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183回国会参議院2013/05/28

文教科学委員会 第7号

発言数
121
登壇者
15
会派数
8
開催日
2013/05/28

会議録

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本委員会の委員は一名欠員となっておりましたが、去る二十四日、尾辻かな子君が委員に選任されました。  また、昨日、山本博司君が委員を辞任され、その補欠として竹谷とし子君が選任されました。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長合田隆史君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として東京電力株式会社代表執行役副社長内藤義博君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。  本法案の審議、この内容に入る前に、どうしても、先週二十三日にJ—PARCの方で起きました放射能漏れ事故について少しお聞きをさせていただきたいと思っています。  率直に申し上げまして、この事故の状況をお聞きをしたときに、原子力機構そのものがこのまま、現状のまま存続をしてよいのかというような率直に大きな疑問を持ちました。安全管理ができないようなこのような組織が存在をしていいはずがない、そのように思っています。  「もんじゅ」の大規模な点検漏れで、機構のトップの辞任といったことがつい先般あったばかりであります。そして、今回の事故。これは、ずさんというよりも、何というか、国民のためにこうした安全をきちんと管理をしていこうと、そういう重要性について、私は、思いをはせる気持ちも能力もないのではないかと、そのように言わざるを得ません。  所管をいたします文科省の責任は極めて重いと、そのように思いますけれども、大臣はこの件についてどれほどの問題意識をお持ちか、まず御見解をお伺いをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点はもっともだというふうに私も認識しております。  昨日、大臣政務官を現地に派遣をいたしまして、状況、そして地元自治体の皆様方からも御意見を伺ったところでございます。それを受けまして、今日、私を本部長として、原子力機構改革本部を文部科学省に設置することにいたしました。私を先頭に、今後早期に安全体制緊急総点検や原子力機構改革に着手し、施設の立地地域の住民や国民の皆様方の信頼回復に努めていくように省を挙げて取り組み、その結果については関係機関に指導を早期にしていく体制をつくってまいりたいと思います。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。  このJ—PARC、私も文教委員を長く、長くというか、初当選以来させていただいていて、これ九年の歳月を掛けて造られて、そして稼働して四年ですかね、ということになろうかと思います。ある意味で日本の誇る世界的な研究拠点になり得る、今後、そのような施設だというふうに認識をしていまして、今回のこういう事故でそのことに何というかマイナスのイメージが付いてしまうのが非常に私はつらい思いがしております。是非、今大臣もおっしゃいましたけれども、きちっとした組織、できれば外部の方も含めて時期を定めての安全点検、総点検、再構築というものを是非お願いをしたいというように思っています。  放射性物質を扱う研究施設というのはここ以外にも多々あるわけでございますので、それぞれ事故への対応は万全なのか、機構の考えている万全というのと私たちの考えている万全というのが若干レベルが違うのかもしれませんので、そのことも含めて、備えを徹底的に確認をしていただきたい、このことを改めてお願いをさせていただきたいと思います。  さて、今回の法案について議論をさせていただきたいと思います。  あの原発事故から二年と三か月が経過をいたしました。放出をされました大量の放射能、この汚染によって、いまだに故郷から遠く離れた場所で家族もばらばらで不自由と不安の中で暮らしを営んでいるという方が大勢いらっしゃるのは周知のとおりであります。生活や仕事の場を奪われたままの多くの方々、また子供たちに至っては、外で遊ぶことさえもままならない、そんな子供たちがたくさんいます。被災前に行っていた例えば習い事ももうできないと、そんな声、もう本当に子供たちの切実な声、被災地での活動を通じて様々お聞きをしてまいりました。多くの親御さんたちは将来にわたる我が子への放射能の影響について大変心を痛めていると、そういう状況もございます。  東日本大震災、いわゆる津波あるいは地震からの復旧復興、これまだまだ課題は多いのでありますけれども、この原発事故の放射能被害というのは、私は、平面的な広がりも解決に要する時間的な問題も含めて、ほかの震災とか津波の被害とは全く性質が違うと、そのような認識をすべきではないかなと思っています。  まず、ちょっと細かなことからお尋ねをしたいと思いますけれども、今回の原発事故によっていわゆる被害を受けた方々というのは何人と想定をされていらっしゃって、賠償すべき損害総額というのはどれぐらいに上るのか、関係の省庁の方でお答えをいただきたいと思います。

糟谷敏秀資源エネルギー庁電力・ガス事業部長

○政府参考人(糟谷敏秀君) これからまだ被害を認定されるケース、またこれから御請求される方々いらっしゃいますので、具体的な人数又は賠償額ということを現在申し上げるわけにはいかないわけでありますけれども、これまでに賠償金をお支払いした方について申し上げますと、個人については、まず第一に、避難指示等対象区域において約十六万人、それから自主的避難等対象区域等において約百六十一万人の方にお支払いをいたしております。また、これ以外に、請求書を受領している事業者の方、一万一千七百事業者いらっしゃいます。これまでに支払った賠償額でございますが、個人、法人含めて総額約二・三兆円でございます。  今後の見通しについては先ほどのとおりでございますけれども、今年の二月四日に政府が認定いたしました東京電力の総合特別事業計画におきましては、当面の賠償見通しに基づく賠償支援額として約三・二兆円という数字を記載をしておるところでございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 今ございましたけれども、東電による特別事業計画なんかを見ても、去年の二月三日の時点で賠償総額を一兆七千億円というように推計をしていらっしゃる、それが最新版を見ると三兆二千四百三十億と、今お話のあったとおりであります。東電に関する経営・財務調査委員会の報告、これちょっと古い資料になりますけれども、これを見ますと四兆五千億円という推計も実はなされている。  私、何が申し上げたいかというと、現在、この賠償の支払済み分、これは、避難期間の見通しもあるいは賠償の全体像も全く見通しが付かない段階での仮払金など、ごく一部の私は部分的な賠償にすぎないというように思っています。  つまりは、今回のこの被害額、総額というのは後々どこまで膨らんでいくのか、現状においては認識をすることがやっぱりできない。これ、風評被害あるいはこれから本格化するでありましょう不動産の賠償、こういったものもほとんどまだ含まれていないということだと思います。これを今おっしゃったような形で試算をするということなんですけれども、これはあくまで事業者側の極めて低い基準でありますとか審議会の中間指針による基準額しかないという状況でございますから、これ被害者側が納得するような完全賠償には私は程遠い、今のいろいろ出てきた数字なのではないかと思っています。  繰り返しになりますけれども、現状においては現実的な賠償額を見積もる段階にないということであろうと思います。こういった状況の中で、この時効の在り方、消滅時効の在り方、これを議論すること自体が私はいかがなものかと率直に思っております。  こういう状況を前提としつつでありますけれども、この原賠法において、事業者である東京電力の方に、これは過失があろうとなかろうとです、賠償の無限責任をこの法律負わせているということだと思います。また、この被害に対する賠償が完全に行われていくように国が援助をする、そのためにつくられたのがこの原子力損害賠償機構だというように私自身は認識をしております。  こうした仕組みを見ていきますと、一人の被害者も救済、賠償から漏れるというようなことがあってはならないということが前提となっている仕組みだというように私は認識をしておりますが、そうした認識で間違いがないか、いま一度確認をさせていただきたいと思います。

