国土交通委員会 第2号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2013/03/26
会議録
○委員長(石井準一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、中西祐介君、二之湯智君及び羽田雄一郎君が委員を辞任をされ、その補欠として山崎力君、磯崎仁彦君及び白眞勲君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁交通局長倉田潤君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大河原雅子君 おはようございます。民主党の大河原雅子でございます。 新しい政権の下で所信を大臣から伺いまして、今日はそれに沿って質疑をさせていただきたいと思いますが、まず最初の冒頭に、大臣にお礼を申し上げたいということが一つございます。 それは、原子力災害による被災者支援施策パッケージというものが先週発表されたんですが、その中に、原発事故の避難者への高速道路無料化措置というものが同時に発表されました。そのパッケージの一部だと思いますが、パッケージ自身はなかなか納得のいく、十分とは思えませんけれども、この高速道路無償化については、避難をされている方々が、本来ならば一緒に住んでいる方たちがもう不条理にもばらばらに暮らさざるを得なくなっている、その分の経済的な負担も、精神的な負担も物すごい大きなものがあります。それで、ようやく措置が行われることになったのは、もう本当に大臣の御英断だというふうに思っております。 ただ、母子ということで、避難者の対象が母子等となっているんですが、等がどこまでの範囲なのか、そういったことについて非常にまだまだ不安、不確定なことがございますので、そこのところは、等には、例えば妊婦さんが入るか、父子の家庭が入るか、おじいちゃん、おばあちゃんたちも含んだそういったものも入る、当然、経済的に苦しい立場におられる方はまだまだおられますので、そういう意味では余り限定してしまってはいけないというふうに思っております。 今回の対象が限定されていることで避難者の方々にも不安が大きくあるわけなのですが、この対象を余り限定しないこと、今の段階で、そしてまた、今回の対象の限定が前例にならない、そういうことを大臣の口から御答弁をいただいておきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(梶山弘志君) 私の方から経緯も含めて少しお話をさせていただきます。 現在、子ども・被災者支援法、この法律におきまして、子供及び妊婦に対して特別の配慮が必要という趣旨が記されているわけでありますが、この趣旨を踏まえて取りまとめました原子力災害被災者支援施策パッケージの施策の一環として、自主避難者に対する高速道路の無料措置について、実施に向けた今準備、検討を行っているところであります。 本件措置の対象者は、避難により分断された家族の再会を支援をし、未来を担う子供たちの健やかな成長を促進するため、母子避難者等とする予定としております。委員御指摘のとおりであります。妊婦の取扱いを含む対象者の詳細については、自主避難者に対する施策全体のバランス等の観点から、復興庁とも協議をしながら今後決定をしたいと思っております。
○大河原雅子君 私は、大臣の御英断というふうに申し上げましたので、大臣から御答弁がいただきたかったんですけれども。 このパッケージが発表されたときに、根本復興担当大臣の御発言がありまして、「支援法の目的・趣旨をしっかり読み込んで、それに対して具体的な施策を総合的に取りまとめる。取りまとめたものが、今回の政策パッケージです。」と、「子ども被災者支援法による必要な施策については、この対策で盛り込んだと考えております。」と御発言になってしまっているんです。 私たちは議員提案でこの法案を超党派で進めようということでやってきましたが、実際に避難者の方たちの御意見を直接聞いていらっしゃいません。そしてまた、今回の道路のことも、対象はどのぐらいになっているんですか、等の説明をしてくださいとお願いをしましたら、まだ固まっていないと。今の副大臣の御答弁もそうですが。 ですから、その意味でも、非常にまだまだ不確定なことを先週急いで発表されたということについても、やっぱり余り急がないでいただきたいなと。急げという言葉はありますけど、中身が決まっていないのに発表をするということの波及するマイナスの効果というものもお考えをいただきたいと思います。 そして、これ昨日通告をするときになかったんですけど、この高速道路の無料化ということでいえば、地方の足は何といっても車です。今、アベノミクスで円安ということになっていて、燃油がどんどん高騰してきております。この燃油の高騰でガソリン代も既に大分上がっていますが、トリガー条項というので、百六十円以上ガソリンの小売価格が三か月続いたときは課税を中止するというトリガー条項を付けて、これが三・一一以降凍結されているわけです。 私は、これはもうアベノミクスのマイナスの面だと思いますし、国土交通所管のところではこの燃油の高騰の意味は非常に大きなマイナス影響がありますので、大臣に、これちょっと通告しておりませんけれども、是非この凍結を解除する、その方向性をしっかり持っているんだという御発言をいただいて、みんなを安心させていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。これは大臣にお願いします。
○国務大臣(太田昭宏君) 高速のこともそうだというふうに私は思うんですが、現場に行って、本当にどうなることやらということが随分言われて、私、最初、三・一一の後に例えば体育館の避難所に行ったりして、そうすると、まだ仮設住宅もできていないんです、できていないんですけれども二年で出なくちゃいけないんですよねというようなことを御心配なさるというようなことで、心配というのはいっぱい、どうなることだということで広がっていきます。 私は、そういうことで、基本的な方向性はこうですよということを、三月に至って、強制的に避難をしたところというのは三月で高速料金は切れるということになりますから、一年ということで思い切ってこれはやらせていただき、そして子ども・被災者支援法に基づいての、これもなかなか、どの地域というようなことの定め方が復興庁でいろいろ検討していただいているんですが難しかったものですから、ずばっともう、ちょっとやらせていただくということにいたしました。 よくその辺も、被災者の心に寄り添ってということは私本当にしなくちゃいけないと思っておりますので、先生からの御指摘もいただいて、その辺を復興庁とももう一度話し合っていきたいというように思っているところです。 油が高くなっているということは、私、党の代表をやっていたころにも随分ありまして、ここでいろんな措置をとらせていただきました。トリガー条項というのは、これは一旦切れているわけでありますが、トリガー条項ではないんじゃないかと私は思っていますけれども、燃油が高騰したというようなことを含めて、どういうふうにこの人たちが困らないようにしていくかという措置については政府内で常に検討していかなくてはいけない課題だというふうに思っておりますので、様々な意味で検討をさせていただきたいというふうに思っています。
○大河原雅子君 二〇一〇年の税制改正でガソリン価格高騰時についてということでこのトリガー条項が創設されたわけで、それは三・一一ということで凍結をされていますので、子ども・被災者の話から出ましたけれども、この影響は日本全土に及んでおります。そういう意味では、国土交通省は九割ですね、物流もありますから、そういう意味ですごく責任のある省庁でございますので、そこは先頭に立ってこのトリガー条項凍結解除に向けて働きかけをしていただきたいというふうに思います。 これは法律を改正することになるんだとは思いますけれども、元に戻すということについては。その点は是非、事務方で答えられる方っているんですか。政務官かどなたかいらっしゃいますか。でも、大臣が今お答えになったからあれですかね。検討するといっても、そんなにたくさん検討要るものではないですね。いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 気合で答えるという場面もあろうかと思いますが、私はトリガー条項ではないんじゃないかということを申し上げたんですが、いずれにしても、様々な燃油高騰というようなことに対して政府としてしっかり、特に被災地ですから、そうしたことについて配慮をするということを検討させていただきたいというふうに思って先ほどの答弁をしたところでございます。
○大河原雅子君 今日、通告なしにトリガーのことは口に出させていただいたので、これ日本全部のことですので、改めて要請に行かせていただきます、後日。 それでは本題に入りたいと思いますが、公共事業の在り方について、大臣の所信の中からもございましたけれども、改めてその基本姿勢を伺っていきたいと思います。 ただ、やはり私も都議会時代から、例えばダムですとか、本当に長い時間掛けて膨大なお金を使って、その現場の方たちを、人生変わるような御選択をいただいて進める公共事業というものについては、本当に慎重に納得のいくものを造らせなければならないというふうに思ってきました。そういった意味では、小さく産んで大きく育つような非常に不確定なものということで、公共事業についてはマイナスイメージがあると思います。 大臣は、このマイナスイメージは何が原因だと思われますでしょうか。そしてまた、あるべき姿というものを、私も今ちょっと言わせていただきましたけれども、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 政治家になりましてから二十年来、私は、無駄な公共事業は削る、必要な公共事業はやる、やるかやらないか分からないまま時間が経過するというものについては結論を出す。十五年ぐらい前だと思いますが、国会でもそうしたことを述べて、国交省の方では、記憶では二百七十二事業に結論を出していわゆる削るということにして、二兆八千億円節約ができたということの主導的役割を果たしてきたこともございました。 私は、公共事業そのものが悪ということに対しましては、こうしたキャンペーンは余りよろしくないという基本的な考えを持っておりますが、特に最近は、昭和三十年ごろは、日本は産業基盤整備を急がなくてはならないという公共事業を進めたと思います。五十年ごろは、ある意味では生活インフラ整備ということで、住宅や下水道、そうしたことにかなり着目して、大河原先生もお住まいになっていらっしゃると思いますが、私も当時住んでいた高島平団地とかあるいは光が丘とか、そういうところは大体五十年前後ということで整備を相当してきた。 ところが、三・一一以降、日本の一つは大地震がこれから予測される、もう一つは高度成長時代の造った構造物が劣化をし始めてきている。これらを考えると、この防災・減災、メンテナンス、そして老朽化対策、耐震化、こういうものが物すごく必要だという、その備えとそして修理ということが必要なときが来たというふうに思っています。私は、正直言って、大変危機感を持っています。 そうしたことから、三つの大きな流れがあったと思いますが、今は、まさに今年はメンテナンス元年ということで対応をしていかなくてはいけないというふうに私は思っておりまして、公共事業というものに対する考え方、日本は脆弱な国土であるという上にこれだけのものを造ってきた、そして経済が発展した、しかし、今それが劣化をしたり、あるいは世界で最も危険な、ある意味では大地震の上に、トラフの上に日本があるということを相当考えていくという、そこをやっていかなくてはいけないと思っています。 今までの公共事業は無駄という中には、誰が見ても無駄だねというような観点があったというふうに思いますので、私は、命を守る公共事業、そして住民が納得できるという公共事業というものは、基本的にこれからの公共事業を考える上で基軸にしていかなくてはならない考え方であると、こういう観点でこれから進めていきたいというふうに思っているところです。
○大河原雅子君 確かに敗戦後、やはり産業インフラ、生活インフラ、そして今、それらの老朽化ということもあって、非常に公共事業の考え方を変えなきゃならないというところに来ていると、私も大臣と同じ思いでございます。 だからこそ、もう莫大なお金がこれからそのメンテナンスに掛かっていく、あるいは改修、補修に掛かるということでも、やはり昔計画されたものがなかなか止まらないと、それを要するに止める、見直しをするルールがやっぱりはっきりしていないんだと思うんですね。だから、そういったことについてもデータをきちんと出させること、昔のデータだからありませんというようなことで、今現に計画はあるんだけれども、根拠がもう既になくなっているものとかいろいろあります。 ですから、私はやはりその点でも負の遺産はいまだ続いているというふうに思いますので、そういう意味では、会計検査院が報告を出してくれました。参議院からの要求、決算委員会からの要求でこの調査が行われたわけですけれども、それに指摘されている事項については細心の検討をしていただきたいというふうに付け加えさせていただきます。 ですから、新規大型公共事業から防災・減災、老朽化インフラ、こういう公共事業に切り替えざるを得ないということからいえば、大分衆議院でも議論されましたけれども、防災・減災のための古くなったインフラ点検、補強の事業を充実させるというメンテナンス元年のお話ですが、二十四年度の補正も含めて二十五年度予算とで十五か月予算ということでなっておりますが、この公共事業、古いインフラ点検、そしてまた新規のもの、この割合はどうなっているでしょうか。予算の額でお答えいただいて結構です。
○政府参考人(久保成人君) お答えいたします。 まず、平成二十四年度補正予算でございますけれども、国交省の公共事業関係費約一・八兆円でございますけれども、ほとんどが継続の事業ですけれども、このうち既存インフラの点検、補強を始めとした老朽化対策また防災・減災対策等は約一・一兆円であります。それ以外の項目の公共事業関係費は約〇・七兆円となっております。割合ということでありますと、一・八兆円分の一・一兆円でありますので約六三%でございます。 また、平成二十五年度当初予算での国交省の公共事業関係費約四・五兆円のうち、老朽化対策、防災・減災対策等は約二・一兆円であります。それ以外の項目の公共事業関係費は約二・四兆円となっております。割合ということでいけば約四七・一%でございます。 以上でございます。
○大河原雅子君 今お答えいただきまして、割合まで済みませんでした。 新しい事業は極力なくして、必要なものは造ればいいんですけれども、そういった意味では、今あるものを長寿命化するというところで計画もしっかり選択と集中で立てていただきたいというふうに思っています。 もう一つの考え方を申し上げたいと思うんですが、防災・減災のためにも古くなったインフラというものを早く手当てをしなきゃいけないということがありますけれども、補修をするばかりではなくて、もう人口も減少している、あるいはその地域の様相も変わってきているということでいえば、必要のなくなるものも出てくるはずなんですね。ですから、例えばそれはもう使わない、壊すということでいえば、公共事業費で壊すということでしたらば、余りにも大きな施設はあれですけれども、地域の建設業の皆さんにそういったお仕事が回っていく、そういう比率の高いものだというふうに思うんです。 補修ということではなくて壊して自然に戻すとか、そういう発想は国交省にはあるんでしょうか、ないとすれば是非検討していただきたいんですが、いかがでしょう。
○副大臣(鶴保庸介君) 委員御指摘のとおり、老朽化したインフラに対してこれから撤去という判断もあり得るものだというふうに考えております。 ただ、前提として、これらの維持管理の責任者は、例えば道路では九割超が自治体が管理をするなど大部分の施設については地方自治体が維持管理を責めを負っておるものが多いということでございます。また、安全性を確保しながら、これを、施設をより長もちさせるための維持補修が基本と考えてきたこれまでの経緯からしますと、委員の考え方を全く否定するものではございませんが、各々の自治体が地域づくり、まちづくりと一体となって考えていくということがまず前提となろうかというふうに思います。 今後、これらの地方公共団体に対して、より効率的な維持管理の技術開発や提供、マニュアルの提供や研修などを実施をしながら、より一体となって、これからこれら老朽化インフラの補修等々の進め方を考えていきたいというふうに考えております。
○大河原雅子君 管理の主体は自治体の方が負うと、そのとおりだと思うんです。ですから、既にもうこういう施設は要らないということを市民とともに判断をするという自治体が増えてきておりまして、私がなぜこれを御質問したかといいますと、そういう発想を国も持つべきじゃないかという意味でお尋ねさせていただきました。 建設国債は六十年で償還するということになっていまして、大臣も先ほどおっしゃっていた産業インフラ、生活インフラ、いろんなものをある時期、一遍にいろんなものを同時進行で進めてこなければならないときには、その六十年と、長く掛かっていろんなものをスタートさせるということは必要だったと思うんですが、六十年は耐用年数の平均ですから、本当に六十年たったときにそれが次の世代に使ってもらえるようなものとして残っているのかどうか、この点については私は非常に疑問に思っていまして、そうした残っているものでもその間にメンテナンスのことが十分に行われていてお金も使われていただろうというふうに思いますけれども、公共事業は次世代に資産を残すというふうに言われながらも、莫大なメンテナンスの費用、そして、六十年たたないうちにも取り壊さなければならないもの、そういったものが大分あるんじゃないかと思うんです。 ですから、ここは抽象的な議論ではなくて、実際に戦後のインフラがどのくらいにどんな形で残っているのか、こういったこともしっかり調査して、今後の対応に生かすべきだというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(梶山弘志君) 建設後六十年以上たったもの、要するに、昭和二十年代後半に竣工したり完成をしたものということでありますけれども、例えば建設年度を把握しているものでは道路橋では約二万橋、道路トンネルで約千本、河川管理施設で六百施設、下水道管渠約二千六百キロメートル、港湾施設約千二百施設となっております。この中には長崎市にある出島橋や北海道の小樽市にある小樽港の北防波堤など建設後百年経過をしたものもありまして、現在もその機能を果たしているものがありますけれども、委員御指摘のとおり、全体の把握ということで一年を掛けてデータベース化をしていくということの作業を始めるところでもあります。 今、中央自動車道の笹子トンネルの事故を踏まえて施設の安全の総点検、補修など対策に着手をしたところでありまして、施設の状況把握を適切に、データベース化も含めて、進めてまいりたいと思っております。 さらに、メンテナンス費用の将来推計ということでありますが、これ、データベースができて、そして、どういう工法でいつまでにということも含めて検討していかなければならないと思っておりますけれども、現在、社会資本整備審議会において取り組んでいるところでありまして、国民に対してしっかりと説明ができるように検討を進めなければならない。我々の説明責任の重大性というものを感じながら今進めているところであります。
○大河原雅子君 本当に、笹子トンネルの、九名もの方が亡くなるという痛ましいあの事故は、私たちに本当にこの国の社会資本整備、どういうふうにインフラがなっているのかということに大変注目を、関心を高めさせる結果となりましたし、それに対する対応をやはり国が早急に取っていく、データベース化とおっしゃいました、そのことについてやはりしっかりとやっていただきたいと思います。 古いものほど実は文化遺産にもなるほど長もちをする造り方をされているという意味では、戦後、まあ慌ててとは言いませんけれども、すごくいろいろな意味で、何というんでしょうね、十分な強度と、その時点ではそうだったんですけれども、そういったこともなかなか、新しいこの国の地盤のこと、地震のこと、災害のことも含めながらこれから先のことを考えるということなので、非常に難しい問題が起こってくると思います。 国土交通省は、新成長戦略の一環として、道路空間のオープン化ということを方針化されました。道路の高架下の利用についてですけれども。これは、安全性第一、これは当たり前のことなんですが、鉄道の高架下とは違って、高速道路の高架下というのは、昼間でも余り日が当たらず、排気ガス、騒音、こういったために窓も開けられないような状況があると思います。ですから、その下の利用については、例えば人が使う、特に高齢者や子供たちが使うような施設としては余り適切とは私には思えません。 私の地元、東京の練馬区では、関越の高架下に高齢者施設を造る計画が進んでおりまして、私もちょっと、計画はまだ固まっていないそうですが、見せていただくと、非常に、高架下ですから、使うにしてもなかなか施設的にも難しいんだと、変な形になっていたり、なかなか使い勝手が悪そうだなというふうに思います。 安全性が危惧されるという言い方も申し訳ないんですけれども、老朽化した道路の高架下という位置付けで、そこにそんなような人が使う建物を建てていいのかということでは、今回、オープン化に向けて国土交通省は考え方を、少し規制を変えられたということだと思うんですけれど、それに向けてどのようなことがあったんでしょうか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、道路の高架下の利用につきましては、平成十七年までは真にやむを得ないと認められる場合に限定をいたしておりまして、事実上、広場、公園、駐車場等の利用に限られておりました。しかしながら、まちづくりでありますとか、にぎわい創出等の観点から、地域活性化にも資するということで、平成十七年の九月に高架道路の路面下の占用許可についての局長通達を改正をし、あくまでも地元のニーズがあることを前提といたしまして道路の高架下の有効活用を図ることとしたところでございます。
