外交防衛委員会 第9号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2013/06/13
会議録
○委員長(加藤敏幸君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とジャージー政府との間の協定の締結について承認を求めるの件外五件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長室城信之君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤敏幸君) 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とジャージー政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、租税に関する情報の交換及び個人の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とガーンジー政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とポルトガル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、租税に関する相互行政支援に関する条約及び租税に関する相互行政支援に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュージーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上六件を一括して議題といたします。 六件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大野元裕君 おはようございます。民主党・新緑風会の大野元裕でございます。 今日のまず質疑に先立ちまして、冒頭、外務大臣、質問通告を行っていないんですけれども、昨日の拉致特における大臣の御発言について、ちょっと一つ御確認をさせていただきたいと思います。 昨日、大臣は、訪朝をされた飯島内閣官房参与の御報告について、記録、いわゆるメモはもらったけれども、直接会って報告を聞き、あるいは協議、質問したわけではないと述べられておられました。 他方で、本委員会におきまして、大臣は何度か外交の責任者においてという御発言をされておられます。外交の責任者であれば、当然のこととして、我が国にとって重要な外交にかかわる案件、さらには、公的な資格で訪朝した飯島参与からそういったことについて私は直接聴取するべきではないかと考えております。北朝鮮の対応等、それにも直接聞けば御質問等もできるかと思います。国民的な関心事であります拉致問題、特に高齢化する拉致被害者の御家族のことも考えれば、時間も残されていない中、一刻も早くあらゆる手段を講じて外交の責任者として私はしっかりとした対応をしていただきたいと思います。 その意味で、外交的にも機微ではありますけれども、本件に関して直接聴取されるべきではないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮問題につきましては、我が国は、核、ミサイルあるいは拉致を始めとする諸懸案を包括的に解決していく方針で臨んでおります。こうした諸懸案を包括的に解決するということになりますと、これ、政府全体として取り組んでいかなければいけない大きな課題だと考えております。 そして、政府としてこうした問題に取り組むに当たりまして、外務省としましても、外交に責任がある立場としてしっかり役割を果たしていかなければならないと考えています。そして、政府の中でしっかりとした役割を果たすために、政府内でしっかりとした情報共有、意思疎通を図っていかなければいけない。そういった視点から、外務省としても必要な様々な意思疎通の手段を図っていかなければならないと考えております。 御指摘の点につきましても、状況に鑑み、内容に鑑み、必要、適切に対応していきたいと考えています。
○大野元裕君 必要であるというふうにお認めになれば、当然お聞きになる、そういう御答弁と私は理解をいたしましたので、改めてまた次の委員会でも聞かせていただきたいと思いますが、是非、国民も聞いておりますので、外務大臣としてしっかりとした政府内での役割というものを果たしていただけるよう、心よりお願いを申し上げたいと思っています。 さて、失礼をいたしました、今般の六条約に関して、特に今般の二重課税防止、さらには情報交換に関して、この条約が我が国に対して与える利益というのはどういったものがあるんでしょうか、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 租税条約の締結につきましては、国際的な二重課税の回避ですとか脱税及び租税回避行為への対処等を通じまして、二国間の健全な投資あるいは経済交流の促進に資するものであります。 今般の日米租税条約の改正あるいは日・ニュージーランド租税条約の改正及び日・ポルトガル租税条約の締結、こうした締結による投資所得に対する源泉地国課税の減免、あるいは投資先における課税関係の法的安定性、予見可能性の向上、あるいは国際標準に沿った実効的な情報交換の実施等によりまして、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、二国間の投資、経済交流が促進されることになると考えております。 また、一方、税務当局間で租税に関する情報交換を実施することを主な目的とする日・ジャージー租税協定あるいは日・ガーンジー租税協定及び税務行政執行共助条約の締結によりましては、国際的な脱税及び租税回避行為への対応を行うことで、我が国課税権の適切な確保あるいは税務当局間の執行協力のためのネットワークの整備拡充への具体的な貢献が実現できると考えております。
○大野元裕君 おっしゃるとおり、具体的なまさに利益というか、があると私も考えております。我が国の国益に資する六条約です。これらの租税関係の六条約、前政権におきまして交渉し、あるいは締結したものであると私も理解をしておりまして、我が政権、民主党は野に下りましたけれども、その意味では、この六条約についてはしっかりと審議をした後、締結をする、そして承認をするべきものだと私も理解をしております。 しかし、残念ながら、与党の国会運営の拙さによって本委員会が空転をしてしまったというのは大変私は残念なことであったと思いますので、もちろん条約については私は賛成でございますけれども、苦言は呈しておきたいと思います。 その一方で、この利益をいかにしてエンドユーザーの方々に享受していただくかという観点も私は必要であると思っています。例えば、日本の親会社が借入金利息を海外送金に子会社に対してしたと、その場合には、親会社と子会社両方が源泉徴収額に関するフォームをこれまで同様に日米で交換し合うと、そのことによって免税の措置が可能になるというふうに理解をしておりますが、新たなこの日米の租税条約、非常にほかの国とも比べて私は最先端のものであると理解をしますけれども、アメリカの子会社を有する日本国内の親会社が免税を報告するための新しいフォームというものをアメリカ側で要求をされることになると私は理解をしております。 これは日本の国内法の問題ではありませんが、それでも、これだけの成果を残されているということになるわけですから、我が国においてもこの事務負担の増加について適切に公知する必要があるのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
○大臣政務官(若林健太君) 今、大野先生御指摘いただきましたように、まず一般論として、租税条約上の要件を満たさない者による特典の濫用を防止するという観点から、こうした特典の適用に当たりましては、納税者は各締約国の国内法理に基づいて様々な届出、フォームといいますか、届出を出さなきゃいけないということになってございます。 我が国納税者が米国において日米租税条約上の適用を受けるために必要な手続は、これはアメリカの、先生今御指摘いただいたように、アメリカの国内法によって定められてございます。他方、現時点では、この新しい条約の改定によって新たな手続、届出が必要かどうかということについては、これは米国において定めるもので、現時点で私どもとして承知しているものではございません。 いずれにしても、今後、我が国納税者の参考となり得る情報が把握された場合には、御指摘いただいたように政府として適切に対処してまいりたいというふうに思います。
○大野元裕君 少し話題を変えまして、我が国の核不拡散及び核廃絶に関する立場について質問をさせていただきたいと思います。 大臣は広島の御出身ということで、大変悲惨な歴史ではありましたけれども、世界に対する責任、歴史的な責任というものを我が国は負っていると私は考えておりまして、そういう大臣を頂いたということを機会にして改めて問わせていただきたいと思いますが、大臣は所信の中で、核軍縮・不拡散については、核の惨禍を経験した広島の出身者として、軍縮・不拡散イニシアティブ、NPDIの枠組み等を通じ、核兵器不拡散条約を基礎とした国際的な核軍縮・不拡散体制を維持強化していきますと述べられました。また、四日の本委員会におきましては、山内委員の質問に対して、核兵器のない世界を目指す、この大きな目標に向けて我が国が唯一の戦争被爆国としてしっかり議論をリードしていかなければならないと述べられておられます。 我が国は、核兵器のない世界を目指して核軍縮・不拡散体制を維持強化すると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を目指してたゆまぬ努力を行っていきたいと考えております。このため、核兵器不拡散条約、NPTを基礎とする国際的な軍縮・不拡散体制を維持強化するべく、現実的かつ実践的にこの取組を着実に進めていきたいと考えております。 四月にはこのNPDIの外相会合もありましたが、そういった会合におきましてもユース非核特使等具体的な提案をさせていただきましたし、来年四月には、このNPDI外相会合、広島で開催される予定になっております。是非、各国の外相にもこの被爆の実相に触れていただく、こうした機会としたいと考えております。 このように様々な取組、着実に進めながら、被爆地の思いを世界に発信する、あるいは軍縮、核廃絶に向けてリーダーシップを発揮する、こうした努力を続けていきたいと考えております。
