文教科学委員会 第3号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2013/03/21
会議録
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君が選任されました。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官青木信之君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸山和也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(丸山和也君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。本日はよろしくお願いいたします。 我々、野党になりまして、こうして野党として質問に立たせていただくのも三年半ぶりぐらいかなというふうに思っておりまして、また気持ちも新たに臨ませていただきたいと思っておりますが、まず、下村大臣、大臣御就任おめでとうございます。 これまで、まさに教育のスペシャリストとして終始一貫お取り組みをいただいてまいりました。その知見を存分に発揮をされて、しっかりとこの国の教育、科学技術、文化の行政のトップとしてしっかりと引っ張っていただけるということで御期待をしているところでもございます。 また、一方で、大臣御就任直後から、いじめ事件に対する対応あるいは大阪の桜宮高校における体罰事件、そして全柔連の問題等々、課題山積の中で対応をしてこられたのだと思います。 一方、我々民主党が政権にある時代に取り組ませていただきました高校の授業料の無償化あるいは少人数学級の実現等々、私たちから見ると、ややこれ後退していくのではないかと懸念をするような状況も生まれていることはまた事実かと思います。 私たちは、チルドレンファースト、子供第一を旨としてこれまで取り組んでまいりましたし、政権時代には、文科省の予算が国交省の予算を超えるという非常に歴史的な事実もございました。そうした中で、我々、立場は変われども、しっかりと子供たちの教育、科学技術、文化を支えていきたいという思いでこれからも臨ませていただきたいということをまずお誓いをさせていただきたいと思います。 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。 昨日ぐらいからちょっとテレビ等々で報道されていますが、ちょっと通告にはないので恐縮なんですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。 大分市の市立中学校で剣道部の外部コーチを務めた四十代の男性が子供たちに体罰を行っていたと。これはビデオが出てきて明らかになったわけでございますけれども、こうしたことが報道をされております。 学校の教員による体罰については、文科省も通達等々を出されて、先日は体罰と懲戒がどういうふうに違うんだとかいうことも含めて一定の見解をお示しされたところでございますけれども、この外部コーチというのは、やはりワンクッションを置いていて非常にかかわりが難しいのかなとも思います。 ただ、一方で、学校の管理下における行為でもありますし、学校にはやはり多様な人材がかかわってくださることによって子供たちの健全な育成にもつながるということを考えると、こうした問題にいかにして対応していくのかというのは、また新たな問題として出てきたのではないかというふうに考えます。 こうした点について、大臣はいかにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) おはようございます。 冒頭、林久美子先生からエールを送っていただきまして、ありがとうございます。 これは党派を超えて、文部科学関係、委員は全員そうだと思いますが、子供たちにとってのより、教育環境づくり、文部行政はそのほかにも科学技術、スポーツ、文化ございますけれども、いずれにしても、まだまだ我が国において十分でない、こういう認識は共通したものであるというふうに思いますし、今後とも我々としてもしっかりと対応していきたいと思っておりますので、御指導よろしくお願い申し上げたいと思います。 その上で、あの大分の問題がございました。これは本当に許されざるべきことであるというふうに思います。 昨日も、祝日でございまして、私、地元の野球チームにちょっと一緒に練習に行きました。そのときに、それぞれ監督、コーチの方々から聞きましたが、野球も昔は、三十年ぐらい前は実際体罰があったと。ただ、今このときに、今どきは当然の話ですけれども、そこの、幾つかのチームがあったんですが、もう二十年以上前からそもそも体罰なんというのはあり得ないと。もしそういうことをしたら、これはもう子供たちも反発するだけだし、父母の方々もそれを了承するようなことではないし、そもそもそういうことによらない指導者として子供たちを引っ張っていく、それでなければ、これは指導者としての力がないから結果的に体罰に頼っているということは未熟さを露呈しているようなもので、これはもう当然許されざる、また認めるべきものではないということを民間の方々も言われておりましたが、そのとおりだと思います。 ましてや学校において、外部講師であってもそのようなことがあってはならないことでありまして、文部科学省として、教育委員会を通じて体罰はもちろん一切禁止と。一方で、懲戒との線引きの中で学校現場が萎縮するという話もありましたから、懲戒とそれから体罰の線引きを設けながら、そもそも体罰は一切許されない行為であるということを徹底するようにしておりますし、これは学校の先生だけでなく、全ての子供たちを教育する学校以外の現場においても当然のことであるというふうに思います。 私が大臣に就任をしてから、御指摘のように、いじめの問題、体罰の問題、それからスポーツ界における暴力の問題等がございました。これを奇貨として、教育における現場において、あるいはスポーツにおける現場においても、一切体罰や暴力によらない教育に徹底をすると、指導に徹底するということを我が国全体が社会全体として取り組むべきことだというふうに思いますし、特にこれから学校教育においては、今まで以上に外部の有為な方々に参加をしてもらって、あらゆる形で子供たちの指導を是非していただきたいというふうに考えているところでもございますし、当然外部で学校をサポートされている方々にもそれは徹底してもらうように教育委員会を通じても徹底をしていただきたいと思いますし、また、文部科学省としても率先して働きかけてまいりたいと思います。
○林久美子君 本当に体罰を行う指導者は指導者の名に値しないと思います。それによって子供たちの伸び行く力が損なわれる、あるいは心が大きく傷つく、そして未来への進んでいく気概が壊されるということも本当にありますので、こうしたことについては、しっかりと文科省としても、これからの学校の在り方等を含めて対応いただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。 次に、先ほども申し上げましたが、全柔連等々の問題でございます。 全柔連の女子部員に対する体罰、パワハラの問題、あるいは裏金ではないかと疑義を抱かれるようなお金の使われ方の問題等々、非常に大きな社会問題となっています。 こうした問題含め、さらには、先日のJOCの調査で、加盟五十七団体の選手、指導者からのパワハラ、セクハラについての調査の結果、セクハラを受けた、パワハラを受けたことのある選手は二百六人にも達していたということも明らかになりました。 これ、全柔連に限らず、スポーツ界全体にこうした雰囲気が非常に広がっているということはゆゆしき事態だというふうに考えておりますので、大臣、いかにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 三月の十八日に全日本柔道連盟が理事会を開催し、十二日の第三者委員会の提言を受け、改革提言具体化検討プロジェクトを設置するなど、今後、改革に向けて対応していく旨決定したことは承知しております。 また、十九日にJOCが理事会を開催し、緊急調査対策プロジェクトの調査結果を踏まえ、全柔連に対して、一つは、平成二十五年度の交付金の交付を中止する、また二つ目に、代表選手選考の客観化や相談窓口の設置等を含む十三項目の改善勧告を内容とする処分を決定をいたしました。これを受け、全柔連では、今月の二十六日に理事会を開催し対応を協議する予定と聞いております。 文部科学省としては、全柔連が第三者委員会の提言やJOCからの改善勧告を踏まえ、改革にしっかりと取り組むことが必要と考えており、今後ともその対応を注視してまいりたいと思います。 また、御指摘がございましたが、ほかの競技団体においてもJOCが対応したということでございます。今御指摘のように、今月十九日、JOCの加盟競技団体に対するアンケート調査の結果を公表したところでございますが、この暴力行為の有無があったかどうか、それに対して対応をしっかり取るように求めた中で、この競技活動において暴力、パワハラ等を受けたと回答した選手が約一〇%に上ったと報告を受けているところでございます。 御指摘のように、このスポーツ指導から暴力を一掃するため、各競技団体、JOCなどスポーツ界は、この実態をしっかりと認識した上で、連携して取り組んでいく必要があるというふうに思いますし、文部科学省もしっかりと対応してまいりたいと思います。
○林久美子君 学校における部活動に対する指導の在り方も、こうしたいわゆるトップアスリートの皆さんの世界における指導の在り方も、やはりこれはもう大きな歴史的転換期を迎えているんだと思います。 日本的風土とかいろいろなことを言われますけれども、暴力的行為によって、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、能力を伸ばそうとか指導をするということは、これはもうあってはならないんだということで、やはりそうしたものを所管する文科省がしっかりと実態を十分に把握をしながら、決してこうしたことが今後繰り返されないように、そして、更にそうした人々の能力が高まっていくような環境をつくるということに全力を尽くしていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。 では、変わりまして、高校授業料の無償化についてお聞かせをいただきたいと思います。この問題については、後ほど多分、鈴木寛委員の方が重点的に質疑をなさると思いますけれども、私からも少しだけお伺いをさせていただきたいと思います。 高校授業料の無償化というのは、我々民主党政権にとっては大きな成果であったと思っています。現に、経済的事由として高校を中退する子供たちは半分になりましたし、あるいは学び直すということも含めて非常に環境は整っていったと思います。しかし、残念ながら、当時、自民党の皆さんは、高校授業料無償化はばらまきであると、ばらまき四Kの一つだということを盛んにおっしゃって批判をされてこられました。 今改めて、下村大臣は文部科学大臣に御就任をなさって、この高校授業料無償化についての現場の声もまた野党のときとは違った立場でお聞きをいただいているんだと思いますが、この高校授業料無償化についての大臣の評価をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 子供たちの教育費の負担を軽減をする、そのことによってよりチャンス、可能性を広げていくということは、これは望ましい方向であるというふうに思います。ですから我々も、政権交代いたしましたが、高校授業料無償化そのものを廃止するというつもりは全くございません。ただ、同じ財源の中でより成果、効果の上がる形を取るべきであるというふうに思っております。 ばらまきだというふうに御指摘をさせていただいた、野党のときですね、批判をしたと。その経緯というのは、同じ四千億あるのであれば、より効果や効率を十分に配慮しながら、成果が上がる形での高校授業料無償化について対応すべきであり、見境なく低所得者から高額所得者まで同じような家庭の子供に対して十一万八千八百円を均等に支給するのはいかがなものかと、こういう視点からばらまきというふうに指摘をいたしました。 我々は、この総額予算約四千億、これは変えるつもりは全くございません。この限られた四千億という予算の中で、公私間格差をより是正する、それから低所得者層に対して更に厚い手当てをする必要があると思います。その中で、残念ながらほかのところから予算を取ってくるような今財源状況ではございませんので、その中で所得制限を設けて、所得制限の中のその浮いたお金で公私間格差や低所得者層に対する更なる厚い手当てをすることによって、結果的にいろんな子供たちが高校に通うチャンス、可能性を広げていく、こういうことをしていきたいというふうに考えております。
○林久美子君 公私間格差の是正、あるいは低所得者に厚くというお話でございました。これによってより成果、効果が上がるという御答弁だったかと思いますけれども、具体的にどのような成果、効果が上がるとお考えでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 例えば公私間格差ということであれば、基本的に公立高校の授業料の無償化ということでございますので、私学はその分、十一万八千八百円が授業料から軽減されるわけでございます。一般論でいうと、今まで一対四の公立と私立の授業料の金額の差があったわけですが、これがゼロ対三になったということの中で、公立高校はもう授業料は無償と、しかし私立高校は十一万八千八百円引かれた部分以外の授業料はこれは支払わなくちゃいけないということで、保護者の意識からすると、前よりも心理的に格差が広がったという問題がございます。 また、必ずしも私立学校には所得の高い家庭の子弟が行くということではなくて、残念ながら公立に落ちてしまって非常に家庭的に経済的に恵まれない、そういう家庭の子供もやむを得ず私立学校に行くという事例もたくさんございます。 こういう中で、より公私間格差を是正するための対策、それは同時に低所得者層対策ということにもなってくるわけでありますけれども、これは民主党政権の中でも生活保護世帯等についてのかさ上げはされているわけでありますけれども、我々はもっと更に低所得者に対して、これは公立学校に行っている子供も私立学校に行っている子供も更に授業料無償化の額を増やすということをしていくことによって、全ての家庭の子供に高校進学のチャンス、可能性をより広げていくことができるのではないかというふうに考えております。
○林久美子君 それでは、ちょっと細かな内容は鈴木委員の方に譲りたいと思いますが、先ほど、同じ四千億円という財源があるのであればという御答弁、そしてこの高校授業料無償化を廃止するつもりはないんだという御答弁がありました。 しかしながら、大臣が当時、野党のときに御質問なさっていらっしゃった議事録を改めて読み返してみますと、こう御発言をなさっています。「高校授業料無償化、これは一たん廃止して、特にこのような震災復興、その財源に充てるべきではないかと」、このように述べていらっしゃいます。にもかかわらず、今は廃止するつもりはないんだとおっしゃいました。 これは、当時の御発言、財源を震災の復興財源に充てるべきだということについては今いかがお考えでいらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御承知のように、その後、復興財源については、公務員給与の削減等、復興財源がほかの財源で担保されたということによって、そもそも高校授業料無償化総額予算が約四千億ですから、復興財源としてとても足りる額ではないわけですけれども、ほかの部分で担保をされたというふうに復興財源については理解しておりますので、高校授業料無償化についてはこれは四千億をそのまま使うべきであるというふうに考えます。 ただ、先ほど申し上げましたように、そのための見直しが必要であると。しかし、二十五年度については、見直しは準備的にもうすぐ四月ですから間に合いませんし、また、かえって地方自治体や学校現場に混乱を来すことになるというふうに考えますので、二十六年度から高校授業料の見直しについてスタートしていきたいということで今その着手をし始めたところでございます。
○林久美子君 先ほど来大臣は、低所得者も所得が多い方にも同じように一律に配るのはいかがなものかと、高校授業料無償化についてですね。財源については、復興財源が新たに確保されたので、この無償化をストップしてそちらに回すということはもうないんだという御発言だったかと思います。終始一貫、本日も大臣の御答弁からは、高校授業料無償化には所得制限を掛けるべきだというお話をいただいております。 一方で、昨年十二月の総選挙の際のこの自民党の重点政策二〇一二、いわゆる公約集でございますけれども、この中では、幼児教育の無償化に取り組みますと十ページに記載をされています。高校授業料無償化は、所得制限をこれは掛けない限りは、ばらまきと言えばいいんでしょうかね、大臣のお考えで言えば。で言えば、この幼児教育の無償化は、一方で、恐らくここに書いているということはばらまきではないというお考えなのかと思いますけれども、そうだとすれば、その理由をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) まず、高校授業料については、四千億という財源の中でより教育成果、効果が上がる無償化対策、端的に言うと教育費の軽減対策ですね、これをどうするかという中で財源が最初から限定しているということが一つございます。 そして、幼児教育についてでございますが、この幼児教育の無償化については、御指摘のように自民党の選挙公約で入れているところでございます。これは、幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であり、この時期に質の高い幼児教育を保障することは極めて重要であるというふうに考えております。このため、幼児教育に掛かるコストを社会全体で負担し、幼児教育を無償化することにより全ての幼児が幼児教育を享受する機会を実質的に保障することは重要な課題であるというふうに思っております。 今後、子ども・子育て支援新制度との関係、それから、これは文部科学省だけで決められることではございませんので、近々に文部科学省とそれから厚生労働省、また内閣府の三大臣と、そして自民党、公明党、政府と与党との協議の中でこの子ども・子育て支援新制度との関係、それから財源確保の観点、また国、地方の役割分担を踏まえ検討を行っていきたいというふうに思っておりまして、この幼児教育の無償化についてできるだけ早く導入する形での手だて、これは三、四、五歳児を対象に考えておりますが、一気にできるのかどうか、それから財源の問題がございます。そういう中で、当然、所得制限の議論も出てくるかもしれません。この財源論を含めて、トータル的により早く幼児教育無償化するためにどういう手だてをしていくかということについて、政府・与党で検討をしてまいりたいと思っています。
○林久美子君 大臣、ちょっと私が伺っていることに明確にお答えをいただきたいんですが、高校授業料無償化は所得制限を掛ける必要があると、所得制限を掛けない高校授業料無償化はある意味ではばらまきだという御認識ですよね。 一方で、幼児教育無償化については、かつて大臣は所得制限を掛けるつもりはないという御発言を私はなさっていたと思いますよ。所得制限を掛けない幼児教育無償化はばらまきには当たらないという考えでよろしいのですかと確認をさせてください。
○国務大臣(下村博文君) 高校生を持っている家庭の世帯の収入と、それから幼児を抱えている家庭の世帯の収入は、親の年齢構成も違う中で、特に幼児を抱えている親の世帯、若いお父さん、お母さんの世帯の中で、なかなか経済的に高額所得の方々が少ないのではないかと、どんな家庭においても相当な負担があるのではないかと、こういうことから、所得制限がどこまで掛けられるのかどうかという問題が今議論されていることでございまして、基本的には幼児教育については所得制限を設けない形で対応を考えたいと思っておりますが、何をもってばらまきとするかどうかは財源論だというふうに思うんですね、財源論。その財源に対してより効率的な成果、効果が上がるかどうかということの中で、最終的にはそれがばらまきかどうかということが判断されることだというふうに思います。 そういう中では、高校については、同じ四千億であれば、より成果、効果があるということを考えると、我々は、民主党政権における高校授業料無償化は、一律的な、なおかつ画一的な、全ての家庭の子供であっても同じ十一万八千八百円を均等に配ると、その方法がばらまきだというふうに指摘をしたところでございますが、その上に立って、幼児教育無償化については、ばらまきだと指摘されないような制度設計についてこれから検討していきたいと考えております。
○林久美子君 済みません、ちょっと私、よく分からなかったんですけれども、今大臣は、ばらまき、何をばらまきとするかどうかは財源論によるとおっしゃいました。これは財源のその金額のことをおっしゃっているのか、どこから持ってくるという話をなさっているのか、まずちょっとこの点についてお聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) それはトータル的なことですね。そのときの政府全体の財源がどれぐらいあるのかどうかということと、それから、その金額の問題で相対的に決まってくることだと思います。 それから、ちなみに先ほどの親の所得についてちょっと御説明しますと、大体幼児家庭における親の一世帯当たりの平均年収が六百五十三万円です。それから、高校生持っている親の世帯の平均年収が七百九万円です。これぐらいの違いはあるということでございます。
○林久美子君 済みません、ちょっと順番にお聞かせいただきたいと思うんですが、まず一点は、ばらまきかどうかというのは、政府全体のそのときの予算額というか、それによるというお話でしたけど、ばらまきかどうかを判断するのは制度の在り方についての判断であるはずだと私は思います。その認識をもう一度確認させていただきたいのと、今大臣から保護者の所得のお話ございました。幼稚園の子供を持っている御家庭の平均年収は六百五十三万円、高校生のお子さんを持っていらっしゃる家庭の年収が七百九万円ということでございました。一方で、そのそれぞれに掛かる教育費を見てみると、幼稚園では総額およそ六十七万円ですよ。高校では総額およそ百五十五万円ですよ。倍以上、高校に通う子供を持っている家庭は教育費が掛かるということなんです。 いみじくも大臣はおっしゃいました。その家庭の平均年収は、これ倍になんかなっていないわけですよ。負担の割合で考えれば、いかに高校生を持つ家庭における教育費の負担が大きいかということは、これは誰の目にも明らかだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、ばらまきについては、効果、効率や見通しを十分に配慮せず、見境なく多数に金銭を配ることというふうに位置付けたいというふうに思います。 そして、幼児教育と高校教育で、確かに教育費負担は高校段階の方が多いということでございますが、一方で、幼稚園の場合は私立、私学関係が多いと、まあ保育園も含めてですけれども。この中で、私が手元に持っている調査でございますと、幼稚園においては、公立学校で平均教育費が二十三万円、それから私立の幼稚園では五十三万円。それから一方で、高等学校では、公立高校の平均教育費が三十九万円、それから私立が九十二万円です。ですから、客観的な数字であれば当然高校の方が多いということでございますけれども、しかし一方で、だからといって幼児教育について、これは文教科学委員会ですから党派を超えて恐らく共通認識だと思いますが、教育費についてはどの段階においてもできるだけ軽減措置を図ることによってチャンス、可能性を広げる、一人一人に対してですね、そういう環境づくりをするという意味では、これは同様のことだというふうに思います。
○林久美子君 ちょっと、まず一点目は、先ほど大臣、今、効果、効率を考えてきちっと、見境なく配ることはばらまきであると今改めてお述べになりましたけれども、とすると、先ほど何をもってばらまきとするのかどうかは財源論であると言ったのは、これは間違いだったということで訂正をなさるということでよろしいかというのが一点と、もう一つは、公立、私立共に、幼稚園も高校も私立の方がそれは高いですよ。高校はそうしたこともあるから所得制限を掛けるんだと先ほど答弁なさいましたよね。同じ論理で言えば、幼児教育についても当然これは所得制限掛けるという話になるかと思いますが、これはいかがでしょうか。 〔委員長退席、理事水落敏栄君着席〕
○国務大臣(下村博文君) まず最初のは、もちろん財源あっての効果、効率ということでございます。そのときの財源がどこからどんな形で出るかということが当然制約要因として出てくるかと思います。 それから、幼児教育の無償化における所得制限論は、これからの議論の中でございます。文部科学省としてはできるだけという思いはありますが、これは政府全体、それから与党の中で考える、またその中で財源論も同時に議論されることであるというふうに思いますので、所得制限が掛かるか掛からないかは今後のテーマにもなってくるかというふうに思います。
○林久美子君 マニフェストというか、公約集に書かれている幼児教育無償化ですよ。制度設計もせずにこの公約集に載せるという感覚がまず私は分かりません。やっぱり、しっかりと責任を持って、安倍当時総裁ですね、おっしゃっていましたよね、私たち自民党はできることしか書いていないんですとおっしゃっていました。ということは、当然きちっと制度についても議論をして、所得制限をどうするかについても議論をして、練り上げた政策で有権者の皆さんに訴えているはずだと、これ普通はそう思うと思います。でも、今この議論を通じて、何らそうしたことについて制度設計もなさっていないままに、私たちは公約に書いたことはちゃんとできることしか書いていないんだとあの選挙で訴えていらっしゃったということが私はこれ明らかになったというふうに思います。 と同時に、財源のお話を先ほど来大臣繰り返していらっしゃいますが、安倍当時の総裁は、十二月五日、静岡県の街頭演説においてこう述べていらっしゃいます。子育てに頑張っているお父さん、お母さんを応援していくためにも、私たちは幼児教育を無償化していく、ちゃんと財源もあります、こうお話しになっています。財源というのはどこの部分を考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず、我々、第一歩として、幼児教育の無償化については事実上二十五年度からスタートをすることにしました。ただ、これは全ての、第三子目が無償化でありますけど、三番目、三人が全員がその三、四、五歳の対象年齢に入っていなければ残念ながら第三子目が無償化ではありませんが、しかし、そういう家庭も当然あります。今年から幼稚園については第三子目が無償化対象になったということについてはまず御報告を申し上げたいというふうに思います。 具体的にどこからどういう形で財源を持ってくるかということについては、今後の議論でございます。これは七千九百億円の予算が掛かります。先ほど申し上げましたように、近々のうちに、文部科学大臣、それから厚労大臣、また内閣府における森少子化担当大臣の下で、そして自民党、それから公明党の責任者による協議の中で、それについて今後検討していく予定でございます。
○林久美子君 私が伺っているのは、第三子以降の話じゃなくて幼児教育無償化。 幼児教育無償化については、はっきり申し上げますけれども、自民党さんは、去年の衆議院選だけじゃなくて、ここ数年、選挙のたびに公約として掲げていらっしゃいますよね。その制度設計すらできていない。しかも、財源については今、今後の議論だとおっしゃいました。 安倍総裁が静岡県の街頭で財源はちゃんとあると言ったのは、あれはうそだったということでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) どこから持ってくるかということについての検討を今後するということでございます。当然、我々は選挙の中で幼児教育の無償化というのを訴えましたから、当然、その方向に向けてこれから進めるわけでございます。
○林久美子君 きちっとお答えいただけてないんですけれども。 財源は、でも、ちゃんとあると言った以上、きちっと目星が付いていて、これだというのがあっておっしゃっているんですよね。普通はそうだと思いますけど、違うんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) それは、先生もそうだと思いますけれども、ふだん一般論として財源があると言ったときに、それが例えば消費税の何%を持ってくるとか、それから例えば所得税のどこから持ってくるかということではなくて、そもそも政府全体の中の財源ということでこれは一般的にも言うことではないでしょうか。具体的にどこの部分からという根拠を示す示さないということには、それは、だから無責任だということは当たらないことだと思います。
○林久美子君 七千九百億円掛かるわけですね。その全体の中で出すんだということは、今のお話だと、やっぱりどこか削るわけですよね、当然、そうしたら。じゃないと、出てこないと思います。 これ、万々が一ですよ、社会保障と税の一体改革で、子育てに今回新たに七千億、あるいはプラスアルファで一兆とも言われていますが、投じられるわけです。医療、年金、介護、これに子育てを加えて全世代対応型の社会保障制度に変えようと、現役世代も支えていこうということでこの新たな子供の支援制度というのはつくられているわけです。 当時、この中では幼児教育無償化という話は一切ありませんでした。今も、先日から大きな問題になっていますけれども、待機児童の問題ですね、やはりまずこれしっかりやっていこうではないか。あるいは、幼児教育、保育両方の機能を兼ね備えた施設をしっかりと整備をして、全ての就学前の子供たちに質のいい幼児教育と保育を提供できる仕組みをつくろうと。あるいは、そこで働いている先生方の待遇が良くない、しっかりと待遇改善をしようと。職員の配置基準も、もう何十年も変わっていないからしっかりと変えようではないかということを盛り込んでいますし、あるいは、小学校に入ってからの学童保育についても、おおむね十歳未満の規定を外して、卒業するまでの子供たちがしっかりと学童でも過ごし学べるようにしようとか、非常に総合的に様々な種々の政策を入れております。 万々が一、今のお話でいうと、財源についてはここだというのが今のところないようでありますけれども、この新たな子供支援政策の中の七千億円あるいは一兆の中から幼児教育無償化に充てるというようなことは当然ないと思いますけれども、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 子ども・子育て支援新体制の中、これは自民党、公明党、それから御党民主党との中、協議をするということにもなっているわけでございます。 今までの協議の中でも、今御指摘のような、待機児童をどう解消するか、それから幼児教育現場における職員のより厚い待遇等、それから施設の拡充等、これが新たな消費税を上げるときの少子化対策の財源としての議論でございますから、ここに新規に幼児教育の無償化を、そこの財源として我々は提案するということを予定しているわけではございません。 ただ、この子ども・子育て支援体制との関係の中で今後どう議論するかということは一つの議論ですけれども、新規に今のテーマをその中に入れようという予定はないと、幼児教育の無償化の財源をそこに入れるということを今考えているわけではないということは申し上げられます。
