国土交通委員会 第12号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2013/05/17
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官深澤淳志君、総合政策局長西脇隆俊君、土地・建設産業局長佐々木基君、都市局長川本正一郎君、道路局長前川秀和君、住宅局長井上俊之君、鉄道局長滝口敬二君、国際統括官稲葉一雄君、観光庁長官井手憲文君、外務省経済局長片上慶一君及び財務省大臣官房審議官仲浩史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。
○松原委員 おはようございます。こういった質問の機会をいただき、ありがとうございます。 きょう私が質問したいことは、これからの日本の活力、活性化という観点からは、東京がアジアの中のハブ都市として大きく成長し成功していかなければいけない、このように思っております。 かつては、私、東京都議会議員にいたころは、二十一世紀のアジア最大のハブ都市は東京だと都庁の人もみんな言っていたわけでありますが、今、どうもそうではなくて、東京のアジアにおける地位が低下している。日本の東京にアジア拠点があった大企業も、拠点を東京からほかに移していく、こういった状況が続いていたわけであります。 やはり世界のそういったパワーを持つ、経済性を持った人たちが、人、物、金含めて東京に集まるということは、これは東京のハブ化、アジアのハブとしての東京をつくるための絶対の条件だと思っておりまして、その観点から、一つは、いわゆる防災性と日影規制のアウフヘーベンについて、二つ目は、きょうは皆様に資料をお配りしておりますが、首都高の再生に関する有識者会議の提言書、この内容について御質問していきたいと思います。 まず最初に、今申し上げました防災性と日影規制の相関性に関してであります。 大都市の防災性の向上のため、緊急輸送道路の沿道の建てかえや都市再開発等によって、災害時でも通行可能な空間を確保することは極めて重要だと思いますが、この点について、今どのようになっているのか、お伺いいたします。
○川本政府参考人 お答えを申し上げます。 災害のときにも通行可能な空間というものを確保することは、住民の避難という点からも、また緊急物資の輸送という観点からも大変重要な課題であるというふうに思っております。 このため、これは道路そのものを整備するということはもちろんでございますが、委員御指摘のとおり、沿道の建物が、例えば、倒れたり燃えたりして道路における通行を妨げることがないように、沿道建築物の不燃化あるいは耐震化というものを進めていかなければならないというふうに考えております。 今国会でも御審議をお願いいたしております耐震改修促進法の改正もそういった考え方に基づくものでございまして、沿道建築物について耐震診断を義務化して耐震改修を進めていただく、そういうことのほか、不燃化につきましても、建築物の不燃化を促進する、あわせて、広場や道路等を整備するといったような事業について支援を進めていくことといたしておりまして、建てかえと改修といったことで沿道の建築物を強固にいたしまして、大都市の防災性の向上に資する取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○松原委員 周辺の日影規制等の建築規制に阻まれて、こういった建てかえ整備がほとんど進んでいないという声も一方にある中で、日影規制は住民の生活の質の向上という点で重要でありますが、逆に、三・一一で、我々は、極めて防災が重要であるということも認識をしたわけであります。 こうした二つに関して、両方とも必要であると思っておりますが、御認識をお伺いしたい。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。 日影規制は、かつて都市における土地の高度利用が進みまして、日照紛争というのが頻発したことを踏まえて設けられた規制でございます。 この内容は、地区ごとに公共団体が条例で指定をすることになっています。基本的には、いろいろな要素を公共団体が加味した上で定められているというふうに認識をしております。 ただ、三・一一の教訓ということもございましたが、時代の変化で価値観のバランスも変わると思いますので、公共団体がそれに沿って見直すということも必要だと思っております。
○松原委員 重要な発言だと思っておりまして、従来の住民運動から生まれた日影規制も重要だが、三・一一以降の防災の観点も加味して地方公共団体においては検討が進められるだろう、こういった御認識であって、極めて重要な認識だと思っております。 特に、東京は、国全体の経済の生命線であり、国策として防災の観点、今申し上げたように、人、物、金を海外からもう一回集めるという観点からすると、防災性が高い東京でなければ、防災ができていない都市であれば、海外の人、物、金はなかなか集まってまいりません。 そういった観点から、また高度化利用の観点から、こういった日影規制のあり方を含めて、新しい考え方を大胆にするべきと考えます。簡潔にお答えいただきたい。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、基本的には公共団体が地域の実情を一番よくわかっているわけでございますから、それを踏まえて決められるということでございますが、国全体の経済、海外企業の誘致、こういう国家的な見地から戦略的に整備すべきところについては、都市再生特別措置法に基づきまして、都市再生緊急地域というのを定めまして、その中で、特別地区を定めれば日影規制も緩和できる、こういう規定がございます。 こういう特別な地区については、日影規制の適用除外、容積率とか高さ制限の緩和、こういうことを必要に応じて講じられてまいりますよう、公共団体ともども取り組んでまいりたいと思います。
○松原委員 最後に、この部分に関して大臣の御所見をお伺いしますが、防災の問題、また健康的な生活を送る問題は、両立を図らなければいけない極めて重要な問題であります。大臣の御所見をお伺いいたします。
○太田国務大臣 東京といっても広いと思います。そこに、住宅を中心にして、太陽もいっぱい照って、快適に住むというべき地域もあれば、国際間の都市競争というものに対応して、容積率等も緩和し、そして都市再生ということを重点的に行っていくという地域も大事だと思っております。そういう意味では、この地域は、同じ区の中にもそういうところが分かれていくというふうに思います。 私は、そういう意味で、東京全体、また東京の中の区、そしてまた区の中においても、地域によってよくめり張りをつけて、防災ということと広い意味での健康に住んでいけるということを合わせたまちづくりということを、もう一遍、防災ということ、首都直下地震が迫っているということ、そしてまた、きのうから出ておりますが、富士山の噴火ということもあるというようなこと、そして、災害があった場合に、先ほどありました、道路自体も、左に車を寄せて鍵をそのままにして出てくださいと言っても、既に渋滞している道路というような想定のもとで考えますと、想定外のことを想定するというまちづくりというものに進んでいかなくてはならないというふうに思っています。 東京都とも、また、松原先生を初めとする東京都の、松本先生もいらっしゃいますが、東京都の議員さんともよく相談して、国際間競争に勝ち抜く、そして、東京は心配だというようなことを世界の人が思わないように、同時に、命が守れるということをあわせ持ってやるというところの都市づくりに力を注いでいくという構えが私は今大事だと思いますので、その構え自体を世界に発信するということが大事だというふうに思っています。
○松原委員 非常に、今、大臣の御認識の方向性で、さらに東京の国際競争力を増していくことは必要だろうと思っております。 その一方において、さまざまな施設の老朽化というものも叫ばれているわけでありまして、過日、柿沢議員も質問した首都高の老朽化、よくマスコミでも話題になっております。こういったことを含め、新しいあり方、東京のあり方を、逆に、こういうものをつくり直すタイミングで大きく検討するべきだと思っております。 今大臣がおっしゃった首都直下型地震への対応、そして景観の改善、そして同時に内需拡大、そして防災性に関してのきちっとした確立、こういったものは極めて重要であるというふうに考えております。 きょうは、皆様にこの首都高速の再生に関する有識者会議提言書を配っておりますので、委員の先生方もごらんをいただきたいと思うのであります。 委員の方々は、ここには、亡くなってしまいましたが、三宅先生、政治評論家でもありますが、大変に東京の未来に対して御心配をしておられました。そして、石田副座長、また岩見隆夫さんというテレビのコメンテーターでもあられますが、そして、この段階では都知事ではありませんでした猪瀬直樹さんもそのメンバーに入っておりますし、コシノジュンコさんも入っている。特にまた、民間のロータリー団体、国際ロータリー二七五〇地区というのがこの問題を非常に熱心にやっている。こういったことで、ぜひまた皆様にもごらんをいただきたいわけであります。 この提言書に書かれている、言ってみれば、これは三宅さんの遺言のような提言書にもなっていると私は思っているわけでありますが、この提言を踏まえ、首都高速の再生について取り組むことは、首都東京の活力のため、防災力の向上のために最重要課題と考えますが、まず大臣の御認識をお伺いいたします。
○太田国務大臣 極めて大事で、表紙のところはコシノジュンコさんがという、大変ぜいたくというか、すばらしい提言書の表紙になっていますが、この間、この委員会でも申し上げましたが、コシノさんは、太田さん、引き算の政治をやったらどうですか、つくる政治も大事だけれども、こういう青空が見えるというように、都心部の中にせっかくいい青空が広がっている東京都のところに高速道路があるというだけではいけないのではないかというふうに指摘をいただきました。私は全くそのとおりだというふうに思っています。 この提言書の裏のところに、一番最初に三つほど書いてありますけれども、老朽化した首都高速都心環状線は、高架橋を撤去し、地下化などを含めた再生を目指す、そして、首都直下地震等への対応、そして、民間の活力を生かして、高速道路の整備に終わらない、世界都市東京を発信する、これは明確な三つのメッセージだというふうに思っておりまして、私はこれに賛同します。 こうしたことをどう具体化していくかということで、またお力をかしていただければというふうに思います。
○松原委員 大変に前向きな御答弁だったと思っておりますが、いわゆる大深度でやろうということなんですね、特に防災上の観点から。これがこの提言の極めて重要な要素で、景観を取り戻そう、環境を取り戻そう、そして防災力を高めよう、こういったことであろうかと思っております。 次に、道路局長にお伺いいたしますが、この大深度地下のメリット、このことについてお伺いいたします。
○前川政府参考人 お答え申し上げます。 地下化をした場合に、一般論で申し上げますと、地震への対応の観点からは、橋梁と比較いたしますと、トンネル構造の周辺を囲む地盤が振動を抑制し吸収するため、地震による影響が小さくなるなど、耐震性が高くなるメリットがまず考えられます。 また、トンネル構造は、高架構造に比べまして、騒音、振動が伝わりにくい、また、自動車の排出ガスをトンネル内で集約して除去することが可能ということもございまして、景観や環境面での改善効果も期待できます。 さらに申し上げますと、用地買収の要らない大深度地下を利用した場合に、早期整備の面でも有利になる可能性がございます。 なお、一方で、地下化をした場合、閉鎖空間となりますので、安全性や防災機能の確保については、十分な配慮が必要だと考えております。
○松原委員 この提言書の中で、副大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、大変に大きな事業費が、それは今の改修だけでも膨大な事業費がかかるわけでありまして、そういった意味では、やりようによっては、知恵を使えば随分と違うことができるだろうという議論はありますが、こういったものの観点に関して、この提言書では、通行料徴収の恒久化という、受益者負担ということで財源を確保するということも提案されております。これに関してはどういった御認識をお持ちか、お伺いいたします。
○梶山副大臣 首都高速の再生に必要な費用につきましては、現在の償還計画には含まれておりませんので、財源については新たな措置が必要となってまいります。 今委員御指摘のように、この提言書の中で、委員の皆さんもお持ちですので、ページ数まで言いますと、二十六ページ、「今後の進め方」の中の4に、「必要な事業費の負担については、計画の具体像に応じて、決定すべきですが、厳しい財政状況の中では、税金に極力頼らず、料金収入を中心とした対応を検討するべき」とされているところであります。 今後の維持更新、料金制度のあり方につきましては、現在、有識者会議の提言も含め、さまざまな意見を聞きながら、寺島実郎氏に部会長をお願いしております国土幹線道路部会で幅広く検討をしているところであります。 今後、首都高速の再生について具体的な検討を進める中で、国土幹線道路部会での議論も踏まえつつ、財源確保についても検討をしてまいりたいと思っております。
○松原委員 また、この提言書の中においては、特に、ロータリークラブなどの民間組織の提案もございます。 大臣にお伺いしたいわけでありますが、先日、首都高の空中権売却についての報道がありました。首都高速の再生は都市の空間形成と一体不可分であり、民間アイデアの活用や民間資金導入の可能性について積極的に検討することも必要になるというふうなことであろうかと思います。この提言書の中にもそのようなことも書かれておりますが、このことに関する大臣の御所見をお伺いいたします。
○太田国務大臣 これからの都市再生ということで、首都高速の再生とあわせて非常に大事なことだというふうに思っておりまして、今の提言、梶山副大臣からお話がありましたが、税金に頼らず、料金収入ということも含めて検討して、対応していくんだということは、私は正しいことだと思います。 これは、民間が本当に協力していく。それには、例えば、今、いわゆるマッカーサー道路の上に虎ノ門ヒルズが建設中でありますけれども、それは道路の上にそのまま虎ノ門ヒルズが建設中であるというようなことで、道路の上の空間というものをどうするか。 そしてまた、その空間と同時に、今度は道路の横のところ、道路をそうして再生の一つの取り組みの中身とすることと同時に、横のところを再開発して、そして、そこの道路を広げたりしながら、容積率を上げていくというような、空中権という権利が日本国の中で定められているかどうかはまだ議論の余地があると思いますが、道路の上や都市の空間というものをよりよく利用して、行政としても、容積率を初めとして、そこに恩典、インセンティブを与えていって開発ができるようにということが極めて重要でございます。 先般、五月七日に経済財政諮問会議が行われて、私も、その点について、民間の活力というものを生かしていくということが大事だ、そして、道路の空中権という、私がそのときに発言したことを空中権という表現で報道した方もいらっしゃるんですが、また、どちらかというと、空間というものを民間とともに開発、利用していくことが大事だということを私は申し上げたわけなんですが、PPPを活用した高速道路の大規模改修方式が都市と高速道路の一体再生に向けた起爆剤であるという観点に立って、これを大きく推進していく必要がある、私はこのように思っております。
○松原委員 道路局長にお伺いいたしますが、都心環状線は通過交通が六〇%と言われております。東京外郭環状道路ができたときに都心環状線は除去できるのではないかという意見もあります。 このことについて、外環が完成した後であっても、都心環状線の機能は何らかの形で再構築していくという考えが必要だというふうに思っておりますし、また、提言でもされておりますが、御所見をお伺いします。
○前川政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど委員御指摘の三宅久之先生がまとめられました有識者会議の提言におきましても、都心環状線の全区間を単純に撤去するだけの案と、撤去してさらに再構築する案を比較検討しております。 確かに、都心環状線の利用交通は、中央環状線内に足を持った交通が七割となっておりまして、環状道路ネットワークが整備されたといたしましても、単純に都心環状線を撤去した場合に、都心部の一般道路などに相当の負荷がかかるという問題も生じるというふうにされております。 こうした状況を踏まえまして、有識者会議におきましては、単純に撤去する案は採用されませんで、撤去をして再構築する案の具体化に向けて検討するよう御提言をいただいたところでございます。
○松原委員 ぜひそういった方向で、この検討会は私も非常に評価しておりまして、御検討を進めていただきたいと思います。 もう一問、道路局長にお伺いします。 首都高速会社において、涌井さんを中心にし、委員長にした、いわゆる首都高の大規模更新、改修のあり方の委員会が設置され、これも首都高の老朽化対策で議論しております。 道路局長に今お伺いしたいことは、三宅座長による首都高の再生に関する有識者会議とこの涌井委員長の委員会はどんな関係にあるのか、どのように連携が進められていくのか、お伺いしたいと思います。