○大野元裕君 核廃絶というお言葉をいただきました。是非大臣の御努力をお願いしたいんですが、それを踏まえて御質問をさせていただきます。 先般、インドのマンモハン・シン首相が訪日をされ、我が国との間で更なる協力関係の増進の確認がされた、このことについて私も大歓迎をさせていただきたいと思っています。その際の共同声明では、両国間の民生用原子力協力の重要性を再確認し、原子力協定の早期妥結に向け交渉を加速するよう関係当局に指示したと、そういうふうに書かれております。 インドとの民生用の原発協力は、我が国の国際に対する民生用原発の安全への寄与及び産業振興、さらには地域内の協力関係、エネルギーを含む、そういった構築に鑑みれば重要なことではありますが、他方で、大臣の御発言のとおり、核廃絶に向けて指導的役割を取るという我が国の立場に鑑みれば、極めて慎重に事を運ぶ必要も私はあるのではないかと思っています。 インドは、特に過去においては、現在もNPT非加盟ですけれども、一九七四年以前には、核兵器を保有しない、実験は行わない、これは首相や責任ある方々が何度か海外に向けても述べておられましたが、核実験を行ったという、そういう実績、そういった経緯を有する国です。我が方としては、今回の訪日、この文面からは加速しましょうと書いてありますが、こういった我が国の立場に鑑みて、インドに対して核廃絶若しくは不拡散に対する具体的な働きかけをされたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 五月二十九日に行われました日・インド首脳会談におきましては、総理からシン首相に対しまして、NPTの普遍化を引き続き追求する、こうした日本の立場はしっかり伝えさせていただきました。また、インドのCTBT署名、批准及び兵器用核分裂性物質生産禁止条約、FMCT交渉開始を重視していることを伝え、そしてインドの更なる対応も求めさせていただきました。 日・インド原子力協定交渉については早期妥結に向けて交渉を加速することで一致をさせていただきましたが、我が国として、インドと原子力協力を行うに当たりましては、インド側が核実験モラトリアムの継続を行う、あるいは原子力施設の軍民分離を行うなど過去に行った約束を堅持すること、これは当然の前提だと考えております。交渉を進めるに際しましては、核軍縮・不拡散、十分に念頭に置くこと、これは当然だと考えております。
○大野元裕君 NPTの普遍化というのはどういうことでございましょうか。インドに対して、NPTへの加盟を行わなければ原子力協定は結ばないということでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) インドにおいては、近年、核実験モラトリアムを維持し、そして一定の原子力関連施設をIAEAによる平和的利用の確認の対象に供するなど、こうした国際的な不拡散体制の強化に資する取組を行っております。こうしたインドの取組は国際的な不拡散体制の強化に資するものだと評価をしています。こうしたことはNPT体制を強化する上で大変重要なことだと考えています。 NPT体制の外側にいるインドではありますが、実質的に体制を強化させることによって全体としてこうした体制を強化することにつながる、こうした働きかけを行っていかなければいけない、このように考えております。
○大野元裕君 ちょっと待ってください。今大臣、近年においてはモラトリアム云々というお話がございましたが、総理の方からシン首相に対して普遍化を求めたというふうにおっしゃっております。つまり、過去の評価ではなくて、求めたというのはどういうことかと。つまり、NPTに加盟しなければ原子力協定を結ばないとか、そういうことで理解してよろしいんでしょうかという質問でありました。
○国務大臣(岸田文雄君) 普遍化を求めたのは、我が国がNPT体制を重視し、それを基礎としてこうした外交を考えている、こうした基本的な姿勢についてインドの理解を求めたということであります。是非、こうした我が国の姿勢に対して、インドにおいてもしっかり理解し、協力をしてもらいたい、こういったことであります。
○大野元裕君 よく分からないんですが。というのは、我が国は、核供給国グループ、NSGの臨時会合におきまして、米印の、アメリカとインドの原子力協定が締結された後に、インドを例外化するNSGのまさに議論に加わり、最終的にはコンセンサスを取った一員でした。そのときには例外化をしたんですけれども、NPTの普遍化とは全く異なるのではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) このNSG、要するに原子力供給国グループにつきましては、我が国政府は二〇〇八年九月のNSG臨時総会におきまして、インドによる不拡散の取組を促すなど大局的な観点から、この例外化に関する、インドとの民生用原子力協力に関する声明のコンセンサス採択に加わったところであります。 この判断においては、こうしたコンセンサスによる採択に加わることによって、インドの核実験モラトリアムの継続を始めとする対応が明確化される、あるいは原子力活動における透明化が高まる、不拡散への取組を促す、さらには地球温暖化に貢献する、こうした意義を考える一方で、不拡散体制に与える影響についても考慮し、その上でぎりぎりの判断を行った、こういったことでありました。 今申し上げましたようなこうしたプラスの利点と不拡散体制における様々な課題、こうしたものを総合的に勘案し、NSGの臨時総会においてこの採択に加わった、こうしたことでありました。
○大野元裕君 よく分からないのですけれども、NPT自体からこのNSGについては、インドはNPTには加盟していないものの、供給国グループとしてインドの対応について例外化したということだと思いますので、普遍化とは私は全く逆だと思いますが。 議論平行線ですので、ちょっと逆の立場でお伺いすると、今大臣がおっしゃったNSGのまさにその議論の中で我が国はこういう表明をしています。仮にインドによる核実験モラトリアム、これ大臣の述べたとおりでございます、が維持されない場合には、NSGとしては例外化措置を失効又は停止すべきこと、またNSG参加各国は各国が行っている原子力協力を停止すべきであることを明確に表明したと私は理解をしております。 だとすると、先ほど、NPTの普遍化について働きかけを行った、更なる協力を働きかけたという話がございましたが、こういったことがもし前提であるとすれば、まさにこういった文言はインド側に対して原子力協定を進めるに当たって明確に外交当局としては伝えるべきではなかったのでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 核実験につきましては、我が国として、インドの核実験モラトリアムの継続、あるいは原子力施設の軍民分離など、この約束を堅持するということ、これは当然の前提でありますが、仮に核実験行われた場合には我が国からこの協力を停止することになると考えております。協定自身は今交渉中であります。この内容についてはまだ交渉中でありますが、仮に核実験が行われた場合、我が国からの協力は停止することになる、こうしたことはしっかりとインドに伝えていかなければならないと思っています。
○大野元裕君 済みません、伝えていかなければならないではなくて、伝えたかどうかをお伺いしているんです。
○国務大臣(岸田文雄君) 今まで様々なインドとの意思疎通の中でこうした意向はしっかり伝えてきております。
○大野元裕君 それから、二点目ですけれども、先ほどおっしゃったその働きかけ以外に、これこれこういうふうにあるべきだという話をされました。それは、我が国における不拡散努力、また、こういったインドとの協定がNPTの体制を強化することにもつながるというお話もされました。 我が国のNPTに対する立場というのは具体的にはどのようなものかというのを、これ質問通告していませんので私の方からお話ししますけれども、七六年の六月八日に批准をしたときの批准書に寄せて、日本政府の寄託の際の政府声明が出ております。これ、資料に付けております。そこにおきましては、いわゆる核兵器、要するに、それ長いので簡単に申し上げれば、我が国としては、この条約が差別的な待遇を取っていると、しかしながら、核兵器の廃絶に向けてこの条約を批准するということをたしか書いてあったと理解をしております。 我が国として、モラトリアムも確かに大変重要でございますが、そういった核不拡散の体制を構築するとともに、冒頭大臣がおっしゃられたようないわゆる核兵器の廃絶、核のない世界については改めて我が国として取り組んでいくべきではないかと思いますけれども、大臣の方のまずはそれに対する、再度、先ほどおっしゃられましたけれども、御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、唯一の戦争被爆国として核の悲惨さの実相を知る国であります。是非我が国として、国際社会の中で核兵器のない世界を目指すため、しっかりとリーダーシップを発揮していかなければいけない、これは当然のことだと思っています。そうした考えでしっかり日本外交を進めていきたいと考えております。
