予算委員会 第20号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2013/04/08
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官木村茂樹君、文部科学省初等中等教育局長布村幸彦君、資源エネルギー庁長官高原一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
○山井委員 四十五分間、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 アベノミクスと言われておりますけれども、私は、アベノリスクというものも副作用として大きいのではないかと心配をしております。 具体的に言いますと、きょう取り上げさせていただきます、一定のお金を払うことによって解雇をしやすくするという解雇の金銭解決制度、このようなものが今後導入されていくのではないか。これは、まさに終身雇用という日本的経営の一つの根本を揺るがす重大な議論であるというふうに思っております。やはり雇用の安定なくしては、景気回復も、もちろんその前提の賃上げもないわけですから、そのようなリスク。 それともう一つ、後半で取り上げさせていただきますのは、今回、三年間で六・五%という史上最大の生活保護基準の引き下げ。これは、地方住民税非課税限度額の引き下げに連動をしてくるわけでございます。その意味で、やはりこれは、片や生活必需品の物価はどんどん上がっていく、一方では、三千百万人の住民税非課税世帯の方々の限度額が下がって住民税が課税になるとともに、さまざまな保険料や自己負担の減免、軽減が外れてしまう。そういう意味では、アベノリスクとして今後格差がどんどん広がっていくのではないか、そういう心配をしております。 最初に、三月二十八日の安倍総理の私への答弁から振り返ってみたいと思います。 配付資料三ページに、当時の議事録が載っております。線を引いてございますが、私が、安倍政権においては、解雇の金銭解決という規制緩和は行わないということでいいですねということに対して、安倍総理は明確に、中段の線のところであります、金銭によって解決していく、解雇をしていく、解雇を自由化していくという考え方はないということをはっきり申し上げておきたい、もう三回も言っているんですから、これは間違いがないということでございますということで、解雇の金銭解決の検討というのは行わないのかと思ったら、この答弁がひっくり返りまして、四月二日の長妻議員の議事録が下にございます。 安倍総理はどうおっしゃっているか。金銭を払えば解雇ができるという、いわば事前型の制度は一切考えていないというふうに、急に事前型という言葉を持ち出されたわけですね。それに対して長妻議員が、そうすると、事後の金銭解決は検討中ということですかと聞くと、安倍総理は、事後的に金銭の支払いにより労働契約の解消を申し立てるという制度について今質問されているんだろうと思いますが、この前の審議においては、私は、そのことは含めていないということをおっしゃったわけです。 しかし、一ページ目の配付資料を見てもらっても、これは厚生労働省の資料ですが、「金銭解決制度について」というこの資料を見ていただくと、ここに書いてありますように、判決が出た後、金銭の支払いにより契約解消するこの制度、いわゆる事後的な金銭解決のことを一般的には解雇の金銭解決というのは常識であるわけです。 例えば、きょう配付した資料の中の六ページには、労働法の教科書のコピーもしてまいりましたが、このような労働法の大家が書いている教科書においても、解雇の金銭解決とは何かという定義で、解雇が裁判所で無効と認められても、一定の金額を使用者が支払うことによって労働契約関係を解消する制度をいう、教科書にはこう出ているわけですね。 こういうふうなことであるにもかかわらず、答弁を変えられたということは、私は非常におかしいと思っております。 それでは、甘利大臣にお聞きしますが、事後の金銭解決制度というのはどのような制度でありますか。
○甘利国務大臣 この御質問は、産業競争力会議のテーマ別会議において民間有識者から出されたペーパー、あるいはそのときの発言がいろいろ誤解を生んだものだと思います。 私は、この間の質問でも御答弁をさせていただきましたとおり、ここでのそうした議論が、解雇を自由にさせるというようなメッセージになってしまっては困ると。そうではなくて、今議論をしているのは、成熟産業からこれからを担う産業に雇用が移動できる、その際に失業という形態をとらないで移動ができるようにするにはどうしたらいいかという議論をすべきところだからということを、わざわざ私は最後に申し上げました。 金銭解決、一部誤解が出ましたのは、いろいろ雇用過剰を抱えている企業が、整理解雇という手だては企業が立ち行かない場合にあります、四要件あります。それ以外に、恐らく金銭を払って物事を解決しようというようなメッセージで出るとしたならば、それは間違いであるから、金銭を使って解雇を容易にするようなことは考えていませんということで、それに沿った答弁を総理はされたものだと思います。 企業側の都合で、お金を払ってやめてくださいということは絶対にありませんし、日本はそんな方策をとるつもりはさらさらありませんと総理は答弁をされています。 一方で、事後型というのは、恐らく、私は総理のお考えを正確に伺ったわけではありませんけれども、一般的に事後型と言われるのは、実際にいろいろ紛争が起きて、裁判所が、解雇は無効である、職場に戻しなさいと言われたときに、労働者の側から、そうは言われても、もうあんなところで働きたくないとか、あるいは、とてもじゃないけれども、こういう人間関係の中では真っ当な労働ができないという、労働者側からこんなところにはもういたくないと言ったときに、強引に何が何でもいなさいと言うのか、労働者側の要望に従っていろいろな対処ができる余地を残すのか、そこの部分を捉えて答弁されたのではないかというふうに推測しております。
○山井委員 まさにこの配付資料の一ページにもありますが、米印がありますね、「金銭の支払いによる契約解消の申立ができる当事者(労働者又は使用者)は国により異なる。」と。例えばドイツなんかでは、使用者側から申し立てができるケースもございます。 ということは、甘利大臣、安倍総理は、まさにこの資料にあるような、解雇無効が出た後、金銭支払いにより契約解消をする制度づくり、これについての検討ということは否定はされていないということでよろしいですか。
○甘利国務大臣 それは、使用者側の都合によってそういう制度をつくるということは全く検討しておりません。 総理が恐らく言及をされたのは、働く側から、働く側の権利として、どうしてもその場にストレスが高い中でいなきゃならない、その選択しかないのかというところに対して、労働者側の権利として、もう少し幅広く考えてあげた方がいいというお考えだというふうに推測しております。
○山井委員 ということは、改めて確認しますが、この配付資料の表紙ですね、ここにフリップもございますが、ここにあるような、解雇が無効になったときに労働者側から申し立てて金銭の支払いにより契約解除をする制度づくり、このような制度づくりについては検討中ということでよろしいですか。
○甘利国務大臣 今、競争力会議においては、余剰雇用を解雇という形で処理する、対応するということは検討しておりません。これは、労働移動をどうスムーズにさせるかということに焦点を当てて検討いたしております。 その上で、諸外国における金銭対応の仕方というのは、それぞれやり方があるのは承知をいたしております。ただし、それも、こうしなさいという裁判所の指示に従って対応されているものと承知をいたしております。 我が国におきましては、使用者側の都合によって金銭処理をする、金銭解決をしていくということは考えておりません。
○山井委員 私、少し疑念を持つんですが、例えば四ページに、産業競争力会議の雇用制度改革についてのテーマ別会合主査の方のペーパーがあるんですが、下線を引いてありますが、「「人材の過剰在庫」が顕在化している。」と。人材の過剰在庫という表現になっているんですね。私はやはり、働く方々に対して、在庫という言い方はないんじゃないかというような気がいたします。甘利大臣もうなずいておられますが。 それは私、何がひっかかるのかというと、甘利大臣の答弁のキーワードは、労働者側の立場に立って、安倍総理のおっしゃったことも、労働者側の立場に立ってだということを強調されているんですね。 それではお聞きしますが、この産業競争力会議で、解雇の金銭解決制度の問題が今意見が出ている、検討しているということだと思いますが、労働者側の代表というのは入っているんですか。
○甘利国務大臣 労働者側の代表を入れてはおりません。これは、産業の競争力を強化するために何をすべきか、そういう識者を選んでいるわけでありまして、雇用のための会議ではありません。雇用のための会議には、当然、使用者側と労働者側が入って議論をすべきだと思いますが、これは、産業の競争力、日本の経済の競争力を高めていく、産業の競争力を強化するためにどうするかということを提案する、議論する会議でございますので。
○山井委員 私は答弁が矛盾していると思いますよ。先ほどまであれだけ、労働者の立場に立って、労働者にとってとおっしゃいながら、産業競争力だから労働者側は入れていない、雇用は議論していないと。 でも、この四ページの配付資料にもありますように、明らかにこのテーマ別会合のテーマは雇用制度改革です。雇用制度改革で、その中で一番重いテーマである解雇について議論をしているのに、切られる側の、甘利大臣や安倍総理が非常に気を使っていられるとおっしゃっているところの切られる側、労働者側の代表がなぜ入っていないんですか。 だから私は、おっしゃっていることが本当かなと思うんですよ。そこまで労働者側に立って立ってとおっしゃるんだったら、私だったら入れますよ、はっきり言って。それを入れていないのに、労働者側の立場に立ってとおっしゃるから、おっしゃっている答弁とやっていられる内容が違うんじゃないかと思うんですが、そこはいかがですか。
○甘利国務大臣 産業競争力会議で時間がそうたくさんとれなくて、テーマ別に十分時間をとるというテーマの中に、委員御指摘のテーマ別会議があります。 その中では、雇用制度、つまり、雇用が固定化してしまって新しいニーズに応え切れない、あるいは、短時間でも正社員に準ずるというような働き方を企業の側からしても必要とする場面は当然出てくると思います。そこで、労働移動型の社会、労働を特定の、古い成熟した産業に縛りつけてしまわないで、移動しやすくするようにどうしたらいいか。その際に、労働者の不安を極力抑える、社会不安を抑えるということは当然であります。 そこで、テーマ別会議で議論されるときに必ず関係大臣を呼びます。そのときには田村厚労大臣を呼ぶわけであります。田村厚労大臣としては、雇用政策を担当する大臣でありますから、その際にいろいろと大臣としての見解を、見識を述べられるわけであります。その中で、民間委員に対して、こういう制度については賛成しかねるとか、我々はこういう制度であるべきだと思うという意見はしっかり述べられるわけであります。 なお、競争力会議で議論されたことをそのまま安倍政権として取り上げるということではありません。ですから私は、解雇自由というようなニュアンスが出ることに対して警鐘を鳴らしているわけであります。
○山井委員 全く納得できません。 今、厚労大臣を呼んでおけとおっしゃいますが、産業競争力会議でも規制改革会議でも、ずっと出席する大臣として入れていないのはそちらだから問題なんじゃないですか。厚労大臣を呼んでおけと言いたいのはこっちですよ、厚生労働省も外して規制改革の議論をされているわけですから。ですから、今の、なぜ労働側を入れていないということがさっぱり議論できません。 六月に成長戦略の取りまとめをされると思いますが、この成長戦略の取りまとめの中に、解雇の金銭解決制度、このようなことが入ってくる可能性はありますか。
○甘利国務大臣 年央を目途にできるだけ成長戦略を、まあ全部とは言いませんけれども、取りまとめたいと思います。 その中に、解雇を金銭によって行うというような手段は入れません。
○山井委員 それではお聞きしますが、年央は入れないと。もう一回は年末に取りまとめがあるんだと思います。こういう聞き方をしましょう。解雇の金銭解決制度というものの導入を提案するという可能性は、年央ではなくて年末も含めて、安倍政権においては可能性はありますか。
○甘利国務大臣 私が担当大臣である限り、金銭を通じて解雇を自由にするというような制度は入れません。
○山井委員 それは事後型も含めてですか。
○甘利国務大臣 逆に伺いたいんですけれども、労働者がどうしても……(山井委員「ちょっとまず答えてください」と呼ぶ)いや、私の答えに必要ですからね。(発言する者あり)では、参考にしてください。(山井委員「事後はどうなんですか」と呼ぶ)今お答えいたします。 労働者の立場として、どうしても、あつれきがあるのに戻るしかない、選択肢がないということでいいのかという点は、議論の余地があるんだと思います。 ですから、それに対して、そんな議論はする必要はない、どんなに立場が悪くなろうと、ノイローゼになろうと、そこに戻るだけなんだとおっしゃるならば、それはそちらの立場でありますけれども、我々は、そこのところについては議論の余地はあるんだと思います。
○山井委員 ということは、事後的な解雇の金銭解決制度の導入ということは、甘利大臣の在任中でもあり得るということですか。
○甘利国務大臣 労働者側が、もうあそこには戻りたくない、戻りたくない、どうしてもそういう思いに至ったときに、あなたがそこに戻るしか解決手段はありませんということでいいのかという議論は、ゼロではないんだと思っております。
○山井委員 ということは、参議院選挙が終わってからは、そういう議論が本格化する可能性があるんだというふうに私は理解をいたしております。 でも、やはり実際のケースは、本当にこれは、裁判をして解雇無効になったとしても、なかなか戻れる居場所がなかったり、そもそも、裁判をするぐらいですから労働者は働き続けたいんですよ、その会社で。 ところが、それを、今あたかも何か労働者が戻りたくないからそれを守ってあげるみたいな言い方をされるのは、私はやはり現実と違うのではないかと思いますし、そこまで労働者、労働者とおっしゃるんでしたら、この雇用改革の議論を産業競争力会議で今後されるときには、働く側の、甘利大臣が一番大切にされている労働者の代表をぜひ次回は入れてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 私、かつて労働大臣をやっておりましたから、先生よりは組合のことをよく知っている場面があるかもしれません。 その私が申し上げますが、競争力会議は、競争力を強化するために何が必要かを議論する。そこで議論されたことをそのまま安倍内閣が取り上げるわけではありません。安倍内閣として、この部分は取り上げる、この部分は取り上げないということは精査をいたします。その際に、労働者の権利を侵害するような心配がある場合には、あるいはそうでなくても、雇用の場面には必ず担当大臣を同席させて議論をいたします。
○山井委員 なぜそこまで、解雇される側の、一番つらい立場に遭う可能性がある労働者を排除するのかということが、私には理解できません。 それでは次に、稲田大臣にお伺いしますが、稲田大臣が担当されている規制改革会議の方でも、座長さんのペーパーが配られまして、今、雇用改革の三本の矢、人が動くためにということを提案されておられます。八ページ、九ページがその資料でございます。 稲田大臣、ここで九ページに、左上に線が引いてありますが、解雇の補償金制度の創設というのが座長ペーパーに入っておりますが、この雇用ワーキンググループでも、解雇の金銭解決、議論を今後されていかれるんですか。
○稲田国務大臣 規制改革会議の下の雇用ワーキンググループにおいて、今、山井委員が御指摘になった鶴座長のペーパーが提示をされたことは事実でございます。 また、前回、今問題になっている総理の御答弁の予算委員会のちょうど同じ時間帯に、雇用ワーキンググループの第一回目が開催をされました。しかし、その中で、解雇の金銭解決についての議論は行われておりませんでした。 また、今後、その雇用の金銭解決について、ワーキンググループの優先課題にはなっておりません。
○山井委員 この九ページに、雇用ワーキンググループの今後のスケジュールが書いてあるんですね。次が四月十一日、そして第九回が五月三十一日。 今、稲田大臣、優先課題には入っておらないということは、恐らくこの五月三十一日までには入っていないということだと思いますが、それでは、これ以降、優先課題には入っていないんですが、このワーキンググループでは、この解雇の金銭解決制度について今後議論する可能性はあるんですか。
○稲田国務大臣 ワーキンググループでは、職種等が限定されている労働者について、雇用ルールの整備等について優先的に検討を行って、五月中に取りまとめを行う予定とされております。 その後の個別具体のスケジュールにつきましては、委員の御議論によって決められることになっておりますが、現在、解雇補償金制度の創設、いわゆる解雇の金銭解決ですけれども、検討事項とはなっておりません。
○山井委員 続けてお聞きしますが、今は入っておりませんと言いますが、座長ペーパーに入っているんですね。そうしたら、今後、このワーキンググループで解雇補償金制度を議論する可能性はあるんですか、ないんですか。お答えください。
○稲田国務大臣 今委員が御指摘になった事柄も含めまして、優先的検討事項の検討が終わった後に、他の残された検討課題とあわせまして、何が議論になり、どのように審議を進めていくかは、委員相互の間で議論がなされるものと承知をいたしております。
○山井委員 今後議論される可能性があるということですね。実際、この座長さんの書かれた記事、十一ページにございますが、十一ページの記事にありますように、この座長さんの持論は「解雇に金銭解決の導入を」ということでございます。これもまた、参議院選挙が終わってから、こういう議論をされていくんじゃないかと私は思っております。 それでは、今おっしゃった件なんですが、稲田大臣、この解雇補償金制度、つまり解雇の金銭解決制度ですが、これについてのメリット、デメリットというのはどういうものがあると思われますか。これは通告しておりますが、よろしくお願いします。
○稲田国務大臣 先ほどから申し上げておりますとおり、この鶴座長の中に書かれている補償金制度、これについて、具体的な説明もまだなされておりませんし、議論もなされておりませんので、メリット、デメリットを申し上げる立場にはないと思います。
○山井委員 何か担当大臣として私は非常に不安な気がいたします。メリット、デメリットぐらい、質問通告をしているわけですから、お答えをいただきたかったわけであります。 それでは、これも通告をしておりますが、今後三回は、ワーキンググループは限定正社員というものを議論していくんですね。 限定正社員とは何なのかということですが、八ページの座長ペーパーを見ていただきますと、雇用改革の三本の矢というのがあるんです。その一つ目が正社員改革で、「正社員の次の三要素(「鉄の三角形」のように相互の補完性が強い)のどれから改革の「突破口」を切り開くのか」、無限定正社員から限定型正社員の雇用ルールの整備。今後、三回連続議論するという限定正社員というのは何ですか、大臣。
○稲田国務大臣 鶴座長の提出の資料によりますと、日本においては、正社員は将来の職務や勤務地の限定のない無限定社員という性格が強く、それをいかに限定化し、多様な雇用形態をつくることが、正社員改革の第一歩とされているところでございます。 また、御指摘の限定正社員については、雇用ワーキンググループにおいて詳細な内容が今後議論をされることになろうかと思いますけれども、同資料によれば、地域ですとか職務を限定する正社員が議論のポイントになろうかと思います。
○山井委員 では、これは解雇されやすくなるんですか、限定正社員は。いかがですか。
○稲田国務大臣 解雇がしやすくなるかどうか、そういう切り口ではなくて、今申し上げました地域や職務が限定された正社員というものがこれからの議論のポイントになるかと思っております。
○山井委員 でも、十二ページにありますように、この図によると、雇用保障が弱くなると載っているんですから、雇用保障が弱くなるということは解雇しやすくなるということではないんですか。
○稲田国務大臣 むしろ、私は、限定正社員を認めることのメリットというのは、社員自身のスキルを上げる、そして無限定で、地域も限定せず、転勤もよほどのことがなければ断れず、いろいろなことを何でも屋のようにやらされるというのではなくて、職種それから地域を限定した正社員のあり方もあるのではないかという観点から議論がされるものと承知をいたしております。
○山井委員 そうしたら、今の正社員が今後、同じ正社員がですよ、あなたは来年からは限定正社員だから雇用保障は薄くなるとか言われる可能性はあるんですか。 何を聞いているかというと、これからの新入社員を対象に、あなたは限定正社員ですよ、あなたは無限定正社員ですよとなるのか。それとも、今いる正社員の人が、ある日、あなたはもう転勤しなくていいから限定正社員ですよとなる可能性もあるんですか。
○稲田国務大臣 今、雇用ワーキンググループにおいては、そういう社員の、労働者のスキルを上げるとか、また無限定に、何でも屋であったり、いろいろなところに使用者側の都合で行かされるということではなくて、自分自身の希望で、例えばこの職種とかこの地域とかいうことが選べる正社員を検討するということでございます。 また、その制度の詳細については今後の議論によるところになるのではないかと思います。
○山井委員 何か答弁を聞いているとまた労働者の立場に立ってというようですが、それではお聞きしますが、この雇用ワーキングチームに労働者の方々の代表は入っているんですか。 あるいは、もう一つお聞きしますと、十ページの資料の下にありますように、この規制改革会議の事務局の担当職員の出身は、内閣府、経済産業省、総務省、公正取引委員会及び三井住友海上火災保険株式会社で、厚生労働省は入っていないんですね。だから、なぜこの事務局に、それほど労働者にとって働きやすいとかいうことをおっしゃるんだったら、厚生労働省の職員も入らず、働く側の代表も入れていないのか。その理由をお聞かせください。
○稲田国務大臣 雇用ワーキンググループは、鶴座長を座長として五名の委員がございます。そして、そのほかに島田陽一教授そして水町教授という、労働法の、まさしく労働者側の立場も考えて見解を述べていただける有識者がいらっしゃいます。 今、厚労省の立場とおっしゃいましたが、必要があれば、厚労省の担当部局を呼んで、その見解を聞くということもあり得るのではないかと思っております。