○大河原雅子君 平成十七年までは真にやむを得ない場合ということで、これをオープン化ということでも自治体に求められることが前提ということなんですが、私は、これ局長通達でそうなっていますけれど、これ実は今の時点ではすごく大事なことだと思うんですよ。人の命を守ることが大前提にならなければならないという意味では、あらゆるリスクを縮小するという意味で、例えば老朽化した道路の高架下の利用は基準をやっぱりきちんと持った方がいいんじゃないか、築後四十年経過した高架下の利用については私は制限が必要だというふうに思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 高速道路の高架橋につきましては、第三者の被害を防止する観点も大変重要だと思っております。委員御指摘のとおり、予防保全の観点から長寿命化を図ることが大変重要だと思っておりまして、そのために適切に調査、点検を行い、その結果に基づき計画的に修繕を実施をしていくことにより、安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○大河原雅子君 今、基準を作るっておっしゃっていただいたんですかね、今の御答弁は。安全性を確保するということでしたけど、それはこれから検討して、前向きに検討していただけるんですか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 繰り返しになりますが、予防保全の観点から調査、点検をきちんとやって、その結果に基づいて修繕を行うことにより安全性の確保に努めてまいりたいと考えておりまして、そのための点検等の基準については、今も運用をさせていただいているところでございます。
○大河原雅子君 そうすると、自治体が求めてこられたものについて、国がこの道路橋の下はもう点検をしましたのでどうぞお使いくださいという姿勢になるということですね。何か起こったときは、それは自治体に求められたからそこに施設を造った側の責任になるのか、あるいは、点検をしたけれども、不備かも分からないが、貸し出した国の責任になるのかと。また、私はそういう責任の、何というんですかね、所在が不明確になるようなことではいけないと思うので、私はこれはしっかり、真にやむを得ないというところで進めてこられたものですから、もう築後なるべく議論の差し挟む余地がないような形で基準を作るべきだというふうに改めて申し上げておきます。 それでは、その次に、建設産業の担い手が働きやすい環境をつくるということが、私は、今産業として衰退をしてきている建設業について、これまでの反省が必要だと思うんです。公共事業は莫大にお金が掛けられたけれども、建設業に携わる担い手、ここまでしっかり育てるに足る効果があったのかという点で伺いたいと思います。 公共投資に対して、経済効果というのはどういうふうに見てこられたんでしょうか。例えば、日米構造協議で、九一年から公共投資基本計画が進められました。九五年からは十三年間で六百三十兆ということですが、建設分野で投ぜられた投資額と、それに見合う経済効果というのはどのような結果だったんでしょうか。
○大臣政務官(松下新平君) 御指摘の公共事業による経済効果でございますけれども、国土交通省といたしましては、フローの効果として、支出以上にGDPを押し上げる効果があるとともに他産業への生産や就業を誘発する効果が考えられます。さらに、公共投資には、維持補修や防災対策であれば、国民の生命や財産を守るといった効果がございます。また、数字ではなかなか表しにくいんですけれども、基幹的交通インフラの新規整備であれば、移動時間の短縮による物流の効率化等の効果が生じます。 一点だけ具体的な例を挙げさせていただきますと、平成十二年の東海豪雨では約六千七百億円の被害が生じましたけれども、事前に治水対策を行っていた場合には被害が約五千五百億円軽減できたと。これは、実に八二%の削減でございますが、見込まれております。 このように、公共投資には様々な経済効果が見込まれていると認識をしております。 以上です。
○大河原雅子君 経済効果は、当初そういうふうになるはずという予測はするんですけど、最終的にどうだったかという結果、調査はなかなか行われないものだと思います。GDPなんかにはそういう意味では表れていると言われれば表れている部分もできるかと思いますが、私は、今、政務官がおっしゃった間接的な効果というよりも、やはりこの産業を担っていく方たちの夢が持てる、希望がつなげる、そういう産業として育成するべきというふうに思っていまして、建設事業者の半数以上は五人未満の小さいところでございます。ですから、零細事業者とそこで働く人の新たな支援を早急につくるべきだと思っております。 その点で、今日、厚生労働省からもおいでいただいているので、その辺の検討がどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) お答えをさせていただきます。 公共事業におきまして適正な賃金等を確保することは重要な課題であると考えております。また、委員御指摘のとおり、例えば地方自治体におきましては公契約条例を制定したところもあると承知をしております。他方で、本来、賃金等の労働条件は労使が自主的に決定することが原則でありますし、また公契約における労働条件の在り方は予算の効率的な執行と密接に関係すると考えております。 このため、厚生労働省といたしましては、まずは地方自治体の条例の運用状況等を注視いたしまして情報収集、分析等に努めてまいりたいと考えております。
○大河原雅子君 建設産業で働くという意味では、昔は、ちょっときつい仕事だし、技能も必要なものだけれども、それに見合った報酬が得られるということで若者たちも参入していった、入りやすい仕事でもあって、一緒に働くことでまた技術も教えていただけるということがあると思うんですね。ですから、建設産業が今疲弊している中では、こうした担い手、新しく参入する人を増やしていくために是非、しっかりしたお給料がもらえるよという、そういう職場にしなければいけないと思いますので、その意味でも、今厚生労働省の方で検討を始めていらっしゃることと、それからやはり国土交通大臣には、安倍総理が経営者団体に賃上げを要請されましたけれども、太田大臣には是非、自治体で始められている公契約条例を後押しするような形で公契約法を作ることとか、公共事業、設計労務単価の在り方の見直しとか、とにかく就労の賃金の下限の額の維持というようなことで是非御尽力をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(太田昭宏君) 私もそこの問題はずうっと心配して、こういう立場になる前からずうっと現場の中で聞いてきますと、労務単価がこれだけだと、こういうふうに言われても、現実に現場へ行きますと、そういう人たちがそれだけもらっていないということが、どうしてそういうふうになってしまうんだろうということで、この人たちがしっかりした適正な給与がいただけてということは、労務単価を現状に合うように引き上げていかなくてはならないという積算上の問題もあります。 それから、若い人と技能者がもっと入ってくるようにというふうに思ったんですが、建設産業はどんどんどんどんそれが縮小していきます。何でそうなるかというと、この産業に希望がない、そして公共事業なんかも急に増えたり、またどんと減らしたりということで、これ公共事業悪玉論なんということも影響しているんです。 ずうっとこれは地道に、誇りある大事な仕事なんだよということで、予算なんかもある意味では恒常的にずうっと落ち着いて必要な額があってという、そして企業の側も見通しが利くということが非常に大事で、そういうところにあって初めて若い人が入って技能者が入ってくると。そこに、私はこの働き方ということについても、構造物をメンテナンスをしなくちゃならないが、働く企業においても今メンテナンスが必要な時期に来ているというふうに思っています。 その中で、大河原先生おっしゃるように、本当に現場で一番大変な中で働いている人がちゃんとした給与が得られるように、あるいは保険なんかもちゃんとそこに入っていけるように、アルバイトでぱっと使ってというふうにならないようにというようなことの措置をすごくとるということは大事だというふうに思っています。 公契約法ということの制定あるいは策定ということについて地方自治体が努力をしているという実例ということについても承知をしておりますが、今厚生労働省からもありましたように、賃金等の基本は、これは労使間で決定されるということがあり、様々なこの法制定ということにつきましては、国による賃金規制の是非とか、規制する賃金水準の在り方とか、あるいは賃金の支払状況の監視方法、様々なものを、これは論点がありますので、私が今日申し上げたようなことを総合的に判断して、最終的には何といっても適正な給与が保障されるというふうに持っていきたいと強く思っているところでございます。
○大河原雅子君 メンテナンスをするということでいえばもう持続可能な仕事になるわけですから、やはりそこのところはしっかりとベースを守る、そういう方策を取っていただきたいし、それには公契約条例は私は有効な方法だと思っています。 最後に伺いたいのは、都市農業の振興、羽田前大臣にも伺ったときに、都市農業、都市の農地の位置付け、こういったものを、国の方針になりましたので、国交省そして農水省、財務省合同の検討が必要になると。これをやはりやっていただきたい、東京御出身の大臣ですから、やはりこの都市農業についても造詣が深いと思います。どうぞその点をやって、合同の検討していく旨をお答えいただけますでしょうか。引継ぎ事項でもあるかと思います。
○委員長(石井準一君) 申合せの時間が過ぎておりますので、答弁は的確、簡潔にお願いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 引継ぎという点は別にして、短時間でありましたから、そういうことではないんですが、都市農業が大事であるということで、そこに相続とか固定資産税の問題とかそういうことが発生していることをどうするかということについて、農水省と国交省の間でしっかり更に検討させていただきたいというふうに思っているところです。
○大河原雅子君 ありがとうございました。
○田城郁君 民主党の田城郁です。国土交通委員会では初めての質問となります。どうぞよろしくお願いをいたします。 さて、太田国土交通大臣におかれましては、所信の中で、冒頭、現場に立つことの重要性、これを説いておられます。先日も宮城に入られて、生コンを現地で作る方針を打ち出すなど、まさに現場に立たれたからこそ現場にマッチした、そういう方針を即断できたのであるというふうに思っております。私も現場第一、まずは現場に立つことをモットーに活動しておりますけれども、太田大臣を見習いまして、更にフットワークの良い活動ということを心掛けていきたいと、そのように思っております。 さて、太田大臣には、総合交通政策に対するお考えをまずはお伺いしたいと思います。 民主党政権は、一年半にわたる議論の末、閣法として、交通基本法を東日本大震災の直前の平成二十三年三月八日に提出いたしましたが、その後、東日本大震災の復旧復興対策などの最優先課題への取組や衆議院の解散を含む様々な政局の動きの中で、ついに廃案となってしまいました。現政府の中では、当時提出された法案では東日本大震災を踏まえた大規模災害への対応が書き込まれていないということで、そうした部分を明らかにした上で、交通政策基本法という、名称を変えて、再提出する方向で検討中であると伺っております。 これはあくまでも私の私見でありますけれども、この法案の提出の背景として挙げられる移動権をやはり入れ込むべきであると私は考えております。高齢者や障害をお持ちの方、地方の市民の足、特に東日本大震災で被災した地域の鉄道の復旧の遅れを解消し、促進し、なおかつ今後の災害時のライフラインとしての物流を確保するという観点にも資するというふうに考えているからであります。同基本法を早期に成立させることが重要であると考えます。 いずれにしても、交通基本法であれ、交通政策基本法であれ、法案の核となるのは、我が国の交通に関して総合的かつ長期的な計画である交通基本計画を策定することであり、それを社会資本整備重点計画とともに車の両輪として回していくことであるというふうに考えております。 そこで重要になってくるのが交通基本計画の内容です。私自身は、政治活動で実現すべき政策の第一に、人と地球に優しい総合交通政策の実現ということを掲げております。総合交通政策とは我が国の陸海空の交通を有機的に連携させる政策のことです。具体的には、交通を利用する側も動かす側も誰もが安心して使え、又は運行できる交通、そしてモーダルシフトなど環境に優しい交通、さらには災害時などの異常時にも誰もが頼ることができる交通を実現することだと考えております。 そこで、太田国土交通大臣には、今後どのような交通政策を実現されようとしているのか、具体的にお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) かねてから道路はつながなければ道路ではないというような観点を持っておりましたが、実はそれは決してそういうことを私は言っていたわけではなくて、空港と港湾とそして道路というものでネットワークをしっかり確立する。そして、交通の利便性というものも確保する。そして、災害的なリダンダンシーというよりも、渋滞したといってもこちらの道路というように、日常的にそうした選択肢が多いという、そうした道路網の整備というものが大事だというふうに考えてきました。 国土のグランドデザインというのをしっかりつくれということをずっと私も言ってきましたが、そこも随分時代とともに変遷をしてきたというわけで、私の頭の中も随分変化してきたと思いますけれども、しかし、そうした港湾、空港、道路というものの中でこれをリダンダンシーも含めて考えていかなくちゃいけない。 その上で、私は留意すべき点が幾つかあると思います。一つは、安全ということについてきちっとして対応すること。二番目には環境という、人に優しいと田城先生はおっしゃいましたが、そうした環境というものを含めた観点というものはどうしても必要である。そして三番目に、弱者ということに対しての配慮というものをしなくちゃいけない。都市部だけに人は住むのではない。これから日本全国で、二〇五〇年で何と一平方キロメートルの辺りをメッシュとして切っていくと、六三%の地域で人口が半減する。しかし、過疎といって、それを、そこに愛着を持って住み続けていてという方たちが病気になったりいろんなことになったときに、災害に遭ったときにちゃんとこれは病院に行けるというようなことも含めて、弱者というものの配慮というものを交通網というところでは常に考えなくてはいけない。そして、四番目にはリダンダンシーと。災害とか様々なものの中で選択肢の多い道路というものを、そんなに豪華な道路でなくて結構です、二車線なら二車線で、片道で何も三車線、四車線にするという必要がないものはそれはやめて、ただ、そこでリダンダンシーという観点は常に持っていかなくてはいけない。 私は、このネットワークをしっかりつくっていくと同時に、そうした今申し上げました安全やあるいは弱者、そして環境、そしてまたリダンダンシー、こうしたものを留意して交通体系というものをつくり上げていくことが極めて重要であると、こういう認識をしております。
○田城郁君 大臣のお考えには私も大いに共感するところであります。そのリダンダンシーという観点からしても、道路や港湾などと同時に、鉄道のネットワークということが非常に重要になってくると思います。 私が掲げる人と地球に優しい総合交通政策の実現を目指す上で重要な交通機関だと考えているのが、安全と環境性能に優れている鉄道であります。しかし、鉄道がその役割を十分に果たすためには、あたかも高速道路のように路線が背骨とあばら骨のような形でネットワークを形成していなければなりません。 というのも、例えばあの震災を考えたときに、貨物鉄道が日本海側から青森を回って太平洋側の被災地に、あるいは磐越西線を通って福島へなど、ふだん通らないルートを、あるいはまた第三セクター鉄道などを通って燃料や物資を大量に運んだという実績は、太田大臣も御存じであるかというふうに思いますが、仮に日本海側の路線や磐越西線を不採算路線だとして切り捨ててしまっていては、東北本線だけに頼っていたとしたら、被災地に物資を運ぶことはできませんでした。 また、被災地に足を運んだときに被災者の方から、レールをたどれば東京と一本でつながっているということがすごく安心感につながっていたと、鉄道が壊れたままでは自分たちの地域が見捨てられたも同然、何とか鉄道の復旧をしてほしい、こういう声を多くの被災者の方からお聞きいたしました。 都市部であれ地方であれ、全ての鉄道路線が一本につながって維持されていることが国民にとって物心両面から非常に重要なのであるということですが、この点に関する大臣の御所見をお伺いいたします。 また、現在、一本につながっていない線路のうち、象徴的なものが被災地の鉄道路線でありますし、特に山田線については三陸鉄道の北リアス線と南リアス線をつなぐ路線でありまして、山田線が復旧しなければ三陸鉄道の経営が立ち行かなくなる、そういうおそれもあります。山田線の復旧費用に関しては、一部には国費が投入されるとの報道がありますけれども、JR東日本が復旧費用二百十億円のうち百四十億円を自社の応分負担として、残り七十億について国による支援を求めているという状況などもあります。また、地域住民や地域で働く鉄道マンを始めとして、四十万筆を超える国民の鉄道復旧を求める署名も集められて、国交省にも提出されているというふうにお聞きもしております。 JR東日本がこのような見解を示し、地域住民の強い意思もある以上、太田大臣のリーダーシップにより山田線の復旧に国費を投入する決断を是非していただきたいというふうに思いますが、この点について大臣のお考えをお伺いいたします。
○副大臣(鶴保庸介君) 担務の関係もございますから、私の方から答弁させていただきます。 委員御指摘のとおり、鉄道ネットワークの重要性につきましてはもう論をまたないわけでありまして、先ほど大臣から答弁させていただいたとおり、国民の物心両面からの安心ということを考えるに当たり、これらのネットワークの維持を全力をもって支えていかなければならないと国土交通省も考えておるところでございます。 先ほど例に出されました磐越西線あるいは日本海沿岸路線を通って被災地に向けて様々な物資輸送がなされたことは記憶に新しいところでございますし、私どもといたしましても、その重要性において認識を新たにせねばならないというふうに考えておるところ。後半部分、したがいまして、JR山田線においての先生の御指摘も重要なものと受け止めております。 ただ、これらにつきましては地域住民の方々とのやり取りがまず第一にあろうかというふうに考えておりますから、今月八日にも開催させていただきました第五回の会議においてJR東日本から、原状復旧費用が約百四十億円、まちづくりに伴い必要となるかさ上げ等を考慮した総事業費が約二百十億円との概算額が示されましたので、これらの差額について、まちづくりと一体化する中で生じる部分、かさ上げ等々の部分でありますけれども、本来の復旧とはまた違う新たに生じるかさ上げ部分等々の費用につきましては、国土交通省とも何らかの補助ができないか検討を行う余地があると考えておるところであります。 いずれにいたしましても、関係省庁と連携をさせていただきながら、検討をさせていただきたいというふうに考えています。
○田城郁君 是非、いろいろな知恵を出し合いながら、コンパクトシティーということでマンションと駅舎を同じ棟で造って、そこでまちづくりの中心にしていくなどということの中からいろいろなお金の出し方なども考えられるのではないかというふうにも思いますから、お互い知恵を出しながら復旧復興に臨んでいきたいと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。 次に、山田線に限らず、ローカル線の維持の必要性ということで質問させていただきます。 山田線に関することは今のとおりなんですが、その南側の方、大船渡線あるいは気仙沼線、あるいは福島第一原発で寸断されている常磐線など、仮に、今後これをこのまま放置して廃線などという事態になれば、地域の公共交通の衰退を通して交通弱者に日常的な不便を強いるばかりではなく、一部BRTなどバス路線のままでは東日本大震災で見られたようなネットワーク機能を維持できなくなるため、非常時における鉄道のライフラインとしての機能を果たせないままになってしまうということであります。 先日も、東松島市にある矢本運動公園の仮設住宅を一軒一軒お邪魔いたしましてお話をお聞きしましたが、早く鉄道を走らせてほしいと、仙台の病院に三回も四回も乗り継いで通うのは年寄りの身には非常につらいんだと、もう行かないというようなお話ですとか、孫と頻繁に以前は会っていたんだけれども、鉄道が寸断されたことで、会えなくなって生きがいを失ってしまったなどというお年寄りの方々のお話も大変多くお聞きいたしております。 このように、ローカル線の役割は単なる採算性の問題ではなくて、地域の足を守る、あるいはお年寄りの健康寿命を延ばすといった観点と併せて、災害に強い交通の整備を行う国土設計の上でも重要だと考えております。このような観点から、ローカル線の維持の重要性に対する太田大臣のお考えについてお伺いいたします。よろしくお願いします。