○林久美子君 限られた時間でございますので、ほかのテーマもちょっと伺わなくてはいけないので幼児教育の無償化の話についてはこの辺りで本日は終えますが、ただ、やはり明らかになったのは、高校の授業料無償化については、公私間格差の是正や、低所得者に厚く対応して効果、成果を出すために所得制限を掛ける必要があるんだという終始一貫した大臣の御答弁がありました。一方で、幼児教育無償化については、そのような認識には今のところ明確には立っていらっしゃらないということも分かりました。さらには、高校生を持つ家庭の方が教育費の負担が大きいということに対する認識がやや欠けていると私はやはり思います。 〔理事水落敏栄君退席、委員長着席〕 私事で恐縮ですが、私にも今、小学校四年生、今度五年生になる息子がおりますけれども、それは年々教育費は掛かるようになりますよ。子供を育てるということは、経済的な面ではやはりそういうことはあるんだなと私自身も子供を育てながら感じていますけれども、しっかりとそうした現実に大臣が十分に目を向けていただけているとは残念ながらちょっと思えない。 さらには、自民党さんが選挙のときに掲げていた公約が、あるいは安倍当時の総裁が、財源はちゃんとあるんだと、あるいは幼児教育無償化やるんだとおっしゃっていましたけれども、幼児教育無償化についての、しかも、去年だけではなく、ここ数年毎回公約に掲げていらっしゃるにもかかわらず、詳細な制度設計がいまだできていないということ、あるいは財源についてしっかりとした確保が、見通しがなされていないということも明らかになったと、これは残念なことですけれども、思います。 これについてはこれからもしっかりとこの場で議論させていただきたいと思いますし、これは私の持論ですが、幼児教育無償化が駄目だと言っているわけじゃないんですよ。しかし、今これだけ待機児童の問題が深刻で、本当であったら受けられるはずの幼児教育や保育を受けられないという子供たちが何万人と今、日本に存在している中で、やはり私はこっちを優先すべきなんだと思います。限られた財源であればなおのことです。全ての必要な子供たちが幼児教育や保育を受けられるようになった上での幼児教育無償化なら分かります。将来義務教育にするということも考えていらっしゃるかもしれない。しっかりと、そうした優先順位は誤ることがないように、これはもう母親の立場でこれはくれぐれもお願いをさせていただきたいと思います。 じゃ、大臣、短くお願いします。
○国務大臣(下村博文君) それは相当誤解があると思いますが、民主党政権のときも、高校授業料無償化について、これをもって財源にするというのは明確にはおっしゃっていなかったと思うんですね。トータル的な十六・八兆円を、これは削減する中でと、そういう漠とした言い方されていたということで、幼児教育の無償化だけこの財源を持ってくるということを明確にしないことが制度設計がなされていないということは、これは当たらないというふうに思います。 それからもう一つですが、我々も待機児童については、これは対策がもう大変重要なことだと思っています。ですから、待機児童よりも前に幼児教育の無償化を優先するということをこれは言ったことは一言も、これは総理始め、ないというふうに思います。両方とも大変重要な課題であり、それぞれ解決をするためにしっかりとした対応をしていくことは当然必要なことです。
○林久美子君 私が申し上げているのは、財源の話も、我々は、これだけ削減して、まあ見誤りもありましたけれども、そこから充てるんだということを言ってきましたし、所得制限は掛けないという制度設計は明らかにしていましたよ。私が申し上げたのは、その部分についても、制度設計についても、所得制限をどうするかについてすら決まっていないじゃないかということも含めて指摘をさせていただいたということでございますし、待機児童も幼児教育の無償化も大事だとおっしゃいますけれども、先ほど来限られた財源ということを繰り返していらっしゃいますから、しっかりとそこは優先順位を付けなきゃいけない局面もあるかもしれない、そうしたときには誤りのないようにお願いしたいということをお願いをしたということでございます。 では次に、谷川副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 先日、文科省は体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底という通知を出されました。この中で、冒頭、下村大臣からもお話しいただきましたが、懲戒と体罰の区別についても記述をされておりまして、いじめや体罰を禁止して子供たちをしっかりと育ちを守って支えていくべく取組を進めていこうということかと思います。 一方、先月のこの文教科学委員会におけるいじめ、体罰等の集中審議におきまして、我が党の斎藤委員が谷川副大臣に御見解を質問をされました。 改めてお伺いしたいと思います。昨年十二月二十七日、副大臣は就任会見でこうおっしゃいました。怖い先生が学校にいないと駄目、武道家、一番いいのはボクシングだと思うが、空手、剣道、柔道、プロレスも入るかなとおっしゃっています。まず伺います。何をするために学校に怖い先生がいないと駄目なんでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 大津事件のことについていろいろと新聞記事を読む中で、これほどまでに激しいことをして死んでいったのかと思って、本当に胸をつかれました。実は私も、昭和三十一年、中学校一年生のときに、一年間いじめを受けました。長崎県知事賞をもらった焼きもちを焼いたグループが私をのけものにして、一年間一言もしゃべってくれなかったんです。そういうことを頭に描きながら、つらかったろうな、あのときに私も誰かが来て助けてくれたら本当に助かったよなと思って、我が事に振り返らされて胸をつかれたんですよ。何としてもいじめは防ぎたい、避けたい、そして死ぬことだけは絶対に止めたい、そういう一心で述べたんです。
○林久美子君 済みません、よく分からないんですけれども。 もうちょっと答弁短くお願いしたいんですが、何のために怖い人が必要だと思っていらっしゃるのかという明確な答弁を一つと、あともう一つは、先日の斎藤委員の質問に対して副大臣は、取り消すつもりはありませんし、就任会見のときの発言をですね、「取り消すつもりもありませんし、非常に今の時点ではこれしかないのかなと思っております。」と御答弁をなさっています。このお気持ちも今もってお変わりはないでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 荒れている学校への対処方法の一つとして発言したのです。体罰を容認するとは一言も言っておりませんし、正確に言いますと、体罰は言語道断です、力の強い人が弱い人を抑え付けるんだから、こんなことがあってはならないし、私は絶対に容認できませんと答えました。
○林久美子君 これはお答えいただいていないんですが、しかもいじめについての就任会見での御発言ですよ。いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 私の発言は、いじめに対しては徹底的に予防措置を図ることが必要であり、そのためには子供がいじめを思いとどまるようにする必要があると、そういう観点から言ったので、怖い先生とは決して体罰を行う先生のことではありません。あくまでも毅然とした態度でそれを防ぐ先生がおるべきだと、そういうつもりで言ったんです。
○林久美子君 いじめを思いとどまらせるために怖い先生が必要だという理解でしょうか。その怖い先生には何をしてもらおうとお考えなんでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 後段のところ、済みません、後段のところ。
○委員長(丸山和也君) 林君、もう一度お願いします。
○林久美子君 いじめを思いとどまらせるために、今の副大臣の御答弁ですと、怖い先生が学校に要るんだということですよね。その先生には具体的にはどういうことをしてもらおうとお考えなんでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) どんなことをしているんじゃなくて、もう一遍ちょっとそうしたら読ませてもらいましょうか。
○林久美子君 いや、いいです、ちゃんとありますから大丈夫です。
○副大臣(谷川弥一君) いや、私が防ぎたいと思う場面を言わないと分かってもらえないでしょう。
○林久美子君 それは伺いましたから、いいです。
○副大臣(谷川弥一君) それなら、とにかく人をいじめてはいけないんだということを理解してもらいたいためです。
○林久美子君 済みません、本当にちょっと理解、逆にこちらが理解できないんですけれども。 副大臣、こんなふうにもおっしゃっているんですよ。いじめに対しての私の考え方は、まず徹底的に予防、予防措置を図ってほしい、これは今思ってお話しされていることと同じです。これは構いません。問題は次です。「私は省内で言っているのは、NHKに相談してくれと言っているんです。」ともおっしゃっています。 このNHKに相談してくれというのはどういうことなんでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 公共広告機構という番組でずっと放送していますが、いじめをしたらいけないんだよということを徹底的に社会に浸透させていただきたいという意味です。
○林久美子君 それじゃ、副大臣はいじめをなくすためにNHKでたくさん番組を作ってほしいということでおっしゃっているということですか。
○副大臣(谷川弥一君) テレビでいじめは悪いんだよ、悪いんだよとずっと言っていったら、だんだんだんだん、子供たちがそれを見ておって、ああ、いじめは悪いんだということを、してはいけないんだということを理解してもらえるような空気が出てくるんじゃないかと思っているんです。
○林久美子君 これは文部科学の教育担当の副大臣の答弁とは思えません。 確かに、啓発というのは必要だと思いますよ。でも、副大臣は今、文部科学省の中枢で、しかも教育担当で、しっかりと学校現場を踏まえながら根本的に解決できる立場にあるわけですよ。そういう副大臣という立場にある方がそういう答弁をしていらっしゃっていいのかどうかと、私は本当に残念に思いますよ。 副大臣として一体今何をなすべきか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(谷川弥一君) 次は、学校の校長が月に一回ぐらい全校生徒に対する話す機会があると思うので、そこで文学書の中から選んだり、伝記物から選んだりして、いじめなんかするよりも立派な人間になるということをずっと言っていただきたい。そして、担任の先生には、毎朝一分でも二分でもいいから、授業の前にそれを言っていただきたいということも付け加えたんです。
○林久美子君 副大臣は、副大臣に御就任なさってから、いじめあるいは体罰が発生した学校の現場に足を運ばれましたか。
○副大臣(谷川弥一君) 大分に行ってきました。そしてこの間、大臣に付いて五島の学校にも行ってきました。そしてもう一つは、一番ひどいところを視察に行きたいので、そこを選んでくれぬかという指示もしております。
○林久美子君 大分の学校等々と今お話がございましたけれども、具体的には大分に何があった学校に行かれたんですか。
○副大臣(谷川弥一君) いえ、いじめがあったという選定じゃありません。
○林久美子君 副大臣、私が伺ったのは、先ほども申し上げましたよ、いじめや体罰が発生した学校の現場に足を運ばれたのですかと伺ったわけです。そうじゃない学校に伺ったのですかということは聞いていません、そもそも。 さらに、今非常に驚くべき御答弁ありました。私は一番ひどい学校を見に行きたいと頼んでいるんだとおっしゃいましたけれども、これはどういうことでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) どういう、言わばいじめの、新聞でしか今まで知らないので、直近はですね、直近は、だから目の当たりに実態を見たいと思っているわけです。どういうふうな状況なのか、それに対してどういうふうにしているのか。 そして、全然見ていないということなんですが、まず全貌を知ろうと思って、いじめについてはいろんな打合せをずっとしています。
○林久美子君 副大臣が考えていらっしゃるひどい学校とはどういう学校でしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) いや、長々読むなということなので今日はあえて言いませんが、二月十三日の朝日新聞にこんな大きな記事がありますので、「教育」という欄、これ、読みませんから、もう読んだら時間が掛かりますから、こういうことを想定しているんです。
○林久美子君 非常に不誠実な答弁だと思いますよ、副大臣。内容をかいつまんでお話しいただけないですか。読み上げないでください。
○副大臣(谷川弥一君) クラスの雰囲気が乱れている、授業中立ち歩いている、それからトイレ、廊下で頻繁に顔面を殴られたり踏み付けたりする、他の生徒の前で何度もズボンを脱がされる、こういうふうなことが本当にあっているのかどうかということなんです。
○林久美子君 いや、私が伺ったのは、副大臣が考えていらっしゃるひどい学校というのはどういうところなのかということを伺っているんです。今のでいえば、廊下で顔面を殴っているような人がいる学校がひどいと、そこに行きたいんだということをおっしゃっているんですか。
○副大臣(谷川弥一君) こういう感じのですよ、あくまでも。こういう感じの授業というか場面というかそういうのを、行って、いろいろと原因とか、それからそういうのを調べてみたいという意味です。
○林久美子君 副大臣、今副大臣としてもう職務を担っていらっしゃるわけです。今ごろ調べてみたいとか議論をしているとかいうことではないと思います。子供たちは今この瞬間も育っているんです。子供たちは、もしかしたら今この瞬間もつらい思いを抱えている子がいるかもしれないんです。そういう時間的余裕はないんです。副大臣として、教育担当の副大臣として、これはイの一番に問題のあった学校に足を運ばなければならないし、更に言えば、就任会見の本当に意味の分からないあの内容の発言は取り消していただかなくてはならないし、さらには、NHKに相談をしてほしいと言っているんだと、無責任極まりないこの在り方は根本的に私は改めていただきたいと思いますよ。副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 二月二十六日にいじめ問題の対応についてという第一次提言が出ていますし、何というのかな、そういう空理空論だけやっているんじゃないですよ。きちっとこれ、また読んだら怒られるからね、長くなるから。いろいろとここに書いていますので、これも読んでみてください。
○林久美子君 誠実にお願いしますよ、副大臣。机上の空論でやっている、現場にも行っていないじゃないですか。その目で御覧になっていないわけでしょう。 下村大臣、教育担当の副大臣として私は谷川副大臣は極めて不適格だと思いますよ。子供たちが今一生懸命学校現場で学び、つらい思いを抱えている子もいるかもしれない、学校現場もいろんな課題を抱えている中で、私はこれ、大臣、谷川副大臣、大きな問題があると思いますけれども、この間の御答弁を聞いていらっしゃって、大臣としていかがお考えか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 林先生が例えばNHK等の言葉、谷川副大臣がいろいろと述べている中のある部分だけを取り出して、それについてお聞きされているというふうな印象を私はやっぱり思いました。 それに対して、谷川副大臣が必ずしも林先生に理解をしてもらうような内容の話ではなかった一つとして、例えば、先ほどもおっしゃっていましたが、私と一緒に五島列島に行ったんですね。五島列島の福江というところに行きまして、そこの学校現場で車座ふるさとトークというのをしました。そこにおいて、いじめと体罰問題について議論をしていただきました。その中で、現実問題として、いじめに遭っている子供たちの話、それからそれに対して教師がどう対応しているか、あるいは保護者としてどう対応するか、しているかということについて、一緒に同席をされて、視察し、見学し、また話も聞いているんですね。 ですから、行っていないということじゃなくて、行かれているんですよ。行かれているんですけれども、今の話の中には出ていなかったので、そういうふうな誤解といいますか、そもそもそういう話だけですから、誤解ではなくてそういう印象を持たれたわけでございますけれども、福井副大臣と一緒に谷川副大臣もこれは誠実に副大臣としては対応していると思いますが、ただ、言葉足らずの部分が今の答弁の中であったと思いますので、それは十分気を付ける必要があると思います。
○林久美子君 それでは、最後に大臣に御確認をさせていただきたいと思います。 下村大臣は、谷川副大臣は適材適所だというふうにお考えということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 副大臣として誠実に対応されていると思います。
○林久美子君 分かりました。残念ながら、私とはちょっと認識が違うということかと思いますけれども。 文部科学省の大臣、副大臣、政務官の皆さんは、本当に子供たちの命までも責任を持っていらっしゃるんだということをしっかりと肝に銘じていただきたいと思います。この瞬間も子供たちがどういう気持ちで人生を生きているのかということを忘れることなく職務に邁進をいただくことを心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○鈴木寛君 おはようございます。民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。 谷川副大臣ですね、谷川副大臣、いじめ問題で義家政務官から今の現状とか問題点についてじっくりとお話を伺ったことというのはございますか。
○副大臣(谷川弥一君) 部会でも何回も話を聞いていますし、三役会でも聞いています。
○鈴木寛君 義家政務官は、もちろん全ての政策について、あるいは価値観について共有しているわけじゃありませんが、少なくとも今日のいじめの現場の深刻さということについて、御自身も非常に向き合ってこられましたし、この文教科学委員会でも、与党であったり野党であったりいろいろ立場はそれぞれ変わってはおりますけれども、本当に共に問題の深刻さについて共有してきた我々の仲間なんですね。 要は、副大臣を除く今日の委員の皆さんの違和感を少し代弁させていただくと、もちろん、校長先生が伝記を引いていろいろな集会でお話しいただくこと、大変いいことだと思います。あるいは、担任の先生が一分でも二分でも朝お話しいただくこと、大変すばらしいことだと思います。そして、多くの担任は、そういう、文字どおりそのことをやっているかどうかは別として、何とかいじめをなくしたいという強い強い思いの中でいろんな御努力を一生懸命されています。あるいはそういうことを応援しようとしています。 しかしながら、そして、これまで二十年、三十年ずっとこのいじめ問題については問題が深刻化し、そして歴代の、伊吹大臣も始めいろいろな大臣が御努力をされて、与野党問わずですよ、あるいは各、政権交代の前、どの政権であっても。しかしなお、またこういう問題が起こってしまう。 本当に大変な難問でありまして、やっぱりその難しさ、深刻さということをとらまえて、そして我々こうした仕事を預かる者として知恵を絞り全力を傾けていこうと。その思いにおいて、副大臣も思いを持っておられるということを私は否定するまでもありませんけれども、しかし、現状認識について少し我々と異なるのかなと。 もちろん、先生が毅然とそのいじめに対して向かっていくこと、これ大変大事なことです。しかしそれは、もちろんボクサーの皆さんにも武道家の皆さんにもそういう毅然とされた方は大勢いらっしゃると思いますけど、しかし、背は決して大きくないけれども、女性の大変勇気のある校長先生で、自分より背の大きい中学生と、しかし毅然と敢然と向かい合って、そして心の底からいじめは駄目なんだということをきちっと諭して、そして何度も何度も本当にきめ細かく、そして繰り返し誠意を持って臨んでおられる、そしてその中でいじめが解決するあるいは緩和する、こういうこともあって、これも私はすばらしいことだと思うし、義家政務官というのは昔そういうことを現場でやってこられた、そういう現役の、現場の先生のお一人でいたわけです。 そういうことをみんな一生懸命頑張っているけれども、まだなお足らないところ、あるいは時代の変容、それからもちろんNHKも、NHKは私は害悪な番組はやっていないと思いますけど、一部民放では何かいじめを助長するような、あるいはそういうことをやゆするような番組が割ともてはやされていて、そしてそのことが子供たちの成長や学びにとって悪影響を与えていると、その認識も我々は共有しています。しかし、そのことが必ずしもうまくいっていなくて、頑張っているんだけれども、それを上回る深刻な状況があって、それに我々は向かっていかなきゃいけないと。 こういうことをみんなで共有しながら、みんなで心を合わせながら最善を尽くしていこうというところに、副大臣の御答弁の基になっている現状認識において、いろいろ見ておられるし、いろいろお話を聞いておられるんだと思いますけれども、そこはコミュニケーションの問題なので受け取り方の問題の部分もあるかもしれませんけれども、そういう印象をみんなが持っていて、少なくとも我々は持っていて、副大臣にもっと更に、いや、それはどんな人でも全国で起こっているいじめの全ての現象を分かっている人は誰もいません、いませんけれども、しかし更に向かい合っていただきたいなと、こういう思いでありますので、是非、義家政務官、よろしくお願いをしたいと思います。お願いだけしておきます。 それで、先ほどの幼児教育の無償化の件なんですけれども、大臣。私も幼児教育の無償化、大賛成です。それから、我々民主党も二〇〇六年の日本国教育基本法案で幼児教育の無償化を入れました。そういう意味で、安倍政権がこのことを真剣に取り組んでくださって、あるいは先日の下村文部科学大臣の所信でもおっしゃっていただいたことは大変評価します。しかし、これを実現するためにも、やっぱり議論は、選挙のキャンペーンとかテレビ向けのキャンペーンはそれはいろいろありますけど、ここはやっぱり文教科学委員会ですから、やっぱり正確な制度設計、あるいはそれの前提となるいろいろな認識についてはやっぱりちゃんと議論しておきたいと、こういうことですね。 先ほどの議論でほとんどは尽きているわけですが、しかしやっぱり御指摘をしておかなきゃいけないことは、平均値で幼児を抱える御家庭の所得が六百五十三万円で高校が七百九万円、そのとおりです。しかし、所得制限というのはそういう話じゃなくて、例えば一千五百万円の所得の家にも幼稚園児はいます。所得制限を掛けないということは、この一千五百万円、二千万円の所得の子供にも無償化を適用すると、こういう話ですね。要するに、幼児教育の無償化の話と高校教育の無償化の話で言葉の定義や制度設計の考え方が少しずつすり替わっているので、それはすり替えずに、もちろん価値判断はあるのは当然です。私たちは、高校無償化も堅持、幼児教育無償化も是非やるべきと。今回の第三子からの措置は評価しています、はっきり申し上げて。これを何とかやっていきたいと、後は財源の話ですねと、こういう考え方です、我々は。 それで、我々は高校無償化も幼児教育無償化も両方やりたいと思いましたけれども、なぜ高校教育の方を優先したかというと、理由は二つあります。 一つ目は、先ほど林委員から申し上げましたように、子供が高校、大学に上がるに従って家計の教育費負担というのはうなぎ登りになってくると。その辺りから、ピーク時全所得の三割とか四割とか、こういうふうに教育費が上がっていくので、そこを軽減するというまず実態面に即した緊急性。 それからもう一つは、国際人権規約というのがありまして、十三条ですが、そこには中等教育無償化、そして高等教育の漸進的無償化という条項があります。これについては、長きにわたる自民党政権下ではここは留保していましたね。これは、我々が高校無償化法案やるときに、与野党の皆さんの御協力をいただいて成立をさせ、そして無償になりましたので、昨年の九月に国際人権規約十三条の留保を撤回をし、国連に直ちにそれが受理されて、今現在、国際人権規約十三条留保をしていない、要するにそれもちゃんと含めて批准をしているという、まともな国というか普通の国になることができたわけであります。 国際人権規約は、もちろん幼児教育も重要ですが、人権規約上は、まず中等教育の無償化があって、次に高等教育の漸進的無償化があって、そこまでです。幼児教育については人権規約は触れていません。もちろん、子どもの権利条約の考え方とかそういうことを推進していきますと、幼児教育の無償化というのもその延長線であるんですけれども、明示的な、国際的な条約ベースでいわゆる無償化ということが明記されているのはこれ中等教育無償化なので、まずそれを第一義的にやったと、こういうことなわけでありますけれども。 ですから、さっきの不整合はやはり考え方としておかしいんじゃないですかということを申し上げていて、そこは大臣はよくお分かりだと思いますけれども、やはりそれは重要な整理すべきポイントだということを指摘をしておきたいと思います。 それで、今日、お手元に資料をお配りをしておりますが、これも大臣個人は分かった上でおっしゃっているんで、なぜ分かった上でそうおっしゃるのかということを後で質問をしてみたいと思うんですけれども、ばらまき、効率、効果を考えずに見境なく多数に金銭を配ることと、こういう御定義がありました。この定義に私も賛成します、ばらまきの定義として。 私どもが政権にありましたときに導入しました高校無償化は、効果、効率を考えずに見境なく多数に金銭を配っているわけではありませんということを御説明をしたいのがこの一ページ目でございます。 高校無償化は一律に十一・八万円、公立ではですね。あるいは、私立は、これ二枚目でありますけれども、二十四万円、十八万円、そして十一万八千円と、こういうふうに就学支援金を給付するわけでありますが、と同時に、先ほど一律画一に十一万八千円をとおっしゃいましたが、それは誤りです。 つまり、私たちは同時に特定扶養控除の縮減ということをやっています。つまり、この表の見方ですが、一ページですが、まず薄い青色のところは、無償化による便益、公立十一・八万円。これはまず一律にもらえます。しかしながら、この点線でもって、特定扶養控除縮減による負担増というのがありますから、AマイナスBの実線ですね、実線、これが今回の、今回のといいますか、我々が政権のときに導入したいわゆる高校無償化制度の実質的な効果であります。 つまり、この表を見ていただいたらお分かりのように、三百万円、所得、年収の方々には約九万四千三百円、それが逆勾配で、実質的な手取りというものは右下がりになっていくと、こういうことであります。最高年収ゾーンについては、差し引きいたしますと六千八百円のプラスにしかなっていないと、こういうことでありますので、私たちも、きちっと限られた財源の中で効果、効率を考えてこういうふうな逆勾配、実質手取りにすると、こういう制度にいたしたということは、大臣は実は昨年の三党協議のときの責任者でありますからよく御存じなわけでありますが、副大臣におかれましては、こうした事実、今まで御存じでしたでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 正確な図じゃなくて、控除の廃止という点でバランス取っているのは分かっていました。これを見たのは初めてです。
○鈴木寛君 ありがとうございます、大変勉強していただいて。 ということは、民主党政権が導入した高校無償化はばらまきでないということを副大臣におかれましても御確認をいただいたということは大変有意義なことだというふうに思います。 それで、結局、今、ちょっとまず大臣に伺いますけれども、じゃ、その前提の上で、所得制限幾らにされるんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これは鈴木先生とも考え方は全く同じだと思いますが、やっぱり教育における我が国の公的負担はOECD諸国の中でももう最下位近いですから、そのために私的教育費負担が大変に大きいと。それが家庭においても、あるいはもしかしたら少子化においてもマイナス影響として位置付けられる大きな要因の一つではないかということを考えると、今後我が国における教育費の公的負担を増やしていくということは、あるべき方向として、是非これは党派を超えて、教育に携わっている議員であれば一様に同じ思いであるというふうに思いますし、これから是非そういうことをしていくべきだというふうに思います。 その中で、しかし、まず現実問題として、それはこれから我々も第二期教育振興基本計画等の中で位置付けたいと思っておりますが、少なくとも二十五年度の予算等の中では、限られた財源の中でどうするかということを考えたときに、この高校授業料無償化については、冒頭申し上げましたようにこれを廃止するつもりはないと。しかし、制度設計の中で、より真に必要な人たちに対して同じ財源の中でよりバランスを取った対応をする必要があるのではないかと。そのことを考えると、よそから財源を持ってくるわけにはいかないと。そうすると、高校授業料無償化という総額の約四千億という限られた予算の中で公私間格差、そして低所得者層に対する更に厚い対応を考えると、その財源は、所得制限を設けてそれによって振り替えるということをこれからしていきたいと思っております。 そのためにどれぐらいの財源が必要かどうかということの中で所得制限を幾らにするかということが決まってまいります。野党の自民党政権のときは一つの目安として年収七百万という位置付けをしましたが、それは一つの目安でございますので、今後どのような配分をするかどうかを考えながら所得制限の額については決めてまいりたいと思いますが、しかし、二十六年度からこれをスタートしていきたいと思っておりますので、遅くとも今年の前半までにはその所得制限額についても決めていきたいというふうに思います。