糟谷敏秀資源エネルギー庁電力・ガス事業部長

○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の原子力事故で損害を受けられた方、一人一人の方、全ての方が適切に賠償されるべきであるというふうに考えております。御指摘のとおりだと考えております。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。  御指摘のとおりだということでありますから、一人も漏れることなく、被害者は最終的にはきちんとした被害に応じた賠償を受けることができるということを今図らずも明言をしていただいたんだというように思います。  そこで、ちょっと、これも数字的なものをいま一度確認をしたいと思います。賠償金額等は先ほどお伺いをしたところでありますけれども、この二年三か月たった現時点において、仮払いではなくて賠償の本手続に入った方々、これは件数ではなく人数で、どれぐらいの方がこの賠償の本手続に入っていらっしゃるのか、ちょっとお知らせをいただけませんでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) お答えさせていただきますが、まずその前におわびを申し上げたいと思います。  震災から二年と二か月を過ぎた今もまだまだたくさんの方が避難生活をされておられます。大変御不自由、御不便をお掛けしております。このことに関しまして、まず心からおわびを申し上げたいと思います。申し訳ございません。また、福島県を始め広く社会の皆様にも原子力発電に対する大変な御心配、御不安をお掛けしております。このことに関しましても深くおわびを申し上げます。  今、本払いの皆様の人数についてお尋ねがございました。私ども、既に仮払いということで十六万六千人の方にお支払いをさせていただいております。このうち仮払いから本払いに、本賠償の方に移っていただいた方、五月二十四日現在で十五万四千人、約九三%の方から御請求をいただいております。  以上でございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 分かりました。  それでは、もう少し今の状況を確認をしたいと思っています。  避難指示区域に住んでいらっしゃった住民に対して東京電力さんの方でダイレクトメールを送られたと。これによって債務の確認を行い、仮払いを実行していると。仮払いを請求をしたのだけれども、本賠償に対する、今本賠償に九三%の方が請求をしているということでありますけれども、ということは七%の方についてはアクションを現状全く何も起こしていないというような認識をすればよろしいのでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) この十六万六千人と十五万四千人の差、約一万二千人の方たちがまだ全く請求をしていただいていないという状況でございます。この方たちにおかれましては、私どもといたしますと、様々なメディアを活用した広報、例えば新聞に、こういう賠償が始まりますとか、そういう活動を続けておりますし、あるいは被災地における戸別訪問、あるいは被災地避難住宅での説明会等々で少しでも多くの方に御請求をいただくような活動を続けております。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 済みません、ちょっと、もう一度今の関連でお聞きをしますけれども、ダイレクトメールを送ったのに返送されてしまったと、戻ってきてしまったり、あるいは何の回答も返答もない方というのは、今おっしゃられた数字の中あるいは対応の中に入っているということでよろしいんでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) ダイレクトメールをお送りしている方たちは仮払いをさせていただいた方たちでございます。この方たちからダイレクトメールが返送されてくるというのはもう極めてまれなケースであると考えております。これは仮払いをさせていただいた方たちでございまして、元々仮払い請求もいただいていないという方たちが存在するということは認識しておりますけれども、この方たちが何人いらっしゃるか、これについては私どもとしても把握できていない状況でございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 仮払い請求に至っていないいわゆる被害者の方々が何人いらっしゃるか東京電力さんとしては認識を今していないというようなことでありました。  もう一点、これ今おっしゃられたような方々の分類に入るのかもしれませんけれども、被災当時そこに住所はあったけれども住民登録がなかったという方については現状どのような扱いに、あるいはどのような対応をしていただいているのでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 被災当時お住まいであり、なおかつ住民登録をされていないという方たち、この方たちにつきましては、御請求があれば個別の御事情をしっかりお伺いして、相当因果関係のある賠償につきましては賠償をさせていただいております。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 請求があればそのような対応をということでありますけれども、冒頭申し上げましたけれども、未曽有のこのような大災害で日常の生活もままならないという方々が大勢いらっしゃる中で、本当に被害者の側からの、この法案の趣旨そのものにもかかわることでありますけれども、何らかの働きかけなり申出が全ての前提となるということについていかがなものかと。やっぱりどうしてもそこのところを思わざるを得ません。  私、今回のこの損害賠償、交通事故などの損害賠償とはもう全く違うわけです。誰にとっても未経験なこの種の損害賠償請求、これを、今僕が申し上げたこととかかわるかもしれませんけれども、被害者、被害者というのは多くは避難生活者でありますけれども、こういった方々の立場に立ってスムースにその悩みを解決をしていく、あるいはその請求をスムースに行っていく、そのために設置をされたのがいわゆる原子力損害賠償紛争解決センター、ADRセンターであるわけであります。  今回の法案は、今おっしゃられたように、基本的にDMを送るなどをして債務を認識した被害者であって、なおかつ、なおかつですよ、このADRセンターに申立てをした被害者のケース、こういったものを前提として消滅時効の特例を設けようというようなことでありますから、やっぱりこの前提となる、設置をされて一年数か月がたつこのセンターの役割というのはこの法律一つを取ってみても大変大きいと言えるのではないかと思います。  この紛争解決センターに申立てをした被害者の人数というのをもう一度、ちょっと現状を最新の数字でお知らせをいただけませんでしょうか。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この原子力損害賠償紛争解決センターへの申立ての状況でございますけれども、昨日、五月二十七日の最新の時点におきまして、件数では六千五百三十一件でございますが、この各件数ごとに複数の申立人の方々が掛かっておられまして、人数にいたしますと、今の時点では一万七千七百四十五名の方からお申立てをいただいているという状況でございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 これも大きな問題だと思いますね。今、六千数百件ということで、人数でいうと一万七千七百数十名ということであります。これ、先ほども若干ありましたけれども、東京電力さんの福島原子力補償相談室、こちらの方に請求が行っているのが百八十万以上ですね、あったかと思います。そして、このADRセンターの方には今のお話で六千件と少しと。百八十万と六千件ですから、もう比較をする状況にもないというふうに思っています。  どうしてこのような状況が生まれている、要するに、このADRセンターへの申立て自体が十分な数に至っていないということになっているのか、どのように認識をされているのか、お聞かせをいただけますでしょうか。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この原子力損害賠償紛争解決センターの役割でございますが、これは被害者の方々と東京電力が直接お話合いをしていただいた中で、結局東京電力の方から十分な賠償ということではないというふうに被害者の方々がお感じになって、そういった紛争事案といいますか、そういった場合に和解仲介の申立てを行うというのが紛争解決センターでございます。  そういうことで、潜在的に、何と申し上げましょうか、紛争状態になる事案自体の母数が大体全体の賠償件数の中でどれくらいになるのかということにつきましては、なかなか定量的な把握というのはちょっと難しいというのが実情でございまして、そういう潜在的な事案に対してどの程度紛争解決センターにお申立てをいただいているのかということにつきましての評価というのはなかなかちょっと難しい点がございます。  ただ、現実の問題といたしまして、この申立ての状況のこれまでの例えば月間の申立ての推移等を見ますと、実は昨年の三月から七月にかけましては大体月間で四百件台、一番これまで多かった件数といたしましては昨年の五月に四百八十件に上るお申立てをいただいていた時期もございました。ところが、最近になりましてこの申立ての件数は今減少傾向に実はなっておりまして、今年の四月では月間大体三百四十件程度のお申立てをいただいているということでございます。  こういったお申立てをいただいている件数の減少と、それからあと、センターへのいろんな電話による被害者の方々からのお問合せの状況から、この件数の減少の傾向についてセンターの側でも一定の分析をしておりまして、そういった分析の中では、やはり当初、平均の審理期間を三か月程度というふうに申し上げておりましたけれども、実際には八か月ということで、長くなってしまうということで、申し立てても果たして短期間にその賠償金を実際に受領することができるかどうかといったような点。  それからさらに、センターにお申立てをいただいた方々につきまして、これ大変ちょっと残念なことでございますけれども、東京電力への、例えば東京電力の側におきまして、センターに申立てしていただいている方については、直接請求については一旦打ち切るといいますか、そういったようなことがある、あるいはその請求書等については送らないと、そういったようなお声も実は寄せられております。そういったことが、場合によっては被害を受けた方々がそのお申立てをもうためらう一因となっているのではないかというふうに私どもも一部分析をいたしておりまして、こういった東京電力の対応につきましては、改めて誠意のある対応をということで既に要請をいたしております。  それからあと、そのお申立ての期間につきまして、長期間になってしまっているということにつきましては、今、体制強化をいたしまして、できるだけ審理期間を短くする方向で努力をするといったことで、できるだけこのセンターの利用といったものを促進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 今局長からもるるありましたけれども、このセンターの利用そのものがやっぱり被害者にとって何かこうちゅうちょをさせるような要因が、今おっしゃられたこと以外にも、いろいろあるんではないかというように思います。  日弁連さん始め、行政書士さん、あるいは司法書士さん、こういった方々、多くの皆さんが被害者の賠償にかかわる相談や代理の業務、お手伝いをしていただいています。こうした方々からいろいろ聞き取りをさせていただきますと、東電さんの対応はちょっとおいておいて、この原子力損害賠償紛争解決センター自体の対応が極めて不適切ではないかという指摘が実は多々なされているんです。  そのうちの一つは、今まさに局長がおっしゃったように、和解案提示に最初は三か月とおっしゃっていたのが、蓋を開けてみると八か月も掛かっているということがまず一つあります。  それから、この審査会の賠償指針そのものを細かく見ていくと、損害賠償基準としてやっぱり極めて不十分ではないかなと、低いのではないかというような指摘もあります。  ちょっと例を挙げますと、避難に伴う精神的な損害ということで、生活費増加分も含めて一律月額十万円というものが示されていますけれども、これは自動車の自賠責保険の補償額、こういったものを参考に、それより低い額が設定をされているのではないかと認識をしていますし、不動産賠償額は固定資産税評価額の一・四三倍ということになっています。この額で本当に、事故前と同程度の家を取得をするということが本当に可能なんでしょうか。  それから、これはちょっと本当にちっちゃな話でもないとは僕は思うんですけど、ペットの損失。本当にかわいがっていたペットが置き去りになり、そしてもう命を失ってということが起こっているんですけれども、このペットの扱いなんかもちょっと調べてみますと、家財扱いで五万円程度という評価なんですね。僕も犬飼っています、愛犬家ですから。彼がこの状況の中で命を分かっていて落とさざるを得ないような状況になったときのその損失の費用が五万円。