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183回国会参議院2013/05/27

政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第5号

発言数
97
登壇者
21
会派数
8
開催日
2013/05/27

会議録

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十四日までに、はたともこ君、藤本祐司君、斎藤嘉隆君、藤原正司君、青木一彦君、吉田博美君、岡田広君及び西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として佐藤公治君、榛葉賀津也君、津田弥太郎君、江崎孝君、中川雅治君、藤川政人君、江島潔君及び高階恵美子君が選任されました。     ─────────────

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  発議者衆議院議員逢沢一郎君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員逢沢一郎君。

逢沢一郎自由民主党

○衆議院議員(逢沢一郎君) ただいま議題となりました成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党、公明党及び民主党・無所属クラブ、日本維新の会、みんなの党、日本共産党、生活の党、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨及び内容を御説明いたします。  まず、本法律案の趣旨について申し上げます。  本案は、成年被後見人の選挙権等を回復するとともに、あわせて、選挙等の公正な実施を確保するため、代理投票における補助者の要件の適正化等の措置を講じようとするものであります。  次に、本法律案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、公職選挙法について、成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないものとする規定を削除することといたしております。  また、代理投票の要件に関して、「身体の故障又は文盲」とされている条文上の表現を「心身の故障その他の事由」に改めること、代理投票における補助者は、投票管理者が「投票所の事務に従事する者のうちから」定めるものとすること及び不在者投票管理者は、市町村の選挙管理委員会が選定した者を投票に立ち会わせることその他の方法により、不在者投票の公正な実施の確保に努めなければならないものとすることとしております。  第二に、電磁的記録式投票法について、公職選挙法と同様、電磁的記録式投票機による代理投票の適正化等を図ることといたしております。  第三に、憲法改正国民投票法について、公職選挙法と同様、成年被後見人に係る投票権の欠格条項の削除並びに代理投票における補助者の要件の適正化等及び不在者投票における公正確保の努力義務を設けることといたしております。  なお、この法律は公布の日から起算して一月を経過した日から施行し、施行日後に公示、告示される選挙について適用することといたしております。  以上が本法律案の趣旨及び内容でございます。  何とぞ御審議の上、御賛同賜りますようよろしくお願いをいたします。

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 民主党の足立信也でございます。  まず、月曜日のお昼休みのこの時間、特に参議院の本会議の関係もあってこの時間になりました。理事としてちょっと多少申し訳ない気もしておりますけれども、どうかよろしくお願いします。  そもそも、今回のこの法改正は、三月十四日、東京地裁で、成年被後見人である名児耶匠さん、これは報道で名前が出ておりますのでそのまま申し上げますが、選挙権、被選挙権を有しないのは違憲であり無効であるという判決、この理由として、一律の選挙権剥奪はやむを得ないとは言えないということでございます。  そこで、私が報道を始めとして拝見するに、この名児耶匠さんを拝見したときに、まず要件として、この方が成年被後見人であることの方がむしろ僕は驚きました。御案内のように、成年被後見人は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある、つまり、しっかりしているときがほとんどないという方でございますが、明らかに拝見するとそういうふうには思えない。それから、当然、それよりも軽いランクとして被保佐人、被補助人というのがあるわけですが、保佐人でも著しく不十分であると。それから、補助人は不十分である。私がその程度を考えると、名児耶さんはせいぜい被補助人かなという感じがしました。  しかし、この報道にもありますように、お父さんが苦渋の決断と申しますか、将来の財産管理の問題、これが第一で、いろいろ考えた結果、成年被後見人になったと。ただ、その後、選挙権がないということ、御本人も非常に選挙を楽しみにされたということで、これに愕然としたと。これは何とかしなきゃいけないということではあるんですが。  そこで、逢沢発議人にお聞きしたいんですけれども、私は、そのまず程度が成年被後見人とはちょっと違うんではないかと。しかしながら、財産管理の問題が一番大きいといういろんなことを考えたときに、選択肢はいろいろあったと思うんですね。そのいろいろある選択肢の中で、一律に選挙権、被選挙権を成年被後見人に回復する方法、この方法を選んだわけですが、この方法を選んだ理由ですね、選択肢としてそれを選んだ理由、これをお聞きしたいと思います。

逢沢一郎自由民主党

○衆議院議員(逢沢一郎君) 足立先生から大変重要な点について御指摘をいただき、また御質問をいただいたわけであります。  実は、私も足立先生と同様に、三月十四日の判決、その後、テレビを始め報道で大きく、名児耶さんも画面の前に出られましたし、社会的関心を呼ぶ大きな報道になったわけであります。私も画面を通じて名児耶さんの発言ぶり、やり取りを拝見をいたしておりまして、あれっ、被後見人の方というのは、まさに先生が御指摘のように、事理弁識能力がない、つまり日常生活万般において判断をする、正しい選択をするということがもう決定的に欠けておられる、そういう方々が被後見人の立場を選択しておられるものと、非常に結果的には不勉強を自ら恥じることになったわけでありますが、そう思っておりましただけに、大変意外な感じがいたしました。こういった方は当然、選挙権行使をする能力といいますか、判断をしていただく力をお持ちだなという率直な印象を受けたのが事実でございます。  被後見人の方々、いろんな立場の方がおられますけれども、財産の管理や処分、それに伴う契約にいささか不安や心配がある、生活万般において事理弁識能力が必ずしもないわけではないということも明らかになってきたわけであります。  そういう問題意識からこの問題に向き合うことになったわけでありますが、さて、御指摘の、なぜ最終的に一律に選挙権を回復する選択になったのかということでありますが、自由民主党の中におきましても、また自公の中におきましても、勉強会、PT等で精力的に勉強してまいりました。  諸外国は一体どういうふうにこの問題に向き合っているか、あるいは向き合ってきたか、それぞれ試行錯誤、言ってみれば現在進行形で試行錯誤しておられる、そういう様子もよく分かってまいりました。例えば、フランスやドイツといった国々は選挙権を行使する能力を個別に審査をする制度を確かに持っておられる。アメリカも州によってはそういう制度を持っておられるわけでありますけれども。  しかし、本当に選挙権を行使するに足る能力がどのようなものであるかについて一義的に定めるということの難しさ、困難性、あるいはその手続ですよね、いかなる手続でいかなる基準によって判断をするのか。率直に裁判所あるいは法務省、関係部局ともやり取りをした。もし、そういう選択をするとすれば、相当程度の時間とエネルギーを要することになる。時間とエネルギーを要したとしても、国民万般が納得するような基準そして手続、そういうものを我々は手にすることができるだろうか。そういう問題に向き合うことになったわけであります。  最終的には政治の判断と言ってもよろしいんだろうというふうに思いますが、そういったプロセス、経緯を経て十一条一項一号を削除をするという選択に立ち至ったということを答弁をさせていただきたいと思います。御理解のほど、よろしくお願いをいたします。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 逢沢議員の御答弁の前半部分で、やはりこれは現状認識としてはかなり難しい、ほとんど私と問題意識を共有されているんだと思います。  そんな中で、一言で申しますと、世界の潮流ということもありますけれども、国民の権利を一律に剥奪することはもう日本はしないということに尽きるんだと思うんです。いろいろな個別判断というのは確かに大事になってくるかもしれませんが、一律に剥奪することはやめようと、この一点で私どもも提案者、政党としてですね、ですから、私はそういう理解で進めたいと思います。  そこで、次からはこの障害を持たれた方にかかわる選挙の件で、私はもう倫選特はかれこれ七、八年かかわっておりますが、特に委員長時代に、都道府県選管あるいは市の選管、政令市の選管、いろんな方から要望が毎年毎年上がってきます。これを全部整理をして優先順位を付けて、公職選挙法ですから私は閣法で変えようと思っていたんです。全体の項目を、まだ約三十ぐらいありました。そのうちABCで最優先をAにして七項目ぐらいに絞って、ここでできないかなというような計画を練って、総務省の選挙部の方でもそれは検討会がもう始まっているやに思いますが、そういうことをやっていたんですね。  その中で、今回はその最優先七項目と私が思っているうちの障害に関連する項目について質問したいと、そのように思います。  まず一つ目は、これ、同郷の岩屋議員にお聞きしたいんですけれども、言葉の問題です。  公職選挙法には、以前は、文盲であるとか身体の故障、後で問題になりますが身体の故障であるとか、あるいは政令には盲人というような表現があるんですね。今はほとんど使われない、そういう言葉です。ほかの法律である部分もありますけれども、今は使われない、ほとんど。  改正法第四十八条を始めとして、今回「身体の故障又は文盲」という言葉を「心身の故障その他の事由」というふうに改正されております。この文盲がなくなったというのは私はいいと、評価したいと思いますが、問題は心身の故障なんですね。これは、故障なのか障害なのかということの考え方によると思うんですが、私はこれは障害であろうというふうに思うんです。  例えば、例えばといいますか、民法第七条、後見開始の審判には「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」というふうに書かれてあるわけです。これは障害ですね。これから恐らく憲法の話も出てくるかと思いますが、裁判官の心身の故障というのは、以前は裁判官として適格であると認められた方が何らかの事由で変わったという意味合いが故障だと私は思うんです。それに対して障害というのは、時期を問わず、あるいは生まれたときからという感じも全部含まれていると思うんですね。  と考えれば、私は心身の故障よりも心身の障害の方がよりふさわしいのではないかと思っておりますが、なぜ故障というふうにそのまま残したのかという点についてお聞きしたいと思います。

