文教科学委員会 第8号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/06/20
会議録
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十九日までに、竹谷とし子君及び中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として山本博司君及び橋本聖子君が選任されました。 また、本日、山本博司君及び大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君及び小西洋之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に上野通子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 いじめ防止対策推進法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長布村幸彦君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) いじめ防止対策推進法案を議題といたします。 まず、発議者衆議院議員笠浩史君から趣旨説明を聴取いたします。笠浩史君。
○衆議院議員(笠浩史君) ただいま議題となりましたいじめ防止対策推進法案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。 いじめから一人でも多くの子供を救うためには、一人一人が、いじめは絶対に許されない、いじめはひきょうな行為である、いじめはどの学校でもどの子にも起こり得るとの意識を持ち、それぞれの役割と責任を自覚して行動しなければなりません。この決意を国民全体で共有し、風化させないために、社会総掛かりでいじめに対峙していくための基本的な理念や体制を整備する法律の制定が必要であります。 本案は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、いじめを定義するとともに、いじめの防止等のための対策の基本理念、いじめの禁止、国、地方公共団体、学校の設置者、学校及び学校の教職員、保護者の責務、財政上の措置等を定めることとしております。 第二に、国、地方公共団体及び学校の各主体におけるいじめの防止等のための対策の基本方針の策定について定めるとともに、地方公共団体は、関係機関等の連携を図るため、学校、教育委員会、児童相談所、法務局、警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができることとしております。 第三に、学校におけるいじめの防止、いじめの早期発見のための措置、関係機関等との連携、いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進、いじめの防止等のための対策の調査研究の推進、啓発活動等について定めることとしております。 第四に、学校におけるいじめの防止等の対策のための組織及びいじめに対する措置、学校の設置者による措置、教員等による懲戒、出席停止制度の適切な運用、学校相互間の連携協力体制の整備等について定めることとしております。 第五に、学校の設置者又はその設置する学校は、いじめにより児童等の生命等に重大な被害が生じた疑いがあると認められる等の重大事態に対処し、及び同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに組織を設け、適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行うとともに、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、必要な情報を適切に提供することとしております。 第六に、この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。 以上が本法案を提出いたしました趣旨及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(丸山和也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。本日、本文教委員会で質疑の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございました。 本いじめ防止対策推進法案でございますけれども、二月の十二日に民主党内で機関決定をし、そして四月十一日に生活の党、社会民主党とともに国会提出した三党案を、ここにいらっしゃる林筆頭理事、那谷屋議員、斎藤議員共々の皆さんに御指導をいただきながら立案に励ませていただきまして、私も笠提案者とともに与野党の実務者協議に参加をさせていただきました。計八回の協議があったわけでございますけれども、今国会での成立を目指しまして私も頑張らさせていただきまして、海外出張によります一時間、六十分の遅参を除いて八回の全ての協議に出席させていただきまして、馳座長に次ぐ出席率でございました。また、協議に際しましては、何とか成案を目指したいということで、両案の分析ペーパーやあるいは各論点案の調整案などの文書も多数提出させていただいたところでございます。 こうした三党案の立案の実務の責任を担わせていただいた立場と、また与野党実務者協議の全容と詳細をつぶさに知る立場から、本法律案の的確かつ円滑な施行の確保に資する観点から、提案者及び下村大臣に質疑をさせていただきたく存じます。 なお、昨日、多数の通告をさせていただいて誠に恐縮に存じますが、昨日の衆議院の文教委員会での質疑、私もインターネットで全て確認をさせていただきまして、そうした論点との重複を避けながら、結果として通告内容の一部について割愛をさせていただくことをお許しいただきたく存じます。 では、早速質疑の方に移らせていただきます。 まず初めに、何をもっていじめと定義するかのいじめの定義について伺わせていただきます。 このいじめの定義でございますけれども、結果として本法律案にある「心身の苦痛を感じているもの」という与党案の定義、これは言わば被害児童等の主観のみに依拠をした表現ではございます。これに対して三党案の方では、被害児童等の主観とまたその客観的な要素、その双方に依拠することができる、分かりやすく申し上げますと、心身の苦痛を感じていると認められる、あるいは感じると認められるといったような提案をさせていただきまして議論をしたところでございます。 結果として与党案となった趣旨については昨日の衆議院の文教委員会における答弁でも明らかにされているところでございますけれども、昨日の答弁でもありましたように、私なりに理解させていただきますと、それぞれ両案共通点がしっかり二点ございました。一つは、被害者視点に立ってできるだけ幅の広い定義とするということ、もう一つは、条文の規定の文言にかかわらず、個々のいじめの判定に際しては被害児童等の主観的な要素とまた当該被害児童等をめぐる客観的要素、具体的には本人の様子やあるいはその周囲の様子といったものの総合判断、主観と客観の総合判断でいじめというのは判断していくんだということは、それぞれの協議においての共通理解であったというふうに理解しております。 こうした理解の上に立たせていただきまして、今、本法律案の「心身の苦痛を感じているもの」という定義を言った場合に、実は、実質的にはいじめと思われるんですけれども、もしかするといじめとして定義で十分手当てできない可能性があるものがあるのではないかということを御質問させていただきます。 具体的には、被害を受けている、社会通念上の被害を受けている子供がその被害自体に気付いていないケースでございます。具体的に申し上げると、本人が気付かない間にインターネットの中で書き込みをされているようなケース、あるいは本人が気付かない間に大切なものを次から次へと取られているようなケース、これは共に実際のいじめの事案のケースではよく頻出するようなことだと思いますけれども、こうしたケースについてはこの定義規定との関係はどのようになるのでしょうか、よろしくお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 提案者の立場として、まず、今ありましたように、各党の本当に実務者の皆様方に、真摯な、そしてまた真剣な、また中身の濃い議論をさせていただいた各党の皆様方にも御礼を申し上げたいと思います。 今、小西委員の方から説明のありましたインターネットによるいじめ等、被害者児童等がその行為の存在を全く知らない場合、それについてどうなるのかというところのお尋ねだというふうに思っておりますけれども、この場合は、被害者目線の観点を重視した定義としていることとの関係で、本法案のいじめと認定できるか難しい問題はあるものの、そのような場合に学校が何の対応もしなくていいということには考えておりません。教育的な指導が適切に行われるべきであろうというふうに考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今のお答えでございますけれども、いじめと認定できるか難しい問題はあるもののという御答弁をいただきました。これ、私なりに趣旨をそんたくさせていただきますと、これはある意味、法律施行後の下村大臣の下での法律の運用解釈で担保できる領域も恐らく残されているのであると、認定できるか難しい問題はあるもののというお言葉をいただきましたので、そのことを確認をさせていただきたいと思います。 今お答えいただいたようなものであるとしても、何よりも大事なことは、実質的に被害者の子供にとっていじめと同視し得るような実態がある場合には、当然しかるべき対策をしなければいけないわけでございます。いじめの定義に該当するいじめ行為については、この本法律案で、その予防、早期発見、起きた後の解決、手厚い措置を講じているところでございますけれども、仮に認定できるか難しい問題はあるもののという行為であっても、本法律案に盛り込んだ措置を適用することで何か困るようなことがあるということでございましょうか。基本的には多分ないんだろうと理解するところでございますけれども、よろしくお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 先ほどもお答えをしたように、インターネットによるいじめ等被害者児童等がその行為を全く知らない場合については、被害者目線の観点を重視した定義としていることとの関係で、本法案のいじめと認定できるか難しい問題はあるものの、やはりしっかりと対応をしていかなくてはならないということでございます。 もちろん、これは今後文部科学省の方で、下村大臣の下で恐らくガイドライン等々が策定をされることになると思いますけれども、それに加えて、やはり学校現場においては、この法律に基づくか否かといった観点からというよりも、児童等のために必要であるかどうかという観点から様々な取組がもう既に行われている場合もありますし、またしっかりと適切な対応がなされることを期待したいと思います。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今おっしゃっていただいていますように、まさに教育の取組として現に行われている取組、そしてこの本法律案によって新しく行う、あるいは強化していく、具体的には、十九条で、インターネットいじめについてネットパトロールの体制をしっかり講じていくということがございました。ネットパトロールをしていたときに、被害者本人は気付いていないけれども深刻な書き込みがあれば、それはもう十全な対応をすることは当然だと思いますので、まさに今提案者が御答弁いただきましたように、被害者の子供を救う、尊厳を守るという観点で、そうしたケースのものであっても十全の取組をするということは確認させていただきます。ありがとうございました。 もう一つ、定義の関係で、このケースは今回の法律の定義になるんでしょうか、該当するんでしょうか。具体的には、通常苦痛は感じないんですけれども、当該行為を受けた子供にとってみればそれは苦痛を感じるものである、そのことを加害者が知っているというようなケースがあろうかと思うんですけれども。通常苦痛を感じない、例えば、まあちょっと委員会の場で恐縮ですが、おまえの母ちゃん出べそという、私も子供時代よく使っていた言葉がございますけれども、ある意味たわいのないじゃれ合いの言葉なのかもしれませんけれども、本当に出べそのお母さんがいらっしゃって子供が気にしていて、それを意図的に加害者の子供がみんなでやっていればそれは私はいじめのように思うんですけれども、そういったケースでございますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) お尋ねの行為は本法案のいじめに当たると考えておるところでございます。
○小西洋之君 明確な答弁をありがとうございました。 では、最後にもう一つ定義なんですけれども、本法律案においては、定義規定において「影響」という言葉を使われているところでございます。「影響」という言葉でございますけれども、「心理的又は物理的な影響を与える行為」。影響といったときに、文科省の今の各学校への調査を行うときに用いている定義規定では「攻撃」という言葉を使っていて、三党案でも「攻撃」という言葉を使っていたところでございますけれども、「影響」という言葉だとある意味ちょっと広過ぎて、全くの好意で行った行為が思い掛けず相手を傷つけてしまったというのは我々も日常でよくあるようなことだと思うんですけれども、そうしたことまでいじめになってしまわないように、文科省の方で、先ほど提案者がおっしゃられたようなしかるべきガイドラインを設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) 本法案におけるいじめの定義は、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているという、いわゆる被害者目線の観点を重視したものとなっており、行為を行う側が攻撃する意図を持ってその行為を行うかという点については定義上の要件とはしていないところでございます。したがって、お尋ねのような好意で行った行為が思い掛けず相手を傷つけてしまったケースについても、本法案に言ういじめに該当することはあり得るものと考えております。 そして、本法案に言ういじめに該当することになった場合には、例えば第二十三条第三項の規定に基づき、いじめを受けた児童等に対する支援やいじめを行った児童等に対する指導が行われることとなりますが、その場合には、受けた側は苦しんでいた、しかし行った側は好意で行ったものであったということを加味しつつ、学校において適切な支援や指導が行われることを期待するものでございます。 当然ながら、文科省においてもガイドラインを定めるなどして学校現場が適切に対応できるように、提案者としてはそのことをしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
