厚生労働委員会 第14号
- 発言数
- 314 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/06/18
会議録
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、熊谷大君、真山勇一君、蓮舫君、田城郁君、宇都隆史君、武見敬三君、梅村聡君及び行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君、小西洋之君、大久保潔重君、石井みどり君、中原八一君、青木一彦君、尾辻かな子君及び中西健治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案及び子どもの貧困対策の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長香取照幸君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福島みずほ君 まず、前回に引き続きまして、精緻化、最低責任準備金並びに代行割れ総額の減少についてお聞きをいたします。 精緻化により、二〇一一年度末の最低責任準備金総額は、十五兆千億円から十三兆九千億円へ一兆二千億円減りました。一方、代行割れ総額は、一兆千億円から六千億円へ五千億円減ったと。この一兆二千億円と五千億円の差額七千億円は、代行割れに至っていない厚生年金基金が最低責任準備金を減額してもらったことになります。 今回の法改正が代行割れ問題への対応であることを考えると、不適切ではないかというふうに考えますが、この減ったように計数上見せるというか、極めて不適切と考えますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 今回の、これ、期ずれというものを解消しようということで、精緻化をする中において最低責任準備金等々に関して適正化をするわけでありますが、先般の委員会ではこれを御評価をいただく政党も現れたということでございまして、これは考え方なんだというふうに思うんですけれども。 そもそも、これ、期ずれというものがあること自体が本来おかしなわけでありまして、直近の利回りを使うべきであるわけでありますが、今までは期ずれ方式で以前の金利を使っていたということでございますので、これを機に直近の利回りでやろうということでございますので、そういう意味では、当然良くなるときもあるし悪くなるときもあるわけでございますから、決してこれは救済という意味で使っているというわけではございません。
○福島みずほ君 私自身は、期ずれ解消そのものはいいと思っているんですが、精緻化によって損害が、損が減っているように一見見えると。精緻化ということで何でこんなことが起きるのかと。 それは、別に損害を減らすように見せかけるためではなく、ダイレクトにその期ずれの解消をするという意味なんですか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、今回の制度の変更によりまして、これから残る基金のところもあるわけでありますけれども、これは直近の数字というんですか利回りを使うようになるわけでございまして、そういう意味からいたしますと、今、現時点ではこのような形で見えておりますが、当然、期ずれを使っているときと比べて負担が増えたように見えるところもあるわけで、負担といいますか、要するに最低責任準備金の金額が増えた、そういうような状況も生まれるわけでございまして、何を使うのが一番いいかと言われれば、それはやっぱり直近の運用利回りを使うのがより正確であるということは間違いないわけでございまして、それを採用をさせていただくということであります。
○福島みずほ君 その期ずれ解消問題ですが、代行割れを起こしていない厚生年金基金は期ずれ解消を行うんでしょうか、行わないんでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) より精緻な数字を出していただくという意味では、代行割れが起こっておろうとおるまいとこれは直近の数字を使うということでございますので、代行割れをしていない基金もこれからはこの直近の数字、期ずれなしの運用利回りをお使いをいただくということになります。
○福島みずほ君 結局、私が初めこの期ずれ解消問題というのを思ったのは、一見、これを使うと、まあ直近のを使うのが一番いいんですが、今までの最低責任準備総額などの金額が非常に減ったように一見見えるということが精緻化の中で起きている、精緻化という名目で起きているのはどういうことなんだろうかと実は思ったからです。 でも、今日の答弁で、結局代行割れを起こしていようが起こしていまいが、いずれか有利な方を選ぶのではなく、全て、確認で済みませんが、一番直近の、期ずれ解消をやるということでよろしいんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 特例解散を含め、解散されるところがあります。解散されるところに関しては、これ、期ずれなし、つまり直近の厚生年金本体の運用利回りを使うと、期ずれを使ったときよりも負担が増える、つまり最低責任準備金が増えるという話になりますと、これは、今解散を一応進めているわけでございますので、そちらの方が増えるという話になると解散を進められなくなる、つまり解散を進めにくくなるわけでございますから、この解散を今目指しておられるところに関してはこれはどちらを使ってもいいというふうな、そういう形を選んでいただくというふうにしております。
○福島みずほ君 いや、それはインチキじゃないですか。さっきの答弁で全部期ずれ解消をやる、全部やるんだとおっしゃったわけでしょう。 つまり、これ変だと私が思うのは、有利な方を使う、つまり期ずれ解消をやった方が損失が減るようになる場合もあるし、ほとんど今まではタイムラグがあったわけですから期ずれ解消をしないと損が大きいわけですよね、最低責任準備金などの金額が大きい。でも、有利な方を使うということになると、数字のトリックになっちゃうじゃないですか。 私は、どっちかにしてくれと。つまり、期ずれ解消をやると損が減っていくみたいなのはやっぱり変で、数字上の問題で多い少ないと生ずるのは変じゃないか。だから、厚労省は事前のレクでそれどっちを使うか決まっていないみたいなことだったので、あえて聞いているんです。それはどっちかにしてくださいよ、期ずれ解消を行うんだったらそうすると。数字のトリックを起こしたらいけないと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 後ほど局長からも答弁させますけれども、要は、直近の運用利回り、厚生年金本体の、これを使うのが本筋ですよね。ところが、今まではいろんな理由があって期ずれを使っていたわけです。 今回、厚年基金法を改正するに当たりまして要は本来の一番近い直近のを使おうという話なんですが、一方で、この法律はもう厚生年金基金というものは縮小していこうということで解散を促しているわけであります。そのときに、法律を変えて、以前の最低責任準備金より返す額が多くなれば、今までこの金額で我々は準備して解散しようとしていたのに、それ、これ以上増えるという話になったら、そもそも解散をもうすることもできないだとか、つまり不利益変更になるわけですよ。 つまり、不利益変更して、一方で解散を促していながら不利益変更で解散をさせないというようなことになれば本末転倒でございますので、ですから、そこは不利益変更にならないように、解散をされるところに関してはもう以前の期ずれの最低責任準備金をお使いになっていただいて結構ですよということを特例的に要は選択ができるようにしているわけでございまして、あくまでも正しいことは正しいというのが今回の一応改正なんですけれども、不利益変更にならないようにということでこのような特例を設けさせていただいておるということでございます。 局長の方に残りの部分を答弁させます。
○政府参考人(香取照幸君) 若干補足いたしますと、期ずれの問題というのは、それぞれ各年で、その基金が厚生年金との関係で必要な最低責任準備金を持っているかどうかを判断するときに使うんですが、御説明ありましたように、直近の利回りがないので、同じ年度の利回りがないので、出ている実績の一番最後の利回りを使うということになります。そうしますと、長い目で見ると、厚生年金の利回りが変動したものを言わば後追いで利率が動いていくという形になりますので、存続している基金については、長い目で見れば高くなるときもある、低くなるときもあるということなので、ある意味では、ずれていてもそれなりに適切に把握できるということで実績値を使うということをしてきたわけですが、今回はそれを当該年度に合わせるという形で合わせるということになります。 したがいまして、今後も解散しない基金、五年間あるいはそれ以降存続している基金について、今後その存続基準を満たしているかどうか、一・五倍あるかどうかといった計算するときは全て期ずれ後の数字を使うと。ただ、解散する基金については、まさにある瞬間で切るということになりますので、今大臣御説明したように、その瞬間ですと、利回りの変動がありますと、本来であればもうちょっと責任準備金は多くなければいけない、あるいは少なくて済むという事態が生じます。そういった変動がある中で、解散は今の制度を前提に皆さん考えておられますから、直前の法律改正で最低準備金が大きく動いてしまいますと解散の手続や合意形成に非常に支障が来す可能性があるということで、解散をするという基金に関しては言わば特例的に今までのルールで判断するということも選択として認めるという形で今回準備をしたということでございます。
○福島みずほ君 では、今もう解散すると決めているところは今までの予測値が、予測があるので期ずれ解消はしないと、しかし、今後は全て代行割れしているのも代行割れしていないのも期ずれ解消してダイレクトでやるということなんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 代行割れしているところは、これはもう解散に向かっていただくということでございますから、各基金は解散していただくという話になってくるわけでありまして、要は、これから存続するところがまだ一定程度ありますので、そこに関してはもう期ずれなしの直近の利回りでやっていただくということであります。
○福島みずほ君 それは分かりました。 解散するところも私は期ずれ解消した方が精緻化によって金額が減っているのでどうかと思ったんですが、今まで計算してこうやって解散するという見込みを付けていらっしゃるでしょうから、それはやむを得ないのかなと思っているんですが、ただ、こうだったらもっと早くから期ずれ解消していればよかったのにとか、逆に、何でだらだらとやっていたのかというのが分からないので、それはどうなんですか。
○政府参考人(香取照幸君) 申し上げましたように、何といいますか、今回は基本的にはもう代行割れ基金は解散していただくという判断をしているわけですが、基本的には、申し上げたように、最低責任準備金というのは、その都度その都度その基金が必要な額を持っているかどうか、言わば、存続するに当たって私どもがいろいろ指導したりさしあげなきゃいけないような状態にあるかどうかというのを見る基準ということなので、そうしますと、申し上げたように、長い目で見ますと、厚年本体の利回りと少しずれてはいますけれども、後追いで動くということになりますので、そういう意味で言いますと、ずれていても実績値でやっていくということで、一応長い目で見れば大きな変動はありませんので、言わばある程度基金を存続することを前提にその時々の財政状況を見るという考え方で、ある程度期はずれていますけれども、申し上げたように、後追いで行きますので長い目で見れば大きな差はないということでこれまで取ってきたわけですが、今回はまさに、解散をする、していただくということを前提に全体を組みますし、またこの期ずれの問題は、先生御指摘のように、基金の方からもできるだけ直近のものを使うべきだという御意見もちょっとありましたので、今回こういった形で制度改正いたしますので、今回思い切ってもう期ずれは全部解消しておる形にするということにしたということでございます。
○福島みずほ君 特例措置の繰り返しによって返済年数が何度も繰り延べされるのも問題ではないでしょうか。 政府が基金名を公表していない兵庫県の運輸通信業者による厚生年金基金、D基金と呼ばれていますが、最初の解散特例措置で十年の納付猶予を受け、その後二〇一二年二月に十五年へと変更を受けました。今回の法改正で、場合によっては三十年に延びる可能性もあります。特例措置を何度も受け、そのたびに返済が繰り延べされるのは、加入企業の倒産を防いで基金を存続させるという効果はありますが、他方で、その分厚生年金本体に迷惑を掛けるというのは紛れもない事実です。 このような度重なる繰延べは極めて例外的、抑制的に行われるべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 前段局長が答弁した部分でありますけれども、なぜ直近を使うかというのは、これからは、要は基金の財政状況をやはりある程度確実に、リアルタイムに我々も確認しなきゃいけないということで、悪くなれば、財政状況が、当然解散に向かって我々も指導していかなきゃいけないわけですね、残ったところも。ですから、そう考えたときに、やはり直近の運用利回りというものを使った方がより実態に即した財政というものが分かりますから、期ずれですとどうしてもその部分ずれておりますので、永続的に続くんであるならば、それは追いかけてきますから、どこかでちゃんと合ってくるわけでありますけど、やはり毎年毎年チェックを入れていきますから、これから、残ったところも。悪くなったら当然解散を指導していかなきゃいけない、場合によっては命令を掛けなきゃいけませんから。でありますから、直近の厚年本体の運用利回りを使っていただいた方がより現状に近いというような意味があって、このような形で変えさせていただいたということであります。 それから、今の部分で。今の部分でありますけれども、実は我々、これ、延ばしておるというのは、その返済期間といいますか納付期間を、これはお金を返してもらわないためじゃございませんでして、完済をしていただくために延ばしている。途中でもし倒産された場合に、当然、厚生年金本体の方には返ってこなくなっちゃうわけですね。ですから、たとえ延ばしたとしても、適正な利率をいただきながらちゃんと完納していただくと。完納していただくためには、今の現状を考えた場合に、非常に厳しい現状ですから、十五年から三十年に今度の特例解散の方々を延ばすわけでありますから、以前の方々に関しても同じような形を適用する中において完納を目指していただくということでございまして、そういう意味からいたしますと、厚年本体に穴を空けないためにもこのような形を取らせていただいておるということでございます。
○福島みずほ君 これは、この厚生年金基金をどうしていくかという根本的なことにかかわると思います。 民主党政権の下では、この厚生年金基金を廃止するという方向であったと。しかし、それを、いや、やはり検討という形でちょっと先延ばしにしたと。もうかっているというか、運用利回りが良かったときはいいけれど、代行割れを起こし、これだけ問題を起こしているんであれば、解散するというもう方向でしっかりやっぱり処理していかないと、皆さんの期待権はあるけれども、長く長くやっていればやるほど本体の厚生年金を傷つけるということになります。 大臣の意思として、やっぱりこれはしっかり解散の方向で、あるいは、しっかり保護しながらだけれども誘導してやっていくということでよろしいんですね。
○国務大臣(田村憲久君) 先ほどの特例解散をやっておられるところはもう基金はございませんので、ここはあとは企業が残った債務確定したものを十五年から三十年というような返納期間の中において完納いただくということであります。 一方で、残る数十の基金、可能性があるところですね、仮に残ったといたしましても、今ほど来申し上げましたとおり、毎年毎年その財政をチェックします。一定の基準を決めておるわけでありまして、ちゃんと三階部分まで必要なものを持っている基金、それから、一・五倍ですね、最低責任準備金含めて一・五倍持っている部分、これに関しては残る、残ることができるというふうにしておるわけでありますが、特例的に。 これに関して、毎年毎年その財政を見ていって、その条件をクリアできなければ当然その時点で我々としてはもう危ないというふうに意識しなきゃいけないわけでございまして、場合によってはもう命令を掛けてでも解散をしていかなきゃいけないわけでありますので、厚年基金に穴を空けないというような、そういうような今回制度改正になっておりますが、いずれにいたしましても、後から解散しようとした場合は、この特例解散の時期が終わって、五年後以降、後から解散しようとする場合には今回の特例はもう全部なくなるわけでありまして、連帯債務も戻ってまいりますし、あわせて、そもそも今回の、あれですよね、十五年、三十年という返納期間も、これも延長されないわけでございますので、そういう意味では、どちらが有利かということをよくお考えをいただきながら、存続をいただくかどうかということ、それから、存続されたとしても、その後、他の三階部分、企業年金というものも移れるように我々用意しておりますし、そういう意味では、移りやすいようないろんな制度改正もしなきゃいけないというふうに思っておりますので、そちらの方にお移りいただければ有り難いというようなお話もさせていただくということでございます。
○福島みずほ君 この代行制度が何か矛盾の塊みたいな、まあ制度として一定の役割はあったかもしれないけれども、やはり、今となってこの代行割れが大量に起こりこれだけ問題を生じているので、社民党としては、やっぱり解散の方向というか、もちろん迷惑は掛けられないけれども、本体の厚生年金をしっかり確保していくという立場でやっていただきたいと思います。 第三号被保険者のことをお聞きをいたします。 これは、現在、被保険者、受給者への情報周知が不徹底だったという問題があるわけで、今回のその制度について、そのことについての大臣の見解をお聞きをいたしますが、私は、根本的に、やはりこの百三十万円の壁となって長らく女性が非正規労働者に固定化される原因ともなってきたと。ですから、この記載不整合の問題も、夫と妻の関係、つまり、一号被保険者、二号被保険者、三号被保険者、夫がどういう職業に就いているかによって妻の立場が変わっていくというこの問題は実は問題ではないかと。今日、子どもの貧困対策法案の審議がありますが、私は、その後女性の貧困対策法案を作るべきで、女性の貧困というのが構造的に起きていると思っているんですね。 ですから、この第三号被保険者制度、今後どうあるべきかということについてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 第三号被保険者制度に関しましては様々な御議論があります。それを反対される方もおられれば、第三号被保険者というものを推奨されておられる方々もおられまして、ここはどちらかに偏った議論というのがなされているわけではない、様々な御議論をいただいておるわけでありますが、一方で、被扶養配偶者の所得基準の問題、これ百三十万円で社会保険の適用がされるかされないかという問題、それからもう一つは、例の所得税の非課税限度額、これは配偶者の部分で年収百三万と、こういう問題があるのが女性の方々の勤労意欲といいますか、そういうものに影響があるという議論もこれは以前からされておりまして、これに関しては、なるべくそういう就業意欲を阻害しないような、そういうような制度的な環境を整備することが重要であるなというふうに私どもも思っております。 そういう中において、例えば、例の厚生年金の適用拡大等々、これ昨年三党で議論させていただいて法律を成立をさせていただきましたけれども、このような形の中において、更に非正規で働いておられる方々の社会保険適用を広げていこうではないかということはこれから進めていかなきゃならぬというふうに思っておりますけれども、いずれにいたしましても、この第三号被保険者制度に関しましては国民的な大きな課題であるというふうには認識をいたしておりますので、これからも様々な御議論をいただいて一定の方向性を見付けていかなければならないなと、このようには思っております。
○福島みずほ君 次に、規制改革会議が出した雇用ワーキング・グループ報告書についてお聞きをいたします。 これを見て、私はもうやはり非常に怒っておりまして、これ、冒頭の総論、「人が動く」ことが必要である、第一、第二、第三、第四とあるんですが、なぜ、デフレ脱却と賃金上昇への対応の視点で、第四、努力が報われる賃金上昇を図るために「人が動く」よう、雇用の柔軟性を高める政策が必要である、第三にも、「人が動く」ことが必要である、多様な働き方を実現することが可能なように、「人が動く」環境整備が重要である、第二、というふうに、全部「人が動く」となっているんですが、これ全然論理的じゃないんですね。何で人が動くと賃金上昇が図られるのか。通常、今、人が動くと賃金が下がることになっておりますので、この規制改革報告書の規制緩和のコンセプトそのものが極めて問題だというふうに思っています。 この中に、例えば派遣法のところで、派遣が常用代替防止のためにということでなっているのは問題だという記述もあります。しかし、派遣を非常に可能とすれば、常用代替になって多くが期間の定めのある派遣になってしまうわけで、この規制改革会議雇用ワーキング・グループ報告書を前提にすると、もう一回労働法制の規制緩和、とりわけ派遣の見直しという名の下に派遣の原則解禁みたいなことも視野に入れているんじゃないかと読み取れる部分があって、極めて問題だと思っています。 この報告書の方向は、今まで厚生労働省が雇用を守ろうと、労働契約法であったり派遣の改正であったり、やってきた方向性と明確に反していると思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今日お配りをいただきましたこの規制改革会議雇用ワーキング・グループの報告書でございますが、これは先日公表されたわけでありますが、委員を務める有識者の自由な議論の結果を取りまとめたものであるというふうに認識をしております。その内容自体が政府の方針として決定しているというわけではないと思っております。 今委員の方からも御指摘のありました派遣制度の在り方につきましても、国会の附帯決議を受けまして、有識者による研究会において、派遣労働者の保護の在り方を含めまして、制度を取り巻く諸課題について幅広い観点から御議論をいただいているところでございます。 今後も、引き続き研究会において精力的に御議論をいただいて、夏をめどに論点を整理した上で、大臣がいつも申し上げておりますが、秋以降、労政審において公労使三者による御議論をお願いするというふうに考えておる、その予定でございます。
○福島みずほ君 これの中身はホワイトカラーエグゼンプションなども認めかねない中身であって、これは厚生労働省が今まで手掛けてきた労働者の権利を守るという方向と真逆の方向ですので、こんな変な答申が出てこの方向で進まないように、厚生労働省しっかり頑張ってください。これは厚生労働省にエールを送ります。 これは質問通告していないんですが、子宮頸がんワクチンについて、安全性が評価できないというか、厚生労働省は接種の推奨を一時中止することを決めました。これは一つの見識ではないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、副反応検討部会において二度議論をいただきました。 結論から申し上げますと、今回の痛みを伴う症例、これが予防接種というものに起因しているかどうかというもの、それがまだ分からないという状況でございまして、予防接種自体をやめるというほどの要するに副反応報告が来ているわけではありません、それは頻度も含めて。しかし一方で、いろいろと御心配をいただく、それこそ全国被害者連絡会の皆様方でありますとか、そういう皆様方がやはりいろんな心配があるねという中で、世論的にもマスコミを通じてかなりそのような情報が広がる中において、今打っておられる、若しくはこれから打とうと思われておられるそういう親御さんに関しましても非常に不安が広がっておるのも一つでございますので、まだ正式な我々も検証ができていないということでございまして、そういうものが一定程度まとまるまでの間は、やはり国がこの子宮頸がんワクチンを勧奨しておりますと、やはりそれはまた要らぬ誤解といいますか、逆の意味の予防接種行政に対しての不信感というものが、不安感というものが生じてもこれは不幸であろうというふうに思っておりまして、そういう意味でこの接種勧奨というものを一時中断をさせていただいて、一定の調査、この検証が済んだ後に、それをもってしてそのころ決定をさせていただきたいということで勧奨を一時中断をさせていただいたということであります。
○福島みずほ君 これは冒頭言うべきでしたが、順番を、他の委員会の質問との関係で順番を変えていただいたことに心から感謝をいたします。ありがとうございます。終わります。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 私も、質問の順番についての御配慮に感謝を申し上げます。 前回、十三日の質疑で、私は、社会保障制度改革国民会議が示した議論の整理案の中で、年金支給開始年齢の引上げについて早めに議論に着手すべきと記され、会長を務める清家篤氏が記者会見で、六十七歳から六十八歳に引き上げてしかるべきと、こう述べていることを取り上げました。これに対して大臣は、支給開始年齢の選択制という角度で御答弁をいただいたんですけれども、私の質問にこれは答えていただいてないんですね。自分の判断で受給を先延ばしにするというのは、これは今でもできることであって、清家会長が主張している満額の年金を受け取れる年齢を現行六十五歳から更に引き延ばすと、六十七、六十八にすると、これをやるのかどうかということをお聞きしたかったんですね。 年齢を引き上げて年金総支給額を減らすような制度の変更を政府として検討されるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これは昨年の、実は前政権下でもそうだったんですけれども、中長期的にこの支給開始年齢の引上げというものは、議論は、検討は必要だというようなお話だったと思います。中長期的ですよ。その流れを受けて、要は国民会議の中でもそういう御議論があったというふうにお聞きをいたしておりますけれども、決してこれは今、現状、二〇二五年まで掛けて、継続雇用ということで、定年後の継続雇用を引き上げているわけですね。それは六十五までですから。にもかかわらず、今、六十五歳年金ですから、これを六十七、八にまで引き上げれば、当然、働く収入がない中において年金ももらえないということが起こるわけでございますから、そんなことになってしまっては困るので、あくまでも、これから更に働く環境が整っていって、六十七、八、七十まで働けるような環境になることが前提の上で、そういう議論もしなきゃいけないなという話であります。 でありますから、近い将来において年金の支給開始年齢を引き上げるなどというようなことは我々は考えておりません。
○田村智子君 そうすると、国民会議で議論されている中身というのは、もう今年度から制度の改定について話し合うような中身を話し合うわけなんですよね。だから、その中で支給開始の年齢について早めに議論に着手すべきというふうに書かれること自体、私は重大な問題だなというふうに思うんです。 もう一つ、国民会議の中で、デフレ下でもマクロ経済スライドを行うべしという議論が出ています。これも清家会長が三日の記者会見で言及をされています。 マクロ経済スライドというのは、そもそもの約束は、約束というか設計は、物価や賃金の上昇に伴って年金支給額の上昇をさせる、そのときにその上昇の割合を抑え込むんだと、こういうやり方なんですね。これを物価下落時にも発動すれば、名目年金の支給額が減ることになって、これは高齢者の生活に重大な影響を与えることになると思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(田村憲久君) デフレ下は名目の年金は減るようになっているので、それは物価スライドで下落分だけは下がりますので、名目上は減るんですが、それにプラスしてマクロ経済スライド分も減るではないかという今御指摘であったというふうに思いますが、仕組みとして、これ、物価下落時にマクロ経済スライドを今は発動しないようになっておりますが、これがずっと物価が下落が続いてマクロ経済スライドをずっと続けないということになりますと、今の年金の長期的な保険料と支給の均衡というものは壊れていって、それは将来的に後世の世代にツケ回しが行くわけでありますから、そういうような仕組みから考えれば、マクロ経済スライドを物価下落時にも適用した方が、それは将来の世代に対しては一定の約束を果たせるということであります。 しかし、一方で、やはり物価下落時にマクロ経済スライドを発動すると目減り分が増えるわけでございますから、当然のごとく、生活をされておられる方々の感覚的には年金が大きく減って、消費意欲等々も減退して、生活が苦しくなられたような意識をお持ちになられるということもあり得るわけでございます。 でありますから、これ、議論の中は、物価が下落したらということを前提に置いておりますけれども、我々は、とにかくその物価を、下落、これがずっと続けば年金制度自体が今の制度の下ではこれは維持できないわけでありますから、安倍内閣においては、まず物価を正常にプラスに持っていくと。その上で、年金が本来、将来に向かって持続可能な環境をつくらないことにはそもそも年金制度自体が成り立たないわけでございまして、物価をプラスにしていく中において、法律どおりマクロ経済スライドが適用されていくというような環境をつくってまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 今、物価下落時にも年金をマクロ経済スライドで抑えれば将来の年金に対して安心だということもおっしゃったんですけど、でも、前の自公政権のときに、百年安心だという設計を行ったと言っているわけですよね。言っているんですよ。その中で、六十五歳の年齢の引上げもやり、保険料率も引き上げて、年金財政はこれは百年大丈夫ですよという前提の上で、様々な言わば年金の改悪、私たちから言えば改悪を行ってきたわけなんですよ。 ところが、また国民会議の中で支給開始年齢が議論されるとか、物価下落時でもマクロ経済スライドで高齢者の生活保障をずたずたにするようなことが検討されるのか、私、非常に無責任な議論をやっているんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、大臣の見解、じゃお聞きします、短くていいですから。
