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183回国会参議院2013/06/10

法務委員会 第10号

発言数
72
登壇者
9
会派数
6
開催日
2013/06/10

会議録

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、藤本祐司君、中原八一君、青木一彦君、礒崎陽輔君及び有田芳生君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君、渡辺猛之君、尾辻秀久君、熊谷大君及び田城郁君が選任されました。  また、本日、松野信夫君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任をされました。     ─────────────

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本弁護士連合会元副会長・日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長新里宏二君、一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長大久保壽一君及び神奈川県商工会連合会会長関戸昌邦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) 民法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様方から忌憚のない御意見を賜り、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  議事の進め方について申し上げます。  まず、新里参考人、大久保参考人、関戸参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。  それでは、新里参考人からお願いをいたします。新里参考人。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) それでは、新里の方から意見を述べさせていただきます。  私は、仙台弁護士会に所属する弁護士でございまして、平成二十三年度日弁連の副会長を務めております。今日お手元に配られておりますけれども、平成二十四年一月二十日付け保証制度の抜本改正を求める意見書を作成した担当副会長でございました。第三者保証の禁止について、強く民法の規制を求めてきた立場でございます。その立場から本日も御意見を述べさせていただきたいと思っております。  私は、法律実務家としてやはり非常に苦い経験も有しております。私の元依頼者でありました中小事業者が、平成十一年四月、手形不渡りを出して、その未明に首つり自殺を図りました。遺書があったということでございまして、生命保険を掛けていたということで、保険で保証人に迷惑を掛けないように、わざわざ私の名指しで、私に整理を頼みなさいということでございました。  私自身は、平成十年十二月に結成されました日栄・商工ファンド対策全国弁護団の副団長として、商工ローン被害、特に第三保証人被害について救済活動をしてまいりました。実務家としても、保証の禁止、特に第三者保証人の禁止を民法の中で解決できないかと取り組んできたものでございます。  先ほど、自殺の話を申し述べましたけれども、自殺だけではなくて、日弁連の破産調査の結果でも、自己破産の原因となっているという事実が分かっております。保証、第三者債務の肩代わりが、定点で調査をしておりますけれども、毎回二五%から二六%、保証による破産ということが事実として出ております。  次に、民法の保証規制の取組について少し概観を述べさせていただきたいと思っております。  平成十六年民法改正では、保証契約一般を対象として、書面によらない保証契約を無効といたしました。さらに、貸金等根保証契約、主たる債務の範囲が貸金債務が含まれるものであって保証人が個人のものという定義のものでございますけれども、これについて、極度額の定めがない根保証契約を無効とし、契約締結日から五年よりも元本確定日を後にする定めを無効とし、その定めがない場合には保証契約締結日から三年経過の日を元本確定期日とするとの改正を行いました。商工ローンによる保証人被害が急増する中で不十分との意見もあったものの、基本法たる民法の改正で保証責任の制限法理を導入するに至った意義は大きいものと感じているところでございます。  次に、法制審議会民法債権法改正部会での議論を少し御紹介させていただきたいと思います。  民法部会でも保証の問題は議論され、平成二十五年二月二十六日までの中間的な論点整理までの議論を踏まえて中間試案が公表され、本年六月十七日までパブリックコメントに付されております。本法案と同様の貸金等契約、同根保証契約での経営者保証を除く第三者保証人の禁止、さらには契約締結時の説明義務、契約締結後の報告義務、履行場面での過大な責任を制限する比例原則等が論点として残り、引き続き検討するとされております。法務省の事務方も積極的に取り組んでいるというふうに理解をしているところでございます。早ければ平成二十七年の国会への提出が予定されているとも聞いておるところでございます。  次に、政府及び金融実務も保証について大きく変わっている事実を少し述べさせていただきたいと思います。  平成十八年三月三十一日、中小企業庁通達で、信用保証協会における経営者以外の第三者保証人徴求の原則禁止を求めております。平成二十二年六月十八日、閣議決定で、経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行を確立し、また保証人の資産、収入を踏まえた対応を促進するため、民間及び政府系の金融機関に対し監督上の措置を実施するとされ、研究会での議論を踏まえて、平成二十三年七月十四日、金融庁は監督指針を改定し、経営者以外の第三者の個人保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立を明記するに至っております。  さらに、平成二十四年の七月三十一日に閣議決定、日本再生戦略では個人保証制度の見直しが掲げられ、停止条件付個人保証契約の検討、再建時などの経営者本人保証人の整理手続の円滑化等の検討が入り、さらに平成二十五年一月十一日、現政権での閣議決定、日本経済再生に向けた緊急経済対策でも個人保証の見直しが掲げられ、この閣議決定を受けて中小企業に関する個人保証の在り方研究会が設置され、本年四月二十四日、報告書を取りまとめております。その中でも、経営者保証人についても個人保証に依拠しない融資の一層の促進がうたわれ、個人保証の機能を代替する融資手法の活用についても参考例として掲げられております。  このように、平成十六年民法改正以降、第三者保証人の制限、禁止、さらには経営者保証人の制限へ向けて日本の社会が大きく動いていると言って過言ではないと思います。安倍政権の新成長戦略骨子でも、個人保証制度の見直しとして経営者保証人の見直しを言及されております。保証人の側から見ますと理不尽な保証被害の解消、経営者の側面から見ますと再チャレンジの促進、ベンチャーなどを含む企業支援や企業承継など中小企業の支援、経済活性化のためと位置付けられると思われるところでございます。  次に、私の所属しております日本弁護士連合会の立場を少し御説明させていただきたいと思います。  日弁連は、平成十六年改正に当たり、根保証契約での第三者保証人の禁止を求め、さらに、先ほど述べましたように、平成二十四年一月二十日、法務省法制審議会へ提出した個人保証の抜本改正を求める意見書において、経営者、業務を執行する者などの例外を除いた第三者保証の禁止、保証人への説明義務、契約締結後の情報提供義務、履行場面における過度の債務についての比例原則等による責任の軽減策を求めました。今法案と基本的に方向を一にするものと理解されるところでございます。  次に、民法の基本原則である契約自由の原則に対する例外を規定する論拠について少しだけ御説明させていただきたいと思います。まさしく保証を規制する理論的な根拠でございます。  保証が親戚、一定の深い人的関係から依頼を受け断れない関係にある、よく情義性と言われます。迷惑を掛けないからと言われ軽率に行われやすく、経営にタッチしていない以上、利害計算が不可視的であり、さらに、負担だけあって無償で行われるものがほとんどであり、被害が多発していることからすると、一定の範囲で個人保証を禁止することも法制度としての許容性、合理性を有するものと考えるところでございます。平成十六年改正で、根保証人が極度額、青天井での根保証を禁止していて、一定の保証を民法で規制することは既にもう確認済みでございます。また、再チャレンジへの阻害していること、さらに、政府、中小企業庁、金融庁などの取組によって第三者保証を取らない融資慣行が確立していることも後押しになると考えるところでございます。保証被害は商工ローン等でも問題になったものであり、監督指針の適用にならない貸金業者も適用されることになり、第三者保証人の被害防止への大きな第一歩になると考えるところでございます。  次に、保証人の資格を制限することによって生ずる経済活動への影響でございます。  保証人の資格を制限すると事業者の経営資金の調達が困難になる、金利が上がり中小企業に不利益になるとの指摘がよく言われているところでございます。まさしく貸し渋りが起こるというような指摘でございます。このような貸し渋りについては、私自身の経験にいたしますと、平成十八年に貸金の大改正を国会で全会一致でしていただきました。その際にも、金利を規制すると借りられない人が続出する、それがやみ金のターゲットになってしまうということが大きく喧伝されたものでございました。しかし、どうであったでしょうか。金利が規制され、この法律が実効的に機能し、やみ金の被害者が三分の一又は六分の一以上に減っているというのが警察の実証的なデータとして出ております。そのような惑わしには乗ってはいけないのではないかというふうに思っています。  今回の改正は、平成十六年以降、政府、中小企業庁、金融庁が金融機関と協力して第三者保証を徴求しない実務慣行をつくってきた、そこで資金が目詰まりしたというような指摘はございません。まさしく平成十八年から取組の中でそのような指摘はなく、かえってそれ以上に、既に述べましたけれども、経営者保証人ですら、経営者には家族がいて、倒産時身ぐるみ剥がれることは相当ではないなど、大きく金融界で経営者保証を含めて個人保証に依拠しない取組が広がってきております。この流れを伸ばすことが、今、国会の中でも期待されると私は確信しているところでございます。  次に、保証の目的を今回、主たる債務を事業のため負担する貸金などの債務に限定したことについて、もう少し広い規制が必要なのではないかという御指摘もあります。日弁連としても、広い範囲での規制を提案しているところでございますけれども、トラブルの多いところから進めていくという意味では評価されるものと思っております。さらに、実務慣行が確立し、法的規制になじむ状況になったものと考えているところでございます。今後、家賃保証の問題、奨学金等検討すべき課題は多くあろうとは思っております。  次に、基本法である民法において規制することについても、例えば消費者保護法の中で議論すればいいのではないかという議論もございます。しかし、既に何度も述べておりますけれども、もう既に民法の中で平成十六年から保証を禁止することが実現されており、まさしくこの法案自体はその延長線ではないかというふうに思っております。さらに、日本の保証制度の考え方を大きく転換するという意味でも、基本法である民法の中で規制する意味は大きいというふうに考えております。さらに、金融実務が過度に個人保証に依拠しない取組が成熟してきた、だから今法規制ができるんだということも考えられるところでございます。  ただ、じゃ今、民法の改正の中で議論されているのではないかという議論もございます。そちらでやるべきではないのかということでございます。しかし、民法の改正の論点自体は、保証のところだけでもほかの論点もございます。更に言えば、民法の大改正でございます。法務省の事務方からすると平成二十七年の法制化が予定されると聞いておりますけれども、その目標自体が確実に実現するという保証はございません、してほしいとは思いますけど。そこからすると、今問題になっているところを適切に対応するということは、まさしく国会の役割だというふうに考えるところでございます。  次に、最後になりますけれども、今回、主たる債務者である法人の代表者について除外をするということについてでございます。  日弁連では、事業者の業務執行するものという格好で、会社であれば取締役、経営に参画していることによって予期せぬ保証かぶりを防止できるとの立場でそのような定義をしております。本法案自体は代表者というふうになっておりますけれども、一義的に明確であるということで、この大きな保証禁止の流れからすれば、明確性を確保するという意味では妥当な選択だろうというふうに思っております。  第三者の保証被害の解決のため、速やかな立法を求めているところでございます。特に、現在、法制審議会の民法改正の中間試案に対するパブリックコメントがなされております。第三者保証人を禁止するべきとの強いメッセージを国会から出していただきたいと思います。  以上で意見陳述とさせていただきます。