これは、やっぱり被害者でなくてもおかしいと思うんではないかなと。三十万円以上掛かったペット、購入のときにですね、それについては領収書を出してくれれば賠償しましょうということですから、うちの犬は三十万円もしませんでしたけれども、これ、買ったときの領収書なんて持っていらっしゃいますか、皆さん。  こういったこともやっぱり、いろいろこの指針自体も随時見直しはされているんですけれども、極めて現状においては不十分ではないかと思っています。  それから、仲介の委員の方々には大変恐縮ですけれども、被害者側に大変過度な書類の請求をする、あるいは証拠の要求をするということもお声としていただいていますし、どちらかというと事業者寄りの姿勢が目立つというお声もいただいています。被害者の口頭審理、これは東京のみで例外的にしか行わない、こういったこともあります。それから、先ほどもありましたけれども、内払和解、部分和解の拒否、あるいは直接請求との併用の拒絶、こういったことも指摘をされているわけであります。  本当にこのADRセンターに駆け込めば被害者の立場に立って納得のいくような形で和解へと導いてくれるのか、このようなことに疑問があるからこそ、先ほどあったように、センター利用を被害者がちゅうちょをする、そのような状況が生まれているのではないかと思います。改めてこのことについての文科省の認識と今後の改善の方針をお聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず一つ、文部科学省は、今年の三月五日、東京電力に対して、事故の被害を受けた方に対する誠意ある対応を徹底するよう改めて要請をいたしました。この要請を受けた対応として、四月十五日に東京電力より、本年一月に福島復興本社を設立し、被害者の個別の事情を賠償に適切に反映できる体制としたことや、更なる改善に向けて社内の賠償業務担当者に対し要請内容の周知と誠意ある対応の徹底を改めて指示したということなどが報告を受けております。  文部科学省としては、こうした取組が十分に機能し、被害を受けた方が誠意のある対応を受け、迅速、円滑な賠償が進められるよう、今後も引き続き賠償の現場を注視していきたいと考えております。  また、センターにおいては、処理期間の短縮等のため、調査官の増員を始めとする体制強化や手続の簡素化を図るほか、福島県内に五か所の事務所、支所を設置するなどによりまして、できるだけ被害を受けた方々に寄り添った対応を行うように努めているところでございます。  私も、国会の日程が許されれば、できるだけ早くこのことに関して福島の現地を回りまして、被害を受けた方々等からもこのような観点からどんな思いを持っておられるか、直接できるだけ早めにお聞きしたいというふうに思っております。  引き続き、センターの体制強化によりまして処理期間の短縮を図るなど、今後ともセンターが事故の被害を受けた方のために活用され、迅速、公平、適正な賠償が実現するように努めてまいります。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。  今回のこの法案については、事故発生から三年が経過をする来年の三月十一日、この時点で消滅時効が完成する可能性があるということを認めつつ、紛争解決センターの申立て者を対象としてこの時効中断の特例を設けるということであります。この中身を見ていくと、今回の法案はこのADRセンターの利用促進には確かにつながるかもしれないですね。先ほど大臣がるるおっしゃられたような改善点をもちろん前提としつつであると思いますけれども、そういった点での意義は私も認めたいと思っています。  時効問題その他の膨大な被害者の請求権に対しては、法的には相変わらず三年間という消滅時効の可能性が残っているわけです、この法律が成立をした後も。もう一つ、被害発生から二十年たつと請求権そのものがなくなってしまう除斥期間の問題もこの法律の中では解決をされていないんですね。このような状況の中で、繰り返しになりますけれども、ADRセンターの申立て者のみを対象としてこの時効中断の特例を設けるというこの法案になったことの意味合い、意義ですね、この理由をちょっともう一度お聞かせをいただけませんか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解の仲介は、東京電力との直接交渉がまとまらない場合等に損害賠償の円滑かつ適切な実施を図るために行っているものでございまして、被害者の方々にこれを活用していただくことが重要であるというふうに認識をしております。  この観点から、より迅速な処理を行うための業務運用の改善や人員増強等の体制強化に取り組んでいるものの、センターにおける和解の仲介については、平成二十四年までに申立てがあった案件は終結までに約八か月を要しているというところでもございます。  この法案は、このような現状のほか、被害者の方々が、御指摘のように、来年三月十一日に時効が到来する、そういうことを懸念をする可能性がある等の状況を踏まえまして、被害者が和解の仲介の途中で時効期間が経過することを懸念してセンターの利用をちゅうちょすることのないように、緊急に必要な措置ということで特例を設けるものでございます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 大臣に、是非、今の御答弁を受けて改めてお願いをさせていただきたいと思います。  特例的な措置ということでありますけれども、現実として、私この質問の冒頭でお聞きをしましたけれども、一人の被害者であっても必要な賠償をきちんと受けることができるというようなことが全ての前提であるということでありますから、私は、この時効問題に関しての包括的な立法、こういったものを是非検討をしていただきたいと思います。  今回のこの法案については、意義は認めます。しかし、あくまでも部分的、一時的な私はものであって、この法的な措置は消滅時効が完成する可能性のある来年の三月の十一日、少なくとも平成二十五年度中に行われていく必要がやっぱりどうしてもあるんではないかという、改めて今の御答弁をお聞きをして、また、様々な被害者の状況をお聞きをする中で、そういう必要があるんではないか、立法措置の必要があるんではないかと思います。  是非、大臣、このことをお願いをしたいと思いますが、現段階での大臣の御見解はいかがでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、自己責任でないことで被害を被った方々でありますから、被害を被った方々全てに対してきちっとした措置をとるということは、これは国として当然あるべき形であるというふうに思います。  和解仲介の申立てを行っていない方々を含む被害者の方々について、文部科学省としては、東京電力に対し損害賠償請求権の消滅時効について柔軟な対応を行うよう要請をしております。これを受け東京電力は総合特別事業計画を改定し、事故発生時ではなく東電が請求受付を開始したときから三年間請求を受け付ける、また、被害者が請求書類又はダイレクトメールを受領した時点から三年間請求権を受け付けるなど、表明をしているというふうに承知をしております。さらに、文部科学省は東京電力に対し、損害賠償請求をされていない被害者をきめ細かく把握することに努めるなどの丁寧な対応をするよう求めているところでもございます。  今委員から御指摘がございましたが、今後、まずは国の要請に対する東京電力の取組と、また、請求をされていない被害者の方々の実情をよく見極めた上で、また、国会議論等も踏まえながら、関係省庁とも連携し、必要な対応を検討してまいりたいと存じます。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 もう少し前向きなというか、積極的な御答弁いただければ有り難いなと思いますけれども。  大臣は、衆議院の文部科学委員会での審議の中で、この今回、私が今申し上げた、包括的に損害賠償権を行使できる期間を延長するというこの立法について、適切な賠償の迅速かつ円滑な実施の観点から検討していきたいというお話をする中で、しかし、メリット、デメリットがあるんだというようなことを御発言をされています。私、このデメリットというのが一体何を指していらっしゃるのか、にわかには私には理解をしづらいんですけれども、大臣、この御発言の中のデメリットというのは一体何を想定をして言われているんですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 民法で規定された時効期間を延長したり時効を撤廃した場合の御指摘のデメリットとしては、例えば、被害者、加害者双方にとって、責任や損害の額などを明確にするために必要な書類の散逸により紛争解決が困難となったり、早期解決に向けたインセンティブが損なわれるなど、紛争解決が逆に長引いてしまうのではないかということが考えられます。他方で、被害者の中には民法が規定する時効期間内に損害請求することが困難な事情を抱えている方もいる可能性もあるということもありますので、こうした事情を踏まえつつ、今後とも、各省庁とも連携しつつ検討していくことが必要ではないかと現時点で考えております。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 繰り返しになりますけれども、年度中にそのような検討を是非し、新たな立法措置をということで、是非前向きにお取り組みをいただきたいと思います。  東京電力さんにお伺いをしたいと思いますけれども、仮にこの時効が完成をした後の賠償について、この件についても衆議院の委員会でも御答弁を幾度かされていらっしゃいます。これは私の認識でありますけれども、一律に賠償請求を断るということは考えていない、また、請求者の個別事情を踏まえて消滅時効に関しては柔軟な対応を行うということをこれまでも表明をされていますけれども、こういった姿勢で間違いはないでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 今おっしゃったとおりでございまして、私どもの今回賠償に関する基本方針は、被害を受けられた方たちが時効の完成によって適正な賠償を受けられなくなるということがあってはならないというのをスタートにしております。時効完成後であろうと、各被害者の皆さんの個々の御事情をお伺いして、適正な賠償をしていきたいと考えております。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 私は、東京電力さんの誠意あるお考えに基づく今の御発言だというように認識をしますけれども、ただ、今のお話あるいはこれまでの御答弁の読み方を逆さに見ると、逆さに見るとですよ、東京電力さんのいわゆる解釈、運用、判断でいかようにもある意味で決めることができると、ややもすると被害者が大変不安定な立場に置かれる、そのようなことも想定をされるわけです。  今のこの文面だけで見ても、一律に賠償請求を断ることは考えていないと、一律にであります。それから、消滅時効に関しては柔軟な、個別事情を踏まえ柔軟な対応を行うということですから、これ、あくまで話合いではなくて、例えば裁判になった、うまく調整がいかなくて裁判になるような場合に、この消滅時効のことを盾に、裁判そのものでもう争うことができない、時効の完成をもって請求権そのものが消滅することはこれは明らかなわけですから、そのような請求権そのものが消滅するという状況は残るわけでありますから、その時点で本当に被害者の方が不安定な立場に置かれてしまうんではないかという危惧はどうしても、どうしても持たざるを得ないわけであります。  そもそも時効というものの考え方は、与えられた権利を行使しない者にはもうその権利は認めないということ、そういう考えに、保護しないという考えに基づいているわけでありまして、これも繰り返しになりますが、被災者については家もなく生活そのものも通常でない、また今後の見通しも持てないという、そういう中での今、日々を、日常を送っていらっしゃるわけでありますから、こういったことに一律に当てはめていくというのはやはり問題があろうというように思います。  いま一度、東京電力さんに誠意ある御答弁をいただきたいと思いますけれども、私が今申し上げたように、あるいは冒頭からお話をさせていただいているように、被害者の損害賠償、賠償については一律にとか個別事情を踏まえということではなくて、基本的に必要な全ての方に対応していくということでよろしいでしょうか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 先ほども申し上げましたように、この賠償に関しましては私ども本当に心から申し訳ないと思っておりまして、時効の完成後であっても適切な賠償が受けられない状況というのはもう本当に心からあってはならないと思っております。これを基本に置きながら賠償をやってまいります。  個々の御事情につきましては、やはり様々な賠償の類型がございます、その類型の中で、御事情をお伺いし、時効の完成をもって打ち切るというようなことがないように私ども誠意を持って対応していきたいと思います。よろしく御理解をお願いしたいと思います。