○前川政府参考人 お答えを申し上げます。 簡単に申し上げますと、観点が、視点が違うというふうに思っております。 三宅先生の首都高速の再生に関する有識者会議については、単に道路だけではなくて、防災、環境、また都市再生、そういった幅広い観点から議論をして、基本的な方針の提言をいただいたというふうに理解をしております。 また、涌井先生に行っていただきました大規模更新のあり方に関する委員会におきましては、道路構造物を対象にいたしまして、技術的な観点から、優先的に更新すべき箇所の構造でありますとか、施工方法でありますとか、更新費用を検討していただいたというふうに思っております。 両委員会につきましては、相互の検討状況を踏まえて提言をまとめておりますので、例えば、三宅座長の有識者会議がモデルケースとして検討を進めることを提言いたしました築地川の区間につきましては、涌井委員長の委員会においても、大規模更新の必要性が高い区間として扱われておるところでございます。
○松原委員 最後に、大臣にお伺いいたします。 首都高速の再生の実現可能性を高めるための調査、長期的な施策は、東京都と連携して行っていくことが重要だと考えております。 大変に哲学を伴った三宅座長の提言書であろうと思っております。こういった哲学を実践することが、東京都の活力や、我々がこれから百年先、百五十年先の子孫に残す大きな材料にもなっていくと思っておりまして、こういったことを含め、東京都との連携に関しての大臣の御所見をお伺いいたします。
○太田国務大臣 有識者会議の提言では、国は主導して、地方公共団体や首都高速会社と連携して、国家プロジェクトとして、計画の具体化に取り組むべきである、こういうことを言っておりまして、今、道路局長から話のありましたように、築地川区間などをモデルケースとして、再生のあり方、費用などについて検討を進めるべきだ、こういう提言をしております。 私は先ほど、賛同しますということを申し上げたわけでありまして、その意味では、東京都、そしてまた地元の区を初めとする方々、あるいはロータリーを含めた方々の意思というものをしっかり受けて、この築地川区間をモデルケースとして、東京都等の関係機関と調整しながら、具体的な検討を進めてまいりたい、このように思います。
○松原委員 どちらにしても、この東京に、一たび去ってしまった人、物、金をもう一回呼び戻すということのために、やはり国土交通省は前向きに、そして大胆に、ダイナミックに、東京をリニューアルするという形で頑張っていただきたいと思いますし、そのことが、東京が元気になることによって日本全体が元気になるということを、ともに共有認識で頑張っていきたいというふうに思っているところであります。 以上です。終わります。
○金子委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 おはようございます。 大臣、きょうはよろしくお願いします。大臣と初めての質疑でありますので、どうぞ丁寧に、積極的にお答えいただけますように、よろしくお願いいたします。 今、松原議員からは東京の再生ということでありましたが、私は、山梨という地方に住む人間として、地方の再生と防災力の強化の観点から、道路そして鉄道について御質問をしたいというふうに思います。 まず、それに先立ちまして、大臣、国土開発幹線自動車道建設会議、私、実は衆議院のメンバーの一人にもなっています。ただ、いろいろなことが私どもの政権時代にもありまして、この三年間、全くと言っていいほどというか、会議体はゼロになっています。 ただ、法律に基いてやっている会議ですから、少なくとも、このまま会議を全然しないのであれば、やはり設置法を見直すべきだとも思いますし、むしろ、今のように、都市の道路の問題、そして地方の道路の問題、日本全体がどうなのかということについては、この国土開発幹線自動車道建設会議という、有識者も含めた、いろいろな意見を闘わせながら一定の全体の方向感を出していくという会議体として、私は適切な部分だというふうに思っています。 大臣、この部分、きちっと、改正するんだったらする、しないんだったらしない、やはり白黒はっきりして、何か待たされる身としたら、国交省から何の説明にも来ていただけませんし、野党に転落するとこんなものかなというふうにも思う反面、やはりメンバーの一員としては少し歯がゆいなという感じもしますので、このいわゆる国幹会議で、これからの方向感というものはどのようにしていくかというお考えについて、まず冒頭、お尋ねをしたいというふうに思います。
○太田国務大臣 高速道路をどういうふうにこれから計画を立てて決めていくのかということで、私は昔、国幹審の委員にもなったことがありまして、今、国幹会議の委員に後藤先生なっていただいたのに、うんもすんもないというようなことであります。冷たいとかそういうことでは全くありませんで、御承知のように、国幹会議の開催がもう三年も滞っているということには、各党、民主党を初めとする、この会議についてはいろいろな御意見がありまして、現状では全く動いていないという状況だというふうに思います。 しかし、高速道路の整備計画などの決定プロセスということを考えていきますと、二十三年十二月に、高速道路のあり方検討有識者委員会におきまして、第三者意見そして地方意見の聴取、あるいは国会審議への反映を行うプロセスを重視することが必要、こういうふうに提言もございますし、新規採択時評価やあるいは計画段階評価、そうしたことで客観性そして透明性のある手続を実施するということが大事だというふうに思っています。 私としては、これをどういうふうにやるかという、国幹会議自体について、なかなか方向性が具体化されていないし、各党の調整ということも大事だというふうに思っていますが、もう少し調整に時間がかかると思いますが、何か方向性を出す機関ということで働いていただかなくちゃならぬなということは思っているということだけ御報告します。
○後藤(斎)委員 大臣、二十三年十二月の有識者委員会の報告も、もう一年半近くたっているわけですから、今大臣が最後にお答えいただいたように、なかなか進まないのにもいろいろな理由があるんですが、やはり、本当に必要であればきちっと加速をするし、議論をするし、そうでなければ違った手法をきちっととるという、要するに中途半端がいけないのかなというふうに思いますので、ぜひ、きちっとした検討結果をできるだけ早くお示しいただけるようによろしくお願いしたいと思います。 そして、実は、中部横断道というのが私の地元で今建設が加速をし、平成二十五年度の予算を全体として前年よりもほぼ倍増に近い二百三十四億円という形で、急ピッチでの道路建設工事が特に新直轄の部分では進んでいます。 これも大臣、二年前の大震災を踏まえた形で、防災機能の強化というのも地元では非常に期待をしています。あわせて、当然のことながら、地方経済の活性化やアクセスの改善ということは言うまでもありません。 ただ、中部横断道も、大臣も多分お通りになったことはあると思うんですが、新直轄といういわゆる税投入をしてやっている部分と、中日本道路株式会社がやる、二つの手法でやっています。一方は無料で、一方は有料だ、それについて別に是非を問うわけではありませんが、中日本株式会社は、平成二十九年までには供用開始をすると明確に宣言をしています。 そして、政権交代当初の部分では、当時の国交大臣は、それに合わせて平成二十九年にはきちっと供用開始を一体としてするという話をしていますが、この半年くらい、なかなかそれが、合わせてやるよということだけで、明確に平成二十九年という言葉が出てきません。 ぜひ大臣、大臣も所信の中でお触れになっているようだと思いますけれども、やはりミッシングリンクの解消ということと、そして今、今国会にも災害対策基本法制の抜本的な整備、改正というものも第二弾としてやっています。いろいろな仕組みはつくっても、それをきちっと使えるような仕組みでないといけないというのが、私ども地元だけではなく、多分、地方に住む人たちの大きな願いであり、期待であるというふうに思っています。 ぜひ大臣、この中部横断自動車道について明確に、新直轄も含めて平成二十九年までには供用開始をするということをお答えいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 群馬県には海がない、それが、太平洋に出る高速をつくりまして、まさに群馬県に海ができるということができました。長野県と山梨県、ここを望月先生がいらっしゃる静岡の清水というところに結びますと、海を持ったことになる。そして、リダンダンシーということからも極めて大事だという認識をしています。 ですから、結論的に申し上げますと、二十八年、二十九年、前後がそういうことだから、はっきりそういうことで供用できるようにしろということだと思います。そういうふうにしたいというふうに思っています。
○後藤(斎)委員 ありがとうございます。 望月議員は、道路はまだ国道しかつながっていませんけれども、川でも富士川というところでつながっておりまして、同じ期成同盟会の一員でありますが、党派は若干違っております。地元を愛する気持ちは一緒でありますので、ぜひ大臣、今おっしゃられたように、まだ大きな財源の投入が必要になります、平成二十九年度、有料道路区間も含めてきちっと開通ができるように、今お答えをいただいたような部分で、事務方も督励をしていただきながら、対応していただきたいというふうに思います。 次に、リニア中央新幹線の問題について話を進めていきたいと思います。 リニア中央新幹線は、五十年来の日本の本当に夢のプロジェクトでありました。二年前の部分からは、リニアは実際、JR東海が建設・営業主体になるということで国交大臣の指示があって、今建設が進められ、特に、実験線については、当初十八キロでしたけれども、今はかなり加速をして、近いうちには四十二・八キロという形で実験線がめどがついて、秋にはいろいろな試乗会も含めてできるというふうな話になっています。 大臣、このリニアは、今のJR東海の計画だと、来年に環境アセスがほぼ終わり、それが終われば、平成二十六年から建設を始めて、平成三十九年に営業開始をまず品川—名古屋までするという形で、これから、まだことしは平成二十五年ですから、十四年後の部分になります。 一方で、この建設主体、営業主体を決めたときの交通政策審議会の報告では、東日本大震災の部分で、やはり防災の部分というものを、特に大規模災害に備えるバイパス機能というものを非常に強調しているところであります。 一方で、このまま進んでいけば、東京オリンピックが二〇二〇年に招致をするという形で、これもあと三、四カ月の中で方向感がきちっと決まってまいります。むしろ、東京オリンピックが二〇二〇年できちっと開催ができるということであれば、今、大規模災害に備える視点というものと、東海道新幹線も今は満杯になっているという部分も含めて、やはりその工事を加速するということも、大臣、私は必要だと思うんです。 ぜひ、そういう意味での前倒しの可能性というものは、二〇二七年、今から十四年後ではなくて、その二〇二〇年、要するに七年、八年後の国家プロジェクトを二つ合わせるような時間軸にもう一度軌道修正を、私は前倒しするということが必要だと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○太田国務大臣 御指摘はよくわかります。 ただ、中央新幹線については、平成二十三年五月に、全国新幹線鉄道整備法に基づいて整備計画の決定が行われて、建設主体と営業主体としてJR東海が指名された、そして建設を指示したという経過がございます。JR東海は全額自己負担による整備を前提、こういうふうにしておりまして、今、後藤先生おっしゃったとおりの時間軸が示されている。 早くやるべきだということの要望は、あることは承知しておりますし、御趣旨はよくわかるところではありますが、建設主体であるJR東海の考え方もよく踏まえていく必要があるというふうに思っているところです。
○後藤(斎)委員 大臣、交通政策審議会の答申を踏まえて、営業主体、建設主体の指名というのは、法律に基いて大臣が行っています。そういう意味では、例えば、大臣が新たな営業主体や建設主体を追加して、加速をしろ、これは南海トラフの大地震にも備えた大きな国家目標だということであれば、そのことは法的、制度的には可能になるというふうに私は考えていますけれども、大臣でなくて結構ですから、局長、いかがですか。
○滝口政府参考人 委員御指摘のように、営業主体、建設主体は、国土交通大臣が実は指名することになっております。 今回の整備計画の決定、あるいは営業主体、建設主体への指名に当たりましては、平成二十二年三月から平成二十三年五月まで、今委員御指摘の交通政策審議会の中央新幹線小委員会という小委員会におきまして、二十回にわたり有識者の方々に幅広く御議論をいただいて今回の結論を得たものでございます。 特に建設主体につきましては、JR東海が、先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたように、自己負担で整備を行うという意思表明をしたということが一つ大きなポイントとなっておるわけでございますが、あわせて、東海道新幹線と一体的に経営されることが合理的であるということ、それからまた、JR東海につきましてはこれまで山梨実験線建設などにより培ってまいりました超電導リニアの技術を持つといったこと、こういったことが評価されまして、JR東海を営業主体、建設主体として指名することが適切であるという答申をいただいたものでございます。 そのJR東海がみずから資金を負担するといったことの中で、今回のような時間軸が設定されたものというふうに理解をいたしております。
○後藤(斎)委員 局長、よくわかっています。わかっていますが、一方で、報道によりますと、JR東海の幹部の方は、例えば実験線の区間だけ、東京オリンピックがもし二〇二〇年に実現をしたら、特別運行して試乗させてやるんだというふうなことも言っていますし、もっと一方で言えば、アメリカのワシントン—ボルティモア間、さらにニューヨークまでというような計画もあるようでありますけれども、リニアの技術を使って新しいリニアモーターカーをアメリカでということでは、これも早ければ十年後に実現みたいなことを海外ではJR東海の幹部の方が言っています。 なぜ、大臣、私は非常に不思議に思うのは、これは五十年いろいろな形で、当初宮崎から実験線が始まって、いろいろな基礎研究が始まって、山梨に本格的な実験線が来て、かなりの人的、財政的な、技術も含めて当然そうなんですが、大きな国費投入をして、当然、アメリカは別にどうこうということじゃありませんけれども、まずやはり日本の中でそれが実現するということを命題にするということが至極当然だと思うんですよね。 ですから、それは法手続的には当然瑕疵はありませんし、ただ、JR東さんにしても、一方で、リニアじゃありませんけれども、ほかの新幹線も運行しているというふうなことも含めて、要するに、別に民間の経営の部分をどうこう言うつもりは全くありませんけれども、それを全体をまとめて、国策として、やはりできるだけ早く、大規模災害にも備える意味でもということで、私は、もしJR東海だけで財政力が不十分であるとしたら、もっと早くする手法というのは、ほかに営業主体を指定、人的、資本的なものをさらに追加する。場合によったら国も財政的な支援をしながら、できるだけ早期に開通が、少なくともアメリカの部分よりもしていくというふうなことは、大臣、必要じゃありませんか。
○太田国務大臣 必要だと思います。 これまでのいわゆる新幹線を初めとするそうしたことの整備ということについて、新幹線自体も、金沢まで行ったけれどもその後が遅い、あるいは北海道でもっと早くしてほしい、長崎の方でもそういうことがある。さまざまなものの中でこの新幹線の整備というものが行われてきた。 そして、現在、リニアという、二月二十二日には日米の首脳会談でマグレブというものが具体的に提起されてという中で、日本ではもう、こう走っていますよということを見せるということはすごく大事だし、東京オリンピックの前にということで、ある部分でもということはすごく大事だというふうに思っています。 ただ、経緯がさまざまあるので、私としては、JR東海とまず話をしてみます。
○後藤(斎)委員 大臣、私は、この一週間くらいで、実は今まで知らなかったことを改めて知りました。これは多分ほとんどの議員の方も御理解いただいていないかもしれませんが、先ほどお話ししたように、今新しく四十二・八キロになります実験線についても、実は屋根が上はあいています。いわゆる高速道路のように、防護壁は横に三メートルとか四メートルとか立っているだけです。 今度JR東海から数日前に提示をされた案では、いわゆる土管、水道管みたいなものが、時速五百キロになると基本的には全てを覆わないと音が非常に問題があるというふうなことで、巨大な土管が、山梨の部分は大体六十キロくらいあると思うんですけれども、六十キロが土管になってしまうというふうなことをJR東海から指摘をされて、地元では非常に困惑をしています。 富士山が六月には正式に世界遺産に登録をされると思います。そういう中で、少なくとも今の高速道路と同じような、防護壁を横に立て上げて、上は空が見えれば、富士山は見えるんですね、それが五分なのか十分なのか別としても。でも、土管だと、大臣、何も見えないんですよ。要するに、それはコンクリートが音を遮断する力が強いということで、もしかしたら、山梨のトンネルから出て南アルプスまで直結するところは、コンクリートの土管になってしまう。 これはちょっと、景観というよりも、巨大な土管が山梨に来るということになったら、大臣、今のような計画というのはブレーキが地元的にはかかっていく可能性があるんです。 それについて、まず局長、本当に明かり区間が土管になるのかどうか、ちょっと御説明をお願いします。