○国務大臣(田村憲久君) まず、デフレ経済下では、これが続けば、年金だけじゃありません、社会保障も含めて、全てこれはもう続けられなくなることは明白でございます、税収すら増えていかないわけでありますから。多分、社会活動を含めて、デフレが更にずっと続いていけば、これは国民生活は最終的には破壊をされていくんであろうと思いますから、これはまず前提として直さなきゃいけないということがあります。 年金に関して申し上げれば、そういう意味でありますから、デフレ下というものはまず解消して、年金の安心、これは百年安心と言ったかどうかは別にいたしまして、それを我々はしっかりと確保していかなきゃならぬと思います。 一方で、その支給開始年齢の引上げというのは、以前も申し上げましたが、支給開始時から平均寿命まで年金が幾らぐらいもらえるかという一つのモデルがあるわけですよね。それを、支給開始年齢を引き上げればその分手厚くなる年金がもらえるということでございまして、今の年金が破綻するというよりかは、みんなが働ける社会になれば当然定年等々も延びるだろうから、年金をもらえる支給開始年齢も引き上げるということは必然的に起こってくるよねという中においてされておられる議論だというふうに私は認識いたしておりますので、決して年金が破綻しておるわけじゃなくて、そうなれば今より手厚い年金を将来老後にもらえるという議論の中での一つの考察であろうというふうに私は理解いたしておりますから、年金財政が決して破綻しておるわけではございませんし、積立金の問題、これもやがて今回の積立金の運用利回り、昨年度の数字が出てくると思いますけれども、それも含めて必要な積立金というものをしっかりと確保していかなければならないと思っておりますし、できているのではないかと私は淡い期待を、淡くはないな、期待を持っておりますので、合計特殊出生率を見ても、前回の数字と見て現状の方がいい数字になっておりますから、全体としてデフレを解消できれば年金というものに関しては信頼感というものが増すんではないかと、このように思っております。
○田村智子君 大臣の見解は分かるんですよ。ただ、国民会議というのはもう来年度の予算編成に向けて社会保障の予算をどうするかということを議論するためにつくったような機関ですよね。そういう中で年金の問題を議論されているということが非常に私は重大だということを指摘しておきたいというふうに思います。 次に、年金制度の根本の問題、先ほどデフレの問題というふうにおっしゃいましたけれども、私はやっぱり賃金の上昇とか安定した雇用というのが年金を支える大前提だというふうに思うんですね。やはり今、年金制度を考えると、無年金者や低年金者を新たに生み出さないようなための施策というのが真剣に検討が求められていると思います。 その中で非常に私が危惧をしているのは、今若者の半数が非正規雇用だと。しかも細切れの労働契約、この増大に歯止めが掛かっていないと。これ厚生年金に加入できず、賃金も安いために国民年金保険料が未納だと。こうすると、三十年後、四十年後、多数の無年金者、低年金者が生じてしまうということが今から危惧をされるわけです。 安定した雇用をいかに広げるかということが年金制度に直結する課題だと思いますが、大臣の見解、お伺いします。
○国務大臣(田村憲久君) まず、非正規の雇用の形態で働いておられる皆様方に関しての処遇の改善というものがこれはなされていかなきゃいけないわけでありまして、よく同一価値労働同一賃金というような話がありますけれども、そのような形でしっかりとその労働というものを評価できる社会という、社会環境というものをつくっていかなきゃならぬというふうに思っておりますが、その方々にやはりこの厚生年金、本来これ被用者なのでありますから、そういう意味からすればこの厚生年金等々これ拡大をしていかなきゃならぬということでございまして、昨年法改正をさせていただいて、僅か二十五万人とのお叱りもいただいておりますけれども、とにかく、以前からこの法案を出そうという中において、与野党いろんな御議論をさせていただく中で昨年このような形でスタートをいたしました。 これを更に広げていくかということに関しましては、施行後三年以内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるというふうに検討規定が入っておるわけでございますので、やはり拡大をしていくという方向での議論の中でこのような検討規定を入れておりますので、十分に各般の御議論をいただきながらこの被用者年金の適用拡大というものをなしていかなければならないというふうに思っております。
○田村智子君 私、細切れの労働契約でいつ仕事を失うか分からないと、こういう立場で働いている方々への対策って急務だと思っているんです。 ところが、この四月一日に施行された改正労働契約法、これを受けて、五年後の無期転換を嫌って有期契約の契約上限を五年とする動きが広がっているということをこの間、私、取り上げてきました。この国会でも二月二十一日の予算委員会で、大阪大学や神戸大学が非常勤講師や研究者、有期契約の方、これ就業規則を改定して契約上限五年にすると、こうやっているんだということを指摘しまして、文部科学大臣は、一律に契約を終了させられることにならないよう、適切な取扱いを促してまいりたいと、こう答弁をされています。その後、徳島大学や琉球大学では労働組合との協議によって契約更新上限案というのは撤回されたというふうな動きも聞いています。 私、予算委員会では、まず国立大学や研究所で就業規則を改定して契約期間上限設けると、こういう動きがあるかどうか調査することを求めましたけれども、文部科学副大臣、その後の取組というのはいかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 改正労働契約法の規定のうち無期労働契約への転換に関する規定については、大学等の関係者から研究者等の実態に合わない点があるのではないかと指摘されています。このため、文部科学省としては、大学等の関係者から意見を伺いながら、厚生労働省とも連携し、対応方針について検討しています。
○田村智子君 幾つかの大学では聞き取りも行ったということもお聞きをしています。私、文科省が国立大学にどう対応するかということがこれ私立大学にも影響を与えることになるので、静観していては駄目だというふうに思っているんですね。 実は、この四月、早稲田大学では、非常勤講師の有期契約を五年上限とする就業規則の改定が行われました。 まず、一般論としてお聞きしたいんですが、このような就業規則の改定に当たっては、当該労働者の意見を聴くことが必要だと思いますが、労働基準局長、お願いします。
○政府参考人(中野雅之君) 労働基準法におきましては、第九十条で、就業規則を作成又は変更する際に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、過半数組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴くことを使用者に対して義務付けております。
○田村智子君 ところが、早稲田大学では、過半数代表者の選出の通知、これは大学構内の非常勤講師用のボックスに投げ込まれただけなんです。しかも、既に講義は終了して春休み中で、受験期間にも重なったので大学構内に非常勤講師がそもそも入れないと、こういう期間まであったとお聞きをしています。結局、大多数の対象者は何も知らないまま、過半数代表者が選出されたとされて就業規則の改定が行われたと。その結果のみ郵送で通知をされてきた。これは労働基準法違反が相当に疑われるやり方で、今、首都圏大学非常勤講師組合は刑事告発をするという事態にまでなっています。 文科副大臣にお聞きしたいんですけれども、この早稲田大学の事案をまず承知をされているかどうか。そして、労働基準法をないがしろにする手法で法律で定めた無期転換へのその権利を奪うというやり方、これは大学にあるまじきゆゆしき事態だと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 文部科学省は、学校法人内の就業規則については届出を受ける立場にはなく、必ずしもその内容、手続について詳細を把握していませんが、御指摘の早稲田大学では、非常勤講師等の就業規則を含めた関連規則を制定、改正しており、その内容、手続について労使間の意見の相違があると聞いています。 一般論として、学校法人においても労働関係法令に従うものであり、具体的な就業規則の在り方については、労働関係法令の範囲内で、公教育を行う立場で各学校法人がその実情を見て自主的かつ適切に判断するものと考えています。
○田村智子君 是非そういう立場で今後もよく見て必要な指導を行っていただきたいんですけれども、これは多くの大学、特に私立大学などでは、もう半分というより三分の二ぐらいが恐らく非常勤の教職員で占められているだろうというふうに思うわけですね。まさに大学の教育、研究を中心的に担っているというような役割を現に果たしていると思います。 ところが、その待遇というのは、例えば二十年同じ大学で語学講義をしているという方、年収五百万円ほどで、子供の教育費のために日曜日に倉庫でアルバイトしなければならないなど、非常に深刻な実態があります。これで高等教育の充実がどうして図れるのかという事態であって、まずは無期転換をして雇用の安定を図るというのはこれ当然のことだと思うんです。 この点でちょっとお聞きをしたいのは、先日、産業競争力会議の国家戦略特区ワーキンググループが第四回会議で、優先的に取り組むべき規制緩和策の一つとして研究者等への労働契約法をめぐる課題というのを挙げました。マスコミでは、大都市圏を中心に無期雇用となる五年の期間を延長し、契約社員と正社員の間に位置する雇用形態を認めることを検討する、これ産経新聞の報道ですけど、こういう報道もあるんです。これは、特区で労働契約法の適用除外の地域をつくるという規制緩和になるんですけれども、こんなこと検討するんでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(中野雅之君) 改正労働契約法の無期転換ルールの研究者等への適用につきましては、大学関係者から、若手研究者のキャリア形成に対する影響を懸念する御意見をいただいているところでございます。 また、御指摘の国家戦略特区ワーキンググループにおきましては、集中ヒアリングで取り上げるということとされまして、これに対しまして、厚生労働省といたしましても、文部科学省とともにワーキンググループのヒアリングに対応してきたところでございます。 こうした検討の結果、日本再興戦略、いわゆる成長戦略でございますが、ここにおきましては、労働契約法の若手研究者のキャリア形成に対する影響を懸念する指摘もあることから、研究現場の実態を踏まえ、研究者等のキャリアパス、大学における人事労務管理の在り方など労働契約法をめぐる課題について関係省が連携して直ちに検討を開始するとされたところでございまして、この方針を踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、この課題につきましては、一部の地域や特定の大学等に限らない問題でありますことから、特区制度という仕組みではなく、全国的な課題として検討を進めていくべきものと考えているところでございます。
○田村智子君 労働者の基本的権利にかかわる法律を地域によって適用除外なんというのはあり得ないことですので、是非こんな規制緩和はやらないということで頑張っていただきたいんですけれども。同時に、じゃ全国規模でどう解決するかと。これはやはり、機械的に五年上限で雇い止めではなくて、合理的な理由のない雇い止めを規制するという方向にしていかなければならないというふうに思っています。 これは、先日、国連社会権規約委員会からも指摘をされている問題で、今年五月、この国連社会権規約委員会からは日本政府への勧告が出されていて、その中で、有期契約労働者の契約が不公正に更新されないことを防止するため、労働契約法の執行を強化し、かつ監視するよう求めるというふうにされています。こうした勧告に基づく施策が必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) この労働契約法でありますが、議論、国会で質疑させていただいたときも、我々は野党だったんですけれども、この法律、やはり五年前に雇い止めが頻発する可能性があるのではないかという、そういう心配はいたしておりました。 それも含めてそれをどう防いでいくか、そういうことが大変重要になってくるわけでありますけれども、まず、施行後、企業に対してアンケート調査を実施する予定でございまして、その中において、企業がどのようなことを危惧しているのか、どのような行動に出るのか、こういうことをしっかりと把握した上で、一方で、無期転換することによって働く方々はモチベーションが上がるわけでございまして、そのような意味から、勤労意欲や能力の向上等々というものが企業にとっていかにプラスになるか、こういうこともしっかりと我々は企業にお伝えをしていかなきゃならぬというふうに思っております。 雇い止めに関しましては、継続雇用を合理的に期待できる場合は、これは雇い止め法理という形の中において雇い止めができないということになっておりますので、そのようなこともしっかりと企業には周知徹底をしていく必要があろうというふうに思っております。 いずれにいたしましても、先ほど来申し上げましたとおり、メリットもあるわけでございまして、事実、幾つかの企業等々がこれを機に無期雇用に変えていこうというような、そんなお声も上がってきておるわけでございまして、そのような好事例集でありますとか、いい例というものですね、こういうものをしっかりと企業に周知をさせていただく中において、五年を前の雇い止めというものをなるべく防いでいけるような、そういう施策を進めてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 大学にも是非それが適用されるようお願いしたいと思っています。 文科副大臣、ありがとうございました。副大臣への質問は以上ですので。
○委員長(武内則男君) 谷川文部科学副大臣については、退席をしていただいて結構です。ありがとうございました。
○田村智子君 じゃ、続けます。 実は、国連社会権規約委員会では日本の労働時間についても指摘がされています。相当数の労働者が著しい長時間労働に従事し続けていることを懸念する、長時間労働を防止するための措置を強化することを勧告すると、こういうふうになっているんですね。 実際、今、昨年十一月、労働時間適正化、このキャンペーン、取組の結果、埼玉県を見ると、四割で労基法違反を確認、東京都では三八%が三六協定未届け、二割で月八十時間超の残業、三割で不払残業が確認されているという事態なんです。 こうした長時間労働に対しては、実は大臣告示も出して、時間外は月四十五時間、年間は三百六十時間を超えないものとしなければならないというふうにしているわけですけれども、局長にお聞きします。この三百六十時間、年間時間外労働を超えた場合、厚労省はどのような指導をされるんでしょうか。
○政府参考人(中野雅之君) 労働基準監督署に届けられました三六協定が、ただいま御指摘がございました時間外労働の限度基準、これに規定する限度時間を超えるときには、労働基準監督署の窓口におきまして指導文書を交付し再提出を促すなど、限度時間を遵守するよう指導しているところでございます。
○田村智子君 長時間労働も、実はこれでぼろぼろになって働けなくなるような、うつ病を発症するとか、こういう問題が多発をしていまして、やはり将来の無年金、低年金につながるような問題なんですね。 私、特に今長時間労働で若者を使い捨てるブラック企業ということが話題になっているだけに、その具体の事例についても一点指摘をしたいんです。 居酒屋チェーン、ワタミの創業者、ワタミの渡邉美樹社長が自身の公式ホームページで、ワタミはブラック企業ではないと、こう述べています。その中で、時間外労働は月平均四十五時間までと決め、昨年は月平均三十八・一時間だから問題ないというふうに言っているんですね。でも、大臣告示というのは、平均四十五時間じゃないですよ。上限月四十五時間超えちゃいけないと言っているわけです。月三十八時間だったら、これ十二倍すると年間四百五十六時間ですよ。大臣告示を百時間近く上回ると。これは、ホームページで大臣告示をゆがめて、長時間労働を開き直っている。厚労省として指導が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 個別の話を申し上げるのは差し控えたいと思いますが、今委員から御指摘がありましたように、労働者を使い捨てにするような劣悪な雇用管理を行ういわゆるブラック企業でございますが、賃金不払等の労働基準法の違反、あるいはパワハラの問題がしばしば指摘をされているところでございます。 厚生労働省としては、いつもお答えしておりますが、労働基準法などの違反が疑われる企業には調査に入りまして、重大又は悪質な法令違反については厳正に対処するなど取り組んできたところであります。 指導監督を行う事業場は、時間外・休日労働協定、三六協定届け等に記載された労働時間の状況や、あるいは労働者からの申告、相談など、種々の相談を基に、長時間労働が行われており、労働基準法違反の疑いがあるなどの問題があると認められる事業場を選定して、指導監督を行っているところでございます。特に、過重労働が疑われる事業場への重点的な監督指導を労働基準監督署に改めて徹底するなど行っておりまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○田村智子君 これは正社員でワタミで働いていた方が、我が党の東京都委員会の雇用と就活対策室に実態をお話ししたいといって訴えてこられたんです。資料を見たら、時間外労働八十時間超える月がありました。四十五時間以上という月は二年間で六か月に及びました。年間で四百八十時間超の残業、割増し賃金払われていても、重複等調整というよく分からない項目で数万円が差し引かれて、結局二十二万から二十三万円程度の賃金にしかならないという実態なんですよ。 ワタミは、二十六歳の女性が就職二か月で自らの命を絶って、今年二月、過労自殺として労災認定されています。月百四十時間、二か月で二百二十七時間の時間外労働と。休日も、渡邉氏が書いた著作の学習を強いてレポート提出を求めると。これ今も続いているというんですね。これ、私取り上げたのは、この渡邉氏は自民党参議院比例区全国支部長と、こう大きく打ち出されているわけですよ。これでいいのかということなんですね、このホームページ。大臣、一言見解を伺います。
○国務大臣(田村憲久君) 厚生労働省としてその政治活動等々に対して物を言う立場ではございませんが、一般論として、適正に労働時間を守っていただいて、しっかりとした雇用環境をつくっていただくのが経営者にとっては責任があるというふうに思っております。
○田村智子君 終わります。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。今日は委員差し替えで質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、厚生年金保険法改正案に即して御質問させていただきます。 五年後以降の代行割れを未然に防ぐための制度的導入についてまずお伺いしたいんですが、今回の改正では、純資産が最低責任準備金の一・五倍以上であるか、又は純資産が代行部分と上乗せ部分の合計以上であることのいずれかの基準を満たしていれば基金は存続可能ということになっておりますが、まず確認したいんですが、なぜ基準が二つあるのか。これは、これまでの制度の経緯からすると、第一の基準というのは、厚生年金本体、これを重視したものということなんだろうと思います。そして第二の基準は、平成九年の非継続基準の導入同様、受給者の受給権、これにより重きを置いた基準ということなんだろうと思うんですが、そうした理解でよいのかどうか、まずそこを確認したいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 お話ありましたように、存続基準二つございますが、基本的な考え方は、厚年本体との関係で、代行している資産を確実に保全をしていただくということでございます。 一・五倍の基準につきましては、今お話ありましたように、基本的には市場の短期変動によって代行資産が変動いたします。その場合の毀損のリスクというのを回避できるということで、短期の変動に対しても代行割れを起こさない基準ということで一・五というものを用意してございます。 二つ目の基準は、考え方としては、仮に代行部分があっても上乗せ部分、いわゆる三階部分に積立不足がありますと、三階部分の不足がひいては代行資産の毀損につながるということで、その意味では、三階も含めて全体として給付に必要な資産、積立金を持っているということを求めるということで、この二つの基準いずれかをクリアしているものを健全基金ということで存続を認めるということにしているところでございます。
○中西健治君 そうなりますと、最も中心的な考え方としては、厚生年金そのものにリスクが及ばないようにするということが前提としてあるということのようですので、そうしますと、現時点での推計ですと、第一の基準を満たすのは三十四、第二の基準が七基金、そして両方とも満たすのは十三基金ということになっていますので、第一の基準を満たすのか、それとも両方とも満たすのか、そうした考え方になるんじゃないかと思うんですが、これ、いずれか、又はということにしているのは少しおかしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 基本的には両方とも、申し上げたように、代行資産の保全という考え方ですが、基金によっては上乗せの給付が非常に薄い、余り大きい給付を設計をしていない基金がございます。そうしますと、二階、三階の必要な積立金を完全にきちんと持っていても一・五倍を超えない積立金になるという、そういう基金がございます。こういった基金に一・五倍まで要求するということになりますと、一種過剰積立てということが起こるということで、通常は一・五より一階、二階足して少なくなる基金はそんなに、今お話ありましたように数基金なので、数は多くはないんですけれども、いずれにしても、そういった基金の場合には三階まで完全にきちんと持っていれば基本的には代行割れの毀損リスクは小さいということで、この二つ目の基準というものを用意しているということでございます。
○中西健治君 三階のところが薄いのであれば、その薄いところは考えないで、やはり下の部分がしっかり守られるかどうかという基準の方が私はより大切なんじゃないかなというふうに思います。ただ、これは私の意見を指摘するということでとどめておきます。 続きまして、最低責任準備金の精緻化についてですけれども、この代行給付費の簡便計算の際の係数の補正といわゆる先ほども出ていました期ずれの補正の二つによって一・一兆円の積立金不足が六千億円まで減ずることになると、五千億円減るということになっているわけでありますが、この五千億円について、係数補正とそして期ずれ補正の内訳を教えてください。
○政府参考人(香取照幸君) 先生お話がありましたように、精緻化によって約五千億の代行割れ額の減少が生じるわけでございますが、内訳は、在職老齢年金の支給停止の調整、いわゆる八七五の調整で約一千億、そしていわゆる期ずれ、本体利率の適用期間のずれを補正することに伴う影響が約四千億ということでございます。 それから、これはいずれも二十三年度末の計算ということでございます。
○中西健治君 期ずれの補正の方が八割を占めるということのようでありますが、今おっしゃられたこの平成二十三年度末時点でこの四千億円の期ずれ部分の額の計算に当たってはどのような計算を行ったのか、具体的に何と何を比較して、どういう数値を用いて出てきた金額なのか、是非教えていただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 期ずれの補正は、ちょっと若干技術的になりますので恐縮ですが、要は最低責任準備金の計算をする場合に、それぞれ積立金を持っている期間、基本的には最低責任準備金は厚生本体と同じように運用した場合に持っているべき基金ということになりますので、厚年本体の実績利回りの利率を使って計算をすると。 従来は、厚生年金本体の確定の数値が出るのに一定の期間が生じるということで、実際にその基金の計算をする場合、積立金の計算をする場合の期間とその適用する数値の間にずれが生じていると。まあ最大一年九か月ほどずれるんですが、ということで、期間がずれている。例えば、二十一年度の実績というのは二十二年の秋ぐらいに決まりますので、その数字は二十三年から適用するということになっていまして、少しこれ期間がずれてずっと計算をされていると。これがいわゆる期ずれというものでございます。 期ずれの補正というのは、基本的にはその当該年度の積立金は当該年度の厚生年金の実績利回りをそのまま適用するということで、期ずれを全部補正をして、これは、そうしますと過去に遡ってこれずっと補正をするわけなんですが、全体で補正をして数字を出すということをいたします。 この補正をいたしますと、過去の期間は実績が出ているので実績どおり対応するわけですが、直近の期間は厚生年金については実績がないので、例えば今年であれば、二十五年解散する基金は、二十五年の厚年の利回りはまだ確定していませんし、二十四年もまだ確定していないので、二十四年度分の計算も推計値ということになります。 ということなので、この部分をどうするかというのが期ずれに当たってのちょっと問題であったわけでございますけれども、この点については、最終的には政省令等でお示しをすることになりますが、私どもの昨年十一月にお示しした試案の中では、厚年本体の基本ポートフォリオを基にしまして市場のベンチマークを使って一定の推計をするという方法はどうかということでお示しをしているわけでございますが、これ以外にも幾つか厚年本体の実績利回りを推計する方法というのは考えられますので、今後それは検討いたしまして決めていきたいと思っております。
○中西健治君 済みません、長々と御答弁いただきましたけれども、私自身は制度については分かっているつもりでございます。 平成二十三年度の四千億は何と何を比較して、どの数字とどの数字の差が四千億なのかということを答えていただきたいということでございます。
○政府参考人(香取照幸君) これは、二十四年度段階で、申し上げたように、従来の過去の期間をそれぞれ一年ぐらいずれてずっと計算したものと、過去、平成九年まで遡って期ずれを完全に調整をして計算した額との差が四千億ということでございます。
○中西健治君 私、質問取りのときにもちゃんと説明したと思うんですが、平成二十三年度のこの数字、数字を教えてほしいんですよ。二十三年度末の時点で評価するということですから、平成二十三年度の実績値と平成二十一年度の実績値を比べてやったんだと思いますけれども、その数値は幾らだったんだということを聞いているんです。
○委員長(武内則男君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(武内則男君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(香取照幸君) 済みません、ちょっと待ってください。
○委員長(武内則男君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(武内則男君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(香取照幸君) 申し訳ありません。 直近で申し上げますと、二十三年度は、実は厚年本体が二十一年度七・五四でしたので、七・五四を期ずれ前は使っております。足下の平成二十三年度は二・一七になりますので、二十三年度の分の計算をするときは期ずれ前ですと七・五四、期ずれ後は直近の推計の二・一七を使うということになります。 これは同様に各年度同じことが起こっておりまして、例えば平成十三年で申しますと、平成十三年の期間の期ずれ前の最低責任準備金を計算するときは、十三年度が一・九九になっていたわけですけれども、実際の実績でありますと三・六二ということになりますので、そこもまたずれますので、各年度ごと、そうやってずらして利率の違いを調整をして最終の計算をするということになります。
○中西健治君 それを初めから是非答えていただきたかったと思います。 もう一つ、これもというか、全て通告しているわけでありますけれども、こうして期ずれで当年度の推計値を出す際に、厚生年金本体の基本ポートフォリオを基に市場ベンチマークを用いて推計するということになっていますが、実際に過去に遡って実績値を使うことと、あと、しばらくの間推計値を使うことに、この二つの間に乖離が生じるのかどうかということを、多分私は、厚労省は今回の法改正で検討されたんだろうと思います。そうでなければ、こうした推計値を使う、しばらくの間でも推計値を使うというのは妥当性が証明できないということになりますので、検証されたと思いますが、検証を行ったかどうか、そしてその検証の結果はどうだったのか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどから期ずれの話が出ておりまして、委員、今、恐らくもう御理解の上御質問されているんではないかと思っておりますが、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、去年の十一月二日に厚労省としては期ずれの補正をする方法として考え得る方法の一つとして今の案をお示しをしたところではございます。 委員からもお話がございましたが、ここ数年の複合ベンチマーク、それから運用実績の乖離、これは一ポイント以内で推移してございまして、推計方法としておおむね妥当な方法だと考えておる次第でございます。ただ、局長申し上げましたように、ここは様々な方法も考えられるわけでありまして、具体的な方法については今後更に検討してまいりたいと考えてございます。
