外交防衛委員会 第10号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2013/06/18
会議録
○委員長(加藤敏幸君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に宇都隆史君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(加藤敏幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房地球規模課題審議官香川剛廣君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤敏幸君) 北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件及び食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いをいたします。 まず、いわゆる北太平洋漁業資源保存条約についてお伺いをします。 北太平洋におきましては、日本、韓国、ロシアが主にクサカリツボダイやキンメダイを対象といたします底魚漁業等を行っているところでございます。その中でも最も漁獲量が多いのが日本でございます。二〇一一年には、クサカリツボダイが二千七百八十五トン、キンメダイが二千九十四トン、合計四千八百七十九トンでございまして、そのシェアは八九・六%と、韓国、ロシアなどを圧倒しているところでございます。よって、特に日本が天皇海山海域でその名のとおり最も恩恵を受けている国でございます。 同時に、日本はその資源管理などについて重い責任があるところでございます。国際連合などの場におきましても、底魚漁業を規制、規律する地域的な機関や枠組みを設立すべきことが求められていることに鑑みますと、北太平洋の公海における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保のために本条約が締結をされることは、まさしく時宜を得たものだというふうに思うところでございます。 そこで、まず岸田外務大臣に、本条約の提出の経緯と意義についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 北太平洋の公海における底魚の漁業管理を目的として、我が国は平成十八年、関係国による政府間協議の東京での開催、主導いたしました。そして、その後一連の交渉を経て、平成二十四年、東京での会合において本条約、採択されました。本条約が対象水域としている北太平洋の公海において我が国の底魚の漁獲量は他の関係国等と比べて圧倒的に多い状況です。御指摘のとおりであります。また、この対象水域に位置する天皇海山水域、これは我が国の底魚漁業にとって最も重要な漁場となっております。 したがって、我が国が本条約を締結することは、対象水域における漁業資源の適切な保存及び管理に貢献するとともに、我が国漁業を安定的に発展させる上で大変重要であると考えております。
○広田一君 先ほど大臣の方から御説明がございましたように、本条約につきましては日本が主導的な立場を取って締結等々まで持ってきたというふうなことでございます。 こういったことを受けて、近年は漁業に関しまする国際的規制の目的に漁業活動による自然破壊の防止を求める声が大変大きくなっているところでございます。このことを受けて、漁業においても、たとえ科学的な因果関係が明確でなくても環境に悪影響を与えるおそれがある場合は対策を講じるという、いわゆる予防的アプローチによる環境保護の考え方が導入されるようになったところでございます。 そこで、この予防的アプローチに対する岸田外務大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 近年の自然環境保護の関心の高まりを受けまして、本条約におきましては、漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保のために、予防的な取組及び漁業に関する生態系を重視する取組を実施するよう規定されております。この予防的な取組とは、十分な科学的根拠に基づいて行う、資源に悪影響を及ぼす可能性のない管理手法とされております。 我が国としましては、この条約の内容を踏まえつつ、漁業資源の長期的な保存及び持続的な利用の確保に向けて、こうした手法を国際社会においてしかるべく周知徹底させていきたいと考えております。
○広田一君 どうもありがとうございます。 これに関連して、御答弁の方は副大臣か政務官でも結構でございますけれども、今後設立されるRFMOで協議されるというふうに思うんですけれども、日本といたしましてVMEに対する合意形成をどのようなスタンスで臨むのか、これについてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(松山政司君) お答えいたします。 現時点では、いまだいずれの国も本条約を締結していない状況でございます。他方、本年四月に米国は、米国政府ですが、上院に対して本条約の批准のための承認を求めたということも発表されております。条約の採択に参加のいずれの国も早期締結を目指しているものというふうに承知をいたしております。 我が国は本条約作成当初から主導的な役割を果たしておりますので、まずは我が国が本条約を締結をして、条約の早期発効を促していくということが重要であると考えております。
○広田一君 副大臣、これはこの後ちょっとお聞きする予定でございました締約国の最新の現状等についての御答弁だったと思いますけど、私が御質問いたしましたのは、VMEに対する合意形成、これが今後重要になってくるんだろうというふうに思うところでございます。いわゆる脆弱な海洋生態系の保護に対してどのように考えていくのかということについての質問でございましたので、ちょっと若干御答弁が違うと思いますから、よろしくお願いをいたします。
○副大臣(松山政司君) 重要な管理手法として重視をしていく考えでございます。
○広田一君 結論はそのようなことなんだろうというふうに思いますけれども、VMEは、いろいろ本当、サンゴ礁がいわゆる底引き漁業等トロール漁業によって影響が出てくるわけでございます。これらについて、やはり海底等を引きずることによって生態系等にも影響が出てくるんじゃないか、こういった問題意識が先ほど御質問した予防的アプローチとも関連して今後議論されてくるし、重要な視点だというふうに思うところでございます。こういったことについても、しっかり日本側としてもきっちりとしたスタンスといったものを確立をして対応をしていただきたいというふうに思います。 そうしたら、ちょっと第三条の(b)の関係でお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、これについて、入手可能な最良の科学的情報に基づく措置ということで、クサカリツボダイ等々の管理について言及、言及というか問題意識を持っているというふうに思いますけれども、ここで言う入手可能な最良の科学的情報に基づく措置というふうなことについてどのように理解をされているのか、お伺いしたいと思います。
○委員長(加藤敏幸君) どなたが答弁されますか。
○広田一君 予防的アプローチに対しての所見を聞いた後にこういった環境関連の御質問をするということでお話をさせていただいたところでございますけれども、準備等々ができていないというふうに理解をいたしますので、自分の問題意識等を若干申し上げて、それに対する感想をお聞かせを願えればなというふうに思うところでございます。 つまり、入手可能な最良の科学的情報に基づく措置というふうなところについて、これは、例えばクサカリツボダイについて、これ、今後どのように対応するのかということでございます。ある論文等を見させていただきますと、クサカリツボダイというのは年齢の査定が非常に困難で、サイズ構造モデルを用いた資源解析とかは困難というふうに言われておりますし、また資源解析の一つのモデルであるプロダクションモデルというふうなものにも適していないというふうに指摘をされているところでございます。 私立文系の私が言うのもなんでございますけれども、こういった科学的情報に基づく措置というものが今後一番重要なクサカリツボダイについてはなかなか当てはめにくいんじゃないかというふうなことが考えられますので、この点についても、今後、問題意識等々持たれているというふうに思いますので、対応をしていただくようによろしくお願いをしたいというふうに思います。 それでは、先ほど副大臣の方から締約国の最新の現状についてのお話がございましたので、続いて、それに関連いたしまして、これは第二十条の関係になろうかというふうに思いますけれども、非締約国との今後の協力関係というものをどのように進めていくのか、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(松山政司君) お答えいたします。 本条約では、非締約国との協力でございますが、北太平洋漁業委員会の構成国は、条約水域における非締約国の活動に関する情報交換を行いまして、その活動が条約の目的の達成に影響を及ぼすと認められる場合には当該非締約国の注意を喚起する旨定めております。また、非締約国が保存管理措置の適用などに関する委員会からの協力要請に応じれば漁業に参加できるということとされております。また、もう一点、非締約国が保存管理措置の実効性を損なう活動、これを行う場合には委員会の構成国がそれを抑止するために必要な措置をとるということも定めております。
