社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2012/07/26
会議録
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、山本香苗君、姫井由美子君、福島みずほ君、大島九州男君、大久保潔重君及び難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君、佐藤公治君、又市征治君、斎藤嘉隆君、牧山ひろえ君及び林久美子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高橋千秋君) 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案、以上八案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷合正明君 おはようございます。 今日は、我が会派がトップバッターとして質疑スタートさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、私の方から、今回の税と社会保障の一体改革について全体的なところから質問をさせていただきたいと思っています。 これまで私は、予算委員会等様々な委員会の中で、特に若年の社会保障という、雇用関係ですね、取り上げてまいりました。今回の税と社会保障の一体改革でも、その目的、核心というのはまさにこの支え手をどうするかというところにあるというふうに言われております。 私が生まれた約四十年前というのは、社会保障費というのは、国が行う社会保障費というのは僅か三・五兆円程度であったと思います。それが今、四十年たち、百十兆円まで伸びてきたと。当然これは福祉が充実してきたということでもあるわけでありますが、そしてこれは今後まだ増え続けていくと。当然いろんな無駄を削減していくということはあるかもしれませんが、この伸びていくということについては、どの政権がこの社会保障費を運営しようともこれは変わらないことだと思っております。 この社会保障費の財源についてでありますけれども、現在約六十兆円が保険、そして四十兆円が税収ということでありますが、ただ、その税収の内訳を見ると、本当に税収かどうかということになると、大体年間で十五兆円ぐらいは借金で賄っているということであります。 その意味では、私たち公明党といたしましても、今後も、社会保障の伸び、また充実を図っていく上でも、消費税含むこの一体改革、これは避けて通れないということで、また支え手を守っていく、増やしていくという観点から合意の決断をさせていただいたわけであります。 お手元に資料を配付させていただいていると思いますが、これは内閣官房の資料ですが、一枚めくっていただきますと、社会保障の充実に二・七兆円程度ということであります。赤い点線で囲ってありますが、一方、その赤い点線で囲っていない外のところに就労促進、あるいは貧困・格差対策強化というものが盛り込まれております。 現在、非正規労働も増えてまいりまして、税収を納めるべき現役世代が力が弱ってきているということも指摘されております。その意味では、この赤い点線の枠外もしっかりと包含した対策というものがこれは極めて重要であると思っております。 まず、発議者、修正案提出者の方に伺いますけれども、社会保障改革で重視しているというのは支え手である現役世代、将来世代への支援の強化だと、一体改革の核心は支え手を強化するという、そういう理解でよろしいかということをまずお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 谷合委員、今御主張のとおり、今回の社会保障と税の一体改革、この論点の一つの大きなテーマは、支え手をいかにするか、いかに幅広い皆さん方に支え手として頑張っていただくか、このことが私ども三党協議の場でも大きなテーマでございました。 そういう意味では、今回、消費税という形でお願いするわけですが、現役世代、また若者世代のみに偏るのではなくて、今社会生活を営んでいる全ての皆さん方に消費という形で間接的に負担をお願いする、これが一つの大きな、中心的な課題だというふうに理解をしております。
○谷合正明君 そこで、国民全体もそうですけれども、特に若い世代に政府はどのように今回の一体改革の意義、目的というものを説明するのかということでありまして、若い世代も、しっかり社会保障が充実してくれなければならない、特に雇用の充実はどうなるのか、そこを大変気にしているわけであります。それなくして消費税だけが上がるということについては、それは当然皆さん反対するわけであります。 そこで、岡田副総理にお伺いしますけれども、この若い世代に、今回の一体改革、どのようにこの意義、目的というものを説明されるのか、また、社会保障国民会議、この中でも当然私は中心となる視点というのは、支え手をどのように増やし、守り、強くしていくかということだと思いますが、そういう視点で議論されるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) 今、週末を利用して全国各地を回って対話集会を開いております。そこでも、一つ言えることは、若い人の参加が少ないということ、それから、アンケートの結果などを見ておりますと、その若い人から、雇用の問題とか、つまり自分たちの世代のことについてももっとしっかりとした政策をという声があることは事実であります。そのことは十分心していかなければいけないし、今回の一体改革の重要なポイントであるというふうに思います。 ただ、私が申し上げておりますのは、社会保障制度が持続可能になるということは、それは若い世代にとって将来の社会保障、これが安定的なものになるということ、それからもう一つは、子ども・子育てについてしっかりとした、その消費税の五%の中の七千億円でありますが、それが充当されるということ、そして消費税でやるということは、それは、所得税とか保険料でやるということはこれは働く世代の負担になるわけですが、消費税でやるということはこれは高齢者も含めて御負担いただくということで、そういう意味で負担の面でも今回の改革というものは働く世代に配慮したものであるということ、そういったことをしっかりと説明していかなければならないというふうに思っております。 最後に委員御指摘されましたように、国民会議の中でも、この支え手をしっかりと、そこの対策に光を当てていくということは将来の社会保障制度を持続可能にするためにも非常に重要なことでありまして、そのことについても重要なテーマとして取り上げるべきだというふうに考えております。
○谷合正明君 今、副総理の方から、持続可能な社会保障を築くことは若い世代のためにもなるんだということでありました。そうなのかもしれませんが、実際いろいろと私もいろんな世代と、若い世代と話をしていると、将来よりも今本当苦しいという話になってくるわけですね。そこでやはり、どちらが卵かという話がありますが、まず、若者、安定的な就労がないと持続可能な社会保障は築けないということだと思うんですね。そこをしっかりと、対策が見えない限りは、これはなかなか理解は深まらないと私は思っております。そこをしっかりと、今後も全国回られるということでありますが、そこをしっかりと説明していただきたいと思います。 次に、附則第十八条に関連して質問させていただきますが、その中に、事前防災・減災事業ということが盛り込まれております。今回、消費税引上げの税収は事前防災・減災の事業には回さないということでありますけれども、それではその事前防災・減災に必要な財源というのはどのように捻出するのかというところをお伺いしたいと思います。 一体改革の趣旨からいたしますと、現役世代、将来世代に過度な負担が行かないようにするということが大事でありますが、その意味で、財源に関してどのような工夫がなされるのか、この辺り、まず修正案提出者にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(竹内譲君) お答えいたします。 私どもも、次世代に負担を先送りしないという点で今回の一体改革関連法案に賛成したものでございます。その意味で、若い世代にツケを回さないということが大事だと思っております。 その上で、今回の事前防災・減災事業ということでございますが、我が党といたしましては、防災・減災ニューディール政策というのを提案しております。これは、決して財源として消費増税の増税分をそのまま充てるということではなくて、できる限りやはり借金を減らしていきたいというふうに思っております。 ただ、しかし、デフレ脱却あるいは経済成長というのは非常に大事でございますので、一義的には、まず命を守るための防災・減災事業でございます。が、しかし、その結果として、やはりこれが経済のパイを大きくして、様々な官民にわたる持続的な事業といいますか成長を促していくようなものでなければならないと考えておるところでございます。 その意味で、もちろん、総事業費で一つの目安として私どもも百兆円というのを申し上げておりますけれども、これが全部建設国債ということではなくて、できる限り建設国債は抑えたいというふうに思っているわけでございます。そして、復興債と同じように、ニューディール債というようなものも考案して、法人、個人も含めた、財源の裏付けを含めたそういう超長期の返済方法というものも考えていくべきであろうと思っておりますし、そのほかにもこの事業性のある事業というのはいろいろあるわけでございますので、高速道路やあるいは鉄道、あるいは様々な、上下水道でもそうでありますけれども、そういうものにつきましては、例えばアメリカで行われているようなレベニュー債であるとか、そういう考え方もございます。 そして、もっと更に少し話を、風呂敷を広げれば、できれば将来、政府の中に、経済財政諮問会議等の中に民間の方々も入っていただいて、やはり民間の知恵でもって様々な工夫、PFIやコンセッションやそういうことも、レベニュー債とかそういうこともございますけれども、更にいかに民間の資金と知恵と工夫でこの公共事業というものをやっていくかということを、やはり官民合わせて非常に日本全体として工夫をしていく必要があるんじゃないかと、こういうふうに思っているところでございます。
○谷合正明君 民間の力をしっかりと入れていくという話であったかと思いますが、今財政諮問会議に民間の知恵を入れていくというような話も発議者からありましたけれども、その発議者の話を踏まえて、財務大臣としては、この財源についてどのように検討されるべきかと、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。 私どもとしては、この消費税の引上げ分の全額社会保障財源化につきましては、消費税の税収をこれをやらせていただきますので、今いろいろ批判がありますが、これを例えば公共事業をばらまくために使うなんということは一切ありませんし、これは御党も含めて三党でも合意をしております。 そこで、二〇一五年における財政健全化目標であるプライマリーバランスの赤字の対GDP比の半減というものの目標は下げることなく、ここは堅持をしていきたいと思っております。 そういう中で、谷合さんの御質問は、どういうふうに財源を確保して御指摘のようなものをやるのかということでございますけれども、私どもとしては、やはり税収を、しっかり財政再建をする、また税収増を図るなどして財政の機動的な対応が可能になるような状況をやっぱり何としてもつくり出さなければならないと。それに基づいて、成長戦略の加速や、それから防災、減災の施策にプライオリティーを高めてやっていくということでございます。 ただ、もう一つ付け加えさせていただきますと、資金を重点的にというふうに書いてありますが、今、この資金ということは、税からのそういうふうな、国の全体の予算の中からというのも一つありますけれども、今、竹内先生からのお話を聞いておりましても、例えばレベニュー債のお話とか、民間資金の活用をお訴えになられておられます。やはり様々な知恵と工夫でこの財源というものは出していきましょうということです。 なお、誤解のないように申し上げておきます。私よりももしかしたら野田毅先生に聞いていただければと思いますが、総事業費が百兆だ二百兆だといっても、これは事業ベースであって決して国費ベースではないということはたしか自民党の説明にもありましたから、そういう意味で、これを何かどんどん公共事業に充てるんだというふうな質問をしている党もありますけれども、これは全く誤解でありますので、これは申し上げておきたいと思います。
○谷合正明君 今日は、私は若者雇用のところを中心的に取り上げていきたいと思いますので、ちょっとそこの部分はこれ以上深入りしませんけれども。 今、税収増を図ると、成長戦略という話を財務大臣されました。日本再生戦略、これは原案ですけれども、今取りまとめが進んでおります。その中には若者雇用戦略というものが組み込まれてくる、若者雇用戦略は既にこれはもう決まって閣議決定もされております。 そこで、これを取りまとめられたのが経済財政担当大臣の古川大臣でございまして、古川大臣にお伺いしたいんですが、消費税の引上げの時期までにこの若者雇用戦略、これどの程度実行していかなければならないというふうに考えているのか、具体的な道筋を示していただきたいというふうに思います。
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。 若者の雇用環境は大変厳しゅうございますので、雇用戦略でも、とにかく着手できるものはできるだけ速やかに着手して実施するということになっております。 したがいまして、若者雇用戦略では、二〇一三年度までには高校とか大学の初年次からの体系的、系統的なキャリア教育を実施をする、またキャリア教育支援のための地域キャリア教育支援協議会の設置を促進する、さらには学校とハローワークの完全連結を行う、また全国全ての地域での地域若者サポートステーションのサービス提供、こうした取組を実施をしていきたいというふうに考えています。 また、二〇一五年度までの目標といたしまして、若者フリーター百六十五万人、地域若者サポートステーション事業によりますニートの就職等、進路決定者数六万人等を目指しておりますので、こうした目標達成に向けて全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 若者雇用戦略の中にこのように書いてあるんですね。現場で評価されている施策が短期間で終了する等々と様々書いてありまして、これは一体何を指しているのか、またどうしてそのようなことが起きるのかということを大臣にお伺いしたいと思うんですね。 今、キャリア教育のことを、二〇一三年、キャリア教育しっかりやっていくという答弁もありましたけれども、これまでもたくさん様々な雇用政策というのは取られてきているわけですけれども、どうしてもパイロットプロジェクトとかモデル事業とか、そんなものが多くて、あるいは補正予算等で対応しているものも多くて、継続性がないんじゃないかと私も本当に思っております。 実際、この若者雇用戦略にはこのように書いてあるんですが、具体的に何を指して、どうしてそんなことが起こるんでしょうか。
○国務大臣(古川元久君) これについては、国家戦略会議の総理からの指示の中で、これまでの様々な取組、もう一回、全部一回棚卸しするようにという、そういう御指示があって検証を行ったものであります。 そこは、委員御指摘のように、これは我々の政権だけじゃなくて、前政権のときからもやはりかなり緊急雇用対策とかそういう形で補正予算等を利用して施策が打たれたことが多くて、そして、補正予算なんかでやりますと、結局時限的な措置になっていて、一定の効果等も上がるとそれで終わるということが見られたわけであります。 そういった意味では、今回の雇用戦略対話のワーキンググループの議論の中では、関係者から、効果が高いものもあるからそういうものはしっかり継続すべきだと、そういうような御指摘もいただきました。 こういうような指摘も踏まえまして、例えば、これは今までやってきたことで一旦短期間で終了して評価が高かったものとしては、合同就職説明会であるとかドリームマッチプロジェクトであるとか新卒者就職応援プロジェクトと、こういったものがございます。そうしたものについては、今回の若者雇用戦略対話におきましては、もう一度これ、こういうもの、そのまま復活する、新卒者就職応援プロジェクトについては復活をさせるということにいたしましたけれども、そのほかについては、ちょっと形は変わりますけれどもきちんとやっていくと。そうしてやっていくことについては、こういう短期間の取組で終わらないように、これまでの反省に立ってしっかりやっていこうということで取りまとめをさせていただいたところであります。
○谷合正明君 もう一つ、この若者雇用戦略でちょっと確認したいんですけれども、この若者雇用戦略を作る雇用戦略対話の委員に藤原和博委員がいらっしゃったんですけれども、途中でこの若者雇用戦略というのはとても中長期戦略と呼べるものではないということで離脱をされたわけですね。 これは政府としてどのように受け止められていて、その藤原委員の御指摘を踏まえてどのようにこの方向性を直していったのかと、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 藤原先生、まさに委員も御承知のように、和田中学校で民間出身の校長先生として様々な新たな取組をされてまいりました。そうした知見を是非生かしていただきたいということでお願いをさせていただいたんですけれども、藤原先生からは、雇用戦略対話ワーキンググループにおける議論の方向性と御自分のお考えが異なると、そうした理由からメンバーを辞退したいという申出がございました。 これは、ここの議論が、どちらかといいますと、やはり、今、目の前の本当に若者が、雇用が置かれている厳しい状況、それをどう対処していくのかと、そういうところが中心の議論になっていた部分がございます。一方では、藤原先生は、やっぱりこれ、教育の在り方そのものを変えていかなきゃいけないんじゃないかと、そういう御指摘をいただいておりまして、これまでの正解主義の教育を改めて、物事を多様な観点から考察する能力、クリティカルシンキングといいますけれども、こういうものを育成することが必要であって、グループ学習を活用した双方向型の指導方法の導入推進などが必要であると、そうした御指摘をいただきました。 この御指摘は、この雇用戦略対話の中ではちょっと、少し、ほかに集まられた方々とちょっと、目の前のとにかく置かれている状況をどうするかというところと、やはり、藤原先生は確かに、本当、中長期の若者の将来の雇用ということを考えられたものですから、この部分につきましては、実は今再生戦略の中でまとめさせていただいております人材育成戦略の中で、もうまさにこれは教育のところを変えていかないといけないだろうと。ですから、受容能力やスキルの確実な習得を目指すということで、課題発見や解決能力、さらには論理的思考力、コミュニケーション能力の育成と、こうした教育改革、人材育成と、そうしたところに藤原先生の御指摘というものは生かさせていただくつもりでおります。
○谷合正明君 分かりました。 次に、キャリアアップの関係の事業なんですけれども、この若者雇用戦略に、若者キャリアアップ促進のため求職者支援制度について、若者向け訓練内容の充実や雇用型訓練、日本版デュアルシステム、トライアル雇用の充実と書いてあります。これは、先ほどの趣旨からすると、一時的な措置じゃなくてしっかりと継続して行っていくというふうに理解します。 ただ、この雇用型訓練というのはこれ何を指しているかというと、ジョブ・カードの事業のこれは関係がありますので、過去のいわゆる事業仕分によってジョブ・カード廃止と判定されたわけでありますけれども、その辺の影響があるのではないか、整合性どうなっているのかと、この点について、実際、実行する厚労大臣にお伺いしたいと思っております。しっかりとこれは一時的な措置じゃなくて継続的に実行するということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) お尋ねの平成二十二年度のジョブ・カード関連事業への事業仕分、これは、政策目標自体は非常に重要だということはこの仕分の中でも認められた上で、事業の問題点が指摘されましたので、その見直しを行った上で、これはおっしゃるように継続的にやらなければ意味がございませんので、今回、学生の方にもこのジョブ・カードを持ってもらうこと、更に広げる取組をしたいと思っていますので、継続的な取組になるようにきちんと対応したいと思っています。
○谷合正明君 ジョブ・カード制度は、今キャリア形成助成金の一つになりました。これは、事業仕分のときの意見、議論を踏まえて移行したわけでありますけれども、そのことで、実は現場、現場というのは産業界の方からですけれども、申請の手続というのはかなり今煩雑だということをお伺いします。別の制度でトライアル雇用というのもあるんですけれども、トライアル雇用の方に比べると、このジョブ・カードの方のキャリア形成助成金の申請書類の負担はかなりあるということが出されておりますけれども、事実関係と、そうであれば、しっかりとそこは改善すべきであると思いますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) そのジョブ・カードを活用しました有期実習型訓練の助成金について、平成二十三年度に一般の今おっしゃったキャリア形成促進助成金の中に整理統合したことによりまして、その計画の提出ということでおっしゃるように書類が煩雑になったということがあると思います。これはしっかり使っていただきたい仕組みですので、書類を簡素化することを検討していきたいと思います。
○谷合正明君 もう一つジョブ・カードの関連で質問いたします。 ジョブ・カードがこれ発展していくと、もう少し具体的に技術レベルを評価する、職種ごとに技術レベルを評価していく、これ段位制度というんですかね、そういったものが議論されておりまして、実はこの若者雇用戦略の中にも、実践キャリア・アップ戦略の本格展開というものを掲げられております。ただ、この若者雇用戦略が閣議決定されたそのそばで行政事業レビューが行われまして、内閣府内の仕分でこの実践キャリア・アップ戦略というのは廃止判定となったわけですね。 ところが、これは、担当の内閣府の政務三役の方の記者会見では、実行していくということは確認しているというふうに言っている。一方で、事業仕分担当されている岡田副総理の方では、廃止事業の継続というのは認めないと、原則。そんな記者会見もあるわけでありまして、一体この実践キャリア・アップ戦略というのはどうなるのかと現場がやきもきしているわけでありますが、政府の統一した考えをお示ししていただきたいと思います。
○国務大臣(古川元久君) 実践キャリア・アップ戦略につきましては、内閣府が実施しました行政事業レビュー公開プロセス、これは外部の有識者の皆様方に評価をいただくということでございますけれども、この外部の有識者の皆様方の評価結果におきましては廃止というふうにされました。それを受けての取りまとめをさせていただく中で、この事業については、既存の資格制度との関係の明確化、事業効果、効果設定を行う必要があると、そうした御意見があったところから、抜本的に再検討を行うこととしたものでございます。現在、この公開プロセスの結果を踏まえて、来年度以降の事業の在り方について検討を行っているところであります。
○谷合正明君 廃止ということじゃなくて、むしろ継続していくという方向で検討されていることだと思うんですが、岡田副総理の見解をお伺いします。
○国務大臣(岡田克也君) 今の古川大臣からお話がありましたように、これは、行政事業レビューの公開プロセスの中で廃止、そして、それに基づく取りまとめコメントにおいては抜本的再検討ということになったわけであります。その理由としては、既存の資格認定制度との関係が不透明ということに加えて、国が一〇〇%やるべきことなのかという御指摘もいただいております。そういったことについてきちんと検討を行うことが必要だと思います。 私は、この公開プロセスで廃止と決まったから一〇〇%廃止というふうに考えているわけではありません。重要なことはきちんとそれが説明されることだというふうに考えておりますので、八月のまあ上旬には、私も含めてきちんと、廃止という結論が出たものを中心にヒアリングも行いまして、どうあるべきかということについて方向性を示したいというふうに考えているところでございます。
○谷合正明君 一〇〇%、そうすると廃止のままになるわけでないということですので、逆に言うと、この事業仕分の結果というものが問われてくるんだと思います。 もう一つ指摘したいのは、過去の事業仕分でもこのジョブ・カードというのは廃止判定になったわけですね。でも、これは見直しして、今も継続して拡充しているわけですね。現場では、事業仕分によってジョブ・カードは廃止になっていると今でも思っている方はいます。 今回の件についても、恐らく最初の報道で大きな影響が出ていると思います。八月上旬の決定が周知されないまま、どちらかというと、廃止判定と継続したい、役所のこの足して二で割るような結論が続いてしまっているような、曖昧なメッセージしか伝わってこないということを私は危惧をしておりまして、何を申し上げたいかというと、これは役所の理論でやるんじゃなくて、実際に使う立場に立って、利用者の立場に立ってこの議論を進めていただきたいと思います。 現場では、本当にこの若年雇用政策が継続して行われるものなのかどうか、ぐらぐらしているんじゃないかというやっぱり不安が付きまとうわけですね。この辺り、国家戦略として若者雇用戦略の中で掲げたわけでありますから、それを一〇〇%国家がやるのかどうか疑わしいなんという、そもそも論の話になっちゃうわけですね。ここはやはり政府としての統一したまとめを是非すべきであるというふうに思います。
○国務大臣(岡田克也君) これは、今回の行政事業レビューの公開プロセスもそうですが、そもそも仕分もそうなんです。外の方の目を入れて見直そうということですから、時にはそれが行き過ぎるというか、政府の考え方、どう考えてもこれはちょっと取れないという場合が出てくることは、これはやむを得ないと思うんです。そういうことで、しかも今回は、行政事業レビューの公開プロセスで役所も入って判断をして、そこでのことですから余計難しい問題があります。重要なことはきちんと説明することで、そのことについて八月上旬にはというふうに考えております。 一〇〇%国がするのはいかがかという、そういう御指摘もいただいているわけですが、それは国家戦略としてやるとしても、国が丸抱えでやるべきかどうかというのはこれはまた別の議論ですから、そういう御指摘もきちんと踏まえて、どうすべきかということを答えを出していかなければいけないというふうに思っております。
○谷合正明君 いずれにしても、ちょっと分かりづらい議論になっていると思います。 次に移ります。 就労が困難な若者についての支援でございますが、先日、私は足立区の若者サポートステーションの事業を視察、そしてまたお話を聞いてまいりました。就労が困難な若者を対象に伴走型の就労支援事業を展開されておりました。これは、なかなか一人で本当にその企業にぽんと入ってあるいは職業訓練を受けるということが難しい方が、実際にこのサポーターと一緒にその職場に行って、そのサポーターの方からいろんな手取り足取りアドバイスを受けながら仕事をしていくというわけであります。その際、奨励金ということで、まあ少ない金額かもしれませんが、給料に代わるものも受け取るということであります。 これは、言わば中間的就労というべき分野でありまして、この足立区の方からも、こうした足立区で先行している事業については効果も出しているということで、全国展開を視野に入れて、またこれも中間的就労というのは法制化を含めて検討すべきだという要望もいただいておりました。私も全くそのとおりだと思っておりますので、厚生労働大臣、前向きに検討していただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) この秋をめどに作ろうと思っています生活支援戦略の中で、生活困窮者支援の体系化を図る、その中で、社会的な自立に向けて、今おっしゃいました中間的就労など自立に向けたサポートをする仕組みを組み込んだ様々な就労機会確保をするために、これはNPOなど、今御紹介があったように、民間の力を借りて、協働という、ともに働くという形でやりたいということがそれの核になっておりますので、今御紹介いただいた足立区などの先駆的な取組の例、それも参考にしながら、これは支援体制をしっかりとつくっていくために、七か年戦略ぐらいでつくりたいと思っていますので、その中にそういう具体的な先駆的な取組の例も含めていい形で組み込むように検討していきたいというふうに思います。
○谷合正明君 しっかり検討していただきたいと思いますし、我が党も再三言っておりますけれども、七年というスパンにこだわるわけじゃなくて、もう本当にできるものはいち早くやっていくべきだということも申し上げたいと思います。 次に、住宅手当制度についてお伺いします。 これは、離職者の方が直ちに生活保護に至らないようにするためにつくられた制度でございまして、実はこの平成二十四年度で期限を迎えます。この住宅手当、なぜこれそもそもあるのかというと、結局、就職するときに履歴書に住所を書けないと結局門前払いになるわけですね。そこで、やはりこの住宅という観点が非常に重要だということでこの住宅手当制度というものが始まりました。 その実績と効果について、そして私はこれは延長すべきであると考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
○国務大臣(小宮山洋子君) この住宅手当は、今委員がおっしゃったような趣旨で平成二十一年の十月から緊急的につくった措置です。実績は、直近の平成二十三年度の数字で見ますと、支給決定件数がおよそ二万四千件、そして支給を受けた人の就職率が五四・五%ということなので、住宅をもってこの支援をしたことによって生活保護に至らないという効果が出ているというふうに思います。 この先ほど申し上げた生活支援戦略の中では、居住の確保についても検討項目として挙げていますので、今年度末で終了する基金による事業になっていますが、来年度以降についてもこれは必要だと思いますので、生活支援戦略を検討する中でこうした対応もしっかりできるようにしていきたいと思っています。
○谷合正明君 前向きに検討していただいているということだと受け止めさせていただきます。 次に、厚生年金の適用拡大のところにちょっとテーマを移らせていただきたいと思います。 厚生年金の適用拡大、今回、大体二十万人、二十五万人の方が国民年金から厚生年金の方に拡大するという効果を生むということであります。一方、当初の政府案というものは縮小の方向で修正されまして、労働者の対象範囲というのは限定的になりました。最初、月額の給料でいうと現在九万八千円のものを政府は七万八千円にしようと、それを修正で八万八千円にしたわけでありますが、まずそもそも政府が七万八千円にしようとしたその考えと、そして八万八千円に修正したその考え、根拠についてそれぞれお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) お答えを申し上げます。 非正規の方とか、今本当に多様な就労形態の中で、今回の厚生年金の適用拡大、大変重要な観点であったと思います。 私どもの修正協議では、適用基準の賃金月額七万八千円、これについて議論がございました。一つは、企業においては、消費税の引上げに加えて、社会保険料を折半で今回も負担をしていくということになるわけですから、このことについて配慮が必要であるという意見、それから、月額七万八千円以上の人から厚生年金を適用した場合には国民年金の保険料より低い負担で今回適用になるということで、基礎年金に加えて厚生年金が受けられると、こういうことになるので、若干不公平になるのではないかと、こんな意見がございました。 他方で、非正規労働者へのこの適用拡大、これは非常に大事な課題であると、こういう認識から、まずはこの賃金要件を八万八千円、年額にいたしますと百六万円ですか、このレベルの人から、この人の短期労働者から適用するということにすることによって、保険料がほぼ基礎年金と国民年金と同額のレベルに合わせたということでございます。
○谷合正明君 根拠については分かりました。 平成二十八年の十月にこの適用拡大、施行されるんですけれども、その時点におきますと、厚生年金と国民年金の保険料に、実はそれがとんとんになるか、あるいはそれが逆転する可能性もあるわけですね。ですから、そうした負担と給付という観点から、逆転の公平性というのをどう説明するのか。逆転してはならないということであると、やはり何かしらの修正をするのか、これはあくまでも目安なのか、この辺り、厚生労働大臣、どう説明されるんでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、修正案提出者もおっしゃったように、今回修正の論点の一つですけれども、現在の制度を前提とした場合に、今おっしゃった平成二十八年十月時点での国民年金保険料、これは適用拡大後の標準報酬月額の下限、月額八・八万円に適用される厚生年金の保険料とほぼ同額になります。 御指摘の制度間の負担と給付の公平については、施行後三年以内に検討となっていますので、その中でこの点も重視をして検討していく必要があると考えています。
○谷合正明君 検討するということでありますが、なかなかその適用拡大、当初政府は三百七十万人という適用拡大規模を念頭に置いていたと思いますが、まだそこまでの数になっておりません。当然、中小企業に対する配慮というものは必要でありますので私も理解するところでありますが、しかし、今後の拡大の方向性についてもしっかりと政府としても見通しを示していただきたいと思います。 それで、現在、厚生年金未適用事業所というのは十万以上あるんですね。この保険料徴収を逃れる実態というのも依然として存在はいたします。今回、非正規労働者に対するセーフティーネットを強化して厚生年金の適用拡大とするのであれば、この未適用事業所の適用促進に向けた対応というのも併せて必要だと思うんですが、どうでしょうか、大臣。
○国務大臣(小宮山洋子君) 当然、未適用の事業者の実態をまず把握をして、そしてその適用を図っていくということは大変重要だと思っています。 平成二十三年度末現在で、二十四・六万の未適用事業所を把握できています。さらに、今年度末には、新たに法務省が持っている法人登記簿情報、これを一括して入手できるようにしていますので、その情報を活用して、未適用事業所の把握を更に進めたいと思います。 把握をした際には、民間委託事業者による加入勧奨ですとか、職員の戸別訪問による加入指導など、適用に向けた取組をしっかりと進めていきたいと思っています。
