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183回国会衆議院2013/04/16

予算委員会 第23号

発言数
320
登壇者
51
会派数
7
開催日
2013/04/16

会議録

山本有二自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  この際、新藤総務大臣及び茂木経済産業大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。新藤総務大臣。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○新藤国務大臣 四月十二日の予算委員会第二分科会の開会に間に合わなかったことにつきましては、大いに反省し、おわびを申し上げます。今後、さらに注意をしてまいる所存でございます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、茂木経済産業大臣。

茂木敏充自由民主党経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)

○茂木国務大臣 四月十二日衆議院予算委員会第七分科会の審議において、民主党三日月委員及びみんなの党井出委員の質問の際に、当方の意図が質疑者にうまく伝わらず、一時退席しましたことについて、おわび申し上げます。      ————◇—————

山本有二自由民主党

○山本委員長 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁警備局長高橋清孝君、総務省自治行政局長望月達史君、外務省大臣官房審議官山上信吾君、海上保安庁長官北村隆志君、原子力規制庁次長森本英香君、防衛省地方協力局長山内正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 これより外交・安保等についての集中審議を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田義昭君。

原田義昭自由民主党

○原田(義)委員 おはようございます。御紹介賜りました、自由民主党の原田義昭でございます。  外交、安全保障の集中審議ということで、限られた時間でありますけれども、質問、また政府からしっかりとした回答をお願いしたい、こう思っております。  安倍総理、政権交代して四カ月がたちます。いろいろ経済指標等で順調なところへいっておりますけれども、また、この予算審議、本予算が間もなく成立をさせていただきましたら、それを踏まえて、さらにこれらの経済指標、順調なところを本格的なものにしなければならない、こう思っておりますけれども、その辺の心構え、これを聞かせていただきたいと思っております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 大胆な金融緩和、そして機動的な財政政策、そして民間の投資を呼び込む成長戦略、この三本の矢でデフレから脱却をして、力強い成長軌道に乗せていくことを目指しているわけでございますが、そのためにも、一日も早く、地域隅々まで、その景気回復、実感が行き渡るようにしていかなければいけませんし、所得が上昇する、そういう状況をつくっていかなければならない、このように考えているところでございます。  おかげさまで、景況判断についても、街角景気ウオッチャーの判断も、数値をとり始めてから過去最高値を記録しているわけでございまして、昨年の十一月から比べて四三%の上昇があるわけでございます。  その意味においても、我々はさらに景気回復を加速させていきたい。特に、地方で頑張っている皆さんが、頑張っていてよかった、そう思っていただけるような状況をつくっていきたいと思います。

原田義昭自由民主党

○原田(義)委員 きょうは外交、安全問題の集中審議でございますので、まず、TPPの問題、環太平洋経済連携協定についてお話を聞きたい、こう思っております。  約二年半にわたって、この問題は国民的な大議論となりました。三月の十五日、安倍総理のリーダーシップ、決断によりまして、日本は参加するということについて方向が決まったわけであります。自来一月間、いろいろお聞きしますと、政府の中の対策本部でしっかりとした対応をしておるということをお聞きしております。きょうも朝、自民党の本部におきまして、その中間報告も行われたところであります。  実は、この週末、私の地元福岡県で農業者の団体の大会がありまして、そこでは、やはりこのTPPの行く末については非常に心配しておるというようなトーンで議論が行われたわけであります。  先週の金曜日、十二日に、日米の事前交渉が行われたと一斉に報道されていたわけでありますが、この報道によりますと、アメリカへの自動車関税がしばらく維持される、こういうふうに決まったというふうに伺っております。  私どもは、アメリカへの日本の譲歩が先に行きまして、果たして、安倍総理が心配されていた、また約束された、例えば、国益をしっかり守る、さらには、農業の主要品目、五品目と言われておりますけれども、そういうものは絶対守るんだ、こういう約束が本当に守られるんだろうか、譲歩することばかり先になって、それは大丈夫だろうかという声が大変あるわけであります。  また、かたがた、万が一、これらの国益、さらには農業のセンシティブ品目の守り方が悪い場合には、場合によっては交渉を途中で離脱することも辞さない、これが私どもの約束だったような気がいたします。  いずれにいたしましても、このTPPの今日、またこれからにつきまして、アメリカとの実質交渉も進んでおるようでありますし、諸外国への働きかけも進んでおるようでございますけれども、今日までの状況とこれからの心構え、そして、大変、国民の多くが、これは農業者ばかりでなくて、医療関係者もしかりでありますし、福祉関係者の方々もしかりでありますが、この辺について、安倍総理の決意、心構えをお聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 委員は通商政策の専門家でいらっしゃいますから、その観点から御質問いただいたと思います。  TPP交渉については、三月にシンガポールにおいて第十六回の交渉会合が開催をされました。二〇一三年中に交渉を妥結するというTPP交渉参加国の首脳の希望を達成するため、議論が行われ、一定の進展があったというふうに聞いております。  今回の日米の合意でございますが、TPPへの交渉参加に向けて大きく進展されるものであった、こう認識をしております。確かに、米国の自動車関税について、直ちに廃止をされるということ、撤廃されるということではございませんが、一方、最終的には撤廃をされることが確認されたということについては、日本にとってはこれは大きな前進であった、このように思いますし、また、日本には一定の農産品についてセンシティビティーが存在することが明確に確認をされておりまして、国益を守る合意であった、このように思います。  正式参加後は、強力な交渉チームによって、国益を確保するために全力を尽くしていきたい、このように決意をいたしております。

原田義昭自由民主党

○原田(義)委員 次に、今、日本の外交で最も大事なものの一つに、中国との尖閣諸島を挟んでの議論がございます。  これについて、我が国は、当然のことながら、古来また固有の領土であるということは二義なく主張しているわけでありますけれども、実は、中国も、これについて似たようなことを発言しておる、こういうことでございます。  あわせて、このところ、中国の公船、私はこれは軍艦の一種だと思っておりますけれども、公船が、接続水域のみならず、あろうことか領海にまで出没しておる、これがもう常態化しておるというようなことについては、これは極めて異常なことであって、私どもも、これはゆるがせにできない問題だろう、こう思っております。  両方の国の言い分が違う場合に、それぞれが言い合うと、これは最終的には水かけ論じゃないかというような議論にもなりかねません。  それで、私はきょう、たくさんの資料を用意してきておりますけれども、まず、資料の一を見ていただきたいと思います。  これは年表でございますけれども、この年表によりますと、一八九五年一月に日本はこの島を日本の領土として編入した、こういうことでございます。さらに、下の方に行きますと、一九七一年六月に台湾が、その主権、領土に対する権利を主張し始めた。十二月に中国が、この尖閣諸島への権益を主張し始めた、こういうふうになっております。  この間、七十五年間でありますけれども、それぞれの国は、まさに彼らが日本の領土だということを十分認めた上で、いろいろなエビデンスを残しておるわけでございます。ですから、私どもが二義なく、これは自分の領土だ、日本の領土だということは疑っていないわけであります。  資料をきょうはたくさん用意しておりますが、時間の関係で、まず資料の一。  これは一九五三年一月八日付の人民日報、これに、琉球諸島は我が国の、これは中国ですね、台湾東北部及び日本の九州南西部の間の海上に散在しており、尖閣諸島云々云々の七組の諸島から成ると。要するに、これは中国の人民日報が、これは日本の琉球諸島の中に入っているんだということを証明しているわけでございます。  資料の二を見ていただきます。これはもう地図で見てのとおりでございますけれども、一九五八年に中国で出版された世界地図集、一九六〇年に第二次印刷がなされておりますけれども、これを見ても、紛れもなく、黒い境界線の東側、日本の側に、尖閣諸島、魚釣島、これが入っているということであります。  この二例だけ見ましても、むしろ彼らの国が、中国が、これは日本の領土だということを認めておる。証拠として、そういうものと言われているわけであります。  あと七片ほど既にお手元にはお配りをしておりますけれども、いずれも、中国また台湾が、尖閣諸島については日本の領土だということをはっきり認めておるわけでございます。ただ、中国政府は、一九七一年以降、これは自分たちのものであるということを主張し始めたわけでございまして、この事実をしっかり踏まえてもらわなければいけない、こういうふうにまた思っているところでございます。  去年の秋の国連総会で、当時の我が野田首相がこの問題をしっかり取り上げました。これは日本の領土であると。それに対して、中国のヨウケツチ外交部長、外務大臣が、これについて直ちに反論いたしまして、これは日本が中国の領土を盗み取ったんだ、こういうひどい表現をもってこれについて反論をいたしました。しかし、やはり言い方があると思いますけれども、非常にこの問題を歪曲してそういう発言をしておることに対しては、日本としては断固として歴史的事実を示さなければならない、こういうふうにまた思っているところでございます。  イェーリンクというドイツの法哲学者が十九世紀に、一寸の領土を諦める者は全部の領土をとられる、こういうようなことを言ったことがございます。これは、権利への闘争という、大事な有名な出典の中で出てきておるわけでありますけれども、とにかく、領土というのはどんなことがあっても守り抜かなければならない、こういうことを言っておるところでございます。  私は、この問題は、しっかりと国としても取り上げてもらわなければならない、しかも中国側にはその部分を徹底的に主張する、こういうことが必要ではないかと思うわけでございます。  もう一つ大事なことは、私は、領土領海省というものを内閣の中につくるべきだ、こういうことをかねがね訴えてきております。これは、日本が国際社会の中で、私は、この領土、領海をしっかり守り抜くことによって、国内の問題ではなくて、国際社会に対しても日本の存在を明らかにさせられる、こういうことを思っているところでありまして、一つは、国民に対してそのことをしっかり意識づける。当然のことながら、国際社会に対して、この領土、領海を持っているということで、日本の権益をしっかり守り抜くということ。さらに、こういう地域には、メタンハイドレートだとか、さらにはたくさんのガス田が眠っているところでございまして、領土、領海をしっかり守り抜くという意味では、国民挙げてこの意識を持たなければならない、こういうふうに思っているところでございます。  いずれにいたしましても、日本として、この問題は、尖閣諸島も含めまして、いかにこれを主張し続けるかということが大事なことだと思いますけれども、総理、これに対して力強い御決意をお願いしたい、こう思っております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 委員御指摘のとおり、日本は一八九五年に、国際法上確立された手続にのっとって尖閣諸島を日本の領土に編入させたわけでございまして、他方、中国及び台湾が尖閣諸島について独自の主張を始めたのは、一九七一年のことでございました。先ほど委員によって図表で提示をされましたように、それまでの間は一切主張していなかったわけでございますし、彼らのまさに、例えば人民日報においては日本の領土であることを認めているわけでございます。  なぜ急に彼らが主張を始めたかといえば、これは、一九六八年秋の国連機関による調査の結果、東シナ海に石油埋蔵の可能性があるとの指摘を受けて尖閣諸島に注目が集まり、そして彼らが領有権を主張しているということであります。  七十六年間の長きにわたって、中国及び台湾は、尖閣諸島が日本の領土であることに何ら異議を唱えていなかったのでございます。  このことについては、昨日、ケリー国務長官との会談において私からも指摘した点でございますが、まさに尖閣諸島については、歴史上も国際法上も我が国の固有の領土であることは明らかであって、領土問題は存在しないとはっきりと申し上げておきたい、このように思うわけでございます。  いずれにせよ、昨日のケリー国務長官とも一致をいたしましたが、力による現状変更をしようとする試みについてはしっかりと反対をしていくということで日米は一致をしているわけでありますが、力による変更は決して許してはならず、法による支配、秩序をアジア太平洋の地域に確立していくことこそが地域の平和と繁栄に資するものである、このように思う次第でございます。  安倍政権においては、日本の領土、領海を断固として守っていくという決意でございます。

原田義昭自由民主党

○原田(義)委員 総理の力強い決意を承ったところでありますけれども、とにかく、この日本の狭い領土、その中に豊富な海洋資源も埋まっておるところであります。そういう観点から、ぜひとも力強くこのことを主張し、かつ、中国、台湾に対しては、今までの歴史的経緯をむしろこちらの方からしっかり説明することによって、この地域を再び平和な海洋地域に戻していただきたい、心からお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて原田君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤茂樹君。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。  きょうは十六分間、総理並びに閣僚の皆さんに御質問をさせていただく時間をいただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。  時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思うんですが、まず最初に、私は、北朝鮮の挑発的な言動に対して、日本政府としてどう対策をしていくのかということについてお聞きをしたいと思います。  北朝鮮が、最近、日本を含む国際社会に対しまして許しがたい挑発的な言動を繰り返しているわけでございます。昨日また一昨日と、アメリカのケリー国務長官が来日をされまして、昨日は総理、また一昨日は岸田外務大臣と外相会談をされたというようにお聞きをしております。  その中で、私ども、報道で認識しておりますところは、まずは北朝鮮にしっかりと自制を求める、その上で、北朝鮮の核保有というのは絶対に容認できない、非核化を進めていく、そのために日米連携して進めていくんだ、そういうことで認識を一致されたというように私は承っているわけでございますが、この北朝鮮の自制を求める方策として鍵を握ってくるのは、現在の国際社会の中ではやはり中国だと私は認識をしております。  やはり北朝鮮に対して最大の支援国でありまして、北朝鮮から見て、貿易も六五%は中国に頼っておりますし、また、中国は六カ国協議の議長国でもありまして、私は、北朝鮮に対しての影響力とまた責任から見ても、中国にもう一歩前向きな責任を果たしてもらわなければ、北朝鮮の自制というのはなかなか難しいのではないかと。  というのは、国際社会の歩調が合わさって、国連決議二〇九四なども決議されたにもかかわらず、北朝鮮は累次のこういう国連決議にも耳を傾けようとしておりませんし、ましてや、自分自身が署名をした六カ国協議の合意文書にも背いて、核をもう一度、原発も含めて再稼働させようというような、そういう動きを見せているわけでございまして、ですから、私は、中国に対して、日米あるいは日米韓がしっかりと連携をして、もう一歩北朝鮮に対して自制を求めるような、そういう働きかけをぜひ日本政府としてやるべきだ。  ただ、日本としては、今、日中関係はなかなか、民主党政権時代から悪化したまま、直接、政治対話をできるというような状態にはなっておりません。ですから、ここは日米韓、連携して、中国に、北朝鮮に自制を求めるような、そういうことをしっかりとやるべきではないかと思うんですが、昨日、ケリー国務長官とも会談されて、総理として、今、この北朝鮮の挑発的な言動を自制させるための方策としてどのようなことをお考えになっているか、御見解を承りたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 ただいま佐藤委員が御指摘をされた対北朝鮮への姿勢が、まさに安倍政権の基本的な姿勢でもございます。  中国は国連安保理の常任理事国であり、そして、今御指摘をされたように、六者協議の議長国でもあるわけでありまして、なぜ議長国になってもらったかといえば、北朝鮮に対する大きな、恐らく国際社会の中では圧倒的な影響力があるわけでありますから、この影響力を生かして北朝鮮を正しい方向に導いてもらおうという我々の願いを込めて、議長に就任をしていただいたわけでございます。  現在も、残念ながら北朝鮮は挑発的な言動、行為を続けているわけでございますが、非核化を進めていく上においても、ミサイル発射をやめさせる上においても、中国にその影響力を行使してもらう。そのために、日米あるいは日米韓で協議をしながら中国に働きかけを行っていくことは重要であろうと思います。  そういう観点から、先般、ケリー国務長官が、訪日をする前に、中国に訪問をしたわけでございますが、中国に訪問する、その前の段階で、岸田外務大臣とも入念な協議をした上において訪中をしているわけでございます。  この成果が出るかどうかというのは、しばらく推移を見守る必要はあるわけでございますが、米国から、中国の影響力を行使すべく、働きかけは今行っているわけでございまして、何とか北朝鮮がこうした挑発的な行為をやめるように、非核化に向かって進んでいくように、我々も努力をしていきたい、このように考えております。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 私は、ぜひ、まずは外交手段で北朝鮮を自制させるということが第一義的に何よりも大事だと思うんですが、しかしながら、北朝鮮の出方というのは予測不可能でございまして、万が一弾道ミサイルを発射するというような無謀な行為に及んだ場合に備えまして、やはり日本政府として、国民の生命と財産を守るために万全の体制をとっていただかなければならない、そのように私は考えているわけでございます。  今回のこの弾道ミサイル、発射された場合の対応というのは、今までに比べて非常に難しいところがあると私は認識しております。過去に、人工衛星打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを撃ったケースが、二〇〇九年、二〇一二年とありますけれども、これは事前通告をしておりました。ですから、発射時期及び着弾点、コース、こういうものがほぼ予測をされた段階において対応ができたわけでございますが、今回、恐らく最後まで、そういうことは北朝鮮はやってこないんだろう、そのように思いますし、ましてや、今言われているムスダンだけではなくて、日本が射程に入るノドン、あるいは韓国が射程に入るスカッド、こういうものを複数発射する、そういう可能性も今、浮上してきているわけでございます。  今まで、弾道ミサイル防衛システムの精度については、防衛省において発射試験をされて、海上配備型システムのイージス艦からは四回やって三回成功しておりますし、またPAC3は二回やって二回とも成功している、こういう結果は聞いておりますが、これは今回のような複数発射などの複雑なことを想定していない中での試験でございます。  ですから、国民の中に不安があるのは、本当に北朝鮮が無謀な行為に出てきたときに、しっかりと今の弾道ミサイル防衛システムで国民の生命財産が守り切れるのかどうか、こういう不安があろうかと思うんですけれども、防衛省として、今考えておられる、これは大丈夫だ、そういうふうに言えるのかどうかということと、もう一つは、やはり着弾点がどこかによって対応も変わってくると思うんですね。日本の領域なのか、あるいはアメリカの領域なのか、いや、日米領域のどちらでもない、日米の領域外であるということにおいて、対処方針が日本政府としても当然変わってくるんだと思うんですが、この弾道ミサイル防衛システムの精度と、あるいは日本のこの弾道ミサイルへの政府としての対処方針について、防衛大臣に御答弁をいただきたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 佐藤委員おっしゃるとおり、今回、北朝鮮のミサイル事案については、発射台づき車両、これが中心で、今、私どもは警戒監視を行っております。ですから、どこから、いつ、どこに撃つかということが、実は明らかでない中で対応させていただいております。  我が国のBMDシステムというのは、SM3搭載イージス艦と、ペトリオット、PAC3によって、多重防御という形をとらせていただいています。ですから、関西に展開しておりますSM3で万々が一のことがあったとしても、PAC3、これでしっかり対応できるということで、対応させていただいております。  また、実は発射時点におきまして、これは十分以内で日本に来るわけですが、速やかに、どの位置に来るかという予測ができます。そのことを踏まえて、政府内でしっかり検討、判断をしていきたい、そのように思っております。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 私は、それで、現実の問題として、今そこにある危機として、北朝鮮が弾道ミサイルで、日本に向けて発射してくる、また、これからもおどしをしてくるという、この可能性にとどまらず、アメリカの国防総省の中での分析については評価が分かれるところでありますが、近い将来、北朝鮮がこのまま放置されれば、核兵器を小型軽量化して、ミサイルの先に、弾頭に積めるような、そういう技術を開発してくる可能性もあるわけです。  そうなると、非常にやはり我が国国民の生命財産が脅かされる事態になりかねないわけでありまして、私は、弾道ミサイル防衛システムについてはやはりこれから前倒しして強化していく必要があるのではないか、そのように考えております。  今、アメリカと共同開発をしておりますSM3ブロック2Aという能力向上型のスタンダードミサイル、これが実戦配備されるまでに少し時間がありますが、これが配備されれば、相当、イージス艦の対応能力というのは向上するかと思うんですけれども、それまでの間でも、私は、現行のシステムでも相当強化が進められる部分があるんじゃないかと思います。  今、PAC3の部隊というのは十六部隊ありますけれども、これは、PAC3自体がもともと射程が短いということで、全国くまなく守り切れるということはできませんけれども、しかし、ある程度の方面の中心が守れるようにやはりしていく必要があるんだろう。今回、沖縄の方に浜松から移動させることは私は妥当だと思うんですが、しかし、それにしても、過去にミサイルが飛ばされた東北などは今空白地域になっておりますし、ましてや北海道の方にも、そういう部隊はありません。  ですから、PAC3のそういう配備状況というものも前倒しして、やはり強化しなければいけませんし、イージス艦も、今、スタンダードミサイル搭載のイージス艦というのが四隻でございます。これが、民主党政権の二二大綱では六隻にふやすということなんですが、こういうイージス艦の隻数も早急にふやさなければいけませんし、また弾数ですね、SM3の弾数もやはり早急にふやさなければいけないと思うんですが、こういうものをぜひ防衛大綱や中期防で、見直しの議論の中で、弾道ミサイル防衛システムの強化という視点で、しっかりと議論をしていただきたいと思うんですが、防衛大臣の答弁を求めたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 おっしゃるとおり、今回の事案を考えて、私ども、しっかりとした備えが必要だと思っております。  今、PAC2からPAC3への換装については予算の中に入れさせていただいておりますし、また、イージス艦、新たに二隻についてのSM3対応、これについても予算の中に入れさせていただいております。また、今、日米で協議をさせていただいておりますが、いわゆるXバンドレーダー、経ケ岬に新たに設置することで、今地元に御説明をさせていただいております。  このように備えをしっかりすること、これが一番大切だと思っております。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 ですから、備えをしっかりするためにも、今の話はもう大体認識しております。これからのことも考えて、防衛大綱、中期防をどうせ見直すのなら、やはり日本にとって切実な脅威となりつつある弾道ミサイル防衛強化についてはしっかりとやはり力を入れる、そういうことを、決意を述べていただきたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 大綱につきましては、最終的には、政府全体での御指示ということになりますが、防衛省としましては、ミサイル防衛をしっかり対応していきたい、これは総理のお考えと一緒であると思っております。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 もう一つ、このミサイル防衛システムで、やはり一番、私は、これから、もし検討されるなら検討してもらいたいなと思うのは、第一報がアメリカの早期警戒衛星、これに基づいた早期警戒情報、SEWというものが日本に入ってきて、それから日本が対応するという形になっているんですね。  私は、ここは、日米同盟は大切にしながらも、我が国の国民の生命と財産は最終的に我が国が守る、そういう強い意思と能力を持つ必要があるわけでありまして、最初の第一報の早期警戒衛星も、私は、日本の宇宙技術のレベルからいったら開発はまず可能だと思っておりますし、また、私どもが成立にかかわらせていただきました宇宙基本法、これでは、宇宙開発は「日本国憲法の平和主義の理念にのっとり、」こういう形になっているんですね。  しかし、BMDシステムというのは、閣議決定や官房長官談話でも明確になっておりますが、専守防衛という我が国の日本国憲法にのっとった、防衛政策にかなったものであるというように言われておりますから、憲法上も早期警戒衛星というのは持つことは可能だと私は思うんですが、総理が日本自前の早期警戒衛星を持つことについてどのように考えておられるか、御答弁いただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 ただいま委員が御指摘になったように、日本の安全を守るミサイル防衛システムも、決定的に、アメリカの早期警戒衛星の情報がなければ全く機能しないわけでありまして、その事実をまず我々はかみしめる必要があるんだろう、このように思うわけであります。  そこで、我が国独自の早期警戒衛星を持つとすると相当莫大な予算が要るのも委員御承知のとおりでありまして、その中で、費用対効果の観点も含めまして、現在進められている研究の成果も踏まえて、政府全体として、今委員の御指摘になった論点も含めて考えていきたい、このように思います。

佐藤茂樹公明党

○佐藤(茂)委員 北朝鮮の緊迫した状況はまだ続いております。ぜひ、外交手段でまず自制させることを第一義としながらも、万が一の場合に備えて、警戒監視体制を怠らずに万全の体制を政府としてとっていただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、渡辺周君。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 民主党の渡辺周でございます。  与えられた時間の中で、できるだけ建設的な質問をして、そして前向きな御答弁をいただきたいと思いますので、ぜひとも要点を得て簡潔にお答えいただきたいと思います。  まず冒頭、通告しておりませんけれども、けさの日本時間の三時五十分、午前四時前に、アメリカのボストンにおきまして、マラソンの大会が行われているゴール近くで爆弾が炸裂をした。これは今FBIが調べておりまして、テロのおそれあり、テロ事件ではないか、テロ攻撃ではないかということをFBIは報道によりますと言っているということでございまして、二人が死亡して、八歳の子供も含まれている、本当に痛ましい事件でございまして、百十名が負傷して、六人が重体だと最新の報道では伝えられております。  この点につきまして、現時点で日本政府として何かアメリカから情報を得ているか。そしてまた、今後、これがテロだとすればどのようにして、特に、この数年、邦人が外国において、ことしもそうですけれども、痛ましいこうした事件、事故に巻き込まれることが続いております。邦人に対して注意をどのように喚起していくか。まず、総理のお考えがございましたら、伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 報道によりますと、日本時間の四月十六日午前三時五十分ごろ、米国のボストンで開催中のボストン・マラソンのゴール付近で二件の爆発があった。二人が死亡し、多数の負傷者が出たという情報に接しておりますが、これまで邦人の被害者が生じたという情報には接しておりません。事案の背景等については今現在不明でございます。オバマ大統領も、事実が全て明らかになるまで結論を急ぐべきではない旨の声明を出しているところでございます。  なお、この事案を受けまして、我が国においても、警察は重要施設の警戒警備や人が多数集まる場所における警備対策などの徹底に当たっているという報告を受けているわけでありますが、安全の確保に万全を期していきたいと思っております。  今後とも、在外公館を通じるなどして、鋭意情報収集に当たってまいります。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 ぜひ、邦人の保護に全力を挙げていただきたいと思います。  それでは、安全保障のテーマにつきまして質問をしたいと思います。  今、佐藤委員も北朝鮮の現状については触れられまして、危機意識は共有をしております。  そこで、私も防衛省の副大臣を十三カ月務めました。その際、やはり想定外を想定しておくこと、これが安全保障上どうしてもやっておかなければいけないことであるということを、政権の中で我々も北朝鮮によるミサイル、このときは人工衛星と称しておりましたけれども、経験をしまして、私も、先島諸島にPAC3の配備等々、あるいはひょっとしたら不測の事態によってヒドラジンと呼ばれる毒性の強い液体燃料が降ってくるかもしれないということで、万全を期すための活動をしたわけでございます。自衛隊の皆さんの活動を励まし、自治体の理解を求めて奔走した記憶がございます。  そこで、ちょっと大きな話になるんですけれども、今、北朝鮮が三月の五日、御存じのとおり、北朝鮮の人民軍の最高司令部のスポークスマンの三月五日の発言でありますけれども、一方的に、朝鮮戦争の休戦協定の効力を完全に全面白紙化する、これは三月十一日から行うということを宣言いたしました。そして、三月八日に、祖国平和統一委員会というところが、南北不可侵に関する全ての合意を全面破棄する、朝鮮半島非核化に関する共同声明を完全白紙化するということを宣言しております。  それは、今まで北朝鮮が繰り返してきた挑発的言動よりさらにエスカレートした強い文言であるということは政府も我々も認識をしているところでありますが、その際、ここまで言っておいて、朝鮮戦争、ことしの七月二十七日で休戦から六十年になるわけでございます、長い、今もまだ休戦が続いているという隣国が隣にある。日本の隣にはいまだに休戦状態にある国がある、いつでも戦争が再開できる状況に、指導者の判断いかんによっては起こり得るというところにいる現実を我々は常に脅威として感じているわけであります。  この朝鮮戦争休戦状態の終結、つまりは戦争再開、休戦協定が破棄をされて戦争が再開されるということについては、これは国際法上も含めて、あるいは我が国がどのように判断するかということがまずは大変重要な問題であると思いますけれども、いつ、どのように、誰が、これは破棄された、一方的な北朝鮮の発言によって破棄されたとみなすのか、あるいはその前段階にあるとみなすのか、その点については、どのように今政府内では認識されていますでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 この南北の休戦協定ですが、休戦協定の条項を見ますと、これはどちらか一方で破棄できるという内容ではない形だと、渡辺委員も副大臣を経験されてよく御存じだと思っております。  私どもとしましては、現時点で、このような累次の発言がある中で、今、外交の対応を通じて努力をさせていただいていることだと思っておりますが、休戦協定につきましては、一方的な破棄という形で実は破棄できないというのが協定の内容だと思っております。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 そうしますと、例えば延坪島の攻撃事件も記憶に新しいわけでありますけれども、このような武力行使が局地的に行われたという場合は、今の北朝鮮の一連の言動、さらに、万が一、局地的な何らかの、延坪島に代表されるような武力行使があった場合には、どのように対応しますか。その場合に、日本政府は、アメリカあるいは韓国を含めてどのように判断をして、これはもう休戦協定は破られているというふうに判断することになるのかどうか、その点については何か今検討されていますでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○岸田国務大臣 一般論としましては、国際憲章のもとで武力行使は禁止されており、各種の事案が発生する場合、国連安保理におきまして、平和に対する脅威ですとか平和の破壊ですとか侵略行為の存在、これを国連の安保理において決定するということになっております。  お尋ねのような延坪島砲撃事件のような事案が仮に発生した場合は、攻撃を受けた当該国を初めとする関係国、あるいはその関係国の要請を受けて開催される安保理において何らかの判断が示されるものと考えられます。  いかなる評価が行われるかにつきましては、具体的な態様にもよりますので、一概に今申し上げることは難しいということでございます。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 非常に教科書的なことは、私も政権時代に何度となく読んだわけであります。  平成十一年四月二十六日に、周辺事態の概念についてということが政府見解として述べられております。「我が国の国益を確保する観点から、主体的に判断するものである。」種々の観点から、事態の態様、規模などを総合的に勘案して判断されるということでございまして、つまり、もちろん国連安保理の緊急の参集等があるのはもう承知しておりますけれども、ただ、今、我が国として、この北朝鮮の事態を、この一連の今の動きを見て、何らかの考え方の整理というのは現状していますか。  この場合は周辺事態に当たる、あるいはそのための手続をスムーズにしなければいけないための、もう既に、今回のことを受けて、私は先ほど想定外のことを想定しておかなければいけないと申し上げましたけれども、その点について、今、政府内で何か検討されていますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 こうした想定については、渡辺副大臣時代からさまざまな研究がなされていたというふうに承知をしておりますが、今回の事態については、今までと北朝鮮の言動が確かに違って、相当エスカレートしているという状況であります。  また、ミサイルの発射につきましても、今までは人工衛星というふうに言ってきて、そして海域も、航行制限区域を指定して、ある程度の日時も指定をしてきましたが、今回は、人工衛星ということではなくて、激しい言動の中で、いきなりミサイルを発射するという状況であります。  かてて加えて、ミサイル発射をして、そのミサイルがどこにどう着弾するかということとともに、ムスダンという射程の長いものとノドン、いろいろありますが、これがうまくいかなくて失敗して落ちるということもあります。しかし、失敗して落ちる場合であっても、燃料が飛散することから、相当の被害が出る可能性もあって、それぞれどういう事態に当てはまっていくか、その事態においてはどう対応していくかということについては、政府として、万全を期するために、既にさまざまな検討を行っております。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 いろいろな態様があって、武力攻撃事態というのがあります、これは、直接有事、日本有事。武力攻撃事態の事前の状況について、やはり準備をして予測事態というのがございますね。武力攻撃事態、武力攻撃予測事態、そして周辺事態。こういう言葉は、多分、安全保障用語には今まだないと思うんですけれども、周辺事態の予測事態というか、周辺事態ではないけれどもその予測事態ということも一つの考え方として検討しておくべきだと思いますね。  事が急転直下で急に状況が変わったときに、安保理の決定あるいは手続等を待っているのではなくて、もう既に、関係国、アメリカも含めて、当然アメリカの判断も、これはガイドラインをどう円滑に進めるかによっては必要だと思いますから、私は、周辺事態の予測事態ということも考えておく状況だと思いますけれども、御認識はいかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 まさに、今、渡辺委員の問題意識を持って、今回の事案に対して、政府内において、官邸において検討を進めてまいりました。武力攻撃事態、そしてそのおそれのある事態、そして、その前の緊急事態ですか。  しかし、これは、法的にあらかじめ予測するとおりには、相手があることでございますので、そのとおりにはなかなか動かないという状況もあり得るわけでございますので、その間の、その事態、事態という定義にすぽっとはまりにくい事態もありますので、そのときにどう対処するかということについても、既に議論を行って、どう対応していこうかということについて詰めているわけでございまして、今の御指摘もございますので、今後、どういう区分をしていくかということについても、考え、また研究をしていく必要があるだろう、このように思います。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 ぜひ、想定外を想定しておいて、直ちに対応できる万全の体制をとっていただきたいと思います。  これは一つ例示なんですけれども、アメリカは、北朝鮮がもし攻撃をしてきたら迎撃をするということを既に言っております。言われているムスダンであるならば、射程が二千五百から四千キロですから、本土やハワイには届かない、しかし、グアムには到達をするだけの能力を有しているとされています。  だとするならば、例えばグアムに対する攻撃を迎撃するために、防ぐために、万が一、日本の領土内にある米軍基地から迎撃のミサイルを撃った場合、例えば横須賀にあるシャイローというイージス艦からミサイルを発射した、あるいは日本の領海内から発射をした場合には、これはアメリカの自衛迎撃、自衛行為でありますけれども、この自衛行為ということを日本の領海、領土内で行うことはあり得ると想定をしていますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 具体的な事例についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、あらゆる事態に関して私どもとしては検討をさせていただいております。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 それは、日本の領土、領海内からアメリカの自衛のために米軍が自衛措置をとるということはあり得る、そういうこともあることは、これはアメリカの主権による行動だということで判断してよろしいですか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 具体的な事例についてはここでは差し控えさせていただきますが、それぞれの事例について、そのたびそのたびにおいてしっかりと判断をさせていただきたいと思います。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 攻撃の能力の話であるとかそういうことを聞いているんじゃないんです。それは法的に問題ないか。つまり、主権が二つあるわけですよ。日本の言う主権と、米軍施設という一つのアメリカの管理下にある、施政下にある米軍の施設がある。ここからアメリカのグアム島防衛のためにミサイルを発射する、これは法的には問題あるかないかと。これはどういうふうに整理されていますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 繰り返しになりますが、具体的な例については差し控えさせていただきたいと思います。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 いいですか、私は、この後の質問にも関係するんですけれども、日本の、今、四類型の中の一つ、アメリカに向かっている弾道ミサイルを日本が同盟国防衛のために撃つことは集団的自衛権に抵触をするのではないかと、四類型の一つとして検討をしてまいりました。  日本のミサイルがアメリカに向かう北朝鮮のムスダンを迎撃することは、撃ち落とすことはできないんだけれども、日本の国内にある米軍施設からアメリカがみずからの自衛措置のためにやることについては、それは可能かどうかということについて伺っているんです。  具体的に私は聞いているんです。いや、問題ないなら問題ないと言っていただいて、問題があるならば、お答えいただければ。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 その行動については問題がないということですが、実際、今アメリカが持っているBMDシステム、SM3ブロックに関しては、日本と同じ内容ですので、今、日本が、例えばグアムを射程とするようなミサイルが飛んだ場合、その迎撃システムは日本でも対応できないと同時に、日本の域内にある米艦船も同じ対応になるんだと思っております。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 私は迎撃ミサイルの能力をここで聞くつもりもなかったんですけれども。  では、例えば、SM3じゃなくて、THAADというミサイルが配備をされる。石破幹事長は日本でも配備を検討すべきじゃないかというふうに、これはいいんですけれども、私が言っているのは、一つの法理的な問題として可能かどうかなんです。  では、まさに迎撃できる能力を持っているとする。となると、アメリカが日本の領土、領海内から、グアムに飛んでくる北朝鮮のミサイルを迎撃することになる。その場合に、日本に協力を求められた場合、我々は自衛のための措置をとる可能性がある。ついては日本に協力をしてもらいたいとなった場合は、どんな協力ができて、どんな協力ができないかということは整理されていますでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 既に防衛大臣がお答えをしておりますが、これは渡辺委員御承知のように、今の段階では、いわば、グアムに飛んでいくミサイルを我が国の国内の施設を使って迎撃するという能力もございませんし、それは全く現在では想定をしていない。基本的には、我が国の領域外の海上からSM3で迎撃をする、そして、グアムにあるPAC3でさらに第二弾を撃っていく、そういう構えになっているんだろうと思います。  そこで、では、今の御質問の中で、まさに彼らが発射するミサイル、ムスダンはグアムまで射程に入れています。ノドンはいわば日本を射程に入れているわけでございますが、ムスダンは射程が長いですから、撃ち方によっては近い距離を攻撃することもできるわけでございます。  そこで、いわば今の迎撃体制としては、米側もイージス艦を配備しております。そして、日本側もイージス艦を配備しております。そして、早期警戒衛星は、アメリカの早期警戒衛星から日本及びまたアメリカのイージス艦に連絡が行くわけでございますが、イージス機能はお互いにこれは連結できるわけでございまして、その連結の中で日本のミサイル防衛は機能しているという状況があるわけでございます。そこで、グアムに飛んでいくミサイルについては、基本的に、そもそも米側がそれに対応して配備をしておりますから、それは専ら米側が対応していくということになるんだろうと思います。  しかし一方、我々が、事実上、日本側と米国が協力し合ってこの北朝鮮のミサイル発射に対応しようとしている中において、一切我々が、アメリカがグアムを守るために配備をしている、例えばイージス艦に対する攻撃が起こったときに、我々がそれを阻止する立場にあったとして、それを阻止しなくて果たして日米同盟が維持できるかといえば、これは極めて難しいと言わざるを得ません。  近傍にいる日本のイージス艦及び日本の艦船しかそれを対処できないということになったときに、そこに配備されているイージス艦も、実際、日本の本土を守るための機能の一翼を担っているんですから、それをパスしていいのか。しかも、それをパスした結果、飛んでいったミサイルがグアムに落ちて、邦人もそこで多数死傷する可能性があるんですよ。それを果たして日本が、能力を持っているのにパスしていいのかどうかという問題ですね。  そこで、我々は、安保法制懇において、そのことについて、今までの解釈に余地があるかどうかということを検討していくべきだ、このように思っているわけでございます。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 私も、集団的自衛権が全面的にこれは行使できないというのではなくて、例えばこのような日本の周辺事態において、今、日米共通の脅威となっている北朝鮮から守るために、米軍の行動に対して、アメリカ、米軍の自動参戦装置として地球の裏側までアメリカの自衛のために共同行動するということは、これはできないだろうと思いますけれども、しかし、やはり日本の周辺事態において米軍と共通のオペレーションを行う場合には、それもできないんだということはいかがなものかということについては申し上げておきたいと思うんです。  もう一つ、これは仮定の問題ですけれども、もし万が一、将来、日本上空で迎撃をするということになった場合に、先ほど申し上げたような猛毒性の強い、例えばヒドラジンというのが散布されることがあり得る、降ってくることがあり得る。例えばこういうことが起きた場合、国民保護法というのは発動できるのでしょうか。これは武力攻撃事態等の「等」に当たるのかどうか。このことについて、つまり、日本の頭の上でアメリカの自衛のための迎撃が行われる、その場合、対応可能かどうか、その点を確認したいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 このミサイルの燃料はヒドラジンという猛毒性の燃料であります。かつ、例えば、ムスダンを発射して、それがいわばうまくいかなくて、事故によって日本に着弾した場合は、大量の燃料が残っている危険性があるわけでございまして、このようなケースにおいては、直ちに、国民、地方公共団体等に対して必要な情報提供を行うとともに、関連機関が連携して速やかに現地の状況を確認して、立入禁止区域の設定など、必要な措置を行うこととしております。  発生直後は、警察官職務執行法第四条や消防法の第二十三条など個別法、または災害対策基本法に基づいて行うことになります。  そして、そこで国民保護法制、国民保護法は発動しないかとの御質問でございますが、当該事態が国民保護法が適用される緊急対処事態等に当たるか否かについては現段階で言及することは差し控えたいと思いますが、そうした事態の認定を行う必要があるということでございます。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 検討する必要があるということですけれども、これはもしかして、もしかしてといいますか間違いなく、私たちが今までずっと日本の安全保障のさまざまな経験をしてきた中で、今回のことというのは、ひょっとしたら今まで想定していなかったことも想定をしなければいけない一つの安全保障政策の転換期の中に今ちょうどいるのではないかな、私はそんな思いでございます。  しかも、終わりが見えない中で、北朝鮮のたび重なる挑発。きのう、おとといあたりは少し何か鎮静化してきたのではないかという識者の観測もありましたけれども、しかし、けさの報道を見ていますと、いわゆる生誕記念日が終わって、今度は、何か韓国に対して報復開始を宣言したなんということがありまして、非常に終わりが見えないわけでございます。  もちろん、これは自制を求めるための国際努力をぜひしっかりと続けていただきたいわけでありますけれども、やはり安全保障の問題というのは、想定外を想定しておいてあらゆることを整理しておかなければいけない、そしてスムーズに対応できるようにしておかなければいけないということでありますので、早急に検討していただきたいと思います。  もう時間もなくなりましたので、幾つか用意していた質問ができなくなりますが、一つ、きょうは、拉致問題担当大臣がお見えでございます。  北朝鮮が崩壊した場合、石破さんは先日、「新報道二〇〇一」というところで、今回は実験とも言っていない、防衛出動と言っている、その場合は日本有事なんだろうということをおっしゃって、あわせて、その場合には北朝鮮そのものがなくなるんだと言っておりました。  もし万が一の場合、主権がなくなった、カオス状態、無政府状態になった場合に、今、北朝鮮にいる拉致被害者、連れ去られた人たち、もしかしたら我々の知らない特定失踪者の方々もたくさんそこにいらっしゃるわけであります。その場合、日本が救出の特措法をつくって、私たちは検討しています、北朝鮮崩壊時の緊急事態において救出をする特措法をつくろうと検討は着手しますけれども、何がネックで、何が今救出に行くに当たって課題となっているか。その点は整理されていますでしょうか。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○古屋国務大臣 いざ朝鮮半島有事の際に邦人をどうやって保護するか、それは特措法をつくるべきではないか。実は、委員も御出席をされました、拉致対策本部の中に与野党の連絡協議会がございますね、そのときにも具体的にこの話が出てきました。委員、もう御承知のとおりですね。それで、やはり私としては、その座長として、ぜひ各政党でこの議論、真剣に向き合っていただきたいと思います。  それで、なぜこういった与野党の連絡協議会をつくったかというと、具体的にこういった問題を党派の壁を越えて大いに議論をしていただきたいからでありまして、実は自由民主党は、既に、自衛隊法の改正、具体的には八十四条の三の改正の試案を出して、まあ、結果的に解散になりましたので廃案にはなりましたけれども、ぜひそういったことを、御党とも、あるいはこの拉致問題対策協議会に参加されているほかの政党の皆さんとも連携をして、その可能性について大いに議論をしていただきたい。私、ぜひこれは改めて渡辺委員にお願いをしたいと思います。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 ということは、政府提出法案として出されることはないんでしょうか。それが一点ですね。  そして、主権のある他国に対して日本の自衛隊が救出に行くというのは、これは相手国の受け入れ同意が必要だという話でございますが、もし主権がなくなった国家、つまり無政府状態になった場合に、しかし、そこには、助けを待っている、日本を信じて待っている拉致被害者がいるわけですね。この人たちに対して、日本国として行くに当たって、法律をつくったら行けるのか、それとも行かれないのか、政府として検討されたことはありますでしょう。そのクリアすべき課題というものがあったら、ぜひこの場で御指摘をいただきたい。  そしてその上で、政府として出すのがなかなか難しいのであれば議員立法として出すことも考えられるわけでありますが、重ねて御見解を伺いたいと思います。