岩屋毅自由民主党

○衆議院議員(岩屋毅君) 同郷のよしみで御質問いただいてありがとうございます。  今、足立先生御指摘の点は、実は与党のPTの段階でも随分と議論になりました。いろいろ勉強してみた結果、今回は御指摘のように「身体の故障又は文盲」との表現を改めまして「心身の故障その他の事由」としたところでございます。  そこで、心身の障害としなかったのはなぜかということなんですけれども、現行の公選法四十八条一項が故障という文言をこれまで使ってきたこと、それから同じ公選法の他の条文においても心身の故障との表現は用いられておりまして、心身の障害という表現は見当たらないということ、また心身の故障という文言を用いた法律はほかにも幾つかございまして、心身の故障という用語そのものはこれまでは法律上の用語として広く受け入れられてきているということによるものでございます。  ただ、その故障という言葉の語感というかニュアンスというか、それがいかがなものかというような議論も検討の段階ではいろいろと出されたことは事実でございます。  辞書を引いてみますと、広辞苑によりますと、「故障」というのは「事物の正常な働きがそこなわれること。」を意味すると、一方「障害」とは「身体器官に何らかのさわりがあって機能を果たさないこと。」を意味するとされております。  したがいまして、心身の故障というのは比較的短期間で回復する病気等も広く含み得る概念ではないかと。心身の障害とした場合は、ある程度、先ほど先生もおっしゃったように、固定した心身の状況を指すものであると解される場合もあるということで、比較的短期間で回復する場合であったとしても、例えばけが等によって自ら候補者の氏名を記載することができないときは代理投票を用いることができるわけでありまして、したがって、代理投票の要件の例示としても、今の段階では心身の故障という文言を用いることが妥当ではないかと判断したところでございます。  ただ、この法律上の用語の問題については、今後引き続いて検討していくべき課題だというふうに認識をしております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 自民党のPTの方でもやっぱりここは検討課題になったということで、今後引き続き検討していただきたいなという気がします。  二点だけ申し上げたいのは、これ先ほど私言いましたけれども、民法七条で後見の開始の審判のところに「精神上の障害により」というふうに書かれているのが一点。それから、先ほど私、今質問している内容は、都道府県やあるいは市町村や政令市で各選管が要望として毎年毎年出されている、その中で私が最優先項目だと思われるところにこれが入っているということも是非意識していただきたいなと、そのように思います。  二つ目は、先ほど最優先の中の障害にかかわる件ということで、二つ目は同じ党の泉議員にお聞きしたいんですが、郵便投票というのが認められております。要介護五のほとんど動けない方々になるわけですが、これ郵便等投票が認められております。介護保険法の要介護五の人には認められているんですが、実は、今も厚生労働委員会等で審議されています生活保護ですね。生活保護法に基づく、これは介護扶助というのが医療扶助や介護扶助という形で付きますけれども、その介護扶助で要介護五と認められた人には郵便投票は認められていない。同じ要介護五でほとんど動けない状況であるのに、介護保険上の要介護五は郵便等投票が認められて、生活保護法は認められていない。これも最優先課題の中で、これは内閣としてしっかり統一しなければいけないという強い気持ちを持っておりましたが、これは泉議員としては改正すべきだと思われないでしょうか、どうでしょうか。

泉健太民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。  足立先生が、まず七年、八年にわたって倫選特の分野を専門的に問題を検討されてきたということにも心から敬意を表したいというふうに思います。その中での特に優先順位の高いものということでありますので、一方では、内情を言いますと、衆議院のこの質問の答弁打合せの中でこの項目を拝見させていただいたときに、かなり我々、全体として驚きを持って実は問題点をそこで認識をしたというような状況でありまして、同じ要介護度五でありながら、介護保険法では郵便投票が認められ、そして生活保護法では残念ながら郵便投票が認められないというのは、それが事実であるわけですけれども、なぜそうなってしまったのかというのは多くの議員の皆さんが同じ思いを持たれるんじゃないかなと思います。  少し調べてみましたら、平成十五年に郵便投票の対象者になったわけですけれども、このときに衆議院の倫選特の委員長提案ということで公選法改正がなされております。ここで各派の協議が行われて、このときには郵便投票を一層緩和をしていくというか活用していくために、初めて介護保険の要介護度五の方を対象に入れるというような考え方で行っていたものと推察をされるわけですね。  ですから、いわゆる生活保護法に基づく方々を排除しようという目的ではなくて、より一層郵便投票の範囲を広げていこうという過程の中で、書きぶりとして、身体障害者手帳又は戦傷病者手帳又は介護保険の被保険者証を持つ者が郵便投票ができるというような形になってしまったということでありまして、郵便等投票証明書の交付申請にこの被保険者証が必要になってくると。一方で、御指摘のとおり、生活保護法ではこの被保険者証が交付されないということで、事実上これが抜け落ちてしまっているということであります。  そういった意味では、大変重要な問題意識というふうに認識をいたしまして、これは前回が委員長提案ということもございますので、まさに院の中で重要な今後の検討項目に値するのではないかというふうに私個人としても思っておりますので、是非、今後とも更なる選挙人の投票の機会の確保ですとか、あるいは選挙の公正の確保というような点を考えて、各党各会派で協議をしていくべきではないかというふうに考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ありがとうございます。  まさに今議員がおっしゃったように書きぶりなんですね。議員立法、私も何度かかかわっておりますし、それはもう大事な立法府の務めではありますが、そういう書きぶりで抜けるところが出てくるというのは、やはり私は内閣が責任持って、私、先ほど閣法として出そうとしたということを申し上げましたが、そこが大事なんだろうなと。  本当に書きぶりで、被保険者証を有すると、そのことだけで抜けてしまったところが出てきてしまったと、そういうことなんですね。これはもう委員も当然御案内ですが、この介護保険法であれ、生活保護の介護扶助であれ、同じ介護認定審査会を通っているわけで、そこで認められたのにこういう違いがあるというのは、やっぱりまさにこれは正していかなきゃいけない、直していかなきゃいけないところだと、そういうふうに思います。是非、協力してやっていきたいと思います。  次は、まあアンケートと申しますか要望に基づく質問は以上で終わりにしまして、次は、この委員会でも次の大きなテーマになると思われます一票の較差問題について、政府参考人の方にお聞きしたいと思います。  今、衆参共に一票の較差が懸案になっていると。これは皆さん御案内のように国勢調査に基づいた投票価値の平等性の問題、投票価値の平等性の問題。そうなってくると、国勢調査による人口というのは一体何を表しているのかなということになってきます。それと投票価値の平等性というのがどう合っているのか、符合しているのかどうかが問題になってきます。  ということで、基本的なところからスタートしたいんですが、まず国勢調査における人口、国民という、人口というものはどういう対象の人が入っているんでしょうか。

須江雅彦総務省統計局長

○政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。  国勢調査は、我が国統計の中で極めて重要な役割を有しておりまして、国政運営上、様々な分野で基礎資料になるとともに、これをベンチマークとして様々な統計調査の標本設計を正確に行うための不可欠な情報となっているものでございます。  先生お話しの、国勢調査で我が国の人口というのを調べておりますが、我が国の人口、世帯について、実際に人々が住んでいらっしゃる場所、すなわち常住実態に即して把握し、職業や教育などの属性とともにその状況を明らかにするための調査でございます。  したがいまして、国勢調査におきます人口は、一時的な旅行者などを除き、調査時点において常住実態に即するということで、三か月以上我が国に住んでいる全ての者及び三か月以上にわたって国内に住むことになっている者の合計でございます。  念のため申し上げますと、日本人についてと同様に、外国人につきましても三か月以上住んでいる場合などは対象になっております。また、生まれたばかりの乳児などにつきましては、いまだ三か月以上住んでいるわけではございませんが、三か月以上国内に住むことが予定されているということであれば調査対象ということになります。  以上でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 確認いたしますが、外国人が相当数この国勢調査の人口という中に入っていると。それは三か月以上常住しているという条件です。それから、三か月未満のお子さんについても常住ということで、世帯を通じて調べていくわけですけど、念のためにお聞きしたいんですが、熊本県にある「こうのとりのゆりかご」、ここに預けられた三か月未満のお子さんというのも人口に入っているんですね。

須江雅彦総務省統計局長

○政府参考人(須江雅彦君) 入っております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ということでございます。  私がこれからお聞きしたいのは、人口ということに、これをベースに一票の較差というのを議論するわけですが、当然のことながら未成年者も多くの外国人の方も入って議論している。それが投票価値の平等とどう符合するのか、整合性があるのかということをお聞きしたいと思っています。  ちなみに、国勢調査、前回は平成二十二年ですが、これは皆さん御案内だと思いますが、歯舞、色丹、国後、択捉、竹島は調査に入っておりません。  そこで、一票の較差は、今申し上げましたように、議員一人当たりの選挙人名簿数、これで決めているわけですが、そのベースになるのは、議員一人当たりの選挙人名簿数ですから投票価値の平等、これはよく分かります。でも、そのベースは人口である。当然、未成年者も外国人もいっぱい入っている。  ここで、この議論、つまり人口を、議員一人当たりの有権者数、名簿数で議論している投票価値の平等の中に、人口でそれを判断するということは、どういう根拠で今までの議論の中でこれでいいんだというふうになっているんでしょうか。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  まず、現在の一票の較差と申しますか、私どもで区割りをする際に人口を使っておるわけでございますけれども、その根拠について申し上げたいと思います。  まず、直近でございますけれども、各党各派の御議論を経て立法府において制定されましたいわゆるあの〇増五減による緊急是正法でございますけれども、この今次の改定案の作成の基準といたしまして、平成二十二年国勢調査人口を用いることと法律上しているわけでございます。  また、従来から、衆議院小選挙区の改定については国勢調査人口を用いてきております。これは区割り審議会法等で決めているところでございますけれども、その理由でございますけれども、これまで三点の理由が挙げられてきております。  まず第一は、国勢調査人口は、人口の把握そのものを目的として、法令、統計法でございますけれども、法令に基づき全国一斉に行われる実地調査による人口であり、確度が非常に高いということ、第二点目といたしまして、衆議院議員の定数配分については、大正十四年の衆議院議員選挙法以来一貫して国勢調査人口を基準として行われてきていること、第三といたしまして、議員の定数配分はある程度の安定性を要すること等の理由が挙げられてきたものと承知をしております。  以上です。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 選挙区画定審議会設置法にそう書いてあるからと、それは直近の話はよく分かりますが、過去からの流れで今理由を三つ挙げられましたが、要は、ほぼ選挙人名簿数、これが人口とある一定の比率でみなされるということだろうと思うんですね。みなしてもいいんだろうと、そういう判断でやっていると思うんです。しかし、直近のを申し上げますと、平成二十二年が国勢調査は直近ですが、十七年、五年前と比較して、日本人は一億二千五百三十六万人で三十七万人減少している。外国人は百六十五万人で九万人増えている。今は全体の一・二八%です。  これが、私がこれから聞きたいのは、過去はそうやってみなしてきた、有権者数というのと未成年者そして外国人を含めた人口というものはほぼ一定だろうという感覚できましたけれども、本当にこの流れでこのまま踏襲していいのかどうかというのが、ちょっと疑問を持っているもので、お聞きしたいと思うんです。  まず、私、国勢調査の概要というのを、これをずっと調べていますが、概要ですので、十四歳までと、それから十五から六十五歳までと、それよりも上という三つの区割りでしか書かれていないので、よく分からないのは、じゃ未成年者の人口はどうなっているんだろう、選挙権を有しないという意味でですね、これの過去三回ぐらいの値を教えてほしいんです、パーセンテージも含めて。