○山井委員 私、きょうの質疑を通じて、本当に納得できないんですね。 びっくりしたのは、労働者の立場に立って、労働者の立場に立ってと答弁でおっしゃる割には、実際にそれを議論する会議には労働者の代表は入れない、排除する。これは私は考えられません。そこまでおっしゃるんだったら、働く側の代表を一人入れるのは当たり前だというふうに私は思っておりますし、今の稲田大臣の答弁を聞いておりますと、限定正社員というのは、下手をすると、今いる正社員の方がある日突然降格されてしまうという可能性もゼロではないんだと思っております。 つまり、甘利大臣の答弁、稲田大臣の答弁に共通するのは、規制改革とか産業競争力といいながら、何か解雇しやすいように、解雇しやすいようにということをおっしゃっていて、またそれが労働者にとっていいことだからみたいな、私は、そういうことになっているような気が非常にしてなりません。もしそうでないのであれば、労働者の代表の方々を委員に入れたり、しっかりとすべきだと私は思っております。この問題はこれからも議論をさせていただきたいと思います。 それでは、後半に移りたいと思いますが、下村大臣、お待たせをいたしました。子供の貧困についてでございます。 今回、生活保護が、史上最大、最大一〇%カットされますが、特に子育て世代がたくさんカットをされるわけです。 十三ページの資料をごらんいただきたいんですが、これは、民主党政権で生活保護の母子加算が復活したんですが、復活した後に厚生労働省が調べたことで、母子加算が復活したことによってどんな費用がふえましたかということなんですね。ふえたのは、子供の教育費、子供の学校行事に関する費用。また、そのことによって、子供の進学や学校行事の参加に対する意識は、積極的に考えるようになった、または、やや積極的に考えるようになったという方々が六二%なんですね。 私、今回非常に心配しておりますのは、最大一〇%カットするわけですから、この逆のことが起こり得るわけです。子供の教育費がカットされ、子供の学校行事への参加の費用がカットされ、そして子供の進学というものが難しくなってきてしまう。私は、やはり貧困は子供に責任はないと思っておりますし、あしなが育英会出身の下村大臣はまさにそのような問題をライフワークとして取り組んでこられたんだと思っております。 それに加えて、もう一つセットで質問をさせていただきますと、次の十四ページにもありますように、一般の世帯、右側の文部科学省の資料、そして生活保護世帯ということを比べてみると、明らかに違いがございまして、例えば、高校中退率は生活保護家庭は一般家庭の二倍、小学生の不登校率は五倍、中学生の不登校率は四倍、高校生の不登校率は二倍と、やはり経済的な苦しさというものが中退や不登校というものにも影響を与えてしまっていると思います。このようなことで、今回の生活保護基準の切り下げで直撃を受けるのは子供だというふうに私は心配をしております。 それで、十五ページ。さらにもう一つ、これは生活保護だけの問題ではなくて、就学援助。就学援助の基準も、生活保護基準の一・一倍とか一・三倍とか、大阪市のように一・〇倍というふうに連動しているんですね。生活保護がカットされるだけではなく、就学援助も、基準が下がると、今まで受けられていたのに受けられなくなる世帯が出てくるのではないか。 おまけに、さらに十八ページを見ていただきますと、非課税限度額がまたこの生活保護基準と連動しておりますから、非課税限度額が下がると、幼稚園就園奨励費補助や高等学校等就学支援金も切られる危険性があるわけです。 そこで、下村大臣にお聞きしたいのは、この就学援助、今年度は変わらないと思いますが、来年四月から、この生活保護の引き下げに連動して就学援助を受けられなくなる世帯というのは出る可能性はあるんですか、ないんですか。ないんだったら明確にノーと言っていただきたいんですが。 なぜならば、文部科学省からいただいたこの十五ページの資料の中では、十五ページに星印を書いておりますが、何と書いてあるかというと、各市町村において判断していただくと言っているわけですから、市町村の判断で就学援助も切られる世帯が出てくるのではないかと思いますが、文科大臣、いかがでしょうか。
○下村国務大臣 山井委員が御指摘をされておられますように、また、子供の貧困法を今民主党の方で法案化に向けて努力もされているということをお聞きしておりますし、これは自民党の方でも今していただいている最中でございます。 御指摘のように、教育というのは貧困の連鎖を断ち切る上で極めて有効な政策でありますし、子供が経済的な面で心配することなく安心して学ぶことができるようにすることは、大変重要なことであるというふうに思います。ですから、生活保護基準の切り下げだけでなく、そもそも貧困家庭において子供の就学支援チャンスがこれからさらに厳しくなることがないような手だてをするということは当然必要なことであるというふうに思います。 今まで委員会で何度も御質問があって、また答弁をしている中で、二十五年度については、御承知のように、教育関係、特に文部科学省の予算関係についてはこれは下げないということの中で、生活保護基準切り下げによっても子供における教育環境が悪化しないような手だてをするように予算措置をしているところでございます。 市町村において判断していただくというのは、国は予算をきちっと計上しておりますが、これは最終的には、御指摘のように、地方自治体が独自にかさ上げしている部分もございます。交付金等で手当てはしているにしても、最終的には地方自治体の判断ですから。しかし、総額的な教育における予算が軽減されていない中で、これはぜひ地方自治体もそのように対応していただきたいということでございます。 それで、二十六年度以降についても、文部科学省として、子供の教育環境が悪化しないように努力をしていきたいと思いますし、関係省庁等へ働きかけて、そのような子供の学びの機会が断念することがないようにこれからも努力してまいります。
○山井委員 御答弁いただきましたが、就学援助は、最終的には市町村の判断だから切られる可能性は否定できないということだというふうに思います。 そうすると、今後、生活保護がふえてしまう心配も逆にあるわけで、新藤総務大臣にお伺いしたいと思いますが、住民税非課税限度額ですね。最後のページにありますが、住民税非課税の方というのは三千百万人おられるんですね。前回〇・九%生活保護基準が下がったときには、大体一%ぐらい限度額は下がっています。連動しているわけです。 だから、今回六・五%も下がるわけですから、この住民税非課税の方、低所得の単身非正規雇用の方、低所得の子育て世帯、低所得の高齢者、この方々に連動していったら、何十万人、何百万人の方々が課税になって、保険料、介護保険料、保育料、障害者福祉の自己負担等が上がる可能性があるんですが、これは、六・五%生活扶助基準を下げても限度額に響かない可能性というのはあるんですか。下げ幅は多少議論はあると思いますが、下がらない可能性というのはあるんですか。その一点、お答えください。
○新藤国務大臣 個人住民税の非課税限度額がどのように設定されるかは、もう重ねません、委員も御承知のことでありますので。 今のお話、可能性でありますから、これは、私どもとしては、これから厚労省のお考えも聞きながら、二六の党の税調において議論されるということであります。 それを前提にして、仮定でありますが、例えば今委員がおっしゃった三千百万人というのは、住民税の世帯主の数のことでございますね。ですから、実際はもっとたくさんいらっしゃいます。 それから、委員が今お示しされた、もう一つ前の資料にもありましたけれども、これは、例えば平成十五年度の生活扶助基準が〇・七%下がったとき、そのときは、平成十六年には住民税の均等割の非課税限度額は一・一%下がっているんです。ところが、平成十六年にマイナス〇・四%、扶助額は下がりましたが、十七年度は変動いたしませんでした。ですから、いろいろな設定があるんです。 したがって、仮定の質問には答えようがないんですが、我々とすれば、きちんと税調から御議論をいただいた中で、また、内閣として、こういった厚労省のお考えもよく聞いた上でこれは対応していくしかない、こういうことでございます。
○山井委員 やはり下がらないということはないというふうに理解をいたしました。 それでは最後に、麻生副総理・財務大臣にお伺いしたいんですが、今回、生活保護が引き下げられるということで、デフレを理由に、このインフレになろうとしている中で引き下げるというのは私はとんでもないことだと思っております。 そんな中で、生活困窮者支援法を厚生労働省は法案提出する予定でありますが、その際、住宅手当の支援、無料学習支援教室の支援、また相談利用の支援ということで、ぜひともこの予算措置というものをしっかりお願いしたいと思います。
○麻生国務大臣 今お話がありましたように、生活困窮者対策への取り組みというのは、これは何も厚生労働省だけに限った話ではないのであって、政府全体の課題だとは思っておりますが、この新制度の法案化を今厚生労働省は検討中だと聞いております。 したがいまして、この新制度に向けた課題というのを検証を行わないといかがなものかということになりますので、今、幾つかの自治体において先行的なモデル事業というのをやっておられるはずなので、それにつきまして、平成二十五年度の予算で三十億計上しているところだと思いますので、この実績というものを見た上で、実際どういうことになるんだか、事業規模それからまた財源のあり方などにつきましては、今後、厚生労働省、また総務省も一部かんでくると思いますが、そういったところについてきちっと相談をしてまいった上で判断をさせていただきたい、さように思っております。
○山井委員 以上で質問を終わります。
○山本委員長 これにて山井君の質疑は終了いたしました。 次に、奥野総一郎君。
○奥野(総)委員 民主党の奥野総一郎でございます。四十分間、時間をいただきました。しっかり頑張ります。 まず、TPPについて最初に伺いたいと思います。 私の地元は、半分都市部、半分農村でありまして、いわゆる都市近郊農業が営まれています。葉物の野菜とかそういうもので生計を立てている農家、もちろんお米もありますけれども、そういう農家が多いんですね。 先日の影響試算によれば、マイナス三兆円の中では、そうした野菜が含まれていない。要するに、一〇%以上関税がかかっているものについて試算の対象となっているために、葉物の野菜については入っていない。野菜一般についてほとんど入っていない、影響がないという判断になっているかと思います。 なるほど、スーパーに行けば、確かに外国産の野菜がいっぱい入っていて、横に日本の野菜が並んでいますけれども、競争力があるんだと。これまで、競争力があるというよりは、価格が下がってきて農家が耐え抜いてきたということかもしれませんけれども、そういうことになっているということであります。 一方、私の地元の八街市というところは、落花生、ピーナツの日本一の産地でありまして、落花生は、セーフガード関税とかがあって一応試算の中には入っているんですけれども、殻つきの落花生、八街でとれるのは殻入りの落花生でありまして、これは一袋大体二、三千円するんですね。結構高い。贈答品なんかに使われておりまして、これについては注記があって、影響はない、要するに別物なんですね。むき身のいわゆるピーナツと殻つきの落花生は商品としては別物ということで、安い外国産が入ってきても影響を受けないということで、試算上は外れているんです。 私は地元のことを考えて、では大丈夫かなと思っていたんですけれども、この間、農家の人と話していると、必ずしもそうじゃないんだと。むき身で出荷する落花生をつくっている農家が撤退したときにほかの野菜をつくるんじゃないのか。八街でいえば、ニンジンがたくさんとれるんですけれども、例えば、よその地域で大量のニンジンを転作してつくったら、ニンジンの価格が下がって、農家としては打撃を受けるんだ、こういう話をしていました。 長い目で見れば全体で価格がならされて影響は出ないということになるのかもしれませんが、こうした間接的な影響というのもあると思うんですね。 今回の試算にこうした間接的な影響というのは含まれているんでしょうか。大臣、お願いします。
○林国務大臣 お答えを申し上げます。 これは、一定の前提を置いて、なるべくその前提に裁量なりが入らないようにしようということで、単純化された試算になっております。 今委員がおっしゃった落花生ですが、これは資料の終わりの方にはついていると思うんですけれども、今おっしゃったさや入りというものですね、これは贈答用に販売されておりまして、六割程度は差別化が可能ということなんですが、今まさに委員がおっしゃったように、むき身の方は品質格差がないということで置きかわる、こういうような試算の前提を置きまして、それで試算をしたのが最終的な数字ということでございます。 あそこの、試算の前提の説明に書いてありますように、生産額がどれぐらい減るかということをやっておりますが、その結果、今委員がおっしゃったように、例えばニンジンに行くか何に行くか、どうなるかというのは、かなりのいろいろな前提を細かく置かないとなかなかできないということで、今回の試算ではそういうものは置かずに、ただどれぐらい影響が出るかということを前提を置いて試算した、こういうことでございます。
○奥野(総)委員 こういう間接的な影響まで含めるとマイナス三兆じゃ済まないということかもしれないということなんですね。 大臣が、これは時事の記事でありますけれども、三月二十二日の閣議後記者会見で、「政府統一試算について「さらに情報が入れば、前提を変えた試算を行うことはあり得る」と述べ、」とありますけれども、こういう発言をされた、そして、実際、試算を見直すおつもりはあるんでしょうか。
○林国務大臣 今引いていただいたのは、多分会見のときに述べたことでございまして、今後、フェーズが進んで、参加国の同意をいただいて入っていく。米国の場合は九十日というのがありますから、九十日間たっていろいろな情報が入ってくる。そのときに、今出している試算と前提が変わって、こういうことが明らかになったということが出てきた場合には、それはやり直す必要もあるかと思いますが、一方で、今回我々が非常に苦労しましたのは、農林水産省が生産額の減少を出した上で、それを内閣府のモデルに入れてもう一度回すということをやっておりますので、次に何か前提が出てきた場合に、我々のところだけで出すとまたばらばらに出すという御批判もあるので、そこはしっかりとそうならないようにするということに留意しながら検討する必要がある、こういうふうに思っております。
○奥野(総)委員 ありがとうございました。 次に、この前の集中審議でも伺ったんですが、自動車についてまた伺いたいんです。 あのときに、私は、アメリカとの事前協議で折れて関税撤廃を先送りにした場合に、ほかとの交渉にも影響が出るんじゃないか、こう懸念したのでありますけれども、昨今の新聞では、日豪のEPAがまとまりかけていると。それ自体、私は一歩進んでよかったとは思うんですが、その中で、オーストラリアの自動車関税について撤廃を先送りにするんだということが書かれていました。日本車の輸出に絡む要求を当面日本は棚上げするんだという記事が出ておりましたけれども、これは、事実関係はいかがなんでしょうか。
○城内大臣政務官 奥野先生の御質問ですが、そういった報道があるということは承知しておりますが、日豪EPA交渉につきましては、これまで十六回、交渉の会合を重ねた結果、全体として着実に進展しており、既に多くの分野で論点が絞られてきている段階であります。 また、豪州とのEPA締結によるエネルギー・鉱物資源や食料の安定供給の確保も重要であり、引き続き、早期交渉妥結に向けて積極的に取り組んでいく考えであります。 他方、自動車も含めて具体的な品目についての進展等については、日豪の間で今交渉しておりまして、交渉内容について明らかにすることについては差し控えさせていただきたいと思います。
○奥野(総)委員 大体こういう答弁になるんだと思いますけれども、各紙書いているということは、何かそういうことがあるんだろうというふうに思われます。 これはオーストラリアだから、オーストラリアの自動車産業というのはちょっと私もよくわからないんですが、日本にとってそんなに影響はないと思うんですね、関税を撤廃しなかったとしても。ただ、これが日・EUとか、そういうところになってくると、EUの関税撤廃先送りとかというのはかなり影響が出てくると思うんですよ。 ですから、またもとに戻りますけれども、今、先にやっているTPPの事前協議ではしっかり頑張っていただきたいということであります。 先日も伺ったんですが、アメリカの自動車関税撤廃を先送りした場合の影響というのは、試算を出すおつもりはあるんでしょうか。
○甘利国務大臣 今、アメリカも含めて事前協議中であります。TPPというのは、先に入っている国に対して、後から入っていく国は事前に各国の了解をとらなければならないというルールになっているようでありますから、今その作業中でありまして、アメリカのことも含めて、まだこの中身は発表できる状況にありません。 どういうことになっていくのか。極力、日本の国益を踏まえて、その最大化を図るということでありますから、今作業中でございますから、そういう前提に立って、ここの部分がこうだった場合、あるいは、あそこの部分がこうだった場合という試算は、この時点ではしておりません。
○奥野(総)委員 林大臣の方は、前提が変われば試算をしてもいいんじゃないか、こうおっしゃっておられましたけれども、自動車についても、前提が変われば試算を出すおつもりはおありでしょうか。
○甘利国務大臣 基本的に、恐らく、どこの分野、これがこうなったらこうなるということは、交渉をしていく間で決まっていくことですよね。あらかじめ、ここの分野がこうなった場合といった場合には、じゃ、うちの分野はどうなるんだ、なぜうちの分野だけがどうなんだと、いろいろな議論を呼んでいくというふうに思います。 でありますから、とにかく国益の最大化ということが各省に共通している心構えでありますから、それに向かって交渉妥結まで頑張っていくということでありまして、途中経過でこの分野がこうということになりますと、予断を与えることになろうかと思います。 ですから、そういう途中経過ごとに試算を公表するということはないというふうに思います。
○奥野(総)委員 なぜ自動車か、なぜ農産物かというと、やはり日本の国益に一番かかわるところだという思いで言わせていただいております。 ですから、国益を最大化するというのであれば、ぜひそこを見えるようにしていただきたい。特に国会で我々が議論をするときにそうした数字は必要だと思いますので、ぜひ調整していただいて、統一見解として、一定の前提、もし変われば試算を出し直すということをお願いしたい、求めていきたいと思います。 この間、野田前総理がマスコミにおもしろいことを言っていて、このTPPですけれども、オバマ大統領に、日本はポール・マッカートニーだ、ポールのいないビートルズなどあり得ない、米国はジョン・レノンだ、二人で一緒にやっていこう、こういうふうに言ったという記事が出ていました。それでオバマさんは、じゃ、リンゴは誰なんですかねなんて言って、落ちがついているんですが。 このことの意味は、要するに、日本のいないTPPというのはアメリカにとって恐らく魅力のないものであると思います。ですから、しっかり交渉して、国益の最大化がかなわないというのであれば交渉離脱も辞さずという心構えでしっかり交渉していただきたいと思います。 今の交渉の進捗状況について、このTPP問題の最後に伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 リンゴはスターでありますから、日本かアメリカか、どちらかになるのかと思いますが。 現状は、今、事前の交渉を、できるだけ早く各国の了解をもらうように努力をしているところでございます。 御案内のとおり、ASEAN四カ国は了解をしていただきました。チリも了解をいただきました。残りの国は濃淡がございます。みんな歓迎はしてくれていますけれども、一応話すだけは話したいとか、あるいはアメリカのように、TPP以前、二国間の経済対話の中で関心事というのをもう具体的に示してきているところもあります。 全ての国を含めてできるだけ早期に了解をとりたい。というのは、それだけ日本が入って交渉する時間をとりたいということで、今努力をしているところでございます。
○奥野(総)委員 そこで焦って、くれぐれも余計なべた折れをしないように、安く売らないようにということをお願いして、このTPPについて質問を終わります。 続きまして、行政事業レビューについて伺いたいと思います。 先週の金曜日ですか、行政事業レビューの新しい閣議決定が出ました。その新しい閣議決定の最後に、我が民主党政権下の閣議決定は廃止する、こういうふうに書かれております。 そもそも、廃止された閣議決定というのは平成二十三年六月七日の閣議決定でありまして、「行政事業レビュー(国丸ごと仕分け)の実施について」という閣議決定でありますけれども、ここに我々がやろうとした行政事業レビューの考え方が書かれております。ちょっと読みますと、各府省みずからが自律的に、予算の概算要求前の段階において、原則全ての事業について、予算が最終的にどこに渡って何に使われたかといった実態を把握して、これを国民に明らかにし、公開とした上で、事業仕分けの手法も用いながら事業内容や効果の点検を行って、その結果を概算要求や執行等に反映させる取り組みである、ちょっと長いんですが、そういう考え方になっています。 全ての事業について、皆さんにお配りしています、これは、特にこの事業に意味があるわけじゃなくてシートを見ていただきたいんですが、こういう事業レビューシートを作成させる。これは、分厚いものはこんなに分厚くなるんですけれども、お金の流れが、この例でいうと文科省からどこに流れたか。二枚目でありますけれども、委託か入札かということまで書かせ、そしてさらにその受注先も書かせる。お金の流れが末端まで明らかになる、それを公開していくという仕組みであります。 今回の閣議決定でありますけれども、従来民主党政権下で行われてきた閣議決定と異なる部分はどこなのでありましょうか。
○稲田国務大臣 今委員が御指摘になった、各府省がみずからの事業を見直して、そして国民に対して説明し、透明性を図るというその取り組み自体は非常にいいものだと思っておりまして、我が政権でも引き継ぎました。 そして、その行政事業レビューのやり方について、これまで行政改革推進会議において改善に向けた検証、検討を行い、四月二日の同会議でレビューの改善策について取りまとめを行ったところでございます。 この取りまとめにおいては、行政事業レビューを毎年実施することにより、事業のより効果的かつ効率的な実施、国民への説明責任の確保、透明性の確保を図り、もって国民に信頼される質の高い行政の実現を図るべきとの提言がなされるとともに、この点について、政府の方針を明確にした上で、責任を持って推進することが望まれるとの提言がなされました。 この提言を受けて、政府一体となって責任を持って行政事業レビューを推進していくため、新たな閣議決定を行いました。 どこが違うかという今委員の御指摘ですけれども、大きく違うところとしては、基金のシートもつくるというところをつけ加えたところではないかと思っております。
