憲法審査会 第1号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2013/03/13
会議録
○会長(小坂憲次君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。 まず、幹事の辞任についてお諮りいたします。 鈴木寛君から、文書をもって、都合により幹事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、幹事の補欠選任を行いたいと存じます。 幹事の辞任及び委員の異動に伴い現在幹事が五名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 幹事の選任につきましては、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認めます。 それでは、幹事に小西洋之君、藤本祐司君、野上浩太郎君、藤川政人君及び西田実仁君を指名いたします。 ─────────────
○会長(小坂憲次君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題とし、「二院制」について、事務局から報告を聴取した後、自由討議を行います。 まず、事務局から憲法調査会報告書について報告を聴取いたします。情野憲法審査会事務局長。
○憲法審査会事務局長(情野秀樹君) 本日の自由討議に先立ちまして、憲法審査会の前身である憲法調査会における二院制に関する議論の概要につきまして、便宜私から御説明をさせていただきます。 お手元にお配りいたしましたレジュメに沿って御説明させていただきますが、あわせて、お手元の二院制と参議院の在り方に関する小委員会調査報告書を御参照いただきたいと存じます。 まず、憲法調査会における調査の経過でありますが、レジュメの三ページ目に表にさせていただきました。 参議院憲法調査会におきましては、憲法全体の調査については、小委員会による分割方式ではなく、本調査会で行うことを基本としていましたが、二院制については、参議院が特に責任を持って検討をすべきテーマであることから、柔軟かつ機動的に調査できる小委員会方式を取り、小委員会における調査が中心となりました。二院制と参議院の在り方に関する小委員会が設置されましたのは、五年目の平成十六年二月でございます。 ここでは、参議院を守るための議論と受け止められないよう、最初に二院制ありきということではなく、国民にとって一院制と二院制のどちらが望ましいかという立場から、良識の府として議論することが大事であるとの意見を踏まえて、熱心な議論が行われました。 小委員会は、都合八回開かれ、平成十七年三月、大方の合意により、調査報告書が取りまとめられ、舛添要一小委員長から関谷勝嗣会長に提出されました。 以下、小委員会における議論の概要を申し上げます。 小委員会では、第一回から四回にわたって参考人から意見を聴取し、それを踏まえて委員間で意見が交換された後、小委員長がそれまでの議論を内容に従って論点ごとに整理されました。それがレジュメの一ページ目に論点整理として挙げました(1)から(5)までの五項目でございます。それらは細目に分けられておりますが、大項目だけを読み上げさせていただきますと、(1)一院制・二院制の長所・短所、是非、(2)参議院の機能―特に独自性を発揮すべき分野、(3)両院間の調整―意思不一致の場合等の調整の在り方、(4)参議院と政党との関係、(5)参議院の構成の在り方・選挙制度の五つでございます。 小委員会では、以上の五つの論点を中心に議論がなされ、レジュメの二ページ目にまとめとしてお示ししたように、その結論が当時の調査会を構成している会派である自民、民主、公明、共産、社民の五会派がおおむね一致した共通の認識が得られたものと、意見が分かれたため、更に今後検討が必要な今後積極的に検討すべき問題の二類型に分けて整理されました。 次に、このまとめについて申し上げます。 最初に、共通の認識が得られたものでございます。(1)から(5)の五点について、共通の認識が得られたとされております。 一つ目は、二院制を堅持することでございます。 その理由といたしましては、慎重審議を通じて国民の総意を正確に反映し、衆議院の専断を抑制し、補完することを目的とする二院制の趣旨は今日においても適切、妥当なものであること、あるいは、一億人以上の人口を有する我が国では、多様な民意を反映させるためにも二院制が望ましいといったことなどが挙げられました。 ただ、迅速な政策判断が求められる現代にあっては、効率的な意思決定と円滑な政権交代を可能にすることは、二院制を採用する場合でも忘れてはならないとの指摘もなされました。 共通の認識が得られたものの二つ目は、両院の違いを明確にするため、参議院の改革は今後とも必要であり、また、選挙制度設計が極めて重要であるという点でございます。 この点に関して、二院制の意義が薄れがちと言われる背景には両院の権能、選出方法、役割が似ているという事情があり、それをそのまま維持すべきではなく、両院の違いを明確にすることが国民に理解を得る上でも重要との意見が出されました。改革の方向としては、抑制均衡・良識・再考の府としての役割をはっきりさせるべきであるなどの意見が出されました。 また、選挙制度につきましては、衆議院と異なるものとすること、そのためには政党の側面より個人の側面をより重視すべきことが意見の多数を占めました。一票の較差問題につきましては、参議院の投票価値の較差是正は喫緊の課題であるなどの意見が出されました。 共通の認識が得られたものの三つ目は、参議院議員の直接選挙制は維持すべきであるという点でございます。これは、両院の一翼を担う一院という立場から譲れない点であり、任命制、推薦制はもちろん、間接選挙制も好ましくないというのはほぼ異論のないところでございました。 共通の認識が得られたものの四つ目は、参議院は六年間と任期も長く、しかも解散がなく安定しているなどの自らの特性を生かして衆議院とは異なる役割を果たすべきであるという点でございます。 具体的に、共通の認識が得られた項目について順次申し上げます。 まず、長期的・基本的な政策課題への取組につきましては、参議院は、長期的、基本的な政策課題を重点的に行うという点で意見は一致いたしました。具体的には、年金や教育等の問題、長期的視点の要求される条約等の外交案件について取り組むべきであること、あるいは、参議院の調査会の立法機能を強化すべきことなどの意見が出されました。 次に、決算審査の充実につきましては、参議院はチェックの院として決算審査を重点的に行うべきことで意見が一致いたしました。決算審査の実効性を高めるための方策として、決算審査の審査結果に拘束力を持たせることなどが挙げられました。 次に、行政監視・政策評価の充実につきましては、参議院をチェックに重点を置く監視の院として、権威を高めることが重要である点で意見が一致いたしました。行政監視、政策評価の個別の対象としては、ODAや政省令等が挙げられました。 共通の認識が得られたものの五つ目は、現行憲法の衆議院の優越規定はおおむね妥当であり、したがって、両院不一致の場合の再議決要件の緩和には慎重であるべきであるという点でございます。法律案の再議決要件を単純多数決に改めるべきである等の指摘もありましたが、それでは衆議院の権限強化となり、行政権の強化につながるといった意見が出され、最終的に、憲法の定める衆議院の優越規定はおおむね妥当との結論となりました。 それでは次に、今後積極的に検討すべき問題に移らさせていただきます。これらは、意見は分かれましたが引き続き真摯な検討がなされることを望むとされたものでございます。レジュメの二ページ目にお示ししましたように、(1)から(5)の五項目が挙げられております。 それぞれについての議論を簡単に御紹介いたしますと、(1)の参議院と政党との関係につきましては、両院にまたがる党議拘束が参議院の独自性を阻害する、あるいは、参議院は行政に入らず、国民の側に立って監視することで独自性が出るなどの意見が出されました。 (2)の参議院の構成・選挙制度につきましては、衆議院と異なる選挙制度にすること等が意見の多数を占めましたが、具体的な選挙制度については意見が分かれました。 (3)の会期制につきましては、参議院はチェックの院として会期制を廃止し通年国会とすることや衆参同一会期の要否について検討が必要であるとの意見も出されましたが、見解が分かれました。 (4)の予算、特定の条約・法案等の参議院における審議の簡略化は、参議院の独自分野における審議充実のためには、予算あるいは衆議院で全会一致で可決した法案などの特定の議案については、審査の省略や簡略化も必要ではないかということで検討されたものですが、見解が分かれました。 (5)の独自性を発揮すべき具体的分野等に記した事項からは、五点が挙げられております。 ①の会計検査院の位置付けは、会計検査院を国会ないし参議院の附属機関とすべきであると主張された問題でございます。 ②の同意人事案件につきましては、米国では上院の専権事項とされておりますように、ヒアリングを含め参議院が中心となって審査してはどうかとの意見に基づいて議論がなされました。 ③の司法府との関係とは、司法府に対するチェックを含めた関係を見直したらどうかといった意見に見られる問題でございます。 ④の国と地方の調整は、参議院の地域代表的な性格を重視する考え方に鑑み、参議院が国と地方の関係を扱うこととしたらどうかとの意見に基づくものでございます。 ⑤の憲法解釈機能・違憲審査的機能の問題は、最高裁判所が容易には統治行為の憲法審査に踏み込まない状況があり、また内閣法制局の憲法解釈が絶対的地位を占める現状は不健全であり、参議院に憲法解釈機能、違憲審査的機能を持たせるべきであるという議論が背景にございます。 