憲法審査会 第6号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2013/04/18
会議録
○保利会長 これより会議を開きます。 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に日本国憲法の各条章のうち、第七章の論点について調査を進めます。 本日の議事について申し上げます。 まず、衆議院法制局当局から説明を聴取し、その後、各委員からの自由討議を行うことといたします。 衆議院法制局当局から説明を聴取いたします。衆議院法制局法制企画調整部長橘幸信君。
○橘法制局参事 衆議院法制局の橘でございます。 本日は、第七章財政の章の主要論点につきまして、お手元配付の資料に基づき、御報告をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 日本国憲法におきましては、旧明治憲法が会計という題名、章名のもとに一章を設けていたことに倣って、国会や内閣の章とは別に、財政に関して独立した一章を設けております。 先生方御承知のように、そもそも議会の生い立ちそのものが、君主による課税と国費支出に対して租税負担者の側からの同意が必要だという、代表なければ課税なしとのスローガンに象徴される要求と密接に結びついていたことを考えれば、財政に対する議会の関与は議会のレゾンデートルと言っても過言ではないと言えるかと存じます。 それでは、日本国憲法における財政の章の特徴につきまして、まず旧明治憲法との対比で幾つかの論点に関して御報告を申し上げ、先生方の御議論の参考に供させていただきたいと存じます。 まず、現行憲法の財政に関する規定の特徴を一言で申し上げれば、徹底した国会中心主義、いわゆる財政民主主義にあると言われております。 すなわち、旧明治憲法下におきましては、第一に、いわゆる既定費等については議会は政府の同意なくしてこれを廃除、削減することができず、また、定額以内の皇室費については議会の協賛を要しないなどとされることによって、議会の予算議決権の範囲は大きく制限されておりました。 第二に、いわゆる緊急財産処分制度や前年度予算執行制度のような、議会の予算議決権そのものに対する例外的制度も規定されておりました。ここに、緊急財産処分制度とは、公共の安全を保持するため緊急の需要がある場合においては勅令によって財政上必要な処分をすることができるものとし、帝国議会の関与は事後承認でよいとされていたものです。また、前年度予算執行制度とは、帝国議会において予算を議定せずまたは予算成立に至らざるときは政府は前年度の予算を執行すべきとされていたものでございます。 これに対して、現行日本国憲法第七章の規定におきましては、財政執行に関するあらゆる場面で国会の関与が定められております。 本日は、A3縦長の論点表の御説明に入る前に、お手元配付の詳細資料、衆憲資八十二号をおめくりいただいて、一ページ目をごらんいただければと存じます。 簡単なポンチ絵を掲載させていただいておりますが、このポンチ絵にありますように、まず第七章冒頭の第八十三条において、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と規定し、財政民主主義の原則を端的に定めております。その上で、この原則をお金の入りと出の両面から改めて規定し直しているわけでございます。 すなわち、第八十四条ではお金の入りの面での租税法律主義という形での国会の関与を、次の第八十五条ではお金の出の面での、国費の支出、国庫債務負担行為に関する国会の関与をそれぞれ念入りに定めているわけでございます。しかる後に、さらに詳細に、皇室の財産や費用に関するものも含めた予算に関する一連の規定、そして決算及び会計検査院に関する一連の規定が定められているといった構造になっているわけでございます。 しかし、このような、徹底しているように思われる国会の財政統制権限の強化にもかかわらず、法律案の審議、制定の場面と比べると、予算に関する国会の権限はまだ制約されているという面も指摘されているところです。 例えば、法律案は提出された議案の段階では法律案であって、衆参両院で可決されて初めて法律になるわけでございますけれども、予算の場合は政府が国会に提出した議案の段階から予算と呼ばれています。予算案ではなく、議決される前から予算と表現されているわけです。 これは予算の作成、提案権は内閣に専属しているということを端的にあらわしたものでありますが、このことから、国会の予算修正、特に増額修正には限界があると言うべきであり、例えば、新たな費目の創設にわたるような、政府の予算提案権を侵害するような予算の増額修正はできないといった趣旨の政府解釈がここから導き出されてくるわけでございます。 以上、申し述べましたような、日本国憲法の財政民主主義をめぐってなされてまいりました国会でのこれまでの御議論の傾向につきましては、大きく二つの方向性があったように思われます。 ここで、恐縮でございますが、A3縦長の論点表にお戻りいただきまして、ごらんいただければと存じます。 一つは、国会による財政統制、財政民主主義をより一層実質化、充実強化すべきであるとする方向での御議論です。具体的には、論点表の冒頭に掲げた論点になります。これに対して、もう一つは、この国会による財政統制を少し緩めて、もう少し機動的な財政運営ができるようにすべきではないかとか、国会の財政統制権限に憲法上一定の縛りをかけるべきではないかとするものです。 前者が予算単年度主義の原則に関する論点で、複数年度にわたる予算編成などに道を開こうとする議論であり、後者が財政健全化のための条項を設けるべきではないかといった御議論です。 その他として、論点表の下半分に掲げておりますような、八十九条など私学助成に関する個別論点の条項に関する御議論もございました。 以下、各論点について、そのポイントをごく簡潔に御報告してまいりたいと存じます。 まず最初は、財政民主主義の実質化、国会による財政統制の充実に関する論点です。 これにつきましては、まず、予算制度や会計制度の複雑化等により国会による財政統制が弱まっているとの認識を背景として、憲法の予定している財政民主主義の実質化を図るために、現行憲法の規定を積極的に見直していくべきであるとする御主張がございます。これがAの明文改憲の欄に掲げた御主張です。 論点表では、これに関して六つほどの具体的な提案を掲げておりますが、これを類型化して御報告いたしますと、まず第一グループが、政府や内閣総理大臣による国会や国民に対する財政情報の報告、説明責任の充実強化に関する、論点表の1、2、3の御提案です。比喩的に申し上げれば、まさにアカウンティング、会計に関するアカウンタビリティー、説明責任を求める御提案と言えるかと存じます。次に、第二グループは、決算制度の改善に関する、論点表の4及び6の御提案でございます。そして第三として、先ほど言及いたしましたところと関連いたしますが、国会による予算の増額修正が全面的に可能となるようにすべきとの論点表の5の御提案もございます。 これらの主張に対して、財政情報の提供など、立法措置による対応によるべきだとするBの欄の御主張や、現行制度の運用改善で足りるとするCの欄の御主張もございます。 次は、予算単年度主義に関する論点でございます。 現行憲法は、第八十六条において、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と規定し、予算は毎会計年度作成されるものといたしております。ここから予算単年度主義の原則が導かれると一般に説かれているところでございます。 これに対しては、毎年国会による議決を経なければならないという点で、国会による財政統制を担保するという趣旨は理解できるが、これに拘泥し過ぎると、予算編成が前年度踏襲の硬直的なものとなってしまうことや、会計年度末の無理な予算執行を惹起しているなどといった認識を背景として、端的に複数年度予算制を採用すべきとするA1の御主張、あるいは、予算は原則として単年度制を維持するとしても、複数年度にわたる財政計画を策定することとし、これを国会承認事項とすることを憲法に明記すべきであるとするA2の御主張、さらには、予算単年度主義の原則の趣旨を害しない範囲内における例外として、現行財政法上も認められている継続費や繰越明許費などの制度を憲法に明記するべきであるとするA3の御主張などが唱えられております。 これらの明文改憲の御主張に対しては、まず、A1の主張に対して、現行の毎会計年度ごとの予算編成を維持すべきであるとするCの欄の見解が、また、A2の御主張に対しては、そのような複数年度の財政計画の策定、国会承認等は立法措置によっても十分可能であるとするB2の御主張が、さらには、A3については、そもそも現行憲法上、継続費等の制度は認められるべきではないといった主張も唱えられております。 三つ目の論点は、健全財政主義に関する論点です。 現行憲法には健全財政主義に関する特段の規定はございません。そもそも、財政のあり方については、財政民主主義の理念のもと、全国民代表である国会議員の先生方が、適切な財政判断をして予算を議決するであろうことを期待しているところであること。他方、財政法といった法律レベルにおいてではありますが、国の歳出は原則として租税等をもって賄うべきものとし、公債発行をしたり借入金をしたりすることができるのは、公共事業費等の財源となる場合に限るとする、いわゆる建設公債の原則が既に定められているところでございます。 しかし、そのような財政法の特例として、特例公債発行法、いわゆる赤字公債の発行特例法が毎年のように制定され、平成二十五年度末の政府見通しでは、国及び地方の長期債務残高で一千兆円、対GDP比二〇〇%に及ぶ債務を築き上げてしまった我が国財政の現状に鑑みて、国会等の歳出圧力に対抗するためには、憲法の中に健全財政を担保するための財政規律条項を設けるべきであるとする見解が唱えられております。Aの欄の御見解です。 他方、国民生活を守るためには、国家財政の状況いかんにかかわらず、一時的に財政出動が求められる場合もあり、厳格な健全財政主義のような規定が憲法に設けられてしまうと臨機応変な財政出動ができなくなってしまうので、財政健全主義に関する規定は、財政健全化責任法案のような法律レベルで規定すれば足りるとするBの欄の見解もございます。 これらに対して、そもそもこれまでの政権の財政運営を省みないで憲法改正を唱えるがごとき見解は無責任であるとして、憲法の規定としては現行のままでよいとするCの欄の見解もございます。 四つ目の論点は、八十九条に関する論点です。 