○鈴木寛君 今日の答弁で無償化は廃止しないということを明言していただいたことは大きな一歩だというふうに思います。その御英断には高く敬意を表したいと思います。更に効果的に財源を使っていきたい、これも賛成です。 ただ、二つコメントがあります。 一つは、財源はほかから持ってくるわけにいかないのでというところは、六ページ御覧ください。そこは我々、違います。今回の新しい安倍政権の予算編成の中で、厳しい中、文科省頑張っていただいたとは思いますが、しかし対前年度で五百六十九億円マイナスです。あるいは、一方で、国交省予算五千四百九十三億ということでありますから、ここは、政権全体として教育再生と言いながら、やはり我々民主党の予算の重点の置き方のウエートとそれから新政権の置き方は違うなということですから、ここは見解の相違というか、政権自体としての予算編成方針ですから、そこは違うんだということを申し上げておいて、そこはそれで結構です。 ただ、二つ目、申し上げたいことは、所得制限という手法というものが適切なのか適切でないのかということを今日議論を深めたいと思います。 私たちは、所得制限という、これは高校無償化だろうが幼児の無償化だろうが、あるいは社会保障制度であろうが何であろうが、所得制限という手法の持っている問題点ということを今日私がるる申し上げます。 そのことを是非御理解いただいて、その大方針は同じなんで、もちろん増やしてほしいと思いますが、いずれにしても、確保した財源を、現状維持の下村大臣ともうちょっと増やす私とで少し違いますが、いずれにしても、確保した財源を効果的に使うというところは一緒です。だけれども、使い方の手法で、所得制限というのは、我々も制度設計のときにいろいろ考えたものですから、そのときのことを是非共有していただきたいというふうに思って、今から御説明申し上げます。 三ページ、御覧ください。これは所得制限というその政策スキームの持つ不備なんですね。つまり、所得というのは、一年間の所得を把握して、そしてそれを次年度以降の政策に反映するということを、別にこれ、オール霞が関、全部やっています。もちろんこれ、将来国民ID制になって、しかも所得を、例えば月ごとに把握するとか週ごとに把握するということになったらまた話は変わってくるんですけれども、当分の間できない。つまり、毎年七月に前年の所得というのが決まるわけですね、確定するわけです。それに基づいて所得制限を掛けるとか掛けないとかということが決まっていくわけですから、家計変動をしたときに、それが反映するのには最短で七か月、最長で二年掛かるんです。要するに、平均一年四か月、ラグができてしまうと。これは所得制限制度の持つ欠陥ですということをまず理解をしていただきたい。 例えば、これ三ページ、平成二十六年の四月に入学して平成二十六年の八月に家計変動が起こったとします。そうすると、それが反映されるのは平成二十八年の七月、まあこれ最長のケースですけど。これ、一年生で入っていますから二年後に対応できるかもしれないけど、もしも二年生の四月あるいは八月に起こったらもう卒業しちゃっているんですよ。そうすると、所得制限、要はこの支援策を受けられないまま高校を卒業してしまうと。これは幼稚園でも同じことですよ。という所得制限の持つ問題というのがあるということを是非御理解をいただきたいと思います。 それから、所得制限の持つ問題その二。五ページ、御覧ください。 仮に七百万としておきましょう。まあ、これから少しずつ変わるのかもしれませんけれども。現在の高校生を持つ世帯の収入の分布です。そうすると、七百万ということになると、所得制限の問題その二は、一万円でも低かったら、例えば六百九十九万円だったら対象になって七百一万円だったら対象にならなくなると。これはもうどこかで線を引いたら必ずそういう問題が起きるんです。これも、そうすると、七百万円の前後、要するに百万円、六百万円から八百万円の間に実は七十五万人いるんですね。約二三%です。そうすると、約二三%の人たちが、自分は来年対象になるんだろうかならないんだろうかということをずっと確定されないまま、不安のままで過ごさなければいけない。こういう課題があるので、所得制限というのはそこに問題を抱えていると、こういうことなんですね。 それから四ページ、私も本当に多くの公立の高校の現場の先生方あるいは高校教育の行政の皆さんから御指摘をいただいて、また御陳情をいただいているのは、もう公立高校については、授業料徴収の担当職員を置かなくてよくなったのでそれを別のところに振り向けましたと。そうすると、また公立が所得制限ということになると、追加で人員を増員しなきゃいけないと。こういうことに増員する人員があるんだったら、もっと本当にいじめの問題とか学びの充実とか、そういうことに充てたいんだと。 つまり、これ四ページ御覧いただくと、所得確認を新たに実施しなきゃいけないのが五二%出てくるわけです。これがまた、この人は本当に対象なんだろうかどうなんだろうか、あるいは、いわゆる支援の対象であるということになった場合に、それの証明、確認をしていくというようなことを高校の現場がやらなきゃいけないと。これも所得制限制度の持つやっぱり問題点なんですね。 したがって、私たちは、一回まず無償、あるいは十二万円から二十四万円ということを給付しておいて、それを後の税金の調整でもって実質的な調整を図ると。税金で調整した場合は、これ一円単位で調整が利きます。だから、先ほど一ページ目御覧いただいたように、非常にシームレスな、切れ目のない制度設計ができるというのが無償化プラス特定扶養控除、税による調整という制度の持つ利点だということは御理解ください。 もちろん、これについても、例えば特定扶養控除を廃止したときに、高校に行っていない方の問題とか、そういう問題があることはもちろん我々も理解をいたしておりますけれども、そういう議論の末、今のような制度になっているということは御理解をいただきたいと思います。 これ単に、方法二つあって、現行のスキームの中でさらにこのようなバランスを、要は重点配分を変えていくという方法と、私はそれを是非していただきたいという、これ提案です。仮に、この七百万円以上を所得制限を掛けて、十一万八千円をやめるということになると、結局その分の特定扶養控除の縮減の分がマイナスになりますから、これ麻生政権のときよりも七百万超の世帯にとってはダメージになる。じゃ、このダメージを解消する方法は特定扶養控除を戻すということになるわけですけど、そうなるとどうなるかということなんですけれども、先ほどの、もう一回所得制限に伴う様々なラグの問題だとかが起こってくるということは御理解ください。 私は、七ページ御覧いただきたいんですけど、より低所得者にとても分厚く、そして中間層にも分厚く、そして高額所得者には私は実質負担増になってもいいと思っているんですね、その有効な財源の使い方。この七ページの下のところです。 所得制限を掛けた場合は、七百万超のところは、今もらっている十一万八千八百円がなくなりますからそこがマイナスになります。一方で、現行スキームを維持しながら、今は三十八万円でありますけれども、それをさらに廃止すると一千四百五十億円の財源が出てくる、全部廃止すれば。半分廃止すれば七百億円の財源が出てくる。私はそれはほかのところから持ってくるべきだと思いますけれども、思いますが、私が、大臣がおやりになりたいと思っている、特に私立高校の低所得のところの支援を厚くしたいと、この思いは全く同じです。全く同じですし、そういうことを私が更に続けさせていただいたのならば是非やりたいなと思っていましたので、そのことを引き継いでいただいていることは大変有り難いんですけれども、その際に、今のスキームを更にめり張りを付けていくと、この七ページの一番下の欄で、年収七百万円の人のマイナス分というのは三万八千円になって、一方で、年収二千四百万円の人はマイナス十五万二千円、これは実質十一万八千円からすると、十五万二千円ですからもう四万円負担増になります。 しかし、私たちの考え方は、これは甘んじて負担していただこうと。その分を七百万円、八百万円の分厚い中間層をつくるためにその財源を有効に使うということの方が望ましいんじゃないか、こういう考え方。ただ、あのときはきちっと財源が取れましたから、一律にプラス、増になったということなんですけれども、是非こうしたことを御理解をいただいて、制度設計の議論にきちっと生かしていただきたいと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 貴重な提言と資料をいただきまして、ありがとうございます。 この高校授業料無償化については、義家政務官の下でPTをつくって省内で検討に入っておりますので、今日、鈴木先生からいただいたこの資料も参考にさせていただきたいと思います。 その上で、幾つかちょっと申し上げたいと思うんですが、まず一つは、自民党政権になって二十五年度の文部科学関係予算が昨年比減ったではないかと、こういう御指摘がございました。 事実、昨年に比べると二百九十七億円、今年の二十五年度の文部科学関係予算が四兆六百六十一億円ということでございますが、これは先生御承知の上で御発言されているわけであると思いますが、実際この二十四年度の補正予算が文部科学関係で六千百八十三億円、これを足せば対前年度比五千八百八十六億円増えているということと、それからもう一つ、決定的な要因として、給与臨時特例法等の影響によって、これ復興予算に計上するということで一千百十億円が削減されたと、人件費でございますね。これによっての影響でございますので、事実上、文部科学関係については減っていないということについては是非、御理解をしていただいているんだとは思いますが、議事録に残すために、先ほど林先生からも御指摘がありましたので、あえて申し上げさせていただきます。 それから、所得制限における課題は御指摘のとおりだというふうに思います。 ただ、一方で、これまでの民主党政権の中で行われた高校授業料無償化においても、特定扶養控除の問題でこれが結果的に負担増になっている世帯もあったわけでございますし、政権交代があろうとなかろうと、このことについては三年後に制度設計の見直しというのは法律の中にも書かれていたことでもございますから、同じような視点で見直しをされるということになったんだろうと思いますが、我々は、政権交代しましたので、この中で、今御指摘がありましたように、財源は所得制限を設けた上で低所得者や公私間格差の是正を行うという制度設計にしているわけでございます。 しかし、その中で、御指摘のような、ある意味では一つのラグの問題、これは今後マイナンバー制度等が導入されることによってより解決する部分も出てくるかというふうには思いますが、しかし、御指摘の点はそのとおりであるというふうに思います。また、所得制限を設けたことによって、厳格に決めますから、例えば七百万円と六百九十九万円で違ってくると、一万円違うのにもっと差が付くと、こういうマイナスの部分も御指摘の点としてはあるというふうに思います。 ただ、これは高校授業料無償化のための所得制限ということだけでなく、ほかの所得制限がいろいろ各種行われている中でも同じような課題があって、しかし、それにもかかわらず所得制限が行われているということの制度設計というのがあるわけでございまして、そのほかの分野における所得制限と高校授業料無償化の所得制限の額は同じになるわけではありません。あくまでもこれは、限られた四千億の予算の中でより公正公平な、下に厚い制度設計という中での、逆算の中での所得制限を幾らにするかということを決めてくるわけでございますが、今日の資料等も参考にさせていただきながら、国民の皆様方によりいい制度になったと思っていただけるような、それから今回、政府が、民主党政権のときに高校授業料無償化を導入したことによって、都道府県がそれぞれの創意工夫による加算措置を相当しております。これは財源があるところとないところによっても差がありますから、できるだけそういう都道府県の負担の軽減になるような対応も併せて考えていく必要があるのであろうというふうに考えております。 資料、ありがとうございます。
○鈴木寛君 ほとんど思いは同じなんですけれども、所得制限といった場合には所得制限制度を意味してしまうので、だから、所得による逆勾配を付けるということは我々も大臣もほぼ同じことだと思いますが、是非。 それと、これはもう答弁要りませんけれども、所得制限を入れてしまいますと、中等教育無償化という国際人権規約とのバッティングという問題が出てくるということは御理解をいただきたいというふうに思います。ちょっと次に行きたいので、また引き続き議論をさせていただければと思います。 次は、先ほど予算の話がございました。もちろん補正はやっていただいているんですけれども、それを言えば、国土交通省は一兆九千五百四億円の補正をやっているわけでありますから、その増分の配分について、文科省は増えなかった。もちろん私たちも、復興地域における公共事業、大変大事だと思います。しかし、この前、私も福島大学に行ってまいりましたけれども、三次補正で付けた工事が人手が集まらなくてなかなか延びているという話があって、むしろ、国全体の公共事業を増やすということは、東北地域からそういう人材、人員、あるいは機材、あるいは材料というものを、行かなくなってしまうということも指摘をしていきたいと思います。 それで、私は、その増えた財源の中でやはり是非やっていただきたかったなと、残念だったなと思いますのは、十五ページを御覧いただきたいんですけれども、少人数学級の件でございます。新たな教職員定数改善計画ということで、これは昨年の十一月の二十日に、子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会、二十三団体で、当時自民党の責任者であられました下村大臣、私のお隣に座っていただいて、私からも大臣からも、これはこの御趣旨に沿った形で頑張りましょうと。これも与野党を超えて頑張ってきたテーマでありますが、残念ながら今回の予算では新たな教職員定数の改善計画のこの御要望のとおりにはならなかったと。いろいろ最後まで御尽力いただいたということは私も敬意を表したいと思いますけれども、そのことは大変残念だったなと。 そこに立ちはだかったのが財務省であられまして、十六ページに、少人数学級の推進についてはその効果について全国学力・学習状況調査を活用し十分な検証を行いつつと、こういうことで今回は定数改善が行われなかったと、こういうことであります。十九ページに財政審の報告があって、それをブレークダウンしたレポートになっているかというふうに思いますけれども、今日は財務省に来ていただいておりますが、お尋ねをしますけれども、少人数学級の政策効果について、学級規模の縮小と子供の学力向上との間に相関関係が見出せないということが通説であるというようなことが言われているわけでありますが、十九ページの「少人数学級の政策効果」の三、四行目にそういうことが書いてあるんですけれども、これに対しては、文部科学省、私が副大臣をやっておりましたときにいろいろな調査をいたしました。 例えば秋田県、山形県では、現に、これは十八ページでありますけれども、秋田県は少人数学級を平成十三年度から他県に先駆けて導入をしておりまして、御案内のように、秋田県というのは全国の学力・学習調査でも十九年から連続して小学校においてはトップを続けております。これはもう明らかに、当時の寺田知事の御英断でこのことに踏み切られたということの効果だというふうに思いますし、あるいは山形県では、これも十八ページでありますけれども、少人数学級、平成十四年度から導入以降、不登校の率が全国の三分の二程度になっているとか、あるいは大阪府で申し上げると、児童の欠席率がそれまで二%ぐらいあったものが一・五%に減っているとか、こういう研究成果もあります。 それから、更に申し上げますと、お手元にお配りをしております二十八ページでありますが、国立教育政策研究所の研究成果ということで、総じて申し上げると、成績上位者に対してはさして影響はないのかもしれませんけれども、成績中位あるいは下位者にとっては、きめ細かく教員が指導していくということは明らかに様々な面で、学力も、そしていろいろな生活面、指導面に効果を発揮しているというのがいろいろな調査から見てほぼ明らかになっております。 そして、さらに、この財政審は大変無理なことを言っておりまして、教育の政策効果ということを全て定量的に確定的に把握することということは不可能です。もちろん、定性的あるいは傾向値ということはこういう事例をもって示しているわけでありまして、ここは、それをもってこれだけじゃまだ十分ではないということは、言葉は悪いかもしれませんが、言いがかりとしか思えないわけでありまして、この点について反論があったらしてみてください。
○大臣政務官(伊東良孝君) 財務大臣政務官をしております伊東良孝でございます。 ただいまの学級規模等々につきまして政策効果というお話でありますけれども、これは国際的にも様々な実証研究がなされているところでありますが、この財政制度審議会に提出いたしました資料におきまして、少人数クラスによる混雑緩和効果の実証研究、これは観察し難い旨の結果を紹介させていただいているほか、このOECD、このOECDの諸国におきましても、学級規模と生徒の成績、その関連性は弱い、あるいは規律意識や教員と生徒の関係といったもの、ほかの要素の関連性も弱いということが一般的に言われているところでございます。このことを踏まえ、学級規模の縮小と学力向上の間に相関関係が見出せないという研究が通説になっていると記述されているところでもございます。 今、御例示いただきました山形県、秋田県の例は、これは確かにその数字が表れているようになっておりますけれども、では、それ以下の小さないわゆる少人数学級であります、平均しますと二十一、二名と言われる他府県、高知県、島根県、鳥取県、福島県、鹿児島県等々、山形県より少人数学級の都府県におきましては、残念ながらその効果は同様の形では現れていないわけでございまして、政策効果を全国レベルでしっかり検証する必要があると、このように考えているところでございます。
○鈴木寛君 本気でそういうことをおっしゃっているんだとしたら、もう一回政策研究大学に行かれた方がいいと思いますね、財務省の諸君は。 要するに、教育効果というのは様々な複合要因によってそういう現象ができているわけです。他の条件が変わらないとしたときに、新たな施策を導入したときにどういう効果があるかと、これコホートといいますけど、それをやっているのが山形県と、あるいは先ほどの大阪府の研究と、それから秋田の研究なんです。そのことを、全然前提条件が違う、しかも教育という複合要因によって行われる、高知県であるとか、そういうところと単なる数字を比較するということはこれは学問的に間違っていますから、それは指摘しておきたいというふうに思います。 正しいのは、高知県に新たに何かの制度を導入したときに、それがどういう効果があるかということを検証するというのが正しい政策科学に基づく方法でありますから、そうしたようなことで、これを引用しているというのであれば大変に問題でありますし、それから、通説というのは一つの反論、反証でもって覆るというのがこれは論理学の大常識でありますから、そのことも併せて申し上げておきたいと思います。 それと、もう一つ気になりますのは、この財政審の報告は、要するに学校教育の目的は学力だけであるかのような記述があるところであります。もちろん学力は重要です。しかし、二十六ページ御覧ください。学校現場というのは、この十年、あるいは十五年、二十年を取りましても、不登校の問題、中学校で二・二倍、暴力件数、小学校だと一・九倍、日本語指導が必要な外国人の児童数も増えています。あるいは通級指導も増えています。特別支援学級に在籍する児童数も増えています。あるいは要保護、準要保護の児童生徒数、増えています。 あるいは、これも私が副大臣のときに、与野党の委員の皆様方の大変な御理解を得て、もう一度、この二十三ページでありますけれども、発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する大々的な調査を実施させていただきました。先般その結果が出ましたけれども、二十三ページを御覧いただきますと、男子生徒の場合は九・三%が学習面あるいは行動面で著しい困難を示すと書いてあります。あるいは小学校一年生でいいますと九・八%、これは男女両方です。九・八%の児童生徒が学習面、行動面で著しい困難を示すと、このような問題。 あるいはさらに、先ほど議論になりましたけれども、この教育再生実行会議の報告書、三十一ページでも、この今のいじめ、特に子供が孤立しないようにするために、教職員配置を改善充実し、少人数指導、少人数学級の推進、こういうことが重要だということでありまして、この学校現場の抱える問題は今どういうことになっているかというと、このPISAの直近の調査を申し上げると、十五歳段階で、レベルファイブの全生徒に占める割合というのは世界一に戻ったんです。ただ、レベルワンとレベルツーは三割います。韓国は二割です。その三割の中で、今御紹介申し上げているような発達障害の可能性が想定されるというのが一〇%ぐらい、一割弱いるわけですね。まさにそこに、きめ細かくその問題に向き合っていくということが望まれているわけで、そのためにはやっぱり教員をきちっと確保していかなきゃいけない。 OECDの指摘は、私自身が事務総長と話をしました。こういうつまみ食い的な編集をしないでいただきたい。 教員の数と同時に質が大事だ、これおっしゃるとおりです。じゃ、質はどうしたらいいか。そのためにいろいろな議論を積み重ね、また大臣所信でもしっかりやると言っていただいた、これは大変評価しますが、教員の質が確保されていない理由の一つに非正規の問題があります。 つまり、この資料の十七ページを御覧いただきたいんですけれども、この間、財政的な理由を背景に、非常勤講師あるいは臨時的任用教員の割合が、例えば平成十七年は一二・三%でありましたのが、平成二十四年は一六・一%に増えているんですね。 結局、質のいい若い方を採用しようと思うと、きちっとした正規教員として雇っていくということを言わない限り来ません。例えば、関東の場合は、成績上位内定者から教員の内定辞退というものが続出しているわけですよ、それは正規教員ですら。いわんや、非常勤講師や臨時的任用教員では優秀な人材を採用できない。 だから、なぜ定数改善計画、要するに単年度単年度の話じゃなくて、ちゃんと五年だとか七年だとか、その年限においてはこれからいろいろ議論があっていいと思いますけれども、ある展望を持った採用計画、しかも正規教員の枠をきちっと確保していくということが、実はOECDの言っている教員の質を上げるという重要なことに極めて大事な、それだけではありません、しかしそのことは必要条件ですということを是非御理解をいただきたいというふうに思いますが、その点についての財務省の御答弁と、それから文部大臣、新しい定数改善計画についてどのように取り組まれるのか、それぞれ御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(伊東良孝君) 少人数学級の実施効果を学力だけで判断するのはおかしいというお話でございました。 もちろん様々な要因がそのほかにもあるわけでありますが、この少人数学級につきましては、地域や学校ごとの個別事情に対応したものではなくて、全国的に教員を増やす施策であるわけであります。 また一方、既存の加配定数の中で、習熟度別指導等の学力向上のための配置を選択的に実施することが可能とされているわけでございます。一般教員の数六十四万人、そして加配の数が現在六万五千ぐらいであります。七十万のうちの約一割は加配の職員になっているわけであります。 また一方、いじめ、不登校等、問題行動への対応や、今お話ございました特別支援教育等のその他の対応課題のためにこの加配措置というのが別途講じられているところでございまして、学力向上への成果を中心に効果を検証する必要があると、このように考えております。このため、文科省におきまして、習熟度別指導と併せて、二十五年度全国学力・学習状況調査等を活用し、十分な検証を行っていただいていると、こう考えております。 もう一つ、今お話出たところでございますけれども、非正規職員の数でございました。 近年、職員の大量退職、大量採用時代が続いてございます。現在、四十八歳から五十八歳くらいまでの教員の数が圧倒的に多数を占めておりまして、退職も極めて多い状況が続いております。ここ二十二年度から退職者数一万五千名を超えるようになりまして、二十四年度で一万六千名、二十五年度で一万七千名、さらに二十六年度では一万八千名を超える退職者が増加をしているところであります。 したがいまして、これに伴いまして新規の採用を増やしていくわけでありますから、昔は応募者数が相当多くて、採用者数がそれに比べて少なくて、競争率も十二倍あるいは十倍以上ということがざらでございましたが、近年は採用率というか倍率が四・五倍までに縮小してきて下がってきておりまして、今、鈴木先生のおっしゃられる教員の質という面におきまして、本当にその倍率をはるかに下げてこれから大量に採用するのが教員の質を維持できるかどうかというのもまた考えなければならない問題だと、このように思う次第でもございます。 少子化の中でありまして自動的に教員数はこれ増えているのが現状でございまして、毎年二千人ずつ自然増があると、このように言われている中で、一定程度の臨時教員、非正規職員の数が生ずるのはこれ現在ではやむを得ない形なのかなと、このように思っているところでございます。
○鈴木寛君 ちょっといいですか。大臣の前に。
○委員長(丸山和也君) じゃ、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○鈴木寛君 政務官、全然分かっていないんですよ。要するに、ちゃんと正規教員枠を取らないから応募してきてくれないんですよということを指摘しているんです。それから、加配の理解も全然違います。加配というのは単年度ごとです。しかも、三月に最終的に確定するんですよ。しかも、それは翌一年、要するにその年度限りの話なんです。だから、結局、正規職員を採れなくて、非常勤とか臨時任用ということになってしまうので、その構造を改めなきゃいけないんじゃないかというのが私の指摘です。答弁は要りません。 大臣。
○国務大臣(下村博文君) 財務省だけでなく、世間一般的にやはり今の学校現場における大変な状況について理解が少ないというふうに思います。特別支援教育の対象となる児童生徒の増加、それからいじめ問題への対応など、今様々な問題を抱えておりまして、そういう課題に対応するためには、やはり第一には教職員等の指導体制の充実、これはもう必要条件であるというふうに思います。 また、今御指摘がございましたが、臨時的任用教員や非常勤講師などの非正規教員が近年増加傾向でございますけれども、よりきめ細かで質の高い教育を行うためには、やはりこの非正規教員の増加傾向に歯止めを掛けるということはやっぱり必要です。都道府県教育委員会が将来にわたって計画的、安定的に正規教員の採用、配置ができるようにすることが必要であると考えております。 今後の教職員等の指導体制の整備については、このような考え方に立って教職員の人事管理を含めた教職員定数の在り方全般について検討することとしておりまして、教育再生につながる教職員配置の適正化を計画的に行うなどの方策を通じて、しっかりとした必要な対応を検討してまいりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) では、これをもって、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ───────────── 午後一時開会
○委員長(丸山和也君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。 先日のいじめの質問のときにちょっと質問するのを忘れてしまった部分がありますので、まずそこから質問させていただきたいと思います。 文部科学省として今つくっていらっしゃるいじめの定義について教えていただきたいんですけど、現在、文科省ではいじめの定義をどのようにされていますか。
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。 文部科学省におきましては、いじめなどの実態把握のため、昭和六十年度から毎年度、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査を実施しております。その中でいじめの定義を設けてございます。十八年度より、いじめられている児童生徒の立場に立って、いじめをより認知しやすくするように、具体的には、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」などとして、いじめが起こった場所は学校の内外を問わないという定義を設定しているところでございます。
○上野通子君 ありがとうございます。 今使われているこの定義は平成十八年からになっていると思うんですが、その以前のいじめの定義の中には、「身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、」という部分があったと思うんですが、この「継続的」という言葉をなぜ外されたのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(布村幸彦君) 平成十七年度までの定義は、先生おっしゃるとおり、継続的にあるいは一方的にという要件も入ってございましたけれども、より子供たちの立場に立って幅広くいじめをとらえて、先生方にも、幅広くとらえて速やかに発見、気が付いて速やかに対応すると、そういう流れにつなげるようにいじめの定義を見直したという経過でございます。
○上野通子君 今の答弁に併せて、一回でもいじめはいじめだということも含まれているでしょうか。
○政府参考人(布村幸彦君) 御指摘のとおり、当時は一回限りの、例えば偶発的なけんかのようなものは除くべきだということではございましたけれども、一回でも重大な心理的な苦痛を感ずるというような行動につきましてはいじめとカウントするという形で整理されているところでございます。
○上野通子君 ありがとうございます。 ただいま自民党としてもいじめ防止基本法案を議員立法で立ち上げるために皆さんで審議しているところですが、この部分、継続的という言葉を入れるか入れないかでも両論があったのでただいまお聞きしたわけで、大変参考になりましたので、ありがとうございます。 では、次に行かせていただきます。 やはり、大津市のいじめ問題で、その事件の後明らかになったこととして、学校並びに教育委員会の責任逃れ、これが大変に対応が悪いということで国民を失望させました。しかし、その大きな原因の一つには、平成十八年十二月に公布された、そして施行された改正教育基本法の理念が徹底していなかったからということもあると思うんです。 まさに国の責任でもあると思いますが、まず教育行政の責任体制の確立と意思決定システムの改革について、その中の教育委員会制度について今日は大臣並びに関係の皆様から答弁いただきたいと思うんですが、まず教育委員会制度の意義というのは何でしょうか。
○政府参考人(布村幸彦君) 教育委員会制度につきましては、戦後制定されたものでございます。当時としては、戦前の行き過ぎた軍国主義あるいは国家主義的な教育の反省に立って、政治的な中立性あるいは安定性、継続性を担保すると、そういう趣旨から教育委員会制度が設定されたものと認識してございます。
○上野通子君 今お答えいただきましたように、まず意義として、政治的中立の確保、そして維持、安定性の確保、そして地域住民の意向の反映ということで教育委員会が成り立っているということでございますが、ところが、今地方からはこれに対して様々な問題が指摘されています。 まず、地方住民の意思は十分反映していない、特に教育委員会が閉鎖的で何をやっているのか分からない、さらにはその権限と責任の所在が不明である、このような問題をこのままにしておくことはできないと思います。 更に具体的に言いますと、非常勤の教育委員から成る教育委員会であって、会議も月に一回から二回程度しか行われていないという現状もあるということでございます。このことは大変大きな問題だと私は思いますが、もっと具体的なことをちょっと文科省の担当局長にお聞きしたいんですが、現在の教育委員会や教育長、そして教育委員長、教育委員会と教育長と教育委員長ですね、この位置付けをどうお考えですか。
○政府参考人(布村幸彦君) 先ほどの教育委員会制度設置の趣旨に照らしまして、合議制の機関という形で教育委員会が設定されております。かつ、その際にも、レーマンコントロールという趣旨で、一般的な、教育のプロではなくて一般的な方々が幅広い視野に立って教育行政の方向性を決めていこうと、そういう意味合いで、教育委員長が教育委員会の代表者、責任者として制度上位置付けられており、その教育委員会の合議制の機関で設定された方向性を踏まえて、事務局長的役割である教育長が実際の教育行政をつかさどるという構成になっているところでございます。
○上野通子君 本来、どんな民間企業でも、また私立の学校でも、非常勤の方がそこの全ての責任者となることはあり得ないと私は思うんですね。 そこで、大臣にお聞きしたいと思うんですが、以前、下村大臣が本部長を務められていた自由民主党教育再生本部では、その中間取りまとめにおいて、教育委員会の責任者が非常勤の教育委員長であるという無責任体制を改め、首長が議会の同意を得て任命する常勤の教育長を教育委員会の責任者とすると提案しております。また、教育委員会を教育長の諮問機関と位置付け、教育に関する様々な問題について闊達な議論が行われる場とするとも提案されていますが、大臣となられました現在、ここで提案されたことについて、今、下村大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、教育委員会制度は様々な問題があるというふうに思います。 直近の例でも、大津の中学生の自殺問題あるいは大阪の桜宮高校のやはり自殺問題も、事前に教育委員会にいろんな形で情報が行っていたのにもかかわらずきちっとした対応できなかった、しなかった、これは学校現場の問題でもありますけれども、このことによって結果的に子供が自ら命を絶ったということについては十分な責任を感じてもらいたいというふうに思いますが、同時に、この制度上の問題も今御指摘のように多々あると思います。 そのために、野党のときに、自民党の中における御指摘の教育再生実行本部で五つの分科会の中の一つとして教育委員会の見直しをしたところでございます。それを受けて、今、安倍内閣の下で教育再生実行会議を立ち上げ、第一次提案としては、いじめ、体罰についての提言の取りまとめをしていただきました。そして今、この教育再生実行会議では、教育委員会の抜本的な見直し案の議論に既に入っているところでございます。自民党の提案もこれを踏まえて議論もしていただくことになっておりまして、是非この教育再生実行会議で教育委員会の抜本的な見直し案の提言をしていただきたいというふうに思っております。 そして、これは来年の通常国会に是非法案として政府として出したいということで今準備をしたいと思っております。法案に出すためには、中央教育審議会に諮問し、その答申を受けて法律改正案を文部科学省が作るという時間的なことを考えますと、中教審から年内に答申を出してもらうという必要がございます。そのために六月ぐらいまでには中教審に諮問をすると、そういうことを考えますと、教育再生実行会議でも、できたら四月末ぐらいに教育委員会の抜本改革案について提言をしていただいて、それにのっとって中教審で議論をしていただき、来年の国会に法律案として出したいということを今考えているところでございます。
○上野通子君 ありがとうございます。 具体的な今後の日程についてまで教えていただきまして、大変心強く思います。 教育現場は今でも様々な問題を抱えておりまして問題山積ですので、是非とも、きちんと責任を取れるような形にしてあげなければいけないと思います。今までの状況では、地方に丸投げという形で、国としての責任がなされなかったという現状があると思います。 そこで、前回も質問させていただいた地方教育行政法の第五十条に関することなんですが、ここの、公教育の最終責任者たる国が責任を果たせるような改正をすべきではないかということ、この点をこの間お聞きするのを忘れてしまったんですが、義家政務官はどう思われますか。