○小西洋之君 詳細な答弁をありがとうございました。 では、次の論点に移らせていただきます。 与野党協議でございますけれども、それぞれの立場のいじめの対策についての見解の相違、あるいは政治的な立ち位置といいましょうか、そうしたところも含めて、真剣な議論、しかし、それはひとつ子供を守るために今国会で成案を成立させる、そういう思いの下に真剣な議論が交わされていたところでございますけれども、そうしたものの一つに第九条一項の保護者の責務があろうかと存じます。 保護者の責務については、これが教育基本法十条二項の家庭教育の自主性の尊重、あるいは教育基本法改正時、平成十八年の担当大臣の答弁に抵触しないかといった関係が言われていたところでございますけれども、ここで、今申し上げました教育基本法十条第二項の趣旨、また、その当時の、百六十四国会でございますけれども、担当大臣の答弁の内容に、この今の九条全体でございますけれども、一項、四項を含めた全体でございますけれども、抵触しないという解釈でよろしいでしょうか。お願いします。
○衆議院議員(笠浩史君) 今お尋ねの点についても、実務者協議では、国や地方公共団体が家庭教育の自主性を尊重するという教育基本法第十条第二項の趣旨との関係、さらには、百六十四国会における、教育基本法第十条は個々の家庭における具体的な教育内容について規定する法律を新たに設けることを意図したものではないという当時の小坂文部科学大臣の答弁との関係といったことが議論になったわけでございます。 その上で、与野党の実務者による協議において、本法案第九条第一項の規定が、教育基本法第十条第一項の範囲内において保護者がその保護する児童等に対して規範意識を養うための指導を行うよう努める責務があることを確認した規定でありまして、家庭教育の内容を具体的に規定したものではないということも確認をしたところでございます。 これにより、家庭教育の自主性については尊重されているということが与野党の実務者による協議の共通の理解となったわけでございますけれども、なおそれを入念的に本法案第九条第四項に、第一項の規定は、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならないとの規定を置くこととしたものであり、当然ながら当時の小坂大臣の答弁に抵触するものではございません。
○小西洋之君 明快な答弁をありがとうございました。 つまるところ、家庭教育について定めた教育基本法十条一項の保護者が家庭教育において子供に対して心身の調和の取れた発達を図るといったような規定には、元々、この九条一項で書かれておりますいじめを行わないような、あるいは他者とのかかわり方に係る発達、そうした教育を行っていくんだということも含まれていて、結果的にその九条一項というのはそれを具体的に書き下ろしたものにすぎないというようなところからの論理的な帰結であるというふうに解釈をさせていただきます。ありがとうございました。 もう一つ、ただ、今の答弁を、私全く賛同させていただくんですけれども、それを踏まえて若干、私見でございますけれども、申し上げさせていただきたく存じます。 実は、与野党の実務者協議では、この九条一項をめぐって非常にある意味白熱した議論がございました。当初、私は、これを削除するべきではないか、削除ができないんであれば、せめてこういうふうな修文をするべきではないかというような御提案も、三党としてですけれども、させていただいたところでございます。なぜならば、仮に国民のこういった言わば道徳問題といったものに法律が介入するような立法、特に家庭教育の在り方に個別に介入するような立法を許すと、それは国家主義が家庭教育の在り方をも規制した戦前の我が国の歴史が示すように、やっぱり我々は立法をやる以上は最悪のことも想定して慎重にしなければいけませんので、後世に禍根を残すおそれがあると考えていたところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、実務者協議の場においては、そもそもこうした責務規定を置くことで一体果たしてどういう効果が見込まれるのかというような議論もなされました。私も今、一児の父親でございますけれども、もとより親として間違ってもほかの子供にいじめを起こすような子には育ってほしくないということを祈るような気持ちで、かつ、できる限りの情操教育などを頑張りたいとは思うんですけれども、そうした政策効果ですね、果たしてそういう、わざわざこういう規定を置くような政策効果があるのかどうか。附則に三年後の見直し規定が入っておりますので、そうした政策効果もしっかりと検証しつつ、その見直しに当たって検討いただきたいというふうに考えているところでございます。 次に、同じように非常に議論が白熱した論点について触れさせていただきますけれども、これは法律案の二十五条と二十六条の懲戒と出席停止の規定でございます。この規定につきましては既に学校教育法の十一条や三十五条で規定されているものとほぼ同じ内容でございますので、もう既にある法律で規定されている条文と同じ内容のものをまた新しい新法で規定するといったような用例というのはほとんど例がございませんので、こうしたことをすること自体が、本来のこの懲戒やあるいは出席停止の処分に当たって当然その前提となるべき子供に対する教育的配慮、その教育的配慮の在り方というものを後退させてしまうのではないか、すなわち厳罰化となってしまうのではないかというような議論がされたところでございます。 他方、またさらに、我々、三党案としては、与党が協議の場で提示されておりまして、かつ、昨日の衆議院の審議でも提案者の方から答弁がありました。実際こういう懲戒等の規定があるのに、ちゃんと適切に、真にやむを得ない場合であってもそれが行われていなかったのではないかというような考え方の御提起がございました。 それについては我々も否定するわけではございませんで、ただ、我々、三党案として提案をさせていただきましたのは、であるならば、なぜ真にやむを得ない場合にもそういう懲戒等が行われていなかったのか、なぜ行われていなかったのか、その理由についてしかるべき対応を措置することが本来の在り方ではないかということで、具体的には、いじめをやった場合にはこういう懲戒等を受けることになるんですよということについて学校と保護者と子供が事前にしっかりと共有しておくと。この法律によりまして、第十三条、十四条だったと思いますけど、地域でいじめの防止の方針、プログラムを作ることになっておりますので、そうしたプログラムなどでの活動の中におきまして、そうしたことも共有していくというようなことが本来あるべき取組ではないかというようなことも申し上げさせていただいたところでございます。 いずれといたしましても、与党案の条文がそのまま残っている形でございまして、もう我々もこれを、この法案、今国会で成立をさせたいという思いでこの協議をまとめさせていただいたところでございます。 与党におきましては、これは厳罰化ではないということを協議の場でも、また答弁の機会でもおっしゃっていただいております。じゃ、なぜ厳罰化でないというのかということにつきまして、いま一度御答弁をお願いできますでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) 今、小西委員の方からありましたように、この懲戒あるいは出席停止の制度については非常に議論があったところでございます。いずれも現行法の下でいじめの問題に対して講じ得る手段でありながら、これまでそれらの手段を講じることが必要であるにもかかわらず適切に講じられてこなかったのではないかという問題意識に基づき本法案に規定を設けたこととしたものであります。 厳罰化ではないかとの御指摘については、そもそも、この出席停止の制度は本人に対する懲戒という観点からではなく、学校の秩序を維持し、ほかの児童等の義務教育を受ける権利を保障するという観点から設けられているものであり、本法案二十六条はそのことに変更を加えるものではないこと、さらに加えて、本法案の規定は懲戒、出席停止の命令のいずれについてもその要件に変更を加えるものではないことから、厳罰化ではないかとの指摘については当たらないものと考えております。 学校教育法十一条の定める懲戒に新たな要件をこれを課したものではなくて、学校現場において間違ってもそうした運用がなされることのないようにしていただきたいというふうに考えておりますし、そこはしっかりと丁寧に説明をしていくことが必要ではないかと思っております。
○衆議院議員(富田茂之君) 今の笠委員の方からの御説明に加えて、自民党と公明党との協議の際にもやはり厳罰化という指摘がいろいろな方からありましたので、この法案の、ちょっと条文の位置が変わったんですが、第二十三条「いじめに対する措置」の第四項に「学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。」と。 現場では校長室学習とか図書室学習というふうに実際に運用されているようですので、そういったこともまずやってみてくれと。その上で、どうしてもやむを得ない場合には法の規定に従ってということで自公で合意しまして、ちょっと条文の位置は三党との協議の中でこういうふうに変えましたので、是非この趣旨を御理解いただきたいと思います。
○小西洋之君 ありがとうございました。現場の実態に即した御提案ということで御理解をさせていただきたいと思います。 今、笠提案者また富田提案者それぞれの、厳罰化ではないということの御説明、私自身もそれはしっかりと御理解をさせていただきました。 その上で、実際、協議のときに、厳罰化でないという理由につきましてもう一つ非常に重要な見解が提示されておりましたので、与党サイドからですけれども、それを御紹介をさせていただきます。 すなわち、学校教育法に既にある規定を今回の新法に持ってきたその理由としては、今回の新法というのは、いじめの対策の特別法として、いじめの対策についてのあらゆる政策をパッケージ的に盛り込んだ法律であると。つまり、そういう総合的ないじめ対策の法律を作るときに、いじめ対策の一環であるところの学校教育法の規定についてもここに持ってきて、一体のものとして形作った。すなわち、今回のこの二十五条、二十六条というのはその技術的な立法方針によるものでもあると、そういうような見解も与党の方から示されておりましたので、誤解を避けるための説明の中ではこうしたことも是非お願いさせていただければと存じます。 では、次の質問に移らせていただきます。 今までは、この法律の施行に当たりましてその円滑を確保するという観点から、定義規定等々について伺わせていただきました。これからは、子供たちの命と尊厳を守るために我々が立法したこの法律をより有意義に機能あらしめるため、その観点から伺わせていただきたいと思います。 まず、第二十二条の、全ての小中高の中に置かれることになりました、複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知見を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等のための対策を実効的に行うための組織でございますけれども、これ、元々三党案にありました学校いじめ対策委員会というものが一体化案の中に盛り込まれたものでございますけれども、この委員会組織につきましては、昨日の土屋提案者の御答弁にもありましたように、今回のこの法律の中におけるいじめの予防等、すなわち予防、早期発見、あと、事案が起きてしまったときの解決、それの肝となる仕組みであるというふうに理解をさせていただいているところでございます。 この学校の中の委員会組織の役割、機能でございますけれども、これは我が国の学校の中で残念ながらいじめが、言わば蔓延と言えば言い過ぎかもしれませんけれども、いじめがずっと衰えることがなかったと。増え過ぎたかどうか、減っていたかどうかは別にして、現にいじめというものに子供たちが苦しんでいた。その中には本当にあってはならない悲惨な事件も繰り返されてきた。 そうした、なぜ我が国の学校現場でいじめの問題というものを解決できてこれなかったのか。今まで文科省でも悲惨な事件が起きるたびに様々な行政通知を学校や教育委員会あてに出して対策を求めてきたところでございますけれども、なぜそうした取組だけではそうした学校現場におけるいじめをめぐる言わばボトルネックを解決できなかったのか。このいじめをめぐるボトルネックを効果的に解決して、子供たちをいじめから救い、守る、それがこの法律を制定する私は一番の趣旨であるというふうに理解しているところでございます。 質問でございますけれども、この二十二条の学校委員会組織の趣旨について御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 今、小西委員から御指摘ありましたように、やはりこの委員会組織の機能としては、いじめの防止そして早期発見あるいはいじめの事案に対する対処等々に総合的に対応し、これまでいじめが繰り返され、また悲惨な事件がなかなかこれがなくならないという状況の中で、しっかりと機能していくということが期待されておるわけでございますけれども、本法案第二十二条は、学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、常時組織的な対応を行うための組織を置くことを明示したものでございます。