議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2013/05/09
会議録
○渡辺小委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。 本日は、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の調査資料の開示に関する件について御協議願うことといたします。 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は、平成二十三年十二月に発足し、昨年七月に両院議長に報告書を提出し、活動を終了しておりますが、その調査活動により得られた資料につきましては、現在、国立国会図書館に引き継がれて保管されております。 これまで、これらの資料について開示の要請があり、関係委員会においても議論されているところであります。 本日は、本件の経緯、開示に当たっての問題点等について説明を聴取した後、懇談を行いたいと存じます。 まず、本件の経緯について、事務次長から説明を聴取いたします。向大野事務次長。
○向大野事務次長 事務次長の向大野でございます。 私の方から、この事故調の調査資料について、国会図書館が引き継ぐに至った経緯を簡単に御説明させていただきます。 お手元に、資料1として、平成二十四年七月五日付の「事故調報告書の提出とその後の対応について」という文書を配付しております。これは、資料2の事故調の上部機関である両院議運合同協議会の十名の方々が最終的に取りまとめたペーパーでございまして、これをもとに、両院において、当時の議運委員長から議長に対して説明がなされております。 このペーパー自体は、正式な両院議運合同協議会の場で確認されたものではございませんが、両院議運合同協議会の会長、会長代理を初め、会長は当時の衆議院の議運の委員長、会長代理は参議院の議運委員長です、衆参両筆頭幹事等、当時の衆参議運理事会派を代表する方々によってまとめられた合意事項でございます。 この資料1の4のところに、「資料の分類、引継ぎ先、情報公開への対応について」という記述がございます。 まず、資料の分類につきましては、相手方との関係で公表しないことを前提に入手したもの、原子力に関する安全保障上の観点等から公表できないもの、非公開のヒアリング記録等、さまざまな資料が存在することから、事故調の側で公表基準を設定してもらうことにいたしております。 すなわち、「公表・非公表の別」として、当該資料が、直ちに公表してよいものか否か、「非公表期間」の問題として、現時点では公表できない資料について、何年後か、例えば、十年後、二十年後あるいは三十年後に公表してよいものなのか否か、それから、「公表の範囲」として、公表する場合に、一般国民に対して全面的に公表するのか、あるいは、例えば、議員に対してだけ公表するという形があるのか否か、こういったことを検討してもらうことにしました。 この文書で、「事故調事務局において」となっておりますのは、その上の3の1のところにありますように、委員長及び委員が七月六日付で解職されてしまう関係で、引き続き、残務整理等のために存続する事故調事務局が主体となって、実際上は、資料3の専門家である委員長、委員の意向を聞きながら作業を行ったからでございます。 その次の項目の2「引継先・情報公開」についてでございますが、事故調査委員会法が十月二十九日で失効することから、それまでの間に国会図書館に引き継いでもらうことになりました。 事故調の資料を、衆議院事務局、参議院事務局、国会図書館のいずれが引き継ぐかという点につきましては、議論の結果、今後の情報公開の便宜等も考慮し、事故調の人事、会計等の庶務的な事務資料は衆参事務局がそれぞれ引き継ぎ、調査資料については国会図書館が引き継ぐことになりました。 その際、先ほども申しました資料収集の相手方との関係や、安全保障上の配慮等の関係もあることから、情報公開をする上では何らかの法規が必要であろうという議論になり、ここでは「必要な法規を整備した上で」と書かれております。この「法規」の意味につきましては、後ほど法制局から説明させていただきます。 その後、事故調委員会法が失効する十月二十九日までに調査資料は国会図書館に引き継がれましたが、先生方御承知のとおり、十一月十六日に衆議院が解散され、総選挙が行われたこともあって、情報公開に関する法規は整備されず、今回、議運の理事会において問題提起がなされた次第でございます。 最後に、本件資料の取り扱いについて、去る四月八日の原子力問題特別委員会において事故調の元委員長、委員に対する参考人質疑が行われた際に参考となるやりとりがありましたので、資料4として関係箇所を抜粋したものを配らせていただいております。 特に、資料4の三枚目では、小宮山先生の質疑に対して、野村元委員から、情報公開法の対象外であることは法律上明確である、相手方に対して、永遠に開示されないということを前提に聴取しているものがあるので、その約束を遵守してもらいたい、国会で何らかの対応をされる際には自分たちの参考意見も聴取してほしいとの発言がなされております。 なお、念のためですが、事故調は、両院の議運合同協議会のもとに設置された経緯もあり、資料の公開に当たっては参議院との協議も必要になると思われますので、よろしくお願いいたします。 以上、簡単ではございますが、事故調資料に関するこれまでの経緯について説明させていただきました。
