議院運営委員会 第6号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2013/02/15
会議録
○委員長(岩城光英君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、地方財政審議会委員、公安審査委員会委員長及び同委員並びに原子力規制委員会委員長及び同委員の任命承認に関する件を議題といたします。 副大臣の説明を求めます。まず、総務副大臣坂本哲志君。
○副大臣(坂本哲志君) 地方財政審議会委員神野直彦君、鎌田司君、熊野順祥君、小山登志雄君及び中村玲子君の五氏を一月八日に任命いたしましたので、総務省設置法第十二条第四項の規定により、両議院の事後の承認を求めるため本件を提出いたしました。 何とぞ、御審議の上、速やかに承認されますようお願いいたします。
○委員長(岩城光英君) 次に、法務副大臣後藤茂之君。
○副大臣(後藤茂之君) 平成二十四年十月三十一日をもって公安審査委員会委員を任期満了となりました佐伯仁志君の後任として太田順司君を、長谷部由起子君の後任として竹中千春君を、宮家邦彦君の後任として同君を、また、同年十二月三十一日をもって同委員会委員長を任期満了となりました田中康久君の後任として房村精一君をそれぞれ平成二十五年一月十一日付けで任命いたしましたので、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定により、両議院の事後の承認を求めるため本件を提出いたしました。 何とぞ、御審議の上、速やかに承認されますようお願い申し上げます。
○委員長(岩城光英君) 次に、環境副大臣井上信治君。
○副大臣(井上信治君) 原子力規制委員会の委員長に田中俊一君を任命し、同委員に大島賢三君、島崎邦彦君、中村佳代子君、更田豊志君を任命いたしましたので、原子力規制委員会設置法第七条第四項及び附則第二条第六項の規定により、両議院の同意を求めるため本件を提出をいたしました。 何とぞ、御審議の上、速やかに同意されますようお願いをいたします。
○委員長(岩城光英君) ありがとうございます。 ただいま説明の人事案件について、これより採決を行います。 まず、原子力規制委員会委員長の任命について承認することに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩城光英君) 全会一致と認めます。よって、本件は承認することに決定いたしました。 次に、地方財政審議会委員、公安審査委員会委員長及び同委員並びに原子力規制委員会委員のうち大島賢三君、島崎邦彦君及び中村佳代子君の任命について承認することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次に、原子力規制委員会委員のうち更田豊志君の任命について承認することに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩城光英君) 多数と認めます。よって、本件は承認することに決定いたしました。 ─────────────
○委員長(岩城光英君) 次に、決議案の委員会審査省略要求の取扱いに関する件を議題といたします。 事務総長の報告を求めます。
○事務総長(橋本雅史君) 昨十四日、岩城光英君外十四名から北朝鮮による三度目の核実験に対する抗議決議案が提出されました。 本決議案には、発議者全員から委員会の審査を省略されたい旨の要求書が付されております。 この要求につきまして御審議をお願いいたします。
○委員長(岩城光英君) ただいまの事務総長報告の決議案の委員会審査を省略することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩城光英君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(橋本雅史君) 御説明申し上げます。 本日の議事は、最初に、日程第一 国家公務員等の任命に関する件でございます。地方財政審議会委員等三件計十四名の任命に関する事後の承認についてお諮りいたします。採決は、お手元の資料のとおり六回に分けて行います。 次に、岩城光英君外十四名発議に係る北朝鮮による三度目の核実験に対する抗議決議案でございます。まず、本決議案の委員会審査を省略し、日程に追加して議題とすることを異議の有無をもってお諮りいたします。異議がないと決しますと、発議者岩城光英君が趣旨説明をされた後、採決いたします。本決議案が可決されますと、安倍内閣総理大臣から所信表明がございます。 なお、本日の国家公務員等の任命に関する件及び議案の採決は、いずれも押しボタン式投票をもって行います。 以上をもちまして本日の議事を終了いたします。その所要時間は約十五分の見込みでございます。
○委員長(岩城光英君) ただいまの事務総長説明のとおり本日の本会議の議事を進めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、予鈴は午前九時五十五分、本鈴は午前十時でございます。 暫時休憩いたします。 午前九時五十分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(岩城光英君) ただいまから議院運営委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・会計検査院事務総長河戸光彦君及び公正取引委員会委員長候補者・みずほ総合研究所株式会社理事長杉本和行君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岩城光英君) 次に、検査官及び公正取引委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。 まず、河戸光彦君にお願いいたします。河戸光彦君。
○参考人(河戸光彦君) 河戸光彦でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。 近年、我が国の社会経済は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化に伴う社会保障費の増大や内外経済の構造的な変化、地球環境問題等の課題に直面しております。また、東日本大震災からの復興が我が国の大きな課題となっており、行政等にはこうした課題への適切な対応が求められております。 会計検査院としては、このような社会経済の動向を踏まえながら、一に、一部の府省等において不正不当な事態が見受けられたことも踏まえて、正確性、合規性の観点から厳正な検査を行うこと、二に、厳しい国の財政状況にも鑑みて、事務事業や予算執行の効果及び国等が保有している資産、補助金等によって造成された基金等の状況についても積極的に取り上げるなど、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視すること、三に、行財政の透明性と説明責任の向上や事業運営の改善に資するために、国の決算等の財政や独立行政法人等の財務状況について分析、評価を行うなどの検査を充実していくことが重要と考えております。 会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成し、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。 私は、昭和五十一年に会計検査院に採用されて以来、会計検査業務にかかわり、現在は事務総長として、検査官会議の指揮監督の下、事務総局の業務全般を統理する任にございます。仮に検査官に任ぜられるとするならば、これまでとは異なって事務総局を指揮監督する検査官会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまでの会計検査に関する実務で培った知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって国の財政監督機関としての職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。
○委員長(岩城光英君) 次に、杉本和行君にお願いいたします。杉本和行君。
○参考人(杉本和行君) 杉本和行でございます。 本日は、所信を述べる機会をいただきまして誠にありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。 まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきたいと思います。 公正取引委員会が担当しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意工夫を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民の実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。 公正取引委員会はこの目的を達成することが任務であり、公正取引委員会の委員長には、他にも増して、国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正に職務を遂行していくことが求められていると考えているところでございます。 次に、取り組むべき施策の基本的な方向についての考えを述べさせていただきたいと思います。 我が国を取り巻く国内外の経済環境は大きく変化し、大変厳しいものがございます。こうした中、公正かつ自由な競争を促進することを通じ、我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えられます。競争環境の整備は、公正な市場を担保することにより経済活動が活力を持ったものとなることを目指しているところでございます。これは、日本経済の発展を促し、支えていく上での重要なインフラを提供するものであると考えられます。