○滝口政府参考人 委員御指摘のように、現在、JR東海では環境影響評価の手続を進めておりまして、この手続と並行いたしまして、地元の説明会を行っております。 その中で、騒音対策についてもあわせて御説明を申し上げておりまして、ただいま委員御指摘の、JR東海ではフードと言っておりますが、トンネル以外の区間、いわゆる地上を走る区間でございますけれども、こういったところにつきましては、高速で走るために、当然のことながら、騒音対策というのが非常に重要となるわけでございます。 これまでJR東海でいろいろ騒音対策上の措置を検討してまいりました結果、遮音性と強度、耐久性といった問題、あるいは、経済的でメンテナンスもしやすいといったことで、コンクリート製のフードといったものを実用化するという方向になっております。 具体的に、どの地域でどのようなフードにするのか、あるいは、従来型をベースとしたような防音壁にするのかということにつきましては、現在進めております環境影響評価の中で、騒音対策ということを考えながら、具体的な検討が行われることになります。 しかしながら、一方で、委員の御指摘のように、地元の自治体から、走行するリニアをもっと見たい、あるいは、お客さんにとっても外の景色が見えた方がいいんじゃないかといったような声がございます。こういった要望を踏まえながら、今後とも検討したいというふうにしております。
○後藤(斎)委員 大臣、やはりJR東海がひとりで実施主体になると、実は、中間駅の明示もあったんですが、切符売り場はなし、ほとんど人も置かないという提示がされています。待合室もない。やはり幾つかの事業体が入るとか、要するに、ベースは、一番のミニマムはJR東海、ここまでは納得。あとは地方自治体とか、いろいろなものが協力しながらやってくれよということであれば、僕はいいと思うんですよ。 ですから、今の土管の問題も、やはりJR東海だけの技術的な部分だと、これは失礼な言い方かもしれませんが、もっと幅広く、例えば大臣が別の所管をされている新しい国産ジェットの問題も、いろいろな企業体がナノ技術も含めてやっています。私は、そういう部分でのいろいろな主体の参加というものをこれからやはり考えていかないといけないと思うんです。 土管の問題も含めて、そこはきちっと研究開発をさせながら、全く、水道管みたいなものが山梨に六十キロ、それも百メートルのものが六十キロなんてことになると、私、本当に困るので、世界遺産どころではなくなるので、ぜひそこはきちっとJR東海にもお話をしてもらう、事務方にもきちっと技術研究も含めてやってもらう。少なくとも、何かいろいろな手法があると思うので、それはきちっと配慮していただきたいと思うんですけれども、最後に大臣、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 JR東海の技術力というのは世界最先端であるということで、小牧に研究所がありまして、ここは大変すぐれているものだというふうに私は承知しています。 今御指摘のそうした配慮というものは必要な配慮だと思いますので、技術的にどういうふうになるのかということについて、JR東海とも話をしたいというふうに思います。
○後藤(斎)委員 最後に、大臣、御要望だけ。 速く安全に走らせるということでは、JR東海の技術は世界で一番だと思います。ただ、それを、地元の部分とか景観や自然も含めたいろいろな部分とどう調和をとってやっていくのかということについては、新しいいろいろな知見や技術や研究成果というものがあったら取り入れて、六十キロの巨大な土管にならないように、外から見えなく、それだったら地下を通しても同じですから、というふうなことを強く要望して、また改めてうちの理事にこの質問の機会を与えていただきますので、六月までにはもう一度お話をしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○金子委員長 次に、高木陽介君。
○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。 本日は一般質疑、三十分間、時間をいただきましたので、三点、鉄道のホームドアについて、あと、首都圏の三環状道路について、もう一つは、首都直下地震と木造密集市街地の問題について質問させていただきたいと思います。 平成十二年に私ども公明党が連立政権に参画をして以来、鉄道関係においては交通バリアフリー法を制定して、特に鉄道駅のバリアフリー、エレベーター、エスカレーターがかなり設置をされる状況になってまいりました。 そういった流れの中で、今、鉄道の問題として、特に都市部は、朝のラッシュ時、また夕方のラッシュ時もそうですけれども、ホームというところがかなり危険な状況になっている。そういう中で、ホームドアというものができることによって、その危険を除去できる、こういう観点がございます。また、山手線の新大久保駅で、以前、韓国人の留学生の方が、人を助けようとして転落をして、そして亡くなられる、そういった事故もありました。 今現在、JR東日本において、山手線はホームドアを設置しようということで計画を進めておりますけれども、そのほかの鉄道駅はなかなかこれが設置されていない、こういうような状況でございますが、まず、このホームドアの設置状況についてお伺いをしたいと思います。
○滝口政府参考人 鉄道駅のホームドアの設置状況でございますが、省内に設置いたしましたホームドア整備促進等に関する検討会というものが平成二十三年八月に中間とりまとめを出しております。これを踏まえまして、現在、一日当たりの平均利用者数が十万人以上の駅について優先的に整備を促進することとしておりますが、平成二十四年九月末現在で、全国で五百三十九駅にホームドアが設置されております。なお、そのうち、利用者数が十万人以上の駅は三十四駅というふうになっております。
○高木(陽)委員 現在、五百三十九駅が設置されているということでございますが、今後の設置の計画はどのようになっているか。
○滝口政府参考人 鉄道事業者等におきまして、今後ホームドアの設置を計画しております駅数につきましては、現時点で把握しているところでは、おおよそ二百駅となっております。そのうち、利用者数が十万人以上の駅は、およそ四十駅というふうになっております。
○高木(陽)委員 今のお話をお伺いしますと、十万人以上の利用者、かなりの数ですけれども、これに優先的にホームドアを設置していこうと。その十万人以上の駅というのが二百三十五駅あるんですね。全国の駅は九千五百、そのうちの二百三十五。わずかかもしれませんけれども、まずはこれを優先的にやろうということでございますが、現在五百三十九駅設置されている中で、十万人以上の利用の駅は三十四駅。二百三十五のうち、まだ三十四ですね。今後の計画を今お伺いすると四十駅程度ですから、これを合わせますと七十四駅。二百三十五の十万人以上、まだまだ進んでいないという現状ですね。 これを何とかしていかなければいけないということなんですが、それでは、ホームから転落した事故、またはホームでの鉄道との接触事故、それはどれぐらいあるか、お伺いをしたいと思います。
○滝口政府参考人 鉄道事業者から私どもの方に報告がございます、旅客などがホームから転落して列車などと接触した人身事故の件数及びホームの上で列車などと接触した人身障害事故というものについての数でございますが、十年前の平成十四年度には合わせて百十三件でございました。残念ながら、その後増加傾向でございまして、平成二十三年度には合わせて二百九件となっております。
○高木(陽)委員 今、平成十四年度には百十三件の事故、それがふえていて、平成二十三年では二百九件の事故というお話がございました。 これは事故ですから、例えば本当に接触してけがをしただとか、そういうような形で報告を受けていると思うんですね。ところが、転落をしてしまった、たまたま電車が来ていなかったから事故にはならなかったというのは含まれていないし、またそれは把握されていないわけですね。これはかなりあると思うんですね。 そういった中で、実際問題、地下鉄等でホームドアが設置されているところは転落事故はほぼゼロになっているということを考えますと、これを設置することによってのメリット、ある意味では事故を防ぐ、逆に言えば、鉄道事故で、もし転落をして、そこに車両が来た場合には、ほとんど命を落とすというような大変な事故になります。そういうことを考えますと、このホームドアというものは、ある意味でいうと早急に設置しなければいけないということですね。 例えば、先ほど冒頭に申し上げましたバリアフリー法で、鉄道のエスカレーター、エレベーターの設置ということを見ますと、これは五千人以上の駅ということで考えてやってきたわけですね。この十数年の間に八八%、ほぼどの駅にもエレベーター、エスカレーターがあるのは当たり前だというような状況になってまいりました。それは、やはりスキームがしっかりしていたと思うんですね。 今回、ホームドアの支援のスキームの状況、そしてその課題となるとどういうものがあるか、お聞かせ願いたいと思います。
○滝口政府参考人 委員御指摘のように、ホームドアというものは非常に重要なものだろうというふうに認識をいたしております。 このため、現在の助成のスキームといたしましては、二十五年度予算におきましても、地域公共交通確保維持改善事業、また地下高速鉄道整備事業といたしまして、助成措置を講じてきておるところでございます。 さらに、ホームドアの設置が進まない理由の技術的な事情というのが幾つかございます。車両の扉の位置がばらばらである車両が利用されているホーム、あるいは、特にホーム自体が老朽化している等々で、ホームドアをつくるに当たってはこれを強化しなきゃならぬといったような問題、こういったような問題がございまして、こういったような技術的な問題にも対応するための助成措置を講じているところでございます。 一方、こういったような助成措置とともに、ホームドアの整備につきましては、国、地方自治体、鉄道事業者が連携をして取り組むことが非常に重要だろうというふうに考えているところでございます。 このため、特に地方自治体に対しまして理解を求め、具体的な支援による協力を得た上で、いわば三位一体となって取り組んでいけるかどうかというのが一つの大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
○高木(陽)委員 今、地方自治体との協力というふうにありました。 一年生の議員の方々もいらっしゃると思うんですけれども、交通バリアフリー法によりまして、鉄道駅のエレベーターやエスカレーターの設置について、国が三分の一を補助する、地方自治体が三分の一、そして鉄道事業者が三分の一をやるという、このスキームによって一気に進んだというのがありました。 これで、特に東京都などは、東京都が財政的に余裕があるということもありましたので、地方公共団体の三分の一のうち、東京都がその半分、六分の一、そして地元の区市町村が六分の一、こういうような形で進めてきたという経緯があるわけですね。 実は、きのうも鉄道局からお話をちょっとお伺いして、東京都が平成二十三年度から二十五年度まで試験的に行いまして、小田急の新宿駅、京王の新宿駅、そして東急の大井町で設置をしたんですけれども、これは東京都が動いた。地元の区も出して、六分の一、六分の一で三分の一を地方自治体が負担をするということを試験的にやり始めた。 ところが、なかなかそれが進んでいない。国の方は三分の一を出しましょう、こういう構えを示しているわけですね。国が三分の一、自治体が出さないと、鉄道事業者が三分の二を負担するとなると、防災関連等々も鉄道事業者は負担をしながら今やっておりますので、なかなか進まないというのがございますね。ここのところを今後しっかりとやっていかなければいけない。 これは、私ども公明党の場合には地方議員の方々もたくさんいて、ホームドアを何とか設置して事故を防いでいこう、こういう動きをしていただいておりますけれども、それぞれの公共団体の首長さんたち、または担当部局といろいろと話をしてみると、どうもなかなか、余り乗ってこない。 これは見えないわけですね。バリアフリーのエスカレーター、エレベーターというのは目に見えて、例えば障害者の方、高齢者の方、または妊産婦の方、そういう方々が、ああ助かった、こういうような実感を持てる。そうなると、公共団体の首長さんは、これは地元の住民、有権者の方々に、または納税者の方々にプラスになっているなと実感をするんですが、ホームドアというのは、いわゆる事故が起きてわかるんですけれども、それができたときには事故が起きないですから、見えないわけですね。ここら辺のところの意識の差というのが大きいのではないかなと思うんですね。 ここをやはり法律で規制して、三分の一を絶対出しなさいよというのはなかなか難しいところなので、ここのところはしっかりと、鉄道局を挙げて、各公共団体と連携の中でその意識を変えていく。もちろん、私たち公明党も、地方議員もいますので、そういう意識を公共団体に持ってもらえるようにしていきたいと思いますが、こういうスキームをしっかりとつくることが、先ほど申し上げたように、エスカレーター、エレベーターと同じように、加速度的に進んでいくんだろうなと。 あと、先ほど局長の方からあった車両の出入り口、これが、例えば特急だとか急行だとか、そういうような車両を使いながらやって、出口、入り口が違うと。例えば中央線なんかはそうですね。中央線は普通十両編成で、通勤、通学、普通の方々が使う。ところが、中央本線と一緒になりますので、「あずさ」ですとか「かいじ」ですとか、そうなりますと車両の前と後ろにしかドアがない、こういうところはなかなか困るわけですね。 そこで今、可動式のホームドア、いろいろと開発しておりますけれども、この開発に対しても、事業者に任せるだけではなくて、もっと国の支援をしていくような、こういう形を組みながら、そこら辺の、トータルでホームドアをやっていくことが、ある意味でいうと命を守る鉄道になるだろうなと。 一つだけ、これは例として、JR中央線というのは通勤、通学の大動脈になっている。実は私の地元は日野市でありまして、日野駅というのは、高尾までが普通の中央線といいますけれども、高尾駅までの間に、ホームが一つしかない、たった一つの駅なんですね。一つしかない。普通は、上下線、ホームが別々になっているところだってある。たった一つのホームの駅で、そこに朝、ずっと人が満杯になっているわけですね。ちょっと触れるとホームに落ちてしまう、そういうような状況が東京にも多々ある。 また、ターミナル駅である新宿、池袋、渋谷、または東京駅、品川駅等々は、相当な人数が朝夕のラッシュに来ていますので、本当に一歩間違えば大変な大事故になるということもありますので、このホームドアについては今後も、予算的な部分もあります、国の支援がどこまで、三分の一とはいえ、やはり上限がありますので、ここのところも、今後、予算編成を含めてしっかり御検討いただければと、大臣にもよろしくお願い申し上げたいと思います。 続きまして、首都圏の道路、特に三環状道路についてお伺いをしたいと思います。 三環状道路、外側から、圏央道、そして外環、今、間もなくつながる中央環状、この三環状の必要性、また効果、どのような効果があるのか、その点をまず最初にお伺いしたいと思います。
○前川政府参考人 お答えいたします。 首都圏の三環状道路について、今現在、整備を進めさせていただいておりますが、大きく効果が三つぐらいあろうかと思います。 まず、環状道路については、都心に用事のない車の流入を、迂回することによりまして、都心部の慢性的な渋滞を解消するとともに、定時性の確保や物流の効率化に寄与すると考えております。 例えば、圏央道の西側区間が整備された場合、多摩地区の八王子から横浜港までの所要時間でございますが、現在約二時間かかっておりますのが、半分以下の一時間弱になるというような効果が期待されております。 また、防災面の効果でございますが、環状道路と放射道路が網の目のネットワークを形成することによりまして、仮に今後予想されます首都直下地震のときに一部の区間が遮断をされても、ネットワーク全体で緊急輸送道路として機能するなど、災害時の首都機能を守る観点から効果があると思っております。 さらに、環状道路周辺に、物流施設でありますとか工場の立地が進んでおります。また、観光資源等へのアクセスなど、首都圏の外縁部に新たな価値を生み出しまして、首都圏の可能性を広げるという効果も期待されるなど、さまざまな効果が見込まれておると考えております。