須江雅彦総務省統計局長

○政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。  国勢調査の結果によりますと、未成年者、十九歳以下の人口ということで整理いたしてみますと、平成十二年は約二千五百九十六万人、平成十七年は約二千四百九万人、平成二十二年は約二千二百八十七万人と減少傾向となっております。また、総人口に占める割合で見ましても、平成十二年は二〇・五%、平成十七年は一八・九%、平成二十二年は一八・〇%となっており、減少傾向が続いております。  以上でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 それを併せますと、先ほど、有権者数というのは人口とのある一定の比率でみなせるということが大きな根拠だと思いますが、この三回で有権者と人口のその割合というのはどういうふうに変化してきたんですか。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  平成十二年から三回の割合を申し上げたいと存じます。  まず、平成十二年では、選挙人名簿の登録者数が一億八十六万人、国調人口が一億二千六百九十三万人でございますので、割りますと〇・七九ということになります。平成十七年は、同じく選挙人名簿の登録者数が一億三百三十六万人、国調人口が一億二千七百七十七万人ということでございますので、〇・八一ということになります。平成二十二年になりますと、同じく選挙人名簿の登録者数が一億四百三十八万人、国調人口が一億二千八百六万人でございまして、この比率は〇・八二という数字になっております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 皆さんお聞きになってお分かりのように、人口に対して有権者の比率は高まっている。むしろこれはいいのかなと思いますが、実際に選挙権を有しない方、先ほどお答えありましたように、未成年者は減っている、外国人は増えている、なんですね。ですから、都道府県あるいは選挙区ごとにその割合というものが、有権者の人口に対する割合というのが物すごく差があるところがあるんです。これが私は本当にみなしていいのかなという意味なんですね。  そこで申し上げますと、この二十二年の国勢調査でこれ調べますと、外国人人口が占める割合を都道府県別に見ると、最も高いのが東京で二・五%、最も低いのが、これ一道四県ありまして〇・三%、八倍以上の差があるんですね、人口に対する割合。そして、私、未成年者の割合というのが今初めて知ったもので、十四歳以下の人口比率を見ると、市町村別に見ますと、最も高いのが富山県舟橋村の二一・八%、最も低いのが群馬県南牧村の四・三%、五倍以上の開きがあるんです。  外国人の比率が八倍以上、未成年、この場合は十四歳以下ですが五倍以上、それがもし組み合わさると、非常に有権者率の高いところと非常に有権者率の低いところが出てくるんです。これで人口で判断していていいのかなというのが私の問題意識なんですね。ですから、これを解決するためには、本当に国勢調査ごとに見直さなきゃいけない、選挙区の画定審議会で見直さなきゃいけないようになるのかもしれませんが、そこは安定性という問題もまた出てくる。  そこで、改めてお聞きしたいのは、外国人、未成年者を含む人口を、一票の較差問題の議員一人当たりの有権者名簿数、投票価値の平等という論点に立った場合に、その人口を有権者数と代用して議論するという今の変化、トレンドを見て、改めてそのみなし方でいいと判断されるかどうかをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 区割りの際の基準が主になると思いますけれども、人口をもってすればいいのか、若しくは有権者をもってすればいいのかという点につきましては、実は従来から国会の場におきましても議論をされてきた課題というふうに理解をしております。  そこで、今有権者数とそれから国調人口との比率につきまして三回に分けまして全国レベルの数字を申し上げましたけれども、御参考までに、最も、各県別で数字がどう推移しているかということを申し上げますと、平成十二年、十七年、二十二年、いずれも有権者名簿に載った有権者数が人口の中で高い割合を占めますのは秋田県でございまして、平成十二年から言いますと、〇・八一六、〇・八四〇、〇・八五五というさっきの数字になっております。一方で、最もこれが小さいのはこれはいずれも沖縄県になっておりまして、今数字を申し上げますと、〇・七三七、〇・七六二、〇・七七五という数字になっております。恐らく、年少の人口、未成年者の人口の割合が非常に大きく利いているのではないかというふうに見られるわけですけれども。  いずれにいたしましても、このような推移はございますけれども、先ほど私が申し上げましたとおり、これまでから国勢調査人口を用いてきているこの理由は、いまだにやはり維持をすべき問題ではないかというふうに私どもとしては今考えているところでございます。ただ、今後どのような数字を用いるべきかという点につきましては、立法府においてよく御議論をいただきたいというふうに思います。  以上です。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 私がこの問題を質問したのは、いろんな議員に私なりに聞いてみたら、国勢調査に外国人が入っているとは知らなかったという議員がほとんどなんです。ですから、国勢調査の中には外国人が入っているんですよ、それが一定レベルでずっと増加しているんですよ。そこで、一票の較差等々を議論するには、そのこともやっぱり意識しながらやらなきゃいけないんではないか、参政権の問題を含めてですね、という意識があるから皆さんの前でこの質問をしたわけです。  ただ、私がそこで自分なりに得心しているのは、今までの理由でおっしゃってくださいませんでしたが、やはり憲法十四条での全て国民は法の下に平等であるというところからここを解釈するしかないのかなと、私自身はそう思っておりますけれども、やはり比率が大きく変わる中で、これは脇に置いてはおけない意識として共有していただければと、そのように思っております。  今回の法改正は、成年被後見人に選挙権を一律剥奪をやめるという、私は画期的で重要な決断だと思っておりますが、まだまだ足りない部分がある、特に今回は障害を持つ方々にとっても足りない部分がかなりあるということを共有していただいて、前向きにまた改正、進めていけばと、そのように思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。  まず、発議者にお尋ねをいたします。  公明党は従来から、成年被後見人となることによって基本的人権の中でも最も重要な参政権、選挙権を喪失をする現行の公職選挙法の問題点を指摘をし、見直しを主張し、いろいろなところでこうした議論をしてまいりました。  今回は、三月十四日の東京地裁の違憲判決が直接のきっかけとなりまして各党間の協議が行われ、晴れて成年被後見人の選挙権回復のための法案提出に至ったことは大変喜ばしく、評価をしております。今回、五月十七日に衆議院に提出をされまして、本日成立をし、ぎりぎり次の参議院選挙の施行に間に合うということになったわけでございます。  そこでお尋ねしたいことは、この法案提出までの各党間の議論の過程で、成年被後見人に対して、先ほどもありましたけれども、一律に、すなわち判断能力の程度のいかんにかかわらず選挙権を回復することについては慎重な意見もあったと承知をしております。一律に選挙権を認めることになった経緯や、議論の中で特に問題となった点についてお尋ねをいたします。

北側一雄公明党

○衆議院議員(北側一雄君) 提案者の北側一雄でございます。  今、荒木委員の方からお話のあった点は一番議論があったところでございます。公職選挙法の十一条一項一号は、成年被後見人の方に一律に選挙権及び被選挙権を失わせしめていると、こういう規定になっております。選挙権を回復するにしても、一方で選挙権を行使するに足る能力があるかどうか、それについてやはりきちんと判断をすべきではないかというふうな意見がありました。与党内で議論をする過程の中で当然そういう議論もあったわけでございます。  各国の例を私ども検討をいたしました、勉強させていただきました。そうすると、海外の例では大きく二つに分かれておりまして、一つはオーストリアそしてイギリスのような方式、もう一つがフランス、ドイツのような方式でございます。  前者の方は、そういう選挙権を行使するに足る能力ということについて誰かがどこかで判断する、審査すると、そういうことはしておりません。むしろ一律に選挙権を認めていると、こういうやり方をしております。一方で、フランスとかそれからドイツについては、裁判官であったり、一定の手続の下でその辺を判断する、選挙権行使能力の有無について判断すると、そういう手続を取られております。  与党内で議論の中でどうなったかといいますと、そもそも選挙権行使能力とは何なのかということについて、そもそも一義的にそれを定義付けするということがこれは容易ではないんではないかというのがまずあります。  さらに、仮にそういう定義をしたとしても、一体誰がどのような手続で、そしていかなる基準で判断をしていくのかと。仮に、後見開始決定の際に家庭裁判所の裁判官にそういう判断をしてもらおうとなった場合に、裁判官自身にそうした能力はございませんから、したがって鑑定に回すというようなことに多分なるんでしょう。そうしたことを果たして日本の今の成年後見制度の中でやっていくものなのかどうか。これはコストの面でも手続の時間の問題でも、考えても非常にこれは困難であるなというふうに判断をいたしたところでございます。  したがって、現時点では一律に選挙権を回復することが適当であろうと、そのように判断をいたしました。  また、そもそも成年後見制度を利用している人と成年後見制度を利用していない人との間で、そうした選挙権を剥奪をしてしまうということは極めて不公平であるというふうな考え方も当然ございます。  そうした議論の中で、今回、我々の法案といたしましては、成年後見制度と選挙権の有無という問題については切り離す、一律に選挙権を奪っているこの規定については削除をする、そういう方が正しいと、そのような判断をしたわけでございます。  現実に、恐らくそういう選挙権行使の能力が全く欠けている方々については、現実に選挙ができない、事実上選挙権行使ができない、そういうことで十分今までも私は担保されているんだろうというふうにも思っているところでございまして、是非この法案につきましては御理解をいただきまして早く成立をさせていただきたいというふうに考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、平成十一年の民法改正によってスタートしました成年後見制度の利用促進についてお尋ねをいたします。  今回、公選法の改正によりまして、被後見人となりましても選挙権は剥奪をされないということになったわけでありますので、成年後見制度の利用をそうした理由でちゅうちょをしている方についてはこの障害が除かれた、このように思います。  しかし、成年後見制度が思うようにこの利用が進まないのはそれだけの理由ではありませんと思いますので、今後、今回の改正も踏まえて、成年後見制度の利用促進についてはどう我々立法府として取り組んでいくつもりなのか、発議者にお尋ねします。