○中西健治君 分かりました。ということは、このやり方、一つの例として資料には書かれていますけれども、もっと精緻化、まあ精緻化ということは同じになっちゃいますけれども、図るためにほかの方法も勘案することがあり得ると、そういうことですね。分かりました。 そうしましたら、大臣にお伺いしたいんですが、これだけ五千億円もの積立金の減少について、どうやって厚生年金の加入者及び過去に解散や代行返上を行った基金の関係者に理解を得ようとするのか、もうこの法律が通ってしまえばそれでいいんだということなのか、何か殊更の努力をされるのか、そこについて教えてください。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどから議論が出ております今回の方法について、代行割れ額が五千億円減少するというようなこともございまして、厚生年金本体に影響が出るんじゃないかと様々な声もありまして、この点をどのように関係者の理解を得るかと、こういうことが極めて大事な点だろうと思っております。 最低責任準備金の精緻化につきましては、先ほどから申し上げておりますように、この委員会でも議論になりました、あくまでも財政中立を基本とした行い方でございまして、これは大臣からも答弁を申し上げましたが、最低責任準備金が減少する場合もある、増加する場合もあると、こういうことでございます。 やはり大事な点は、今回の法案においても企業年金の積立て不足を基本的には母体企業に御負担いただくということがまず基本だと。それから、特例解散制度の見直しについても、母体企業の大半を占める中小企業の連鎖倒産を防ぐ観点から、事業所間の連帯債務を外す等の一定の配慮をしているものの、積立て不足は母体企業に負担をしてもらうという考え方に立っているわけであります。 しかしながら、やっぱり多くの皆さんが厚年本体にリスクを与えるのではないかと、こういう御指摘もあるわけでありまして、この点、厚生年金本体に影響が出ないように、何度も議論が出ておりますが、厚生年金基金に対するモニタリングをしっかり強化していきたい、あるいは分割納付特例の適用に当たっては、事業所間の負担が公平になっていることを要件として第三者委員会の意見を聞くというようなことなどを予定しておりまして、法案の施行に当たりましては、これらを徹底することで何とか関係者の御理解をいただこうというふうに考えている次第でございます。
○中西健治君 期ずれを直すということ自体はいいんですけれども、実際問題、今回は選択適用ですから少ない方を選択するということになるでしょう、やめようとする人たちは。となると、これまでに解散をしてきた人たちとの間ではどうしても公平ではないと思われてしまうことがあると思うんです。そこについてどのように説明をされるのかなと、そこら辺をちょっと聞きたかったんですけれども。
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃっておられる趣旨はよく分かるんですが、以前特例解散されたところは要するに債務が確定をいたしておるわけでありまして、返済、納付期間等々の延長というものは遡及適用という話になるわけであります。 そういう意味からいたしますと、債務自体が確定しているものを新しいルールで変えるというのは、やはりこれ、ちょっとルールとしてどうしてもそこはお許しをいただかざるを得ない部分でございますので、そのような意味で御理解をいただければ有り難いというふうに思っております。
○中西健治君 続きまして、年金基金の資産運用の見直しについてお伺いしたいと思います。 金融商品取引法が改正になります。そして、財政金融委員会でも麻生大臣に見解をただしたところ、いや、厚労に聞いてくれというような御趣旨でございましたので、この委員会で聞かせていただきたいと思います。 厚年基金に問題が発生した場合には厚生年金本体に影響が及びかねないということでありますので、その資産運用に関してはかなり厳しくすべきなんじゃないかと私は思っているんです。今回の金商法改正というのも行われていますけれども、やはり細目の改定にすぎないかなというふうに思っておりまして、もっと抜本的なことをしなきゃいけないんじゃないかなと思います。AIJの事案を見ても、ケイマン籍の投信が出てきたりですとか、海外にあるトラスティー、受託が出てきたりですとか、そうしたことによって運用の実態がなかなかつかみにくいと、こんなことになっていたと思うので、ですので、年金基金が購入できる資産、これは例えばもう国内籍のものだけに限るですとか、取引する相手は国内に居住する、外資系でもいいんですが、証券会社とか信託銀行だとか投信会社だとか、そういうところに限るというようなもっと抜本的な改革を行うべきではないかというふうに思うんです。 その点を指摘したところ、もっと抜本的な話なので厚労省に聞いてくださいというのが財務大臣が意図していたというか含意していたことなのでお聞きさせていただきます。お願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 財務大臣と意思の疎通ができていないものでありますから十分なお答えできるかどうか分かりませんけれども。 やっぱりAIJ問題が出ましてから、これは基本的にこの運用どうするんだというような話の中で、有識者で会をつくっていただきまして昨年七月に報告書をおまとめをいただきました。それを基に昨年九月に資産運用ガイドライン、これ我々の、以前の民主党政権のときであったんですけれども、ガイドラインというものを見直しを行ったわけでございまして、この中で、一つは基本ポートフォリオに関してこれは策定を義務付けるということ、それから運用基本方針の中で、特定の運用商品といいますか、要するに過度に集中するという問題がリスクがやはりかなり大きくなりますので、そういうものを防ぐ方針を明確化をするということ、さらには、基金の役職員に関しましては、やはりしっかりと運用の知識を身に付けていただかなきゃなりませんので、研修の受講を義務付けるということ、それから関係者にやはり情報開示しっかりやるということ、こういうような方向性、具体的には見直しを行ったところであります。 いずれにいたしましても、このガイドライン、本年の四月からスタートをいたしておりますので、その中においてしっかりとモニタリング等々をやり、監督をしながらチェックを強化して、リスクというものを避けていくというような方向性で今進めております。
○中西健治君 一歩進んだことはもちろん評価するわけでありますけれども、五年後以降にこの代行割れがまた出るようなことにならないようにするためには、この五年間、これからの五年間も大事だというふうに思いますから、そこでしっかりモニタリングをしていただきたいと思います。 それと同時になんですが、厚生年金基金は雇用者から見ると運用受託者ということなんじゃないかと思います。厚生年金基金が今回の金融商品取引法改正では特定投資家、プロになる、これプロ成りと言いますけれども、要件を厳しくしたということになっておりますけれども、そもそもプロになれない、要するに管理運用の体制が整備されていない、こういう厚生年金基金が存続してしまうということ自体が、これもおかしいんじゃないかなと私は思います。 これも麻生財務大臣に言ったところ、痛いところをつかれたとおっしゃられました。厚労大臣はどのようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) これもAIJ問題が出たときに、特定投資家というのは本当にその能力を持っているものなのかどうなのかということを議論をなされる中において法改正がなされたというふうに認識いたしておりますけれども、いずれにいたしましても、先ほど言いましたガイドラインの見直し、これにおきまして、資産運用委員会に資産運用に関するやはりしっかりした実務経験者、これを入れること、さらには、先ほども申し上げましたけれども、資産管理運用業務、これを携わる者はしっかりと専門的な知識を養っていただくために研修の受講等々を義務付けることというふうにいたしておりまして、なかなかこの答弁では御満足はいただけないのはよく分かっておるわけでございますが、一応、昨年の見直しの中においてそのような手だては講じさせていただいたということでございまして、御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○中西健治君 是非実を上げていただきたいというふうに思います。これは、これからも私の方でもきっちりフォローしていきたいなというふうに思います。 続きまして、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFについてお伺いしたいと思います。 去る六月七日の午後に、ある意味唐突にGPIFの基本ポートフォリオの資産配分変更が発表されました。これは二〇〇六年の発足以来初めての資産配分変更ということであります。経緯としては、昨年十月に会計検査院によって指摘を受けていた、それから厚労省から見直しの要請も受けていたということでありますけれども、株式相場が不安定になってきたこのタイミングで株式の比率を高めるということを発表するというのは余りにタイミングが良過ぎるんじゃないかと、こんなようなことも思わないでもありません。 私が想起するのは、一九九〇年代に当時の年金福祉事業団ですとか簡保のお金を使って、PKOと言われましたプライス・キーピング・オペレーション、価格を維持する、株式市場の下支えを公的資金を使って行うということが日常的に行われていたということなんですが、それをまたやろうとしているんじゃないかと、こんなようなことを想起しますけれども、この自民党さんお得意の政策に先祖返りされるのかどうかということについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 元々、この中期計画というもの、平成二十二年に見直すわけであったわけでありますが、当時、民主党政権下で年金をどうするかという御議論があられまして、そこで見直しを行わなかったということで、そのままの状況が続いておった中において、昨年の十月に会計検査院の方から、必要に応じてこれ見直す必要があるんではないかと、こういう要請を受けたわけであります。 その後、本年四月から運用委員会、これはGPIFのデータの収集や整理を行った上ででありますけれども、運用委員会で検討をいただいてきたわけでありまして、検証や審議いただく中において、基本ポートフォリオの見直しというふうに必要性が判断されて、その後、中期計画の変更の認可申請があったことから、委員の日程、あらかじめこれ調整をさせていただきました。ですから、六月の七日以前にも大変株が下落したこともございましたので、決して目指してこの日に合わせたわけではございませんでして、日程を調整したらたまたまこの日であったということでございまして、六月七日の午前に独立行政法人評価委員会、これを開いていただきまして、その上で決まったことを午後私が認可をいたしたということでございまして、それで発表させていただいたということでございますので、決してPKOなどというようなことをするつもりもございませんし、そもそも法律でも専らやはり被保険者の方々の利益を考えるということが前提でございますから、PKOやって大きな穴を空ければこれは年金財政に大変な影響が与えるわけでございまして、安全、効率かつ確実、これが重要でございますので、そういう意味からいたしまして、PKOを行うようなことはないということで御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○中西健治君 タイミングについての説明はよく分かりました。 それではもう一つなんですが、内容についてなんですが、変更といいながら実は何も変わっていないんです。現状の追認ということになっております。現状の追認に見えるというようになっております。 株価上昇や円安などによってもう既に資産構成は大きく変わってきておりまして、昨年十二月末の実際の資産配分が、国内債が六〇・一%、国内株が一二・九%、外債が九・八、そして外株が一二・九ということなんですが、今回の変更後の基本ポートフォリオがそれともうほとんどぴったり一緒という数字になってきております。 四十年分のデータを用いていろいろシミュレーションを行った結果だというふうに説明をされているわけでありますけれども、結局、株や外貨資産を増やすぞということをアナウンスする何かアナウンスメント効果を狙ったんじゃないかなと思わざるを得ない部分もあります。現状追認型になっていますので、本当に四十年ものデータを使ってシミュレーションした結果が去年の十二月とぴったり合ったのかということにはちょっと疑問を生じるんですが、そこら辺、アナウンスメント効果、要するにまた期待に働きかける政策を取っているのか、こうしたことについて、こうした疑問についてどうお答えになるか、お聞かせください。
○政府参考人(香取照幸君) 今回のポートフォリオの見直しでございますが、経緯は今大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。 GPIFの中では運用委員会において議論いただきましたが、基本的には、お話がありましたように、一九七〇年以降の国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、それぞれにつきましてその間のリスクを全部見まして、相関係数の下で最も効率的な資産構成の組合せを求めるということでございます。 今回は、国内債券につきましては、長期発行の構成比が高くなったということで、若干デュレーションの関係で少しリスクが高くなっております。国内債券並みのリスクでポートフォリオを組んで最も期待リターンが高いものということで基本ポートフォリオを用意いたしまして、この従前のポートフォリオとの比較で、二十一年の財政検証の積立ての予定額と比較して、将来、二十五年後ですが、損失額の予測値のシミュレーションを行いまして、最も年金財政上リスクの小さいものということで、今回のポートフォリオを設定するということで決めたということでございます。 基本的に、ということですので、年金の法令に定められております安全、効率かつ確実な運用という観点からの見直しを行ったということで、結果的にリバランスがほとんど掛からない数字になったというのは事実でございますが、そういう数字に、何といいますか、するために計算をしたということではもちろんございません。
○中西健治君 結果的にぴったり合ったということでありますけれども、ちょっとどうかなという疑問を持ちつつ、次の質問に私は移らせていただきます。 現状のGPIFの運用体制について問題意識を持っていらっしゃるかどうかということについてお伺いしたいんですけれども、資産運用をしっかりやるというのは極めて重要だと思います。増え続ける社会保障費用を抑制する上でも、この百十兆円もの資産を運用するGPIFには大変大きな役割が求められているということだと思います。 しかし、現状を見ると、運用体制がやはり余りにお寒いんじゃないかなと私は思います。法学部卒、元日銀マンの理事長、そして厚労省からの天下り理事、そして監事のお二人というのは企業財務出身ということでありますが、天下りそのものが問題だということでしょうけれども、適材適所な人材になっているのかどうか、これについて私は特にお聞きしたいと思います。資産運用やリスク管理の経験者がいなくていいんでしょうか、これについての問題認識をお聞かせください。
○副大臣(桝屋敬悟君) GPIF、民間の優れた運用機関を活用して、約、委員おっしゃるように、百十兆円以上、百十二兆円の年金資産を少人数の職員で安全かつ効率的に運用しております。確かに委員おっしゃるように少人数の職員ではありますけれども、民間金融機関における運用経験等のある職員が約三分の一おります。それから、経済、金融等の専門家から成る運用委員会の意見を聞きながら、適切公正に運用機関を選択、管理していると、こういうことでございます。 やはりGPIF、今日まで運用してまいりまして、名目運用利回りとそれから賃金の上昇率の差、平成十三年度から二十三年度までの平均を見ますと二・一八%となっておりまして、年金財政上必要な運用利回りは確保されていると、何よりもこの結果があるわけであります。 現状、人員のやりくり等の努力によりまして必要な体制は確保されておりまして、今後とも運用の在り方に応じて適切な運用体制を確保していくべきものと考えている次第でございます。
○中西健治君 ということは、今は職員数総数八十名にすぎないということであります。民間に外部委託しているので、そういう金額が多いので、それでも何とかやっているんですよということではありましたけれども、民間に委託するにしても、やはり自前で調査をするとか企画をするとか民間の運用成績をしっかりとチェックをするだとか、そうしたことというのをするだけでも、とてもじゃないけど八十というのは私は考えられないぐらい少ないんじゃないかというふうに思います。 そうすると、今後の人員増強というのは全く視野に入っていないということでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 我が国の年金制度、今日まで様々な変遷を経てきているわけであります。厳しい国民の指摘もいただいているわけであります。 先ほど申し上げたように、発足以降、GPIFについては、年金財政上必要な運用利回りは確保してきているわけであります。こうした状況も踏まえながら、これから必要な体制について、運用の在り方、これは適切な運用体制ということも入るわけでありますが、これを確保すべく引き続き努力をしてまいりたいと。人員を増やすかどうかということについては、これはやはり総合的にも検討していかなきゃならぬというふうに思っている次第でございます。
○中西健治君 政府の成長戦略の中でも、公的・準公的資金の運用見直しというのが盛り込まれました。これらの資金の運用を横断的に見直すということであれば、まず年金について、このGPIFが運用している部分、さらには国家公務員、KKRですね、国家公務員共済や国公立学校の職員共済など、ここの運用の一元化というのを図っていくべきじゃないかなと思うんです。 これは去年の一体特の議論でも私は指摘させていただきましたけれども、考えていない、当時の民主党政権はそのようなことを言っていましたけれども、この成長戦略にもそうした公的、準公的というものの一体化というのを掲げているのであれば、まず年金のところからやっていくべきなんじゃないかと思いますが、それをGPIFに任せるかどうか分かりません、ただ、GPIFが一番大きいということだと思うので、そこが中核になるんじゃないかと思いますが、そこら辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(田村憲久君) 昨年、被用者年金一元化法が成立したわけでありますけれども、事務組織についてはそのまま残ったわけでありまして、それは、一つは医療保険等々はそのまま残る、共済で残るわけでありまして、保険料の徴収それから給付等々あるわけでございますので、あわせて、年金の運用、これに関しましてもその職務を担うということで残ったわけでございますから、今、これ一元化とはいいながら、実際問題、二階部分、もちろんこれはもう区分経理ですから三階とは一緒にやりませんが、二階部分に関してはそれぞれの共済等々で運用いただくということになっております。 今委員のおっしゃられた意味はそれも併せてという話なんでしょうけれども、一応共通の基本指針というものがございまして、運用の目標でありますとか在り方等々は一応示す中において、それぞれの共済がどういうところに委託するかということも含めて管理運用をしていただくわけでありますので、やっぱりそれはそれなりに意味があるではないかという当時の御意見の中においてそのような方向を温存をさせていただいたということでありまして、場合によってはリスクも分散できるのではないかというような御議論もあったわけでありますけれども、委員のようなお考え方もありますので、将来の課題としてこれは整理をしていかなければならないなという認識は持っております。 ただ、今現状においてはそのような形で法律的に成立をした上で運用がなされていく準備をされておるということでございますので、その点は御理解を賜りたいというふうに思います。
○中西健治君 年金に限らずですけれども、秋までに有識者会議でこの公的、準公的の資金の運用については見直しを含めて考えるということですので、是非ともその俎上に上らせてほしいなと私は要望しておきます。 最後に、消費税増税関連でお伺いします。 社会保障制度改革国民会議が八月二十一日までに答申を行うことになっていますが、その答申を受けて、増税の判断というのは十月ということになっていますから、それまでの間に何か具体的な取りまとめをしっかりと行っていくのかどうか、この社会保障に関してですね、お考えになっていらっしゃるかどうか、教えてください。
○国務大臣(田村憲久君) 前回の委員会でも申し上げたんですけれども、もう既に基礎年金の二分の一の恒久財源の部分でありますとか、子育て分野で七千億でありますとか、いろんなものが消費税で予定をされているわけでありまして、そういう意味ではもうこれスタートいたしておるわけでありますから、何としてもこれ社会保障全体の姿というものをお示しをしなければ国民の皆様方御理解いただけないというわけでございまして、国民会議の中で、八月の二十一日設置期限ということで、今熱心に御議論をいただきまして、今月に入ってからも、二巡目の議論に入っておりますけれども、三回会議を開いていただいております。 早急に方向性取りまとめていただいて所要の法的な準備に入っていかなければならないというふうに思っておりますので、十月はこれは経済的な要因ですね、経済的な要因も含めて考えると十月が期限、消費税を上げるかどうかの判断の期限だというふうな話でございますが、社会保障に関しましては八月二十一日の設置期限を目途に一定の方向性を国民の皆様方にお示しをさせていただきたいと、このように思っております。
○中西健治君 確認ですが、八月二十一日で国民会議から案が示されるということをもって最終であろうと、こういうことですか。それとも、その案に基づいて何かがというか、政府が何かを具体策を詰めていくと、そういうプランになっていないんですか。
○国務大臣(田村憲久君) たしか、今法律の文言をはっきり覚えているわけではございませんけれども、それに基づいて法的な所要の措置というような話であったというふうに思いますので、それが法律案なのか、国会やっていなければ提出はできないでしょうけれども、それとも大綱になるのかちょっとよく分かりませんが、いずれにいたしましても、法律に向かっての一定の流れの中での措置を講ずるというふうになっておったというふうに思いますから、報告だけではなくて、それから政府はそれを受けて一定の動きをするということであろうと思います。
○中西健治君 いずれにせよ、この社会保障国民会議で何が出てくるかはまだ分かりませんけれども、具体的な中身がなければ消費税増税に対して国民の理解はなかなか得られないだろうということを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(武内則男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(武内則男君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、中西健治君、中原八一君、青木一彦君、牧山ひろえ君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君、宇都隆史君、渡辺猛之君、田城郁君及び小川敏夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石橋通宏君 民主党の石橋通宏でございます。今日もよろしくお願いを申し上げます。 民主党は、私と、この後、津田委員と、役割分担をさせていただいて質問をさせていただきますが、私は主に、今日午前中の質疑でもみんなの党の中西委員が御指摘をされておりましたし、先週木曜日の質疑でも同じくみんなの党の行田委員、また我が党の櫻井委員も触れておられましたGPIFの中期計画、ポートフォリオの変更の件についてもう少し突っ込んだ議論をさせていただきたいと思います。 改めまして、今日午前中にも答弁がありましたけれども、確認ですが、今回のポートフォリオ、先般発表になりましたポートフォリオの変更というのは昨年十月の会計検査院からの指摘に基づくものであるということでよろしいかどうか、その点だけ確認答弁をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 午前中も申し上げましたけれども、本来、平成二十二年にこの中期計画、見直しをしなきゃいけなかったんですが、そこは民主党さんの政権のときの事情があられて、年金をどうするかという問題の中でこれ見直しをやらなかったということもございまして、今言われるとおり、昨年の十月に会計検査院の方から、必要があれば適時見直すようにということで指摘を受けたということの流れの中において、今回見直しを行わせていただいたということでございます。
○石橋通宏君 今日は参考人で会計検査院からおいでをいただいております。 昨年の十月に会計検査院からの指摘があったことに基づいて今回変更したんだという厚労省の説明でございます。改めて、昨年十月の会計検査院からの御指摘がどのような内容なものであったのか、簡潔にポイントをお願いをいたします。
○説明員(藤崎健一君) お答えをいたします。 会計検査院は、平成二十三年十二月に参議院から、年金積立金の管理運用に係る契約の状況等に関しまして会計検査を行い、その結果を報告することを求める要請を受けまして、厚生労働省、年金積立金管理運用独立行政法人等におきまして検査を実施いたしました。 その結果、年金積立金の管理運用に係る業務の状況につきまして、二十二年四月からの第二期中期目標期間の基本ポートフォリオが暫定のものとなっているなどの事態が見受けられました。 したがいまして、厚生労働省及び年金積立金管理運用独立行政法人におきましては、暫定ポートフォリオが安全、効率的かつ確実かなどについて中期目標期間中に定期的に検証することを検討するとともに、暫定の期間が既に二年以上に及んでいることから、暫定ポートフォリオのリターンとリスク等がどのような状況になるまでこれを利用するのかについて検討することなどの点に留意することとし、もって年金積立金の適切な管理運用に努める必要があるとしたものでございます。 会計検査院といたしましては、今後とも年金積立金の管理運用が適切に実施されているかなどにつきまして、引き続き検査を実施していくことといたします。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 今御説明をいただきました。私の手元にも報告書がございますが、基本的に会計検査院が要請したことは二点なんです。 一点目は、今御説明があったように、中期目標期間中に定期的に検証することを検討することということが一点目です。もう一つは、現在の暫定ポートフォリオがリターンとリスク等、どのような状況になるまでこれを利用するのかを検討することというこの二点です。これで間違いないかどうかということをもう一回会計検査院に確認をさせていただきつつ、会計検査院の御指摘は、今すぐにポートフォリオそのものを見直せという御指摘ではなかったということでよろしいかどうか、確認をお願いします。
○説明員(藤崎健一君) お答えいたします。 先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
○石橋通宏君 つまり、すぐ見直せという指摘ではなかったわけです。今後検討の在り方をどうするのか検討せよというのが会計検査院の御指摘であったわけです。 にもかかわらず、今日午前中、大臣答弁かな、ありましたし、先週の十三日は香取局長から答弁がありました。そのときに答弁の中でこういう言い方をされております。これは先週の木曜日の香取局長の答弁です。会計検査院からポートフォリオの見直しをすべしということで御指摘を受けたと、この指摘を受けて積立てポートフォリオの見直しをGPIFに指示をしたと。 これ、違うじゃないですか。御説明ください。
○政府参考人(香取照幸君) 先ほどお話がありましたように、ポートフォリオについては定期的に検証し、必要に応じて見直すということで私どもとしては見直しの作業入りまして、結論としては、現行のポートフォリオについて一定の見直しが必要だというのがGPIF本体の結論になりましたので、それに応じて見直しを申請をいただき、認可をして適用したということでございます。
○石橋通宏君 余り説明になっていないですね。 会計検査院が御指摘をされた、要請をされたこと、それを厚生労働省が勝手に解釈を変えて、ポートフォリオの変えることを要請をしたということになってしまっているわけです。そうじゃないですか、香取局長。
○政府参考人(香取照幸君) 見直しといいますか、現行ポートフォリオについての検証をするということで、結果的にはポートフォリオの見直しをいたしたわけでございますが、議論の経緯によっては現行のままで維持をするという結論もそれは出る可能性あったわけで、変えることを前提に指示をすると、見直しという意味はそういう意味でございまして、変えろという指示をした、あるいは変えろという前提でGPIFに検討を求めたということではございませんで、文字どおり現行ポートフォリオの検証をして見直しをしてくれと。結論としてポートフォリオの変更ということになったということでございます。
○石橋通宏君 とすると、局長、先週の答弁、訂正されるわけですね。積立金のポートフォリオについて見直しをするように指示をしたというのが先週の答弁でありますが、これは訂正されるということですね。
○政府参考人(香取照幸君) 見直す、言葉を換えれば検証をするということなので、見直すというのは文字どおりレビューをするということですので、数字を動かせということで指示をしたわけではございません。
