原子力問題調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/04/19
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 この際、田中原子力規制委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。田中原子力規制委員会委員長。
○田中政府特別補佐人 おはようございます。 昨年九月十九日に原子力規制委員会委員長を拝命しました田中俊一でございます。 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境を守るという使命を果たすため、科学的、技術的見地から、公正中立に、かつ独立して意思決定を行うこと、その際、多様な意見を聞くことによって独善的にならないように留意すること、形式主義を排し、現場を重視する姿勢を貫き、真に実効ある規制を追求すること、意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情報の開示を徹底し、透明性を確保することを基本として取り組んでおります。 具体的な取り組みの第一は、改正原子炉等規制法に基づく原子力施設の新しい規制基準の制定です。 シビアアクシデントを二度と起こさないという観点から、具体的な性能要求を盛り込んだ新基準を制定するべく、発電用原子炉については、本年七月の施行を目指して先ごろパブリックコメントを開始し、サイクル施設については、本年十二月までの施行を目指して検討を行っているところであります。また、新基準に基づく審査や検査にも的確に取り組んでまいります。 第二は、原子力防災の強化です。 原子力規制委員会では、東京電力福島原子力発電所事故の教訓を踏まえ、安定沃素剤の服用などの緊急時における防護措置の判断基準、実施手法等、各自治体が策定する地域防災計画の基本となる事項を原子力災害対策指針として提示しており、既に多くの自治体において、地域防災計画を策定、改定いただいております。引き続きさらなる指針の充実に取り組むとともに、地域防災計画の策定を支援してまいります。 第三は、東京電力福島第一原子力発電所の安全確保です。 改正原子炉等規制法に基づき、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所の安全確保のために、昨年十一月、特定原子力施設の指定を行いました。現在、東京電力が策定した特定原子力施設に係る実施計画について、事故を起こした原子炉の速やかな廃止措置による放射線リスクの低減の観点も踏まえ、審査を行っているところで、計画認可後は、計画に即した適切な対応が行われているかを検査することで安全を確保してまいります。また、早期かつ安全な廃炉の実現に向けて、資源エネルギー庁との間で協力、連携を進めてまいります。 このほか、事故に関連して、被災住民の健康上の不安を解消し、安定した生活を実現するため、健康管理のあり方について提言をいたしました。さらに、事故原因の究明についても、今後、適切に行ってまいります。 第四に、国際的な連携強化です。 我が国の原子力安全の向上に資するため、諸外国と原子力安全に係る経験や知見を共有するべく、昨年十二月に、米国とフランスの規制委員会と協力を行うことで合意しました。さらに、IAEAその他の国際機関との協力や連携を強化してまいります。 最後に、原子力安全行政のさらなる取り組みです。 原子力規制委員会の発足に伴って、従来複数の省庁が担っていた安全審査などの規制行政と核燃料物質の防護等の事務が一元化されました。去る四月一日には、文部科学省が所掌する核不拡散の保障措置も移管され、いわゆるセーフティー、セキュリティー、セーフガードのスリーSが原子力規制委員会の下にそろうこととなりました。 さらに、文部科学省からは、放射性同位元素の使用等に関する規制や放射線モニタリングの実施機能も移管され、これら原子力安全行政のさらなる取り組みを着実に行ってまいります。 原子力規制委員会といたしましては、今後とも、これらの事務を迅速、適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 ————◇—————
○森委員長 原子力問題に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取することとし、政府参考人として内閣官房内閣審議官鎌形浩史君、文部科学省大臣官房審議官鬼澤佳弘君、経済産業省大臣官房審議官中西宏典君、環境省総合環境政策局環境保健部長佐藤敏信君、原子力規制庁次長森本英香君、原子力規制庁審議官山本哲也君及び原子力規制庁原子力地域安全総括官黒木慶英君の出席を求め、説明を聴取することとし、また、会計検査院事務総局第一局長鈴木繁治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木馨祐君。
○鈴木(馨)委員 おはようございます。自由民主党の鈴木馨祐でございます。 きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 前回のこの委員会、四月八日でございますけれども、事故調の前委員の方々との質疑ということでさせていただきました。その中でも触れられていたのが、独立性と専門性の観点から、しっかりと規制機関を国会がこれはある意味で監視をしウオッチをしていかなくてはいけない、そういった御指摘もいただいたところであります。まさに、いわゆる三条機関として定められた規制委員会でございますけれども、やはり、そうした観点からこれからしっかりと我々でもってこれはウオッチを進めていかなくてはいけない、そういった観点から本日の質疑も進めさせていただきたいと思っております。 これから新しい規制の基準の策定もございますし、さらには、その基準に基づきまして、いろいろな審査であるとかあるいはこうしたチェックもこれからはしていく、そういった中でありますけれども、やはり規制組織として、まさにそうしたチェック、審査をしっかりと、きちんとできるという機能をまずは備えること、さらには、もう一つ私は大事だと思っていますのは、こうした審査、チェックをした結果というものが、これは、その組織の信頼というものがなければ、国民一般に広く受け入れられるあるいは納得をしていただくということはできないわけであります。 まさにそうした意味で、これからの原子力行政、この方向性を考えていく中でも、この規制組織の信頼をどうやって回復をしていくことができるのか。これは、私は極めて大事なポイントなんだろうと思っているんです。 今回の福島第一原発のこの事故を通しまして、さらには、それに至る経緯も含めまして、日本の国民の間で、原子力行政あるいは原子力への規制の機関に対しての信頼というもの、まさに、残念ながら今は地に落ちた状況にあるとこれは言わざるを得ないと思うんです。 そういった中で、ぜひともこれからも、田中委員長を初めとして、皆様にもそうした取り組みを進めていっていただきたいと思っております。 そういった中で、まず、今の規制組織のトップである委員長にお伺いをしたいのでありますけれども、これまでの、従来の規制体制についてであります。 このどこが問題があったというふうにお感じになられているのか。これはいろいろなところでも指摘がありまして、実際規制をされる側の事業者との力関係というか、情報とかそういった力関係も含めましていろいろな問題も指摘をされてきたところでありますけれども、これまでの組織としてはどういう問題があった、そうお考えなのか、委員長に御質問させていただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 まず、これまでの原子力規制に当たってきました原子力安全・保安院が、原子力を推進する資源エネルギー庁に設置されていたという、そういう組織的な形の問題が最大の問題であったと思います。科学的、技術的な見地から独立して意思決定を行うという規制機関の基本的な役割が果たせない仕組みになっていたのではないかというふうに考えています。 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえ、三条委員会として設置された組織でありますので、科学的、技術的見地から安全を追求し、安全性の継続的な向上に努めてまいりたいというふうに考えています。
○鈴木(馨)委員 今御指摘のところでもございますけれども、確かに、組織のあり方、とりあえずこれを一緒にして機能するような形にしたわけでありますけれども、これをどうやってこれから本当に機能していく形にできるのか、これは極めて大事なポイントだと思いますし、あるいは、原子力の行政というのがあるのは日本だけではありませんで、さまざまな諸外国においても当然そうした規制の問題、これは多くあるんだろうと思うんです。 実はアメリカにおいても、NRCでは、そのあり方あるいはそのチェック機能についても、アメリカですら、そうした疑義も多くあるところだというふうにも聞いております。 そういった中で、これから、いわゆる原子力を発電として有している、あるいは規制を組織として有している、そうした多くのこういった国とのいろいろな形での情報交換や意見交換、あるいは、きょう最初のお話の中でもありました連携の問題、これもしっかりと進めていかなくてはいけないんだろうというふうに思っております。 そうした中で、今回、国際アドバイザーという形で、アメリカとイギリスそしてフランスの、これまで原子力規制の経験を有している方々にアドバイザーという形で委嘱をしているということも伺っております。 これまで、情報交換、あるいはこうしたアドバイザーを招いての会議というものも催されているように聞いていますけれども、これまでの日本の体制について、こうした外国の機関のトップを務めた方から一体どういった指摘を受けているのか、そういった点について御質問を申し上げたいと思います。
○田中政府特別補佐人 現在、元米国原子力規制庁委員長のメザーブさん、それからフランスの原子力規制庁、先日おやめになりましたけれども、ラコステさん、それから、これも先ごろおやめになりましたイギリスの原子力規制組織のトップのウェイトマンさんの三人に、国際アドバイザーとして委嘱して、いろいろ御意見を伺っているところでございます。 それほど今まで多くはありませんけれども、昨年十二月十四日に、三人の方においでいただきましていろいろお伺いいたしました。たくさんの意見がございましたけれども、やはり、日本の規制組織が独立性がないということ、それから透明性にも欠けていたという御指摘がありました。それにつきましては、三条委員会ということで、今後そういったことは払拭できるように努めていきますというお答えをしておるところでございます。 中でも、ラコステさんの言葉が私にとっては大変印象に残っているんですけれども、いわゆるこういった規制は安全を守るための最低の基準である、ところが、日本の事業者と話してみると、規制さえ守れば安全は十分なんだという考え方がある、これはまずいですよということでした。 これは、言いかえれば、要するに、我が国にまだ安全文化というのが規制側にも事業者側にも十分に根づいていないんだということを、裏返して直接そうおっしゃったように思います。 したがいまして、そういった点について、これは文化の問題ですので一朝一夕にはいきませんけれども、私たちも、十分にそれについて心して推進するように心がけていきたいと思っているところでございます。
○鈴木(馨)委員 今の、まさに規制を守っていれば何でもいいんだ、そういったこれまでの事業者の受けとめ方であったりとか、あるいは、最初の質疑でも申し上げましたけれども、事業者と規制当局との力関係も含めて、まさにこうした点が今回の事故の大きな遠因になった、これは恐らく疑いようのない事実だろうと思うんです。 これを、どうやってこれからきっちりと規制当局として安全文化をひとつ根づかせて、さらには信頼を回復できるのか。このことは極めて大事なポイントだと思いますし、そのためには、極めてこれから道は長いんだと思うんですね。そうした中で、いろいろな形でのこれからお取り組みも進めていっていただきたい、そう思うわけであります。 きょうは最初の質疑でもありますので、若干、いろいろな幅広い観点からこうした点の質疑も進めていきたいというふうに思っております。 まず、この原子力規制委員会の独立性の問題、この指摘もあったというふうにおっしゃいました。三条委員会として今回定めた、それをもってこれからそうした独立性の問題をクリアしていくんだ、そういったこともおっしゃいました。しかし、この独立性の問題というものは、定義も含めて、極めてこれは難しい問題なんだろうと思うんです。 独立性というのは、すなわちこれは、判断を下すに当たっての独立性のことだと思うんですけれども、しかし、独立性にこだわる余り、そのことでいろいろな事業者とのコミュニケーションができなくなってしまえば、これは全く意味がないわけであります。しかしその一方で、コミュニケーションも、不透明な形で、あるいは余りにも事業者に振り回されるようなコミュニケーションがあっては、これはまた独立性という観点から大いなる疑義があるんだろうと思うんです。 そうした意味で、事業者と規制委員会として、どういうラインでどういうつき合い方をしていく、あるいは、情報交換も含めて、意見交換も含めてしていくのか、これは極めて大きな、大事なポイントだと思うんです。 そこで、どういうラインを引かれて、どういう形の意見交換であればこの独立性に問題がないというふうにお考えなのか。あるいはこの独立性は、すなわち、ある意味では孤立にもつながってしまう可能性もあるわけであります。しかし、それは決してあってはならないことであって、そこら辺のバランスをどうお考えなのか、この点を委員長からお伺いをしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 独立性を主張する余り孤立に陥ってはいけないということは、最初にも申し上げましたとおり、私どもも非常に感じておりまして、独立性を保ちつつコミュニケーションをきちっと保つというために一番私どもが心がけているのは、透明性でございます。 ですから、事業者と会う場合でも、事業者の意見を聞く場合でも、基本的に、例えば議事録を残して公開するとか、これまでも、新しい規制をつくるために、四回ほど、延べにして十時間ぐらい事業者の意見を聞いておりますが、こういったものはみんな公開でやっております。 ですから、そういうことで独立性を保ちつつ、かつ、事業者とのコミュニケーションを十分保っていきたいというふうに思っています。 特に、これから新しい規制基準が施行されていきますと、事業者との意見交換というのは大変大事になります。今も、日々毎日のように幾つかの事業者が規制庁なりに来て、いろいろ意見を交わしております。誰が来たか、ほぼどういった内容の議論をしたかということを公開しつつ、十分にそこの点については事業者との意思疎通が図れるように、今、図っているところでございます。 これにつきましては、先生御指摘のように大変大事なことだし、うっかりするとまたこれは信頼をなくすことにもつながりますので、その辺を十分注意しながら、私どもも、きちっとしたコミュニケーションを図っていくように心がけたいと思っています。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさにこれは、信頼性という意味でも極めて大事な点なんだろうと思うんです。 恐らく、多くのほかの国でもこうした点の共通の悩みというものはあると思われるんですけれども、諸外国で、例えばアメリカなり、あるいはフランスなりイギリスなり、先ほどアドバイザーということもお伺いをしましたけれども、そうした諸外国において実際どういった議論というか、独立性を守りつつコミュニケーションをしっかりやっていく、こういったルールがあるのか。これは事務方でも構いませんので、お伺いができればと思います。
○田中政府特別補佐人 全ての国を承知しているわけではございませんけれども、例えば米国の場合には、一番大事なことは、やはり透明性ということに大変心がけているということは、先日も、コミッショナーが二人ほどおいでになりましたときにもお聞きいたしました。 今御指摘の点については、事業者との関係におきましては、アメリカも、スリーマイルアイランドの事故の後、随分御苦労されたという経験もありまして、事業者サイドでも安全向上のための取り組みを相当できるようになってきて、そういったところとのコミュニケーションを図りながら、NRCとしてもきちっと効果的な、実効性の上がる規制を進めていますということをお聞きしておりますので、私たちも、できればそういうふうな方向に進むべく努力をしていきたいと思いますし、事業者にもそのことを求めていきたいと思っています。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。次の論点に移りたいと思います。 この独立性の問題とある意味で多少近い問題でもありますけれども、中立性をどうするのか、この問題というものも私はあると思うんです。 いろいろな形で議論をしていく中で、この中立というのをどういうふうに捉えるのか。例えばいろいろな委嘱をするに当たって、従来、これまでの原子力行政の中で役割を担ってきた研究者の方にしても、あるいはさまざまな事業者の関係の方にしても、これを完全に除外をするべきなのかどうなのか、これも一つ議論があるところだと思うんです。 ただ、これは信頼性の問題とも極めて密接に絡む問題ですので、まずは、この中立性というものがどうあるべきなのか、これは一般的な質問になってしまいますけれども、その点、委員長はどうお考えでしょうか。