○谷合正明君 就業環境の改善ということで、私は今日ちょっとサービス産業と農業について触れたいと思うんですね。資料の中にもサービス産業の現状ということで入れさせていただいております。 実は、サービス産業というのは、我が国のGDPに占める割合って七割、そしてまた雇用についても七割ございます。ただ、一方で、もう一枚めくっていただきますと、サービス産業というのは業種別の月間現金給与、この平均額を下回る状況であります。労働者数は多いという状況であります。 先ほど、社会保険、厚生年金の話をさせていただきましたけれども、今後、サービス産業の就業環境を改善していくということは極めて重要ではないかと思っております。生産性をどのように向上させていくのか。リストラに頼らない方法でこの就業環境を改善していくべきだと思いますけれども、経済産業省の方でどのようにこの対策が講じられるのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(牧野聖修君) 委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 委員御指摘のとおり、GDP及び雇用の約七割を占めるサービス産業の活性化と就業環境の改善は、人口減少下において我が国が持続的成長を実現していく上で本当に重要な課題だと認識をしております。 当省といたしましては、これまで、サービス産業生産性協議会など関係団体とも連携しつつ、中小事業者を含むサービス産業の生産性向上に向けた現場オペレーション強化にかかわるツール開発及びノウハウの普及啓発等を推進してきたところであります。 また、サービス産業は、おもてなしという言葉で表現される顧客接点における従業員の接客対応こそがサービスの品質を決定し、付加価値や差別化の源泉となる重要な要素、このような観点から、人材投資に力を入れ、能力開発と現場のモチベーションを高めることが重要であると考えております。 そこで、当省としては、これまでの生産性向上に向けた取組に加え、サービス現場の従業員への人材投資や従業員満足を向上する経営手法によって現場従業員のおもてなしの力を高め、高い顧客集客力を実現する好循環を生み出すサービス経営の優良事例の発掘に取り組むとともに、このような経営手法やノウハウを広く普及啓発をしてまいりたい、このように考えております。 いずれにいたしましても、非常に厳しい時代で、ゼロサムと言われている時代でありますので、いかにして全体的なパイを大きくするか、このことも頭に置きながら、サービス産業の発展のために、活性化と就業環境の改善に一生懸命努めていきたいと、このように考えております。
○谷合正明君 そこで働く方の能力開発をしていくことは極めて重要でありまして、その意味でも、先ほど取り上げました実践キャリア・アップ戦略というのは極めて重要なわけであります。こうした観点も、私は、政府はしっかりと共有して持っておくべきだと思います。 次に、農業について伺います。 この農業セクター、農林水産業も成長産業というふうに期待されております。ただ、成長産業と期待されておるということであって、本当に若い人が、あるいは現役世代が農業でしっかり飯を食っていけるのかどうかというのは、実は厳しい状況もあるわけでありますね。 この農業セクターを今後どうしていくかと考えますと、新規就農を確保していく、あるいは成長産業にしていくことを考えていくと、法人化とか、この就業環境を整えていくということが重要であります。それが若い人、新しく農業にチャレンジする方にとっても入りやすいことになると思いますので、改めて雇用保険等労働環境についてしっかり整えていくような、他産業と比べて遜色ないものになるような農業の就業環境改善政策について伺いたいと思います。
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。 先生御指摘のとおり、農業に就業する場合、法人等に雇用される形態は、個人が農地や資金等を確保する必要がなく、技術や経営ノウハウを円滑に継承できるといった意味において有力な方法であると考えているところであります。このため、農業への就業希望者の雇用を促進する観点から、農の雇用事業を実施をいたしております。 雇用形態での就業を促進する場合、その法人等における就業環境の整備が極めて重要と考えておりまして、農林水産省といたしましては、厚生労働省と連携しまして、労働条件、これ労働時間や休日、賃金などに関する制度、基準や、労働保険、これ雇用保険ですとか労災保険の制度等を整理した啓発パンフレットを作成、配布をいたしております。 また、農の雇用事業におきましては、雇用保険、また労災保険等に加入している法人等を支援することとしているところであります。 今後とも、こうした取組によりまして農業に就業しやすい環境の確保に努めてまいる所存であります。
○谷合正明君 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、最近話題となっております最低賃金と生活保護の関係について確認します。 最低賃金と生活保護費の逆転現象が十一都道府県に増加したということで、昨日でしょうか、そのうち九県は今年度中に解消していくということであります。最低賃金法は生活保護との逆転を是正するよう求めておりますけれども、残りの二県についてはやはり一年ではできないということになっておるんですね。 今後のこの最低賃金の在り方について厚生労働大臣に伺います。二〇二〇年に時給千円を目指すというのが民主党さんの考えであります。考えというよりは労使で合意したということでありますけれども、成長戦略入れているんですけれども、これはあと毎年三十円ずつ引き上げていくという計算になるんですね。これ果たしてできるんでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 最低賃金法、これは御承知のように、平成十九年の法改正によりまして、生活保護に係る施策との整合性に配慮するという規定が盛り込まれています。それで、御紹介いただいたように、昨日、小委員会で今年度の最低賃金額の改定の目安がつくられまして、今十一の都道府県で逆転してしまっているんですけれども、それを原則として二年以内に乖離を解消するということが求められています。御指摘のように、北海道など非常に差が開いているところはなかなか難しい状況にあります。今、五月に設置をいたしました低所得者対策の在り方に関する研究会で、この生活保護と年金との関係、また最低賃金との関係についても、ここは在り方を総合的に検討を始めているところでございます。 それがその乖離の方についてのお答えで、あと、千円を目指していくのはなかなかこれは厳しいというふうには思っておりますが、お約束をしておりますので、その方向に向けて少しずつ努力をしているというところでございます。
○谷合正明君 まあ正直な話をしていただいたんだと思います。 最後五分になりましたので、ワーク・ライフ・バランスを取り上げたいと思います。 次世代育成支援推進法、これを我が党は延長すべきであると考えておりまして、この附則にも検討事項として盛り込まれております。ワーク・ライフ・バランスを今後どのように推進するのかというのを、ちょっと手短に大臣、少子化対策担当大臣、答えていただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) ワーク・ライフ・バランスは少子化、子育てのことからも働き方のことからも非常に大切なので、今、改正の育児・介護休業法、これで短時間勤務の義務化ですとかパパ・ママ育休プラスとか盛り込んでいますものを徹底をしていくということ、それから、くるみんマークという、一定の成果を上げたところは認可をして税制の優遇をすることも企業に対して行っていますので、そうしたことを更に周知徹底をするということ、また、イクメンプロジェクトなども今推進をしていますので、男女で協力して子育てをする、そうしたことをしっかりともっと力を入れながら、このワーク・ライフ・バランスはこれから非常に力を入れなければいけない柱だというふうに認識をしております。
○谷合正明君 育児休暇の話が出ていまして、特に男性の育児参加は極めて重要であると思っておりまして、先日、超党派でイクメン推進議員連盟というのを立ち上げまして、そちらに座っていらっしゃいます田村先生と、あと柚木先生、私、不肖私も共同座長となっておりまして、長妻先生にも顧問ということで、これイクじい、イクじいという立場にはまだ早いかもしれませんが、なっていただいておると。我が党、坂口さんも坂じいからイクじいということで入ってもらっております。これは国会挙げて取り組んでいこうということでやっております。 ただし、私はイクメンという言葉、これは死語になるようにしなきゃいけないんだと思います。これ当たり前の話であって、これを何かイクメン、イクメンという言葉だけが躍っていくのは良くないんじゃないかと思っておるわけであります。 育児休業取得だけで全てが測れるわけではありません。その意味で、例えば同僚に仕事の負担をさせてしまっているんじゃないかとか、自身のキャリアに傷付くんじゃないかとか、あるいは収入減少になってしまうんじゃないかと、様々な社会的な環境もありましてなかなか進んでいかないということであると思います。 子育て世帯に対して改めてこの男性の育児参加推進、現在の状況は目標に遠いところにあるんですが、改めて厚生労働省としての取組の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 二〇二〇年に一三%ということを目標にしていますけれども、二十三年度はまだ二・六三%なので、これもなかなか、相当アクセル踏まないと難しいと。そのためには、やはり育児休業取得のための、先ほど申し上げた改正育児休業法の周知徹底ですとか、イクメンはもう死語にしたいとおっしゃいましたけれども、やはり男性も取って当たり前だということが企業の中でも周知されないと難しいと思いますので、企業での環境整備とかそうしたことも含めて、可能な限り、いろんなお知恵もいただきながら取り組んでいきたいというふうに思っています。
○谷合正明君 じゃ、時間になりましたのでもう最後にまとめますけれども、改めて、この税と社会保障の一体改革というのは、若い世代、将来世代支えて、そうした世代に対する強力な支援がなければ私は国民の理解が進まないと思います。ですから、そこをしっかり一体的に進めていく、消費税の社会保障の充実の枠外のところもあるかもしれませんが、そこも含めてしっかり充実していく、このことを政府に強く要望しまして、私の質問といたします。 ─────────────
○委員長(高橋千秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として大久保潔重君が選任されました。 ─────────────
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。 前回、二十三日に質問をいたしまして、その続きからさせていただきます。 税制改正法案の附則二十条、二十一条で規定する検討と三党合意文書の中にある検討の文字の関係について質問をいたしました。この条文の中では、「平成二十四年度中に必要な法制上の措置を講ずる。」という、後ろの、やらなくてはならない期限がしっかりと書いてあります。そのことについては古本担当者から、法案担当者からお話があったところでございます。 そこで、古本先生の御答弁の中に、その上で、行政府である政府は、当然、政府税制調査会もあるでしょうけれども、当然に手前どもにも税制調査会がありますので、それは自民党さんも公明党さんもそれぞれございますので、それぞれ、ハウスの側、政府の側、ここで成立をさせていただいた暁には、この二十条、二十一条に照らして具体に詰めていく、それぞれの持ち場で詰めていくと、このように承知してございますと、このような答弁をされました。 私、これを聞いて全く分からないんですよ。結局、三党協議で全てが進んでいって最終的に政府税制調査会で追認をしていくのか、また、三党協議をしていく中で、その結果はそれぞれの党の税制調査会でどのような扱いを受けていくのか、そこについての関係性が全く触れられていなかったんですね。 そこについて、改めて古本先生にここの部分について御答弁お願いできますでしょうか。
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えいたします。 すぐれて意思決定はどこでなされるかという大変重要な観点を御指摘いただいていると思います。 今、民主党の意思決定の流れで申し上げれば、政策調査会で議論をして、最終的に平場と言われるいわゆる部門会議、税に関しては税制調査会、今回に関しては社保・税一体総会というプロセスを経てくるわけなんですけれども、そこで議論をする原案というのは、あくまでも政府三役、要するに、政府から提出された原案に対し私たち党側はこう思うという議論を繰り返してきたのは中村先生も御案内のとおりであります。その政府原案を作るのはどこかといえば、税に関しては、これはすぐれて税制調査会、政府税制調査会だと承知しています。今回、政府税制調査会で議論をし、そして閣法としてなって出てきたものに対して、私たち党側の議論の結果、今回の三党合意に至ったということです。 途中で、本来であれば与党単独で、民主党税制調査会で物事が決められればいいですけれども、御案内のとおりのそれぞれのハウスの情勢でありますので、三党で協議をしようということに至ったことも御案内のとおりであります。 特に、今回は社会保障と税の一体改革、もう普遍的な、つまり党派を超えたテーマでもありますので、自民党、公明党、まあ言うならばそれぞれのハウスでそれぞれ第一会派、第二会派でありますので、今そういった皆様と協議を重ねる中で決まった事柄に基づいて今後物事が党側の意思としてそれぞれ決まっていくというプロセス、それと、それを受けて政府がじゃどうやって法律にしていくかというのは、それは当然パラレルで発していくというふうに理解をしておりますので、そのことを申し上げたというふうに思っております。
○中村哲治君 ということは、三党の協議が先行するということで理解をしていいわけですね。
○衆議院議員(古本伸一郎君) これは、所得税と例えば今回の議論いただいている相続税の扱いに関して言えば、法律の附則の二十条、二十一条に明確に法制上の措置を来年度の税制改正において行うというふうに書いておりますので、このハウスの御意思として参議院で決議いただけたならば、採決いただけたならば晴れて成立いたしますので、この法律のでき上がった中身について、我々立法府の人間としてそれぞれそれに従っていくというのはお互いに背負っていくということなんだと思っています。 その上で、具体的に所得税と相続税をどうしていくかというのは、来年度の税制改正の議論に先送られていますので、方向感は出ておりますよ、累進を高めていくとか資産格差を是正していくという方向感は確認されておりますので、その意味では、御案内のとおり、まずは税の概算要求がやがてそれぞれの各党で、各会派でそれぞれ、八月の季節ですので始まるんでしょうか、その議論の中で年末の議論をどうしていこうかということが恐らく自民党の皆様も公明党の皆様もそれぞれ始まっていくんでしょうから、これは時期がいつになるか分かりませんが、恐らく秋深まるころのいずれかのタイミングで、改めて三党がそれぞれ向き合って、この法律に書き込んだ中身になるようにまた向き合っていく場面ができるんだろうと承知しております。
○中村哲治君 つまり、三党協議が先行する形で議論がされて、そして合意をされるような状況になったときに政府税制調査会が開かれて、そこで政府の決定があってこの年末に税制改正の大綱が作られると、そういうふうなスケジュール感で考えているということで、古本さん、よろしいですね。
○衆議院議員(野田毅君) 私が出て恐縮なんですが、長年こういった問題に携わってきたものですから、その感覚から申しますと、政府が検討するのは、いつも検討しているんですよ。ただし、結論を出すには至らないです。結論を出す前には当然与党の皆さんと相談して決める、これが通例です。したがって、自民党の場合は自民党税調で決めて、そしてそれと政府とすり合わせをして決定される。恐らく民主党の場合はちょっと我々とは違った決め方していますので、これからどうされるかは、それは民主党の中で考えていただくんだが、公明党においても私どもにおいても党の税制調査会がございます。まず、税制調査会の中で我々が方針を決めます。細目までやるわけにいかないでしょう。それぞれの党で方針を決めた上で、ある程度の範囲の中で三党の協議に臨むということになると思いますね、具体的に。その上で、政府としてそれを受けてお決めになるという手順になるんじゃないんでしょうか。 ただ、それを、民主党内の手続と政府の手続とどういうふうにすり合わせしていかれるか、それはこれからお考えをいただくことではないかと、そう思っていますから、この問題はそんなに大きな論点としてあるような話では全くないというふうに理解をしています。
○中村哲治君 私は古本先生に質問をしたんですけれども、民主党の先生に質問をして自民党の先生方が答えられると。非常に今の状況を物語っているんだと思います。 更に申し上げると、この三党合意に……(発言する者あり)もう本当に、自民党の皆さんというのは本当にこういうような形でやじが多くて、本当に議論をするのも非常に大変なんですけれども。 まず、三党合意のときにどういうふうに民主党の中で議論されたかというと、最終的には、反対の議論に関しては聞きおくだけで、政調会長一任という形になって、それがきっかけで離党者が私を含めてたくさん出てきたというふうなこともありましたので、ここは非常に重要なんですよ、実は。三党協議がどのようにされて、そしてそれをどのような形で各党が合意形成を取って、そしてそれと政府の関係をどうしていくのか。ここは、こういう、まあ私は疑似大連立と言っていますけれども、三党密室合意で進めたものをどのような形で実行していくのかといったときに、この意思決定のプロセスが全く見えないというところが、私が民主党の中にいたときに非常に理解ができなかったことだったんです。 だから、そういったことで、政府の立場を改めて確認いたしますけれども、安住大臣、このような形で、まず三党協議が先行される形でこの附則二十条、二十一条に基づく二十四年度中の法制上の措置、政府原案が作られると、そういうふうに認識しておいてよろしいですね。
○国務大臣(安住淳君) この二十条、二十一条に係る法制上の措置を講ずる主語は、私は政府だと思います。それで、もしかすると中村さんは、政府税調とほかの政党間の協議の進み具合がどうなっているのか、曖昧ではないかということなんですかね。私が申し上げたいのは、政府・与党はまず一体であります。 ですから、昨年の税制改正においても、上の方で勝手に決めたということは当たりません。政府税調は自動車関係諸税の混乱についても随分丁寧にやりましたよね。それは、国民新党を交えて議論をやったものを、まあ、ある意味ではちょっと分かりやすい言葉で言えば、横目でにらみながら、調整をしながら、あうんの呼吸で政府税調としても歩速を合わせてやってきました。 ですから、今回は、今、野田先生、また公明党の皆さんも多分そういう党内手続を踏むんでしょう。踏まれて、それぞれ所得税や資産課税についての考え方が出てきます。私どもの多分責任者としては、政党間協議であれば、税調会長なり政調会長なり実務者の方で、そこで論をしますが、政府というのは与党と一体ですから、そういう中で交渉に出ていただいて、そして合意のプロセスを横目で見ながら、最後に決まったところで、政府としてもそこに、まあ言ってみれば政府から見たときのストライクゾーンに入っていればそれを法制上の措置にしていくというふうな考えだと思います。
○中村哲治君 非常に明確な答弁でございます。 つまり、政府と与党は一体であると、だから民主党がほかの二党との結節点になって政府と三党とをつないでいくと、そういう役割になるということですよね。
○国務大臣(安住淳君) 基本的にはそういう役割であって、我々はそれに入らない。ですけれども、与党の側が政府を全く無視して何らかの話をするということはないということです。それから、その三党の話合いの場というのは、税調会長のレベル、政調会長のレベル、また実務者、様々じゃないでしょうかということを申し上げているわけです。
○中村哲治君 私は、民主党は結節点になって政府と残り二党をつないでいくんですねということを申し上げたのもその理解でございますので、これは明確な答弁をいただいたと思います。 そういうことであると、改めて民主党の中での意思決定プロセスが非常に重要になってくるわけでございますので、今後、この年末の議論に関しては党内で、まあ私も離れてしまったから言える立場ではありませんけれども、是非見えやすいような意思決定をされるようにと思います。 それでは、次の質問に移ります。 昭和六十三年三月十日の衆議院予算委員会で、当時の竹下総理が六つの懸念を示されております。そのうちの一つ目が、逆進的な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないかという論点でございます。 消費税が逆進的な税体系であるとはどういうことでしょうか。また、所得再配分機能を弱めるのではないかという言葉をどのように考えているのでしょうか。低所得者に対する対策だけでいいと考えていらっしゃるのでしょうか。まず、修正案提出者に伺います。
○衆議院議員(野田毅君) 当時その問題で奔走しておりましたという立場から申し上げたいと思います。 というのは、まず第一に、逆進的であるかどうかということは、必ずしも単一の税で測るべきものではないというのは当然の常識だと思います。それは、所得税体系であったりあるいは歳出の体系、トータルとして、いわゆる所得の再配分というか、そういう角度から見てどうなのかということです。 そこで、当時はまだ消費税の使い道は必ずしも社会保障との連動ということを前面に出しておりませんでした。当時は、少なくとも直間比率の改善であったりあるいは税制の簡素化ということで、レベニュー・ニュートラルという角度でやっておりました。したがって、地方税もそのときにいっぱいいろいろ税目を簡素化したわけです。そういった角度の中から、いわゆる歳出を使っての所得再配分ということは、直接そのときは税の世界では出てこなかったということが背景にあります。そういう意味で、消費税を入れるというときには、ある程度、低所得者への配慮も必要になるのではないかという問題意識があったということが一つです。 それから、特にその後の、それらの反省を踏まえて、平成十一年度の予算総則から始まったわけですけれども、特に消費税の使い道について、国税として国に入った消費税はその全額を基礎年金、老人医療、介護に一〇〇%充てる、それ以外にはもうびた一文回さないということを予算総則に決めて、自来、消費税の使い道は今日においてもそれは実行されております。念のため、今回はそれに加えて少子化対策を入れて四分野ということにしたわけで、既に、導入の当時と今日とでは、消費税の使い道及びその後の社会保障の所要経費の拡大、特に医療、介護、これをどういうふうに安定させていくかということで、そこの歳出の面で使われるいわゆる所得再配分効果、今日の医療、介護というシステムそのものが相当程度に低所得者への配慮は現実に行われていると。特に高額療養費の頭打ちの問題であったり、そういったことがあったということです。 六十三年当時、消費税を入れる当時ではそういう状況にはまだいなかったということが背景にあります。そのことを併せて申し上げておきます。
○中村哲治君 それでは、消費税そのものに対しては逆進性はないという御判断なのかそうではないのか、そこをまず確認させてください。
○衆議院議員(野田毅君) 相対的なものとして、消費税というのは消費の大きさに応じて負担が決まるということですから、消費に対して逆進ということは論理としてあり得ないわけです。ただ、比較する場合に、所得税の累進度があるのと比べれば、所得税に比べて逆進的であると。 つまり、累進的という言葉に比較して逆進的だということが言われているのであって、少なくとも消費税だけを取り上げて、だから、逆進的だからいけないんだということだけでという議論はヨーロッパでも成り立たないと思います。それは、二五%で、スウェーデンでも、私も行ったけれども、スウェーデンではそんな話はありませんと言われたわけですよ。そもそも歳出の中身とセットにして考えなければ、いわゆる所得の再分配というか再配分という角度からの議論なのであって、消費税だけをもって逆進的だからけしからぬということになったら、そもそも社会保障制度そのものが根底から考えが変わってくるということになりかねないだろうと思います。
○中村哲治君 この点は非常に重要ですから民主党の担当者にもお聞きさせていただきたいんですけれども、今、野田先生の答弁では、消費税そのものに逆進性があるわけではないということをおっしゃいました。同じ認識でしょうか。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 民主党の中でもいわゆる逆進性ということで整理してきています。その心は、やはり購買力に応じて担税していただく税であると。購買力というのは当然に可処分所得に応じて比例するものでありますので、そのことだけをとらえて逆進性と言うと話が論理的ではなくなるというふうに承知しています。 なお、民主党の中でよく議論してきたのは、低所得者に対する対策をどうしていくのかという議論と実はこの逆進性対策という議論を混交してはいけないという話はよく整理してきたと承知しています。
○中村哲治君 いや、そこなんですよ、実は大事なところは。 そこで、竹下総理もここの論点を分けておられまして、竹下総理は六つの懸念のうちの二つ目にこういうことを挙げられております。結局中堅所得者の税の不公平感を加重するのではないかという論点でございます。この点について、私、七月十三日の本会議で質問をいたしました。そのときに野田総理は、逆進性対策そのものは行わないけれども、社会保障による一般対策を行っているので、それで足りる旨の答弁をされております。 そういうことで、修正案提出者も同じように、この点については、中堅所得者については、逆進性対策ではなくて、また一般対策をやっているのでこれでいいという、そういうふうなお考えなんでしょうか。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 社保・税一体改革の議論の前半だったと承知していますが、もちろん中村先生にも大変積極的に御参画いただいた議論のプロセスで、社会保障で随分に現物給付も含めて対応するわけであって、これ、すなわち一種の逆進性対策になるんだというような論旨が若干ございました、最初のころ。これは、社会保障給付があるから消費税のそういったいわゆる逆進性の対策になるという説明は詭弁であるというような御議論も随分党内の平場でございました。ただ、ネットで見たときに、いわゆる低所得者の皆様に対しては、もちろん消費税も担税していただきますけれども、一方で現物の給付も増えるわけでありますので、社会保障を通じたですね、そのことは考えてもいいんじゃないかという議論もありました。 したがって、これは、総理がどういった背景で答弁されたかはちょっと承知していませんけれども、私は十分理解できる議論だと思っています。
○中村哲治君 つまり、中堅所得者に対しては特段の、増税をすることに伴う特段の配慮はしなくていいという考え方ということでよろしいですね。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 今回の三党合意、三党協議で決まったことの範囲の中で私答弁をする資格が与えられていると思っていますので、その意味でお答え申し上げれば、八%の引上げ段階で低所得者対策としていわゆる簡素な給付を必ず実施することと、これが必要条件であるということまで、特に公明党の皆様からも随分御提言をいただいて、自民党の皆様からもいただいて、書き込んだということがまず八%段階の話でございます。 一方で、税の世界におけるいわゆる逆進性というものは、これは全く否定するものではありません。ただ、野田毅先生からただいまお話があったとおりの理解を私どももしておりますので、その立場に立てば、これを給付付き税額控除という、言わば所得の再分配機能的な意味合いも帯びているこの給付付き税額控除という所得税制で講じていくのか、あるいはいわゆる軽減税率、低減税率と公明党の皆さんはおっしゃっていますけれども、その方がより分かりやすいということでそれを講じていくのかという議論については今後の議論ということで、これは留保されています。その範囲の中で今後とも三党で議論を進めていくものと承知しています。
○中村哲治君 そうすると、中堅所得者については軽減税率を導入すると、そこでいわゆる逆進性対策になるという整理をされているということでよろしいんですかね。古本先生にお尋ねいたします。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 御案内のとおり、党内で今このワーキングを立ち上げておりまして、細川律夫先生、尾立先生にそれぞれ会長、事務局長でいわゆる給付付きワーキングチームを立ち上げていただいているんですけれども、その議論が中間取りまとめということでまだ結論に至っていないんですが、恐らく中間層に対するどういう対策をすべきかと、裏返せば、中間層というのはどの層か、そしてその中間層まで対策すべきか否かというところはまだ結論に至っておりませんので、ちょっとまだ党内の議論を見守っていただければ有り難いと思っています。
○中村哲治君 自民党の修正案提出者にお聞きしますけど、今の議論をお聞きになって、この辺りのところは、中間層に対する配慮に対してはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○衆議院議員(野田毅君) 消費税の引上げということだけでではなくて、それを、使い道がさっき申し上げたような形で、社会保障制度、特に医療、保健等々について、その体制を、現在のこれを守っていくということだけで大変なことなので、それを守っていくこと自体が低所得層あるいは中間層についても恩恵は、恩恵というかメリットがあるということは、これは当然の大前提だと思います。 それからもう一つは、非常に心配しておりますのは、低所得、その中間層という、言葉では分けられるけど、現実にAさん、Bさん、これはどっちがどっちに分類されるんだろうと、何を基準に分類されるんだろうと、誰がその所得の水準を把握できるんだろうと、あるいは資産の方は全然考えなくて収入を捕捉した部分だけで判断していいんだろうかというようなことを考えると、余り画一的に分け過ぎてやると、かえって現場における不公平、正直に申告できている人とそうでない人、とてもこれは、前から申し上げておりますけれども、いわゆる番号制度を入れたところで、税務署の職員がそもそも税務署の対象でない人たちの所得を捕捉するのは逆立ちするより難しいと思います。それが適正に捕捉した上で、果たして全国民を、この人は中間層あるいは低所得層という、そこまで分類を本当にし切れるんだろうかということまで考えると、言葉としてはいいんだけど、実際にやったらかえって不公平を拡大することになりかねないという懸念があるということもこの際申し上げておきたいと思います。
○中村哲治君 自民党の立場からすると、そうすればやはり軽減税率でいくべきなんだろうという、そういうふうな御主張になろうかと思います。この軽減税率の問題性についてはちょっとまた改めて議論をさせていただきたいと思っております。 ただ、今、原案では、給付付き税額控除、そしてそれをきちっとやるまでは簡素な給付措置ということに方針としては政府・与党としてはなっていたわけですから、そこの低所得者と中間層をどのラインで分けるのかという議論は、ある意味非常に重要になってきます。ここは自民党は、もう軽減税率でいいんだというお話ですね。 民主党は、この辺りのところ、どこで線を引くべきだというふうにお考えになっているんでしょうか。
○衆議院議員(古本伸一郎君) お答えします。 簡素な給付措置がそういう意味では喫緊の課題だと思っています。八%の引上げを判断するのは恐らく来年の秋ごろだと思っていますので、その時点でどういった層にどういったボリューム感で支給させていただくかということをお示しせずして、そのときの内閣は判断に恐らくちゅうちょすると思います。そうならないように今後詰めようと思っています。 その意味では、ただいま申し上げた党内の私どものワーキングでありますけれども、細川先生を始め御尽力いただいている中で、まずは簡素な給付をどういったものにしていこうかということで党内の議論を今進めていただいています。当然に簡素な給付に関しては、公明党の皆様からはしっかりとしたというふうな具体的な御提起もいただきましたし、大変すぐれて建設的な御提案だと思っていますので、それではボリュームをどのようにしようかということになったときに、恐らく一般的に言われている食料品、中でも生鮮食料品だけに絞るのかどうなのか等々の議論が、実は各論として大変重要な議論を進めていかなければなりませんので、そのことは民主党の中をまず議論をしていくんですけれども、やがてのタイミングで三党でまた向き合ってこの簡素な給付についても議論を進めたいと思っていますが、今、中村先生からいただいた中間層はどうするんだということはその次のステップだと思っていますので、まずは簡素な給付の議論と並行して進めていますけれども、中間層というのは一体どの層なのかということを決めなければ給付付き税額控除のボリューム感も決まってこないということだと思っています。 なお、論点として今出てきているのは、単に給付をし税額控除をするということではなくて、その労働のインセンティブをどのように与えていくかなどなど、いろんな他国の事例も含めて今更に研究を深めているところでございます。
○中村哲治君 私の質問は、その低所得者と中堅所得者のラインをどこで引くのかという質問をしたんですね。だから、そこに答えていただきたいんです。だけど、今の御答弁だと、それは今は答えられませんと、来年の秋ごろに簡素な給付措置の制度設計をしていくので、そのプロセスによって決めていきますというのが今の答弁の要約だと思うんですね。 そうすると、この低所得者と中間所得者というラインを決めるその決め方ですね、これまた三党で協議していくわけですよね。うんとうなずいていらっしゃいます。では、この三党での協議はいつから始めるんですか。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 少なくとも、簡素な給付に関して申し上げれば、これは歳出でやっていく話でありまして、年度の予算編成の中に盛り込んでいかなければ給付しようがございません。その意味では、来年度の予算編成にのせるのかというと一年早いと思います。さりとて、ボリューム感、対象感をこれは画餅にするわけにいきませんので、そういう意味では詰めていかなければなりません。そうすると、恐らく年度末の来年度税制改正に向けて、中村先生からるる御指摘いただいている所得、相続の議論も含めて、いずれかのタイミングでできるだけ早く三党を再び再開する必要があると思っていますので、その際にこの簡素な給付についても恐らく議題になるんだろうと思っています。
○中村哲治君 ということは、今年度中にこの簡素な給付措置の制度設計、もう行うということですね。
○衆議院議員(古本伸一郎君) 繰り返します。三党で合意した範囲を超えることは、なかなか私の立場からは授権の範囲を超えていると思うんですが、三党で合意したのは八%引上げ段階で簡素な給付を必ず実施するということでございます。それに向けて全力を挙げるということだと思っています。
○中村哲治君 これは自民党の法案提出者にお聞きしたいんですけれども、これはいつごろからそれじゃ議論を始めるべきだと考えていらっしゃるんでしょうか。
○衆議院議員(野田毅君) 今やり取り聞いていまして、基本的に古本さんがお答えをしたとおりでして、まあ、ありていに言えば、しかるべきときということなんでしょうね。実際に引上げが現に実施されるというのは来年でなくて再来年四月からですから、それに対する予算措置ということはそのときの予算で決めるということになります。 ただ、別途、公明党の皆さんも八%に上げるときから軽減税率という話を主張してもおられると。仮に軽減税率をやるとすれば、当然それに伴う様々な、いわゆるインボイス的なことであったり、幾つかそれに先立つ準備作業が当然あるわけですね。そんなことを含めて、議論そのものはまさにこの法案が成立した後、しかるべきタイミングを見て、年内にでも議論はしておく必要はあるだろうとは思っています。