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。  次に、大久保参考人にお願いをいたします。大久保参考人。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) 全国地方銀行協会の一般委員長を務めております千葉銀行の大久保でございます。  先生方におかれましては、日ごろより地方銀行に対し格別の御指導、御理解を賜りまして、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。  また、この度は、民法の一部を改正する法律案につきまして私ども地方銀行業界の意見を述べさせていただく貴重な機会をちょうだいし、重ねて御礼を申し上げます。  地方銀行は、地域に根差した金融機関といたしまして、地域経済の発展、それから活性化に向けまして様々な活動を展開しております。我々に期待される役割は多岐にわたっておりますが、最も重要な役割の一つは、地域における金融仲介機能の発揮であるというふうに考えております。金融仲介機能とは、端的に申し上げますと、地域の皆様からお預かりした御預金を資金を必要とされている主体、具体的に申し上げますと、中小企業、それから住宅を建設、購入される方などに御融資をさせていただくことでございます。資金の御融資に当たりましては、預金者の方に確実に元本とお利息をお返しするための安全性の観点、さらには、御融資を通じてその企業や地域経済の発展に寄与するかといった成長性の観点など、様々な観点を考慮して審査を行った上で積極的に資金供給を行っているところでございます。  さて、今回御審議の対象となっております民法の一部を改正する法律案につきましては、金融機関が融資を行う際のいわゆる第三者保証を無効とするものと理解をしております。我々といたしましても保証人の保護の重要性は十分理解しておりまして、第三者保証を制限するというこの方向性につきましては全く異論はございません。銀行界では既に、平成二十三年七月に金融庁より公表されました金融機関向けの監督指針等も踏まえまして、経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立に向け努めているところでございます。当行の例で申し上げますと、行内の規定上、第三者保証の取得を原則禁止しております。  一方、地域への資金提供をしっかりと行うため、例外的に第三者保証を取得している場合もございます。具体的に申し上げますと、一つは経営に実質的に関与している第三者による保証、もう一点は第三者の自発的な意思に基づく申出による保証の二点でございます。  これらは、監督指針にも準用されております信用保証協会における考え方で示されておりますいわゆる例外規定に沿ったものでございます。このような場合につきましても、その理由が真にやむを得ないものか、また、若しくは顧客からの強い申出によるものか、また、形式的でなく客観的事実に基づく実質的な判断を行っているところでございます。  また、営業店から独立いたしました審査部門にて第三者保証の契約の状況を一元的に把握いたしまして、その妥当性を全件チェックをしております。また、業務部門から独立いたしました監査部が臨店監査時に検証するなど、行内チェック体制を確立しているところでございます。こうした個人保証契約に係る行内の体制等につきましては、他行においてもおおむね同様の取扱いであるというふうに伺っているところでございます。  このような現状の中で、本法案のとおりに代表者以外の第三者からの保証を一律に禁止されてしまいますと、地域におけます金融機関の金融仲介機能に大きな支障が生じかねません。  具体的な例を申し上げたいと思います。  まず一点目、経営に実質的に関与している第三者についてでございます。こちらは、円滑な事業承継に当たって保証参加をしていただいているケースでございます。  中小企業は、大企業と比較いたしまして、経営者の資質が経営の成否に影響を与える度合いが極めて高く、代表者の変更により社内が混乱するケースも少なくありません。このような混乱を回避するため、形式的に代表を後進に譲った上で、当面の間、先代が実質的な経営権を持つような場合がございます。代表者が交代して経営が不安定になりがちな時期に、実績のある先代が実権を保ちつつ保証参加も行い、経験の浅い新代表者をサポートしていただくことで経営が安定し、銀行としても継続した資金供給が可能となりまして、円滑な事業承継にも寄与できるものと考えております。  二点目は、第三者の自発的な意思に基づく申出についてでございます。こちらは、創業資金を御融資させていただくケースでございます。  これは当行で実際にあった事例でございますが、大口預金者のお客様から、子供が新たに飲食店を開業するに当たって、親として直接的に資金を援助するのではなく、自立させるために自分で銀行から借入れをさせて、それを返済させたいという申出がございました。その大口預金者の方に保証参加をいただいて、開業資金のお手伝いをさせていただいたケースがございました。  また、これまで専業主婦であった奥様が趣味としていた工芸品の店を開店するため、給与所得者であります御主人から自分が保証人となるので妻に融資をお願いしたいと依頼されまして、御主人に保証参加いただいた上で開業資金の御融資のお手伝いをさせていただいた事例もございます。  これまで事業の経験のなかった方が創業し、事業を軌道に乗せていくことは容易なことではございません。金融機関にとりましても、融資に当たって事業が成功するか否かの評価、判断が難しい分野もございますし、企業代表者の信用力だけでは必要資金が不足する場合もございます。このような場合、資力のある支援者に保証参加していただくことで金融機関としても資金面でのサポートをより行いやすくなるということでございます。  ただいま申し上げました事例でお示ししたような実質的な経営権を有している者による保証参加、それから当該事業の協力者や支援者からの積極的な申出に基づく保証参加などにつきましては、経営者以外の第三者と保証契約を締結できる例外的なケースとして信用保証協会の保証制度においても認められ、また、金融機関向けの監督指針においてもこれを準用して許容していただいているものでございます。これは実態を踏まえた適切な配慮であるというふうに考えております。  今回、こうした例外まで民法で一律に禁止されてしまいますと、地域において必要な資金の供給が困難になることや、現状、廃業率より低位にございます開業率を更に押し下げてしまう可能性も否定できません。  創業につきまして若干付け加えさせていただきますと、民間金融機関で対応できない部分につきまして政府系金融機関が国策に沿った創業制度融資で補完していただいていると伺っております。必要に応じて第三者からの保証参加をいただくことで、創業前後の資金ニーズに対応されているとのことでございます。今般、民法の改正という形で全ての金融機関に第三者保証無効化の対象を広げた場合、こうした政府系金融機関の国策に沿った活動まで制限されてしまうおそれがあるものと思料いたしております。  最後に、地域金融機関にとって特徴的な、事業者が企業でなく個人事業主である場合への影響について補足をさせていただきたいと思います。  今回の法案では、事業者に対しまして連帯保証参加できるのは、保証人が法人である場合と保証人が主たる債務者である法人の代表者である場合に限られております。現実的には、個人事業主が法人に保証参加を依頼し、応諾を得ることはまれなケースと考えます。したがいまして、本改正案によりますと、個人事業主が保証人を立てて資金調達をする道が閉ざされてしまうということになります。  一般的に個人事業主は事業規模が小さく、業況が景気動向に大きく左右されるため、金融機関にとっては事業の採算性、継続性の見極めが大変難しく、安定的に資金供給を行うために経営に関与する家族などから個人保証を受けるケースも少なからずございます。  また、こうした個人事業主の中には、相続人を事業承継者として長期の資金を借り入れ、不動産賃貸業を営むケースがございます。不動産賃貸ビジネスにつきましては初期投資が大きくなるため、二十年それから三十年といった長期安定的な資金調達が欠かせません。金融機関といたしましては、事業承継者であります相続人の方に保証参加いただくことで長期の事業継続の意向を確認でき、長期安定的な融資を行うことが可能となります。当行の例で申し上げますと、事業性貸出金のうち先数ベースで約四割が個人事業主向けとなっております。したがいまして、法改正による影響は少なくありません。  また、不動産賃貸ビジネスは、地域における重要なインフラであります商業施設、賃貸マンション、貸しビル等々を構成するという意味で、地域活性化にも欠かせないものでございます。先生方におかれましては、こうした個人事業主の資金調達の実態につきましても十分踏まえて御審議をくださいますようよろしくお願いを申し上げます。  以上、第三者保証の状況等につきましていろいろと申し上げてまいりましたが、第三者保証につきましては、現在、法制審議会の債権法部会においても議論がなされていると伺っておりますので、こういった会議での議論と整合性を図ることも必要ではないかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、法案の御審議に当たりましては、ただいまお話し申し上げましたような地域金融の実情、中小企業・小規模事業者向け金融の実情を踏まえ、慎重に御検討くださいますようよろしくお願いを申し上げます。  以上、簡単ではございますが、地方銀行会の意見を述べさせていただきました。  最後に、本日はこのような発言の機会をいただき、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。  次に、関戸参考人にお願いをいたします。関戸参考人。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) 全国商工会連合会理事で神奈川県商工会連合会会長の関戸でございます。神奈川県の相模原市、行政合併前の旧津久井町で印刷業を営んでおります。本日は貴重な機会をちょうだいしまして、厚く御礼を申し上げます。  小規模事業者の立場から二、三意見を申し上げたいと思います。  まず初めに、手短に私どもの組織について説明をさせていただきます。  私ども商工会は、昭和三十五年に制定をされた商工会法に基づきまして、主として町、村の地区に設立されている地域経済団体であります。お手元の資料にありますとおり、現在、全国で一千七百の商工会が設立をされており、会員事業者数は約八十七万、組織率は約五八%となっております。会員の九五%が従業員二十人以下の小規模事業者であり、四二%は従業員がおりません。また、個人事業主が全体の六〇%を占めてございます。  お手元の資料の日本地図を御覧ください。赤い部分が商工会の設立されている地域でありまして、御覧をいただいているとおり、地図の大半が赤く塗り潰されています。また、東日本大震災の被災地のほとんどは商工会の地域でした。中山間部や離島など、人口減少や高齢化が進んでいる地域が多く、また商店の廃業などによる買物難民の増加も深刻な問題となっています。  商工会は、金融、税務、取引先開拓など、地域の中小企業・小規模事業者の経営相談、支援を行うことを使命とする組織であります。それに加えて、良好なコミュニティーの維持や生活者不便の解消などを使命に主体的な役割を担っております。また、商工業者自身も、事業を営む傍ら、消防団やパトロール隊に加入をして防犯、防災に努めております。  