○政府参考人(瀧口敬二君) ただいまローカル線の維持の問題について御質問がございました。 東日本大震災の被災を受けたこういった鉄道路線につきましては、ただいま副大臣の方からお答え申し上げましたように、復興調整会議といったような場を設けまして、まちづくりとの一体性を考えながら復興していくということについて意見調整を進めているところでございます。 一方、私どもの鉄道行政の立場からいたしますと、JRが経営している、あるいは都市鉄道ではない鉄道がございます。いわゆる地域鉄道と言われるものでございますが、この地域鉄道の大半は中小鉄道会社が運営しているものでございます。 この地域鉄道について見てみますと、沿線の人口減少や自家用車利用へのシフトといったような要因がございまして、輸送人員を見てみますと、昭和六十二年から平成二十三年といった二十五年にかけまして輸送人員は一七%減少するというような大変厳しい経営環境に置かれているところでございます。また、二十三年度、この段階で地域鉄道というふうに私どもが把握しておりましたのが、全国に九十二事業者がございましたが、このうち七五%に相当いたします六十九事業者が経常赤字となっているというような状況にございます。 言うまでもなく、地域鉄道というのは通勤、通学の住民の足として沿線地域の人々の暮らしを支えるという機能、そしてまた観光客など地域間の輸送を担う社会インフラとしての重要な役割を果たしておるわけでございます。 国土交通省といたしましては、この地域鉄道に対しては、従来から安全性の向上に必要な施設であるとか、あるいは利便性を向上する施設などに対して様々な支援策を講じているところでございますが、一方で、地域鉄道の持続的な経営を図るためには、沿線地域住民の方々が、自分たちが利用し支えるといういわゆるマイレール意識というものを持っていただきまして主体的な取組を進めていただくというのが必要であろうと考えております。 例えば、このような主体的な取組の事例といたしまして、沿線の市町村といったような公的な主体が鉄道施設を保有し、必要な経費を分担し、鉄道事業者は運行のみを行うという上下分離といったような取組も行われているところでございます。 国交省といたしましては、このような上下分離を行う事業者に対しまして、平成二十五年度の予算案におきまして、自治体の財政力に応じて安全設備の向上に資する施設整備への補助率を三分の一から二分の一に引き上げる、あるいは、総務省と連携いたしまして地域鉄道一般への地方交付税措置を創設するといったような更なる支援措置を拡充しているところでございます。 それぞれの地域の実情に応じ、沿線自治体の取組も踏まえつつ、地域鉄道の安定的な経営を図るために必要な支援を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○田城郁君 地域鉄道に関しては国交省の皆さん非常に頑張っておられて、それはそれとして、厳しい状況も含めて手当てをしている中で運行しているということで理解をしておりますけれども、大臣、ローカル線ということを是非国土の設計上の問題として、一本でどこにでも、もしものことがあったときに物資やガソリンを運べるような、そういう状況を是非つくっていただくということでこれから進めていっていただきたいと思うんですが、一言何かいただけないでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) おっしゃることはよく分かります。具体的にJRの山田線であるとか、そのほか被災地においてその果たす役割というのもあると思いますし、私は全国いろんなところの鉄道事業者の方ともお話をして、いろんな工夫しているんですね、何とか観光ということで大勢の人に乗っていただけないか、あるいは、地域のローカル線というのは通勤、通学というようなところで小まめに行くというようなことに利用されて、昼間は確かになかなか人は乗らないけれどもというようなことで、そこをどういうふうにやっていくかということでいろいろ工夫をされていると。 私は痛いほどその辺がよく分かるものですから、JR山田線を始めとして、また、全国のいわゆる赤字になっているけれども踏ん張っているところに対して何かできないかなということをいつもいつも思っているところで、そうした住んでいる人たちが、光景が浮かぶような気がするんですよ。通勤といったって東京の通勤の人と違って、お母さんが乗ったり、あるいは作った野菜やそういうものを、うちのおふくろなんかもよく担いで電車に乗っていた光景を目に浮かびますけど、そうしたことをよく踏まえて、赤字というけれども何とか踏ん張っているところに応援をしなくちゃいけないと。これは答弁じゃありませんで、私の心情だけ申し上げておきます。
○田城郁君 その心情だけでもお聞きできたこと、大変うれしく思います。ありがとうございます。 その経営の厳しいローカル線なんですけれども、地域のローカル線も含めて、観光資源としてのローカル線という観点から少し質問をさせていただきます。 鉄道のネットワークを維持する上で考えなければならないのが地方のローカル線であり、先ほど厳しい状況だということはお話のとおりでありますが、国土交通省の資料によりますと、八割近くのローカル線、平成二十三年度に経常収支が赤字であるというような状況であります。当然、日常的に不採算であるローカル線を維持していくためには、採算性を引き上げる工夫が必要になってくると。そのために、ローカル線の観光資源化という手段は誰でも考えるとは思うんですけれども、特に私は外国人観光客を念頭に置くことが大切であると考えております。 というのも、現在、日本を訪れている外国人のうち約六五%を占めているのが韓国あるいは中国、台湾、香港という東アジアの国の方々です。これらの国の鉄道は内陸を走るものなどが多くて、日本のように海の近くを海岸の形に沿って走る鉄道、あるいは山間を縫うように走る鉄道は、彼らにとっては非常に珍しいということであります。 ここに私、ビジット・ジャパンのバッジを付けておりますが、ここにはジャパン・エンドレス・ディスカバリーというふうに書いてありまして、まさに日本の良いところを見付け出していただく、そういうことでリピーターになっていただくと、このような観点から大いに観光資源になり得る、それがローカル線ではないかというふうにも考えております。 国土交通省にお伺いいたしますが、地域鉄道を今後どのように活用していくことが重要であるか、取組なども含めてお聞かせいただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(瀧口敬二君) 地域鉄道は地域住民の生活の足を確保することが第一義的な使命でありますが、沿線人口の減少などもありまして、この使命を果たすだけでは持続的な経営が難しい鉄道事業者も多いというのが実情でございます。 実際に、地域鉄道を生活交通にとどまらず観光資源として活用し、町や地域の魅力向上に貢献する先進的な取組というものが各地で見られるところでございます。例えば、外国からのお客様をも念頭に置きながら、観光列車の運行やSLなどの鉄道遺産を活用したイベントといったような開催も行われております。沿線地域以外からの利用客の増加によりまして地域の活性化を図っていくといったような努力が行われているところでございます。 国土交通省といたしましては、このような地域鉄道事業者による観光との連携をより幅広く展開するために、鉄道局と観光庁が連携いたしまして、地域鉄道の再生・活性化等研究会というものを昨年の四月に発足をさせ、地域鉄道自体が観光資源となるそういった場合と、他の沿線の観光資源と組合せで新しい観光資源をつくっていくといったような二つの方法というものを念頭に置きながら、今後それぞれの地域において講ずべき施策などについて検討を行っているところでございます。
○田城郁君 ありがとうございます。 とかく縦割りだと言われる中で今観光庁と鉄道局がしっかりと横に連絡し合って研究を始めたということでありますから、大変すばらしい取組だと思いますし、今の国交省の答弁も含めて、ビジット・ジャパン・キャンペーンということで今年中に一千万人、将来的には三千万人の外国人観光客の方々においでいただくという目標がございますけれども、その目標達成に向けて改めて太田大臣の御決意、お伺いをいたします。
○副大臣(鶴保庸介君) 技術的、細目的なことを私の方から御答弁させていただき、もし補足があればまた大臣の方からも答弁をいただければと思いますが。 一千万人のインバウンド、訪日外国人観光客の目標を打ち立てさせていただきました。御案内のとおり、二〇一二年は八百三十七万人でございましたので、あと一歩というところであります。様々な政策を総動員しながらやらせていただかねばならないと決意を新たにさせていただいておるところでございます。 本日、第一回の会合が開催された観光立国推進閣僚会議等々においても活発な議論があったとたった今大臣から連絡がございましたが、内容についてはまだ私も聞いておらないぐらいでございますので、相当政府としてもこれから気合を入れてやらせていただきたいと思います。 具体的には、先生先ほどから御指摘のとおり、地域鉄道等についての交通機関の多言語における案内表示なども必要ですし、また地域の鉄道やバスを一枚の乗車券で利用できる取組、これら外国のお客様が入ってこられたときに非常に使い勝手が悪いという指摘などもこれまで出ておりますので、こうしたことに対応できるような仕組みをつくりたい。また、この二十三日から交通系ICカードが全国利用の統一化がされました。こうしたことをもっと活用できないか等々、観光庁ともやり取りをしながら考えさせていただいております。 そのほかは、首都圏空港の容量拡大やオープンスカイ、また東南アジアが今元気でございますから、これらの国々からもっと日本に来ていただけないか、具体的にはビザ等々の発行要件の緩和等々を考えさせていただいておるところでございます。 いずれにいたしましても、今後、これは先ほどバッジを付けていただいたということもございますが、与党も野党も関係ありませんので、先生方からも是非様々な御意見やアイデアをいただきたいと思っております。
○田城郁君 日本人の私でも、案内板のとおりに行って途中で分からなくなってしまうというようなことは結構ありますので、外国人の方はなおさらではないかと思います。そういう小さなことから大きなことまでしっかりと整備して、外国人の方がより多くおいでいただければというふうに思います。 時間なくなってきましたのでちょっと早口で質問させていただきますが、TPP参加後の我が国の交通産業への影響について質問させていただきます。 太田大臣は、大臣就任記者会見時に、TPP交渉参加に関して情報開示が重要であるというふうにおっしゃっておりましたが、そのときはまだ交渉参加が正式に決まっていなかったために、今日、国土交通大臣という立場で申し上げられることはありませんというふうにおっしゃっておられました。しかし、安倍総理がTPP交渉への参加を表明したことで、就任時の状況が変わってきていると思われます。そこで、TPP交渉参加に関して大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 また、TPP参加について、国土交通省所管分野に関してどのような影響が出るのかについての調査検討については、二〇一一年の十月に前田大臣が記者会見で、今あらゆる面で調査検討しているところですとおっしゃっておりますが、国土交通省内ではそれから既に一年半以上調査検討されているのではないかと思われます。 そこで、その調査検討はどのくらい進んでおられますのでしょうか。特に、TPP参加後の我が国の交通産業分野における影響など、国民が知りたい情報はたくさんあると思われますが、現段階で開示できる成果はありますでしょうか。今後のTPP参加に関する影響の調査検討の成果に関する情報開示について、具体的なスケジュールなど、大臣に御所見をお伺いをいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) TPPについては様々な御懸念が、各、農業を始めとして、分野であるということで、私は、経済的な問題、そして日本は貿易立国であるということ、同時に、これは突き詰めると、懸念を持っている人に対しては弱い人の気持ちに立つというものがなくてはならないというふうに思っています。 その上で、聖域なき関税撤廃ではないということを、二月二十二日でしたか、日米首脳会談で文書の上で確認をされたということで、私はそこの中で、総理も言っているんですが、この機会を逃すと日本が世界のルールづくりから取り残される、交渉参加は国家百年の計であるという判断をしたということと同じ気持ちです。 同時に、先ほど申し上げました懸念ということを、どこまでも国益にかなう最善の道に努力すると、これ、自公の連立政権合意はTPPについてその一点書いてあるだけです。そうしたことから、交渉力が極めて重要であるというふうに思っています。タフな交渉力を持って、そして弱いという人の気持ちになって交渉をしっかりやるということが一番私は大事なことだというふうに思っておりますので、そうした考え方の下で最善を尽くし、交渉力を駆使して、我が国として守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めていく、国益にかなうということについて、あくまでその一点を追求していくという姿勢で私は臨んでいきたいと思っています。
○副大臣(梶山弘志君) 田城委員の後段の質問にお答えいたします。 TPPへの参加を表明したものの、まだTPP交渉に参加をしていないために、交渉内容は承知しておりません。 我が国国土交通分野に対する影響につきましては、現時点において判断することはできませんが、交渉参加後に正確な情報に基づいて分析をしてまいります。そして、その上で、適切な時期に適切な形で説明をしてまいりたいと思っております。
○田城郁君 引き続きTPPに関してですが、交通分野における行き過ぎた競争環境はこれまでに様々な悲惨な事故をもたらしてまいりました。JR西日本と並行する阪急電鉄とのスピード競争にさらされたJR福知山線脱線事故、あるいは規制緩和による競争激化で安全遵守がなされずに、事故後に違反が多数発覚した関越自動車道の高速ツアーバス事故などが挙げられます。どちらの事故もくしくも四月の下旬に発生をしておりますが、ツアーバス事故は一年、福知山線事故ではもう八年ということであります。 TPP参加によって、外国の交通事業者が例えば我が国の交通事業への参入を果たすために我が国の安全基準の引下げを求める圧力が掛かる、そのような懸念はないのでしょうか。交通分野において再び行き過ぎた競争と安全性の低下がもたらされるのではないかと危惧をされますが、大臣の御所見をお願いいたします。
○副大臣(梶山弘志君) 先ほどの繰り返しになりますが、我が国はまだTPP交渉に参加をしていないために、交渉内容については承知しておりません。 その前提で、仮にTPP交渉において委員御指摘のように国民の安全に係る事柄が取り上げられる場合には、安全を確保するという原則を曲げることなく、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。 最後、交通の安全確保についてですが、交通において最も重要な課題は、冒頭大臣も述べられておりましたが、安全の確保であるというふうに思います。利用者の利便性の確保も、利用しやすい料金の問題も、全て安全の土台の上にのみ成り立つ話であると考えます。 太田大臣は所信の中で陸海空の交通の安全を守ることについて表明をされておりますが、改めて交通の安全確保に対する大臣の御決意をお伺いいたしまして、質問を最後にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 毎日のように私の携帯にメールが入ってきて、今日あそこで何々が天井から落ちましたとか、あるいは尖閣諸島周辺に、今接続水域に中国公船が入りましたとか、様々な状況、また大雪の状況はどうだというふうに入ってきます。一つ一つ対策を打つべきものは違うというふうに思います。 そういう意味では、JR西日本福知山線ということは、これは公共交通事業者が経営トップの主体的な関与の下で安全ということにやらなくちゃいけない。ある意味では、企業の文化そのもの、体質を変える、こうしたことが、交通というものにかかわる人たちにとってもう一度そこは常に意識していかなくてはいけない問題ではないのかということだと思います。 それから、去年の四月二十九日の高速ツアーバス、これは新しい形態というものができた、その中で過労というものが生じる、そうしたことですから、これは、そうした事業形態というものが時代の進展とともに生み出されてきたというそのことについて、新しい観点で体制を整えなくてはいけないという事態ということで、これはこれから発表させていただきたいというふうに思っておりますが、体制の問題だと思います。 あるいは、ボーイング787の問題というのは、非常にこれはデリケートな、高度先進的な技術水準の中で、なおかつその粋を集めた、結集というような極めて優れた航空機なんですけれども、原因ということについて本当に徹底して究明をする。そしてまた、笹子トンネルというのは、工法の問題もありますが、ここは経年劣化というような問題。様々それぞれには起きたということの中で反省をしたり立て直さなくちゃならないという課題があるので、そこを鋭角的に対応していくということが私の任務であるというふうに思っております。
○田城郁君 ありがとうございます。質問を終わります。
○渡辺猛之君 自由民主党の渡辺猛之でございます。 大臣所信の中で、太田大臣、最初に述べられましたことは、東日本大震災からの復興であります。復興の基本は、常に現場の声を聞き、現場の要望に迅速に対応していくこと、この姿勢は恐らく国土交通省全体に浸透し、特に副大臣あるいは政務官の皆様方には徹底されておられることと敬意を申し上げます。 この所信の中で述べられましたけれども、三人の大臣政務官の皆様方、それぞれ被災地の担当県を決めて対応されているとお伺いをいたしましたけれども、恐らくこの現場主義に基づいて何度も現地に足を運ばれて、被災地の現状あるいは様々な要望をお聞きのことと思います。 そこで、今日はお三方の政務官御出席をいただいておりますので、それぞれの政務官の方々から、担当する県の課題についてどうお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○大臣政務官(松下新平君) 順次お答えさせていただきます。 この支援チームといいますのは、大臣所信で申し述べたとおりなんですけれども、大臣就任直後に、一月十日ですけれども、大臣肝煎りで設置いたしました。地域割りをいたしまして、大臣からは、とにかく被災地の要望に謙虚に耳を傾けて、一歩でも半歩でも前に進めるということを指示をいただいております。もちろん、現場にも可能な限り参りまして、いろんな要望、具体的に進めているところでございます。 私の担当は福島県と茨城県なんですけれども、福島の課題につきましては、原発事故による被害が今なお続いております。 国土交通省関係では、早期帰還に向けた取組の推進でありますとか、長期避難者への支援、さらに風評被害の払拭など大きな課題がございます。本日の委員会でもございましたけれども、常磐道、JR常磐線など、広域交通インフラ復旧や復興支援道路の整備推進を進めておるところでございます。また、災害公営住宅の整備などに、この長期被災者の居住の安定の確保、福島の観光振興を通じた風評被害の払拭などに取り組んでまいります。茨城県につきましては、やはり風評被害が深刻でございますけれども、担当の政務官として、また企画官も一名ずつ配置しておりますけれども、地元の要望に真摯に耳を傾けて実践してまいりたいと思います。 以上です。
○大臣政務官(赤澤亮正君) 御質問をありがとうございます。 全ての閣僚が復興担当大臣と心得よという第二次安倍内閣において、太田大臣から、昨年が復興元年という年度であれば、二十五年度はしっかりと復興を実感できる年にせよという御下命をいただいて、三政務官、力を合わせて取り組んでいるところでございます。 私の担当である宮城県は、地形や土地利用が本当に多岐にわたっているという特色ございまして、現地へ足を運んで、被災町村それぞれの被災形態や実情に応じた復興の推進に御相談にも乗り、協力させていただくことが大変大きな課題だなというふうに認識をしております。 具体的に、訪問させていただいた三市町についてちょっと問題などを御紹介しますと、南三陸町、人口一万七千人でございますけれども、被災者、特に死者数が人口の三%を超えるというような非常に大きな被害が出たところで、住民の方たちが高台移転や土地のかさ上げを非常に強く望んでおられる、それが大きな課題となっておりますし、人口が十六万一千人の石巻市においては、水辺と一体となったまちづくりと、これは行政と商工会がもう一緒になって連携して、強い連携の下で、大変精力的に要望を出されております。そういった方向で推進をしようと。さらには、人口七万三千人、気仙沼市では、造船業が大変大きな産業になっております。全国から漁船が集まってそこで船の修理や建造をしていたということで、そこをしっかり立て直すための集約、高度化、それによるなりわいの復活などが求められております。三陸沿岸道路の整備、まちづくりと一体となった鉄道復旧など、広域の交通インフラの復旧整備も大きな課題でございますし、また、よくマスコミなどで報道されております入札の不調の発生率が実は宮城県が一番高いと、仙台市も高いということがございました。実際には、しっかりとその後再入札が行われておって、工事にちょっと遅れが出ても全体として支障がないように全力で取り組んでおりますが、技術者、技能者の不足、生コンの資材の不足などの課題について、それぞれの状況に対応しながら必要な対応を取っております。 今後とも、しっかりと被災市町村それぞれのニーズを把握して、被災者の方々が復興を実感できるように取り組んでまいりたいと思います。