古屋圭司自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○古屋国務大臣 ですから、私が先ほど申し上げたように、ぜひこれは議員立法として各政党で真摯な議論をしてくださいよ。ぜひお願いをしたいというふうに思います。  やはり、今、朝鮮半島がああいった緊迫した情勢ですから、非常に時間との勝負であるということもあるんですね。ぜひ、そういう意味では、しっかり、速やかな政党間の議論をしていただきたい、改めてお願いしておきます。

渡辺周民主党・無所属クラブ

○渡辺(周)委員 余り議論をしている時間はありません。もう時間は差し迫っていると思いますので、そこは与野党を超えて、やはり日本国の国益のためにできることはやっていきたい、そのために協力を惜しまないと最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 この際、長島昭久君から関連質疑の申し出があります。渡辺君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長島昭久君。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。  時間が限られておりますので、単刀直入に参りたいというふうに思います。  過日、アルジェリアの人質殺害事件がございました。十人の日本人の方がお亡くなりになってしまった。改めてお悔やみを申し上げたいというふうに思います。  その事件を踏まえて、政府では今、在外邦人の保護を強化するために、自衛隊法の改正をして陸上輸送を可能にするという法案を準備している、こういうふうに仄聞しております。今週の金曜日にも閣議決定がなされる、このように承知をしております。つまり、海外における自衛隊の任務がまた一つふえるわけであります。  これはもう総理も御案内のとおりでありますが、任務がふえるごとにいつも問題になっているのは、派遣された自衛官の安全の確保と、任務を果たそうとしているその自衛官、十分に任務を果たすための権限をきちんと付与されているかどうか。特に、武器使用基準ということが常に問題になってきたというふうに思います。  申し上げるまでもなく、海外における武器の使用に関しては、憲法上厳しい規制が課されてまいりました。それがかえって任務を果たそうとする派遣自衛官の手足を縛ることになって、また、一緒に活動している他国の部隊との連携を阻害するような、そういう事例がしばしば現地の司令官を悩ませてきたということも事実だと思います。  ここに私、ルワンダの難民救援隊の隊長さん、神本さんという隊長さんの手記を持ってまいりました。  これを読ませていただきましたけれども、このときも、任務は付与されていなかったんですが、一緒にエリアで活動していたアムダというアジアの医師団の方々が、ある日ゲリラに襲撃を受けた、そして車両を奪われた、こういう情報が飛び込んできて、自分はきのうもそのお医者さんの責任者と会って、ルワンダのために一緒に頑張りましょうね、こういう言葉を交わした直後だっただけに、この神本隊長さんは、任務は当時付与されていなかったんだけれども、とにかく救い出したいという思いで部隊を派遣して、幸いなことに、行ってみたらそのキャンプは平穏だったということで、すぐに救出してきた、それは全体としては輸送という任務で整理をした。  こういうことでありましたけれども、これはすぐれて今日的な課題なんですね。  今でもPKOを南スーダンに出していますけれども、一緒にNGOの人たちが汗を流しているんですね。国連の職員もその近傍にいて活動しているかもしれない。いろいろな文民の方が自衛隊の周りで汗を流しているんです、企業関係者も含めて。そういう方たちが例えばとらわれてしまったとか、あるいは襲われてしまったとか、そのときに、警護任務を付与されていない自衛隊部隊の司令官は、どうすべきかということを悩むわけです。  ですから、私たちは、政府にいたときに、野田政権のもとで、PKO協力法の中で警護任務というものを付与しよう、つまり、よく言われているところの駆けつけ警護、こういうものを任務として付与しよう、それを遂行するに十分な権限も付与していこう、武器使用の基準も改めていこう、こういうことにチャレンジをしたんですけれども、後でお答えいただくかもしれませんが、法制局が立ちはだかりまして、恐らく、総理も今そんなプレッシャーを内閣の中で感じておられるんじゃないかと思うんですけれども。  そういうことで、きょうは、そういう問題意識を持って、金曜日にも閣議決定される、新たに陸上輸送を任務とする自衛隊法の改正について、改正に臨む総理のお立場から、その姿勢をただしていきたいというふうに思います。  報道によれば、現地の予想される危険や危険を避けるための方策について、外務大臣と部隊を運用する防衛大臣が十分に事前に協議をする、こういう規定が盛り込まれるということのようなんですけれども、しかし、どんなに周到な事前の準備をしても、やはり不測の事態というのは起こり得るわけであります。  このパネルを皆さんごらんいただきたいと思いますが、今の場合は、これは自衛官、そして保護対象の邦人、それに対して不測の事態が生じた、こういう三角形の構造を示しているんです。  仮定しましょう。救出を求める邦人たちが、例えば大使館のエリアの中で救出を待っている、輸送のための自衛隊が到着するのを待っている。そこに、陸上輸送を行うために陸上自衛隊の輸送部隊の車列が近づいていく。まだ到着する前、もう目の前に大使館の敷地が迫っている。そこに、正体不明、国籍不明の武装集団がその大使館の広場に向かって襲いかかってきた。これが三角形の構造でございます。  こういった三角形の構造というのは、周到な準備をしてもなお、常に未知の現場では起こり得る、完全に排除することは私はできないと思うんですけれども、この法案を閣議決定するに当たって、安倍総理は、自衛隊の最高指揮官として、また閣法を出す内閣の長として、このような、今パネルで御紹介したような事態が生じる可能性を常に念頭に置かれるべきだと思いますが、総理の御所見を伺いたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 今回の自衛隊法改正は、あのアルジェリア事件を受けまして、もしあのときに、事実上、アルジェリアが邦人を輸送するということがなかなか困難な状況になっている中において、邦人は日本側が輸送してくださいということになっても日本は能力がないわけでありますから、結果として、例えば英国に頼まなければいけない状況であったのは事実でございます。その反省から、海外で活躍する邦人がああしたテロ等に巻き込まれた場合に救出する上において、当然、日本国政府が責任を持って救出するべきだという中から、陸上輸送も可能にしようということになったわけでございます。  もちろん、受け入れ国の了承がある中において、受け入れ国が安全が確保されているという認識のもとに日本は出すわけでありますが、しかし、安全が確保されているといっても、これは東京の町を走るというのと状況が違うわけでありまして、自衛隊が行かなければならない状況であるのは間違いないわけであります。  そこで、やはり不測の事態が起こるということを想定しながら、今回は、その中において、なるべく自衛隊の諸君が、今、長島委員が指摘をされたような、判断に窮するという事態に陥らないようにしていきたいという考え方の中において、あらゆる状況を想定しながらということでありました。  しかし、実態としては、日本は憲法の強い制約がある中において、武器の使用については、ある程度のこれは前進にとどめざるを得ないという判断をしたということでございます。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 武器の使用についてはおいおい質問をさせていただきたいというふうに思いますが、今総理がお答えいただいたように、事前に周到に準備をしていくということは大事、情報をとるということも大事、万全を期するということは大事、しかし、不測の事態は常に起こり得る、その不測の事態に備えていかなければならない。この三角構造が常に起こり得るという状況であるということ、そういう御認識だということはわかりました。  先日、防衛大臣と安保委員会で少し議論させていただきましたけれども、この邦人輸送の場合は、PKOの中で駆けつけ警護をするのよりも、実はもっと過酷な状況だと思うんですね。PKOの場合は、もう既に現場の状況をよくわかっている、そういう中で、例えばゲリラに襲われた、誰かに襲われた、助けてくれ、そこに助けに行くか行かないかという話ですけれども、この場合は、本当に未知の領域に入っていくわけです。そういう意味でいうと、さらに難易度が高くなっている、こういう認識をぜひお持ちいただきたいというふうに思います。  そこで、防衛大臣にお尋ねしたいんですけれども、今のこのパネルで紹介したような状況、つまり、まだ邦人の皆さんを輸送部隊にきちっと収容していない、その前の段階で邦人に対して武装集団が危害を加えようというふうにした場合、こういう三角構造になったときには、自衛官というのは、輸送車両を待つ日本人の生命を守るために、加害者に対して武器使用を含む対応をすることができるんでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 その状況の場合によって判断することになるんだと思います。  例えば、その邦人がいるところが、ある面では自衛隊員のもう既に管理下にあるような、保護下にあるような距離、近傍であれば、それは当然、対応としてできることになると思います。また、その武力を行使する相手が国または国に準ずる者である場合か否かということも含めて検討する、判断する、そのようなことになると思いますので、ここで全て、一般的にできるできないというお答えは難しいかと思っております。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 今、国または国に準ずる者、組織、こういうことをお話しされましたけれども、つまりは、こういうケースで、相手、ここは正体不明というふうに書いてありますね、国籍も職業も主義主張もわからない、こういう加害者が襲いかかっている状況の中で、この加害者が国または国に準ずる組織である可能性が排除できない場合は、これは、自衛隊は何もしないでそのまま撤退するんですか、それとも傍観せざるを得ないんですか、邦人が襲われていても。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 おっしゃるように、私ども、この自衛隊法の改正を含め、省内でさまざま議論をするときに、今までの憲法解釈の中でどのようなところまで自衛隊としてできるかできないかということ、これはそれぞれの想定で議論をしております。そして、できる範囲のもの、できない範囲のもの、そのことは私ども省内では共有をしておりますが、問題はやはり、それぞれの事態に応じて個別にお答えすることというのは今の時点で難しいということであります。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 つまり、さっき防衛大臣がおっしゃったように、この保護対象と救出に向かっている自衛官、輸送部隊が、輸送部隊の管理のもとに入っていない場合には、残念ながら手をこまねかざるを得ないというのが、今の政府解釈なんですよ、法制局解釈なんです。さっき、総理がそこが問題だというふうにつぶやいておられましたけれども、まさにここが問題なんです。ここを乗り越えないと、本当の意味で、邦人の救助、保護、輸送、これは完結できないんですよ。  皆さんのお手元に、平成二十三年十月二十七日の参議院外防委員会における梶田法制局長官の答弁、これは典型的な答弁でありますが、これに言われているように、我が国の公務員がいわゆる自衛権発動の三要件が満たされる場合以外において武器の使用をすること、これが全て憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当するかどうかというと、そういうわけではございませんで、武器使用の相手方が先ほど言いました国または国に準ずる組織であった場合でありましても、憲法上の問題が生じないという武器使用の類型があるというふうにお答えをしていると。  それが何かというと、タイプが二つある。一つが、自己保存のための、これはPKO法の二十四条に規定されているところでございますと。  自己保存というのはどういうことかというと、PKO法の二十四条三項に書かれていますが、派遣国において平和協力業務に従事する自衛官は、自己または自己とともに現場に所在する他の自衛隊員、隊員もしくはその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体を防衛するためにやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。こういう規定でありまして、自己の管理のもとに入っていない段階では、これは、距離にかかわらず、時間にかかわらず、見捨てざるを得ない、こういう実は残酷な法制局の判断。  もう一つは、武器等を防護するため、自分の身を守るための武器を防護するためには、その限りではない。  こういうことなんですが、今防衛大臣にお答えいただいたように、実際にこういうケースが起こったときに、せっかく行って、目の前まで来ていながら、自衛隊は何もすることができない、こういう答弁がこれまで法制局の中で積み上げられてきたんです。  法制局長官、きょうお見えだと思います。  つまり、この三角形の構造というのは、さっきの梶田法制局長官が答弁されたように、自己保存のための武器使用でもない、それから武器等防護のための武器使用でもない、そういうケースだと思うんですけれども、こういう場合においては、つまり、自己の管理下に入っていない、まだ距離がある、まだ時間的に離れている、そういう状況の中で、この三角構造で、自衛官が、日本人の命を守るためにやむを得ず加害者に向けて必要最小限の武器使用ができるという制度を今の憲法下でつくることに、法制局長官、反対ですか、賛成ですか。

山本庸幸内閣法制局長官

○山本政府特別補佐人 お答え申し上げます。  現在、自衛隊法の八十四条の三のように、これは在外邦人の輸送の規定でございますけれども、輸送の安全が確保されていると認められることを前提に、邦人等の輸送を可能にしております。  この場合の保護に入ったということでございますけれども、邦人の保護のための武器使用を認めているのは、自衛官の職務に関連して当該自衛官と行動をともにし、不測の攻撃を受けた場合にも当該自衛官とともに行動してこれに対処せざるを得ないような立場にある者の生命と身体についても、当該自衛官の生命あるいは身体とひとしく保護しようということでございます。  そこで、こういった武器使用要件を、自衛官の保護あるいは管理のもとにない邦人の安全を確保するという場合に拡大するということにつきましては、そのような武器使用は自己保存のための自然的権利によるものとは言えず、国または国に準ずる組織に対して行った場合には、憲法九条の禁ずる武力の行使に当たるおそれがあるという問題があると認識しております。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 非常にネガティブな御答弁だったというふうに思いますが、これで終わらないんですね、我が国の憲法下における法体系というのは。  実は、警職法、警察官職務執行法第七条、皆さんのお手元に配らせていただきました。  今、自衛官の話をしましたけれども、海上保安官及び警察官についてはどうなっているかというと、この警察官職務執行法は海上保安官にも適用されるんです。二十条一項で、この七条が準用される、こういう規定が海上保安庁法にもあります。  これは、この三角形で、海上保安官、警察官、こういうふうに書かせていただきましたが、第七条、「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」そして、以下の凶悪犯については危害射撃もできる、こう書いてある。  ここで大事なことは、「自己若しくは他人に対する防護」、つまり、今法制局長官がおっしゃった自己または自己の管理下にあるというような制限を超えた、つまり自己保存を超えた武器使用が可能なんですね、この警察官と海上保安官は。  一つ例を出します。海上保安庁長官、お見えだと思いますが、ひとつ伺いたいと思います。  公海上で、日本の領域の外です、公海上で、国籍を持たない船舶に乗っている何者かが、わかりませんね、国籍不明の船が、日本人が乗っている日本の民間船舶に銃撃を加えた。SOSを受けて、海上保安庁が巡視船を立てて現場に向かった。公海上において、海上保安官が乗っている巡視船と、日本人が乗っている船舶と、襲撃主体である船舶という三角構造が起こっている、こういう状況を想定して、二つ質問があります。  一つは、危険が切迫している状況下にあって、海上保安官は、現場にみずから向かい、つまり危険に接近をして、武器を使用してこの日本船舶を防護することができるかどうか、これが一点。それから、その際に、相手方がどういう人か、国または国に準ずる者か何かということを一々調べ上げてから武器の使用に移るかどうか。そこを二つお答えいただきたいと思います。

北村隆志海上保安庁長官

○北村政府参考人 お尋ねの件でございますが、まず、海上保安庁におきましては、先ほど先生がおっしゃられました海上保安庁法二十条一項に基づき準用されます警察官職務執行法七条で、規定に基づきまして、必要な場合には武器の使用ができます。  そして、お尋ねの件でございますけれども、海上保安庁では、もちろん、国籍不明の不審船が日本船舶を襲撃した場合、これにつきましては、この合理的な範囲において武器の使用はできます。そして、その際はどうするかというのは、襲撃されたという外形的事象に基づきまして判断をして行うということでございます。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 外形的な事象に基づいて判断するんですよ。相手が国または国に準ずる者であるとか、そんなことは関係ないんです。これをぜひ御認識いただきたい。  現に、平成十三年の、九州南西沖の工作船の事件がありましたね。不審船で、追っかけていって撃沈して、引き揚げてみたら北の工作船だった、こういうことですよ。まさに国そのものですよ。国に準ずる者でも何でもない、国そのものだったということ。しかし、さかのぼって、この行為は違憲になったわけではないんですね。法制局長官、よく聞いておいてくださいね。  それで、再び陸上の問題に戻りたいと思いますが、幸いにして、助けを求めている邦人の方を車列に収容することができました。そして、いよいよ空港やあるいは港に向けて陸上自衛隊の車列が出発しました。つまり、自己の管理下に入れた段階、その段階で場合によっては襲撃を受けるという可能性は否定できないと思うんですが、その際の武器の使用はどうなっているでしょうか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 管理下にあって、そして自衛隊が攻撃をされるということになれば、自己の防護のために武器使用ができるということになると思います。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 そうですね。つまり、自己保存のための武器使用ということなので、これは認められる。  総理、考えていただきたいのは、今のケースというのは、収容するかしないか、本当に数メートルの差なんですよ。そして、収容できるかどうかというのは、差は本当に数分間かもしれない。その数分間の差において、さっき言った三角形の構造の場合には憲法違反と言われ、しかし、ちゃんと収容して、これが三点ではなくて二点の関係、つまり、襲撃する側と、自衛官のもとに、自己の管理下に置かれた邦人、このケースの場合は合憲なんですよ。  これは本当に紙一重だと私は思うんですけれども、前者は違憲、後者は合憲、これを分かつ法的な根拠というのは一体何なんですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 これは、先ほど法制局長官が答弁したように、憲法九条による制約、いわば海外での武器の使用、海外で武力を行使するということは、必要最小限を超える、量的制限を超えるという解釈であろう、このように思うわけでありますが、しかし、その中において、今回の自衛隊法の改正については、陸上の邦人の輸送、救出を可能にする、そして、安全が確保されている中において我が国が邦人を輸送できるという、そこまではとにかく進んでいこうということであります。  ただ、武器の使用については、これは目的、いわば任務を遂行するための使用ということができないわけでございますから、さまざまな課題、宿題が残ったのは事実でございますし、保護下にない状況において、目の前に邦人がいたとしても、それは武装勢力によってその邦人が襲撃を受けている際には、遠く離れているというか、保護下にないという状況が判断された場合には救出に行けないわけでありますから、やるべきことは、つまり、そこで当局の警察を呼ぶか、あるいは軍隊組織を呼ぶかということであります。  もちろん、自衛隊がそういう能力と装備を持っていながらそれをしなければいけないというのは、私は、それは最高指揮官としてじくじたるものがありますが、しかし、今の段階では、我々はまずそこまでいこうということでありまして、宿題は確かに残っているということは申し上げざるを得ないと思います。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 総理、そこまで御理解いただいているんだったら、これは総理の決断で、法制局長官がいろいろ言っても、乗り越えることができるんですよ。自衛隊の輸送の任務を付与した、一歩前進だとおっしゃるけれども、さっき言ったように、不測の事態に対応できないような任務を付与したって、現場の自衛官が困るだけですよ。海外でいろいろな人が一緒に活動していて、日本人が救出を求めていて、救出できないという状況がわかっていながら現地に派遣するんですか。私は、それはおかしいと思う。  総理がつくられた安保法制懇でも今議論していると思いますけれども、その議論はもう四年前に、この問題については結論ができているんですよ。ですから、あとはもう総理が政治家として決断をされるかされないか、この一点です。もう金曜日に法案が閣議決定されるというんですけれども、あとまだ数日ありますから、総理の責任で、総理の決断で、ぜひこのおかしな法制局解釈を乗り越えていただきたいと思いますが、もう一度お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 現在、安保法制懇において、今のような事態に対して、どこまで本当に憲法が禁止しているのかということも含めて議論をしてまいります。  ただ、過度の負担を自衛隊の諸君に今度の改正案においても与えないように、あらかじめ武器の使用についてはガイドライン等々を決めていきたい、このように思っておりますが、現時点においての立法においては、この宿題は残さざるを得ない、このように考えております。