八十九条は、その前段で宗教上の組織、団体に対して、また後段では公の支配に属しない慈善、教育、博愛の事業に対して、いずれも公金その他の公の財産の支出をしてはならないことを定めておりますが、ここには二つの内容の論点が含まれております。 まず、前段ですが、この趣旨は、国や地方公共団体と宗教上の組織等との財政的な関係を切断することにより、憲法二十条の保障する信教の自由及び政教分離の原則を財政面から確保しようとするものです。 これに対しては、二十条の政教分離に関する論点でも御報告いたしましたように、最高裁のいわゆる目的効果基準を念頭に置きつつも、一般的、習俗的な行事や社会的儀礼に属するような行事への参加には幅広い公費支出が認められるようなことを明確にするべきとするAの欄の御主張が唱えられているところです。 次に、後段の趣旨につきましては、一つには、国などが、公的な財政援助を通じて、私立学校や私的な活動として行われる慈善、博愛の事業の独立性や自主性を侵害することがないようにすることにあるとか、他方では、国民負担においてなされる公金の支出等が、慈善、教育、博愛の事業への援助という美名のもとにおいて乱用されることを防止することにあるなどといった説明がなされているところです。 しかし、現実には私学助成がなされており、また、これなくしては私立学校法人の経営が立ち行かないのも現状だと言われております。そして、このような現状等を背景として、政府解釈においては、公の支配を緩やかに解して、私立学校も、私学振興助成法等に定める所轄庁の監督に服していることをもって憲法の規定する公の支配に属しているものとして、私学助成は憲法八十九条違反ではないと解されているところでございます。 しかし、私学助成の憲法適合性を説明しようとする余り、本来、自主独立で運営されるべき私立学校を公の支配に属していると解釈するのは、常識的に見て余りに矛盾した解釈ではないかとの難点が指摘されているところでもあり、このような批判を踏まえて、八十九条を改正して私学助成が合憲であることを文理上も明確にするべきであるとするのがAの欄の御主張です。 これに対して、解釈で十分対応できているのだから、現行のままで全く支障がないとするのがCの欄の御主張です。 最後に、会計検査院に関する論点がございます。 まず、会計検査院を国会の財政統制機能の強化策の一環として国会の附属機関とするべきではないかとのAの欄の御主張につきましては、第四章国会の章における論点報告でも御紹介したとおりです。 そのほか、会計検査院に関しては、Bの立法措置レベルでの御主張として、内閣に対する是正措置の勧告権限を付与するべき等の御主張があるほか、あくまでも現行制度の枠内での運用改善、例えば、会計検査院と検査対象となる各省庁との人事交流の禁止などを図るべきであるとするCの欄の御主張もございます。 以上、早口で雑駁でございましたが、第七章の論点御報告を終わります。どうもありがとうございました。
○保利会長 以上で衆議院法制局当局からの説明聴取は終了いたしました。 —————————————
○保利会長 これより自由討議に入ります。 この自由討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派を代表する委員が順次発言を行い、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。 発言の中には、事実確認のため、衆議院法制局当局に対する質問を含んで結構であります。 それでは、まず、各会派を代表する委員の発言に入ります。 発言時間は七分以内とし、その経過については、終了時間一分前及び終了時にブザーを鳴らしてお知らせをいたします。 発言は自席から着席のままで結構でございます。 発言の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤達也君。
○伊藤(達)委員 自由民主党の伊藤達也です。 日本国憲法第七章財政につきまして、我が党を代表して意見を表明いたします。 まず、論点表の区分に従い、財政民主主義の実質化、国会による財政統制の充実について申し上げます。 現行憲法九十条一項では、決算について、国会に提出しなければならないと定めるのみで、国会が決算をどう扱うかについて規定はありません。実際には、決算は国会への単なる報告案件にすぎず、会計検査院から提出される検査報告等を参考に、各院が独立別個に決算を審議し、議決を行うという運用を行っているところです。 しかし、政府の行った支出に対し国会が責任を持って十分なチェックを果たすという観点からは、これを運用に任せるのではなく、憲法上の要請とすべきではないかと考えます。 そこで、我が党の憲法改正草案では、決算を国会の承認を要するものと憲法上明記することといたしました。 また、国会における決算審査の結果を予算編成に活用すべきとの議論は以前から行われてきたところであります。 この点に関し、我が党の憲法改正草案九十条三項では、内閣は、検査報告の内容を予算案に反映させ、国会に対し、その結果について報告しなければならないと憲法に明記することといたしました。これにより、会計検査院の検査の実効性についても高まるものと考えております。 以上から、財政民主主義の実質化、国会による財政統制の充実の論点については、論点表ではAの立場になります。 続いて、予算単年度主義について申し上げます。 予算単年度主義に関しては、財政規律の維持や国会による財政統制という観点から、その意義も認められるところではありますが、一方で、財政の効率的な運営という観点からは、予算編成の硬直化や年度末の無理な予算執行など、その弊害も指摘されているところであります。 先進国で複数年度予算の要素を取り入れている事例として、例えばイギリスでは、一九九八年、包括的歳出見直しにより、向こう三年間の省庁別歳出の上限を定めています。予算の執行に当たり、流用や繰り越しを認め、省庁に一定の裁量を与えながらも、複数年度のフレームで支出管理の改善と支出ルールの強化をしています。これにより、従来、毎年の予算折衝で財務省も各省庁も多大なエネルギーを投入することが是正をされ、財政の効率的な運営に取り組んでいます。 そして、フランスでは、二〇〇八年の憲法改正により複数年計画を導入し、二年に一度、三カ年計画が財政計画法として予算法案とあわせて国会に提出され、審議、可決されています。 そこで、我が党の憲法改正草案は、八十六条四項で、複数年度にわたる予算について、「毎会計年度の予算は、法律の定めるところにより、国会の議決を経て、翌年度以降の年度においても支出することができる。」と明確な規定を新設いたしました。これは、現行制度でも認められている繰越明許費や継続費などを憲法上認めることとしたものです。論点表ではAの3の立場です。 次に、健全財政主義について申し上げます。 現行憲法にはこれに関する規定はありませんが、財政の健全性の確保を憲法上明記し、財政運営の指針とすることは大きな意味があると考えます。 我が党の憲法改正草案では、八十三条二項を新設して、「財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。」とし、財政の健全性を憲法上の価値として明記いたしました。論点表ではAの立場です。 なお、具体的な健全性の基準については、我が党がかつて提出した財政健全化責任法のような法律で規定することを想定いたしております。 次に、公の財産の支出制限のうち、習俗的行事への参加に対する公費支出について申し上げます。 政教分離原則については、地鎮祭への玉串料の支出など、ごく一般的な社会的儀礼、習俗的行為の範囲を超えないものについては、公共性のある行為として公費の支出が認められるべきと考えます。これについてはこれまでも裁判が提起されるなどしてきましたが、憲法上の疑義が生じないよう、明文改憲が必要と考えております。論点表のAの立場です。 次に、私学助成の憲法問題について申し上げます。 現行の憲法八十九条は、公の支配に属しない慈善、教育、博愛の事業に対する公金の支出等を禁止しています。これを文言どおりに読めば、私立学校に対する国の助成が違憲であるとの疑いを拭い切れません。 解釈上は、私立学校も、その設立や教育内容について国等の一定の関与を受けていることから、公の支配に属し、私学助成は合憲であるとされております。しかし、私立学校の建学の精神に照らして考えると、公の支配に属するというのは適切な表現ではないと思われます。 そこで、我が党の憲法改正草案においては、公の支配に属しないの文言を改め、国等の監督が及ばない慈善、教育、博愛事業への公金の支出等のみを禁じることとし、私学助成が憲法違反でないことを明らかにしました。論点表のAの立場です。 以上、自由民主党を代表しましての意見表明とさせていただきます。
○保利会長 次に、篠原孝君。
○篠原委員 民主党の篠原孝です。 憲法第七章財政について、民主党の考え方を述べます。 民主党は、国民主権が生きる新たな統治機構を創出することを重要視しております。こうした視点から、官僚や時々の政府の恣意的な財政支出や会計システムの利用を許さず、税に対する国民監視を強化する意味でも、公会計や財政責任に関する規定を明確にしておくことを主張しております。 現行憲法では、公会計や財政処理に関する規定が明確ではなく、その責任も曖昧なまま放置されています。しかし、憲法の基本原理たる国民主権の本来の姿は、税の徴収と使用に対する国民監視であり、この点を憲法上も明確にしていかなければなりません。 このため、三つのことが大事ではないかと考えております。 一つは、責任の所在が曖昧な現行の国の財政処理の権限については、国会の議決に基づいて、内閣総理大臣が行使することを明確にすべきということ。第二には、内閣総理大臣に、国の財政状況、現在及び将来の国民に与える影響の予測について、国会への報告を義務づけること。第三に、内閣総理大臣の予算、決算に関する説明責任を憲法上に明記すべきという立場をとっております。これは論点表でいいますと、Aの1、2、3がそれに当たります。 このように、民主党は、財政については、財政民主主義を実質的なものとし、国会による財政統制の充実を図ることとしております。 それから、最近、日本銀行の総裁人事をめぐりまして、国会の承認が大きく取り沙汰されましたが、中央銀行の位置づけにつきましては、引き続き検討を要するものと考えております。 次に、八十六条の予算単年度主義についてでございます。 これにつきましては、現行のままでそれほど不都合ではないことから、憲法上の規定は必要ないという考え方もあります。