○大臣政務官(坂井学君) 私の担当は青森県、岩手県と、こういうことでございますが、現状の認識といたしまして、現場の皆さんの大変な御努力によって、あそこが着工されたとかここが完成をしたというようなことがこれから少しずつ着実に報告が入ってくる段階に来ているのかなと思っております。 私も参加をさせていただきましたが、八戸南道路、これは復興道路として初めての開通式が先日行われましたし、また大臣も参加をいただきました復興支援道路、簗川道路も先日開通式が行われてまいりました。これは同じように鉄道にも言えまして、来週、三陸鉄道南リアス線吉浜─盛間がまた営業を再開をするということでございまして、道路、鉄道、そしてまた、先ほどからお話にあります住宅の建設に関しましても造成工事などが進んでいるということは実感をいたしております。 しかし、この地域はリアス式海岸などの地形上の課題がございまして、それに類する様々な問題がございまして、いろいろと制約がございます。その一つが住宅再建、まちづくりに活用できる用地に制約がある、また、災害発生時、被災地域が孤立するというようなおそれがあるというような点もございまして、それら特性を踏まえた復興の推進というものを進めていきたいと思っております。 このため、住宅再建・まちづくり工程表等を作ってまいりましたので、それを踏まえて事業のスピードアップを図ってまいりますし、また、三陸沿岸道路、これは復興道路として指定をいたしておりますが、岩手県が最も長い距離を含んでおりますので、これを着実に進めていきたい、また、まちづくりと一体となった鉄道復旧、これも先ほども御指摘がありましたけれども、推進をしてまいりたいと思っております。 岩手県も、また同様に資材、人材の不足という問題がございまして、これらに関しましては、生コンクリートの不足の解消のため、宮古地区、釜石地区に国がプラントを設置をするというような対応等を始め、これら不足の解消に努めてまいりたいと、このように思っております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 私も、一番近々被災地にお邪魔をさせていただきましたのは、二週間前に参議院の共生社会・地域活性化調査会で福島の方にお邪魔をさせていただきました。そのときに、首長さんあるいは仮設住宅の避難者の方の様々な御意見を聞かせていただきまして、震災から二年が過ぎようとしている今、被災地の政務官の皆様方あるいは国土交通省全体に届く要望も非常に多岐にわたっていると思っております。そのような要望を全てかなえるということは不可能かもしれませんけれども、国土交通省が大臣以下被災地の復興に向けて決断をしていただくということは、まさに復興が一歩前に進むということでございますので、今後ともお体御留意いただいて、御活躍を心からお祈りを申し上げたいと思います。 さて、大臣は所信の中で、今年を社会資本メンテナンス元年にするとおっしゃいました。建設後五十年以上経過した社会資本の割合を、平成二十二年度とその二十年後、平成でいうと四十二年度という計算になりますけれども、二十年後と比較をしてみますと、例えば道路や橋梁では、約八%が約五三%に急増をいたします。河川管理施設であります排水機場や水門等については約二三%が約六〇%、下水道管渠に至っては約二%が約一九%、そして、港湾岸壁では約五%が約五三%に急増をするということであります。 メンテナンスが重要なことに異論はありませんけれども、一方で、維持修繕のみでは公共事業の景気刺激効果というのは私は限定的であるというふうに思っております。公共事業が与える経済への効果というのは、もちろん受注をした建設業への直接的な効果というものはあると思いますが、それのみにとどまりません。 例えば、渋滞がひどい道路がある。この渋滞解消のためにバイパスを造る。バイパスができることによって人や車の流れが変わる。旧道で今まで商売をしておられた方が、いやあ、車の流れ変わったな、人の流れ変わったな、うちの息子も修行に出て来年戻ってくるから、ここは何とか新しいバイパスの方で店建てた方がいいかな、こう思ってバイパス沿いに新店舗を計画する。こういう流れができることによって、そこの地域の建築業やあるいは不動産業への仕事も生まれてくる。これが私は公共事業が与える経済への効果、景気対策効果だというふうに考えております。 そういう観点から考えますと、やっぱり維持修繕も大事でありますし、そして、片や維持修繕だけではやっぱりこの地域経済に与える効果というのが出てこない。ということは、やっぱり新規事業もやっていかなければいけないということ。このバランスをどう取っていくか。これ、非常に難しい問題だと思いますけれども、太田大臣の御所見をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 極めて今、重要な問題だと思います。深刻というよりは、明るく未来に向けてというふうに力強いダッシュができるかどうかということだと私は思っています。 今御指摘のありましたように、例えば橋梁を一つ取りましても、一九七〇年代に橋が毎年一万ずつできているというような状況でした。これが今、新しい橋は大体百ぐらいです、大小入れてですね。ということは、グラフで見ますと、急激に、七〇年代から橋梁が造られて、そして下がっていって、今ほとんどゼロに近いと。これが五十年たったりしますと、まさにその割合が、そのまま修繕ということでまた二つの大きな山に差しかかると、ここの修理というものをどうするかということが大きな課題になってきます。 アメリカは、一九二九年の世界恐慌の後のいわゆるルーズベルトのニューディール政策、TVAを始めとするそうしたことをやって、もう一つは、文化ということで、ディズニーあるいはアメリカの映画、こういうことで、両輪で成し遂げたわけですが、五十年たった一九八〇年代、荒廃するアメリカと言われて、橋が落ちたり道路が陥没するというようなことになりました。アメリカはその後にITを始めとする経済が成長しましたから、ここに賄う財源が得られたんですが、日本は財源を得るという成長戦略を取るとともに、それほど莫大なものは取れないという課題になります。 私は、維持修繕、メンテナンスということからいうと、一つはこれを、大きな山を平準化させなくちゃならない。これを長寿命化を図ったりメンテナンスをすることによって山を崩して平準化するということでなくては財源は賄えない。 同時に、メンテナンス技術という、前田先生いらっしゃいますが、私は前田先生の後輩で京大土木工学科なんですよ。そこで、土木工学科はシビルエンジニアリングと、こういいます。私は、日本に新しい、もう一つの学問であるメンテナンスエンジニアリングというのが、学校で勉強するというような一学科になり得るぐらいのメンテナンス技術世界一、この技術水準というものの技術革新というものをやるということが、今後、多くの国々が同じように、一気に造って、そしてメンテナンスが必要になるということからいきますと、日本が今こそそうしたメンテナンスエンジニアリングというのを、メンテナンス元年というスタートを切ると同時に、そうした技術水準を持って輸出ができるような、そういう国家にしていかなくてはいけないというふうに思っています。 一方では、そうしたことと同時に、新規事業ということは、私は、あくまで、先ほど大河原先生のお話にもありましたが、新規ということについては地元の納得が得られるということが極めて大事、そして同時に、経済にとってこの構造物がどうなのかという観点を常に持っていくという、そういう意味では事業評価というものが必要だと思います。 そして、同じ道路を見る場合でも、私はかねてから考えておりましたが、大都市周辺の道路というのは経済戦略道路であるという位置付けを明確にしていく、そして、その他のところは生活インフラ道路である、ここは一体どういう色彩を持った道路かという、その道路を見る哲学というものを持って、新規事業というものは、これは地元の理解とそして経済効果ということと、それゆえに事業評価、BバイCを始めとするそうしたものをしっかりやっていくと。 そうした一つ一つ、メンテナンスとともに、いっぱい掛かるというような漠然としたものではなくて、よくそれぞれについて突き詰めた物の考え方とそして指向性の下で、哲学を持ってこれからの日本のインフラ整備というものをするということが大事であると。必ず日本は両方とも私はでき得ると、そのスタートを切っていかなくちゃならぬと、こう思っています。
○渡辺猛之君 大変難しい質問だと思っておりましたけれども、その中でも、私、今の大臣の御答弁を聞かせていただきまして一筋の光明が見えてきたような気がいたしております。 後ほど質問をしようと思っておりましたんですけれども、先般の大臣所信の中で、大臣は東京の御出身でいらっしゃいますので都市圏のことについては触れられておられましたけれども、地方の公共事業あるいは道路整備を始めとした様々なインフラ整備についてお伺いをしようと思っておりました。しかし、今の御答弁の中で、都市圏においては経済道路、そしてまた、地方においては生活インフラ道路をここでしっかりと整備をしていくと力強いお言葉をいただきましたので安心をしたところであります。
○国務大臣(太田昭宏君) せっかくですから、時間使って申し訳ないんですが、道路はそういう哲学を持って迫るが、これから人口が減少していく中で、地方都市というものは寂れていくという方向性だけは食い止めなくちゃいけないと。先ほど御質問がありましたが、赤字路線の鉄道というものもそうです。ここは、地方において、その中でも中核になる都市というものがしっかり立ち上がっていかなくてはならないので、そこは観光という側面や地場産業というものを、これもしっかりつくり直すということが私は極めて大事だというふうに思っています。 コンパクトシティーという考え方、そしてまた大都市においては住宅というものの性能も、太陽光発電が屋上にあり、外断熱というようなものが周辺にあり、そして省エネで、そして発電機能を持つような住宅、スマート住宅というものを造り、それを更に拡大してスマートシティー、そして地方においてはコンパクトシティー、その中でしっかり生きていけるという地元の地場産業や観光ということで、この辺ももう一度先生と議論をしたいと思いますが、これから日本は人口減少社会の中でどういう都市をつくっていくかということについても、相当今までの日本の国会で論じられたことを超えて新しい視点でスタートを切っていかなくちゃいけないんじゃないかと私は思っておりまして、是非ともいろんな御意見をちょうだいしたいというふうに思っています。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 私自身は岐阜県の本当山奥の出身でございまして、過疎地域、限界集落の代表というような地域で生まれ育ちました。そういう意味では、また大臣にいろいろ御指導いただきながら、本当に都市であろうと地方であろうとやっぱり日本の伝統文化がしっかりと守られていく元気な地域をつくっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、先ほど公共事業の景気への刺激というお話を少しさせていただきましたけれども、様々な波及効果というものはありますが、一番最初にやっぱり景気を刺激される公共事業というのは受注をした建設業界、この建設業界がしっかりと適正な利益を確保しなければならないということを思っております。 しかしながら、入札の現場で起きてきたことというのは、工事量の減少によって重機や従業員を遊ばせておくわけにはいかぬということで過剰な価格競争がこれまで展開をされてまいりました。その結果、仕事は取ってみたもののとても利益を出すことはできない、そう考える経営者が削れるところはどこかというと、やっぱり人件費になってくるわけであります。 そこで、今日は資料を一枚配付をさせていただきましたけれども、公共工事の設計労務単価の基準額の推移という資料を配付をさせていただきました。このグラフを眺めていただきますと、まず皆様方簡単に気付かれますのは、平成十一年から平成十二年にかけて労務単価の基準額、がくんと減っているんですね。明らかに急激な減少をしておりますけれども、このグラフの急激な下降についてはどのような理由があるとお考えでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 公共工事設計労務単価につきましては、四十七都道府県ごと、五十一職種ごとに計約二千四百区分で設定しておりますけれども、ただいま御指摘ありましたように、平成十一年度から平成十二年度にかけましては各区分の平均で約一〇%ということで誠に大幅に、特異と言えるくらいの大幅な下落を見たところでございます。 この要因につきましては十分に分析しかねているところでございますけれども、当時より公共投資の減少が始まっておりまして、こうした建設投資に比べて建設労働者数が過剰になっていた、過剰感が大分出てきたということも一因ではないかと考えているところでございます。
○渡辺猛之君 詳細な分析が進んでいないということでございますけれども、ただいま御答弁をいただいたのも一つの理由になっているかなということは思っております。 ただ、私自身、このグラフを眺めさせていただきまして、明らかにこの一年でこれだけ急激な下降をするということ、これはもう私自身の感覚なんですけれども、ちょうどこの平成十一年より少し前ぐらいからいわゆる無駄な公共事業というフレーズが多用されるようになりまして、公共事業は無駄なことが多い、徹底的にやっぱり単価の見直しをしなければいけないというような風潮も出てきたというふうに思います。ただ、これだけ急激な下降を見るというのは、やはり過剰な見直しというか相当厳しい見直しがあって設計労務単価の額が下がってきたんだろうなということを思っております。 一つの事例でありますけれども、例えば一億円の仕事が出たと、一億円の仕事が出て七千万円で落札をされたと。入札調査をしても十分施工担当能力はあるから、この七千万円で落とした業者に仕事を出す。いやいや、結果的に三千万円税金がもうかったな、税金の節約ができたなと。一見するとこういう事例は正しいような気がいたしますけれども、私は、これ実は間違っていたんじゃないかと思うわけであります。 受注した業者は何をしてきたかというと、先ほど申し上げましたように仕事量が非常に少ないので、従業員や重機を遊ばせておくわけにはいけないと思って無理をして受注をするわけですよね。とてもこの額ではやっぱり利益は出ないと。利益を出すどころか、どれだけ赤字幅を少なくしていくことを考えてやっていく。手を付けられるところはどこかというと、やっぱり労務単価なんですよ。従業員の給料に、悪いけれども、申し訳ない、これだけ仕事の少ないときだから、厳しいときだから給料をちょっと下げるけどいいかと。時にはやっぱり首を切らなきゃいけないこともあるでしょう。現場でそういう努力を今建設業界の方はずっと長いことされてこられました。 結果的に税金が安く、税金を節約したと思っていたんですけれども、結果的に地域はどんどん疲弊をしていって、地方に上がってくる税収も減ってしまった。私は、これがここしばらくの地方の現場で起こっていたことだというふうに認識をしております。 もう木を見て森を見ずのような、公共工事というのは安ければ安い方がいいといった私は浅薄な議論からは卒業をすべきだというふうに思っております。特にこのグラフ眺めていただければ分かりますように、まさに公共工事自体がこれデフレだったんじゃないかと言っても過言ではないと思います。私は、特に今、安倍政権が抱えるデフレからの脱却、このデフレからの脱却には物価の上昇と賃金の上昇がセットでなければいけないと、これは多分皆さん異論のないところだというふうに思っております。ということは、このいわゆる賃金、労務単価がこれだけ下がっている中でデフレを脱却していこうと思えば、やっぱりまず隗より始めよで、労務単価の見直し、やるべきじゃないかというふうに思っておりますけれども、これについての御見解をお聞かせください。
○副大臣(鶴保庸介君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、労務単価の見直しについては不断の努力が必要だというふうに考えております。現在、こうしたことから、最新の労務費の動向を的確に反映した平成二十五年度の設計労務単価の設定に向けて、現在、ただいま作業を行っておるところでございまして、今週中にも発表をさせていただきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、過度な労務単価のデフレ政策、御指摘のことをしっかりと踏まえて頑張らせていただきたいというふうに思います。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 是非しっかりと労務単価の見直しをしていただきまして、実働した建設業の皆さん方が、まあ法外な利益はいけませんけれども、やっぱり従業員の方の給与であるとか、あるいは重機を維持、メンテナンスしていくための費用であるとか、そういう必要な経費もしっかりとその利益の中に確保できるように、労務単価の見直し、期待をしておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 労務単価の見直しという点でもう一点だけお尋ねをしたいんですけれども、国土交通省、財務省、総務省の三省で公共工事の入札契約の適正化に向けた方策を探るため、実務者ワーキングチームを立ち上げられるというふうに聞いておりますけれども、この実務者ワーキングチームではどのような内容を話し合われるのか、少し教えてください。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 ただいまお話ありましたように、この二月二十八日に、国と地方それぞれ会計法令を所管いたします財務省と総務省、それから私ども公共事業を所管する国土交通省の三省で実務者レベルのワーキングチームを立ち上げたところでございます。 このワーキングチームで今後、適正な予定価格の在り方でございますとか、あるいは維持更新、時代にふさわしい入札契約方式の在り方、こういったものについて、現場の状況を把握した上で改革案を検討してまいりたいと考えております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 現場の実情をしっかりと把握して御検討をいただきたいとお願いをしておきます。 続きましてお尋ねをさせていただきますけれども、中小企業金融円滑化法がこの年度末にもうすぐ期限切れになるわけであります。法が施行されてからの三年というのは倒産の割合がそれ以前に比べて低く抑えられておりましたけれども、このまま期限切れを迎えると一気に倒産が増えるんじゃないかということが懸念をされているわけであります。 今、政府としては様々な対策を取っていただいているところでありますけれども、民間の調査によりますと、平成二十四年一月から九月、この円滑化法による返済条件変更後の企業倒産件数、百六十二件増加をしていると。その百六十二件のうち、建設業が四十四件と全体の約三割を占めているわけであります。円滑化法に基づく貸付条件の変更を行ったにもかかわらず業績が好転をしていない企業が多いということが分かるわけでありますけれども、この円滑化法期限切れ後の建設産業への対策についてどのように国土交通省ではお考えなのか、お聞かせください。
○副大臣(鶴保庸介君) 御指摘の懸念、ごもっともでございます。このようなことから、国土交通省といたしまして、これまでも、建設産業界に向けた金融円滑化法の期限到来に関するセミナーの開催や経営相談などを実施し、建設業の経営改善の促進に努めてまいりましたところでありますが、この平成二十四年度補正予算において元請企業や下請企業に対する資金繰りを支援するための予算を計上いたしました。また、期限到来後の金融支援を実施していくこととしております。 加えて、金融円滑化法の期限到来に対処するために、四月以降、中小建設企業の資金繰りの状況の把握を、アンケート調査などを実施させていただいて的確に把握をさせていただきたいというふうに考えております。これを受けて、専門家による経営相談等々の支援措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺猛之君 東日本大震災でも、あるいは今年の豪雪災害でも、やっぱり災害が起きたときに現場に一番早く駆け付けていただけるのが地元の消防団とそしてまた建設業の皆さん方であります。ところが、その建設業の皆さん方、本当に今ぎりぎりのところで踏ん張っておられるというのがこれはもう全国どこでも同じことだと思いますけれども、しっかりと地域を守らなきゃいけないという使命感を持ちながらも、本当に苦労をされているということでございますので、経産省の方でも、あるいは中小企業庁の方でも、この円滑化期限切れ後の対応についていろいろ考えていただいておりますけれども、特に建設業界については国土交通省の方でしっかりと注視をしていっていただきたいということをお願いをさせていただきます。 最後の質問になりますけれども、今年度の補正予算で公共事業費が大幅に増加をいたしました。この公共事業費が大幅に増加したことによって、一部からは先祖返りじゃないかというような批判も出ているところであります。しかし、私たちは僅か二年前に東日本大震災のあの惨状を目の当たりにいたしました。テレビで眺めていて、今まで普通に生活をしていた地域にあの黒い津波が襲ってきて、一瞬にして最愛の家族とそしてまた今まで築いてきた財産を失ってしまった。そして、今も被災地では、先ほど冒頭の質問に対して、三人の政務官、お答えをいただきましたけれども、本当にこの厳しい中からも立ち上がろうと必死で努力をされておられる被災地の皆さん方の姿があります。 喉元過ぎれば熱さを忘れるとばかりに、一部報道等では、それこそ先祖返りのような、公共事業イコールばらまき、公共事業イコール悪というような報道が見られるようになってまいりましたけれども、日本という国のことを考えてみますと、避けることのないプレート型の地震あるいは首都直下型地震がこれだけ人と物とあるいは機能が集積をする東京に起こったらどうなるのか。笹子トンネル事故のように、何の罪もない、普通に楽しく旅行に出かけていく、仕事に出かけていった方が老朽化した施設の事故によって尊い命を奪われる、このようなことはやっぱりこの日本という国で起こしてはならないというふうに思っております。 私は、国土交通省の行うコンクリートの事業、これはやっぱり人の命と財産を守るために行われているわけでありまして、どうかその使命をしっかりと認識をされた上で、最後、これは太田大臣にお聞かせをいただきたいと思いますけれども、公共事業イコール悪、こんなイメージを払拭するような力強いお言葉と大臣の今後の御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 先ほども申し上げましたが、まず、三十年代、五十年代という、メンテナンスという、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こういう重要なときに今我々は立っているということを認識していかなくてはいけないというふうに思っています。その中で、国民の皆さんが納得していただけるような、そうした事業というものをどういうふうにやっていくかということが、いろんな意味で目配りをしながらやっていかなくちゃいけないと思います。私は耐震工学を専攻した者ですから、地震についてはずっと危機感を持ちながら、阪神大震災以来、学校の耐震化を始めとして主導的にその役割を担って今日まで来ました。 日本は脆弱国土です。この認識が本当に足りなかった日本が、やっとそういうふうに思い始めてきたというふうに思います。その地震がこれから起きるかもしれないというんですが、三十年間で七割とか八七%というのは、もうイチローの打率よりもはるかに高いわけですね。何とか災害が来ないようにしながら、僕は祈るような気持ちで、メンテナンスという、まず、今は緊急点検ですが、そういうことに掛かっていかなくちゃならない。 橋一つ取りましても、あるいは道路を取りましても、例えば、脆弱国土は地震だけでなくて、日本の道路にはお金が掛かり過ぎると、こういうふうに言うんですが、先ほど橋の話は七〇年代の話をしましたが、高速道路を取りまして、構造部の部分、いわゆる橋とトンネルの部分がどれだけあるかといいますと、日本は何と二四・六%がそういうところです。アメリカは七%です。そして、フランスに至っては二・六%です。ですから、相当しっかりしたものを造っていかなくちゃいけない。お金を掛けないで、しかししぶといそうした構造物をどう造るかという課題になっていると思います。 私は、先祖に返る返らないというような論議自体ではなくて、ここでメンテナンスもしなくてはいけない。そして、日本が都市間競争に耐え得るグローバリゼーションの中で、そういう国をつくらなくてはいけない。オリンピック招致と言うけれども、よくぞこの脆弱な国土の上に日本は、住みやすく、そしてしぶとい都市をつくったものだと、私は未来に向けてそういう都市づくりや、あるいは過疎化が進むという中で中核的な都市と、そして病院やそういうものを配置するという、そうしたこともやらなくてはいけないという、私はもうやらなくてはならないことが今、山ほどあるというふうに思っています。 是非とも御協力をいただいて、この日本の危機的状況というのをよく踏まえた上で、本当にしぶとい、しなやかな、世界の人が、ああ日本はよくぞつくったな、こういう町を、都市をと、そして住んでいる我々が、こんな住みやすい都市は、こういう住みやすいふるさとはないと言われるような、そういうものに向けて、未来に向けて、無駄を排除し、そして絞るものは絞って、そしてやるべきものはシャープに、そこに突っ込んでいくという、そういう新しい公共事業の展開というものに心していかなくてはならないと強く決意をしているところでございます。