長島昭久民主党・無所属クラブ

○長島(昭)委員 憲法九条改正もいいですけれども、それから集団的自衛権の行使も私は賛成ですけれども、しかし、これぐらいのモデレートな法制局の解釈を乗り越えられないようでは、私は、安倍政権のもとで、本当の意味での外交、安全保障の戦後レジームの脱却というのは無理だと思いますね。そのことを指摘して、質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて渡辺君、長島君の質疑は終了いたしました。  次に、西村眞悟君。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 西村眞悟です。安倍総理、よろしくお願いします。  私の質問は、自民党総裁たる安倍総理の腹にすとんと落ちる言い方をすれば、日本を取り戻す、その具体的に何をしなければならないか、今できることを問うていくわけであります。  その意味で、これは質問ではありませんが、第一に申し上げるのは、総理大臣が靖国神社に参拝できない国に、日本を取り戻すことはできません。  日本を取り戻すというスローガンを掲げて選挙を戦い、靖国神社についに参拝しなければ、これは羊頭狗肉、結果において国民をだましたことになります。  アーリントン墓地に参拝できて、我が国の、祖国のために命をささげた方の霊が祭られている靖国神社に参拝を無視することは、もはや歴史段階として許されないのです。それほど我が国を取り巻く内外の情勢は、まことに厳しい。  それからもう一つ、日本を取り戻すこととは何か。奪われた国民の祝日を回復することです。  昭和天皇のお誕生日が昭和の日として回復できた。次は、明治天皇のお誕生日が明治の日として回復できるかどうか。文化の日ではない。あの明治という激動を乗り越えた我々の先祖がひとしく仰いだ明治天皇のお誕生日を、明治の日として、国民の祝日として回復することは、歴史を回復することであり、すなわち日本を取り戻すことであります。  これを冒頭に申し上げた上で、次に質問させていただきます。  アルジェリアのイナメナスで、私が必要ならばそこに行くといって赴いた十名の日本人が殺されたわけであります。一月のことでありますが、既に忘れ去られたかのようでございます。しかし、彼らは我が国のプレゼンスを見ることなく、砂漠の中で亡くなっていったわけでありますが、そのときに彼らが知ることができなかった我が国家の中枢、すなわち安倍内閣はいかに対処しておったのかということを、ここで聞いておかねばなりません。  報道では、イギリスのキャメロン首相は、アルジェリアのセラル首相に対して、何かイギリスができることはないかと聞いたと言われております。安倍総理、あなたは、アルジェリアのセラル首相に、何か日本がすることはないかと聞かれたのですか。お答えください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 セラル・アルジェリア首相とは、二度、電話会談を行いまして、私からは、人質の人命最優先での対応や、邦人の安否情報を含め、常時緊密な情報提供を要請して、緊密に連携していくことを申し入れたところでございまして、これに対して、セラル首相から、あらゆる指示を出して最大限の協力をする旨の発言がございました。  一義的には、人質の解放にはアルジェリア政府が当たり、我が国政府自身がとり得るいわば手段には限りがあるわけでございまして、私としても、城内外務政務官を現地に派遣して、私自身もセラル首相と会談したり、アルジェリア側との間で最大限緊密に連携を図ってきたところでございます。  今、西村委員が例として挙げられました英国とのやりとりについて、詳細は私は承知しておりませんが、キャメロン首相と私は電話で会談を行ったわけでございます。英国としては、海外での情報活動、いわゆるオペレーション活動も行っているわけでございますし、英国は、部隊を派遣して、さまざまな特殊部隊が活動する能力を持っている中において、イギリスはその知見と能力の提供ということについて考えていたということは承知をしているわけでございますが、残念ながら日本はその能力がないということは、委員も御承知のとおりであろうと。  その中におきまして、当事者であるアルジェリアに対して、我が国の邦人の保護に対して万全を期していただきたい、そういうお願いをしたところでございます。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 総理、認識を改めていただきたい。我が国には我が国民を救助する能力がないとおっしゃられた。これは認識が、真実を御存じない。我が国にはあります。我が国にはあります。想像を絶する訓練をしている部隊があるんです。特殊作戦群です。  かなり前に、初代群長に聞きました。この訓練をもってする部隊を北朝鮮にいる日本人救出のために使うことができるか、北朝鮮に潜入して日本人を連れて帰ることができるかと言ったら、彼はこう言った、一言。命令があれば必ず行きます、任務を遂行してまいりますと。あるんです。  それで、ないという認識のもとに、イナメナスのテロの現在進行形の中に、我が国には救助する能力がないんだと思っておられたことは、御答弁からわかりました。  それから、先ほどの議論でも、法整備の問題が常に壁のように横たわっておりまして、その法がないからできないんだという議論があります。それで、このイナメナスのテロのときにも、マスコミでは、法整備が急がれる等々が言われていました。  これは、何もできないことの口実なんです。できるんです、法律がなかっても。現実に、やった総理大臣が一人おる。つまり、ダッカ・ハイジャック事件において、収容されておる犯罪人を釈放して、六百万ドルを渡して、テロリストに提供したでしょう。あれは、その法律がなかってもやったんです。それは総理大臣の権限なんです。  あの当時から現在まで、日本はごまかして超法規的措置だとか言っておるけれども、超法律的ではありますけれども、法規的措置なんです。福田赳夫総理はいかなる権限を用いてされたと思いますか。「行政権は、内閣に属する。」という憲法の規定によってやった。超法律的ではあっても、超法規的ではなかった。  そこで、「行政権は、内閣に属する。」という権限は、安倍総理、今、内閣の首班として持っておられる。もう一つ持っておられる。自衛隊の最高指揮監督権を有しておる。  自衛隊の最高指揮監督権と、行政は内閣に属するという、この二つの大原則によって、アメリカ大統領、イギリスの首相サッチャー、イスラエルの首相ゴルダ・メイヤ、彼女は、ブラックセプテンバーがイスラエル人を殺したことに対して、全ブラックセプテンバーの殺害を命令した、そしてそれを実行した。これは、法律があったからやったんじゃないです。総理大臣の権限としてやった。安倍総理もそれを持っておられる。このことは御存じでしたか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 今、西村委員が例に挙げられたダッカ人質事件においての福田総理の判断と、いわば自衛隊という実力部隊を派遣して武力、武器を行使させる、これは大きな違いがあるわけでありますから、当然、法的な根拠に基づく必要があるわけでございますし、派遣される自衛官も命をかけるわけである中において、これは、ちゃんと法的な根拠を与える中においてそう判断するべきだろう、私はこのように思います。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 自衛官は命をかけます。任務を遂行するに当たり、およそ全てが命をかけない国家など存立できないからですね。その最高指揮官であるということを御認識いただいて、先ほどの御答弁では、我が国に邦人を救出する実力部隊がないというような答弁でしたけれども、あると私は申し上げた。  したがって、あす同じようなテロが起こったときに、総理大臣の権限として、法律はないけれども、おまえ行け、死地に赴けという命令を下すことができるということを、危機管理の中枢として御認識いただきたい。  次に行きます。  防衛の基本方針について、一体我が国は、どこを戦場として想定した防衛基本方針を持っておるのかということであります。  津波の発生とか原子力発電所の事故に対しては、大騒ぎをしております。大騒ぎと言うのは悪いですが、頻繁に報道される。そして、千年に一度でも、こういう津波が来たら数十万人が死ぬ、原子力発電所の事故が起きればこうなると大騒ぎをしている割に、我が国の防衛はいかにあるべきかについては全くのんきだと、総理大臣、思われませんか。  北朝鮮の動向一つとっても、今から申し上げますよ。三月五日、北朝鮮は、朝鮮休戦協定の効力を完全に全面白紙化する、それに基づいて、我が革命武力は、国の最高利益を守護するために、侵略者らの本拠地に対する核先制攻撃の権利を行使することになるであろう、任意の瞬間に任意の対象に対する自衛的な軍事行動をとることになるであろうと。  そして、こういう声明が発せられておる。四月十日、日本の全領土は、我が方の報復打撃対象になることを避けられない。四月十一日、弾頭には、ミサイルの先っぽですが、弾頭には目標の座標が正確に入力されておる。そして、四月十二日、その翌日、日本が一瞬でも動きを見せれば、戦争の火花はまず日本で散る。ここまで言われておるんです、総理大臣。  中国は何とぬかしておるか。言いますよ。朱成虎、軍の将軍は、日本、台湾、東南アジアは人口密集の地帯であるから、人口消滅のための核攻撃の対象であると言っている。  ここまで言われれば、総理大臣、総理大臣の責務として、核抑止力を早急に実現させねばならない。千年に一度の津波、原子力発電所の事故、それ以上の確率で、今ある脅威が我が国を襲う確率があるからです。これについては後ほど聞きますが、お答えの前に申し上げます。  我が国の防衛基本方針は、防衛戦争の戦場を国内に想定しておるんです。したがって、有事法制の整備においても、国内が戦場であることを前提として有事法制を考えておるんです。信号が赤のときに戦車がとまるのはおかしいとか。六十八年前の大東亜戦争の教訓で明らかなことは、国内を戦場にして防衛戦争はもはや戦えないんです。国内を戦場にするということは、日本が破滅しているということです。  したがって、結論から申し上げます。我が海洋国家の防衛戦争の戦場は、国内ではない、敵基地の背後。キャプテン・ドレーク、サー・フランシス・ドレークは、無敵艦隊を打ち破った男ですが、イギリスの防衛ラインは海岸ではない、海の上でもない、敵基地の背後がイギリスの防衛ラインであると。  いよいよ、音速の八倍で飛ぶミサイルが我が国に照準を当てておるわけですから、我が国のミサイルからの防衛ラインは、今やっているように、落下物がひらひら落ちてくるのを撃つんじゃない、ミサイルを発射する敵基地を破壊するんです。これが我が国の防衛戦略でなければならない。  答えるよりも、私の一方的なしゃべりになりますが、イスラエルのネタニヤフはこれをやると思う。イスラエルはそれをやってきた。だから、今、イランが原子爆弾を完成させるまで、イスラエルを原子爆弾で狙う国はないんです。  こういうことを考えるならば、我が国の防衛ラインはどこかということについて、我が国の海岸線か、海の真ん中か、敵ミサイル基地の背後かについて、御認識をお伺いできますか。(小野寺国務大臣「委員長」と呼ぶ)あなたでも結構だ。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 お認めいただきまして、ありがとうございます。  今、我が国の防衛の基本方針は専守防衛ということでありますが、自衛権の行使の範囲というのは、地理的な範囲という、我が国の領域内だけでは必ずしもなくて、例えば公海及び公空にも及ぶものであるというふうに思っております。  それから、今御指摘ございました敵基地の攻撃の問題でございますが、これは、政府は従前から、法理上の問題として、ほかに手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地をたたくことは、憲法に認める自衛の範囲内に含まれるという考えを示させていただいております。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 専守防衛というのは、言葉を私は出さなかったんだ、わけがわからぬから。しかし、大臣が今、地理的範囲じゃないと言われた。ということは、我が国は、海を渡った、敵基地を破壊するための防衛行動をとることができるということ。  今、ミサイルのことだけ言われたけれども、空軍はどうですか。戦略爆撃空軍じゃなかったらだめでしょう。F15に乗ったとき、飛び上がって五分たったら太平洋と日本海が同時に見えるんだ。こんな狭い国土で、国内から飛び上がったF15が国内の敵に爆撃するなんて考えられない。  でありますから、我が国の防衛ラインは地理的に我が国内に限定されるものではない。そして、我が国内が戦場になれば、その戦場は、東日本の、二年前の津波に襲われたような惨状を呈するわけでありますから、有事法制もへったくれもなくなってくるんだ。法秩序がもう破壊されているから、戦場では。  したがって、我々は、国外が戦場であるというふうな前提に立って防衛戦略を考えた場合は、総理大臣、我が国の陸海空自衛隊はいかなる自衛隊でなければならないか、これについて私の考えを申し上げますから、御意見を言ってください。  陸上自衛隊は、海を渡る陸軍でなければならない。すなわち、全陸上自衛隊は海兵でなければならない。海軍は、我が国のシーレーンを守れる海軍でなければならないと思う。空軍は、海を渡って、先ほど防衛大臣が言ったように、敵ミサイル基地を撃破できる戦略爆撃空軍を中心にした空軍でなければならない。  これが、我が国家国民の安全と命に責任を持っておる総理大臣が早急にとるべき防衛方針であると思いますが、いかに思われますか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 先ほどの説明と同じになりますが、いわゆる敵基地攻撃については、ほかに手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地をたたくことは憲法が認める自衛の範囲内に含まれるということであります。  また、今の御指摘の中のシーレーン防衛につきましては、現在も海賊対処等で自衛隊がその任務を一部担っていると存じ上げております。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 先ほどの質問に対して、総理大臣、どう思われますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 自衛隊は、まさに日本人の生命と安全とそして財産、領土、領海、領空を守らねばならないわけでありまして、そのための戦力を有しているわけでございますが、同時に、日本は米国と安全保障条約を結び、日本に対する攻撃に対しては共同対処をすることになっている中において、基本的には、現在、打撃力については米国がその多くを担っているわけであります。  ただ、もちろん、戦略環境は随分変わってきました。戦略においても時代とともに大きな変化がある中において、常に日本を守るための不断の努力をしていく必要はあるんだろう、このように思うわけでございますし、また、現在、宇宙を利用したり、あるいはサイバー攻撃といった、今までの常識とはかけ離れた攻撃に対する防御も考えていかなければならない時代ではあろう、このように思います。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 そのとおり、あらゆることを想定しなければならない。  防衛大臣が先ほど言われた、我が国の憲法で認められた自衛権という表現をされた。憲法は余り出さぬ方がいい。なぜなら、憲法は、明文で我が国の交戦権を否定しているじゃありませんか。憲法は自衛権を認めるといえば、憲法は交戦権を否定している。交戦権を否定されて、どうして自衛権を行使するんですか。余り憲法は言わぬ方がいい。あれは、ひょっとしたら無効かもわからぬ。ひょっとしたらですよ、学術論争の領域ですがね。  さて、次に質問を移します。  我が国が日本を取り戻すためには、国民が、はらからが北朝鮮に拉致されている、その彼らを救い出さねばならない。国民が拉致されるまま放置している国家が日本であるとするならば、それは、もはや日本ではないわけです。  拉致被害者の救出は日本の最優先の国家目標の一つであるという点に関しては、横田めぐみさんの拉致が発覚してから一貫して、政府側にあって、与党側にあって拉致問題に取り組んでこられた安倍総理、本当にそのとおりだという信念のもとに今まで来られたと思うので、この部分についての御答弁はいただきません。  我が国の現在実施している対北朝鮮制裁を強化するならば、これは北の体制維持に影響を与えることになる。体制維持に影響を与える、つまり金一族が自国民に殺されるかもしれないという恐怖に駆られさせなければ彼らは動かないので、必然的にそれを我が国の制裁は目的とするんです。  十数年前に、北朝鮮は東京を火の海にすると恫喝してきた。先ほど読み上げた北朝鮮の対日恫喝でも明らかなように、今度、東京を核攻撃すると。東京を核攻撃して根絶やしにするという恫喝をかけてきた場合に、これは大いに想定されるのでありますが、総理は、ああそうですかと拉致救出を断念しますか。核の恫喝を受けたときに、拉致被害者救出を断念いたしますか。御質問します。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 拉致被害者の全員の帰国というのは国家の基本方針ですから、それはあくまでも貫いてまいります。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 日本を取り戻すに足りる答弁をいただいた。  では、北朝鮮は、核を開発して、あれは本気で撃つ気で開発しておると思うならば、核の恫喝を受けることは、現在も我が国に照準を当てておるというんですから、大いにあり得ることだ。それを放置して総理大臣の責務は務まりませんね。どうしても核抑止力を早急に確保する必要がありますね、それも独自で。  これについて、一九七七年、西ドイツのヘルムート・シュミット首相の決断があります。すなわち、SS20核弾頭ミサイルを突きつけられたときに、彼は、ロンドンで演説した。政治的、軍事的バランスの回復は死活的に重要である。したがって、彼は、SS20に対抗するパーシング2をアメリカから導入して、相互確証破壊の体制をつくった。モスクワが撃つならば、おまえ殺すぞという体制であります。  それによって何が起こったか。それによって、強烈な軍縮圧力をかけていって、ソビエトはSS20をヨーロッパ方面から撤去したんです。これは極東方面に来たんです。そのときもまた福田赳夫内閣ですが、見て見ぬふりをしたから、今我々は、地球上で一番、現実的に核ミサイルに囲まれた国として現在おるわけですね。  そこで、今からでも遅くはない。核抑止力をいかに確保するかについて、総理の御答弁をお伺いしたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 北朝鮮の核実験に対して、米国は日本に対して、いわば、拡大抑止、核の傘を提供するということを明確にしているわけでありまして、いわば、日米同盟によって日本は核抑止力を得ている、このように考えております。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 ドゴールというフランスの大統領がケネディ・アメリカ大統領に言ったことをちょっと学習していただきたい。  ドゴールは、ケネディ大統領に対して、ソビエトの核がアメリカに照準を当てておるのに、我がフランスを核の傘で覆うことができるのかと詰め寄ったときに、ケネディは顔面蒼白になった。  核の傘、あり得ないじゃないですか。アメリカ大統領は、サンフランシスコ、ロサンゼルスが核攻撃を受ける危険を冒しても日本に核の傘を広げますか。これがもし発覚するならば、大統領選挙に当選できない。当たり前。  だから、ここまで来れば、我が国も独自に核抑止力を持たねばならないんです。これは、政治家としての決断です。  これについていろいろ申し上げませんが、先ほどの繰り返しになるようでありますが、私もアメリカ人と話し合ったことがある。政府の高官の人です。  核の問題と拉致被害者救出と、どちらが優先するかと彼は私に聞いてきた。私は、決まっているじゃないか、拉致被害者救出だ、これに命をかける国家でなくしてどうして存続が確保できるのか、こう答えたときに、彼はそのとおりだと言った。それで、アメリカにとって核はもう通常兵器なんですと言ったんです。なぜなら、我々は六十年間、ソビエト、そして今はロシアと、核をいかに抑止するかのせめぎ合いをやってきたんだ、通常兵器ですよと言ったんです。  したがって、総理大臣にも、特別なものではなくて、やくざが自動小銃を持っている、それをいかに撃たせないようにするかという観点からの方がわかりやすい。ぜひ、核の抑止があるとかないとか、かすみのようなものに頼るんじゃなくて、やくざに機関銃を撃たさぬようにする、その方策の決断をお願いしたいと思います。  次に、昨日、硫黄島に行かれた。行かれたんでしょう。おとといか。硫黄島は日米戦争の最大の激戦地で、あそこの特色は、かつて敵味方に分かれて戦った日米両軍将兵が、硫黄島に集まって、お互いの戦死者の霊を共同で慰霊したということなんです。  そこで、これはきのう通達させていただきましたけれども、総理大臣、二月二十二日でしたか、アメリカに行かれました。日米同盟のきずなの確認に行かれた。だから、総理が乗った専用機がワシントンに着いて、総理はアーリントン墓地に行かれた。  アーリントン墓地は、日本と戦ったアメリカ軍将兵が眠るところですね。アメリカと戦って眠る日本軍将兵の霊は、靖国神社に祭られておる。  硫黄島に行かれればおわかりのように、総理は、まず靖国神社に参拝されて、アーリントン墓地に参られて、かつて敵味方に分かれて戦った両軍の将兵の霊に、戦を経て今我々はともに歩く国家になっておるんだ、人類の苦難に、ともに克服する、力を合わせる国家になっておるんだと言うことがきずなの確認なんです。  最も中心的な靖国神社を総理は無視された。今からでも遅くはないから、これから毎日朝、靖国神社に八月十五日まで参拝されたらいかがですか。どうぞ。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 私は自民党総裁に就任して靖国神社に参拝をいたしましたが、国のために戦い、倒れた御英霊に対して、国の指導者が敬意と感謝を込めて尊崇の念を表し、御冥福をお祈りするのは当然のことであろう、このように私は考えております。  しかし、この問題が外交的、政治的な問題になっているのも事実でございますから、今この場で、私は、行く、行かないということについて申し上げて、いたずらに外交問題にするつもりはございません。  しかし、前回、総理であったときに、任期中に靖国神社に参拝できなかったことは痛恨のきわみであった、このように今でも思っております。

西村眞悟日本維新の会

○西村(眞)委員 今の御答弁は、もう二度三度お聞きすることはないだろうと思って、あえて質問はしないと思っておりましたけれども、私の提案に関してはいかがでしょうかな。  外交問題と言われた。外交問題は、我が国内がしておるんです。表現は悪いですが、ほっておいたらいいんです。国家、日本を取り戻すというスローガンを掲げられたんでしょう。冒頭私が申し上げたように、日本を取り戻す。靖国神社のことを忘れて、日本を取り戻せないんです。だから、どこの国か言いませんが、ほっておいたらいいんですわ、ほっておいたら。と私は思います。  いろいろまだお聞きすることもあるのでありますが、どうか総理には、ドゴール・フランス大統領、それから西ドイツのヘルムート・シュミットの決断、この二つをまた思い起こしていただいて、我が国の核抑止力の構築の御決断をいただきたい。  それから、総理には今、行政権の掌握と自衛隊の最高指揮官という二つの権限があるんですから、法律がなくとも何でもできるという、みずからの地位に与えられた責任を大いに自覚していただきたい。  それから、アルジェリアのテロは、あす起こるかもわからぬ。そのときに、かつてアルバニアにおける暴動のように、アルバニアの国自体が法秩序の崩壊があるときに、総理が決断して特殊作戦軍を投入せざるを得ないことになる。そのときは、遠慮会釈なく、みずからの権限を行使して国民を救ってください。自衛隊の命は、もちろん危険にさらされますが、危機に臨んでは危険を顧みず、職務を遂行し、もって国民の負託に応えるという宣誓をしたやつらですから、必ず、総理の命令のもとに死地に赴きます。国家を救う、日本を取り戻すというのはそういうことなんです。  こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。おつき合いいただいてありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて西村君の質疑は終了いたしました。  次に、畠中光成君。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 みんなの党の畠中光成です。  昨年の総選挙で初当選してから、ちょうど四カ月がたちました。みんなの党は、私を含め、衆議院で十二人の新人議員が誕生しました。新人であっても一人に与えられる役割は大きく、皆、国のために働こうという意欲でみなぎっています。  私も、この間、国会議員の忙しさをまざまざと体験しているわけでありますが、安倍総理におかれましては、なお想像を絶する忙しさとプレッシャーの中で働いておられることとお察しいたします。  さて、極めて多忙な政策決定者である総理大臣に、正確でタイムリーな情報が上がってきて、それを読み取り、判断しやすい仕組みがあるかどうかは極めて重要です。北朝鮮情勢も緊迫しておりますが、だからこそ、日ごろからの情報体制の整備、インテリジェンスが大切という観点から、本日は御質問させていただきます。  単なる情報の羅列、インフォメーションではなくて、その情報が成果物になり、的確なプロセスやサイクルをもって組織的に機能して初めてインテリジェンスとなり得ます。そのようなインテリジェンスがきっちりと総理のもとに上がってきているかどうか、安倍総理、率直なところをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 政府、日本国において、いわば情報収集機能を持つ部署は幾つかあるわけでありますが、内閣には内閣情報官がおります。情報官のところにさまざまな情報が集まってきているわけでありますが、私は定期的なブリーフを受けることにしておりまして、基本的に、日本国の力を使った情報収集力を生かした情報については、その分析も踏まえたものをしっかりとブリーフを受けているということは申し上げておきたいと思います。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 アルジェリア事件では、いろいろな情報機関が別々に首相官邸に情報を上げ、集約ができておりませんでした。また、北朝鮮によるミサイル発射問題を初め、我が国を取り巻く国際環境は一層厳しさを増しておりまして、総理が的確な判断を下せるよう、一元化した情報が総理のもとに上がってくる仕組みにしなければいけません。  さて、総理が取り組んでおられる国家安全保障会議、日本版NSCについて、国家戦略を明確化し、的確な政策オプションを提示できる体制を整える、総理大臣を司令塔として国家戦略を策定する、みんなの党のアジェンダにもある内容ですので、しっかり頑張ってほしいという意味からお聞きしたいと思います。  NSCに情報分析機能を持たせると有識者会議であったようですが、政策と情報分離の観点から、おかしいのではないでしょうか。  二〇〇八年、官邸における情報機能強化の方針が示されて以降、各省ごとに上がってきた情報を内閣情報分析官が分析、レビューする仕組みがある、総理もおっしゃいましたが、情報分析には一定の前進があったことかと思います。  内閣情報分析官には、各省からのよりすぐりがつくということも聞いています。ただ、その身分はあくまで出身省庁に縛られていて、縦割りの弊害が破られているとは言えません。またさらに、現状では、内閣府があって、内閣官房があって、その中に外交、安全保障担当もいるわけで、屋上屋を架す組織になりはしないでしょうか。  総理がお考えのNSCにおいて、そういった政策部門、情報部門のすみ分けをどうするか、お考えをお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 NSCについては、外交、安全保障政策、外交と安全保障政策のいわば司令塔機能を果たす役割を担わすというのが基本的な考え方でありまして、その観点から、今、有識者会議を行い、議論をしているところでございます。  そこで、情報収集と政策部門、基本的には、このNSCにおいて行っていくことは何かといえば、今、防衛であれば防衛省、そして外交であれば外務省でございます。そこで、防衛と外交、これをいわば一体化させたものを官邸下に置いて、そこで戦略、そして政策的な選択肢をつくっていくということであります。  戦略と政策的な選択肢をつくっていく中において情報の分析も必要でありますが、情報収集と分析、一次的な分析を行うのは、今、内閣情報官のもとで置かれている機能がございます。さまざまな機能がございますが、ここで基本的には行うわけでありまして、いわば、NSCは発注をする、こういう分野において戦略、政策を考えていきたいので、こういう情報をとってくれという発注をするわけでありまして、その発注に対して情報機関は情報を収集し、かつ分析を加えるということであります。  分析されたものをさらに、これはさまざまな情報を加味して分析をしていくということはNSCでやるかもしれませんが、基本的には、情報については一次的にはその機関が行うということでございまして、屋上屋ではなくて、機能が違うということは申し上げておきたいと思います。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 NSCでは、政策部門と情報部門の結節点をどうするかというのが肝かと思います。既存の体制による縄張り争いの場にならないようにしなくてはいけないと考えます。省益を乗り越えて、トップが決断しやすい仕組みにするために、政策部門と情報部門、私は切り離した方がいいのではないかと考えます。  さて、NSCは、例えば大震災や朝鮮半島有事が起こった際などの危機管理オペレーションもやるイメージでお考えでしょうか。あるいは、国家戦略や外交防衛にかかわる大局的な政策判断を担うのでしょうか。総理、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になった点こそ、まさに今、実は、有識者会議で議論をしているところでありまして、政策あるいは戦略部門と、先ほど御指摘になった情報収集部門の結節点、これは明確に切り分けられるかどうかという課題もありますが、それについても議論をしております。  それと、危機管理にどう対応していくか。今、内閣には危機管理監がいるわけでございまして、先般のアルジェリアの出来事については、危機管理監が指揮をとる、私のもとで指揮をとっていくわけであります。つまり、危機管理事態をどう対処していくか、これについては今さまざまな議論がなされておりますが、ここは、NSCと重なる場合もあると言ってもいいんだろう。  基本的には、NSCは、中長期的な戦略も含め政策的な選択肢をつくっていく。そして、危機管理監については、まずは、例えば国内の危機管理については基本的に危機管理監のもとにおいて、外交、安全保障政策にかかわりのない危機管理事態においては危機管理監がここで指揮をとるのは当然のことだろう、このように思います。  そして、いわば外交、安全保障にかかわる危機管理については、危機管理監が全く関係ないというわけではもちろんないわけでございまして、これはどのように役割分担をしていくか、あるいは、初期においては危機管理監であって、その後NSCに移っていくのか、あるいは同時に、出来事にはさまざまな断片がありますから、側面がありますから、それをそれぞれが担っていくかということについて、今、専門的な議論を行っていただいているところでございます。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 ぜひお願いしたいのが、何でもかんでもNSCというのでは大きくなり過ぎるように感じます。本来の目的からすれば、総理大臣と一心同体となり得る小さな政策チームの方がよいと考えます。  さて、米国などの場合は、大統領がかわればスタッフも交代するのは御案内のとおりでありますが、では、我が国のNSCはどうなるのでしょうか。平成に入って十七人、この六年間で六人もの総理大臣がころころかわる我が国において、そもそもNSCはうまく機能するのでしょうか。特に重要だと思われる事務局長の人選について、総理や政権がかわったときに交代すべきなのかすべきでないのか、あるいは、その対象は、政治家、官僚、民間、どういった規定が適当なのか。総理、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 この事務局長については、重要な役割を担っていくことになるんだろうと思います。米国におけるNSCにおいては、事務局長的な役割は安全保障担当の補佐官が務めているわけでありますが、そこで今御質問のポリティカルアポインティーとすべきかどうかということなんだと思います。  基本的には、どうするかというのはまさに議論をしているところでございまして、これは当然、総理の基本的な方針に沿っていわば司令塔機能を生かしていくわけでありますから、事務局長は総理とともに進退を考えるべきだという議論もあります。そこについてはさらに議論を待ちたい、こう思うわけでございますが、例えば事務の官房副長官は政治任用でありますが、かつては、政権がかわってもずっと人物はかわらなかったんですが、最近は、政権とともに一緒にかわっているということでございまして、その中において、NSCにおいては継続性ということも極めて重要、さっき言った事務の官房副長官がかわらなかったのも継続性を重視した点なんだろう。  どちらを重視するかということについて、まさに議論をしていかなければいけませんし、場合によっては政権ごと、どちらにしろ人事権は総理大臣にありますから、これは、かわってもらいたいと言えばかえることができるわけでありますが、人事権はあくまでも総理大臣に置いておく。しかし、継続性を考えてどうかということというのはあるんだろうとは思いますが、ポイントは、政権がかわったときに、まさにこの事務局長が状況についてしっかりと次の総理大臣に、自分はそこでやめることになるかもしれないけれども、ちゃんといわばブリーフをするということが重要ではないか、このように思います。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 その事務局長はぜひ、お友達ではなくプロフェッショナルがつくというのは言うまでもありませんけれども、冒頭に申し上げました政策と情報の分離ですけれども、これをしっかりしておかないとインテリジェンスが政治化してしまうおそれがあるかと思いますので、くれぐれも、冒頭に申し上げた政策と情報の分離という観点、ぜひ御検討いただければと思います。  さて、インテリジェンスサイクルのうち、いかに情報を収集するか、そしてその人材をどのように養成、確保するかは極めて重要かと思います。公開情報に基づくインテリジェンス、いわゆるオシントも、技術情報に基づくテキントも、結局のところ情報を扱うのは人なのですから、インテリジェンスを担う人材の養成が急務かと思います。とりわけ、人的情報に基づくインテリジェンス、ヒューミントは、我が国に欠けている対外インテリジェンスの核となるものと考えます。ただし、その養成には、語学の習得のみならず、経験から体得するスキルが必要など、時間がかかります。  政府全体として、インテリジェンス人材の養成にどのように取り組むか、お聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 実は、第一次安倍政権のときからそうした人材の育成をスタートしているわけでございまして、そういうトレーニング等を相当進めてきているわけでございますが、中身については、まさにこれは公表することはできないので、ここで申し上げることはできないのでございますが、我々、そういう人材は極めて重要であるというふうに認識をしておりますので、そういう人材の養成にこれからも力を入れていきたい、このように考えております。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 ぜひ、各省任せにすることなく、政府全体としてインテリジェンス人材の養成に取り組んでいただけたらと思います。  さて、先ほどから申し上げておりますように、この総理が考えておられるNSCを機能させるには、情報部門をどうするかということが極めて重要かと考えております。当面、我が国の情報コミュニティーは、既存の縦割り、各省の仕組みを活用せざるを得ません。よって、既に各省ごとにインテリジェンスの取り組みをしておられ、外務省、防衛省を初め、内閣情報調査室、警察、公安と、それぞれ餅は餅屋の利点はあるものの、政府全体としての意思が弱いため、対外インテリジェンスには他国と比較して脆弱なのは明らかなのではないでしょうか。  将来的に、独立したインテリジェンス機関を創設する御意思はおありかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 政府としては、内閣情報調査室、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省そして海上保安庁等によって構成される情報コミュニティーとしての分析を総合的に行うため、内閣情報会議や合同情報会議の機能強化を図るとともに、内閣情報分析官を設置するなどの取り組みを行ってきました。これらの政府が保有するあらゆる情報手段を活用した総合的な分析、オール・ソース・アナリシスでありますが、その成果については、適時適切に私に報告をされております。  御指摘のように、独立をしたインテリジェンス機関を創設することについてはさまざまな議論があると思いますが、情報機能の強化を図るためには、情報に精通した人材を育成することが重要であります。情報コミュニティー内における研修や人事交流を推進するなど、先ほど申し上げましたように、人的な面での情報機能の強化に努めてきたところでございますが、引き続き、政府全体の情報収集能力の向上を図るとともに、内閣の情報集約そして分析機能を強化していきたいと考えております。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 中央公論の最新号に、我が党の山内康一議員初め超党派の国会議員による、対外インテリジェンス機関創設に関する提言が出ております。  我が国の場合は、そもそも小規模の自衛隊と、さらに小規模のインテリジェンスコミュニティーとなっていることが、外国との比較からも明らかです。人材養成には時間がかかることから、インテリジェンス機関の創設をNSCと並行させるのは一考に値するのではないでしょうか。  いずれにせよ、政府全体としての意思がなければ、質の高いインテリジェンス生産やその共有も生まれてきません。さまざまな壁があるかと思いますけれども、総理のリーダーシップをお願いしたいと思います。  さて、インテリジェンス情報がふえてくると同時に、その保全をどうするかといった問題があわせ出てきます。我が国の政府部内はもとより、我が国と外国との間で、相互信頼に基づく情報共有ができていると言えますでしょうか。また、IT技術の進展に伴って、サイバー分野における政府機関のセキュリティーも信頼に足るものでしょうか。  これまでも数々の情報漏えい事件がありましたけれども、この漏えいを防止する法令は十分とは言えません。もちろん、国民の知る権利との整合性上、国家の安全にかかわるなど、特に秘匿性の高いものに限定するべきかと思いますが、こういった件に関して、総理の御所見をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 まず、カウンターインテリジェンスについては、これも第一次安倍政権のときに、カウンターインテリジェンス機能をしっかりと確立しなければいけないということで進めてきたのでございますが、カウンターインテリジェンス・センターは、国の重要な情報の保護を図るために、平成二十年四月に内閣情報調査室に設置をされまして、我が国のカウンターインテリジェンスの中核機能を果たしているところでございますが……(畠中委員「総理、秘密保全」と呼ぶ)  秘密保護法制については、これは私は極めて重要な課題だと思っております。海外との情報共有を進めていく、これは、海外とのインテリジェンスコミュニティーの中において日本はさまざまな情報を手に入れているわけでございますし、また、日米の同盟関係の中においても高度な情報が入ってくるわけでございますが、日本側に、やはり秘密保全に関する法制を整備していないということについて不安を持っている国もあることは事実でございます。そういう意味において、情報取得について、それを進めていく上においても、この法制を考えていくことは重要なテーマだろうと思います。  政府においては、国民の知る権利や取材の自由等を十分に尊重しつつ、お尋ねの秘密の範囲や罰則を含め、さまざまな論点についての検討を進めております。  秘密保全に関する法案を速やかに取りまとめて、早期に国会に提出をできるように努力をしていきたいと考えております。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 今、私の質問に対して、ちょっとやりとりがちぐはぐになりましたけれども、それぐらい総理大臣というお仕事は忙しいということを私はお察しするわけでございます。  情報が総理のもとに正しく上がってきて、それを総理大臣がしっかりと判断できるかどうかということ、これはまさに、今、目の前で起こることと同じではないでしょうか。日本版NSCやインテリジェンス機能の強化など、外交、安保にかかわる司令塔改革は、我が国を取り巻く厳しい国際環境を乗り切るのに必要です。  こういった組織改革も、結局のところ、中央集権、官僚統制という古い統治機構、これを変えなくちゃいけない。省益を超えて、国益や国民のために働く組織づくり、すなわち、根っこのところは霞が関の改革、このグレートな公務員制度改革をやらなくちゃいけないということを、ぜひ総理にお願いしたいと思います。

山本有二自由民主党

○山本委員長 時間ですよ。

畠中光成みんなの党

○畠中委員 どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて畠中君の質疑は終了いたしました。  次に、赤嶺政賢君。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  きょうは、米軍再編問題について総理に質問をいたします。  総理は、二月の日米首脳会談で、普天間飛行場の移設と嘉手納飛行場以南の土地の返還を早期に進めていく方針を確認しました。その後、先月二十二日、沖縄県民の意思を一顧だにせず、名護市辺野古への新基地建設に向けた公有水面埋立承認申請書を沖縄県に提出しました。今月五日には、嘉手納以南の土地の返還計画を公表いたしました。土地の返還を進めることで、沖縄県民の理解を得ながら、あくまで辺野古への新基地建設を推し進めようとしております。  きょうは、政府が公表した土地の返還計画を示したパネルを用意してまいりました。  皆さんのお手元には資料も配付されていると思いますが、嘉手納飛行場以南の六つの米軍基地を細かく分けて、大きく三つの段階に分けて返還するという計画です。  総理は、計画の公表に際して、目に見える形で沖縄の負担軽減が進むことになる、このように強調されました。しかし、ごらんいただければわかりますように、区域ごとに返還時期は示しておりますが、その全てに「又はその後」、こういう言葉がつけられています。総理、これでは返還時期を示したことにはならないのではありませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 「又はその後」と書いてありますが、基本的にはこの年限に向けて進めていくということであります。  しかし、さまざまな状況も起こり得るわけでございまして、そういう意味において「又はその後」と書いてありますが、基本的にはこの年限に向けて返還を進めていく、そういう認識で日米で合意をしたのでございます。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 返還計画の留意事項というものがあります。この留意事項には、示した返還時期は最善のケースの見込みである、このようにして、沖縄における移設のための日本政府の取り組み、そして海兵隊の日本国外への移転のための米国政府の取り組みに応じて遅延する場合がある、おくれる場合があるとわざわざ書いてあります。  要するに、土地の返還には、県内移設とグアムなどへの海兵隊の移転という条件がつけられている。だから、「又はその後」という言葉がつけられている。そういうことではありませんか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 基本的にはそこに書かれた年限でお返しをするというスケジュール、プログラムを組ませていただいております。  そして、委員も御存じだと思いますが、それぞれの施設にはそれぞれ手順というのを一つ一つ示させていただいております。その中には、当然、米側としての計画もありますが、もう一つ、例えば文化財の調査というのが複数年入っております。私どもとしましては、沖縄は大変文化財がたくさんございます。さまざまな事業を進める中で、もし文化財が出てきた場合、そこにはある程度一定の期間がどうしても必要だ。  実は、先般、沖縄に行きまして知事とお話をし、そして数日前は沖縄の副知事が本省に来られましたが、そのときにも、このことについてお話をそれぞれさせていただきました。文化財のことについては十分協力してほしい、そのようなお話がございます。  そして、今委員のお話にございましたが、それぞれの施設で、どこにどういう形で最終的にここの機能が移るかという中に、当然、グアム等の場所もございます。ただ、全般の期間の中で、当然、米側として、グアムへの移転も十分対応できるのではないかと私ども思っておりますし、それが遅くならないように、これからも米側にしっかりと伝えていきたい、そのように思っております。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 沖縄の文化財の貴重なものを奪って米軍基地をつくった、その歴史はありますが、米軍基地の返還に関して、文化財でおくれたという歴史はないんです。  県内移設でおくれる、あるいは約束した期限がいつまでたっても守られない、防衛大臣、そういうことを知事から言われましたでしょう。「又はその後」というのは誰も信用していないんですよ。だから、県内移設が条件とされて、「又はその後」という言葉が入ってきた、その背景をちょっと私、申し上げたいんです。  この典型的な例に、パネルの左下の方にあります那覇港湾施設があります。那覇空港に隣接した軍港であります。日米両政府がこの那覇軍港の返還に合意したのは一九七四年のことでありました。ところが、移設条件がつけられていたため、いまだに返還は実現していません。今度の計画では、書いてありますが、「二〇二八年度又はその後」、このようになっております。返還合意から五十年以上たっても、返ってくるのか定かではない。こんな返還計画を沖縄県民がまともに受けとめないのは当然であります。  那覇軍港の移設先とされているのは、那覇市の北側に位置する浦添市の沖合です。嘉手納以南に基地が残ることになるわけです。しかも、ことし二月の市長選挙で、市民は、これまでの移設容認の市長にかわって、移設反対の市長を選びました。  防衛大臣に伺いますけれども、今月六日、返還計画の説明を行うために沖縄を訪問されました。今度の計画で移設先とされた自治体、こういう自治体からどのような意見が出されましたか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 この問題の大変難しいところですが、まず、今回の計画の中で、速やかに返還されるという場所もあります。特に西普天間の住宅地、ここは、宜野湾の市長も、大変、ここを早く返してほしいというお話があります。返せるものは一刻も早く、しっかりとした形で地域計画をつくって返還、それを私どもは努力をしていきたい、そのように思っております。  その中で、今回これは、嘉手納以南の再編の計画の中での返還ということになりますから、例えば、一部の倉庫が、その施設を返すことによって別な場所にその倉庫を移すということで、実は、自治体の中には、全て自分のところの米軍の基地が、これが進めば返ってくるという自治体、あるいは、実は逆に、自分のところにある米軍の施設の中に新たに倉庫が移るという、そういう自治体もございます。  今お話があった牧港の補給基地、あるいはそこへの那覇港の移転ということに関しては、これは私ども、これからも、当該自治体としっかりとお話をしなきゃいけないと思っていますが、やはり自治体にはさまざまな声があるということ、これをしっかり受けとめてきました。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 移設条件がついたら約束の期限が来ても返されない、こういう驚きを持って今度の発表は見ているわけです。しかも、返される場合であっても、結局、沖縄県内に基地の機能を移転する。ですから、読谷村の石嶺村長、大臣も会われたと思いますが、残念ながら、嘉手納以北で受け入れる側の自治体となる、自分のところは米兵による中学生殴打事件も起き、四年前も村民がひき逃げに遭った、基地の機能強化については受け入れられない、このように述べております。  県内移設を条件とする以上、基地の返還は進みません。それに加えて、海兵隊のグアムなどへの移転が条件とされているのもあります。アメリカの財政赤字が深刻化するもとで、グアム移転計画は今後どうなるかわかりません。日本側負担の建設工事もストップしたままであります。  これで、総理、どうして目に見える形で負担軽減が進むのか、全く理解に苦しむものでありますが、いかがですか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 赤嶺委員の御指摘、そしてまた沖縄県民の皆様の持っているそのようなお気持ち、私ども重々現地で聞かせていただいております。  私ども、これは恐らく日本国民全てでありますが、今の安全保障環境を考えた場合に、沖縄の地政学的な意義というのは重要なものだとずっと感じております。その中で、日米関係の強化も必要だ、これは恐らくひとしく皆様が感じていることだと思っております。このような基地の御負担というのを沖縄にある面ではお願いをしている、これは、私どもとしては大変申しわけなく思っております。ですからこそ、今回、少しでもその負担軽減になるように、アメリカ側と粘り強く交渉させていただきました。  まだまだ御理解をいただいていないことは重々存じ上げております。これからも粘り強く沖縄の皆様に説明をし、そして少しでも御理解を得る努力を続けていきたい、そのように思っております。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 沖縄は、広大な米軍基地群の島として甘んじて受け入れよ、地政学的に重要だからと、こんなことが受け入れられますか。人権無視の生活を強要されて、そういう考え方そのものを根本から直していかないといけないんです。  先ほど防衛大臣おっしゃいました西普天間住宅地区の問題について、この点について、ここはさきに米兵が別の住宅に移りましたから移設条件がついていないというところでありますが、キャンプ瑞慶覧の中の西普天間住宅地区、ここをほかの施設から切り離して速やかな返還を進める計画になっていますが、地元の側は、こうした細切れ返還はやめてほしいと繰り返し求めてきました。跡地利用ができなくなるんですよ。  昨年八月には、宜野湾市と地主会が西普天間住宅地区について、隣接するインダストリアル・コリドー地区と同時期に返還するよう要請書を政府に提出しました。国道五十八号線に抜けることができず、袋小路になってしまうからです。  ところが、今回の返還計画では、西普天間住宅地区は「二〇一四年度又はその後」、コリドー地区は「二〇二四年度又はその後」、なぜ、地元自治体や地主の意向に沿って同時期の返還にしなかったのですか。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 先般、沖縄を訪問したときに、宜野湾の市長、そして地主会の事務局の方と一緒にこの西普天間住宅地において説明をいただきました。  先ほどのコリドー地区の返還、ここは五十八号につながるラインとして大変重要だというお話もいただいております。このコリドー地区の返還については、何とか、全部の返還というのはすぐには難しい、先ほどのスケジュールどおりになるかとは思いますが、この地元の声に少しでも応えられるように私どもこれから努力をしていきたい、現地でそのような説明を受けましたので、対応していきたいと思っております。