○広田一君 御説明がございましたとおり、今後、この条約、また資源管理、また必要な漁獲を確保していくためにも、非締約国との関係というものも今後重要になってくるというふうに思いますので、この点についても、先ほど御説明があった問題意識、取組を進めていただければなというふうに思うところでございます。 それでは次に、食料・農業植物遺伝資源条約についてお伺いをしたいと思います。 本条約採択の経緯といたしまして以前に二つの大きな動きがございました。すなわち、一九八三年のFAOの総会で、植物遺伝資源は人類の遺産であり、世界中の研究者などが制限なく利用することができるようにすべきであるという基本認識に基づく植物遺伝資源に関する国際的申合せ、これが採択をされました。その九年後でございますけれども、一九九二年には、各国が自国の天然資源に対する主体的権利を有すると定めた生物多様性条約が採択をされたところでございます。 つまり、前者は利用拡大に軸足を置く、そして後者は各国による管理強化に軸足を置くわけでございます。このように、植物の遺伝資源をめぐり相矛盾する動きが当時出てきたわけでございますけれども、そのときの状況をどう認識をされているのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、生物多様性条約、これは遺伝資源を含む生物多様性の保全、そしてその持続的利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益配分を目的とする、こうした基本的な枠組みであります。こうした生物多様性条約、これは全ての遺伝資源を対象として一般的なルールを定めております。こうした基本的な考えの下にこのルール作りが行われ、そして今般、この食料・農業植物遺伝資源条約、これは食料安全保障上の重要性等に基づいて選定される特定の植物遺伝資源、これは食物ですとか飼料用作物ですが、こうしたものを対象として取得及び利用に関して多数国間の制度を設立する等の特定のルールを定めるというものであります。 こうした生物多様性条約等は一般法としたならば、今回、同条約、特別法と位置付けられる、こうした認識でおります。このように整理をし、今回国会にお願いをしている、こうしたことでございます。
○広田一君 大臣の方から本条約を提出した経緯について御説明があったわけでございますが、私の質問の趣旨は、この条約が提出に至る以前の二つの大きな動きについて、この矛盾を調和することによって今御説明にあったように本条約が出てきたわけでございますので、この相矛盾した状況を当時どのように我が国として認識をされていたのかということが質問の趣旨でございましたが、これについてちょっと十分なお答えをいただけなかったわけでございますけれども、まあそれはそれとして、次に行きたいというふうに思いますが。 本条約に対しまして、当時我が国は、第十二条の多数国間の制度から受領した形態の植物遺伝資源について、知的財産権を主張しない旨の規定というものが、植物遺伝資源を用いて特定の遺伝子に特許権を付与することを妨げるのではないかという懸念からこの採択を棄権をしたところでございます。当時の判断といたしましてどのように評価しているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、知的所有権に関しましては、我が国を始めとする先進国では、この遺伝資源を用いて開発された成果物について、通常、特許権等の付与が認められております。しかしながら、本条約には、この知的財産権の取得に係る規定に関し、多数国間の制度から受領した植物遺伝資源を用いた発明に対して特許権等を付与することが妨げられるのではないか、こういった懸念がありました。そういったことから我が国は、二〇〇一年採択当時、米国とともに採択、棄権をいたしました。 その後、EU諸国も同様の懸念を有していたのですが、解釈宣言を付した上で本条約を締結するということを行いました。その後、これに対する異議も示されていない、こういった状況を見る限り、こうしたEUの対応によってかかる懸念、払拭されると判断するに至りました。 また、昨今、我が国が本条約に締結していないことにより、我が国の種苗会社等による海外における植物遺伝資源の円滑な取得に影響が生じております。 こうした状況を踏まえまして、今回、本条約を締結することが必要と判断し、国会に提出したという次第であります。
○広田一君 大臣の御答弁の後半の部分に出てきておりました本条約を締結しないところの弊害についてでございますけれども、今回この条約、締結することによりまして、事前の情報に基づく同意、PICであるとか、相互に合意する条件であるMATの交渉が不要となります。それに伴いまして時間的なコストとそして困難な交渉といったものが回避されるというふうにお聞きしますが、具体的にこれまでどのような弊害があったのかについてお伺いをしたいと同時に、今回この条約を締結することによりまして、植物遺伝資源のクロップリストについて、今後、具体的にどのような遺伝資源を拡大すべきというふうに考えているのか、併せてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 今までの弊害についてどうかという御質問でありますが、我が国が本条約を締結しないことによって、一つ一つの具体的なケースにおいて一つ一つ契約を交わす、そして実態を確認する、こうした手間暇、膨大な手間暇を積み重ねてきた、これが現状でありました。今回条約を締結することによって、そうした具体的な手間暇を大きく省略することができる、スムーズに取引等を進めることができる、こうした大きなメリットがあると考えております。
○政府参考人(西郷正道君) クロップリストのことにつきましてお尋ねがございました。 本条約の多数国間の制度の対象はこの条約の附属書といったもので定められておりまして、これに新たな作物種を追加するためには、条約の改正手続として全ての締約国のコンセンサスを得る必要がございます。 将来、仮にそのようなことが可能となった場合には、農林水産省といたしまして、クロップリストに今入っていないものでございますけれども、大豆やサトウキビなど食料自給率の向上に寄与する作物のほか、我が国の農業の技術的な強みを生かし得る野菜、トマト、キュウリ、あるいは柿、ビワ等の園芸作物、こういう作物の追加が重要であると考えております。 ただ、これらにつきましては、附属書Ⅰに含まれていない作物種の収集につきましては、国内の種苗の会社の方々あるいは研究機関などのニーズを踏まえながら、今後、海外のジーンバンクなどとのバイの交渉の実施などによりまして、更なる遺伝資源の探索、収集を積極的に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○広田一君 私の出身の高知県も園芸県でございまして、野菜等々を積極的に栽培をしております。政府におかれましては、攻めの農業というふうに言われているわけでございますので、本条約を締結することによって更に攻めの農業についても具体的に進めていただければなというふうに思います。 それでは、残された時間につきまして、この前の大臣所信の積み残しの問題について若干御質問をさせていただきたいと思います。それはオスプレイの問題でございます。 このオスプレイの配備問題につきましては、民主党政権当時、配備直前にフロリダ、モロッコの事故がございました。にもかかわらず、当時の政権は、もがきながらもこのオスプレイの配備を前に進めたわけでございます。その理由は、この日本周辺の安全保障環境が大変厳しさが増す中で、オスプレイの配備による在日海兵隊の機動性、即応性、迅速性の向上は、在日米軍の持つ抑止力をより一層高め、アジア太平洋地域の平和と安全に寄与するというためにも必要だというふうに考えたわけであります。 また、本土での訓練実施につきましても、沖縄に過度に依存した基地負担を少しでも軽減するため、日本全体で負担を分かち合っていく、そういう意味でも重要だというふうに認識をしているところでございます。ただ、残念ながら、配備後は本土での初の低空飛行訓練における日米の情報共有の欠如が露呈、さらには、日米合意が守られていないと言われても仕方のないオスプレイの夜間飛行訓練問題などが発生をいたしております。 こういった中で、日本維新の会の橋下徹共同代表がオスプレイの訓練の一部を大阪府の八尾空港で受け入れるという表明をいたしました。今回の一連の経緯や言動を見ていると、本気で実現するつもりがあるのかというふうな観点に立ちますと、甚だ疑問であります。単なる打ち上げ花火、選挙目当てのパフォーマンスでないのか、こう思うわけでございまして、こういった動きに便乗してお付き合いをしている安倍総理や官邸の感覚もおかしいし、ずれていると言わざるを得ません。 こういった案件は、これまでの同様な事案を見るまでもなく、提案するにしても公にするにしても事前に慎重な検討と水面下での協議が必要なのではないでしょうか。今回のようなやり方で八尾空港の話が出てきたことに小野寺大臣は率直にどう思うのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、広田委員も大変この問題については、当時、防衛省の政務官のときに御尽力をしていただきました。 このオスプレイについて、日米関係、そしてまた安全保障環境の中で、その重要性というのは共通の認識を持っていると思います。その中で、沖縄の負担軽減をどうするか、あるいは、その中での本土の訓練移転をどう受け入れるかということは、私ども幅広く検討していきたい、そのように思っております。
○広田一君 大臣、問題意識は共有しているというところでございますが、私がお聞きをしたかったのは、こういった重要な問題が打ち上げ花火みたいに公にされること、それ自体がこの問題というものをおかしくしてしまっているんじゃないか。小野寺大臣でしたら私はこの点について問題意識をまさしく共有できるというふうに思っております。 今回、特にこういった問題につきましては官邸側においては慎重な対応が求められるわけでございますけれども、にもかかわらず安倍総理が橋下代表と会ったりしてこの問題について協議をする、こういうやり方は私はよろしくないというふうに思うところでございますけれども、防衛省、小野寺大臣としてはどういうふうに感じられているのでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしては、今回の八尾を含めたことということよりは、むしろ本土全体で、本州全体でどのように沖縄の負担軽減を分かち合うかということの検討努力というのは防衛省としてもするべきだとは思っております。