○大臣政務官(義家弘介君) お答えいたします。 この地方教育行政法の第五十条、文部科学省による是正の指示の一番強い、地方分権の中でのものでありますけれども、現在は、この五十条は、子供たちの、生徒児童の生命を守る、これが、生命、身体等を守るために真に必要であってほかの方法ではできない場合等のかなり限定された状況となっております。これは、ほかの法律との比較も踏まえた上で、しっかりと最後、公教育の責任、子供たちに対する責任を果たすための改正を現在教育再生実行会議で具体的に議論しているところであります。 まず、我々自身がどのような責任を果たしていくのか。現在、教育委員会制度は自治事務になっていまして法定受託事務ではないわけですけれども、やはり公教育である以上、しっかりとした最終責任を果たせるような状況に改正を検討していく必要があるだろうと思っております。
○上野通子君 ありがとうございます。 教育委員会制度の改正とともに、この国による責任体制の在り方も強化するために、是非とも改正を早急によろしくお願いいたします。 次に、午前中もいろいろ議論がありましたが、教員の質の向上について質問させていただきたいと思いますが、教員の資質の向上について、まず何が必要だと思われますか。下村大臣、お願いします。
○国務大臣(下村博文君) 教員の質の向上という意味では、これは学校の先生というのは専門的な知識、能力を必要とする、ある意味でやはり専門職でもあるというふうに思います。 教員には、教育職員免許法に基づく教員免許状を所有することが義務付けられております。そういう意味で、この専門職である教員に対して、一つは、使命感や責任感、教育的愛情を是非持つ仕事として誇っていただきたい。二つ目に、教科や教職に関する高度な専門的な知識、技能も身に付けていただきたいと。そして三つ目に、豊かな人間性や社会性などの総合的な人間力も是非身に付けていただきたい。学校の先生、教員は、こうした資質、能力を身に付けて、向上させていけるような取組を文部科学省としても更にバックアップをしていく必要があると思います。
○上野通子君 ありがとうございます。 私も教員をしておりましたので、どのような教員が本当に子供のためになるかというのを持論でも持っていますが、児童生徒の見本にならなきゃいけない、まず。そして、親以外で一番そばに寄り添う大人として、尊敬でき、信じられる人間でなければいけない、また人間としての先輩でなくてはいけないと思います。そしてまた、知識や高い技術、今大臣もおっしゃいましたが、知識や高い技術力、能力はもとよりですが、人間として、どちらかというと聖人、聖人とまでは言えなくても聖人に近い人格者という意識を持つべきではないでしょうか。今の教員を見ていますと、全くそういう意識がなく、一年もたたないうちに辞めてしまう教員もおります。このような状況では子供たちも落ち着いて勉強はできておりません。 そこで、日々、児童生徒と向き合う教員にもっと自覚を持ってもらうため、人を育てるということがいかに崇高な使命であるかを自覚してもらうためにも、法律上、教育専門職として明確に位置付けるべきではないかと思いますが、大臣はどう思いますか。
○国務大臣(下村博文君) 今申し上げましたように、教員は教育職員免許法に基づく教員免許状を所有していること、これが義務付けられているわけでございます。こういうことから、教員は法律上、既に専門職としての位置付けがもうされているものではないかというふうに思いますが、より教職免許を取る過程において、今、委員御指摘のような点も踏まえた明確な位置付け、目的意識を更に持ってもらうよう、教職課程の中で指導していくことも大切だと思います。
○上野通子君 今の法律ではなかなか教員の質が上がらないとすれば、それであるとすれば、また更に加えて改正していくという、そういうお含みもあるということでよろしいんでしょうか。 例えば、政治的中立性が確保できない教員にはどうしていくとか、教員の勤務評価、勤務評価に当たらないような勤務状況である教員に対してはどうしていくとか、具体的に何らかの手当て、又は新しく法律を作るとか、そういうお考えはございますか。
○大臣政務官(義家弘介君) これは様々な法律に関係してくることでありますが、先ほどの五十条の話にもあったとおり、地方教育行政法をどのような形にして責任体制を確立するのか。それから、昭和二十年代にできた義務教育諸学校の政治的中立を確保するための臨時措置法、これが完全に形骸化しているものに対してどう作り直すか。それから、一般の公務員よりも影響力が大きいということで教育公務員特例法という別建ての法律がありますけれども、その教育公務員特例法の中で教員の位置付けをまた改めてしっかりと作り上げていく必要があるのではないか。それと、ほかの公務員の制度、法律とかとの整合性はどうするのか。そこもトータルでしっかり考えた上で、先生御指摘の問題意識は共有しているところでございますので、しっかりと進めてまいりたいと思っております。
○上野通子君 今やらなきゃならない様々な法律改正があると思いますが、是非とも進めていただきたいと思います。 また、今の関連で、教員の意識を高くし、また質を向上させるための対応として、教員免許取得に必要な教科があると思います。 現在、特別支援教育をする教員の必修科目と、さらには普通の教員になるための必修科目で大きな差があるという事実があることを御存じだと思いますが、しかしながら、普通の教室に障害のある子供たちが今たくさん在籍しております。例えば、ADHDとかLDとか、ほかにも自閉症、その子供たちが合わせて義務教育下で六・五%を超えるという指摘が、我が国の特別支援教育についての現状で出ております。この現状を踏まえて、できればそういう子供たちに対して、特別支援教育の教師でなくてもきちんとした教育体制を取らなければいけないのではないかという大きな問題が今出ています。 通常の学校教員に対しての特に保護者からの声として、特別支援教育の必要性の浸透がいまだに不十分であり、多くの小中学校に通う保護者から教員の障害への理解不足が指摘されている。多様な障害に対応できる教員の専門性を確保してほしい。また、保護者からの障害に対する相談ニーズにこたえる人材を校内で確保してほしい。ほかにも、中学校までは面倒を見てくれる学校が、高校に行くと突然に発達障害に対しての支援がなくなる、この状態をきちんと見てほしい。それどころか、何らかの障害があることを中学校から入学手続に記載してある生徒に関しては、高校側で入学を許可しないという学校もあります。発達障害の有無を隠して入試を受けさせるという中学校も出てきていますが、これはこれで、またほかの問題が起きております。 そこで、教員になる前の教員養成課程における障害への理解の教育はどうなっているのかについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(布村幸彦君) 最初に、特別支援学校において障害を持ったお子さんの教育を担当する教員についての免許制度について御説明申し上げます。 一般的に幼稚園、小学校、中学校あるいは高校の免許状をまず取得していただきまして、その上に立って、障害による困難を改善、克服するための種々の指導を行う必要があるということから、特別支援学校教諭の免許状というものを併せ取っていただくことが必要になります。そういった面では、小学校、中学校の免許状に加えて、二十六単位分の学びを大学の段階でしていただくと、そういう非常に負担が大きいという免許制度になってございます。 そのようなことも一つの背景として、特別支援学校に配置されてもまだ免許を持っていない教員の方もいらっしゃるという実情で、全体で現在は七〇%の方が免許を持っておられますけれども、残り三割の方は特別支援学校に関する免許を持っておられないという実情でございます。 そのために、都道府県の教育委員会あるいは大学の方に免許法の認定講習という講習を設定していただいて、特別支援学校に移られた先生方が速やかに特別支援学校の免許状が取れるようにという観点からの制度を設けているところでございます。 それとともに、もう一つ、発達障害のお子さんが全体で六・五%、実態としているという推計値が昨年文部科学省の調査の結果出てまいりました。そういった意味合いでも、通常の小中学校などの普通の教室においても発達障害を有するお子さんがクラスで一人、二人いらっしゃるというのが現実でございますので、全ての教員におきましても、その障害に応じた適切な指導ができるような専門性を高めていくことが求められております。 そういった点につきましては、都道府県の教育委員会が中心となりますけれども、発達障害あるいは障害を持ったお子さんの指導の実情を把握し適切な指導方法を学ぶ、あるいは障害を持ったお子さんに寄り添うという観点からの専門性を高めていくということを、研修などを通じて、今その専門性を高める努力を各教育委員会と一緒に文部科学省も取り組んでいるところでございます。
○上野通子君 教員になってからでは私は遅いと思います。 先ほど、皆さん、午前中の質問の中にもありましたが、教員の質を高めることが一番大事、又は少人数学級にすることが効果的とかいう問題の中に、先生を増やせばいいという問題じゃなくて、先生の質が良くならなければ、幾ら人数を多く配置しても、子供たちの学校の中の状況は変わりません。 しかしながら、調べさせていただきましたところ、幼稚園もそうですが、幼稚園、小学校、中学、高校の教員免許状には全く発達障害に対する理解の科目は、その理解の科目として分かるような状態では入っておりませんし、普通の学校での教育実習はあっても、特別支援学校での教育実習は全くやらないで教員になる先生方もいらっしゃるという現状を踏まえると、子供たちがこれ以上、教室で発達障害を抱えながら、何の先生からの指導、指示もなされないでいるという状況は私は良くないと思います。 高校に行きますともっとその状況が明らかになってきていまして、先生自体がADHDもLDも何のことだか分からないと。その先生同士の勉強会を学校で誰か講師を呼んでしなければならないという、大変忙しい先生たちでありながら、そういう状況も起きています。 これはやはり地方に任せるだけじゃなくて、国として何らかの対応を取らなきゃいけないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) この件はもう上野先生が前からいろんなところでお話をされていて、私もよく承知をしておりますし、もうそのとおりだと思います。 今まではちょっとクラスで変わった子がいるという程度で認識されていて、結果的にそれがいじめになったりあるいは不登校になったり、つまり周りが、特に先生が理解をしていない、無知なために、結果的に子供がどんどんスポイルされるという状況がやっぱりあったというふうに思います。 発達障害児がこの文科省の調べででも六・五%というふうに、クラスで必ず何人かはいるわけでありまして、それが変わった個性の子供ということではなくて、医学的ないろんな問題があるという中で、正しい専門性を身に付けて正しい指導をすることによってその子供を救うということができるわけでありまして、そのためには特別の支援学校の先生だけが理解すればいいわけではなくて、やっぱり全ての学校現場の教職員が理解する必要が私もあるというふうに思いますし、今後全ての学校の先生方にそういう子供たちに対するしっかりとした理解を身に付けるための専門的な研修等をすることによって、早く徹底できるように努力をしてまいりたいと思います。
○上野通子君 ありがとうございます。 もう既に先生になられている方々には徹底した研修をお願いしたいと。あわせて、これから教員になろうとする方々には、発達障害に対しての理解を必修科目の中に入れてほしいということを要望させていただきます。 あわせて、今年度インクルーシブ教育システムの構築事業が昨年の一億から何と十三億に急増しておりますが、この新規事業はどういう具体的な中身なのかというのを簡単に教えていただきたいんですけれども。
○政府参考人(布村幸彦君) 先に免許制度について一言だけ補足をさせていただきます。 小中学校などの一般免許状を取得する際に、その科目の中に教職に関する科目という分類があって、その中で幼児、児童生徒の心身の発達及び学習の過程という二単位分の学習部分がありまして、その中で障害のある幼児、児童生徒の心身の発達及び学習の過程について必ず学ぶという形で、その中での発達障害の位置付けが、先生が御指摘のとおり、より充実したものになるよう各大学に促していきたいというのが一つございます。 それから、もう一つお尋ねの、二十五年度予算において要求をさせていただいておりますインクルーシブ教育システム構築事業の内容でございます。 一つは、就学前の早いうちから子供や保護者への情報提供や相談会を実施するということで、より障害に応じた教育が受けられるような相談体制の充実が一つです。 それから、二つ目として、学校における合理的な配慮の実践ということで、できるだけ障害を持ったお子様も障害を持たないお子様と同じような教育環境で教育が受けられると、そういう工夫をする際の合理的な配慮というのが求められておりますので、その良き事例をデータベース化するという取組も国として行っていきたいということ、あるいは、特別支援学校での外部人材の活用、あるいは県を越えた特別支援学校の横のネットワーク化を推進するという形で特別支援学校の専門性をより高めると、そういう取組もこの中に触れてございます。また、医療的なケアを必要とする子供に対応するための看護師さんの配置の充実の補助事業も含まれているところでございます。 また、それ以外にも、学用品、給食費などの特別支援教育を受けていらっしゃるお子さんの就学援助制度に加えて、来年度から通常の学級に在籍する障害のある児童生徒へのその就学援助を支給対象として拡大するという取組を要求させていただいております。
○上野通子君 ありがとうございました。 次に行きます。次は、道徳教育の教科化の必要性について質問させていただきます。 教育再生実行会議が二月の末に第一次提言を安倍首相に提出し、道徳の教科化を提言したところだと思いますが、また、先日の大臣の所信の中でも道徳教育への取組を強化するというお話をなさっていましたが、本日はその道徳教育の教科化の中で、なぜ教科化することが必要なのかということを順次皆さんにお聞きしたいと思います。 まず、この教科ということなんですが、道徳の教科の質問に入る前に、学校における教科というもの、そもそも教科とは何なんだろうかということ、大臣、お答えください。
○政府参考人(布村幸彦君) 教科につきましては、法律上明確に定義がなされているわけではございませんけれども、通常、国語、算数などの教科につきましては、一つは、学習指導要領上、教科として位置付けられた上で、それを指導する教員にその教科ごとの専門の免許状を必要とするというところが一つございます。それとともに、その教えた結果について数量的な評価、五、四、三、二、一などの数量的な評価を行うと、かつ、その教科の主たる教材として教科書が存在すると、それらが教科の要件というふうに考えているところでございます。
○上野通子君 日本の教育の長い歴史の中で、特に明治時代から教科というものが定義が何度かなされてきていますが、最初の尋常小学校時代、一八八一年の小学校令の中で、教科とは、修身、読書、作文、習字、算術、体操などが基本的にあったそうです。一九四一年になりますと、国民学校というものがありまして、この時期には、国民科とか理数科とか体練科とか芸術科とか実業科とか外国語、この辺から外国語が外国語科として、科目として認められるようになったようですが、その国民科の中に修身そして国語が入っておりました。また、戦後になりますと、教科というものが具体的な定義の中にどういう科目かというのは定義化されていなくて、社会の要求を考えた教育の目標に達するための多面的な内容をその性質によって分類したものを定義としています。 そして、一番最近ですが、一九五一年以降、学習指導要領が改訂されてからは、教科は、個人生活、家庭生活及び社会生活、経済生活及び商業生活などの側面を持つ一般目標の到達を分担するものであって、各方面にわたる学習経験を組織し、計画的、組織的に学習せしめるための組織であると定義させて、だんだん複雑化して、教科というものが私にとっては分かりづらくなっていますが、実は、明治時代から教科というものはきちんと、先ほど局長おっしゃられましたように、教科書を使って、しかも生徒たちの生活の中で必要とされるものから定められていたようでございます。 それで、戦後どのようになってきたかというと、学校の中で道徳の授業が、教材や考え方、また学校や教員によってばらばらであるので実情に全く合っていなかったり、あと、評価がないので授業がカットされるという形がこの道徳教育については今まで発生してまいりました。 恐らく今もそういう状況である学校があると思うんですが、実際、文科省としては、何か各学校に対してアンケート調査等はされておりますか。
○政府参考人(布村幸彦君) 道徳教育につきまして、先生御指摘のとおり、戦後、GHQの占領下の下では修身が廃止をされ、その後、特設の道徳の時間、あるいは現在のような道徳の時間という形で実施されてきておりますけれども、教科という位置付けはこれまでされていないということになります。 そして、道徳の教育の実情についてでございますけれども、二年ごとに教育課程の実施状況調査、各学校で各教科がどのような形で実施されているかというのを把握する取組は行ってございます。 現在、手元に正確な数字は持ってございませんけれども、道徳につきましては、教員の方々がそういう専門性を有する免許を持っておられないということもあり、なかなか道徳の指導をして十分自信を持って指導できていないという面では非常に高い数字が出ていたかと思います。また、先生方が道徳について自信を持って教えられていないということから推測すると、子供たちが授業を受けても、今日の道徳の時間でどこに重点が置かれていたのか、何を学んだのかといったところも十分子供たちに伝わっていない可能性があると、そのような問題意識を有しているところでございます。 そういう観点から、一つの国の取組として、指導要領全体の指導項目をより発達段階に応じて明確に位置付けるとともに、それを子供たちに分かりやすく伝えようということで、心のノートという教材を作成をし、お配りをして、子供たちが道徳の問題、授業を受けて振り返る、あるいは考えるきっかけにしていただこうという観点から、心のノートを作成、配付をしたところでございます。 今後、先ほども御指摘ありましたとおり、教育再生実行会議からの御提言を受けて、道徳教育の充実に向けて、今後、文部科学省としてもしっかり取り組んでいくべきものと考えているところでございます。
○上野通子君 ちょっと外れてきたようなのでもう一回戻したいと思うんですが、先ほどなぜ教科のことを聞いたかというと、学校で教えている、生徒たちに、全ての授業は全て教科に当たると私は思います。給食の時間でさえも、教科とはなっていませんが、食育という大事な大事な分野を背負うものではないでしょうか。そこで私は、知識だけじゃなくて徳育も体育も全ての学習が教科と呼んでもいいと思います。たとえ教科書を使わなくても、私は道徳は教科とすべきだと思っております。 そして、ちょっと文科省が今まで教科にするのを嫌がっていた、道徳教育をなぜ教科としなかったのか。それは、道徳教科書を作ることや人間性の数量的評価ができないから反対していたという面もあるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(布村幸彦君) 道徳につきまして、従前、教育再生実行会議の一つ前の教育再生会議の方からも道徳の教科化の御提言をいただきました。それで、教科化につきまして中央教育審議会で御議論をいただき、結果として、道徳の教科化は時期尚早ではないかということで見送りになりました。 その際の理由として、教科の要件として、先ほども申し上げましたけれども、教科書と数量的な評価と教員免許状という意味で、特に数量的な評価、道徳で学んだことを数字で評価するのはかなり難しいのではないか。あるいは、教科書につきましても、検定する立場から、この道徳の教材の良しあし、価値観を伴うものですからなかなか検定が難しいという結論でございました。 しかしながら、道徳教育の充実は先生おっしゃるとおり大事だという観点から、心のノートの作成、あるいは道徳指導教師を中心として学校として組織的に道徳に取り組めるような組織体制をしっかり構築しようということで、道徳教育の充実には引き続き努めているところでございます。
○上野通子君 ありがとうございます。 義家政務官にお聞きしたいんですが、戦前は修身という教科があって、それは優良可でちゃんと評価もなされていました。道徳の教育についての評価というのは本当になされない、できないことなんでしょうか。
○大臣政務官(義家弘介君) まず、教科とするためには、教員免許状が必要なのかどうなのか、それから教科書の問題をどうするのか、そして評価の問題をどうするのか、延々とこの議論を行ってきたわけですけれども、実際、教育現場で教壇に立つ者であれば当たり前に分かるんですけれども、実は通知表の、通知箋の評価の欄に、日常生活、友達とちゃんとやっているかとか、クラスを大切にする態度がどうなのかとか様々な評価、実はあるんですよね。 ちなみに、正直に言えば、私はそこの部分についてはかなり評価が悪かったんです。その通知表を持って帰ったときに、テストの勉強で一喜一憂、テストの成績、教科の成績で怒られるよりも、そこの成績において親に君は間違っているというようにかなり厳しく言われたわけですね。 とはいえ、一方で、教育現場に行くと、その部分が評価につながるという反対の声もすごくあって、みんな一重丸、二重丸、三重丸とあったら二重丸にしてしまうとかみんな三重丸にしてしまう等々の評価のおかしさ。親としてはしっかり知りたいわけです。つまり、学校に行くと先生はいいことしか言わないという保護者がいっぱいいるんですね。で、問題が起こったとき、前からそうでしたと言われて、なぜしっかり言ってくれなかったのか、教えてくれなかったのかというような声もよく聞きますけれども、やはりきちっと子供たちが集団の中で学ぶときにしっかりとしたルールを担保できているか、これは評価されてしかるべきであろうと思っています。 ただ、それが道徳という教科に対しての評価なのか、日常の生活の評価なのか、ここは論点が分かれるところでありますので、しっかり丁寧に議論してまいりたいと思います。
○上野通子君 ありがとうございます。 学校現場で生活指導に当たっていらっしゃる先生方は、道徳の授業をやっていただきたいという声が大変多く出ています。というのは、その道徳の時間を通して問題を起こす子供の心が見えてくると、どういう考えをする子がどのようなことを起こしてしまうかと、事前に防止もできるということですので、この道徳と生活指導の関連も併せて考えていただきたいと思いますが、将来的には、大臣、道徳教育を教科化するというのはやっていっていただけることでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 先ほど布村局長から教科の定義がございました。この教員免許を専門に有しているかどうか、また評価基準をどう作るか、それから教科書を作成するということを現行の他の教科と同じような形で位置付けるということは道徳についてはなかなかなじまない部分もありますし、事実、教員免許となると、相当教員養成で、実際道徳もし学校で教えるようになったとしても、教員養成から始めるということになると、かなり先の話になります。 ですから、今、上野委員からも適切な提示がございました。既存の教科と同じ並ぶ形ではなくて、しかし、今のような道徳というのは、心のノートを復活をして今年の七月から実際生徒に配付いたしますが、学校現場で何をどう教えていいか分からないという声はいろんな方からもお聞きしているところでありますし、教育再生実行会議でも道徳の教科化が提言されました。文部科学省では、この道徳教科化に沿って有識者会議をつくり、そして、来年の四月以降は心のノートの全面改訂版を作っていきたいと思っております。この中で、事実上それにつながるような形でどのようにできるかどうかを検討しながら、道徳の教科化に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○上野通子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、今ちまたでも話題になっております土曜日の授業の復活の必要性について質問していきたいと思いますが、大臣の所信の中でも、平成二十五年度予算案において、土曜授業にも活用し得ることができる約七千人の指導員等のための経費を計上しているとのことでございました。 そして、まず、様々な土曜日授業の復活には課題がまだまだ残ると思うんですが、この経費を計上していらっしゃるということが一つですね。それから、これからの様々な課題のクリアをどのようにされていくのかについて質問させていただきたいと思います。
○大臣政務官(義家弘介君) この土曜授業について、これは大臣からの指示で、私自身がPTの中で作りながら具体的な議論を文部科学省内で行っておりますけれども、まず、例えば東京都などはおおむね月一回、二回という形で土曜授業が行われています。 実際にヒアリングも行いましたが、ここで一つの大きな論点が浮かび上がってまいりました。というのは、学校教育法の施行規則の問題であります。この学校教育法では休業日の規定が行われていますが、土曜日は休業日として書き込まれているんですね。その中でこう書いてあります、特別な必要のある場合はこの限りではない。つまり、現行の施行規則の中で行おうとすると、特別な場合であることが求められるんですね。結果的にヒアリングの中で出てきたのが、月曜日から金曜日までのカリキュラムを土曜日が一部担うみたいな形の土曜授業はできないんですと、つまり公開の道徳講座とか地域の公開の授業とか全く別個の単発ものしか土曜授業がなかなかできないと、これではせっかく土曜授業を行っていくというところの意義が非常に消えてしまうと。私はまさにそのとおりであろうなと思うんです。 例えば、総合的学習の時間で調べ物学習を半年掛けてやるみたいな形、しかし、一人の先生が図書館で数班に分かれた生徒たちを見ているよりも、例えば土曜日に地域人材と一緒に総合的学習の時間を行っていって、それを総合的学習の時間にカウントしていくというようなありよう、使い方というのを、一生懸命進めている教育委員会現場では求めているということも明らかになっています。 ここで四つのパターンを分析していますが、まず最初の二つは法令の改正が必要なものです。全国一律に週六日制にするのか、あるいは全国一律で月一回又は二回の学校週六日制を実施するのかですけれども、これは当然、法改正が必要ですし、関係する様々な法とも照らし合わせなければなりません。一方で、省令の改正のみでできるようになるパターンがございます。 つまり、この特別の必要のある場合というものについてどのような想定をするのかということをしっかり踏み込んで書いていくというものと、それから、今のように、特別な、単発でも広めていこうという、設置者の判断で広めていこうという方法の四つがあると思いますけれども、我々、今具体的に議論しているのは、学校教育法の施行規則を改正して、より実態にしっかりとマッチした、現行法上は自治事務ですから、設置者が選択できる在り方を追求していきたいと、そういう議論を今行っております。
○上野通子君 ありがとうございます。 私も、教育現場の皆様とか保護者の方々にお話を伺うと、以前は土曜日の授業があって助かったというお母さん方もいらっしゃいます。反面、教師の先生方にしてみると、もう土曜が完全に休みになってしまったから今から土曜日授業というのは私たちにとっては余りうれしくないというものがありまして、土曜活用の保護者と教師のこの考え方のずれというのは、保護者が例えば四〇%以上がもっと土曜日を有効に活用してほしい、充実させてほしいと期待を持っているのに対して、教員の何と七割は特に必要がないと思っているというのが現状なんだそうですね。 ですから、このようなアンケートを更にもっともっとやっていただいて、教育現場は一体何を求めているのか。また、一番必要なのは、子供たちがどういうことを求めていて、どうしたいと思っているのか。土曜日寂しく独りで家にいるというお子さんも決してゼロではございません。そういうお子さんの方がもしかしたら多いかもしれません。 そういうことも含めて、是非とも、教員の皆さん、例えば勤務時間がまた増えちゃうから嫌だとか、そういう理由で土曜日授業を復活させたくないというのでは困ってしまうと思うんですが、何かコメントありましたら、義家先生。
○大臣政務官(義家弘介君) 本日も、新聞等で学校の週六日制、八割の保護者が、公立小中学校の親の八割が賛成であるという調査結果も出ておりますけれども、まず、教員の労働法制の問題に関して言えば、夏休み、これ生徒が登校してこない夏休みを代休日として振り替えることで、逆にその代休日に部活動を行っている先生には部活動手当が入ります。一方で堂々と休んでいただくことができるというような仕組み、そういうことも含めて考えるべきであろうと思います。 特に、元教員として私から思うのは、夏休みの時間というので教師が何をするかってすごく大切だと思います。学期で生徒がいるときはもうずっと追われていますから、むしろ先生方にしっかりと夏休み等で休みを取っていただいて、そして、学期が始まったとき、目を輝かせながら先生の夏休みって語ってくれることも私は重要な授業であろうというふうに思っています。 ですから、土曜日、専門職としてしっかりと、これも保護者の意識も学校に丸投げでは困ります。地域の意識も学校に丸投げでは困るわけです。改正教育基本法の理念にのっとって、保護者も地域もしっかりと学校に参画する形で、子供たちにとってより良い活動が展開できるような土曜授業、夢のある土曜授業というのを我々は検討した上で進めてまいりたいというふうに考えております。
○上野通子君 ありがとうございました。 教育現場はまだまだ問題山積ですので、是非とも協力していただいて、より良い子供たちの教育環境をつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 今日はありがとうございました。
○石井浩郎君 自由民主党の石井浩郎でございます。 本日は、下村大臣の所信への質疑ということで幾つか質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの招致についてでありますけれども、先日、IOCの評価委員会が来日し視察を行ったということでありますけれども、東京都、政府、そしてスポーツ団体が一体となって、まさにオールジャパンで対応した結果、評価委員会の反応も上々であったと、良かったということであります。また、懸案でありました招致への支持率、これも七〇%を超えたということであります。また、国会におきましても招致決議を行いました。 この招致が実現することによりまして、経済の波及効果、これも数兆円に上ると言われておりますけれども、何といっても、やはり次のオリンピックを目指す若い世代の子供たちにとって大変な励みになることは間違いないことだと思います。子供たちにより大きな夢や希望を与えるということは大事なことだと思っております。また、東日本大震災からの復興を世界に示す大変いい機会であると思います。 この今回の招致活動で政府においてもしかるべき取組がなされたと思いますけれども、その総括と、開催地決定、九月七日であります。半年を切りました。今後の実現に向けた取組について、大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 三月四日から七日に行われたIOC評価委員会の調査において、初日の公式歓迎行事におきまして、安倍総理を始め麻生副総理、そして私が出席をし、安倍総理からは、スピーチの中で招致に懸ける強い思いが述べられました。プレゼンテーションでは、菅官房長官、そして私等、政府からの全面的な支援等について説明し、理解が得られたのではないかというふうに考えております。また、総理主催の公式歓迎・東京オリンピック開催五十周年記念夕食会において、高円宮妃殿下の御臨席を賜り、評価委員会との交流を深めることもできました。 最終日、リーディ評価委員長の記者会見では、安倍総理を始め財務大臣、外務大臣、文科大臣など多くの閣僚が同席し、強い政府のサポートがあることを知った、大会に対する熱意を感じたという発言がございました。政府の全面的な支援が評価委員会にも伝わったものと考えております。今後は、国内世論の盛り上がりはもちろん、国際招致活動へ一層力を入れていく必要があると思います。 当日、IOCからの支持率調査で御指摘のように七〇%支持というのが、教えていただきました。昨年の五月のときの調査では四七%であったそうですから、日本国民、東京都民の支持も、特に昨年のロンドン・オリンピック以降、大変に上がってきているのではないかと思います。 今後、国際招致活動において、閣僚等各国要人との交流の場で東京招致を話題にしたり、あるいはそれぞれの国に伺ったり、また招致議連の御協力をいただいて、友好議連のネットワークを活用していただきながら、各国議員間での親善交流の場でも東京招致を話題にしていただきたい、こんなふうに思います。 このような取組を通じて、東京都はもちろん、国、スポーツ界、経済界、全てが一体となってオリンピック・パラリンピック東京招致に向けて、九月七日に向けて全力で取り組んでまいりたいと思いますし、御支援をよろしくお願いいたします。