赤嶺政賢日本共産党

○赤嶺委員 コリドー地区の中には、普天間基地が辺野古に移らないと返されない施設もあるんですね。だから、全部が普天間基地より後の返還になっている。こういう統合計画は、沖縄県民の負担の軽減にならない、基地の固定化につながる、そして、占領時代に無法な形でつくった米軍基地は全面撤去以外に解決の道筋はないということを強く申し上げまして、質問を終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。  次に、玉城デニー君。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 生活の党の玉城デニーです。  きょうは、外交、安全保障に関する質問をさせていただきます。  まず、オスプレイについて何点か聞かせていただきます。  多くの沖縄県民の反対を押し切って二〇一二年十月に十二機が配備されているアメリカ海兵隊MV22オスプレイの追加配備について、まず質問したいと思います。  今後、普天間基地へ追加配備される時期、機数、それに伴って配備される兵員の数をお聞かせください。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 オスプレイの配備については、昨年六月、接受国通報におきまして我が国に情報をもたらされました。既に完了しております一個目の飛行隊に関する記述のほか、この接受国通報には、二個目となるCH46飛行隊が、二〇一三年、ことしの夏に普天間飛行場における二番目の飛行隊となる旨が記載をされております。  現時点において、その具体的な配備時期についてまだ未定であるとは承知しておりますが、今後、具体的な情報があれば、地元の皆さんに説明するなど適切に対応していきたいと思っております。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 いわゆるCH46からMV22への置きかえだというふうに伺っております。  オスプレイの配備に伴っては、連動する普天間基地の補修工事、これは米側の負担、それから日本側の拠出は、当初、三年間で二十億求められているという話があり、平成二十五年度は一億円計上しているということもございます。  さて、このMV22オスプレイ以外に、今度は、空軍仕様のCV22オスプレイの配備についても聞かせていただきたいと思います。  ことし一月、二〇一四年から二〇一六年まで二年ほどのスパンで、十機程度の予定で特殊作戦用CV22オスプレイを米軍嘉手納空軍基地へ配備する計画を日本政府へ伝えたとする報道がされています。具体的な配備の時期、機数、それに伴って移動してくる兵員の数、どのようになっているか、お聞かせください。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 今、嘉手納にCV22、空軍の仕様のオスプレイのお話だと思っておりますが、この通報は日本政府にはございません。私どもとしては承知をしておりません。この報道がなされた後、私はすぐに、いかがなものかというコメントを出させていただきました。  米側は、今現在、アジア太平洋地域におけるCV22オスプレイの配備についていかなる決定もなされておらず、そのため、日本政府に対していかなる計画も通知していないと米側はコメントしていると承知をしております。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 このCV22オスプレイが、もし報道のとおりであるとするならば、二〇一四年から二〇一六年のアメリカの会計年度で嘉手納基地に約十機ほどが配備されるということになります。そうしますと、MV22、CV22合わせて三十機以上のオスプレイが、沖縄県の上空ひいては全国の、訓練という名目で国民の頭上を飛び交うということになるわけですね。  このCV22オスプレイは、低空飛行用に地形を読み取るレーダーが装備され、戦闘捜索救難と特殊行動部隊を輸送する運用となりますが、それだけに、平時の訓練も相当厳しいものだというふうに承知しております。  オスプレイの事故率について、ちょっとここで調査をしてみました。十万飛行時間当たり事故率は、被害総額二百万ドル以上、航空機の損壊、死亡または全身不随に至る被害のクラスAにおいて、MV22オスプレイでは、海兵隊平均二・四五の事故率に対して一・九三とアメリカ側から公表されています。  一方、CV22オスプレイについては、特殊任務上の所要や、二〇〇八年の導入から飛行時間の実績が浅いことを挙げてはおりますが、二万二千飛行時間で事故率一三・四七となっているんですね。つまり、過酷な条件下での訓練活動による事故率の高さがここで推察されているわけでございます。  現在の海兵隊のMV22でさえ、人口密集地上空を避けて飛行する、あるいは基地内でのみヘリモードで飛行するという日米合意すら全く守られていない実態であり、県からもこのことに関しては要望書が出されているというふうに承知しております。  アメリカ側の運用提示を日本政府がただ丸のみするだけでは、平時であっても、国民、県民の平穏な生活どころか、事故による危険性は、沖縄のみならず、全国至るところで高まるだけだと思います。CV22の配備強化は、到底受け入れられるものではありません。  大臣に、その件について見解を伺いたいと思います。

小野寺五典自由民主党防衛大臣

○小野寺国務大臣 事故率については御指摘のとおりだと思っております。  私ども、今回、報道で嘉手納へのCV22の配備というのが出た段階で、私自身は、いかがなものかというお話をさせていただきましたし、その後、米側からは、そのような計画はないという広報がなされたと伺っておりますので、そのとおりだと思っております。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 大臣がおっしゃる、いかがなものかということをしっかり踏まえて、県民の思い、国民の安心につながるということを日米の協議でもしっかり担保していただきたいと思います。  さて、このオスプレイの低周波に関する件について質問をさせていただきたいと思います。  海兵隊のCH46中型輸送ヘリの後継機、MV22オスプレイから、防衛省の定める基準値を超える低周波が測定されていることが、琉球大学の環境工学の渡嘉敷准教授の調査で判明しています。  普天間飛行場近くの宜野湾市普天間第二小学校の屋上、同じくこの六年一組の教室の中、金武町、琉球リハビリ学院の上空の通過のタイミング、そして名護市辺野古、国立沖縄工業高等専門学校の上空の通過時など、本島内四カ所での測定結果では、学校屋上と教室内では文科省の示す騒音レベルすら超えておりまして、調査した各ポイントで、オスプレイの百ヘルツ以下の低周波が物的影響及び心理的影響を示すいわゆる閾値を超えていると報告されています。  普天間第二小学校で、基準値が四十ヘルツで七十八デシベルのところを、ヘリでは七十四・七デシベル、オスプレイで八十五・四デシベル。五十ヘルツで基準値七十八デシベルのところを、ヘリで七十・四、オスプレイでは八十五・二デシベルとなっています。さらに、四十ヘルツよりも低い二十ヘルツでも、ヘリ七十一・二に対して、オスプレイ八十三デシベルとなっているほどなんですね。  普天間基地の移設先とされる辺野古に位置する国立沖縄工業高等専門学校の裏山に離着陸するオスプレイの低周波については、環境影響評価書、アセスメントの予測結果を超える値を示しているとも報告されています。  大臣、これは人間のみならず、自然環境下で生息する鳥類、哺乳類などの野生の生物にとって、騒音及び低周波音は深刻な影響を与えることが容易に危惧されるわけであります。辺野古移設に伴うアセスメント並びに高江のヘリパッド建設に伴うアセスメントでは、この低周波に係る影響について、オスプレイ実機の独特な機体構造を考慮されたものになっているか、伺いたいと思います。

山内正和防衛省地方協力局長

○山内政府参考人 お答え申し上げます。  航空機の運航に伴います低周波音につきましては、普天間飛行場代替施設の建設事業あるいは北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設事業に係る環境影響評価におきまして、その影響の予測評価を行ったところでありまして、その結果については評価書等に記載させていただいているところでございます。  概略を申し上げますと、普天間飛行場代替建設事業に係る環境影響評価におきましては、これはMV22等も対象として評価しておるところでございますが、心理的影響、生理的影響は、飛行時において一部の予測地点のみ、安部集落のみで、物的影響につきましては、全ての予測地点で、防衛省が設定した環境保全のための目標値を上回る結果となっております。  また、北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設事業に係る環境影響評価、これはMV22が配備される計画が公表される前のものでございますので、CH53を対象に影響評価を行っておりますけれども、その際の影響につきましては、全ての予測地点で、環境保全のための目標値、目安を下回ったところでございます。  しかしながら、そもそも、低周波音の影響につきましては、現在、調査研究の過程にあり、また、個人差や建物の状態による差が大きく、未知の部分もあることから、個別に対応させていただくことが必要と考えているところでございます。  このため、普天間飛行場代替施設につきましては、その供用後、事後調査を行い、必要に応じて専門家等の指導助言を得て、所要の対策を講じることとしておるところでございます。  いずれにいたしましても、オスプレイの飛行に伴い発生する低周波音の影響については、今後、実態を把握した上で適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 CH53ヘリとMV22オスプレイの機体の構造の違いは明白です。エンジンナセルが地上に向かって吹きつける、その風圧も、そこから発生する低周波も、当然ですけれども、ヘリコプターのような状態でおりてくる場合、エンジンが下に向き、風圧が下に向いていきます。ですから、どのような状況になるかということは、ヘリコプターで観測するということでは絶対に足りない部分、これは欠陥だと言わざるを得ない、そういうことになると思います。  ぜひ、今後ともしっかりとその調査を進めて、かくある、その実態に即した、あらゆるアセスメントに取り組んでいただきたいというふうに申し入れたいものでございます。  さて、時間も限られておりますので、総理に、先日の、沖縄タイムスと琉球朝日放送が二日から七日にかけて沖縄全県を対象に無作為抽出による電話世論調査を行い、その結果を紙面に掲載、報告した件について伺いたいと思います。  日米両政府が進展を模索している普天間飛行場の名護市辺野古移設について、賛成が一五%、反対は七四・七%、どちらとも言えない一〇・三%。昨年四月は、賛成が二一%だったんですが、反対は六六%、その他、答えないは一三%でした。  普天間の移設先は、国外三七・二%と最も多く、沖縄以外の国内三三・四%、県内一二・六%、移設ではなく閉鎖一五・四%、そのままでいい一・五%とあります。  総理、この一年間の経過で、賛成の割合が減って、反対の割合が八%余りふえたことは、県民の思いをしんしゃくせず、いわゆる日米政府合意ありきで進めている一連の移設作業に対する政府への大きな不満であり、国外、沖縄以外の国内、移設ではなく閉鎖とする回答を合わせると八六%に上る結果から見ても、自民党政権へかわって、今までより明確な形で沖縄へ基地負担を押しつけようとする地理的優位性を理由とする差別、米軍抑止力依存構造を沖縄に偏重させて一向に変えようとしない政治的判断を理由とする差別に対する、強い県民の怒りのあらわれと受け取るべきだと思います。  総理の見解をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 御指摘の調査結果については承知をしております。  国土面積の〇・六%しかない沖縄県内に全国の約七四%の在日米軍用施設・区域が依然として集中をしており、政府としては、沖縄の負担の軽減は最優先で取り組むべき課題であると認識をしております。普天間飛行場の固定化は断固避けなければならないわけでありまして、これは政府と沖縄の共通認識であると思います。  引き続き、政府の考え方を丁寧に説明し、そして、負担軽減を早期にかつ具体的に目に見えるものにするため、沖縄の皆様の御理解を得ながら、全力で取り組んでいく考えでございます。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 目に見える形で取り組んでいただくのは大いに結構であります。  先ほど赤嶺委員からも質問がありましたが、嘉手納以南の基地の返還についても、速やかに返還が六十五ヘクタール、県内で機能移設以後に返還が八百四十一ヘクタール、海兵隊の国外移転後に返還が百四十二ヘクタールプラスアルファで、合計一千四十八ヘクタールとなっています。結局、県内に基地機能を移転して継続使用する予定は、普天間飛行場を初め、八つの施設に上っています。  この件について、山内正和地方協力局長は、仲井真知事への説明で、七三・八%から七三・一%になると説明をしておりますが、わずか〇・七ポイントしか減少しないということもはっきりしています。  そもそも、この計画で返還される施設と機能は、県内の既存の基地に新設して統合されるもので、これが県民の基地負担の除去と言えるのかということも大いに疑問であります。  先ほども話がありましたが、那覇港湾施設も、一九七四年の合意から戻ってきておりません。いわゆる既に遊休化している、返還可能な施設もあるわけですね。このような冗長かつ未確定な計画で、県民への負担軽減を本当に担保し得るものになるのか。  改めて、総理の見解をお聞かせください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 この計画に基づく返還に際しては、多くの施設が他の既存の米軍施設・区域に移設されることとなっておりまして、その結果として、東京ドーム二百二十四個分、千四十八ヘクタールに相当する広大な土地が返還されることになります。特に、人口が集中をし、沖縄県の政治、経済の中心部である中南部に位置する広大な土地が返還されることになるわけでありまして、沖縄の負担の軽減が相当程度図られるものと考えております。  そして、あの計画の中におきましても、一四年度に幾つかの施設が返還されるわけでございまして、一四年度といえばすぐ先でございますので、そのときにしっかりと返還を実現させていくことによって、目に見える形で進んでいるというふうに実感をしていただきたい、こう考えているところでございます。

玉城デニー生活の党

○玉城委員 人口密集地から人のいないところへ移すということは、それだけ多くの沖縄の自然環境をも脅かす、あるいは破壊することになるということを強く申し入れて、私の質問を終わりたいと思います。  ニフェーデービタン。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて玉城君の質疑は終了いたしました。  各大臣は御退席いただいて結構でございます。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  第一分科会主査岩屋毅君。

岩屋毅自由民主党

○岩屋委員 第一分科会について御報告申し上げます。  その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主な質疑事項について申し上げます。  まず、皇室費については、陵墓の管理のあり方、  次に、国会所管については、衆議院事務局退職者団体の運営方法など、  次に、内閣所管については、アイヌ政策への政府の取り組み姿勢、解雇の金銭解決制度など、  次に、内閣府所管については、北方領土問題への政府の取り組み姿勢、不動産のサブリース契約の問題点など、  次に、復興庁所管については、復興予算の使途の適正化など、  次に、防衛省所管については、自衛隊による在外邦人輸送手段拡大の問題点、原子力発電所に対するテロ攻撃への対処などでありました。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第二分科会主査奥野信亮君。

奥野信亮自由民主党

○奥野(信)委員 第二分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、総務省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、公務員制度改革のあり方、道州制推進の取り組み状況、滞納税の地方公共団体による徴収のあり方、一票の格差問題、電子投票制度導入の必要性、ICTの活用方策、消防団の充実強化等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第三分科会主査伊藤達也君。

伊藤達也自由民主党

○伊藤(達)委員 第三分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、法務省、外務省及び財務省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、法曹養成制度のあり方、法務局の地図整備事業の重要性、成年被後見人の選挙権制限に係る問題点、米軍機の飛行訓練による騒音問題、安倍政権の外交戦略、国家公務員宿舎の削減計画等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第四分科会主査萩生田光一君。

萩生田光一自由民主党

○萩生田委員 第四分科会について御報告申し上げます。  第四分科会は、文部科学省所管について審査を行いました。  詳細については会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、少人数学級の拡充の必要性、教科書検定における近隣諸国条項の見直し、学校施設の防災機能強化、待機児童対策、風俗営業法によるダンスカルチャー規制のあり方、沖縄県八重山地区における教科書採択問題等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第五分科会主査宮路和明君。

宮路和明自由民主党

○宮路委員 第五分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、厚生労働省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、医師不足解消に向けた取り組み、生活扶助基準引き下げの影響、保育士、介護職員の処遇改善、小児がん対策の推進、若者の雇用支援のあり方等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第六分科会主査西銘恒三郎君。

西銘恒三郎自由民主党

○西銘委員 第六分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、有害鳥獣被害対策の拡充、日台民間漁業取り決めの合意の経緯、TPP交渉参加と国内農林水産業への影響、農地集約の今後のあり方、PCB特措法延長の是非、原子力災害復興への取り組み等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第七分科会主査小此木八郎君。

小此木八郎自由民主党

○小此木委員 第七分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、経済産業省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、サービス産業の振興を通じた雇用、所得増の必要性、中小企業、小規模事業者への支援、商店街の活性化、原発・エネルギー政策のあり方、再生可能エネルギーの推進、循環型社会の推進に向けた容器包装リサイクルのあり方等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 第八分科会主査石田祝稔君。

石田祝稔公明党

○石田(祝)委員 第八分科会について御報告申し上げます。  本分科会は、国土交通省所管について審査を行いました。  詳細につきましては会議録に譲ることといたしますが、その主な質疑事項は、道路、鉄道、港湾整備の推進、社会資本の老朽化対策、大規模地震に備えた防災・減災対策、災害に備えた河川整備の必要性、建築物の耐震化の促進、高速道路の料金体系のあり方等々であります。  以上、御報告申し上げます。

山本有二自由民主党

○山本委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後一時開議

山本有二自由民主党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  三案審査のため、本日、政府参考人として環境省総合環境政策局長白石順一君、環境省総合環境政策局環境保健部長佐藤敏信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 これより締めくくり質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤信太郎君。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 自由民主党の伊藤信太郎です。宮城県の選出でございます。  きょうは、復興政策と安倍内閣が目指す国家ビジョンを中心にお伺いしたいと思います。  十二月の安倍内閣の発足以来、復興も加速化し、また、被災地においても光がより強く見え始めたということは、大変喜ばしいと思います。私も、被災地に週末住んでおりまして、それを実感いたします。しかしながら、全ての問題が解決したわけではありません。今でも多くの被災地あるいは被災者から、いろいろな苦情や要望が私のところに寄せられております。  きょうは締めくくり総括ですので、全体像についてまずお伺いしたいと思うんですけれども、復興というものは安倍内閣の一丁目一番地ということで、全ての大臣が復興大臣のつもりでやるというような安倍総理の御方針でございます。  復興庁は、庁ではありますけれども、ある意味では、ほかの省庁を超えるような大きな権限や力を持って、リーダーシップを持って復興を進めるということだと思いますけれども、実際のところ、復興庁にどれだけの権限があるのか。例えば、それぞれの役所が占めているいろいろな規制や取り決めがあります。そういうものをある程度超えて復興政策を進める、そういう力があるのかどうか。これは復興大臣にお伺いいたしたいと思います。

根本匠自由民主党復興大臣

○根本国務大臣 復興庁は、復興庁設置法において、各省庁に対する総合調整を行うことができるとされております。そして、一段高い位置づけになっております。  復興庁の役割は、各省庁それぞれ所管があって、それは所管としてやってもらいますが、我々は、総合調整機能を発揮して縦割りの排除に努めていく、大きく動かしていく。  例えば、今、被災地では、住宅再建、これを何よりも急いでほしい、こういう声があります。先日も、住宅再建・まちづくりタスクフォース、この中で、用地取得が困難なところについての具体的な前進する策、これを講じました。これは、私が復興大臣としてタスクフォースを主宰して、関係省庁の局長に参加してもらって、例えば土地収用法あるいは財産管理人制度、これをどんどんどんどん深掘りして動かしていく、こういうやり方でやっておりますので、私は、復興庁の権限と、あとは、やり方次第だと思います。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 二十五年度の復興予算を見ると、全体で四兆三千八百四十億円ですが、そのうち、いわゆる復興庁が直接所管しているものが二兆九千三十七億円。それから、それぞれの役所の復興予算の総和が一兆四千八百三億円ということになっております。  私も実際、被災地のいろいろな自治体や皆さんから要望を受けて、いろいろな事業の推進のために動いているわけですけれども、実際のところ、例えば被災地の避難道路をつくるということになると、復興庁にまずお願いする、復興大臣にお願いする、それだけにとどまらないですね。これはやはり国土交通省の社会資本整備の復興枠だと。要するに、二回りするということになるんですね。  ですから、私はやはり、復興の予算というのは、できれば各省庁に縦割りにならないで、復興庁が一括して計上できる。それぞれの施策については専門の省庁があるでしょうけれども、復興庁の判断でできるという形にすべきだと思っているんですけれども、この件について、まず復興大臣、そして安倍総理からお考えをお伺いしたいと思います。

根本匠自由民主党復興大臣

○根本国務大臣 今どういう仕組みになっているかと申し上げますと、復興庁は、被災地からの要望にワンストップで対応する、そして被災地の要望を一元的に受理して、これを踏まえて復興事業に必要な予算を一括して計上して、そして執行段階でも節目節目で各省庁に執行する、こういうやり方でやっております。  基本的には、復興庁が一元的に受理して、一元的に計上して、一元的に執行するというやり方でやっておりますので、さらにこの機能を強化していきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 ただいま根本大臣が答弁したとおりでございますが、被災地向けの予算については、全て復興庁に一括計上して、そして要望を一元的に受理して、そして一括して要求をしているという中において、執行段階において、これも全部、執行そのものを復興庁にという話でございましたが、こうした予算については、復興庁が事業箇所等の事業の実質的内容も決定をして各府省へ予算の配分を行っておりますので、このような予算計上の仕組みは省庁縦割りの排除につながっていく、こう考えております。  ですから、あとは、この根本大臣のリーダーシップにおいて、基本的に、各省庁に陳情を行わなくても、復興庁、根本大臣のもとで一元的にそうした要望を受け、そして予算の執行においてもそうした力を発揮していくことも十分に可能なのではないか、このように思います。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 ありがとうございました。  ぜひ、そのような状況を強化していただく。現実面ではまだまだ二回りというのがあることを申し上げたいと思います。  被災自治体から受けるもう一つの要望は、大体、復興計画というのは十年、立てているんですね。そうすると、国の方は単年度予算なので、では五年目にこの予算がつくかどうかというのが不安だという声があるんですね。私は、復興予算というのは、できれば、例えば十年の計画がちゃんと毎年毎年出るように基金のようなものを創設する、それが必要じゃないかなと思うわけですけれども、この件についての、これは復興大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

根本匠自由民主党復興大臣

○根本国務大臣 委員御指摘のように、被災地では、将来、この予算が果たしてこれからもつくんだろうか、そういう話が非常にありました。ですから、五カ年間の中期フレームを見直して、十九兆円を二十五兆円にする、この中期フレームを見直したところであります。これは、被災地の自治体のトップの皆さん初め、私も評価をいただいていると思います。  それから、具体的に、基金の造成の御提案をいただきました。  例えば復興交付金、これは、復興交付金を交付します。交付した場合に、自治体で基金を造成してもらえれば、繰り越し手続なく弾力的に執行できるようなスキームがありますから、この復興交付金のスキームを活用しながらやっていくのが私も妥当なことではないかと思っておりまして、被災地の将来に不安がないように、引き続きしっかりと予算確保に努めていきたいと思います。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 ありがとうございました。  次に、税制のことを財務大臣にお聞きしたいと思います。  やはり被災地は経済的に大変困窮しているわけで、いろいろな税制の特例措置が必要だと思って、既にしていただいているものもあります。でも、一番大きいのは、やはり消費税なんですね。家が流されて、新しい家を建てるときに、例えば二千万の家、そのときに消費税が二百万か百万か、大きな差がありますね。ローンをする場合の措置というのは今図られているようですけれども、自分のお金を何とかかき集めてやる場合は、ないんですね。  ですから、この消費税の増税、私の持論は、被災地の消費税の増税は、最低五年、できれば十年、猶予すべきだというのが私の考えですけれども、そのことを含めて財務大臣の、税制の特例措置についてのお考えをお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○麻生国務大臣 被災地に対します税制の特例というのは、所得税とか住民税とかいろいろございますけれども、そういった中でこれまでもさまざまなものをやってきておりますけれども、被災地に限ってだけ消費税を減ずるという扱いはなかなか難しいと思っております。  例えば、消費税の実質的な負担者というのは消費者ということになるんですけれども、納税している義務者は事業者ということになりますので、それは簡単に言えば、全国にわたって、製造、卸、小売と、全部、流通経路に応じて消費税はそれぞれの事業者が売上高に加算してくるわけですけれども、課税の重複を避けるために、仕入れ先に支払った消費税額を控除するという仕組みになっておりますのは御存じのとおりなんで、これを特定の地域や特定の人にだけ別にして執行面や課税というところを考えますと、ちょっと隣の県から入れかえたり、いろいろ難しいところが出てきますので、そういった意味で、これはなかなか、公平を期すというところは物すごく難しいところだと思っております。  いずれにしても、いろいろな特例措置を考えてはおりますけれども、消費税というものに関してやらせていただくのは、これはなかなか難しいというのが現実問題と存じます。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 最後に、国家ビジョンについてお伺いしたいと思います。  私は、経済をよくするとかは大事ですけれども、それは究極の目的ではないと思うんですね。むしろ、方法であろうと思うんです。  ちなみに、一九五五年のGDPと二〇一一年のGDPを比較すると、名目で五十五倍になっております。その間、大体インフレが六倍ですので、実質では九・一七倍ということです。人口がふえているのを割ると、大体六・四倍、一人当たりのGDPがふえたということになります。  しかしながら、どうでしょう、一九五五年の日本人と今の日本人と比べて、必ずしも六・四倍幸せになったとは言いがたいんじゃないでしょうか。ですから、アベノミクスによってGDPがふえることは大変喜ばしいんですけれども、その先にある日本の国の理想の姿、そしてまた、今、二十一世紀という時代を見ると、やはり量的拡大ということから、それぞれの地域に合った質的充足という方向にパラダイムシフトすべきだろうと私は思うんですね。  ですから、我々が、日本の国柄やそれぞれの地域を大事にしながら、歴史、伝統、文化を大事にし、そしてグローバルに通用する、世界で尊敬され必要とされる日本をつくる、そういう国家ビジョン、安倍総理はどのようにお考えになっているか、最後にお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 安倍政権は、デフレから脱却して力強い経済成長を可能にする、そういう経済を目指しているわけでありますが、これはもちろん目的ではありません。経済を成長させることによって、国民の所得がふえていく、高い文化的な生活が可能になっていくということと同時に、年金や医療や介護、そうした財政的な基盤を厚くして、安心して生活できる、そういう環境をつくっていくためであります。  私が目指す日本の社会というのは、今、伊藤議員が御指摘になったように、日本は古来から、朝早く起きて、汗を流して田を耕し、水を分かち合いながら、そして秋になれば御皇室を中心に五穀豊穣をみんなで祈ってきた国であります。やはりその国にふさわしい社会があるんだろう、こう思っております。日本の文化や伝統の上に成り立つ、美しい瑞穂の国を目指していきたい、このように思っております。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 その日本の伝統、文化を大事にしながら、世界に必要とされる日本をつくるために、今は主に経済政策のことを触れてきたわけですけれども、経済政策以外の分野で、安倍内閣がここを進めたいというところがあれば、最後のお時間で国民に訴えていただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 国家百年の計は、何といっても教育であろうと思います。内閣に教育再生実行会議をつくりました。この会議におきまして、現在の六・三・三・四制がそのままでいいのか、大学入試の仕組みがそのままでいいのか、あるいはまた、グローバルな経済の中で勝ち抜いていく上において、今の人材養成の仕組みでいいのかということも含めて、この教育再生改革に取り組んでいきたいと思っております。

伊藤信太郎自由民主党

○伊藤(信)委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤英道君。

佐藤英道公明党

○佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道でございます。総理も、そして総理の奥様も、何度も訪れられ、こよなく愛されている北海道の選出であります。  総理が御出席されての予算委員会、初の質問であります。どうぞよろしくお願いをいたします。  日本とロシアの友好を担った政治家は数多くいらっしゃいますが、一九九一年、ソ連の首脳として初めて来日をされたゴルバチョフ大統領の訪日に御尽力をされた、総理のお父上であられる安倍晋太郎元外務大臣の存在なくして、今日の日ロの関係はないと私は思っている一人であります。特に、安倍元外務大臣の最後の政治活動となったゴルバチョフ大統領との会談のエピソードは余りにも有名であります。  安倍元外相は、闘病生活の中、来日された大統領を迎える際、大統領に御心配をおかけしないようにと、お痩せになった御病身を少しでもふっくらと見せるために、背広の下に詰め物をしてお会いになられました。そして、会談の翌月、残念ながら御逝去をされたのでございます。  それほどまでに日ソの友好にかけてこられた御尊父の御遺志を受け継がれたのが安倍総理であり、このたびのロシア訪問に総理がどれほどの御決意で向かわれていらっしゃるのか。私は北海道に住んでおりますので、近所には北方四島でお生まれになった方や、そのお子さん、お孫さんが大勢おられます。その方たちも、今回の総理の訪ロについてどれほど期待をしていらっしゃるか。  また、私はこれまで、北方四島の国後、択捉、色丹の三島を元島民の方々と訪問させていただく機会がございました。そうした経験からも、私は、北方領土問題の解決、日ロ友好条約の早期締結を深く深く念願している一人であります。  このたびの訪ロ、そして、日ロ首脳会談に臨まれる総理の御決意をお伺いさせていただきます。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 ただいま委員から、私の父にかかわるエピソードを紹介していただいたことを御礼申し上げたいと思います。  父が最後にロシアを訪問した際、当時のゴルバチョフ大統領と会談をして、それまで日ロ間には、当時は日ソ間でありますが、領土問題は存在しないという立場であったのでありますが、英知をもって解決するという言質を引き出したのでございます。  今般の私の訪問は、総理大臣としては、公式訪問としては十年ぶりになるわけでございまして、日ロ関係の発展に新たな弾みと、そして、長期的な方向性を与えるものにしていきたいと考えております。  また、ロシアとの間では、アジア太平洋地域のパートナーとしてふさわしい関係を構築すべく、経済や安全保障などあらゆる分野で協力を進めて、日ロ関係を全体として高めていくという方向性を示していきたいと思います。  日ロ関係は、世界の二国間関係の中でも大変高い可能性を秘めた二国間関係であろう、こう思うわけでございます。その可能性を現実のものとしていくためには、やはり、平和条約を結んでいくということも極めて重要だろう、このように思います。  日ロ両国の最大の懸案である北方領土問題の解決に向けて、プーチン大統領とともに、近年、停滞してまいりました、この停滞していた交渉を再スタートさせる政治的意思を示していきたいと考えております。

佐藤英道公明党

○佐藤(英)委員 ありがとうございました。このたびのロシアの御訪問、大成功をお祈り申し上げたいと思います。  次に、消費税に関して、特に軽減税率についてお伺いをしたいと思います。  消費税の問題点として指摘されているのが、その逆進性です。所得の高い低いにかかわらず、全ての物品に対して一律に課される消費税は、生活困窮者の方々の生活にもちゅうちょなくのしかかってまいります。  先日、出席させていただいた会合で、年金で暮らしておられる御婦人の方々からこのように言われたのであります。アベノミクスで株価は上がる、円も下がる、景気もよくなるような気はする、しかし、私たちの生活にはどう反映されているのか。  もちろん、経済指標には先行的に動いて将来の景気を映し出すものもありますので、そのタイムラグがあるのは当然なのでありますけれども、同時に私は、その話を伺いまして、政策によって生み出された結果に対する評価というものは、生活実感でしか理解していただけない一面があるのではないかということでありました。  確かに、逆進性を緩和させる手法は、さまざまあるのは事実であります。しかし、消費税の増税に伴って生じる負担に対する軽減というものは、消費税の仕組みの中で行うというものが最もわかりやすく、最も妥当であり、国民の理解を得やすいのではないかと考えているのであります。  事実、四月六日の日経新聞の調査の結果を見れば、導入すべきだと答えた方が六二・三%、どちらかというと導入した方がいいという方が二一・七%、合わせると、実に約八五%が軽減税率の導入を求めております。  アベノミクスはマインドまでも押し上げたと高い評価をされております。軽減税率の導入は、結果的に、安倍内閣がどれほど国民の側に立っているかを国民の皆様に実感していただける政策になると私は思っているのです。  国民の政権に対する信頼が高まれば、自然とマインドも、さらにより一層高まると思います。総理の軽減税率導入に対する御見解をお伺いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○麻生国務大臣 これは佐藤先生、消費税の軽減税率につきましては、昨年の六月、三党、自公、御党とそれから民主党と、三党の合意を踏まえて、税制抜本改革法の成立において、給付つき税額控除や簡素な給付措置と並んで、低所得者への配慮の観点から検討課題とされております。  与党の二十五年度税制改正の大綱におきましては、軽減税率につきましては、公明党の主張がございまして、消費税率一〇%引き上げ時に軽減税率制度を導入することを目指すとされました一方、幾つかの問題点も指摘されました。財源問題をどうするか、それから、区分整理を伴いますので、これはいわゆる中小企業者の事務負担が、インボイス等々、一挙にふえます。また、対象となる品目をどうするのかというようなところがいろいろ課題として残っておりまして、今、与党においては軽減税率の調査委員会を設置して、議論を既に開始しておられると伺っておるところです。  したがいまして、与党におけるいろいろな議論を、経過等々を拝聴させていただきながら、関係者にも十分に意見を伺った上で、さらに検討を行っていく必要があろうかと考えております。