○渡辺小委員長 次に、当該資料の概要及び対応について、国立国会図書館長から説明を聴取いたします。大滝国立国会図書館長。
○大滝国立国会図書館長 国立国会図書館が引き継いだ国会事故調文書の概要及びこれまでの国立国会図書館の対応について御説明いたします。 国立国会図書館では、平成二十四年十月二十九日に、国会事故調が保有していた文書を国会事故調から引き継ぎました。 分量は、段ボール七十七箱と、電子ファイルをおさめたハードディスク一個でございます。段ボール箱には、紙資料とCD、DVD等が含まれております。 引き継いだ文書の内容ですが、第一のグループとして、国会事故調からの要求に応じて府省、企業等から提出を受けた資料、ヒアリングの際に提出を受けた資料、ヒアリングの記録、住民アンケートや従業員アンケートに関する資料等が全体の四分の三程度を占めております。 また、第二のグループとして、調査過程で国会事故調がみずから作成した文書等がございます。 引き継いだ文書の箱等には、国会事故調事務局長名の注意喚起の文書が付されており、その中に、留意事項として、外部から取り寄せた資料等及び聴取結果報告書については、非公表を前提として入手し、または聴取を実施したものであるため、原則として非公開とするように求めております。また、資料提供元との間で資料の公表について特段の取り決めがあるものがあることも記されております。 第一のグループの文書ファイルは、秘匿性に応じて、S、A、B、Cの分類が付されております。これは国会事故調において付されたものでございます。これは資料5をごらんいただければと思います。 S分類は、核物質防護、安全保障等の観点から国家機密にかかわり、特に秘匿性が高いと思われる資料、A分類は、S以外で国家機密または企業秘密にかかわり秘匿性が高いと思われるもの、B分類は、個人情報を含むもの、または個人名が特定される可能性のあるもの、C分類は、それ以外のものとされております。 これまで国会事故調文書に関する開示の求めは数件ございましたが、開示の対象となる文書に当たらないものであると回答しております。具体的には、館長が定めた国立国会図書館事務文書開示規則に基づき、立法及び立法に関する調査に係る文書であるため、開示対象となる文書からは除外されるということでございます。 これは、事務文書開示規則が館長限りで定められたものであり、立法関係文書の開示については国立国会図書館長の裁量の範囲を超えるものと考えられるためでございます。 以上でございます。
○渡辺小委員長 次に、当該資料の開示に当たっての法的手続等について、法制局から説明を聴取いたします。橘法制局法制企画調整部長。
○橘法制局参事 衆議院法制局の橘でございます。 ただいまの衆議院事務局及び国立国会図書館からの御報告を受けまして、いわゆる国会事故調から国立国会図書館が引き継がれた調査資料を開示するためにどのような法規整備が考えられるのかにつきまして、事務的及び法制的な立場から御報告を申し上げさせていただきます。 まず、御報告の前提として、多分に先生方には釈迦に説法であるとは存じますけれども、国会各部局におきます情報公開に関する法制の現状について、あらかじめ御報告をさせていただきたいと存じます。 先生方御承知のとおり、企業秘密や個人、法人等の個々の情報など、日々、さまざまな行政情報を入手しておられる国の行政機関や独立行政法人につきましては、行政機関情報公開法及び独法情報公開法といった法律が制定され、その保有する情報の開示請求の手続や、開示情報あるいは不開示情報、例えば、個人情報であるとか、法人の企業秘密であるとか、行政機関内部の意思形成過程に関する内部情報とか、そういう不開示情報の区別がなされ、また、不開示決定に対しては、不服審査の制度に関する規定などが詳細に整備されているところでございます。 これに対して、国会の各議院の保有する情報につきましては、一つとして、その多くが、委員会や本会議での先生方の御議論に関する情報であって、これらは基本的に会議録等として公開されているものであること、二つ目として、それ以外の立法過程に関する情報や資料は、基本的に、私ども事務方というよりは、先生方国会議員や各会派の政策決定過程に関する情報であったり、あるいは国会運営に関する情報であったりするなど、事務局保有の情報というよりも、先生方、各会派御自身の資料と評価するべきものが少なくなく、一般的な開示になじまないものと思われることなどに鑑みられて、これまで、先生方におかれて、独立した情報公開法が制定されてこなかったものと思料しております。 このことは、もう一つの国家機関であります裁判所についても同様で、公開の法廷で行われる裁判所の活動のアウトプットというものは判決に記されており、これに関する訴訟記録などは別途公開されていることや、それに至る評議の過程などについては、一般に開示になじまないといったものであることから、やはり、独立した情報公開法が制定されてこなかったものと推察されます。 