 明君 岩手県立大学学 長 中村 慶久君 一般社団法人岩 手県建設業協会 会長 宇部 貞宏君 特定非営利活動 法人いーはとー ぶスポーツクラ ブクラブマネジ ャー 盛岡市スポーツ 推進委員協議会 会長 岩手県スポーツ 推進委員協議会 副会長 村里 洋子君 ───────────── 〔午後一時開会〕
○団長(小川敏夫君) ただいまから参議院予算委員会盛岡地方公聴会を開会いたします。 私は、本日の会議を主宰いたします予算委員会理事の小川敏夫でございます。よろしくお願いいたします。 まず、私どもの委員を御紹介いたします。 私の右隣から、民主党・新緑風会の田中直紀委員でございます。 生活の党の森ゆうこ委員でございます。 新党改革の荒井広幸委員でございます。 次に、私の左隣から、みんなの党の小野次郎理事でございます。 自由民主党・無所属の会の赤石清美委員でございます。 同じく宇都隆史委員でございます。 みどりの風の谷岡郁子委員でございます。 以上の八名でございます。 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。 岩手大学理事・副学長岩渕明公述人でございます。 岩手県立大学学長中村慶久公述人でございます。 一般社団法人岩手県建設業協会会長宇部貞宏公述人でございます。 特定非営利活動法人いーはとーぶスポーツクラブクラブマネジャー・盛岡市スポーツ推進委員協議会会長・岩手県スポーツ推進委員協議会副会長村里洋子公述人でございます。 以上の四名の方々でございます。 この際、一言御挨拶を申し上げます。 当委員会におきましては、目下、平成二十五年度総予算三案の審査を行っているところであります。本日は、盛岡及び沖縄の二か所で同時に地方公聴会を開会して、それぞれの地域の皆様から三案に対する率直な御意見を承るため、当地に参上いたした次第でございます。 公述人の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の予算審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、公述人の方々からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 御発言の際は、その都度、団長の指名を受けてからお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。 まず、岩渕公述人にお願いいたします。岩渕公述人。
○公述人(岩渕明君) このような機会をいただきまして、ありがとうございます。岩手大学の副学長をしております岩渕です。 まず初めに、我々が大学というバックグラウンドの中で何を考えているかということについてお話をしていきたいと思います。 資料に基づきまして説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 それで、スライドの二と書いています、我々が三・一一の後、沿岸に行きまして、非常に被災状況を見てこれは大変だというようなことで、ここを何とか大学として一緒に復興のために行くということが大学の責務であると、地方大学の一つの責務として我々は考えて、できることはやる、できないことでもやらなければいけないという姿勢でずっと活動してきました。 ページを開けてもらいまして、二枚目、二ページ目の三なんですが、大学としての復興体制ということで、復興対策本部あるいは復興推進本部、現在は復興推進機構ということで、地域に根差す大学として岩手大学はとにかく地域のニーズにこたえていくということでやってきております。私は、その復興機構長を今仰せ付かって仕事をしているわけであります。 組織的に見ますと、岩手大学は、六千名の学生、それから四百名の教員、二百八十名の職員で構成されておりまして、それらがいろんな分野に専門性を発揮して教育研究を行っているわけであります。我々としては、そこに復興機構の組織図ありますように、六つの部門、教育支援部門、それから生活支援部門、水産復興部門、それからものづくり、農林畜産、それから防災という六つの部門を構成して、それぞれの先生方が関係するところでコントリビューションしているという状況であります。やってきた内容につきましては、非常に時間が限られておりますので、後ろの方に参考として付けておりますので、後で御覧いただければよろしいかなと。 今日は、そういう活動を通して考えていることをちょっと述べさせていただきたいと思います。 資料の五枚目、五と書いているスライドでありますが、復興について、短期的及び中期的取組の戦略ということで書かせてもらっています。 我々は被災の地域に住んでおりますが、距離的には百キロ離れた内陸部にいて、支援する立場という立場でいいますと、復興、復興ということで掛け声はいいんですが、どちらかというとゴールのないマラソンを走らされていると。だから、復興しなきゃいけないよねと言いながら、どこまでやるのというのは常に我々が議論しているところで、多い先生で一週間に三回ぐらい沿岸地域に走っていくんですが、じゃ、どこまで、いつまで続くんですかと。定常的な教育研究、学生も受け入れて教育しているわけですが、そのほかの時間を割いて行くということに対してきちっと目標があればいいなと。 そこに書かせてもらったのは何かというと、沿岸地域はどうしても現実は活性度が下がってきていると。震災で落ちて、じゃ、復旧というのは元に戻すと、復興は新たなものをつくっていくという意味では、どこまで上げるかという目標値がなかなか、県も八年計画といいながら、じゃ防災を、安全、安心の町をつくりましょうといったときに、どういうふうにコントリビューションして、目標値が見えないというのが大きな問題で、いろんな形で、アクションプランでどこまでやる、いつまでやるというようなのが見えていないというところが我々としては非常に大きな、何というか、疑問ではないんですが、非常に迷っているところであります。 それから、六枚目に書いているのが、行政間の連携ということで書かせております。 いろんな方が、復興庁、復興局、岩手も置いて頑張っているんですが、縦割り的な感じがやっぱり拭えないと。まあいろいろと寄せ集めというようなところなんですが、これは経産省マターですよとか農林省マターですよとかいろいろと、県に行ってもそういう縦割りというか、情報の伝達が十分でないということでですね。 もう一つ大きいポイントは何かというと、地域というのはいろいろ違うわけですね。宮城県も違うし、当然福島も違うし、岩手県ではそれぞれの地域、湾が違った集落を形成して違った文化を持ってきている。それを一律にこうだというふうな基準を作ってそれに当てはめようとすると、なかなか、書類の問題もありますけど、うまく進んでいないと。ですから、そこを一番分かっているのが、県というものを前面に出すというようなところが必要ではないかと。全て国から落とすというのではなくて、一回クッションとして県の自由裁量みたいなところがあるともう少し地域に根差した復興が進むのではないかなという意見であります。 それから、二番目に書いているのは、高台移転という中で、我々の大学にも学芸員資格を持った方がいるんですが、とにかく文化財が出てくると、土を掘れば出てくると、そうするとストップ掛かっちゃうと。現在は多くの自治体等から沿岸に来ていますが、まだまだ足りないというか、ですからここに建てたい、だけど整地したら何か出てきた、じゃ一年待ちなさいと、そういう状況が続いているということでございます。 それから、経産省も農林省もコーディネーター、県もコーディネーターいるんですが、コーディネーターがいっぱいいて、そこの横の連携がない。ですから、ある企業に行くと、えっ、さっきも来ましたよというような形で、コーディネーターの連携がなかなか見えていないと。それ、我々岩手県の中で、未来づくりの中でもコーディネーターの連携ということを、組織を超えた連携をしましょうと言っているんですが、なかなかうまくいっていないと思う。 見落としている地域も、コーディネーターがいないところは全然、例えばグループ補助金の申請がすごく遅くなったり、いるところは一生懸命やるんですが、そこら辺の格差というのは非常に大きいかなと思っています。 次のページはイノベーションということを、大学ですから、少しイノベーションと。 例えば、今、我々も岩手大学、初めて水産という分野に手を出すんですが、水産のイノベーションといったときに、多くのものが復旧ということで終わっちゃうんじゃないかなと。復旧であれば船を何そうとか製氷工場とか魚市場とか、そういうのが出てくるわけですが、要は、元のシステムへ戻すということは、ある意味で、マイナスのグラディエントで右下がりの水産業をどうやって新しいイノベーションを生むかということはなかなか難しいかなと。 科学技術、我々も、総合技術会議等の基本計画を見ても必ずそのイノベーションということが出てくるんですが、イノベーションをするということは、やはりあるシステムを、壊すと言うと怒られるので、新しいシステムへ移り変えていかないとなかなか難しいかなと。 我々大学は、KKDからKKDSと、経験と勘と度胸で仕事、なりわいをやってきたやつを、やっぱり大学の今から出番というのはSで、サイエンスのエビデンスをきちっと付けてあげるとか、それによって新しい商品を生んでいくというような働きをしたいと思っております。 そういう中で、JST、科学技術振興機構が、復興局、復興センターを三県に置いているんですが、それが予算措置としては三年間で終わりですよと。やっとスタートしたのにもう来年終わりですかという議論が地域では我々大学を含めて行われて、やっぱり長い、そのイノベーションをやるためには時間がある程度、ロングスパンのサポートというのは非常に必要だと思っていますので、その辺が一つ大きな問題かなと考えています。 次が、教育と人材育成ということについてお話をしたいと思います。 もう二年目、丸二年たって新しい学生も毎年入ってくるわけですが、なかなかその意識というものが当時の、例えばボランティア活動にしても当時いた学生ではすごいあれなんですが、新しい学生はなかなか入り込めないというか、少しディスタンスがあるというようなところで、やっぱり風化という、別な言葉で言うと、風化させない、風化してきたとか、そういうことになるんですが、そういう人たちをどうやって継続的に継承していくかということが必要で、それは大学の使命としては復興に携わる人材をどう育てていくかということが非常に大きな問題だと思います。 この辺は復興教育と防災教育がごっちゃになっているかもしれませんが、要は、町としてある文化を持ったそういうものをつくるというのは、安心、安全の防災教育だけではなくて、広い意味で地域が活性化するためには、いろんな職種の人がいて、それへ携われるような教育研究を今我々が学生たちに教えていこうということで、いろんな企画をしているところであります。 特に、今我々のところに上がってきているマターとしては、地域に残るのは結局誰だろうかと。成績優秀な高校生は大学へ行って、また都会の方に就職するというのが非常に大きいわけです。大体定着率、うちの大学でいうと、四〇%が岩手県出身で、教員等を含めて県内に残るのは二〇%。ですから、いい学生がみんな都会の方に行っちゃう。仙台、東京方面ですね。そうすると、地域に本当に残るというのは、職業高校、例えば商業高校とか水産高校とか工業高校、そういう人たちが地域を将来担うんだと。そういう中で、結構いろいろな人が人材育成ということで、我々もいい学生が欲しいということで進学校には出向くんですが、なかなかそういう職業高校のケアというのがなされていないと。その辺のケアというのは本当に、将来君たちが中心となって地域を担うんだというキャリア教育みたいなことを是非、足りない、我々もやらなきゃいけないということで、今、岩手県、未来づくり機構、我々大学も含めて考えているところであります。 次が、人を呼び込むと。なりわいといいますか、ですからここは二つのポイントがあって、一時的に人を呼び込む、つまり観光というところでどういうふうなインフラをきちっと整備していくかと。それとともに何を残すか。災害アーカイブと書かせてもらいましたが、国会図書館を含めて、あるいは岩手県の図書館を含めていろんなものを残そうと。文献あるいは建物を、何を残すかというようなところで今議論になっているわけですが、何を残し何を見せるか、誰に見せるかというようなところで、一つのアイデアとしてはやはり小中生の修学旅行、そういうものが一つ、そういう仕組みづくりというのが面白いんじゃないかなと。やはり、実際に目で見るのとテレビで見る、あるいは写真で見るのと全然違うということで、この辺がインフラを含めて重要なことかなと。 別な視点でいうと、定住するというときには、やはり雇用の場、十分な生活環境、所得を含めたですね、そういうことをきちっとつくっていかなきゃいけないと。そういう意味で、経済指標で岩手県は下から何番目の所得でありますが、そこの比較ではなくて、やっぱり住んでいて、文化とか環境とかそういうものを含めた、ネパール、ブータンではないんですが、地域の豊かさ指標みたいなものはきちっと出して、ここで働ける、給料は百万ぐらい年収で少ないかもしれないけどいいですよと、こういうようなものを持続的につくっていきながら人を呼び込むというか、Iターン、Uターンでもいいんですが、そういうことをする必要があろうかと。 それから、生涯学習フォーラムというのを去年岩手でやりまして、これは文科省のやつなんですが、非常に、地域離れていて、被災した人たちと被災しない人たちの意見の交流というのはすごく有効だという理解をしています。ですから、特に、被災した中学校の中学生が来て、こっち側の内陸の方の中学校の生徒会のメンバーといろいろ議論をすると。やっぱり情報の共有というのは非常に重要な場であって、そういうものを、例えば生涯学習のような、その場の中でつくっていくということも非常に、さっきの継承という問題と。 最後に、女性のパワーというものをいろいろな復興計画等の中に生かしていきたいということで岩手大学も男女共同参画室をつくりまして、いろんな形で仕事をしたり提言したりしていますということで終わらせていただきます。 どうもありがとうございます。
○団長(小川敏夫君) ありがとうございました。 次に、中村公述人にお願いいたします。中村公述人。