ですが、民主党は、複数年度にわたる財政計画を国会に報告し、承認を得ることを憲法に明記すべきとの立場をとっておりまして、この論点表ではAの2を主張しております。 次に、健全財政についてでございます。 今、安倍政権のアベノミクスによりまして、景気が上向いていると言われております。しかし一方で、財政の健全化に反するような経済政策はすべきではないという考え方もあります。 この点については橘部長からも既に説明がありましたが、健全財政を維持するため、財政規律条項を憲法上に規定すべきということ、あるいは少なくとも、これは伊藤委員の方からありましたけれども、自民党がかつて提出しましたような健全財政責任法のような法律で規定すべきという考え方もありますが、民主党は、この点については中立的な立場にあります。 次の八十九条の公の財産の支出制限については、習俗的行事への参加に対する公費支出や私学助成の憲法問題についてはいろいろ議論があることは承知しておりますが、民主党は、この点については立場を明らかにはしておりません。 最後に、会計検査についてでございます。 会計検査、九十条については、法律的な立場から会計検査院がまずチェックをし、次に、政治的な立場から、内閣がどのような行政に予算を使用したか、国会が二重チェックで審査することになっております。 きのうの党首討論におきまして、石原慎太郎維新の会代表から、いつもの憲法九条ではなく、この憲法九十条の会計検査について、会計検査の形骸化を指摘するなど、非常に傾聴に値する見解が示されました。この九十条の強化、つまり国会による財政統制を強めようという点については、維新の会と見解が一致しております。 我々民主党は、財政民主主義の実質化それから国会による財政統制の充実を図るという基本方針もあり、会計検査院の報告を受けた国会は内閣に対して勧告を行い、内閣はこの勧告に応じて必要な措置を講ずることを明記すべきという立場をとっております。 また、さきに第四章の国会の章で議論されましたけれども、民主党は、議会の政府、行政監視機能を大幅に拡充する必要があると考えております。そのために、二院制に関連して、予算は衆議院、決算と行政監視は参議院といった役割分担を明確にすることも一つの考え方であると思っております。決算、行政監視の充実など、専門的、総合的な機能を兼ね備えた参議院制度の確立を目指すということなども必要だと考えております。 以上でございます。
○保利会長 次に、三木圭恵君。
○三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。 我が党を代表いたしまして、第七章財政の基本的考え方を述べさせていただきます。 まず、財政民主主義の実質化についてであります。 明治憲法下において、予算編成権は内閣にありました。日本国憲法となったとき、民主主義の大きな柱として財政民主主義が確立されましたが、内閣には、予算を作成し国会に提出する権限が付与されています。最終的な権限は国会が持っていて、内閣に対する国会の拘束力は非常に強いものです。その意味で、国会による財政統制は十分に強いと言えます。 しかし、現実には、日本政府の財政赤字は急増の一途をたどっており、国会による財政統制の仕組みだけでは十分ではありません。それは、ほかならぬ現在の国民が、将来の世代に負担を先送りする形で財政赤字をふやすことを支持しているからであります。 制度上、財政運営上の意思決定者は、有権者、有権者からの選挙によって選ばれる国会議員、国会で議院内閣制によって組織される内閣の三者ですが、これらは全て現役世代から成っています。そして、常に現役世代の意思決定を優先するような現在の仕組みのままだと、将来世代の利益を保護することはできません。 一方、現行憲法第十一条には、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」とあり、国民の範囲は現在及び将来の国民と規定しており、現役世代だけが国民ではありません。 したがって、現役世代による財政民主主義から現役及び将来世代による財政民主主義へと移行することが、真の意味で財政民主主義を強化することになるのであります。 そのためには、例えば、以下のような三点の論点が検討されるべきです。 まず第一に、予算を、一般経常経費等から成る経常収支勘定と、インフラ資産の形成とか公的年金制度の設計自体にかかわるような、中長期的な影響の大きい資本的収支勘定とに区分した上で、中長期的な影響の大きい勘定については複数年度の財政計画を作成するなど、二つの予算をつくる。 第二に、財務諸表の体系と開示制度を定める公会計基準等の整備により、公会計制度を整備する。 第三に、財政活動を評価するための財務指標を開発して、それによって予算編成上の意思決定が適切であったか否かを検証可能としていくような行政評価の仕組みを構築する。 以上三点のように、財政運営上の意思決定者である現役世代の受託者責任を明らかにすることを通じてパブリックガバナンスを強化して、将来世代を含む受益者たる国民の利益を保護するような財政民主主義体制を構築することが必要であります。 以上のような考え方から、将来世代を含む受益者たる国民の利益を保護するために、まず、日本維新の会は、財政健全化法案を今国会に提出する予定であります。また、この財政健全化法案の根拠を憲法にも明記するという観点から、以下のような方向性で議論を深めていきます。 一、現行憲法の規定を見直すとすれば、受益者たる国民とは現役世代と将来世代であるという観点から、財政規律の必要性を明記することを検討します。 二、経常収支勘定と資本的収支勘定とに区分した上で、公会計を透明性の高いルールのもとに置くべきこと等の基本原則を憲法に明記することを検討します。 三、内閣総理大臣の予算、決算に関する説明責任を憲法に明記することを検討します。 四、国会において予算の修正が可能であることを条文で明確にすることを検討します。 五、財政における国家緊急事態規定を明記することを検討します。 さらに、現行憲法には国家緊急権に関する規定が非常に少ないが、それは財政上も同じであります。予算が年度内に成立しない場合の措置なども憲法に明記することを検討すべきであります。 次に、予算単年度主義については、中長期的な影響の大きい資本的収支勘定の導入を念頭に複数年度予算制を憲法上採用することを検討することと、継続費等を憲法に明記することを検討します。 次に、健全財政主義は、健全財政を担保するため、将来世代を含む受益者たる国民の利益を保護する趣旨を盛り込んだ財政規律条項を憲法に規定することを検討します。 次に、公の財産の支出制限については、内閣総理大臣等の一般的、習俗的な行事への参加には公費の支出が認められるよう憲法を改正する方向で議論します。 私学助成の憲法問題については、条文の文言と実態の運用が乖離しているので、八十九条を改正して、私学助成ができることを憲法上明確にすべきであります。 次の論点である会計検査院については、国会の財政統制機能を強化するため、会計検査院を国会の附属機関とすべきであり、財政立憲主義のもと、現行憲法下においては国会が最終的に予算を全て決定する権限を持つということであれば、九十条を改正して、会計検査院は国会に属する機関、組織として位置づけることが非常に合理的であると考えます。 以上、日本維新の会での第七章財政についての、現在の国民だけではなく、将来の国民に負担を先送りにしないという基本的考えのもと、憲法を改正、強化する我が党の方針と議論の方向を述べさせていただきました。 ありがとうございます。
○保利会長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。 憲法第七章財政につきまして、まず、党内で一定の取りまとめができた論点について述べさせていただき、その後に、まとまっていない点につきましても、党内でありました意見を紹介させていただきます。 まず、財政民主主義について、現行憲法はこれを明確に規定しているという点において現行のままでよい。財政統制についても運用改善で足りる。論点表Cの立場でございます。 次に、地方の課税自主権について活発な議論がございました。租税法律主義を定めた第八十四条に関連して、財政における地方自主権のあり方についての議論でございます。 地方分権の推進のためには、地方が自立できるだけの財源確保が必要である、地方財政基盤の確立とその健全化を図るプロセスの構築が重要であるという点では一致しているところでございます。 そして、その観点から、地方の課税自主権を憲法上明記すべきとの強い意見があります。この意見の中では、八十四条では租税という言葉を使っているが、租税となれば全ての税を網羅する意味になる、これから地方公共団体の自主課税、課税の自主権ということを考えていく際には、やはり法律によることとする税については国税という言葉を使った方がいいのではないかという主張がございました。 なお、課税自主権の明記とともに、現行の地方交付税制度を一歩進めて、財政調整制度というものを憲法に規定してはどうかという意見も出ております。 次に、憲法第八十九条と私学助成との関係について取りまとめを行っております。 これに関しては、条文の文言と運用の実態とが遊離しているとの認識で一致しておりまして、その上で、私学助成の必要性については、実務的にも学説においても肯定されているところであるので、私学助成の重要性を踏まえて憲法上の表現について検討するべきと考えております。 ただし、具体的な改正の是非については、教育分野における民間、私学の役割は高まる一方であることからも、文言を見直し、場合によっては削除すべきという意見、私学助成について憲法に明確に規定すべしという意見がある一方、そもそも、公の支配に属するという文言を狭く捉え過ぎることは教育政策上望ましくないとの視点から、憲法の表現をあえて変える必要はなく、私学助成法という法律で対応することでいいという意見もあったことも申し添えておきます。 さて、現在の我が国の財政状況を考えるとき極めて重要になってくる論点が、憲法に財政規律に関して定める必要がないかという点であります。これに関しては、党内にまだ一致した見解があるわけではありません。 党内には、日本が巨額の財政赤字に至ったのは、財政に関する憲法の規制対象が手続面中心であることも一因ではないか、イタリア憲法には財源の明示のない新規予算を認めない規定があるが、財政の運用面を規律していく規定も考えるべきではないかとの主張もあります。あるいは、将来世代のことを十分考慮するという観点からすると、財政の健全化や年金制度の世代間の負担と給付の公正化も重要となるとして、財政規律や財政の健全化を憲法に明記することを十分に検討すべきとの意見もあるという状況でございます。 