斎藤嘉隆民主党・新緑風会

○斎藤嘉隆君 時効の完成をもって打ち切るということがないようにしていくということでありますから、もうとにかくその点を前提に、そのスタンスで是非お願いをしたいと。そこに至るまでの、これも繰り返しになりますけれども、本当に被害者の立場に立ったそのような対応を是非これは政府にも、また東京電力さんにも改めてお願いを申し上げたいと思っています。  ほかにも、ちょっと時間がないので御答弁は結構ですけれども、この原発事故で私は特に、これは文教科学委員会ですから、子供たちへの影響というのを本当に懸念をしています。もう既に様々な身体的な影響が現れているというような指摘も実はされていますし、二十年、三十年、チェルノブイリの例を見ても、非常に長いスパンの中でこれから被害というものが表出をしてくるということも十分考えられるわけでありますから、こういった点も含めて、先ほどから申し上げているような立法措置、こういったものについて是非前向きに御検討をいただきたい。  今回のこの法案については賛同するということを前提にそのことをお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございます。     ─────────────

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、橋本聖子君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君が選任されました。     ─────────────

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 おはようございます。自由民主党の石井浩郎でございます。  まず、下村大臣始め副大臣、政務官におかれましては、日々文部科学行政に御尽力いただいております。感謝を申し上げます。また、私の地元秋田県でも、多くの方が安倍政権の最重要課題の一つであります教育の再生に大変大きな期待を寄せているところであります。引き続き、教育の再生に向けて御尽力いただきたいと思います。  それでは、質問に入らさせていただきます。  東日本大震災が発生いたしましてから二年と二か月以上が経過いたしましたが、いまだに多くの被災者の方が不便な避難生活を続けられており、まだまだ事態が収束したとは言えない状態が続いております。一刻も早い被災地の復興に向けて、政府が一丸となって取組を進めていく必要があると考えております。  その中でも、損害賠償は生活再建の大前提でありまして、損害賠償に関する紛争の早期解決が極めて重要な課題だと思っております。しかしながら、現在でも膨大な件数の損害賠償が続いておりまして、より迅速で丁寧な賠償の対応が行われること、そして、民法で定められている三年の消滅時効を気にすることなく賠償が実現されることを求める被害者の方々の期待が大きいことも確かであります。  原子力損害賠償は、もとより東京電力が事業者として責任を持って取り組むことが前提でありますが、政府においても、迅速、公平かつ適切な賠償が実現されるよう全力で取り組むべき課題と考えております。本日は政府提出法案の審議が議題でありますけれども、こうした被害者の方々の期待にこたえられるような答弁をお願いしたいと思います。  まずは、ADRについて伺いたいと思います。  原子力損害賠償に関する紛争を早期に解決するための活動として、文科省は平成二十三年九月に、原子力損害賠償紛争解決センター、いわゆるADRセンターを設置し、被害者と東京電力の和解の仲介を実施していると承知しております。  このADRセンターが損害賠償の紛争解決にどのように役立っているのか、和解の実例を挙げて御説明いただきたいと思います。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この原子力損害賠償紛争解決センターでございますが、先ほど来から御議論になっておりますように、東京電力と被害者の方々が直接請求の場においていろんなお話合いをなされるということでございますが、現状におきましては、被害者の方々のその個別の事情に応じました賠償額の増額といったようなことにつきましては、残念ながら、東京電力におきましてはなかなかうまく進捗していないといったような実情もございます。そういったような場合、あるいは、そもそも、残念ながら東京電力に対しまして被害者の方々が持っておられる不信感といいますか、直接なかなか東京電力とのお話合いをなされない、したくないといったような方々もいらっしゃいまして、そういったような方々がこの紛争解決センターの方にいろんなお申出をいただくということでございます。  このセンターにおきましては、調査官と呼ばれております弁護士が被害者の方々の個別の事情を直接お伺いをしながら請求の内容をまとめ上げまして、これまでの実例あるいは基準等に基づきまして和解案の仲介に向けていろいろ努力をしているということでございますが、これまでセンターにお申立てをいただいた件数六千五百三十一件のうち、二千七百八十六件が全部和解ということで成立をいたしております。さらには、今、現在センターから提示中の全部和解案がほかに三百八十件ございまして、これが、東京電力あるいは被害者側の同意を待っている状態の和解案があるということでございまして、大体、全体のあれから申し上げますと半分程度がその全部和解の今方向に向かっているということでございます。  それで、今御指摘いただきました具体的な和解の実例ということでございますが、やはり一番申立てで今件数が多うございますのは精神的損害につきましての増額のケースでございます。  例えば二例ほど申し上げますと、まず一つ目といたしましては、元々要介護者であられた娘さんと、それから、一旦避難所に避難をされて、そういった中で御心労からさらに要介護状態となってしまった母親の方、その娘さんと母親の方二人を介護をしながら避難生活を送っておられると、そういった方々につきましては、当然のこととして、慰謝料の増額といったものを認めているといったような実例がございます。  さらに、事故前からの精神疾患が避難生活によりまして悪化をしたと、そういったような場合につきましても慰謝料の増額が認められているということでございまして、特に慰謝料の関係につきましてはどういったケースについて当然その増額があり得べしということを総括基準を策定をいたしまして、それも公表し、あるいは東京電力の方にもお示しをしているということでございまして、今後このセンターが、個別の事情に応じまして、こういう従来の、これまでの和解、賠償基準の増額が必要だと思われるものにつきまして、東京電力の側におきましても柔軟に対応していただきたいというふうに私どもとしては考えている次第でございます。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございました。  ただいま御紹介のあった事例のように、ADRセンターは、これまで、様々なケースについて被害者の声をしっかりと受け止め、一般的な指針や基準だけでは酌み取れないような事情を踏まえて公正な賠償を実現するなど、紛争の解決に大きな役割を果たしていると評価しております。ただし、一々ADRに申し立てなければこうしたきめの細かい賠償が実現されないというのでは、被害者の方々にとっては負担となりますし、解決まで時間を要することとなってしまうと思われます。  ADRセンターの和解実例の中には、和解仲介の申立てをした個々の被害者だけでなく、同じような事情を抱えているその他の被害者の賠償にも当てはまるようなケースもあると思います。せっかくADRが積み重ねてきているこうした貴重な成果があるわけですから、これをADR以外の賠償の現場でももっとうまく活用していくことができれば、一般的な指針や基準だけでは酌み取れないような事情を踏まえた賠償をより簡便に実現することに役立つのではないかと思っております。  そこで、文科省にお尋ねいたします。  これまでのADRの活動の成果を活用して賠償がより簡便に行われるようにするため、文科省はどのように取り組んでいるのか、伺います。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) 先ほど一部申し上げましたが、この原子力損害賠償紛争解決センターにおきましては、これまでの和解仲介の実績に基づきまして、個別の申立て事件につきまして迅速かつ効果的に和解案を作成するための基準を総括基準という形で作成をし、これまで十四本、それを策定、公表し、東京電力の方にもお示しをいたしております。  それから、和解に至った案件につきまして、和解実例といたしまして先ほど二千何百件か和解があるというふうに申し上げましたけれども、そのうち四百件につきましては公開をいたしております。さらに、その中身につきましても若干分析したようなものを取りまとめてお示しをしているということでございまして、今後、こういったものも活用していただきまして、できるだけ個別の事情に応じました柔軟な対応を東京電力の方にも求めていきたいというふうに考えている次第でございます。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 ありがとうございます。  文科省は、当事者間の早期の賠償に資するよう総括基準や和解事例の公表を行っているとのことであります。東京電力は、自らの賠償基準にとらわれることなく被害者の個別事情に応じて柔軟に賠償に応じることが重要であり、ADRでの話合いの成果を真摯に受け止め、丁寧な対応を行うことが求められるのではないでしょうか。  そこで、東京電力にお尋ねいたします。  東京電力は、これらの総括基準や先例を踏まえて迅速な賠償を行っているのでしょうか。東京電力として、迅速な賠償に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) お答えいたします。  当社は賠償に当たりまして五つのお約束というのを掲げて全員取り組んでおります。その中の一つ、三つ目になりますけれども、和解仲介案の尊重というのがございます。  私どもといたしましては、紛争解決センターからの和解案、これにつきましては当初から尊重して対応してきております。そうした中から個別に様々な事例が出てまいりまして、総括基準あるいは紛争解決センターにおける和解案、こうしたものを私どもといたしますと自らの査定業務といいましょうか計算の業務に生かす、あるいは賠償の協議に生かす、こうしたことで、私どもの賠償基準の検討にもこうしたものを参考にさせていただいております。  引き続きまして、被害を受けられた多数の皆様が迅速に賠償を受けられるように、私どもといたしまして全力を挙げて取り組んでまいります。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 先ほども申し上げましたが、東京電力は、自らの賠償基準にとらわれることなく、しっかりとした対応をしていただきたいと思っております。  次に、政府から提出された法律案についてお尋ねいたします。  本法案は、ADRセンターで和解仲介手続を実施中に時効を経過してしまった場合でもその後裁判で争えるようにすることで、被害者の方々の時効に対する不安を払拭し、より安心してADRセンターの和解仲介を利用してもらえるようにするための法案であると理解をしております。  現在、センターへの申立てが多数に上り、その処理に平均して約八か月を要していることを考えれば、本法案により被害者が時効の到来を心配することなくADRセンターの和解仲介を利用できるようにするための対応は必要不可欠であり、被害者救済の観点から大きな前進であると評価したいと思います。  ただし、本法案の内容を見ますと、被害者が和解仲介の打切りの通知を受け取ってから一か月以内に訴えを提起した場合には、和解の仲介の申立てのときに訴えの提起があったこととみなすとあります。つまり、被害者は、和解仲介が打ち切られると、一か月以内に裁判所に訴えの提起をする必要があるということであります。被害者が裁判で争う機会を確保することは重要なことでありますが、一般的な被害者にとって裁判所に訴えを提起するということは容易なことではないと思っております。  被害者救済の観点からは、和解仲介の打切り通知を受けてから一か月以内に訴えを提起することを時効中断の要件にすることについて運用面での十分な配慮が必要になると思いますが、文科省の御見解をお聞かせください。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この一か月以内の訴訟の提起という点でございますが、一般的に、原子力損害賠償紛争審査会、このセンターが行う和解仲介手続を利用していただく過程の中におきまして訴えの提起にかかわる基本的な争点等が整理されているものと考えられるといったようなこと、あるいは実際のほかの法律の例の場合におきましても打切り一か月以内に裁判所に訴えを提起する旨を規定しているといったようなことから、本法案におきましても一か月ということの期限を定めさせていただいているところでございます。  しかしながら、実際の運用に当たりましては、そもそも今回のこの趣旨でございますが、和解仲介後に訴訟提起を可能とするというのがそもそもこの法案の趣旨ということでございまして、その運用につきましてはできるだけ弾力的にやっていくということであろうかというふうに私どもとしても思っております。  具体的に申し上げますと、仮に仲介、和解を打ち切るといったような事態に至った場合におきましては、それに至るまでの間、原子力損害賠償紛争解決センターにおきましてできるだけ被害者の方々に丁寧な対応を行うといったようなこと、それから、例えば正式に打ち切る前にあらかじめ打切りの見込みがあるということをある程度の余裕を持って申立人の方々にお伝えをすると、そういったようなことから、できるだけ柔軟な対応、あるいは被害者の方々の実情に十分配慮した柔軟な対応ということに今後心掛けてまいりたいというふうに存じております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 この規定によって被害者が困ることがないように、ADRセンターの和解仲介手続におきましては被害者の実情に十分配慮していただきますよう、お願いいたします。  また、民法で定められた時効に対する不安を抱えておられるのは、ADRセンターに申立てをしている方々だけではありません。いまだ東京電力に賠償請求をされておらず、ADRセンターへの和解仲介申立てや裁判所への訴訟提起もされていないような方も存在するはずであり、そのような方々も時効に対する不安を抱えておられるのではないでしょうか。  今日時点におきましても、東京電力の仮払い補償金を受領した被害者約十六万人のうち、約一割に当たる被害者が本賠償請求をされていないと聞いております。また、事故時に避難指示区域内に居住されていた被害者であって東京電力の仮払い補償金を受領されなかった方々も存在すると考えられます。これら損害賠償の未請求者については、どういった御事情で請求をされていないのか、あるいは請求ができていないのか、それぞれの被害者が抱える御事情をよく踏まえた上で、適切に損害賠償請求をしていただくためのサポートが必要になると考えております。  東京電力は、総合特別事業計画で、自らが把握できていない被害者の方々がなお存在する場合に備え、どのような方々がどのような問題を抱えておられるのかを調査し、御請求のサポートに万全を尽くすと表明しておられますが、具体的に今後どのように対応をしていかれるのでしょうか。    〔委員長退席、理事水落敏栄君着席〕

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 御質問にお答えいたします。  私ども、今までもそうですけれども、これからも続けていきたいと思っておりますことがあります。それは、様々な賠償の類型ございますけれども、これの開始に併せてプレスをしております。この新聞等を通じた賠償の状況について、やはりまだ御請求をいただいていない方たちには是非見ていただいて御請求をいただきたいと思っておりますし、戸別訪問、被災地を一軒一軒訪ねまして、戸別訪問をしながら、まだ御請求をいただいていない方がいないかどうかとか、あるいはその方自身の更なる御請求を促すような活動、あるいは電話番号が分かっておりますれば電話をお掛けして、今請求の状況がどうなっているか、そうしたことを一つ一つ丁寧に取り組み、更なる賠償の推進に役立てたいと考えております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 被害者の中には様々な御事情により損害賠償請求が困難な方もいると考えられますが、このような方が時効によって本来受け取るべき賠償を受けられないという事態はあってはならないことであります。  東京電力は、総合特別事業計画において、時効に対して柔軟に対応することを約束するとともに、これまで国会を始め様々な場において、時効が完成しても直ちに援用することはないと表明してきていると承知しておりますが、ここで改めて、被害者の方々が時効によって適切な賠償を受けられなくなることがないようにするという東京電力の決意をお聞かせください。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 先ほども申し上げましたけれども、私ども今回の賠償業務を進めるに当たりまして基本としておりますのは、時効の完成によりまして賠償が打ち切られ、被害を受けられた方たちが適切な賠償を受けられなくなると、こういったことは絶対あってはならないと考えております。この基本方針に基づいて一軒一軒御丁寧に御説明をし、賠償を進めていきたいと考えております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 今、東京電力から時効完成後ではあっても柔軟な対応を行うと御答弁をいただきましたが、損害賠償請求権の時効への対応については東京電力だけに任せるのではなく、政府としても取り組む必要があると考えております。  今回の法案による時効中断の効果はセンターに和解仲介申立てをした被害者が対象となっておりますが、それ以外の被害者の消滅時効に対する懸念に関してはどのように対応していくおつもりなのか、文科省のお考えをお聞かせください。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 文部科学省は、これまでも東京電力に対し、消滅時効に対して柔軟な対応を行うことや損害賠償請求をされていない被害者をきめ細かく把握することに努めることなどを要請したところでもございますし、また今ほど東京電力の方から被害者の方々が時効により適切な賠償を受けられなくなることのないよう対応していくとの決意の答弁もあったところでもございます。  まずは、国の要請に対する東京電力の取組など、まだ請求をされていない被害者の方々の実情をよく見極めていきたいというふうに思います。その上で、被害者の方々が時効到来によって適切な賠償請求ができなくなることがないよう、未請求者の実情に応じた必要な対応について関係省庁とも連携して検討してまいりたいと思います。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 是非未請求者の実情をしっかりと把握していただき、被害者に寄り添った適切な対応を確実に取っていただきますようお願いしたいと思います。  本日は、消滅時効への対応や紛争の早期解決のサポートに向けた大臣の御決意、そして東京電力の対応について確認させていただきました。一日も早い復興に向けては、被害に遭われた方々に対する迅速、公平、そして適切な賠償が行われることが最優先の課題となります。文部科学省及び東京電力におきましては、この課題に対してしっかりと取り組んでいただくことを求めまして、私の質問を終わります。