以上、五つの項目が今後も引き続き真摯な検討がなされるべき問題として整理されたものでございます。 二院制と参議院の在り方に関する小委員会の報告書で示されました共通認識は、憲法調査会において確認され、おおむね妥当とする意見が大勢を占めました。平成十七年四月の憲法調査会の調査報告書も、小委員会の報告の趣旨を踏まえたものとなっております。 続きまして、憲法調査会の報告書が出されましてから既に七年以上が経過しておりますので、その後の二院制を取り巻く情勢について、最後にごく簡単に御紹介させていただきます。 まず、いわゆる衆参のねじれの状況についてでございます。平成の時代に入りましてから、頻繁にねじれの状況が生じてまいりました。一方、憲法調査会が活動しておりました時期は平成十二年から十七年にかけてでございまして、その間は衆参共に政権与党が多数を占めておりました。その後、平成十九年及び二十二年の通常選挙の結果、また、今般の衆議院総選挙の結果、参議院で与党が多数を占めることができない、いわゆるねじれの状態となりました。 この間、衆議院から送付された法律案や予算について参議院が否決するといった事態が見られ、同意人事案件について参議院の同意が得られないという事例も見られました。特に挙げさせていただきますのは、予算や法律案が衆議院の優越によって成立したことはありましたが、両院協議会につきましては、そこで合意に至り、その成案が成立した事例は、平成以後、政治改革関連四法案の一件しかないという点でございます。 最後に、最近の一院制論に簡単に触れさせていただきます。 憲法調査会後の二院制を取り巻く情勢として、一院制に移行すべきであるとの議論が活発化したことが挙げられるかと存じます。政党の中には、一院制への移行を主張されるところも出てまいりました。 また、超党派の国会議員で構成されるいわゆる一院制議員連盟では、衆参対等統合による一院制国会の実現を提唱されております。昨年の四月にそれを内容とする憲法改正原案の衆議院への提出を試みられましたが、発議要件を満たしていないとして、受理されるには至っておりません。 以上、雑駁ではございますが、二院制について憲法調査会の御議論等を御説明させていただきました。ありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 以上で事務局からの報告の聴取は終了いたしました。 これより自由討議に入ります。 お手元に配付をいたしております発言に当たっての留意事項のとおり、発言を希望される方は、お手元にある氏名標を立ててお知らせください。そして、会長の指名を待って御発言願います。 時間が限られておりますので、委員の一回の発言時間は五分以内で願います。発言時間の経過につきましては、終了時間になりましたらベルを鳴らしてお知らせいたします。発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。 福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 実は、共生社会に次出なくてはならないために、冒頭発言をさせていただくことに、会長、感謝をいたします。 私も憲法調査会のときのメンバーでもありましたので、そのときの議論の経過と小委員会、そして報告書のまとめについては承知をしております。 社民党自身は、二院制は維持すべきだという考え方です。もちろん、今後この審査会の中で議論をしますので、その中で私自身も社民党も議論を深めていきたいというふうに考えております。 現時点における社民党の考え方、私の考え方を申し上げます。 なぜ二院制を維持すべきなのか。 まず、国会の重要な役割、今の政治の大きな役割は、行政権の肥大化をどうチェックするかということが政治の三権分立の中での極めて大きなテーマです。内閣に対するチェックをどうしていくのか、立憲主義の強化が極めて大事だと考えております。どう考えても、一院制よりは二院制、つまり参議院が内閣と衆議院の両方をチェックしていく、参議院が肥大化する行政権に対してしっかり国会の立場からチェックをしていく、そのことは極めて大事だと考えております。 二点目は、一院制におけるデメリット、欠点の問題です。 様々な国会の中での審議がありましたが、衆議院で強行採決がある、あるいは公聴会が省略をされる、参考人質疑が十分行われないなど、野党からの立場かもしれませんが、極めて不十分なまま法案が採決をされ参議院に送られるということを私たちも多く経験をしております。参議院に法案が来てから、そこから本格的な議論が始まったり、新たな論点がそこで発見される、参議院の参考人質疑や公聴会の中で新たな論点や重要な点が指摘をされる、そのことは参議院でも極めて大きく経験をしていることです。 一院制の場合、もしそこで非常に強権的な、あるいは強行採決や十分でない議論が起きたときに、立法がずさんな形で成立をしていく。ですから、二院制はそのことを補完していくという役割を大きく担っているというふうに思っています。 三点目は、衆議院と参議院で、先ほども報告でありましたが、解散が参議院にはないことや選挙の時期が異なること、とりわけ参議院は解散がありませんので、六年間十分議論ができるということがあると考えています。 私自身も、共生社会に関する調査会で、全く超党派でドメスティック・バイオレンス防止法を作り、二度の改正を経験をいたしました。先ほど調査会の役割を強調するというのがありましたが、衆議院になくて参議院に存在するのが調査会です。参議院で調査会を非常に駆使して立法機能を強化していくということを参議院は目指すべきだと思います。 また、決算重視の参議院も重要な立場だと考えています。 そして、今のことをちょっと社民党的にまとめますと、二〇〇五年三月十日、この「二院制」の参考資料の三十六ページにもありますが、参議院は、議院内閣制の弱点を補完して衆議院及び内閣に対するチェック・アンド・バランスを発揮するとともに、異なる制度、異なる時期による選挙によって、国民の多元的な意思をより良く国会に反映することから、議会の任務である行政への抑止の役割をより重く担っている存在である、そういう意味で、連邦国家の二院制や貴族院型の二院制と異なり、日本の参議院は、民主主義を強化する二院制の先駆的制度であるということができる、良識の府にふさわしい参議院の機能の発揮こそが必要であるというふうにまとめております。 優越、衆議院と参議院の優越については私自身も今で妥当であると考えておりますが、またそこもこれから議論していけたらというふうに思っております。 また、長期的には比例重視の考え方をして、参議院が少数派の意見も体現できるような参議院、そして、議員定数の不均衡が早急に解消されることを参議院も目指すべきだと考えております。 以上です。
○会長(小坂憲次君) それでは次に、二院制と参議院の在り方に関する小委員会の委員長も御経験された舛添要一さん。
○舛添要一君 今、事務方から御説明ありました二院制と参議院の在り方をめぐる小委員会の委員長を務めさせていただきました。 九年前の平成十六年に議論をいたしまして、翌年の三月にこの報告書を出しましたけれども、今事務局長から御説明ありましたように、その当時はねじれ現象はありませんでした。その後、ねじれ現象が引き続いて起こった。ですから、今仮に同じ委員会でやるとすれば、議論の論調はかなり異なったものになるんではないかというふうに思っております。 今同じ議論をやると、例えば二院制を今のまま残しなさい、それから衆議院の優越は今程度でいいですよということを言えば、それは参議院が自分たちが生き残りたいためにやっているんじゃないかという、そういう御批判が国民から起こることもあり得るというふうに私は実感を持って小委員長を務めた立場から思っております。それがまず第一点であります。 したがって、このねじれ現象に対して政治が動かない、何やっているんだということがずっと国民から言われてきた、それに対して私たちは何らかの回答を出さないといけないというふうに思っております。 先ほど、政治改革一件のみで、両院協議会でまとまったことは一度もない。我々も経験していて、両院協議会今からやりますよ、もう時間の無駄だと、結局、結論変わらないじゃないか。それは、両院協議会の構成がそういうふうになっているわけですから、違う答えが出るはずないんですね、よほど事前に議論しておかないと。ですから、私は、両院協議会の構成ということをもう一度考えないといけないとねじれ現象を考えると思います。 それからもう一つ、先ほど事務方からは御報告ありませんでしたけれども、同意人事です、国会同意人事です。衆参の力関係で、三分の二の再議決要件であるとか、それから首班指名、外交、予算、これは衆議院が優越しております。だけど、全く衆参が同じ力を持っているのが人事の国会承認であります。 これは、今の日銀の総裁、副総裁、この人事が今問題になっておりますけれども、総裁、副総裁の人事がずれたのはまさにねじれ現象によって同時期に決められなかったからであるわけでありますから、これは仮に参議院が今回もノーと言えばあの人事は決まりません。したがって、政治が動かないという状況になってしまう。じゃ、この同意人事をどうするんですかということも具体的な問題として我々は考える必要があるというふうに思います。 そこで、方向としては、極論を言うと一院制にしろと。それからもう一つは、衆議院の優越度を更に高めよという議論があり得ると思います。したがって、例えば同意人事についても衆議院の優越性を担保するという方向があると思います。そうでないならば、もう一つの方向は、衆議院と参議院の役割分担を明確にすると。 例えばフランスなんかですと、フランスの上院は間接選挙で県会議員なんかから選ぶわけですけれども、そういう母体も前提にして、地方分権に関する議論は、フランスは上院が優越です。例えばこういう形で、まあ解散のない院ですから、高い見識と大所高所に立った議論をやるという立場から見て、例えば国の在り方であるとか憲法であるとか、それから先ほど言った中央、地方の関係というようなことについて参議院の役割を優越させるというのも改革であり得るというふうに思っております。 そういうことを含めて、恐らく八年前、九年前のねじれがなかったときとは非常に違う。憲法改正の議論も今から更に盛んになると思いますけれども、我々は国会議員として、政治が動いていないという国民の御不満に対して、この憲法審査会においてきちんと今私があえて問題提起したような点について議論を深める必要があろうかと思っております。 ありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 時間内の御協力、ありがとうございました。 次に、榛葉賀津也君。