○石井浩郎君 東京での視察が大変いいアピールができたということだと思います。私たちも実現できるように頑張ってまいりたいと思います。 そこで、もう一つお伺いいたします。 スポーツ立国を目指して平成二十三年にスポーツ基本法が制定されました。二〇二〇年の招致が実現し、成功させるためには、各省庁にまたがっているスポーツ関連施策を一体となって推進するスポーツ庁の設置は必要不可欠であると思っております。現在、文科省ではスポーツ庁の在り方に関する調査研究が進められておりますが、来年度以降の検討スケジュールを下村大臣と福井副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(福井照君) ありがとうございます。 今、石井先生御指摘のように、平成二十三年に施行されましたスポーツ基本法の附則におきまして、スポーツ庁等の行政組織の在り方の検討というのが規定されております。そして、昨年十二月、安倍総理大臣から下村大臣に対します業務命令書、指示書におきまして、スポーツ庁の創設も含めた諸政策の推進、これも含まれているところでございます。 ですので、これまで文部科学省では、関係行政機関で構成するスポーツ推進会議、横串の推進会議を設置をしております。そして、関係省庁との連携強化を図るための定員増、これも行っております。そして、現在、今先生御指摘のスポーツ庁の在り方に関する調査研究、これも進めているところでございます。そして、現在、私をヘッドといたしまして、若手を含みます関係職員を集めまして、タスクフォース、スポーツ庁の在り方等に関する議論を進めているところでございます。 今後、物事にはタイミングがございまして、今盛り上がっておりますので、省内での議論のほか、来年度の調査研究として、現在進めております諸外国のスポーツ行政組織に関する調査研究を踏まえつつ、今後の我が国のスポーツ推進体制につきまして分析、検討を加えるということを予定しておるところでございます。 これらを踏まえまして、スポーツ関連施策の一体的な推進の観点から引き続き検討を進めてまいる所存でございますので、今後とも石井委員の御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○石井浩郎君 行政の肥大化になるのではないかというお話もありますけれども、ワンストップサービスが実現できることでスリム化につながると思っておりますので、是非スポーツ庁設置に向けて頑張っていただきたい、前に進めていただきたいと思っております。 次に、いじめ対策についてお伺いいたします。 昨年、大津市で発覚したいじめによる生徒の自殺問題が大きくマスコミに取り上げられました。これまで様々な対応、対策を講じてきておりますけれども、いじめ自体を撲滅すること、ゼロにすることは大変難しいことだと感じております。いじめ防止対策基本法案が議員立法の形で今国会中に提出される予定でありますけれども、いじめ対策を学校や教員だけに任せるのではなく、家庭も責任を負うことが明記されております。 いじめ対策に関しての法律を作ることは重要なことだと思いますけれども、成立しても、親や教員の大人にはすぐに理解できても、当事者である小学生や中学生の子供たちがこの法律をすぐに理解できるとは限らないと思っております。子供たちに理解してもらう方法として政府広報のCMを使うという手段があると思います。 そこで、内閣府にお聞きいたしますけれども、これまでにたくさんの政府広報のCMがあったと思いますけれども、いじめ防止やいじめ対策についてのCMはあったでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(武川恵子君) テレビCMに関するお尋ねでございます。 ちょうど昨日三月二十日から月末までの十二日間、全国のテレビでいじめ防止のCMを政府広報として実施しているところでございます。内容でございますけれども、文部科学省の方で取り組んでおられます二十四時間いじめ相談ダイヤルに相談するように呼びかけるものとなってございます。
○石井浩郎君 ありがとうございます。 今回のCMは、誰にも話せずに悩みを抱えている、いじめの被害者に向けたものでないかと思っております。 同時に、いじめ防止対策も必要ではないかと思います。加害者を減らさなければ被害者が減らないということは当然なことであります。いじめをすることは人間として最も恥ずかしい行為であり、最低の行為だということをCMを通して子供たちの心に焼き付けることも一つのいじめ防止策になると思います。 良くも悪くもテレビの影響力というのは絶大であるということは言うまでもありません。そのテレビの持つ力を使わない手はないと思っております。法案成立と同時に新たに文科省の方でCMを作成し、いじめ防止の対策を取るということはいかがでしょうか。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) いじめは決して許されないことであり、どの学校でもどの子供にも起こり得ることであるというふうに思います。 いじめの問題については、まず、いじめは絶対に許されないという意識を日本全体で共有し、子供を加害者にも被害者にも傍観者にもしないと、こういう教育を実現することが大変重要であり、オールジャパンで取り組んでいく必要があるというふうに思います。 いじめ問題については、先般、教育再生実行会議において第一次提言が取りまとめられたところでありますが、これに基づいて、国会の方においても、議員立法で各党で取り組んでいただけるということでございますので、是非今国会における成立をお願い申し上げたいと思います。文部科学省も、そのための必要な整備や対応について、他の関係省庁とも連携をしながら着実に実行、実現に向けて取り組んでいきたいというふうに思います。 また、今御指摘のありましたいじめ防止対策の一つとしてCMを活用するというのは大変にいいことだと思います。今、内閣からもお話がありましたが、これから全国六十七局の放送局でスポットCMとして行うということでありますが、文部科学省としても、各学校あるいは生徒会とか、いろんな形でお願いしながら、自主的にいじめをなくすためにどうしていったらいいかということを子供たちの視点からも考えて問題提起をし、またそのための対応について行動してもらうようなこともこれから考えておりますし、是非このCM的なキャンペーンを通じて全体的に取り組むということについては大変必要なことだと思いますし、検討してまいりたいと思います。
○石井浩郎君 このいじめ対策、いじめ防止にはあらゆる政策をもう総動員するべきだと思っております。 午前中の質疑にもありましたけれども、谷川副大臣がNHKの番組を通じてと、私もこれ非常に大事なことではないかなと。子供たちはやっぱりテレビに影響されるということは大変影響されます。今いじめをしている加害者のやっぱり意識を変えるということが非常に大事でありますので、NHKも通じてまたそういう番組をということも方法の一つとしてまた検討していただきたいなというふうに思っております。 このいじめ防止対策基本法と政府広報、これ両方で出す、セットで出すということが、非常に国を挙げて、政府が国を挙げて取り組んでいるというまたメッセージ、強いメッセージにもなると思いますので、是非検討していただきたいと思います。 さて、あしたから春の全県選抜の高校野球大会開催されますけれども、大臣があした開会式に出られるかどうか分かりませんけれども、出られますか、出られますね。全国数十万人の野球少年、私もその中の一人であったんですけれども、その甲子園球場、甲子園大会というものも是非大臣にも肌で感じていただきたいなと。今スポーツに大変理解のある下村大臣でありますけれども、より一層スポーツに対する気持ちというか、思いが深まるものだと思っております。 また、昨年のロンドン・オリンピック、非常に私も感動しました。また、大震災で被災された方、また多くの国民の皆さんも大変勇気付けられた、感動を与えてもらったのではないかと思っております。ただ心配なのが、二〇二〇年、日本のお家芸とも言われるレスリングが除外される可能性がある、大変心配しております。 また、先日終わりましたWBC、残念ながら三連覇なりませんでしたけれども、毎回毎回、回を追うごとにこの侍ジャパンへの注目度といいますか、期待度、大きくなっております。この大会自体の注目度も世界的に大きくなっているのじゃないかと思っております。ふだんのプロ野球のペナントレースでは見られないような緊張感とか緊迫感、皆さんに伝わったのではないかと思っております。スポーツの持っている力、私も現役でやっているときにはそんなに感じなかったんですけれども、引退してスポーツを見る側の立場になって、スポーツの持っている力というのは非常に大きいなということを今痛感しております。 ただ一方で、大阪の桜宮高校でのバスケットボール部の顧問の体罰による自殺問題、また日本柔道の、女子柔道の暴力問題、大変な社会問題にまでなりました。いかなる形の暴力も許さないと大臣も発言されておりますが、私も全く同感であります。スポーツにおける暴力、体罰、これは根絶に向けて最大限の努力をしなければいけないなと思っております。 一概にスポーツといっても、生涯スポーツ、学生スポーツ、そして企業スポーツ、プロスポーツを含めた競技スポーツ、そして障害者スポーツと多岐にわたっています。そこで、福井副大臣にお伺いしたいのですけれども、学校における運動部活動と競技スポーツの存在する意義、目的をどうお考えでしょうか。お願いします。
○副大臣(福井照君) 本質的な御指摘、ありがとうございます。 まず、事実認識といたしまして、平成二十三年六月に議員立法で成立をいたしましたスポーツ基本法、スポーツ全般に共通する基本理念として二つ整理をされております。一つ目は、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であること、そして二つ目には、スポーツは青少年の体力向上、そして地域社会の再生、そして我が国の国際的地位の向上など多様な役割を有すること、これらがスポーツの持つ多様な意義について定めているところでございます。 このことにつきましては、先月、先々月でありましたか、ロンドンでJOCを代表して東京都知事と一緒に記者会見したときに、この理念については非常に各国の記者の方が関心を持ってとらえられたというふうに認識をさせていただいているところでございます。 そして、今、石井委員御指摘の、競技のスポーツとそして青少年のスポーツを分けて、そしてこの基本法でもとらえております。 青少年のスポーツにつきましては、体力を向上させ、公正さと規律を尊ぶ態度、そして克己心を培うなど、人格の形成に大きな影響を及ぼすものであって、国民の生涯にわたる健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む基礎となるものとして、その意義を定めているところでございます。加えて、学習指導要領におきましては、運動部活動について、スポーツ等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであって、学校教育の一環として行うこととしております。 一方、競技スポーツにつきましてもスポーツ基本法で定めております。アスリートが不断の努力を積み重ね、そして人間の可能性の極限を追求する有意義な営みであるというふうにしております。その上で、こうした努力に基づく国際競技大会における日本人選手の活躍は、今、石井委員御指摘のとおり、国民に誇りと喜び、夢と感動を与え、国民のスポーツへの関心を高めるものであって、我が国社会の活力を生み出して、国民経済の発展に広く寄与するものとしております。 今、石井委員御指摘のように、競技スポーツ、そして青少年スポーツ、両方とも大事というふうに幅広くとらえているところでございます。
○石井浩郎君 副大臣、ありがとうございます。 全てのスポーツにおいて、もう体罰、暴力というのはあってはならないことでありますけれども、勝つことが前提の競技スポーツと、教育の一環として行われる運動部活動、学生スポーツですね、存在する意義、目的が違うということだと思います。学生スポーツは教育の一環だから勝たなくていいのかといったら、そうではないと思います。やっぱり試合になったら勝つために最大限の努力をする、これは当たり前のことだと思いますけれども、もっと大事なことがあると思います。礼儀であったり挨拶、忍耐力、協調性、そして何事にも前向きに努力する姿勢、こういうのを養って人として成長させるということが第一の学生スポーツ、運動部活動の意義だと思っております。 今日は少し時間がありませんのでもう終わりにしますけれども、今、残念ながら、非常に生徒のために頑張ろうと思っている指導者が萎縮してしまっているという現状があります。指導者が萎縮せずに自信を持って指導できる環境をつくることが大事だと思っておりますので、是非、その指導者のため、指導者がいい指導をすることによって、それが子供たちのためになりますので、是非その指導者の環境をつくっていただきたい。これは指導者の研修、そして待遇改善も含めて検討していただきたいと思います。 安倍政権の最重要課題の一つであります教育の再生に向けて、大臣始め政務三役の皆さんの精いっぱいの全力で取り組まれることをお願いいたしまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○熊谷大君 自民党の熊谷です。 本日は、二十分という時間をいただきまして、私は宮城県選出の参議院議員ですので、被災地の今の教育行政の現状、また子供たちの置かれた現状、またそれに対する支援について質疑をさせていただきたいというふうに思っております。 冒頭、是非念頭に置いていただきたい作品がございます。下田治美さん原作で「愛を乞うひと」という映画、映画化された小説が数年前にあったんですけれども、それは、戦後の荒廃の中で戦争トラウマを抱いていた親御さんに育てられた、虐待を受けながら育てられた子供が大きくなって、アダルトチルドレンになって自分探しをするという映画の内容なんでございますが、その戦争トラウマと今被災地の置かれた、何というか、災害トラウマと言ってもいいんでしょうか、そういったことが今起きつつあるんじゃないかなという危機感を抱いてちょっと質問をさせていただきたいというふうに思っております。 三点させていただきます。被災地の復旧復興の現状について、心のケア、そして施設整備について。二点目は、被災地の教育支援の在り方について、NPO法人などでちょっと問題のある法人もちらほら出てきましたので、それの対処の仕方又はそれに代わる教育支援の仕方などを質疑させていただきたいというふうに思っております。 さて、最近の内閣府のデータでは、十年以上連続で高止まりしていた自殺者数、三万人を超える自殺者数が三万人を切ったということで、大変私もうれしく思っております。ただ、私は、宮城県選出の議員として、非常に気になる、気掛かりに思っていることがございます。それは、全国的に自殺者数は減っておるのでございますが、宮城県は増えているんですね。宮城県は、実は、平成二十三年が四百八十三人だったのが、平成二十四年には五百八人に増えています。プラス二十五人の方が前年度比で多くなっているというデータでございます。 その原因はまだ検証をまたなければいけません。同じ被災地だとしても、岩手県、福島県は減っております。さらに、三重県とか奈良県はプラスに自殺者数が増えているところもございます。なので、じっくりとした腰を据えた検証が必要だと思うんですけれども。 ただ、もう一点加えて気掛かりになっているのは、震災から二年が経過して、ドメスティック・バイオレンスの相談受理件数というのが、これ二〇一一年は一千三百九十七件です、宮城県ですね。一千三百九十七件だったのが、二〇一二年には一千八百五十六件、前年度比三二・九%増ですね。ストーカーの相談件数、相談受理件数も二〇一一年は六百四十六件だったのが、二〇一二年には九百八十五件、これ前年度比五二・五%の増です。虐待相談件数、受理件数も二〇一一年は百九十件だったのが、二〇一二年には二百五十四件、前年度比で三三・七%の増なんですね。さらに、非行も一・五倍ぐらいは増加しているというふうな数値も出ております。これらの数値は、宮城県県警本部の資料から取りまして、宮城学院女子大学の足立智昭発達科学研究所所長がまとめたものを参照させていただいておるんですけれども。 野党時代からずっと指摘はしておるんですけれども、被災した学童、子供たちが学校内でカウンセリング、スクールカウンセラー増派していただきました。また、派遣たくさんしていただいて、学校内では少しスクールカウンセラーなんかに相談をして、落ち着かない気持ちなんかを相談をして落ち着いて家に帰るんですけれども、家に帰ってやはりまだその家庭内が、お父さんが被災して失業していたり、又はお母さんも同じような状態だったり。そこでDVが、いらいらが起こって、狭い仮設住宅の中で発散する場所もなくてDVが行われて、そういう悲惨な状況の中から、また子供たちの心に負担感があって、その状態で学校に戻ってくるというようなことが繰り返されると、これはやっぱり学校のカウンセリングというだけではちょっと心もとなくて、包括的な対処を、対処というか、対策というものが本当に必要になってくるんではないかなというふうに思っております。 これだけ自殺者数が増えている中で、私が本当にヒアリングをしていてもっと怖いなと思うのは、やっぱり家族、大事な家族を失った方が多いんですね。 例えばこういう事例を聞きました。ある女学生、女子高生が自分以外の家族を全員津波で失ってしまったと。その子がやっぱりケアというものをなかなか十分受けられなくて、クリスマスの日に自ら海に身を投げて自殺を図ったという。つまり、そういう家族で何かイベントをするということが世間であると、それの寂しさとか失ったものの大きさが一瞬にしてわっと出てきて、一気にそっちの感情が振れてしまうという事例が二年がたって多くなってきているんではないかなと。さらに、これから夏を迎えて七夕祭りなんということもありますので、そういった家族、又は入学式とか、そういったことがありますので、これは本当に注意していかなければならないなというふうに思っております。 そういった三・一一を経験した若い人たちが、実は三・一一でこういうことを経験したよって周りの人に話したいと思っても、出身地はどこって聞かれて、岩手県です、宮城県です、福島県ですと言うと、それ以上、気を遣ってくれて話はそこで終わっちゃうというケースもあるんですね。そうしたケースだと、自分は被災したんだけどいろいろなことを分かって、気持ちも分かってもらいたいということがあるんだけれども、かえって遠慮されてしまって話がいわゆる共有化されなかったり届かなかったりすると、またそれが心の内にたまって悶々としてきてしまうということ、それを解消するにはどうしたらいいのかということなんでございますが、残念ながら学校単体だけではもう取り扱えないような問題になってきている。これは本当に各分野、各機関、大学とか病院とか学校とか、そういったところの専門家が連携をしてしっかりとした取組を、専門的な取組をもうしなければならない段階なんじゃないかなというふうに思っております。それを、学校中心であれば文科省、下村大臣を中心にしてそういう連携チームを取って、そういう心のケアに対処をしていただきたいなというふうに思っておるんですけれども、大臣の所見をお伺いしたいなというふうに思います。 〔委員長退席、理事水落敏栄君着席〕
○国務大臣(下村博文君) 大変に重い問題提起でございますが、まさにそのとおりだと思います。できるだけ被災された方々が孤立、孤独化にならないようなフォローアップをしていく必要があると思いますし、これは文部科学省だけのことではなくて、政府が全体として、復興対策本部ができておりますが、取り組むべきテーマでもあるのではないかと思います。 熊谷議員とは、三・一一が起きた三週間後ぐらいに、気仙沼等宮城県、一緒に回っていただきました。それをきっかけで、実は今月末、ちょうど三・一一が起きて熊谷議員と気仙沼等行って二年後になるわけでございますが、改めて今度視察に行くことになっております。気仙沼では、生徒会サミットということで中学生たちが、まさに被災された子供たち、あるいはそれ以外の地域からもみんなで集まって、今のようなテーマについても含めてだと思いますが、力を合わせて頑張ると、そういうサミットを行う予定でございまして、あわせて、当時一緒に、気仙沼の教育長等一緒に、流されてしまった壊滅的な小学校、中学校、学校をいろいろと見て回ったり、あるいは被災されている方々を激励したりしました。もう一度その場所に行って、地域で暮らしている方々から今のようなお話もあるかと思います。御意見をしっかりと聞いてまいりたいと思います。 特にこれから求められていることは、文部科学省という立場でいえば、被災した子供たちの心のケアに取り組む、これが大変重要なことであるというふうに思います。ちなみに、予算ということで申し上げれば、文部科学省では、幼児、児童生徒等の心のケアのために、平成二十四年度予算において緊急スクールカウンセラー等派遣事業を措置しており、被災三県の要望を踏まえて、全国から百九十三名のスクールカウンセラーを派遣しております。また、平成二十五年度予算案においても、同事業、これは全額国庫負担で総額三十九億円ですが、復興特別会計でございますけれども、地元自治体から要望されている額そのままを計上しているところでございます。 被災した子供の心のケアについて中長期的に取り組むことが重要であり、復興基本方針や被災地の要望を踏まえ、今のような形も踏まえて、スクールカウンセラーを配置すれば済むという話ではないというふうに思いますし、学校が地域ぐるみの中で、このような一体感の中、一日も早く心の復旧復興を回復できるような手だてを文部科学省としても全力で応援してまいりたいと思います。
○熊谷大君 大変心強い答弁、ありがとうございます。 下村大臣と気仙沼の階上中学校の避難所を視察いたしました際、そのときに、熊谷君、下村先生、洗濯機を、乾燥機付きのをたくさん持ってきてくれというふうにその避難所のリーダーの方に言われて、その視察の帰り道、下村大臣がすぐに知り合いの電器屋さんに電話を掛けてくれて、何台か手配してくれた。その本当に迅速さ、また力の強さを私も今までもすごく励みにして、やっぱり政治家たるべきはこういうふうにならなきゃいけないというふうに、お手本にさせていただいています。また、二周年ということで気仙沼に視察に入っていただくこと、本当に有り難く思っております。よろしくお願いします。 先ほどの新規の予算ということで、私も予算書の方を拝見させていただいて、いじめ対策の方で、新規のいじめ対策総合推進事業の中で、心のケア対策推進事業ということで予算を計上していただいていることを非常にうれしく思っております。 ただ、本当に、大臣も御指摘いただいたように、いろいろな事業をやるといっても、本当にそのケアが必要な人たちにはなかなか届いていないという現状も多々あるようでございます。例えば、最前線にいた幼稚園の先生でありますとか保育士の人たち又は学校の教師の人たちは、被災を受けて二年たって、まだその当時のことを専門的な方に誰にもお話をしたことがないと。少し聞くと、それがまるで昨日のような出来事として話される又は語られるということで、ずっと心にためておったものがふとしたきっかけでわあっと出てくるということもありますので、何やら、そういった保育士さんは現地では八千人、宮城県でも八千人はいると。宮城県の方でも、自治体の方でも、そういった研修等々を含めてやっているんですけれども、なかなかその八千人という数をカバーし切れないというような話を聞いたりしますので、是非ともきめ細やかな支援をしていただけたらなというふうに思っております。 ちょっと、済みません、時間もなかなかないものなので、次の被災地の教育支援の在り方についてということで質疑をさせていただきたいと思います。 最近、被災地に行ってよく耳にするのが、NPOさんで、頑張ってくれているんだけれども、残念ながら被災地の現状とかを見てしまうと足がすくんでしまって、何もしないまま、まあ何もしないままと言うと、補助金、書類上の要件は満たして補助金だけはもらって、あとはほとんど何も手付かずのまま引き揚げてしまうというような例も聞き及んでおります。 そうした教育支援をしてくれるNPOさんなんかは非常に大事に、被災地の人間も頼りにしているんですけれども、そういう現状がちらほら出てきているということなので、これ、NPOを管轄する内閣府でそういった事例がないかということを一斉に調査していかなきゃいけない時期に来ているんではないかなというふうに思っておりますが、内閣府のちょっと考え方を聞かせてください。
○政府参考人(青木信之君) 今お話にございましたNPO、特定非営利活動法人、被災地でもいろいろな活動をしておりますが、この根拠法たる特定非営利活動促進法、これは市民が行う自由な社会貢献活動を促進し、広く公益の増進に寄与することを目的としております。 そうした観点から、この特定非営利活動法人に関する情報公開を通じて広く市民の監視の下に置くことによって、市民による緩やかな監督、あるいはそれに基づく特定非営利活動法人の自浄作用による是正というのを基本的な考え方としつつも、しかし、このような対応だけでは解決されない事態に対処するために、同法においては、法令違反など一定の場合において法人に対して報告を求め、検査を実施し、改善命令、認証の取消しなどの所轄庁、これは都道府県、政令指定都市でございますけれども、所轄庁による監督が行われることとされている、その仕組みの中で必要な対応がなされているというふうに理解をしております。
○熊谷大君 ちょっと緩やかなとか自浄というふうな形の表現があったと思うんですけれども、本当に日々刻々と子供たちは成長しております。そういった中で、学習支援が必要な中、なかなかその支援が受けられると思っていたのに受けられないというふうになると、これは本当に非常に問題でございますので、しっかりとした対応を取っていただきたいというふうに思っております。 そんな中で、宮城教育大学、宮城県の宮城教育大学が教育復興支援センターというのを立ち上げて、被災地の被災した子供たちに対して、土日を使ったり、学生のボランティアさんを募集して被災地のその被災した子供たちに学習支援をするという取組をやっておるんですけれども、残念ながら、最盛期には、最盛期と言うと表現がおかしいんですけれども、被災してすぐは四百人ぐらいのボランティアメンバーでその支援センターを行っていたんですけれども、やはりどうしても時がたつにつれて数が減ってきて、大体今は百名ぐらいになっているようなんですね。自治体の方も、その支援、教育支援ということで予算化をしてくれています。また、大学もちゃんと予算化をしています。しかし残念ながら、ボランティアさんが、いわゆる人手が足りなくて、充実した学習支援をできないというふうなことに陥ろうとしております。 そこで、是非大臣に、学生の皆さんに、まだまだ被災地ではボランティアが必要であると、やはり教育、我が国は人がつくっていると、いわゆる人で成り立っているということ、その教育を受ける人たち、被災した人たちが、その教育機会がなかなか得られていないという状況を大臣のメッセージとして、どこか記者会見でも、又は、それこそ先ほど石井先生からもありましたようにNHKでも何でもいいんですけれども、広報として、人手が不足していると、君たちの手が被災地ではまだまだこれから必要なんだということを是非メッセージとして発出していただきたいなというふうに強く思うのですが、大臣、お考えを是非お聞かせください。
○国務大臣(下村博文君) 確かにおっしゃるとおり、二年前、三・一一直後は、そういうボランティアの学生が現地に行って、復興支援だけでなく子供たちの学習についても献身的に対応しているという話をよく聞きましたし、今でも継続はしていると思いますが、大学によっては被災地支援をそのまま単位としても認めるというところもあるというふうに聞いておりますけれども、今年になってからその実態については、今、熊谷先生からお聞きするまで、実態がどうなっているかということを確かに詳しくはその後フォローアップしておりませんでしたので、何かの機会で一番効果がある方法で、是非ボランティアの学生含め、現地の子供たちのいろんな支援についてバックアップをしてほしいということについて、一番効果的な方法を考えて発するように検討させていただきます。
○熊谷大君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。 冒頭に戻りますが、本当に戦後の戦災トラウマを持った子供たちが大きくなったときに、非常に、アダルトチルドレンとか心の問題を持った子たちが圧倒的に多くなってしまったというところがあります。ここを、震災後、対応を間違ってしまうと、やっぱり心にトラウマを持った子供たちが大きくなって、やはり同じように社会全体、被災地全体がトラウマを持った皆さんで構成されるというと非常に現実的に厳しくなるというふうに予想されますので、是非、大臣の強い姿勢でもって、震災のこのハードな状況を乗り越えられるように、メッセージ又はそういった姿勢を示していただきたいなというふうに思っております。 本日は、短い時間でしたが、どうもありがとうございました。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。 本日は、文科大臣の所信に対する質疑ということで、インクルーシブ教育の課題ということに関しまして、また教育費の負担軽減策ということに関しまして、大臣の御認識をお聞きをしたいと思います。 〔理事水落敏栄君退席、委員長着席〕 まず、インクルーシブ教育の課題ということに関しましてお聞きを申し上げたいと思います。 インクルーシブ教育、障害のある者とない者が共に学ぶことを通じて共生社会の実現に貢献しようという考え方でございます。国連の障害者権利条約の批准に向けまして、今国内法の整備が進んでおりますけれども、一昨年の七月に、改正障害者基本法の第十六条に、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるように配慮する、こういうインクルーシブ教育の理念が盛り込まれました。また、中央教育審議会におきまして昨年まとめた報告書の中にも、このインクルーシブ教育の推進、また障害の特性に合った合理的配慮を学校の現場に導入する、こういう形になっているわけでございます。それを受けて、文科省の来年度の本予算の中にも約十三億八千五百万円の新規予算が確保されておりまして、まさしくインクルーシブ教育元年とも言える大変意義ある一歩を踏み出したんではないかと思います。 そうした流れがある中で、一部の障害者団体の方々の中には、これまでの特別支援教育自体が健常者から障害児を分離する教育であると、こう言って批判をする方々も根強くございます。その一方で、この特別支援教育関係者などからは、もっと早期から障害に応じた教育を行った方が一人一人の能力を発揮することができる、こういう意見もあるわけでございます。 そこで、大臣にお聞きをいたしますけれども、今回のインクルーシブ教育というのはこれまでの特別支援教育とどこが違うのか、またインクルーシブという概念が何を示しているのか、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) インクルーシブ教育とは、平成十八年十二月の国連総会で採択された障害者の権利に関する条約において提唱された理念であり、人間の多様性の尊重等を強化し、障害のある者がその能力等を最大限に発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下で、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みとされているものであると承知しております。 同条約の批准に向けては、平成二十三年八月に障害者基本法の改正が行われ、教育についても、障害のある児童生徒が十分な教育を受けられるよう、可能な限り障害のない児童生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、必要な施策を講じること、また、本人及び保護者に対し十分な情報を提供し、可能な限りその意向を尊重すること、そして、交流及び共同学習を推進すること、環境の整備を促進すること、このようなことに関する規定が整備されたところでもございます。 また、昨年七月の二十三日に中央教育審議会初等中等教育分科会から報告がされました。「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」、これが公表されましたが、この中において、特別支援教育は、共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築のために不可欠なものである、こういうようなことが確認されたところでもございます。 文部科学省としては、これらを踏まえ、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の充実に取り組んでまいります。