○広田一君 ちょっと質問に正面から答えていただいていないんですけれども。 今回、大臣も大臣会見のところで突然の話だったというふうにおっしゃっております。ということは、この問題、当初出たとき、防衛省は全く関知していなかったということなのでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私はあくまでも報道で知ったということであります。
○広田一君 そういうふうなやり方をされて、やはり防衛省を代表する大臣として、私は率直に官邸に、また総理に苦言を呈するべきだというふうに思います。こういった重要なことを防衛省が事前にかかわらず物事を進められているということについて私は抗議すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回、官邸の方に橋下代表、松井知事が来られて、官房長官にお会いをされ、そしてこの八尾の話をお伝えしたということなんだと思います。その後、官房長官が官房長官会見の中で事務方に検討させるというような会見をされたということですので、それを受けて、私ども、事務方で情報提供はさせていただいているということだと思っております。
○広田一君 そういうふうな対応を取られたことについて、私は、やっぱり防衛省の皆さん、また八尾の皆さんのことを考えたときに、これはもう手順、順序が全く違うんじゃないかなというふうに言わざるを得ません。ですので、こういった問題については小野寺大臣として官邸に対して言うべきことは言っていかないと、このようなことがまた政治的なパフォーマンスで繰り返される懸念があります。同様なことが今後とも起きるかもしれませんので、こういったことについてはしっかりと申し上げるのが私は大臣の責任ではないかなというふうに思うところでございます。 そうしますと、今回の提案があった以前にオスプレイの国内の訓練場として八尾空港を検討してきた経緯というものがそもそもあったんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 特定の地域を想定をして検討というよりも、本州の中でオスプレイの訓練移転がどのような形で行われるかということ、米側に様々協議の申入れはさせていただいているということであります。
○広田一君 米側に協議の申入れしているということは、米軍に八尾空港で訓練をするというニーズがあるという確認を取っているはずでございますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まだ具体的に米側と特定の場所を想定したような議論までには至っていないというふうに思っております。
○広田一君 そうすると、ニーズがあるかどうかの確認も一切していないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) いずれにしても、このオスプレイの訓練移転というのは米側が運用上の訓練ということで主体的に行う話で、私どもとして、本土の訓練移転あるいは飛行訓練についてその協議を行うということに尽きるんだと思います。
○広田一君 もう時間も来たところでございます。この問題につきましてはこれからもやっていきたいというふうに思いますが、オスプレイの今回の一連の問題について、是非大臣には防衛省を代表してしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っているところでございます。 今、オスプレイについても日米で合同で訓練をしております。現場の隊員は本当に任務に精励しているわけでございますので、そういった皆さんの頑張りに報いるためにも、こういった問題で政治が足を引っ張らないように、冷や水を浴びせないように、このことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○末松信介君 自民党の末松信介でございます。 おはようございます。今日、私からは、本条約と韓国の日本海における操業実態についてお尋ねをしたいと思います。 今日は、大臣、副大臣、政務官お並びですけれども、この中で海のない県の選出は若林政務官かと思うんですけれども、世界で一番魚が捕れている国はどこか、これクイズですけれども、お答えいただけませんでしょうか、政務官。もし分かりましたら、もう気楽に。
○大臣政務官(若林健太君) 突然の御指名でございますが、世界で最も漁獲量の多い、これ中国でしょうか。
○末松信介君 さすがに政務官、おっしゃるとおりでありまして、中国でございます。六千六百二十一万九千トン、一年で捕っていると、二〇一一年です。 一九七七年は日本が世界一だったんですけれども、今は恐らく世界五位、しかも中国の六千六百二十一万トンから日本は僅かに五百三十一万トンという水揚げ量になってしまっておるという、水産国日本でありますけれども、そこまで地位を低下しているという、こうしたことが一つ背景にあります。ほかにも水産問題いろいろありまして、平成十八年に肉の消費量が魚の消費量を上回ったという問題もございます。 今回、今日、柄澤部長もお越しでありますが、柄澤部長からも、とにかく輸出を増やしたいと、千七百億円の今この魚介類の輸出を二〇二〇年には三千五百億円まで持っていこうという、こうしたいろんなテーマを抱えているんですけれども、これ全て資源の保存ということ、このことが前提になってきますので、この条約というのは大変意義の深いものであるというように私も認識をいたしているところであります。 水産資源は、ある一定以上減少してしまいますと、これを回復することができないということをよく言われるんです。一九九一年、カナダのニューファンドランド島のタラも資源崩壊したんです。いろんな努力をしたんですけれども、結局それが回復していないと。ノルウェーの近海の、北海のサバも、これも資源崩壊してなかなか回復をしないという、こういう実態がありますから、一度失ってしまったらなかなか回復しないという問題があるんです。ただ、鉱物資源と違って生物資源はこれは再生可能であるという、こういう認識の下で考えなきゃならないと思うんです。 私、今回の条約に至るまでの経緯を少したどってみました。質問十五分間なので三問しか質問しませんから、大臣、理解いただきたいと思います。 一九九四年十一月に発効されました国連海洋法条約、ここでEEZの規定がなされました。日本は九六年に批准しています。そして、公海で漁獲の自由が認められる中、旗国主義に基づいて、技術上、社会上、管轄権の行使と有効な規制が行われるようになりました。そして、それから数年たった二〇〇一年に発効した国連公海漁業協定によって、漁業資源の保存と管理のルールが定められたわけなんです。次に、三年後の二〇〇四年、国連総会において、ここで言う海山等の生態系の保護を理由に、着底のトロール漁業のモラトリアム、一時停止を国連関係会議で要求されたわけなんです。そして、二〇〇六年の八月に、日本が先導的な立場で、日本、韓国、ロシア、米国は条約作成に向けて第一回の政府間協議を開催したわけであります。そして、今日に至っております。 先ほど広田委員からも御質問がありました。天皇海山における一九八〇年代の日本のシェアは八三%だったんです。しかし、韓国、ロシア、台湾の介入によりまして、二〇一一年のシェアは四六%にまで落ち込んでしまっております。漁獲量についてはいまだトップを続けておるんですけれども、今後ともこの海域において漁業資源の保存と持続可能な利用を確保するためには、我が国が積極的にこの条約にかかわっていかなきゃいけないということ、このことであります。 この条約のポイントとなってくるのは、この本にも書いていますけれども、北太平洋漁業委員会を設置することだと思うんです。今、日本は暫定事務局を務めておりますが、本条約の寄託政府となっているのは韓国であります。事務局の誘致について非常に積極的な姿勢を示しておられます。韓国は、誘致に当たって、事務局職員の税制優遇、庁舎の無償提供、運営経費の支援優遇策を示していると。一方、日本は、事務所の無償提供のほかは優遇策を具体的には余り提示していないんです。 韓国に事務局を設置してしまうと、これはルール作りで韓国が優位に立つのか、どういうことになっていくのか。私は、この点というのはどのように考えておられるのか、極めて大切な問題だと思うんですよね。これについて、大臣のまず見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この条約の意義につきましては、国連の場においても、各地域で漁業資源を管理するための機関を設立することが求められております。そして、御指摘のように、北太平洋のこの天皇海山海域、これは我が国の底魚漁業にとって最も重要な漁場であります。こうした背景があり、我が国としても、この本条約、作成主導してまいりました。そして、この条約作成を主導しながら暫定事務局として貢献してきたところです。 こうした経緯を振り返りますとき、我が国としても引き続き、事務局を我が国で誘致するということ、これ大変重要な視点だと考えております。御指摘のように、韓国においてこの事務局を誘致しようとしている動きがあるということ、これは十分承知しています。しかしながら、今申し上げましたように、この条約を今日まで主導してきた経緯、そして事務局の重要性に鑑み、是非我が国としても、この事務局の誘致も含めて、様々な形でこの北太平洋漁業委員会の効果的な運営と北太平洋の漁業資源の管理、貢献していかなければいけないと存じます。そういった思いでしっかりと取り組んでいきたいと考えます。