商工会の特徴としまして巡回相談があります。小規模事業者は、経営のトップであるだけでなくて、営業部長も管理部長も経理部長も兼ねていますから、昼間相談に行く時間は割けません。このため、職員自ら事業所を訪問をして経営相談に乗っております。職員一人当たり全国平均で年間四百四十回、私の地元の津久井商工会では七百回以上の巡回相談を行い、経営上の悩みを解決しています。特に、リーマン・ショック以降、年末、年度末の資金繰りが厳しくなる時期には、巡回訪問の強化、休日返上で金融支援に取り組んでいるところです。先生方におかれましては、商工会という組織は地域の事業者と密着しつつ活動してきていることを御理解いただきたいと思います。  民法の改正案について、借り手の立場から御意見を申し上げます。  新聞などで、第三者保証人が破産などの法的整理や、最悪、自殺にまで追い込まれる事件が度々報道されております。実際、私の知り合いでも不幸なことになってしまった人がおりますので、保証制度自体を見直す必要があるという考え方に変わりはありません。  現在、金融機関が金融庁の監督指針に基づき、原則として第三者保証人を取らない融資が主流となっております。しかし、全国商工会連合会が昨年の九月、十月にかけて実施した中小・小規模企業の金融円滑化対応実態調査の結果では、法人、個人を問わず、約一割の事業者がいまだに第三者保証人を金融機関から求められているという実態がございます。言い換えれば、それらの事業者は第三者保証人を立てなければ融資を受けられない、受けることができない、その可能性があると考えられます。また、金融円滑化法が終了する直前と直後に実施した金融機関の融資状況等に関する調査結果によりますと、保証の追加を要求されると回答した会員の事業者が三から四%存在している実態もあります。  私は、第三者保証人を付けることが良いとは全く思っておりません。しかしながら、金融業界の経済原理や実情を考えると、今回の法案では、まず懸念されるのは、第三者保証人を付けて融資を受けている事業者が貸し渋りに遭うことや、新たな資金調達が困難となるような事態が多く発生するということであります。  問題点の一としまして、例えば、引退した創業者が株式を保有し続け経営に関与し続けることは、中小企業において多く見受けられます。このような場合、引退している創業者が連帯保証することで信用力を補完し資金調達している場合もありますが、この法案によると保証人は代表者に限定されますので、創業者は連帯保証人になることはできません。創業者に現役復帰してもらえばいいじゃないかという意見もあります。しかし、現在経産省、中小企業庁で進めている円滑な事業承継にも逆行することとなると思います。  問題点の二でありますが、次に個人事業主についてであります。法案では第三者保証を法人にしか依頼することができなくなるため、第三者保証により資金調達している個人事業主にとって非常に不利益が生じるのではないでしょうか。例えば、経営者の配偶者が実質的に経営に影響力を持っている場合でございます。いわゆる金融機関のプロパー融資を配偶者の保証で受けていた場合、法案ではそのような保証は不可となりますので、保証協会や保証会社を通じた融資を利用せざるを得ません。選択肢が限られてきてしまうし、保証料が新たに発生するなどコストアップにもつながってしまいます。  問題点の三でありますが、さらに、創業しようとする者にとっても不利益が考えられます。これから新たに創業しようとする人は、当然ながら信用力が余りありません。現在は、そのような信用力の弱さを親兄弟の連帯保証により信用力を補完して融資を受けているケースなどがあります。法案ではそのようなケースは一切認められず、保証協会等による公的保証か不動産などの物的担保がなければ資金調達の道はなくなります。こういうことでは起業マインドにも冷や水を掛けることとなるのではないでしょうか。  ここで、実際に第三者保証で融資を受けた事例を紹介したいと思います。私が知っている創業者の事例です。  その創業者は腕が良い塗装工で、勤務先から独立しました。しかしながら、勤務先に言われるがまま資金調達を高金利のノンバンクからしたことによって、独立後間もなく返済負担が重くなり、資金繰りが苦しくなってしまいました。その状況を見かねた親族が自分たちの貯蓄から資金を貸すことを考えたのですが、このようなことがあるたび、いつまでも貸し続けることはできないとの判断から、自分たちが連帯保証してあげるので銀行に融資相談に行くよう勧めました。結果として、その創業者は親族の連帯保証を条件に銀行から融資を受けることができました。今では軌道に乗っています。法案によりますと、このような善意での連帯保証も禁止されることになります。起業しようという若者が少ない時代にあって、その流れに拍車を掛けることになりかねないのではないでしょうか。  私は、そもそも連帯保証について、保証する側が十分な理解をせずに連帯保証していることが問題であると思っています。それは貸し手側の説明不足なのか保証する側の理解不足や安易な考えなのか分かりませんが、法律で規制するよりもそのようなことを是正していくこと、また、金融庁の監督指針がしっかりと守られ、半ば強制的に第三者保証が求められないようにすることの方が先なのではないでしょうか。  商工会は全国津々浦々にあります。金融機関の目がなかなか届かない中山間地域の事業者に対しては、資金繰り状況など、地元の商工会がしっかりと相談に乗ります。また、金融庁の監督指針を守らない金融機関の情報なども商工会は事業者の声を通じて把握することができます。  このような相談スキームを活用したものとして、今年で創設四十年となります、商工会で推薦している日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫で実施している無担保、無保証、低金利のマル経融資制度があります。改正案への代替案として、マル経融資のスキームなどを参考に、商工会などのモニタリング機能を条件として、無保証融資のスキームの創設なども考えられるのではないでしょうか。金融機関が融資先企業をモニタリングすることに伴うコストアップの削減は、商工会等の機関によるモニタリングにより代替できると考えます。  商工会は、職員や会員事業者だけでなく、おかみさんや四十歳以下の若手後継者の組織も二十万人弱有しております。金融機関のモニタリングの代替先としてそうした商工会の内部組織が大いに活動し、無担保融資の推進につなげられるよう、国と地域の金融機関で拠出したモニタリング基金のようなものをつくり活動費を助成していただければ、新たな無保証融資の確立にもつながっていくものと思われます。  次に、景気対策について申し上げます。  そもそも、債務保証も景気が上向いているときには大きな問題とはならないと思います。日本経済はアベノミクスにより景気回復が進んでいると言われております。しかし、私の地元では、バス路線など公共交通機関が次々と廃止され、通勤通学の足がなくなっていることなどから、交通の便の良い近隣都市部に若い世代が第二の住居を構え、若者が減っている現状にあります。そのようなことから、地域で五十年、百年と続く老舗の和菓子屋や時計眼鏡店、土建屋、飲食店などが店じまいするなど廃業が多いというのが実感です。  中小企業・小規模事業者の経営環境はまだまだ非常に厳しく、今まさに存亡の危機に立たされていると言っても過言ではありません。特に、原材料や電気料金の値上げなどのコストアップ、さらには二段階の消費税率の引上げなど、どうやって事業を続けていけばよいか悩んでいる事業者の方が数多くおります。  特に、消費税の増税に関しては、平成九年に税率三パーから五パーに引き上げて以降、企業数は平成九年当時の五百十五万企業から現在は四百二十万企業にまで減少しています。また、平成十七年に免税点を三千万円から一千万円に引き下げた際には、約十六万企業の滞納企業数が増加したという実態があります。税金を滞納するということは、不渡りを出すのと同じく金融機関との取引ができなくなるんです。倒産と同じことになります。  商工会としても、経営上の悩みを抱えた事業者をしっかりと支えてまいります。先生方におかれましても、日本経済の活力の源泉と言われている地方の中小企業・小規模事業者にも景気回復の実感が感じられるよう政策のかじ取りを行っていただきたいと強く要望いたします。  本日は、非常に厳しい状況にある地域の中小企業・小規模事業者の立場から法案に対する率直な意見を述べさせていただきました。  繰り返しになりますが、私としましては、第三者保証契約を結んだことにより破産や自殺に追い込まれる事実は容認できません。しかしながら、個人の第三者保証まで法律で規制してしまうと、これまで第三者保証により資金調達していた事業者や、資金調達の助けとして自ら保証人になることを申し出るケースさえ認められなくなる。そうなると、中小企業・小規模事業者の資金調達手段が硬直化し、これまで以上に資金繰りの悪化につながると思いますので、中小企業の資金調達に悪影響を及ぼすような法案には借り手の立場として異議を唱えざるを得ません。中小企業・小規模事業者の資金繰りが悪化し廃業せざるを得ない状況等が相次げば、経済の安全弁が壊れ、結果的に我が国の経済活動を沈滞させてしまうのではないかと懸念しております。  どうか先生方には、どうすれば中小企業・小規模事業者が円滑に資金を調達できるかについて、民法の分野だけでなく様々な角度から総合的に検討していただきますよう重ねてお願いして、私の参考人としての意見陳述を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。  以上で参考人の意見陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 民主党の前川清成でございます。  まず、関戸参考人、私たち国会議員、一番お世話になるのは印刷屋さんでございまして、日ごろのポスターでありますとかリーフレットでありますとかチラシでありますとか、本当にお世話になります。  その上でですが、私は選挙区は奈良なんですが、奈良新聞という新聞に前川参議院議員らがこういう法案を出したというふうな小さな記事が載りますと、奈良の商工会の会長さんが声を掛けていただきました、あるところで。ええことしてくれはりました、中小零細企業はみんな喜んでいますと、こういうことでした。  関戸参考人も、先ほどのお話は、中小零細企業者が、保証人になりたいとは思っていない、あるいは自分が金を借りるために赤の他人に保証人をお願いするのも望んではいない、しかし貸し渋りが困るんだと、こういう趣旨で理解させていただけばよろしいでしょうか。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) はい、そのとおりでございます。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 その上でちょっとお尋ねをしたいんですが、関戸さんは、まず、引退した創業者がいる、その創業者が連帯保証をするんだと、これができなくなってしまうんだと、こういうふうにおっしゃいましたが、世間でよくあるのは、お父さんが年を取って息子に社長を譲ると、お父さんはその翌日から全く会社にかかわらないわけではなくて、大所高所から息子を見守る、いわゆる息子が社長でお父さんが会長というケースがほとんどだろうと思うんです。会社を譲って次の日からプロゴルファーになるというふうなお父さんは余りいないと思います。