このため、経済の実態に即応しつつ、独占禁止法の厳正かつ適正な執行等競争政策の推進に取り組んでいくことは、我が国の経済が活力を持って発展していく上で極めて重要な基盤を確保するものであると考えております。 具体的な施策といたしましては、まずは厳正かつ実効性のある独占禁止法の執行を確保していくことが重要であると考えております。独占禁止法に違反する競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するところであります。したがいまして、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合などには厳正に対処していく必要があると考えております。また、合併等の企業結合事案については、迅速かつ的確な企業結合審査を進めていくことが要請されていると考えております。 第二には、公正な取引慣行を推進する観点から、中小企業に不当な不利益を与える行為の取締りをしっかりと実施することでございます。優越的地位の濫用、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反など、中小企業に不当に不利益を与える行為があってはならないと考えております。中小企業にとっても事業環境が厳しくなっている中、こうした行為に対しては厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要と考えております。 また、ただいま申し上げたこととも関連いたしますが、昨年八月に成立いたしましたいわゆる税制抜本改革法に基づく消費税率の引上げに際しては、同法におきまして、消費税の円滑かつ適正な転嫁に支障が生ずることのないよう、事業者の実態を十分に把握し、より徹底した対策を講ずることとされておりまして、独占禁止法及び下請法の特例に係る必要な法制上の措置を講ずることを始めとする取組につきまして規定されております。こうした方針に従いまして、消費税率の引上げが実施されます際には、中小企業の方々の転嫁対策に関して、公正取引委員会においても円滑かつ適正な転嫁が確実に図られるようにその役割をしっかり果たしていくことが重要であると認識しております。このための様々な取組を適切に講じていくことが必要と考えております。 第三に、企業の独占禁止法コンプライアンスの向上や、国や地方公共団体等の発注機関が入札談合に関する行為を未然に防止するよう、競争環境の整備への取組も行っていく必要があると考えております。 近時、アジア経済が大きく成長するなど、経済の急速なグローバル化が見られます。企業活動が国境を越えて行われている中では、国際的なカルテルへの対応や企業結合事案等、法執行面での海外競争当局との連携協力の必要性が増大しております。また、法執行以外の分野においても、二国間、多国間の様々な枠組みを通じた競争当局間の国際的連携の推進が重要な課題になってきていると考えられます。こうした面でも日本の競争当局としてのふさわしい貢献を行っていくことが必要と考えております。 両院の御同意がいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました場合には、その職責をしっかりと認識し、国民の代表である国会の御議論を始め、いろいろな御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく他の委員とともに努力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしく御指導賜りますようお願いいたします。 以上、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
○委員長(岩城光英君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岩城光英君) 速記を起こしてください。 まず、検査官候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。また、質疑は答弁も含め往復十分以内で収めていただきますようお願い申し上げます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。 今日は大変、参考人、お疲れさまでございます。 任命理由で、行財政の実態を理解した上でより的確な意思決定を確保するためと、また、行政運営にも通じという理由で、また、平成七年の六月からは厚生検査第二課長をなさって、そして現在、事務総長ということでいらっしゃいまして、そこで、厚生、今でいう厚生労働省に関することでお尋ねをしたいと存じます。 二十三年の十月二十八日にこれが提出をされました、社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置についてというレポート、これ会計検査院法三十六条に基づいて財務大臣に提出をされたものがございますが、これについてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。 また、これ、細かい数字をお尋ねするとかそういうことではございませんので、将来、今までと違ったポストに就いていただいて、どういうふうに全体を見ていただくのかと、そういう趣旨でお尋ねをさせていただきますので、決して細かい感じではなくてお答えをいただければと思います。 まず、この意見の表示の一番最後の部分、結論の部分ですけれども、特例の概算経費率と実際経費率に開差などがあることによって多額な措置法差額が生じていたり、特例適用者のほとんどが実際経費を計算した上で、概算経費と比較して有利な方を選択していたりする事態が見受けられると、こういうことが問題点だという指摘がございます。 これは、この点についてなんですが、まず、自由診療を皆さんなさるわけですから、報告書にこれもございますけれども、全体の必要経費の計算をせざるを得ないわけです。となりますと、自分の経費の概要は分かるということになってまいります。その上で、この特例措置の利用者の比率でありますけれども、これも報告書の中にありますが、五千四百九十七人の調査をした対象者の中で千九百二十九人特例適用者がいたということでありまして約三五%。そして、医療法人については利用者が少数なので調査しないと書いてあります。これ、概算経費率としてメリットがあれば、皆さん使うはずですよね。これは少ないということですから、まずここで非常に大きなメリットがあって、不当に何だか優遇をされているというのは、私間違っていると思います。 そしてさらに、実額計算者に係る概算経費率と実際経費率の状況ということで、開差が一八・八%ポイントあると。つまり、概算経費率で特例措置を使った方が得だという指摘もございます。ただ、これは、なぜこういう開差ができたかといいますと、特例適用者だけを調査したわけですから、この制度を使った人だけでデータを取れば当然こういう差が出るのは当たり前だと思いますが、この点について、いかがお考えでしょうか。
○参考人(河戸光彦君) ただいまの御質問の案件でございますが、まず租税特別措置につきましては、ここ十年ばかりから租税特別措置の様々な分野につきまして、私ども検査報告でその実態を明らかにしてございます。例えば、畜産農家に対する租税特別措置とか、様々な面を検討してきております。 ただいまの御質問の診療に関するものでございますが、私どもの検査は納税者が申告されたものを個別に調べているものでございまして、その結果を報告に書いているところでございます。 先ほどの御指摘の自由診療につきましては、まさにおっしゃるとおり、本来は簡素な租税、小規模な納税者に対してメリットを与えるという簡易な方法を認めているということでございますけれども、実際は両方を比べて有利な方を選択されていると、こういう実態を報告しているものでございます。これにつきましては、財務省あるいは厚生労働省等に対しましてこういう実態であることを示して、租税の特別措置の今後の検討の素材にしていただくと、こういった目的で検査をしているものでございます。 ちょっと、現在手元にその案件持っておりませんので、詳細なお答えができかねるところでございます。
○金子洋一君 細かい点は結構でありますので。 じゃ、例えばこういう記述も同じ報告書の中にあります。概算経費率と実際経費率に開差があることにより多額の措置法差額が生じている状況は、税負担の公平性の見地からは適切とは認められないという書き方なんですね。 これは、ここのところの記述が独り歩きをいたしまして、よく社会保障費の膨脹が問題だと。特に民主党政権では診療報酬を引き上げたからそれも悪いんだというような主張がありますけれども、そういう主張に火に油を注ぐようなものになっているんじゃないかと思うんです。 やはりこの特例措置の目的に沿っているのか沿っていないのかというチェックがどうしても必要なのではないかと思いますし、また、この特例措置が廃止になりますと、小規模であるとかあるいは高齢の医師に対して非常に悪影響があると、これは厚生労働省が昨年発表した調査にも明記をされておるんですけれども、こういう事実もあります。 ですから、こういった大きな観点から見て、こういう報告書がいかがなものかなというふうに思うわけですが、簡潔に御感想をお願いいたします。
○参考人(河戸光彦君) ただいまのように、いろいろな御意見がある分野の検査でございますので、私どもは、こういった実態を調査した結果を所管省庁に申し上げて、それを今後の審議の参考にしていただくという方向でこういった検査を進めているところでございます。
○金子洋一君 分かりました。 ただ、じゃ別の件についてお尋ねをいたしますけれども、この特例措置による年間の減収見込額というのは大体約二百五十億円だということなんです。ところが、この措置というのは昭和二十九年に導入されて、最後の改変が昭和六十三年でした。ですから、消費税のことというのは計算に入っていないわけです。消費税による損税というのが、大体これが年間二千五百十億円あると言われているわけです。 となりますと、この制度が入っていて仮にプラスがあったとしても、その後できた消費税という制度で大幅な、十倍以上の損税が生まれてしまっている。となれば、全体の税制という制度を見渡したならば、一概にこの制度だけが悪いという言い方というのはできないのではないか。そういったものを放置しておくことこそが診療報酬の体系の欠陥なのではないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○参考人(河戸光彦君) 先ほども申し上げましたとおり、私どもは立法政策とか政策の分野まで踏み込むつもりはございませんが、検査の結果、制度とか法律等に問題があればその点について意見を申し上げると、こういう活動を行っているところでございます。