大口善徳公明党

○衆議院議員(大口善徳君) 法案提出者の衆議院議員の大口善徳でございます。  ただいまの荒木委員の御質問でございますけれども、二〇〇〇年四月にスタートをいたしたわけでありますけれども、認知症の高齢者というのが今平成二十四年で三百五万人います。それから、精神障害者の方で二十歳以上の方、こういう方が平成二十三年で三百一万人います。ただ、この中には入通院をされている認知症高齢者の方も一部ダブっているということであります。そして、知的障害者の方は、十八歳以上の統計しかないんですが、平成十七年で四十一万人いらっしゃると。ですから、六百万人ぐらいの方々が精神あるいは知的な障害を抱え、あるいは認知症であるということであります。  そういうことからしますと、やっぱり成年後見制度の申立てというのは、これは累計で二十六万件ということでございますので、ドイツなんかと比べると桁が違うのかなというようなこともありまして、じゃ、その成年後見制度というのはなぜ利用が進んでいないのかということを私ども公明党でもいろいろ検討させていただきました。  その結果、やっぱり一つは、アンケート調査等を見ましても、成年後見制度自体よく知られていないと。だから、周知が不徹底であると。それから、やはりこの選挙権を剥奪されるということも、これは利用の障害になっているということでございます。また、身寄りのない方、そしてその場合、第三者を後見人にするという点では費用の問題、様々な問題がある。首長さんの申立てということもやっていただいておったり、あるいは品川区のように市民後見人、こういう方々を育てていくということも進めているわけでありますけれども、まだまだであると。  そういうことで、私ども、二〇一〇年の十二月に公明党の中に成年後見制度促進プロジェクトチーム、私、座長をさせていただきまして、スタートをさせていただきまして、そして昨年の七月に成年後見制度促進法の骨子、これをまとめさせていただいて、発表させていただきました。その中で、内閣府に成年後見制度利用促進会議、これをつくる。また、有識者の、現場の声もしっかり聞かなきゃいけないということで、委員会もつくると。基本方針、基本計画を定めまして、地方におきましてもそういう計画を作っていただくと。そして、この利用の促進で、被後見人の問題ということで権利制限、この中には選挙権の制限も入っているわけでありますが、そういうものの見直し、そして成年後見人の担い手を確保と、こういうものを盛り込んだものを発表させていただいておりまして、自民党さんの方にも働きかけをしているところでございます。  今回の改正というのは、成年後見制度を利用する大きな障害を、なっているものを取り除くと、こういう効果がありますけれども、もっと成年後見制度全体を見直していく必要があると、こういうふうに考えておりまして、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 是非、我々もそうした成年後見制度利用促進についての法律が成立するように頑張っていきたい、このように思っております。  次に、代理投票の対象者の拡大につきまして総務省政府参考人にお尋ねをいたします。  代理投票を利用できるのは自ら公職の候補者の氏名を記載することができない者に限られます。しかし、知的障害者の中には文字を書ける場合であっても補助を受けずに投票することが困難な方がおられまして、こうした方々にも代理投票を認めてもらいたいという要請が上がっております。  今回の改正では、幸いに、この代理投票における補助者は投票管理者が投票所の事務に従事する者のうちから定めるとされておりまして、投票の公正さが更に確保されるような改正となっております。  そこで、今回の改正を機に、代理投票の対象者を一定の要件の下に拡大をすることを検討すべきであると考えますが、政府の見解をお尋ねします。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  まず、代理投票のできる対象者でございますけれども、これは従来より、身体の故障だけではなく、自書能力又はこれに代わるべき点字による記載能力のない全ての者を含むと解されているところでございまして、今回、法改正ございましたけれども、この点については変わりがないというふうに解しているところでございます。  そこで、この代理投票の要件をどのようにするかということでございますけれども、御承知のとおり、代理投票は秘密投票の原則の例外として位置付けられているものでございます。自書能力のある一定の選挙人についてこの代理投票の対象を拡大するということにつきましては、選挙の公正確保との観点、それから秘密投票の原則との観点をどのように考えるかといった問題があろうかというふうに存じます。  以上です。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そうした問題はありますけれども、現にそうした要請が上がっておりますので、しっかりと今後検討していただきたい、このように要請しておきます。  次に、今回の改正にあります不在者投票における公正確保の努力義務の点についてお尋ねをします。  まず、現在でもこの不在者投票に外部の第三者の立会いを導入している自治体があると承知をしておりますけれども、その場合にこの外部の立会人にはどのような人が選任されているのか、掌握をしておれば教えてください。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 既に外部立会人を導入している幾つかの県がございまして、そういう県に平成二十三年、ヒアリングをした結果でございますけれども、どのような方が外部立会人の名簿の登載者になっているかということにつきましては、主に県、市町村の明るい選挙推進協議会の委員、それから自治会、婦人会等の役員にお願いをしているというふうに聞いております。  ただ、岩手県等では、若者の政治参加の促進の観点から、ホームページ等で公募を行っているというようなところもあるように伺っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 様々な例があるようですが、そこで発議者にお尋ねします。  今回の改正で、市町村の選管が選定した者を投票に立ち会わせることその他の方法によって不在者投票における公正な実施の確保に努めなければならない、こうした努力義務になっておりますが、そこで、この選定に当たってどういう方を立会人として選ぶのか、その条件や留意事項を付けることを、設けることを考えているのか、そういう全国一律の基準を設けてこの努力義務を課していくのか、この点についてお尋ねいたします。

大口善徳公明党

○衆議院議員(大口善徳君) 荒木委員の御質問にお答えしたいと思います。  現状は、施設等における不在者投票で立会人となっているのは、病院、施設の職員の方が多いわけですね。ですから、そこに不正というものが入り込んでくるということで、今回この本法案では、不在者投票における不正を防止しその公正な実施を確保することを目的として、不在者投票管理者に対して外部の第三者の立会い等の努力義務を課したわけであります。その外部の立会人としては、例えば選管のOB、それから先ほども総務省から答弁がありましたように、県や市町村の明るい選挙推進協議会の構成委員あるいは選管の現職の役職員等を選定することが想定されます。不正を防止する第三者の立会いということからいいますと、そういう方々が想定されます。  市町村の選挙管理委員会においては、この選挙の公正を確保する観点から、その地域における実情も踏まえつつ、外部立会人としてのふさわしい方を選定していただきたい、こういうふうに考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 努力義務とはいえ、不在者投票管理者がそうした適切な外部の第三者を見付けるというのはなかなか容易でない場合もあると思いますので、各市町村の選管がサポートしていかなければいけないと思っております。そういう各市町村の選管の取組を国としてどう支援をしていく考えがあるのか、総務省にお尋ねします。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 市町村の選挙管理委員会がこういう外部立会人を用意していくことは非常に重要だと考えております。  まず、今回の法律で、国政選挙につきまして、執行経費基準法によります国費措置が導入されたということが非常に大きな要因になろうかと思いますので、これをきちんと周知をするということが一つ大きな要因かと思います。さらに、既にこういう外部立会人を導入しているところの取組をきちんとお知らせをするというような格好で市町村の選管をバックアップしていきたいというふうに考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 最後に、巡回投票制度の意義、また課題についてお尋ねします。  昨年の衆議院選挙では、東日本大震災の被災地では、仮設住宅の集会所等に選管の職員等が巡回して期日前投票をするということがございました。これは災害の場合だけではなく、障害者や認知症患者といった方々の投票機会を拡大する上でもこの制度が利用できないのかと考えます。  そこで、巡回投票制度の意義とそうした拡大ということが考え得ないのか、総務省に尋ねます。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 巡回投票制度でございますけれども、従来はこれは投票日当日に巡回するというようなことが想定をされておりまして、この場合には、例えば投票所と別に巡回投票所を設置いたしますので、二重投票を確実に防止できるのかどうかといった点、それから投票日当日の限られた時間にそれだけの選挙管理機関の職員を確保できるかといった点、いろんな問題があったというふうに承知をしております。  ただ、現在では、いわゆる期日前投票として言わばいろんなところで投票ができるような形のものが進んできております。現在、地域の最寄りの公民館、集会所等の施設に期日前投票所を設置をするといったような点、それから過疎地域においてむしろ投票所への移動が困難な方々に巡回バスを運行させるといったような点を今まで要請をしてきておりまして、このような取組を今後促進させるように私どもからも要請してまいりたいというふうに考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 終わります。ありがとうございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 みんなの党の中西健治です。  本法案はみんなの党も共同提案者ですので、法案そのものにはもちろん賛成ということでありますけれども、本件にかかわるこれまでの経緯と今後の対応について政府に確認をしていきたいというふうに考えております。  まず、成年被後見人の選挙権、被選挙権に係る欠格条項については、平成二十二年六月にはもう既に内閣に設置されていた障がい者制度改革推進会議において、廃止も含めその在り方を検討するという意見表明がなされ、その後、平成二十四年六月に成立した地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律の附帯決議にも、成年被後見人の政治参加の在り方について検討を行うとされてきたという経緯があります。  平成二十二年以降、政府はどういう検討を具体的に行ってきたのか、もう三年たったわけでありますので、その間に検討が行われたのかどうか、そうしたことについて教えていただきたいと思います。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) これまでの経過について御報告申し上げます。  成年被後見人につきましては、平成十一年に禁治産者制度から成年後見制度に改正された際に、その法律上の要件が「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」とされておりまして、行政上の行為をほとんど期待できず選挙時に個別に能力を審査することも困難であるということから、引き続き選挙権及び被選挙権を認めないということになりました。  また、平成二十三年以降、成年後見制度を利用することで選挙権を失うのは違憲だというような、選挙権があることの確認を求める訴訟が各地の地裁におきまして四件提起をされました。政府といたしましては、そのような選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない方に選挙権を付与しないとする現行法の立法目的には合理性があるなどの理由によりまして、現行の公職選挙法第十一条の制度は違憲とは言えない旨の主張をし、訴訟の動向をこれまで注視してきたところであります。  今回の三月の東京地裁判決では、原告の主張を認め、国の主張は認められなかったところでありますけれども、選挙権、被選挙権は国民の基本的権利であるとともに、民主主義の土台であります選挙の根幹にかかわる問題でありますことから、判決後、成年被後見人の方の選挙権の在り方等につきましてどのような立法措置を講じていけばよいかということにつきまして、各党各会派で検討、協議が行われ、今回の法案が議員立法で提出されたというふうに承知しております。  以上、経過でございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 今も少し触れられておりましたけれども、政府は三月の東京地裁の判決を受けて、三月十四日の判決を受けて、その約二週間後、三月二十七日に控訴をしているわけでありますけれども、当時の説明としては、四月任期満了の地方選挙が百九十三控えていて、混乱を避けたいということを主たる理由として総務大臣は国会で答弁されておりました。また同時に、今おっしゃられた、各党間で議論の間、まずは今の法律の安定度をきちんと確保するというようなことについても言及されておりました。  そうした当時の理由には一定の理解ができるということだと思いますが、先日、衆議院での総務大臣の国会答弁及びその後行われた記者会見におきましては、この法案が成立した場合の控訴取下げの可能性について聞かれて、総務大臣は、控訴の取下げというのは考えていないと明言され、訴えの利益がなくなれば原告側の訴える必要がなくなるので、その時点で裁判は終わると。政府とすれば是非上級審で審議していただきたいということで控訴したので、裁判は裁判として手続はやっていかなきゃならない、こんなようなことを述べているわけでありますが。  これまで三年近くも政府としてはこれについて真摯な対応をしていないというふうにも取れる中で、今、ようやくこうして議員立法の形で法案が成立しようとしているとき、成立しても控訴を取り下げないというのは、いかにも原告側の心情に配慮していない、まさにお役所仕事の典型と言われても仕方がない心ない対応というふうに思いますけれども、政府が控訴を続ける以上、原告側にも裁判に対応しなきゃいけない、裁判にかかわる費用も発生しかねない、そうしたことを考えると、政府は自らメンツを捨てて控訴を取り下げるべきだと思いますが、それについていかがお考えになるでしょうか。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 委員おっしゃいましたように、東京地裁判決をきっかけといたしまして、立法府におきまして検討が速やかに進められまして、その結果法案が取りまとめられました。この度の法改正によりまして立法的に問題が解決されるということになれば、裁判は間もなく終結することになるというふうに考えられます。  我々総務省といたしましては、法改正の施行にあとは遺漏がないように全力で取り組んでまいりたいということでございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 間もなく終結することになるというのは、裁判所の方でそうしたような手続が行われるかもしれないということを意味しているんだと思いますが、その前に政府としては取り下げるということが原告に対する真摯な対応ということになるんじゃないかと思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 成年被後見人の選挙権の在り方につきましては、立法府において速やかに論議をしていただきました。その結果、全党一致で法案が取りまとめられ、裁判の当事者のみならず、全国の十三万六千人の成年被後見人の方々にかかわる問題が制度的に解決されることになりました。  これに伴いまして、訴訟で争われました問題も立法的に解決され、裁判が早期に終結に向かうと承知しているところでございます。控訴審であります東京高裁におきましても、改正法の制定により訴訟の目的が達成されたことになり、裁判は終結するものということを前提とした訴訟の指揮が今行われているものというふうに承知をしているところであります。