○石橋通宏君 ちょっと苦しい答弁ですが。 それでは逆に、会計検査院からの御指摘は、見直しの方法について、検討の在り方について検討せよという、それはどのように検討されて、どのように検討の結果が出たわけですか。つまり、今後どういう状況にどういう、例えば、現在、財政検証で行われていると、五年ごとに検証するんだというようなことがはっきりと決められている。これ、どういうふうに検証をしていく、例えば、今、今度新しく決めたポートフォリオが今後どういうタイミングで使っていくのか、検証をしていくのか、その検証の方法についての検討の結果はどうなったんですか。
○政府参考人(香取照幸君) 恐縮ですが、先ほどの検証の文言ですが、私どもからGPIFに検証をお願いした文言は、中期目標においては、急激な市場の変動があった場合には中期目標期間中であっても必要に応じて見直しの検討を行うこととしているところですので、基本ポートフォリオについて定期的に検証を行い、必要に応じ見直すようお願いをいたしましたというような表現になっておりまして、もちろん、きっかけは会計検査院の御報告の指摘事項ということでございますが、今回の指示はそういう表現で言っておりますので、見直すというのは見直すなんですが、申し上げたように、検証し、必要に応じて見直すということでございます。 今の御質問の件でございますが、基本的にはGPIFは、財政検証において設定されました長期的な利回り、それに基づいて中期計画において目標を定めます。その目標を達成するために最も最適な安全かつ効率的で確実なポートフォリオを組んで実際の運用に入るということになります。 ポートフォリオ上は一定の許容幅がありますので、市場変動でもその許容幅の中に収まっていて、かつ実際にその当初の中期目標に示されております運用が賄えている限りにおいては基本的には見直しは必要ないことになりますけれども、今申し上げたのにありますように、例えば急激な市場変動があった、あるいは途中途中で運用の実績が当初の予定を下回るようなことが出る、あるいは市場の急激な変動でポートフォリオが崩れるというような事態が生じた場合には機動的には変更するということになるわけですが、実際の運用は基本的にはパッシブ運用ということになっておりますので、日々株のやり取りをしているわけではありませんので、基本的には、五年ごとの財政検証のときに定められた中期目標に沿って運用する、基本的には、定期的に五年ごとに運用目標の見直しをしますので、その段階で見直しをするということになります。 今回は、実は二十二年の制度改正のときに定性的な目標でしか中期目標を定めなかったという経緯がありまして、その意味ではポートフォリオそのものの見直しをしていなかったと。恐らく、会計検査院の御指摘も、その意味でほぼ十年間ポートフォリオの見直しをしていないということから、必要な見直しをするようにという御指示があったと、そういうことでございますので、来年財政検証になるわけですけれども、今の段階で見直しの作業をGPIFに指示をしたということでございます。
○石橋通宏君 その辺が、午前中、中西委員も指摘をされておりましたけれども、もうすぐ財政検証が、次なる財政検証があるわけです。にもかかわらず、このタイミングで何だか慌ててやったように見えるということで、国民の皆さんから、何でこのタイミングでこういう形なのかということで、非常に不信感を持たれてしまうわけです。 年金積立金の運用方針について確認をいたしますが、これまで長年にわたって、政府答弁でも、年金積立金というのは、これはもう安全第一、確実第一ということで運用するんだということが一貫した政府の立場だというふうに理解をしております。これは変わっていないということだと思います。その前提で、国内債券を中心にということもずっと言われてまいりました。 今回、六〇%プラスマイナス八%、可能性としては五二%まであり得ると、許容幅、ということです。これ、果たして債券中心にということが言えるんでしょうか。より株式シフト、そしてまた今回でいけば海外運用シフトということが鮮明に出されているということで考えると、これまでの長年にわたって政府がちゃんと国民の皆さんに説明をしてきた安全確実第一で国内債券中心で運用するんだということから考えると、全く逆行する修正なのではないかというふうに考えられるわけですが、この点はこれまでの政府の立場を変えられたということですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) お答えを申し上げます。 決して態度を変えたということではございません。年金積立金は、委員も御指摘されましたように、厚生年金保険法等で、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に運用するというふうにされているわけであります。具体的には、委員もおっしゃったように、国内債券を中心にポートフォリオ全体のリスクを抑制する観点から株式等への分散投資を行っていると、こういうことでございまして、今回の基本ポートフォリオの見直しは、GPIFが金融経済の専門家であります運用委員会で審議を行い、専門的な見地から、最新のデータを用いて、長期的な観点で安全、効率的かつ確実であるかどうか検証した結果であると思っております。 今回の見直しによりまして、基本ポートフォリオの国内債券の割合を低下いたしましたけれども、見直し後も六割は国内債券による運用でございまして、国内債券を中心とした運用であることは変わらないというふうに考えている次第でございます。
○石橋通宏君 これが、例えば過去の、私、全部国会答弁を遡ってみました、二十年間ぐらい。平成十二年三月二十四日、衆議院厚生労働委員会、当時の丹羽大臣の答弁です、これ。自主運用に当たっては、先ほど言った安全確実第一、債券中心という前提でこういうことを答弁されています。国債などの債券が七、八割、それを中心にしながら、国内株一割、国外一割、こういうふうに組み合わせて投資を行うというのが基本であるという答弁をされております。 それで、先週、櫻井委員から、国共済の運用とGPIFの運用と運用が違うじゃないか、国共済の方がずっと成績がいいじゃないか、是非我々のも全部国共済で運用してくれというような話も、やり取りがあったのも御記憶だと思いますが、これ面白いことに、国共済のポートフォリオを見てみました。丹羽大臣の当時の答弁と同じなんです。八割が国内債券、残りが二割。まさにその安全確実第一の運用でやっておられるわけです。 ところが今回、今、副大臣、いや、六割でも中心ですよと。六割で中心ですか。これ明らかに債券の運用が六七から六〇に下がったわけです。プラスマイナス、先ほど言ったように、八%の乖離幅も含めれば五二まで落ち込むことはできるわけです。これが中心ですか。一方、国共済が八〇%の運用を債券でしている、そして安定的に運用しておられる、これまでの政府答弁の中でもこういう答弁がある、にもかかわらず、今回全く真逆のことをされている。 先ほどのあの説明じゃ、全く国民に対する説明になりませんよ。もう一回お願いします。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今までも、今、丹羽大臣の答弁が示されました。ちょっと私もそこまでは確認をしておりませんが、例えば二十二年十月二十八日の国会での答弁、約八割が債券、二割が株式というのが日本のポートフォリオだと、こういう議論もあったわけでありますが、国内債券六七%、外国債券八%、合わせて八割というようなことが今までの説明ではなかったかなと私は理解してございました。
○石橋通宏君 相当に苦しい御説明だと思います。国内債券で八割というふうに言っておられるわけで、今の御説明はちょっとこじつけも甚だしいのではないかなというふうに思ったりもします。 それで、今回のポートフォリオ改定に当たって、これ、ちょっと私も数理の専門ではないので、私どもの厚生労働部門の中で厚労省御説明に来ていただいたときに、リスクは変わらないんだけれどもリターンはいいんだと、これがどうにも納得できないわけです。これも先週木曜日の質疑の中で櫻井委員からの話でありましたように、これ基本的には債券運用というのが基本だと。それはなぜかというと、結局、債券運用の方が安定的だからですよ。だからこそ、これまでも政府も債券運用中心でいくんだと、安全確実第一だから債券運用だ、これが一般的な理解ですよね。にもかかわらず、今回、債券の比率を減らしたと、株式、国外を増やしたと、いや、でもリスクは変わらないんです、これ矛盾していませんか、理論が。
○政府参考人(香取照幸君) これは若干投資理論の話になりますので、私も数理ではございませんのでそんなに詳しいわけではございませんが、まず、基本的にGPIFが投資を、運用を考える場合には、御案内のように債券を中心にということを言っております。 これは、一つは、全体として債券の比率が高いということもありますが、基本的には債券のリスクを超えるリスクは取らないということになります。それからもう一つは、債券といえども価格の変動いたしますので、言わば全体として、リスク、リターンの関係で、リスクを軽減するという意味で分散投資というのを行います。分散投資を行う場合には、基本的には債券と同じ値動きをするものを買ってもリスクヘッジになりませんので、債券とは基本的には逆の値動きをする、ちょうどリスクとリターンの関係でいえば打ち消すようなものを購入すると。それが株式ということになるわけで、したがって、債券と株式、あるいは国内債券と国外株式のバランスで言わば全体としてのリスクの分散を図ると。したがって、単体で見たときの株式と債券のリスクがあるないという話と分散で組み合わせたときの全体としてのリスク、リターンというものが問題になる、それがポートフォリオということになります。 今回の場合でいいますと、基本的には債券が、この間ずっと長期発行している債券が多いので、その意味でいうと、デュレーションが長くなった関係で少しリスクが高くなっております。そうすると、債券の、国内債券並みのリスクで言わば最も効率的リターンが取れるポートフォリオの組合せは何かと、そういう意味で債券をベースにリスク、リターンの組合せを考え、その中で長期的に最もリスクが少なくて安全なもの、かつ効率的な運用ができる組合せということで今回の組合せをつくったということです。したがって、考え方として、債券が中心、あるいは債券のリスクをベースに物事を考えてリターンを考えるということは変わっておりません。
○石橋通宏君 今御説明になったのはGPIFのみが採用している理論ですか。というのは、先ほども申しましたように、国共済は違う恐らく理論で運用されているんでしょう、八割が債券ですからね。同じ立場に立っていないわけです。 これは皆さんも御存じだと思いますが、アメリカの同様の公的年金の運用は一〇〇%債券です、一〇〇%です。あのアメリカでですよ。それは様々な理由があることは御存じだと思いますけれども、一〇〇%債券運用です。もし、今御指摘のあったような分散投資理論、これが一般的なのであれば、ほかも同様の運用をされるんじゃないんですか。 うちの厚労部門で厚労省が提出していただいた今の分散投資理論、基になったペーパーを出していただきましたが、これ「新・証券投資論」、日本証券アナリスト協会編というものに、これに基づいて分散投資論ですというふうに言われたと理解をしております。これは証券投資論ですから、これは証券投資ですよね。要は株式投資してください、こういう分散投資すれば皆さん大丈夫ですよと、そういうものに基づいた今のは分散投資論じゃないんですか。であれば、そういう結論になるのはおのずと、何となく、これはうがった見方なのかもしれませんが、おのずと分かるわけです。株式をもっと増やしてくれ、リスクは大丈夫ですよと。 むしろ、今日、午前中御指摘があったPKOという懸念を含めて、株投資を促すというメッセージを出すためのわざわざ使っている御理論ではないかと思いますが、これ、そういうものではないですか。
○政府参考人(香取照幸君) 今ちょっと手元にありませんが、ポートフォリオに関しては、一般的に認められている知見に基づいて、一般的なポートフォリオに基づいてポートフォリオを組むということになっております。証券会社のものもそうですが、別にアナリスト協会が作ったものだから証券のことだけ考えているということではなくて、当然、債券市場もあれば資本市場もあれば株式の市場もあるということですので、市場において取引される様々な債券、株式についてのそれぞれのリスク、リターンについてのポートフォリオの考え方ということに立って組み立てられたものではないかというふうに思っております。 それと、今回の見直しですが、私どもがGPIFに見直しの指示をいたしましたのは昨年の十月の二十五日でございます。先ほど大臣、副大臣が御答弁しましたように、GPIF側はそういった過去のデータとか数値を整理して、まず基礎データを組み上げた上で今年の四月から見直しの作業に入っているということになりますので、もちろん直近の株式市場の動向は、これはリスク、リターンを見る場合のベースに入っておりますけれども、指示それ自体はもう旧政権の時代に指示を出しているものですので、その意味ではPKOとか当面の株価対策とか、むしろ我々の検討のスパンの方が何といいますか長いといいますか足が遅いといいますか、日々そう株式市場で動いているものに対応してやっているものではございませんので、そういう意味では当面の市場対策とか株価対策でこの議論を始めたり議論を進めたりしているということは全くございません。
○石橋通宏君 ちょっと先ほどの説明と整合性が付かないので、昨年の十月の時点では見直せという指示ではなかったと先ほど言われたでしょう。見直しの指示が、見直しというのはあくまで方策について見直せということでしょう。昨年の十月の時点はそういう指示だったということですよね。でも結果、結論は、今年に入ってから様々な検討をされた、つまり政権交代以降様々な検討をされて、そして今回見直しになったということなので、ちょっと先ほどの答弁は違うと思いますが。 ちょっと時間がありませんので、これは本当に心配して、だから我々のところに懸念の声がその先日の六月の発表以降やっぱり来るわけです、本当に大丈夫なのかと。とりわけ、今株式市場がこれだけ乱高下している中で今回六割、場合によってはもっと株式投資が増える可能性もあると、プラスマイナスの乖離幅で考えれば。誰が一体リスクを負うのか、リスクを負わせられるのは結局国民じゃないかというふうな懸念があるわけです、やっぱり。今後、リスク、これまでにもうさんざんに議論があって、様々な大きな損失があったりしたわけじゃないですか。だからこそ、安全確実、これが第一ということで債券運用ということになっているわけで、今回これだけ株式運用を増やされた、海外運用を増やされた、これで今後、この株価の変動は今後どうなるのか分かりませんが、大きなマイナス変動があったときに、これ、誰が責任取るんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 株価がかなり変動があるじゃないかという御心配の声があるのは我々も存じておりますが、今まで十数年来続いておったデフレというものを大きくこれを変更していこうという中での今大きな改革をしておるわけでありまして、短期的にいろんな動きがあると思います。 ちなみに、株式だけじゃなくて債券市場、国債も金利の方が結構大きな動きをいたしておりますから、そのような意味からすれば、決して株式だけが大きく動いているわけではないわけでありまして、それぞれ国債も一定のリスクを持っておりますし、株式もリスクを持っておると。ただ、国債の方が、それは満期まで持っておれば当然満期まで持っておる分だけはこれは保証されるわけであります、国の信用がある限りは。 しかし、これも、年金というものはこれから積立てを吐き出していく、そういう期間に入ってくるということになれば、長期国債を持っておればその時々の価格でしか売れないわけでございますから、満期まで全てを持っておるということではありませんから、一定のリスクというのはやっぱりあるんであろうというふうに思います。 その中において、今お話がございました誰が責任取るんだという話でありますけれども、私、厚生労働大臣が要するにGPIFに年金の運用等々、これを寄託しておるわけであります。その上で、運用に損失が生じた場合、これはやはり義務違反、善管注意義務でありますとか忠実義務、こういうようなものが、これを違反した場合、こういう場合には、当然のごとくGPIFの役職員でありますとか厚生労働省の担当の職員等々は責任を負うわけであります。 また、全体のことからいえば、GPIFの管理責任というのは、厚生労働大臣でございますからそれは管理責任は私があるということでございますが、損失を全てその責任において大臣が返せと言われると、そういう仕組みにはなっていないということでございます。
○石橋通宏君 大臣が全部損失返せるわけではないので、そういうことはそうなんですけれども。 やはりリスクを、今回もこういう決定をされたと。でも、やっぱり国民の皆さん、そういう不安があるわけです。毀損してしまったら、これはもう皆さんの老後の年金の話ですから、これはもう本当に細心の注意を払って運用していただかなきゃいかぬと、これ大前提です。 だからこそ、これずっと議論我々もさせていただいていますが、財政検証、次はまた五年に一度の財政検証あるわけですが、これやっぱり財政検証は五年に一度といわず毎年やるべきじゃないですか。先ほどアメリカの例を言いましたが、アメリカは毎年やっているんです。御存じだと思います。アメリカは毎年ちゃんと財政検証やって、一年ごとの様々な数値の変化、それに基づいて年金財政がどうなのかということを明確に出されております。御希望があれば、英文ですが財政検証報告ありますので、大臣、見ていただけばと思いますけれども、これで三つのシナリオをそれぞれ提起をして、中位シナリオ、リスクシナリオ、高位、例えば二〇三〇年代に年金財政今のままでは枯渇するということまで明確にこれ出して、そして国民の皆さんに問うているわけです、年金の在り方というのを。 やっぱり我々も、これだけ金融市場、そして財政の変動が激しい中で、やっぱり年金、国民の皆さんに安心をしていただく、それはやっぱり年金の状況、基金の状況というものを、財政の状況をやはりむしろきちんと毎年毎年御報告をして御理解をいただいて、そして年金の在り方というのをしっかりと国民的な議論に基づいて考えていくということが必要なのではないかというふうに思うわけです。 五年に一度、前回いついつやりました、やれ運用利回り四・一です、賃金上昇率二・五です、いつの話ですかと、今そんな状況にないですよねということがだから起こるし、だから年金財政について皆さん御不安をお持ちなわけです。是非、これ、年金の財政検証の在り方について、これは抜本的に改革をし、毎年きちんと財政検証をやっていくんだと、今の技術を用いれば十分可能だと思いますが、これ、是非そういう方向で御議論をいただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今もそれを社会保障審議会の年金数理部会において、見通しとそれからそれぞれの年、乖離、こういうものに対しては検証をしておるわけでありまして、計画に対して足下がどういう状況かということに関しては検証いたしております。 今言われたのは、多分そうじゃなくて、そもそも長期的な年金の検証をしろと、毎年毎年という話でありますが、幾つかの変数がございますよね。それは、もちろん出生率という部分があります、人口ですね、将来に向かっての。それから物価もある、賃金もある、運用利回りもある。こういうのがあるわけでありますが、やはり一番影響を受けるのは合計特殊出生率であるというふうに思います。 合計特殊出生率というのは、今、五年に一度、人口問題研究所等で調査をいただいて発表いただいておるわけですね。この人口の動向においてこの年金の財政検証というものをしておるわけでありまして、人口というものは、まあアメリカは比較的人口動態安定しているのかも分かりませんけれども、日本はこの人口動態、これから急激に下がっていくという中におきまして、要するに、この合計特殊出生率がどのような形になるのか、上位、中位、それから下位という形で出してきたものを使いながら長期の財政均衡というものを目指して年金の検証をしておるわけでありまして、そう思いますと、やはり経済も労働人口とかなりのこれは関連性がある話になってまいりますので、毎年やるといっても、人口推計がどうなっているかによって、これは見ても、どういうんですか、結果的にそれほど大きな影響が出てこないわけであります。それこそ、毎年毎年の運用利回り、短期的なもので検証をしてしまうと、そちらの方が長期にわたっての年金の見通しというものは私はかなり不安定になるのではないか、こう思うわけでありまして、五年というのは、そう長くもなく毎年でもなくちょうどいい、そういう期間においての見直すという意味で私は適しておるのではないのかなというふうに思います。
○石橋通宏君 時間が参りましたので津田委員にバトンタッチして終わりたいと思いますが、この件については引き続き議論させていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。 私が大体新聞記事の資料を出すと事件が起きるんですが、資料一を見ていただきたいと思います。 これ、六月七日の読売新聞です。質問通告しておりますので大臣も目を通していただいているかなと思います。書いてあるとおりです。政府・与党は今国会の成立を断念する方針を決めた、この薬事法と再生医療安全確保法案についてですね。で、野党が多数を占める参議院で民主党などの賛成が見込めないというふうに書いてあるんですね。 これ、申し訳ないんですけど、私どもが政権のときにこの骨子を作らせていただきまして、先週の民主党の厚生労働部門会議でもこの法案の審査は基本的に賛成の方向で決めさせていただきました。 こういうのを私は大誤報というふうにいうんだというふうに思うんで、大臣、この二枚目を開けていただくと、そもそも、五月の一日以降に閣議決定をして国会に提出された法案って百七十四国会まではないんですね。百七十七国会で子ども手当、これ、会期が二百二十日で成立した経過がございます、これ、大臣、野党のお立場のときですけれども。 今国会では、この薬事法と再生医療は五月二十四日に提出をされているわけでございます。これまでの国会の経過の中で、五月の二十四日に提出されたものが延長もしない通常国会で審議、可決をされるなんていうことは例がないと言って差し支えないんだと思うんですけれども。 こういう状況を、大臣が野党の時代に、社保と税の一体改革で大臣を取られるんだけれども、私は必要なものはちゃんと成立させる、私は野党の筆頭理事だけれども議論しなきゃいかぬものはちゃんと議論して通すよといって七本も通したって、あの当時、田村筆頭理事は自慢げに話をされていたんですね。私はそのときそっち側に座っていたからよく分かっているんですよ。七本。 今日、議論しているこの厚生年金基金の法案が七本目なんです。ですから、私は大変、今国会において、私ども野党ですけれども、しっかり審議するべきものは審議をして進めてきたと。この後、生活保護と生活困窮者もやろうということで今進めているんです。どう思いますか。
○国務大臣(田村憲久君) この記事の書いてあることを、政府がこういうことを言っているのかどうなのかというのは、多分言っていないんだと思うんですけれども、法案を提出した時期というものがかなり迫ってきている時期に出したということは事実でございます。 いずれにいたしましても、必要な法律であるということは我々も認識をいたしておりますので、私が、どの党が邪魔をしているなどというようなことを言うような立場にもございませんし、私どもはそんなことを思っておるわけではございませんでして、早く法案を成立に向かって御協議をいただければ有り難いということをひたすらひたすらお願いをさせていただく立場でございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○津田弥太郎君 今日はすごく殊勝なお答えで。 これで、この資料一なんですが、私が特に問題だと思っているのは、政府・与党は、参議院の厚生労働委員会の委員長を野党の民主党が握っているから、審議未了で廃案になる可能性があると判断し、継続審議することにしたという記述があるわけでございます。私も厚生労働委員長を経験したことがあるわけですが、私の横に座っていらっしゃる武内委員長は歴代の厚労委員長の中で最も公平公正な委員会運営をされている一人だと私は思っているんですが、田村大臣はいかがお持ちですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今までもいろんな委員長がおられますので、比較検討をするといろいろと支障は来しますけれども、もう現委員長には大変お世話になっておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います。
○津田弥太郎君 そうです。そのとおりです。 ですから、こういう読売新聞のこういう記事というのは本当に正常な国会運営に大変大きなマイナスに私はなっているということを申し上げておきたいというふうに思います。 さあ、法案の質問に入りたいと思います。 民主党政権におきまして、当時の辻厚生労働副大臣を中心に、基金について、十年間の移行期間を置いて基金の廃止を行うという試案を取りまとめたわけでございます。その後、政権交代を経て政府から提出をされた法案では、一部の基金、およそ一割の存続ということでございます。逆に言えば、九割については縮小、廃止という流れをつくっているという意味で、私は一定の評価をしたいと思っておりますし、質問をしていきたいというふうに思います。 基金の存続を積極的に求めている団体とか人がいるということで、主にどのような方々がこういうことを言っているのかなということで、私は、あえて言うなら、受給者はそう言う可能性はあるだろうと。あるいは、基金の事務局、これは廃止になればどうなるか分かるわけですから、基金の事務局。そして、受託会社である、圧倒的に受託会社は信託銀行がやっているわけですが、この信託銀行。この三者ぐらいが考えられるというふうに思うんですが、特に、大臣、異論ございますか。
○国務大臣(田村憲久君) 異論ございません。
○津田弥太郎君 現役時代の加入者については、DBとかDC、あるいは中退共、適切に移行できたならば格段の不利益が生ずることはないというふうに思うんです。そもそも、基金を存続させることによる母体企業の将来の経営悪化を避ける、これもあるわけでございます。そうすると、やはり今大臣も異議なしというふうにおっしゃいましたけれども、この三つのグループ。 それで、このうち受給者、これは、解散基金が上乗せ不足となっていなければその後も企業年金連合会から従前の年金給付が受けられるわけですし、仮に基金が上乗せ不足状態であったとするならば、そのまま年金給付を受けること自体が道義的に大きな問題になるわけでございます。 二番目の基金の事務局、これはAIJ事件のときに旧社会保険庁OBの天下りの問題が指摘をされたわけでございます。 資料三を見ていただきたいんですが、また意見広告なんですよ。私がこういうのを出すと問題になって大きくなっていくんですけれども、衆議院の厚生労働委員会におきまして本法案が採決されようというこの五月の二十二日、読売新聞に、これも読売新聞、読売新聞は何かちょっとおかしいんじゃないかという気がするんですが、この広告を出された全国総合厚生年金基金協議会、略称は全総基というふうに呼ぶらしいわけでございますが、これ、桝屋副大臣、どのような団体ですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) お尋ねの全総基、いわゆる全国総合厚生年金基金協議会、これは総合型厚生年金基金の健全な発展を図ることを目的といたしまして設立されたものでございまして、全国の総合型基金を会員とする任意団体と承知してございます。全総基の会員基金数につきましては、二十四年四月現在で四百七十六基金、会長基金は東京薬業厚生年金基金と承知をしてございます。
○津田弥太郎君 この意見広告、三つの論点を指摘をしているわけです。法案を提出した厚生労働省を鋭く批判をしていますね。これ、見てのとおりです。一番目に、厚年基金が廃止されると上乗せ年金がもらえなくなる。二つ目、廃止した後の受皿が全く議論されないまま審議されている。三つ目、厚年基金制度の見直しが自分たちの知らない間に意見も聞かれないまま決まっていく。こういうふうに、主な三点であります。 この内容がもし事実だとするならば大変大きな問題であるというふうに思うんですが、桝屋副大臣に、この事実関係、これについての答弁を求めたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) ただいまお尋ねになりました三つの論点でありますが、最初は、厚生年金基金が廃止されると上乗せ年金がもらえなくなると、この点でございますが、上乗せ資産を保有している基金につきましては、この法案で、基金解散後、事業所単位で既存の確定給付企業年金やあるいは中退金に残余財産を移換できる税制上の特例措置を講じてございます。それから、代行割れ基金につきましては、母体企業の国への分割納付を最長三十年まで延長することで、基金解散後、新たに企業年金を設立して退職金原資の再建を行いやすくしているところでございます。 二点目でありますが、廃止した後の受皿が全く議論されないまま審議されていると、この論点でありますが、社会保障審議会年金部会に設置されました専門委員会、また衆参における国会審議におきましても、企業年金の選択肢の多様化や他の企業年金への移行支援についての議論を行ってきたところでございます。 それから三点目でありますが、厚生年金基金制度の見直しが自分たちの知らない間に意見も聞かれないまま決まっていくと、こういう論点でありますが、これまでも平成二十四年四月から七月まで八回にわたり厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議を行ってきたところでございます。あるいは、二十四年十一月から平成二十五年二月まで七回にわたり厚生年金基金制度に関する専門委員会を開催いたしまして、これは当該全総基も含む関係者からのヒアリング等を含めて丁寧な議論をしてきたというふうに考えてございます。