○中村哲治君 やっぱり、そういうふうに考えていきますと、今年から来年にかけてはこの税制の大きな変更を三党で協議されていくことになるということですよね。そうすると、やはり私は、この三党でほぼ実質的な大連立にこの税制の部分はなったんだなというふうに認識していたんですけれども、そのように考えざるを得ないと思います。だから、そうすると、なかなか衆議院選挙も、今回、この夏終わったらすぐ解散すべきだというような話も自民党、公明党の皆さんがされておりますけれども、なかなか、そのおっしゃっていることと三党合意のスキームで物事が進んでいくという、そういうこととをどういうふうにして両立するのかなというのは思うところでございます。 そこで、どのラインで分けるかという話のときに、民主党の簡素な給付措置及び給付付き税額控除に関するワーキングチームの資料では、政府側からの資料は、一つは、住民税の世帯非課税、そのラインを基準にすべきではないかと読み取れるかのような資料が配られました。 私は、そのときに、いや、それ、二十歳代の単身者にしてみたら、百万円収入があったらもう対象じゃなくなってしまう、これはちょっと、ワーキングプアと言われている若者、社会保障がほとんど関係のない単身の若者にとって、これは本当に大変な思いするんじゃないかということを申し上げました。 ここについて安住大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) ちょっと整理してお話ししますと、まず何をやるかということを政党間で協議をして決めないといけないということだと思うんですね。八%のところから複数税率なのか、簡素な給付措置を、例えば、やっぱり政策的にちょっとなかなか準備が大変だということもありますので、まず取りあえず簡素な給付措置をして、その間に、番号制度等が整備された後に例えばいろんなことを考えましょうと。それは様々まだあるので。 今、中村さんの質問は、いわゆる低所得者となる定義と、そしてその範囲と額はじゃどうやって仮に簡素な給付措置をするときにやるのかと、その中の一つの案として政府で一度出したじゃないかと。その出したときの範囲は、今御指摘のように、住民税のこれは均等割の非課税限度額の場合だというふうなことですが、これは一つの例として出しました。 仮に、もし議論の前提となるということになれば、それとか、例えば所得税の課税最低限をじゃどうしましょうかとか、生活保護を受けておられる方もこれはどういうふうにするのかとか、もう一つは、今御指摘のように、例えば勤労学生というのは古い言葉かもしれませんが、アルバイトなんかで生計を立てているような人をどうするのか。 私どもとしては、これは、簡素な給付措置をするということが決まった段階からは、こうした対象を絞って、そして額も絞って具体の提案を早急に提示をさせていただきたいというふうに思っております。
○中村哲治君 時間が参りました。この続きの質問はまた次回させていただきます。 ありがとうございました。
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。 本日は、まずは、そもそも消費税を社会保障の目的税とすることについて、安住財務大臣と議論をさせていただきたいと思います。 本来、社会保障、言うまでもなく所得の再配分が根幹にありますから、所得関連税制とこそ密接な関係があるわけです。先進国の中で消費税あるいは付加価値税を社会保障目的税化している国はありますでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) 主要国では、フランス、ドイツにおいて消費税の一部社会保障財源化をしているということは承知をしております。ですから、全額充てている国があるのかということでいいますと、全部精緻に調べたわけではないですが、多分ないと思います。
○中西健治君 私の理解も同じです。ほんの一部だけ財源として使っているという国はありますけれども、目的税化している国はないということだと思います。 本来、先ほど申し上げましたけれども、税の所得再配分機能と社会保障というのは不可分のはずであります。不可分のものを一体として議論すれば当然一体改革となったはずですけれども、社会保障国民会議の議論に委ねると決める前から、これは一体改革ではなくてばらばら改革なのではないかなどと言われていたわけですが、一体改革と感じにくいのは、そもそも所得再配分機能の薄い消費税を安定財源だとして社会保障の財源として目的税化していること、これが誤りの出発点なのではないでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) なかなか難しいところだと思います。というのは、安定財源であるからこそ必ず歳出が迫られる社会保障に充てた方がいいというのが私どもの考えです。他方、委員は、所得再配分機能がない消費税はむしろ一般財源として国のいろんな経済危機や何かに充てた方がいいのではないかと。これも税と国家の資源配分の中では私は一つの意見としてはあってもいいと思います。 ただ、法人税や所得税が不安定であるからこそ、国民が今求めているニーズにこたえていくとすれば、やっぱり少子高齢化社会の中では、硬直化という指摘があることも私十分承知の上で、やはり社会保障の安心、安全のためにこの税財源を使わせていただいた方が私としては理にかなったものだということで今回の措置をさせていただきました。
○中西健治君 社会保障のために消費税を使ってはいけない、そんなことを申し上げるつもりは全然ないわけですが、目的税化ということがおかしいのではないかというふうに私自身は思っています。税と社会保障の一体改革に見えない、これが単に消費税増税を社会保障改革の名の下に同時に行おうとしてしまっているだけなのではないか、こんな批判が出てくるのもここに出発点があるのではないかなというふうに私自身は思っております。 今、安住大臣、少しお述べになりましたけれども、安定財源が必要なのは何も社会保障に限ったわけではありません。国、地方の提供する行政サービス、ほとんどは安定財源を必要としています。警察だってそうですし、消防だって国防だって教育だって皆そういうことになります。 みんなの党は消費税は地方税化すべきと主張をしておりますけれども、百歩譲って、消費税や法人税の税収、これが景気の影響を受けやすい、こうしたことに着眼しますと、そして、景気が悪いときにこそ政府の財政出動というのが期待されている、そうしたことの中では、むしろ景気変動の調節弁として安定財源たる消費税が活用できるように一般財源化していく、これが必要なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) ええ、そうした考えもあると思うんです。そのときに、しかし大事なことは、前提として申し上げれば、社会保障制度が保険料収入等である一定規模で安定してこれからの負担にも耐えられるだけの収入を見込める、その中で足りない分について、足らず前について税で調整をしていきましょうということであれば理論的には成り立つと思うんですが、しかし残念ながら、やはり例えば窓口負担や保険料だけでは、そういう、何というか、バランスをもう崩し始めているわけですね。増え続けていくこれからの例えば年金、医療、介護の部分だけ言っても、今は百八兆ですか、これが十五年後に百五十兆近くになったときに、増える部分というと、もう税負担の部分だけが、乱暴な言い方をしますと、やっぱり増えてしまうと。この財源を消費税以外で賄うとなったときの不安定さというのもひとつやっぱり考えないといけないというふうに思っています。 ですから、所得税とそれから法人税の目下の例えば税収、所得税で申し上げますと大体十三・四兆、それから法人税が大体約九兆弱でございます。これを急激にやっぱり上げていくとなれば、今度は累進率を高めていったり、フラット化をやめてかなり刻みを作っていくということは、逆にこれはこれで大変な重税感を持たれてしまって、企業等にとっても大変な、くびきとまでは言いませんけれども、足かせになって投資を失わせてしまうと。 ですから、かねがね申し上げていますが、水平的税である消費税と垂直的な税である所得税をうまくやっぱり、織り成す糸のようにと言ったら変ですが、個人個人に当てはめていって、国民負担率のバランスというものを考えながら我々としてはやっていくと。 ただ、歳出の部分でいうと、先生がおっしゃっているように、裁量的な部分をもう少し余裕を持って持たせるために、国として目的税ではなくて一般財源をちゃんとしっかり担保していった方がいいんではないかと。これは、実は復興債のときも私は先生から聞いて、それは一つの大変な御見識だなと思いましたけれども、しかし、目下、我が国にそうした、残念ながら、社会保障を取り巻く必要なお金の措置に関してそれだけの余裕がない状況に追い込まれているということも私は是非理解いただきたいと思います。
○中西健治君 私、繰り返し言いますけれども、社会保障の財源として消費税を使っちゃいけないと言っているわけじゃないわけです。目的税化がおかしいのではないかということを私は申し上げているんです。硬直化にもつながるということにもなりますので。 そもそも目的税というものは、受益者と負担者が一致をしていて、しかも、その予算規模が限定的であるような場合に採用されています。他国を見るとそういうときに採用されています。しかし、社会保障と消費税のように、項目として非常に大きい、しかも受益と負担の関連性が、ないとは言いませんが希薄である、こうした場合になぜ目的税化されなきゃいけないのか、そこを論理的に答えてほしいんですよ。
○国務大臣(安住淳君) 社会保障の一般会計歳出総額に占める割合は、これは国債費も何も含めて、九十兆の中では二九・二%でございます。ですから二十六・三兆でございますね。これに交付国債が入れば更にこれに二・六兆上積みされると。このパイの大きさは、率直に申し上げまして、基幹税の中の消費税を全てここにつぎ込んでもまだ足りないという状況があるということが、我々がこれを目的税化せざるを得ないと。 さらに、もう一つ申し上げれば、私は何度もここでもう本当に繰り返していますが、やはり国民の皆さんの、納税者の皆さんの政府や行政に対するやっぱり信頼感ということが今は非常にそういう意味では不信感に変わっている部分があって、やはり本当は、預けます、政府はそれを効率的に使ってくださいと、そういうのが私も基本だと思います。しかし、今は、残念ながら、預けたお金が、例えば官の肥大化や、国会議員が何か適当に使っているんじゃないのかと、こういうふうな風潮に対して増税をお願いするときというのは、やはり目的税化をしまして、お支払いいただいたものが何に行くか透明化をした方が理解が得られやすいのではないかというのが本音のところでございます。 ですから、私はいつも、これは社民党の皆さんや共産党の皆さんに怒られ怒られ言っていますけど、やっぱりコンビニに行って払うたびに、ああ、これはおばあちゃんの年金に行くんだなと、これはお父さんの薬代に行くんだなと、この施設は、ああ、私たちが払った消費税でこの保育所というのは造っているんだなとか分かるような形にして、何とか国民の皆さんに、大きい税ですから、御理解をいただくようにしたいと思います。 なお、歳入歳出改革を怠るわけではございません。ですから、社会保障のこのまま増え続ける年金、医療、介護をこのまま放置をするということではなくて、例えば生活保護の問題等も含めて効率化、重点化はやるということを前提に、今、私が言ったような対策と方法というものを今回取らせていただいたということでございます。
○中西健治君 本音ということでおっしゃっていただきましたけれども、それを違う言葉で言うと、社会保障のためということにすれば、結局、国民は、まあしようがないなと、増税ということに納得しやすいだろうというのが本音だという、そういうことですよね。
○国務大臣(安住淳君) いや、それ中西さんはそう解釈なさっているのかもしれませんが、私は、社会保障に税を投入して、保険制度だけでなくて、また負担制度だけでなくて、これ、社会保障は税でみんなで持ちましょうという社会に転換していくので、そのときのありようとして見れば、やっぱり世代間の公平性や、広く全世代型でやっぱりこれを持っていただくと。 なぜかといえば、国民一人一人がいざ病気になれば、やはり今の社会保障のセーフティーネットで助かることってたくさんありますよね。窓口では、例えば病気で病院へ行かれたときに、診察料と、検査を、採血をして、例えば尿検査をして、ちょっと何かの検査をすれば二千円や三千円請求があります。国民の皆さんはそれで自分が払って高い安いと思うかもしれませんが、国から見れば、今の制度で、大変乱暴ですけれども、残りの七千円分は国や自治体には請求来るわけですから、ここの部分をみんなで持ち合わないとこの制度がもたないので、私は、国の主要政策としてやはりこれを税で賄っていくということは、そういうことであれば消費税を充てさせていただくというのは私は理解を得られると思っているわけです。
○中西健治君 もう一つの視点で、先ほど大臣も少しお述べになりましたけれども、復興債や年金交付国債のときに議論をさせていただきましたけれども、目的税化、財源の一部を取り分けてしまうということは、私はネガティブ・プレッジという言葉を使いましたけれども、国債の投資家というのは国債の償還の担保として、原資として日本国政府の徴税能力を考えているということですから、その中で当然消費税というのは大きな要素を占めているということになります。 しかも、直間比率の見直しなど今後考えていくことがあれば、これまで消費税を増やして所得税は減らすという方向でしたけれども、ひょっとしたらちょっと行き過ぎたなというようなことをしたくなったときに、直間比率を見直すという意味で、所得税を上げて、じゃ間接税を減らそうということをしようとしたときに、もう間接税を減らすことができないということになる。 税制の硬直性を招くのではないかということについてはどういうふうに思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(安住淳君) まず最初の質疑については、予算委員会か財金で何度か議論させていただきました。つまり、国債を買う側から見たときに、プライオリティーを付けられたら劣後をする国債の消化というものに支障を来すおそれがあると、ですから、国家としてはむしろ、つなぎ国債等じゃなくて、きちっと国債をもって市中消化に当たるべしであると。私は、これは一つの提言として大変重要だと思います。 ただ一方で、やっぱり世の中の流れ、民意というものを考えないといけないと。私はそのとき申し上げたのは、我が国の一般国債が例えば劣後するというふうな意識を市場の方が復興国債を出したときに持たれるかどうかというのがまず一点ある、それから復興に関して言えば、やはりそれぐらい大きな大災害で緊急に資金調達が必要であるのでここは御理解をいただきたいという話をさせていただきました。 原則論としての先生の御判断というのは、私は、その全ての基にあるのは、国家の信用、国家が発行する国債等に対する信頼の毀損をしないようにやっていった方が、買う側におられた中西先生から見たときにはいいよという御指摘でありますから、そのことについては私も十分理解をしているつもりです。 なお、水平的な税については、こうして五%を八%、一〇%というふうに上げます。これを、さらに、垂直的な税、いわゆる所得税や、法人税の場合はどうするかというのはこれ意見は分かれるわけですけれども、資産税等についてどうするかということですが、やはりこれは、例えば今回の場合も、復興に関して言うと、所得税これから二十五年間増税をさせていただきます。 そうした意味では、やはり応能負担のバランスというものをよく考えながら、しかし一方で、今回三党合意においては、累進率を高めて富裕層についてはやはりもう少し御負担をお願いした方がよかろうということでございます。私どももそういうつもりでおりますので、そうしたことについては年次年次の年度改正において随時私どもとしては検討していきたいと、具体的な提案をしていきたいと思っております。
○中西健治君 軽減税率等についてちょっとお聞きしたいんですが、消費税の逆進性対策である軽減税率、複数税率と、所得再配分のための給付付き税額控除を消費税増税に絡めて二者択一のような議論をすること自体が私は間違っているのではないかなというふうに思います。 給付付き税額控除は税制全体の中で議論されるべきものであって、この二つは本来別々に議論されるべきものなのではないでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) 給付付き税額控除というのは、確かに今実施している国を見てもいろいろな政策目的のために行っているもので、この消費税引上げに伴ってやっているというのはちょっと異例な感じがいたします。ですから、本来、もう少し幅広く、新しい行政ツールとしてきちんと議論されるべきことだと思います。 そのことは念頭に置きながら、しかし現実に消費税の影響を受ける方に対してある意味ではピンポイントでそれを補うという効果も期待できますので、まさしく導入に伴うその補填策として議論させていただいていると。ここで恐らく終わる話ではなくて、もう少しいろんな行政的なツール、幅広いツールとしてこれから議論していくべき、そういう問題だというふうに考えております。
○中西健治君 修正案では、軽減税率、給付付き税額控除、双方についてほぼ並列的に財源の問題について検討を行うと書かれておりますけれども、財源といっても両者は全く別物で、軽減税率を採用した場合には消費税収が減る、そして給付付き税額控除は、所得税体系の一部ですから、当然所得税が財源となる、そういう整理でよろしいでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) 給付付き税額控除を行う際のその財源は、消費税の今回引上げの五%の枠内なのかどうかと、こういう話かと思います。もちろん、これ給付付き税額控除は所得税の体系の中の話ではありますけれども、そこに必要な財源をどこから持ってくるのかというのは、必ずしも私は所得税ということで考える必要はないというふうには思います。
○中西健治君 軽減税率を導入した場合には、二〇一五年に一〇%としている消費税の税率は、その税収が侵食される可能性が非常に高いということになりますから、更なる税率アップに当然つながってしまうという懸念を持つのが普通なんじゃないかと思いますが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(安住淳君) 税収の侵食がどこまでかということは、まさに掛ける範囲、規模によると思います。そういうことを、これからもしやるとすれば、本格的な議論をしたいと思います。 もし複数税率の話が、まあ仮にですよ、本格化したときには、やはり欧米での失敗を参考にしないといけないと思うんですね。マーガリンとバターで何でそんなに税率が違うのかと、ファストフードに行ってテークアウトしたときと中で食べるのにも全然違うとか、今日いろいろテレビ見ていると、やっぱりドイツの方がインタビューで、何でそうなっているか国民もさっぱり分からないと言うわけです。だから、それは多分いろんな意味で不透明さを招いている可能性もあるので、私も、もし国会がお許しいただければ、ちょっと時間掛けてヨーロッパで是非そういう話、直接聞かせていただければと思っていますけれども。 やはり大事なことは公平性ですね、それから必要性ですね。なぜかといえば、所得の低い方だけでなくて、所得の高い方もそのターゲットになるというふうなことになりますから、それも見据えてやはり複数税率が必要だというだけの説得力を持つものがあった方がいいだろうと思っておりますので、そのときには是非そうした議論というものをしっかりやって、皆さんの賛成をもらえるようなものにつくり上げていかなければならないと思います。
○中西健治君 次に、保険料徴収機能強化についてお伺いしたいと思います。 歳入庁に関しては、三党合意を経て後退しているという印象は拭い得ないというところでありますけれども、岡田副総理は、厚生年金、健康保険の保険料徴収漏れ自体があるということはこれまでの答弁で認めていらっしゃいます。そうしたことに対して具体的にどのような対策を今すぐ打とうとされているのか。昨日の私の同僚議員からの質問に対しても、今できることがあると、こういうことはおっしゃっておりましたので、どういうことを今すぐにやろうとしているか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 今考えられることとして、情報といいますか、保険機構が十分な情報を持っていないということがありますから、そういったことに対してもう少し幅広く情報を取ることによって、そういった本来払わなければいけない事業主がそれを免れているということを、そういうことを防止していくということが考えられると思います。
○中西健治君 副総理がおっしゃられた国税庁が活用する法人データを日本年金機構も活用すべきであるということは、衆議院の方でみんなの党の浅尾政調会長の方から提言を申し上げて、そして厚労省の方からは、二〇一二年中にシステムが稼働し、加入の呼びかけを開始すると、前向きの答弁というのをいただいておりますが、今の進捗状況をお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) その厚生年金保険の未適用事業所、その対策として、新たに法務省の保有する法人登記簿情報、これを活用するということは、今委員がおっしゃった経緯でそういうことにしています。 具体的には、今年の六月から法人登記簿情報の提供のためのシステム改修を行っています。今年度末までに法人登記簿情報を入手をします。来年五月までに未適用事業所のデータを作成し、来年の六月から加入勧奨を開始をするということにしています。 こうして把握をした未適用事業所につきましては、具体的には文書、電話、訪問などで加入を勧奨する、また年金事務所への呼出しによる加入の指導、そして年金事務所の職員が戸別訪問などをして重点的な加入指導をする、これを順次実施をいたしまして、それでもなお適用届を提出しない事業所に対しては、立入検査を実施をして職権による適用を行う、こういうことにしたいというふうに思っています。
○中西健治君 確認ですが、そうすると、今年度中にはしっかりと体制を整えて、来年度中、来年度から開始すると、そういうことだということでよろしいですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) はい。加入の勧奨は来年六月になりますので、そういうことです。
○中西健治君 次に、厚生年金保険料、これの上限撤廃ということについてお伺いしたいんですが、厚生年金保険料、高額所得者に対してはある程度のところから上限が決められてしまっております。その上限額の撤廃を行うつもりはあるのか、つもりはないのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生年金保険料の算定の基準となります標準報酬月額、いわゆる賃金額ですが、これは高所得であった人に対する年金額が余り高くなり過ぎないようにということで上限が設けられています。 この上限の引上げについては一体改革の検討課題に位置付けまして、社会保障審議会の年金部会で検討をしてきました。その中で、委員から、一つは標準報酬の上限を引き上げて、かつその場合の給付への反映を小さくすること、そのことによって所得の再分配効果、これを高めるべきだという御意見もありました。また、標準報酬の上限を引き上げて収入に応じた負担を求めるとともに、給付にはそれを全額反映すべきだという御意見もありました。そのほか、最近の経済状況などを考慮して、事業主を含めた保険料の負担増につながるので、標準報酬の上限の引上げ、これは行うべきではないという、そういう御意見もありました。その結果、一体改革の大綱では引き続き検討するということにしていますので、引き続き検討させていただきたいと思っています。
○中西健治君 その議論を行うに当たって、料率はそのままで、上限額を撤廃したら幾ら保険料収入は増えるであろうか、こうした試算は行っていますか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生年金保険料の上限を撤廃した場合の試算、これ自体は行っていませんが、厚生年金保険料の上限を例えば健康保険の上限と同じ百二十一万円まで引き上げた場合、保険料収入で労使合わせて八千億程度の増加が見込まれるというふうな試算はしております。
○中西健治君 是非とも、今はまだ検討ということのようですけれども、やはり社会保障、これ賦課方式で今やっているわけですから、キャッシュが今足りないという中で、何としても保険料収入を増やしていく、そうした手だてというのは考えていかなきゃいけないだろうというふうに思いますので、引き続き考えていただきたいというふうに思います。 また安住大臣にお伺いいたします。 年金交付国債が取り下げられた以上、基礎年金国庫負担を調達するための予算措置が必要となりますが、赤字国債発行で賄うのでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) 今現在、この長い議論がありましたから、もう過去のことは終わったことでございますので、残念だとは思っておりますけれども。 どういうふうに財源をするかは、具体的に固めているわけでもございません。ただ、御推察のとおり、これは大きいお金ですので、どこからかひねり出してこれるものではないので、そうした点からいえば、何らかのそうしたといいますか、対応というのは、いろいろ、野党の中でも御提言いただいていることもありますので、いろんな考え方の中から、こうした一連の税と社会保障の一体改革等が落ち着いた段階で私としては御提案をしたいと思っております。
○中西健治君 まあ、固まっていないということですけれども、ちょっと考え方だけお聞きしたいんですけれども、二・五兆円、二・六兆円のお金を調達しなきゃいけないということになりますから、例えば自民党さんが言っているつなぎ国債ということであれば、これはつなぎ国債というのは赤字国債ではないという考え方ですか。どういうふうに整理されていますか。
○国務大臣(安住淳君) 基本的には、財源が確定をしていると、例えば消費税なら消費税と確定をして、それをしっかりと充てることを前提に発行する国債ということをつなぎ国債というふうな認識でもしあるとすれば、今度は中期フレームにどういうふうに書くのかという話になってくるんだと思います。復興国債とかは一つの例だと思います。 ただ、自民党の御提案いただいたんですが、中身を、私、正式に読んでいるわけではないんですが、仮につなぎ国債といったときには、一つの考え方としては、復興国債の場合は、あれは括弧付きで除くというふうな意味合いになっていると思います。ですから、償還財源が定まっていない特例公債とつなぎ国債の違いはどこかということになれば、償還財源を決めるというところに一つしっかり線は引いてあるのではないかと思っております。
○中西健治君 そうすると、今のお考えで、つなぎ国債とするかどうかは別として、中期財政フレーム、四十四兆円国債発行額をいじるようなことには、その四十四兆円という数字が変わるようなことにはならないようにするつもりだ、そういうことでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) まだ、ですから具体的な提案はしていません。ですから仮定の話をしているわけですけれども、復興国債というのはたしかつなぎ国債という位置付けで、そしてフレームのところに括弧書きで、今ちょっと見ているわけじゃありませんが、それは除くとたしか書いてあったと思いますが、そうしたことが一つの参考として考え得るのかなと。ただ、だからといって、そうしますというふうに決めたわけではないということでございます。
○中西健治君 もう一つ、国債関連ということで、特例公債法、解散の時期にも絡んで重要な法案とされているわけでありますけれども、安住大臣は先日、特例公債法が今国会で成立しなければ十月中にも財源が枯渇するとの試算を公表して、地方交付税や生活保護費の国の負担分を減らす可能性にまで言及をされていましたけれども、その根拠は、一般会計予算のうち、税収と建設国債で財源を確保できているのが約五十二兆円、そして、十月末時点での支出予想額がそれに近づいてしまうと、接近してしまうということのようですが、これは税収だけを見た議論としか言いようがないと私は思います。 国庫の実際のファイナンスということをしっかり見ていきますと、国債の発行状況などを勘案すると別の見方ができて、そして十月中というよりも、年内は十二分にキャッシュは回るだろう、お金の方は回るだろうというような絵が描かれるんではないかと思いますが、具体的にお伺いをします。今年度の国債発行予定額は幾らでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) 平成二十四年度国債発行予定額は、総額百七十四・二兆円であります。 新規財源債は四十四・二兆円でございまして、そのうち、建設国債五・九兆、特例公債三十八・三兆であります。そのほか、復興債が二・七兆円で、財投債が十五兆、借換債が百十二・三兆円でございます。これは過去物ですね、いわゆる。 それで、先生、しかし、今言ったもののうち新規の財源債というのは四十四・二兆分しかございません。これ、残りの二、三、四、復興債、財投債、借換債は御存じのようにこれ特会の中で別の扱いをしていますから、それは十月に、これらをもしかしたら、なくなったら、これらから流用するという言葉は適切ではないんですが、何とかそれでやれるんじゃないのかということかもしれませんが、予算執行上はそれはやっぱりできませんので、我々の、先般話したように、十月末現在でいえば、税収等の歳入で見込める歳入額から歳出を引いた場合に、十月の末時点で一兆円、多分、何もないことを前提にしていますから、一兆円強のお金しか国庫には残らないというふうに私どもは思っております。
○中西健治君 それはちょっと違うんじゃないかなと思います。私も復興債で調達したお金を流用しろなんて言うつもりは全くありません。 今おっしゃられた中で、借換債、そして建設国債、さらには赤字国債、こうしたものだけを、あと財投債もそうですね、ここら辺だけを見ていけばいいのだろうというふうに思いますけれども、年間百七十四兆円、全部ではそうですが、復興債なんかを除いて考えても百五十兆円とか百六十兆円とか、それだけの金額の国債発行が行われているということになりますが、そうなりますと毎月の国債の発行額って幾らになりますか。
○国務大臣(安住淳君) これは実は、申し訳ございません、資料今手元に持っておりませんが、年物、それから季節物によって、例えば五年債以上は十二か月のうち例えば四回とか、そういうふうに分けていますから、むしろ国債の品物と言ったら恐縮ですけど、その長さによってばらばらですので、年を十二月にならすとアベレージでどれぐらいかということを今ちょっと正確には申し上げられません。
○中西健治君 簡単な計算になりますけれども、十二兆円から十四兆円、こんなような金額になるわけです。そうしますと、一月から三月、来年の一月から三月に発行される金額というのは三十兆円、もうちょっとですね、四十兆円から五十兆円ぐらいの金額ということになるわけですけれども、その中にすっぽりと赤字国債の金額というのは収まるということになります。 そういう国債の発行計画を財務省自身が立てているということは、十二月、一月までは借換債を前倒しに発行していく、財投債を発行していく、そうしたことでキャッシュが回るということを財務省自身が計画として立てているということではないでしょうか。
○国務大臣(安住淳君) お金に色がないとか国債に色がないということになればそういうことにもなりますが、財政法上からいうとそれはそう話は簡単ではないと思います。ですから、借換債は過去の国債を借り換えていくわけですから、これを歳入としてその年の歳出に充てるというのは、これは財政法上いかがなんでしょうか。 だから、それはやっぱり計算上は成り立つんですけれども、やはり我々が特例公債法をなぜ出すのかというところまで遡った場合は、その話はちょっと成り立たないのではないかと思います。
○中西健治君 いや、それは年度で締めたときにしっかり合っていればいいという話ですので、借換債を前に出して、そして赤字国債を後に出すということ自体は全然可能だというふうに私は思います。 この特例公債法案を一日も早く通さないと大変なことになるんだよと騒ぎ立てることによって野党に譲歩させて解散時期を何とか延ばそうとする……
○委員長(高橋千秋君) 時間が参りました。整理してください。
○中西健治君 そんな政治的意図も感じられる、そうしたことに疑問を呈して、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 法案に入る前に、東日本大震災で被災された方々への国民健康保険、介護保険の自己負担と保険料の減免措置がこの九月で期限切れとなります。大変心配する声が被災地の皆さん、また医療や介護の関係者の方からも出されております。 厚生労働省は、昨日、このことについて事務連絡を出したということですけれども、その内容を簡潔にお答えください。
○国務大臣(小宮山洋子君) 国民健康保険と介護保険の一部負担金免除や保険料の減免につきましては、東電の福島原発事故に伴う国による避難指示等が行われた区域以外の被災者は、平成二十四年の九月末まで、減免に要した費用の全額を国が財政支援することにしています。 十月以降は、保険者の判断によって一部負担金等の減免措置を行った場合に財政支援ができる既存の国民健康保険制度などの仕組みを活用した支援を行っていきたいと考えています。具体的には、国民健康保険制度の一部負担金について、減免に要した費用が一部負担金総額の三%を超えるなど財政負担が著しい場合に免除額の十分の八以内の額を財政支援をする仕組みがありますので、保険者で減免が必要と判断される場合にはこれを活用していただきたいということです。
○田村智子君 ということは、十月以降、対象から外れる自治体が出てくるということだと思います。また、二割は保険者負担だと、こうなりますと、被災自治体も財政的には大変厳しいというところありますから、今後、被災者向けの減免を打ち切るようなところが出てくることもあり得ます。 震災からまだ一年半で、仮設住宅での生活で健康被害が、悪化が広がっているという報道もありますので、こういうときこそ私は支援必要だと思いますので、この場では現行の制度の継続を求めまして、法案についての質問に入ります。 社会保障制度改革推進法案についてお聞きをいたします。 第二条、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とする」と、こういう案文になっています。これは、年金、医療、介護については、法律で定められた義務的負担以外、国や自治体の財政支出は抑制するという方向なのかどうか、発議者にお聞きします。
○衆議院議員(柚木道義君) お答えを申し上げます。 御指摘をいただきました改革推進法案の第二条第三号では、急速に少子高齢化が進展する中で社会保険料に係る国民の負担が増大していることを踏まえまして、公費負担につきましては低所得者への保険料軽減等、それから国民負担の適正化に充てることを基本とする旨を規定したものでございまして、義務的負担以外の支出を抑制することを規定したものではございません。同時に、社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化、つまりは今後の給付の重点化、負担の増大の抑制についても、この制度改革の課題の一つと考えております。
○田村智子君 抑制ではないと。 そうすると、社会保障費は、前回の質疑でも取り上げましたけれども、高齢者人口が増えることに伴う増額があって、社会保険料も当分の間引上げが予想されると。国民所得は今激しく落ち込んでいるところに、消費税増税、そして国保料や介護保険料の引上げというふうになると、非常に耐え難い負担になるわけですね。ですから、保険料軽減のために公費投入が必要だと、これは認めるということなのかどうか、確認をします。