○大野元裕君 にもかかわらず、実は四日のやはり委員会におきまして山内委員の御質問にありました、NPT再検討会合第二回準備会合において発出された南アフリカ共和国等を始めとする八十か国ですか、による共同声明に日本が加わらなかったことについて大臣はこう答弁されています。北朝鮮を始め様々な我が国を取り巻く厳しい安全保障状況、これを鑑みた上で真剣に慎重に検討を行い、各国ともぎりぎりの調整を行ったというふうに述べられております。 しかしながら、その一方で、山内委員からの質問に対して、大臣訓令ではこれ参加するように努力しろと言ったのに対して、この大臣訓令を現場は無視したということだと私は理解しておりますけれども、核廃絶の強い決意をお持ちになる広島出身の大臣は、このような訓令を無視した現場に対してどのような思いを抱かれているか、教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の共同ステートメントですが、核兵器の使用が、直後の被害のみならず、社会経済あるいは将来の世代にわたって耐え難い損害をもたらす点など、基本的な考え方は支持できるものであります。核兵器のない世界という我が国が共有する目標に向けたものであると考えております。 しかし、一方、御指摘いただきましたように、北朝鮮を始め様々な我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を鑑みた上で、真剣に慎重にこの検討を行い、そして各国ともぎりぎりの調整を行ったところであります。私自身、指示を出させていただきまして、署名に向けて現場でも関係国とぎりぎりの修文作業を行うよう、この指示を出させていただきました。そして、協議妥結直前まで至ったという感触まで得たわけですが、しかし最終的には残念ながら時間切れで協議調わず、我が国が参加しない形でステートメント発出ということになりました。このことにつきまして、私自身大変残念に思っておりますし、今後とも同様のステートメントに参加する可能性、真剣に探っていきたいと考えております。 そして、そうした思いから、先日ニュージーランドに行かせていただきましたが、ニュージーランドはこの共同ステートメント発出の主要国の一つであります。ニュージーランドのマカリー外相に対しても、この共同ステートメントについて私の方から触れさせていただき、今申し上げましたような我が国の立場を説明し、今後とも是非ステートメントに加わる努力、真剣に模索したいということを申し上げ、先方とも今後とも協力していくことで一致をさせていただきました。引き続きこうした努力を続けていきたいと考えております。
○大野元裕君 訓令を出された大臣としての感想がよく私には酌み取れなかったんですけれども。わざわざこの七六年の声明付けたのは、このスタンスと、それから日本語訳、仮訳ですけれども、が南アフリカ政府常駐代表の声明ですけれども、私はそんなに矛盾のあるものではないと思っています。 大臣の是非政治主導における、広島出身という大臣の政治主導を期待をしたいんですが、最後に、時間もないので一点だけ指摘させていただいて簡単なコメントをいただければと思いますが、米印協定に戻りますと、やはりこれも大事な私はいわゆるセーフティーバルブというか、を付けておくことが必要だと思っていて、アメリカの場合には協定を発効の直前に、二〇〇六年十二月の原子力協力法というのを採択しています。それも資料として付けさせていただいておりますが、そこでは、法律として、政府にインドに国際的な不拡散レジームに協力させること、あるいはNSGのレジームを強力に支援すると同時に、非常に興味深いんですが、南アジア全体の政策目標を提示し、そこでインド、パキスタン、中国による核物質製造の一時停止を可及的速やかに実現するべきであると、さらに、こういったことができない場合のいわゆる停止措置まで法律として書き込んでいます。 私も、日印に関しては、全体的にこの協定自体を否定するものではありませんけれども、慎重な検討、そしてセーフティーバルブを付けていくために、我が国の特性を生かしながら平和というものを強調していくためにはこういったものが必要ではないかということを最後に指摘させていただきますので、大臣のコメントをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 米印原子力協定について御指摘いただきました。第三国協定ですので我が国として直接表明すべき立場ではありませんが、米印間では二〇〇五年から原子力協定を進めるとの合意があり、二〇〇七年に原子力協定の交渉が妥結し、そして二〇〇八年に発効したものと承知しておりますが、この関連で、NSGにおける、二〇〇八年九月のNSG臨時総会においてインドとの原子力協力を行うことを可能とすると決定がなされており、この日印原子力協定についてはこうした流れと軌を一にしたものと理解をしております。 我が国とインドの間の協定については、先ほど申し上げましたように今まだ引き続き交渉中でありますが、先ほどから申し上げております我が国の核兵器のない世界を目指す外交政策、NPT体制を基礎とした外交政策、こうした思いはしっかりとインドに伝えながら結果を出していきたいと考えております。
○大野元裕君 ありがとうございました。
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。 まず、質問に先立ちまして、先ほど野党の大野理事の方から、審議がこれまで非常に遅れたのは与党側の非常に国会運営の拙さだという御指摘がありました。我々は与党理事として引き続き政治努力をしてまいりますので、残る法案、まだ大切なものが残っておりますので、お力添えをよろしくお願いいたしたいと思います。 さて、今回はこの租税六条約についての議論をさせていただくんですが、今回、新しく協定を結ぶ、例えばジャージーあるいはガーンジーだと、なかなか聞き慣れない地名を聞くわけですけれども、この租税の情報交換協定、これの目的、そもそもここと結ぶことによって何の利益があるのか、ここを御説明ください。
○政府参考人(山田淳君) お答えいたします。 日・ジャージー租税協定及び日・ガーンジー租税協定は、いずれも国際的な脱税及び租税回避行為を防止するため、税務当局間で租税に関する情報交換を実施することを主眼とするものであります。 具体的には、OECDが作成した情報交換に関する国際標準を踏まえつつ、租税に関する情報交換を行うための詳細な枠組みを定めております。これらの協定を締結することにより、ガーンジー及びジャージーにおいてそれぞれ保有されている我が国の納税者に関する税務情報を入手することが可能となります。これによりまして、我が国の課税権が適切に確保されるとともに、国際的な脱税及び租税回避行為の防止に向けた国際的な情報交換ネットワークの整備拡充に我が国も具体的な貢献を行うことができるようになります。
○宇都隆史君 ちょっと非常にお役所的な答弁で分かりにくかったんですけれども、要は、このジャージーあるいはガーンジーというのは、いわゆるタックスヘイブンと言われているような非常に租税回避の大本になっている、こういう国としっかりと情報交換をしながらそれを回避していこう、こういう取組だというふうに認識をしております。 もう一つ、今回新たにこの租税を組むポルトガルがありますけれども、我が国とはかなり古くから貿易、国のいろんな経済的なやり取りがある国だという認識で、初めて組むというのにちょっとびっくりした感はあるんですが、現在、このポルトガルと我が国、どれぐらいの経済的な行き来、あるいは会社等が現地に行ったりしているのか、こういう現状はどれぐらい把握されていますか。
○政府参考人(山田淳君) ポルトガルには現在三十四社の我が国企業が進出しておりまして、その中には自動車、化学などの製造業が含まれておると承知しております。 日・ポルトガル租税条約は、これまでに我が国が諸外国との間で締結した租税条約と同様、国際的な二重課税の回避及び脱税、租税回避への対応を主たる目的とするものであります。この条約の締結によりまして、我が国とポルトガルの間の二重課税を回避するための法的枠組みが整備されることとなり、脱税等を防止しつつ、両国間の経済、投資交流が促進されることを期待しております。
○宇都隆史君 私も、ちょっとポルトガルのことを調べてみると、特に製造業を中心に、自動車メーカーでも例えばトヨタであったり三菱ふそう、あるいはデンソーであったり、我が国の経済をリードしている様々な企業が現地で活躍されているということで、今回こういう二重課税の回避等の条約が結ばれたことは非常に意義があるんではないかなと、このように認識をしております。 さて、残り二か国のニュージーランドあるいは我が国の同盟国でもあるアメリカに関しては、元々租税条約が結ばれていて、今回この中身の改定をするという話なんですが、この条約改定のポイント、特に米国に関して、ポイントとそれに求められる効果、これを説明してください。
○政府参考人(山田淳君) お答えいたします。 日米租税条約改正議定書及び日・ニュージーランド租税条約は、両国間の経済関係の現状等を適切に反映することを目的として改正したものでありまして、主な内容は以下のようなものでございます。 まず、投資所得に対する源泉地国課税の限度税率を更に減免すること、とりわけ日米間では利子一般につきまして原則源泉地国免税となりました。 第二に、条約の規定の適用に関する紛争の解決を促進するとの観点から、相互協議手続の一環としまして、納税者から申し立てられた課税事案が両国の税務当局間の協議により解決されない場合に、第三者から構成される仲裁委員会の決定により解決される仲裁制度を導入いたしました。 第三に、租税の徴収に際しまして、滞納者が国内に十分な資産を有していない場合等に適切に対処するため、相手国の租税の徴収を両国の税務当局が相互に支援する実効的な徴収の共助制度を盛り込んだところでございます。
○宇都隆史君 ありがとうございました。 同盟国である米国ですら、こういう租税の条約を結んでも、その時々においてやはり問題となることが起こり、続けながら改正をしていく努力というのを繰り返していくことが非常に重要だというふうに思っております。 さて、ちょっと今回の国々とは違うんですけれども、こういう租税、国と国との取決めということを考えていくと、どうしても我が国に近いアジアのマーケットである中国とのこの関係はどうなっているんだろうかというのが気になって仕方がありません。この中国との租税条約の話を確認していきますと、大分古くなって、かなり昔に取決めをしていて、現行の、実際に現地で活躍されているいろんな経済界の方々、経団連等々からはこの改正についていろんな要望が上がってきているやにも聞いております。 この件に関して、外務省としては今後どのように取組をされていくおつもりか、お答えください。