○津田弥太郎君 そのとおりですね。 最後の点ですが、この全総基についても、今おっしゃった専門委員会の中で二回ヒアリングをされているというふうに聞いております。 これ、全総基のこの意見広告、かなりの事実誤認に基づいている、若しくは意図的に今回の法改正に対して何か横やりを入れようというふうに思えるわけであります。 総合型の厚生年金基金の財政状況が極めて厳しい中でどうやって今回の多額の広告費用を捻出することができたのか、これ、ただじゃありませんから。そうすると、ただでさえ厳しい厚生年金基金の言ってみりゃ上前をはねてこの広告料を乗せたとすりゃ、本当にやり方おかしいんじゃないかと。全総基の人が聞いていれば非常に厳しい指摘をしておきたいなというふうに思うわけでございます。 こういうことを行っているのは、この基金の事務局に私は問題があるというふうに思うんですね。さっきも言いましたけど、社会保険庁からの天下りが関与しているという部分もAIJのときにもあったわけでわけでございます。 そこでお尋ねをしたいと思いますが、桝屋副大臣、全総基の事務局若しくはこの全総基会長の母体となっている総合型基金の事務局に社保庁の天下りは存在しておりますか。
○副大臣(桝屋敬悟君) お答え申し上げます。 全総基には、旧社会保険庁からの再就職者が一名、それから会長基金には二名在籍をしてございます。
○津田弥太郎君 そういうことなんですね。結局、話は全部つながっていくわけです。AIJのときからのずっと流れであります。よく分かりました。基金の存続を願う主なグループのうち、基金の事務局、天下りの人たちが引き続きおいしい思いをしたいと、そういうことになるわけであります。 次に、基金存続を求める最後のグループ、すなわち信託銀行の問題に移りたいと思います。 そもそも信託銀行と厚生年金基金とはどのような関係を有しているか、桝屋副大臣、御説明をいただきたい。
○副大臣(桝屋敬悟君) 厚生年金基金の資産運用は、資産保全の観点から、運用受託機関に委託をして運用するいわゆる外部委託を基本としてございます。厚生年金基金が信託銀行などの運用受託機関と契約を結びまして、手数料を支払うことで運用受託機関が基金に代わって運用を行う、こうした関係になってございます。
○津田弥太郎君 信託銀行が受け取る手数料、これが、運用がうまくいった場合に成功報酬ということならこれは一定の理解ができるわけでありますが、しかし、結果的にマイナス運用の場合もこれ手数料がもらえるんじゃないでしょうか。 直近の年度において信託銀行が実際に基金から受け取った手数料の総額、さらに、仮に今回の法改正で対象基金が四十八に減少した場合に、信託銀行の手数料はおよそ幾らくらいになると思われますか。香取さん。
○政府参考人(香取照幸君) 委員御指摘のとおり、運用受託機関の手数料は、一般的には委託されている資金額、資産の総額で決まるという契約が多いということで、いわゆる成功報酬はございません。したがって、運用が高くても低くても手数料は払われるということでございます。 信託銀行が実際に基金から受け取っている手数料でございますが、二十三年度の決算、手元の決算の中で、運用報酬等という項目がございます。この項目につきまして、信託銀行が総幹事となっている基金についてこれを集計いたしますと、約四百五十七億ということになります。信託銀行、それから信託ではございませんが、りそな銀行が入りますので、それも含めて信託銀行等ということで四百五十七億。今申し上げました信託銀行等が総幹事になっている基金のうち、存続基準を満たして残ると思われる四十八基金、ここについて同じように調べてみますと、先ほどの四百五十七億が約五十七億ということになります。
○津田弥太郎君 運用に一定の成果が上がっても上がらなくても手数料は毎年四百五十七億もらえる、これはおいしい話ですよ。それで、今度四十八基金に絞られたとしても五十七億円もらえると、こういう話ですから、これは信託銀行にとってみりゃ、これは有り難い話。ということは、存続した方がいいということになるのかなと。これはやっぱり本末転倒の話であります。 大臣、信託銀行自身についても、当然に総合型、あるいは信託銀行を母体企業とする単独型の厚生年金基金が存在しているというふうに思うんですが、現時点で幾つの厚年基金が存在しているのか、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 信託銀行を母体企業とする厚生年金基金は現時点では存在しておりません、存続しておりません。
○津田弥太郎君 たしかあったはずだと思うんですが。大臣、今、信託銀行についての、今はゼロということですけれども、元々あった基金の名称も含めて具体的にどうなったのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 信託銀行が母体企業又は設立事業所の一つとなっていた厚生年金基金についてでありますけれども、まず、みずほ厚生年金基金が平成十七年三月、それから中央三井信託銀行厚生年金基金が同七月に、りそな厚生年金基金が同年十月に、住友信託銀行厚生年金基金が平成二十三年三月に、三菱UFJ信託銀行厚生年金基金が平成二十五年一月にそれぞれ代行返上を行った上で、現在は全て確定給付企業年金へと移行をいたしておりますので、存続をしていないということであります。
○津田弥太郎君 これ、信じられない話ですよね、皆さん。 厚生年金基金を存続しろと言っている信託銀行の基金はもうとっくに代行返上しているという話ですよ。それで、自分のところは基金はもう存続の価値がないから代行返上したけれども、よその基金は続けてくれよ、それは手数料がしっかり、がっぽりがっぽり入ってくるから。これじゃ、これ話にならない。こういう人たちが言ってみれば厚生年金基金を続けてくれと言っているとすれば、さっきの三者、特に二番目と三番目、受給者についてはまたちょっと事情は違うかもしれませんが、二番目と三番目はこれはちょっと話にならない。 これ、本当に、何ていうのかな、手数料を稼ぐために存続を求めるという、許し難いですよね。これ、名立たる信託銀行がそういうことをみんなやっていて、今信託銀行の厚生年金基金はゼロだということであります。先ほどの社保庁の天下りの問題、この信託銀行の問題、基金制度の存続を願う声が一部にあるというふうに政府・与党でおっしゃっているわけでございますが、実態はこういうことなわけでございます。 ですから、国民の皆様にしっかり頭に入れていただきたいのは、基金の今後の存続問題、この四十八がどうなっていくかという問題になっていくわけでございますけれども、これしっかり注意をしていただきたいなというふうに思います。万が一、母体企業が年金債務の穴埋めができずに倒産した場合は、三階部分の年金を持たない勤労者も含めた二階部分全体で穴を埋めるしかないわけです。これはもう前回も先ほども皆さんから様々にその指摘があるわけでございます。制度上は現在も、そして法改正後もそのようになっているわけです。 そもそも、厚労省のいわゆる健全性基準、これについても私たちは必ずしも健全とは考えておりません。先ほどみんなの党さんからも御指摘がありました。三階部分の給付が薄ければ二階部分に手を付けられる可能性が出てまいりますし、一・五倍要件に関しましても、実績ベースで一年から二年の間に代行割れしない積立て水準ということになっているわけです。一年か二年はもちますよということです。その後は分かりませんよということなんですね、この一・五倍要件というのは。 これ、サブプライムとリーマン・ショックを乗り越えたことは事実ですけれども、過去に発生した事態をもって備えるべき最悪の事態としてはならないということを我々は東日本大震災でも学んだはずなんですね。ですから、代行給付が必ず保全されるという仕組みを維持する以上、基金が存続している限り、その穴埋めを厚生年金本体が行う可能性が残るわけです。ですから、一日も早く基金の完全廃止を行うべきであるというふうに私どもは考えているわけでございます。 その意味で、衆議院段階において修正が実現したことは高く評価するものであり、先週の上川衆議院議員の発言、厚生年金基金は歴史的役割を終え、制度としてフェードアウトしていくという認識は五党で一致をしたというふうに上川議員はおっしゃったわけでございます。この発言は大変重く受け取るべきであるというふうに考えます。 改めて大臣に伺うんですが、この法改正後一定期間が経過をし、厚年基金が自主的に他の制度に移行するなどして一つも存在しない状況が生ずることとなったと、そのような状況が生じたとするならば、大臣はどのように評価をされますか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、何でしたっけ、全総……
○津田弥太郎君 全総基。
○国務大臣(田村憲久君) 全総基ですね、ここのこの広告にいろいろと書かれておりまして、今回の法案も余り御評価いただいていないような話なんですが、もちろん、我々は、今一定の基準と申し上げました、ある程度財政的に健全なところしか残さないということでありますので、代行割れしているような基金に関しては、これは特例解散をしていただくということが前提であります。 それから、もちろん、信託銀行から言われたというよりかは、先ほど言いましたように、健全なところは、うちは健全なんだからなぜ政府の制度にのっとってやってきたのにそれを今更強制的に解散をさせるんだというようなお声に対しては、ずっと言っておりますように裁判リスク等もございますので、今回一定の基準の中で例外的にお残りをいただくような制度設計にいたしたわけでありますが、ただ、委員がおっしゃられますとおり、これは代行返上全てして、仮にですよ、仮に全ての基金がなくなった場合には、当然厚生年金に対しますリスク遮断という意味からしますとそれはそういうことになりますから、厚生年金に対するリスクは減るということであります。
○津田弥太郎君 ここで大臣に頭に入れていただきたいことがあるわけでございます。 申し訳ありません、民主党政権下で、先ほど言いましたこの問題を担当した当時の厚労副大臣でありました辻議員が、今回の法改正に際して、二〇三〇年までの基金の完全廃止ということを主張しておったわけでございます。その意味は、公的年金制度においては、厚生年金と共済年金、このいわゆる被用者年金制度の一元化が法定をされ、保険料率の統一は二〇二七年に完了をし、最後に残された両制度間の債務を二〇三〇年には完全に解消されることになっているということですね。私はもっと早く基金が完全に廃止されるのではないかというふうに考えているんですが、少なくとも二〇三〇年を迎える際には、共済年金には厚年基金という制度はございませんので、これ当然完全に廃止されるべきことがこれは筋だと、この一元化に当たってというふうに考えるわけですが、そのことは今後の基金の在り方を考える上で強く意識をしておいていただきたいというふうに私は思うんですが、田村大臣はいかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) なかなか答えづらいんですけれども。一つは、共済年金と基金とは若干違っていまして、基金の場合は子会社が独立したのが親会社に戻ってくるような、そういう感覚なのかなと思っておりまして、一方で、共済の方は別会社が合併するような、そんなイメージなのかなというふうに私は思っておるわけでございますが、ただ、いずれにいたしましても、今お話がありました辻前副大臣のお考え方、二〇三〇年にきれいにしてはどうだというようなお話であろうかというふうに思います。大きな流れとしてはかなりの部分が基金がなくなっていって、その基金の代行部分というものが厚生年金に入ってくるということでございますから、大きな流れといたしましてはそのような方向性であるんであろうなというふうに思っております。
○津田弥太郎君 大きな流れであると同時に、それは当然のことであるというふうに言ってもらうと満点の回答なんですけれども。 香取さんにお聞きしたいんですが、存続対象となる基金についてであります。この四十八の基金でございますが、この四十八基金というのはどのような性格を有する基金なのかということ、それから単独、総合の別、あるいは構成業種、ここまでは衆議院でも答弁をされておるわけですが、加えて、男女、地域性、結成されてからの年数、さらには加入者、受給者の特性など、その概要をお答えください。
○政府参考人(香取照幸君) 二十三年度決算段階で存続基準を満たすと思われる基金は四十八ございます。このうち三十七は単独型あるいはグループ企業のものということになります。業種別でいきますと、機械・金属製造業十一基金、サービス業五基金、金融業が三基金。こういった存続基金の特色ですが、全体として比較的設立年が新しいということで、加入員数とか受給者数の割合が基金全体に比べると割と低い、成熟度が低い基金と。それから、本部が東京にある基金というのが多いということでございます。それから、先ほどちょっと、恐縮です、金融業は四基金でございます、失礼しました、ということでございます。なので、全体としては、割と年が若くて、単独型で、都市部にある基金というのが特徴ということでございます。
○津田弥太郎君 それでは、この四十八基金の加入員数、受給者数は合計でどの程度ですか。
○政府参考人(香取照幸君) 二十三年度の実績でございますが、この四十八基金全体で、加入員数は三十六万、受給者数が十七万、単純に合計しますと約五十三万ということになります。
○津田弥太郎君 この四十八基金のうち、既に代行返上を予定をしているところがあると思うんですが、どの程度あるのか。それから、平成二十四年度末の決算時点において要件を満たす基金はどの程度の増減をするというふうに見込まれておりますか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 四十八基金のうち、現時点では三基金が代行返上を予定しております。一基金が解散のための記録整備を進めているという状況でございます。 また、お尋ねがありました二十四年度末決算時点において存続基準を満たす基金数でございますが、平成二十四年度末の株価等を踏まえた、あくまで推計でありますけれども、約六十基金と推計しているところでございます。なお、代行資産の保有状況は六月末までに各基金に報告させることとしておりまして、それらを見ながら状況を把握していくこととしたいと思っております。
○津田弥太郎君 よく分かりました。 もう一つの大きな問題が移行コストの問題であります。制度を維持する場合の行政コスト、これは当委員会でも衆議院の委員会でも大きな議論になっておるわけでありまして、僅か四十八プラスアルファですね、今六十基金というふうにおっしゃいましたけど、この基金のために特別に行政側の体制を保持し続けるということは、厚生年金被保険者の理解が得られないんではないかなという点なんですね。 まず一番目に、各基金が届け出る決算書が二つの要件を満たしているかのチェック、これは厚生労働省のどこで行うのかというのが一点。それから二つ目、全国の地方厚生局と本省の企業年金国民年金基金課との業務分担、具体的にどのようになるのか。三つ目、毎年この存続対象基金の決算書を関係職員が確認をし、有識者が集められ、最終的に僅かな基金のみとなった場合においても続けられるということは、行政コストの観点から無駄じゃないかなというふうに思うんですが、この三点について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、御指摘の存続基準を満たすかどうかの確認でありますけれども、これは基金が地方厚生局を経由して厚生労働大臣に提出する決算書を検証して行うということになりますが、基本的には年金局において検証を行うということであります。 他方、地方厚生局は基金との連絡調整等を行うということでありますけれども、一方で、他の企業年金に移行するための支援措置、これに関してもいろんなコストを考えなきゃいけないわけでありまして、大半の基金は代行返上で他の企業年金に移行するものと考えられますけれども、このような自主的に移行を促すために掛かる行政コストと、それから一方で、健全な基金を強制的に廃止するということによって生じる訴訟リスク、こういう行政コスト、これをはかりに掛けて、今回はこれ四十八プラスアルファという話でありましたが、全てが全て残られるかどうか分かりませんし、我々以前から申し上げておりますけれども、なるべく他の企業年金へと移行していただいた方がお得ですよというような、そういうような指導といいますか、お願いはしていきたいと思っておりますので、そういうことも含めて、以前から、上川委員ですか、この間、先週ですけれども、おっしゃっておられたような形で、この基金制度というものが円滑にといいますか、うまくその役割というものを見直していっていただければ有り難いなというふうに思っております。
○津田弥太郎君 今大臣がおっしゃった訴訟リスクのことなんですが、これ通告してないんですけど、厚生労働省の大弁護団は訴訟リスクは非常にあると、その場合には相当たくさんの税金を支払わざるを得ないという判断になっているんですか。香取局長、いかがですか。
○政府参考人(香取照幸君) 我が省が大弁護団を持っているかどうかは存じ上げないんですが、訴訟リスクはやっぱり一定あるんではないかと思っております。もう一つは、具体に訴訟が起こるような事態になりますと、全体として解散に向けてのプロセスが、訴訟が起こることで様々な形で支障が生じるというリスクがあるということがありますというものもちょっと懸念されますので、単純に一個一個の訴訟それ自体の、何といいますか、業務量というか手間もさることながら、そういったことが起こること自体がやっぱり全体のプロセスの進行についてネガティブなどうしても影響が出てしまうのではないかと、そういったことを懸念をしているということでございます。
○津田弥太郎君 そうすると、いわゆる財政的な損害というよりも、全体の運びが難しくなるという意味合いをおっしゃっているのではないかなと。私は、どう考えても、三階建てを持っていない普通の厚生年金の方々にとって、基金というのはどっちかというと我々の財産を言ってみれば食っているんじゃないかという、そういう被害者意識の方が強いと思うんですね。そういう面じゃ、代行割れしているのに続けているということになれば、逆にこっちが訴訟しなきゃいけないんじゃないかというふうに思うくらいでありまして、是非そういう強い意識を持って取り組んでいただきたいなというふうに思います。 存続基金について、厚生年金本体の財政のリスクを有しているわけでして、さらには行政コストも必要としていると。それでも特例的に存続をするということになるわけですから、先ほど言いましたように、厚生年金の被保険者、あるいは国民、税金も使われておりますから、国民に対して可能な限りの情報公開が行われなければならないと考えるわけです。 桝屋副大臣、この点について、厚生労働省として現時点でどのような案をお持ちですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 存続基金についての取扱いでありますが、おっしゃるように、国民の理解を得るということは非常に大事でありまして、存続基金の決算のデータの中で、例えば存続基準のうちどちらの基準を満たして存続しているのかというようなことなどについて、可能な限り情報公開をする方向で検討したいというふうに考えてございます。
○津田弥太郎君 加えまして、存続基金、特に法律の施行後五年を経過した以降の存続基金について、ガバナンスの観点から極めて厳しい規制強化が図られる必要があるというふうに私は考えます。そしてその規制は、例えばこのDB、確定給付企業年金と比べて明確な差異がなければならないというふうに考えます。 存続基金に対する財政運営面での規制、資産運用面での規制、さらにはモニタリングの具体策等についてどのような具体策を考えておられますか。
○政府参考人(香取照幸君) 厚年基金につきましては、現在でも四半期ごとの事業状況の報告を求めておるわけでございますが、今後、存続基金につきましては、今先生御指摘のように、二度と代行割れを起こさないということが基本でございますので、基本的には様々な面で必要な規制なり届出、情報公開をさせていただきたいと思っています。 具体的には、御指摘になった財政運営面につきましては、まず今債務として代行部分とそれ以外と分けているわけですけれども、保有資産についても代行部分と上乗せとを分けてそれぞれ積立状況を報告させる、あるいは、様々な書類について、今、年金数理人による確認をしているわけですが、業務委託先に属しない者による財政診断を行うと。 あるいは資産運用面については、資産運用について、GPIFとの比較あるいは自己評価というものを行っていただく、あるいは運用の委員会、資産運用委員会について設置の義務化、あるいは専門資格を持っている方の任命を行う、あるいは外部監査を導入するといったような取組を行うと。 モニタリングにつきましては、基金から国に毎月状況を報告していただく、責任準備金なりあるいは母体企業の状況についての報告をいただく、あるいは四半期ごとに資産の運用状況について御報告をいただくといったような形で、各般にわたって経営がきちんと安定している、基金として十分運営がなされているということを確認する手法を導入をしてきちんと見ていきたいというふうに思っております。
○津田弥太郎君 先ほど、石橋議員からの質問の中で、失敗した場合に責任は誰が取るかという話で、大臣が俺が取ると、金は払えないけどというお話でございました。 今回、厚生年金基金の存続をさせるという、一部存続させるということについて、厚生労働省としては相当厳しいチェックを行うということをおっしゃっている。しかし、おっしゃっていても、もしかしたら代行割れがまた発生する可能性はゼロではないわけです。このことについては、今度の場合は、ああ、また発生しちゃったということではもう済まない。これはやっぱり、相当厚生労働省の、言ってみりゃ幹部中の幹部が相当腹を切らなければ私はならないと思うんですね。その認識は、香取局長、ありますか。
○国務大臣(田村憲久君) 責任は大臣にあるという話になるんだと思うんですが、今回、一定の基準ということを入れながら、一方で毎年四半期ごとというのもありますけれども、チェックを入れていくと。 仮に、それはもう代行割れする前に今の基準、二つの基準を割れば、すぐに対応を求め、対応しなければ、当然のごとく、これは第三者委員会に掛けて解散命令という話になっていくと思いますが、仮に代行割れが、こんなことは起こしちゃいけませんけれども、仮に起こったとしても、もう即座に解散命令を掛けて、浅いうちに要するに解散をすればその分企業からその代行部分、足らない部分も含めてお返しをいただけると思いますので、とにかく早く手を打って厚生年金に毀損をさせないということが絶対条件だと思っておりますので、その点はしっかりとやってまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 分かりました。 こうした規制を行ったとしても、仮に将来的に厚年本体の財政に影響を与えたような場合は、これはもう本当に、腹を切れと言いましたけれども、少なくとも給料は全額没収、退職金なし、まあ香取局長、そこはもう責任取ってもらいますので、忘れないでいただきたいというふうに思います。そうならないように、他の制度への自主的な移行を促進させてほしいというふうに思います。 そこで、今回の法案において解散認可基準の緩和が盛り込まれているわけでございます。企業年金は退職給付の一部を成すものでありますから、賃金の後払いとしての性格と老後の生活保障としての機能を有しているわけでございます。この上乗せ部分の積立てがあろうとなかろうと、労使協議で退職金規程等を変更しない限り、母体企業には退職給付を行う義務が引き続き課されるわけでありまして、他の企業年金への移行を含めて確実に保全をしていかなければならないということになるわけであります。また、死亡弔慰金等の福祉施設事業の継続も促していただきたいというふうに思うわけです。 田村大臣は厚生労働、労働行政も担う立場でありますので、これらの点の指導の徹底も含めた具体的なお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 基金が解散した場合、その代行割れの部分、ここは、代行割れしたとしても厚生年金は二階部分はしっかりと給付するということになっておりまして、この点は安心であります。ただ、その部分がまさに代行割れで厚生年金に毀損をさせるわけでありますから、そこは条件を、例えば納付期間を延長するなどいろんなことをしておりますので、時間が掛かってもちゃんとお返しをいただくということが前提でございますが、その上で、三階部分に関しては当然ある部分しかこれは分けられない、若しくはなければこれは分配ができないわけでございます。そうなったときに、この三階部分を退職金の一部として使っておられるところもあるわけでございまして、ここは、今委員がおっしゃられたとおり、労使間の約束の中において成り立っておると。こうなった場合に、これはもう労使間でしっかりとお話しをいただかなきゃいけないわけでありますが、仮に代行割れの部分をこれからお支払いをいただくに関しましても、新たに退職金をもう一度積み上げられるように、そういうような余裕も持っていただくために、あえて十五年の納付期間を三十年という形にしておるわけでもございますので、そこは御企業にも御努力をいただきたいと。 あわせて、この基金を特例解散されるときには、そのような労使間のいろんな話合いをしっかりと持って、労働者が泣き寝入りしなくてもいいように、ちゃんと御議論をいただくように、我々としては指導してまいりたいというふうに思っております。
○津田弥太郎君 しっかりお願いを申し上げます。 さて、基金からの新たな移行先、DBとかDCだけではないんですね。中小企業退職金共済制度、略称中退共、昔は中退金と言っていたんですが、今は中退共。これ、大変大きな役割を果たすはずでございます。 私は、この加入要件を満たす中小零細企業、これは、DBやDCではなくて、間違いなくこの中退共に移行することが最善の策ではないかというふうに確信をしているわけです。法案の説明資料には、基金解散後、企業単位で中小企業退職金共済へ移行できる仕組みの創設という記載がございますが、これについての具体的な内容をお答えをいただきたいんですね。 特に、厚生労働省というのは、やっぱりどうしても旧労働と旧厚生という、やっぱり何となくこの違いがまだ多少残っていて、この旧厚生の方になるわけですね、この年金は。そうすると、やっぱり旧厚生の方は頭にあるのはDBとかDCが頭にあって、なかなか中退共の方は頭に浮かばない。それは俺のところのシマうちじゃねえとか、そういう感じに、まだ私は体質としてあるんじゃないのかなという気がするわけでありまして、こういう枠組みではなくて、本当に資格のある、中退共に入れる資格のある企業については、はっきり言ってこのDBやDCよりも絶対に有利なんですから。それはもう皆さん御案内のとおり、この中退共には税金が投入されていますから、これは絶対有利なんですね。そのことをやっぱり広く周知をしていただくということが大変大事なことではないのかな。 移行先を受託会社に任せてしまうというところが結構あると思うんですが、受託会社に任せると、中退共では手数料が信託会社に渡らないんです。これ大事なことなんです。これ、私、信託銀行の悪口をずっと言い続けてきていますけれども、ここでも出てくるんですね。手数料稼げないんですよ、中退共では。だから、結局勧めないんですね、中退共を。 だから、ここはしっかり対応していただかなきゃいかぬと思うんですが、桝屋副大臣、いかがですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 厚生労働省におられた委員の見識でありますので、これは重たく受け止めなきゃならぬと思いますが、委員、最近私も十年ぶりに厚労省へ帰りましたけど、ほとんど別はなくなったような気がするんでありますが、今回の見直しでは、厚生年金基金解散後の移行先につきまして、委員おっしゃるように、DB、DCのほか中退共への移行もできるわけでございます。この具体的な内容でありますが、基金解散後に事業所単位で中小企業退職共済に残余財産を移換できる、これは税制上の特例措置を講じているところでございます。 厚生労働省といたしましては、委員の今日の御指摘も踏まえて、企業年金であるDB、DCだけでなくて、退職共済である中小企業退職共済、これにも残余財産を移行できることをしっかりとこれは解散指導に当たりまして情報提供するように、今日の委員の御指摘を踏まえて取り組んでまいりたいと思います。
○津田弥太郎君 手数料が信託銀行が取れないわけですから、さっきも言いましたように、ここが一つ大きな問題で進めないんですね、受託会社が。ですから、そこはしっかり、そうじゃありませんよと、餌食になってはいけませんよと、信託銀行の、そこをしっかりちゃんと厚生労働省として指摘をしていただきたいというふうに思います。 さて、今回の法改正におきまして、五年以内に解散する基金として傾向としてはやっぱり総合型が多い、残るのは単独型が多いという分析でございます。 総合型の基金の場合、一たび解散ということになりますと、母体企業ごとに移行先がばらばらになる可能性が強いわけであります。特に総合型の母体企業は中小零細企業が多いわけで、労働組合も余りないところが多いんではないのかなというふうに思うんです。そのような状況を踏まえると、加入員あるいは受給者を始めとしたステークホルダーに対して移行先の選択肢を含めてしっかりとした情報が行き届く、これは大変大事なことでありまして、その上で最善の意思決定が行われるように、国としてしっかり支援を行うべき。 この情報が行き届くということが大変大事なことだと思うんですが、この点について、桝屋副大臣、具体的な内容をお聞きしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今回の改正案では、上乗せ資産のある基金が他の企業年金制度等へ移行できるよう、厚生年金基金解散後に事業所単位で既存の確定給付企業年金あるいは今お話がございました中退共に残余財産を移行できる、移換できる税制上の特例措置を講じているところでございます。 また、委員お話がございました中小企業が移行しやすい企業年金の選択肢を増やす観点から、今後、政省令におきまして、より簡易な手続等で設立できる確定給付企業年金の導入でありますとか、あるいは確定拠出年金に移行する場合の規制緩和などを行う予定でございます。 このような基金の他制度への移行は基金に加入する事業所の労働者の退職給付を確保するために大変重要でありますから、受給者、加入者も含めて周知が十分になされるよう、基金に対して指導に努めてまいりたいと考えてございます。