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。 この一体改革では、低所得者が多く保険料負担が重い市町村国保の構造問題、これに対応するために、安定財源を確保した上で市町村国保に二千二百億円の公費を追加投入いたしまして、市町村国保の財政基盤の強化を図ることにしております。 また、現在の市町村国保では決算補填等のために約三千六百億円の法定外一般会計繰入れが行われておりますが、これ必ずしも所得水準が低く保険料負担が過重な市町村だけではございませんで、所得水準が高い市町村でもこれは行われている実態がございますので、これは国保財政の健全化を図る観点から、法定外一般会計繰入れを解消するように努めることも必要と考えております。 ただ、この法定外一般会計繰入れの解消については、これは実は御党の高橋議員等の御指摘もございますが、保険料の引上げだけではございませんで、収納率の向上策、こういった工夫も必要でございまして、そういったことと医療費適正化策を併せて推進していくことによりまして、さらには地方団体の意見も踏まえまして、今後の市町村国保の構造問題に対応してまいりたいと考えております。
○田村智子君 では、今の話にもありました国民健康保険のことについてお聞きをしたいんですけれども、今、国民皆保険といいながら、国保料の納付率、これもう八八%と、九〇%を切ったままなんですね。世帯で見ると、二割の世帯が滞納、短期保険証の発行は百二十八万世帯を超えていると。資格証明書、これは事実上の保険証の取上げ、三十万世帯を超える方々に行われてしまっています。 このことを私たち何度も取り上げてきました。年収が三百万円台ぐらいでも、その保険料が四人ぐらいの世帯ですと四十万円ぐらいになっちゃうというような問題も何度も取り上げて、保険料が払えずに無保険となっている方がいらっしゃる、病院に行くことができない、また、不安定雇用の若者などでは、保険証を持っていないと、こういう方が多数いると思われるわけですね。言わば、国民皆保険の危機とも言える状況だと思います。 先ほど、所得水準の高いような自治体でも、国保の組合でも公費投入を行っているっておっしゃいましたけど、恐らく所得水準高い地域というのは東京なんかが入ると思うんですけど、実態はこういうことなんですよ。やっぱり年収四百万ぐらいで四十万の保険料、大変な負担なんです。 私は、もちろん私たちみたいに所得がそれなりにある方は別にいいですよ、おいておいて。だけど、全体として、国民健康保険といえば、やっぱり保険料の引下げが必要なんじゃないのかと、負担の軽減というならそういう方向が改革ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。 今回の、今のような御指摘も踏まえまして、今後の消費税財源の充当、これは三党協議なり国民会議の中で協議をなされる部分でもありますが、他方で、二〇一五年度における医療、介護の充実分につきましては、御指摘の例えばこれ市町村国保の低所得者の方々への保険料の軽減の拡充、あるいは、昨日もおっしゃっていましたが、介護保険についても、これ一号保険料の低所得者の保険料軽減強化などにも充当される案が、これは一体改革、これまでの与党・政府案の中には含まれておりまして、こういったことも踏まえながら、今後の各党との議論の中で対応もさせていただける部分があると考えております。
○田村智子君 一体改革でそうやって国保の中に入れるというお金は、先ほどからお話のあるとおり二千二百億円。先ほど御答弁いただきましたけれども、現在地方自治体が国保会計に年間三千九百億円の法定外繰入れを行っていると。行ってもなお保険料の引上げは避けられなくなっている。それだけじゃなくて、国保の赤字は積み増していると。もしも、ここに二千二百億は入れると、だけどあなたのところはもう一般会計からの繰入れやるべきじゃないよなんというようなことが行われたら、大変な国保料の引上げになってしまうんじゃないのかと思うんですね。 厚生労働大臣にもお聞きをしたいんですけれども、厚生労働省、二〇一〇年に、都道府県に対して、国保の広域化等支援方針策定要領、これ示しまして、その中で、一般会計繰入れによる赤字補填分については、保険料の引上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等により、できる限り早期に解消するよう努めることと、一般会計からの繰入れやめろと、こういうふうに求める文書を出していますが、これ、一体改革の中でもこの文書は生き続けるんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、いろいろな努力の中で解消に努めるということはやっていただかなければいけないと思っていますので、先ほど提出者が言われた低所得者へのいろいろな対応のためには入れますけれども、全体としてはそういう努力もしていただきたいということです。
○田村智子君 そうすると、先ほど来話しているとおり、二千二百億入れても全然足りない、三千九百億入れても引上げが続いている。だけどその繰入れの解消を求めるということになれば、消費税は増税するけれども国保料もやっぱり値上げが続いていくということになると、そういうことでよろしいですか。大臣。
○国務大臣(小宮山洋子君) それはやはり、少子高齢化の中でどういう仕組みでやっていくか。昨日もお話ししたように、やはりそれは保険料でやるか税金でやるか自己負担でやるかしかないわけですから、その中で低所得者の方にいろんな配慮をしながら、またその安定のために広域化などもしながら、それはあらゆる手だてを尽くさなきゃいけないということだと思っています。
○田村智子君 低所得者への対策は当たり前なんですけど、今本当に必死で働いている自営業者の皆さんが払えなくて滞納になっている。これがもっと引上げになる、で、消費税増税になって売上げが落ち込むと、これ、とんでもない負担増になっていく、国民生活の破壊になっていくということを言わなければならないと思っています。やっぱりこんな案は撤回しなければいけないなと、改めて私、強く主張したいと思います。 今日は、残された時間で子ども・子育て新システム関連の法案についてもお聞きをいたします。 これ、三党によって修正がされまして、児童福祉法二十四条、市町村の保育実施義務を削除すると、このことについては見直しが行われました。これはやはり全国の保育関係者や保護者の皆さんが言わば二年掛かりのような運動で取り組んでこられた。私も昨年来、何度も国会で取り上げてまいりました。やはり、市町村は保育しなければならないというこの規定を残したのは、こうした国民の皆さんの運動を反映したものだと思っています。 しかし、現行法との書きぶりが変わっているわけですね、修正されたものは。市町村は、次項に定めるところによるほか、保育所において保育をしなければならないと。これは認可保育所あるいは保育型の認定こども園を含んでいますけど、認可保育所での保育と、これ以外の家庭的保育事業などによる保育確保措置とを並列に置いた、あるいは、次項によるものがというのが先に来ているから、こっちの方が優先されるんじゃないかと、こんなような声も上がってくるわけですね。 一体、この二十四条の一項と二項、どちらが原則なのか、保育の施策の基本はどちらになるのか、お答えください。
○衆議院議員(池坊保子君) 委員が様々な方々の現場の声をお聞きになりながら、私どもがやりました一項をそのまま残しましたことを評価していただいたことは大変うれしいと思います。 とともに、御存じのように、認定こども園だけではなくて、それぞれの事情において、地域においては、過疎で人が集まらない、あるいは大都会で保育所を建てるだけのその敷地もないとか、様々な事情がございます。それらのことを勘案いたしますと、今までは苦労して保育所をしながら財政的支援がございませんでした、そういうところにも私は日を当てなければいけないと思いますので、財政支援をして質の高い保育をしてほしい、そしてまた、市町村が認可、指導監督をするべきと考えておりますので、そのように二項をしっかりと明確化いたしました。 これは、どちらがどうなのかということではございません。主として家庭的保育というのはゼロから二歳児が多いです。保育所は、やはり集団的にみんなが遊んだり学ぶことが必要かと思いますので、保育所ももちろん最も大切な事業でございます。それらが連携をしながら、地域の事情に応じて、市町村の下で、国が書きましたガイドライン、それの下で子ども・子育て会議をすると思います。その意見を聞きながら、しっかりと設置をし、運営していってほしいと思っております。 どちらがどうということではなく、連携をしながら、もちろん保育所の機能はとても大切というふうに考えております。
○田村智子君 そうすると、市町村が保育をしなければならないという保育所での保育と、その他の保育の施策というのが言わば並列に、同列に置かれたというふうに考えてよろしいわけですか。 じゃ、田村議員にもお聞きしたいと思うんですけど、それでよろしいですか。自民党の議員にもお聞きしたいんですけど。
○衆議院議員(田村憲久君) 委員、これ、今までは家庭的保育も小規模保育もこういうものに対して給付がなかったわけですよね。これを給付をするという意味では、これはもう一歩前進。それに併せて、参酌基準とはいいながら、特に面積基準に関しては、土地がないところあります。それでも保育のニーズがありますからそこは参酌でやるというふうな形でございますけれども、一定の指針、指標を示しておりますから質は上がってくるものだというふうに思います。 ただ、一方で保育所との関係はどうだという話でありますが、今でも保育所の方が圧倒的に多いのはもう先生御承知のとおりでございます。でありますから、保育所というものの方が面積もしっかりと一応基準の中に担保されておりますから、そういう意味では、保育所というものに、場所が造れるところであるならば保育所というものを積極的に造っていただくのはこれは当たり前でありますけれども、地域によってはなかなか保育所を造れないところがあるわけでありますから、その保育ニーズというものを……
○田村智子君 法律上、並列かどうか。
○衆議院議員(田村憲久君) 保育ニーズというものをしっかりと、まあ言うなれば確保していくためには、このような形での新たな規定を盛り込まさせていただいた、法律的にも担保をしたというような次第であります。
○田村智子君 何か聞いていることにすっきり答えていただけない。位置付けとしては並列に置いて、財政的支援もやるから、どっちもということになったんだというふうに理解できると思うんです。うなずいていただきました。 それで、この第二項、保育の確保措置なんです、第二項は。保育をしなければならないじゃなくて、保育の確保措置なんですね、第二項に定めているのは。これは、言わば定員枠を用意するということだと。この第二項に定める認定こども園、小規模保育、保育ママさん、これは保護者との直接契約ですよ。市町村との契約じゃないんです、直接契約、皆さんが批判されていた直接契約になるわけです。これが認可保育所での保育と並列に置かれるということになれば、これは私、やっぱり市町村の保育実施義務は法律上後退するという扱いになっているんじゃないかと受け止められるんですね。 しかも、衆議院の特別委員会、私、議事録をほとんど読ませていただきました、全部。そうすると、五月二十八日に、今は提案者になられた公明党池坊議員、質問に立たれて、現行法の二十四条のただし書の削除こそ必要ではないかというふうにおっしゃられているわけですね。認可保育所での保育をこれを原則とすると、家庭的保育事業の利用で果たして保護者の要請にこたえることができるのかという問題提起もされている。これは、今認可保育所に申し込んでも入れていないお母さんたちから大変歓迎される質問だったと思うんです。そうだと、認可保育所での保育を本当に施策の中心に据えて、並列ではなく中心に据えて、これを増やしてほしいんだと。 ただし書の削除とまでおっしゃられていたのが、なぜその他保育事業と並列なんという修正案になってしまったのか。これをもう一度、お答えいただきたいと思います。
○委員長(高橋千秋君) 池坊保子君。時間が迫っております。簡潔にお願いします。
○衆議院議員(池坊保子君) 私は、先ほども申し上げましたように、保育所がしっかりとあるべきだと思います。 ですけれども、それぞれの事情によって保育所だけでは待機児童を解消できないところもございます。そういうところはしっかりと市町村がやっぱりいろんなことの細やかな私は手配をするべきというふうに考えておりますので、財政措置もしっかりとするならば二項にしっかりとそれを書くべきというふうに考えております。 それは、大切さにおいては、保護者にとっては両方とも大切であることに変わりはございません。けれども、保育所があるということは、もちろん保育所が中心にはなっても、それだけで解消できないということは委員もよくお分かりになられるのではないかと思います。私はそれを補完する意味で二項をしっかりと明確化いたしました。
○田村智子君 続きは次回にやらせていただきますが……
○委員長(高橋千秋君) 時間が来ております。
○田村智子君 保育の実施義務という法律上の書き方変えたって、これはやっぱり重大だと思いますので、このことを指摘して終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 今日は、消費税増税以前に優先すべき税制問題について議論をしたいと思います。 私たちはこれまで、社会保障財源というのは所得税あるいは法人税を含めて、あらゆる税目から確保を図っていくべきだ、それが筋だ、こう申し上げてまいりました。したがって、そういう観点から今日は議論させていただきたいと思いますが、所得税の応能負担あるいは再分配機能の強化への転換ということやら、あるいはまた法人の累進課税の復活もしないで、取りやすい消費税増税にしがみつく税制政策というのは間違っている、こう申し上げてもまいりました。やはりこれは、国民の懐を冷え込ませるし、国民経済を縮小させて失業者や生活困窮者あふれさせる、格差を広げて無気力や道徳的な退廃や犯罪を蔓延させる、そういうことにもなりかねない、こういう立場で大変危惧するわけです。 そこで、最近、何とか消費増税ではない道を切り開こうじゃないのかという有識者がいろんな意見を出されております。 そこで、今日は安住さん中心にやることになると思うんですが、まず一つは、富裕税、こういう主張、まあ十分御承知だろうと思います。日本の場合も、戦後間もなく、所得税の累進課税とこの富裕税という問題と絡めてやったりやめたりという、こういうことがあるわけですが、そういう問題について、ヨーロッパなどで、フランスやスイス、あるいはオランダとかノルウェーだとか、まあアジアでもインドだとか、こうやっていますが、こういう問題について、富裕税を導入すれば消費税増税は要らないんではないのかという、そういう論者も出てきています。相続税をうんと強化をして富裕税にしろという、こういう声もあるわけで、例えば、一億円について一%にするならば相当額の金額が出てくるんじゃないの、こういうことなど主張なさっている論文も最近は出ているわけですが、この点について、財務大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(安住淳君) 確かに、日本でも昭和二十五年から二十七年にかけて富裕税を課したという記録があります。税収は、昭和二十五年が五・二億円、二十六年が九・六億円、二十七年が二十二・三億円と。ただ、三年でやめてしまいました。なぜやめたかというと、やはり土地家屋は把握しやすいんだけれども、預貯金は当時、まあ終戦直後のことですから、多分預金等の把握が難しかったと。それから、収入はないけれども資産がある人には結局財産を食い潰すだけという、そういう税だったんで、ちょっと無理があった等々聞いております。 そこで、三年で終わりましたが、先生の御指摘は、今フランスはそうはいったって富裕税始まったぞと。それで、フランスについては、資産から負債を差し引いた純資産の額が、これ一定以上ですね、さっき先生、日本を例えば例にした場合一億円とか、この一定の場合にはその資産の保有者に対し純資産の額を課税標準として課税をするというのが、これはフランスでのやり方です。ただ近年、何かフランスの中で問題になっているのが、やはり課税対象となる例えば貴金属及び動産、それから海外に、富裕税取られるんで資産を逃して、海外での多分その資産というものが結果的に把握が困難になる等々、執行上のやっぱり問題は生じているということがあるようです。 しかし、ある意味では、その保有資産の形態についてゆがみがあるような問題はあるにしても、バフェットさんなんかもそういう話をし出しておりますから、私たちの国において、後でまた議論あると思いますけれども、所得税のフラット化の中で、これでいいのかという御議論については、我々としても累進率を高めるような方向というものはやはり少しお願いしないといけないんじゃないかという気持ちはございます。金融資産についても、一億円以上の所得を持っておられる方ほど金融資産持っていますから。証券もそうですね、株式等、有価証券等もそうですから。そういう点では、その一〇%を本則に戻すことも決めておりますので、方向としてはそういう方向に私は向かっていろいろ検討していきたいと思っております。
○又市征治君 安住さん、口八丁手八丁、足まで八丁みたいなんで、随分と勉強させられますけれども、答弁をもうちょっと短くしてもらわぬと困るんだよね、これ。 富裕税問題はまあ抜きにして、そういう考え方も、つまり、所得税の累進性を高めることとこの問題との絡みという、そういう問題を含めて言っているということの意味は御理解いただいていると思いますから、そういう立場の問題はやはり検討いただくこともしなきゃならぬ。 私はやっぱり、いずれにしましても、非正規労働者が現実問題一千七百三十万人にも上るわ、年収二百万円以下の人々が一千二百万に上る。かつて一億総中流と言われたこの社会というのはとっくの昔に残念ながら消滅してしまっている。そして、野田総理は今度は分厚い中間層と、こう言っているけれども、ますます離れていくんではないのか。そういう中で、一部の人に財産が過度にやっぱり集中をしている。格差がきずなの断絶を生み、そして絶望が犯罪の温床になっている、こういう状況というものをやっぱり直視をすべきでだ。 そういう意味で、今も申し上げましたが、富裕税問題、案そのものはおくとして、今日は少し金融資産とそれへの課税の問題に絞ってもう少し議論をさせていただきたいと思います。 そこで少し教えていただきたいんだが、一口に日本の家計の金融資産は一千五百兆円だと、こう言いますけれども、この分類とその大枠の金額、ちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○副大臣(藤田幸久君) 又市先生にお答えをいたします。 今の千五百兆円というのは、日本銀行の資金循環統計で千五百十三兆円となっております。 その所得別にどんな資産を持っているかという御質問でございますけれども、これは総務省の方の家計調査によりますと、所得が高い階層ほど預貯金や株式が多いと。しかも、その所得が高い層と低い層の更に資産構成やあれやを比較をいたしますと、所得の高い層の方が株式が多くて、そして低い層の方が預貯金の割合が多いということになっております。 ただ、先生がお示しいただきましたこの資料は貯蓄の額に応じた分類になっておりますが、所得別に見ますと数倍の違いというようなことになっておりますが、いずれにいたしましても、所得が高いほど預貯金及び株が多く、そして更に分類しますと、所得が高い方が株の割合が多いという状況でございます。
○又市征治君 レク取りの人がちゃんと副大臣にしっかりとレクしなかったようでありまして、私が聞いたのは、この千五百兆円の中身、つまり、こちらで言いますけれども、現金、預金が約五五%、そして自分の年金、保険の準備金などが二八%、三番目の今おっしゃった株式だとか出資金の方が六・五%、四番目のそれ以外の証券などというのが六・三%と、こういう順番になっているということなんですね。 そこで今、藤田さん、先にお答えになったけれども、現実問題として、この中身、最近では貯金が全然ない家計、二割も生まれてきているということも忘れてはいけないわけですが、皆さんのお手元にその資料をお配りをさせていただきました。 総務省が出した資料と国税庁が出した資料ということでありまして、これで見られたとおり、貯蓄では第一分位が一世帯百五万円であるのに対して、第五分位、これは金持ちの方ですけれども五千百六十七万円、ですからこれ五十倍。株式の方では、下が一世帯一万円なのに対して上は六百六十二万円なわけですから、これは六百六十倍と、格差もはっきりしているわけですね。これだけ保有に格差のある金融資産に、一体全体税が正しく、つまり生活に余裕ある高額の資産に対して累進的に掛けられているというふうに思えるかどうか。財務大臣、これ見て、ここのところは、いや、それなりに累進的にきちっといっていますよというふうにお考えなのか、やはりここのところはある程度問題あるなと、こういうふうにお考えなのか、財務大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(安住淳君) 応能負担でいうと、納税額は、やっぱり税率、課税所得に応じましてやっていますから、この数字で見たときに、それが多いか少ないかという問題意識に端的に答えるとすれば、多い少ないという答えではなくて、今のこの刻み方とか税率については、民主党も私も問題意識を持っております。 ですから、累進率を、まあ昭和六十一年のころの、先生、七〇%というのはちょっとやっぱり行き過ぎだったと思いますが、新しい考え方で、こうした富裕層と言われている方々に対して税負担をある程度お願いをしないといけない時期に来ているということは、この数字も含めて、私としての認識でございます。
○又市征治君 今おっしゃったことにもう少し具体的に触れていきますと、この下の表で、これは申告所得税だけですけれども、所得階層が上がるにつれて負担率も上がっていくと、これは当たり前のことでありますが、しかし所得二千万円を超える階層では負担率の上昇は緩やかになって、一番高いのは所得三千万から五千万円の世帯なわけですが、どういうわけか、一番下の欄見ていただくとお分かりのとおり、所得五千万円を超える世帯では負担率は下がっているんですね。安住さんも、今ここのところを大変問題だという、今私が指摘した、ここは認識余り変わらないんだろうと思う、三千万以上のところの。とりわけ、この五千万というのが大変問題なんだと思うんですね。 そして、右の欄、金融所得、つまり利子、配当、株式譲渡の額や、それが自分の家計に占める比率は、所得が高い層ほど高くなって、五千万円超の世帯では所得の三一・四%、これが不労所得、こういうことになる。実は、利子や配当や株の譲渡益には別途源泉分離課税があって、税務統計には階層別が出てこないわけですけれども、税率が一〇%などと非常に低い、軽い。だから、申告分と源泉分を合算した実質の税率はもっと低くなっているんだろうと思うんですが、分離課税で源泉分がどれほど安いか、この点についてもう少し財務省の側から説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(古谷一之君) お答えをいたします。 先生が御指摘になりましたように、金融所得については分離課税になっております。預貯金の利子や公社債の利子、それから株の配当、譲渡益については原則二〇%、このうち株の配当と譲渡益については今一〇%に軽減をされております。一方で、総合課税の場合には、所得階層に合わせて一〇%から五〇%までの累進税率でございますので、分離課税が適用されている結果、かなり負担が軽減をされておるということでございます。 具体例を申し上げさせていただきます。 仮に株の譲渡益が百万円あった場合の方について、現在、ほかに給与収入が一定程度あって、百万円株の譲渡益があるというような分離課税が適用されている現状から総合課税に仮に移行したとして試算をいたしますと、給与収入が例えば三百万円ある方が別途百万円株の譲渡益があった場合には約六万五千円、それから給与収入が五百万円の方の場合には約十二万八千円、それから給与収入が七百万円の方の場合には二十万円、それから給与収入が一千万円の方の場合には二十一万六千円ほど総合課税に移行しますと負担が増えるということでございます。
○又市征治君 というわけで、財務大臣、ここらのところも大変に大きなやっぱり私は問題で、本当にこういうことを、やるべきことはやっぱりやるべきだ。消費税にまず行きますという話じゃなくて、私はさっき一番冒頭申し上げたように、社会保障の財源というのは、まさにこの社会そのものの健全な持続発展を担うために社会保障制度というのはある、所得再分配機能としてあるという場合に、あらゆる税目からやらなきゃならぬというときに、今ほども出たように、こうした高額所得者、あるいはそうした金融資産を持っている人々、こういうところに非常に甘くなっている。 こういうことを、それは私は、この三年間で今の民主党の皆さんに全部あなた方の責任だなんて、そんなこと言うつもり全くありませんよ。その方向は改革も目指しておったはずだと思う。だけれども、それがこの消費税でどんどんこんな格好だけで進んでいく。もっとこういうことをしっかりやらなきゃならぬ。 無駄の削除という問題も併せながら、このことはしっかりやらないかぬというんだけれども、それが出てこないで、社会保障の話は、結局三党合意でさあ一年掛けてやりましょうという話になって中身は見えてこないのに、こういう話ばっかり出てくるから、だから国民の皆さんは、こんなことは理解できない、反対が多いわけですよ。この点はやっぱりもうちょっと率直に私は政府がとらえるべきだ、こんなふうに思います。 そこで、時間的な関係で、もう一問だけやっておきますが、政府・与党は、高額所得者への課税強化あるいは応能課税について、修正案でわざわざここのところは結果的にはぼかしてしまって、逆にフラット化だとか課税ベースの拡大、つまり下の階層から税を取る方向性ばかり出されているわけですが、格差是正を唱えながらこれに逆行する課税の在り方というのは大変に問題だ、こう申し上げてきた。 そこで、金融資産は、土地と違ってほとんどが下がっていないばかりか、リーマン・ショックも何のそのでじりじりじりじり上がってきているわけですね、統計的に見ると。そして、富裕層に集中している。つまり、これは担税力が抜群の力を持っているということなわけで、生活に使うのではない余裕のある金融資産にはもっと適正な課税をして差し支えない、こういうことをずっとさっきから申し上げてきたわけでありますけれども、今申し上げたように、源泉分離課税をやめて総合課税にするのもその一つ。あるいは、富裕税を期限付でやってもいいから、そういうこともあるというのは、これは学者、文化人の中からも出てきている。こういうことも一つでしょう。そういうこともやっぱりきちっと計画をして出していただきたい、こう思います。 あわせて、今日時間がなくなって、相続税についてお聞きする時間がないんですけれども、三党修正で先行き不明になったわけですが、相続財産は、年間でいうと、お聞きをすると、約八十兆円あるわけですね。ところが、税は一・四兆円程度、こういう格好になっているわけで、これはやはりきちっと課税を強化をする道を選択をすべきだ。そういうことをどのように今のところはお考えになっているのか、最後に総合的に財務大臣からお聞きをして、今日は終わりたいと思います。
○国務大臣(安住淳君) 何点かありました。 源泉分離の在り方がいいのかどうかという議論だと思います。総合課税というやり方は、税負担は増えますから国民的議論は必要だとは思いますが、やはりこれは常に議論としてあるものですから、我々としても十分検討はしていきたいと思っております。 金融課税ということは、結局、現金以外に金融資産を持っている方というのは、やっぱり株式やなんかについて、有価証券とか、やはりこれは一〇%にしてきたことは事実でございますから、これは本則に戻します。先生御指摘のように、我々としては、二四改正ではまた提案したんですけれども、次の二五改正、二六改正では、所得課税や資産課税についてはしっかりと累進率を高めて、富裕層の方に是非御負担をお願いするような案を取りまとめていきたいと思っております。
○又市征治君 終わります。
○委員長(高橋千秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(高橋千秋君) ただいまから社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、岡崎トミ子君、斎藤嘉隆君、谷合正明君、田村智子君、又市征治君及び佐藤公治君が委員を辞任され、その補欠として大河原雅子君、大島九州男君、竹谷とし子君、井上哲士君、福島みずほ君及び姫井由美子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高橋千秋君) 休憩前に引き続き、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外七案を一括して議題といたします。 本日は、八案の審査のため、五名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、同志社大学経済学部教授橘木俊詔君、公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構研究主幹高山憲之君、淑徳大学総合福祉学部准教授結城康博君、大阪経済大学経営学部客員教授岩本沙弓君及び日本金融財政研究所所長菊池英博君でございます。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見をお述べをいただき、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 議事の進め方でございますが、橘木参考人、高山参考人、結城参考人、岩本参考人、菊池参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いを申し上げます。 それでは、まず橘木参考人にお願いいたします。橘木参考人。
○参考人(橘木俊詔君) ただいま御紹介にあずかりました、私、同志社大学の橘木と申します。 今日は時間が短うございますので、早く、もうすぐ題材に移らせていただきます。 お手元にごく最近の週刊エコノミストという雑誌に私の書いた原稿を皆様に配付させていただいております。私は、この中で三つか四つ述べておりますので、それを主にここで話させていただきたいと思います。 まず第一点、消費税増税やむなしというのが第一番目の結論でございまして、なぜ消費税アップが必要かといいますと、日本の財政赤字は今大変な額に達しておりまして、これをほっておくとヨーロッパのギリシャやスペインのようになる。数字で見ますと、日本の財政赤字、対GDP比、比較をしますと、ヨーロッパよりもまだ深刻でございますので、こんな深刻な状況をほっておくとギリシャ、スペイン以上のことが起きるという理由を述べております。 ヨーロッパと比較しまして日本との違いは一つ。ヨーロッパは、そういうマクロ経済とかトラブりますと、EUの中でお互いに助けてくれるんですよ。もう御存じのように、ドイツやフランスが中心になって、ギリシャ、スペイン、イタリア、そういう国に支援をやってくれるんですが、日本はそういう国を持っていないと。もし経済破綻したときは、ヨーロッパ、ギリシャ以上のことが起こるということに日本人は無神経であるというのが一つの論点でございます。 それと、もう一つの論点は、消費税というものを考えたときに、もしこの財政赤字をほっておきますと、国債が暴落してみんな損するかもしれない。でも、日本の国債は日本人が九〇%以上持っているから、そういうことは、売却行為に出ないだろうという、何か奇妙な理解が日本にはございますが、経済をやっている者にとっては、まあ奇妙な愛国心とはちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういうことだけではなくて、もし自分の持っている国債で損をするんであればきっと売却行動に出るだろうと、そういうことも考えますと、私は、日本において、もし日本の国民が国債の売却行動に出た場合は、それはギリシャやスペイン以上の赤字が深刻になってマクロ経済破綻に至る確率は高いということを考えますと、やはり財政赤字を縮小する必要があると。 簡単にまとめますと、一つは、日本を助けてくれる国は身近にいない、ヨーロッパのようなわけにはいかない。それと、日本人だって国債の売却行動に走ることがあるということをまず一番目に申し上げました。 それから二番目は、これは福祉あるいは社会保障に関してでございますが、日本は、今まで福祉というのは家族と企業が担当者でございました。 家族、どういうことをやっているかというと、年老いた親と成人した子供が三世代住宅で住んでいて、年老いた親を面倒見るというのが日本の家族の在り方のまあ好ましい姿と言っていいでしょう。企業も福祉に非常に積極的でして、例えば社宅だとかいろんな形で、病院だとかそんな形で企業も福祉に積極的でしたが、御存じのように、今、日本の社会は、家族の変容の姿というのは非常に深刻でございます。もう端的に三世代住宅というのはもう物すごく減少でございますし、皆さん御存じのように、血縁関係が弱くなって、いわゆる無縁社会と言われて家族の間のきずなが弱くなっているというのはもう皆さん御存じのことなわけですね。 企業も、もうやっぱり日本の経済が弱くなって支払能力がなくなると、どうしてもまず削減するのは福祉であるというような行動を取りますので、そういう現状であれば誰かが福祉をやらないかぬということになるわけですよね。家族と企業に余り期待できない状況であると。 二つの選択肢がございます。 一つは、アメリカ流の自立でございます。アメリカというのは移民の国でございますから、みんな世界各国から集まった人ですから非常に自立意識が強い。だから、アメリカの場合は、政府にも頼らず家族にも頼らず、頼れるのは自分だという意識が強いですから、政府は余り福祉の支出をしない。日本は、先ほど申しましたように家族や企業がやっていたから、これも政府の出る幕は必要なかったということでございますので、選択肢は二つございます。 一つは、アメリカ流の自立で突っ走るのか。あるいは、家族と企業が福祉の担い手になれないんであれば政府がやっぱり出てくる必要があるというのが二つの選択肢でございます。 私の個人的な好みは、後者のいわゆる政府による福祉の提供というのが私の個人的な好みでございますが、私一人の意見ではなくて、これは国民に問うて、一体政府の大きさというのはどのぐらいがいいのか、福祉を政府が見るんであれば財源の負担も国民にしてもらわないけないと、そういうことをちゃんと国民に問うて、福祉国家がいいのか悪いのかを私は国民に問う必要があるかと思います。 お手元に配りました私の資料の七十五ページの左上の図を見てください。これはアメリカ、ドイツ、スウェーデン、日本という非常に代表的な国を挙げて統計を示している図なんですが、ここの図で見ると、やはりアメリカと日本は政府が福祉に関与する程度は非常に低い、GDP比率で。アメリカと日本だけが低い。ドイツとスウェーデン、いわゆるヨーロッパ流福祉国家というのは社会保障の支出が対GDPに占める比率は高い。こういう国はやっぱり福祉国家でございます。 私は繰り返しますが、日本が一八・六%で今は低いけど、家族と企業ができないんであれば、アメリカ流の低い政府社会保障支出にキープするか、これは自立を要求します、あるいは、ドイツやスウェーデンのような福祉にもっと支出する国になるのか、国民は選択する必要があるということでございます。 そして、ついでながら、じゃ社会保障支出比の小さい国と大きい国を格差だとか貧困率で見ると、やはりこれは、アメリカと日本というのは、政府は余りやっていないからどうしても所得再分配効果は弱くてジニ係数が高いというのが出ておりますし、貧困率もアメリカと日本が断トツのように高いというわけで、日本がこういうような格差が大きいとかあるいは貧困率が高いというのは、一つの理由として、政府が福祉に余り支出していないというのが一つの理由でございます。全ての理由とは私は申しません。 そして、次は成長率でございます。 よく福祉国家になると、国民が税やら社会保険料を負担するので、どうしても、労働、勤労意欲が阻害されたり、貯蓄行動に励む力が弱くなるといって、経済が弱くなるという議論がよくなされます。福祉を充実すると経済が弱くなるという議論がよくなされますが、世界の各国を見た限りにおいては、私は、福祉の量と経済成長の高さは無相関であるという私は解釈をしております。 無相関であるということはどういうことかといいますと、要するに、福祉が充実しておろうが福祉が充実していまいが、経済成長率に与える影響というのは余り関係ない。もし経済成長率が低いということを説明するのであれば、もっとほかの理由が重要であるだろうという見方を私はしております。 そういう意味で、またこの図を見ていただきますと、アメリカと日本、二つとも社会保障は弱い国でございますが、経済成長率はアメリカが高くて日本が低い。ドイツとスウェーデン、両方とも社会福祉が充実しておりまして、社会保障支出比が高い国でございますが、成長率を見ると、スウェーデンは二・六%で高いけれども、ドイツは一・二%で低いというわけで、これまた社会保障支出比が高い国であっても経済成長率の高い国と低い国があるというのが分かります。 したがいまして、この四つの世界の代表的な国を見た限りにおいて、この四つ以外の国を含めても、社会保障が充実しても経済成長率に与える効果というのは一概に言えない。それは、経済成長率が低くなる国もございますが、高い国もあるということでございます。そういう意味で、社会保障の充実を考えるときに、ほかの経済の分野への影響力というものを余り議論するのは正しくないというのが私の解釈でございます。 となると、私は個人的には福祉国家論者でございますので、どうしても国民に負担をやってもらうという意味で、消費税のアップが出てくるわけですが、消費税アップということを主張すると、これはもうマスコミ、政治家の皆さん、必ず出てくる意見は、消費税上げる前にもっとやることがあると。例えば公共支出をカットせいとか、あるいは今消費税を上げたら経済はますます弱くなるからやめろという意見がいっぱいございますが、私はもう、日本経済というものを見たときに、ここ二十年、非常に不幸なことに、日本は低成長経済でございます。そんな好況の続いた経済ではございません。 これ、何でかというと、私は少子高齢化が非常に関係している。買物をいっぱいする中年や働く世代の人たちが減っていますので、彼らが物を買う需要の力が弱くなっている。これ、有効需要の不足ということはどうしても日本の経済を弱くする理由でございますので、それともう一つは、少子高齢化で将来労働力が不足するというのは、これはもう明らかでございますので、この二つの理由でもって、ここ二十年間日本の経済が低成長に苦しんでいるのは、そういう少子高齢化の影響がかなり大きいんではないかということでございます。 そういう意味で、これは私の個人的な意見でございまして、皆さんから猛反発受ける覚悟はしておりますが、もう日本、高成長を望むのはもうやめよう、あるいは無理だ。どっちかというか、高成長はもう、先ほど申しましたように少子高齢化の理由だとかいろんな理由で、これから好景気で高成長を望むというのはもう無理だという解釈をしておりますので、そういう意味からすると、むしろ景気の良くなるのを望むのであれば、福祉を充実して、社会保障を充実して、国民一般に安心感を与えて、その安心感の下で国民が消費をやると。将来自分がもう安心あるなと思ったら消費をやるということに期待できまして、国民が消費をやればこれは景気を上昇させる可能性を高めますので、むしろそれに期待した方がいいのではないかなというのが私の意見でございます。 その他、もろもろ言いたいことがございますが、もう十五分ぐらいになりましたので、ここで終わらせていただきます。後で御質問あればと思います。 どうも御清聴ありがとうございました。