○高木(陽)委員 今、何点かの効果についてお話がありました。高速道路をつくるとなるといろいろな批判がある中で、これだけの効果がある。 特に、道路公団民営化、さらには道路特定財源を廃止するとき、これは当時野党でありました民主党の方からもかなり厳しく言われまして、BバイCという言い方をよくされましたね。このBバイCの考えからいくと、この三環状道路はかなり効果の高い道路でありますから、早急につくらなければいけないとは思うんですけれども、現在の進捗状況をさらに加速すべきではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○前川政府参考人 三環状道路の整備状況についてお答え申し上げます。 まず、一番内側の中央環状線でございますが、現在、品川線の区間の工事を進めておりまして、平成二十六年度末には全線が開通する見込みでございます。 東京外環道でございますが、現在、八十五キロのうち三十四キロ、埼玉県区間が開通しております。現在、千葉県区間それから東京都内区間について整備を進めておりまして、整備の加速を図ってまいりたいと考えております。 一番外側の圏央道でございますが、計画延長三百キロございますが、ことしの春、三月から四月にかけまして、三区間五十八キロの供用をいたしました。これによりまして、全体の五割を超える区間が供用されることになりました。 また、今年度末、二十五年度末には、さらに相模原から東京の高尾山の間、また、茨城県の稲敷から神崎の間が開通いたします。これを加えますと、全体の約三分の二に当たります約二百キロが開通するということで、整備の進捗を図っております。 いずれの環状道路も、首都圏だけではなくて、我が国にとっても大変極めて重要な道路と考えておりますので、早期整備を目指し、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○高木(陽)委員 今、局長の方から、全力で取り組んでいきたいというお話がございました。 これは、それぞれの三環状道路、特に中央環状と外環道は、都市計画決定をされたのは昭和四十一年。事業化されたのは、中央環状は昭和四十六年で、外環が昭和六十一年。まだ昭和のときにやっているわけですね。圏央道も昭和六十一年に都市計画決定をされて、事業化したのは、これはちょっと早くて、鶴ケ島—八王子は六十年に事業化されている、こういうことを伺いました。 道路というのは、そう簡単に一年、二年でできないのは確かなんですけれども、やはり余りにも時間がかかり過ぎているなと。特に外環については、美濃部都政のときにストップされてしまった、こういう経緯もございます。 実は、大臣も中国に何度も行かれていますけれども、北京の環状、六環と言われまして、六つの環状。大体、中国は、高速道路の建設が一九八〇年代から始まりまして、特に北京オリンピックがあるということで、この環状道路を一気につくろうということで、わずか十年前後の間に六つの環状道路が一気にできてしまった。もちろん政治体制、社会体制が違いますから、中国の場合には、土地の収用は日本と全く違いますので、なかなか比較はしづらいんですけれども。 やはり都市、特に首都東京を中心にして、政治経済の中心、さらにここ最近問題となっている首都直下型地震の災害時におけるさまざまな緊急輸送道路としてのネットワーク、この環状道路があるということで全く違ってくると思うんですね。そういう部分では、その加速の仕方を、従来のさまざまな全国の道路ネットワーク、これも早急に整備しなければいけないんですが、やはりこの首都東京の道路というものはさらに加速をしていかなければいけない、このように考えておりますので、大臣初め国交省、そして政府を挙げてしっかり取り組んでいただきたい、このように要望しておきたいと思います。
○太田国務大臣 この間、四月の終わりでありましたが、東金から木更津東インターまで、これができまして、これは四十三キロだったんですね。三百キロのうち四十三キロが通りまして、これは成田の近くからずっと南の方を通って、そしてアクアラインを通って羽田が結ばれていく。それで、一番おくれているのは茨城側になりますけれども、圏央道が通りますと、成田とつくばが結ばれていくということは、主要会議なんかがそこで行われるという展開になってくる。 さらに、東北道、関越道と間もなく結ばれていきますけれども、それで、上尾やああいう近くのところに本社機能が行って、どんどん税金がそこに落ちてくるというような状況、工場が大変多く生まれてくる。 BバイCということを言われているんですが、こうしたことがなかなかそこには反映していないんですが、圏央道と外環、中央環状は間もなく通りますし、相当これは変わってきます。何とか東京オリンピックということも踏まえて、この三環状ができるだけ早くつながって、そして、首都の中に車が入るということではない、その間に料金体系もしっかり踏まえて、この東京、首都圏、これは首都圏のみならず、相当影響があると思いますので、そうした整備を急ぐように努力をしたいというふうに思っております。
○高木(陽)委員 この三環状の中で、今度は、接続をする現在の高速道路、一号線からずっと二号線、三号線、四号線とあって、多摩地域に延びている四号線から中央高速自動車、これはどこも渋滞が多いんですけれども、中央高速と四号線がつながりまして、特に朝の上りがいつも渋滞しているということで、実は先日、公明党の都議会議員の方々と、あと道路局長も一緒に現地を見させていただきました。 当初は、三鷹の料金所がカーブをしているということで、これが大きな渋滞原因かなと思っていたんですけれども、NEXCOの方々、また道路局の方々ともいろいろと現地を見ながらお話をお伺いして、特に坂がある、構造上、上り坂がある、これはどこでも上り坂のあるところだとか、トンネルの出入り口だとか、スピードが落ちまして、渋滞の起点となってしまう、こういうのがございます。 これはもう慢性的になっておりまして、朝、例えば七時台、大体十キロから、長いときには十五キロぐらいの渋滞。ゴールデンウイークですとか、年末年始ですとか、お盆の渋滞で十キロ、二十キロとよく出るんですけれども、それが毎日あるという、これはちょっと何とかしなければいけないなと思うんですが、なかなかそれを三車線、四車線に広げるというのは難しい中で、実は東名の岡崎インターのところ、これが、新東名ができて、それが合流するというところで渋滞をする、それをさらに緩和するということで、暫定三車線という考え方があって、それは効果があるというふうにちょっと伺いました。 特に、これから外環が高井戸で接続をしたときに、これは二車線でありますと、左側の走行車線は多分外環の方に抜ける道となりますので、いわゆる左折車線みたくなるわけですね。一本しか走行がなくなりますと、これはまたさらに渋滞するということで、この暫定三車線を含めて、渋滞解消の考え方はどうなのかということを伺いたいと思います。
○前川政府参考人 委員御指摘のように、中央道の高井戸インターチェンジから調布インターチェンジ間、年間、交通集中による渋滞が千百五十七回発生しております。原因は、上り坂の部分、また、合流を起点とした渋滞が多いわけでございますが、特に平日の上り線の朝、夕の通勤時間帯に集中をしている状況でございます。さらに、議員御指摘のとおり、外環道と接続した場合に、さらに交通集中による渋滞が発生するおそれがございます。 委員が御指摘いただきました、東名の岡崎地区で路肩を活用いたしまして、暫定三車線の運用でほとんど渋滞がなくなったという事例もございます。こういった事例を参考にいたしまして、路肩等を活用いたしまして、車線を上り線だけでもふやせないかといったようなことについて、そういった手法については大変有効な手法ではないかと考えております。 しかしながら、路肩の活用による車線の増設に当たりましては、構造に与える影響でありますとか、関係機関との調整等も必要でございますので、御指摘を踏まえて具体的な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○太田国務大臣 特に、高井戸インターチェンジから上野原インターチェンジ間は主要な渋滞箇所であることから、今、道路局長から説明した方向で、路肩の活用等によって車線を増設する案も含めて、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
○高木(陽)委員 今、大臣からしっかり取り組むというお言葉をいただきましたので、これは、渋滞しているときに地震が起きたらどうなるんだといつも思っておりまして、そう考えると、日常的に高速道路は渋滞させないような、特に緊急輸送道路としての防災の観点がございますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 それから、冒頭、木造密集市街地についても質問すると言いましたけれども、時間が参りましたので、また次の機会にこの問題も取り上げさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、命を守るということが一番政治にとって大切で、ホームドアの問題も、またこの高速道路も、最終的には命を守る大きな働きになるということをしっかりと、これは国土交通省は認識をしておりますし、大臣もそれを先頭に立ってやっていただいておりますけれども、まず私たち国会議員もそういう観点を持って、ただ単に批判をするだけではなくて、メリット、デメリットをしっかりと認識した上で、必要なものはしっかりとつくり、改修し、そして進めていく、こういうことをやっていかなければいけないのではないか。 このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○金子委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。きょうは質問の機会をいただきました。お世話になります。 きょうは、一部投資家による鉄道会社に対する株式の買い増し、これに伴うリストラ提案の問題について質問をいたします。 三月の十一日、西武鉄道を子会社とする西武ホールディングスの筆頭株主、米投資会社サーベラス・グループは、株式公開買い付け、TOBで、西武ホールディングスの株式を三二・四%から最大三六・四四%まで買い増すと発表しました。さらに、四月五日、最大四四・六七%まで買い増すなど、TOB条件の変更を発表しました。本日五月十七日がその期限でしたが、昨日、これを今月三十一日まで延長するということを発表しております。 西武ホールディングスが公表したところによりますと、サーベラスは、西武ホールディングスに対し、都市交通・沿線事業において、少なくとも一千四十五名中八十名の駅員削減を提案する。八%に相当します。不要路線として、西武秩父線、国分寺線、多摩川線、山口線、多摩湖線を列挙しております。埼玉西武ライオンズは、売却の選択肢としております。その他、特急料金の二五%の値上げの提案などもあると聞いております。 資料をお配りしました。この一枚目にあるとおり、路線存続を求める西武鉄道沿線自治体及び地方議会の取り組みが広がっております。西武ホールディングスの筆頭株主サーベラスによるこのようなリストラ提案に対し、廃止提案がされた路線の沿線十七自治体全てが、こぞって反対であります。西武ホールディングスあるいは国に対して、要望書を提出しております。また、埼玉県市長会、埼玉県町村会、あるいは十七市が参加をする東京都北多摩議長連絡協議会や、埼玉県秩父郡市の一市四町議会なども同様であります。西武鉄道沿線全ての自治体あるいは地方議会から、路線存続の要望が出ています。ここには、背景に住民の怒りがあるわけであります。 そこで、太田大臣にお尋ねをいたします。 このように、路線廃止問題について、沿線自治体と住民から、こぞって反対の声が上がっています。このことをどのように受けとめ、対応しておられるのか、お尋ねします。
○太田国務大臣 現在、サーベラス・グループによります西武ホールディングスの株式公開買い付け、TOBが行われて、今委員指摘のとおり、昨日は延長ということを言っております。この中で、鉄道路線の取り扱いを含めまして、両社からさまざまな意見表明が行われており、また、文書等でも自治体とのやりとりがあったりしていることは承知しております。 両社の意見表明において言及されている鉄道路線は、通勤通学を初めとして、沿線地域にとって非常に重要な路線であるということを、私自身、認識しているところでございます。 西武ホールディングスは、このように、傘下に西武鉄道という公共性の高い事業主体を有しているところです。このため、安全で安定的かつ良質な鉄道輸送サービスの確保という観点から、今後の動向を注視してまいりたいと思っております。
○塩川委員 今の大臣の御答弁にありましたように、廃止が提案された路線は、沿線地域にとって極めて重要な路線であると認識をされている、大変重要な指摘だと思います。安全で安定的な、かつ良質な鉄道輸送サービスの確保という観点から、今後の動向を注視していくということです。この点について、路線廃止反対という沿線住民と自治体の要望に正面から応えていただきたい。 鉄道会社は、公共性、公益性を持つ事業体であります。一部投資家による株主利益第一の要求によって、路線廃止など、沿線住民の利便性を後退させるようなことがあってはなりません。 そこで、投資に係る規制について質問します。 外為法は、外国投資家に対し、鉄道業など一部業種に対して、対内直接投資に対する規制を行っております。 財務省にお尋ねいたしますが、外為法に基づき、鉄道業への対内直接投資について、外国投資家に対し、どのような規制を課しているのか、お尋ねします。
○仲政府参考人 外為法では、国の安全や公の秩序などに係る業種に対する対内直接投資等を行おうとする外国投資家に対しまして、財務大臣及び事業所管大臣に対する事前届け出義務を課しております。 鉄道業ですが、こちらは公の秩序に係る業種でありまして、外国投資家が当該会社の株式を取得する場合は、財務大臣及び国土交通大臣に対する事前届け出を行う義務がございます。
○塩川委員 公の秩序の維持に係る業種である鉄道業に関して、外国投資家に対し、財務大臣及び事業所管大臣、この場合ですと国交大臣に対する事前届け出義務を課しております。 国土交通省にお尋ねしますが、財務大臣及び国交大臣は、事前届け出案件について審査を行い、鉄道業に関して、公の秩序等の基準に照らして問題があれば、投資計画の変更または中止を求めることができると思いますが、その点を確認させてください。
○滝口政府参考人 ただいま財務省の方から答弁がございましたように、外為法二十七条一項に基づきまして、外国投資家は、鉄道業に係る対内直接投資等を行う場合には、財務大臣及び事業所管大臣である国土交通大臣に対して事前の届け出を行わなければならないということになっております。 鉄道業につきましては、この外為法の二十七条の五項でございますが、財務大臣及び事業所管大臣である国土交通大臣は、当該届け出に係る対内直接投資が国の安全等に係る対内直接投資に該当すると認めるときは、一定の手続を経て、当該取引の変更または中止を勧告することができるというふうになっております。 さらに、同じく二十七条の第十項でございます。両大臣は、一定の要件のもとで、当該対内直接投資等に係る内容の変更または中止を命ずることができるというふうにされているところでございます。
○塩川委員 今御答弁いただきましたように、公の秩序等の基準に照らして問題があれば投資計画の変更または中止を求めることができる、勧告、中止、こういうことができるということであります。 財務省にお尋ねしますが、今回の案件でありますサーベラス・グループ、これは外国投資家に該当するのか、また、西武ホールディングスは鉄道業に該当するのか、この点を確認したいと思います。
○仲政府参考人 お答え申し上げます。 サーベラス・グループに属する公開買い付け者でありますエス・エイチ・ジャパン・エルピーは、外国法令に基づいて設立された法人であるということですので、外為法に規定する外国投資家に該当いたします。 また、西武ホールディングスの子会社であります西武鉄道株式会社、こちらが鉄道業を営んでいるということですから、西武ホールディングスの株式を取得する場合には、外為法の事前届け出義務の対象となります。
○塩川委員 サーベラス・グループの買い付けの担当はケイマン籍ですから、外国投資家であり、また、西武ホールディングスは、傘下に西武鉄道を保有しているということで、鉄道業に該当するということであります。 重ねて財務省にお尋ねしますが、サーベラスが非上場企業である西武ホールディングスの株式を買い増しすることは事前届け出義務の対象となりますか。
○仲政府参考人 お答え申し上げます。 サーベラス・グループに属する外国投資家でありますエス・エイチ・ジャパン・エルピーが、非上場企業である西武ホールディングスの株式を取得する場合には、外為法の事前届け出義務の対象となります。
○塩川委員 今回のサーベラス・グループによる西武ホールディングス株式のTOBは、外為法に基づく外資による国内企業の株式取得規制の対象となります。鉄道業における公の秩序の維持を妨げるおそれのある株式の買い増しについては、財務大臣及び国交大臣は、その買い増しについて中止を求めることができます。 大臣が先ほども認めました、廃止が提案された路線というのは沿線地域にとって極めて重要な路線である、また、安全で安定的な、かつ良質な鉄道輸送サービスの確保という観点から今後の動向を注視していくということでいえば、今回のTOBというのは、公の秩序の維持を妨げるおそれのある株式の買い増しに当たる疑いがあると考えます。 大臣にお尋ねしますが、今回のサーベラスによる西武ホールディングス株式のTOBに関して、国交省としてどのような審査を行ったんですか。
○滝口政府参考人 外為法に基づく届け出につきましては、個別の内容についてお答えをすることはできません。 いずれにせよ、個別の届け出のあったものにつきましては、外為法に基づいて適切に対応することになります。
○塩川委員 基本姿勢をお聞きしているわけです。 大臣にお聞きしますけれども、こういったサーベラス・グループによる路線の廃止の提案などという、地域の住民の、まさに公共性、公益性にかかわるような重大な提案を伴う株式の買い増しがまさに問題となっているわけですから、そういう観点で、事業所管大臣である国交大臣として、しかるべく実態も把握をする、調査もする、対応を行う、このことが求められていると考えます。 赤字とも言えないような路線について廃止を求めるとか、駅員の大幅削減によって安全対策を後退させることをもくろむような株式の買い増し計画というのは、公の秩序の維持を妨げることになるのは明らかだと言わざるを得ません。こういった問題についてしっかりと向き合って、現実の把握を行い、対策をとるということを、国交大臣としていかがされますか。大臣に聞いている、大臣に。もう一回答えたからいいじゃないですか。大臣、お願いします。
○太田国務大臣 先ほど御説明したように、基本的な考え方は外為法に書いてあるとおりでございます。 そして、私が冒頭答えましたように、この案件ということの両社の意見表明においては、さまざまな意見表明がなされているということも事実でございます。 また、今御答弁をさせていただきましたが、外為法に基づく届け出はさまざまな意見表明が行われているという状況にもございまして、個別の内容についてお答えすることはできないというのが原則でございます。