○榛葉賀津也君 民主党の榛葉賀津也でございます。 私も舛添先生の御指摘に関連して発言をしたいと思いますが、実はここにいるほとんどの方が与党を経験し、また野党も経験したということでございます。参議院が良識の府とよく言われていたわけでございますが、舛添先生先ほど指摘のとおり、このねじれ国会が常態化して、我々のハウスがまさに政局の府に国民には映っているし、実際そのようなところがあるということでございます。 私も議運の筆頭理事をやらせていただいて、古川理事にも大変御指導を賜りましたが、このねじれ状態をまさに解消する手段であるはずの両院協議会、この在り方をもう少し実用的かつプラクティカルな運用をできるような改正をする必要が私はあると思っています。 この問題は憲法第六十条に書いてあるわけでございますが、ここで、第六十条で、両院の協議会を開いても意見が一致しないときとあるんですが、一体この意見が一致しないというのは誰が判断するんだということが実は明らかになっていないという点をまず指摘をしておきたいと思いますし、国会法第十章の、八十三条からこの両院の関係が付してあるわけでございますけれども、議長をくじで決めると、非常に前近代的な方法で議長を決めているわけでございますが。櫻井先生が議長になろうとしても何回やってもくじが当たらなかったという経過もございますが、実は、議事は成案を議決するときを除いて過半数で決することができると国会法第九十二条の第二項に書いてあるわけでございますが、この両院協議会はイニシアチブを持って議長を取ると過半数を取れないという極めて摩訶不思議な現状があるわけでございまして、この憲法の観点とそれから国会法をどう見るかということ、これと同時に、また運用で何が変えられるのかと。 私も両院協議会、ねじれ国会で何回か出させていただきましたが、極めて充て職で先生方が出てまいります。先ほど舛添先生もおっしゃったように、もう議論は見えているんですね。ですから、ここに党首クラスが入るとか政調会長クラスが入るとか若しくは政策を立案された政策担当者も入って、実際的な議論をして、そこで修文を図るなり政治的な決着を試みるというような現実的若しくは実用的な場にこの両院協議会を変えませんと、なかなか国会が動かないと。若しくは、両院協議会に小委員会を設置するという案も私はあると思います。 ですから、二院制を議論する中でこの両院協議会の在り方をより具体的に議論する必要があろうかと思っております。 以上です。
○会長(小坂憲次君) 次に、山谷えり子君。
○山谷えり子君 ありがとうございます。自由民主党、山谷えり子でございます。 私は、衆議院も参議院も、与党も野党も経験いたしました。その上で、二院制の良さというものをやはり育てていくことで政治が成熟していくというふうに考えております。 二院制の長所と短所というのはコインの裏表だというふうに思っております。メリットといたしましては、拙速を避け、慎重に多様な角度から審議ができる、結論を得ることができるということでありますし、また、それがデメリットにもなるわけでございまして、立法化が複雑化していく、それから、時間が掛かり、行き詰まることもあるということでございます。 そのためには、今、榛葉先生から両院協議会の在り方を更に検討する必要があるという建設的な御意見いただきましたけれども、そうしたこと、あるいはその役割分担をもう少し徹底していく。もちろん今も、決算や行政監視、調査会そしてODAなど、役割分担をする方向で動いておりますけれども、更にそれを建設的に徹底化できないかという議論はあっていいというふうに思っております。そして、そうした特徴を出すために、選挙制度の更なる検討というのも行っていくことが大切ではないかというふうに思っております。 世界の主要国、おおむね二院制でありますし、また二院制を採用する国々が増えているということも、やはりデメリットよりもメリットを育てていこう、その方が安定するという考えを多くの国々が持っているからだというふうに思っています。 私たちは、よく政治の世界で、学校などで教えられた有名ないろいろな言葉があるんですが、例えばフランス革命期の理論的指導者シェイエスが、第二院は何の役に立つのか、もしそれが第一院に一致するならば無用であり、もしそれに反対するならば有害であるという言葉がありますけれども、これは第一院の議決が完全に正しいという前提ではいいのかもしれませんが、一方で、十九世紀のイギリスの政治思想家でジャーナリストのウォルター・バジョットは、二院制について、理想的な下院が存在する場合には上院は不必要であり、また、それゆえに有害でもある、しかし、現実の下院を見ると、修正機能を持ち、また政治に専念する第二院を並置しておくことは、必要不可欠とは言えないにしても極めて有益であるというふうに言っておりまして、私はこういう見方に尽きるのではないかというふうに思っております。 そもそも二院制というのは、最初、GHQから提示されたマッカーサー草案は一院制でございました。一九四六年二月十三日に外務大臣公邸でGHQの民政局長ホイットニーが吉田茂外務大臣、松本烝治憲法の改正担当国務大臣と会見した際に、松本国務大臣がすぐその場で、一院制では選挙で多数党が替わるたびに前政権が作った法律を全て変更して政情が安定しないことを指摘して、二院制でやっていきたいということを言っているわけでございます。 実際、このところ、私たちは衆議院選挙で暴風雨のような状況の中で政治を推し進めてまいりました。小泉チルドレン、八十三人当選いたしましたが、次に衆議院選挙で当選できたのは十人ほど、それから小沢チルドレン、百五十人当選いたしましたが、次戻ってきたのは片手以下ということで、安倍政権の下で百十九人の新人、本当にたくさん戻ってきてほしいと思いますけれども。 ある高名な女性作家が、世論というのはお盆の上の豆のようなものだと。右に傾ければざざざっと右に、そして左に傾ければざざざっと左に。そうしたお盆のこの揺れを左右するのが、極めて大きく報道の在り方というのにも影響されるということ等々を考えますと、やはり二院制のメリットを育てていく、そのために私たちは議論を深めていくという方向を取ることが賢明なのではないかと思います。
○会長(小坂憲次君) 正確にありがとうございます。御協力を感謝します。 次、江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。 みんなの党は、将来的には憲法改正により道州制の導入を含む統治機構の抜本的な改革が必要であるというふうに考えております。その柱の一つが衆参両院の統合による一院制の導入というふうに主張いたしております。 一院制のメリットとしては、先ほどもありましたけれども、迅速かつ効率的な意思決定ができる、立法の行き詰まりが生じにくいとか、あるいはまた効率的な審議、政策決定の迅速性、あるいはまた両院間の意思の統一を図る必要がなく立法過程が単純化される、それとまた、第二院の維持に係る諸経費が不要になるということであります。 国際比較をする先生方も多いですけれども、多民族国家の議会と、一民族、一国家、一言語を原則として、その日本の議会を比較するというのは私は意味が余りないんじゃないかというふうに思うということであります。 日本国憲法における現在の二院制の最大の課題は、ねじれ国会に起因する決められない私は政治であるというふうに思います。憲法は、両院の意思の調整を図るため、衆議院の優越性や両院協議会の規定を置いていますけれども、これらが十分に機能しているとは言い難いというふうに感じております。 国民生活に重大な影響を与える予算関連法案や安全保障分野を含む重要法案が人質に取られ、成立が大幅に遅れたり、そのために国民生活に多大な影響を与える。また、政治的な効果しか有しないとされる参議院における閣僚の問責決議の可決によって、当該閣僚が辞任するまで参議院の審議がほぼ全面的にストップする事態が頻発し、また頻発したわけですね。グローバリゼーションが進展し、社会の変化が激しいこの時代に、国会が機能不全に陥って、その結果国政が停滞するということが我が国の国益に悪影響を及ぼすことは明らかであるというふうに思います。 迅速かつ効率的な意思決定という一院制のメリットは、このような私は現状を打破するための処方箋として極めて有効ではないだろうかということであります。もちろん一院制のデメリットはあります。慎重な審議や国民の多様な意見が反映されないとかということ等々も含めてあると思いますけれども、一院制にして、一院制の中でそのチェック機能とかあるいはまた慎重に審議をするという仕組みをつくればいいだけの問題であって、わざわざ私は二院制にする必要はないということであります。一院制の詳細な制度設計はこれからでありますけれども、今申し上げましたようにいろいろな、一院制にしてこの仕組みを考えたらいいんです。 例えば、私はビジネスの世界から国会議員になって大変驚いたのは、もう休みが多過ぎるんです。