○奥野(総)委員 基金のシートについては、従来も、基金から先のお金の流れについても追っていけたと思うんですが、切り離して別にするということでありまして、その基金のシートについてはこれからつくるんだということで、現段階でどういうものになるかは見えていないんですね。だから、それを大きく違う部分といって評価するには、私はまだ尚早だと思っています。もっと改善された形であるならば、そこをきちんと見せていただかなければ、それについては評価できないと思っております。 違ったところ、これから細かくなっていくんですが、少しやっていきたいんですが、前の閣議決定、「原則すべての事業について、」というところと「事業仕分けの手法も用いながら」ということが書かれてあったんですが、これがなくなっていると思うんですね。今は、一応、国の事業を五千ぐらいに分けて、五千の事業についてチェックしていくということになっていますけれども、今回のこの政府の答申を見ると、事業の単位を整理する、こういうふうに書かれています。 これは、これまでやってきた事業仕分けに比べて、対象事業の数を減らすんでしょうか。私の考えで言えば、基本的に、国の予算全ての項目についてチェックされなければならないので、全ての予算が網羅的に入るような事業のやり方になるんですか、それとももっと絞った形になるんでしょうか。
○稲田国務大臣 行政事業レビューは、民主党が行っておられたときと同じく、全ての事業についてレビューを行うものでございます。
○奥野(総)委員 では、事業のくくりは基本的には変えないという理解でよろしいんでしょうか。
○稲田国務大臣 基本的には変えないということでございます。
○奥野(総)委員 では、事業数は何件から何件になるんでしょう。
○稲田国務大臣 五千件程度になるかと思います。
○奥野(総)委員 では、変わらないということでよろしいんですね、そこは。
○稲田国務大臣 行政事業レビューの対象になる事業数は約五千件、変わらないのではないかと思っております。
○奥野(総)委員 では、対象はそうだ、シートを、たしか五千枚つくるということは変わらないということで理解をいたします。 我々のときは、特徴として、外部の有識者を入れていたんですね。全事業について外部有識者をかかわらせていたんですね。各省に予算監視・効率化チームというものをつくって、副大臣をヘッドにして、官房長、各局総務課長級が入り、さらに外部の有識者を任命して、そのチームで全ての事業をチェックするということをやっていました。これで全事業を一応外部の有識者が見るという仕組みになっていたんですね。 今回の新たな閣議決定に基づく仕組みでは、外部有識者はどのようにかかわるんでしょうか。
○稲田国務大臣 今回の見直しのポイントは、外部性、公開性、透明性というレビューの特性をより効果的に、効率的に発揮させるというところにございます。 具体的には、外部性につきましては、これまで各府省において外部有識者も含めたチームによりチェックしていたものを、今後は、各府省によるチェックと外部有識者のチェックを明確に区別して、そして、外部有識者の点検結果とそれを踏まえた各府省の対応を公表することとし、外部有識者のチェックを記載する欄もつくりました。 また、今御指摘の外部有識者の事業のチェックの数ですけれども、レビュー自体は五千件ありますが、外部有識者対象のチェックを必要性の高い新規事業に重点化をして、毎年千件程度とすることで、より効果的、効率的なチェックを行うことといたしました。
○奥野(総)委員 だから、結局、外部の人が見るのは五分の一ぐらい、千件ぐらいに減っているということであります。 この千件というのは、どういう基準で誰が選んでいるんでしょうか。
○稲田国務大臣 五千件全て有識者で、前政権下ではチェックをしておられましたが、ちょっと形式的になったり、ちょっとおざなりになったりしたという嫌いもあったので、今、新規に始めたものとそして終わったもの、それから、あとの残りは、五千件を五年間で全部、外部有識者でチェックできるように選定をするということでございます。
○奥野(総)委員 だから、選定は役所でやるわけですよね。外部有識者は一切かかわらずに、外部有識者は出されたものを機械的に見ていくということなんですよね。
○稲田国務大臣 原則、府省で選びますけれども、外部有識者も、外部有識者会合というのがございますので、その意見も聞きながら選ぶということも考えられるのではないかと思います。
○奥野(総)委員 だから、ほとんど役所主導に、事業の選定も戻ってきているということだと思うんですね。 さらにこの中から、公開レビューということで、いわゆる事業仕分けの手法、我々のときにやっていたもの、公開のものを選ぶということであります。 我々のときは、行政刷新会議が選んだ有識者三名と、そして効率化チームの有識者三名と、それから役所の三人、九人でやっていたんですが、今回の公開レビューについてはどういう構成になるんでしょうか。
○稲田国務大臣 今回の公開の対象になる事業については、府省が選んだ三名の有識者と、行政改革推進会議が選んだ三名の有識者が、その事業の対象となる各部局等を呼んで、そこで熟議というか、議論をするということになろうかと思います。
○奥野(総)委員 我々のときは、コーディネーター、まとめ役は刷新会議が選んだ外部有識者がやっていたんですね。議論をリードする役目はそういう方だったんですが、今回は誰がやるんですか。
○稲田国務大臣 これまでの公開プロセスは、今委員が御指摘になったように、進行役であるコーディネーターは旧行政刷新会議が指名をしておりましたが、公開プロセスは各府省の取り組みであり、それぞれ三名ずつ選定した外部有識者の意見を取りまとめる場として、議事進行の中立性も考慮して、進行役は各府省の官房長等が行うことといたしました。
○奥野(総)委員 中立性を考慮してというんだったら、やはり外部の方にやっていただくべきじゃないですかね。官房長というのは省益の代弁者と言ってもいいと思うんですね。そういう人に任せてしまって、本当に客観的な議論ができるんでしょうか。
○稲田国務大臣 各府省が選んだ外部有識者三名、それから行政改革推進会議が選んだ有識者三名を入れて議論をいたすわけでありますから、進行等に問題があれば、外部有識者の意見も反映されることになるのではないかと思っております。
○奥野(総)委員 これは、廃止という項目がなくなるんですよね、報道によれば。どうなんでしょうか。
○稲田国務大臣 今まで、廃止という選択肢があったおかげでというか、廃止という結論ばかりが非常に注目をされていたというところがあります。今回、廃止という選択肢をなくしたというのではなくて、抜本的な改善という中に廃止もある、そういう仕切りでございます。
○奥野(総)委員 いや、やはり、余りひどいものについては廃止とやって、皆さんに注目していただいて、議論を進めるというのは私は必要だと思っています。そこは指摘をしておきます。 そして、行政事業レビューシートがありますけれども、結局、そうすると、この間伺ったところによれば、ここに外部有識者の意見という欄と各省の意見、どうしたかという意見が載っかる、両論併記みたいな形になるんですね。外部有識者の目に触れないものについては意見がなくて空欄、役所の意見が全部載って出ていくという形になるわけであります。これはどう考えても、客観性がなくなって、役所主導の形に後退しているというふうにしかとれません。その辺を指摘させていただきます。 これで思うのは、行政評価なんですね。今回も行政評価との関係を、皆さん、この報告書の中にも書かれていますけれども、私も役所におりました。行政評価をやるときは、自分の担当のところについて評価シートに丸をつけていくんですけれども、大体自分の仕事について要らないという人はいないですよね。大体全員、これは要るんだ、必要だという紙をつくって、政策評価シートを出していくわけです。それを一応、外部の有識者が見ることになっているんですが、ほとんどスルーで通っていました。そんな短時間で見ろと言われても見られないので、ほとんどスルーで出ていっているわけであります。 実は、この行政評価というのは、政策評価ですか、非常に強大なツールを持っていまして、勧告権というのがあるんですね。各省が評価したものが出ていくんですが、それについて、総務省の政策評価局がチェックをして、おかしければ勧告を出せるんです。そういうツールがちゃんとあるんですけれども、これは、勧告を出したことはあるんでしょうか。
○新藤国務大臣 これまで勧告を出したことはございます。
○奥野(総)委員 いわゆる政策評価、行政評価全般ではなくて政策評価の部分について、勧告を、ではどのぐらい出していますか。
○新藤国務大臣 委員御承知だと思いますが、質問が少し幅広になっちゃっているので、政策評価は、各府省が個別の事業に対して、主要施策に対してやっている評価と、それから、複数府省にまたがる政策の評価、これは総務省がやります。ここの部分においては、大きな仕事であります。そういうものについての勧告はあるということです。 それから、それぞれの役所がやっている個別の主要施策についての勧告というのは、やったことはございません。
○奥野(総)委員 個別施策については、やはり勧告は出していないんですね。だから、スルーで出ていっているわけです。同じように、行政事業レビューも、役所のお手盛りになってしまって外部チェックが入らないと、同じように効果のないものになってしまう懸念があると思います。 ここで提案なんですけれども、役所の方も、行政評価、政策評価と行政事業レビューと、二本立てで同じような仕事を重複しているんですね。結構手間がかかって大変だと思うんです。これを一本化して勧告権を持たせるとやった方が効率的だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○稲田国務大臣 行政事業レビューとそれから政策評価、やはり目的や手法は違っています。 そして、行政事業レビューについては、概算要求の前に外部有識者のチェックもし、そしてそれを概算要求に反映をして、その後でまた、行政推進会議においてきちんと反映させているかどうかもチェックをした上で予算に毎年反映をさせていくということでございますので、法律上の勧告権を与えるとかいうこと以上に、毎年毎年数字になって効果があらわれていくものだと認識をいたしております。
○新藤国務大臣 これは、ぜひ共通認識を持っていただきたいと思うんです。私も今、この政策評価と行政事業レビューをいかに連携させて相互活用するか、こういう整理をやっているんです。ことしから実際に始めます。 問題は、行政事業レビューというのは、個別事業を五千に分類して、それを自主的に、自分でどこを削るかとかというのをやりました。政策評価は、政府の五千事業を約五百の施策目的に分類して、その目的の中に幾つものツリーを、個別事業をおろしているんです。 ですから、まず、個別事業のチェックは事業レビューシートでやり、そしてそれが、三つか四つ、もしくはほかの省とも仕事を連携させることによって政策の効果が上がるものがあるかないか、そういうチェックをさせるというのが本来の政策評価なんです。 したがって、これを連携させることが極めて重要だ。この双方には、共通の事業名もなかったし、事業番号もありませんでした。ですから、これを全部共通化します。 そういった形で、これを連携させて、削るだけではなくて、本来、より効率よくするためには施策をどうしたらいいかということを考えなきゃいけないわけで、その意味においては、これをしっかり、今まで私たちは、政策評価も十年前からやっていますから。そして事業レビューが、ここのところでぽんと出てきた。いい機会だから、これを整理して、よりいいものにしていこうじゃないか、こういう仕組みをやっているのであって、別々のものでもありませんし、最終的にはそれは統合できるふうになるかもしれません。でも、まずは一つ一つを、相互連携と相互活用、これが重要だ、このように考えています。
○奥野(総)委員 ぜひ一本化して、稲田大臣の力もふえるわけですね、勧告権を持てば。きちんと仕事ができるように。 今回言いたかったのは、やはり客観性を持たせたレビューをしないと、幾ら勧告権を持つことになっても全然中身が伴いませんから、きちんと行革会議の方でチェックを入れられる仕組みをつくっていただきたい。そういう意味で、今回の閣議決定は明らかに後退だと私は思います。 そして、それからもう一点。 大事なのは情報の公開なんですけれども、レビューシートについては引き続き公表されるというふうに伺っています。 民主党政権下では結構情報公開が進みまして、政権交代直後の二十一年の十月二十三日の閣議決定で、情報公開をやっていこうと。予算書とか決算書、それから予算の明細についても全部インターネットで公表していきましょう、あるいは予算の執行状況についても公表していきましょうという閣議決定が行われておりまして、執行情報開示の詳細について、国家戦略室において指針を示すとありまして、必要に応じて改定、こうなっています。 現在、この指針は生きているんですかね。国家戦略室はなくなったんですね。では、この仕事、予算の執行情報の開示について、誰が責任を持ってやるんでしょうか。
○稲田国務大臣 今委員御指摘になったように、行政事業レビューのシート五千は全部公開をいたします。先ほど委員は閣議決定が後退したとおっしゃいましたが、そんなことはございません。基金についても、基金に出したときだけではなくて、その次の年も、どのようにその基金から出たかも、基金シートを新たにつくっていくところでございます。 ただ、今委員御指摘になったように、それをホームページ等で公開して、国民からのさまざまな意見もいただける意見募集などに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○奥野(総)委員 私は、情報開示は誰が責任を持っているんですかという話をした。もっともっと開示しなきゃならない情報もいっぱいあるわけですよ。予算について言えば、もっと細目を開示していくべきだと私は思っていますし、とりわけ決算については、もっと、幾らの単価で発注したのかということまでわかるようにしていくべきだと思っています。 ネットの時代ですから、紙だとこんな分厚くなりますけれども、検索をかければすぐわかるわけですよね。現に、情報開示の指針によって、各省の補助金が誰に幾らいつおりているかとか、あるいは公共事業を誰が幾らで落札しているかというものについては全部ネットで、eガバメントというところで検索できるわけでありますから、もっと予算、決算の情報についてもさらに充実させていくべきだと思うんです。 予算については、項、事項、目そして各目明細ということで、かなり細かい部分まで出ています。オープンになっていますけれども、決算については、決算の各目明細はたしか出ていないんですね。 決算の各目明細、私はずっと、つくってください、オープンにしてくださいと、民主党政権時代にも、党の部会なんかでも申し上げてきたのでありますけれども、いかがでしょうか。
○山口副大臣 それでは、私の方からお答えをさせていただきます。 今先生御指摘いただきましたように、予算決算及び会計令等の規定によりまして、予算につきましては、もう御案内のとおり、各目まで細分化した明細書を、各省が実は作成をしております。 決算の情報につきましては、国民の皆様方によりわかりやすい形でお示しをすることは大変重要と思っておりますので、決算について同様の明細書を作成することが可能かどうか、実務的な問題も含めて、今、各省とも検討しておるところでございます。 ただ、決算につきましては、もう先生も御案内のとおり、かなり窮屈な日程の中で決算書等々を作成しております。会計検査院等の問題もございますので、そこら辺も含めて検討させていただきたいということでございます。
○奥野(総)委員 やはり決算が一番大事なんですよね。具体的にお金がどう使われたかというのを国民に開示するのは、私は一番大事なことだと思っていますから、決算情報の開示、きちんと検討して、しっかりやっていただきたいと思います。 最後に、一点だけ。 さっき稲田大臣に伺おうとしたんですが、では、誰が政府の情報開示について責任を持って今やっているんですかということを各省に聞いたら、担当がないんですね、これは。誰も答えられないということなんですよ。そういうことなら、安倍政権は情報開示に取り組む気がないというふうに私は評価せざるを得ません。 では、最後に稲田大臣、さっき答えていないので、お願いします。
○稲田国務大臣 行政事業レビューシートに関して、これは責任を持って開示をし、国民の意見も受け付けるように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○奥野(総)委員 担当大臣がいないというふうに理解をいたしました。 以上で終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 これにて奥野君の質疑は終了いたしました。 次に、西野弘一君。
○西野委員 きょうは、予算委員会での二度目のチャンスをいただきました。日本維新の会の西野弘一でございます。 まず最初に、教育の問題について。とりわけ、私は、こちらに上がってくるまでは、ついこの前まで大阪府の府議会におりまして、教育の委員会に主に所属をいたしておりました。その中でいろいろな思いを抱いておりましたので、そのことの一つ、特に教育委員会の制度について、きょうはお尋ねをさせていただきたいなと思っております。 まず、冒頭なんですが、例えば、学習指導要領であったりとか教科書検定というのは、文科大臣の責任において定められているものと私は認識しておりますが、その点で、いわゆる教育の政治的中立と対立するものではないのか。この教科書検定と学習指導要領を定めることについて、教育の政治的中立と対立するものではないのかどうか、大臣の所見を伺いたいと思います。
○下村国務大臣 学習指導要領や教科書検定は、学校教育法等の定めに基づき、専門の審議会の慎重な議を経て、最終的に文部科学大臣が決定するものでございます。 これは、政権交代があろうとなかろうと、この学習指導要領や教科書検定というのは極端に変わるということは基本的にない制度、安定した制度ということでございますので、特定の一党一派に偏したものであるということはあり得ない仕組みでございます。
○西野委員 であるならば、いわゆる教育の中身、これについては、国の責任においてその政治的中立性はもう担保されているということだと思うんですけれども、そういう認識でよろしいですか。
○下村国務大臣 教育の中身でございますけれども、国は、全国的な教育水準の維持向上の観点から、制度の枠組みの制定や全国的な基準の設定、地方公共団体への支援などを主に担っており、国の政策の妥当性については、議院内閣制のもとで、国民全体の意思を反映したものとして担保されております。 一方で、地方は、学校の設置管理者として教職員の人事や具体的な教育活動を決定するなど、地域の教育を直接実施するものであり、特に、制度的にも、学校現場における教育の政治的中立性等の確保が求められるということから教育委員会制度が設けられている、それが国と地方の違いであるというふうに思います。
○西野委員 国と地方のそういう役割のあり方というのはまさに大臣御答弁のとおりだというふうに思うんですが、内容については、地方によってばらばらな教育内容が教えられているということであってはいかぬと思うんです。 だから、中教審の、例えば教科書検定についても、国の審議会なり諮問機関なりでいろいろな検定をされたりしているわけだと思うんです。それで、全国どこでも、ある一定の教育内容であったり水準というのが担保されているというふうには思うんです。 というところに立ちますと、では地方の教育行政というのはどうかというと、国で定められた水準、国で担保された内容、水準に従って、それを行政として、教育の現場、学校なりで子供たちにしっかりと伝えていく、いわば教育行政サービスをしっかりと提供していくということが専らの役割であって、そこに教育委員会の制度そのものの存在意義というのは、僕は余り感じないんですね。 というのは、そもそも、国の中で、国というか、例えば教科書の内容であったりとか学習指導要領、まさに教育の内容について書かれたものが政治的中立性を既に担保されているとすれば、それを地方におろしてきたときに、地方がそれぞれのサービスでそれを提供する、それをただ粛々とやればいいんです。あとは、現場である学校をマネジメントする校長、そしてその校長を含めた全ての教育行政をマネジメントする教育委員会、その教育委員会の誰が任命して、どこに教育行政そのものの責任の所在があるのかということを明確にしていくことが、多分これからの課題だというふうに思っております。 教育再生実行会議でこれからいろいろな議論がなされていくというふうに思っておりますが、漏れ伝わってくるところによりますと、今、教育行政の責任を教育長に一元化しようという議論もあるというふうにお聞きをしておりますが、私はそこは少し違うのではないかなと思っています。今一番問題なのは、責任の所在がどこにあるかが明確でないんです。 今、学校、学校長をマネジメントする教育委員会、いわゆる教育委員の合議制の中で教育長を選んでくるということでありますが、その教育委員を任命するのは首長だということですけれども、では、首長は、その教育委員会が暴走し始めたときに罷免できるのかというと、ここは罷免できないですよね。 ですから、そうなってくると、では一体誰が最終的に責任をとるのかということが明確でないと僕は思うんですけれども、この点について、大臣の所見はいかがですか。