○山本博司君 このインクルーシブ教育を実践していく中で一番大きく変わっていきますのは、通う学校の指定、いわゆる就学先の決定の仕組みと言われております。 現在、市町村の教育委員会で、この就学指導委員会におきまして、専門的な見地から、こうした基準を該当する場合には特別支援学校と、こういうふうに指定するというのが基本でございます。しかし、こうした決定をめぐっては、ともすると、学校側の都合であるとか、若しくは障害児本人とか保護者の意向が十分反映されていないのではないかと、こういう批判もたくさんあるわけでございます。 やはり、障害者の本人とか保護者の意向を十分に反映することが大変大事でございます。今回、この就学先決定の在り方、見直されますけれども、どのように見直しがされるのでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) このインクルーシブ教育システムの構築に向け、昨年七月二十三日に公表された中央教育審議会初等中等教育分科会報告において、就学先決定の仕組みについて、就学基準に該当する障害のある子供は特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状況や本人、保護者の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する、そういう仕組みとすることが必要であるというふうに提言されております。 現在、文部科学省において、これらを踏まえつつ、障害のある児童生徒の就学手続に関する学校教育法施行令の改正等の検討を行っております。
○山本博司君 是非、こうした支援というのは大事でございますので、就学時だけじゃなくて、その後のフォローもお願いをしたいわけでございます。 この就学先が決定した後、特別支援学校に行く場合、また通常学級に行く場合、様々な課題がまだございます。こうした点、幾つかの観点でお聞きをしたいと思います。 まず、通常学級に進んだ場合の点でございます。 先ほども、午前中、午後とも、こうした発達障害の方々に対する指摘の点がございました。十二月に文科省が、発達障害のある児童生徒の調査結果ということで、六・五%の平均在籍ということで、四十人学級ですと一クラスに二人から三人という形でそうした発達障害のお子さんがいらっしゃるということも明らかになっております。 実際、こうした発達障害の可能性があっても、その学校で支援が受けていない人たちも四割近くいらっしゃるということでございまして、やはり私も現場を回って、多くの方々の声というのは、保護者の方の声というのは、やはり学校の現場で教職員の方々のやっぱり認識が非常に低い、そうしたことが分かっていないという、教職員の方のそういう問題がストレスとして、発達障害の方が二次障害としてうつ病であるとかそういう対応になって、福祉のそうした現場に駆け込んでしまうということをたくさん聞きます。 そういう意味では、こうした改善というのは、先ほどの指摘ございましたけれども、教職員の方に対するきちっとした理解をやるべきであると、私もこれは一貫して質問してきたわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のとおり、先ほどもほかの委員の方々からも同様の指摘がありました。発達障害に関する教職員の理解が、発達障害に関係する学級や学校ではあったとしても、一般のクラスを持っている担任の先生の理解がないために子供たちがつらい目に遭っているということが学校現場でもあるというふうに聞いております。 昨年七月の中央教育審議会初等中等教育分科会報告においても、全ての教員に発達障害に関する一定の知識、技能が必須である旨の指摘がされました。また、文部科学省が昨年実施した調査において、知的発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある学習面又は行動面において著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が通常の学級でも六・五%推計されているということからも、発達障害に関する理解の推進が課題であるというふうに思います。 文部科学省において、従来より、各教育委員会が進める教員の学校内外での研修の受講による専門性の向上等の体制整備の補助、独立行政法人特別支援教育総合研究所における各都道府県の指導者のための研修の実施などにより、発達障害に関する専門性の向上に関する取組を推進してきたところでございますが、まだまだ足らないと思います。 平成二十五年度予算案においては、この中教審の報告を踏まえ、新たに発達障害に関する専門的、実践的知識を有する教職員を育成するためのプログラム開発等を内容とする発達障害に関する教職員の専門性向上事業、これを新規に計上したところでございます。 これらを通じて、発達障害に対する教職員の理解がより推進されるように努めてまいりたいと思います。
○山本博司君 是非とも、今回、新規予算という形でスタートするわけでございますけれども、まだまだ予算額も少ないわけでございますので、是非ともその拡充にお願いをしたいと思います。 続きまして、今、大臣も御指摘されましたように、六・五%いらっしゃる。特に行動障害を持っていらっしゃるお子さんがいらっしゃるクラスというのは大変であります。そういう中で、この特別支援教育支援員の制度、これがスタートをしているわけですけれども、まだまだ数が足らないということもございます。地域差もございます。こうした意味で更に拡充をすべきであると思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 障害のある児童生徒等の学校生活上の介護や学習活動上のサポートを行う上で、今御指摘のように、特別支援教育支援員の配置は大変重要であるというふうに思います。 その配置に必要な経費については、国からの地方交付税として地方財政措置されているところでございますが、これまでも配置を促進しつつその配置実績を踏まえて年々拡充してまいりました。二十五年度においては、更に前年度から三千二百人増の合計四万四千七百人分の財政措置を予定をしております。 今後とも、この御指摘の特別支援教育支援員の充実に努めてまいります。
○山本博司君 是非お願いをしたいんですけれども、現状、今、特に、私も各地を回りまして、特に高校に行きましたときの非常にこうした支援員の方の数が少ない。定時制高校ですと、ある校長は約一五%ぐらい発達障害の方がいらっしゃって大変であるということで、現実、支援員というのは非常に少ないわけです。今回も五百人の措置なわけですね。やはりそういう部分で、ある高校の校長先生は、発達障害の方が入ってきたときの対応ができなくなって途中で辞めていく方もたくさんいらっしゃるということもございます。 そういう意味で、今、拡充はされているということでございますけれども、やはり更に推進をしていただきたいというのがお願いでございます。答弁は結構でございます。 その後で、もう一つ、特別支援学校に行った場合の課題でございます。 これも、特別支援学校、特に高等部、どんどん人が、特別支援学校に行かれている方が急増しております。都内の学校でお話聞きますと、三十七名から七十名になったということもございまして、急激に増えている中で教室が不足している。この点も何年か前、平成二十二年にも指摘をさせていただきました。 そういう中で、実際その対応がどうなっているのかということに関して、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省が各都道府県に対して行った公立特別支援学校における教室不足の現状についての調査によりますと、在籍する児童生徒数の増加により、平成二十四年五月一日現在で全国で四千六百三十三教室の不足があるということでございます。対前年度に比べまして不足教室の数は七十二教室の増加となっているということでございます。 文部科学省としては、できる限り良好な環境で特別支援教育を実施するため、特別支援学校の教室不足解消の対応策について各都道府県に対し通知を発出し、増加傾向にある児童生徒数を的確に把握し、解消計画を順次策定、更新するなど、教育上支障がないよう適切な取組を求めているところでもございます。 一方、同じ調査によると、校舎の新築や増築及び廃校になった校舎や空き教室を活用するなどの方法によりまして、平成二十四年度中約二百四十教室、平成二十五年度中には約三百七十教室の教室不足が解消される見込みともなっております。 このような校舎の新築や増築、改築等の施設整備に対しては、平成二十五年度予算案において、地方からの要望に対し全て対応する予定でございます。引き続き、特別支援学校の教室不足の解消に努めてまいります。
○山本博司君 二年前質問したときから現状としてやっぱり増えている、クラス数も増えている、実際にございます。 やはり大臣、現状、この特別支援の学校においてもそうです。また、通常学級にしてもそうです。やはり現場の方々は大変苦労されているわけでございますので、是非ともこのインクルーシブ教育を推進していこうという形の中で、やはりこの点に関してお願いをしたいと思います。 そういう中で、この特別支援学校と通常学校との交流をされている取組があります。やはり、障害のない子供たちと、それから、小さいころから同じようにそこに交流をし合うということが、共生社会を担っていくための一つの基礎という意味では大変大事な点だと思います。 私、埼玉の独自に進めている支援制度、支援籍制度というお話を聞かさせていただきました。ふだんは特別支援学校、遠いところに通っているわけですけれども、その居住する地元の小学校、支援籍という籍がありまして、そこに一定の期間交流をしていくという形でお互いがその支援学校と地元の小学校の交流をされるという形でございまして、これは大変大きな効果は出ているということでございます。 中教審の報告書の中でもこのインクルーシブ教育を推進する上で非常に効果的であるという指摘もされているわけですけれども、こうした特別支援学校と通常学校との交流というのをもっと拡充していくべきではないかと思いますけれども、この点、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 交流そして共同学習、これは、共生社会の形成に向けて、全ての児童生徒にとって経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てる上で大変大きな意義があるものであり、障害者基本法においても積極的な推進が規定されているところでございます。文部科学省では、特別支援学校及び幼、小、中、高等学校の学習指導要領に障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との交流及び共同学習について明記をし、推進をしております。 また、昨年七月の中教審の初等中等教育分科会報告においても交流及び共同学習の推進が必要であることが提言されており、各教科等の学習における交流及び共同学習の組織的、計画的な推進、また、特別支援学校の児童生徒が居住する地域の学校との交流及び共同学習の実施等が課題とされております。 今御指摘の埼玉県はそのような形で既に取り組んでおられるということをお聞きしました。文部科学省として、新規に来年度から、交流及び共同学習の組織的、計画的な実施等について実践研究を行うインクルーシブ教育システム構築モデル事業、これを新たに実施することにしておりまして、交流及び共同学習の更なる推進に努めてまいります。
○山本博司君 是非とも大臣、こうしたことも含めてお願いをしたいと思います。 現在、障害者基本法などによりまして、障害を理由に差別することなく学習機会が提供されるような合理的配慮ということが義務付けられております。ただ、障害のある学生に提供すべきこの合理的配慮の範囲や課題というのが明確じゃないために、障害者の受入れがなかなか進まないというのが実情でございます。 このため、文科省、専門家などの検討会を設置して、大学などが取るべき合理的配慮の範囲、こういったことを検討することにしているというふうに聞いておりますけれども、大臣、この合理的配慮の確保ということに関して教育分野でどのように認識をされているのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 合理的配慮とは、障害者の権利に関する条約において、障害者が他の者と平等に全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失った又は過度の負担を課さないものをいう、そういうふうに定義されております。 この合理的配慮については、昨年七月の中教審初中分科会報告において、個々の障害のある幼児、児童生徒の障害の状況等に応じて提供されるものであり、多様かつ個別性が高いものであるというふうにされ、その代表的なものと考えられる例を観点ごとに示していただいております。例えば、視覚障害のある児童生徒の情報保障等の観点では、拡大文字を用いた資料の提供や、またICTの活用による画面拡大や色の調整等の配慮が例示として挙げられております。 また、合理的配慮は新しい概念であるということでございますので、報告では、早急に合理的配慮の充実に向けた調査研究事業を行い、それに基づく国としての合理的配慮のデータベースを整備し、各教育委員会の参考に供することが必要であるとの提言もなされております。 この報告を踏まえ、文部科学省としては、平成二十五年度政府予算において、学校での合理的配慮の実践事例を収集してデータベース化する事業を新たに実施することにしております。これらの取組を通じ、学校における合理的配慮の充実等を図ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。是非ともこの点に関しまして推進をお願いしたいと思います。 次に、教育費の負担軽減策ということでお聞きをしたいと思います。 教育費に対しましては、授業料の減免とか各種の奨学金制度とか就学援助費などの支援といった様々な負担軽減策がこれまでも実施されておりますけれども、子育て世代の負担を考えますと更なる拡充が必要でございまして、特に所得の低い層に対する手厚い支援策が求められております。 現在、政府において生活保護の見直しが予定されておりまして、この予算案にも盛り込まれております。その実施の中に、貧困の連鎖を断ち切るための子供の貧困防止、こういうことが出ておりますけれども、全力で取り組んでいただきたいと思います。 厚労省はこうした生活困窮者支援制度の法律を模索しておりまして、検討しておりまして、推進をしておりますけれども、是非、文科省においても、この貧困の連鎖のこれを断ち切るという施策を取り組んでいただきたいということが今日の要望でございます。 特に、やはり私も横浜のはばたき教室というところを行ってまいりました。釧路にも行ってまいりましたけれども、この貧困の連鎖を防ぐために、生活保護受給者の中学校三年生の子供たちに大学生が学習支援を行って、高校進学に向けたサポートをしている。釧路では教員のOBの方がやっていらっしゃいました。そこで高校に進学した児童も来ておられまして高校の勉強を教えてもらっているわけですけれども、この場がないと進学しなかったと、本当に良かったと、このように笑顔で話していらっしゃる言葉に大変希望を感じたわけでございます。 そういう意味で、厚労省は九十四自治体の今の実施から更に中学校全体に対して検討しておりますけれども、これは、このような学習支援というのは、福祉的な側面ではなくて、本来、どんな状況であったとしても学びたいという意欲を引き出すという、この教育の本来のそういう役割ととらえるんであれば、文科省がやはり積極的に取り組んでいかないといけないんではないかと私は思うわけでございます。 その点、この貧困の連鎖ということに関して、是非大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 大変重要な御指摘であると思います。経済的な格差が結果的には学ぶ機会を失うような教育の格差につながる、そのことによって貧困の連鎖が起こるということであってはならないわけでございまして、文部科学省としてもこの貧困の連鎖を断ち切るためにしっかりとした教育の役割を果たしていくと、それを二十五年度の予算だけでなく、今後、重点施策の一つとして取り組むことが必要であるというふうに思います。 具体的に、今、文部科学省としては、就学前教育段階や高等教育段階では教育費の家計負担が大きい状況となっていることから、幼稚園就園奨励費補助の充実、大学等の奨学金事業や授業料減免の充実等を通じて、子供が安心して学べるよう経済的支援の充実を図っている。また、初等中等教育段階で一人一人の子供に教員が向き合う環境の整備など、個々の子供に対するきめ細やかな教育指導を図ることも重要であると考えており、さらに文部科学省として、全体的に、これから貧困の連鎖により子供の将来における可能性を閉ざしてしまわないようなそういう対策については十二分に検討し、しっかりとした対応をしていくことが必要であるというふうに考えております。
○山本博司君 その中で、やはり公明党も主張しておりますけれども、給付型の奨学金、特に高校生に対して給付型の奨学金、また幼児教育の無償化、これも公明党としても公約の中に入れておりまして、こういう点も併せて、教育費の負担軽減ということではしっかり取り組まないといけないと思いますけれども、この点、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) まず幼児教育の無償化については、御指摘のように、私と、それから厚労大臣と、それから内閣府の少子化担当大臣と、それから自民党、御党公明党の実務者と一緒に、より早く幼児教育の無償化をしていくための手だてについて、近々に第一回の会議を立ち上げてスタートし、実現に向けて努力をしてまいりたいと思います。 それから、高校における給付型奨学金については、これは高校授業料無償化の中の一つとして、その財源を確保して、給付型の奨学金についても是非検討させていただきたいと思っております。
○山本博司君 やはり、先ほどの部分でやっぱり財源の問題がございました。給付型奨学金も、また幼児教育の無償化の七千九百億円も含めて、こういうことも含めてしっかり取り組んでいくということでよろしいんでしょうか。確認の意味でお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 高校における給付型奨学金については、午前中も議論がありましたが、所得制限を設ける中で、総額四千億の中で財源を確保していきたいと考えております。 幼児教育の無償化については、これは文科省だけでできる話ではございませんので、他の省庁、政府一体となって、それから与党と一緒の中で、その財源確保についてトータル的に検討してまいります。
○山本博司君 是非とも推進の方をよろしくお願いしたいと思います。 一点、最後に、夜間中学のことで御質問したいと思います。 この全国夜間中学校研究会の方々が去年含めまして何度も公明党にも、お話を聞いております。現状、今、八都道府県で三十五校ということでございますけれども、現状なかなか、義務教育を受けたくても、こうしたことの対応という形で、なかなか受けられない方がたくさんいらっしゃいます。 ほとんどこの首都圏と関西圏に集中して、他の地域では義務教育を受けたくても受けられない方が現実いらっしゃいます。約百数十万人いるんではないかという当会のことも出ているわけですけれども、こうしたやはり教育を受ける権利、夜間中学の方々、夜間中学を各県に一校設置をしてほしいという要望も出ているわけですけれども、こうした点に関していかがでしょうか。
○委員長(丸山和也君) 文科大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(下村博文君) はい。 夜間中学校については、委員御指摘のように今三十五校、これは年々、主に占める割合が外国人の、外国籍の方が多いわけですが、数が減っているということもございまして、各都道府県ということになると、都市部においては十分可能であっても、なかなか外国人の少ない都道府県においては対応が遅れているという部分がございます。 文部科学省としては、今後とも中学校の夜間学級への、夜間学校への着実な支援を行うことによって、その教育の充実に努めてまいります。
○委員長(丸山和也君) 時間でございますので。
○山本博司君 是非この点、よろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。ありがとうございました。
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。 今日は、さきの大臣所信を受けて、科学技術の問題をお聞きをしていきたいと思います。 改めて言うまでもありませんが、天然資源の乏しい我が国が何とか今日までやってこれたのも、また、この厳しい現状を打開をして未来に向かって新たな発展、飛躍を期していくためにも、科学技術の振興、なかんずく科学技術イノベーションを推進していくということは極めて重要なことだと思っております。 大臣もさきの所信において次のように述べておられるわけですね。科学技術イノベーションは安倍内閣が掲げる三本の矢のうちの一つである成長戦略の重要な柱であり、日本の経済再生の原動力であると、そして、この科学技術イノベーションを国家戦略として強力に推進をしていきますと、こうおっしゃっておられるわけでありますが、まさにこれからの日本の成長戦略にとって欠くことのできない極めて重要なものだと私も思っております。 しかし、これからまたお聞きをしていくように、残念ながらなかなかそうならない現実ができているのも事実でありまして、したがって、これまでのこの科学技術政策の在り方、考え方、こういったことをしっかりと見直していく必要があるんではないかと、そう思っております。 その中で、一つは、非常に我が国は優れた研究成果がたくさん実は豊富にあるにもかかわらず、それが実用化できないという大変悩ましい問題がございます。大学や公的研究機関がどんなにすばらしい研究成果を生み出しても、それがイノベーションにつながっていかないと、総理などがおっしゃる世界一に、強い日本を取り戻すことができないわけでありまして、ここら辺をどう乗り越えていくか。つまり、研究成果から製品化に向けたこの死の谷、横たわる壁といいますか、死の谷と一般に言いますが、これをどう乗り越えていくかというのは大変重要なことだと思っています。 そのためにも、この出口を見据えた、そういう研究成果を実用化に向けていく、製品化に向けていく、やはりこの仕組みづくりであったり、そういうコーディネート役を果たす人であったり物であったり、こういったものを始め対策を強化をしていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、まずこの点からお聞きをしたいと思います。
○大臣政務官(丹羽秀樹君) 柴田委員おっしゃるとおり、研究成果の実用化に向けて、いわゆる研究開発段階では死の谷というものがやはり存在しております。その克服には、産学連携など、大学側のシーズを企業のニーズ、実用化につなげていくということが今これから最も重要な取組だというふうに考えております。 そこで、企業だけではやはり実現できない革新的なイノベーション、これらを産学連携で実現するそのコーディネーターなど専門人材の大学等の研究機関への配置、また、大学発ベンチャーの創出を図る取組、大学等の知的財産の活用を現在文部科学省としても行っているところでございます。 今後も、この死の谷を克服できるような研究を、研究成果の実用化に向けて、より一層文部科学省としても、今まで、例えば研究ばかりに没頭する開発だけじゃなくて、今度はマーケティングから見た研究開発等も含めて進めていきたいと考えております。
○柴田巧君 とにかく、これまでは研究や技術開発の成果を産業やビジネスにつなげていく力が余りにも弱過ぎたと思うんですね。まだまだ我が国にはそういうポテンシャルといいますか実用化に向けた研究成果、すばらしいものがあると思いますので、あとちょっとした努力をすることによって十分花咲くと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 一方で、我が国をめぐる、この科学技術をめぐる状況で大変ゆゆしき事態だと認識をしますのは、一言で言えば、研究の国際化が極めて遅れているという実態があろうかと思います。特に、今、これからの時代は単独の国でいろいろ研究をするというよりも国際的に共同してやっていくというのが世界の今常識になっているわけですけれども、残念ながら、そういう中において、文部省の科学技術政策研究所によると、今日はお手元に資料を用意しておけばよかったのかもしれませんが、他の研究者に引用される回数が上位一〇%の、いわゆる高注目度論文などと言いますが、これの世界的なシェアというのは、実はどんどんどんどん我が国は今落ちているのが現実であります。 例えば、二〇〇七年から九年をその十年前と比べると、日本は六・二から四・八に減ってきていますが、一方、中国などは逆に一・三が六・四に増えて、日本をもう抜き去っているのが現状であります。これは、中国や韓国の新興国だけが伸びているのではなくて、フランスやイギリスやドイツや、こういった先進国も伸びているんだけれども、日本だけがその中で地位を落としているという大変な状況でございます。 もっと言うと、論文数そのものも我が国は伸び悩んでいますが、国際共著論文もどんどんどんどん実際落としてきているということで、人材の流動化と相まって研究の国際化が各国の成長戦略の上で重要な位置を占める中で、非常にゆゆしき事態だと思っています。特にこの高注目度論文というのはイノベーションを測る一つの大きな目安になるわけですので、このイノベーション力の強化を図っていくためにも、文科省としてもこれはもう深刻に受け止めて、有効な手だてを早急にやっぱり取っていくべきだと思っています。 世界規模のいわゆる頭脳循環がどんどん進んでいくわけで、優秀な研究者を日本に招き入れていく、あるいは若手の研究者を世界へ送っていくということなどをやって、世界に通用する研究人材を育てていくということが大事だと思いますが、研究環境の高度化、国際化、どのようにこれから積極的にやっていくか、これは大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 世界的に頭脳循環が進み、科学技術イノベーションの鍵となる優れた人材の国際的な獲得競争が激しくなる中、海外の優れた研究者の招聘、日本の若手研究者の海外派遣を促進して、研究環境の高度化、国際化を図るということは極めて重要なことであるというふうに考えます。 このため、文科省としては、優れた外国人若手研究者を招聘し、我が国として国際的な研究環境を構築する外国人特別研究員事業や、世界から第一線の研究者が集まるグローバル拠点の構築を目指す世界トップレベル研究拠点プログラムなどを推進しております。先日、つくばにある物質・材料研究機構に行きましたが、そこでは既に三四%外国人研究者が一緒に働いておりまして、文科省では最先端の独立法人でございました。 さらに、優れた若手研究者個人の海外派遣を支援する海外特別研究員事業や、大学等の研究機関における若手研究者を海外に派遣する頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業を推進をしてまいります。 今後とも、世界的な頭脳循環に対応できる国際的な人材・研究ネットワークの強化とグローバル研究人材の育成を通じて、我が国の研究環境の高度化、国際化にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○柴田巧君 おっしゃることはまさにそのとおりなんですが、実は政権交代前からこの問題を私は取り上げてきたんですが、なかなか政権交代されても余り変わっていないような気がしてなりません。例えば海外特別研究員事業、今もおっしゃいましたが、これも決して予算が特に伸びているわけでもありませんし、若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラムもそういったものの一環だと思いますが、これなども半分ぐらいに実は予算が少なくなっているという現状がございます。 どうぞ、口ばかりではなくて、本当にこれは危機感を持ってやらないと、科学技術イノベーション、なかなかこれは、世界の中で日本が落ちていきかねませんので、是非強い危機感を持って大臣におかれては取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 次に、もう一つ、そういう科学技術イノベーションを推進をしていく、促進をしていく上で世界的に後れを取りつつあるのは、博士課程の学生あるいは博士号取得者をめぐる問題であります。 これからますます高度な知的生産活動を担っていかなきゃならぬ博士取得者にはそういうことが期待されるわけですが、実はこれも、世界各国そういう博士号を取る人が増えている中で日本は実は伸び悩んできて、二〇〇六年度をピークに減少に転じているような状況でございます。東大の修士課程から例えば博士課程への進学率は昨年度でいうと二五・八%で、十年前よりも一六%も低下しているわけですね。やっぱり多くの研究人材がいてこそ初めて科学技術の競争力が高まる、イノベーションが創出していけると思いますと、この量的な拡大もこれから大変大きな課題だと思います。 と同時に、より深刻なのはやっぱり質の問題なんだろうと思われます。同世代の人に比べると、どうしてもそういう博士課程で学ぶ人たちは経済的に大変厳しい状況にあります。そういう中で、アメリカなどは生活費相当額を大体四割程度の学生に補助しているといったことがありますが、まだまだ日本は、そういう意味では経済的支援が足りないのが実情ではないかと思います。 また、優秀なそういう博士課程の学生の研究を支援していくということも、もっともっと充実してやっていくべきではないかと思いますが、いずれにしても、ああいうふうに生活が厳しいなら、あるいは研究に十分専念できないならば、今修士課程にいる人たちが博士課程に進んでいかないという状態になりかねませんので、いずれにしても、そういう経済支援あるいは研究支援、もっと博士課程の学生に手厚くしていくべきではないかと思いますが、見解をお聞きをしたいと思います。
○大臣政務官(丹羽秀樹君) 委員御指摘のとおり、我々のイメージの中で大学の研究者の特に修士課程の研究者というのは、何かぼろい白衣を着て出てくるというようなイメージも、多分子供のころの漫画かそういった映画なんかで見られた御記憶があるかもしれませんが、やはり能力のある修士課程の方々が博士課程にこれから伸びていく中で、金銭的な問題というのはこれは大きな課題だというふうに考えております。 また、今回、安倍内閣の中でも、この三本の矢というのの中で成長戦略が掲げられておりますが、優秀な博士課程の学生への支援を強化していくということは、本当に委員のおっしゃるとおり大事な、極めて重要な課題であります。 そこで、やはりこの優秀な博士課程学生へ経済支援の充実を図るために、文部科学省としても、研究奨励金を支給する特別研究員事業の増員を図るとともに、もう一つ、授業料の減免などや奨学金の充実を今、平成二十五年度予算、衆議院の方で審議されておりますが、そういった中でも盛り込んでやっていきたいと考えております。