要するに、通常国会と臨時国会というその間に物すごく休みが多過ぎる。私は、一年間ビジネスマンが仕事をするという、普通の国民が一年間ずっと続けて夏休み、年末休み、それと同じように、国会も通年国会を私は開催していくということが必要ではないだろうかというふうに思いますが。 憲法改正による一院制の導入を将来的な課題として、当面の改革としては、私は、衆議院議員を三百人に、参議院議員を百名にそれぞれ削減して、少なくとも小さな国会にするということが必要だろうというふうに思います。参議院の定数削減の際には、多様な国民の声の反映とか有権者に分かりやすい選挙制度、それから道州制を視野に入れた改定、一票の較差の是正に配慮し、衆議院選挙で実施される十一ブロックによる比例代表制に一本化するという、いずれにいたしましても、抜本的にやっぱり議会というものについて考え直すべきときであるというふうに思います。 以上です。ありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 次に、西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 今、この憲法審査会におきまして二院制をテーマに議論するその背景には、いわゆる、ただいまお話がございましたが、決められない政治ということを理由に首相公選制あるいは一院制ということが提唱される中、二院制の意義と役割について議論を深める必要があるからだろうというふうに私自身は思っております。 この決められない政治、いわゆる決められない政治というのは、国会及び内閣における意思決定が適切に行われていないということを指すのではないかと思われます。したがって、問題意識といたしましては、内閣と国会で適切な意思決定ができるようにすることと二院制がどのように関係するのかという設定が必要ではないかと思っております。 私自身の個人的な意見も含めまして発言をさせていただきたいと思います。 まず、議院内閣制度の下におきまして、いわゆる官僚の支配ではない内閣の意思決定を図るためには、内閣の機能強化を図らなければならないと思います。それには、内閣法第三条第一項に定めるところの、「各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。」との条文と国家公務員のキャリアシステムによって形作られましたいわゆる省庁割拠主義と言われる省益優先の弊害、これを改めるよう法改正も視野に入れた改革が求められると思われます。そうして初めて、行政各部への指揮監督権等、内閣総理大臣の権限を強化することができると考えられます。 こうした内閣の機能強化と併せまして、国会の行政監視機能を高めることが決められない政治の克服のためには不可欠であります。決められない政治を克服して決められる政治に転換するその目的は、国民主権の徹底がなされることでなければならないと思います。国民主権の徹底には、国民の代表者の集合体である国会の行政監視機能をいかに強化するかに懸かっております。 国会の行政監視機能を高めるには、議院内閣制を取る以上、一院制ではなし得ないと考えます。なぜならば、政権を選ぶ一院、例えば衆議院だけでは第三者的に行政を監視することは難しいからであります。一院制の下で行政をチェックするためには、議院内閣制度ではなく大統領制度を取るべきであると考えます。 国民主権の徹底を図るために国会の行政監視機能を高めるためには、二院制度が欠かせないと考えます。その意味では、例えば衆議院が予算など金目の議論を中心にするのに対して、参議院は組織や人事など行政監視の機能をより重視する役割分担が考えられます。参議院の行政監視機能を強める改革が必要との考えであります。 例えば、そのためには、先ほどの事務方からの調査報告書にもございましたように、総務省の行政評価局を参議院に移設して、行政監視のためのハウスとしての手足をつくることも考えるべきであります。また、衆議院には、米国にある議会予算局のように、ハウスとして独自の将来推計を行う機関の政府からの移設も検討すべきであろうと思います。衆参それぞれの役割を徹底するための手足をつくって、その機能を強化する必要があると考えます。 以上でございます。
○会長(小坂憲次君) 次に、はたともこ君。
○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。 今日は二院制についての議論でございますが、大変恐縮ではございますが、生活の党としての初めての発言でございますので、最初に党の基本政策、基本姿勢について申し述べさせていただくことをお許しいただきたいと思います。 我が党の綱領には日本国憲法の記述がございまして、このようにあります。我が党は、我々が携わる国政とは、国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受するものであることを真摯に受け止め確認すると、憲法前文を引用しております。綱領には、続いて、正当に選挙された国会における代表者として政治を主導する権限と責任があること、その政策は国民の利益を増進するものでなくてはならないこと、国民との約束は誠実に遵守する必要があることは、正しく日本国憲法が求めているところであり、民主政治の原則であると書かれております。 我が党は自立と共生の理念の下に結党されましたが、綱領の結びにはこうあります。我が党は、諸国家、諸民族、諸文化、さらには自然とも共生する理念の下、世界の平和と持続的繁栄のための諸活動に、性別、年齢、分野を問わず積極的に参加することを求める、平和と繁栄という普遍的な目的への人類史的貢献の発信者としての日本を、全ての国民が名誉と思える時代を築くためであるとの記述がございまして、全体として日本国憲法と理念を共有していると思っております。 また、党の基本政策では具体的には憲法についての記述はございませんが、外交・安全保障政策のところで、国連憲章や日本国憲法前文の精神にのっとった安全保障基本法を制定し、国連平和維持活動への参加を進めると明記をしております。 我が生活の党は、全議員参加の総合政策会議において政策を決定しておりますが、この政策会議において憲法の議論を始めました。最初の取組といたしまして、憲法問題について長年にわたり研究、議論を積み重ねてこられました小沢一郎代表による憲法講義シリーズを始めました。既に、日本国憲法総論、また二院制についてというテーマで行いました。内容については党のホームページにアップされておりますので、是非御覧いただければと思います。 日本国憲法総論の要点は、一部メディアでも報道されましたが、九十六条の改正規定について、日本国憲法の理念、基本原則は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の四つであり、日本国憲法は硬性憲法であって、この基本原則を否定するような憲法改正を容易にすることはできない。九十六条の要件緩和だけを先にやってみたいというのは、学問的、論理的、理念的、思想的なことからいうとへんちくりんな議論である。九十六条改正という場合には、どういう憲法を想定し、その憲法はどういう理念で作られるものかということを明確にしていかなければならない。ただ単に、何でも変えたいときに変えられるようにしたい、改正規定で何でも変えられるという類いの発想につながってしまう。それは法の理論からいうと余りにも乱暴であり、余りにも跳びはねた議論になってしまう。ただし、みんなの総意があれば実勢に合わないものは変えればよいというところでまとまっております。 また、二院制についての論点でございますが、憲法制定時の国会の議事録を読んで頭を整理していきたいと考えております。本来の二院制に期待される仕組みからいえば、全く同じものが二つあるというのは誰が考えてもいいとは思わないということでございますが、我が党といたしましては二院制でいいのではないかと思っておりますが、二院制をどうするのかという問題は、本当にその機能、権能をどのように一院と二院に与えるかということの議論をしないとどうしようもないということだろうというふうに思っております。 これらの論点に基づきまして、総合政策会議の場で議員間での議論が始まっております。この間、九十六条改正問題、二院制の問題ではほぼ議員間で認識が共有化されました。特に二院制の問題については、衆議院と参議院の機能、権能について具体的に検討をしていくということが当面の結論でございます。 参議院の機能についてはいろいろな議論がございますが、私の僅かな経験から申し上げますと、例えば衆議院に設置された原子力問題調査特別委員会がなぜ参議院に設置されないかということでございます。東京電力福島第一原子力発電所事故原因の解明、放射能被曝の実態調査、原子力発電に今後どのように対応すべきか等について、六年間の任期と解散がないという参議院の特性を生かして、まさに参議院こそ原子力問題調査特別委員会を設置すべきであると考えております。 以上でございます。
○会長(小坂憲次君) 次に、中川雅治君。