○副大臣(松山政司君) 御指摘の日中租税条約の現状でございますが、我が国にとりましては御承知のように最大の貿易相手国でございます。我が国の対中直接投資額及び進出企業数も中国においては第一位でございますように、日中間の経済関係は緊密かつ相互依存的状況でございます。 日中間においては一九八三年に租税条約が締結をされておりまして、産業界からも御指摘のように改正の要望が大変強い状況でございます。これを踏まえて、現行条約の改正に向けてこれまで累次の機会をとらえて中国側と意見交換を行ってきているところでございますが、今後とも租税条約改正に向けた意見交換を引き続きしっかり行っていきたいと思っております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。 現在、日本として各国と結んでいるこの租税条約、国・地域の数でいうと五十数か国をもう超えているというようなお話も聞いております。また、直接投資の約九割方を現行の租税条約等でカバーをし切れているというような話も聞いていますけれども、残り一割の部分、あるいは結んでいる国でもやはり問題点が出ている部分というのは鋭意努力をしながら、現場がより活発な経済活動を行えるように努力をしていっていただきたい、このように思います。 さて、租税に関してはこれで質問を終わりますが、防衛省の方にひとつ残った時間を配分させていただきまして、自衛隊の陸海空の操縦者、固定翼、回転翼、これの割愛制度についての質問を一つさせていただきたいと思います。 これ、ちょうど三年前、民主党政権が誕生してから、天下りの根絶をするんだということで、当時鳩山内閣で閣議決定をされまして、そのときからこの割愛制度というのが完全に止まっているというふうに私は確認をしております。その理由というのが、何かこの割愛制度自体に非常に公的なところから問題点を指摘されただとか、あるいは防衛省の中でこの問題点が出てそれを解決されるまではという話ではなくて、いわゆるこの割愛制度というのが民と官の癒着であったり、いわゆる一般国民に理解をされない形で、天下りという形で誤解を与えるおそれがあるんではないかということで、防衛省が自主的にこれをしばらく凍結しているというふうな認識で私はおります。非常に問題点が多いというふうにこれは思っておりまして、四つの非常な損失をしているんじゃないかなと私自身も認識しています。 一つは、パイロットを育てるというのには非常に大きなお金と時間が掛かってまいります。民間の会社でも一人のパイロットを育てるのにもう物すごい金が掛かるものですから、自社養成というのをできるだけ少なくしていこう、経営努力としてもこういう流れにあります。 例えばですけれども、航空自衛隊を例に挙げれば、F15戦闘機という主力戦闘機がありますが、このパイロット一人まともに育て上げるのに平均で六億のお金が掛かっている。このパイロットが、でも、ある程度年配になると、もう管理職パイロットとして現場では飛ばないわけですよね。でも、一つの操縦者の技量保持者として、公共財という言い方はしたらいけないですけれども、国の財産を使って一つの公共資源だというふうに考えれば、これを埋没させてしまっているという非常に問題があるんではないかな、これが一つ。 あるいは、二つ目考えると、雇用の流出という問題。つまり、自社養成ができないということは、もうでき上がっているパイロットをどこかから連れてくるわけですね。見ていただければ、確認をいただければすぐ分かると思いますけれども、現在国内で運航している大手の会社、二つの大きな会社ありますが、そのパイロットでも海外国籍の、いわゆる外国人のパイロットの数というのは非常に多くなっております。 あるいは、三つ目。そもそもこの割愛制度というのが生まれた理由は、企業がパイロットを欲しい、あるいは回転翼のパイロット、例えば今なんかは救急のパイロットの枯渇なんかが問題にされていますけれども、自衛隊のパイロットに近づいてきてという言い方は失礼ですけれども、引き抜きをするような、そういういわゆる倫理観を欠いた行動を抑制するために国交省と防衛省の間である意味倫理的な覚書を結んで、ある一定の割合をちゃんと民間に出しますからということのこれはスタートなんですけれども、これが凍結されることによってそういう行動がどんどん大きくなるんではないか。 あるいは四点目は、先ほど言いましたとおり、若手のパイロットがどんどんどんどん生まれなくなるというか、育てるチャンスが少なくなるわけですから、どんどん自衛隊の中のパイロットが老齢化していく、このような大きな問題点をはらんでいるわけです。 そこで、防衛省に確認をしたいんですけど、今後この割愛制度を一体どのようにしていくおつもりなのか。今、防衛省で取られている対策の現状についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の割愛制度の停止ですが、これは平成二十一年九月二十九日の閣議における鳩山総理の発言により禁止ということになりまして、それを受けて防衛大臣として当時その禁止の通達を発令したということだと思っております。 御指摘のように、自衛隊のパイロットが精強さを保つという意味でも、私どもとしては、もしそれぞれの企業でパイロットとして活躍していただきたいという要請があれば、これはしっかりとした体制の下に活用していただくことは重要なことではないかと思っております。 自民党の新防衛計画の大綱の策定にかかわる様々な提言もございますし、また今年中に国家公務員に導入されます予定の早期退職募集制度、こういうものを活用しながら、自衛隊パイロットの養成管理を適切に行っていって、もし要望があれば、民間の、あるいは今ドクターヘリも含めて様々な要請がありますので、そういうところにどのような適用ができるのか検討していきたいと思っております。
○宇都隆史君 ありがとうございます。 大臣、今要請があればというお話をされたんですけど、もう現にこれは要請があるんですね。昔からあるんです、ある中でつくられた制度なものですから。 一昨日は、自民党として、今年中に防衛省あるいは内閣の方で策定していただける防衛大綱に対する提言の中にも、いわゆる予備自衛官の制度の大きな見直し検討も含めた上で、例えば航空戦力の予備自衛官というのも含めてしっかりとした検討をしてほしいという提言を総理の方に御報告させていただきました。 是非、いわゆる一般で言われる私腹を肥やすであるとか、あるいは省庁との癒着であるとか天下りとはこれは全く違う話、誰もこれによって損をすることがない、みんながハッピーになる非常に大切な制度ですので、大臣として、もう一言、前向きにこれは検討させていただくというお答えを願えませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 政府として様々制限もありますが、そのことを踏まえながら検討して、防衛省としては前向きに取り組むように努力していきたいと思っております。
○宇都隆史君 ありがとうございました。
○荒木清寛君 まず、日米租税条約改正の経緯についてお尋ねいたします。 これまで我が国が締結してきた租税条約は、米国との租税条約の締結、改正を節目として、新たな考え方や内容を導入してまいりました。そこで、本条約は前回の改正から九年ぶりの改正となりますけれども、どのような事情があり、またどういう経過で今回改正に至ったのか、その点をお尋ねいたします。改正の目的をお尋ねします。
○大臣政務官(若林健太君) 今先生御指摘いただきましたように、九年ぶりとなります日米租税条約の改定議定書でございますが、日米両国間の経済関係の現状を適切に反映することを目的として今回改正を行います。 主要な改正点、四つあるというふうに思います。 一つは、配当について、株式の保有割合にかかわる要件を緩和して、源泉地国免税の対象を拡大をいたしました。 二つ目、利子について、原則、源泉地国免税とするという措置をお互いに確認をいたしました。 そして、三つ目でございますが、条約の規定の適用に関する紛争の解決を促進する観点から、相互協議手続の一環として、納税者から申し立てられた課税事案が両国税務当局間の協議により解決されない場合、おおむね二年以上解決しないと、こういうような場合については、第三者から構成される仲裁委員会の決定により解決される仲裁制度、これを導入することといたしました。 最後に、四つ目、租税の徴収に際して、滞納者が国内に十分な資産を有していない場合などに適切に対処するため、相手国の租税の徴収を両国税務当局が相互に支援する徴収共助の対象を滞納租税債権一般に拡大をする、徴収事務をお互いに円滑にするということを決めさせていただいたものであります。
○荒木清寛君 一点目のこの配当の免税要件の拡大の点についてお尋ねしますが、現行の条約は、一定の親子会社間の配当について源泉地国で免税とすると。その要件として、議決権株式の所有割合五〇%超を十二か月以上継続所有するという要件ですが、今回の改正案ではこれを、株式の保有割合を五〇%以上、保有期間を六か月以上というふうに緩和というか拡大をするわけです。 五〇%超というのを五〇%以上にするというのは本当に僅かな改正、まあ数字上は僅かなんですけれども、今回この配当の免税要件を拡大するに至った意義、また具体的に何社程度がこの要件拡大の恩恵を受けることができるのか、そういう推定があれば教えてください。
○政府参考人(山田淳君) お答えいたします。 今委員御指摘のとおり、持ち株の割合要件、更に保有期間等をそれぞれ緩和いたしまして、日米間で合意に至った次第でございます。こうした今回の改正によりまして、更に多くの日本企業が配当源泉地国免税の特典を受けることが可能となり、日米両国間の投資、経済交流が一層促進されることが期待されると思っております。 ちなみに、米国は親子会社間での配当免税を租税条約によって導入する場合でも、持ち株割合要件を八〇%以上とするのが通例となっております。したがって、今回の改正によりまして、我が国の企業は他国の企業に比べ米国への投資によってより一層有利な状況に置かれることになると考えております。 実際に恩恵を受ける企業の数でございますが、何分企業の投資行動はその時々の経済金融情勢を始めとする環境によりまして大きく左右されますものですから、具体的な数字をお示しすることはいささか困難がございます。公表されている資料等によりますと、少なくとも数十社程度が差し当たり対象になり得ると思われますが、いずれにしましても、企業の投資行動の予測はいろいろ困難な部分もございますので、具体的な数字をお示しすることは難しい点、御理解いただければと思います。
○荒木清寛君 次に、先ほど若林政務官から、日米租税条約に、徴収共助について滞納租税債権一般にまで拡大をする、こういう改正案の内容の説明がありました。この徴収共助をそこまで広げる意義と、また、今後、国税庁におきましては、こうした条約の改正をどのように運営をし、生かしていこうと考えているのか、お尋ねします。