○金子洋一君 平均値だけを取って、そのデータを見て判断をするということですと、分布にばらつきがあって、その両端の人々というのが大きな問題になってきますから、分布の大幅な、ばらついたところに対する配慮も必ず今後していただいて、この例で申しますと、地方の高齢のお医者さん方、こういった方々に悪影響が出る可能性があるんだなというようなことを常にお考えいただいて、今後働いていただきたいと思います。 以上でございます。
○委員長(岩城光英君) お答えがありますか。時間が迫っておりますので手短に、じゃお願いします。
○参考人(河戸光彦君) 様々な意見がございますので、我々の検査においても、そういった特定の偏った見方をしないように心掛けてまいりたいと考えております。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 今度は私の方から幾つか聞かせていただきますが、まず、私の認識では、我が国の会計検査院というのは、明治憲法と新憲法でほとんど変わらなかった唯一の役所じゃないかなと思っています。つまり、行政、司法、立法、特に国権の最高機関が国会だとなった後も、会計検査院は政府の一部にありながら内閣からも独立を保障された特別な機関と位置付けられています。 政府の活動をチェックするという点では国会と同じ機能を有しており、外国ではこの会計検査を担当する国家機関が国会に属している例もあることは参考人も御存じだと思うんですが、さて、それでは、じゃ会計検査院と今の我々国会とでどのようなコラボレーションがあり得るのか、御所見を伺いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま小野議員からお話ありましたように、諸外国ではいろんな会計検査機関の位置付けが行われております。議会に附属する制度もありますし、日本と同様に、行政機関ではありながら議会とは別の組織になっているところもございます。また、フランスにおきましては、行政裁判所的な、会計裁判所という名称にもなっている制度もございます。 今お尋ねの国会との関係でございます。 今お尋ねのところでございますが、戦前の会計検査院と戦後の会計検査院で大きく違っているところは、戦前は国会で会計検査院が説明する機会がなかったということでございます。それを、現在の会計検査院法で、検査報告を説明するために国会に出席することができるという規定を設けていただいております。こういった形で、決算の審議におきまして私どもの検査報告を活用していただくという方向になってございます。 そして、平成九年の国会法改正によりまして、国会から会計検査院に検査要請をするという仕組みがつくられてございます。特に、参議院の決算委員会からはここ数年、毎年複数件の検査要請をいただいて、まさに国民の目から見てどういったものを検査すべきかといった観点から御要請いただいております。これを真摯に積極的に検査を行って御報告さしあげているという状況でございます。 まさに憲法九十条で書いてございますように、決算は検査報告とともに国会に提出されます。この国会での決算審査に私どもの検査報告が有効に活用されるということを望んでいるところでございます。
○小野次郎君 ちょっと私の方が不勉強だったところもあったかもしれませんが、よく分かりました。 問いを続けますけど、さはさりながら、例えば普通の日本国民百人に知っている役所の名前を挙げさせても、最も国民から縁遠いところにある役所の一つがこの会計検査院でもあると思うんです。だけど、主権者は国民なわけですね。この主権者の国民に対して、会計検査院はどのような貢献を可能だとお考えですか。
○参考人(河戸光彦君) ただいま私の方から説明いたしました、国会から検査要請を受けるという制度がございます。これは平成九年に国会法の改正に基づきましてつくられた制度でございます。国民の声を代弁される国会がこういった検査テーマを検査すべきであると、こういった御要請をいただいて、それに対して検査をするということでございます。 現在、検査要請をいただいているものにつきましては、復興事業に関する検査あるいは原子力の賠償についての検査要請、こういったものもいただいておりますので、まさに国民の声を代弁されている国会から要請を受けたものを検査するということのつながりがあるんではないかと考えております。
○小野次郎君 地方自治体に関しては、既に住民監査請求とか住民訴訟とかという仕組みができていますが、我が党、みんなの党などが提出したいわゆる国民監査法案というのもあるんですけれども、そういった国民が会計検査院に、会計監査であるか検査であるか法律用語は立法によるわけですけれども、そういった仕組み、発動を要請できるような、そんな仕組みについてはどのような認識をお持ちでしょうか。
○参考人(河戸光彦君) ただいまお尋ねのいわゆる国民監査請求法案でございます。 これは、違法又は不当な国庫金の支出があると認めるときは、国民が直接会計検査院に対して監査を求め、当該行為の是正を求めると、こういった内容であると承知しております。 法案そのものにつきましては立法政策の問題であるためお答えを差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、こういった国民が税金の使い道について関心を持たれるということは非常に重要なことだと考えております。
○小野次郎君 私どもの党は、天下りということに対しては大変厳しい見方をしているんですが、しかし一方で、世の中には、例えば検察官の人が検事総長になるとか警察官僚が警察庁長官になるというのは余り疑問にも思わないんですけれども。 この検査院の仕事は僕たちにもよく分からないところがあるのでお伺いしたいんですが、この検査院事務総長というのと検査官というのと、その行う実際の、条文は読みましたけれども、職務、仕事で、何というか、利益が反する立場になるんですか、それとも一緒に仕事をしている立場なんでしょうか。その辺の同異点というか相違点なりあれば教えていただきたいと思うんですが。
○参考人(河戸光彦君) 戦後の現在の会計検査院法ができた際、戦前とはこの部分も違うところでございます。事務総局は検査を実施する機関でございます。そして、その実施した検査結果をある意味判事的な立場でその是非を検討するというのが検査官会議でございます。その検事役の事務総局が検査したものについて客観的に、ある意味、現在もいろんな構成でこの検査官が構成されておりますので、そういったことで、公正な判断ができるということでこの三人の合議体の組織になってございます。
○小野次郎君 最後の質問ですが、参考人はこのプロフィールにも書いてあるとおり、長い職歴を持っておられて専門性がお持ちなことは分かるんですけれども、一方で、私たちが少しお聞きしたい点は、やはり長くいるから変革する意欲がなくなってしまっているのであれば、それは新しい血を入れるべきだという議論にもなってくると思うんですけれども、職歴を通じて、検査院が今後自己変革すべきという点を何かお考えの点があれば、それをお伺いして最後の質問にしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいまお話しのように、時代の変化によって、検査手法とか検査領域を多様化するための調査研究、それから専門分野の検査に対応できるような人材の育成、それからさらには、民間の実務経験者とか専門家の採用など優秀な、かつ多様な人材の確保、こういったものが重要だと考えております。 今後、こういった面で国民の期待にこたえていきたいと考えております。
○小野次郎君 ありがとうございました。
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。 本日は、河戸光彦参考人におかれましては、大変御多忙な中お越しをいただきましてありがとうございます。会派を代表して御礼を申し上げます。 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、今ほど旧憲法下そして戦後の体制のお話ございました。会計検査院のプロパーとしてもう長くこの業務に携わってこられた参考人に是非お伺いしたいと思っておりますのは、時代によってこの検査の対応あるいは内容の変化、またこれからの時代の要請といいますか、役割の変化がおありだというふうに思いますので、これから検査官に着任される前の決意として、これからどういう変化に対応していかなきゃいけないのか、そういう問題意識をひとつ伺いたいなというふうに思います。 そしてあわせて、今回、検査官の交代はお一人、河戸検査官だけでございますが、残り二人の検査官は民間からの御出身でございます。一人は公認会計士、そしてもう一人が大学の教授からの御出身ということでございまして、民間人員の活用という観点も含めて、これからの会計検査院の役割についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 第一点目の時代の要請に対応する会計検査が必要ではないかというお尋ねでございます。 戦後すぐの話を申し上げますと、やはり経理が紊乱しておりました。そのころの会計検査は補助金の検査を十分やっておりまして、その結果、非常に不適切な事態がたくさん出てきたということで、その結果を踏まえて補助金等適正化法というものが立法化されております。そういった時代においては、まさに会計検査の観点でございますが、正確性とか合規性といった予算とか法律にのっとった会計経理が行われているという面からの検査が重点的に行われておりました。 その後、やはりいろんな公共事業とか、最近では社会保障とか、いろんな面の問題が出てまいりましたので、事業自体の経済性、効率性、有効性と、こういった面の検査が近年では力を入れてきているところでございます。 ただ一方で、現在でもまだ不適正な会計経理が若干でも出てまいりますので、現在ではそのいろんな観点をバランスよく精力を投入していくことが重要ではないかと考えております。 それから二点目の、検査官の中でのいろいろな出身ということでございます。 今お話がありましたように、現在お二人の検査官は、会計学の御専門の研究者から来られた方と、監査法人出身で公認会計士のお二人でございます。まさにそういった面では民間企業的なセンスでいろんな御発言、御意見が出されてございます。 一方で、我々実務面からいっても、先ほどちょっと申し上げましたけれども、民間の視点からの、観点からの検査も重要になってきておりますので、そういった面にも力を入れていきたいと考えております。