○中川雅治君 我が国におきまして、二院制か一院制かという議論は衆参ねじれ現象が起きてから特に盛んになってまいりました。衆参ねじれの状況の下で、決められない政治、前へ進まない政治に対する国民の批判が強くなり、国会議員自身もいらいらして、とにかく決められる政治を実現していこうという気持ちが一院制論者の根底にあると思います。 しかし、私は、一院制で、しかも現行の小選挙区制のような制度で政権交代が起きる、しかも一院制で圧倒的多数を占める与党が存在することになりますと、これは時として独裁政治になりかねないというように思います。例えば、与党内で二分されるような案件でも、党で決まったことは党議拘束が掛かるわけですから、結果として、一院の議員の半分以上の賛成がないようなものでも結果として一院で通ってしまうということもあり得ます。そして、少数といえども、ある程度まとまった国民の意思というものが一院制の下では全く無視されるような状況にもなりかねないと思います。仮にそのような状況で世論が大きく振れて政権交代がまた起きれば今までの政策が一挙にひっくり返るという、国の進路に懸かるそういった問題が極めて不安定な状況に置かれるというふうに思う次第であります。 自民党の衆議院議員は一院制論者の方が多いと思いますが、参議院議員は圧倒的に二院制論者が多いと思います。それは、このような政治状況になるのを何とか防ぎ、良識の府とか再考の府という言葉で言われているような参議院の役割を維持すべきであると考えているからだと思います。 多くの国の場合、大体、下院レベルで見ますと、人口十万人以下に対して国会議員一人というのが一般的であり、これを日本に当てはめると、日本で一院制にした場合は千名以上という数になってしまうという報告もありますが、日本で実際にこのような規模の一院制は無理でしょうから、日本で仮に一院制を取るとすれば、選挙制度と密接に関連してくるわけでございますが、国民の意思をしっかりと反映できる一院制を構築できるのか疑問だと思います。 先進国で大きな国は全て二院制であると言ってよいと思います。一時期、二院制から一院制への移行がなされたと言われますが、これは比較的小さい国であります。近年二院制に移行した国は、二〇〇六年のスロベニア、スーダン、リベリア、イエメン、ジンバブエ、二〇〇八年のブータン、セネガルなどで、民主化に伴い二院制を採用する国が出ているというふうに思います。二院制採用国は一九八五年で二九・六%、二〇〇〇年で三六・二%、二〇一〇年で四〇・一%と増加しているという報告もございます。 私は、一院制議論よりも、やはり二院制の存在意義をしっかり高め、その在り方を議論していくべきであると考えます。議院内閣制を前提にすれば、衆議院は政権をつくるという大きな機能があるわけですから、当然衆議院は政党本位になるべきであると考えます。これに対して参議院は、多数の横暴をチェックする良識の府、再考の府という考え方を取りますと、政党本位でなく政治家個人を中心にするということも考えられると思います。これは選挙制度の改正につながる問題でありますが、党議拘束を参議院は緩めるとか、あるいは参議院における政党の在り方を根本的に改めるとかいろいろ考えられると思います。権力は横暴になる、多数派は暴走する危険は常にあるわけですから、参議院は民意に従ってチェックする、監視の機能を発揮する、理性を働かせる、まさに良識の府、再考の府としての役割をしっかりと発揮できるように制度的な工夫をすべきであると思います。 決められない政治という批判に対しましては、昨年三党合意で成立した社会保障と税の一体改革法のような知恵をモデルケースとして、政権を経験した政党同士が大人の対応をするようになれば、現在の制度の下でもその気になれば決められる政治を実現することは十分に可能だと思います。 多党化してきた現在の政治状況の下では、案件ごとに政党間で話し合い、合意していけば、決められない政治から脱することができる状況も今生まれてきております。そして、参議院の在り方について更なる制度的な工夫をすれば、もっと現実的な対応をすることも可能になると思います。 以上、ただいま御報告のありました平成十七年の調査報告書以降の政治状況を踏まえての私の考え方を申し述べさせていただきました。
○会長(小坂憲次君) 次に、井上哲士君。
○井上哲士君 私もかつて憲法調査会に所属しておりました。当時はカーボンコピー論、参議院は衆議院と同じことをやっていると、こういう批判だったわけでありますが、いわゆる衆参のねじれの下で、今度は参議院が衆議院と違う結論を出して強過ぎると、こういう逆方向からの批判があるように思います。 論議よりも政局を優先するようなことはあってはなりませんし、国民の批判には真摯に対応することが必要ですが、一方、時の政府の提案をとにかく効率よく速やかに成立させたらそれでいいんだと、それが国会の役割だと、こういう角度からの議論にはくみすることはできません。国政の主人公は国民であり、その多様な民意をどのように反映をさせるのか、そもそも憲法とは国民が権力を縛ることにあると、このことを土台にした議論が必要だと思っております。 国会は国権の最高機関でありますし、議院内閣制は立法と行政の抑制と均衡、協働を求めております。仮に一院制である場合に、一院を構成する多数政党がそのまま内閣を組織をしますと、それに対する国会のチェック機能は事実上失われてしまいます。三権分立の下で唯一の立法機関であり強大な行政権力を監視すべき重大な任務を持った国会が、衆参それぞれ、共に多様な民意を反映をしながらその役割を発揮をする、そのことが必要ですし、第二院の役割は非常に重要だと思います。 さらに、異なった時期と異なった選挙制度で選挙される議員を持つ衆参両院で、同じ議案を二度審議することを通じて、国民の意思をより正確に、より積極的に反映をすることができますし、参議院が、解散がなく、より長期的な展望を持った審議が可能であり、一院だけの審議による不十分さや欠陥を補い、誤りがあれば正すことができるのは言われてきたとおりであります。 実際、衆議院の審議を通じて初めて国民が問題を知って、その後、世論が喚起をされ、その声が参議院段階の審議で反映をされ、異なった議決をした場合もありますし、修正をされたこともあります。結果は同じ議決であっても、議論を通じて法案の問題点をより深めて、議事録は、法律を執行する場合の重要な指針となるものでありますし、政令や省令にも影響を与え、附帯決議により運用や今後の立法政策上の課題を示すということの役割も果たしてまいりました。 加えて強調しておきたいのは、東日本大震災のような大災害の際にも、二院制でこそ国民主権の立場で対応できるという問題です。現行憲法は、いわゆる国家緊急権を盛り込んでおりません。行政当局にとっては非常に緊急権は重宝だけれども、国民の意思をある期間有力に無視をする制度であって、民主政治の根本原則を尊重するかの分かれ目だという当時の議論があったからであります。 憲法は、大災害によって衆議院選挙ができずに衆議院の任期が切れた場合でも、参議院での緊急集会によって国会が機能できるように定めております。仮に衆参同時選挙ができなくなった場合であっても、非改選の参議院の半分があって緊急集会は可能でありまして、大災害など緊急事態の下でも、国民の権利を停止をして政府に集中させるのではなくて、国民の代表である国会の下で国民の意思に基づいて対応することがこの二院制の下で可能になっているということは、非常にこの間の重要な教訓だと思います。 これは、この二院制は主権者国民の民意を正確に反映する選挙制度によって正当に選挙された議会が存在することが前提になっております。参議院にも抜本是正が求められておりますが、特に衆議院での小選挙区制度が民意を大きくゆがめるものとなっております。 昨年の総選挙で、自民党は、有権者比では小選挙区で二四%、比例では一五%の得票でしたけれども、六割の議席を獲得するという結果になりました。民意と懸け離れた巨大与党が誕生し、その下でのねじれと言われる問題があるわけで、私は、むしろ正すべきは国民世論とのねじれを生むこういう選挙制度だと思いますし、また、数を頼りにしたような強引な国会運営であるとか国会の外で三党合意などを決めて国会に押し付けるようなやり方ではないこと、徹底審議を通じて多様な民意を国会審議に反映をさせる、少数会派にもより配慮した国会運営なども含めて、運用の面で多くの改善すべき問題があると思っております。 以上です。
○会長(小坂憲次君) 次に、磯崎仁彦君。
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。 冒頭、事務局の方から御説明いただきました憲法調査会の小委員会の報告、これは非常に論点もまとまっておりますし、この内容に従ってこれからも議論を進めていくべきだろうなというのが基本的な考え方でございます。 また、昨今のねじれというものをベースにしまして一院制、二院制の議論が行われておりますけれども、私は、このねじれ現象、即、なかなか国会が前に進まない、政治が前に進んでいかない、したがって一院制だということにつきましては、非常に短絡過ぎる議論だろうというふうに思っております。やはり、二院制が持つきちんとした役割、機能というものを認識をして、私自身、二院制を維持していくべきだろうというふうに思っております。 よく言われますように、二院制の存在理由としましては、二つの院、相互に抑制、均衡させて国会による審査を慎重なものにしていく、これを担保していくというのが一つの役割でございます。もう一つは、国政に民意、多様な民意を反映をさせていく、これがもう一つの役割だというふうに思っております。 この二点目の多様な民意を反映させていくということからすれば、この調査会の報告書の中にもありますように、やはり選挙制度の在り方、これは衆議院と参議院とでは当然違ったものにしていく必要があるんだろうというふうに思っております。例えば、ブロック比例のブロックを衆議院と参議院とで全く同じようにするということは、これはやはり多面的な、多様な民意を反映をするという意味では恐らくそれを満たすことはできないんだろうというふうに思っておりますので、国政に民意、多面的な民意を反映させるという意味では、選挙制度というのは非常に大きな意味を持っているんだろうというふうに思っております。 それと、もう一つ私がこの場で是非御指摘をさせていただきたいのは、先ほども西田委員、それから中川委員の方からもお話ありましたように、我が国は議院内閣制を取っております。議院内閣制の下での二院制、議院内閣制の下での参議院ということの在り方について、是非議論を深めていく必要があるだろうなというふうに思っております。 