中西健治みんなの党

○中西健治君 私は、能動的に政府が取り下げるべきではないかということをお聞きしているんですが、それについて政府の対応を教えていただきたいと思います。質問に答えていただいておりません。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 現行の法律の規定が違憲であるといたします東京地裁の判決が確定してしまうことは、問題の解決とは全く別次元の問題であるというふうに考えております。  すなわち、立法府におきまして審議をされ制定された法律が、成年被後見人の選挙権に関して提起された四つの地方裁判所における訴訟のうち、最初に判決の言渡しがなされた東京地裁の判決で違憲とされたわけであります。三権分立という統治機構の枠組みの中で、憲法において違憲立法審査に係る終審裁判所は最高裁判所とされております。我々行政府といたしましては、下級審で違憲判決が出た場合には上訴して上級審の判断を仰ぐことが予定されていると考えております。  訴訟におけるこうした国の対応については何とぞ御理解をいただきたいというふうに思います。

中西健治みんなの党

○中西健治君 それじゃ、確認をいたします。  全会一致で今日法案が成立しても、政府としては控訴は取り下げないということでよろしいでしょうか。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 他の訴訟もあります。それから、残り三つについては国賠の関係もございます。そういうことで、私たちは、今の訴訟、控訴するという考えはございません。

中西健治みんなの党

○中西健治君 今、控訴する考えはないというふうにおっしゃいました。もう一度お願いいたします。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 控訴を取り下げるということはありません。

中西健治みんなの党

○中西健治君 議員や多くの方が、やはり血の通った行政、血の通った対応をしなきゃいけないんじゃないかという声が聞こえているところでありますが、政府には是非ともそうした対応を求めるということで、私の意見を言わせていただきます。  さて、続きまして、今回不正投票の防止策として、現行の代理投票制度を運用することとして、投票管理者が投票所の事務に従事する者のうちから補助者を定める、そういうこととされたわけでありますが、意思疎通がうまくいかない人のような場合には、家族であれば意思疎通ができるのに、なかなか投票においては家族は立ち会えないといった問題が多く指摘されているところであります。  先日の衆議院の審議において、法案の発議者は、補助者と本人の間に御家族が入り、個別の状況を補助者に説明をしていただきながら、その補助者は理解をする中で投票していただけるような形を取っていきたいと答弁されたわけでありますけれども、実際の選挙実務を所管する総務省として、各投票所において混乱がないよう家族立会い等に係る何らかのガイドラインを策定するべきではないかと考えますが、総務省の見解をお伺いしたいと思います。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 代理投票につきましては、従来から、本人確認を行った上で法律が定める手続に従って補助者が選挙人本人の意思を確認して行うということにされてきたところでございます。この場合、代理投票というのは、あくまで本人投票の原則の例外をなす場合でございますので、その補助者はいやしくも選挙人や投票立会人から疑惑を持たれないように十分注意しなければならないことは言うまでもないことでございます。  その際、補助者が選挙人に候補者の名前を聞くときは特に慎重を要することといったこと、それから、補助者が選挙人本人の意思を確認できないときは最終的には投票できないということもあり得ることといったことに留意すべきであるといったことを、私どもはこれまでも各市町村の選挙管理委員会に要請をしてきているところでございますが、実態としてどのような形の方が代理投票されるのかといったことにつきましては非常に様々なケースがあるといったことから、むしろ私どもで一律のケースのガイドラインというものを作るよりは、これまでの実績を踏まえて各現場の市町村の方で対応していただくというのが一番現場での対応に結び付くのではないかというふうに考えているところでございます。  今回の改正で、投票は選挙人本人の意思に基づいて行われるべきものということではございますけれども、あくまでもその選挙人本人の意思をどのようにきちんと補助者がつかまえるのかといったことについては、できるだけ意を用いるようにといった点にも注意を喚起をしたいというふうに考えているところでございます。

中西健治みんなの党

○中西健治君 一律にガイドラインを作らないということの理由というのは分かりましたけれども、ということは、各選管において柔軟に対応をする立法者の意思もあるものがありますから、家族などが補助者との間に入って対応することが一般的に言って可能であるということでよろしいでしょうか。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 投票におきましては、まさに投票のそこに、現場におきましてはこれは補助者の人間しか入れないということは、これは今回の法律でも明らかになっているところでございますけれども、いかにその選挙人の意思を確定をするかといったときに、そこの投票に至るまでのところで、御家族とかその投票者の方の意思をよく知るような方に、どのようにすればそういう方の意思が酌み取れるのかということを事前に聞いてみたり、それから近くまでは来ていただくといった点は、今回の改正案におきましても前提にされていることというふうに承知しております。

中西健治みんなの党

○中西健治君 是非とも、発議者の意向も踏まえてしっかりと柔軟に対応していっていただきたいとお願いを申し上げます。  それでは、私の質問はここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

佐藤公治生活の党

○佐藤公治君 生活の党、佐藤公治でございます。  まずもっては、この度の法律に関しました発議者の皆様方には今日までの御苦労、御努力に対し敬意を表したいと思います。  最初に、まずそもそも論の話でございまして、これを玉城デニー先生にお聞きしますとともに、先ほどからのお話を聞いていると、やはりこれは与党、逢沢先生若しくは北側先生にも少しお話を聞かせていただければ有り難いと思っております。そんなに揚げ足を取るつもりはございませんので、率直な御意見を聞かせていただけたら有り難いかと思います。  本法律案提出に至るまでの検討状況、発議者の見解をお伺いしたいと思っておるんですが、また、これまでに国会においても再三成年被後見人の選挙権の問題については指摘がなされてきたにもかかわらず、なぜ東京地裁判決に至るまで検討が進まなかったのか、そもそも論ということでお伺いをいたしたいかと思います。

玉城デニー生活の党

○衆議院議員(玉城デニー君) 佐藤委員の質問にお答えしたいと思います。  現在の成年後見人制度のそもそもの導入なんですが、平成十一年の民法の一部改正による成年後見制度の導入は、高齢社会への対応及び知的障害者、精神障害者等の福祉の充実の観点から、旧来の禁治産制度を見直し、自己決定の尊重、残存能力の活用、そしてノーマライゼーション等の新しい理念と従来の本人の保護の理念との調和を旨として、柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度を構築することを目的としていたものであります。  禁治産制度から成年後見制度への移行に当たり、禁治産制度において設けられていた欠格条項の中には撤廃されたものもあるんですが、成年被後見人の選挙権の制限は旧来のままとされていたわけですね。しかしこの間、やはり参政権という基本的人権にかかわる問題でもあり、ひいては我が国の選挙制度の根幹にかかわるという問題でもあり、各方面から様々な見直しの要請が上がっていたことはもう委員御承知のとおりでございます。  この間、三月十四日に東京地裁において違憲であるという判決が出されまして、それ以降、与党のPTがまずこの問題の解決に当たって国会内で議論が始まりました。そして、その中である程度の下ごしらえといいますか、たたき台をこしらえていただきまして、それから五月に入りまして各党会議に上がりました。そこでも、一律にその選挙権を付与している外国の例あるいは条件付で認めている外国の例等々、様々な議論がございましたところ、やはり我が国においてはこの基本的人権を尊重するということで、一律に参政権を付与するということで公選法十一条一項一号の欠格事項を削除するというふうになったわけであります。  このことについては、私は個人的には、多少時間は掛かりはしたものの、こういうふうに平等なノーマライゼーションの精神に基づいて行われているということは大変喜ばしいものというふうに思います。  以上です。