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 東日本大震災、津波から人の命を守った高速道路があったように、御先祖様のやってこられた仕事にも十分胸を張って後世まで誇れるものがあると思います。どうか、太田大臣の下でこれから様々な事業を行っていただくわけでございますけれども、後世の子供たちから、いや、あのときにこういう仕事をしてもらって本当に今助かっていると、そう言われるような仕事をしていただきますことを心からお祈り申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(石井準一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(石井準一君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に国土交通省住宅局長井上俊之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。久方ぶりに国土交通委員会で質問をさせていただきます。 午前中には、民主党また自民党の先生方から大変有意義な質疑が行われまして、その中で大臣からも、今年はメンテナンス元年であるということで、メンテナンス技術世界一、あるいはメンテナンスエンジニアリングというようなことを、大変意欲的なお話もございました。 まず私がお聞きしたいのは、このメンテナンス元年に求められる予防保全とはいかなるものかということでございます。とりわけ、市町村におきます橋梁の予防保全について御質問をさせていただきたいと思います。 この市町村の管理する橋梁につきましては、当然、国や県に比べますと予算も人手も足りない、しかしながら管理すべき数は膨大に上るという特徴があるわけでありますが、そうした市町村における橋のメンテナンスということについては、やはりできる予防保全を着実に実施していくという、そういう考え方が必要ではないかというふうに思っております。 そこで、日本大学のコンクリート工学研究室の岩城教授が提唱されておられます身の丈に合った維持補修ということについてお聞きをしたいと思います。 市町村においては今申し上げましたように管理すべき橋梁の数が膨大に上るということから、国や県が行っているような例えばひび割れの注入工法あるいは表面保護法といった高度な予防保全、これはなかなか全てに適用できないだろうと思いますし、また、国あるいは県が行っているような予防保全を市町村でも同じようにやったら、その数、どうしても限りが出てしまうというふうに思います。 市町村でもできる予防保全ということからいいますと、橋の多くが劣化する原因の主なものになっております水の作用に着目をして、例えば排水升の清掃あるいは堆積土砂の撤去ということに加えて、排水管の長さや向きの見直しなどを行って、できるだけお金を掛けずに橋に直接水を作用させない工夫を施すことによって自治体が管理する橋梁の多くを長寿命化させるという考え方、これが市町村の身の丈に合った維持補修ということではないかというふうに思うわけであります。 今御紹介申し上げました日大の岩城先生は、市民との協働、協力して働くという協働ですけれども、協働による橋の維持管理として、既に福島県内の複数の市町村におきまして、例えば地域住民による輪番制で排水溝を清掃したり、あるいは堆積土砂を撤去したり、さらには防護柵の塗装、植栽といった美化にも取り組んでおられます。さらに、もっと進みまして、橋の異常を知った際には役場へ通報するシステムとか、あるいは橋というのは、市町村管理している橋はその半分近くは大体名前がない橋が多いわけでありますけれども、名前を付けて愛着心を持ったり、そこで学んでいる学生との協働による道づくり、まあ昔、道普請がありましたけれども、それに倣った橋づくりということも実施をされているわけであります。これらは、地元の建設業、大学あるいは学会、そして自治体、市民という産学官民の連携によるメンテナンスの仕組みをつくり上げているわけであります。 これからメンテナンス元年ということで、国や県はもちろんですけれども、一番管理の数が多い市町村において、橋梁、まあ橋梁だけではもちろんないんですけれども、予防保全をする際に、こうした地域の特性を生かした市町村における橋の維持管理として、行政だけに頼るのではなくて、今申し上げたような橋守モデルともいうべきモデル事業を展開して、そして全国の市町村に普及、啓発を考えていく、そうしたこともやっていくべきではないかというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(前川秀和君) 全国の道路橋、約七十万橋ございますが、市町村が管理するものは四十八万橋と七割を占めております。 市町村における予防保全の取組を支援するため、国土交通省といたしましては、財政的な支援とともに技術的な支援に努めているところでございます。さらに、議員御指摘のとおり、橋梁の予防保全のためには、コンクリートの劣化でありますとか鉄筋の腐食を防ぐため、排水溝の清掃など、適切な水の処理も重要だと考えております。福島県における橋守ボランティア活動など、日ごろの維持管理での対応も大変重要だと考えております。 今後も、引き続きまして、地域住民との協働の観点も踏まえまして、市町村における様々な取組に対して国土交通省といたしましても支援、御協力をしていきたいと考えております。
○西田実仁君 今紹介しました福島の四つの市町村での橋守モデル、福島市と田村市と、さらには南会津町、平田村、それぞれ市町村で行われているわけでありますけれども、それは、その市の人口レベルあるいは技術者の数等によって村民が協調してやるパターンや、あるいはインハウスのエンジニアを養成していくパターン、様々ございますけれども、それぞれの地域の特性を生かした、強みを生かした、行政だけに頼るのではない産学官民の連携によるこうしたメンテナンスの仕組みづくり、これをしていくべきであるという趣旨でお話をさせていただきました。大臣の感想があればお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 修繕や老朽化対策をということを言いましたら、マニュアルがないと。マニュアルを出しますと、今度は、そんな難しいマニュアルを言われたってやる人がいない。今そんな状況が、応答が続いているというふうに思いますが、そのためには人ということと、今お話がありましたが、この維持管理、更新に関する基準等について情報を提供するということをきちっとやろうということで動き始めているところです。 それから、職員がいらっしゃるんですが、研修を行って、一人で孤立して本を読む、マニュアルを読むというのではない、研修をするということで、これもスタートを切っております。 また、施設に重大な損傷があった場合の技術的な支援ということについても、打音とか言うんですけれども、その前に目視ということが非常に大事なので、研修をして目視、どの角度でどういうふうに見ればいいかと。図面があればいいんですが、ない橋等が多いわけですから、目視技術というか、それが非常に大事なことで、これはちゃんとやれば数少ない職員でもできると、そういうことも含めてマニュアルやそういうことをやっています。 私は、ここはそういう意味で、地方整備局等の窓口機能の強化と、相談する部署がある、それで研修が往復作業で行われると、こういうことをしっかりやっていきたいと思いますし、もう一つ、午前中から大河原委員を始めとして何人かの人から御指摘をいただきましたけれども、地元の建設業者、これは、大手ゼネコンというのはある意味では大学病院みたいなもんですが、地元の建設業者が、実はこれが町医者ということで、最前線のところだと思うんです。 その人たちが、メンテナンスか修繕ということでは結構小さい仕事が多いわけですから、そこにやってもらわなくちゃならないと同時に、もう一度、我が町は地元の建設業者も一緒に守り手としてという意識を持っていただいて、地元の建設業者も専門的な技術のアドバイスも技術も含めてやっていくというような町医者機能としての地元の建設業者という位置付けをしてバックアップをしたり、バックアップというのは、経済的なそういうことも含めた地元業者へのバックアップということもやっていくと同時に、しっかりした意識を持っていただくようにというようなことを今考えておりまして、しっかりこの辺をまとめて、随時、私、会った人にはそういう話をして、向こうから、私たちは町医者だ、町医者だと言う。それをもっと膨らませてきちっとした体制をすれば、この点検作業というようなことや修繕ということにつながっていくというふうに私はなっていくと思いますので、ここも仕組みの問題とともに考え方の問題というものをしっかり徹底していきたいと、このように思っております。
○西田実仁君 ありがとうございます。まさに、人、町医者、地元でどうするかということが大事だと思います。 私ども公明党が唱えております防災・減災ニューディールというのは、これまでの日本の法律にはきちんと書き込まれていなかった防災・減災総点検という考え方をきちんと明記するとともに、ハードだけではなくて、防災教育や防災訓練、また、今お話がありましたが、防災に関する専門家の育成と、こういうソフト面での投資も行うべきであるというふうに強調している施策であります。そういう意味では、コンクリートも人もという考え方に立っているわけであります。 そこで、今後の日本のインフラの長寿命化を考えたときに、とりわけ人への投資ということが不可欠であるというふうに考えます。 具体的には、限られた予算で防災・減災投資を行うには、やらなければならないものと、あるいはやらなくてもよいものとの選別を行い、安全性と経済性の最大化を図る最善策を提案する、そういう専門家の育成ということが求められるというふうに思います。 一応仮に申し上げれば、そういう方を私が仮称でインフラドクターというふうに呼んでおりまして、こういうまだ三十代ぐらいのトップエンジニア、この方々を、例えば一年間徹底して更なる教育を施して全国の各地に派遣をして、そして、やるべきものとやらないものというものを選別しながら安全性と経済性を最大化していくという、そういうアドバイザーとしての機能を持っていただくと。 これは、我々のときにも、この防災・減災ニューディールで非常に、十年間でこのぐらいのお金が必要なんじゃないかとか、あるいは自民党さんでもそういうふうにおっしゃっておりまして、ほかの政党の方もおっしゃっていますけれども、人への投資というのは、そういう意味ではそんなに大きくなく、例えば一人一千万ぐらい掛けて十年、百人育てるのでも百億ぐらいですから、まあ百億、もちろん大きいんですけれども、そういう人に対する投資、特にインフラドクターと言われるような、町医者とともに、町医者も大事なんですけれども、トップエンジニア、そしてやるべきこととやらないものを選別をして安全性と経済性を最大化していく。そういうインフラドクターの養成ということに、まさにメンテナンス元年である本年から皮切りにしてそれを育てていくという中長期の計画を持っていくべきではないか、こんなようなことも考えているわけでありますけれども、大臣の御所見を伺えればと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 大変大事な御指摘をいただきました。 産官学が連携して、点検・診断技術者も含めて、維持管理、更新に当たる人材の育成ということに取り組んでいきたいと思います。
○西田実仁君 是非、様々なものをつくっていくということも大事ですけれども、人に、そこに投資をして、その人が実際は点検をするにしても、本当に必要なのか必要じゃないのか、やるべきなのかやるべきじゃないのかというところが一番大事なわけで、これはマニュアルだけではなかなかできるものではないと思いますので、そうした専門家の養成ということに力を注いでいっていただきたいと思います。 次に、全く話は異なりますけれども、車の定期点検整備の確実な実施ということについてお伺いしたいと思います。 さきの衆議院の予算委員会におきまして、太田大臣が示されました点検整備の確実な実施に関する具体的な措置について更にお聞きをしたいと思います。 点検整備を行わないことによる車両の不具合につきましては、国交省の調査によれば、車齢五年で四三%、車齢七年で五三%、車齢九年で六〇%に達しているという調査がございます。さらに、こうした不具合のうち、その半数は最重要保安部位であるブレーキ装置にかかわるものとの調査もございます。 点検整備が行われない車両は不具合を抱えたまま公道を走っているということになるわけでありまして、大臣はさきの衆議院予算委員会の御答弁で、点検整備の実施状況や指導の履歴を車検証に記載するようにしたいというふうに述べられておられました。これは、代行業者によるユーザー車検にありましても、ユーザー自らが車両状況を知り得るように車検証の備考欄に点検整備状況や受検形態を記載するということであろうかと思いまして、これまでの行政に比べれば画期的な見解を示されたというふうに思うわけであります。 ただ、定期点検整備未実施車に対する実施指導をしたにもかかわらず、その次の継続検査においても連続して定期点検整備を行わず受検する車両についてどうしていくのかという問題は依然として残っていると思います。点検整備勧告制度というのはあるわけでありますけれども、お聞きするところによれば年間十件ほどしかないということで、余り機能していないということも言われておるわけであります。 ここで大臣にお聞きしたいんですけれども、こうした指導をされたにもかかわらず、それでもなお点検整備を行わないのはもう明らかに点検整備履行の義務違反であるというふうに思いますし、また本来、この規制緩和とともに法に定められましたユーザー自身の保守管理責任を果たしているとは言えないんではないかというふうに思うわけであります。 そこで、この点検整備勧告制度をもっと発動しやすいように改善をして、確実な点検整備の実施を担保すべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(武藤浩君) ただいま委員の御指摘がございましたように、点検整備実施の勧告の発動件数でございますが、発動要件に該当する車両が少ないということから、昨年度、二十三年度においては六件となっているところでございます。必ずしも効果的な対策になっていないという認識をしております。 そういうことから、先ほどこれまた委員から御指摘のありましたように、車検証を活用した指導、こういったことを実施するとともに、さらに車検代行業者に車検を依頼をしたユーザーに対しまして、点検整備の実施状況を確認をするはがきを送付をして情報収集した上で、未認証行為につながる行為あるいはそういった事業者に対する立入検査、こういうことを行うことにより、点検整備の確実な実施を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(太田昭宏君) 私には、先日の御指摘いただいた予算委員会で、自動車の点検整備の確実な実施のために実施状況や指導の履歴を車検証に記載するということと、今お話をしましたはがきを送ってということの二つをこのいわゆる代行業者、ユーザー車検ということの問題について提起をさせていただいて、これを実施したいと思っていますが、西田先生御指摘の、この措置を実施してもなお点検整備が確実に実施されていないと、聞けば今この制度では六件ということでありますから、ここのところをもう一歩深くやっていかないといけないんじゃないかというふうに思っておりまして、勧告は法律に基づくものであるために、ユーザーに対し、より強力に点検整備の実施を促す効果があると考えているわけですが、現在の運用では、勧告は行いづらいという状況と。一番のポイントは、その発動方法を見直して効果的に勧告が行えるようにすることであろうというふうに思います。 今後、この勧告発動の効果的な方法を検討して、より効果的に勧告が実施できるよう措置してまいりたいと、このように思います。
○西田実仁君 大変前向きな御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。 最後の質問ですけれども、また車ではありますが、ちょっと毛色が違いますが、レッカー事業につきましてお聞きしたいと思います。 東日本の大震災におきましても、いわゆる被災した車両をいかに道路から排除して道を啓開するかということが大きな課題になっておりました。既にこの被災車両の排除にレッカー事業者が各地で活躍をされておられる様子を聞いております。例えば岩手県では、警察からの要請に応じまして、兵庫県の自動車修理、またレッカー事業の方々が被災車両の排除に当たられておられました。 しかし一方で、なかなか事前の災害協定等で、出動要請もあったんですけれども機能しないという場面もございましたようであります。今後、東日本大震災と同規模の大きな災害等があった場合には、被災車両の排除ということは一つの大きなテーマにもなってくるわけでございまして、それにはこのレッカー事業の方々の力をやはり借りなければならないというふうに思います。しかし、現状では、その所管する官庁も定まっておらず、統制が取れない、さらには被災車両の盗難や排除場所の確保等についても十分な措置がとれないという、こういう現状でございます。 こうした問題の背景には、そもそもレッカー事業なるものが日本の産業分類においてどう位置付けられているかというところに遡らなければならないというふうに思います。日本のこの産業分類、日本標準産業分類というのがありますけれども、ここではレッカー業は他に分類されないその他のサービス業というふうに分類されておりまして、その他なものですから、例えば取立て業とかあるいはちんどん屋さんとかそういうのと全部一緒になっているわけであります。しかし、公益上、もちろんそれぞれの仕事には公益がありますけれども、特に災害とかに出動しなければならない、またする必要のあるレッカー事業、これをやはりきちんと位置付けなければいけないんではないかというふうに思うわけでございます。 ちなみに、アメリカにおきましては、州法でありますけれども、モンタナ州の州法にはこういう立法の目的から規定がなされています。事故車の迅速な除去を要求をされる、そのためには作業環境の整備をしなければならないし、それは警察の責務であると。それを担うレッカー業はきちんと基準を定めて、その基準による規制も図ると。レッカー業は業種認定をされて、逆に言えば認定されていないレッカー業の作業は禁止するというような州法をアメリカのモンタナ州では設けておりますし、また、メーン州というところでは、停止して作業しているレッカー車を追い越す車両の運転手は安全と交通条件に関する責任を持つという、そういうことが州法でも定められているぐらい、こうした諸外国での立法措置なども参考にしながら、まずは日本においてはこのレッカー業の公益的な役割を勘案して、出発点としては日本標準産業分類におけるレッカー業としての分類項目を設けると。 これは、是非総務省の方にお聞きしたいと思いますし、時間に限りがありますので、この所管、協同組合を所管をされようとしているのは警察庁、経産省、そして国交省だというふうに聞いておりますので、それぞれから御意見を、残り六分ぐらいしかありませんので、お聞きをまとめてさせていただきたいと思います。 私が申し上げたいのは、繰り返しですけれども、災害時には公共性の高い作業を担うレッカー業について、その位置付けが今のままでよいとは思いません。所管官庁が定まっていないこと自体が問題だと思いますけれども、この際、関係省庁が連携をしてこのレッカー業の位置付けに関して検討をしていくべきではないかということを提案し、それに対する御意見をお聞きしたいと思います。総務省からお願いしたいと思います。
○政府参考人(平山眞君) お答えいたします。 御指摘の事業について、日本標準産業分類におきまして細分類の一つとする考え方があることは認識をしております。産業分類につきましてはおおむね五年ごとに改定を行っておりまして、最近では十九年に改定をしておりまして、今現在、経済社会の環境変化を踏まえまして、各府省の御提案を募り、有識者の意見を聞きながら改定案を作成する作業中でございまして、先生のおっしゃる考え方も当然検討されるべきものと思っております。 今後、改定するに当たりましては、統計法の規定によりまして、あらかじめ統計委員会の意見を聴くということが定められておりまして、今後、統計委員会の意見を聴いた上で、産業分類の目的に照らしまして、統計の連続性、国際比較を含む相互比較性、産業の規模等を踏まえた分類等の有用性等を判断していく必要があると考えております。このため、関係府省から必要なデータや考え方についてお聞きしまして、適切な判断が行われるように検討を進めたいと思っております。
○政府参考人(倉田潤君) レッカー業者の行う業務が交通の安全と円滑の観点から適切に行われますことは重要であるというふうに認識をしておりまして、警察庁といたしましても、レッカー事業の実態や課題などを踏まえつつ、関係省庁と連携をいたしまして、その位置付け等について検討をしてまいりたいと考えます。
○副大臣(鶴保庸介君) 所管であろうと言われる省庁、最後になると思いますが、今までのお話のとおりでございます。関係省庁と連携をさせていただきながらこれまでもやってまいりました。 先生御指摘の災害地域での活躍については、自治体や警察との連携の下、一定の役割を果たさせていただいたことは確かでございます。産業連関、日本標準産業分類のどこに位置付けるかということは、先生御指摘の内容でよく分かりましたので、これから関係省庁と連携をさせていただきながら、前向きに検討させていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(今林顯一君) レッカー車業は、道路上の事故車、故障車などを除去しまして、交通の円滑化を図る上で重要な産業でございますし、先生御指摘のとおり、災害などでは更に重要な役割を果たしております。 このような認識に基づきまして、現在、総務省の方で進められております日本標準産業分類の改定作業の中で、先生御指摘ありました点、ほかに分類されないその他の事業サービス業という一つとして今位置付けられておりますレッカー車業を独立して位置付けられないかということで総務省に意見を提出するなどしてございます。 今後、政府内におきまして改定作業が進む中で、経済産業省といたしましても、関係省庁と十分連携して対応してまいりたいと存じます。