○津田弥太郎君 しっかりお取り組みをお願いしたいと思います。 さて、この法案、この後、当委員会で採決が行われる予定であります。今後の法案の施行スケジュール、すなわち来年四月一日までの間に具体的にどこでどのような作業が行われるかに関して、香取さん、説明をしてください。
○政府参考人(香取照幸君) 今国会で法案、成立させていただきますれば、施行日は、委員お話しのように、来年四月一日になります。 早速ですが、もし今月中にというか今国会で成立しましたら、来月上旬には、まず、窓口になります地方厚生局に対する説明会を行います。その後、全国八ブロックに分けまして、できれば八月の早い段階ぐらいまでに各基金への説明会を行っておきたいと思っております。 政省令につきましては、パブリックコメントにかけるという必要がございますので、これもできれば夏にはもうめどを立てて、政省令の内容をお示しをしてパプリックコメントにかけるということで、できるだけ速やかに政省令の公布をいたしたいと。その上で、個別基金との様々な情報交換ですとかいろんな御相談は既にもう一部始まっておりますが、施行前から必要に応じて個別の基金に対する御相談あるいは協議といったものは、本省あるいは各厚生局において順次進めていきたいと思っております。
○津田弥太郎君 分かりました。 それでは、ちょっと時間早いんですが、最後の質問に入りたいというふうに思います。 本法案に基づく基金の解散プロセスにおいて、第三者委員会が果たす役割が極めて大きいものだというふうに考えるわけです。 そこで大臣にお尋ねしたいんですが、この第三者委員会はいつ設置をされ、構成メンバーはどのような方を想定されているのか、特に、厚生年金保険料を負担をしています労使の代表、これは当然入るべきだと思うんですね。今、安倍政権の規制改革会議とか、あそこは当事者である労働者の代表を入れないというようなことをやっているんですが、まさかそういうことはないだろうと思うんですね。その確認と、私が再三申し述べてきております、少なくとも信託銀行の代表は入らない、こういうことの確認をしたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 設置時期でありますけれども、改正法の施行日、これが二〇一四年の四月一日でございます。このときにもう既に解散申請をしてくる、そういう基金がある可能性がありますので、この日を予定を、第三者委員会でありますけれども、設置予定を考えております。 あわせて、委員についてでありますけれども、御指摘のとおり、やはり労使、この代表は入っていただかなければならぬというふうに思っておりますので、労使は当然入っていただくと。それに加えまして、この第三委員会の職務というのが基金の財政状況等をしっかりとチェックをしなければならぬわけでございまして、そういう意味では、中小企業の財務や、また債権管理等に知識のある方、こういうような方も入っていただく、法律家でありますとか会計等々の有識者、こういう方々にも入っていただくというふうになろうというふうに思います。 なお、信託銀行でございますけれども、委員の御要望というわけではないのかも分かりませんが、入りません。入れませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○津田弥太郎君 厚生年金基金、歴史的な役割はその時代その時代にあったんだろうというふうに思います。日本がある面では高度経済成長を果たしていく中で、大変、運用も非常に大きな運用を上げていた時代があったわけでございます。 ただ、やっぱりいいときというのはそんなに長く続かないわけでありまして、やはり限界が出てくる。そういうときに、やはり適切に適宜に策を講じて被害を大きくさせないという取組は大変大事。AIJ事件が起きたからある面ではここまで来たのかなという気がするわけですが、起きていなくてもやっぱりもうおしまいにしなきゃいけない時期にとっくになっていたんではないのかなと。 そういう意味で、今回のお取組、一部残る基金があることは事実ですけれども、それらの基金についても早晩他の制度に移行をしていくという強い決意を大臣も述べていただきました。そのようにしっかり進めていただくことを切望して、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(武内則男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案は、厚生年金基金制度を廃止し、五%程度の健全とされた基金の存続は認める一方で、代行割れをしている四割の基金を始め、全基金の九割を超える基金の解散を促すものです。その結果、年金保険料をきちんと支払ってきた設立企業は更に余分の負担を強いられることとなり、構造的不況業種が多い設立企業では連鎖倒産の危険性も高まります。 また、労働者や退職者は、本来給与の後払いの性格である退職年金を失い、老後の生活設計が大きく狂わされることになります。 厚生年金基金の代行割れは、バブル崩壊後の運用利回りの低下によって発生したものです。大企業を中心として体力のある企業が母体となっている基金の多くは、代行部分を既に返上して確定給付年金や確定拠出年金に移っていきました。現在存続している厚生年金基金のほとんどは中小企業を母体とする総合型で、自らの経営努力で代行割れを解消することが困難なところがほとんどです。 運用利回りが低下して厚生年金基金の資産が毀損するにもかかわらず、厚生労働省は抜本的対策を取らず問題の先送りをしてきました。今回の法案の契機となったAIJ投資顧問問題は、運用実態と乖離した予定利率を放置し、逆ざやを埋めるためハイリスク運用をせざるを得ない状況に厚生年金基金が追い込まれていたことが背景にありますが、厚生労働省が運用規制の緩和を行ってきたこともその要因の一つです。また、代行返上を連帯債務としたことが基金解散の妨げとなったり連鎖倒産を招いたことも指摘せざるを得ません。 このような厚生労働省の政策上の責任を不問にしたまま、その失敗の責任を労働者や中小企業に押し付けることは許されません。日本の年金制度の問題点は、無年金、低年金問題に見られるように、老後の生活を保障するものとなっていないところにあります。最低保障年金の創設など、老後の暮らしを支える年金制度への転換が必要です。 消費税増税を前提としながら、国民生活を更に苦境に陥れる年金支給開始年齢の引上げや物価下落時のマクロ経済スライドの実施等が社会保障制度改革国民会議で議論されていることに抗議をし、反対討論を終わります。
○委員長(武内則男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武内則男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
○足立信也君 私は、ただいま可決されました公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、経済・社会情勢を踏まえ、解散や他の企業年金等への移行を検討している厚生年金基金の要請に応じるため、本法の速やかな施行に努めるとともに、関係政省令の整備、説明・相談などの適切な対応等により、解散や移行が円滑に行われるよう体制の整備を図ること。 二、総合型の厚生年金基金の解散に当たっては、加入員、受給者等に移行先の選択肢を含めて必要な情報が行き届き、その上で最善の意思決定が行われるよう、基金及び母体企業への支援を行うこと。また、基金から他の企業年金等への移行については、基金の母体企業の多くが中小企業であることに鑑み、現行の企業年金制度の手続面での改善等を含め、移行のための支援策を拡充すること。 三、厚生年金基金の解散・移行に当たり、母体企業が退職金規程等に基づく退職給付義務を履行するよう指導を行うこと。 四、代行給付に必要な資産を有している厚生年金基金が今後代行割れを起こすことのないよう、従来以上に基金の資産状況等に対してモニタリングを実施し、基金が加入員、厚生年金被保険者等に対する情報開示を積極的に行うよう促すなど、適切な対応を行うこと。 五、第三号被保険者の記録不整合問題について、特例追納の対象者や対象期間を分かりやすく説明し、できる限り多くの者が特例追納できるよう本措置の周知・広報に努めるとともに、記録不整合問題の再発防止策を徹底すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(武内則男君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武内則男君) 多数と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(武内則男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 子どもの貧困対策の推進に関する法律案を議題といたします。 提出者衆議院厚生労働委員長松本純君から趣旨説明を聴取いたします。松本純君。
○衆議院議員(松本純君) ただいま議題となりました子どもの貧困対策の推進に関する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 本案は、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困対策を総合的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより推進されなければならないこと等の基本理念を定めること。 第二に、政府は、子どもの貧困対策を総合的に推進するため、子どもの貧困対策に関する大綱を定めなければならないこととし、大綱は、子どもの貧困対策に関する基本的な方針、子どもの貧困率、生活保護世帯に属する子どもの高等学校等進学率等子どもの貧困に関する指標及び当該指標の改善に向けた施策、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援その他の子どもの貧困対策に関する事項並びに子どもの貧困に関する調査及び研究に関する事項について定めるものとすること。 第三に、都道府県は、大綱を勘案して、当該都道府県における子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努めるものとすること。 第四に、内閣府に、特別の機関として、子どもの貧困対策会議を置くこと。 第五に、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。 以上が本案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(武内則男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石橋通宏君 民主党の石橋でございます。よろしくお願いを申し上げます。 議題となりました子どもの貧困対策の推進に関する法律案、本法案の成立に向けて本当に御努力をされてきた関係者の皆様方の御努力にまずもって敬意を申し上げたいと思いますし、しかしながら、この法律が成立した暁には、まさに日本国内における貧困状態にある子供さんたち、一刻も早くこの貧困状態から抜け出せる実効性ある法律を是非作っていきたいと、そういう思いで今日は質問をさせていただきます。 提出者を代表いたしまして今日は山井衆議院議員、薗浦衆議院議員においでをいただいております。是非よろしくお願いを申し上げます。 まず初めに、本法案における貧困についての定義、それから、続けてその後に子供に関する定義も聞きたいわけですが、この法律上、貧困というものをいかに定義をするのか、今、日本における貧困といったときに、一体何をもって貧困の状態にあるというふうにするのか、このことが法律の条文を読んだだけではちょっといまいちはっきりしないということもありまして、是非、提出者の方から、この貧困というものをどう本法律上、法案上定義をするのかということについて、まず御説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 石橋委員にお答えを申し上げます。 子供の貧困とは、現に経済的に困窮し、教育や生活などについて公的な支援が必要な状態を表すものであると考えております。この法案では、子供の貧困について広く対策を講じていきたいと考えておりまして、子供の貧困を定義付け、対象を限定して狭くとらえるということは避けたいと考えています。 このように、子供の貧困についての定義は置かないわけではありますけれど、子供やその保護者に対する教育支援、生活支援、就労支援、経済的支援等の様々な施策を、子供がその成長環境によって、生育環境によって将来が左右されることがないように講じていきたいと考えております。 また、子供の定義についてでありますが、この子供に関しましても、今回は未成年とか高校生までとかそういうことではなく、大学進学にしても様々な支援が必要になるという観点から、今回は支援が必要な子供に必要な支援が届くようにしたいと考えており、必要な支援、制度ごとにその趣旨を踏まえて対象者を決めることに考えており、この法案では具体的に子供の定義を定めることはしておりません。このため、胎児や妊娠中の方に対する支援についてもこの法案の対象になり得ると考えております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 今、貧困ということについて、そしてまた子供ということについての定義についての考え方を山井議員から御説明をいただきました。具体的な定義は置かないんだと、それはむしろそれぞれの施策に応じて具体的な定義をこれからしていくんだと、それによって貧困状況にある子供というものをより広く適切に、施策ごとに定義をすることによって適切な施策が行えるようにするんだと、そういう御趣旨であったというふうに思います。 その上で、では、これが、誰がその定義をやっていくことになるんでしょうか、その点についてお考えがあればお聞かせいただきます。
○衆議院議員(山井和則君) 先ほど御答弁をさせていただきましたように、一つ言えますのは、貧困はお金だけの物差しではないということであります。その貧困状態によって、進学したいけれど進学ができない、あるいは学校での勉強、修学旅行、様々なことをやり続けたいけれど、部活動も含めてですが、そういうチャンスが奪われる、そういうことのトータルを含めて幅広く物質的な貧困、経済的な貧困、その経済状況によって当然チャンスを得ることができる、そういうことが貧困を理由によって得られない、そういうことも幅広く貧困というふうにとらえていくべきだと考えております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 後ほど、ちょっと大綱等の話のときに、より深くその定義の在り方についても、仕方についても質問をさせていただきたいと思いますが。 一点確認ですけれども、必ずしも経済状況だけの話ではないと、だからこそいわゆる貧困率ということだけの話ではないということなんだと思いますけれども、改めて今、貧困率ということでいきますと、子供の貧困率が一五・七%という数字があります。全体の貧困率が一六%で子供の貧困率が一五・七%という数字が厚労省は示されていると思いますが、これ、済みません、ちょっと厚労省、確認ですけれども、子供の貧困率一五・七%というこの指標において、この一五・七%の貧困状況にある子供の数というのは何人ぐらい今、日本におられるということで理解をすればよろしいでしょうか。
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。 相対的貧困の子供の数でございますけれども、平成二十一年の貧困率が一五・七で、十七歳以下の人口が二千六十二万人ということでございますので、これを単純に掛け合わすと約三百二十万人ということになるかと思います。
○石橋通宏君 これは単純計算で、推計で三百二十万人ということでよろしいですか。そういうことですね。 これ、実質的には推計ですので分からないわけですが、それにしても、三百二十万人ぐらいのお子さんたちが相対貧困率でいって貧困状況にあると経済的には考えられるということです。三百二十万人ですので、これは本当に大きな数です。だからこそ、この対策をしっかりやっていかなければいけないということだというふうに思っておりますけれども。 今回の法案が想定する、じゃ、いかにしてこの子供たち、三百二十万人おられる子供たち、貧困状況にある子供を救済するのかということですけれども、これ、本法案が念頭に置くのは、この子供たちに対して直接的な給付等々をもって子供たちに対する支援を行うということが主なる念頭にあるのか。ではなく、やはり御家庭、御世帯、家庭全体をとらえて、子供の貧困というのは家庭の中でのお話だと、やはり家庭に対する、世帯に対する、つまり親御さんに対する支援というのを念頭に置くべきだと、そういう思想に立っておられるのか。これはどちらを志向されている話なんでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) 重要な御指摘、ありがとうございます。 この法案におきましては、お子さんへの直接の支援とともに、やはり育てておられる親御さんへの御支援、その両方だというふうに考えております。特に、先ほどもお話がありましたように、一人親世帯の子供の貧困率というのが極めて日本は高い。そういう意味では、この法案というのは子どもの貧困対策推進法でありますが、同時に、一人親家庭のお母さんやお父さんを応援する法案でもあるというふうに考えております。
○石橋通宏君 大変重要な御説明だったと思います。子供さん、そしてまた御世帯、親御さんたちへの支援を本法によってしっかりとやっていくんだという趣旨だということで理解をさせていただきました。 それでは逆に、一方、貧困状態にある子供さんたちの中には親御さんのおられない子供さんたちもおられます、施設におられる子供さんたち等々を含めてですね。先ほど、子供さんたち、世帯の中で、御家庭の中で過ごされている、だからこそ親に対する支援が必要なんだという御説明でした。であれば、親のおられない子供たち、施設におられる等々の子供たちにとっては、やはり生育の場、成長の場としての施設そのもの、そこには施設長さんがおられたり関係者がおられたりするわけですが、そういう場に対する支援というのも当然本法案の念頭に入っているんだと、支援の対策の対象であるというふうに理解をすべきだと思うんですが、そういう趣旨でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) 重要な御指摘、ありがとうございます。 確かに、様々なお子さんたちがある中で、施設に入っておられる、あるいは御両親がおられないお子さんたちの支援というのは最も重要かつ緊急度は高いと思っております。その趣旨からも、両親のいない、施設に入っておられるお子さんたちというのは当然この法案の対象になり得るわけですし、また後ほど答弁でもございますが、児童養護施設に入っている子供たちの進学率を引き上げていく、そういうことは今までなかなか取り残されていた課題でありましたけれども、この法案を通じて是非ともそういう方々のバックアップをしてまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 これも重要な答弁をいただきまして、ありがとうございます。 この点について厚労省に是非確認をさせてください。これ、厚労省、今後施策を具体的に打っていく上で、まさに今提出者から御答弁いただきましたけれども、そういう御趣旨で施設等々に対する、それは、子供たちだけに対する施策ではなく、施設そのものに対する拡充施策も含めてやっていくんだということでよろしいですね。
○政府参考人(石井淳子君) まさにそのとおりでございます。施設に入っていらっしゃるお子さんにおきましても、適切な可能性がちゃんと享受できるように必要な支援を行っていくべきと考えておりますし、それを行ってまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。 それでは、今、山井議員からも具体的な指標、施設におられる子供たちの進学率等、ちょっと例示がありましたけれども、今回、私も法案ずっと読み込みをさせていただいたときに、やはり一つ大変心配しておりますのが、まさに具体的な目標設定というものが法案自体になかなか書き込まれていないと。 衆議院の修正で一部書き込みがあるわけですけれども、しかし、冒頭、山井議員から、具体的な定義は置かなかったんだと、それは様々な領域で様々な観点から子供の貧困をとらえるがために法律上は具体的なものを置かなかったという御説明がありました。しかしながら、実際、様々な具体的な施策を打っていく上では、やはり何らかのベンチマーク、指標をちゃんと設定をして、むしろ幅広く、貧困率だけではない、進学率だけではない、様々な観点から子供の貧困状況をとらえるための指標というものをきちんと設定をして、そして、じゃ今それがどういう状況にあるのか、そして、じゃ達成目標を何年後にどこまで頑張るのかということを示すことによって、まさに今回の法律が想定をしている、国と自治体と関係者の皆さん含めて、じゃみんなで協力をしてやっていこうということが示せるのではないかというふうに強く思うわけであります。 今回、具体的な指標というものがより深く多方面において書き込まれなかった、目標も書き込まれなかった、そのことについてもし提出者から御説明があればいただきたいと思いますし、それを今後例えば大綱の中でどういうふうに位置付けていくべきだとお考えになっているか、その点についての御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(山井和則君) 子供の貧困に関する指標を調査、把握することは必要と考えておりまして、今回、御存じのように、例えば子供の相対的貧困率や生活保護世帯児の高校進学率などを把握して、それらの指標の改善を図る施策を講じていくということを書き込んだことは重要な意味があると思っております。 さらに、これらも、どの指標がベストだということではなくて、その他の指標の候補としては、例えば、先ほども少し議論がありましたが、児童養護施設児などの高校・大学進学率や一人親の就業状況、正規、非正規の別や、あるいは一人親の家庭の平均年間収入、やはりこういうものも当然改善を図っていくと。様々な指標を大綱の中に盛り込んでいって、それらを総合的に改善させる施策を講じてまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 一点、ちょっと確認ができればと思うんですけれども、高校進学率を書き込まれたということですが、これ、前提で生活保護世帯の高校進学率というふうになっています。これ、何で生活保護世帯に限定した高校進学率になってしまったんでしょうか。いわゆる一般的な貧困状態にある子供ということから考えれば、この前提条件付けなくても、高校進学率なりということにすればよかったんじゃないかなと私も思ったんですが、これもし説明があればお願いします。
○衆議院議員(山井和則君) おっしゃるとおりでありまして、これは生活保護家庭の子供の進学率ということをここで例示をさせていただきましたけれども、生活保護家庭に限らず貧困家庭のお子さんというのは非常に多いわけでありますから、そういう意味では、既に文部科学省によって公表されておりますけれども、一般家庭の子供の進学率、高校進学率を公表し、改善を図っていくことも非常に重要だと考えております。 さらに、今回、今後議論をされます生活困窮者支援法の中でも、生活保護家庭のみならず生活困窮家庭のお子さんへの無料学習支援等の施策も今後拡充されるわけですので、そのことについても改善の努力はしてまいりたいと思います。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 法律上は生活保護世帯ということで書き込まれておるけれども、実際やはり幅広く様々な指標をきっちりと決めていくべきだという御趣旨だと思います。 この点について、今日、内閣府からおいでをいただいています。具体的には、内閣府所管として今後この辺の大綱の具体的なものをやっていかれるんだと思いますが、今提出者から御説明があったように、大綱の中については可能な限り幅広くきちんと指標を設定をして、そして目標を決めて頑張っていくべきだということだったと思いますが、内閣府、そういう御趣旨で今後進めていただくということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(伊奈川秀和君) お答えいたします。 子どもの貧困対策大綱におきましては、法律上、基本的な指針と併せまして指標そして当該指標の改善に向けた施策等々が盛り込まれることになっております。 この大綱につきましては、子どもの貧困対策会議で案を作成いたしまして、最終的には閣議決定ということでございますので、大綱の具体的な構成あるいは内容につきましては今後検討をさせていただきたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、数値目標を盛り込むかどうかも含めまして、最終的には子どもの貧困対策会議において判断、決定させていただければと考えております。
○石橋通宏君 ちょっと答弁が提出者の御趣旨と若干ずれているなという気がするわけですが、この大綱の中には、指標についてはより幅広く子供の貧困という状況を判断する観点から取り入れるべきだと、そういう御趣旨であるという提出者の御説明でありました。今の答弁であると、そういうことも含めて検討するということであると、ちょっと法律の趣旨そのものと随分違うような気がしますが、これ、指標については大綱の中に幅広い観点からしっかりと盛り込んでいくんだと。具体的な数値目標をどうするかについては、これは御検討されるんでしょう。しかし、指標の設定についてはやはり大綱の中で、これは子供の貧困状況で、様々な経済状況だけでない観点からというのが御趣旨ですから、そこはきちんと幅広く盛り込んでいくということで答弁いただきたいと思いますが、どうでしょう。
○政府参考人(伊奈川秀和君) ただいま御指摘いただきましたように、この貧困対策大綱につきましては、この法律の趣旨、そして本日の御議論等を踏まえまして今後検討させていただきたいと考えております。
○石橋通宏君 ですから、今、先ほどから繰り返しますけれども、提出者からの御説明と今の内閣府の御答弁、随分乖離があります。先ほどから申し上げておりますように、また山井委員からも御説明がありましたように、これは幅広い指標についてきちんと大綱には書き込むべきなんだと、そういうふうに提出者、そうしないとまさにこの法律の意味がないというのが提出者の御趣旨だったと思います。ですから、我々は提出者の御趣旨を踏まえて、大綱にはそういう方向でしっかりと指標を様々な観点から書き込んでいただくものだということで要請をさせていただきますので、この点は是非お願いをいたしたいと思います。 その上で、ちょっと時間がなくなってきましたので具体的に幾つか、教育についてとりわけ書き込んでいただいておりますが、ちょっとはっきりしないのが、今回教育の支援ということを出していただいているわけですけれども、じゃ実際、教育といったときに、この法律上教育というものがどこまでの範囲の教育なのかと。これは義務教育だけの話なのか、そうではない、もっと幅広い意味でこの教育というのは定義をされているものなのか、そこのところの趣旨を、これも提出者から御説明をいただければと思います。
○衆議院議員(山井和則君) これは義務教育だけではございません。専門学校そして大学も含まれておりますし、学校教育あるいは学校教育以外の教育も含まれております。あえてそこを定義しておりませんのは、やはり修学旅行や部活動等を含めてできるだけ幅広く解釈できた方が支援がやりやすいと、そのような判断においてこういう書き方になっております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 是非そういう趣旨で幅広く取って、そして具体的な施策を検討していただきたいと思いますが。 今日、文部科学省から参考人、おいでをいただいておりますが、今のような御趣旨で幅広く教育というものをとらえてこの具体的な施策、今後つくっていっていただけるということで確認をさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
○政府参考人(大木高仁君) 子供の貧困対策につきましては、生まれ育った家庭環境によって子供たちの将来が左右されることのないように、教育の機会均等を図るとともに、貧困の状態にある子供が安心して学ぶことのできる環境を整備することが重要であると考えております。このような観点から、文部科学省といたしましては、義務教育段階の就学援助の実施、大学等奨学金事業及び授業料減免の充実等を通じまして、子供が安心して学べるよう、経済的支援の充実を図っておるところでございます。 この法案が成立ということになりました後は、この法律の趣旨も踏まえまして、今申し上げましたような経済的支援の充実を図るとともに、その他の子供の貧困対策に関する取組を検討してまいりたいと、このように考えております。
○石橋通宏君 ちょっと、どうもまた提出者の御説明と文科省、今御説明いただいたものとちょっと筋が違うかなという気がするんですが、教育というものをより幅広く取っていただくと。単に、今経済的な支援と言われましたけれども、それだけじゃない話ですよね。 ですから、今、提出者の御趣旨を踏まえて、本法律の趣旨を踏まえて、教育というものをより広くきちんと取っていただいて様々な対策を講じていただけるということでいいですねと。イエス、ノーでお願いします。
○政府参考人(大木高仁君) 今申し上げましたこと、少し足りませんでしたので申し上げますと、経済的支援の事柄につきましては、今例示を挙げて私ども取り組んでいる施策として申し上げたところでございます。 その他の子供の貧困対策の取組、これはおっしゃられるように、いろいろな取組が考えられるだろうというふうに考えておりますので、それらについて検討をしてまいりたいと、このように考えております。
○石橋通宏君 是非よろしくお願いをいたします。 続いて、就労支援について伺いたいと思いますが、ちょっとこれも提出者に確認をさせていただきたいんですけれども、本法律を読んでいきますと、就労支援という観点では親御さんに対する就労支援ということが基本になっているように読み取れますが、これは、例えば子供さんについても、当然、成長していった暁には、子供さん御自身の選択肢において、当然、教育を続けるのか、若しくは十五歳以上、義務教育を終えた段階で就労という選択肢をされるのか、それはもちろん子供さんの選択肢であり得る話だと思いますが、そういった場合には、これはこの法律上子供さんに対する就労支援というのも念頭に置かれるのかどうか、確認させてください。