この組織は、例えば本案第二十三条に規定するいじめに対する措置を組織的に講ずることなど、学校全体でいじめに対応するための中核となる組織として機能することを想定しております。 いじめに対する措置については、複数の教職員が対応することにより、隠蔽が起こりにくい、あるいは客観的な対応ができる、児童等や保護者にとっても教職員の対応に説得力が増すなどのメリットがあるとともに、その場しのぎでない組織的な対応が期待できるなど、常設の組織による対応はいじめの解決に大きく資すると考え、このような規定を設けることとしたものでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今御答弁いただいたことを、協議の中で私が提出させていただいた紙、あるいはそれに基づいて説明をさせていただいた内容を少し御紹介させていただきますけれども、つまり予防と早期発見と解決のその三つに総合的に対応するための委員会組織であるわけでございますけれども。 まず、予防でございますけれども、こうした複数の教員やあるいは外部の専門家等が参加したいじめの委員会組織というものがあって、その委員会組織が、先ほど御紹介申し上げました第十三条に規定する学校いじめ防止基本方針、これは全ての学校でこうしたいじめの予防等に係るプログラムを作ると。そのプログラムとともに、こういう委員会組織が動いていくことは、すなわち子供たちから見て、あるいは子供たちにおいて、いじめの予防の大きな役割を果たすであろうと。 あるいは、こういうふうに複数の大人たちが真剣に取り組んでいる、いじめに対して真剣に取り組んでいるその姿、また、それがちゃんと実効的に機能している取組を見せることによって、子供たちから見て安心、信頼の相談の窓口、もちろん安心、信頼の相談の窓口というのは別にこの委員会組織に限ったものではございませんけれども、そうしたものにもそれはなるであろう。 また、そうしても、不幸にしていじめが起きてしまったときの解決に当たりましては、今まであったように、一人の教員、それは残念ながらいじめの対応能力がないような教員の方がそのいじめを抱え込んでしまう、あるいは場合によっては、最悪の場合は隠蔽等をしてしまう、そうしたことがないように、いじめの問題については学校の中でチームとして、学校全体としてチームとして、もちろんこれは校長の下ではありますけれども、対応をしていく。かつ、チームで対応することによって、同時に必然的に隠蔽を防ぐことができ、かつそのチームというのは、いじめというのは福祉や心理等の問題も含めた複合問題でございますので、学校の教職員を中心に、しかし、複合問題たるいじめから子供たちを救うための適切な解決の対応を可能とする。 そうした予防、早期発見、解決のその三つを可能とするような仕組みでございます。 これは、協議の場でも申し上げさせていただきましたけれども、アメリカにあるいじめ対策の法律の中で、標準的な法律の中で採用されているような仕組み、あるいはイギリス等々の中にもそうした取組があるというふうに伺っているところでございますけれども、そうした取組を我が国でも設けるということは誠に意義深いというふうに理解しているところでございます。 ここで一つちょっと個別の論点を伺わせていただきたいんですけれども、昨日の衆議院の審議の中で、学校にスクールカウンセラー、今文科省が予算を取ってそれの充実に向けて取り組んでおりますけれども、スクールカウンセラーの方にこのいじめ対策の中でその専門的な知見を発揮していただいて活躍していただくと。昨日の質疑の中であったような、生徒指導の下請というような言葉がございましたけれども、そうではなくて、専門的な知見を持った専門家として教職員と連携してこのスクールカウンセラーの方に御活躍していただくに当たって、この学校の中の委員会組織というのは非常に重要な働きができると思うんですけれども、提案者の御見解をお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) いじめを始めとした問題行動等に適切に対応するためには、子供が相談しやすい体制をつくっていくこと、子供たちの悩みや不安を受け止めて相談に当たることが重要であるというふうに認識をしております。 お尋ねの、スクールカウンセラーが本来の機能を発揮せず、生徒指導の下請化を進めているといった指摘については、スクールカウンセラーが学校の教職員と連携して本来の機能を発揮していくために、例えば、相談する児童生徒の立場に立って、学校全体として相談しやすい場所や雰囲気づくり等の配慮を行うこと、児童生徒やその保護者のプライバシーに配慮しつつも、適切な連携の観点から、スクールカウンセラーと学校の教職員との必要な情報の共有を適切に行うことといった点に留意する必要があろうかというふうに考えております。 スクールカウンセラーと本法案第二十二条の組織の関係については、本法案第二十二条に規定する心理に関する専門的知識を有する者として学校におけるいじめの問題への取組に参画することが考えられます。その際には、本法案第二十二条の組織がいじめの問題に対応するに当たり、学校の教職員との適切な連携の下、スクールカウンセラーに本来の機能を発揮していただくことが望ましいというふうに考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今伺いました学校の中の委員会組織に加えまして、もう一つ重要ないじめの予防等の対策に携わる組織がこの一体化案の中で採用されているところでございます。 具体的には十四条第三項の、教育委員会の中の、置かれるその附属機関、地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うための附属機関でございますけれども、これもひな形は三党案にございました地域いじめ対策委員会でございますけれども、この役割、機能、趣旨について御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 本法案第十四条第三項は、教育委員会と連絡協議会の円滑な連携の下でいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため、必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができることを定めたものであり、地域におけるいじめの防止、早期発見及びいじめ事案への対処を実効化あらしめる取組をなし得るものであると思っております。 この附属機関を置く場合には、各教育委員会の創意工夫に基づき様々な効果や役割を期待することができると考えられ、例えば、地域の実情に応じた教職員の資質の向上のための取組や、効果的ないじめ対策についての調査などが考えられます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今御説明いただいた点に加えて、同じく、やはり協議で出させていただいた文書、そのときの私の御説明についてここで申し上げさせていただきたいと思いますけれども、地域における教育委員会の附属機関でございますけれども、やはり予防と早期発見と解決、その三つの機能を担い得る組織であるというふうに考えております。何らかの事情で学校等に相談ができない場合に教育委員会レベルに相談をしたいと、そういったときに、教育委員会そのものではなくて第三者の専門家などが参画しているそういう委員会があれば、そこが安心、信頼の相談の窓口にもなるというふうに考えられるところでございます。 また、あってはならないことですけれども、深刻、重大ないじめが起きた場合には、学校だけではなくて地域の教育全体の課題として、あるいはその子供の尊厳に本当に重大にかかわる問題として教育委員会自らが動くことがございますけれども、教育委員会が自ら動くときに、やはりその隠蔽を防ぎつつ、かつ複合問題であるいじめに適切な解決の対処をしていくためには、教育委員会を補佐する機関として、専門家等が参画した、この附属組織たる委員会組織が非常に有意義であるというふうに理解しているところでございます。 なお、十二条及び十三条の、それぞれ地域と学校のいじめの防止、防止等だと思うんですけれども、そのプログラムを作る、基本方針でございますけれども、作る過程において、この地域の附属機関、あるいはその学校の委員会組織がそれぞれ見解を出していい計画を作るというような取組も非常に有意義なものではないかというふうに理解をしているところでございます。 いずれにいたしましても、こうしたいじめの予防、早期発見、解決の、その全てについての核になる肝という機関が置かれているところでございますので、もちろん重大事態については二十八条の重大事態の組織がしっかりと対応するということでございますけれども、こうした学校の中の委員会組織あるいは地域の教育委員会の附属機関がしっかりと機能し得るように、文科省においては、是非その地域の方の実情をしっかりと踏まえられることができる柔軟なガイドライン、しかし、こうしたせっかくの組織が子供たちを守るためにきちんと機能できるようなガイドラインを作っていただきたいというふうに思っているところでございますけれども、提案者の御見解はいかがでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) その点については、例えば教育委員会が学校の設置者としていじめの防止等のための措置を講ずるに当たり、当該措置の実効性を確保するための措置が挙げられる、また本法案第二十二条の組織であれば、例えば第二十三条に規定するいじめに対する措置を講ずること等が挙げられるわけでございます。 他方、本法案は、いじめの問題は児童等と密接に接している者が最も適切に対処することができるのではないかという問題意識の下で、学校の校長及び教職員が主体となって、いじめを受けた児童等の個々の状況を踏まえた上で対処することができるように、できる限り学校の現場が取り組みやすい仕組みを用意することを心掛けたものでございます。このため、提案者としては、お尋ねのあった問題意識を含めて、やはりこの学校現場において適切に判断がなされることが望ましいのではないかというふうに考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今御答弁いただきましたように、現場が取り組みやすいような仕組みかつ学校現場において適切な判断がなされるような仕組みとして機能するように、今でもいじめ対策については平成十八年の総括的な行政通知すなわちガイドラインといったものがありますので、当然、新法の下で新しいガイドラインを下村大臣がお作りくださるのだと思いますけれども、そうしたガイドラインを作っていただきたいと思います。 ただ、一番重要なことは、現場が取り組みやすいことはもちろんであるし、現場において適切な判断がなされることはもちろんなんですけれども、一番大切なことは、先ほど申し上げました学校や地域における、学校も教育委員会も、隠蔽もし、適切な対応もできてこれなかった、間違いのない社会的な歴史的な事実がございます。そうしたものを二度と繰り返さないように、真に機能し得るようないじめの予防等の対策を確保するためのガイドラインを作るということだと思います。すなわち、二十二条の学校の委員会組織、十四条三項の地域における附属機関、それが、本来の条文に書かれてあるいじめの予防等の効果的な実行、実現というものを真に機能あらしめるようなガイドラインを作っていただくということが法律の条文に則した一番の趣旨ではないかというふうに考えているところでございます。 各、この法律の条文の中には、相談にかかわるもの、あるいは教育委員会の調査にかかわるもの、あるいは関係機関との連携にかかわるもの等々の条文があるところでございますので、そうしたところとの整合性を踏まえつつ、すばらしいガイドラインを作っていただきたいというふうにお願いをさせていただきたいというふうに思います。 では、次の論点に移らせていただきます。 今申し上げました隠蔽などを防いでいくための取組でございますけれども──よろしいでしょうか。済みません、論点盛りだくさんで、早口で誠に恐縮なのでございますけれども。 今申し上げました隠蔽などの問題を防ぐために、この法律の中で設けられている附属機関あるいは組織、今の学校や教育委員会の附属機関もそれに該当しますけれども、あるいは二十八条の重大事態の組織等々でございますけれども、それらについて、やはり隠蔽を防ぐという観点、もう一つは複合問題のいじめに対してきちんとした対応をするというその専門性を確保するという観点、それぞれ二つの観点から、第三者が、専門的な第三者が構成員として参加するということが要件としてむしろ必要であるというふうに私は思うんですけれども、その点について提案者の答弁をお願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 今、小西委員おっしゃるように、やはり、いろんな附属機関等々をこれからつくっていくわけでございますけれども、そういった場合においては、この第二十八条第一項の組織及び第三十条第二項の附属機関に参加する第三者の人選に当たっては、重大事態に係る児童等の保護者の意見にも配慮しつつ、公平中立性が確保されるように措置するべきではないかというふうに考えております。 今おっしゃったようなことも踏まえて、実は昨日、衆議院の文部科学委員会においてもこの点が議論になりました。それで、附帯決議として、本法に基づき設けられるいじめの防止等のための対策を担う附属機関その他の組織においては、適切にいじめの問題に対処する観点から、専門的な知識及び経験を有する第三者等の参加を図り、公平性、中立性が確保されるよう努めることということを付したところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 すばらしい附帯決議を衆院で付されているものと存じます。 今伺いましたその公平性と中立性を確保ということでございますけれども、これはどこから見た公平性か、中立性かということが重要だと思いますけれども、これは衆議院での議論の内容等々を踏まえますと、いわゆるいじめの被害者サイド、そこはもう間違いなく含まれている、被害者サイドから見ても公平性や中立性がしっかりと確保されたようなそういう人選が行われるべきである、特に、本法においては二十八条あるいは二十九条以下の重大事態への対応のときに設けられる組織や附属機関については特に被害者サイドから見た公平性、中立性というものが必要であろうかというふうに思いますけれども、提案者、ちょっと踏み込んだ質問でございますけど、お願いいたします。