○委員長(高橋千秋君) ありがとうございました。 次に、高山参考人にお願いいたします。高山参考人。
○参考人(高山憲之君) 高山でございます。 本日は、参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会にお招きくださり、誠にありがとうございます。参考人として一体改革八法案に意見を申し述べる機会をちょうだいいたしましたこと、大変光栄に存じます。 以下、八法案に基本的に賛成の立場から、五点にわたり意見を申し上げます。 一、今からほぼ十年前のことでございますが、二〇〇二年七月二十五日の参議院厚生労働委員会において、今井澄先生は末期がんに冒されながらも一時間に及ぶ質問をなさいました。政治家としての遺言を残すかのような鋭い質問の連続でございました。最後まで国会議員としての職責を全うされた今井先生は、その年の九月に逝去されました。享年六十二歳でした。 高い御見識、燃えるような理想、類いまれな行動力、温かい人間味あふれる人柄で誰からも敬愛された故今井先生は、今日の利害よりも将来に備えるために、党派を超えてこの国の未来を考えようという志の持ち主でございました。今井先生は、年金を始めとする社会保障についても、政治家が党派を超えて共通の土俵に上り、議論を尽くした上で改革を主導することを切望なさっていました。皆様既に御案内のとおりでございます。 その今井先生の志に心から共感なさった自民党の津島雄二先生が代表世話人となり、党派を超えた国会議員二十四名による懇談会が二〇〇二年一月に東京で開催されました。超党派の合意に基づく年金大改革を実現したスウェーデンの担当大臣ボー・クェンベリさんを日本に招待した懇談会でございました。年金を政争の具にしてはいけないという思いがその懇談会で共有されたと存じます。 先月の十五日、一体改革をめぐり民主、自民、公明の主要三党間で合意がなされ、関連法案成立に向け環境が整備されました。さらにその後、さらに今後の公的年金制度及び高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について民主、自民、公明の三党間で合意に向け協議することも確認されました。 今回の三党合意は、負担増を主要内容とする社会保障と税の一体改革をめぐるものです。不人気であるにもかかわらず、将来への責任を自覚した、心ある政治家の方々によって党派を超えた御決断がなされました。この点を高く評価いたします。 今井先生や津島先生の志が引き継がれ、このような形で結実したことに最大限の敬意を表したく存じます。 二、日本の社会保障と税においては、給付を分配する時代が高度成長の終えんとともに過ぎ去りました。代わって今日、負担増を誰が、いつ、どのように引き受けるのかという政治的難問に直面しております。求められているのは負担の構造改革でございます。その解決策は、事の性質上、政治的に不人気になります。負担増について、国民多数の理解と納得を取り付けることは容易ではありません。負担の構造改革断行に、先見の明や該博な知識、無私の精神、決断力、胆力等が必要となることは申し上げるまでもありません。 三、国民多数の理解と納得を取り付けるためには、まず、客観的な事実や証拠を可能な限り包括的に集め、それに基づいて議論することが肝要です。専門家は、これをエビデンス・ベースド・ポリシーと呼んでおります。今の日本において注目すべき新たな事実が幾つか既に明らかになっております。本日は、そのうちの四つを、以下、順次御紹介いたします。 まず第一に、日本では大企業に勤める大卒男子正規社員の生涯賃金が、この二十五年間に、三億二千万円から二億三千万円へと最大で三割近く実質的に下落しました。この点はお手元の参考資料一にお示ししたとおりでございます。文書の後ろに参考資料を添付してございますので、御覧になっていただきたく存じます。 集計に当たって活用したデータは二〇〇九年度の年金定期便でございます。これまで門外不出であった行政データが年金定期便で各加入者に送付されました。その年金定期便に記載されていた加入期間全てにわたる各人の賃金記録を加入者ごとに転記してもらうアンケートにより、このような事実を確認することができました。 第二に、最近では給与所得者の四割近くが非正規社員となっております。若者も例外ではありません。高校や大学を卒業した直後の初職が非正規であったり、転職などで二十五歳までに非正規の経験を有したりする人が、三十歳代前半層では、男性三割強、女性では実に四割に達しております。さらに、二十五歳までに非正規経験のある人がその後に正規社員へ変わる比率は、男性の場合、かつて約八割でしたが、最近では五割強にとどまっております。正規への転職は三十歳までが大半であり、三十五歳超ではほとんど例がありません。他方、女性の場合、正規への転職は二十三歳超ではほとんど生じていないばかりか、最近の正規転職比率はたかだか三割にとどまっています。 初職におけるつまずき、バッドスタートが、その後における生活安定を揺るがし、結果的に低年金の老後、バッドフィニッシュを余儀なくさせるおそれが強うございます。最近の若者は、お年寄りを支える前に、自らの雇用を失ったり、非正規のまま生活苦にあえいだりすることが少なくありません。これらの事実は、お手元の参考資料二、三、四で確認することができます。 第三に、最近の日本では、三十歳代のほぼ六割が親の世代よりも豊かになれないと思っております。この点はお手元の参考資料五、六に示したとおりです。さらに、参考資料七、八によりますと、十年後、生活水準が向上していると回答した三十歳代は二割前後しかおりません。若者の多くが閉塞感にさいなまれ、未来に向け、夢や希望を持てない状況にあります。 第四に、お年寄りが受給している年金水準は、この間、物価が低下する中で手取り賃金が大幅に下落したため、実質的に上昇しております。ちなみに、日本では、二〇〇九年に現役の手取り賃金が名目額で三・五%も下落しましたが、お年寄りの受給する年金額は前年の物価上昇率がゼロだったため減額されませんでした。そのこともあり、専業主婦を妻とする世帯の標準的な年金水準は同年度に六二・三%まで上昇してしまいました。これは、お手元の参考資料九に示したとおりでございます。 二〇〇四年の年金改革において、マクロ経済スライド実施が決定されました。ただ、その後もデフレが続いたため、マクロ経済スライドは一度も発動されておりません。年金水準を実質的に少しずつ下げていくという二〇〇四年改革の基本方針に反する事態が進行中です。 スウェーデンでは、昨年、消費者物価が〇・九%上昇したにもかかわらず、お年寄りが受給している年金額を名目額で四・三%も切り下げました。不人気を承知の上での措置でした。年金財政の長期的安定の方を優先させ、お年寄りに譲ってもらったのです。 今回、日本でも特例水準の解消が法案に盛り込まれました。それは、二〇〇四年改革の基本方針に立ち返るための事前措置であり、一歩前進だと評価いたします。引き続き、デフレ下においてもマクロ経済スライドを発動するよう、改革を継続なさってください。 四、不人気な負担増を決める際には新たなルールが求められます。そして、そのルールに基づく自動安定装置を導入するのです。それこそが賢明であること、それがこの間、世界における年金専門家の共通理解となってきております。ちなみに、マクロ経済スライドは自動安定装置の一つでした。 今、世界が注目しているのは、二〇〇六年に導入されたデンマークにおける年金受給開始年齢の自動調整装置です。その内容については、お手元の参考資料十を御覧になってください。昨年、オランダでも政労使三者の合意が成立し、デンマークとほぼ同様の装置が実装されました。世代が異なっても年金の平均受給年数は変えない、それが新たなルールにほかなりません。 日本でも今後、参考資料十一にお示ししましたように、六十五歳時の平均余命は少しずつ延びていきます。その延びに応じて年金の受給開始年齢を調整しないと、年金財政の将来は一層厳しくなります。日本における政治家の皆様にも、受給開始年齢の自動調整という課題に正面から向き合っていただきたく存じます。 五、私は終戦直後の一九四六年に生まれ、現在六十六歳です。私の両親は、物資が不足ぎみであった時代、貧しさに耐えながら、自分のことを後回しにし、私たち子供のために懸命になって働いていました。このような私の経験は、私と同世代の人の大多数に共通するものだったと思います。自己を犠牲にすることをいとわずに仕事に精励し続ける両親の下、私たちには将来に対する夢と希望が確かにありました。努力は何らかの形で必ず報われる、そして親の世代よりも豊かになれる、このような思いは、私たちの世代にとっては暗黙かつ共通のものだったと存じます。 自分のことを後回しにする、自己犠牲を惜しまない、その中で子供世代のために夢をつなぐ、木を植える作業にも似たこのような営みは、私たち日本人が先祖から受け継いできたものです。日本人の美質の一つにほかなりません。 同じ日本人である私たちにも、自分のことを後回しにして子供世代のために夢をつなぐことができるはずです。私たちの子供や孫にツケを回し続けることはもう終わりにしようではありませんか。 負担を分配する時代は今後とも長期間にわたって続きます。政治家の皆様の英知と矜持、節度によりこの問題が適宜適切に解決されていくことを願ってやみません。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(高橋千秋君) ありがとうございました。 次に、結城参考人にお願いいたします。結城参考人。
○参考人(結城康博君) 淑徳大学の結城でございます。 今日は発言の機会をいただき、ありがとうございます。 では、レジュメを用意していますので、二ページ目から御説明してまいりたいと思います。 私は、社会保障の財源とする場合の消費税増税に関しては避けられないという立場でございます。しかし、今回の一体改革全体像を見てみますと、以下、三つの点、大きく疑問点を感じております。是非この辺を議論していただければと思います。 第一に、生活の視点で考えれば、伸び続ける保険料や自己負担といった国民負担の議論がありますが、どうもこの議論が希薄化されていると私は思います。やはり生活の視点ということが大事かと私は思っています。 第二に、抜本的な社会保障の行方が、議論が希薄化していると思います。どういう社会保障の行方、一応、二〇二五年というところを目指しておりますが、やはり二〇三〇年、二〇四〇年、二〇五〇年という、どういう姿にしていくかという議論が私は少し足りないのではないかというところがあります。 三つ目は、やはり今回の増税は赤字国債の依存体質からの脱却が主眼に置かれ、社会保障の拡充というところが僅かだというところでございます。 以下、御説明してまいりたいと思います。 まず、三枚目を御覧ください。 まず、一例として、介護保険料のこれまでの基準額とこれからの、政府が、厚労省が少し試算をしているものを出すと、どんどん上がっていきます。特に介護保険料の上がり方というのは非常に大きいと思います。 介護保険料は、皆さん御存じのとおり年金から天引きです。これは基準額ですから、当然、次のページを開けていただくと、赤いところ、それから緑のところは減免措置があり、今回の一体改革の議論でもこの赤いところを中心に少し措置がなされているということは評価ができます。しかし、基準額がどんどん上がっていくということは、やはりいずれ上がっていくということでございます。しかも、この青それからオレンジ色の辺りは逆にどんどん上がっていくわけでございまして、私の調べたところ、介護保険を使っている人はまず五、六人のうち一人ぐらいです。もしこれが、オレンジ色とか三百二十万円以上の所得の人が一万円以上を超えていくということは、なかなか介護保険自体、社会保険自体の信頼性というものを私は問われると思っております。 次に、ページを開けていただきたいと思います。 次に、医療保険制度の保険料水準もこれからどんどん上がってまいります。実は、今回、政府も国民健康保険については措置を講じたので、私はその点は評価ができますが、このようにまた基準値が上がっていくということは、現在でも資格証明書の発行を受けている人も多いですし、短期証明書の人も多いということで、国民皆保険というところに疑問を感じると思います。後期高齢者医療制度においても軒並み上がっていくということです。 六ページ目を開けていただきたいと思います。 その意味では、私の第一点といたしましては、年金給付が引き下がり、定期的な介護保険料の引上げ、それから医療保険制度が引き上がっていくという上で消費税を増税していくということは、生活の視点では非常に厳しいのではないか。 私が感じているのは、消費税を上げるということは国民の人たちはある程度私は一定の理解を得ています。それはなぜかというと、これからの負担に対して消費税で見ていこうという議論の国民の人が多いと思います。 しかし、今回は、実際法整備のところになっていませんが、今後、①医療や介護における更なる自己負担増の可能性もあります。私は、一昨年、二年前まで社会保障審議会の介護保険部会の委員もさせていただきましたが、例えば介護保険の自己負担二割という議論もありました。これから十年先、こういう議論が恐らく出てくるでしょう。医療保険制度の窓口も、ワンコインの負担とかいうのも出てくると思います。それから、社会保障給付費の適正化というところで、サービスをカットするという議論も必ず出てくると思います。 もちろん、社会保障の中に非効率な部分もありますので、この辺は見直すことは非常に私は大事だと思います。しかし、消費税をまず一〇%にして、今後もどんどん続くというのは、私は国民の意識から乖離していると考えております。やはり、消費税でみんなで負担をするので、それでこれからの負担もみんなで見ていこう、その代わりこういう保険料の自己負担は緩やかに上げていこうという議論、これが本来の消費税を福祉目的税化にする意味だと私は思っています。その辺の議論が私は希薄化していると思います。 次に、七ページ目、第二の論点ですけれども、社会保障をこれからどういうふうに担っていくのか、どういう行方にしていくかという議論についてです。 基本的に、社会保障は自助、互助、共助、公助というふうに四つのところで議論されることがあります。しかし、家族構造で、独居高齢者が多く、しかも認知症高齢者の人も多いです。しかも、離婚も多く増えて母子家庭の人もいるということで、家族の機能が問題視されています。それから、地域、これは民生委員の人が今欠員状態であったり、自治会が機能しなかったり、もちろん地域の中にも非常に活性化して団塊の世代の人が頑張っている人もいますけれども、これはごく一部で、だんだんと地域というところも崩れてきています。その意味では、共助若しくは福祉制度でそこを補う必要があるので、そこにある程度の公費を投入しないと私は社会保障は崩れていくと思います。 もう一つ、企業の役割も重要だと思います。もちろん、グローバル化の中で企業もやはり戦っているわけですから、そう簡単に法人税を上げろという議論にはなりませんが、せめて現在の負担は維持していくぐらい、その程度は私は許されるんではないのかと思います。実際、社会保険料の事業主税と企業のを合わせると、極端に高いとは私は思いません。しかも、内部留保も多額にあるということですので、法人税を引き下げていくという議論はいささか、消費税を国民の人から負担を求めるにおいて国民的な意識とは私は乖離していると思います。 次のページを御覧ください。 もう一つ、社会保障の行方として、私は大きく、現金給付と現物給付というふうに二つの分け方で社会保障をとらえることができると思います。 私は、今後、現金給付に傾斜するのではなく、現物給付に傾斜していく社会保障の行方を二〇五〇年まで目指していくべきと考えております。もちろん、年金給付も大事ですけれども、やはり、例えば認知症や知的障害者の人というのはお金を自分の必要とするサービスに転換するというのが家族や地域の減退で難しくなっています。そこを、特に社会保険というのは契約主義になっておりますので、基本的には事業主と利用者さんが契約に基づくわけですね。そこに福祉という視点で例えば社会福祉の人や役所が介入していってサービスにつなげていくという、そういうものが必要だと思います。私は、そこで、共助、公助の機能を重層化する意味では消費税を上げていくというのは非常に重要だと思っています。 もう一つは、私は現金給付も、一部は非常に大事ですけれども、余りお金もないので、ばらまきというのはやっぱり防ぐべきだと思います。その意味では、私は本当だと控除という制度は維持していくべきだったと思います。余り、手当から控除というよりも、やはり控除というのは、長い時代をつくって一応公正な財の再分配も考えていたので、隠れた福祉的なものがあったのかと思います。今回、年少扶養控除の廃止によってかなり家計的に苦しくなったということも私も分析しておりますので、その辺のところを家族でやっていくのか個人でやっていくのか手当でやっていくのかという議論が私は薄いように思います。 ですから、現物給付型の福祉ということで、例えば現場です。今一番問題になっているのは、急性期病院から行き先がない介護難民の方が非常に困っています。平均在院日数で短くしていくことによって、行き場がない。それから、児童虐待や高齢者虐待の対応もまだまだ不十分です。 私のゼミ生の卒業生が児童相談所で何人か勤めておりますけれども、児相や一時保護所、結構いっぱいです。泣く泣く親のところに戻したりとか、そういう問題もあります。高齢者虐待も同じです。生活保護の議論もよくされますが、生活保護の八割以上は必要な人です。担当ケース数が超過で、一人のケースワーカーが百件ぐらい持っている。厚生労働省は八十件と言っていますけど、一月に一回訪問することもできません。そういうところに人を増やしていくとか、そういうところが私は大事かと思います。 それから、先ほどの急性期病院からの行き先がないところでも貧困ビジネスが今増加しております。いまだに無届けの老人ホームや劣悪なお泊まりデイ、それから更なる無料低額宿泊所というところに要介護状態の人が一部いたりとか、まだまだ潜んでいる問題はたくさんあるので、ここに手を付けてこそ、私は消費税が大事だと思っています。正直言うと、社会保障充実というよりも、今足りないというところ、それを補っていくという、そういう論点が私は大事かと思っております。 なお、高齢者、子供というふうに社会保障の議論がありますけれども、高齢者の方にお金を付けるということは、四十代、五十代で働いている現役世代の人たちにとって親の介護というところが安心感を持つわけで、これは二極分化的な考え方ではありません。 特に、私は大学の教員をやっておりますけれども、今の大学生の私の大学では三、四割は奨学金、何らかの奨学金を持っています。親も苦しいわけですね。一番子育てで苦しいのは大学生を持っているところです。そこのところを考えると、親の介護と大学生の費用というのは重なるところもあるので、私は総合的に考えるべきだと思っております。 次に、マンパワーの問題があります。 今回、介護保険で処遇改善加算は二十六年度末で終わりです。しかも、私の計算でいうと、一・二%引き上がってはいますが、処遇改善、前回の交付金混ぜると二%でしたから、マイナス〇・八%下がっています。 これは、私は社会保障審議会の議論でもさせていただきました。デフレ経済下だということでしたが、今でさえ介護職の給料は安いです。今、軒並み介護人材不足で、これからはどんどんどんどん増やしていかなければいけないのに、ここにもあるように、これから百万人増えるんでしょうか、この状態で。もっともっと、確かにデフレ状態はありますけれども、私はこの議論はマンパワー不足、お金の問題よりも働く人がいなくて社会保障サービスが危機的状況になると思います。 これは看護師不足も同じです。七対一の、もちろん今回若干努力はしているようですけど、大きな病院で七対一の看護師をばっと取っていってしまえば、在宅の地域包括ケアシステムをやろうとしても、訪問看護師さんのなり手がいません。 そういうことを今どういうふうに政府は考えているのか。私は、本当に社会保障をやる気があるのかというところを、現場を、ずっとフィールドを見ていて非常に疑問視をしております。その意味では保育士も同じことです。 最後に十ページ。私は、社会保障の今回の消費税を上げることについては賛成でございますが、特にこの七兆円のところが非常に不明確です。ここを充実するなりなんなりするなりの私は議論が必要かなと思っております。 十一ページにまとめとして言わせていただきますが、消費税は国民の負担に実感しやすいものです。ですから、例えば社会保険の公費負担を併せて保険料の上昇を抑制する、これならば僕は国民は納得いくと思います。それから、現状維持分は年金国庫負担や自然増分に限定して、このようなこれからの負担を緩和していくものに使っていく。 私は、将来、二〇二五年、三〇年、四〇年、消費税は一五%、二〇%になる可能性もあるかもしれません。今回、一〇%上げて国民に信頼性がなかったら、これ以上上げられないかもしれません。非常に大事なところに来ていると思います。政府とやはり国民が信頼あってこそ、今後の消費税を上げることもできると思います。今のままでは、二〇一五年になって負担増を実感して、そして消費税が上がっては、もう消費税は上げられないという国民意識に変わるかもしれません。ですから、是非ともこの使い道は皆様方、党派を超えて議論をしていただければと思います。 以上でございます。
○委員長(高橋千秋君) ありがとうございました。 次に、岩本参考人にお願いいたします。岩本参考人。
○参考人(岩本沙弓君) 大阪経済大学経営学部で現在客員教員をしております岩本沙弓と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 現職の前になりますけれども、私はアメリカ、カナダ、オーストラリア、日本の金融機関において国際金融取引に十六年間ほど従事してまいりました。本日は、国際金融の現場からの切り口として、日本国債がデフォルトする可能性があるのか、そして財政危機とされる数値が正確なのかという点についてお話をさせていただければと思います。不慣れなもので、ペーパーを読ませていただきます。 本年五月、一斉に、国の借金は昨年度末九百六十兆円、本年度末に一千兆円突破へというニュースが伝わりました。国の借金とされていますこの一千兆円ですが、まずは線引きをさせていただければと思います。 メディア等では国の借金と報道されますが、国といいますと政府も国民も民間企業も、日本の全ての経済主体を含んだ表現になってしまいます。財務省自身も国の借金とは発表しておりません。それは、この数字が政府の借金であって国全体の借金を示しているものではないからです。 まず、日本国債のデフォルトの可能性ですが、先に結論を申し上げますと、それはあり得ないという認識でございます。 既に広く知られているとおり、日本政府の借金は日本国民によって賄われています。最新のデータでは、比率は九二%です。自国内で借金の貸し借りが成立している限りは、政府が自国民から借金をしているだけなので、国家全体が負担を背負うことにはならないという考え方をいたします。言うなれば家庭内でお金の貸し借りをしている状況なので、さほど深刻ではないという見方です。 しかし、もし政府の借金が海外からの借入れだとするならば、状況は百八十度違ってまいります。この場合は国民が働いて海外に対して借金を返済しなければなりませんので、国民の負担となります。ギリシャなどがその典型的な例です。 日本国債のデフォルトの心配は無用であるという点については、先日来、本委員会でも取り上げられている財務省が十年前に発表した外国格付会社あて意見書要旨の中に書いてあるとおりでございます。自国民に賄われている点を根拠として、デフォルトは考えられないと財務省御自身が訴えられておられます。国際金融の現場におきましても財務省の見解と同じ認識であります。日本の場合は政府の借金イコール国民の資産である以上、現状での日本国債のデフォルトは考えられません。 十年前の状況と全く違っている、あるいは海外勢の動向を心配される向きもありますが、例えば債券ファンドとして最も有名なアメリカのパシフィック・インベストメント・マネジメント、通称ピムコといいますが、ピムコは今年の五月の時点で、日本の場合は経常黒字を当面維持できるため各国と比べて相対的にましな状況である、デフォルトも考えにくいとしています。また、政府の借金一千兆円はGDP比では二〇〇%を超えているという点も、財政破綻へと結び付き、増税は待ったなしの理論になっておりますが、しかし、政府債務がGDP比で何%の水準を超えたら財政破綻になるという基準はございません。例えば、二〇〇八年にノーベル経済学賞を取ったポール・クルーグマン教授などは、過去のイギリスが二五〇%以上の政府債務残高があっても破綻しなかったことを例に挙げ、日本が債務危機に直面している考え方は間違っているとインタビューでも答えております。 二番目として、財政破綻の論拠とされている一千兆円という数字が正確なのかという点について取り上げたいと思います。 資料をお配りしてあります一番目、国債及び借入金並びに政府保証債務現在高の内訳を見ますと、大きく内国債、借入金、政府短期証券に分かれております。時間の都合もございますので、ここは特に政府短期証券に着目いたします。 政府短期証券の中身でございますが、こちらは二番目の資料、平成二十四年度末見込みに書かれていますように、下の方にございます、財政融資資金証券、外国為替資金証券、石油証券、食糧証券の四つがあります。そのうち、ほとんどの比率を占めているのが外国為替資金証券です。この外国為替資金証券は、為替介入の資金に相当します。 もう少し詳しく説明しますと、為替市場で過度なドル安円高が進んだ際、それに対抗して政府は日銀を通じてドル買い円売りを実施します。外国為替市場で日銀がドルを買おうとするならば、その代わりとして円を払わなければなりません。まずは、このドルを買うための円資金を政府は調達してこなければならないのです。 そこで、政府は、この外国為替資金証券を発行し、円資金を金融機関などから集めます。つまり、我々の預金が介入の資金源です。証券を発行したわけですから、政府にとっては負債となります。これまでの為替市場での介入の結果、累積した借金が、最初の一番目の資料の政府短期証券の残高百十七兆円ということになります。本年度の一千兆円とされる借金見込みの中にも含まれております。 人為的な操作で市場を動かすというのは大変難しいものでございます。これは民主党政権に限ったことではございませんが、遡ること一九七一年、米国が自国のドルと金との交換を停止して以来、現在に至るまでの間、一ドルは三百六十円から七十五円まで円高が進んでまいりました。一ドルという借用書があって、それを差し出せば、かつては三百六十円をもらえたものが、今や七十五円しかもらえない状況です。もちろん、利息収入などがありますから、買ったドル資産が丸々損をしているとは申しません。 為替介入の正式名は外国為替平衡操作と言われるように、過度な動きに対して安定させる操作でございます。そういう意味での為替介入であれば理解ができます。しかし、ドル買いが圧倒的に多いために、日本政府が購入したドルは、円高によって資産価値が減価するだけでした。 円高で苦しむ企業を助けるという大義名分で実施されてきた介入ですが、円高の動きも四十年間止められておりません。円高に歯止めが掛かるわけでもなく、買ったドルを売るわけでもなく、減価する資産を保有するだけならば、一体何のためのドル買い介入であったのか、その効果に対する疑問が湧いてくるのでございます。 非常に大きな流れとして、米国は一九八〇年代に経常赤字国となり、海外からの借金に依存しなければ国の経済が回っていかないという状況です。効果のない介入であれば、これまでのドル買い介入は単なる米国のファイナンス、つまり日本がドルを買い、米国債を購入することで、米国が抱える借金の穴埋めをしただけということに結果的になってしまいます。 余談ではありますが、海外では、為替介入に対して政府は非常に慎重であると言われております。こうした為替差損は、国民の資産に損を発生させたということで議会から厳しい追及を受けるためです。 さて、借金の金額という点についてですが、政府は、買った米ドルをそのまま外貨預金として金融機関に預けるか、米国債を購入するかという選択肢があります。つまり、外国為替資金証券という借金の裏側には、ドルという資産が存在していることになります。 そこで、二つの考えができるかと思います。一つは、この百十七兆円に関しては、ドル資産の裏付けがある以上、わざわざ政府の借金に組み込む必要はないという考え方です。 その一方で、一九九八年を最後にドル売り介入は実施されていないという事実を踏まえますと、保有する米国債を安易に売れないのではないかという懸念もあります。自分の資産を好きなときに使えないというのは何とも理不尽な話ですが、そうなると、これは負債として計上した方が無難ということになります。 現在、政府の債務一千兆円にはこの累積された政府短期証券の数字を含んでおりますので、一千兆円という数字を借金とみなすならば、政府の借金とみなすならば、ドル買い介入をして米国に渡した資金は、日本に返ってこないお金と勘定していることになります。米国が財政的に困ったときは日本が資金を出して助けるということであれば、ドル買い介入は日米同盟を維持していくためには必要ということになります。 何も為替介入だけではありません。震災直後の被災地支援の遅れが取りざたされる一方で、欧州債務危機に揺れる世界経済の安定化を図るために、日本政府が欧州金融安定化基金に資金を拠出したという経緯もございます。また、欧州市場の不安から、韓国では資金調達難に見舞われそうになり、日本の財務省と日銀がスワップ協定を発動して資金を融通したということもございました。全ては日本に戻ってくる資金ということを前提に拠出しているわけですが、国際協力の一環であるとするならば納得もできます。ただし、ポイントは、日本に財政的な余裕がなければ他国や国際機関に資金提供を融通などはできないということです。日本は財政破綻から遠いからこそ、こうした国際貢献も可能なのではないでしょうか。 一方、本当に財政危機が差し迫っているのであれば、為替介入などをして政府の借金を増やしている場合ではございません。他国に資金を融通している場合ではないと思われます。国民負担を求める前に、これまでためた百十七兆円相当の外貨の一部を取り崩して政府債務を減らすという方法もあります。 資料三番目になりますけれども、こちらの七ページのところに、これまで民主党政権が為替介入を実施したその明細書があります。為替介入をしたのは実質八日間です。数字を合算いたしますと、こちら十六兆四千二百二十億円となります。国民に対しては財政再建を訴え増税を叫びながら、増税分の税収見込みを上回る金額を僅か八日間、実質二十四時間も掛からないうちに海外へと大盤振る舞いをするのであれば、幾ら財政再建を訴えようとも健全化するはずもございません。 これまでの政府短期証券の残高、百十七兆円となっているのに対し、二番目の資料の見込みでは百九十九兆円と、八十二兆円も上増しとなっております。八十兆円余りも本年で為替介入を実施する予定なのだと言うつもりはありませんが、こうした上増しされた数字を、そして資産の裏付けのある債務を単純に政府の借金として取り上げるのは、正確さに欠くのではないでしょうか。政府短期証券の扱いをどうするのか、政府債務に計上するならば、効果の限定的な為替介入を実施する意義はどこにあるのか、増税の前に考えるべき課題と思われます。 御拝聴ありがとうございました。
○委員長(高橋千秋君) ありがとうございました。 次に、菊池参考人にお願いいたします。菊池参考人。