○政府参考人(山田淳君) 今御質問のありました徴収共助でございますが、これは自国に認められた執行管轄権を超えて租税債権の徴収を行うことにいろいろ制約があります中で、各国の税務当局が租税条約に基づき互いに相手国の租税債権の徴収に協力することでございます。 現行の日米租税条約における徴収共助の規定は、条約に基づく租税の減免がこれを受ける権利を有しない者により享受されないことを目的とする場合に限定して徴収共助を行うこととしております。しかしながら、この規定は、昨今のグローバル経済の進展において滞納者による財産の国外移転が一層容易となる中で、滞納租税債権を実効的に徴収する手段としては今や不十分なものとなっております。 こうした観点から、今般、徴収共助の対象を滞納租税債権一般に拡大するとともに、徴収共助の実施のための要件、手続等を新たに規定することといたしました。 実際の運用につきましては、国税庁の方にお願いいたします。
○政府参考人(岡南啓司君) ただいま外務省から御答弁がありましたように、現行の日米租税条約の徴収共助の規定では、条約の特典を濫用した場合に限って徴収共助を行うこととされておりますが、今回の改正により、今後、そうした場合に限らず、包括的に我が国からアメリカに徴収共助を要請することが可能となりまして、税の適正な徴収に資するものと考えております。 今後、国税庁におきます具体的な対応、運用としましては、まず準備段階におきましては、こうした包括的な徴収共助の導入に向けまして、アメリカの税務当局と要請の具体的な方法あるいは徴収した金銭の送金方法などの具体的な実施手続について協議を進めていくこととしております。 また、国税部内におきましては、実際に実務を担当する部署の特定、あるいは、これらの部署に対する具体的な指示などの所要の体制、通達の整備などを行うこととしております。 また、条約が発効した場合には、国際的な徴収回避行為に対処するという日米租税条約の改正の趣旨を踏まえ、条約等の規定に基づき適正に対処してまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 次に、日・ニュージーランド租税条約の改定についてお尋ねいたします。 今回、この改定におきまして徴収共助の規定がこの日・ニュージーランドにも盛り込まれました。また、今日議題になっておりますマルチの枠組みであります税務行政執行共助条約にもこれが盛り込まれているわけでして、そうしますと、今後我が国が締結、改正していく租税条約にはこの徴収規定がもう一般的にスタンダードとして盛り込まれていくという、こういう理解でよろしいか、お尋ねします。
○政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。 ただいま委員から御指摘の徴収共助の規定でございますが、これは、滞納租税債権を実効的に徴収するための手段として有効なものでございます。国際的な脱税、租税回避行為への対処に資すると考えております。 政府としては、二国間の租税条約の新規締結、改正交渉を鋭意行っておりますが、こうした交渉におきまして御指摘の徴収共助の規定についても積極的に取り上げてまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 最後に、外務大臣にお尋ねします。 冒頭言及しましたように、米国との租税条約の締結、改正を節目として、我が国はこの各国との租税条約に対して臨んでまいりました。そういうエポックとなるという意義があったわけですけれども、そうしますと、今回の日米租税条約改正は全面的な改正ではありませんけど、先ほど来お話がありました新たな内容が追加されているわけでありまして、今回のこの改定が今後締結する租税条約の新たな日本としての、日本が締結する場合のスタンダードとなると、このように考えてよいのか、今後、我が国が締結する他の租税条約に与える影響についてお尋ねいたします。 あわせて、先ほどから、投資規模では九割程度の国際取引を租税条約でカバーしているということでありましたけれども、しかし、それはそれとしまして、着実にこの租税条約の締結、またバージョンアップに向けて積極的に取り組んで、我が国企業の海外進出、また二重課税でありますとかタックスヘイブンでありますとか、そう言われている問題についてもきちんと取り組んでいくようにしてもらいたいと思いますが、大臣の決意を最後にお尋ねします。
○国務大臣(岸田文雄君) 今般の日米租税条約改正議定書ですが、この内容としまして、利子一般についての源泉地国免税、滞納租税債権一般を対象とする徴収共助規定の導入等が含まれていますが、こうした規定はこれまでの我が国の二国間租税条約には盛り込まれていない内容です。これらの内容は、両国間の投資交流の促進ですとか国際的な脱税及び租税回避行為に対する効果的な対処等の観点から、大変重要だと考えています。 政府としましても、今後、米国以外の二国間の租税条約の新規締結、改正交渉におきましても、両国間の投資交流の状況を踏まえつつ、これらの内容について是非積極的に取り上げていきたいと考えております。 そして、今後の租税条約締結の方針ですが、二国間の経済関係や我が国産業界のニーズ、あるいは脱税及び租税回避行為への対処に関する国際的な協力といった諸点、こういったものを総合的に勘案しながら、租税条約のネットワーク、しっかりと拡充していきたいと考えております。今後とも積極的に取り組んでいく所存でございます。
○荒木清寛君 終わります。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 今日は、租税、脱税防止の関係の協定が多いわけですが、私は、今日は常に脱税と裏腹の関係になるマネロンの問題についても質問してみたいと思っています。 まず、今日、法務省刑事局長、お越しいただいていますが、連日報道されていますオリンパスの利益隠し事件の概要をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(稲田伸夫君) お尋ねは、本年六月十一日に、オリンパス株式会社の代表取締役らと共謀して虚偽の記載のある有価証券報告書を提出する金融商品取引法違反の犯罪行為をした会社役員ら三名によるその犯罪収益の隠匿の件かと承知しております。 これにつきましては、今申し上げましたように、六月十一日に東京地方検察庁が被疑者三名を逮捕したわけでございますが、その被疑事実といたしましては、この三名が共謀の上、今申し上げました金融商品取引法等違反の犯罪行為の報酬として支払われた現金合計約二十二億円につきまして、その取得につき事実を仮装するとともに、これを隠匿するため、外国籍の法人等名義の外国銀行の預金口座を経由させるなどしながら、外国籍の基金名義の外国銀行の預金口座に送金させ、その際、各送金について契約に基づく報酬等正当な支払であることを装い、もって犯罪収益等の取得につき事実を仮装するとともに、犯罪収益などを隠匿したということで逮捕したというふうに承知しております。
○小野次郎君 いわゆるマネロン事件だと思うんですが、報道では二十二億円、今金額も局長言っておられましたけれども、リヒテンシュタインのペーパーカンパニーの口座に入金したと言っていますけど、詳細はいいですけど、話の流れはそういうことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(稲田伸夫君) 先ほど申し上げましたように、六月十一日に逮捕したばかりで現在捜査中でございますので、詳しい事実関係についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、今も申し上げましたように、外国の銀行の預金の口座に送金したことということで逮捕しているところでございます。
○小野次郎君 そうすると、その外形事実というのは、当然脱税の疑いというのも視野に入ってくるんじゃないかと思いますけど、どのように認識されていますか。
○政府参考人(稲田伸夫君) 今の重ねてのお答えになって大変恐縮でございますが、六月十一日に逮捕した事実について現在捜査を行っているところであると承知しております。 これもいつも申し上げているところでございますが、検察当局といたしましては、適切に法と証拠に基づき、ある証拠関係に基づいて対処していくものというふうに考えております。
○小野次郎君 否定されなかったんで、それ以上はお答えしづらいんだと思いますが、じゃ警察庁に、室城部長にお伺いしますが、昨日マネロン対策を話し合う有識者懇談会初会合を開いたというニュース、報道されていましたが、どういう点について検討を進めるお考えなのか。私は、今日の文脈からすれば、是非海外を利用してのマネロンの防止対策も検討を進めていただきたいと思うんですが、部長からその認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(室城信之君) マネーロンダリングの手口、対応の高度化、FATFにおける第四次勧告の採択など、マネーロンダリングを取り巻く内外の情勢が変化しているところであり、これに対応するためには、マネーロンダリング対策にかかわる新たな制度の検討が喫緊の課題となっております。 そこで、我が国のマネーロンダリング対策に資する顧客管理の在り方などについて幅広い視点から検討するため、昨日、六月十二日に有識者懇談会の初会合を開催いたしました。具体的には、他人名義の口座や実態のないペーパーカンパニーがマネーロンダリングに悪用されているなどの問題点について対応策の検討を進めてまいる所存でございます。
○小野次郎君 ここで大きな論争をするつもりはありませんけど、一方で、そういう顧客管理の問題、あるいは口座の管理の問題って、九九%の一般の人、私たちも含めてですけど、そんなに大きな金額を扱うわけでもないし、何かすごく意図的に悪用するというわけじゃない人たちにはここ十年ぐらいどんどんどんどん不便になってきている、やたらいろんな規制が掛かってきている。 だけど、大きなところで、その二十二億円みたいなやつがすぽんすぽんと海外へ出ていく方を何とかできないかというのは普通の人の感覚だと思うんですが、今部長、私の方から海外を利用したマネロン防止対策についても検討していただけるんですかと聞いたら、答えはないんですけれども、検討しないんですか。
○政府参考人(室城信之君) お答え申し上げましたとおり、実態のないペーパーカンパニーなどにつきましては、国外においてそういうものが存在しているという事実もありますので、当然そういうものも視野に入ってくるというふうに考えております。