○中西祐介君 先ほど所見の中で、三点の柱で取り組みたいというお話がございました。まず一点目が、検査をしっかり厳格に取り組んでいきたいということ、そして二つ目が、予算執行の効果についてしっかり測ることを取り組んでいきたい、そして三つ目が、独法やあるいは行政に対しての検査の強化をしっかり取り組みたいというお話でございました。 そのうちの柱の二つ目のところで、予算執行の効果について検査院の果たす役割をしっかり果たすということをおっしゃいましたが、例えば会計検査院法の中で三十四条や三十六条、例えば適正な経理ができていない場合、これは是正の処置を具申する、あるいは三十六条の中にも、不合理な会計経理の原因が行政や法令にある場合、これはもう積極的に意見具申そして改善処置要求ですね、果たさなきゃいけないということも法に明記をされております。 平成二十四年の、昨年の実績を少し手元でひもといてみますと、三十四条の処置要求については六件挙げていただいております。さらに、三十六条については処置要求が十件、そして意見表示が六件という状況でございます。 近年の傾向についてどのように御所見をお持ちなのかということと、加えて、そうした処置要求あるいは意見表示をした場合に行政が対応を取っておると思いますが、その対応についてどのような御感想をお持ちなのか、あるいはこうすべきだという御意見がございましたら是非伺いたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいま御指摘いただきましたように、近年、この会計検査院法第三十四条とか三十六条に基づく意見表示、処置要求といったもの、報告が多くなってきてございます。 これは、お話がありましたように、特に三十六条の方でございますけれども、事務事業等において、会計検査の結果、制度とか行政とか法律に対して問題があるのではないかといったときにこの条文を発動しているところでございます。こういったことで、積極的にこういった権限を活用してきているのが現状であると考えております。 また、その後どういう措置がとられたかという点でございますが、会計検査院法の二十九条の中に、第三十四条と第三十六条によって意見表示、処置要求したものについてはその結果を書くという、検査報告に書き込むということが明記されてございます。 したがいまして、私どもは、会計検査の結果、報告した内容をフォローアップして、その結果も、措置が完結するまで書き続けるという形で、そういった活動も重点を置いてやってきているところでございます。
○中西祐介君 しっかり行政側への働きかけ、あるいは省庁間に対してしっかりと指導するという意味合いも含めて、これから役割をしっかり果たしていただくことをお願いをいたしまして質問とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。 本日は、河戸参考人、お忙しい中御出席を賜り、また所信の表明、誠にありがとうございます。 所信の中でもありました、またこれまでの質疑の中でも出てきておりましたけれども、会計検査の経済性、効率性、有効性、今後はこうしたことを重点的に、重点を置いてやっていくべきというふうに私も思っております。 今、行政のお金の使い方に対する国民の不信感というものは非常に大きな問題であるというふうに私は思っております。それを払拭するために、政府のお金の使い方に対する信頼を得るために、PDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクトの改善サイクルを回していく、政府、国会全体としてそれをしっかりと実行していくということが必要だと思いますが、その中にあってチェックの大きな機能を果たしているのが会計検査院の仕事であるというふうに思っております。 行政のお金の使い方、無駄遣いということに対して是正をしていかなければいけないわけですが、「会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行うものとする。」ということで総則の中にありますけれども、この経済性、効率性、有効性、非常に難しい面もあるというふうに思います。 正確性、合規性というのはある意味、相対的には簡易な検査になると思いますけれども、有効性というところまで行ったときにどこに視点を置くかによって随分と違う結果にもなると思います。 これまでの検査、数々の御経験おありになるかと思いますけれども、この経済性、効率性、有効性という視点で特に印象に残る検査、これまでの御経験から何かありましたらお話しいただければというふうに思います。
○参考人(河戸光彦君) 平成十二年度の決算検査報告の中に、国が公益法人等に補助金を交付して設置造成させている資金についてという内容の検査報告を行ったことがございます。これは、単年度で完結しない特定の目的を持つ公益性の高い事業を、公益法人に補助金を交付して資金を造成してその事業を行っていただくという制度でございます。このときに検査しましたのが、昭和四十一年度から平成十二年度まで設置造成された五十六法人、九十四資金、国庫補助金で二兆七千二百億円といった多額のものを対象に検査を行いました。 その結果でございますが、引き続き実施が必要な事業もございましたが、中にはその後の社会情勢の変化によりまして事業実績が全くなくなっていたものもございました。多額の資金が、予算でいえば単年度、単年度で厳しく査定されてその時点では必要であったものが、長い年数たっているうちに必要性が薄れている、なくなっている、こういった事例が多く見付かってございます。 この平成十二年度の検査報告以来、この報告以降、公益法人だけでなくて独立行政法人とか都道府県等においてこういった基金を造成して剰余金が残っていないかと、こういった検査を進めてまいりまして、こういった形で、先ほど十二年度の検査がそういった最近のストックに対する検査を始める端緒になったのではないかと、こういうふうに思っております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 今、少子高齢化で社会保障費がどんどん増大をしている、国民の負担も増えているという中で、新しい事業が必要になってくる側面があります。一方で、過去にやっているんだけれども必要がなくなっている事業について、これをやめていくという、やめさせていくという機能が国会では私は薄いんじゃないかというふうに思っておりますので、これからも国会議員もそういったことにきちっと心を砕いてそうした視点を持って進めていかなければいけないとは思いますが、会計検査院の検査においても、その点、もう既に重要視されているかと思いますが、是非ともよろしくお願いしたいというふうに思います。 所信の中で、行財政の透明性ということにも触れていただきました。この透明性を高めるということが国民からの信頼性を高めていくということに私は直結していくものというふうに思っております。 今、財政の悪化の一つの要因、大きな要因として社会保障費の増大がありますが、年々国庫負担費が増えているという中で、この社会保障費を国民の皆様に対して負担と給付を透明化していくということが必要だと思うんですけれども、この社会保障費というのが、国と自治体、また税と保険料とそして利用料の一部自己負担と非常に多岐にわたっている、そういったものについてどのように透明性を確保していくかということを、今、私、問題意識として持っております。また、税と社会保障一体改革の法案のときにも附帯決議としてそれを付けておりますけれども、この点について何かお考えがあれば述べていただきたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) いろいろ透明性とか分かりやすいものを出していくということは非常に重要なことだと思っております。私どもも、現在の財政状況等について分析をして、その結果、今後こういう状況になるんではないかという懸念が表明できる場面があれば、そういった面にも今後取り組んでいきたいと考えております。
○竹谷とし子君 次に、世代間の公平という視点で伺いたいと思います。 この税と社会保障について、世代間の不公平性ということが最近よく話題に上ってきております。会計検査院の正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点という中にこの世代間の公平というのがちょっとなじまないかなというふうには思うんですけれども、しかし、これから今少子高齢化という中で、子供、若者といったところに視点を当てた政策をしていかなければいけないと思います。この世代間の公平ということについてお考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(河戸光彦君) 会計検査院法の中に、検査の観点として、先ほど御指摘のありましたように、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性、法律の中ではその他会計検査上必要な観点となってございます。このその他必要な観点、その中に公平性もあるのではないかと我々は考えております。 ただ単に世代間というだけではなくて、一般的にその制度が公平にできているのか、こういった観点も重要ではないかと考えております。