石川博崇公明党

○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。本日はどうぞよろしくお願いを申し上げます。  質問に入らせていただく前に、発災から二年二か月が過ぎ、間もなく二年三か月になろうとしております。東日本大震災によって多くの方が犠牲になられ、今なお非常に福島県を始め多くの方が厳しい避難生活を強いられておられますことに心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  この東日本大震災の被害、損害、本日議題となっております損害賠償に係る時効の中断に関する特例を設ける法案でございますが、被害の全容がいまだ解明をしていない、そうした中にあって、今後とも政府及び東電におかれては、被害者の側に寄り添ったきめ細やかな対応を是非貫いていただきたいということを冒頭強くお願いを申し上げたいというふうに思っております。  本日議題となっておりますこの原子力損害賠償時効の中断に関する特例法の成立によりまして、このADRセンターを利用されている方々の時効については時効の消滅ということを気にすることなく安心して紛争仲介手続を続けることができる。今このADRセンターを利用されている方々、非常にまだまだ少ないわけでございますが、今後こうした紛争仲介の手続を更に利用促進が広がることも期待される法案ということで、この法案自体については歓迎をしたいというふうに思っておりますが、何点か確認をさせていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞ丁寧かつ誠実な御答弁をよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  このADRセンター、活動を開始されてから二度にわたって活動状況報告書というのを発表されております。  この中で、このADRセンターの活動の課題について述べられているわけでございますが、その中で一番に取り上げられておりますのがこのADRセンターの人員の拡充についてでございます。これまでも随時人員を拡充してきて、設立当初は百名にも満たなかったわけでございますが、平成二十五年度五月現在では五百十六名、うち弁護士数は三百八十四名と順次体制を強化されてきたわけでございます。  しかしながら、これまでの紛争審理に掛かる平均的な所要期間というものは八か月を超えているわけでございまして、こうした状況がやはりADRセンターでの紛争解決手続を利用しようとする被害者の方々をちゅうちょさせる非常に大きな要因ではなかろうかというふうに思っております。  今、このADRセンター、今後当面は、八か月掛かっている審理期間を四、五か月で処理できるよう目指していらっしゃるというふうに承知をしておりますけれども、そもそもこのADRセンター、設立された当初は審理期間三か月ということを目標とされていたわけでございます。それを今八か月を四、五か月に短縮したいという段階的な現実的な目標ということは理解しないわけではございませんけれども、やはり当初目標としていた三か月、より迅速によりスピード感を持って被害者の方々の救済、紛争解決手続の迅速化に取り組むべきではないかと思いますけれども、この点につきまして、政府の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 石川先生のおっしゃるとおり、ADRセンターの設置当初は、目標としまして三か月をめどで終結を目指すというふうにさせていただきましたが、現在約平均八か月掛かっております。そこの中で、今後早急に四か月か五か月をめどに終結を目指せるように、今現在、文部科学省といたしましては、日本弁護士連合会等の関係機関と協力いたしまして、調査官等の人員増強による体制強化、業務の運用改善に取り組んでいるところでもございます。  本年、月別の処理件数が申立て件数を上回るなど、だんだん改善の方向には向かってきております。個々の申立ての審理期間の短縮にも効果が現れてくるものと考えておりますが、今後更に五月現在で現在百六十六名にあるその調査官を二百名規模に体制を整えまして、審理の簡素化の徹底を図るなど、迅速な和解の仲介を受けられるように、平均審理期間が三か月の実現に向けて引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 やはり当初から設定していた三か月での審理の終了ということを引き続き政府として全力を挙げていただきたい。当然、単に人数を増やせばいいということではないというふうに私も思います。それぞれ仲介に当たられる専門家の方々の研修、トレーニング、そうしたことにも時間を要さなければならない、その仲介の技術力、これの向上にも併せて取り組んでいただくことを御要望申し上げたいというふうに思います。    〔理事水落敏栄君退席、委員長着席〕  それからもう一つ、このADRセンターが出している活動報告書の中で取り上げられております課題として二点目に挙げられておりますのが、東京電力によってこの紛争仲介手続の中で不適切な対応が続いているということが挙げられております。これは、文科省からも注意を喚起を東電に対してしていただいているわけでございますが、例を挙げさせていただきますと、中間指針に個別に明記されていない損害については支払わないと言われた、あるいは東京電力への直接請求やADRセンターへの申立て、その両方を行っている場合には、東電側は直接請求の手続を進めてくれない、さらには、過去にADRセンターで和解して、その他の損害について直接請求で解決しようとしたところ、東京電力からは所定の請求書用紙を送付してもらえなかったといったような事態、これについての苦情というものが相次いでいるというふうに承知をしております。  こうした東京電力の窓口における対応が極めて不適切であることによって、ADRセンターを利用しようとする方々に対して、それを利用すれば今後の請求手続が不利に働くんではないかと、センターを利用しようとする方々がちゅうちょしてしまう一要因にもなっているのではないかというふうにも感じられる次第でございます。  こうした事例が相次いでいる中、個別の具体的な不適切な問題について事例の公表に至ったわけでございますが、こうした公表に至った経緯について、文科省から御説明をお願いを申し上げます。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) 経過につきましては今先生御指摘のとおりでございまして、昨年、平成二十四年一月から十二月までの活動状況を報告した中でいろんな問題点が指摘されたということでございます。  それにつきましては、このADRセンターにおきましては、実はコールセンターといいまして電話の相談窓口を設けておりまして、これまで、その二十四年期間におきましては一万二千件を上回るコールセンターへのお問合せがあった中で、実に東京電力さんに対する御意見、御要望、不満がその三割を占めていたということで、その中身をいろいろ分析したところ、先ほどの御指摘のような点があったということでございます。  そういったことで、私どもといたしましては、この公表と同時に、こういった点につきましての改善方につきまして、東京電力に対しまして改めて要請をしたということでございます。

石川博崇公明党

○石川博崇君 今日は東電から内藤副社長お越しいただいておりますけれども、どうしてこういう窓口における不適切な対応が継続してきて、コールセンターへのこういう不満が述べられる、届けられる状況が続いているのか、文科省からもこの改善に向けて是正措置の要求があったところでございますが、その後どのように改善措置をとってきたのか、御説明をお願い申し上げます。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) ただいま御指摘ございましたように、紛争解決センターの活動報告書の中で三割が御意見あるいは御要望、御不満ということで、私どもといたしまして本当に対応のまずさに関しましておわびを申し上げたいと思います。  この活動報告書の中で具体的な事例が出てまいりました。私どもといたしまして、これはもうこれからあってはならないということで、三月五日に文部科学省様から御指導いただいたわけですけれども、先般四月に対応策について御報告をさせていただいております。  その一つといたしまして、これは既に一月から開始しておりますけれども、福島に復興本社というのを設けまして、賠償始め、除染に始まり様々な福島の復興にかかわる業務につきまして、この本社で一括業務を権限を移譲いたしまして推進することといたしております。さらには、ADRの仲介案を扱う部門とそれ以外の賠償というのが今まで別の組織でございました。これを一つの組織にもいたしました。さらには、賠償の責任者である室長の方から、全賠償メンバー、これは委託員も含めます、つまり一万人以上になりますけれども、今回の事例について具体的に示して、こういうことのないようにというメッセージを出しております。  これに限らず、これからも私ども、我々のまずさについて知るところとなれば、この相談室中心にそういったことのないように取組を続けていきたいと思っております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 本当にこうした東電の対応、ただでさえ被災地の方々の本当に厳しい、またつらいお気持ちに全く寄り添っていないということを是非深く反省をしていただいて改善をしていただきたいと思いますし、今後とも様々なコールセンターから届けられる被災地、被災者の方々の御要望、御苦情等あろうかと思います、それに柔軟に対応していただくよう、また、政府におかれても随時、こういったADRセンターからの報告書を待つまでもなく、東電に対する働きかけ、また指導というのを続けていただきたいというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  続きまして、先ほども同僚委員の先生の御質問にございましたが、ADRセンターに和解仲介申立てを行われた件数というのは今六千五百件でしょうか、それからその当事者の方というのは一万七千人に至るわけでございますが、全体の、これだけの未曽有の大災害でございます。全体、被害に遭われた方、あるいは潜在的にこのADRセンターを利用される可能性のある方というのはまだまだ増えなければならない、そういうふうに思っております。やはり、当然早期の解決というのは必要でございますが、被災者の方々に寄り添ってその紛争解決手続に臨んでいただきたいという観点から、この利用される方が非常にごく僅かにとどまっているという状況改善に是非尽力をしていただきたいというふうに思っております。  一つは、やはりまだまだこのADRセンターの存在が被災地の方々、被災者の方々に周知徹底がされていないんではないか、広報努力が非常に不足しているのではないかということを指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  当然、今後とも政府としてこのADRセンターの周知あるいは広報に力を入れていかれるというふうに思いますけれども、例えば東京電力が発行しているダイレクトメール、これによって債務を承認する手続としているわけでございますが、このダイレクトメールを送るときに併せて、納得がいかれない場合には紛争解決手続、こういったADRセンターへの利用ということもあるということを併せて広報していただく、あるいはテレビやラジオ、新聞広告の折り込みチラシなど、こうした点も活用していただくなど様々な手段があろうかと思いますけれども、今後どのようにこのADRセンターの存在について被災者の方々に周知徹底を図られていく予定なのか、お聞かせいただけますでしょうか。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 委員おっしゃるとおり、ADRセンターは被害者の方々にとって利点のある制度であるということを我々もしっかりと認識した中で、これまで現在、コールセンターによる電話相談や情報提供、また福島事務所及び支所における現地相談窓口の対応、各団体へのパンフレットの配布や地元のミニコミ誌への掲載等を行わさせていただいております。  そういった中で、また、この今の法案が成立した後には、このADRセンターの役割や申立て方法のみならず、本法案の内容について併せて周知することが非常に大事だというふうに考えております。そこで、これまでの広報活動に加え、新たな広報媒体の活用等も含めた効果的な周知方法について、しっかりと検討していきたいと思っております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 是非、これはもう待ったなしだというふうに思います。早い方は来年の三月十一日で消滅時効が来てしまうわけでございまして、やはり今回この法律を成立させる意義というのは、安心してこのADRセンターの利用、活用を促進するということにあるわけでございますから、まず、そもそも知られていなければ全く意味がないわけでございます。是非、広報、周知徹底に全力を挙げていただきたい。  そして、時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、引き続き、東北、東日本大震災の復旧復興、これが今の日本にとって最優先課題である、今の安倍内閣にとっても最優先の課題である、このことを全力を挙げて、政府を挙げて取り組んでいただきたいということを強く御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  この本法案に対してといいますか、福島第一原発の被災者の救済ということでは大変問題意識が似通っておりますので、重なる部分があるかと思いますが、御容赦いただいて質問をしていきたいと思います。  いずれにしても、今回のこの事故は、改めて言うまでもありませんが、これまでに例のないものであります。例えば、公害などのように、大気汚染とか水俣病とかいろいろ、水銀のとかありましたが、それらとは全く異なるものでありまして、したがって、そういう観点から、今までにないやっぱり発想といいますか取組をやっていく、そして、何よりも被災者救済本位といいますか、被災者本位で、被災者の方が置き去りにされないように、そういう観点での取組が何よりも大事なんだと思っております。  したがって、本法案は、先ほどからもお話が出ておりますように、そういう意味では緊急一時的なものでしかないという感は否めませんし、近いうちにはやっぱり新たな立法措置も必要になってくるだろうと考えるわけでありまして、その上で、今提出されているこの法案、いろんな疑問点、また懸念されるところをお聞きをして、また確認の意味も含めてお聞きをしていきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  今申し上げましたように、この事故の特徴として、非常に広範囲にわたって、しかも非常に深刻で、また非常に潜在性がある事故だという特徴が挙げられると思っております。したがって、全ての被害者の皆さんに、直ちにその全ての被害の実態を把握したりその損害賠償請求の法的手続を取ることを要求するというのは非常に難しい案件ということになるだろうと思っております。  そういう中で、本法案によれば、和解が成立しなかった場合に、和解の打切りの通知を受けた日から一か月以内に当該和解の仲介の目的となった請求について訴えを提起しないと、この消滅時効により原子力損害についての請求権が失われるということになっているわけですけれども、このように、時効特例法案の利益を受ける人が原子力損害賠償審査会に和解の仲介を申し立てた者に限定するということ自体がそもそもこの被害者救済手段としては不十分なんではないかと考えるわけですが、この点、大臣の御見解をお聞きをしていきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点について、今後、まずは今回は、このADRセンターにおいて、被災をされた方々に対して、この被災者が和解仲介中に時効期間が経過することを懸念して、そしてこの原子力損害賠償紛争解決センターの利用をちゅうちょすることのないように、緊急に必要な措置として、和解の仲介の手続の利用に係る時効の中断の特例について今回お願いしているものでございます。  和解仲介の申立てを行っていない方々を含む被害者の方々については、文部科学省としては、東京電力に対し、損害賠償請求権の消滅時効について柔軟な対応を行うよう要請してきたところでもございますし、これを受けて東京電力は、総合特別事業計画を改定し、事故発生時ではなく、東電が請求受付を開始したときから三年間請求を受け付ける、また、被害者が請求書類又はダイレクトメールを受領した時点から三年間請求を受け付ける等を表明しているわけでもございます。  さらに、文科省としては、東京電力に対して、損害賠償請求をされていない被害者をきめ細かく把握することに努めるなどの丁寧な対応をするよう求めているところでございまして、今後、まずは国の要請に対する東京電力の取組とまだ請求をされていない被害者の方々の実情をよく見極めた上で、この法案が成立をさせていただければ、その後さらに、関係省庁とも連携して、必要な対応について検討してまいりたいと思います。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 是非、丁寧な対応をしていただいて、先ほど申し上げましたように、被災者本位でしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、先ほどからもお話が出ておりましたが、この事故は完全にもちろん収束をしていないわけで、まだ全体像がなかなか見えないというのが現状であります。したがって、まだ放射線被曝によっていわゆる晩発性の健康障害が起きるということも多分に考えられるわけで、チェルノブイリの場合も、二十五年たってもいろんな新たな被害が発生をし続けているのは御承知のとおりであります。  したがって、この法案に本来ならばそういう晩発性障害に対しての規定を盛り込んでおくべきではなかったのかなと思うわけですが、この点について、大臣のお考えはいかがでしょうか、お聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 不法行為による損害賠償請求権については、民法七百二十四条におきまして、損害及び加害者を知ったときから三年の消滅時効期間、そして不法行為のときから二十年の除斥期間とそれぞれ規定されております。仮に今回の原子力事故から相当期間経過後に本件事故に起因する晩発性障害が生じた場合、短期消滅時効の起算点である損害を知ったとき及び除斥期間の起算点である不法行為のときは、当該晩発性障害が発生したときと考えられるわけでございます。  したがいまして、障害が生じた時点で原子力事故から三年ないしは二十年が経過していたとしても、それによって直ちに被害者が損害賠償請求ができなくなるということではないというふうに承知しております。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 したがって、晩発性障害についても十分対応できるというふうに理解をさせていただきたいと思います。  次に、この本法案の第二条の規定においては、時効中断の特例の対象となる和解の打切りを政令で定める理由に限るとしているわけですが、法律事項ではなくて政令とした理由はどういうところにあるのかと、また、そうだとすると、どのような内容を政令で定めようという考えがあるのか、これは文科省にお聞きをしたいと思います。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この審査会による和解の仲介の打切りでございますけれども、これにつきましては、原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令において定められていることも踏まえまして、本法案におきましても法律事項ではなく政令ということにさせていただいているということでございます。  今申し上げましたその同組織令十一条におきまして、審査会は、申立てに係る紛争が解決される見込みがないと認められるときは和解の仲介を打ち切ることができるというふうに定められているということでございまして、この法律案二条の政令で定める理由につきましては、今申し上げました組織令十一条と同様に、和解の仲介によって、申立てに係る、東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争が解決される見込みがないこと、要すれば、これ以上いろいろ手を尽くしても和解の進展が見込めない場合、そういった場合に限り打切りだということで整理させていただきたいというふうに考えております。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 ありがとうございます。  次に、大臣にまたお聞きをしたいと思いますが、先ほどからも質問がありましたが、本法案では、和解の打切りの通知を受け取ってから一か月以内に裁判所へ提起する必要があるとしているわけですが、御案内のように、いまだに避難生活を余儀なくされている、あるいは生活再建中の方がたくさんいらっしゃって、そうなったとしてもなかなかそういうことに対応できないというのが現実だと思います。したがって、この一か月というのではかなり非常にハードルが高いということになりはしないかと思うわけですが、要するに短過ぎるんじゃないかということでありますが、先ほども局長から弾力的な運用をというお話がありましたが、改めて大臣からこの点について、どのようにそういう懸念を払拭するために取り組んでいかれるか、お聞きをしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点につきましては、一般に原子力損害賠償紛争審査会が行う和解の仲介手続を利用する過程で訴えの提起に係る基本的な争点等が整理されているものと考えられること、また、実際にほかの法律に基づく和解の仲介手続等においても打切り後一か月以内に裁判所に訴えを提起する旨を規定していること、こういうことから本法案においても一か月という期間を定めているところでございます。  しかし、実際の運用に当たっては、和解仲介後に訴訟提起を可能とすることで消滅時効に関する被害者の懸念の払拭を図るという本法案の趣旨を踏まえまして、仮に和解の仲介を打ち切る場合には、それに至るまでの間に原子力損害賠償紛争解決センターにおいて被害者の方々に丁寧な対応を行うなど、被害者の方々の実情に十分に配慮した対応をしてまいりたいと思います。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 柴田君、質問時間が終了しておりますので。