○下村国務大臣 教育委員会のあり方ということだというふうに思うんですね。教育委員会そのものというのは、それぞれの国による制度設計の中でどう捉えるかということになってくると思います。 御指摘のように、教育委員会は、日本、それからアメリカ、韓国にはありますが、ヨーロッパにはないわけですね。ヨーロッパにないから、日本においても教育委員会がなくてもいいのではないかという議論をする方もおられますが、そもそも制度全体が違っている。 日本の場合は、二元代表制で、首長を選ぶ、それから議会を選出するという形になっているわけです。ヨーロッパの場合は、議会を選び、その議会の中の誰かが首長になるというような形で、ある意味では、その部分だけは日本の議院内閣制に似ている部分があるわけですね。 日本は二元制をとっているために、逆に、地方の首長は大統領的な権限を有しているわけでございます。大統領的な権限を有しているために、もし教育委員会がないとしたら、その首長の意向によって教育行政を行うことができる。 先ほど説明させていただきましたように、国は学習指導要領やあるいは教科書検定等で一定的な方向性については定めますが、実際どう運営するかということについては地方自治体が、特に教育は地方分権の中に位置づけられておりますから、判断されることになります。 そうすると、教育委員会がなくなるということにもしなったとして、首長が、あるいは首長部局がそれをやるということになると、政治的中立性の確保ということで三つ問題点が出てまいります。 一つは、教育内容に関する政治的中立ですね。教育内容については学習指導要領が定められていますけれども、そもそも、では国旗とか国歌とか、ジェンダーフリー教育とか、あるいは基地問題とか平和教育とか、そういう政治的諸課題について、首長の判断でやれることがいいのかどうかという意味での政治的中立性の問題が一つあります。 それからもう一つは、人事における政治的中立性の問題もございます。首長の判断で、例えば、組合等特定の政治的主張を持った団体の支持を受けた首長がその人事権を行使することによって、校長とか教職員の人事について介入するということができるようになるかもしれない。 それから三つ目として、日々の教育活動に関する政治的中立性でありますけれども、学習指導要領にのっとった教材、教科書はありますが、それ以外、副教材、副読本を使うことは認められているわけですし、事実、道徳等は、それぞれの自治体が副読本を教材として作成し、配付しているというところもたくさんございます。 この中で、首長の主義主張にのっとった教材を配っても問題ないということになったときに、政治的中立性の確保が教育の中でできなくなるということ、これは、教育委員会がある、ないではなくて、我が国の地方における、ある意味では議会制度あるいは首長の選出の仕方そのものがヨーロッパと違っている。 ある意味では、そういう二元代表制という日本独自の制度的な部分から、そこに教育委員会もつくることによって、その辺、首長が誰になっても、一定の政治における中立性はやはり教育の中で確保しなければならないのではないか。これが、教育委員会における政治的中立性を確保するということでございます。
○西野委員 先生がおっしゃっていることはごもっともな部分もありますし、私も地方の議会におりまして、今おっしゃった、こういう問題が発生するんじゃないのか、政治的中立性が侵されることがあるんじゃないか、そういうことを想定したときに教育委員会制度が必要だとおっしゃっておりますが、現に、大阪では、従軍慰安婦の問題についても、間違った歴史観に基づくような副読本を使ったケースも、私がおった間にもありました。 実感として、これはあくまでも私の主観的な印象ですから、事実という意味でお話をできるかどうかは別といたしまして、特定の政治的な主張をお持ちの団体に人事が左右されているような雰囲気も感じたこともありました。また、ジェンダーフリー初め、国旗・国歌の問題もそうかもわかりませんが、ジェンダーフリーであったり、そういったことも、少し違和感を覚えるような伝え方、教え方をされているケースも現にありました。 ですから、今の教育委員会の制度が現にあったとしても、これらの問題は既に顕在していることだということは、大臣はどう御認識をされていますか。顕在しているかしていないかということについての御認識は。
○下村国務大臣 御指摘の点は、そのとおりだというふうに思います。そのために、今、教育再生実行会議においても、教育委員会の抜本改革について議論されているところでございますし、これは法律改正を伴う改正をぜひ我々としてもするべきだというふうに考えておりまして、今後、中央教育審議会に諮問し、答申を受けたら、来年の通常国会に、抜本的な教育改革、教育委員会のあり方について、ぜひ国会に提案をさせていただきたいと思っています。 その中で、今御指摘のようなことがあるという中で、教育長の権限、これは、首長とそれから教育委員会の委員なり教育長の任命期間がずれている、それから、首長が明確に教育長を任命できない制度であるということによる、その辺の教育長の、教育の政治的中立性ではなくて、教育長がやるべきことが教育委員会にきちっと反映できないという部分もあるわけです。 今、教育再生実行会議の中では、教育長の任命権、罷免権、それから任期も含め、首長が選任できるようなシステム、それから、教育委員会のあり方も、今までのような教育委員会のあり方ではなくて、中身も含めて、例えば諮問機関的に、そこの自治体における中長期的な政策、理念づくりについて特化する形で、人事権とかそれから予算権とか、それは首長部局に入れるべきではないかというような議論がされております。 今の教育委員会がいいとは我々も考えておりません。これは、国会等の議論を踏まえながら、より機能的な、形骸化から脱した制度に変えていく必要があると思います。その上で、今委員が御指摘のような点も、改善されるべき教育委員会制度にしていく必要があると思います。
○西野委員 きょうは二つも質問通告してしまいましたので、一つにしておけばよかったなと今思っておりますが。 本当に、大臣の今の御答弁の中で、今、教育再生実行会議の中でも、首長の教育長任命、罷免権も含めた議論がなされているということをお聞きしまして、少し安心をしたといいますか、ぜひその方向で進めていただきたいなというふうにお願いをしたいと思っております。 また、そうなれば、あくまでも教育長の任命、罷免を首長ができる、首長の権限だということになれば、教育行政の最終的な責任をとる者は首長ということになります。だから、これから首長になられる方というのは大変だと思います。当然、選挙に出るにしても、教育に対してかなりの訴えもしていかなければいけないと思いますし、その訴えたことに対してしっかりと責任をとらなければいけないと思いますし、もっとひいて言えば、その首長を選んだ市民、国民の皆さんにも、教育に対してのしっかりとした責任を持っていただくということにも私はつながると思いますので、その方向でぜひ議論をいただきたいなと思います。 また、そうなれば、教育委員会の役割というのも、むしろ今の形とは少し変わってきて、諮問機関的なものになってくるのかなというふうに思います。だから、今の教育委員会という名前がそのままでいくのかどうかは別としまして、また違う形になってくるのかなというふうにも思っております。 また、もっと言えば、そういった第三者的に教育行政全般を監視していくというかチェックしていく役割というのは、諮問機関だけでなくて、地方にはそれこそ二元代表制の議会が一方であるわけでありますから、その議会がしっかりとチェック機能を果たしていくことも大事だというふうに思っておりますので、それらもあわせて御議論いただきたいな、また、その議論の中にもぜひ参画といいますか、いろいろな意見を踏まえていただきたいなということをお願い申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 次に、全ての道はローマに通ずという言葉があります。また、古今東西問わず、道路行政を考えたときに、常に国防、安全保障という観点に立っていろいろな道路行政が行われていたというのは、これは紛れもない事実だというふうに思います。 日本においても、西暦九二七年に延喜式という法律の中で、道路行政は兵部省といういわば今の防衛省が所管するというふうにも記されていたようでございますけれども、それだけ道路と国防、安全保障というのは切っても切れない関係にあるというふうに思います。また、戦前の旧道路法では、各都道府県庁の所在地また各軍司令部及び鎮守府を結ぶところが国道というふうに定義もされていたということでございます。 ただ、戦後になりまして、いろいろなイデオロギーの対立なんかがあって、当時の議員立法の中で、そういった国防とかという概念を道路の行政をとり行う上で外せというようなことがあったそうでありまして、それ以来、道路行政において国防という観点というものが外れてきたのではないかなというふうに思います。 防衛大臣にお聞きしたいんですが、今、いろいろなこれからの国防、防衛の計画が新たに策定されているということでございますけれども、その中で、道路も含めたインフラ整備について、インフラとまた国防というものの関係についてどのように御認識されているか、お尋ねします。
○小野寺国務大臣 西野委員御指摘のように、古くはナチス・ドイツのアウトバーンもそうでありました。そして今、韓国では、航空機が着陸できるような高速道路の設計になっている場所もあると伺っております。 そのような歴史的な経緯はあったんだと思いますが、日本におきましては、現在所管しておりますのは国土交通省ということになりますので、私どもとしましては、国土交通省の整備というのが重要かとは思っております。その上で、例えば、今後、東日本大震災の経験を踏まえて考えましても、いかに災害に対して防衛省が果たす役割が重要かということは認識をしておりますし、そこに対してアクセスというのも大変重要だと思っております。 この問題につきましては、防衛省ということではなく、今回、国土強靱化という中で政府一体として検討されるというふうに伺っております。その中で我が省が担える役割、それをしっかり備えていきたい、そう思っております。
○西野委員 今、席を外されておりますが、新藤大臣のおじい様というんですか、正しい言葉遣いでは御祖父上様ですか、栗林中将が、硫黄島でのあの激戦の中で、あの大戦で唯一と言っていいほど日本軍よりも連合軍の方が被害が大きかったという戦いがありましたけれども、あれは事前に硫黄島を徹底的に要塞化したわけですよね。そのことで連合国軍もなかなか攻めあぐねたということなんでしょうけれども、我が国がこれからも専守防衛というものを掲げて専守防衛に徹するのであれば、なおさら国土強靱、当然、防災の観点というのは、これは切っても切り離せないというふうに思いますが、またあわせて防衛という観点もしっかりと持たなくてはいけないと思います。 今、ミサイルを撃つとか撃たないとか言うている国がありますけれども、撃つぞ撃つぞと言うていただいて、この辺に落ちるかなとわかっていれば備えもできますけれども、そうでない事態も想定される中で、では、いざPAC3をぴゅっと持っていかないかぬというときに、道が全然ミッシングリンクでつながっていないということになっては僕はいけないと思いますので、そういう意味でも、しっかりと、これから防衛大綱初め中長期的な計画を見直されるということでございますので、インフラ整備も国防に大変重要な問題であるということをぜひその計画の中に何らかの形で明確に書いていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○小野寺国務大臣 今、ミサイル防衛のお話もございました。さまざま装備を展開するに至りましても、どこでもいいというわけではありませんで、ある程度装備を配置する場所というのが、例えばそこの場所の整備も含めて、道路も含めて必要だということは、大事な御指摘だと思っております。 これから国土防衛をする中で、それぞれ、私ども、防衛計画の大綱をつくっていくわけですが、具体的な想定をする中で、やはりここは必要だというところ、そういうところも含めてこれから検討していきたいと思っております。
○西野委員 ぜひ、そういった観点をしっかりと、防衛省として何らかの形で明確にしていただきたいなとお願いをしておきたいと思います。 今、要らぬ道路はつくらへん、ただし必要なものはつくるということは、これはもうコンセンサスだというふうに思いますけれども、では、要らぬ道路の要らぬというのは何やねんというところは、これは政治的なまさに価値判断なのかなというふうに思います。 今、国交省の方でBバイCでということでございますけれども、では、そのベネフィットの部分はどうやねんということで一応三つ挙げられておりますけれども、その三つ挙げられている、例えば、時間が短くなるとか、経費がかからぬようになるとか、また事故が少なくなる。もちろんこの観点は大事だというふうに思いますけれども、今、東日本大震災が起きて、それにプラスして防災という観点もつけ加えられたようでありますけれども、あわせて、この防衛、国防という観点もしっかりとここに入れなければいけないと思うんですけれども、いかがですか。
○梶山副大臣 お答えをいたします。 今委員御指摘のように、防災の観点、安全保障の観点から、道路は非常に大きな役割を果たすものと認識をしております。 その上で、道路をつくる上での道路事業の評価ということですが、走行時間の短縮など三便益だけではなくて、地域の活性化、災害時の対応など、道路の果たすさまざまな役割を踏まえて、総合的に評価をして行っているところであります。 とりわけ、一昨年の東日本大震災で、道路の果たす役割というものは多くの方が認識をしたところだと思っております。防災の面からの評価手法の充実を図ってまいりたいと思っておりますが、お尋ねの有事における安全保障の観点においては、残念ながら現時点では評価の視点としては織り込んでおりません。 今後、国家的な見地からの検討により、有事の際の道路の活用の方向性が明確になってくれば、道路事業の評価においても、その対応方針を検討していく必要が生じてくるものと思っているところであります。
○西野委員 ぜひ、これは国を挙げて、専守防衛ということであるならばなおさら、まさに国土強靱というのは、防災もそうですけれども、防衛という部分でも強靱な国家に、国土の建設に向けていかなくてはいけないと思いますので、またこれからもいろいろと意見を交換したいと思いますので、よろしくお願いします。 以上です。
○山本委員長 これにて西野君の質疑は終了いたしました。 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。 予算委員会初質問ということで、よろしくお願いいたします。 私は、今まで二十年余り、麻生大臣と同じ福岡県で地域医療に従事してまいりました。その中で、医療を取り巻く経済状況はどんどん厳しくなっていく、このままでは、高齢化社会を迎えて、果たして地域で医療が受けられるのだろうか、そういった懸念からこの場に来させていただいたわけでございます。 近年、マスコミ等でも医療崩壊ということが取り上げられるようになりまして、若干注目を集めております。そういった中で、今般、社会保障と税の一体改革ということで、こういうふうに税のことをしっかり考えて医療を守っていこうという方針が決まったのかなと思っております。 そういった認識でよろしいでしょうか。財務大臣の御見解をお願いいたします。
○麻生国務大臣 これは御存じのように、社会保障という観点から、可能な限り国民の負担を抑えるという点から、国民に対するサービスをという観点から、いわゆる社会保険診療につきましては消費税は非課税を基本ということになってきておるのは事実であります。
○河野(正)委員 それは次にお聞きしようかなと思っておったことでございまして、実は、御承知のように、消費税はこれから八%、一〇%と段階的に上がっていこうとしております。医療を守るはずの消費税ということが、逆に医療崩壊を来してしまう可能性がある、そういったことについてお尋ねをしたいと思います。 医療機関における控除対象外消費税、いわゆる損税の問題でございます。消費増税が決まりましてから、既に国会でも何度となく議論されているのかなと思っておりますが、政権も交代したことでございますので、改めてお尋ねしたいと思います。 消費税が検討された昭和六十三年当時に、生命を守るために選択の余地なく支払わなければならない医療費に課税すべきではないといった観点から、今、麻生大臣にお答えいただきましたように、医療は非課税ということになったと思っておりますけれども、今後も医療は非課税ということを続けていかれるのでしょうか、お考えをお聞かせください。
○麻生国務大臣 今申し述べましたように、これは基本的には、非課税というのは、もともとの話がそうなっておりますので、今後とも基本的考え方としてはそう思っております。 多分、病院やら何やら経営しておられましたので、その点から、今後、経営面でいうと、配られた資料の中にも神戸の話が出ていますけれども、いわゆる医療機関が医薬品とかまた医療機器なんというのを買うときには、これはCTとかいうと四、五千万かかるかな、そういったものがかかっていくようなものになろうと思いますけれども、そういったものに支払います、購入されるときにかかる消費税という部分は、これはいわゆる診療報酬による手当てということにされてきたのはもう御存じのとおりなんですが、それより今の医療機器が、すごい高額なものを要求する、MRIとかいろいろなってきていますので、そういったものに関しましてはどうかという点が一番これから議論をされるところであろうとは思いますけれども、基本的な考え方としては、政策的な配慮からこれは非課税というのが基本であります。
○河野(正)委員 高額な医療機器については、後で時間があったらお尋ねしたいと思います。 社会保険診療費が非課税であるために、医療機関は患者さんから消費税を徴収しないということになっております。一方で、今お答えにありましたように、医療機関、医薬品や医療機器などを仕入れる際には消費税を払っております。御参考までに、お手元に新聞記事を配付しておりますので、適宜ごらんください。 特に、医療機関というのは不特定多数の方が集まりますし、耐震化の問題というのも今後重要になってくると思います。もとより、健康でない方が多く集まる施設でございますから、東日本大震災を初め、大きなそういった地震等々があった場合に耐えられる施設でなくてはならないと思っております。そうしますと、今後、病院等々は耐震化基準を満たすように建てかえていかなければならないということで、非常に多額の消費税の支払いが必要となってまいります。 本来は最終消費者が負担すべき消費税というものを、患者さんからいただけないばかりに、中間事業者である医療機関が最終消費者にかわって全ての消費税の納入義務を負ってしまっている。つまり、通常であれば仕入れにかかった税額を除いた額を納税すればいいのですけれども、医療機関の場合、非課税であるがゆえに仕入れ税額控除を行えないということになります。 日本医師会の試算によりますと、社会保険診療報酬の大体二・二から二・五%、これが病院にかかってくる消費税の負担分だと言われております。百億円の病院であれば年間二・五億円ということになります。またちょっと、非常に恐縮なんですけれども、麻生大臣の弟さんが出されている「明るい病院改革」という本によれば、麻生飯塚病院は、二〇〇五年の売上高が二百十一億円ということでございますから、粗っぽい計算ではございますけれども、年間約五億円ぐらいの消費税を負担しなければならない。これが一〇%になれば、これも粗っぽい試算ですけれども、十億になってくる。 そうすると、地域における救急医療であるとか、いろいろな基幹となっている病院が吹っ飛んでいってしまうような状況に陥るというふうに危惧しておりますけれども、麻生財務大臣、いかがでございますでしょうか。
○麻生国務大臣 今、単純計算をしてそういうことになるんだと、ちょっとその細目は詳しく知りませんので、今言われましたように、単純計算すれば言われたことになりましょうけれども、その分に関しましては、いわゆる医療費の対象になっております分は非課税ということになっておりますので、その売上高にイコールそのまま乗ってくるわけではないということだと存じます。
○河野(正)委員 今御指摘のように、もちろん粗っぽい計算ですので、売上高の全てが社会診療報酬ということではないでしょうけれども、簡単に考えると、百億円の病院では二・五億円、これが一〇%になれば五億円になってくるということで、非常に、地域から病院が消えてしまいかねない状況があるということをお話ししようと思ったわけでございます。 日本医師会の推計によりますと、医療機関で年間約二千三百億円のいわゆる損税が生じていると言われております。 それで、先ほどから非課税ということでございましたけれども、これについて、我が国の考え方としては、医療機関に対して診療報酬に上乗せするという形で対応すると、今日まで言われております。 これが実は、一部項目に乗せたりということで対応されておりまして、平成元年には〇・七六%、平成九年は〇・七七%ということで、何万項目のうちの約三十六項目とかそれぐらいに乗せたということになっておりますけれども、これが、診療の一部項目に乗せたところで全医療機関がもらえるわけではございませんし、消費税負担という意味では公平に考慮されていないのではないかなと思いますが、この点、厚生労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
○田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、平成元年に〇・七六%、九年、五%の引き上げ時に〇・七七%ということでございまして、一応、全てが全てかかるわけではないというわけでありますけれども、その根拠は一体どうなんだ、ある程度のものはあるんだろうと思いますが、その後の改定で、それもどこに消えていったかよくわからないという御議論はよくいただいておるところでございます。 そこで、今回、八%引き上げ時には、高い投資に対してどうするんだという措置、それからもう一方で、全般的には、やはり、診療報酬の中でどう見ていくんだということを現在議論いただいておる最中でございます。 なお、一〇%に向けては、税制の抜本改革、これとあわせてこれをどう見ていくのかということも、与党の税調の方の御議論としていただいておるというふうに存じております。
○河野(正)委員 ありがとうございます。 そういうことで、どこに行ってしまったかわからないような状況になっているということになります。ですから、先ほどから話していますように、数億円の負担になってくるということになると、きちんとした対応をしていただかなければならないと思っております。 今後は、ことし年末に行われる次期診療報酬改定作業というので、明確な形で診療報酬と分けて消費税分を上乗せしていく、これが消費税であるよというふうに考慮していくおつもりがあるのか。 もう一点目は、次期改定が二十六年四月ですが、その次期改定、その次になりますと二十八年四月ということで、この改定の途中で、二十七年十月を予定されておりますので、消費税一〇%ということになります。そのあたりをどういうふうに、明らかにこれが消費税ですよということで今後やっていく考えがおありなのか、厚生労働大臣にお答えいただきたいと思います。