○竹谷とし子君 終わります。ありがとうございました。
○石橋通宏君 民主党の石橋通宏でございます。 河戸参考人、今日はありがとうございます。 引き続き質問を幾つかさせていただきたいと思いますが、まず最初に、河戸参考人のお考えになる会計検査の理念、理想ということで一つお伺いしたいと思います。 先ほど来、冒頭、所信の中にも、近年の厳しい国の財政状況に鑑みて、経済性、効率性、有効性を重視するというお考えが示されております。確かにそのとおりだと思います。 しかしながら、国の本質的な役割というのは、国民の命を守り、国民の暮らしを守ることであると私は思っています。それを第一義的に考えたときには、時にして経済性、効率性という観点では測れないものが多分にあるのではないかと。例えば、都会における事業と過疎化が進んだ地方における事業と、経済性、効率性という観点では全く違います。 時に人の命、国民の命、生活を考えたときには、一切その効率性、経済性と違うところの観点がやはり会計検査というところにも必要なのではないかというふうに私は考えるんですが、先ほど言われた経済性、効率性、そして有効性といったときに、河戸参考人は、どう会計検査の理想、理念があるべきだとお考えになっておられるか、まずその点をお聞かせください。
○参考人(河戸光彦君) 私どもの役割はあくまでも会計検査でございます。国の決算を検査するという役割でございますので、そういった国の会計経理から離れて私ども会計検査を行っているわけではございません。いろんな事業が、国の様々な事業がそれぞれの政策目的によって行われているわけでございます。今御指摘のように、経済性、効率性だけで測れない分野も多々あると思います。 私どもは会計検査という分野に接点がございますので、その面で経済性、効率性といった観点からの検査を行っているわけでございまして、そういった先ほど御指摘のような政策的な判断というのも当然あるものと承知しております。
○石橋通宏君 今、最後のところで言われた政策的な判断、これは、ここ近年の、私も過去の様々な議論も改めて読み返させていただきましたけれども、やはりその政策的な価値の判断ということにも検査院はしっかりと踏み込んで議論すべきだというような議論がこれまでにもされております。やっぱりそういうときには、本当にその事業、一つ一つの国の事業会計がいかなる目的を持って、そしてそれが果たしてその目的を遂行されたのか否かということについてしっかりとお考えいただくことが必要だと思っています。 その意味で、二つ目の質問は、実際にそういうことを考えたときには、やはり会計検査に携わる方々も現場を踏んでいただくことが非常に重要なのではないか。私、その実際が今分かりませんのでお聞きするんですが、どこまでその会計検査業務に実際に携わる皆さんが現場を踏んでおられるのか。 例えば、これから被災地の復興事業についての会計検査をやられていくんだと思いますが、そのときに、当然被災地の実情なり現状なり、例えば宮城県とそして福島県とは全然状況が違う、そういう現場の状況をしっかりと見ていただいて、そこで暮らしておられる方々からしっかり話を聞いていただいて、そういう検査の手法というのをやっぱりやっていただくことが必要なのではないかと思いますが、今、実際それがどう行われているのかいないのか。あくまで数字上の机上の話なのか、いや、しっかりとそういうものを踏まえてやっておられるのか、できているのか、その辺を是非、もう専門家でいらっしゃいますので、お考えなりを聞かせていただければと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいまの御指摘でございます。私どもの会計検査の結果、検査報告に掲記するもののほとんどが会計実地検査によって発見できているものでございます。したがいまして、イメージとは若干違うと思いますが、私どもの会計検査院の調査官の仕事は、一年のうちのかなりの日数を実地検査に行っていると、そういったことでむしろ本省庁の方よりも現場を踏んでいると、こういうふうに理解しております。 ただ、場合によっては、被災地についての検査はやはり復興の妨げにならないように配慮する面もございますので、そういった点も今後留意していきたいと考えております。
○石橋通宏君 実地検査をやっていただいている、かなりの部分を現場で過ごしていらっしゃるということで、ちょっと安心をした感じがしますけれども、それを実際にいろんなあらゆるこれだけの規模の事業でやっていただくためには、これ相当の人員体制が必要なのではないか。 これも、これまでの議論でも多々、人員体制が本当に十分なのかということについてはいろいろとやり取りがあったのを改めて見させていただきました。その際にも、なかなか国全体の人員体制、公務員の人員体制が厳しい折に検査院だけ増やせないというような回答、やり取りもあったように過去の記録を見させていただきましたが、一方でこれだけ検査院の役割が重要になってきている、一方で国民の皆さんの期待も大きくなっていると。そういうことを鑑みれば、むしろこういう状況だからこそ検査院の検査体制を充実をしていただいて、そしてしっかりとその成果を出していただいて、そして国民の信託にこたえていくという、そういう積極的な役割が重要なのではないかと思いますが、河戸参考人、これから新たなもし職責にお就かれになった場合に、そこを先頭に立って積極的に訴えていかれるおつもりがあるかどうか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(河戸光彦君) ただいまのように、私どもの検査体制も必ずしも十分でない点もございます。ただ、一方で、会計検査院も国の機関の一つでございますので、現在のような財政状況の中で会計検査院だけ多くの人材を、人員を配置していただくわけにもいきません。 ただ、財政当局にはこういった状況はかなり理解していただいておりまして、毎年その手当てはしていただいているところでございます。 そういった面で、こういった人員の強化については今後とも努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○石橋通宏君 是非その辺は積極的な役割を果たしていただければと思います。 最後に一点だけ、簡潔にお答えいただければと思いますが、会計検査院のこれからの取組の中でIT化の推進というのが挙げられておりました。これまで長年の御経験の中で、今IT化の推進、具体的にどの部分を、機能強化を図っていくためにどういうIT化を今念頭に置かれているのか、今後の御自身の組織の先頭に立ってやっていただく上での具体的なプランをお聞かせいただければと思います。
○参考人(河戸光彦君) 現在、政府自体でもかなり、電子政府とかああいうことをスタートしてから随分たっておりまして、いろんなそういった電子政府的な政策が進められております。これを最近検査したところ、やはりなかなか順調に進んでいない面もございます。こういった現在のそういった政府の取組が順調に行われていくかどうかという点も十分留意して検査していきたいと考えております。 一方で、我々会計検査院の人材の方でも、ITの専門家等補強が必要ではないかと考えております。
○石橋通宏君 終わります。
○委員長(岩城光英君) これにて検査官候補者に対する質疑を終了いたします。 河戸参考人に御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(河戸光彦君) ありがとうございました。
○委員長(岩城光英君) 河戸参考人は御退席いただいて結構です。 次に、公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○斎藤嘉隆君 民主党の斎藤嘉隆でございます。 杉本参考人、今日はありがとうございます。先ほどの所信をお聞きをした上で、数点お尋ねをさせていただきたいと思います。 まず初めに、二期十年にわたってこの公正取引委員会の委員長として務められました竹島委員長でありますけれども、競争なくして成長なしと事あるごとに強調をされ、談合の根絶などに向けても大変強いリーダー性を発揮していらっしゃったと私自身は認識をしています。 一昨年の原発の事故以降大きな問題にもなっておりますけれども、この電力市場改革、このことについても、発送電分離などに大変踏み込んだ報告書をまとめていらっしゃいます。 この前委員長の時代に私自身は大きくこの委員会自体が変化を遂げたというようにも思っておるんですけれども、参考人御自身は、この変化というか、委員会の在り方について現段階でどのような評価をされていらっしゃるのか、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 議員のお話にありましたように、自由で公正な市場を確保していくということは、日本経済の発展にとって非常に重要なことだと私も認識しております。その自由、公正な市場において競争が確保されることによりまして、企業活動が活発になり、成長が促され、かつ雇用機会が確保されるということになると思いますので、そういったインフラを提供する上で非常に重要なことだと思っております。 前任者でいらっしゃいます竹島公正取引委員長の時代には、そういう考え方の下に独占禁止法につきましても平成十七年及び二十一年に改正が行われまして、課徴金算定率の引上げとか課徴金減免制度の導入、それから対象事業者数の拡大、犯則調査権限の導入、優越的地位の濫用、一定の不公正取引に対する課徴金制度の導入、こういった改正が行われておりまして、この改正法を非常に強く使われまして、積極的に市場秩序といいますか、市場の番人としての役割を果たすべく法律の施行に努められたというふうに考えております。 私としては、もちろん今後とも、こういった独占禁止法で枠組みができておりますその枠組みに従いまして、積極的、適正に法執行を努めていきまして、市場環境を確保する、競争市場の環境を確保するということを進めていくことが日本経済のこれからの発展にとっても非常に重要な基礎に、基盤になるんじゃないかなと考えているところでございます。