○末松信介君 二百海里時代に入りまして、遠洋漁業が随分後退をしました。やはり公海における日本の漁業資源というのは大切でありますから、各国とも協議をしていかなきゃいけないと。 私は、隣国韓国についてお尋ねしたいんですね、次は。隣国、友好国として韓国とはしっかり仲よくやっていかなきゃいけないことは当然なことなんです。 実は、私は兵庫県におります。島根県と鳥取県と兵庫県で、三県で山陰漁業対策議員連盟というのを設けておりまして、会議を年に一回やるんですよね。ここで、毎年二月ですけれども、三県の知事、そして柄澤部長も御存じのとおり、水産庁の関係者の方、漁業組合の関係者の方が来られて、日本海における日本と韓国の漁業実態について話合いをするわけなんです。 一九九九年一月に新日韓漁業協定が実は締結をされました。この会議でいつも言われることは、韓国の漁業者の乱行ぶり、違法操業と思えるような実態がよく言われます。これ一つ。二つ目は、操業の秩序の管理に関する事項については政府間で協議すべき事項と考えられるが、具体的には、結局、操業の実態を踏まえる必要があるということで民間に任せているんですよ。漁業協同組合の担当者に任すとかいった、こういった実態があるんです。しかし、過去十三年間、何の進展も見られないという話ばっかりが返ってくるんです。 信頼性はともかくとしましても、ウィキペディアを見ていただいてもよく分かるんですけれども、新日韓漁業協定についてこういう切り口で論じていますよね。新協定発効後の韓国漁船による暫定水域での乱獲と事実上の占拠、そして次には、韓国漁船のズワイガニ漁やアナゴ漁の実態、その次は、韓国漁船の悪質化と日本側の対応と。これ、ウィキペディアに書いていますからね。ほとんどこれ、新日韓漁業協定、引っ張り出しましたら、ホームページから、このこと全部書いていますから。 山陰の漁協と全国底曳網漁業連合会とが一九九〇年からEEZの海底の清掃を行っているわけなんです。水産庁の発表では、これ柄澤部長も御存じだと思います、二〇〇〇年から二〇〇七年の八年間で漁具が五千二百二十八トン回収されたんですよ。ズワイガニ漁などに使われる刺し網が二千十五トン、カニを捕獲するバイかごが九百二トンあったそうなんです。日本の漁船は刺し網漁は行いませんし、バイかごも日本の規格とは全く違うんで、これは韓国の漁船が来て密漁して慌てて逃走するときに不法投棄をしていった、そういった漁具であるということがほぼ明らかなわけなんです。日本は、私、比較的ルールを守っていると思っているんですよね。 この実態について、一体、常に抗議をされ続けているのかということ。平成二十五年度予算では漁場機能維持管理事業の中で二十九億円、韓国とか中国や外国漁船の投棄漁具の回収・処分費用に充てておられますけれども、こういう点も踏まえて、どういう対処をしているのか、私は、柄澤部長にお聞きをしたいと、水産庁を代表してお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございましたとおり、日韓の暫定水域の主要な漁場が韓国漁船によって占拠されている、あるいは我が国EEZ内におきまして韓国漁船の違法操業が続いているという問題がございますことは事実でございます。 暫定水域につきましては、日韓の協定上、日韓双方が話し合う必要のある資源管理事項が明記されているわけでございますが、この中で、韓国漁船が漁場を占拠する、あるいは漁具を投棄するということで資源に悪影響が出ているにもかかわらず、韓国側は一貫して政府間の協議を拒否しているということでございます。 一方、暫定水域周辺の我が国のEEZ内におきましては韓国漁船の取締りを厳格に実施しておりまして、例えばズワイガニを狙った操業が活発化いたします十一月から翌年五月にかけましては、水産庁の漁業取締り船を集中的に派遣する、あるいは海上保安庁とも連携をするというようなことで重点的な取締りを実施しております。 実は、本日から日韓漁業共同委員会の小委員会が開催されておりますが、こういった場なども通じまして、政府間による暫定水域の資源管理の協議あるいは違法操業の再発防止を今後とも粘り強く韓国側に求めていく所存でございます。
○末松信介君 柄澤部長はよく私も知る仲でありますから。ただ、進展がやっぱりそれでも見られないんですよね。毎年同じことを十三年間会議で言い続けてきていると。 関係の組合員の方もこうおっしゃっていますね。韓国に対して操業秩序を守ることを求めると、日本が違法操業の証拠を突き付けるがはっきり認めない、しかし平身低頭である、今後こうしていこうという前向きな話がないと。日本はEEZすら守れない、取締りがまだできていないと。韓国側の漁法はアンカーを打って固定漁具を使う、だから海域を占拠した状況である、こういったことですね。日本側は底引き、韓国側は航路を遮って威嚇をする、昔は石を投げてきたりしたと。海上ではやっぱりいろんなことがなされているわけなんですよね。 それで、今日はもう時間がないので細かいことを申し上げませんけれども、一九九九年一月のこの新日韓漁業協定発効以来、先ほども述べましたように、日本海の暫定水域は韓国漁船が主な漁場を独占している状況であります。暫定水域を隠れみのとした韓国漁船の日本のEEZ内での違法操業は、近年、巧妙化、恒常化、さっきよりもはっきり申し上げたら、悪質化しているということであります。山陰の漁業経営というのは、兵庫、鳥取、島根の漁業者にとってはもう大きな不安を抱かざるを得ない状況であります。 そこで、先ほど申し上げました現在の漁場機能維持管理事業のように、単年度で予算を付けるのではなくて、協定発効当時、補正予算で二百五十億円を予算計上した新日韓漁業協定関連対策特別基金のように、むしろ基金措置をすべきじゃないかと思うんです。この声は多いんです。 これについて、最後に水産庁にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございました韓国・中国等外国漁船操業対策事業というこの事業につきましては、日韓関係につきましては平成十年度から、日中関係につきましては平成十二年度から基金の方式で事業を実施してまいりましたが、平成二十二年度から単年度の補助事業ということになっております。この事業の基金化をしてほしいということにつきましては、今ございましたように、山陰の関係漁業者などからも是非という御要望をいただいているところでございます。 私どもとしましては、基金とする理由について検証を進めながら、二十六年度の予算編成に向けてどのような対応ができるか検討してまいりたいと存じます。
○末松信介君 是非前向きに御検討いただきたいと思います。 私は、やはり韓国の漁業というのは日本に比べて少し道徳観に欠けると思いますので、この条約における事務局は是非日本に設置をしていただく努力を最大限していただきたいということを要望して、終わります。
○荒木清寛君 我が国は資源管理型の漁業を推進してきた、このように思います。そこで、今回締結いたします北太平洋漁業資源保存条約における日本の役割、責務について、まず大臣の認識をお尋ねします。
○国務大臣(岸田文雄君) 漁業に関しましては、国連の場等を通じまして、各地域で漁業資源を管理するための機関を設立すること、こうしたことが求められております。また、この本条約の対象水域に位置する北太平洋の天皇海山海域、我が国の底魚漁業にとって最も重要な漁場となっております。こうした背景から、責任ある漁業国であります我が国は、この北太平洋における新たな地域漁業管理機関を設置すべく、これまで本条約の作成、主導してまいりました。その結果、二〇一二年二月に東京で行われた本条約に関する準備会合において本条約が採択される、こうした結果に至った次第でございます。 我が国としましては、今後とも、漁業資源の保存管理にかかわる国際的な秩序を維持発展させるとともに、本条約を通じ、これら資源の適切な保存管理及び持続可能な利用の確保、是非主導していきたいと考えております。
○荒木清寛君 水産庁にお尋ねします。 持続可能な漁業と、その水産物を認証して消費段階での差別化を図る方策として水産エコラベル制度がございます。この制度は、英国に本部を置く海洋管理協議会が創設をしたことに始まったと承知をしております。この水産エコラベル制度が認証可能な漁業の推進に果たす役割や、また我が国として何か取組があるのか説明を求めます。
○政府参考人(柄澤彰君) 今お尋ねの水産エコラベルの取組につきましては、まさに今御指摘がございましたように、イギリスに本部がございます海洋管理協議会、MSCというところが平成九年からMSC認証制度というものを始めたことに始まっておるというふうに理解しております。 一方、我が国におきましては、国内の水産関係団体による漁業生産や資源管理の特徴を反映しました水産エコラベル制度としまして、マリン・エコラベル・ジャパン、いわゆるMELジャパンと言っております、こういう仕組みが平成十九年に創設をされまして、今日までいろいろな漁業が十九件認証されております。最近、このMELジャパンの認証を受けた商品につきまして、大手小売チェーンで本格的な販売が始まりましたり、また生協などでも商品を取り扱っていただくというようなことで、これに従いまして関係する生産者も増加傾向にあるという状況でございます。 私どもとしましては、こういった取組は資源管理に関する現場の漁業者の取組を消費者に伝えるという手段として非常に有意義なものとして考えておりまして、行政としてこういった取組を今後とも普及、応援してまいりたいと存じます。