○衆議院議員(笠浩史君) 今委員が御指摘のようなことにも十分配慮をしながら、専門の第三者がやはり選ばれるということを期待したいというふうに思っております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 ちなみに、この第三者でございますけれども、私、三党案の立案のときに、文科省、臨床心理士を所管されていますけれども、文科省はもとより、厚労省、民生委員ですとかあるいは児童相談所の職員、あるいは法務省、人権擁護委員等々、つまり五つぐらいの役所に、各地域のそういう専門家、複合問題のいじめにかかわることのできるその専門家についてこういう制度に参画してもらえるかというようなヒアリングをさせていただきました。 結果的に、少なくとも、掛け持ちも含めれば各地域においてそうした第三者の参画というのが確保できるだろうというような道筋。具体的には人権擁護委員や民生委員、人数たくさんおります。ただ、誰でも参加していいわけではなくて、もちろんいじめ対策についてのしっかりとした研修や資質の確保が前提でございます。 あるいは、日弁連に私お話しに行ったときには、地域レベルであれば、掛け持ちも含めれば、子供を守る活動をずっとやられているようなそういう弁護士がしっかりと対応したいというようなこと、日弁連、組織を挙げて対応したいというようなこともおっしゃっていただいておりましたので、この第三者の参画というものはもう最大限に追求していただきたいというふうにお願いを申し上げます。 次に、ちょっと一点、個別の論点でございますけれども、二十三条の第二項に、いじめが起きたときの事実の有無を確認するという規定がございます。この有無の確認なんですけれども、誰がどういうふうに確認するか規定がございません。もう御案内のとおり、いじめがあるかどうかを判断するその確認の過程において対応能力のなさ、あるいは隠蔽問題というのが起きてきたわけでございますので、こうしたいじめの事実の有無の確認においては先ほどの学校の中の委員会組織などがしかるべき対応をすると。全部それをしなきゃいけないというふうに法律の条文上はなっておりませんけれども、そこは当然柔軟性等々はあるのかもしれませんけれども、それについて提案者の見解はいかがでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) お尋ねのあった、隠蔽を防止し、かつ適切な対処が確保されるようにする必要があるという問題意識については、これは皆さん共有をしているところだというふうに考えます。 〔委員長退席、理事水落敏栄君着席〕 本法案第二十二条の組織は、例えば第二十三条に規定するいじめに対する措置を組織的に講ずることなど、学校としていじめの問題に対応するための組織であることから、いじめの事実の有無の確認についても必要に応じて相応の役割を担うこともあり得るものと考えるところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 では、次の質問に移らせていただきます。 いじめの被害に遭われた方々からの声として、かけがえのない我が子がいじめに遭ってしまって傷つき、あるいは時には、あってはならないことですけれども、命さえ失われてしまったと、そのときに、我が子が学校の中で一体どういういじめに遭っていたのか、その真実を知りたい、いわゆる親の知る権利というものをちゃんと確保できるように、保障できるようにしてほしいという声がございます。 これ、裏返した言い方をすれば、そうした被害者サイドの保護者等の求めに応じた学校の、いじめの事実関係についての説明責任というふうに理解できるのではないかというふうに思っておりますけれども、学校のこの説明責任につきましては、この新法におきましては二十八条の重大事態のところにそういういじめの事実関係についての必要な情報を適切に提供するという学校の説明責任を規定した条文がございます。ただ、これは必ずしも重大事態に限るだけではなくて、やはり誰しも我が子がいじめに遭えば、それをもう必死になってちゃんと守りたいと、あるいは、我が子が受けたいじめというものを学校と誠実にきちんと議論していく中で、その学校におけるいじめの再発防止の取組にもそれは資することだと思います。 この二十八条における学校の説明責任を、ほかの全てのいじめについて、具体的には二十三条に書いてある一般規定のところですけれども、そこでしっかりと読み込む。具体的には二十三条の被害者の保護者に対する支援というところでこの説明責任というものが読めるというふうに協議の中でもなったというふうに理解しておりますけれども、それについての提案者の見解はいかがでございましょうか。 あと、二十八条は、重大事態のときには質問票を使うということがありますけれども、質問票も重大事態に限ったものではないと、そういう解釈であるということも含めお願いを申し上げます。
○衆議院議員(笠浩史君) 提案者としては、本法案第二十三条の規定によりいじめに対処する中で、学校がそれぞれの判断の下、いじめを受けた児童等の保護者に対する支援を行うに当たり、調査結果の情報提供を行ったり、あるいはそれぞれの状況に応じて質問票を使用して調査を行ったりすることもあり得るものであるというふうに考えておりますし、学校における一定の説明責任というものはそのことを定めたものと解しております。 ただ、そうしたことから、これも昨日の衆議院の文部科学委員会において、いじめを受けた児童等の保護者に対する支援を行うに当たっては、必要に応じていじめ事案に関する適切な情報提供が行われるよう努めることということについて、政府及び関係者に対し特段の配慮をすべきことを求める附帯決議が付されたところでございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 今の答弁の中で、学校のそれぞれの判断の下という一定の留保のようなものをいただきながらも、しかしそれは、説明責任というものはその二十三条においても及ぶのであるという明確な答弁をいただいたところでございます。 衆議院の附帯決議で、必要に応じてそういう適切な情報提供、すなわち説明責任を果たすように努めるというふうに書いてはおりますけれども、今の提案者の御答弁は、二十三条においても二十八条と同じように学校の親に対する説明責任は及ぶというような御答弁をいただいたものだと思います。ただ、もちろんそれは個別の事情に応じていじめの事案の適切な解決のために必要な説明責任というものをしっかりと果たしていくということだと思いますけれども、そうした理解をさせていただきます。ありがとうございました。 次に、やはりいじめが起きたときの問題でございますけれども、特に悲惨な自殺事件などが起きてしまったときに、学校の中でそのいじめの真相を知るためにアンケート調査をやるというようなことがよくやられているところでございます。しかし、その肝心のアンケート調査の内容について、学校サイドと被害者サイドがなかなかその情報の共有ができないと。もちろん、そのアンケートの中には全く関係のない第三者のプライバシーのことが書かれていたりですとか、いろいろそういう課題はあろうかと思います。 ですので、そうしたいじめに関する学校のアンケート調査、アンケート等の調査でございますけれども、その調査結果について被害者サイドと様々な論点をしっかりと踏まえながらも共有できるような、そういうルールづくりが必要ではないかというふうに考えているんですけれども、具体的にはそういうガイドラインというものを文科省から示していただきたいというふうに考えるところでございますけれども、提案者のお考えはいかがでしょうか。
○衆議院議員(笠浩史君) いじめの問題は児童等と密接に接している者が最も適切に対処することができるのではないかという問題意識の下で、学校の校長及び教職員が主体となっていじめを受けた児童等の個々の状況を踏まえた上で対処することができるように、できる限り学校の現場が取り組みやすい仕組みを用意することを心掛けたものでございます。 したがって、提案者としては、いじめが起きた際の調査をどのように行うか、あるいは調査の結果を誰にどのように伝えるかといったことについても、学校現場においてそれぞれ適切に判断がなされることが望ましいのではないかというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 ちょっとここで下村大臣に少し伺わせていただきたいんでございますけれども、さきの委員会で共産党の宮本先生、まさにいらっしゃいますけれども、がやはり親の知る権利を保障するべきではないかという観点で御質問されておりまして、今文科省が既に出されている行政通知がございまして、これは児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方についてという平成二十三年の六月のものがございます。これをまさに今見直しの検討を文科省の中でされているというふうに理解しておりますけれども。 昨日の衆議院の委員会でも文科省の初等中等教育局長の答弁がございましたけれども、やはり一定の、もちろんプロセス、条件を整備した後ではありますけれども、やはりその被害者サイドと学校がそういう事実関係についての情報を共有できるような仕組みはつくらなければいけないと。 今御紹介申し上げたそのガイドラインの中にもそうしたことは既に、一定の条件付ではございますけれども、あるわけでございますので、下村大臣、今回、いじめの法律を我が国で初めて作るわけでございます。かつていじめでかけがえのないお子さんを亡くならせた方が、もうお子さんを亡くすこと自体がこの世で最大の苦しみであるにもかかわらず、その後の学校等の対応によってまた二重の苦しみを受けてきたというふうな事実がございます。 この度の新法の中では、学校の中の委員会組織あるいは地域の附属機関等々を定めて、学校と被害者の対立関係ではなくて、いじめは残念ながらどこの学校のどこの子供たちにも起こるものであると、だからこそ、それを最大限に予防し、起きてしまったときに適切に解決をするというような新しいパラダイムをつくったわけでございますけれども、そうした新法の下でこうした被害者サイドとの情報共有のガイドラインをつくっていただくということを是非お願いできないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) まず最初に、このいじめ防止対策推進法案、各党実務者の皆様方に大変な御尽力をいただきまして、もう連日ハードな議論をしていただく中で今国会で取りまとめをしていただき、今日、衆議院の本会議でも成立をさせていただき、その後すぐ参議院の文教科学委員会で質疑をしていただいているということに対して本当に感謝を申し上げたいと思います。そして、この法案が成立をさせていただければ、文部科学省としても早急に対応していきたいというふうに思います。 今御指摘のガイドラインでございますけれども、ガイドラインを国が策定するに当たっては、地域の実情や個別の事情に応じて地域や学校が柔軟かつ効果的にいじめの問題に取り組めるよう、地域や学校が活用しやすい内容とすることが大切であるわけでございますが、今御指摘のように、やはり、いじめによって自殺をしてしまったというお子さん、なぜそうなったのかということについては親御さんが一番その真相を知りたいと思っているというふうに思うんですね。この事実が明らかにされないような中でのアンケート調査であれば、それはただの形式的なものだということになってくるというふうに思います。 そういう意味で、子供の自殺が起きたときの調査の指針ということで、改めてこの調査の計画等、文部科学省としてもより具体的な形でのアンケート調査についても今検討しているところでございますが、関係者の方々、あるいはいじめに遭った親御さんに対しても的確な情報、個人情報保護法の問題がありますが、しかし親御さんもできるだけ情報開示できるような形でのアンケート調査等、これは関係機関の努力も必要でありますけれども、適切に対応できるようなそういうことを文部科学省としても進めてまいりたいと思います。
○小西洋之君 大変ありがとうございました。 まさに教育行政にずっと携わられてこられました大臣、本当に明確な、形式的なものではなくて、もちろんもろもろの条件等々踏まえなければいけないけれども、そういう形式的なものではなくて、親が知らなければいけないことがちゃんと知れるような実質的なものを、ガイドラインを作っていただくというような御答弁をいただいたと思います。 その上で、ちょっとお願いがあるんでございますけれども、そうしたガイドラインを作るときに、今専門家というようなお話がございましたけれども、一番の専門家はまさにこういう事態を経験した被害者の保護者の方でございますので、今日もそちらに、ちょっと御紹介して申し訳ございませんけれども、いじめ問題にずっと取り組んでいらっしゃいますジェントルハートの理事長の方もいらしておりますけれども、こういう方々にも意見を聞いていただいて、その調査に当たって使うアンケートのフォーマットですとかあるいはその共有の仕方などについても是非、大臣、そうした本当の専門家の声をくみ入れながら御検討いただきたいということを是非お願いをさせていただきます。 ありがとうございました。 では、次の質問に移らせていただきます。 少しちょっと観点が外れますけれども、今回、いじめについて何が一番大事かというと予防が一番大事だということでございまして、その予防に関する取組ということで、十五条についていろいろ規定があるところでございます。 その第十五条なんでございますけれども、条文を読みますと、「道徳心」という言葉が登場して、最後にまた「道徳教育」という言葉が、道徳が二回登場するんですけれども、いじめの防止において重要なことは、何も道徳を培うことだけではなくて、その前提にある情操ですとか、あるいは人との健全なコミュニケーション能力を養うといったようなことがあるわけでございますけれども、そうした、この道徳を、もちろん私もあるいは三党案もその道徳教育というのがいじめの予防の非常に重要なものであるということは全く否定するものではございません。ただ、道徳ばかりではなくて、情操やコミュニケーション力を養うというようなことも重要であって、それらについては優劣関係ですとかあるいは優先順位があるわけではないというようなことについて御見解をいただきたいと思います。