佐藤公治生活の党

○佐藤公治君 このそもそも論のようなお話に関して、与党であります自民党さん、公明党さん、逢沢先生、北側先生、簡単簡潔にですけれども、先ほど足立委員からの御質問の中にございました、これに至るまでの逢沢先生のちょっと意識が少しお話の中にあったかと思いますけれども、率直にお気持ち、こういったことに至った経緯、経過を少しお話ししていただけたら有り難いと思います。

逢沢一郎自由民主党

○衆議院議員(逢沢一郎君) 率直に申し上げて、平成十一年の民法改正でそれまでの禁治産者から成年後見制度が導入をされた。今にして思えば、今にして思えばということでございますけれども、そのときに多くのテーマが、先ほど玉城先生が答弁されたように、制度移行また民法改正に伴う形で整理をされたわけでありますが、本来ですと、この成年後見制度を活用される方々の選挙権、被選挙権の問題を本当にどうするかということについて、その段階でやはり整理をしておくべきだった。政府、何やっていたんだという国民の皆さんの声もあるかもしれませんが、むしろ民主主義の根幹を成す選挙にかかわることでございますので、それはむしろ我々立法府側により多くの言ってみれば不作為に近い責任があったのではないか、この部分は私個人の心情といいますか意見といいますか、そのように受け止めていただきたいわけでありますが、率直にそう申し上げておきたいというふうに思います。  その後、自由民主党の内部にも障害者関係部会等々から、この問題このままでいいのかという問題提起はもちろん継続的にあったわけでありますが、率直に申し上げて、法律改正、公選法改正に至るまでの大きなパワーといいますか党内世論といいますか、国会全体もむしろ同様であったかともいうふうに思いますが、問題意識はあった、問題提起はなかったわけではないけれども大きな力にまでなり得なかった、いささかその部分についても残念であったと、そういう気持ちを持っているわけであります。  三月十四日、あのような判決がなされました。むしろ、同時にしかし同じような訴訟が同時並行で進んでおりましたので、何も一つの判決が地裁段階で出たこの瞬間に何か大きな意思決定をしなくてもいいのではないかと、そういった意見もあるにはございましたが、しかし真摯にこの問題と向き合うときに、この局面で、世の中の皆さんも世論も大きくここに注目をしておられるこの局面で、政治がやはりこの問題に向き合い一つのアウトプットを出すべきだと、そういう判断に立ち至ったわけでありますが、その後の経緯は種々累次にわたって答弁を申し上げているとおりでございます。  いささか時間も掛かった、立法府として本来果たすべき役割を必ずしも果たし得なかったのかな、反省の気持ちを込めて答弁とさせていただきたいと思います。

北側一雄公明党

○衆議院議員(北側一雄君) もう今、逢沢先生がおっしゃったとおりでございます。私も、立法府にいる一員として、成年後見制度は二〇〇〇年にできました、その趣旨から考えたらその時点できちんと見直しておくべきであったというふうに思っておりまして、そういう意味では非常に残念であったと思っております。  しかしながら、東京地裁の判決が出まして、三月十四日ですから、今、二か月余りでございます。議員立法でこういう形で各党各会派の御理解をいただいて、今日もし成立ができたら、スピーディーに国会としてはこの国会では対応できたのかなというふうに思っておりまして、そういう意味では、二〇〇〇年にきちんと見直しておくべきだったという思いはありますが、でも国会としての責任はこれで果たせることができるのかなというふうにも思っております。

佐藤公治生活の党

○佐藤公治君 私は、何が言いたいのかというと、この度のこの法律が上っ面にならないようにしていかなきゃいけないということ、それにおいては、まさに私は、厚生労働委員会に昔所属していたときに、障害者の方々の議論なり質疑をする際にいろいろと研究なり論文なり研究者の方々を調べました。しかし、日本の国において、この障害者の方々の研究や調査や論文が余りにも少ない。そういうことがあって、そういう方々にいろいろとお話を聞いたらば、それは人気、不人気ということ、又は経済的な理由でなかなか層が広くならない、厚くならない、そういうことであっては、私はこの手の類いのことはいけないと思います。こういったところに是非与党の方々が、教育機関も含めて、常に広く厚い形での人材なり研究なり論文を常に出していくことが、こういった問題を、同じことを繰り返さないがために、やはり一つの番人的な要素、意見を述べる人たちをどんどん育成して層を厚くしていくことが大事なんだというふうに思うところがございます。  それと同時に、私が、この法律が本当に魂の入ったものであるのであれば、先ほどの中西委員が御指摘をされたこと、まさに今日、お力のある逢沢先生、北側先生、岩屋先生いらっしゃるじゃないですか。皆さんの力で政府をねじ伏せてくださいよと私は思います。それがあって初めて、やはりこの法律が私は意味を持ち、意義のあるものになっていくんだと思います。  質問、ほかにも具体的なこと、現場のことを投げかけさせていただいておりますが、どうか政府側におきましては、先ほど中西委員がおっしゃいましたように、これからです。これから現場がいろいろと混乱することが多々ある、これをいかにやはり進化させていくか、完成度を高めるのか、発議者の皆様方の今後の御指導もよくよく考えていただければ有り難いと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  三月の東京地裁の判決を受けまして、超党派による議員立法でこの法案が提案をされました。この後の本会議で全会一致で成立することになるでしょう。そうしますと、この夏の参議院選挙で成年被後見人の皆さんの選挙権が回復をするということになります。  私は、あの判決直後に院内で報告集会が行われたときに、原告の名児耶匠さんともお会いをいたしました。選挙へ行きますかという質問に答えて、行きますと、本当に満面の笑みで答えられたのを覚えておりますけれども、政府が控訴をして、夏の選挙できないんじゃないかと大変心配をしておりましたけれども、あの笑顔にこたえることができるということを、大変、立法府に身を置く者としてうれしく思っておりますし、これを取りまとめられた提案者の皆さんの御努力にも敬意を表したいと思います。  在外日本人の選挙権に係る二〇〇五年の最高裁判決が、選挙権を議会制民主主義の根幹を成すものとして「国民の選挙権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならない」としました。地裁判決がこれを踏まえて成年被後見人の選挙権を喪失させたのは違憲だと断じたのは、非常に私は重要だと思っております。  この選挙権を行使するには投票機会の保障が不可欠でありますし、これなしに選挙権の保障はありません。投票所のバリアフリーやアクセスの問題はもとより、障害者にも選挙情報がきちっと届くということが大事な点だと思います。この点は衆議院の審議でも述べられたことでありますけれども、再度、提案者に確認をしたいと思います。

塩川鉄也日本共産党

○衆議院議員(塩川鉄也君) 井上委員にお答えいたします。  井上委員におかれましては、二年前に成年被後見人の選挙権回復を求める裁判が起こされて以来、三回にわたり法務委員会や当委員会で取り上げ、この件について尽力してまいったことはよく承知をしているところであります。  衆議院でも答弁のありましたとおり、選挙権は国民固有の権利として憲法に保障されております。この憲法上の権利行使には投票機会の保障が不可欠であり、これなしに選挙権の保障はありません。  我が党日本共産党は、これまでも障害者の参政権の保障を一貫して主張してきており、障害者の投票機会を現実に保障する制度の拡大等にも取り組んでまいりました。今回、選挙権が回復する成年被後見人に限らず、障害者を含む有権者全体の投票機会を保障されることが必要であります。選挙権を実質的に保障するため、投票所のバリアフリーアクセスの問題を改善していくことは重要であります。また、投票の前提として候補者等の情報を入手することは不可欠であり、障害者にも選挙情報が届くようにすることは大事な点であると考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 この選挙権の保障を実質的に進めていく上でも、これを奪ってきたことへのきちっとした反省が必要だと思うんですね。  先ほど提案者からも、今にして思えばこの成年後見制度ができたときにきちっとやるべきだったという反省を込めた答弁もございました。立法府がこの成年被後見人から選挙を奪ってきたということを反省をして全会一致でこの法改正を今やろうとしているわけですね。これまで総務省は法律でこうなっていますということでこれを合理化をしてきたわけですが、法を作る立法府がそれを変える以上は、法を執行してきた行政府は当然私は控訴を取り下げて当たり前だと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党総務副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(坂本哲志君) 東京地裁判決をきっかけといたしまして立法府におきまして検討が速やかに行われました結果、今回、法案が取りまとめられました。この度の法改正によりまして立法的に問題が解決されることになれば、裁判は間もなく終結することになるというふうに考えておりますので、総務省としては改正法の施行に遺漏なきよう全力で取り組んでまいりたいと思います。  他方、現行法につきましての訴訟におきましては、選挙権の行使に最低限必要な判断能力を有しない方に選挙権を付与しないという立法目的には合理性がある、この措置は立法裁量の範囲内であることから、現行の制度は違憲とは言えないというような主張をしてきたところでありますが、東京地裁におきましてその主張は入れられませんでした。  法改正が実現した後であっても、控訴を取り下げるとなりますと、現行の法律を違憲とした東京地裁の判決を確定させることになります。これは、立法府が制定した法律につきまして違憲との判断が確定し、今後の立法裁量の在り方に少なからぬ影響を与えるおそれがあるというふうに考えております。法律が違憲であるか否かを最終的に判断しますのは最高裁判所であります。下級審におきまして法律の規定が違憲であるとする判決を確定させた例というのはこれまで承知しておりません。そういうことから、控訴の取下げは予定をいたしておりません。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 立法府の立法作業に妨げになるという答弁がありましたが、その立法府が十年前にあの法律ができたときに選挙権を取り上げたのはやっぱり問題だったという判断をして全会一致でやっているわけでありますから、この法律を執行する立場である行政としてこれを取り下げるのは当然でありますし、それが原告への真摯な態度だと思います。到底認められないし、これは考え直していただきたいということを強く求めておきます。  法案は、改正案の代理投票の補助者要件を適正化をいたしました。一方、この知的障害者の中には常時身近に家族がいないとパニックになるという方もいらっしゃいます。その場合、この本人の意思確認に関与する代理投票の補助者ではないけれども横に付き添って、そういう付き添うだけの人が必要になるということもあると思うんですね。  国民の選挙権行使がきちんと行われるようにするためには、この公選法の五十八条に基づいて、やむを得ない事情があると投票管理者が認めたものについては投票所に入るということは引き続き妨げられないと、こう考えますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