○参考人(菊池英博君) 皆さん、こんにちは。菊池でございます。 お手元の資料の中に、こういう形になっていまして、A4で表裏びっしりちょっと書きましたけど、このメモと、あと資料が付いております。それで、この公述のメモに基づいてお話をいたしたいと思います。 まず、私は、消費税の引上げそのものに対しては全面的に反対です。消費税を上げなくても、社会保障の財源は幾らでも出てくるということをここで具体的な数字で具体的な提案を申し上げます。 それで、まず、じゃ、時間の関係ございますから、メモを全部読みます。それから、ここに資料がちょっと多めに用意しております。この資料は全部、政府の内閣府と財務省が出した数字、あとはOECDの出した数字をベースに私が作り上げたものです。したがって、はったりは何一つございません。この政府の資料を総合的に見れば、日本は財政危機ではないということがはっきり分かります。財政危機は壮大な虚構です。増税をするために自公政権以来でっち上げたことです。それをはっきりとここで証明をいたします。同時に、こうすれば消費税の増税をなしで社会保障費は賄えるという提案をここにいたします。 それでは、メモを全部読みますから、時間の関係がありますんでね。 それでは、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会、この委員会の付託法案の中身は、実質的には消費税だけの増税法案であり、社会保障に関して民主党が国民に公約した事項は全て社会保障国民会議に棚上げされており、公約違反であり、極めて遺憾であります。したがって、本委員会は消費税増税委員会であると名前を変えるべきです。そこで、消費税に関しての所見のみを私は申し上げます。消費税の引上げについては全面的に反対です。 現在、政府、大マスコミ、大マスコミというのは全国紙とかテレビ、特にNHKですね。NHKの最近大越というあの九時からのキャスターがいますね。あれが自民党と民主党と談合しろなんということを言っていますけれども、ああいうのは公共放送として遺憾だと思います。ああいうのはしっかり、やっぱり政府が予算を出しているんですから、きちっと注意すべきだと思います。その情報は事実に反する内容が多く、国民をだまして増税を認めようとしております。特に三党合意は、こちらの三党ですよ、増税翼賛会であり、七十年前、一九四二年の東条内閣の大政翼賛会の再現であり、民主主義の破壊であると私は考えます。 まず第一、日本は既に平成恐慌。 平成デフレは一九九八年から今年で十五年目です。二十世紀以降の最長のデフレでございます。昭和デフレというのが一九二五年から三二年まで八年間でした。その後米国の大恐慌、一九二九年の十一月から三三年の四月まで三年四か月でした。平成デフレは一九九八年から始まって十五年目です。 累積デフレ率というのを見ますと、既に昭和恐慌の次元に入っております。累積デフレ率といいますのは、GDPデフレーターというのがありますね。GDPデフレーターとそれから消費者物価と両方ありますけれども、GDPデフレーターというのは内閣府が出している物価の総合指数です。それをベースにして、一九九八年からマイナスになっていますから、それからずっとマイナスしていますね。一九九七年を起点にしてずっと考えてきますと、二〇一二年はもう二一%になっています。昭和恐慌というのが入った一九三〇年、これは昭和恐慌は一九二五年から始まりましたけれども、そのときには累積デフレ率は二一%でした。つまり完全に日本はもう恐慌段階です。 平成デフレといいますのは恐慌型のデフレです。中途半端な金融だけで解決できるということはありません。解決方法は財政主導、金融フォローです。 それから二番目、消費税が一〇%に倍増しますと、それだけで一世帯当たりの平均所得四百万円の二・九から三%の負担になり、さらに徴収が決まっております分、これは年金負担だとか東日本の災害に関する所得税の増税があります、これを全部入れますと、それだけで三・五%になります。データは全部付いておりますけれどもね。 この両方で一世帯当たりの平均負担というのは六から六・五%です。金額にして、二十六から二十八万円になります。世帯数を六千万世帯というふうにいたしますと、国民から全世帯で十五兆から十六兆円の金を召し上げるということになります。これは一九九七年に橋本財政改革のときの失敗のときには国民から十三兆召し上げたんですね、自民党さん、当時。これで金融恐慌が起きたわけですから、まさに大変に怖い恐慌の大きなトリガーになる可能性があります。 三番目、日本の消費税というのはこれは欠陥税です。 インボイスがない、輸出還付金が最終販売まで戻らない、販売段階での弱者へのしわ寄せが著しく寄っていきます。消費税還付金が六兆円、今三兆円なんですが、これが六兆円になりますと大企業へ富が集中いたします。極めて不公平です。これは、輸出業者への消費税の還付金制度というのは廃止すべきです。アメリカはやっておりません。ヨーロッパはやっていますけれども、ヨーロッパはインボイス制度が完備しているからです。 四番目、フーバーの大失敗。 米国大恐慌、一九二九年から三三年のときに、一九三二年にフーバー大統領は連邦税に史上初めて、このときだけなんですけどね、消費税を導入して、広く浅くと称して、石油税、食品、あらゆる食品に消費税を導入いたしました。その結果、一九三二年には一段と恐慌が激しくなって、一九二九年に比べて株価は九〇%ダウンの一〇%、国民所得は半減、四七%ダウンしています。デフレのときに緊縮財政とか増税は経済を破壊すると、これは昭和恐慌とか大恐慌の教訓です。経済のイロハですよ、これは。 五番目、日本は財政危機ではありません。財政危機は壮大な虚構であり、政策危機です。 日本は、二〇〇二年の小泉構造改革以来、基礎的財政収支均衡策というデフレ政策を開始して、デフレを、実はこのデフレというのは結果のデフレじゃないんですよ、政府がデフレ政策を取っているんですよ、今でも。そういうことをずっとしてきました。 それで、二〇〇九年に政権交代しまして、国民が期待したのは、こういう自公政権の間違ったデフレ政策を解消してほしいということだったんです。事実、鳩山総理は二〇一〇年の五月に、菅副総理の基礎的財政収支均衡策、これはデフレの象徴ですね、これを閣議決定しようとしたことに拒否されています。だから、鳩山総理はデフレを脱却しようということをはっきり政策で意思表示をされたんです。ところが、すぐ翌月、菅政権になってから再び基礎的財政収支均衡策を閣議決定して、デフレを制度化してやってきている。野田政権になっては、何をお考えになったのか、大増税をやろうということです。 その結果、これをやっていくとどうなるかといいますと、税収が、増税した、一時上がったと思っても、税収は減ります、経済が悪くなるから。消費税をまた引き上げなければ、また不況だ、税収が減っていくと、大変な悪循環になって、経済規模がどんどん減っていきます。デフレというのは経済規模が減ることです。経済規模というのは名目GDPですね、我々の給料ですよ。これがどんどん減っていくということです。 財政危機ではない、これだけの理由。 世界中、日本が財政危機だと思っている国はどこにもありません。私は、ヨーロッパにも行っているし、ニューヨークにも毎年行っております。世界一の債権国でありながら、自分の国の金を自分のために使おうとせず、あえてデフレ政策を継続しているから税収が上がらない愚かな国だと、こう思っているんです。 その理由として、一、中央政府の債務の実態は粗債務の四六%にすぎません。今、岩本先生からちょっとお話がありましたけれども、実際には、ここに書きましたとおり、粗債務というのは九百十九兆、これは粗債務というのは借入れだけですね。純債務というのは、政府は金融資産を持っていますから、五百兆の金融資産を持っています。データは全部ここに出ていますから、後ほど時間があったらお話しします。ですから、純債務というのは四百十九兆です。地方債務が百七兆ぐらいあります。ですから、純債務は五百二十八兆。 だから、海外は日本が財政危機だなんて思っていないんですよ。これはOEDCのデータにあります、ここにも出ていますけれども。だから、一番安心な国だ、円を買いましょう、買いましょうと来るわけです。当たり前のことです。海外では、債務の実態を純債務で見ています。裏側を見てください、今のページの。ページの裏側です、二ページ目。 財務省も、粗債務と純債務と実は両方公表しているんです、これは説明書で。しかし、大マスコミが公表するときには粗債務だけで、あえて財政危機をあおっている。これは誇大広告とか虚偽広告だと思いましたよ、これ。特にNHKが盛んにやっています。いや、これは本当に危機的なんですよ。それで、大マスコミ、これは極めてこういうことですから、非常に危機な、国民をだましだまして増税をしようということだと思いますけれども。 二番目、日本は世界一の対外債権国で、純債権が二百四十八兆円ございます。これは最近の、二〇一一年九月の財務省が発表したデータです。これは世界最大の債権国です。その所得収支ですね、その利息とか配当収入だけで十五兆円の金が入ってくる。これは財源として湧いてくるんですよ、湧いてくるんです。 七番目、政策危機である理由。今申し上げましたね、そういうことです。 それから同時に、増税派は、日本はもはや成長できない、先ほどちょっと御意見ございましたけれども、だから消費税増税しか税収がないという考えがございますが、これはデフレを継続しようとしていることです。現在のデフレ、ですから、増税派の方はデフレを継続して、これを促進しようと思っているんですよ。だから、デフレ促進、これは民主党内の議論がそうでして、自民党さんでもそうですよね。今の対立軸がここにあります。現在のデフレ継続促進、増税促進では経済規模がますます縮小し、消費増税をすれば名目GDPは限りなく四百兆に近づいていきます。データもこちらにございます。 二番目、日本は世界一財源の豊富な国です。まず、埋蔵金五十兆、これはすぐ使えます、どこにあるか分かりますからね。財務省とか野田首相が埋蔵金はありませんと言うけど、あれは本当に事実に反する、失礼ながら大うそです。どこにあるか、決算委員会のデータをこれ持ってきておりますから。五十兆はすぐ使えます。それから二番目、所得収支で十五兆、さっき言いましたね。三番目、国民の預貯金でも現在十兆円ずつ毎年増えています。 それから、外貨準備に化けているお金、さっきこれ岩本先生がおっしゃったんですが、百十兆。実は外貨準備で化けているお金というのは、我々国民の所得が実はアメリカの国債を買っているんですよ。しかし、一九九九年九月まではこれは日銀資金でやっていたんです。そのときは五十兆だった。ですから、端的に言いますと、現在、一九九九年九月までの、前の状況に戻せばいいんですね。戻すということは、今あるアメリカの国債、国債売らなくていいんです。これ売れませんからね、実際には。売らなくていいんですが、我々の内部の操作で、国内の内部の操作でその国債を日銀の資金で持ってもらえば、五十兆とか百兆、百兆すぐ出ます。これ召し上げられているから国内は金が足らないんですよ。 それで、重要なことは日本国民のためにこういう金を使っていくと。つまり、政策をデフレ政策から転換をしまして、デフレ解消策、そういうレジームチェンジをすべきです。本来政権交代じゃないとこれできないんですよ。だから、民主党政権になったときに私は期待しました。ところが、鳩山さん、小沢先生のときは良かったんですよ。いきなり菅さんになってから、再び構造改革だとか、それから野田さんになって、まさに、失礼ですけれども、これは狂気の増税です。そういうときに入っている。 それで最後、消費増税なしで社会保障は賄えます。こうやればいいんです。通常の予算とは別に五年百兆円の緊急予算を制定しまして、デフレ脱却、経済を成長路線に戻せば消費税の増税なしで財源は湧いてきます。これは衆議院の予算公聴会で、私今年の三月にお招きいただいたものですから、お話ししたことの重複になりますが、ちょっと中身は変えてありますけどね。 それで、まず重要なことは、日本として、輸出大国から社会大国、福祉大国ということで政策理念を変えることです。民主党は実はこのとき内需大国にするということは言っているんですよ、政権取ったときには。 それから二番目には、政府投資と民間投資は、政府投資を増やす。同時に、民間投資としては投資減税を実行する。それで五年百兆を実行していきますと、百兆も出すと大変じゃないかと言いますが、経済が良くなりますから、三年目ぐらいでプラス・マイナス・ゼロになって、五年たちますと、少しお釣りが来るぐらいになります。百兆出したものが百兆返ってきます。 どうやるか、どこへ金を出すか。脱石油、脱原発を目的とした新エネルギー開発への設備投資、開発投資、十年で原発は停止すると。それから、国民生活に直結した社会的インフラ、そういうものに投資をしていくと。これ書きましたね。それから、あと三番目、医療の更新、老朽化した病院の更新、最新鋭の技術にする。それから、教育、研究投資、それから港湾施設、これも遅れていますね。こういうものの老朽化を排除する。それから、その後、地震とか津波対策、これでインフラ投資をしていかなきゃいかぬ。 それから、歳入対策としては、さっき申し上げたとおり金を全部使えばいいんです。同時に、私が申し上げたいことは、所得税とか法人税の最高税率は上げるべきです。民間には投資減税をするということにします。それから、こういうふうに経済を良くすれば海外に行っている金は返ってきますから、経済が良くなって自然増収も可能です。 そういうことをしていきますと、ここに書きましたとおり、私の計算、これはDEMIOSモデルというモデルで精密に計算しているんですが、していきますと、五年後には名目成長が六百兆円になります。この間、大体三から五%の成長が出ます。成長ができないなんていうのは大うそです。それから、同時に、これを続けていけば毎年一兆円以上増加していきますから、当然これで消費税を上げなくても社会保障費は出てきます。 最後に申し上げたい。歴史を学ばぬ者は歴史を繰り返す、これは米国の国会図書館の前にあります礎に書いた言葉です。恐慌型デフレなのに大増税をする、財源が豊富であるのに、国民のために使わないで庶民から多額の金を召し上げる、こうした消費税の大増税は大きな誤りです。戦後最も残酷な法律だと思います、これは。即刻廃案にすべきです。 最後に、私は民主党の方々にちょっと申し上げたいんです、二十秒。
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
○参考人(菊池英博君) はい。 最後に民主党の方々に申し上げます。 今日、野田民主党政権が存在しているのは誰のおかげだと思っていますか、あなた方。二〇〇九年八月の衆議院選挙で民主党が三百を超える議席を得たのは、国民への約束として次のように約束したからです。これは民主党と社民党と国民新党の三党の合意です。小泉内閣が主導してきた市場原理、競争市場主義を始めとした……
○委員長(高橋千秋君) 時間が超過しております。おまとめください。
○参考人(菊池英博君) 相次ぐ自公政権の失敗によって、国民生活と地域は疲弊し、雇用不安を増大させた、社会保障とか教育のセーフティーネットを瓦解させたということですね。したがって、そこで内需主導の経済に転換を図り、安定した経済成長を実現し、国民生活を立て直していく、消費税は四年上げないと言いました。 そこで、最後に申し上げたいことは、衆議院で、民主党だけでは衆議院の法案は通っていないんですよ。民主党の過半の人は、民主党だけでは通っていません、あの法律は。ですから……
○委員長(高橋千秋君) 時間が超過しております。おまとめください。
○参考人(菊池英博君) 皆さんが一片の良心があるのならば、この法案に反対していただきたい。これが皆さんの国民に対する政治家としての信義を表すかどうかです。このことを強く要望して、公述を終えます。 ありがとうございました。
○委員長(高橋千秋君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いを申し上げます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○蓮舫君 民主党の蓮舫でございます。 参考人の皆様方の貴重な御意見、御提言を賜りました。ありがとうございました。 社会保障と税の一体改革、少子化、高齢化、それと毎年一兆円を超える給付増、そしてその財源を将来世代に頼っている、これまでのどの内閣もこの問題意識は共有をしていて、改革をしなければいけないと思っていた。ただ、やっぱり消費税というのは買物をするごとに納める税目でございますから、国民のセンシティブな感覚、そこに対してなかなか改革を断行できなかったという過去があると思います。 そうした中、去年、菅内閣が考え方を提案し、今年、野田内閣が法案を提出し、問題意識を共有する自民党、公明党さんと三党協議を行って三党合意に至り、衆議院の議決を経て、今まさにこの参議院で審議を行っています。幾つか、これまで何度も繰り返されてきた国民の素朴な疑問あるいは審議の中での議論について、参考人の皆様方の貴重な御意見を賜りたいと思っております。 まず、結城参考人にお伺いしたいんですが、なぜ消費税なのか。当初の政府案には、例えばある種の世代内の支え合いといいますか、資産課税という考え方も入っていました。三党協議を経て、三党合意では、例えば資産課税であるとかそういうものをもう一回見直そうとか、あるいは、じゃ、基幹税ではどうなのかという声もありますが、ここは消費税であるということにお考えはいかがでしょうか。
○参考人(結城康博君) 私は、複数税率を設けて、生活必需品は五%に据え置けば広く取れるということで、保険料とか、もちろんそれは取るのもいいんですけれども、それは非常に手間も掛かりますし、曖昧であります。ですから、その意味では、不平等さというところは、消費というのは誰でもするわけですから、生活必需品さえお金を掛けなければ、ある程度私は平等に取れるというふうに理解しております。 以上でございます。
○蓮舫君 その複数税率についてなんですが、橘木さんにちょっとお伺いをしたいと思います。 逆進性が消費税、これ所得税の累進課税に対してだと思うんですけれども、ある。だからこそ低所得者には簡素な給付措置という考え方も、今回、三党合意では合意に至っておりますが、それ以外に複数税率で何らかの形で、例えば食料品等に設けるべきだという御意見もありますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
○参考人(橘木俊詔君) 消費税には当然逆進性がございますので、低所得者の人と高所得者の人で税負担が違うというのを是正しなければならないというのはみんなの合意があるかと思います。 二つの方法がございます。一つは給付付き税額控除、もう一つは複数税率でございますが、今の時点、我々学者の間では、この二つの優劣は今のところ単純には出ておりません、私の理解においては。それは一長一短がございます。手間の問題、どっちに資金が掛かるのか、効率性、単純性、いろんな比較からいってなかなか結論は出ておりませんが、私の見るところ、ヨーロッパは軽減税率、複数税率、もう何十年の歴史持っておりますので、ヨーロッパの経験から学ぶことは結構あるのではないかという感じがしております。 もう一つ、給付付き税額控除を入れるためには所得の把握をしっかりせないかぬというわけで、納税者番号だとかあるいは複数税率に関しても言えることなんですが、やっぱりインボイス方式を導入して、消費税の負担が一体どうなっているかということを把握できるようなやっぱり側面の制度をちゃんとしないとうまくいかないなという理解をしております。
○蓮舫君 ありがとうございます。 お配りした資料の一枚目、これ、ヨーロッパ等各国の財政再建に向けた取組、上の段を見ていただきたいんですが、日本の消費税に当たるVAT、これ各国やっぱり二〇%を超えて上げてきております。あるいは、ギリシャやポルトガルは、軽減税率であったものを、軽減税率そのものを廃止をしている税目も出てきています。VATのその数字を見ると大体二〇パーを超えている。非常に重い。 その後、やはりこれは軽減税率の必要性というのは私は分かります。ただ、今回、政府あるいは三党合意で提案をしている消費税率というのは二〇一五年に一〇%。これは全て社会保障という形で納めていただいた高齢者の方たちにお返しをしていくという考え方を取っています。これについてもっともっと御理解を国民の皆様方にいただかなければいけないとは思っておりますが、高山参考人にお伺いします。 ヨーロッパのこの二〇パーを超えるVATで軽減税率、じゃ、それは日本は一〇パーになったとき、しかもそれを全部社会保障でお返しをするという考え方のときに、やはり同じように軽減税率を取り入れた方がよろしいとお考えでしょうか。
○参考人(高山憲之君) ヨーロッパは、やっぱりVATの税率、最低でも一五%、まあ実際にはもう二〇%から二五%ですよね。そういう中での軽減税率なり複数税率というのは、もう過去のいきさつからそういうことになったと思います。 日本の場合、この消費税、全部福祉というか社会保障に使うということになりましたよね。これ、ヨーロッパと違っています、考え方が。社会保障の主たる受給者は高齢者で、これからは少し子供とか若者にお金が回るようなんですが、全体としてみれば所得の低い人たちが圧倒的に多いわけです。消費税を御負担いただくんですけれども、給付は低所得者を中心に使いますよというのが日本の仕組みなんですね。ちょっとヨーロッパと違っているというふうに理解しています。 ですから、私は、軽減税率、複数税率、これは税制上非常に厄介な取扱いが必要ですし、判断基準が本当に合理的かどうか、最後いろいろな意見が分かれちゃうところって結構あるんですよね。ですから、これ、どちらかというと、最後までちょっと待っていただきたいなという、要は、逆進性対策というのは、消費税何に使うんですかというところなんですよ。低所得者中心に使うわけですから、そこのところは御理解をいただくということではないんでしょうか。 給付付き税額控除も、実は具体化しようとすると、これも手間暇は物すごく掛かりますし、漏れも結構多いですね。ですから、これも慎重に検討なさっていただきたいというふうに思います。 どちらかというと、低所得者中心に消費税を使うんだという理解の下で広く合意を求めていくことが私はいいのではないかというふうに考えております。 以上です。
○蓮舫君 ありがとうございます。 お配りした資料の二ページ目なんですが、これ、EU、欧州委員会の見解で活用された独立した経済シンクタンク、コペンハーゲン・エコノミクスの調査結果なんですけれども、税というのは単一税率が最善の政策であるという大前提ではあるんですが、注意深く対象を絞って軽減税率を行うと一定の利点があるかもしれないという部分でこれは分析をされています。 その次のページが、実際に軽減税率が容認される例として、四つの例外ケースが主張されるという、四パターンが三ページ目にお示しをされています。上から三つ目の箱なんですが、これ代表例は食料品とあります。低所得者層の消費割合が高い商品に軽減税率を適用することで所得格差を縮小することが可能であるという考え方で、食料品に掛けて調査をしてみたんですが、その結果が右の分析結果。食料品を対象にすることによる執行コスト等があることを考えれば、限定的にしか成り立たないという形になっているんですね。 結城参考人、このことについてお考え、ちょっと伺わせていただければと思います。
○参考人(結城康博君) 私は、まず保険料とか所得税とか取るというのは、やっぱりちょろまかす人も中にはいると思います。ちょっと言葉が申し訳ないんですけど。 でも、やっぱり日本全体である程度軽減税率を用いれば、低所得の人も一旦は負担するということで、僕は消費税の方が平等かなと。ただ、何度も言ったように、お金を配るというのは、僕は、困っている人にはそれを転換する能力が大分減退している人がいるので、やはり必要なものは五%でということが私は必要だと思いますし、確かに事務は非常に掛かるかもしれませんけれども、それは私はある意味致し方ないというふうに考えております。
○蓮舫君 ありがとうございました。 軽減税率、複数税率は私は否定するものではないんですが、ただ、何にどのように掛けていくかという部分に平等性を担保しないと、やはりそこに不透明さが生まれると思っているんですね。 四ページ目に、消費税がつくられる前に課せられていた物品税のアンバランスな事例というものを付けさせていただきました。どうしてこういうことになったんだろうと、当時政治家ではなかったので分からないんですけれども。 例えば、ぜいたく品という形で課税されているもの、一番左の上なんですが、ケヤキの家具は課税をされているんです、ぜいたくだから。でも、右側を見ると、桐とか漆塗りの家具はぜいたく品じゃなくて非課税なんですね。ここの線引きは一体何だったんだろうかと思いますし、その二つ下の箱なんですけれども、同じように普及しているものでも、例えばストーブは課税されていて、こたつは非課税とか、コーヒーやココア、ウーロン茶は課税されていて、紅茶や緑茶は非課税とか。これは一体何によって決められたのか。ある種、陳情的なものなのか、何らかの政官業の考え方というのがあるんだろうか。 こういうところの不平等さが生まれることが、消費税を上げて、それを社会保障にお渡しをするといったときの信頼関係の失墜につながっては私はいけないと思っているんですが、高山参考人、そこを何か、お知恵といいますか、考え方ございますでしょうか。
○参考人(高山憲之君) おっしゃるとおりだと思います。 特に、軽減税率や複数税率の問題というのは、仮に食料品を例に取っても、高所得者にその恩典が及んでしまうんですよね。ですから、もうちょっと、せっかくちょうだいした消費税ですから、それを集中して所得の低い人に回すという仕組みの方が私はいいんではないかというふうにかねがね思っているということでございます。
○蓮舫君 ありがとうございます。 橘木参考人にもお伺いをしたいんですが、消費税についての論点、幾つもあるんですけれども、それ以外に、消費増税をする前にやるべきことがあるだろうという論点も相当数指摘をされています。もちろん、国民の皆様方に御負担をお願いするわけですから、政府、行政、あるいは国会もちゃんと身を切る覚悟、本当にその血税をしっかり正しく使っているんだという努力は不断に行わなければいけないと思うんですが、私、競争論ではないと思うんですね、どっちが先でどっちが後だ、同時だと思っています。この国の、例えば国債発行残高、その利回りリスク等を考えますと、待ったなしに財政再建も安定した社会保障改革も持続的に行っていく行政改革もなければいけないと思います。 行政刷新として、仕分等で、例えば独法のたまり金二兆円を国庫納付をしていただいたり、事務事業を洗ったり、で、その後は制度を改革しようとして、独立行政法人改革法あるいは特別会計改革法を出して、制度そのものに無駄が出ないように変えていこうとはしていますけれども、一回で終わらないと思っています。時代がたつとやはりそこには無駄が生まれる、要らないものが生まれる。それを常にフォローアップしていく仕組み、その意識を私たちが持つことが大事で、どっちが先ということではないと思うんですが、そこについてのお考え、いかがでしょうか。
○参考人(橘木俊詔君) 公共施設を一体どれだけ削減するかというのは、これは国会議員の方の力に懸かっているわけで、是非とも、国民に増税を頼むのであれば、やはり支出の方も削減するということが同時に必要だと思います。 しかし、私があえて、支出をもっとしなければならない分野があるということをここで一つ強調したいと思います。それは教育の分野です。 日本が経済が強くなるには、国民の労働者としての水準を高めて、いわゆる非常に勤労意欲の高い労働者、有能な労働者をたくさん生むためには、国民の教育水準を上げるというのが非常に必要だと思うんですよね。ところが、皆さん御存じのように、日本の国が支出している教育費の対GDP比率はOECD中最低でございます。これ、日本は今まで、教育は家庭でやれと、ベネフィットを受けるのは自分なんだから家庭でやれという論理がずっと続いてきた。もうそういう時代ではないと思います。貧乏で育ったお子さんは教育を受けるもう機会もなくなっておりますので、一つだけあえて公共支出の分野を上げるのを許すのであれば、私は教育費の支出を上げていただきたいということを強調したいと思います。
○蓮舫君 ありがとうございました。 それもある意味のめり張りなんだと思います。予算の在り方をどのように取り扱っていくのか、承っておきたいと思います。 済みません、時間の関係で全ての参考人に質問をさせていただくことはできませんでしたが、いただいた貴重な御示唆、御提言は、今後のこの委員会での質疑のときにも活用させていただければと思っております。 今日はありがとうございました。
○石井準一君 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表いたしまして、参考人の皆様方にその見識をお伺いをしていきたいと思います。 自民党、公明党、民主党の三党は社会保障と税の一体改革関連法案について合意をし、今まさに本院で議論が行われておるわけであります。 少子高齢化が大きく進展する我が国において、持続可能な社会保障制度を確立するとともに、世界各国が経済財政危機に直面する中で、日本が財政再建と経済成長の両立による再生へ向けて大きな一歩を踏み出すこととなりました。また、社会保障と税の一体改革法案に示されたとおり、財政の健全化と社会保障の機能強化のため消費税率の引上げは必要であり、先送りすべきでないとの認識で三党が合意に至ったわけであります。財政の健全化と社会保障機能強化は、一見するとその目的は相反するように見えますが、双方を実現することは我が国が持続可能な社会保障制度を確立する上で重要かつ必要なことだとの認識の上からであります。 そこで高山参考人にお伺いをしていきたいと思いますが、この一体改革は増税先行という批判が付きまとっておりますが、その辺を国民にしっかりと説明をしていくにはどのような思いで取り組んでいったらいいのか、まずはその認識をお伺いをしたいと思います。
○参考人(高山憲之君) お答えいたします。 今の日本の財政状況、国の支出は、半分以上を国債で賄っているのが実際ですよね。そのときに、負担の議論を後回しにして給付のことを議論するというのはすごくバランスが欠けているのではないかというふうに私は思っているわけですよ。それは、やはり私たちの子供や孫に対するツケ回しじゃないのかと。そんなことを本当にやっていていいのかという思いが私の場合には非常に強くて、私の思いは、それを共有する方々は決して少なくないというふうに思っているわけです。そういう意味での財政健全化ということなんですよね。こんなにずっと借金を続けていっていいのかということだと思うんですよ。 それから、社会保障の機能強化の点もおっしゃるとおりです。年金はそれなりの金額になっておりますが、特に介護不安は消えておりません。今後とも介護需要は物すごい勢いで拡大していくと思います。それを賄うためのお金をどうやって確保するのかということなんですよね。そういう意味で、支出の方でもめり張りを付けなきゃいけない。そういう中での社会保障改革、機能強化は必要であるということでして、これは今回消費税という形での増税ですけれども、その負担に非常に不満を持っていらっしゃる、特にお年を召された方々にも、その増税した金額が、社会保障の充実、介護の充実、医療の充実、年金はそんなに大幅に減らさないような形で使われるんだということを申し上げるということだと思うんです。 今回これやらなければ、一体我々の子供や孫たちはどうなるんだということだと思うんですよ。今のお年寄りにもお子さんがいらっしゃるし、孫もいらっしゃるわけですよね。自分の家庭の中でいえば、普通だったらこんなことできないはずなんですよ。何で国のレベルになったら議論が全然違うことになっちゃうのかということです。自分の家庭の中で自分の子供と相対しながら話をしたら普通のことが議論できると思うんですけれども、それと同じことを是非国でもやっていただきたいということだと思います。 以上です。
○石井準一君 ありがとうございます。 高山参考人の方からも、三党合意に基づきしっかりと三党が国民のための社会保障制度の在り方について議論すべきだというような提言がありました。 この中で大きな三党間の問題となるのが、やはり後期高齢者医療制度の廃止、また、民主党が掲げております一人七万円の最低保障年金に関して、その実現の可能性、制度設計の在り方等について、その辺の認識をお伺いをしたいなと思います。
○参考人(高山憲之君) お答えいたします。 後期高齢者医療は、それなりに今各地域で定着しております。それはもう不満を言えば切りはないわけですけれども、一応こういう形で後期高齢者の医療を守っているわけですよね。それを大きく変える、廃止するということになると、また大きな混乱が予想されるわけです。混乱なしに移行するというのは、決して容易ではありません。 それから、最低保障年金は、これは確かに七万円という数字が躍っておりますけれども、これは予算措置を付けることができるかどうかに懸かっているわけですよね。今のような財政状況で、高齢者だけにこんなに潤沢にお金を回す余地が日本の財政には一体あるんでしょうかということだと思います。 今回、三党合意の中で、自民党、公明党さんが加わった形でこの最低保障機能の強化は同じように議論するということになりました。その中で具体的な仕組みというものが議論されて決められるということになると思いまして、七万円というような数字は、そういう中で私は本当に実現可能かどうかということになりますと、難しいのではないかなというふうに考えております。 以上です。
○石井準一君 高山参考人は、最後に日本人の本質に迫るようなことを述べられておりました。 昨年の震災は、まさに我が国にとりましては不幸な出来事でありました。しかしながら、日本人、国民一人一人が、自治の精神、心の美徳、きずなというものを再確認する大きなきっかけにもなったと思うわけであります。まさに、この自治の精神とは、自らを律する心、自立をし、お互いの立場を認め合い、仲よく助け合って生きていく、その本質を日本人は再確認をしたと思うわけであります。 まさに、このこと自体が国の基盤、社会を支える源であると、私はそのように感じておる次第でございます。だからこそ、自治の限界、その枠を超えた連携を図ることこそがこの国政に託された大きな責任ではないかなというような思いを持っておるからであります。 私自身、そうした思いの中で、日本人のこれからのありようによっては、やはり安易に共助、公助に頼ることなく、やはり自立をしっかりと念頭に置いた生活様式をこれから確立していくことも大切ではないかなというふうに思うわけであります。 特に、我が自由民主党は、国政選挙におきましては、勤勉、これを心の美徳とし、他人の力に頼らない、自立を誇りとする国民性を養っていく、このことを政策の基本に掲げながら次の選挙を戦っていくわけでありますが、まずは、日本人のこの本質に迫ること、教育の大切さ、その件に対しまして、橘木参考人と高山参考人にその見解をお伺いをしたいなと思います。お願いをいたします。
○参考人(橘木俊詔君) 私も、できれば自立でいきたいです、アメリカ流の自立でいきたいですが、私は、日本の国民、戦後、自立意識が徐々に徐々に薄らいでいるなというのを実感しております。 これは日本国民が選択したことですから、それがいいか悪いかはもう国民に決めてもらわないといけないことなわけですが、私が冒頭で申しましたように、例えば高齢者を誰が面倒見るかといったら、今までは成人した子供だったんですよ。一緒に住んでいて、三世代で、そして、遠くに老親がいたら、東京に来た子供は鹿児島まで送金していたんですよ。そういうのが日本の社会の在り方でした。これ、日本人が続けられるなら、私はそれでいいと思います。 しかし、その綻びが至るところで出ておりますので、日本人よ、あなた方、将来どういう保障の形式で行くのかというのを一人一人が考えて、今議員さんが言われたように自立でいこうというふうに決心されたら、私は、国民が、多数がそれを決めたら、私もそれに従います。いや、しかし、もうこれだけ家族のきずなが弱くなって、企業も支払能力がないのであれば、これは全員で助け合わないといけないというような雰囲気が伝わってきて、国民がそれを決心したら、私は国民はそれに従うべきだ、最後、決めるのは国民だというふうに私は認識しております。