そうであれば、今の会社法上もお父さんは代表取締役、息子さん、社長も代表取締役、共同代表取締役ということになりますので、今回の私たちの議員立法でも何ら保証の制限は掛からないということになります。  あるいは、配偶者について保証人になれないと困るんだと、こういうお話もありましたが、私は、価値判断として、商売に全然携わってもいない、例えば夫は八百屋さんをしている、奥さんは別の会社に勤めておられる、八百屋さんの仕事、全然勤めていない、これにもかかわらず無理やりに保証人にさせるのはどうかなと。しかし、奥さんも夫と二人三脚でやっているのであれば、それは連帯保証してもいいだろうと。しかし、二人三脚で二人がツートップでやっておられるんだったら、先ほど申し上げたように奥さんも共同代表になれるわけです、会社法上。したがって、関戸さんがおっしゃったような弊害は全然生じない。  最後の場合の、これは銀行協会にお尋ねするべきかもしれませんが、創業しようとする人がいると。これはうまくいくかどうか分からないと。うまくいくかどうか分からないから銀行が金を貸さないんだと。だから赤の他人が保証人になるんだと。しかし、うまくいくかいかないか分からないそのリスクを赤の他人に押し付けていいんだろうかと。私は、そうじゃなくて、うまくいくかいかないかを目利きするのは、これは金融機関の仕事。だから、その対価として金利も取っているわけです。  私は、関戸さんがおっしゃった不都合の三つの場合の前二つは、ちょっと会社法に対する理解の違いかなと。最後はちょっと価値観が違う。リスクが多い仕事だからこそ、リスクが多い事業だからこそ赤の他人にそのリスクを押し付けてはならない、こういうふうに考えておりますが、まず関戸参考人の方から、関戸さんが提示されたこの三つの類型について私の考えを申し上げました、ちょっと御意見があればお伺いしたいと思います。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) まず一番目の、貸し渋りが生じないのであればということは同意見でありまして、そのとおりだと思っています。ですから、陳述申し上げたように、この法案の成立させようという意図、これは非常に私は賛成であります。  二番目の、引退した経営者ですね、お父さんで、息子がもう代表をやっていますよと、ですけどお金を借りたい。じゃ、登記を変えて代表者に変わって、また後戻りしてやり取りすればいいじゃないかと。そういうことも手法としてはあるわけですけれども、共同代表ということもありますよね。しかし、本来意図とすることは何なんでしょうかというところは、やっぱりそちらの意味合いから入っていただきたいな。法律でこうだからこうだという法律を決めてしまいますといろんな問題が起きるということを申し上げたいのでありまして、先生のおっしゃる意図と私は同じだと考えています。  それから、創業、赤の他人という、私の事例は身内なわけですけれども、やはり、それも他人だ身内だという関係なくやはり連帯保証するということは、それだけの信頼がなければこれは自己責任の中において難しいわけです。ただ、やっぱりいろんな事例があるから、それを拾って、いや、こういう枠組みにしてしまおうということも、これも同じように非常に危険だという事例をいろいろ考えた末あったと、まだまだいろいろあろうかと思いますけれども、そういうことでありまして、先生と私は全く意図が同じだなと私は感じています。  以上です。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 関戸参考人にちょっと今、私意見だけ申し上げたいのは、要は、世の中で起こっている連帯保証による不幸の量、自己破産がいっときの二十五万件から十一万件程度にまで落ち着いてきましたけれども、先ほど新里参考人がおっしゃったように、その二五%は保証が原因だと。自殺の人数が三万件を割りました。しかし、そのうちのやっぱり何千人かは保証が原因で自らの命を絶っておられるわけです。  そうであれば、こう言うと失礼かもしれませんが、奥さんが趣味の店を開くと、そのために夫がどうしても保証人になりたいと言っていると。そういう極めて例外的なことを持ち出して針小棒大に議論をするのではなくて、その連帯保証に伴う大きな不幸の種をどういうふうに減らしていくのかと、その際にもしも貸し渋りというのが起こるのであれば、その貸し渋りに対して手当てをするべきではないかなと、こういうふうに考えています。  その上で、今日、地方銀行協会から大久保さんにお越しをいただきました。ありがとうございました。  実は、先週、銀行協会に是非お越しをいただきたいというふうにこの委員会からお願いをしましたところ、銀行協会は、先週の六日、木曜日、金商法のことで参議院に参考人に出ますと、忙しいから月曜日は来れませんと、こういうふうな御回答でした。私は、去年、金融副大臣をさせていただいたんですが、もしももう一度そういう立場になるのであれば、今回の銀行協会の回答は決して忘れませんし、地方銀行協会が今日こうやってお越しいただいた感謝の気持ちも決して忘れないようにしたいと思います。  その上で地方銀行協会にお尋ねをしたいのは、今、関戸さんもおっしゃったように、誰も保証人になりたいとは思っていない、誰も保証人を無理やり頼みたいとは思っていないと、しかし心配なのは貸し渋りだと、こういうことなんです。その際に私は忘れてはならないのは、金融機関というのは特別な存在だと。例えば、関戸さんには申し訳ないけれども、印刷屋さんが倒産しても、パン屋さんが倒産をしても、私は弁護士をしていましたが弁護士を倒産しても、誰も助けてくれませんが、銀行が倒産したら税金でけつを拭いてくれるわけです。じゃ、なぜそこまでしてくれるかというと、大久保さんがおっしゃったように金融仲介機能と。つまりは金を貸す、これによって地域経済を回していくのが金融機関の仕事と、こういうことなんだろうと思うんです。  しかし、ごめんなさい、もし失礼があればおわびしますが、今の金融機関、特に地域金融機関の預貸率なんかを見ていますと、預金を集める、そこにはスズメの涙ほどしか金利は付けない、どこへ利用しているかというと国債を買っていると、預貸率は地域金融機関においては半分を割っていると。これはやっぱり本来果たすべき金融機関の役割を果たしていないのではないかと。  先ほどおっしゃいました、奥さんが趣味のお店を開きたいと、だから夫は保証人になってやりたいと言うと。しかし、そういう自発的な保証意思を表明する場合が一体世の中にどれだけあるのかと。世の中でほとんどあるのは、貸してくれないから困って困ってお願いにお願いをすると。しかも、先ほど私、赤の他人という表現をしましたが、それは経営にかかわっていないという意味で使っているんです。普通は、親子だとか兄弟だとか親戚だとか濃厚な人間関係があったり、あるいは場合によっては下請だとか従業員だとか、そういう従属的な人間関係があるからこそ保証人を引き受けると。そこまでして保証人を取らないと金は貸せないものなのかなと。  例えば、私は弁護士ですが、弁護士というのは自営業です。依頼者から費用をもらえないと事務所の家賃さえ払えません。そうしたら、貧乏な人は弁護しないのかと。それは社会正義が実現できないわけです。そこで、例えば弁護士会も、法律扶助であるとかあるいは当番弁護士については弁護士がみんなで会費を出し合うとか、様々な努力をしてきました。  今日来ていただいたことは本当に感謝しているんですが、是非地方銀行協会としてお考えをいただきたいのは、保証人が取れないと金を貸せないんだという言い訳ではなくて、自らの努力でどうやったら保証人なしでも金を貸せるのかと。皆さん方は金融のプロであって事業の目利きができるわけです。その対価として金利を取っているわけです。片や保証人は素人です。ほとんどの場合、信用保証協会等を除いて、ほとんどの個人の保証人は対価も得ずに好意でなっています。そうだとすれば、私は、金融機関か保証人かどちらがリスクを取るべきかというと、金融機関に違いないと、こういうふうに確信をしています。  長々しゃべってしまって十分な時間がなくなってしまいましたけれども、大久保参考人から御意見を承りたいと思います。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えいたします。  まず、全体で預貸率のお話がございましたので御参考までにお話しさせていただきますと、私ども地方銀行協会全体の預貸率は七二%でございます。それから、私ども、単体の千葉銀行だけの預貸率は七九%でございます。ということでございます。  それから、今先生から御質問のありましたことでございます。リスクは金融機関が取るべきだろうと、おっしゃるとおりだとは思います。私ども、保証につきましては、どのような手順で第三者保証をやらせていただいているかということを御参考までに申し上げさせていただきますと、まず、お取引先の経営状況を確認させていただきまして、通常考えられる与信リスクの許容度を超える場合に限りまして、当該事業所の協力者とか支援者から積極的に連帯保証の申出があって、かつそれが自発的であると、自発的な申出であるということが客観的に認められる場合に限り、連帯保証として取ることができるというふうに規定を決めております。  それから、そもそも私どものクレジットポリシーというところの規定の中で、保証や担保に依存しない融資を推進するということを掲げまして全店的にやっているということでございまして、これは私どもだけじゃなくて全行、恐らく地域金融機関、皆さんやっていることだというふうに思います。  一方、保証の意義ということでちょっと若干補足させて申し上げさせていただきますと、やはり信用補完という意味合いが大変大きいかと思います。これは、もちろん銀行はリスクを取ってお貸しするんですけれども、私ども金融機関は、お貸しする原資というのは預金であります。預金というのは、これは絶対に毀損させてはならないものでございまして、先ほど公的資金とお話がありましたように、もし、預金を運用しているのは資産サイドの貸出金でございます、この貸出金が毀損すると、当然まずは資本が毀損され、その上、場合によっては、余りにも不良債権が増えれば公的資金ということで御迷惑掛けるということになりますので、絶対にそういうことをしてはならない。つまり、資産の健全性を絶対に守るということを我々の第一の役割だというふうに思っております。  そういう意味で、審査基準についても、そういうことでかつてからのいろんな形の、これまでの経験を踏まえたもので作り上げたもので審査をさせていただいているというものでございます。その審査にそぐわないもの、なじまないもの、どうしてもそれではリスク取り切れないものについて、第三者の方から積極的なお申出があった場合に限り保証をさせていただいているということでございます。  ちなみに、私どもで、そういった形で経営者以外の第三者の保証、経営に実質的に関与していない方からの保証ということで申し上げますと、大体、代表者の方も含めまして個人の保証をちょうだいしているのが三万三千件ぐらいございまして、そのうちの五十五件でございますので、そういう意味では極めて限られた方でやっているということでございます。  ただ、だから限られているからいいだろうということでおっしゃいますけれども、ただ、そういうニーズもあるということは間違いないことでございますので、そこを法律としてもう完全に止めてしまうのはいかがかなということでございます。今のところ、監督指針その他で、何というんでしょうか、きちんと我々はやらせていただいていると思っていますので、そういうことで考えていただければというふうに思います。  以上でございます。