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。 今、日本の経済の話もありましたけれども、日本の経済界とか産業界の特徴として、大企業と中小企業の間でのいわゆる元請、下請という実態があろうかというように思います。今後、消費税の税率が段階的に上がっていくという中で、卸と小売、あるいは元請と下請といった、こういうある意味非常に強い力関係の中で、消費税を価格に転嫁できない、弱い者いじめというような状況が拡大するんじゃないかという声はかなり大きくあろうかと思います。 こうした優越的地位の濫用と言われるような問題に対して、先ほどのお話の中で、円滑かつ適正にと、あるいは適切な措置をというようなことを述べられておられましたけれども、公正取引委員会としてこの問題についてどのように対処すべきとお考えか、もう少し具体的にお話をいただけないでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 議員御指摘のとおり、昨今の厳しい経済状況下の下、とりわけ中小企業というのは厳しい取引環境に置かれているというふうに認識しております。そうしたところで、下請法違反行為、それから優越的地位の濫用等、中小企業の事業者に不当に不利益を与えるような行為については、その未然防止に努めるとともに、違反行為に対しては迅速かつ的確に対処するということが極めて重要であると考えております。 公正取引委員会の方では、こういった観点から、講習会の開催等によりまして下請法及び独占禁止法の周知徹底や、優越的地位の濫用に関する独占禁止法の考え方の策定、公表を通じまして違反行為の未然防止、これを図る一方で、下請法違反行為については勧告、公表を行って下請事業者の利益回復を図るとともに、独占禁止法違反行為につきましては排除措置命令、課徴金命令を行うなど、厳正な法執行に努めているというふうに理解しております。こうした取組を引き続き強力に推進することによりまして、中小企業の取引環境の改善の支援に努めていく必要があると考えております。 消費税の御指摘もございました。消費税の導入に当たりましては、消費税の価格転嫁が円滑かつ適正に行うということも非常に重要でございますので、そういった施策も引き続き推進していくことが必要ではないかと考えております。
○斎藤嘉隆君 今お話にもありましたこの下請法の違反被疑事案というのも、数を調べると随分高止まりをしているような状況もあろうかというように思います。これ、大企業が公正取引委員会のいわゆる本気の取組を十分理解をしていないがためにこういう状況が起きているんだという声もあるのは事実でありますけれども、何よりもやっぱりいかに委員会として実効性ある取組を今後展開していただけるかということだろうと思いますので、是非手を緩めずに対応するように私からもお願いをしたいと思います。 最後になりますけれども、競争原理は確かに成長にとって重要であると認識をしていますけれども、例えば運輸、運送などの一部の業界において、例えば運賃をめぐる過当競争の結果、乗客の安全が脅かされる、あるいは労働者の賃金とか労働条件というのが際限なく引き下げられていくという状況も実は見られています。この公正な競争というのと公益性を担保する適正な規制、これを今後どうバランスを取っていくかというのは非常に大きな委員会としての課題だと思っているんですね。このことについて参考人としてのお考えが何かあれば、最後にお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 国民生活を遂行していく上で安心、安全の確保というのはこれは非常に重要な課題だと思っておりまして、その安心、安全を確保する観点からの規制というのはこれは必要な規制だと思っております。ただ、そういう規制という枠組みの中で、市場としては自由、公正な市場が確保される必要があるんじゃないかなと考えているところでございます。 その他、不当廉売とかいろんな不公正な取引手段、取引方法等によりまして、異常に例えば原価を大きく割って不当廉売が行われるとか、そういうことも非常に不公正な取引方法でございますので、そういうものについても十分配慮して執行をしていく必要があると思います。そうしたことによって、不当に価格が低くなって廉売されまして、おっしゃるような賃金が異常に低くなるとか、そういうことにもつながっているおそれがあるんじゃないかと思っておるところでございます。
○斎藤嘉隆君 終わります。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。 杉本参考人にお伺いしますけれども、参考人の公取委員長としての候補の提示に当たって、これは大変ある意味では残念なことだったわけですけど、着目されたのが、事前報道されたかどうかということが随分着目されちゃって、そっちが騒ぎになったのがありましたよね。 このルールそのものは私たちもいろいろと見直しなどに対しては柔軟に考えているところではありますけれども、ちょっとそういう議論についても深めていくために参考までに教えていただければと思うんですが、杉本参考人御自身が要は公取の委員長の打診があったとかということをメディアの方に流されたとか、若しくは取材に対してそういうのがありますよとかということをお答えになった、そういうことというのは特になかったのか、ちょっとそこを教えていただければと思います。
○参考人(杉本和行君) お答えいたします。 私からそういうことをメディアに対してコメントしたことはないということでございます。
○水野賢一君 もう一つ、これは安倍内閣になってから、今回まさに安倍内閣が候補として提示をしておられるわけですけれども、一方、報道などだと、これ、実は公取委員長が欠員になったのというのはこの総選挙の前、野田内閣のときだったわけですよね。その野田内閣のときも人選、何らかの形でしなきゃいけないわけですから、空席になれば、そのときにも、野田内閣時点で、杉本さんに対して野田内閣は決めていたというか内々打診して、ただ国会提示には至らなかったというような報道も一部にありますけれども、そのころはやっぱりそういう打診というのはあったんでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 具体的にその候補者として提示されるに至らなかった話だと思っていますので、私の立場からはそういうことに関しましてコメントは差し控えさせていただく方がよろしいんじゃないかと思っております。
○水野賢一君 じゃ、当時のことはそれは分かりました。 この安倍内閣になってからの今回の話ですね。今回の話というのは、提示に至るまでというのは当然打診があるわけでしょうけれども、これは具体的にどういうルートでどなたからなんでしょうかね。総理からあるのかとか、いろんなレベルがあると思います。総務官室からなどとか、いろいろあると思いますけれども、どうだったんでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 具体的に打診というよりは、私を候補として考えているよという内々の話じゃなかったんじゃないかと思っております。具体的に正式にどのルートからということではございませんので、その点もコメントは御容赦させていただければと思います。
○水野賢一君 分かりました。 じゃ、ちょっと公取としての中身の話をお伺いしたいと思いますけれども、公取というのはまさに競争政策の総元締であって自由経済の番人なわけだから、それに対して、これはちょっと失礼な言い方だったらば恐縮ですけれども、一つの考え方としては、財務省、大蔵省出身者というのは、例えば銀行とか証券とか箸の上げ下ろしまで許認可行政をやっていたところの人がそれが適当なのかという、その競争政策の総元締だというには適当なのかという議論も中にはあるわけですよね、私たちはどちらかというと、みんなの党はそういうようなスタンスを取っておりますけれども。 当然、杉本さんとしては反論もあるとか、いろんな考え方、それに対して違うと、反論もあるかもしれませんけれども、何かそういう我々の見解に対して御意見があればお聞かせいただきたいというふうに思います。
○参考人(杉本和行君) 結局、国の行政をどういうふうに遂行していくかという話だと思いますので、私といたしましては、もし同意が得られましてこういう立場に就任させていただければ、それはその職務、この職務を全力で遂行させていただくということではないかと思っております。 今までの経験がどのように関係するかということかもしれませんけれども、私もやはり行政庁の一員として行政執行に携わったわけでございますので、そういう意味で、国の政策をどういうふうに行政として執行していくかということについてそういう意味の経験もございますので、そういう経験を踏まえて国の競争政策の執行ということを考えていくということだと思っています。 私がもしこういう立場に同意していただきまして任命された場合には、その任務というものをしっかり認識して、それを全力で尽くしていくというのが行政当局、行政官に課せられた使命だと思いまして、それについてはそういう形で全力を発揮していくということだと思っております。
○水野賢一君 公取というのは再販制度も見ているわけですよね。この再販制度については何か御意見、御見解ございますでしょうか。
○参考人(杉本和行君) 再販制度につきましては、私が理解しておりますところによれば、平成十三年に公正取引委員会から、その廃止につきまして検討した結果、国民的合意が形成されるに至っていないという状況にあるということから、当面これを存置することとした方針が明らかにされたところだと理解しております。その上で、その後現在に至るまでこの方針を変更すべき状況の変化が生じているとは承知しておりませんので、今この再販制度、著作物再販適用除外制度について見直しを行うということは考えられていない、私もそういうふうに考えているところでございます。 ただし、その枠内で弾力的な執行といいますか、再販制度の弾力的な執行ということは十分に活用されるべきじゃないかと考えているところでございます。