○衆議院議員(笠浩史君) 今委員がおっしゃったように、そもそもこのいじめを防止する対策として何かこの一つをやればそれで足りるというものではございません。いろいろな措置を組み合わせていじめを防止することの重要性について児童等の理解を深めていくことが重要であると考えております。 お尋ねのように、道徳を培う、情操を豊かにする、あるいはコミュニケーション力を養うといったことについては、優先順位だとか、あるいは優劣関係というものはないというふうに考えております。
○小西洋之君 ありがとうございました。 条文で「心の通う対人交流の能力の素地を養う」。先ほどネットいじめのことを申し上げましたけれども、やっぱり皮膚感覚がないまでに相手を追い詰めてしまうと。ネットのその皮膚感覚のなさの対極にあるのは心温まる直筆の手紙といったような、手紙をもらうと誰でも心が温まったりというようなことがありますけれども、そういう経験が非常に乏しくなってきておりますので、そうしたような体験活動などをしっかりと全国で取り組んでいただきたいというふうなこともお願いさせていただきます。 〔理事水落敏栄君退席、委員長着席〕 また、ちょっと少し時間がございますので続けさせていただきますけれども、この第二十条でございますけれども、いじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証という条文がございます。これ元々三党案の中で、これは与党案と同じで、それぞれ地域、学校、あと国でその基本方針を作るというような条文になっていたんですけれども、それぞれを作りっ放しではなくて、しかるべきときに見直す、あるいはそういう取組を進めながらも、この取組が十分でないなと思ったらしっかりとまたそこで検証を加えて見直していく、いわゆるPDCAサイクルをしっかりやっていくというふうなことを三党案の中ではこれ一章を設けてやっていたんですけれども、協議の結果として、今申し上げましたその検証ですね、検証という言葉の中にこのPDCAサイクルが入ったというようなことをちょっと協議の担当者として確認をさせていただきたいと思います。 それで、済みません、ちょっと下村大臣に幾つかお願いできておりませんので、ちょっと下村大臣に残りお願いをさせていただければと思います。 一つは、子どもの権利条約というものがございますけれども、国内法と条約との優劣関係だと、当然国内法施行に当たっては条約の趣旨を踏まえるということであろうかと思うんですけれども、この新法の施行に当たりましては子どもの権利条約の趣旨を踏まえていただくということをお願いできますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 子どもの権利に関する条約は、基本的人権の尊重を基本理念に掲げる我が国の憲法、あるいは教育基本法とも重なるというふうに考えております。 特にいじめ問題については、児童生徒の心身に重大な影響を及ぼす深刻な問題であり、条約の趣旨を踏まえ、学校は家庭や地域社会との緊密な連携の下に真剣な取組の推進に努めるよう指導しており、本法案成立後も同様の考えに基づきいじめ問題に取り組んでまいりたいと思います。
○小西洋之君 大臣、ありがとうございました。 続きまして、この法律の下で、大臣の下で作っていただくことになりますいじめ防止の基本方針なんですけれども、これ言わずもがなのことではございますけれども、この複合問題のいじめ、しかも各地域でそういう専門家の協力を得ながらやっていく取組でございますので、このいじめの防止の基本方針を作るに当たって、是非文科省の中で検討会あるいは協議会というものを設けていただいて作っていただきたいというそのお願いと、かつ、その協議会の中にいじめの被害を経験された方というものも是非加えていただきたい。民主党の平野大臣の下でつくりました大臣のアドバイザー組織の中には、そうしたいじめの被害の経験の方、まさにそこにいらっしゃるジェントルハートの小森さんなんでございますけれども、参加などをしておりましたので、そうしたやはり被害者サイドの声をしっかり反映しながら作っていくというふうな取組を是非お願いしたいと思います。 実は、三党案を立案するときに、私、がん対策基本法、法律の条文で、がんを患っている方、あるいはその遺族の方が必ず協議会に入って国の基本計画を作るような条文になっているんですけれども、是非そうしたような取組をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 本法案が成立をしましたら、文部科学省としても、ガイドラインを含め、これから地方自治体に対しても働きかけをしてまいりたいというふうに思いますし、この法案に沿った制度設計、しっかり取り組んでまいりたいと思います。 その中で、有識者会議等、必要な部分の中で、特に今御指摘のいじめに遭った関係者の方々等も必要に応じていろいろと御意見をお聞きするというような形についても、具体的な詳細の制度設計はこれからでございますが、いろんな方々にいろんな意見をお聞きしながら、より有効な手だてになるような対応をしてまいりたいと思います。
○小西洋之君 大臣、明確な答弁をありがとうございました。 最後に、いじめの取組について是非子供たちが参画できるように、三党案は学校や地域のプログラムを作るときに子供たちの意見を聴くというような条文をあえて作っていたんですけれども、そんな取組についても是非検討をお願いしたいと思います。 最後に、我が国で初めてのいじめ対策の法律が各党の真摯な協議によって今ここの文教委員会で成案を迎えようとしているということに私からは心から敬意を表させていただきます。 その上で、一点、三党案を立案する過程におきまして、参議院の法制局の方々あるいは調査室の方々、またこれは衆参の補佐機関でございますけれども国会図書館、いじめの法律を条文で訳しているようなことがございました。そういう立法補佐機関の方々の努力によって支えられていたということをここで御報告をさせていただきます。 この法律の下、私も責任感を持って、信念を持って、執念を持って大臣とともに法律の的確な執行のために頑張らせていただきますので、どうぞ御指導をお願いいたします。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、橋本聖子君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君が選任されました。 ─────────────
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。 本日は、質問の時間を与えていただいたことに心から感謝を申し上げます。とともに、本日、ここ参議院文教科学委員会におきまして日本で初めてとなるいじめに関する法律の審議が行われるに際しまして、私から冒頭、これまで残念ながらいじめにより尊い貴重な子供たちの命が奪われてきたこと、心からお悔やみを申し上げたいというふうに思っております。また、そうした被害を受けた方々の御両親また御遺族の方々のつらいお気持ちを考えますと、本当に断腸の思いでございます。本日、この議論をされておりますこの法案が、今後二度とこうした尊い命、子供たちの命を失うようなことがないように、その第一歩となることを心から期待をして質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 また、先ほど来ございましたとおり、この法案の作成に当たりましては、与野党の実務者協議に臨まれた先生方の本当に熱心な真摯な御議論があって、当初、与党案、野党案で様々な点の隔たり等ありましたが、両案の良き点をそれぞれ持ち合うような形で、こうした形でいい案が成立をしたことに実務者の先生方に心から感謝を申し上げたいと思います。 また、改めて、あわせて、今、国会の最終盤でございまして、この委員会の運びに当たっては、様々な政治の動きがある中で、非常に与党、野党の理事の先生方、御苦労があったかと思います。また、委員長におかれましても、こういう形で衆議院本会議の成立直後に委員会を持ち、この法案の審議に当たる時間を確保していただいたことにも感謝を申し上げたいと思います。 私ども公明党もいじめ問題対策の検討プロジェクトチームを早々より立ち上げておりまして、私も不肖ながらそのプロジェクトチームの事務局長として、有識者の方々の御意見、あるいはいじめに遭われた方の保護者の方あるいは関係団体の方々の御意見を伺ったり、また学校現場に訪問させていただいてそうした現場の様子を視察させていただいたり等、取組を進めてまいったところでございます。 この二月にこの参議院の文教科学委員会におきましていじめに関する集中的な質疑をやらせていただいたときに、足立区の辰沼小学校における児童生徒たちの自主的な取組について先生方にも御報告、御紹介をさせていただきました。辰沼小学校辰沼キッズ・レスキュー隊というのを生徒たちの自主的な取組として行い、生徒たちがいじめをなくしていかなければならないという啓発活動を熱心に行っている姿を見させていただいて、こうしたいじめの問題、やはり子供たち自身が取り組む、そういう姿勢を我々大人もまた社会も応援していくことが非常に重要であるということを今日発議者でもおられます富田先生も含めて一緒に見させていただいたわけでございますが、これを受けて教育再生実行会議においてもこのことが提言の中に盛り込まれ、また本日議題となっております法案の中でも、十五条におきまして、児童による自主的な取組に対する支援というものが明確に規定をされることとなりました。 このことを高く評価をさせていただきたいというふうに思っておりますが、こうした規定が明記されたことを受けて文科省としてどのように取り組んでいくことになるのか。また、その足立区の辰沼小学校の例のみならず、全国各地様々な取組を行っている、私も幾つか聞いておりますが、そうしたやはり各地のグッドプラクティス、これをしっかり集めていって、そのいい例については全国の市町村の教育委員会を通じて各学校に周知をし、いい例があればそれを参考にして広げていくという流れをつくっていただくことが重要であるというふうに思いますが、この点について文科省としてどう取り組んでいかれるのか、大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、子供同士でいじめについて話し合い、いじめを解決する取組、これは、児童生徒それぞれが持つコミュニケーション能力や規範意識を発揮させるとともに、適切な集団活動を通じて良好な人間関係を育てる上で大変重要であるというふうに考えます。 学校において、今先生から御指摘がございました足立区の例、また今後、児童会や生徒会が中心となっていじめ根絶宣言を策定するということで、全国生徒会いじめサミット、これを九月か十月ぐらいに開きたいと、大臣にも来てほしいという主催者側からも要請がありますが、こういういじめ根絶に向けた自主的な取組も今されているところでもございますし、また、児童生徒がお互いの悩みを聞き合う体験などを通じて基礎的な社会的スキルを育て、互いに支え合う良好な人間関係、ピアサポートを形成することでいじめのない学級づくりを進める取組、これは鹿児島の例でございますけれども、こういう形でいじめ問題の解決に効果のある取組が実践されているところも多々ございます。 文部科学省では、平成二十五年度においても、いじめ対策等生徒指導推進事業を通じていじめ解決に向けた子供たちの取組を支援するとともに、これまでにも優れた取組の周知を図ってきたところでもございますが、今後さらに、この法案を踏まえまして、改めて各学校の児童生徒によるいじめ防止に資する効果的な取組が積極的に行われるよう、御指摘のようにしっかり文部科学省としても支援してまいりたいと思います。
○石川博崇君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、法案の中身について具体的に質問をさせていただきたいと思います。 与野党の様々な真摯な議論の中で、先ほど小西先生からの御質問にもありましたが、幾つかの論点が整理をされてまいりました。まず、いじめの定義について私からも御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 元々三党案、民主党を始め三党案においては、いじめの定義について、「「いじめ」とは、児童生徒等が特定の児童生徒等を心理的又は物理的に攻撃する行為であって、当該児童生徒等に心身の苦痛又は財産上の損失を与えるものと認められるものをいう。」という書きぶりになっておりました。この中で、「攻撃」という言葉が法律用語として果たしてそぐうのかという論点、それから、「認められるものをいう」とした場合に、やはり、児童生徒たちが苦痛を感じていたとしても、それを認める側、第三者がいなければいじめのこの定義に入らないのではないかということから、与党案におきましては、まず、「攻撃する行為」という言葉は「心理的又は物理的な影響を与える行為」ということにさせていただき、また、その「認められるもの」というものを外して、より広くいじめという定義の中に入る、範疇を広げる、そういう形で、この「認められる」ということを外した上で、「児童等が心身の苦痛を感じているもの」、主体的な点により集中的に挙げさせていただいたわけでございますが、最終的に、御議論の結果、与党案がこの法案のいじめの定義となったわけでございますが、これについて、発議者から理由について御説明をいただけますでしょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、石川委員がお話しいただいたように、この定義は与党案の定義を維持した形になっております。 まず、与党における議論の経過について御説明させていただきますが、与党案を取りまとめるに際しまして、私ども公明党の方からいわゆる被害者目線の観点を重視してできる限りいじめの範囲を広く取るべきではないかということを申し上げて、自民党の皆さんにも御了解いただいて、今のような定義になりました。 具体的には、定義において客観的に認められるものに限るというような文言を加えますと、客観的に認められない、あるいは学校などが認めないがために、本来であれば支援の対象となるべきいじめに苦しんでいる児童が対象からこぼれてしまうんではないか、そういった議論を踏まえました。また、攻撃という文言で無視やからかいといった行為がきちんと読み込めるんだろうかという問題意識もありました。 今日、先ほど小西委員から御紹介ありました小森さん御夫妻にも我が党にも何度も来ていただいてお話を伺った際に、小森さんの方から、消しゴムの端っこをぽんと机の上に置いていく、これもいじめなんだと。消しゴムは物を消しますよね、おまえの命消してしまえという、そういういじめもある。あるいは、学校に水筒を持っていく学校で、朝のうちに特定の子に集中的に、水を飲ませてと言ってその子の水筒から全部水を飲んでしまう。そうすると、その子は一日水を飲むことができない。こういったいじめもあるんだという具体的なお話を聞きましたので、できる限り広くいじめの対象として救えるようにということで与党で考えました。 また、実務者協議の中でも、三党の皆さんにもその点を御理解いただいてこういった定義になったということを御報告させていただきます。