逢沢一郎自由民主党

○衆議院議員(逢沢一郎君) 大変重要な点について井上先生から改めて御指摘をいただいたと存じます。  障害をお持ちの方でも自らの判断を指し示していただける方については一人残らず選挙権を堂々と行使をしていただける、そういったあらゆる条件整備、環境をしっかり整える、これは当然政府の、また大きな意味での政治の責任だというふうに思います。  今回の法律改正によりまして、代理投票の補助者につきましては投票所の事務に従事する者に限られる、限られる、そういうこととなります。選挙の公正、厳正、これをしっかりと確保しなくてはならぬということでありますが、今先生御指摘のように、例えば知的障害者の方々の意思の確認、どの候補者に投票したいか、様々な形でその意思表示を恐らくなさるんだろうというふうに思います。その意思表示が的確にこの代理投票の補助者に伝えられるといいますか、そのことは非常に重要なことでございます。家族や友人やそういう方が直接代理投票の補助者になることはできないわけでございますけれども、投票所まで付き添ってきていただく、また投票所の中に入るというところまでは可能でございます。  具体的には、恐らく投票する前にその補助者の方と十分な打合せといいますか、こういう形でこの投票人は意思表示をするんだということについて十二分に確認をいただいて、しっかりとその意思の反映をされた投票がしていただける、それぞれの投票所における、ある意味で厳格でなくてはならないけれども、そういう意味では柔軟なそういったやり取りが行われることが期待されますし、またそうでなくてはならぬというふうに存じております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 最後に一点、ホームページのバリアフリー化を総務省は勧告してきましたけれども、音声読み上げソフトなど選挙管理委員会のホームページの改善が必要だと思いますが、この点の現状と方向はどのようになっているでしょうか。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) 今回、各選挙管理委員会のホームページを確認をいたしましたところ、既に中央選挙会では対応済みになっております。それから、都道府県のホームページではちょうど半分、二十団体、さらに都道府県の選挙管理委員会のホームページでは十九団体がこの音声読み上げ機能に対応しているというふうに承知をしております。  今後、各都道府県におきましても、この点、非常に重要な課題でございますので、取り組んでいただきますよう、私どもからも要請をしてまいりたいというふうに考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 時間です。終わりますが、みんなの公共サイト運用モデルも改定をされておりますし、選管のホームページには選挙公報も掲載されるようになりましたので、これはしっかり障害者の皆さんがアクセスできるように、一層の改善を求めたいと思います。  以上、終わります。

舟山康江みどりの風

○舟山康江君 みどりの風の舟山康江でございます。  今回の成年被後見人の選挙権回復等のためのこの公選法の見直しに関しましては、各党協議会、各党での打合せ協議会もございました。私もその一員として出席をしておりましたけれども、残念ながら、衆議院の方に我が党、我が会派がないということで今回共同提案者にはなれなかったわけですけれども、内容につきましては、会合でもしっかりと同じ思いを共有しているというところをまず冒頭に申し上げたいと思います。  さて、今回ようやく成年被後見人の選挙権回復というところになったわけでありますけれども、これ幾つか、何人かの方からもう既に質問が出ておりましたけれども、改めて平成十一年の民法改正で、本来、今までの禁治産者制度から成年被後見人制度に変わった際に基本的な大きな考え方が変わったんだと思います。やはり、能力の欠如によってそういった権利を剥奪するという考え方から、ノーマライゼーションの中で残存能力をいかに活用していくのかという、非常にプラスの見方に変わったんだと思います。そういう中で欠格事由の見直しも幾つか行われてまいりましたけれども、改めて、なぜこの選挙権に関してはここまで回復ができなかったのか、これにつきまして、過去の経緯も含めて政府の方にお聞きしたいと思います。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  現行の公職選挙法の第十一条第一項第一号では、成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないとされているところでございます。平成十一年の民法改正以前につきまして、この条項は、準禁治産者についての選挙権及び被選挙権を有しないということになっていたわけでございますけれども。  この準禁治産者について選挙権、被選挙権を有しないといった理由が、この準禁治産者になる要件といたしまして(発言する者あり)あっ、失礼、禁治産者でございます、申し訳ございません。禁治産者につきまして、心神喪失の常況にある者であるから行政上の行為をほとんど期待できないといった点を理由に挙げられていたところであります。  平成十一年の民法改正では、この禁治産者が成年被後見人と呼称が変わりましたけれども、この定義につきましては「心神喪失ノ常況ニ在ル者」から「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に改められたわけでございますが、その対象者は一致する、要件は一致するものであり、かつその選挙権を行使する能力というのを選挙時に個別に一人一人能力審査をするということもこれは様々な点で困難があるといったことから、従前の禁治産者同様、選挙権及び被選挙権を認めないという結論にされたものというふうに承知しております。

舟山康江みどりの風

○舟山康江君 そもそも成年被後見人制度というのは財産保護を目的とした制度だったわけでありまして、それを国民の参政権、本当に基本的権利であるこの選挙制度に関してこれを欠格事由としていたというのはやはり問題だった。今回、遅きに失した感はありますけれども、改正したというのは大変一歩前進、良かったのではないのかなと思っています。  さて、今回、代理投票の要件に係る条文上の表現が少し変わりました。「身体の故障又は文盲により」というところから「心身の故障その他の事由により」となりました。この表現の変更によって対象範囲に変更が加わるのかどうか、まず一点、法案提出者に確認したいと思います。

泉健太民主党・無所属クラブ

○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。また、みどりの風も思いを一緒でこの法案に取り組んでおられるということもよく認識をさせていただいて、答弁させていただきたいと思います。  今お話のありました表現上の変更ですけれども、これはもう対象範囲が変わるということではやはりありません。文盲という表現が、文字を読めない人ということの意味ではありましたけれども、それに加えて、これは自書能力あるいはこれに代わるべき点字による記載能力のない全ての者を含む広い概念として解釈をされてきているということでありまして、それに沿った運用も行われておりました。すなわち、これまでも知的障害等によって自書能力のない者に対しては代理投票が認められてきたということであります。  そこで、こういう実態を踏まえて用語の明確化を図るということと、文盲という言葉がやはり今は余り使われないとか適切ではないということの指摘もあったので、用語の整理をさせていただいたということであります。

舟山康江みどりの風

○舟山康江君 私も、文盲というのはいかにも差別的な表現ぶりであるということもあって、これを機に表現を変えたというのは大変良かったと思いますけれども、一方で、これ基本は本人投票であるということでありますけれども、そういう中で、やむを得ない、自分で書くことができない、表現することができないという方々に限って代理投票ができるということでありますけれども、私は、ここでいたずらにその代理投票の範囲をもし広げることになるとすれば、これは、残念ながら、今、現に判断能力の欠如に付け込んだ事件、犯罪というんでしょうか、事件も発生をしております。不在者投票所において、特にある施設の方がそういった投票を誘導するような、そういった行為をしているというような事例もありましたけれども、やはりこういったことがないように、基本は本人投票、その代理投票ができるという要件、これが御本人の不便になってはいけませんけれども、やはりある程度厳密にしていかなければいけないという部分もあると思います。  そういう中で、こういった判断能力の欠如に付け込んだ事件に対する今までの対策、そして今後の対策というものを政府はどのようにお考えなのか、お聞かせください。

米田耕一郎総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。  従来から、判断能力の欠如に付け込んだ不正投票の事案ということが報告をされております。特に指定施設等の不在者投票に際しましては、例えば、知的障害者施設の施設長が知的障害者に特定候補者の名前を書くよう指示したといったような点、それから知的障害者の雇用者が従業者である知的障害者に特定候補者と政党名を記載した紙片を持たせて投票させたといった点が報告をされております。  不正投票につきましては、公職選挙法上、他人の投票に干渉した者、詐偽投票をした者あるいは投票を偽造した者について、それぞれ禁錮又は罰金の刑に処する等の罰則が設けられているところでございまして、最終的にはこのような罰則により防止をするという格好になっているわけでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ現場で未然に防げるものは防ぐというような観点から、地方公共団体に対しまして各選挙の前に、第三者の立会いや選挙管理委員会の職員の派遣などを通じて指定施設等で不在者投票が適正に実施されるよう要請をしてきておりますし、選挙後におきまして、その選挙期間中に発生した不正事例を紹介するなど、常に注意喚起を行ってきたところでございます。  なお、参考までに申し上げますと、代理投票をできる者につきましては、やはり厳格にするということと、本人にできるだけの便宜を与えるという両方の要請がございまして、現場で判定が難しいような場合には、これは仮投票をさせるといったような手続も定められているところでございます。  今回の法案によりまして、代理投票制度を見直すとともに、指定施設等の不在者投票におきまして、市町村の選挙管理委員会が選定した外部立会人の設置等の努力義務を不在者投票管理者に課すようにしていただいております。このような点を活用いたしまして、選挙の一層の公正な実施につながっていくものというふうに期待しております。

舟山康江みどりの風

○舟山康江君 ありがとうございます。  そういう中、その厳密な対策を取りながら、私、やはり今、不在者投票が可能である指定施設が二万か所ありますけれども、やはりこういった施設ももう少し、もっと増やしていく方向でしっかりと検討していかなければ、幾ら権利が確保できても実際に行使しにくいという状況であれば、これは絵にかいたもちになってしまうんではないかと思いますけれども、その御決意を簡単に一言だけお答えいただきまして、私の質問を終わります。

北側一雄公明党

○衆議院議員(北側一雄君) 投票機会を保障していくというのは最も大事なことだと思います。一方で、選挙の、先ほどもおっしゃいました、投票の公正、選挙の公正、また投票の秘密を確保するという一方の要請もございます。その調整の問題だと思います。その調整をしながら、おっしゃったとおり、投票機会を事実上確保していく手段を拡大していきたいというふうに考えております。