○塩川委員 現在、実際に買い増しの提案も行われて、期限が一回は昨日ということで切られていたという経緯を考えれば、既に事前届け出はされていて、審査が行われているわけであります。ですから、そういった中身について当然のことながら御承知であるはずのものであって、そういう点で、今回のような事態が進んでいるというところに、国交省として、本当にこういった西武鉄道沿線住民の怒りの声に応える対応となっているのか、このことが厳しく問われてくるんじゃないでしょうか。 今回のような、公の秩序の維持を妨げるようなリストラ提案に対して、政府はストップをかける権限も持っているわけで、それにもかかわらず、このようなリストラ提案を容認するようなことがあれば、政府の責任、まさに政府自身にその責任が問われることになる。政府として適切に対応することが求められていると思いますが、いかがですか。
○滝口政府参考人 ただいま大臣が答弁された内容について、一部補足をさせていただきます。 現在、委員御指摘のようにTOBが行われている最中でございますが、TOBに関しましては、金融商品取引法に基づきまして手続がございます。その中で、関係者双方から意見表明ができる機会というものがあるわけでございますが、私どもが、この金融商品取引法に基づいて双方が一体何を言っているかということを、既に公開されている情報がございますけれども、ポイントだけ申し上げますと、西武ホールディングスサイドは、不要路線の廃止をTOBの目的としていないとしているのみであって、撤回はしていないと言っているんですが、一方、サーベラス・グループは、鉄道路線の廃止を要請したことはなく、今後もそのような提案をする意思がないというようなことを言っております。これが、金融商品取引法に基づく双方の意見表明等でございます。 いずれにいたしましても、外為法自体につきましては、個別の内容についてはお答えすることができないということでございます。
○塩川委員 実際の真偽のほどは定かでないわけですよ。その提案の中身そのものの性格についてサーベラス・グループがコメントをしているだけであって、実際に株価を上げようという計画の中においてどのような要求をしてくるかということは、まさに地域の住民の利便性を後退させるような提案も含み得るということは否定はされていないわけで、私は、そういうことも含めて、国土交通省がしっかりと鉄道業に対する公共性を保つための対策をとるべきだということを重ねて申し上げておきます。 サーベラス・グループが筆頭株主となっている国際興業グループにおいて、近年、バス路線の廃止が相次いでいます。西武秩父線の走る埼玉県飯能市でも、国際興業が路線バスから全面撤退するという提案が行われて、住民と自治体に衝撃を与えました。その後、市が補助金を出すことで当面の運営は確保しましたが、親会社のサーベラス・グループに対して地元に強い不信感があるというのも事実であります。このようなことも鉄道路線廃止への住民の懸念を強めるものとなっているということを、ぜひとも承知していただきたい。 一部投資家による株主利益第一の要求によって、鉄道会社の公益性、公共性を後退させることがないように、政府として厳正に対処すべきであり、公共性確保のための必要なルールもつくるべきだということを申し上げます。 次に、鉄道事業法に関する規制緩和の問題についてお尋ねします。 資料の二枚目に、東村山市、小平市、国分寺市、東大和市が共同で西武鉄道国分寺線・多摩湖線沿線連絡協議会を立ち上げて、四月の十七日に、「市民生活に欠かすことのできない公共交通の存続のための法制度の整備等について」という要請を行っています。太田大臣宛てに提出されたものです。 これは、一番下のところ、要望項目を見ますと、一として、「鉄道事業廃止に関する鉄道事業法における法規制の更なる強化、充実を図ること。」二として、「公共交通機関への投資規制などの法制度の整備を図ること。」三として、「その他、路線存続のためのあらゆる手段を尽くすこと。」とあります。 ここに、一にもあるような、鉄道事業廃止に関する鉄道事業法における法規制の強化云々という要望項目がありながらも、実際には、この間、規制強化どころか、鉄道事業法の路線廃止に関する規制緩和を行ってきたわけであります。二〇〇〇年施行の改正鉄道事業法により、鉄道路線の廃止は、それまでの許可制から事前届け出制に変わりました。 国土交通省にお尋ねしますが、二〇〇〇年施行の改正鉄道事業法以前では、鉄道路線廃止は許可制だった。路線廃止に当たって、大臣が関与することは可能だったと思いますが、いかがですか。
○滝口政府参考人 委員御指摘のように、平成十一年に鉄道事業法の改正が行われております。 従前の規定では、鉄道事業法の第二十八条第一項の規定に基づきまして、「鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、運輸大臣の」当時は運輸大臣でございましたので、「運輸大臣の許可を受けなければならない。」ということとされておりました。そういう意味で、国が関与する制度になっておりました。
○塩川委員 ですから、以前は、公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き許可をしなければならないという書きぶりがあったわけですが、言いかえれば、公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合であれば許可しないということだったわけであります。そのため、鉄道事業者が路線廃止を行う際には、沿線市町村及び都道府県の同意書を必要としていたわけです。 そこで、国交省にお尋ねしますが、一九八七年以降一九九九年までの路線廃止の実績というのは幾つでしょうか。その際に、地元自治体の同意がないまま路線を廃止した例というのはあるんでしょうか。
○滝口政府参考人 御指摘の、一九八七年以降九九年の間におきまして鉄道路線の廃止が行われた件数というのは、全国で三十件となっております。 今、委員御指摘がございましたが、この平成十一年の改正前の鉄道事業法では、第二十八条第二項において、事業の休廃止の許可申請があった場合には、公衆の利便が著しく阻害されるおそれがある場合を除き許可をするものというふうになっておったわけでございます。 地元の同意につきましては、法律の要件とはされておりませんでしたが、これら三十件については、いずれのケースも、鉄道事業者が地元自治体の同意を取りつけたものというふうに承知をいたしております。
○塩川委員 そのように、地元の同意がなければ実際には廃止されていない。廃止されている場合には地元の同意があったということであります。 ですから、許可制が事前届け出制に変わったことによって、路線廃止の原則禁止という立場が原則自由に変わったことになります。事業者の一方的判断で廃止ができることとなりました。規制緩和前は地元合意なしに路線廃止はなかったわけで、一九九九年改正の規制緩和が行われなければ、今回のような地元自治体無視の路線廃止要求を一部投資家が行うこともあり得なかったはずであります。 大臣にお尋ねしますが、さっきの要望書でも、「鉄道事業廃止に関する鉄道事業法における法規制の更なる強化、充実」とありますが、その上の部分に、本文のところに、「鉄道事業の廃止に当たっては関係市町村の同意を必要要件とするなどの鉄道事業法における法規制の強化、充実策」を求める、そういう中身が書かれております。 このように、鉄道事業の廃止に当たっては関係市町村の同意を必要とするなどの、鉄道事業法における法規制の強化、充実策を求める地元自治体の要望に正面から応えるべきじゃありませんか、大臣。
○滝口政府参考人 まず、十一年の鉄道事業法の改正の趣旨について御説明申し上げたいと思います。 十一年の改正前は、鉄道事業を初め各種の運輸事業につきましては、参入に関しまして、需給調整規制を行うという免許制を実は採用していたところでございます。この免許制のもとで営業権を付与いたしまして安定的な経営基盤を保証することにより、良質な輸送サービスの提供を安定的に確保するという義務を課していたということでございまして、逆を言いますと、そういったような義務を課している以上は、無条件に退出を認めることはこの義務に反することになるということで、許可制をとっていたものでございます。 ところが、こういったような需給調整につきましては、規制緩和をすべきである、市場に委ねるべきであるという声がございまして、参入規制につきまして、需給調整を行わない許可制ということといたしました。 このため、これに合わせて、退出につきましても鉄道事業者の自主性、主体性を尊重することが適当であること、あるいは、非常に赤字が大きい鉄道事業者に対して、経営上の負担となるといったものに対して、鉄道事業者に対して鉄道輸送サービスの維持を求めるということについては合理的な理由がないといったこと、こういったことに鑑みまして、十一年の改正の際には、事業の休止、廃止について事前届け出制とすることとしたものであります。
○太田国務大臣 今のような九九年の改正については、その趣旨はそうしたことでございます。 私は、今回参考資料として出していただいているこの要望につきましては、とにかく大事な交通の事業だから存続をしてくれということがまずあって、そこに、御指摘のように、鉄道事業法で具体的に規制をしっかりかけるというような手が打てるじゃないかということを提起しているというふうに思っています。 私は、今回の事案は、まさに鉄道が沿線地域の方にとって極めて重要な手段であるということについては認識もし、また、多くの方にそうしたことが、さらに認識をさせているという事態だと思っております。 そのため、鉄道事業者みずからが担っている鉄道事業が、生活交通としての地域の方々にとって、どのように期待をされているかというものをしっかり認識して業務を遂行していただくことが大事だというふうに思っております。 したがって、その路線の廃止等といった問題につきましては、鉄道事業者として地域住民の意向をよく聞いた上で対応すべきものだと考えております。 御指摘の、路線廃止に関する事前届け出制の見直しについては、現時点では直ちに変えるべきものだとは考えておりません。
○塩川委員 需給調整の規制緩和の話がありましたけれども、それも間違いだったんじゃないかという議論が、この間、起こっているんじゃないですか。タクシーの需給調整の規制緩和の見直しだってあったわけで、そういった立場で、利便性、地域住民の公共性を本当に担保するような公共交通機関であるべきだということが問われているわけで、やはり地元自治体の同意要件を復活するなど、路線廃止に関する規制緩和策を見直すことが必要ですし、大臣もおっしゃいましたけれども、路線存続というのが住民の一番の要望であるわけですから、そのためにあらゆる手段を尽くすということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
○金子委員長 次に、西岡新君。
○西岡委員 日本維新の会の西岡新でございます。 本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 国土交通行政に関連して、質問をさせていただきたいと思います。 先日、四月二十六日に新たな海洋基本計画が閣議決定をされました。我が国は排他的経済水域では世界第六位であり、まさに堂々たる海洋国家でもあります。 私も先般、この国土交通委員会において、海洋基本計画についての質問をさせていただきました。今回の基本計画の策定で、今後五年間の日本の海洋政策の方向性がしっかりと定められたことに大変力強さを感じておるとともに、これらの作業にかかわられた皆様方に感謝を申し上げたいと思っております。 その中で、海洋再生可能エネルギーとして、浮体式洋上風力発電についても以前の質問で触れさせていただきましたが、先日のNHKのニュースで、その風力発電と海の潮の流れで電気を起こす潮力発電を組み合わせた世界で初めての複合型の発電装置がことしの秋にも佐賀県沖の海域に設置をされ、実証実験が始められる、そういう報道がありました。 まだ実用化については時間がかかるのでしょうが、例えば、瀬戸内海にも潮力発電に適していると思われる場所がありまして、それは、来島海峡であります。私の選挙区でもありますので、先般、今治市沖に浮かぶ、もともと村上水軍の本拠地でありました来島や、その近くにあります小島、馬島に行った際にも、実際に来島海峡を見てまいりましたが、潮流は大変速く、そして変化も多いんです。来島海峡は、最大十ノットに及ぶ潮流が各所の渦をつくり出しておりまして、この潮流によって六時間ごとに航路が変わる、世界で唯一の変則航法の場所でもあります。 この潮流発電については地元も着目しておりまして、民主党政権下における緑の分権改革推進事業の一環として、今治市や愛媛大学がこの調査を行い、実用化に向けて検討してきたという経緯もございます。それに、今回、洋上風力発電も一緒にできるのであれば、海洋再生可能エネルギーとして大いに期待できるのではないかというふうに思っております。早期実現化に向けて取り組んでいただきたいと思います。 また、この海洋基本計画の中にも重要な位置づけの一つとなっている離島対策については、私の選挙区も、非常に多くの離島があります。人口の少ない島では、三人しか住んでいないところ、定期航路ももちろんありません。そういうところから、私の事務所が把握しているだけでも、二十五の有人島があるということでありまして、私も、この衆議院の任期中に全ての島を訪問して、現場の声をしっかり聞いて、実情を把握したいと思っておりますので、改めて、この課題については後日質問をさせていただきたいと思っております。 いずれにしても、今回策定された海洋基本計画における国交省の役割というのは非常に大きなものがございます。海洋産業を戦略的に育成しての国際競争力の強化を初め、海洋開発の産業化、メタンハイドレートなどの海洋エネルギーや鉱物資源の開発、海上輸送の安全確保や船員の確保、育成等々、まさに取り組むべき課題が山積しております。ここは、具体的な数値目標をしっかりと設定して、工程表をつくって、着実に実行をしていただくことが肝要であると思いますし、我が国の新たな可能性を海に求めていくべきであると考えております。 安倍総理も、資源大国につながる海洋開発では、日本に新たな可能性をもたらすイノベーションとして、省庁の縦割りを打破し、司令塔機能を強化して、力強く進めてまいるというふうに施政方針演説でも述べておられます。 この点、今回の海洋基本計画策定における国交省の取り組みについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 我が国は、国土面積三十八万平方キロ、昔は、三十七万平方キロと小さいころは勉強したんですが、最近は三十八万平方キロ。そして、大事なのは、世界六位の排他的経済水域四百四十七万平方キロである。ここのところを今回の海洋基本計画では、この意義というものを持って、世界有数の海洋国家たるべき対応をしっかりしていかなくてはならないということが今回の海洋基本計画の閣議決定の内容でございます。 そういう意味では、海洋政策が一層重要となっているということから、幾つかの重点的なものがあります。 一つは、海洋というものを含めたエネルギー政策というものの確立、それが大事である。特に、今御指摘のあった浮体式の洋上風力発電の促進ということを初めとして、海洋再生エネルギー関係の施策の推進と同時に、もう一点、メタンハイドレートやレアアース、こうした海洋資源調査の進展を踏まえることが大事であるということが一つ大事な点でございます。 西岡先生、造船の地域にいらっしゃるわけですが、これが非常に大事になってきて、浮体式のものとか、あるいはそこにプラントを設置するとか、さまざまなことが、非常に造船技術がそうしたことでこれからさらに生きていくというふうに思っておりまして、その点も大事なことと同時に、そしてさらに、御指摘のありました離島の振興ということと、遠隔離島である南鳥島や沖ノ鳥島における活動拠点の整備、海上保安体制の強化、こうしたことが重点的に書かれた今回の海洋基本計画ということになっています。 これは内閣挙げてのものでありますけれども、私どもとしては、海上保安庁も有しており、エネルギーについても十分考えていかなくてはならない課題ということでありますから、御指摘のように、どう推進していくかという具体論ということを進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○西岡委員 ありがとうございます。 まさに日本の将来を決める大事な五年間になると思いますので、大臣には、ぜひリーダーシップを持って、しっかりと進めていただきたいと思っております。 次に、観光についての質問をさせていただきたいと思います。 先日、日本政府観光局の発表によると、平成二十五年三月の訪日外国人数は八十五万七千人で、三月としては過去最高、前年同月比でも二六・三%増となっております。これは通年単月でも過去二番目ということでありますが、その要因として、安倍政権誕生後の円安で日本での支出に対して割安感が広がっていることや、震災からの影響が薄らいでいるというような理由が考えられております。 観光庁として、この点、訪日外国人数の増加の要因についてはどう分析されておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○井手政府参考人 お答え申し上げます。 三月の訪日外客数の増加については、先生の先ほどおっしゃった数字でございます。一月から三月までの累計で見ましても二百二十五万人を超えておりまして、第一・四半期としては過去最高でございます。一八%増ということでございます。 その要因でございますが、御指摘がございました円安、そしてまた、震災からの訪日外客者数の回復ということがございますが、そのほかにも、私どもといたしましては、そもそも、先ほどの震災からの復興、いわゆる風評被害の払拭ということで力を入れてきたわけでございます。 最近におきましても、いろいろなジャーナリストの招請とか、あるいは、特にアジアの各地で開かれている大規模ないわゆる旅行博への出展や商談といった活動を通じての訪日客の誘致、そしてまた、韓国だけについて申し上げましても、三月の三連休の時期にターゲットを絞った大規模な広告などといった形で、いろいろ訪日プロモーションの強化、あるいは工夫に努めておるところも要因の一つではないかと思います。 そのほかにも、日本を発着する航空路線、増便あるいは新しい路線ということが、LCCのみならず、いわゆるレガシーキャリアについても行われております。例えば、成田空港だけとってみましても、ことしのサマータイムの最初と昨年のサマータイムの最初を比べますと、一週間当たり四十便余りふえているということでございまして、こういった航空路線の拡充も要因の一つではないかと思っております。 ただ、ことしの目標といたしましては、訪日外国人一千万人という目標を立てておりますので、実は、一八%増というペースではちょっとまだそれに届きません。そういう意味で、今まで以上の積極的な取り組みが必要であると考えているところでございます。