○小野次郎君 それでは、この分野っていろんな省庁にまたがっているので、金融庁も今日来ていただいていますから、じゃ金融庁にお伺いしますが、こういった不法収益の移転で海外が出てくるというのは、実は、このマネロンという言葉はこの十数年しか使われていないんですけど、もう終戦後、いろんな大きな事件、ほとんどそうですよね。何か巨額の金が、あるときはハワイに行っていたとか、あるときは東南アジアへ行っていた、ケイマン島とか出てきているので、それはもう手口としては非常に古典的な手口なんですけれども、この不法収益移転に関して、海外での銀行口座の開設とか日本からの送金に関して、そもそも未然防止というか抜け穴防止策というのは考えられないんでしょうか。
○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。 不法収益の移転、いわゆるマネーロンダリングの防止に関しましては、警察庁が所管しておられます犯罪による収益の移転防止に関する法律、いわゆる犯収法に基づき金融機関においても対策を講じておるところでございます。 具体的には、例えば、日本からの海外向けの送金などのような場合も含めまして、金融機関の窓口におきまして口座開設の際とか送金の際には本人確認を行う、あるいは取引目的の確認を実施すると、こういうことを行ってございます。 それからもう一つは、金融機関におきまして、顧客との間で犯罪収益の移転と疑われる取引、いわゆる疑わしい取引を発見いたしました場合には、金融庁を経由しまして警察に対してこの取引に関する情報が伝達されまして、捜査機関におきまして捜査に活用されると、こういうことになってございます。 その意味では、金融庁としても、警察を始めといたします関係省庁と十分連携をして、こういった海外送金などの局面におきましてもこのマネーロンダリングの防止に努めてきていると、こういうふうに考えております。 ただ、例えば、先生おっしゃいましたように、海外におきます銀行口座の開設など、国内との送金ということにかかわらないような局面になりますと、海外の法制度の壁ないしはその調整などの難しい論点や課題もあるのは事実でございます。 こういった状況もありますので、金融庁といたしましては、今回の検討の場におきましても、金融界あるいは警察を始めといたします関係省庁と十分連携をさせていただきまして、犯収法に基づく措置が確実に実施されていくようにしっかり改善ないし取組を行っていくということと、それからさらに、新たに取り組むべき課題があるということでございますと、所管省庁だけでなく、例えば外国為替及び外国貿易法を所管する財務省その他関係する省庁とも協力して必要な対策について私どももしっかり検討を進めてまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
○小野次郎君 次に、オフショア対策について話を進めたいんですが、その前に室城部長にお伺いしますが、二、三年前にたしかFIUが金融庁から警察庁に移っていますよね。このFIUの機能、今どういう仕事をされているのか、ちょっと説明していただきたいと思うんですが。
○政府参考人(室城信之君) お答えを申し上げます。 日本のFIUにつきましては、警察庁組織犯罪対策部の中に、違法収益を監視する犯罪収益移転防止管理官という組織をつくっております。これが日本におけるFIUでございますけれども、犯罪収益移転防止法に基づきまして、疑わしい取引の届出というものを関係の事業者からいただいております。これを分析し、さらにその内容に基づきまして捜査機関に情報提供する、あるいは外国のFIUの機関と取決め等に基づきまして情報交換をするという業務を行っているところでございます。
○小野次郎君 MOUというんですか、外国のFIUとの申合せというのは、どれぐらいの国との間にそういうMOUは成立しているんですか。
○政府参考人(室城信之君) 外国の関係当局の間で、それぞれが保有する疑わしい取引に関する情報を積極的に交換をするということをやっているわけですが、これまでに五十六の国や地域と情報交換の枠組みを設定し、情報面の協力を行っているところでございます。
○小野次郎君 さっきのオリンパスの事件ではリヒテンシュタインという国名が出ました。去年かおととしに、AIJの事件のときはケイマン島の口座がいっぱい名前出ましたけれども、今日また、この脱税防止のための協定は、ジャージー、ガーンジー、これはみんなオフショアで有名なところですけれども、こういうところとはこのMOU、今言ったジャージー、答えられるところだけでいいですけど、ジャージー、ガーンジー、それからAIJのときのケイマン島、それからオリンパスで出てきているリヒテンシュタイン、こういうところとはMOUあるんですか。
○政府参考人(室城信之君) 本日御審議をされている協定の締結国でありますジャージー及びガーンジーともこうした協力関係を構築すべく、情報交換の枠組み設定に向けて関係省庁と連携をしてまいりたいというふうに考えております。
○小野次郎君 ちょっと今の答え、意味が分からない。
○政府参考人(室城信之君) 失礼しました。 今御指摘ありましたケイマン諸島あるいはリヒテンシュタインにつきましては、それぞれ情報交換枠組みを既に設定しているところでございます。
○小野次郎君 ということは、このケイマンとリヒテンシュタインとはあるけれども、ジャージー、ガーンジーとはこれから関係官庁とも連携しながらそういう提携していきたいと、そういう趣旨でよろしいですか。
○政府参考人(室城信之君) そういう趣旨でございます。
○小野次郎君 ありがとうございます。 それじゃ、このマネロンに関しては、これは脱税だけじゃなくて、常にこういったオフショアの国というか、地域の場合もありますけれども、諸国・地域が出てくるわけですが、マネロン対策ではFATFなどの枠組みが先駆的に進めていますけど、このオフショア対策というのは、FATFなんかのマルチの世界でもいいし、日本とのバイの関係でもいいんですけれども、どんなマネロン防止、あるいは捜査協力、情報協力のどちらの面でも結構なんですが、対策が取られてきたのか、お話を聞きたいと思います。
○政府参考人(室城信之君) お答え申し上げます。 近年、犯罪にかかわる収益の流れ、ますますグローバル化しているところでございまして、警察としましては、国境を越えた不正な資金の流れを解明する、マネーロンダリングの摘発に努力をしていきたいというふうに考えております。 そのため、先ほど申し上げましたが、これまでに結んでいる情報交換の枠組み、各国・地域と連携をしまして情報面の協力を行い、それに基づいて徹底した摘発に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小野次郎君 ジャージー島というのは、シェルブールの沖に、もうフランスのすぐ目と鼻の先にあるイギリス王家の領地と言われているところですけど、今日恐らくこれから採決になって、見通しとしてはこの脱税防止の方の協定は上がっていくんだろうと思いますけれども、是非、先ほど部長お話しになっていましたけど、関係省庁と連携も、もちろん外務省等との連携を図りながら、このマネロン対策の方でもこういったループホールというんでしょうかね、対策を取れないところ、穴に悪いお金とか人とか情報がたまるというのは、世界の犯罪対策の趨勢ですから、そういう穴を埋めていくということが非常に大事だと思うんで、このジャージー、ガーンジーについても、なるべく速やかにマネロン対策の方も進めていただくよう、外務大臣もお聞きいただいたと思いますので頭の隅に置いていただきたいと思いますが、答弁は結構ですけれども、政府の積極的対応を求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○佐藤公治君 短い時間の中で、生活の党、佐藤公治、質問させていただきたいかと思います。 まず、もう事前に七つの質問を投げさせていただいており、一番目が税務行政執行共助条約への署名が遅れた理由、二番目が今回税務行政執行共助条約及び改正議定書に署名した理由、三番目が国際的な脱税及び租税回避行為に対する我が国の貢献、四番目が租税に関する情報交換協定の締結状況と情報交換の実績、その効果、五番目が租税に関する情報交換協定締結の今後の方針、六番目が日中租税条約の改正について、七番目が日台間の租税に関する取決めが存在しない理由、この七点を、質問要旨を投げさせていただきましたが、全部質問できるとは思いませんが、大事なところを、お互いの質疑の中できちっと議事録に残しておくべきことをこの十五分間の間で皆さん方々とお話合い、議論を、答弁をお願いできれば有り難いかと思います。 そこで、まず最初に、税務行政執行共助条約は一九九五年四月一日に発効していますが、我が国は本条約及び改正議定書に署名したのは二〇一一年の十一月三日であります。なぜこのように我が国の署名が遅れたのか、その理由をお伺いいたしたいかと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 税務行政執行共助条約ですが、各国の税務当局間における租税に関する情報交換、そして徴収共助及び送達共助の枠組みについて定めるものですが、一九八八年に署名開放されてから後、政府は、本条約を締結し徴収共助等を国内で実施するために、必要な外国租税債権の優先権の否定ですとか徴収共助の拒否事由等、様々な国内法令の整備に向けて関係部局で検討を行ってきました。そして、その後、近年、特にG20の場等において、脱税及び租税回避行為に対処するための取組の重要性がハイレベルで確認されてきております。 こうした国際的な要請や動きも受けて、政府としては、本条約を締結すべく、平成二十三年十一月に本条約に署名し、国内法令の整備を平成二十四年度税制改正において措置をした、こうした経緯をたどりました。