次に、憲法の予算単年度主義に関連しては、駆け込み執行などの弊害も含め、かなり硬直的な予算編成システムになっていると指摘し、複数年度予算のシステムを導入すべきではないかという意見があります。複数年度予算の考え方を評価する意見は、参議院の憲法調査会においては、自民、民主、公明の三党がおおむね一致した意見となっていると伺っております。 さて、次に、財政状況報告でございますが、複式簿記、発生主義会計の導入で財政の見える化を推進ということも、我が党はマニフェストで主張しております。憲法に関する議論においても、第九十一条の財政状況の報告等に関連して、国民にわかりやすく国の財政状況を報告するために、企業会計を導入してはどうかという意見がございました。 また、九十条の国の決算、会計検査院につきましては、現憲法の規定では、決算は報告事項にすぎず、フィードバック機能が確保されていないことの不備を指摘し、決算審査を終えるまでは予算審査に入れないといった規定を考えてもおかしくないとの意見があります。 会計検査院についても、むしろ国会に帰属させて、内閣、内閣総理大臣に改善措置を勧告することができるシステムの導入を図ってはどうか、会計検査院は内閣から独立の地位を有するとされているが、行政とのつながりの中で制約が多過ぎる、会計検査院法に規定されている検査官の身分保障は憲法に明文化するに値する、決算における国会審査の役割が高まってきている中、内閣を通して国会へ提出するあり方は見直す必要がある等の意見が出ております。 以上、第七章財政について、公明党の認識、考え方、検討状況を報告させていただきました。
○保利会長 次に、小池政就君。
○小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。 みんなの党は、憲法第七章に関し、現状を鑑みまして、憲法で規定された内容に対して、以下の論点に関しては検討の必要性があると考え、立法及び将来的には憲法改正をも含めて必要な措置を検討すべきとしております。 まず第一点目は、国会による財政統制の充実及び財政運営の健全性の確保に関してであります。 我が国の財政は危機的状況にあり、財政健全化は喫緊の課題であるということは、長年の、周知されてきた事実であるにもかかわらず、現状の内閣と国会による財政運営のあり方では一向に改善の兆しが見えないため、その仕組みを改める必要性があると考えております。 そのような考えに基づき、みんなの党は、昨年、二〇一二年四月十二日に、国の財政運営における不要資産の活用、透明性の向上等に関する法律案を参議院に提出いたしました。 この法案は、国民の税負担の増加を抑制しつつ、国の規律ある財政運営を確保するため、国の財政運営に係る基本方針、これに基づく財政運営の目標の策定、予定財務書類及び決定財務書類の作成及び国会への提出、当該基本方針の遵守の状況に関する国会への報告等について定めることにより、国等の不要資産の活用、国の財政運営の透明性の向上及び財政会計制度改革、すなわち国の予算及び決算その他財政の基本に関する制度並びに公会計基準の改革の推進を図り、もって国の財政運営に係る責任の明確化に資することを目的といたしました。 ここでは、当面の財政運営に係る基本方針として、早期に一会計年度の国の基礎的財政収支の黒字化を図るとともに、特例公債を発行しないようにすること等をまず定めています。 また、法案では、内閣は、この基本方針に基づき、複数年度にわたる財政運営の中期目標及び翌年度の具体的な短期目標を定め、国会への報告を義務としております。 加えて、国会は、内閣に対し、毎年度の予算及び決算に係る国の一般会計及び特別会計並びに連結対象独立行政法人等につき連結して財務の状況を記載した書類を提出することを求め、議決することができるとしております。 なお、今国会におきましても、日本維新の会との連携により、国の責任ある財政運営に対して同様に立法化を検討しているところであります。 第二点目は、会計検査院のあり方です。 みんなの党は、現在の会計検査院の機能を強化し、将来的には組織の位置づけを改め、米国議会会計検査院、GAO型の強力な会計検査機関を国会に設けるべきとしております。 みんなの党は、二〇一二年三月九日、会計検査院法の一部を改正する法律案を参議院に提出いたしました。会計検査院が検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときについて、現状の会計検査院が検察庁に通告するという制度にかえて、会計検査院が告発する制度を設けるものとしたものであります。 また、現状の会計検査院が、検査対象である各省庁とも人事的につながり、他省庁管轄の外郭団体に天下りしているとの関係を改め、行政府からの独立性をより高めるためにも、国会の附属の機関として、行政への牽制及び監視機能を強化する目的から、将来的には米国議会会計検査院型のあり方を目指していきます。 国会のもとで、行政府に対して関連資料の提出を命じる権限を保持した上で監査を行い、行政府の不正行為だけではなく有効性の観点からも勧告を発し、勧告を受けた省庁に対しては改善計画の提出等の義務を課すことによりその機能を強化していくという点も含め、具体案を検討しているところであります。 最後に、私学助成に関しては、これまでの憲法解釈や政府見解、判例等からも、現状から改正の必要はないものと考える一方、党内には、第八十九条から教育を除くべきとの意見もあったことをつけ加えておきます。 以上が、憲法第七章に関するみんなの党の基本的考え方です。
○保利会長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 冒頭、本日の審査会は、四月十一日の幹事会で、国会が波静かならという条件つきで設定されていたにもかかわらず、一昨日、与党がいわゆる〇増五減に関する法案の委員会付託を強行したもとでこうして開会されたことに強く抗議するものです。 第七章財政で重要なことは、冒頭の八十三条で財政民主主義を総則的に宣言したことを初め、国の財政運営においても憲法の国民主権の原則が貫かれ、恒久平和主義、国民の人権保障に資するよう、その規定を定めたことです。これは、単に手続的、形式的なものではありません。 明治憲法下では、財政に対する議会の関与が厳しく制限されるもとで、日本が起こした侵略戦争遂行のために国債を乱発し、国の財政と国民生活を破綻させました。このことへの反省から設けられた重要な原則なのであります。同時に、一二一五年のマグナカルタ以来の、財政立憲主義、財政議会主義の思想を取り込んだものです。 だからこそ、第七章では、財政に関する国会によるコントロールについて規定しています。この第七章の規定に照らせば、現実の財政運営にはさまざまな問題があることを指摘しなければなりません。 第一は、税金の集め方の問題です。 戦後、日本の税制は、憲法の租税法律主義に基づいて、直接税中心主義、生計費非課税と、負担能力に応じた累進課税、申告納税制度という原則のもとに出発しました。これらの原則は、経済所得格差の縮小、緩和を図り、所得再配分機能を果たすという点で重要な意義を持つものです。 ところが、歴代政府はこの原則を踏みにじって、累進性の緩和、消費税の導入などによって所得再配分機能を著しく低下させ、富める者はますます富み、貧しい者からは厳しく取り立てる制度へと変えられてきました。 所得税は、かつて七五%だった最高税率が現在は四〇%となり、課税の累進性が大幅に緩和されています。その結果、所得が一億円を超えると、大金持ちほど税負担率が減少するという不公平が生じているのです。 消費税は逆進性が強く、生活に必要な支出にも容赦なく課税されるという点で、直接税中心主義、生計費非課税、累進課税という原則のいずれにも逆行する最悪の税制です。政府は消費税一〇%への増税を実施しようとしていますが、税制による貧富の格差を一層広げるもので許されません。 一方で、大企業、富裕層に対してはさまざまな優遇税制を設けています。かつては四三・三%だった法人税は、現在、二五・五%にまで引き下げられています。中小企業の七割が赤字であることから、その恩恵の大部分は大企業が受けています。ほかにも研究開発減税、連結納税制度など、大企業には至れり尽くせりです。株の配当、譲渡所得への課税も証券優遇税制で二〇%から一〇%に、半分に減税されています。預貯金利子所得への課税が二〇%であることから見ても極めて不公平であります。こうした税制を本来の原則に立って正すことこそ憲法の要請なのであります。 第二は、税金の使い方の問題。三点述べます。 一つは、国民生活にかかわる予算が抑えられてきたことです。 憲法が要請する財政運営で最も求められることは、国民の人権保障に資するということです。ところが、歴代政府は、自助、共助の名のもと、福祉、教育などの予算を削減してきました。特に憲法二十五条に基づく生活保護は最も手厚い財政措置を必要としています。にもかかわらず、歴代政府は財政難などを口実に生活保護費を削ってきました。さらに政府は、物価下落などを理由に、生活扶助費を三年間で最大一〇%も削減しようとしています。月額二万円も減らされる世帯もあり、貧困と格差を一層広げるものです。地方交付税の削減も生活保護の切り下げに連動するものです。これらは憲法が保障する国民の生存権を脅かすものと言わなければなりません。 二つは、人権保障に資するべき予算を抑える一方で、大企業支援には多額の税金がつぎ込まれてきたことです。 最近では、成長戦略の名のもとに、国際競争力強化、海外展開を支援するために財政援助をしたり、他方で、産業空洞化対策と称して、そのほとんどが大企業向けである国内立地補助金を出したりしてきました。金融システム安定化を口実とした金融機関救済のための公的資金投入の仕組みや、福島第一原発事故を起こした東京電力を救済するための公的資金投入のスキームを設けるなど、大企業の利益優先の予算を編成してきたのであります。 三つは、憲法九条のもとでは許されない軍事費が米国への従属関係のもとで確保、増額されてきたことです。 一九五〇年、米国の強い指示のもとに警察予備隊が創設され、日本の再軍備とともに軍事費が確保されるようになりました。サンフランシスコ条約、日米安保条約締結後は、米軍の補完部隊としての自衛隊増強のために、一九五八年から防衛力整備計画が策定され、それに従って軍事費も着実に増額されてきました。九〇年代後半以降、五兆円規模の軍事費を維持していることは極めて重大です。 在日米軍に対しても、一九七八年、日米地位協定上も何の根拠もない思いやり予算を計上したことを初め、最近でも米軍のグアム移転のための経費を支出しています。この現実を、憲法上、財政法上、どう説明するのかが根本から問われています。税金の使い方についても、国民の人権保障に資するという憲法の要請に沿った財政運営へと根本から転換すべきです。 以上、意見表明とします。