○参考人(高山憲之君) 自助は社会が健全であるための必須条件です。これなしに社会は私は健全ではないと思っておりますので、これを基本にするということには私は大賛成です。 ただし、自立をしようと思ってもできない人がいる、あるいはその努力をした結果だけれども、やや生活にいろいろな問題が出てきてしまっている人もいるわけですね。そういう意味で互いにリスクをカバーし合う仕組みですね、これは共助といいましょうか、あるいは場合によっては公助まで行きますけれども、そういう仕組みを上手に組み合わせていくということが大事でありまして、日本の社会はこれまで、戦後、その自助、共助、公助を上手に組み合わせてそういう仕組みをつくってきたと思います。それをベースにして今後もそれを発展させていくことが肝要だというふうに思っています。 私は、日本は、給付のレベルで見る限り、結構、共助や公助の仕組みも厚い国だと思っています。負担の方は残念ながらそうなっておりません。給付の方でいえば、日本の医療というのはみんな世界で羨ましがるような制度になっているわけですよ。 年金も、いろいろ議論はありますけれども、今の日本のお年寄りは皆有り難いものだと思っているわけですね。中には、孫に小遣いをやったり、貯金をまだする余裕のある人もいるというようなのが日本の年金の状況です。もう年金は空気のようになって、それなしには生活が成り立たないような形に今なっているわけです。それを今、公助、共助の形の中で日本は保障しているわけですよ。自立が基本なんですけれども、公助や共助をそれなりにうまく組み合わさった仕組みに今なっているということだと思います。 それから、二番目の御質問ですけれども、教育は、私、三十数年、大学の教員に携わってきました。非常に残念なことなんですけれども、今学校以外で、自宅やその他で勉強を全くしない人が三〇%もいる国なんですよ、日本は。勉強しない国になっちゃったということです。将来に夢が持てない、勉強して一体何になるんだと、それで何が変わるんだと、よく分からないというふうに答える生徒や学生が圧倒的に多いわけです。三〇%の学生や生徒が勉強していないんですよ、日本は。これはやはり将来に関する閉塞感、非常にこれは強いと思いますよね。 どうやって子供たちに夢や希望をつないでいくかということが我々大人に課せられた非常に重い責務であり、彼らを甘やかさないで鍛えていくということも同時に必要だと思いますけれども、その点に対して是非御議論をいただきたいというふうに思います。 以上です。
○石井準一君 貴重な提言をいただきまして、ありがとうございます。 次に、具体的に結城参考人にお伺いをいたしますが、今問題となっております生活保護の在り方に関して、不正受給や不当な受給の見直しを図るのは当然であると考えますが、本来もらえる人に対する行き過ぎた規制も他方で問題を生みます。その辺りをうまく具体的に制度運用していくにはどのような方法があるのか、その認識をお伺いをしたいと思います。
○参考人(結城康博君) 私も自治体の福祉事務所で高齢者福祉課に勤めた経験がございますが、先ほど申し上げましたようにやはりケースワーク機能、ソーシャルワーク機能の強化ですね。 確かに、不正受給している人はいます。でも、その人や親族の人にかかわって、電話を掛けて何度も納得してもらう時間がないんですね、ケースワーカー。百件持っていて、皆さん、普通に考えて三か月に一回ぐらいしか会えないですよね。親族に電話を掛ける時間もないですよ。そういう計算もしなければいけない。ですから、やはり私は、自治体は今、公務員の削減でケースワーカーというところが、なるべくケースワーカー厚くしていますけれども、やはりケースが増えているというところに問題がある。 もう一つは、社会保険のセーフティーネットに綻びが出ていってみんな生保に行ってしまっているというところもあります。生保はやっぱり最終段階なんですけれども、でもやっぱり社会保険で、先ほども言った無保険状態に近い、資格証明書など要ればですね。ですから、生保の前に何か従来のセーフティーネットをもう一回ちょっと見直すというのが必要かなと思います。 以上でございます。
○石井準一君 一体改革は増税先行の批判が付きまとうわけでありますが、現実は、給付先行という社会保障強化だけが追求をされ財政健全化が後回しにされるならば、社会保障制度もまた遠からず機能を停止するわけであります。しかし、財政健全化のみ目的とする改革では、社会保障の質が犠牲になれば、社会の活力を引き出すことができず、財政健全化が目指す持続可能な日本そのものは実現をしないわけであります。この二つを同時に達成するしかそれぞれの目的を実現する道はないわけであります。 今日参考人から賜りました意見を大切にしながら、これからの本院での議論につなげていきたいと思うわけであります。本当に、今日は参考人の皆様方、御出席を賜りましたことに心より感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○荒木清寛君 公明党の荒木です。 今日は五人の参考人の先生方、大変にありがとうございます。順番に、まず橘木参考人からお尋ねをいたします。 私も高齢社会はもう福祉社会を目指すしかない、このように考えております。そこで、参考人は福祉国家論者だとおっしゃいましたが、具体的に規模でいいますと、この論文でいいますと、社会保障費の対GDP比あるいは国民負担率等で、そういう指標でいいますとどの程度の福祉国家というのを参考人は望ましいと考えていらっしゃるんですか。
○参考人(橘木俊詔君) 今の御質問にお答えすれば、大きく分けて、高福祉高負担国家、中福祉中負担国家、それから低福祉低負担国家と三つに分けられると思うんですね。 日本は今、中福祉低負担ぐらいでしょうか。もう負担がやってないから、こういう増税の話が出ているわけでして、私の個人的な好みは高福祉高負担なんですが、いきなりそんな行くのは絶対不可能だし、余りにも国民あるいは企業、全ての関係者に多大な悪影響を与えるので、中福祉中負担を、この私のお配りした「エコノミスト」の七十五ページのあれでいけば、ドイツ、オランダ、フランスといった中福祉中負担をまず目指して、そこでうまくいったら、もう中福祉中負担で日本はうまくいったらこれで万歳だけど、それでも駄目であれば、国民の不安が高まって、社会福祉、社会保障が物すごい心配であれば、将来的には北欧流の高福祉高負担というのも考えてもいいけど、差し当たっては、私は中福祉中負担ではないかなというふうに判断しております。
○荒木清寛君 もう一つ、橘木参考人にお尋ねします。 先ほどの、教育に対する支出を増やすべきである、今の高山参考人のお話も含めて全く同感でございます。そうはいっても、急に倍増というわけにもなかなかいかない財政状況であると思いますが、初等教育、高等教育あるいは社会人教育、様々な分野がありますが、その中でも特にまずこの分野に投資をすべきだ、あるいはそういう何かメニューのようなものが先生の頭にあれば、教えていただきたいと思います。
○参考人(橘木俊詔君) 日本では貧困者の家庭はいい教育を受けられないというのはもう周知の事実でございまして、例えば、民主党政権になってから高校授業料の無償化という制度が入りましたし、あれは私は非常にいい制度だと、貧乏人の子供でも高校に行ける機会を与えたというのは非常にいいというふうに思っております。 それから、義務教育ももうちょっと充実せないかぬし、もう一つ大事な点は、義務教育以前の初等教育に入る前の教育というのは、これはヨーロッパに比べて非常に見劣りしておりますので、この点のやっぱり教育費の支出もある程度必要ではないかなというふうに考えております。
○荒木清寛君 高山参考人に次にお尋ねします。 衆議院での法案修正、またその前提としての三党協議によって、私は、民主党がマニフェストで掲げた消費税方式による最低保障年金制度は事実上、旗は下ろしておられませんけれども、撤回と等しい結果になった、このように思っております。 先ほどの自民党委員の質疑に対しても、なかなか七万円の支給をすることは難しいのではないかというお話だったんですが、そういう意味では、消費税方式による最低保障年金というものにがらっと変える必要はないと、このように参考人はお考えだということでよろしいでしょうか。
○参考人(高山憲之君) お答え申し上げます。 消費税というのは、今から二十数年前、一九八九年に導入されました。税率、最初は三%、その後十年ぐらいたって五%になりまして、国税の方では消費税は福祉三財源に使うという縛りが総則で掛かっていたわけですよね。福祉三財源は、今子供の方が入りましたけれども、基本的には基礎年金、高齢者医療、それから介護であったわけです。そうすると、消費税を負担するとその財源は基礎年金の財源になるという形が法律の中で用意されていたわけですよ。 今回、また消費税、税率を一〇%まで上げます。これ、今度は新しく福祉四財源に変わるわけですけれども、その中の重要項目の一つはやはり基礎年金なんですね。消費税を負担するとそれはそのまま基礎年金の財源を拠出することになるんだということなんですよ。 いわゆる社会保険方式といいまして、記録に残す、社会保険料拠出記録を残して給付につなげるというのは従来の考え方なんですけれども、その期間が例えば二十五年いかなかったために老齢年金受給できないという人がそれなりにいらっしゃったわけです。 ただし、無年金であったりあるいは低年金の人も、過去もう二十年以上消費税を負担し続けているわけです。あるいは、これから生き続ける以上、消費税を負担し続けるわけです。にもかかわらず、加入期間が短いということで基礎年金受給できないと。自分は、消費税という形で基礎年金の財源を実は拠出しているにもかかわらず、消費税を、保険料というラベルが張ってあるものを負担していないためにもらえない。これでみんな納得するかということだと思うんですよね。 消費税を負担するということは、実は基礎年金の財源を拠出することと同じなんですよ。言わば、年金でいえば第二の保険料になったんですね。第二の保険料なんですよ。ですから、私は、消費税で基礎年金の財源を賄うということは賛成なんですが、そういう意味で最低保障機能、そこを厚くしていくということにそういう意味でも賛成なんです。 ただし、財源にはいろいろどうしても制約はありますねと。消費税といったって、これからは介護にどうしても持っていかなきゃいけない、あるいは医療の方にも持っていかなきゃいけない。あるいは、こんなにみんな子育てで困っているわけですから、子育て支援にもお金を回さなきゃいけない。その中で、本当に年金の方にどれだけ消費税の分を持ってこれるかという問題だと思うんですね。 そういうことを考えると、七万円という数字はやはり無理でしょうということを申し上げたいわけです。 以上です。
○荒木清寛君 次に、結城参考人にお尋ねをいたします。 公明党も三党協議にかかわった理由は、増税先行にしない、きちんと社会保障の全体像を示すというところに大きな目的がありまして、それで、衆議院での修正では、社会保障制度改革国民会議で議論をして、税率アップの前にきちんと医療、年金そのほかの改革の姿を結論を出すという仕組みをきちんと入れたわけなんですね。 この点は、参考人は今回の修正についてどう評価されますでしょうか。
○参考人(結城康博君) まず、一定の評価もできると思います。 ただ、もう一つは、国民会議というものに誰が選ばれるかというところが非常に不安なところがありますので、きちっとした人選、その辺はどうなるのか、官僚主導になるのかどうか、それは多分国民は注目していると思います。 それから、やっぱり、先ほど申し上げたように、充実の部分と今まで使った社会保障の赤字依存からの脱却、そこの兼ね合いですね。やはり私は、基礎年金国庫負担と自然増分は、それだけでも約四兆円近くの財政赤字からの脱却ができますので、余り欲張り過ぎないというのも重要かと思っております。
○荒木清寛君 結城参考人に引き続きお尋ねしますが、介護保険料あるいは医療保険の保険料の負担が上がるということについては、もう大変我々も苦慮しますし、もっと公的財源を、税金を投入する以外にないと思っているわけです。その一方で、介護や医療の制度の改革によって効率化するということも必要だと思いますけれども、この点、参考人からアドバイスがあればお伺いしたいと思います。
○参考人(結城康博君) 私は、やっぱり公費、今、約五〇%までになっていますけれども、まずこれが五五%、六〇%、これ、公費を入れることによって若干企業の社会保険料も少し負担が緩やかになりますし、自治体も助かるわけですね。だから、その意味では、五〇%を超えてもまず公費負担を入れるということは、それなりに私は多くの方がメリットがあると思います。 給付の抑制とか、その辺はやっぱり現場の人に聞いて、やっぱり私は一番、適正化というところで必要なものも一緒に削られている。例えば、在院日数の問題とか、それから介護保険の軽度者の人へのサービスの問題とか、その辺はやっぱり現場の働いている人や利用者の人に広く聞いて、それで是非国民会議で議論していただきたいと思います。
○荒木清寛君 もう一問、結城参考人にお尋ねしたいのは逆進性対策です。 公明党は、複数税率ということを強く主張しておりまして、参考人もこのレジュメに、生活必需品等を据え置くというお話がございました。ただ、余りその幅を、対象品目を広くすると、それは財源が確保できないわけですけれども、参考人はこの据え置く税率の対象としてどういうものを、どの範囲の生活必需品を想定されておられますか。
○参考人(結城康博君) 基本的には、食費とそれからできれば新聞など、そういうある程度生活にどうしても必要なものですね。ただ、それがスーパーで売っている非常に高級な、多分キャビアがどうかとか、その辺はちょっとやっぱり議論をすべきですけれども、ある程度の人が食費を基本としながら新聞とかそういうものはやっぱり据え置くべきだと。 現金を配っても、私は、余りそれが本当に必要な人にサービスに転換されるかというのは、やっぱり現場を見ていて非常に不安ですので、その辺から軽減税率、複数税率の方を提案しております。 以上でございます。
○荒木清寛君 岩本参考人にお尋ねします。 国債、日本国民が九二%保有をしておる、それは家庭内の貸し借りに例えられる、こういうお話は私もよく聞きますが、ただ、やっぱり納得できませんのは、いずれにしましても、日本国民が国債を買うにしましても、将来は国民が税負担をしてその返済をしなければいけないわけですから、やっぱり将来世代にこのツケを回すことには変わりないわけで、もう余りそうしたことを続けられる状況ではないと思っているんですけれども、違いますでしょうか。
○参考人(岩本沙弓君) もしそうであるとするならば、なぜ財務省の方が、自国民が負担をしているから大丈夫というふうに十年前に外国の格付会社に言ったのか。そこに論理の矛盾があるかと思います。 もちろん、政府債務も増えているんですけれども、国債の発行もどんどん増えていますが、それと同じように国民の金融資産、貯金が増えておりますので、その分の増加分を国債を発行しているというところもありますので、一概に政府債務だけが増えているという状況ではないと思っております。 実際に国が破綻するというような状況になるまで一体何年掛かるのか。例えば、二〇〇〇年の前半は金融危機、九七年、八年当時からですけれども、金融危機がございまして、それからもう十数年たっております。当時から財政破綻するんではないかと言われておりましたけれども、いまだにそういう状況にはなっておりません。 ですから、財政破綻が早急の問題かどうかということに関しましては、ここ二、三年ですとか四、五年で起こることではないと思っております。
○荒木清寛君 最後に菊池参考人に。 政府の債務は純債務でとらえるべきだというお話でした。ただ、三ページを見ますと、金融資産の社会保障基金二百八兆円と。これはもう必要なお金であるから基金としてあるわけでして、こういうものまで引いて純債務ということで考えるのはちょっとまずいのではないでしょうか。
○参考人(菊池英博君) 今御指摘の点ですね。まず、純債務というものに対して、これ実はOECDの統計があるんですよ。OECDの統計の中で、この社会保障基金の国が持っている分ですね、これは国の金融資産として位置付けられています。したがって、私これ、この次ぐらいに、御覧になったかと思いますが、その前だったかな、OECDの統計を付けてあると思いますが、OECD統計で見ますと、はっきりとその金融資産も、この社会保障基金も含めて、それで日本の純債務はGDP比で大体九〇%ぐらいですね。 ですから、世の中でよく言われている千兆だとか二百兆だというのは、実はその半分なんですよ、半分なんです。それはちゃんとOECDの統計にあるんですよ。それを、さっきからここでも申し上げたとおり、NHKにしろ、マスコミでもそこだけ隠しちゃっているわけですよ。それで大変だ大変だというひどいやつだけ出す。だから、そこがまずとらえ方が間違っている。 それからもう一つ、この……
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○参考人(菊池英博君) はい。ちょっと一言。 社会保障基金というのは、確かに先生がおっしゃられるような、資産に入れるべきじゃないという意見はこういうところにあるんですよ。資産であることはそういうことで確かです。しかし、この中身は、国が年金として国民に払わなきゃいけない、そういう意味では債務です。そういう意味では、国の貸借対照表の資産とか物的なものを入れたときには両建てになっています。したがって、解釈として金融資産というものをどう見るかということについては、そういう見方から、やはりOECDの数字をきちっと見るのが一番客観的だと私は思います。
○荒木清寛君 終わります。
○中村哲治君 国民の生活が第一の中村哲治です。 橘木参考人、高山参考人のおっしゃっている社会保障の考え方は、私、非常に共感を覚えるところでございます。ただ、経済や財政に対する考え方からすると若干見解が違うのかなと思っております。そういった意味では、高福祉高負担を求められたお二人の考え方、それからどちらかというと中立的な結城先生の考え方、そして残りの岩本先生、菊池先生の場合は財政金融の立場から今日は意見を言っていただいたと、そういうふうに整理できるかなと思います。 まず、橘木参考人に伺います。 参考人は、ギリシャ、スペインのように日本もなるんじゃないかということをおっしゃいました。ただ、ギリシャやスペインというのは、対外債権・債務の関係を考えると、対外純負債国です。それから、経常収支の赤字国です。 日本は、御存じのとおり、経常収支の黒字国、それも毎年毎年、今は対外純資産が非常に世界一の状態を二十一年続けていますから、所得収支が月に一兆円も黒字というような、大変対外的には非常に金持ちの債権国であります。 そういった国で同列に並べること自体が私は問題があるのではないかと思っていますけれども、先生がこの日本がこれだけ対外的に資産があるにもかかわらず財政危機になっているというふうにお感じになっているのは、どういう理屈でしょうか。
○参考人(橘木俊詔君) 確かに、委員の言われる側面は分からないではないですが、長期的に見ると、日本のやっぱり国際収支は徐々に徐々に黒が減ってきて、赤字にいずれなるような方向にございますし、もっと大事なのは、民間貯蓄率ももう、十年、二十年前は十何%だったのが、今や一、二%ですよ。国民も貯蓄をしていない。それから、国際収支も赤に向かわなければならないという時代に私は入っていると思いますので、そんなに楽観でいていいのかなという気がしております。
○中村哲治君 事実は、経常収支は増えております。去年は、三・一一以降の石油製品の輸入の特殊要因がありましたので貿易収支が赤字になっておりまして、その影響で経常収支の額は減っておりますけれども、所得収支の額というのは順調に増えております。むしろ、貯蓄率は低いんですけれども、低くなっているかもしれませんが、貯蓄額自体は順調に増えております。これはなぜかと申しますと、世界経済が全体的に成長率が低下しておりますので世界全体が低成長になってきていると。その中で、しかし日本は経常収支の黒字を出していますから、そういった意味では、貯蓄率は低くなっていますけれども、貯蓄額は必ず黒字になっているという、そういうふうな構造にあるんです。 だから、中長期的に危なくなる可能性はゼロとは否定できないと思うんですけれども、今の論点は、選挙のときに約束をしなかったことを、無理に増税するほど日本の財政というのは危機的なのかという論点なんですね。 そこで、橘木先生は、社会保障の充実のためにも、今デフレであろうが何であろうが増税しないといけないというふうに思っていらっしゃるんでしょうけれども、果たして今、デフレ下で増税することによって本当に持続的な経済の状況になるのか。かえって次の世代に負担を残すことになりませんか。
○参考人(橘木俊詔君) 私の最初のお話のときに申したように、中長期的に見て日本経済は大きな変化の過程にあるわけですよ。今委員が言われたのはここ数年の話のように映るんですよね。それは言われたとおりなんだけど、戦後六十年間のずっとヒストリーをたどっていくと私のシナリオの方が正しいようには思いますが、これは見解の相違かもしれません、経済学の見方の違いかもしれません。中長期的に考えるのと短期的に考えるのとで話が違うというのが私の意見です。
○中村哲治君 中長期的な話でそういうことがあり得るというのは私も意見を一緒にしているということなんですよ。しかし、今増税しないといけないぐらい短期的にも危ないんじゃないかというのが橘木参考人が最初の意見陳述で述べられたことなので、いや、そこはそうなんですかと。この数年内は大丈夫なんですと言っていただいたら、それはそれで納得するわけです。
○参考人(橘木俊詔君) でも、社会保障の財源がないというのは、もうここ二十年ぐらい語られてきたことですよ。少子高齢化で、年金にしろ医療にしろ介護にしろ、給付が増えて収入が減るというのをずっと続けてきて、何とかせないかぬということをここ十年、二十年言われてきて、いつも、私の言葉で言えば、経済が弱くなるから今上げてもいいのかというのがもうここ十年、二十年続けて言われているんですよ。それが私は余り好みじゃないんですよ。いつかは大決断をしないと日本の福祉を担えない時代に来ているというのが私の解釈です。
○中村哲治君 好みとかそういう話じゃなくて、ロジックを聞いているわけなんです。 私は、参考人が、社会保障の充実をやっても経済には中立的だとお話しになりましたけれども、私は、むしろ社会保障を充実することは経済的にプラスだと考えています。むしろ負担と同時にやるのではなくて、先行させて社会保障の充実を行う、そして経済規模を大きくしてデフレ脱却をしてから増税を考えればいいと、手順としてはこういうふうに考えるべきなんじゃないかということなんですよ。 だから、そこについてもし御意見が、私は違っていないと実は思っているんですけれども、やっぱり増税を先に先行しないといけませんか。
○参考人(橘木俊詔君) いや、増税と社会保障の改革を同時にやらないかぬというのはもう最初に申しましたので、増税やっただけで社会保障改革は後延ばしで何もやらぬというのは、これはもう本末転倒で賛成しません。同時にやらぬといかぬと思います。
○中村哲治君 でも、今回の改革と言われているのは、社会保障の充実というのは消費税一%分なんですね。消費税五%増税するうちの一%分しか社会保障の充実に使われていない。四%分は純粋な増税なんですよ。しかし、今、先ほどもお話ありましたように、国債の信頼というのは世界最高のレベルに達しています、過去最高になっております。そういったところで、今増税しないと本当にいけないのかというようなところでの判断が問われているわけです。 そこについてマクロ経済的にどのように考えられているのか、経常収支とか、国際的な対外資産・負債とかその残高をどういうふうに、動いている中で、この件に関して、国債の信認に関して判断されているのかということをお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(橘木俊詔君) 国債の信認、日本が高いのは、日本は消費税率低いなと、今後上げていく可能性があって、財政赤字を小さくできる可能性があるということで私は格付機関が日本に対してかなりいい評価をしているというのが私の判断でございます。
○中村哲治君 それでは、国際金融をされていた岩本参考人に伺いたいんですけれども、今、橘木参考人は、格付機関は日本に消費税等の増税余力があるので格付を維持しているないしデフォルトのリスクが少ないと、そういうふうな形で判断している、それは本当に事実なんでしょうか。
○参考人(岩本沙弓君) 格付会社の話ですけれども、実は最上の位置に日本があるわけではなくて、例えば上から三番目、四番目、五番目、会社によってまちまちです。本当の意味で国の国債が安心かどうかというのは金利水準だと思っております。今最も世界中で低いのはスイスでございます。その次、日本国債が大体、十年物国債ですけれども、〇・八%、これが何よりの国の信認だと思っております。
○中村哲治君 岩本参考人、それで、その〇・八%というのは信認の非常に高い証明だと。その証明というのは消費税の増税余力があるからなんでしょうか。
○参考人(岩本沙弓君) 済みません、先ほど聞いていただいたのに。 特に消費税に限定したことではなくて、消費税もあるかもしれませんけれども、それが唯一の理由ではないと思います。ほかのことも含めて、例えば先ほどおっしゃっていた対外純資産が豊富であること、あるいは経常収支が年間十五兆円、十六兆円出てくること、こういったことも踏まえてのことだと思います。
○中村哲治君 そこがポイントだと思うんですけれども、国債の信認について一番重要なファクターは対外収支の額であると。これは国際経済をやっている方とか国際金融をやっている方は常識だと思うんですけれども、一般の人たちに対してはそこの常識がなかなか理屈が分からないと。 先ほど岩本先生は政府の借金は国民の資産であると、国民の借金じゃなくて国民の資産であるということもおっしゃったんですけれども、なかなかその話というのは初めて聞く国民の皆さんも多いと思うんですよ。そこの理屈をもう少しかみ砕いて説明していただけませんでしょうか。
○参考人(岩本沙弓君) 先ほどの答弁の中でも申し上げたんですけれども、日本国の場合は政府の借金を賄っているのが日本国民でございます。簡単に申し上げますと、政府が借金をした分を国民が支払っているので、家庭内で資金のやり取りをしている。言うなれば、政府というのが親の立場であるならば、国民というのは子供の立場であって、今お父さんの、親の資金が不足しているので子が貸してあげているような状態になっています。政府の借金は増えますけれども、貸しているのは子供ですので、利息を受け取るのは国民です。そして、最終的には、満期になったときには元本プラスそれから今までの利息ということになりますので、政府にとっては負債かもしれませんけれども、それを受け取るのはあくまでも日本国民でございます。 これがギリシャの場合ですと、対外的な貸出しになっておりますので、政府の借金は必ず海外の投資家に返さなければいけません。そうすると、ギリシャ国内から資産が外側に流れていきますけれども、日本国の場合は九二%が自国民で賄われていますので、政府の負債、利息を支払う相手はあくまでも日本国民になりますので、政府の借金イコール国民の資産、このように金融市場の現場では認識しております。
○中村哲治君 高山参考人にも質問したいのはこの点なんですよ。結局、先ほど先生も、政府の借金を国民の借金というふうに読み替えられていたんですけれども、国債も当然ながら国民の預金を通じて買われていますので、その国債というのは次の世代に相続されます。だから、資産も相続される、政府の借金も、もちろん将来的に国民が影響を受けるのかもしれないんですけれども、今の理屈で、元々あっている権利の方も国民が、次の世代が承継していくわけですから、それに対して特段なぜそこが大きな問題なのかと。むしろ、先生が先ほどおっしゃった若者世代が夢を持って希望を持って仕事をしていくためには、今財政を拡大しながら、本当に今必要な、国で必要とされている事業を積極的に、教育もそうですし、社会保障もそうですし、そういうことを重点的に投資をしていくことを先に行っていく、そして増税を後でやると、デフレを脱却してからやるということでいいのではないかと思うんですが、先生、いかがお考えでしょうか。
○参考人(高山憲之君) 多分、国債の格付と国の格付、先ほど岩本参考人がおっしゃったとおりだと思います。 ただ、仮にも私が格付人だったら、日本人のインテグリティーだとか、こういうような財政赤字の状況を自らの力で脱却するまだ力が残っていると、必ずやってくれるんじゃないかという期待の大きさみたいなものがやっぱり背景にあると思うんですね。ギリシャとはそこが国民性が全然違う国なんだということだと思っているんです。そういうことを踏まえた上で議論しなきゃいけないというのが一点です。 それから、確かに国民の内部のお金のやり取りです。父親が変なことをやっているから、しようがないからワイフがお金を融通してやるということなんですけれども、離婚するケースだってあるわけですよ。それから、スウェーデンの場合もそうですけれども、国債の大半は実は金融機関が保有しているんですね。スウェーデンが年金大改革のきっかけになったのは、実はスカンディアという保険会社が国のもう国債をこれ以上引き受けられないって拒否したところから始まったんですよ。日本の金融機関だって株主後ろに控えていますから、いざとなればいろいろなことをやらなきゃいけないところへ追い込まれる事態というのは当然考えなきゃいけないと思うんですよ。
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過しておりますので、おまとめください。
○参考人(高山憲之君) その点について再度お考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○中村哲治君 時間が参りました。終わります。 ありがとうございました。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。 本日は、五人の参考人の皆様、お忙しいところ御高見を伺わせていただく機会をちょうだいしまして、誠にありがとうございます。 まず、菊池参考人にお尋ねいたします。 まさに我が意を得たりというような陳述をしていただきました。本当にありがとうございます。私も日本経済復活のためには大々的な、特に投資が必要だというふうに考えております。私自身これまでも、金額がたまたまですが一致しましたが、百兆円の経済復興基金、こういったものでしっかりと新エネルギーの開発ですとかあるいは研究開発投資、できるだけ、政府がお金を使うといいましても、財務情報をきちんと開示してその投資の効果を測定できるように、できれば資本市場を通じてしっかりとした財務情報の作成と監査等々を行っていく必要があると思っております。 特に、私自身は以前、国会議員になる前、大学の教員をやっておりまして、菊池先生と何か並んで一度答弁したような記憶もあるんですけれども、私は社会会計というのをやっておりまして、とにかくやっぱりデフレから脱却する、マネーストックを増やしていくというためには、中央銀行を含む金融システムの外に貸付けなり投資なりが行われていかないと、その連結といいますか、金融システムを全部連結したその負債の側ですね、貸し方の総量がまさにマネーストックということになりますので、それをどう増やしていくのかということを我々常に考えて議論しなくちゃいけないというふうに考えておるところでございます。 そういった意味で、菊池先生のおっしゃいますような投資をまずしっかりやって、日本経済をデフレから脱却させていく、そして成長軌道に乗せていく、それによる増収でもってまず日本経済を立て直した上で、今後の社会保障の財源等について考えていくという方向性は大変大事だと思っております。 菊池参考人にお尋ねしたいのは、とはいいましても、今、日本の経済、大変悪い状況にあるのは確かでございます。ここ二十年間のトレンドを見ましても、経常収支は一応黒字をずっと保っておりますけれども、国民経済計算で見ますと、貯蓄・投資バランス、貯蓄も減っておりますし、ずっとトレンドとして減っております。また、投資も減ってきておる。日本経済の稼ぐ力というものがなくなってきておりまして、恐らく数年のうちには、今既に貿易赤字大変大きくなってきておりますけれども、経常収支も赤字になる可能性が取りざたされております。 そういった中で、国内のやはり資金需給といいますか、こういったものが逼迫してきますと、どうしても悪い金利上昇というのも起こってくる可能性もあろうかと思うんですけれども、その辺、私はしっかりとした投資をやるべきだという考えは共通なんですけれども、今の日本経済のリスクについてどうお考えになるのか、お尋ねします。
○参考人(菊池英博君) お答えします。大変いい御指摘でございます。 まず、投資、私は五年、百兆というふうに申し上げました。財源もそこにちゃんと明記いたしましたとおり、まず、最初は二十兆ずつやっぱり毎年出して、主として一番のポイントは投資が足らないということ、まさに御案内のとおりです。 それで、先生今御指摘のとおり、日本経済はデフレが一段と進んでおります。これは菅デフレ、菅・野田デフレなんです。いや、事実そうです。統計ではっきりしています。GDPデフレーターは二〇一〇年に二%、これはついこの間あった内閣府のデータ。これは史上最大のデフレ率です。それが今年になって恐らく、野田さんこんな増税、増税うたっているから、もっと進んでいると思います、実態は。もう国民は本当に萎縮していますよ。 それで一方、貯蓄率というのは、さっきちょっと下がっているようなことをおっしゃいましたけれども、上がっています、事実。若い人は最近貯蓄しているんですよ、将来が不安だから。したがって、金融資産もどんどん増えてきていますし、対外的な投資も増えている。それから、さっき御案内申し上げたとおり所得収支も。 それから、まず経常収支についてお話ししたい。貿易収支はちょっとこの前赤字みたいになってきましたけれども、でも、所得収支の関係で、経常収支が赤字になると私は毛頭思っていません。必ずこれはプラスですから。そういう意味では対外的には心配ありませんし、基調は円高です。これははっきり認識しておいた方がいいです。 それからもう一つは、国内の金融資産はどんどん結局増えている。今民間に幾ら金を緩めたって、私は元々銀行屋ですから、東京銀行に長くおりましたからね、銀行屋ですから、幾ら今銀行で借りてください、借りてくださいと言ったって、借りてくれませんよ、デフレでリスク取って商売できませんから。 ですから、これは歴史が証明するとおり、もうこういう恐慌型デフレのときには政府が投資リスクを取って必ず投資をする、そして民間を誘い出すんです。民間には投資減税する、さっき申し上げた。そういう形をして投資を拡大して考えていく、こういうことです。 それで、金利が上がるかどうかですね。金利は、私はもうほとんど上がらないと思う。 まず第一に、大恐慌とか昭和恐慌のときなんて、特にアメリカ大恐慌が一番いい例ですけどね、ルーズベルトが就任して、それで思い切って公共投資を出してニューディールをやりました。そのときにはこういうことをやったんですよ。中央銀行とタイアップしまして、今日例えば一千万ドル起債するよと、そうすると中央銀行が一千万ドル市場からお金を買い上げるんですよ、既発債といって既に出ている。 だから、市場の金利が上がるか下がるかということは、市場にあるそのお金ですね、量が、供給と需要がバランスしていけばいいんです。そういうことをやって、アメリカでは実に一九三三年から四七年の間、短期は〇・三七五、長期は二・七五でずっと安定していたんですよ。可能なんです、そういうことは。日銀でもそうですよ。今、盛んに日銀たたいて金融緩和しろ、緩和しろと言うけれども、これだけじゃ駄目なんです。 だから、必ず財政主導で、そして金利の上昇も心配ありません。それから金融貯蓄・資産が増えてきていますから、日本のこれでデフレ解消するよと、こういうふうにやるよと言えば、必ず株なんか上がってきますよ。帰ってくるんですよ、海外の、みんな。損してまで日本人は海外のドル買ったりなんかしようとは思っていないんです。日本がデフレ政策取って、しようがないから出ている。それみんな帰ってきます。だから、そういう金利上昇なんていうことは全く心配ありません。しかも、そういうふうに中央銀行と政府がきちっとタイアップしている方がいい。歴史が証明しています。