○衆議院議員(山井和則君) お答え申し上げます。 第一義的には保護者の、親の就労支援ではございますが、当然そのお子さんたちの就労支援もしっかりと行っていくべきだと考えております。
○石橋通宏君 そういう御趣旨だということですので、これは、厚生労働省、今後の対応においては是非それを子供さんに対する支援も含めてしっかりと対応いただきたいと思いますが。 就労支援についていうと、そもそも、先ほど山井さんからも一人親世帯の貧困状況ということもありましたが、日本はじゃ一人親の御世帯についても親御さんが働いていないかというと、実は世界で、国際的にも比較してもこれだけ一人親の御世帯でしっかり親御さんが働いておられる家庭ないわけです。にもかかわらず貧困状態にあると。つまり、もちろん失業状態にある方若しくは無業の状態の方については就労支援ということになるわけですが、逆に、今働いているんだけれども、仕事はあるんだけれども、一生懸命働いても収入がやっぱり得られないんだと、貧困状態から抜け出せないんだと、そういう御家庭に対する、親御さんに対する支援というのをやはりしっかりとやっていかないとそもそもの貧困対策は実現できないのではないかというふうに強く思うわけです。 この点について、厚労省、どう今後具体的な対策を取っていかれるおつもりでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、先ほど委員おっしゃられましたお子さん方への就労支援という意味では、中高大それぞれ新卒者に対しまして新卒応援ハローワークというものを全国五十七か所設置をいたしております。それから、フリーターの方々に関してはわかものハローワーク若しくはわかもの支援コーナー、わかもの支援窓口等々全国で二百十一か所、ハローワークに関しては三か所ということ、さらには、地域若者サポートステーションという形でニートの方々にもしっかりと対応していこうということでこれはやっていくわけでありまして、今設置箇所を増やしておりますので、そういう形でしっかり対応してまいりたいというふうに思います。 あわせて、今、今度は親の方への支援でございますが、基本的にはまず景気を良くしなきゃならぬ話が前提にもちろんあるのは当たり前でございまして、景気を良くして雇用また所得、これを増やしていくということを前提としてやっていかなきゃならぬわけでございますけれども、そんな中において、じゃ個別具体的にはという話になれば、当然のごとく、非正規雇用で働いておられる方々に関しては、その正規化を図っていくという意味から、トライアル雇用もそうでありますし、あわせて、各企業でキャリアアップ助成という形で、キャリアアップをしていただいて各企業の中において更に安定したそのような処遇を確保していただく、こういうこともやっていただかなければならぬということで、応援をいたしております。さらには、最低賃金の問題がよく皆様方から要望いただくわけでございますが、最低賃金審議会、今年私も出席をさせていただいて、これは労使御理解をいただく中において、最低賃金の引上げ、お願いをさせていただきたいなというふうに思っております。 そういう中に通じまして、今おっしゃられましたように、親の世代のやはり労働環境というものを整備して、所得が上がる、そして雇用がしっかりと確保できると、こういうふうな環境の整備を進めるために頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○石橋通宏君 大臣から大変重要な御答弁をいただきましたので、是非そこのところ、しっかりと取組をお願いをさせていただきたいと思います。 それでは、子どもの貧困対策会議について質問させていただきたいと思いますが、先ほどちょっと大綱についての話もさせていただきましたし、具体的な施策で定義をしっかりそれぞれでやっていく、また指標もしっかり定めて大綱に盛り込んでいくべきだというふうな御説明もいただいてまいりました。衆議院でも、これは附帯ですかね、決議をいただいておりますが、今回、私もう非常に残念に思ったのは、この会議のメンバーが国務大臣によって構成をされるんだということで大綱が作られるようになっていると。 やっぱりこれ、そもそも当事者の方々の声をどうこの施策に反映をさせていくのか。そして、当事者の皆さんと一緒になって、今寄り添っていろいろな取組をしていただいている関係者の皆さん、NGO、NPOの皆さん、様々に現場で頑張っていただいている皆さんがおられるわけで、やはりそういう当事者の皆さん、関係者の皆さん、専門家の皆さんの声がこの施策に反映させていかないと、これ本当に絵にかいたもちになってしまいます。であれば、これ衆議院の方の附帯で、会議に当事者の声を聞くんだというふうになっているんですが、いまいちはっきりしない。 具体的にどう当事者の声が反映させる仕組みになっているのか、大綱の各省における素案作りから、大綱の決定から、大綱決定以降具体的な施策の取組から、そのモニターから、いわゆるPDCAサイクルを回していく上で、その全てにおいてちゃんと当事者の声が反映されるということで理解をさせていただいていいのか、若しくはそういう取組をしていくんだというふうに理解をさせていただいていいのか、これ提出者から御説明をいただければと思います。
○衆議院議員(山井和則君) 石橋委員のおっしゃる趣旨のとおりであると思います。やはり、この子どもの貧困対策法が絵にかいたもちではなく、実効性のある、成立してよかったなと後世から評価を受けるためには、その実効性を担保せねばなりませんし、実効性を担保し評価するのは誰かというと、言うまでもなく当事者の方々であると思っております。まさにそのために、衆議院の委員会決議におきましても、当事者や当事者を支援する団体の声を聞く会議を開いて、その声を反映する形で大綱を作るというふうに決議をさせていただきました。 例えば、がん対策基本法も七年前に成立しましたが、その中で、やはり当事者を、がんで患っておられる当事者や御遺族に入ってもらう、そのことで非常に実効性のあるがん対策の基本計画、基本大綱ができて、うまく今もいっているということがございますので、当事者の声を反映するというのは非常に重要だと考えております。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 そういう趣旨だと思いますが、これ、やはりそういう趣旨できちんとこれはやっていただかなければいけませんので、これは改めて内閣府、確認させていただきますが、今後、大綱の素案作り、作成含めて、そして実地、当事者の声をしっかりと聞いていただく、そういう取組でいくんだということで、確認をお願いします。
○政府参考人(伊奈川秀和君) 今御指摘いただきましたように、当事者の方の声、そして、その支援団体の方など関係者の方の意見を反映していくということは非常に重要なことだと認識しております。 具体的にどのようにそういった声を反映していくかということにつきましては、今後、法律が成立した後、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 ちゃんとやっていただくよう検討するという今ことでしたので、具体的な措置は必ず図っていただきたいと思います。 時間が来ておりますので、最後、一問だけ質問して終わりにさせていただきたいと思いますが、施行期日の関係です。 施行期日、附則の第一条で、これは一年を超えない範囲でやるというふうになっておりますが、これは子供の貧困の対策の話です。これは一刻も早く法律成立後施行していただいて、一刻も早く対策を打っていただくということなんじゃないですか。 なので、これ一年待たずに、むしろ、例えばもう来年度の予算審議が夏から始まっていくわけですから、それに間に合わせるように施行をいただくということが私は一刻も早い対策として必要だと思いますけれども、この点、是非、施行期日、一刻も早く、できれば年内若しくは十一月前ぐらいにやっていただきたいと思いますけど、この点について答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。
○衆議院議員(山井和則君) おっしゃるとおり、この法律は成立しても施行されなければ意味がありませんし、来年度の予算に対する影響ということもあるかと思います。 政府においては、法の成立後、法施行のための職員を含む体制整備、子どもの貧困対策推進会議の出席閣僚の調整、地方公共団体への説明等の準備作業に直ちに着手し、年内に施行していきたいと考えております。
○石橋通宏君 済みません、年内にということで提出者からありました。済みません、この点についてだけ、最後、内閣府、そういうことでやっていただくということでよろしいかどうかの確認だけお願いします。
○政府参考人(伊奈川秀和君) ただいま提案者からも説明ありましたように、この法律の施行ということに関しましては、職員体制の整備ということでいろいろな準備をする必要がございます。また、一つありますのは、これ地方公共団体においても取り組んでいただくといったようなことがございますので、そういった意味での準備期間ということをいただきたいとは思っておりますけれども、速やかに施行できるように対応していきたいと考えております。
○石橋通宏君 終わります。
○委員長(武内則男君) 委員長から一言申し上げます。 本法律案は衆議院厚生労働委員長提出法案です。その提出の中身の法案の趣旨については、内閣府の方はしっかりと、勝手に解釈しないように、しっかりとその趣旨に沿って仕事をしていただくように、そのことを申し上げて、石橋通宏君の質問を終わります。
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。 子どもの貧困対策法案について、まず衆議院提出者へ質問させていただきます。 当初、民主党案では貧困率の目標設定を法の中に盛り込んでおりましたが、今回の法案で具体的に盛り込まなかったのはなぜでしょうか。目標数値を入れた場合、どのようなメリットあるいはデメリットがあるのでしょうか、お答えください。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) お答えを申し上げます。 委員にも各種の会に随分出ていただいて、随分御理解をいただいているという前提で答弁をさせていただきますけれども、いろんな指標、いわゆる貧困率だけじゃなくて、いろんな指標を改善させていかなければならないというのはもう御理解いただいていることだろうと思います。そういう中で、いわゆる相対的貧困率というものが非常に、あれだけがクローズアップをされた状態でございました。 一方で、子供の相対的貧困率というのは、いわゆる可処分所得、御存じのとおり可処分所得のみで判断されるものですから、例えば現物給付の部分であるとかそれから資産の保有状況というのがすぐに反映されないという意味で、これだけが数値目標として正しいのかどうかという議論の中で、全体として数字、先ほど山井先生からも申し上げましたように、例えば進学率であるとか一人親家庭の問題でありますとか、そういうものを改善させようという中でいろんなものを指標として盛り込むというふうに定めさせていただいたわけでございます。 それで、衆議院の方で全会一致で可決された際にも、相対的貧困率を含めて指標として大綱に盛り込むように、そしてそれを改善する施策を打つようにということを盛り込んでおるわけでございますので、それで担保されるものと私どもは考えております。
○川田龍平君 この子どもの貧困対策会議は閣僚のみの会議ですが、衆議院で決議されたように、支援団体などの意見を踏まえるべきと考えますが、具体的にどのようにそうした意見を把握し反映させるシステムにしたいと立法者は考えているでしょうか、お答えください。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) 当初、この話もヒアリングでという話が実はありました。ヒアリングだと話を聞いて終わりだろうという御懸念がまさに当事者の方々からありましたので、その方々の意見を踏まえて会議という文言を入れさせていただきました。きちんとした会議の場、どのような会議になるかというのはこれはもちろん政府側にお任せすることになると思いますけれども、きちんとした会議の場で、当事者それから支援団体の方々に御出席をいただき、そこでいろんなお話をお伺いをして、そしてその意見をくみ上げた上で大綱にそれを反映していくという形を取りたいと思っております。
○川田龍平君 この法の施行日は一年以内と期間が長くなっており、法が施行されてから会議が開かれ、大綱案が作成され、大綱ができて初めて法が実質的に動き出すことになります。 法が成立したら、来年度予算からしっかりと予算が伴った具体的施策がなされるべきと考えますが、立法者として、法が成立してからどれくらいで施行されることを想定し、また大綱は施行後どれくらいの期間で策定されるべきだと考えているのか、お教えください。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) 先ほど山井先生からも御答弁申し上げましたけれども、年内にというふうに私どもは考えております。 もちろん、内閣府さん等々関係省庁の職員をどうするのかという問題とか、大綱を策定するに当たって会議どうするのか、いろいろ問題がありますので、私どもがこの場で何月何日までにということは申し上げることはできませんけれども、少なくとも年内に施行していただいて、それに見合った形でその後大綱を策定していただいて、できれば来年から様々な施策を打っていただきたいというのが私どもの意図でございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。 これで衆議院の提出者への質問は終わります。 次に、政府に対して質問させていただきます。 施行期日が政令で決まるとされていますが、本年度予算に反映される形で施行期日が設定されるんでしょうか。一年もたってから施行されるのでは今ここにある子供の貧困が救えずに、成立したらすぐに施行するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(伊達忠一君) 来年度の予算に施行期日が設定されるのかということでございますが、政府としては、法の成立後、法施行のための職員も含めた体制整備、そして子どもの貧困対策推進会議の出席閣僚の調整、地方公共団体への説明等の準備作業を直ちに着手して、準備が整った段階で速やかに施行したいと、こう考えております。 ただし、法案には都道府県による子どもの貧困対策計画策定の努力義務も含まれておりますので、円滑な法の施行のためには地方公共団体等の十分な理解も必要なことから、施行までに一定の期間が必要となることについては御理解をいただきたいと思います。
○川田龍平君 やはり、立法者の意思ですぐにということ、直ちにということで今表明されましたけれども、政府はそれに従ってやっぱりしっかり仕事をしていただくということでいいのでしょうか。その確認です。
○副大臣(伊達忠一君) そういうことでさせていただきます。
○川田龍平君 じゃ、施行後、大綱案の作成までどれくらいの期間を掛けるのでしょうか。来年度予算に反映できる時期までに大綱ができるのでしょうか。
○副大臣(伊達忠一君) 予算までにその大綱ができるのかということでございますが、政府においては法の施行後速やかに子どもの貧困対策会議をすぐ立ち上げて、大綱の作成作業を進めてまいりたいと、こう考えております。 大綱の作成に当たっては、有識者や貧困状況にある世帯に属する者、支援団体等の関係者の方の意見を伺うとともに、関係省庁との調整等の時間が必要であるが、いずれにせよ、速やかに大綱が策定できるように努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○川田龍平君 施行については是非素早く、速やかにやっていただき、その後、大綱についても速やかに、やっぱりすぐにやるべきだというふうに考えていますので、是非立法者の意思のとおり政府は遂行すべきというふうに考えます。 各省庁にまたがる議員立法は、最終的に取りまとめて予算を伴った施策メニューを策定する部署が明確になっていないまま放置されるケースがありますが、そうならないために、どのような役割分担をして、どこが最終責任を取って取りまとめる予定でしょうか。
○副大臣(伊達忠一君) 役割分担と最終的な責任はどこが取るのかと、こういうことでございますが、法案において、子どもの貧困対策会議は内閣府に設置されることになっております。また、子どもの貧困対策大綱については、文部科学省、厚生労働省、内閣府においてそれぞれ素案を取りまとめた上で、最終的な案を子どもの貧困対策会議で作成することになっております。したがって、大綱等の最終的な取りまとめは内閣府で行うことになりますが、いずれにせよ、各省庁と協力して法の施行にしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○川田龍平君 内閣府には子供の貧困対策の部署もなければ専用のスタッフもいない状態です。この法案が成立したら、きちんと部署とスタッフを配置していただけるんでしょうか。
○副大臣(伊達忠一君) そのように努力してまいりたいと思っています。
○川田龍平君 立法者と、先ほど伊達副大臣にはしっかりと答弁していただいておりますが、政府の答弁がちょっとずれているところがありまして、議員立法だからといって政府が全く無視をして、行政府が不作為としか思えないほど全く法に基づいた作業をしないで放置したままにすることというのが多くございます。 私たちが一年掛かって超党派の皆さんと一緒に策定して一年前に成立させた子ども・被災者支援法も、政府が基本方針を作ることになっているはずですのに、一年たとうというのにまだ策定もされずに放置をされています。この子どもの貧困対策法も同じ轍を踏ませてはいけません。 まして、東日本大震災の被災地、また東京電力福島第一原発事故による被害者、また自主避難を含めた避難者、その中には母子避難も多く、被災地にとどまる場合も全国に避難している場合も子供たちは非常に困難な中を生きなければいけない状態に置かれたまま放置をされています。都道府県ごとに子どもの貧困対策法に基づく計画が作成されると思いますが、被災県は特に特殊な事情もあり、それに即した施策が必要なはずです。原発事故の被害者の方々、特に子供たちのための施策はきちんとなされているんでしょうか。また、子どもの貧困対策法案との連携がきちんと図られていくのでしょうか。どちらも議員立法だからと先送りを続けることはないと思いますが、政府のしっかりとした意思表示を復興庁からお示しいただきたいと思います。
○副大臣(浜田昌良君) 今、原発事故による子供の避難者に対する支援について御質問ございました。 原子力災害に伴い、被災者、特に子供の健康上の不安やそれに伴う生活上の負担に対する支援を行うために、三月十五日に原子力災害による被災者支援施策パッケージを取りまとめたところでございます。このパッケージの中では、経済的な理由により就学が困難な子供へ就学支援のための被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金、また幼児、児童、生徒等の心のケアを行うカウンセラーを学校に派遣する緊急スクールカウンセラー等派遣事業など就学支援施策や心のケア施策などを盛り込んだところでございます。また、このほか、原発事故による健康不安に伴う避難により離れて暮らす家族の再会を支援するため、母子避難者等に対する高速道路無料措置も盛り込んだところでございます。 さらに、今、川田委員からこの子ども・被災者支援法、また今般の子ども貧困対策法との連携についての御質問いただきました。我々も、今御指摘いただきましたが、できるだけ早くこの一定の基準、この子ども・被災者支援法に書かれておりますが、も含めまして基本方針の策定に努めていきたいと思っておりますが、復興庁としても、今後、子ども貧困対策法に基づいて、実際の学習支援、生活支援、就労支援等の施策と連携し、関係省庁とも相談しながら、原発事故により被災した子供に対する支援、施策を積極的に実施してまいりたいと思っております。
○川田龍平君 実際に全国に避難している子供たち、そして被災地にとどまっている子供たちの現状をきちんと調査をし、健康状態や経済状態などを把握しているのでしょうか。きちんとした把握をした上で対策を立て施策を実行しないと効果がありません。 子ども・被災者支援法の基本方針ができていれば、被災地における子供の貧困対策についての道しるべにもなり、より有効に子供の貧困対策が生きるのです。いまだに子ども・被災者支援法の基本方針案の骨子すらできていない状況で担当官が先送りを示唆する発言をしたことは大ニュースにもなり、現在、担当の後任も決まっていない状況だと聞いていますが、このままではどちらの法律も絵にかいたもちになってしまいます。 子供の命を守るために、浜田副大臣の決意をお聞かせ願えればと思います。
○副大臣(浜田昌良君) まず、この支援法を担当していた復興庁の幹部の心ない発言によりまして皆様に御迷惑を掛けたことにつきまして、心よりおわび申し上げたいと思います。 今、川田委員から、この避難者の数、また状況をどう把握しているかという問題でございますが、全国の自治体の協力を得まして毎月その人数を把握しておりますが、今回の東日本大震災全体で、五月現在、約三十万四千人でございまして、その中で、原発事故による自主避難者数については、福島県の推計で県からの自主避難者数は約三万人と聞いております。なお、その中の健康状態とか学力、経済状況等については、現在のところは把握されておりません。 今後、こういう方々への情報提供の窓口等も復興庁として置いていこうと思っておりまして、そういう中において、きめ細かく把握しながらいろんな施策を実施していきたいと思っております。
○川田龍平君 それでは、最後に田村大臣にお伺いします。 子どもの貧困対策法案ができるということは、日本において子供の貧困に対して国として取り組む第一歩です。「子どもの貧困白書」が出版されて四年近くたちましたが、やっとここまで来ました。子供の貧困の定義、支援の目安、データの取得、母親の自立支援の改善と効果測定など、子供の貧困への対策は幾つも挙げられますが、現場で子供たちとかかわり、広く一般を対象に子供の貧困をとらえる必要があります。 子供の貧困対策とは、現在困っている子供たちだけではなく、潜在的な当事者にも考慮するべきです。すなわち、未来の担い手である子供たちを育てるために、全ての子供たちを対象にし、子供の健全育成を保障する取組であるべきであると考えるからです。 親とセットにした子供支援ではなく、子供を中心に支援ができれば、子供支援そのものが従来とは異なる効果的なものになります。かわいそうな子供たちの支援という視点での施策を実施すると、当事者である支援される子供たちが傷つくおそれがあります。だからこそ、将来の担い手をつくるという総合的観点で施策を考えていく必要があるのです。 貧困の影響は、栄養、健康、教育、文化、心理など多岐にわたります。経済的な貧困だけを注視しても子供の貧困の解決には至りません。それぞれの分野から行政やNPOが支援を行い、解決をしていくのです。 また、子供の貧困は継続的な問題です。一時的に取り組むのではなく、長期的に取り組んでいき、未来の担い手を支援するべきです。そして、日本の将来を背負って立つ子供をみんなで育てていくという文化を日本に根付かせる契機としていかなければいけません。 自治体だけではなく、民間の企業などからの協力も得ながら、子供支援が当たり前の日本にしていく必要があると考えますが、田村大臣の子供の貧困対策への取組の決意をお聞かせください。
○国務大臣(田村憲久君) 今般、生活保護法の改正と生活困窮者自立支援法、この法律を提出をさせていただいておるわけでございますが、この両法案の中におきまして、例えば学習支援に関して、高校進学するのに、今まで中学校三年生を対象にしておりましたけれども、中一から対象とする中において継続してしっかりと学問を学んでいただいて高校進学を果たしていただく、これを生活保護家庭のお子さんのみならず、生活困窮者の家庭の皆様方、お子さん方にも対象にしようということで今般提出をさせていただいております。 あわせて、生活支援という部分も大変重要でありまして、生活保護家庭、生活相談支援という形で、例えば高校生の中退防止というような形で、こちらから訪問していきながらいろんな相談に乗ろうというような形態を目指しておりますが、一方で、生活困窮者の家庭のお子さん方に対しても、包括的な相談支援というものをしっかりやる中において、いろんな御家庭での悩みというものに対して一定の相談に乗っていこうと、こういうことを今般考えさせていただいておるわけであります。 そして、あと就労支援、これは直接お子さんという形には、お子さんに関しましては、先ほどいろいろと御答弁をさせていただいたとおり、新卒応援ハローワーク等々のいろんな対応があるんですけれども、今の生活という意味からすれば、やはり、特に一人親家庭の場合は大変所得が低いというような実情、相対的貧困率も高いというような実情がございます。そこで、高等技能訓練促進費でありますとか、母子家庭の自立支援事業、さらには自立支援の教育訓練給付金事業、こういうものがございます。こういうようなものを御利用いただきながらしっかり資格でありますとか職業能力を付けていただいて、その上で所得を確保いただくと。 このようないろんな総合的な支援の中において対応していくわけでありますが、いずれにいたしましても、子どもの貧困対策会議、これに関係閣僚として厚生労働大臣も入っていくわけでございまして、もちろんこの当事者といいますか、お子さん方の声も含めて、いろんなお声をお聞かせをいただく中において、ただ単に相対的貧困率だけでは全て測れないというのは、フローの所得はあっても実は親御さんに問題があられて子供が苦しんでおられるという、そういう家庭もあるわけでございまして、いろんなパターンがあると思うんです。ですから、そういうものに対してやはり地方自治体とも協力しながらしっかりとした対応が組めるような、そんな施策をいろいろと講じられるようなこれから検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 NPOとかほかの民間との協力というのはどのように考えていますでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これは、今回提出させていただいております生活困窮者自立支援法の中でもNPO等々に対する我々期待を持っておるわけでございまして、もちろん子供の貧困対策に関しましても、NPO等々いろんな団体に対してお力をお貸しをいただかなければならないというふうに思っておりますので、期待をさせていただいております。
○川田龍平君 ありがとうございます。終わります。 ─────────────
○委員長(武内則男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。 ─────────────
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 まず、提案者にこの法案の立法の趣旨についてお聞きをいたします。 この法案は、子供の貧困を家庭の自己責任で終わらせない、国や地方自治体が子供の貧困率や貧困世帯の高校進学率などの指標も明らかにして、子供の貧困の解消への責任を果たすということを課すものだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(山井和則君) 重要な御指摘、ありがとうございます。 まさに子供の貧困というのは、子供さん本人には責任はないわけですから、やはり社会全体で、国、地方自治体も一丸となってその貧困の解消に取り組むということでありまして、御指摘のように、国や地方自治体に、子供の貧困率や子供の高等学校等進学率等の指標の改善など、子供の貧困解消の責任を課したものと考えております。 また、この子供の貧困対策については、政府が総合的に推進するため、子どもの貧困対策に関する大綱を定めることとされておりますが、先ほども御質問ありましたが、やっぱり願わくば年内に法を施行して、そして年度内に大綱が策定されることを願いたいというふうに思っております。
○田村智子君 先ほど民主党の石橋委員からも指摘があったんですけど、その大綱に定める指標、指標を改善するための施策というふうになるので、指標にどのようなものが定められるのかというのは一つ大切なことだと私も思っています。 条文では、子供の貧困率、生活保護世帯の高校等進学率等と、こう最後に等が付くわけですね。先ほども、いろんな専門的な広い意見も踏まえてこの等の中を充実させるべきだという指摘があったと思うんですけれども、内閣府の、政府の方の御意見では、ここの委員会での審議が非常にその後の施策に反映するんだということを言われましたので、そこでお聞きをしたいんですけれども、やはり、この間、貧困対策の法律が必要だというふうに運動をされてきた方々などは、やはり一人親世帯への支援策というのをもう本当に求めておられます。そうすると、例えば一人親世帯など世帯類型別の相対的貧困率なども調べるとか、やはり広く関係者の意見を聞いてその等を充実させることが必要だというふうに考えますが、提案者の方にお聞きをいたします。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) お答えを申し上げます。 先生御指摘のとおりでございまして、この等という文言を入れたのは、これから大綱を作ってまいります。その大綱を作っていく過程の中で、いろんな専門家の方、当事者の方とかの意見を聞きながらこれを作っていくわけですから、その方々がこんな数字も大事だよとかこういう指標もありますよという意見を参考にさせていただいて、それをより広く重要な数字としてとらえて、可能なものはその中に落とし込んでいくという話でございますので、先生御指摘のとおり、等というのは、まあ知恵といいますか、そういう趣旨でこの中に盛り込ませていただいたというふうに御理解をいただければよろしいかと思います。