○西田実仁君 大変に前向きな御答弁もいただきましたし、また鶴保副大臣からは、とりわけ前向きに関係省庁とも連携してというお話もいただきました。 先ほど警察庁の局長さんからお話ございましたように、その位置付けをどうしていくかによっても変わってくるのかもしれませんが、レッカーの作業をしている際の二次災害というのもやはり実際には絶えないわけでございます。同時に、牽引しているときのスムーズな移動もなかなか難しいと。 一例だけ挙げて、皆さんにもこんなことがあるのかというふうに知っていただければと思いますけれども、レッカー車が事故車とか故障車を牽引していても、高速道路をそのまま走り続けることはできない仕組みになっております。というのは、レッカー車の最高速度は三十から四十キロ、毎時三十から四十ですけれども、高速の最低速度は毎時五十キロと定められているものですから、牽引していても一番最寄りのインターチェンジですぐ降りなければならないと。もちろん降りてもいいんですけれども、降りてなかなか、地域によっては狭い道であったり、大きな車を引いてなかなか通りにくいというような問題もあって、そういう場合は柔軟に、その次の更にインターチェンジでもいいというふうに警察の方はおっしゃるんですけれども、実際そういう問題も起きてございます。 また、高速道路上で作業しているときにも、高速道路株式会社や警察に連絡をしてもらえれば、現場に行って必要な交通規制や後方警戒を行うと、こういう話も警察からお聞きしておりますけれども、実際に作業をされている方に聞くと、そんな数もないので、連絡してもなかなか来てもらえないという現場のレッカー業者の方もおっしゃって、そういうことが二次災害につながっているのかなというような気もしているわけであります。 今、それぞれの省庁から、また総務省さんからも検討していただけるというお話がございました。公益上の観点から、是非、このレッカー事業を国としても、もう一度見直しし、また位置付けていただいて、いざというときには各県と災害協定も結んでいる事業協同組合も多いようでございますので、更に活躍をいただけるような環境整備に努めていただきたいと思います。 質問を終わります。以上です。
○藤巻幸夫君 みんなの党、藤巻幸夫でございます。よろしくお願いします。 私は、民間に三十年おりまして、毀損した福助の再生であったり、あるいは伊勢丹のブランドアップかつ創造を上げていくような仕事をやっていました観点から、やっぱり我が国のブランド、いわゆる地域ブランド、地域活性、こういったことについて今日は御質問申し上げたいと思います。また、ここ数年、たまたまですが、観光庁から、日本のお土産委員なんかを拝命させていただきましたり、あるいは高知の観光大使、あるいはいばらき大使なんかもやってきた関係上、現場でいろんな経験をさせていただいてきたところから、今日、是非御意見、そして答弁をいただければと思います。 是非、大臣の所信で、ビジット・ジャパン・キャンペーンで、以来、三百万人、日本に外国人観光客が増加したと言われております。平成十五年からの過去十年間を見ても、実は残念ながら最高八百六十一万人止まりであり、特に平成二十二年までには一千万人の目標を掲げた中では、残念ながら二百万人弱、二百万人届いていないということが結果として出ております。 また、観光予算にしましても、平成十五年時点では四十七億円あったものが、平成二十四年では倍以上の百三億円を計上していると。そしてまた、ビジット・ジャパン・キャンペーンそのものにつきましても、観光庁予算の約八割を占め、予算規模はキャンペーン開始時の四倍の八十二億円を計上しているとも言われています。 大量の予算投入、加えて、度重なる目標変更、これについて何が原因だろうかということをまずお話を聞きたいんですが、私としては、まず、ここは、非常に大事なことは、マーケティング不足、そしてブランド戦略不足と私は考えますが、まず大臣の答弁、一度お聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) ビジット・ジャパン・キャンペーンを始めたときから増えているんですが、いつまでもいつまでも一千万を目標、一千万目標と、もうそればっかり言っているということで、今年は何とかしなくちゃいけないと。外交上のいろんな諸問題が起きたりというようなことも現実にはこの二、三年はあるんですが、私は、これだという決め手はないのかということで随分考えましたが、なかなかその決め手というものが浮かばない。それぞれの分野で総合的に、あれもやる、これもやると。野球でいいますと、何とか満塁ホームランで逆転したいなという気持ちはあるんですが、私は今考えを改めて、デッドボールでもフォアボールでもいいから一塁にまず出ることだと。一塁に出て、それで二塁、またランナーためるというような、まず一から始めるということのアイデアを是非とも今日の質疑を通じても参考にさせていただきたいと、こう思っているところです。
○藤巻幸夫君 ありがとうございます。 東アジアの数字も調べて見ましたら、日本は全体、百一億円の中では、ビジット・ジャパンは三十億、韓国は実は国の予算としては七百億も掛けていると。特にこれ、いろいろ数字を見ましたところ、シンガポールでは、二〇〇八年は約一千万の観光客が一千四百万人、一・四倍まで増加していると。それから、特に韓国につきましては、二〇〇八年、六百九十万だった観光客が、二〇一二年のデータでは一千百万人ということで、約倍近くになっていると。これは非常にやはりゆゆしき問題でありまして、私は韓国と仕事もしたこともありますが、どう見ても、やはり日本の四季や、あるいは地域のいろいろな価値、食料やあるいはいろんな景観含めて負けるはずがないと。 これは、やっぱり負けているのは何かしら理由があるということで、一つ、ちょっと事例を申し上げますが、まず韓国なんですが、先ほど渡辺委員からもお話がありましたけど、まず観光センターが、非常に看板だとか景観がとてもきれいに整備されていたり、あるいは東大門一体のデザインやファッション複合文化空間がしっかりしているであるとか、あるいは韓流文化の名所としての野外の映画の展示場、あるいは映画テーマパークが非常に整備されている。あるいは、二〇一二年の韓流ブーム以来は、非常に海外観光マーケティングテーマの開発によって非常に中東やインドからもお客さんを呼んでいると。あるいは、決して量の追求ばかりじゃなくて非常に質の高いグッドステイ制度で、とにかく宿泊施設に対しても国が国策としていろんな支援をするというようなことで倍にしているという事例があります。 あるいは、シンガポールなんですが、これは皆さん御存じだと思いますが、特に一九九六年から面白い試みをシンガポールはやっていまして、グレート・シンガポールというのがあります。これは、国際観光計画のイベントの一環として、いわゆるセールをある期間を決めて海外から呼び寄せると。日本の場合は、今年、残念ながら、例えば西武百貨店では一月一日、伊勢丹では一月十八日からというようなセールで、まちまちにやっています。 やっぱり一気に海外からお客さんを呼ぶような仕組みづくり、こういったこともひとつやってはどうだろうかというふうなことも考えていますが、このアジアの政策について、観光庁長官、どのようにお考えか、よろしくお願いします。
○政府参考人(井手憲文君) 委員御指摘のとおりでございまして、アジアの各国、資料でも今お示しいただいておりますが、日本の数字は、二〇一一年は大震災の年でございますので、実力以下の異常な数字でございますので二〇一一年はさておくとして、比較ができる、私どもの数字は二〇一二年まで出ておりますが、UNWTO、国連の観光の専門機関でございますが、このUNWTOの数字で、各国が比較できる、二〇一一年は差しおいて、二〇一〇年で比べましても、御指摘のとおり低うございます。中国を筆頭に、中国、マレーシアそして香港、タイ、マカオ、シンガポールあるいは韓国というところに抜かれて、二〇一〇年、過去日本が最高だった八百六十一万の年においても世界で三十位、アジアの国あるいは地域の中でも八位ということで劣後を残念ながらしております。 現状は以上でございます。
○藤巻幸夫君 今、太田大臣より、もうとにかくデッドボールだろうが何だろうがまず積み上げていくという強い意思と志をお伺いしまして、非常に頼もしく思っておりますが、現実、平成二十四年から二十八年に記載されています訪日外国人プログラムの中では何と三千万人という数字が出ておりまして、一千万人も行かない中で、この三千万人という数字はいかがかなという気もしておりますが、これについて長官はどのようにお考えか、お知らせください。
○政府参考人(井手憲文君) おっしゃるとおりでございます。 静的にというか、スタティックに見ますと、今一千万を、今年も大臣の御指導の下、政府を挙げて今年こそ一千万ということでやっております。その数字に比べて、委員御指摘の三千万というのは、これは長期的にということで何年ということではないんですけれども、三千万という数字を何年か前に示してございます。 実は、スタティックに見ると、静的に見れば、えっ、三倍ということで思われるかもしれないんですが、実はUNWTOの同じく予測がございます。これによりますと、二〇一〇年、日本は八百六十二万人の数字でございますが、先ほどのように、実は、UNWTOの予測、世界全体の観光客の数が今後増えていくというわけでございますが、その中で、とりわけアジア地域の伸びが大きいであろうというふうに予測をしております。 それで、直近の数字では世界全体で約十億人程度が、アライバル数、到着ベースで出ておりますけれども、これがどのように伸びていくかと。UNWTOの二〇三〇年までの予測が出ております。この数字を見ますと、日本は、先ほど、二〇一〇年、八百六十二万人でございますが、これに相応するアジア、北東アジアと南東アジアのアライバル人数が二〇一〇年は一・八億人程度でございます。これが同じくUNWTOの予測によりますと、二〇二〇年で三・一八億人ぐらいまで増えるだろうと。それから、これが二〇三〇年には四・八億人ぐらいまで増えるであろうと、こういう予測をしております。これを単純に割り算いたしますと、二〇一〇年の数字が、東南アジアそれから北東アジアでは約ほぼ二・七倍ぐらいになるという数字でございます。これを八百六十二万人に掛けますと、この数字は二千三百万程度でございます。 したがって、仮に同じ割合で八百六十二万人という数字が東南アジアあるいは北東アジア全体の伸びの予測と比例して伸びたと仮定すれば二千三百万ということでございますので、そういう意味で、ダイナミックに見ていきますと、三千という数字はもちろんかなり野心的な数字と見えるとは思いますけれども、二千三百万という自然に増えるものを、更に東南アジアあるいは北東アジアの中のアライバル数の中で、これは国家間の競争でございます。先ほど委員から御指摘ございました韓国を含めて、とりわけ韓国は隣でございますから一番競争相手としては強豪であり、また一番競争相手でありますけれども、そういったところからも負けないような数字をこれから中期的、長期的にも獲得していくということによって、いろいろなもちろん手段を講じまして、今まで以上に対応をステップアップして、まずは一千万を獲得する。それから、先ほどのアジア、とりわけ東南アジア、北東アジア全体の伸びの中で、その中の伸び率を日本に、今まで劣後していた部分を跳ね返してでも取り返して近隣の諸国に負けないような対応をしていくということが必要なんではないかというふうに思っております。
○藤巻幸夫君 さて、もう少し具体的なところを少し話を進めていきたいと思うんですが、実は、日本ブランドと先ほどちょっと大げさに申しましたが、やはりこのブランド論について少し私の方で議論したいなと思っておりますが、ブランドというと、よくただシールを張ったりマークを付ければブランドというような勘違いをする地域の方やあるいは企業の方もおるんですが、ブランドをつくる上においては必ず四つやらないといけないと私はこの三十年民間の仕事で思っています。 一つ目が、まずコンテンツの作成です、コンテンツ。中身をしっかり、例えば四十七都道府県であればそれぞれの県の持つ資産があります。例えば地域資源の中では、観光資源もありますし食べる資源もある、あるいは泊まる資源もあればということで掘り下げていく。どれだけそのコンテンツを出せるかということです。 例えば、有名な由布院、大分の由布院でありますと、非常に有名な旅館が、玉の湯さんという旅館がもう数十年前から、三十年ほど前からと聞いていますが、ドイツに勉強しに行って、三人の、今は御老人になりましたけれども、いわゆる由布院という町をどうやってプレゼンテーションすればいいだろうかということで、いわゆる別府に勝てるような新しい方策を考えるであるとか、あるいは長野の小布施なんというところは、いわゆるお酒の町、そしてクリの町をしっかり提案していこうということで、今ではもう年間百万人以上の観光客も来ているといいます。そういう、まずブランドのコンテンツづくりが、一番目が大事かと思います。 それから、二番目なんですが、二番目はプレゼンテーションです。いかにそれをどうやって表現するか。 先ほど観光案内所の話がありました。私は日本のいろんなところをこの五年回ってまいりましたけれども、やっぱりそこに行っても分かりづらい。いわゆる、せっかく例えば年齢の上の方が来るのに掲示板が小さくて見づらいとか、せっかく韓国からあるいは中国から来ているのに外国語の表記すらないエリアもあったり、これは非常にまちまち。つまり、地域に任すことはいいと思うんですけれども、中途半端に任しているがゆえにきちっとした国からのディレクションが出ていないということで、ここに対してもメスを入れるべきかなということで、まずプレゼンテーションです。 それから三番目が、私はこれは日本人の大きな特性だと思いますが、やっぱりどちらかというと控えめな性格なのか、PR不足です。やっぱりPRを大きく出していく。これを、何となくただ冊子を作る、あるいは空港に置くだけではなくて、やはりこれは海外をいろいろ巻き込んで、この後、具体的にお話ししますが、巻き込んでやるPR政策。 そして、四番目が人です。例えば京都辺りでは観光タクシーであるとか、あるいは御存じの直島辺りでは、これはベネッセの福武さんという方が島を買って成功した事例ですが、村民一人一人が町をきちっとPRするということで、人間を非常に教育している。先ほど、ある委員からも人間の教育という話がありましたけれども、やはりその地域を愛するような教育をしていく。 やはりコンテンツとプレゼンテーションと、それからPRすることと人間の育成、四本柱で実はブランドというのができるというふうに私は考えております。これについて、長官、ちょっとお考えをお聞かせください。
○政府参考人(井手憲文君) 今委員から御指摘ございました四つの大事な要素、いずれも本当にごもっともだというふうに感じますし、感じながら伺っておりました。我々、まだまだ足らない点ございます。 ただ、今やっていること、ここまではできているということだけ御報告させていただきますと、まずコンテンツの作成、それからあとは、四番目にございました人材の、地元の人材でございますが、これは私どもの方では、今、観光圏整備法という法律がございますが、これに基づきまして、最近では四十九ほどの観光圏が指定されておりますが、ここでいろいろな観光資源をつくっていく、それをまたどうやってプラットホームを通じて売っていくかというようなことについての、国としても地域の支援をしておりますし、その中で人材の育成、こういったことについても取り組んでおるところでございます。 ただ、もちろんまだまだ不十分かなというふうに考えておりますので、ブランドということについて申し上げますと、これについて、従来の観光圏整備法の観光圏だけでは取組の方がちょっと弱いという部分ございますので、それを更に強化をして、それぞれの地域が価値を、ブランドを確立していけるような、そういう取組を更に検討していきたいというふうに考えております。 それから、二番目に御指摘ございましたプレゼンの力でございますが、観光案内所の問題、あるいは外国語表記の問題、これも、外国語表記、一応私どもの方は交通機関については一定のガイドラインがございまして、ある程度達成したかと思っておりますけれども、もう一方で、まだ、おっしゃったように、地域によっては外国人が来られるのに表記がないというふうなところもございます。これについてはずっと今年まで、あるいは今年度まで受入れ環境の整備という形で、それぞれの地域での外国語表記についての支援もしておりましたが、まだもちろん道半ばというところだと思います。 それから、観光案内所につきましては、最近、観光案内所を全国にネットワークするということで、観光案内所は随所にございますが、これを格付的な意味で、どこまでの言葉をできる人がどのぐらい、例えば何時間配置されているかというふうなこと、あるいはその言語の種類、そういったものに応じて三段階ほどの評価をいたしまして、それを全国ネットワーク化するということで、今までばらばらでございましたので、それを評価を通じてネットワーク化する。そしてまたこれを、案外私どもが外国行ったときもそうですけれども、どこに案内所があるかということが分からないことも多うございます。したがって、どこにどういう案内所があるということを対外的に発信すると、これは今までやっておりませんでしたので、これをやって、取り組んでおるところでございます。 それから、PR不足の問題でございますが、これは予算の制約もございまして、例えば、おっしゃるとおり、日本は特にBツーBが中心でございます。旅行会社とかを相手にいろいろとPRを掛けていくということで、例えば、ほかのアジアの多くの国がやっているような、例えばCNNとか、そういうところでインクレディブル・インディアとかアメージング・タイランドとか、そういう形でキャッチフレーズをばっと流して印象付けるというものがまだございません。予算の制約もございますのでなかなかすぐにできないところで、今まで不足しておりましたが、PRについてはこれから更に充実していきたいというふうに考えています。
○藤巻幸夫君 ただいまのすばらしい答弁、ありがとうございます。 今、最後の方申しましたPRのところで一言申し上げさせていただきたいんですけれども、こちらに今日皆様に資料を配らせていただきましたが、この「モノクル」という雑誌があります。これは二〇〇七年、ロンドンで実は創刊された雑誌でありまして、今、全世界で十五万部、世界八十二か国で販売されております。 実は、昨年、この雑誌が鹿児島県のことを八ページで取り上げました。そうしましたところ、今、例えばなんですけど、シンガポールから日本に実際二〇一二年来られた方は、二〇一〇年比較だとマイナス二割、にもかかわらず、シンガポールから鹿児島に来たお客さんは、観光客は一〇%増えている。あるいは香港なんですが、香港は非常に景気もいいところもあると思いますが、全体として香港から日本に来られた観光客の方はマイナス六%に対して、実は香港から鹿児島に来られた方は四千九百人から何と一万人ということで、まさしく倍まで増えております。台湾も同じく、十二万人から十四万人、一五%は全体としては増えていますが、実は台湾から鹿児島に直接行かれた方は四万五千人ということで、二〇〇%ということで、例えばこういう雑誌をもう少し活用してみて、世界のまさにBツーCだと思います。 それともう一つが、これは日本の私企業の一つでありますが、エイ出版社というところがやっている「ディスカバージャパン」という、まさにもう観光庁うってつけのような雑誌ですが、刊行されて六年、民間で頑張られていまして、JRさんや全日空さんやそういうところがスポンサーになっていますが、こういうところもうまく活用してやはり日本のプレゼンテーションを国内それから海外に発信していくという、これも一つのアイデアとして是非、長官そして大臣、この辺についても一度、最後所感をお聞かせいただきまして、私の質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○国務大臣(太田昭宏君) もう時間なんで。 大変貴重なお話を聞かせていただきました。点と線から面と立体というところでの戦略を国が主導しなくちゃいけないので、頑張りたいと思っています。