○荒木清寛君 次に、食料・農業植物遺伝資源条約についてお尋ねします。 この条約は、二〇〇一年十一月にローマで開催されたFAOの総会において採択をされました。我が国は、この条約の作成交渉には参加をしたものの、FAO総会における条約の採択については棄権をしております。なぜ、あの二〇〇一年当時、本条約の採択を棄権し、今日に至って締結をしようとしているのか、その間の事情についてお尋ねしたいのと、もっと早く本条約の締結を考えてもよかったのではないか、大臣にお答え願います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国を始めとする先進諸国におきましては、遺伝資源を用いて開発された成果物につきましては、通常、特許権等の付与が認められております。 我が国は、本条約の作成交渉の過程におきまして、知的財産権の取得に係る規定に関し、多数国間の制度から受領した植物遺伝資源を用いた発明に対して特許権等を付与することが妨げられるのではないか、こうした懸念を米国あるいはEUとともに表明をしてきました。こうした懸念について特段の配慮が払われることなく、本条約が二〇〇一年、採択することとなりました。こうしたことから、我が国はこの二〇〇一年の採択については米国とともに採択を棄権した、こうしたことでありました。 しかしながら、同じく懸念を表明しておりましたEUにつきましては、この関連規定が自国の知的財産権制度には影響しないとの解釈宣言を付した上で本条約を締結をいたしました。こうしたEUの対応につきまして、今日まで特段異議が申し立てられておりません。こうした状況に加えて、近年、我が国が本条約を締結していないということから、種苗会社等による海外における植物遺伝資源の円滑な取得に影響が生じている、こういった事態も生じております。 このような状況を踏まえた上で、かつ、植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用という本条約が有する意義に鑑みて、本条約を締結することが必要と判断し、今国会に提出を行った、こうした経緯でございます。
○荒木清寛君 了解しました。 次に、本条約において設立されました多数国間の制度の対象となっている食料・農業植物遺伝資源の中には、稲、大麦、小麦、トウモロコシ等の主要な作物は入っておりますけれども、大豆やサトウキビなどは入っておりません。この多数国間の制度の対象となるかならないかについては、どういうメルクマールでこのようなことになったのか、教えてください。
○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。 この多数国間制度の対象となっております食料及び農業のための植物遺伝資源の範囲につきましては、条約交渉時に、食料安全保障上の観点から重要なものと認識された、交渉参加国間で合意されたものが取り上げられています。幾つかの作物については、食料安全保障上の観点から重要であると考えられるにもかかわらず対象に含まれていないものがございます。これらの作物の主たる生産国の中で反対をする国がありまして、それで入っていないという作物が一部ございます。対象となる植物資源の範囲を変更するためには、条約上、全ての締約国による合意が必要となりますので、今後適切に対処してまいりたいと思っております。 以上です。
○荒木清寛君 ドイツやイギリスなどでは、本条約の附属書Ⅰに掲げられた多数国間の制度の対象となる食料・農業植物遺伝資源以外のものも自主的に登録を行っていると聞いております。我が国においてはこういう対応は考えられるのかどうか、外務省にお尋ねします。
○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。 我が国といたしましては、独立行政法人等が保有する植物遺伝資源の積極的な提供、及びその遺伝資源の提供が義務付けられていない大学や企業などに対する提供の要請なども通じてこの多数国間の制度の対象の拡大を考えております。我が国といたしましても、適切にこの遺伝資源の保存について各国とも協力して取り組んでまいりたいというふうに思っております。 以上です。
○荒木清寛君 最後に、農水省にお尋ねします。 本条約の第七条、第八条によりますと、締約国は、植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用において、直接的に又はFAO等の国際機関を通じて国際協力、技術協力を行うと規定されております。現状では途上国の植物遺伝資源の登録も遅れていると聞いておりますが、そういう意味では、直接的な途上国に対するそうした意味での技術協力でありますとか、資金の援助もあるんでしょうか、そうしたものをどのように行っていくのか、あるいは行っているのか、報告を願います。
○政府参考人(西郷正道君) 我が国では、従来より、農林水産省所管の試験研究独立行政法人が、途上国での遺伝資源保有に関しまして、遺伝資源の保有国、途上国と共同で探索を行うということにより、途上国の研究者と協力して関連技術の移転をすることを行ってきたところでございます。 ところが、近年、遺伝資源に対する権利意識が高まってまいりまして、遺伝資源の国外流出を過度に警戒する傾向が生じておりまして、遺伝資源の共同探索とその取組を通じました技術移転もなかなか困難となってきているという状況がございます。 ただ、このような中で、農林水産省といたしましては、平成二十五年度から、途上国の政策担当者を対象といたしまして、遺伝資源の取引制度に関する理解の促進、これによりまして、我が国による遺伝資源の利用に対する信頼感を醸成するとともに、現地の研究者を対象とした遺伝資源の探索や保全などに関する技術的な能力開発を行う事業を開始したところでございます。 また、途上国のジーンバンク、遺伝資源を保管するところでございますけれども、これにつきましては、従来、八〇年代から、タイ、ミャンマー等において無償資金協力により施設整備を行ってきたわけでございますけれども、二十四年度の補正予算から、国内のジーンバンク施設の保管能力を、現行十八万点ほどなんでございますけど、これを四十万点まで大幅に拡充いたしまして、途上国のジーンバンクが保有する植物遺伝資源についても保管を支援するということも行っていくということとしたところでございます。 これらの取組によりまして、途上国における遺伝資源活用の基盤が向上するとともに、我が国の育種関係者によります海外での遺伝資源の利用が円滑化されまして、遺伝資源を通じた双方にメリットの高い関係が構築されるということを考えているところでございます。
○荒木清寛君 終わります。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 今日、少し前の委員と質問がかぶる部分があるかもしれませんが、我が国とアメリカは、この食料・農業植物遺伝資源条約について採択を棄権したわけですね。その結果、我が国は条約採択から十年以上加入が遅れていたわけですけれども、EUのように解釈宣言をした上で加盟、加入というんですか、そういう態度に同調することもないまま過ごしてきたと。なぜ今になって改めて条約加入の承認を国会に求めているのか、理由をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、二〇〇一年の採択の際には、我が国は米国とともに棄権をいたしました。これは、本条約の規定の中で、多数国間の制度から受領した植物遺伝資源を用いた発明に対して特許権を付与することが妨げられるのではないか、こうした懸念があったためであります。しかしその後、御指摘のようにEUは解釈宣言を付した形で本条約を締結いたしました。そしてその後、月日がたったわけですが、その間全くこのEUの解釈宣言に対して異議は申し立てられておりません。 こうした状況をまず勘案し、そしてなおかつ、近年、我が国がこの条約を締結しないことによって我が国の種苗会社等が海外における植物遺伝資源の円滑な取得に影響が出ている、こういった事態があり、そして関係団体からも一日も早い締結に向けて要望書が提出されています。こうした事態も加味し、そして何よりもこの本条約自体が植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用という大きな意義を持っております。 こうした意義に鑑みて、今締結することが必要と判断し今国会に提出をさせていただいた、こうした経緯でございます。
○小野次郎君 私が伺っているのは、EUがそういう対応を取ったというときにも同調しないという決断をしていたのに、なぜ今になって加入しようとなったのか、もう一度、理由がよくさっきの説明では理解できなかったんですが、お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の懸念は、この条約によって特許権の付与が妨げられるのではないか、こうした懸念があったわけですが、この懸念が払拭されるかどうか、これがポイントであります。そして、我が国はこうした懸念に基づいて二〇〇一年の段階では採択、棄権をいたしましたが、その後のEUの対応、そしてそれに対する各国の反応、これを確認した上で、我が国の懸念、払拭されたと判断をし、そして他の条件等も加味した上で今回この国会に提出をさせていただいた、こういったことでございます。
○小野次郎君 その新たな国際的な枠組みができるときに、それに乗らなければメリット、デメリット、デメリットの方もあるだろうということは当然予測されたわけですが、最初の大臣の答弁では、その後、日本の種苗会社が不便を感じたとか、あるいは企業、団体、様々なところから要請もあって、で判断を変えたというふうな説明だったと思いますが、そういうことになるだろうということは予測もされたと思うんですけれども、この十年間の間にどういうメリット、デメリットがあったというふうに感じておられるか。大臣でなくて農水省からでも結構ですが、御説明いただければと思います。