○公述人(中村慶久君) 岩手県立大学の学長の中村でございます。よろしくどうぞお願いいたします。 まず冒頭に、本学に対しまして、大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業、これで御支援をいただきまして、いろいろな活動をさせていただきました。改めて御礼を申し上げたいと思います。 お手元に本学の大学案内がございますが、本学は四学部、それから盛岡と宮古の二短大部から成ります学生数二千五百名の大学でございます。お手元の、多分、もしかしたら袋の中にございますかもしれませんが、そういう比較的小ぢんまりとしたといいますか、学生がよく見える大学でございますので、本日は、特に学生の復興支援活動、大変目覚ましいものがございましたし、それを通じて大変学生の成長というのが非常によく見えたということがございましたので、その点について御報告をさせていただきたいというふうに思っております。 お手元のこの資料に沿って御説明をさせていただきます。 一枚めくっていただきまして、PDF、PDFというかパワーポイントの図面がここに張り付けてございますけれども、一枚目の隅っこの方にページ数が入っておりますけれども、その一ページ目のところの下に書いておりますが、私も、復興後できるだけ早くということでございましたが、四月の五、七、八ですか、七日にはまたちょっと大きな余震があった日でございましたけれども、被災地十一市町村回らせていただきまして、首長さんにお見舞いを申し上げたり、今後本学が何ができるかということでいろいろとお話をさせていただきました。その際、大変すごい被害にショックを受けまして、これは県立大学として、どこをもって復興と言っていいか分からないけれども、長期にわたってしっかりと支援をしていく必要があると、あらゆる努力を傾けていく必要があるなということを実感をいたしました。 その後、少し書いてございますが、初めに本学としてどういうことをやったかということを簡単にお話をさせていただいた後、学生たちの取組について御説明をさせていただきますが、七ページを御覧いただきますと、被災された学生への支援について書いております。授業料、入学金の支援をいたしまして、初年度では入学金が四十六名ですか、それから授業料が二百七十名ですか、次年度、平成二十四年度も同じぐらいの支援をしております。今年度もそれを続けていく予定でございます。 それから、その下にございますように、震災特別入試、経済的に非常に困って進学を諦めようとする高校生がいるということを校長先生のお話からも伺いまして、本学としては推薦入試、特別入試をやろうということで、これも実行させていただいております。二年度にわたって合わせて四十数名、来年度入学の学生についても行う予定でございます。 それから、本学としては十ページにございますような全学的な復興支援体制を震災直後に取りました。一つは、各学部が自発的に復興支援、教員を中心に当たるということもございましたし、それから、大学としては災害復興支援センターを発足させまして、組織的にいろいろなところに復興支援に出かけていくということを行いましたし、それからもう一つは、地域政策研究センターというのをたまたま、元々この年につくる、二十三年度につくる予定でございましたが、震災がございましたのでこれを急ぎまして、ここで復興研究を専らやろうと、長期にわたっていろんな調査をしたり提言ができるような研究をやっていこうということで、こういうものを設置いたしました。それから、それとは別に学生たちがもう震災直後から動き始めたという事実がございます。 次のページの十一ページの頭の方に、これはいろいろな活動をずっと書いております。これは後で少し詳しくお話をさせていただきたいと思っておりますが、その下の十二ページ、十三ページ、十四ページは、各学部の教員が自発的に被災地に赴いて学生と一緒に、あるいは教員個人でいろいろな活動をしたものを列記したものでございます。 特に、十二ページの下の方に、ソフトウェア情報学部でございますが、ここは、まだ通信が途絶えて、非常に本校としても宮古にある短大部と連絡が取れなくて大変心配した時期が一週間近くございましたけれども、本学の教員が被災地に出かけまして、衛星通信を使ったりして何とか少しでも連絡が取れるように回線をつくろうということで努力をいたしまして、これは今でも時々、被災地に行きますと感謝されているところでございます。 それから、十五ページに災害復興支援センターの取組について書いておりますが、その代表的なところは、一つはボランティアバスを運行いたしまして、全学的な教員、あるいは学生の中でボランティアを一生懸命ボランティアセンターを中心にやっている学生とそれ以外の一般的な学生、それから教職員をこのボランティアセンターで被災地に運びましてボランティア活動をしたということ。 それからもう一つは、オハイオ大学、これは日本に留学生等が来ているそうでございますが、岩手県ともある程度交流のあった大学でございますが、特に本学の短期大学部の先生方との交流がございまして、そこを中心にここに学生を派遣していただく、それから向こうから副学長先生とか学部長先生とかそういう方々も来られて、今年もやる予定でございますが、より連携を強くしていこうと。これは被災復興支援ということから始めた交流でございますけれども、今後は大学間のもっと教育面あるいは研究面での交流にでも発展していければいいなという議論もしているようなところまで発展しているような活動でございました。 それから、その隣の十七、十八ページには地域政策研究センターでの活動について書かせていただいています。その次のページの十九、二十にはそこで取り扱っております研究テーマについて書いています。この中身は詳しくはお話を申し上げませんけれども、本学は、総合政策学部、それから社会福祉学部、それから看護学部、それからソフトウェア情報学部、それに短大が二つあるということで、いろんなそういう立場からの先生方がテーマを出しまして、地域の方々と連携しながらこういうことを今進めているところでございまして、ある程度成果が出次第、いろんな発表会をやらせていただいたり、あるいはいろんな提言をさせていただこうということで今進めているところでございます。 今までが大体の全学的な復興支援活動でございますが、二十一ページからは学生の活動について特にここではお話をさせていただきたいと思っておりました。 本学は、学生ボランティアセンターというのが二〇〇八年にもう既にできておりました。それは、中越地震ですか、中越沖地震ですかね、あの辺のところから本学の教員の指導でボランティア活動が始まりまして、それがたまたま二〇〇八年に、本学としてはボランティアセンターとして場所を提供して、そこで学生たちが自主的に活動できるような場を与えていたわけですが、そういうそこでいろいろな活動をやっていた学生が、今度、発災した直後、当時はメーンの、主に動いていた学生たちがフィリピンへ井戸掘りに行っていまして、現地で、物すごい地震で津波の被害を受けたということがあって、帰れなくて大分何かしなきゃいけないという思いで焦っていたという話も後に聞きましたけれども、ただ、残っている学生たちがやっぱり何かしたいという思いでありました。ただ、やはり教員からしますと、発災後すぐ出かけるとやっぱりいろいろと問題が出てくる可能性があるし、誰も責任が取れないというような御発言もございまして、責任者が現地から帰ってくるまで待ちました。責任者と連携を取りながら、それでも三月の二十一日ごろからはもう現地に行きまして、陸前高田でいろいろなボランティア活動に来られる方とのマッチングを取ったり、いろいろなコーディネーター活動から始まったわけでございます。 その後、その下に書いておりますようにいろんな活動をしておりましたけれども、やっぱり公立大学のいろんな学長先生から私どもの方にも、学生たちが復興支援でボランティア活動をしたがっているんだけれども、とても学長としては安心して出せないと、誰か面倒を見てくれるのがいないかと、おたくではボランティアセンターがあるそうだけど何とか援助してもらえないかというお話もございましたり、それから、ボランティアセンターの学生たちあるいは指導している教員との間のいろいろなそれまでのお付き合いの中から是非岩手で復興支援をしたいという学生たちのネットワークができてまいりまして、そういうのがだんだん大きくなっていって、そこの二十一ページの真ん中辺の四月二十七日から五月八日と書いてありますが、いわてGINGA―NETプロジェクトというのがこのときに動き出し始めました。 これが我々のボランティアセンターの中心的な活動、いわてGINGA―NETプロジェクトということで全国的にも有名になっておりますが、そこを中心に二十三年度は、その下の二十二ページにございますように、夏休み、冬休み、春休みにいろんな大学から、公立だけではございません、私立も国立も含めて、特に二十三年度の夏は百四十七大学から一千名以上の学生が週替わりで参りまして、住田町を中心に陸前高田あるいは釜石、あるいは大槌、そういったところの復興活動、支援活動に入ったわけでございます。そういうこともありまして、このときに政府からいろいろな補助をいただいて、より良く、より活動しやすい環境をつくっていただいたということで大変感謝申し上げている次第でございます。そのとき中心的に活動した本学の学生が中心となって、卒業後、NPOのGINGA―NETというのをつくりまして、これが学生たちの活動を側面から支えてくれているという状況になっております。 それから、二十三ページは同じく二十四年度のその活動が現在も継続しているということで書かせていただいておりますが、これは公立大学協会としても学生の自主的な活動として大変高く評価していただいておりまして、公大協としての後援、御後援といいますか連携をいただきまして、昨年の秋、静岡大学で学長会議がありましたときに、そこで学生たちに、活動している学生たち、全国から集まってもらいまして、学長会議とその学生たちの報告会とを並行してやって、非常に私どもは、学生ってこんなにやるんだと、あるいはこんなにも、行動するだけじゃなくて、それをいかに自分たちがきちっと整理して発表する力もあるんだということをまざまざと、それまでは余り感じなかったところをその場で見せられまして、学長先生たちもみんな大変感動いたしまして、これは我々協会として全学長が支えていこうということになりまして、実は今年の夏もこの岩手県立大学で公立大学の全国学生大会、これは支援活動と防災をテーマにやろう。先生方も御承知だと思いますけれども、公立大学の中には愛知あるいは四国の高知とかいろんなところにやっぱり、これからもしかしたらという地域の大学がたくさん入っておるものですから、岩手での経験を生かしていこうということで、いろんな形で大変積極的にやっていただきまして、この十月には併せて学長会議もやるということで、また学生たちとともにそういう側面からの復興支援活動と、それから今後の防災に向けての活動をやっていこうというふうなことになってございます。 それから、下の二十四ページにございますが、そこは同じ学生活動でも、もうちょっとこれからの問題として学習支援をもっとやる必要があるのではないかということで、これも同じボランティアの別なグループとして復興支援、こういう形でやってもらっております。これは主にボランティアセンターとして、集まっている学生たちの活動でございますが、それ以外にも、ちょっとその次の二十五ページにございますように、宮古短期大学部の学生たちの支援活動、これはまさに被災地そのものでございますので、当初から大変熱心にいろいろ地元の社会福祉協議会と連携を取りながらやっていただきました。 それから、その下にあります、復興ガールズというのがございますが、これは実は本学で就業力育成支援事業という、これは仕分でなくなってしまいましたけれども、最初それを受けましたときに始めたEプロジェクトという、学生が自発的にテーマを出して、それを基に何か活動を支援していこうということを事業としてやっていたんですが、その中に、学生たちが震災直後復興ガールズというのを、総合政策学部の学生、女子学生ですが九名で結成いたしまして、これは沿岸部の被災した企業を支援しようと。その製品を売るとか、あるいは自分たちでいろいろ提案をして製品作りをお手伝いしよう、それを売ろうということで始まったものでございます。そういった活動がございます。それから看護学部の活動とか、こういったことがいろいろやってまいりまして、学生たちの活動というのが非常に大きな岩手の復興の支えになっていると。これは多分、岩手だけではなくて全学的にもそういうことになるのではないかということを大変感じました。 岩手は広うございますので、私ども、宮古に行くのも片道二時間、下手すると往復五時間ぐらい掛かりますから、その復興支援活動をどうやって円滑に効率よくやるかというのが一つの大きな頭の痛いところでございますけれども、今後ともこの輪を全学的に広げていきたい。やっぱり一部の学生だけではどうしても教育的にもあれですので、もっといろんな学生にやらせたいですし、それから全国からのいろんな連携も取りながらやっていきたいというふうに思っておりますので、そういうことを目指しておりますので、今後ともいろいろ御支援をいただければ有り難いなということを申し上げまして、私からの御報告とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○団長(小川敏夫君) ありがとうございました。 次に、宇部公述人にお願いいたします。宇部公述人。
○公述人(宇部貞宏君) 私は、岩手県建設業協会の会長を仰せ付かっておる宇部でございます。よろしくどうぞお願いします。 本日は、このようにたくさんの先生方の前でお話しする機会を得まして緊張しておりまして、しかしながら、先生方には本県を始め建設業の振興に並々ならぬ御理解をいただいておることに対しまして、この席を借りまして厚くお礼を申し上げるところでございます。 そういうことで、今回の大型補正、また先般は労務費単価をあのように大幅にアップさせていただきまして大変有り難いことだと。しかしながら、建設業は、もう連中はちょっと程度の悪いのがおるものですから、この間、東北六県の連合会の会議におきまして、余りピンはねしたり何することなくして、徹底してその額を満額払って、魅力ある建設業の一助にせよという発言等をしておるところでございます。 さて、今日は、手前ども、現在の岩手県の建設業の状況等を踏まえながらお話を四点ほど申し上げたいと、このように思います。 まず第一点は、復旧復興に関することでございまして、御案内のとおり、これまで多くの予算が投じられ、徐々にではございますけれども、復興の歩みが少しずつ進んできておるのかなと。そこで、今問題なのは資材不足、労働者不足で、また用地の確保等が困難になっておりまして、工事が発注になりましても、施工に当たっては大変今苦労しております。 そこで、先般も、何とかその用地の問題、特にもう先生方にお願いするのは、不明者とかいろんなのがおります。だから、今回の未曽有の大震災ですから、今までのような用地の交渉ではこれは大変時間が掛かるだろうと、何か特別な法的な処置を講ずることが大事ではなかろうかなと、私はそのようなことを機会あるごとに、先般もたまたま太田大臣にお目にかかるときも語ってきましたけれども、どうか先生方もそういうことについて関心を持って国会で議論していただいて、そういう点について早い解決があればかなりの復興がスピードを持ってできるのではないかと、このようなことを感じておりますので、是非その点をお願いしたいと思います。 次に、第二点としては、やはりコンスタントな国土の保全ということのために予算の確保というもの、今まではやはり余りにも公共事業を一つの日本の経済の調整的なあれに使ってきたのではないかという懸念がしておりまして、コンスタントな公共事業というものが大事ではなかろうかと。脆弱な日本のこの地を考えた場合にはなおさらそういうことが大事であろうと。そのことによって、手前ども建設業も、機械の整備、人的な整備、そういうようなことができると思いますけれども、何をもっても、小泉さん時代からそして今日まで、大分十年間ぐらい公共工事を削減して、先行き不透明なものだから、それぞれ大手さんも手前どもも構造を、少しそれぞれの会社の規模を縮小しておったところに今回の未曽有の大震災でてんやわんやというのが実態でございまして、そういうことから考えれば、日本の脆弱な、先ほど言ったとおりのことを考えれば、やはりコンスタントの公共工事の予算確保で、そして整備していくことが大事ではなかろうかなということをつくづく今回の震災で感じたところでございますので、よろしくその点をお願いしたいと思います。 次に、公共調達の新たな枠組みの検討についてでございますが、現在、自民党さんでは、公共工事の品質確保に関する議員連盟等でもって公共事業契約適正化委員会を立ち上げ、予定価格の上限拘束性の撤廃など公共工事の新たな枠組みの構築に向けて検討されていると聞いておりまして、是非その公共調達法を成立するようにお願いしたいものだと。安ければいいというような安易な考えではなく、品質と工事を担う主体の施工能力の維持や地域社会の維持等総合的な観点から公共工事に関するコストを定めて、やはり納得できる価格でそれぞれ調達できる仕組みを是非考えていただきたいということを強くお願い申し上げたいと思います。 最後ですけれども、建設業の維持や健全な発展ということで、建設業は社会資本の整備や災害対応などの重要な使命を担い、県民、市民の安全、安心や経済の発展に貢献するものでありまして、今回の震災においても、本県の三陸の建設業は自ら被災しながらも、通信手段が途絶え、余震が続く中で、震災当時から国道、県道などの道路の啓開や瓦れきの撤去、さらには応急工事に取り組み、自衛隊や警察、消防の救助、援助の活動を可能にしたところでございます。 今回の被災の例を挙げるまでもなく、地域建設業が元気でなければこのようなことができなかったろうというようなことを考えれば、先ほど言ったような、何としてもそれぞれの予算処置というものが大事であろうというようなことでございます。 我々は何としてもこの岩手を守るために、日夜そういうようなことを密に協議しながら、連絡、協調を図って、そして、まずは競争よりは協調だよと、成長よりも安定ということを今目指して頑張っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 以上です。