これは言うまでもございませんけれども、衆議院につきましては当然のことながら内閣総理大臣の解散権というのが及ぶわけでございます。議院内閣制というのは、行政府が議会の信任に依存をする、逆に行政府が議会に対して解散権を有する、このチェック・アンド・バランスということの下で成り立っているということでございます。これは、内閣と衆議院との間はこの議院内閣制が当然成り立つわけでございますけれども、参議院に対しては当然のことながら内閣総理大臣は解散権を行使することはできないという関係にあるわけでございます。そういった意味では、内閣に対する参議院の独立性というのは非常に強い。 こういった中で、例えば問責決議案の在り方、これは、私は院としての意思を示すという意味で当然のことながらあってしかるべきだというふうに思っておりますけれども、ともすればこれが乱発するということについては、やはり参議院の院としては、この議院内閣制というものの中で余りにも参議院が強くなり過ぎることによって、大臣の罷免権ということまで言ってみれば実質上参議院が持ちかねないということについては、これは十分に議論をする必要があるんだろうというふうに思っております。 それから、法律案の議論につきましては、これは今の憲法の下では、衆議院で可決をして六十日以内に参議院で可決をしない場合には衆議院の議決が国会の議決になるということで、内閣総理大臣の場合には十日、予算案の場合には三十日、法律案の場合には六十日、これはある程度の緊急性を加味しての日数だというふうに思いますけれども、この日数について、果たして憲法上、今のこの日数でいいのかどうなのかということについては議論の余地があるんだろうというふうに思っております。 もう一つは、予算につきまして、これは衆議院の優越権が認められているわけでございますけれども、国債の発行につきましては合意で、ある何年間にわたって合意がなされたわけでございますけれども、例えば予算が成立したにもかかわらず、予算関連法案、これによってなかなか予算が執行できないというのは現実問題としてあるわけでございますので、私は予算と予算関連法案の在り方ということにつきましても、これは憲法の在り方ということになろうかと思いますが、やはり議論をする余地はあるんだろうなというふうに思っております。 以上でございます。
○会長(小坂憲次君) 次に、水戸将史君。
○水戸将史君 ありがとうございます。日本維新の会の水戸将史でございます。 我々日本維新の会といたしましては、そもそも基本的な方針と申しますか、私たちの考え方といたしましては、やはり国の統治機構を大きく変えていくんだと、根本から見直していくんだということがその底流にあります。 ですから、従来の、もちろんこれ、憲法改正、当然必要でございますけれども、議院内閣制ではなくて首相公選制を導入すべきであるということが根本的なスタートラインでございます。 首相公選制の、候補者たる者の資格要件とか選任までの手続とか、また選任後の行政府の構成とか、さらには議会との関係等々に関しましての議論はまた別な機会に投げていきたいと思っておりますけれども、もう御案内のとおり、この首相公選制とまた議会というものは双方とも国民の意思が働く、有権者の意思が働く、民意が反映をするということでございますものですから、いろんな意味でチェック・アンド・バランスが機能するということであります。 したがいまして、行政をチェックをするという議会の立場からすれば、やはり二院制である必要はない、一院制でも先進国の事例を見てもそういうことで十分機能しているものがありますものですから、いわゆる首相公選制とやはりこの一院制というものを、うまくこれを連動させながら政治を進めていくというのがこれからの日本の目指すべき方向性ではないかと思っております。 したがいまして、これからの中におきましては、当然、首相が人気投票にならないようにとか、また一院制の中における行政府とのチェック・アンド・バランスということも当然議論の余地もありますものですけれども、いずれにいたしましても、基本的なスタンスといたしましては、首相公選制を前提としながら、やはりそういう中においての二院制から一院制へと、これを完全的にシフトしていこうという形で行政をチェックをしていくということが好ましいスタイルであるということが我々自身の大きな考え方のものでございます。 以上であります。
○会長(小坂憲次君) 次に、松井孝治君。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。 私は、先ほど西田幹事さんもおっしゃいましたけれども、基本的な立場として議院内閣制、今、水戸委員の御発言は首相公選制を前提にされたものだと思いますが、議院内閣制を維持するとすれば、それはやはり二院制でしっかりとした行政監視機能を持つというのが当然だろうと思います。 その前提として、内閣の機能というものが、先ほどこれも西田幹事さんからお話がありましたけれども、現状では行政各部が割拠的に運営をしているのが内閣の実態でありまして、内閣の機能を強化すると同時に、議会におけるその監視機能、要するに主権者が有効に、国民主権でありますから、その選任した議員を通じて内閣をチェックする機能、両方を高めていくということが私は我が国の統治機構を十全に機能させるために必要なことだと思っております。 その上で、しかし、私もかれこれ十二年間この参議院で活動をさせていただいておりますが、今の参議院をこのままの状況で機能を維持することが、それも二院制の私が今申し上げた趣旨にかなうとは思っておりません。すなわち、私も舛添小委員長の下で二院制の小委員会に所属させていただきましたが、しっかりとした機能、役割分担が必要だと思います。 四点ほど申し上げさせていただきます。 一点は、例えば、地方分権とかあるいは地域主権という言葉が使われ始めて久しいわけでありますが、例えば地方財政の調整一つを取っても、今は、先ほど行政割拠主義と言いましたけれども、総務省の一部局が地方交付税の算定というのを担っております。災害が起これば、各自治体が総務省に特別交付税というもの、特交を求めて陳情を繰り返すと。これが本当に、財源の均等をどう図るかというような、まさに国家的課題の行使の仕方としていいのかどうか。そういう意味でも、私は、例えば地方財政をどう均てん化するか、ある程度水平的調整を進めていくかというようなことは、やっぱり行政の一部局が担うんではなくて、しっかりとこの第二院が担うべき項目、機能だと思っております。 二つ目、今の地方財政調整も絡まりますけれども、先ほどからチェックの院であるという御意見が出ております。私も同意でありますが、例えば同意人事あるいは決算、あるいはこれも各会派の合意によって国会事故調というのが原子力発電所事故の問題で起こりましたが、ああいう、まさに行政の責任、いろんな規制を、果たして有効に議論し、しかるべき規制を導入していたか、あるいは行政の監視が適切であったかというようなことも含めて、まさにチェックの院として機能するにはやはり議院内閣制の下での限界がある。その中で、やはりこれはむしろ執行の院というものと違う立場の参議院がチェックの院としてしっかりと行政監視、議会としての権能を果たしていかなければいけない、少なくとも議院内閣制を維持する限りにおいてはこの機能をもっと強化していくべきではないかと思っております。 それとは違いますけど、例えばいろんな統計処理なんかの公正性、中立性という意味で、先ほどこれも西田議員からあったと思いますが、いろんな年金なんかの将来推計みたいなものを政府がお手盛りで数字を作るんではなくて、先ほどの原発事故調なんかもそうですが、きちんとした専門家が政府と独立してそういう監視機能、調査機能を果たしていくという意味では、いろんな将来推計機能なども参議院の傘の下に置いていくのもしかるべきだと思いますし、その意味でもチェックの院としての参議院の機能強化が必要だと思います。 三点目は選挙制度でございますが、もうより広く言えばメンバーシップの問題と置き換えてもいいと思います。 地方のどういう参画の下でこの第二院をつくるか、私はドイツの連邦参議院制度、非常に参考になると思います。まさに地方の利害にかかわる法律については参議院の優先議決権を持たせる、あるいはそのメンバーシップについて、これはフランスもそうだと思いますけれども、地方の首長なり州政府の議員がメンバーになるというようなことも私はこの第二院の機能としてはあってしかるべきかと思います。 最後の第四点目の機能面でいうと、やはり政党との関係、党議拘束であろうと思います。 議院内閣制の下で参議院が独自の今の役割を果たそうとするならば、党議拘束を外して議員各位の政党とは違う視点、例えばドイツあるいはフランスなどはそうだと思いますが、むしろ地域の立場から第二院は議決に参画する、そういうような慣行をつくっていくことも必要だと思いますし、また会期の在り方も第二院と第一院とは当然違ってきてしかるべきではないかと思います。 以上でございます。
○会長(小坂憲次君) 次に、小西洋之君。