○桜内文城君 大変力強い御答弁、ありがとうございます。 おっしゃるとおり、私も投資が大変重要だと感じております。今回のこの委員会でも、名前の示すとおり、税と社会保障ということで、社会保障のためにデフレ政策の極致でもあります増税をしようということだと私は理解しておるのですけれども、その社会保障分野にお金を使うこと、もちろん福祉の観点からいえば必要だとも思うんですけれども、今の日本の社会保障の仕組み、基本的には医療それから介護、まあ介護の場合民間もう参入しておりますけれども、特に公的年金と医療に関しましては、特に医療は、価格を政府が決めているような状態でして、また保険料率というのもほぼ法律なりで決まっていっていると。実際、国民経済計算の上では、GDPを生み出す生産勘定にはこういった保険料ですとか社会保障支出というのはもちろん載っておりません。ですので、余り社会保障というのを強調するということは、かえって日本経済をまた弱めていくんではないかと。特に、その財源を消費税の増税によって賄っていくという考え方は、まさに日本経済を僕は殺してしまうようなことじゃないかと思っております。 菊池参考人から是非その辺のお考えをお聞きしたいのと、恐らく反対のお考え方をお持ちの橘木先生にその辺について反論があればまたお聞きしたいと思います。お二人にお願いします。
○参考人(菊池英博君) 一番の根本は、やっぱり社会保障費というものをまず現在増税で求めなきゃいけないかどうか、先ほど中村先生も盛んにそのことをおっしゃっておられましたけど、そういうことですから。 私の基本的な考え方は、まず、先ほどから申し上げているとおり、デフレをまず脱却して、経済をまともな成長路線に戻すべきだと。これ時間掛かりますよ。昭和恐慌でも思い切ってやって、デフレ解消には三年ぐらい掛かって、大恐慌は思い切ってやりましたけれども、それでもなかなかデフレ改革には三、四年掛かっています。でも、それをまず優先すべきです。そして、そういう経済の成長の中からちゃんと財源を得ることですね。そして、その配分になって、これが社会保障にどういうふうにまとめていくかということになると思います。ここら辺に来ますと、少し意見が分かれるかもしれません。 しかし、私は、日本というものはこれだけ疲弊してしまったと。やっぱりこれからひとつ国家理念をしっかり立て直すべきだと。国家理念としては、社会大国、福祉大国という形で結局安定していくべきじゃないか。事実、ヨーロッパがそうなんですよ。一九八〇年、九〇年代で、アメリカはレーガンでグローバリズムで徹底的にああいうふうにやってきた。そこでヨーロッパを守ろうと思って、ヨーロッパ、ドイツ、フランスが特にやったことは、社会保障大国にしようということです。事実、予算支出はずっと増えています。ですから、日本もやはりそういう方向付けは必要じゃないのかなと。 ただ、それに基づくその前の財源、それは消費税に頼るんじゃなくて、国民から召し上げるんじゃなくて、ちゃんと経済を成長させて、金は幾らでもあるんですから。金はうなっているんですよ、日本は。幾らでもある。日本人のこの預貯金を日本のために使う政策を取ればいいんです。使わない政策ばかり取っているからこういう惨めな国になるんです。発想の原点はそこです。成長にないなんていうことは全くの、私に言わせていただければ、こちらの先生に失礼ですが、全く間違いです。これ敗北者思想です、これは。日本はいつの間にかこんなにだらしのない国になったかと思いますよ、はっきり申し上げて。何か語弊があるといけませんけれども。 ですから、そういうふうにして、ひとつ空気を思い切って変えなきゃいけませんね。先生、御指導いただきたいと思います。
○参考人(橘木俊詔君) 敗北主義と言われました。 私は、華麗なる退出というのもあってもいいと思うんですよ。もう日本は、国民が少子高齢化を選択したんですよ。これ、国民が選択して、もう商品需要もなくなるわ、労働力も不足するわという選択を日本人がしたんだから、もう高成長は半分諦めたと。私は、一%、二%の経済成長率が日本に期待される水準だと思っているんですよね。ネガティブの成長率は困ります。ネガティブの成長率は、それは生活水準が下がりますから、これは絶対に避けないかぬけど、生活水準が下がらない限りにおいては、ここ成熟経済に至った日本社会においては、一、二%の経済成長率を達成するので十分ではないかと。それを敗北主義だと言われるんだったら、甘んじて受けます。 まあ、日本の経済、四%、五%という高成長は、私は不可能だというふうに判断しております。
○桜内文城君 最後に、岩本参考人にお尋ねいたします。 大変良い資料をまとめていただきまして、ありがとうございます。大変勉強になります。 これ見ますと、国債及び借入金ということで、残高が九百六十兆円程度というのが一番表に付いておりまして、それが大きいか小さいか、もちろん純債務で見るべきじゃないかというお話、よく分かります。 ただ、この特別委員会、税と社会保障ということで、社会保障分について、見えない債務といいますか、暗黙の債務といいますか、社会保障基金、資産としてあるように見えますけれども、実際には、政府が既に厚生年金等々、保険者という立場で約束している債務という巨額なものがあるんです。これをどう処理するのかということを、私は昨日のこの委員会で、積立方式に移行して過去給付債務、過去勤務債務を長期にわたって償却していくという案を提示させていただいたりしておるところなんですが、要は、過去給付債務だけでも一千兆円超えたりしているという数字が厚生労働省から言われております。そしてまた、それを超えて、賦課方式ですので、将来にわたって、その将来勤務債務といいますか、それも含めていえば二千兆円超えるような数字となっております。 ですので、ここに出ておるその九百六十兆円に加えて、そういったものをどう処理していくのかというのを考えたときに、余りこの数字だけ見て楽観するのもいかがなものかなというふうに考えるんですけれども、先生のお考えをお聞かせください。
○参考人(岩本沙弓君) 債務の数字、いろいろ出てきまして、どれが正確なものというのはなかなか国民の皆様にも分かっていないと思うんですね。その中で、一番典型的に言われますのが、こちらの今資料でお渡しした一枚目、二枚目の数字でございまして、非常に象徴的に一千兆円という言葉を皆さんおっしゃいますので、今日はその点にあえて絞ってお話ししたつもりです。 非常に大まかな、個別のことを申し上げますと時間もございませんので、大まかな話だけになりますけれども、例えば一千兆円というふうに今ざっくり言った中で、その中で、政府短期証券で外国為替の介入資金に使うものがいつの間にか百九十五兆円にまで増やされているという状況がございます。これはもう皆さんの認識と一緒だと思うんですけれども、片や国民に税負担を求めながら、もう一方で出ていく方のお金をこれだけ一気に増やしてしまうんであれば、今年が例えばその介入をこれだけ大規模にやるとは申しませんけれども、それは分かりませんけれども、政府がどんどんお金を使っていってしまう状況がある中で、幾ら税収を上げようとしても、結局財政は健全化しないと。であるならば、その歳出の部分も見直された方が、まずそこの議論をされた方がよろしいんではないかと。外国為替市場にいた者としての切り口でございます。
○桜内文城君 どうも、時間が来ましたので、これで終わります。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 今日は参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 国民のまだ多くが増税に反対の声を上げておりますし、将来の税金の在り方を超えて、こういうデフレのときに上げるというのは本当に大変なことになるというのが、特に中小企業団体などを中心とした大きな声がございます。ただ、財務省は、増税をしても、駆け込み需要とその反動というものがあるけれども、経済に対する影響は限定的だということを繰り返しておるんですが、私はやはり内需を冷え込ませるという大変大きな影響があると思っております。 その点について、菊池参考人と橘木参考人からそれぞれ御意見をいただきたいと思います。
○参考人(菊池英博君) まず、このデフレの日本で増税をすると一体どういう経済効果があるかと、これについて手元の資料を御覧いただきますと、右下の八と九に実はデータがございます。 まず、この八を御覧いただきますと、消費税五%引上げのGDPへの効果でございますね。これは、DEMIOSモデルという、宍戸駿太郎先生という、筑波大学の副学長もやられた元経済企画庁の審議官で、こういうマクロモデルの世界的大家です。この方が推測されている。 これによりますと、まず五年間で大体GDPの額が四十から五十兆落ちます、マイナスになります、経済的に。一年目ぐらいはさっき先生言われたようにちょっと上がるかもしれません、落ちが少なくなる。二年目からぐんぐんぐんぐんとして、これはもう本当にどんどん利いてきます。ですから、GDPデフレーター、我々の給料が減り、企業の所得が減るんですから、税収は減ってきますよね。だから、これは本当に、さっき申し上げたイタチごっこです。 それからもう一つ、なぜ財務省がこういうことを公然とやっているのかといいますと、これは、右下の九という資料があるんです。これは大変面白い資料でして、京都大学の教授の藤井聡先生が参議院の予算公聴会、今年の三月二十二日に公述されているんです。私は藤井先生とよく一緒の研究会をやっていますからよく分かります。 この冒頭、こう書いてあります。消費税五%引上げの経済予測。挙動不審の内閣府モデル。平均モデルはいずれも、一〇%の消費税増税でGDPが四から六%毀損すると。つまり、五年でですよ、五年で四から六%毀損する。これ、日経NEEDSだとかDEMIOSとか電力経済研究所とか、いろいろ民間で有名なんです。ところが、内閣府モデルだけは上へ上がっておるんですよ。これは、本当に失礼な言い方ですけれども、実情を反映していない恐るべき事態ですよ。こういうことで国民をだまされたんじゃ、本当にかなわない。 だから、これ、本当に国会議員の先生方、しっかりしていただきたいんです、本当に。こんなモデルを、これ財務省、今内閣府というのは財務省の方が次官ですから、そこで当然出されたんでしょう。それで、藤井先生という方がこういうことを出して、しかも藤井先生は自民党の推薦でたしか参議院の予算委員会にいらしていますよ。ですから、こういうふうにきちっとした指摘をされておられるんですから、これは余りにも、いかに国民がだまされているかということはこういうことなんです。 ですから、本当にマクロ経済的には大きなマイナスになります。
○参考人(橘木俊詔君) 何度も繰り返しますが、ここ二十年、デフレ脱却、景気回復、もう言われ続けていたじゃないですか。私はもう万策尽きたとは言いませんが、それ言うと皆さんからビーンボールが飛んできますのでそこまでは言いませんが、繰り返しますが、一、二%の成長率は欲しいというのが私の個人的な見解でございます。 それと、最後の質問で、消費税アップは小企業の方に非常に過酷な負担を強いるというのは私も同感でございまして、例えば、消費税掛かったときに、小企業の人が取引するときに価格上昇の転嫁をうまくできるような手だてを是非とも国会議員の先生方の知恵を絞って、私はもう法律なり規制なりを考えていただきたい。小企業はやっぱり潰してはいけませんので、そういう案を私は是非ともお願いしたいというふうに思います。
○井上哲士君 確かに、この二十年間を見ますと、例えば前回消費税上げたときのGDP、九八年で五百十二兆が二〇一〇年で四百八十一兆になって、縮こまっているわけですね。これは私、少子高齢化で仕方がないことで、万策尽きてこうなっているとはとても思えないわけであります。やはり内需がこの間ずっと冷え込んできたという、やはり経済政策の誤りのあった結果だと思うんですね。 この間、GDPはこういうふうに小さくなりましたが、逆に大企業の内部留保というのは百四十三兆から二百六十兆に膨れ上がっております。同じ時期に、労働者の正規から非正規が進み、そして、正規労働者についても賃金が下がるということが並行して起きて、つまり、国民の懐はどんどんどんどん寒くなる政策をやられたのに、大企業を中心に内部留保が増えていったと。こういうことが冷え込んだ結果であって、私は、ここを転換をすればきちっと成長の軌道に乗り、それによって財政をつくり出すことができるというのが私どもの基本的な財政論の柱であります。 そこで、高山参考人にお聞きいたしますが、この非正規労働者の拡大であるとか、そして正規労働者の賃金も減っているということ、先ほどの陳述の中でもありました。これは、社会保障の担い手そのものも減少させているわけですね。非正規が増える中で国民年金の掛金を払っていない方が非常に増えておりますし、それから保険料の額自身が正規の給料が減る中で減るということになってきております。 そういう現状があるから、だから、例えば給付の減とかそういうことではなくて、やはりここ自体を正すということが私は必要だと思うんですね。日本のこういう非正規中心という労働状況というのは国際的にも非常に異常なわけですから、むしろ、きちっと内部留保もしっかり持っているわけですから、拡大してきたわけですから、社会的責任を果たしてこの社会保障の担い手を拡大をしていく、そういう労働条件を拡大をしていくと、こういうことを企業にもしっかり求めていく、そういうことが必要かと思いますが、その点いかがでしょうか。
○参考人(高山憲之君) 企業は、言わばゴーイングコンサーンとして生き続けなければいけません。激しい国際競争下に今の日本の企業みんな置かれているわけですよね。バブルの時期にいろいろな意味でコストが大きくなり過ぎた。その一つが人件費だったわけです。企業は生き延びるために人件費を節約せざるを得なかった。そういう中で、正規労働者の雇用を厳選し非正規を増やした、あるいは正規の人たちの賃金カーブをフラット化したと、で、生涯賃金を下げちゃった。非正規の人は、雇用を非常に不安定なものにさらされている人が多いわけですね。そういう中で、おっしゃるように内部留保を厚くした企業があったことは事実だと思います。 ただ、今後の展開で、日本の雇用をどうやって安定的なものにするかというのは、やはり国内企業の力に懸かっているわけですね。 例えば、いろいろな意味で、また企業に負担を求めるということをすると、またいろいろな意味でコストが上がってしまう。それが、企業が生産基地をまた外国に移してしまうとか、そういうような形で雇用にまたある意味では反作用といいますか、そういうような形で返ってくる。まあゴムまりみたいなものです。こっちから押すとやっぱりこっちから返ってくる力があるということですね。 そういうことを考えると、なかなか、確かに私は雇用の安定化、特に若い人に着目していろいろな手を打っていただきたいというのは声を大にして申し上げたいんですけれども、それは、今までの雇用慣行、日本に合った雇用慣行を見直すとか、いろいろな労働規制、今のままでいいのかどうかとか、その他いろいろあると思いますけれども、あるいは教育から就労へのつなぎをどうするかとか、新しい問題、今出てきておりまして、その辺いろいろなことが必要だと思っていますけれども、いずれにしても企業は生き延びていかなきゃいけない。その企業が雇用の主体であるということを踏まえると、なかなかおっしゃるような形にはならないんではないかというふうに危惧をしている次第です。
○井上哲士君 我々はもちろん、企業が潰れるようなことをしろと言う気は毛頭ありませんし、この間本当に増え続けてきた内部留保のごく一部を取り崩すだけで雇用に回せるということを申し上げてまいりました。むしろ、生き残るために必要だということで、賃下げや、要するに低賃金労働をはびこらした結果、国内需要が冷え込んで、お金があっても投資先がないという悪循環に陥っていると思うんですね。 菊池参考人は、法人税の最高税率引上げということも先ほど陳述されましたけれども、私どもは、今むしろ引き下げるということについてはやめるべきだと、それからいろんな優遇についてもやめるべきだということを申し上げておりますが、そうしますと、企業が外に出ていくというようなことの反論も必ずあるわけです。 ただ、いろんな輸出関係のアンケートなどを見ておりますと、やっぱり企業が外に出ていく一番の理由は、そこに需要があるからなんですね。つまり、海外には需要がある、しかし国内には需要がないということになっている。その原因が先ほど言ったような国民のやっぱり物を買う力が弱まっているという、これは悪循環になっていると思います。 こういう法人税の引上げをすると企業が外に出ていくとか日本経済にマイナスになると、こういう議論について御意見をいただきたいと思います。
○参考人(菊池英博君) まず、経営者の方々、特に大企業ですね、大企業の方々、経団連だとか経済同友会の方々は、一種の脅しとしておっしゃるのが、法人税を下げないと私海外へ行くよと。法人税を下げなくたって海外へ行きますよ。行かざるを得ないんです。 まず、法人税を下げても、といいますか、今、日本で一番の問題は、やっぱり国内の雇用が少なくなる、内需が減っていくということでしょう。経済の規模が縮小する、デフレが進んでいく、それに対する対策がどうかということなんですよ。じゃ、その一環として法人税を下げたら、それどう思っているか知りませんよ、しかし法人税を、いやしくも、私は、民主党政権があの今年の三月の、東日本の危機とパッケージでされるとは夢にも思いませんでしたよ。これははっきり言って、民主党政権の皆さんには悪いけど、国民に対する背信行為です。いや、本当にそうです。 法人税を下げたところで、この金は結局今どうなるかといいますと、この金は結局、国内に投資をされればいいですよ、すれば雇用が生まれます。しかし、一回法人税を下げたときに、その法人税は、結局、今までの過去の例を十年見れば分かるんですよ。企業の内部留保、役員報酬の増加、配当の増加に吸収されてしまう。それで、ましてや国内がデフレが進んでいきますから、結局外へ出ていかざるを得ないんですよ。それで、出ていくということは、私はある程度はもう、先生おっしゃったとおり人件費が低いからですよ、法人税は関係ないです。これは野口悠紀雄さんという大蔵省のOBの方がさんざん指摘されています。これ、大変な正論です。 ですから、それで問題は、じゃ、内需が減っていくじゃないかと。だからこそ、内需拡大策を思い切って取らなきゃいけないんですよ。それによってデフレを解消する、そして経済の規模を大きくする。そうすることによって結果的には、まあ出ていくのはいいですよ、結局入ってきた収入とかそういうのは国内のために使うわけです。国内に投資をする。それで、さっき申しましたように、デフレのときは政府がイニシアチブを取らなきゃいかぬからそれをやる、そうすると民間が出てくる。それから、内部留保でもたくさんありますよ。それで、国内のデフレが解消方向に向かえば、企業はおのずと国内にも投資をしてくるんです。これはトヨタの人なんかもはっきり言っていますよね、トップの人なんか言っています。 ですから、これもやっぱり結局一種の敗北主義なんですよね。結局、デフレだと、海外へどんどん出ていくと、国内は法人税下げなきゃいかぬとかもう内需は出てこないという意見は出ますけど、そうじゃなくて、必ずそれを克服する手は具体的にあるわけです。だから、それを取ってデフレを解消して規模を大きくする。 それで、そういうふうに規模を大きくしていく過程で、さっき出た非正規社員の問題でも、やっぱり企業は正規社員というのは必要なんです。ということは、技術を長く伝承していかなきゃいかぬ、技術教育をしていかなきゃいかぬ。これは企業にとっては命ですからね。だから、中小企業の人でも、こういうことがだんだんと、採用できないのは非常に残念だとおっしゃる。 だから、そういう形を取れば必ず正規社員も増えてくるし、それから、これは一種のやっぱり減税するならば、法人税を下げるならば、国内に投資して、国内の正規社員を雇えば減税するという投資減税を取ればいいと思います。実はこれ、韓国やっているんですけどね。それが私の意見です。
○井上哲士君 結城参考人にも社会保障問題をお聞きしたかったんですが、もう時間僅かであります。自助、共助、公助ということが強調されていますけど、結果としていわゆる助け合いということが強調され、社会保障の理念が崩れるんじゃないかという危惧が出されております。その点だけ簡潔にお願いします。
○委員長(高橋千秋君) 結城参考人。時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
○参考人(結城康博君) 一言だけ。 やはり、自助と互助はかなり減退しておりますので、私は、公助、共助、是非強めていくべきだと思っています。 以上です。
○井上哲士君 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今日は、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 まず初めに、菊池参考人にお聞きをいたします。 エコノミストの記事を拝見をいたしました。日本は消費税が高い、高いと言われますけれども、あっ、ごめんなさい、低い、低い、低いと、五%だ、ヨーロッパは高いと、スウェーデンは二五%だと言われておりますが、菊池参考人御指摘のとおり、主要国の国税収入全体に占める消費税の割合は、日本は決して低くありません。もし一〇%に消費税を引き上げると、国税に占める割合が三七%になると。つまり、消費税、だから広く薄く取れるところから取るみたいな、何か電気料金の家庭の負担率が九割みたいなのと同じで、文句言わないところから、もうみんな文句はあるんですが、広く薄く、献金くれないところから大量に取るという、これは許せないとか思っているんですが、いかがでしょうか。
○参考人(菊池英博君) 皆さん、お手元の資料の右下十三ページを御覧いただけますか。ここに今、福島先生が御指摘をしたリストが出ております。実は、これは主要国の国税収入に占める消費税の割合というものを比較したものです。先ほどから、実は日本は消費税が五%で低いと、海外はもっと高い、だから増税をすれば、することが余地があるんだろうと、これが国債の信用に影響しているというような意見がありますけれども、これは私は海外へ行って聞いたことありません、一度も。それから、格付会社が出している中身でもその種の表現はありません。一番の問題は何かというと、結局、日本の経済成長が途絶えているということなんです。それが端的にここに表れています。 まず、御覧いただきますと、日本の消費税は、ここでは四%、国税ですね、そうしますと、これが国税収入全体に占める消費税の割合は二四・四%。例えばスウェーデンは二五%といいますね、最高が。ところが、国税全体に占める消費税の割合は一八・五ですよ。二五%の消費税の国が国税全体については一八%にしかすぎないんです。日本は四%なんだけれども二四・四。これ、何を表しているかというと、二つあると思います。 一つは、デフレで法人税とか所得税が上がらないと。だから、消費税のウエートが高くなると。それからもう一つは、海外では消費税は、さっきから出ておりますように、商品別に随分格付があるんですよ。スウェーデンなんか私つぶさに見ましたけれども、二五%が適用されるような商品というのは一パーか二パーしかありません。ファーコート買ったとか、あそこ寒い国だから。そういうところしか当てはまらない。だから、日本は実態をよく分かっていないんですね。 それで、これから言えることは、やっぱり法人税、所得税が低過ぎると。だからデフレをもっと解消して、法人税、所得税を上げることが先行するということがここではっきり表れています。これを一〇%にすると三七%になる。これは衆議院の予算委員会で安住大臣がおっしゃいました。そうすると、全世界の中で最高になります。これはある意味では非常に恥ずかしいことなんですよ。世界一の債権国で金は幾らでもあるでしょう。自分のために自分の金を使わないからこんな惨めなことやっている、ばかな国だねと。本当ですよ、これは。 私はニューヨーク行ったり、ワシントン、来週からECBにも行きますけれども、ドイツの人なんか本当にそう言っていますよ。本当に、向こうの言葉で言うと、愚かだなと、笑い物ですね、ラフィングスティックと言うんですけれども、笑い物になっています。本当にここによく表れております。是非、デフレ脱却優先、消費税はその後、それをがっちりやっていけば社会保障費というのは出てきますから、消費税引上げは必要ありません。
○福島みずほ君 社民党は、例えば今の日本の社会の大きな問題点は、格差の拡大であり貧困だと思っています。雇用の破壊であり、内需がなかなか拡大をしない、生活が壊れたということが今の日本の社会の一つの問題点だというふうに考えております。 ですから、消費税は格差をやはり拡大をする、それと貧困をやはり拡大をする。今の日本が抱えているある種の病巣、病気を拡大するから良くないというふうに思っております。それについて、岩本参考人、菊池参考人、いかがでしょうか。
○参考人(岩本沙弓君) そうですね、消費税が専門というわけではないんですけれども、国際金融の現場からということでお答えいたしますと、やはり今は経済格差、よその国から比べたらまだ日本は格差が少ないと言われていますけれども、それでも非正規労働者が増えております。それから、年収が二百万円、三百万円以下という方がかなり増えていらっしゃる。そういう中で五%というのを一律に課税されてしまいますと、生活が大変苦しくなるという方がいらっしゃいますので、余計経済は収縮方向に行ってしまうと。もう少し全般的に見直しが必要じゃないかと思っております。 国民の皆さんも、消費税を払う分にはいいんだと。でも、実際に本当に自分の将来に返ってくるのかどうかというところが今非常に不安だと思いますので、その辺の不安が払拭できればと思っています。
○参考人(菊池英博君) まず、消費税を引き上げることに伴って先生がおっしゃった格差がどうか。実は、最近、ついこの前、こちらにいらっしゃる橘木先生と一緒に、格差を越えてという論文集を、私も参加させていただいたんですよ。橘木先生は格差問題の専門家でいらっしゃいます。それで、その方も私、勉強させていただきました。 私が思いますことは、まさに先生のおっしゃるとおり、格差はどんどん拡大しています。非常に憂慮すべきことは貧困率なんですよ。貧困率が、実は日本は一五%、アメリカ一七%、主要七か国の中で米国に次いで高い。貧困率といいますのは、御存じと思いますけれども、所得の半分以下の人の層が全世帯で何%かと。実は日本は一五%になっています。アメリカは一七%です。世界一の金持ち国が貧困率が一番高い、アメリカ。まねすべきでないあの国に近づいているんです、貧困率が。これは本当に恥ずべきことです、国際的にも。 ですから、結局、先ほどから申し上げているように、貧困率がなぜ生ずるかというと、デフレだから弱者にどんどんどんどんしわが寄っていくんですよ。いつ首になるか分からない、いつ雇用されるか分からない、それで、その結果こうなっているんですね。だから、まさにデフレを脱却することを優先しなきゃいけないということが第一。 それからもう一つは、消費税そのものについては、先ほども申し上げましたけど、これ重大な欠陥税なんです。これは野口悠紀雄さんという大蔵省出身の方が再三書いていらっしゃいます。最近も週刊ダイヤモンドに、再度申し上げるといって欠陥税と書いています。ヨーロッパが消費税といいますか、こういう付加価値税が定着しているのは、このインボイスが完璧にできているからです。ですから、このインボイスができていれば、そうすれば最終的に、トヨタが輸出したと、そこにトヨタに消費税が還付されますね。そうすると、インボイスに従って下の段階で幾ら払ったよというと、トヨタに還付されたお金は全部戻るんです、金券が残っていますから。日本は、これは制度化されていません。再三言うんだけど、財務省がやるのかどうかね。これはどうしてこんな不公平が起きるのか。 ですから、消費税が導入されればますます格差が激しくなりますし、しかもですよ、しかも、そういうふうにして物づくりの最初の段階から、勢力的に弱いところにどんどんしわが寄って不公平税制が拡大していくんですね。これは恐るべきことです。絶対にこんな消費税は通すべきじゃないと思います。 改めて申し上げますよ。民主党の皆さん、あなた方、これね、全員反対してください。それがあなた方が国民に約束した信義ですよ。皆さん方に一片の政治家としての良心があるならば、全員反対していただきたい。これ……(発言する者あり)自民党じゃない、皆様方が提案するわけだから。
○委員長(高橋千秋君) 質問者に対してお答えください。
○福島みずほ君 社民党も富裕層から取るべきだと、不公平税制の是正をやるべきだと、消費税を上げることは、今、日本の社会が持っている貧困の拡大や自殺の増加をむしろ悪くすると、要するに問題と処方箋が逆転するので駄目だというふうに考えております。 次に、結城参考人にお聞きをいたします。 現場を踏まえたいろんな御提言は本当になるほどと思う部分がたくさんありました。社会保障を担うシステムのところで企業の役割を維持していくという部分など、現物給付型に傾斜した部分など、大変そのとおりだと実は思っております。 企業の役割を維持していくという部分について、ちょっと一言御説明をお願いします。
○参考人(結城康博君) 基本的には正規職員化していくということです。 企業がきちっと非常勤職員ではなくて正規職員にすることによって社会保険というセーフティーネットに一定程度の労働者が入れるということなので、私はかなり終身雇用制度というのは非常にいい制度だと思っておりましたので、そういう意味で、今の企業の減税をせずに、できるだけ正規職員を採っていくという意味を言っています。 以上です。
○福島みずほ君 また、結城参考人の軽減税率の部分は、社民党は消費税増税に反対ですが、今回、軽減税率すらパックじゃないんですよね。で、一律に課していくというのが、先ほど菊池参考人がおっしゃった、日本が消費税の国税に占める割合が高くなっている理由だと思います。 結城参考人、消費税を軽減税率など一切伴わず逆進性をそのままにして課すことに関してどうお考えでしょうか。
○参考人(結城康博君) 私は、軽減税率というか複数税率を用いなければ、お金を必要なものに転換しなければいけませんので、それはやっぱり極力、今その潜在能力がやっぱり落ちている人が多いので、私はもし入れるのであれば是非複数税率を入れていただきたい。確かに事務は煩雑です。 やはり消費税、ほかの税であればいいんですけれども、今現場は一日一日困っていますので、現政権はペイ・アズ・ユー・ゴーの原則があったものですからなかなか難しかったんですけれども、もう消費税が上がるというんであれば、是非充実の方に一歩でも近づいて現場のために使っていただければと思います。 以上です。
○福島みずほ君 社会保障制度改革推進法案の中身の自助、共助、公助、あるいは家族相互ということ、社会保障費の抑制、それから生活保護不正受給についての、という記述などが社民党は問題の余地を残していると思っています。 先ほど結城参考人が共助や公助の機能を重視すべきだとおっしゃったことはそのとおりだと思っています。私は自己責任と言える人は強者だと。富裕層は自己責任で結構です。でも、普通の日本の人は共助や公助がなければやっていけない。私も保育園や学童クラブにお世話になりました。父も母も介護保険のお世話になったり、今なっております。社会保障や制度がなければ、私は働き続けることができなかったんですね。ですから、今度の社会保障制度改革推進法案で家族相互、家族相互でやれないから介護保険があり子育て支援があるのに、その強調に関して、とても社会民主主義政党としては危惧を持っております。 結城参考人、その辺はいかがでしょうか。
○参考人(結城康博君) 現在の政府がいろいろ書いてある資料の使い方で、充実分を約一%分使うということは、正直言うと余りサービスの充実がありませんから、共助、公助が増えるというのは非常に微々たる私は感じをしています。もちろんやらないよりはましですけれども、その代わり消費税が増えるということですから、先ほど僕が言ったように、七兆円のところをきちっと充実に使って共助、公助を増やしていく。特に共助も今限界が来ているので、公助というところも、実は日本の社会保障というのは社会保険を基軸にしていますけれども、私は社会福祉制度も非常に大事だと思っています。 以上です。
○福島みずほ君 消費税を五%上げれば十三兆円ぐらい入るかもしれません。いや、もっと少ないかもしれない。しかし、例えば輸出戻し税は、先ほど菊池参考人おっしゃいましたが、五兆二千億から単純計算で六兆円ぐらいになるかもしれない。そうすると、軽減税率も採用しないにもかかわらず、輸出大企業には莫大な還付金が行くけれども、国民の生活が壊れてしまうんじゃないか。消費税が誰にメリットを生じ、誰に痛みを生ずるかというところがポイントだと思います。 残された時間二分ですので、言いたいことおっしゃってください。
○委員長(高橋千秋君) 菊池参考人。簡潔にお願いします。
○参考人(菊池英博君) はい。 そのとおりでございます。今先生おっしゃられたとおりで、特に、非常に私は危惧していますのは、これによって、この消費税を導入することによって企業間格差もますます激しくなる。しかも、国内の雇用は劣化してきますよ。劣化という意味は、量的にも縮小する、なってくるんですね。それで大企業に富が一段と集中する。 ですから、今大体ざっと消費税の還付というのは三兆円です。トヨタだけでも、もうグループ全体では七、八千億円あるんですか、かなりあると聞いていますが、輸出企業はそれが今度倍増します。そして、それが、先ほどのように消費税が欠陥税であるためにその戻しが全然利かない。下の方の企業はどんどん泣き寝入りする。ですから、企業はどんどん廃業していくとか、もう雇用、人なんか雇う余裕なくなっちゃいます。これは大変なマイナス効果が起きると思いますよ、本当に。皆さん、本当にこれは大変、政治的に皆さん、大責任ですよ。 その点ははっきり、もう最後ですから、皆さんにもう一度申し上げますけれども、賛成をされる方はもう一度心から反省をしていただきたい。本当です。これは財政、そもそも財政危機というのは壮大な虚構です。虚構にだまされて、財源が幾らでもあるのに、その財源を日本のために使おうとしない。しかも、デフレ、デフレと言いますから、これはデフレ政策を進めているんですよ。
○委員長(高橋千秋君) 時間が経過しております。おまとめください。
○参考人(菊池英博君) 人口が減っているからデフレになっているんじゃないです。全く関係ありません、人口減には。その点を改めて認識して、ひとつこの採決といいますか……
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
○参考人(菊池英博君) 特にその点についてきちっと御決断を、政治家としての御決断をいただきたいとお願いいたします。
○福島みずほ君 どうもありがとうございました。
○委員長(高橋千秋君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会