○団長(小川敏夫君) ありがとうございました。 次に、村里公述人にお願いいたします。村里公述人。
○公述人(村里洋子君) まず、本日こういう機会をいただきまして、本当にありがとうございます。 私は、大学の学長さん、そして建設業界の岩手のトップの方々の後にお話をするのですけれども、私どもなりの本当に末端まで行っての声を今日は届けるということを私は今日の役目だろうなと思って、たくさんの方に意見を聞きながら、お話聞きながら、今日は参りました。 特定非営利活動法人いーはとーぶスポーツクラブというものを私は、震災後にやはりいろいろなところに支援に行って、その後に、やはりこういうクラブを立ち上げて、もっと被災地岩手を盛岡の内陸部から援護射撃をして頑張って元気にさせたいという思いを持ちまして、総合型地域スポーツクラブというものを立ち上げました。 おととしのスポーツ基本法の施行で、私どものような総合型地域スポーツクラブ、そして私が役をちょうだいしているスポーツ推進委員というものが日本の、私たち国民がスポーツをする権利、そして地域でスポーツを推進するということで私たちの役割がございます。 そして、東日本大震災を私たちは経験してしまいました。私どものスポーツの仲間の方からネットワークで、今、例えば陸前高田の矢作地区に自宅で孤立している人たちがいる、一部屋に十何人もいるんだよと。そこから避難所には行けないので、何とか内陸の方から物資を運べないかということで、そういう活動をさせていただきました。行くと、その孤立している自宅での難民と言われるような方々は、情報もない中、どこに避難所があるかも分からない中、本当に前に津波が押し寄せてきたところに流れてきている冷蔵庫の中から食べ物を拾って生活しているという状況でありました。 そこに対して私たちは、スポーツ、スキーの仲間から、全国からスキーウエアを集めて、それを届ける、そして岩手県に物資が届いているものを一緒に持たせていただいて届けるということをしてまいりました。本当に日々全てを惜しんで、例えばここから峠の方に行くと、物資を持っていると、女だけで行くと山賊が出るぞということを言われながら、なので女だけで行ってはいけないと言うけれども、女しかいないわけです。それで変装をして行ったり、本当に、ちょっと帽子をかぶったりして変装していきながらもその方々に物資を届ける、そして元気になってもらうためにお話を聞いたりするということから始めました。 そして、私たちは山田の方に行くようになりまして、避難所の体育館、学校の体育館で女性の方たちが下うつむいている中、何とか元気になってほしいということで、毛糸を届けて編み物をしてもらうという、そういう本当に心のケアをというところから始めたものが皆さんの今お手元にあるこの白い冊子です。ハートニットプロジェクト、商品を今私も実際に持ってきていますけれども、こういうものを編んでもらう、そのアイデアを出して編んでもらうということで、編んだ人たちにその金額が全額行くということで、既にもう千五百万ぐらいの金額の売上げが編んだ本人の被災者の女性の方たちに行っております。 そういう活動をさせていただいて、これが全国に広がっていって、神戸、阪神大震災であちらの方々も大変な思いをされた方々が本当に心を砕いてくださって、向こうでバザーをしてくださったりしております。これは後ほど御覧いただきたいと思います。 そして、山田高校の避難所のところでボート部のみんなと出会いました。それが皆さんのお手元の五枚目か六枚目にあります、この「やまだ」というものの中に「全国制覇への道」、本当に被災した山田湾で活動していたボート部の子供たちです、何枚目かにめくっていただくとあると思いますが。本当に、私たちの被災した方々への支援の御縁ができた方の中にボート部の監督さんの御家族がいらしたりして、そこに対して私たちは何らかの援助をしたいということで頑張ってきました。そして、その結果がこうやって本当に、サクセスストーリーじゃないですけれども、地域の方々の心を元気にする、こういう活躍をできるようなところまで参りました。 ただ、今やっと山田湾で活動が始まるんですけれども、艇庫ができて山田湾にこぎ出すという状況になったんですが、前の艇庫のまま再建をされたので、地盤が下がっているので近くまで潮が満ちてきて、艇庫とはいえども、潮が満ちたり引いたりしている中、危ない瓦れきも来たりして本当に危険な中、この子供たちは活動をしております。そういうことで、私どもは山田の方々と出会いました。 やはり山田の方の一番、宮古からも少し入り、少し遅れているということを山田の方たちは本当に残念に思っております。一年以上たった後もみなし仮設で、みなし仮設というのは、自宅で半壊してそこから動かれない方々がやはりまだ孤立していると、一年以上たってもですね。毛布がない、何がないというところに私どももまた支援をさせていただくという状況があって、本当に私たちもまだまだなんだなということで支援を続けております。 最初の義援金百万円だけが来ただけで、あとまだ来ないんだよと。そして、今一番気になるのは、仮設にいるんだけれども、おうちを建てるというそういう希望が持てない、つまり仕事がない若者が多いんです。そして、一番の頼りである年金も、もらっている方々はいいんですけれども、漁家の方たちは国民年金で、やはりお金が、将来の保障がないために家の建設を本当に踏み切っていいのかどうかというところが物すごく不安だということを訴えられました。本当に若い方たちが将来に希望を持てないというところです。例えばNPOの事件とかもありましたし、病院がそして診療所になってしまって遠いとか、本当に漁家の方々も、半分の養殖漁家は仕事をもう諦めてしまっていると。 そういう状況で、彼女たちの、私たちの支援している山田の女性たち、婦人会の人たちの願いは、災害公営住宅が建設されるといいなと、そこに入って本当に落ち着きたいんだということを言っております。そして、住宅再建のための支援制度やら、農地から住宅転換手続の簡素化、さらに雇用の促進をしていただいて、本当に子供たちが安心してふるさとを離れなくていい状況をつくってほしいんだよというふうに言っております。そして、そのボート部の家族の皆さんは、何とか山田湾の自然資源を活用した漁業とマリンスポーツ等の観光を融合した復興開発ができないものかなということで、町づくりを本当に切望しておられました。それは私の個人的な本当につながりで出会った支援活動です。 そしてさらに、私は、総合型スポーツクラブ、そしてスポーツ推進委員という立場でありますので、次は、スポーツ推進委員協議会としての今回の被災地の支援を、全国の組織がお見舞金をちょうだいして、私どもに対して、三県に対しての支援をしてくださいました。兵庫は阪神大震災を経験している皆さんからも本当に、バスを仕立てて何時間も掛かって来てくださったりという、そういう個々の支援をいただきました。 私たち盛岡市のスポーツ推進委員協議会としても被災地に、JOC、日本オリンピック委員会のアスリート委員会の方とも連携をさせていただいて、オリンピアンに来ていただいて元気になっていただくという活動をさせてもらいました。そして、その活動の様子はおととしの東京大会で、分科会で発表させていただいております。 そして今度、来年、平成二十六年には全国のスポーツ推進委員協議会の研修会がこの盛岡で行われます。それに対して私たちは、本当に皆さんから応援されてここまで元気になりました、復興していきたいと思いますので皆さんにどうぞ来てくださいという思いを込めて、感謝の大会として来年開催をいたします。 そして、岩手県協議会として、私はここでは副会長という立場なんですけれども、岩手県としては、このスポーツ推進委員という活動に対して、残念ながら今年、昨年までは六万円だった予算がゼロになってしまいました。いろいろな意味で私たちは本当にゼロからのスタートということで、もう一回みんなでスクラムを組み直して頑張っていかなければいけないなということを各市町村のスポーツ推進委員協議会の会長さん、委員さんたちとお話合いを常にしております。 ここに、釜石スポーツ推進委員協議会の会長さんからのお話と大船渡の会長さんからのお話を二枚目の方に入れさせていただいております。 釜石の場合、校庭は仮設にはなっていないのですが、公園が仮設になっております。そのために、公営の体育館も全部流されてしまっているということで、ようやく日本サッカー協会の補助でサッカー・ラグビー場が建設されました。ただ、これが一般の方々にとって容易に利用できるかというと、そういう場所ではないのですが、二〇一九年のラグビーのワールドカップがここに来ればいいなという、そういう夢も皆さん持っておられます。 そしてさらに、スクールバスの移動で、子供たちが学校以外のところで運動がなかなかできないという状況が生まれてきてしまいました。そのために物理的に時間がない、運動する場所がないということで、すごい体力低下がもう如実にデータとして表れております。ここに対して、私たちスポーツ推進委員協議会が何とかそれを是正していく、子供たちにバックアップしていくということで釜石の方々も一生懸命活動しておられます。 さらに、それよりもっと深刻なのは、やはり仮設で運動不足になっている御高齢者、今日のニュースでも降圧剤を飲んでいる比率が上がってきています。そしてBMI、ちょっと肥満度が上がってきているということで、やはり健康面がとても心配される状況が徐々に徐々に進んでいっている状況です。 釜石の会長さんからは、国は情報入っているのでしょうから、本当に実際に今やってほしいということのお話をいただきました。 そして、大船渡。こちらは本当に私は安否を気遣って何日も何日も電話しましたけれども、連絡が付かない会長さんでした。この会長さんたちは本当に、その後連絡が取れまして、大船渡、陸前高田に私たちが内陸から、例えば先ほど申し上げた盛岡市からオリンピアンを連れて皆さんに元気になっていただくような支援活動に行くときに、現地のスポーツ推進委員さんたちにも一生懸命活動していただく、そのことでもう一度やってみよう、頑張ってみようという、元気になるということで、私たちはあえて現地の大変な中、承知の上で、現地のスポーツ推進委員さんたちを巻き込んでネットワークをつくってこういう活動をさせていただきました。 そのことがやっぱり功を奏して、さらに大船渡から本当に被害の多かった陸前高田のスポーツ推進委員さんたちへのサポートとかも始まり、ネットワークが徐々につながっていって、それぞれが元気になっていろんな活動をもう一回やってみようというふうな思いで、このスポーツ推進委員さんたちから一般の市民、仮設にいる方々へのスポーツの出前とか、そういうことで元気を贈るということをできるようになったということを伺い、私たちもやっぱりやってよかったなというふうに思っております。 スポーツ少年団というものの活動として、大船渡にはスキーのスポーツ少年団があるんですけれども、雪のないところなんですが、その方々もやはり全国からのたくさんの支援を受けてスポ少の活動を継続、休まずに継続されたということが本当に子供たちにとっていい気付きになった。今まで当たり前だと思っていたものが、子供たちが本当にいろんなことをやっていただくことで感謝ができたりスポーツができることの喜びを気付けたということで、そのことも今回の震災の後、いろんな意味で子供たちが学んだこと、私たちがネットワークとして学んだことの一つであります。 さらに、そのスポ少に関しては、やはり勝利主義に走らず、文科省の中のスポ少なんですけれども、勝利主義に走らないで社会体育、体験学習、情操教育としての場としてのスポ少を私たちは育むという意味で、スポーツ少年団の指導者の、ふるさとを大事にするということを踏まえた上での指導の技術やら指導法の教育、指導者養成のところを何とかしていただきたいということをお話をされました。 三番目です。総合型地域スポーツクラブとしての活動になります。 私どもは全くの会員からの会費で成り立つんですけれども、被災地三県、宮城、岩手、福島、ここがスポーツ振興くじ、独立行政法人日本スポーツ振興センターのtotoの助成を受けて活動を行わせていただいております。いろいろな活動をしているんですけれども、とにかく私どもができることというのは、本当に地域の方々に元気になってもらう、被災地の方々に元気になってもらうということで、いろいろなJOCとかスポーツ団体の、私たちがコーディネートをしてそれをつなぐということでやっております。 北上にあるフォルダという私たちの仲間が岩手の被災地に総合型地域スポーツクラブを立ち上げるということで、被災地をやっぱり元気にするというその母体、総合型を立ち上げるということでとても尽力してくれております。 私たち自身もそこのフォルダのバックアップで立ち上がれたんですけれども、陸前高田、大船渡にこの震災後、スポーツクラブを立ち上げました。そのスポーツクラブは、やはり子供たちの健康のために、スクールバスで通う子供たちのためのスポーツの場、心と体の健康を担うということでとても活躍してくれております。そのネットワークも私たちもつなぎつつ、これからも頑張っていきたいなと思っております。 最後に、この震災で本当に人のつながりというものが見えてきて、きずなが人を元気にする、スポーツの力が元気にするということを私たちは本当に実感をしました。総合型スポーツクラブ、スポーツ推進委員のこれからもネットワークをつくりながらいきたいと思っております。そのために我々は、本当にこの復興を進めていきたいんですけれども、一人一人が本当に自立することが真の復興だと思うので、そのための尽力ができるように何とか私たちが活動しやすいような円滑なバックアップをしていただければ有り難いと思っております。 二〇一六年には復興国体、いわて希望郷国体も来ます。そして、私たちは岩手から、二〇二〇年の東京オリンピック招致、パラリンピック招致がかなえば、本当に私たちにもスポーツの弾みが付くんではないかというふうに切望しております。そうした意味でも、できればスポーツ庁というものがあって、もっとスポーツを、私たちがどこまでも同じつながりで、同じ形でスポーツの普及ができるようにお力添えをいただく、そういう仕組みを取っていただければと思います。 国連の本部で五月中旬にそういったことを発表させていただく、防災会議で発表させていただくということのチャンスをいただきました。いろんな意味でつながっていく、その私たちは担い手になっていきたいと思いますので、御支援をいただければと思います。 ありがとうございました。