○小西洋之君 ありがとうございます。民主党の小西洋之でございます。 私は、二院制が必要である、また参議院はその意義があると、そういう立場から意見を述べさせていただきます。 まず、いわゆるカーボンコピー論でございますけれども、選挙制度あるいは複数の政治資金制度において政党政治が実現されるような方向性を志向する仕組みが措置されております。そしてまた、各党において、政策調査会において、全ての衆議院、参議院議員が参画し、衆議院、参議院議員横断的な政策の調整のシステムが講じられております。そうした実態を鑑みれば、衆議院で法案を送ったときに、その法案が成立されて、参議院にまたその法案が来たときには既に内容的な政治的な調整は終わっていると、そういうことは政党政治の上では指摘はできるものとも思います。しかし、これはあくまで衆議院先議の法案を前提にした考え方でございまして、参議院先議の法案を考えたときに、これは同時に衆議院もカーボンコピー論が成立するわけでございます。 そして、私が申し上げたいことは、皆様御案内のとおり、今のこの国会運営において、毎回の国会の期末において審議未了の廃案となっている法案が非常にたくさん生じております。国会のスケジュールを通年化するという議論もございますけれども、まずは参議院先議の法案をしっかりと審議をやっていくこと、そのことによってこの問題が解決される、すなわち、国会が真に機能を発揮すればこのカーボンコピー論は論理必然的にその論拠を失うのではないかというのが私の考えでございます。 もう一つ、参議院の意義でございますけれども、慎重審議でございます。 私が責任を持って申し上げられるということで、自分が担当させていただいた法案の例を申し上げさせていただきますけれども、一昨年に復興の要になる復興特区の法案を担当をさせていただきました。衆議院で行われた閣法の修正協議において、復興を実現するために、強力な国会が応援する形での規制緩和を勝ち取る仕組みを立案していたものが、衆議院の修正協議では残念ながら半分しかその内容が実現されませんでした。それが参議院に送られまして、私は民主党の理事を務めておりましたけれども、今日の委員でございます谷合先生、公明党の理事でございまして、その他各党各派の皆様から御指導をいただきながら、法案の修正という議論もあったんですけれども、結果、附帯決議になりましたけれども、内閣の復興の基本方針の閣議決定を附帯決議によって変えるという形で本来企図した法制度が一〇〇%実現した次第でございます。 また、昨年は原子力規制委員会の法案についても環境委員会の理事として担当をさせていただきました。このときも中川雅治先生、理事、その他各派の先生方の御指導をいただきながら、非常にタイトなスケジュールで衆議院でまとめられた原発を規制管理する絶対過ちが許されない法案に残念ながら過ちがございました。それを参議院の環境委員会において附帯決議でしっかりと修正して、その附帯決議に基づいて今原子力規制委員会の組織と運営が組み立てられているところでございます。このように、私は慎重審議という意味で、この二院制、参議院の存在意義は間違いなくあるということを申し上げさせていただきます。 そしてまた、更に申し上げさせていただきたいこと、私は当選まだ二年半の新人議員でございますけれども、私が二年半働かせていただきまして思います参議院の意義は、それは、解散に左右されずに恒常的な国民国家のニーズに対処する、その立法等の政策を、国会議員が国会や永田町に腰を据えてしっかりと働ける、そうした国会を、国会議員集団を我が国の統治機構としてしっかり確保しておくこと、それが実は私の実態面から見た参議院の一番大切な意義であろうかと思います。そのときの国民の意見を衆議院に反映させて内閣を構成する、この衆議院の解散制度というものは私も支持をしますけれども、この解散制度の下で実態として衆議院議員は非常に大変な政治活動あるいは選挙活動というものを余儀なくされております。そうした一方で、我々参議院は、憲法上定められた任期に基づいて腰を据えて必要な政策をしっかりと組み立てていくことができる、この意義をしっかりと正面から認める必要があろうかと思います。 また、こうした、今申し上げました慎重審議、また参議院が腰を据えて国民に向けた使命を果たせる、そうしたものに加えて、各先生方からも御指摘のあります役割分担、それをより強化することによって意義を高めることができると思います。 私は、行政監視、わけても西田先生がおっしゃっておりました行政評価機能、今霞が関が立案している政策は、本来あるべきものが十であれば、縦割りの弊害あるいはいろんな利害関係の弊害で十あるものが実は六か七のものしか立案できていないのが実態でございます。本来あるべき政策は十でないかということを我々参議院でしっかり政策評価をして、それを決算審議とも連動させた政策のPDCAサイクルを組み立てていく、そうしたことによって存在意義を発揮できるものと存じます。 最後に、ねじれという問題がございます。これを解決しなければいけません。私も両院協議会の改革をするべきであると思います。 方向性は一つ、要件とプロセスでございます。要件は、先ほどおっしゃいました、委員の構成を会派比例にすること、またその議決要件を三分の二ではなくて、両院協議会の使命というのは成案をまとめて各本院に持ち帰って成立させることでございますので、そうであるならば、議決要件は三分の二ではなくて二分の一などでもよろしいのではないかと思います。その他、政調会長等の出席、議事録のみならず今日の委員会のようにマスコミの方も来ていただくような傍聴を行うこと、あるいは議論を文書で行うこと、そうした下で国民注視の両院協議会の運営を確保する必要があろうかと思います。 大変失礼いたしました。ありがとうございました。
○会長(小坂憲次君) 次に、大島九州男君。
○大島九州男君 ありがとうございます。 今日、決められない政治を理由に首相公選制と一院制が提唱される状況の中、行政等統治機能の問題を考えるために、憲法、内閣法、国家行政組織法、国家公務員法等について考えた結果、次のような指摘ができるというふうに考えております。 まず、国会の意思決定については、特に法律案に関する三分の二の再議決要件や両院同意人事が問題視されておりますが、しかし、議院内閣制を採用する我が国において最重要の問題は、明治以来続いている官僚支配による内閣の意思決定ではないかというふうに考えております。 官僚機構は、内閣が法律を誠実に執行する、そういう手足にすぎないわけでありまして、行政の官僚支配は本来あってはならないことであります。さらに、議院内閣制の下で官僚支配が内閣の生みの親である国会にまで及んで国民主権の徹底を著しく阻害する結果になっていると、これが我が国の政治行政の根本問題ではないでしょうか。 明治以来の伝統を引き継ぐ内閣法を中心とする行政組織に関する古い法制が弱い内閣を前提としており、行政の官僚支配を可能にしているのではないでしょうか。特に、行政事務の各省分担管理は国家公務員のキャリアシステムと相まって各省独立人事と省庁割拠主義を生み出して、内閣の意思決定を左右をしているのではないでしょうか。省益優先の復興予算は、その典型の例であるのではないかというふうに考えます。 憲法と内閣法は国民主権を徹底することを基本の思想としているのに対して、内閣法以下は、行政組織法はそのようになっていない。それが行政の官僚支配を許した大きな要因の一つと考えられます。行政の官僚支配から脱却するためには、内閣法以下の行政組織法について、国民主権を徹底しながら強い内閣をつくる方向での改正が必要であるのではないでしょうか。そのためには、国会を含む統治機構全体について、憲法改正等を視野に入れた法制度の抜本的改革が必要と考えます。 このような問題意識から、議院内閣制と二院制を維持をしながら、強い内閣のために行政各部の指揮監督権と内閣総理大臣権限を強化する一方、国民主権の徹底した観点から、国会の行政監視機能の大幅強化を図る仕組みを検討することが必要と思います。 例えば、衆参の特徴を反映して、衆議院に会計検査院を、参議院に行政監視調査局を置いて、衆議院はお金の観点から、参議院は組織、人事の観点からそれぞれ政府と官の活動に対する監視を行えば、両院の機能の明確化により質の高い行政監視が可能になると考えます。行政監視調査局は現在の総務省行政評価局の機能と人員を移設すればよいし、さらに、衆議院に内閣府の経済社会総合研究所を、参議院に人事院を移管する案も検討に値すると考えております。これらは憲法改正なしでも可能であります。 しかし、改憲により更に参議院の行政監視機能の充実強化を徹底することも考えられますが、主権は国民にあるというそういう観点から、一人一人の国民の皆さんがマスコミに左右されることなくしっかりと選挙で政党を選んだり政治家を選んだりするような、そういう国になることを祈念して、意見を終わります。
○会長(小坂憲次君) 次に、亀井亜紀子君。
○亀井亜紀子君 みどりの風を代表して意見を述べさせていただきます。 まず、みどりの風は、今は衆議院を加えての政党ですけれども、元々参議院の会派として四人でスタートしております。その趣旨は、やはり二院制を是とした上で参議院を改革をしていくべきである。以前、緑風会という無所属のグループがあって、もっと緩やかな党議拘束のない無所属の議員が活動していたという時代を振り返りまして、本来参議院とはそういう姿であるべきではないかと。そこで、緑風会から名前を取りまして、みどりの風という政党名にいたしました。 ですので、今ねじれ国会で、決められない国会といって批判をされており、その批判の対象が参議院に来るのでありますけれども、ねじれ国会が悪いのではない、ねじれ国会になったというのは国民の選挙のときの意思としてねじれているわけですから、そのねじれ国会の中で意見の形成、合意形成をしていくことができない事実が問題なのであって、衆参の構成が与野党が違うということ自体が悪ではないというふうに思っております。 現在、参議院が衆議院と同じように政党化されて、その政党の人数をもって全てが決まっていくということが問題なのですから、本来、党議拘束をすべきではないと思います。いきなり党議拘束を全てについて外すというのはなかなか難しいかもしれませんが、例えば私のこの任期の間でも臓器移植法の改正などがございました。これは、生命倫理に関することは個人の信条であるので党議拘束は外すということで採決が行われました。このように、ある範囲については党議拘束を外すということから始めてはいかがかと思います。 また、条約の批准の在り方について私は問題があると思っております。