○西岡委員 ありがとうございます。 やはり、観光庁の施策の効果なのか検証していくことは必要であろうと思いますが、国別でも、先ほど長官の方からお話がありましたように、韓国また台湾、東アジアなどが伸びてきておる。特に東南アジアにおいては、タイ、インドネシア、フィリピンが前年同月比では七〇%を超える驚異的な伸びを示したことは明るい材料であります。 その一方で、中国が逆に二一・五%減の十万二千三百人と、かなり減少しておる状態であります。これについての要因については、観光庁としてどのように考えておられるのか。また、国あるいは地域ごとに細かい数値目標を観光庁はつくっているのでしょうか。また、もしつくられているならば、その点についてもお教えいただければと思います。
○井手政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のように、ASEANからの旅行客は大変著しく増加しております。一方、中国からのお客様は残念ながら前年比減少というところでございます。 この原因でございますが、やはり中国については、どうしても団体客を中心に尖閣の影響が出ているのではないかというふうに考えております。 もう一方、ASEANにつきましては、これはもちろんマーケット全体、経済全体がASEANの諸国は大変好調で、伸びている、中間層がふえているということもございますし、それに加えて、また私どもの方でも積極的なプロモーションをやっております。昨日からも、実はASEANだけをターゲットにしたASEANのトラベルマートというものを東京で昨日の夜から開いて、商談会でASEANのバイヤーの方に来ていただいて、日本に来る旅行商品をつくっていただくというようなこともやっております。そういった要因であろうかと思います。 御指摘のマーケットごとの目標でございますが、一千万人の目標の中で主なマーケットごとに目標を設定して、その目標を達成するために、それぞれのマーケットの中のセグメント、例えば年齢層とかあるいは所得層とか、そういった若干細かいセグメントも分けて、具体的な事業を実施しているところでございます。
○西岡委員 ありがとうございます。 中国に関しては、やはり尖閣問題というものは両国間に影響が非常にあるわけでありますが、韓国も竹島問題がある。しかしながら、韓国は前年同月比で三七・四%と非常にふえている状態であります。中国も、今、旅券を持っている中国人が四千万人時代というふうに報道にもあるように、やはり団体だけではなく、個人の旅行客をターゲットにした施策を観光庁としても進めていくべきであろうと思いますし、その点に関しては今後努力をしていただきたいと思っております。 そういった面では、海外でのPRというのが非常に重要となってきております。小泉政権時代に、たしか、ようこそジャパンというような取り組みをして、海外でのPR活動や業者の招聘などを通じて、積極的に観光について、訪日外国人をふやすということに取り組んできたわけであります。 それで、ようこそジャパンにおける効果というのはどれだけのものがあって、その分析や検証などは観光庁内でどれほど進んでいて、現在の施策にどう反映されているのか、生かされているのか、お聞かせいただければと思います。
○井手政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、ビジット・ジャパン・キャンペーンを始めまして十年間たっております。ちょうど十年目の節目になっております。その結果は、今まで、もともと八百万ははるか遠い数字から始まったところでございますが、八百万人台まで持ってきたということで、中期的に見て効果があったと考えております。 それから、つい最近、この数年間を見た場合も、特に二〇一一年の東日本大震災の結果、大幅に平成二十三年は落ち込みまして、六百二十二万まで落ち込みましたけれども、昨年は、一年間で既にリバウンドして、八百三十六万人ぐらいまで戻ってきております。 これは、その間、本当にいろいろな風評被害対策について力を入れてまいりました。そういうことで、本当に海外の旅行会社、メディアだけでなく、いろいろな世界の有名なアーティストなども含めて、日本は大丈夫だというふうな正確な情報発信を御協力いただきまして、そういった形で、一年間でリバウンドしたということでございますので、短期的に見ても、そういったビジット・ジャパン・キャンペーンの効果が、震災からの復興という意味で効果を生んでいるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○西岡委員 ありがとうございます。 五月十一日付の朝日新聞の記事によりますと、政府の成長戦略素案に、平成二十九年までに訪日外国人数を現在の目標の二倍の年間二千万人にふやすということが盛り込まれるというような報道がありましたので、観光庁に問い合わせたところ、事実ではなく、正確な数字は平成二十八年までに千八百万人の目標というのが本当のところだということでありました。非常に、それだけの目標を達成するには、今までの施策に加えてさらにさまざまな取り組みが必要であろうと思っております。 報道されているところであると、例えば、お聞きするところであると、入国審査の緩和や、韓国などのように、東南アジアからの観光客にはビザなしの短期滞在については認めるなどの対策、ビザの発給要件の緩和というのも考えられると思いますが、この点についての観光庁のお考えというのは、どのように思われますか。
○太田国務大臣 ビザの緩和は物すごく大事だというふうに思っておりまして、ことし、とにかく一千万、インバウンドということで目標を掲げておりましたが、私の心の中には、十年前から一千万、一千万といって何をやっているんだというものがありました。そこの中に幾つか、大きくやっていかなくちゃならないことの一つはビザの緩和であろうと思います。 先ほどの一千万とかいうことの、ことしふえている要因というのは、私のざくっとした感じでは、日本が経済的に元気になるというようなことは一つ大きな要因だというふうに思うんです。 暗い人の周りには人は集まらない、こう言います。元気な人のところ、明るい人のところ、ここに座っている委員の方は、大体政治家は明るい人が多いんですけれども、人は元気で明るい人のところに集まってくるというのは、日本が元気になるということが非常に大事だというふうに思っております。そして、交流を激しくしていく、来るのを待っているんじゃなくて、行くということが大事。そういうことからいきますと、円安ということもあるんですが、国が元気になって経済交流をしっかりやっていくというようなことが非常に大事なことだというふうに思っています。 ビザの緩和は、そういう意味では非常に大事なことで、これは他省庁にもわたることなものですから、なかなかこれまで進んできてこなかったということがありまして、観光立国推進閣僚会議をことし三月に総理のもとで立ち上げまして、各省庁をまたがる諸問題、特にビザの問題等はそこで解決しようという動きを開始したところでございます。 できるだけ早く、このビザ制度、どの国ではどうするかというようなことも含めてというふうに思っておりまして、一遍に全部とかなんとかというわけじゃないんですが、できるところからやっていきたいということで、今鋭意進めているという状況にございます。
○西岡委員 大臣、ありがとうございます。 ビザ発給の緩和については、それこそ関係省庁が非常に多くありますので、警察庁からすれば、外国人の犯罪件数とかそういった問題も出てくると思いますし、そういうようなことでありますが、いずれにしても、この三月の訪日外国人数がふえているということでありますので、当初目標としておる一千万人のこの数値に、もしかしたら現実的に届くかもしれないということでありますので、その点は我々も協力していきたいと思います。 大臣がおっしゃられたように、やはり元気で明るいところに人が集まるということでありますので、我々日本維新の会も、与党の皆さんとその点についてはしっかりと手を携えながら、日本の観光立国、観光推進、振興に努力してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○金子委員長 次に、坂元大輔君。
○坂元委員 日本維新の会の坂元大輔でございます。 我が党の西岡委員に引き続きまして、私からも、二十分間の質問時間をいただいておりますので、質問に入らせていただきます。 十五日水曜日に、平成二十五年度本予算が成立をいたしました。そして翌日、きのう十六日には、いわゆる国交省所管に関しても箇所づけが発表されまして、これからその箇所づけに基づいて予算が執行をされていくわけでございます。 先日この委員会でも御指摘がありました、この箇所づけに関する我々議会のかかわり方や公表のタイミングについて私も問題意識を持っておりますが、その点に関してはまた後日議論をさせていただくことといたしまして、きょうは、そもそも、国交省所管の事業に関して、どのような計画や基準で予算を執行していくかというところに関しての質問をさせていただければと思っております。 国交省所管の事項に関して、さまざまな総合計画や個別具体的な計画が発表されておりますが、その中で最も中心にある計画というものが、私は社会資本整備重点計画だというふうに認識をしております。 この計画でございますが、以前は道路、空港、港湾など分野ごとに九本の長期事業計画として策定をされておりましたが、平成十五年度から、それらを一本化して、社会資本整備重点計画というものになりました。 このときの一本化の経緯や理由を再度確認したいと思います。お願いいたします。
○西脇政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、従来は、道路、空港、港湾といいました分野ごとに長期の事業計画を策定しておりました。計画期間、若干違うものがございますが、いわゆる五計と言われているものでございます。 その際には、例えばですけれども、予算配分が硬直化しているのではないかとか、あと、計画が縦割りになっておりますので、分野ごとの連携が不十分になるのではないか、それから計画の策定自体が予算獲得のための手段になっているのではないかというような批判がございまして、そこで、平成十五年に社会資本整備重点計画法が制定されまして、従来の事業別の九本の計画を一本化いたしました。それとあわせまして、計画の重点を、従来、事業費、いわゆる金目で示しておりましたけれども、それを達成される成果ということに転換いたしたわけでございます。 狙いでございますけれども、まず、計画を一本化することによりまして、横断的な重点目標を設定することができる、それによって事業間の連携が図られるということと、五年間に達成すべき成果というのを整備指標で示すということで、整備の効果が国民にわかりやすく示せるのではないかというようなことを狙いとしたものでございます。
○坂元委員 御説明ありがとうございます。よく理解をいたしました。 それで、この社会資本整備重点計画ですが、平成二十四年八月に閣議決定をされた第三次社会資本整備重点計画、先ほど約五カ年でということでございましたが、少し前倒しで見直されて、現在、第三次社会資本整備重点計画というもののもとに進められているというふうに理解をしております。 この第三次計画ですが、第二次計画の見直しの途中に東日本大震災が発生をいたしまして、当然その被害の結果やそれに対する対策というものの中で第三次の策定が行われたというふうに理解をしておりますが、具体的にどういう点で見直しを行ったのか、その概要とポイントを教えていただきたいと思います。
○西脇政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、昨年の八月に第三次の社会資本整備重点計画を閣議決定いたしましたが、まず、これは当然のことでございますけれども、第二次の計画の策定以後に起こっております社会経済情勢の変化とかニーズの変化というようなものを踏まえて、時代の要請に合った計画となるように見直し作業を行ったつもりでございます。 例えば、財政状況の問題でございますとか、人口減少、少子高齢化、それから災害リスクの高まり等、あらゆる分野において見直しを行いましたが、特に、御指摘の東日本大震災につきましては、計画の見直しにおけるまさに主要な観点でございました。 具体的には、震災で得られました社会資本に関しますさまざまな知見というものが生かされた事業とか施策を実はかなり幅広く計画の中には盛り込んだつもりでございますので、きょうは、その点、特に二つぐらい大きな点を御説明申し上げたいと思います。 一つは、何といいましても、津波対策については、東日本大震災で発生したような発生頻度の極めて低い最大クラスの津波に対しましては、やはりハード、ソフトの施策を組み合わせた多重防御を行うという、まさに津波災害に強い地域づくりの考え方というものを大きな柱の一つとして盛り込んでおります。 それから、もう一つは、海沿いの国道が寸断される中で、三陸沿岸道路が児童生徒の避難路として機能したこととか、あとは、太平洋側の港湾が壊れまして、代替として日本海側の港湾から被災地への救援ルートを確保したというような事実がございましたので、やはり社会資本のネットワーク化を通じまして、バックアップ体制の強化でございますとか、代替性、多重性の考え方というようなものが盛り込まれております。 大きな点としてはこの二つがあろうかというふうに思っております。
○坂元委員 御説明ありがとうございます。 私も、この第三次社会資本整備重点計画、今回の質問に当たって読み込ませていただきましたが、評価をしております。 これは、前民主党政権時代に策定をされたものでありますが、私たち日本維新の会は、是々非々、いわゆる、いい政策はいい、悪い政策は悪いということで、党派にかかわらず評価をしていきたいというふうに考えておりますが、この第三次整備重点計画に関しては、審議会の議論も含めて、非常に的確な議論が行われて、そして策定をされたというふうに私は評価をしております。 そして、今現在、この第三次計画に沿ってさまざまな国土交通行政が行われているわけでございますが、大臣の第三次社会資本整備重点計画に関しての御評価を伺いたいというふうに考えております。基本的に、この計画の時限であります二十八年度までは、この計画に基づいて国土交通の主要な行政を行っていくという認識でよろしいでしょうか。
○太田国務大臣 考え方とか方向性について、東日本大震災を受けた後に策定され、そして防災・減災、老朽化対策等々、全部踏まえて書かれているものでありますから、これは政権がかわっても、何でも、いいものはいいというのが私の基本的な立場でありますので、何ら違和感があるものではございません。 ただ、お金が、老朽化対策とかいろいろなことについてはこれから調査をしたりして、どの程度の予算というものがそこでかかるのか、いろいろなことを精査していかなくちゃいけませんから、むしろ、実行ということについて、私としては、大枠の考え方とかそういう方向性は全くそのとおりでありますけれども、どういうふうに具体的に工程を明示しながら実行していくかということが重要な課題だと思っています。 五計がなくなって十年たつんですが、最初は、こういうものだと暴走していってしまってだめだということで、それぞれが縦割りで、自分のところで暴走するということで、五計をやめて、全体像の中で、目標値をそれぞれ何%ということでという数値で行ったんですが、今度は、逆に、最近になりまして、お金がなけりゃ、単に目標値にというか、その目標値をどういうふうに予算を具体的に設定してやっていくのかという、そこの工程と実行ということが大事な段階に来ていると私は思っておりまして、そういうことをやるのが私の役割ではないかというふうに思っているところです。
○坂元委員 ありがとうございます。 工程と実行ということに関して踏み込んだ御指摘もいただきまして、ありがとうございました。 そして、今大臣も御発言ありましたように、財政状況が非常に厳しいという中で、この第三次重点計画にも明記されております、いわゆる事業の選択と集中というものが非常に大事になってくるわけでございますが、その選択と集中のためには、その事業が適正であるかを広く正しく国民の皆様に理解していただかなければなりません。 そのためには、この事業評価の基準や手法というものが非常に大事になってくると考えておりますが、我が国の公共事業評価は、現在、どのような体系となっているか、お答えをお願いいたします。