○藤原良信君 藤原良信でございます。御質問をいたします。 まず、遅ればせながら、太田大臣、大臣御就任おめでとうございます。今後の御活躍と御活動を御祈念申し上げる次第でございます。 大臣の所信の中で、冒頭から、東日本大震災からの復興の加速でございます、今なお三十一万人もの人々が避難生活を続けられておられるという現実、我々が目指すものは、この方々が復興を実感できる取組ですということから始まりました。誠にそのとおりでございまして、全国会議員がこの目的に向かって一丸となって取り組まなきゃならぬと思っている次第でございます。 また、今回の大震災は今後にたくさんのことを明示をしたとも思っております。全国防災の、大臣、教科書にもなろうと思いますので、事実関係を申し上げますので大臣の御見解をお示しをいただきたいと思うんですが、私は今回の大震災は社会資本整備の重要性が改めてクローズアップされたのではないかと思うんです。これは社会資本の整備の状況によって被害の差がくっきりと表れました。 例で申し上げますけれども、何点もあるんですけれども、これは何度もいろんなところで報道等もされておりますからお分かりの点でございますけれども、まず道路関係でいきますと、これは岩手県釜石の鵜住居地域で五百七十名の生徒が全員助かったと。地震が来てから津波が来るまで三十分間の時間がございまして、釜石市が指定をしておりました近くの避難所は老人ホームだったんです。その老人ホームまで子供たちは逃げるんですが、もっと高いところへ行こうということで、六日前に一部完成しておりました三陸自動車道に逃げおおせるんですね。で、全員助かるんです。老人ホームは津波で流されます。 御案内のように、あの地域環境というのは、国道四十五号線一本でございまして、どうなったかといいますと、国道四十五号線は瓦れきで埋まってしまうんですね、この地域は。ですから、もしという言葉は適当でないかもしれませんけれども、三陸自動車道が完成を一部でもしていなかったら、子供たちの生命に影響をしたと思いますね。当日はみぞれの日でございましたから寒かったんです。仮に助かったとしても行き場がなくて、これは一晩中寒いところで過ごさにゃならなかったという事例でございます。 これ、大臣、三陸自動車道、今いい整備をしていただいております。これがあの当時全線開通していたならば、私は数千人の命が助かったんじゃないかと思うんですよ。そう実感いたしますね。先ほど大臣、午前中の質疑の中で命を守る公共事業というお言葉をお使いになられましたが、まさしくこのことだと思うんです。 それから、もう一例の大きなことで申し上げますけれども、これは海でございます、海。 私は岩手県の大船渡市でございまして、すぐ南の市が陸前高田市で、すぐ北が釜石市なんでありますね。釜石市と大船渡市は、その被害は陸前高田から比べれば半分でございます。行って御覧になればお分かりのとおりでございますが、陸前高田市は、町はもう全滅をしたんですね。大船渡と釜石は半分で済んだと。なぜかと。これも社会資本の整備の違いでございますよ。大船渡と釜石にあって陸前高田になかったもの、湾口防波堤なんです。大船渡と釜石には湾口防波堤があって、防潮堤がありました。陸前高田市は湾口防波堤はなかったんです。防潮堤があって、七万本の松があったんです。一本残って有名になりました。 ですから、いかに社会資本の整備ということの観点を私は今回顧みる必要があろうと思うんですね。これは、地震が来たならば、海沿いの方々、イの一番には早く逃げるということが大切であります。そして、夜は高台に住むということも、これも考えていくことが必要であります。しかしながら、日中海辺で仕事をしなきゃならない、日中海に関するそういう生き方をしなきゃならないという方々は、これ今後も宿命的にそういう環境が残っていくのであります。 したがいまして、最低限度のハードの防御だけは、沿岸沿いについては私は国家の責任でやるべきだと思います。そしてまた、港湾が、実は余り気付かないんですけど、私は今回大きく、全国防災で是非これ大臣、御認識を深めていただいて、更にこれ進めていただきたいんですけれども、いろんなことを今回体験いたしました。 世界中に工場の生産をストップさせましたね。東北のあのエリアですら、あのエリアですら、部品とか素材を海外に輸出をしておったんですね。生産、港湾が止まったから、もう行かないわけです。入ってくるものも同時に入ってこなくなりまして、燃油がストップになりました。 先ほど午前中で田城先生から話がありました鉄道で迂回して持ってくるというの、だけど数か月掛かりましたよ。ですから、内陸の本線沿い、内陸の方の奥州市というところでは、寒い地域でございますから、子供さんの、ガソリンを入れにお父さんが並んで待っていて、そうしてこんろを持っていって一酸化中毒で死にましたね。 それから、私は大船渡ですけれども、いつも例に出すんですけど、あそこブロイラー産業がありまして、百万羽、これ全部死にました。なぜかというと、津波で死んだんじゃないんですけど、港湾が機能がなくなりまして、配合飼料が入ってこなくなったから餓死したんです。 ですから、港湾の全国的に、今、東海、東南海、南海のことを言われておりますけど、この比じゃないと思います。こういうことを鑑みたときに、いかに港湾の持つ重要性ということを、これ認識を新たにしていくことが必要だと思うんですよ。 これらを含めて、大臣のお考えを改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 釜石の奇跡ということは、一つは片田教授のそうしたソフト面でのということがありましたが、先般も宮古に入りまして、このお話を生々しく聞かせていただきましたが、道路のところに行って、何とか子供さんたちが助かったという話を聞きました。 また、仙台空港から北の方に、石巻、女川の方に向かいますとくっきり、東の方、海岸の方は全部やられて、道路があってくっきりと、内陸の方は全く安全であったというような状況がありまして、この道路というものの果たす役割というのは極めて重要だという認識をしたところです。 港湾も、今お話のありましたように、あんなギネスに載るようなすごい堤防を造っても意味がないんだみたいな話が時折流れたりしますが、今は先生御指摘のように落ち着いた論議になってきているというふうに思います。防潮堤の造り方、そして防波堤の造り方、一つ一つ、景観というようなことも含め、しっかりしたものを造っていくというのが私は国の役割であるというふうに思っています。 また、港湾ということについては、物の流通のセンターでありますから、そういう点では、日本海側から相当物資が港に揚がって、そして被災地に車が走り、その前段として道の啓開を国土交通省がやったというようなことは極めて重要なことだと思いますから、先生御指摘の、現場から見てこれは必要なものは必要、そしてなくてはならない、堤防ならあるいは防潮堤なら、高さなら高さというものは、これは科学的、技術的に見てここまでは必要、そして構造面や景観という点では、それはまた構造をどうするかという、高さと構造というものをよく見て防波堤等については判断をしなくてはいけないと、こう思っておりまして、先生の御指摘、非常に大事なことを御指摘いただいたと思っております。
○藤原良信君 ありがとうございます。 いずれにしろ、大臣、全国防災、これは今回の東日本大震災の地域だけじゃなくて、この東日本大震災の教訓を是非全国防災に生かしていくことが肝要だと思いますので、今後のお取組を期待しております。 それから、大臣の所信の中で、公共事業の迅速かつ円滑な施工確保というのを、これ八ページにございました。そのことから御質問をいたしますけれども、おかげさまで大規模な予算をこれを取り組んでいただいておりまして、いい執行をしつつございますが、御案内のとおりに工事の不調が続いているんですよ。工事の不調、工事発注の不調でございます。工事を発注しても、受注の不調でございますね、受注の不調。これは原因があるからであろうと思います。 現場を精査してみますと、やっぱり、何点もあるんですけれども、大きく分けて四つございますね。一つは材料不足ですね。もう一つは、これは技能労務者不足なんです。それから、あとは技術的な問題なんですけれども、これ平時のときの出し方なんですよ、県の方は、都道府県というのは。ですから、一気に予算付くものですから、これ現場の工事の関係者は、工期が長ければ受注できるんだけれども、とてもこなせないからこれは受注できないんだと、来られてもできないということなんです。 それからあとは、設計変更という弾力性を持ってほしいということがありますね。これは当然なんですね、資材が高騰するとか様々な要因が出てきますから。そういうことを全体像の中で、大臣言うような、迅速なやっぱり進行させていくと、円滑な施工確保ということを、大臣、そういうようなことと、完結させるためには今のようなことを完備をして私は遂行できるんだと思うんです。 その中で、技能労務者についてなんですが、型枠大工さん足りないと言われている。鉄筋工さん足りない。建物だと内装屋さんなんですね。ずうっと私は三・一一の前から実はこれ取り組んでまいりました。若年層がなかなかこれは望まない業種だったんです。ですから、いざ三・一一のようなことが起きると関東に影響し、今度は全国に影響しますでしょう。 神奈川県の型枠大工さんの協会では、ベトナムに技能者探しに行っていますよ。ベトナム、海外に。こういう実態になってきているんですよ、我が国は。これは、型枠大工さんというのは建物を建てるだけじゃなくて、土木工事でも、御案内のとおり、道路工事は丁張りから始まりますでしょう。型枠さんがいなきゃやれないですよ。型枠大工さんを日本で確保できなくなって、よその国にそれを探しに行くようだと、僕は日本のいわゆる基礎体力が脆弱化につながると思いますね。極めて不安視をしていかなきゃならぬと。今だからこそ、こういう時点だからこそ、なぜそうなっているのかと。 午前中もありました、労務単価のこともありましたが、今、国交省では様々な取組をし始めておりますことは承知をしておりますが、これ国交省挙げて私はそういう対策を打つべきだと思います。 ゼネコンさんの場合は、建物を建てる場合は八割方専門業者に発注になります。そうすると、元請と下請の関係になりますから、型枠大工さん一つ取りましてもやっぱり弱いんですよ。ですから、きちっとした標準見積契約書、これを守らせるとか、いわゆる若者が入ってきたいと思うような、そういうような業種に変えていくという作業を総合的に取り組んでいただければと思うんですが、今の進捗状況についてお示しをいただきたいと思います。
○副大臣(鶴保庸介君) 議運でお世話になりました藤原先生のことですから、私の方からお答えさせていただきたいと思います。 もう先生、今全て御自身でおっしゃっていただきました。恐らくは、国土交通省頑張ってもらっているんだという御発言もありましたので、全てお分かりのことだろうと思いますが、様々、資材の不足あるいは入札不調、また、技能労働者不足、工期の延長、弾力的な設計変更等々、それぞれについて今鋭意努力をさせていただいております。 今、一つ一つを申し上げる、申し上げましょうか。いいですね。申し上げるべきところでありますけれども、総合して申し上げますと、最後、一つ一つ細かなお話をいただきました、型枠のお話とかですね。こうしたことは、まさに現場の話を我々がちゃんと聞いて、それを一つ一つ解決していく、そういう姿勢が大切なんだろうというふうに考えております。 先ほど来、政務官も担当として被災地に足しげく入らせていただいておりますので、先生の方からも具体的な提案を今後ともいただきたい、しっかりそれを私たちは受け止めていきたいというふうに思います。
○藤原良信君 これはシリーズで対応させていただきますのでお含みをいただきたいと思います。 時間が、私が十一分でございますか、十五時までですので、もう一点申し上げますけど、これ東日本大震災において、実は避難所に指定していたところが、公共施設は当然なんですけど、大方なんですが、その中で体育館とかそういうところがございます。ところが、これ御覧になっていただきたいんですけれども、天井が落下をしていますね。まあ落下する程度ならばいいんですけれども、いいんだけどということはないんだけど、落下は危険でございますが、避難所に指定したところが、自治体が避難所に指定しているからそこにみんな避難して、ところが、陸前高田市の市民体育館は、そこへ逃げて安心していたら津波が来て全員死にました。逃げおおせても、こういうふうな、これ御覧になればお分かりのとおり、天井落下して、これ二次被害の危険性高いです。 私がお聞きをしている中で、これを今度は天井落下しないように強化するんだというお話もあるようでございますけれども、今回の津波は千年に一度という単位です。誰も考えられなかったんです。想定外ということが起こり得ます。ですから、どんな地震が来ても、どんなに強化しても、落ちたとしても大丈夫なものをやるべきなんです。軽量なものですよ。だから、幕天井ということを、私はある意味で考えるべきものの題材の一つだと思いますよ。テントの軽いもの、幕天井。 そういうようなことを含めて、これは内閣府が中央防災会議・防災対策推進検討会議最終報告書で、座長が官房長官ですけど、これまとめられました、去年。 この中に、いみじくもこれは記載されておりますけれども、避難所は無論だけれども、災害に強い国土・地域・まちの構築の中で、天井材の建築物の非構造部材の脱落防止対策、これは防止対策ですけど、脱落をしても安全なものをこれは検討すべきだという内容になっていくわけですけれども、こういうことについてのお考えを、学校関係がこれは多いので文科省から来ていらっしゃると思うんですけど、大臣と文科省からお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) 学校の耐震化を中心にして十年間、私、取り組んできました。それで、十年前に四四・五%、数字すらなかったんです。それを、今年、補正予算が終わりまして、夏までにこれが工事が終わりますと九四%来ました。一番、今私がこういう立場になる前までに取り組んできたのは、非構造部材の天井灯あるいは照明灯の落下です。これに対して、去年から一年間ずっとこのことを訴えて、川崎でホールの天井が落ちた、九段会館の天井が落ちてもう使えなくなった、そして仙台等でも、これは四月七日の地震の方が大きかったという点も仙台等ではあるんですが、津波ではなくて震動でやられた。こういうこともありまして、非構造部材の落下というものをどう抑えるかということは、今私は一番大事なことの一つだというふうに思っています。 構造物自体を耐震化すると同時に、いよいよ非構造部材の落下対策、ここに力を注ぐ、そして建築基準法の基準としてこれを明確化していくということが大事でありまして、国交省として、住宅局を中心にしてパブリックコメントを実施中であり、三月二十九日までに御意見を募集して、速やかに基準を策定して公布したいと、このように思います。
○藤原良信君 ありがとうございました。この点については、また意見交換をいたします。ありがとうございました。 時間でございます。やめます。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 大臣始め政務三役の皆さん、就任、誠におめでとうございます。 私が二年八か月前に参議院の議席をいただきまして国土交通委員に就任をして、太田大臣で六人目の大臣でございます。私が言っていいかどうか分かりませんけれども、是非長く太田大臣と議論ができますようにお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 当面、国土交通省が抱えている課題のうち、今日は三点取り上げさせていただきたいと思います。 まず、TPPについてでございます。 午前中、田城委員から交通分野における影響ということで質問がありまして、具体的な答弁はされませんでしたけれども、私は建設産業における影響ということで取り上げさせていただきたいと思います。 安倍総理は、去る十五日にTPP交渉参加を表明をされました。私は、どのように言い繕おうとも、やはり公約違反ではないか、そのように考えています。それからまた、国民生活の各般にわたって様々な影響が出てくるのではないかと大変懸念をしております。 私は、一昨年の十一月にも当委員会で、建設産業における国債入札範囲について、TPPに先行するP4では五百万SDR、約六・五億円まで拡大しているという状況の中で、地方の建設業が国際競争に巻き込まれるのではないかということをお聞きをしましたが、明快な答弁はいただけませんでした。 そこでお尋ねをしますが、建設産業にどのような影響があるとお考えですか。あれからもう一年以上が経過をしておりまして、国土交通省の内部でも様々な検討がなされていると私は思っております。建設産業への経済的な影響、特に地域経済の担い手である地場の中小業者への影響を考慮した試算はされているのではありませんか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 最近のデータによりますと、地方自治体によるWTO調達案件のうち、外国企業による調達というのは、過去五年間、平成十九年から二十三年の間で三件、これは対象工事三百七十件のうちの三件ということでございますが、と承知しているところでございます。 これがTPPの参加により、どのくらい増えるかということでございますけれども、地方自治体の調達件数、あるいはその金額というものは、総務省が把握しているということもございまして、今後、総務省とよく協議しながら検討してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 具体的な試算というのはまだされていないということですか。
○政府参考人(佐々木基君) TPPの加盟について考えられる影響につきましては、どのような交渉が行われるかということにもよりますものですから、そういう意味では、交渉の推移を見守りながら試算の推計も併せて検討していきたいと考えております。
○吉田忠智君 委員長、是非、当委員会にその試算についてしかるべき時期に提出していただくようにお願いしたいと思います。
○委員長(石井準一君) 後日理事会で取り計らいたいと思います。
○吉田忠智君 このTPP、要するにメリット、いわゆる建設産業にとって、あえて言うとすれば、例えば海外展開が容易になるというようなことということでありますが、私はやっぱり机上の空論ではないかと、現状を見ますと、そのように思っています。 アジア新興国での土木等の設計基準は欧米基準がスタンダードになって、これが採用されています。日本の基準は、国際基準としては現時点では取り扱われておりません。TPP交渉の結果、日本の基準が採用されるということならともかく、欧米基準が国際基準として採用されて日本企業の海外展開が一層困難になることも予想されるのではないかと思います。 また、デメリットとしては、国内においても欧米技術基準を求められる上に、新たに参入する海外ゼネコンや国内大手との競争も生じ、海外展開など見込めない地域の中小建設業が壊滅的な打撃を受けることも予想されるわけであります。 大臣、影響を検討して試算をすれば建設産業にメリットなどないと私は考えますけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田昭宏君) この建設関係のTPPということにつきましては、地方公共団体の公共事業で外国企業が参入する基準額、ここの問題が一つ議論としてあると。もう一つは、地域要件がどうなるかという議論。この二つが、国内に他国が入ってくるという場合に私たちが心配をする問題だというふうに思っています。 これは、私はかねてからTPPというのは交渉力の問題だというふうに言っているところで、少なくとも地域の建設業界の健全な発展に十分配慮するということの一点をしっかり持って交渉には臨まなくてはいけないと、こう思っております。
○吉田忠智君 いずれにしても、インフラはライフラインでありますし、午前中もメンテナンスというお話がありましたけれども、メンテナンスを担う地域の建設事業者はまさに地域の命綱でもございます。 TPP加入は、やはりアメリカと財界に極めて配慮する形でこの間、様々な対応がなされてきたと、そのように言わざるを得ませんし、これからまたしっかり当委員会でも議論させていただきたい。その状況、国土交通省としても、是非得られる状況をしっかり出していただいて議論ができるようにしていただきたいと思っています。 続いて、次に貨物自動車運送業における長時間労働について質問します。 厚生労働省が公表しました自動車運転者を使用する事業場に係る労働基準関係法令の違反状況によれば、二〇一一年、監督指導の対象となった企業の実に八一・二%に労働基準法違反、約半数に違法な長時間労働が認められています。 高速ツアーバスと同様にトラック労働でも、厚生労働省の過労死基準の一・五倍にもなるような一か月三百時間前後の長時間労働が蔓延をしています。トラック業界におきましても、一九九〇年の貨物自動車運送事業法による参入、そして運賃に関する規制緩和の結果、零細事業主の新規参入が絶え間なく続き、業界は常に過当競争状態にあります。 大手運送事業者が運送業を下請化し、さらに下請が再下請、孫請、そうしたことを進めてきたために、末端では、法令を無視をしてドライバーを低賃金、長時間働かせる事業主が後を絶ちません。厚生労働省の指導監督だけでは改善が見られないのが現状であります。 国交省は、こうしたトラックドライバーの長時間労働など深刻な労基法違反の実態についてどのように認識されておるのか、まずお伺いします。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。 委員御指摘のように、まず、厚生労働省のデータなどからも、トラック運転者の労働時間については、全産業の平均労働時間とも比較をして長い実態があるというふうに認識をしております。また、私どもも、関係事業者の話として、非常に厳しい現場の状況も話を伺っているところであります。 一方で、私ども国土交通省といたしましても、監査におきまして、貨物自動車運送事業に基づく乗務時間がございますので、この違反についても多数確認をして行政処分につなげていると、こういう実態でございます。 輸送の安全確保の観点ということからも、まずは乗務時間の基準を遵守していただくということが極めて重要だと考えておりますので、国土交通省としても、監査あるいは指導を通じてその励行を図っていきたいと思っております。また、荷主に対しましても、こういう現場の声を伝えて協力を要請をしていきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 貨物自動車運送事業法第二十二条の二というのがありまして、これがこうした厳しい過酷な運転実態の改善には有効であると言われていますけれども、元請事業者が力関係を悪用して下請に不適切な運行指示を行うことを防止するというのがこの二十二条の二の趣旨なんですね。これがきちんと運用されていればトラック業界の異常な実態も改善されるはずでありますけれども、実際には、この二十二条の二に基づく行政処分は二〇〇九年の一件のみなんですね。 自動車局長に更にお伺いしますが、この二十二条の二の実効性を高めるために、現場のドライバーや労働組合の声など関係者の声も集めて、早急に私は改善する必要があるのではないかと思いますが、国土交通省として、今後どのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○政府参考人(武藤浩君) お答えいたします。 委員御指摘のように、このまず規定は、元請の貨物自動車運送事業者が下請の運送事業者に対して、その優越的な地位、力を利用いたしまして、その輸送の安全確保を阻害する指示、そういうことを禁止をするという規定でございます。 この規定に違反したケースは、まさに御指摘のように平成二十一年に一件あったものでございまして、これは、過積載運送で事故を惹起した運送事業者に対しまして過積載を教唆をした元請事業者について同法の違反を認めた事案でございます。こういう不適切な行為により安全確保が阻害されないというためにはこの規定の適切な運用が重要という認識をしておりまして、委員御指摘のとおりだと考えております。 そこで、現在、トラックの運送契約について、これを書面で明記をするという書面化の義務付け、この施策を今鋭意検討中でございまして、この書面化が実施をされますと、元請事業者の指示がその書面の上で、過労運転を惹起するものであったかどうかと、こういうことが明らかになってくるわけでございます。 こういった施策を通じまして、この法律の二十二条の二の規定の実効性を高めていきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 その書面化についてはいつごろを目途にされるというふうに考えていますか。
○政府参考人(武藤浩君) 今申し上げたように、現在検討中で、かつ事業者団体とその施行時期についても打合せをしております。当然、周知期間を置いて、かつ現場での調査体制も整える必要がありますので、少なくとも来年度中にはこれを実施していけるように詰めていきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 是非、早急に実効が上がるように取り組んでいただきたいと思います。 次に、鉄道貨物輸送について質問をします。 トラック業界の運賃ダンピングを放置することは、トラック輸送を鉄道輸送にシフトするいわゆるモーダルシフトの阻害要因にもなっています。鉄道は、言うまでもなく、CO2の排出量がトラックの約六分の一と小さく、環境に優しいにもかかわらず、アメリカでは三〇%にも上る鉄道貨物輸送のシェアが日本では四%しかありません。 大きな障害となっているのが、JR貨物の線路使用料とダイヤ編成の問題であります。現在、JR貨物はJR旅客会社に対しアボイダブルコストルールに基づいて線路使用料を支払っておりますけれども、運輸収入における割合は発足時の七%から最近では最大一三・八%、約二倍に近づいておりまして、コストの大きな部分を占め、経営を圧迫する大きな要因となっています。 線路使用料について、鉄道、道路等のイコールフッティングを図るためにも、このアボルールを基本にしつつも、並行在来線支援として導入された調整金方式などを参考にして、線路使用料が運輸収入の一定割合を超える場合には差額を補填するなどの工夫をすることが私は必要ではないか、そのように考えていますが、見解を伺います。