これは、みどりの風の中でもよく論じられていることなんですけれども、今まで多くの条約を批准をしてまいりましたが、条約については政府の専権事項であって、中身が分かりません。つまり、採決のときに数行でこのような条約であるという要約がございますけれども、なかなかその中身まで勉強する時間がないと思います。 参議院は六年の任期があって解散がないわけですから、本来、長期的な視野で対応すべきこと、外交であるとか環境問題であるとか、そういった分野を取り扱うのに非常に適した院だと思います。 ですので、今、例えばTPPのことが大変議論されており、与党の中でも意見が割れているようですけれども、これを政府の専権事項だといって突っ込んでいって、各国と交渉をして、はい、立法府にかけますというときに、もう自動的に党議拘束が掛かって賛成をしなければならないということですと、立法府がそのチェック機能を果たさないことになります。これはそもそも議院内閣制に反する構造ではないかと思いまして、やはり内閣が立法府、国会を支配する立場ではないので、政府が政党を支配するものでもない。つまり、与党内の合意形成がされていないのに政府が突っ込んでいって、さらに海外と約束をしてくるというのは大変私は危険だと思っております。 ですので、参議院の方は、例えばTPPならTPPというトピックで、この条約について与野党を超えて勉強をし、党議拘束を外して良識を生かして採決に臨んでいくというような、そういう条約についてのチェック機能を持たせたらいかがかと思っております。 あとは、両院協議会について、他の先生からも御指摘ございましたが、代表者の構成について、もう少し決定権を持った各党の代表、法案作成にかかわった議員の参加などを工夫して合意形成を図るべきかと思います。 以上です。
○会長(小坂憲次君) 次に、宇都隆史君。
○宇都隆史君 自由民主党参議院議員の宇都隆史です。発言の機会、ありがとうございます。 まず、この六年間にわたります小委員会の調査報告結果を見まして、心からこの真摯な議論をされた先輩方に敬意を覚えるものであります。 その中で、共通の認識が得られたもの、第一で二院制を堅持するということがまずあるんですけれども、やはり、先ほど以来各委員の先生方からも出ていたように、我々政治が一番忌避すべきことは独裁、それから、いかにして大衆迎合に陥らず政治の質を守り抜くかと、そこによるんだろうと思っております。 そういう意味で、我が国は議院内閣制を取り、選挙で多数を取った与党がそのまま内閣を形成するわけですから、行政府と立法府の距離感が非常に近くなってしまうという特性を持っております。その中で、我が第二院がいかにあるべきかというのは、国会という立法府がどれだけの質を担保し切れるかという議論と裏返しなのではないかなと思っております。 その中で、この報告書にまとめられた、この二ページ目の認識が得られたものそれから検討すべき問題、この中からちょっと四点だけ、ここはより深い議論をしていくべきではないかという御意見を申し上げます。 一つ目は、得られたものの中の(5)、衆議院の優越規定においてなんですけれども、この報告書ではおおむね妥当であるというふうになされているんですが、私の個人的な思いとしては、確かに今、決められない政治、政治のスピード感をもっと求めたいという今のこの国際社会のスピーディーな流れから考えると、更に衆議院に対していろんな優越事項を与えてもいいんではないかというふうに思っております。 ただし、その中で、国の根幹にかかわってくるような憲法の問題、あるいは各種基本法、それから条約締結に関する事項、その他国の根本的な基本的設計の変更にかかわるような法案審議に関しては参議院の優越を持つ等の、何かそういう新しい参議院側にも優越をつくると。ただし、その範囲は極めて小さくし、かつ長期的な議論を有するようなところに限定してはいかがかと。ここは、おおむね妥当であるということは恐らく様々な議論が出たと思われますので、更に議論を追求してもいいんではないかなと思っております。 その下、検討すべき問題について、まず第一の、(1)参議院と政党の関係の中で、参議院から閣僚を出すことを含むと書いてありますけど、これ事務局のくくりが若干違うのではないかなと。これは、確かに政党との関係という意味合いもあるんですけれども、やはり立法府として行政府の距離感をいかに保つのかというところにも含まれてくるんだと思います。ともすると、やはり内閣の中でのポストを求めるが余りに、そこに政局が走り、この第二院の中に政局含みのいろんな議論が出てくることを考えると、やはり第二院として参議院から閣僚を出さないということはもう少し議論を深めていってもよろしいのではないかと思います。 それから、(5)の中の③と⑤について、これも、残り二つですけれども、非常にもう少し議論を尽くしてもいいのではないかと思います。司法府との関係について、裁判官の弾劾、任命、これに関して参議院に専権事項を与えてもいいのではないかという議論がこの小委員会の中でも出たというお話ありますけれども、やはり司法だけに権限を持たせるのではなくて、我々が立法府として司法に対する明確なチェック機能を保持し続けていくという意味では、三権分立の我が国の基本的なスタンスとして意義があることではないかと思っています。 そして⑤番ですけれども、この報告書にあるとおり、現在の内閣法制局が法の解釈について絶対的な権限を持っているというのはやはり極めて異質なところではないかなと思っています。我が参議院としても立法府として法解釈機能を持つということは有意義でありますし、このことはまた引き続きこの委員会において議論を深めていくべきではないかと思います。 以上です。
○会長(小坂憲次君) 次に、鈴木寛君。
○鈴木寛君 ありがとうございます。 私も二院制と参議院の在り方に関する小委員会、舛添委員長の下で運営のお手伝いをさせていただきました。大変懐かしくこの調査報告書の報告を聞かせていただきました。 そういう立場から、昨今、決められない政治というキャッチフレーズの下で、二院制そのものの意義あるいは参議院の意義ということが非常に軽んじられた議論が横行していることに関しては、私は大変な憂慮を持っております。 ねじれというのは先進民主主義国においてはよくあるケースでありまして、ねじれの効用ということをもっとポジティブに考えるべきではないかと思いますし、またねじれが常態化する中で国会の審議というのは明らかに活性化をしているというふうに思っています。 例えば、私が携わったもので申し上げても、私が与党時代でありましたけれども、三十五人以下学級法というのは、当時の野党でありました自民党、公明党を始め、大変ポジティブな建設的な修正の議論があって、与野党で協議してより良いものとなって可決をしておりますし、それから、昨今、この二年、三年の国会を見ましても、超党派の議員連盟が議員立法まできちっと責任を持ってやり遂げると。その典型例がスポーツ基本法であったり、劇場・音楽堂法であったり、古典の日法であったり、こういう新しい実質的な、議員があるいは国会が主導する立法、そういう形式が出てきたということは、これはねじれのある意味での産物でありまして、こうしたことは私は是非ポジティブに評価をすべきだというふうに思っています。 ただ、決められない政治あるいはねじれがいけないのではなくて、一番の問題は、ねじれはどこでもあるんだけれども、首班の交代が頻繁に行われるということが我が国の統治機構に大変重大な影響を与えているということに論点をきちっと認識すべきだと。このことは、私も、日本のガバナンス上、総理がころころ替わってしまうということは決して望ましいことではなくて、それをどういうふうなことで解決をしていくのかということをきちっと議論を深めるべきだと思っております。 そういう観点から、昨年の秋に、いわゆる毎年特例公債法の処理をめぐって、首班の、ある意味で言葉は少し過激でありますが、首と引換えに予算を成立をさせると、こういうことが、私たちが野党のときも我々が与党のときも、残念ながら実態としてあったと。このことはきちっと解決をしていかなきゃいけない。そうした問題認識の下に、自公民三党の中で特例公債法の扱いについて非常に建設的な議論とそして一定の合意を見たということは、非常に私は意義深いことであったというふうに思っています。 しかし、このことを主要三党の合意にとどめずもう少しきちっとした制度論として発展をさせていくということはこれ極めて大事なことでありまして、そういう観点から申し上げますと、やはり予算案、先ほど来、参議院の優越、衆議院の優越ということをそれぞれのテーマに分けて、この機能に着目して議論を深めるべき、もうこれ大賛成であります。 私が申し上げたいのは、とりわけやはり予算案あるいは予算関連の法案についてどういう取扱いをするかということについては、憲法五十九条、つまり衆議院の再可決条項、三分の二ということも視野に置きながら議論を深めるということは極めて大事だと思いますし、そのことによって政権の安定ということが図られれば、この二院制をきちっと維持し熟議というものを確保していくという良さを維持しながら、一方で政権の安定をというこの二つの課題を両立をできるということになって、ひいては参議院の意義がますます重視され、そして機能を発揮されるということにもつながるというふうに思いますので、そうしたことも是非この審査会並びに国民各位の議論を深めていただく、そういうイニシアチブを発揮していただきたいと、私も発揮していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○会長(小坂憲次君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言もないようですから、本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時七分散会