○石川博崇君 次に移らせていただきたいと思います。 今回の法案の十八条におきましては、いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上が規定をされております。この条項につきまして、自公、与党内での議論の際に、私ども公明党プロジェクトチームで様々ヒアリングをした際に、やはりいじめの対策においては養護教諭の存在が極めて重要であるという御意見をいただいたことから、法文の中にも今回盛り込まれておりますが、養護教諭、保健室の先生でございます、保健室の先生、常駐をしている。よく、いじめの対策というとスクールカウンセラーということが、文科省も一生懸命取り組んでいただいているわけですけれども、まだまだ常駐体制には至ってなく、例えばアポを取ろうとしてもなかなか取れなかったりする現状があります。 実際に学校に常駐しているこの養護教諭、保健室の先生の存在をしっかりとこのいじめ対策にも位置付けることが重要ということから明記をされているわけですが、ここについて発議者の御説明をいただければ幸いです。
○衆議院議員(富田茂之君) 今の養護教諭の件に関しましても、これも小森さん御夫妻から御提言をいただきました。スクールカウンセラー、先ほどの小西委員の質疑の中でも機能していない部分があったというふうにありましたが、スクールカウンセラーの皆さんは決して常駐しているわけではない。また、児童生徒がスクールカウンセラーに相談に行くということになると、何かあったのということで周りに気付かれてしまうと。そういったことがあって、なかなかスクールカウンセラーに子供たちが相談しにくい状況がある。 養護教諭の先生方でしたら、保健室には、頭が痛い、おなかが痛いということで、どんなときにでも行ける、養護教諭の先生が一番相談しやすいんだということを御指摘いただきましたので、自民党の皆さんとの協議の際に、是非これを特出ししてもらいたい。これまで各党を挙げてスクールカウンセラー、一生懸命支援してきましたけど、プラスして、養護教諭の先生を今お一人いるところは二人にするとか、そういった形でやれるように、本当に子供たちの相談に一番乗れるのは養護教諭の先生ではないかということで特出しさせていただいた経緯があります。
○石川博崇君 文科省にお伺いしたいわけでございますが、ここにこういう形で明記されたことを受けまして、文科省としてどのように取り組んでいくことになるのか。また、当然、スクールカウンセラー、今後とも拡充していただくことは重要だというふうに思っております。この配置拡充また常駐化に向けた御決意、また御努力について簡単に御説明をいただければと思います。
○政府参考人(久保公人君) 養護教諭の今御答弁いただきました職務の重要性に鑑みまして、まず文部科学省が主催いたします全国養護教諭研究大会でいじめの早期発見や被害者の立場に立った健康相談につきまして研修を行ったり、さらに指導参考資料、教職員のための子どもの健康相談及び保健指導を作成して各学校等に配付したりしてきているところでございます。また、今年度予算では、いじめ問題への対応などのために、養護教諭につきましても五十人の改善増を含みます三百三十二名の加配定数を計上しているところでございます。 今後とも、養護教諭がいじめ対策に積極的に取り組むことができるよう指導体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(布村幸彦君) あわせまして、スクールカウンセラーの常時配置のお尋ねもございましたので、加えてお答えをさせていただきます。 スクールカウンセラーにつきましては、二十五年度予算におきまして、全公立中学校、そして小学校については六五%の配置の予算を確保しているところでございます。 スクールカウンセラーを常時配置とすることにつきましては、財政負担の問題あるいは専門的な人材確保という大きな課題があるところでございますけれども、子供たちの相談体制の充実につながりますよう、今後もできる限り地方公共団体の要望を踏まえた配置の充実が図られるよう、必要な予算の確保にまずは努めてまいりたいと考えております。
○石川博崇君 また、同じくこの十八条一項には教員の養成について明記をされております。これも与党の協議の中で私ども公明党から主張させて盛り込ませていただいたものでございますが、これについて発議者からの御説明をお願いできますでしょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、石川委員御指摘いただきましたように、法案の第十八条第一項におきましては、いじめ防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるようにするため、国や地方公共団体が講ずべき措置の例示として、教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上を挙げているところであります。この箇所は与党案の規定を維持したものでありまして、今、石川委員おっしゃったように、与党における協議の中で私ども公明党の方から教員の養成課程においていじめの防止等のための対策を学ぶことの必要性について問題提起をさせていただきまして、教員の養成を特に明示するような今のような規定になりました。 この規定の趣旨でありますが、そもそも学校の現場では一人一人の教員の対応力が均一ではないため、教員によっていじめ問題への対処に違いがあるとも言われています。そこで、教員になる前の大学の教職課程の時点からいじめの防止等のための対策に関する教育を受けさせることによって、いじめの問題について教員の全体的な対応力の向上を図るべく教員の養成を明示することとしたものであります。
○石川博崇君 今発議者から御説明ありましたとおり、やはり学校現場に赴任することになった教員の先生方、人によってこのいじめ問題に対する対応能力、千差万別である、なかなかそういう教職の資格を取っただけでは対応能力がないんではないかというような指摘もあるところでございます。是非、大学の教員養成課程において文科省としてこうした現場対応能力の向上に取り組んでいただきたいと思いますが、文科省はいかがでございましょうか。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、教員養成課程におけるいじめに関する教育の充実ということは重要な課題と認識しております。 今年の三月の二十七日には、国立の教員養成系大学・学部で構成されております日本教育大学協会におきまして「教員養成系大学・学部におけるいじめ問題への取組について」という取りまとめをしていただきました。文部科学省からも、教員養成課程を置く全ての大学に対しこの情報を提供し、養成課程におけるいじめの問題、生徒指導の問題の取上げの充実という観点を指導させていただいたところでございます。 この法案を成立いただいた段階では、十八条に規定されている趣旨を踏まえまして、教員養成課程を置く全ての大学におきまして、いじめの問題に関する認識を深め、早期発見や適切に対応できる能力が高まるような実践的な授業が行われるよう各大学に強く要請をさせていただきたいと考えております。
○石川博崇君 是非お願いしたいと思います。 時間も少なくなってまいりましたので、ちょっと飛ばさせていただきまして。 今回、第二十二条、先ほど小西先生からもいろいろ御質疑がございましたが、いじめを防止する対策のための組織の設立について規定されているところでございます。 ただ、ちょっと懸念されるのは、いじめの背景として、やはり子供たちにしっかりと教職員の方々がかかわる時間が、教員が非常に多忙になっている、様々な事務手続が増えている、そうしたことで、本来子供と向き合わなければならない、児童たちにかかわっていかなければいけない、そういう教員の時間がないのではないかと、それがいじめをより助長しているのではないかという指摘もございます。 今回、このように修正を受けて第二十二条にいじめ対策の組織を設置するとなっているわけでございますが、この組織の設置によって学校の教職員の方々の負担が更に重くなって子供たちにかかわる時間が奪われるようなことになっては、いじめ対策にとって逆効果に、マイナス要因になるのではないかという懸念もございます。これについて、盛り込まれた発議者の御認識を、御見解をいただきたいと思います。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、石川委員御指摘のように、これは実務者協議でも大分問題になりました。三党案ではたしか委員会を設置するという形になっていたんですが、そこをみんなで協議して、ここを組織というふうに最終的に三党の皆さんにも御了解いただきました。 その趣旨は、学校の中には既にいじめの問題に対して組織的に対応することができるように、二十二条に規定するような組織体制を整えるところもあると考えられます。そうした既存の組織体制を活用し、あるいは充実させることもこの二十二条の趣旨に合致するものだというふうに考えております。 したがって、学校及び教職員の負担が重くなり、かえっていじめの防止等のための対策にとってマイナス要因になるということはないものと考えておりますし、決してそういう趣旨でこの規定を置いたのではないということを御理解いただきたいというふうに思います。
○石川博崇君 時間が来たので、終わりたいと思います。 文科省としても今の発議者の趣旨を受けた取組をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上です。
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。 改めて言うまでもありませんが、いじめの問題が深刻化して、また、昨年秋にあの大津のいじめ自殺事件があって、言わば今国会がその後の最初の通常国会ということになります。恐らく世間的にもこの国会がこの問題にどう対応するか、注目をしてきたところだと思っております。 そういう中で、今日、提案者の皆さん、お越しいただいておりますが、大変御努力をいただいて、こういうふうに一本化され審議できますことは、いささかかかわってきた者としても、うれしくというか、ほっとしているところであります。やはりこのいじめの防止、いじめの対策に与党、野党はない、右左はないものと思っておりますので、是非、終盤国会ということになりましたが、こういう日を迎えられたことに感慨深いものを感じております。 いずれにしても、法律ができたから明日から急にいじめがなくなるわけではもちろんありませんが、これを契機としてこのいじめの早期発見や問題解決が促進をされていく、あるいは国や自治体、学校に継続的な対策を促していく上でもこの法案の制定というのは大変意義があるものだと確信をするところであります。 我々みんなの党としては、党内の議論から、また実務者協議の場においても、この法律を作るに当たっては、いわゆる精神論に偏らずに、調査分析型の実効性のある具体的な防止策が盛り込まれるべきだという考え方をお示しをしてきた、また述べてきたところであります。 おかげさまでというか、皆さんの御努力によってそういったところが盛り込まれたことは評価をするところでありますが、条文を読む限りではちょっと不明確なところもありますので、確認の意味においても幾つかお聞きをしていきたいというふうに思っております。 まず、先ほども議論の中にありましたが、質問の中にありましたが、まず二十条においては、御案内のように、いじめ防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとするとされたわけであります。この後もまたお聞きをしていきますように、他国と比して我が国においては、いじめに関する被害者であれ加害者であれ、その心理や行動についての研究成果あるいは知見が大変乏しいというところがあると思っておりますが、いろんな調査研究を進めていく、あるいはいい成果があれば、事例があればそれを普及をしていくということが大事なことだと思っていますが、具体的にどのような調査研究を行って、また、その成果をいかに普及させていこうとお考えになっておられるのか、提案者にお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(井出庸生君) 柴田委員からいただいた御質問にお答えをいたします。 冒頭、柴田委員の方から今回の法律の成案についてお話がございましたが、いじめに対して社会総掛かりで取り組んでいくと、そういうメッセージをまさに出そうとしていることについては、ここにいる皆さんも本当に思うところは一致していると思っております。しかしながら、この法律が本当に実効性のあるものにしていくために、先ほど小西委員の方からお話がありましたように、その実効性の部分について、また国会としてもそこを見守っていく、必要とあれば議論していく責任があると思っております。 御質問をいただいたいじめの防止等のための調査研究のところなんですが、これは、みんなの党として、国が一体この法律を作るときに何ができるのかと。国が法律を作っても、国がいろんなことをやっても、全国の一件一件のいじめと国が向き合えるわけではないと。であるとするならば、国に特にやっていただきたいのは、例えば、ほかの地域でどういったいじめの取組が効果を上げているのか、またこの年代でこういった傾向が見られる、そうした科学的な研究、分析をやっていただいて、それを教育現場に下ろしてほしいと。調査研究やアンケートという話になりますと、とにかく現場の負担になる、そういった懸念がありますが、そうではなくて、是非現場に有益なデータを示していきたいと。 実際、既に国立教育研究政策所の方でそういった取組、これまでもなされているんですが、いじめの問題に関しては、やはり重大な事案が起こってしまってから、またそれに関していろんな国の方で通知を出した、そういうときばかりがニュースになってきましたが、是非、そうしたいじめのなくなっていくことにつながるすばらしい研究成果を国が発信をして、それがニュースとなることを望んで今回二十条にその条文を盛り込ませていただきました。