○佐藤公治君 今、答弁、大臣がされましたが、衆議院の外務委員会の五月十七日における答弁とほぼ同じような状況だと思います。 それはそれでいいんです。ですが、この中で私がちょっと気になったというか注目したのは、やっぱり優先権の否定といったこと、これに関して非常に興味を引かれたというか疑問を持ったことがあり、過去の議事録をいろいろと読み返してみました。 一九九二年の四月十七日の衆議院の外務委員会における政府答弁というのがございます。ちょっとそこを読ませていただきたいんですけれども、徴収共助条約が今後に占める位置付けにつきましては、先生のおっしゃられるとおりだと思います。それで、それに関する、今現在政府部内で検討中でございますが、その考え方を適宜御説明を申し上げますと、本条約で問題というと変ですが、本条約では、要請の国の租税というものに対して優先権が与えられておりません。国税債権の私債権に対する優先権というものが与えられていないという問題があります。そうしますとどういうことが起きるかといいますと、外国からその外国の租税債権を我が国に依頼してきた場合に、優先権を持って執行できないということになるわけでございます。つまり、我が国税務当局が、滞納者が納税を拒否しても、差押え、換価処分ということを行えないという、問題点と言っていいかどうかということがずっと答弁としてございます。 何を意味しているのかというと、この優先権が与えられていない条約がためにこれには入れないという問題があった。しかし、今日こうやって審議をしている中で分かることは、この優先権を国内的措置によってなくす、否定をするということをしてきたということ。 つまり、私が言いたいのは、いろんな国内的な法律の整備ということで時間が掛かったということ、社会環境が変わってきたということもあるのかもしれませんし、それは当然だと思います。しかし、一番大事なところというのは、実はこの条約において、優先権を国内法においては有していたんですけれども、それを否定する措置をしたということ。つまり、当時は優先権がなかったがために入るのを多少拒んでいたというか考えていたということに、これには取れるように思えるんですね。そうすると、優先権に対する考え方が大きく変わった、変えたということになる。 私は、細かいことを言っているようですけれども、何も余りにも意地悪なつもりで言っているんではないんです。私がお願いしたいことは、実は、大臣が分かっていればお答えください、しかし、本来こういった条約というのは割とスルーに国会の中で、立法府、流れてしまうところがある。そういうところのやはり大事な部分というのをきちっともっと丁寧に説明をしていかなくてはいけないんじゃないかということだというふうに私は思うんですね。この優先権が当時と今とでは、その国、これは財務省の方にも聞かなくてはいけないことかもしれませんが、変わったということを丁寧にやはり説明をして、この条約に関する賛同というか承認を国会にて得ていかなきゃいけないというふうに私自身これを見ていて思ったんですよ。 だから、何も、ちゃんとレクを受けていないんであれば、それはそれでいいんです、もうしようがないですから。ただ、私が言いたいことは、この条約に関しては我々立法府においてとかくスルーになりがち、それはもうスルーになるようなものもあるかもしれません。でも、中には大きく方針、方向転換をしていることがこうやって入っているのに、そこをきちっと説明をせずして進めること、進んでしまうことというのが私は余り好ましいことではないと思います。 と思いますけれども、大臣、どうお考えになられるのか、ちょっと御意見なり御所見をいただけたら有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の点、こうした重要な点についてしっかり説明責任を果たすべきだという点、これはもうごもっともなことであります。 そして、具体的に御指摘いただいた点につきまして、これは国内におきます様々な議論が行われました。そして、外国租税に優先権は不要だという考え方、これについて、政府税調においての議論も経た上でこうした考え方を確定した、そして国内においてこうした方針をしっかりと確認した上で今回この協定の審議をお願いしている、こうしたことでありました。 こういったことにつきましても、是非しっかりと説明責任を果たすべく、今後とも努力をしていきたいと考えております。
○佐藤公治君 おっしゃられるとおり、政府税調等々でこの優先権に関しての話があったということで、きちっとそういった手続なり議論を経て今日まで来ていると。そういったことをきちっと説明を流れとしてしていく必要があるんではないかと。この優先権ということに関しては、じゃ、なぜ今まで我が国に優先権があって、それが否定をするようなことになったのか。これ結構私は大きな問題だというふうに思う部分があり、それの説明というのをきちっと誠実にしていただくことが大事なんではないかという、私にとって指摘なんです、私が今日お話ししていることは。 ですので、そういったことで、とかく、この条約というものに関しての議論の仕方、承認の仕方、在り方、これは私、この外交防衛委員会でも前に指摘しているんですけれども、ついついスルーぎみになりがちなところ、雑になりがちなところ、こういったところをきちっと、やはり議論すべきその土台を政府の方で説明なり提示をしていただくことが大事なんだというふうに思います。 この件はこの程度にしまして、もう時間がございませんが、先ほどの問題点、質問の中で、情報交換協定の効果ということでお聞きをいたしました。 ジャージーとガーンジーとの租税協定は、国際的にタックスヘイブンに対する監視網を構築する必要性が高まったことから、情報交換に、内容に特化した租税協定を締結し租税回避行為を防止する、いわゆる情報交換協定であります。これまでケイマンを始めとするタックスヘイブンと呼ばれる国・地域と情報交換協定を締結してきましたが、これまでの協定によりどの程度の情報交換が行われてきたのか、また、それはどの程度租税回避行為を防止することに寄与したのか、その効果を、先ほどの要旨の中で結構です、大くくりで大ざっぱになるかもしれませんが、御答弁願えれば有り難いかと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が締結しております五十六の租税条約におきましても、全て情報交換規定が設けられております。そのうち、バミューダ、バハマ、英領ケイマン諸島、マン島、リヒテンシュタイン及びサモア、この六の国・地域との間では租税に関する情報交換を主な目的とする協定、締結をさせていただいております。そして、実績、効果ですが、国税庁が公表している資料によりますと、租税条約の租税情報交換規定に基づき、平成二十三年度に約五十六万件の情報が交換されております。 政府としましては、この租税に関する情報交換のための協定を締結し情報交換を実施することによって、国際的な脱税及び租税回避行為への対応、そしてこれらを行う者に対する事実上の抑止効果に貢献していると認識しておりまして、引き続き情報交換ネットワーク、拡充していきたいと考えております。 来週開催されますG8のロックアーン・サミットにおきましても、この租税回避、脱税防止、これが議題として取り上げられる見込みになっております。我が国としましても議論に貢献する考えでおります。
○佐藤公治君 今のお話と多少ダブる部分もございますけれども、情報交換協定締結の今後の方針ということで少しお話も入っているかと思いますけれども、今回はジャージーとガーンジーとの協定でありますが、この後、例えば、先ほどもお話がございましたサモアとの情報交換協定に署名し、バージン諸島、中国マカオ特別行政区などの情報交換協定について基本合意がなされておると聞いておりますが、政府は今後もこうした情報交換協定を積極的に締結していこうとされているというふうに思いますが、それに、先ほどのお話にプラス、その方針をより具体的に何かございましたら、御答弁願えれば有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、この租税に関する情報交換のための協定、こうしたものをこれからも積極的に締結をして、情報交換の実施によって国際的な脱税及び租税回避行為への対応、そして事実上の抑止効果、しっかりと発揮をしていきたいと考えております。かかる協定を締結して情報交換ネットワークを拡充することをしっかり行うことによって、今申し上げましたような効果、目的を達成していきたいと考えております。引き続き積極的に取り組みたいと存じます。
○佐藤公治君 もう時間となりました。済みません、日中、日台間のこのお話は、また機会がありましたらお答えを願えれば有り難いと思います。 これにて終わらせていただきます。
○山内徳信君 私は、防衛大臣に最初にお伺いいたします。 二年後の二〇一五年には日本が敗戦から七十年の歳月を迎えます、これは二年後でございますが。そこで、十五年にわたる日中戦争とかアジア太平洋戦争というのがあったわけです。ところが、政府として権威のある、まあ権威のあるという言葉を使っておきますが、その概要とかあるいは実態が分かるような統計数字とか、そういうものがまとまっていないと私は受け止めておるわけでございます。したがいまして、是非、全体像が把握できるように、あるいはそういう全体像から日本のこれからの国づくりに教訓になるようなのもあろうかと思います。そういう観点から、防衛省の中に独立した調査機関を設置をされて、そういう作業を進めてほしいと、こういうふうに思っておるわけでございます。 これはやはり戦争を遂行してきた政府の責任だろうと思っております。是非そういう作業にも取り組んでいただきたいというのが私の質問でございます。見解を承りたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員の、さきの大戦の教訓、これを今後の政策や国づくりに反映してほしいという御指摘は大変重要な御指摘だとは思っております。これをどこで検討するかということを含めて、政府内含めて考えなきゃいけないことなんだとは思いますが、今までちょっと、御質問あるかなと思いましたので、少し調べさせました。政府としても、例えばどれだけの予算が費やされたかとか、あるいは国内外における犠牲者の数とか、そういうことについては総務庁が日本長期統計総覧という中でまとめておりますし、また、防衛省の中にあります防衛研究所で編さんをしました戦史叢書等にもまとめられておりますので、様々な分野で既に調査研究というのが進められているというふうに思っております。 防衛省の中にこのための調査委員会を設置すべきかということでありますが、今日、今御提案がありました、現時点で設置するという予定は取っておりませんが、どのようなことで今後調査研究が行われるか、望ましいかということは私どもとしても考えることだと思っております。