○保利会長 次に、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 生活の党の鈴木克昌です。 現在の複雑化した社会にふさわしい財政統制のあり方を実現するために、現行憲法下における諸課題について党内議論を行っているところであります。 九十六条先行改正論のような政治的な背景からの議論ではなく、将来の日本の国家像をしっかりと思い描いた上で、冷静に、理性的に憲法議論を行ってまいりたいと考えております。これから述べる意見も、検討過程のものとして御報告させていただきます。 まず、財政民主主義の実質化、国会における財政統制の充実の論点について申し上げます。 生活の党は、国民の生活が第一の理念に基づき、命と暮らしと地域を守ることを政治の最優先課題としております。財政政策についてもまた、国民の生活が第一の観点から、家計の可処分所得をふやすための政策を展開していくことが重要であるとの主張を行っているところであります。 一方で、こうした財政政策を策定、実施するに当たっては、その手順や内容が国民に開かれ、透明性を保ったものであることもまた重要だと考えます。そして、財政資金が真に必要な事業のために的確に使われるようなチェックのシステムについても検討が必要であります。 憲法八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と規定しており、国民の生活に直接影響するものである国の財政については、国民の代表機関たる国会が関与して、これに統制を加えなければならないとする財政立憲主義を定めています。 国会による財政統制という観点からは、国会における決算審査の結果を予算へと反映させることや、内閣からの財政情報の提供をさらに充実させること等が指摘されているところであります。 こうした点に関して憲法への何らかの明記が必要か否かについては、現時点では検討の域を出ませんが、立法による改善や運用による改善等の方策も含め、立法府として議論を深めていくべきではないかと考えます。 また、財政に関する国会の統制を強めるべきとの観点に関連し、論点の区分二にあります会計検査院に関して申し上げます。 会計検査院は、現在、国会からも内閣からも独立した機関とされておりますが、これを国会の附属機関とすることで国会の行政監視機能を強化すべきとの議論もあります。 我が党におきましても、前々回、第五章の内閣の章でも申し上げたところでありますが、国会の行政監視機能を強化する観点から、会計検査院を国会の附属機関として位置づけるか、あるいは、会計検査院を改組し、国会の附属機関として行政監視院を設置すべきではないかと考えています。この点に関しては、論点表ではAの立場になります。 次に、公の財産の支出制限に関して定めた憲法八十九条について、二点申し上げます。 憲法八十九条は、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と定めております。 例えば、地鎮祭などに公費から玉串料を支出することができるかどうかについては、裁判でもたびたび問題とされてきたところであります。第三章、人権の章のときには、「こうしたものは一般的な習俗的なものと見ることもできるものであり、こうした行事への参加に公費の支出が認められることが明確になるように、憲法に明記することも検討されていいのではないか」と申し上げました。 しかし、その後、党内での議論を重ねた結果、現状では、宗教団体に関する公金の支出については現在の取り扱いを維持する方向で検討しているところであります。 二点目に、八十九条と私学助成との関係について申し上げます。 現行では、私立学校振興助成法に基づき私立学校への助成が行われているところでありますが、憲法八十九条では公の支配に属しない教育の事業に対し公金を支出してはならないとされており、これに鑑みれば私学助成は違憲ではないかとの議論があります。この点に関しては、憲法と現実との乖離が生じている例として以前から議論が行われてきたところであります。 我が党といたしましては、憲法の条文上も私学助成が可能であることが明確となるよう、八十九条の改正を検討すべきだと考えます。この点に関しては、論点表ではAの立場になります。 以上、私からの意見表明といたします。
○保利会長 これにて各会派を代表する委員の発言は終了いたしました。 —————————————
○保利会長 次に、委員各位による自由討議に入ります。 この際、委員各位に申し上げます。 本日の審査会におきましては、論点を、第一に、財政民主主義の実質化・国会による財政統制の充実、予算単年度主義及び健全財政主義に関する論点、第二に、公の財産の支出制限及び会計検査院に関する論点並びに第一で議論の対象としていない論点の二つに分類いたします。 各委員におかれましては、おおむねこの二つの論点の分類ごとに意見表明をしていただきますように、御協力をお願いいたします。 なお、この二つの論点の分類はあくまで目安ですので、各委員の発言がその他の論点に及ぶことは結構であります。 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。 発言は自席から着席のままで結構です。また、発言の際には、所属会派及び氏名を述べていただきますようにお願いいたします。 なお、幹事会の協議によりまして、一回当たりの発言時間は五分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願いいたします。 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前及び終了時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。 それでは、まず、財政民主主義の実質化・国会による財政統制の充実、予算単年度主義及び健全財政主義に関する論点について御発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
○上杉委員 法制局にお尋ねしたいんですけれども、私、途中からの議論の参加ですから教えていただくとありがたいんですが、国の財政の会計のあり方について、単式、複式、二つあると思うんですけれども、意見は。どのような踏み込まれた議論がこれまで経過的に行われていたのか、これを教えていただくとありがたい。
○橘法制局参事 上杉先生、御質問ありがとうございます。 手元の衆議院憲法調査会報告書から御質問の箇所を抜粋して御報告申し上げますと、先生御指摘の単式、複式簿記に関連する御議論としては、平成十五年六月五日、第百五十六回国会におきまして、現在衆議院議員になっておられます桜内文城先生が、当時、新潟大学の助教授で、参考人として招致されました際に、内閣の政策自体を金銭で換算できる部分については、財務諸表の形式にして国民に開示していくことで、国民と内閣、国民と国会というガバナンスを強化していくことが考えられると。財務諸表に関する点におきまして、単式簿記ではなく複式簿記でというような御議論があったかと思います。 また、先生方の御議論の中では、財政に企業会計的な手法を導入するなどの公会計制度の整備を行うべきである。また、公会計を透明性の高いルールのもとに置くとともに、公正な第三者機関の監視のもとに置くという基本原則を憲法に明記すべきであるという御議論もございました。 ただ、具体的な会計処理のあり方、先生御指摘のように、単式、複式簿記ということにのみ焦点を当てた御議論は、私の記憶ではそう多くはなかったのではないかと記憶しております。
○上杉委員 この第七章財政の中の八十三条に、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」となっておるわけでございまして、憲法調査会のまとめ方のあり方というものは非常に重大な意味を、責任を負託されておる、私はこう思うんです。 先ほど、公明党さんから、国の財政会計は複式簿記である方がいいというような意見がございましたが、私はそのとおりだと思っておるんです。出と入りだけを単式でやるよりも、企業会計方式の複式簿記にした方が、より財政は統制され、財政民主主義の実質化というものは現憲法のもとで当然よりよく改善されるもの、こう思っておるわけでございます。 しかし、簿記のあり方を変える、単式を複式に変えるということになれば、当然、財政と税制は表裏一体のものでありますから、これが大きく変わってくる、大作業になってくる。同時に、慣例の見直しとか、あるいは法制度の整備の必要性も伴ってくる、このように思うわけでございまして、そのような意味では、一回、会長のもとで、財政会計のあり方を、単式でいくのか複式でいくのか、これは重大な問題でありますから、財政が非常に厳しい中でもありますので、効率的な財政運用、透明的な財政運用、情報を国民に提供する、こういうような視点に立てば、当然、この憲法調査会で議題として取り上げていただいていいのではないか、私はそのように提案をいたす次第であります。 また、地方財政への対応でございますけれども、交付税のあり方というものは存続して、これはより充実強化すべきだ、私はこう思っておるわけでございますが、特に交付税については補正係数というのがあって、これは長年見直しができておりません。時代に合った、地域に合った交付税のあり方として、この交付税の補正係数のあり方というものは当然見直すべきだと思うわけであります。 地方財政と国の財政という関係から、交付税のあり方についても議題として、この憲法調査会で協議をいただければ大変ありがたいと思います。 以上です。