○深澤政府参考人 お答え申し上げます。 公共事業の評価について御質問をいただきました。 国土交通省所管の公共事業の実施に当たりましては、事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、大きく分けて三つの段階で評価をしております。 一つは、事業に着手する前、計画段階評価、それから新規事業採択時評価を行っております。それから、事業の実施過程におきましては再評価、さらには事業完了後の事後評価ということで、事業の各段階におきまして事業評価を行っているところであります。 評価に当たっては、各事業における共通的な事項を定めました公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針や各事業ごとに策定されました評価手法に関するマニュアル等に従いまして、貨幣換算が可能なものにつきましては、その効果を用いた費用便益比、いわゆるBバイCでございますけれども、それに加えまして、貨幣換算化が困難な多様な効果等を総合的に勘案した評価を行っております。 また、評価の手続におきましては、都道府県等への意見聴取や、あるいは第三者機関による審査を行い、審議過程や評価結果を公表するなど、透明で厳格な評価の実施に努めているところであります。 以上です。
○坂元委員 ありがとうございます。 今ございました貨幣換算した便益を出すための費用便益比、いわゆるBバイC、ベネフィット・バイ・コストでありますが、その便益項目が、日本の場合、諸外国に比べて少ないというふうに聞き及んでおります。日本でこのように便益側の項目を絞って計算している理由についてお聞かせいただきたいと思います。 例として、道路街路事業について、具体的な項目を挙げて、ちょっと質問時間もありますので、短目にお答えをお願いいたします。
○前川政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、日本では三項目を貨幣換算化した便益として計測をいたしておりますが、諸外国におきましては、これらの三便益に加えまして、ドイツ、フランス、イギリスでは、CO2の減少など環境面の効果を計測しております。また、ニュージーランドでは、所要時間の信頼性、定時性の向上の効果を計測しております。さらに、ドイツでは、事業実施に伴う雇用創出効果を便益として計測をしております。 一方、我が国においては、現時点では、これらの効果を十分な精度で計測し、貨幣換算化するための知見やデータが得られておりませんので、BバイCにおける便益としては計測しておりませんが、諸外国の例も参考に、引き続き検討を進めていきたいと考えております。 なお、道路の果たす役割は多岐にわたりますので、道路事業の評価に当たりましては、貨幣換算しておりませんけれども、脆弱な国土におけるリダンダンシーの確保などの災害時の対応でありますとか、命の道としての救急医療へのアクセスの向上、さらには地域経済の活性化などのさまざまな効果を捉えまして、総合的な評価を進めているところでございます。
○坂元委員 ありがとうございます。 今御指摘がありましたいわゆる命の道でありますとか、災害時の緊急道路としての役割ですとか、そういったなかなか数値化できない部分というものがこの事業評価の中にはかなり多くあるということを理解いたしました。 とはいえ、厳しい財政状況の中、貨幣計算できる便益、そして貨幣換算が困難な効果、事業実施環境や地元の理解など、さまざまな項目を総合的に判断して、選択と集中を行っていかなければなりません。 これが全て数値化できるのであれば、その数値に基づいて落とし込んでいけばいいわけですけれども、そういうわけではなく、数値化できないものも含めて総合的な判断をしていくという中では、これは政治家にしかできない判断、決断であるというふうに私は考えておりますが、最後に、責任をとって決断をするというところに関しての大臣の御所見と思いをお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 貨幣換算化が困難ということについては、定性的なことも含めて、よく考えてやらなくてはいけないというふうに思っておりまして、そこは決断が必要です。必要ですが、次々そうなりますと、またばらまきとか無駄ということになりますから、よく明らかにして、地方自治体とも連携をとったり、あるいは地元の人たちが納得できるという、また、地元が納得できても、ちょっと周辺になりますと納得できないということが公共事業はよくありますから、その辺は、国民の皆様が納得できるという角度は常に意識していかなくちゃいけないというふうに思っています。
○坂元委員 ありがとうございます。 この委員会でも私は何度も御指摘をしている、いわゆる公共事業費の中における防災・減災やインフラの整備のための率というのを上げていくということもやはり必要だと思いますし、大臣が今おっしゃった地域の理解であるとか、いろいろなものを総合的に勘案しての判断というものが本当に必要になってくると思います。 私も国土交通委員として、国土交通行政に対してしっかりと責任を果たしていくという思いを最後にお伝えいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○金子委員長 次に、柿沢未途君。
○柿沢委員 みんなの党の柿沢未途でございます。 きょうは一般質疑ということで、成長戦略にも位置づけられているインフラの海外展開についてお伺いをいたしたいと思います。 つい先日も、国内インフラの老朽化対策の予算をめぐっていろいろと議論させていただいたわけですけれども、人口減少や社会の成熟化により、国内の大型インフラの新規の整備事業というものはそれほど見込めない、こういう状況だと思います。成長する新興国、なかんずくアジアの建設受注をとりに行くのは極めて重要だということを私も思っています。 お隣の韓国は、日本よりもっと先に国内の新規のインフラ需要というのがほとんどなくなってしまって、ある意味では必要に駆られて海外展開を目指し、極めて貪欲に、アジア、アフリカ、世界じゅうに進出をしようとしております。 昨年、前政権において閣議決定された成長戦略、日本再生戦略でありますけれども、ここでは、建設業の新規年間海外受注高を、二〇一五年度一・五兆円以上、そして二〇二〇年度二兆円以上ということを目標として掲げて、官民連携でそれを推進しよう、こういうことを掲げておられます。 では、現状はどうかということなんですけれども、二〇〇七年度から二〇一一年度、五年間、直近の海外受注高の数字を明らかにしていただきたいと思います。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 最近五年間の我が国建設企業の海外受注高でございますけれども、海外建設協会のデータによりますと、二〇〇七年度に過去最高の一兆六千八百十三億円を記録いたしました。その後、二〇〇八年度はリーマン・ショックの影響もございまして一兆三百四十七億円、二〇〇九年度は六千九百六十九億円ということで、ピーク時の四割近くまで落ち込んだところでございます。 二〇一〇年度以降、海外受注高は回復基調にございまして、二〇一〇年度は九千七十二億円、二〇一一年度は一兆三千五百三億円、こういう数字になっております。
○柿沢委員 二〇〇七年に一・六兆にいったと。実は、これが一・五兆という今掲げている目標を上回った唯一のケースなんですね。リーマン・ショック以降、がたっと落ちて六千九百億までいって、それで回復して、今、二〇一一年度、一兆三千億まで戻した、こういうV字回復といいますか、こういうことをおっしゃられているわけです。 実は、二〇一二年度、直近の海外建設協会のデータを見ると、ことし二月までの二〇一二年度の途中経過で九千七百六十二億円、前年比マイナス一一%という数字が公表されています。ですから、また落ちるわけです。一本調子でふえているわけではない。二〇一五年の年間一・五兆円という水準には及んでいない状況が続いているわけです。 前に、シンガポールで成功している、カジノを核とした統合型リゾート、インテグレーテッド・リゾート、IRの質問を前政権のときにさせていただいたんですけれども、訪日外国人客数の目標数字をそのときに引用させていただきました。これは、二〇一三年、千五百万人、政府の目標として掲げています。 しかし、二〇一三年になりましたが、どうでしょうか。二〇一〇年の八百六十一万人を最高として、最高の年でも目標数字の半分ぐらいでしかないわけです。どうやって目標を達成するのか、目標未達の場合は観光庁長官は責任をとるのか、お聞きをしたら、当時の溝畑観光庁長官は、結局、頑張ります、これ以上のことは何も言えないんです。 ましてや、今、アルジェリアの人質事件が発生をいたしました。日本の企業戦士が、世界の各地で高い技術と国際貢献意識を持って頑張っておられる。その皆さんが、本当に痛ましいテロ行為の犠牲になってしまいました。 その結果、日揮という会社はどうなったか。十三日に発表されたばかりの二〇一三年三月期連結決算は、四・四%営業利益が減少して六百四十一億円。これが、やはりアルジェリアの国内の工事が中断をした影響でそのような状況になっているということなんですね。アルジェリアのプラントの三カ所のうち、事件の起きたイナメナスを含む二カ所は、工事再開のめどは立っていない。そして、日揮の担当者によれば、アルジェリアにおける今後の新規受注についても慎重にならざるを得ない、こういうふうに述べておられます。 海外展開に伴うリスクの高さが企業業績をも脅かし、そして、新規の海外展開に慎重にならざるを得ない状況をつくり出している。このような状況がある一方で、日本のインフラ関連産業の海外展開をどのように伸ばしていくのか。インフラ海外展開を国家の戦略として今後も伸ばしていくんだ、こういう決意いかんを太田大臣にお尋ねを申し上げたい、このように思います。
○太田国務大臣 政府を挙げて、そこを物すごく意識しておりまして、経協インフラ戦略会議というのを立ち上げまして、きょうも、そうした会議が行われる、各閣僚が出て打ち合わせをしたりしています。 今御指摘の、シンガポールのIRを初めとするそうした事例等もあったり、民間をもっと活用してやろうという話もあれば、PPPを表に出してということで、今、ベトナムのラックフェン港で、ODAで岸壁や防波堤をやって、上物のところは民間がやるというような、民間とODAを組み合わせるというようなこともやらせていただいて、そうした事例をもっとふやそうとしているところです。 国交省関係からいきますと、アルジェリアの事件は大変深刻な事態で、道路と輸送部門を担当していた大手ゼネコンが何社かおりますが、そこのところも本当に安心して仕事ができないというようなことがあったり、また、数年前は、中東関係に随分出ていって、契約がうまくいかなくて大損害をこうむったというような契約制度のあり方ということで、国がかなりかかわってきますから、そこでの、民間だけに任せておいたらとても保証ができないというような課題もあったりします。 特に、最近、私が強調しておりますのは、防災協働対話ということを進めていくということは一つの切り口として大事じゃないかということを言っています。 タイで水害がありましたときに、日本が排水設備、排水ということを担当してやったということが大変好感を持たれたり、土砂ダムが日本の場合はできたりすることが多いんですが、そこの排水というようなことも含めて、非常に外国ではそれを求めているというようなことがありまして、あらかじめ国と国との間の防災協働対話というのを進めていって、そこに準じて日本の企業も出ていくというような仕組みというのをつくっていくということが大事だとか、さまざま、営みを今やっているところでございますけれども、さらに挑戦をして頑張っていきたいという決意でいっぱいでございます。
○柿沢委員 大臣にもう一度お伺いをいたしますが、今、二〇一三年度にもう既に入っている状況の中で、先ほど数字をひもときましたけれども、そもそも目標の一・五兆円以上という二〇一五年度以降の目標数値にはいまだ達し得る状況にはない中で、なおかつ、アルジェリアのような事件が起きて、今、日本の企業が海外展開に伴うリスクに大変敏感になっている状況の中で、この二〇一五年、一・五兆円以上、二〇二〇年、二兆円以上という目標を掲げ、達成することができるし、やるんだと、ここはやはり責任を持って、しっかりとお答えをいただかなければならないことだと思います。 先ほど、訪日外国人客数のお話をしましたけれども、一千五百万人を掲げながら八百万人台で、そして、いろいろあったからしようがないんだみたいなことでは、やはりこれは数字を掲げている意味がない、こういうふうにも思いますので、もう一度決意をぜひお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 政治家は目標を言って、言えなければ責任とれとかいうようなことにさらされるということがあると思いますが、私は、観光インバウンド一千万ということは何が何でも達成したいと強い意思を持っておりますし、今、建設関係一・五兆円ということがありますけれども、私は何としてでも達成したいというふうに思っているところです。
○柿沢委員 ありがとうございました。 先ほどちょっとお話が出ましたが、これもアルジェリアですけれども、アルジェリアの高速道路の事業で、鹿島を筆頭とするゼネコンのJVが大変御苦労をされてこられました。受注金額五千四百億円、工期、二〇〇六年十月から四十カ月という予定で受注をしたもので、二〇一〇年の二月には完成予定だったわけですけれども、諸般の事情で、現在も工事は完成をしていない。工期の大幅なずれ込みについてアルジェリアの政府からも不満が表明をされて、鹿島を初めとするJVに損失が出る、こういうことも随分取り沙汰をされてきました。 〔委員長退席、西村(明)委員長代理着席〕 同時に、鹿島はこの工事において多額の未収金を抱えている。ここまでやってきたものを、もし、赤字もかさんでいるということでとめてしまえば、これは未収金が入ってこないということになりますし、また、工事をこのまま継続しても、さらなる一千億単位の追加出費が出るのではないか。そういう意味では、大変厳しい状況にさらされているわけであります。 それ以外にも、こういうゼネコンの海外案件のお話を聞くと、例えば、相手国から未収金が取れていない段階であるにもかかわらず、その工事に継続した二期工事を日本政府がODAとしてお金を出してしまって、そして、そんなことをやったら、もう交渉材料がなくなっちゃうわけですよね。二期工事のODAを出さないよ、そうした圧力がかけられなくなってしまうわけです。こんなことがあるというふうにもお聞きをします。 また、円借款で一〇〇%カバーされている工事案件に関して、工事では間々あることですけれども、大幅に工事費用が超過をして追加出費が生じてしまった場合、実は、ここは円借款ではカバーをされないんですね。相手国負担になる。結局、相手国政府とゼネコンJVとの交渉になってしまって、国家を相手にして勝てるわけがないよ、こういう声も聞かれるわけなんです。 海外営業担当者のお話をいろいろお伺いをいたしましたが、最近国土交通省さんなんかと、このゼネコンあるいはインフラ事業の海外展開の話をする機会がふえている、ヒアリングで意見を聞かれることが多い、しかし、もう二度とODAには手を出すなと本社には言われているんだ、こんな話すらされる方がいらっしゃるような現状です。 先ほど申し上げたように、相手国政府と一民間企業であるゼネコンとが交渉して、とれるものをとるということは、これはなかなか難しいのは、誰が想像しても明らかではないかと思います。インフラ建設受注ゼネコンと相手国政府との工期や支払い等の交渉に当たって、日本国政府及び在外公館も含めて、どんな役割を果たしているのか、外務省から来ていただいていますので、現状認識をお伺いしたいと思います。 〔西村(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○片上政府参考人 お答え申し上げます。 外国における日本企業のビジネスについては、日本企業の海外展開を後押ししていくという観点から、在外公館では日本企業からの要請を受けて、相手国政府、関係機関に対してさまざまな働きかけを行っています。 インフラ分野についても、大使、総領事を初め、日本企業によるインフラプロジェクトの受注に向け、相手国の政府等の関係機関に対し、日本企業の技術水準の高さ、完成度の高さ、こういったものを説明しつつ働きかけを行っています。 また、主要な在外公館には、インフラプロジェクト専門官、こういったものを指名し、各国における建設産業等に関する情報収集等に当たらせているところであります。これらの情報については、外務省経由で国土交通省とも情報提供を共有し、国土交通省のホームページを通じて広く公開されています。 さらに、全ての在外公館に日本企業支援窓口を設置いたしまして、先ほどお話のあった支払い遅延問題、そういったものも含め、日本企業からの各種の相談への対応、安全対策に対する協力、治安や政治経済等の状況について情報提供を行っています。 引き続き、こういった取り組みを通じて、インフラ分野を初め日本企業に対する支援を積極的に行ってまいりたいと思っています。