○柴田巧君 ありがとうございます。 今も御答弁の中にありましたけれども、やはり国がある意味主体性を持っていろいろな調査研究を行って、それの成果を普及をさせていく、教育の現場に、地方の教育の現場に、あるいは学校の現場にしていくというのが大事だと思っています。 あの大津のいじめ事件で亡くなったお子さんのお父さんが今年三月に文科大臣あてに要望書を出されました。その中で、やはりいじめのそういった調査研究というのはなかなか現場では限界があるんだ、地方の教育委員会では限界があるんだと、やはり国が責任を持って、文科省が責任を持って総合的な調査研究を行って、今ほど申し上げた普及をさせていくべきだとおっしゃっておられます。 そこで、今回この法案によって地方いじめ防止基本方針あるいは学校いじめ防止基本方針などができるということになっていくわけですが、その実施の状況、あるいはその他の情報の収集、整理、分析、提供、これはやっぱり国が主体性を持ってやっていくべきものだろうと思いますが、この条文の中にはそれは明確にはなっておりませんが、そこら辺の考え方を提案者にお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(井出庸生君) 今お話をいただきましたその大津の事件の保護者の方からの御要望は私も読まさせていただきました。 そして、御質問をいただきました、今回の法律で地方のいじめ防止基本方針、また学校のいじめ防止基本方針、その情報の収集、整理、分析といったところなんですが、これは実務者、各党の協議の中でも、作りっ放しでいいのか、しっかりと検証していく必要があると、そういった意見が出ました。私が冒頭に申し上げたこの法律の実効性にまさにかかわってくるというところだと思います。この部分について、この法案の二十条のところで、御指摘いただいた問題意識をここにしっかりと反映できるものになっているだろうと、そういう議論になりましたので、そこのところはしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○柴田巧君 ありがとうございます。 さて、特に我が国の場合、先ほども申し上げましたが、いろんなこのいじめに関する総合的な調査が足りない、蓄積が足りないということだと思っておりますが、被害者側の心理や行動もさることながら、加害者の心理や行動についての十分な調査研究というのは、非常にいじめを防止していくために私はやっぱり大事なことなんではないかと思っております。 なぜいじめるのか、この問いに対する答えが明確に今出せない状況、誰も答えを持ち合わせていないということだと思いますが、なぜ死に追いやってしまうのか、なぜ加害者はいじめに走るのか、なぜ人を死に追い詰めるまでいじめを繰り返すのか、ここら辺の調査研究というのを我が国としてもしっかりやっていくということが私はいじめを防止していく上で大事なことだと思っております。 その研究成果を実際に生徒に向き合っている先生、あるいは学校現場に、あるいは教育行政に普及をさせていく、成果を提供できるようにしていくということが大事であります。そのためにも、医学、心理学、社会学、教育学等、その他の関連分野もあろうかと思いますが、こういった科学的知見の蓄積が必要だと思いますが、どういうふうに取り組んでいったらいいとお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(井出庸生君) お話ありましたように、まさに学問的、心理学、社会学、教育学的な分析というのは国の方でしっかりとやっていかなければいけないと。実際、学校現場の方は、先生は子供と一番向き合っていくことが最も第一のところだと思っておりますが、それをしっかり国の方でその研究データを収集していく、やっていくと。恐らく、これは本当に成果を出すためにやっていくとなればそれなりのまた人員、予算措置というものが必要になってくると思いますが、そういった取組を後押しする法案……
○委員長(丸山和也君) 時間が来ておりますので簡潔に締めてください。
○衆議院議員(井出庸生君) 法案条文を今回作らせていただいたと思っております。
○委員長(丸山和也君) 時間です。
○柴田巧君 時間が来ましたので終わります。 ありがとうございました。
○谷亮子君 生活の党、谷亮子です。 生活は十分時間をいただいておりますので、早速伺ってまいりたいと思います。 生活の党は、四月十一日、生活の党、民主党、社民党の三党で、いじめ対策推進基本法案を議員立法で参議院に提出をいたしました。私も発議者の一人となりましたけれども、急務とされるいじめ問題を構造的にも解決をし、そして国が責任を持って児童等の命と尊厳を守るとするものでございます。その後、五月十六日に自民党、公明党による議員立法で、いじめ防止等のための対策の推進に関する法律案を衆議院に提出をされました。 今回の法案の一本化に向けまして八回に及ぶ与野党協議が行われまして、いじめの防止や対策について定める修正案、いじめ防止対策推進法案が、六月十八日、自民党、民主党、日本維新の会、公明党、みんなの党、生活の党の六党共同で衆議院に提出をされ、昨日、六月十九日に衆議院文部科学委員会で質疑、採決が行われまして参議院の方に送付されてまいりました。 今回のいじめ防止対策推進法案は、与党案そして三党案が修正案としてそれぞれの法案の良い部分が一本化をされた法案でございまして、いじめ防止を推進していくに当たり今まさに必要とされている大変重要な法案であると思います。また、与党案そして三党案においては、その内容と項目が一致している点も多くございました。 そこで、修正案では、第二章いじめ防止基本方針等の第十一条、第十二条、第十三条におきまして、文部科学大臣、地方公共団体、学校がいじめを防止するための基本方針を定めるものとしております。基本方針を定めることによりましていじめ防止にどのような期待をされているのか、そしてまた、そのことによってどのような効果があるのか、発議者にお伺いいたしたいと思います。
○衆議院議員(青木愛君) 谷委員の御質問にお答えをさせていただきます。 これまでの経過を詳細にお述べいただきまして、ありがとうございます。 まず、本来、学校現場は、児童生徒にとって安心して学習できることはもちろんのこと、全ての子供にとって興味、関心を抱く対象がある、また意欲をかき立てることができる、そういう魅力的な教育現場にするということがまず一番大事なことではないかと。むしろ、谷先生になぜ柔道を選び突き進んでこられたのかをむしろ教えていただきたいくらいで、教育現場に対するヒントもたくさんおありなのではないかなと、また折を見てその点は伺ってみたいと思いますけれども、まずはいじめが起こらない、そうした魅力ある学校現場をつくるというのがまず最初の一番の責務だと考えております。 更に言えば、子供は大人を映す鏡であって、このいじめの実態ももしかすると今の社会を反映をしているかもしれないとも考えるところであります。まずは明るく希望の持てるそうした社会になることが陰湿ないじめをなくすということにもつながるものではないかと考えておりまして、そういう意味では、政治家の責任も大きなものがあるのではないかと考えているところでございます。 それを大前提としながらも、この度の大津のいじめ問題が余りにも深刻であり、二度とこのようなことを起こさないよう早急の対応策が必要との考えの下、この度の法案作成に至ったものと理解をしておりまして、実務者の先生方にも大変感謝をしているところでございます。 そして、谷先生御質問の、今回の法案でより明確にまた具体的に基本方針や計画の策定をすることによって、いじめの防止やいじめの早期発見、またいじめの対処に関する施策や措置が総合的かつ効果的な解決に向けた防止対策として期待できるものと考えております。 これまで当事者間の一部の隠れた閉鎖的な陰湿ないじめの実態、また隠蔽されがちであったいじめの実態が、法整備をすることによって、児童生徒、また保護者、学校関係者、教員、行政、警察、またマスコミも含めて社会全体がまずいじめに対して関心を持つということが大変重要なことで、そのことがいじめを抑制する効果を持つものと考え、まずは大きな一歩、前進する道が開けたのではないかと考えるところでございます。
○谷亮子君 実効性ある御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。 次に伺ってまいりたいと思いますけれども、いじめの相談体制の整備について伺ってまいりたいと思います。 修正案では、第三章基本的施策の第十六条におきまして、学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するため、児童等に対し定期的な調査を実施すること、学校の設置者、学校は、児童等、保護者並びに学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制を整備するとされております。相談体制の整備が行われることによりましてどのような期待をされるのか、その上でどのような効果があるとお考えでいらっしゃいますか。重ねて伺いたいと思います。
○衆議院議員(青木愛君) いじめに係る相談体制の整備につきましては、本法案第十六条第三項におきまして、学校の設置者と学校に対し、児童等、保護者、教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制の整備を求めることとしております。また、第十六条第二項におきましては、国と地方公共団体に対し、いじめに関する通報や相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるよう求めております。 相談体制を整備し、いじめに係る相談を行いやすくすることにより、いじめの早期発見につながることが期待されるとともに、発見されたいじめについて適切に対応することによりまして、いじめに起因した深刻な事態が引き起こされることを防ぐことにつながると考えているところでございます。
○谷亮子君 ありがとうございます。 私もやはり、この第三章十六条におきましては、ここで、学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するために児童等に対し定期的な調査を実施することということでございまして、この法案での児童等というのは学校に在籍する児童又は生徒をいうということでございますが、まさに、度々これまでも報道や新聞等を通じまして、児童と児童間だけの問題ではなくて、やはり教職員が児童に対していじめや体罰等を行っていたといったようなことが度々報道されてまいりましたので、ですから、そういったことをしっかりとなくしていくためにも、私は、この学校の設置者、学校は、いじめを早期に発見するために児童等に対し定期的な調査を実施することということでございますので、ここに是非しっかりと教職員も含むといったことでその体制、組織体制というものを構築していく必要があるのではないかと。児童間だけではない問題、学校全体で抱える問題だと思いますので、しっかりここで教職員も含むというような形で実施していっていただきたいということを、私見でございますけれども、申し上げさせていただきたいと思います。 そして次に、時間ももうなくなってきているんですが、いじめが犯罪に当たる場合の警察への通報の義務付けにつきましてお伺いいたしたいと思います。 修正案では第四章いじめ防止等に関する措置の第二十三条第六項に明記されておりますけれども、いじめが犯罪行為として取り扱われる案件につきまして、学校、先生が警察署に援助を求めることができる体制ができることによって行き過ぎたいじめを抑止することにつながると思いますけれども、学校と警察署が連携することでどのような効果が期待されますでしょうか、発議者にお伺いいたしたいと思います。
○衆議院議員(青木愛君) これまでは、学校が教育機関であるということに重きを置く余り、警察への連絡が遅れる、また警察も立ち入ることを控えるなどといったケースもあったのではないかと考えられます。 今回、文科省の通知とまた考え方を合わせまして、第二十三条第六項に学校と警察の連携について規定を設けることといたしております。こういう事態になる前に未然に防ぐことが何よりも大切でありますが、いじめは場合によっては犯罪にもなり得るというまず自覚を持つこと、そしてまた警察も、権力を行使するという意味よりも、むしろ社会の一員として地域を歩きながら住民との交流を深めるように、学校ともなじみながら交流を持つということもまた未然に防ぐ一つの効力にもなり得るかと思います。 いずれにいたしましても、谷委員御指摘のように、様々なこうした連携関係が構築をされるということで、行き過ぎたいじめを抑制する一定の効果が得られるものと期待をいたしております。
○委員長(丸山和也君) 時間ですので。