○斉藤(鉄)委員 上杉委員、複式簿記についての御言及、ありがとうございました。 御参考のために、東京都では既に、複式会計、企業会計制度が導入されております。維新の会の石原共同代表が予算委員会でも言及をされておりました。目に見えない、例えば隠れ借金みたいなものが明確に浮かび上がってきて、議会の議論にも大変役立ったということだそうでございますので、一言言及をさせていただきました。 それから、ちょっと観点が変わりますが、単年度主義ということにつきまして一言発言させていただきます。 昨年、民主党、自民党、公明党三党で、いわゆる特例公債法につきまして、「平成二十四年度から平成二十七年度までの間の各年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、当該各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。」つまり、これから未来三年間の公債について、これを発行することができるという法律をつくりました。ある意味で画期的なことではなかったか、このように思っているわけです。 これはある意味で単年度主義ということに反しないかという質問もあったわけですけれども、これにつきましては、単年度について発行することができるという特例公債法と同時に、毎年度の予算総則で規定して国会の議決を経るということで、憲法が規定するところの単年度主義を超えるものではない、こういう解釈をしたわけです。 これも、単年度主義と、しかし複数年度で会計を考えるということをうまく調和させた一つの例ではないかということで発言をさせていただきました。
○船田委員 自民党の船田でございます。 現在、安倍内閣におきましては、いわゆる異次元の政策だとも言われます金融の大幅な緩和、それから財政出動。先日も二十五年度の本予算が衆議院で可決、通過をいたしました。また、これからは成長戦略ということで、いわゆる三本の矢によりますアベノミクスが進行しております。これによりまして、長年のデフレ状況からの脱却、まだ道半ばではございますけれども、その方向に向かってあらゆる政策が整いつつある状況にございます。市場はこれを積極的に評価して、円安、株高の状況ができて、経済的なファンダメンタルズもよくなりつつある、こういう状況で、これは大変大きな評価をしているわけであります。 しかし一方で、国債、とりわけ特例公債の累積発行残高がふえ続けておりまして、地方債も含めますと一年間のGDPの二倍にも達する、こういう異常な状況になっております。また、その特例公債を含め、日銀にそれが集中しつつあるという現実もございます。 もちろん、このことでにわかには、その引き受けができなくなる、あるいは国債の利回りが上昇する、こういう状況には至っておりませんけれども、将来のことを考えますと大変憂慮すべき状態であるということは言うまでもないと思います。 また、先ほど来お話が出ておりますように、赤字国債発行を続けるということは将来世代にツケを回すということになっております。現役世代の幸せのために将来世代が負担を負うというこのからくりは、やはり一日も早く解消する必要がある。そのためにも、財政の健全化ということを、我々は、国会においても、また政府においても強化しなければいけない、その取り組みを強化しなければいけない。 そのときに、現行憲法の中では財政の健全化ということについて一言も触れておりませんので、私はやはり、まず、憲法においては、訓示規定として、財政の健全性を確保するということを明言する必要があると思っております。 具体的には、例えば、以前に私どもの自民党が議員立法で提出をいたしました財政健全化責任法、こういった法律に具体的なことは委ねていくべきではないかというふうに思っています。 それから、財政民主主義あるいは財政統制ということを考えると、現在政府において行われている補正予算の扱い、それから暫定予算、現在でも暫定予算で動いておりますが、こういった規定は憲法にございません。これもやはり、財政統制ということを考えた場合には、憲法の中に補正予算の編成について、暫定予算の編成について、これも明記をしておく必要がある、このように考えております。 以上です。
○高木(宏)委員 自由民主党の高木宏壽でございます。 先ほど上杉先生、斉藤先生から公会計のあり方についてのお話がございましたが、私は企業会計監査に携わっておりました。公会計改革、複式簿記、発生主義への移行、大賛成でございます。 そこで、決算における財政統制についてでありますが、企業会計においては、決算でその企業の営業成績あるいは財政状態、キャッシュフローなどを利害関係者に示す説明責任の観点から、重要な意味を持っております。 そして、大企業などに求められる監査というのは、公正妥当と認められる監査基準に基づいて、財務諸表の信頼性を保証して利害関係者を保護することにあります。資金調達先である投資家や債権者にとって、国家財政の場合はまさに税を負担する国民になると思うわけでありますが、決算監査は大きな関心事であり、企業会計の場合は特に、決算に全く注意を払わない企業、投資家は存在しないわけであります。 一方で、政府の財政制度においては、企業会計とは逆に、例えば決算審査は収入支出が済んだ後に行われるので国会がそれに修正を加えることはできず、また、たとえ国会が決算の不承認を議決しても、既になされた国の収入支出には影響を及ぼさない、決算不承認の議決は法的効果を有せず、政府に対する政治責任の追及を行う効果を有するにすぎないという説もございます。こうしたさまざまな理由から、決算は予算と比較して余り関心を持たれてこなかったというのが実情ではないかと思います。 政府と企業とでは、その目指すところ、機能や役割も異なるわけであります。政府会計と企業会計を単純に同一視することはできませんが、財政立憲主義の立場からも、決算審議により国の収入支出が適正であったかどうかしっかりと国会の場で検討されることが重要であると考えます。 現行憲法では、予算に対して国会の議決権が憲法上明確に規定されているのに対し、決算については、国会に提出とまでは定められておりますが、提出された決算を国会がどのように扱うべきか明らかになっておりません。政府が行った支出に対してのチェック機能の強化という点からも、決算に関する国会の権能をはっきりと憲法に明記すべきではないかと考えます。 国会の事前審査を受けた予算に基づき行われる国の財政行為についても国会が事後審査を行うというのが財政国会中心主義の求めるところでありますから、決算についても国会の承認事項とするよう憲法に明記すべきと考えます。 以上でございます。
○伊藤(達)委員 複式簿記、発生主義への移行についてでありますけれども、私見を交えて意見を述べさせていただくといたしますと、私は大賛成であります。そうした視点から公会計を大きく変えていく必要があります。 先ほど上杉委員の質問に対して法制局から説明がありましたが、私ども自民党も、二〇〇六年、新潟大学の桜内さんに力をかりて、財務諸表について、新たな視点で財務諸表の作成を行いました。そのことによって、国のバランスシートがいかに肥大化しているか、バランスシートの改革を通じて財政の健全化を実現していく、具体的に百四十兆円のバランスシートのスリム化ということを我が党として数値目標を設定した経緯があります。 したがって、公会計の透明性を高めていく、公会計のあり方を変えていく、その方向性として複式簿記、発生主義に変えていくというのは極めて重要なことだと認識をいたしております。 さらに、財政民主主義の実質化あるいは財政統制の充実ということにつきましては、先ほど維新の会の三木委員から、具体的な論点について、あるいは考え方について言及がございました。私は個人的に全ての論点に賛成であります。こうしたことを通じて、財政の健全化に資する形になるというふうに思います。 また、複数年度の予算のフレームワーク、これも財政の健全化については極めて大きな要素であろうというふうに思います。 自民党が二〇〇二年から二〇〇八年にかけて政権運営を行っているときに、基礎的財政収支は飛躍的に改善をいたしました。二十八兆あった基礎的財政収支の赤字が六兆円台まで軽減をした実績がございます。 このときには幾つかの成功要因がありましたが、一つは、経済がマイナス成長からプラス成長に転じて、そして税収が大きく伸びたこと、もう一つは、複数年度にわたって、具体的に言うと五年間にわたって歳出改革のフレームワークというものを設けて、それに従って毎年度の予算を編成していくということを、公明党の皆様方の理解も得ながら実現をして、その結果として、基礎的財政収支を六兆円台まで縮減をして、国債の発行額も三十兆円を切るという実績をつくり上げてきているところがございます。 そうした観点からも、複数年度のフレームワークというものをしっかり明記をしていく憲法の改正の視点、財政の健全性というものを憲法の価値としてしっかり明記をしていくという視点が極めて重要だというふうに思います。 以上です。
○西川(京)委員 私も、財政の健全化という方向性のきちんとした記述、これを憲法改正の中で言っていくべきだと思います。 大変卑近な例なんですけれども、例えば、単年度方式の予算の中で、三月になるとあちこちで一気に工事が加速するというような、いわば確保した予算は使い切らなきゃいけないという単年度方式の不備、おかしなところを是正するという意味でも、複数年度方式の導入とともに財政の健全化が大変必要だと思うんですね。 そして、単年度方式を複数年度方式に改めることによって、予算の効率化、削減というのが、今までは見えていなかったところが見えてくると思うんですね。そういう意味でぜひ必要だと思います。 そしてもう一つ、私は監査制度の強化が必要だと思うんですが、実は、これは地方分権の問題と微妙に絡んでいると思うんですね。 交付金の一括交付金化ということで、国が地方に、お金をかなりの部分移しています。そうなると、これはどうやって監査をするんでしょうか、国の監査。実際には、補助金制度の中で一括化の交付金としてしまったものは、全然色がついていないわけですから、本来の目的とは全く違う方向で地方で使われているという現実があります。 そういう問題も含めて、地方分権との絡みも含めて、この決算制度のきちんとした整備が非常に必要だと思います。 以上です。
○上杉委員 複式簿記を導入する国家会計のあり方について、多くの方から賛同をいただいてありがとうございました。 私がなぜそれを言うかというと、この導入のあり方についての第一人者は青山学院大学の斎藤教授、こんな分厚い専門書を書いておられますが、それをもう二、三回私は読んでおるんですけれども、複式簿記にすると、行政のあり方も変わる、それから決算のあり方も変わる、会計検査のあり方も変わる。非常に財政が効率的になって透明になる。 そういう意味で、国会の持つ権限からすれば、この方向づけはぜひなされるべきだと私は思いますので、ぜひ会長の手元で、公会計のあり方についての検討を議題としていただきたいということを再度求めたいと思います。