○団長(小川敏夫君) ありがとうございました。 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。 これより公述人に対する質疑を行います。 質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○田中直紀君 民主党の田中直紀でございます。 今日は、四人の公述人の皆さん方、大変ありがとうございました。有意義なお話、感謝を申し上げます。 四人で十五分ということなので、まず一点ずつ各公述人にお伺いをいたしたいと思います。 六ページの資料で、先ほど、コーディネーターの活動、被災者調査を行う研究者等の活動の連携が、各被災地に多くの人材の方々が来られると、しかし、なかなか役所、経済産業省だ農林省だとちょっと言っておられましたが、そういう行政関係のコーディネーターの、目立つというか、直した方がいいというようなお話もあろうかと思いますし、また、多くの有識者の皆さん方の熱意を十二分に発揮できるような連携と、こんなことがもう少しお話をいただければと思います。岩渕公述人にですね。 それから、中村公述人には、ページ数でございますが十七ページ、十八ページ、災害復興支援センターあるいは地域政策研究センターの取組ということで、非常に充実した形を御報告いただきましたが、これはちょうど新潟もあの中越地震で、中越沖地震で大変お世話になったボランティアの皆さん方も多いんではないかと思いますが、学校としては学部を増設して、そしてこういう分野に、ボランティアの分野をしっかり育成していこうとか、そういう学校の教職員の体制というのはどのぐらい充実されてきているのかなと、ちょっともう少し御説明いただければと思います。 それから、宇部公述人からはちょっと資料が出ておらないのであれですが、御説明は大体分かりました。大変復興復旧に御尽力されておると、しかしなかなか復興の壁もあると、こういう具体的なお話ですが、一つだけ、用地交渉で実際に不明者も多いということでなかなかスピードアップするのにも時間が掛かると、こういうことなんですが、具体的に、その用地を建設業としてどういうふうに取得されて、どういうふうに活用して、そしていわゆる再建につなげていこうかと。建設業独自でやっておられるのもあるんだと思いますが、国の仕事としてもその用地問題というのが、具体的にどういうものに使っていてどういう支障があるのか、ちょっともう少し御説明いただければと思います。 最後に、村里公述人、総合型地域スポーツクラブというのを立ち上げられて、非常に大変幅広く広域的にやっておられることについてもう大変よく分かりました。引き続きよろしくお願いしたいと思いますが、この活動が中心になっているんだと思います、核になっているんだと思いますが、これをどういうふうに育てて、さらに地域のスポーツセンターあるいは被災地の対応に資していくか、全国の広がりを持っていくかということで、研修会を来年やられるということでありますが、どういう内容でどういうふうに運営されるかなと、どういうふうに全国に呼びかけるかと、私も新潟でありますが、御参考にさせていただいて声を掛けたいと思いますが、その点をお願いしたいと思います。
○団長(小川敏夫君) 一人の質問時間が答弁も含めて十五分でございますので、順番に二分程度ずつぐらいで御答弁の方をよろしくお願いいたします。
○公述人(岩渕明君) コーディネーターの連携ということで、とにかく商工系あるいは職種によって全然また訪問するところが違うとか、ただ、何でもありよという人と、もうとにかく元気のいいところに行って聞きたいというようないろいろコーディネーターがいて、その辺が、行ったら、また来たの、さっきは違う人が来たよと。 だから、県とかそういうバックグラウンドがみんな違うセクター、NPOを含めて、いろんな方がコーディネーターに入られているんですが、そこの情報の共有がないということが、どこで誰が何で困っているかという情報がなくて、個々人の関心というか仕事、ミッションをそれぞれコーディネーターは持っていると思いますが、そこで止まっちゃっているというところが非常にロスが大きいのかなと。 今我々としては、先ほどちょっと申しましたが、岩手県の産学連携でいわて未来づくり機構という中で、コーディネーターの連携ということで少し動きましょうということで、具体的には、例えば岩手大学が今度五月に水産研究センターを釜石市に初めて建てるんですが、その中に県のコーディネーターも一緒に入って、うちのコーディネーターと一緒に、仕事は別かもしらぬけど情報共有しようという、そういう動きは我々も今考えております。
○田中直紀君 どうもありがとうございます。
○公述人(中村慶久君) 御質問ありがとうございました。 現時点では防災等に関して学部をつくるというようなことまで考えておりません。というのは、なかなかそこまでやる力といいますか、人的な面、お金の面でもございませんし、むしろこれは、今学生たちが防災とか地域支援で大会をやろうというその機運を学長会議につなげながら、全国的に何かそういうものをきちっとコーディネートして連携してやった方がむしろ効率がいいのかなと、そういう意味ではですね、考えております。これからの仕事だろうというふうに思っております。 ボランティアセンターはボランティアセンターとして、学生の自主的な活動として、部屋も与え、いろんな形で支援してやっておりますので、それはこれからも支援していきたい。 それから、全学的に教育という立場では、私は、今まだ活動している学生が先ほど言いましたように一部ですので、もっと全学の、例えば入学時に全学生を被災地に派遣して状況を見てもらって、そこから自分なりのこれから学ぶべきことをそこから吸収してもらうような、そういう活動をやっていくべきではないかということを今提案しておりまして、それは今度我々のところで基盤教育の一環として、そういう基盤教育をやるセンターの中にそういうことを今検討していただいている最中でございます。そういう状況でございます。
○田中直紀君 ありがとうございました。
○公述人(宇部貞宏君) 用地の問題ですけれども、これは不明者、県関係で、不明者が多いというようなことで、そういうあれで自治体でも、この間も大槌で、私、三か月に一遍沿岸関係を回って各支部の支部長からどういうことかということでヒアリングをすれば、工事をちょうだいしたけれども用地が解決しないためにと。そこで県御当局の方に行きますれば、やはり不明者等で大変困る。どこにどういう、全国あれしてもですね、不明者の問題が。そういうようなことだから、これ、何か特別な法律で、法務省で国を挙げて考えていただかなくては、これは陸前高田もそうです。高田も不明者が多いというようなことで、堤防をぼつぼつ造るわけにはいかないから、一連にしてどっと造らなくちゃならない。そういうようなことで、是非これは関心を先生方も持っていただいて、私たちも県、それぞれ国、お話をしております。 これは、是非、超々法律を作っていただかなくては大変かなと、そういうようなことで、よろしくお願いいたします。
○田中直紀君 ありがとうございました。
○公述人(村里洋子君) 総合型の広め方ということでよろしいでしょうか。 私たちは、この震災がなかったらこういう気持ちにならなかったかもしれません。本当に、ふだんスポーツをしている仲間がこういう思いを持ち合って、じゃ何ができるんだろう、大学のつながり、皆さんのつながりのほかにどういうことができるんだろうというときに、やはり総合型地域スポーツクラブを立ち上げるということが一つ私たちの中の方法としてあったわけです。 その仲間同士が、やっぱりネットワーク、連携を取るという、今日も私はここに来て大学の取組なんかを分かれば、もっと私たちと総合型もお手伝いしたりお互いに情報が行ったり来たりすれば、もっと密度の高い支援活動、これは被災地支援だけではなくて、岩手県の子供たちの将来的な資質の向上とか国際人になるためのそういったものにつながってくるのかなというふうに思って、本当に貴重な経験をさせていただいているんだと思います。私たち自身が総合型として本当に地域にもっと根差すには、もっと私たちの活動を活発にすることと、地域の方々に理解をいただくということで頑張っていくしかないのかなと。 資料の中にフォルダが、日本スポーツ産業学会で発表した総合型スポーツクラブの社会的責任とか、そういったようなものも資料として入れさせていただきましたし、ここに被災地支援の活動をしているという内容が新聞に載せられたもの、そしてその先の、受けている、陸前高田の総合型の方々の、ここに感想とかも書いてございます。もしよかったら、ここを御覧いただけたら有り難いなと思います。 何か答えになっていないかもしれませんが、済みません。
○田中直紀君 来年の研修会。
○公述人(村里洋子君) 全国研修会ですね。
○田中直紀君 大会の宣伝をしてください。
○公述人(村里洋子君) そうですね。 来年の九月の二十六、七に、ここに多分四千人ぐらい、三千人から四千人の全国の仲間たちに来ていただくんですが、やはりスポーツが持っている力というのは、本当にこの震災の後、口々に皆さんがそうおっしゃいます。 阪神大震災を経験した兵庫の会長さんが私どもに激励に来てくださったり、本当にそういうネットワークというものの有り難さをつくづく感じました。ひょっとしたら、震災がなかったらこういう人のきずなの有り難さとかも知らないまま安穏とスポーツ振興をしていたのかなと。もっと本当に貴重なものを得させていただいたなというふうに思っております。
○田中直紀君 ありがとうございます。
○公述人(村里洋子君) ありがとうございます。
○田中直紀君 ちょっと一、二分残っていますので、岩渕公述人に。岩手県は八年で復旧復興という目標を立てているんだけれども、どうもその目標が定まっていない現実があると。これは何を正せばというか、どういう手段がよろしいでしょうか、それに対して。
○公述人(岩渕明君) やはりその全体のフレームというか、岩手県、三つの、なりわいと生活と、あともう一つ、ちょっと忘れましたけど、三つのテーマを決めているんです。 それはいいんですが、じゃ、いつまでにどうするかというところを、要はロードマップがなくて、じゃ、我々、例えば支援する側からいえば、一緒に県とやるんですけど、どこまでやるのという目標値が見えないんですね。だから、ここまでやったら今年はいいよねと、いや、それが目標値の八〇とか一二〇行ったよねという比較ができないので、ただやみくもに全力疾走しているような感じがして、オーバーペースでダウンするのも可能性としてはあるかなと。だから、きちっと決めて、アクションプランをきちっとしてもらえば、我々もすごくそれに乗れるということだと思いますが。
○田中直紀君 ありがとうございました。
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美と申します。 私、生まれが青森県と岩手県の県境にあります南部町というところの生まれでございまして、隣が軽米町とそれから洋野町、それから二戸市が接点になっているわけですけれども、そういった関係で私も三月十五日から何度となく八戸から四十五号線をずっと南へ下がってきまして、何回となく見てきたんですけれども、自分の実感としてはまずこの復旧復興のスピード感がやっぱり遅いなという感じがするんですけれども、どうもいろいろと理由があるみたいでして、その理由がいまいち自分で理解できないところもありまして、まず最初に、皆さんにそれぞれの思いで、この復興復旧のスピード感がどうなのか、そして実際に何が一番問題なのか、でも、それでもこういういいところもあるよというところも一言ぐらい言っていただければなというふうに思います。まず最初にその点をそれぞれお願いします。
○公述人(岩渕明君) スピード感というのはやっぱり遅いのかなと思いながらも、例えば、僕ら、大学の中でコミュニティーの再生ということでいろんなメンバーが活動しているんですが、やっぱり住民の意思、行政が決めるんじゃなくて住民がどうしたいかという町づくりを考えなきゃいけないと。ただ、そうするとやっぱり民意、合意形成というのは結局時間が掛かるわけですね。防潮堤要らないという人もいるし、防潮堤高く造れという人もいるし。だから、早くすべきことと待つ姿勢も、やっぱり住民がこうしたいんだという意思が決定するまで待つという姿勢も、急ぐところと急がなくてもいいところとか、そういうのを分けて考えたらいいのかなと思います。 全般的には遅いかなと思います。
○公述人(中村慶久君) 私は、必ずしも遅くないと。特に今までは、今お話もありましたけど、地域住民の合意形成かなり大事だろうと思っています。それがある程度できたところからどうスピードを上げていくかというのが大事だろうと。そのときに、今ここには横に建築の方もいらっしゃいますけれども、人が足りないとか、そういう関連の人が足りない、あるいは技術者足りない、いろんな意味でお金ももちろんうまく渡っているかどうかという問題がありますので、そこら辺を効率よくやればこれからスピード感は上げられるんだろうと思います。 計画を立てる段階というのは、やはり地域住民の考え方、特に岩手の場合は非常に入り組んだ土地ですので考え方の違う人たちがいっぱいいますし、昔でいえば藩も違いますから、その辺をどういうふうに合意形成するかが大事だろうと思いますので、今まではこれでも良かったんじゃないかと。むしろ遅い遅いと言われる方が、余りおしりたたかれない方がいいんじゃないかなという感じもしておりましたので。
○公述人(宇部貞宏君) 建設業の立場からいえば、市町村関係の技術屋不足ですね、技術屋不足、これが大きなネックになっておりますですね。今、そういうことで全国から、いろんなところから応援に入っておるようですけれども、地の利のない方が来たってこれは大変使い物にならないと、私はそう見ております。やはり地の利のある人たちでなかったら、私、この復興には、特にもう技術関係はそういうことを強く歩いてみて感じますですね。
○公述人(村里洋子君) 私は、たくさんの方とお話しした限りでは、今の方がむしろ落ち込んでしまっている。というのは、遅い。特に私たちが出かけている山田とかあちらの方面の方たちは、復興をするという兆しが見えない、希望が持てないという状況があるようです。 それで、例えば何か、一番は、何か示されていることがあればそれほど不安に思わなくていいけれども、何の提示もないので、ただ本当に不安が募る一方だと。だから、いつぐらいまでにどうなるかとか、そういうことも何もないので、本当にそういうことだと思います。私たちが遅いとか速いとかっていうことを対外的に見るというよりも、御本人たちが遅いというふうに思っているというのが何よりももう気の毒だなというふうに思います。だから、そこを例えば何かの形で提示していただくということがあればいいと思いますし、何よりも早く住宅に、ついの住みかというんですか、そこに入れるという、その安心を得られるということが大事だと思います。 それにつけても、開発の方法が余りにも急ぎ過ぎて良くないという場合も例えば町づくりの部分ではあると思いますので、そこは慎重にしていかなければいけないと思いますが、人々の生活の部分を何よりも早く、本当に不安を取り除いていただければというふうに思っております。本当に今の方がもっともっと、震災直後、もっと何もなかったときよりも希望が持てないので落ち込んでいるということです。