前川清成民主党・新緑風会

○前川清成君 時間が参りましたので、中途半端ですがこれで終わりますが、一点だけ指摘をさせていただきたいのは、金利は借りている間の期間、時間に対するレンタル料と貸倒れのときのリスクに対する保険料、この二つが金利なんです。だから、預金は一円も毀損してはいけないんだというのは全体としての話であって、一〇〇%戻ってくる金にしか貸さないんだ、事業にしか貸さないんだというと、これからは金融機関成り立たなくなると思いますので、そのことだけ。  ごめんなさい、もう時間がないから、そのことだけ指摘して私の質問を終わります。ありがとうございました。     ─────────────

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、池口修次君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。     ─────────────

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。  今日は、三人の参考人の皆様方、お願いをしてから非常に時間が限られている中で、本当にこのようにお越しをいただきまして貴重な意見をいただいたこと、まず感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  それぞれのお立場で御意見を賜ったというふうに思っております。全体的に、新里参考人の方からは、この法案に対して、とにかく積極的に進めていくべきだという御意見だったと思います。それから、大久保参考人と関戸参考人お二人からは、やはり現行の金融実務といいますか、この取扱いに比べて、今回の法案についてはいわゆる経営者、この範囲が非常に限定をされていることによって、いろんな金融面において、融資の面で制約が出てくるのではないかという懸念が示されたのではないかなというふうに思っております。  そのことをまず踏まえまして、新里参考人にお話を伺いたいと思いますけれども、今、貸し手側あるいは借り手側の両者の方から、今回の法案については、先ほど新里参考人の方からは、代表者に限定をしたことについては一義的には非常に明確で、明確化を図るためにはこういう規定にというお話がありましたけれども、他方で、銀行そして借り手の商工会の方の立場からすれば、やはり制約をすることによって、いろんな制約、これまで借りていたものが借りられなくなるという、そういう弊害が出てくるというお話もありましたけれども、そのお二方のコメントについてはどのようにお考えでございましょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 基本的には、こういう法律を作るということからすると、もう一つ、やっぱり並行的に貸し渋りが起こらないような仕組みをどうつくっていくかと。  実は、今日配付されております調査室で作成した参考資料の中にも、実は平成十六年の民法一部改正の際の附帯決議が付いているんだと思いますね。それで、三項のところに、信用収縮が起きないように、阻害することのないようにという格好が出ております。まさしくそこのところが両輪として行われなければならないというふうに思っております。  きっと、政府それから国会としてもやっぱり貸し渋りが起こることだけは避けたい。だけど、この被害をどうするんだということからすると、両輪として取り組んでいただきたいということで、特に思うのは、創業支援のところがやっぱり価値観が違っているのかなというふうに思います。  やっぱり、じゃ、こういうことを考えてみると、家族がいる、知り合いがいる人、資産がある知り合いがいればいいですけれども、そういう人がいない場合については、じゃ、もう創業ができないのかということになってきます。それではやっぱり意欲のある若手を支援することにならない。ですから、個人保証に頼らずに創業を支援するプロジェクトというんですかね、それを国としてきちっと考えた上で両輪として進めていくというのが正しいやり方ではないのかなというふうに思います。  それから、先ほどの退任のことからすると、実は、私の妻の実家が鶴岡で建築業をやっておりますけれども、やはり高齢になってきて、子供ではないんですけれども、従業員の方に代表権を譲る、いわゆる社長を譲る。ただ、その際にはやはり会長として残ると。やっぱりきちっと経営責任を全うしながらきっと保証責任も果たしていくということになるんだろうなと。やはり全部が退任をしてゼロになるということを、いわゆる極めてのレアケースをその制度論の中にどこまで議論をするのかということからすると、やっぱり具体的に、通常のケースについては並行的にやりながら時間差で退任していくということが実務であるので、特に殊更言われると、それはどうしようねということになりますけれども、大きな制度論を理解する上では、実際どういうことが行われているのか、そしてやっぱり金融支援をどうするのかという形で両輪で考えていただければいいのかなというふうに思ったところでございました。  以上でございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 その点についてでございますけれども、今回、例えば中小企業庁の取扱い、あるいはそれを踏まえた金融庁の監督指針、これが、言ってみれば、代表者に限らずその他の例外的な者を認めているにもかかわらず、それを一歩進めて代表者に限定をした。これは、先ほど言われた明確性を図るということが主な理由なんでしょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) それと、やはり出ましたように、一割ぐらいの方が申出をするという格好で第三者保証人を取られているというところでございます。  それについて、じゃ、そこでその帰趨はどうなったんだろうかなということからすると、そこに保証被害が出ていないんだろうかというところからすると、そこの部分についても、申出によりますから、金融機関の方は厳格に解されているということですけれども、そこが本当に緩くならないだろうかということが懸念されること。それから、更に言えば、この監督指針が適用になるのはいわゆる金融機関でございまして、じゃ、貸金業者はどうなるんだろうかということで、実は私も、先ほど述べましたように、商工ローン被害というノンバンクのところの被害、保証人被害が大変ひどかったということを踏まえてこの保証の規制のところの議論が始まったことからすると、そちらへの適用の拡大ということも重要になってくるのではないかなというふうに思ったところでございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございます。  ベンチャーについてのお話がありましたけれども、今回の場合には、先ほどお話がありましたように、例えば新しい事業を起こしたい、とにかくそれが日本の国にとっても非常にいい、地域のためにも非常にいいということで、そういった人を、ベンチャーの起業家を支援をしたい、これはまさに自発的に支援をしたい、自発的にそのサポートをしていきたいんだという、そういう人が保証していくということも、今回の場合にはそれでもって閉ざされるという道になるわけですけれども、今、日本の場合には、起業家、起業する数も廃業する数も世界に比べればどちらも非常に少ないということで、我々としても、ベンチャーというものをとにかく数を増やしていくんだということ、これはいろんな政策を動員しながらやっていかなければいけないというふうには思っておりますけれども、例えば、進んで支援をしたいという、そういう人が保証することについても閉ざされてしまうということについてはどのようにお考えでございましょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 実際、自ら申し出た場合についてもどうするのかというのは、それに合理性があるんだろうかということが大きな議論になっているのかなと。  実は、平成十六年の民法改正の際には、例えばもう青天井の保証人でも根保証でもいいんですよという方、こういう申出がある、でもそれは駄目だよねということを規制しました。やっぱり青天井は、そのときはいいよね、だけど、青天井で例えば一千万ぐらいかなと思ったら一億保証をかぶったといったら、これは駄目だよねと思います。  それから、ベンチャーも一緒でありまして、きっと、今は支援しようねと思ったけれども、それが破綻をしたときにやっぱりどうなのかなというところがある。その意味では、やっぱり民法の中でも、申出があれば必ず認めるということはもう既に民法の世界では一旦クリアをしてきたんだろうなというところの中で、今回こういう申出がある場合についても、一定規制していくというところに合理性があるのではないかなというふうに思います。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 新里参考人にもう一点だけ質問をさせていただきたいと思います。  今回は、第三者保証ということで、禁止ということが法案の内容になっているわけですけれども、若干違いますけれども、物上保証という制度も当然ございまして、これも第三者が提供して、言ってみれば保証的な機能を果たすわけですけれども、例えば第三者保証をかなり制約をするとそちらの方に言ってみれば流れてしまうと。そういう、これを懸念と言っていいのかどうか分かりませんけれども、そちらについてはどのようにお考えでございましょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 日弁連の中でもいろんな議論があるところだと思います。  第三者の保証人については、書面上の保証だといいながら、やっぱり頼まれて、だけど保証人になった。じゃ、物上保証人はどうだろうかということになると、登記簿謄本を出してください、権利書を出してください、そして司法書士さんに頼みますよ、それから法務局に行きますよというようなことがある。  その中で、やっぱり軽率な判断ができないような仕組みがあるのではないかなということからすると、この第三者保証人の規制と同一でいいのかということについては議論があるのではないかなというふうに思います。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございます。  それでは、大久保参考人にお伺いをしたいと思います。  私どもも、党としましても、やはり個人保証に依存しない中小企業金融というものを促進をしていかなければいけない、これは全く同じ方向性を持っております。  そういった中で、例えば個人保証をかなり制約をした場合には、やはり先ほどいろいろ懸念が出されました。そういった場合には、例えばそれに代替する何らかの方策というもの、これがなければなかなか今までどおりの融資を得られないということにも恐らくつながるんだろうと思います。  そういった意味では、金融庁の方からも、ABLについてももう少し促進をしていきましょうと。動産あるいはその売掛金、在庫ですね、こういったものについての担保ということかと思いますけれども、これは例えば金融機関、銀行の立場として、このABLというものについて、恐らくなかなかまだ進んでいないところもあるんではないかなというふうに思いますけれども、これについての何か懸念といいますか、そういったものについて何か御意見がありましたらお伺いをしたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  ABLにつきましては、保証に依存しない新しい貸出しということで協会としても積極的に取り組んでおりますし、私ども個別行としても積極的に取り組んでおります。  ただ、いろいろ簡単にはいかないという面は、例えば、金融機関でございますので、最終的なところですけれども、担保としてちょうだいしたものがなかなか、物産でございますのでどうやって処分して、その価値をといいますか、回収できるかといったところがあったりということで、従前はなかなか進まなかったということだと思います。  ですから、それではいけないということで、現在、その担保評価の仕方であったりとか処分のところであったりとか、個別行でできなければ、例えば地方銀行協会で一つまとまって共同し合ってやっているということを今一生懸命進めているところでございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 そういった意味では、やはりまだまだ検討事項はあるということでございましょうか。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) はい、そういうことでございます。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。  それでは、関戸参考人にお伺いをしたいと思います。  まさに、冒頭お話ありましたように、商工会の皆様方、中小・小規模企業のまさにその地域を支える、巡回相談等々でいろいろその地域のために御活躍をされているというふうに認識をしております。  関戸参考人の方にお伺いをしたいと思いますのは、例えばお金、融資を受けるときに、例えば金融機関に対してやはり保証ということではなくて、もっとやはり事業性といいますか、あるいはその経営者といいますか、これはまさに先ほど前川委員の方からもお話がありましたように、目利きといいますか、こういったものをやはりもっと持ってもらいたいと。そういうやはり将来性であるとかそういったものを踏まえて融資をしてもらいたいという、そういう気持ちも強く企業側としてはあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、その辺についてはいかがでございましょうか。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) 先生のおっしゃるとおりで、今、先ほど言ったマル経融資、これは商工会で審査をして、いわゆるもう全く初めて会う人じゃないわけですね。お金を借りたいと、日ごろの付き合いで、本当にその数字の担保とか保証とかという数理的な、物理的なことじゃなくて、やっぱりふだんの付き合いの中で、目利きとおっしゃいましたけれども、まさにそれが利いておりまして、非常に事故率低い。  今、一千五百万まで無担保、無保証で借りられる政策金融公庫の方からお借りできております。できたらこういう制度を民業にも、また今のマル経自体ももうちょっと、実態は四百八十万ぐらいが平均値ですけれども、もうちょっと中口のものでも借りられるように伸ばしていただきたいし、やっぱり民業が今これだけ倒産をしている、若しくは、先ほど申し上げたように、百万社もあの消費税が上がったときからの平成九年からですけれども減っているわけですから、生産者人口を減らすということは税も圧迫、いずれされますからね。  ですから、そういうことからすると、やはり助けることは、維持させることは大事だと思いますので、そういった、ただ保証ということも、それともう一つはコベナンツ、停止条件付というのがありますよね。それは保証人を取るんだけれども、実際事故とかいろんな面で、何というんですか、うまく履行できないような状況が生じたときに、保証人という条件、保証人になりますよという条件の、今そういうような話題が出ていますけれども、是非そういう停止条件付とかそういったことを考えてほしいなと。そういうことを考えた上で、どうしてもということであれば、いろんなその先のことがあるんではないかなというふうに思っています。  ABLについては、ちょっと、非常に企業としては物すごい不安ですね。商品を、例えば動産をやられてしまいますと、もう全く首を絞められるのと一緒です。非常に私、今この話聞いていて、それは危険ですよねというふうに思いました。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 時間もありますので、最後の質問をさせていただきたいと思います。  恐らく、保証を取る金融機関側からの企業に対する不安という意味では、例えば経営規律がきちんとできているのかどうなのかと、あるいは財務情報が本当に信頼性を置けるんだろうかといったようなことがあるというふうにアンケートでは出ているようですけれども、この辺については商工会として恐らくいろんな取組をされているかと思いますけれども、その辺についてはいかがでございましょうか。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) 今のマル経もそうですけれども、規律云々も、やっぱり今回の法律が、活性化法ができて認定機関がいろいろできました。やはり商工会に来るんですよ。あの法律が八月でしたか、九月でしたか、できましたね。それからやっぱり金融機関さんも税理士さんも商工会に来るんですね。  ですから、地域の情報、経営者の情報を知っているのは商工会だというふうに自負を持ちましたけれども、まさに我々が、まあ認定機関は商工会以外にいろいろ増えましたけれども、一緒に手を取り合って、要は数値で表現できないそういう規律性をどう評価するか。やっぱり人的、ヒューマンなところも是非商工会等を使って、それからメンテナンスといいますか、モニタリングといいますか、そういったことを是非、せっかく商工会というのは法律で決められてあるわけですから、是非利用していただきたいなと。これは歴史の知恵でこういう組織をつくりましたから、これは使える組織だと私は思っていますね。会議所もありますけれども、両方、是非そういうふうな形を進めてほしいと思います。