○武正委員 民主党の武正でございます。 財政民主主義につきましての意見ということでありますが、日本でも財政資金対民間収支という統計が毎月発表されておりますが、これについては、財政活動に伴う民間との資金の受け払いが金融市場に与える影響を明らかにすることを主眼としておりまして、財政民主主義の成熟が一九七四年の議会予算法で確立をした米国の月次財政収支とは明らかに異なる報告でございます。国の財政状況について、毎月、より明らかにしていく必要があろうというふうに私は思っております。 昨年、ちょうど財務副大臣をしていた折に、いわゆる復興予算が被災地以外に使われている、こういったことが決算行政監視委員会で取り上げられました。 御承知のように、本法案は、当初、政府が考えた被災地のみに限定した財政支出を、国会の要請で被災地以外もという形で拡大をした、そういった法制定過程がありますが、やはり厳しい世論からの御指摘も踏まえ、その支出について、国会に対して、時の政府の政務三役がそれぞれ述べたところでございます。 補正予算という性格から、その予算編成過程における査定のあり方、これもやはり課題があったということで、私も財務副大臣として、そのことを決算行政監視委員会では申し述べました。 先ほど来、複数年度についての予算執行、そしてまた補正予算など含めて、特に、そのときには、補正予算については、被災地からは、やはりどうしても三月までには使い切れないということもあり、あるいは、一年かけてもなかなか予算執行が難しいということもあり、繰越明許の手続の簡素化、こういったことが述べられたところであります。 既に国庫債務負担行為や繰越明許など複数年度的な予算執行は行われておりまして、中期防衛力整備計画などのそうした五カ年での予算の提示などもあるわけでありますので、政府そして財務省にあっての、財政民主主義の説明責任、これはやはりさらに改善が加えられるべきであろうというふうに考えております。 そういったときに、先ほど来お話があります、やはりシステム改革は進められていくべきだと思っておりまして、財務省あるいは会計検査院、それぞれ決算報告は、国会からの要請もあり、非常に前倒し前倒しになってきておりますが、やはり予算編成に、政府も、そしてまた国会も反映できるという観点からのシステムの変更、大胆な見直し、これは必要であろうと考えております。 民主党もかねてより、公会計三法ということで、後に触れる会計検査院の機能強化、あるいは予算執行責任者の責任の強化、そしてまたPDCAサイクルに基づいた財務諸表の提出などの法案を提出しておりまして、今国会も含めて再提出も視野に臨んでまいりたいというふうに考えております。 先ほど、特例公債法案に言及がありましたが、三年度に限り特例公債を、それをやはり縛る、財政民主主義からは予算総則で縛っていくということを明示しておりますが、同法三条には、そうはいっても、この特例公債が際限なく発行がふえないように、その発行抑制に真摯に取り組んでいくということが明記をされております。 ちょうど今、新しい日銀総裁のもと、金融緩和がさらに大胆に進められていることは、経済好転、デフレ脱却を進めてきた我が党としても、その点は評価をするわけですが、財政規律が緩む点、これは最大の懸念であり、今の特例公債法三条にもあるわけでありますので、今市場で見られる金利の乱高下なども大変懸念をいたしますので、財務大臣は既に、年央までに中期財政計画を示すというふうに国会で明言をしております。総理はその明言を避けておりますが、何といっても財政規律を守るといった点については、国会から政府に対して、再度厳しく中期財政計画の提出を求めたいというふうに思います。 以上でございます。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 二点、簡潔に述べたいと思います。 一つは予算単年度主義の問題ですけれども、憲法八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と規定をして、財政国会中心主義の原則を定めておりますが、その上で、八十六条で内閣が作成し提出する予算というのは国会が最終的な決定権を持ち、健全な財政運営のための会計年度独立の原則、予算単年度主義を定めているわけであります。 これは、明治憲法が議会の財政統制に限界や例外を設けているということと決定的に異なるもので、日本国憲法は財政議会主義の一切の例外を認めておりません。それは、先ほどの発言でも述べましたが、戦費調達のために国債を乱発して国家財政と国民生活を破綻させたことへの反省から設けられたものであります。 ところが、政府は、サンフランシスコ条約と日米安保条約を結んだ直後の一九五二年、財政法を改正して継続費の制度を導入いたしました。これは明治憲法の六十八条で規定されていた制度を復活させたもので、当初は公共事業のためというふうに説明されましたけれども、後に自衛隊艦船の建造に活用されるようになったものです。 こうした財政運営というのは、憲法の予算単年度主義の原則に照らしての検証が必要だと思います。そして、継続費を憲法に明記すべきとの主張は、明治憲法以来の財政をめぐる歴史と継続費の運用の現状を踏まえない議論だということを申し上げたいと思います。 もう一つ、財政規律と財政健全化の問題についてであります。 憲法に基づいて制定された財政法では、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」としているわけです。 ところが、歴代政府は、この規定から見ると、それをないがしろにして、一九六五年に戦後初めて国債を発行して均衡財政システムの一端を崩してきた。一九七五年度からは、公債発行特例法を制定して特例公債、赤字国債を発行して、バブルの一時期を除いてそれが常態化しているわけであります。その結果、国と地方を合わせた長期債務残高というのが九百兆円を超えて、対GDP比で一九〇%ということで、先進主要国の中でトップという状況を維持し続けているというのが現状だと思います。 さらに、特例公債発行の問題では、先ほどありましたが、昨年十一月に、特例公債を二〇一二年度から二〇一五年度まで自由に発行できる法律まで強行される。これはやはり財政国会中心主義、予算単年度主義、財政規律の関係で、私は極めて重大だと思います。特例公債というのはもともと、法律で、国会の議決を経て発行するとしてきたもので、それを予算総則による措置に変えたというのは、財政規律の点で歯どめを取り払うという、これをすり抜けと言わずして何と言うのかという問題だというふうに思います。 国の財政を悪化させた原因というのは、憲法に財政健全化の規定がないからだという主張もございました。しかし、これは、歴代政権が行ってきた財政運営をみずから省みない、はっきり言って無責任な主張であって、私は問題のすりかえだということを言いたいと思います。 やはり、この憲法の七章の財政という規定に従ってしっかりと財政運営をすることこそ、今大事だということを申し上げたいと思います。 以上です。
○三木委員 先ほど来、日本維新の会の石原代表、また桜内文城議員の考え方に各党より御発言がございましたので、日本維新の会よりも一言補足としてつけ加えさせていただきます。 先ほど来、私が発言いたしましたとおり、今国会において日本維新の会は財政健全化法案を提出する予定でございますが、その中で財務諸表や公会計制度を整備することを考えておりまして、その中に発生主義、もちろん複式簿記も取り入れていく考え方であることをここに御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。 ありがとうございます。
○高鳥委員 自由民主党の高鳥修一でございます。 財政規律について、党の立ち位置と若干異なるかもしれませんけれども、私の個人的な見解を申し上げます。 今ほど来、各党から健全財政主義について意見の表明がございました。方向性としては、私は正しいと思います。また同時に、異論を唱えにくいテーマであるとも思います。 将来世代への負担の先送りということについて、今の世代が生きていけなければ、将来の世代というのはいなくなると思います。人間というのは、生き物ですから、天から降ってくるわけでもないし、地から湧いてくるわけでもありません。親の世代が、親の世代の収入があって初めて子供の世代の学費とか給食費が払えるんだと思います。ですから、現実には、経済の状況に応じて柔軟に対応しなければならないこともあるのではないでしょうか。 財政規律について憲法にがっちりと書き込むことで身動きがとれなくなることもあるのではないかと私は思います。そして、仮に収支均衡主義をとっても、歳出の主なものは社会保障費でありますから、紙に書いたからといって、あすから実現できるような性質のものではないと私は思います。 財政規律を守って国民滅ぶということにならないように、内容については慎重に議論をすべきであると思います。 以上、少数意見であると思いますが、一言申し上げます。
○保利会長 ほかに第一の論点について御発言はありませんか。 それでは、御発言がないようでございますので、次に、公の財産の支出制限及び会計検査院並びにこれまで議論の対象としていない論点について御発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
○西川(京)委員 自民党の西川京子でございます。 八十九条の私学助成の問題を申し上げたいと思います。 いわば今、第九条の自衛隊の問題もそうですが、きちんと条文化された中で実は実態と乖離している問題というのはたくさんあると思うんです。 そういう中で、解釈としては成り立つからいいという御議論があるとは思いますが、この私立学校の公の支配に属するというところがやはりネックとなっていると思いますので、ここはぜひ私学助成がきちんと正当化できるように、公の支配というのを、これは自民党案ではありますが、国等の監督が及ばないということにして、それぞれいろいろな、県その他との調整も図りながら、ここはぜひ書きかえるべきだと思います。 それから、首長たちがいろいろな式典、行事の中で神様のおはらいなどをする場合がありますけれども、いわば習俗、風習に関する部分のところの公の支出というのは、明らかに日本人の一人としての常識の範囲だと思いますので、そういうところの公金支出は認めるべきだと思います。 以上です。