佐藤英道公明党

○佐藤(英)委員 どうか御検討のほど、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  最後に、TPPについてお伺いをいたします。  日本は瑞穂の国、美しい国土、美しい日本、季節ごとの色鮮やかな日本の風景を守ると総理は常々御発言されておりますけれども、私も全く同感であります。  北海道は、全国四分の一の農業の産出額を誇る日本の食料基地であります。大規模専業農家が大宗を占め、全国シェアの大半を占める産品が多いのであります。  ですが、ここに至るまで、北海道は、厳しい厳しい闘いがありました。土地に恵まれない上に、とにかく寒い。冬は吹雪であります。農作物なんかとれない、稲なんか育たないと言われてきたものを、血のにじむような努力で気候と闘い、土地と闘って、何年も我慢をしながら克服してきた歴史がございます。北海道の農業には、そうした筆舌に尽くせない歴史があり、米は無理だと言われても、飽くことなく努力をし続け、全国に出荷できる銘柄、ゆめぴりかやきらら、ななつぼしなどを育ててまいりました。  同様に、麦もすばらしい成果をおさめています。最近は、ゆめちからというパンを出しました。全部国産の麦でつくったパンなんです。そういう努力を、真面目な人たちの心を、TPPで踏みにじるようなことだけは絶対にあってはならないと思うのでございます。  総理、圧倒的に国際競争力の弱い農作物、特に米や麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源作物の五品目、せめてこれらを重要品目、聖域として引き続き守っていただきたい、守るべきだと考えます。あらゆる努力によって日本の農業を守り、食を守っていただきたいと思います。  断固日本の国益を守る、日本の農業を守ると、日本の農家の皆様に明快なメッセージを送っていただきたいのでございます。総理の御見解をお伺いいたします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○甘利国務大臣 TPP担当大臣としてお答えをいたします。  日米首脳会談におきまして、それぞれ日本側、アメリカ側、一定のセンシティブな品目があるということの確認をいたしました。アメリカは工業製品の一部であり、日本は農業、農水産品の一部であるということであります。それは具体的項目の特定はいたしませんでしたけれども、それぞれの国にセンシティビティーはあるんだということを相互に理解し合ったと思います。  先週の金曜日に、日米両国で、事前協議の合意文書が発表されました。アメリカのセンシティブ品目について具体的な記述がありました。同時に、日本はTPPに入っていった中でいろいろと議論をしていくわけでありますけれども、農産品にセンシティブ品目があるということをもう一度書かせていただいた次第でございます。  これによりまして、交渉に入っていく前段の、対アメリカのハードルが外れた。これからアメリカが議会に通知をしてくれるということを待っているわけでありますが、一刻も早く、TPP正式参加の後に、守るべきものは守る、国益に資するような交渉に努めていきたいというふうに思っております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 今、佐藤委員がおっしゃったように、北海道は、大規模な専業農家を中心に、すばらしい農産品をつくっていただいていると思います。それだけ流した汗の量も、そしてたくさんの投資も行ってこられたという中において、いわばTPPにおいて、仕事をしていく環境が大きく変わるわけでございます。  そういう中で、しっかりと皆さんが仕事を守っていけるように、農は国の礎でありますし、特に、北海道にとって農業というのは、主力、大きな柱の産業でございます。それを守っていくために全力を尽くしていきたい、このように考えておりますし、その思いで交渉もしていきたいと思います。  先ほど例として挙げられました、日本の小麦を使ったパンをつくっていく、たまたま私も個人的にその社長さんを知っているんですが、敷島製パンという会社の盛田社長なんですが、何とか国産の小麦でおいしいパンをつくりたい、これはいわば製造業と農家が一体となって一つの大きな成果を生んだいい例なんだろう、このように思います。  これからもそうした成功例を次々と生み出していくべく、我々も努力をしていきたいと考えております。

佐藤英道公明党

○佐藤(英)委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、前原誠司君。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 民主党の前原でございます。  締めくくり総括質疑に当たりまして、まず金融政策について質問したいと思います。  きょうは黒田総裁にもお越しをいただいております。まず黒田総裁にお伺いをいたしますけれども、四月四日の金融政策決定会合におきまして、こういう文書が発出をされております。「上記の長期国債の買入れは、金融政策目的で行うものであり、財政ファイナンスではない。また、政府は、一月の「共同声明」において、「日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」としている。これらを踏まえ、いわゆる「銀行券ルール」を、「量的・質的金融緩和」の実施に際し、一時停止する。」こういうことを発表されているわけであります。  四月の十日のマスコミ各社のインタビューに総裁はお答えになられて、現在の緩和策が続くわけではない、物価目標が達成されれば出口ということになる、銀行券ルールはいずれ復活してくるとお答えになっておりますが、この銀行券ルールはいずれ復活をさせるということでいいのか、この国会の場でもお答えをいただきたいと思います。

黒田東彦日本銀行総裁

○黒田参考人 そのとおりでございます。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 あわせて、物価目標が達成されれば出口ということになるということですね。あと二年でうまくいけばということでありますけれども、うまくいったとしたら、もうあと二年で出口になるということであれば、今から考えておかなくてはいけません。  過去の出口戦略として考えられることを私なりに整理いたしました。一つは、金利の引き上げですね。それから二つ目は、保有国債を、今は短いものから長いものにかえていかれるということをやられているわけでありますが、それを逆のオペレーションをやっていくということ。それから三つ目は、当座預金の付利の引き上げ。これを、三つを出口の基本と考えていいのかどうなのか、総裁のお答えをいただきたいと思います。

黒田東彦日本銀行総裁

○黒田参考人 そのとおりだと思います。  ただ、現時点では、御承知のように、消費者物価の上昇率はゼロないし若干マイナスでございますので、今、具体的に出口戦略の内容について議論するのはやや時期尚早だと思いますが、中央銀行として、そういったことも常に頭に置いていることは事実でございます。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 確かに、これから金融緩和をやっていこうということで、二年間の工程表、目標を示された。その中において出口戦略を具体的に示すということは、相矛盾というか相殺することにもなるということで、理解をいたします。ただ、二年というのは早いですから、ここはどのようなオペレーションをしていくのかということについて、今の三点がそのとおりだとおっしゃっているのであれば、その点についてしっかりとやはり準備をしていただくということが大事なわけでありますので、要望しておきたいと思います。  さて、ここからが主に聞きたいポイントでありますけれども、この四月十日のマスコミ各社のインタビューで、総裁はこうもお答えをされているんですね。政府の財政状況をどう見ているかという問いに対して、こう答えられています。持続可能性が大いに疑われ、恐らく持続できないと思う。つまり、持続できないと思うとまで日銀総裁はおっしゃっている。それで、財政赤字の縮小が必要だと答えられているわけであります。  先般、香港で、著名な投資家、投機家というのかもしれませんが、ジョージ・ソロス氏が主宰をする経済フォーラムにおいて、イギリスの元FSA、日本でいうと金融庁の長官に当たる立場にあったロード・ターナーという人がこう言っています。日本の国家負債は通常の方法では返済されない、日本政府が税収等から借金を返済する可能性はゼロ、この負債はマネタイズドされるか、つまりは財政ファイナンスで日銀がそれを引き受けるか、リストラクチャー、これはいろいろな訳語があるのかもしれませんが、債務再編、簡単に言うと債務不履行、棒引きされるほかない。高インフレによってオフセット、つまり相殺、つまりは国民の資産というものをいわゆる高インフレによって減価させて、そして借金を薄める、こういう可能性があると言っているわけですね。  今、日本の市場に入ってきている多くのお金、半分以上のお金は外国のお金だと思います。今はとにかくもうけ時期だといって、たくさん入ってきて、それが資産価値を上げているということにもなっているわけでありますが、そういう方々が、しかし、日本の財政についてはこういう見方をしている。もうけるだけもうけて、そして、もう返せないだろうということの中で、今とにかくもうけようということでやっているわけであります。  そこで、まず総裁にお伺いをします。  きょうお配りをしている資料の一枚目、政府と日本銀行の共同声明というものでありますけれども、先ほど少しお話をしましたように、これは右側の三の第二パラグラフ、「また、政府は、日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する。」と書いてある。  総裁のおっしゃる赤字解消の政府の取り組みには、消費税率の着実な引き上げというのは入っているのか、また、現在の経済状況で消費税率を引き上げないという選択肢はあると思われるのか。この共同声明をまとめた一方の当事者としてお答えをいただきたいと思います。

黒田東彦日本銀行総裁

○黒田参考人 私も、現在のままの財政状況は持続可能ではないだろう、したがって、持続可能なものにするための歳出歳入両面のさまざまな努力が必要であろうというふうに思っております。  したがいまして、この共同声明にありますように、政府は、日本銀行との連携強化に当たり、財政運営に対する信認を確保する……(前原委員「それは読まなくていいです、時間が余りないので」と呼ぶ)そういう観点から取り組みを着実に推進すると言っていますので、当然、その中には歳入歳出両面があると思いますし、なかんずく、三党合意で決められました消費税の段階的引き上げというのも入っていると思います。  ただ、中央銀行の立場で、財政政策の中身についてこうすべきだと言うのはやや行き過ぎだと思いますけれども、私としては、当然そこに入っていると思っております。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 後段の質問に答えておられないですね。踏み込んで言うのはいかがなものかとおっしゃいながら、今の日本の財政は持続可能ではないと言うのは、踏み込んだ発言だと思いますよ。  それで、先ほど申し上げたのは、今の経済状況あるいはさまざまな施策というものが取り上げられている中で、消費税を今引き上げないという選択肢はあると思うかということを二番目に聞いているわけです。お答えください。

黒田東彦日本銀行総裁

○黒田参考人 たしか、消費税の引き上げにつきましては、法律の附則で一定のことが定められておるというふうに伺っておりまして、経済の動向を踏まえて具体的な導入についてのゴーサインが出るということだと思いますが、何度も申し上げますが、今のままでは財政は持続可能でないだろう、それは政府も認めておられて、したがって、持続可能なものにするための取り組みを着実に推進するというふうにおっしゃっているわけでして、経済動向を踏まえてそういったことが行われるというふうに思っております。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 直接お答えをされないので、総理もしくは財務大臣、どちらでも結構ですので、お答えをいただきたいと思います。  昨年末に景気が腰折れしそうになった、そのときに、何が問題だったかというと、アメリカの景気の減速、ヨーロッパのさまざまな財政問題、それが、金融不安、そして景気全体に対するマイナスの影響、中国の経済の調整過程というものがあった。  ただ、今は、アメリカは経済がある程度持ち直してきた、フィスカルクリフも一定の、その危機的な状況は現段階では乗り越えた、ヨーロッパも、ECBの無制限の緩和により小康状態にある、中国は思っていた以上の経済成長じゃなかったということで、ニューヨークはかなり株が下がり、きょう、円高が若干進んでいるようであります。  ただ、外的環境というのは、去年の秋口から比べるとかなりよくなっていますね。同時に、安倍政権になってから十兆円の補正予算というものを真水でやられている。そして同時に、日銀があれだけの金融緩和をやっている。こういう状況ですね。  いろいろな方々に言わせると、吹かせるだけ吹かした状況になっている。しかし、ここで上げないということは、いつ上げるんだという議論も、裏返しであるわけですね。後でお話を伺いますけれども、この財政再建というものに対するしっかりとした取り組みをやらなければ、日銀は、この間の政策決定会合で財政ファイナンスじゃないんだということをみずから強調しなきゃいけないほど国債を買うんですよ。七割買うんでしょう。新規発行の七割。財政ファイナンスと見られても仕方のないぐらい買っている日銀がもっとはっきりおっしゃったらいいと私は思うけれども、この状況において、もちろん、上げるかどうかの最終判断は十月に決めるということでありますけれども、十月までにどんな状況が起きるのかわかりませんが、現時点においては、私は、トータルで考えたら、上げないという選択肢はないと思いますが、総理、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 既に、昨年の三党合意を経て、我々、野党ではありますが、もともと我が党の政策として、伸びていく社会保障費に対応するために消費税を上げていくということは、前回の参議院選挙でもそういうお約束をしているとおりでございます。その前、麻生総理のもとで行われた総選挙においても私どもそういう話をしておりますから、民主党の法律に対して我々は賛成をしたわけであります。ですから、基本的には、来年の四月から消費税を上げていくということには変わりはもちろんないわけであります、既に法律が通っているわけでありますから。  しかし同時に、附則十八条において、経済は生き物でありますから、大きな変化があったり、あるいはまた経済の足元の状況が非常に厳しい、つまり、消費税を上げることによって逆に景気に大きな悪影響を与えて税収が伸びていかないということであれば、それでも税率を上げるというのはまさに本末転倒でありますから、税収をふやしていくために税率を上げていくという観点から、これはもちろん、上げないということはありますが、基本的には上げていくということで、もう既に準備を我々は始めているということであります。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 お配りをしている資料の二ページ目の上をごらんいただきたいと思います。これは、一八九〇年度以降の政府の債務残高、対GDP比で推移したものでありますけれども、第二次世界大戦の戦時状況よりも今ひどい状況になっているということであります。  三枚目の図表をごらんいただきたいと思います。左側は歳出自然体、これは社会保障の年間約一兆円ある自然増というものをそのままにして、経済成長率は一・五%という低い見積もりをしたわけです。いろいろな数字がありますけれども、平成二十四年度というところの一番下を見ていただきたいんですね。いわゆる歳出と歳入の差が四十四・二兆円あるということなんですね、二十四年度。  先ほど総理がお答えされたとおりなんです。つまり、経済が悪くなって、消費税を上げたら余計税収が減るということであればそれは見直すということ、あるいは上げないということもあるかもしれませんけれども、歳出は放漫体制のまま、経済成長は一・五%のまま五年間推移をしたとすると、二十八年度の一番下を見ていただきたいんです、四十三・九兆円になっていますね。つまりは、五%上がったという前提で、十三・五兆円の税収増があるということであったとしても、五年間で食い潰してしまうということなんですね。  なぜ食い潰すかというと、国債の元利償還が毎年毎年ふえていく、そして社会保障の自然増がどんどん毎年一兆円ふえていけば、五年間で、五%上げたものがチャラになってしまう、こういうことであります。  右は成長ケースであります。成長ケースでも、言ってみれば、四十四・二から四十・二ですから、四兆円しか残りがない、こういうことになっています。  それだけ日本は今、財政的には極めて厳しい状況にあるということで、もしこういうものを放置しておけば、みずから、財政ファイナンスではありませんよと言わなきゃいけないぐらい国債を買っている日銀も含めて、私は、大変な反動が来るということを指摘したいと思います。  そこで、では具体的に、歳出カットをどうしていくのかということであります。成長戦略も大事ですけれども、歳出カットは物すごく大事ですね。  一つ目、まず伺いたいのは、小泉政権で社会保障の毎年二千二百億円の削減、五年間で一兆五千億円というのをやりました。これによってさまざまな問題が起きたのも事実でありますけれども、先ほどの左側のシナリオは、一兆円の自然増はそのままというものなんですね。一兆円毎年削るというのは相当大変なことですけれども、ただ、社会保障が、今、一般歳出の五四%ですから、ここにメスを入れていかなければ、財政再建、歳出の見直しというのはできないわけですね。  さて、そこでお伺いをいたしますけれども、社会保障の総額抑制、見直しが財政再建の中核のテーマであるべきだと私は思いますが、総理、これはいかがですか。  総理にお答えいただきたいと思います、総括ですから。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 小泉政権のときに、今おっしゃったように、二千二百億円、五年間。しかし、実際は五年間できなかったんですけれども、なぜできなかったかといえば、この改革に踏み込んだんですが、副作用として非常にさまざまな問題が顕在化をしたということであります。  そこで、社会保障費の伸びをキャップをかけて抑制するのが果たして本当にいいのかどうかということが、ずっとその後、議論がなされたわけであります。  我々としては、まず、キャップをかけて抑制するという手段は現在のところ考えていないわけでございますが、年の半ばまでに骨太の方針を定めていくわけでございまして、その中において、この社会保障費をどう抑制していくかということについての議論がなされていく。例えば、キャップをかけても今提供しているサービスが果たして維持できるかどうかという、サービスの質ですね、サービスの質を維持しながらいかに効率化を図っていくかということが課題なんだろうと思いますが、キャップをかけることの是非も含めて議論をしていきたいと思っております。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 私、キャップがいいとは思わないんですね。ただ、政策テーマにおいて、やはり絞り込むべき点というのがあると思うんです。  例えば、三つ質問いたします。これは総理がお答えください、そんな難しい話じゃありませんので。  七十歳から七十四歳の医療費においての窓口負担、これは本則二割ですよね。それが今一割になっている。これを本則に直すだけで約二千億円の増収が図られる。  二つ目、介護保険。これは見直しの時期がやってまいりますけれども、これについてのいわゆるサービスの範囲、それから負担、こういったものが当初予定されたものと比べて果たして妥当なのかどうなのかという議論はかなりあるわけですね。こういう範囲といわゆる負担、一割負担というものを見直すべきかどうなのかということのポイント。  三点目は、お金の観点から考えるということは私は厳に慎まなきゃいけないと思いますけれども、高齢者の方々あるいは末期の患者の方々が最終的に受けられる終末期医療の問題です。これは人間の死生観にかかわる、尊厳にかかわる問題でありますので、お金の観点から議論するということはいかがなものかと思いますけれども、ただ、不可逆的なんですね。なかなか元気にならない。本人確認をした上で、こういったいわゆる終末期医療というもののあり方を議論するということ。  この三つについての総理の御意見を聞かせていただきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 まず、七十歳から七十四歳までについて、この負担については、いわば三割、二割、一割ということを既に決めているわけであります。そこで、今回、二割にしていくことについて延期をしているわけでございますが、これは、いわば高齢者の方々も含めて、まず十分に周知を徹底していく必要があるというふうに考えたわけでございまして、この国会の場等においても相当議論が進んできたわけでございまして、基本的には、原則がそうですから、我々もその方向に向けて実施をしていきたい、このように思っております。  次に、介護保険の範囲の問題でありますが、ちょうど介護保険を実施する際、当時は社会部会長と言っておりましたが、私は、社会部会長、党の責任者でございました。ここで実施する、いわば高齢者の皆さんの年金から自動的に引き落としをするというのは初めてのことでありました。その際、果たして理解していただけるかどうかというものがあって、当時の亀井政調会長が、半年間、徴収を延期したということがありました。  あのときの、なぜ延期をしたかということについては、では、サービスの中身についてもう一回議論をしようということでありました。例えば家事介護についても、それはサービスの中に入っている、これは本当にそれでやっていけるかどうかということであります。  ちょうどことしから団塊の世代が六十五歳に入っていく。つまり、二百七十万人という非常に大きな人口の固まりがいよいよこの介護保険の対象になっていって、これでもつのかどうかということがあります。サービスとしてそれを提供しようということになれば、これは結構、当初の予測よりもみんな使うんですね。最初は、厚生省の予測ではそれほど利用しないだろうと思われていたものを、サービスとして存在すれば、せっかく保険を払っているんだから使おうということになるわけでありますので、そういう整理もしっかりと議論をしていく必要が私はあるんだろうと思います。  もう一点、ターミナルケア、終末期医療の問題でありますが、尊厳とともに死を迎えたいと多くの方々は思っておられるんだろうと思います。  そこで、尊厳死の問題については、病状によって、例えば、十六歳でそういう状況になっていてそういう判断ができるかどうかというのは別途ありますが、この終末期の医療の問題は、さまざまな観点から、いわば財政状況の必要性においてというよりも、果たして本当にどう最期を迎えるべきかという観点から議論をしていくべきではないか、このように思っております。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 介護保険の範囲そして負担というものについては、導入したときと比べて環境が大きく変わっています。例えば、今総理がおっしゃった、団塊の世代がそれをもらう時期に差しかかってくるとか、あるいは、平均寿命が大分延びてきておりますね。そういったさまざまのことを考え、また、今までの負担とそしてサービスの兼ね合いも含めてここを見直していかないと、それこそ存続は私は不可能だというふうに思います。  終末期医療も、まさにおっしゃるとおりのところをぜひ、お金の面からだけではなくて、尊厳ある生き方、死に方という観点から、しかししっかりと議論をする中で制度化するということが大事だと思います。  最後に、一つだけ提案をさせていただきたいと思いますが、私が野田政権の末期に国家戦略担当大臣だったときに、二つのことをやりたいという思いを持って、一つは、総理に私はお電話をいたしました、日本版NSCの話、野党でも協力をするよということをおっしゃっていただきました。これはぜひやっていただきたい。我々も協力をさせていただきたいと思います。  もう一つは少子化なんです。私は、今の日本の最大の問題点、人口減少、皆さん方にお配りをしている四枚目のものですけれども、今の出生率を放置していたら、二〇五〇年には九千五百万人、二一〇〇年には四千四百万人、三五〇〇年には一人になるということなんですね。つまりは、少子化対策というものをしっかりやらないといけない。まさにこの少子化対策こそが私は国家戦略のかなめに来なきゃいけないと思うわけです。  そういう意味においては、少子化担当大臣こそが、森さんが悪いと言っているわけじゃないんですよ、じゃなくて、やはり副総理級の方が少子化担当大臣をやって、これは社会のあり方にかかわる問題ですので、内閣全体の問題として取り組むぐらいの姿勢が私は必要だと思いますが、この少子化対策というものを国家戦略の柱に据えられるおつもりはありませんか。

山本有二自由民主党

○山本委員長 もう時間ですから、短目に。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 まさに我が党のエースである森まさこさんにお願いをしているわけでございますが、この少子化、極めて重要な問題である、このように我々は考えているわけでございまして、まさに内閣を挙げてこれは取り組む問題である、そのように思います。  その上において、今、女性や若者からさまざまな意見を聞くという会議も持っておりますし、そうしたものも我々は吸収しながら、話を伺いながら、これをやればきくというものはなかなかないんですが、さまざまな政策を総動員しながらこの少子化の傾向を変えていきたい、このように考えております。

前原誠司民主党・無所属クラブ

○前原委員 終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。  次に、長妻昭君。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 民主党の長妻昭でございます。  終盤になりました。きょうも貴重な時間をいただきまして、ありがとうございます。  今回の予算委員会でかなり多くの時間を割いて議論したのは、今も出ましたけれども、いわゆるアベノミクスと言われるものについての評価、いろいろな評価があったと思います。最近私が聞いた言葉で、安倍総理のアベにかけて、ABE、アセット・バブル・エコノミー、この強い懸念を言われている方もいらっしゃる。  私も、一九八九年から経済誌の記者として四年弱ぐらい、あれはもうバブルの崩壊期をつぶさに取材いたしました。バブル崩壊というのは本当に悲惨な状況でございまして、その後、失われた十五年、二十年、私は、この長期のデフレも、もとをたどると、あのバブル、そしてバブル崩壊、これがあったと思っております。  近代国家あるいは二十一世紀の知恵というか教訓というのは、バブルは決して起こしちゃいかぬ、どの国も起こしちゃいかぬ、こういうことが、リーマン・ショックでさらにこれは世界の共通認識になったと思っておりまして、その意味では非常に心配な部分がございます。  バブルというのは、言うまでもなく、実体以上に価格が上がる。土地でいえば、収益還元法など、その収益を還元して、適正な価格以上に、理論値以上に上がり続けてしまう。アセットという意味でいうと、国債、これは驚きました。史上最低長期金利、十年新発物が〇・三一%という驚くべき低下。逆に言えば、価格は高騰した。バブル期は、長期金利六パー、七パーというところがあった。株価も四万円近くあった。  一回アセットバブルになったときに、では、それを是正しようとしたときに、これは非常に難しいんですね。総量規制というのがかつてあって、これは土地に対する融資を規制して、がくっと土地が下がった。そして、金融を急に引き締めて、そしてバブルが崩壊をして、あつものに懲りてなますを吹かすじゃないですけれども、ずっと金融が引き締まったまま、企業もマインドが冷え込んで、デフレがずっと続いた、こういうことでございます。グリーンスパン、当時FRBの議長だったときに、バブルは崩壊して初めてわかる、こういう名言がございます。  気になるのは、浜田教授、今、内閣官房の参与でいらっしゃいますけれども、こんなことを言われているんですね、こんなに大規模な実験は世界でもそれほど行われていない。私は、一億三千万人の中で、大規模な、壮大な実験というのを、実験という位置づけで軽々しく言っていただきたくないなというふうに思っております。  そういう意味では、バブルの懸念といいますか、今の政府自体が、バブルをまずは先行して起こしていこう、その後に成長戦略など実体経済を、まあ腕力というか、近づけていこう、こういう発想だと思っておりますけれども、そこに非常に危うさを感じている。こういう議論がこの予算委員会でも、もちろん逆の議論もありましたけれども、私は、聞いていて、大きな懸念を持ったということをまず申し上げておきます。  そして、もう一つ重要なことで、非常に議論が少なかったのが社会保障の議論でございますけれども、これは安倍総理が、社会保障制度改革推進法の第十四条に、「国民会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。」ということで、社会保障改革の国民会議の主任大臣は総理大臣だと。これは異例だと思うんですが、総理が最終的に責任を持つ非常に重い会議が、この国民会議ということになっております。  そこで、総理にお伺いするんですが、今も実は三党実務者協議ということを自民、公明、民主でやっておりまして、私もそのメンバーでありますけれども、気になるのが自民党の姿勢でございまして、特に年金制度については現行の制度でいくんだと。そして、二〇一五年の消費税を上げる時点、非常に短いスパンで議論を進めている嫌いが非常にあります。  総理も、先月七日の岡田克也議員の質問に対する答弁で、年金制度においては、抜本的な改革が必要と決めてかかるということは間違っているんだろう、こういうふうに言われておりますけれども、これは国民会議で議論する大きなテーマでありますけれども、国民会議の議論としても、二十年、三十年、四十年後も現行の年金制度のままで本当にもつんだ、こういうふうに総理もお考えでいらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 まず初めに、バブルをつくるのではないかという御指摘は全く外れている、このように思います。  先般行われた内閣府の調査においても、街角景気ウオッチャーの指数においても、この指数をとってから最高の数値になっておりまして、十一月から比べれば、民主党政権時代から比べれば四三%増になっておりますし、中小企業、小規模事業者の業況判断も、これもいわば二十一世紀になって最高値になっているということは申し上げておきたいと思います。  今の御質問でございますが、社会保障・税一体改革については、消費税率引き上げによる増収分を社会保障の充実と安定化に向けるという考え方のもと推進をしておりまして、こうした観点から、具体的内容が十分に固まっていない医療、介護分野の改革のさらなる具体化は、国民会議の重要なテーマの一つであると考えています。  いずれにしても、改革推進法においては、改革に当たっての基本的な考え方や社会保障四分野の改革の基本方針が規定されておりまして、国民会議においては、今後とも、この規定に基づいて、今後の少子高齢化の状況等を踏まえつつ、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を構築する観点から、しっかりと議論してまいりたいと考えています。  また、昨年の社会保障・税一体改革では、現行の年金制度について、累次の改革によって長期的に持続して運営できる仕組みとなっているとの認識を共有しておりました。そのことは、当時の国会審議の中で、野田総理や岡田副総理も御答弁されております。  その上で、社会の変化に対応して、社会保障の機能強化を図る観点から、御指摘の点を含む現行制度が抱える課題について三党間で協議を行い、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大などの、具体的な改革案がまとめられたものと承知をしております。  このように、現行制度において現実的な対応をとっていこうという三党で合意した経緯を踏まえれば、年金制度について、最初から抜本的な改革が必要と決めてかかるのではなくて、まずは、現行年金制度における残された課題を押さえた上で、現実の政策として実行可能な解決策を積み上げていくというアプローチが必要であると考えております。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 三十年後、二〇四二年になりますと六十五歳以上の人口が最大三千八百七十八万人、五十年後になりますと高齢化率が四〇%を超えるということで、大体四一%ぐらいでずっと二一〇〇年ぐらいまで固定化するような状況でありまして、三十年、五十年を見据えた国家百年の年金改革において、現行制度のままで、それは十年とかそのぐらいのスパンであればそういう御回答もあると思うんですが、今の低年金問題あるいは年金の格差の問題、無年金の問題を含めて、本当に現行制度のままで、今、総理は大丈夫のような趣旨の御答弁だったと思いますけれども、本当に大丈夫なのか。  ここで総理が、年金制度はやはり変えなきゃいかぬのだと。これは、我々民主党の制度を一〇〇%採用しろと、もう今はこういう立場ですから、なかなかそれは現実には難しいことはわかっておりますけれども、制度を変えるというふうに総理がまず決断をしていかないと、今の制度のままでいい、ずっとそういう交渉になっちゃうんですね。  ぜひ総理、そういう御決断をしていただけないでしょうか。いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 詳しくは厚生労働大臣からお答えをいたしますが、基本的に、平成十六年の制度改革において、平均寿命や、あるいはまた労働生産人口を加味したマクロ経済スライドを導入いたしました。そういう変化に合わせて給付を調整していくというものでありますが、それによって給付と負担のバランスを自動的にとっていくという仕組みを導入したことによって、いわばこの制度の安定性は確保されていると思います。  その中において、今委員が御指摘をされた低年金、無年金の方々に対する対応をしっかりととっていく、これが現実的なアプローチではないか、このように思います。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 そういう御答弁がずっと続いていて、結局、今や非正規雇用の方の半分が厚生年金に入れることなく国民年金になっていたり、受給額の十分類、大きいところから分類をいたしますと格差が七倍も今あるというのを、税金を使って縮めていく。今は、高額受給者にも低額の受給者にも同じように、基礎年金の半額が、税金の補助が出ております、すごく年金をもらっている人も、もらっていない人も。これを、税金の使い方を低受給者に寄せていく、こういうような発想を我々は持って提案をしているんですが、総理、どうしても、三十年後、五十年後も今の年金制度のままで大丈夫、いけるんだ、こうお思いですか。  そこで、ぜひ、三十年後、五十年後については、制度を変える議論をしましょう、実現可能な、そういう変える議論をしましょうというふうに総理が宣言をしていただければ、いろいろ議論は進むんですよ。これは、中身の議論も一ランク上のステージで進んでいくんです。今は、現行制度のままだと自民党はずっと言われて、三党実務者協議も進まないんですね。  ですから、三十年、六十年、七十年を見据えれば、やはり制度を変えるという議論もしてみようじゃないか、そのぐらい、ぜひ総理、言っていただきたいんですね。ぜひお願いします。

山本有二自由民主党

○山本委員長 田村厚生労働大臣、短く。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○田村国務大臣 これは、現行の制度が長期にわたって持続可能であるということを、先ほど総理がおっしゃられましたとおり、例えば、野田総理でありますとか岡田克也副総理がそれをお認めになられたんです。  そして、今の制度の中で、これからの経済状況、少子化の進み方、そういう変数がどうなるかによって、五年に一度の財政検証をしているんですね。その中において、問題が生じた場合には、制度を、それはマイナーチェンジは当然していく、これは議論の中にあると思います。  ただ一方で、根幹を変えるという話になると、年金は四十年、五十年というスパンで国民に対して約束をしているわけですよ。それが根本論から変わるという話になれば、将来設計が立たないわけであります。ですから、根本から変えるということに関しては、我々はそういう考えでないということであります。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 では、ずっと変わらないじゃないですか。このままもつんですか、本当に。三十年後、五十年後、無年金、低年金問題、そして受給額の格差、さらに広がりますよ。それで、税金は受給額の大きい人にも半額ずっと入れっ放し。  これは総理に最後聞きますけれども、ぜひ、制度を変えるということも視野に入れて議論をする、制度を変えるということも視野に入れて議論してみようじゃないか、ここでそういう宣言をぜひいただきたいんですが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 平成十六年の改革を行う際にも、当時、相当抜本的な改革論を含めて議論があったんですよ。いわば全て税方式に変えていこうという議論もありました。  その中において、それは随分問題点がたくさんありますねという議論の中で今の制度に集約をしたわけでございますが、その際、制度の信頼性、これはやはり給付と負担のバランスが果たしてとれているのかということに尽きるわけでありますから、そこで、給付と負担のバランスを、給付を先ほど申し上げましたような社会的な状況の変更に合わせて変えていくということの中で、マクロ経済スライドというものを導入しているわけでございます。  いずれにせよ、年金というのは、三十年、四十年、五十年もたなければそもそも話にならないわけでありまして、その改正をしたときにも、三十年、五十年先を見て改正をしたわけでございまして、その結果については、先ほど田村大臣も答弁したように、御党の野田総理も岡田副総理も、これは持続可能である、このように答えているわけでありました。  その中での問題点については、それは現実的に対応していくことが正しい道ではないか、このように思っております。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 非常に残念です。  次に、原発の話もこの予算委員会で出まして、福島第一原発の事故原因の一つ、地震、地震が原因で配管等が亀裂する、こういうような可能性も指摘をされましたけれども、これは、私が総理にちょうど聞こうとしたときに多分トイレに行かれていて、そういうことが二回あったわけでございまして、ここでもう一回聞き直させていただきます。  福島第一原発に立入調査をするというのは、原子力規制委員会の中に事故分析検討会というのができたと聞いておりまして、それが今月に第一回目の会合をするということなんですが、これは内閣総理大臣として、中に立入調査をして、この七月に安全基準が施行されますけれども、できればそれに反映できるような、そういう立入調査を早急にするんだ、徹底的に地震の影響を解明するんだ、こういう御決意をぜひいただきたいと思うんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 東京電力福島第一原子力発電所事故の原因究明については、国として継続的に取り組むことが重要であると思います。  これまでの政府や国会の事故調査委員会の調査に加えて、そこで引き続き検証が必要とされた点を含め、原子力規制委員会において、技術的な観点から原因究明にしっかりと取り組んでいくことになります。  その中で、現地調査については、放射線量が非常に高い状況も踏まえて、有効な調査方法を検討し、条件が整い次第、実施されることになると認識をしております。  一方で、新規制基準の策定については、原子力規制委員会において、各種の事故調査でこれまでに明らかにされた情報を踏まえて、海外の規制基準も確認しながら、世界最高レベルの安全水準の基準となるように取り組んでいく考えであります。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 そして次に、憲法の話もこの予算委員会で出ました。  自民党の憲法の改正試案を拝見いたしました。憲法九十七条というのが丸ごと削除されております。  私が習ったのは、国を縛るのが憲法で、国民を縛るのが法律なんだ、こんなようなことを昔習った記憶がございますけれども、この九十七条というのは、「第十章 最高法規」というタイトルがついた中にある条文で、こういう条文ですね。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」これを丸ごと、ばさっと削っちゃった。  これは、どういう理由でございますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 行政府の長として、これは自由民主党の試案でございまして、ここにおられる谷垣総裁時代にできたものでありますから、それについて私がコメントは本来は差し控えるべきではありますが、長妻委員の御質問でございますから、総裁としてあえて申し上げるとすれば、改正草案において憲法九十七条を削除したのは、党内のさまざまな議論の結果、第十一条にまとめることが適当であると結論づけたものであります。第十一条にこの九十七条と大体同様の趣旨が述べてありますので、そこにいわば統一をした、こういうことでございます。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 これは、まとめたといっても、ほとんどそれが移った形跡はないんですけれども。  自民党のマニュアルというか解説書を読みますと、なぜ削除したのかという解説で、西洋の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えましたと。  つまり、天賦人権説だからこれは削除したんだということなんですが、これはどういう意味でございますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 その解説はそのように解説をしてありますが、解説は私自身が書いたわけではありませんが、これは、基本的にそのときの議論においてさまざまな意見がありましたし、そういう意見もありました、事実。  しかし、その中において、実際、今申し上げたように、既に十一条の中に大体同じような規定が書かれているわけでありまして、それであれば必要はないだろう、こういうことでございまして、自民党の中でそれが大きな議論ということではなかった、このように記憶をいたしております。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 私も憲法は変えるべき箇所というのが幾つかあると思っておりますけれども、今のような、何かまとめりゃいいから削るんだというような簡単な話では、これは最高法規のところに規定をされて、この天賦人権説というのは、三省堂の憲法辞典によると、人間は生来の前国家的な権利を持つとする自然権論に基づく人権の概念ということで、つまり、国がある以前に人間がきちっと持っているそういう自然権論に基づく人権なんだ、こういうような趣旨で、西欧の天賦人権説が嫌だということになると、基本的人権そのものも、これはどうなんだと否定されかねないようなイメージになると思うんです。  この九十七条を削除するというのは、総理御自身は、総裁として、これは堅持するものなのか、あるいは一つの案として提示をしているというものなのか、どの程度の思いがあるのかをお聞かせいただければと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 我が党の憲法草案、これは前文から全体を読んでいただければわかっていただける、このように思いますが、現行憲法のいわば基本的人権、主権在民、そして平和主義というのは、全くこれを変えていないわけでございます。  十一条についても、十一条がそこに書き込んであるわけでありまして、基本的人権について、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」このように書いております。つまり、そういう考えにおいて我々は憲法草案を書いたということは申し上げておきたいと思います。