○柴田巧君 是非、先ほど申し上げましたように、この博士号取得者が、やっぱりイノベーションを起こしていく上で大きな役割を果たすものと思います。しっかり、世界の中で後れを取らないように、そういった支援をやっていただきたいと思います。 同時に、この何よりも就職支援というのはより重要なわけでございまして、博士号取得者を社会で一層活用していくために、やっぱり雇用の確保あるいはキャリアパスの多様化に向けていろんな支援を充実していくということが大事だと思っております。 大臣も所信の中で、この科学技術イノベーションの振興を図っていく上で科学技術人材の養成確保は重要な課題であり、博士課程の学生や若手研究者への支援を強化すると述べていらっしゃるわけですが、しかし、現実はといいますと、この二〇一〇年の科学技術白書にもあるように、博士課程から、まあ研究部門によってちょっと違いますが、博士課程を修了した後、大学教員にそのままなれるのは今はもう一割ぐらいしかないんですね。四十歳未満で大学の教員となると、かつては三四%ほどあったんですが、この大学院重点化政策が始まる前は。今は二七%というふうにどんどん減少しているということでありまして、しっかりこの雇用の確保、キャリアパスの多様化ということがこれから大事だと思います。 そのためにも、一つは、例えば大学などが正規職員を、シニア層の雇用をやっぱり少なくして若手のポストをいかに増やすかというのが正直なところ大事なことだろうと思いますし、民間の皆さんにこの大学院博士課程の修了者が有用であるというような、やっぱり大学院の人材育成機能の充実をやっていく必要があるだろうと思いますが、いずれにしても、この博士取得者の就職支援といいますか、雇用の確保、キャリアパスの多様化に向けた大学院の人材育成機能の充実にどのように取り組んでいくか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、少子高齢化と人口減少を迎える我が国において、これから国際競争力を維持向上するためには、博士課程を修了した高度な人材が多様なキャリアパスを歩み、社会の各界各層で活躍し、我が国の成長を牽引すること、これが象徴的ですが、不可欠要因だと思います。 今、安倍内閣では、教育再生実行会議で、前回まではいじめ、体罰について議論をし、提言を出していただきましたが、今、教育委員会の抜本的な見直しの議論に入りましたが、これも早く提言を出していただいたら、大学の質、量共に見直すと。大学力を付けるということが国力そのものでございますし、それが今日、委員が提案されていることにもつながってくるのではないかと思います。 それに先だって、文部科学省は、研究者養成の性格が強かったこれまでの大学院教育を抜本的に改革し、高度な専門性に加えて俯瞰力を備え、産学官にわたり活躍するグローバルリーダーを養成するリーディング大学院の構築を支援するなど、大学院教育の改革に取り組んでいるところでもございます。 引き続き、産学官の対話と連携を通じ、博士課程修了者が社会の様々な分野で活躍していく好循環の形成に向け必要な施策を推進していくことは大変重要なことであるというふうに思います。これからしっかりと、これからの日本の経済成長を資する、そのような高度な人材力を組織的に構築をするように文部科学省も先頭に立って対応してまいりたいと思います。
○柴田巧君 その大学院重点化政策でかつてに比べると二・八倍ぐらい増えたのはある意味では結構なんですが、しかし、いわゆるこういう出口戦略がなかったというのは否めないと思います。しっかり、量的拡大はもちろんですが、質的な向上、そして就職支援を、何よりも活躍できる場をつくるということにもっと文科省としてもしっかりこれから取り組んでいっていただきたいと思います。 時間がないので次に移りますが、今日は内閣府からも副大臣来ていただいておると思いますけれども、今申し上げてきたことなどなどを含め戦略的に科学技術政策をやっていく、イノベーションを起こしていくというためには、何よりもその司令塔となるべき総合科学技術会議、これがやっぱりしっかりしなきゃならないと思います。どんなにすばらしい計画が立っても、予算がたとえ増えても、それをやっていく頭脳が、あるいは司令塔がしっかりしなければ、結局、絵にかいたもちになりかねません。 これまでは総合科学技術会議は、司令塔を期待されつつも現実は各省庁の調整の場にしかすぎなかったというのが現実であろうかと思います。かつての政権の中でも見直しの議論がありましたし、安倍総理自らが先頭に立って、これを今改組していこう、機能強化を図っていこうということは結構なことであり、期待をするものでありますが、いずれにしても、これまでの会議の在り方でいくと、一旦固定された研究テーマがなかなか新陳代謝を起こさない、あるいはいろんな同種のテーマが各省庁ばらばらにやっている、評価基準もこれまたそれぞれの、統一したものはなくてそれぞれの役所のベースでやっているという、いろんな正直無駄が生じていると思います。 やっぱり国家戦略として科学技術政策をやっていく上でこの総合科学技術会議の機能強化は避けて通れないと思いますが、この権限、機能の一元化など、それこそ抜本的な改革が必要だと思いますが、現在の検討状況を内閣府にお聞きをしたいと思います。
○副大臣(伊達忠一君) お答えをいたします。 三月一日に開催されました総合科学技術会議では、安倍総理から、総合科学技術会議の司令塔機能、今先生がおっしゃったことでございますが、権限を、予算それから権限両面でこれを強力な推進のできるような抜本的な強化策を具体的に検討すべきだという指示がございました。内閣府におきましても、山本大臣のリーダーシップの下、有識者議員とも相談をしながら、権限や事務局の強化など総合科学技術会議の具体的な機能強化策について今検討しているところでございます。
○柴田巧君 科学技術イノベーションを起こしていくためには、そういった権限、機能の一元化の下に規制の緩和やあるいは税制の見直しもしなきゃいかぬかもしれません。更に言うと、製品化によってできたものの先導的な市場をつくっていくということなどもこれからは担っていかなきゃならぬ問題だろうと思いますが、そういう意味でも、その権限、機能の一元化、抜本的な強化が必要だと思います。 特に、予算配分権限を持つか持たないか、これは一番肝の部分だと思います。正直、文科省にとってはちょっと厳しい、つらい話でもあろうかと思いますが、省益を乗り越えてこの科学技術政策をしっかりやっていくためにはそれは欠かせないと思いますし、お隣の韓国は、科学技術委員会でしたか、ちょっと正式な名称忘れましたが、今や科学技術予算の七割の権限を持っているのがお隣の国の現実でありまして、今みたいにばらばらに各省がやっているというのでは科学技術イノベーションがなかなか起きていかないと、世界に後れを取ると思いますが、この予算配分権限、大幅にしっかり持つべきだと思うんですが、この辺はどういうふうにお考えですか。
○副大臣(伊達忠一君) 今先生の、要するに予算権限の配分のことについてでございますが、予算権限については司令塔機能強化に係る検討課題の一つであると、おっしゃるとおりだと思っております。例えば、総合科学技術会議が戦略的に配分できるよう予算確保することで各省庁との連携を強化していくことの方策等について今検討しているところでございます。
○柴田巧君 これから六月末ぐらいですかね、をめどに検討していくということですが、今申し上げたことをしっかり念頭に置いて議論していただきたいと思います。 文科大臣は、その総合科学技術会議の議員でもおありであり、科学技術政策を担う役所のトップでもあるわけですが、大臣としては、総合科学技術会議、どうあるべきだというお考えを持っておられるのか、大臣の御所見をお聞きをしたいと思いますが、先ほど申し上げたように、今こそ省益を乗り越えて、その壁を乗り越えて大胆な改革をやっていくべきだと、大臣のおっしゃることを実現していくためには、文科省としてはつらい面もおありだろうと思いますが、大胆な改革が必要だと私は思っているんですが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 総合科学技術会議の司令塔強化、これは極めて我々も重要であるというふうに考えております。今後、総合科学技術会議の中で予算等、権限含めて議論するということでございますし、また、自民党の中においても小委員会が設置され精力的な議論もされているところでございます。 文部科学省としても、関係者とも協力して、この司令塔のより目指すべき実効性のある在り方についてしっかり検討し、科学技術イノベーション推進体制の強化を目指してまいります。
○委員長(丸山和也君) 時間ですので簡潔にお願いします。
○柴田巧君 はい。 もう質問は終わりますが、自民党もさきの総選挙で総合科学技術会議の改組、強化をうたっておられたと思います。我が党もそうであります。 ただ、今、議論が始まると、政権内部というか与党の中にいろいろ慎重論もあるやに聞こえてきますが、是非、腰砕けにならないように、いい司令塔をつくっていただきますことを強く求めまして、取りあえず今日は終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。 今日は、文教科学行政の基本施策に関する事項につきまして、先日の大臣所信の基本施策に関する事項につきまして伺いたいと思っております。 現在、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響がいまだに残るなど、その影響とともに幾つもの難しい課題を抱えているという現状がございます。そして、先日の大臣所信の基本施策に関する事項の中にもございました。こうした幾つもの難しい課題を抱えていると強調されている中、確かに、東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染により家を失い、そして仕事をなくし、また、家があるのに避難生活を余儀なくされている方々、そしてまた、お亡くなりになられた方々の御遺体を確認することさえできない現況が東京電力福島第一原子力発電所の放射能拡散によってもたらされております。 こうした被災地の大変厳しい、また悲惨な状況を踏まえた上で、第二次安倍内閣では、経済再生と教育再生を最重要課題として取り組み、このことは国民の皆様にも広く御理解をいただいている、また理解が広がる中、今後そういった取組の中でしっかりと教育行政に取り組んでいかなければならないというような御所見が盛り込まれておりました。 しかし私は、明るい兆しが見えているとも御所見を語られておりましたが、本当の明るい兆しなのでしょうか。私といたしましては、やはりこの被災地の復旧復興というものを最優先課題として取り組むべきと考えますが、大臣就任後、一番最初に被災地に視察に行かれました下村文部科学大臣に、御所見をまず初めにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今、谷委員から御指摘のとおりでございます。安倍内閣も、経済再生、教育再生は内閣の最重要課題でございますが、最優先課題として取り組むべきものは、これは東日本大震災の復旧復興支援を早く行うと、これが最優先課題でございます。そういう立場から、私も就任直後、視察の一番最初に福島を訪れるという選択をいたしました。文部科学省としても、福島始め被災地の復旧復興について、教育的な観点から最優先でできることについて最大限取り組んでまいりたいと思います。 具体的に、文部科学省では、福島の子供たちが被災前と同じように落ち着いて学ぶことができるよう、学校施設の復旧や心のケア、就学支援等に取り組むとともに、国立青少年教育施設を活用したリフレッシュキャンプを実施しております。また、除染や廃炉に関する研究開発に取り組むとともに、原子力損害賠償については、迅速、公正、適正な賠償を実現するため、和解の仲介の体制強化等を進めているところでございます。 今後とも、被災者の心に寄り添い、福島の復旧復興に全力を尽くしてまいります。
○谷亮子君 大臣、ありがとうございます。 今お話がございましたように、やはり震災の復旧復興への取組というのは、全国民の皆さんが非常に注視していらっしゃいますし、今後、やはり被災地の復旧復興に万全を期していただきたいとお願いを申し上げたいと思います。 そして、この復旧復興を遂げていくために様々な課題が、これから取り組まなければならない課題も出てくると思いますが、やはりそこを、下村文部科学大臣そして文部科学省を挙げて取り組んでいただきたいと、最優先課題として取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 そして、私たちは、この日本の自然から様々な恩恵を受け、そして国土を愛し生活をしてまいりました。そういった中で、今回の震災や原発事故を端緒とする一連の国難と言える災禍の記憶を有形のものとして保存をしていくということも非常に重要であるということでございます。 このことは、陸前高田市の奇跡の一本松ということもありましたけれども、この奇跡の一本松を復興のシンボルとして保存されたということは大変非常に意義深いことでもございました。そして、やはり無形の遺産として今後次世代に継承していくということも非常に重要なことであると思いますし、このことにおきましても、積極的にしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに考えております。 また、こうした震災や原発事故を経験をして、文部科学省としては防災教育ということでしっかりと今取組がなされております。このことはしっかり、避難訓練ですとか、あとは、緊急事態においてはやはり保護者の皆さんの連絡網なんかもしっかりと今確認できるように取組が進められている現状もございますけれども、こういった防災教育と並行して、私といたしましては、学校教育という観点からも、文部科学省において積極的な取組をしていただきたいと。やはり、こういった震災や原発事故を経験をして、更にこの経験や学んだことをしっかりと生かしていっていただきたいというふうに思っています。 例えば、先ほども委員の先生、皆様の方からもお話ありましたが、教材の作成ですとか、あとは語り部の養成、こういった語り部の養成というのは、やはり実体験をされた方たちの話をしっかりと聞いていく、またそれを聞いて生かしていくというようなことも必要ですし、あとは映像記録としての集積、またさらには現地見学等も考えられると思いますが、こういった様々な方法を取って、しっかりと防災教育、そして学校教育という観点から文部科学省としても取組をしていただきたいと思いますが、今回の震災や原発事故を経験をして、今後その経験をどのように文部科学省として生かしていかれるのか、取り組んでいかれるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 私も、三・一一が起きて五か月後ぐらい、夏ごろでしたけど、陸前高田に支援に行きました。そのときに、たくさんの子供たちと一緒に行ったんですが、旧市街地は水没をしてしまったところもたくさんあって、五か月たって瓦れきは大分処理されていましたが、とてもここにもう一度住みたいと思えないような惨たんたるまだ状況がございましたが、その中で海岸線に一つだけ一本の松が生きておりまして、陸前高田の人たちにとってはこれが心のともしびになるだろうというふうに思いました。それを別な形で有形の遺産として残るというのは、陸前高田にとって復興の象徴として位置付けるんだろうなというふうに思っているところでございます。 今、無形の遺産という御指摘がございました。東日本大震災の教訓を次世代に継承していくことは重要な課題であると思います。平成二十四年四月に閣議決定された学校安全の推進に関する計画においても、児童生徒への災害教訓の継承を図ることが重要と位置付けております。 文部科学省としては、復興教育支援事業において、今御指摘がありましたが、被災地における震災の教訓を踏まえた学校防災マニュアルや児童生徒、教員、保護者、地域住民の体験文集を作成する取組などに支援を行っております。また、被災地の各自治体においても、被災の体験等を後世に残すために様々な取組を行っているところでもあります。 これらを通じ、学校教育において東日本大震災の体験と記憶を後世に引き継ぐための取組を引き続きしっかりと推進してまいります。
○谷亮子君 ありがとうございます。 震災から二年が過ぎまして、こういったことをお願いするのは、震災後二年たって風化への懸念というものが語られ始めているというような現状もありますので、こういった経験また学びというものをしっかりと、また生涯教育、一生涯を通じての教育という観点からも文部科学省として取り組んでいただきたいなというふうにお願いを申し上げたいと思います。 そして、もう一つ質問通告をしていたんですけれども、今の話と関連をしておりますので、一つ飛ばさせていただきたいと思います。 そして、次の質問に入らせていただきます。 東京電力福島第一原子力発電所の原発事故への文部科学省の対応につきまして伺いたいと思います。 文部科学省は、原子力損害賠償紛争の早期解決へ向けての取組といたしまして、平成二十五年度予算主要事項に復興特別会計といたしまして、原子力損害賠償の円滑化、約四十六億円を計上いたしております。被害者を迅速に救済するため、原子力損害賠償紛争解決センターの体制強化による和解仲介の加速化など、迅速、公平かつ適切な原子力損害賠償の円滑化を図るとございます。 平成二十四年十二月時点では、弁護士等の仲介委員が二百五名、そして調査官が九十一名、そして和解仲介室職員が百十二名、合計四百八名だったという体制で取り組んでこられましたけれども、今後は更に二倍以上に人材を増やして原子力損害賠償紛争の早期解決に取り組むということも伺っておりますが、こうした人材を増やして、実際にこの原子力損害賠償の早期解決がどのように対応がなされていくのか。また、こういった人材を増やされて体制強化を図ってどのようなことに期待ができるのか、伺いたいと思います。
○大臣政務官(丹羽秀樹君) 委員御指摘のとおり、今まで現在、被害者への迅速な賠償のための目安を示すため、原子力損害賠償紛争審査会において順次指針を策定してまいりました。 今後さらに、個別の具体的な被害にかかわる被害者と東京電力との間の紛争を適切に処理するために、平成二十三年の八月に原子力損害賠償紛争解決センター、通称ADRセンターの方を設置し、この設置のADRの中においても、センターにおける処理件数は着実に数字的には増えてきております。センターにおける処理のスピードの速度も上げなきゃならないというふうに、我々もこの喫緊の課題に直面いたしております。 現在、委員御指摘のとおり、日弁連の関係機関と協力して、実は調査官は二百名を目指し、現在このADRセンターの方で総人数六百名での運用を目指しておりまして、そこの中でも、また運用改善、つまり、前に起こった事例を基に調査官も随分手慣れてまいりましたので、仲介委員が今まで一件を三人で行っていたのを一人が一件担当できるような、そういった面で運用改善面にもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
○谷亮子君 やはり、早期解決という意味ではすごく時間が掛かり過ぎているというような報告もいただいておりましたし、そういったことを被害者の方たちはしっかりと迅速に対応していただきたいということもたくさん言われていらっしゃいますので、そこは今お話がございましたように、しっかりと前進して取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 そして、関連いたしますけれども、原発事故の紛争解決に向けた取組につきまして伺いたいと思います。 原発事故による損害賠償についてでございますが、原発事故による損害賠償の請求及び支払につきまして、損害賠償の請求件数は、東京電力に対しましては約三十五万件、そのうち合意がなされなかった分につきましては約三万八千件で、実に約一〇・八%の合意がなされておりません。さらに、政府の原子力損害賠償紛争センターでの和解成立状況では、申立て件数が二〇一二年十二月時点で四千五百四十二件、そのうち和解成立は約四分の一の二六%でございまして、また和解されていない分が約七四%に及んでおります。 本来、損害賠償の基本は実損害填補が基本となり、請求者、つまり原発事故の被害者が損害項目や額を立証をして加害者に請求をしなければなりません。このことは、原発事故の被害者にとりまして大変な負担と、そして大変な作業になっている現状があります。こういった現状を踏まえまして、やはり原発事故の被害者の皆さんの負担を軽減をして、そしてさらに負担軽減をなしていくにつれてこの原子力損害賠償の紛争の早期解決というものを図らなければならないと。 そういった中で、文部科学省においては、賠償の根拠となっている書証の簡素化を図り、そして損害賠償の賠償項目や額をしっかりと改めるといいますか、文部科学省が策定をしている中間指針の見直しを図って、ここはやはりしっかりと和解案としての損害項目や額というものを示し、さらにそこで和解交渉が誠実にそして迅速に行われていくようにしなければならないと考えます。 こうした取組につきまして、今後文部科学省といたしまして、原子力損害賠償紛争の早期解決につきましてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
○大臣政務官(丹羽秀樹君) 委員御指摘のとおり、本当にその被害者の方々、時間との闘い、また本当にその時間によって自分たちが待たされるという、そのいら立ちも含めて本当に大勢の方が悩んでいると我々も認識いたしております。 そこを踏まえて、この膨大な申立てを迅速に処理するため、処理手続の迅速の効率化の、先ほども申しましたが運用改善、それを行うことによって、実は平成二十五年一月が初めて未済件数が減ってまいりました、前の月と比べまして。徐々に徐々に迅速の方も、手続も簡素化になってきて進んでいると思っておりますが、今後、本当にその被災者の、被害者の方々の立場に立って、更なる迅速な解決に向けて、弁護士の増員ですね、これらも含めてしっかりとした対応を考えていきたいと思っております。
○谷亮子君 ありがとうございます。 運用改善もなされてきているということでございまして、その中に一番必要なことは誠実にそこで対応していただくということであると思います。公平にそして迅速に対応していくということはもちろんですけれども、是非そこに誠実さ、誠実な対応がなされるということを望みます。 そして、今後の取組ということでございまして、やはりその原子力損害賠償の早期解決という意味では、本当に損害賠償、莫大な額になると思いますし、それらのことも踏まえた上でしっかりと文部科学省が中心となって対応していただきたいというふうにお願いを申し上げます。 そして、次にもう一つ、時間も迫ってまいりましたので最後に伺いたいと思いますが、文部科学省の学校施設の耐震化の今後の取組につきまして伺いたいと思います。 現在、文部科学省は、学校施設の耐震化に対しましては平成十四年から取組がなされてまいりました。そういった中で、平成二十七年にはこの学校施設耐震化の完了を目指しているということも伺っておりますけれども、こうした中、学校施設の耐震化はやはり児童生徒そして学生が安心して安全な環境の中で学び、そして育んでいくことができるような環境の整備をしていかなければいけない。 そして、さらには、学校施設というのは地域住民の皆様にとりましてもいろいろな学習やスポーツ活動等で大変身近な公共施設として利用できる非常に大切な場所でもあると思います。そして、さらには、災害時には本当に多くの皆様が避難をされたりした本当に多くの方たちが集う場として、やはりここはしっかりと安心と安全が確保されるものでなければならないというふうに考えるわけでございます。 そして、実際にその取組ということで文部科学省は、平成二十四年度の補正予算、これが一千四百二十六億円、そして二十五年度の一般会計で四百四十六億円、平成二十五年度の東日本大震災特別会計で九百五億円、合計二千七百七十七億円をしっかりと計上していただいています。このことがしっかりと執行されれば、学校の耐震化という意味で、公立学校の小中高、そして私立学校の小中高大学、そして国立大学で約九〇%以上の耐震化が進むというようなことも報告をされております。 しかし、私、今日伺いたいのは、そういった耐震化に向けた取組というのは、その耐震化自体二つあると思うんですね。一つは、構造体の、ある意味骨組みですね、その耐震化。そしてもう一つは、その構造体ができ上がった後に付く、こういう電気機器ですとか、あとはガラスですとか、そういった非構造部材というものがあるんですが、その耐震化というものが実際になかなかなされていないというような現状もあるんですね。ですから、こういった耐震化の完了を目指すに当たりまして、やはりこういった非構造部材の取組というものもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 こういった非構造部材の耐震化、どれぐらいなされているのかというと、全国で平均、公立学校の小中高、そして私立学校、小中高、大学、そして国立大学で調査されていないところもありますし、全国平均的には約三〇%前後ということでございますので、しっかりと私は並行をしてこの学校施設の耐震化というものに取り組んでいただきたいと思います。 平成二十七年度に学校施設の耐震化の完了を目指すに当たりまして、その構造体の耐震化と、そして非構造部材の耐震化というのが同時に行われるのかどうかということを伺いたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 清木文教施設企画部長。簡潔にお願いします。
○政府参考人(清木孝悦君) お答えを申し上げます。 先生御指摘のとおり、非構造部材につきましては、構造体に比べまして耐震化の取組が遅れているという現状がございます。構造体につきましては二十七年度までの早期の耐震化完了を目指しておりますが、非構造部材、様々なものがございますけれども、中でも致命的な事故の起こりやすい屋内運動場等のつり天井等、これにつきましては、東日本大震災におきまして児童生徒がけがをするという事例も生じておりますが、その落下防止対策につきましては、構造体の耐震化と同様に、二十七年度までの速やかな完了を目指すという目標を学校設置者に要請をしているところでございます。 他の非構造部材も併せまして、学校の安全性確保という観点から、学校におけます日常点検も含めまして耐震化の取組が進みますように、私どもとしましても支援に努めてまいりたいと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございます。
○委員長(丸山和也君) 時間ですので。
○谷亮子君 はい。 今後もしっかりと対応していただき、私もしっかりと確認を求めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。 私は、大臣の所信表明を読ませていただいて、ある意味感動いたしました。結びのところで大臣がお取り上げになった、日本の子供の自信のなさ、半分以上の子供が自分に自信がないと思っている、自分は駄目だと思っている、これはほかの国々に比べて非常に低い数字であると。 これは私は自己肯定感の低さというふうに考えておりますが、どうしてこのように低い数値が表れてしまうのだというふうにお考えになっているでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 自分が自信がない子供が非常に高いと、これは日本青少年研究所の調査で出ているということでありますけれども、一つには、我が国の子供たちが自分に自信が持てない現状は、今の経済状況や社会の閉塞感、家庭環境、そういう外部的な要因もたくさんあるというふうには思います。 教育に関して言えば、これまで我が国の学校教育が、人が人として幸せに生きるために、自己の生き方について考えを深める教育ということについてなされていなかったのではないか。また、全ての子供たちにチャンスを与え、それぞれの子供の自信や可能性を引き出す教育、これも十二分に行われていなかったのではないか。あるいは、我が国の伝統や文化について学び、誇りや自信を育てる教育、これも十分に行っていなかったのではないか。こういう部分について改めて考え直さなければならないときに来ているのではないかというふうに思います。 こうした状況を変えていくためには、改正教育基本法に基づき、世界最高水準の学力の育成を通じて自信や意欲を引き出すとともに、道徳教育の充実を通じて規範意識や自己肯定感、社会性、思いやりの心などの豊かな人間性を育むなど、子供たち一人一人がその個性を生かしつつ、より良く生きる基盤を形成するための取組の充実が必要ではないかと思います。
○谷岡郁子君 おっしゃっていることはそのとおりだと思います。 私は、一つには、今の日本の子供たちは他者と比べられ過ぎているというふうに思います。外国に行きまして一番何が重要になってくるかというと、自分の達成率というものは問題になっても、それを人と比べるということを余りやらない。私は、高校生のときにアメリカに留学をしましたときに、平均点を教師が言ってくれないからわざわざ教師のところへ聞きに行きました。そうしたら、平均点なんか出していないと、なぜ君はそんなものが知りたいんだということを言われて、自分がどれだけできていてどれだけできなかったことは重要であるけれども、平均点と比べてどうだということは全く意味がないことではないのかということを言われたんですね。 日本の場合は、自分がどの位置にあるのか、他の人と比べてどうなのかということを周りが割と言い過ぎていて、その中で自信を失っていく生徒が多いというふうにはお考えにならないでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点は十分にあると思います。なぜかというと、同じ調査を中学生に対しても行っているんですね。我が国の生徒は、中学校のときよりも高校のときの方が自分は駄目な人間だという率がほかの国に比べて非常に増えていると。これは、教育における、そのようないつも比較検討の中での位置付けということを子供たちが情報データとして見る中で、まだ駄目だ、まだ駄目だというようなことが積み重なってきた部分もあるかと思います。 もう一つ、ちょっと申し上げさせていただくと、この間視察に行ったときに五島列島に行きまして、谷川副大臣の地元でありますけれども、県立の奈留高校というところへ行ったんですね。ここは、荒井由実、松任谷由実の愛唱歌、その学校に贈って、そこで、全校生徒五十五人の離島の小さな高校なんですが、全員の子供たちが集まってくれて歌を歌ってくれた。 そのときに、今のような話を一切言わないで、自分は駄目な人間だと思うか、そうじゃない、その他よく分からないと、三つに分けるとしたらどれかということで手を挙げてもらったら、九割近くの子が自分は駄目な人間だというふうに手を挙げたんですね。後で校長先生が、これは必ずしも本当に駄目だと思っているわけじゃなくて、それだけ謙虚さの表れでもあるのではないですかというふうに思ったというふうに言っていましたが、ただ、やはりそういう小さな島においても、比較される中で、自分に対して自信が持てないという部分がそういうところでもあるのではないかなということを私は感じました。
○谷岡郁子君 幼児教育から高等教育までずっと携わってきて私が感じますのは、自己肯定感を生み出すものは、頑張って、そして何か自分が達成したという体験に基づくものだということなんです。特に幼児教育において達成感を持たせることができると。つまり、自分ができると思っていないことができたというその感動を味わわせていく、それが幾つか積み重なると、簡単にはくじけない、そして、その自己を肯定的に見るということの中からチャレンジをするということが出てきているような気がします。こういう子は、その一方で、小学校、中学校に入ってからいじめが少ないと、いじめることが少ないというような、そういう調査が近ごろ出始めています。 何が言いたいかというと、自己肯定感がしっかりある人間というものは、他者に対して怒りを抱いたり、あるいは蔑んだり、同時に、非常に大きな嫉妬感を持ったり自分の不満というものをぶつけたりするということが少ないというふうに思われると思うんです。 したがいまして、そのいじめの問題といったことに対して、私は今大事なものは、何をするのはいけませんということを言う、そういうことを先ほどから出ているようにCMでやって云々という話になっているんですが、もっと大事なことは、自分を大事にして自己肯定感ということをしっかり持たせる。そのベースの上に共感能力、そしてまた今度は当事者力とでもいうんでしょうか、見て見ぬふりをするということ、これは大人でもよくやることですけれども、自分自身がこれを放置してはいけない問題だと、これは教師であれ生徒であれですね、当事者意識というようなものを育てると。 だから、現在の道徳教育というものがもしあるとするならば、私はこの自己肯定感の上に共感能力と当事者意識というものを育むという形でつくらなければならないというふうに思っておりますが、大臣はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(下村博文君) 非常に重要な指摘だと思います。そのとおりだと思います。 ただ一方で、やっぱり現実問題として、いじめがあれば、そのいじめについてはやはりいけないことはいけないということをきちっと教えることも大切だというふうに思いますし、子供たちも萎縮をしないような中で自己肯定感をきちっと育むような教育環境をつくっていくということは大変重要なことだと思います。