○田村智子君 そうしますと、この法案が大綱に掲げることを求めている子供の貧困率や生活保護世帯の高校等進学率の改善のためにはやはり具体的な施策が求められてきて、ここは政策的にはいろんな見解があるかとは思いますけれども、例えば高校授業料の無償化の継続や拡充、給付制奨学金の実現、就学援助や教育扶助の改善、高校段階での就学援助の実現とか、あるいは子供の医療費の無償化など、すぐに全部とは言いません、しかし、一つ一つが、具体の施策が前進していくということが必要だというふうに思いますが、これも提案者にお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) 御指摘いただいたその重要な指標を改善する施策をやるということを法案の中に盛り込んでおるわけですから、政府においては、先生御指摘のとおり、それを改善するために具体的な施策をやりなさいというのが立法、我々の趣旨でございますので、それを反映していただけるものだというふうに私どもは思っております。
○田村智子君 それでは、具体の問題として就学援助のことについてお聞きをしたいと思います。 今日の日本の社会を見たとき、やはり失業状態にあったりなかなか安定した雇用に就けないような方々の状況を見てみますと、高校を中退をしてしまっているとか、もうそもそも高校に進学をしなかったとか、早い時期に学ぶことを諦めてしまっているという方が少なくないというふうに言わざるを得ないんですね。やはり人生の生活保障としての人生前半での社会保障というのは教育にあるというふうに言えると思います。 そういう観点から、やはり経済状況の悪化や子供の貧困の広がりを背景に、就学援助が受ける子供さん、非常に増えています。しかし、二〇〇五年に三位一体改革だといって一般財源化、準要保護の方の一般財源化やられました。その結果、二〇〇五年度には百五自治体が就学援助の対象を縮減しその予算額を減額をしたと。その後も対象縮減というのは各地で相次いでいます。 こういう下で、麻生内閣の下で教育安心社会の実現に関する懇談会報告というのが出されて、市町村の財政力の格差が特に準要保護者に対する就学援助の支給の格差につながっていると、こういう指摘をして、六百二十億円という必要額も示して、市町村による就学援助が適切になされないという社会的不安につながるおそれがあることから、国として市町村による就学援助が充実するよう新たな対策を講じることと、こういうふうに求めました。しかし、これは具体化されないまま今日に至っているわけです。 今日はちょっと要望にまずはとどめたいんですけど、一つは、この準要保護者をどういう家庭を対象にするか。収入の基準をどうするかとか、それから準要保護の支援の中身ですね、自治体にとってもばらばらなんですよ。やはりこういう法案も出されたわけですから、これを契機に、基準を充実させる方向で国としても統一する、更なる財政措置を講ずるということは是非検討していただきたいというふうに思います。 その要望をした上でなんですけど、もう一つ、すぐにやっていただきたいこと、すぐにできること、これは就学援助の制度の周知の問題なんです。 実は、この就学援助の受給率を見てみますと、制度がどこまで知らされているかということによって受給率に差が出ているんじゃないかと、こういう数字が出ています。文部科学省の調査でも、毎年度進級時に就学援助の制度の書類を配布する、児童生徒一人一人に配布をすると、こういう措置をとっている自治体では平均受給率は一四・一%です。これをやっていない自治体の平均受給率は八・九%と大きな乖離があるわけですね。これを受けて、文部科学省の専門家会議も、やっぱり毎年度書類配布などを行うべきではないかというような提言もしているわけです。 是非、やはり地方自治体も子供の貧困の解決のために責任を負って施策を実行するということをこの法案で求めているわけですから、全ての子供たち、とりわけその必要な世帯に対して制度が知らされないということがないように、周知の方法についてやっぱり国としても自治体に対して物を言っていただきたいというふうに思うんですけれども、文科副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 昭和二十四年に小学校一年生だった私どもは、今考えると大変な貧乏だったんですが、みんながそうだったので、別に自分が貧しいと思ったことはないんです。しかし、これだけ世の中が進んできて、その中に自分だけが貧しいとなったらどれだけ傷つくか分かりません。よく分かります。 ですから、準要保護に係る認定基準は各市町村が地域の実情に応じて定めており、個別の市町村を見ると……あっ、ごめんなさい。済みませんね。 御指摘の文科省の専門家会議の中で、就学援助制度の周知方法が受給率に影響していることが確認されており、毎年度の進級時に学校で就学援助の書類を配布するなど、就学援助制度の周知の充実について指摘がなされています。 文科省としては、毎年、各都道府県教育委員会を通じて市町村教育委員会に対し、就学援助制度について、保護者に対しては広報等を通じこの制度の趣旨及び申請手続について周知徹底を図ることをお願いしております。引き続き、市町村に対し、就学援助制度の周知徹底を図るよう働きかけていきたいと考えております。
○田村智子君 この法律が成立をするわけですから、是非改めての周知ということを、自治体に対して周知するように求めていただきたいというふうに思います。 もう一点、その就学援助についてなんですけれども、実は二〇〇五年の一般財源化のときに当時の中山文部科学大臣は、これによって就学援助の事業が縮小することがない、もしもそういうことが自治体の中で起きれば強く指導していきたいというふうに述べられたんですけれども、実態としては、先ほど指摘したとおり、少なくない自治体で事業は現に縮小してしまったわけです。 だから、指導するんだと言いながら、文部科学省は、例えば就学援助についての実施状況についての調査というのも二〇〇五年の一般財源化以降二回しか行っていないし、じゃその調査に基づいて何か具体的な対策取ったかというと、それもやってこなかった。 やっぱりこういう法律ができるわけですから、就学援助について、その基準がそれぞれの自治体でどうなっているか、内容どうなっているか、また周知の方法はどうかと、そういう実態の把握をするための定期的な調査ということを是非この法案を機に行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 先ほども述べたように、よく分かっていますので、御指摘のとおり、関係者と熱心に討議して、意に沿うように頑張ります。
○田村智子君 ありがとうございました。 就学援助の質問は以上ですので、副大臣、ありがとうございました。 続けてよろしいでしょうか。
○委員長(武内則男君) 谷川文部科学副大臣におかれましては、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
○田村智子君 続けて、次に学童のことについてお聞きをしたいと思います。 法案では、貧困の状況にある子供やその保護者に対する生活の支援というのを義務付けています。幼少期においてはやっぱり保育所というのが大変重要な役割を果たしていて、じゃ学齢期ではどうかと。貧困世帯はやはり遅くまで御両親や親御さんが働いていらっしゃるような家庭も多いですから、学童保育というのは、いわゆる一般的に子供たちの健全育成というだけでなく、子供の貧困対策としても学童保育が重要な役割を持つというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 放課後児童クラブ、学童保育ではありますが、貧困な家庭のお子さんだけというわけではないわけであります。共働きの家庭また留守家庭、こういうところのお子さん方が遊び場としてまた生活の場所として健全に育成を図るという目的でこの事業なされているわけでありますが、ただ結果として、もちろん今委員おっしゃられたように、生活困窮者の家庭のお子さん方もこの放課後児童クラブ、学童保育の中において一定時間お過ごしをいただく中において、御両親若しくは一人の親かも分かりませんが、それぞれの親がしっかりと働いていただいて生活の糧を得ていただいておるという意味ではそういうような側面はあろうというふうに思います。
○田村智子君 ところが、この学童は、国の制度として低所得者向けの利用料減免などの制度というのはないわけですね。ここが保育と全然違うところなんです。 それで、首都圏のある保護者会立の学童の先生にお話をお聞きしたんですけれども、例えば父子家庭のお子さん、小学校一年生の子供さん、うちに帰っても一人で寂しいのか放課後ふらふら町の中を歩いていると。見かねた近所の方が預かったりするんですけれども、そうするとお父さんが、何でうちにいないんだと、うちにいろと言ったじゃないかと子供をどなりつけるような声が聞こえてきて近所との関係も悪くなってしまうと。学童のこの方は、ボランティアとして時々支援するというふうにはしているんだけれども、やっぱり日常的な支援ができないと。経済的な負担もあるので是非学童に入ってくださいというふうに勧めることもこれちゅうちょしているというような事例があります。 また、別の家庭では、大変もう忙しくて、お父さん福祉の仕事をされていて、お母さん病気で働けないと。上のお子さんの、学童通っていたんだけれども、利用料を滞納して退所しなくちゃいけなくなった。今度妹さんが小学校入って入所させたいと。だけど、上のお子さんの滞納を処理しなければ入所はできないというふうに言われてしまっていると。これもボランティア的に学童の園庭というか庭では遊ばせてもらっているんだけれども、おやつの時間になればその子だけぽつんと庭に取り残されてしまうと。学童はおやつがあっていいなというような声が聞こえてくると。 やっぱり保護者会立の学童だから、保育料については配慮したいと思ってもこれはなかなか難しいわけですね、経営上も余裕があるわけではありませんから。自治体によっては低所得者向けの軽減の制度というのを取っているところもあるんですけれども、やはり私は、こういう法案できることでもありますし、国としても何らかの学童についても利用料の減免の策が取れないかどうか、こういうことを検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられますとおり、今学童の運営費に関しては、国が六分の一、都道府県六分の一、市町村六分の一と、ということは残り二分の一は御家庭の方で負担をいただいておるということであります。そうはいいながらも、各自治体で所得に応じた減免措置を講じられておる自治体が約五七・四%というふうにお聞きをいたしておりますが、これは平成二十四年全国学童保育連絡協議会の調べでございます。 そういう意味からいたしますと、低所得の方でなかなか学童を利用できないというような家庭がおられるということもあります。ただ、これに対して一定の措置ということになれば当然のごとく財源がこれは必要になってくるわけでもございます。ということも含めて、これからいろんな議論をなされるというふうに我々も感じております。
○田村智子君 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 子どもの貧困対策法、これは超党派で取り組み、また何度も何度もNGOの皆さんの議員会館の中での集会があり、外での集会があり、またデモなどもやり、ここにまとめ上げられたことに対して、当事者の皆さんやそれから国会議員の皆さん、各政党に心から敬意を表します。 子供とは何歳から何歳までを指すのでしょうか。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) 先生にも各種集会等々に御出席をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 この法律における子供という意味では定義をしておりません。これは、先ほど来ありますように、私どもは、例えば大学に通う子供たちへの奨学金を何とかしたいとか、そういう意味でいろんな施策をやりたいと思っていますので、一律に十八歳とか二十歳とか打ってしまうとそこを超えている人たちへの支援を否定してしまうことになるという趣旨で、あえて年齢制限は設けておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
○福島みずほ君 ありがとうございます。 子供の貧困率が今一三・七、一人親世帯の子供の貧困率は五八・七、諸外国に比べても極端に高いんですね。これを下げていくことが必要だと。 提案者としては、いつごろ、どの程度下げるべきだと思います、山井さん。
○衆議院議員(山井和則君) 例えば、今回の法案では、子供の貧困率や生活保護家庭の子供の高校進学率の改善を目指す施策を講ずるということになっております。 具体的に言いますと、子供の貧困率は三年に一度しか発表されませんが、次は来年の夏になります。しかし、この来年の夏の数値には、今回の法施行後、大綱というのは間に合いませんから、そういう意味では、この法律が成立して、法が施行された後の初めて出てくる子供の貧困率、一人親世帯の子供の貧困率は四年後の夏になります。そういうふうに、また、それまでには生活保護家庭の子供たちの高校進学率も出てきますので、この法案の中でそれらの改善を目指す施策を講じるとなっている以上は、そのときにきっちり改善されているかどうか、この法律が作ってきっちりと実効性があるかどうか検証することができると考えております。
○福島みずほ君 先ほども、この法律の施行を今年中にしたい、あるいは大綱も入れれば来年度、まあ今年度中にという意見があるんですが、大綱がまだできていなくても来年度の予算に是非反映をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(薗浦健太郎君) 当然、例えば今年の四月から始まっている政策もいろいろありますし、可能なものは既に関係する役所の方々に十分に配慮してくれということを申し上げておりますので、配慮していただけるものだというふうに思っております。
○福島みずほ君 子供の貧困対策は待ったなしということは間違いないですが、先行して決まった生活保護の生活扶助費削減は、都市部の子供のいる世帯で下げ幅が最も大きく、厳しい経済状況に暮らす子供たちの貧困を拡大することになるというふうに思います。 子どもの貧困対策法には賛成なんですが、他方、生活保護を下げればその対象の子供たちが苦しくなるわけで、一方で頭をなぜて一方でひっぱたいているようなブラックジョークのようにも思うんですが、この影響は大きいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(田村憲久君) 生活扶助の適正化ということでございますが、子供に対象にしたわけではありませんでして、地域性、それから年齢、さらには世帯の人数、これに合わせて適正化をする、もちろん物価分があるわけでありますけれども。でありますので、決してお子さんが多いからというよりかは、多人数世帯では比較すると今般適正化の率が高いという話になってくるんだと思います。 一方で、学習支援でありますとか、様々なお子さん方に対する対応もしておるわけでございまして、もっとも教育扶助に関しましてはこれは適正化していないわけでございますから、そのような意味でいきますと、教育に対して引下げをしておるわけではないということもございます。 あわせて、例えば勤めになられる場合に、例えばヘルパーさん、資格等々を取る場合なんかでありますけれども、そういう場合に関しましては、企業等々がそういうものに対して必要性を認めた場合に関しましてはそれに対する一定の補助が出るというような形にもしてあるわけでございますし、あわせて、大学を目指すというようなお子様方に関しましては、今までは貯金等々、そういって積み立てられなかったわけでありますけれども、その大学に行くような道もしっかりと開く中におきまして、子供の貧困というものが連鎖しないように対応もしておるわけでございまして、生活保護の生活扶助の適正化の部分とそれから子供さん方に対するいろんな支援の部分とこれは分けて考えておりますので、御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○福島みずほ君 ただ、今回、一人親家庭のとにかく母子家庭の都会に住んでいる人が非常に打撃を受けるので、やはり子供の貧困という観点から見ると反しているというふうに思います。 ところで、関係閣僚で貧困対策に関する会議を設置するわけですが、この法律の所管官庁はどこになるんでしょうか。
○副大臣(伊達忠一君) 所管はどこかということでございますが、子どもの貧困対策会議については、法案第十五条にあるとおり、内閣府に設置することが予定されております。 本法律の施行に際しては、法案上明示されている内閣府、文部科学省、厚生労働省が中心になるものと考えております。
○福島みずほ君 大綱の策定に当たっては当事者や支援者の意見を聞くべきだという、先ほどもありましたが、その点もよろしいですね。
○副大臣(伊達忠一君) これは先ほどもお答えしてございますが、衆議院での附帯決議を踏まえて、大綱を作成するに際しては、有識者や貧困状況にある世帯に属する者、そして今先生が御指摘ありました支援団体等の関係者の方々の意見をしっかりと聞いた上で進めていくことが必要だと考えております。 具体的な検討の在り方については法の成立後に検討してまいりたいと、こう思っております。
○福島みずほ君 大綱に何を盛り込むかというのも随分議論になっています。子供の貧困率、生活保護世帯に属する子供の高等学校等進学率のほかにどのような指標を盛り込む予定でしょうか、厚労大臣。
○国務大臣(田村憲久君) 子供の貧困に関する指標でありますけれども、これは、貧困対策の内容についてはこれから大綱の中で定めることというふうになっております。 様々な指標が例えばあると思います。例えば、一人親世帯等の相対的貧困率、それから児童養護施設等の高校進学率、大学進学率、さらに一人親の就業状況、一人親の年間収入等々いろいろあるわけでございますが、いずれにいたしましても、大綱でこれから細部を詰めてくるということになろうと思いますので、しっかりと議論をさせていただきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 今、一人親の相対的貧困率というのが出ましたが、次のような指標も必要ではないか。例えば子供の貧困率について、世帯類型別、保護者の年齢階級別、保護者の就労の有無別、再分配前と後の貧困率など実態をとらえることのできる指標、あるいは児童養護施設等の社会的養護の施設で暮らす子供の保護者の所得階層、児童相談所に一時保護された子供の保護者の所得階層、児童養護施設等の社会的養護の施設で暮らす子供の高校・大学進学率、子供のいる世帯に対する国民健康保険証の資格証明書交付世帯数など。いかがでしょうか、厚労省。
○国務大臣(田村憲久君) それぞれ子供の貧困というものを測る指数、指標として検討には値するものだというふうに思いますが、いずれにいたしましても、今たくさんおっしゃられたので、また後ほどお教えをいただければ有り難いわけでありますが、これからしっかりと議論をさせていただく中で、私一人じゃ決められませんので、あの会議の中でも議論をさせていただいて、大綱の中にもしっかりとそのようなものが盛り込めればというふうに思います。
○福島みずほ君 ほかにも、これは総務省マターですが、就業構造調査による子供を持つ親世代の労働者の正規・非正規労働者の年収や労働力調査による子育て世代の失業者数など、是非大綱の中に盛り込んでいただきたいと思います。 それで、この第六条で政府は措置を講じなければならないとしておりますが、文部科学省は具体的にどのような事業や施策の財政上の措置をとることを考えていらっしゃるんでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) 要保護者に対する就学援助については、国は市町村に対して二分の一補助しており、平成二十五年度予算においては約八億円措置しています。準要保護者に対する就学援助については、市町村が単独で事業を実施しているものであり、平成二十五年度予算額は把握していませんが、平成二十三年度実績では約千二十億円となっております。
○福島みずほ君 下村大臣は集会に来られて、自分があしなが基金第一号だったということなども話していらっしゃるんですね。 給付型の高校生への奨学金あるいは大学生への奨学金の検討など是非頑張っていただきたいと思いますが、大臣は意欲を集会では示されていたんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(谷川弥一君) そのように、大臣のおっしゃっているとおり頑張っていきたいと思っております。
○福島みずほ君 力強い、今日も、子供は大学生まで入るとか、給付型の高校生の奨学金、大学生の奨学金の検討というのでもう力強い文科省の答弁があったので、是非、来年度予算にやはり子供たちを応援するという意味で付けてください。よろしくお願いします。 子供の貧困といいますが、やはり親の貧困の問題があると思っています。例えば、二人に一人以上が貧困線未満という一人親世帯の深刻な実態がありますが、二〇〇二年の母子家庭等自立支援対策大綱の策定以来、福祉から就労へという方針の下、就労支援は強化してきておりますが、母子家庭の、とりわけ生別母子世帯は百七十五万円です。二〇〇二年改革に基づき、児童扶養手当について五年支給一部停止措置が導入されています。やっぱり誰が貧しいかというと、やっぱり母子家庭なんですね。だから子供も貧困になると。 是非、この適用除外措置をとっているから影響はないとも言われていますが、当事者からは是非これは撤廃してほしいという声が大きいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) この児童扶養手当の一部支給停止の問題なんですけど、基本的に、障害、疾病等そういう就業が困難な状況になくて、そういうものがなくて、その上で働く意欲、就業意欲がないというような方に関しては、どうしてもこれはやはり一部停止をせざるを得ないということでございまして、逆に言えば、障害や疾病がなくて就労意欲のある方に関してはこれは支給停止にならないわけでございますから、そのような意味では、真面目にという表現がいいのかどうか分かりませんけれども、お体が悪ければそれはもう致し方がないわけでございますけれども、健康な方で真面目に働く意欲のある方に関してはそういうふうになっていないということでございますから、ここは御理解をいただきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 子どもの貧困対策法の後は女性の貧困対策法を作りたいと思うぐらいとりわけ母子家庭の年収はとても極端に低いわけで、これはさっきも川田委員からもありましたが、日本は八四%ぐらいですか、実は母子家庭働いているんですね。世界の中でも類を見ないくらい物すごく働いているんだけれども、残念ながら低賃金であると。その中でやっぱり児童扶養手当が命綱であるという面もあるので、是非それは再考していただきたいと思います。 働く貧困層の労働問題について、是非最低賃金の引上げなどをやっていただきたいですが、一言、厚労大臣の決意をお願いします。
○国務大臣(田村憲久君) 最低賃金は、先ほども御答弁させていただきましたけれども、中央最低賃金審議会に私も今年は参加させていただく中において、労使に御協力をいただきながら最低賃金の引上げについてお願いをさせていただきたいというふうに思っております。 もちろん、その前提は、我々政府といたしまして最低賃金が引き上げられるようなそういう経済環境をつくるという責任があるわけでありまして、そこはしっかり果たしていかなきゃならぬと思っておりますけれども、私の方からもお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 女性の正社員の平均月額の給料が史上最高二十三万三千百円ですか、やっぱり低いですね。非正規雇用の皆さんたちはもっと女性は低いんですよね。社民党は中小企業に配慮しながら時給千円以上というのを訴えておりますので、是非、子供の貧困そして子供の貧困解消のために、親の労働条件の向上、賃上げをよろしくお願いいたします。 終わります。
○委員長(武内則男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 子どもの貧困対策の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武内則男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案について、その趣旨を説明いたします。 まず、生活保護法の一部を改正する法律案について申し上げます。 生活保護制度は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき生活に困窮する全ての国民の最低限度の生活を保障するとともに、その自立の助長を図るものとして重要な役割を担ってまいりました。しかしながら、法の制定から六十年以上の間、抜本的な見直しが行われておらず、近年の生活保護受給者の急増や、不正事案が発生する状況の中で、幅広い観点からの見直しを行う必要があります。 今回の改正は、最後のセーフティーネットとして必要な人には確実に保護を実施するという生活保護制度の基本的な考え方を維持しつつ、今後とも制度が国民の信頼にこたえられるよう、生活保護受給者それぞれの状態や段階に応じた自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うための所要の措置を講ずるものであります。 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。 第一に、就労による自立の促進を図るため、安定した職業に就き、保護から脱却することを促すための給付金を創設することとしております。 第二に、不正・不適正受給対策の強化のため、福祉事務所の調査権限を強化し、就労活動等に関する事項を調査可能とするとともに、官公署に対しては回答義務を創設することとしております。また、罰則の引上げや不正受給に係る返還金の上乗せ等を行うこととしております。 第三に、医療扶助の適正化のため、指定医療機関制度について、指定や取消しに係る要件を明確化するとともに、指定の更新制を導入することとしております。また、医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、生活保護受給者に対し後発医薬品の使用を促すこととしております。 最後に、この法律案の施行期日については、一部の規定を除き、平成二十六年四月一日としております。 次に、生活困窮者自立支援法案について申し上げます。 近年、生活困窮者が増加する中で、早期にその支援を行い、自立の促進を図ることが重要な課題となっています。このため、生活困窮者に対する就労の支援を含む自立の支援に関する相談等を実施するとともに、住宅の確保に関する給付金の支給等を通じ、その自立を支援することを目的として、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。 第一に、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、就労の支援を含む自立の支援に関して、生活困窮者からの相談に応じる等の生活困窮者自立相談支援事業を行うこととしております。 第二に、都道府県等は、離職等により経済的に困窮し、居住する住宅を失った者や賃貸住宅の家賃の支払が困難となった者であって、就職を容易にするために住居を確保する必要があると認められるものに対し、生活困窮者住居確保給付金を支給することとしております。 第三に、都道府県等は、地域の実情に応じて、生活困窮者就労準備支援事業、生活困窮者一時生活支援事業、生活困窮者家計相談支援事業及び生活困窮者である子どもに対する学習の援助を行う事業等を行うことができることとしております。 第四に、国は、生活困窮者自立相談支援事業及び生活困窮者住居確保給付金に要する費用の四分の三を負担するとともに、その他の事業に要する費用の一定割合を補助することができることとしております。 第五に、雇用による就業を継続して行うことが困難である生活困窮者に対し、就労の機会を提供するとともに、就労に必要な訓練等の事業を行う者は、当該事業が一定の基準に適合していることについて、都道府県知事の認定を受けることができることとしております。 最後に、この法律案の施行期日については、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日としております。 以上が二法案の趣旨でありますが、生活保護法の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(武内則男君) この際、生活保護法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長松本純君から説明を聴取いたします。松本純君。
○衆議院議員(松本純君) ただいま議題となりました生活保護法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、保護の開始の申請に当たって、申請書を作成することができない特別の事情があるときは、申請書の提出を要しないこと。 第二に、申請書に、要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な書類を添付することができない特別の事情があるときは、当該書類の添付を要しないこと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(武内則男君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(武内則男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 生活保護法の一部を改正する法律案及び生活困窮者自立支援法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武内則男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会