○政府参考人(西郷正道君) この条約の有用性につきましては、農業分野といたしましては条約ができたこのときから認識をしているわけでございますけど、先ほど外務大臣から御答弁がありましたように、知的財産の問題から、条約に入ることは困難といったことをずっとやってきたわけです。 この間は、農業関係といたしましては、それまであったいろんな会社と会社の結び付きだとか研究機関同士の結び付きだとかそういったことで、バイの実務者の交渉によりまして何度か遺伝資源の探索、収集を進めてきたわけでございますけれども、最近に至りましてこのような、要するに途上国におきます遺伝資源への権利意識が高まりがございまして、事実上こういった、それまでにありましたバイでの約束とかといったことでの遺伝資源の探索がますます困難になってきた状況でございますので、今回、当省といたしましても早期締結が必要というふうに判断したところでございます。 実際、困っている例といたしましては、それまでは研究者間でもって、信頼関係でもってお互い、じゃ、これ取ったら二人で分け合ってこうやるといったようなことができてきたことが、この条約に入っていないことによりまして、いわゆる定型の契約が締結できないといった事態が生じておりまして、遺伝資源の国外持ち出しが認められないという事例が発生していると承知しております。 また、平成二十三年に種苗業者を対象といたしまして実施したアンケートにおきましては、回収企業のうち八六%の方々が、海外からの遺伝資源の収集に当たって何らかの障壁があるとお答えになっております。また、同じく五四%が、近年特に取得が困難になったというふうにお答えになっております。 そういったことで、デメリットがあるというふうに思っております。
○小野次郎君 この条約を読ませていただくと、食料安全保障というのが目的に掲げていることが分かるわけですけれども、普通、私たちが食料安全保障と言う場合には、日本で必要としている、例えば総栄養というんですかね、カロリーの量なんかの自給率などをいろんな災害やあるいは安全保障上の危機のときにもしっかり確保できるようにというような意味で使っていると思うんですが、この条約が食料安全保障を目的に掲げているということが、どうもちょっと条約の内容とぴんとこない、つながらないんですけれども、例えばどういう面で我が国の食料安全保障に寄与する内容なんですか、この条約は。
○政府参考人(西郷正道君) この条約の第一条におきましては、「この条約は、持続可能な農業及び食糧安全保障のため、生物の多様性に関する条約と調和する方法による食料及び農業のための植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用並びにその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的とする。」という旨が規定されております。 我が国国民への食料供給を確かなものとしていくためには、国内農業を持続的に発展させていくということがとりわけ重要なんでございますけれども、この条約の下、耐病性、病気への耐性とか、あるいは省力化に適した特性でございますとか、要するに品種によって品質を上げていくといったことが、育種によってやっていくということが必要だということでございます。ですので、こういった遺伝資源の導入によりまして、生産効率の維持向上、あるいは気候変動への対応、それからブランド力の維持強化、需要の拡大などに役立てていくことが重要だと思っております。 また、食料の多くを海外から輸入する我が国といたしましては、諸外国において気候変動に伴う気温や水環境の変化等に対応して持続的な農業が営まれていくといったためにも品種開発が重要でございますので、このようなことの基盤となるように本条約が機能するといったことが重要かと考えております。
○小野次郎君 次の問いに移りますけれども、本条約の多国間制度というのは、先進国と途上国の間で適切な利益配分の仕組みということで、開発支援のときによくフェアトレードという言葉、概念が出てきますけれども、それに類するような目的や効果が期待されているものなのかどうか。本条約の多国間制度の中で、たしか〇・七七%か何かをFAOの基金に積んで、それを途上国での農業の改善、改良に充てるというようなことになっていると思うんですが、その趣旨、こういう制度をつくり上げていることの趣旨をもう一度外務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。 御指摘ありましたこのフェアトレードといいますのは、一般に開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することによって、開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指すというものだと理解しておりますが、本条約の多国間制度は、御指摘いただいたように、その利用から生ずる利益を衡平に分配するために途上国に還元していくと、で、途上国への支援を行っていくということが内包されておりまして、趣旨にはかなうものであるとは思います。 ただ、フェアトレードそのものと保護する対象は異なりますので、一概には比較はできないものではございます。
○小野次郎君 もう一問、外務省にお伺いしますが、生物多様性条約、名古屋議定書の定めている多国間制度と本条約の多国間制度、どのような点で相違があるのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(香川剛廣君) 生物多様性条約及び名古屋議定書は、全ての遺伝資源を対象としてその取得及び利益配分に関する国際的なルールを定めるものでありまして、その取得の手続や利益の配分の条件につきましては、その利用国間、二国間で決定されることになっております。 他方、この食料・農業植物遺伝資源条約の下での多数国間の制度は、食料安全保障上の重要性に基づいて選定された植物遺伝資源を対象として、先ほど来御説明さしあげていますひな形、特定の契約のやり方に従って整備をされておりまして、そういう意味で、異なるルールに基づいて運用されているものと理解しております。
○小野次郎君 ちょっとよく分からないのは、ある植物遺伝資源がどっちの条約の対象になるかは、どういう関係になっているんですか。
○政府参考人(香川剛廣君) 生物多様性条約、名古屋議定書は、遺伝資源に関して一般的なルールを定めるものでございまして、遺伝資源一般のルールを定めております。 この本条約につきましては、特定の植物それから農産物に限って、食料安全保障に資する、そういう植物についての遺伝資源の保護を行う特別法という位置付けでございます。ですから、この本条約において適用されている植物は、生物多様性条約、名古屋議定書の対象外ということになります。
○小野次郎君 そうすると、生物多様性条約の方が一般法みたいになっていて、その中でこのリストに掲げられているものについては、もちろん締約国間ですけれども、締約国間でリストに掲げられているものについては、こちらの新しい、新しいというか、今審議している方の多国間制度が適用されるという、特別法だということですか。
○政府参考人(香川剛廣君) そのとおりでございます。
○小野次郎君 この条約に入って、我が国はどのような遺伝資源の入手を目指す見込みなのか、農水省にお伺いします。
○政府参考人(西郷正道君) 現在、農林水産省所管の試験研究独立行政法人が行っておりますジーンバンク事業で保有しております植物遺伝資源、これは現在二十二万点でございまして、世界第五位の保有数でございますが、今後、地球温暖化問題への対応や、より高品質な農産物の生産に取り組むなど、現下の農政課題に適切に対処していくため、新品種開発の基盤となる多様な遺伝資源を海外から積極的に入手していく必要があると考えてございます。 具体的には、例えば、夏の高温下でも品質が低下しにくい熱帯原産の稲でございますとか、あるいは、小麦の重要な病気でございます赤カビ病でございますが、これに抵抗性を有するような小麦、あるいは受粉しなくても果実が自然に肥大していきます性質を持ちますナスの品種でございますとか、いろいろございますが、新たな植物遺伝資源を海外から導入して育種することによって画期的な新品種の開発に役立ててまいりたいと存じております。
○小野次郎君 一つだけ、最後に聞かせてください。 この植物遺伝資源の活用に関して、日本国内ではどのような組織や機関がこの条約の対象になるんですか。
○政府参考人(西郷正道君) 実際、育種を行っている場所は、農林水産省の独立行政法人の研究所のほか、各都道府県の公設の農業試験場、あるいは大学だとか、あるいは民間の種苗会社などで行われております。
○小野次郎君 ありがとうございました。質問を終わります。
○佐藤公治君 生活の党、佐藤公治でございます。 今日は、両条約を賛成するという前提でお伺いをさせていただき、そして、今までの委員からの質問とダブる部分もございますが、確認という意味でお答えを願えれば有り難いかと思います。少し細かい点にも触れてまいりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 まずは、北太平洋漁業資源保存条約に関する質問からさせていただきたいんですが、その中においての、本条約におけるサンマですね、サンマの保護についてお聞きをいたしたいかと思います。 二〇〇四年の国連総会において、北太平洋に位置する天皇海山海域、先ほどから何回も出ております、のサンゴ等の生態系を守ることを環境NGOなどが訴え、さらに二〇〇六年の国連総会においては、公海の底魚漁業について持続的な管理が求められておりました。 これらを受け、キンメダイやクサカリツボダイといった底魚が本条約の規制対象魚種として議論されてきました。その後、条約交渉においてサンマとアカイカ等の浮魚が追加され、本条約は北太平洋の漁業資源を網羅的に管理するものとなったと思います。 サンマとアカイカ等の浮魚が対象魚種に加わった理由についてお聞きしたいことがまず第一点。 それと、もう続けてここに関してはお聞きさせていただければ有り難いのは、現在、日本の漁業関係紙には、本条約がサンマを保護する条約であると説明している記事が少なくない。サンマは夏から秋にかけ北西太平洋を南西に進み、北海道東沖へと来遊するが、日本近海までサンマが移動してくる前に北西太平洋の公海で漁獲する外国漁船が日本漁船より先捕りするため、日本の漁船が捕るサンマは魚群がまばらになったり小ぶりになったりする影響が出ると訴えてきていると思います。