○田中政府特別補佐人 中立性も、委員御指摘のように、私たちの活動にとって大変重要な原則でありますので、行動原則として、中立性確保のためのルールを設けて運用しているところでございます。 原子力規制に関する決定を行うに当たっては、その参考として外部有識者からの意見を聞く場合においては、その外部有識者と事業者との関係について情報の公開をしていただく。具体的には、過去三年間の、例えば研究費の授与があったかどうかとか、そういったことになります。 さらに、事業者の個別施設に係る事案については、原則として、その事業者の役職員の経歴がある方、あるいは事業者から一定額以上の報酬を受けた方、過去にその個別施設の審査に関与した方はその検討から除外するという運用をしております。 ただ、今回策定しました規制基準の策定に当たりましては、相当数の方に、これまでそういった規制に携わってこられた先生方の御協力もいただいておりますという事実もありますので、そのことだけ御報告をさせていただきます。
○鈴木(馨)委員 この中立性というのは結構大事なんですけれども、しかしその定義は難しい問題でもありまして、これまで原子力規制にかかわってこられたあるいは事業所との関係もあった方々というのは、割とどちらかというとメーンストリームの方も多かったりするのが、これが実態だろうと思うんです。確かに、それを全て排除してしまえば、恐らくこれは機能しないのも事実でありまして、しかも、それで本当に中立性というか、真ん中のバランスのとれた議論ができるかというと、これもまた難しい点かなと思っています。 そういった中で、確かに、そうしたこれまでの経緯で業界といろいろかかわりがあった方も含めてこれは取り入れていかざるを得ない、こういった面もあろうかと思いますけれども、しかしその一方で、やはり国民感情として、あの事故のある意味で遠因になった、どちらかというときちんと規制をしていたのか、あるいは、きちんと本当に客観的な専門性のある議論を業界との関係を一切考えずにこれまでしっかりと提供できてきたのか、そういった専門性という観点で疑問がそうした関係者にはあるのも事実なんです。 そうした中で、やはりこれから信頼回復のためにも、確かに本当の中立といえば、これは、これまで業界とかかわりがあった方も含めて専門的な知見を提供していただくということだと思うんですけれども、しかし、信頼回復というもう一個大きなミッションを考えれば、そのバランスというものも、これは非常に難しいさじかげんが求められているんだろうと思うんです。 これから、中立性を守りつつ、しかし信頼性を回復していく、先ほども少しお触れになられましたけれども、そこについての決意というか、これからそうした運営をしていくんだ、この判断基準も含めてお伺いをできればと思うんですが、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 私どもの覚悟としまして、規制機関の信頼を回復するためには、まず透明性、それから中立性、これは、今先生御指摘のようないわゆる有識者の活用に当たっても、透明性をきちっと確保することによって中立性もある程度担保できるはずであるということで、そこの運用については、きちっと厳格に運用していくという覚悟であります。 中立性を確保していくということが、今後、原子力の地に落ちた信頼性を回復するためには非常に大事なことであるという認識で臨んでいきたいと思います。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 それでは、次の論点に移らせていただきたいと思います。 独立性や中立性に加えて、これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、専門性の部分、これは極めて大事だと思うんです。 最初に、委員長がこれまでの反省の中でおっしゃっていた中で、行政と、専門的な組織というか実行部隊、その中に設置をされていた云々、そうしたお話もありました。 こうした中で、実は今、例えば原子力の国ということでいえば、先ほどからアメリカの話も出ていますけれども、この規制の体制のマンパワーというものが、比較をしてみると、明らかにこれは足りない部分も多いと思うんです。しかも、日本の場合には、いわゆる事務方というか行政官、これもかなりこれまでの経緯でポジションが多くて、実際に、本当に専門的な知見を有する専門家の実動部隊というものがどのぐらいいるのか、ここには極めて大きな疑問があろうと思います。 しかし、これから本当の意味での規制基準をしっかりとつくって、さらにはその適用をしていくということであれば、専門性を備えた人材の確保というものは、これは極めて大事なんだろうと思うんです。 しかし、これはもちろん一朝一夕にできることではないと思いますし、委員長もどこかの記者会見でそういった点もおっしゃっていたかと思いますけれども、こうした人材の育成をきちんとしていくのに、一体どのぐらいの時間的なスパンをお考えなんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 まさに御指摘のように、人材育成というのは、一般的に言えば非常に時間のかかるものであります。それで、持続的な規制行政をきちっと続けるためには、人材を次々と生み出すような仕組みも必要だと思います。 ただし、今私どもに与えられている当面のミッションをきちっとこなすためには、今私たちが活用できる人材を最大限に活用して、その使命を果たすために取り組んでいきたいと思っています。
○鈴木(馨)委員 そうした人材ということで一つこれは多少議論にもなっているのが、JNESの問題になろうかと思います。 これは実際、原子力規制委員会設置法の附則の中でも、JNES、独立行政法人原子力安全基盤機構を廃止し、将来的には、統合するための法的な措置をしっかりと講じていく、こういったことも言われておりますし、可能な限り速やかにこれを行っていくんだということも言われております。今、これは実態としてどこまで進んでいるのか。この現状をまずは委員長の方から御発言をいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 原子力規制行政を進めていく中で、科学的、技術的知見を持つ職員を擁するいわゆるJNESの機能あるいは専門性をどのように活用していくかというのは、極めて重要な課題だと認識しております。 現在、原子力規制委員会としましては、委員会のもとで、事務局である原子力規制庁と技術支援機関になりますいわゆるJNESの実質的な連携を深める取り組みを進めているところであります。 我々規制委員会を支えていただく技術支援機関の役割は極めて重要でありますので、そういった点も踏まえつつ、また、法律の趣旨も踏まえつつ、内閣官房と緊密に連携をしながら、原子力規制組織全体の専門性、機能の強化に向け、しっかりと検討しているところでございます。 今後もそれをできるだけ速やかに進めまして、法律の趣旨に沿っていけるように努力していきたいと思っています。
○鈴木(馨)委員 今、これから規制基準もこれは速やかに実際策定をしなくてはいけないわけですし、その後も、まさにこれから日本の原子力行政をどういう方向に持っていくのかという観点からも、そこでしっかりとその適用もしていかなくてはいけない、実際に審査もこれはしていかなくてはいけない状況だと思います。 そういった中で、まさに先ほど委員長がおっしゃったように、人材は育成には時間がかかる、これも事実だと思いますし、実際、マンパワーが本当に十分あるのか。専門人材を考えれば、これは全く十分じゃない。これが現状だと思うんですね。そうした中で、やはり規制委員会としても、できる限りのあらゆる力を通して、統合ということをこれは一刻も早くやっていかなきゃいけないと思うんですね。 ただ、どうもそのペースというか、一刻も早くやらなきゃいけない、早くこの人材確保しなきゃいけない、そういった危機感を持って進められているかというと、なかなか実はそうは感じられないところもありまして、これは実際のタイムスケジュール的に、いつまでにこの統合というものをする必要があると委員長としてはお考えなのか、その点、御発言をいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 事務当局が官房といろいろ協議しているので、時間的なところまで今私は把握はしておりませんけれども、安全規制、こういった仕事を実質的にきちっと効果的にやっていくためには、相当きちっとした、技術支援ができるスタッフが必要であります。それをどういう形で持つかということについては私も大変頭を悩ませておりまして、当然、法律に書かれているような統合と同時に、さらにサステーナブルにするためには、きちっとした支援機関が必要だ。 NRCは、NRC自体が四千人からのスタッフを抱えて、その中に技術支援スタッフを十分抱えるだけの余裕があるわけでございますけれども、私どもは、今、規制庁職員は五百人ぐらいしかおりませんので、そういった中にさらにJNESを入れれば千人ぐらいになるわけですけれども、それだけで十分かどうかということです。 法律の附則の第五条にも、さらに、独立行政法人等も含めて我が国の原子力の技術支援がきちっとできるように検討をしていただくということですので、そういったこともあわせて今御議論をいただいています。 それで、細かい今後の見通しについてはちょっと私承知しておりませんので、もし必要でしたら、事務当局の方からお答えさせていただきます。
○森委員長 それでは森本次長、補足することがあったらどうぞ。
○森本政府参考人 今、委員長が答弁いたしましたとおり、法律の附則の六条四項そして五項において、まさに原子力規制組織全体の強化という観点からいわば規定がなされておりますので、その趣旨を生かして今内閣官房とまさに検討を進めさせていただいておりますので、その点についてはしっかりと検討させていただきたいというふうに思います。
○鈴木(馨)委員 まさに、この規制の実態をどうきちんと運用していくのか、これが、これからの日本の原子力行政がどちらに向かうにしても、まさに時間もないわけでありますから、しっかり一刻も早くこうしたきちんとした運用ができるような体制をしていく、これはまさに委員長の責務だと思います。 そうした中で、これから全力で、全身全霊でそのお取り組みをいただきたい、そのことを最後に申し上げまして、私の質問を終わりとさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○森委員長 次に、江田康幸君。
○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。 本特別委員会は、国会事故調の提言を受けて、国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、規制当局からの説明聴取その他の調査を恒常的に行う委員会として設置されたものでございます。これらの観点から、きょう、質問に立たせていただいております。 東京電力福島第一原発の事故を受けて発足した原子力規制委員会においては、この事故の教訓を踏まえて、二度とこのような悲惨な事故を招かないよう、万全の取り組みを行ってもらう必要がございます。そのためには、未曽有の過酷事故となった今回の事故原因について詳細に分析を行い、そこで得られた知見を安全規制に取り入れていくことが重要でございます。 今回の事故原因の分析を今後しっかりと行い、随時規制に反映していくことを前提として、今回、原子力規制委員会においてパブリックコメントを行っている新規制基準について、本質的な議論をまずさせていただきたいと思うわけでございます。 私自身も立法にかかわりました原子力規制委員会設置法の附則において、原子炉等規制法の抜本改正を行っております。この中で、これまで法に基づかない原子力安全委員会の指針という形で示されていた具体的な基準を、法に基づく規制基準として位置づけました。また、これまで事業者の自主的取り組みに任せていた重大事故、シビアアクシデント対策を、法に基づく規制対象といたしました。さらに、既に許可を得た原子力施設に対しても新基準への適合を義務づける、いわゆるバックフィット対策を導入いたしました。 このように、新たな安全規制の確立に向けては、法的な枠組みは整えられたわけでございます。この新たな規制の七月の施行に向けて、具体的な規制基準をしっかりつくっていかなければなりませんが、その際には、IAEAが指摘する深層防護、すなわち、通常時の運転からシビアアクシデントに至るまで重層的に防護対策を施すという考え方を徹底することが重要であります。また、今回の主な事故原因となった津波が想定外であったということを踏まえ、自然現象などによる故障の想定とそれへの対策を強化するなど、国際標準と事故の教訓を踏まえた対応が必要と考えます。 そこで質問でございますけれども、今回の新規制基準策定に当たってはどのような基本方針を持って臨んでいかれたのか、委員長にお伺いをいたします。
○田中政府特別補佐人 まず、一言で申し上げれば、福島第一原子力発電所のような過酷な事故を二度と起こさない、繰り返さないということであります。 具体的には、今先生から御指摘がありましたように、国際標準から見るとおくれていましたいわゆるシビアアクシデント対策について、義務化するというか法令化しまして、全て、既存の原子力発電所についても、バックフィットによってそれを求めるということでございます。 特に、我が国においては、自然現象、地震とか津波とかさまざまな火山とか、ほかの国にはないような厳しい外的状況がありますので、そういった対策につきまして一つ一つ対応ができるように今回の規制基準はつくられております。 そういったことで、国際的にも十分たえられるような基準になっているというふうに自覚しております。
○江田(康)委員 オンサイトにおける深層防護、これは、通常稼働時において、異常運転、故障が起きないようにする、また、異常が発生したときに、早期に検知して事故に至らないようにする、事故が起きた場合でも、設計基準内に事故を抑制する、さらに、シビアアクシデントが発生した場合に事故の進展を抑制する、こういう多層的な、多重的な防護対策が講じられているということでございます。 このような基本方針にのっとって今回の基準が策定されている、そういうお答えであろうかと思いますが、この規制基準案の具体的な内容について次に質問をさせていただきます。 この規制基準案というのは、第一層から第三層までの防護を支えるものでありますが、まず、先日の国会事故調元委員との質疑の中でこういうことがございました。田中三彦元委員が、新規制基準については、深層防護の考え方に基づいて、四層目の重大事故対策、シビアアクシデント対策を取り入れたのは評価する、しかし、四層目の対策があるがゆえに三層目までの設計基準による防護がおろそかになっているのは問題であるといった趣旨の指摘をなされました。 先ほども委員長は答弁されたと思いますけれども、この深層防護というのは、後に対策があることを期待しないという後段否定の原則に沿って行わなければなりませんけれども、田中三彦元委員の指摘がそのとおりであるとすれば、これは問題でございます。 そこで、三層目までの防護を担う設計基準について、おろそかになっているのか。また、そうでないとするならば、今回の事故の教訓を踏まえてどのように強化されているのか、説明をお伺いしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 今、深層防護の考え方がございました。 第三層までの防護、これは設計基準要求になります。第四層目というのは、いわゆる事故が起きたときの対策ということになります。 具体的な事例はどうかという御質問ですが、今回、第三層につきましては、火山とか竜巻など、こういった影響の評価と対策、あるいは火災防護対策の徹底、それから内部溢水対策の導入、外部電源の信頼性の強化、海水ポンプの物理的防護など、いわゆる第三層に事故に至らないようにするためのいろいろな安全対策を強化しております。
○江田(康)委員 簡潔な御答弁でございますが、基準津波もございます、安全性がそれによって損なわれない、また、津波防護施設は高い耐震性を有するようにしている、従来の三層防護に加えてそういうさらなる強化が盛り込まれているという御答弁であったかと思います。 もう一つ、シビアアクシデント、重大事故対策の基本的な考え方、これをお聞きしたいと思うんです。 さきのこの委員会では、国会事故調の石橋元委員から、重大事故対策について、特定安全施設の義務化を五年猶予するというのは四層目の防護に大穴をあけるものであって、とても世界最高水準の規制基準であるとは言えないという指摘もございました。 まず、今回新たに法定化したこの重大事故対策の基本的な考え方、委員長にお伺いします。