柴田巧みんなの党

○柴田巧君 時間が来ましたのでこれで質問を終わりますが、ADRセンターのいろんな改善策も申し上げたかったんですが、時間が来ました。  いずれにしても、先ほども申し上げたように、被災者が置き去りにならないように、これまでとは全く違う事故によるものだという認識の下に、丁寧に、そして柔軟に対応していただきますことをお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

谷亮子生活の党

○谷亮子君 生活の党、谷亮子です。  本日の議題となっております東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案、閣法第六十八号につきまして御質問申し上げます。  現在、今回のこの法案につきましては、まさに、いまだ請求できていない被災者の方々、そして東京電力で把握できていない方々への安心につながる配慮も必要であると考えます。また、こうした被害者の方々がどのように今後積極的に時効中断の手続を取り得ることが可能かといったことも含めまして、東京電力と文部科学省がそれぞれ被災者の損害賠償の請求手続につき広報の取組を進められているのかといったことも非常に重要であるというふうに考えております。このことは先ほど委員の先生の中での質疑の中でもございましたけれども、顧客データからのダイレクトメールであったり、また戸別訪問などを現状行っているということを御報告受けましたけれども、更なる周知をしていただきたいと、周知に努めていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。  そして、私も三月に文部科学大臣の所信の際にも一度質問をさせていただいたんですけれども、その際にもやはり、東京電力福島第一原子力発電所の原発事故への文科省の取組、そして原発事故の紛争解決に向けた取組、またさらには原発事故による損害賠償についても伺っておりますけれども、その際、文部科学省においては、賠償の根拠となる書証の簡素化を図り、損害賠償の範囲を類型化するだけではなく、文部科学省が策定をした中間指針の見直しを図り、和解案としての損害項目や額を示し、和解交渉が誠実に迅速に行われるようにしていただきたいということを申し上げさせていただきました。  その後、質問から二か月が過ぎまして、東日本大震災が発災をいたしましてから二年二か月が過ぎ、二年三か月を迎えようとしている現在の原子力損害賠償紛争解決センターの最新の人的体制と申込件数、和解件数の実績を確認いたしたいと思いますので、お伺いいたしたいと思います。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) 原子力損害賠償紛争解決センターにおきます五月二十七日、昨日時点での最新の人員体制でございますが、総数といたしましては五百十七名、うち弁護士数といたしましては三百八十四名でございます。それから、昨日の時点で六千五百三十一件の申立てを受け付けておりまして、そのうち二千七百八十六件が全部和解成立、五百三十九件が取下げ、四百六十件が打切り等ということになっております。

谷亮子生活の党

○谷亮子君 最新の状況を伺いましたけれども、続いて、原子力損害賠償紛争センターの仲介委員による和解仲介審理手続というのはどのように行われているのか、改めてお伺いいたします。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) 原子力損害賠償紛争解決センターにおきます事案の審理の進行状況でございますけれども、大半のお申立てにつきましては、まず郵送で受け付けております。ただ、一部の方は福島の支所等に直接御持参されるケースもございます。  そういったお申立てを受理いたしますと、今度は、この解決センターの中にございます総括委員会という全体のマネジメントをやっている委員会がございますけれども、そこの中で事案ごとに担当の仲介委員とそれから調査官の指名をまずいたします。その指名につきまして、センター側から申立人の被害者の方々と東京電力の方々に対しまして、担当する仲介委員及び調査官の通知がなされるということでございます。  その後、この調査官の役割が大変重要でございまして、この調査官の方々は、今度はその申立人の、直接御本人がされている場合にはもう被害者御本人とお話合いをいたしまして、その紛争の問題点に関する主張あるいは証拠等の整理を行います。もちろん東京電力側からも調査官は必要な書類等の提供を受けまして、仲介委員に対しましてそれを提出いたしまして、仲介委員が双方の意見を聞く必要があると判断した場合には、それぞれが参加する口頭審理といったものが開催されるということでございます。その後、仲介委員が和解案を作成をいたしまして双方に提示をいたしまして、双方が合意した場合に和解成立ということになっております。  なお、先ほど東京電力の方からもお話がございましたけれども、今現在におきまして、このセンターから提示いたしました和解案につきましては、基本的には東京電力が全て受諾をしているという実情でございます。

谷亮子生活の党

○谷亮子君 やはり通知での報告がなされていくというような現状であると思います。  そうした中、被災者の中には、手続が書面審理中心で進められておりまして、自らの被害の実態を話す機会も、またその被害の実情を見ることさえもないと不満を持っている方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。本来の姿である原発事故の被災者に寄り添った原発ADRを実現し、紛争解決を図るためには、しっかりと被災者の置かれた実情を聞き取った上で和解案を作成する必要があると思います。  また、提示された和解案を生活のためにのまざるを得ない方もいらっしゃると思います。そうした被災者の方々が自らの被害や損害を話したり、そして立証するためには、私は口頭審理の場を、広く、これは広くですね、設ける必要があるのではないかと思っておりますし、被災者の皆さん、また被害者の皆様も望んでおられることだと思います。  この口頭審理の場を設けることにつきまして、下村文部科学大臣の御認識と併せまして、口頭審理を行う場の拡充の取組につきましてお伺いさせていただきます。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解の仲介に当たっては、御指摘のように、被害者の主張等を書面によって確認するだけでなく、面接により直接意見を聞くことや当事者が協議する場を設けることが必要であるというふうに認識しております。  このため、センターでは必要に応じて口頭審理を開催をしておりますが、現在、センターでは申立てから終結まで非常に時間が掛かり過ぎているというかえってマイナス点もございまして、当面は審理の迅速化を第一に考えるという必要があることから、目的を明確化して必要最小限度の開催数とすることを原則としております。また、被災地の被害者が和解の仲介をできる限り御負担なく受けられるよう、福島事務所及びその支所やそれ以外の場所においても必要に応じて仲介委員を派遣し、口頭審理を開催しているところでもございます。  今後とも、センターの和解仲介においては、まずは審理の迅速化を達成することを目的としつつ、被害者の方々の実情を踏まえ、より丁寧な対応ができるように取り組んでまいりたいと思います。