磯崎仁彦自由民主党

○磯崎仁彦君 ありがとうございました。以上、質問を終わります。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 みんなの党の真山勇一です。  参考人の皆様、今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。  私の方からも何点か質問させていただきます。ただ、私は余り金融関係の専門でないので、そうじゃない立場、部外者からでも何かこういうところがおかしい、あるいは、こんなところに疑問を持っているんだろうかというような素朴な質問から是非お伺いしたいというふうに思っております。  私は、やっぱり第三者保証の問題というのは、借り手と貸す側ということで見ますと、貸し渋り、要するに借りられるのか、あるいはなかなかこれでは貸せないのかというような状況、その貸し渋りの問題が一番大きくなるのかなというふうに思うんです。  まず、新里参考人にお伺いしたいんですけれども、新里参考人はお立場からいろいろな相談を多分受けておられると思うんですけれども、借りる人にとっては本当にやっぱり貸してもらえないということは大変だと思うんですが、いわゆる保証人ですね、保証人。例えば、頼まれちゃって心ならずもなってしまったとか、あるいは、なってこんなことになるとは思わなかったとか、つまり保証人となった立場で様々な思いとかケースがあると思うんですが、やはり貸し渋りという面か、お金の保証でかなりその保証人になった人の苦悩というか、苦しい部分というのをどんなふうに実例としてお感じになっているか、聞かせていただきたいと思います。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 先ほど述べましたように、私自身は、平成十年の十二月に結成されました日栄・商工ファンド対策全国弁護団という弁護団、これはまさしく高利で多数の第三者保証人を取って貸し付けるということが業態でしたので、多くの保証人の悲劇が生じております。  報道でもなされたものはありますけれども、例えば保証人に迷惑を掛けるんだということで主債務者の人がガソリンをまいて自殺をされるとか、また、私たちのところには、当時、ですから平成十年から十二年の辺りについては、もう本当に日々、特に保証人の人が、いわゆる主債務者が倒産をすると保証人に追い込みが掛かっていってしまう、もう脅されてどうしようもならないというところで弁護士事務所が盾になるんですけれども、弁護士事務所にまでどなり込んでくる債権者がいたり、そんな中で結局言われるのは、迷惑掛けないよと言われて、だけど頼まれたら断れないよねということで皆さんが言って、そのところがもう迷惑の度合いが全然違ってくる。  実は、商工ローンの被害というのは一千万未満ですけれども、金額的には金融機関の方がずっと大きいんですね、金額的には。暴力的な被害という意味ではそういう貸金業者の方が多いんですけれども、本質的な被害という意味では金融機関の方が多くなってきて、もう何ともならないよということで、先ほど日弁連の調査でもありますように、保証に追い込まれる人がいっぱいいて、しようがないねということで保証をするようなケースも出てきている。それが実務家としての大きな、そういうことを感じております。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 ありがとうございました。  そして、新里参考人のお言葉ですと、今回の第三者保証の件、民法の中でできないのかというふうに考えておられたというふうに伺っておりますけれども、例えば、こうした民法の今現状を見るとやはり変えなくちゃいけないところがたくさんある、これは私も理解しておりますけれども、この第三者保証の問題を民法の中で改正するのがいいのかどうか、あるいは、そうじゃないところでもできるんじゃないかという考え方もありますけれども、改めてもう一回、その辺りどういうふうにお考えになっているか、お聞かせください。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 私自身は民法でと思っておりましたけれども、今こういう法案が出てくるということからすると、それは民法で規制するという成熟性を持ってきたんだろうなというふうに思っています。  その意味では、これだけ日本は極端に保証被害が多いという中でメッセージが出せてこなかった、それが平成十六年の法改正以来、金融実務の中をずっと金融庁や中小企業庁が努力をされてここまで来た、そしてやっと制度として第三者保証人はなくても金融は回るよね、回さなきゃ駄目だよねということが確認できる、そこまで日本の社会、この部分では制度が上がってきたんじゃないのかなと。その意味では、明確な保証人被害をなくすんだという方針を、やっぱり民法の中で制限していただく意味は非常に高いなというふうに思っています。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 ありがとうございました。  続いて、大久保参考人にお伺いしたいんですけれども、大久保参考人の御意見を伺っていて、やはり今の法の下での資金の融資ということで、方向性はほとんど間違えていないと、いいのではないかという、認められているのが御意見だというふうに理解をしているわけなんですけれども、今回、一挙に民法で第三者保証をなくすということで、実際に貸し渋りがどういうふうになるのか、これ、お考えの中で、やはりこれは増えるというか、貸し渋りが起きるという懸念は十分に感じられているということに理解してよろしいでしょうか。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  まず、保証は、今の金融慣行の中で、金融を成立させる一つの重要なツールと言ったら適切かどうか分かりませんけど、非常に日本の中で根付いているものだというふうに思っております。そのような中で、第三者保証につきましても、意義としてはやはり経営の規律とそれから信用補完という意味で欠かせないものだというふうに思っております。当然、貸し渋りということは決して起きてはいけないことだと私ども金融機関も思っておりまして、きちんとその辺はお客様に御説明をして、債務者の方に御説明をしてやっていくということでございます。  ただ、繰り返しになりますが、私どもとしても信用リスクは一定程度に抑えなくてはいけないわけでございますので、その中でどうしてもこれ以上はお貸しできないよねという審査基準がございます。ですから、それを超える部分については何らかの信用補完をいただかなければ、それはちょっと御対応は難しいということになってしまうということだと思います。ただ、それは工夫の中で、例えば先ほどABLというお話がございましたけれども、ABLであったりとか新しい融資形態ということを一生懸命勉強して、そういったことでカバーできないかということで今勉強を進めているところで、まだそこは過渡期であるというふうに思っております。  以上でございます。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 それで、今の法体系でいうと、金融庁の経営指針のとおり運用していて、それで問題は比較的少なく順調にいっているんじゃないか、その中でも、やはり貸すことについては、例外的に経営に参加している人でもあるいは自発的にも借りることができるということになっているというふうにお話をされたんですけれども、今の貸し手、借り手の、この法律で何か現実的に、実際、お金を貸す側としての不具合というものは、そうすると特に感じておられないのか、あるいは何かやっぱり不具合というものはあるけれどもということなのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  現状は、特に、不具合と言ったらなんですけれども、そこでどうだということは特段はございません。ただ、今幅広く、やはり先ほどベンチャーのお話がありましたように、リスクマネーをどう供給していくかということが恐らく今、日本経済活性化に向けていろいろ議論されていることだというふうに思っております。その中で、保証についても一つのツールと言ったら変な言い方ですけれども、一つの手段として何かいろんなことを検討できるんではないかというふうに思います。  ですから、そういう芽をもう民法ということで規制してしまうのはちょっと厳しいのかなというふうな気がしております。むしろ、これは例えば監督指針であったり、金融検査マニュアルであったり、あるいは銀行法若しくは消費者保護法でしょうか、そういったところでその都度、その状態に合わせて柔軟に機動的に対応していかれるという方が現実的ではないかというふうに思います。  以上でございます。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 それから、これは大久保参考人にお伺いすることではないかもしれないですけど、やはりせっかくおいでになっているので、同じ金融、銀行ということでお伺いしたいんですが、今回、大久保参考人は地方銀行協会ということでおいでいただいたんですけれども、大手の銀行というのがありますね。私たちの一般的な感覚でいうと、やっぱり大銀行と地方銀行では、例えば貸すということについてもその基本的な基準ですとかいろいろ違うと思うんですね。相手が中小企業が多いということもあるんでしょうけれども、例えば、私は、やはり貸し渋りというと大手の大きな銀行のこともよく考えてしまう。それから、地方の銀行でいえば、地元密着、地域との共生ということを考えると、比較的そういうリスクをしょいながら資金の供給をしているんではないかというふうに考えておるんですけれども、その貸し渋りということでいいますと、私は、むしろ資金力もある、力の強いところがやはりお金を貸すということの立場でいえばある程度リスクをかぶることができるということが言えるわけですから、やはり銀行の規模でいったら、どうなんでしょう、例えば貸し渋りというのは、そういう大手の銀行と地方銀行でいうとどんなふうに例えば大久保参考人は考えておられるんでしょうか。ちょっと内部のことで、お互いに何か言うのというのは言いにくいところもあるかもしれませんが、是非それを伺えれば伺いたいと思います。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  大手行も、それから私ども地域金融機関も、恐らく審査の基本的な考え方のところはそう大きく変わるということはないというふうに思っております。ただ、違うとすれば、私ども地域金融機関とお客様との距離が違うということだと思っております。  私どもの地域金融機関であれば、私ども千葉銀行は全店で百七十四か店ございまして、百六十か店ぐらい県内にございます。そうしますと、ほぼ各駅停車で支店があるということでございますので、その地域のお客様はほぼ全て大体分かると。で、営業マンがそれなりの企業さんと、一定程度の中小企業であればもう営業の担当者がいて、変な話ですけど、お客様の、経営者の人柄から始まりまして資産背景であったりというのも大体把握できておりますので、そういったところまで突っ込んだ把握をした上でお貸しをできるということ。一方、大手行さんの場合は、やはり千葉県の中では数店舗しかございませんし、お取引先も違ってくるということになりますと、恐らくそういったことはなかなか難しいということになると思います。恐らくその違いがあるのではないかというふうに思います。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 どうもありがとうございました。  時間がちょっとなくなってきたので関戸参考人にもお伺いしたいんですけれども、保証人になったとき、やっぱり自分がかぶるそういう義務ですとか負担というものについて、その実際の現場の商工会ということでどのぐらい知られているんでしょうか。よくいろんな問題が出てくると、知らなかったとかそんなところまで責任を持つのかという話がやっぱり出てくると思うんですが、どうして保証人になるときにそういうことを確認していないのか、今まで。そういう辺り、どんなふうに現場でとらえられていらっしゃるでしょうか。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) それは、私、個人的な話になりますけど、おれおれ詐欺も一緒で、なかなか知識がない。私の、自分のところにまさかということはあると思いますけど、連帯保証と保証人って全く違うわけですね、連帯というのはもう本人とイコールですから。そういったことを割合知らない人っていると思いますね。本当に保証人なんだから、本人の要は補助をするだけだというふうな形でしか認識していない保証事故を起こした保証人さん、もちろん多いと思いますね。そんなに詳しくは私は分かりません。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 時間がなくなりまして、もう一つだけ簡単に伺いたいと思うんですが、先ほども出ましたけれども、例えば、やはり地域ですとベンチャーのそういう起業家なんかがあると思うんですね。そういう方たちがお金を借りるときというのはやっぱりかなり厳しいんじゃないか。つまり、今、私たちの社会と同じように企業も孤立しているところがあると思うんですね。そういうところに、今伺ったようなそういう知識ですとか教育、講習、そういうものを商工会としてはやはりやっていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) おっしゃるとおりだと思いますので、努力していきたいと思います。