舟山康江みどりの風

○舟山康江君 ありがとうございました。

山崎力自由民主党

○山崎力君 自民党の山崎でございます。  最後の質問に回らせていただきまして、と申しますのも、時間調整もちょっと考えていたものですから。私の質問する予定のものはこれまででほとんど尽きているんだろうと思っていましたらまだ若干残っているところがありますので、三つくらい質問させていただきます。  最初の足立先生の話にもあったんですけれども、ほとんどの人が、私たちの年代ですと、いわゆる準禁治産、禁治産の差のところで、禁治産者は投票権ないけど準禁治産者はあるよと、大体そういうものじゃないかというふうな形で今回の後見人制度もシフトしてきていて、そして立法府の決めたことを行政府が何年も行使してきて、問題点は指摘されたけれども、裁判で違憲だと言われれば、これは最高裁まで行ってやらなければ、まあ行政府の判断でその裁判をやめるわけにいかないねと。まして、ほかの裁判で国家賠償請求も出ているという形になれば、やっぱり司法の最終決定を見なきゃいかぬだろうと、こういうことで行われてきてやむを得ない点があると思うんですが、やっぱり国民にとって、私にとっても一番違和感なのは、名児耶さんみたいな人が何で投票権ないんだというのが一番の違和感で、それを何とかしたいというのが今回の議員立法の形で出てきたこの法律だと思って理解しております。  そこで、最高裁の方にお伺いしたいんですが、最初は、当初のうちは禁治産者の方と準禁治産者比べると準禁治産者の方が多かった、倍くらい多かったはずなんです。それがどんどんどんどん禁治産者の方が込んできて、そして最後に、後見に替わっても、現状、成人後見の方が約八割、その下の保佐、補助が足して二割、こういう状況なんですよね。そこのところで、正確にこの今の現行の保佐制度のことについて一般の人にしっかり説明して認定していたんだろうかという疑問が生じるんですが、その点、いかにお考えでしょうか。

岡健太郎最高裁判所事務総局家庭局長

○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) お答え申し上げます。  禁治産宣告、成年後見等の件数の推移はただいま委員御指摘いただいたとおりでございまして、昭和三十年、四十年のころは、全体の件数が少ない中ではありますが、準禁治産宣告等の新受件数は禁治産宣告等の新受件数を上回るか同程度の水準にございました。その後、禁治産関係の事件が増え、成年後見制度開始の前年である平成十一年には、禁治産宣告等の認容件数が千八百三十四件、準禁治産宣告等の認容件数が二百四十七件となりました。成年後見制度が始まりました平成十二年以降は全体の件数が大幅に増加し、平成二十四年の認容件数は、後見開始が二万五千九百六十九件、保佐開始が三千八百一件、補助開始が千百二十三件となっており、この間、後見開始は保佐開始のおよそ七倍から十倍程度で推移しております。  保佐等に比して成年後見が多い理由につきましては、御本人の判断能力は医師の診断書や鑑定書等に基づいて判断されますところ、当事者が診断書を参考に申し立てる申立て件数自体が成年後見の方が非常に多く、家庭裁判所における審理の結果としても、判断能力が成年後見相当の程度にある方が多いからということは言うことができるかと思いますけれども、ただ昭和の時期に禁治産と準禁治産の比率がさきに述べたような状況であった理由等については正確に申し上げることは難しいところでございます。  いずれにいたしましても、家庭裁判所としては、今後とも類型ごとの事件数も注視しながら適切に事件を処理してまいりたいと考えております。

山崎力自由民主党

○山崎力君 私に言わせれば、適切に処理しなかったから今回のような裁判結果、違憲のことができたというふうに思っております。ああいう名児耶さんみたいな人を、どういう事情か知りませんけれども、昔でいう禁治産者にしてしまったということがこの裁判の背景にあって、それで考えてみたら、何で違憲を避けて名児耶さんの権利を回復する判決出なかったのかなと。先ほど申し上げたとおり、違憲判決すればこれ影響が最高裁まで行かざるを得ないのは分かっているはずなんですが。それで思い当たるのが、これを、判断が違っていると、だからこれは認めると言えば、家裁の人に一番、判断間違えたということになるから、判事というのはそういうことを考えるのかなと邪推もしたりするわけでございます。  そういったことで、総務省の方で政府として控訴せざるを得ないという実態があるということは理解いたします。これは役所とすれば当然、行政府としてはそういう立場を取らざるを得ない。立法府とすれば、もしやるとしたら、我々のあの法律を議決したことが違憲であったということを認めた上で、まあ反省決議か何かするということもあれば、そうすると遡ってどうなるんだという問題も出てまいります。そういった点からいって、今回のやり方というのはやむを得ないというふうに思っておりますが。  ただ、本当にこういうふうな後見制度というか、制度としていいんだろうかと。八割も全部後見人、そうすると、いわゆる保佐とか補助の制度って何のためにあるんだと、そのことが全然見えてこない。これはもう一回、特に運用においてどうなっているのかということの中身を、我々としてももう一度この制度を考える際、今後の運用を含めて考える際、やらなければいけないことではないのかなというふうに私自身思っている次第でございます。  特に、これは普通はあり得ないと感じるのかもしれませんが、皆さん方検討された中で出ていれば、質問通告していませんけれどもお伺いしたいんですが、選挙権のみならず被選挙権も行使できるということになるわけですね。そうすると、どういうことが起こるかというと、まず最初に、選挙に出たい、それはいいです。立候補するためには供託金が必要です。その供託金、百万単位のものがあります。その経済行為というのは許されるかどうか。本来の形であれば、これはその程度の大きな金額のものは許されないという形に出るでしょうけれども、それは被選挙権に付随したことであると言えば許されると、こういうことにならざるを得ないですね、もしなるとすれば。  それからもう一つ、被選挙権を得たときに、その候補者が違反行為をした、選挙違反行為をした、こういったとき、彼、彼女、その人を、候補者を選挙違反者として取り扱えるか。本来、無責任である、無責任というか責任がないはずです、という問題も出てまいります。  もし、提案者の方でその辺の検討をなされているとしたら、質問通告なくて恐縮なんですが、なされているかなされていないかだけちょっと教えていただけますか。

北側一雄公明党

○衆議院議員(北側一雄君) 今委員のおっしゃったようなことについては議論の対象にはなっておりませんでした。  ただ、先生がおっしゃっているとおり、これまでの成年後見制度の利用の仕方については、おっしゃっているとおり、八五%が成年被後見人になってしまっている、保佐とか補助というのが活用されていない、これはどうなんだろうかと、こういう議論は当然ございました。そういう意味で、成年後見制度の今後の在り方についてはしっかり議論をしていきたいと思います。  もう一点だけ、済みません、お話しさせてもらいたいのは、我々が一番議論したところは、成年後見制度を利用した人だけが選挙権、被選挙権を失われているんです。成年後見制度を利用されていなくて、高齢の理由で、また様々な障害の理由で判断能力を欠けている方々というのは残念ながらたくさんいらっしゃるわけです。そういう方々との関係では極めて不公平なわけで、この点はいかに言おうが説明が付かないわけなんですね。そういう点についても是非御理解をいただきたいと思います。

山崎力自由民主党

○山崎力君 今おっしゃられたとおり、最後のところはそのとおりでございまして、これ何とかしなきゃいかぬことは皆さん、我々全部共通の考えであるし、あの東京地裁の原告の姿見たときに、ほっておいていいのかというのは当然のことであります。  ただ、今回のことで、先ほど極端な例を申し上げましたけれども、これから、いわゆる保護する代わり権利は制限しますよという考え方から、権利をどんどん伸ばしましょう、ただ保護はしますよということになると、先ほどのようなことも起きてくるわけです。世間の一般の人たちから見て、この人たちどう扱うんだろうと。もっと極端に言えば、選挙に出るくらいの人がこのくらいのことは当然でしょうということを一般の方が思わないかどうか。そういった方をどうやって保護し、どうやって権利を広げていくか、これは新たな問題だろうと思っております。  そういった意味において、法務省の方にお伺いしたいんですが、今回のこの公選法改正を受けて、成年被後見人が経済活動以外の社会活動においてどれだけ健常者と同じことができるのかということを、改めて保護の在り方、今後の被後見人の保護の在り方を含めて再検討してみる必要があると思うんですが、その辺、どのようにお考えでしょうか。

萩本修法務大臣官房審議官

○政府参考人(萩本修君) 今回の公職選挙法改正は、成年後見制度を言わば借用して成年被後見人の選挙権を制限していた点を改め、成年被後見人に選挙権を付与するものと理解しております。成年後見制度そのものの見直しを意図したものではなく、その在り方を何ら変更するものではないという認識でおります。  成年後見制度は、繰り返し御指摘いただいていますとおり、成年被後見人の財産等の権利を保護する制度でして、制度を所管する法務省におきましては、その制度を必要としている方々が適切にこれを利用することができるように、これまで制度の趣旨、理念の周知に努めてきたところでございます。  委員御指摘のとおり、今回の公職選挙法改正を契機として、かえって成年被後見人の保護という成年後見制度本来の趣旨を損なうような事態、委員御懸念のような事態が生ずることがないように、今回の公職選挙法改正の趣旨とも併せて、成年後見制度の趣旨や理念の周知に引き続き努めてまいりたいと考えております。

山崎力自由民主党

○山崎力君 最後の質問に、質問というか私の意見で終わらせていただきますが、いわゆる経済活動といいますか、経済行為においてなかなかうまく自分の権利といいますか財産保護の能力に欠けた人たちをいかに保護して、しっかりとした社会生活をできるだけできるような形にしたいというのが本来の禁治産者制度であり今回の成年後見制度である、このゆえんは変わらないと思いますが、今の法務省の言っているとおり、これは公選法の関係だけなんだと、こう言ってしまうと、これはちょっと、だから被選挙権も得るわけですから、選挙に出るくらいの能力を持っている人というふうに普通の人は思われてもしようがない部分があるわけですよ。そこのところを、本来の保護する立場と社会生活をどうする立場かというのは、もう一度、この法律が通った後、法務省がああいう立場ですから、是非議員の方々で御検証いただきたいと私の方から意見を申し上げて、質問を終わらせていただきます。     ─────────────

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。     ─────────────

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案について賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、足立信也君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 私は、ただいま可決されました成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、生活の党、日本共産党及びみどりの風の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、成年被後見人の選挙権等が回復されることについて周知徹底を図るとともに、選挙等の公正な実施を確保するための措置が適切に講ぜられるよう、地方公共団体に対する支援を行うこと。  二、郵便等による不在者投票における対象者の拡大や点字投票の導入等、障がいを有するなどの有権者の政治参加を容易にするための施策について、不正投票の防止策の実効性を検証しつつ検討を行い、必要な措置を講ずること。  三、障がいに関する公職選挙等に係る法令上の用語について、適切に見直しを行い、必要な措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) ただいま足立信也君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 全会一致と認めます。よって、足立信也君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、新藤総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。新藤総務大臣。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(新藤義孝君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

轟木利治民主党・新緑風会

○委員長(轟木利治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時八分散会

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