日本人の秋の味覚として親しまれるサンマ、ここ数年ウナギのように庶民の手の届かない存在にしないためにも、本条約が規制対象魚種として適切に資源管理しようとする意義は私は本当に大変大きいと思います。 近年の日本とか中国、韓国、ロシア、台湾等におけるサンマ漁の現状はどうなっているのかも含めて、またサンマを国際的に資源管理していくことに我が国は主導的役割を果たしていかなくてはいけないかと思います。先ほどの質問でも幾つかの主導的役割のお話がございましたが、より一層具体的に力強い御答弁をいただけたら有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず一つ目の御質問、本条約にサンマが対象とされたことの経緯ですが、この条約の議論におきましては、当初、クサカリツボダイですとかキンメダイですとか、底魚を対象とする、こうした議論が進んでおりました。しかし、その後、関係国で議論を進める中にあって、サンマあるいはアカイカ、こうしたものも条約の対象に加えるべきだ、こうした議論が進み、結果として条約の中に加える、こうしたこととなりました。 そして、サンマ漁の現状についてどうかという御質問もありましたが、手元の資料、これは二〇〇八年から二〇一〇年の間の年平均漁獲量ですが、サンマにつきましては日本が一千百五十二トンとなっております。一方、韓国が一万二千六百八十トン、十倍以上ということでありますし、台湾は十三万六千四百七十五トンですので、約百倍以上という量になっております。 こうした現状に対して、本条約に基づき設立されます北太平洋漁業委員会ですが、サンマ等の対象資源の長期的な保存及び持続可能な利用を確保することを目的とした措置を採択することとなっております。こうした措置というのは、本条約上、保存管理措置と呼ばれておりまして、この具体的な内容としては、例えば、総漁獲量の制限ですとか禁漁期間ですとか禁漁区域の設定、こうしたものが挙げられております。 本条約の発効によりまして、これまで国際的な規制が及んでいなかったこの北太平洋のサンマ資源につきましても、科学的根拠に基づいた保存管理措置を採択できるようになると考えております。同措置の実施を通じまして、サンマ資源の長期的な保存、持続可能な利用が確保され、過剰漁獲とならないよう有効な対策を取ること、こうしたことが可能になると考えております。
○佐藤公治君 議論した上でサンマとアカイカ等の浮魚が対象魚種に加わったということで、経緯、経過は今お話がございましたけれども、より積極的に我々としてはこういったことを推し進めていくべく、やはり御努力というか、皆さんでこれは与野党結束してやっていかなきゃいけないと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 続きまして、食料・農業植物遺伝資源条約に関することに質問を変えさせていただきたいと思いますけれども、多数国間の制度による基金の意義といったことを含めてお聞きをしていきたいかと思いますけれども、植物遺伝資源の保存及び持続可能な利用のみならず、その利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分することも重要であるというふうに思います。特に、我が国のように遺伝資源を利用する側、開発する側にとっては、豊富な遺伝資源を持つ熱帯、亜熱帯地域の国々からの理解を得ることが必要であるとも思っております。 そのため、本条約で設立された多数国間の制度において開発された新品種の商業的利益の一部を使って途上国の植物遺伝資源の保全活動等を支援するための基金を設立することにこれはなっておりますが、本条約は二〇〇四年六月からということで、現在どの程度の基金が積み上がっているのか、まずお答えを願えれば有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この植物遺伝資源の利用者から本条約の多数国間の制度の利益配分基金に払われた金額、現時点では余り実績がないという状況にあります。これは、新品種の開発、市場化に長期間を要する、こうした事情によって余り積み上がっていない状況にあります。今、現状が約七百五十万米ドル、こうした実績でございます。
○佐藤公治君 まだまだこれからだということだと思います。もちろん品種改良など、こうした植物遺伝資源の研究には時間が掛かりますし、本条約においても、開発された品種が商品化されて初めてその売上高の〇・七七%が基金に支払われることとなっていると聞いておりますけれども、品種改良や新品種開発には長年の研究が必要であり、本条約の多国間の制度が実際に軌道に乗っていくには時間が掛かるように思えると思います。 しかし、本条約の目的は、我が国のように遺伝資源を利用する側のためだけではなく、資源の提供国に対して利益の公正かつ衡平な配分であることに鑑みれば、資源提供国からの信頼を得るためにも、日本は将来にわたってこの多数国間の制度による基金の重要性を表明していくことが必要ではないかと思いますが、大臣の御認識をお聞かせ願えれば有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど答弁させていただきましたように、現状では基金に支払われた金額、余り実績がない状況であります。このため、現在のところ、この利益配分基金は、主要な先進国等からの任意拠出金を財源として開発途上国の植物遺伝資源の保全等のための事業活動を支援している、こうした状況にあります。しかし、今後は、多数国間の制度から入手した植物遺伝資源を利用した新品種の開発及び市場化が進展すれば、利用者によるこの利益配分基金への利益配分が進むものと考えております。 こうした利益配分により利益配分基金の規模が拡大することは、開発途上国における植物遺伝資源の保全等を多数国間の制度の中で言わば自己完結的に支援するという制度になると考えております。こうした観点から、この基金制度、大変重要だと認識をしております。
○佐藤公治君 よろしくお願いを申し上げたいと思います。 もう時間があと僅かしかございません。もう一点に関しては、実は米中首脳会談の件について少しお尋ねをしたかったんですが、一点だけ質問をさせていただき、お答えを願い、そしてそれに関しては後日機会があればまたちょっと議論を深めさせていただけたら有り難いかと思います。 当然、尖閣に関して固有の領土ということは前提としてのお話でございます。 ドニロン大統領補佐官の発言でも分かるとおり、米国は尖閣諸島の領有権について最終的に判断する立場になく、特定の立場は取らないとしております。これは必ずしも日本の領有権を認めているとは言えないのではないかというふうに思え、他方で、クリントン前国務長官やヘーゲル国防長官が発言したとおり、尖閣諸島は日本の施政下にあるため、同諸島が第三国に攻撃された場合には日米が共同で防衛に当たることを規定する日米安保条約第五条が適用されるとの見解を表明されております。 その米国が使い分けている領有権と施政権について、これはマスコミ等々、また大臣もいろんなところで質問等に遭われているかもしれませんが、それぞれの定義を明らかにきちっとしておいていただきたい。その上で、両者の決定的な違いはどこにあるのかの御認識、これの御説明をいただいて、私の質問は取りあえず終わりにしたいかと思います。 お願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、領有権とそして施政権、この違い、定義についての御質問ですが、領有権とは、国際法上一般に、ある領域に対して国家が有している主権を意味いたします。一方、施政権につきましては、国際法上確立した定義があるわけではありませんが、一般には、立法、行政、司法上の国家の権限を行使することを意味していることが多いと認識をしております。なお、施政権は領有権と異なり、領土の編入や第三国への割譲等、領域そのものを処分する権利までを含むものではないとされております。 こうした領有権と施政権でありますが、尖閣諸島について言えば、米国政府は、以前から尖閣諸島の領有権について特定の立場は取らないが、尖閣諸島は日本の施政の下にあり、日米安保条約第五条の適用範囲であるという立場を取っております。
○佐藤公治君 これに関してはまた後日改めていろいろと議論していきたいと思います。 この手の類いのことはちょっとなかなか公で議論しにくい部分もあり、それは逆に言えば国益を損なうようなことにもなりかねない。その意味では慎重に議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 以上で終わります。