長妻昭民主党・無所属クラブ

○長妻委員 時間が参りました。  この憲法の議論というのは、これから、正面切って各党の大きな争点になって、国民的議論を盛り上げていく必要があると思っておりますので、よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。  次に、重徳和彦君。

重徳和彦日本維新の会

○重徳委員 日本維新の会の重徳和彦です。締めくくり総括に立たせていただきますことを感謝申し上げます。  きょうは、抜本的な分権、道州制というのは時代の要請であるということについて議論をさせていただきたいと思います。  これは私自身の経験も含めて、まず最初に、中央官僚の質的な限界について申し上げたいと思います。  高度成長期をリードしました通産官僚を描きました城山三郎さんの「官僚たちの夏」、これに憧れて官僚になった方々は多いと思いますし、私自身もそうでした。しかし、今四十二歳の私が霞が関に入りました平成六年なんですけれども、平成六年、その年に、実は官官接待という大問題が起こりました。食糧費を地方自治体が多額に計上いたしまして中央官僚を夜な夜な接待するという問題でございます。  その問題を引き金に、その後、空出張の問題とか省庁の幹部の汚職事件、あるいは○○しゃぶしゃぶとか居酒屋タクシーとか、あるいは都心の豪華格安公務員住宅が指摘されるなど、次々と中央官僚の不祥事、ゴシップが明るみに出まして、官僚というのはすごいんだという城山三郎さんの小説のイメージから、一気にそのステータスというものは転がり落ちていったと思います。  これにつきましては、当時からマスコミが過剰な官僚バッシングをしているという見方もある一方で、私自身は、これは一つの時代の流れといいましょうか、中央官僚が本当に必要だと思われていた時期にはこんなゴシップは続かなかったと思うんです。そういう時代の流れの中で、特に民主党政権が官僚主導から政治主導にするんだということを言ったわけですし、そして今も、それがまずかったんだという方も、では政治主導から官僚主導に戻そうなんという方は、恐らく誰一人としていらっしゃらないと思います。  そんなことで、今や自治体の食糧費というのは全くと言っていいほど計上されなくなってしまいまして、ある意味、いい意味で非常にクリーンな国の職員と地方の職員との関係になったかと思います。  ですが、ここからが、私が霞が関の中にいた人間として感じていたことを正直に申し上げたいと思うんですが、やはり、中央官僚の皆さんが自治体職員や地方の皆さんと人的な交流をするということは、あるいは、現場を見て、おいしいものを食べたり、おいしいお酒を飲んだり、その土地のいいものを見ていく、これは、官官接待というシステムを通じてではいけないんでしょうけれども、それにしても、そういった気軽な情報交換、インフォーマルな人的ネットワークというのは極めて有用なものであったはずでありまして、各都道府県や市町村の東京事務所の職員の方も、全然夜は暇で、昼間の会議や打ち合わせで国の職員とはやりとりをするんだけれども、およそ人脈もつくれないと。  一方で、国の職員も、これは実感として思うんですが、今の二十代、三十代という、一番政策立案の機能を果たさなきゃいけない、そういう皆さんが、本当に情報収集の能力が、能力というか、すべというものが低下しているかと思います。ネットでいろいろな情報をとれるからという方もいますけれども、ネット情報なんか誰でもとれるわけですから。  そういう意味では、お昼の会議、出張に行けばそれは日帰り、そういう中で地方のことを愛する中央官僚というのが今どのぐらいいるんだろうかということも思うわけです。  そこで、自治体の職員または地方議員の御経験も豊富な新藤大臣にお伺いしたいのですけれども、九〇年代半ばの食糧費問題の後、地方の現場を見聞きする機会を大幅に奪われた中央官僚は、その前と後で比べてどのような質的な変化があったとお考えになりますでしょうか。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○新藤国務大臣 まず、地方を所管する、当時自治省に採用され、そこで奉職された重徳委員から、国家公務員に対するいろいろな御意見が出ました。  私は、今あなたがおっしゃったようなふうには思っておりません。やはり公務員になるというのは、高い志と、そして国のために尽くすんだ、こういう使命感と自制心を持って公務員の皆さんは入ってきていると思うし、また今も必死でそこで働いていると思います。  不祥事があるのは、これは残念なことで、またそれは厳しく処断をしなくてはなりません。しかし、いずれにしても、公務員全体がそのような士気が下がり、また、そのようなものが一番の公務員の体質になっているとは、私は到底思っておりませんから、まず、そこは見解が違うということを申し上げたいと思います。  その上で、不祥事があったことによって、国家公務員の倫理法というのが成立しました。そして、これは、行き過ぎた、また過度なもの、こういったものは厳しく制限をしてきたわけであります。  だけれども、そもそもにおいて、現状では、一万円以下の割り勘による飲食、これは自由であります。ですから、大体において、人に食べさせてもらおうなんて思っている人はいないわけでありまして、意見交換をするならば、自分で割り勘にすればいいんだし、ましてや、自治省、総務省のことを御理解いただいているならば、これは、一々何か機会をつくるというよりも、日常、頻繁に、国と地方の関係というのは連絡をとり合っていますよ。極めて頻繁にいろいろな連絡をとり合って、それは公の、正式な報告だとか会議というのがあったにしたって、その会議や報告をつくるまでの間にどれだけの連絡があるかは、あなただって御存じだと思いますよ。  ですから、私は、不祥事は許せないし、また、規律の緩みというものは絶対見逃しません。しかし、それはそれで、私は、全体として、公務員の使命感というものは維持されているというふうに思っておりますし、いろいろな反省を踏まえて、今、適切な対応になっているのではないか、このように考えています。

重徳和彦日本維新の会

○重徳委員 私も、不祥事として問題にする必要がなかったんだとか、官官接待が必要だとか、そういうことを申し上げているわけではありませんで、むしろ、昼間の会議とか、そういうことをもって地方のことを知った気になるというのはそもそも限界がありまして、現地、現物、これがやはり、民間であろうと公務員であろうと、そういう機会はふんだんにあるというのが本来の仕事のあるべき姿だと思っております。  その意味で、実際問題、私は、最近、国の地域活性化に当たりましての制度、政策立案というのが非常に地方任せになっていると。だから、これは裏腹の関係なんですけれども、地方にとって使い勝手のいい交付金をつくってくれという要請があるわけですよね。それというのは、逆に言えば、余り国の役人が頭を使わずに、金だけまけばいいんだということでもあるわけですから、何となく、時代の流れがそのようになってきていると感じるわけであります。  何が言いたいかといいますと、結局、中央にいる人間が地方のことをおもんぱかろうとしたって、それは世の中がだんだん、今申し上げましたような流れもあるわけですから、できるだけのことをというか、ほとんどのことを、内政のことは地方に委ねるべきだということでございます。そういう中で、別に官官接待がきっかけではないんですが、国から地方へということと相まって、今の時代があるのではなかろうかということでございます。  話を道州制の話にしていきたいと思いますが、道州制に対する理解というものが大きく二つあると私は考えております。一つは行革という面での道州制、もう一つは統治機構改革という面での道州制です。  前者の行革という面での道州制につきましては、御承知のとおり、今の四十七都道府県というのは、明治期の初めから四十七なのでありまして、その間、市町村合併で市町村の数は大幅に激減したにもかかわらず、四十七のままであるということでありますので、まず、ここで、明治期の四十七都道府県体制が始まったころの市町村の数と現在の数を比べるとどう違うかということについてお聞きしたいと思います。

望月達史総務省自治行政局長

○望月政府参考人 お答えいたします。  明治期の市町村の数でございますが、市制町村制施行の前年に当たります明治二十一年におきましては七万一千三百十四団体、市制町村制が施行され、いわゆる明治の大合併が行われた明治二十二年におきましては一万五千八百五十九団体と、減少しております。  現行の都道府県と当時の制度は異なっておりますが、これらの市町村数を四十七で割ってみますと、一都道府県当たりの市町村数は、明治二十一年は約一千五百十七団体、明治二十二年は約三百三十七団体となってございます。  一方、現在の数字でございますが、平成二十五年四月一日現在の市町村数は一千七百十九団体でございます。一都道府県当たりの市町村数は約三十七団体となっております。

重徳和彦日本維新の会

○重徳委員 今お聞きになられたとおりでありまして、一都道府県当たり千五百十七だったのが、今、三十七なんですね。三十七といっても、これは平均ですから、北海道は百七十九あるんです。一番少ないところ、富山県では十五しかないということであります。  このように、しかも、各一つずつの市町村の規模が極端に、極端というか、かなり大きくなっているわけですから、そういう大きな立派な市町村となった団体を県が上から管理するというようなことはもはや必要ないのではないかということで、都道府県合併の話が出てきて、合併をしていけば五兆円とも十兆円とも言われる行革効果が出てくるんじゃないか、これが行革という面での道州制だと考えております。  その一方で、統治機構改革としての道州制、すなわち国から道州への大幅な権限移譲というものを伴う道州制、この意味合いがなかなか理解されない、一般国民の皆さん方にぴんとこない部分も多いんですけれども、この点につきましては、今の制度でいうと県と政令市との関係を少し想像すればわかるようなことがあろうかと思います。  例えば、名古屋市内で愛知県の仕事がどのぐらいあるかというと、極端に言えば、河川管理と警察ぐらいじゃなかろうか。あと、名古屋高速とか名古屋港というものも、県と名古屋市が共同で管理をしたりしておりますので、純粋に県の役割というのは本当に少ないわけでありまして、県から市へと大幅な権限移譲をすれば、県の役割というのはほとんどなくなると言っても過言ではないわけであります。  ですから、同様に、道州制になれば、わかりやすい例を挙げれば、今、都道府県をまたがる一級河川とか国道、こういうものは、簡単に言えば、県を越えるんですから国が管理すべき面があるというふうに考えたときに、では、一級河川、今ちょっと調べてみたんですが、幾つ都道府県を越えるものがあるかといいますと、一級河川は百九あるんですね。これを、これまで地制調で出された道州制のパターンに当てはめますと、道州になっても、その道州域をまたがるものは二十二、およそ五分の一に減ってしまう。  国道に関しても、都道府県をまたがるものは二百七十一、これが道州制になると九十八、いろいろな数え方はあるかもしれませんが、大体三分の一ぐらいに減ってしまうということもございます。  したがって、要は、道州制になれば、そういった国の仕事というのは大幅に減るんだということを申し上げたいと思います。  その意味で、イメージとしての道州制は、その昔、国鉄分割・民営化という言葉がありましたが、霞が関分割、道州制、こういう改革が道州制改革ではなかろうか、私はこのように考えております。  そして、時間があと十分程度ですので、次に地方財政制度について指摘をさせていただきたいと思います。なぜ今抜本的な改革をしなきゃいけないのか、金の面から議論をさせていただきたいと思います。極めて重要なことです。  現行の交付税制度は、私は、三重の意味で破綻をし、問題先送りの状態になっていると考えております。  まず一つ目は、交付税というのは、原則、国税五税の大体三割ぐらいから成り立つ。それが原資であって、それによって賄わなきゃならないのが原則でありますが、二十五年度当初予算でいいますと、それは十一兆円ほどしかございません。交付税総額は十七兆円計上されているんです。だから、六兆円分は一般会計から補填をしているんですね。  本来であれば、地方交付税法にも書かれているんですが、法定率そのものを、今三割のところを四割、五割と引き上げていって地方交付税総額を確保するべきだというのが本来なんですが、想像がつくとおりで、今そんなことをしたら、国の財政が厳しい、とても余力がないということで、そこは借金まみれの国の一般会計から補填しているわけです。  そういう意味で、これは、第一の先送りだと思います。  それから二つ目は、今、交付税は、今の加算を含めて十七兆円、予算に計上されているんですが、そのほかに、自治体がみずから発行する臨財債と言われる借金、地方債が六兆円ありまして、これは、地方の自治体の実務においては、実質的には交付税なんだよと言われております。ですから、国の予算書に盛られている十七兆円の交付税のほかに、地方の六兆円分、合わせて二十三兆円が実質的な交付税だと。  だけれども、その臨財債は、借金なのになぜ交付税かというと、後年度、その償還をするときに交付税を措置するからね、そういう理屈で交付税扱いされているわけでありまして、これも、地方が地方の借金という形で交付税の財源を先食いしているという形になるわけでありまして、これが二つ目の先送り。  そして三つ目は、交付税特会に借入金が今三十三兆円あるんです。これは非常にわかりにくいんです。これが国の借金なのか地方の借金なのか、正直よくわからないんです。  県や市町村の予算資料を見ますと、累積債務残高何十億円、何百億円という数字がありますが、あれを全部足しても、交付税特会の三十三兆円分は出てこないんですね。つまり、国の特会が借りている借金だということは間違いない。  では、その借金は国が返すのかというと、ちょっと微妙に違うんです。これはなぜかというと、国が交付税原資をもって返すということ。つまり、この交付税特会の借金を返すと、その分、地方交付税の原資が食われるわけですね。  ですから、今年度、二十五年度当初予算では、一千億円の交付税特会の償還をすることになっています。これが非常に大胆な返済計画になっていまして、来年度からは二千億円、再来年度からは三千億円、毎年一千億円ずつ償還額がふえていって、平成三十四年度以降は、その後三十年近く、毎年一兆円ずつ返し続けてようやく返せる、これが交付税特会の借入金であります。  一体、国の借金なのか地方の借金なのか、明確ではないものなのですが、いずれにしても、交付税を賄うための借金であるという意味では、こういう借金もある。  ちょっと説明が長くなりましたが、今の国税五税不足、臨時財政対策債、交付税特会借入金、こういった三重の意味で今の交付税制度は破綻をし、問題を先送りしている状態になっていると考えておりますが、一体、この制度は持続可能な制度だとお考えでしょうか、総務大臣にお伺いします。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○新藤国務大臣 詳細というか、それぞれ多岐にわたる御説明をいただきまして、それに基づいての質問ですから、私の答弁もそれなりにしなくてはいけませんので、御理解いただきたいというふうに思うんです。  まず、交付税の特別会計借入金、これは、地方交付税の増額を行うことを基本として、償還金は国と地方で折半していたわけです。しかし、それでは借金の実態がわかりにくいということで、平成十三年からは、国と地方が財源不足については折半で補填する、そして、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨対債の発行により対応すると、国と地方の責任を明確化したということでございます。  そして、その折半ルールを明確にしたことによって、地方交付税の総額を確保した上でこの財源調整機能と保障機能を維持するという意味において、私は、交付税制度が破綻しているとは、このようには考えておりません。  それから、臨対債の発行、これは慎むべきであり、好んで出すものではありません。ですから、臨対債に頼らない財政体質を確立していくことは重要であります。しかし、その大前提は、国の経済を強くして、そして地方の経済も活性化する中で、経済成長、そういったことをやる、それから、不断の歳出の見直し、こういった財政の再建、また構造改革、こういったことを行うことによって、国、地方の税収そのもの、それから予算の体質を強化していく、こういうことが重要であります。それによって、特例債に頼らない財政体質というものができるんだというふうに思います。  それから、交付税の法定率が足りないというのは、そもそも財源不足は、法定率というよりも税収が足りないところに起因しているわけであります。にもかかわらず、今この状態では法定率が足りないと。  これは、我が総務省としては、この法定率の引き上げというのは悲願であり、予算要求時にいろいろな申し入れをしているところであります。残念ながら、国、地方との、今、厳しい財政再建中の中で、その願いはまだ実現できませんが、私どもとすれば、これは交付税の安定、地方財政制度の安定、こういった意味からも、この法定率の引き上げというものはしっかりと主張していきたい、このように思うわけであります。  それから最後に、特会の借り入れにつきましては、これは、まず、借り入れ時点において国と地方の負担を明確にしておりましたが、平成十九年度からは国の負担分は一般会計に継承しておりますので、今残っている三十三兆とおっしゃったものは、これは全額が地方の負担分だということでありまして、これは国と地方の責任は明確化されている、こういうことでございます。

重徳和彦日本維新の会

○重徳委員 新藤大臣、今の御答弁では、破綻しているとは思わないと。思いたくないというか、今の制度がなくなっていないというか、今の制度を現状として自転車操業しているということでありますので、今の制度がまだ存在しているという意味において破綻していないということをおっしゃっていると思いますが、私は、その中で、自転車操業せざるを得ない状況になっていることを指して破綻しているというふうに申し上げているわけで、ちょっと破綻という言葉自体がすれ違っているような気がいたしております。  今の財政状況が、今、国家財政だって大変な状況なわけでありまして、そういう中で法定率を引き上げるなんということは、もちろん悲願だということはおっしゃいましたけれども、現実的でないことは、これは誰もがわかっていることでありますし、何というか、今の御説明では、この制度が破綻していない、では、誰しもが続いていけると思っているんだというふうには、誰も今の御答弁を聞いて思わなかったと思います。  それから、交付税特会のことも、地方負担分だというすみ分けはわかるんですが、そこはあくまで、これはちょっとややこしいんですが、地方の固有の財源である地方交付税の原資を使っているという意味で地方分ということだと思うんです。国の特会の中で返しているという意味では国のようにも見えるということで、私は何が言いたいかといいますと、今、国と地方の財政はどっちの方が悪いとか、どっちに押しつけるとか、そんなことを言っていてもしようがない状態だということであります。  言ってみれば、どっちの責任だというふうに押しつけ合いながら、しかし、同一家計の中の家族の間で、これはお父さんの借金だよとか、これは、おまえ、息子の借金だとかいうことにしておこうぜと言っているだけであって、同じ家の中で、その家がもう潰れそうに苦しい状況になっているというのは、誰が見ても明らかな状況なんだと思っております。  そういう意味で、私は、国と地方が同一会計の中で、今、護送船団という言い方、あるいは運命共同体という言い方、いろいろな言い方ができると思いますが、ここはひとつ、これからの地方の自立ということを考えれば、道州制の議論、道州制導入に伴いまして、地方が本当に自立する、そのために、やはり国と地方との財政責任の分担を明確に切り分けて、その上で、国の財政負担は仕事の責任と同じように縮小させ、そして地方の独自の財源というものを、自立した地方の仕事をやっていく上で必要なお金はみずからの力で調達、つまり起債も含めて調達する、地方の本当の意味で自立した財政運営が必要だと思います。  その意味で、安倍総理は、経済対策については、次元の違う経済政策を行っていくんだという強い御決意で今取り組まれておりますが、私は、次元の違う地方分権改革、これが道州制だと思っております。  そして、今、自公案の道州制基本法案、骨子を少し拝見させていただいております。私どもも法案を準備させていただいておりますが、今拝見しております、まだ変更があるのかもしれませんが、自公案は、これまでの分権改革と次元が違うというふうにはどうも見受けられないんですね。  ですから、どうか、地方分権にややもすると余り御関心がないんじゃないかと言われる安倍総理なんですが、私はそんなことはないと信じております。断固とした地方分権改革を行っていただきたいんですが、最後に一言、安倍総理から。

山本有二自由民主党

○山本委員長 いや、もう予定の時間が終了しております。終わってください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 我々、しっかりと地方分権に取り組んでいきたいと思いますし、御党と共通の点においては協力していきたい、このように思っております。

重徳和彦日本維新の会

○重徳委員 ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。  次に、中田宏君。

中田宏日本維新の会

○中田委員 日本維新の会の中田でございます。  締めくくり総括質疑ということで、採決前に、皆さんにいま一度議論をお願いしたいと思いますが、アウン・サン・スー・チー女史がいらっしゃいましたので、後ほどミャンマーの件についてもお聞きをしたいと思います。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 委員の諸君、議事の途中ではございますが、ただいまアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国民民主連盟議長御一行が傍聴にお見えになっております。この際、御紹介申し上げます。     〔起立、拍手〕     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 それでは、中田宏君。

中田宏日本維新の会

○中田委員 それでは、せっかくの機会でもございますので、ミャンマーとの関係ということについて、ぜひ本予算委員会で建設的な議論をしたいと思いまして、総理にお伺いをしていきたいというふうに思います。  ミャンマーは、実は、私たち日本人にとっては、大変に恩義を感じ、逆に、ミャンマーの発展にこれから私たちは尽くしていかなければならない、そういう関係の国であります。  アウン・サン・スー・チー女史のお父様は、御承知のアウン・サン将軍、ミャンマーの独立に命をかけた建国の父、独立の父という方でありますけれども、このアウン・サン将軍は、一九四〇年代、日本にやってきて、そして、東京の高円寺や箱根、あるいは静岡県の浜松市といったところに滞在しながら、志を温め、ミャンマーで独立を見ることなくお亡くなりになられるわけでありましたけれども、今やミャンマーの本当に慕われる大きな存在であります。  このときに、日本でアウン・サン将軍と極めて親しく親交を深めていたのが鈴木敬司陸軍大佐でありました。この鈴木大佐とは本当に家族ぐるみのおつき合いをし、今、実はミャンマーの子供たちが学ぶ教科書には、この鈴木大佐がまさに独立をしたときの大きな協力者であるということで紹介をされ、ミャンマーの子供たちは、日本に対して、また鈴木大佐を初めとした私たち日本人に対して大変に親しみを感じてくれているという歴史がございます。  そのミャンマーに今私たちができることはといえば、私たちが敗戦から立ち直るときに、実はミャンマーは、サンフランシスコ講和条約の三年後に一番最初に日本と賠償協定を結び、そして平和条約を結んでくれた国なんです。そういう意味では、私たちは、このミャンマー、民政化が進み、民主化が進んでいる新生ミャンマーにぜひ寄り添って、発展に寄与していく必要がある、こう思うわけであります。  総理、これから先、ミャンマーで雇用をふやしていくということが必要になってまいります。今までは、軍事政権下においては人道支援しかある意味ではできませんでしたけれども、大いにこれから先、投資をふやし、そして雇用が拡大する、特に若い人たちの雇用が拡大するようなこうした策が必要だと思いますけれども、投資環境を整えていくというようなことについて、日本とミャンマー政府の間におけるこれから先の話し合いというものをどんどん進めていただきたいと思うわけでありますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 私も、昨年ミャンマーを訪問いたしました。有志の議員、ここにいる遠藤議員とともに、アジアの子供たちに学校をつくる会において、昨年、ミャンマーにおいて一つの学校を竣工したのでございますが、その際、ミャンマーを訪問いたしました。  民主化が進むミャンマーに対して、その民主化の進展の支援、そして今、中田議員が指摘をされたように、人道支援から、これからいよいよ工業国、産業国としてテークオフをしていくミャンマーに対する本格的な支援をスタートしていく必要があるんだろう、このように思いますし、日本とミャンマーは伝統的な良好な関係があるわけでありますし、歴史的にも極めて深いきずなで結びつけられているわけでございます。  例えば、少数民族地域への支援を含む民生向上、貧困の削減、そして人材の育成、制度整備、持続的発展ためのインフラ整備といった幅広い支援をバランスよく進めていく方針でございます。  そしてまた、日本企業の対ミャンマー進出を、ミャンマーの雇用拡大につながる形で促進をしていかなければならないと考えております。まさにここが、今委員が御指摘された雇用をふやしていくというポイントでございますが、先般の経協インフラ戦略会議の第一回会合でもミャンマーを議題として扱ったところでありまして、日本の民間企業の対ミャンマー投資がミャンマーの持続的経済発展に資するよう、政府としても、投資環境の整備等、積極的に取り組んでいく考えでございます。  その上においても、民主化がさらに進んでいく、また、数々の少数民族等の和解が進んでいくことも必要でございます。  先般、日本財団の笹川理事長がアレンジをいたしました少数民族の代表の皆さんが東京に来られました。私も皆さんとお目にかかったわけでございますが、少数民族の方々とのミャンマーの和解が進んでいくように政府としても支援をしていきたい、このように思います。

中田宏日本維新の会

○中田委員 ミャンマーは少数民族が大変多くいまして、百三十五の少数民族に分かれるんだそうであります。そういう意味では、今までの援助というのがどうしても、特にほかの国なんかでもありがちなんですけれども、結果としては時の為政者に対する援助になってしまっているという形ではなくて、先ほど来、我が国では地方分権が議論されていますけれども、それともある意味では共通する、少数民族もいるミャンマー、これから先、大いに発展をしていこうという地において、民生に対して、国民に対して供するようなそういう援助、支援、また投資というものを我が国はぜひやっていく必要があるだろうと思います。  日本からもかなりミャンマーには視察に行っているんだそうでありますけれども、まだまだ投資されるというケースはそんなに多くはないというふうに聞いています。それは、まだまだミャンマーのインフラが整っていないということもあるということであります。しかし、そここそ逆に日本が大いに支援をして、そこに雇用が生まれて、若い人たちが働いていくことができる、そして、日本企業もまた、さらに好循環として投資が行われていく、こういう循環にしていくべきだと思います。  日本企業というのは、やはり、安全かどうか、あるいは環境が整っているかどうか、ここを見て、それから出るものでありますから、スー・チー女史にはちょっとお待ちをいただかなければいけないわけでありますけれども、しかし、日本は、一旦進出をすれば、企業はその地域に根づいて、そして長く雇用をしっかりと確保していくというのが日本企業の特徴です。他の国に時々ありますけれども、もうかるときだけ出ていって、そうでないときはさっと引くというような出方ではないのが日本企業の特徴でもありますから、ぜひ、この投資の方向性というものを、今回のスー・チーさんとの会談、また、さらにはミャンマー政府との会談を通じて発展をさせていただきたい。  外務大臣にお伺いをしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○岸田国務大臣 民主化、国民和解、そして経済改革を進めるミャンマーの改革努力を我が国としてもしっかり支援していかなければならないと考えております。そして、こうした改革が進むことによって、ミャンマーの国民の皆さんが幸せを感じていただける、こうした改革のあり方を、我々、我が国としてもしっかり支援をしていかなければいけない。そういったことから、少数民族への支援を含む民生向上、貧困削減、あるいは人材育成、制度整備、そして持続的発展のためのインフラ整備、こうした三点をバランスよく進めていかなければいけない、このように思っております。  そして、委員御指摘のように、雇用拡大につながる投資環境整備の取り組みを進めるという点、大変重視しなければならないと思っております。ODAによる支援に加えて、投資環境整備のための官民から成る両国関係者同士の協議を進めるとともに、二国間投資協定の交渉等を進めていく所存です。  この後、きょうは、夜、アウン・サン・スー・チー議長とも会議を持たせていただく予定になっておりますが、ぜひ、そういった点でもしっかりと意思疎通を図り、我が国の支援のあり方について考えていきたいと考えております。

中田宏日本維新の会

○中田委員 アウン・サン・スー・チー女史がせっかく本委員会にお越しをいただきましたので、私からは、この機会に、ミャンマーと我が国との関係についてお伺いをさせていただきました。ずっとやっていたいんですけれども、予算についても少しお伺いしなきゃいかぬなと思いますので、ここから、日本維新の会の意見を少しお伝えして、そして残された時間の中で議論をしたいというふうに思います。  私ども日本維新の会、この後、みんなの党さんと共同で修正案を出させていただくということになりました。予算案の修正案を私たちが出すというのは、実は、衆議院では昭和二十八年以来六十年ぶりということだそうであります。いわば組み替え動議という形で政府にもう一回やり直せということは、これは毎年のように出ているわけでありますけれども、修正案という形で、みずからが、いわば予算編成と言っては大げさでありますけれども、でも、そのぐらいの分量だったですよ、はっきり言って。  これを私たちが手がけて、政府に、私たちもこういう考えを持っているのでひとつ見ていただきたい、ある意味では、もちろん、多数決において採用していただきたいと思いますけれども、私たちのこの中身、これは、今後、政府が物を考えていく上でぜひ御一考いただく、そういう意味においてこれを参考にしていただきたい、こういう思いでございます。  まず、この予算、先ほど来も議論がありましたけれども、我が国の財政を非常に傷めているのは、社会保障に係る大きな割合だというふうに言えると思います。これは、医療、年金ということを両方お聞きしたいんですが、残された時間はほとんど、二つもやっていられませんので、医療の分野だけになるかと思います。  今回、高齢者の医療でありますけれども、七十歳から七十四歳の医療の窓口負担、本来二割ということが一割のまま、先般、補正予算で決まりました。私たちは、これも、率直に言って、選挙だとかあるいはお年寄りに好かれるとか、こういうことを考えたら、それは言わない方が楽ですよ。だけれども、日本維新の会の取りまとめた修正案の中には、補正予算のいわば修正として、私たちは、二割の負担に戻すべきだ、こういうふうにしました。  もともとの本則が二割なんですから。ましてや、現役世代は三割払っているんですからね。現役世代が三割払って、今、一割。もちろん下がるわけですけれども、二割だって十分下がるんですよ。そのことを考えたときに、これは田村さん、ぜひ一刻も早く戻すべきだ、こう思うのでありますけれども、約束しませんか、そろそろ。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○田村国務大臣 今委員おっしゃられましたとおり、本則はちゃんと書いてあるわけですね、二割と。ですから、その意味からすれば、これは本則に戻すのは当たり前の話でありまして、その方向で我々も議論をいたしております。  ただ一方で、これは、周知徹底しなきゃいけない、当然、痛みもある部分であります。でありますから、そういう意味では時間をいただきたいということで、戻すということは前提で、今、その調整、また、低所得者に対する対応もしなきゃいけません。こういう部分に関しての条件が整うということを前提で、これは補正予算の中で対応させていただいたわけであります。  あわせて申し上げれば、三割でいいじゃないかというお話もございました、現役は三割だからと。しかし一方で、医療費というのは、やはり高齢化とともにかかるんですね。例えば、七十五歳以上は年間大体八十八万円かかります。それから、七十歳から七十四歳は五十五万、そして六十五から六十九歳が三十九万、二十歳から六十四歳が十六・四万。こう考えると、やはり高齢化すればするほど、お年を召されれば召されるほど医療費がかかるという部分はありますから、同じような負担でいくと、当然、それだけ、月に必要な医療費というものは多くなるわけですね。そこをやはり一定は勘案していかなければならないというふうに思っております。  ただ、本則に戻すというのは大前提でございますから、その前提のもとで調整をさせていただいておるということでございます。

中田宏日本維新の会

○中田委員 医療のことについて、田村大臣には制度のことを聞いて、それから、麻生財務大臣には財務大臣の立場からぜひ御意見を伺いたかったんですけれども、ここから先はなるべく田村さん、手を挙げないでくださいね。ちょっと麻生副総理と、財務大臣と議論をぜひしたいんです。  麻生副総理が総理大臣のときに、健康であることのインセンティブというのをもっと保険制度の中に組み込めないのかというお話をされたのを、私は大変に正論だと思ってお聞きをしました。本当にそうですよ。これは、時間がないので、もう麻生さんにだけ聞いていきたいと思うんですけれども、それを財務大臣としてぜひ厚労省にもっともっと言っていきましょうよ。だから、手を挙げないでと言っているじゃないですか。  私は麻生大臣を大変敬愛しておりまして、言いにくいことを麻生先生はおっしゃる、これは私も同じなんです。時々誤解される、これは私も同じなんです。そういう意味では非常に似ているんです。本当に似ているんですよ。  麻生先生、実は、私と先生は、目下でありますけれども、全て運勢は一緒なんですよ。麻生先生はたつ年なんです。麻生先生、九月二十日のお生まれですよね。昭和十五年のたつ年で、私は昭和三十九年のたつ年の、しかも誕生日は九月二十日なんです。だから、全部一緒なんです。たつ年も一緒だし、乙女座も一緒だし、血液型はA型なんだから。麻生先生とは全部一緒なんだから。そういう意味では、麻生先生に答弁してもらわないと困るんです。  やはり、健康であれば保険料が安くなる、こういう医療制度をつくらないと日本はだめになると思いますよ。ぜひ、よき答弁を。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○麻生国務大臣 これはなかなか言い方が難しいんですけれども、三回り下で同じという人は、寺田学という人がいたでしょう、あれも全く同じなんですよね。三回り下で九月二十日。丸々同じ。ああいう運命になりますから、なかなか、余り運命は一緒にしない方がいいですよ。人によって大分、人間、生き方が違いますので。  今の話は、ちょっと誤解を生まないようにしておかないかぬのですが、私は七十二、ちょうど、上になるので七十二なんですけれども、七十二で、病院に行ったことはほとんどない。そのためには、しかるべき、朝歩いたり、腹筋だ、腕立てだ、オリンピックで合宿所にいたので、癖で今でもずっとするんですが、結果として、二十五年前の洋服が今でもすっと着られる体型を維持できているんですが、そうじゃない人って世の中にいっぱいいるじゃない。飲みたいだけ飲んで、やりたいだけやって、いいかげんにして。それで、七十二でくしゃくしゃになっている人っていっぱいいるでしょう。周りにいっぱいいるじゃん。そういう人たちが病院に払っているときの医療費は俺が払っているんだと思ったら、何となくばかばかしくなってくるんだ。  だったら、我々のようにちゃんとやっている人は、病院に来ない、偉いといって、月々、病院に来なかったら幾らかいただけるとか、何かインセンティブをいただけませんかというようなことを申し上げたら、何となく、当時は、今の時代と違いまして、自民党はめちゃくちゃたたかれている時代でしたので、もう、いいようにたたかれて、ぼろかすになったというのが三年半前ですよ。  だから、そういった意味では、中田先生みたいな方が出てこられるのはまことにいいことなので、これは予防医学というものにもっと手間暇かけて、ちゃんと自分でやった人にはそれなりの見返りがあるようにするような制度を考えるべき田村にぜひ要望いたしておきますので、私の要望だけでは足らぬと思いますので、中田先生からの圧力もあわせてお願い申し上げます。