○水野賢一君 最後の質問にいたしますけれども、先ほどの質問の中にもちょっと触れておられましたけれども、電力自由化若しくは発送電分離、こうした問題というのは、まさに最も地域独占が事実上許されていて競争がない世界の一つが電力の問題なのだというふうにも私は思いますけれども、こういうような問題についてはどのような御見解かをお伺いして私の質問を終わります。
○参考人(杉本和行君) 今後の電気事業制度の在り方及び制度改革の進め方につきましては、所管当局におきまして需給対策、環境対策等の政策要請も踏まえながら判断されていくものと考えておりますけれども、競争政策の観点から申し上げますと、電力市場においても有効な競争が確保されていることが重要だと考えておりまして、経済産業省において検討されている状況を注視しながら、電力市場における競争の確保に的確に貢献してまいりたいと考えているところでございます。
○水野賢一君 終わります。
○長谷川岳君 自由民主党の長谷川岳です。杉本和行参考人に質問をさせていただきます。 まず最初に、特定の企業に対する国家による補助や財政支援が、独占禁止法一条の公正かつ自由な競争、すなわち公正競争を阻害し市場をゆがめることはあり得るかどうかをどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 特定の企業に対する補助それから国家助成というものが競争に影響を与えることはあると思っております。
○長谷川岳君 産業政策と競争政策の調整について、現在、公正取引委員会というのは権限を持っているとお考えですか。いかがですか。
○参考人(杉本和行君) その点に関しましては、公正取引委員会はその競争政策という観点から法を執行させていただいておりますし、企業の産業政策という観点からは関係省庁がいろいろ考えていらっしゃるんだと思っております。 産業政策上の観点であっても、それは競争政策を除外する話じゃございませんので、競争政策上問題があれば、それは法の執行としていろいろな措置をとらせていただくということになるんだと思っております。
○長谷川岳君 EUでは、EU条約第百七条で、公正公平な競争環境を堅持するために国家補助の規制を定めています。例えば、特定の企業に対して国が補助金を出すことについて、公正な競争をゆがめる場合にはそれを禁止するというものでありますが、平成二十二年の四月二十一日、衆議院の国土交通委員会において、竹島前公正取引委員長は、国家の補助、国家補助の規制については、それぞれの産業によって所管される省庁でいろいろな政策を展開される場合に、公正な競争というのには配慮していただく。それが結局、需要者、消費者のためにもなるし、企業も、企業というのはやはり公正な競争を通じて成長するものでありますから、ただ単に助成するというのではなくて、そのマーケットにおいて公正をゆがめることにならないか、そういう考え、つまり、EUが導入しているような基本的な考え方は、日本においても採用されることが望ましいと私は思っていますと答弁しておりますが、そのような考え方は引き継ぐおつもりかどうか、伺いたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 議員御指摘のように、EUにおきましては、EUの条約上で競争を歪曲するような加盟国の国家補助は、一定の場合を除きまして共同市場に適合しないものとして欧州委員会が措置をとるということになっていると理解しております。この点は、ただ、EUというもののつくり自体が、いろんな主権国家が一緒になりましてその連合をつくっているわけで、その国と国との関係というものがありますので、一つの国が特定の企業に対して助成をすることによって競争を歪曲することを防ぐという観点が大きいんだと思っております。 そういう意味におきまして、そのまま日本の制度、日本の枠組みに対応できるかというのはなかなかいろんな検討課題があるんだと思いますけれども、最初に議員にこのことでお答えいたしましたように、特定の企業に対する一定の補助というものが競争に与える影響というものもございますので、もしそういうことが制度化されまして競争上の観点からそういう権限が公正取引委員会に与えられるようなことがありましたら、それはしっかり執行していくことが必要だと思いますが、今現在のところ、そういう枠組みといいますか、そういう法制度にはなっておりませんので、公正取引委員会としてそれぞれの補助金に対してそれが競争観点上問題であるということを実行する仕組みがないということになっております。したがいまして、各所管省庁がいろんな政策を実行するときにその競争上の配慮を是非考えていただきたいということになっていくんだと思います。
○長谷川岳君 それでは、もう一回確認ですけれども、市場の番人となり得る杉本和行参考人は、日本でもEUのような市場をゆがめる国家補助の原則禁止法規と市場原則に合った適用除外を規定したガイドライン的な指針が必要だと思われるか思われないか、伺いたいと思います。
○参考人(杉本和行君) そこは国の制度としてどういうふうに考えていただくかということだと思いまして、公正取引委員会としてはそのつくられた制度を実行するということなんだと思います。そこで、所管省庁がどういう権限を持って、どういう競争上の配慮からの政策を、枠組みをつくっていただくかということは、まさに政府全体、国全体で考えていただいて、それで考えていただく話だと思っております。 ただし、おっしゃるように、競争上の観点からは、国の特定企業に対する一定の補助というものが競争に影響するということは事実でございますので、競争政策の観点からはそういったものもきちんと配慮するようなことになることが望ましいということかもしれないと考えております。
○長谷川岳君 平成二十四年の八月の衆議院国土交通委員会において、竹島前公正取引委員長は、国家の個別企業に対する補助について、国家補助というのは個別企業にしてはいけないというのが、私も長いこと役人をやっておりますが、これは常識だと思いますと。したがって、それを覆す例外としては、よほど大きな公益上の要請がある。その程度はともかくとして、競争をゆがめるというのは当然であります。したがって、それを最小限に回避する措置も講ずるというのが行われていることで、こういった物の考え方は日本においても、各省庁の政策判断、決定において取り入れられてしかるべきであると私は思っておりますとかなり踏み込んだ御発言をされておりますが、この考え方は引き継がれますか、あるいは否ですか、お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 竹島委員長の答弁というものも私も読ませていただきました。考え方としては、私はその考え方にのっとって引き続き考えていく必要があると考えているところでございます。
○長谷川岳君 質問を終わります。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。杉本参考人に質問させていただきます。 公正取引委員会の委員長候補者ということで、杉本参考人が大変豊富な行政実務の経験を持ち、法律、経済の深い学識を持っていらっしゃるということはプロフィールを見れば十分分かります。 ただ、公正取引委員会の役割そのものは、書かれているとおり、一般消費者利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進するという独占禁止法の目的を達成するための機関ということでございますので、やはりこの国民経済の土台である地域あるいは中小企業ということに向けた温かな視点ということを是非胸の中に置いて仕事に取り組んでいただければというふうに思っております。 特に、消費税率の引上げが来年四月に予定され、またその後、第二段階の引上げも予定をされます。経済の再生が我が国にとっては最大かつ喫緊の課題であることは間違いありませんし、中小企業を取り巻く環境というものは特に厳しいものがあると。そういう中にあって、この消費税の転嫁が中小企業から見てうまくいかないと日本経済の再生そのものが中小企業の疲弊によって阻害されてしまうということが起きかねない。消費税の転嫁のために価格を引き上げれば消費者に逃げられてしまうということで、価格引上げを避けるための下請事業者や納入業者への不当なしわ寄せというようなことが行われてはならないということは、この消費税引上げに際しての三党合意の中でも各党間で大変に議論をし、また念頭に置いて消費税法の議論が行われたということがございます。 中小企業に対する転嫁拒否の取締りというようなことも始めとして、円滑かつ適正に転嫁されるということのために政府もそして我々国会も万全の措置を講じていかなければいけないと思っておりますが、公正取引委員会の委員長候補者として消費税率の引上げに伴う転嫁対策についてはどのような覚悟で臨まれるか、お考えを伺いたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 今回の消費税の引上げは二段階にわたるものでもあることもございまして、中小零細事業者を中心に消費税の価格への転嫁についての懸念も示されているものと考えられます。こうしたことを踏まえまして、これらの中小零細事業者が転嫁しやすい環境を整備していくことが極めて重要な課題であると考えております。 先般成立いたしました税制抜本改革法を踏まえまして、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、独占禁止法、下請法の特例に係る立法措置、ガイドラインの作成、その周知徹底、転嫁拒否等を未然に防止するための広報活動、競争制限的行為による便乗値上げを防止するための独占禁止法の適正な運用、こういった施策に積極的に取り組んでまいりたいと思います。 さらに、転嫁拒否等の取締りをするためには積極的な調査それから指導というものも必要だというふうに考えております。この点につきましては、公正取引委員会、中小企業庁だけではなく、各業界を所管する所管省庁においても、こういった調査、必要な指導を行うための枠組みを構築していくことを検討していただいているものと承知しております。 こうした積極的な調査、指導を行うための人員の確保というものも考えられているというふうに理解しておりまして、価格転嫁調査官、消費税転嫁Gメンと言われるんでしょうか、こういったものを配置することによってそういったことを積極的に推進していくということも必要なことじゃないかと思っております。