○山内徳信君 私は、日本国民にとりましては八月は、広島、長崎の原爆投下によって想像を絶するような被害を受けてきた、そういう日本国民でございます。あれから六十八年経過しております。 〔委員長退席、理事柳田稔君着席〕 さらに、六月といいますと、沖縄は六月に入ると同時にあの沖縄戦の悪夢がよみがえってきまして、県を始め市町村、小さい集落に至るまで全部慰霊祭が行われる、それが沖縄の六月でございます。 私は新聞でしか知っておりませんが、沖縄の慰霊祭が始まりましたのは対日講和条約が発効した一九五二年と言われておるんです、私は高校の二年生でありました、あれから今日までずっと慰霊祭が行われております、そこに初めて日本政府の外務、防衛大臣も御出席をされるということを新聞で読みまして、私の気持ちはまだ整理が付かない状態にあるんです。 そして、沖縄戦のとき、あの県民から慕われた島田叡という、大阪の内政部長から、前の人が断って沖縄県知事がいない状態があって、内務省は島田叡さんに県知事として赴けと。ところが、奥さんと娘さんは、上陸は必至だと、目の前に上陸を、そういう状況でお父さんが行くのかと言われたときに、島田さんは、私が断ったら次の人が行って死ぬことになるじゃない、私は生き残りたいから沖縄県知事になるのは断ると、こうは言えないと。その前任者は、実は沖縄から、上陸を、これはもう間違いないと、こういうことで本土に沖縄の人は逃げたと言っているんです。そういう知事もいらしたわけです。 〔理事柳田稔君退席、委員長着席〕 そして、両大臣が献花される二十三日のあの慰霊祭の献花台のその南の方で、島田叡知事は県庁職員と一緒に、後退に後退、敗退に敗退を続けておるそのときに、恐らく艦砲射撃か爆弾か、そこはよく知られていませんが、一緒に歩いていた人々が一瞬のうちに知事の姿がなくなったことを、どこにふっ飛ばされたのか、それさえ分からない状態で島田叡知事は亡くなっています。 この人は、知事に就任すると同時に、席の暖まる間もなく、食料を調達をするのに、時間を惜しみ、日を惜しみ、そういうふうにやった方といって沖縄の人は今も尊敬をしておるんです。 さらに、その慰霊祭のある南の方ですね、そこには黎明之塔があります。その黎明之塔の崖下で沖縄守備軍の第三十二軍の牛島司令官と長参謀長は壮絶な自決を遂げておるんですね。昔の武士みたいなそういうやり方で亡くなっていったと言われております。 片や、那覇市の南に豊見城という市があります。海軍ごうがございまして、そういうところは両大臣も訪問されたこともあろうかと思いますが、海軍の中将、沖縄戦に投入された海軍たちをまとめていく大田中将は最後、沖縄県民かく戦えり、将来格別なる御高配を賜りたいという打電を海軍次官にしております。そういうふうに、国のために県民と一緒に、その年はずっと雨が多くて、大変な雨の多い日だったと私は記憶しておるんですが、そういう中で海軍中将はそういう打電をして、これまた壮絶な自決を遂げております。 そういうふうに、国家の責任を任された人々は責任を取って国民や県民とともに歩んできた。そういう古武士のような姿を、私は黎明之塔に、あるいは海軍ごうに行くたびに思うんです。 何よりもずっと心に生き続けておるのは、大阪府から、内政部長から県知事になって、奥さんや娘さんたちが思っていたとおり、島田叡県知事は亡くなっていったわけです。私は、そういうふうなことも両大臣の頭の片隅には置いて、あの菊の花を総理に続いて献花されるんだろうと思っておるんです。 したがいまして、広島、長崎の人々が献花をするのと同じように、花をささげるのと同じように、沖縄の人々ももう基地の島は御免だと、これ以上基地の島は御免だと。沖縄の基地は戦場と直結しておるんです。在日米軍の基地とは違うんです、在沖米軍の使っている基地は。 私は、朝鮮戦争、高校生でした。ベトナム戦争は六五年前後でございますから、社会人になっております。それは大変でした。ベトナムのお母さんたちは沖縄のお母さんたちにもどんどん手紙を送ってきたんですよ。あのB52を止めてくれと。そのB52が毎朝飛び立っていくんです、爆弾を満載をして。私は、そのB52が飛び立つ嘉手納飛行場と嘉手納弾薬庫の間の道路を通って職場に向かうんです。彼らはトレーラーに爆弾を満載して弾薬庫から出てくると、沖縄県民の車両は全部止めて、十分も十五分も二十分も止めるんです。止めて、飛行場に爆弾を積み込んでいって、ベトナムに行って無差別に投下をしていくわけです。ですから、沖縄におる海兵隊たちは言うんです。目の前に、戦闘員であろうが非戦闘員であろうが、何かの動きがあったら、こっちから相手を先に撃ち殺さぬと自分が撃ち殺されてしまうと。まさに沖縄の基地はこういう基地なんです。 だから、戦争始まると、アメリカの若い連中は、兵士たちは、事故、事件を起こして逮捕されて留置所にぶち込まれれば生きる保障がされるということなんです。持っておるお金をベトナムに持っていくわけにもいかないから、浴びるほどウイスキーを飲むわけです。これが事故、事件につながっていくんですね。そういうふうな沖縄の状況は今も続いておるんです。 したがいまして、私は、是非、両大臣に対しましてお願いを申し上げたい。沖縄の慰霊祭というのは、全戦没者の御霊を慰めるとともに、慰めるだけではいかぬのです、世界の恒久平和を願う沖縄県民の心を世界に発信をするという趣旨の慰霊祭であります。平和を世界に発信するということなんです。そして、県民にとっては、基地の島沖縄を一日も早く平和な島にするという、霊前に菊の花を差し上げながら、あるいは手を合わせながら、平和な沖縄をつくりますという、そういう決意を霊前に誓うのが沖縄の慰霊祭です。 私は、広島のあの八月の行事に一度は行って手を合わせてきました。それとは別に、長崎、広島のあの資料館をちゃんと見ておかなければ日本人としていかぬだろうと、こういう思いで何度か訪ねております。 そういうふうな私の体験も含めて今申し上げておるわけでございますが、沖縄戦で二十万余りの人が無念の死を遂げていったわけですね、遂げていったわけです。それで、そういうことを過去の歴史として終わらすのではなくして、沖縄に戦争につながる辺野古の新基地建設計画を今政府は日米合意ということで強引に押し付けております。そして、人権と民意を全く無視し続けております。あの建白書を差し上げたのに、それさえ全く無視して、日米合意ということで辺野古に造るとおっしゃっておるわけです。そういう無視し続けている、強引に押し付けておる安倍首相や岸田外務大臣、小野寺防衛大臣は、私の言葉で言いますと、何のかんばせあってこの慰霊祭で菊の花を差し上げようとするんだろうかと。 是非両大臣にお願い申し上げたいことは、辺野古新基地建設計画は、単なる施設ではないんです。戦争につながるものゆえ、沖縄県民は幾重にも反対を訴え続けているのです。どうぞ両大臣におかれましては、辺野古新基地建設計画を断念するとの決意を固められまして、御霊の前で手を合わせて、献花をされてお帰りになってきてくださいと、そういうことを申し上げておるわけです。長い説明も要りませんが、両大臣のお気持ちだけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 本日も山内委員の方から、島田知事、牛島司令官あるいは大田中将の歴史について触れられました。また、沖縄の苦難の歴史について触れていただきました。改めて重く受け止めながら聞かせていただきました。 そして、御指摘の戦跡等についても、私もかつて沖縄担当大臣を務めましたときに、何日も掛けてこうした戦跡、足を運ばせていただきまして、この苦難の歴史に思いを巡らさせていただきました。 そして、この六月二十三日の慰霊式につきましても、沖縄担当大臣のときに出席をさせていただきましたが、今般、外務大臣としても、諸般の事情が許せば是非出席させていただきたいということで今検討をさせていただいているところでございます。 是非、出席に当たりましては、この沖縄の慰霊の日に当たりまして、戦争による惨禍が再び起こることがないように、恒久平和を希求し、戦没者の皆様方の御霊をしっかりとお慰めさせていただきたいと考えています。そして、改めて苦難を耐え抜かれた先人の心情に思いを致し、そして平和の思いを世界に発信するべくしっかり努力させていただく、こういった思いをしっかりと込めて出席をさせていただくつもりでおります。
○国務大臣(小野寺五典君) 私も、外務大臣と同様、沖縄の戦跡については何度もお伺いをさせていただき、その都度、いかに熾烈な戦いがあったか、そして沖縄島民の皆さんが大変な惨禍の下にあったかということを身にしみて感じております。 今回、六月二十三日、慰霊の日ということで私も出席をしたいということで考えております。現在、参加をする方向で調整を進めさせていただいております。 私は、国の安全保障を預かる者として、戦争の惨禍を二度と繰り返さない、そのことをお誓いさせていただきたいと思っております。
○山内徳信君 時間ですから御答弁は求めません。防衛大臣に、あの辺野古、あの金武、宜野座の海域からあなたの好きなモズクは取れるんです。漁業組合は容認派でしたが、それは西海岸ですよ、西海岸。是非、防衛大臣は、新しい辺野古の基地を造らない、そういう決意をされて慰霊祭に臨んでいただきたいと、これが沖縄県民の一致した願いでございます。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。終わります。
○委員長(加藤敏幸君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤敏幸君) 次に、旅券法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました旅券法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。 現行旅券法上、一般旅券の名義人は、氏名等に変更が生じた場合、記載事項の訂正を申請することができますが、訂正に係る旅券情報は、当該一般旅券の追記欄にタイプにより印字するにとどまるため、機械読み取り部分には反映されません。旅券の国際標準を定める国際民間航空機関は、二千十五年十一月二十四日までに全ての非機械読み取り式旅券を失効すべきとしており、記載事項の訂正が機械読み取り部分に反映されていない旅券は、海外において国際標準外とみなされ、旅券保持者が不利益を被る可能性があります。 この法律案は、以上に述べた状況に鑑み、現行の記載事項の訂正という制度を廃止し、これに代わる制度を導入するほか、所要の規定の整備を行うため、旅券法の一部を改正するものであります。 次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。 改正の第一は、旅券の記載事項を訂正する制度の廃止及び記載事項に変更を生じた場合の一般旅券の発給に関する規定の整備を行うことであります。 改正の第二は、旅券手数料を改定することであります。 これらの改正内容は、海外に渡航する国民の生活に直結する問題に対処するためのものであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。 何とぞ、よろしく御審議をお願いいたします。
○委員長(加藤敏幸君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十六分散会