しかし、他方においては、国会事務局各部署において保有する情報の中でも、先生方との関連で非常に密接な立法調査情報以外の情報、例えば、人事や予算、設備などに関する庶務的、管理的な事務に関する文書については、行政機関が保有する同種の資料と異なる取り扱いをする理由はないと考えられますところから、衆議院、参議院、国立国会図書館ともに、行政機関情報公開法の趣旨を踏まえて、それぞれ、事務総長決定、あるいは、先ほどもおっしゃいましたように、国立国会図書館長決定等の法形式をとりながら、現実には情報公開されているところでございます。 なお、このことは、裁判所においても同様であり、最高裁事務総長依命通達という法形式で、司法行政文書が開示されているところと伺っております。 さて、以上の現行法制を前提とした上で、今回、国立国会図書館が引き継ぎを受けられた国会事故調の調査関係資料について考えてまいりたいと存じます。 今回の国会事故調の調査関係資料は、従来のような事務総長や国立国会図書館長決定といった法形式の対象としている事務的文書とは性質を異にし、まさに、国の行政機関がその行政活動の中において入手、保有するような文書に類するものと言うことができるかと存じます。その意味では、事務総長や国立国会図書館長限りで開示、不開示の決定ルールをなし得ることができるようなものの範囲、あるいはその裁量の範囲を超えるものではないかということでございます。 このようなことに鑑みられて、両院議運合同協の先生方におかれましては、先ほどの向大野次長の御説明の際に言及されました資料1の4の2に記載されているように、「必要な法規を整備した上で」と明記されて、国立国会図書館長決定の国立国会図書館事務文書開示規則、先ほど館長が言及された規則でございますが、これの範疇を超えるものとして、両院議運の先生方あるいは国会それ自身が関与する別の法規範形式でもって、その開示に関するルールを定めるのがふさわしいと判断されたものと思料します。 それでは、次に、そのような法規を整備する際にどのような法形式が考えられるのかでありますけれども、論理的に考えられる方法としては、大きく二つのものがあり得るかと存じます。 まず、一つは、行政機関情報公開法などと同様に、法律の形式で、この国会事故調の調査資料のみを対象とした法整備をすることでございます。二つ目は、これに対して、両院の議長が議院運営委員会の議決を経て協議して定める両院議長協議決定のような法形式、あるいは、議運の議決が必要な国会図書館規程、先ほどの規則とは別の法形式になりますが、そのような形式も論理的にはあり得るかと存じます。 このうちのいずれの法形式を選択するべきか、あるいは選択しなければならないかについては、基本的に、開示しようとする情報や資料の範囲と密接に関係してまいるように思料いたします。 先ほどの国立国会図書館長からの御説明では、引き継ぎを受けられた国会事故調の調査資料は、一つ、外部からのヒアリング資料や提出資料については、その秘匿性のレベルに応じて、S、A、B、Cなどに分類されていることや、もう一つ、一部の資料には、公開してくれるなという相手方の、情報公開法の用語で言いますと、いわゆる非公開特約つき情報、これなどもあるとのことでございました。 これを前提にいたしますと、例えば、秘匿性の弱いCの資料のうち非公開特約のないもの、具体的には、事故調報告書の注記などに引用された部分で既に言及されているものや、国会事故調みずからの作成した資料のうち機密性の少ないもの、先ほどの館長の御説明では第二グループということになりましょうか、これらについて開示するということになった場合には、その開示によって特段の不利益を受ける者がいないと思われますので、その開示、不開示のルールにつきましては、今申し上げました、考えられる類型のうちの第二類型、両院議長協議決定のような国会内部の法規範の形式で定めることもあり得る選択肢ではないかと思われます。もちろん、これを対象として、法律という、より強力な規範で定めることは、排斥されないかと存じます。 これに対して、一定の機密を含むものや非公開特約つきの資料についても、先ほど向大野次長が御紹介されました、小宮山先生の御質問に対する野村元委員の御発言にありましたように、未来永劫開示してくれるなといったような情報が例えばあったとしても、そのような資料についても、国会の先生方の御判断で、それを開示することによって惹起する特定の私人や企業の不利益と、その開示によって得られる原発事故検証という公益性とを比較考量、総合勘案された上で、例えば、一定期間経過後においては、これをより公益性に資するという観点から、開示するといった政策判断を行うことはあり得ることかもしれません。 ただ、そのような場合においては、特定の個人や企業にとっては、その開示ルールは不利益を課する法規範ということになってしまいますから、憲法四十一条の趣旨に照らして、当然に法律の形式をとらざるを得ないということになるかと思料いたします。 以上、法制的な観点から御説明申し上げました。
○渡辺小委員長 今、三方から説明を聴取いたしました。 これより懇談に入ります。 〔午後四時七分懇談に入る〕 〔午後四時四十九分懇談を終わる〕
○渡辺小委員長 これにて懇談を閉じます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十分散会