○公述人(宇部貞宏君) ちょっと、先生。
○団長(小川敏夫君) じゃ、宇部公述人、どうぞ。
○公述人(宇部貞宏君) 付け加えれば、先生言ってみるとおり、リアス海岸で平地がないですよね、平地がない。そういうようなところから非常に行政も、じゃ高台といってもなかなかいい高台の丘陵地が見付からない。そういうことで復興が遅れておると。じゃ、どうしたかといえば、今土を持ってくると言ったって土すらないんですから、岩の山だけですから。そういうことで、非常に私は遅れておるなと、これはやむを得ないと、こう思っております。
○公述人(中村慶久君) よろしいですか。
○団長(小川敏夫君) じゃ、中村公述人。
○公述人(中村慶久君) 今と全く、その前の村里さんと同じなんですけど、計画をだから早くちゃんと示すことがやっぱり希望になると思うんですね。それがなかなかちゃんと示されていないのかもしれないと。 もう一つ、それからやっぱりかなり落ち込んでいることは確かなんです、今被災地の方々。そこをどうやって行政なり官が支えていくかというのがやはり大事なんじゃないだろうか。ややもすると見捨てられがちになってしまうというところで落ち込んでいきますので、その辺を是非手厚い支援といいますか、お願いをしたいなと思いますけど。
○赤石清美君 それでは、また個別に質問したいと思いますけれども、まず岩渕公述人、お伺いしたいんですけれども、私も八戸工業高校という工業高校を出ておりまして、被災地行ったときに同窓生が物すごく働いているんですね。必死になってそれを支えているんですね。だから、私は、さっきおっしゃったように、職業高校の生徒が一番地元に残る確率が高いわけで、彼らをどうやってキャリアアップさせるかということを教育の場としてもっと真剣に考えてほしいなと思うんですよ。いかがでしょうか。
○公述人(岩渕明君) まさにそのとおりです。我々も今まで見えていなかったんですね。大学ですから、学生を取りたいとか、そういう視点でしかその高校を見ていなかったんですが、今回の震災に遭って、本当に地域支える人材は誰かと考えたらそこしかないというか、そこを大学としてどうケアするかは、大学でできなかったら地域として、岩手県としてどうするかということを今みんなで考えていますので、是非御協力いただきたいなと思います。
○赤石清美君 続いて、中村公述人に質問したいわけですけれども、ボランティアのコアに今大学がなっているということを聞きまして、私もいろんなボランティア活動を見てきましたけれども、ボランティアでも迷惑なボランティアとウエルカムなボランティア両方あって、問題点も結構多いような気がするんですけれども、学生のボランティアの場合の問題点というのはどういうものがあるのかということを教えていただければと思います。
○公述人(中村慶久君) 私どものボランティア活動、お話を聞いておりますけれども、かなり地域の方と連携取りながら入っていきまして、こちらから押し付けるのではなくて、どういう御要望があるかというのを聞きながら、うちのリーダーがその辺をちゃんと把握して、リーダーも教員もいますけれども、もちろん先輩学生が、経験のあるのがやりまして入っていきますので、余りトラブルがあったという話は聞きませんけれども、やはりいろんな方が住民いらっしゃいますので、問題が起きたときは、余りそこは問題起こさないようなことを心掛けているんじゃないかというふうには思っておりますけれども、ちょっとそんなところで、お答えになっているか分かりませんが。特別、学生だから問題になっているというふうには聞いておりません。
○赤石清美君 それでは、宇部公述人にお伺いしたいと思うんですけれども、実は私、昨日、北奥羽地方といいますか、青森県の県南地区とそれから岩手県の県北地区の消防団の観閲式がありまして、昨日行ってきたんですけれども、本当にあの消防団の人たちは建設業の方が結構いらっしゃって、地元で働いているんですね。で、やっぱり彼らの処遇が非常に低いんではないかということを感じまして、今のこの消防団を維持することすら大変だなという感じがしているんですけれども、その点についてはどのような感じを持っておられますか。
○公述人(宇部貞宏君) 私も住んでいるところは県南の一関ですけれども、やはり消防団に若手が入らないというようなことで、そこで私たちは、防災の日に消防団と一緒にいろいろ活動するというようなことをやっておりますけれども、近々、私はやっぱり協定書を結んで、そして若い人たちを各社から、若いある程度の力のある連中、特にオペレーター関係、そういう者を人選して協定書を結ぶ、そういう考えを持っております。そして、これを岩手県、そして全国に広げなくちゃならないのかなと。 実は四年前に、ちょっと長くなりますが、岩手・宮城内陸地震というのがありました。防衛庁、最初に自衛隊が入りました。自衛隊さんがどこまでやるかなと思ったら、自衛隊の組織というのは上層部からの判断なくてはなかなか動けないと。ちょうど六月の雨季でしたから、情報を聞けば一メーターずつ水位が上がると。これは大変だということで、あとは私の独自の判断で道路を打ったりいろいろやりまして、そして自衛隊はそれの後に付いてくるというようなことをするわけですけれども、私は、そういう観点からしても、やはり地域を守るのは、自衛隊もさることながら、私たち消防と建設業が第一であろうというようなことで、いろいろ私は地域のために、この間、世界遺産登録ならんとする二十四キロの土側溝の整備、これらも、私、NHKで見て、これは部落は高齢者だけでどうにもならぬと。そこで私、乗り込んで契約して、そして建設業の持つスコップをもって、そして秋、春、そしてその世界遺産登録になっている景観を守るとか、いろんな活動をしております。 私は、そういう点からして、今、赤石先生言ったとおり、まだまだまだ岩手県建設業協会五百四十四社おりまして、一万三千人おりますので、これをフル活動して消防団とタイアップしてやれば、これは何とかなるだろうと、こう思っております。
○赤石清美君 ありがとうございました。 そして、最後に村里公述人にお伺いしますけれども、実は私の生まれた南部町はこの山田町と連携をしておりまして、夏になると、私の南部町というところは海がないものですから、子供たちは山田町に行って海水浴を楽しんで、そして山田町の子供たちは南部町に来て、フルーツの里、そういう林間学校に来て、それで交流をやっているんですね。 ですから、そういうネットワークもあるということを考えて、是非、岩手県も大事ですけれども、それぞれ東北地域にもっともっと連携を広めていくということを考えた方がいいんではないかと思っておるんですが、いかがでしょうか。
○公述人(村里洋子君) はい、そのとおりだと思います。 やはりその連携が今まで、岩手県って物すごく広いので、私たちも支援に行ってみて、本当に一日、朝もう五時とかに出ていかないと戻ってこれないような、何か所か回るには、そういう広いところなので、ましてや、連携を取るといった意味では、物理的な、時間的な、そしてそのネットワークを結ぶという意味でもなかなかできなかったのかもしれません。この震災後、これがやはり少しずつ生きていっているということになると思います。 本当に、そういうふうに林間学校という制度も今余りないですし、子供たちが本当に生きた自然の中でいろんなことを学ぶということにおいて両町が御協力し合うというのはとってもすてきなことなので、是非それは私たちも何かまねをさせていただきたいなと思いますし、実は山田の船越小学校が来年の四月に被災地では初めて、一番先頭を切って新しい校舎に変わります。そのときには是非先生方にはお祝いに駆け付けていただければなと思います。 本当に私たちが望んでいる小学校の再建、子供たちが自分たちの新しい震災後の校舎に入れるということで、今は保養所みたいなところに間借りをして船越小学校は頑張っております。そういった意味でも、本当に連携を取らせていただくということは貴重なことなので、先生の方からも是非南部町との仲を取り持っていただければと。よろしくお願いいたします。
○赤石清美君 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○小野次郎君 今日は、それぞれの公述人の皆さん、お忙しいところ来ていただきまして、大変貴重なお話を聞かせていただいて、ありがとうございます。 私は東日本大震災の直後からずっと自分なりに追っかけているテーマがありまして、それは、災害に関するボランティアとNPOの位置付けが極めて曖昧で、もっと積極的に定義すべきだろうということをいろんなところで感じておりました。その意味で、特にほかの公述人の方もそうなんですけれども、今日、村里さんのお話を聞かせていただいて大変参考になりました。 大学に関しても、まず質問になりますけれども、中村公述人と岩渕公述人と、どちらの順番でも結構ですが、お伺いしたいのは、大学というものが高ねの花で終わってはいけないと私は常々思っていまして、象牙の塔とか言われることありますけれども、それじゃいけないだろうと。特に災害のようなことに関しては、その教育機関、特に大学というのが一番知識と体力の塊が社会の中で存在するところなんですね。 その意味で、お話を伺って、それぞれいろんなことを手掛けられたということは分かるんですが、私の質問は小さく分ければ二つあるんですが、一つは、ボランティアなりいろんな意味の支援、災害関係のことについて本来の教育課程の中で履修単位に認定したとか、あるいは学位としてそれを認定したとか、そういう組織的なというか、伺っていると何か教育の外で自由にやらせたみたいなお話の方が、内容が多かったので、そうではなくて、大学の中で正面からそれを履修単位とか学位とかで認めることが教員にとっても学生にとっても一番強いモチベーションになると思うんですが、そういう工夫なり努力はされてみたかどうか、ちょっとお二人に、どんな順番でも結構ですが、お話しいただければと思います。
○団長(小川敏夫君) 中村公述人からでいいですか、順番は変わりまして。
○公述人(中村慶久君) よろしいですか。 単位ということも一応議論の中にはいろいろございます。しかし、現時点では単位化することはちょっと今考えていないですね。 極端なことを言うと、ただボランティアに行ってそれだけで単位を取ってしまうというような安易な考え方の学生もこれは少なからず現時点ではいると。それでは実質的なものにはならないのではないかという御心配をされている先生方がたくさんいらっしゃるということですね。なかなか単位化には全学的な賛同はまだ得られにくい状況にあります。 むしろ私は、できるだけたくさんの学生に岩手、しかも県立大学に入って、これは県内、県外、いろんなところから来ておられますけれども、岩手の状況をむしろ知っていただくという形で地域に出ていっていただいて、出てもらっていただいてというか出てもらって、そこで学んでもらって、学んだ結果を単位とするというような形をこれからは取るべきではないだろうかということで、その中には当然学習支援だとかボランティア活動的なものが入ってくると思いますけれども、それ以外にも、将来学年が上がっていったときに、自分の研究テーマなりあるいは将来の仕事なり、そういうものがそういうところから見付けられるようなものになればもっといいなという、それが、それでもって単位化していくような、そういう仕組みを何とかつくりたいと思って、実は我が校に今、高等教育推進センターというのを今年度からつくりましたけど、そういうのも含めた基盤教育を少し本格的にきちっと考えていこうと思っておりますので、是非そういう方向に私としては持っていきたいというふうに思っております。
○公述人(岩渕明君) うちの大学で最初に議論になったのはPTSDの問題なんですね。だから、分からなくて連れていくということは非常に危険性があるという議論になって、事前指導しましょうと。うちの大学、大体今まで千五百人ぐらい学生が二年間で行っているんですが、とにかく事前指導して、実際やって、あとは事後指導すると。トータル四十五時間かかわったときに単位を出しますと。ただ、単位というのは卒業にかかわる、百二十四単位が卒業単位なんですが、そこにかかわる単位と履修したという単位とちょっと二種類あるんですね、全部が卒業にかかわるんじゃなくて。で、ボランティアについては後ろの方で、例えばこういうボランティア活動をしました、大学として認定しましたという形で単位化ということをしています。 ただ、前回ですね、二十三年度に文科省からも単位認定という指示も含めていっぱいあったんですが、結局その四十五時間をやったというドキュメントをきちっと提出する学生が誰もいなかったということで、誰も単位は取っていないが、システムとしてはそういう形で確立しております。
○小野次郎君 参考になるかどうか、例えば私の参議院の議員会館の事務所には日本の私立大学の学生も夏来たりしますし、フランスのグランゼコールの生徒も来ますけど、単位になるんですよね。で、一生懸命やります。だから、私が教授あてにいい評価を与えると喜ぶので、その先の進学なんか良くなるということなので、だから、決して災害をテストケースにしてはいけないんだけども、しかしそういうことも研究してみる価値があるのかなと私は思うんですね。 その意味で、もうちょっと突っ込んで聞かせていただくと、やっぱりお二人にお伺いしますが、例えば学習支援の話なんかもされていましたけど、教育実習に代わるものにならないのかとか、看護実習に代わるものにならないのかとか、介護の実習に代わるものにならないのかとか、みんなそれぞれ単位というか資格、国家資格にもかかわってくると思うんですが、そういう点も今回は採用されていないんでしょうか。
○公述人(中村慶久君) 現時点ではないんですが、やっぱりそれも視野に入れて、先ほどお話しした中に入れていく必要があるだろうと。今既にいろんな実習を、看護にしろ福祉にしろ、もうカリキュラムの中に張り付いちゃっていますので、簡単に今いじれない状況にあるんですね。だから、少しそういうのをいじらなければいけないので若干年月が必要であると。と同時に、学生たちのそういうことをやる気を起こすとか、それから今先生がおっしゃった、現地に行ってそういういろんな活動をしたときに現地の人によくやったという何かお墨付きをもらうような仕組みをつくるとか、それは現地の方の御協力も要りますので、そういう仕掛けを十分つくった上で何らかの形の単位化をするべきだろうと今考えておりますけれども。
○公述人(岩渕明君) 教育学部の中で教育実習というのは三年生で行うんですが、その教員の履歴のドキュメント化というか、今非常にストリクトに来ていまして、そういう中で新しい実習の形態ということで、ボランティア活動に対するじゃなくて、被災地に行って新しい教育支援は何かということを勉強してくるというような実習科目を新たに今年度から四年生に対してスタートするというような取組をしています。
○小野次郎君 今日はむしろ御意見いただく立場だから僕が意見を言っちゃいけないのかもしれませんが、数年前に国立大学も公立大学も法人化された、そういう改革の趣旨の一つには、もうちょっと自由にいろんなことを各大学ができるようにということもあったと思うんで、是非、文科省があっと驚くような、そんなこと認めていいのかというぐらいのやつをやっていただければ、そういうことがなければ思い付かないことでもありますから、今後御検討いただければと思います。