○田中政府特別補佐人 重大事故対策としては、炉心損傷を防止する対策、また、それが破られた場合に格納容器を維持する対策、さらにそれが破れた場合には、ベントシステムによって、放射能が外に出る量を管理する対策、それから、それの拡散を抑制する対策というふうに、多重の防護措置が必要になります。 米国では、そういった対策は主に可搬設備によって対応するというふうになっております。ヨーロッパは、比較的、恒設的な設備を導入しております。今回、私どもはその両方を要求しております。 それで、可搬設備については、早急に、即時適用して対応していただく。特定安全施設のようないわゆる恒設設備については、バックアップとして、少し時間の余裕を持って、実際に恒設設備は物によっては五年ぐらいかかるものもございますので、一応五年という猶予を設けさせていただいたということでございます。 それから、緊急時対策所の耐性強化とか、通信の信頼性、耐久性の向上、使用済み燃料プールの対策等を含めた計測系の強化、こういったこともあわせて今求めているところでございます。
○江田(康)委員 今委員長から言っていただきましたように、重大事故対策の基本的な考え方に加えて、特定安全施設の五年間猶予というのが四層目の防護に大穴があいているという指摘は当たらないということをおっしゃいました。 そこで、追加質問させていただきます。 この特定安全施設というのは、基本的には、重大事故対策として要求されるその機能が施行時において適用のある可搬施設による対応に加えて、バックアップ機能として恒設的な設備の設置を求めるというものであろうかと思います。 よくある疑問なんですけれども、可搬設備でこうした機能が施行時に全て備わっている、シビアアクシデント対策が施行時において全て備わっている上で、五年の猶予を置いて恒設的な設備とするものであるということかどうかということがよくわかりにくいところであろうかと思うんですが、その点について、さらに加えて御質問をさせていただきます。
○田中政府特別補佐人 御指摘のように、いわゆる可搬設備については、私ども、きちっとした審査、検査をしまして、それがきちっと準備されていることを前提として、安全の判断をしていくということにしております。
○江田(康)委員 きょうは東電の社長にも来ていただいておりますので、質問させていただきます。 原子力発電所の安全確保については、第一義的な責任を負うのは施設の管理者、つまり電力会社でございます。 安全確保について、今新たな規制基準が規制委員会によって策定されようとしているわけでございますが、これはまさに世界基準のレベルだと思います。 三・一一のような事故を二度と起こさないという断固たる姿勢を今回の事故を起こした張本人である御社みずからが示さなければ、御社が希望しているような柏崎刈羽の再稼働など国民には受け入れられないものであろうかと思いますし、また原子力発電自体の信頼回復というのもおぼつかない、このように思うわけでございます。みずからの安全に対する姿勢を正していかなければ、みずからの首を絞めることにもなる、このことを自覚すべきであると思います。 安全確保に第一義的な責任を有する電力会社として、規制基準を遵守するのは当然のことであり、みずからの安全に対する姿勢を徹底的に見直して、規制基準以上の安全を自主的に確保するという気概を持って最優先に取り組まなければならないと思いますが、東電の社長のお考えをお聞きしたいと思います。
○廣瀬参考人 東京電力の廣瀬でございます。 まず、二年前の事故によりまして、本当にたくさんの皆様、特に福島を中心に多くの皆様に引き続き大変な御迷惑、御心配をおかけしております。また、そうした中で、このところ、ネズミによる停電で冷却系がとまってしまう、あるいは汚染水が漏出する等々トラブルが本当に多発しておりまして、また新たな御心配をおかけしているということで、大変申しわけなく思っております。この場をおかりいたしまして、まずおわびを申し上げたいと思います。 今、新しい規制基準について、東京電力としての取り組みという御質問でございますけれども、私ども、既に御存じのとおり、この前の事故を踏まえて、社外の有識者、前のNRC委員長であるとかあるいは大前研一さんであるとか、皆さんに入っていただいて、原子力事故の総括をいたし、それに基づいて改革プランというのを三月の末に発表させていただいたところでございます。 そこでは、とにかくあの事故を天災だというふうに片づけてはいけない、それから、防ぐべき事故であったという認識のもとで、ハード面、ソフト面、それから経営のトップの安全に対するコミットメント、そうしたものをすっかり見直し、それで、もう二度とああした事故を起こさないという決意で、まさに今取り組みを始めたところでございます。 したがいまして、そうした観点に立って、新しい規制基準についても、それを上回るようなものをしっかり我々として準備していかなければいけないという思い、覚悟でやらせていただいているところでございます。
○江田(康)委員 最後の時間でございますが、前後いたしましたけれども、事故原因の分析、究明を確認して、終わりたいと思うんです。 先ほども申しましたように、これらの新しい安全基準というのは、本来は、事故原因の究明が全て終わった上で、それを踏まえて策定していかなければならないわけでございますが、線量が高い原子炉の調査というのが非常に困難な状況をきわめているというようなこともあり、今その原因究明が終わっていないかと思います。 例えば、今回の残されている原因究明においても、国会事故調が指摘した、津波による全電源喪失に限らず、地震による損傷の可能性が否定されていないという状況、また、三号機の燃料プールにおいても再臨界が起きた可能性もあるのではないか、四号機の原子炉建屋の水素爆発の発生源はどこなのか、こういうような極めて重要な検証が残されています。 こうした未解明の事故原因の分析、究明について、原子力規制委員会としてどのように取り組んでおられるか、また、取り組もうとされているかをお聞きして、終わりたいと思います。
○田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所の事故の継続的な調査は私どもの大きな使命でありますので、それにつきましては、少し遅くなりましたけれども、先般、調査委員会も発足させたところでございます。 御指摘のことについても、順次、現地調査ができるような状況になりましたら進めていきたいと思いますし、現地調査をしなくてもわかることについては、できるだけ早急に一つ一つ解明していきたいと思っております。 なお、地震と津波の影響につきましては、今回の新しい規制基準では、個別のサイト、それから個別のプラントにつきまして、基準値となります地震動、それから津波の高さにつきまして見直しを図りまして、それに十分に耐えられるものかどうかということを今回の判断の根拠にしておりますので、そこだけ御報告させていただきます。
○江田(康)委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○森委員長 次に、荒井聰君。
○荒井委員 民主党の荒井でございます。 思い起こせば、昨年の九月、民主党として、大きな議論をしながら、原子力規制委員会の委員長人事を決定していった思い出がございます。ちょっとこの間の経緯、そのときの議論の経緯をお話しさせていただきたいと思います。 当時、田中委員長は、今でもそうだと思いますけれども、原子力村の専門家であるということから、党の中から、原子力規制委員会の委員長としてふさわしくないのではないかという大きな意見がございました。そこで私は、田中さんの今までの活動、それをチェックさせていただきました。 一番大きな影響を私に与えましたのは、伊達市の市長さんでありました。事故の後、田中さんが伊達市に入られてボランティアとして除染活動されているという話を伺い、その間の話を伊達市長からお聞きする機会をつくりました。 私も役人をやっておりました。役人になったときに、人事担当官からこう言われました。公の仕事につく人間というのは、鉛筆一本で何百億あるいは何千億というお金が動くポジションを担うことになる、したがって、周りに寄ってくる人間は、何らかの思惑があっていろいろな人が寄ってくる、そんな中で、本当のことをしゃべってくれる人間を、ちゃんと知己を得ているかどうかということが大事なんだという話を聞いたことがございます。その人事担当官が言いましたのは、その中で最も厳しい批評をする人間というのは実はふるさとの人間だ、ふるさとの人間にとっては誇りである、けれども、同時に最も厳しい目で見ているものだ、それは利害関係がないからだということを聞かされて、私は就職したわけであります。 その意味で、伊達市の市長、ここも放射能を浴びた、被曝をした地域であります。隣の村は、三十キロ以上離れていたにもかかわらず被爆をした地域でもありました。その中で田中さんが黙々と除染作業に取り組んでいたということを大変高く評価しておりました。 その話を聞いたときに、いろいろ意見はあるけれども、私は田中さんでいこうと言って、当時の、後でちょっと話もしますけれども、川内君だとか近藤さんだとか反原発の活動をしていた人たちを説得した思い出がございます。 十六万人の人がいまだに避難をしている。そして、この後少し議論したいと思いますけれども、あのときの政府の対応、特に、原子力安全委員会の、保安院の対応が適切でなかったがために、しなくてもいい被曝をしてしまった人がたくさんいる。その人たちが、結婚ができないのではないか、子供が産めないのではないかという悩みを抱えながら、今、福島、あるいは避難地で生活をしている。そういう上に立った原子力規制委員長というポストなんだということをぜひ田中さんには、時間がたつとだんだん初心というのは忘れがちです、しかし忘れずに、それが委員長になったときの経緯であるということだけ、私は話として申し上げたいというふうに思います。 ところで、田中委員長は、たびたびいろいろな場面で、世界最高水準の安全基準を目指すということをおっしゃっております。私も、そうあるべきだと思います。地震国である日本で、今まで世界最高水準を目指していなかったということの方がおかしいのであって、それを目指すべきだと思います。 ただ、そのときに、日本の原発は、一つの原子力発電所の中に六基あるいは七基、福島の第一は六基あったわけですね。新潟の柏崎では七基ですよ。一つの場所で三基以上の複数のユニットを抱えている原子力発電所というのは、私は物すごく珍しいんだと思うんです。なぜ珍しいかというと、それは複合事故ということを恐れたからですね。複合事故が、原子力の安全問題を議論する人たちにとっては最も必要なことというか、危機管理の最大の避けなければならないことだったと思うんです。 日本には、三基以上の原発というのはたくさんあります。それは、サイトを確保するということが難しいからなんでしょう。しかし、そのことが世界で最も恥ずべき複数ユニットの原発事故を起こしてしまった。 そういうことを含めて、世界最高水準の安全基準ということ、どういうことをお考えなのか、もう少し具体的にお話しください。
○田中政府特別補佐人 今御指摘のように、福島第一原子力発電所の非常に大変なところは、複数の原子炉が同時にシビアアクシデントに陥ってしまったということであります。これにつきましては、私どもも相当内部で議論をさせていただきました。 それで、まず、事故に対処するための要員あるいは原子炉主任技術者も、今までは兼任を認めていたわけですけれども、こういったことは認めない。それから、必要な資機材も原子炉ごとに配備されているべきであるというようなことであります。これは対症療法じゃないかという御指摘を受けそうな話でありますけれども。 それから、複数一緒にやることによって安全性が向上する場合もないとは言えないんですけれども、基本的には、原子炉施設間でリスクが重畳するような共用とか相互接続ということについても、今回は独立性を求めております。 隣接した原子炉からの影響を防止するための観点から、各炉については水素爆発防止とか瓦れき撤去の重機の配備とか、可能な限り、先生御指摘のようなことが起こらないように、今、規制基準を求めているところでございます。
○荒井委員 私は、基本的には一つの原子力発電所で三基以上を同時に動かすことは極力控えるべき、やめるべきだというふうに思います。 あるいは、三基据えるのなら、その間隔というものは影響が及ばないような、そういう配置にさせるべきであって、今のような、例えば福島第一の第三号炉と第四号炉というのは施設の一部分が共用されていたなどということは、私は世界の基準からいくと常識外だというふうに思うんですけれども、そういう点はどうですか。
○田中政府特別補佐人 先生先ほど御指摘のように、アメリカ等では一つのサイトには最大三基ということになっております。(荒井委員「四カ所しかないですよね、それも」と呼ぶ)はい。 そういう意味では、我が国はいろいろな事情がありまして、これまで複数、六基とか七基というようなところもございますが、そういったことを踏まえまして、それに見合っただけの基準、あるいは今後、これは事業者の判断かと思いますけれども、運転、運用ということについても考慮していくべきことかもしれません。そこは私ども規制委員会が申し述べることではございませんけれども、そういった配慮も必要なのかもしれません。
○荒井委員 重ねて申し上げます。複数ユニットに関しては、世界じゅうが、日本は何でこんなにたくさんの発電所の中で複数ユニットを設置しているんだ、こんな危ないことをどうして規制当局が許したんだろうというのが私は本音だと思います。そういう点に関して、今回、原子力規制委員会がしっかりと応えていくというのも大変大事なことだと思っています。 菅政権のときに、浜岡原発をとめるということをやらざるを得なかったというふうに思います。 あのとき、東北大震災の震源地は、岩手沖で破裂をし、その後、宮城沖で破裂をし、福島沖で破裂したんですね。ずっと続いていったんです。そして、小さな地震が茨城沖までずっと流れていました。結局、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境目のところまで来ていたわけで、ひょっとするとというのが地震学者の皆さんの見解で、浜岡の沖合も危ないということで、浜岡原発をとめてほしい、とめなきゃいかぬというのが当時の緊迫した状況でありました。 しかし、とめる法律がなかったんですね。あのとき、動いている原発を強制力を使ってとめる法律がなかったんです。そこで、やむなく中部電力にお願いをしたというのが真実であります。 今回、バックフィットという、これはある意味では民法上の問題もいろいろあるような法律です。過去に政府が許可したものを、現在の知見に照らして過去の認可を取り消すというような、そういう作用を持っている法律ですから、これは非常に特例的な法律だと思うんです。 しかし、この法律があるから、例えば今の活断層の話でありますとか、あるいは、新しい知見に基づいて、本当に原発が安全なのかどうかという議論につながっていくんだというふうに思うんです。 そこで、バックフィットが、浜岡の原発のようなああいう事態、これは地震がずっと起きていなければそういうおそれはなかったのかもしれませんけれども、そういうものをとめられるような基準に今なっているのかどうか、そこだけ一つ。
○田中政府特別補佐人 バックフィット規制は今回の規制の非常に大事な骨格になっておりまして、必要なバックフィット条件を満たしていなければ、安全と認めることはしないということであります。したがって、稼働することはできないということになろうかと思います。(荒井委員「浜岡の場合はどうですか」と呼ぶ) 浜岡についても全く同じで、基準としては、今回の新しい基準をきちっと満たしていなければ、再稼働の判断は事業者がすることですけれども、そのための条件となります安全の判断はできないと。
○荒井委員 もう一度再確認させてください。とめる権限は、このバックフィット法の中では規定されていますか。
○田中政府特別補佐人 バックフィットによる停止というのは、今回、その運用について、私ども委員会で議論しまして、今後、バックフィットというものを円滑に適用していく上で、どういうふうにしたらいいかという議論をさせていただきました。 その結果、次の定検までは運転は認めるけれども、さらにその定検が終わって次の運転を始めるときまでにはバックフィット条件を満たしていなければ稼働できない、そういう仕組みにさせていただいております。