真山勇一みんなの党

○真山勇一君 どうもありがとうございました。

森ゆうこ生活の党

○森ゆうこ君 生活の党の森ゆうこでございます。  今日は参考人の皆様、大変ありがとうございました。  私ども生活の党は、民主党、そして社民党と一緒にこの債権法の改正案を提出した側でございます。そういう立場で少し御確認をさせていただきたいと思います。  まず大久保参考人に伺いたいんですけれども、先ほども御説明がございましたが、自主的な第三者の保証の申出ということについてございました。先ほども説明があったんですが、若干実務的に、実際にどうなっているのかというのが少しイメージできませんでしたので、その点について、まず具体的な説明や意思の確認の手続について御説明をいただきたいと思います。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) それでは、お答えをさせていただきます。繰り返しになるかもしれませんが、御回答させていただきます。  まず、第三者保証をいただくかどうかにつきましては、経営に実質的に関与していない第三者は連帯保証人とすることを原則不可ということで、これは当行の規定、行内規定の中でクレジットポリシーとして前段で挙げているところでございます。基本的にこの考え方に沿って融資業務は行っているというところでございます。  ただ、財務内容その他の経営状況を総合的に判断いたしまして、通常考えられる与信リスク許容度を超える場合、その債務者の方にお貸しできる例えば限度額を超えるお申込みがあった場合であって、かつ当該事業者の協力者、支援者から積極的に御本人自ら是非連帯保証にしたいということで積極的な連帯保証の申出があった場合、かつ協力者等が自発的に連帯保証の申出を行ったことが客観的に認められる場合に限り連帯保証をすることができるという形にしております。  このような形で申出があった場合の具体的な手続といたしましては、通常の保証契約を締結するときに説明する事項に加えまして、経営に実質的に関与していなくても保証履行せざるを得ない事態に至る可能性があることについて特段の説明を行っております。それでもなお自発的に連帯保証の申出を受けた場合に限り、説明を受けたことについて十分に理解したことを確認し、当該契約が自らの自発的な意思によるもので当行の要請ではないことを表明する旨の記載がなされた確認書面の提出をいただいた上で連帯保証契約を認めるということの手続をしております。  また、意見も申し上げさせていただくところで申し上げたとおり、この手続につきましては、代表者以外の保証人を取得して実行した融資につきましては、営業部門、営業店とは離れました本部の担当部署が毎月モニタリング、全件調査をしておりまして、判断の適切性を検証しているところでございます。  具体的な検証方法につきましては、交渉履歴は全て私ども記録してございますので、保証人となる申出をした十分な動機があるのか、保証金額に見合った収入又は資産があるのか、その保証人がいなければ当該融資は実行できないかといった観点から、保証人とする客観的かつ合理的な理由があるかを確認しているところでございます。厳格かつ客観的なチェックを行った上で、不適切な保証人取得と判断された場合には、営業店に指示をしまして、保証を免除させるところまで徹底をしているというところでございます。  説明は以上でございます。

森ゆうこ生活の党

○森ゆうこ君 今の点について新里参考人に伺いたいんですけれども、今、自主的な第三者の保証の申出については、銀行さんの方はそういうふうな確認をしているので問題はないのであるという御主張だったというふうに思うんですが、その点についていかがでしょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 例外のところは件数的には一割弱というふうに、全体のですかね、というふうに聞いておりますけれども、一番問題になってくるのは、保証被害の中で、やっぱり皆さんが迷惑を掛けないよねと言われてきているということですよね。その前提で来るわけですから、いろんなリスク告知をされても、結局、自分は大丈夫だよねと思ってやって、だから被害だということになっているわけですね。  そこが本当に解消されるのかどうかというところで、今、実は民法改正のところでは、債務者ですね、信用状況について説明する義務があるのかどうかということで法律の議論になっていますけど、今まさしくそういうことがないのですね。ですから、金融機関は分かっている、結局、リスク許容度を超えるんだ、これは普通じゃ貸せない人だよねという情報が保証人に伝わっていないというところに一番の問題があって、それが構造的に行われてきている。それを前提に迷惑は掛けないよということで言われてきている。だから、本人の申出といいながら、本当にそれが真意の申出になるかどうかについてのいわゆる確認というか、担保がないというところに今問題があるのではないのかなというふうに思っています。

森ゆうこ生活の党

○森ゆうこ君 私も先ほどの大久保参考人の御説明を聞いて、非常に論理的な説明で、そういうふうに説明をし、そのやり取りも記録をして、またモニタリングをするので、自主的な第三者の申出ということについてはきちんと確認が取れているのであるという説明で、じゃ、なぜ多額の債務を連帯して負わなければならないというようなところに名前を連ねるのかというのは、なかなか理解はできないんですけれども、実際にはそういうことがあって被害が起きてきたと。やはりきちんと法制化でこの辺をはっきりとさせるべきであるという思いから共同提案をさせていただいたわけでございます。  先ほど、非常にちょっと違和感があったんですが、大久保参考人と関戸参考人のこういうケースが除外されることになるといった創業資金、起業資金のところで似たような例を御説明になって、何か説明マニュアルでもあるのかなというようなちょっと印象を受けて少し違和感があったんですけれども、先ほどは良かった例を御説明になりました。本来はそれぞれの銀行のマニュアルからして普通は融資できない対象だけれども、特別に第三者の保証の申出が自主的にあって、お貸しをしたらうまくいって、非常にハッピーなお話になったと。でも、実際は、先ほど来御説明になっているように、元々は融資ができない、基準では融資をすると非常にリスクがあるというところに貸し出すわけですからハッピーなケースばかりではないわけでして、殊更ハッピーな美談のようなお話ばかりだと少し違和感があるんですけれども。  そうしますと、その金融マニュアルの改定後、監督指針の改正の後、先ほども説明がございましたけれども、第三者保証をして融資をした割合が、もう一回ですけれども、どれぐらいあって、そのうち結果として焦げ付いてしまって保証人が被害を被った例というのはどれぐらいあるのか、大久保参考人に伺いたいと思います。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  個人が連帯保証契約をしている、申し訳ございません、協会としての数字ございませんので、個別行の数字だけ御紹介をさせていただきます。個人で連帯保証をしていただいている先様が三万三千件でございまして、そのうち経営に実質的に関与していない第三者、先ほど創業のところでお話ししたような例ですが、五十五先でございます。それから、あとは経営に実質的に関与している第三者、こちらは先ほど言いました代表取締役を退いた会長さんだったりとか取締役を退いた実質オーナーみたいな方が、これが三千五百件でございます。したがいまして、経営に実質的に関与している第三者は一〇・五%、実質的に関与していない第三者は〇・一七%という数字でございます。  このうち、申し訳ございません、貸倒れになった数字、保証債務の履行をお願いしたケースは、済みません、数字を持ち合わせておりません。

森ゆうこ生活の党

○森ゆうこ君 数字がないということですので。でも、まさしくそこが重要でして、やはり普通では貸せない、今の銀行それぞれの持っている規定では貸せないというところを、じゃ、その非常にリスクが高いところを第三者に保証をさせるというのは、まさしくここの部分で非常にまた被害が起きるという懸念があるので、そこをやっぱり、もちろん貸し渋り対策というのは同時並行で車の両輪でやってほしいという関戸参考人のお話だったと思いますけれども、これは逆に言うと、表現悪いですけれども、銀行の仕事というのはこういうところをリスクを取って目利きをしてお金を貸していくというのがまさしく銀行の仕事だと思うので、いつまでたってもそういうところを、自分たちがリスクを取るところから逃げていて、善意の第三者にリスクを負わせているところから、そこに、何というかな、つかったままになっているのではないかなというふうに思いますので、是非この法案に御理解をいただいて、同時に、保証人に頼らない融資というか、その目利き、本来の銀行、金融機関の機能を発揮していただく方向に、既にもうそういうふうになっていると思いますけれども、更にそのようにお願いをしたいと思います。  まあいろいろある──何か、いいですか。質問じゃないんですが、私は終わろうと思ったんだけど、もしよかったら。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) 申し訳ございません。  保証のところで具体的な数字がなくて申し訳ないんですが、私の経験で申し上げますと、私が支店長をやっていたときに、以前、地元でそれなりの資産をお持ちの方が、まさに飲食店を開きたいというお客様がいまして、その方にお金を貸したんですけれども、残念ながら貸倒れになったという例がございまして、そのとき、私ではなく私の前任者がその回収、保証人に求償権をやったりといろいろやり取りをしましたけれども、その保証をした方は引き続き私どもと親しくお取引をさせていただいていますし、そこはきちんと御説明をしてやったので、当初はしようがないなということでぶつぶつ言われましたけれども、最終的には御理解をいただいていたというケースもございますので、ちょっとその辺は御理解をいただきたい。  あと、リスクを取るということについては、私どもいろいろ、ベンチャーについてもある程度、何というんでしょうか、信用リスクが高くてもこれは経済にとって必要だと思えばリスクマネーとしてエクイティーを拠出したりということを積極的にやって、ある程度金額を決めた中で積極的にやっているところでございます。  済みません、ちょっと時間、申し訳ございません、余分なことを申し上げました。