○田村国務大臣 医療関係者の皆様方の御意見もよく聞かなきゃいけないというふうに思います。いずれにいたしましても、そういう御意見も踏まえて、与党税調の方でしっかりと御議論をいただいた上で、我々といたしましては、また財務省の方にいろいろな要望を出していきたいというふうに思っております。
○河野(正)委員 しっかりと議論して、わかる形でやっていただきたいなと思います。 麻生財務大臣はいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、御存じというか、当選される前の話ですけれども、昨年八月の段階で税制の抜本改革法が成立して、その前でしたかね、三党の合意が出されて、自公民で、消費税八%の引き上げ時までに、医療保険制度において適当な手当てを行う具体的な手法について結論を得るとの方向が示されておりますと同時に、医療に係る課税のあり方につきましては、引き続き検討を行うということにされております。 その後、ことしの二月になりまして、三党合意におきまして、引き続き協議を行うということにされたところでありまして、今後、三党間で税制抜本改革法の規定に沿ってこれは検討していかねばならぬところだと思っております。
○河野(正)委員 しっかりと、厚生労働省、財務省ともに検討していただきたいなと考えております。 ところが、診療報酬で手当てをするということになりますと、患者さんは窓口で三割なりの負担金を払うわけでございますから、診療報酬に消費税が乗っかるということになりますと、患者さんも結局は三割負担という形で消費税を払うということに実際はなっているわけですね。これはガソリンとかと同じような、似たような問題かもしれませんけれども、医療は非課税であると言っておきながら、実は診療報酬に乗っかっているということであれば、そういった形で負担させられているという非常におかしな問題じゃないかなと思います。 同様に非課税となっているものとして、火葬とか埋葬の費用、学校の授業料、個人の住宅の家賃等々があるかと思いますけれども、これらはいずれも自由に価格設定ができるということでございますので、唯一、公定価格であって、勝手に消費税を転嫁するような価格改定ができないという医療については、きちんと考えていただきたいと思いますし、本来であれば、医療も課税にする、そして税率をゼロにするということにすれば、病気の人から税金を取ることなく、地域の医療も守られる、そういうふうに思うんですけれども、財務大臣、今後の御見解はいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 これはゼロ税率とよく言われる件だと思いますけれども、この医療の課税化におきましては、ほかの国を見ましても、大体非課税ということになっておるので、これはいろいろなことを考えないかぬのだと思います。 まず、課税化することによって、患者さんの理解を得られるか。 また、保険者の負担が増加するということは同時に保険料の引き上げにつながっていくということについて、理解が得られるか。 そして、今、七割ぐらいの医療機関だと思いますけれども、医療機関自体は消費税の免税事業ということになっております、多くの病院ということですが。そうすると、これらの医療機関が全部課税事業者ということになるんですが、そうなると、消費税の申告等々につきましては、これは全部御自分できちんと、記帳等々、レセプトで加えて、それまで全部やらないかぬということになることについて、医療機関側は何と言われるかということになります。 加えて、記帳が全部されることが可能であるため、所得税、法人税におきます現行の診療報酬課税のいわゆる特別の見直しが必須ということになりますので、これについてどう考えられるかというのは、ちょっと一回よく伺ってみないといかぬところなんだと思っております。 もう一個大事なことは、これは記帳するときに問題があるんだと思いますが、加えて、これは多額の減収ということになりますので、そうすると、そのためには、社会保障のために必要な額を財源として確保できなくなります。その分の社会保険料を上げないかぬというようなことにもつながりかねぬと思いますので、これはいろいろ考えねばいかぬ問題が多々あるというのは、ぜひ御理解いただいておきたいと存じます。
○河野(正)委員 今おっしゃいましたように、非常に多くの問題もあると思います。医療機関の方も手続が煩雑になる。そして、政府であれば、今度は窓口でいろいろ御説明、医療機関も説明していかなければいけない等々、国民に理解を求めていくということで、非常にそういう広報活動も大変だと思いますけれども、今、安倍内閣、大変な支持率をお持ちでございますので、ぜひ今こそ、しっかりとこういう議論を、どちらからも嫌がられるような議論かもしれませんけれども、今やらなければ地域医療が崩壊するというふうに思っておりますので、ぜひ今やっていただきたいなと考えております。 残り時間も少ないので、ちょっと簡単にお聞きしますけれども、先ほどからもちょっと出ておりますが、CTとかエコーとか高額なものを買った場合には別建てで検討しようかということでございますが、では、高額なものというのはそもそも幾らなのかということで、厚生労働大臣の見解をお聞かせください。
○田村国務大臣 それも含めまして、今、中央社会保険医療協議会の方で御議論をいただいておるところであります。
○河野(正)委員 百円ショップに行っても五円の消費税がかかりますので、また、高いものというのは価値観が各人違うと思いますので、難しい問題だと思いますけれども、せめて高額のものだけはしっかりと考慮していくという考えでございますでしょうか。これは麻生大臣、よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 これは正直に、担当じゃないので、何とも、河野先生、申し上げられませんけれども、少なくとも、CTスキャンとかMRIとか、いろいろ高額なもの、もっと新しいものもいろいろ出てきています。PETとかになりますともっと高いものになりますので、そういったものとレントゲンとどっちがと言われると、幾らまでが高くて幾らまでが安いのかというのは、これはなかなか決めにくいところだというのが正直な実感でありますので、これは三党で、いろいろ税調なり等々で御協議をいただけるんだとは存じますけれども、なかなか決めにくい、どこを判断基準に、分かれるところにするかというのは難しいところだなという感じがいたします。
○河野(正)委員 そうですね。非常に難しいと思いますけれども、しっかり議論をして、とにかく地域医療を守るという観点で頑張っていただきたいと思っております。 今、いわゆるアベノミクスということで、非常に景気がよさそうな雰囲気になっておりますけれども、こういったことで若干財布のひもも緩んでいるのかなと思いますが、私は、これから超高齢化社会に入ってまいりますし、いわゆる団塊の世代という方たちが病院や介護を必要とするような時代になってくると思います。 そういったときに、身近に医療機関がなくなっているかもしれない、住みなれたふるさとで安心してこれから暮らしていけないかもしれない、そういった不安を抱えたままでは、本当に財布のひもが緩んでくることはないと思います。そういった意味から、地方都市で医療機関というのは雇用の創出という面でも非常に大きな役割を果たしていると思いますので、しっかりとその辺を御検討いただきたいなと思います。 一方で、自動車など工業製品を輸出する企業は、輸出で消費税がもらえないということで、この場合、輸出免税という仕組みによりゼロ%課税が適用され、部品等の仕入れにかかった消費税から国内販売分の消費税を引いた額が還付されるということで、輸出の方が多い企業の場合、消費税を払わないばかりか、年間二千億円以上の還付を受けているという企業もあるそうでございます。そういった意味から、地域医療を守っていくためにも、医療もゼロ税率で課税するなどの抜本的な対策を今ぜひやってもらいたいと思っております。 最後に、質問時間が終わりましたので、一言だけ、麻生大臣の御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 これは、それこそ、先ほど申し上げましたように、三党で今からこの問題につきまして協議をするということをこの二月にも改めて決めておられますので、その流れ、行方を見守ってまいりたいと思っております。
○河野(正)委員 ぜひよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○山本委員長 これにて河野君の質疑は終了いたしました。 次に、宮沢隆仁君。
○宮沢(隆)委員 日本維新の会、宮沢隆仁です。よろしくお願いします。 我が党は、統治機構改革を目指す政党ですので、行政の中で重要な機能を果たす審議会について質問させていただきます。 先ほど、奥野議員の質疑を聞いていても、審議会や有識者会議の問題点が浮き彫りになっております。審議会に関する質問は官僚の皆様にとっては余り歓迎されていないようで、うちの秘書が問い合わせましたところ、どの省庁が対応するのかをめぐりまして内閣官房と総務省の間でちょっとたらい回しにされてしまったということがあります。また、各省庁で定義やあり方が異なるので個別の省庁に尋ねてほしいとも言われました。 ということで、お答えは総務大臣あるいは内閣官房長官、適宜変更していただいて結構ですので、よろしくお願いします。 まず、最初の質問です。 この審議会あるいは第三者委員会等について、政府として統一された定義やあり方というのはあるのでしょうか。よろしくお願いします。
○新藤国務大臣 審議会等というふうになっております。審議会等というのは、国家行政組織法において、「国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。」これが審議会等であります。 これはなぜ「等」かというと、例えば電気通信紛争処理委員会、これは委員会なんですが、そういう名の審議会なんです。ですので、そういうことで、「等」として法律において規定をされているということでございます。
○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。 それで、資料一をごらんになっていただきたいんですが、昭和二十三年からの審議会の数の推移をグラフにしたものです。この中で、平成十年のところに、九十と一気に激減しておりますが、これは、中央省庁等改革基本法が平成十年六月に成立しました。そこで審議会の意義等について協議した結果、その数は二百十一から九十に一気に激減したということです。そして、本年二月の段階では百二十三という数まで復活というか回復しております。 平成十一年以降、十年以上たつわけですが、審議会のこの数とあり方についての議論はされているのでしょうか。よろしくお願いします。
○新藤国務大臣 今御指摘いただきましたように、中央省庁等改革、これは橋本行革から始まりました。そして、小渕内閣で引き継ぎまして、実際に始まりましたのは森内閣のところであります。 ここにおいて、行政責任を明確にする観点から、政策について審議するものを最小限にする、そして、不服審査等を行うものについても必要性を見直すなど、こういった改革を行った結果が、今のところから若干の増減がございまして、中央省庁等の再編前が二百十三、それから再編後には百五、これが公式な見解でございます。そのころに、その提言された後に新しくできたものもありますし、また削ったものもある、こういうことで、この数が正式だとお含みおきいただきたいと思います。 そして、審議会等の整理合理化に関する基本計画、これによって指針が定められ、それに沿って、必要なものをこの審議会等として設置している、こういうことでございます。
○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。 この当時、太田大臣が、審議会は廃止してもいいんじゃないかというようなことをおっしゃったらしいんですが、この百二十三という現在の数字に関して、これは妥当であるのかどうか、何かコメントはいただけますでしょうか。
○新藤国務大臣 これは、最初に申し上げましたが、法律に定められて設置されているものであります。ですから、それぞれが機能をし、必要があるということでそれぞれの省で担当しておやりいただいているのではないか、このように思っています。 そして、共通的な整理、こういったものが必要になった場合には総務省や内閣官房で対応することになると思いますが、現時点においては、そういったものは検討はまだ行われておりません。
○宮沢(隆)委員 わかりました。 この後は、一九九九年に議会政策研究会年報四号に出ました論文で、川崎政司氏の「審議会制度の功罪と展望」という論文をもとに質問いたします。 ちょっと読みます。川崎氏の記述に、政策決定の円滑化を名目に審議会を設置するようになったが、そもそも選挙を経ない官僚は民主的な正当性を持たないことから、それを補完するために審議会を利用するようになったとも言える、現実には、議会の補完どころか、議会審議の形骸化を招き、議会制民主主義の脅威とさえなっているのではないかというような批判文がありますが、このような見解に対してどのようにお答えになるでしょうか。よろしくお願いします。
○新藤国務大臣 今、私、委員が御指摘された文献を持っておりませんので、今お話を伺った範囲のことでありますが、それぞれ審議会の設置、これは、趣旨、目的に照らして、必要な委員が、有識の方がおいでになっているわけであります。 審議会と行政のあり方というのは、それぞれ役割分担だと思います。もともと、中央省庁等の改革があったとき、そこで見直しをしようじゃないかというのは、この役割をもう一回明確にさせようということで、それぞれ行政責任というものと、それから政策についての審議というものを明確化させた結果が今になっているわけであります。 したがって、どちらか一方に委ねるものでもないし、これは形骸化してはならないものだと思っております。本来の役割分担というものをしっかり踏まえて運営されていくこと、また、我々も、行政側もそれをいろいろな御参考とさせていただきながら、我々は我々の判断をきちんとしていかなくてはいけない、こういうことだと思います。
○宮沢(隆)委員 わかりました。 ほかにも、この方は、資格要件とか人選方法についてかなり厳しい記載の仕方をされているんですが、その質問はちょっと省略しまして、ちょっと前まで国民だった者の私見として、マスコミ等で有識者会議とか審議会とかという名前がぽんぽん出てくるんですが、私の印象では、高名な有識者とか評論家と称する方々は一般的に高齢ですね。もちろん、高齢の方が悪いということではないんですが、高齢の方々だけで審議をすることとなると、新しい発想は出てこないということが容易に想像できます。そしてまた、現役世代が未来の子供たちに責任を持てるわけでもありません。 こういう時代ですので、女性や中堅、若手の専門家をできるだけ一定比率入れ、現場で働く若い世代も入れていくべきだと、私はこの問題を見ていて思いました。 また、すさまじいスピードで変化する現代社会では、縦割り行政の弊害をなくし、より柔軟かつスピーディーに行政を進めるためにも、各省庁間でばらばらである審議会の定義、メンバー選定方法、あり方をある程度統一して、統治機構の重要な機能として考え直す時期に来ているのではないかと思います。 また、国会、マスメディア、国民が審議会の答申を無批判に受け入れてきた面があり、その結果、審議会が世論を形成し、これを操作する機能を果たしているとも言えます。我々国会議員も、審議会の答申を批判精神を持って吟味し、国会としての役割を果たすべく襟を正すべきだと思いました。 では、この問題はこれだけにします。 この次は、インターネットの社会病理というテーマでお聞きします。 現在、これだけインターネットが普及すると、国家、メディア、個人ともに、情報発信と情報セキュリティーへの自覚と責任が問われる時代となっています。 このテーマも、総務省と内閣官房、両方にかかわるようですので、よろしくお願いします。 最初に、総務大臣に質問ですが、インターネット利用が人間の思考や社会に与える影響を研究していますでしょうか。ネットインフラを扱う総務省であるからこそ考えてもいいテーマだと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○新藤国務大臣 人間の思考や社会に与える影響、こういったことについてはいろいろな研究が行われております。 まず、ことしの、二十五年二月からでありますが、青少年のインターネット依存の現状に関する調査研究、こういったことをやっております。インターネットが便利なコミュニケーション手段であって、利便性が高い。一方で、携帯依存ですとかネット詐欺、こういう影の部分が出ていることも事実であります。 それから、調査しているだけではありません。こういったものに関して、総務省、文科省、民間企業が協力した枠組みもございます。これはe—ネットキャラバンといいまして、ネットの安心、安全な利用に係る啓発講座、これは学校で行ったり、それから団体が市民ホールを借りて行ったり、こういったこともやっております。 また、その調査に基づいて事例集をつくりまして、携帯依存、また、インターネット利用に伴う、発生するトラブルについての児童生徒や保護者が気をつけるべきことなど、こういったものを事例集にまとめて配布するなど、調査をしつつ、そういったいろいろな対策を講じさせていただいたというところでございます。
○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。 私が思っていたよりも手厚くやっていただいているようですが、恐らく物すごいスピードでこの問題はこれから大きくなってくると思いますので、政府も官僚の皆様もぜひスピーディーに対応していただきたいと思います。 またここでちょっと論文を紹介しますが、中央公論二〇一二年五月号で、東大情報学の西垣通教授が述べていることです。サイバーテロに関することです。昨今のサイバーテロ事件を通じてわかるのは、サイバーテロでは、公が私を介して敵国の公を攻撃できる、攻撃した公は私を隠れみのにして知らぬ存ぜぬを通すことができる、サイバー空間におけるセキュリティーの確保を、一般の自己責任として丸投げするのではなく、政府やインフラ企業が協力、連携して体系的に保障する方向を目指すべきと述べています。 恐らく、ついこの間あった、誤って、サイバー攻撃の犯人として捕まえたらそうではなかったという事件のことを言っているんだと思うんですが、私は全くそのとおりだと思うんです。自己のいわゆるこういうネット関係の管理に任せていたのでは、私、個人を介して、公、どこかの国がそこを通して攻撃するというようなことは今後恐らくたくさんあるんじゃないかと思うんですけれども、この辺の対策についてもいかがでしょうか。
○新藤国務大臣 委員の御質問、極めて私、問題意識を共有します。 しかし、それを実際にはどのように対応を打つかというのは、国においてそれぞれの分野がございます。ですから、インターネット社会をどうやって安全なものに、そしてより自由なものにしていくか、こういう努力を続ける中で、それぞれのつかさつかさがあるということを前提にいただきたいと思います。 例えばセキュリティーであれば、これは内閣官房が担当いたします。それから、ITの進展ということになればIT担当大臣がおります。我々は、セキュリティーの研究だとか通信基盤の安全性とか、こういったものは総務省でもやっています。それは一くくりにしなくていいのかというよりは、それぞれの分野できちんと研究し、チェックし、それをトータルとして国家として運営していく、こういうスタイルが必要なんだというふうに思うんです。 もう既に、インターネット人口は九千六百万人ですね。たしか十四、五年前でしたが、一千万人ちょっとのときがございました。物すごい進展なんです。しかし一方で、先ほど言いましたような影の部分や、いろいろな犯罪の部分があるわけであります。ですから、こういったものに取り組む。 基本は、インターネットは自由でなければいけない。自由がインターネットの基本だと思います。しかし一方で、そこにおいて、個人の安全、それから個人の責任、そして社会的なルール、こういうことを確立していかなくてはいけないということだと思うんです。 それぞれにさまざまやっておりますが、例えば、情報通信研究機構という法人があります。そこでは、今回、二十四年度の補正予算、これは百億使わせていただきます。これによって施設整備をして、そしてサイバーセキュリティーのリサーチセンターというものをつくりました。 これは、例えば、個人利用しているパソコンにフィッシングだとか、たちの悪いサイトに侵入しようとしたときに、そこの画面に警告が出るだとか、そして未然に犯罪に巻き込まれることを防ぐとか、こういうようなもの、これは総務省がやっているのでありますが、いろいろな仕掛けをしながらやっていくということでございまして、一つ一つさらに御質問があれば、個別にそれぞれの担当しているところでお答えさせていただけると思います。 ですから、そもそも、総務大臣の私が全てを総括して話をしていること自体が、これは今お尋ねになりましたから私が総括しておりますが、先ほど言いましたように、それぞれの分野において、それぞれきちんとして法律に基づいてやっているということでございます。 それから、先ほどの質問なんですけれども、審議会は、これは法律に基づいて行われているんです、つくられます。有識者会議は、これは大臣決定だったり本部決定だったり、それぞれの必要に応じてつくることができます。私も幾つかつくりました。全く、形式的なものをつくる意味がありません。 そして、それは、先ほどの話では、有識者が、また専門家が高齢であってと。そういう方も必要なんです。でも、完全に若い方、三十代、四十代、それから、学者ではありませんが町の中で実践している人、そういう人たちが参加して、学者とそれから有識者と民間の人間がちょうちょうはっしやっているのが今の有識者会議でありまして、これから委員もそういったところに触れられると思います。批判は出ていますけれども、私は、そういった形骸化したものというのはほとんどなくなっているし、そういうもので通用するほど今の世の中は簡単ではない、このように考えています。