○荒井委員 それではあの緊迫した状況の、浜岡をとめたというのは私は英断だったと思うし、それに応えた中部電力も大変、場合によっては株主訴訟、あえてその危険を冒してまでとめていただいたわけですね。それは法的な根拠がなかったからですよ。したがって、今回、バックフィットという法律をしっかりつくったわけですから、その運用の中ででもこれを法的な形としてできるんだということにしなければ、また同じことなんですよ。 動いている原発をとめようとすると、電力会社にお願いをする。あのときには、中部電力の社長さんが大胆に判断をしていただいたのでとめられたのですけれども、そこは原子力規制委員会はしっかり考えていただきたい。今のようなあれでは、浜岡はまた同じことになりますよ。 委員長、次にSPEEDIの運用方針についてです。 福島の方にとって一番嘆かわしいというか、悔やんでも悔やみ切れないというのは、逃げる方向をちゃんと示してくれなかったがために、あえて被曝線量の高いところに逃げてしまった。これは、政府はSPEEDIというものを持っていたにもかかわらず、それをうまく使わなかった、あるいは、その種の情報を持っていながら、被曝の危険性のある人たちに対して的確な情報が出されなかったということがその大きな原因ですね。 私は、このことはとても重たいものだというふうに思います。このことのために、本当に人生の将来があえて大きな転換をさせられたという人たちを何人も見ています。特に、若い女性にこの嘆きは非常に大きなものがございます。 そこで、どうしてSPEEDIをうまく使えなかったのか。 あのときに、SPEEDIがあるというのを官邸は知らなかったのですね。誰か一人が、ちゃんとSPEEDIというものがありますよと、確かに発生源の放射能がどのぐらい出ているかがわからなければ適切な運用はできないけれども、しかし、単位量ではできるわけですから、その推計ができますよということを誰も言わなかったのか。メディアも言わなかった、専門家も言わなかった、そしてもう一つは東京電力も言わなかったというのが私は不思議で不思議で仕方がありません。 原子力発電所を運営している事業者がその種のものを持っていないということ自体も、私は物すごく不思議に思うんです。本当はどこかで持っていたのではないのか。原発ごとに持っていないとおかしいんじゃないのか。 政府は政府で一元的にやりますよ。しかし、事業者は事業者でその種のものを持っていなければおかしいんじゃないですか。周りの人たちに大変な影響を与えるかもしれないというシステムです。小さなもので、ラフなものであっても、なければならないというのが私の見解なんですけれども、まず田中委員長に、それから専門外かもしれませんけれども東電の社長さんにお聞きしていいですか。
○田中政府特別補佐人 SPEEDIにつきましては、今回の原子力災害対策指針の中でも、住民の避難の判断に有効に活用できるようにということで、今準備を進めさせていただいております。 どうしてうまく機能しなかったかということについては、いろいろな御意見があるのは承知しておりますけれども、私どもとしては、新たな防災指針の中で、それを有効に活用するという方向で今進めておるところでございます。
○廣瀬参考人 お答えいたします。 発電所には、SPEEDIのような機能を持ったものもございます。ただ、二年前の三・一一にはそれがうまく運用できていないということがございました。 今後、そうしたことも含めて、新しい基準にものっとって、しっかり運用していきたいというふうに考えております。
○荒井委員 私は、全く持っていない、あるいは全然運用できなかったというのは、その答弁の方がむしろ不思議だというか、東京電力の苦しい立場は理解をしつつ、後で東京電力さんと少し議論をしたいと思いますけれども、そういうものだと思います。事業者として住民対策をしっかりやるという姿勢がそこでも抜けていたんじゃないのかということだけを指摘させていただきます。 ところで、アメリカのスリーマイル島事故のときに、幾つかの調査レポートが出ました。最も分厚い、最も詳細なものは、当時のNRCが二年ぐらいかけてつくったロゴビン・レポートというものです。最も評価を受けたのは、当時のジミー・カーターが指示をして、ケメニーさんというダートマス大学の学長さんにつくってもらったケメニー・レポートなんです。 最も専門家がつくったのがロゴビン・レポートなんですけれども、このロゴビン・レポートやケメニー・レポートは、原子力規制委員会や規制庁の職員には、必読の書としてぜひ読ませるべきだというふうに思います。私たちが民主党のプロジェクトチームとして原子力保安院と議論をしていたときに、原子力保安院の院長さんやあるいは技術担当の責任者に、読んだことはあるかと言ったら、読んだことはございませんと言っていました。こういう状況で、本当に日本の原子力の安全対策をする資格がないのではないかと私がそのとき指摘をした覚えがございます。 そのロゴビン・レポートの最終的な結論は、避難計画なくして稼働計画なしというのが結論なんです。避難計画がちゃんとないところで稼働させてはいけないというのがこのスリーマイル島事故の最終的な結論なんですね。 そこで、原子力規制委員会は避難計画についても今積極的にされていますけれども、どうもその動きが鈍いというか、反応が鈍いというふうに思います。 特に、避難計画の道路の整備というのがないままにどんどん稼働させていたのではないか、あるいは立地させていたのではないか。 この避難道路の確保というのは、例えば女川という原発、あの原発は辛うじて助かった原発です。そして、あの原発の立地をするのに、当時の東北電力の副社長さんが、政府の方針をはね返して、あるいは社内で厳しい反論にも遭いながら、標高十五メートルというところに発電所をつくらせた、そういう原発です。そして、女川の町が津波で壊滅状態になったときに、女川の住民を原発の中に避難させたということでも大変な美談だった原発なんですけれども、しかし、なぜあそこに逃げざるを得なかったかというと、避難道路がなかったからなんです。なくなっているんです。 もしも同じようなシビアアクシデントがほかの原発で起きたときに、避難道路や、あるいは重機の搬入ができるのか。そういう環境整備もしないままに、日本は原発の立地や原発の稼働を許可していたという実態があるわけです。 この避難計画について、委員長の御見解をいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 今回の事故の大きな反省の一つが避難であります。 従来の避難計画の基本となっていましたのは、放射線被曝によるいわゆる緊急的な影響を指標にしておりました。しかし、実際には、今回の避難で犠牲になった方はそうではなくて、老人とか病人とか、数百人の方が亡くなられたと聞いております。 そういったことを踏まえまして、今回の防災指針では、まず、慌ててというのは適切ではないのかもしれませんけれども、余りそういう混乱した状況で避難をすると、犠牲者をふやすというかそういうことになるので、例えば、屋内退避をする態勢をとって、放射能の状況を観測しながら、きちっと避難できるようにするというようなことを基本としてつくっております。 そういう意味で、今、補正予算等で手当てしていただきまして、全てが準備できるわけではありませんけれども、小学校とか老人ホームとか病院とかについては、いわゆる放射能のフィルターができるような施設を準備していく。それでまた、五キロ圏内においては沃素剤、これは子供たちの甲状腺の被曝の問題にかかわることですけれども、こういったものについてはきちっと配付させていただく。ただし、副作用の問題がありますので、そういったことも含めてきちっと教育と言ったらおこがましいですけれども、そういったこともお知らせして対応していただくということで、これまでのような防災とは違った考え方で今準備させていただいています。
○荒井委員 ここは独立した委員会です。田中さんは大変大きな権限を持っています。原発を稼働させるかどうかという必要条件を提示する役割を持っているわけですね。 したがって、政府全体に対して、総理に対してでも、避難計画の確保というのが極めて大事だということをもっといろいろなときに言った方がいいと思いますよ。予算づけについてもそういう点を考慮するべきだということをぜひ発言するべきだと思います。 最後に、田中さんに。あなたは、一千名以上の大きな組織で、大きな権限を持っています。大臣の指示、監督も受ける必要のないポジションであります。 そういう中で、その組織をしっかり運営していくためにリーダーシップというのが必要なんですけれども、そのリーダーシップとして、中国の明の時代につくられた「菜根譚」という本がございます。この「菜根譚」というのは、皇帝のための帝王学であります。皇帝はいかにあるべきかということを書いた本なんですけれども、その結論は、よき師を持つこと、よき同僚を持つこと、よき部下を持つこと、これが結論なんです。 リーダーとはそういうものなんです。自分一人じゃできないですから、よき同僚を持つ。あるいは、自分一人で全部、過去の経験も知見もあるわけではありませんから、よき師を持つということ。そして、働いてくれる部下を持つということ。そのための教育をどうするのか、どういう同僚を集めるのか、それがリーダーシップの根幹だということをこの本は言っているわけですけれども、ぜひそういう点を考えていただきたいと思います。 ところで、この原発事故の問題というのは、私は二十年前にエイズの問題を経験いたしました。エイズ問題は、当時、血友病の血液製剤の中にエイズのビールスが入っているかもしれない、アメリカではその知見がもう既に発表されていたんです。にもかかわらず、厚生労働省は、当時のミドリ十字という製薬会社の圧力もあって、それをとめなかったんですね。したがって、事故が発生し、広がっていったんです。結局、このときの責任は、当時の厚生労働省の松村さんという課長が、告訴を受けて、告発を受けて、その責任をとる形になりました。 私は、今回の事故の大きな原因になった、あるいはそれを引き起こすきっかけになったのは、行政のミスが二つあったと思っています。 一つは、二〇〇七年に当時のIAEAが原子力保安院を経産省から切り離すべきだという勧告をしているんです。正式な勧告ですよ。これを日本政府は無視したんです。この当時の政府は誰だったのか、その実務を担ったのは誰だったのか。あのエイズの問題のときには、松村生物製剤課長が責任をとって辞職したんです。そのぐらいの重たいものです、このIAEA勧告を無視したというのは。 もう一つは、何年だったか、もうちょっと前になるかもしれませんけれども、原子力安全委員会が、UPZを設けるべきだ、三十キロのUPZが国際的には常識だ、それを日本ではEPZという形で八キロにしかしていないという勧告をしようとしたら、当時の保安院の院長が、寝た子を起こすなと言って、そのUPZ議論を閉じ込めてしまったんです。 この二つの事象は、行政の、あるいは政治の、政府の大きな責任だと思います。この二つの事象をしっかりと日本政府あるいは政治がこなしていれば、私は、今回十六万人の人が避難するというようなことは避けられた可能性が高いというふうに思います。 そこだけ指摘をさせていただいて、せっかくきょうは、恐らくこの委員会として初めて国会の事務総長と、それから国会図書館の館長さんにもおいでいただきました。 余り時間がないので、指摘だけにさせていただきます。 これは、皆さんのお手元に配付しましたけれども、世界各国の主なところの国の国会が実施をした調査会です。今回、国会事故調は本邦初演だったんです。本邦初演ということを黒川さんが世界各国回って話をしたら、えっ、日本ではそういうことをやっていなかったのか、やらなかったのかと。 どんなことをやっていたかというと、アメリカでは、先ほどのスリーマイル島事故の話や九・一一のテロ、ハリケーン・カトリーナでの対応の大失敗、それからリーマン・ショックの金融危機、こういうときに、国会でこれらについての解明をしているんです、政府だけにやらせるのではなくて。イギリスでは、イラク戦争はなぜ参戦せざるを得なかったのか、参戦したのか、その結果は何だったのか、そういうようなことを国会がみずから調査しています。 今回は、塩崎先生もここにおられますけれども、塩崎先生や公明党の遠藤さん、それから我が党の松井君などの、もう血の涙を流すような、そんな気持ちでやっとこさっとこつくった本邦初演でした。 いろいろな経験があります。予算の件だとか、あるいは調査員の確保だとか、いろいろな問題点がありました。そんな中で、国会図書館の職員の専門性が極めて高いということもわかりました。それから、国会の事務当局が、この種の調査をつくる、そういう経験がないからもあるんでしょうけれども、そのあたりの準備をつくるのに、まだまだ体制が整っていないのではないかという指摘もありました。 事務総長、そのあたりのことも含めて御意見ください。
○鬼塚事務総長 お答えいたします。 まず、法のたてつけに関しましては、もともと、国会に国会議員以外の民間人から成る委員会を設置できるのかという点、また、国会議員以外の民間人に国政調査権の行使を認めてよいのか等の懸念がございました。したがいまして、今回の事故調査委員会を設置するに当たりましては、両院議運合同協議会を設置いたしまして、強制力を伴う国政調査権の発動が必要な場合は、事故調査委員会の要請を受けて、両院議運合同協議会が国政調査権を行使するという仕組みがつくられました。 委員選定プロセスにつきましては、先生方の御協議によりまして、各党推薦という形ではなく、両院議運合同協議会幹事会におきまして、設置に当たっての基本的な考え方及び委員の専門分野の考え方を決めた後、先生方において人選を進められ、最終的には、両院議運合同協議会が推薦し、本会議の承認を得て、議長が、委員長、委員計十名を任命いたしました。 調査権限といたしましては、事故調査委員会は、法律によりまして、参考人からの意見聴取、資料提出要求などの権限は付与されましたが、強制力を伴う国政調査権の発動は、先ほど申しましたように、両院議運合同協議会に要請するという仕組みでございました。 人員につきましては、事故調査委員会は、予算上、非常勤として、委員長以下委員、参与の二十名、また、事故調査委員会の事務を処理させるため、事故調査委員会に事務局を置くこととされまして、その事故調査委員会事務局職員の予算定員は、事務局長以下四十七名となっておりました。また、このほかにも、翻訳等で百名程度の方々が関与されております。 予算は、事故調査委員会の活動期間中に、人件費を含め、総額約十五億円が手当てされました。 全体的な評価につきましては、衆議院事務局といたしましては、先生方が決められ設置された事故調査委員会につきまして評価を申し上げる立場ではございませんが、最終的に提出された報告書は、大変立派な、期待以上のものであったと個人的には感じております。 衆議院事務局といたしましても、できる限りのサポートをさせていただいたところでございます。 以上でございます。
○荒井委員 国会図書館の館長さんも来られているんですけれども、時間がなくなったので、申しわけございません。 廣瀬さん、せっかく来ていただいたので、私は、廣瀬社長が大変困難なところで社長を引き受けられて、その後、対策に当たっておられるということ、本当に同情申し上げます。 ただ、その上で、今起きていることを幾つか指摘させていただきます。 一つは、東京電力の知見、専門的な知識に土木技術者の知識が少ないんじゃないか。 プールの水漏れをする、あるいは遮水シートが水が漏れてしまうなどというのは、これももう土木技術上の最も基本的なものですよ。それから、あの事故が起きたときの一番最初にやらなければならなかったのは、瓦れきがたくさんある、あのたくさんある瓦れきをどういうふうに整理して作業スペースをつくるか。そういうのを仮設計画というんですけれども、そういうことを大事だと考えられる方が非常に少なかったというふうに思うんですね。 その意味では、今回の事故について、そういう知見をもっと補充していく、そういうことが必要だと思うんですけれども、そこはどうですか。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 私どもの会社の中に、土木部門、建築部門、建設部門というのがございまして、それなりに私ども、技術者を備え、これまで原子力の建設や周辺設備の設計、そうしたことに当たってきたわけでございますが、御指摘のように、結果として事故が起こっておりますし、今回また地下貯水槽の問題等々、まだまだしっかり原因を追求していかなければいけないとは思っております。 当然のことながら、あらゆる知見、それから国内外の知見もいただいて、しっかりしたものをやっていきたいというふうに考えております。