谷亮子生活の党

○谷亮子君 ありがとうございます。  やはりこうした現状、実情を見てまいりますと、東日本大震災が発災をいたしましてから、多くの被災者の方たちが、東京電力福島第一原子力発電所の事故によって自分自身が今度は被害者なんだといったことをこれから実際に認識をされて、それから損害賠償を請求していかれるという方たちもこれからまだまだいらっしゃるということもあると思います。民法百四十四条を見ましても、時効の効力は起算日に遡るといったこともございますので、そういったこともしっかりと取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。  そして、もう時間が十分と限られておりましたので、最後の質問とさせていただきます。  下村大臣に伺いたいと思います。遅延損害金について伺いたいと思います。  現状において、原子力損害賠償紛争解決センターの提示する和解案では、発生した損害に関する遅延損害金が考慮されずに和解額が算定されております。判例では、不法行為による損害賠償責任については、被災者救済の観点から、被害の発生と同時に遅滞に陥るとされ、法定利率に基づいた遅延損害金を支払わなければなりません。こうしたことが清算条項には付されているわけなんですけれども、私はやはりこうした遅延損害金というものも是非今回含めてやっていく必要があると思いますけれども、下村文部科学大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 谷委員おっしゃるとおり、東京電力が不当に審理を遅らせた場合においては法定利率年五%、年利五%の割合で遅延損害金を和解案に含めることを定めております。加害者である東京電力が、和解の提案に対して回答期限を守らなかったり様々な理由を掲げて争うなど、主張内容が法律や指針の趣旨から見て明らかに不当であるという場合は、このような基準によりまして遅延損害金を東京電力に課すことは必要であると考えております。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 時間が来ました。

谷亮子生活の党

○谷亮子君 時間が来ておりますので終わります。  ありがとうございます。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。  今日は杉山武彦支援機構理事長を参考人としてお呼びしたいということを申し上げましたら、本務校での授業があるので来られないということで、非常勤の理事長だということが判明いたしました。このような、何兆円単位のお金が行き来するところの理事長がなぜ非常勤でいらっしゃるのかということを大変に疑問に思いましたが、この点については質問主意書等でまた質問したいというふうに思います。  それで、今日は東電と国の関係についてお聞きをしたいんですけれども、賠償用のお金も含めて、支援機構を通じて国から東電にたくさんのお金が出されております。直接出されているもの、債務保証等間接的に出されているもの等、金額はどのようになっておりますでしょうか。また、賠償用の費用はそのうちの幾らぐらいでありましょうか。経営支援としての投入額はどのくらいであり、今の保有株式の割合はどうなっておりますでしょうか、お答えください。

糟谷敏秀資源エネルギー庁電力・ガス事業部長

○政府参考人(糟谷敏秀君) 国から原子力損害賠償支援機構を通じまして、東京電力に対しては二つの形で資金支援を行っております。  第一に、賠償に充てる資金につきましては、交付国債五兆円を原資といたしまして、現在、三・一兆円の賠償支援枠が設定されておりまして、そのうち約二・六兆円の資金が既に機構から東京電力に対して払い込まれております。このうち、東電からの賠償支払済額は約二・三兆円でございます。  第二に、事故処理、廃炉を担います東京電力の財務基盤強化のため、機構から出資の形で一兆円の資金が払い込まれております。現在、機構の議決権における国の割合は五〇・一一%となっております。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 今のことではっきりしたと思います。東電とは、実質、国であります。五〇・一一%の大株主であるということは、東電の全てを国は実は決定することができるということであります。東電の姿勢も方針も決定できる立場であります。この間、国と東電ということを指導、監督というような形で使い分けをなされていますが、実は国こそが東電そのものであるということははっきり言えるわけですし、本当に遅い、そして少ないと言われているような賠償に対しても、これを根本的、抜本的に変えるために会社の経営幹部の更迭を含めて決定できる立場にある、また、株主総会においてはこの方針をちゃんと通すことができる立場にあるということははっきりしているということであると思います。  このような形の中で、これまで使い分けがされてきていますけれども、国はもっと関与を深めなければいけないのではないか、強制力をきちんと発揮した形で東電にやるべきをやらせるということが必要なのではないかと思うのですけれども、大臣、これについての御所見、いかがでございましょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、今回被害があった方々に対して第一義的には東京電力が対応するにしても、国が全責任を持って最終的には対処すべき責務があるというふうに思います。そういう意味で、東京電力に対して、賠償に関して被害者の方々に対して積極的な、なおかつ誠実な対応をするように指導しながら、国としても全面的に対応してまいりたいと思います。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 いえ、私は、そういうことは、指導云々ということはずっと繰り返されてきたことですけれども、はっきりと、国が、しっかり最後の一人まで補償するということ、そして救済するということを東電の指針として出すように株主総会等できちっとその提案をなさるべきだということを今申し上げております。  今日の審議の中でも既にたくさんの同僚議員たちが、賠償の全体像に対する見通しのなさでありますとか、ごく一部しか賠償が払われていない現状に対する指摘でありますとか、東電、ADR、あるいは政府に対する信頼度の低さでありますとか、それから時効を今考えることすら異常であるという現状について指摘をしております。  また、三月二十八日の、第三十一回で行われました、これは原子力損害賠償機構の、損害賠償に対する、これは何でしたっけね、会議を行われておりますね。この会議の中でも委員たちが席上で、この法案につきまして、現場を見ている者の感覚からすると到底足りない、不適切であると言わざるを得ないということを既に指摘をしております。この法律では救われない者が余りに多過ぎるし、そして余りにも限定的過ぎるではないかと、不適切だということをはっきり言っているわけですね。  そして、この国は法治国家でありまして、こういう場でいろんなお約束なるものがどれだけ口頭であるかということではなくて、法律に従って物事は進められるわけですから、やはりこの時効に対しては法律を変えなければならないというふうに言わざるを得ないのではないかと思います。  先ほど大臣が挙げられましたデメリットにつきましても、時効の問題、この証拠が散逸すると言いますけれども、現在でも家に帰れない人たちは証拠を集められません。そして、これだけの状況にある人たちが、長引かせていいということでは当然ないわけです。彼らは本当に真摯に救済を求める立場であります。  そうしますと、法律は明らかに必要なのではないか。だとしますと、この法律が通った後、時効に対する議員立法など法的な対応が必要だと私は考えておりますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まずは、法治国家でありますから、今までの手続にのっとって法律について政府として対応するということが必要でございます。  議員立法等、ほかにカバーできない被害者の方々に対しての話があれば、政府としても、関係省庁と話し合いながら、被害者の立場に立った誠実な対応について我々も考えていきたいと思います。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 いえ、大臣がそういうものが必要であるとお考えかどうかということをお聞きしております。新たな法律が必要でないかということです。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 全ての被害者の方々に対する救済を国が責任を持つというスタンスを持つということは大変重要なことであるというふうに考えます。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 ということは、そういうことを確保するような法律が必要だとお考えだということでしょうか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) これは、先ほど谷岡委員が議員立法というお話を申し上げましたので、まずは立法の意思を尊重させていただきたいと思います。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 同僚の議員諸君に対して是非申し上げておきたいと思います。私は七月で落選するかもしれませんが、法律は必要であります。是非、そのときにも含めて、皆様にはこの議員立法をしっかり作っていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  さて、弁護士の確保なんですけれども、これ一か月以内なんていう話が例えば来年三月以降出てきますと、一か月以内に提訴しなければいけないという状況ですけれども、これ、提訴できるだけの弁護士は確保できるんですか。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) この提訴につきましては、いきなり来年の三月に一度に全部集中するということではございませんで……

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 でも、たくさん来る可能性ありますよね。

戸谷一夫文部科学省研究開発局長

○政府参考人(戸谷一夫君) 今回ADRの打切りということになれば、そういうことに、裁判用の弁護士が必要になってくるということでございます。  それから、あと、センターに対します申立てにつきまして、更に増加するということの事態になれば、またそれに応じた体制についても十分検討していかなければならないというふうに考えております。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 これそういう甘い話ではないと思いますよ。提訴を一件するのにどのくらいの弁護士が要って、どれだけの準備期間が要るかと。一か月というのは、提訴を行うということに対しては大変短い準備期間であるということは皆さんも御承知のとおりだと思います。しかし、被災者で、この生活で困窮した状況に置かれている人たちが、適切な弁護士を見付けて、そして提訴をしなければならないという状況に追い込まれるということなんです。そういう法律であるにもかかわらず、それが実際に具体的に、そういうことに対して被災者たちの立場に立って対応できるのか、弁護士の確保ができるのか、当然考えていらっしゃらなきゃいけないんじゃないですか。どうなんですか。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 谷岡先生のおっしゃることはもっともでございます。  今回のこの法案に関しましてでございますが、和解が打切りになった場合、このADRセンターである程度の紛争の論点整理というのは行われております。その論点整理をもって今度裁判所での訴訟になってまいりますので、そういった面で、裁判を最初からやり直すという観点とはまた違った観点から様々な論点整理を行った中で対応ができるとも考えています。

谷岡郁子みどりの風

○谷岡郁子君 不安は渦巻いております。そして、子ども・被災者支援法は、最終的に国がどんなことがあっても被災者を支援するんだという目的で作られております。こういうものを活用することを含めて、是非被災者の不安を和らげていただきたい、権利を守っていただきたいということを政府に切にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

横峯良郎各派に属しない議員

○横峯良郎君 新党大地、横峯です。今日はよろしくお願いします。  もうかなりの、各党、皆さん、このADRに関していろいろ、大体同じようなことを言われたんですけど、このADRというのは、裁判したら長引く、それよりも弁護士通じて簡単に賠償をできるようにという目的でつくられたんですが、それが三か月という期間がもう八か月も掛かっていると。我々は、文科省に対して、私はまたこのことを文科省がやっているということもちょっとどうかなと、管轄してやっていることは、とも思うんですけど。新聞にも、会社を立て直すために賠償金が早く必要だといって、この当事者の方々というのは本当に大変な問題だと思うんです。うかうかしていたらもうなくなってしまう、もう期限切れになってしまうと、そういう不安もあると思うんですね。人員不足だとか主張の整理に時間が掛かっているとか言われますけど、本当この問題はもう早急に対応していただきたいと思うんですよね。もうそれしか我々は本当に言えないんですけど、よろしくお願いします。  今までずっと聞かれて、何が、じゃ、一番最初に、一番いいことなのかと、何が一番早くすることなのかということですね。さっきも聞きましたけど、弁護士も何百人いて、人は私はいると思うんですよね。何がそんなにもう倍以上の八か月も掛かっているのかと。米を作っている方もいらっしゃいますよね。米を作っていて、種まいて、もう裁判も何も終わらない、お金ももらえないうちに次がまた始まってしまうと。本当に大変な問題だと思います。  それ、ちょっとお聞かせ願えないかなと思います。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 横峯先生おっしゃるとおり、ADRセンターの人員体制、これまさにマンパワーだと思います。今回、やはり和解訴訟を行う中でも様々なケースがございます。もちろん、未曽有の災害という中で、我々が予想したケース以外の、想定外のケースということもございます。そういったものを今適切に、ちょっと時間掛かっておりますけど、処理させていただいて、その事象、事例を今後しっかりと活用した中で早急に対応できるように、人員体制も含めて、現在、日本弁護士連合会等の関係機関としっかりと調整して業務の運用改善に取り組んでいるところでございます。  さらには、現在、百六十六名の人員でございますが、この調査官も二百名体制に早急に増やしまして、被災者の方々が本当に目の前に差し迫っている三年以内の時効が、これが本当に被災者の方々にとってストレスにならないように、しっかりと対応していきたいと思います。