○宮沢(隆)委員 よくわかりました。 ただ、一国民であったときのことを考えると、その議論の様子とか、それは見ることはできないですよね。今思ったんですけれども、そこもオープンにしていただければ、多分国民は満足するんじゃないかなと思います。真剣にやっていただいているということはよくわかりました。 それから、今はもう省庁縦割りなんて言っている時代ではないと思いますので、その連携の方をよろしくお願いします。 もう一つ、では手短にいきます。全く今度は毛色の違う話ですが、これは、地元でお話ししているときに電子機器の会社を経営している支持者から言われたんですが、有能な技術者の海外流出が日本企業の衰退の原因の一部になっているのではないか、国は何もやらないのかという指摘がありました。それでこういう質問になったわけです。 技術者の頭脳流出対策ということで、資料二と三は通産省が調べたデータを示しているんですが、まず、資料二は、情報漏えいが確実にあったと回答した企業は七%、漏えいの可能性があったとした企業は八%。右側のグラフを見ていただきますと、情報漏えい者は半分が中途退職者です。 資料三を見ていただきますと、就業規則とは別に機密保持契約をきちんと締結している企業は、左の円グラフ、役員で締結していないのは五五%、右の円グラフ、従業員では四三%が締結していません。 私の印象では、この企業のスタンスは非常に甘いと言わなければいけません。これはまさに、いわゆる障子文化の日本人らしいなという印象を得ました。本来、日本企業がこの問題を自覚して自衛すべきと思いますが、今後、経産省としてはどのような対策を講じる予定でしょうか。よろしくお願いします。
○茂木国務大臣 私は、一九八八年、ソウル・オリンピックのとき、韓国の家電メーカーの生産ラインをちょっと視察したんですけれども、とても日本に追いつけるとは思っていなかったですね。バグの出方の数とか、それから労働者に占めるエンジニアの数とか、急速に追いついてきた。そこの中には、やはり人材の流出、こういった問題もあるんだと思っております。 去年アンケート調査を行いまして、中途退職した従業員が外国ライバル企業に再就職したと回答している日本企業の割合は一割ぐらいになっています。結構多い数だなということでありまして、この調査結果も踏まえまして、今御指摘いただきましたような、退職後にライバル企業への一定期間再就職等をしないように義務づける契約、いわゆる競業避止義務契約に関するガイドライン、これをつくらせていただきました。 例えば、どういう情報が守るに足る情報かとか、どういう職種の人がそれに当たるかとか、そして、それが限定される期間等々、一つのガイドラインをつくりまして、今、企業の方にもそういった情報を提供させていただいているところであります。
○宮沢(隆)委員 緊急の対策が必要だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 これで終わります。どうもありがとうございました。
○山本委員長 これにて宮沢君の質疑は終了いたしました。 次に、中丸啓君。
○中丸委員 日本維新の会、中丸啓でございます。 きょうは、基本戦略と装備などについて、平成二十五年度の防衛省の概算要求に関する主要事項より質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、無人機に関する調査研究、いわゆるグローバルホーク、通称プレデターとか言われたりしますけれども、この高高度滞空型無人機の運用・維持・整備に係る海外調査ということで、予算として百万円が計上されておりますけれども、海外調査費用百万円でどのような調査をお考えなのか、具体的に説明をお願いいたします。
○小野寺国務大臣 我が国周辺における警戒監視体制に対して、広域における総合的な警戒監視体制のあり方に関する一環としまして、滞空型無人機に係る検討を進めております。日米間でも、共同の警戒監視活動等について、滞空型無人機に関する協力を含め、検討を行っているというところであります。 平成二十二年度以来、現地調査を行いまして、米国の海軍や空軍基地においての各種無人機の運用に関する調査というのを現地調査させていただいておりまして、平成二十五年度も、今御指摘のあった予算でさせていただきたいと思っております。 まだまだこの無人機というのは開発途上のものでありますので、引き続き現地調査を行って、米側からさまざまな情報提供を受けて、そして今後の運用等について調査をしていくということであります。
○中丸委員 内容については今御説明いただいたんだと思うんですけれども、具体的にアメリカのどこに何人で百万円か、ちょっと教えていただいてよろしいでしょうか。
○小野寺国務大臣 平成二十二年は米国のビール空軍基地、カリフォルニアです。二十三年はグアムのアンダーセン空軍基地。そして、二十四年はパタクセントリバー海軍基地、メリーランド州に行っております。 現在、米太平洋軍におけるグローバルホークを想定して、どこの調査に行くかを検討しているところであります。
○中丸委員 調査中というふうにおっしゃられました。私が調べている情報によると、ハワイに二人行って、百万円は終わりというふうに聞いております。 人命尊重の観点からも、グローバルホークの導入というのは早期に、テストも含めて始めていただきたいという意味も込めまして、この質問をさせていただきました。百万円と言わず、しっかり予算を回していただいて、前向きに取り組んでいただければというふうに思います。 引き続き、次の質問に入ります。周辺海域の情報収集、警戒監視、安全確保。 潜水艦についてなんですけれども、一隻五百三十二億円、「そうりゅう」型九番艦、二千九百トンの建造が、二十五年度の予算に計上されておりますけれども、潜水艦が「おやしお」型から「そうりゅう」型にかわりまして、スターリング機関というのが搭載されたというのが一番大きな違いだと思います。 このスターリング機関のそもそもの技術は、潜水艦は基本は国産なんですけれども、そのスターリング機関について、どこの技術かということと、メーンモーターが、今回、七千七百馬力から八千馬力に、「おやしお」型に比べて上がっているんですが、パワーアップしたことによる大きな利点があれば、あわせて教えていただければと思います。
○小野寺国務大臣 今御指摘ありましたスターリング機関、これは、充電のために浮上回数を制限できるということ、これが非常に優秀な能力ということで、スウェーデンの技術を採用させていただきました。そしてまた、今回のこの能力アップということによって、潜水艦の長期安定した水中持続力や隠密性、これが担保できるというふうに思っております。 「そうりゅう」型につきましては、御案内のとおり、水中吸音性能の向上、そしてまたX形ラダーの採用ということで大変能力が向上されていると思っておりますし、この艦船に関しては、さまざまな国が大変関心を持っているということで、我が国の防衛交流の中で常に取り上げられる艦艇だとも思っております。
○中丸委員 ありがとうございます。 ぜひ、国産というところもありますので、そういう肝になる部分の開発というのは、技本も含めてまた再度力を入れていただきたいというふうに思います。 潜水艦の勤務というのは、皆さん御存じのように、窓のない鉄の塊の中で何日も海中で過ごすという、非常に過酷な、常人の常識を超えた勤務でございます。そういった中で、中で勤務をする隊員の皆さんの居住空間の改善というのは、大型化に伴う中で参考にされているかどうかというのをお伺いします。
○小野寺国務大臣 潜水艦隊の場合、基本的には、さまざまな極秘事項がたくさんございます。そして、隊員は、任務につく場合、その任務の内容についても家族にでも秘匿をするというような、大変厳しい管理の中で活動しております。 また、艦内、これは空調を含めてさまざまな住環境の努力はしておりますが、いかんせん潜水艦ということでありますので、例えばにおいの問題も含めて大変苦労されているということを聞いております。 新しい型式になるということで、私ども、完全ではありませんが、少しでも住環境の改善、これは心がけているつもりでございます。
○中丸委員 今、御答弁いただいたんですけれども、実際に現場で俗に言う潜水艦乗りの皆さんで、過去の「おやしお」型から、その昔から乗られている方の御意見をお伺いすれば、居住空間はスターリングエンジンに伴って逆に減っています。士官室の面積も減っています。 実際、開発に当たって、設計に当たって、現場の聞き取りは行っていただいているんですけれども、やはり海自の潜水艦乗りというのは軍人の魂を持たれている方でございますので、自分たちのそういった空間が減るということに対してなかなか、本音と建前がやはりありますので、その辺の酌み取りというものを、ぜひとも、表面的なレポートではなくて、内部のところまで聞いていただきたいというふうに思います。
○小野寺国務大臣 大変心のこもった御指摘だと思っております。 早速、艦隊司令を含め、今御指摘があったことを改めて確認させていただき、そしてまた、これからまた後続型の艦船が開発されると思いますので、その中で少しでも生かせるように努力をしていきたい、そう思っております。
○中丸委員 しつこいようですが、潜水艦についてもう一問だけお伺いします。 潜水艦が大型化になれば、潜航深度というものの限界が変わってくるんです。従来の型に比べて作戦行動に大きな影響がやはり出ているんですけれども、日本の潜水艦、我が国の潜水艦の場合は哨戒活動がメーンになるんですが、それについての問題点というのは特別ございませんか。(小野寺国務大臣「もう一度、質問の最後」と呼ぶ) 要は、潜水艦が大きくなると潜航深度が浅いところで潜れなくなるということは、これまでの哨戒活動に比べて範囲が変わってくるわけです。そこの部分について、今のスターリングエンジンの大型化、「そうりゅう」型を導入するに当たっての問題点がないかどうか、御質問させていただきます。
○小野寺国務大臣 委員は大変お詳しいので。 実は、潜航深度を含め、防衛機密に当たっていますので、なかなか詳細をお話しすることはできませんが、任務に支障がないように、そこは十分検討した上で今後とも対応していきたいと思います。
○中丸委員 ありがとうございました。海自の隊員の方も、今のお言葉で勇気が出たと思います。 次に、国防の基本的な考え方について質問したいと思います。 今、新しい大綱を作成中ということでございますけれども、平成二十二年十二月策定の防衛大綱によってもなんですが、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報収集能力に支えられた動的防衛力を構築するということが載っていまして、今策定中の中にも動的防衛力というのは主眼として出てくると思うんですけれども、この動的防衛力の基本理念及び定義について、簡単で構いませんので、御説明をお願いします。
○小野寺国務大臣 御指摘がありました、従前の防衛力の考え方というのは、防衛力の存在自体の抑制効果を重視するという基盤的防衛力構想というのが中心でありましたが、二二大綱から、運用を重視した動的防衛力、これが中心ということで、むしろ積極的に部隊が動きながら、警戒監視を含めて防衛力を充実させていく、そのような考え方に変わったんだというふうに理解をしております。
○中丸委員 ありがとうございます。 続きまして、先ほどからもその言葉が出ていました専守防衛についてちょっとお伺いしたいんですが、一言で簡潔に国民に伝えていただくとすれば、専守防衛とはどのような考え方でしょうか。お願いします。
○小野寺国務大臣 専守防衛といいますのは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限定するなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、これが我が国の防衛の基本的な方針ということになります。
○中丸委員 ありがとうございます。 専守防衛、字で書くと、専ら守る防衛という書き方をするんですけれども、簡単に言えば、領土、領空、領海、何らかの手を出されれば行うという考えであれば、言い方を変えれば、本土決戦にならないと防衛ができないという危険性も非常にあるという解釈もできるという専門家の方もおられます。 専守防衛という考え方自体のもう少し拡大解釈というか、本当に国民の生命財産を守るというところを、例えば今の北朝鮮のミサイルの問題にしてもしかりですけれども、現状のイージス艦の迎撃能力それからPAC3等々だけでは、やはり飛んでくるミサイルの数によって限界があるということは紛れもない事実だと思いますので、そもそも論のところをもう一度見直す必要が私はあると思います。 さっき大臣がおっしゃられた最低限の抑止力というのは、前回、安全委員会でも少し質問させていただきましたけれども、最低限というのはのび太とスネ夫のけんかだと私は前回も申し上げたんですけれども、やはり抑止力というのはジャイアンクラスというのを相手の兵器も含めて考えていく必要があるというふうに思っていますので、ぜひとも、なめられずに、手を出せない環境づくりというのを前提に抑止力を考えていただきたいと思います。 質問をかえまして、私の父と祖母は広島で原爆に遭いまして、被爆者でございます。私、中丸啓は被爆二世でございます。私は、この地球上から核兵器というものが全てなくなることは人類共通の理想であるというふうに思っておりますけれども、現実には、中国や北朝鮮の核ミサイルに対するいわゆるアメリカの核の傘によって、我が国はもちろん、お隣の韓国も、核の抑止力の効果で守られているということは否定しがたい事実だというふうに思います。 その中で、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を整備することが我が国の基本方針であることは重々承知をしておりますが、国連の常任理事国全てが核保有国であるということもまた事実でございます。 そういった中で、近隣に中国、北朝鮮という二つの脅威を抱え、それが拡大する中、まず議論として、核武装、核保有シミュレーションというものを議論として行うことというのは、決して突拍子もない話ではないと私は考えます。我が日本維新の会の代表でもある石原慎太郎代表も、こういった声明を事あるごとにおっしゃられております。 ただ、これを実際に議論を始めたときに、近隣諸外国を含め、周りの国際世論がどのような反応をするであろうかという予測、予見があれば、外務政務官にお尋ねしたいと思います。
○城内大臣政務官 中丸先生の御質問にお答えしますが、既に四月二日の安保委員会におきまして、先生が質問しまして岸田外務大臣が御答弁したとおりでありますが、繰り返しになりますけれども、答弁させていただきます。 一般に、抑止力とは、侵略を行えば耐えがたい被害をこうむることを明白に認識させることにより、侵略を思いとどまらせるという機能を果たすものであると解されております。 御指摘のような議論自体が実際にそのような抑止力として効果を持つか否かは、その時々の国際情勢や諸外国等の受けとめ方などをもって判断する必要があり、あらかじめ一概に論ずることは困難であると考えております。また、諸外国の反応についても、各国の置かれた立場は国際情勢により変わり得るため、一般に論ずることはできないと考えております。 そして、一般論としては、国の安全保障のあり方について、それぞれの時代状況、国際情勢等を踏まえたさまざまな議論があり得ると考えられます。 他方で、このような議論においては、これまで歴代の総理大臣が繰り返し表明してきた非核三原則の原則、そして、我が国が核兵器不拡散条約の非核兵器国として負わされている義務、こうしたことも踏まえる必要があると考えております。 いずれにしましても、厳しさを増す我が国を取り巻く安全保障環境におきましては、外交力の機能強化は申すまでもなく、我が国自身の防衛力のさらなる強化にも取り組みつつ、日米安保体制のもとで核抑止力を含む米軍の抑止力を維持向上させていくことが、我が国の防衛にとって最も現実的かつ最適であると考えております。
○中丸委員 前回、安全保障委員会で岸田大臣にお答えいただいた内容とほぼイコールでございますので、今回はそれで、はい、そうですかと言うわけにいかないので、もう少し聞かせていただきます。 アメリカを含めた核の抑止力というのは当然で、私の質問は、核保有シミュレーションをやったときに諸外国がどういう反応をするか予見できますかということで、今のお答えであれば、予見できない、今じゃよくわからないというお答えだという認識でよろしいでしょうか。
○城内大臣政務官 先ほど答弁したとおり、予見できるできないということではなくて、各国によってさまざまな対応がありますし、受けとめ方がありますので、それぞれの具体的な個々の問題について答えることは差し控えさせていただきたいと思います。
○中丸委員 要は、この問題については答えられないということだというふうに理解いたします。 時間が来ましたので、最後に、今の核保有シミュレーション、そういう核武装の議論も含めまして、近隣に有事、特に朝鮮半島においてそういったものが起こり得る可能性があり、尖閣において、上陸等々、侵略、奪還作戦等々が行われる可能性がある。しかし、その任務に当たるのは、海上保安庁にしろ自衛隊の隊員の皆さんにしろ、人間でありますから、家族もあり、愛する人もいて、その中で士気を上げていくということが非常に重要になると思います。 そのためには、いざというときにやはり政治家がきちんと、責任をとるからしっかりやれと腹をくくった発言をし、そのしっかりした責任感を前面に押し出していく指示、命令を出すこと、これが非常に私は重要だと考えますので、ぜひ小野寺防衛大臣には、そういうときには腹をくくっていただきまして頑張っていただきたいということを申しまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山本委員長 これにて中丸君の質疑は終了いたしました。 次に、青柳陽一郎君。
○青柳委員 みんなの党の青柳陽一郎です。 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。二十分という貴重な時間なので、早速ですが質問に移りたいと思います。 まず、クール・ジャパンの推進、コンテンツの海外展開についてお伺いしたいと思います。経産大臣と文部科学大臣にお伺いします。 安倍総理は、施政方針演説において、日本のコンテンツやファッション、文化、伝統の強みを、世界から注目されるよう、観光立国を推進することに加え、クール・ジャパンを世界に誇るビジネスにしていきますと述べられました。また、下村大臣の所信においても、日本文化の魅力を国内外に積極的に発信し、地域の活性化やクール・ジャパンの推進にも寄与していくと述べられております。 言うまでもなく、ソフトパワーは重要な国家戦略の一つであります。私も、大いに推進していくべきという立場で質問をさせていただきたいと思います。 クール・ジャパンの推進とは、すなわち一つのビジネスモデルをつくっていこうということであると思います。 経済産業省は、平成二十五年度予算で、官民ファンド、クール・ジャパン推進機構を設立し、コンテンツの海外展開を後押しするとしています。こうした分野にいわゆるリスクマネーを供給することは確かに重要なことであると思いますが、そもそも、それよりもまず、どのようなものが、どの国に、どんなニーズがあるのかという、企業では通常行われているマーケティング戦略が重要かつ必要になってくると思いますが、私は、経済産業省や文部科学省、文化庁が、マーケティング戦略という観点で市場調査を十分に行っているのかという点については、疑問があります。 そこで、経済産業大臣、文部科学大臣の両大臣に、クール・ジャパンの推進について、どのように進められていくのか、そして、今申し上げましたマーケティング戦略の観点で徹底して市場調査を行っていく御決意があるのか、まず両大臣にお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 麻生副総理もいらっしゃるので、麻生副総理からお答えいただいた方がいいかなと思う部分もありますが、クール・ジャパンの推進は、委員おっしゃるように、ビジネスモデルをつくっていくということが極めて重要だと思っております。また、そのためには、海外の市場でどんなニーズがあるのか、そしてどういうビジネスだったら成り立つのか、こういったことを考えることは極めて重要だと思っております。 まず、現状から申し上げますと、例えば、市場全体が世界でどれくらいあるのかということでありますけれども、コンテンツであったり、食、ファッション等の市場規模は、今後、アジアを初め相当膨らんでいくだろうということで、現状、四百六十四兆円ぐらいです。これが、二〇二〇年には約二倍、九百兆円以上に広がる、こんなふうに予想されております。 問題は日本のシェアなんです。日本の海外売り上げは、市場全体の〇・五%、二・三兆円にすぎないというところであります。そして、日本が強みを持っている例えばコンテンツ、こういう分野に限定しましても、日本の市場は十二兆円あります、世界第二位。アメリカが世界第一位で、三十二兆円の市場。ところが、アメリカは一七%、海外に売っているんです。それに対して日本は五%、こういう状況でありまして、三分の一以下ということになってまいります。これは、いろいろな段階で、クール・ジャパンというのは展開していかなきゃならない。 第一段階、そういった市場の状況も把握するのと一緒に、いかに日本のいろいろなよさを知ってもらうか。ローカライズしていく、こういったことが重要であります。そして、第二段階は、具体的に物を売る、サービスを提供するということで、今度、官民ファンドをつくりまして、そちらの方にも力を入れていきたい。最終的には、そこで日本のよさに触れていただいた方が、実際に日本に来て、そういった魅力を十分に、さらに日本で深掘りをしていただく。こういう三つのステップで考えております。 第一ステップ目でいいますと、ローカライズをしていくということが極めて重要だと考えておりまして、例えば、海外でいろいろな日本の番組を放映する。日本語はどうしてもわかりませんから、吹きかえをしたりとか字幕を入れる、こういった支援もしていきたいと思っています。第二段階になりますと、番組の枠を買う、こういったこともやりますし、この出資を通じまして、実際にモールをつくったり、そこでビジネス展開する、こういったことも応援をしていきたいと思っております。 今、経済産業省の方でも、このための新しい懇談会をつくりまして、各界の専門の方に実際に入っていただいて議論をスタートしておりまして、まず、ニーズがどこにあるのか、どういったものだったらどんな売り方ができるのか、こういった検討を始めたところであります。