○谷亮子君 ありがとうございます。 最後といたします。 下村文部科学大臣も、このいじめの問題に対しましては、やはり被害者、そして加害者、また傍観者が、それぞれにしっかりとした全国的ないじめに対する意識を共有をして、しっかりとした体制、また教育を実践をしていくということが大事だということをおっしゃっていらっしゃいますので、その基本方針に基づいた実効性ある法律として機能していただくことを望みまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。 私は、学校におけるいじめというのは、どうしても教師の目の届かないところで起こる、目の届きにくいときに起きるというふうに思えております。 これを防止するためには、教師が事務作業に追われている現状、例えば、給食費を集めに回ることまでやらなければいけないような現状といったもの、あるいはたくさんの報告書の作成でありますとか会議に忙殺されるというようなこと、電話の応対までやるというようなこと、そういうことがあるのではないかというふうに思っているわけです。 この法案が成立することにより、より子供たちと共に過ごす時間というものを減らすことにはなりはしないかというのが私の最大の危惧でございますが、これについてどうお答えになりますでしょうか、発議者にお尋ねいたします。
○衆議院議員(土屋正忠君) 今、谷岡先生から御指摘のいただいたところは私どもがこの法案を作る際に一番重視した点でございます。 つまり、新しい法案を作ったことによって現場に必要以上の負荷が掛かったんでは、本来の目的であります子供と教師が向き合う、あるいはしっかりと子供の状態を見るという時間が少なくなってしまってはいけない。したがって、きちっとした対策は取るけれども、既存の組織、つまり校長先生が通常の学校教育のカリキュラムの教育指導上の責任と管理上の責任を持って、その下にずうっと教員の体制があるわけですから、これを活用すると。こういうことの中で、したがって、先ほどの答弁にもありましたが、新たなる組織となるような協議会というような名称はつくらずに、組織という、こういう常時置く組織としたわけであります。 なお、第十六条で定期的な調査、そして第二十二条で学校いじめ防止に関するいわゆる措置、実効的な措置をとるための組織、この二つが今法律の肝でありますが、これが過度の負担にならないように十分注意しながら、なおかつ有効ないじめ防止策を取れるように、こういう趣旨で十分議論をいたしました。
○谷岡郁子君 しかし、実際に、求める報告、計画を策定し、そしてしかるべき調査をし、そしてその報告になるものの原案を作るのはやはり子供を見ている各教師にならざるを得ないということが出てまいりまして、そこはやはり一定時間的にも事務負担は増えると。そして、人数が加配される、あるいは事務職を新たに入れるようなことがない限りは、これはやはり増えるということにはなりませんでしょうか。
○衆議院議員(土屋正忠君) 一般的な意味において、教員の負担を軽減し子供と向き合う時間を確保することが重要であると、こういう認識についてはまさに御指摘のとおりでございます。 ただ、今まで、過去にも重大な、自殺に追い込まれるようないじめが幾つかございました。それが繰り返される原因といったようなものは、こういった事件が起きると全国が注目し頑張って対策を取るんですけれども、しかしそれが過ぎると、ある程度過ぎてしまうと学校が日々の教育活動に追われてこういう防止策が希薄になる、こういう事実に鑑みて常設の組織とそして定期的な調査をいじめ防止の肝にしたわけでございますから、これは必要かつ最小限のものと考えております。
○谷岡郁子君 従来から比べますと、何十年も前のことを比較するのはおかしいかもしれませんけれども、IT社会化、情報社会化、そのたびに私たちは学校に委員会ですとか対応する組織をつくってまいりました。パワハラ、セクハラ、同様でございます。そして、インクルーシブということになれば、またその対応の組織をつくってまいりました。こういうことを重ねていて、じゃ実質につくらなければいけない会議体は増えるんだけれどもそこが年間どのくらいの会合を行っているだろうとかそういうことを考えますと、それがしばしば形骸化する可能性というものをやっぱり考えてきてしまったわけであります。 そのことにおきまして文科大臣にお尋ねをしたいのは、やはり教員たちがしっかりと子供と一緒にいる、そして、こういう法案によって新たにつくられる制度が教員の新たな負担にはならない、少なくともむしろ軽減できるような状況にしなければならないということはよく御認識の上だと思いますけれども、そのことについてやはり文科省として対応していただけますでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校教育に求められるものが非常に多様化、高度化する中で、教員がいじめ防止等に適切に取り組んでいくことができるようにするためには、教員が子供と向き合う時間を確保する、これが大変重要なことであるというふうに思います。 このため、二十五年度予算においても、いじめ問題への対応や特別支援教育の充実のため、八百人の教職員の定数増や学校サポートのための指導員等派遣事業、約七千人ですが、計上しております。さらに、学校を対象として行う調査の縮減も今行っております。また、校務の情報化など学校運営改善の好事例の普及や、さらに地域住民のボランティアによる学校活動の支援等を積極的にこれから更に行う必要があるというふうに思います。 現在御審議されているいじめ防止対策推進法案、これは今発議者からもお話がありましたように、学校に新たな特段の負担を課すものとならないように配慮されているということではございますが、文部科学省として、この法案が成立した暁には、立法者の御意思も踏まえながら、更に教員が子供と向かい合う時間を確保できる環境づくりのために一層努力してまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 大変誠実な、誠意あるお答えありがとうございます。そのようにやっていただきますと、私どもも安心ができるというふうに思っております。 ところで、今日資料をお付けいたしましたが、東京新聞の六月十八日の夕刊で、「原研「線量低く、説明要らない」」と、「換気扇 三日間止めず」というような記事が出ております。 これは、「もんじゅ」で三万九千件の機械類を点検しなければならないのにそのうちの一万件余りを点検していなかった、四分の一強の機械は点検されていなかったということが既に報告をされておりますけれども、この原子力の分野において、こういうある意味で初歩的にやるべきことをやっていない。換気扇を回すということは下界に放射性物質をまき散らすということであり、しかもこの日には、この記事によりますと村内で六つの学校で運動会が行われていたというふうに報道をされております。 この問題につきまして、この村内で運動会を開いていたというような学校の保護者の皆さんというのは大変御心配なさっているというふうに思いますけれども、これに対して文科省はどのように受け止められていて、そして保護者にどのような御説明をなさっているのか。 また、こういう単純なミスが続出して起きるということは明らかに規範意識の問題であるわけですけれども、これは研究機関あるいは大学等の教育機関においてこういう初歩的な規範意識の教育が不足しているのではないかというふうに思ってしまうわけですけれども、この事態をどうとらえて今後どう対応なさるのかということについてお尋ねしたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 谷岡委員、いじめ防止対策法案との関連性をもう少し分かるように説明していただけますか、質疑を。
○谷岡郁子君 私、関連の質問として今やっておりますが。
○委員長(丸山和也君) だから、どこが関連しているかということをもう少し……
○谷岡郁子君 ここを限定しないといけませんか。
○委員長(丸山和也君) もう少し明確にしていただいた方が答弁者も助かると思いますので。
○谷岡郁子君 規範意識という問題に関して申し上げますならば、やはりこの社会の規範意識、大人がやること、大人が規範意識を守らないときに子供たちが言われた影響は規範意識を守らないことも当然だと思っておりまして、そういうことから、やはり社会全体の規範意識の問題ということで、特に国がかかわる問題として取り上げております。
○委員長(丸山和也君) 誰に聞かれますか。 文部科学省の久保スポーツ・青少年局長、規範らしいですから。
○政府参考人(久保公人君) まず、学校における防災を担当いたします立場からお答え申し上げます。 東海村の教育委員会では、運動会当日の五月二十五日の午前六時半ごろに報道によって事故の発生を認識いたしまして、緊急に校長を交えて運動会開催の可否について検討を行いましたところ、報道によりますとJ—PARCの外部への放射能の漏出はないとされておりました。また、東海村の学校六校におきまして大至急校庭の線量を測定いたしました結果、通常と異なる値は検出されなかったということでございました。したがいまして、この点を含めまして、東海村の原子力安全対策課とも相談しました上で、予定どおり運動会を開催することとしたものと聞いております。 なお……
○委員長(丸山和也君) 時間ですので簡潔に。
○政府参考人(久保公人君) はい。 運動会の開催につきましては数人の保護者から学校に対して問合せがありましたけれども、事情を丁寧に説明して保護者の理解を得られたと聞いておりますので、今後とも担当部局とも連携をしっかり図っていただくように指導してまいりたいと思っております。
○委員長(丸山和也君) じゃ、よろしいですね。
○谷岡郁子君 はい。
○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○谷岡郁子君 私たちみどりの風は、いじめ防止対策推進法案に賛成の立場から討論いたします。 法案に賛成するのは、いじめを軽く受け止めがちな一般社会、学校現場に対し、国会の意思として、その根絶のための強い意思というものをはっきりと示す必要があるからと考えるからであります。また、複雑化し多様化するいじめに対して対応する必要性というものを国家的に考えなければならない時点に来ていると思うからであります。 他方、今現在でも学校現場は疲弊しています。精神的に疲労こんぱいして休職している教職員は年々増え、離職する者も後を絶ちません。これは、社会の学校すなわち教職員への要求が余りに大きく、これに比して与えられる資源は不足しており、慢性的に超多忙な状態が続いているからだと思われます。 教職員の多忙、時間の不足がいじめを初期に見逃してしまう大きな要因でもあり、早期発見に対応する機会を失わせてしまう原因ともなっています。事務的書類仕事、報告、会議などの雑務が増え、子供と過ごす時間が少なくなれば、いじめが見逃されるのは当然であります。本法案が求める計画を策定し、調査を行い、そして報告を作るということも、やはり学校現場に任されるということがその大部分であろうと思います。この現状をやはり大きく変えるということを必要としております。また、残業を余儀なくされて自らの子供のいじめにも気付かない教師たちが親として増えるということも我々は防がなければならないと思います。 政府におかれましては、予算を投じ、教員の事務負担の書類仕事、雑務、これを大幅に減少していただくということが最大のいじめ対策であるということをお考えになって、なお一層の努力をお願いしたいということをもって私の討論といたしたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 いじめ防止対策推進法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林久美子君。
○林久美子君 私は、ただいま可決されましたいじめ防止対策推進法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党及びみどりの風の各派並びに各派に属しない議員自見庄三郎君及び横峯良郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 いじめ防止対策推進法案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、いじめ問題の克服の重要性に鑑み、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、いじめには多様な態様があることに鑑み、本法の対象となるいじめに該当するか否かを判断するに当たり、「心身の苦痛を感じているもの」との要件が限定して解釈されることのないよう努めること。 二、いじめは学校種を問わず発生することから、専修学校など本法の対象とはならない学校種においても、それぞれの実情に応じて、いじめに対して適切な対策が講ぜられるよう努めること。 三、本法の運用に当たっては、いじめの被害者に寄り添った対策が講ぜられるよう留意するとともに、いじめ防止等について児童等の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意すること。 四、国がいじめ防止基本方針を策定するに当たっては、いじめ防止等の対策を実効的に行うようにするため、専門家等の意見を反映するよう留意するとともに、本法の施行状況について評価を行い、その結果及びいじめの情勢の推移等を踏まえ、適時適切の見直しその他必要な措置を講じること。 五、いじめの実態把握を行うに当たっては、必要に応じて質問票の使用や聴取り調査を行うこと等により、早期かつ効果的に発見できるよう留意すること。 六、本法に基づき設けられるいじめの防止等のための対策を担う附属機関その他の組織においては、適切にいじめの問題に対処する観点から、専門的な知識及び経験を有する第三者等の参加を図り、公平性・中立性が確保されるよう努めること。 七、いじめが起きた際の質問票を用いる等による調査の結果等について、いじめを受けた児童等の保護者と適切に共有されるよう、必要に応じて専門的な知識及び経験を有する者の意見を踏まえながら対応すること。 八、いじめには様々な要因があることに鑑み、第二十五条の運用に当たっては、懲戒を加える際にはこれまでどおり教育的配慮に十分に留意すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(丸山和也君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。
○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十四分散会