中田宏日本維新の会

○中田委員 いやあ、胸がすく答弁ですね。本当にそのとおりなんですね。  長野県は、実は今、平均寿命が日本で一番なんです。沖縄がてっきり一番かと思っていたら、数年前から長野県が男女ともに平均寿命一位なんです。  長野県は、一九四五年、ですから終戦直後ですよ、終戦直後に日本で初めて、これは先駆けて、保健指導員という制度をつくりまして、今、この保健指導員というのが、長野県全県、全市町村に一万一千人もいるんです。それで、とにかく健康でいようということに向けての運動をずっとやり続けてきて、この結果があるんですね。しかも、そういう意味においては、長野県というのは、医療費も安く済んでいるという結果になっていて、一人当たり医療費は全国で下から数えて八番目ですよ。  健康でいれば医療費が下がっているというこの現実も踏まえたときに、健康でい続けられる制度にしないとだめですよ。今のまま、病気になったら保険が使える。病気のプロは医者なんだけれども、予防していく、健康でい続けるということのプロというのがなかなか医者の中にいない。それはなぜか。日本にそういう制度がないんですね。  やはり、もっともっと健康を促進していくための医療制度というのを、これはそれこそ中医協とか考えるべきところで、しっかり、大臣、先ほどの麻生財務大臣からの要望を受けてやっていただきたい。来年の予算は、麻生財務大臣、もうぶった切ってくださいよ、ちゃんとやらなかったら。そういうふうにしないと動かないんです、日本は。  我々維新の会というのは、制度そのものの根本を変えようというふうに常に議論をしているわけでありまして、田村さん、なるべく短くお願いしますね。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○田村国務大臣 今おっしゃっておられる意味は、我々もそう思っておりまして、やはり、健診事業、特定保健指導等々、こういう事業をしっかりやらなきゃいけないと思います。  同時に、全ての健診を保険に入れるというわけにいきません。これは健康な方々まで全部健診を入れちゃうと、今度、保険がパンクしちゃいますからね。だけれども、一方で、なるべく病気が軽いうちに病院に行っていただいて、例えば慢性疾患なんかを重症化させないということをすれば、当然、その分だけ医療費がふえないわけでありますから、ただ単に予防という意味だけじゃなくて、慢性疾患になり始めたころに、初期に行っていただいて治療していただければ、これは保険対象になりますので、そういうこともやっていく。  それから、インセンティブもやはり考えていかなきゃいけないと思います。保健指導、健診をやるためのインセンティブ、これを今、我々厚生労働省も考えておりますので、しっかりと進めてまいりたいと思います。

中田宏日本維新の会

○中田委員 日本の平均寿命、男が七十九・四四、女性が八十五・九〇、これは平均寿命ですけれども、これから必要なのは健康寿命ですよ。どれだけ健康でいられるか、そして、この健康寿命と平均寿命の間が短くなればなるほどいいわけですね。いわゆるぴんぴんころりといいますか、こういう状態をつくっていく制度というものをぜひ本当に検討するということをしないと、このまま一兆円ずつ毎年医療費が伸びていったら、もう間もなく税収を上回りますからね。心してやっていただきたいと思います。  私の時間は大分スー・チーさんに差し上げたので、それは別にいいんですけれども、最後に日本維新の会の方針だけ申し上げておきますけれども、今回、この修正案を提出するというのは、私たちはいろいろなものをこの中に盛り込みました。先ほどから申し上げている、根本的に日本を改めるということをやらなければだめだということであります。  そういう意味においては、今申し上げた医療費の負担増ということも、これは言いにくいけれども、言いました。あるいは年金、このことについても、先ほどの議論もありましたけれども、やはり総理、これはなかなか、もう無理ですよ。百年安心なんて、冗談じゃない。現状は、三年金を合わせて七百五十兆の債務超過です。こういうことを考えたときに、積み立て方式の年金ということを私たちは言い、このことも修正案の中に盛り込みました。  そういう意味では、この後、私たちの修正案ということについても、ぜひ皆さんにもじっくりごらんをいただいて、これから政府を運営していくときに、私たちは建設的な議論をやりたいと思っていますから、その意味における御参照に供していただきたい、こう思います。  終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて中田君の質疑は終了いたしました。  次に、柿沢未途君。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 みんなの党の柿沢未途でございます。  締めくくり総括質疑までたどり着きました。皆さん、お疲れさまでございます。  きょうは、予算案審議の最後として、まさに日本国の国家経営のインフラを整える公務員制度改革に関連して、具体的な人事について伺いたいと思います。  どうも、公務員制度改革について、第一次安倍内閣のような姿勢が感じられない、こういうふうに思います。過去の経過を総括して真に必要な改革を進めると稲田大臣は繰り返し述べられるんですけれども、五年の改革期間満了を待たずして、国家公務員制度改革推進本部事務局、機能もほとんど停止をしてしまっていて、きょうも調べましたけれども、事務局長も空席のままにずっとなっているわけです。  こういう状況の中、今回、驚くべき人事が報じられました。敦賀原発の活断層調査に関する原子力規制委員会の調査報告書を日本原電に漏えいしたということで、原子力規制庁審議官を更迭された名雪哲夫氏が、四月一日付で山形大学教授に就任したというんですね。  平成二十二年六月に閣議決定をされた退職管理基本方針、ここに、国家公務員の現役出向を幹部クラスにも広げる、こういうことが書いてあります。審議官クラスの今回の名雪さんのケースというのは、これは現役出向の一例だというふうに考えられますが、しかし、この人事はまさに、この退職管理基本方針が決定をされた当初に、天下りの根絶を掲げながら、出向は天下りでないからいいんだと民主党政権が天下りの裏ルートをつくった、こういうふうに批判をされたやり方そのものではないかというふうに思います。  これがそうでないということであれば、ぜひ御説明をいただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 退職管理基本方針においては、中高年期の職員が公務部門で培ってきた専門的な知識、経験を民間等の他分野で活用するなどの観点から、人事交流機会の拡充等をより一層進めるための環境整備を行い、中高年期の職員の多様な分野への積極的な人材活用を図ることとされております。また、人事交流機会の拡充として、官民の人事交流や国際機関への派遣とあわせて、大学や民間の研究機関等への派遣も挙げられております。  名雪元原子力規制庁審議官の山形大学への出向人事については、山形大学が進めている重粒子線がん治療分野の研究開発に関して、当該分野の豊富な知見、経験を有する人材の要請があったことから派遣したものであり、退職管理基本方針に沿った人材活用の一環と考えております。  名雪氏の派遣は、現役出向でありまして、天下りには当たらないと思います。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 この答弁は、私は非常に大きいと思います。  後でこの話については続けてお話ししたいと思いますが、この名雪さんですけれども、原子力規制庁審議官を更迭されてから、文部科学省大臣官房付、こういう、ある種待命ポストに置かれていたわけです。そこから二カ月で国立大学教授というのは、普通でいえば御栄転の世界で、ちょっとこれは一般の常識では考えられないというふうに思います。  しかも、この更迭の理由というのは一体何だったんでしょうか。原子力村と言われるような電力事業者と規制行政とのなれ合い、癒着、国会事故調が規制のとりこと呼んだような関係、これが、世界標準から見て大甘の安全基準を許し、めぐりめぐって今回の事故にもつながってきたと言われている。原子力行政に対する信頼は地に落ちた、田中委員長も私にこの予算委員会で答弁をしておられます。  その反省から、原子力安全・保安院にかえて、推進行政と切り離した独立機関として原子力規制委員会ができて、原子力規制庁ができたのではありませんか。できたそばから、審議官が裏で電力事業者と八回も会って、日本原電に報告書案を渡していた、こういう案件なんです。  この報告書の事前漏えいが委員会発足早々から起きたということについて、国民の信頼という観点から見て、田中原子力規制委員長はどのように受けとめていますか、お伺いします。

田中俊一原子力規制委員会委員長

○田中政府特別補佐人 原子力規制委員会は、委員御指摘のように、福島の第一原子力発電所の深い反省に立って発足された組織でありまして、当初から、我が国の原子力の規制組織として国民の信頼を取り戻すということを旨として取り組んでまいりました。  しかし、こうした中で規制庁元審議官の事案が起きたということについては、私自身、深く反省するとともに、大変遺憾だと思っておるところであります。  その後、規制庁としては当審議官を処分すると同時に、再発防止のために、規制庁、規制委員会、ともに襟を正して取り組んでいるところでございます。  こうした背景には、事業者との対話が少し足りないという御批判もございました。いろいろな調査をしている段階においては余りそういった対話という段階ではないので、これからは、今はもう既に基本的な規制基準もできましたので、日々、被規制者との意見交換を、きちっと公開の場で、議事録をとりながら行っているところでございます。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 今、反省の弁を語られましたけれども、そういう意味では、原子力規制庁というものが立ち上がって早々、今、公開の場で電力事業者とやりとりをする、規制基準のあり方について議論をする、私はそれは全く否定することはありません。しかし、この場合は、そもそも、作成段階の報告書の案について、しかも秘密裏に会って渡していたという話ですから、全くレベルの違う話。言ってしまえば、出直し早々から原子力規制行政に対する国民の信頼を損ねるような行為を行った、こういうことだというふうに思います。  訓告処分を受けてけじめがついた、こういうふうにしているわけですけれども、政府にとって、今回の漏えい問題というのはその程度の問題という認識なんでしょうか。たまたま見つかって運が悪かった、ポストを用意したから気を悪くしないでね、そういうふうに言っているかのようにみなさざるを得ないのではないかというふうに思います。  さらに伺います。  先ほど、下村文部科学大臣から、山形大学におけるこの元審議官のポストのお話がありました。山形大学は、重粒子線がん治療施設の設置構想を進めていて、平成二十四年度補正予算において国から研究開発費十億円の配分が決定しているとされておりますけれども、これは事実でしょうか、伺います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 御指摘のように、平成二十四年度補正予算において、山形大学に対し、次世代型重粒子線がん治療装置の研究開発を行う施設の整備に係る経費として約十・一億円を措置しております。  その内訳は、省エネルギー型の重粒子線がん治療装置の技術開発として七・二億円、重粒子線がん治療を効果的に実施するための広域的患者情報管理システムの技術開発として二・九億円となっております。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 この山形大学の重粒子線がん治療施設準備室本部企画室の教授に就任をされるということであるわけですけれども、放射線医学については、放射線医学総合研究所の重粒子医科学センター、こういうところでサイクロトロン運転室前室長という方を教授として別途招聘しているわけです。一体、名雪元審議官の教授就任にどういう意味があるのかというふうにも思います。技術行政に詳しい、こういうことを学校としてはコメントされているようなんですけれども、本当にそういうことなんでしょうか。  山形大学の学長は元文科省の事務次官さんですね。要するに、文科省の予算と権限を背景として、研究開発費十億円をつけるかわりに、後輩の文部科学官僚を引き取ってくれ、引き取ってあげる、こういうことなんではないですか。これは、第一次安倍内閣で総理自身が根絶に取り組んだ、予算や権限を背景とした押しつけ型の天下りあっせんそのものではありませんか。  総理は、こういうことを、再就職じゃなくて現役出向だからいいんだ、こういうことで認められるんですか、お伺いします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 これは時系列が全く誤解されておりまして、補正予算については一月の十五日に既に決定しているものでございます。そして、今回の人事については、山形大学の学長が、問題となった行為自体はすぐれたものとは言えないが、本人が反省しており、区切りがついたと思っている、持っている能力、知識を活用することの方が大事だということで山形大学の教授として招いたということでございまして、そもそも事実関係が違うということについては御理解いただきたいと思います。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 しかし、この研究開発費があったからこそこの人事が生まれ得た、こういうことも、私たちから見ればそのように見えてしまうわけであります。  そもそも、民主党政権が閣議決定した退職管理基本方針自体、当時野党であった自民党の皆さんがさんざん批判していたものだと思います。  一人、例を挙げれば、平将明議員。ある対談において、民主党は天下り禁止をすると言ったけれども、現役出向ならオーケーというような、自民党政権のときに出てきてもそれは容認できないというようなものを平気で閣議決定してしまうんだ、こういうふうに語っておられます。自民党政権のときでも容認できない、私は、これは大変真っ当な感覚だと思います。  安倍内閣は、この前政権の閣議決定をした退職管理基本方針、つまり、今回の元審議官の山形大学教授への御栄転に道を開いてしまうようなこの退職管理基本方針の運用をこのまま引き継ぐんでしょうか。総理に通告しておりますので、お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 退職管理基本方針は、国家公務員法に基づいて、再就職規制の徹底など、退職管理に関して政府が取り組むべき指針を閣議決定において定めております。  退職管理の適正化は、国民の信頼を確保していく上で重要な課題と認識をしております。再就職等監視委員会による監視のもと、予算、権限を背景とした再就職の押しつけ等の不適切な行為を厳格に規制していくとともに、定年まで勤務できる環境を整備する中で、中高年齢層の職員の公務内外の多様な分野での積極的活用、そして雇用と年金の接続の重要性に鑑みた再任用制度の活用などに取り組んでまいりたいと考えております。  なお、独立行政法人等への現役出向については大臣の任命権に基づいて行われるものでありまして、現役の公務員の専門的知見を活用すべく、適切に実施をしてまいりたいと思います。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 自民党政権のときに出てきてもそれは容認できない、こういうようなものを平気で閣議決定してしまう、こういうことを、提案された、提起をされた時点ではおっしゃっていた方もいたわけです。こういう考え方に基づいて問いかけをさせていただいたわけでありますけれども、残念ながら、高い問題意識を感じることはできなかった。残念だと思っています。  あと五分でありますが、独立行政法人国立環境研究所について伺います。  子どもの環境と健康に関する全国調査として二〇一一年にスタートしたいわゆるエコチル事業というものを統括管理するコアセンターに、この国立環境研究所は位置づけられています。このエコチル調査が始まる平成二十二年度から、国環研への運営費交付金が、九十億ちょっとから、百二十億から百三十億に、一気に三十億円前後もふえています。  これはエコチル調査によってふえたということになっているわけですけれども、業務委託ではなく運営費交付金として支出されているので、その内訳がわかりません。この経費の積算と査定というのは、どういう根拠に基づいて行われているんですか、伺います。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○石原国務大臣 国環研は環境省の所管団体でございますので、私の方から御答弁させていただきますが、いわゆるエコチル調査に必要な経費については、平成二十五年、今委員が御指摘のとおり、二十六億円となっております。  その内訳でございますけれども、およそ二万五千人分の検体の生体分析の経費等々でおよそ十三億円、データ管理のためのシステムの維持管理の経費がおよそ五億円、広報、調査支援等々の経費が四億円などを計上していると承知しております。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 しかし、これについて、例えば仕様書を出してほしいとか、積算の調書はあるか、業務報告書はありますか、こういうことをお聞きしたんですけれども、運営費交付金として出されているのでこういうものはない、こういう話でありました。  しかも、十万組の母子を目標に進められている個別のエコチル調査というのは、全国十五あるユニットセンターの国公立大学とかに直接発注をされているんだということであります。では、コアセンターと称する国立環境研究所は一体何をやっているのかという話になるのではないかと思います。  これは結局、その常勤理事の三人のうち一人は環境省出身。企画部長も、次長も、総務部長も、監査室長も、これもみんな環境省からの出向者。こういう中で、運営費交付金が実は年々減り続けているところに、ちょうどエコチル調査で運営費交付金を積み増す、こういう状況が生まれたということなのではないかというふうに思うんです。  この国環研に環境省からどれだけの人数が行っているかということを御説明いただきたいと思います。

石原伸晃自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○石原国務大臣 お答えいたします。  国環研の役職員の話でございますが、平成二十五年四月一日におけます役職員数は二百五十七人。退職公務員はおりません。政府からの出向者は三十八人。そのうち、環境省出身者は三十四名。役員一人、これが委員の御指摘の方でございます。そして職員三十三名となっております。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 これは本当に、なぜ運営費交付金という形で支出をしているかという話なんです。これは、やはり環境省の、独立行政法人はよく省庁の植民地だなんて言われますけれども、これだけの大勢の方が現役出向されている、ここに予算を落とすために、エコチル調査のコアセンターとして、そして運営費交付金三十億を追加支出している。こういうふうに見られても仕方のない面があるのではないか。  しっかりこの積算根拠を明らかにして、そして、透明性の高い独立行政法人との発注関係を結んでいただきたい、こういうふうに思います。  最後に、国会議員や地方議員がみずから支部長を務める政党支部に寄附を行って、寄附金控除の制度を利用して所得税の還付を受けるケースが相次いで明るみに出ています。これを、寄附金控除が認められないみずからの資金管理団体に移して管理するのが、迂回献金とかと呼ばれて、所得税を免れる脱法的行為と、世論の厳しい批判にさらされています。  一部の政党の方が先行的に明るみに出ましたので、謝罪だったり、市長選不出馬だったり、追い込まれていますけれども、これは随分広範に行われているように思います。私自身、某政党に所属することになったときに、あなたはやっていないのと言われて、そんな手法があるのかと自分も気づかされたことがあります。  租税特別措置法上でいえば、やはり、寄附者に特別な利益が及ぶと認められるもの、これは寄附金控除の対象から除外するということでありますから、資金管理団体は言うに及ばず、みずからが支部長の政党支部もそれに該当すると言っていいんだと思います。  これらの行為の、政治資金規正法そして租税特別措置法に照らした当否、是非について、政府の見解はいかがであるか、最後にお伺いしたいと思います。

新藤義孝自由民主党総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○新藤国務大臣 総務省といたしましては、個別の事案について、これは具体的な事実関係を承知する立場にないということでございますから、個別の案件についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  また、一般論として申し上げれば、国会議員がみずから支部長を務める政党支部に寄附をすることについて、政治資金規正法においては、個人から政党に対して年間二千万円まで寄附することができる総枠制限があるほかには、特段の規制はないわけであります。そして、政党支部から資金管理団体などの政治団体に対して行う寄附については、これまた特段の規制はない、こういうことでございます。

柿沢未途みんなの党

○柿沢委員 問題はない、規制はない、こういう御答弁をいただきました。  終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて柿沢君の質疑は終了いたしました。  次に、高橋千鶴子君。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  時間が限られておりますので、早速質問したいと思います。  今月の十二日、TPP交渉参加に向けた日米間の事前協議で合意をしたと発表されました。九十日間の米国議会での手続期間を経て、最短だと七月にも参加をするのか、そういう見通しだと言われております。  総理は、十二日の主要閣僚会議の席上で、日米の合意は国益を守るものだ、一日も早く交渉に参加して、交渉を主導していきたいと発言されたと報じられておりますが、何をもって国益を守るなのか、それから、交渉を主導できるとはどういうことなのか、伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 TPP交渉への参加は、アジア太平洋の成長を取り込み、そして日本経済のさらなる成長に道を開くものであります。また、米国を初めとする国々とアジア太平洋における新たなルールをつくり上げていくことは、日本の国益になるだけではなく、地域や世界に繁栄をもたらすわけでありまして、我が国は、GDP世界第三位の国力を生かして、交渉力を駆使して、この新たなアジア太平洋のルールづくりを主導していく考えであります。  我が国にとってセンシティブな品目の扱いに関しても、当然、日米の共同声明を踏まえ、今後、交渉の中で守っていくことになります。この点に関しては、今般の日米合意においても、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティーが存在することを認識と明確に確認されているわけでございまして、今後のTPP交渉において、我が国として、強い交渉力によって国益をしっかりと守っていきたいと考えております。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 もう少し総理のお言葉で、交渉力を発揮するとはどういうことなのか、あるいはどう発揮してきたのかということをぜひお聞かせいただきたいなと思ったわけでありますが、前段はほとんどこれまでと同じ答弁ではなかったかなと思います。  そこで、日米合意内容については、四月十二日の日米の往復書簡、佐々江賢一郎日本国大使、そして相手方はUSTRのデミトリオス・マランティス代表代行、この往復書簡が公的な文書とされております。  これによりますと、両国政府は、日本がTPP交渉に参加する場合には、日本が他の交渉参加国とともに、二〇一一年十一月十二日にTPP首脳によって表明されたTPPの輪郭において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことを確認しましたとあります。これについては、内閣府の対策本部がまとめた日米協議の合意の概要というペーパーにはあえて触れられていないわけです。  そうすると、前段は、TPPのアウトライン、二〇一一年のアウトラインを踏むんだと。そうすると、全ての関税撤廃が基本という点では、基本的には変わっていない、そういうことではないですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○甘利国務大臣 TPPは、もともと、できるだけ高いレベルの通商交渉にしようということは、発足当初からの理念であります。私どももそれを受けた上で、もちろん、センシティビティーはありますから、それはきちっと主張していきますが、TPPの理念は理解した上で交渉に参加する、そのための事前協議を行っているというところでございます。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 ですから、今、もともと高いレベルという表現をされましたけれども、結局、このアウトラインを読み解くと、これまでほとんど一〇〇に近かったものを高くするというのですから、限りなく一〇〇に近い、要するに、全ての撤廃と読み取れるんだということがこれまで議論をされてきたわけですよね。  その上で、今、総理が、センシティブについては共同声明を踏まえて合意が得られたというふうに答弁をされました。それは、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった、二国間貿易上のセンシティビティーが両国にあることを認識しつつ云々という、この文章だと思うんですね。でも、これは、二月の共同声明が言明した文章と全く同じであります。そうですね。同じことを確認しただけであります。  一方で、二月の共同声明のときには残された懸案事項とされていた自動車部門あるいは保険部門については、極めて具体的に確認されているのではないでしょうか。自動車については、関税を、最も長い段階的な引き下げ期間によって撤廃され、かつ最大限に後ろ倒しされること、及び、米韓FTAでの扱いを実質的に上回るものになることを確認しているわけであります。  そうすると、自民党さんはこれまで、交渉参加に当たって、米、麦、乳製品、牛肉・豚肉、甘味資源作物などの五分野を例外扱いにするよう求めてきました。もちろん、それさえ守られればよいという立場では決してありません。しかし、その最低限の重要品目について、新たな手がかり、守るよということでの新たな言質が何かとれたわけではないけれども、日本側は二月に懸案事項とされていたものの譲歩を迫られている、それが実態ではありませんか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○甘利国務大臣 今回の日米で確認した文書というのは、日本がTPPに入るに際して、現参加国の了解をとらなければならないという手続があります。その手続を基本的にはクリアしたということであります。  そして、日米双方にセンシティビティーがあるということは、日米首脳会談で日本が交渉参加に向けての意思表示をしたときにも確認されましたし、そして、今回、アメリカの了解をとる二国間の協議の場でもアメリカ側はそれを確認したということであります。  アメリカの自動車の関税撤廃手続について、いろいろな見方があるかと思います。しかし、一つの見方をすれば、アメリカは、もちろん年限はこれからTPPの中で決めることですが、自動車に関する関税を取っ払うということを約束したわけでございます。これは見方によっては、もう既に、交渉に入る前に一つとれたということも言えるかと思います。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 税を取っ払うのを約束したというのが一つの成果だというのであれば、さっき大臣がおっしゃったように、基本原則は、取っ払うのが原則なわけですよね。それをできるだけ後延ばしにしたというだけではありませんか。だから、日本の自動車業界がこれでは足りないと批判をしているのではないですか。しかし、それしかないのかなということでもあり、それが唯一のカードを切ってしまったということでもあるかと思います。  そこで、簡潔にお答えください。日米間で、TPP交渉と並行して非関税措置に取り組むというふうにありますけれども、この「並行して」というのはどういう意味でしょうか。これは外務大臣に。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○岸田国務大臣 今般の日米合意におきましては、両国政府は、TPP交渉と並行して、自動車分野とそして非関税措置に関しての交渉、この二つの交渉について並行して行うということを決定しましたが、これらの協議は、TPP交渉とは別に、二国間の関心事について協議が行われるものということでございます。  自動車分野に関しましては、並行して行う交渉の結果として合意される権利及び義務は、この枠組み文書に記されておりますとおり、TPP協定に附属される日米二国間の市場アクセスの表に組み入れられることになっております。  一方、非関税措置に関しまして、並行して行う交渉の結果は、法的拘束力を有する協定、書簡の交換、新たなまたは改正された法令その他相互に合意する手段を通じて実施される、こういったことになっております。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 今、書簡の部分をお読みになったと思うんですね。「TPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。」と。これは、実は外務省と内閣府にこの「並行して」の意味を聞いたときに見解が分かれていたものですから、ちょっと整理をしたかったんですね。  要するに、TPP交渉の枠組みの中に入ることを目指して並行して日米の協議をやっていくのか、それもあるかもしれないけれども、TPP交渉とは関係なしに、つまり、交渉の中身に入らなくても並行して協議もしていくという意味ですか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○岸田国務大臣 自動車分野に関しましては、この枠組み文書にありますように、最終的にはTPP協定に組み込まれるということになります。  非関税措置に関しては、その結果については、協定ですとか書簡の交換、あるいは法令その他の手段を通じて実施されるということになっております。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 その他の手段を通じて実施されるということの意味がちょっとよくわからないんですね。  確かに、今、自動車は組み込まれるとおっしゃいました。自動車だけは自動車貿易TORという形で附属文書がわざわざ出ていますので、これはTPP交渉の中でやっていくんだろうということですよね。ただ、その他については、非関税措置、九項目全部列挙をされています。それが、全部並行してやるということを言っているんですよね。そのことの意味を聞いているんです。  十二日のUSTRの発表、これは日本で言うところの日米協議の合意の概要に当たるものだと思いますが、ここでは二つのことを強調しています。輸入自動車特別取扱制度で年間販売台数の上限を拡大するという一方的決定を日本が発表したと。これはさっきのTORとは別ですよね。もう一つは、日本郵政グループのかんぽ生命、このがん保険や単品の医療保険展開を凍結すると日本が通告したというふうに、極めて具体的に明示をしているわけです。  これは、同じ日に麻生財務大臣が記者会見をやっておりまして、記者団にTPPのためですかと聞かれたときに、TPPと直接関係するわけではありません、ちょうどたまたま同じ日になったみたいな答弁をしているわけです。しかし、USTRが日本が通告したというふうに言っているわけですから、日米事前協議におけるアメリカにとっての成果そのものだと言えるのではないか。  つまり、言いたいことは、並行して行われる日米協議によって、TPPの本格交渉を待たなくても日本が国内法や国内制度、規制を変える、今のような、かんぽみたいな話です、BSEもそうです、そういう形で対応を迫られる、この意味を含んでいるのではありませんか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○岸田国務大臣 自動車分野そして非関税措置における交渉、これは両方とも、それぞれの並行協議は日本がTPP交渉に参加した時点で開始される、スタートするということです。  そして、終わりの方は、自動車の方は先ほど申し上げましたTPP協定の中に組み込まれるわけですが、非関税分野の交渉については、これは書簡の中にありますように、「TPP協定が発効する時点で実施されることを確認します。」こういった文章が書簡の中にあります。

高橋千鶴子日本共産党

○高橋(千)委員 同じ答弁を繰り返してもわからないじゃないですか。結局、今指摘をしたように、国内法の改正ということが現実にあるんだと。もう時間ですので終わりますが、産業競争力会議の中でも、TPPへの参加に伴って国内改革の実施というのが必要だ、痛みが生じる方も出てくる、こう言っているんですね。結局、交渉をしやすいように国内環境を整える、こういう圧力があるんだということもしっかり踏まえて、大事な問題だということで、TPP撤回を求めて、終わりたいと思います。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。  次に、村上史好君。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。最後の質疑者となります。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは、早速ではございますけれども、下村文科大臣にまずお尋ねをさせていただきたいと思います。  改めて申し上げるまでもないんですけれども、日本の教育予算、よく比較されるOECDの中で、対GDP比で低い位置にあるということは従来から言われております。また、二〇一二年のデータでも最下位という予算規模になっております。  また、二十五年度の一般会計、教育予算案ですけれども、二十四年度に比べて五百六十九億円減額というふうになっております。  日ごろから、名実ともに教育立国を目指しておられる下村大臣でございます。じくじたる思いもおありかと思います。現状についての御見解をお尋ねいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 御指摘のように、我が国の教育に対する公財政支出は、対GDP比三・八%。これは、OECD平均五・八%でございますので、額にすると十兆円の開きがございます。特に、就学前教育段階や高等教育段階において家計負担が大きいことなどが諸外国と比較して高い数字になっているということが言われると思います。  二十五年度の文部科学関係予算は五兆三千五百五十八億円で、対前年度比マイナス五百六十九億円でございますが、これは、給与特例法の影響が主な要因であるというふうに思っております。  しかしながら、予算の内容としては、教育再生実行の基盤となる教職員等指導体制を整備するとともに、全国学力・学習状況調査の悉皆化、道徳教育の充実などによる日本の成長を牽引する人材の育成、また、いじめ問題に対する総合的な取り組み、幼児教育の推進、奨学金事業の充実など、安心して夢の持てる教育を受けることができる社会の実現、そして、知と価値を創造する大学力向上のための大学改革の推進などに重点を置いているところでございまして、人づくりは国づくり、教育への投資は、個人だけでなく、社会の発展の礎となる未来への投資であることから、今後とも、教育再生への取り組みをさらに加速するよう、必要な教育予算をしっかりと確保していくように努力してまいりたいと思います。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 まさに今の大臣の現状への認識の中で、先日、四月の三日ですか、日本記者クラブ並びに翌日の閣議の後に、教育目的税の導入の可能性について言及をされたという記事がございました。この真意についてお伺いいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 現在、中央教育審議会において、第二期教育振興基本計画の審議が進められております。その中で、欧米主要国を上回る質の高い教育の実現を図るために必要な教育投資のあり方などについても検討されているところでございます。  教育投資を充実するためには、その財源の確保が重要な課題であり、税制によるものも含め、さまざまな方法を考えていく必要があるというふうに思います。  お金が必要だけれども、財務省に考えてくれということではなくて、文部科学省がみずから考えることが必要であると私は思いまして、現在、省内の関係者を集めて意見交換を行うなど検討を進めているところでございます。  御指摘の教育目的税については、他国の税制の状況なども参考にしながら、私案として申し上げたものでございます。教育再生を進める上では、必要な予算を確保していくことが重要であり、そういうことからも、みずから考え、提案をしていくことも必要だと考えているところでございます。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 ありがとうございました。  教育予算の安定した拡充ということは、私も教育に対して一定の思いを持っておりますので、予算を先進国並みに、OECDの中で平均ぐらいはやはりきちっと予算化すべきだと思っております。  ただし、教育目的税、どういう形になるかわかりませんけれども、自主財源という形なのかわかりませんが、消費税そのものも反対論が強い中で、一〇%にもう間もなく上げようかという時期です。今の十兆円という予算を現実に消費税で置きかえれば四%分の負担にならざるを得ないということを考えますと、国民に新たな負担を求める形で教育予算を拡充するというのは、今の段階ではいかがなものかなというふうに私は思っております。  それよりも、まず一般会計の中で、教育予算というものの優先順位を上げるとか、あるいは予算の組み替えをする中で教育予算を拡充していくというのがより現実的なアプローチではないかなというふうに思います。  それとあわせて、人への投資、また先端技術の研究開発へ投資をして、いわゆる成長戦略の中にしっかりとこの教育という予算を位置づけて、拡充を図っていくべきではないかなというふうに思いますけれども、この点について、安倍総理の御見解をお尋ねしたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣

○下村国務大臣 御指摘の点は、応援と理解をさせていただきました。  私も、教育目的税に特化しているということではなくて、委員も御指摘のように、これから科学技術イノベーション、そしてそれに合わせる人材育成、また、そもそも今の教育において、他国においても、我が国の教育予算は大変少ないという中で、日本の未来は教育によって形づくられると思いますから、それについてはしっかり投資をする。その財源については、柔軟な中で、しかしこれは文部科学省だけの判断でできることではありませんから、政府、そして国民の皆さんに理解が得られるような財源のあり方についてもしっかり検討してまいりたいと思います。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 ありがとうございました。  それでは、時間がございませんので、次に移りたいと思います。  まず、総理にお伺いをしたいと思います。  今までも何度も質疑が行われてまいりましたけれども、社会保障と税の一体改革についてお尋ねをしたいと思います。  改めて、一月二十一日に、社会保障国民会議で、安倍内閣としては三党合意に基づき、一体改革をしっかりと進めて、安心社会をつくり上げていくと発言をされておられます。しかし、実態としては、自公民の実務者協議でもほとんどが平行線をたどって、八月二十一日の国民会議の設置期限までに本当に結論が出るのかどうかということも懸念をされております。  また、四月七日の朝日新聞の中で、総理の言葉として、はっきり言って、民主党と一緒ではできないんだ、基本的な思想が違いますからという内容の発言をされております。  総理として、本気でいわゆる一体改革でまとめていくおつもりがあるのか、また、もしそうであるならば、参議院選挙の前に結論を出して、そして参議院選挙の争点とすべきだと思いますが、明確にお答えいただきたいと思います。