○荒井委員 この新聞記事は東京新聞の記事なんですけれども、かつての私たちの仲間の川内君がやっとの思いで一号炉に入ったんですね。 なぜ入ったのかというと、国会事故調の今度の事故の原因説の一つに、地震説は否定できないというのがありました。本当に津波なのか、全部津波にひっかぶせているけれども、地震のおそれはなかったのか、そこがスタート中のスタートなんだ、私もそうだと思います。それで、彼はあえて被曝を覚悟して一号炉に調査に入りました。調査に入るのには放射能何とかかんとか検査技師とかという資格が要るんだそうですけれども、あえて資格をとって、それで一号炉の調査に入りました。 彼は、一回目に入ったときに、東京電力の社員が、ちゃんとビデオを回しますからと言うので、ビデオの撮影は東京電力の社員に任せたんだそうです。ところが、出てきた結果は、ビデオのキャップを外すのを忘れていましたので何も撮れていませんでしたと言ったんだそうです。これだけでも、やはり何か隠していると思われても仕方ないですよ。 そして、二回目。それじゃといって、あえて二十キロの防護服を着て、被曝を覚悟してもう一回入って、そしてみずからビデオを撮ってきたそうです。ニコニコ動画というところに展開していますので、それを見ていただきたいということを彼は言っていました。 やはり、どうしても原子力関係、特に東京電力は、この事故を津波にだけしたい。一号炉にはなかなか入れさせない。田中三彦さんの件もそうです。そういうことがとても強く出てくるんです。これは、東京電力にとって僕は物すごくマイナスだと思います。 この福島第一の廃炉の作業というのは、恐らく東京電力だけではできないでしょう。チェルノブイリの廃炉作業、今やっていますけれども、国際的な援助体制を組んで、そして知見も、さまざまな国際的な専門家がチェルノブイリでやっています。そういう仕組みに恐らくせざるを得ないんだろうと思います。そのためには、国民的な協力体制が必要ですよ。その協力体制を得ることが、今東京電力の最大の仕事だと私は思うんですよ。 原子力基本法という法律があります。これは、かつて朝永さんだとか湯川さんが汗を流してつくられた法律です。その法律の基本のところに、原子力行政というのは、民主、自主、公開、それを強く書いてあります。民主、自主、公開という原則です。 先ほど田中委員長が公開の話を強くされました。まさしくそうなんです。しかし、それを受ける東京電力が本当に公開しているのかと疑われているということは、とても重大なことだと私は思います。これからも東京電力はさまざまな山を越えないといけないと思います。そのときに、どうやったって国民的な理解を得ていくという作業が必要です。そのためには公開をしていくということが必要なのだということを私は指摘して、本当はもっと東京電力さんと議論をしたかったんですけれども、次の機会にそこは譲りまして、指摘をして、終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○森委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。 この特別委員会、こうして本格的に原子力規制のあり方について議論をできる、ここまで来れましたことを本当にありがたいと思っていますし、我々国会議員、しっかりと責任を持ってこの仕事をこの委員会を通じてなしていかねばならない、こう決意を固めております。 私はもともと、きょうも先輩方においでいただいていますが、経済産業省に二十年余りおりまして、一昨年の東日本大震災と福島第一原発事故を機に辞職をし、政治を志して今に至るわけでございます。そうした意味で、原子力の問題、そして福島の再生、これは、私が政治生命ある限り政治家としてしっかりと取り組んでまいりたい、このように思っている次第でございます。 さて、今、民主党の荒井先生からも御指摘がございましたが、汚染水の問題を初めとして、やはり、東京電力のこの一連の対応を本当に危惧をして拝見をしています。 きょう、廣瀬社長がおいででございますが、東京電力については、私も経産省におりましたのでそれなりに承知をしておりますし、また、今、日本維新の会で同僚として一緒にやっています小熊慎司議員、先般、三月十三日の予算委員会でもリレーをする形で質疑をさせていただきましたが、小熊議員は福島県議会にいらっしゃって、二〇〇二年のトラブル隠しの事件がございました。ちょうどあのときにもまさに小熊議員は、福島県議会の一員として、全員協議会で勝俣社長等を呼んでいろいろ議論をされた。そのときに勝俣社長は、とにかく、情報を隠すこと、そして、隠すことだけじゃない、情報がおくれること、これは罪なんだと当時おっしゃった、こういうふうに小熊議員から聞いております。 私は、いま一度、ちょっと言葉が悪いですが、東京電力のある種の企業体質というものがやはりあるのかなということを指摘せざるを得ないし、きょうは、この私のいただいた時間の中で、そうしたテーマについても取り上げて、特に原子力の取り扱いについて取り上げてまいりたいと思います。 まず、今申し上げた水の問題、若干御議論があったかもしれませんが、今は現状がどうなっているか。これはマスコミが相当報じていますので、多くの国民の方が、相当これは大変なことになっている、これは大分報道で知られるところとなってきていますが、こういう状況が続くとこれは大変なことになる。もちろん私、東京電力そして経済産業省の皆様が、あるいは規制庁の規制委員会の皆様が今体を張って御努力をされていること、これはようわかっていますし、また敬意も持っておりますが、本当にこれがどうなっていくのか、国民は心配しています。 もちろん、収束をさせる、処理をしていくということですが、最悪の場合、最悪の場合ですよ、最悪の場合どういうこともあり得るかということをしっかりと国民に伝えていくこと、これが、先ほど申し上げた、情報を隠さない、そしておくれない。今、この委員会でぜひ廣瀬社長の方から、最悪の場合どういうことが想定されるか、ぜひ御教示をお願いをいたしたいと存じます。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 汚染水の問題につきましては、本当に皆様に大変な御心配をおかけしておりまして、まことに申しわけございませんです。 ただいまの汚染水の総量は、約二十八万トンぐらいございます。一方で、その汚染水を入れておく入れ物につきましては、問題の地下貯水槽タンクを含めて三十三万トンございます。今、地下貯水槽タンクにはもう汚染水を入れないということで、その汚染水を地上のタンクに移しているところでございます。 地上のタンクについても、とにかく大至急、余裕のあるようなレベルにしっかりつくっておいて、汚染水は御存じのように地下水から流れ出てきておりまして、毎日毎日ふえてきておりますので、その部分をしっかりためることができるように、そうした余裕を持つようにということで、タンクを増設しているところでございます。 したがいまして、私どもの考えているところでは、そうした汚染水の保管ということについては、しっかりやっていけるというふうに考えております。 先生御心配の最悪の事態ということ、これはちょっとどういうことを意味していらっしゃるのか私どもにはわかりませんけれども、とにかくそうしたことのないように、しっかり管理をして、保管をして、マネージをしていくということでやっておるつもりでございます。
○足立委員 ありがとうございます。 今おっしゃられた、最悪の事態はどういうことかわからないということですが、例えば大量に海に放出をせざるを得ない事態、こういうものを東京電力として想定をされているのかいないのか。これがやはり、今申し上げた、最悪の事態を想定せないかぬという立場から東電がその点をどう見ているか、ぜひ御教示ください。
○廣瀬参考人 先ほど申しました地上の鉄製のタンクにつきましては、今どんどんつくっておりまして、今の計画では、平成二十七年九月までに七十万トンの入れ物をつくるということでございます。 したがいまして、その間しっかり管理をしていくつもりでございますし、万が一にも安易にそれを海に放出するというようなことがないように、しっかり管理をしていきたいというふうに思っております。
○足立委員 この汚染水の処理、経済産業省として同じ点についてどのようにお考えか、御答弁をお願いします。
○中西政府参考人 御指摘のとおり、汚染水につきましては、ふえ続けているということもございますので、やはり廃炉に向けて大きな課題の一つだと認識をしておりまして、今御指摘の地下水の問題、その流入の抑制とか、あるいは放射性物質を可能な限り除去する、それでタンクに管理、貯蔵するといったためのいろいろな施設の充実等々につきまして検討を行うために、廃炉対策推進会議というのを政府の中で設けておりますけれども、そのもとに汚染水処理対策委員会というものを設置いたしまして、こちらの方の検討を、原子力規制委員会の方と連携しながら、具体的な案を進めていきたいと思っております。
○足立委員 ぜひこの問題は、大事に至らないように関係者が力を尽くす、これはもう当然です。 しかし、今回の原発の事故でも明らかになったように、要は、事故は起こる、そういう前提での安全規制、今まさに、規制庁、規制委員会、そして我々この特別委員会でしっかりと監視を、また対策をしていかないといけないわけですが、やはり最悪の事態というものをちゃんと想定して、そしてそれに応じた対策をしていくということが必ず必要だとこう思っていますので、この汚染水の問題についても、そういう意味で早目早目の、もし東電の中あるいは経済産業省の中で議論をしているのであれば、しっかりとその内容を国民にお伝えをいただくお願いをしておきたいと思います。 今、中西審議官の方からおっしゃっていただいたこの汚染水処理対策委員会、これは、紙を拝見すると、地下水の流入抑制、トリチウムの処理方法等が当面の想定される検討事項ということでございますが、いずれも大変深刻なテーマでございます。 トリチウムについては、大変この処理が難しい。私が少なくとも報道で見聞きする限りは、打つ手なしという印象を持っていますが、この対策委員会で行われる流入対策とトリチウムの処理方法について、特にトリチウムの処理方法について検討の見通しを、検討も始めたばかりだということだと思いますが、見通しをぜひお聞かせをいただきたいと思います。経済産業省、お願いします。
○中西政府参考人 お答え申し上げます。 今議員御指摘のように、トリチウムというのは、水との分離が困難だというふうな話とか、いろいろな問題を抱えております。 そういった意味では、世界でいろいろな検討の結果もあるというふうにも我々聞いておりますので、今般、汚染水処理委員会の方で検討をしっかりやっていくということで、できるだけ早いタイミングで検討の中身を明確にしていきたいと考えております。
○足立委員 このトリチウムというのは、私も素人ですが勉強しまして、大変深刻な放射性物質であります。水と分離するのが大変難しい、蒸発をさせると一緒に蒸発をしてまた降ってくる、正確でなければまた補足いただきたいと思いますが、したがってこの汚染水の問題は、何としても流出をとどめないといけないんです。 もちろん、この事故で当初発生した大きな放射性物質の拡散、こういうものに比べればこの問題はそれほど危惧をしなくていいという意見も聞いていますが、一方で、このトリチウムが本当に海に流出させざるを得ない事態、あるいは、これがまさに今のタンクでおさまらなくなってきたときには、本当に私は、国民の皆様にもしっかりとその状況について説明をしていく必要がある、こう思っています。 さて、このトリチウムなんですけれども、これもずっとわかっていましたね、この問題は。ところが、今、汚染水の問題がどうしようもなくなって初めて、私はこのトリチウムの問題、勉強不足だったということかもしれません、詳しく知りませんでした。ところが、この汚染水の問題がここまでどうしようもない状況になりつつある、困難な状況になりつつある中で、報道も含めて初めて勉強をしている。でも、東電あるいは経済産業省あるいは規制委員会、これはわかっていたはずです。 この二年間、このトリチウムの処理について東電は一体何をしてきたのか、ぜひお教えください。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 御承知のように、あの汚染水の処理というのは、大変大きな課題だというふうに思っております。 御存じのように、たくさん核種がございますが、私ども、この二年間、まず、たくさんのその核種の中から、ストロンチウムを中心に多くの核種を取り除ける多核種除去装置というのをメーカーさんと御一緒に開発、今まさに試験的に運用が始まったところでございます。 ただ、残念ながらこの機械でもトリチウムは取り切れませんので、トリチウムについては、海外での事例等々を今勉強させていただいているということでございます。
○足立委員 廣瀬社長、今勉強しているということですが、要は、事故前もそうですし、本来、事故前にちゃんと研究はしているべきですね。そして事故があって、こういう問題は予想されたこと、まあ、さまざまな問題がたくさんありますから。 このトリチウムの問題は、これから勉強するんですか、これまでその処理について検討してきていないんですか。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 トリチウムは、御承知のとおり三重水素ということで、ほとんど水素と化学的に似たものでございまして、取るのは非常に難しいということは存じておりますし、したがいまして、そうした難しいものをどうやって取り除くかということは、最初からわかっていたわけではございません。したがって、今まさに、時間的な余裕を最大限に駆使してこの問題に取り組んでいかなきゃいけない。 そのためにも、お国も初めとして、国内外の英知を集めてこれからしっかりやっていきたいというふうに考えております。
○足立委員 これは国民の皆様も、映像でまた今見ていただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、本当にこの問題は心配をしています。 きょうはこの委員会、本当にこれからさまざまな討論をさせていただきますが、田中委員長、このトリチウムの問題について規制委員会としてどう見ていらっしゃるか、ぜひお教えください。
○田中政府特別補佐人 トリチウムの問題は大変重要な問題だと思います。 それで、なかなかこれの処理も技術的には大変難しいところがございますので、今後、汚染水処理対策委員会等を中心に、技術的な面も含めて検討していただくようお願いしているところでございます。
○足立委員 このトリチウムの問題に限りません。第一原発事故があった、そしてこの第一原発の廃炉、これは本当に何十年にわたる、大きな大きな困難な事業になります。また、この汚染水の問題も、ぜひ安心をさせていただきたいと思って廣瀬社長に質問をさせていただいているわけですが、伺っていて、不安も募る一方です。先ほど冒頭、東京電力の体質ということを申し上げたけれども、それも含めてですけれども、もともと、こうした大きな問題を一民間企業が対処するのは荷が重過ぎるんです。 廃炉の問題、汚染水の処理の問題も含めて全て今まで私がいろいろなところで聞いてきたのは、国は、一義的には東京電力がやる。こういう姿勢ではもうこの問題は対処できないと思っているんです。汚染水を含む福島第一原発の収束そして廃炉、何十年にもわたるこの事業は、国が一義的な当事者として取り組むべき事業であると考えますが、経産省、どうお考えでしょうか。
○中西政府参考人 お問い合わせの件でございますけれども、この廃炉につきましては、非常に長い期間を要しますし、重要な問題であるということでございますので、基本的には実施主体としての東京電力が責任を持って行うということではございますけれども、国としましても、単に事業者にお任せをしてそのままやらせるということではなくて、前面に一歩立って、国の責任としてもしっかりとした研究開発、あるいは中長期的なロードマップをつくって、その工程管理等々に対する主導的な役割を果たすというような形で対応していきたいと思っております。
○足立委員 今、中西審議官がおっしゃった御答弁、現状はそうだと思うんですね。現状はそういうことですが、実は、その中において責任がやはり不明確なんですね。 本来、東電は、JALのような形で倒産法制の枠組みの中で一旦仕切りをして、そしてこの福島の第一原発の処理については、一〇〇%国の責任において取り組むべきだと私どもはずっと思っていました。結果、民主党政権を通じてもそういう形にならずに、いまだに一義的には東電の問題、もちろん国としてもというせりふは続きますが、やはり一義的には東電なんですね。 しかし、私が思うのは、この廃炉事業というのは、別に処理が困難だからだけではないんです。この廃炉事業に伴って、今審議官もおっしゃったように、さまざまな研究開発も行われる。しかし、この廃炉事業に伴うさまざまな困難とそしてさまざまな成果、必ず、この困難な闘いを通じて我々は大きな大きな成果を得ます。研究開発もしかりです。それは日本の将来にとって大変重要なものになるであろうし、この福島の闘いを通じて得られた英知というものは、必ず世界の役に立つんですね。 そういう意味で、東京電力だけの問題じゃないんです。東電が抱えていたらあかんのです。東電から切り離して、本来、国が、あるいは日本だけじゃないです。先ほども荒井先生からありましたけれども、世界の英知を集めて、日本国が、政府が責任を持ってこの問題に取り組まないと、これは対処し得ない、し切れない、こういうふうに思っていますが、もう一度、その点についてお願いします。
○中西政府参考人 まさに廃炉の問題、これまでに経験もしたことのないような困難な状況を伴ってまいりますので、今議員御指摘のように、内外の英知をしっかりと取り込んでいろいろな研究を共同でやるとか、情報をしっかりとした形で共有するという形の、世界により開かれた形で進めていくというふうなことが必要だと考えております。 そのような観点から、実は、今週の十五日から二十二日にかけまして、IAEAの廃炉に関するレビューミッションというものを受け入れております。 そういった形も、いろいろな形での国際的なものの連携を通じて、今後とも、世界に開かれた形の廃炉を進めていきたいというふうに考えております。