○谷岡郁子君 もう一つお聞きしたいことは、規範意識という言葉は、安倍内閣になってから本当にいろんなところで飛び交っていると思います。この規範意識というもの、この二十一世紀の日本において求められるものはどういうものなのでしょうか。 それは、いわゆる儒教における秩序であったり、あるいは父権的な部分を含めての言わばある種の全体の構造と仕組み、そしていわゆる権威とそれに従うことといったようなことであるのか、それとも、民主主義ということにおいてもっと別の側面というのがあるのか。 例えば、よく自由と言われることが出てまいりますけれども、自由に関しては、私は、自分に理由があることだよと学生に教えています。好き勝手なことをやること、ルール無視することではなくて、自分の内側に物差しがあって、自分自身にきっちりとした理由というものがあり、自分によるというところがあって、それを自由と呼ぶというふうに言っておりますが、自由であることがあたかも問題であるかのような、そしてむしろその自由は規制しなければいけないような風潮というのがこのところ非常に強くなっているような気がするんです。この辺のその規範意識ということについて大臣はどうお考えになるかということを是非伺っておきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 今の御指摘のように、自由というのもいろんな定義、解釈が人によって違うかもしれないと思う中で、逸脱した放縦も自由であるというふうに位置付けるのは、これは社会にとってマイナスになることもありますから、何をもって自由かというのと同じように、規範意識についても、何をもって規範意識かということについては、これは明確にする必要があると思います。 規範意識とは、法律を始め、決められているルールやマナーをしっかり守っていくという意識であるというふうに思います。それは、国や民族、時代を超えて共通する普遍的な規範というものであり、それを学ぶことは人間関係の形成や安定した社会の構築に不可欠なものである、それが規範意識というふうに定義付けたいと思います。 そして、道徳教育ですけれども、これも、規範意識はもちろんのこと、自己肯定感、先ほどから出ておりますが、それから社会性、思いやりの心などの豊かな人間性を育み、人が人としてより良く生きることができるようにすることを目的として行うものである、これが道徳教育です。 学校教育活動全体を通じてその充実を図ることが必要というふうに考えておりまして、体制的とか反体制的とか、そういう概念を超えた意識としてあるものだと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。今のお話は正しいと思います。 その一方で、ルールを守る。私は、スポーツなどもなぜやらせるかといえば、フェアプレー精神を学ばせる。スポーツのルールを守るということは遵法精神にも通ずるものであって、法治国家の国民に必要なものだと思って、実はスポーツを学校の中でも慫慂してまいりました。そのように体に植え付けるような類いのものと言わば座学で教えるものというものは組み合わさなければならないのではないかと。 要するに、道徳の強化論ということはよく言われているんですが、課外活動であったりボランティア活動であったり、そういうものとうまく組み合わさって、有機的な関係というものができたときに初めてそれは規範意識に育つものではないのか。いわゆる教えられることと育てなければならないことということでいうならば、規範意識などというのはむしろ育てることに重要性を置かなければならないものではないかと思います。 また、もう一つには、規範意識は、ルールを守るということは、今あるルールを守るということは我々もみんな全員大事です。しかし一方で、民主主義の世の中においては、ルールは自ら変えられるものと。みんなと知恵を合わせてより良いルールを作るということもまた大変大事な部分であろうかと思いますし、それは主権者教育につながるものだと思います。 こういうものを含めて、規範意識をつくりながら、新たな規範意識を生み出してくるようなことまでを含めて、今、道徳教育だとか規範意識というものをお考えになっているんでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) これは是非谷岡委員にお話ししたいことなんですが、先日、IOCの評価委員のメンバーが来られました。このとき、下村さんは文部科学大臣なので、是非日本の文部科学大臣に話をしたいことがあると。 それは、体罰、暴力ということを超えて、是非、日本はオリンピック憲章にのっとった教育が一番できるところであるというふうに考えていると。なぜかというと、例えば武道、柔道、剣道というふうに、ただのスポーツではなくて、スポーツを通じて人間の生き方そのものを教えていると、これは非常にほかの国ではまねできないようなレベルの高い意識の中でのスポーツの位置付けだと。こういうスポーツを通じて、人格形成や、そもそも人がどう生きるかという道まで教えるということを昇華している、意識として、それからスポーツそのものを。これは日本ならではであって、そういうまさに日本の精神性というのを是非世界に発信してほしいと。なぜかというと、オリンピック憲章そのものを実際に実践して世界に普遍化できるのは日本しかないと思っているからだということをその方が言われまして、私は感動的な思いをいたしましたし、確かにそのとおりだというふうに思います。 ですから、スポーツというのは、まさにルールの中で、ごまかしをしてはいけない、反則をしてはいけないということを体を使って覚えさせるということでは大変すばらしいことだというふうに思います。 一方で、トータル的に教育ということでいえば座学もやはり必要なわけでありまして、座学の中でそういうふうな規範意識等を教えるということも必要なことだというふうに思いますし、その中で、ルールというふうに申し上げたのは、法律的な部分もありますが、もっと人が人として生きる、そういう意味での規範意識ということを申し上げているつもりでございます。 ですから、本質的には、目先の法律が変わったらルールも変えるというよりは、人が人として生きる生き方というのは、それは歴史を超えて、あるいは国を超えて変わらない部分についてはそれはきちっと教えると、それがある意味では道徳の本質的な部分だというふうに思いますが、そういうふうに解釈しております。
○谷岡郁子君 そのおっしゃっていることは、論理としてはとてもよく分かります。 その一方で、柔道であり剣道であるところで、今現に、大分の問題も含めますと、大きな体罰であるとか、あるいは強者がいわゆる弱者を抑え込む、支配する、都合の良い人間を生み出す、そういうことのために、従属させるというような形で、その道なるものが、ルールが一方的に押し付けられてきた側面というものもあると思います。 ルールというのは多分もっと相対的なものであるはずであるのに、これがルールだと言われてしまって受け身にどんどんならざるを得ないというようなことがその一方で出てきているんだと思います。そういうことについても我々は非常に敏感でなければならないだろうと思いますし、学校の教育において、ある種都合の良さというものを子供に求めるような形で、教師が例えばルールなんだというふうなことを押さえ付けては多分いけないと、そこをどういう形で現実にやっていくのかというのが大変難しい問題であろうと思うんです。 私の経験からいいますと、子供は大人が言ったようにはやりません。子供は大人がやっているようにやります。その中で私が今日問題にしたいことは、例えば、先ほど谷さんの方から出ましたけれども、原発事故を起こした、これは国の国策で起こした。その中には文科省の関係者が関係した部分というのはたくさんあると思います。モニタリング体制、それの例えばSPEEDIの遅れであったり、JAEAの体質そのものが持っていた安全神話に対する関与であったり、原賠法というものが、実は事故起きて考えてみたらほとんど使い物にならずにすぐ改定が必要であったこと、あるいは国際相互賠償条約に未加盟であったこと、防護の研究であるとか人体や人々を守るための研究というものが一方でおろそかになっていたこと、審議会のメンバーなどが、言わばこれは大丈夫ですということに加担し続けて、地震学者などでも、これ、ここを見ているのは国会事故調のあれですけれども、報告書ですけれども、ここにいくと、いかに学者たちがおぞましい形で、言わば倫理観がない形でこの原子力安全神話というものに加担したかということがあります。また、官僚たちもそこに加担していたかということが入ってまいります。 そういうことが連日のニュースになるような状況の中で、大人たちはそれをやっていて、それをやっている人たちが言わば偉い先生であったり偉い役人であったりするような状況というもの、これを子供たちは今のメディアの中で毎日触れ続けているということがあって、言ってみれば、見付からなければいい、うまくやればいいというようなことを暗にずっと教え続けているような構造というものがあるような気がいたします。 特に、学術の場における例えばそういう研究者、専門家という人たちが、しばしばこのような複雑で高度化した社会の中で求められる中で、明らかにこの間いろいろな意味においてその倫理性や規範意識が足りなかったとみなされること、これに対して、もっと文科省であり、高等教育機関なりあるいは独立法人なりはしっかりとした規範意識みたいなものをその内部、内側につくっていかなければならないんじゃないかと思うんですが、その点についてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(下村博文君) 最初に申し上げた規範意識というのは、今御指摘のようなそのときそのときの、あるいは権力を持っている側の、力を持っている側の都合のいいルールということではありません。これは先ほど申し上げましたように、時代を超えて民族を超えて、誰が見てもそれは人として、人の社会としてある意味では共有、共通する、それを規範意識というふうに申し上げさせていただいております。 そして、今御指摘の、文科省も福島第一原発の対応等々いろんな問題があるのではないかということについてはそのとおりだというふうに思います。震災から復旧復興に関する文部科学省の対応について、平成二十三年十月に省内に検討チームをつくって、翌年七月に「東日本大震災からの復旧・復興に関する文部科学省の取組についての検証結果のまとめ」を公表したというふうに聞いております。 これは我々政権取る前ではありますけれども、しかし、野党だからといって、その前のやはり原子力発電所を設置したという、そういう問題もありますから、これは我々が野党だったということで逃げるつもりは全くありませんけれども、ただ、平成二十三年十月に文科省において検証したと。その検証結果では、震災前に想定したモニタリング実施体制に基づき現地への支援体制を行ったものの、現地対策本部等の関係者との連携について十分ではなかったなどの反省点を挙げております。 検証等で得られた教訓については文部科学省で今後の取組についてしっかり活用していきたいと、こういう取組も省内の中でしているところであり、こういう省内の反省に立って今後文部科学省としては復興に向けた取組を行うことによって、被災者だけでなく国民の皆様方から見て、正しく反省した中で判断した行動を今後するという信頼が回復されるような活動をしていくことが大切であるというふうに思います。
○谷岡郁子君 私は、その一つ一つの事象に対して何ができたのかという反省ももちろん大事だと思います。しかし、学校でいじめられている子供がいることを知っていても、自分の身を守るために、あるいは厄介事に巻き込まれないために教師や親には言わない。あるいは、親がそれを知ったとしても、いわゆる近隣の人間関係だとかそういうものを損なわないために、厄介事を抱えないために言わない。学校において、教師がいわゆる校長におまえは厄介なことを出してくれたなと言われないために教室内の例えばいじめをネグっている。こういうことというのはたくさんあるわけですよね。 それと、例えば文科省の中で、JAEAの中で、例えば原発の危険性について多分気が付いていた人いっぱいいたと思います。SPEEDIを出さなきゃいけないんじゃないかということに気が付いていた人いっぱいいたと思います。ある意味で自分が問題児にならないために、そして組織の中でハレーションを起こさないために、あるいは上司からマイナスの点を受けないためにそれをネグってしまったということであるならば、これ、いじめの問題と全く同じなんですよ。 やはりそういうことが子供たちに見えるような高いレベルのところで変わっていく、そして大人たちがより規範意識に基づいて生きるという構造をつくらない限り、子供たちに学校レベルで幾ら倫理教育だ、道徳教育だということをやっても、社会全体としての規範意識というものは私は良くしていくことができないんじゃないかと思ってお尋ねをしているんです。 ですから、もっと、官僚として、学者としてという前に、その人たちも人間である、それが他の人間にどんな影響を及ぼすのかということは当然考える。しかしながら、組織の習慣であるとか文化に従ってしまって、その深い、先ほど来大臣がおっしゃっているような規範意識に基づけない、そこにおいて行動できない。これを変えるために文部省内で、あるいは大学などの言わば研究機関でどのようなリーダーシップを発揮されようとしているのかということが今日の私の問題意識なんです。
○国務大臣(下村博文君) 非常に本質的な御質問だというふうに思います。それについては戦術的な処方箋で解決できることではなくて、まさに今の日本そのものがある意味では問われている根源的なテーマでもあるというふうに思います。逆に、そういう今、日本の問題点があるからこそ、今のようなていたらくに私はなっているのであろうと。それを三・一一で多くの国民が覚醒したと、目覚めたと、政治家も目覚めたと。 そのことによって、もう一度、それを我々は我々の立場で日本を取り戻すという言い方にしておりますけれども、本来、しかし元々日本人は、あるいは我々は、そういうふうな隠したりごまかしたり反社会的なことをやって平気だと思っていた国民性の国柄ではなかったというふうに思いますし、本来の人が人として恥じない生き方ができるような、それを一番最も所掌するのは文部科学省の教育としてあるわけでございますから、それを今後教育の中でしっかりと示すように自ら率先して努力をしてまいりたいと思います。
○委員長(丸山和也君) 谷岡君。そろそろ時間ですから、よろしく。
○谷岡郁子君 はい。 ありがとうございました。そのお言葉を聞きたかったというふうに思っております。 もちろん、子供たちのいじめを撲滅することも大事でございます。道徳意識を植え付けるための教育をどうやっていくのかということは、共に私どもも協力して考えてまいりたいと思います。 しかし、その一方で、大事なことは、やはり国が信頼を取り戻すこと、政府がその倫理性において信頼を取り戻すこと。今被災地でも、特に、政府はどんどんほかのところへ復興予算を流用するんだというようなことが思われている中で、やはり起き上がれない人たちがいる中で、いかに倫理的に、いかに道徳的に政府が振る舞うことができるのかということが、これが国民を変えていくことにつながるのだと思います。それに向けて是非頑張っていただきたいと思います。 終わります。
○横峯良郎君 新党大地、横峯です。 最後の質問になりますけど、長い間御苦労さまです。下村文部大臣に、あしたは高校野球の、私も見に行ったことはあるんですけど、本当、頑張ってください、見ておきますので。 今、いろいろな今まで先生方がいじめのことに関していろいろ聞きましたが、私は、いじめの問題、子供と毎日接しているものですから、この問題を、食生活じゃないかと、少しはあるんじゃないかと。 例えば、この前もよくあったんですが、例えば勉強しろと言われて、我々のときも言われていました、もう五十過ぎていますけど、勉強しろと。最近の事件によりますと、勉強しろと言われて親を殺す、二階に寝ていた親を下で火付けて殺すと。そういうことというのは我々のときは絶対になかったことですよね。そういう悪質化というか、本当に時代は変わって、日本は変わっているんだなと。こういういじめの問題が今取り上げられているんですけど、本当に変質していると、もう本当にそう思います。 いろいろ毎日子供たちと接している中で、食生活は子供たちの心を豊かにし、生活や行動に大きく影響すると私は考えているんです。例えば、一例なんですけど、千葉県の野栄町では、恐喝や暴力事件などが、荒れていた中学校で玄米入りの給食を出すようになったところ、生徒たちの集中力が高まり、暴力行為も減ったと過去に報じられたことがあります。 大きな今社会問題になっている、そういうのも大臣も聞かれたことあると思うんですよね。食を変えたらこうなったとか、家で和食にしたらこういうふうになったとか、そういうのはあると思います。 教育再生実行会議の第一次提言の道徳の強化や毅然とした指導も大事だが、食生活からのアプローチ、調査研究も必要と考えるんですが、この件について副大臣はどう思われますか。 ああ、いいですよ、どっち、大臣にできたらお願いします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の点はそのとおりだと思います。知育、徳育、体育とプラスして食育も入れるべきだということでございまして、それだけ食育という、何を食べるかによっていろんなことに影響しているという部分があり、今の御指摘の事件やいじめの問題も、食育の問題も一つの要素としてあるのではないかという位置付けの中で、今後、食の在り方、元々日本の古来の食生活というのは、そういう意味では健全な精神性を育成するためにより適した食事法であったのではないかというふうに思いますし、玄米もその一つの事例ではないかと思いますが、もっともっと教育的な観点から食育について研究する必要がおっしゃるとおりあると思います。
○横峯良郎君 私は、トランス脂肪酸の問題、トランス脂肪酸というのは結局油に含まれるプラスチック製の防腐剤のことですよね。それが以前問題になりまして、アメリカではもう三年、ああ、四年前ですね、ニューヨーク市は、もう法律で禁止したと。トランス脂肪酸の含有量を幾らぐらいのパーセントにするかということをもう表示しなければいけないと。世界を見てみると、香港、韓国、カナダと、たくさんの国がそういう商品に表示の義務付けというのを決めてやっているんですよね。 ところが、日本はまだやっていないんです。日本は、私は、トランス脂肪酸を取ることによってこういう心筋梗塞、アメリカでいえば、太ってもうメタボになって心筋梗塞での死亡例というのがすごく増えてきたと、だからその油を変えようじゃないかというふうになったんですけど、日本はそこまでまだ調査した感じではなかったということで、そのときには全然そういう法的までに、決めるまで行かなかったんですね。ところが、やっぱりこういう事件が、いじめがあって、私は、せめて学校の給食にはトランス脂肪酸の表示というのをした傾向の給食をやった方がいいんじゃないかと。 文部科学省は全国の調査等を通じてこういう現状を把握しているのか、またどのような認識を持っているのかということをちょっとお聞きしたいなと、トランス脂肪酸についてですね。
○政府参考人(久保公人君) トランス脂肪酸は、先生おっしゃられましたように、マーガリン、ショートニング等、あるいはこれを原料として製造されるパンとか食品に含まれておりまして、日本人の場合は、大多数はWHOの目標、総エネルギー摂取量の一%未満をかなり下回っておりますので、現在の食生活では健康への影響は少ないということで具体的な数値化はなされていないんじゃないかと思っております。 学校給食におきましては、トランス脂肪酸を含みます食品がどのくらい使用されているのかということにつきまして具体的なデータは取ってございませんけれども、パン給食の実施回数が米飯給食の普及によりましてかなり減ってきておりますこと、あるいは、一般的に食品中のトランス脂肪酸の含有量は減少してきておりますことから、以前と比較して摂取量は減少してきているのではないかと認識しております。 ただ、一方で、今御指摘のように、トランス脂肪酸を含めまして脂質の過剰摂取は肥満などの生活習慣病を引き起こすことが指摘されておりますし、文部科学省におきましては、脂質を始めとしまして児童生徒に必要な栄養量の基準を、厚生労働省の基準等を参考にしながら学校給食摂取基準として定めて、学校に示しているところでございます。 各学校におきましては、この学校給食摂取基準を踏まえながら、給食全体としてどのように必要な栄養素をバランスよく確保するかという観点から、献立全体の中で適切に検討していただくべきものと考えているところでございます。
○横峯良郎君 まあそうなんですけど、是非できれば、今家庭も、朝晩は家庭で食べるわけですから、学校給食に関しては、是非、そういうトランス脂肪酸を取らないような、そういう制度というか、それを文部科学省は推進していただきたいなと思います。 それでは本題に入りますが、私、大臣、いつも「もんじゅ」について恒例の質問をするんですけど、大臣は「もんじゅ」を視察したことはありますか。素直な感想を伺いたいんですが、ない場合には、行ったことがないのであれば、是非行っていただきたいなと思います。 「もんじゅ」について、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 文科大臣就任当時から「もんじゅ」には是非早めに行きたいというふうに思っておりましたが、残念ながら国会のスケジュール等合わなくてまだ行っておりません。しかし、なるべく早く視察したいとは考えております。政務三役では、丹羽政務官が一月の二十五日に視察をしております。
○横峯良郎君 以前の民主党政権のときも、私は、とにかく「もんじゅ」というのは無駄だと、もう駄目だということで、即時もうやめるべきではないかということでやってきたんですが、今、例えば北朝鮮に不穏な言動が見られるように、福島第一原子力発電所の事故は、世界のテロリストに冷却機能を破壊すれば大事故につながるということを図らずしも教えてしまったような私は気がするんですね。ナトリウムという扱いの難しい物質を冷却材に用いる「もんじゅ」のミサイルや九・一一のような航空機テロに対し、「もんじゅ」のテロ対策の現状について、下村大臣はどういうふうに思われますか。
○国務大臣(下村博文君) 「もんじゅ」における核物質防護対策については、原子力の平和利用の徹底と核物質の不法な利用を防ぐ観点から重要と考えており、現在IAEAの基準等に従って、原子力機構において治安当局と連携し、厳格な監視、巡視等の防護措置を実施しているというふうに承知をしております。 平成二十四年三月には、IAEAの勧告や東電福島原発事故を踏まえた核物質防護対策の強化のため、核物質防護に関する規則が改正されており、現在、冷却設備の防護等の対応を図っているところでございます。加えて、現在、原子力規制委員会において検討されている軽水炉の新安全基準においてもテロ対策についての議論が今御指摘のようにされているところであり、今後策定される「もんじゅ」の新安全基準に基づき、核物質防護対策を強化していく必要があると考えております。
○横峯良郎君 昨年の十一月に明らかになった機器の点検先送り問題についても、これまでのトラブル同様、原因は担当者にあるのではなく、独立行政法人日本原子力研究開発機構の組織風土、内部規律の緩みがもたらしたトラブルと断ぜざるを得ないと。この問題について原子力機構の鈴木理事長は、形式的ミスが出るのはやむを得ないという開き直った発言を、原子力規制委員会を始め多くの国民をあきれさせました。 我々の感覚からいえば、車検が切れた車をそのまま乗り続けているのと同じであり、違法行為そのものだと思います。点検が先送りされた機器の中には運転や維持管理に欠かせないものも含まれており、関係者に危機意識が全く感じられない。 「もんじゅ」の研究開発を担う原子力機構の敦賀本部に、外部人材の登用や常設の第三者委員会による監視など、組織を解体し一から出直すぐらいの覚悟が求められているのではないでしょうか。大臣。
○国務大臣(下村博文君) 昨年十一月に発生した「もんじゅ」の機器の保守管理の不備については、地元を始め、国民の関心事でもある「もんじゅ」の安全性への信頼を著しく傷つけたものであり、このような事態が発生したことは誠に遺憾であります。 このため、文部科学省としては、原子力機構に対して、原子力規制委員会の措置命令等に真摯に取り組むこと、原因究明や再発防止対策の検討に当たっては第三者からの意見聴取及び確認を行うことなど、指導をいたしました。これを踏まえ、原子力機構としては、第三者委員会の確認を経て、今年の一月に原子力規制委員会の措置命令等に対する報告書を提出したものと承知しております。 今後、原子力規制委員会において本報告書に対する評価がなされると承知しておりますけれども、当該評価に従い、安全確保に万全を期しつつ、再発防止に最大限努めるよう、原子力機構を指導するとともに、文部科学省においても、安全確保の観点から、必要な体制強化及び予算措置等について責任を持って検討し、再発防止に向け最大限の対応をしてまいります。
○横峯良郎君 就任前の大臣は、七月二十七日の衆議院の文部科学委員会において、高木大臣に対する、当時の高木大臣ですね、質疑の中で、文部科学省が的確な情報提供を今まで我々議員に対してしていなかったのではないかと、夢のすばらしい構想というふうには聞いていたけれども、今回の福島のような事故が起きて改めてもう一度検証するとしたら、そのための材料になるものが客観的なものも悪い情報も含めて正しくそれが開示されていなかったのではないかという党内議論の紹介後、今後、このようなことも含めて、国民の皆さんによりフルオープンの情報を提供する中で、より良き方向について担当大臣としてしっかり対応していただきたいと要望している。 このときの問題意識と大臣自身の現時点の意識はまだ変わっていないですか。
○国務大臣(下村博文君) それは全く変わっておりません。 今回の福島原発の問題は、これは民主党政権下の問題ということではなくて、自民党政権のときから行っている原子力行政そのものについて、いわゆる原子力村ということで、我々も一度もこのような危険な状況があるということについては聞いていませんでしたし、またそういうことについて説明もなかったという中で、改めてより客観的な情報の中で判断するということについては、野党のときであっても担当大臣になってもスタンスは全く変わりません。 この「もんじゅ」について、改めて過去の経緯をしっかりと検証した上で、その在り方を検討し、できるだけ早期に今後の「もんじゅ」の在り方について方向性を明確にすべきだというふうに今までも考えておりましたが、これからも文部科学大臣として、今後のエネルギー政策、原子力政策の検討の中で、「もんじゅ」の位置付けについて、よりいろんな情報を踏まえながら、客観化し、明確化してまいりたいと思います。
○横峯良郎君 いつも、今まで大臣がいろいろ替わられたんですけど、大体同じような、聞いております。 私、今思うんですけど、「もんじゅ」が仮に、もう四十五年やって何の成果もないと、一日六千万使って、予算つぎ込んで、正確には五千幾らですね、つぎ込んで、それでも何の成果もないと。三月十一日の福島の原発事故が、もし仮に、起きて、今のごみとなっている全国で一万五千トンもの使用済核燃料、(発言する者あり)一万七千なの、済みません、一万七千です、済みません、のごみが行き場を失って今あると。もう、さっきのいじめの問題も大切なことですが、今、日本にとって一番大変なことといいますか、今一番危機的状況にある、第一優先で何とかしなければいけない問題というのはその核のごみではないかと。 「もんじゅ」が仮に、再生の増殖炉ですから、あれができてちゃんと成功していれば、何の問題もなく、今回の場合もその一万七千トンというごみも再利用していったと思います。ところが、六ケ所村も含めて何にも一つも進展していないという今問題ですね。ましてや、中間処理をするということで、今、政府は、まあ正確には前の政府です、民主党政権のときには、各自治体に、中間処理施設を地下に埋めてどこか自治体で引き取ってもらえるところはないかと、予算を出すのでというところで、何か所かそういうことがあったんですけど、全て現地で拒否されて、もう本当に行き場のない、まあ中間という形で本当にやっているんですね。ということは、「もんじゅ」を私は当てにしていないのではないかと、今の時点でですね、政府は、そのときの政府は。 それで、おまけに今度シェールガスがアメリカから入ってきます。それもガソリン価格の三分の一の価格で。私は以前まで、今原子力がなくなって、今、じゃ原発、原子力発電所はどうしているかというと、火力に頼っています。火力が、最初は石油、でも石油は高いと、それからガスを使っていました。今、何と北海道では石炭を使っています。石炭まで行っています。それに加えて今度はまたシェールガスが入ってくると。日本でもガスの開発が今進んでいます。この前発見されましたけど。当然、TPPが、私は反対だったんですけど、このシェールガスが入ってくることによっては、TPPは是非進めなければならないなと思うようになりました。それほどこのシェールガスというのは、安くてクリーンで、本当に原子力が目指していたクリーンなエネルギーということでぴったりだと思います。 そういう意味では、何で今更まだ、電力会社はもうガスの施設を造っております。もうそういう移行になるのはもう明白にもう見えていると思うんですけど、何でまだその「もんじゅ」に対してしつこく何の発展もなくやっているのかというのが私は不思議でならないんですけど。 それの、シェールガスとかTPPも言いましたけど、それについてはどう思われますか。
○副大臣(福井照君) まず、エネルギー政策の一環としての「もんじゅ」の今後、そして不信の解消につきましての文科省のスタンスをちょっと御説明をさせていただきます。 もう委員御指摘のとおり、エネルギー資源が乏しいという課題にいかに対応するかというのがもう最重要課題の中の最重要課題ということで、限られたウラン燃料をできるだけ有効に使うということ、そして放射性廃棄物をより少なくする技術ということで研究開発を行ってきた、これは今からでもその重要性は毀損するものではございません。 したがって、「もんじゅ」を用いた研究計画について、これまでの経緯を踏まえまして、改めて専門家による技術的な検討を今年の夏を目途に取りまとめるべく行っておるところでございます。その結果を今後のエネルギー政策、そして原子力政策に反映して、それに基づき対応してまいりたいと存じている次第でございます。 それにはやはり国民の不信を払拭する必要があるということで、今までも一層の安全対策を実施してきたところでございますけれども、今後、原子力規制委員会が策定する新たな安全基準に基づきまして、新たな安全対策に真摯に対応することがまず第一に重要、そして計画で定める目標について国民に十分に説明していく、そして透明性を確保していくということで、情報公開の徹底、安全対策の万全、こういうことで国民の信頼を高めるということを予定しているところでございます。
○横峯良郎君 毎回同じ大体答えです、私もそう思いますけど。今度シェールガスが入って、そのときにはまた方針は変わるかもしれません。是非、新政権になって、自民党政権になって、私の意見としましては「もんじゅ」は本当にもう必要ないと思いますので、是非その方向に、大臣、是非お願いいたします。 ということで、ちょっと早いんですが、以上です。 ありがとうございました。
○委員長(丸山和也君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十分散会