○長沢広明君 消費税の転嫁問題に限らず、中小企業に対して不当なしわ寄せが起きるということは、現実にはこれまで様々な経済環境が変化する中でいろんなところで起きてきたところでもございます。先ほど所信の中でも杉本参考人は、公正な取引を確保する、中小企業に不当な不利益を与える行為があってはならないと、こういうふうに所信で触れられました。 平成二十一年の独禁法の改正で課徴金制度が見直しをされて、それまでの不当な取引制限、支配型私的独占という行為類型に更に加えて、排除型の私的独占、あるいは不当廉売、差別対価と、それから優越的地位の濫用というような形で、課徴金の対象となる行為類型が拡大をされております。特にこの優越的地位の濫用というようなことについても一%という課徴金の算定率が設けられておりますけれども、こうしたツールを使って違反行為に対しても厳正な対処ということを進めてもらいたいと思います。 中小事業者の取引環境をどう今後改善していくかと。こういうツールを使っていろいろな厳正対処もやりながら、中小企業が経済の再生による恩恵が受けられないというようなことはやはり避けなければならないというために、中小事業者の取引環境の改善についてどのような対策を講じる考えか、伺わせていただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 昨今の厳しい経済状況下で、とりわけ中小企業は厳しい取引環境に置かれていると認識しております。このため、下請業違反や、議員おっしゃいました優越的地位の濫用、これらによりまして中小企業者に不当な不利益を与えるような行為については厳正に取り締まっていく必要があると考えているところでございます。厳正に取り締まるとともに、迅速かつ的確な対応も必要なんじゃないかと思っております。 そのためにも、まず未然防止ということも必要でございまして、講習会とかによりまして、下請法とか独占禁止法の周知徹底、こういったものも図る必要があると考えているところでございます。独占禁止法の違反行為に対して排除措置命令、課徴金命令等を行うなど、厳正に法執行を行うとともに、その周知徹底を図って環境を整備していくということが必要じゃないかと思っているところでございます。
○長沢広明君 今おっしゃったとおりでございまして、所信の中でも、独禁法のコンプライアンスの向上に取り組んでいくということを先ほど述べられておりました。違反行為が起きないようにするという意味でも、企業に対して独占禁止法のコンプライアンスを高めるように取り組んでもらわなければなりませんので、その辺についてどのような指導力を発揮するつもりか、それを最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 経済取引における公正かつ自由な競争を促進させていくためには、独占禁止法の厳正な執行とともに、企業の側においても同法に関するコンプライアンスを向上させていくことが極めて重要であると考えております。 このような観点から、例えば、企業における独占禁止法コンプライアンスの取組についての実態調査を実施するとともに、当該調査結果に基づきコンプライアンスの実効性を高めるための方策、こういったものを進めていくことが更に必要じゃないかと考えているところでございます。
○長沢広明君 終わります。
○田城郁君 民主党の田城郁です。 本日は、杉本参考人、大変御多忙のところ、ありがとうございます。 では、質問に入ります。 巷間指摘されております出身母体と公正取引委員会とのあるべき関係について、まずは御質問させていただきます。 公正取引委員会は、御承知のとおり、いわゆる三条委員会でありまして、その委員長には実務能力があることは大前提でありますけれども、霞が関や国会、業務団体に対してもしがらみを持たない人物こそが適切であるというふうな、一般的な感覚としては言われているわけですけれども、一方で、歴代の公取委員長の出身は十六名中十名が財務省、大蔵省で占められていると。杉本参考人で十一人目になるということであります。 歴代の公取委員長職が特定の省庁によって占められているという批判に対して、杉本参考人はどのようなお考えをお持ちかということをまずはお伺いいたします。
○参考人(杉本和行君) これまでの委員長につきましては、任命権者である内閣総理大臣が適任者と判断された方が国会に提示され、両議院で審査の上、独占禁止法に関する委員長の要件を満たす者として同意いただき、内閣総理大臣から任命されているものと承知しております。 仕事の関係でございますと、そういった形で任命された以上、歴代の委員長におきましても、その職務を誠実にかつ中立に厳正に果たしていくということで職務を果たされるわけでございますので、かつてのそのしがらみとか出身というものにとらわれないという取組をしてきていらっしゃるというふうに私は考えておりますし、私自身も、独禁法の規定に基づく公正かつ適切な運用、この法運用ということを全知全霊をもって遂行していくということであると思っております。その与えられた職責をしっかりと果たすということが重要なんじゃないかと思っております。
○田城郁君 何人かの委員の方から、前竹島委員長、あるいは関連して発送電分離というところの質問がありましたけれども、私からもその点について一つ質問いたしますが、竹島委員長は二期十年二か月務められまして、これ朝日新聞の社説でしたかね、記事でありますけれども、歴代最長の在任期間もさることながら、存在感でも異例のトップだったと。中略いたしますが、これは適切かどうかというと余りこの表現、適切じゃないと思いますが、ほえない番犬から闘う公取へと変えたんだと、このような評価がなされた上で、竹島氏の力以上に時代の要請だったというふうに分析をしております。 昨年九月には「電力市場における競争の在り方について」とする報告書を出して、発送電分離あるいは小売部門の自由化が必要というふうに指摘もしております。 まさに時代の要請であるというふうに思いますけれども、竹島氏は退任会見で、車を押しながら坂を上ってきたようなものだと、手を離したらずるずると後退する可能性があるというふうにおっしゃっております。 こういう前任者の思いを受けて、どのようなお考えか、決意的なものにまたなると思いますが、お考えをお聞かせください。
○参考人(杉本和行君) 竹島前委員長は、在任中に、平成十七年、二十一年には独占禁止法の改正がなされまして、この中で、課徴金算定率の引上げ、課徴金減免制度の導入、事業対象者数の拡大、犯則調査権限の導入、優越的地位の濫用等、一定の不公正な取引方法に対する課徴金の制度の導入といったことが改正で行われまして、この改正というのは独禁法の執行力というものを非常に強めたんだと思っております。 その独禁法の抑止力、執行力を非常に強めたところをしっかりと運用されて法執行をなされて、競争政策といいますか、自由、公正な市場を確保していくことが日本経済のこれからの発展のためにも特に重要だということで、そういう法執行を強く進められたというふうに私は考えておりまして、評価しているところでございます。 この点に関しましては私も同じ意見でございまして、基本的な市場の公正さ、それから競争力を確保できるような市場の環境を整備していくということが日本経済にとっても非常に重要なこと、さらには、日本経済が成長を遂げ、雇用機会を確保するためにも非常に重要なことでございますので、そういったことが是非必要ではないかと思っております。 電力改革に関係いたしましても、電力事業制度の在り方につきまして有効な競争が確保されることが重要であるということで提言が行われたりしましたので、そういった方向を是非進めていくということは私も非常に重要だというふうに認識しているところでございます。
○田城郁君 独禁法には公取委の独立性を確保するための仕組みが設けられておるということは御承知だと思いますが、委員長及び委員に対する身分保障もその一つだというふうにも思います。 独禁法の三十一条では、法律に定められた事由によらない限り、その意に反して罷免されないというふうになっておりまして、委員長への就任後は五年間の任期の間事実上罷免されることはないということです。これは、委員長の職務に政治的な中立性が強く求められているがゆえのことであると思います。 しかし、一方で、強固な独立性は独善に陥る危険性もはらんでいるというのも一方の事実であろうと思いますが、独禁法の運用に当たっては、市場に目を光らせると同時に、国民の皆さんとの対話を大切にしていくという、そういう姿勢の職務の遂行が必要であろうかと考えますが、参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(杉本和行君) 公正取引委員会は、準司法的な機能を持っておりますために、議員御指摘のとおり一定の身分保障等も確保されているんだと思います。同時に、議員おっしゃるように、国民の要望、国民の意見、そういうものをきちんと酌み取って、それでこういった競争政策を実行していくということも同時に非常に重要でございます。 したがいまして、国民の皆様の意見、考え方にも耳を傾けながら、また国民の代表である国会の皆様方の御議論にも耳を傾けながら使命を達成していくことが必要じゃないかと考えておるところでございます。
○田城郁君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(岩城光英君) これにて公正取引委員会委員長候補者に対する質疑を終了いたします。 杉本参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、お忙しい中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。
○参考人(杉本和行君) どうもありがとうございました。
○委員長(岩城光英君) 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十二分散会