○足立委員 今おっしゃられたような、IAEA等を初めとするさまざまな国際レジームあるいは国際フォーラム、いろいろなところで、経産省、規制庁、さまざまな国際連携を進めていくことが、国会事故調が指摘をした事業者のとりこ、こういう規制サイドと事業サイドの関係を正常化し、そして、しっかりとしたノウハウでもって規制当局が原子力産業というものをちゃんと規制をしていく。これは、本当に国際的な知見が大事だと思っているんです。 今、IAEAの話もございましたが、アメリカ、フランス、さまざまな規制の機関がございます。田中委員長は委員会を仕切っていただいて、そのもとに規制庁という大きな官僚組織がございます。この官僚組織ももともとは保安院でございまして、保安院の方の多くがそのまま規制庁に移ってこられている。この規制庁の行政能力あるいは委員会のリーダーシップのもとに、やはり規制の能力を高めていくことが大事だと思っています。 その点で一番大事なのは、国際的なピアレビューを受けるような、受けるだけじゃないですね、もちろん、日本、アメリカ、フランスといった原子力の先進国がしっかりと連携をして知見を交換していく、交流をしていく、これが大事だと思っていますが、田中委員長、いかがでしょうか。
○田中政府特別補佐人 御指摘のとおりでありまして、今、案の段階でございますが、新しい基準につきましては、機会あるごとに、IAEAとか米国、ヨーロッパの主なところに説明に出向いて、いろいろな御意見をいただいております。 今後、この規制を実際の発電所等の規制に適用していくわけですが、その経験を踏まえて、自己評価を踏まえて、先ほど荒井先生から御指摘がありましたIAEAのIRRSというレビュー、それもいずれ受けようという考えでおります。
○足立委員 私ごとながら、私の妻が今IAEAで働いていまして、世界の原子力安全のために懸命に今ウィーンで仕事をしております。ぜひこの国際的な視野というのを、日本の規制当局もそうだし、事業を監督している資源エネルギー庁、経済産業省もそうですが、ぜひ、国際的な視点をもっと高めて取り組んでいっていただきたいと思います。 次に、ぜひきょう田中委員長に確認をさせていただきたいのは、まさに今お取り組みの安全基準です。この新安全基準、例えば、設計基準とシビアアクシデント対策を分けている理由とか、立地審査指針の見直しはどうなっているかとか、あるいは、いわゆるIAEA安全基準等にあるクリフエッジ効果等の回避のための安全的余裕はあるのかとか、いろいろなことの議論を中でしました。 ただ、結論としては、先ほど荒井先生がお読みになっていた国立国会図書館というのは、やはり優秀ですね。我々野党なので、なかなか政府に申し上げることはしにくいわけです。実は、国会事故調の黒川委員長もおっしゃっていました、国立国会図書館というのは優秀だと。私も今回、ほとんどの疑問は、実はきょうここに来るまでに国立国会図書館と一緒に勉強してほぼわかりまして、私が今個々に申し上げたようなテーマについては、大分私の理解は深まっています。 ただ、国民の皆様にやはりしっかりと知っていただく必要があるので、この新しい安全基準を考えていたときに、私が実は中でいろいろ議論をしているときに必ず横に置いて議論をしているのは、一つは国際的な基準です。まさにIAEAの安全基準、こういう国際基準ですね。国際的なスタンダードがどうなっているか、これが一つ。そして、今申し上げた国会事故調等の事故調報告書、これが二つ目の大きな指針になるわけでございます。そして日本の地震国としての特殊性。この三つを十分に勘案してつくられた新安全基準であれば、これは一定程度信頼に足るものであると言えると思うんです。 この三つの点で今御準備をいただいて国民の皆様に意見を聞いているこの新安全基準、この三つの点で十分なものかどうか、委員長の口からぜひ御説明をいただきたいと思います。
○田中政府特別補佐人 今先生御指摘のように、私どもも同じように、IAEAの基準、NRCの基準、それからフランスの基準、いろいろな等々を基本にして、我が国の新しい基準の策定を行ってまいりました。さらに、先ほども一度申し上げましたけれども、我が国の自然環境の厳しさといういわゆる外的な要因、地震、津波とか、そういったことについても十分に配慮しましてつくってまいりました。 そういう意味では、現時点では十分に世界最高レベルの基準になっているというふうに思いますが、安全にゴールはないというのも一つの基本的な考え方でございまして、これにつきましては、安全目標という議論を公開の場でさせていただきまして、常に、より高みを目指した、安全を目指した取り組みを続けましょうということで、今、そういう考え方で臨んでおります。
○足立委員 ありがとうございます。 今、田中委員長がおっしゃられたように、安全にゴールはない、本当にそのとおりだと思います。絶対の安全はないんですね。そのことをわからないで議論をされている議論は、まだこの原子力の議論についてはあります。原子力推進の立場の方、あるいは反対の立場の方も含めて、そういう議論が多いんです。 私も、そういう議論を聞くたびに、今まさに委員長がおっしゃられた、安全にゴールはない、絶対の安全というのはないんだ、それを前提にした安全基準そして安全規制を、ぜひ田中委員長のリーダーシップでしっかりとお願いをしたいと思います。 あと残る時間、冒頭申し上げた、東京電力のある種の、体質という言葉がいいかどうかわかりませんが、私は大阪ですので関西電力のことはよく勉強をすることが多いです。その後東京で仕事をしましたので、この東京電力と関西電力、企業規模は大分違うかもしれませんが、これを比較して見ることが個人的には多いんです。こういうふうに、東京電力と関西電力の原子力事業というのを虚心坦懐に見比べると、明らかに、例えば原子炉でいうと、東京電力は沸騰水型を採用してきている。関西電力が加圧水型を採用してきている。一部には、これは安全性よりも経済性を優先した結果じゃないかという指摘をする人も世の中にはおります。 この点について廣瀬社長のお考えをお聞かせください。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 私どもが沸騰水型を最初に採用いたしましたのはもう随分前でございまして、その間、炉型を決定したのはもう五十年近く前になりますけれども、一九六四年の十二月というふうにされておりまして、そこでの議論は、当然、初めての炉ですのでいろいろ比較をしたということでございますが、沸騰水型、加圧水型いずれにも、安全面であるとかあるいは経済性面であるとかいったようなことで大きな優劣の差はないということでございました。 その上で、私どもより先行して敦賀の一号機、これは同じくGE製でございます、沸騰水型でございますが、これが先行して開発が進められるということで、当然、知見の交換であるとかそうしたことで、それに優位性があるだろうということで沸騰水型を採用したというふうに認識しております。
○足立委員 二〇〇九年に経済産業研究所の研究員の方が、彼は多分原子力の専門家ではないんですが、原発の事故について統計処理をしました。その統計処理をした結果が経済産業研究所のサイトに載っています。非常に膨大な研究で、すばらしい力作なんですけれども、この研究は、事故統計から見て、加圧水型の方が沸騰水型よりも安全であると判断できるという内容の研究論文を出されています。 原子炉の型の違いにおいて安全の面でどういうふうに判断ができるか。きょうは田中委員長がおいでですので、田中委員長もその点についてもし御見解がございましたら、お教えください。まず田中委員長、お願いします。
○田中政府特別補佐人 沸騰水型も加圧水型も冷却水に水を使っているということで、基本的なところでの本質的な安全上の問題にそんな大きな差があるとは思っておりません。例えば、スリーマイルアイランドは加圧水型炉の事故でありましたし、今般の福島は沸騰水型であります。 世界的に見ると、どちらかというと加圧水型炉の方を使っている国もありますけれども、ヨーロッパにおいても、いまだに新たに沸騰水型炉を導入している国もございますので、技術的に、私は今、安全上の差異を申し上げるような状況にはちょっとありません。
○足立委員 今、世界の趨勢を実際にこれは東京電力よく御存じだと思うし経産省もよく御存じだと思いますが、世界の趨勢は加圧水型に動いてきています。これは、実際に原子炉の新設の型を見ていけば、これはもう明らかに加圧水型に寄ってきている。そうした経緯の中で、日本のメーカーも、東芝なんかも加圧水型を持っていなかったので、その加圧水型を持っている米社を買収するというようなことが業界の再編として起こってきている。 少なくとも、実際の新しく新設をされる原発のプラントを見る限り、やはり沸騰水よりは加圧水型が大きな潮流になってきている、こういうふうに思います。 今、田中委員長に御答弁いただきましたが、この二つの型の事故統計あるいは安全性という観点でどのように見られているか、東電と経産省、それぞれお願いします。
○廣瀬参考人 お答えいたします。 統計につきましては、さまざまな統計データがございます。それらを比較して、特に大きな有意な差があるというふうには認識しておりません。それぞれの炉型にしっかりとした安全機能を持っておりますので、しっかりとした運転をしていくということで両方とも安全な運転ができるというふうに認識しております。
○中西政府参考人 お答えします。 今御指摘のとおりの話につきましては、単に炉型の違いのみならず、いろいろな事業者のいろいろな運転管理のやり方等々が相まって、安全が確保されていくというふうに考えているところでございます。
○足立委員 これは一つの見方ですので、規制委員会あるいは東京電力あるいは経済産業省は今御答弁されたような御認識だと思いますが、加圧水型と沸騰水型について、それぞれの事業者がそれぞれの判断で今までやってきた。東京電力は沸騰水に集中し、関西電力は加圧水に集中をする。また、全体的に、日本の地図を開いてみればわかるように、東京電力は多数の原発を太平洋側に持っている。関西電力は、全てではありませんが、日本海側に寄せています。これは事実としてそうですね。 もちろん民間事業者ですから、それはそれで民間事業者としての御判断があったとは思いますが、冒頭申し上げたような東京電力の体質という点で、本当に安全面を重視した検討が、それぞれの技術を採用するときの検討で十分にその検討があったのかどうか、あるいは、立地地点を判断するときに安全性について十分な配慮があったのかどうか、そこについてやはり疑念を持たざるを得ないし、そういう指摘もございます。 沸騰水型は経済性では優位であるけれども、熱せられた水で直接タービン発電機を回すというこういう仕組みになっているので、やはり安全性において加圧水型よりも劣る。だからこそ、原潜、潜水艦とか、さまざまな軍事面で米国を初めとする国々が使っている炉は、これは加圧水型なんです。本当に事故が起こってはいけないところで使われている炉は加圧水型なんです。 私が申し上げたいことは、東京電力がこれまで沸騰水型を採用する、そして太平洋岸に多数の原発を立地してきたこと、さらに、冒頭申し上げたトラブル隠し、あるいは現在の汚染水の問題、いずれをとっても、やはりもう東京電力という民間企業に今この廃炉を任せることはできない、一〇〇%の責任を持って国が対処していくべきだという訴えを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○森委員長 次に、椎名毅君。
○椎名委員 おはようございます。みんなの党の椎名毅でございます。 本日、原子力問題調査特別委員会の一般質疑ということでございまして、質疑の機会を与えていただきました。どうもありがとうございます。 早速ですが、質問に入りたいと思います。 せんだって、四月五日の予算委員会におきまして、私から新安全基準と再稼働に関する観点で質疑をさせていただきましたけれども、本日は、事故収束に関連してお伺いさせていただければというふうに思います。 現在、福島第一原子力発電所の事故収束に関連いたしましては、二〇一一年十二月に当初の予定であるステップ2というものが終了いたしまして、現在、中長期的な課題を解決するためのロードマップ、このロードマップの計画の第一期、これに入っているという状況だというふうに理解をしております。 この中長期的ロードマップの実施状況と、それから、今の福島第一原子力発電所の事故収束の状況について伺ってまいりたいというふうに思っております。 まず、前提としてですけれども、この中長期ロードマップの実施状況及び現在どの段階にいるのかということの御説明、そして、今現在、原子力発電所廃炉対策推進会議というものがスタートしているかと思いますけれども、ここで中長期的ロードマップの見直しなどを検討しようとしている状況かと思いますが、具体的な検討状況を教えていただければというふうに思っております。 経済産業省に伺いたいと思います。
○中西政府参考人 お答え申し上げます。 現在、廃炉に向けました中長期ロードマップの方で、第一段階、行われておりますけれども、今年の十一月までに四号炉の使用済み燃料プール内の燃料取り出しを開始するというようなことを、最重点課題という形で現在のところ取り組んでおります。 また、第二段階につきましては、ロードマップの策定から約十年以内での燃料デブリの取り出しを開始する、さらには、三十年から四十年での廃炉の完了を主要な目標として、現在、ロードマップの実施というような形に進んでいるところでございます。 さらに、最近、これは三月七日でございますけれども、茂木大臣を議長といたしまして福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議というものを設けまして、そのロードマップの加速化といったものに取り組むというような形での作業を現在進めているところでございまして、そちらの方、一応六月中を目途に、ロードマップの加速化に向けた見直しの成果を出していきたいというふうに考えております。
○椎名委員 引き続いて、ちょっとその推進会議について具体的な例を伺いたいんですけれども、具体的にどんな方向性でその廃炉に向けたプログラムを、中長期ロードマップを加速化させるというような議論が今中で行われているんでしょうか。教えていただければ大変幸いでございます。
○中西政府参考人 お答え申し上げます。 現在、その廃炉対策推進会議の方では、いろいろな炉の状況、各、一号炉から四号炉まで異なりますので、そういう状況を踏まえまして、いかにしてその加速化を進めていくのか、あるいは燃料デブリといったものを取り出すというスケジュールも、もう少し具体化して前倒ししていくような形での検討を進めております。
○椎名委員 ありがとうございます。 特に、この第一期というところで問題となっております、四号炉の使用済み核燃料プールに入っている燃料集合体千五百三十三本、こちらについて一番大きな問題になっていると私自身認識しております。 国際的な評価でございますけれども、この千五百三十三本の燃料集合体が存在しているこの四号炉については、国際的な評価という観点からしても、非常に危険性を指摘されているところでございます。 先ほどおっしゃっていただいたように、本年の十一月から、時間をかけてこの千五百三十三本を取り出していくということが予定されているようでございますけれども、これでは遅いんじゃないかというような指摘を国際的にする向きもございます。ですので、そのプログラムについて早期化していくというようなことというのは、非常に重要なことなのではないかというふうに私自身も考えています。 そこで、第一期のプログラムの中で最もメーンのプログラムになるであろう、この四号炉の燃料集合体を取り出すということにつきまして、具体的にどのような方法で、どのぐらいの時間をかけて行っていくのかということについて、廣瀬社長にお伺いできればと思います。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 ただいまの四号機の上部というのは、水素爆発によって大分ひどい状態になっておりまして、それの瓦れきを撤去し終わって、その四号炉の建屋の隣にかなり立派な構造物をつくり、その構造物でクレーンを支え、クレーンで燃料を引き出し、キャスクに入れて、それをおろすという工程でやっておりまして、十一月からスタートし、千五百三十三本の取り出しを、当初のロードマップよりも一年早めて一年程度で完了するという目標で今スタートをしているところでございます。
○椎名委員 ありがとうございます。 四号炉の建屋高、大体三十メートルぐらいということだと思いますけれども、この一番上にあるこのオペレーティングフロア、ここにある使用済み核燃料プールから抜き出していくわけでございます。隣にカバー建屋というような要するに構造物をつくって、そこにクレーンを設置する、このクレーンで、オペレーティングフロアのところにある使用済み核燃料プールから一つ一つ抜き出していくということなんだと思いますが、抜き出してキャスクに入れた後、これをどのようにおろしていくのか。 そして、問題はここから先なんですけれども、なぜこんなディテールに入るかということなんですが、結局、一つ一つの作業を検証していくに当たって、このクレーンで燃料棒をつっているその瞬間に地震が起きた場合、それから、カバー建屋に恐らくエレベーターか何かをつけるんだと思いますが、エレベーターで地上におろしている間に地震が起きた場合、それから津波が起きたような場合、それからさらには、クレーンでつっている途中に停電したような場合、こういったような場合というのは、どのぐらい想定されていて、どのぐらい安全確保がなされているのか。 さらには、このキャスクに恐らく大体十本から十五本ぐらい燃料集合体が入るんだと思いますけれども、そのキャスクに入れて宙づりになっている状況でどのぐらい時間がもつか、どのぐらい冷却できなくて大丈夫なのか、そういったことについてはどのぐらい検討されているんでしょうか。 まず東京電力の廣瀬社長にお伺いしたいのと、それから、その安全確保の手段についての検討状況について田中規制委員長に伺いたいのと、さらには、具体的なこの一年間というスケジュール管理について経済産業省に伺えればと思います。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 使用済み燃料プール自身は同じ場所にございます。そこからクレーンでつって、同様のやり方で下におろすというそれ自身は既に確立された技術で、どこの発電所でもやっていることでございます。 今回、状況はもちろん大分違いますので、先ほど申し上げた構造物等々で、クレーンを初め、そうしたつり上げ、つりおろしといったものを日ごろやっている状況に限りなく近くにして、同じような工程で同じようにやっていくということを最大限持っていくということで安全を確保していきたいというふうに考えております。