○柿沢委員 大変外務省の方らしいジェントルなトーンでの御答弁で、本当にタフネゴシエーターたり得ているのかなということを感じるわけであります。 今、インフラプロジェクト専門官のお話が出ました。それに限らず海外の在外公館には、そもそも建設アタッシェ、今、国土交通アタッシェとして、国交省の職員が派遣をされています。こういう国交省の職員、国土交通アタッシェ、計何人がどこに派遣をされているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○稲葉政府参考人 国土交通アタッシェについてお尋ねがございました。御説明申し上げます。 国土交通省より外務省に出向し、大使館あるいは総領事館等の在外公館に勤務している職員は、現在百三名おります。 その内訳を地域別に申し上げますと、アジア地域が三十八名と最も多く、以下、順に、ヨーロッパが二十六名、北米十三名、中南米が九名、中東七名、大洋州及びアフリカがそれぞれ五名となってございます。
○柿沢委員 国土交通アタッシェというのは、一体どんな仕事をしているんでしょうか。お伺いします。
○片上政府参考人 お答え申し上げます。 在外公館では、各省庁からの出向者を大使館員、総領事館員として受け入れてきておりまして、派遣先の在外公館において、その高い専門性を生かし、貴重な戦力として活躍していただいております。 国土交通アタッシェについては、各任国公館の事情により異なりますけれども、多くの場合は、相手国との経済関係を中心に各種の業務を担当していただいており、この中には建設、インフラ関係のものも含まれています。 先ほど申し上げたインフラプロジェクト専門官について申し上げれば、現在、関係する在外公館で、二十六名の国土交通アタッシェがこの専門官として活躍しているところでございます。
○柿沢委員 物の資料をひもとくと、この国土交通アタッシェの方々というのは、相手国政府との関係強化と意思疎通、そして赴任国におけるインフラ関連産業に関する情報収集などを行われている。ヨーロッパ二十六人、北米十三人、こういう方々も入っているわけですので、本当の意味で、私たちが今イメージする新興国におけるインフラ海外展開、受注を獲得する、こういうのにふさわしい配置の状況になっているのかな、こういうふうには、ちょっと、やや疑問に思うところもあるんです。 さらに、加えてお伺いをしたいんですけれども、この百三人の国土交通アタッシェ、派遣される国土交通省の職員、この方々は、平均年齢でいうと何歳ぐらいの方々で、そして、国土交通アタッシェとして在外公館に派遣をされている平均の在任期間、どのぐらいになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○稲葉政府参考人 御説明申し上げます。 国土交通アタッシェとして在外公館に派遣される国土交通省職員の平均年齢、現在派遣されている職員の平均でございますけれども、三十八・三歳でございます。また、平均の在任期間は、おおむね三年となっております。
○柿沢委員 実態は、やはりこれは聞いてみると、国土交通アタッシェとして、それこそ海外での事業を受注して、そして事業を展開し、場合によっては相手国との交渉をバックアップする、こういうゼネコンの皆さんにとってどういう存在に見えているかというと、来る人は入省年次もそれほど高くない二十代、三十代、こういう職員が派遣をされていて、いても二、三年、そうでなくとも一筋縄ではいかないアルジェリアとかアジア・アフリカ諸国、あるいは新興国の政府とこれでパイプをつくれるのか、こういう話だと思うんです。 聞いてみると、やっているのは、やはり、出張してきた国交省の幹部の皆さんのアテンドをやっているとか。一方で、ゼネコンの社員の皆さんは、例えば五年、長ければ二十年、現地に根っこを生やして頑張っている、文字どおり企業戦士みたいな方々がいるわけです。結局、相手国政府との難しい交渉をやっているゼネコンを助けるどころか、現地の需要や、政府の要人、キーパーソン、そうした方々をゼネコンの現地駐在者にむしろ紹介してもらって、やっとなれてきたかと思うと、そのころには本国に帰任してしまう、これが実態だということなんですね。これで、インフラ海外展開を国家戦略として伸ばすなんて本気で言っているのか、こういう話だと思うんです。 今の流れを聞いておられて、太田大臣も真剣なまなざしでこちらを見ていただいているわけですけれども、何か思うところがあったらお聞きをしたいと思います。
○太田国務大臣 納得します。 そういう、相当外国の人たちとやり合うということで、前線に立って、ある程度の経験と人間的な重みを持ったり、相当これは戦略的でなくちゃならないというのと、もう一つ、最近の開発というのは、単発的に企業がとるというんじゃなくて、ある地域を総合的に開発するという、面で開発していく。だから、計画の時点からプロジェクトチーム等をつくって、向こうと一緒になってその地域をどうするかという総合的な戦略を立てて、プランの段階からやらなくてはならない事業が多いので、余り経験のない若い人ばかりだとしたら、これはその軸になかなかなり得ないなという感じはしております。 きょうのお話を聞いていて、もう一遍、私は十分ここについて調査をしておりませんので、若い人を育てるという点ではきっといいんでしょうけれども、仕事をするという観点も含めて、ちょっと点検させて、調べさせていただきたいというふうに思います。
○柿沢委員 あわせて、統括官、いかがですか。
○稲葉政府参考人 お答え申し上げます。 現在、在外公館に派遣されております職員は、それぞれの分野では国内で経験を積み、専門性を持った職員を派遣しております。また、外務省の在外公館の一員として組織的に活動しておりますけれども、国土交通職員であるという自覚を持って、それぞれの分野のプロジェクトが成り立つように精いっぱい努力をしているものと思います。また、本省からもそのように指示をしております。 そのような状況にはございますけれども、今大臣から御答弁申し上げましたように、もう一度よく点検したいと思います。
○柿沢委員 私の父親も官僚でしたので、そして、しかもヨーロッパのベルギーというところに派遣をされている間に私は生まれた子供ですので、霞が関の役所の方々が在外公館に派遣をされる、そういうときというのはどういう状況なのか。少し幅広く物を見て勉強して帰ってこいということで、現場で戦って、そういう趣旨では必ずしもない場合も多いというのがこれまでの状況だったのではないかと思うんですね。 ただ、ここは国家戦略を担う、現地にディスパッチされる、そうした企業戦士ならぬ、本当に国家戦士でありますから、そういう意味では、経験を積み、そして現地の事情がわかり、また交渉力を持つ。本当のことを言えば、先ほど申し上げた、二十年間現地に根っこを張って、どこかのゼネコンの海外社員として頑張ってこられた方を途中から採用して、そしてさらに相手国政府との交渉役として活用する。公務員制度のあり方について、私たちもいろいろ活発な提言をさせていただいていますけれども、こうしたことをやはり考えていく必要があるのではないかと思うんです。 この問題に、いろいろとるる申し上げさせていただいてきたのは、やはりこれは国家戦略として、成長戦略として掲げられているわけですから、ややもすると、いればそれでいいということにこういうものはなりがちですから、実質の伴った、しかも、これから日本の本当に浮沈にかかわる分野、ぜひ中身の伴った施策を、省を挙げて、また政府を挙げて展開していただきたい、こういう期待を持って御質問をさせていただいたわけであります。 さて、続きまして、鉄道事業の海外展開についてお伺いをします。 日本の鉄道事業ほど、正確な運行、そして新幹線初め、高速性、大量輸送、またサービスに比して安価な運賃、これだけ質の高い旅客鉄道を走らせている国はほかにはないと言っていいと私は思うんです。国交省のインフラ海外展開推進のための有識者懇談会のペーパーでも、個別分野の取り組みの方向性が書かれたパート、個別分野のイの一番に置かれているのは、道路でもなく港湾でもなく、鉄道なんです。 にもかかわらず、海外の鉄道運行を受注しているのは、圧倒的に多いのは欧州勢です。水事業でも有名なフランスのヴェオリアは、公共交通運行会社ヴェオリア・トランスポート、こういう企業をつくって、EUや北米、アジア、オーストラリア、二十八カ国で公共交通サービスを受注しています。特に、ヨーロッパ市場において、ドイツ勢、イタリア勢と激しい競争を展開しています。 こういうヨーロッパ勢の先行をもたらしたのは、EUの政策として鉄道事業の自由化が進められてきたためだと思います。二〇〇七年には貨物、二〇一〇年には旅客の自由化が実現をしています。 それを可能としたのが一九九一年のEU指令であって、線路等の鉄道インフラのオープンアクセスを前提にして、インフラ保有と鉄道運行サービスのいわゆる上下分離を推進してきた。この結果、他国の鉄道運行事業を受注できるような、鉄道運行に特化をした鉄道オペレーター、TOCが成長してきたわけです。そして、新興国においても鉄道事業の上下分離が進められていて、そこに今ヨーロッパ系のTOCが鉄道運行サービスの長期のコンセッション契約を次々とりにいっている、こういう状況です。 翻って日本はどうか。JRを見ても、上下一体運営が前提となっている。そのため日本には、鉄道運行サービスに特化した純粋な鉄道オペレーターの事業者というのは存在をしていないという現状です。だからこそ、この市場競争に、これだけ質の高い鉄道を運行している日本勢は企業として参入できていないわけであります。 ようやく日本でも、鉄道事業法二条に基づく第二種鉄道事業者として、例えば信楽高原鉄道とか出てきましたけれども、これは、赤字経営の鉄道路線を維持するために、路線を自治体が抱えて、そして運営を、運行を民間にやってもらって、何とか事業継続をするために編み出された、いわば方便にすぎない、こういう活用のされ方しかされていないのが現状です。 発送電一体、地域独占の電力自由化が今議論をされていますけれども、それと全く同じ話で、日本も、本格的な鉄道事業の上下分離、こういうものを進めて、世界の市場をとれるような鉄道オペレーターをつくっていくべきだと思います。世界的に見て比較優位の技術水準があるのだから、これは、今の状況はいわば宝の持ち腐れみたいになってしまっているのではないかと思います。この点について、ぜひ御見解をお伺い申し上げたいというふうに思います。
○滝口政府参考人 世界の鉄道市場へ我が国の鉄道産業が進出するためには、相手国のニーズに合致したものを提案し、また、よりよいものを提供していくという必要がございます。 委員御指摘のように、国によりましては鉄道のいわゆる上下分離を行いまして、その上の部分だけをそういった市場で調達をするということが行われている例もございます。 なお、この場合の上の部分を担当する会社の役割でございますが、例えば英国の事例の場合には、車両は保有せずに、純粋に運行だけを担当している例がございます。また、車両も保有、管理させて運行を行わせているケース、あるいは、信号保安システムといったようなものを含めて整備をさせて運行管理をやっているケース、これはそれぞれの国によってさまざまな事情がございます。 なお、私どもが特に売り込みに力を入れております新幹線鉄道につきましては、御案内のように、非常に高度な鉄道システムでございますので、信号保安システム、車両それから運行管理システム、乗員の技能、こういったことも含めてトータルパッケージで売り込みをいたしたいと思っているところでございます。 一方で、委員御指摘のように、我が国の鉄道事業者というのは、世界的に見ても、安全性、安定性、定時性などを含めまして、非常に高いレベルの運輸サービスを提供いたしております。このため、我が国の鉄道事業者からこのようなノウハウについて支援を得たい、特にこれはアジアにおいて多いケースでございますが、こういった支援を得たいといったケースも続いております。 一例を申し上げますと、近時では、ベトナム・ハノイ市の都市鉄道におきまして、JICAを通じまして、東京メトロに対しまして協力の要請があり、現在そういったような支援を行っているところでございます。 今後とも、それぞれの国のニーズに応じた、我が国の鉄道産業の特性を発揮できるような、そういった売り込みに全力を挙げてまいりたいと思っております。
○太田国務大臣 今のとおりなんですけれども、日本の鉄道は、路盤、車両、運行システム、全体のシステムという、全体が強いんだということできたというふうに思います。それは確かにすぐれていると思うんです。ところが、受ける方の外国は部分的に発注する形になっているというふうに思って、そこが、今のお話を聞いていますと、どうもかみ合わないということだと思うんですね。これは非常に大事な課題なので、今の鉄道局長の話も含めて、鉄道事業者ともちょっと連携して、勉強させていただきたいと思います。
○柿沢委員 大変好ましい大臣答弁が次々出てきて、私は大変うれしく思うんですけれども、ぜひ研究を進めていただきたいと思うんです。 先ほど、るる鉄道局長が御答弁をされましたが、これは結果が出なきゃしようがないというのがきょうの質疑のテーマのようなものですから、こちらが幾ら、世界一だとか、優秀だ優秀だと言い募っても、相手のニーズに合わせなければいけない、これが実態だと思いますので、そうした世界における鉄道運行事業というのがどのような形でこれから国際競争になっていくのか、こうした趨勢もぜひ見ていただきたい、こういうふうに思っております。 あと、残り時間大変少なくなってきましたが、先日、道路法の絡みで高速道路の議論がいろいろあって、きょうも、首都高の有識者会議の話が出たと思います。 高速道路の整備計画なんですけれども、これは、法律上は、今も国幹会議の議を経て行うはずのものだと思います。そうであるにもかかわらず、前政権は、国幹会議は道路行政の象徴だということで、廃止法案を出して、廃止の方向を決定した。 しかし、この廃止法案は実は通っていませんので、国幹会議は今でも生きているんですよ。そして、国会議員の十人の委員は、石破委員、二階委員、参議院からは輿石委員、こういう皆さんの選任が行われているんですけれども、有識者委員は、学識経験者の委員は、十人みんな欠員のまま放置をされて、国幹会議は事実上廃止同然の状態で、宙ぶらりんにほっぽらかしにされている。 一方で、前政権は、社会資本整備審議会道路分科会で、整備計画も基本計画も、また事業化プロセスも全部やるということにしてしまった。法律を通さずにこういうことをやるのが果たして正しいやり方なのか。 私は、方向性としては、むしろ前政権のやり方に賛同的な立場ではありますけれども、しかし、法律があるのに、それを換骨奪胎して事実上変更しているというのは、私は法的に問題大ありだというふうに思っています。 政権交代があり、国幹会議を走らせてきた自公政権にいわば戻りました。国幹会議を今後どうするんでしょうか。廃止するんでしょうか、あるいはもとどおりに戻すんでしょうか。あるいは、前政権のやり方でもない別のやり方をこれから模索していくんでしょうか。ぜひお伺いをしたいと思います。
○太田国務大臣 政党それぞれに考え方があって、特に私が国会にいない間にそうしたことで変更して、それで新しい体制ができて、形としては、この間、二月にメンバーが衆議院本会議でも任命されてきているんですが、会議自体をどういうふうにしていくかということについては、少し調整が各党間も含めて必要ではないかなというふうに思っています。私が強引に何か突っ走るというよりは、各党間から、民主党を初めとして意見が出て、法案が出て廃案になったというような事例も含めて、現在の時点でどう考えるかということを少し各党間で話もしていただきたいし、もう少し調整が必要だなというふうに思っているところです。
○柿沢委員 時間が参りましたから終わりますけれども、しかし、整備プロセス、事業化のプロセスは、時々刻々進んでいくべきものであると思います。この状況を何らかの形で現政権として結論を出さないと、前にも進めないということにもなりかねないので、ぜひ大臣、ここもしっかりと御検討をしていただきたいというふうに思います。 終わります。 ————◇—————
○金子委員長 次に、内閣提出、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣太田昭宏君。 ————————————— 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○太田国務大臣 ただいま議題となりました不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 建築物の耐震化等を通じて都市機能の向上を図り、我が国経済を活性化させるために、民間の資金や創意工夫を最大限活用することが求められております。 民間資金を活用した都市機能の向上や、不動産市場の活性化を図るためには、投資家からの出資を受けて不動産の開発、賃貸等を行い、その収益の分配を行う不動産特定共同事業の活用が極めて有効であり、その一層の活用を推進するための措置を講ずる必要があります。 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、不動産特定共同事業を専ら行うことを目的とするなど一定の要件を満たす特別目的会社が不動産特定共同事業を営もうとする場合には、届け出をしなければならないこととするとともに、届け出をした特別目的会社に対する立入検査等、所要の監督規定を設けることとしております。 第二に、届け出をした特別目的会社から委託を受ける不動産特定共同事業者について、自己取引等の禁止、委託された業務の再委託の禁止等、その業務についての所要の規制を措置することとしております。 第三に、不動産特定共同事業者の業務の適正な運営を確保するため、事業者から業務委託を受けた者等を立入検査の対象に追加するなどの措置を講ずるとともに、罰則の強化を図ることとしております。 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会