○山内徳信君 私も、関係省庁で断片的に、その省庁に関する部分はその省庁にあると。例えば戦死者の資料は以前の厚生省にあるわけですね。あるわけです。そういうふうに承知しておりますが、日本政府としてこの種の問題にきちっと調査をしたという対応はないわけです。 そして、国家予算の何割が戦費に使われていったのかと、そういうのも明らかにしていきますと、これはすごい調査結果になると思いますし、戦後生まれた若い人々やこれから生まれてくるそういう未来の子供たちにとっても意味のある調査結果になると思っておりますから、すごく規模の大きい仕事になりますから、是非政府の中におかれましても、防衛大臣を中心としてそういう調査活動が実現できるように御尽力を賜りたいと思います。 決意のほどを伺っておきましょう。
○国務大臣(小野寺五典君) かなり時間もたっておりますし、恐らく、なるべく資料を保存しているということだと思いますが、この内容が政府見解として何か政府として出すのが適切なのか、あるいは研究という中で、研究者を含めた中で出すのが適切なのか、どこがやるべきなのか、そういうことも含めて考えていくことだと思っております。
○山内徳信君 私も、独立した調査委員会というのは、防衛省だけではこれは荷が重過ぎると思っています。したがいまして、その道の専門家とか大学の教授たちとか、そういう第三者も含めまして、行政も学識経験者も含めて調査委員会がスタートできたら有り難いということでの今日の問題提起でございます。 次に進めてまいりますが、三月二十日はイラク戦争開戦からちょうど十周年を迎えました。イラク戦争へ派兵したアメリカ以外のイギリスとかオランダなどにおきましては、この派兵の是非をめぐる検証作業が独立した調査委員会をつくって進めておるわけでございます。 そこで、日本においてもそういう調査委員会を設置し、日本なりの立場からの検証作業が必要だろうと思っています。あれほど拳を振り上げたブッシュは大量破壊兵器があるからと、これが開戦の目的の一つになっていたわけですね。しかし、実際は大量破壊兵器はなかったと、こういうことが表に出てきたわけです。日本は十次にわたって自衛隊員を派遣しました。そして、それは当然第一線なのか後方なのかの論議は国会でもありました。そして、当時の小泉首相の答弁もありました。 私が申し上げたいのは、そういうふうに、十次にわたって派遣したが一人の死者も出さなかった、そういう戦場の近くまで行っても犠牲者を出さなかったということは、これは調査としてまとめて結果を出していくと面白いといいますか、非常に日本の政治の他の国と違いが歴然としてくるわけでございます。 そういうことで、そういうふうに一人の犠牲者も出さなかったという、それは一体何に起因しておるのか、その謎解きを是非伺っておきたいんですが、どうぞ、これはお二人の大臣から一言ずつおっしゃってください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、イラク戦争につきまして各国で議論や検証が行われているという点について御指摘がありました。様々な国々において検証、議論が行われているということ、承知しております。 検証につきましては、そもそも、人道復興支援のみを行った我が国と各国を同列に論ずる、あるいは同一基準で論ずることの難しさはあると思います。しかし、我が国としても、外務省として検証を行って、昨年十二月にこの検証のポイント、発表をさせていただいております。 そして、一人の死者も出さずこうした任務が遂行されたということについてどのように考えるかという御質問でありますが、我が国はイラクの国家再建支援のためにイラク人道復興支援特措法に基づいて自衛隊を派遣いたしました。イラクの再建と平和と安全の確保に寄与したと考えておりますが、その際に、自衛隊、訓練を積み、そして自己完結性と危険を回避する能力を有し、情報収集あるいは安全体制に万全を期しながら活動を展開いたしました。こうした自衛隊の活動と併せてODAによる支援、これを車の両輪として地元イラクの方々の理解を得られるように努力をした、こうした努力も相まって任務を遂行できたものと認識をしております。
○国務大臣(小野寺五典君) 自衛隊が担った任務というのは人道復興支援に関することということで、特に、様々に現地で活動するに当たっては地元の族長を含めた地域としっかりと連携を取るということも大切だということで、今日おりますが、佐藤大臣政務官が当時第一次の派遣で現地でも活動されたことは私どももよく承知をしております。 そういう現地の状況を確認をし、そして様々な配慮を行い、そして何よりも日本の人道復興支援ということがこれは住民の皆さんにも広く知れ渡ったこと、こういうことが総体となって今回このような成功裏に復興支援が行われたということだと認識をしております。
○山内徳信君 私たちは一人の犠牲者も出さなかったということは、政治の上でも行政の上でも誇りにすべきだと思います。そのバックボーンになったのは現在の日本の憲法だと思っておるわけです。したがいまして、憲法の枠の中で特措法を作って派遣をしていったわけですね。そこは今後も大事にすべき視点だと思います。 次に進めてまいります。 新防衛大綱が論議されております。そういう一連の動きの中で敵基地攻撃能力保有論も浮上しておりますが、私はこういうことは慎重でなければいかぬという立場です。日本側が高射砲を一発撃ったらアメリカからの撃ち返しは何百発、何千発というふうに沖縄に撃ち込まれたわけです。それをすぐ思い出すんですね。一坪に弾が九発撃ち込まれたという計算なんです、沖縄の島においては。 そういう体験から私は、もう時間もありませんから項目を申し上げますが、専守防衛の国是を放棄することになるんです。敵の基地を想定して、そこにこっち側からどんどん撃ち込むということは、これは専守防衛ではなくなってしまうわけです。 それから、憲法の平和主義、戦争を放棄した憲法九条にもこれは抵触をするし、九条を実質的になし崩しに、今もそういう感じはしますが、これ以上のなし崩しはこれは国民の立場から許せないと思います。 三番目に、中国や韓国を敵に回すことになりますよ。敵基地攻撃能力を保有するといってそういう準備に入りますと、アジアを敵に回してしまう。アジアとの関係をこれ以上悪化させてはいけないと思っております。どの国との関係も悪化させてはいかぬのですが、とりわけそういう近隣アジア諸国との関係は、これから立て直しに入らなければいけないときに、また敵基地攻撃能力云々という言葉が表にどんどん出ていくと、これは大変な事態になると思います。 そして、四番目でございますが、敵基地攻撃能力の保有は、これは時代錯誤の発想だと思います。 本当に心静かに慎重にこのことは検討していきませんと、ここまで進んでしまったら、日本の政治の悪いところは、一旦走り始めたら後戻りはできないという発想に立っておるところが怖いんです、日本の政治は。別の国は後戻りしたりするわけですね。アメリカはベトナム戦争も反省をしたわけです。ベトナム戦争は間違っていたと、こういう結論を出したんですね。ブッシュも大量破壊兵器はなかったと。そういうふうに謙虚さが必要だと思います。是非、敵基地攻撃能力保有の云々は慎重でなければいかぬということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 答弁は結構でございます。
○委員長(加藤敏幸君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とジャージー政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、租税に関する情報の交換及び個人の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とガーンジー政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とポルトガル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、租税に関する相互行政支援に関する条約及び租税に関する相互行政支援に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュージーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤敏幸君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、六件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤敏幸君) 次に、北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件及び食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、平成二十四年二月に東京で開催された北太平洋漁業委員会の設立のための条約の準備会合において採択されたものであります。 この条約は、北太平洋の公海における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保を目的として、北太平洋漁業委員会を設立するとともに、締約国が同委員会で定める保存管理措置をとること等について定めるものであります。 我が国がこの条約を締結することは、このような目的に積極的に協力し、及び我が国の漁業の安定した発展を図るとの見地から重要であります。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、平成十三年十一月にローマで開催された国際連合食糧農業機関の総会において採択されたものであります。 この条約は、食料及び農業のための植物遺伝資源に関し、その保全及び持続可能な利用のために締約国がとるべき措置を定めるとともに、その取得を容易にし、及びその利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分するための多数国間の制度の設立等について定めるものであります。 我が国がこの条約を締結することは、我が国の作物育種の推進に資するとともに、食料及び農業のための植物遺伝資源の保全及び持続可能な利用のための国際協力を一層推進するとの見地から重要であります。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(加藤敏幸君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会