○田中政府特別補佐人 燃料をつっている状態それから燃料を入れたキャスクをつり下げている状況につきましては、その途中で地震等があった場合にどういう状況になるかということは、事業者とは別途、私どもの方のこれは特定原子力施設の検討会の方で評価をしていただいていまして、今、一つ一つ、安全が損なわれることのないように厳しく見ていきたい、そういうふうに思っています。
○中西政府参考人 今議員御指摘のように、四号機の使用済み燃料プールからの使用済み燃料の取り出しということにつきまして、一年間という期間で、ある意味ではちょっと短い期間で作業をやるというようなことになっております。 その期間に安全な管理がしっかり行われますように、我々としても、ロードマップのいろいろな議論の中で確認をしていきたいと思っております。
○椎名委員 この四号炉については、先ほど申し上げましたが、国際的にもずっと問題が指摘されているところでございます。耐震性についてまず指摘を受けているところ、それから、傾いているんじゃないか、そんな指摘を受けているところでございます。 ことしの二月だったと思いますけれども、東京電力さんが第三者立ち会いのもとで、この耐震性については問題ないというか、傾きは生じていないということを一応公表されているようでございます。 結局のところ何を申し上げたいかというと、東京電力が安全だとおっしゃっていること、規制庁がこれに対して安全性を確保するべく努力をすると言っている状況それ自体が国際的には既に信用をされていない、そういう状況なんだろうというふうに思っています。 先ほど、日本維新の会の足立先生からも御指摘があったかと思いますけれども、東京電力それから規制庁というのは、規制庁はもとを正せば保安院ですけれども、要は今回の事故の当事者だというふうに日本国内からも思われておりますし、それから、国際的にもそのように思われているわけでございます。こういった状況の中で、安全性を確保するために努力をしてまいります、通常どおりやっておりますので大丈夫ですという言葉自体が、既に信用性を失っているということなんだと思います。 私自身、強く訴えたいこととしてありますけれども、原子力発電所に関する政策というのは、とかく経済学、それから物理学、工学、そして放射線医学、そういった科学の観点から語られることが非常に多いかと思いますけれども、恐らく一番重要なのは、実は心理学なんじゃないかなというふうに思っております。周辺住民がどう思うか、それから国民がどう思うか、そして国際的な信用がどうなっているのか、これを意識しながらやっていくことが物すごく重要だろうというふうに私自身は思っています。 そういった意味で、先ほど日本維新の会の足立先生もおっしゃっておりましたが、国際的な機関を巻き込みながら事故収束プログラムを遂行していくということを真剣に考えていかなければならないんだろうというふうに思っています。どうか御検討いただきたいなというふうに思っております。 日本の事業者が単体で行う、そして日本の規制庁が監督をするということだけではなくて、当事者として、海外の技術を持っている事業者とともに共同して行っていく、そして、海外の規制当局と協力しながら共同で監視をしていく、こういったことによって国際的な安全性に対する信頼感を確保していく、それを通じて日本国内の国民の信頼感を確保していく、こういった努力をしていただきたいなというふうに私自身は思っています。 次に参りたいと思います。 昨今、汚染水漏れ事故それから冷却系のトラブル、こういったものがございますけれども、こういったものについて、まさに四月五日、予算委員会で私がちょうど質疑をしようと思った直前に、汚染水、違います、それは冷却系の話ですけれども、その翌日、汚染水について報道がなされたわけでございます。 この汚染水漏れ事故について、地下水槽からの漏れの原因、その究明の状況、そして今後の対応策について、東京電力それから規制庁の方に伺えればと思います。
○廣瀬参考人 お答えいたします。 本当に汚染水の漏れにつきましては、大変皆さんに御心配をおかけしておるところでございます。 私どもとしてはしっかりあの原因を究明していきたいというふうに思っておりますが、まずは今、地下貯水槽から水をとにかく地上のタンクに移すということを最優先してやらせていただいております。 その上で、空にした後で、引き続きまだ線量は高うございますので、どうやってその漏れの原因を究明するかということを含めて、しっかりこれから調査してやっていきたいと思っております。
○田中政府特別補佐人 私も先週の土曜日に現地を視察させていただきました。放射性の汚染水を大量に保管する施設としては、若干十分でなかったかなという印象は持ちました。 ただ、非常に緊急、やむを得ないような状況でつくったということでございますので、今後、いろいろなそういうリスクについて、汚染水も含めましていろいろ起こり得る可能性もあるので、十分にそれを点検し、それについて私どももきちっと見させていただくということを申し上げてきたところであります。 いずれにしても、こういったことが、いろいろな汚染水漏れあるいは停電というような状況がたび重なって住民の方に御心配をかけているということについては、事業者だけではなく、私どもとしても、やはり大変遺憾なことであるというふうに思っております。
○椎名委員 済みません、ありがとうございます。 汚染水漏れ事故に関しては、結局、地下水が毎日四百トンだったと思いますけれども、入ってくるというような状況、これ自体を解消しない限り、最終的には解決の方法がないんだろうというふうに思っています。 この汚染水四百トンについて、これが建屋内に入ってこないようにするための現在の方向性、対応策といったことについて、東京電力に改めてお伺いできればと思います。
○廣瀬参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、季節によって多少変わりますけれども、一日四百トンぐらいの水が入ってきているというふうに思います。 地下水は、あの辺では山側から海の方に向かって流れているというのは判明しておりますので、発電所の構内よりも山側に井戸を今十二本掘っておりまして、ここから地下水をくみ上げる。その地下水をしっかりサンプリングをして、放射性物質の混入がないということを確認した上で、それは海に流すということでございます。 それによりまして地下水のレベルをコントロールして、これはなかなか難しいと思いますけれども、コントロールをし、建屋内の汚染水のレベル等調整して、流れ込みの量を減らしていきたいというふうに考えております。
○椎名委員 ありがとうございます。 十二個井戸を掘ったその結果としてどのくらい量が減るかということなんですけれども、流れ込む量は百トン減るだけで、相変わらず三百トン、建屋の中に入り込み続けるということでございます。 そして、三百トンの水が建屋の中に入り込み続けるということと、それから、水圧の関係なんかを使って、科学を使ってこの汚染水の漏れ出しを防止するという理屈を説明いただきましたが、これで本当にワークすると思っていらっしゃいますでしょうか。規制委員会から伺えればと思います。
○田中政府特別補佐人 本日、汚染水処理対策委員会も発足する予定でございます。そこでは、今後、今御指摘のようなことも含めて、効果的にその汚染水の量を減らすような方策について多面的な検討を行っていただけるものと思っております。 私どもは規制する立場ですので、どうすべきかというよりは、そういったものが大量に出てくることについては、できるだけそれを減らすということを求めていくし、そのための方策については、できるだけ資源エネルギー庁とも協力させていただきたい、そういうふうに思っています。
○椎名委員 どうもありがとうございます。 恐らくもう時間でしょうからまとめに入らせていただきますが、こういった汚染水漏れの事故それ一つをとってみても、どうしても場当たり的な対応になってしまいますし、トラブルが起きてからそれに対応をするという形で情報が公開されてきているわけでございます。こういったところに対してやはり国民の強い不信感がある。さらには、先ほど来申し上げておりますが、国際的な視点で見ても、比較的不信感を持たれて現在の事故収束プログラムについては見られているという状況だと思います。 こういった状況の中で、この事故の収束について東京電力一社に任せきりにするわけではなく、先ほども申し上げましたけれども、海外の事業者とも共同をしていく中で当事者として巻き込んでいく、さらには、海外の規制庁とともに当事者として一緒になってこの事故をどうやって収束させていくかというのを考えていくという形で、海外の事業者に頼る、海外の国の規制庁に頼るという形で当事者として巻き込んでいくことによって世界的な信頼感を回復していく、そういった方向が考えられるのではないかというふうに私自身思っています。どうか御検討いただければと思います。 事後的にピアレビューを受けるというようなことではなくて、国際的な信頼を回復するためには、コンセンサスビルディングをしていく必要があろうかというふうに思っております。 どうか御検討いただきたいというお願いを申し上げまして、本日の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございます。
○森委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 きょうは、田中俊一原子力規制委員長に質問をいたします。 きょう四月十九日から、規制委員会の評価会合で、関西電力大飯原子力発電所の現状評価、現状確認、いわゆる安全確認の作業がもう既に始まったということであります。六月下旬を目途に評価結果を取りまとめるとされておりますけれども、この評価作業では、何を対象に、どういう判断基準に基づいて行っていかれるのか、伺いたいと思います。
○田中政府特別補佐人 基本的には、今回提示させていただいています新安全基準を指標に、それに合致しているかどうかということについての現状を確認させていただくということであります。 ただし、まだ法律として施行されておりませんので、事業者からの提示等の資料をもとに評価していく、一部は現地も視察してその確認をさせていただくということを考えています。
○笠井委員 今おっしゃった事業者からの資料というのは、関西電力の報告書のことだと思うんです。 一昨日の原子力規制委員会で決めた関西電力大飯発電所の現状評価の進め方というのがございますが、これを読みますと、「事業者報告の全分野を評価対象とする」とありますけれども、全分野とはどういうことですか。
○田中政府特別補佐人 大きく言うと、大きな安全の指針、基準になるようなものから保安規定に至るまで、非常に大部のものがございます。それについて、できるだけ詳細に点検はしていきたいと思いますが、特に重要なことは、安全上重要なことにかかわる部分に重点を置きながら、その評価、限られた時間でございますので、そういったところを重点的に見ていくということにしております。
○笠井委員 安全上重要な事項に重点を置くと言われましたけれども、具体的にはどういう事項になりますか。
○田中政府特別補佐人 基本的には、要するに、重大事故を起こさないような設計になっているか、施設も対応ができているか、また、重大事故が起きたときにそれをきちっとマネージできるような準備ができているかというようなところが、一口で言うと大きな現状確認の評価になると思います。
○笠井委員 そうしますと、安全基準案に基づいてということをおっしゃったんだけれども、安全上重要な項目について重点的にと言われることは、新基準の中には安全上重要でない事項がある、こういうことですか。
○田中政府特別補佐人 安全上重要でないという言い方をするとちょっと誤解を招くおそれがあるんですが、やはり、安全でも、非常に重要な施設と、トラブルも余り積み重なると安全を損なうということもございます。そういったところとかいろいろございますので、その辺については、特に今回の場合は、安全上重要なという言い方をさせていただいています。
○笠井委員 そうすると、基準の中には、一部を満たしていればいいというふうなニュアンスも聞こえてくるわけですけれども、それを効率的、合理的な方法と言うのはどういうものでしょうか。
○田中政府特別補佐人 全てを見るというようなことになりますと、相当の時間と労力といろいろなことがかかわってきます。限られた時間ですので、一応現状確認ということで、現状評価をする段階でありますので、そういったことで、できるだけ重点的に、効果的にやっていきたい、そういうふうに思っています。
○笠井委員 先ほどから、限られた時間と言われるんですが、限られたというのはどうして限られているんですか。
○田中政府特別補佐人 今回の新基準に基づく申請というのは、実際には、今運転している炉ですから、それが定検でとまりまして、次の再開するときにはきっちりした新たな申請を出していただくということで、それについては相当きちっと見ていくということで、時間が要ると思うんです。 今は、動いている唯一の炉であるということもありまして、一応、私どもの提案している新しい基準が現実にどういったところに問題がないのかどうかということも含めて見ていく必要があろうかと思いまして、関西電力とも協力を得て、六月末ぐらいをめどに、新しい法律が施行されるまでにそういったものを見ていこうということで始めたものでございます。
○笠井委員 そうすると、今回の大飯発電所の現状評価のための作業の内容と新規制基準の案、今提案している案とおっしゃいましたが、それとはイコールでない、違うということでよろしいんでしょうか。
○田中政府特別補佐人 全て同じということではないというふうに、私は、細部についてまで、どこがどういうふうに違ってくるかはわかりませんけれども、今お答えできるだけの詳細な知識はありませんけれども、今後、新しい基準に基づいた申請が出てきて、それについての評価をしていくということと、本日から始めました現状確認というものの内容は全く同じものではない、全て一〇〇%同じとは言えないと。
○笠井委員 田中委員長は四月十七日の会見で、大飯が例外だとか別扱いだというのは誤解だというふうに答えられましたが、明らかに、今動いている大飯の三、四号機とそれ以外の原発では扱いが違う。原発を動かすリスクは違わないのに、なぜ今動いている大飯だけ、安全上重要な事項に重点を置くなどの効率的、合理的な方法を採用して安全確認するというふうになるんですか。
○田中政府特別補佐人 再度御確認させていただきたいと思いますけれども、今回の新しい基準は七月に施行されます。その後、どういう形でそれをバックフィットさせていくかということですが、委員会で議論をしました。 バックフィットというのは今回だけではありませんで、今後もあり得るわけです。次の定検まではそのまま現状でいって、とまった後で、次の定検が終わって再運転するときに、出てくるときまでにはそのバックフィット基準を満たしていただくということであります。 ですから、そういう考え方でいけば、大飯は、今回、現状を確認したとしても、新しい基準に基づくきちっとした申請というのは、九月の定検時から次の運転に入る前までにきちっと出していただいて、その評価をさせていただくということになります。
○笠井委員 同じような趣旨で、一昨日の会見の中でも田中委員長は、ぎりぎり譲って、譲ってというのはどこかから言われて譲ってじゃなくて、次の定検まではいいけれども、次の定検後の再稼働までにはバックフィット基準を満たしていただこうという考えだと。今、まさにそういうことをおっしゃったと思うんです。 地震、津波にしても、いつ来るかわからないという状況である。先ほどの質疑の中でも、やっている作業のときに地震が来たらどうするということも考えるとおっしゃった話があったんだけれども、それでも、次の定検まではいいとぎりぎり譲って言えるというのはなぜなのか。その間は基準を満たしていなくても大丈夫というふうに規制委員会は大飯の三、四号機は保証できるんですか。
○田中政府特別補佐人 非常にそこの判断は難しいところがございますが、一般的に、国際的にも、バックフィット規制というのは、一年とか二年とか余裕を置いてバックフィットを求めるというのが普通です。 そういう意味からいうと、先生御指摘のように、今我が国の状況というのは大変厳しいので、私は、ぎりぎり譲っても次の定検までということを申し上げたというところでございます。