横峯良郎各派に属しない議員

○横峯良郎君 もう本当に是非よろしくお願いいたします。  丹羽政務官は、もう、すぐこの間の東海村の加速器、J—PARCですか、J—PARCで起きた放射能漏れ、すぐ現地に行かれて適切にされたんじゃないかと思うんですけど、本当に対応早かったなと私も思うんですね。  でも、私、いつも「もんじゅ」のことを言うんですけど、東海村に関しても、換気扇を暑いから開けていたと。本当に信じられない。例えば、あの一万か所のもうあれがあったと。で、委員長が辞任しましたと。毎回毎回質問して、「もんじゅ」のことに関してもそうなんですけど、本当にこれからもうどんどんどんどん出てくるんですよね。  じゃ、文科省がやっている、私は文科省がやっているというよりも、現場は、やっているのは科学者であり、また一番重要な、この前も言いましたように、企業、ここに取りかかっている企業ですよね。三十年、二十年、四十年やっていて、こういう簡単な、換気扇を回してしまったとか、例えば「もんじゅ」であれば、毎回、もう何回やっても事故を起こして、そこに関連会社が入っていると。普通だったらこの関連会社は、もう普通の一般的に考えれば替えますよね、能力がない、駄目だと。そのことも全然行われないと私は思うんですが、もう毎回毎回こうしていますよね。  仮に、今回の下村文部大臣が、よし、こういう漏えい事故もあるし、震災もあってと決断されて、「もんじゅ」をやめようと、もう本当に分かったと、もう本当に歴史に残ると思いますけど、是非やってほしいんですけど、そのことを。やったとしても、私は思うんですけど、廃炉に今後三十年掛かりますと。じゃ、廃炉に三十年掛かる予算を付けてくださいと。企業は安泰じゃないかと、そういう結末にもなるんじゃないかなとまた思っているんですけど。是非、今度、東海村のことについても、毎回同じことなんですけど、大臣の、この簡単なミスについて、ちょっとお伺いしたいと思います。

丹羽秀樹自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(丹羽秀樹君) 先に済みません。  横峯先生の御指摘のとおり、私、昨日の午前中、下村大臣から御指示いただきまして、東海村、J—PARCの方へ、現場の方ですね、状況把握と、また、東海村の村役場、そして茨城県庁の方へ謝罪を含めて行ってまいりました。  そういった中、先般から起きています「もんじゅ」の件もそうでございます。「もんじゅ」の保守管理の不備、これらにつきましても、文部科学省といたしまして、原子力規制委員会の評価を重く受け止めまして、今月十六日に原子力機構に対しまして是正措置を求めさせていただきました。  今回のJ—PARCの方の事故でございますが、高エネルギー加速研究機構、通称KEK及びJAEAが共同で設置したJ—PARCの中のKEKが所有、運転するハドロン施設において発生した今般の事故でございます。こういったことをやはりKEKの研究者の方々が、放射性物質に対する認識の甘さというのがもろに露呈したものであるというふうに考えております。そういったことも含めて、今後、安全意識に対するしっかりとした危機管理能力、またマネジメント能力を徹底できるように、文科省として推進していきたいと思います。

横峯良郎各派に属しない議員

○横峯良郎君 もう本当に是非、歴史に残るように、下村大臣のときに改革として是非廃炉にしていただいて、また次の道に本当に進んでほしいと思いますね。  終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) この際、お諮りいたします。  委員外議員荒井広幸君から東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認めます。  それでは、荒井君に発言を許します。荒井広幸君。

荒井広幸新党改革

○委員以外の議員(荒井広幸君) 委員長始め、委員の皆様にお礼を申し上げます。また、あらかじめ自民党さんから八分お時間をいただきましたことにも重ねてお礼を申し上げます。  先ほど来からお話がありましたが、この法律、やはり私から言うと、分かっていながらここまでだと。やってもらった方が有り難いんですが、逆に言えば切捨ての方便にもなりかねないという懸念も持っているんですね。  そこで、ちょっと、昨日も今日も双葉町の御担当者ともやり取りをしているんですが、例えば、双葉町は六千七百人なんです。約三千二、三百人の方が県外、残りの三千五、六百人の方が県内なんですね。この方々のうち、いわゆる時効を迎える可能性がある町民はどれぐらいいるかということを東電とすり合わせました。東電の方から聞いたということの方が正確なんですね。九百人なんです。  二つの課題があるんです。実は、双葉町も、個人でやっている場合もありますから、個人で申請している人、本賠償に行っていない人とかということは知らないんですよ。これが課題一。  課題二。東電がこの九百人というのを分かっているんですけれど、どなたなのかということを役場は、その人たちの状況をつかまえながら、どうしてまだそういう状況で申請、本申請していないのかとか、いろんなケースが出てきましたね、そういうものの後押しをしたいと言うんですが、個人情報を盾にして、いや、それは知らせることができないんだと言っているんですね。こうなりますと、不都合があるから知らせることができないのかということになるんです。個人保護法で言えば、本人の同意なんですが、本人が同意しないわけないです、役場に言うということを。細かいことは別ですよ。  ですから、まず、東電の副社長にお出ましいただいているんですが、このやり取りやられていますよね、町ともね。情報を、どなたであると、九百人の方がまだ漏れていますよと、これを開示する、そういうお考えはないんですか。

内藤義博東京電力株式会社代表執行役副社長

○参考人(内藤義博君) 私どもとして、この九百人の方、何とか御請求をいただきたいとは思っておりますけれども、やはり、冒頭、今先生がおっしゃいましたように、個人情報保護法の制約がございまして、やはり私どもとしてはこの情報を町当局にお示しするというのは大変難しいと考えております。  ただ、やはり賠償を進めていくという観点に立てば、何らかの方法がないのかということを現在御当局あるいは自治体と検討を進めているということでございます。

荒井広幸新党改革

○委員以外の議員(荒井広幸君) これは委員の先生方も、そして大臣以下皆さんもお考えいただきたいんですね。  個人保護法というのは本人の同意がなけりゃ駄目だという建前ですよね。しかし、この現状を見たら、先生方からの御指摘もあったけれども、結局、まあいろいろな状況があるんですが、独り暮らしの御老人の方が多いのかもしれない、御老人二人の御家庭もある、それから病気とか痴呆症の人も、いろいろあると思うんですよね。そういうところにまで手が行くためには、東電だけでも足りないし市町村だけでも足りないんですよ。だから、大臣、この個人情報をどういうふうに扱うかも含めて、国含めて市町村もきちんとつかまえておかなければ、支障出るんじゃないんですか。こういう根本の問題が解決していないんですよね。ですから、今日は私は進め方、やり方としてこれを提示しているんです。  ですから、東電にはもう一度、先ほども谷岡委員からありましたけど、国もきちんと指導力を、大臣も前面に出るとおっしゃっているんですから、きちんと個人同意を取りなさいと。場合によっては、ちょっと私、ケース分からないんですが、市町村はそういう、あるいは県は、支援をするという意味でそういった情報をもらえるという状況に今あるのかどうか、ちょっと検討してもらいたいんです。ここ分からないと進まないですよ。だから、これを東電も、株を五一持っているもちろん国もですよ、しっかりここを結論を出していただけないですか。それでないと、先生がおっしゃったように三か月のところ八か月も掛かったりするんですよ。だから、そういうものも含めてしっかりしてもらいたいんですね。  そうなってくると、どのようにこの実態をつかまえるかというのは、県、市町村、特に市町村がまだ十分でないんだから、いろいろ手が回りませんから、個別でダイレクトメールもらってやっているんですから、なかなか、どんな中身をやっているかということは別としても、分からない場合もあるんですよ、どういう種類のものを申し立てているか分からないことがある。だから、そういうことの先ほど言ったように共有できる体制を個人情報保護法との中で改善をしてもらうと同時に、国、県、市町村、東電が一緒にならなきゃできないでしょう、これ。そこが弱いなとすごく思うんですよ。いつも思うの。もう一回ここの連携といいますか、連携して救済に当たるという、国がもう一歩前面に出るということですよ。  じゃ、なぜこういう失敗が出たか。一義的には東電の責任、東電の責任、言ったからですよ。ほら見たことか。もう救済されない実態は、連携のなさなんですよ。情報の共有のなさなんです。ここを前に出ると言うならば共有してください。  文科大臣、いかがですか。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) まず、荒井委員から御指摘がありました個人情報保護法ですね、これが相当壁になっているというふうに思います。  実は私の東京の板橋の地元でも、何か災害があったときに、町会で、お一人で暮らしをされている、あるいは体の不自由な方々に対して事前に地域で察知して何かのときに支援をしたいと、しかしそれも個人情報保護法が壁になって情報が自治体から提供されないということで、このことも再三再四、私のようなところでもやっております。ましてや、福島の今の被害者の方々の状況を考えると、これが大きな壁になっていることはおっしゃるとおりだと思いますし、これは改めて政府全体としても、個人情報保護法の改正を含めた、それから今御指摘の国や地方自治体それから東京電力と、さらに情報交換だけでなくより効果が上がる取組について、先ほど谷岡委員からもお話ありましたが、検討する必要があるというふうに改めて感じております。

荒井広幸新党改革

○委員以外の議員(荒井広幸君) それから次は、この法律の課題の鍵は鉱業法、きちんとあるんですよ。鉱業法の場合はもう特別に法律を作っているんです。ですから、民法の関連でどうこう言うんじゃなくて、これだけの被害なんですから、実態なんですから、そういう意味ではやっぱり福島原子力発電所救済のための時効というものの法律を立てないといけないですね。  その場合に私は二つの考え方を提案したいんです。一つは、原発事故災害が完全に収束したときをもって全ての分野の時効を起算する。これができないなら、セシウムの半減期が三十年ですから、これを根拠に三十年は時効がない。こういう二つの考え方で法律を検討してみてはいかがでしょう。大臣、時間がないので、一言でお願いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) 今回の事故の損害賠償については、適正な賠償が迅速かつ円滑に実施されることが最優先であるというふうに考えております。国の要請に対する東京電力の取組について、まだ請求されていない被害者の方々の実情をよく見極めるようにしてまずはしていきたいというふうに思います。  適切な賠償の迅速かつ円滑な実施の観点から、改めてこの時効の起算点や変更、それから時効の延期については、メリット、デメリット、慎重に検討しつつ、関係省庁とも連携して必要な対応をしてまいりたいと思います。

荒井広幸新党改革

○委員以外の議員(荒井広幸君) 終わります。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林久美子君。

林久美子民主党・新緑風会

○林久美子君 私は、ただいま可決されました東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党及びみどりの風の各派並びに各派に属しない議員自見庄三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、東京電力福島第一原子力発電所事故の被害の特性に鑑み、東日本大震災に係る原子力損害の賠償請求権については、全ての被害者が十分な期間にわたり賠償請求権の行使が可能となるよう、平成二十五年度中に短期消滅時効及び消滅時効・除斥期間に関して、法的措置の検討を含む必要な措置を講じること。  二、損害賠償請求に至っていない被害者を把握するため、東京電力株式会社が行う損害賠償手続及び原子力損害賠償紛争審査会が行う和解の仲介手続等について一層の周知徹底を図ること。  三、原子力損害賠償紛争審査会が行う和解の仲介を打ち切るに当たっては、被害者がその後に行う訴えの提起の行使が実務上可能となるよう運用上、特段の配慮を行うこと。  四、政府は、東京電力株式会社に対して、全ての被害者に対する損害賠償につき、適切な指導・監督を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、下村文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下村文部科学大臣。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(下村博文君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丸山和也自由民主党

○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会

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