○公述人(岩渕明君) ありがとうございます。
○小野次郎君 今度お二方に、宇部さんと村里さんにお伺いしますが、さっき申し上げたように、ボランティアとかNPOの位置付けがもうちょっと積極的でなきゃいけないんじゃないかなと、災害に関してですね、思うんです。 まず村里さんからお伺いしますけれども、特に発災、災害が起きた直後のことですけれども、必要な例えば支援をするための物資を集めたりすることに関して入手できるかどうかということとか、あるいは移動する際の燃料の配分の問題とか、あるいは、そもそもその被災地域なり規制地域なりに出入りすることについて、役所じゃないというか、特に、何というんですかね、法令に基づいてそういうことをやっている機関じゃないということが不自由を感じる、制約を、法的な規制とか行政からの扱いで不自由を感じたことはなかったでしょうか。
○公述人(村里洋子君) 不自由といいますか、最初、本当に生々しい情報が入ってくるわけです、これがない、あれがないと。それを私たちは自分のお金で買って自分の車で運ぶという、そしてその人を助けなかったらいけないという、そういう思いに駆られて活動していましたので、もうそんなことを思っている暇もなく支援活動。 そこから、今度は、盛岡では産業文化センターというところが滝沢にあるんですけど、そこに物資が集まり始めます。ところが、それが運べないために滞ります。それを私たちは何とか運ばせてほしいということをお願いして、例えば私どもの場合は岩手県のスキー連盟という立場がありましたので、その立場で入れていただいて必要なところにどんどん運んでいくと。なので、水とか発電機とかそういったものを、本当にこれ以上積むとパンクするでとか言われながら、神戸のその方たちにですね、気を付けて行きなはれとか言われながら、変装しながら、本当にもう運んで運んでという活動をしていましたので、それに関しては何度か県庁の方々ともけんかもしましたけれども、とにかくもう急を要する、そういうことを言っている暇がないので、とにかく前へ前へ動かなければいけないということで頑張って動いてきたので、支障があったかどうか何かよく覚えていないくらいもう夢中でしたから。とにかく大変だったのは、ガソリンが手に入らない。だったので、たまたま軽油の車があったので、軽油は手に入ったんです。なので、本当にガソリンは並ばなければいけない状況だったので、そういったことで被災地支援の活動をスムーズにできたということもあります。 先ほど、済みません、大学の皆さんに御質問された、実は私、娘が去年まで入っていまして、被災地支援のボランティアを、あの大変な時期に学生を送るということは、一体、えっと思ったんですけど、本当に子供たちを信じて被災地に送ってボランティアさせるという大学の姿勢を、私は何か、何というんですか、親だったら本当は行っちゃ駄目、危ないでしょうと言うんですけど、すごくちゃんとリサーチされた上で、こういうものを準備してああいうものを準備してここにということで学生を派遣してくださったのに対して、私は親として、いい経験させていただいたなということでちょっと感謝をしていました。 今この場でこういうことを言えるとは思ってもいなかったし、言うつもりもなかったんですけど、先ほどのお話で、やはり子供たちが生きた、本当に親では教え切れないことを大学でそういうチャンスをもらって、子供が生き生きと本当にいい顔して帰ってきましたので、何も言わなくても、そこにいる子供たちに自分たちの持っているスキルで遊ばせてあげたり、そういう活動もしていました。だから、本当に学校でできない生きた勉強をさせていただいたなというふうに、今、ちょっとそれをどうしても今伝えなきゃいけないかなと思ってしゃべってしまいましたけど。 以上です。
○小野次郎君 宇部公述人にも伺いますけど、建設業界も、発災直後には、道路の啓開というんですかね、啓開だとか、この間の大震災の場合には恐らく人命の救助なんかにも近いようなこともせざるを得なかったことが多かったと思うんですが、そういうときにも、何というんですかね、行政が直接やるのと違って、建設会社の立場からそういうことをやっていて、何か行政や政治に対して制約があるとか不自由を感じたというようなこと、もしあれば聞かせていただければと思います。
○公述人(宇部貞宏君) 沿岸関係の支部長たちとそれぞれ各市町村と防災関係の協定を結んでおるものですから、何をもっても、手前ども、道路というようなことで、道路の啓開に全力を投入すると。 ただ、沿岸の連中、大分機械を流されたり、建設業協会で社長が六人亡くなったんですよ。それと、従業員から家族で五十六人、全部で六十二人亡くなりました。そういう中におって、現地の連中は本当によく頑張りました。そこで後は、近々、近い地域、例えば釜石には遠野の連中が入ると、あるいは北上が行くとか、そういうあれをもって機敏に本当によく対応したなと、こういうように思っております。 ただ、この震災前は大変仕事がなくて、もう本当に倒産寸前の会社が多かったんですよ。そこで、一番最初に彼らから来たのは何をもっても現金が欲しいということで、大船渡と釜石に現金を持って、そして会員に配って、そして頑張れというような、はしたでない金を本部から持ってやりました。そういうようなあれがあったこそ、早く道路でも何でも啓開ができたなと、このように思っております。内陸からもどんどんガソリンも持っていったし、軽油も持って、そしてまた農協に行ってお米も持って、そしてやりました。そういうあれで、はい。
○小野次郎君 どうもありがとうございました。
○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。今日は四人の公述人の皆様、大変ありがとうございます。 私も新潟県の選出でございまして、先ほどお話がございましたように中越地震、中越沖地震の際には皆様方から大変御支援をいただきました。この場を借りて改めて心から感謝を申し上げたいと思います。 まず、村里公述人に住宅再建について伺いたいと思います。 私どもも、中越地震、中越沖地震の経験から、人々の生活が再建しなければ地域の復興がないということで、その住宅再建に力を入れてまいりました。その中で、私も国会におきまして被災者生活再建支援法の改正に取り組み、中越沖地震を契機として、住宅本体の解体とか、一部そういうことで少し被災者生活再建支援法の支援の枠を拡大をいたしました。 今回の三・一一東日本大震災、この復興に関して聞きますと、もちろんその用地の買収が困難であるとか高台移転等のお話もございますが、やはり住宅再建についての支援がもう少し充実しないとこれが進まないという声もいただいております。現場で活動をされていろんな声を聞いていらっしゃると思いますので、是非もう少し詳しく教えていただければと思います。
○公述人(村里洋子君) 実は、私も魚沼出身です。
○森ゆうこ君 そうなんですか。
○公述人(村里洋子君) はい。こちらに嫁に参りました。 やっぱり、新潟と岩手の違いというのをつくづく感じながらもここで三十年生活しているんですけれども、今回のこの震災で私が出会った人たちというのは、本当に、ある意味、地域ですごく頑張っている人たちに出会っているんですが、その人たちが本当に弱音を吐くくらいなので、よっぽどのことだなというふうには思っております。 住宅再建に関しては、もう既に山田のある部分の方では仮設から出て自分で建てていってはいるんですけれども、やはりそのずっと続いていく家の支払に関して、やはり漁家の人は自分の、例えば国民年金ですので、普通に働いている方の厚生年金とは違うので将来の保障がすごく心配だということもあり、あとは、入っていた保険で賄える人はおうちを建てれます、ところがそうじゃない人の方が多いのでやはり仮設にいざるを得ない。 だけれども、本当のところは、やはり自分の、隣の音も聞こえ下からも寒さが上がってくるようなそういう仮設、あとこの先二年はそこに住めるということですね、仮設では。だけれども、本当は少しでも早く自分の落ち着いた家に住みたいということは、皆さんのもう本当の、悲しいですけれども、悲しい願いなんですね。でも、そこに後ろ盾になるものがない。そして、子供さんがいる方たちは子供の代にまでその支払をつなげれるんですけれども、御高齢者だけでいるという方たちは、本当におうちを建てることの希望すら持てない。なので、本当に、公営の、災害公営住宅と言っております、そこに早く造ってもらって入りたいんだということを言っておられました。 ただ、山田の場合、もう既に仮設のところで、造成場所が良くなかったために地割れをしたりして、そこからまた避難みたいなことが起きたり、本当に、先ほど急いではいけないということ、そういうことだと思うんですね。きちんと造成をして、町づくりの観点をきちんとした上で住宅再建をしなければいけないということだと思うので、私たちもう本当に遠く離れていてやきもきするばかりなんですけれど、そこに対してのやっぱり私たちができることは、話を聞いてあげるとか、少しでも健康になってもらうためのサポートくらいしかできないので、本当に先生方にその部分、頑張っていただけたら有り難いなと思っております。 いいでしょうか。何か答えになって……
○森ゆうこ君 いいえ、ありがとうございます。 個人財産の形成に税金は投入できないという考え方から、なかなかこの住宅再建のところにもう一歩、国としての後押しをするというところが不十分であるというふうにこれまでも私も意見として指摘をしてきましたし、また、これがもう少ししっかりと進められるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。 宇部公述人、伺いたいんですが、先般、岩手県庁の方から、復興事業につきまして、先ほど御指摘のございました用地買収あるいは資材の不足、人員の不足等から工事の入札が不調に終わっているということで、せっかくの予算が執行できなくて先送りにされているという御報告をいただいております。 国土強靱化ということで、先般の補正予算、それから、これから、今議論中の平成二十五年度本予算におきまして全国的に公共工事が増加するということで、実際、新潟県からこの岩手に事業に行っている会社もそろそろ戻ってくるというようなお話を私も地元で聞いております。そういう意味で、地元の建設業界を代表して、この国土強靱化の予算、公共工事全国展開ということが地元、被災地に与える影響について意見を伺わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○公述人(宇部貞宏君) 確かに、大変疲弊したところに今回の未曽有の大震災の大きな工事とそれから大型補正というようなことで、特にもう沿岸地区は、生コンとかそういうような設備が不足しておったところに、そして今それなりの新しいプラントとかそういうような増設もあるようですけれども、何をもってもまだまだ物が足りないというようなことで、それと絶対数の労務者が足りない。 これから労務者を確保するには、宿舎の問題が出てきます。結構、宿舎の確保するにも相当な費用が掛かるだろうと。やっぱり、八年ぐらいは最低でも使えるような宿舎ということになれば、結構な費用が掛かると。 それと、じゃ、宿舎を建てる用地の問題。今は一人一台、車というような駐車場スペースから考えなくちゃならないとなれば、大変な用地のそういうような問題もありまして、なかなか、今県でもこれらのことについてかなり悩みながら各自治体と連絡を取って協議をしながら進めておるようですけれども、まだまだ時間が掛かるのかなというようなことで、それと、用地の問題は、これは先生方もよく考えていただく問題。大変ですね、これは。全然前に進まない。ただ、そしてそこに職員を張り付けておりまして、待機料だけ、経費だけかさむというようなことで、じゃ、その経費をどうするかというようなものも、この間、仙台でも協議しましたけれども、結論がまだ出ないというようなことで、大変今問題になっております。 何をもっても用地の確保がいかに大事かなというようなことで、初めてそこで復興のスピード感が出てくるのかなと。ああ、やっぱり始まったなという感じが出てくるのかと。今はただ待機のみというようなことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 中村公述人、岩渕公述人に伺いたいと思います。 今、大学改革実行プランということで、それぞれの大学につきましては、COC、センター・オブ・コミュニティーということでより強化をしていただいているというふうに思います。先ほどの公述の中でも、地域のシンクタンクとして非常に精力的に活動していただいていることに心から敬意を表する次第でございます。 そこで、この大学教育とは全然関係ないんですが、地域の実情、その地域のシンクタンクとして機能されているということで伺いたいんですけれども、今、TPPの問題と、それから、今のままいきますと間違いなく消費税増税、来年四月一日からということになるかと思います。この被災地の状況を御覧になっていて、このTPPの影響あるいは消費税増税の影響について、COC、センター・オブ・コミュニティーの立場からどのように考えられるのか、是非御意見を伺いたいと思います。
○公述人(岩渕明君) まさにCOCで大学は動いていかざるを得ないというところがあるんですが、その専門家じゃないんでちょっと言えないかもしれないんですけれども、県にしても農協にしてもTPP反対ということは表明しています。 ただ、大学って、もっとローカルじゃなくてグローバルに見たときに、本当に日本の物づくりを含めて、既得権でこうというよりは、もっとグローバル展開、特に岩手の場合はトヨタ自動車東日本が入っていますし、そういう基幹となる産業がやっぱり引っ張っていかないと、規模の小さいのを救う、語弊があると困るんですけれども、やはり規模の大きいところが全体を引っ張りながら物づくりを支えていくというためにはある意味で必要なところと、だから、安倍首相が言う特別枠というか、その辺のデリケートなところをわきまえれば、やっぱり我々も教育の中でグローバル化、人材育成ということを言っていますので、ノット・ウエルカム・バット・アクセプトみたいなところがあって、その辺、ちょっとミックスドフィーリングなんですが。答えになっていないと思いますが。
○森ゆうこ君 いえいえ、ありがとうございます。