○船田委員 自民党の船田でございます。 私も、八十九条のところがやはり大きな争点であると思います。 一つは、いわゆる宗教的活動あるいは特定の宗教、これを助長するような公金の支出は認められないというのは原則であると思います。目的効果基準と言われております。 しかし、今、西川委員からもお話がありましたように、公共的な工事あるいは事業の、地鎮祭とか竣工式など、いわゆる玉串料の問題がございます。 公的な支出については過去の裁判所における判例が違憲あるいは違憲状態というものも出ておりますが、やはり、このような特定の宗教を助長するのではない社会的な儀礼、一般的な習俗的な行為ということについては公金の支出があっても許されるべきではないかというふうに私は思っております。この憲法の八十九条の解釈において成り立つということでも構いませんが、できれば憲法の条文の若干の変更は必要かなと思っております。 もう一つは、私学助成でございます。 私も、一私立学校の経営をやっておりますので、これは非常に切実な問題として感じているわけであります。 現状としては、学校法人として国、県の監査を受けておりますので、これは公の支配に属している、このように解釈をされるわけでありますが、我々の立場からしますと、解釈だけで私学の助成が成り立っているというのは余りにも不安定であるということが一つ。 それともう一つは、公の支配に属すということになりますと、我々の建学の精神に基づく自由な私立学校教育にはなじまない言葉であるというふうに思っておりますので、自民党が昨年決定をいたしました草案の中における、国、自治体、公共団体の監督が及ばない教育などへは公金の支出はできない、このように規定をするのが最もふさわしいのではないかというふうに思っております。 以上です。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 私学助成の問題についてなんですけれども、私学助成は憲法八十九条に違反するとの主張というのがあったりもしますけれども、私学助成は、やはり教育を受ける権利を定めている憲法二十六条の立場からも、憲法上の当然の要請だというふうに考えております。 この私学助成をめぐっては、歴史的にもさまざま議論が重ねられてきたことはもう御案内のとおりだと思うんですけれども、私も振り返ってみて、まず、一九四六年に憲法制定議会において、当時の金森国務大臣が、今日、国家は私立大学に対しては一般公法人に対するよりも特殊なる監督をしているということを挙げて、私立学校は公の支配に属しているので公金を支出してもよいという旨の答弁を行っております。 また、一九九八年の参議院文教委員会では、当時の町村文部大臣が、「現行の私立学校に対する助成は憲法上問題ない、こういう解釈を伝統的に文部省はとっている」と答弁をされていて、私、この点では歴代政府の見解は一貫しているというふうに思います。 公の支配ということでありますが、その意味について言うと、例えば判例においても、一九八六年の千葉地裁の判例を見ますと、憲法十九条、二十条、二十三条の諸規定のほかに、教育の権利義務を定めた憲法二十六条との関連、それから私立学校の地位、役割、公的助成の目的、効果等を総合勘案して決すべきものということで、教育基本法や学校教育法等の教育関係法規による法的規制を受けている私立学校に対する助成というのは憲法八十九条に反しないという判断が明確にあるわけでありまして、さらに、学説においても私学助成は合憲が多数派であります。 ですから、政府見解、判例、学説のいずれを見ても、私学助成は憲法上の要請であるということは明らかだと思います。 私学に学ぶ学生生徒のひとしく教育を受ける権利を尊重する立場でこれを充実させるということこそ必要だ。国立大学の授業料を引き上げるのではなくて引き下げること、私立学校、大学への助成で学費負担軽減を図ること、こうして格差是正を図ることは、憲法十四条、二十六条で規定されている教育の機会均等の立場からも重要であるという考えを持っております。 以上です。
○武正委員 先ほど会計検査院のところで触れましたが、民主党の憲法提言では、行政監視については行政監視院の設置ということを述べておりまして、これは政府から独立した機関とするか、議会に置くか、要検討といたしております。 既に先ほど触れましたように、公会計法というものの提出を行っておりまして、その中では、会計検査院の、例えば実地検査した事項と結果の検査報告への掲記を義務化すること、あるいはまた、何人も会計検査院に違法または不当な事実を申し出て措置を要請できるようにするなどの法案も提出しておりまして、引き続き、会計検査院の機能強化、また行政監視院などでの強化、こういったところを求めております。 以上でございます。
○大塚(拓)委員 私学助成についてさまざまな議論があるわけでございますけれども、私学に助成をするということに関してはほぼ、広く世の中で意見の一致を見ているところではないかというふうに思うわけでございます。しかしながら、条文の読み方によって解釈の余地があるところから、あえて議論が出てきているということであろうというふうに思います。 また、公の支配に属するというのは、私学の立場から見て余り心地のいいものではないと思いながらも、しかしながら、条文の解釈上、そこに属していると認めなければ助成が受けられないということもあり、やむなく公の支配に属しているということになっているという事情でもあろうかと思います。 こうした広く世の中において意見の一致を見ていることに関して、憲法の条文上の解釈の余地が残っているということそのものが、私は解消すべき状況なのではないかというふうに思っております。 やはり最高法規としての憲法、これについては、国民が広く、誰が読んでもこういうことを意味しているのだとわかるようなものでなければならないと思っておりますので、意見の一致があることについては明確にしていくということが必要だろう。共産党の笠井委員も意見の一致を見ているようでございますので、こういうところも明確にすることについては賛成をいただけるのではないだろうか、このようにも思うところでございます。 それから、一般的な、習俗に属するような部分でございます、地鎮祭のお話であったり玉串料であったり。これは、見方からすれば、一つのセレモニーと言ってもいいような部分であろうかと思います。しかし、一般に、習慣的に行われているセレモニーを憲法がさも否定しているかのような誤解を招く、これも非常によくないというふうに思いますので、こうしたところも明確にしていくべきであろうというふうに考えます。
○小池(政)委員 みんなの党の小池です。 その他の論点ですが、区分でいうと、ちょっと一に近い内容だと思います。意見の提示と、また、論点に関して審査会において過去の議論があれば、法制局の方から御説明いただきたいと思います。内容は、予算に関しても議会側に機関を設立すべきではないかということであります。 私は、新人議員として、今は野党議員として、今回、国会では補正また本予算の審議に参加させていただきましたが、やはり少ない情報の中で、かつ大変短い審議時間の中で、補正でいいますと一週間もかからないという中で審議が行われているということに対して非常に驚きまして、自民党の皆さんも野党のころを多分覚えていらっしゃると思うんですけれども。 この点を財務大臣に財務金融委員会でお聞きしました際には、それは内閣や与党でしっかり審議しているんだというような、少し国会軽視と思われるような答弁を受けてしまいまして、それでは、議会側に予算局のようなものを考えるべきではないかということをお尋ねしたんですが、それにつきましても、日本は内閣に予算の提出権があるというような答弁をもらいました。 恐らくアメリカの議会予算局、CBOというものをイメージされているという中での否定的なコメントだったと思いますが、確かにアメリカは、行政府の方に予算の提出権がありません。ただ、行政府の方にも、管理予算局、OMBという形の機関がありまして、予算教書の提出また予算をレビューする機関というものがありますし、また、日本と同様の議院内閣制をとっておりますオーストラリアにおきましても、内閣が予算の権限を持っている仕組みの中で、やはり同様に、議会側、特に野党のハンディキャップを克服する、解消するという目的の中で、独立した、党派的偏りのない分析を提供するという役割を持って、昨年の七月に議会側に予算局というものが設立されております。 ぜひ日本でも検討すべきだと私は思いますけれども、また法制局の方からも、議論の内容がありましたらお願いいたします。
○橘法制局参事 小池先生、御質問ありがとうございます。 既に先生の今の御発言の中に全て尽きているわけではございますけれども、衆議院憲法調査会時代の議会予算局の御議論については、海外調査を含めて大変詳しくございました。 まさしく海外調査で、アメリカの議会予算局、コングレショナル・バジェット・オフィス、CBOを調査した際に、CBOが、連邦予算の展望や国家財政の出動に伴う影響について独自の分析を行い、それを中立的に議会の先生方に御提供されている。しかも、そのCBOの調査は、議会の要請に基づいて行われ、かつ、事実を提示するものであり、政治的に中立なものであるという意味で高い評価を得ているというようなヒアリングも行ってきたところでございます。 そのような事柄を背景にいたしまして、憲法調査会報告書の中におきましても、我が国国会にCBO類似の機関の設置を検討すべきではないかという御議論がございました。 それと同時に、あわせて、先ほど武正先生からも御発言がございましたように、それとリンクするような形で、行政監視院あるいは会計検査院、GAOのような機関の設置も検討すべきではないかという御議論がなされたところでございました。
○笠井委員 一言だけ、大塚委員から御指名いただきましたので。 私学助成については、衆議院の憲法調査会のときに、憲法に違反しないという意見と違反するという意見が述べられたという状況があった中で、今、大塚委員が言われたみたいに、この中では違反しないというのが、みんなそうだというんだったら、それは大いに心強いことだと思っております。 同時に、その中で、公の支配の問題についていうと、解釈の余地があるかというと、それはないわけですね。判例を見たって、この衆議院の憲法審査会の事務局の資料にもありますけれども、千葉地裁もそうですし東京高裁もそうですが。そういう意味では、解釈の余地のない問題として、政府もそれから判例においてもそうなってきた問題であって、あえてそこで改憲なんかをして、そこを書く必要はないということをはっきり申し上げたいと思います。 以上です。
○保利会長 ほかに御発言はありませんか。 それでは、御発言が尽きたようでございます。 大変活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。 これで自由討議は終了いたしたいと思います。 次回は、来る二十五日木曜日午前八時五十分幹事会、午前九時審査会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四分散会