○下村国務大臣 委員が御指摘をされたことは本当に重要なことだと思います。 毎年秋に、私の知り合いの日本画家の方がおられまして、日展に招待を受けて、行ってまいります。六分野の中で、特に日本画とか、それから工芸、これは本当にすばらしい作品があるんですが、その中で、そこでトップの受賞をされたような作品であっても、なかなかこれをビジネス化していくのは、個人の芸術家では不可能な話であります。これがもし海外に移ったとしたら相当の価値を生むのではないかというような作品がごろごろしているのにもかかわらず、それが全く生かされていない、こういうのを毎年毎年、私自身も感じております。 そういう意味で、ぜひ、文部科学大臣になった今回の中で、御指摘のように、芸術文化立国として打ち上げようというのは、そういう視点でございます。 文化芸術は創造的な経済活動の源泉になるというふうに捉えておりますし、文部科学省では、文化振興の観点から、芸術文化の振興、伝統文化の保全、継承など、クール・ジャパンを推進するための基盤を強化するとともに、これからすぐれた日本文化を積極的に海外に発信していくことにさらに力を入れてまいりたいと思います。 クールジャパン推進会議、今政府で設置されて、日本の魅力あるコンテンツ、すぐれた芸術文化の発信力に向けた議論をされておりますが、これはまさに政府全体としてしっかり取り組んでいくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○青柳委員 ありがとうございます。 ぜひ積極的に進めていただければと思います。 そして、現在、グローバル化が進展して、ネットが普及しています。コンテンツの海外の流通はこれまでと比較して格段に広がっているという状況です。そして、それに比例することで、ライブやイベント自体の実体験価値というのがコンテンツのマネタイズ、事業収益化にとって一層重要になってきているというのが現在の状況だと思います。 例えば、フランスで開催されているジャパン・エキスポなど、日本のコンテンツを対象とするイベントが、近年、米国やシンガポールなど、各国で開催されるようになってきています。諸外国では、こうしたエキスポなどにアーティストやクリエーターが参加する場合、国が支援することが当然の状況になっています。我が国では、エキスポなどにアーティスト、クリエーターが参加すること自体に支援をしていくというのが不足していると言われております。 こうした状況を踏まえて、これも両大臣にお伺いしますが、経産省さん、文科省さんとしても、クリエーター、アーティスト自身に積極的に支援をされていくお考えはないか、ぜひお伺いしたいと思います。
○茂木国務大臣 ジャパン・エキスポ等への支援につきましては、経済産業省におきましても、平成二十三年度、事業者の着物、和食器、ダンスロボット等の出店について支援を行ってきているところであります。海外における日本ブームを創出する上では、日本の魅力を事業展開するため、海外のニーズをきちんと把握し、そのニーズを踏まえて、商品、サービスを展開していくことが必要であります。 ただ、パリに住んでいる私の友人に聞いても、このジャパン・エキスポ、どうも内輪でまとまってやっているという感じでありまして、もう少し、やはり本当に海外の人に触れてもらうということが必要なんだと思います。 同時に、例えば、同じ日本のいい商品であったりとかサービスを展開するに当たっても、若干のローカライズが必要なんだと思うんですね。そういった人たちのニーズというか、それを酌み取って、そのニーズも知っている、さらに、どう加工したらいいかよくわかっている、そういったクリエーターの存在、これは極めて私は重要だと思っておりまして、こういった問題認識のもとで、平成二十五年度の当初予算では十億円でありますが、現地市場のわかるクリエーターが地域や中小企業と連携して日本のサービス、商品をプロデュースする取り組み、これを支援することにしております。
○下村国務大臣 文部科学省では、これまで文化庁文化交流使事業、それから新進芸術家海外研修制度、さらに文化庁メディア芸術祭等、行われておりましたが、私も、文化庁メディア芸術祭、先日初めて行くまで、その存在そのものを知りませんでした。しかし、これは海外からも随分、漫画、アニメーションなどメディア芸術について応募もあり、国内でも、知る人ぞのみということでしたが、これをもっとPRしたら、相当、国内外からも応募があるのではないかというふうに思いました。その辺で、まだまだ文化庁の戦略が十二分でないということを実感しているところでもございます。 これから日本のすぐれた文化芸術の発信を強化する上で、海外からもそうですが、日本国内のアーティスト、クリエーターなどの作品発表の機会は必要だ、これからはもっと発信すべきであるというふうに考えておりまして、今後とも、国内外の日本文化紹介関連イベント等において、関連省庁とも連携協力して、一層努力してまいりたいと思います。
○青柳委員 ありがとうございます。ぜひこれも進めていただければと思います。 そしてさらに、コンテンツの輸出、日本文化の輸出というのは、こうした分野だけにとどまらず、私は、サッカーや野球、相撲、柔道、空手、ダンスなども該当すると思っています。こうしたスポーツや武道の分野も、特にアジア地域で、日本からぜひ指導に来ていただきたいという強い要望が実際に数多くあります。そして、それらはビジネスにつながる可能性というのが私は大いにあるんじゃないかなと思っています。 例えば、ASEAN諸国においては、サッカーは日本以上に人気があるんですけれども、まだワールドカップの出場経験はありません。ワールドカップの出場というのは、国民の悲願となっているわけであります。 そのアジアの地域全体から、欧州に毎年二千億円程度の放送権料というのが支払われております。こうしたお金を自国のサッカー活性化のために使っていったらどうかというのが、現在、Jリーグが主導して、アジア各国と調整して進めているという取り組みがあります。 具体的には、もともと日本も、サッカーというのは決して強いチームじゃありませんでした。それが今では、日本はワールドカップを自国に招致し、さらに出場常連国になっている。こうしたノウハウ、いかにしてこれを達成したかというノウハウを、タイやベトナム、ミャンマーのリーグと提携してサポートを行っているという取り組みがあります。 こうした取り組みは、Jリーグの放送をそれらASEAN地域の国にしてもらう放送権料というのが商売になる可能性もありますし、あるいは、各国のスター選手にJリーグに来てもらってプレーしてもらう、それによってまた放送権料が入る。あるいは、ビジット・ジャパンの観点からも、そうした選手を見に来るために日本に旅行者がふえる、日本の国際貢献の形にもなる、あるいは日本のイメージアップにもつながるという観点で、一つの参考になる取り組みだと私は思っております。 こうした取り組みを政府でも後押しして、相手国の企業や自治体、我が国の企業や自治体などと連携を深める媒介役の機能を政府が務めた方がいいのではないか、積極的にこうした取り組みを支援すべきだと考えております。 経産大臣と文科大臣、このような取り組み、スポーツや武道の海外展開について、ぜひ支援をしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
○茂木国務大臣 先ほども、三段階の取り組みの中で、海外の放送枠を買って、そこでジャパンチャンネルという形で海外で日本のコンテンツを配信する、あわせて関連商品を販売する、極めて重要だと思っております。 どういった事業というかコンテンツを配信していくか、当然、アニメであったりとか音楽もあるわけでありますけれども、かつては「おしん」だったんですね。そして今はAKBとなでしこですから、やはりJリーグ、これも私は一つの非常に魅力あるコンテンツだ、そんなふうに思っています。 さらに申し上げると、今、日本企業のたくみのわざというか、技術力を競っているような番組があるんです。「ほこ×たて」というんですけれども、絶対に穴をあけるドリルと絶対にあかない鉄板とか、どんなものでも切っちゃうカッターと絶対切れないロックとか、やっているんですよ。 そういった中で、やはり日本のたくみのわざというか技術力はすごいんだな、こういったことを私は発信していけばいいと思っております。 「おしん」は、かつてやりました。これからは、AKB、さらにはなでしこ、Jリーグ、しっかり頑張っていきたいと思います。
○下村国務大臣 御指摘のように、スポーツ基本法前文にも、スポーツは、国民経済の発展に寄与するとともに、国際相互理解を促進し、我が国の国際的地位の向上にも重要な役割を果たすものであり、スポーツの海外展開は大変重要であると認識しております。 文部科学省としても、外国政府との間で交流強化のための覚書を締結するなど、スポーツの海外展開に係る環境整備を図るとともに、スポーツ団体の取り組みへの支援として、財団法人日本武道館が行う日本武道代表団の海外派遣事業等への支援を実施しております。さらに、日本スポーツ振興センターにおいて情報・国際部を新設するなど、戦略的な海外展開のための取り組みを行っているところでございます。 スポーツの海外展開に当たっては、海外のニーズを踏まえつつ、日本のスポーツの魅力を効果的に発信していくことが重要と考えております。 昨年三月に策定したスポーツ基本計画でも、スポーツを通じて我が国の貢献度や存在感を高めることを目標の一つとしており、今後ともスポーツの海外展開を進めてまいりたいと考えております。
○青柳委員 ありがとうございます。 広い意味で、コンテンツをどんどん海外に持っていっていただいて、日本のソフト面でのプレゼンスを上げていっていただきたい。そのためには、経産大臣と文科大臣の政治のリーダーシップで、広い視野でぜひ役所の意識改革をしていただいて、マーケティングを行った上で、ぜひビジネスとしても成功していただきたいと思います。そして、世界に冠たるソフトパワー国家になることを御期待申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○山本委員長 これにて青柳君の質疑は終了いたしました。 次に、小池政就君。
○小池(政)委員 みんなの党、新人の小池政就です。 いつもは財務金融委員会で麻生大臣に鍛えていただいておりますが、きょうはちょっと近いので緊張していますけれども、きょうは、主に茂木経済産業大臣に質問をさせていただきたいと思います。 茂木大臣は、実は、私が勤務しておりました総合商社、同じ会社の先輩でありまして、私は入社して四年でやめてしまったんですが、ただ、大臣も三年でやめられたということで、経験は私の方がちょっと長いのでありますけれども、政治家としては大先輩に当たりますので、敬意を持って御質問させていただきたいと思います。 主にエネルギー関係についてなんですが、先週の金曜日におきましても、エネルギー、また原発に関しての集中審議が行われました。その際にも大臣が、やはり今の現状を考えたときに、主に化石燃料、天然ガス、石油等の安定した調達が大事だということをおっしゃっておりまして、私もその点は非常に共有しているところであります。 国の取り組みといたしまして、過去の石油公団の失敗から、今では独立行政法人JOGMECを中心とした取り組みが行われておりますけれども、まず、茂木大臣に手短にお答えいただきたいんですけれども、石油公団の失敗の要因についてお聞かせください。三十秒ほどでお願いいたします。
○茂木国務大臣 日本の、石油公団に限ったわけではありませんけれども、川上の分野、これはかなり長期的な資金を必要とします。やはり欧米のメジャーと比べて、その地域に対する徹底したこだわりであったりとか、いろいろな意味での国全体、オール・ジャパンとして取り組む姿勢、ここに十分でないものがあったんじゃないかな、こんなふうに考えております。
○小池(政)委員 ありがとうございます。 今の御指摘のとおり、石油公団の失敗の反省を含めて、やはり経済性、効率性、そしてそれを担保する透明性というものを確保していかなければならないと私は思っておりまして、JOGMECは、年度でいいますと、ちょうど十年たったわけでありますから、少し検証という形できょうは見させていただきたいと思います。 まず、JOGMECに関します国の資金の流れの確認をさせていただきたいと思うんですが、こちらは、石油石炭税が一旦、一般会計に入りまして、その一般会計からエネルギー特別会計に入って、その特別会計からJOGMECに入っているという認識でいいのかというのが一点になります。 また、同じように、石油石炭税、一般会計から入ってくるものなんですけれども、これは、過去、JOGMECが始まってから十年間を見てみましても、何度も増税されているんです。この増税の理由。 この二点、お聞かせください。
○高原政府参考人 まず第一点目でございますけれども、JOGMECへの支出は、エネルギーの特別会計の方からここに支出が行われております。お示しの金額については、また精査をして御報告を申し上げたいと思っております。 それから、増税の理由でございますけれども、これは、石油、石炭の関係の税制は、JOGMEC以外にもいろいろなものに使っております。備蓄でございますとか、再生可能エネルギーでございますとか、そういったいわゆる財政需要につきまして精査をしながら、関係当局と議論しながら税率などは決定いたしております。 以上でございます。
○小池(政)委員 ありがとうございます。 JOGMECへの国の支出におきましては、先週の金曜日、出資として大体四千億強あるという話がありましたが、ほかにも、国庫支出金といたしまして、運営費交付金、また国庫補助金等を含めまして、累計で八千億近くあるということであります。 また、石油石炭税の増税の理由といたしまして、今は財政面の理由ということを挙げられたんですが、そうしますと、これをちょっと見直す必要があると思います。 といいますのは、この石油石炭税が繰り入れられておりますエネルギー特別会計、こちらをごらんになっていただきたいと思います。お配りしました「エネルギー対策特別会計」、こちらには、剰余金それから不用額というものが、各年度、かなりの大きな金額で計上されております。 この不用額の最後に四兆幾らという、この括弧はとんでもない数字なんですけれども、これは原発事故の賠償責任の関係ということで、これはちょっと別の項目にも当てはまるので関係ないとしても、年々これだけの剰余金、不用額というものが出されている中で、なぜ石油石炭税、再度また増税していく必要があるのかということを指摘させていただきたいと思います。 これは、ガスやまた電気料金で国民に負担をかけながら特会にお金をためているというような構図にもなってしまいます。ぜひ、この点は見直しする必要があると思っております。 また、この石油石炭税の増税に関しましては、温暖化対策という意図もあるのではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○高原政府参考人 御指摘のとおり、温暖化対策という意味合いもあると承知いたしております。
○小池(政)委員 そこで、もう一点指摘をさせていただきますけれども、温暖化対策ということでありましたら、こちらの、今度は、石油石炭税の状況という資料をお配りしておりますけれども、CO2を石油より出さないガスの方が、より多く増税がされているんです。特に、LPガスにおきましては、この十年間で税率が二倍になってしまっています。 LPガスというのは、余り知られていないんですが、実は全世帯の半分強ぐらい普及されておりまして、かつ今でも中東から言い値で日本は輸入していますので、今、かなり高い値で推移している。これは、いつもいつも、先ほど地球温暖化対策と言いましたけれども、税率を上げられているというようなことになりまして、地球温暖化対策というその方針とは少し違うんじゃないかなということを感じております。 また、地球温暖化対策ということで、単に使用を低減する、その結果としてCO2を出さないようにするということであれば、その増税分の使途を特別に定めているわけではないと思うんですけれども、そうであれば、この特別会計に関して、石油石炭税のその部分を繰り入れるのではなくて、それは一般会計に戻すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○高原政府参考人 御指摘の税につきましては、一旦、全部一般会計に繰り入れをした上で、所要の予算として支出をさせていただいているという仕組みになっております。 以上でございます。
○小池(政)委員 ですから、そもそも特別会計に入れている意味がよくわからないということを指摘させていただいたわけであります。 とにかく、剰余金が余っている、また不用額が余っている特別会計から、このJOGMECへお金を出すということでありますので、JOGMECがどれだけ内部規律がしっかりしているということでありましても、やはり無駄遣いの温床というものが環境としてあるんだと思います。なかなか、経済性を自分たちで高めるという努力ができるような、そんな環境にないということからも、JOGMECの連結の数字を見ましても、過去、赤字が今ふえているところでありますし、また、プロジェクトカンパニーが幾つか設立されていますけれども、そのほとんどが今赤字という状況になっています。 でありますから、恐らく経済性という面で少し欠けているということも鑑みまして、今JOGMECが持っております権益が、果たして、それではこれから油価が変動していったときに、どういうリスクの対策を行っているか。それにつきましてもお聞かせいただけましょうか。
○高原政府参考人 お答え申し上げます。 まず、JOGMECにおきまして、出資でございますとか債務保証などの支援をする場合におきましては、対象プロジェクトの地質のデータでございますとか開発計画などにつきまして、資源のポテンシャルが期待される地層でございますとか、あるいは地質構造が存在するなどの地質的有望性があるといったことの見きわめでございますとか、あるいは、投資の利回りにつきまして一定以上のものを要求するなど、審査基準を満たしているかを厳格に審査いたしております。また、国のエネルギー政策との整合性につきましても必要だという観点から、経済産業大臣の同意を必要といたしております。 ただ、御指摘のとおり、出資後あるいは債務保証後に、いろいろな環境の変化というのは、これは率直に言って、ございます。その採択後も定期的に、プロジェクトの進捗状況でございますとか、あるいは財務面の評価ということを実施するために、外部の専門家を活用しながら、適切なプロジェクトの管理を行うことにいたしております。引き続き、適切なプロジェクトの管理に向けて最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○小池(政)委員 油価に対してのリスク対応というのはなされていないというような理解をさせていただきましたけれども、油価というのは、今は確かに一バレル百ドル近くで高水準でありますけれども、必ずしもその要因といいますのがこれからも続くとは限りません。イランに関する地政学の問題でありますとか、また中国の、今景気が少し下がりつつあるところに財政出動して、それに対するエネルギー需要を期待して、ある程度エネルギー価格が高くなっている。これが長続きするかもわかりませんし、二〇〇八年を例えば見てみますと、一年間で、この油価が一番高いところから一番低いところまで百ドル以上あるんですね。やはりそれだけ大きな変動に対しての対応というものがなされていないということは、実は公団が大きな借金を抱えた一つの要因でもあるんです。この点もやはりこれからの取り組みとしてしっかり含めていく必要があると思っております。 また、経済性はやはり大事なんですけれども、ただ、資源調達という面は経済性だけでははかれないところがありまして、一方で、ほかの評価方法として、例えば技術力の向上でありますとか、また、セキュリティーの向上というものが確かに重要だと思っております。 その際に、それでは、今、日本が、特にJOGMECが取り組んでいらっしゃいます海外の石油また天然ガスの開発につきまして、自主開発比率、また、中東への石油の依存度というものはどの程度でしょうか。
○茂木国務大臣 事務方が数字を探していますが、私の記憶では、恐らく八三%だったんじゃないかなと思っております。 それで、先ほどからの御質問をお伺いしていますと、私より長い年間、商社にいらした。私の方が少ないんですけれども、私はエネルギーにいましたから、エネルギーも若干かじっております。 そういった中で、例えば、石油であったりとか天然ガスは、探鉱段階でも数十億から数百億、お金がかかります。そして、開発段階になりますと、数百億から数千億かかってくるんですよ。始めても、そのときにすぐうまくいくかどうかわからないんです。何十年もかかるプロジェクトを同時並行で進めながら、また、国際価格とかそういうものを見ても、ある程度、出る段階でもとめておいたり、いろいろな戦略をとるわけでありまして、恐らく民間のメーカーのビジネスと一緒に考えていたら、なかなか難しいと思います。 そういった中においても、自主権益をいかに確保していくかということを今考えなきゃならない。日本として、特に石油については、中東依存度が八三%ある。一方、天然ガスにつきましては、今二九%だと思います。これにつきましても、今のオーストラリアであったりとかカタール、そしてマレーシア、この依存度をまた違う地域にも広げていく。例えばシェールガスの出たアメリカであったりとか、そういう調達先の多角化を図っていく、こういった努力も常に続けていかなけりゃいけない。 そして、民間がまたそういったリスクのあるプロジェクトを進める上で、JOGMECのリスクマネーの供給能力、これは極めて重要だ、こんなふうに考えておりますし、同時に、海外の地質構造の調査、こういったこともこれからは進めていかなきゃならない。東アフリカであったり南米、そして北極圏、そういったフロンティア地域におけます地質構造調査、こういったこともしっかり進めていきたいと思っています。
○小池(政)委員 ありがとうございます。 私も、エネルギー、化学プラントというところにおりまして、その後もエネルギーを大学で教えておりましたので、民間以外の観点も持っております。 ですから、私が申し上げたいのは、やはり国として、透明性を確保した取り組みが必要だということを訴えたいのであります。 先ほどの自主開発比率につきましても、伸びていないんですよね。これまで大体、石油でいうと一五パーから二〇パー弱、天然ガスと合わせても二三%。なかなか伸びていないんですよ。 また、中東の依存度も、大臣がおっしゃったように、高どまりしている。かつ、技術力を指し示す指標としまして、JOGMECとか日本が出資しております会社がそのプロジェクトでオペレーターシップを持っているかどうか、そういうことに関しましても、大体三十件近く海外のプロジェクトがある中で、三件ぐらいしかオペレーターシップを持てていないということから、なかなか、やはり実績として今上がっていないんじゃないかということを危惧しているわけであります。その点をしっかり踏まえて、これから対応する必要があると思っております。 一般会計の石油石炭税を特別会計に入れて、その中でお金がだぶついて、使うのは独立行政法人。しかも、政府の出資一〇〇%でありますから、利益が出ても税金も払わないんですね。 経済面で国民に還元されない一方で、資源の探鉱出資という非常にリスクの高い事業を行っているわけでありますから、その点をしっかり踏まえてこれから取り組むべきだと思っております。 またもう一点、今度は電力システム改革に関して御質問させていただきます。 今般、専門委員会が二月に報告書を出されまして、本当に、その中身、またこれまでの取り組みに対しての敬意を持っているんですけれども、それに伴いまして、政府が先週の四月二日、閣議におきましてその内容を決定いたしました。 現在、与党の中でも部会を通過しまして、今週にも閣議決定されるんじゃないかということを聞いておりますけれども、確かに、この件は、時期としましては発送電分離がかなり先送りされたということを危惧はしているんですが、やはり中身が重要でありまして、その中身を二点確認させていただきたいと思います。 まず一点は、広域系統運用機関、これは広域におきまして地域をまたぐ送電網の運用の権限というのを持つんですけれども、この運用の権限というのは、これはあくまでこの機関が持つんでしょうか。例えば、この機関が行う調整を電力会社が拒否できるのか、また、結果として、結局、電力会社にこの運用等を委ねることになってしまうんじゃないか、その点についてお聞かせください。