田村憲久自由民主党厚生労働大臣

○田村国務大臣 少子高齢化が世界に先立って進む中において、この年金、医療、介護という問題、これは持続可能性が大変重要な問題であります。  そんな中において、今議論がなされておるわけでございますが、いずれにいたしましても、参議院の前後というよりかは、あるべき姿というものを、八月の二十一日、これは国民会議の設置期限でございますから、これまでの間にしっかりと議論をいただいて、一方で、若干なりとも意見が違っている部分はあると思うんですけれども、そこは実務者の方々が三党でいろいろな協力をしながら議論をしていただいておるわけでありまして、その議論を待って最終的には方向性を決めていくという話でございます。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 社会保障と税の一体改革は、これは、社会保障の安定財源を確保するということと同時に、財政健全化の同時達成を目指す観点から取り組むべき課題であって、自民党と公明党と民主党三党で、三党合意に基づいてしっかりと議論して改革を前進させていく必要がある、このように考えております。  社会保障のあるべき姿については、これは参議院選挙の前とか後にかかわりなく、しっかりと議論していくことが私は重要である、このように思います。  今後、社会保障制度改革推進法に基づいて、八月二十一日の設置期限に向けて、国民会議で引き続き精力的に御議論をいただき、改革を具体化していく考えであります。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 いずれにしましても、この一体改革は消費税増税と一にしております。十月には増税をするかどうか決めるという状況でございますので、当然ながら、参議院選挙はその直前の国民の声を聞く場ではありますので、ぜひそういう意気込みで結論を得ていただきたいと思います。  それでは、最後になりますけれども、アベノミクス、国民の中でも大変期待が高いということは誰もが承知をしております。そして、あわせて、国民も、少しでも早くデフレを脱却して、給料が上がって、生活が楽になればなという強い期待を持っておられることも事実だと思います。そして、総理御自身も、みずからの経済対策に対しては相当強い自信をお持ちだと思います。  今、国民は、一般質疑でもちょっと比喩で出しましたけれども、おいしいにおいを嗅がされている、かば焼きのおいしいにおいを嗅がされている、でもまだ食べていない、食べさせてくれるのかな、そういう期待感だと思います。  総理、改めて、総括質疑の最後として、物価安定目標二%、これを、二年の間にきちっとかば焼きを国民に食べさせていけるのか、そのことをこの場で国民の皆さんにお約束していただけないか、そのことをお尋ねして、質問を終わりたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○安倍内閣総理大臣 おいしいメニューと料理があるからこそ、においがしてくるわけであって、そもそも、それがなければ、においもしてこないわけであります。  我々は、しっかり今メニューをそろえておりますし、できるだけ早い段階で全国隅々まで皆様に実感をしていただけるように努力をしていきたいと思っております。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 かば焼きも余り焼き過ぎますと、焦げて食えなくなってしまいます。国民は、やはり食べ物の恨みは怖いということも申し添えまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて村上君の質疑は終了いたしました。  これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成二十五年度予算三案に対する質疑は全て終局いたしました。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 ただいままでに、民主党・無所属クラブ長妻昭君外一名から、また日本共産党宮本岳志君から、また生活の党村上史好君から、平成二十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が、また、日本維新の会、みんなの党の二派共同提案による、山田宏君外一名から、平成二十五年度予算三案に対する各修正案がそれぞれ提出されております。  まず、長妻昭君外一名提出の動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。玉木雄一郎君。     —————————————  平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

玉木雄一郎民主党・無所属クラブ

○玉木委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、その趣旨を説明いたします。  民主党政権では、少子高齢化、経済のグローバル化、また莫大な累積債務の存在といった変化と制約の中で、人への重点投資や地域主権改革の推進を重点施策と位置づけながら、厳しい財政事情のもとで、財政規律にも配慮しつつ政権運営、財政運営を行ってまいりました。しかしながら、政府提出予算案では、こうした方向性が後退しています。  民主党政権が掲げた理念は、次の世代に責任を果たすために正しい方向性だと信じるものであり、政府提出予算案をこうした理念に沿って組み替えるため、動議を提出するものであります。  以下に組み替えを求める理由を具体的に説明します。  第一に、財政健全化への取り組みが後退していることであります。  四月四日に日本銀行が量的、質的金融緩和を決定したことによって、政府が財政健全化への道筋を明確に示すことが一層重要になったと考えています。しかし、政府の財政健全化に向けた道筋は必ずしも明確ではありません。  そこで、一定程度経済対策としての効果には配慮しながらも、被災地の円滑な事業執行に支障が生じるほどに過度に膨れ上がった公共事業予算を適正な水準に縮減し、これによって国債発行額を減じるべきであります。  第二に、地域主権改革の取り組みが後退していることであります。  政府提出予算案では、民主党政権のもとで創設された一括交付金が廃止され、ひもつき補助金が復活しておりますが、このひもつき補助金には、省庁縦割りの弊害や財政規律の緩みを招きやすいなど、さまざまな問題があります。  そこで、地方の声に耳を傾け、使い勝手を高めた上で、廃止された一括交付金を復活させることで、地域の自主的、自立的な取り組みを推進する地域主権改革を進めてまいります。  第三に、人への投資が後退していることです。  政府提出予算案では、公共事業費を大幅に積み増しする一方で、文教及び科学技術振興費は前年度より縮減されるなど、人への投資が後退しています。  第四に、原発依存度を引き下げる方向性が予算上見えないことです。  二年前の福島第一原発の事故によって安全神話が崩壊し、多くの国民が、できる限り原発に頼らないことを望んでいます。この国民意識の変化を正面から受けとめ、予算に的確に反映させる必要があります。  以上の理由から、民主党・無所属クラブは、平成二十五年度予算三案を撤回し編成替えを行うことを求めます。  何とぞ我々の動議に委員各位の御賛同を賜り、趣旨の説明を終わりたいと思います。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、宮本岳志君提出の動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。宮本岳志君。     —————————————  二〇一三年度一般会計予算、二〇一三年度特別会計予算及び二〇一三年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一三年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要について御説明申し上げます。  安倍内閣はデフレ不況からの脱却を掲げていますが、その内容は、消費税一〇%に向けて、来年四月から増税を開始し、社会保障負担増などと合わせて二十兆円という戦後最大の国民負担を前提にして、大企業減税など相変わらず大企業中心の成長戦略にしがみつく経済政策をとり、内需の六割を占める家計消費、可処分所得を落ち込ませたまま物価を引き上げる金融緩和を推進するものとなっています。これでは、景気低迷下の物価上昇を招くだけで、国民の暮らしも、経済も、一層深刻となります。  さらに、TPP、環太平洋連携協定交渉参加に踏み出し、食料、農業を初め、日本経済と国民の暮らしを破壊する危険な道を進めようとしています。こうした路線の根本的転換が求められています。  日本共産党は、二百六十兆円もの大企業の内部留保の一部を賃金などの国民所得と中小零細企業へ還元しながら、大企業と富裕層に対して応分の負担を求め、軍事費や新規大型開発事業などの浪費を削減して、国民が真に求める社会保障の実現を軸とする内需主導の経済政策へ切りかえることを求めます。  以上の立場から、二〇一三年度予算案を、以下に述べるとおり抜本的に組み替えることを要求するものです。  次に、編成替えの概要です。  第一に、消費税増税を中止し、消費税増税を前提とした年金特例公債方式はやめます。  社会保障の財源は、証券優遇税制の廃止、大企業優遇税制の中止など富裕層や大企業を優遇する不公平税制を是正すること、大型開発事業や軍事費など歳出の無駄にメスを入れることによって確保します。  第二、賃金を初めとする、国民の所得をふやす政策への転換を図ります。  大企業に対し、内部留保の中から賃金引き上げや中小零細企業に回すことを求めるとともに、政府としても、最低賃金の引き上げ、労働者派遣法の抜本改正、認可保育所の増設などの対策を強化します。  社会保障については、医療費の窓口負担の軽減、介護施設の増設を初め、相次ぐ制度改悪で大きく崩されてきた基盤を修復します。  三十五人学級の全学年での実現、給付制奨学金など、教育予算を拡充します。  また、TPP参加を直ちに撤回し、農業、中小零細企業など、地域経済の支援を抜本的に強化します。関税分野にとどまらず、非関税障壁と称して、国民生活の広範な分野で規制緩和、市場開放を迫るアメリカの対日要求は認めません。  第三、東日本大震災から二年がたちますが、被災地の復興では、生活となりわいの再建を最後まで支援する立場を明確にします。  医療、介護の減免措置は国の負担で行い、宅地も含めた住宅再建支援を抜本的に強化します。中小零細企業の再建、地域復興、地域医療の再建のための支援を抜本的に強化します。  第四、東京電力福島原発事故の被害から国民の暮らしと健康を守ることは切実な課題です。  東電と政府に対し、収束宣言を撤回し、事故の収束、除染、賠償などで責任ある対応をとらせます。賠償の線引きや切り捨てをやめ、被害の全面賠償を大原則とします。原発再稼働方針を撤回し、原発から直ちに撤退することを決断します。自然エネルギーの普及と低エネルギー社会への転換を進めます。  第五、沖縄・辺野古への新基地建設を撤回し、普天間基地の即時閉鎖、無条件返還を求めます。  米軍のグアム移転経費や思いやり予算などは、全額削除します。新型戦闘機F35、南西諸島への自衛隊配備態勢強化など、軍事費の増強は、周辺諸国との軍事緊張を高め、東アジアの平和的環境づくりに逆行するものであり、大幅に削減します。  以上、編成替えの概要を説明いたしました。  委員各位の御賛同をお願いし、趣旨の説明を終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、村上史好君提出の動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。村上史好君。     —————————————  平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求める動議     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

村上史好生活の党

○村上(史)委員 私は、生活の党を代表して、政府提案の平成二十五年度予算三案を撤回のうえ編成替えを求める動議について、提案理由を御説明いたします。  生活の党は、地域が地域のことを自由に決めることができる仕組みの構築、人材育成、子育て支援の重視、脱原発等を基本理念として政策を進めるべきだと考えます。政府提出の予算案については、これらの理念に沿って組み替える必要があることから、撤回のうえ組み替えをする動議を提出いたします。  以下、理由を具体的に説明いたします。  我々は、現時点での消費税増税には反対です。現時点での消費税増税は、デフレを脱却し、日本経済を持続的経済成長軌道に乗せるに当たって、矛盾した政策であるとともに、そもそも、消費税増税をめぐるさまざまな問題が解決していない状況での消費税増税には大きな問題があります。  平成二十五年度予算においては、歳入として年金特例公債約二・六兆円を発行し、後年度に引き上げる予定の消費税増税により償還することとしておりますけれども、消費税増税を前提とした財源を歳入として見込むことは不適切であるとともに、さらに、引き上げの最終判断がいまだなされていない消費税増税を担保とした公債発行を財源として見込むことは不適切であると考えます。したがって、この部分は歳入から削除すべきです。  なお、基礎年金国庫負担二分の一は維持することとし、この部分にかわる財源としては、外為資金特別会計及び国債整理基金特別会計の積立金または剰余金を活用することとします。  我々は、地域が地域のことを自由に決めることができる仕組みが必要であり、このために、国の補助金等については、原則一括交付金等、地方が自由に使える財源として交付する仕組みをつくるべきであると考えます。したがって、地域自主戦略交付金を廃止し、各省の交付金等に移管することについては、いわゆるひもつき補助金の復活となり、地方分権を推進する観点からは容認しがたい。  一括交付金については、申請手続の改善、十分な額の確保等を求める声こそあったものの、地方公共団体の裁量拡大につながることから、地方分権の観点からは大きな評価を得ていたところであります。したがって、一括交付金七千九十二億円を復活させた上で、使い勝手の向上、手続の簡素化等の運用の改善を行うこととすべきである。  なお、一括交付金復活の見合い分だけ、防災・安全交付金、社会資本整備総合交付金、農山漁村地域整備交付金等を削減することとします。  我々は、東京電力福島原発事故を踏まえれば、エネルギー政策を大転換し、十年後をめどに原発依存度をゼロにする政策を進めるべきと考えます。  しかしながら、政府提出予算案にはその方向性が見えません。核燃料サイクルを含めて原発推進をするための予算を最大限削減して、これによって得た財源を、新エネルギー、再生可能エネルギーを中心とした代替エネルギーの普及、省エネに寄与する投資に重点化すべきです。  また、除染のみならず、廃炉も含めた今後の原発廃止の方向性についても国の責任を明確にすべきです。  政府提出の予算案では、公共事業の無原則な積み上げの一方、人への投資の観点が後退をしています。少人数学級の推進、高等学校授業料無償化の堅持、幼児教育に係る予算の見直し、増額等が必要です。  そして、国政の最重要課題の一つが被災地の復旧復興の加速です。このためには、復旧復興の進捗に応じて、各段階で地域の実情に応じた、柔軟に活用できる財政制度が必要であり、被災地が自由に使える被災地特別地方交付金を創設すべきです。  なお、平成二十四年度補正予算も含めれば、無原則に積み上げられている公共事業費の執行が、被災地の人件費、資材費の高騰を招き、被災地の復旧復興に支障を与えています。公共事業については、国土政策的に中長期計画的観点から持続的な一定の水準とすることが必要であることを指摘いたします。  以上が、生活の党の編成替え動議の提案理由であります。  何とぞ我が党の動議に委員各位の御賛同を賜りますよう申し上げ、趣旨弁明といたします。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて各動議の趣旨弁明は終了いたしました。  次に、山田宏君外一名提出の各修正案について提出者より趣旨の説明を求めます。佐藤正夫君。     —————————————  平成二十五年度一般会計予算に対する修正案  平成二十五年度特別会計予算に対する修正案  平成二十五年度政府関係機関予算に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

佐藤正夫みんなの党

○佐藤(正)委員 私は、提案者を代表して、ただいま議題となりました日本維新の会及びみんなの党の共同提案に係る平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算に対する修正案について、提案の趣旨及び概要を説明いたします。  まず、趣旨についてであります。  政府提出の平成二十五年度予算は、本年一月の緊急経済対策に基づく大型補正予算と一体的な、いわゆる十五カ月予算として編成されており、安倍政権は経済再生に向けた機動的な財政政策を体現したものとして位置づけておりますが、不要不急の公共事業までもが計上されていることは明らかであり、また、公共事業を全国的に大盤振る舞いすることで、大震災の影響がいまだに色濃く残る東北において、人材不足や資材価格の高騰に拍車をかけ、復興をさらに停滞させることとなります。  国民の生命財産を守る防災、減災のために必要な公共事業は実施すべきですが、官僚主導の予算編成に逆戻りし、従来型の公共事業に偏重しているようでは、日本が成長国家に生まれ変わることは困難です。成長なくして財政再建も不可能です。私たちは、従来型の公共事業拡大路線とは異なる、民間の競争力強化に重点を置いた成長戦略を目指すべきと考えます。  予算とは、国の進むべき方向性を財政面で表現したものです。私たちは、党是である維新八策やアジェンダの実現に向けて、この国のあるべき姿を予算としてお示しするため、ここに修正案を提示いたします。  次に、概要についてであります。  第一に、統治機構改革です。  地域主権型道州制への移行を前提とし、消費税を全額地方へ移管するとともに、地方共有税基金一・二兆円を創設し、地方交付税にかわる新たな水平的財政調整制度を試験的に行おうとしております。地方政府がみずからの施策のための財源を持たないいわゆる三割自治から脱却し、これまでの官僚統制、中央集権国家から、民間主導、地域主権の国家への転換を目指します。  第二に、行政改革です。  私たちは、小さな政府かつ強く賢い中央政府をつくり上げることを目標としております。徹底した行財政改革なくしてその実現は不可能です。修正案では、交付金、補助金、委託費等の移転的支出を一律二割削減し、大幅に増加した公共事業の伸びを抑制するとともに、国家公務員の人件費も一割削減する。  第三に、世代間格差の是正です。社会保障制度改革です。  民自公の三党合意により成立した社会保障制度改革推進法では、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とする」と書かれています。にもかかわらず、年金、医療、介護の三分野で巨額の一般財源が保険制度の外側から社会保障給付のためにつぎ込まれております。これらは、基本的に、現役世代、若者世代から高齢者世代への所得移転であり、結果として、負担と受益の世代間格差を生み出しています。  修正案においては、公的年金制度の積立方式への移行により、払った保険料は返ってくる全世代に公平かつ納得感のある年金制度の構築を目指し、同時に、一般会計から年金特別会計への繰り入れを三兆円減額する。また、医療保険については、被用者保険の一元化に伴う歳出削減を行うほか、高齢者医療における自己負担を本則の二割に戻し、負担の公平を図ります。  第四に、科学技術への投資と競争力の強化です。  日本経済の復活をなし遂げるためには、経済成長の担い手である民間の事業意欲を喚起する成長戦略が何よりも重要です。世界をリードする新産業及びそれを支える未来の技術者等の人材を育成するためにも、ここまで減額されてきた科学研究に関する予算等の三〇%増額を行おうとしております。  また、民間の投資意欲を喚起するため、償却期間を自由に設定できる自由償却制度の導入などにより、法人税の減税を行います。  最後に、防衛力の整備です。  我が国の平和と安全を守ることは国の責務であり、今日の国際状況に鑑み、対ミサイル防衛力の強化のため、必要な武器購入費を増額しております。  結果として、私たちの修正案では、一般会計ベースで新規国債発行額の五兆円削減となり、消費税増税を償還財源とする年金特例公債の発行は不要となっております。  以上が、修正案の提案の趣旨とその概要であります。  何とぞ議員各位の御理解を賜り、本修正案に御賛同いただきますようお願い申し上げ、私の趣旨弁明といたします。  ありがとうございました。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて各修正案の趣旨説明は終了いたしました。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 これより討論に入ります。  平成二十五年度予算三案、これに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議三件及び平成二十五年度予算三案に対する各修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。あかま二郎君。

あかま二郎自由民主党

○あかま委員 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成二十五年度予算三案に対して賛成、民主党、日本共産党、生活の党提出の編成替え動議及び日本維新の会、みんなの党共同提出の修正案に対して反対の立場から討論を行います。  我が国経済は、長年にわたるデフレのもと、五十兆円とも言われる莫大な国民の所得を失ってきました。また、デフレ予想の蔓延により、企業収益の向上や賃金の増加など、経済の本格的な再生に向けた動きが妨げられてきました。  安倍内閣は、三本の矢を一体的に進め、果断かつ的確な政策対応を矢継ぎ早に重ねてまいりました。これらの大胆な取り組みが功を奏し、円高の是正、株価の回復など、日本経済は回復への道を歩み始めております。  今後、こうした動きを、民間投資の喚起や雇用、所得の拡大を通じて、民需主導の持続的な経済成長につなげていかなければなりません。そのため、平成二十五年度予算を着実に実行に移していく必要があります。  以下、平成二十五年度予算に賛成する主な理由を申し述べます。  賛成する第一の理由は、日本経済を再生するため、平成二十四年度補正予算に引き続き、我が国が早急に対応すべき分野に重点化していることであります。  具体的には、国民の命と暮らしを守る復興・防災対策のほか、成長による富の創出、さらには暮らしの安心の三分野に重点化したものとなっております。我が国経済の活性化や国民の安心に大きく寄与する予算となっています。  第二の理由は、公務員人件費の抑制を含めた行財政改革を初めとする歳出分野の見直し、適正化にも、めり張りをつけながら着実に取り組んでいる点です。  第三の理由は、財政健全化目標の達成に向けた第一歩を踏み出す予算となっている点であります。  本予算では、税収が公債金を下回るという過去三年の異常な状態を脱却しており、重点分野に大胆に資源を投入しつつも、財政健全化目標の実現に向けた政府の姿勢があらわれています。  以上、本予算に賛成する理由を申し述べました。  審議入りから本日まで、質疑時間は八十二時間を超え、過去と比べ非常に充実した審議が行われました。また、与野党の信頼関係の中、円満な委員会運営がなされたことは極めて画期的なことであります。  山本委員長、理事並びに委員各位の御努力に敬意を申し上げるとともに、我が国経済をいち早く再生させるためには本予算の一日も早い成立が必要であると申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野総一郎民主党・無所属クラブ

○奥野(総)委員 私は、民主党・無所属クラブを代表し、政府提出の平成二十五年度予算三案については反対、民主党提案の組み替え動議については賛成、共産党提案の組み替え動議については反対、生活の党提案の組み替え動議については反対、日本維新の会及びみんなの党提案の修正案については反対の立場から討論を行います。  今年度予算は、我々が進めた地域主権改革、人への投資などの再分配政策、再生可能エネルギー、省エネルギー技術の開発普及による原発依存度の引き下げなどの政策から大きく後退し、公共事業頼み、財政規律の緩んだ旧来型の予算への逆戻り予算と言えます。  我々も、インフラの老朽化対策や防災・減災対策が必要であることは十分理解をしております。しかしながら、このいわゆる十五カ月予算におきまして、その使途や効果が不明なままに過大な公共事業が盛り込まれているのではないかという疑念を払拭することはできません。  先ごろ、日銀は、量的、質的金融緩和として大量の国債を買い入れることを決めましたが、財政ファイナンスではないかという懸念を生んでおり、政府の財政健全化に向けた取り組みの重要性はさらに高まっています。  しかしながら、この予算を見る限り、財政規律を守り、財政健全化を図ろうという努力はほとんど見られません。二〇二〇年度までに基礎的財政収支の黒字化を果たすという国際公約の実現にも赤信号がともっています。  一括交付金の廃止及び旧来のひもつき補助金の復活、我々が一貫して回復させてきた地方交付税交付金の削減、地方公務員の給与削減の強制など、地域主権改革に逆行する姿勢もまた顕著であります。  一方、社会保障制度改革に対する取り組みは鈍く、むしろ、生活扶助基準の見直しなど、生活保護受給者のみならず、低所得者層全体に影響しかねない、厳しい対応ばかりが目立ちます。  我々民主党は、公共事業に依存し、財政規律が守れるのかもわからず、低所得者層や将来世代に不安と負担を残すような予算を認めるわけにはいきません。  先ほど我が党が提案した今年度予算に対する組み替え動議は、公共事業を削減し建設公債発行額の減額、一括交付金の復活など地方の自主性を尊重する予算とすること、介護労働者の処遇改善など人への投資を拡充すること、過大な基金を適正に見直すこと、再生可能エネルギー、省エネルギー技術の開発普及を進めることなどを内容とするものであり、いずれも、この国の未来を見据え、真に必要と思われるところに予算を配分しようとするものであります。  他方、共産党及び生活の党から提案された組み替え動議については、いずれも我が党と考えが異なることから、反対をいたします。  また、日本維新の会及びみんなの党が共同で提出された修正案については、その目指すところは理解しつつも、大幅な制度改革を伴うものなど、今年度予算では対応し切れない内容を含むことから、反対をいたします。  政府・与党におかれましては、いま一度予算のあり方について御再考いただくことを求め、私の反対討論といたします。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、坂本祐之輔君。

坂本祐之輔日本維新の会

○坂本(祐)委員 私は、日本維新の会を代表して、政府提出の平成二十五年度予算三案については反対、日本維新の会及びみんなの党の共同提案の修正案については賛成、民主党、共産党、生活の党各党提案の組み替え動議については反対の立場から討論を行います。  我々日本維新の会は、さきの平成二十四年度補正予算については、公共事業に偏った予算であること、地域自主戦略交付金の廃止などにより、地方公共団体の裁量が少なくなり、地方分権に逆行していることなど問題点はありましたが、現下の経済情勢に照らして、賛成し、平成二十五年度予算については、改めて、より精緻な議論をし、日本の将来を見据えた、財政規律ある予算とするよう求めていくこととしておりました。  そして、今日まで予算委員会におきまして本年度政府予算案の問題点を指摘してまいりましたが、国債依存体質は変わらず、私も平成二十四年度補正予算審議の際に指摘いたしましたが、財政規律配慮を演出した国債発行額も十五カ月予算としては五十兆円を超える異常な規模となり、さらに公共事業予算については、補正予算措置に加えて、昨年度当初予算と比べても増額されており、まさに官僚主導の大盤振る舞いであると言わざるを得ません。  我々日本維新の会がみんなの党とともに提出いたしました予算の修正案につきましては、消費税を地方税化することで、地方分権の推進、さらには道州制への移行といった、日本がこれから進むべき方向に予算の枠組みを転換するとともに、国家公務員の人件費のさらなる削減や公共事業費の抑制など、一層の行財政改革に切り込み、公的年金の積立方式への移行や高齢者医療費の負担増額など、社会保障の世代間格差の是正についても対応しています。  一方で、歳出をカットするだけでなく、科学技術関連予算、育英奨学金の増額など、将来の日本の発展に必要なところには予算を追加配分するなど、めり張りのある予算となっています。  なお、民主党、共産党、生活の党提出の組み替え動議につきましては、賛同には至りませんでした。  したがって、我々日本維新の会及びみんなの党共同提案の修正案につきましては賛成、政府提出予算三案、民主党、共産党、生活の党各党提出の組み替え動議につきましては反対いたします。  政府におかれましては、以上を踏まえ、再検討していただくことを強く要求し、日本維新の会を代表しての反対討論とさせていただきます。  終わります。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、石田祝稔君。

石田祝稔公明党

○石田(祝)委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、そして平成二十五年度政府関係機関予算、以上政府三案に対し賛成、そして、民主党、日本共産党、生活の党各会派提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議、日本維新の会、みんなの党共同提案の修正案には反対の立場から討論を行います。  以下、賛成する主な理由を申し述べます。  賛成する第一の理由は、平成二十四年度補正予算と一体的な十五カ月予算と位置づけ、日本経済の再生へ切れ目のない対策を実行する一方、東日本大震災からの復興と防災・減災対策の重点化など、我が党の主張を反映している点であります。  特に、震災の被災者の安心を確かなものにするため、復興予算の総枠を拡大するとともに、被災地復興と福島再生を加速するための交付金を盛り込んだこと、さらに、社会インフラの老朽化対策などを集中的に支援する防災・安全交付金などに見られるように、国民の命を守る政策を充実させている点であります。  また、子宮頸がん、Hib、小児用肺炎球菌の三ワクチンについて、予防接種法に基づく定期接種に追加したほか、大学生らへの無利子奨学金の貸与者数増、保育所の待機児童受け入れ枠拡大なども盛り込まれております。  賛成する第二の理由は、厳しい経済状況を突破し、日本経済を守り、さらには将来に向けた成長につながる施策に対して予算を重点化している点です。  長引くデフレの脱却に向け、大胆な金融政策、機動的な財政運営、民間投資を喚起する成長戦略を三本の矢として取り組む政府の姿勢に、経済界や市場関係者から高い評価を得るとともに、まだ一部ではありますが、その果実が大きくなる兆しが見えてきました。この流れを確かなものにするためには、一刻も早い予算の成立と執行であることは論をまちません。  省エネ、再エネの研究開発や、iPS細胞研究を含む医療関連分野のイノベーション推進、中小企業のための技術開発支援や経営支援なども計上するなど、幅広い目配りがなされていると評価できます。  賛成する第三の理由は、民主党政権下で三年間続いた、新規国債発行額が税収を上回るという極めて異常と言える状況を克服し、この逆転現象を正常化させて、財政規律に配慮し、今後の財政健全化へ重要な一歩となる、バランスのとれた予算案となったことです。  あらゆる政策手段を機動的に行使し、政策効果を引き出すためには、財政再建を視野に入れた予算であるかどうかの信認性が極めて重要であります。兆しの見えてきたデフレ脱却を確かなものとするためにも、今後の大きな課題である財政の不確実性をどう解消していくのかが問われています。その意味からも、財政健全化の一里塚とも言える今回の予算案の成立を求めるものであります。  最後に、私自身、政府・与党に対する国民の期待の高まりを感じる一方、不安も持っていることを肌で感じております。公明党は、その期待と不安を信頼に変えるべく、必ずや結果を出してまいる決意であると申し上げ、私の賛成討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、林宙紀君。

林宙紀みんなの党

○林(宙)委員 私は、みんなの党を代表し、政府提出の平成二十五年度予算三案には反対、日本維新の会及びみんなの党共同提案の修正案には賛成、民主党、共産党、生活の党の組み替え動議には反対の立場から討論を行います。  安倍政権の経済政策は、みんなの党の結党当初からの政策と重なり合っている部分が多くございます。とりわけ、大胆な金融緩和によるデフレからの脱却、日銀のレジームチェンジの必要性は、私たちがこれまで強く訴えてきたものであり、安倍政権がその方向性を取り入れていることは高く評価できると考えます。  しかしながら、今回の予算案は、従来の日本の国家経営を大きく変える内容になっているとは到底思えません。  アベノミクス三本の矢の一つ、機動的な財政出動は、平成二十四年度補正予算と合わせた十五カ月予算とのふれ込みで、精査も十分に行われていない公共事業が全国にばらまかれているのが実態です。東日本大震災の被災地では、公共事業の発注もままならず、予算の執行率も低いままという状況でさらに公共事業を積み増すのは、旧来型の発想から抜け出せていない証拠と言えるでしょう。  仙台での地方公聴会では、十メートルのコンクリートの防潮堤で閉ざされた海の見えない漁村は、果たして安全なのかという問いが投げかけられました。防潮堤が完成しても、東日本大震災と同規模の津波が襲った場合は破堤、溢水するため、堤防はないとの前提で対策を立てるようにと自治体側は指示しています。また、コンクリートの寿命は一般的に六十年ほどで、恐らく百年はもたないでしょう。この指摘に対して、与野党を問わず多くの賛同の意見が出ましたが、それを踏まえた考え方を今回の予算案は示していません。  地域のことは地域が決めるべきだと訴えてきた私たちは、復興庁は被災地に置き、現地主導の即断即決体制を整え、将来的には、地域主権型道州制で、人、物、金の地方移管を進めるべきだと言ってきました。  安倍政権も道州制を掲げておられますが、その第一歩となるはずである地方出先機関の地方移管には、与党の一部が強く反対しています。結局、調整に調整を重ねたいわば妥協の産物として、過去の延長線上の発想でつくられたのが今回の政府予算案と考えます。  これに対し、私たちは、私たちの理念を色濃く反映した修正案を日本維新の会と共同で提案いたしました。その内容は、先ほどの趣旨説明のとおりです。ぜひ皆様方に御賛同を賜りますようお願い申し上げます。  なお、ほかの各党から提出された組み替え動議案については、考え方が共通する部分はあるものの、全体としては賛成できかねます。  以上をもって討論といたします。(拍手)

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、宮本岳志君。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一三年度予算三案に反対、我が党提出の組み替え動議に賛成、民主党、生活の党それぞれ提出の組み替え動議及び日本維新の会、みんなの党両党提出の修正案に反対の討論を行います。  予算三案に反対する理由の第一は、消費税増税を前提とした予算だからです。  安倍内閣は、消費税一〇%への大増税を進めようとしています。これは、国民生活に深刻な打撃を与え、経済も財政も破壊するものであり、かえって税収が落ち込み、財政危機打開につながりません。  本予算案では、基礎年金国庫負担二分の一に必要な財源に年金特例公債を充て、その償還財源を消費税増税で賄うこととしています。このようなやり方は許されません。  社会保障の財源は、証券優遇税制の廃止、大企業優遇税制の中止など、富裕層や大企業を優遇する不公平税制を是正すること、大型開発や軍事費など、歳出の無駄にメスを入れることによって確保すべきです。  第二に、社会保障経費は、自民党の政権公約の削減ありきの公約により、生活保護費六百七十億円を初め、年金保険給付費千五百億円、児童扶養手当七億円、雇用対策など、国民が必要とする手当と給付の削減を実行しています。  国民に消費税増税を押しつけながら、社会保障の根幹部分を削減しており、容認できません。  第三に、国民生活を支え、長期にわたり低迷、後退に陥った日本経済を立て直す予算とはなっていません。  大企業の成長戦略と利益最優先の経済政策は、既に破綻しています。今必要なことは、大企業の内部留保を国民所得と中小零細企業に還元することであり、国民目線で労働のルールを確立して雇用を安定させ、内需主導の経済政策に転換することです。  日本のTPP参加は、日本農業とサービス分野に経済的打撃を与え、地方経済と雇用を破壊するものであり、認めることはできません。  第四に、沖縄の辺野古への新基地建設は断じて認められません。普天間基地は即時無条件で返還すべきです。  思いやり予算など米軍経費負担、F35、ミサイル防衛等の軍事費の増加は、周辺諸国との軍事的緊張を高め、東アジアの平和的環境づくりに逆行するものであり、反対です。  第五に、東日本大震災から二年がたちますが、被災者の生活となりわいの再建に力を注ぎ、復興への展望を本格的に切り開かなければなりません。  東京電力福島原発事故の被害から国民の暮らしと健康を守ることは、切実な課題となっています。東電と政府に対し、収束宣言を撤回させ、事故の収束、除染、賠償などで責任ある対応をとらせることが求められています。  原発再稼働方針を撤回し、原発から直ちに撤退することを決断すべきです。原発に頼らない再生可能エネルギー政策への転換を進めなければなりません。  なお、民主党、生活の党から提出された組み替え動議、維新、みんな両党提出の修正案は、軍事費削減と大企業優遇税制に手をつけず、また、TPP推進であり、いずれも反対であります。  以上、討論を終わります。

山本有二自由民主党

○山本委員長 次に、村上史好君。

村上史好生活の党

○村上(史)委員 私は、生活の党を代表し、生活の党提出の編成替えを求める動議に賛成、政府提出の平成二十五年度予算に反対の立場から討論を行います。  第一に、生活の党は、現時点での消費増税に反対であります。  そもそも、デフレ不況から脱却していない状況での消費税増税には大きな問題があります。  また、平成二十五年度予算においては、年金特例公債約二・六兆円を発行し、後年度の消費税増税分により償還することとしていますけれども、引き上げの最終判断がいまだなされていない消費税増税を前提とした財源を歳入として見込むことは全く不適切です。  第二に、地域が地域のことを自由に決められる仕組みが必要です。  そのために、国の補助金等については、原則、一括交付金等で地方が自由に使える財源として交付すべきです。したがって、地域自主戦略交付金を廃止し、各省のいわゆるひもつき補助金の復活は、地方分権を推進する立場から容認しがたいものであります。  第三に、東京電力福島原発事故を踏まえれば、エネルギー政策を大転換、十年後をめどに原発依存度をゼロにする政策を積極的に進めるべきであります。  原発推進予算を削減して、新エネルギー、再生可能エネルギーを中心とした、成長にも寄与する分野に重点化すべきであります。  また、除染のみならず、廃炉も含めた今後の原発廃止の方向性も見えません。方向性とともに、国の責任を明確化すべきであります。  第四に、政府提出予算案では、人への投資の観点が大きく後退をしています。  少人数学級の推進、高等学校授業料無償化の堅持、幼児教育に係る予算の見直しと増額等が必要です。  第五に、最重要課題の一つである被災地の復旧復興の加速であります。  そのためには、地域の実情に応じて柔軟に活用できる被災地特別地方交付金のような財政制度が必要です。  巨額な公共事業費の執行が、被災地の人件費、資材費等の高騰を招き、被災地の復旧復興に大きな足かせとなっています。  以上、我が党の編成替え動議に賛成し、政府案に反対の討論といたします。  なお、民主、維新、みんな、共産の各党提出の動議並びに修正案につきましては、総合的に勘案をして、反対といたします。

山本有二自由民主党

○山本委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 これより採決に入ります。  まず、長妻昭君外一名提出の平成二十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 起立少数。よって、長妻昭君外一名提出の動議は否決されました。  次に、宮本岳志君提出の平成二十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 起立少数。よって、宮本岳志君提出の動議は否決されました。  次に、村上史好君提出の平成二十五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 起立少数。よって、村上史好君提出の動議は否決されました。  次に、山田宏君外一名提出、平成二十五年度一般会計予算に対する修正案、平成二十五年度特別会計予算に対する修正案及び平成二十五年度政府関係機関予算に対する修正案の各案を一括して採決いたします。  各修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 起立少数。よって、各修正案は否決されました。  次に、平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。  三案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 起立多数。よって、平成二十五年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました平成二十五年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本有二自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

山本有二自由民主党

○山本委員長 この際、一言御挨拶申し上げます。  去る三月六日の審査開始以来、委員各位には終始真剣な議論を重ねていただき、本日ここに審査を終了いたしました。  これもひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。ここに深く感謝の意を表する次第でございます。ありがとうございました。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十六分散会

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