○笠井委員 他と比べて厳しいということなんですけれども、この地震国、津波国で、大変なことが起こったという福島、この日本でありますので、一年なら厳しくていい、定検の十三カ月ならいいということじゃないと思うんですね。 田中委員長はまた、実際、今動いている唯一の炉について、社会的な御心配、関心も高いので、最大限の努力をして現状を確認しようということだということを会見でも言われました。この高いという社会的な御心配、関心というのは何のことですか。
○田中政府特別補佐人 こういうことだということを私から申し上げるあれではありませんけれども、我が国で唯一動いている二つの原子炉でありますし、それについて、今先生からもいろいろな御指摘がありましたように、御心配される面もあります。 そういった点で、どの程度の安全度が確保されているのかということを早く私どもとしても確認させていただいて、それを国民の皆さんにお示しするということは大事なことではないかという意味で申し上げております。
○笠井委員 社会的な関心、心配の高さというのがこの判断の基準の中に入るんですか。
○田中政府特別補佐人 安全の判断の基準には入りません。
○笠井委員 今、社会的な心配、関心というと、よく電力需給の話があったりするんですけれども、経産大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の電力需給検証小委員会は、十七日、同じ日の会合で会見された。全国におけるこの夏の電力需給について、唯一稼働中の関西電力大飯原発三、四号機をとめても安定供給は可能であるという試算も出しているわけなんですね。だから、もしそういうことで心配ということでまたこれを動かそうという話になるんだったら、全然筋が違うということだと思います。 田中委員長は、ことし一月二十三日の記者会見で、大飯原発については、定期検査に入ることし九月以前に、七月になれば新しい基準が施行されて、この時点で大飯原発をとめるという措置をとる考えなのかと問われて、御指摘のように、七月はバックフィット規制が入ってきますので、大飯だけそれを例外扱いできるのかということになると、私はできないと思っていますと明言されました。考えが変わったんですか。
○田中政府特別補佐人 変わっておりません。 先ほどの繰り返しになりますけれども、バックフィットをどういうふうに適用していくかということについて、一般的な考え方を委員会として決めさせていただきましたので、それに基づいて大飯についても適用していくということでございます。
○笠井委員 変わっていないと言われるけれども、大飯については扱いが違うということが先ほどの話で明らかになったわけであります。 大体、この問題でいうと、関西電力の報告、五百ページですけれども、新基準に適合することを確認しているというものを出されてきて、しかし、適合という新基準というのは、今、制定の途上。パブコメを開始したところで、我々もいろいろな批判点を持っています。原因究明もまだまだじゃないかと。 そういうことも含めて、いろいろな批判が出ている中で、これは仮設のものですよね。その上、新規制施行に向けた基本的な方針も田中委員長の私案、それを規制委員会で合意した。いまだに私案だと言われている。それも仮設の話ですよね、仮につくったもの。それの上に、大飯については、それと別に、このことについては重点的にとか、そんなやり方でやったら、これは一体何なのかということになるじゃありませんか。 しかも、これを喜んでいるのは電力業界ですよね。大飯のときにどんなふうに安全確認されるのか見ながら、再稼働できるかどうか、次にやるというので、今、電気新聞なんかだって、これは数少ない朗報だというふうなことで、歓迎しているのは電力業界と。サンプルというふうな話もありましたけれども、大飯原発の継続稼働とともに、再稼働ありきのトライアルともなっていく。こんな確認作業は直ちに中止すべきだ。 原子力規制委員会として、一月の田中委員長の言明どおり、大飯原発三、四号機を例外扱いせずに、直ちに運転停止を求めるべきだと強く申し上げて、質問を終わります。
○森委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。 まず、質問に入る前にですけれども、けさ、この委員会が開く冒頭、本当にこの委員会は、先般の参考人質疑のときにも、憲政史上初めて国会の第三者委員会という形で、大変試みある、そういったものも開かれた、その事故調の皆さんも来ていただきましたけれども、また、設置のときには、当時、自民、公明、民主で合意をされて設置したあの熱意とは裏腹に、委員が集まらずに、残念ながら開会がおくれるという事態がございました。 今、淡路島や宮城沖、三宅島もそうですけれども、さまざま地震が国内で起きていて、原発立地をしているところ、また子供を持っているお母様方や親御さんたちが大変心配している中、こういった姿勢というものは、やはり国会ではあってはいけないんだと思っております。特に、定数の問題でいけば、与党の席が本当に空席ばかりが目立ちました。ここに関しましては苦言を申し上げて、質疑に入らせていただきたいと思います。 さて、今ちょっと触れましたけれども、四月八日、本委員会に元国会事故調の委員長、委員を務められました九名の方にお忙しい中出席いただいて、大変貴重な御意見を伺うことがありました。 その中において、発言の中で、放射能についての正しい教育が必要、また原子力教育の問題について触れられておりました。これは、私にとりまして大変印象深い言葉でもございましたし、重い言葉だとも感じております。 また、元事故調の委員からは、個人的見解と前置きをされた上ではありますけれども、安全神話というものの形成には、経済産業省とか文科省が子供たちに原子力は安全ということをずっと教えてきたことがあるとの指摘もございました。そして、質疑に立たれた元福島県議の委員からも、安全神話ではなく安全願望だったという言葉、私自身も、大変この言葉は本質を捉えているんだというふうに思ったところでもございます。 今後、放射線の安全神話のようなものが出てくることを危惧されていた、この点に関しましても、これからどういった教育をするのか。情報をきちんと流し、そして受け手がきちんとそれを冷静に判断することができなければ、地震列島と言われるこの日本、自然災害も最近本当に大きな、どこにいても多大な事故を招きかねません。 そういった面におきまして、その安全神話の形成された過程についての批判、反省する必要がある、この点に関しましての御指摘に対して、文科省、経済産業省の御所見を伺いたいと思います。
○義家大臣政務官 お答えいたします。 原子力に関する教育につきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて、主に中学校や高等学校の社会科や理科において扱ってきたところであります。特に、平成二十年に改訂された新学習指導要領では、中学の理科において、原子力や放射能に関して、放射線の性質と利用に関する内容をおよそ三十年ぶりに復活させるなど、指導の充実を図ってきたところであります。 しかし一方で、東日本大震災前に国が発行した原子力に関する副読本については、地震や津波からの原子力施設の安全性に関して、事故後明らかとなった事実と異なる記述となっている部分があることから、回収を行うとともに、放射線に関する関心が高まっていることを踏まえ、放射性物質等について正しい知識を身につける指導の一助としていただくため、新たに放射線等に関する副読本を作成し、配付したところであります。 今後とも、学校教育において、子供の発達段階に応じた原子力に関する教育が適切に行われ、原子力に関する科学的な知識を正しく身につけることができるように支援してまいりたいと思います。 同時に行わなければならないのは、私も高校で教師をしてきましたが、教える教師の理解、こういうところもしっかりしないと、ただ副読本だけ渡して、正しい知識を教えよといっても、それが伝わらないという問題性もあると思うので、引き続き支援してまいりたいと思っております。
○小宮山委員 今指摘されました、回収されました「わくわく原子力ランド」、「原子力ワールド」など、これは日本原子力文化振興財団が作成し、学校で配付された副読本ということでありまして、その中には、地震が起きても、原発はかたい地盤の上にあるから大丈夫です、津波にも耐えますということが書かれていたそうであります。 事故後、文科省から、小学校、中学校、高校に、放射線に関する三冊の副読本も出されております。しかし、「はじめに」という二、三行に事故のことが触れられているだけで、では、汚染地図とか、どのぐらいの放射線がどのぐらいの地域を汚染したのか、そういったことは書いていないということです。こういった偏った教育をしていると、また同じことを繰り返すのではないかという疑念を指摘もされているところです。 さらには、元委員の横山さんからは、他国の教科書について触れられておりました。その中には、原発大国であるフランスの高校の教科書には、極めて明快にプラスとマイナス部分が書いてあり、基本的な素粒子物理学の原理や、広島での原爆の写真、チェルノブイリ事故の写真なども入っているそうです。最後に、これは正しい、これは間違い、これはまだわからないという客観的な情報もきちんときれいに整理して書かれている、論理的であり、大変ページ数も多いと聞いております。こういった、受け手がきちんと判断できる材料を与えなければならないのだと思っております。 この点に関しまして、さらに文科省には、もう一歩踏み込んだ情報をきちんと提出すること、それが今後の原子力行政、そして子供たちが自分で自分の身を守る、その一助になるんだと思っておりますので、ぜひ後でお答えをいただきたいと思います。 学校教育での副読本、教科書、その分量だけではなくて、今まで原子力関連の展示館というものが東京電力により行われていたかと思います。この点に関しまして、子供だけではなく、当然、社会の中での、原子力に対しての客観的な事実や、また教育というものも必要かと思います。これに対しては、今まで社会人に対しては、自治会や、議員などに対しても、場合によっては接待ともとれるような形で、発電所の見学と称して、ある意味、私は安全神話の醸成をさせていたのではないかというふうに考えております。 今後、情報はきちんと即座に公開をしていただかなければ困りますけれども、こういった広報活動というのは東電はどうされていくのか。過去の反省も踏まえて、ぜひ教えていただきたいと思います。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。 原子力発電所近傍にありますそうした展示施設は、エネルギー全般についていろいろ御説明をさせていただく、パネルを使ったり展示物を使ったりということで、あるいは説明員がおって、来訪いただく方々に御説明させていただく。これは、原子力だけでなく、エネルギーの全てについて展示してあるものでございますが、事故後は、今回の事故の教訓であるとか、わかってきたことといったようなこともあわせて御説明させていただいておりますし、今後もそうした姿勢でやっていきたいと思います。 また、発電所は、私どもは、とにかくたくさんの方に見ていただきたいというふうに考えておりますので、今後とも、極力公開をして、広く皆様にしっかり見ていただこう、そういう考えで取り組んでいきたいというふうに思っております。
○小宮山委員 当然、公開もそうです。福島もそうですし、また、東電ではないですけれども、ガスコンバインドサイクルなどさまざまなエネルギーを中部電力さんなどもやっております。やはり、プラスとマイナス両方の展示、また情報提供というのもきちんとしていただきたいと思います。全てが安全ではないというのはもうわかったわけですから、この点は強く要請をさせていただきます。 また、先ほど政務官の方からありましたけれども、教える側への教育というのはどのようなことをされるのか。よろしければ、通告はしておりませんけれども、お聞かせください。
○義家大臣政務官 お答えいたします。 先ほどの委員の御指摘、もっとものことと思っております。 副読本については、原子力事故後の状況や放射線に関する教材等に対する現場のニーズがかなり変化している、関心も高まっているということで、二十五年度予算に所要の経費を計上しまして、改めて見直しの検討を現時点で行っております。 また、社会科の教科書については、この震災を受けて民間の各教科書会社から訂正申請が出されまして、まだ分量としては現時点では多くないですが、七点中七点で申請があって、現在、事故のことについては載っている状況であります。 指導者に関してですけれども、やはりこれは教育委員会の独自授業や校内の研修等が必要になってくるわけです。一方で、それを待っていても始まらないという懸念から、平成二十五年度予算に、放射線に関する正しい知識の理解を助けるための児童生徒向けの出前授業、それから教員研修に要する費用も計上いたしまして、しっかりとした支援をしてまいりたいと考えております。
○小宮山委員 ぜひよろしくお願いいたします。 風評やデマに惑わされることなく、しっかりと問題点を冷静に判断できる、そして正しく判断できるためには、正しい知識と情報が肝心だと思っております。 関係の省庁におきましても、さまざまな試み、また情報収集、情報の開示をされているかと思いますが、この点に関しまして、文科省、環境省、経産省、あわせて、放射線の防護につきまして、被曝医療に関しても原子力規制庁から簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
○黒木政府参考人 私の方からは、被曝医療に関してお話しします。 指針を今つくっておりまして、被曝医療ということを中心に、特に体制の整備の問題、医療関係者の研修、教育の充実の問題、それから周辺五キロ圏内のいわゆる安定沃素剤の配付のあり方の問題等々について、パブリックコメントをかけながら、住民の皆さんも含めて国民の皆さんの意見を聞いている、そういう段階でございます。 以上です。
○小宮山委員 各省に情報提供の取り組みについてなどを通告しておりますので、その点もお願いします。
○赤羽副大臣 それでは、経済産業省からは、放射線に関する正確な情報提供についてお答えをさせていただきたいと思います。 私も、昨年十二月の二十七日に副大臣を拝命いたしまして、原子力災害の現地対策本部長として役目もありますので、一月二日から、毎週二日行かせていただいておりますが、ふるさとに帰還する事業も大変難しい局面にもありますし、同時に、風評被害の問題も本当に深刻でございます。こういった二つの側面からも、放射線に関する正確な情報提供は大変重要だと認識をしております。 何をやっているかということを申し上げたいと思います。 原子力発電に関する広報等事業につきまして、今御審議をいただいております平成二十五年度の予算案でも五・七億円の予算をお願いしているところでございます。 具体的には、全国の自治体の講演会等に放射線に関する専門家である大学の研究者などを派遣する事業を行ったり、また体験型の実験教室などの開催もさせていただいております。特に、地域の住民にとって関心の高いテーマであります放射線の基礎知識や人体への影響に関しまして、正確で、かつわかりやすく説明をお願いしているところでございます。 また、資源エネルギー庁のホームページにつきましても、放射線についてのQアンドAを六十問を超えるものを提示させていただいておりまして、有識者の知見も踏まえて、正確な情報提供を行っているところでございます。 加えて、情報提供だけではなくて、風評被害対策として、実際に被災地域の産品に触れる場を設けることが大変大事だということを認識しておりまして、福島県で生産される農産品、加工品、工業製品等について、商品開発の支援を行うとともに、販路拡大のための商談会や物産展なども開催しているところでございます。 今後も、きめ細かく、そしてわかりやすい情報提供を通じて、広く国民の皆様に、正確な理解の向上に向けて取り組んでまいりたいと思います。 以上です。
○森委員長 環境省佐藤環境保健部長、申し合わせの時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁願います。
○佐藤政府参考人 お答えをいたします。 関係省庁で実施されております健康不安対策につきましては、環境省が事務局となりまして取りまとめを行っております。 具体的には、原子力被災者等の健康不安対策会議というのを設置いたしまして、昨年五月には公表をしました。また、その内容等についての更新を去る三月二十八日にも行ったところでございます。 環境省としましても、このアクションプランに沿う形で、県民健康管理調査の結果等に関する統一的基礎資料の作成や、保健師など実際の教育や研修に当たる方に対する研修等を進めているところでございます。
○小宮山委員 時間となりましたけれども、本日、田中委員長の発言文にございますが、安定沃素剤の服用など緊急時に対しての判断基準など、こんなことをしなければいけないというのが原子力発電の現実だと思います。 ぜひ、これからも現場をしっかり見ていただき、そして安全に対するための仕事をしていただけること、また各省庁におきましても正しい判断ができる情報提供を速やかにしていただきますことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十三分散会