○公述人(中村慶久君) 私も工学系の人間なのでちょっと非常に難しいテーマなんですが、COCは、先ほど申し上げた教育の観点から特に地域の人材育成をどうするかで今一生懸命企画をしております。先ほど申し上げたことも一つの案なんですが。 一住民として見ていて、やっぱり被災地なんか特にそうですけど、現実問題、消費税は苦しいですよね、いろんなものが上がってくる。ただでさえ、私どももそうですけど、給料カットされていますし、もちろん被災地の人たちはなかなかなりわいが成り立たない状況にありますから、上げられたらやっぱり困るんじゃないでしょうかね。かといって、それが被災地の復興に役に立つとなれば、どこまで我慢すべきなのかというジレンマがあるような気もします。やっぱり被災地復興のために上げざるを得ないと、あるいは日本の将来のために上げざるを得ないという話になってくると、そこをどう考えるのかというのがあるのかもしれないという気もして、ちょっと私も、個人的には反対だけれども、将来的にはやっぱりどこかでは必要なんだろうなという感じはしています。 TPPに関しては、工学的なことをやってきた立場からはやっぱり前向きにやるべきだろうと考えますけど、地元で農業を見ているとやっぱり苦しいなと。特に、私も地元出身ですから、元々ずっと先祖からここにいましたので、非常に苦しい農家の方々の状況を見ていますので、これは大変だろうなというふうには思っております。 ただ、最近の農業の状況を見ていますと、工夫しているところはかなりいい成果を収めているんですよね。地元でリンゴなんかも随分おいしいものができている。それから、滝沢村はスイカがおいしい。だから、いろんな農産物が、おいしいものがどんどんできているんだけれども、商売が下手だとなかなか売れていない。だから、そこら辺の仕組み、仕掛けをもっと考えれば、もう少し前向きになってもいいんじゃないかな、むしろ前向きになるきっかけになりゃしないかなという、そんな感じもしているんですよね。 ただ反対だけ唱えているだけでは日本は良くならないと。ここが駄目だよというのはあるとは思いますけど、やはりその中でもどこかを、突破口をつくっていかないと良くならないなと。これは工学をやってきた立場から言うと、やっぱりそこが新しい物づくりに必要ですので、そういうものも農業の中にもあるんじゃないか。特に、農業技術というのは物すごく今進んできているように、まあ工学側の立場からだから余り専門的じゃありませんけど、感じてはいるので、そこは私は期待したいと思っておりますけど。 ちょっとそんな感じしかお話しできませんが、申し訳ございません。
○公述人(宇部貞宏君) ちょっと。
○団長(小川敏夫君) では、簡潔にお願いいたします。
○公述人(宇部貞宏君) 岩手県は、何といっても基幹産業は農業ですね、あわせて建設業も基幹産業である。これが両輪で動いているんではなかろうかなと。そういうようなことから考えた場合、そして、今先生が言っていること、確かに農業技術は進んでおりますけれども、中山間の大規模農業というのは少ないですね。そういうところにTPPで安い食べ物が入ったら、私は壊滅的になるだろうと。 そして今、岩手県建設業で一万三千人、雇用の半分が農家の方々、切っても切れない。そうしますと、農家の収入が少なくなれば、我々にその分上げてくれと、これは来るというようなことからすれば、私は、TPPというものは岩手にとっては大変な問題だから断固として反対ということを、この間、三月十二日に私、日比谷公会堂で一発ぶってきましたよ。
○団長(小川敏夫君) 時間がございますので。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。私も宇部公述人に同感です。ありがとうございました。
○谷岡郁子君 よろしくお願いいたします。 私は、議員としてはまだキャリアが浅いんですけれども、ずっと至学館大学、旧中京女子大学というところの学長を二十数年にわたってやっておりまして、今日は高等教育の問題から社会に対する役割というようなことが中心になりました公聴会ということで、大変有り難く、うれしく思っております。 岩渕先生にお聞きしたいんですけれども、岩渕先生は、今までの伝統的な研究教育ということに加えて、地域社会の中の拠点としての大学、とりわけこのような復興というような課題についてのプロデュース機能でありますとかコーディネート機能ということを非常に考えながらこの間やってこられたということで、大変今日はお話が参考になりました。 そのときに、やはりこのようなプロデュース機能ということを持つというときに、具体的な国の支援としてはどういうことをやっていけるんだろうかと、どのような形で予算付けをすればいいのかなと思いながら聞いておりましたので、そこについての具体的な御指摘と、それから、先ほど来出ております職業高校を出た方々が大学などを使ってキャリアアップをできないだろうかと。 厚生労働省だとか農水省の予算というのは、かなり今職業訓練ですとか言わば就職のために使われているわけですが、大変、何というんですか、ブルーカラーワーク的な、ボイラー技士みたいなもの、いまだにそういうものが中心になっていまして、いわゆる職業高校を出た方々のキャリアアップに本当にはつながっていない。それをどのように改革していけるんだろうかということをこの間考えているんですが、もし何かありましたら教えていただきたいと思います。
○公述人(岩渕明君) 最初の質問、予算でありますが、最初、二十三年度補正で文科省から提示されたのは五年ですと。我々も五年申請したんですけど。 今年の、二十五年度の、まだ決まっていないといえば決まっていないんですが、内示では、要は基金として二十七年度までは保障しますという通知が来たんですね。それは、大学の中期計画の二期目が終わるのが二十七年度だから、そこで一回ちょっと精査しますという文科省の対応で、そうすると、我々は、県庁八年で我々十年ぐらい掛かるよねと、こういうふうな言い方でやっていたときに、三年でぽんと一度スクリーニングを掛けますと言われたときに、すごいどきっとするわけですね。 だから、その長期的な見通しというか、我々も十年やるけど、国も十年間ある程度、満額でないにしても、何かエビデンスがあると、きちっとやれるという今度は実行プランが、大学としてのプランが出てくると。三年でいろんな事業、みんな三年から五年なんですが、ぼつぼつ切られていくと、なかなか継続性というか次の発展につながらないというところを一つ考えていますので、何かロングスパンというのはできないのかなというのが一つ私としての希望ですね。 二番目の質問の職業高校に対してって、我々もほとんどコンタクトないわけですよ、現在においては。 ただ、去年の秋、試行的にうちのグループ、グループというか未来づくり機構のメンバーが山田町に入って山田高校の校長先生と一緒に議論して、十回の特別講演を、講義をやったんですね。それは、大学の先生は割と少ないんですけど、地元の社長さんとか若いリーダーというか、そういう人が、おまえらこうだよって、頑張れよというふうな、もうこうやって、うちの会社ってこういうことをやるんだよということをきちっと教えて、やっぱりそのベクトルというのを、しっかりとモチベーションを高めてやる機会というのは、現在の県教委が言うカリキュラムの中ではなかなか難しいんですね。だから、外から一緒にやって刺激を与えることが重要かなということで、そういう動きを今年度からスタートしようと今計画していますが。
○谷岡郁子君 これは、ただ復興だけではなくて、今後やはり過疎になっている地域というものを再活性化するためのモデル事業ともなり得ることだと思いますので、是非記録方、よろしく残していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 次に、中村公述人にお伺いしたいというふうに思います。 学生たちがボランティアにたくさん出るということは、教えることにはこういう状況というのは非常に不便な形になりやすいけれども、様々な力、共感能力だとか実践力を含めての力というものを養うにとってはとても大変いい機会ではないのかなということを一方で私なども考えるところがございます。そして同時に、学生たちは本当に人生のある意味で大変大切な体験、また学びということをそこできっと行うのであろうということを考えるわけです。 このようなネットワークを、先ほど来おっしゃっていましたように、もう全国的にもやはりその体験というものを、今の若い者たちに現場に入ってもらうことに対してやる、それをその地元の大学がコーディネートするということがとても大事に思えるわけですけれども、それをやろうとすると、やはり具体的な資源という問題で様々なものが必要になってこようと思うんですよね。全国のやはり本当にボランティアの参加ネットをつくるために一体どういうことを例えば私たちは考えればいいんだろうか。それは、その人材でもありましょうし、ひょっとするとバスだとかって、そういうものであるかもしれないし、その宿舎なのかもしれないし、様々な予算だと思うんですけれども、どういう形で国が支援をすればそういうことがしっかりできるようになるんだろうかということを是非教えていただきたいと思います。
○公述人(中村慶久君) ありがとうございます。 一番頭の痛いところでございまして、先ほども申し上げましたように、岩手県は広いので、岩手県に限って言えばですけど、私ども、国から御支援をいただきまして、それは県内のバスの借り上げ代が物すごく高いんです。それからあとは、そのために事前にいろんなボランティアの手伝いをする車を機動性を発揮するために購入いたしました。それは県内のボランティア活動に、我々の学生たちの活動に非常にプラスになっているんですが、今度は全国規模となりますと、大阪のある大学の大学院生が中心になって今呼びかけをやって費用などを算出しているんですが、移動の費用だけでも個人負担がかなり多くなるんですね。各大学に今要請をしているところもあるんだろうと思いますが、その辺を今後継続してやるにはどうすればいいかというのは今のところちょっと我々としてもノーアイデアで、特に公立大学は設置団体、我々は県に縛られていますので、そう潤沢にそういうお金を下さいと言ってもいただける状況じゃありませんので、それが何かの形でそういうものに対して国からの御支援をいただければ、もっと学生たちの、現在の支援活動に対するボランティアだけではなくて、将来これから起きるかもしれない大きな被災に対する防災をどうするかを各大学に戻っていって活動する大きな力になるんじゃないかと思うんですね。 だから、そういう意味での国からの御支援といいますか、何らかのサポートをいただければ大変もっと活発にやれると思いますし、現実にこういう活動を一年、二年やっている学生と話してみますと、年々、年々というか、日に日にと言った方がいいと思いますが、本当に成長するんですよね、もうびっくりするぐらい、うちの子供にこんなことをやらせればよかったなと思うぐらいに。ですから、是非そういう活動にたくさんの学生、日本の若者が参加できるような環境をつくっていただければ大変有り難いなと思っておりますけれども。済みません。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。 それでは次に、宇部公述人にお伺いしたいと思うんです。 先ほどから用地不足の問題を大変強調なさっていると思います。用地不足の問題を大変強調なさっていて、確かに用地ということは本当に全ての復興の基盤としてすごく大事な問題だと思うんですね。 そこで、お尋ねをいたしますが、その用地が足りないということは、すなわち価格が上がるということなのか、価格が上がれば当然いわゆる建設費もかさむということなのか。具体的に、岩手県内で例えば国有地があれば、国有地みたいなものを例えば放出することによって一定程度それを緩和することが可能なのかどうなのかという問題について一点お聞きしたいのと、二点目に、この秋、さきの秋ぐらいから復興予算の流用と、復興増税を国民にお願いしましたけれども、それが被災地以外のところにたくさん行ってしまったということがございました。それに対してやはり地元の建設で一生懸命復興をおやりになっている立場からお考えになって、どのような考え、感じ方をお持ちになったかを教えていただきたいと思います。
○公述人(宇部貞宏君) この用地は値上がりとかそういうのはございませんですね、ああいうところですから。 要は、道路を造るための、例えば三陸道、今は久慈から八戸までの間の用地の問題、これは赤石さんも恐らく、この間久慈支部に行ったら、落札したけれども見通しが立たない、どうなるんでしょうかということで、近々これは三陸、国交省とも我々も行って中に入っていく。 それと、実は大船渡ではあそこに今回防潮堤、防波堤を造るということになる。不明者の問題、建設予定地に亡くなった方とかそういう方で、大変これは県で今その方を捜しても、いないと。じゃ、そこで超々の収用法とか何かを考えなくてはならないのかなというようなことを言っておるわけでございまして、それがこれから、大槌にも行けば大槌で、大槌は地盤沈下、かさ上げが必要、そして防波堤もう一回造るとなりますと、やはりそこに不明者がおるということで、これはどうするかと。 やはり超々の収用法というものがなくてはこれは大変だろうというようなことで言っておるところでございまして、是非これを研究なさっていただければと。我々の職域代表で脇先生とそれからあるいは佐藤信秋先生もおりまして、会うたびそれは語っていますけれども、一向にらちが明かないから今日語っております。よろしくどうぞお願いします。
○谷岡郁子君 復興予算の流用についてはお考えは、御意見ないですか。
○公述人(宇部貞宏君) はい。
○谷岡郁子君 復興予算がたくさん被災地以外のところに流用された件についてはお考えありませんか。
○公述人(宇部貞宏君) いや、これはないと思いますね。 やはり今、そして沿岸の業者、内陸も手いっぱいで、じゃ全国と。この間、大手の連中と話ししても、大手さんも、技術屋から人から何もないと。特にもう海の場合、先生方、潜りが必要なんです、特殊な潜り、それがもうないですよ。
○谷岡郁子君 済みません、分かりました。ありがとうございます。 じゃ、次に村里公述人にお聞きをいたしたいと思いますが、先ほどから出ております様々な、ニットワークをネットワークになさったりという形で、すばらしい皆さんのボランティアをやっていただいたということで広げていらっしゃったと思うんですね。ただ、この分野というのは、日本でもまだ寄附税制といいましてもなかなか進まない中で広げていくと、随分、資源ということを工面していくのが大変な分野ではないかなというふうに思います。 特に社会体育の分野というのは言わばとても脆弱な分野になっていまして、資格の認定の問題もかなり甘くて、大学教育との連携というようなこともきっちりできていない中で高齢者ですとかそれから障害者に対するスポーツをやるとかということになると、今度はスポーツから障害が出てきてしまうというような問題もあり得るというようなことで、今後しっかりとした基盤を充足していくためにどういうことを例えば国がやることが必要だというふうに考えていらっしゃるのか。そして何が、どういうことが出てくると、それは人員なのか資格なのか予算なのか、あるいは先ほど出たようにバスのような移動の手段なのか、どういうものがあればもっと活発にやっていけるというふうにお考えになっているのかという点、是非お聞かせいただきたいのと、もう一つ、先ほどの復興予算の流用というのを一般市民としてはどのように受け止められたか、教えてください。
○公述人(村里洋子君) まず、一番目の質問はちょっと難しい質問なので二つ目からお話をさせていただくと、流用ということで、どこかの刑務所で何か被災地に行って活躍できるようにバックホーを買ったんだとかいうことの予算が使われたとか、そういったようなことで、私たち自身は、やはり直接的に今も、先ほどもお話ししましたけれども、被災地の人たちがどれほど本当に日々の生活の中で悶々としていらして困っていらっしゃるか、そこに直接見えていかない復興税なもので、やはり皆さんはそういうふうに思うと思うんですね。 なので、やはり何か形として被災地に見えていって、そしてその先にまだ本当に生きた使い方をされるのであれば、それはそれで私たちは我慢はできるかもしれないんですけれども、やはり流用というふうに言われてしまうような使い方は、やはり私たちとしては、一般市民、県民、国民としては、うん、ちょっと違うんじゃないかなと。もっともっと本当に被災地の方に投入していただきたいということは、もう本当に切なる願いです。 そして、一個目の質問ですけれども、私たち自身も努力を日々して、答えのない、スポーツをどうやって皆さんの健康の中に、それから地域が元気になるために私たちができること、何をしていったら、どうしていったらいいかというのをもう日々研修をしながら、研究をしながら、いろんな人とネットワークを組みながら、意見を聞きながらやっているんですけれども、やはりこれは私たち自身が努力をすることとネットワークをつなげることしかないのかなと。 その先に、やはり私たち、スポーツが持っている力というのは、人が健康になるということは医療費が減っていくこと、そして被災地においてはみんなが本当に倒れなくて済む、今のままでいけば降圧剤飲まなきゃならない状況、肥満が出ている状況、心もちょっと痛んできているという状況をやはり私たちはもっとそれこそ御指導いただいて、研修をして、いろんなフィジカルなこともスポーティブなことも全部勉強した上で、知識と情報とスキルを持って入っていくという、そのためのやはりバックアップ策を通していただくということが私たちにとって必要なこと、私たちは広げるということだと思うので、そこはお願いしたいなというふうに思っています。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。