森ゆうこ生活の党

○森ゆうこ君 どうもありがとうございました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日は三人の参考人、ありがとうございます。  最初に、新里参考人と大久保参考人にお伺いいたします。  日弁連の意見書を読ませていただきますと、個人保証については原則禁止ということを明らかにしながら、現行の金融実務においては経営者保証は許容されている面もあり、当面は経営者保証を例外としたと、こういうことが書かれておりまして、そもそも個人保証に依拠しない方向ということを提起をされているんだと思うんですね。  そうなりますと、今のやはり金融の在り方も含めて問い直されていくことになると思うんですが、諸外国、欧米などではもう数十年前からこの金融機関の個人保証制度は廃止されているというふうに伺っているんですが、どこに日本と違いがあるのか、新里参考人、大久保参考人、それぞれからお聞きしたいと思います。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) 各国でやっぱりいろんな取組があって、私たち調査に行った、私は直接行っておりませんけれども、フランス等でも保証被害があるということで、裁判例を通じて解決をしていっているということがあるようでございます。  やっぱり日本の場合はどうしてももう古来から保証制度に頼り切ってしまっていて、それが、例えば裁判例をやるとほとんど負けていってしまう中で顧みられなかったという中で、やっぱり保証被害というのが温存されてきてしまった。それが、ここ、やっぱり先ほど述べましたように、平成十六年以降大きく変わってきたんではないのかなという意味で、私の方でも強調させていただきましたけれども、日本もやっぱり各国と同じように、やっと第三者保証人は基本的には駄目だよね、それから経営者保証人だってやっぱりこのまんま身ぐるみ剥いじゃ駄目だよね、何とかしなきゃ駄目だよね。そこで、例えば停止条件付保証だとか、出口のところでやっぱり過大な債務を抱えて出直しができなかったら駄目だよねと、大きな流れができてきたんじゃないのかなというふうに思っています。  その意味では、平成十六年の民法改正というのが大きな過渡期になったんじゃないのかなと。それをどう進めていけるのかどうかということ、それから、やっぱり金融機関の目利きの問題、更に言えば、制度論としてどう貸し渋りが起こらないようなことをやっぱり政府一体として考えていただく、そこの部分がまだまだ不足しているのではないかなというふうには思っております。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  今おっしゃっていたように、日本といいますか、保証は金融を成立させる一つの重要なツールということ、先ほどお話ししたとおりでございまして、日本の場合は、日本の場合といいますか、とにかく諸外国の事情は私、申し訳ありません、全く存じませんのでお答えできないんですが、二つ、信用補完と経営規律ということで個人保証というものはちょうだいしているというケースがございます。  特に、経営規律では、中小企業の場合、上場それから大企業と異なりまして内部規律が働きにくい、要はオーナーが会社そのものだというケースでございます。これは金融検査マニュアルでも、企業と代表者の間で業務、経理、資産所有等の関係が明確に区分、分離されていないで、実質一体になっている、そういう場合が非常に多いと。また、例えば企業が赤字の場合については、役員が多額の報酬を受け取っていたり、役員から要はビルを借りていて、その賃貸収入を、多額の賃貸収入を払っているという、そういうケースが多々ございます。そういったことに対する内部規律を働かせるという意味で保証というのをちょうだいしている面もあるということでございます。これが主に代表者保証をちょうだいしている最大の理由というところでございます。  以上でございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 この経営者の個人保証を狭めると様々な問題があるというふうなお話も出てきたんですが、これは新里参考人と関戸参考人にお伺いしたいんですが、逆に経営者の個人保証が再チャレンジであるとかそれから事業の承継に障害が出るというふうなケースもあるのではないか。  私どもいただいている調査室の資料の中で、例えば、創業した建築会社を従業員数十人の規模に育てて、優秀な社員に引き継ぎたいと思っても、そうすると、身内でもない社員に個人保証して引き継がなくてはいけないかということで非常に悩むというケースも出ておりますが、いろんなケースもあると思うんですね。引き継ぐ人が、この仕事を引き継いだら自分もそこまでやらなくちゃいけないかとちゅうちょする、いろんなケースもあるかと思うんですが、こういう事業承継への障害、再チャレンジへの障害になっているという点についてどのようにお考えでしょうか。

新里宏二日本弁護士連合会元副会長日本弁護士連合会多重債務問題検討ワーキンググループ座長

○参考人(新里宏二君) まさしくそのとおりだというふうに思います。  私たち、経営者団体の方とも日々交流をしている中で、やっぱり自分の子に経営を継いでいこうかというと、こんな失敗したら身ぐるみ取られちゃうんだったらもうやっていられないよねということで、すごく企業承継の大きな阻害要因に、特に経営者保証ですらなっているという実態があって、ここを何とかしなきゃいけないねということになっていて、先ほどから述べているように、少し出ましたけれども、コベナンツというんですかね、いわゆるきちっと経営をしていた場合に倒産した場合についても保証かぶりをしないような仕組み、きちっとやりますよという契約書を出させて、かぶったときにも停止条件付保証という格好で保証をかぶらなくてもいいような仕組み。  それから、実際今、先ほど少し述べましたけれども、中小企業に関する個人保証の在り方研究会という中でも大変な議論がなされていて、やっぱり倒産した場合でも、例えば一年分の生活費、大体政令で定められているのは一か月三十三万ですけれども、それが十二か月分、四百万ぐらいは残したっていいんじゃないでしょうかとか、それから、華美でない土地、建物については残してもいいんじゃないでしょうか。そうやって再チャレンジを助けたらどうでしょうか。まさしく、経営者保証人ですら満額責任を取るような仕組みでは企業承継や再チャレンジを非常に阻んでしまうということが大きくもう議論されてきているのが今、現状なのではないでしょうか。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) 第三者保証をどんどん進めろというのでなくて、今の民法の形でそれをすっぱりとなくしてしまうことに危惧があるわけでありまして、いろんなケース・バイ・ケースはもちろんあると思います。  在り方研究会、私もたしか出ていたんですけれども、要は、ガイドラインがないということが、非常に借りる側からすると、三十人ぐらいの委員会だったと思いますけれども、三、四人が借り手側なんですけれども、金融機関さんのお話をそれぞれお聞きしていると、それぞれ全く違うんですね。これはまた別の話ですけれども、円滑化法が切れるとなって、九月ごろ商工会が会員さんを集めて、金融機関さんも来ていただいて、対策は取れていますかと言うと、金融庁の情報だといろいろ取ってありますから大丈夫ですと。金融機関さん知らないんですね。そうだったんです。知らなかったんです。だから、もうそれは金融庁さんなんかとの会合の中で言い続けました。  ともかく、我々のところに届いていない。金融機関さんは、そういう在り方研究会でもそれぞれのスタンスをお話しされます。ですから、ガイドラインを決めていただくとかですね。ですから、これ民法で今その第三者保証を一切というような解決策でなくて、やっぱりケース・バイ・ケースでいろんなことがあることはもう前提として、それでもっと違う角度からも考えてほしいなということを申し上げています。  以上です。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 今、新里参考人から、経営者の個人保証についても一定の範囲で責任を負うということにするべきじゃないかという御意見がありましたし、今も議論をされているようです。  そういう、例えば資力の範囲でのみ責任を負うであるとか、裁判所の判断で保証債務の減免を認めるであるとか、そういう経営者保証を残した場合であっても一定の制限をするということについて、大久保参考人、関戸参考人、それぞれいかがでしょうか。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) お答えさせていただきます。  保証のことにつきましては、私どものスタンスといたしましては、とにかくいろいろ意見を聞いていただいて、幅広に意見を聞いて柔軟に対応していくということが必要じゃないかというふうに思っております。そういう中で、今ちょっとお話出ました停止条件付の保証の問題であったりとか、あるいは個人保証の在り方研究会の中で、特に出口のところをどうしていくかということについて活発な議論がなされているというふうに聞いております。  したがいまして、何というか、保証の問題については金融機関によってもそうですし、金融機関の中でも個別のお客様も、特に中小企業・小規模事業者の方たちはもう個別に一先一先全く違う状況でございますので、そういう方に対して幅広いいろんな意見を聞いた上で、ガイドラインみたいなものができていけばいいかなというふうに思っています。ただ一律で、とにかく第三者保証は駄目だとかもうやめましょうということを、ある日にちを決めてストップさせてしまったら、やはり金融慣行がうまくいかなくなってしまうと。金融の流れがそこで止められてしまうということは避けるべきではないかというふうに思っております。  以上でございます。

関戸昌邦神奈川県商工会連合会会長

○参考人(関戸昌邦君) 私も大久保さんと同じような意見ですけれども、一定の条件という、これガイドラインとか、それからコベナンツ、停止条件付ということが意見として出ていますけれども、これは是非進めてほしいなというふうに思っています。それには賛成です。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 大久保参考人にもう一回、同じことになるんですけれども、要するに、経営者の個人保証を残した上で、再チャレンジなどの阻害にならないように一定の条件を残すという点についての御意見をもう一回お願いしたいんですけれども。

大久保壽一一般社団法人全国地方銀行協会一般委員長

○参考人(大久保壽一君) その一定の条件の付け方のところが恐らくいろんなケースが出てきて、なかなか私どもで、じゃ、例えば、そうですね、どんなケースでしょうか、例えばコベナンツを付けるというときに当たっても、多額の報酬を受けた場合については抵触して保証しなさいよみたいなことがもしあった場合、じゃ、その多額の報酬って何なんだとかということが、具体的に申し上げればそういうこともあるでしょうし、例えば赤字になったときに保証に参加しなさいといってコベナンツを付けた場合については、その赤字が経営者の失態によるものではない場合、例えば典型的な例が、東日本大震災みたいな例があって赤字になった場合にコベナンツを付けるのか付けないのかとかということが、多分いろんなケースが実務の中で起きてしまいますので、そういったことを幅広く意見を聞いた上で議論をしていただきたいということを申し上げています。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 終わります。ありがとうございました。

草川昭三公明党

○委員長(草川昭三君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。    午後五時散会

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