○政府参考人(瀧口敬二君) JR貨物が負担いたします線路使用料は、ただいま委員御指摘のように、国鉄改革時に比べてやや増加しております。一方、運輸収入が大幅に減少したということがございまして、御指摘のように、運輸収入に占める割合というのは高くなってきているというのが現状でございます。 JR貨物における運輸収入の減少は、中期的には我が国の産業構造の変化がございますし、また近時におけるリーマン・ショック等々の影響がありまして、鉄道による貨物輸送量が減少傾向になっているということでございます。このため、JR貨物の経営状況が一段と厳しくなっているというのが現状でございます。 これらのJR貨物の経営基盤を強化するための助成策といたしましては、鉄道・運輸機構からJR貨物に対しまして平成二十三年度から七年間で七百億円の無利子貸付けを行うこととしております。また、ただいまお話がございました貨物調整金というものに対しましても、二十三年度から十年間、同じく機構から一千億円の支援が行われるということに実はなっているところでございます。 鉄道貨物輸送というのは、委員御指摘のように、地球環境に優しい大量輸送機関でありまして、JR貨物が担うべき貨物輸送機能の維持強化のため、JR貨物自身が行うべき営業活動の活性化を始めとする経営改革に向けた努力を踏まえながら、今後とも必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 JR貨物に対して鉄道・運輸機構の決算剰余金の一部を支援されたということで、国土交通省としても問題意識を持たれていることは承知をしておりますが、それでも、運輸収入の減少等もございまして厳しい状況は依然として続いているわけであります。 運送事業者にとってダイヤの設定というのは最大の商品でありますが、線路を借り受けるJR貨物と線路保有者であるJR旅客各社ではしばしば利害が対立し、両者の間でダイヤ調整が行われているのは御案内のとおりです。しかし、両者はたな子と大家の関係にあることから、旅客会社が優先的にダイヤ設定しているのが実情でありまして、荷主の需要の多い時間帯に通勤電車が優先されるという、そういうことにされるなど、鉄道貨物がトラックとの競争上著しく不利になっているわけであります。 一九九六年運輸省に設置をされた当時のJR貨物の完全民営化のための基本問題懇談会以来、長年、第三者機関によるダイヤ調整の必要性が指摘されているわけであります。 二〇一六年三月開業の北海道新幹線青函トンネル共用における貨物と新幹線とのダイヤ調整については、全国新幹線鉄道整備法に基づいて国土交通省がその協議に入ることで円滑に進んでいると聞いております。第三者機関設立までの間、貨物と旅客のダイヤ調整に国土交通省が入っていくことも検討すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○政府参考人(瀧口敬二君) 委員が最後にお話をされました北海道新幹線の件でございます。 新青森—新函館間のうち、青函トンネルを含みます約八十キロの区間は、貨物列車と新幹線列車が共用走行するという区間になっているところでございます。この区間の新幹線の走行につきましては、開業後二年たった平成三十年春を目途に、安全を確保するために貨物列車と新幹線列車が走行する時間帯を分けるという時間帯区分案によりまして時速二百キロ以上の高速走行を行うということを考えているところでございますが、この時間帯区分案のためのダイヤ調整につきましては、こういった基本的な考え方が、私どもの方の有識者を交えた検討の場でこういった考え方がまとまっておりますが、JR貨物が担うべき広域的物流ネットワークの機能の重要性も念頭に置きながら、今後、平成三十年春に向けて関係する実務者間で調整を行うということにされているところでございます。 一方で、JR貨物では、御指摘のように、この青函トンネルの共用走行区間にとどまらず、多くの場合はJR旅客会社の保有いたします線路設備を共用しております。このため、関係するJR各社間におきましてダイヤ調整というものが必要となっているところでございます。 委員御指摘のように、ダイヤ調整に関しましては、第三者機関を設置すべきだという御意見があるのは事実でございますが、基本的には、列車運行の具体的なニーズというものを踏まえながら、線路容量といった物理的制約の状況、あるいは特急といったような速度の速い列車をどこで待避するのかといったような具体的な解決策といったような、極めて実務的な内容について熟知しております当事者においてダイヤ調整を行うというのが最も適切であるというふうに考えております。 このため、ダイヤ調整につきましてはJR会社間の自主的な調整に委ねるということにいたしたいと思いますが、このような調整が円滑に進むよう私どもも見守ってまいりたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 是非モーダルシフトがしっかり進むように具体的な検討を進めていただきたいと思いますし、また、検討状況も見ながらまた当委員会で取り上げさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○水戸将史君 日本維新の会の水戸将史でございます。 私にとりましては、任期満了最終年において初めて国交委員会に所属をさせていただきました。太田大臣始め政務三役の皆さんにお目にかかれたことを光栄に存じながら、限られた時間でございますので、若干御質問をさせていただきたいと思っております。 大臣所信でもございました笹子トンネルの天井板の落下事故についてでございますが、御案内のとおり、九名の方々の尊い命が失われてしまいました。御冥福をお祈り申し上げるとともに、こういう事故が起こって初めて、ああすればよかった、こうすればよかった、これが足りなかった、あれが足りなかったというような反省をするのは枚挙にいとまがありませんけれども、そろそろ今回の事故に関しましての、今、事故調査、原因究明をされていると思いますけれども、今どういうことを、今後速やかにその事故結果を出していただきたいということを要望しながら、今考えられる、この事故、どういうことが原因であったのかということを御説明していただきたいと思います。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 笹子トンネル天井板落下の原因究明につきましては、事故発生直後から省内に設けましたトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会におきまして、設計の考え方や施工の状況、また三十五年間にわたる経年劣化の進行、さらに中日本高速道路会社における点検を含む維持管理の経緯等について、幅広い観点から技術的知見に基づき鋭意議論をしていただいているところであります。 明日三月二十七日に第四回の委員会を予定しているところでございますが、国土交通省といたしましては、委員会の取りまとめを早急に行いまして、二度とこのような事故を起こさないよう原因究明に努めるとともに、再発防止に取り組んでまいりたいと考えております。
○水戸将史君 こうした天井板を設置しているトンネルというのは、全国で、これは報道ベースでありますけれども、笹子トンネル以外で五十九か所、道路管理者は高速道路会社とか地方公共団体もありますが、五十九か所あると伺っております。 笹子トンネルに関しましては上下線とも天井板はもう取り外しておりますが、これ以外のものについて、今後、国交省としてはどのような指導をしていくおつもりなのかということについてお話しください。
○政府参考人(前川秀和君) お答えを申し上げます。 事故発生の翌日十二月三日から笹子トンネルと同様のつり天井板を有するトンネルを対象に緊急点検の実施を要請をしたところでございます。点検の結果については既に公表をさせていただいているところでございますが、中央道笹子トンネルを除く五十九のトンネルのうち十六のトンネルで不具合が確認されたところでございます。不具合の箇所については数が少ないということもございまして、安全上の大きな問題はないと考えておりますが、各道路管理者において速やかな補修を行うなど必要な措置を実施し、安全を確保させていただいているところと聞いております。
○水戸将史君 この構造上の問題も当然あると思いまして、御覧のとおり、これは笹子トンネルの場合、またほかのつり天井の場合もそうなんでしょうけれども、トンネルの上部に穴を空けて、そこにアンカーボルトを差し込む、それで接着剤で接着をして、そして上から垂らすというような構造なんですね。ですから、今後、もちろんほかの天井を持つトンネルもそうでありますけれども、老朽化をしていく、長寿命化も図っていかなきゃならないときには、やっぱり現状をどういう形でしていくかという、修繕をしていくかということにもつながってくると思うんですね。 例えば、ボルトの形状をもっともっと変えて強固にしていこうとか、接着剤をその成分を変えてもっともっと強固にしていこうとか、いろんな、これからの再発防止も含めて、技術的な問題もあると思うんですけれども、こういうことについてはどう考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(前川秀和君) 現在、事故調査委員会において原因究明、再発防止対策の検討をしていただいているところでございまして、その結果を踏まえまして、必要な追加対策については早急に講じるよう道路管理者に通知をしていきたいというふうに考えております。 具体的な内容につきましては、事故の原因の内容にもよりますので、そこは委員の先生方の御指導を得ながら、万全を期すように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○水戸将史君 起こってしまった事故をとやかく悔やんでも、やはり尊いこの犠牲者の方々の犠牲の上に立って我々自身は再発防止に取り組んでいく必要があると思っておりますが、そうはいうものの、今回の事故を招いた一つの要因といたしましては、やはり中日本高速道路会社の点検状況の不備があったのではないかということも指摘されております。十分な打音検査を実施しなかったということも挙げられておりますけれども、事実関係はいかがですか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、二〇〇〇年に詳細な打音検査を含む点検を実施しておりましたが、その後二回にわたる定期点検の時期には、当初の打音検査の計画を変更いたしまして、天井部の打音検査を行わないような形になったと聞いております。その辺の経緯につきましても、二月の一日に実施をいたしました第三回のトンネル天井板落下事故に関する調査・検討委員会でNEXCO中日本から詳細な報告がなされているところでございます。 必要な点検が途中で変更をされていたということについては、大臣も国会で答弁させていただいておりますが、大変残念なことだというふうに考えております。
○水戸将史君 今の若干の説明でも挙げられておりましたけれども、やっぱりこの点検体制、一昔前では道路公団という全国組織でやっていたんですが、これが民営化されたということで、各高速会社ごとの、まあある意味裁量というか、その主体性によってこの点検、チェックも行われてきたという経過がございました。 そもそも国交省として、これ大臣に答えてもらいたいんですけれども、こうした各高速道路会社に対する道路施設の点検状況についてのチェックの在り方、これについて、やはり監督官庁として指導監督する立場からその体制が甘かったんじゃないかという、そうしたことも批判としてもあるんですが、こういうことについて、行政庁の長としてどのような御見解でしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 道路管理を行う主体は、高速道路、一般国道等の道路の種別ごとに法令で定められておりまして、高速道路の管理については道路整備特別措置法に基づいて各高速道路会社が責任を持って行うということになっております。 私は、今度の笹子ということでも、打音をしようとした、何かの都合でやめた、また最終的によく調べようと思って天井の上に上がっていったけれども全部触ったわけではないというようなことがありまして、残念であるという表現をいたしましたけれども、この高速道路会社が適切なしっかり管理をするようにということについて、点検等の通達を発出する、そしてマニュアル等の整備等をしっかり行っていく、そして事業計画の認可などの機会を通じて道路管理上の責務を十分に果たすようにということで指導をしているところでありますけれども、さらに、この辺は今回の重大な事案というものもあったわけですから、しっかり通達を含めて指導したいというふうに思っているところです。
○水戸将史君 もちろん、これ、結果論になってしまうんですけれども、遡れば二〇〇六年、今からもう七年ぐらい前の話ですけれども、二〇〇六年の七月ですね、マサチューセッツ州のボストンにおいても、高速道路に同じような構造のつり天井のトンネルが崩壊をしたという、落下したという事故がありました。 こういうことは、当然、その当時からいろんな機関を通じて国交省にもその事故の調査結果も上げられてきたということを聞いておりますけれども、こうした諸外国の事例、実例を、やっぱり我が国のものとして将来像も鑑みながら、その危険性をやはり認識してくるべきではなかったかということが、大きな反省材料として挙げてこられると思うんですけれども。 今までのいわゆるボストンの事故等々含めて、諸外国の事例、もちろん国内の事例もありますけれども、今までの経過の中で、国交省としては、こうしたものを認識し、それをその当時から点検体制にどういう形で反映をしようとしてきたのか、また、してこなかったのか、今までの経過について御説明をください。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、二〇〇六年の七月に、マサチューセッツ州インターステート九十号のトンネル、通称ビッグディッグと呼ばれているトンネルでございますが、天井板が落下をいたしまして、車一台が巻き込まれ、一名が死亡した事故でございます。 また、本件については一年後の二〇〇七年七月に米国の国家運輸安全委員会から事故報告書が出されていると承知をしております。ただ、残念ながら、この事故の発生時、また事故報告書の提出時にその情報が日本国内に十分に伝わっておりませんで、これは私どもの反省点だと思っております。 今回の事例を踏まえまして、こういった海外も含めたいろんな事故情報、不具合情報の収集並びに活用の充実を図るべきだというふうに考えております。
○水戸将史君 いろんな事例がありますものですから、これからのことということになりますので、是非あらゆる情報を収集し、それをいかに今後我が国のものとして活用していくかということを怠りなく、情報をいろいろキャッチをしながらも共有をすると、それは各高速道路会社も含めて、また各自治体も含めてですけれども、是非それを行っていきたいと思っております。 先ほど若干、当局からもお話ありましたが、これは二〇〇九年度のときにこの笹子トンネルに関しましてもトンネルリフレッシュ計画というのがあるんですね。こういうものの一環といたしまして、その当時から天井板を撤去しようというような形で計画をされていたんですね。しかし、残念ながら、結果論ではございますけれども、二〇〇九年度にそういうリフレッシュ計画を立てて天井板を撤去しようというそうした計画が、その二年後の二〇一一年度にはそれを撤去しない方に計画が変わっちゃっているので変更しました。 この変更の理由は何だったのかと、今更ながら、大変、そのときにちゃんと撤去していればよかったなというふうになるんですが、この変更の理由は何だったのかということ、その時点でこの崩落の危険性についてどのような認識があったのかについて、過去を思い出していただいて御説明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、笹子トンネルの天井板の撤去計画を検討した経緯がございます。この内容については、これもやはり二月一日に実施をいたしました第三回のトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会でNEXCO中日本から詳細な報告がなされたところでございます。 内容についてかいつまんで申し上げますと、中日本高速道路会社におきましては、笹子トンネルの換気設備の老朽化が進んでいたことから、換気方式の変更を含めまして、平成二十一年度より設備の更新方法を検討したところでございます。その更新の検討に当たりまして天井板の撤去についても検討したところでございますが、天井板を撤去しようとした場合、通行止めや長時間の対面通行を余儀なくされるなど社会的影響が大変大きくなるということから、撤去をせずに存置することとしたという報告を受けているところでございます。
○水戸将史君 もう一つ、済みません。 そのときの、その天井板が崩落をする、落下するという危険性についてはどのような、要するに今、社会的ないろんな状況を鑑みた場合、非常に混乱のもとになってしまう、だから天井板を撤去しなくてもということになったんでしょうけれども、そのときに崩落をするということの危険性について、先ほど言ったように、マサチューセッツ州が二〇〇七年度という話もありましたけれども、そういう事例もあった、事例はなかなか把握できなかったという話もありましたけれども、この当時、いわゆる、今更ながらになりますけれども、崩落をする、落下をするという危険性についてはどのような認識だったんでしょうか。
○政府参考人(前川秀和君) お答え申し上げます。 NEXCO中日本におきまして天井板を撤去をする計画を策定するに当たりまして様々な調査をしたというふうに聞いております。その結果、これも残念なことではございますが、天井板の落下に対する危険性について十分認識されていなかったというふうに聞いております。
○水戸将史君 最後になりますけれども、先ほど大臣がもう私の最後の質問にちょっと答えちゃっているんですけれども、もう一度大臣の御決意を承りたいと思いますが、やはり今までの経過の中で確かに事後となってしまいました。しかし、さはさりながらも、やはりこれだけの多くの犠牲者が出てしまったということ、そして社会的にいろんな形で、通行止めになりまして、多くの利用者にも御迷惑を掛けたということもありました。再発防止は当然でありますし、また、人命に関してはもちろん、さらにそうした犠牲の上に成り立っているわけでありますものですから、やっぱり万事怠りのないように、この今回の事故を経験として努めていただきたいと思っておりますが。 やっぱりそもそもこれから老朽化をしてくる様々な施設、また限られた予算でございますものですから、先ほどもいろんな議員の先生方からもお話ありましたけれども、やっぱり長寿命化も図っていかなきゃいけない、最適化を図っていかなきゃいけないということもあるんですね。そういう中で、やはり未然防止のためには、点検体制、チェック体制というものをやはりいま一度これを、統一基準も含めながら、各道路会社においても周知徹底をし、またこれを行っていただくということを監督官庁としてはやっぱりやっていくべきだと思うんです。 ですから、今後のこの点検体制の在り方、それに対して監督行政である国交省のいわゆる指導の在り方について、大臣、もう一度大臣の決意をお述べいただいて、私の質問を終わりにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(太田昭宏君) 笹子のことを教訓にして直ちに緊急点検を行うようにしまして、笹子を除いて五十九あったわけですが、全部緊急に調べて、十六は修理しなくてはいけないということの措置をとったりということであります。それは、事故が起きて、普通に同じ通達をするとか指導するといっても、緊迫感を持ってやらないと、魂を込めて指導しないと駄目だというふうに思いますので、この辺については緊迫感を持った指導の体制というものをしたいと思っております。 全体的なこの老朽化対策ということについては、水戸先生おっしゃるように、まず点検、そして調査ということについてのマニュアルとか基準とか、そういうものを明確にしなくてはなりません。全体的な工程をこの間我が省で出しまして、緊急点検を、基本的にはこの一年間、来年の三月までにきちっと行う。物によってはいろいろ違いますが、そしてその後は恒常的な、本格的なPDCAサイクルに持っていくというような全体の工程表も出したところでありますが、これがしっかり徹底できるように努めたいと思っております。
○水戸将史君 よろしくお願いいたします。 これで私の質問を終わりにします。ありがとうございました。
○委員長(石井準一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 次に、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。太田国土交通大臣。
○国務大臣(太田昭宏君) ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮船籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港禁止を実施してきております。政府においては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、国際連合安全保障理事会等における国際社会の動き等、その後の我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定に基づき、平成二十四年四月三日の閣議において、引き続き平成二十五年四月十三日までの間、北朝鮮船籍の全ての船舶に対し、本邦の港への入港を禁止することを決定いたしました。本件はこれに基づく入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。 次に、本件の概要につきまして御説明申し上げます。 本件は、平成二十四年四月三日の閣議決定に基づく平成二十五年四月十三日までの北朝鮮船籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めることを内容とするものであります。 以上が、本件を提案する理由であります。 本件につき速やかに御承認いただきますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(石井準一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井準一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会