○荒井広幸君 大変、四名の皆様にはありがとうございました。 まず、岩渕公述人にお尋ねいたしますけれども、昔の良かった時代にまで興していくんだと、三・一一のところではないんだと、できればもう変えていくんだということで、私も全く同感でございまして、日本全体が新しい目標といいますか、それぞれも含めて、社会も求めていた、そこにどういうなりわいの仕方があるか、所得を得るか、そういったことも含めてたくさん課題があったわけですね。そこにこの災害というのは本当に来てしまって、ですから、なかなかこれ、我々政治全体といいますか、我々としてもそのお答えに、なかなか出せるようなところに行っていないというところが現状でございます。特に私のところは福島で、三十八キロに私も生活しておりますけれども、お互いにこういう自然災害あるいは人災というものの恐ろしさというのを非常に痛感をいたしております。 そこで、岩渕公述人と中村公述人にお尋ねしたいんですが、子供たちも大きく変わってきていると思うんですね。それから、他県の学生であっても入試をする、だからこそ先生方の大学に入るという他県の子供たちもいると思うんです。入試に何か、こうした悲しいことでありましたけれども、工夫をされているというようなことはあるんでしょうか。この二点お尋ねさせていただきます。
○公述人(岩渕明君) 最初の質問でいうと、その地域をどう変えるかという話で、我々最初にやったのは、岩手大学百年の歴史の農学部の中で、水産というのは全然ノータッチだったと、水産をやると。ところが、その水産学部というのが、北大から東大、東北大あるんですが、サイエンス志向であると。さっきのは、ミッション、改革の中でも、やっぱりその実学として産業にどうコントリビューションするか、じゃ、水産で何ができるかということを我々、今考えていて文科省ともいろいろ相談しているんですが、そういう中で、例えば六次産業化って、本当に六次産業化ということは、今の復旧であれば今までのとおりに戻るだけでシステム変革にならないよねと。じゃ、どこをどう変えたらいいかということは、やっぱり今から我々、皆さんとというか、いろんな方と相談しながら提案をしていきたいという形で、とにかくその復旧じゃなくて復興だよというところのキーワードはそこにあるかなと思っています。頑張りたいと思います。 二番目の入試については、一番うちの中で議論になるのは、中村先生のところの県立大学が復興枠をつくったとか、いろいろとそういうあるんですが、我々のところで最初に議論になったのは基礎学力がやっぱり大学としてキープしなきゃいけないというところはあると、だからそこをクリアした段階で考えましょうということでいろいろな支援はしたりしているんですが、その特別云々だからというようなところは今考えていない。やっぱりある程度大学としてのレベルは保った上で、何かあったときに優先的にという考慮はしていますけれども。 よろしいでしょうか。
○荒井広幸君 ありがとうございます。
○公述人(中村慶久君) 入試の問題ですが、実は私どもの大学、今年で十六年目ですが、初代学長西澤潤一先生のころは暗記型の入試をしないようにしようというので特別な試験問題を、総合問題と言っていましたけれども、出したんですね、しばらく。やっぱり受験生が付いてこないんですよね。だんだん、センター試験も最初は余り使わないようにしていたんですけれども、このごろやっぱりほかの大学と似たようなことをやっていかないと、なかなか高校の先生方の受験指導で困るというお話もありまして、今は普通の試験になってしまいましたけれども、それだけにやっぱり学力、前もそうだったんですけれども、低くなってきている、下の方がですね。そこが非常に悩みでございます。 多分、私も今はここにおりますけれども、東京にいたり、いろんなところを転々として、その中央、都会の徹底した受験教育みたいなのが、あれがみんな入試にかかわっているわけですよね。 岩手にいると、皆さん伸び伸びと子供たちやっているんですよ。非常に素直に、いい子たちがいっぱいいるんです。ですから、伸び代がいっぱいあるんです。そういう意味の教育をしたいんです。だけれども、県外から来ている学生で、特に都会の方から来ているのはかなりもう伸び切ったようなのも来ているというか、ようやくたどり着いたという感じの学生もいるわけですよ。どうしようもなくて、大学に入っても意欲もなくなってきて卒業できないような学生も出てきているという状況もありますので、やっぱり受験の在り方というのをよっぽど今考えないと、今文部科学省も少し考えようというふうに言っていただいていますけど、私も時々東京に行ってびっくりするんですけど、夜の九時、十時ごろに御茶ノ水の辺りから子供たちが塾帰りでどどどっと地下鉄に乗ってくる、ああいう光景は異常ですよね。地方ではとても考えられない。あんなことをやっていると、どんどんどんどん私は悪くなると思うんですね。 これは、私らが子供のころから受験、受験と言われましたけれども、いまだに直っていない、もっとひどくなっているという。もっと岩手のような教育をしてくれよと。まあ岩手の教育がいいとは言いませんよ、学力レベルは必ずしも高くありませんけれども、もっと伸び伸びとした教育を特に小さいときにやってあげないと、もう伸び代のない子供たちばっかり出てきてどうしようもないんじゃないかと。要するに勉強嫌いばっかりなんですよ。大学に入ってきたら自ら勉強するようにならないと伸びないわけですよね。もう勉強するの嫌だというのが入ってくるわけですから。ここを変えていかなきゃいけないと思うんですけれども、これはやっぱり文部科学省も一緒になって考えていく必要があるなと思っていますけれども、何かお知恵があったらいただきたいなと思いますが。
○荒井広幸君 また後ほどお願いするとして、宇部公述人にお尋ねします。 競争より協調というのは私も全く同感でございまして、同時に成長より安定と。経済の調整弁として公共事業が使われてきたけれども、もっと今度は、維持管理を含めて、生活の質を高めるような意味でもそういうことを御指摘されたんだと思うんですが、現状として、私も、建設業の方々が道路パトロールを含めて、海岸線も含めてパトロールしたり河川もすると。非常に大きな役割を担っていると思います。 その上でなんですが、建設業の方々が若干多いのかなという気もまたしないではないんですが、この辺の実情といいますか、今度こういう状況にも来たわけですけど、全体の数としてはどういうふうにとらえていらっしゃるでしょうか。
○公述人(宇部貞宏君) 今までは何とかそれぞれのあれで頑張ってきたんですが、今私言っているのは、荒井先生、非常に今の入札制度、雇用を考えれば非常に不安定な入札制度、私から言えば。これは、国も一般公募を、岩手県も、どこから誰が来てやられてもいいという、これは公正公明からいけばまさにそうかなと思います。 しかしながら、地域に密着した建設業、地域の地の利等いろんなのを考えれば、やっぱりいざ災害となったら近くの人がすぐ出るわけですね。そういうことであれば、もうちょっと絞った、やっぱり指名入札とか随契とか、もうそろそろ指名、随契であれしていいのではないか。そのために成績表とかいろんなのをそうやって付けておるわけですから、そこから、もっと上からどんどん仕事を与えると。何のための成績表を付けて、何をしているのかさっぱり分からない、今のは。全然生かされない。反対に不良不適格業者を生かすような制度ではないかと、私はそう思っているんですよ。もうちょっとめり張りを付けてやればいいのかなと。そして、初めてそこで雇用、優秀な技術屋、技能工を育てることができますけれども、今の制度ではかなり厳しいです。是非その辺も念頭に置いていただければなと思います。
○荒井広幸君 消防団員の方を社員に持っている場合には点数をあげるとかいろんな工夫をしているのではありますが、まだまだ、今回のことを含めて、密着したという意味で、地元の人じゃないとできないということもあるので、制度の改革というのはすごく私も理解できるところでございます。 最後になりましたけれども、村里公述人にでございますが、新潟からお越しだということですけれども、岩手というと、私は、遠野物語とか語り部の方々、語って伝えていただいてきたわけですけれども、本当にお亡くなりになったりして悲しいことで思い出したくないことだろうとは思うんですが、一つは、やっぱり私たちも自然災害というもの、生死観というんですか死生観というんでしょうか、人生観とか生き方とか、生とか死というものを本当に考えさせられました。 そういう中で、スポーツを通していろんな方と触れ合っておられるんですが、一点は、先ほどもっと早くお二人の学長先生と会っていたら連携ができたなというようなお話がありました。そういう場をどういうふうにつくっていったらいいか、今思い付くところがあればそういうものをお願いしたいと思いますし、やっぱり情報の共有がないという、意外にみんなで一生懸命やりながら擦れ違っていたというところがあって、隣同士で頑張っていたのに気が付かなかったというのがありますが、今思っていらっしゃることはどういうことがあるのかなと。 それから、仮設にいらっしゃる方とかの場合にもそうなんですけれども、悲しいところもあるんですが、お祭りの仕方、どういうふうにお祭りやっていたんだっけとか、役の振り分けはどういうふうにしたんでしたっけとかと言うと、生き生きされる方もいるんですね、十人十色ではありますけれども。地域の有形無形の民俗文化、こういったものを聞き取るというような、そういう作業というんでしょうか、そういうものもすごく効果があるんじゃないかななんて思いますが、何かお感じになっていることがありましたら。 二つ、お願いできればと思います。
○公述人(村里洋子君) ありがとうございます。 先ほど県立大の中村学長さんから岩手のような教育とおっしゃっていただいて、私たちがなぜ総合型地域スポーツクラブを立ち上げようかとしたその根本のところにもかかわります。 本当にこんなにすばらしい、どちらかというと自然いっぱいの岩手県にいながら、やはりおうちの中でゲームをしたり何したりということの子供たち、やっぱり遊べない子供たちが増えております。私たちがちっちゃいときは物もなかったけれども、何が幸せかといったら、自然の中でどっぷりつかって怒られるまで遊んでいたというような、そういう中で子育てを親はしていたし、今も私たちがその環境をつくらない限り、今の親御さんだけでは子育てをするには余りにも、何というんでしょう、核家族ですし、手が足りないし、子供に目を掛けたり声を掛けたり愛情を注ぐという第三者がいないので、本当にそれはとても、何というんですか、大変な状況で今のお母さん、お父さんたちは子育てしていらっしゃるなと。その手助けがしたくて私たちはこの総合型を立ち上げたという部分もあります。 その情報の共有ができるということは、今日、本当にこのチャンスをいただけたということも、きっと私たちの総合型にとって、それからスポーツ推進委員協議会にとっても、こういうネットワークを、つながったということの、本当にこれから何かそれ私たちが生かしていかなきゃねと思うんですけれども、本当に感謝ですし、それを生かしていくそのノウハウ、前向きな思いというのをやっぱり持って頑張っていかなきゃいけないなと思います。 情報の共有に関しましては、やはりそれぞれの分野の人たちはそれなりの会合をしていますけれども、今度それを飛び越えた何かそういう、この震災をきっかけに、そして岩手の教育のことを思っていることで、やはり情報を共有したりもっと広げるという、その作業をする場を設けるということを岩手県としても国としてもしていただければいいのかなというふうに思っております。 例えば岩手県ならではの教育、どこの県も一緒ではなくて、すごく雪国、冬が厳しい岩手県です。それに合った岩手県ならではの教育のための予算措置とか、そういうものもしていただけるように、これは先ほどの情報の共有とはまたちょっと違うんですけれども、先ほどちょっと思ったことで、そういうふうな、子供たちを本当に、その地域のふるさとを誇りに思ってもらえるような教育を、私たちはそういう現場を提供していきたいなというふうに思っておりますので、そこにおいてもやはり共有できたらいいなと、いろんな人の意見を聞きながらできたらいいなと思っております。 そして、私たち総合型が、二番目ですけれども、スポーツだけではなくて、地域の文化を知って、その地域文化を再生させたり、また復活させる、そしてその人たちを生かしていくということにおいては、コミュニティーの再生ということに私たちは、中に入っている総合型のフォルダの、字が小さくて本当に申し訳ないんですけど、フォルダの紹介の中にもあります。コミュニティーを再生させるツールとしてスポーツがあり、文化があり、私たちはそのコーディネーターとして、総合型の人たち、それからスポーツ推進委員が活動をしていくということにおいて発揮できればなと。 本当に岩手はまだ座敷わらしがいます。それとか、遠野にはもしかしたら本当にかっぱがいるかもしれません。そういう不思議な、本当に生きる死ぬを通して、どっぷりと自然と人間が向き合っているすばらしい県だと思います。それを、良さを殺さないように、そのままつなげられるようにしていくのもしていかないのも私たち今の大人の仕事かなと思うので、そこを本当に、岩手の今後の行き先、これからの日本の行き先を間違えないように、次代の子供たちに次の何かを私たちが置いてサケのように死んでいかないといけないなというふうに思っていますので、そこを本当に皆さんのお力でやっぱり日本の子供たちの行く末を見守って、世界に日本の国の子供たちのやっぱり誇れるような教育の場をつくっていただければなと。私たちも地方で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○荒井広幸君 ありがとうございました。
○団長(小川敏夫君) 以上で公述人に対する質疑は終わりました。 この際、一言御礼を申し上げます。 公述人の皆様には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。拝聴いたしました御意見は当委員会における予算審査に十分反映してまいりたいと存じます。 また、本地方公聴会開催のために御助力いただきました関係各所の皆様方に対しましても、当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 これにて参議院予算委員会盛岡地方公聴会を閉会いたします。 〔午後三時三十七分閉会〕