○高原政府参考人 委員御指摘のとおり、現在、今回の国会に出させていただこうと考えております電事法は、与党の審査の途中でございますけれども、今どういう案を中心に考えているかと申しますと、広域系統運用機関は、電力会社、つまり、既存の方だけではなく新規参入などあらゆる電気事業者の方々に会員となっていただくというふうに考えております。 御指摘のあったように、非常に高度な公益性を有するために、定款でございますとかあるいは役員の選任、解任などは全て国の認可事項というふうに考えております。そういった意味で、国の強い監督権限が及ぶ認可法人の形として発足をさせたいというふうに考えております。 以上でございます。
○小池(政)委員 もう一点確認をさせていただきますけれども、この報告書の中にもありますし、また閣議決定の中にもあります、送配電部門に関して、電力会社を規制する独立規制機関をつくるとあります。これは二年後をめどに移行するということを書いてありますけれども、ただ、この閣議決定の最後にあります改革プログラムには盛り込まれていないんです。 この件に関して、なぜ同じ系統運用機関はしっかり明記して、こちらは明記されていないのか、法律案にはそのことがしっかり含められるのかということを御質問させていただきます。
○高原政府参考人 閣議決定の中に盛り込まれております新たな規制組織でございますけれども、これは、例えば全面自由化後の卸市場あるいは小売市場の監視でございますとか、あるいは託送料金の認可でございますとか、そういったものについての業務が主たるものとなっております。 したがいまして、そのタイミングでというふうに考えております。 以上でございます。
○小池(政)委員 これから法律の審査が始まりますので、私たちもしっかりその件を確認させていただきたいと思います。 最後に、済みません、麻生財務大臣に通告の質問ができませんでしたので、麻生副総理に、今のエネルギーまた電力の取り組みをお聞きして、一言、頑張るという言葉をいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○山本委員長 麻生財務大臣、手短にお願いします。
○麻生国務大臣 エネルギーは、余り多く、皆は語っておられませんけれども、これは日本の今後の経済にとって最も重要な課題であって、安定したエネルギーをいかに安価に良質に確保、維持するかというのは、日本の今後にとっても最も大事な問題だと思っておりますので、内閣としても、この問題につきましては、送配電の分離とかいうような効率という話じゃなくて、エネルギー全体として考えていかねばならぬと思っております。
○小池(政)委員 ありがとうございました。
○山本委員長 これにて小池君の質疑は終了いたしました。 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。 きょうは、八重山採択地区における教科書採択の問題について、文科大臣に質問をいたします。 石垣市、竹富町、与那国町で構成される八重山採択地区で、中学校の公民教科書をめぐって、二〇一一年度以降、同一の教科書を採択できない事態が続いています。 当時の採択地区協議会では、各教育委員会の間で十分な議論と合意を経ることなく、採択のルールやメンバーが大幅に変更されました。そのもとで、教科書名、発言者名を伏せた協議が行われ、まともな議論もなく、調査員の報告で最もマイナス点の多かった育鵬社の公民教科書が無記名の多数決で選定をされました。 このため、その後の各教育委員会の採択が分かれる結果となり、役員会による再協議によっても一致しませんでした。何とか同一の教科書を採択しようと、沖縄県教育委員会の指導助言のもとで全教育委員による協議が持たれましたが、文科省はこれを認めず、協議会の答申に基づいて同一の教科書を採択するよう指導してきました。 その後、石垣市、与那国町には国による無償給与を認める一方、竹富町には認めず、町がみずから購入し無償給与をすることまでは否定しないという対応をとってきました。ところが、安倍内閣発足のもとで、三月、義家政務官が竹富町教育委員会を訪れ、答申に基づく採択を直接求める事態になっております。 まず、大臣に基本的な事実関係を確認いたしますが、文科省はこれまで、教科書の採択権限は市町村教育委員会にあるとし、その協議の具体的な内容や方法は各市町村教育委員会の合意により決定される、このように説明をしてきました。 八重山地区で、この具体的な内容、方法に当たるのが協議会の規約であります。規約では、三市町教育委員会の採択結果が分かれ、役員会で再協議しても協議が調わなかった場合の手続を定めていましたか。
○下村国務大臣 まず、経緯についてお話を申し上げたいと思いますが、この義務教育諸学校における教科書については、無償措置法第十三条第四項に従い、同一採択地区内の市町村教育委員会は、協議して、その協議の結果に基づき、種目ごとに同一の教科書を採択しなければならない、こういうふうになっているわけでございます。 八重山採択地区においては、八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果、これは平成二十三年の八月にまとめられました無償措置法に基づく協議の結果ということでありますが、竹富町教育委員会は、中学校社会科公民分野について、協議の結果に基づいた採択を行っておらず、平成二十四年度より、国が教科書を無償給付できない状態になっているということでございます。 文部科学省としては、竹富町教育委員会に対して、無償措置法にのっとり、協議の結果に基づいて教科書の採択を行ってもらうよう、これは、前政権のときから、民主党政権のときから、平成二十三年度から指導してきたところでございます。これまで、沖縄県の教育委員会を通じて局長通知も三回ほど出しておりますが、事務的には、再三再四、県教委を通じて指導してきたところでございます。 しかしながら、平成二十五年四月からの新学期が近づいても解決が図れない今状態でございますので、三月の一日に義家政務官が竹富町を直接訪問し、無償措置法にのっとり、協議の結果に基づいて教科書の採択を行うよう指導し、沖縄県教育委員会に対しても、竹富町を適切に指導するよう指導するとともに、さらに、今月、四月三日付で、検討の経緯や違法状態の解消に向けた方策を明らかにするよう、竹富町教育委員会に文書で指導し、沖縄県教育委員会に対しても、竹富町教育委員会に対して引き続き指導するように通知しているところでございます。 これが文部科学省の姿勢でございます。
○赤嶺委員 大臣、私が今聞いたのは、採択協議会の役員会で再協議して、それでもまとまらなかった場合の手続が規約には定められていたのかどうか、このことを聞いているのであります。 規約にはどう書いてあるかといいますと、採択協議会の規約第九条五項には、「採択地区教育委員会の決定が協議会の答申内容と異なる場合は、沖縄県教育委員会の指導・助言を受け、役員会で再協議することができる。」このように書いてあります。 要するに、採択結果が分かれた場合には役員会で再協議できると規定しているだけで、それ以外の手続は定めていません。再協議してもまとまらなかった場合の手続は定めていなかったのではありませんか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 教科用図書八重山採択地区協議会の規約には、先ほど先生からお読み上げいただいたように、九条五項では、「役員会で再協議することができる。」という規定のみでございます。 役員会で再協議は繰り返しやっていただくことが必要かと存じますけれども、それ以外の規定はこの規約上は存在していないという事実でございます。
○赤嶺委員 再協議してもまとまらなかった場合の手続は定めていなかった、今確認したとおりであります。 ところが、文科省は、二〇一一年九月の通達以来、規約に従ってまとめられた結果に基づいて同一の教科書を採択するよう求めてきました。結果とは答申だ、このように説明をしてきました。 しかし、規約には、採択結果が分かれ、役員会で再協議してもまとまらなかった場合に、答申に基づいて採択するという手続は定められていません。文科省が答申に基づいて採択することを求める根拠は規約のどこにあるんですか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 八月二十三日に八重山採択地区協議会の答申が出されております。そして、八月三十一日の再協議もなされ、その結果が、無償措置法の規定による協議の結果というふうに文部科学省としても受けとめております。それに基づきまして採択を行った教育委員会につきましては、無償措置法により教科書の無償給与を行ったという形の手続をとったところでございます。 そして、竹富町につきましては、答申及び再協議の結果に従われていないということで、無償措置法の手続に沿っていないということで、無償措置はできないということを伝えたところでございます。
○赤嶺委員 採択地区協議会の規約に、答申に基づいて採択する、こういうことは書かれていませんね。いかがですか。
○布村政府参考人 この規約の九条の四項には、「採択地区教育委員会は、協議会の答申に基づき、採択すべき教科用図書を決定する。」という規定が存在してございます。
○赤嶺委員 その手続を終えた後、採択地区の教育委員会で意見が分かれた場合、役員が再協議する、そこまでしか出ていないわけですよ。だから、改めて確認しますけれども、分かれた場合に答申に基づいて採択する、文科省がそういうことを求める根拠は採択地区協議会のどこにあるんですか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 教科書の、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律に基づきまして、共同採択する地区では同一の教科書を採択しなければならないという法律上の規定が存在してございますので、それに基づいて指導しているところでございます。
○赤嶺委員 まさに無償措置法に基づいて、採択協議会もつくられ、そして規約も自分たちでつくり、そしてその規約に基づいて運営されていた。しかし、その規約を見ても、どこにも、答申に基づいて採択すると書いていないわけですよね。この点は確認できますね。
○布村政府参考人 繰り返しになりますけれども、採択地区の規約の九条四項におきまして、「採択地区教育委員会は、協議会の答申に基づき、採択すべき教科用図書を決定する。」という規定が存在するところでございまして、先ほどは無償措置法という法律上の規定で、共同採択の場合には、同一、一つ種類の教科用図書を採択するということを法律が求めているところでございます。
○赤嶺委員 私、規約をここに持ってきているんですけれども、今の布村さんの答弁はごまかしですよ。いわゆる答申に基づいて、教育委員会が答申どおり採択しなかった場合のことを先ほどから私は聞いているんですが、そこについて、やはり何も決めていないということをおっしゃっていた。それで、規約の中に答申が結果であるというのを書いていませんでしょう。だから、規約に書いていないことを文科省が指導しているということになるんですよ。 もう一点確認しますけれども、役員会で再協議できるという規定は、規約の案の段階では、再協議した結果を八重山採択地区の最終決定とする、こういう規定になっていました。しかし、採択権は各教育委員会にあるとしてこの規定は削除され、役員会で再協議できるという規定に改められました。この経緯は御存じですね。大臣、いかがですか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 教科用図書の採択が分かれた場合にどうするかというルールは、各採択地区協議会の規約の中で明確にしてほしいということは繰り返し指導をしてきているところでございます。 八重山採択地区におけるその一つ前の案の段階からどう変わったかというところまでは、今この場ではきちっとお答えできない状況でございます。
○赤嶺委員 規約の最初の案が出されて規約が決まるまでの間、採択協議会の会議録が作成されて、公表されています。また、竹富町教育委員会も、規約改正の経緯について、繰り返し文科省に、文科省の認識を聞いています。 もしかしたら、文科省は古い規約案に基づいて判断しているんじゃないか。古い規約案では、確かに、再協議した結果を八重山採択地区の最終決定とするというぐあいになっていた。しかし、それは、布村さんお認めになったように、役員会で再協議できるという規定に改められている。 会議録でこういうやりとりがあるんです。再協議した結果を八重山採択地区の最終決定とするという改正案の規定に関して、委員の一人が、「最終的な採択権の決定については、各教育委員会であり協議会の決定は、最終決定ではない。」このように発言をしております。これに対して協議会会長の玉津石垣市教育長が、「採択権は確かに教育委員会にあるので、そこは尊重したい。」「一方教科書の無償措置法では、協議会で教科書を一種に決めなければいけないことになっているので、再協議を入れていきたい。」と発言しています。 このやりとりを見ても、答申はあくまで答申で、各教育委員会の採択を拘束するものでないことが確認されていたことは明らかなんですよ。 三市町教育委員会が、答申は各教育委員会の採択を拘束するものでないことを確認していたにもかかわらず、なぜ文科省が答申に基づいて採択を行うよう求めることができるんですか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 義務教育諸学校における教科書につきましては、先ほども述べさせていただきましたけれども、無償措置法第十三条四項に従い、同一採択地区内の市町村教育委員会は、協議をして、その協議の結果に基づき種目ごとに同一の教科書を採択しなければならないという法律上の規定が存在しております。その法律に基づきまして、採択の市町村教育委員会を文部科学省として指導させていただいております。
○赤嶺委員 まさに、無償措置法は、採択地区で同一の教科書を採択しなければならないことを定めています。その具体的な方法は、無償措置法上も市町村教育委員会の協議に委ねられています。 無償措置法上、文科省が具体的な採択のまとめ方に立ち入って指導する根拠はないではないですか。ないはずですよ。
○布村政府参考人 お答えいたします。 地方教育行政の法律の四十八条に基づきまして、文部科学省としては、市町村の教育委員会を指導、助言、援助するという権限を有してございます。その指導の一環として、教科書採択につきまして、同一の教科書が採択されるよう繰り返し指導させていただいているところでございます。
○赤嶺委員 同一の教科書が採択されるよう繰り返し指導している。しかし、あなた方は、答申が採択の結果だ、こう踏み込んで、一定の方向を指し示しているわけですよ。こんなことをできる権限がどこにあるか、これを聞いているわけです。
○布村政府参考人 採択地区の教科書を協議する協議会の答申、また、規定に基づいて役員会で再協議するというルールは、この八重山地区の規約で定められておりますので、この答申及び再協議という結果を踏まえて、各構成される市町村の教育委員会がそれにのっとって、ルールにのっとって同一の教科書を採択いただく必要があるというのが法律上の要請でございますので、それを踏まえて指導をさせていただいております。
○赤嶺委員 答申は、役員会で再協議してもあくまでも答申であって、今問題にしているのは、答申と違う採択を教育委員会がやったときに、どのようにして同一の教科書にしていくかという問題であります。 文科省がその場合に言えるのは、無償措置法上の違法状態を解消してほしいということまでです。具体的な協議の方法にまで踏み込んで指導する権限は与えられていないはずです。それをやったために、石垣市、与那国町はそれを根拠に協議に応じない、同一の教科書を採択できない状態がこれまで続いてきました。文科省の責任は極めて重大。今、八重山を混乱させているのは文科省だということを厳しく指摘しておきたいと思います。 さらに重大なことは、これまで文科省は県教委に対して指導を行ってきましたが、今回、政務官が直接竹富町教育委員会に押しかけて、答申に基づいて採択を行うよう公然と求めたことです。 文科省が市町村教育委員会に対して一定の採択行為を求める権限がどこにあるか、この法的根拠を示してください。
○布村政府参考人 地方教育行政の法律の四十八条で、文部科学大臣は、市町村の教育委員会に指導、助言、援助するという根拠規定がございます。その規定に基づきまして指導をしているところでございます。
○赤嶺委員 この地教行法の四十八条は何を定めているか。一般的に、文科大臣が市町村教育委員会に対して、事務の適正な処理を図るため、指導、助言、援助を行うことができることを定めているにすぎません。その指導助言も、当然、法令に基づいたものでなければなりません。 例えば地教行法第二十三条第六号は、教科書の取り扱いについては、国ではなく市町村教育委員会の事務としており、文科省は、この規定に基づき、教科書の採択権限は市町村教育委員会にある、このように説明をしてきました。無償措置法も、この規定を前提にして、同一の教科書を採択する具体的な方法については市町村教育委員会に委ねています。 したがって、地教行法第四十八条は、文科省が市町村教育委員会に対して一定の採択行為を求める根拠にはなりません。具体的な法的根拠を示してください。
○布村政府参考人 お答えいたします。 地方教育行政の法律二十三条の六号におきましては、市町村の教育委員会が、教科書その他の教材の取り扱いに関することという規定を定めてございますけれども、これは一般法という位置づけになろうかと思います。 公立の小中学校、義務教育諸学校の教科用図書の採択においては、無償措置ということを前提として、特別の教科書採択のルールを定めてございます。それが、具体的に無償措置法の十三条の第四項でございます。 二つ以上の市町村が共同で採択をするという地区を設定した場合のときは、市町村教育委員会が協議をして種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならないということを法律上特別のルールとして明確に規定してございますので、この協議をして同一の教科書を採択するということを、文部科学省として、この十三条四項に基づき指導をさせていただいております。
○赤嶺委員 特別の定めがあったにせよ、文科省が地区採択協議会の規約を超えて一定の方向を示すことは、法的にできないはずですよ。文科省ができるのは、三市町教育委員会が同一の教科書を採択するよう、沖縄県教育委員会に指導助言することまでであります。 無償措置法に違反しているのは、竹富町だけでなく、八重山採択地区全体で同一の採択ができていない状態のことです。同一の教科書を採択する具体的な方法を決められるのは、三市町教育委員会だけです。竹富町のみに一定の採択行為を求める権限は、文科省にはありません。 今回の竹富町教育委員会に対する指導は、文科省自身が市町村教育委員会にあると説明してきた採択権を侵害するものであります。国による地方教育行政への介入であり、こういう介入は直ちにやめるべきだということを文科大臣に強く求めたいと思います。 もう一点確認をしますけれども、これまで文科省は、竹富町がみずから教科書を購入し無償給与することは、あえて法令上禁止されるものではないとの見解を示してきました。この法解釈に変更はありませんか。
○布村政府参考人 お答えいたします。 文部科学省が平成二十三年度にお示しをした無償措置の取り扱いに関する考え方は、竹富町の教育委員会が、無償措置法十三条四項の協議の結果に基づき採択しないと無償措置法の規定により国が教科用図書を無償給付できないという状況におきまして、生徒に教科書が行き渡らない、かつ、生徒及びその保護者に教科用図書の費用を負担させるという最悪の事態を避けるため、やむを得ずぎりぎりの判断をお示ししたものでございます。 その考え方に沿って対応をさせていただいたところでございます。
○赤嶺委員 つまり、文科省みずからが考え方を示したものであります。 文科省としては、竹富町がみずから教科書を購入し、教科書を無償給与すれば、児童生徒などの教育を受ける機会が妨げられたり、教育を受ける権利が侵害されることにはならない、そういう見解だということですね。
○布村政府参考人 先ほど申し上げましたのは、最悪の事態を避けるため、やむを得ずぎりぎりの判断をお示しさせていただいたものということでございますけれども、そもそもは、法律にのっとりまして、無償措置法に基づく無償給付が行われることが大原則。そのためには、採択地区協議会では同一の教科書を決定いただく必要がある。その法律に基づきまして、指導を繰り返しさせていただいております。
○赤嶺委員 もう時間が来ましたのでまとめますけれども、今度の採択、八重山採択地区協議会の会議録も全部読ませていただきました。一番足りないのは、教科書を採択する際に、教育現場の意見はシャットアウトされていることですよ。指導主事を排除する、校長を排除する。教育現場を経験した人、誰一人入っていませんよ。 実際に教科書を使い、日々悩みながら子供たちに向き合っていくことになるのは、現場の教師であります。教科書採択のプロセスを通じて、現場の意見を十分に尊重すべきことは当然であります。 また、育鵬社の公民教科書は、検定を合格したとはいえ、表紙の地図からは沖縄が切り捨てられているものです。そうした指摘が住民からも上がってきましたが、全く尊重されていません。学校現場や住民の意見を尊重するという視点に立って、この問題を考えていくべきです。 国による不当な介入をやめるよう強く求めて、質問を終わります。
○山本委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。 次回は、明九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会